第136回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号
平成八年六月十八日(火曜日)
   午前十時十七分開会
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   委員の異動
 六月十八日
    辞任       補欠選任
     北岡 秀二君     高木 正明君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         成瀬 守重君
    理 事
                木宮 和彦君
                楢崎 泰昌君
                風間  昶君
                萱野  茂君
    委 員
                板垣  正君
                尾辻 秀久君
                高木 正明君
                橋本 聖子君
                三浦 一水君
                小川 勝也君
                加藤 修一君
                高野 博師君
                星野 朋市君
                谷本  巍君
                照屋 寛徳君
                吉岡 吉典君
                武田邦太郎君
                島袋 宗康君
                奥村 展三君
   国務大臣
       外 務 大 臣  池田 行彦君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  中西 績介君
       国 務 大 臣
       (沖縄開発庁長
       官)       岡部 三郎君
   政府委員
       沖縄開発庁総務
       局長       嘉手川 勇君
       沖縄開発庁振興
       局長       瀧川 哲男君
       外務大臣官房長  原口 幸市君
       外務大臣官房審
       議官       大島 賢三君
       外務省アジア局
       長        加藤 良三君
       外務省北米局長  折田 正樹君
       外務省欧亜局長  浦部 和好君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    法眼 健作君
       外務省条約局長  林   暘君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        入内島 修君
   説明員
       総務庁北方対策
       本部審議官    大坪 正彦君
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  本日の会議に付した案件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (平成八年度沖縄及び北方問題に関しての施策
 に関する件)
○北方領土問題の解決促進に関する請願(第三八
 号外二件)
○北方領土返還促進に関する請願(第一五〇二号
 )
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
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○委員長(成瀬守重君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、北岡秀二君が委員を辞任され、その補欠として高木正明君が選任されました。
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○委員長(成瀬守重君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、平成八年度沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○楢崎泰昌君 外務大臣にお出ましを願っておりますが、北方四島について若干のお尋ねをしたいというぐあいに思っております。
 今、北方四島の問題は日ロ間の重要な外交課題として両国間に横たわり、かつそれが日ロ平和条約についての重要な眼目になっているというぐあいに承知をしております。
 たまたま今ロシアで大統領選挙が行われているようでございますけれども、東京宣言の扱いということが日ロ間の外交交渉の一つの大きな出発点になっているというぐあいに思います。エリツィン現大統領は東京宣言そのものに携わった方ですけれども、ほかの大統領候補と東京宣言についてどのような見解をお持ちになっておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 委員御指摘のとおり、ロシアの大統領選挙、昨日第一回の投票が行われまして、その結果、エリツィン大統領と、そしてジュガーノフ議長が極めてわずかな差で一位二位ということになっておりまして、これから両候補の間で決選投票が行われるんだと思います。その日程はまだ正確には決まっていないようでございますけれども、早ければ今月末、恐らく来月の前半ということになると思います。いずれにいたしましても、今後のロシアの動向を左右します。とりわけ、今御指摘の北方四島の問題さらには平和条約締結の問題に大きく影響するところでございますので、我々としては引き続き大きな関心を持ち、注視しているところでございます。
 そうして、この候補者の東京宣言に対する姿勢いかんという御質問でございますけれども、エリツイン大統領につきましては、さきに私が三月に訪ロいたしました際にお目にかかりました。また、四月に橋本総理がモスクワへ行かれまして、日ロ首脳会談を持たれましたけれども、そのいずれの場におきましても、エリツィン大統領の方から、東京宣言をきちんと確認して、その上に立って平和条約の締結の問題に取り組んでいこうという話があったわけでございます。そちらの方は態度は明確になっております。
 一方、ジュガーノフ議長につきましては、直接私どもとして確認したことはございません。しかし、報道によりますならば、東京宣言の精神は尊重すると、こういうことを言っておるというふうに伝えられておるところでございます。
 いずれにいたしましても、日本国政府といたしましては、東京宣言に基づきまして北方四島の問題を解決し平和条約の締結と、そういった方向に努力をしてまいりたい、とりわけことしは国交回復四十周年の節目の年でございますので、全力を傾注したいと考えておるところでございます。
○楢崎泰昌君 今、外務大臣がお答えになったとおりだというぐあいに思います。決選投票がどういうぐあいになるかということは我が国側からとやかく言う問題ではありませんけれども、いずれにしても、日ロ平和条約、北方四島問題解決に向かってさらなる努力をお願いいたしたいというぐあいに思っております。
 それの一つの足がかりとして、北方四島に対するビザなし渡航というのがございます。私も先般、五月二十五日から四日間かけて、北方四島のうちの国後島に訪問をさせていただきました。これは北方四島解決あるいは日ロ平和条約に向けての極めて細い狭い道であるとは思いますけれども、一つの手がかりとしてあるものだと思っております。これはどういう経緯でどういうぐあいになっており、これからどういうぐあいに外務省としてもお考えになるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) いわゆるビザなし交流でございますけれども、この枠組みは九一年十月に日ソの外相間の書簡の交換、これによって始められたものでございます。
 これの精神あるいは趣旨と申しますのは、領土問題を含む日ソ間の懸案の解決、そして要するに平和条約締結の問題が解決するまでの間にも相互理解の増進を図るためにいろいろ交流していこうじゃないか、そういったことを通じて、平和条約締結あるいはその前の領土問題解決といったような難しい問題についての環境をよくすると申しましょうか、そういった懸案の解決にも資する、あるいは寄与すると、こういったことをいわば目指しまして開始されたものでございます。
 自来、九二年から四年間実行されてまいりまして、もう既に累計で三千人を超す人が交流しております。そして、昨年からは国会議員の参加ということもあるわけでございまして、この五月には楢崎委員も北方四島においでいただきまして、相互理解の増進、またその住民との対話の上でも大きな成果を上げてこられたと承知しております。心から感謝を申し上げる次第でございます。
○楢崎泰昌君 三千人有余の方々が既に渡航をされて、その意義は非常に大きいものがあるというぐあいに思っております。私も、先ほど申し上げたように四日間をかけまして国後島に行ってきたわけでございますけれども、その間、向こうの地区政府とお目にかかり、また意見の交換も若干行い、若干という意味は、領土問題、平和条約についてがんがんやるというような性質のビザなし渡航ではないものですから、むしろ両国民族の間の友好を深めるというような方向でやらせていただいたわけでございます。
 感想として申し上げますと、民宿をさせていただいて大変アトホームな和気あいあいとした渡航をさせていただき、またある意味では、日本の北方四島の元島民の方、それから国会議員が顧問として参加をさせていただいたんですけれども、日本側の領土問題にかける熱意というものをやはり向こう側にもわかっていただいているなと。まあしかしああいう国ですから、領土問題について一言触れるとかっとなるというような感じもございましたけれども、一般的には非常にいい渡航であったなというぐあいに印象を持っている次第でございます。
 ところで、これはむしろこれの実施官庁としての総理府の方にお尋ねをしたいんですけれども、その北方四島に行くに際しまして、実は小さな船に乗っかって花咲港から出発をしたわけでございます。通常は六時間かかるよということでありましたが、実際はスクリューに何か網がひっかかったとかいって五ノットしか出ない船に乗っちゃいまして、花咲港から向こうの古釜布まで八時間ぐらい時間がかかりました。さらに、向こうに岸壁がないものですから、はしけに乗りかえて上陸をするということで、ほぼ十時間近い時間をかけて行きました。
 帰りは、花咲ですと少し時間がかかり過ぎるものですから、根室港までこれまた十時間ちょっとかかって帰ってきたということでございますが、我が国の国内ならば離島に行くのは船で行くのか飛行機で行くのかそれはわかりませんけれども、大体こんなに時間がかかったらヨーロッパまで行っちゃうんですね。
 元島民の方は、随分列をつくって渡航の順番をお待ちになり、そして十時間もかかって行くということはつらいわけですけれども、島民の方は、ああ行ってきたと。そして、あそこに日本人墓地がございますけれども、日本人墓地に参拝をいたしまして、ああよかったなという思いを、渡航時間が余計にかかるものですから余計に思い出が深いのかもしれませんが、普通ならそうじゃなくて、この文明の時代に飛行機で行くというのが普通だと思います。もちろん、総務庁の方でも実施官庁として御検討はなさっているんだと思います。
 私は国後だけしか行きませんでしたが、国後島は千二百メーターの滑走路を持つ民間飛行場がございます。伺うところによれば、択捉島も同じような規模の飛行場があるというぐあいに聞いております。現地で地区政府といろいろ、いや大変だね、この飛行場は使えるのかね、いや使えますよと。しかし千二百メートルですから大きな飛行機はもちろん無理なんですが、じゃ私どもの方でヘリコプターを準備いたしますと。聞きますと、択捉島に二十人乗りぐらいのヘリコプターが行く、それからサハリンにやはり同じような規模の飛行機を持っているのでそれを提供して乗っていただいたらどうだと。向こうの政府の言うことですから向こうの飛行機を使えということではあるんですけれども、いずれにしてもそのようなことを考えていただく必要があるんじゃないか。
 あるいは、私の乗りました船は十ノットの船で大変遅い船でございましたが、これも少し速い船を御準備いただく、民間の船かあるいは政府の船かわかりませんけれども、そのようなことも考えて、行く人の身になってみてくれということだと思います。
 幾ら時間がかかって、懐かしい、ありがたい、ありがたみが増すということであろうと思いますけれども、我が国の離島であるわけですから、離島といっても、あれは実はこうやって眺めると目の前に見える島なんですね。そういう島にそんな十時間もそこらかかるような、択捉島に行くには十八時間かかると言っていますよ。そんな近代にあるまじき、終戦後の日本と同じような状態に物を考えられては困るので、といっても向こうに着くと終戦後の日本と全く同じでございまして、堅固な建物は一つもないし舗装道路は一つもないという状態でございますから五十年前なのかと思いますが、やはりそのようなことを考慮して渡航者の便利を図り、そして北方四島との交渉がますます盛んになるように御配慮を願う必要があるんじゃないかというぐあいに思いますが、実行官庁である総理府の方はいかがでございましょうか。
○説明員(大坪正彦君) ただいま先生の方からビザなし渡航の交通手段についての御指摘ございました。現在は三百五十四トンという確かに小さい民間の船をチャーターして実施しているところでございます。これを先生、飛行機みたいなあるいはヘリコプターみたいなやり方ができないかという御提言でございますが、これにつきましては、あの地域の厳しい気象状況、あるいはそれに乗れる人数の問題、それからもう一つこれが一番大きい問題ではないかというふうに思うんですが、あの四島には今のところ宿泊施設が十分にはございません。今使っております船もそういうホテルがわりにして使っているような要素もございます。そういうようないろいろ問題点がございまして、単純に飛行機の利用というのは当面なかなか難しいんじゃないかなというふうに考えております。
 またもう一つ、大型化あるいは高速化というお話もございましたが、これにつきまして私どももいろいろ要望を受けておりまして、情報を今集めております。このビザなし事業に使います船といたしましては、先ほど言いましたホテル機能がどうしても必要でございますので、厨房施設あるいは宿泊施設、さらには規模的にも向こうの状況を考えますと、大きければいいというものではなくて、ある程度の適正規模のようなものが必要ではないかなというふうに考えておりますが、残念ながら今のところ国内にはそのような船は今使用している船以外にはないというふうに聞いております。この辺につきましては、さらにいろいろな情報を集めながら研究してまいりたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、ビザなし交流事業は先ほど先と言われましたように狭い細い道を歩んでいる状況のものでございます。いろいろ困難な状況のもとで実施しておりまして、幾多の問題点があることも承知しております。改善できるものにつきましては一つ一つ改善を加え、ビザなし事業の充実を図りながら、北方領土の返還に少しでも資するようなものにしていきたいというふうに考えております。
○楢崎泰昌君 一番最初に天候の問題をおっしゃり、さらにいろんな気象条件についてのお話がございましたけれども、確かに天候が悪いときは何ともならないんですね。さっき申し上げたように、はしけに乗りかえるんです、岸壁がないんで。そうすると、はしけに乗りかえることすらできないということで、何回か目的地には達しながら、その外洋には達しながら、湾内には達しながら乗りかえられなかったということだってあるんですよ。それは中標津の飛行場からヘリコプターで行っても三十分かかるか、かからないかぐらいなんですね、特に国後の場合には。択捉の場合にはさらにかかると思いますが、それは天候を見てやればいい。
 そして、それぐらいしかかからないんですから、あそこで泊まれないならばさっさと帰ってくる。むしろ民宿を広げて、民宿、いいですよ、本当に。ロシア民族というのは私なんかも大好きですね。ロシア民謡を歌ったり、交歓を随分させていただきました。いろんな条件あるでしょうけれども、これはこんなに長い時間をかかって渡航する、ことしは施策としては間に合わないかもしれませんけれども、来年の施策としてはぜひ御検討を願いたいというぐあいに思っております。
 それで、北方四島の話をちょっとそこでやめまして、沖縄の問題に若干移らさせていただきたいというふうに思います。
 沖縄の産業がなかなか、基地問題もございますが、さらに沖縄産業自体が低迷しているというような実態があるようでございます。私は、実は沖縄返還協定の際に大蔵省に在職をしておりまして、返還協定の衝に当たった一人でございまして、沖縄に対しては非常に強い愛着を持っている者の一人でございます。なんですが、沖縄経済がなかなか思ったように動いていかない。しかしその中で、製造業をあそこにつくるというのは極めて不利である。最近は、あべこべにそうじゃなくて、国際貿易の真つただ中にいるんだから、あそこは有利なんだという説もございますし、そのような報道もなされておりますけれども、現時点においてはなかなか製造業の振興が、振興というよりも発達がなされていないところでございます。
 もう一つの柱として、観光事業というものをその当時非常に強く考えておりました。最近はグアムに行った方が安いよというような話もございますけれども、沖縄としては観光事業の発達のために非常に大きな力を入れられており、さらに、振興計画の中でも一つの柱として重要視されているというぐあいに思いますが、現在における観光の現状と、さらにこれからどういうぐあいに取り組もうとしているのかということについて御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(岡部三郎君) 先生おっしゃるとおり、低迷していると言われております沖縄の産業の中では、観光産業というものが非常に重要な地位を占めておるわけでございます。
 ちなみに、平成六年の数字でございますが、観光収入は三千四百十七億円、県経済を支える主要な柱でございまして、これは県民総支出の一割以上になるわけで、今問題になっています軍関係の受け取り、これの倍以上なんですね。さらに、昨年は不況の影響もありまして、全国的に観光客というのは前年に比べますと減りまして、国内の観光旅行者数というは七・四%減少したわけでありますが、沖縄における入域観光客数は前年に比べますと十万人、率にしますと三・一%ふえまして、三百二十八万人と過去最高の記録を上げておるわけでございます。これは、今までのいろいろな施策がだんだん功を奏してきたということもあろうかと思いますし、また昨年は戦後五十年ということでいろんなイベントがあったということもこの原因の一つかとは思いますけれども、いずれにしても非常に有望な産業であるということは間違いないわけであります。
 開発庁といたしましても、今、首里城の復元、さらに御案内の海洋博記念公園の整備を進めておりまして、これからまた水族館等も新たに増築、整備をしていこうというふうなこと、さらにそれを支えます道路だとか空港、港湾等の交通基盤の整備をこれから大いに進めて、こういった観光産業の振興に努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○楢崎泰昌君 今沖縄が全世界から注目を浴びている地域になっているわけですから、ぜひ沖縄がみずからの力で、生業として成り立っていくようにさらに御努力を願いたいというぐあいに思います。
 その沖縄の中で一番のウイークポイントは、実は水だと思いますね。私も何遍か復帰前に沖縄に返還交渉のために行ったことがございますが、そのころは、やっぱり雨水をためて天水に頼らざるを得なかった。ちょうど水道事業としては、米軍が福地ダムを建設中でございました。この福地ダムが完成すれば沖縄の水事情は格段によくなるんだということで、私どもも水道事業に力を入れるべきだという考えを非常に強く持っていたわけです。その後随分ダムも建設をされておられるようでございますけれども、時々、やれ渇水だということで大騒ぎというニュースも出てまいります。現状においてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(岡部三郎君) 復帰後しばしば渇水に見舞われてまいりました沖縄本島におきましては、県民生活の安定と産業の振興を図る上で水資源開発は緊要の課題でございまして、これからも人口の増加あるいは生活水準の向上あるいはリゾート開発等に伴いまして都市用水の需要は増大する見込みでございますから、それに対する対応をしっかりと立てていかなければならないというふうに考えております。
 今御指摘いただきました福地ダムを初めとする北部の五ダム、それから漢那ダムだとか倉敷ダム等が既に完成いたしておりまして、これによって、現在、平成七年度末におけるダムの都市用水供給能力は一日当たり三十九万トン、平成七年度の一日当たりの最大取水量の約八割の能力を持つ、実効は六割ぐらいでございますが、能力的には既に八割に達しておるということでございますが、さらに今、羽地ダムあるいは大保ダム等を国の直轄事業で事業を実施しておりまして、十万トンぐらいの水資源を開発してまいりたい。
 今後とも、都市用水の安定確保のために、多目的ダムの建設促進のほか、河川水だとか地下水の開発あるいは海水の淡水化等の多角的な水資源開発にも積極的に取り組みましてこの問題の解決に当たってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○楢崎泰昌君 沖縄は台風に見舞われて、多発地帯ということではあるんですけれども、平常の降水量が足らないということであるし、特に島であるということだと思います。
 先ほど例に挙げました福地ダムについてもなかなか満水に至らないというような問題点もあるというぐあいに思いますし、さらに今、多目的ダムというお言葉がございましたけれども、水道事業だけでダムをこしらえるというのではコストが高過ぎちゃって何ともならぬという問題が含まれているというように思います。
 しかし、沖縄は戦後二十七年間、米軍に、アメリカに占領された地域であり、我が国に戻ってきたということの幸せをやっぱり沖縄の県民の方にも持っていただかなきゃいかぬという意味では、水のような基本的生活必需品、ミニマムのものについてはこれからも一層の御努力を願いたいと思います。
 これはお答え要りませんで、これで質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○風間昶君 平成会の風間です。
 まず外務大臣に、大臣が所信を述べられたのは二月のたしか二十三日でございました。それでその後、四月十七日に日米安保の共同宣言が出されましたけれども、そういう意味で日米安保体制は新時代を迎えたと言っても過言ではないと思いますが、この二月二十三日時点での所信とその共同宣言を受けての大臣の所信に変わる部分はないとは思いますけれども、その経緯を踏まえて再度外務大臣に所信を伺いたいと思うんです。
○国務大臣(池田行彦君) 二月に当委員会で所信の一端を申し述べさせていただきましたけれども、その際に私が申しましたことは、冷戦終結後も東アジアを初めといたしまして国際社会が依然として不安定要因をはらんでいる、そういった情勢認識の上に立ちまして日米安保条約が不可欠であるということを申し述べました。そしてまた、それがアジア太平洋地域全体の安定化のためにも役に立つものである、こういう認識を申し上げたところでございます。
 そして、他方におきまして、沖縄県に非常に多くの米軍の施設・区域が集中している、そういったことから、何としてもこの沖縄の方々の御負担を軽減するというこういう努力が大切だということで、いわゆるSACOにおいて本年秋を目途に目に見える具体的な成果を得られるように努力してまいりたい、そして、さしずめ四月のクリントン大統領の訪日が大きな節目である、そこへ向かってその際に方向性を示すことが重要だ、こういった所信を述べたところでございます。
 その後、私どもはそういったラインに沿いまして全力を傾注してまいりまして、クリントン大統領訪日に先立ちましてSACOにおける中間報告をまとめまして、御案内のとおり十一の施設に関する方向性といいましょうか、それを返還するということ、そういうことを明らかにさせていただいたわけでございますし、また、地位協定運用上の問題についても、騒音問題等できるものから着実にやっていこうということを明らかにさせていただいた次第でございます。
 なお、今後も引き続き中間報告に盛り込まれましたものを実現していくために政府一丸となりまして、また沖縄県とも十分に御連絡させていただき御協力をちょうだいしながら、さらに沖縄県民の皆さん方の御負担をできる限り軽減するために努力を進めてまいりたい、こう考えている次第でございます。
○風間昶君 次に、外務大臣、自民党の元法務大臣が先日、慰安婦は商行為だという発言をされました。総会後の会見で、従軍記者や従軍看護婦はいたが従軍慰安婦はいない、商行為に参加した人たちだ、戦地で交通の便を図っただろうが強制連行はなかったという発言をされたのは御存じのとおりだと思いますけれども、ワールドカップの日韓共同開催の決定で生まれつつあった日韓の友好ムードがある意味では水を差された形にもなり、また、竹島問題でも韓国側はこのことに対して態度を硬化させることは明らかですし、とりわけ沖縄・北方、特に北方問題の早期解決に向けて国際環境の整備にも水を差すものだと私は認識しているわけですけれども、そういう意味で、我が国の国益が損なわれているということを危惧しているわけでありますが、橋本内閣の一閣僚として、この発言に対して外務大臣のコメントをいただきたいんですけれども。
○国務大臣(池田行彦君) 御指摘の発言につきましては報道で承知しておりますけれども、この問題につきましての政府の立場あるいは認識というものは、平成五年に当時の官房長官談話によって明らかにされております。
 橋本内閣といたしましても、その官房長官談話で明らかにされたところをきちんと引き継ぎまして、そして日韓関係につきましても適切に対応していきたいと存じておりますし、また、この問題についても誠実に対応してまいりたい、こう考える次第でございます。
 ポイントだけ申し上げますと、官房長官談話におきましては、慰安婦の募集については軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も甘言、強圧等、本人の意思に反して集められた事例が数多くあり、さらに官憲等が直接これに加担したこともあった、こういうことを明らかにしております。
 そういったことを踏まえまして、政府といたしましては、従軍慰安婦としてあまたの苦痛を経験された方々に心からのおわびと反省の気持ちを表明してきているところでございます。そういったことを踏まえまして、女性のためのアジア平和国民基金というのが今その事業を進めておりますけれども、国民各層の御理解をさらに得るように努めながら、今後ともこの基金の事業が所期の目的を達成できるように政府としてもできる限りの努力を払ってまいりたい、このように考えている次第でございます。
 また、日韓関係全般にも好ましくない影響がないように細心の注意をしてまいりたいと存じておりますし、また、委員御指摘になりましたワールドカップの話もございます。せっかく両国民の中で手を携えて将来に向かって友好親善の関係を増進していこうという機運も出かかっているところでございますので、これを大切にしてまいる所存でございます。
○風間昶君 同じく、その北方問題の早期解決という観点から、総務庁長官にもコメントをいただきたいと思います。
○国務大臣(中西績介君) 閣僚経験者発言の詳細については承知しておりませんけれども、この問題につきましては、議員個人の発言でもあるわけでありますが、今政府の立場といたしましては、平成五年の官房長官の発言に、先ほど外務大臣が申されましたように、尽きると思っております。
○風間昶君 それでは次に、在沖米軍の本土移転に当たって、新聞情報ですけれども、基地の整理、統合、縮小に当たっては七千億から一兆円経費がかかるというふうに政府から与党に説明があった報道がありましたけれども、その経費、なぜ日本負担になったんですか。条約上の義務から生じているんですか、それとも交渉の結果なんですか。その辺をちょっと外務大臣に伺いたいんです。
○国務大臣(池田行彦君) 今回の沖縄にございます米軍基地の整理、統合、縮小に伴う移転費用、まだ正確にどの程度のものになるかはつまびらかになっていない段階ではございますけれども、いずれにしてもかなりのものが必要になろうかと考えております。
 そして、これの負担はどうするかということでございますけれども、これにつきましては四月十六日に閣議決定いたしまして、法制面及び経費面でも早急に検討を行って、十分かつ適切な措置をしよう、こういうことを政府として決定しております。
 さて、これをなぜ日本が負担するかという点でございますが、これは日米安保条約に基づきまして、我が国として基地、施設・区域の提供を行うということが規定されております。それを受けましていわゆる地位協定におきまして、その施設・区域の提供に伴う経費は基本的に我が国が負担する、我が国が負担するということが規定されておるところでございます。
○風間昶君 その際日本負担となるその経費を、これも新聞情報ですけれども、四月十七日の毎日新聞に載っているんですけれども、防衛費とは別枠で支出する案が有力というふうに書いてありますけれども、じゃ移転したその跡、残った土地、つまり跡地を更地にする造成費用などについては、沖縄振興開発の観点から沖縄開発庁長官はどう考えていらっしゃるんですか。
○国務大臣(岡部三郎君) 沖縄開発庁といたしましては、従来から生活産業基盤としての社会資本の整備について三次にわたります沖縄振興開発計画に基づく事業の推進を図ってきたところでありますし、そのための予算化等を行ってきたわけであります。
 この米軍の施設・区域に関しましては、その返還跡地の有効利用を図るために、従来から地元の跡地利用計画が固められたものにつきましては、高率の国庫補助によりまして事業の速やかな実施に努めてきたところでありまして、米軍の施設・区域の本土移転費用を沖縄開発庁において計上する考えはありません。
○風間昶君 聞いたのは、造成費用についてその跡地を更地にするような、そのことに関してはどうですかというふうに聞いているんです。
○国務大臣(岡部三郎君) 先ほど申しましたように、跡地利用計画が立ったものについてその跡地利用計画を実現するためにさまざまな既存の制度を使って事業を行う、これは開発庁の仕事でございます。
○風間昶君 次に、当委員会、一月十六日、沖縄県にお邪魔したときに要望事項がたくさんありましたが、自由貿易地域制度の拡充強化についての要望がございました。
 やっぱり我が国の経済の活性化の方策として、沖縄にタックスヘーブンを考慮したフリー・トレーディング・ゾーンを建設してほしいという御要望でありますけれども、その中で今後、中城湾港新港地区などの拡大展開を計画しているんだけれども、その件についてぜひお願いしたいという要望があったわけですけれども、質問二つですが、中城湾港新港地区への拡大展開について沖縄開発庁としてどうするのか。もう一つは、全体のこの自由貿易地域制度、FTZをどう拡充強化するかについて長官の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(岡部三郎君) 後の御質問の方から先にお答えさせていただきたいと思いますが、私も先般訪沖いたしましたときに、このフリー・トレード・ゾーンの実態も現地へ参りましていろいろ見てまいりました。今は那覇地区に二・七ヘクタール指定されておるわけでありますが、この実情、必ずしも当初の意図したような形になっているかというとそうでもない点もあるわけでありまして、まず、これを活性化させるためにはどうしたらいいかということが先決だろうと思います。
 そこで、いろいろと今検討もいたし、今年度も税制上の措置もとり、また、県におきましては現在展示の施設、展示機能等を充実するための一部施設の増築等も計画をいたしておるわけでありまして、まず、この那覇地区の活性化を図るということが第一にやるべきことである。その後において、必要ならば那覇地区をもっと面積をふやすとか、あるいはこれは三次振計にも載っております御指摘の中城湾地区へもう移転をする、拡大をするというふうなことも考えていかなければならないというふうに思っております。
○風間昶君 次に、ロシアにおいての初めての大統領直接選挙で、結果は見えていそうでまだ結論出ていないと思いますが、エリツィン現大統領が再選に向けた政策綱領の中で、現存する国境は変わらない、ロシアの領土は売らず、貸すこともしないというふうに指摘されているわけですけれども、時事通信がこの綱領を全文で入手されたわけですけれども、ということは、少なくとも二〇〇〇年までの任期中北方領土返還に応じないという意思ではないかというふうに受け取れるんですけれども、これに関して、今度新たに選出される大統領での新政権の発足が北方問題にどういう要因を与えるのか、これは全く推測でありますけれども、この点についてぜひ大臣に伺いたいんです。
○国務大臣(池田行彦君) ロシアの大統領選挙、第一回目の選挙は結果が明らかになりまして、エリツィン現大統領が一位、僅少な差でジュガーノフ議長が二位ということになっておりまして、近々この両者の間で決選投票が行われることになろうかと存じます。その先がどういうことになるかは、これはにわかに今の段階で予測できないところでございますが、いずれにいたしましても、我が国といたしましては、ロシアが改革路線を引き続きとっていくということを期待しておりますし、我が国との関係におきましては、北方領土問題を解決してそして平和条約締結へと、そういう道筋に持っていきたいと考えておる次第でございます。
 さて、エリツィン大統領との間では、私自身が三月にお目にかかりました。また、その後四月には原子力安全サミットが開催されました際に、モスコーで橋本総理との間で首脳会談が行われた次第でございますが、その二つの会談におきまして、エリツィン大統領は明確に東京宣言を再確認し、それを踏まえて平和条約締結に向かって努力していこう、こういうことを明言しておるわけでございます。さらに、それを具体化するために平和条約締結についての外相間の話し合いというのがあるわけでございますが、それがここしばらく数年ずっととまったままになっております。それを再活性化しようじゃないかということも合意されております。
 そしてさらに、大統領選挙が終わったならばまず次官レベルの話し合いを進めていこう、こういうことも合意されておるわけでございまして、私どもといたしましては、エリツィン大統領は、少なくとも日本との間で東京宣言を踏まえて領土問題についても話し合いをしながら、平和条約締結に向かって努力をしようという立場を明らかにしておられる、このように理解しておるところでございます。
 なお、いま一方のジュガーノフ氏につきましては、私どもは明確な立場は確認しておりませんけれども、報道等によりますならば、やはり東京宣言の精神は尊重していくということを発言しておられる、このように理解しております。
○風間昶君 時間がないんですけれども、総務庁長官に最後に、北方領土視察、歴代の総務庁長官は、最近では平成五年の石田長官、平成六年山口長官、平成七年江藤長官、それぞれ就任後二カ月後、三カ月後に北方領土の視察に行っていらっしゃるんです。まさに総務庁というのは、行政監察と北方領土問題の解決が最大の仕事だと私は思うんです。
 そういう中で、長官は八年一月十一日に御就任以来まだ行っていらっしゃらない。国会もある意味では閉会近くになって長い夏休みになるだろうというふうに言われているわけですけれども、この件をぜひ長官に決意として述べていただきたいと思います。
 それから、前回の委員会で、総理大臣にぜひ根室へということを総務庁長官に要望として私は託したわけでありますけれども、その返事が返ってきていないんです。
 この二点について総務庁長官にコメントをいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中西績介君) 総理の北方領土視察につきましては……
○風間昶君 まず自分のことを先に、長官のことを。
○国務大臣(中西績介君) それでは、私としましては、御指摘のとおり、北方領土の視察にはまだ行っておりませんので、担当大臣として早い時期に行けという御指摘はそのとおりであります。したがって、事務当局にその作業を今指示いたしておりまして、ロシアの選挙等もございますので、そうしたことを勘案しながら早急に実現をしたいと思っております。
 総理大臣の問題につきましては、先般六月十三日に根室管内の一市四町の方々からも強い要望がございました。地元の方々のこうした要望に対しましてこたえるべくどうするかということでございますが、今国政をめぐる状況につきましては、国会が終了いたしますと海外へ総理は参りますし、そうした状況等もあるし、日ロ関係の問題もこれからどのように進展するかについても十分期待をしながら、この間におきまして総理に対して相談を申し上げよう、こう考えております。
○風間昶君 終わります。
○小川勝也君 三人も大臣がおいでになって、自民党席が一人しかいないということで質問を拒否したい心境なんですが、風間理事の顔を立てて質問させていただきたいと思います。
 時間もないことですし、外務大臣に幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 先般から報道されているとおり竹島問題が大きな話題となっておりました。私は、個人的にではございますが、外務大臣の人形がソウルで焼かれているあの映像を見たときに、日本人の一人として何か血が騒ぐというか胸が熱くなる、そういう思いをいたしました。また、先般文芸春秋を読ませていただきましたが、そのときには石原慎太郎元衆議院議員の、かつての大臣の同僚でもあったかと思いますが、話し合いだけで解決できない問題もあるんだ、日本外交が抱えている弱腰と呼ばれる非難に対して外務省がどう反論するのか、お伺いしたいと思います。
 例えば、先般、中国が核実験を行いました。私たち国会は衆参ともに決議をいたしましたが、したたかな中国は、その決議をする前に、自分たちがどうして核実験を行ったのか、そしてもう一回やりますと我々国会議員のところに送ってきた。こういうしたたかな外交というのも必要ではないかと思いますが、外務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 私も人間でございますから血はございます。しかし、一つ一つの事柄が起こるたびに血を騒がせておったんでは我が国の国益を守る外交にはならない、こう考える次第でございます。
 御指摘のございました竹島の問題につきましても、我が国の立場は一貫したものでございます。しかしながら、この問題に関する日本と韓国の立場の相違というものが両国の友好親善の関係に決定的に悪い影響を及ぼし、その関係を損なうことがあってはやはりこれは我が国の国益にとっていいこととは言えないと存ずる次第でございます。そういった意味で、あくまで韓国とは友情を持って、そして冷静に問題を話し合って解決していく、そういった姿勢で今後とも粘り強く努力を重ねてまいりたい、こう考えている次第でございます。
 それから、中国の核実験につきましても外務省は弱腰という御指摘がございましたけれども、実験を行いました八日に、これは週末でございましたけれども、外務省に武大偉臨時代理大使を招致いたしまして、私の方からきちんとこの実験を行ったことは極めて遺憾である旨、そしてまた今後一切核実験を行わないことを決定し明らかにしていただきたい旨、さらには包括的な核実験停止条約により積極的に対応すべき旨、強く申し入れたところでございます。
○小川勝也君 日本外交が弱腰であるという非難に少しでもこたえていってほしいと思いながら、次の質問に移らさせていただきます。
 日本もそうでございますけれども、エネルギー問題がこれからの大きな問題になるかと思います。サハリン沖で盛んに天然ガスの開発が行われております。あるいは中央アジアには大きな埋蔵量を持った天然ガスのガス井がありますが、例えばエネルギー、石油あるいは化石エネルギーの限界もさることながら、日本ではそんなことはないんですけれども、中国を初めとするアジアから出されるCO2あるいはその他の有害物質が日本に酸性雨をもたらすという非常な問題もはらんでおるところでございます。
 また、エネルギー政策からいってガスのパイプラインを持たない先進国は極めて少ない、そんな状況をも考えた今、中央アジア、そして中国、日本、サハリン、あるいはシベリアを結ぶ天然ガスのパイプライン構想が民間の研究機関を中心にいろいろと勉強され、議論されておるところでございますが、私はこのガスパイプラインをサークル状に日本領土を含めて通すということに非常に興味を持っております。とりわけサハリンと北海道は極めて近いわけでございますし、先ほど申し上げましたようなエネルギーの将来ということを考えたときに、これは真剣に議論をしていただいてもいいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 外務省あるいは外務大臣に、その辺の御見解はいかがか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(浦部和好君) サハリンにおきます天然ガスの開発につきましては、いわゆるサハリン北部の東岸沖でございますが、ここで我が国の石油公団が出資しましたSODECOが既に参加をしておりまして、これがサハリンーというものでございます。また、我が国の民間企業が参加をしてございますが、いわゆるサハリン2と二つのプロジェクトがございます。
 前者につきましては既に契約が発効しております。またサハリン2につきましても、順調にいけば今週末には契約が発効するというふうに承知をしております。これらのプロジェクトは、今後の進展が順調であれば恐らく二十一世紀の初頭には商業生産が開始されるというふうに見込まれてございます。
 御指摘のように、民間におきましては、これらのプロジェクトによるものを初めとしまして、サハリン産の天然ガスをパイプラインを用いまして我が国に直接持ち込もうという構想があることも我々承知しております。
 また、中央アジアの天然ガス、これは特にトルクメニスタンであろうと思いますが、これにつきましては国際的な関心も高く、現在パイプラインの経路等についていろいろな議論がなされている、その一環といたしまして、我が国の民間企業を含む一連の企業が我が国を最終仕向け地とするパイプラインの構想も有しているというふうに承知しております。
 外務省としましては、これらパイプラインによって天然ガスをロシアや中央アジアから我が国に引くということは、これらの国との経済関係を強化するという意味でも大変大事なことであろうというふうに思います。基本的には歓迎すべきものというふうに考えます。
 ただいまだ構想段階でございますので、これがこれからどういうふうになるかという検討状況を見守るとともに、民間からの要請がありましたら、互恵の原則であるとかあるいは総合的な安全保障の観点等々を踏まえまして、必要に応じ政府としての対応ぶりを検討してまいりたい、かように考えております。
○小川勝也君 今の件に関しまして御答弁をいただきましたが、これは民間ベースでやりますとどうしても採算ということになってしまいまして、ガスパイプラインというのはなかなか進まないものだと考えております。
 先ほど申し上げましたように、我が国のエネルギー政策あるいはアジアを中心とした環境の問題、この辺も考慮していただいて、世界的なあるいは外交的な案件としてとらえていただければ幸いに存じます。
 時間になりましたので質問を終わらせていただきます。
○照屋寛徳君 先ほどから血が騒ぐ話がございましたが、私も昨年の初当選以来、沖縄問題について血が騒ぐ思いで外務大臣や開発庁長官に毎回毎回御質問をさせていただきました。沖縄の明治以来の近現代史を振り返った場合に、どうしても国策の犠牲にされてきた、こういう思いがありまして、これからも沖縄の心を血が騒ぐ思いを持って訴え続けてまいりたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
 ところで、岡部開発庁長官初め開発庁の職員の皆さん方には沖縄の振興開発について特段の御高配、御尽力を賜り、心から敬意を表するものでございます。
 沖縄県は第三次振計の中間点に差しかかりました。三次振計の目標である沖縄の特色ある振興開発計画、そして、三次振計の後期の計画及び目標が完全に達成されるよう、また長官の御努力、御尽力を賜りたいと思いますが、三次振計後期の計画及び目標との関係で長官の御決意を賜ることができれば大変うれしく思います。
○国務大臣(岡部三郎君) 三次振計につきましては、今、前期の最後の年でございまして、来年からの後期にかけましていわゆる後期展望の作業を審議会中心に進めていただいておるところでございます。
 特に、今回のSACOでの返還の合意といったようなこともありましたので、そういうことも含めて三次振計の後半、沖縄の経済の発展なり民生の安定に資するようなさまざまな事業につきまして力いっぱい努力をしてまいる覚悟でございます。
○照屋寛徳君 ところで、五月の末から六月の初旬にかけて宮古島で集中豪雨がありまして、ちょうど取り入れ時期でございました葉たばこの生産農家にかなりの打撃を与えたようでございます。同時に、集中豪雨に伴う害虫が異常発生をしている、こういうことで、農家、農民に深刻な被害を与えておるようでございますが、開発庁としてこの被害状況をどのように把握しておられるのか、また、政府として被害農家に対する具体的な救済の手だてはないかどうか、この辺お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岡部三郎君) 宮古島における集中豪雨による被害でございますが、沖縄総合事務局からの報告によりますと、豪雨による農産物の被害見込み額は六月六日現在でおよそ四千七百万円、その中で葉たばこが約千六百万円となっております。
 農作物の被害につきましては農業共済による救済制度がございますが、サトウキビは対象になっておるんですが、野菜類は現在対象になっておりません。また、葉たばこにつきましては、これはJTとの契約栽培となっておりますため、JTの災害援助金制度というのが設けられておるわけでありまして、二割ほどは足切りになりますが、収穫皆無の場合にも五割は補償される。したがって、五割から八割の間で収穫の程度に応じて補償される、こういうことになっております。
○照屋寛徳君 葉たばこの生産農家にとっても深刻な被害のようでございますが、また害虫なども発生しているようでございますので、政府の具体的な支援策等があれば引き続き御検討いただきたいということを要望しておきたいと思います。
 さて、同僚議員からも御質問がございましたが、沖縄の自由貿易地域の拡充、拡大の問題と絡んで、全島フリーゾーン構想というのが経済団体からも具体的に提唱がございます。現在ある自由貿易地域も、これは沖縄振興開発のためにと、こういうことでつくられたわけでございますが、現状は本当の意味での制度的な面で自由貿易地域にはなってなくて、どちらかというと保税倉庫的な役割になってしまっていると。したがって、入居している企業の企業努力だけではどうもうまくいかない、せっかく入居したけれども撤退をするという企業が相次いでおるわけですね。
 そういうことで、これまでも自由貿易地域の制度的な欠陥というかそれの是正を図りながら、本当の意味での沖縄全域、全島をフリーゾーンにしたらどうか、こういうことが言われているわけでございますが、沖縄開発庁としてこの全島フリーゾーン構想、このことをどのように受けとめていらっしゃるのか。三次振計後期の展望あるいはポスト三次振計、あるいはまた沖縄の自立経済の確立、こういう点から、長官の御認識と御見解をお伺いしたいというふうに思っています。
○国務大臣(岡部三郎君) 自由貿易地域制度につきましては、先生おっしゃるとおり保税制度と、それとともに各種の税制上あるいは金融上の優遇策というのが合わさって一つの制度になっているんですが、今入っておられる企業がまだ規模が比較的小さいものですから、後者の方の金融あるいは税制上の優遇制度というのが必ずしもまだ十分に活用されておらないというふうな状況にあるわけであります。
 それじゃ、それをどういうふうにしてそういう優遇策をフルに活用できるようにするか、また、その優遇策の内容について足りない点はどういうところがあるかといったようなことを今いろいろと検討をして改善に努めておるところでありまして、まず、先ほども申しましたように那覇地域についてその活性化を図るということが先決の問題だろうと。そして、さらにそれを中城湾の方にも拡大をしていくということでございます。
 全島フリーゾーンという考え方については、そういう御意見があることは十分承知をいたしておりますが、まだ沖縄県からもそういう御意見をお聞きしていないわけでありますし、今後、沖縄県の意見もお伺いしながら、新たな展開について関係各省とも相談しながら検討してまいりたいと思っております。
○照屋寛徳君 ぜひ、意欲的な長官の御発言でございましたので、全島フリーゾーン構想についてはしかるべき時期に沖縄の振興開発計画の具体的な目玉事業、政策として位置づけをしていただきたいなというふうに思っております。
 ところで、一月三十日に、沖縄県が政府に対して二〇一五年を目途にした基地返還アクションプログラムと国際都市形成整備構想というのを提示しております。まだ両構想とも素案の段階でございまして、県内でも関係市町村の意見聴取あるいは経済団体からの意見聴取や提言を受けておる、こういうところでございますが、沖縄開発庁と沖縄県との間に基地返還アクションプログラムと国際都市形成整備構想について意見交換等が実務段階ではなされておるのか、あるいはまた、開発庁として両構想をどのように受けとめておられるのか。
 恐らく、開発庁との関係でいきますと、国際都市形成整備構想の方が直接的に関連しておられるのかなというふうに思っておりますが、長官の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(岡部三郎君) 基地返還アクションプログラムにつきましては、沖縄米軍基地問題協議会の幹事会におきまして沖縄県から説明をお聞きいたしたところであります。米軍施設・区域の返還につきましては、先般、SACOの中間報告がまとめられたところでございまして、これは県のこのアクションプログラムの内容とは必ずしも同じではございませんけれども、政府としては最大限努力をしたものと考えております。
 国際都市形成構想につきましては、これは第三次沖縄振興開発計画におきましても、重点施策の一つとして、沖縄の地域特性等を積極的に活用して近隣アジア太平洋諸国との我が国の南における国際交流・協力拠点の形成を図るということが掲げられているところでありますし、今後もこの構想につきまして沖縄県からよくお話を承りながら国際交流拠点の形成に努めてまいりたいと考えております。
○照屋寛徳君 外務大臣にお伺いいたします。
 SACOの中間報告が発表されました。いよいよ秋のSACOの最終報告へ向けて日米間の協議が進んでいることだと、こういうふうに理解いたしておりますが、最終報告へ向けた日米協議の現状と問題点について、外務大臣にお伺いいたします。
 同時に、時間がございませんので、中間報告の中で、普天間基地の機能の一部、要するにヘリポートを新設する問題が出ております。嘉手納弾薬庫地区かキャンプ・ハンセンに移されるのじゃないか、規模も三百ヘクタールぐらいになるんじゃないかとか、滑走路も千五百メートル級の滑走路になるんじゃないか、そういうことが報道されておりますが、そのヘリポートの新設については県内で関係自治体から物すごい反対運動が起こっております。それをどのように受けとめていらっしゃるのか、まとめて御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(折田正樹君) SACOの作業状況について、外務大臣がお答えになる前に私の方からちょっとお答えさせていただきますと、御承知のように、本年の十一月までにSACOの最終報告の作成が想定されているわけでございます。そして、四月十五日に発表されましたSACOの中間報告、これをどのようにフォローアップしていくかについて意見交換を行うために、去る五月二十七日にホノルルにおきましてSACOの作業グループを開催いたしました。
 そして、この作業グループにおきまして、日米両国政府が日米安保条約の目的を達成しつつ、沖縄県民の御負担を軽減させるという目的で共同作業をやっていく、この共同作業を継続していくこと。それから、さきに沖縄米軍基地問題協議会幹事会が開かれた際に、沖縄県から政府の方に、詳細が詰まったもの、それから移転先の場所等内容が決まったものがあればその都度県と相談してほしいという御要望が寄せられたということを受けまして、今後、日米間で詰めを行って、ある程度の段階まで来たものから順次沖縄県それから関係市町村と御相談していこうということで、日米間で原則合意をいたしました。
 それから、中間報告にたくさん案件が書いてあるわけでございます。すべての案件について一生懸命やっていくことは当然だといたしましても、普天間飛行場それから楚辺通信所、それから嘉手納の飛行場の海軍駐機場の問題、これら優先度の高いものについては集中的に作業をし、できるだけ早く内容を固めていく、内容を決めていくことについても日米間で合意をいたしたわけでございます。
 そして、これらの作業を日米間で具体的にどのように詰めていくかという点につきまして、合同委員会のもとに日米の実務専門家から成る作業グループをつくりまして、集中的に技術的な観点から詳細の詰めの作業を行うというのが適当であろうということで意見が一致したわけでございます。
 そして、このSACO作業グループの協議の結果を受けまして、今月七日、日米合同委員会の下部機関である施設分科委員会のもとに、SACO案件のための特別作業班、それから沖縄住宅統合特別作業班を設立いたしまして、十一月の最終報告に向け今後日米間で集中的に作業を進めていこうということになったわけでございます。
○武田邦太郎君 沖縄の問題なり日米安保、日本の安全保障を考えますと、私も昼夜にわたって血が騒ぐ人間でありますが、再度申し上げておりますように、アーノルド・トインビーの人類に対する警告に、現代は核戦争で人類が破滅するか、それとも国家対立のない世界をつくるのか、人類はまさにこの分岐点に立っている、これはかつて我々が生きたことのない時代であって、これを我々は十分心して努力しなければならぬ、こういうことを繰り返し警告したわけであります。
 我々が持っております日本国憲法もまた、国際間のフリクションを解決するために武力を使わない、これはたまたまでありましょうが、二十世紀最大の歴史家が人類に発した警告に一致する憲法を持っております。
 我々のパートナーであります。アメリカもさすがに相当弾力は持っておりますけれども、ややもすると強腰の姿勢をとりがちである。このたびの日米安保の再評価につきましても、日米首脳の共同声明が出ますと、間髪を入れず中国の側から反対の声明が出るというようなことでありまして、私がいつも、米中の間に立って決定的な破局の来ないようにするのが日本の最も大事な役割ではないかということを申し上げて、大臣もしばしば日米安保は特定の国を敵にするものではないと強調しておられますので、その点は非常に私共鳴しておるわけであります。
 それにつけましても、ややもすると米中両国が強腰になりがちである中に立って、アメリカとも心から対等の親友にならなきやなりませんけれども、中国とも同様に対等の親友になりたいという願望を抑えられないわけですね。
 そこで、日本として、中国と本当に平和な親友になるためにどういう政策を講ずるのか、あるいは現に講じつつあるか、それについて大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(池田行彦君) 我が国の外交にとりましてと申し上げるよりも、我が国が今日から将来に向かって、国の存立を全うし、そして平和で繁栄した生活を国民が享受するためにはいろいろなことが必要でございますが、その中で、日米間の良好な関係、そして中国を初めとする近隣諸国との友好関係ということが極めて大切であるということは御指摘のとおりだと、こう思っております。
 そして、委員御指摘のように、米中間におきまして時折さざ波が立つことがございます。それぞれ、みずからの国のことはもとより、国際社会全体の平和あるいは発展のためによかれという、そういう意図は同じなんでございましょうけれども、その具体的な方策なり措置が衝突するというケースが間々にして起こるわけでございます。
 そういった際には、我が国といたしまして、両者をそれぞれよく理解できる立場にある、こういったことから申しまして、米中間に良好な関係が保たれるように双方に働きかけていくということは委員御指摘のとおり我が国にとって大切な役割だろう、こう考えております。
 常日ごろからそういうふうに努力しておりまして、最近におきましても、我が国と中国の関係も若干ぎくしゃくしたことがございましたけれども、それ以上に米国との関係が非常に難しい局面がございました。そういった節には、私自身も中国の例えば銭其シン副首相兼外務大臣に対し、あるいは米国のクリストファー国務長官、あるいはペリー国防長官等に対しまして、国際社会とりわけアジア太平洋地域における中国の役割の重大性、そして米国にとっても日本にとっても中国との良好な関係を持つことがいかに大切であるかということをお話し申し上げまして、問題が難しい局面にあればあるときこそ、よほど細心の注意を払いながら、誤解のないように意思の疎通を図らなくちゃいけないということを繰り返し申し上げてきた次第でございます。
 もとより、私どもが申したからということではございません。米国もあるいは中国もそういったことは十分認識しておられたと存じますが、御承知のとおり、その後中国とアメリカの間もいろんな場で対話を進めておられまして、つい昨日も、例の知的所有権をめぐる問題についても解決が図られたというニュースがございました。
 今後とも、そういった意味でいろいろなイシューが出てくるのは避けられないと思いますけれども、基本的な関係が損なわれないように努力してまいりたいと思いますし、我が国としても、両国との関係を従来以上に良好な状態に持っていくために全力を尽くしてまいりたいと、こう考える次第でございます。
○武田邦太郎君 くれぐれもよろしくお願いします。
 それでは、私は農業関係の人間でありますので、きょうは、日本と中国の意思疎通と申しますか、共通の問題について取り組むといいますか、そういうことで日中の友好なり相互信頼なりを深めるために、食糧問題についての私の願望を開発庁長官に申し上げて御見解を伺いたいと、こういうふうに思います。
 その前に、私はこの前の委員会で長官に申し上げた発言の中で重大な間違いを犯しておりましたので、おわびして訂正します。
 それは、沖縄の耕地面積は日本全体の耕地の百分の一弱なんですね。ですから、第四次土地改良長期計画を十年、四十一兆円の中で沖縄が当然使い得るものは、その百分の一弱でありますから四千億弱なんですね。それを四兆円と言っているようですね。速記録を見てびっくりしました。申しわけありません。訂正します。
 そこで、中国は御承知のように、レスター・ブラウン氏が強調するまでもなく、二十一世紀の人類の食糧危機の、彼は飢餓という言葉を使っておりますが、その最大の種を持っていると、こう言うのでありますが、日本もそれに負けないくらい、穀物でいえば二七、八%しか自給しておらぬわけでありますから、何とかこれを共通の問題として、もちろん中国は広いので沖縄と似たような自然条件のところはその一部でありますけれども、何とかその間に立って共通の研究ができないかと。
 中国も日本も、新しく耕地をふやしていくことはまず非常に困難な国柄でありますから、当然単収向上にならざるを得ない。単収向上ということは、品種改良、農地基盤整備、それから農業技術の改善、この三つに帰するわけであります。この中で、長官は農業の権威でありますけれども、特に農地基盤整備については最高権威の一人でありますので、中国の水田その他南方地方の農業の基盤整備について、沖縄と共同部に、どうしたら経済成長、高度成長とともにバランスし得る農業ができるのか。
 これは、日本は一応高度成長の中で失敗したわけでありますけれども、中国も恐らく失敗する可能性は大いにありますので、その過去の教訓としまして、基盤整備の上で新たなる技術の改善ということで、日中両国の食糧自給率の高まりということについて、共同研究で実績が上がればこれまた全人類的な大きな功績になろうかと思いますので、何とか長官が長官でおられる間にこの問題について、長官がおられなくなったら消えてしまうようなのじゃなくて、確固とした方針をお立ていただくようにお願いしたいと思います。
 時間がありませんが、お願いだけです。
○国務大臣(岡部三郎君) 武田先生から大変貴重な御意見を承りまして、私ども決意を新たにして努力をいたしてまいりたいと思います。
 沖縄は、特色のある亜熱帯農業の確立ということで、さまざまな施策をやっておるわけであります。例えば、ウリミバエの撲滅とか、これは非常にユニークな研究成果ではないかとも思いますし、そのほかサトウキビの優良品種の育成あるいは栽培方法。
 それから、基盤整備という面からいいますと、例えば地下ダムの建設、これは沖縄だけがやっておることであります。この地下ダムなどは、これは同じような地質構造が中国大陸にもあるそうでありまして、先般、中国からも大変関心を持って多くの技術者の方が宮古の現場等にも来られております。今後も技術協力の有力なテーマになるのではないかと思います。
 それから、中国大陸の南の方は、特に、私昨年広東省に行きました、珠江の沿岸、流域でございます。あの辺はいわゆる基塘農業といいまして、基というのは畑で塘は池でありますが、池と畑を組み合わせたいわば自然循環型の農業でありまして、それが人口の集中なり産業の活発化に伴って相当やはり公害を受けて生産力が低下をしておる。これをよく見ますと、日本の輪中農業と規模は違いますが、木曽三川の下流地域なんかにある輪中農業と同じような形態のものでありまして、こういうものの改善には相当そういう技術が活用できるんじゃないかなというふうな気がいたしております。
 それから、これは沖縄と離れまして、例えば稲の遺伝資源の評価だとかあるいは利用技術の開発という面では既に農水省と雲南省との間に活発な研究協力が行われるということもありますので、そうした面も大いに伸ばしていければなというふうに考えております。
○武田邦太郎君 よろしくどうぞ。終わります。
○島袋宗康君 先日の予算委員会でも普天間の基地問題をお伺いいたしましたけれども、引き続きましてそういった問題についてお伺いしていきたいと思います。
 昨日の毎日新聞では、梶山官房長官が「安保条約は幽霊と同じ」という例えで沖縄の米軍基地提供の重要性をテレビ番組で説いておられた旨の報道がなされております。また、昨日から朝日新聞は「「普天間」の衝撃」という特集記事を組んでおります。いずれも沖縄の米軍基地がテーマとなっております。
 一方、沖縄県議会では、基地政策の是非を問う県民投票条例の審議が今行われております。沖縄の平和、沖縄の基地政策や自治権の確立が全国から注目されております。
 このような動きは、我が国の外交・安保問題に対する国民の関心が一過性ではないということを物語っていると思います。ようやくここに来て、真剣に基地問題をとらえようとする世論が形成されてきているのではないかと私は思っております。それと並行して、普天間基地の中身もだんだん明らかになってまいりました。
 そこでお伺いいたしたいことは、現在の沖縄を犠牲にし続けてきた我が国の安保・基地政策、とりわけ問題含みの普天間基地返還や実弾砲撃演習の移転問題も、国内移設となっており、移転先の反対等のいわゆる世論の流れの中で国民の批判にどう耐えていかれるのか、その辺について外務大臣の所見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) この委員会でも申し述べたことがございますけれども、現在の国際情勢、とりわけ我が国の周辺の地域の情勢を考えますと、私ども、国の安全を守り、また平和を守っていくためにいろいろな措置を講じていかなくてはならない、これは当然でございます。そのための柱といたしまして、一つは自衛隊を中心としてみずから守るということでございます。いま一つの柱といたしまして、日米安全保障体制というものを堅持していくことが肝要だと考えている次第でございます。
 そういった前提に立ちまして、沖縄にございますものを含めまして、日本にございます米軍の基地につきましては、やはり今日から将来に向かってもこれを維持することが肝要だと考えている次第でございます。
 しかしながら、沖縄の県民の方々に御負担願っている、その御負担というものをでき得る限り軽減することは、これは大切なことだと考えております。とりわけ、これまで長い間、沖縄の方々がどれだけ生活の面でも御苦労なさったか、また、どういった思いを抱いておられるか、こういったことを十分に配慮しながら負担の軽減に努めていかなくちゃならないと考えている次第でございます。
 そういった意味で、昨年来、日米間で精力的に作業を進めてまいりまして、先般、四月にいわゆるSACOの中間報告といたしまして、沖縄の整理、統合、縮小について当面進めるべき方策を明らかにした次第でございますが、これを秋に向けましてさらにその具体化に全力を尽くしてまいり、また沖縄の地元の方々の御理解と御協力もお願いいたしながらそれを実現してまいりたい、こう考えている次第でございます。
○島袋宗康君 時間がございませんので、よろしくお願いします。
 普天間基地返還問題の経緯を見てみますと、私は、我が国のこれまでとってきた安保・基地政策の本質的な前提部分がほころび始めているのではないかと思っております。その本質部分とは、第一に米軍の機能維持という前提であり、第二は米軍の国内移設という前提であります。
 何ゆえに米軍の機能は現状維持されなければならないのか。冷戦構造が崩壊し、各国で軍縮が行われているのに、なぜ安保再定義の名のもとに沖縄の基地機能は再編強化されなければならないのか。
 また、米軍基地の返還問題が持ち上がると必ず国内移設の条件が付されているわけですけれども、一体この条件は本当に米国側が頑強に示し続けている条件であるのか、それとも我が国が米国の気持ちを必要以上に思いやり自己抑制した結果なのか、非常に疑問に思います。大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 時間の関係もございますので簡潔に御答弁を申し上げますけれども、現在の我が国をめぐる国際情勢、とりわけ安保環境にかんがみまして、なおしばらくの間は我が国の米軍のプレゼンスは現在のような水準そして構成であることが必要である、それがまた機能的に機能するためには必要な基地等の提供も必要である、こう考えております。
 しかし、そういった中におきましても、でき得る限りの基地の整理、統合、縮小をしようということで鋭意努力してきたということは、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。そして、そのときに例えば国内における移設であるとかそういったことを米軍が果たして求めているのかというお話がございましたけれども、これは日米間でいろいろ協議いたします中で、先ほど申しましたように、我が国の安全を守るために必要な機能を維持するという観点からいろいろ話し合った中で出てきた結論でございます。
○島袋宗康君 先般の朝日新聞によりますと、アメリカ国防総省は沖縄の部隊を米領のグアム島に移転する案も検討しているというふうな報道がなされております。その関係で非常に大きな波紋を広げているわけでありますけれども、我が国はもっと強力に対米折衝をして沖縄のいわゆる米軍部隊を米国の領土に移転させるべきではないかというふうなことが、これはかなり指摘されているわけであります。こういった問題について積極的に進めるお考えはないのかどうか。
 沖縄の米軍基地の縮小ということは達成できるというふうなことについては、やっぱり国内移設ではこれは到底私は不可能だというふうに見ておるわけですよ。この点に関する外務大臣の御決意をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 我が国の安全を守るために米軍には働いてもらわなくちゃいけません。また、日米安保体制が堅持され米軍が日本に駐留するという、そのこと自体がアジア太平洋地域全体の安定のためにも好ましい効果といいましょうか作用をするという点もございます。
 そういったもろもろの観点を大切にしながら、一体どういうことが可能であろうかと、あらゆる角度から検討してまいりまして、先ほど申しましたような中間報告を取りまとめた次第でございます。
○島袋宗康君 沖縄の基地密度は本土の百五十倍とも二百倍とも言われております。少なくとも、沖縄の米軍基地の実態を放置したまま戦後五十年以上も経過したことは政府の怠慢と言わなければならないと私は思います。その上、沖縄県内の基地確保が八万手を尽くしても困難になると、最近では特別立法制定を言い出しているわけでございます。当然断じて許されるものではないと思います。
 この特別立法も、もとはといえば日米安保条約が原因であるわけですけれども、外務大臣としては、内閣の一員たる国務大臣としてこの問題についてどうお考えなのか、承りたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほどから申しましたように、政府といたしましても沖縄県民の方々の御負担を少しでもでき得る限り軽減したいということで努力してまいりました。そして、先般取りまとめられました中間報告に盛られました事柄がすべて実現しますならば、現在沖縄にございます基地の、面積で申しまして二〇%を超える面積が返還されることになろうかと存ずる次第でございます。
 そういったことで、沖縄県、地元の御協力を得ながら何とかこれを実現してまいりたい、こう考えている次第でございます。
 一方におきまして、やはり我が国の安全を守っていくためには、沖縄にございますものも含めました米軍に対する提供基地をなお維持することは肝要でございます。そういった意味で、現在ございます法的な枠組みの中で御協力を得ながらこれまでも進めてきたわけでございます。
 我々といたしましても、でき得る限りそういった努力を傾注してまいりたい、こう考える次第でございますが、どうか地元の方々にもそういった安全保障上の必要性にも御理解を賜りまして、基地の負担は極力軽減はいたしますけれども、なお必要なものは提供し得るように御協力をお願い申し上げる次第でございます。
○島袋宗康君 特別立法の質問に触れていません。
○国務大臣(池田行彦君) いや、答えましたよ。
○島袋宗康君 いや、だから、それはお考えがあるかどうかを。
○国務大臣(池田行彦君) 私が申しましたのは、日本の安全を守るために必要な基地の提供、それはしなくてはなりませんので、その関係の方々にもぜひ御協力をお願い申し上げたいと、こういうことをお答え申し上げた次第でございます。
○島袋宗康君 終わります。
○委員長(成瀬守重君) 本件の質疑はこの程度といたします。
 池田外務大臣、中西総務庁長官及び岡部沖縄開発庁長官は御退席いただいて結構でございます。
○委員長(成瀬守重君) これより請願の審査を行います。
 第三八号北方領土問題の解決促進に関する請願外三件を議題とします。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(成瀬守重君) 速記を起こしてください。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第三八号北方領土問題の解決促進に関する請願外三件は採択すべきものにして内閣に送付することを要するものとすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(成瀬守重君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(成瀬守重君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十八分散会
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