第139回国会 厚生委員会 第1号
平成八年十二月十七日(火曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         上山 和人君
    理 事         尾辻 秀久君
    理 事         南野知惠子君
    理 事         北澤 俊美君
    理 事         菅野  壽君
                大島 慶久君
                大野つや子君
                塩崎 恭久君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                長峯  基君
                宮崎 秀樹君
                風間  昶君
                水島  裕君
                山本  保君
                和田 洋子君
                渡辺 孝男君
               日下部禧代子君
                西山登紀子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上山 和人君
    理 事
                尾辻 秀久君
                南野知惠子君
                北澤 俊美君
                菅野  壽君
    委 員
                大島 慶久君
                大野つや子君
                塩崎 恭久君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                長峯  基君
                宮崎 秀樹君
                風間  昶君
                水島  裕君
                山本  保君
                和田 洋子君
                渡辺 孝男君
               日下部禧代子君
                西山登紀子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
   政府委員
       厚生大臣官房長  近藤純五郎君
       厚生大臣官房総
       務審議官     中西 明典君
       厚生省健康政策
       局長       谷  修一君
       厚生省保健医療
       局長       小林 秀資君
       厚生省薬務局長  丸山 晴男君
       厚生省老人保健
       福祉局長     羽毛田信吾君
       厚生省児童家庭
       局長       横田 吉男君
       厚生省保険局長  高木 俊明君
       厚生省年金局長  矢野 朝水君
       社会保険庁運営
       部長       真野  章君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
   説明員
       法務省刑事局刑
       事課長      麻生 光洋君
       文部省高等教育
       局医学教育課長  寺脇  研君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○社会保障制度等に関する調査
 (老人福祉施設の設置等に関連する不祥事に関
 する件)
 (医療保険制度改革に関する件)
 (厚生省の綱紀粛正策に関する件)
 (財団法人日本医療機能評価機構の設置等に関
 する件)
 (社会保障制度改革に関する件)
 (国立病院への病院寝具納入に関する件)
○子育て支援事業と保育関連予算の拡充に関する
 請願(第一二号)
○療術の法制化に関する請願(第五二号外四件)
○保育制度の改善と充実に関する請願(第七二号
 )
○健保本人二割・老人医療定率化など自己負担引
 上げ反対、介護保障確立と医療・年金等の改善
 に関する請願(第一八八号)
○介護保障制度の確立に関する請願(第二〇五号
 外一件)
○乳がん術後の乳房喪失に対する体型補正装具の
 医療保険適用に関する請願(第二四〇号外一三
 件)
○小規模作業所等成人期障害者対策に関する請願
 (第三六二号)
○良い看護の実現に関する請願(第三九八号外三
 二件)
○患者の立場に立った医療保険制度改革に関する
 請願(第四一六号外三七件)
○腎(じん)疾患総合対策の早期確立に関する請
 願(第五一五号)
○肝がん検診の制度化とウイルス肝炎の総合的な
 対策に関する請願(第五一六号)
○総合的難病対策の早期確立に関する請願(第五
 一七号)
○高齢者の医療と生活の安定等に関する請願(第
 五三一号外六件)
○厚生行政における地方事務官制度の取扱いに関
 する請願(第五五一号)
○児童福祉法の一部改正に関する請願(第六二四
 号外二件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(上山和人君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障制度等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上山和人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(上山和人君) 社会保障制度等に関する調査を議題といたします。
 まず、老人福祉施設の設置等に関連する不祥事に関する件について政府から報告を聴取いたします。小泉厚生大臣。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今般の社会福祉法人の施設整備費補助金等を悪用した事件について御報告申し上げます。
 今回の不祥事につきましては、先般、厚生委員会で御報告いたしましたように、省内で事実関係の確認を急いでまいりましたが、そのような中で十二月四日、岡光前事務次官が収賄容疑で逮捕されました。その容疑事実については捜査当局の捜査の推移を見守るべきものでありますが、このような状況に至ったことは大きな衝撃であり、極めて深刻に受けとめております。一連の事態により厚生行政に対する信頼を著しく失墜させていることに対し、厚生行政の責任者として改めて国民の皆様に心よりおわび申し上げます。
 とりわけ、本格的な少子・高齢社会を迎え、国民の皆様の御理解と御支援を得て厚生行政の諸課題に全力で取り組まなければならないときに、このような事態が生じたことはまことに遺憾千万でざんきにたえません。厚生省としては、失われた信頼の回復のために、これまで事実関係の究明とともに徹底した綱紀の粛正、再発防止のための業務の再点検等への取り組みを急いできたところであります。
 この中で、社会福祉法人の施設整備費等の悪用の実態につきましては、地元自治体を通じて調査を進めておりますが、これまでに把握したところでは、いわゆる彩福祉グループは、埼玉県及び山形県において、七つの社会福祉法人が工事中の五施設を含め八つの特別養護老人ホーム等を設置しております。これらの施設整備の総事業費は約百六十一億円であり、平成五年度から八年度にかけての国庫補助額は内示段階のものも含めて五十億九百万円となっております。また、埼玉県の五施設、山形県の二施設の建設工事を株式会社ジェイ・ダブリュー・エムが受注しており、その元請額と下請額との差額は約二十七億円となっております。
 これらの施設整備や資金の流れをめぐり、施設整備費補助金等の対象施設の選定、建設工事契約、社会福祉法人の認可、運営等に関して種々問題点が指摘されており、現在これらの施設の監査等を実施し、事実関係の調査、分析に全力を挙げているところであります。
 次に、岡光前事務次官につきましては、逮捕の容疑事実として捜査当局から乗用車の無償提供、現金の授受が挙げられております。厚生省においてもこれまで事実関係の解明に努めてきたところでありますが、強制捜査権はなく、厚生省としてこれ以上の事実解明は困難と考えております。逮捕翌日には厚生省もこの逮捕容疑について捜査を受けたところでありますが、今後は捜査当局に全面的に協力しつつ捜査の推移を見守るべきものと考えております。
 また、医療福祉研究会をめぐる問題については、出席していたと思われる者からの事情聴取等により調査を進めてきましたが、事実関係を踏まえ、昨日、十二月十六日、関係者を厳しく処分したところであります。
 その処分内容は、懲戒免職一名、減給が他省庁出向中の者も含め六名、戒告二名、訓告四名、厳重注意一名の計十四名となっております。また、医療福祉研究会関係者以外の者についても二名を減給処分としたところであります。さらに、厚生行政の責任者として、私は二カ月間俸給月額の二〇%を自主的に国庫に返納することといたしました。事務次官も一カ月間同様に返納することとしております。
 今後、厚生行政に対する信頼を回復していくためには、国民の皆様からかりそめにも疑念や不信を持たれることのないよう、徹底した綱紀の粛正を図るとともに、再発防止のための対策を確立し、厚生省の一人一人が国民全体の奉仕者としての使命感と責任感を持って国民福祉の向上のために全力で取り組んでいくことが必要であると考えております。
 このため、まず綱紀の粛正については、先般、職務上利害関係のある者や団体との会食、ゴルフ、せんべつ金、贈答品の授受等の禁止、特定の職務関係者が私的に主催する研究会への加入禁止などの措置を決定し、十一月二十九日、全職員に文書で徹底したところであります。これらの措置は、極めて厳しいものではありますが、幹部職員が先頭に立ってその徹底を図ってまいる覚悟であります。
 また、社会福祉施設の整備費補助金等の悪用の再発防止のためには、事実関係の究明とともに、このような補助金等の業務全般の適正化を進めることが必要であり、先般十二月五日、省内に官房長を本部長とする施設整備業務等の再点検のための調査委員会を設けたところであります。
 調査委員会においては、まず問題となっている社会福祉施設をめぐる事実関係を徹底して究明し、その問題点を踏まえて特別養護老人ホーム等の施設整備の補助金やそれを設置する社会福祉法人の認可、運営のあり方について再点検し、早急に改善措置を打ち出していきたいと考えております。
 さらに、その他の社会福祉施設や医療等の関連分野の施設整備等についても、透明性、公正性の確保等の観点から再点検を進め、速やかに改善事項を洗い出していきたいと考えております。
 今般の一連の不祥事はまことに残念きわまりないものではありますが、高齢者福祉の充実はいっときもゆるがせにできない課題であり、今回の事件により全国の福祉行政、福祉事業が後退するようなことがあってはならないと考えます。
 二十一世紀を目前に控え、急がなければならない社会保障構造改革の第一歩としての介護保険制度の創設、医療保険制度の改革を初め、厚生行政の課題は山積しており、厚生省一丸となって国民福祉の向上のために邁進していく覚悟であります。
 委員の皆様におかれましては、今後とも御指導と御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(上山和人君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○尾辻秀久君 今回の処分をするに当たって、事実関係の把握のためにどのような調査をされたのか、お聞きいたします。
○政府委員(近藤純五郎君) 十一月十八日に初めて新聞報道がございました。直ちに厚生大臣の方から私の方に指示がございまして、まだ当時は岡光事務次官でございましたけれども、事務次官の方からもいろいろと事情聴取をいたしました。
 その後でございますけれども、私が中心になりまして人事課長あるいは総務審議官などの協力を得まして、医療福祉研究会に参加をしていたとされております厚生省職員のほかに、この事件とかかわりがあったのではないか、こういうふうな関係者に対しましても、最低二回でございますけれども、集中的に直接事情聴取を行ってきたわけでございます。
 私ども強制捜査権がございませんので調査には限界があったというのも事実でございますけれども、対象者の方々、ほとんどの方が真摯に対応していただけたというふうに思っているわけでございまして、私どもとしましては精いっぱいの事実確認であった、こういうふうに認識をいたしております。
○尾辻秀久君 二点言わせてもらいます。
 まず第一点なんですが、「調査と処分について」というペ−パーももらいました。そこにどんなことが書いてあるかといいますと、「中元、歳暮についてはほとんどの者に梅干しが送られている事実が認められた。」、もうこれきりなんですよね。梅干し以外もらった者がいるのかいないのか、さっぱりわからない。それから、現金の授受については和田大臣官房付のほかは「そうした事実は認められなかった。」、「補助金の斡旋等の便宜供与についてはすべての者がこれを否定した。」、こうは書いてあるんだけれども、それを裏づける調査をしたのかしないのか、全くわからない。ちょっと悪く言わせてもらうと、暗にこれ以上はもうわかりませんでしたと書いてあるようなものなんですね。これでは通り一遍の調査で済ませたんじゃないかと言われても仕方がない。これが一点であります。
 それから二点目は、事実を調べるに当たって、どうも私の受ける印象は、小山容疑者とそれぞれの人との関係だけを調べている、何回飯を食ったとか何回ゴルフに行ったとか。しかし、問題はそこよりももっとほかにあったと私は思っているんですよ。
 午前の衆議院の質疑の中でも、結局、県における補助対象施設の選定に当たって当時厚生省から出向していた県の課長の関与が疑われる、ここが問題だと言っているわけですね。そのとおりだと思うんですよ。要するに、小山とその人との関係もさることながら、その横の連携の中で行われたことなんですね。そこの部分はさっぱり調査していないんじゃないかと私は思うんです。
 以上二点、あえて申しましたけれども、何かやっぱり全体として厚生省が本当こ深刻に内部の問題としてとらえて調査したのかどうか疑問に思うからあえてこの二点を指摘したんですが、どうですか。
○政府委員(近藤純五郎君) 先生御指摘のような調査と処分の関係につきましては、これは綱紀の面から中心に調べております。したがいまして、先ほど先生が御指摘ございましたような中元、歳暮でございますとか現金の授受等につきましては、これはもう個々に一括して調べておりまして、あとゴルフとか会食等につきましては、これは個別に、各人ごとに指摘をいたしているわけでございます。
 それからもう一点、先生が御指摘ございました今回の社会福祉法人の施設整備費の補助金を悪用した事件につきましては、これは別途の資料で用意いたしていると存じますけれども、これについては調査委員会もつくりまして一応の調べはできておりますけれども、さらに原因究明、これからの対策を盛り込んだ形で調査委員会で検討いたしまして、老人福祉施設の関係におきましては来年の一月、その他の施設の関係には来年の三月までに私どもの対処方針を明らかにしたい、こういうふうに考えております。
○尾辻秀久君 個々の皆さんについていろいろ書いてありますけれども、それもあくまでも会食とゴルフの回数だけでしょう。歳暮のことなんか一切書いてありませんね。必要なかったと思われたのかどうかはわからないけれども、書いていない。そのことを言ったのであります。しかし、その事実については、これが事実ですと皆さんがお示しになったんだから、今のところはそうですがとしか言いようがありませんからね。とにかく、そうですがと言っておきます。
 そこで、その事実を前提にして処分が行われたんですが、厳正に処分したんですかと聞けば厳正に処分したんですと言われるに決まっていますが、今度の厚生省が考えておられる厳正というのはどういうことだったのか、改めて聞きます。
○政府委員(近藤純五郎君) この事件そのものは私的な研究会を中心に、特に医療福祉研究会の関係は私的な研究会、勉強会という形であるわけでございまして、こういうものを舞台にいたしました綱紀の問題につきましては、これまでは普通は注意処分といいますか、懲戒には至らない、こういうふうな形で処理していた方がはっきり申し上げて多かったかと存じます。
 今回は、こういうものと関連した小山博史氏と、それから私どもの関係者の岡光、茶谷、こういう両人の事件も絡みまして、国民感情の面から見ても見逃しはできない、こういうことでこういう私的な研究会を舞台にしたものにおきましてもやっぱり厳正な処分を行うべきだ、職務に関連したと同様の厳正な処分を行うべきである、こういう判断のもとに処分を行った、こういうことでございます。
○尾辻秀久君 あえてこの質問をしましたのは、どうも処分を見てわからないことも幾つかあるんですね。厳しくやったから厳正だったとも言えない、これは当然のことです。
 わからないことを幾つか言いますと、まず大臣が俸給を国庫に返納されるということがある。ところが、普通に世間の常識からいったら、そのとき大臣でなかった人が、来たばかりの人が今大臣だから返納するの、じゃそのときの大臣の責任はどうなるのと言われたら、これはどうなるのかなと思いますよね。
 それから、関係団体に出向して厚生省に復帰した二名は懲戒処分ができないと言われても、厚生省に今いる人を厚生省は処分できないんですと言われても、普通の世間の常識ではそうですがとは言いがたい。これもやっぱりわかりづらい。
 それと、今度の処分を聞いて最も私がわからないのは、最後に何が悪かったから処分されたかというのがよくわからないんです。飯を食ったのが悪かったのか、ゴルフに行ったのが悪かったから処分されたのか、あるいは悪人を見抜けずに飯を食った、その軽率なことが悪かったのか、何が悪くて処分されたかというのが私にはよくわからない。ですから、どうも首をひねるものだからさっきの質問を改めてしたんです。
 今ちょっと幾つかわからないことを言いました。どうでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) まず、大臣と事務次官の関係でございますけれども、今回非常に国民に対しまして厚生行政の信頼を失墜するような不祥事が起きたわけでございまして、この処分に当たりまして、けじめをつける、こういう意味で最高責任者でございます厚生大臣、それから事務方の最高責任者でございます事務次官が給与の一部を返納しよう、こういうことできのうの発表になったわけでございます。
 それから、出向者の関係で、私どももこの懲戒処分を考えるに当たりまして、いろいろ常識的に見て首をひねる面も正直言ってございました。
 それで、まず申し上げますと、他省庁に出向している場合でございます。これは公務員関係が継続しているということで厚生省時代に行った非違行為につきまして現在の任命権者が懲戒処分ができるという解釈でございますので、これに基づきまして私どもは関係省庁にその旨を通知いたしまして、それに基づいて現任命権者に懲戒処分を行っていただいた、こういうことでございます。
 それから、関係団体に出向をして、それから戻ってきて現在厚生省の職員である、こういう方が二名いらっしゃるわけでございまして、関係団体に出向して厚生省に戻ってくるときに改めて公務員に採用した、こういうふうな形になっているわけでございます。したがって、国家公務員法上はそのときに採用になった、こういう扱いを受けるわけでございます。したがいまして、その前の時代の公務員時代に犯したものにつきましては、これは消えてしまう、こういう解釈がとられてきているわけでございます。したがいまして、注意処分はできるわけでございますけれども懲戒処分はできない、こういうことであったのでございますが、注意処分の中では最も重い訓告を行いました。それから、このお二人からは給与の自主的な返納、こういう形の申し出を受けております。
 それからもう一点は、現在でも関係団体に出向中である、公務員の身分は持っていない、こういう者でございますけれども、こういう者につきましては、現在、国家公務員の内部の秩序罰ということでございますので、内部規律ということでございますので外まで及ばない、厚生大臣の権限が及ばない、こういうことでございますので処分ができないわけでございます。
 今回、本人からは給与の相当分を自主的に返納したい、国庫に寄附をしたい、こういうふうな申し出があるわけでございまして、現行制度の中でのぎりぎりのやり方でございますけれども、公平な処分にできるだけ近づけたと、こういうことでございます。
○尾辻秀久君 何が悪かったんですかという部分についてはお答えにならなかったんですが、答えられますか。
○政府委員(近藤純五郎君) 具体的な中身につきましては、和田前審議官を除きますとほとんどが会食とかゴルフとか、それから勉強会でも費用負担しなかった、利害関係者と費用負担することなくつき合った、特にそういう人物が非常に問題の人物であった、こういうふうなことで厚生行政あるいは公務員に対する信頼を損なった、こういうことを理由に綱紀の面から問題があるということで処分に踏み切ったということでございます。
○尾辻秀久君 個々の問題でいろいろ言おうとは思いません。私が言いたいのは、騒がれたから処分したというようなことでは困るなと。本当にここが悪かったんだと、ここは反省するんだと、そういう姿勢に立ってほしいと思ったから今の質問をしてきたわけであります。ぜひ本当に悪かったところを反省してもらいたい、そう思います。
 それで、そういうふうに見ますと、今回の事件についていろいろ実態解明も進めておられると思うんですが、実態解明を進める中でどこに一番問題があったと厚生省は思っておられるか、お聞きをします。
○政府委員(羽毛田信吾君) 今回の事件でございますけれども、特別養護老人ホームの施設整備費補助制度をいわば悪用して起きた事件でございます。
 その背景となっている問題としてやっぱり幾つかこれからさらに解明をしなければならないところがございますけれども、大きく申し上げますと、一つにはやはり補助対象施設の選定に当たってその選定基準あるいは選定過程というものをもう少し明確化をするということが必要ではなかったかという点が一つでございます。
 それから、社会福祉法人の運営が今回のように特定の人のいわば専断で動かされるような状態をつくり出してきた、そのことをチェックする仕組みというものが十分に働いていたかどうか、ここらあたりが一番大きい問題だろうというふうに思っております。
 こういった点を中心にしてさらに今後解明をし、改善策を講じていかなければならないものというふうに考えております。
○尾辻秀久君 私に言わせてもらうと、厚生省がある程度のことは知っていながら知らぬふりしてきたことに一番問題がある、そう思っているんです。ですから聞いているんです。この前も兵庫県で似たようなケースがあったというのが県議会で改めて問題になったという報道もありました。
 厚生省は二十五年、実態調査をずっと続けてきておられますよね。その実態調査の中である程度こんなことというのは御存じありませんでしたか。
○政府委員(羽毛田信吾君) 今回の彩グループによりますこのような不正については、まことに不明でございますけれども、存じませんでした。
 しかし、毎年度、先生お話しのように、本省からする調査、そして各県が実施をいたします監査、こういったものの中でそれぞれ不適正な事例というものは出ておりました。出ましたものにつきましては個別の指導という形で改善をして、甚だしきものは社会福祉法人の取り消しまでいったものもございます。そういった調査あるいはその後の改善、そしてこの改善については県の方から報告をいただくということをし、またそういった不適正事例については全国的に注意を促すという意味で全国会議等においてその不適正事例についてこういう事例があった、こういうことについてそれぞれ注意して指導あるいは調査等をするようにということはその都度やっておりましたけれども、それ自体が今回のこういう事態が起こってみれば非常に甘いところがあったのではないかということについてはやはり反省をしなければならない、そして今後そういうことについてのチェック体制というものをもう一度考えなければならないということで調査委員会で今検討をいたしておるところでございます。
○尾辻秀久君 平成六年の調査でも、経営母体の社会福祉法人の理事会が開かれなかったり、法人の監事による監査で虚偽申告するなど理事会運営や監事監査が不適切、こんな施設が二八%あったというのは、これは厚生省の調査ですよね。たったこのこと一つだけでもちゃんとやられていたら、あんな理事会は開かれずに理事会の議事録だけがあったなんていうことはなかったと思いますよ。
 そこで、その一番象徴的な例として平成四年の行政監察の結果に基づく勧告がありましたね。これはどんな勧告でどういうふうに処理されましたか。
○政府委員(羽毛田信吾君) 平成四年の社会福祉法人に対する行政監察がございまして、そのことによりまして勧告をちょうだいいたしております。その勧告は、やはり競争入札ということを徹底するようにという趣旨のことが一つでございます。
 その過程でその競争入札に付すべき場合と随意契約等によれる場合との基準を明確にするようにということと、もう一つ特にございましたのが、特定の議案で特にその中の理事が特別の利害関係を有するというような場合にはその理事はその議決に加わらないというような、いわば福祉法人の運営が特定の利害関係のある業者と密着をして不正が起こらないようにということの規定というものはそれまで社会福祉法人の定款に入れるということの指導が欠落をいたしておりましたので、そういった規定を各社会福祉法人の定款に入れるように指導するようにという具体的な勧告をいただきました。
 それに基づきまして、まず定款の準則を改正いたしまして、今ございましたような特定の議案に特別の利害関係を有する理事はその議決に加わらないことの旨はその定款準則で明確にし、勧告全体につきまして、あるいは今申し上げた定款準則の改正につきまして、そのようなことで改正をしたのでそれを守ってやっていってほしいということにつきまして全国会議等におきまして指示をし、指導いたしたわけでございます。
 しかしながら、その結果が今日完全に履行され完全にそういう状態になっておれば今回の事件でも違った展開をしたであろうということは確かにそのとおりでございますので、その徹底方が足らなかったという点については反省もしなければなりませんし、改めてそういった社会福祉法人の意思決定の過程のあり方、それから契約についてのあり方、こういったことについてどういう観点からやるかにつきましては、先般も全国課長会議をやりまして各県の実情なりあるいは各県の意見なりというようなものを徴して再度調査もいたしておりますので、こういったことを踏まえて厳正に今後やっていきたいというふうに思っております。
○尾辻秀久君 反省しているとおっしゃっておられるので余り追い打ちしたくありませんけれども、まさにそのとおりなんですよ。理事が議決に加わらないところか、理事長が自分の会社に出していて、もうめちゃくちゃな話でしょう。この勧告が見事に無視されたとしか言いようがないわけですよ。このときの勧告の回答だとか、その後の改善措置状況なんて書いたものがありますけれども、これ読んだら恥ずかしいですよ。白々しいもいいところですよ。だから、この辺のところをしっかり反省してほしいということを私はきょうはずっと言い続けているつもりなので、ぜひ今後に生かしてください。
 それで、今お話しになりました全国の課長会議が開かれました、緊急に。これに指示をなさったというんですが、どんなことを言うならばチェックせいと指示されたのか言ってください。
 と言いながら時計を見たらだんだん時間がなくなってきているので、私がチェックしてほしいと思うことを二点言いますから、実に素朴なチェックポイントなんですが、ぜひチェックしてほしいと思います。
 まず今の話です。本当に社会福祉法人で理事会が行われているかどうか、議事録だけつくってごまかしていないか、これをきっちり一遍チェックしてみてください。
 それから、もう一つ素朴なチェックのポイントなんですが、施設をつくるときに設置者が自己負担すべき部分がありますね、本当に設置者が負担しているかどうか。どうやってチェックしてくださいとかなんとか言いませんけれども、本当に設置者がその分を負担しているかどうか、一遍きっちりチェックしてみてください。極めて素朴な部分なんです。
 この二点、お願いしますが、いいですか。
○政府委員(羽毛田信吾君) いずれも非常に大事な点であろうというふうに思います。ただ、チェックの仕方、どういうポイントをあれすればいわばうそでない本当のチェックができるかという点についてはさらに詰めて、いわば英知を集めなければならない部分はあろうと思いますけれども、そういう問題意識に立ちまして、この点は各県それぞれそれなりに苦労しているところもございますから、そういったところの知恵あるいは現場の知恵をかりながら、どんなことができるかやってみたいというふうに思います。
○尾辻秀久君 やっぱり、素朴なと繰り返したけれども、この辺から始めないと問題の解決はできないと思っておりますからお願いをいたしました。
 そこで、今度のことに限って言うならば、埼玉県で補助率が十六分の十五までになったことにあると私は思っています。幾ら社会福祉の補助だといっても、十六分の十五まで補助率を上げるというのは、これはやっぱり高過ぎると私は思うんですが、どうですか。
○政府委員(羽毛田信吾君) 先生今お挙げになりました十六分の十五という補助率、恐らくこれは国庫補助基準というものをベースにされまして、まず法定補助率でございますと四分の三でございますから十六分の十二ということになります。国が二分の一、都道府県等が四分の一ということになりますが、そこに現在埼玉県では県単の補助で十六分の三を上乗せしておられるので、それを足して十六分の十五ということであろうと思います。実際に特別養護老人ホームを整備する場合の費用は、御案内のとおり、国庫補助基準額を上回るケースが多しわけでごさします今回の場合もそうなっておるわけでございますので、そういう意味からいうと総事業費ベースの十六分の十五が補助されたということではございませんで、国庫補助基準ベースの十六分の十五ということでございます。したがいまして、総事業費ベースとの関係からいえば、やはり全体の施設整備について、つまり十六分の一だけ持てば施設整備ができているという状況では今の中ではございません。
 しかし、今回のように非常にその総事業費を膨らませることによって逆にいろんな操作がしやすくなったというような要素もございますので、その点は確かに問題意識としてはございますけれども、ただそれぞれの都道府県におかれまして、特に埼玉県のような場合は、この前もお答え申し上げましたとおり、施設整備が非常におくれているということで県としても今の新ゴールドプランの関係からいきましても施設整備を急ぎたいという思いがあって、そこへ力入れをされているということのあかしとしてそのような上乗せをしておられます。こういった各自治体における設置者負担の軽減を図るためのいわば独自の政策判断のもとで補助制度を設けられていることにつきましては、それぞれの都道府県の御判断ということにまちたいというふうに思っております。
 いずれにしても、そういう補助であれ何であれ、やはり厳正な執行ということについては今後ともきちっと見ていかなければならないものというふうに考えております。
○尾辻秀久君 数字そのものにこだわろうとは思いません。ただ、ここで言いたいのは、最近言われるように、社会福祉を聖域にしてしまったということは我々は反省しなきゃいかぬ、そう思います。そして、社会福祉法人というか施設というか、性善説に立ってやってきたこともやっぱり考え直さなきゃいけない。これはもうしょうがないと思うんです、これだけの事件が起きてしまえば。そして、そのあげくに、どういう言葉で言っていいのかわからぬけれども、私が思いつく範囲の言葉で言うと、福祉ブルジョアみたいな人をつくったんじゃ絶対にいけないと思っているわけであります。午前中のやりとりの中でも、大臣も補助金の見直しはやっぱりやらなきゃいかぬと言っておられますし、私もそのとおりだと思いますから、補助金の見直しはぜひしてほしいと思うんです。
 そこで、この補助金に関してちょっと本筋でない質問を一つだけさせてください。
 保育所の特別保育事業というのがありますね。これは厚生省がやれやれと言っているんですよ。やれやれと言ってやらせて、全部条件を満たしていたのに十一月になったら金がないからあなたのところは補助金つけられませんという話があるんですね。これ言われたらたまったものじゃないので、こんな補助金が食い物にされるぐらいならこっちに回してくれという話は当然起きてくるわけで、とりあえずこのことについてちょっと答えてください。
○政府委員(横田吉男君) 保育所の関係でございますが、時間延長型保育サービス等の特別保育事業につきましては、毎年度各都道府県から年度初めに厚生省に協議を受けまして補助の申請を行っているところでございますが、平成八年度におきましてはこの補助の承認の内示が例年に比べまして約二カ月ほどおくれてしまったところでございます。
 これは各都道府県、指定都市等からの協議書の提出が出そろうのが遅かったということが一点、それから全体の協議件数が増加いたしまして書類の審査とか内容の確認にかなり時間がかかってしまったためであります。承認内示に当たりましては、優先度の高いものから採択を行ったところでございますが、一部対応できないところが生じてしまったということでございます。
 私どもといたしましては、現在保育につきまして緊急保育対策等五カ年事業の推進を図っておりますけれども、今後この実施が着実にできるように必要な予算等の確保に努めるとともに、内示につきましてもできるだけ早く内示ができるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○尾辻秀久君 二点理由を挙げられたけれども、やっぱり言いわけなんですよね。ですからもうこれ以上のやりとりはしません。来年もあったら困ります。だから来年はないように考えてください。それから、ことし実際にやって十一月まで大変な経費をかけて、それが赤字になっているところがあるんです。何とか助けてあげる方法も考えてあげてください。二点申し上げておきます。
 補助金の見直しについて、自分の話でするのが一番わかりがいいので、私ごとみたいになるけれども、最後に言わせてください。
 私のおやじも戦死しました。第二次大戦で戦死した人、大変な数だ。国が赤紙で引っ張っていったんです。そして戦死したんです。その人たちの遺骨はいまだにまだ山野に散らばっているんです。こんなことぐらい国が、きっちり遺骨ぐらい持って帰ってくるのが国の責任だと思うけれども、残念ながら日本という国はこれをやらない。だれがやっているかというと、私たちみたいにおやじの骨があるから、おやじの骨をさらすわけにいかぬからといって自分たちでまだ今でも毎年遺骨収集に行くんです。じゃ、国は何と言うか。補助はしてあげましようと。国の補助というのは三分の二が限界なんです。だから三分の二は補助してあげます、三分の一は自分の金を払って行ってくださいと、こう言うんです。我々は我慢してきた。それが国の制度だというならしようがない、おやじの骨ぐらい自分で拾いに行くと思った。本当は国家がやるべき仕事だと思いながらやってきた。だけれども、その補助金が、同じ補助金が今度みたいな使い方をされていたらやっぱり黙っておれませんよ。何だということになる。三分の一自分の金を出して行けと言われて、素直にそうですがと言えなくなるじゃありませんか。
 最後に自分のことを言ったけれども、補助金の使い道は徹底的に見直してください。
 以上で私の質問を終わります。
○田浦直君 自由民主党の田浦直でございます。
 私は、医療保険改革についてお尋ねをしたいと思います。
 今の日本の医療というのは、本当に患者さんにも恵まれておる世界に類を見ないようないい制度だというふうに私は評価をしております。いつでも、どこでも、だれでもかかれるような、こういう制度というのは本当に余りないんじゃないかと思っているんですね。この制度をやはり維持していかぬといかぬというふうに思うんです。
 ところが、財政の問題からこれにちょっと陰りが見えてきている。この問題で最近いろいろ話題になっているのは、やはり患者の一部負担を少しふやしていこうということが出てきておるわけですね。私は必ずしもそれを否定するわけではないんですが、それをやってまた二、三年たつとまた行き詰まる、また値上げをする、こういうことの繰り返しが恐らく起こるんじゃないかというふうな気がするんですね。
 私は、そういうことにならないように、この医療保険の抜本的な改革といいますか、将来はこういうふうになりますからひとつ我慢をして協力してください、そういう姿を出していただきたいというふうに思うんですけれども、医療保険改革の目指しておるところは一体何なのかということからお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 日本の医療制度は基本的には私はいい制度だと思っています。いつでも病院を選ぶことができる、そして保険制度によって適切な医療サービスを保険で受けることができる、そういういい制度の中にも、これからの医療財政を考えてみますと、だれがどこで負担するのか、適切な医療サービスを受けるためにどの程度の負担がいいかという問題も考えなければならないときに来ております。
 現在の医療保険制度を健全に発展させていきたい、そしてお互い病に倒れたときも心配ないような医療サービスを受けられるような制度を維持していきたいという観点から、今回、将来のあるべき医療提供体制はどのようにしていくべきか、またこの医療保険制度というものを継続的に維持発展させていくためにはどうしたらいいかという点から、給付と負担の見直しに手をつけざるを得ない。そして、医療改革というのは、どんな制度でも同じだと思いますが、いい点もあれば必ずそうでない点もあると思うんです。そういう中で、一歩一歩改革をしていきながらあるべき姿に近づけていきたいという観点から、今回の医療保険制度改革に向けて今鋭意作業を進めている段階であります。
 率直に言いますと、構造的な医療保険財政の赤字体質というものをどうやって解消していかなきゃならないか、そして適切な医療提供体制をどうやって拡充していくかという観点から、ある程度の患者の負担の引き上げもやむを得ないのではないか。同時に、これからの安定的な医療保険財政を考えるにおいてどういう方策があるかということで今詰めているわけでございまして、今後ともこの現在の医療保険制度を安定的に発展させるためにという観点から、何とか御理解の得られるような法案を提出したいというふうに考えております。
○田浦直君 そこで、大臣の諮問機関であります医療保険審議会というものがありまして、そこから建議書というのが最近出されておるわけであります。
 私は、この医療保険審議会を見まして、少し人員の構成のアンバランスがあるんじゃないかなというふうな気がするんですね。と申しますのは、これは今二十五名なんですけれども、厚生省のOBもたくさん入っておられますけれども、診療側の委員、現場の委員というのが二十五名中三名しかおらない。建議書をつくられたこの小委員会の中には十一名のうちたった一人医師会の方から委員が入っているというだけなんですね。私は、患者と接するのはやっぱり医師であり歯科医師であり薬剤師であり看護婦である、その中から十一名中にたった一人ではやはりバランスがとれていないんじゃないかという気がしてならないんですね。建議書の内容も主として、もうほとんどが財政問題に終始しているような気がするんですね。
 そういう意味から、まずこの審議会のメンバーを少し検討していただけないかなというふうにお願いをしたいんですけれども、その件についてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) 医療保険審議会の委員の方々でございますが、これは、今、先生御指摘のとおり、現在二十五人以内で学識経験のある方から厚生大臣が任命する、こういうことになつでいるわけであります。現在、そういった中で有識者の方を初めとしまして医療関係のいろいろな関係団体の方々に参画いただいておるわけであります。医療保険、医療をめぐる関係者の方は非常に多うございまして、そういった中で二十五人以内、目いっぱい二十五人命お願いしているわけでありますが、そういった中でそれぞれ幅広い御意見が賜れるように考えながらお願いをしているわけであります。
 そういった意味で、それぞれの関係者の団体から複数入っている場合もありますし、あるいはお一人という場合もございます。一定の枠の中で御議論いただくということになりますものですからどうしてもその辺のところは限界があろうと思いますけれども、やはり本来のこの審議会の趣旨というのは幅広く医療保険関係の御意見を賜るということでありますから、そういった観点から我々も委員の任命をお願いするときには考えていかなきゃいけないというふうに思っております。
○田浦直君 今の御答弁を聞くと変えないということのようですけれども、これは平成四年にできたと思うんですが、そのときの枠を何もそのままやらなくても、それは弾力的に運営していくべきじゃないかなと思うんですね。
 私、今度の建議書を見まして、やはりそこが欠けているというのがたくさんあります。それを私が今から一つ一つ指摘していこうかなというふうに思います。
 まず、今度の建議書の中身は、今、大臣がお話しになったように、例えば老人だと一割から二割、薬剤で三割から五割、健保本人では二割負担をするというふうになっておるわけですね。これはお年寄りあるいは患者にとってはかなりの負担になるわけですね。それでもやらなければならないという御決心があられると思うんですよ。あられるなら、まず自分の方でやれるものを先にやってほしい。それをやって国民に負担をお願いするということなら私は理解できる。
 その一つとして、今、政管健保が非常に赤字だと。しかし、政管健保の金を今大蔵省に九千五百億預けている。これは一体どうするんですか。これを返してもらえば一つも赤字じゃないんですよ。大蔵とどういう交渉をされているのか、まずそれをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(真野章君) 先生御指摘の九千五百億でございますが、これは政管健保の国庫補助繰り入れ特例措置ということでございまして、深刻な一般会計の赤字財政状況のもとで必要な予算の確保を図るということからやむを得ない措置として実施されてきておりまして、元本といいますか額が七千四百三十九億で、一定の前提を置きまして運用収入分を試算いたしますと、先生御指摘のとおり、九千五百億ということでございます。
 ただ、現在、政管健保の財政の見通しでございますが、このままの状況が続きますと平成九年度におきましては約七千八百億の単年度の赤字が発生するというふうに考えておりますし、平成十一年までの三年間をとりましても平均年一兆円前後の赤字が続くと……
○田浦直君 大蔵とどういう交渉をやっているのかと聞いているんだよ。
○政府委員(真野章君) 失礼いたしました。
 それにつきましては、先ほど先生御指摘のありました医療保険審議会の建議書におきましても、「現下の国の財政状況の厳しさを踏まえた上で、可能な限り適切な措置を考えるべき」という御指摘も受けまして、大蔵省に現在返還の折衝をいたしておるところでございます。
○田浦直君 それはいつまでに解決するんですか。だって患者に負担を求めているわけだから、その前に解決しなければだめですよ。いつまでに解決すると約束できますか。
○政府委員(真野章君) 御指摘のとおり、現在、政管健保は大変な赤字構造体質に陥っております。したがいまして、先ほど来お話がございましたように、医療保険制度の構造改革ということとあわせて、その一環として返還を求めていきたいというふうに思っております。
○田浦直君 この繰り延べ金については衆参の大蔵委員会でもきちんと附帯事項をつけて、請求があったら速やかに返すべしと書いてあるんですよ。法律で決めてあるんですよ。それを厚生省が大蔵省に要求しているわけですから、そんなのはいつまでに返していただくということをはっきり述べなければ、だって一方では患者さんにこれだけ負担をさせてというのが出ているわけでしょう、そっちの方を片をつけずに取りやすいところから取るというのではちょっとこれは説明できない。交渉して、それは今年金部払えとは言わなくても、例えば三年でもあるいは二年でも分割しますとか、何か誠意のある回答を持ってこなければ、今のままでは私はのめない。どうですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 委員の御指摘のように、今鋭意大蔵省と折衝しています。当然の理論だと思います。
○田浦直君 ぜひひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それから次に、私はやっぱり薬価を整理しなければいけないと思うんですね。医療費の中で三割は薬価なんですよ。もう八兆円になる。製薬メーカーが苦しんでおるのならともかく、非常に今景気がいいんですよ。これは私どもから言うと、一つは薬価基準ということで高値安定をしておるわけなんですよ。だから、国民に一割の負担を今からさせますということであれば、僕は製薬メーカーの方にも一割カットしますというぐらいのことを出してほしい。八兆円ですから八千億金が浮いできますね。
 この建議書を見ますと、薬価については透明化を図る、抜本的な方式を考えると書いてあるんですよ。それだけなんです。もっと具体的なものを出さなければ、国民に対しては具体的に請求をするわけでしょう、要求をするわけでしょう、こちらサイドのものはそういうふうな抽象的なあいまいなことでは私はできないと思うんですね。
 だから、薬価に対して一体どういう切り込み方をやるのか、それをまずお答え願いたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) 御指摘のとおり、我が国の場合、先進諸国と比べますと薬の占めるシェアが非常に高いということがかねてから指摘をされておるわけであります。そういった中で、できるだけ適正な薬価というものを定めていかなきゃいけない。しかも、自由経済の中でどういった方式で適正な薬価の水準というものを確保していくべきなのか、これはかねてからいろいろと議論されてきておるわけであります。
 そういった中で、現在R方式ということでRの幅を決めながら逐次薬価の引き下げを図ってきておるわけでありますけれども、さらにこれをもっと抜本的に改善できないかということがあろうかと思います。そういった意味で、これからやはり新しい医療保険制度というものを考えていく中の一つの課題としてこの薬価の決め方について根本的に検討していくということになっておるわけであります。
 ただ、それまでの間それでは何もしないのかというと、そうではありませんで、やはりこの薬価差の縮小というものを順次図っていくというような仕組みで今進めておるわけでございます。
○田浦直君 だから私は、一つはやっぱり財政が苦しくなってきているわけですから国も負担をしなければならない、患者さんも負担をしなければならない、それなら薬の方も負担をしなければならないという考えになるだろうと思うんですよ。みんながやっぱりその痛みを分かち合ってそれぞれ分担していかなければならない。
 しかし、この中には薬に対することについては何にも出ていないんですよ。今おっしゃったように、先は考えておる、透明化は図ると書いてあるんですが、具体的なものが出ていない。今、政管健保の繰り延べ金の話もありました。国も努力しましようと今おっしゃっている。国民にも負担をさせましようとおっしゃっているわけだから、今の段階でやっぱり薬の方にもそれだけは負担してほしい、八兆円もあるわけですから。そういうふうなことをひとつぜひ切り込んでいただきたいと思うんですけれども、もう一遍答弁をしてください。
○政府委員(高木俊明君) 若干繰り返しになりますが、御指摘のとおり、この薬価基準というものをいかに適正にしていくか、それからまたその薬価基準そのものにかわる新しい方式というものがないか、この辺なかなか難しいのでありますが、外国の例なんかも参考にしながら適正な薬価というものを確保するようにしていかなきゃいけない、これは我々も同じ気持ちでございます。
○田浦直君 だから、この出し方がおかしいと思うんですよ。国民の負担の方を先に出すわけでしょう。ほかのは後から出す。それがどうしても僕は納得できないんです。自分たちがまずやることをやって、そしてどうしてもうまくいかないから何とかしてくれと言うならわかるんですよ。国民の方にはまずこれだけ負担してください、自分たちは後で努力しましようということでしょう。それでは国民は納得しませんよ。私も納得できないんですよ。だから、自分の方も本当に汗をかいて血を流すぐらいの努力をしてほしい、それで今具体的に幾つか挙げてきておるわけなんですよ。ぜひそれをこの法案を出すときまでにはきちんと出してください、そういう約束をしてください。
○政府委員(高木俊明君) 今の現行制度をどういうふうに変えていくか、これはやはり相当幅広い検討をしていく必要があろうと思います。それはそう簡単にその回答が出るということでは私はないと思います。これはもうこれまで医療保険制度の長い歴史の中でいろいろ検討はされてきた、改善がされてきたわけであります。そういった中で、現在のやり方というのはR幅というのを決めまして一五から順次下げていくというような仕組みをとってきておるわけでありまして、そういった意味で現行の制度の中でその幅を狭めていきながら改善をしていくとともに、そもそもの薬価基準そのものの方式というものをどう考えるかということについてやはり検討していかなきゃいけないと考えております。
○田浦直君 だから、患者に一割負担させるなら薬価を一割カットしなさいと言っているんですよ。簡単に言っている。そのくらいの決意があるのかと聞いているんです。この問題はもう同じことでしょうからまた後ほど質問させていただきます。
 この建議書で老人一割から二割負担、薬価三割から五割負担と出ていますよね。老人の今までの負担金というのは三年前に一カ月千円、それから千十円、千二十円となってきているんです。今度の建議書で出ているのでは、例えば二割で薬価が五割というのが一番大きい、一割で薬価が三割というのが一番小さいと思うんですが、老人の負担金というのはそれでやると大体どのくらいになるんですか。
○政府委員(羽毛田信吾君) 今回の医療保険審議会の建議書、そして老人保健福祉審議会の意見書におきまして患者の一部負担の水準について見直しをするという方向は出ておるわけでありますけれども、その具体的な水準なり、あるいは定率か定額かというようなところにつきましてはまだ幅のある御意見になっております。
 老人保健福祉審議会で申し上げれば、老人の患者の一部負担を一割程度の負担とすることが適当という意見のほかに、二割の負担とすることが適当という意見もまた出、薬剤負担についても三割程度の患者負担が考えられるという意見が出ましたけれども、それについてはさらにいろんな要素を考えて決めなさい、こういうふうに出ております。
 したがいまして、こういうもろもろの意見をちょうだいして、目下、先生も御案内のとおり、与党の中におきまして予算を控えて鋭意その御議論をいただいておるところでございます。したがいまして、現在特定の案がまだない段階でございますので、それについての影響額ということにつきましては、まだ今の段階では仮定の数字ということになりますので、申し上げることを控えさせていただければというふうに思います。
 いずれにしましても、これから早急に与党内の御議論等も踏まえまして案を固めながらその負担を考えてまいりたいというふうに思います。
○田浦直君 じゃ、今、老人の一カ月で平均は幾らなんですか。あるいはその中の薬価分は幾らなんですか。それは出ているでしょう。
○政府委員(羽毛田信吾君) 現在、平成六年度の実績で申し上げますと、老人が一月当たりで外来で約二万三千円ぐらいでございます。それから、入院で約三十四万円ぐらいというのが一月当たりの平均の医療費でございます。
○田浦直君 その中の薬価、二万三千円の中の薬価は。
○政府委員(羽毛田信吾君) 五割弱の数字になっております。
○田浦直君 大体そんな数字だと思うんですよ。それで試算するとすぐ出てきますね。私が今言いました二割の薬価五割でいくと一万円を超えますね。それから、一割の薬価三割でしても六千円になりますね。千円、千十円、千二十円の負担からそれだけの負担に本当に耐えられるのかどうかということも慎重にひとつ考えてほしいんですよ。お年寄りですから腰も痛ければ目も悪い、内臓も悪いという人が多いんですね。これ三つやると大変な値上げになるんです。三千円ぐらいなのが三万円ぐらいになる。安い方でいっても一万五、六千円になる。こういう数字を隠しておってはいかぬと私は思うんです。だから、そういうものをまず出してみて、やっぱりこれじゃ難しい、これじゃちょっと負担が強過ぎるというならば、それをどういうふうに繰り延べるとか何らかの方法を考えなければいかぬのじゃないかなというふうに思うんですよ。
 私は、一番初めに大臣にもお聞きしたんですけれども、一体どういうふうにこの保険財政を持っていこうとしておるのかというところが見えてこないんですよ。ただ赤字になったから負担してほしいと。しかし、負担するにしては余りにも多過ぎるんです、急に。それはどういうふうにやるのか、そういうものをひとつ出してほしいなというふうに思うんですけれども、御答弁をお願いします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今、建議書の中で出ている負担率をもとに計算して御負担をいただくと、確かに現在の負担に比べるとかなりの額になります。そこで今苦慮しておるんです。この一両日大変議論をいただいておりますけれども、その建議書どおりでやると急激な負担に耐え切れないのではないか、何とか御理解がいただけるような負担をお願いできないかということで今議論が始まっている最中でございますのではっきりとした額をどの程度と今の段階では言えませんが、その点御勘案いただきまして御理解いただければと思っております。
○田浦直君 大臣、ぜひよろしくお願いをしたいと思うんです。
 もう一つ問題があるのは、定率でやるか定額でやるかということなんです。
 一つは、やっぱり定率でやるとどうしても重い方が負担が大きくなる。そうすると、病院にかからなくなるし、薬ももらいに来なくなる可能性がある。それからもう一つは、定率でやると医療機関の事務の窓口の煩雑さというのが非常に強くなるんです。例えば一割、二割、三割というふうな、今そういうふうになっていますね。そのたびに計算をやり直さぬといかぬ。これでは恐らく窓口がパンクします。
 そういった意味からも、私はできるだけ定額でやった方がいいんじゃないか、患者さんのためには。患者さんの方にしても、今は仮に値上げになっても幾ら用意しておけば一つの診療所にかかれるという安心感がありますね。でも、これが定率になると幾ら要るのかわからない、行ってみぬとわからない。行ったらレントゲンを撮りましょう、やっぱり心電図を撮らぬといかぬ、こう言われた場合に、撮る医者の方も躊躇する、撮られる方も、あかん、きょうはお金を持ってきていないとか、いろんなそういう不安がある。私は、そういう意味からはやはり定率でなくして定額でぜひやってほしいなというふうに思いますけれども、これも大臣、よければひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 一方で定率でやるべしという議論があります。一方で、今、委員御指摘のように、定額でやるべしという議論があります。しかし、最終的にはどちらかに決めなきゃなりません。もうしばらく時間をかしてください。
○田浦直君 もう時間も参りましたから終わりたいと思いますけれども、財政も確かに大事ですけれども、くれぐれも患者さんのことをぜひ考えていただいて、今までのいい医療制度を続けていただきますようにお願いを申し上げておきます。
 以上でございます。
○水島裕君 私は、医学畑でずっと活動している者でございますから、その立場から今回の臨床試験絡みの京都大学の事件及び岡光前事務次官の収賄容疑事件に端を発しました綱紀粛正というものと、学問あるいは今後の研究の発展ということについてお尋ねいたします。
 まず、文部省の寺脇課長がいらしておりますから文部省にお聞きしたいんですけれども、私はかねてから今回の京都大学の事件のようなものが起きるのではないかというふうに考えまして、本年の二月二十日に文部省、厚生省、製薬協に臨床試験への公務員の参加ということについての問題点を至急解決するようにということの要望書を出しておりますが、その点は覚えていらっしゃいますでしょうか。
○説明員(寺脇研君) 二月二十日にちょうだいしておりまして、そのときは私の前任の課長がちょうだいいたしましたけれども、引き継ぎを十分受けております。
○水島裕君 その後、文部省としてはどういう対策をとられてまいりましたでしょうか。
○説明員(寺脇研君) 国立大学の附属病院等におきます医薬品の臨床試験の受託、いわゆる治験の取り扱いにつきまして文部省といたしましては、この治験に係る不祥事が平成六年、七年に続発をいたしましたことから、昨年の十二月に国立大学医学部附属病院長会議の常置委員会というところに治験問題小委員会が設置をされまして、文部省におきましてもこの会議と連携をとりつつ改善方策を検討していたところでございます。
 今お話ございましたように、本年二月には委員からまた御要望もいただいたところでございまして、それに沿って鋭意検討を進めてまいっておるところでございます。この病院長会議の方では三月と七月に小委員会報告をまとめておりますけれども、これをさらに詰めまして早急に取りまとめをしたいと考えております。
○水島裕君 その七月の案が私の手元にもございますけれども、これは近い将来文部省案となる、恐らく骨子になるのではないかというふうに思います。それを見ますると、治験に関する費用というのは治験の期間は直接本人がもらわないようにということになっておりまして、今度の京都大学の事件はそれより大分前でございますけれども、それにしても直接もらっているというところで問題は全くないというわけではないと思いますけれども、データの改ざんとか、そういうこれまでいろいろ治験で不祥事があったときに見られたような不正というものはなく、そういった点では余り問題がなかったんじゃないかと思います。その点、文部省はいかが把握なさっていらっしゃいますでしょうか。
○説明員(寺脇研君) 今回の京都大学附属病院におきます治験の問題につきましては、現在のところ、京都大学の医学部の教授会の中に特別調査委員会を設置いたしまして、その中で事実関係とか服務上の問題点について調査を行っていただいておるところでございます。その中で、その時点における治験実施手続や服務上の取り扱いに照らして適切であったかどうか、現在調査をいたしておるところでございますので、それを受けまして私ども判断をしてまいりまして、今後の取り扱い、先ほど来申し上げました昨年来やっておりますものをまとめる段階で十分留意をいたしたいと考えております。
○水島裕君 これは後で法務省にもお伺いしたいんですけれども、これはやはりなるたけ早く明確な結論を出していただかないと、我々こういう仕事をしている、ほかの臨床研究もそうですけれども、本当に今びくびくしながらやっているというのが現状でございます。
 法務省の方もいらしていると思いますが、現在、治験に関しましてこういうことをいろいろ議論しているということを踏まえて、法務省、あるいは今度の京都地検などはいろいろ行動をなさっていらっしゃるんでしょうか。
○説明員(麻生光洋君) 御指摘の国立大学病院におきます医薬品の臨床試験に関する事項は私どもの所管事項ではございません。したがいまして、先ほど委員が御紹介なさいましたような検討につきまして私ども通知はいただいていないわけでございます。したがいまして、一般的な問題といたしましては、法務省といたしましても、また検察庁といたしましても、そのような状況は存じていないわけでございます。
 なお、委員のお尋ねは、御指摘の京都大学をめぐる刑事事件の捜査を行っております京都地検におきまして、その事件の捜査の過程でそういう検討状況を知っていたのかというお尋ねかとも思いまするけれども、この点につきましては具体的事件の捜査の内容にかかわることでございますので、法務当局といたしましては答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○水島裕君 捜査の内容に関係するから法務省あるいは地検の方からは言いにくいということでしたら私の方から申し上げますけれども、これは京都大学でも地検がいろんなことを知らないんじゃないかというようなことで地検にはいろんな書類を持って行っております。その中にはただいま私が、あるいは文部省から御紹介がありました先ほどの治験に参加する案というのも行っておりますので、そういうことも承知してやっているというふうに思います。
 いずれにしましても、私が問題にさせていただきたいことは、現在このようなことが国会あるいは省庁、それから学会、私も今臨床薬理学会の理事長をまだやっておりますけれども、臨床薬理学会というのはこういう治験その他に関しまして学問的な裏づけあるいは学者の意見を聞く学会でもあるわけですけれども、そこでも非常に今議論があるわけでございます。製薬協でも議論をしているし、そういうふうに議論をしている最中に、もちろん悪質なものはどしどし捕まえていただいて結構なんですけれども、そういう議論をしているときに梶講師を捕まえて二十日間も勾留するということが妥当であったかどうかということについて、今御答弁しにくいと思いますけれども、お尋ねしたいわけなのであります。
 京都大学の医学部出身の井村総長は私が昔からよく知っている友達でございますし、今度の調査委員長は病院長の吉田という人がやっておりますけれども、その方々に聞きましても、公務員が治験に参加したときに起こる一般的な問題点、先ほどから出ております一般的な問題点以外には何ら違反はなかったというふうに申しておりますし、私も自分が調査した範囲ではそうでございます。
 いずれにしましても、先ほど寺脇さんの方にも申し上げましたけれども、事実関係をはっきりして、こういうことで二十日間も捕まえたということをなるたけ早く明確にしていただかないと、患者さんのための治験というのは今どんどん進行しているわけですね、だけれどもそれが出てこなくなっちゃいましたので、もうここをやめさせてもらいたいということで非常に混乱しております。
 お答えは非常に難しいかとも思いますけれども、私のお願いは、できる限り早く事実を明確にして、こういう点が問題だった、こういう点さえなければどうぞ国民のために臨床試験を続けてほしいというようなことを早く出していただかないと現場が非常に困るということでございますけれども、何かコメントございますでしょうか。
○説明員(麻生光洋君) 委員御指摘の事件につきましては、現在なお京都地検で捜査中の事件でございますので、その捜査の内容にかかわる部分につきましては答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、京都地検におきましては、内偵捜査の結果、収賄罪の嫌疑があるものと判断いたしまして、法令に基づきまして適正に逮捕・勾留を行って捜査を進めてきたものと承知しております。
○水島裕君 それだけを今現在臨床試験をやっている医師その他の人が聞きますと、もうとてもじゃないけれども、いろいろ新聞に出ていることで捕まえたのが適切だということになりますと、これはもうやめようかと。今、ただでさえ、後で大臣の御意見なんかも聞きたいと思うんですけれども、日本では臨床試験がやりにくいし、きちんとした科学的な成績も出ないので、もうほとんど外国に頼んでいる、日本で開発したものも外国に頼んでいるような状況なんですね。それで何かちょっとあると捕まっちゃうというのでは、もうこれ本当にこういう方面の学問は完全にストップするという危険性さえあります。その辺のことは法務省はおわかりにならないと思いますからお答えは結構です。言いっ放しにしておきます。
 次に、業務局長にお尋ねしたいんですけれども、今回問題になりましたボツリヌスというものは日本国民のためになくてはならないいわゆるオーファンドラッグの薬でございまして、私も通常国会の厚生委員会でずっとそういうことを言い続けてきた者でございます。
 ところが、今度の京大事件でもって、細かい理由は申しませんけれども、これ認可にはなったんですけれども、市販、国民が使えるようになるのが最低でも数カ月はおくれてしまう。こういうことを一生懸命だれかが言わなければ、もう半年も一年もおくれてしまう可能性があると思います。
 こういうことを考えて、ひとつ業務局としましても、業者の指導も含めまして、こういう必要なものが、せっかく認可になっているものが国民が早く使えるように、こういう事件でもって、仮に梶講師が悪かったとしましても、それで多くの難病のためになる、役に立つ薬が世に出なくてもいいということにならないわけでございますので、この点、業務局長、ぜひ検討していただきたいと思います。
○政府委員(丸山晴男君) 今、先生お尋ねのオーファンドラッグにも対象になっておりますボツリヌストキシンという医薬品でございます。これは、ジストニア患者さんという顔面がけいれんをしたり、それから痙性斜頸、頸椎のところがけいれんをしたり、あるいは目のまぶた、眼瞼がけいれんをしたり……
○水島裕君 そういうことはよく知っています。
○政府委員(丸山晴男君) 失礼いたしました。
 という方に対しまして、先生大変よく御承知のとおりでございますが、ボツリヌス毒素を注射してそれで治療をするということで、心臓に近いところに入れますと先生御承知のように米国でも死亡例も出ておりますので、当面眼瞼けいれんというものに絞って承認をしたわけでございます。
 当然ながら、市販後の対策といたしまして、すべての使用症例についての調査を行ってほしいこととか、あるいは注射手技に関する知識経験の十分な医師に使用限定をしてくれとかといったような市販後の条件をつけてございまして、このメーカー自身、京大の治験事件の発生後、これらの承認条件の実施に向けての社内体制づくりに支障を来しておるのが実情でございまして、現在、承認は受けたものの医薬品の供給見込みが立たないという状況でございます。
 現在、医薬品の供給が開始されるような状態になって薬価収載するという段取りになっておりますので、こういったようなメーカーの中での社内体制づくりの現状を踏まえまして、私どもとしましても、安定的な医薬品の供給ができるだけ早く開始されて薬価収載できるように、このメーカーに対しまして適切に指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
○水島裕君 医務省の方もこれだけ影響が大きいということをよく認識していただきたいと思います。厚生大臣にお伺いいたしますけれども、今申しましたように、この事件が早く明快にならないと治験もおくれてしまうということであります。国民のために必要な医薬品の治験というのは現在も進んでいるわけでございますが、早く公務員を中心として治験に携わるときの取り決め事項を文部省と相談して、文部省はこのごろとても物わかりがよくなって、むしろ厚生省の方が物わかりが悪そうなところが最近はございますので、大臣からひとつ厚生省と文部省で至急つくるように命じていただいて、これができない限り本当に皆が安心して臨床試験の活動もできませんので、それをくれぐれもお願いいたします。いかがでございますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 治験依頼者から金銭授受の疑惑を招かないように、現場に混乱を来さないように、文部省とよく連携を密にして基準の明確化に努めていきたいと思います。
○水島裕君 それでは次に、綱紀粛正のことについてお尋ねいたします。
 まず、官房長にお尋ねいたしますけれども、厚生省の本省、特に幹部職員が岡光事件などから関係して厳しい綱紀粛正を行うというのま反省の念もあるということで私大賛成でございます。
 大賛成でございますけれども、十二月四日に出された国立病院職員にあてての厚生省職員の「綱紀粛正の徹底について」というのを私拝見いたしましたら、厚生省職員、この場合国立病院の医師、看護婦でございますけれども、一定の相手というふうにはなっておりますけれども、恐らく我々との会合のときにコーヒーは飲んでもいいけれどもお茶菓子は食べてはだめだということであります。
 それから、研究会のときに後で粗飯が出ても食べてはいけないと。この間、実は厚生省の班会議を国立病院で私どもやりまして、途中でもうおなかが減ったからというので本当に粗飯をとったんです。そのとき厚生省国立病院の職員、何ら職務権限のない普通の研究者でございますけれども、かわいそうなことにその人たちだけ退席をして御飯を食べなかったわけでございます。国立病院の人がいなくなった後、御飯を食べている間に非常に重要な議論が出てきて、これは後でまた国立病院の人に聞かせてあげなくちゃいけないなということで、先ほどの話じゃないですけれども、本当にばかばかしいことが続いているわけであります。
 もう一回言いますけれども、厚生省の本省の特に幹部職員、あるいはこの間の人のように出向している人はいろんな職務権限を持っておりますけれども、国立大学病院とか国立病院の医師、看護婦というのは、私は大学は国立も私立も両方とも行ってきましたからもう一〇〇%わかるんですけれども、私立医大の職員に比べて特別な権限というのは何ら持っていないわけですね。もちろん、病院にある機械を入れましようとかというのはみんなで相談して決めますけれども、そういうものはもうどこでも同じことでございます。そのほか特別な権限というのは全く持っていないわけですね。そういう人たちに今度の規制をするということは何もメリットがなくて、不便ばかり感じるわけですね。
 極端な例を言いますと、国立病院に勤めている看護婦さん、看護婦さんには権限なんというのはほとんど何もないわけですけれども、国立病院に勤めている看護婦さんが製薬会社に勤めている親友とお菓子を食べることもできない、あのまま読みますとそういうことになってしまうわけでございます。
 はっきり申しますと、そういう権限のない人は今度の綱紀粛正から、ちょっと聞いてみましたら、厚生省の本省の人も我々のボスだし仲間という気も少しはするから一緒につき合って少しは綱紀粛正、自粛をしてもいいけれどもとは言っておりますからもうちょっとあるいはやってくれるかもしれませんけれども、どこかの時点でやはりそういう対象から外される方がいいんじゃないかと思います。
 厚生省の職員は、私が言うのもなんですけれども、七万六千人ぐらいいるわけですね。そのうち何と国立病院の人というのは五万三千人で、看護婦さんは三万人ですね。ですから、厚生省にわあっとみんな言うと、悪い代官が何か悪いことをしたら本当の良民である看護婦さん、国立病院の看護婦さんまで妙な規制をされてしまうということになりますので、その点、官房長、いかがでございますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) これはもっともな御指摘でありまして、当初この綱紀粛正策を出すときにもその辺大分苦慮しました。補助金もそうだと思うんです。補助金がすべて悪い。そうじゃない、たまたま補助金の仕組みを悪用されたということで補助金の見直しを今進めておりますが、この綱紀粛正策についても結局線引きのしようがなかった、これだけ疑惑があって。そこで、この際思い切り一挙に、非常識と思われるかもしれないけれども、思い切った厳しい案を出そうということで綱紀粛正策を出したわけであります。
 当然、あつものに懲りてなますを吹くという批判が出ております。そういう批判を今私は歓迎したいと思うんです。なますを吹いておかしいじゃないかと言っている間にだんだん私は常識的な線が出てくるんじゃないかと。それまでしばらく御批判をいろいろ聞きながら、できるだけ早い機会にもっと常識的な、日ごろまじめに働いている方が支障を来さないような綱紀粛正策が出てくるんじゃないかと。しばらくおかしいじゃないかと言われてもやむを得ないような案を出していくということを御理解いただきたいと思います。
○水島裕君 わかっていておやりになっているんでしたらそれでいいと申し上げてももちろんいいんですけれども、けさも念のために三つの大きな国立病院の長に聞いてみましたら、やはりこのまま続くと自分が主催している学会あるいは研究会ももしかするとできなくなるんじゃないかということがありますので、そういう点は十分みんなわかっておりますので、ある時期からそういう活動に支障がないように意味のないところの綱紀粛正はひとつ少しずつおやめになるようになさっていただきたいと思います。
 それから、これも本当にそうなるかどうか存じておりませんが、先週の金曜日の読売新聞を見ますと、公務員全体についても同じようなことを今度閣議決定なさるかもしれないということでございます。そうしますと、例えば国立大学の教員に講演を依頼しても、原則としてしちゃいけない、だけどどうしてもするときは上司の許可を得る、来ても講演料は渡さないということまで本当になさいますと、これはもうすぐ学会シーズンとか何かがあるわけですね、そういうときに国立病院の人にいろいろ頼めない。
 それから、私はこういうことが起こるといつもぐあいが悪いと思うのは、人権とか自由というものがすっかりなくなるような感じがするわけです。学者というのは学会に出すときに一々上司の許可を得て出しているわけではないわけです。学会活動はみんながやりくりしてできればということで、常識的にそういう自由を持ってやっているわけでございますけれども、これを見ますとそれもできなくなる。大事なシンポジウムをやったけれども、後になってからそれはいけないと。大学の中にまた妙な厚生省ができるようなものでありまして、変な許認可権ができたりなんかして学問の自由も奪われるということもありますので、その点について大臣、お答えいただければと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今の御意見を伺っていても、この不祥事の影響というのは大変大きいと思います。しかしながら、常識的な綱紀粛正策の基準を決めるまでには時間がかかると思います。その時間まで待って何もしないということについてもまた御批判を浴びると思いまして、その基準ができるまで思い切って厳しい粛正策を今講じているわけでありますので、時期が来ましたら何とか早く常識的な線が出せるように鋭意努力をしていきたいと思いますので、よろしく御協力をお願いしたいと思います。
○水島裕君 思い切って厳しいというのは小泉大臣らしくて大変結構なんですけれども、もう既に一月、二月の日程、そういうもので非常に困っているところがございますのでよくいろんなことを考えてやっていただきたいと思います。
 それと、これも大臣からのお答えになるかとも思いますけれども、今度科学技術基本法が通りまして、その基本計画によりますと五年間で十七兆、基礎研究、自然科学の研究に政府としてお金をつけるわけでございます。厚生省関係でもだんだん大型化になりまして大変結構なことでございますけれども、医薬品機構の研究費は来年度は四十一億ということで予定されている、あるいは計画が立てられているわけでございます。
 私の申し上げたいのは、これらの研究費が正しく、しかも効率よく使用され、円滑にこの自然科学の研究開発が進むように、厚生省もそうでしょうけれども、公務員全体にわたって職務権限に絡む公務員の綱紀粛正と職務権限がない、本当のことを言いますと、国立病院とか国立大学はどっちかというと民営化してしまったらいいと。あの人たちが公務員である必要はないし、本人たちも公務員と思って、そんなことを申しますと多少失言でございますけれども、公務員として働いているつもりは余りないのでございます。ですから、少なくとも一部の業務を民営化する、国立病院は大部分を民営化するという方向でよろしいんじゃないかと思います。
 いずれにしましても、そういうふうにはっきりと分けて、綱紀粛正がただでさえ欧米に今おくれをとっております自然科学分野、何も自然科学に限らないと思いますけれども、学問研究の発展を阻害しないように、大臣、ぜひその辺は考えていただきたいと思いますので、その点、最後に御意見がございましたらお願いいたします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 厚生省関係の科学技術関係予算はもちろんでありますけれども、この科学技術関係予算というのは自民党としても大変重点的に扱っております。大変重要なこれからの将来の科学技術のことを考えましても、外国に立ちおくれている、また外国におくれをとってはならぬという意味で私は積極的な予算確保が必要だと思っております。
○水島裕君 どうもありがとうございました。
○渡辺孝男君 平成会の渡辺孝男です。
 彩福祉グループ問題に関連して質問をいたします。
 彩福祉グループの山形進出に厚生省から出向していた元課長の二人が関与している疑いが持たれております。現在、山形県議会では社会福祉法人彩山会・彩江会対策特別委員会を設置しまして、彩福祉グループの山形進出をめぐる一連の問題を究明するため、本日開催されている予定ですけれども、この二人を参考人招致するということを十二月十三日に決定しまして、県議会議長名で二人に要請文を発送しておりますが、どうもこれは実現しないようだということであります。
 そこで、小泉厚生大臣にお尋ねしたいんですけれども、厚生省から山形県に出向していた職員に関したことであり、厚生省にも責任があると考えます。この中の一人である黒川弘樹前障害福祉課長は、昨日、処分を受けております。私は、国民の厚生省に対する不信感、出向制度に対する不信感を払拭するためにもぜひこの二人には参考人招致に応じてほしいというふうに思っておりますが、厚生大臣としましてこの出向していた二職員に対して参考人招致に応じるようにと要請するようなことは考えておられますでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 今回の彩福祉グループをめぐります事件につきましては、厚生省としてもでき得る限りの事実関係を明らかにしたい、こういうふうに考えているわけでございまして、今回の山形県の県議会からの参考人の出席要請につきましても、できる限りの協力をいたしたいというふうに考えております。
 若干、事実関係を……
○渡辺孝男君 いや、もう簡単に。協力していただけるということですね。
○政府委員(近藤純五郎君) はい。きょうはちょっと無理でございますので、次回の機会には両名そろって出席できるように私どもの方から最大限の努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
○渡辺孝男君 次いで、官房長にお尋ねします。
 厚生省からの山形県の出向者は通常三年の任期でありました。しかし、この問題となりました前障害福祉課長はこれまでの慣習と異なり二年で中央へ戻っておりますが、これはどういう理由でありましたでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) この山形県のケースでよろしゅうございますか。
○渡辺孝男君 はい。
○政府委員(近藤純五郎君) 通常、山形県に出向している場合には大体一回ポストをかわりまして三年というケースが多いわけでございます。黒川課長の場合には、よく言われております企業との関係、あるいは小山博史氏との関係で地元で問題があるのではないか、こういうふうな問題が指摘されたそうでございまして、そういう面で県庁の方から二年を契機に厚生省に戻ったらどうか、こういうふうなお話があったというふうに聞いておりまして、そういうことも考慮いたしまして二年で帰ってきたと、こういうことを伺っております。
○渡辺孝男君 今のお話である程度わかったような気がします。
 次の質問に入らせていただきます。日本医療機能評価機構について質問させていただきます。
 日本医療機能評価機構という財団法人が昨年七月に設立されておりますが、この財団法人について設立の目的を含めて簡単に説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 今お話のございました日本医療機能評価機構につきましては、医療施設の機能について学術的な観点から中立的な立場でこれを評価するということで、昨年の七月に設立をされたものでございます。
 本財団につきましては、役員は日本医師会あるいは病院団体等の関係団体の代表あるいは学識経験者等から成り立っております。
○渡辺孝男君 この財団に社団法人である日本病院寝具協会及び日本メディカル給食協会より寄附金が入っていますが、その金額は幾らですか。
○政府委員(谷修一君) 一千万円だと承知しております。
○渡辺孝男君 一千万ずつですね、二つありますから。
○政府委員(谷修一君) そのとおりでございます。
○渡辺孝男君 この寄附金は厚生省よりこれら二社団法人に対して依頼したものでしょうか。
○政府委員(谷修一君) この病院機能評価の問題につきましては、平成六年九月に病院機能評価基本問題検討会におきまして、従来やっておりました自己評価とともに第三者評価が必要であるという結論が出されております。
 これに伴いまして、この日本医療機能評価機構という財団を設立するために、平成六年の暮れに日本医師会の中に日本医師会、それから病院団体等から成る設立準備室が設置をされました。この設立準備室におきまして、この財団の運営が病院の機能評価を全国的にやっていくということから、設立発起人の方から社会保険、医療あるいは福祉等にかかわる団体等へ幅広く協力を求めたものでございまして、その結果としてただいま申し上げました日本病院寝具協会、それからメディカル給食協会からも寄附を受けたものでございます。
 なお、今申し上げましたような経緯でこの財団への寄附はその設立の趣旨に賛同していただいた団体からなされたというふうに理解をいたしておりまして、厚生省におきましても、この設立趣旨を御理解いただくために、幅広く財団設立の趣旨あるいは病院機能評価の必要性等については説明をいたしておりますが、寄附の強要は行っていないというふうに理解しております。
○渡辺孝男君 強要はしていないけれども、お話はしたわけですね、最初に厚生省の方から。
○政府委員(谷修一君) 冒頭に申し上げましたように、この平成六年九月の病院機能評価基本問題検討会につきましては、厚生省において医師会と共同でこの検討委員会を設置したというような経緯もございますので、病院機能評価の必要性ということについては幅広くいろんなところに説明はしてまいりました。
○渡辺孝男君 また、厚生省よりこの日本医療機能評価機構には補助金が出ているようですけれども、その額を年度ごとこ示してください。
○政府委員(谷修一君) これにつきましては、設立当初に支援をしていただきたいという医療関係者からのお話がございまして、平成七年度に約三億二百万円、平成八年度に二億三千万円の補助をいたしております。
○渡辺孝男君 この機構には評議員がおられますけれども、その評議員の役割、権限はどういうものでしょうか。
○政府委員(谷修一君) この評価機構の寄附行為の中に理事会及び評議員会が設置をされておりまして、評議員につきましては「理事長の諮問に応じ、必要な事項について審議し、助言する。」というふうになっております。
○渡辺孝男君 この評議員はどなたが、いつ、どのような基準で選んだものでしょうか。
○政府委員(谷修一君) 「評議員は、理事会で選出し、理事長がこれを委嘱する。」というふうにこの寄附行為の三十一条に決められております。
○渡辺孝男君 いつごろ大体決まったんでしょうか、その評議員の方は。
○政府委員(谷修一君) 財団の設立時は先ほど申しましたように平成七年七月でございますから、この時点で決まったというふうに理解をしております。正確な時点はちょっとはっきりいたしません。
○渡辺孝男君 この評議員の中に寄附を行った日本病院寝具協会の村田士郎理事長とメディカル給食協会の中村清彦会長が入っているようですが、間違いありませんか。
○政府委員(谷修一君) 評議員につきましては、医療関係団体あるいはこの財団の設立の趣旨に賛同していただいた方が約二十九名入っております。その中に今お話しの中村氏並びに村田氏は入っております。
○渡辺孝男君 村田士郎氏については今回の彩福祉グループ関係でも話題に出ておりますので、これまで厚生省との関係についてちょっと述べさせていただきたいと思うんですけれども、公正取引委員会が平成六年六月二十四日に西日本病院寝具協会の会員であったワタキューセイモア株式会社ほか四十三業者及び日本病院寝具協会に対して独占禁止法違反のおそれありということで警告を行っております。また、そのとき公正取引委員会は厚生省に対しても、このような独占禁止法違反の背景、原因として厚生省健康政策局課長通知に基づく業務代行保証制度があると認められたので、この制度に起因して競争制限的行為が生じないよう、その業務代行保証制度自体の必要性の検討も含めた抜本的見直しを申し入れております。
 さらに、本年四月九日、公正取引委員会は財団法人日本医療食協会及び前出の村田士郎氏が代表取締役副社長をしておる株式会社日清医療食品に対しても独占禁止法違反の勧告を行っております。同時に、公正取引委員会はこの件に関しても厚生省に対し、日本医療食協会が医療用食品の登録制や製造工場認定制度及び販売業者認定制度を実施してきたことが独占禁止法に触れるとして、今後本件と同様の行為が再び生じることがないよう協会に対する指導徹底をするとともに、厚生省所管の公益法人において今後このような行為が生じないよう指導することを要請しておりました
 以上述べましたように、村田士郎氏が関係する企業・団体は再三にわたり公正取引委員会から勧告を受け、そのたびごとに厚生省も注意を促されていたのであります。今回の彩福祉グループ事件に関しましても、村田士郎氏は丸投げによる裏金づくりの舞台となったジェイ・ダブリュー・エムの大株主でもあり、さらにシルバーマーク未取得業者が締め出されたとして問題になっておりますシルバーサービス振興会の理事でもあります。
 以上、少々くどくなりましたけれども、村田士郎氏が近年公正取引委員会から独占禁止法違反の警告をしばしば受け、しかもそれに伴って厚生省も注意を促されてきた事実があったことを述べました。
 私は、医療の変革期に当たって重要な役割を担うと目されるこの日本医療機能評価機構にこのような人物が評議員として名を連ね、またそれと関係して問題となっている二つの協会から寄附を集めていたことに対して驚きを覚えるとともに、本機構そのものに対しても疑念を生じざるを得ない、そのように思っております。
 そこで、官房長にお尋ねいたします。
 厚生省は、公正取引委員会のたび重なる指摘を受けながら、あえて本機構に村田氏やその関係協会を参加させたのはどのような理由があってのことでしょうか。発起人会、理事会、評議員会ではこの人選に対して異論はなかったのでしょうか。その点に関してお伺いいたします。
○政府委員(谷修一君) この財団の設立に当たりましての経緯につきましては先ほどお話をさせていただいたとおりでございますが、平成六年十二月に日本医師会館の中に設立準備室ができて、平成七年の六月だったと思いますが、設立発起人会が第一回の会合を持っております。その過程におきまして、日本医師会あるいは病院会、看護関係あるいは歯科関係、医療保険の関係、幅広く関係者に設立の趣旨等についてお話をして、その結果基本財産あるいは運営費についての助成についての申し出があってこの財団が設立をされたということでございます。
 なお、先ほどお話のございました医療食協会につきましては、既にことし十月の理事会におきまして来年の三月に解散をするという決定をいたしているところでございます。なお、病院寝具協会につきましては、公正取引委員会からの勧告を受けまして、いわゆる代行保証につきましては寝具協会以外の業者についてもこれを認めるという通知を出しているところでございます。
○渡辺孝男君 肝心の村田氏やその二つの協会が入ることに対して疑義が出ていなかったのか、厚生省はそれを何も特別おかしいと思わなかったのかどうかという点に関して質問したんです。
○政府委員(谷修一君) 設立発起人会並びに設立の際の評議員会あるいは理事会においてそのような話が出たということは聞いておりません。
○渡辺孝男君 そういうことのようですけれども、私は非常にこれは問題ではないかというふうに思います。
 小泉厚生大臣にお伺いしたいんですけれども、これまで私が述べてきたような理由で私は日本病院寝具協会の元理事長であります村田士郎氏、及び日本メディカル給食協会会長中村清彦両名は評議員として不適格ではないかというふうに考え、評議員から除くべきではないかというふうに私は考えますけれども、大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) いろいろ御批判がある点を調べまして、適切な改善措置を講じていきたいと思います。
○渡辺孝男君 念のために官房長にお聞きしたいんですけれども、この日本医療機能評価機構の企画立案、設立にかかわった人の中に例の小山容疑者が代表となっている医療福祉研究会に参加していたメンバーが入っておりますでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 私は承知いたしておりません。この関係につきましては残念ながら調査しておりません。
○政府委員(谷修一君) 少なくとも私どもが知る限りにおいて、発起人あるいは評価機構そのものに今問題になっております彩グループの関係者がいたということは承知しておりません。
○渡辺孝男君 現在問題になっている疑惑の解明と、それによりゆがめられました福祉行政を抜本的に改革するためには、村田士郎氏と厚生省がどのように接近し、どのような関係をつくっていたのかを解明することも大事なポイントではないかと私は思います。
 そこで、これは官房長に要求したいんですけれども、今問題になっております日本病院寝具協会、それから日本メディカル給食協会、そして日本医療食協会及びワタキューセイモア、日清医療食品に天下りをしました厚生省のOBの全名簿を委員会に提出していただきたい、そのように思います。いかがでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 調べまして提出いたしたいと思います。
○渡辺孝男君 次に、日本医療機能評価機構が行っております病院機能評価事業について近藤官房長あるいは担当の方にお伺いいたします。
 この事業は、関連の文献によりますと、病院の機能を学術的観点から中立的な立場で評価し、その結果明らかとなった問題点の改善を支援する目的で行われるとされておりますが、それに間違いないでしょうか。
○政府委員(谷修一君) 学術的な観点から中立的な立場で評価をするということを目的にしております。
○渡辺孝男君 評価の際、百二十万円あるいは百八十万円の手数料を取って病院機能の評価を行うとされておりますけれども、その結果は患者や一般市民に情報公開されるような方向で行われるんでしょうか。
○政府委員(谷修一君) 全国的にこの事業を行うのは来年度からでございます。平成七年度と平成八年度は全国百五十ぐらいだったと思いますが、病院を対象にして運用調査を行いました。その結果、平成九年度から全国の病院を対象にして機能評価をやっていくということでございますが、今、財団の方で考えておりますのは認定証みたいなものを出したらどうかということを検討されております。最終的には恐らく来年の三月ぐらいには決まるんだと思いますが、できるだけその結果については国民にわかりやすいような形で公表していくという方向で議論を現在されているというふうに承知をしております。
○渡辺孝男君 もしこの病院の機能評価事業が本稼働に入った場合に、将来は全国の病院がこの評価を受けるようになるというような見込みで行っているんでしょうか。
○政府委員(谷修一君) これはあくまでも評価を受けるかどうかは病院の判断でございますので、財団の方では、先ほども申しましたように、全国の病院を対象にして事業を展開していきたい、できれば全国の病院をやっていきたいという考えは持っておられると思いますが、物理的な問題もありますので一気に全部の病院をやるわけにまいりませんから、徐々に範囲を広げていくということだと思います。
 ただ、繰り返しますが、あくまでも評価を受けるかどうかは、先ほど手数料のことも申されましたけれども、病院側の判断で、希望でやっていくということでございます。
○渡辺孝男君 シルバーマーク制度でも問題になりましたけれども、この病院機能評価あるいは認定証を受けないと病院としてのステータスが得られないような特殊な認定証になるというような危険性はないのでしょうか。
○政府委員(谷修一君) この病院の機能評価そのものは、病院自身がどのような内容でありその地域でどのような位置づけであるか、そしてまたどういう点を改善していかなきゃいけないかということを学術的な観点から中立的な立場で評価を受けるということでございます。しかもこれは、先ほど来繰り返して申していますように、病院みずからの希望に基づいて行うということでございますから、いわゆるマル適マークといったような概念とは違うんじゃないかというふうに理解をしております。
○渡辺孝男君 この日本医療機能評価機構にも何人か厚生省のOBが天下りしているようですけれども、何人ぐらい入っていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(谷修一君) 理事の中に四人おります。いずれも非常勤でございます。
○渡辺孝男君 この病院機能評価の事業に当たる職員としましては、非常勤あるいは常勤のドクターの方とか看護婦さんとかさまざまな方が参加されるようですけれども、その職員体制というのは大規模なものになる予定でしょうか、それともやはり官公立の病院の職員が非常勤としてそこで働くような形になるんでしょうか。
○政府委員(谷修一君) 実際に病院の機能評価を行うに当たりましては、お医者さん、それから看護婦さんあるいは事務の方が数名のチームを組んで一つの病院に行って、大きな病院の場合には二泊三日、小さな病院の場合でも一泊二日ぐらいで実際の調査をするということでございます。
 そのようなことをやっていただく方をサーベイヤーという呼び方をしておりますが、昨年からこのサーベイヤーになっていただく方の研修をこの財団で始めております。現在二百五十人ぐらいの方に講習をやっていただいて、大体来年から各地でやっていただくということで、これは別に国立病院とか公的病院とか民間病院とかそういうことではなくて、希望していただいてやっていただく方に非常勤でお願いをするという形で考えております。
○渡辺孝男君 この病院の評価には寝具とか給食とか、当然そういうことの評価も入ってくるわけでございますね。
○政府委員(谷修一君) 七年度と八年度にかけまして、その評価のためのマニュアルというものをつくって、先ほど言いました運用調査の中でそれを改善をして、現在最終的なものにつくるということをやっております。
 病院の機能といいましても、外形的なものから内容的な給食ですとか検査ですとか、そういうものも当然入るというふうに思います。
○渡辺孝男君 時間もなくなってきました。本当はもう一つ、狂牛病に対する質問も用意していたんですが、今話題になっている大事な彩福祉グループ問題ですのでこの点に関しての質問だけになってしまいました。
 私は、このたび問題になりましたように、一部のグループが私腹を肥やそうとしてこのような問題が起きてきたというふうに考えております。厚生省がそのようなグループによって厚生行政がゆがめられるようなことがないように、ましてや厚生省がそれに手をかすようなことがないように厳正な指導徹底を厚生大臣に強く求めます。最後に厚生大臣のお言葉をいただければと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今回の不祥事を契機に、今までの反省も踏まえて厳正な指導を行ってまいりたいと思います。
○渡辺孝男君 以上で質問を終わります。
○日下部禧代子君 小泉大臣には初めて質問をさせていただきます。厚生行政の御経験、また高い御見識をお持ちでいらっしゃいます大臣にきょうは社会保障の構造改革の方向、あるいはまた国と地方の役割分担などこれからの厚生行政についての根本的な課題について大臣の御意見、あるいはまた哲学をお聞かせいただければと楽しみにして参りました。
 まず、今回の厚生官僚による汚職事件に関連いたしましてお伺いしたいと存じます。
 大臣は、今回の事件につきまして、たびたび岡光前次官については極めて特殊で例外的な人物というふうなお言葉を使って御説明をされております。そしてまた、昨晩、厚生省関係官僚の処分が発表されました。しかしながら、今回の事件というのは、単に極めて特殊な例外的な人物による個人的な事件として、あるいはまた単に倫理的な視点からだけで片づけられる問題とは思われません。
 つまり、この事件にはシステムとしての問題がたくさんあるというふうに私は思うわけでございます。特に、国と地方の役割分担、そしてまた補助金行政のあり方についても構造的な問題を提起しているように私には思われるわけでございます。
 一九八六年のいわゆる機関委任事務の団体事務化法、これは地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務の整理及び合理化に関する法律という長い法律でございますが、機関委任事務の団体事務化法と呼ばせていただきます、によりまして社会福祉法人の設立認可等多くの権限が都道府県知事に移譲されました。さらに、一九九〇年の福祉八法の改正によりまして措置権限が市町村に移管され、市町村が施設・在宅福祉サービスを担う制度的な枠組みが整備されたというふうに言われております。
 しかしながら、実際こま社会福祉法人の認可は、社会福祉施設の設置にかかわる国庫補助の内示と表裏一体として行われております。そして、国は補助金交付によって広範な裁量権と事実上の決定権を握っているというふうに言ってもよろしいかと思います。
 機関委任事務から団体委任事務に転換されたと申しましても、これは一九九五年三月末現在でございますが、機関委任事務の項目は、都道府県の事務の八割以上を占めている、そしてまた、市町村の事務の四割以上を占めているわけでございます。その中でも厚生省関係がトップでございます。
 さらにまた、いわゆる必置規制というのが御承知のとおりございます。これは中央政府が自治体に対して施設の設置あるいは特別の資格及び職名を配置するということを義務づけておりますし、またその配置基準というのも詳細にわたって省令あるいは通達によって規制しているわけでございます。このような必置規制もやはり各省庁の中で厚生省関係が一番多いのでございます。今、必置規制というのは六百八十九事項あると言われております。そのうち厚生省関係が何と五百三十三事項にわたっております。
 こう見てまいりますと、一見地方分権が進められているというふうに見えましても、厚生省は最も各省庁の中で中央コントロールが強い省庁であるということも言えるのではないかと思うわけでございます。
 また、補助金を受けることができた事業につきましては、起債が簡単に認められるわけであります。また、その元利償還は地方交付税で面倒を見るということもできるわけであります。したがいまして、財政力の弱いいわゆる三割自治と言われている自治体にとりましては、補助事業を獲得するか否かということはまさに死活問題と言ってもよろしいのかと思います。したがいまして、国の補助金を幾ら引き出せるのかということが自治体職員の仕事になってしまっている、常に国の方を見詰めているという状況があるわけでございます。
 また、ゴールドプラン、新ゴールドプランによりまして厚生省の補助金交付決定権というのは量的にはむしろ拡大強化されているように思うわけでございます。今回の事件というのは、自主財源の裏づけのない権限移譲、地方分権がいかに危ういものであるか、特に厚生省にとってはいかに中央コントロールが強いかということを図らずも露呈した事件ではないかというふうに私は思うわけでございます。
 本年三月の地方分権推進委員会の中間報告におきましても、「地方公共団体の自主性・自立性を高める見地から、国と地方公共団体の役割分担の見直し、」「国と地方公共団体の財政関係についても基本的な見直しを行う必要がある。」というふうに言っております。このように、財政的なコントロールによって、人と金によりまして国が実質的権限を握っている現在の補助金行政の仕組みというのは、地方分権の観点からはやはり問題があるのではないか。
 このような補助金行政に象徴される現行の厚生行政におきますいわゆる集権的パラダイムをどのように変えていくべきか、この点に関しましての大臣の御見解をまずお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(小泉純一郎君) 地方分権というのは、行政改革、財政改革の中でも今一つの大きな課題になっております。私は、地方分権というのは本来みずからの財源を地方が持たないと真の地方分権とは言えないと思っております。
 そういう中で、この厚生行政に関していえば、特に最近は保健・福祉サービスについてはもう地方自治体の役割が非常に大きくなっている。国と地方団体の役割分担を見直すということが大事であると同時に、地方の自主性というものを尊重していかなきゃならない。そういう限られた中で、今では確かに地方分権と言うにふさわしいような自主財源を地方は持っておりませんけれども、これからはその自主財源まで含めたような地方分権制度を私は推進していく必要があるんじゃないかと。しかし、当面においては限られた範囲の中で、この補助金に対して中央と地方の関係はどうあるべきかという点は既存の制度の中でも見直していかなきゃならないと。本来的には私はもっと地方に権限を移譲していくべき問題だというふうに考えております。
○日下部禧代子君 大臣は、今回のこの残念な厚生省汚職に関しましても構造的ないわゆる国と地方との、特に厚生省における問題、地方分権を含む問題が大いにかかわりがあるというふうにお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) これはどっちかというと地方の方がむしろ中央省庁に顔を向けちゃう、中央とのコネやパイプがないと予算がつかないという関係で、地方分権といいながらむしろ中央志向の傾向が強いという中で補助金の制度を悪用した問題ですから、現行制度の中でどうしてこの補助金が悪用されたのか、またそういう仕組みがどのように改善されるのかという点検を今進めているわけでございます。現行制度の中でも直すべき点はありますから、その反省点を踏まえ、指摘された点を再点検しながら改善措置を講じていく、あわせて、今、全体の地方分権の中でどうしたら本来の地方分権が進むかという問題も考えていくべきじゃないかというふうに考えております。
○日下部禧代子君 この事件は、私が最初に申しましたように、やはり地方の自主財源のない、大臣も御指摘になりましたような今の国と地方との関係、そこからどうしても地方が中央を見詰めざるを得ない、その中からこのいわゆる汚職の温床のようなものがそこにあるというふうに私は指摘させていただきます。厚生省は調査会をお持ちになるとおっしゃっておりますので、ぜひともこの点も含めて調査を進めて、そして改善策を考えていただきたいと存じます。
 次に、社会保障の構造改革についてお伺いしたいと存じます。
 社会保障制度審議会、これは私も委員でございましたが、昨年の七月に「社会保障体制の再構築に関する勧告」を発表いたしました。そこで、国民負担率という言葉は誤解を招くとしまして、あえてこの言葉を用いませんでした。社会保障と国民の負担について「国民生活を安定させるための費用は、いずれは誰かが負担しなければならない。」というふうに述べておりまして、「本来、社会保障に係る公的負担、すなわち社会保険料と社会保障公費財源は、望ましい公的給付の水準と利用者負担金などの私的負担とを併せて考慮し、選択・決定されるべきものであり、公的負担だけが前もって給付水準と切り離されて数量的目標として決定できるわけではない。」という勧告を出しております。
 しかし、現在の社会保障構造改革の方向を見ておりますと、先般の社会保障関係審議会会長会議中間報告にも見られますように、国民負担率という言葉が再びひとり歩きを始めているというふうな感じを私は強く持つわけでございます。
 そこで、制度審勧告と社会保障構造改革の方向性というのが果たして食い違いがあるのかないのか、厚生省は制度審勧告の趣旨というものをどのように受けとめられて社会保障構造改革にどのように生かしていらっしゃるのか、その点、厚生省に承りたいと存じます。
○政府委員(中西明典君) 先生御指摘の社会保障制度審議会の勧告につきましては、公的負担と私的負担がいわばトレードオフの関係にあるという御指摘がされておるところでございます。
 社会保障関係審議会会長会議の中間報告でございますが、国民経済の活力を維持していくためには公的な主体による活動を国民経済全体の中で一定の範囲内にとどめる必要があり、国民経済全体の中で公的主体の活動がどの程度の比重を占めているのかを知るための指標として国民負担率が高齢化のピーク時において五〇%以下という目安を設定することは公私の活動の適切な均衡をとる上での指標となり得ると評価しているところであります。
 これは、御承知のとおり、第二臨調でありますとかあるいは行革審でありますとか、そういった政府の審議会でも同様の位置づけがなされているというふうに認識しているところでございます。社会保障制度につきましても、今、先生の方からお話がございました制度審勧告において公的負担と私的負担との関係が述べられておるわけでございますが、この制度審の勧告をまず踏まえた上で、また制度審の勧告の中で指摘されておりますように、負担能力のある者には応分の負担を求めつつ、給付と負担の両面でより公平な制度にしていくということと同時に、今後予想される社会保障負担の急速な増大傾向に耐え得るような合理的、効率的なものに制度を仕組んでいく、その上での目安として国民負担率を位置づけているものでございまして、私どもとしましては制度審の勧告と今般の社会保障関係審議会会長会議の中間報告というのは特段大きなそごはないというふうに認識しております。
○日下部禧代子君 私、頭が悪いのかわかりませんが、余りよく御説明がわかりませんでしたが、続きましてそれに関連した質問をさせていただきます。
 厚生省の社会保障関係審議会会長会議中間報告におきまして「社会保障の給付と負担の見通し」というものをお示しになっていらっしゃいます。しかし、残念ながらこれには利用者負担とかあるいは民間保険の保険料、家族による扶養、介護、育児、そういったいわゆる個人的負担というものは含まれておりません。先ほど私が引用いたしました制度審勧告の趣旨から申しましても、その負担について、また国民の合意を得るためにもこうした個人的負担についての推計というものはやはりあわせて示す必要があるのではないかというふうに私は思います。
 社会保障関係審議会会長会議中間報告は、国民負担率を五〇%にとどめるためには医療、年金の給付を二割削減する必要があるとしております。仮にそうした場合の医療、年金の具体的な給付水準、そしてまたこれに伴う個人負担の増加というのはどの程度になると考えていらっしゃいますか。
○政府委員(中西明典君) 最初の御質問でございますが、社会保障の給付と負担の見通しにつきましては、従来より租税と社会保険料負担の規模がどの程度になるのか、制度審のお言葉を用いますれば公的負担ということになろうかと思いますが、その公的負担の規模に着目してどの程度の規模になっていくのかという観点から推計を行ってきているところでございます。
 先生御指摘の利用者負担や個人的な負担の問題でございますが、公的な制度に係る利用者負担、例えば八割給付であれば残りの二割が利用者負担になるわけでございますが、そうした負担が全体としてどのように推移していくのか、それにつきましては各制度を含めて、技術的な面も含めましてどのような推計が可能なのか、今後ひとつよく検討させていただきたいというふうに考えております。
 それから、家族による例えば育児とか介護に係るような個人的負担につきましては、そもそも各個人の負担を把握するというのは非常に難しい面があろうかと思います。例えば、介護を家族がされているケースにつきましても、おじいさん、おばあさんが面倒見ているケースもありましょうし、息子さんが面倒見ているケースもありましょうし、その際の機会費用がどうかというのはこれまた非常に計算しがたい面もあろうかと思います。仮に大胆に割り切って負担の範囲というのを決めるとして、その負担の範囲をどう決めればいいのか、あるいは具体的にどのような計算をすればいいのか、技術的な面も含めて一般的な意味での私的負担というのはなかなか難しかろうという感じがいたしております。
 それからもう一点でございますが、国民負担率との絡みで医療及び年金を中心に……
○日下部禧代子君 済みません、時間が限られておりますので。
○政府委員(中西明典君) じゃ、簡単にお答えさせていただきます。
 社会保障関係審議会会長会議の中間まとめで、二〇〇一年度以降一・五%という低い水準で推移した場合、仮に社会保障の見直しのみで国民負担率を将来とも五〇%以下にとどめるとするならば、医療、年金を中心に二割以上の給付の効率化、適正化が必要だという見解が示されているところでございまして、これは将来二割以上の給付の効率化、適正化を行わなければならないという主張をしているものではございません。
 それをどのような形で具体的に効率化、適正化を図るのかという問題につきましては、例えば医療をとらえて考えれば、利用者負担の見直しで対応するのか、あるいは診療報酬の組み立ての変更でアプローチするのか、あるいは医療提供体制の再編成でもってアプローチするのか、いろんな手法があるわけでございまして、これらにつきましては今後審議会等における議論を踏まえ、国民的な合意も得ながら決定されるべき問題だと考えております。
○日下部禧代子君 国民合意を得るためにもそういうものを先に出さなければ国民的合意というのは得られないんです。今ずっと御説明になったのは、これは御説明というよりも弁解でありまして、そういうことをきちっと明確にしてから国民的合意を得るというプロセスが重要なのであって、今おっしゃったことは私から言えば順序が逆さまだと思います。
 そのことも含めまして大臣にこれからのいわゆる公的負担というものについてのお考え、そしてまた社会保障の経済社会におけるセーフティーネットとしての役割を果たせる社会保障水準についてのお考えをお聞きしたいわけでございます。
 現在、措置から契約へ、あるいはまた選別から普遍主義へという言葉が言われております。しかしながら、ただ単にこれは市場メカニズムあるいは市場パラダイムだけにゆだねていいものかどうか、そういうことも含めまして御見解を承りたいと存じます。
○国務大臣(小泉純一郎君) 委員御指摘の国民負担率という言葉が余りよくないのではないかという最初のお話も、昨日でしたか、今井議員からも委員会で伺っておりました。確かに公的負担の方が言葉としては適当かもしれません。
 社会保障の給付水準というのはどの程度がいいかというのはなかなか難しいと思いますが、スウェーデンみたいに負担率が高くてもそんなに不満がないという国民性もある、あるいはスウェーデンよりも国民負担率、公的負担率が低くてもまだまだこれは不満だという国民もあるでしょうし、どの程度が適当か、適切かというのは今後とも議論の多いところでありますが、国民に過重な負担を課さないでどのような社会保障制度を確立するかということは、今後いろんな情報公開をし、国民の理解を得ながら進めていかなきゃならぬと。
 特に、年金とか医療等の問題におきましては、当然給付の裏に負担が伴うわけでありますから、この問題についてはその具体的な制度改革ができた段階においても、また全体の社会保障像を展望する際にも必要な議論でありまして、私自身、今回の介護保険やらあるいは医療保険制度についても、適切な給付を受けるためにはどのぐらいの負担が適当かという議論を国民の前にお願いしなきゃならない。今後、最低限の社会保障給付を得るためにはどこまで国民、また国が関与すべきかという問題というのは大変私は重要な問題だと考えております。
○日下部禧代子君 その問題についてはまたこれからいろいろと議論の場があると思いますので、その機会にゆだねたいと存じます。ありがとうございました。
 それでは、十二月の三日に中央児童福祉審議会から報告書が出されました保育制度の見通し問題についてお尋ねいたします。時間ございませんから全部申し上げてしまいますので、お答えいただきたいと思います。
 まず第一に、この問題に関しましての今後のスケジュール、特にいろいろな団体あるいは国民全般からの意見聴取、いかにして聴取を受けとめるかというその方途でございます。それから二番目に保育に対する国の責任、これは大きい問題でございます。三番目に、今回の見直しが実現された場合の保育料の具体的水準。それから次に四番目、負担増となる利用者の割合。五番目に、負担増となる低所得層への配慮について。あわせてお伺いします。私は三十三分までしか時間が許されておりませんので、よろしく。
○政府委員(横田吉男君) 保育制度の改革につきましては、去る十二月三日に中央児童福祉審議会の基本問題部会から中間報告をいただいたところでございます。私どもといたしましては、この報告をもとに今後関係方面とも調整を図りながら具体案の取りまとめを進めまして、来年中央児童福祉審議会の方に再び諮問、答申という手続を経た上で次期通常国会に児童福祉法等の改正案を提出してまいりたいと考えております。
 今回の中間報告の取りまとめに当たりましては、各分野の専門家あるいは有識者の方々に基本問題部会の方に御参加いただきまして、三月から十四回にわたってさまざまな角度から御検討いただいたところであります。私ども、これをもとに政府案を策定し、関係審議会の方に諮問をいたしたいというふうに考えているところでございます。もっとも保育制度の見直しに当たりましては、国民や保育関係者の理解と協力を得ることは一番大事なことだと思っておりますので、今後具体案の作成に当たりましてはできるだけ広く関係者の御意見を聞きながら取りまとめを行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
 この制度の見直し後の保育料の具体的な水準等でございますが、今回の制度改革につきましては平成十年度実施を想定いたしておりまして、具体的な保育料の設定等につきましては十年度の予算編成までに検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。その際、低所得者等に対する配慮につきましても具体案を策定してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 保育に対する国などの公的責任につきましては、現在の児童福祉法等におきましても明記されておるところでございまして、これまで国としても保育所に対する運営費補助等を行ってきておるところでございます。この中間報告におきましても、保育に係る費用等に対する公的負担などの面において全体として公的責任が後退しないようにすべきであるというふうな御提言をいただいているところでございまして、今後改正案の作成に当たりましてもこういった点について十分考慮してまいりたいというふうに考えております。
○日下部禧代子君 ほとんど具体的なお答えがなかったのは非常に残念に思います。
 保育制度の見直しというのは二年前にも非常に大きな議論になったわけでございます。政府が見直しをそこで断念なさったという経過もございます。だから、制度を拙速に変えるということだけではなくて、総合的な検討の中で制度を拡充していくということが重要だと思います。これからできるだけ多くの国民の意見を聞く、そしてまた国民の合意を得るために最大限の努力をしていただきたいということを申し上げまして終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○西山登紀子君 先ほど御報告ありました「医療福祉研究会メンバー等に関する調査と処分について」、これをもって今回の厚生省の福祉汚職事件が一応のけじめがついたとか終わったというふうなことであれば、これは国民は到底納得をいたしません。
 したがって、私は御要望したいわけですけれども、政官財の構造的な癒着がなぜ起こったのか、この全容を解明していただきまして、さらに必要な責任はきちっととっていただく、そして再発防止のために全力を挙げるということを求めて質問に入りたいと思います。
 きょうは厚生省と日本病院寝具協会の関係についてお聞きをしたいと思います。
 御承知のように、日本病院寝具協会、それから同支部等は八件、九四年六月二十四日に公正取引委員会から独占禁止法違反で業務独占をやめるようにという勧告、それから警告を受けております。また、厚生省もこの日本寝具協会のこうした業務独占を実態的に健康政策局指導課長通知で保障してきたということで、これを改めるように公正取引委員会から抜本的な見直しを指摘され、申し入れを受けているわけです。そして、厚生省は平成六年、一九九四年九月一日ですが、課長通知でこれを改めております。いわゆる一五号通知の廃止の通知ということであります。しかし、実態は何も変わっていない。この点が問題として指摘をしたい点でございます。
 きょう私が配付をさせていただいた資料をごらんいただきたいと思います。これは国立病院の、近畿だけですが、調査をした結果の資料でございます。
 滋賀県からずっと並べておりますけれども、国立療養所比良病院、これは医療法上の病床数は二百十、リース業者はワタキューセイモアです。納入単価は百七円でございます。国立療養所紫香楽病院は二百三十の病床で、リース業者はワタキュー、百七円です。国立八日市病院は病床数二百三十二、リース業者は小山株式会社、納入単価は百十四円でございます。
 京都はどうか。私の地元ですけれども、調べてみました。国立舞鶴病院、六百三十三のベッド数に対して、リース業者はワタキュー、納入単価は同じく百七円です。国立療養所宇多野病院は五百三十四、これは井戸太蒲団店が入っているわけですけれども、納入単価は百十七円です。国立京都病院はどうか。六百が病床数ですが、井戸太蒲団店が入っていまして、単価は百十七円。国立療養所南京都病院が五百二十に対して、ワタキューが入っているわけですけれども、納入単価は百七円でございます。
 大阪、これもいろいろ入っているわけですが、ワタキューとか前川とかキンキ寝具株式会社。
 兵庫にもワタキューが入っております。小山とか神戸医師協同組合、ずっとリース業者の名前が入っているんです。
 問題は私は全部照合したんですけれども、これが全部日本病院寝具協会の会員の業者です。八業者ともそうです。新規参入は一業者もありません。全部見てみました、一つずつ。近畿関係の日本病院寝具協会の名簿がここにありますから、その一つ一つを照合してみたら全部日本寝具協会の会員の業者ばかりですよ。新規参入が一つもない。この点が問題です。
 国立病院というのは特に安定したお得意先であります。シェアを日本寝具協会が独占している。私の調べました限りでは、厚生省が公取の警告や申し入れを実態としては無視し続けて協会会員と癒着をし続けていると言われても仕方がないのではないでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) 先生が今お示しをされましたこの表でございますけれども、このリース業者についても、きょう私どもの方も先生にお昼にいただきましてすぐ調べたところが、先生のおっしゃるとおり、全部社団法人日本病院寝具協会のメンバーでございます。それはそのとおりに私どもも理解をしております。
 ただ、病院の方は、この契約に当たりましては、会計法を遵守し、そしてやっぱり安いところを選ぶということで契約をしていると私どもは信じております。
 したがいまして、ここにあるのが全部協会のメンバーであることといわゆる新規を入れていないこととは、私は、先生のお言葉ではございますけれども、全部排除をしているとかというようなことにつながるかどうかはちょっと今のところわかりないのであります。
○西山登紀子君 国立病院にも平成六年九月一日の課長通知で指導はされていますよね。
○政府委員(小林秀資君) 承知をいたしております。
○西山登紀子君 そこで、今お認めになったわけですけれども、私はぜひ全国の国立病院、私が調へたのは近畿だけですし、近畿もすべてではありませんで、大変短い時間でわずか二十病院しか調査ができておりませんので、全国の国立病院をぜひ調査していただきたいと思うんですよ。そして、一覧表にして当厚生委員会に提出をしていただきたいと思うんですね。そんなに難しいことではないと思します 八つの地方医務局に指示をしていただければそういうことは調べることができるわけですから、これはぜひ提出していただけますね。
○政府委員(小林秀資君) 調査をいたしまして御報告申し上げます。
○西山登紀子君 お約束をしていただきました。ぜひ実現をしていただきたい、必ず実現をしていんだきたいと思います。新規参入が一つもないということについては、これはやはり公正取引委員会のいう業務独占、これが改善をされていないというふうに私は思います。
 それでは次に、その病院寝具協会との癒着の問題は実は値段の点でも非常に突出して問題になるのではないかと、この点を問題にしていきたいと思います。
 先ほども申し上げましたように、値段が一番下のところにずっと打ってあるわけですけれども、百七円、百十四円、百十七円という納入単価でございます。三つの値段、一円の違いもないような三つの値段が並んでいるわけですね。ですから、これはもう要するに国立病院がターゲットになって、言葉は悪いですけれども、こういう業者の食い物にされているのではないかと考えるわけです。非常に割高の料金で納入されているということを指摘したいと思うんです。
 診療報酬でいえば、これは平成四年に改定をされた額、基準寝具は十七点で百七十円であったわけです。九四年の四月一日にはこれは入院環境料百五十一点の中に含まれるようになったわけですけれども、この基準寝具一式の国立病院納入単価が今言ったように百七円から百十七円、問に百十四円というのがありますけれども、そういう価格、まるで統一価格のような価格が並んでいるわけです。
 そこで、近畿にある民間病院、それでは民間病院はどれぐらいの値段でワタキューなどがお商売をやっているか、納入をしているのかということであります。これはいろいろ私も調べてみたわけですけれども、民間病院はいろいろ交渉する中で国立病院に納入している価格よりもうんと安い、時には八十円を切って半値に近い値段で納入をしているところもあるというふうに聞いているわけです。
 民間病院は業者を入れる際にはどうしているかといいますと、複数の業者にきちっと見積もりをとって、そして会議にもきちっとかけて、より安い、より安いだけではなくて品質のよいものを選ぶということで一生懸命経営努力をしている、そういう点でも経営努力をしているわけですね。
 ところが、国立病院の納入単価というのはそれから比べると随分と割高であると。大変おかしいことではないでしょうか。この割高の分、それは診療報酬であり、いわば国民の税金です。高いことを承知でずっとこういう業者と契約をしてくる、業者に非常に有利な契約を続けている、こういうことは癒着と言ってもよいと思うんですけれども、こういう国立病院の実態について厚生省は十分に承知をしていたのではないですか。
○政府委員(小林秀資君) 今、民間病院の調査結果もおっしゃられまして、その差があるということをお話しいただきましたが、病院の差があることはその病院が実はもうけ損なっているといいますか、余分な経費を使っているということでありまして、国民の皆さんからは、診療報酬では同じでございます。そういう意味で、私たち病院の経営者として先生から大事なことを御指摘いただいたと、このように考えているわけでありまして、国民の皆さんへのサービスが云々ということとは無関係ではないかと、私はこのように思っています。
 ただ、私は病院の経営者側として考えた場合に、そして赤字が出ると税金から補てんしていただくということでいけば、これはやっぱり大事な問題だと、このように思っております。
○西山登紀子君 今、経営者と言いましたけれども、国立病院というのは厚生省の直轄の医療機関ですよね。ですから、その直轄の国立医療機関で業者が民間病院よりもうんと高い料金でお商売をしている、そのことを認めているということ自体が私は癒着だと言われても仕方がないと。この点、調査をしてくれますか。
○政府委員(小林秀資君) はい、納入価格も一緒に調査をしたいと思います。
○西山登紀子君 業者に聞けばすぐわかることですから、ぜひ調べていただきたいと思います。
 最後に、大臣にお伺いしたいわけですけれども、日本病院寝具協会の機関誌なども政治献金は非常に効果があったというようなことも言っているとおり、政界と業界の癒着が私がきょう調査もしてお示しもしましたような国立病院にこのような形で波及をしております。つまり、シェアの独占、それから割高な価格、こういう点で波及をしていると思うわけです。この点大きな社会問題であると思います。大臣にはぜひ国立病院を聖域としないで業者の選定や競争入札の導入など改善をして公正な行政を確立していただく、その決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) そのように指導していきたいと思います。
○西山登紀子君 ぜひやっていただきたいと思います。
○委員長(上山和人君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
○委員長(上山和人君) これより請願の審査を行います。
 第一二号子育て支援事業と保育関連予算の拡充に関する請願外百九件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第一二号子育て支援事業と保育関連予算の拡充に関する請願外四件は採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、第五二号療術の法制化に関する請願外百四件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上山和人君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上山和人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(上山和人君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障制度等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上山和人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上山和人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(上山和人君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上山和人君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十一分散会
         
     ―――――・―――――