第140回国会 本会議 第29号
平成九年五月二十八日(水曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程第二十九号
  平成九年五月二十八日
   午前十時開議
 第一 一般職の任期付研究員の採用、給与及び
  勤務時間の特例に関する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第二 国家公務員退職手当法等の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 地方自治法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第四 河川法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
 一、日本銀行法案(趣旨説明)
 以下議事日程のとおり
     ―――――・―――――
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 日本銀行法案(閣法第六五号)について、提出者から趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。三塚大蔵大臣。
   〔国務大臣二塚博君登壇、拍手〕
○国務大臣(三塚博君) ただいま議題となりました日本銀行法案の趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、内外の経済社会情勢の変化に対応し、日本銀行の通貨及び金融の調節における独立性とその意思決定の透明性を高めるとともに、日本銀行の適正かつ効率的な業務運営を確保する必要性にかんがみ、日本銀行の抜本的な改革を実施するため、日本銀行法の全部を改正するものであります。
 以下、その大要について申し上げます。
 第一に、日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うほか、金融機関の間で行われる資金決済の円滑な確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とすることとし、また、通貨及び金融の調節の理念等について明確化することといたしております。
 第二に、政策委員会の議決事項の拡充及びその組織の見直しを行うほか、通貨及び金融の調節に関する事項を議事とする会議の議事要旨を速やかに公表する等の措置を講ずることといたしております。また、通貨及び金融の調節等についての報告書を国会に提出するとともに、業務及び財産の状況について説明を求められたときは、総裁等は国会に出席しなければならないこととしております。
 第三に、政策委員会の政府代表委員制度を廃止し、通貨及び金融の調節に関する事項を議事とする政策委員会の会議に限り政府から出席することができることとし、政府からの出席者は、議案を提出し、または議決の延期を求めることができる等の措置を講ずることとしております。
 第四に、役員の構成、任命、任期等について、総裁、副総裁等の任命に両議院の同意を要することとする等所要の見直しを行うことといたしております。また、役職員について、守秘義務等を定めるとともに、給与等の支給の基準及び服務に関する準則を作成し、公表しなければならないこととしております。
 第五に、大蔵大臣の広範な業務命令権、立入検査権等を廃止し、日本銀行または役職員に違法行為等があったときに限り、大蔵大臣はその是正等を求めることができることとするとともに、監事の監査機能の活用を図っていくこととしております。また、経費の予算についても、大蔵大臣は、認可をしない場合にはその理由を公表しなければならないこと等を定めることとしております。
 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上、日本銀行法案につきまして、その趣旨を申し述べた次第であります。(拍手)
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。岩瀬良三君。
   〔岩瀬良三君登壇、拍手〕
○岩瀬良三君 私は、平成会を代表いたしまして、日本銀行法案に対し、橋本総理並びに三塚大蔵大臣に質問を申し上げたいと存じます。
 日本銀行法は、我が国の金融、経済の基本法とも言うべきものでありまして、今般、日銀法が全面改正されますと、五十五年ぶりの大改正となるわけであります。
 昭和十七年の戦時体制下に制定された現行の日銀法は、極めて国家統制的色彩の濃いもので、お手本はナチス・ドイツのライヒスバンク法と言われております。また、片仮名まじりというだけでなく、句読点がほとんどないなどの問題もあり、法文を口語体化し、今日的な規定に改定すべきは当然のことと思うわけであります。いや、むしろ今日まで抜本的な大改正が行われなかったことについては、当局の怠慢によるものではないかと考えます。
 日銀法の改正につきましては、昭和三十五年の金融制度調査会答申、また、昭和四十年の大蔵省による改正案概要が発表されるなど改正論議が行われたと聞いておりますが、このときも結局のところ法改正には至らず、以後、抜本的な改正が見送られたのはいかなる理由によるものか、政府の改正に対する対応はどうであったのか。まず、総理の御所見を伺いたいと存じます。
 私は、今回の日銀法改正に当たり、二十一世紀の金融システムの中核たる中央銀行に改革する、しかも、その改革はグローバルスタンダード、すなわち国際基準に立脚したものでなければならない、このような基本的な視点に沿って質問いたしたいと存じます。
 まず、日銀の目的規定に関する問題であります。
 今回の法案では、日銀の目的、運営理念として、物価の安定と資金決済の円滑な確保を通じた信用秩序の維持が掲げられておりますが、信用秩序の維持は最終的には政府の責務であると思います。これを掲げることにより、日銀により金融関係機関の経営安定の意味合いが強調され、従来の護送船団方式の名残なしとしないところであります。
 世界で最も独立性が高いドイツの連邦銀行法では、通貨価値の安定が中央銀行の金融政策の最終目標に掲げられており、信用秩序の維持という規定は見られないところであります。通貨価値の安定という一つの目的に絞るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。大蔵大臣の御所見を求めます。
 次に、日銀の独立性の確保の問題についてであります。
 日銀は平時には独立しているが有事には独立していないと言われますが、世界はどう評価しておりましょうか。一九九一年、ロンドン大学のグリリン教授等と三人の学者が共同で十八カ国の中央銀行の独立性について数量化を試みております。それによると、政治的独立度では十八カ国中十四位、経済的独立度は八位となっております。また、一九九二年、銀行研究家のイスラエルのアレックス・クッカーマン教授等三人が行った中央銀行法に関する調査では二十カ国中十八位となっております。
 このような観点から今回の法案を見ますと、現行の日銀法第四十二条に定めた日銀に対する大蔵大臣の監督規定はなくなったものの、監督権限は限定存続しておりますし、日銀予算に対する認可権についても残されております。従来の政府代表委員制度は廃止しましたが、同じように、大蔵省と経済企画庁の事務方の代表者が必要に応じて政策委員会に出席できるなどの規定を温存しております。
 また、政策委員会の位置づけを従来のままにした形で新たに政府の議案提出権や議決延期請求権の規定を新設しており、果たしてこれで日銀の独立性が担保されるのか疑問なしといたしません。昨年、来日した米国連邦準備制度理事会のグリーンスパン議長は、政策委員会には政府代表委員を入れない方がよい等、日銀の独立性を強化すべきとする観点からの指摘をしており、政府も謙虚に耳を傾けるべきではないのでしょうか。この点について総理の答弁を求めたいと思います。
 次に、政府案が予定する日銀政策委員会についてであります。
 日銀の金融政策の失敗例として、池田内閣時の金融引き締めのおくれ、田中内閣時の過剰流動性の発生による狂乱物価、近年ではバブル崩壊時の急激な引き締め等と言われます。政策委員会はこれまでも日銀の最高意思決定機関でありましたが、単なる追認機関ではないのか、また、スリーピングボードではないかとの批判が従来から行われていることも事実であります。したがいまして、現在の政策委員会を文字どおりのポリシーボードにすることが必要であり、政策委員会のあり方、委員の選任方法を含めた見直しが行われるべきは当然のことであります。
 政策委員会は、七名の委員中、議決権は日銀総裁と任命委員の計五名が持っていましたが、任命委員のうち、商工業代表者は元通産次官、農業代表者は元農水次官とポスト化していたのが実態なのであります。空席となっていた大都市銀行代表、地方銀行代表については、過般、内定を見たと報じられております。
 そこで、伺いますが、審議委員の選任につきまして、真に「経済又は金融に関して高い識見を有する者」とはどのような基準で選考に当たっていこうとするのか。
 また、従来行われておりました各省庁のポスト化の実態はぜひとも改めるべきだと考えておりますが、いかがでございましょうか。
 さらに、関連して日銀総裁の大事につきましても、大蔵省の事務次官経験者と日銀プロパーとのいわゆるたすきがけ人事が行われており、このような慣行はぜひとも改めるべきだと考えますが、総理の見解を求めたいと存じます。
 なお、私どもは、日本銀行の準公的な性格とマーケットの中の銀行という性格を整理し、日本銀行の独立性を確保するためには、現行の政策委員会を金融委員会として総理府に設置するとともに国家行政組織法第三条の独立行政委員会と位置づけ、そのもとに日銀を置くべきだと考えますが、総理の所見を求めたいと存じます。
 次に、今回の改正では、最近における世界的な中央銀行制度の強化の流れに対し、不十分な点であります。
 主要先進各国を見ますと、米国では、連邦準備制度理事会の権限が強く、政府の監督権限を定めた規定はありません。ドイツでは、最近の報道によりますと、議決延期権を廃止すること等を内容とするドイツ連邦銀行法改正案を閣議決定したと言われております。
 さらに、欧州通貨統合で単一通貨となるユーロの通貨価値を守る欧州中央銀行は、現在のドイツ連邦銀行以上の独立性を欧州各国の中央銀行に求めているのであります。
 このような世界的な中央銀行の独立性の一層の強化の流れに対して、大蔵大臣による予算認可権を実質的に継続している点や国会への業務報告を大蔵大臣を経由して行うなどの措置は、日銀の独立性の強化に逆行するものと考えますが、大蔵大臣の明確な答弁を求めたいと存じます。
 次に、金融機関の検査体制のあり方で伺います。
 金融機関の検査体制は、周知のごとく、大蔵省の検査と日銀によります考査の二本立てで進められてきた経緯がございます。大蔵省の検査は銀行法の規定に基づいた法的根拠のあるものでありましたが、日銀考査は日銀と当座預金取引先金融機関との間で約定を締結した上で調査を行い指導を行っております。これが日銀考査と呼ばれているものであり、都銀、地銀を初め、日銀と取引を行っている信用金庫、証券会社等がその対象となっております。
 しかし、信用組合については、日銀との取引関係はなく、国の機関委任事務として都道府県が直接担当しておりますが、大蔵省出先機関と事案により協議するなどあいまいなところもあり、監督行政の一元化を求める声もあります。金融機関の検査・監督権限を今回法案が提出されております金融監督庁と日銀でどのように分担するのか、明確にしていただきたいと思います。
 なお、この点につきまして、私どもは、行政改革の観点など金融監督庁の新設に反対するものであり、先ほど指摘しましたように、現在の政策委員会を独立した金融委員会に改組し、金融機関の検査業務につきましては、原則として、検査と日銀考査を一体化して日銀に検査業務を統合させるべきだと考えますが、いかがでしょうか。あわせて大蔵大臣の御答弁をお願いいたします。
 次に、政府短期証券の日銀引き受けの問題について伺います。
 我が国におきましては、戦時中に国債の乱発でインフレになった苦い経験を生かすため、戦後は財政法で国債の日銀引き受けが禁止されることになりました。しかしながら、政府短期証券につきましては明確な規定が設けられていません。とりわけ、外国為替資金証券については国債と同様に借りかえが行われており、平成七年度決算ではその残高は約二十九兆円にも達しているのであります。このことは将来的にインフレ要因になることが懸念されるわけでありまして、この際、実質的に日銀引き受けになっております政府短期証券の発行のあり方を再検討し、市中消化の原則に改めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。総理の答弁をお願いいたします。
 次に、日銀特融の問題についてであります。
 今回の金融不安に対しまして、日銀は現行法第二十五条の規定を発動し、特別融資や出資の形で日銀資金を投入してきたところであります。これは昭和四十年不況当時の山一証券特融以来、実に三十年ぶりのことであります。日銀資金も一種の公的資金であり、その使い方には明確なルールが必要でありますが、今回の一連の日銀特融にはそうした考え方が不明確だと言わざるを得ません。ピーク時の特融残高は一兆円を超えてしまっており、日銀の経営基盤が損なわれる懸念も指摘されているところであります。
 とりわけ、東京協和、安全信組の救済銀行を設立したのは、危険を承知の上で高金利に引かれて預金した大口投資家と密接な関係にあった日本長期信用銀行を救済するためであったという批判はあながち的外れとも言えないであろうし、コスモ信組の場合も大口預金者が高額の利子つきで救済されたとも言われております。これら乱脈経営信組等に対する日銀出資はこれらを救済するものであるとして国民の批判も高く、また、日銀特融が財政資金の肩がわりをさせられているとの不信もぬぐえません。加えて、先般公表されました日債銀に対する支援策におきましても、日銀資金八百億円が新金融安定化基金を通じて投入されているのであります。
 この際、特融に対する一定の歯どめが必要とだるのではないでしょうか。こうした基準についても法律で明確に規定すべきだと考えますが、大蔵大臣の御所見を伺いたいと存じます。
 最後に、我が国経済は、現在ようやくのことでバブルの後遺症から立ち直りつつあります。この間のさまざまな反省に立ち、また二十一世紀にふさわしい、しかもグローバルスタンダードに立脚した中央銀行制度を確立すべき必要性を指摘しまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 岩瀬議員にお答えを申し上げます。
 まず、日銀法の過去の改正問題についてのお尋ねがございました。
 過去におきまして、金融制度調査会等で抜本的改正の議論が行われたことがありましたことは御指摘のとおりであります。しかし、中央銀行制度というものが慎重な検討を要する事項でもありましたために、実現されないまま今日まで続いてまいりました。
 今般、日本銀行を二十一世紀の金融システムの中核にふさわしい中央銀行に改正する必要性にかんがみまして、中央銀行研究会や金融制度調査会の御論議をいただきました上で改正法案を提出させていただいた次第であります。
 独立性という点についても御意見をちょうだいいたしました。
 今回の改正法案は、日本銀行の予算の認可、法令違反等の是正につきまして、金融政策の独立性確保の観点からさまざまな工夫、配慮を行っております。
 政策委員会への政府からの出席につきましても、欧州中央銀行あるいはドイツ、フランス等でも定められているところでありまして、本法案によりまして国際的に見て遜色のない金融政策の独立性が確保できるものと考えております。
 次に、日銀政策委員会の審議委員の選任基準というものを御提起いただきました。
 改正案におきまして、政策委員会の活性化の観点から、従来の業界代表的な考え方を改めて、広く「経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者」のうちから選任することといたしており、この選任に当たりましては両議院の同意をちょうだいすることになっておりまして、金融政策の運営の責任を担うにふさわしい人物が選任されることになると考えております。
 この日銀政策委員会は日銀の最高意思決定機関でありますから、委員の選任に当たりましては、すぐれた経験と識見を有する方を選考しなければなりません。今後さらに、委員の選任に当たりましては、省庁の出身者、民間出身者といったその出身を問わず、幅広い人材の中から候補となる人物の識見や人格等を総合的に勘案し選考してまいりたいと考えております。
 また、日銀総裁大事についても御指摘をいただきました。
 日銀総裁は金融政策の運営という重責を担う立場の方であります。その時々におきまして、人格、識見等から見て最も適した人物を内閣において任命してまいりました。今後とも、日銀総裁の任命に当たりましては、すぐれた識見と人格を有する方を選任していきたいと考えております。
 次に、総理府に金融委員会を設置して、そのもとに日銀を置くべきであるという御意見をいただきました。
 私は、行政委員会とはいいながら日銀の政策委員会を金融委員会として行政機関化すること、これはさまざまな面でむしろ内閣のコントロールが強まることになりますし、政策委員会が日本銀行の外部の機関となりますために、金融委員会と業務執行部門となる日本銀行の間の連携が支障なく行われるかどうか、そうした問題も考えてみましたとき、適当ではないと考えてまいりました。
 次に、政府短期証券について市中消化の原則に改めるべきであるという御意見をいただきました。
 政府短期証券の日銀引き受けは財政法等で許容されていることでありまして、現状で私は具体的な支障が生じているとは考えておりませんが、いずれにいたしましても政府短期証券のあり方につきましては、短期金融市場、国庫制度、財政制度等の観点から総合的に勘案すべき問題として、現在、政府短期証券を含めた短期金融市場の諸問題につき、日銀・大蔵省の間において研究を行っているという報告を受けております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣三塚博君登壇、拍手〕
○国務大臣(三塚博君) 岩瀬議員の私に対する質問は四問であります。お答えを申し上げます。
 目的規定を通貨価値の安定の一つに絞るべきとの御意見でございますが、信用秩序の維持は、行政的手法を要し、最終的には政府の責任でありますが、日本銀行も最後の貸し手としての機能を通じまして政府の行う信用秩序維持に寄与しております。こうしたことから、日本銀行法案においては、日本銀行の目的として、銀行券の発行、通貨及び金融の調節とともに、信用秩序の維持に資することを規定いたしたところであります。
 次に、日本銀行の独立性の強化についてのお尋ねでございますが、今回の改正案においては、日本銀行の金融政策の独立性を尊重しつつ、その適正な業務運営を確保する観点から、予算については認可対象を経費予算に限定するとともに、認可しない場合に政府はその理由を公表するといった配慮を行っております。
 また、国会への業務報告については、内閣の構成員である所轄の大臣を経由することとするのが法制上通例でございまして、この場合、経由とは報告の内容の審査は含まないと考えております。
 いずれにせよ、日銀法の改正において、日本銀行の行う金融政策の独立性は十分に確保されているものと考えています。
 次に、金融監督庁と日本銀行の役割分担についてのお尋ねでございますが、金融監督庁は、銀行法に基づき信用秩序の維持、預金者の保護等を図るため、民間金融機関等に対し、経営の健全性、業務の適切性などの幅広い観点から検査その他の監督を行う行政機関であります。
 一方、日本銀行は行政機関ではなく、金融機関等の検査その他の監督は行っておらず、金融機関の最後の貸し手として、一時貸し付け等のみずからの業務の適切な実施に備えるためのものとして契約に基づき考査を行っております。
 検査と考査を一本化して日本銀行に検査業務を統合することについては、行政機関でない日本銀行に検査のような権力的な性格を有する強力な行政権限の行使をゆだねることになるという問題があることから、適当でないと考えています。
 最後に、日銀特融の発動についてのお尋ねでございます。
 信用不安のあり方は現時点では想定できない態様となることも考えられ、これに対処し得るよう信用秩序維持に資するための業務を包括的な形で規定することが適切であります。
 ただし、そうした措置の発動に当たりましては、大蔵大臣の要請に応じて日本銀行政策委員会の議決により実施されることとされておるところであり、日本銀行の講ずる措置が真に必要なものであるのかについて十分確認するための手続が用意されているところでございます。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(斎藤十朗君) 千葉景子君。
   〔千葉景子君登壇、拍手〕
○千葉景子君 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました日本銀行法案に対して、橋本総理、三塚大蔵大臣から御所見を伺います。
 今回、五十年ぶりに行われる日銀法改正は、金融市場を取り巻くグローバルな環境変化に対応して進められている金融システム改革の一環として、新しい時代の中央銀行のあり方を問うものです。
 現在、世界の金融市場は、高度情報化、グローバル化が進み、一続きのマーケットとなっており、こうした中で、金融市場とその政策が不透明では世界の市場から理解と信頼を受けることは困難です。
 欧州では、EU統合の中で、各国の中央銀行は欧州中央銀行へと統合され、政府からの強い独立性を与えられようとしており、アメリカでも徹底した市場原理に基づく見直しと強化が始まろうとしております。英国では、ブラウン新蔵相が就任後いち早く、五月六日、イングランド銀行の独立性を強化する構想を打ち出し、政府はイングランド銀行法の改正に直ちに着手する予定と聞いております。
 今我が国に求められているのは、金融自由化時代にふさわしい自由で公正な市場の創造と、自己責任原則に基づく透明性の高い、新しい金融秩序の確立てあり、そのインフラとして、財政事情によって金融政策や金融行政がゆがめられがちだった従来の護送船団方式の行政から、市場の監視による事後規制に徹した透明性の高い金融行政機構への改革ではないでしょうか。中央銀行としての日銀に関しても、このような方向性の中でそのあり方が論ぜられるべきものと考えますが、いかがでしょうか。
 しかし、今回の改正をめぐる論議の経過を見ると、二十一世紀における中央銀行のあり方を描き出すというよりは、相変わらず大蔵省と日銀の権限調整に終わってしまっているとの印象をぬぐい切れません。総理、大蔵大臣の御所見を求めます。
 さて、今回の改正は、日銀の政府からの独立性の強化と政策決定の透明性の確保を基本とし、政府の広範な業務命令権、日銀監理官制度、役員の解任権等について廃止するなど、当然のことではありますが、現行に比べて一定の前進と評価できるものの、至るところに日銀の独立を阻止しようとする意図が読み取れます。
 また、中央銀行は、政府から独立性を確保する一方で、その透明性を図るためには国民や国会に対して直接の責任を負うことが不可欠であり、そのためにはアカウンタビリティー、説明責任を明確にすることが必要です。日銀が独立性を持ち、政策の決定過程が透明化すれば、後から国民の目を通して金融政策の是非を客観的に検証することができ、その結果を将来の政策に生かすことによって金融政策の前進を図っていくことができるはずです。
 そこで、何点かお尋ねします。
 まず、日銀に対する大蔵大臣の一般的監督権についてであります。
 改正案では、日銀に対して報告・資料の提出を求めることができるとしていますが、これは報告・資料の提出を口実に日銀をコントロールするものではないでしょうか。
 さらに、日銀が法令、定款に違反し、またはそのおそれがある場合には大蔵大臣は是正措置を求めることができるとしておりますが、具体的にはどのような場合を想定した規定なのか不明であり、将来的には乱用の懸念がございます。
 また、総裁、副総裁の内閣任命に際して衆参両院の同意を必要としていることは当然のことではありますが、理事、参与については大蔵大臣の任命としております。これまで以上に日銀の権限を強めようとするのであれば、政策委員会といった他の公的機関には見られないような重い手続をもって任命された合議制の機関があることから、理事、参与については政策委員会の同意を得て日銀総裁が任命する制度とすべきではないでしょらか。
 さらに、大蔵大臣の予算認可権は温存されておりますが、金融制度調査会などでも、届け出制とし、日銀の独立性に配慮すべきであるとの意見が強かったと聞いております。この際、日銀予算の透明性を高めるとともに、できるだけ国民にわかりやすいものにして公表し、これに対して議論できるよう、日銀予算については国会の承認制に改めるべきではないでしょうか。
 以上、あわせて総理、大蔵大臣の見解を求めます。
 さらに、政府の議決に対する延期請求権を取り上げたいと思います。
 政策委員会の議決に対する政府の延期請求権につきましては、高い独立性を維持しているドイツのブンデスバンクの制度とよく似ています。しかし、一九九九年に発足する予定の欧州中央銀行では政府代表の出席は認められておりませんし、さらに欧州通貨統合に向けての準備を進めている欧州通貨機構は、現在、ブンデスバンクの政策決定時期を二週間を限度として延ばすことができる政府の議決延期権は、中央銀行の独立性強化を求めたマーストリヒト条約に合致しないと指摘し、その見直しをドイソ連邦政府に求めており、近くこの規定は廃止されると聞いております。
 つまり、政府案の内容で日銀法を改正しても、数年後には日本と欧州の中央銀行制度にまた大きな差ができてしまうことになるわけです。
 さらに、実際に議決延期がされた場合を想定すると、その期間は公定歩合を上げるのか、下げるのか、据え置くのか、日銀の方針が決められないという金融市場の無政府状態になって投機を招いてしまう、市場が大混乱するおそれがあることも研究者の多くが指摘しているところでございます。だからこそ、ドイツ連銀の議決延期の規定はかつて一度も発動されたことがないのであります。政府の議決延期請求権の規定はこの際削除すべきではないでしょうか。総理、大蔵大臣の見解を求めます。
 次に指摘したい点が信用不安への対処のあり方であります。
 法案では、いわゆる日銀特融について、現行法の大蔵大臣による認可制にかえて、大蔵大臣の要請を受け、その範囲内で特融を行うこととしておりますが、特融に対する日銀の独自性は後退し、日銀資金への過大な負担が憂慮されるのであります。私は、日銀資金も公的資金の一つであり、特融の乱用を防止する意味からも、今後予想される金融機関の破綻に際しまして、日銀特融を発動するための明確な基準を設定すべきではないかと考えます。さらに、破綻金融機関の経営責任が十分に問えるのか否かの点についても、現状では疑問が生じます。これら日銀特融に対する疑問につきまして、大蔵大臣の明快な御答弁を求めます。
 次に、インフレ要因になるとの指摘もある政府短期証券の引き受け問題についてお伺いいたします。
 欧州連合条約、マーストリヒト条約では、通貨統合を控えて、各国の中央銀行の見直しに際し、政府に対する信用供与は短期国債も含めて全面的に禁止することを要求し、ほとんどの国で既に法改正が予定されていると聞いております。
 我が国では、外国為替資金証券などは、ほぼ全額を日銀が引き受けており、その借りかえが繰り返されて、実態は財政法で禁止されている長期の国債引き受けと何ら変わらないとの批判が高まつております。欧州の動きをもにらんで、我が国においても政府短期証券についての日銀引き受けにつきましては、これを全額市中消化とすべきだと考えますが、大蔵大臣の見解を求めます。
 なお、今後も、国際的なグローバルスタンダードが確立される中で、我が国もそれに適切に対応していかなければなりませんし、現在、行政改革会議等で論議されております中央省庁の統廃合問題もございます。したがいまして、日銀法につきましても、この法案が仮に成立し、法施行後、一定の期間経過後に見直しを行う規定をぜひとも設けるべきではないかと考えますが、総理、大蔵大臣、いかがでしょうか。
 最後に、日銀法の改正を契機に、日銀が政策委員会の機能を充実させることを通して、外部の権力との緊張感を醸成し、みずからの責任能力を高めながら、一貫性を持った骨太の金融政策を遂行することを期待したいと思います。そのためには、日銀が法改正に合わせ、新生日銀として新体制でスタートすることが望ましく、附則による役員任期の特例は必要ないと考えますが、総理、大蔵大臣の御見解をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 千葉議員にお答えを申し上げます。
 まず、日銀のあり方についての御意見がございました。
 日本銀行の改革は、大蔵省と日銀の権限調整の問題ではない、二十一世紀の我が国金融システムの中核にふさわしい中央銀行の実現のために行われるものであることは御承知のとおりであります。
 本法案は、金融政策の独立性と政策運営の透明性を十分確保したものになっておりますし、金融システム改革、金融行政機構改革と相まって、二十一世紀にふさわしい金融システム構築に資するものと、そのように位置づけております。
 次に、大蔵大臣の報告・資料の徴求権について御意見がございました。
 これは政府が日銀の業務の状況等を把握するのにとどまるものでありまして、日本銀行の行う金融政策の独立性に照らしましても問題がないことは御理解をいただきたいと思うのであります。
 また、日本銀行に対する公的チェックにつきましては、守秘義務違反その他の法令・定款違反の場合、またはそのおそれのある場合に是正を求めることに限られておりまして、乱用の懸念はないと考えております。
 また、理事、参与の任命につきましては、まず理事は、総裁、副総裁に加えまして、業務執行を分掌し、それぞれに責任を持つ役員であります。また、参与は、日本銀行の業務について広く意見を聞く観点から置くこととしたものでありまして、その職責の重さや従来の取り扱いなどを考え、大蔵大臣の任命とすることにいたしました。
 日本銀行の予算を国会の承認制にすべきであるという御意見がございましたが、本法案におきまして、日本銀行の業務、財産の状況につきまして日本銀行総裁等に説明を求められました場合の出席義務を課しております。国会承認制をとりませんでも、日本銀行の経費支出について国会で十分御論議がいただけるよう担保されていると考えております。
 また、議決延期請求権についての御指摘がございました。
 この議決延期請求権は、政府と日本銀行の政策の整合性を確保するという観点から、政府として、政策委員会の議題について一定の期間の検討や政策委員会に対し十分な説明を行う機会を確保するために必要な仕組みとして考えたものでございます。
 次に、日本銀行法に見直しを行う規定を設けるべきではないかという御意見をいただきました。
 これは中央銀行研究会報告及び金融制度調査会答申等における広範な御議論を踏まえて取りまとめたものでありまして、本法案の施行によって日本銀行が二十一世紀の我が国金融システムの中核にふさわしい中央銀行に改革をされ、開かれた独立性の確保がなされるものと確信をいたしており、見直しを行う規定を本法案に設ける必要はないと考えております。
 最後に、附則による役員任期の特例は必要がないという御意見をいただきました。
 しかし、現在の役員につきましても、一定の範囲で身分の保障を付した上で任命いたしておりますこと、また、法改正に伴う混乱を避けて新体制へ円滑に移行させる必要があること等を踏まえ、経過措置としてそれぞれの任期の残任期間に限ってその身分の継続を認めることが適当であると判断をしたことでありまして、むしろこの結果として、私はこの移行が非常にスムーズに行われる結果を生むものと、そう信じております。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣三塚博君登壇、拍手〕
○国務大臣(三塚博君) 日本銀行のあり方についてのお尋ねでございます。
 総理からもお答えがありましたが、本法案は大蔵省と日本銀行の権限調整という観点ではなく、二十一世紀の金融システムの中核にふさわしい中央銀行を目指した改革でございます。その実現により、日本銀行が国民や金融市場の信任を得ることができるものと確信をいたしております。
 次に、大蔵大臣の報告・資料の徴求権についてのお尋ね、理事、参与の任命、日銀予算の国会承認、議決延期請求権、そして役員任期の特例についてお尋ねでございましたが、これらにつきましては先ほど総理から御答弁申し上げましたとおりでございます。
 次に、日銀特融の発動についてのお尋ねでございます。
 信用不安のあり方は現時点では想定できない態様となることも考えられ、これに対処し得るよう信用秩序維持に資するための業務を包括的な形で規定することが適切であります。
 ただし、そうした措置の発動に当たり、大蔵大臣の要請のみならず、日本銀行政策委員会の議決を経ることとされていることにより、日本銀行の講ずる措置が真に必要なものかにつき十分確認するための手続が用意されておるところでございます。
 なお、破綻金融機関の経営責任については、日銀特融の有無にかかわらず、その破綻処理全体の中で適切な形で明確にされるべきものと考えております。
 政府短期証券の日銀による引き受けの御質問でございますが、これは財政法第七条等により許容されているものでございまして、現状で具体的な支障を生じているとは考えておりません。
 いずれにいたしましても、政府短期証券のあり方については、短期金融市場、国庫制度、財政制度等の観点から総合的に勘案をしていくべき問題であり、政府短期証券を含めた短期金融市場の諸問題につきましては、日銀、大蔵省の実務者間で研究を行っておるところであります。
 日本銀行法に見直しを行う規定を設けるべきであるとの御意見でありますが、総理からも答弁がありました。本法案は日本銀行を二十一世紀の我が国金融システムの中核にふさわしい中央銀行に改革する最善のものと確信をいたしておりまして、見直し規定は日本銀行法案に設ける必要はないと考えておりますので、御理解のほどをお願い申し上げます。(拍手)
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
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○議長(斎藤十朗君) 日程第一 一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律案
 日程第二 国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長鎌田要人君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔鎌田要人君登壇、拍手〕
○鎌田要人君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、御報告申し上げます。
 まず、一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律案は、国の試験研究機関等で研究業務に従事する一般職の職員について、任期を定めた採用並びに採用された職員の給与及び勤務時間に関して定めようとするものでございます。
 委員会におきましては、制度導入の趣旨と期待される効果、任期付研究員の選考方法と任期後の処遇等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して笠井委員から反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、この法律案に対し、五項目から成る附帯決議を行いました。
 次に、国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案は、昨今の不祥事を踏まえ、職員の退職後その在職期間中の行為について犯罪があると思料するに至った場合等に、退職手当並びに期末手当及び勤勉手当の支給の一時差しとめ制度の新設等を行おうとするものでございます。
 委員会におきましては、一時差しとめ制度の運用上の諸問題、公務員倫理規程の実施状況等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対しましても、四項目から成る附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 まず、一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
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○議長(斎藤十朗君) 日程第三 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長峰崎直樹君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔峰崎直樹君登壇、拍手〕
○峰崎直樹君 ただいま議題となりました法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地方分権の推進に資するとともに、普通地方公共団体の組織及び運営の合理化を図るため、地方公共団体に外部監査契約に基づいて、弁護士等の外部監査人が毎会計年度、必要と認める特定のテーマについて監査を行う包括外部監査及び住民等から監査の請求または要求のある場合に、外部監査人が当該請求または要求に係る事項について監査を行う個別外部監査から成る外部監査制度を創設し、あわせて現行の監査委員制度の充実を図るとともに、都道府県が法定の局部数を超えて局部を置こうとする場合の手続を簡素化する等の措置を講じようとするものであります。
 衆議院におきまして、税理士についても外部監査人の対象とする修正が行われております。
 委員会におきましては、外部監査契約の対象団体の範囲、外部監査人の要件と独立性の確保、現行監査委員制度の改善策、情報公開の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
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○議長(斎藤十朗君) 日程第四 河川法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長鴻池祥肇君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔鴻池祥肇君登壇、拍手〕
○鴻池祥肇君 ただいま議題となりました法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、環境に配慮し、地域の実情に応じた河川整備を推進するため、河川法の目的と河川の整備に関する計画のあり方について見直すこととするほか、異常渇水時における水利使用の調整の円滑化のための措置等を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、治水・利水と環境との調和、河川整備基本方針策定に当たっての住民の意見の反映、河川・森林行政の連携等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって一御承知願います。
 質疑を終了した後、まず、民主党・新緑風会を代表して小川委員より河川に関する情報の公開及び住民参加の推進、水利使用者の義務に関する規定の追加等を内容とする修正案が、次いで、日本共産党を代表して緒方理事より河川に関する情報の公開及び住民参加の推進等を内容とする修正案が、それぞれ提出されました。
 次いで、討論に入り、日本共産党を代表して緒方理事より同党提出の修正案に賛成、原案及び民主党・新緑風会提出の修正案に反対の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、両修正案はいずれも賛成少数により否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二分散会
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