第140回国会 外務委員会 第16号
平成九年六月十日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月六日
    辞任       補欠選任
     小山 峰男君     釘宮  磐君
 六月九日
    辞任       補欠選任
     釘宮  磐君     小山 峰男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         寺澤 芳男君
    理 事
                須藤良太郎君
                野間  赳君
                高野 博師君
                武田邦太郎君
    委 員
                岩崎 純三君
                笠原 潤一君
                武見 敬三君
                成瀬 守重君
                宮澤  弘君
                猪熊 重二君
                田村 秀昭君
                田  英夫君
                萱野  茂君
                立木  洋君
                椎名 素夫君
                矢田部 理君
                小山 峰男君
   国務大臣
       外 務 大 臣  池田 行彦君
   政府委員
       防衛庁参事官   別府 信宏君
       外務大臣官房審
       議官       西田 芳弘君
       外務省総合外交
       政策局長     川島  裕君
       外務省総合外交
       政策局国際社会  朝海 和夫君
       協力部長
       外務省アジア局
       長        加藤 良三君
       外務省北米局長  折田 正樹君
       外務省条約局長  林   暘君
       通商産業省貿易
       局長       伊佐山建志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大島 弘輔君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○投資の促進及び保護に関する日本国政府と香港
 政府との間の協定の締結について承認を求める
 の件(内閣提出、衆議院送付)
○国際情勢等に関する調査
 (日米防衛協力のための指針の見直しに関する
 中間とりまとめに関する件)
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○委員長(寺澤芳男君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 投資の促進及び保護に関する日本国政府と香港政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 本件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○武見敬三君 今回のこの投資の促進及び保護に関する日本国政府と香港政府との間の協定の締結に関しましては、基本的にこれを支持する立場をまず最初に明確にしておきたいと思います。
 そこで、従来、日本と香港との間にはこうした投資保護協定は結ばれておりませんでした。今回、特に香港側からの申し出によりこの投資保護協定が締結されることになったと聞いておりますけれども、それに応諾し協定を締結する、そういう決定を下された理由、意図というものをまず最初に御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(加藤良三君) 委員御指摘のとおり、平成四年十一月でございますか、香港側から投資保護協定を締結したいという意向の表明がございました。我が方といたしましても、それには二つほどの意味があるかと考えた次第でございます。
 一つは、実態的な意味でございまして、投資の日港間の流れというものを安定的な基盤の上にのせるということ、二番目は、それと密接にもちろん結びつきますけれども、象徴的な意味でございまして、香港が返還後という時期においても金融それから物流、貿易の中心、センターとして機能することを支援するという考え方、そういう二つの考え方に基づきまして締結に同意したということでございます。
○武見敬三君 私も、返還後さまざまに不確実性が政治的にも指摘をされ、それが経済行動に悪影響を及ぼすことを排除する意味でも、こうした投資保護協定を締結することは我が国の利益にもなり、かつ香港の安定と繁栄を確保する上において極めて重要であるという認識を持ちます。それだけに、この投資保護協定を今の時点で香港側と締結をしておくことは非常に意義のあることという認識を持っているわけであります。
 ただ、この手続、さらに国際法的な位置づけ等に関しまして、改めてそこを確認をしておく必要があるというふうに私は思います。
 日本政府と香港特別行政区政府、七月一日以降そうなるわけでありますが、及び中国政府との間の関係は、今後このような実務協定を日本国政府が香港特別行政区政府と結ぶのに際して、いかなる三角関係を交渉上持つことになるのか、その点についてお伺いしたいと思うわけであります。例えば、今回この協定を締結する上において、中国政府はいかなる立場をとり、日本政府とはどのような協議がその過程でなされたんでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) まず、今の委員の御質問のうちの後の方からお答えさせていただきたいと思います。
 今回の協定の締結につきましては、まず香港が英国からの授権に基づいて返還前に我が国あるいはその他の諸外国との間に締結する協定については英中台同連絡委員会というものにかけて、そこで審査することになっております。この英中台同連絡委員会と申しますのは、英中共同声明に基づいて設置されたもので、返還に伴う諸問題について話し合う機関とされているわけでございます。本協定につきましても、その手続に従って中国側の了解を得ているところでございます。
 そして、中国側と我が国との関係でございますけれども、中国側からも日本側に対して日港投資保護協定を返還後の香港特別行政区に引き継ぐことについては、ただいま申しました委員会を通じて既に了解していることであり、異存がないというふうに我が国に直接中国から言ってきております。そして、今申し上げましたように、一義的には中国の了解取りつけは英中台同連絡委員会の手続を通じて行われるべきものでございますけれども、本件につきましては中国側の了解を早く取りつけた方がいいだろうということで、我が方から中国側に対して直接にどうなんだといういわば働きかけを行ったところでございます。これが今回の協定についての経緯でございます。
 さて、今後、似たような協定等が締結される、そういった動きがあった場合に国際法的にどういうふうに考えるかという前の方の御質問でございますけれども、これは基本法にその規定がございます。これは百五十一条でございますけれども、そこで香港特別行政区政府は一定の事項について協定を締結することができるとされております。このような授権の範囲の中で日本等第三国との間で協定を締結するという場合には所要の手続が進めていかれると、こういう法的な仕組みになっていると考えるわけでございます。
 現在のところそのような新たな協定を結ぶということが必要かどうかという点につきましては、私ども今のところこれといったものを予定しているものはございません。しかしながら、仮に今後そのような必要性が出てくるならば、我が政府としましては、今申しましたような基本法に基づく香港政府が受けている一定の授権の範囲内で交渉することになるわけでございますが、その際にも必要に応じて中国の政府と適切に接触をし、そして中国政府の意向も確認しながら進めていくということになろうかと思います。今回のこの協定の締結の経緯にかんがみてそのように考えております。
○武見敬三君 香港との関係で生ずる問題について、どの程度中国政府と適切に協議をして問題の解決に当たるか、その判断というのは私は意外と難しいだろうと思うんです。我が国の立場としても、香港の自治についてはより高度な自治が求められることが望ましいという立場に立っているというふうに私は理解をしておりますから、その限りにおいてはやはり独立した形で香港の行政区政府との交渉が直接行われることが好ましくなるわけであります。
 しかし、実際にここでさまざまな問題が出てくるだろうと思います。例えば、こうした実務的な協定を香港の特別行政区政府と締結した場合、その協定を実行していく上での法的な最終責任は一体どこが負うのかという問題も私は出てくるんだろうと思います。この点についてはいかがお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(加藤良三君) これも基本法になりますけれども、その第百五十一条で、先ほど大臣の答弁にございましたように、「香港特別行政区は経済、貿易、金融、海運、通信、観光、文化、体育などの分野において、「中国香港」の名義で独自に世界各国、各地域および国際の関連のある機構との関係を維持し、発展させ、関係協定を締結、履行することができる。」とございますが、こういうカテゴリーと申しますか範疇の合意というものが仮にできました場合には、その履行について最終責任は香港の特別行政区政府が負うということになると承知いたしております。
○武見敬三君 香港特別行政区政府が最終的責任を果たして負い切れるかどうかという問題が私は次に出てくるだろうと思います。
 例えば、香港基本法の十九条、この中で、最終的な裁判等に関連して、裁判所というのは、国防、外交等は香港行政区政府の管轄ではなくて、これは中国政府にあるというふうに規定しているわけであります。
 こうした諸外国政府との実務協定の締結というのは場合によっては「外交等」というものの範囲に属する場合もあるわけであります。しかも、その「外交等」の場合に属するか否かの選択というのは一体だれがどのような立場で行うのか、これについて日本政府はどういう立場をとっていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) 御指摘の基本法の第十九条の国防、外交等の国家行為、その中の「等」に何が含まれるかという点について、実は我々は有権的な解釈を申し上げる立場にございませんで、これは中国の国内法である香港特別行政区基本法についてのまさに解釈の問題だろうと思います。そして、この件について、実はそれほど手広く指針を示すようなものがあるわけでは率直に言ってございません。
 一つございますのは、基本法の起草に関与したと言われております北京大学の肖蔚雲教授による「香港基本法講座」といういわばコンメンタールのような解説書がございますが、それによりますと、中央人民政府が任命権限を有する行政長官及び香港特別行政区主要高官の任命、それから中国の全人代常務委員会が香港の従来から存在する法律について基本法と抵触するか否かの判断、そういった問題などは国防、外交のいずれにも当たらないけれども、香港の裁判所が管轄権を持たない国家行為の中に含まれるというふうにされておりまして、今実は手がかりというのは、文書というような観点からはこの程度のことがあるにすぎないわけでございます。
 今後とも、香港サイド、あるいは中国とのいろいろなやりとりの場において実際に実行を積み重ねながらその辺が明らかになってくる部分もあろうかと存じます。
○武見敬三君 まさに実質的選択権というのは中国政府にあるということに、中国サイドに関しては当然なるわけであります。そうすると、今回私どもが審議しているこの協定というのは、中国政府がこの「外交等」というものの中にあるべきものだというふうに解釈をしますと、その時点で香港特別行政区政府との間の締結を結んでいたとしても、それについての最終責任を場合によっては特別行政区政府が負えなくなってしまうケースさえもあり得るだろうという危惧の念も若干私は持っているわけでありまして、この点については常に一つ一つ具体的なケースを吟味しつつ対応していかなければいけないんだろうというふうに思うわけであります。
 さて、北京サイドとこれから香港の問題等について議論をしていこうとする、交渉をしていこうとすると、中国政府の窓口というのは今後一体どこになるんでしょうか。香港の中にたしか外交部が代表所を設けるというふうに聞いているわけでありますけれども、そこが窓口になるんでしょうか。いかがですか。
○政府委員(加藤良三君) 今御指摘になられましたように、返還後、特別行政区に外交部の駐香港特別行政区事務所が設立されて活動を開始することになっておるわけでございますが、新設される外交部駐香港事務所の規模とか機能、それからさらにこれまでございます新華社の香港支社なんかとの事務分担関係といったものにつきましては、現時点で詳細は実は明らかにされておりません。
○武見敬三君 まさに不確実な要素がたくさんあるようでございます。
 香港財閥の李嘉誠氏の寄附で三百人を収容できる建物を現在外交部の代表所として北京では建設中だということでありまして、とりあえずはビザの発行であるとか英中台同連絡委員会の仕事をすることになるだろうと言われているわけでありますけれども、それ以外にもどういう役割を今後担っていくのかという点が大変注目をされているわけであります。
 しかも、新華社が存続するということになりますから、実質そこが党の代表として従来どおりの統一戦線工作等さまざまな活動を行うであろうし、ある意味では香港における自由と民主というものを管理するような役割をも担うかもしれないわけでありまして、こうした香港における中国政府の出先機関というものがどういう役割を今後担っていくかということは我が国としても十分にこれを注視していかなければならないだろうと思います。我が国としても香港における人権、自由、民主という問題について確固たる立場を確立して、これに対して関心を支払うべきだろうというふうに私は思うわけでありますが、この点について外務大臣はいかにお考えになりますか。
○国務大臣(池田行彦君) 委員御指摘のとおり、私どもも香港において現在享受されているような自由で開かれた制度、そのもとでの繁栄が今後とも継続することを強く希望しているところでございます。
 特に、これから一国二制度のもとで自由な体制を維持して、現在果たしているような国際貿易あるいは金融センターとしての役割が維持できるかどうかということは我が国を含めた国際経済社会全体にとっても大変重要なことでございます。そういったことはこれまでもいろいろな機会に我が国からも中国に対して伝えておりまして、そしてそのような役割を維持するためには、やはりその基礎といいましょうかベースとして法の支配あるいは自由の保障といったことが重要であるという認識をしております。
 そういった考え方に立ちまして、今後とも中国と香港との関係がどういうふうになっていくか、今御指摘のございました出先の役割等々も含めまして関心を持って注視してまいりたい、こう思います。
○武見敬三君 その基本的なお立場に立って日本政府がこれから申し上げる点についていかなる立場をとったか、あるいはいかなる見解をお持ちなのかをお聞きしたいんですけれども、例えば九一年に人権法が制定され、それからまた政治団体の活動規定に関する社団条例というものがあったわけでありますが、これの改定をめぐりまして香港の民主派がさまざまに反発をしております。この人権法の改定等々に関連いたしまして、日本政府はこうした事象にどのような立場とどのような見解をお持ちなのかをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(加藤良三君) 香港における人権法等の案件をめぐる動向というものについては、もちろん我々としては非常に関心を有しているわけでございます。そして、そのような関心というものを、先ほど外務大臣の答弁にございましたように、香港が返還後も一国二制度のもとで繁栄を続け、金融、貿易のセンターとしての機能を果たしていくということが基本的に中国及び我が国を含むこの地域の繁栄というものにとって非常に重要であるという大きな流れの文脈のもとで、明確に中国側に我が方のそういった基本的な姿勢を示してきているということでございまして、このことを返還後も我が方の関心として示し続けるということが重要であるだろうと思っております。
○武見敬三君 基本法の二十三条では外国の政治組織との連携を禁止するというのがございます。現在民主党の指導者でありますマーチン・リー氏のオフィスは、アメリカの人権団体でありますアジア・ウォッチというのがございますけれども、そのアジア・ウォッチのメンバーが多数実際にそこで仕事をしております。そして、実際にマーチン・リー氏が訪米したときの手配等に重要な役割を担ってきておりまして、彼らが香港返還後も実際にその仕事をやめる様子はとてもございません。そうすると、この基本法二十三条に抵触するような事態が発生するおそれが出てまいりました。
 他方で、米国議会では人権状況悪化の際には中国に対する制裁を科すべしという香港法案が採択されているわけでありますし、昨今のアメリカにおける激烈なチャイナ・バッシングの高まり、それらが香港の自由と民主への中国の対応の仕方次第でさらに中国を悪者としてみなすための象徴化させる動きとして現在顕在化してまいりました。
 その意味では従来とはちょっと様子が異なってまいりまして、香港返還の政治問題化というのが進んでいることを私は実は非常に憂慮しているわけでありますが、この点について日本政府はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(加藤良三君) 確かに、基本法の二十三条で、「香港特別行政区は反逆、国家分裂、反乱扇動、中央人民政府転覆、国家機密窃取のいかなる行為をも禁止し、外国の政治的組織または団体の香港特別行政区における政治活動を禁止し、香港特別行政区の政治的組織または団体の、外国の政治的組織または団体との関係樹立を禁止する法律を自ら制定しなければならない。」と規定しております。そして、それを踏まえて、昨年の十一月に香港政庁が国家分裂と政府転覆の定義を盛り込んだ二十三条関連法案の改正案を公表して、それが香港の議会でありますところの立法評議会に提出されましたが、審議の結論が出ていないという状況だと承知しています。手続が今後どうなるかまだ明確な見通しはございませんが、董建華初代行政長官は、第一期の立法会、すなわち香港返還後一年以内に開かれる立法会において結論を出したいという意向を有しているという報道がなされておるわけでございます。
 こういう関連で、いかなる行為が国家分裂とか政府転覆、その他今申し上げましたようなことに当たるかというのは、返還後の香港の基本的制度の問題として今申し上げましたような流れに従って対処されていくことになると思いますけれども、当然私たちは関心を持つべき重要な問題だと思っているわけでございまして、当然今後ともその動向を見守っていくわけでございますが、香港及び中国に対するメッセージといたしましては先ほど申し上げましたような流れ、すなわち我が方として考えて香港、中国側に対して実効性のある説得力を持った議論として展開していくことができればなと思っているわけでございます。
○武見敬三君 私が憂慮しておりますのは、そうした中国側の基本法に基づく姿勢と、昨今のアメリカ議会及び人権団体等々の動き方というものが香港返還後の自由と民主をめぐってひょっとすると激突するかもしれないような危険性を持ち始めている。これをいかにして顕在化せずにうまくおさめていくかということは側面から我が国としても大いに考えなければならないことだろうと私などは思っているわけであります。
 この点について、太鼓持ちではございませんけれども、外務省は非常にいいことをやったなという事例があると聞いておるんです。これは、英中間で最終的な結審を下す裁判所を返還後北京に置くのか香港に置くのか等の議論があったときに、北京サイドはこれはやはり北京に置くべきだという動きをいたしました。この際、日本の企業などが実際に協定を結ぶ地域を香港からシンガポールに移し始めたり、あるいは資本を動かすような動きが出てきたということを聞いておるわけでありますが、そのときに外務当局の方で、実際にそういう日本企業の動きを中国側に対して毅然たる立場で、また相手のメンツをつぶさないように上手にこれを伝えて、それによって法の秩序と市場の関係というものを説明して、やはり最終審は香港に置かれることが好ましいのだというような説得を行ったということを一度聞いたことがあるんですけれども、それは事実ですか。
○政府委員(加藤良三君) 委員御指摘のような記述を含むファー・イースタン・エコノミック・レビュー誌の記事がございます。
 私どもといたしまして、英中間の合意が九五年六月に形成され決着される過程でどういう役割を具体的に果たしたかということになりますと、これはちょっと広い意味での外交交渉の途中経過に当たるものでございますから御説明することは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、その決着に至る過程で最終審の裁判所が適切な形で説明されることが重要であるということは強く指摘してきた経緯はございます。それがどれぐらい効果があったかというのはまた別の問題でございましょうけれども、いずれにせよ、先ほども申し上げましたように、そういった経過も踏まえてこれからも必要に応じて適切な形、すなわち相手との関係でも実効性がある形で我が方の問題意識を伝えていくということが非常に重要であると感じております。
○武見敬三君 私は、この香港返還を通じて、よく言われていることでありますけれども、中国の香港化という傾向が進むことは大変結構な話だろうと思っております。また、それを側面から上手に支援することも我が国としてすべきことではないかと思うんですが、その際の一つの事例として私は今申し上げたような事例があるんだろうと思います。
 こういう場合には、中国政府に対して、あえてこんなことを言ったら相手のメンツがつぶれてかえって関係が悪くなるんじゃないかとか、そういうふうな配慮はむしろしないで、極めてダイレクトに、適切に、こうした法の秩序と市場の関係であるとか、あるいは自由と民主主義というものと市場との関係がどういうものであるのかといったようなことは逐次適切に私は日本政府は中国政府に言い続けるべきだろうというふうに考えているわけであります。そうした基本姿勢をぜひ継続して持っていただきたいということをここで申し上げるわけであります。
 最後になりますけれども、これは過去の、今までの植民地下における香港の自治の度合いと、それから返還された後の香港の自治の度合いというのは、どちらの方がより高度な自治を確保することになるのか。これは非常に興味深い点なんですね。パッテンというのはイギリスの政府のいわば指示を受けて動いているわけでありますし、董建華の立場というのはある程度独自性は認められているわけでありますけれども、この点についてどういう比較の視点をお持ちなのか、外務大臣にお聞きして、最後の質問とします。
○国務大臣(池田行彦君) まず、私ども、先ほども御答弁申し上げましたが、その後委員も今まとめておっしゃいましたけれども、これからも香港の法の支配であるとか自由な状況というのが維持されることを非常に強い関心を持っておりますし、そのことが現在の香港が特に経済面で果たしている役割を維持するために大切だということを先ほど言いましたが、言い続けるようにいたしております。そして、今若干具体的な例が出ましたけれども、そういったことも折に触れこれからもサジェストしていくということは、これはお互いのためでもあると思いますから、そのように考えている次第でございます。
 さて、自治の程度が返還前後でどうかという点でございますが、自治といいましょうか政治制度自身の話になりますと、これはなかなか直接的に他の国から物は言いにくい点もございます。それから、比較すると申しましても、香港の中国返還が決まった後、今日までにいろいろ制度の変化もございました。それで、現在の状態と、それから返還後中国が今いろいろ考えているものと比較するのか、あるいは共同声明の前の段階の自治の様子と今後とを比較するのか、それによっていろいろ違ってくるんだと思います。
 したがいまして、その点については直接的なコメントは何とも難しいわけでございますけれども、いずれにしても我々は、先ほど申しましたような香港の役割がきちんと維持されるためには、法の支配、そして自由な社会、そしてまたそれは当然民主的な世の中というものが基本的には望まれるんだと、そのことを中国が十分認識しながら今後とも対話をしていくことを期待している、こういうことでございます。
○武見敬三君 ありがとうございました。
○高野博師君 まず、香港の返還に関しまして、香港返還をどのように認識しておられるのか、基本的な点についてお伺いしたいと思います。政治的、経済的観点から、簡潔にお伺いいたします。
○国務大臣(池田行彦君) 一九八四年の共同声明によって返還後の香港は中国の特別行政区になるというふうに位置づけられております。そして、外交、国防の分野を除いて高度の自治を付与される。そして、基本的に現在の香港で行われている法律、経済などの諸制度が維持される、こういうことになっておると理解しておりまして、そうなりますと返還後も香港は今申し上げましたような意味で中国全体とは異なった独自の自治が維持されるものと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 そしてまた、そういった中で香港が今後とも一国二制度のもとで開かれた体制を維持して、これまで果たしてきた特に経済面等での役割が維持されるということを日本としても期待しておるところでございます。
○高野博師君 経済的に見れば香港の経済に変化が起こるということは考えられない、香港と中国の経済的な一体化はもう既に進んでいるということで、七月一日の返還というのはその確認のセレモニーにすぎないという見方もあります。
 それで、中国は世界最大の海外直接投資の受け入れ国で、その中でも香港からの投資は全体の五五%、台湾が一〇%、シンガポールが四%、その他東南アジアの華僑系企業等を合わせると七十数%というのがいわば外の中国からの投資、海の中国とも言われますが、この投資になっている。それらのほとんどが香港を拠点として中国に入っている。例えば、広東省の場合は中国最大のGNPを持っていて、人口が六千数百万人、製造業に従事している二人に一人は香港企業に雇われている、賃金等の支払いも香港ドルで行われているということで、香港の繁栄が損なわれれば華南あるいは中国全体の成長に大きな影響を与えるだろうと。したがって、当然のことながら返還によって主権を回復した中国が政治的なコントロールをしたいけれども経済的発展は維持したい、これが基本的な考え方ではないかと思うんです。
 政治的には、最近の香港のジャーナリズムが自主規制しているとか、あるいは新聞報道等によれば記者が海外流出しているとか、そういう動きがあって、返還後に報道規制等もあるんではないかと思われます。先般の天安門の追悼香港集会とか、あるいは犠牲者記念碑の常設が市政局の評議会で否決されたとか、そういうことで香港市民の間には将来の民主主義に対する不安を抱いている人が多い。
 この点に関しまして、北京による香港の政治的な支配あるいはコントロールと経済的発展というのは両立するのかどうか、その辺についてお伺いいたします。
○国務大臣(池田行彦君) 確かに、委員の今御指摘されましたような動きといいましょうか、あるいは場合によってはいろいろな予測に基づく不安感が一部にあるということは承知しております。一方におきまして、委員も御指摘になりましたけれども、香港が今果たしているような経済的な役割が維持されるということは中国全体にとりましても大きな意味があるわけでございます。そのことが中国が香港返還に当たって一国二制という仕組みのもとに香港に高度な自治を認めたという大きな要因であったと考えるわけでございます。そして、そういった点が今後とも変わらないとするならば、基本的に中国が政治面あるいは社会面での香港住民のいろいろな自由を維持するということを期待することができるんだと思います。
 ただ、それが細部にわたってまで具体的にどういうことになるかということについては、これはなかなか第三国からくちばしを入れることがどうかという面もございますけれども、大もとのところ、基本的なところの重要性というものを中国にも今後とも持ち続けていただくということが中国のためでもあり、また日本も含めた国際社会全体のためでもある。そしてまた、自由あるいは民主的な仕組みといったような普遍的な価値が維持されるゆえんでもあろうかと考える次第でございます。
○高野博師君 経済発展が高度になるほど政治的な自由とか民主化の要求が強くなるというのは韓国とか台湾等、あるいはほかの国でも見られるとおりでありますが、香港を通じてこれまで中国内部の情報というのは相当得られてきたと。返還後、中国政治を自由に分析する、あるいは情報がとれるのかどうかという点についてはどうお考えでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) 香港についてはいわばこれまで先例のない状況ということでございまして、一〇〇%こうだという見通しを到底申し上げられるわけではございませんけれども、中国は基本的に香港について五十年間実態を変えないということをコミットしているわけでございます。これまでも香港は、委員御指摘のとおり、我が方としていろいろ重要な情報を収集する地点でございましたけれども、今申し上げましたような大枠に照らしますと、引き続き香港というものは情報収集等の拠点として我が方にとっても重要な機能を果たし続けるのではないかというふうに考えております。
○高野博師君 それでは、香港返還が中台統一に与える影響というか、中台統一の関係について簡単にお伺いいたします。
○政府委員(加藤良三君) 御案内のとおり、中国はまず台湾統一を最大の内政問題として位置づけております。そして、返還後の香港経済を維持発展させていくことによって九九年の円滑なマカオ返還の実現や台湾問題の解決を考えているというふうに思われるわけでございます。
 他方、台湾の方は従来から一国二制度によって両岸問題を処理することに反対するという立場をとっております。返還後の香港情勢がこういう台湾の政策にいかなる影響を与えていくのかという点については我が国としても注目してまいりたいと考えているわけでございますが、政府といたしましては、東アジアの平和と安定の観点からは、台湾をめぐる問題が台湾海峡の両岸の直接の当事者の話し合いを通じて平和的に解決されることを強く希望しているというこの基本は変わらないわけでございます。
○高野博師君 この一国二制度というのは、もともと七九年に中台統一の原則として全人代の常務委員長の葉剣英によって提起されたものだと理解しておりますが、これは台湾より先に香港に適用されることになったと、香港で実験されているということでありますが、これがうまくいかなければ中台統一に影響を与えることは間違いない。したがって、香港に対しては政治的コントロールといっても手荒なことはしないだろうという見方ができると思いますが、そういう意味では香港の自由を侵害するというようなことはないであろうというふうに思います。
 中台関係についてはまた別の機会にお伺いしたいと思いますが、香港が変わるというよりも、先ほどお話ありましたように、中国の方が香港化するというか、中国の方が変化率が大きいのではないか。今、党の指導者層も国民も政治よりも経済、あるいは北京よりも香港、あるいは地方に、華南に目が向いているというところで、国民が経済的な豊かさを実感しつつある中で社会主義的な意識が薄れつつあるという見方もできると思います。そういう中で、社会主義が中国全体の統合の原理として、あるいは中国人のアイデンティティーの求心力ではなくなりつつあるのではないか。そういうことになると、中国は今後より強いナショナリズムの方向にいくのではないかという懸念がありますが、この点についてはどうお考えでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) 御指摘のとおり、中国が改革・開放政策のもとで経済発展を遂げるのにつれて、内陸部と沿海部との格差の拡大とか社会主義の規律の緩みといった新しい課題に直面しているということはっとに指摘されているところでございます。そういう状況のもとで、国内の安定と団結維持という観点から、近年、愛国心教育にも力を入れてきているということ、これ自体は事実だろうと思います。
 他方、ケ小平氏の死去後、香港返還や党大会という重要な政治日程を控えた中国にとって、国内の経済的、社会的安定と平和的な国際環境を維持していくということはますます重要になってきております。中国が改革・開放政策を志向していくということは、まさにそのようなことを意味するんだろうと思います。
 そういう観点からいたしますと、中国政府としてもナショナリズムをただいたずらに鼓舞するということではなくて、その動向にいろいろ配慮を払っていくという姿もこれまでにも見られるところでございまして、我が方としては基本的には今申し上げましたような考え方をとっております。
○高野博師君 中産階級の政治的な自由とか民主化の要求、あるいは江沢民の権力基盤の脆弱さとか、あるいは社会主義の実態が崩れつつあると。しかし、共産党としては共産党の支配だけは失いたくないということで社会主義の看板をおろさない、こういうのを背景にしてナショナリズムが時に強くなって尖閣諸島とか台湾に向けられるというようなおそれがあるのではないかというのが私の意見でもあります。
 ちょっと時間がありませんので別のテーマに移らせてもらいますが、香港との関係で通産省に一つお伺いいたします。
 米国のハイテク製品が香港に輸出されて、その後中国へ再輸出あるいは横流しされて中国の兵器とか軍事技術に利用されるおそれがあるという米国の会計検査院の報告が出されましたが、こういう同じような事態は、状況は日本の場合にはないのでしょうか。
○政府委員(伊佐山建志君) 我が国の輸出管理におきましては香港向けと中国向けというのを手続的に差別いたしておりません。したがいまして、香港返還後の状況におきましても現在のやり方がそのまま適用されるというふうに思っております。
○高野博師君 コンピューターとか通信機器とか先端機械部品等、軍事と民生両用の転用可能な技術、デュアル・ユース・テクノロジー、こういう分野でアメリカの場合は中国向けでも輸出認可にストップがかかった例が百七十件、あるいは香港向けでは輸出されそうになった例が三十件あったという報告が報道にあります。日本の場合は一件一件用途を確認して輸出許可を与えていると聞いておりますが、その点で実際に、要するに両用の製品であればチェックは非常に難しいんではないかと思うんですが、その点、いかがでしょうか。
○政府委員(伊佐山建志君) 委員御指摘のように、出される物、役務の形態によって世界的にといいますか国際的に一定のきちっとしたルールを持っているケースと、輸出の管理を各国の裁量にゆだねているケースと二つございまして、物の内容、出される物いかんによっては大変厳格に、委員今御指摘のように、仮にそれがデュアルのものでありましても、個別に一つ一つ最終仕向け地がどこなのか、第三国に移転される場合には輸出者の同意を得なきゃいけないといったような要件を付して管理いたしておりますので、我々としてはそういう体制を国の状況に応じまして管理の仕方というものを定めておりまして、その限りでは中国と香港に差がないということでございます。
○高野博師君 それでは、北方領土問題についてお伺いいたします。
 現在ネムツォフ第一副首相が来日中だということで、同副首相が来日中に北方領土問題について討議することを拒絶したという報道があります。この点についてお伺いいたします。
○国務大臣(池田行彦君) そのような趣旨の報道があったというのは承知しておりますけれども、実態はそうじゃございません。
 そもそも今回のネムツォフ第一副首相の訪日の目的は何かと申しますと、日ロ間に貿易経済に関する政府間委員会というのがございます。これ第一回は昨年モスクワで開いたわけでありますが、その第二回を今回開くことにしたわけでございます。その共同議長が日本側は外務大臣、私でございまして、ロシア側がネムツォフ第一副首相ということで、この会合に来るということが主目的であったということが一つございます。
 それからいま一つは、ネムツォフ氏がロシアにおいて一体どういう問題を担当しておられるかと申しますと、国内においてのいろいろな社会問題が中心でございまして、領土交渉を含む政務案件は直接は担当していないという事情がございます。そういった担当の職務の関係、そして今回の訪日の目的、そういったものを土台にしまして、報道陣からの質問に対して自分は領土問題について今回は協議する立場にないということを答えられたんだと、それがあのような報道になったんだと承知しております。
 一方、昨日、文字どおりこの政府間委員会を開いたわけでございます。中心はもちろん貿易、経済の話でございました。しかし、この会合におきましても、冒頭におきまして私の方から発言いたしまして、東京宣言に基づいて北方領土問題を解決して平和条約を締結し、日ロ関係の完全な正常化を達成することが重要であるということを明確に述べておきました。それからなお、会議を離れた場におきまして二人で話をする場におきましては、やはり領土問題についての進展があるということが経済面での関係強化のためにも不可欠だということをいろいろな角度から力説して、ネムッォフ氏の理解も得るために努力をしたところでございます。
○高野博師君 このネムツォフ第一副首相は将来の有力な大統領候補の一人と言われておりますけれども、この領土問題についてきちんと理解してもらうことが非常に重要ではないかと思うのであります。領土問題と環境整備、大臣がおっしゃられた車の両輪ということでありますが、機会をとらえてこの問題を日本側が提起するということが重要であろうと思います。
 それで、来るデンバーのサミットで政府は北方領土問題をどのように提起するのか、あるいはしないのか、どのような方針で臨むのか、簡単にお伺いいたします。
○国務大臣(池田行彦君) サミットにおいて領土問題をどういうふうに位置づけるかということでございますけれども、御高承のとおり、一九九二年のミュンヘン・サミットにおきまして、その宣言の中に、法と正義の原則に基づく外交政策の遂行が領土問題の解決を通じた日ロ関係の完全な正常化の基礎となるということが当時のサミット参加国の総意として確認されております。こうした考え方は現在でも引き続いて有効であると考えております。
 他方、日ロ二国間におきましては、御高承のとおり、一九九三年の東京宣言におきまして領土問題の解決に取り組むことになっているわけでございまして、そういったことを考えますと、サミットの枠組みの中で領土問題について時間を費やして議論をする必要は必ずしもないんではないか。サミットの方の考え方も明確になっている、そして日ロ間では東京宣言できちんとした新しい基礎ができておりまして、その上で努力を進めておるわけでございますから、そのように考えているような次第でございます。
 ただし、デンバー・サミットの機会に別途日ロ首脳会談を行うことを考えておりますけれども、その場では当然のこととして領土問題も議論をすると、こういうふうに考えている次第でございます。
○高野博師君 デンバーでの日ロの首脳会談、あるいはその直後の橋本総理のロシア訪問ということで、この北方領土問題については、もし総理がロシアを訪問することになれば田中総理以来ということで、領土返還に道が開けるんではないかという国民の期待が非常に大きく高まるんではないかという感じがしておりますが、十分な根回しというか準備をしておかないと、領土問題をロシア側にカードに使われて一方的な経済援助だけで終わっちゃうというようなことのないようにしてもらいたいと思いますが、この点について大臣の所感を伺います。
○国務大臣(池田行彦君) 私ども当然のこととして領土問題は日ロ間で最も重要な問題であろうと考えております。
 現在、日ロ間ではいろいろな分野で関係を広め、また深めてまいろうと考えておりますけれども、その際にも、東京宣言に基づいて、領土問題解決に向かっての努力をおろそかにすることがあってはならないと。必ずこれはあらゆる機会をとらえて我が方から提起し、そうして一歩でも二歩でも着実に前進するように努力を傾注していくべきものと考えております。
 当然のこととしまして、この問題の性格からいいましてそう簡単に解決が見られるとは期待ができませんけれども、私ども現在申しておりますのは、先ほど申しましたようなこの問題の重要性については両国の認識があるわけでございますから、解決しなくちゃいけないという共通認識があるわけでございますから、これを土台にしながら努力を進めていくと、こういうことでございます。
○高野博師君 それでは、最後に防衛庁にお伺いいたします。
 ロシア製の戦闘機の購入を検討しているという報道がありますが、この事実関係について、防衛機密ということで恐らく答えられないんだと思いますが、念のため伺います。
○政府委員(別府信宏君) お答え申し上げます。
 現段階におきまして、防衛庁といたしましてはロシア製の戦闘機を購入するといった具体的な計画を持ち合わせておりません。
○高野博師君 戦闘機購入の関係で、パイロットを派遣するというような情報もあります。これはいかがでしょうか。
○政府委員(別府信宏君) 一般的に諸外国の航空機に使用されております先進技術あるいはそういった航空機をどのように操縦、運用するかといった点につきまして、その基本的な考え方を把握して、そして吸収するということは航空防衛力にかかわる軍事技術の維持向上にとって有益でありますという観点に立ちまして、防衛庁におきましては、今年度ですが、航空自衛隊のパイロットをロシアに派遣いたしまして、スホーイ27の操縦等に関します研修を受けさせることによってその性能等を調査研究することにいたしております。
○高野博師君 ということは、購入しなくても調査研究はできるということでしょうか。
○政府委員(別府信宏君) はい。向こうにそういう教育機関がございまして、それに入り込みまして研修を受けるということでございます。
○高野博師君 日ロの防衛協力ということ、あるいは共同訓練とかハイレベルの対話促進と同時に、低迷するロシア経済の後押しというねらいがあって購入を考えているというような報道があります。それが事実かどうか私はわかりませんが、このスホーイ27とかミグ29、一機二十億から三十億もするという戦闘機でありますが、もし購入するようなことがあればやはりいろいろな問題があるんではないかと思います。
 NATOの拡大に伴って、ロシアがアジアとか中東に対する兵器市場参入に本腰を入れ始めたということも言われておりまして、ロシアの兵器輸出の実績というのは、九五年が三十億ドル、九六年が三十五億ドル、本年は前半だけで七十億ドルの実績を上げているということで、今後数年間で東南アジアと中東だけで九百億ドルを見込んでいるとも言われておりまして、中南米等にも輸出攻勢をかけていると。現在六十一カ国と取引をしているということで、兵器は全般的にアメリカ製よりも安くて性能は大差ないということで、特に韓国に対して防衛ミサイルのシステムS300の売り込みをやっているということでアメリカも神経をとがらせていると、こういう報道があります。ロシアが今の経済の低迷を背景にいわば軍拡競争をあおっているあるいは助長していると指摘できると思います。
 防衛庁がロシアからの購入をするようなことがあれば、これは大きな問題だと私は思っておりまして、これについての問題を指摘しておくにとどめたいと思います。
 終わります。
○立木洋君 議題になっている協定の問題についてお尋ねしたいと思います。
 まず最初に、日本と香港との最近数年間における経済の関係なんですが、香港から日本に輸出しておる総額は、日本から香港に対して輸出しておる総額に比べて大体一割足らずの状況になっていると思うんです。それから、投資の状況を見てみましても、これも同じように、香港から日本への投資の状況は、日本から香港への投資の総額から比べてみると、これは一割を大幅に切っている状態になっていると思うんです。ですから、このように経済、投資活動の流れが日本から香港へとかなり一方的になっているという状況から見てみますと、結果としてこの協定で保護を受けるのは資本をより多く投下している日本の側、これが保護の恩恵を受けるのが香港より多くなるというふうなことになりかねないんじゃないかと思うんですが、その点の状態は経済関係から見てどのように見たらいいんでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) この協定を締結いたしますときに、その背景としては非常に短期的で直接的、具体的な利益というものと、中長期的で一般的な利益というものもあろうかと思います。
 確かに、この協定の締結によって個々の投資主体である我が国企業が利益を受けるということはあるんだろうと思いますけれども、投資を受け入れる側の香港としてもそういう投資を通じた経済活動の活発化などによって利益をやはり享受することになるんではないかと思うわけでございます。特に、我が国からの投資の継続が返還後の香港に対する国際ビジネス界の信頼感の維持に資するということは重要だろうと思っておりまして、これを通じて返還後の発展に寄与できればなというのが私たちの気持ちでございます。それに、小なりといえども香港の企業による我が国への投資も本協定によってもちろん保護されることになります。
 そして、そういうこともあってでしょうけれども、この協定については当初香港側から締結に向けた交渉開始の申し出があって、我が方が今申し上げましたような考え方に基づいてこれを応諾したという経緯があるわけでございます。
○立木洋君 今度のこの協定が香港の側からの申し入れによったものであり、あるいは中国側もこれを了承しているというふうなことが先ほどもお話ありました。
 ところが、香港との協定が中国への返還を目前にして結ばれたという状況と、それから一九八九年に中国と日本が投資保護協定を結んでいますが、それを比較してみますと、やっぱり香港との投資保護協定については日本と中国との協定よりも規制の内容が後退している。もちろん、香港を私は発展途上国なんというふうなつもりはありませんけれども、中国の場合はそういう経済状態になっておりますが、日中の保護協定を見てみますと、協定の本文第三条の2では、香港の協定と同様に投資財産、事業活動への内国民待遇というのを認めています。しかし、議定書においては、公の秩序、国の安全または国民経済の健全な発展のために真に必要な場合には例外として内国民待遇を与えていません、中国の場合は。投資活動を規制することができる規定をも明記されているわけです。
 また、補償に関する協定規定についても、香港との協定の第六条の一では、投資財産、事業活動については内国民待遇を与えているのに、日中の投資保護協定の第六条では内国民待遇を与えていないというように、いわゆる受け入れ側にとって見るならば、香港との協定の方が中国の協定よりも、香港の規制権はやっぱり後退しているというふうに見られるんですが、これはどういうふうに考えたらいいんでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) それを前進と見るのか後退と見るのか、いろいろだと思います。委員の御趣旨はわからないではないんですけれども、しかし全体として現在のようにグローバルな経済がどんどん進展しておりまして、貿易の面でも投資の面でもその他の経済活動もすべて国境を越えて行われているのが常態になっているという世界でございます。
 そういった中で、とりわけ香港というのは世界でも最も国際的な自由貿易あるいは自由な経済取引の上に立ち繁栄を享受している国でございます。そういった香港がこれまでの役割を果たし、またこれまでのような繁栄を継続しようとするならば、香港の立場としても、今回の協定に盛られましたような規定を置くのがむしろ香港の立場に立っても有益な話だ、望ましい話だと、こう考える次第でございます。
 ただ、日中協定の方はどうかという点につきましては、中国にとりましても、これから改革・開放路線を進める中で、一層国際経済とのかかわりを深めていくという立場に立つならば、今おっしゃいました内国民待遇に関する留保といいましょうか、場合によっては規制をするといった条項なども将来的には再考される時期も来るんだと思うわけでございますけれども、今の中国経済の状況というものを考え、現在のような日中の協定になったというふうに考えております。
○立木洋君 投資を受けている側にとって見るならば、規制という権利が中国との投資協定よりも香港との投資協定の方が後退しているというのは私は事実だと思うんです。それは、香港自身がみずから進んでそういう投資協定を結びたいというふうに申し出てきて、そしてこういう形で締結する、承認するということになっているわけですから、それは香港が全部が全部自分たちが損になるなんということを考えていないということはあり得ることだと思います。
 問題は、先ほど来問題になっているように、七月一日に香港が返還されるわけですね。香港が返還されて、香港と中国との経済関係というのは今までより以上に緊密になるだろうと思うんです、投資等の問題についても。そうした場合に、日本と中国との投資保護協定と日本と香港との投資保護協定が内容的に食い違っておる、それが将来問題を生じないだろうか。
 果たして、今言ったように、外交なんかの問題もありますけれども、経済の問題にかかわって国と国との関係というようなことが起こってきた場合、中国も当初日本からの投資の問題でいろいろなトラブルがしばしば起こりました。中国における資本主義の市場経済なんというのは経験がない状態のもとからきているということは明らかですから、いろいろなトラブルが起こる。この問題は今後十五年間このままで効力を発すると。そのときにまた検討されるということになるんでしょうけれども、そういう問題でトラブルが起こった場合に、中国側は現状のもとでは認めていても、自分のところの投資保護協定との内容の食い違いからいろいろな問題が生じる可能性はやっぱりあり得るというふうに見ておいた方がいいんではないだろうか。
 だから、そういうふうな協定の内容を違った形で結んでいると、いわゆる投資を受ける側の規制の権利が香港の場合は後退していると、そういう状態から問題が生じるという可能性はないのかという点が私は一つは問題だろうと思うんです。そういう点についてはどのようにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) 基本的に、中国も一国二制のもとで、外交、国防の問題を除きましては香港に非常に大幅な自治を認めるということに合意しているわけでございます。そういった中で、特に経済の面については、これまでのような香港の経済活動は維持される、そのために必要ないろいろな基本条件も維持していこうということは中国も理解しているわけでございますから、その点で問題はないと思います。
 さて、これから日中と日港との投資協定が違うところで問題が起きはせぬか、そして十五年後のいわゆる改定時期、中国側から何らかのいわば現在の中国の協定に見合ったような方向への改定といいましょうか修正といいましょうか、そういったことの要望というか要求というか、そういうものが出てくるんじゃないかという件でございますが、きょうの御審議の中でも将来的には中国の香港化という御発言もございました。その言葉が適切かどうかは私は必ずしも存じませんけれども、先ほども申し上げましたように、中国もこれから改革・開放路線を通じて経済の発展を図っていこうというならば、現在以上に国際社会、国際経済とのかかわりを深めていくんだと思います。
 そういった中では、現在香港で行われているような、あるいは香港と日本を初め他の国との間で行われているような取引あるいは慣行というものがより一層中国においても取り入れられていくという可能性の方が強いんじゃないかと私は考えるわけでございます。なお、十五年たった段階で全く同一になるとまでは申しませんけれども、むしろ今そこに差があるとすれば、その差は縮まってくるんだろうということでございますから、委員が今指摘されましたような懸念というのは私はないんじゃないかと思っております。
○立木洋君 一九七四年における国連の特別総会あるいは国連総会等において、もう大臣十分御承知のように、新国際経済秩序の樹立に関する宣言だとか諸国家の経済権利義務憲章等が採択されているわけです。この中では、「自国の法令に基づき、また自国の国家目的と政策の優先順位に従い、自国の国家管轄権及び範囲内で、外国投資を規制し、それに対し権限を行使すること。いかなる国家も外国投資に対し特権的待遇を与えることを強制されない」というような規定が第二章の第二条二項(a)でなされております。これは、もちろん日本が棄権されているということは十分承知しているわけです。
 これからの流れの中で、経済的な関係が投資等についても一方から一方の方により多く流れているというふうな状態の中で、こういうふうないわゆる経済主権の問題というのが問題にされてきて、そういうふうな国々からの要望が出された場合にはやっぱり考慮するというふうなことはある程度必要になってくる、そういうふうに理解されるべきではないかと思うんです。
 当時は棄権されていますけれども、そういう途上国等々への資本の流れが一方的になっているような国の場合に、そういう問題についての権利、権限等をやっぱり理解するというふうなことは先進国としてできるんではないかと思うんですけれども、その辺の認識はどうなんでしょう、現状では。
○政府委員(加藤良三君) この日港投資保護協定との関連で申し上げますならば、この二条一項にも「関係法令によって与えられた権限を行使する自己の権利を留保の上、これらの投資を許可する。」という規定はあるわけでございます。ですから、投資受け入れ国というか投資受け入れ側が法令に従って投資の許可を決定する仕組みになっているわけでございます。つまり、この協定の投資受入国側ないしは受入側が他方の締約政府の投資家による投資を受け入れなければならないと義務づけているようなことは全くないわけでございまして、その意味でも投資受入国側の権限行使について適切な配慮は払われているのではないかと私たちは思っているわけでございます。
 やっぱりこういうことを考えて、投資保護協定というのは、そもそも締約国あるいは締約地域間の投資の促進とか保護の観点から、具体的にどういう待遇、保護を与えることが適当かということを勘案しつつ締結するものだと思いますので、その目的を勘案して投資受入国側の状態について適切な形で考慮を払うべきは当然でございますけれども、この協定についてはそういう考慮は払われている、それで香港側と合意している、こういうことだろうと思っております。
○立木洋君 時間がありませんから最後の質問になりますけれども、先ほど来述べている点で、中国と香港との関係、香港の状態は多国籍企業の投機的な金融のアジアにおける活動の拠点になっているというふうなことも指摘されるほどの金融の中心なんです、香港なんかの事業としての大きな問題は。
 タックスヘーブンをも温存されているというふうな状態も事実上存在しているということを考えるならば、やはりこの協定が中国返還後もこうした香港の存在を保障させるということになっているわけですから、問題については十分な注意と関心を持った対応というのが私は必要ではないだろうかと。そうしないと、香港との投資協定と中国との投資協定の差異等が経済問題を惹起して、さまざまな問題が生じるというようなことになるならばこれはやっぱり重大なことですから、我々はその点には十分な注意を払うべきだというふうなことを最後に申し述べておきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) 基本的に申しまして、香港の現在享受しているような経済的繁栄が維持されるということは香港の住民にとっての利益でございます。それと同時に、香港の果たしている特に経済面での役割というものが今日の中国にとって、またこれからの中国の経済発展を図る上においてやはり有益なものであり、大きな役割を果たし得るんだと思います。また同時に、日本を含む国際社会全体にとっても香港の役割、機能というものが維持されるということは大切だと思います。そういった大もとにおけるメリットというものが香港、中国、あるいは関係の国々なり関係者の間で認識されておるならば、細部にわたるいろいろな問題が生じたときにも円満な解決は図られなくちゃいけないし、図られるものだと期待できると思います。
○委員長(寺澤芳男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○立木洋君 私は、日本共産党を代表して、投資の促進及び保護に関する日本国政府と香港政府との間の協定に関する反対の討論を行います。
 それはまず、一九七四年に新国際経済主権樹立の宣言や諸国家の経済的権利義務憲章等を国連で採択いたしております。その経済的権利義務憲章においても、いかなる国家も経済主権を有すること、またそれを尊重することが明らかにされておりますし、補償問題で紛争が起こった場合でも、その紛争はその国の国内法に基づいて、かつその法廷において解決されなければならないというふうにされているわけであります。
 一九八九年に中国との投資保護協定に私たちが賛成したのは、受け入れ国の経済主権を主張できる根拠規定の存在が確認されたからであります。この協定の本文では、投資財産と投資活動の内国民待遇を認めながらも、補償に対する待遇については内国民待遇を与えなかったり、議定書では真に必要な場合には差別的待遇もあり得ることなど、中国側の投資活動に対する一定の権利を認めていたからであります。
 しかし、今回のこの協定においては、投資活動及び投資財産についての補償に対する内国民待遇を認めるものとなっており、全体として香港との協定は中国との協定よりも、返還を目前にしておりながら、こうした規制に関する一定の後退した内容を見ることは極めて遺憾なものであります。
 また、香港は多国籍企業の投機的金融のアジアにおける活動の拠点でありますし、利子源泉地課税が撤廃されるなどの事実上の租税回避地、タックスヘーブンであることも指摘して、私の討論を終わります。
○委員長(寺澤芳男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 投資の促進及び保護に関する日本国政府と香港政府との間の協定の締結について承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(寺澤芳男君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺澤芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(寺澤芳男君) 次に、国際情勢等に関する調査のうち、日米防衛協力のための指針の見直しに関する中間とりまとめに関する件を議題とし、池田外務大臣から報告を聴取いたします。池田外務大臣。
○国務大臣(池田行彦君) 八日、米国ハワイにおいて日米の外務、防衛担当の局長級による日米防衛協力小委員会を開催し、これまで行ってきた「日米防衛協力のための指針」の見直し作業についての進捗状況及び検討内容を整理し、「日米防衛協力のための指針の見直しに関する中間とりまとめ」を採択し、公表しました。
 日米同盟関係は、日本の安全の確保にとって必要不可欠であり、またアジア太平洋地域における平和と安定を維持するために引き続き重要な役割を果たしてきております。
 冷戦の終結にもかかわらず、この地域には不安定性と不確実性が依然として存在しており、日本周辺地域における平和と安定の維持は日本の安全のために一層重要になっております。日米両国政府は、このような冷戦後の情勢の変化にかんがみ、現行の指針のもとでの成果を基礎として、日米防衛協力を強化するための方途を検討することを決定し、平素から行う協力、日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等、及び日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合、いわゆる周辺事態における協力について日米防衛協力小委員会において検討を行ってきたところであります。
 新たな指針を策定する最も重要な目的の一つは、日本に対する武力攻撃または周辺事態に際して、日米が協力して効果的にこれに対応し得る態勢を構築することであります。
 新たな指針は、平素からの、また緊急事態における日米おのおのの役割並びに相互間の協力と調整のあり方について一般的な大枠と方向性を示すものであり、新たな指針策定後の共同の取り組みにガイダンスを与えるものであります。
 指針見直し及び新たな指針のもとでの取り組みは次の基本的前提及び考え方に従い行われることが日米間で確認されております。
 すなわち、
 一、日米安保条約及びその関連取り決めに基づく権利義務及び日米同盟関係の基本的な枠組みは変更されないこと
 二、日本のすべての行為は、日本の憲法上の制約の範囲内において、専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われること
 三、日米両国のすべての行為は、国際法の基本原則及び国際連合憲章を初めとする関連する国際約束に合致するものであること及び
 四、指針見直し及び新たな指針のもとでの作業は、立法上、予算上または行政上の措置をとることを義務づけるものではないこと、しかしおのおのの判断に従い、努力の結果をおのおのの具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待されることであります。
 中間取りまとめは、このような指針の見直しの背景、新たな指針の目的、基本的な前提、考え方を述べた上で、新たな指針のもとにおける日米協力、すなわち平素から行う協力、日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等と周辺事態における協力、さらに新たな指針策定後の取り組み並びに新たな指針の適時かつ適切な見直しの諸点について、日米防衛協力小委員会の協議の概要を記述しております。
 なお、中間取りまとめに言及されている考え方や具体的な協力項目は、これまでの日米防衛協力小委員会の作業に基づくものであり、今後のさらなる作業の結果、修正、追加があり得るものであります。
 指針の見直しは我が国の安全保障のあり方の基本にかかわる極めて重要な問題であり、見直し作業については内外に対し透明性を持って取り進めることが重要であると累次申し上げてきております。この中間取りまとめは、まさにこのような考え方に基づき、国内における議論の基礎を提供することを目的として、見直し作業の途中の段階で、これまでの一連の日米間の協議において提示された今後の日米防衛協力に係る考え方及び具体的な協力検討項目を整理し、公表するものであります。
 今後、この中間取りまとめを契機として、本委員会を初め国内における活発な議論が行われることを期待しております。
 また、同様に透明性を確保する観点から、韓国及び中国を初めとしたアジア太平洋諸国に対して積極的に説明を行ってまいる所存であります。
 政府としては、中間取りまとめに示された考え方及び具体的検討項目の取り扱いについては、我が国の安全確保のため、憲法の枠内で最も効果的な協力体制の整備を図る必要があるとの立場から、法的、制度的側面を含め、今後、さまざまな御意見、御議論を十分に踏まえながら今秋の新たな指針の策定に向け取り組んでまいる所存であります。
 委員長を初め委員各位におかれましても、御理解、御協力いただきますようお願いいたします。
○委員長(寺澤芳男君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十三分散会