第140回国会 逓信委員会 第2号
平成九年二月二十一日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         渕上 貞雄君
    理 事
                加藤 紀文君
                陣内 孝雄君
                足立 良平君
                三重野栄子君
    委 員
                景山俊太郎君
                北岡 秀二君
                畑   恵君
                保坂 三蔵君
                守住 有信君
                魚住裕一郎君
                鶴岡  洋君
                西川 玲子君
                林  寛子君
                松前 達郎君
                上田耕一郎君
                山田 俊昭君
                水野 誠一君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  堀之内久男君
   政府委員
       郵政大臣官房長  天野 定功君
       郵政大臣官房総
       務審議官     高田 昭義君
       郵政省郵務局長  内海 善雄君
       郵政省貯金局長  品川 萬里君
       郵政省簡易保険
       局長       金澤  薫君
       郵政省通信政策
       局長       木村  強君
       郵政省電気通信
       局長       谷  公士君
       郵政省放送行政
       局長       楠田 修司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   説明員
       警察庁長官官房
       総務課企画官   田村 正博君
       外務大臣官房報
       道課長      兒玉 和夫君
       通商産業省機械
       情報産業局情報  宮城  勉君
       処理振興課長
       郵政大臣官房施
       設部長      野々村俊夫君
   参考人
       日本電信電話株
       式会社常務取締
       役企画室長兼務  木塚 修一君
       再編成対策室長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査
 (郵政行政の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
○委員長(渕上貞雄君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査のため、本日の委員会に日本電信電話株式会社常務取締役企画室長兼務再編成対策室長木塚修一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渕上貞雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(渕上貞雄君) 郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査のうち、郵政行政の基本施策に関する件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○加藤紀文君 自由民主党の加藤紀文でございます。
 堀之内大臣、昨年郵政大臣に就任されて、連日、郵政行政、郵政事業推進の先頭になって頑張っておられますことに敬意を表しますと同時に、くれぐれも体にお気をつけいただき、これからも頑張っていただきますようお願い申し上げます。
 昨日、大臣の所信をお伺いさせていただいたわけでありますが、その所信に対しての質疑の前に一つお尋ねしたいことがあります。それは、総理が会長をお務めになっておられます行政改革会議についてであります。
 昨年の末にこの会議がスタートしたわけでありますが、二十一世紀の国家機能のあり方、また中央省庁の再編、そして官邸機能の強化、この三つのテーマを検討事項としてスタートしたわけであります。これは報道でありますが、この十一月中には報告書を作成して、そして、来年の通常国会にはその報告を受けて関連の法案を提出するというふうに承知しておるわけであります。
 ことしになりますと、新聞各紙がいろんな論調でこの行革会議について報道しておるわけであります。この行革会議の中で、郵便貯金の分割・民営化を検討する方針とか、またプレヒアリングがもう始まったとか、最近、郵政事業の経営形態の問題についての報道が目につくわけでありますが、事実関係はどうなっているのか、まずお尋ねしたいと思います。
○政府委員(天野定功君) お答え申し上げます。
 先生ただいま御指摘のように、最近、一部の新聞報道等におきまして、行革会議が郵政事業の問題を取り上げるようなことが報道されておりますけれども、私どもが行政改革会議の事務局から聞きました情報によりますと、現在、行政改革会議におきましては、諸外国の行政組織の現状だとか、あるいは行政改革の動向の把握、そして有識者との意見交換等が行われてきたと聞いておりまして、現段階では、行政改革会議は報道にありますような郵政事業の民営化など、具体的な課題につきまして検討する方針を決めたというような事実はないものと承知いたしております。
○加藤紀文君 私も地元へ帰りますといろんな方とお会いするわけでありまして、郵政関係の方ばかりではなくて、まさに郵便局を利用されている方々の中にも、この先いわゆる郵便事業なり郵便貯金は果たしてどうなるのだろうと、動揺とまでは申しませんが不安に感じておられる方も結構おられるわけであります。
 この機会でありますから、郵政事業の民営化論とかいうのがちまたにあるようでありますが、堀之内大臣、何といいますか、この民営化論について率直な大臣のお考え方をお聞かせいただければありがたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま加藤先生の御質問でございますが、この郵政事業の民営化論については、これまでの衆議院の予算委員会あるいは昨日の逓信委員会におきましてもいろいろ御質疑がございましたが、この民営化論という意見に賛成というか、それを推進するような意見はほとんど出ておりません。
 もう先生御案内のとおり、郵政事業は、独立採算制のもとで三事業とも健全経営をいたしておりますし、しかも税金は一円も投入されておりません。そして私どもは、この三事業は民間で言えば優良企業だと、こういうように認識をいたしておるところであります。
 そこで、郵便事業でありますが、この郵便事業の中では、もう信書の八十円とはがきの五十円、これ以外は小包を含めほかの郵便物は全部自由化いたしておりまして、そして民間宅配便と激しい競争をやっておるわけであります。
 ただ、この八十円、五十円の信書、これはわずか八十円、五十円で全国くまなく津々浦々まで配達できるということは、これはやはり私は我が国の一つの特殊的な郵便事業だと思います。というのは、このわずか八十円、五十円の料金で北は北海道、そして南は沖縄までこれが配達できるというのは、一律こういう料金で行っておるからできるものだと思っております。また、諸外国もほとんど国営でこの郵便事業を行っておることは御承知のとおりであります。これを仮に自由化した場合には、恐らく民間業者というのは、いいところだけは配達するが、いわゆるつまみ食いということになってくるだろうと思います。
 ちょっと私、資料を忘れて大変申しわけありませんが、今民間の宅配便会社の方は、昨年九月だったと思いますが、自民党で行財政改革のときにある宅配会社の会長を呼んでやりましたら、もう八十円、五十円のこれは自由化すべきだという意見があり、そしてそのときに、我々、小包は全国離島の隅から隅まで全部配達いたしております、ましてや、この八十円、五十円の切手やはがきは自由化されたらまだ下がりますと、こういう発言をされて、私は聞いておりました。
 ところが、昨年の十一月、四国の行政監察支局が発表されました中ではっきり提示しておるわけであります。これは「看板に偽りあり」として新聞記事も出て、宅配便業者は離島料金というのを取りながら、その配達をせずに港まで取りにきなさいといってやっておると、四国の行政監察支局で指摘がなされております。
 また、これは私が特別検討を命じたわけでありますが、私が調査した範囲内でも、昨年十二月、いわゆるこういう雪が多い時期に果たして民間宅配業者が配達するものだろうかということで、一応ある程度の資料を調査させましたところが、やはり相当の小包が郵便局に再配達を持ってきておるわけです。こういうことを考えると、今のこの信書、五十円、八十円というものは、私は、やはり国営で現在の姿でやることが国民の信頼を得るゆえんではなかろうか、こう考えております。
 また貯金においても、これはこれだけ全国公平にあまねく貯蓄サービスを提供しておるわけでございます。また、過疎地においては郵便局が七五%ありますが、一般金融機関は二五%しかないわけです。ということになると、いわゆる農村地帯あるいは過疎地域の方々は大変これはお困りになる、こういうように考えております。
 また貯金だけではなくて、現在では、国からのいろいろな交付金というものの代行あるいは恩給、各種年金、こういうものの窓口にもなってサービスを提供しておりますから、この点、恐らく国民の皆さん方も深い信頼をいただいておると思います。
 さらに、簡易保険もまた同様でありまして、しかもこれは無審査で一千万円、特例として千三百万円ということで、私は、やはり庶民のささやかな老後の生活設計という立場から、民間を圧迫するような保険制度ではない、こういうように考えております。
 そういう意味で、今、こういう郵便局というものがいかに国民生活に密着をし、そして信頼されておるかということを考えますときに、私は、やはり現行の国営、非営利の形態が国民の利益につながるものだと。よく行政改革で、先ほど官房長からも答弁申し上げましたが、行政改革というのは国民によりよいサービスを提供するということであります。現実に、国民に一つも負担をかけずによりよいサービスを提供しておるわけでありますので、私は、現体制が一番国民の理解を得る方法だと思っております。
○加藤紀文君 ありがとうございました。
 私も全く同感であります。これだけ地域に密着し、また信頼されておる制度をなぜ変えなきゃいけないのか常々疑問を感じておったわけでありますが、今大臣の力強い答弁をいただきまして安心いたしました。
 それでは次に、昨日の所信に沿って郵政三事業を主にお尋ねしたいと思います。
 まず郵便事業でありますが、郵便のネットワークを活用した新しいサービスの提供に資するためのものとしてワンストップ行政サービスに関する実験が本年度の予算案では認められているということでありましたが、これは具体的にどのような構想をお持ちになっているのか。またこれは、アメリカのクリントン政権が今進めようとしている全米キオスクネットワーク構想、WINGSというんですか、あれなんかを参考にしたり、また同じような方向性でいかれているのか、あわせてお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(内海善雄君) 郵便局は、先ほど大臣御答弁申し上げましたように、現在、いわゆる郵便、貯金、保険の三事業以外にも、各種公金の取り扱いあるいは印紙の発売とか、そういうようなことで国の機関の窓口というようなことをやっております。
 それからさらに、昭和六十二年から、郵便局へ来られた方が郵便局を通じて住民票の申請だとか、そういうようなものができるようなことをやっておるわけでございますけれども、諸外国の郵便局でもそういうようなことをいろいろやっておるところが多うございます。
 特にアメリカでは、先ほど先生がおっしゃいましたようなクリントン政権が、全米に今四万ばかり郵便局がございますけれども、ここのネットワークを活用して、連邦政府のいろんな機関それから各州のいろんな機関の窓口をアメリカの郵便局が果たすようにということを計画しております。これは非常に大きな情報通信ネットワークを建設しまして、郵便局に行って簡単な端末をたたけばいろんな行政機関につながりまして、例えば、住居変更をしましたらその住居変更がいろんな行政機関に全部通知されていろんなことが一度にできるというようなことでございますけれども、そういうことをやろうということで研究をし、また実験等をやっているところでございます。
 近くではシンガポールだとかマレーシアとか、そういうような国もそういうことをやりつつあるわけでございまして、そういうようなことを参考にしながら、我が国でも郵便局のネットワークが非常に活用できるんではないかということで、今般、そのための調査費だとかあるいは実験をするための予算を計上いたしまして進めていきたいと、そういう中身でございます。
○加藤紀文君 それは実験段階でありますから、まだ実証段階ですか、具体的に言えないでしょうけれども、何か三段階ぐらいに考えられておって、まずとりあえず郵便またはファクスを利用して郵便局から自治体に申請し、自治体から各種の書類が申請者に郵送されると。郵送されるのは公的窓口だということでありますが、この段階ではまだ先ほどおっしゃられた諸外国とは大分段階が違うわけであります。第一段階は今申し上げたようなこと、第二段階はもうちょっと踏み込んでやる、最終的にはこうなんですと。そのためには、やはり自治体だけではなくていろんな行政官庁との調整といいますか、整合性といいますか、今の自治体にまだ端末は全部行き届いていないわけでありますから、いろんな交渉事といいますか、計画があろうかと思いますが、最終的にはいつごろを目途に考えられておられるわけですか。
○政府委員(内海善雄君) 先生今お話しございましたように、第一段階は、郵便局へ来られますと、郵便局にあるファクスだとか郵便を使って自治体等に申請書を送る、そうすると、自治体等はそれを受け取って郵便でその申請者のところへ書類をお届けする、こういう段階でございます。もう既に第一段階は到達しておりまして、郵便局へお客様が来られているんですが、その場でもらえないものですから非常に不便、サービスはやっているんですけれども、なかなか普及しないという部分がございます。
 第二段階としましては、今ファクスで一々やっているのを端末等で自動的につながるようにするのが第二段階かなということを考えているんですが、第三段階としては自動的につながったものがすぐバックしまして、郵便局でそういうものがその場で得られるというような形にしたいと思っております。
 これはいろんな自治体だとか行政機関と調整をして同じように大きいネットワークをつくっていかなきゃいけないものでございますので、急にできる話では全然ない。さらに、これから行政ニーズというのは非常に大きくなってきますから、その行政ニーズをどうやって消化していくかというときに、こういうネットワークで、郵便局に限らないと思いますが、全体的に仕事が即座にできるということをつくっていかなきゃいかぬ。
 それは、やっぱり行革を進めていく大きな動きの中でまたやっていかなきゃいけないものではないかと考えておりまして、私どもとしては、それを受け入れられる体制を早くつくるべきではないかということで考えているんですが、お尋ねのいつまでにと、こういうことについてはまだここでちょっと申し上げられるほどの自信がございません。今のところは、こんなことをやればうまくできるんじゃないかという実験をして、いろいろ研究開発していこうという段階でございます。
○加藤紀文君 いつまでといってもそれは難しいことはわかっておったわけでありますが、できるだけ早くやっていただきたいと思っているわけであります。
 次に、郵便貯金のオンラインシステムの相互開放に向けた調査研究もされているそうでございますが、その目的と今後の展開についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(品川萬里君) お答え申し上げます。
 ただいま先生の御指摘ございました郵便貯金オンラインシステムの相互開放の件でございますが、簡単に申し上げますと、郵便局等の窓口にございます現金自動預払い機、オートマチック・テラー・マシン、略してATMと称しておりますが、これを使ったネットワークを郵便貯金の御利用者ばかりでなく、他の民間金融機関の御利用者にもお使いいただけるようにしょうというのがこの相互開放ということの意味合いでございます。
 この件につきましては、平成六年度から調査研究をやりたいということでいろんな予算要求等もしてまいりましたけれども、いよいよインターネット時代を迎えまして、まさにインターネットというのは文字どおりネットとネットをつなぐ時代になったわけでございまして、いわば金融の時代のインターネットと言ってふさわしいこの郵便貯金のオンラインシステム相互開放ということについて実証実験をしたいということで、その調査研究が認められたわけでございます。
 この実証実験という段階を踏むことをお願いいたしましたのは、これは金銭情報にまつわるいわばインターネットでございますので、信頼性でございますとか安全性とか、やはり大変慎重を期する必要がある。それから、より多くの方々に使っていただくために、できるだけ情報を共有化して、この相互開放の意味合いというものをよく理解していただくということが必要だろうということで、このような実証実験という予算をつけていただいたわけでございます。
 この予算をお認めいただきました暁には、今二十八社からこの実験に参加したいというお申し出がございますので、できるだけ速やかにデータ送受信実験を始めまして、利用者のためにいかにあるべきか、またこの実証実験を通じまして我々が得た情報を広く公開いたしまして、より多くの民間金融機関の方々にこの相互開放の輪に入っていただければと、このように考えております。
○加藤紀文君 まさに品川局長おっしゃるとおり、利用者にとっては大変便利なといいますか利便性の高くなることでいいことだと思うわけでありますが、この調査研究に対して民間金融機関は、民間の補完という立場を逸脱し、業務の拡大、肥大化を図るものという意見もあるやに聞いておりますが、そういった意見に対してはどう考えておられますか。
○政府委員(品川萬里君) 私ども、この自動預払い機のネットワーク、郵貯のオンラインネットワークの相互開放の意味合いというものにつきましては、次のようなことが実現できればということで考えたわけでございます。
 まず一つは、今先生もお話がありましたように、何よりも利用者の利便向上になるということ。それから、二万四千の郵便局に配置されましたこのATMネットワーク、今二万二千台ございますけれども、いわば国民の共有財産でございますから、既にある資産を有効活用していただこうと。それから三点目は、郵便貯金の利用者の方々以外にも、民間金融機関の利用者の方にも使っていただこうと。そういう意味では、民間金融機関の方々によりお客さまとの接点を提供することにもなると。四点目は、阪神・淡路大震災での状況から我々知ったことでございますけれども、皆様、カードをお持ちになって避難されたと。郵貯に限らず、このATMネットワークというのが今や一つのライフラインにもなりつつあるということでございますから、これがつながりますと、いわばバックアップ体制になるということで非常に危機管理上も大変意義のあることと。このように、国民利便の向上、行政サービスの効率化、設備の有効活用、危機管理というような角度からこの施策を御理解賜れればと思っております。
 こういう角度から実施することでございますので、これによって預金をよりしていただこうということではなくて、せっかくある設備でございますから、いわば国民共有の財産としてより広く多くの方に有効活用していただこう、そういう趣旨での施策だというふうに御理解いただければと思っております。
○加藤紀文君 ちょっと大臣にお尋ねいたしますが、郵政省は、去る二月六日、郵政審議会に今後の郵便局サービスのあり方について諮問したと聞いておりますが、その具体的な諮問内容を教えていただきたい。
 また大臣は、今後の郵便局サービスのあり方についてどのようなお考えをお持ちかもあわせてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま加藤先生からお尋ねのように、去る二月六日に郵政審議会に諮問をいたしたわけでありますが、二十一世紀を考えますと、今後の少子・高齢化、そしてまた高度情報化という大きな環境の変化に的確に対応していくことが重要な課題であると考えております。
 したがって、今後の郵便局のサービスのあり方について、この二十一世紀を見据えて諮問を申し上げたわけでありますが、約二万四千六百のネットワークを持つわけでありますので、こうしたネットワークを完全に活用しながらさらにより高度なサービスを提供したい、こういう考え方から御諮問をいたしておるわけでございます。
 諮問内容としては、「二十一世紀を展望した郵便局ネットワーク及びそのサービスの在り方並びにその実現のために講すべき方策について」ということで御諮問を申し上げた次第でございます。
○加藤紀文君 ありがとうございました。
 次に、簡保関係でありますが、加入者を対象にしたケアタウン構想ということで、医療・介護・福祉施設等の情報提供サービスを行っておると聞いておりますが、その内容と、また今後の展開、どういうふうにされるのかもお尋ねしたいと思います。
○政府委員(金澤薫君) お答え申し上げます。
 簡易保険では、かねてから加入者福祉事業としてさまざまな事業をやっているところでございますが、特に、介護機能つき終身利用型加入者ホーム、いわゆるカーサ・デ・かんぽ浦安を設置、運営しているということでございます。それから、かんぽ健康増進支援事業によりまして介護講習の支援もやっております。
 お尋ねの医療・介護関連情報でございますけれども、平成七年度から、普通局における医療・介護施設の施設名、所在地等に関する情報を提供しているところでございます。さらに、平成九年度からは、介護問題が我が国の二十一世紀に向けての最重要課題であるということから、ケアタウン構想を推進しているところでございまして、その中におきましても、市町村が周知を希望する情報を含めまして、より地域に密着した地域の医療・介護関連情報を提供してまいる予定でございます。
 また、平成十二年のオープンを目途にいたしておりますけれども、郵便局のマルチメディアパソコン、それからインターネット等を利用いたしまして医療・介護関連情報を提供する拠点をまずつくろうということで、介護支援情報センターを設置することといたしております。このため、平成九年度に土地を取得する予定でございます。
○加藤紀文君 もう時間がだんだんなくなってきましたので、最後に、WTOの基本電気通信交渉、この妥結に当たっては、アメリカやアジア諸国との調整役で我が国は大変大きく貢献したと聞いておるわけであります。
 この結果はもう既に御承知のとおりでありますが、我が国は来年から外資規制を撤廃し、外資の参入により大競争時代を迎えると予測されるわけであります。利用者にとっては、料金が安くなり、多様なサービスを受けられるということは大変結構なことでありますが、どうもメリットばっかりが強調されて、その裏に隠されたデメリットというのは余り報道されないわけであります。
 そういったことに関して何かお考えがあればお聞かせいただきたいのと、また大臣に、このような競争時代に向かつて我が国の電気通信政策の方向はどうあるべきか、お考えをお聞かせいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま加藤先生御指摘のように、先般WTOの基本電気通信交渉が合意されたところであります。この合意内容については、我が国のNTT及びKDDを除く第一種通信事業者については、無線局も含めて一切の外資規制を撤廃することを約束いたしておるわけです。我が国が一番この点は外資規制の撤廃を約束いたしておるわけでございます。
 この結果として、外資系の企業が参入される、そうして競争が促進されまして、料金の一層の低廉化やサービスの多様化あるいは自由化を利用者がより享受できるものと期待されておるところであります。他方、ただいま先生から御指摘がありましたように、今度は我が国の事業者にとっては競争が非常に激化してまいります。経営環境も厳しくなる可能性がありますが、私はやはりこうした大競争時代に入るわけでありますから、経営の効率化、財務体質の強化やサービスの改善に一層国内業者も努める必要があろう、こういうふうに考えております。
 しかし、この合意によりまして外国市場も開放されるわけでございますので、我が国事業者にとっても新たな海外におけるビジネスチャンスが拡大されるわけでございますので、積極的に海外進出もお願いしたい、こういうように思っております。
 今後の電気通信政策の方向は、何といっても料金の低廉化やサービスの多様化を図っていくことが一番大事でありますので、我が国電気通信事業者の国際競争力を高めることについては郵政省も積極的に御支援を申し上げていきたいと思っておりますし、その基盤確立にも努めてまいります。
 今後、NTT、KDDを初め、この再編成についてあるいは事業法の改正について今国会に提案を予定いたしておりますが、再編成されたNTTあるいはKDDにおきましても、積極的に海外市場に事業展開され、またKDDにおいては国内事業に積極的に事業展開を図られるよう、今後大きく期待をいたしておるところであります。
○保坂三蔵君 私は、ペルーで起きました人質事件とテレビ朝日の関連につきまして、何点かお尋ねしたいと思います。
 昨年十二月十七日発生いたしました在ペルー日本大使公邸人質事件も、早くも事件発生後二カ月を経過しました。激しいテロの発生と対決を続けてきたペルー政府に、武力解決を避けて七十二名人質全員救助という人命最優先の解決を求めてまいりました日本政府にとりまして、極めて長く短い時間であったと思います。事件解決への血の出るような関係者の努力が展開され、幸いここに来てやっと膠着状態を脱する動きも出てまいりました。けさも動きがあったようであります。当然、当事者の一員である日本政府や日本人の動きには世界じゅうが注目しているのが実情であります。
 そこで、以下の点について何点かお尋ねをしたいと思います。
 まず、現地リマの状況とマスコミのあり方についてでありますが、ペルー政府とゲリラの対峙は極限状態にあって、非常事態宣言もしかれて、まさしく局地戦のごとくぎりぎりの駆け引きが展開していると聞いております。テロ撲滅という国是と、何としても人命重視の解決を求める世界世論との難しい解決を求められたペルー政府は、今日までのテロ対策の経験を生かした作戦を展開中でありますが、日本政府はこの状態をどう理解してどのような努力をしているのか、まず外務省にお尋ねをしたいと思います。
 この中で、世界じゅうのマスコミ各社は、事実を報道する責任と事件解決を目指すペルー政府の作戦上の情報管制など、現地ルールのはざまに立ちながら精いっぱいの取材を続けておりますが、このような状況下での日本のマスコミはどうあるべきか、外務省の危機管理とマスコミ対策の経緯を伺い、また郵政省には、公共放送への指導はどうであったかもお尋ねしたいと思います。
 それから、アメリカでありますが、既に報道関係者の間でテロ事件の際の報道のガイドラインをつくっておりまして、取材にはベテラン記者を配するなどみずからのあり方を律していると聞いておりますが、日本ではどうだったのか。この点もお尋ねをしたいと思います。
○説明員(兒玉和夫君) ただいま先生御質問の点についてお答えいたします。
 まず、現在ペルー日本大使公邸の中には依然として多数の人質の方々が残されておりまして、そういった状況にあって、人命を危険にさらすような不測の事態を招きかねない手段や、事件の平和的解決と人質の全面解放へ向けた関係当局者の努力を阻害しかねない手段を用いた取材は行うべきではないと考えております。
 そして、アメリカの事例をお尋ねいただきましたが、外務省として、私どもが現在までに承知している事情は以下のようなことでございます。
 まず、一九七六年にやはりアメリカでもテロ事件の報道に関して相当な議論がさまざまな角度から行われております。この関連で注目されるのは、一九七六年にアメリカの司法省が発表した騒乱・テロ・タスクフォースの報告でございます。
 同報告は、テロ事件に際しての報道機関の自主規制のあり方についての提案が行われておりまして、具体的には、自主規制のあり方として、必要以上に事件に関与すべきではなく、極力冷静な報道をすることが大事であると。例えば、事件発生中の人質犯との直接のインタビューの制限等、取材活動に当たっては事件に悪影響が及ばないようにするための留意事項を提案しております。
 そうした提案を受けて、その後アメリカの多くの報道機関は、先生御指摘のとおり、みずからガイドラインを作成して今日に至っておりますが、その主要な点は、二、三点申し上げますれば以下のとおりでございます。
 一つは、レポーターはテロ事件の参加者となるべきではない。また二点目として、報道機関の幹部はテロ報道に対するコントロールを強化する。三番目として、ジャーナリズムの伝統的な価値観、正確な記事、十分な報道、センセーショナリズムの回避、バランス感覚の維持の遵守等が大事である。以上のようなことでございます。
○政府委員(楠田修司君) 今回のテレビ朝日系列記者の突撃取材及びその後の行動、一連の行為でありますが、それに対しましては、郵政省といたしましては、これは不測の事態を招くおそれがあり、人質の全面解放と事件の平和的解決を関係者が努力している中でやっておることでありまして、まことに遺憾であるというふうに思っております。
 なお、我々といたしましては、まず初めに、テレビ朝日系列記者が一月八日に突撃といいますか中へ入ったわけでありまして、それは記者個人の判断であったとは聞いておりますけれども、先ほど申し上げましたように、非常にこれは問題だろうということで、一月九日にテレビ朝日の社長に来ていただきまして、今後こういうことのないようにという協力要請を行ったわけであります。
 それでその時点は終わりましたが、その後二月十三日に、我々としては実はこの記者が向こうに無線機を置いてきたという情報を得たわけでありまして、そうしますと、そういうことは前もって全然我々も聞いておりませんでした。そういうことで、早速どういうことですかということでテレビ朝日に聞きまして、社長に来ていただきましていろいろ聞いたわけでありますが、その中で、一月八日、人見記者が向こうから出るときに、ゲリラ側代表者セルパから無線機を置いていってよいと言われて置いてきたということがわかったわけであります。そして一月二十五日に、日本人人質何人かから無線機を利用して家族あてのメッセージが入ってきて、それをテレビ朝日が家族に知らせたというふうなことから情報が察知されまして、外務省の方でテレビ朝日の方にこの件につきまして事情説明を聞かれたようでありまして、その中で、無線機があるということは非常にこういう段階では問題であるということで懸念を表明され、また無線機を使えないようにということで要請されたようでありまして、そういうことを我々二月十三日知りまして、我々としてもこういうことは問題あるんではないでしょうかという懸念を表明いたしました。
 結果として、その日の午後、無線機は使えないようにされたというふうな状況でございます。いずれにしましても、この一連の行為がこういう非常に重要な時期に起こったことでありますので、まことに遺憾である、こういうふうに思っておるわけでございます。
○保坂三蔵君 次に、今、先に御答弁いただいてしまったんですが、共同通信とテレビ朝日の関連についても一応確認しておきたいと思います。
 ことしの元旦、共同通信は直接ゲリラと接触しまして、単独取材を敢行しています。ゲリラと接触した上で警戒線を突破したんですね。それより十一日前、すなわち事件発生三日後、NHKはゲリラ側から同じ取材許可の張り紙を受けながら、ゲリラ側への利敵行為を避けて取材を拒否しております。また、テレ朝突入の直前には、地元テレビチャンネル5も同じように取材の呼びかけがありましたけれども、これも拒否している。NHKの選択への評価あるいはまた共同通信の取材のあり方についても実は結論が出ていませんが、そのうちにテレビ朝日はこの共同通信の手法を踏襲して事件を再発させてしまったんです。
 事件解決に多大な影響を及ぼして、危うく人質の人命を、安全を危険ならしめたテレビ朝日の行動を誘発させてしまった責任は、私は政府にも一端の責任があるのではないかと考えておりますが、御見解を承りたい。そして当局は、共同通信がゲリラとの約束などをしたのか、きちんと事件の調査をしたのか、このあたりもお尋ねし、その後の対応をどうしたか、私にお話ししていただきたいと思います。
○説明員(兒玉和夫君) 先生お尋ねの、共同通信の公邸内への侵入、そしてそこで取材が行われたことにつきましては、やはり先ほども申し上げましたとおり、私どもとしては人質の方々の人命を危険にさらすような不測の事態を招きかねないということ、また、ペルー政府の平和的な解決と人質の全面解放へ向けた努力を阻害するものであるとして、その後直ちに遺憾の意を表明し、共同通信にもその旨を伝えたところでございます。
 また、いずれにしましても、私どもとしては機会をとらえて、先ほども申し上げましたけれども、この事件の解決に向けてのペルー政府の努力、また日本政府としてそれを一体となって支援し解決に向けて努力を続けている中で、そうした報道のあり方が議論されているわけでございますけれども、そうした努力を阻害することがないようにということで引き続き注意もし、努力してまいりたい、そういうふうに思っております。
○保坂三蔵君 そういう中で、テレ朝事件が連続して起こってしまった。連続という意味は、起きた中で知り得なかった無線機を置いてきたということですね。これも意図的にゲリラ側に置いてきて便宜供与してしまったという結果になりまして、これはしかも会社がオーケーしたというんです。これはジャーナリズムのモラルを全く逸脱した行為としか思えないんですね。このことによりまして何らかの危機は起きなかったのか。また、人質の身の代金要求の話などはなかったのか、調査しましたでしょうか。
 このテレ朝の突入に関しましては、赤十字国際委員会も非難しているんですね。できましたら、そのテレビ朝日の突入と無線機での情報独占などの一連の事件の概要、ここでお尋ねしょうと思いましたが、先ほど御説明がありましたので、無線機の件だけお話ししてください。
 それから、あわせてこのテレビ朝日の事件を内外でどう見ているか、これもお尋ねしておきたいんでございますが、事件解決に万全を期すペルー政府と日本政府はマスコミ各社に取材上の協力も要請した。この間も参議院の決算委員会で橋本総理もしっかりとマスコミ各社に呼びかけているんです、協力を。その後にこのことが起きた事件ではありませんけれども、事実が判明したわけですね、無線機が置かれていたということ。
 実は今回、マスコミの大半にテレビ朝日を指弾する声が実に強いんです。ペルー政府や日本政府が非難したのはわかりますけれども、マスコミの中にも非常に指弾する声が強い。しかも多くの国民は、記者の功名心としか思えないルールなしのこの突撃取材、人命軽視の取材の行き過ぎを鋭く批判していまして、これは新聞、テレビの投書にも見られるように大きな既に世論になっている。あの六チャンネルのニュース23ですか、あのようなリベラルな放送でさえもファクスや電話がもうひっきりなしに入ったと言われるぐらいに国民も過敏に反応しているわけですね。
 日本のマスコミは、業界としての利益やジャーナリズムの世界の常識を憲法に保障された言論、出版の自由の当然の帰着というような見方をいまだにしているんですね。実は一般社会の常識や国益と大きく乖離した、私に言わせればジャーナリズムの思い上がりとも見えるような、あるいはこれ自体は結局はマスコミの危機とも言えるような状態を感ずるわけですが、今日のこの恒常化した事態を打開せねばと国民は心を痛めていることをあえて表明しておきたいと思います。
 そこで、ジャーナリズムのありようを中立公正に判断できる第三者機関の設置が今こそ求められているんではないかと実感を強くするものであります。行政にあってはこの際、マスコミ業界からも放送行政からも独立した第三者機関を設置して、行政にあってはですね、取材、編成、放送の中での営利のみの行為やためにする公正を欠いた取材や放送を是正させたり、マスコミの強大な権力から市民を守ったりする第三者機関の設置を私は積極的にするべきだと思いますが、御見解を承りたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 郵政省といたしましては、マスコミ、ジャーナリズム全体について答える立場にはないわけでございますが、放送を担当している立場から申し上げたいと思います。
 まず、こういうような事件の関係におきまして、放送事業者が取材を行うに際しましてこういうような一連の行動があったわけですが、常に高い公共性と社会的使命というものを認識していただきたいというふうに思うわけであります。そうでなければ国民、視聴者の信頼を失うということになろうかと思います。
 そしてまた、先ほど先生お尋ねのように、そういう中でテレビ会社は一体どのような倫理といいますか、倫理規定というものをつくって教育をしているのかという趣旨であろうかと思います。
 それをちょっと申し上げますと、テレビ界ではテレビ朝日の椿発言問題、その後、TBSのオウム報道問題等もございました。そういう中で、報道マニュアルを見直し、より具体的にわかりやすい報道マニュアルをつくるという動きは今どんどん出てきております。ただ問題は、そのマニュアルを個人個人、前線にいる報道記者とかそういう方々一人一人に徹底されなきやならないということが非常に重要であります。これがまだ課題として残っておるということであろうかと思います。
 それから、第三者機関の件でございますが、先生のおっしゃるような第三者機関と若干趣旨は違うわけでありますが、放送におきましていろんな範囲の苦情というものがございまして、苦情は一義的には放送事業者に全部寄せられるわけですが、それでは解決できないものが多い。たくさんの苦情がある。その中で権利関係とか放送番組の基準に関する問題とかいろんなことがありますが、そういうことでどうしても処理し切れない問題、また裁判に行くには非常に大変であるという問題につきまして、今の放送事業者から独立した第三者の意見を聞くような機関をつくるべきではないかという意見は、私の懇談会であります多チャンネル時代における視聴者と放送に関する懇談会のこの一年半の中でもございました。それに向けてその中でいろんな考え方が示されましたので、先生の言われるような御趣旨にちょっと合わないかもしれませんですが、苦情処理に関する第三者機関のあり方というのは現在いろいろ検討しているところでございます。
○保坂三蔵君 いや、局長違いますよ。決して私も小さな苦情だけの問題じゃなくて、放送全体を、国権だとか行政、あるいはメディアそのものももう既にジャーナリズムという第四の権力と言われている。そういうものから独立して国民の側に立った第三者機関と、こう言っているわけですから、決してその趣旨は異なっていると思いません。
 今いろいろお尋ねしてまいりましたけれども、私は逆にテレビ朝日の側に立ってちょっとひねった質問をしてみたいんですが、これは実はテレビ朝日そのものへの疑問なんです。
 既に二カ月を超す長期継続取材、スタッフの疲労も大変だと聞いておりますが、経費も莫大な負担となっておりまして、膠着状態に現地や東京に焦りに近いものがあったんではないか、こう考えるんです。また、偶発的な突撃取材といいますが、むしろ不透明な状況を取材の上から明白にしたいという職業人としての潜在的な意識を背景に感じない向きでもない。テレビ朝日事件は起こるべくして起きたとジャーナリストとして当然の勇気を称賛する向きの論評もあるわけです、これはジャーナリストの一部から、また学者の中からも。であるならば、テレビ朝日事件は、テレビ朝日という会社として人見記者の取材が当然という根拠に立っている以上、人見記者は社長賞をとるような論功を上げたとも言えるわけですね。
 しかし、その後のテレビ朝日の行動は非常に不透明、矛盾をしている。例えば、せっかく開いたゲリラや人質とのチャンネルである無線機のスイッチをその後切ったんですね。いささか自己矛盾していないか。正しいと思ってやったこと、あるいはまた命がけで取材したVTRや交信記録をなぜ今日まで放送や放映していないのか、これも大きな疑問なんです。
 それから三番目に、報道に公正を期すため開始した、自局の中にあります今度始めた批判番組などをずっと見ていますが、そのほかの自社の番組でもこの件に余り触れてないんです。ジャーナリズムとして正しいことをした自負に立つならば、なぜ沈黙を守り続けるのか、おかしいと思っております。
 それからまた、本人の人見記者も、外部との接触を絶たれた幽閉状態と報道する向きさえもあります。人権上の問題もありまして、テレビ朝日の今日の姿は極めて不透明で、報道の世界全体に悪い影響を及ぼしているというふうに考えます。したがって、この際テレビ朝日はもっともっとオープンにすべきだと思います。
 このテレビ朝日の一連の動きにつきまして、郵政省として見解をお持ちであるならば、この際発言をしていただきたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 二つに分けて申し上げたいと思いますが、まず一月八日、人見記者が公邸内に入ったという問題であります。その問題につきましては、一月九日にテレビ朝日社長に来ていただきまして協力要請したときに、やはりこの問題というのは、そのときおっしゃったことでありますが、人見記者が公邸に入ることはテレ朝としては指示していない、またその記者は個人で入ったという報告でありまして、しかしながら、こういうことは人命の関係等からやはりまずいというふうにおっしゃったわけでありますから、そこはそういう事実があるということであります。
 それから、今回の無線機を置いてきたということでありますが、これは最終的に一月十三日に無線機をとめられたわけですが、その件については人質の全面解放と事件の平和的解決を考慮したというふうに私は聞いております。そういう意味で何らかの対応をされたと思いますが、その過程におきましていろんなことがあったことは承知しております。
 私の聞いた事実関係は以上のようなことでございます。
○保坂三蔵君 これは、会社側は関与していないと言いますけれども、私なんかに言わせりゃ、何か全く関与しているような気がするんですね。偶発的と言いますけれども、越えて入った民家に謝礼をやったなんという報道もありますしね。そうかと思うと、携帯電話は妨害電波が出ていますからほとんど使えない、したがって無線機が頼りになっているんですけれども、その無線機を持っていたわけですから、フロントと話ができるわけですね。そういう疑問が非常に多いんですよ、今テレ朝さんがいませんからお尋ねしても仕方ありませんが。
 ペルー問題の最後に、私はジャーナリズムのあり方についても触れておきたいと思うんですが、テレビ朝日には、社内最強の報道局に「取材の基本」という立派なガイドブックがありまして、海外で取材する際には特に慎重な行動を求めているんです。
 例えば、これは一九九四年の九月に報道局解説委員長名で出された「取材・報道の基本」というマニュアルなんですが、この中に「海外取材での基本的な注意 自分たちだけの、一回限りの取材と考えてはならない。事前にその国の法律、風俗、習慣、国民性を研究し、又特派員、先輩記者、現地に詳しい大使館員、商社員などの話を聞き、取材のしっかりした手続きをすることが必要。経済大国、日の丸意識を丸出しにして、現地の反感を買ってはならない。また、肖像権など」云々と書いてありまして、最後に参考として、取材と安全の基準は別にあるからよく見ておけと、こういうマニュアルをつくってしっかり教育しているはずなんですね。しかも、ホームテレビといいながらも、系列で出向しているわけですから、社員ですからね。彼はニューヨークでも勉強した男ですから、これは私たちから見れば社命で飛び込んだとしか思えない。
 しかし、人見記者のとった行動は、仮に偶発的な行動としましても、もしゲリラが過剰な反応を示して人見記者に発砲したならば、ペルー政府も応戦するのは必至の状況下でした。ジャーナリストとして、瞬時に人質の安全を損ねる可能性を考えなかったんでしょうか。今ごろ世論の反発や事件の拡大に驚いても遅いんですね。
 こういうことから、一般的にテレビ朝日の職場には、ジャーナリストとしての倫理観や、組織的報道機関、一人じゃないんですから、フリーじゃないんですから、組織的報道機関の一員としての取材モラルが徹底していたのかは疑問に思わざるを得ません。要するに、結果において何の被害も起きなかったではないかとの弁護もありますが、ただこれは幸いだったと知るべきであります。
 このように、日本を代表する公共放送としては、テレビ朝日の現場と経営姿勢に大きな疑問が残ります。テレビ朝日の実態はいかがでしょうか、この際お尋ねしておきますが、残念ながら来ておりません。
 そこで私は、テレビ朝日の報道局長並びに社長及び関係者を参考人として本委員会に招致して、報道の倫理の徹底、さらに徹底の限界などをお聞きして、このような事件の再発を防除して公共放送への信頼を回復したいと考えますので、恐れ入りますが、委員長におかれましては、何とぞお取り計らいを強く要請するものでございます。これは御答弁は要りません。
 以上で私はリマの問題につきまして質問を終わります。
○委員長(渕上貞雄君) ただいま保坂委員の方から要求のございました参考人招致の問題については、後刻理事会で協議をしたいと思いますので、そのように取り計らいます。
○保坂三蔵君 ありがとうございました。行政の方の御苦労もわかりますけれども、よろしくお願いいたします。
 何点かコンピューター関係についてちょっとお尋ねしておきたいと思います。
 先ほど加藤理事の質問がございましたが、その質問の資料は実はインターネットで仕入れたと聞きました。加藤理事は我が党のインターネット委員会の委員長で、畑先生と一緒にインターネットの普及のために頑張っていただいております。
 コンピューターに関連してインターネットの問題も指摘されております。現在、ユーザーは約百万人と言われておりますが、必ずそのユーザーは接続業者、いわゆるプロバイダーと契約しなければなりません。九四年には十一社しかなかった業者は、昨年末には約一千四百社になっております。しかし、約半数のユーザーが大手数社に加入しておりまして、残り中小の業者でこれを分け合っている。約六割の業者が赤字経営という実態も聞いております。
 今後、プロバイダーの倒産もあり得ると考えまして、ユーザーの保護とプロバイダーの運営管理をどのように考えられているのか。急な質問で恐縮でございますが、御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(谷公士君) 御指摘のとおりでございまして、インターネットプロバイダーはここ一年で大変急激な勢いで増加しておりまして、現在千五百社を超えておるかと思っております。この大部分は第二種電気通信事業者でございます。
 昨年末、私どもがアンケート調査をいたしましたのでございますが、それによりますと、売上高一千万円未満、従業員十人未満、会員数が千人未満、アクセスポイント一カ所のみという非常に小規模のものが大部分を占めておるという実態でございます。
 このプロバイダーにつきましては、電気通信事業法上、今申し上げましたように二種事業者ということで、届け出、登録という簡便な手続で事業に自由に参入できるというものでございましたので、今までもちろんその事業活動についての規制もございませんし、私どももこれらの情報については承知していなかったわけでございますが、この調査によりましてこの実態を知ることができました。
 先生御指摘の問題でございますけれども、インターネットにつきましては、今後の通信ネットワークといたしましては非常に大きな可能性を持ったものでありまして、そういう意味で私どもも次世代のネットワークの研究もいたしておりますけれども、現段階におきましてはまだいろいろな問題もあるわけでございます。
 これらのことに関しまして、ユーザーの保護あるいは事業者の適正な事業経営ということにつきましては大変おくれておるわけでございますけれども、今私どもようやくその実態の把握ということに取りかかりましたので、この結果を踏まえまして検討していきたいというふうに考えております。
○保坂三蔵君 コンピューターはビジネスやファミリーユースにも毎日の生活になくてはならないものに既になりつつあるわけです。なっていると言っても過言ではないと思うんです。参議院の五十年ということを記念して、何とか会館に備品としてコンピューターの端末を全部入れてくれという動きもありますし、それから私どもも各省庁のホームページを見ますと、非常に早い段階で省庁が何をやっているか報告を受けることができます。
 問題は、ここで一つ出てまいりました。それは、コンピューターが実は二十一世紀を無事に迎えられないのではないかというような報道が最近なされてまいりました。それは、コンピューターが西暦二〇〇〇年以降の日付データを正しく処理できずにさまざまな異常事態を引き起こす可能性があると指摘されております。いわゆるコンピューターの二〇〇〇年問題であります。
 一九六〇年代のコンピューターの入力プログラムの問題で、西暦年の最初の二けたの省略が原因と言われています。二〇〇〇年にはあと一千日、三年弱となりました今、大手コンピューターのユーザーのアンケートによりますと、二〇〇〇年問題に対応済みと答えたユーザーはわずか七・七%、そして一七・二%が作業中と、こう言われておりまして、結局残りの七五%は未対応なのであります。
 また、この費用の総額は約一兆円という計算もありまして、プログラムの書きかえの工程も膨大な量と聞いております。人材の確保の件もありまして早急に対応しなければならないと思いますが、現在の郵政省の対応はどの辺まで進んでいるのか、念のため伺っておきたいと思います。
○政府委員(谷公士君) 情報通信ネットワークは、交換機による通信の制御、課金の処理等にコンピューターを全面的に導入しておるわけでございまして、いわゆる西暦二〇〇〇年問題の発生が危惧されておるところでございます。
 郵政省といたしましては、この重要な課題に対応するために、昨年十一月に電気通信事業者、インターネットプロバイダー、メーカーなどの方々にお集まりいただきまして、情報通信ネットワークの安全・信頼性に関する研究会というものを設置いたしまして検討を進めているところでございます。
 この研究会におきましては、電気通信事業者の対応状況の実態調査でございますとか、情報通信ネットワークに発生すると考えられます問題とこれに対する対応策について検討していただいております。
 この結論は本年六月を目途ということでございますけれども、大変早急な取り組みを要する問題でございますので、三月ころにでも中間報告をいただいていきたいというふうに考えておりまして、この検討結果を踏まえまして、これらの課題に対する具体的な対応策につきまして、電気通信事業者への指導あるいは関係者への啓蒙活動等を行ってまいりたいと考えております。
○保坂三蔵君 時間が参りましたので、最後は要望だけお願いいたします。
 電磁波問題でございますが、最近書店に電磁波についてのハウツー本がかなり目につくようになりました。また、各地においても電磁波絡みの裁判が非常に多くなってまいりました。現実にはその影響について今後も研究していかねばならないと思いますし、また聞くところによりますと、当局は三月ごろにこの研究の成果を発表するというようなうわさも聞いております。
 しかし、携帯電話の病院の中での使用禁止や飛行機の中での使用禁止など、もう既に現実的に起きております。アメリカやECなどでも規制があると言われておりますが、日本での取り組み方など早急に考えていただきたいと思います。また、携帯電話などは体に密着させて使うものでありますから、安全性が非常に心配であります。特に、ペースメーカーなどを入れている人は、ペースメーカー自体がトラブルを起こすとまで言われておりまして、この電磁波問題については、次の機会にしっかりと私たちに当局の取り組み方を教えていただきたいと思っております。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○足立良平君 平成会の足立てございます。
 大臣に就任されてもう四カ月くらいたっんだろうと思いますが、初めての委員会でありますから、私は、御就任おめでとうございますというふうに申し上げておきたいと思います。郵政事業というのは大変なときでございますので、おめでとうというだけでなしに、本当に御苦労だなというふうに、率直に言って私は大臣に思ったりいたしております。
 二十一世紀の郵政事業、とりわけ情報通信政策というのは本当に難しいものでありますし、先ほどもお話が出ておりますように、高度情報化社会というのは光の部分とそして影の部分というものが大変あるわけでございまして、そういう面で私は、郵政大臣には政治家として骨太の郵政政策、情報通信政策というものをひとつ確立していっていただきたいということを、まず冒頭に、これは一応お願いいたしたいというふうに思います。また後ほど大臣のお考えがあればお聞きをいたしますが、ちょっとあえてお願いをしておきたいと思います。
 それで私は、大臣の昨日の所信表明というものを、実は昼間はちょっとばたばたいたしておりまして、きのうの夜から一生懸命読ませていただきました。ずっと読ませていただいて、そして郵政事業の抱えている問題点というのは大変だということを承知しながら、いわゆる郵政事業を取り巻く環境が大きく変化しているということを大臣もおっしゃっているわけですが、環境が大きく変化しているということを、もう一度大臣として、一体これはどういう視点であるのか、ちょっとお聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) 昨日の私の所信表明についてお尋ねでございますが、実は私は昭和五十一年の暮れに当選をしてまいりまして、最初五年間は逓信委員会の理事をずっとやっておったわけであります。昭和五十七年から防衛政務次官をやりましたので逓信委員会を外れましたが、過去六年間の郵政行政と今度また新たに大臣として郵政行政を担当することになりまして、この十五年間の中の変化あるいは発展と申しましょうか、この急速な変化に改めて驚きを感じておるわけであります。特に、情報通信産業そして放送行政というものが大変な変革をいたしており、また急激な発展をいたしておることに驚きを感じております。
 郵政三事業については、もう事業量が大きく伸びてきたということで、大体同じような方向でありますが、ほかの行政というのは、郵政省が今日政策官庁として大きく脱皮した、ここにまた改めての驚きというか責任というか、これを感じておるところでございます。
 昭和五十六年当時までは電気通信局も通信政策局もなかったわけであります。ただ、電波局というのがあったと思っておりますが、あとは経理局、人事局でありまして、いかに時代の変化によって郵政省そのものが大きな変化をいたしておるかということに、改めて変化の進歩に驚いておるわけであります。
 そして、社会の中も大きな変化をしてまいりました。少子・高齢化、国際化というのが象徴的に取り上げられる今日であります。
 そしてまた、内閣におきましても、第二次橋本内閣は六つの大きな改革を掲げておるわけであります。この改革が実現いたしますと、私は、二十一世紀の環境というものはさらに大きな変化をしてくるものと、また大きなそうした対応をしていかなければならないのが郵政行政だと、こういうように考えております。
 したがって、この環境の変化に対応すべく、先般、郵政審議会に二十一世紀の郵政行政のあり方について諮問をいたし、また電気通信審議会には情報通信産業の二十一世紀のあり方について御諮問を申し上げたところでございます。
 いずれにいたしましても、これから郵政行政に課せられる、あるいは寄せられる国民の期待というものは極めて大きいと思いますので、あらゆる面でこれに対応するような体制づくりに今後取り組んでまいりたいと思っております。
○足立良平君 大臣の所信表明で、環境の変化というのは少子・高齢化、高度情報化、そして国際化というふうに三つに分類をされています。
 今、大臣のお話を聞いておりまして、それ以外に、例えば今橋本内閣が取り組んでいるような行革の問題を含めた、あるいはまた、郵政省のいわゆる情報化をめぐっての政策官庁としての変化とかというふうにおっしゃっているわけでありますが、そういう高度情報化社会というのは、まさに先ほどから議論がありますように、大変な進歩といいますか、ある面においては日進月歩の変化をしている状況だろうと私も思いますから、私は認識としてはそう大きな違いはございません。
 ただ、大臣、私はもう少しお聞きをいたしたいと思うんですが、郵政三事業、先ほども郵政三現業の事業のあり方について少し議論が交わされているんですが、橋本内閣として、例えば、行政改革委員会は官民の役割分離論というふうに、民にできることは民で行うという原則、基本の考え方で今橋本内閣は進められようとしている。あるいはまた、資金運用審議会におきましては財政投融資制度の見直し、しかもそれは聖域を設けずにそういうものをやっていかなければならないというふうに橋本内閣は一つの大きな柱として据えておられる。
 それから、特に過疎化とか過疎地域の問題とかいろんな問題も、郵便事業なりあるいは貯金業務を含めて郵政三現業でそういう過疎化の問題と対応を一体これからどう考えていくかという問題もこれまた大変な問題としてあるのではないか、あるいはまた、これは閣内不一致かどうかはちょっと別として、小泉厚生大臣のお考えもあるということも私は承知をいたしております。
 こう考えていきますと、今大臣が大きな変化というふうにおっしゃっているけれども、郵政事業として二十一世紀に向かって本当に国民に信頼され、そしてまた、これから郵政事業というものが発展していこうとしたら本当はどうなのかということが所信表明の中にもっと大胆にすとんと問題の提起が大臣としてあった方が、より今日の郵政事業をめぐる問題点が浮き彫りになってきたのではないかというふうに実は私は思えてならないんです。
 ですから、その点先ほどもちょっとお話がございましたけれども、特に郵政の三現業の民営化論について、もう一回簡単に大臣として、大臣のお考え方は民営化が悪いという考え方のように私は理解をいたしていますが、それでは、先ほど言いましたように、例えば資金が今一般の零細金融機関からどんどん郵便貯金にシフトしているというのを含めて、そういういろんな問題がございますので、その点を含めてちょっと大臣のお考え方があれば聞かせておいていただきたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) 郵政三事業について特にお尋ねでありますが、この郵政三事業は、先生も御案内のとおり独立採算制で、しかも国民の税金はただの一円も投資せずに、そして健全経営をいたしておることはもう御案内のとおりであります。
 いわゆる行政改革というのは、やはり国民の負担を大きく軽減しながら、より国民にサービスを提供する、これが私は大きな行政改革の目的だと思いますが、そうした意味では、郵政三事業はまことに国民生活に密着し、そして国民の信頼を大きく獲得しておる、そしてまた国民の支持をいただいているのが現在の日本の郵政三事業だと、こういうように私は思っておるわけであります。
 しかし、こうして高度情報社会になりまして、私は、やはりこれから高度情報の恩恵と申しますか、こうした利便性があらゆる国民に提供されるように、さらにまた郵便局の近代化、いわゆるマルチメディア化等も図っていきながら、広くこうした恩恵を提供してサービスを提供していくことが大事だと、こういうように考えておるところであります。
 よく財投の問題もお話がありました。閣内不一致ということでありますが、これは全然閣内では議論されておりません。したがって、財投は私は十分見直しはすべきだと思います。財投の出口だけを議論しても、やはり今まで財投が果たした役割、これも評価しなきゃなりませんし、その資金提供が郵便貯金であったことも事実であります。また、郵便貯金は全額財投に積み立てすることになっておりますが、しかし、現在はその約二〇%、約四十兆円というものは自主運用、自由化対策資金として運営を任されておるわけであります。平成七年度は大体この低金利時代に五%以上の利益を確保し、恐らく平成八年度は四%の利益を確保できるのではないかというように今予定をいたしております。
 よくマスコミ等で自主運用の能力がないというような報道もなされておりますが、全くこれは事実を知らない方の報道だと私どもは思っておりますし、それだけのまた体制というものはしっかり郵政省の中にノウハウを持ちながら運営をさせていただいておるのが実態であります。
 これから二十一世紀に向かって新しい郵便局のあり方について、先ほども申し上げましたが、審議会にも諮問を申し上げておりますので、今後この御答申をいただいて、十分参考にしながら取り組んでいきたいと思います。
○足立良平君 ちょっと具体的な話で、これは郵政省の方にお聞きをいたしたいと思いますが、大臣もずっとほかの委員会等でも、いわゆる郵便局というものが、山間僻地と言ったら言葉は悪いかもしれませんけれども、特に過疎地で大変な役割を果たしているという評価をされておると思います。そういう点で、私は、郵政省の方でここ十年くらいの郵便局の改廃、特に郵便局を設置する基準、それから廃止する基準、そういうものはどういうものがあるのかちょっと簡単に、それから数字をお示し願いたいと思います。
○説明員(野々村俊夫君) 郵便局のまず設置の基準から御説明いたしたいと思いますが、郵便局の設置そのものといいますか、配置の基本的な考え方は、全国あまねく公平にサービスを御提供するということを基本にしております。とりあえず設置の基準の根本的なところにありますのは、利用人口とそれからほかの郵便局間の距離ということが一応基準になっております。これは大きな基準というほどのことではありませんが、目安として、大体利用人口八千人、それから既存の郵便局からの距離として八百メートル以上ということを基本にして考えております。しかし、日本全国の都市の発展状況その他を考えますと、必ずしもそれだけで割り切れるわけではございませんで、交通の便がいいところも悪いところもございますし、さまざまな都市のあり方の中の要素も含めて総合的に考えているということでございます。
 それから、廃止の基準というものは、実は明快に基準があるわけではございませんが、過疎地の郵便局ということになりますと、だんだんと利用の度合いが、その利用者人口が著しく減少して設置効果が低下した郵便局につきましては、年間十数局ぐらいの割合で廃止をしておりますが、この代替の措置としまして簡易局を設置するということをしております。この簡易局のサービスは、基本的には日常のサービスとしては特定郵便局と変わらないサービスを御提供できるというふうに考えております。
 それから、最近十年間の郵便局はどういうふうに推移しているかということでございますが、昭和六十年度末から平成七年度末で見ますと、郵便局の数は二万三千六百四十四局から二万四千五百七十四局と、全体で九百三十局増加しております。これは、実は東京周辺あたりの埼玉県とか千葉県なんか特にそうですが、非常に人口が急増しているところがございまして、そういうところの置局が割とおくれ気味になっているという傾向がございます。一方では、過疎地の郵便局はなるべくサービスをダウンしたくない、ユニバーサルサービスを維持したいということで、そう合理的な理由だけで廃局できないということもございまして、全体としてふえてきているということでございます。
○足立良平君 数字的に少しあいまいでありますが、私は、大臣が衆議院の予算委員会等でずっとお話をされているように、郵便局という二万四千有余の事業所が、いわゆるそれぞれの地域であまねく公平にサービスを展開するということは大変有効な手段だというふうにお考えになっているし、私もそれは確かに正しい物の見方だろうと思うんです。
 ところが、ずっと状況を見ますと、過疎地についてはここ十年間ずっと郵便局の数は減ってきている。そして今答弁がありましたように、都市部だけががあっとふえてきているわけです。これはきちっとした数字はそれぞれのとり方によって違いますけれども、大体都市部ではこの十年間千以上ふえてきている。そして過疎地の方はむしろ逆にどんどん減ってきているということになると、大臣の方が、即私の出身はどうとかいうことでよくおっしゃっておりますけれども、本来あまねくサービスを、しかも過疎地のような、過疎地というのはこれは全部高齢化社会になっておる、老人社会になっておる。老人社会というのはその行動半径というものは大変に狭い。そうすると、郵便局の合理化とかいろんなことでどんどん減らしていって、そして過疎地でも郵便局のやるサービスというものはきちんとできるということが必要なんだとおっしゃっていることが、実態とは全然違った状況になってきているというふうに私は思うんですが、大臣、その点いかがでしょうか。
○説明員(野々村俊夫君) ちょっと私からお答えいたします。
○委員長(渕上貞雄君) 数字の関係だけですか。
○説明員(野々村俊夫君) はい、数字だけ。先生の方のお考えと私どもとずれがちょっとございますので訂正させていただきたいんです。
 町村部とそれから市部というふうに分けて考えた場合に、一部の民間の雑誌などに町村部の郵便局が減っているというデータが出たことがございますが、実はほとんどの場合は、町村部が市に移行する、つまり市制がしかれているところ、町が合併して市になったりしているところがほとんどでありまして、大体過去十年間で三十四の町村が減少しております。減少しておりますというか、それは市に変わっているわけです。
 その中で、三十四のうちに大体平均六百から七百局ぐらいの郵便局ありまして、この町村の部分の郵便局の大体大ざっぱに言いますと二百局ぐらいがデータで減っているように見えているんですが、それは事実そこに置かれておりまして、町や村が市になっているということなんでございまして、過疎地における郵便局が事実上減っているということはありません。
 これは郵便局の種類が変わっているというだけでございまして、その意味では、過疎地の郵便局が減って都市部がふえているということではないというふうに申し上げたいと思います。
○足立良平君 先ほども大臣の御答弁の中で、衆議院議員に当選されてから逓信委員をずっとやられていたというお話もございました。それで、私もずっと大臣の逓信委員会での御発言というのは大変敬意を持って拝見させていただきました。
 これはちょっと古い話ですけれども、昭和五十六年二月二十五日の逓信委員会の議事録なんですが、これは状況としては、当時は郵便料金の値上げで、いわゆる赤字で値上げをしていくという議論があったときでありますけれども、そのときに大臣は、これは全部読み上げておったら時間が足りなくなってしまいますからちょっとなにいたしますけれども、郵便の財政再建を図っていくときに、大体一日に二回配達するのは、そんなものはもう一回にすべきではないかというふうに御提言になっている。サービスというのは余りそんなにやるものではない、そんなにどんどんやってはいけぬ、いけぬと言うといけませんが、それは限度があるではないかというふうな、いわゆる郵政事業の合理化あるいは効率化というものをもっとしっかりやれ、こういう御趣旨で、私はそれはそれなりに一つの見識だと思います。
 それからもう一つは、郵便局の統廃合の問題につきましても、「今日道路網がよくなり、通信網が発達し、車が発達したこの時代に、旧態依然たる姿でやはり特定局の集配局という形でずっと残してある。これは私は効率化、合理化という立場からいっておかしいと思うのです」と、こういうふうにおっしゃっている。その他ずっといろんな点がある。それがいいとか悪いとかという、私はこれも一つの見解だと思うんです。
 私はあえてちょっと申し上げているのは、先ほど郵政大臣は、郵政の三現業が三位一体で営業を行い、そして単に都市部だけではなしに、あまねく過疎地も含めてそのサービスというものは公平に行うために郵便局というものは必要なんですよと。だからそういう面では、過疎地の郵便局というものは効率化、合理化という観点からどんどん廃止をしていくということはあり得ないという前提に立たないと、これはお年寄りばっかりですからね、車でどんどん遠いところへ行って郵便局へ行くわけにいかぬ。そうなってくると、そういう過疎地の場合についてもある程度、仮に官業で将来やるとするなら、そういう問題も私は乗り越えていく施策がやっぱり必要なのではないかと思うんですね。
 その面からすると、これは大臣が、いささか古いかもしれませんけれどもそういうふうにおっしゃったり、基本的な問題でこれは少し、見逃してと言ったらなんですけれども、私はちょっとまずいかなと思うんですね。どうですか。
○国務大臣(堀之内久男君) 私の昭和五十六年の逓信委員会における発言の御指摘でございますが、その当時と今日とは時代が物すごく変わったんです。特に労使問題ですね。例えば、五十三年には年賀状配達拒否をやられまして、当時ちょうど守住議員が人事局長でございました。私どもはその年の、五十四年だったと思いますが、約九十数名の職員の首切りというか、その違法行為をやった者に対して大変な処分を要求した時代であります。
 だから、その当時はなかなか労使というものが非常にうまくいかなかった時代でございましたので、サービスの大事なときでありながらでも、ある程度の合理化、一日二回配達を一回にしてでもやるべきじゃないか、こういうようなことも申し上げたことがございました。しかし、今日ではいかにしてサービスを充実するかというので、翌日配達と、もう全国翌日配達を目標にしてやっておる今日でありますから、時代の変化ということで御理解を賜らないといかないと思います。
 そして、先ほど部長から答弁申し上げました郵便局の統廃合ですが、私も私の周辺、非常に田舎で過疎になってきておりますが、一局も廃止したところはありません。ただ、特定局から簡易郵便局に変わったところはあります。そして、新しい町部にたくさん郵便局ができておるじゃないかというお話がありますが、それじゃなくて新しい住宅地ができるわけですね。そういうところにはまた新たな郵便局の要望がございます。私も何カ所か簡易郵便局を私の町の周辺にお願い申し上げたことがございますので、委員が御指摘になりましたような過疎地域を廃止といった事態は今の段階で私は承知はいたしておりません。
 これからも我々は、御指摘なりますように高齢化するこの時代でありますから、特に過疎地のサービス提供という面から、さらに私どもは十分その点は考慮して進めていきたい、こういうように思っております。
○足立良平君 話題を少し前へ進めたいと思うんですが、先ほど大臣のお話で、郵政三事業というのは独立をしたなにで、税金も一切使っておりません、あるいはまた冒頭、民間で言うなら優良企業であると。私もそういうことだろうと思います。
 そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、官業というものと民業というものは、いわゆる官の役割ですね、これは一体どのようにお考えなんでしょうか、郵政省としての考え方をお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) 官業と民業の区分けというのは、これはなかなか難しい問題であると存じますが、私はやはり郵便事業という、特に信書、はがきというのはやはりその人の秘密を保持しなければならない。そしてまた、郵便事業においては知り得た秘密、これをしっかり守らなければならないという大きな郵便法の規定がございます。私は、そういう面での国民の信頼性ということを考えるときに、恐らくこの信書事業というのは、やはりこうした公務員という厳しい制約の中で行うことが大事ではないか、こういうような考えを持っております。
 そういう意味で諸外国も、アメリカというあれだけ進んだ国であっても郵便事業だけは国営でやります。そして、ヨーロッパにおいてもそのような事業である。そのことを考えましても、公共性、社会性という役割を果たすためには、今の郵便事業というものはやはり公共で行うことが一番大事だと思います。
 そして、貯金、保険は、これは確かに民間でもいいかもしれません。しかし、私は自分のところの実例をいつも申し上げておるんですが、私のところは一万人の村だったんです。それがちょうど四十四年に合併をいたしました。そして私が間もなく市長になって、私の村には金融機関がありませんので、市長になって何回か金融機関に支店でも出してくれぬかと言うけれども、全然出してくれなかった。これはやっぱり採算性というのを考えると、恐らく金融機関はできない。私どもはやはり農村に住んでおる者として、今日の金融サービスという近代的なものを受けるのは郵便局か農協しかないわけです。
 その点を考えても、私はこの貯金が国営で、しかも民業を圧迫するような形ではなくて、民業を補完するような形で、しかも、現実には大体日本の金融資産の約一七、八%。よくシフトしておると言われますが、ほとんどシフトというのは起こっていないわけです。大体十年前も金融資産の一七、八%が郵便貯金であります。今日でもそうであります。だから、そういう意味では民業を圧迫しない範囲で、しかもまた、簡易保険なんかは最高一千万円ですから民間金融機関の保険会社を圧迫するようなものではないし、そして庶民が簡単に無審査で入れる、ここがやっぱり一つの特徴だと、こういうように思っております。
 官業と民業を区分けるということについてはなかなか境界は難しいと思いますが、そういう公共性、社会性ということを考えますときには、やはり非営利事業の国営というのが一番国民の信頼を得るんじゃないか、こういうふうに思います。
○足立良平君 私が質問させていただきましたのは、官と民とのその役割というものをどういうふうにお考えでしょうかということをお聞きしたんですよ。そういうところがら今、大臣が大変丁寧に、少ない時間をずっと使って答弁していただきまして、ちょっとお礼を申し上げなきゃいかぬ。
 それで大臣、これは大臣だけじゃなしに郵政省の方にも聞きたいんですが、私、今ずっとお話聞いて言葉の揚げ足をとるつもりはないんですが、郵便事業では信書の秘密が必要だと、こうおっしゃる。しかし、一般的にこれからずっと情報化社会になってくると、例えば情報の秘密というものをどう確保するかということは、これはやっぱり最低条件守らなきゃならないものですから、それはちょっと私は論理としては、郵便が官であるから信書の秘密が守れるというだけが論理としてあり得るかどうかというとちょっと別だというふうに私は思います。これは余り議論いたしません。
 それから、民の圧迫をしないあるいはまた補完をするものだというふうにおっしゃっている。そして郵便貯金は、今お話を聞いていましたら一七、八%くらいをずっと維持していて、一千万が限度ですよ、郵便貯金はと、こうおっしゃる。だからこれは問題ないとおっしゃる。
 そういう論理があるのかもしれないけれども、ちょっと切り口を変えてみますと、例えば今個人が持っている金融資産、これは保険とかなんとかは別です、預金だけの部分。郵便貯金というのは預金だけしているわけです。個人が預金をしている。そうすると今日、日本国民の一般の人たちの平均の預金額というのは一千万ちょっとくらいじゃないでしょうか。これも、自家営業をやっている人と、それから給与所得者、サラリーマン層とは二、三百万の差があると思いますよ。ですから、そういう面では大体平均すると約一千万前後くらいでしょう。
 そうすると、いわゆる郵便貯金という貯金業務、これは株とか保険とかいろいろ金融資産は別にして、その貯金業務だけをとってみると、郵便貯金というのは三四%でもう三割、三分の一を超している。そうすると、三割を超した状態で民を全く圧迫していないのかというと、それは論者によっては大臣がおっしゃるような結論にはなりにくいということもここでは私は事実だと思うんです。これはいいか悪いかはまた別のところでゆっくり議論いたしますけれども、きょうは一般質問ですから、私はあえてそのことを指摘いたしておきたいと思います。
 それともう一つ、今、民の補完的なものというふうに大臣はおっしゃったけれども、チルドゆうパックというのは去年くらいから始めた。これも考えてみると、クロネコヤマトという民業が、民が現実的にそういうサービスを開始して、そして大変に評判がいい。評判がいいから、郵政省は後から相当の、何ぼくらいかは知りません、多分百億くらいの金をほうり込んだんでしょう。例えば、保冷車を購入するとかあるいはまた冷蔵庫を購入するとか、いろんな設備投資が要る。先ほど話があったように、既存のものを利用して、それでサービスを云々というのではなしに、新たに相当の資金をほうり込んで設備投資を行って、そして、民業が既にスタートしているものを郵政省が仕事をやる。
 これは一般的に、私は、経済の発展段階からするなら、資本の集積段階、民業に集積がないときには、例えば鉄道にしても電電公社にしてもあるいはまた鉄鋼会社にしても、これは国が行って、そして資本が集積した段階で全部それは民に移っていくというのはこれは歴史の流れ、経済の流れ。
 ところが、例えば今回の郵政省のそういうことを考えてみると、民がスタートしてある程度うまくいっているときに、郵政省が、国営がそこに入ってくるというと、これは民を圧迫する、またそれを補完するというものではなくして逆の行動になっているわけですから、こういう点では、私は大臣の御答弁というのはちょっといかがかなという感じがしてならないんです。
○政府委員(内海善雄君) 保冷サービス、いわゆるチルドゆうパックのことについてちょっと御説明させていただきたいんですが、郵政省で、小包が送られてきまして生ものが入っている場合に、お届けした際に腐っている、品質が落ちているということで非常に問題になりまして、できるだけそういうことが起きないようにということで、郵便局に冷蔵庫を用意しまして、その冷蔵庫の中に保管して、そしてお届けすると、そういうことを昭和六十年からやっております。
 これは郵便局に小包が来たときに、恐らくごらんになられたと思うんですけれども、生ものだったら、最初「なまもの」というラベルを張りまして、この生ものは非常に注意してやろう、配達に行くまでは必ず冷蔵庫に入れておこう、こういうことで昭和六十年からサービスをやっておったんですけれども、その後、昭和六十二年に民間がクール宅急便というサービスを開始しました。
 私どもは、その今までの民間より早くやっていたサービスを、実は平成六年七月に製造物責任法というのができまして、これはいわゆるPL法ということなんですが、いろんな商品を最終的に製造者が責任を負わなきゃいかぬ、こういうことになりまして、私どもの小包サービスというのは、先ほどから大臣が申し上げておりますようにユニバーサルサービスですから、全国津々浦々我が方は小包を届けなきゃいかぬ。そういうときに、製造物責任法という法律ができました結果、いろんな生ものを郵便を使って届けなきゃいかぬ業者が、これは困ったことになった、何とか郵政省でも最終的にまで責任を負うようなサービスをしてくれと、こういうことが出てきまして、私どもとしては、こういう冷蔵庫で保管するだけじゃなくて、引き受けたときからずっと温度を保ってやるようなサービスをするようになったというのが現状でございます。
 これは考えますに、世の中の要求水準がそれだけずっと上がってきた。そして、私どもはやっていなかったんですが、それだけ要求水準が上がった中でユニバーサルサービスを提供しなきゃいかぬと、そういう義務の中でやらさせていただいている。そして、やる以上はこれが、先ほどの一銭も税金をもらっていないという話になるんですが、これは一応黒字でやっていかなきゃいかぬ。黒字でやっていくためにはどれぐらいの規模がないとできないかということをいろいろ計算してやってみますと、大体年間一千万個ぐらい引き受けると一応ユニバーサルサービスが全国津々浦々まで提供できる、こういう見積もりを計算しまして今やっているんですが、残念ながら、まだ昨年の十一月にスタートしたばかりですからそんな数字には全然なっておりません。
 ちなみに、ある宅配業者ですと、平成七年度の実績は七千四百万個全国で引き受けているわけです。ですから、私どもは、やれる範囲でユニバーサルサービスを確保するためにこういうサービスをやっているというのが実情でございます。
○足立良平君 またこの問題は別の機会でいろんな議論をこれは深めていきたいと思います。
 それから、時間がだんだん迫ってきているんですが、次のNTTの再編問題についてちょっと私はお聞きをしておきたい。これはまだ法律も出ておりませんし、これからまだ多分郵政省内部においてもいろんな点で議論を詰めていかれることだろうと思いますから、基本的な考え方等でいいんですが、まず一つ今この段階で明確にしておいていただきたいと思いますのは、大変あっと驚くような案であったわけであります。
 少なくとも、郵政省が今日まで土光臨調のときからずっと主張されてきた、例えば電電公社の民営・分割化反対というふうな主張からずっと来て、今日のNTTのあの一つの方式というのは、また私はある面においてはやったなという感じもせぬことはないわけでありますが、それは別といたしまして、そういうふうな案に至った経緯というのは一体どういうところにあるんだろうか。
 それからもう一つは、これは三点セットといったらいいのかどうかわかりませんけれども、いわゆる独禁法の改正の問題あるいは連結決算の問題、譲渡益課税を行わないというふうな問題等々、このNTTの再編をめぐって特別にやらなきやならないようなものが相当あるわけです。したがって、そういう点等々について、今の検討状況についてひとつ説明を願いたいと思います。
○政府委員(谷公士君) 今回のこの方針決定に至りました考え方でございますけれども、情報通信は、近時いずれの国におきましても、経済成長や雇用の創出に貢献する二十一世紀の戦略産業といたしまして大変大きな期待を集めております。そういうことを受けまして、国際競争も大変激しくなってきておるわけでございます。一方、技術開発もどんどん進んできておりまして、これらに対して我が国の情報通信産業、電気通信事業も急速にその対応体制を整えていく必要があるという認識が基本にございます。
 こういった中で、今回の再編成案を方針として定めたわけでございますけれども、この中身は、昨年の電気通信審議会答申におきましては、この再編各社は資本的に独立させるということにいたしておりましたし、従来の私どもの基本的考え方もそういうことであったわけでございますけれども、今回の再編成方針におきましては、現在のNTTを純粋持ち株会社のもとに長距離通信会社と二社の地域通信会社に再編成しようという形になっておりまして、そういう意味で、御指摘のように、従来の形とは違うということになるわけでございます。
 この考え方をとりました理由でございますけれども、独占的な地域通信部門と競争的な長距離通信部門とがそれぞれ独立の会社になりますとともに、地域通信が二社に分けられまして、相互に比較しながら競争することができる、この考え方は従来の考え方を踏襲しておるわけでございます。と同時に、NTTの総合力が分散するような形態での再編成を避けることができる、また研究開発についての現行の資金力と要員の拡散を防止することができる、そういった利点もあるということを考えあわせまして、今回の再編成案を決定するに至ったところでございます。
 そういう意味で、形としては異なっておるわけではございますけれども、従来、私どもあるいは電気通信答申が目指しておりました公正有効競争の促進、地域通信分野での競争の促進、さらに加えまして国際競争力の向上といった国際対応、これらに対してこたえることのできる体制になるのではないかと期待しておるわけでございます。
 それから、再編成に当たりまして幾つかの解決すべき条件のようなことを考えておるわけでございます。この持ち株会社制度の導入の問題でありますとか、あるいは税制上の特例措置といったような幾つかの事項がございます。これらはいずれもこのNTTの再編成を円滑に実施するために必要な事項として取り組んでおるところでございます。
 この持ち株会社制度の導入につきましては、昨年十二月の閣議決定を踏まえまして、現在、公正取引委員会において独禁法の改正法案の今通常国会への提出が検討されておるところでございまして、私どもといたしましては、それを前提としてNTT再編を行いたいということで公正取引委員会と調整を進めているところでございます。
 それから、税制上の特例措置につきましては、今回の再編成が通信政策上の観点から法律をもちましてこういつた再編成を行おうという趣旨でございますので、そういう観点からくるこの特例の必要性について関係省庁の理解を求めるべく、今努力をしておるところでございます。
 これらのことにつきまして、国会提出期限もございますので、鋭憲政府内の調整を進めまして、この通常国会へこの再編成法案の提出を期していきたいと考えておるところでございます。
○足立良平君 これはまた、法案が出てから相当濃密な議論を別途やらなきゃいけませんから、余りこれ以上は触れてまいりません。
 ただ、一点だけちょっとお聞きをしておきたいと思いますのは、これは一九九五年九月十三日くらいだったでしょうか、郵政省の電気通信局長の私的研究会の報告が出ておりまして、私はきょうはマスコミの文しか持っておりませんが、原文は別途あるわけであります。この中で、いわゆる研究開発力、NTTの研究開発力というものについては限界があると。言ってみれば、言葉をかえてみたら余り大したものはよう研究開発していないというふうな、今言いましたように、これ郵政省の電気通信局長の私的研究会報告がそういう報告を出している。そういう面からすると、今回NTTが一応ああいう再編成する中で、持ち株会社に一括して研究開発を持ってくる。しかも、それは考えてみましたら、NTTは現在大変な研究事業を抱えている、約八千五百名、人間からいたしますと。そして大変な資金を投入して研究開発をしているわけですね。
 これは、今までがどうでこれからはだめだと私は言うつもりはないんですが、電電公社時代、それからNTTの特殊会社というかその状態は、この研究成果については開示をしなければならないということになってくる。ところが、これは一般の企業の常識からいたしますと、例えば、今度はNTTという一般の民間会社として、さらにそういう持ち株会社が研究した場合に、その研究した成果、これは開示しなければならないというふうにするのかしないのかというのは大変大きな問題なんです。
 この情報通信という問題が世界的に大競争時代に今入ってきているときに、そういう相当の人間と相当の資金を投入して新たな成果を得たものを、それを全部開示しますよということになつちゃうと、これは国際競争力を含めて一体どうなるのかという問題が一方である。だからそういう点については、この研究開発という基礎的な問題がこれから大変情報通信にとって極めて重要であればあるほど、私は、こういう問題についての考え方についてちょっと一言局長の方からお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(谷公士君) 長期的に考えますと、研究開発もやはり競争に裏打ちされたものでなければならないというふうに考えております。しかし、現在、日本の電気通信の基礎的な研究につきましては、NTTのもとにおいて御指摘のように大きなリソースを持って取り組まれておるわけでございまして、それなりの実績もあるわけでございます。
 今回の再編成に当たりまして、差し向きこういったNTTにおいて蓄えられておりますこの研究のリソースを維持していくということは必要であると考えまして、再編成の中におきます持ち株会社の目的の一つとして基盤的な研究開発を行うということを考えております。
 現在のNTTにおきましては、基礎的な研究、実用化研究ともにその推進に努めることとその成果の普及ということが努力義務として法定されておりますが、このうちの基盤的な研究開発につきましては、持ち株会社におきまして継続してこのような形で推進に当たっていただきたいと私ども今考えております。それから、実用化の研究につきましては、それぞれの地域会社あるいは長距離会社において引き継いでいただきまして、それぞれ御自由に御研究をいただければというふうに考えておるわけでございます。
 そういう意味で、この持ち株会社において、今後考えております基盤的な研究分野につきましては、基本的には現在と同じような考え方で当たりたいということでございます。
○足立良平君 基盤的研究開発とその実用云々というけれども、これは実際のところは区別がなかなか難しい。ですから、私は一般的に、これはもう先ほど言いましたように、大変な大競争時代に入っているときにそういう研究開発というものをどう考えるかというのは、これはもう少し別の場所でさらに議論をさせていただきたいと思います。
 それで研究開発の面からいくと、けさの朝日新聞で、もう多分お読みだと思いますけれども、「政府資金二千二百億円回収困難 NTT株配当で技術支援特許収益、約三億円」というふうな記事、これはもう御承知のとおりだと思います。この内容について、私は、今ここでちょっと郵政省の方からお聞きをしておきたいと思います。
 考え方としては、もともと回収不能かどうか、困難であるのかという問題はさることながら、基礎的な研究を進めていこうとするときに、その基礎的な研究を進めた上で、それをパテント料とかいろんななにで回収をするというふうな物の考え方をしていくこと自身が、私はやっぱりちょっとおかしいと思う。
 本来、基礎的な研究というのは、現実的には日本の場合には郵政省の予算を見ても余り大したことあらへん。今までひょっとしたら電電公社に依存しておったのかもしれない。けれども、いわゆるNTTが純粋の民間会社としてこれから変わっていこうとするときに、基礎的研究というものをこれから日本として、国策として、ある面においては国のセキュリティーの問題としてもこれは考えていかざるを得ないと思いますけれども、そういうときに、基礎的研究へ投じた資金を全部回収するんですよというふうな発想で基礎的研究というものが本来的にあり得るのかというと、私は、ちょっとこれは発想としては大変貧しい発想だろうと思う。
 本来、むだな金を使うことによって文化が発達しましたし、まあそれ以上は言いませんけれども、だからそういう面からすると、この記事の内容もさることながら、郵政省、通産省の物の考え方というものが私はいささか問題があるのではないかと思うんですが、この点についてちょっとコメントがあれば出していただきたいと思います。
○政府委員(木村強君) ただいま足立先生から研究開発部門に対する力強い御支援を賜りました。大変ありがたく思っております。
 我が国が二十一世紀に向かって活力ある日本として生き続けるためには基礎科学研究が必要だということは、政府におきましても、昨年の平成九年度概算要求基準の決定に当たりましても閣議了解という形でその意思を表明しておるとおり、科学技術研究については力を入れなければいけないという分野であります。
 けさ朝日新聞に載りました記事につきまして、今足立先生からの御質問でございます。
 この経緯と申しますのは、基盤技術研究円滑化法ということで、先生御指摘がございましたように、民間において行われます基盤技術に関する試験研究の促進に関する業務を行うということで、NTT株の配当を原資といたしまして産投会計から出資をいただいて、昭和六十年からスタートをしてまいっておるものでございます。
 内容は、これは収益の見込みもない本当に純粋基礎の分野というのは、国のお金を投入して、一般の税金でも研究開発をしなきゃいかぬという分野でありますけれども、この基盤センターの対象となっております研究につきましては、将来成果が得られるだろう、しかしリスクが大きい。民間としては金を出してやりたいんだけれども民間だけではできないんだということで、とりあえずと言いましたら語弊がございますけれども、とにかく国が援助してくれということで、国が七割、この出資の援助部分に入っておりますけれども、三割は民間がやるんだと。民間がやりたいんだけれども、国の出資を仰いでとにかく立ち上げていきたい、こういう民間がやる基盤技術に対して国が出資をするという仕組みでございます。
 したがって、出資の概念は、あくまで株の配当であるとか、成果が上がれば当然リターンは期待されておるものでありますけれども、その成果自体は非常に長期にわたってこれを確保していこうと。我々も、国は金は出すけれども後は知らぬ、そういう無責任なことは言いません。やっぱり国のお金でございますから、リターンという考え方は持ちつつも、それを性急にこの一、二年ですぐ返せという中身ではないということで、長期にわたってこの成果をあるいは資金の回収を図っていくという考えのもとにスタートした制度でございまして、先生御案内のように、けさの新聞に出ましたことは、もうとにかく金が返らないからだめだということではそもそもこの制度のスタートの考えではなかったということであります。
 ただ内容は、確かに電気通信分野、最近、ニューベンチャーも含めまして新しい産業創出の分野でございます。やっとのことで成果が随分出てきておりまして、例えばいろいろと成果物がございます。日本衛星放送の衛星放送のデコーダーということで、スクランブルをかけましてお金が入ればこれを解く、そして有料放送という技術の基本になっておりますこの衛星放送デコーダーというものも、コンディショナル・アクセス・テクノロジーズという基盤センターの出資を受けております会社が開発をいたしまして、既に二百万台以上普及をしております。
 そんなことで、それ以外にも、基礎研究のATRといいます国際電気通信基礎技術研究所も相当数のパテントを取り始めておりますので、いましばらく長い目で見ていただきまして、その成果が上がれば当然国の産投会計の方にもリターンをということであります。
 そういう観点で、この基盤技術センターの機能というものを我々としては活用してまいりたい。来年度から、当然ニューベンチャーにもこの基盤センターのお金が行くように制度を通産省ともお話をし、大蔵当局とも整理をいたしまして、ニューベンチャー関係にも出融資ができるように基盤センターの制度も改変いたしております。
 それから、研究をしても成果が上がらなかった、研究が終わった会社であっても成果が上がらなくて、これからも赤字だけが残るという会社については、これを終了させていこう、整理をしていこうという方針を政府部内でも決定をして、この九年度から取り組む予定にいたしておりまして、制度の活用あるいは改善については積極的に取り組んでおる中身でございますので、御理解を賜りたい、このように思います。
○足立良平君 もう十二時も過ぎましたので、最後の質問にいたしたいと思います。
 先ほどの御質問の中で、ペルーの人質問題あるいはまた報道のあり方の問題等提起がされました。
 これは、私もそこは率直に申し上げさせていただきたいと思いますけれども、今それぞれの報道の状況を見ておりますと、余り個体を出してはいけないのかもしれませんけれども、例えば松本サリン事件の第一通報者に対して、考えてみると、ある面においては大変な人権侵害と思われるごとき状況が現実的にあったのではないかというふうに私は思えてなりません。あるいはまた、先ほども御指摘がありましたように、取材をする取材の仕方についてもいささか節度に欠けているというふうな問題も一部にはあるということも、これまた私は事実だと思います。
 あるいはまた、いわゆる放送関係を見ますと、視聴率というものが大変大きなというか、ある面ではこれがすべてになっているのかもしれません、企業の場合には。けれども、視聴率を上げるがために、その番組についていかがかなという感じを持つような内容もなきにしもあらずと。考えてみると、率直に言って若干いろんな問題が今日あるということは、私も前に御質問された議員と同じ認識をいたしているわけでございます。
 ただそこで、一言だけちょっと郵政省のお考え方を聞きたいと思いますが、先ほどのペルーで無線機を置いてきた、突入したということがいいか悪いかというのは、これはもう言うまでもありません。ああいう、中に突入するということは、これは論議の外でありますけれども、放送法で法文に違反する事項があったのか、法律違反として。あったかなかったかだけ、ちょっとお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) 無線機を置いてきたということは取材の過程における行為でございまして、放送法では、放送番組、放送された番組に対する基準、規定というものはございますけれども、取材のことにつきましては具体的な条文というのはございませんので、この取材に関することについては、今のところ放送法に違反するということはないというふうに思っております。
○足立良平君 これも、一応時間もございませんから、私は意見だけ、考え方だけ申し述べさせていただきたいと思います。
 私は、一般論として申し上げるなら、国政調査権を使って例えば証人喚問をするあるいはまた参考人招致をするというのは、国会が国政調査権を使ってそれぞれ国会に来ていただいて、証人なりあるいはまた参考人として意見を陳述していただくというのは、今日の法律の問題はどこにあるのか、あるいはまたその険路がどこにあって、なぜこういう事件が起きたのか、そしてその次に立法に結びつけるために、一体どこに問題点があるのかと。いわゆる立法府としての国政調査権というものを考えていくと、この報道の自由という問題、いささかそれは広げ過ぎるという指摘もございますけれども、国政調査権で取り組んでいく場合には、やはりそういう面での慎重な態度というものが必要なのではないだろうかというふうに実は私は今考えておりまして、この人質問題あるいはまた人質問題から生じてくる今回の事件といいますか問題については、私はそういう観点でこの問題を考えていく必要があると。そして同時に、時期的に見ますと、これ大変今微妙なときに差しかかっているわけでありまして、そのことがいろんな現地の方に及ぼす影響もあるわけでありますから、そういう観点等も含めまして、この問題は慎重に取り扱いをしていかなければいけないのではないか、このように考えておることを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(渕上貞雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
○委員長(渕上貞雄君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査のうち、郵政行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○三重野栄子君 社会民主党の三重野栄子でございます。大臣の御就任に際しまして、これからの御健闘を一層お願い申し上げます。
 私は、通信・放送機構についてまず質問しまして、その後インターネットについて二点ほど伺い、二つの項目についてお尋ねいたします。
 まず、通信・放送機構の問題でございますけれども、先日、「通信・放送機構95」と題する冊子、これでございますがいただきました。申し上げるまでもなく、通信・放送機構は平成四年、その名称を変えまして、通信・放送に関する研究開発の実施、支援業務の実施等、郵政省の通信政策のいわば具体的実施機関として位置づけられたものと考えております。今回出されました冊子は、当委員会の要求で初めて出されたように伺っておりますけれども、もう少し早くこのような冊子を出していただきたかったと思いますし、これからも定期的に発表されることを要望いたしたいと思います。
 ところで、この冊子は複雑多岐にわたる大変難しい内容を非常にわかりやすくお示しいただいておりますが、私、その中で予算について少しお尋ねしたいことがございます。
 平成四年度から七年度までの間における予算額にかなりのばらつきがあると思いますが、いかがでしょうか。
 一例を挙げますと、平成六年度の収入予算が七十億円に対しまして平成七年度にはその八倍強の五百九十二億円となっております。これは、平成七年度は神戸のリサーチセンターに関するものが加わったのかなと素人なりに思うわけでございますけれども、さらにまた、七年度は二度にわたる補正予算がついた結果であろうかとも思います。
 そこで質問でございますけれども、研究開発推進勘定、これは通信・放送機構の現在の中心業務の裏づけとなる予算だと思いますけれども、七年度における勘定の当初の額、補正後の額をお聞かせいただきたい。あわせまして、八年度におきましても同様に当初の額と補正後の額をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(木村強君) 通信・放送機構の平成七年度におきます研究開発推進勘定の当初予算額につきましては八億九千万でございます。補正後の予算につきましては四百九十八億となっております。平成八年度につきましては、当初予算につきましては七十二億九千万、補正後予算額につきましては百七十八億一千万となっております。
○三重野栄子君 今伺いましたように、当初と補正後の関係でございますけれども、ちょっと想像できないような感じでございます。補正というと、今年度の予算編成につきましてもいろいろ議論をされているところでございますが、当初に全くわからなかったものあるいは突如としてできたもの、どうしても必要なものが補正に組まれるというふうに思うわけでございますけれども、当初は約九億円で補正後が四百九十八億円とか、あるいは七十三億円が百七十八億円、これ何倍もということについては非常に理解しがたいところでございます。
 これらについては幾つかのプロジェクトがありますから、そのときに間に合わなかったといえばおしまいでありますけれども、そこらあたりについての内容をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(木村強君) 通信・放送機構の研究開発推進勘定、産学官合わせて非常に基礎的な研究開発を行おうということで、国が中心となって出資等をしておる分野であります。
 この分野の予算につきましては、科学技術基本法等も制定されまして、これから先日本の国の経済構造改革のためにも伸ばしていく分野だという認識にあることは御案内のとおりであります。そういった中で郵政省もこの予算の確保ということで随分力を入れてきておるところでありますけれども、情報通信分野の研究開発に関する取り組みといいますのは、当然私ども内部では電気通信技術審議会等の御意見なども幅広く承りながら、単に郵政省の役人が机の上で予算案をつくるということではなくて、研究開発の専門家等の具体的な御意見も承りながらプロジェクトを打ち立てていく、こういうやり方をいたしております。
 そういう中では当然計画的に仕事をしておるわけでありますけれども、当初予算で確保していくというのはやはりなかなか厳しゅうございます。先ほど足立先生も午前中の質問でおっしゃいましたように、概算要求基準というものがシーリングで確保されておりまして、一定の額以上についてはニーズがあっても、あるいはこれから伸ばさなければいけない研究開発だといいましても頭打ちということで、今の制度ではなかなか難しゅうございます。そういう意味で、私どもシーリングの範囲内で計画的に継続的に行っていこうというプロジェクトにつきましては当初予算に盛り込もうということで、これが正規の予算のルートということで努力しておるところであります。
 たまたまその年の状況によりまして緊急経済対策や震災対策として補正を組まざるを得ないといったような場合に、その内容は例えば平成七年度で申し上げますと一次、二次と二回にわたって補正が組まれておるわけでありますけれども、地震の起こった年でありますが、このときの一次補正につきましては、経済対策ということで阪神・淡路大震災からの復旧・復興事業なども含むそういった内需振興策、あるいは円高差益還元等の問題、経済構造改革の推進との絡み等、それぞれ項目を立てまして、そういった補正を組む大義名分というものの中で、私どもの研究開発のプロジェクトが入り込む場合にはこれを入れていただいてやっておるということでございます。
 そういう面では平成七年、例えば震災対策や科学技術、情報通信の振興ということで、経済構造改革にも資するということで次世代総合防災通信ネットワークの研究開発、これは一次補正で三十九億円ついております。それから、光通信の高速化、効率化、長寿命化等のための研究開発ということで、平成七年でありますけれども第二次補正で八十五億円などがついておるということで、当初予算額と補正後の額の違いが出ておるという実情でございます。
○三重野栄子君 当初予算のシーリングの問題は、別のところでも私はこの点は非常に問題だというふうには思っておりますけれども、現状そのようなことで進行しているとすれば、今まで八年までのそういう予算の組み方で希望された、今もいささか御回答はいただきましたけれども、希望どおりのというか希望しているような計画が遂行されているかどうかについてもう一度お伺いいたします。
○政府委員(木村強君) 現在、電気通信審議会の答申などをいただきまして、これからの情報通信のベースになる技術の研究開発ということで七十七プロジェクト等が予定されております。必要だということで審議会から答申もいただいております。このうち平成九年度予算、今政府原案を国会に提出して審議をしていただいておりますけれども、七十七のうち五十三プロジェクトにつきましては何とか来年度じゆうに着手できる、こういう体制になっております。
○三重野栄子君 科学技術基本法ができまして、私もこれはどれぐらいの影響があるのかなというふうに、いささか実績としてはまだわかりませんでしたけれども、ことし一月にロンドンに伺いまして東大から派遣されておられます科学技術に関する先生とお目にかかりましたところ、この科学技術基本法ができて非常に研究費をたくさんもらえるようになった、大変よかったというお話も伺ったわけでございますけれども、この通信・放送機構の中における問題につきましても今お話を伺いましたような成果があったということについて大変喜ばしいと思います。既に我が国のリーディング産業であるわけでありますけれども、この通信・放送というのはこれからもずっと重要な産業であり続けるだろうと思います。
 また、国際競争という観点からも重要な分野であるということを既に大臣は所信でも明らかにされておりますけれども、今日までの予算の組み方はともかくといたしまして、平成九年度あるいは今後どのように今の状態を、満足するのか、いやどういうふうにして解決していけばいいのか、そのあたりの大臣の所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいままで木村局長の方から御答弁申し上げてきたところでありますが、先生の御指摘のとおりで、私どももできれば当初予算で計上すべきだと、こういうように考えておるわけでありますが、今日までの予算編成の過程でシーリングという一つの手法に抑えられておったというのも事実であります。
 しかし、幸いに科学技術基本法が制定され、ようやく日本の科学技術の振興という立場から財政当局も理解を示していただきまして、何とかいろいろ研究すべき技術分野に対して大幅な補正予算というものが認められてまいったわけであります。
 今年度は御案内のとおり、ようやく当初予算において三二・五%という大幅な伸びを認めていただけたわけであります。政府全体一・五%というときに、私どものこの科学技術振興につきましてはそのような予算が認められたということは非常に喜ばしい限りであります。これからも当初予算になるべく計上できるように精いっぱいの努力をしてまいりたいと思っております。
○三重野栄子君 先日、国民生活調査会の中で大蔵省に伺いましたんですけれども、今のように税制改革、財政改革と言っているときに今までと同じような予算の組み方というのは問題ではないか、大幅に変更すべきではないか。例えば、平成九年度はこれが非常に重要なんだから、ほかは少なくしてもこの点については大きく予算を組もうではないか、そういう方針が必要ではないかというようなことを申しましたんですが、そのときに大蔵省は、いやそういうことは国会でお決めになることだというようなことを言われまして、なかなか難しい問題であります。
 本年度は、今大臣がおっしゃいましたように、この通信・放送の関係につきましては三二・五%の伸びがあったということは大変喜ばしいと思いますが、これから国際競争の時代でもございますし、ますますの大臣の御健闘並びに関係の皆さんの御健闘をお祈りしたいと思います。
 次に、インターネットについて二、三伺いたいと思います。
 先日、私は畑先生のホームページにお邪魔をいたしました。大変いいホームページでございまして、感心をいたしました。実は私もホームページをつくりまして、今月の十五日から発信をしているところでございますが、私自身は政治理念でということよりも、先ほど伺いますと百万人のユーザーがおられるということでございますから、そういう方々と何か通信しながら未来を考えていきたいという思いでホームページをつくるようにいたしました。案ずるよりも産むがやすしと、非常に簡単だったわけで、でもできばえは畑先生と比べると全然段違いでありますけれども、やはりこういう手軽さというものがインターネットをここまで普及させたものではないかというふうに思って楽しんでいるところでございます。
 しかし、この手軽さゆえにプライバシーの侵害やあるいは青少年への影響という、これでいいのかなと大変心配されるホームページもふえているところでございます。そこで、諸外国におけるインターネットへの規制などがございましたならば、その取り組みについて現状をお伺いしたいと思います。
○政府委員(谷公士君) 諸外国の例につきまして二、三御紹介をさせていただきます。
 アメリカにおきましては、九六年の二月に通信法が改正されまして、その際、インターネットによりまして十八歳未満の方が視聴できる方法で明らかに不快な情報や性的情報を発信した者に対しては刑事罰を科するということを規定いたしました。しかし、これに対しましては市民団体などから、明らかに不快な情報への規制は合衆国憲法が保障する表現の自由を侵害するということで訴訟の提起がございまして、二つの連邦地裁で違憲判決が出されまして、現在、連邦最高裁判所で審理が行われております。六月ごろには判決が出る予定と承っております。
 それからフランスでございますけれども、九六年の六月に電気通信規制法が成立をいたしまして、その中でインターネット接続事業者でありますプロバイダーに対して、利用者が特定のサービスへのアクセスを制限または選別できるような技術的な手段を提供することを義務づけております。それからドイツでございますが、インターネットでの情報内容に関するプロバイダーの法的責任を明確化する法案を検討しておられるところと承っております。
 それからイギリスでございますが、九六年の九月にプロバイダー事業者の団体が中心となりまして自主規制の仕組みをつくっております。事業者の団体が協力いたしまして利用者からインターネット上の情報に関する苦情、報告を受け付け、違法または有害な内容と考えられます場合にはプロバイダーを通じて発信者に警告するとともに警察にも通報すると、そういう自主的な仕組みでございます。
 大体以上のような仕組みがございます。
○三重野栄子君 ありがとうございました。
 ところで、郵政省はどのようなことを御検討いただいているでしょうか。電気通信における利用環境整備に関する研究会が設置されたということと報告書があるということは伺いましたんですけれども、簡単で結構でございますが、どういうものがあるでしょうか。
○政府委員(谷公士君) 仰せのとおりでございまして、私どもも、インターネットの急速な普及に伴いまして個人の情報発信やアクセスの機会が飛躍的に増加する一方で、このように違法または有害な情報の流通が問題となってくるということがございますものですから、これに対処するということで、昨年九月から御指摘の電気通信における利用環境整備に関する研究会というものを開催いたしました。そして、諸外国の取り組みを参考にしながら幅広く御検討いただきまして、昨年末十二月に報告書をちょうだいいたしました。
 この報告書におきましては、インターネット上の情報流通に関して論点を整理していただきまして、諸外国の状況を踏まえました上で、発信者に対する法規制につきましては、表現の自由などの保障の観点から慎重に検討すべきであるといたしまして、当面の措置としては、国際連携の強化、プロバイダー事業者の団体による自主ガイドラインの策定、それから三つ目に、受信者が一定の基準を超える情報へのアクセスを防止する、そのためのソフトウエアなどの技術的手段の開発普及といった措置を行うべきであるという御提言をいただいております。
 私どもは、この報告書に盛られました内容に対しまして一般の方々からの意見を今照会中でございまして、寄せられました意見を踏まえて必要な検討、措置を講じていきたいと考えております。
○三重野栄子君 いろいろ方法がないといえばない、あるといえばあるんでしょうけれども、確かに国内で規制しておりましても海外からのホームページはもうすいすい入ってくるわけでありますから、なかなか難しい問題があろうと思います。これからも国際的にそのような問題を取り上げていただきたいわけでありますけれども、研究会の報告書の中に、「不適切な情報流通に関しては、事後的措置として苦情処理体制を整備することが重要である。当面の措置としては、各国が民間事業者団体レベルで苦情処理体制を整備することが望ましい」とあるようでございます。
 今アンケートで調査中ということでございましたけれども、学校だとか企業だとか家庭だとか、そういうところにいろいろアクセスする情報教育を充実する方法というのはどのようにお考えでございましょうか。
○政府委員(谷公士君) この対応策の一つといたしまして、受信者側で特定の内容の情報を選択的にブロックすることができる、いわゆるフィルターにかけるフィルタリングでございますけれども、そのソフトウエアを採用することが有効だという指摘をいただいております。
 この指摘を踏まえまして、八年度の補正予算の中でコンテントのフィルタリング技術に関する研究開発費として五・五億円をお認めいただきましたので、この予算によりまして、教育機関などでインターネットを利用する際に、わいせつ情報など青少年にとって有害な情報を選別いたしましてパソコン上に表示できないようにするシステム、これを開発しようといたしております。
 具体的な研究開発に当たりましては、モデル地域の地方自治体でございますとか教育機関との連携によりまして、教育関係者や有識者の御意見を反映できるような体制で進めていきたいということで今取り組み始めております。
○三重野栄子君 インターネットは、やってみますと大変おもしろいものでございますし、害もございますけれども、大変有用なものでございます。
 もう既に実験済みといいますと語弊がありますけれども、阪神・淡路大震災のときも、こちらから発信して海外からいち早く援助がされたとか、あるいはまた今回のロシアのタンカーの問題につきましても、いろいろと細かいNGOの皆さんのインターネットによる情報発信によってたくさんのボランティアの皆さんが救援に駆けつけておられたということも伺っておるところでございます。
 大臣の所信表明にもこのインターネットの問題がございました。アメリカのクリントン大統領のことについて所信表明の中にもございましたんですけれども、御存じと思いますが、クリントン大統領は今月になりまして一般教書の演説で、二〇〇〇年までにすべての教室、図書館、病院をインターネットによって接続して、これによって全国民が十二歳までにインターネットを利用できるようにするという大目標を掲げられているようでございます。
 これは、機械を動かせる能力だけではなくて、その機械もそれぞれ自宅に置くとかいうこともありますから、いろいろ経済的な問題もかかわってくるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、全国民が十二歳までに利用できるようなそういう大目標を掲げられ、第二世代のインターネットを構築するような方向が打ち出されているわけでございますが、平成九年度の予算案におきましても次世代インターネットの研究開発費が盛り込まれているようでございます。
 したがいまして、郵政省も他省庁に先駆けましてホームページが開かれておりますけれども、これからの夢を大臣に語っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(堀之内久男君) インターネットは、先生御指摘のように最近急速に普及してまいりまして、今ホストコンピューターも七十三万と聞いておりますが、こういうような爆発的な普及が進んでおるわけであります。
 そこで、郵政省といたしましては、この情報通信を指導する行政官庁として、他省庁に先駆けて日本語、英語双方により積極的にホームページを開設いたしたところでありますが、現在アクセス件数が一日平均約一万件と、非常に好評をいただいているようであります。
 また、情報を発信するだけでなくて、全世界の利用者から私どものホームページの内容に関する多数の御意見もいただいておるようであります。私も、このインターネットが全世界をカバーして双方向性が高いという点で非常にすぐれていることを改めて感じているところであります。
 今後とも、情報通信分野を所管する立場から、新しい技術を取り入れながらさらに研究を進めてまいりますが、私も三重野先生のホームページを拝見させていただいておるところでありますが、先生のホームページに負けないような立派な最先端を行くホームページの作成にこれからも努力を傾けてまいりたいと思っております。
○三重野栄子君 見ていただきましてどうもありがとうございました。月二回内容を変えるようにしておりますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。
 大臣、将来を語っていただきましたが、ますます御健聞いただきまして、子供たちの未来のために、また平和のためにこのインターネットが使われますことを祈念申し上げまして、私の質問を終わります。
○松前達郎君 本日は、昨日行われました郵政大臣の所信表明に関連して、とりわけ「郵政行政も大きな岐路に立っている」というのが冒頭に記載されているわけですが、新しい時代を迎えて郵政省の役割というのは非常に幅が広くなったんだと思います。そしてまた、特に重要な分野を担当するようになってきた。とりわけその中でも情報通信の分野というのが非常に発展が速いわけですから、これにどういうふうに対応し、あるいはこれをどういうふうに行政の中に生かしていくかという問題、大変な問題だと私は思うんです。
 かつては電気通信省というのがありました。これは電気通信だけをやっただろうと思うんですが、私もそこのメンバーの一員であったわけですけれども、そういうものも包含して今度は郵政省が全部やるということになりますから、先ほど午前中に議論がありました郵便事業その他の現業的な分野以外に、情報通信分野というのは非常に大切だろうと、こういうふうに思います。
 そこで、きょうは電気通信の分野に限って質問させていただきたいと思いますが、二月十三日だったと思うんですが、アメリカのニューヨークの株式市場、これが七千ドルの大台を記録したというふうに報じられております。これはどういうふうなことが原因でこうなったんだろうといろいろと調べてみますと、情報通信を中心としたハイテク産業がその大きな原因になっているんだと、こういうふうに言われているわけであります。新しい技術を武器に市場を制覇した新興産業、これに対してまた多くの投資が行われている、その結果常識破りの急成長が進みつつあるのではないだろうかと、こういうふうに言われております。
 それに反しまして我が国の経済を見てみますと、緩やかな回復基調というふうに言われてはおりますけれども、政府の発表によりますと、平成九年度の経済見通しを見た限りでは実質成長率が一・九%と依然として低い状態にとどまっているわけであります。
 しかし、こういう中でも情報通信の分野というのは一人気を吐いているんではなかろうか。これは、大臣の所信にも述べられましたように、今年度の設備投資額、これを見ましても全産業の一割を超えて四兆八千億に達している。自動車産業に比べますと約三倍、電力業に匹敵する規模にもなっているんだと、こういうことを述べておられます。
 また同時に、マルチメディア、インターネット関連の新規産業、これも恐らく今後次々と生まれてくるでありましょうし、情報通信産業は我が国の将来を担ういわゆるリーディング産業と言える動きを今見せつつあると思います。
 そういう観点から、九七年度以降の情報通信分野の設備投資の動向、これは我が国の経済に非常に大きな関係がございますが、この見通しについてお伺いしたい。それが一つ。
 それから、この動向が日本の景気に一体どういう影響を今後与えていくだろうか、これをどうお考えになっているか、この点をまずお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(木村強君) 先生御指摘のとおり、まさに情報通信産業は現在の景気も引っ張っておる、非常に牽引力となっておるということでございます。リヨン・サミットでも、経済の成長と繁栄の原動力であるというような表現で、情報通信産業に対する世界共通の位置づけをしておるところであります。我が国におきましても、先生今御指摘ございましたように、平成八年度の設備投資の点からも、本当にそのような状態になって具体的な形をあらわしてきたなというのが実感であります。
 過去の設備投資計画額を見てまいりますと、平成元年度から八年度までの電気通信事業とCATVなどを含みますいわゆる通信産業についての平均伸び率につきましては年一〇・三%ぐらいということで、非常に他の産業を引き離した大きな数字を示しております。特に、その中身といいますのは、ここ二カ年ほど移動体通信の急激な成長に支えられた結果だというふうに感じております。
 九七年度以降の見通してございますけれども、現在急激な伸びを示しております移動体通信の設備投資はここ数年でやはりピークを迎えるものと予想されますけれども、リーディング産業として将来大きく成長が見込まれるこの情報通信分野は、移動通信に対する設備投資以外にも、例えば今後も期待されておりまして今も研究開発が進んでおります高度道路交通システム、新しい時代の道路交通システムでありますけれども、こういったものにも新しく移動通信システムが登場してくる、あるいは放送のデジタル化なんかにもよりましてなお高い設備投資が続くということで、現時点では将来にわたってこの程度という数字は示せませんけれども、依然としてこの分野は他の分野を引き離した設備投資が続くということで、日本の景気を引っ張っていく原動力になるものというふうに期待しております。
○松前達郎君 情報通信分野の中で、今お話しございましたように携帯電話ですとかあるいはPHS、最近はPHSはただでくれるんですね。そのぐらいになってきたんですが、こういった移動体通信が挙げられる。これはもう当然のことだろうと思いますし、また今ちょっとお触れになりましたけれども、交通情報も今後の課題だろうと思います。これも大いに推進しなきゃならないんだろう。
 この移動体通信なんですが、携帯電話、PHSに限って申し上げますと、これは一千万加入が七年度末だったと思うんですね、約一千万。昨年の十月になりますとこれは二千万を超える勢いなんです。こういったような状況だろうと思います。また、一九九七年度中には恐らく二千九百万になるんじゃないだろうか、そういう予測すらされているわけであります。
 しかし、その一方では基地局等の建設あるいは加入者獲得のための販売奨励金、こういうものに多額の支出が行われている。特に後発の事業者にとってみますと、加入者がふえればふえるほど赤字が膨らむ状況に現在なりつつあるんじゃなかろうか。
 加えて、携帯電話の普及先進国、例えば北欧の場合を例に挙げますと、その人口普及率は三〇%です。これを我が国に当てはめますと、四千万台で大体加入者が頭打ちになるんじゃないか。間もなく頭打ちになるだろう。このままのペースでいきますとそこに問題が出てきまして、約二年後になりますと市場が完全に成熟化してしまうのではないだろうか。
 そうなると、いろんな問題が出てくるんです。今度は解約の問題あるいは乗りかえの問題とか、そういったような問題も出てきますから、また新たな問題がここで提起されてくるだろうと思います。そうなってきますと、業界再編も将来視野に入れていく必要があると考えますが、今後の移動体通信市場の見通しについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(谷公士君) 御指摘のとおり、現在、携帯電話、PHSを合わせますと約二千四百万台ということで、大変大幅な伸びを示してきております。ただ、国民への普及率はかなり高くなってきておりますけれども、北欧にはまだいま一歩及ばないという状況でございます。
 今後の問題でございますけれども、そういった市場の成熟化ということもございますが、システムといたしましても世界的に新しいシステムの検討ということが始まっておりまして、まず世界共通の次世代の携帯電話システム、IMT二〇〇〇と言っておりますけれども、こういったものでありますとか、それから動画像を送れます携帯のテレビ電話、さらに先ほど通信政策局長から御紹介申し上げましたけれども、高度道路交通システムなど新しい移動通信システムが実用化されてくるものと思っております。それに伴いまして、市場の全体的な傾向としてはさらに拡大をしていくだろうというふうに思っております。
 市場の規模でございますけれども、昨年度末の段階で二・八兆円、雇用者六万人でございましたが、昨年五月のマルチメディア移動アクセスに関する調査研究会の報告によりますと、さきに申し上げましたような新しいシステムの導入などによりまして二〇一〇年には市場規模が十七兆円、雇用者数五十六万二千人に成長するという試算もございます。
 なお、現在、電気通信技術審議会におきまして携帯・自動車電話の需要予測の見直しを行っております。まだ途中でございますけれども、これによりますと従来の予測値をさらに大きく上回る見通してございまして、こうなりますと、今申し上げました二〇一〇年の市場規模、雇用数についても、さらに大幅な上方修正を要するのではないかと考えております。
 これら全体の動きにつきましては、単に今申し上げました技術動向だけではなく日本全体の経済力もかかわってくることでございますので、確たる見通しについては申し上げられないわけでございますが、技術的な面を中心にいたしまして予測いたしますと以上のようなことでございます。
○松前達郎君 今お話しございましたように、最近の情報通信産業の動きを見ておりますと、リーディング産業というふうに言っていいだろうと思いますが、非常に大きな期待感を抱かせるわけであります。しかし、まだまだ成長過程に今あると思うんですね。今後、いろいろな面でこの分野というのが発展していくだろうと考えます。
 去る二月六日に大臣は、二十一世紀初頭に向けて推進すべき情報通信高度化のための総合的な政策と実現可能な未来像について、電気通信審議会に諮問をなさったというふうに伺っております。今回の電通審の検討では、二十一世紀の情報通信産業のあり方についてはどのように扱われるようになると考えておられるのか。昨年の二月、NTTのあり方について電通審の答申で示されました情報通信産業による活力といいますかダイナミズムといいますか、これの創出に向けた検討結果と一体どのような関係になるのか、この点をひとつ大臣にお伺いしたいと思います。
○政府委員(木村強君) 先般、二月六日でございますが、先生御指摘のように、私ども大臣から電気通信審議会に対しまして、二十一世紀初頭に向けて推進すべき情報通信高度化のための総合的な政策と、これにより実現可能な未来像について諮問をいたしましたところでございます。
 情報通信産業は、先ほど来お話が出ておりますように、今や我が国の将来を担うリーディング産業となっております。二十一世紀に向かって今後とも我が国の発展にとって中心的役割を果たすものというふうに認識をいたしております。
 したがいまして、これから行われます電気通信審議会の審議におきましても、このような役割を持つ情報通信産業の活性化のための政策や、情報通信産業の発展の結果もたらされる経済構造改革の進展の姿や、国民生活や企業活動の具体的な姿について定量的に、非常に難しいんですけれども、やはりビジョンでありますからわかりやすく数字をもって示さなければならないだろうという立場でこれから検討させていただこうと考えております。
 なお、これまでにも二度ほど審議会の答申をいただいております。例えば二〇一〇年までに光ファイバー整備網を全家庭にというようなこともございますが、そういったものをベースにして当時は百二十三兆、二百四十三万の雇用ということで数字なども出ておりますけれども、そういったものに加えまして、新しくNTTの再編の問題あるいは国際的な連携の非常に急速な進展、それから放送のデジタル化の進展等、非常に情報通信を取り巻く環境が激変をいたしておりますので、そういう要素を加えてこれからどうなるんだと。
 それから、NTTの問題のように、これまである程度解決といいますか、ペンディングになっていた問題が再編成という形ではっきりとしてまいりましたので、そういうような状況を踏まえて二〇一〇年ぐらいを目途に、国民の皆様にわかりやすい形であるべき姿、あるいはこうなるんだということをやはり提示していくのが行政の責任だろうという観点で対処してまいりたいと考えております。
○松前達郎君 ぜひともその展望を具体的にひとつお示しをいただいて、将来に向けての活動に参考になるようにさせていただければと思うんです。
 最近の情報化の進展、特にさっきインターネットの問題がございましたけれども、インターネットそのものも、例えばコンピューターといわゆる通信との融合という結果インターネットが出てきているわけですが、最近ではコンピューターネットワークの不正なアクセスというのが非常に多くなってきたというふうに言われているわけであります。
 こういった不正なアクセスというのは、個人的な情報ですとかあるいは機密情報ですとか、そういうものをリークするだけではなくて、例えば請求される課金を他人に振りかえてみたり、電子マネーなんということも言われていますから、そういうふうなことも行われる。あるいは最も悪質なのはコンピューターウイルスをばらまいてネットワークそのものをだめにしてしまう、こういうことが行われているというふうに伺っておりますし、事実行われていると思います。
 これは通産省にお伺いするんですが、昨年の十月からこういう被害や相談に対応するために対策を講じるためのコンピューター緊急対応センターというのが業務を開始しているというふうに伺っておりますけれども、最近の被害状況及び同センターの対応状況等について一言お聞かせいただければと思います。
○説明員(宮城勉君) お答えいたします。
 コンピューター緊急対応センターは、先生お話しのとおり、通産省の支援のもと昨年の八月に設立をされまして、コンピューターネットワークのユーザーより、不正アクセスによります被害の連絡を受けて緊急対応を行う独立の組織でございます。
 昨年の十月一日の本格業務開始以降、本年一月二十九日までに百四十二件の問い合わせが企業、大学、個人よりございまして、それに対応したところでございます。とりわけ年末年始にかけまして、国内や海外を問わず企業や大学その他さまざまな組織のコンピューターがアクセス権限のないものよりアクセスを受け、百二十二件がコンピューター緊急対応センターに報告をされたわけでございます。
 このコンピューター緊急対応センターにおきましては、これらの事例をもとに主な手口、被害の態様、それから推奨される防止策をまとめまして、インターネット等を通じまして情報提供を行っておるところでございまして、今後とも海外の同様の機関とも連携を深めつつ防止策について研究を進め、ユーザーに対する注意喚起、普及啓発を幅広く行っていくこととしております。
○松前達郎君 今日のような状況で、情報通信関係が非常に幅広く世界に広がっていくような状況ですから、科学技術もそうなんでしょうが、やはりもろ刃の剣といった感じを持つわけです。使い方によっては非常にまずい方向に向かっていくわけですが、その辺のコントロールをどうするか。
 いわゆる科学技術の発展、情報通信の展開、これはもう非常に早いわけです。それに即応できるような体制がなければいけない、後追いしていたんじゃだめだろうと思うので、その辺もひとつ、今おっしゃったようなデータもありますし、今後大きな課題だろうと思っております。
 これは午前中にも質問があったと思うんですが、二〇〇〇年が近づくにつれての西暦の取り違い、それによる誤動作という問題があるわけです。二〇〇〇年問題とよく言われておりますが、九〇年代より前に開発されたコンピューターがその主な原因だろうと思います。
 こういった問題に対応するために我が国の大手のパソコンメーカー、昨年行った調査によりますと、これから対応するというんです。そういう企業が七五%を占めているんです。対応におくれがあるということは否めないと思うんですが、これについて通産省では昨年の十二月に情報産業の業界団体などと一緒になりまして二〇〇〇年問題検討協議会というのを発足させている、こういうふうに伺っておりますが、その協議会の検討活動状況、一体どうなっているのか、簡単でいいですからお答えいただきたいと思います。
○説明員(宮城勉君) お答えいたします。
 社団法人日本情報システム・ユーザー協会にユーザー、ハードウェアメーカー、ソフトウェア業者等の専門家、有識者から成ります二〇〇〇年問題検討協議会、これは座長は石田晴久東大教授でございますが、先生御指摘のとおり、昨年十二月に設置されまして検討を行っているところでございます。
 具体的に、通産省として昨年より二〇〇〇年問題の影響が非常に大きく及ぶことを懸念いたしまして、ユーザーに対応の促進をお願いしているところでございますけれども、この働きかけを受けた形でユーザー協会において設置されたものと理解をしてございます。
 この協議会におきましては、ユーザー、メーカー、ソフトウエア業者の対応の実態、それから中小企業、とりわけ二〇〇〇年問題ではこの点が問題であるというふうに考えてございますけれども、中小企業ユーザーの対応の方向性及び注意喚起の強化について情報をどのように提供していくのか等々につきまして議論を行っているところでございまして、これまで四回開催したところでございます。
○松前達郎君 これもある意味で言うと後追いの一つだろうと思うんですけれども、しかし、こういう問題というのは前もって大体わかる話なんです。ですから、先ほどから私申し上げているのは、後から追いかけていろんな問題に対応していくんじゃなくて、もうちょっと前を向いて先行きを展望しながら施策を次々と打ち出すのがいいのではないか、こういうふうに思います。
 インターネットの発展に対応したハッカー、ウイルス被害、これは二〇〇〇年問題の対応等も含みますけれども、一言で言うと情報通信ネットワークの安全と信頼性の問題だと思うんです。これを確保する、どうしてもこれが必要になってくると思いますが、郵政省もこういう問題についての研究会をつくって検討を開始したというふうに伺っております。この研究会で一体具体的にどういうふうな検討を行いつつあるのか、現在行っているのか、御説明いただきたいのが一つ。
 それからもう一つは、郵政省と通産省の関連なんですけれども、両省が別々に垣根があるとは私は言いませんが、両省にまたがったような問題がたくさん出てくるわけであります。橋本総理も郵政、通産両大臣に対しまして、情報通信分野の縦割りの弊害をなくすようにしろと、そういった指示をされたというふうにも伺っております。
 こういった情報化に伴う非常に幅広い問題、こういう問題の対応でも郵政省、通産省、あるいはその他の省庁も含まれるかもしれませんが、協力、連帯、連携、これがどうしても今後必要になってくると思います。その辺を考えてみますと、あるいはそこの一部が、それぞれの担当のところが合流して新しい省庁をつくるとかいうことも考えられないでもないんですけれども、それは別にいたしまして、今申し上げた通産、郵政両省に対しての協力連帯関係、これについて、これ大変な問題かもしれませんが、大臣のお考えをぜひお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(谷公士君) 先生御質問の前段の部分について私からお答えさせていただきます。
 後手ではないかというおしかりを私どももちょうだいいたすことになるかと思いますけれども、いわゆる二〇〇〇年問題、それからハッカーその他ウイルス等によりますコンピューターネットワークへの侵入の問題、いずれもコンピューターを通信の制御あるいは課金処理等の中枢的な機器として使用しております情報通信ネットワークでございますので、そういう観点から私どもとしても御指摘の研究会を昨年十一月に設けまして、今検討いたしております。
 それで、前者の二〇〇〇年問題につきましては、電気通信事業者の対応状況の実態調査、それから情報通信ネットワークに発生すると考えられます問題とこれに対する具体的な対応方策について今検討していただいておるところでございます。
 それから、ハッカー、ウイルス対策につきましては、最近のインターネットの発展を踏まえましたハッカー、ウイルス被害の防止策について検討していただいております。六月をめどに御報告いだだくつもりでございますけれども、二〇〇〇年問題につきましては対応の急を要しますので、三月ころに中間報告をいただきたいというふうに考えておりまして、これらの結果を踏まえまして具体的な対策について検討してまいりたいと考えております。
○政府委員(木村強君) 複数の省庁に関連する問題につきましては、政府全体として統一的な取り組みを行うということで、平成六年に総理大臣を本部長といたします高度情報通信社会推進本部もできておりまして、全閣僚が構成員になり、郵政大臣、通産大臣等が副本部長ということで、情報化を進めるという体制は政府部内でも既に整っておるところでございます。
 個別の問題につきましては、今先生から御指摘ありましたように、昨年七月、総理からの御指示等もございまして、通産省ともよく連係プレーをして情報化に努めるようにという御指示がございました。早速連絡協議会を設けて検討いたしまして、平成九年度予算政府原案におきましては両省間の連携プロジェクトというのが入り込んでおります。新しい未来都市を通産の得意分野、郵政の得意分野でつくっていこうということで、そういう施策も九年度からスタートする体制に入っております。
 さらに、パイロットタウン構想ということで、これは郵政大臣が大蔵大臣と折衝して昨年年末、政府部内で大臣折衝という形で予算が認められたものでありますけれども、建設省、農水省、文部省等とも連絡協議会を進めて、そういったそれぞれの役所の持つフィールドを伺いながら新しくそういう研究開発部門に投資を行ってアプリケーション、利活用の分野を広めていこう、こういう施策も順次できつつございます。
 以上でございます。
○松前達郎君 警察庁おいでになっておられると思いますが、先ほど来ずっと私申し上げているようなネットワーク犯罪といいますか、そういうものがだんだんふえてきている。その手口などについて情報をお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(田村正博君) お答えいたします。
 コンピューターの機能を阻害し、またはこれを不正に使用するといういわゆるコンピューター犯罪につきましては、一昨年以降、銀行のオンラインシステムに接続できるパソコン端末を用いまして他行の口座に数億円の虚偽の振り込みをさせた事例、あるいはインターネットプロバイダーのシステムに侵入し、プログラムやデータを破壊した事例など、それまでになかったハッキングを手口とした事犯が発生いたしております。
 また、ネットワークを犯罪の手段として用いておりますいわゆるネットワーク利用犯罪につきましては、昨年の検挙件数が七十九件に上っておりまして、その態様におきましても、パソコン通信上でいわゆるハッキングソフトを用いまして他人のIDパスワードを探知し、それを盗用した詐欺事犯など、悪質、巧妙なものが発生いたしております。
 警察庁といたしましても、ネットワークセキュリティー対策室、コンピューター犯罪捜査支援プロジェクトを設置するなどいたしまして、諸対策の強化に努めているところでございます。
○松前達郎君 ありがとうございました。
 終わります。
○上田耕一郎君 私は、NTTの再編問題と郵政事業の民営化問題、二つのテーマについて質問いたします。
 十四年越しの議論だったNTTの分割問題が昨年の十二月六日に合意ができました。内容は御存じと思いますけれども、一般紙の批判はもうさんざんです。朝日、「NTTの再編はまやかしだ」、これ社説ですからね。読売が「課題山積する「NTT再編成」」、日経が「NTT「分割」は利用者利便忘れるな」、毎日、「独禁特例なら時限立法で」、産経、「NTTは意識改革徹底せよ」、東京、「持株会社方式は競争を促すか」。これ新聞社説を並べましたけれども、そのほかにもかなり厳しい批判があるんですね。
 それで、あれ以来初めての逓信委員会なので、ちょっとイロハからお伺いしたいんですが、まずこの純粋持ち株会社、独禁法九条では禁止されているんだけれども、NTT本社がそれになる。合意の四項目、地域通信二つ、それから長距離通信、株式はすべて持ち株会社が持つというんです。それで、この持ち株会社は基盤的研究開発はやるというわけですね。
 まずNTTにお伺いしたいのは、現在あるNTTの本社機能をほとんど引き継がれるんじゃないか、それから、ある新聞報道では一万人近い規模になるんじゃないかと言われておりますけれども、この持ち株会社NTTはどのぐらいの規模で、今の本社機能のほとんどをやっぱり引き継ぐかなり事業会社に近い存在になるんですか。
○参考人(木塚修一君) 先生の御質問にお答えいたします。
 今、先生の一万人規模ぐらいになるんじゃないかというお話なんですが、純粋持ち株会社では、おっしゃるとおり基盤技術研究開発、これをまずやる。それから、持ち株会社でございますので、グループ全体の戦略について方針を定める等々の仕事を、株式管理ですね、こういったもの、あるいはグループ全体の財務管理、そういうものを行ってまいるつもりでおります。
 それで要員の数なんですが、私どもとしては、今三千名ぐらいで研究開発やっておりますので、それプラス千か二千と。持ち株会社を採用した理由というものの本旨に従って、できるだけ地域会社二社あるいは民間会社になります長距離会社、こういったところで地域密着型の経営ができるように配意もしていかなきやならない、かように考えておりまして、規模としては、今後、法案の審議が始まりますれば、我々もその辺深く検討を始めなきゃならないと思っております。
 以上、お答え申し上げます。
○上田耕一郎君 郵政大臣、これ一体分離・分割なんですか、再編と書いてあるけれども。野中さんは分離・分割じゃない、再編だと、そう話っているけれども、いかがですか。大臣に、大きな問題なんだから。
○国務大臣(堀之内久男君) 今回のNTTの再編成という方針につきましては、先ほどから上田委員からも御指摘のとおりでありますが、約十四年かかってようやくこの合意に達したわけでございます。
 再編成の見方にはいろいろあろうと存じますが、やはり事業体の意向も十分見きわめながら、またそれぞれ専門の立場でお互い研究を持っておるわけであります。したがって、純粋持ち株会社で二地域の編成と長距離一社、こういう三社に分社するわけでありますが、これは統一的な資本を大きく確保しながらそれぞれ三社で自由闊達な競争を持たせるという立場からは、今までの姿よりはるかに活性化された事業経営が期待できる、こういうように思っておるところであります。
 何といっても、アメリカのATTでも今から十五年前でしたか、地域通信七社そして長距離一社でありましたか、これに分割されまして今日のような発達をいたしております。したがって、我がNTTにおきましても、資本は大きく一つを持ちながら、そしてまた長年蓄積された技術研究部門を統括しながら、それぞれ三社の事業体で適正な競争を踏まえながら、ほかのまた事業体と十分競争が可能になると思います。
 そしてまた、今回は事業法の改正もいたしまして、NTTの海外進出を大きな目標にも掲げておるわけでありますので、私は、今回の再編成は日本の情報通信産業発展の上に大きな役割を果たすものと、こういうように理解をいたしております。
○上田耕一郎君 今、大臣は、これで三社の間でかなり競争が前よりはいいだろうと言われました。実際上、事実上一体化なんですね。株は全部持っている、純粋持ち株会社が長距離それから地域、三つのNTTを一体化して指導する。一体化して指導するから、じゃ労働組合はどうなるんだというので、今、連合も大問題にしているようなところですからね。
 一体化すると一体どうなるか。これは電通審の去年の二月二十九日の答申ですよ。これは、競争を進めるためには今の長距離部門と独占部門を一体化しているところが一番の問題なんだと、そこを変えないと低廉化もサービスの多様化もまるっきりできないということを一番書いてありますよ。ところが、その一番肝心の一体化はそのままじゃないですか。
 先ほどのNTTの理事の答弁を聞いても、実際上一体化なんですよ。これでどうして一体競争ができますか。大体、地域を東と西に分けたといってもボトルネック独占は全くそのままですしね。それで長距離、今度は国際に行くといったその長距離会社と東と西の地域会社の間で競争するなんて、これも全く口だけのことで、実際、公正な競争が、我々は分離・分割反対なんだけれども、この電通審答申が一番問題にしていた一体化、長距離部門と独占部門との一体化経営、これが大問題なのに、そこは手をつけてないんだから。だから、これは実際上分離・分割という言葉が使えないで再編とうたわざるを得なかったと思うんですね。NTT、どうですか。これで公正な競争ができますか、この体制で。
○参考人(木塚修一君) お答えします。
 公正競争を遵守しろと、これが昨年の二月二十九日の答申の趣旨であるということは私どもも承知しておりまして、今まで一社体制で事業部制で各事業を運営してきたわけですが、できるだけ会計区分なりきちっとやってきたつもりですが、答申はいまだ不十分、こういう御判断をされたようでございます。
   〔委員長退席、理事陣内孝雄君着席〕
 私どもとしては、公正競争については、今回は法人体を分けて、きちっと財務諸表もディスクローズして運営をしてまいりたい。何がしかでも公正競争というものについて、この再編成を機会に一定の目的が達せられたというふうに皆さんに評価していただけるように努力したいと考えております。
 以上です。
○上田耕一郎君 朝日の社説は、結局親会社が司令塔として君臨するんだと、こう決めつけていますけれども、実際そうなると思うんですね。
 私はこれはまやかしたと思うんですね。こういうまやかしをやるために一体じゃ何が行われたかというと、持ち株会社をして、連結納税制度、譲渡益課税の免除、そういう特例措置をやるんでしょう。譲渡益課税は、「世界」二月号の「世界の潮」欄の南部氏の指摘によりますと、その額は二兆円近いというんですよ。これだけ財政赤字が大問題になっているときに、わざわざ二兆円近い資産譲渡益課税を免除してやろうと。それから、おまけに連結納税制度で、赤字会社になる西の方のNTT、これも何とか助けてやろうというんでしょう。
 大体こういうことをやって、しかも独禁法九条改正までやって、持ち株会社、自由にやろうという。しかも日本最大の会社ですよ、NTTというのは。それが持ち株会社でやれるなら、どこだってこういう形で、子会社にして分社化してどんどんやれることになりますよ。とんでもない前例を開こうということになると私は思うんですね。そういうことを、NTTと郵政省とはまやかしでこういう大問題を勝手に決めちゃったんですよ。ここで質問しても言いわけするばっかりだろうから、私はそれを批判するだけにいたしますけれども。
 お伺いしたいのは、東京新聞の十二月七日付で、NTTの宮津社長が行った記者会見の場で、同席した幹部の口からこんな発言が飛び出した。「条件が一つでも欠ければ、合意はホゴ。覚書はないが、郵政省から口頭で確約を頂いている」と。この九項目の合意の一つでも欠ければ合意はほごだと。これから法案が出るわけね、欠ければほごになる。郵政省、これ確約をしたというんですけれども、大臣いかがですか。これもやっぱり大臣なんだ、これは大臣。郵政省、あなた責任者でやったの、ではひとつ聞きましょう。
○政府委員(谷公士君) NTTの意向を聞くということで当たりました責任者は私でございましたので、私からお答えいたします。
 私どもといたしましては、この九項目につきましては、NTTの再編成を円滑に実施するためにすべて実現をしていきたいと考えて今精力的に取り組んでおるところでございますけれども、今お話しのようなそういう合意があったということは全くございません。
○上田耕一郎君 大臣、どうですか。
○国務大臣(堀之内久男君) NTTとの九項目の合意につきましては、お互いに誠心誠意これを実現できるように取り組んでまいりたいと存じます。
 また、今回のこのNTT再編成は、国が国策として何としてもこれは再編成することが今後の日本の情報通信産業の発展に大きな役割を果たす、こういう立場から、先ほど委員から御指摘されました譲渡益課税あるいは連結納税というような問題も一応考慮したわけでありまして、この点は政府部内の調整として今鋭意努力をいたしておるわけであります。
 また、純粋持ち株会社を持ちながら三社に分社するわけでありますが、今日までも、NTTはNTTデータ通信なりあるいは移動体通信におきましても大変な子会社を持っておりますが、系列のこの会社も分社化したことによって相当な成績を上げておる実態がございます。
 したがって、私は、やはり今回の分社化によってお互いに競争がより深まって大変大きな実績を上げるものと、こういうように期待をいたしております。
○上田耕一郎君 これは非常な無理なことまでやって、結局どういうことかというと、郵政省は分離・分割の名をとると。名をとったかどうかも怪しいんだけれども、NTTは国際通信進出を認めさせる実をとったと。これが今度の非常に奇妙な合意の本質だと思うんですね。
 今、大臣は、これは国策としてやるんだと言われた。今までNTTの分離・分割問題というのは、国内の通信事業に公正な競争を導入しようというので論議してきたんですね。今度は、国内じゃなくて国際進出、これが目玉に急に変わったんですよ。これを変えたのは橋本首相だと一斉に報道されておりますし、橋本首相自身も新聞で、私が指示した、こう言っているんですね。
 一番詳しく書いているのは週刊ダイヤモンド、昨年の十二月二十一日号。「六月末に仏リヨンでサミットがあり、橋本首相はここで屈辱的な経験をした、という。関係者の話。「クリントン、コール、シラク、メージャーら各国首脳が情報通信の国際協力体制の話をしていた。橋本首相はただ一人、これに噛みこむことができなかった」」。仲間外れになっちゃって非常につらい体験をしたので、帰ってから通産省の堤、郵政省の五十嵐の二人の事務次官を呼んで一喝したというんですな、早くやれと。それから始まった。
 もう多くの新聞で報道されていますから、この真実は一々聞きませんけれども、大体、首相のフランスのリヨン・サミットでの体験を通じて、国際進出、これをやるというので、いろんな新聞がびっくりするような、何が何だかわからぬような、こういう妥協的合意が成り立ったと。これが私は事態の本質だと思うんですね。
 さてしかし、この国際進出、これもやっぱり国際的動向からいうと立ちおくれて、新しい動向に背を向けたものだと言わざるを得ません。
 ここに持ってまいりましたのは、同じ週刊ダイヤモンドの十一月九日付、富士通の山本会長の書かれた論文です。先ほどATTの分割を話されたけれども、それからもう十何年たっているわけです。もう流れは変わっているというんですよ。だから、郵政大臣はまだ頭が古いんですよ。「今や一〇余年が経過し、そのほころびが目立つようになり、新たな改革が求められている。市内・市外・国内・国際といった細分化された事業領域を統合し、一体的なサービスを提供するのがAT&Tをはじめとするグローバル・キャリアの新しい方向である」と、チャートまで出ている。「わが国においても事情は同じ、この時期にNTTを細分化することに、意義は見いだせない」というんですね。
 だから、そういう新しい方向がATTを初め始まっているのに、十何年前のアメリカのATTにまねして今度のことをやったと言われるんだが、これはどうだかわけがわからぬと思うんですね。
 それで、一体なぜ、こういう国際的動向に背を向けて、日本のNTTだけが長距離を完全民営化して、NTT法から解放して、持ち株会社方式で国際通信に進出をするという方向を日本だけが選ばなきゃならなかったんですか。これは局長、どうですか。
○政府委員(谷公士君) 先生御指摘のとおり、通信サービスがエンドエンドで行われていくという傾向にありますことは事実でございます。しかしそのことは、すべての通信システムを一つの事業者が持ち切るという意味では必ずしもございませんで、先進国アメリカにおきましても、国際通信と長距離は同一のキャリアが提供いたしておりますけれども、長距離通信と地域通信につきましては別のキャリアが提供しているという状況でございます。
 つまり、国民・利用者に対しましては、エンドエンドのサービスはこのようにあります複数のキャリアがそれぞれ接続をし、さまざまなアライアンスを組むことによりまして提供されておるわけでございまして、これはグローバルな市場におきましても同様でございます。
 このようなことを考えますと、長距離通信だけに国際通信への進出を認めることといたしましても、再編各社がそれぞれ適切なアライアンスを組むことによりまして、利用者に対するエンドエンドのサービスの提供には何ら支障がないものと考えております。
 それから、今回このような再編措置をとろうといたしております理由でございますけれども、これは独占的な地域通信分野と競争的な長距離通信分野とをそれぞれ独立させまして、別の会社とすることによりまして公正有効競争条件を整備し、市場の活性化を図ろうという目的に出るものでございます。
   〔理事陣内孝雄君退席、委員長着席〕
 あわせまして、このような条件整備によりまして、NTTが国際通信へ進出する環境をも整備することができるという趣旨があるものでございます。
 よろしくお願いいたします。
○上田耕一郎君 さて、そういう方向をあなた方は選択したんだけれども、利用者、国民が一体どうなるかということが非常に大きな問題ですね。国民にとってまず料金が問題なんだが、先ほどのアメリカのATT、あの分離の後、長距離料金は引き下がったけれども、市内料金は十年間に五七%の値上げたというんですよ。現在、NTTは二月に長距離料金を百十円まで値下げして、将来百円にすると言っているんだけれども、東西のNTTに分かれても地域独占体制が続くわけです。値上げが起きないということを断言できますか。いかがですか。
○参考人(木塚修一君) 今度の再編成に当たりましては、お客様サービスを低下させない、端的に言えば料金を上げない、また株主さんの権利を、今百五十万人余の株主さんがいらっしゃるわけですが、これらの方々の利益というものを滅失させるなど、そういうことは生じせしめないということが大前提に私どもあるわけでございまして、持ち株会社というものの調整機能のもとに東西会社の相互の連携をとり合いつつ、現在のサービスを低下させないように努力を続けてまいりたい、こういうふうに思っております。
○上田耕一郎君 低下させないという言葉をしっかり受けとめておきますので、絶対値上げしないようにしていただきたい。
 さて、その国際通信への進出ですけれども、これは「日経コミュニケーション」九六年九月十六日号によれば、こうやって国際キャリアが提携して提供されるサービス対象、「全世界でも数千社程度の多国籍企業」だと。数千社だというんですよ、多国籍企業は。NTTは、一月八日に「国際事業への取り組みについて」という国際進出の計画書を出された。これの冒頭、やっぱり多国籍企業向けなんですね。
 NTTが今度やるという第一弾、NTTグローバルネットワークサービス。これは東京新聞によりますと、対象企業は世界的に見ても四百から五百社程度というんだね。こういう国際進出、今度始めるのは四百社から五百社、全部やっても三千から数千社というんです、全世界で。そういうものを相手にどのぐらい金がかかるかというと、読売には、「NTTは、本格的な国際進出に必要な投資額を「通信会社の買収を含めて二兆円以上」」とはじいていると。NTTの計算で二兆円以上かかるんですよ。
 長距離会社、これは売り上げは約一兆円なんですね。二兆円というのは何年かかけてやるんでしょうけれども、どうですか、NTT、この国際進出にどのぐらい金がかかって、一体その金をどこから出すのか、どういう計画なんですか。
○参考人(木塚修一君) ただいま先生がおっしゃいました読売新聞の記事なんでございますが、これは昨年十二月八日なのでございますが、これは、当社として買収について二兆円以上と、そういうことを申し上げた覚えはございません。これは書かれた方の御判断かと思います。
 それで、先生お尋ねの国際通信事業へ出るということになれば、当然さまざまな投資が必要になるということは事実かと思います。事実、私どもが従来アジアの地域で投資してきた金額も約四百億円に上るわけでございまして、お金がかかるというインフラの投資を主にやってまいったわけでございますが、そういうふうな状況にありますので、かかると思います。
 それで、当社といたしましては、まず国際通信に進出をお許しいただければ、今お話にございましたようにグローバルユーザーを、これをやはり我々のお客様として維持していく。また、あるいは他国のキャリアにお客様をとられておりますが、これらのお客様には戻っていただくような努力というものもしていかなきゃいけない。
 それで、これはアメリカあるいはヨーロッパ、そういったところにやはり拠点をつくってしかるべきサービスをきちっとさせていただいて、それで私どもの日本の拠点というものをグローバルでマルチメディアを頭に置いたネットワークの構築というものに、最終的にはそこへ入っていかなきゃいけない。
 ただ、採算性の問題がございますものですから、この辺はこれから十分に慎重に検討いたしまして、今先生が御指摘の、国内のお客様がたくさんいらっしゃいます。ユニバーサルサービスもやっていかなきゃいけないという位置づけにございますので、グループ全体として財務に破綻を来さないように対処していかなければならない、こういうふうに考えております。
○上田耕一郎君 先ほどの読売の記事は記者の思い込みだという答弁でしたが、よければ国際進出の投資がどのぐらい必要なのか、もしデータがあったら、後で結構ですから少し提出していただければと、お願いしたいと思います。
 最後に、これがリストラとも結びつく危険があると思うんですね。これは組合も非常に問題にしています。
 NTTのリストラは私どもも重視して何回も取り上げてまいりましたけれども、民営化前三十二万人が今十八万五千人、それから今度十五万人体制ということになるんですね。一〇四のオペレーター一万人削減で、私どもも先日、東京案内情報事業部へ参って現場も見せていただいて懇談もしてきたんですけれども、大変なベテランが全然別のところへ移されちゃうんですから、人件費がうんと減るからというので、全部委託されて、大問題だと思いました。
 先ほどの理事の答弁ですと、なるべくスリムにすると。研究所は三千人、これは引き継ぐとして、本社機能はなるべくスリムにすると言われた。今、本社は四、五千人いるんですよ。それで、十五万人体制というのは去年の九月に発表だから、十二月六日にこういう合意ができると、これはスリムにするとおっしゃったんだから、じゃ十五万人体制よりもっと新しいリストラ、これに手をつけることになるんですか。
○参考人(木塚修一君) 今、先生がおっしゃられました二〇〇〇年に十五万人体制というのは、平成七年の十一月に私ども発表させていただきました。
 それで、現在、労働組合と協約を結びましてその合理化に着手しております。内容は、設備管理、補修業務が主体でございまして、そのほか通信機器業務あるいはソフトウエア、そういったようなところを中心に二〇〇〇年には十五万人を確立したいというふうに思っております。これに着手しています関係上、国際進出するからといって新たな合理化計画をまた立てるということは現在想定しておりません。
 以上です。
○上田耕一郎君 どうも木塚さんありがとうございました。
 あと若干時間がありますので、郵政事業の民営化問題に移りたいと思いますが、午前中加藤委員がこの問題を質問して、大臣が断固として現在の公共サービスの体制を守るとおっしゃって、日本共産党も大賛成であります。そうなると、自民党から共産党まで、そういう三事業の民営化を反対して守るということを支援いたしますので、大臣は大いに断固たる決意を持って仕事を進めていただきたいと思うんです。
 しかし、この民営化攻撃はかなりの流れだと思うんですね。例えば、ざっと挙げても経団連、経済同友会、細川元総理、小泉前郵政大臣、民主党、全銀協、地銀協。今、規制緩和、行政改革の大合唱の中で、郵政事業民営化、簡保、郵便貯金、さらには郵便事業まで民営化しろという声が出てきたんだけれども、私はこの本質は民営化じゃないと思うんですよ。結局、もうかる部分を官から財界に移せというので、だから業界化、財界化ですよ、民じゃないんですよ。何も国民に渡すというんじゃないんだもの、業界に渡せというんだから。
 例えば、福祉関係が民営化されてどうなったか。特養老人ホームが大もうけの手段になったでしょう。やっぱりもうけ本位の財界に渡すとそういう危険があるんですよ。すべて渡すなと私簡単に言いませんけれども。こういう郵便三事業のようなものは、全国民のために行っている公共的な仕事は、もちろん悪いところは直さなきゃいかぬけれども、あくまで守っていくことがやっぱり全国民が望んでいるところだと思うんですね。
 そこで、一つだけお聞きしたいのは、今、郵便貯金を民営化しろ民営化しろと言うんだけれども、これは実はやっぱり銀行の要求なんですね。銀行がうまいところを欲しいというのですね。
 今、超低金利政策で利子は〇・二五%、史上最低でしょう。百万円預けて利子は年に二千五百円、税金を取られる場合二千円ですよ、事実上無利子状態になっている。その払われるべき利子が一体どこへ行っているかというと、所得移転と言われて銀行の懐に行くんですな、所得移転と言われますが。
 銀行の業務純益、九五年度六兆七千四百二十七億円、史上最高。九六年度中間決算で三兆七百九十億円、史上二番目の利益と。これはやっぱり国民の懐から銀行に移転されたもうけがこれだけあるんですよ。それで、郵便貯金も大黒字になっているわけですが、今どのぐらい黒字がありますか。
○政府委員(品川萬里君) 私どもの郵貯特会におきましては、黒字が出ますと利益金、それからそれをBSの方に、積立金という形になりますが、平成七年度末決算で二兆九千億円になっております。
 以上でございます。
○上田耕一郎君 累積黒字は四兆円を超えるんですな。これをじゃ何で一般の預金者に戻さないか。これは当然公共的な仕事なんだから戻すべきなんですね。なぜ戻さないかというと、これは九三年一月、大蔵省と郵政省が銀行に合わせたわけだ。目玉商品の定額貯金の利率を銀行の競合商品三年定期預金の二年目の利率と、〇・九から〇・九五%にする。銀行に合わせたので、四兆円も累積黒字が余っていて年間一兆数千億黒字になっても預貯金者に戻せないんです。大臣は、こういう黒字があるからといって資金運用部への預託金利、その引き下げを一月二十日の閣議で容認されたという報道があるんだけれども、黒字があるからといってそういうことをやるんじゃなくて、黒字は一般国民に戻すべきなんですよ。最後にそのことを大臣にお伺いして、質問を終わります。
○政府委員(品川萬里君) お答え申し上げます。
 今、先生四兆円とお話しになりましたが、現在、先ほど申し上げました七年度の累計で二兆九千億でございますので、そのように御理解賜ればと存じます。
 それから、今の低金利のことでございますが、確かに郵便貯金の歴史始まって以来の低金利になっております。私どもとしましては、このような状況下にありまして、今までもそうでありますけれども、いささかでも金利の面で預金者の期待におこたえできればということで、昭和四十七年、ちょっと話がさかのぼりますけれども、住宅積立貯金でございますとかさまざまな施策も講じてまいりました。
 ただ、金利というものをお考えいただく場合に、金融サービスをいわば消費していく、利用するということにつきましては利用のためのコストがかかるわけでございますが、郵便貯金の場合には全国大変身近なところで郵便局がございますので、そのアクセスのしやすさと申しましょうか、貯蓄商品を利用するについてのコストも含めて考えますと、私どもの郵便貯金の役割というものがそこそこ果たせているんではないかというふうに考えております。
 けさほど御答弁申し上げましたけれども、ATMの相互開放でございますとか、あるいはより安心してカードを使っていただくためのICカード実験とか、こうしたことも全体を通じまして預金者の利便の確保ということを考えてまいりたいと存じます。
 行政全体が、生産者重視行政から消費者重視行政と言われております。預金者もある意味で金融サービスの消費者でございます。預金者主権という言葉まではございませんけれども、私ども預金者重視ということを、トータルとして預金者の立場というものを十分に考えた事業運営をしてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○国務大臣(堀之内久男君) 上田委員も御承知のとおりでありますが、金利設定というのは市場金利を勘案して決めると、こういうことになっておりますので、現在の市場金利が御案内のとおり大変低い水準になっておることも事実でありますから、やむを得ない金利の設定だと、かように考えております。したがって、郵政省としては、別途福祉定期預金とかあるいは介護貯金、そういうような特別な預金施策も提供をいたしておる次第でございます。
 ただいま約二兆九千億の積み立てがあるようですが、これはやはりきょう積み立てをしておりまして、また将来逆ざやになる場合も想定されるわけでありますので、そうした逆ざやに備えて積立金というのは確保しておかなきやならない、こういうように思っております。
○山田俊昭君 私は、ペルー事件についてお尋ねしようかと思ったんですが、午前中、保坂先生が詳しく御質問されて、足立先生もちょっと触れられましたので、一点だけお伺いしたいと思います。
 今回のペルー事件におけるテレビ朝日系列の記者のいわゆる侵入取材、それと、取材用の無線機というんですか、交換機を邸内に残した行為に対しまして、賛否両論いろいろの意見が出ております。大勢はほとんど批判的でありますが、一部少数擁護論もあります。
 私は、この記者のした行為は、報道の自由に名をかりた、人命を軽視して放送機関の使命を履き違えた暴挙としか言いようがないと思うのでありますけれども、この件に関する大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま山田委員から御指摘ありましたペルーのテレビ朝日事件につきましては、まことに遺憾な問題でありまして、この人質事件については、人質の全面解放と事件の平和的解決に向けて関係者が最大限の努力を行っている次第でございます。そうした中で、今回のテレビ朝日の件は全く不測の事態を招くおそれがございます。またこれは、極めてそういった意味で遺憾に、残念に存ずるわけでございます。
 放送関係におかれましては、昨年九月ですか、放送倫理基本綱領というものをつくられて、これはNHKと民放連の皆さんがよく会議をされて、そして綱領をつくられて、この綱領に基づいて各社いろいろ施策を講じられて、また放送の取材について、各社それぞれ自主的な倫理規程というものが設けられておると思いますが、せっかくこういうものをつくりましても、これが実際にそれぞれの記者にまで徹底して守られていないというところに今回の大きな問題があるんじゃないか、こういうように思っております。今後こうしたことが起こらないように、今後とも我々は協力方をお願いしていきたいと思っております。
○山田俊昭君 これはペルーで起きた事件でございますが、我が国においても当然起こり得る可能性を持っている。いわゆる放送機関の報道の自由と人命の尊重が対立する場面というのは、我が国の犯罪の一つである身の代金目的の誘拐事件あるいは人質事件というものが考えられるわけであります。
 そこで、報道の自由の名のもとに、特だねねらいの功名心にはやったテレビ局の報道記者が、安否を憂える家族の要請や捜査当局の報道規制を無視した取材活動を行い、これが犯人を刺激して不幸な結果を招く、こういつたことも今後十分に考えられると思うのであります。
 こういうとうとい人命が危険にさらされる局面であっても、憲法上報道の自由が保障される以上、国による厳しい法規制は許されず、単に報道機関自身の自主規制や業界の申し合わせにゆだねるしかないのかどうか、大臣の率直な御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) 山田委員の方が法律の専門家でございますので、私ども以上にそうした面の法律は十分御承知と思いますが、各報道機関の取材について、郵政省としての見解というか、放送法について申し上げれば、規定は今のところないわけであります。
 一般論として言えば、放送事業者が取材を行うに当たっては、おのずと一定の節度が求められ、また特に今回のような人命にかかわる事件については特段の配慮が必要であろう、こう思っております。
 これまでいろいろな事件が起こりまして、オウム・サリン事件あるいは椿事件、そうした問題が起こったことを反省されて、放送業者におかれては、先ほど申し上げました放送倫理基本綱領というものを民放連、放送協会等でみずから制定をされたわけであります。この基本綱領に従って、各社またそれぞれの倫理綱領をつくられておると存じます。しかし、こうしたものがつくられましても、各報道記者までしっかりこれが守られなければ幾ら綱領があっても仕方がないわけでありますが、今後そうしたことのないように、一層の綱領の遵守方について我々も強く要請をしていかなければならない、こう思います。
○山田俊昭君 倫理綱領を一般化してよく守らせるということで、完全明白に人質に危険を当たらしめる取材行為がなされたとしても、法的規制は確かにいろんな意味で、憲法上の表現の自由、その裏にある取材の自由を侵すというものを持っているわけでありますけれども、やはり人の命というのは地球よりも重いと言われるように、その暴挙とも言えるような取材活動に対する法的規制は、厳格な要件、明白なというような非常に抽象的な基準しか設けられないでしょうけれども、何か考えられていいのではなかろうかとこの事件を通じて考えたようなわけであります。国家が、いわゆる表現の自由や憲法上の基本的人権を制約するような形になる危険性を十分持ったこういう立法をということは、これは難しいとは思うんですけれども、この事件を通じていささかそのように考えた次第であります。
 今、大臣もおっしゃったように、放送倫理というもの、関連して次に放送倫理の問題についてお尋ねをしてまいりたいと思うんですけれども、私は、これまで逓信委員会において放送と人権という問題につきまして何回か質問をさせていただきました。報道の自由、取材の自由は民主主義の根幹でありまして、それが最大限尊重されなきやならないことは当然なことであります。しかしながら、報道の自由、取材の自由といえども国民の基本的人権を侵害することが許されないことはもとより当然であります。
 昨年問題となりましたTBS・オウム事件も、放送に携わる者の基本的な倫理が問われたものだと理解しております。TBS・オウム事件以降、放送事業者の間でも国民の信頼回復に向けた取り組みが多く見られます。先ほど大臣がおっしゃったように、昨年九月に民放連とNHKの共同による放送倫理基本綱領、これが制定されまして、また十月には、視聴者から番組に対する意見などを受けつける民放連視聴者電話応対室が開設されております。また民放各社でも、ガイドラインやマニュアルの作成、研修会の実施、検証番組の放送など、放送倫理の向上を目指した番組も始まりつつあることはよく承知しているところであります。
 しかし、ただ倫理、倫理だけでは放送の人権侵害が防ぎ得ない、不十分だと。幾つかの放送人権侵害に対する防止策への議論がなされて、倫理のみにとどまっていたのでは完全な人権侵害は防ぎ得ない、そういうところがら、ある程度放送への規制、介入が必要だという声すら出てまいりました。
 そういう意味から、郵政省はその防止機関として第三者機関の設置の必要性を主張されたのであります。それに対しまして、マスコミ関係者あるいは弁護士会、日弁連等から、自由な番組制作と報道活動の制約につながるから、第三者による人権侵害防止の機関を設けることは好ましくない、放送事業者みずからの自主的な苦情処理機関によってなされるべきであるというような反対意見が出されております。
 このような放送倫理確立に向けて、何らかの形で人権侵害を防止しようという動きはあるんですが、大臣は、これらの一連の倫理確立に向けたる活動と申しますか、幾つかの意見が出ていることに関しましてどのような見解をお持ちなのか、大臣の所見をお伺いしたい。
 そしてもう一つ、きのうの大臣の所信表明の中にありましたが、この放送問題に関して、「放送番組審議機関の公開性の向上等、放送の健全な発達に向けた措置を講ずる」と、こう述べられております。具体的にどのような施策を実施される予定なのか、あわせて御質問いたします。
○政府委員(楠田修司君) 事務的な問題、動きもございますので、あわせて三件お答え申し上げます。
 一つは、放送法における報道の自由とそれに対する人権とか、そういう問題であります。
 御承知のように、放送法では、放送法三条におきまして、憲法の表現の自由からくるものであろうと思いますが、放送番組編集の自由というものが規定されております。「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」と。ただ、三条の二におきまして、「放送事業者は、放送番組の編集に当たっては、次の」ということで、公序良俗、政治的公平、報道は事実を曲げないこと、それから対立している問題は多角的な見地から見る、こういうことをしなければならないというふうに内在的制約としてなされておるわけであります。
 これは、これまでも何回か御説明申し上げましたが、放送法というのは放送された放送に対する規律でありまして、放送の取材とかそういうものには及ばないということを考えておるというふうに理解しております。
 そうしますと、取材とかそういう段階のこういう行き過ぎとか人権侵害等はどういうふうに規律するのかということは、先ほど大臣からも申し述べましたように、やはり報道倫理の問題、こういうふうにとらえまして、放送事業者がみずから倫理を決めていく、このよしあしはありますけれども、まずそこが基本であるということであります。
 次に、じゃ報道番組の適正化をするのにはどういうものがあるか、十分ではないのではないかというところで、放送番組審議機関というものが現在の放送法には決められておるわけでありまして、これは、各放送事業者が外部の方を招きまして番組に関する適正化の審議をするわけであります。大体月に平均一回やっております。
 しかしながら、何らかの形で諮問がなされて意見が出されるということは非常に少ない。といいますのは、法制度上、個人がいろんな番組に意見を言っても、それは番組審議機関の意見ではない、個人の意見でありまして、番組審議機関として大きく意見をまとめて放送事業者に言う、あるいは放送事業者が何かを諮問するということは事実上行われなかった、こういう点がございます。そういうことで、この番組審議機関をまずひとつ活性化することが大事であるということがございます。
 それからもう一つ、番組審議機関は外から何をやっているかなかなか見えない、内部で何かこそこそやっているんじゃないか、こういうふうな感じがどうしてもするという意見がたくさんございました。そういうことで、外部に見えるようにするということが大きな課題であります。そういう意味で、現在、この放送番組審議機関の活動内容が外によく見えるようにする、これが一つの課題でございます。
 それから、審議機関が活性化するようにする。例えば、いろんな審議事項というものを法律で決めていく。苦情なんかが来たときにどういう苦情があったかということを番組審議機関でやったらどうだ、こういうようなことも一つの課題でありまして、そういうことを含めまして、これは放送法の改正をお願いしなければならないものでありますから、一つの検討課題として現在考えておるところでございます。
 それからもう一つは、苦情の処理の問題であります。現在、放送番組におきまして、松本サリンのときもそうでありましたが、人権侵害のようなことが起こる、あるいは放送基準に反するような放送が行われて非常に問題になる、いろんな場合があろうかと思いますが、そういう場合、一般の苦情というのは個々の放送事業者に参ります。
 これは非常にたくさんありまして、例えばNHKですと、激励とか意見とかいろいろ含めますと年間数百万件あると言われております。そういうふうな中で、やはり権利侵害に関するような大きな苦情が出てまいります。基本的には放送事業者で解決されるものでありますけれども、どうしても解決されない場合は今は裁判に訴えるしかない、こういうようになっております。
 ところが、日本の裁判制度というのは、残念といいますか非常に時間がかかる。それから、日本人はなかなかアメリカのようには裁判に訴えない。こういうようなことも議論になりまして、そうすると、そういうふうな大きな苦情について、放送事業者への苦情では放送事業者であるからどうなっているかわからない、第三者的な人の意見を聞くような、外の人の意見を聞くような何らかの機関をつくるべきではないか、これが今考えられておる苦情処理機関であります。
 したがいまして、基本的には、放送事業者で解決できないもので、裁判に行くまでの段階で、苦情処理機関をつくって、そこで第三者的な外部の方が五人とか七人集まって、そこで独立的な意見を聞いて、それを放送事業者に見解として示すとかいろんな形で反映していく。それでもどうしてもまとまらないときは裁判になると思いますが、そういう制度がいいのではないかということになります。
 これのつくり方として、先ほど先生御指摘のように、放送事業者が自分たちで自主的に、NHKもありますし民放各社もありますから、それらがお金を出し合って人を独立的に選んでつくるというのが一つあります。それから、法律にやっぱりそういうことを基礎づけるべきではないかという意見があります。それから国が公共的につくるべきではないか、こういう意見が大きくあります。それから全く別の見地でありますが、こんなものは一切要らないという意見もございました。
 こういうふうな中で、郵政省、我々としては、やはり何らかの形で意見を聞く独立の苦情対応機関というのが必要だと考えておりまして、どのようなつくり方が適切かということは、現在各界の意見を聞きながら検討しておるところでございます。
○山田俊昭君 確かに放送が国民に与える影響力というのは大きいわけでありまして、人権侵害がいささかもあってはならないことだと思います。
 今るる説明されたんですが、いわゆる苦情処理機関を設ける、訴訟に行く前の段階で解決しようということで。今郵政省がおっしゃっているところの第三者苦情処理機関を設置しようということで、その第三者が、やっぱり人権侵害、放送規制が大きいんじゃないか、だから自主的規制に待たざるを得ないんじゃないかという意見、声が大きいわけですが、それを聞こうとする郵政省はお気持ちはないんですか。
○政府委員(楠田修司君) 第三者の意見を聞くということは、基本的に、例えばこの懇談会の中で……
○山田俊昭君 いや、第三者機関を設けて放送に対する規制、いわゆる放送事業者だけじゃなくて、個人的な、自主的な規制じゃなくて、第三者がそれを規制していくという。
○委員長(渕上貞雄君) 答弁者は的確にひとつ答えるように。
○政府委員(楠田修司君) 第三者がやるということになりますと、例えば国がお金を出して公共的な機関をつくるという案もございました。しかし一方の意見として、国がそういうものをつくるのは表現の自由に反する、報道の自由に大きな影響を与えるのではないかという意見も一方ではございました。
○山田俊昭君 その意見に従う意思はないかという質問なんですが、いいです。
 非常に難しい問題でございますので、十分な配慮をされた処理を希望いたします。
 次に、俗悪番組に対する青少年への影響という観点からこれまでも何度か質問させていただいているんですが、いよいよアメリカではVチップ導入に伴う番組格付制度というのが一月から始まったというふうに聞いております。要するに、六ランクに分けて親が子供に見せることのできる番組を判断する機械を設置しようということのようでありますけれども、我が国においてはこのVチップ制度をどうお考えかとかって私が質問した段階では、まだ検討最中であるというようなお話を伺ったように記憶しているわけですが、現在いかがでしょうか。
 Vチップ制度の日本導入の件と、それとさらに、ことしの四月からアダルト放送が始まるというふうに聞いておるんですけれども、デジタルCS放送はいろいろと青少年への影響面を考慮して、スクランブルをかけた上、受信機に暗号番号を打ち込んでペアレンタルロック方式なんという方式を採用いたしまして、ある程度親が操作できるような方法を取り入れているというふうな配慮をされた制度だとも聞いているわけですけれども、郵政省はこの俗悪番組と青少年への影響という問題に対してどう対応されているのか、この点も簡単にお答えください。
○政府委員(楠田修司君) この青少年に対するテレビの影響ということで、Vチップの件につきましても先ほど申し上げました懇談会で検討いたしました。その中で、評価としましては、視聴者が能動的に番組を選択できるのは非常に有益であるというふうに評価したわけであります。
 しかしながら、このVチップを導入しますには、日本の、諸外国もそうでありますが、番組のレーティングというものを自主的にやらなきやならぬわけであります。米国ではもう既に番組のレーティングというシステムはできておりますが、日本はまだこれはございません。そういうことで、事前表示、番組のレーティングの積み重ねがまだないということで、今すぐにこのVチップを例えば法律制度として導入するのは時期尚早であろうということになりました。いわばアメリカの運用状況等を見つつ、日本の国情を見つつ考えていくというのが現在の我々の考え方でございます。
 一方、CSのデジタル放送であろうかと思いますが、ここで青少年へ影響するような、いわゆる俗悪番組と言っていいのかどうかちょっと私はわかりませんが、先生がおっしゃるのは恐らく大人向きの番組、いわゆるアダルト番組の件ではないかと思います。
 この件につきましては、何が俗悪かということのいろいろ判断が難しゅうございます。じゃ何ができるかといいますと、やはりこのVチップのように子供に見せないようにするということが非常に大事でありまして、これにつきましてはこのCSデジタル放送というのは皆全部有料放送でありまして、かっデコーダーがついております。その中にペアレンタルロック、親のかぎ、親がかぎをかけられるということができるわけであります。したがいまして、親が暗号番号を知って、それを解除しない限り子供は見ることができない。そのかぎもしょっちゅう変えることができます、番号を。そういうようなものを入れてやる、こういうふうに考えております。
○山田俊昭君 わかりました。結構です。
 もう一問だけぜひ聞きたいんですが、いわゆるいたずら電話、迷惑電話、無言電話というのが非常に横行している。これ調査をしますと、調査対象の七割までが被害を訴えてきているということを聞いております。こういう状況下にあって、このいたずら電話をどう防止するか、NTTさん初め大変頭を痛められている問題だと聞いております。
 このたび、実験的にと申しますか、試験的に名古屋と横浜と福岡ですか、この三県に発信電話番号表示サービスなるものが開始されたと伺っておりますけれども、これは迷惑電話や無言電話、いたずら電話防止にどの程度の効果があるのか、そこら辺のところをちょっと聞きたいと思うんです。
 そして、今弁護士会でも識者の間でもいろいろ言われているんですけれども、やっぱりプライバシー保護という問題、個人の情報が漏れてしまうんじゃないかという悪弊害も片一方にはあると。したがって、NTTさん苦心の作であるけれども、これを全国、通話する相手先に自分の番号が全部わかってしまうということは、反面大変な問題を醸し出すんだということで多くの非難も出ております。NTTさんのこのいたずら電話防止策に対する発信電話番号表示サービスなるものの功罪についての説明などがほとんど私は聞かないし、知りません。
 そういう意味においてちょっと不親切ではなかろうかという気がいたしますが、その点も含めまして、このサービス事業が実験段階から全国に行くのはいつごろなのか、どのような予定になっているのか。そして、個人情報の保護という問題を絡めまして、今後郵政省はどのようにそれの保護対策をお考えの上この制度を是認されているのか、お尋ねをいたします。
○政府委員(谷公士君) 御指摘のようないたずら電話等に対しまして、この制度が完全な特効薬になるかどうかということについてはわからないわけでございますけれども、今おっしゃいましたいろいろな問題提起の中でこういうサービスの導入の希望もあり、NTTからこういったサービスの実施について認可の申請がございました。これを電気通信審議会にお諮りをいたしまして、認可をしてよいという答申をいただいたわけでございますけれども、その際に、郵政省がガイドラインを制定するようにというふうなことについての御意見をちょうだいいたしました。
 それで、私どもといたしましてはガイドラインを設定いたしまして、そしてこれを関係方面に周知しておるところでございまして、この問題につきましては、御指摘のように個人情報の保護といいますか、プライバシーの保護といったような非常に大きな問題もあることでございますから、この問題の取り扱いにつきましては、こういったガイドラインの実施状況あるいは現在NTTがやっておられますサービスの状況等を見まして制度的な対応は考えるべきだろうと考えております。
 それで、NTTのサービスそのものでございますけれども、サービスそのものにつきましては、現在、御指摘のように横浜、名古屋、福岡の三地域で試験サービスとして開始しておりまして、この中で加入者の方は全部で四百十万人ぐらいの方がいらっしゃるわけですけれども、受信者としてこの番号表示サービスをお受けになる方は一万一千人ぐらいの方でございます。
 ことしの六月ころまでこの試験を継続いたしまして、その状況を踏まえまして、御指摘のプライバシーの保護にも配慮してこのサービスが円滑に実施できますように対応してまいりたいと思いますが、実施の時期といたしましては年内ということを考えておるところでございます。
○山田俊昭君 年内全国実施ということで、一般の方が余り知られていないので、いささか今驚いているような次第でございますけれども、自分が電話をかけまして自分の電話番号を相手に知られたくないというのが、これもNTTの調査かどうかあれですけれども、一七・九%もあると聞いているんです。そこら辺のところ、自分の電話番号を教えたくないときには一八四でしたか、イヤヨということでかければ、自分の電話番号を相手に知らせなくて済むということにもなっているようでありますが。
 痛しかゆしで大変な御苦労はよくわかりますけれども、ぜひプライバシー保護ということを十分に考慮された形での運用を期待いたしまして、私の質問を終わります。
○水野誠一君 新党さきがけの水野でございます。
 もう既に各委員からいろいろな質問が出ておりまして、最後の質問者というのはいつも重複しない質問を考えるのは大変苦労するところでありますが、私は、今回のストックオプションの導入について伺わせていただきたいと思います。
 今国会に上程されております特定通信・放送開発事業実施円滑化法、以下略して円滑化法と申し上げたいと思うんですが、これの一部改正によって、同法に基づく郵政大臣の認定を受けて通信・放送新規事業を実施する株式会社についてストックオプション制度の導入が認められるということになります。
 私は、昨日の大臣の所信表明の中でもメガコンペティションということを想定されているという中で、とりわけ昨今言われております空洞化の問題、これは単に生産の空洞化ということだけではなくて、金融あるいは資本の空洞化ということにあわせて技術、さらに言えば頭脳の空洞化ということが日本にとって二十一世紀は大きな問題になるという認識を持っております。
 そういうことから考えますと、昨年通産省から出されました所管事業についてのストックオプション制度の導入ということから一年おくれでの実施といいますか、法制化ということになるわけでありまして、私は、やや遅きに失している感もある中で大いにこれを推進していただきたいというふうにも思っております。
 ただ、今回のストックオプションが認められるのは円滑化法に基づく郵政大臣の認定を受けた法人に限られるということであります。その認定の条件として、我が国で初めて行われる新規事業であるという必要がある。これは、この円滑化法自体が平成二年に施行されて、これが六年経過をしているんですが、現在に至るまで認定実績が十一件しかない。これも私は、やはり実績数としてはちょっと少な過ぎるんじゃないかというような気がいたします。
 ともかく、ストックオプションということの目的、その前に円滑化法の目的というのは技術育成ということにあるわけでありますが、このストックオプションの目的というのは、さらに言えばアメリカンドリームという言葉もありますが、大いなるジャパニーズドリームを二十一世紀に持てるような、与えるものにしていきたい。そしてまた、本来ストックオプションというもの自体が企業の自主的な裁量に任せるべきものだということ等を考えていったときに、余りその条件が狭き門になってしまう、非常に厳しい条件になってしまうということは、ストックオプション制度を進めていく上で大変問題があるんではないかなというふうに思っております。
 これは、今後の運用でどういうふうにその辺が改善されるかということに対しての期待もあるわけでありますが、その点について、郵政省あるいは大臣から御見解を例えればというふうに思っております。
○政府委員(木村強君) ストックオプション制度、いわゆる新株発行方式によります成功報酬制度ということで、新規産業創出のための人材確保の切り札、あるいは経済構造改革のための新しい風を吹き込むんだということで、アメリカでは、これは放送・通信分野であるとか工業分野であるとか限らずに一般的にどんな企業であってもということで、もう既に七五%の企業がこの制度を導入しておりまして、アメリカの一つの大きな経済の回復といいますか、発展の原動力になっておる制度であります。
 今、先生から御指摘がありましたように、日本では、一昨年通産省の方が、鉱工業といいましょうか、通産省の所管の分野につきましてこの制度を導入するということで、法律を改正されましてスタートいたしております。
 私どもは、今国会にお願いをしようということで出させていただいておるわけでありますけれども、私どもがおくれた理由というのは、インターネットあるいは放送デジタルチャンネルというのが最近、この一、二年に急速に伸びたということもございまして、タイムラグがあったということであろうと思います。
 ただ、この制度は現在、商法の特例ということで円滑化法の改正をお願いしておるわけでありまして、株主公平の原則に例外的なものだということで、特に人材確保のために有利な株式の発行をやろうという制度でありますから、現時点ではどんな事業にもということじゃなくて、郵政省の新規性を要する通信・放送のいわゆるベンチャー的企業なんだということでありますので、その部分に限ってはやはり郵政大臣の認定が必要だろうと。例外規定ということで行うことになりますので、その部分に限って郵政大臣の認定が必要だということでありますけれども、中身はあくまで新しい風を吹き込んで企業の活性化を図ろうということですから、当然その運用に当たりましてはこれが生かされるような柔軟な運用の方法を考えたいと考えております。
 いずれにしましても、出資だとか債務保証だとか、国のお金がこの会社に飛んでいくわけではありませんので、そういう面でも会社の主体性を発揮できるような運用というものを心がけてまいりたいと考えております。
○水野誠一君 また、円滑化法について申しますと、テレコム投資事業組合を活用した投資促進というようなプログラムもあると聞いております。これも、大いに民間企業から多額の組合の共同出資を期待するものでもあるということで、私は、ここでも認定企業というものが余り狭き門になり過ぎることのないように、育成という意味からもその辺の運用については適切な措置をお願いしたいというふうに思っております。
 次に、PHSあるいは携帯電話の問題について伺いたいと思います。
 今、世界における移動体通信の普及状況等を見てまいりますと、欧州の携帯電話統一規格でありますGSMというシステムがある。欧州各国のほかに、アジア、中近東、アフリカなど八十カ国あるいは八土地域でも採用されて、事実上の標準、つまりデファクトスタンダードとなっていると言われています。それに比べまして、我が国の独自規格でありますPDCというのはその開発がおくれて国際普及にかなり出おくれてしまったと言わざるを得ないと思います。世界の移動体通信、移動電話というのは、現在一億数千万台だと言われておりますが、アジアを中心として今後もますます増加していくというふうに考えてよろしいと思います。
 その中で、国産技術があり、かつ設備投資が携帯電話に比べて非常に小規模で済むPHSが、アジア地域を中心としてこれから大いに発展する可能性があるというふうに期待をしているわけでありますが、これは御存じのように、アジアという中では電話網の整備がおくれている、だからこそその可能性があるということなんですが、携帯電話よりも開発が遅かったにもかかわらず、今PHSは、香港、シンガポール、インドネシア、中国等十三カ国で導入が決定しているというふうにも聞いているわけであります。ここには大いに期待をしていきたいと思います。
 PHSの海外普及に関しては、九六年の七月にPHS・MOUグループが、郵政省、シンガポール電気通信庁や国内外の事業者、メーカー等五十七機関の署名によって発足し、九七年度末までに具体的な技術仕様をまとめて各国に採用の働きかけをするプログラムになっているというふうに聞いているわけでありますが、その中で、海外向けPHSをヨーロッパのデファクトスタンダードでありますGSMと共用にするという話、そういう案もあるということも聞いております。このあたりについても少し補足というか説明をいただきたいと思うんです。
 一方で、本日の日経新聞に、日本国内における携帯電話で米国方式を追加すると。米方式はCDMAという方式だと言われておりますが、これを導入するというようなことを郵政省が検討されている。そんなことも聞いております。
 しかし、そういう記事を見る中で、それじゃなぜアジアとの共通性の高いGSMの導入ということが検討されなかったのか。あるいはアジアではPHSとGSMの共用ということも検討されているということでありますが、日本国内ではどんなふうにお考えになっているのかということをぜひ伺いたいと思います。
 それから、PHSの海外普及戦略全般の中で、いろいろ皆様のお考えもあろうと思うんですが、日本国内における次世代移動電話、これは何か私の伺うところによるとIMT二〇〇〇というような計画もあるというふうにも聞いておりますが、これが具体的にどれくらい進展しているのか。また、そういう意味では、我々が自分たちの携帯電話を持ってアジア諸国、海外へ出かけていって、その移動体電話機を海外でも使えるような、そういう実現というのがいつごろから可能になっていくのかというあたりも含めて、ぜひ郵政省のお考えを例えればと思います。
○政府委員(谷公士君) まず最初に、PHS・MOUグループの動きでございますけれども、このグループにおきましては、電話網の敷設がおくれております開発途上国での無線加入者線システムとしての活用と、それから、ただいま御指摘ございました、既にアジア等の多数の国で採用されております欧州のGSMという携帯電話の方式との端末の共有の実現といったことを推進していこうということで取り組んでおられます。
 それで、端末の共用の問題でございますけれども、私どもといたしましても、PHSの海外展開を一層強力に進めるという観点から、MOUグループとPHS、GSMの共用端末を実現するための活動を一月から開始いたしております。
 この共用端末は海外への導入を目的としておるわけでございますけれども、これが実用化いたしますと、日本国内においても使用できることになるわけでございます。ただ、日本国内ではGSM方式はございませんが、日本国内ではPHSを使い、例えばアジアへ出かけられるときには、その端末を持っていってGSMのサービスを受けられるという可能性もあるわけでございまして、そういうことは期待できると思っております。
 それでは、日本に対してGSMの方式を導入できないのかどうか、またアメリカの方式を導入するのはなぜかという御指摘でございますけれども、これはいずれば先ほど御指摘ありましたIMT二〇〇〇といいます新しいシステムにかわるわけでございますけれども、それまでの段階におきましても、昨今の非常に急激な携帯電話の加入増加があるわけでございまして、その意味で周波数の一層の有効利用ということが必要になってきております。
 電気通信技術審議会で携帯電話の周波数有効利用方策について御審議をいただいておるところでございますけれども、この有効利用方策の一つといたしまして、現在アナログ方式で使われております携帯電話の周波数をデジタル方式の周波数に切りかえていくということが提案されてきております。
 ではその際に、どのような方式でこれを実施していくかということになるわけでございますが、現在、日本のデジタル方式でございますPDCをお使いになっておられます携帯電話事業者の方々が、国際的にも普及しつつあります。アメリカで開発されましたCDMA方式のデジタル電話をこの帯域に導入してほしいという希望をお持ちでございまして、その希望を実現するという方向で今電気通信技術審議会で御審議をいただいておるというところでございます。
 それでは、希望はそういうことであるわけでございますが、欧州方式のGSMがなぜ導入できないか。それは御希望がないということも一つあるわけでございますが、その理由といたしましては、現在アナログ方式でサービスを提供しておられます携帯電話の事業者の方々がお使いになっておられます。波数の使い方とGSMの周波数の使い方との関係から、この方式の導入が難しいということで、アメリカで開発されましたCDMAの方式の導入を希望されているという次第でございます。
 それから、IMT二〇〇〇でございますけれども、これは一九九九年までに国際的に標準化を決めるということになっておりまして、私どもといたしましては、それに間に合うように検討を進めてまいりたいと考えております。
 このシステムができますと、準動画が送れる二メガビットの高速サービス、それから固定網並みの高品質ということが実現されますし、それから国際的に共通の周波数で共用のシステムということになりますものですから、先ほどお話しございましたように、世界じゅう移動いたしましてもこれが使えることになるということが期待されるわけでございます。
 昨年十月から、次世代移動通信システムに関する調査研究会というものを省内に設けまして、本年五月を目途にして標準化方針などを取りまとめようとしております。
 また、国内だけではなく、アジア、欧米を含めた各国とも協力をいたしまして、積極的にこの国際標準化に寄与していかなきやならぬということで今取り組んでおるところでございます。
○水野誠一君 ともかく、そういう意味で、世界とつながる共通性を持った次世代携帯電話ということを大いに御研究をいただきたいと思います。
 次に、放送のデジタル化についてお尋ねをしたいと思います。
 昨年の十二月に衛星デジタル放送技術検討会より報告書が提出されました。BS4後発機の運用時期、これは二〇〇〇年ごろを想定しているようでありますが、この運用時期から衛星デジタル放送技術の動向が報告されております。この報告書を見ますと、BS放送においては、一トランスポンダーで二チャンネルのデジタルHDTV放送が技術的に可能になるということであります。
 また、昨年十月からBS4後発機検討会が郵政省内に設置をされた。後発機の具体的利用方法については、今月の二十八日に報告書がまとめられるというふうにも聞いております。
 このBS放送こそが衛星放送の主力であります。そしてまた、それゆえにBS4後発機の利用方法というのが、将来の我が国における衛星放送のあり方を決定すると言っても過言ではないほどの重要性を持っていると理解をしております。
 CS放送のデジタル多チャンネル放送の急速な普及など、世界の衛星放送の流れを見てまいりましても、BS4後発機のデジタル化ということは必定ではないかと私は思っておりますが、この点について、できますれば大臣の御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(楠田修司君) BS放送というのは、現在既に約一千万世帯が視聴しております。これはアナログでありまして、NHKが二つ、それからWOWOW、それからハイビジョンの実用化試験放送ということで今進んでおるわけであります。
 先生御指摘のBS4の後発機というのは、BS4の今やっておるものは先発機で、そのまま十年間継続するということで間もなく上がりますが、日本は八チャンネル持っておりまして、後の後発機で四チャンネル、四トラポンをどうするかということでこれまで検討してまいったわけであります。もともとこれは、アナログでやるということを一度は電波監理審議会で御答申いただいたわけでありますが、その後、世界の情勢が非常に大きく動いたという中で、先生今御指摘のように、昨年から検討会を開いてやってきたわけであります。
 その技術検討会の中では、三年前はできないと言われていたいわゆるハイビジョンのようなハイディフィニション、高精細のデジタル放送がこのBSでできる。しかも、一つのトランスポンダーで二チャンネル、前の倍とれる、こういうこともわかったわけであります。
 それともう一つは、今は皆アナログで聞くようにつくった受信機、中はデジタルでありますが、これがデジタルになったら全然使えないんではないかということに関しましては、デジタルの衛星が上がったときは、それはコンバーターといいますか、そういうものをつければ聞くことができるようになる。これも量産すれば数万円単位のものになるというようなことも報告されました。
 そういうふうな状況の中で、ちょうどこの二十八日に、これからはどういうふうな形態にするのか、デジタルにするのかアナログにするのかもそのときに結論を出します。かつ、それと同時に、どういう人たちがそういう放送をするのかという事業主体の問題、それから制度のあり方といいますか、今のような形でハードとソフトを一体でやるのか、CSデジタルのように分離するのか、こういうふうな問題もあります。それから、もしデジタルということになりますとサイマルということをやらなければなりません。今アナログでやっているものを将来はデジタルに十年ぐらいかけてでも移すという措置もとらなきやならない。
 こういうふうなことを二十八日に出すということでございまして、これが出されますと、直ちに手続にとりかかりまして、電波監理審議会にかけ、五月末には答申をいただいて、その時点で行政の方向がはっきり決まる、こういうことになる予定でございます。
○水野誠一君 手続はわかっているんですが、郵政省としては、時代の流れとか趨勢ということも踏まえてどういうふうにお考えか、できれば大臣に一言お答えをいただきたい。
○国務大臣(堀之内久男君) 先ほどから先生の御意見を承っておりましたが、全く私も同感でございます。放送のデジタル化はもう避けられない大きな流れでございます。
 したがって、郵政省といたしましても、衛星放送を初め、CATV、地上放送を含めた全放送メディアのデジタル化に積極的に取り組んでまいる所存であります。
○水野誠一君 ありがとうございました。
 次に、郵便番号の七けた化について伺いたいと思います。
 七けた化というのは来年二月導入ということで、もうあと一年余りとなっているわけでありますが、平成九年度予算案には七百二億九千四百万円という大変大きな経費が計上されているわけです。これは、取扱量の大きい集配事務を行っております郵便局に今後十年かけて新型の区分機千五百台を導入していく。同時に、バーコードによる印字及び読み取りを行って、集配・配達部門の機械化の推進と人的労務の軽減を図るということでありますが、七百億円という巨費を投じるということは、今、国家の財政構造改革が重要課題である中、その費用対効果というものがいかがなものなのかということで関心を持っているところであります。
 十年かかって入れかえていくということでありますが、その全体の投資額と人的あるいは経済的コスト削減効果等の具体的なデータというものをきちんとお示しいただいて、国民一般への周知を徹底していくべきではないでしょうかというふうに思います。そういう意味で、大体大まかのところでもよろしいんですが、お答えをいただければというふうに思います。いかがでしょうか。
○政府委員(内海善雄君) 先生おっしゃいますように、来年度予算としまして七百億円ばかりを計上させていただいているわけですけれども、新郵便番号のトータルの計画といたしまして、大体千局ぐらいのところに千数百台の区分機を十年かかって導入していくと。しかし、最初の一、二年の早い時期にできるだけたくさんの区分機を導入して、あと小さい局まで普及させていく、こういうことを考えております。
 そのトータルで要する経費というものは、従来から機械化等をやっておりますので、新郵便番号で変わるがために追加的に必要な経費というのが私どもの試算では大体二千億円強というふうな数字で考えております。これも入札でやりますので、ここではっきり幾らになるというような話ではないんですけれども、考えているところはそれぐらいのことになるかなと。
 そして、こういう経費だとか減価償却費あるいは国民の皆さんに書いていただくためにやっぱり周知宣伝をしなきゃいけませんし、それから郵便番号も各戸へ配付しなきゃいかぬ。この郵便番号だけでも何十億という経費がかかるんです。さらに、バーコードを印字していただいた方には割引のようなもので、できるだけ書いていただくと。そうすると、私どもの方の手数も非常に減る、コストが削減されると。そういう割引の料金等もトータルで計算します。そして、機械化されることによって労働力が削減される。八千人ぐらい削減されるというふうに見込んでおるんですけれども、それをトータルいたしますと、今の郵便の伸び率というふうなことを考えていきますと、大体二千億円ぐらいの経費が浮くというようなことを考えております。
 しかし、郵便部数がどんどんふえていきますと、人力をそれ以上投入することはできませんから、機械がどんどん処理してくれるということで経費はもっと浮いてくるというわけですが、現時点では大体二千億円ぐらいの経費が削減されるということを見込んで鋭意やっているところでございます。
○水野誠一君 ありがとうございました。
 二千億かけて二千億浮くというのは非常にアバウトといいますか大まかなお話でありますが、今後また、こういう問題のシミュレーションについては機会を設けて伺っていきたいというふうに思います。
 現在、信書の取り扱いについては郵便のみ可能ということになっておりましたが、昨今規制緩和のいろいろな議論の中で、郵便事業の民営化あるいは民間宅配業者の信書の取り扱いを認めるべきだというような意見も一方では出てきているわけであります。私は一概に郵便事業の民営化というものを求めるものでは決してありませんが、やはり国民全体の利便と行政の効率化という視点から、ここで一度何らかの根本的な検討を行ってみるタイミングではないかと考えております。
 日本の経済システム全体の見直しが行われている昨今でありますが、今だからこそ郵政省は、今回のこの七けた化の問題これ一つ取り上げても、郵便事業の革新について、その手続あるいは内容の透明性ということを十分に図り、国民も巻き込んだ議論にしていかなければいけないんではないかなというふうに思っております。
 この民営化の問題あるいは今たまたま御質問をした七けた化の問題等も含めて、最後に、大臣から一言御見解を伺わせていただければと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま水野先生から御指摘の問題でありますが、今後、全国あまねく公平に安価で良質な郵便サービスを提供するというのが郵便事業の使命と考えておるわけであります。
 そうした意味で、新郵便番号制はお客様にもお手数をおかけし、またかなりの設備投資が必要になるものでありますが、御案内のとおり、郵便は人力に依存する度合いが極めて高いわけでございます。その効率化、合理化を図るためにはどうしてもこのような投資、そしてまたユーザーの方にもたくさんの御迷惑をおかけするわけでありますが、今後私どもは、将来とも安価で良質なサービスを提供していくというためにはぜひともこうした制度を導入していかなければならない、こういうように考えておる次第でございます。
 私どもは、今後一国会理化を図り、そして国民に広くサービスを提供する方向で精いっぱいの努力を傾けていきたい、こういうように考えております。
○水野誠一君 ありがとうございました。
○委員長(渕上貞雄君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十二分散会