第140回国会 予算委員会 第2号
平成九年一月三十日(木曜日)
   午前九時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     石渡 清元君     竹山  裕君
     岩永 浩美君     山崎 正昭君
     長谷川道郎君     高橋 令則君
     菅野 久光君     本岡 昭次君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     清水 澄子君     大脇 雅子君
     山田 俊昭君     島袋 宗康君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        大河原太一郎君
    理 事
                片山虎之助君
                佐藤 静雄君
                斎藤 文夫君
                田沢 智治君
                木庭健太郎君
                都築  譲君
                横尾 和伸君
                山本 正和君
                有働 正治君
    委 員
                阿部 正俊君
                板垣  正君
                加藤 紀文君
                金田 勝年君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                関根 則之君
                竹山  裕君
                武見 敬三君
                谷川 秀善君
                成瀬 守重君
                野間  赳君
                真鍋 賢二君
                山崎 正昭君
                依田 智治君
                石田 美栄君
                市川 一朗君
                牛嶋  正君
                菅川 健二君
                田村 秀昭君
                高野 博師君
                高橋 令則君
                戸田 邦司君
                浜四津敏子君
                大渕 絹子君
                大脇 雅子君
               日下部禧代子君
                照屋 寛徳君
                川橋 幸子君
                小島 慶三君
                本岡 昭次君
                藁科 滿治君
                上田耕一郎君
                緒方 靖夫君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       内閣総理大臣   橋本龍太郎君
       法 務 大 臣  松浦  功君
       外 務 大 臣  池田 行彦君
       大 蔵 大 臣  三塚  博君
       文 部 大 臣  小杉  隆君
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
       農林水産大臣   藤本 孝雄君
       通商産業大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官事務代理)   佐藤 信二君
       運 輸 大 臣  古賀  誠君
       郵 政 大 臣  堀之内久男君
       労 働 大 臣  岡野  裕君
       建 設 大 臣  亀井 静香君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    白川 勝彦君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 梶山 静六君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  武藤 嘉文君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       稲垣 実男君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       麻生 太郎君
       国務大臣
       (環境庁長官)  石井 道子君
       国務大臣
       (国土庁長官)  伊藤 公介君
―――――――――――――――――――――
       会計検査院長職
       務代行
       検 査 官    疋田 周朗君
―――――――――――――――――――――
   政府委員
       内閣参事官
       兼内閣総理大臣
       官房人事課長   安富 正文君
       内閣審議官    及川 耕造君
       内閣官房内閣外
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房外政審議室
       長        平林  博君
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局総務
       主幹       梶田信一郎君
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       管理局長     尾木  雄君
       人事院事務総局
       給与局長     武政 和夫君
       人事院事務総局
       職員局長     佐藤  信君
       阪神・淡路復興
       対策本部事務局
       次長       生田 長人君
       警察庁長官官房
       総務審議官    山本 博一君
       警察庁生活安全
       局長       泉  幸伸君
       警察庁刑事局長  佐藤 英彦君
       総務庁長官官房
       長        河野  昭君
       総務庁人事局長  菊池 光興君
       総務庁行政監察
       局長       土屋  勲君
       防衛庁参事官   藤島 正之君
       防衛庁長官官房
       長        江間 清二君
       防衛庁防衛局長  秋山 昌廣君
       防衛庁人事局長  大越 康弘君
       防衛庁装備局長  鴇田 勝彦君
       防衛施設庁長官  諸冨 増夫君
       防衛施設庁総務
       部長       伊藤 康成君
       防衛施設庁施設
       部長       首藤 新悟君
       防衛施設庁建設
       部長       竹永 三英君
       防衛施設庁労務
       部長       早矢仕哲夫君
       経済企画庁調整
       局長       土志田征一君
       経済企画庁国民
       生活局長     井出 亜夫君
       経済企画庁総合
       計画局長     坂本 導聰君
       経済企画庁調査
       局長       中名生 隆君
       科学技術庁長官
       官房長      沖村 憲樹君
       科学技術庁長官
       官房審議官    興  直孝君
       科学技術庁研究
       開発局長     落合 俊雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    池田  要君
       環境庁企画調整
       局長       田中 健次君
       環境庁自然保護
       局長       澤村  宏君
       環境庁水質保全
       局長       渡辺 好明君
       沖縄開発庁総務
       局長       嘉手川 勇君
       国土庁計画・調
       整局長      塩谷 隆英君
       国土庁防災局長  福田 秀文君
       法務省刑事局長  原田 明夫君
       外務大臣官房長  原口 幸市君
       外務省総合外交
       政策局長     川島  裕君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     朝海 和夫君
       外務省アジア局
       長        加藤 良三君
       外務省北米局長  折田 正樹君
       外務省欧亜局長  浦部 和好君
       外務省経済局長  野上 義二君
       外務省経済協力
       局長       畠中  篤君
       外務省条約局長  林   暘君
       大蔵大臣官房長  涌井 洋治君
       大蔵省主計局長  小村  武君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部大臣官房総
       務審議官     富岡 賢治君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       文化庁次長    小野 元之君
       厚生大臣官房長  近藤純五郎君
       厚生省保健医療
       局長       小林 秀資君
       厚生省社会・援
       護局長      亀田 克彦君
       厚生省老人保健
       福祉局長     羽毛田信吾君
       農林水産大臣官
       房長       堤  英隆君
       農林水産省構造
       改善局長     山本  徹君
       農林水産省農産
       園芸局長     高木  賢君
       食糧庁長官    高木 勇樹君
       水産庁長官    蔦田 道夫君
       通商産業大臣官
       房長       広瀬 勝貞君
       通商産業省環境
       立地局長     稲川 泰弘君
       運輸大臣官房長  土井 勝二君
       運輸省運輸政策
       局長       相原  力君
       運輸省鉄道局長  梅崎  壽君
       運輸省海上技術
       安全局長     山本  孝君
       運輸省航空局長  黒野 匡彦君
       海上保安庁長官  土坂 泰敏君
       郵政大臣官房総
       務審議官     高田 昭義君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省労働基準
       局長       伊藤 庄平君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設省河川局長  尾田 栄章君
       建設省道路局長  佐藤 信彦君
       建設省住宅局長  小川 忠男君
       自治大臣官房長  谷合 靖夫君
       自治大臣官房総
       務審議官     嶋津  昭君
       自治省行政局選
       挙部長      牧之内隆久君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  湊  和夫君
       事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
   法制局側
       法制局長     田島 信威君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第四局長   小川 光吉君
   参考人
       日本銀行総裁   松下 康雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成八年度一般会計補正予算(第1号)(内閣
 提出、衆議院送付)
○平成八年度特別会計補正予算(特第1号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成八年度政府関係機関補正予算一機第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成八年度補正予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。
 質疑は二日間行うこととし、総括質疑方式とすること、質疑割り当て時間の総計は二百八十五分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党六十六分、平成会百二十分、社会民主党・護憲連合十七分、民主党・新緑風会四十分、日本共産党三十一分、二院クラブ十一分とすること、質疑順位についてはお手元に配付しておりますので、よろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成八年度補正予算三案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁松下康雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 平成八年度一般会計補正予算(第1号)、平成八年度特別会計補正予算(特第1号)、平成八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。田村秀昭君。
○田村秀昭君 おはようございます。総理初め閣僚の皆様、連日大変御苦労さまでございます。平成会の田村でございます。
 まず、質疑に入る前に、友部議員の件につきまして、平成会を代表して、決意を述べさせていただきたいと思います。
 友部議員の詐欺被疑事件にかかわる逮捕はまことに遺憾であります。平成会は、一月二十八日、議員友部達夫君に対し、国会議員としての政治的、道義的責任を明らかにするため、潔く議員の職を辞し、国民の前に陳謝の意をあらわすべきことを内容とする本院議員辞職勧告決議案をうよう参議院議長に要請いたしました。捜査当局の厳正な調査を見守る所存であります。さらに、新進党は国民の御理解を得るべく独自の調査を行っておりますが、何よりこのような不祥事件が再び繰り返されないよう、強い決意を表明するものであります。
 引き続いて、公務員の構造汚職問題と公務員倫理法の制定につきまして御質問させていただきます。(「そんなこと言えた柄かよ」と呼ぶ者あり)静かにしろ。(「そんなこと言えるのか」「とんでもない話だよ」と呼ぶ者あり)あなたと議論しているんじゃないんだから。
○委員長(大河原太一郎君) 静粛に願います。
○田村秀昭君 先般の岡光前厚生事務次官の収賄事件による逮捕に引き続いて、二十二日、服部元運輸事務次官が逮捕されました。このような一連の高級公務員の構造汚職の発生について、総理の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 公務員が国民全体に対する奉仕者であること、そしてその職を行うに当たりまして、いやしくも国民の疑惑や不信を招くような行為があってはならないことは当然のことであります。にもかかわらず、昨年来、公務員に対する国民の信頼を失墜させるような事案が相次ぎましたこと、本当に遺憾なことでございます。
 特に、議員からも今御指摘がありましたように、元事務次官という公務員として最高の職を占めた者が退職後とはいいながらこのような事件によって逮捕される、こうした事態が発生をいたしましたことにつきましても、まことに遺憾なことだと思います。
○田村秀昭君 泉井石油商会事件の捜査の状況について、捜査当局からどういう状況かお尋ねしたいと思います。
○政府委員(原田明夫君) お答え申し上げます。
 お尋ねの泉井純一氏に係る事件に関しましては、東京地方検察庁におきまして、平成八年十一月二十七日に所得税法違反で、また平成九年一月二十九日に詐欺罪でそれぞれ起訴をいたしましたほか、関西国際空港株式会社法違反、これは贈収賄でございますが、その容疑で同氏及び同社の前代表取締役社長を逮捕いたしまして、現在捜査中であると承知しております。
 検察当局におきましては、事案の解明に向けまして引き続き鋭意所要の捜査を進めまして、法と証拠に基づきまして適正に対処するものと存じます。
○田村秀昭君 この泉井事件というのは、通産省の高級官僚の癒着問題とか、二十数名にわたる政治家に対する献金問題が指摘されております。よって、泉井事件については、今おっしゃいましたように、幅広く徹底した事実関係の究明を行うべきだと私は考えますので、もう一度捜査当局のそれに対する御返事をお願いしたいと思います。
○政府委員(原田明夫君) お尋ねは検察当局の今後の捜査の中身と申しますか、その状況についての事柄でございまして、基本的にどのような事項につきまして捜査当局が捜査をしてまいるかという点につきまして、あらかじめ法務当局としてお答え申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。
 ただ、検察当局におきましては、捜査の過程におきまして刑罰法令に触れるような具体的な容疑事実が判明いたしますれば、改めて申し上げますけれども、法と証拠に基づきまして適正に捜査処理してまいるものと存じます。
○田村秀昭君 総理にお尋ねいたしますが、このような高級公務員の構造汚職の防止については、公務員の倫理法を平成会の平井会長がお尋ねになりましたけれども、もう一度、その倫理法を制定する必要があるのじゃないか、不正な手段を使うことができにくいシステム、そういうものを構築していく必要があるんじゃないかと考えますが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 公務員の綱紀粛正の問題につきましては、昨年来、本院におきましてもしばしば御論議をちょうだいいたしました。そして、政府としてこれを厳しく受けとめながら、一体どうすれば本当に実効の上がる永続性のある綱紀粛正策というものを講ずることができるか真剣な検討を行いました結果、昨年の十二月、その方策につきまして事務次官等会議申し合わせを行ったところでございます。
 この申し合わせに基づきまして、全省庁におきまして法規範性を持つ訓令として制定された公務員倫理規程の厳格な遵守を図ることなどによりまして、政府を挙げて綱紀粛正を徹底しながら国民の信頼を回復するよう努力をしていきたいと考えております。
 今、公務員倫理法というお話がございましたが、関係閣僚会議、懇談会におきましては、そうしたものも視野に入れながら議論をしてまいりました。我々としては、その議論は当然のことながら残しておるわけでありますけれども、さきに制定されました公務員倫理規程の厳格な遵守によりまして、そうしたものが必要にならないことを願っておりますし、直接各省庁の職員の服務を統括する各大臣とともに政府が一体となりまして綱紀粛正の徹底に努力していきたいと考えております。
○田村秀昭君 総理のそういう精神論のお話がございましたけれども、そういう時期をもう既に過ぎていると私は強く思っておりますので、その倫理法の制定に全力を挙げていただきたいと考えております。
 予算につきまして、平成会の反対の理由を申し述べさせていただきます。
 財政法によりまして、「特に緊要となった経費の支出」というのが補正予算の本旨でございますが、阪神大震災関連、O157関連、SACO関連以外のものは緊要と考えられません。さらに、本質的には旧態依然たる土木事業、公共事業中心の歳出と、一兆六千億円の国債発行に依存した歳入対策であり、経済再建の道に逆行するというふうに考えております。特に、タンカー流出油事故緊急対策費等は盛り込まれなきゃならないと考えられますが、それも計上されておらず、このようななし崩し的補正予算には反対であります。
 引き続いて、総理の政治姿勢について三点ほどお聞きしたいと思います。
 総理の施政方針演説をよくお聞きして、非常に立派なことを言っておられると思うんですが、二十一世紀を見据えた国際的な視野が完全に欠落をしている。国際社会で生き残るための戦略的な視点に立った思考がなされていない。さらに、国家戦略もない。改革改革と言っておられますが、六つの改革を言っておられますが、改革できるような予算編成になっていない。旧来のシステムを温存して既得権益を擁護しながら、微調整すればやっていけるというような政治姿勢が感じられてなりません。
 総理の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 補正予算についてのお考えを述べられながら、決意ということをお聞きいただきました。そして、あるいはもう一問お尋ねをいただくのかもしれませんけれども、国際的な感覚が欠落しているという御批評をいただきました。
 私は今、その六つの改革というものが本当に痛みを伴うものでありますけれども、これを同時並行していかなければならない、ぜひ御協力をお願いしたいと申し上げております。
 例えば構造改革と経済成長という視点からこれを考えました場合、我々は今高度情報通信の大変な発展の中におり、まさにこれで世界が一体化しようとしている状況にあるということ。一方、急速な少子・高齢化が進展をしている。同時に、産業の空洞化の懸念が生じていること。こうした問題に取り組もうといたしました場合、基本的にシステムを全面的に変えていかなきゃならないということを申し上げる、その必要はないぐらいだと思いますけれども、それぞれが入り組みながら今日の日本というものを形成している以上、私は、それぞれの分野を一体的に改革を進めていく、そう考え、お願いもし、そうした方向に対して御協力をお願い申し上げているわけであります。ぜひとも御協力を得たいと心から願っております。
○田村秀昭君 総理は、施政方針演説の中に既にきちっと改革を、今のままではだめだと言っておられるんですね。だから、よくわかっておられて私はやっておられないんじゃないかという感じを非常に強くするんです。
 我が党は、消費税三%の据え置き、こんな経済の貧血状態のときに消費税率を上げる、これは据え置こう、特別減税の継続をやろう、廃止するのをやめようということで強い要求をしているわけですが、今度の予算でぜひお聞きしたいのは、ぜひ入れなきゃならないものが入っていなくて入れてはならないものが入っているんですね。その一つはどういうことかといいますと、経済成長をさせなければ改革はできないわけですね、経済成長しないのに改革すれば必ず失業者が出るわけですから。だから、GDPをふやさなければ改革はできない。それには何をしなきゃいけないかというと、減税をしなきゃいけない、政策減税をしなきゃいけません。
 今、我が国で衣食住、文化、レジャーとありますけれども、一番豊かさを感じないのは住宅です。だから、住宅減税、土地税制を大幅に、一生のうちで二回か三回ぐらい家が買えるようにしないといけない。アメリカはそうなっていますね。それをしないで、大蔵省の主計局の言っている財政再建を優先させている。必ずリスクなく入ってくるものを大蔵省は任務としてやるわけで、当然のことであります。しかし、政治は経済再建を先行しなきゃいけないんじゃないか。そういう意味で政策減税がなされていない。それで、従来型の公共事業が依然として重要な部分に入ってきておるという点が、それでは冷えた貧血状態の経済がよくなるわけはない。
 どうして、政治の責任において経済を成長させるような国民生活水準の向上を一点に目指した個人消費の拡大をおやりにならないのか、その点だけお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今いろいろな御論議はありますけれども、我が国の経済の現状、少なくとも数字を冷静に見ていただきました場合に、設備投資は回復傾向にございます。また、これは消費税の効果が前倒しになっている、そういう御指摘は当然ありますけれども、住宅投資は高い水準で来ておりますし、個人消費も緩やかな回復傾向にございます。言いかえれば、民間需要は底がたさを増している、堅調さを増しているということでありまして、我々は景気は回復の動きを続けていると考えております。
 そうした中で、議員が今御指摘になりましたような税制、我々は確かに経済を復興させていかなければならない、成長を維持しなければなりませんけれども、同時に、だからといって安易に流れることはできないと考えております。
 財政構造を考えますとき、累次にわたる国債の発行というものが今我が国の財政をいかに硬直化させているかは議員もよく御承知のとおりでございます。そうした中でありましても、平成九年度の税制改正、回復の動きを続けております景気の足取りというものをより確かなものにする、そうした視点から、住宅・土地関連税制につきましては広範な税目に及び、住宅需要というものを刺激するための措置を講ずることとしておることは議員も御承知のとおりであると思います。
 具体的に申し上げますなら、所得税の住宅取得促進税制を当初拡充する、段階的に適正化を図っていくという見直しをする、住宅の取得等に係る登録免許税の特例を拡充する、不動産譲渡契約書等に係る印紙税の税率を引き下げていく、宅地等に係る不動産取得税の課税標準の特例措置を創設すると、国税、地方税を通じた努力をいたしておるということもあわせて申し上げておきたいと思います。
○田村秀昭君 個人消費の拡大、そして経済を成長させること以外に構造改革に成功した例はありません。クリントン政権も一九九三年には二千四百億の赤字でしたが、三年後に半分になっております。そして、成長は名目五%、実質二十八%であります。したがって改革ができるわけであります。
 それで、私は非常にこれは重要だと思うんですが、 一月二十二日のウォール・ストリート・ジャーナルに、クリントン政権の財政担当の第一責任者、ルービン財務長官が、今度の編成された日本の予算に大変失望した、なぜ消費税をさらに二%上げるのか、そういうことをすれば成長はとまってしまうだろう、GDPは一・五%下がるだろうという警告を外国の国内問題にもかかわらず現職の経済政策の第一人者がそういうことをコメントされておる。これはいまだかってなかったことであって、大変重要なことだと私は思います。
 この点について、ちょうどパートナーである大蔵大臣に、これをどういうふうに受けとめておられるのか、聞きたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) ただいまの御指摘、ルービンさんの御見解なども御紹介をいただきました。消費税率五%、御案内のとおり一%は地方消費税、そして国庫に納入される一%、こういうことでございます。
 財政民主主義というのがあります。政治の原点は、健全な財政状況をつくりながら歳入に見合う歳出を出していくという、この財政自律というのが根幹でなければなりません。
 日本の経済がこのことによって失速するのではないかという意味の御指摘でありますが、私は失速することはないと見ます。既に平成八年度は二・五の成長、政府見通してございましたが、確実に達成されるだろうと言われております。そして、平成九年度の経済成長の見通しは一・九、前半は影響を多少受けますけれども、後半盛り返しまして一・九は確実である、こう指摘をされております。
 経済の確かな足取りは総理が言われましたとおりございますから、これを民需の振興ということで、行政改革、許認可の廃止等のサイドから押し上げることによりまして確かな足取りになるだろうと思っております。ルービンさんの御指摘はどういう観点から言われたのか私はコメントはいたしませんけれども、我が国の財政、我が国の予算、そして我が国のあり方、それは二十一世紀、そして子と孫のために幸せとは何かというのを橋本総理が六つの大改革の柱として内容を具体的に明示いたしたところであります。
 このことは、全力を挙げて同時並行でプログラムをつくり、前進をしなければなりません。このことによりまして民需が盛んになり、大宗である消費が伸びてまいるということであろうと信じます。
○田村秀昭君 御決意のほどはわかりましたけれども、自分のことはなかなかわからないものですから、いろいろな人の言うことをよく聞かれた方がいいんじゃないかと思います。
 次に、ペルーの日本大使公邸の占拠問題につきまして。
 ちょうど四十四日目になります。ウィーン条約によって不可侵の認められている大使公邸に対して、二十人の重武装した武装グループがテロをやったわけですね。
 外務大臣にお聞きしたいんですが、一番初めに行かれたときに、我が国は人命尊重、平和的解決ということを言われたと思いますが、それは当然のことであります。だれでも考えることであります。外務大臣が行かれたんですが、そのパーティーに二十数カ国の外国の大使、その他の人が天皇陛下の祝賀に来られている、それが人質になっているわけですから大変迷惑な話ですね。その人たちに対して、こういうテロに対して断固としてこれを排除し、妥協しないという声明をなぜ発せられなかったのか、外務大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(池田行彦君) ペルーの大使公邸占拠事件、既に一月半になんなんとするわけでございますが、いまだに多くの方々が人質の状態になつておられることは甚だ遺憾なことでございまして、政府といたしましては、ペルー政府と連携しながら一日も早くこの方々が無事に解放されるように努力を傾注してまいりたいと思っております。
 もとより、テロリズムに屈することがあってはならないというのは大前提でございます。このことは、この事件が起きまして以来我が国政府の一貫した姿勢でございまして、今御指摘のございました私が当初ペルーに参りましたときにも、テロリズムに屈することがあってはならない、それと同時に人命尊重を第一にいたしまして平和的解決を図る、こういうことでペルー政府とも考え方の
 一致を見、そして協力連携していくことをお互いに確認してきたと、こういうことでございます。
○田村秀昭君 大使公邸は日本国内であります。領土内であります。そこにそういうテロが乱入をして四百人以上の人質をとった。そういうことに対して、普通の国は国防総省の隷下で特殊部隊が行くわけですね。日本は何にもできない。
 そういうときに、せっかく行かれていろいろな立て直しをされて、大使館の機能を立ち上がらせて、まず先に外国の人たちの人質を解放する、自分が青木大使と一緒に人質になるから全部解放してくれと、どうしてそういう要求をされなかったんですか。
○国務大臣(池田行彦君) 大使の公邸あるいは大使館の施設というものは、ウィーン条約というものに基づきまして不可侵権というものが認められております。しかし、ただいま委員御指摘になりました言葉の中に、日本の領土である、日本の主権であるという言葉がございましたが、決してそういうものではございません。これは厳然たるペルーの領土であり、ペルーの主権のもとにある地域であることは間違いございません。一般にも時々そのあたりが誤解といいましょうか、混同されて使われているところがございますけれども、外交施設といえども、それはその所在国、受け入れ国の主権下にあるというのは当然のことでございます。
 かつて昔の植民地時代の租界なんということがあった場合にはそれに似たようなことがあったかもしれませんけれども、現在のウィーン条約において認められております不可侵権というのは、まず受け入れ国、接受国と言いますが、その国の官憲がみだりに外交施設に入ってはいけない、例えば受け入れ国の警察であるとかあるいは税務当局であるとかが、派遣国の同意なくどんどん入っていって外交活動を妨げることがあってはいけない、そういう意味の不可侵権であり、いま一つ書いてございますのは、第三者がその外交施設を侵犯するなんということを排除するように受け入れ国の方で努めなくちゃいけない、こういう内容がウィーン条約に基づく不可侵権でございます。
 そういったことでございますので、今回の事件につきましても、まずペルー政府がいろんな責任を持ってこれに対応される、これは当然のことでございまして、委員がおっしゃいましたように、公邸を、外交施設を持っている国から何らかの実力部隊を派遣してやるなんということは、これは日本だけじゃなくてどの国であっても受け入れ国の要請なりなんなりがなくしてできる話じゃございませんし、これはそういうことで御理解賜りたいと思います。
 それから、それにいたしましても我が国の外交施設に大勢の方々のお客さんを迎えているときに起こった事件でございまして、そういった方々が人質の状態になり、大変私ども心配しました。何とか皆様の解放をということで、ペルー政府ともいろいろ相談もし、ペルー政府の真剣な取り組みをお願いしてきたわけでございます。
 そのときに、おまえが人質になったらよかったじゃないかという話がございました。しかし、こういったことにつきましては、それぞれの事件が一体どういう状況にあるか、そしてまたテロリストが一体どういうことをどこに対して求めているか、そういうことをいろいろ勘案しながら、それぞれの段階においてどういう方法、手段が最適であるか、そういうことで考えていくべきだと思います。
 やはりそういった計算、級密な分析、そして検討の上に立った対処をすべきであって、単にともかくこういうことがあるからおれが入ってやろうということでありましたなら、それは勇気かもしれませんけれども、勇気の上に蛮がつく蛮勇で、何らの効果ももたらさないということになってはいけない。私どもは何とか全員の無事解放を実現するために、これからも粘り強くペルー政府の取り組みを信頼しながら連携して対処してまいるつもりでございます。
○田村秀昭君 私は、ウィーン条約によって不可侵が認められている、だから日本の領土と同じと考えていいんじゃないかと、こう言ったわけです。
 私は、なぜそういう、まず……(発言する者あり)ちょっと静かにしてくださいよ、あなたと議論しているんじゃないんだから。
 まず、なぜペルーのリマの日本大使公邸が襲われたのか。どういうふうにお考えになっていますか。なぜそこが襲われたのか。
○国務大臣(池田行彦君) 現在なお大使公邸は占拠された状況にあり、大勢の人質の方もおいでになります。その解決のために今ペルー政府ともどもせっかく努力しておるところでございますので、なぜテロリストが占拠したかというところを我々がどういうふうに分析しているかということを余り詳しく申し上げることは、これからの対処にも影響し得る、あるいはテロリストのいろいろなこれからの行動にも何らかの影響を与える可能性もありますので、余り詳細に立ち入ることは避けた方がいいかと存じます。
 基本的に申しますと、やはりペルーの社会の中においていろいろな問題がある。特に貧困の問題なんかもある。それを解決するためにペルーの政府は今大変な努力をしておられるわけでございますけれども、そういった国民の一部にこれまでいろんな苦しみがあったという中で、かつてテロリズムがしょうけつをきわめた時代もございます、現在よりもっともっと。そういったものの流れがいまだにMRTAということで存在するというのが大きな意味での今回の事件が起こる条件の一つになっているかと思います。
 また、我が大使公邸がターゲットにされたということにつきましては、テロリストの方から見れば、自分たちの存在を内外にPRといいましょうか知らしめるというようなこと、あるいは自分たちの仲間の釈放を要求するときに、大勢の要人が集まっているああいった機会に、そういうところでやることがということはテロリストとして考えたのじゃないかと思います。
 いずれにいたしましても、これはMRTAの方が決めたことでございますし、そして現在この事件の解決のためにせっかく努力しているところでございますので、余り立ち入ったコメントは避けた方が適切だと思います。
○田村秀昭君 私は、非常に日本外交の大失態であって、やっぱり日本外交の甘さを暴露していると思いますよ。
 今度は総理にお尋ねいたしますが、日本政府の今言っている平和的解決というのは具体的にどういうことを言っておられるんですか、教えてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現時点におきましても七十二名の方が人質になっておられます。我々はテロに屈することはできないわけでありますし、テロリストの要求の中にあります例えば現に逮捕され収監されている人間を釈放するといった、これは立場を置きかえて、我が国政府の立場になりましてもこれを受け入れることはできないような要求もございます。しかし、話し合いの路線が引かれて、その中から人質の方々が安全にできるだけ早く解放されるように努力するのは、政府として私は当然の努力であると思っております。
 我々は、今保証人委員会というものをペルー政府が立ち上げていかれる、そのいわば保証のもとにテロリストグループとペルー政府の対話が行われる中から、この事態の解決が平和裏に行われることを心から願っているわけであります。
○田村秀昭君 もしその平和的解決というのができないときに、フジモリ政権のやろうとすることとギャップがあったときどちらを、フジモリ政権に万全の信頼を置いてそれをやらせるのかどうか、フジモリ政権を見捨てないのか、そこのところをちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) どなたの立場でもこの問題は私は同じだと思いますので……(発言する者あり)私は真剣にお答えをしているんですから聞いてください。
 私にとってやはり人の命というものほかけがえのないものだ、人質の方々が全員無事に一分でも早く解放されることを求めるのは政府の責任者として当然だと思います。同時に、テロリストに屈するということもできません。これは国際社会として譲れない原則があります。
 その中で努力をいたしておりますときに、仮定の御質問でありましても今のような御質問はお答えをしかねます。
○田村秀昭君 結局その点の決心になると思うんです。これは与野党を超えて解決しなきゃならない問題で、全世界が見ている問題でございますので、どうぞよろしく賢明な御判断をされますことを私も心から期待するものであります。
 次に、危機管理と防衛問題についてお尋ねいたします。
 私は、一九九一年の十二月二十六日、すなわち冷戦の終わるときまでは今日の体制で自民党が単独政権でやってこられたことは正しいと思っております。
 なぜならば、それまでの日本の生存の三つの条件は、世界が平和であること、日本は資源のない通商国家でありますから世界が平和でなくてはならない。毎年九億トンの資源を、マラッカ海峡を毎日二十万トンクラスのタンカーが日本に資源を二百隻送ってきている。そして、お金を払えば資源を売っていただける。そういう三条件が成り立たなきゃなりません。
 それで、この三条件はアメリカがやっていたわけです。日本の政治はそれは何もしなかったわけです。したがって、西側の一員にコミットすることが非常に正しかったわけです。だけれども、一九九一年の十二月二十六日からは、それを成功させた、日本は一番成功したわけですね。それは何で成功してきたか、軍事を回避してきたからです。
 それで、これからは今の体制を、今の状態を続けていこうとするならば、成功した要因が足かせになることは歴史の教訓であります。
 したがいまして、危機管理と申しましても、独立国は、自分の民族で自分の国を守る、そういう要件と、自分の国の貨幣を発行するんだ、それで経済をやるんだという二つが国家としての最低の条件であります。
 それで、軍事力が日本は今非常に低い、抑えつけている、軍事というのは悪いことだ、そういうことはよくないということでやってきておりますので……(「だれがやっているんだ、そんなこと」と呼ぶ者あり)やってきているんじゃないか、何を言っているんだ、僕はそこの担当にいたんだ。
 したがって、結局どういうことが起きるかというと、今から申し上げる四つのことが起きるわけです。
 軍事力のない国家というのは、備えのない国家というのは、まず危機管理体制が完成しない。いろいろな事故というのはたくさんありましたけれども、一省庁に、運輸省なら運輸省で解決できるような危機なんというのは起こってくれない。危機管理体制というのは一元的に処理できる一番最悪の場合を、ケースを考えたいわゆる安全保障省というか、今でいえば日本は自衛隊ですけれども、防衛庁ですが、それを一元的にやるためには、総理府の外局ですからできません。したがって、何か起きるとみんな各省庁が集まって、あれはうちがやると、こういう会議をしている間に事故はどんどん広がっていくわけです。
 したがいまして、自分の国は自分で守れるような軍事力をきちつとつくっていくということが私は今非常に大切な、冷戦後必要なことじゃないか。
 そうすると、二番目に起こることは、国家の将来を見据える戦略的思考ができなくなる。自分の国を守る能力のない国は戦略的視点に立った国家戦略が出てこない、これが二番目です。
 三番に、国益を考慮した外交交渉ができない。
 四番目に、天下国家を考える国民の意識が希薄になって国力が弱体化する。政治、経済も含めてトータルとして国力が弱体化していきます。これは、自分の国を自分で守れないということですから、国家意識が希薄になります。ですから、政治不信が起きます、無関心になります、投票率が下がります。官僚批判が起きます、こういうのはどこの国でもそうです。
 したがいまして、そういうことを勘案して、古今東西の真理と言われた備えあれば憂いなしという考え方にお立ちにならないか、総理にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、備えあれば憂いなしという言葉を御引用になりましたので、私は兵は凶器なりという言葉があることもここで引用させていただきたいと思います。兵は凶器なり、危険なものだということがあることも改めて私は申し上げたいと思うんです。
 今、日本の場合に自衛隊の諸君がその役割を十分に果たしてくれており、我々はその役割に対して心から感謝をいたしております。議員が御在職中、どのような印象をお持ちであったか、それは私にはわかりません。しかし、私は最初に置かれた前提については異論はありません。むしろ、東西の冷戦というものが終結した時点において、日本という国の方向性、国際政治の中における方向性というものが変わるべきだという御指摘、これはそれなりに間違ったものではないと私も思います。そして、我が国がそれじゃ一体役割として何を果たすべきなのか。大きく申し上げるなら、やはりアジア太平洋地域というものの平和と安定にいかに寄与できるかということでありましょう。
 本年、ASEANの諸国を回りましたときにもそのような論議をいたしてまいりましたが、私は、アジア太平洋地域が発展を続けていくために、また平和を続けていくために、日本とASEAN諸国の間における経済に限定をしない関係の深化というものは非常に大切なものだと思っております。そして、それが平和と安定に結びつくと思います。
 しかし、その前段階、我々が欠くことのできない条件が二つあると思っております。一つは、引き続き米軍のプレゼンスを確保するということであります。それは日米安全保障条約というものが有効に機能し、米軍の存在というものが担保されている形の中で、これは我々自身のためでありますけれども、結果としてアジア太平洋地域の安定に大きく資している、これは私は要素として当然考えていいことだと思います。
 同時にもう一つは、中国という非常に大きな国、しかし体制は我々と違っている、この国をいかに建設的なパートナーとして国際社会に迎え入れるために我々が力を尽くしていくかということであろうと思います。今我々はWTOの早期加盟に向けて中国を一生懸命サポートしておりますけれども、こうした国際的な枠組みの中で建設的な役割を果たし得る状況を一刻も早くつくっていく、これも我々としての戦略上の大きな課題でありましょう。
 同時に、先週末、日韓首脳会談を開かせていただきましたが、そういう中で朝鮮半島の安定というものが大切であることは間違いがありませんし、その中で韓国とアメリカから呼びかけております四者会合というものが一日も早く実現をする方向に我々がサポートをしていく、当然ながら必要なことであります。
 しかし同時に、我が国の自衛力というものだけで、今、議員のお話で私が違和感を持ちましたのは、どこの国も今一国だけですべて自分の国を守り得るという考え方を持っている国はそんなにたくさんあるでしょうか。そうしたとき、私は、多国間、二国間の安全保障の枠組みというものは今まで以上に大事になると思います。そして、その多国間の仕組みの中、例えばARFの中で相互の理解、信頼を醸成していく努力というものはこれから一層必要なものになる、私はそのような思いを持ちながら議員の御意見を拝聴いたしておりました。
○田村秀昭君 非常に誤解しておられます。
 もう一回申し上げますと、日本はアメリカに占領をされた、アメリカ軍が撤退した後に自衛隊が創設されてそれを埋めていっただけなんです。だから、日本ではどういうふうに守るのかというのがないんですよ、アメリカの後入っていっただけなんだから。それで今残っているのが四万五千ですよ。
 だから、日本の一いや、これは総理にお聞きしたいんです。日本は自分で自分を守るという、そういケ戦略を持ってやっているんじゃないんですよ。だから、自分で自分の国を守る国なんてないに決まっているんですよ。だから、どこまで守れるのか、あとはどこと同盟を組んでやるのか、そういう話なんで、ここがないのに同盟だけ組んでいてもしようがないじゃないですか。同盟がいけないって言っているんじゃないですよ。そういうことをしなければ、防衛計画の大綱なんというのは一九九一年の十二月二十六日からは改めなきゃならないんじゃないですか。そのことを聞いているんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私の軍事的な常識が欠けておるのかもしれませんが、議員が今お話しになりましたにもかかわらず、米軍が引いていったからそこに自衛隊が入っただけだという言い方をなさいましたけれども、私はそれは自衛官の諸君に対して余りに先輩として酷な御発言だと思います。
 大綱におきましても、また中期防におきましても、我々は自力で自分の国を守ろう、しかしそれだけでできるものではない。その足りない部分はまさに日米安全保障条約というアメリカによる協力を求めると同時に、むしろその武力を必要としない状態をつくり出すために信頼醸成の努力を一方では払っていく、その舞台の一つを挙げるならばARFであるということを私は申し上げております。
 そして、自衛隊の諸君は、それこそ厳しい財政事情その他の制約の中、あるいは国民の世論的なものもあるかもしれませんが、そういう中で最善を尽くしつつある、努力をしてくれておる、私はかたくそう信じております。
○田村秀昭君 事実がそういうことになっているわけです。それは私が非常に現役のときから悔しかったことです。
 それをなぜきちっとしてもらえないのか。百三十六回の国会でもお尋ねしましたけれども、なぜ自衛隊を安全保障省にしないんですか、事務次官や統幕議長や幕僚長を認証官にしないんですかというふうにお尋ねしたわけです。それはどうですか。
○国務大臣(久間章生君) 昭和二十九年にいわゆる米軍が撤退した後、警察予備隊ができないきさつ等、そういう経緯についてはあるいは委員御指摘のとおりかもしれませんけれども、その後自衛隊が確立されまして、前防衛大綱あるいはまた新しく一昨年に整備されました新防衛大綱に沿いまして今適正な配置をしながら、しかも各地で練度を重ねて、そして自衛官自身も、当時と比べてどうか知りませんけれども、当時のことは私は知りませんけれども、少なくとも今の自衛官は自分たちの国は自分たちが守ってやるんだという気概に燃えて一生懸命取り組んでおるのは事実でございます。
 先生の目から見たときにまだまだ足らぬじゃないかという御指摘があるのかもしれませんけれども、私は先日も防衛庁長官に就任しましてから各方面のいろんな意見を聞きました。やはりいろんな角度からのいろんな対処に対して十分にこれでやっていこうと。
 ただ、そういう中にあって、日米安保条約に基づく日米安保体制がなければ十分でないというような思いもあって、そういう問題についてももちろんこれから先その信頼の向上に努めなきゃならないし、あるいはまた先ほど総理が言いましたように、外交関係でも努力をしてそういう事態にならないように努めたい、そういうようなことで今やっておるわけでございます。
 しかも、先ほど先生がおっしゃいましたけれども、じゃ国防省にしたら、あるいはまた安全保障省にしたらそれがいいのかといいますと、少なくとも私の感じるところではそういう問題ではなくて、むしろ最近では自衛官は、国民の自衛隊に対する理解、協力が、非常に信頼度が高まってきておりますから、そういうことを抜きにして自衛官になることを誇りに思ってきておる。
 そういうことで、委員が在職された当時と客観的に自衛隊に対する国民の理解度は非常に高まってきて、自衛官自身も逆にそれを非常に誇りにして一生懸命任務に取り組んでおる、これについてはぜひ御理解賜りたいと思う次第でございます。
○田村秀昭君 今、防衛庁長官の申されたことは、現場は、防衛庁の職員、自衛隊は一生懸命やっているんですよ。そんなことを聞いているんじゃないんです。自分の国を基本的にどうやって守るのかということをもう一度、冷戦後改めて日本の民族として守るのはどこまでなんだということをきちっと決められるべきじゃないか。
 それで、危機管理に対しても、総理府の外局じゃ危機管理体制は完成しません。
○国務大臣(久間章生君) 危機管理に対しては、国全般の問題については有事法制の研究等が官邸を中心にされておりまして、その中で自衛隊の行動にかかわる問題につきましては防衛庁がやっております。
 それはそれとして、これから先研究していかなければならないことは十分わかりますけれども、ただ言えますことは、委員御指摘の制度的に現在不備があるんじゃないかということには私はならないと。国防総省とか国防省とかそういうような問題、あるいは先ほど言われました認証官にしたらいいとか、そういう問題とは違うんではないか、そういうことを言いたかったわけでございます。
 そういう点では、新しい防衛大綱を一昨年決められますときにも、新しい冷戦下の中でこれから先二十一世紀に向かっての我が国の防衛はどうあるべきか、そういうことについて十分検討された上で、委員恐らく言われるのは、基盤的防衛力というのもそのまま踏襲しているじゃないかと、そういうのが頭にあられるかもしれませんけれども、それはそれとしながら、我が国の置かれた状況を十分認識しながら検討されてきてつくられたわけでございますので、私はそれに基づいて、非常に厳しい財政状況の中でございますけれども、必要なものは必要として備えていって制度的には完璧なものにしていきたい、そういうことで今努めておるわけでございますので、どうかひとつそういう点でも御理解賜りたいと思います。
○田村秀昭君 総理にお尋ねしたいんですが、一日にトロントに行かれる、それでフジモリ大統領とお会いになる。どういう会談をなさるのか、よろしかったらお話し願いたいのですが。
○国務大臣(橋本龍太郎君) それにお答えをする前に、今ちょっと先ほど来の議員の御発言のお気持ちでふっと思いついたことがございます。
 実は私が総理に就任いたしまして一番最初にびっくりいたしましたのは、制服の皆さんのトップの交代の際に最高指揮官として官邸に来られます。私、そういうつもりは全くなかったんですが、内局の諸君が同行しておりましたので、その正式な儀式のような部分を終えてから、統幕議長新旧以下執務室に入れましてしばらく制服の方々とだけお話をしました。後で聞きましたらば、内局の同行なしにそもそも官邸に来たことがない、そして総理の執務室に統幕議長以下が入って話したことがないと。正直これは私はびっくりしました。
 その後、できるだけ制服の方々、何かがあれば私はじかにお目にかかるようにしておりますし、そういった意味で、確かに私は、今までシビリアンコントロールという言葉が誤解され、内局の同行なしに制服の幹部の人たちが例えば国会あるいは総理官邸に来れないといった雰囲気が議員御在職のころにはあったのかなと改めて思いました。私は今そういう空気は変えようといたしております。そして、そう変えようとしていることは統幕議長あるいは三幕僚長たちには受けとめていただいていると思います。
 これが定着てきるかどうかわかりません。しかし、そういう努力はいたしていくつもりでありますし、またシビリアンコントロールというのは、内局がそばにいることが、そして発言をコントロールすることがシビリアンコントロールだとは私は思っていない。先ほど来の答弁にこの点を補足させていただきます。
 また、国会のお許しがいただけますならば、明日の参議院の国会審議を終了いたしました後、カナダのトロントに飛びましてフジモリ大統領とお目にかかろうと今考えております。これは大統領の方から御要請のあったことでありますけれども、保証人委員会の発足を控えて非常に大事な時期と私自身感じておりまして、今まで電話ではしばしば連絡をとり合ってまいりましたけれども、どこかでお目にかかるチャンスがあるならという気持ちは私にもございました。
 こうした大変微妙な時期でありますので中身に入ることはお許しをいただきたいと存じますが、いずれにいたしましても、我々が確認すべきこと、それはテロに屈してはならないということとともに、何としても人質になっておられる方々を無事に全員少しでも早く解放させる。大変難しい道であることは承知いたしておりますが、そういう努力を少しでも払ってまいりたいと思っております。
○田村秀昭君 先ほどのシビリアンコントロールのお話ですが、私は今の自衛隊、防衛庁が総理府の外局ということでは危機管理体制は完成しない。それは防衛庁長官は御承知と思いますが、文春の一月号の「潜水艦 敦賀半島に漂着す」、このシミュレーションどおりになるということだけをあえて申し上げておきたいと思います。これはお答えにならなくて結構です、認識の相違なんですから。そういう総理の今おっしゃったようなことを私は言っているんじゃないということをもう一度だけ申し上げておきたいと思います。
 それでは、文部大臣にお尋ねいたします。
 まず文部大臣にお尋ねしたいのは、教科書の検定規則の十三条によって、誤った事実の記載等、学習を進める上で支障となることについては訂正できる権限をお持ちですか、お持ちじゃないんですか。簡単に答えてください、時間が余りありませんので。
○国務大臣(小杉隆君) 教科用図書検定規則によれば、明らかに誤りである、あるいはその後明らかに誤りであるという客観的な事実が出てきた場合には訂正を求めることができる、こういうことであります。
○田村秀昭君 そうしますと、まず文部大臣は、今度四月から使われる教科書の歴史、ここに私は持っておりますけれども、この教科書、七冊お読みになりましたですか、目を通されましたですか。
○国務大臣(小杉隆君) すべて目を通したわけではありませんが、今御指摘されようとしている慰安婦の部分については目を通しました。
○田村秀昭君 その中に、今御答弁になっていた中に、誤った記述とか学習を進める上で支障を来すようなことはありましたか。
○国務大臣(小杉隆君) 御承知のとおり日本は検定制度をとっておりまして、専門家による記述が行われ、そして学識経験者による検定によって採択をされた教科書であるということで、妥当なものであると考えております。
○田村秀昭君 それでは、大臣の方から今おっしゃいました従軍慰安婦、私はまだ子供で知りませんが、従軍記者とか従軍看護婦というのは軍属でいたというふうに聞いておりますが、従軍慰安婦という軍属がいたんですか。
○国務大臣(小杉隆君) 私は、従軍という言葉には二通りあると思います。軍と、兵士と一緒に行動をするいわゆる軍属という形と、もう一つは、例えば従軍記者というように兵士とともに移動する、そしていろいろな目的で行動する、そういう二通りがあるというふうに理解しております。
○田村秀昭君 この教科書をごらんになったと言われましたね。それで、総理が施政方針演説でおっしゃっているように、次代を背負う若い者に夢と希望を与え、チャレンジ精神が起こる、こういう教育改革をおやりになると言っているわけですよ。そういうのに適しているなと思われましたですか。
○国務大臣(小杉隆君) 総理が言われているように、教育は一人一人の国民が夢と目標を持ってチャレンジ精神、創造性を発揮する社会をつくるというのが目的だ、こういうことであります。
 私は、もちろん、郷土を愛し国を愛する心を育てるというのは教育の重要な役割だと思っております。同時に、歴史的な事実は事実として正しく教えるということも、これは一つの教育の役割ではないかと思っております。
○田村秀昭君 私は正しくないと思うんですよ。
 そこに載っている壁画を持ってきましたけれどもね。(資料を示す)
 これは違いますよ。ここに載っているのは違いますよ。これは壁画ですよ。例えば、戦時中に米撃滅なんて書いてある。これは事実と違うじゃないですか。これを写した人が、昭和十五年で、札幌大学の先生で、これは強制連行じゃないと言っているんだから。これは産経新聞にも載っているじゃないですか。どうして違ったことを認めるんですか。訂正しないんですか。
○国務大臣(小杉隆君) 私も、すべての教科書に目を通しているわけではありませんで、今御指摘の点はいろいろ書物にも載った写真だと思っております。
 詳細につきましては政府委員から答弁させます。
○田村秀昭君 いや、結構です。
 私は、文部大臣が政治家だから、命をかけて文部大臣をやっておられると思うから聞いているんだ。
 私は、結論として申し上げますと、この教科書を読んで愕然としたんです。こういう教科書を十二歳から十五歳までの青少年が見たら、一体どういうことになるのか。総理のおっしゃっている夢と希望なんか全くありませんよ。その点を文部大臣、もしあなたにもそういう気持ちがあったらこれ訂正してください、四月からこれを使われるというんだから。
○国務大臣(小杉隆君) 教科書に関してはさまざまな御意見があろうかと思いますが、冒頭申し上げたように、検定制度という仕組みでやっておりまして、専門家があらゆる資料をもとにして記述されたものであり、そしてそれを編集されたものを専門家から成る検定審議会で検定をしたものであるというふうに受けとめておりますので、それは先生の御指摘は御指摘として承っておきますけれども、私どもは、検定の審議会で妥当なものと判断をされ採択されたものであり妥当なものと受けとめております。
○田村秀昭君 それでは文部大臣は要らないのでありまして、大臣のところの告示ですよ、検定制度は。大臣が直せなくてだれが直すんですか。大臣がそのとおりゃるんだったら、何も大臣要らないじゃないですか。
○国務大臣(小杉隆君) 繰り返しになりますが、文部大臣として訂正勧告ができることになっておりますけれども、それは極めて限られた場合でございまして、明らかに事実と違う、あるいはその後の客観的な事実の変更によって事実でなくなつたということが明らかになったときは、申請者に対して訂正の勧告ができる、こういう仕組みになっております。したがって、現在採択されたものを直ちに文部大臣がオールマイティーにこれを訂正させるということになれば、これは昔の国定教科書に戻すしかないと思うわけでありまして、現行の検定制度というものの本質というのは、やはり民間の専門家による著作、そして編集、こういうものを尊重して、さらに検定審議会であらゆる角度から審査をしていただいて、そしてそれが明らかに事実でないということが判明していない以上は、私どもはそれを強制的に訂正を求めるということはできない、こういう仕組みになっていることをぜひ御理解いただきたいと思います。
○田村秀昭君 これ以上申しませんが、ともかくこの教科書を私は目を通してみて愕然としたということだけ申し上げて、文部大臣、ぜひこういう教科書を我々の子供や孫に教育しないように切にお願い申し上げたいと思います。
 あと二分しかないので、公益法人の役員あるいはそれに相当する者が一政党の役員になることができるかどうか、自治省所管の法令に抵触する規則があるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(牧之内隆久君) 公職選挙法等の選挙関係法令におきましては、公益法人の役員が政党等の役員になることにつきまして特段規制する規定は設けられておりません。
○田村秀昭君 もう一回言ってください。
○政府委員(牧之内隆久君) 公職選挙法等の選挙関係法令におきましては、公益法人の役員が政党の役員になることにつきまして特段の規制は設けられておりません。
○田村秀昭君 それでは、国から補助金を受けている公益性の高い法人の役員が一政党の役員になることはどうですか。
○政府委員(牧之内隆久君) 同じでございます。
○田村秀昭君 私は自由民主党の総裁にお尋ねするんですが、十一月二十六日の参議院公報、衆議院公報に、組織局の副委員長に各種団体の有力な人がなっているんですね。こういうことは幾ら何でも、もう政党ですから、政党になっちゃうわけですから、そういうことというのは一体許されるんだろうかどうかということだけを総裁としてどうお考えになるか。法律的にはいいそうでございますので。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員から自民党総裁という立場で答えろということでありますが、自由民主党という党、これは議員もかつておいでをいただきましてよく御承知のように、国民各層の声というものを政治の場に反映させるために民意を代表される各種の団体と連携を強化する、こうした党活動は積極的に推進をいたしております。
 そして、その一環として組織本部のもとに関係団体委員会を設けておりまして、各種団体の役員の方々もその委員会の役員になっていただいております。これはやはり、政策提言でありますとか、そうしたものが的確に把握され政治の場に反映しやすくするという考え方のものでありまして、私ども、むしろ国民各層にドアを開いて風通しをよくし、オープンな政治というものに向けての努力の一つだと考えております。
○田村秀昭君 これで最後の質問にさせていただきたいんですが、昨年の予算のときに、各団体が自民党に要請に行く、あるいは税制のお願いに行く。そのときに自民党は、団体協議会に加入しなさいと。団体協議会というのは、自民党を支援しなさいという項目が入っております。
 ですから、陳情をすると、これをお願いいたしますということで団体の人たちが自民党に行くと、まず団体協議会に入りなさい、それで自民党を支援するんなら聞いてやってもいいよと、逆に言えばそういうことですね。そういうことを今現在、総理としてそういうことを続けてもいいとお考えなのかどうかだけ、最後にお聞きしておきます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) もとより我々は、要望であれ御提言であれ、団体であろうと個人であろうと分け隔てなくお聞かせをいただいております。
 また、協議会の入会、退会は自由でありまして、議員がおっしゃるようなお考えというのはちょっと違ってはいないかなと思っております。
○田村秀昭君 私は総理にいろいろとお尋ねいたしまして、これじゃ日本の改革はできないということを強く感じた次第でございます。
 関連質問に石田議員が待っておりますので私の質問は終わらせていただきます。このままじゃ日本は大変だなということだけを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○委員長(大河原太一郎君) 関連質疑を許します。石田美栄君。
○石田美栄君 平成会の石田美栄でございます。
 私は、中学校や高等学校で教えた経験もございますけれども、大学卒業以来ずっと教育と研究一筋にまいりました。昨年八月、新進党の文教・科学技術政策の責任者になりましたので、本日は教育関係の質問を中心に進めさせていただきますが、その前に一つだけ補正予算にかかわる質問をさせていただきます。
 去る一月十七日は阪神・淡路大震災の二周年でございました。二年たった現在の現地の状況が随分報道されましたが、国民の関心は、町並みの復興もさることながら、何といっても人々の暮らしぶりに最も関心が寄せられました。住宅の再建もままならず、いまだ何万という多くの人たちが仮設住宅での不自由な生活を強いられております。また、先のめどが立たない中でお年寄りの孤独死が相次いでおります。また、中小企業の人たちが復興への足がかりをつけるに至った苦労や努力やそうした決断にエールを送りたいなというような話も数々ありましたが、まだまだ多くの人たちが復興への方策が立てられないままになっているという事実がございます。
 ところが、このたびの補正予算書を見ますと、阪神・淡路大震災復興対策として三千億近くの予算が計上されておりますが、その中身をよく見てみますと、ほとんどが公共事業となっています。平成九年度予算まで含めますと、全部で四兆円余りの資金が災害地へ投入されることになります。なるほど平成九年度の予算には、私たち新進党が主張し続けてきた個人補償的な生活支援金を不十分ながら地方自治体経由で交付する措置が講じられているようですが、被災地のこうした現状を見れば、それを前倒しして補正予算ででも措置するということが道理ではないかというふうに思います。
 北海道南西沖地震のときのあの奥尻島の災害、さらにこのたびの阪神・淡路大震災といった大きな災害が起きたときには、国民の思いはやっぱり災害を受けた人々の暮らしへの温かい思いやりだと思います。だから、そういうときには非常に多額の義援金が集まってまいります。しかし、国は私有財産への補償はできないというのが政府の一貫した見解でした。
 先日、衆議院予算委員会で新進党の石井議員も同様の質問をしているようですけれども、こういう災害が発生し、自分の過失ではなく不可抗力でどうにもならない場合には、国民がお互いに助け合って、さらに国が手を差し伸べるという制度、災害基金あるいは災害共済というようなものが国の主導でできないものかと思います。この点について橋本総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員の御指摘、ある意味では常に新しい古くからのテーマ、そんな感じがいたしました。
 ちょうど私が国会に出していただきました直後に新潟の大地震がございまして、そこからしばらく議論の結果としていわゆる地震保険というものが生まれてまいりました。そして、今またこの阪神・淡路大震災を契機にこうした御意見が出ております。
 一般的な災害について長々と申し上げるつもりはありません。今、阪神・淡路大震災につきまして、その被害の重篤さ、甚大さというものにかんがみ、特別の立法等による被災者への生活再建などの支援措置を進めてまいりました。そして、議員から不十分ながらという注釈をつけて一定の御評価をいただきました。確かに、個人補償という形ではありませんけれども、阪神・淡路大震災復興基金への地方財政措置あるいは住宅金融公庫の特別な融資制度の創設といったことで我々なりに苦労、努力をし、支援措置を講じてまいりました。
 そして、今後我々として何といいましても一番大切なことは、働き場所をどうやって神戸につくり出し、戻していくかだと思います。そして、昨日も衆議院でも御論議をいただきましたところでありますが、自立ということを考えますと、住宅を整備するとかそういうことは幾らお手伝いができましても、仕事場をつくり出していかなければなりません。
 神戸といえば、何といいましても歴史的にも伝統のある、そして震災前は我が国最高の港湾でございました。震災以降、随分多くの船が神戸から離れました。これがもう一度戻ってくるような港にしていかなければならない、そうしたことを初めとした、いかに仕事を呼び戻すかということに我々としても努力をしてまいりたい、そのように思います。
○石田美栄君 御答弁のように仕事をということも非常に大切ですけれども、やっぱり一人一人の暮らしの立場から見ると、このことにつきまして伊藤国土庁長官は、個人補償をどうするかということは地方公共団体がある一定の制度を研究すべきだということで知事会で検討していただいているというふうにお答えになっています。
 また、さらに御自身も、これから基金制度がいいのか共済制度がいいのか、新しい仕組みについて十分研究したいという御答弁をなさっておりますが、個人的なことだけにするのではなくて、どうかこれから政府全体で取り組んでいただけるよう要望いたします。
 次に、教育関係の質問をさせていただきます。
 総理大臣は五つの分野の改革を唱えて取り組んでこられましたが、昨年末になって突如といいますか、もう一つ改革として教育改革をつけ加えられました。そして、年が明けると文部大臣に改革を指示されて、この二十四日にはもう早速教育改革プログラムを取りまとめて発表されるという非常な素早さだと思います。
 新進党では、御存じかと思いますけれども、昨年も一昨年も二度にわたる中高一貫教育の提言を初めとして、大学改革、教員採用・研修制度の改革、また教員養成制度の改革、さらにはいじめ対策や三十人学級、飛び級の実現などの具体的な教育改革を提言して、国会でも論戦を繰り返してまいりました。特にこのたびの教育改革プログラムの第一番目に挙げておられます公立学校における中高一貫教育の導入については、私も文教委員会で、平成七年には当時の与謝野文部大臣に二度、そして昨年二月には奥田文部大臣にも質問いたしましたが、いずれもそうした考えは全くないという御答弁でございました。
 それがこのたび、総理大臣、なぜこのように突如教育改革を重要課題として追加され、そしてなぜこのように急いでお進めになるのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身が私立の中高一貫教育を受けてまいりました一人であります。また、五人の子供たちのうち一人だけが、ほかは皆実は公立に進みましたけれども、一人だけ自分の希望で私立の中高一貫教育の学校を選択した者がおりました。
 そうしたものを見ておりまして、私はその中高一貫教育というものの、むしろ中学から高校受験ということでとられる時間というものを考えましたとき、非常な魅力をもともと感じておりましたし、また週休二日制というものが教育の世界においても定着していく中でカリキュラムがどう変わっていくか等、そういう視点からの関心は持ち続けておったつもりでございます。
 また、母校の評議員をするようになりましてから、新たに設置していく学部と既存の学部と、大学教育の中におきましてもいわばその深度の違いといいますか、いろいろなことを考えさせられておりまして、教育改革というものをどこかでとらえたいと考えておりましたことは事実であります。ただ同時に、とらえてもできないのではどうしようもない、その意味では中教審の作業等をも見守っておった部分がございました。そして、これならぶつけても大丈夫だな、受けとめてもらえるなという自信を持ちまして教育改革をこの柱に入れさせていただきました。
 その一方には、実は我々は科学技術創造立国というものを目指しております。そして、研究体制というものをこれから先、本当に充実していかなければなりません。そうした視点からもこのシステムをどう工夫したらと、さまざまな角度から思ってまいりましたものをここでまとめて、その上で文部大臣に指示をいたしました。
○石田美栄君 この一連の教育改革についてもう既にいろいろお話しになっていると思いますけれども、どういう理念をお持ちなのか、もう一度総理大臣と文部大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小杉隆君) 教育改革をなぜやるか、教育というのは総理が当初主張された五つの改革すべてに通用するといいますか、それぞれの基盤をなすものである、社会経済システムの基礎は教育である、こういう観点から六つ目の改革として加えられたと考えております。
 私ども、できるだけ簡単に申し上げますと、大きな方向としては二つございます。
 一つは、総理が今言われた科学技術創造立国とかあるいは国際化とか情報化とか、そういう新しい時代の変化に対応できるそうした人材養成、こういう面と、もう一つは、豊かな人間性を涵養する、例えば正義感とか他人に対する思いやりとかあるいはあるべき社会性とか倫理性、こういうものを、人格形成という面も重視していかなきゃいけない、この二つの方向性を考えております。
 そして、三つの視点に立ってこれらを進めていきたいと思っております。
 一つは、今までの教育制度というのは六三三四制で、日本の教育水準を高めることには非常に貢献したと思いますし、日本の今日までの発展は戦後の教育制度というものが非常にあずかって力があったと思います。しかし反面、均質性とか平等性を尊重する余り、個性を育てる教育とかあるいは多様な選択をさせるというのが難しくなってまいりました。やっぱり子供たちの能力とか個性に応じて多様な選択ができる、そういう一つの柔軟性、多様性、こういうものをこの教育制度の中にも盛り込んでいくべきではないか。
 それから二つ目の視点は、従来教育界というと狭い範囲で考えがちであって、私は、これだけ変化してまた国際化している現代においては、もう少し外へ向かってオープンな姿勢で門戸を開放すべきじゃないか。例えば、社会人にもっともっと教壇に立ってもらうとか、あるいは経済界の人に教壇に立っていただくとか、そういう風通しのいい門戸を広げた教育というもの、そして外国に向かっても留学生交流を初め、文化交流あるいは学術交流を通じて、国際的にもあるいは国内の中でも門戸を開いたそういう視点が必要じゃないか。
 それから三つ目の視点は、従来、臨教審以来中教審を初め、さまざまな審議会でいろいろな提言が行われてきております。しかし、私はやっぱり提言だけではいけない、百の提言、百の議論よりも一つの実行が大切だ。そういうことで今回も、今御指摘の中高一貫教育につきましても、あるいは週五日制の完全実施、こういうものもはっきりと、例えば週五日制、現在月二回のものを二〇〇三年までに完全実施をする、こういうふうにそのほかの項目につきましても全部タイムスケジュールを設けてきちっとそれまでに達成をする。そういう目標期限を設けたという点が特徴でございまして、詳しいことはまた御質問があればお答えいたします。
○石田美栄君 新進党でも、昨年六月に明日の内閣で決定しました中高一貫教育の実現を柱にした学制改革案を発表していろいろな機会に世に問うてまいりましたが、この新進党の改革案について総理は御存じだったでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ある程度報道等でも存じておりました。そして、中高一貫教育を唱えておられる。ただ、それが全部をそういうふうにするんだという御案になっていたように思います。
 私は、全部を強制的に中高一貫にするのがいいのか、複線で選択肢がある方が望ましいのか、この点については多少私と考え方が違うかな、しかしよく研究されたと、そのように感じておりました。
○石田美栄君 文部大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(小杉隆君) 私は、就任早々宮崎県の五ケ瀬中学・高等学校を視察してまいりました。これは、公立学校で唯一中学、高校、三年、三年を一緒にした六年制の教育をやっているところでございます。
 これは、極めて恵まれた自然環境の中で大変ゆったりとした教育をやっておりまして、一つの理想像を見る思いでございました。ただし、これをすべての学校に適用するのにはまだちょっと時期尚早ではないかということで、私はやっぱり教育制度というのは複線型で、今までのようにすべてがすべて三年、三年でこの思春期を区切るということよりも、六年間一貫してやるといろいろな利点があります。
 例えば、六年間で個性を全部見きわめた教育ができるということ、それから思春期に受験戦争で非常に精神的な圧迫を受けないこと、その他いろいろなメリットがありますけれども、私は、それはそれとして、新進党の提案されたものは一つの御提案として受けとめておりますし、これを今直ちに全国化するというのにはまだまだ克服しなければならない問題点が多々あろうかと思います。
○石田美栄君 五ケ瀬中学・高校については後でお聞きしようと思ったんですが、私どもも昨年六月に発表しましたとき、その後すぐ五ケ瀬に参りました。そうすると、五ケ瀬では校長先生とか県の教育委員会の方と意見交換しましたが、そのときにも、いろんなところから、地方自治体とか教育委員会からの視察が多くて大変だとおっしゃつていましたけれども、国からの視察はあなたたちが初めてだというふうにおっしゃいました。文部大臣も十一月になって行かれたので、そのことを後で伺おうかなと思っていたのです。
 私どもの改革案ですけれども、およそ教育の世界に落ちこぼれだとか受験地獄なんという言葉があってはならないのは当然です。特に中学というところにいじめとか不登校とか自殺も集中しております。それは、思春期という心身発達上一番大切な時期に中学と高校の間が受験で分断されていて、その受験制度が子供の内面の成長に好ましくない影響を及ぼしているということではないかと思います。まさに、学校教育をめぐるいろんな問題の吹きだまりになっているのがこの中等教育の問題だというふうに思います。
 ですから、今この解決の努力が集中されなければならない焦点で、この中高一貫教育の実現を進めるというところでいろんな問題の解決の糸口を見出せるのではないか、教育改革全体を進めていくことができるんじゃないかというふうに考えております。
 私たちが提言している中高一貫教育案は、簡単に言えば現在の中学校と高等学校を一つの学校として統一して六年制とするということですけれども、そして高校入試をなくして、加えて、中学三年の前期は今までどおり義務教育としますが、高校三年の部分の後期は教育クーポン制を導入し、望めばだれでも学ぶことができる就学保障期間として、原則として国民全体に無償で保障する制度を考えております。私たちの試算ですと、この就学保障制度を導入しますと、新たに経費としておよそ三千億円くらいかかるんじゃないかと試算しております。決して実現不可能なことではないというふうに思います。それに先進国の中で中等教育、高等学校で授業料を取っている国は日本だけだと思います。
 それから、特に高校三年の部分をうんと開放してゆとりと幅のある教育にするということで、現在の単位制の総合学科の学校の利点を取り入れて、農業や工業や商業などの職業学校との選択制も重視しながら、ボランティア活動も単位として認めるなど総合的な単位制度にすることによって子供たちが自主的にあらゆる選択ができる制度を考えております。さらに、この制度によってやり直しができることや、いわゆる飛び級も採用でき、豊かな個性を積極的に伸ばすことができることを考えております。
 このたび発表になりました教育改革プログラムを拝見しますと、私たちが論議してきた内容や発表してきた政策と相当共通点がございまして、これから具体化していく中で私たち新進党が積み上げてきたことが二十一世紀への教育改革に大いに役立てばと考えておりまして、教育改革の元祖と言いたいんですが、協力していくことにはやぶさかではございません。
 さて、これから中教審の方でこうした中高一貫教育の導入などを中心にいろいろと論議が本格化するわけですが、先ほどからかなり総理にも文部大臣にもいろいろな御意見を伺ってまいりました。先ほど五ケ瀬中学のこともお伺いしようと思っていたらもうお答えになりました。
 この五ケ瀬中学なんですけれども、私たちがいろいろ話をしました中で、地方自治体からの視察が多くて、その当時は文部省のかたくなな対応に相当苦労なさいましたようですけれども、自治体でも設置が可能であるということを県知事さんや校長先生もおっしゃっておりましたが、現段階でもしほかの自治体からこうした公立中高一貫教育の設置をしたいという要望があったらどうなさるおつもりでしょうか。文部大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(小杉隆君) これは学校制度の複線化という面では私ども大変注目していますし、ことしの三月に初めての高校卒業生を出すわけでございますので、それは全国的にも注目されております。ほかの府県でそういうことをやりたいということであれば積極的に私どもも応援をさせていただきたい、こう思っております。
○石田美栄君 先ほど総理大臣も私立学校での中高一貫のことをおっしゃいましたけれども、確かに中学生、高校生が同じキャンパスで学んでいる私立がたくさんございます。こうした中高一貫教育の中ではどうやらいじめや進路苦による自殺といったことは聞いたことがないように思います。
 時間がありませんのでちょっとその辺のところまでは入れないかと思いますが、でも最近、高校教育の改革には随分文部省も力を入れておられまして、さまざまな試みをなさっておりますね。そして、一般にもかなりそういうことが知られてきております。総合学科の高校とか単位制の高校が次々に設置されて、特にここ三年間大幅に増加しておりますし、学校間連携促進事業も文部省が促進されておりますね。ここ二年間でかなり推進されています。こうした生徒の能力や個性や興味、関心に対応できる幅広い大規模な総合学科の高校の人気というのは高くなっているように思います。
 文部省の進められているこれらの施策を拡充させながら中高一貫教育制度を導入すると私たち新進党が提案しているものとかなり近いものになるなという思いがしております。本当に大変な取り組みとなる学制改革ですけれども、ここで教育改革推進の中心に取り組まれます文部大臣と総理大臣の、国の将来を本当にかけてのこのたびの教育改革に対する御決意のほどをもう一度伺って、終わります。
○国務大臣(小杉隆君) これはあくまでも教育改革の第一歩であって、これからが大切だと思っております。私は、さっき申し上げたように、幅広く御意見を徴したいと思いますので、ぜひまたいろいろと御意見を賜りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、この教育改革というもの、たまたま今は中高一貫教育を中心に御論議をいただき、またお答えを申し上げました。そして、私は、全部を一つにまとめるのではなくて複線があっていいはずだと、その点は申し上げましたけれども、私がもう一つ申し上げたいこと、文部大臣の発言につけ加えるとすれば、日本という国はある意味では職人の国家、物づくりの国家だったと思っております。そして、その意味での物づくりの復権というものを私どもはどこかで必ずとらえていかなければなりません。そのためには創造性を養うという視点が教育の中にぜひとも必要でありますし、またそうした意味での複線化も必ず考えなければなりません。
 文部大臣からも触れられましたけれども、教職員としての資格をお持ちではないが民間においてそれぞれの分野に業績を上げてきておられる方々が積極的に教壇に立ち得るような機会をつくるなど、我々がなし得ることはさまざまあると思います。むしろ、そういう意味では、違いを強調するのではなくて、うまく協力できるところで少しでも改善に御協力を賜りますように心からお願いを申し上げます。
○石田美栄君 どうもありがとうございました。
 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で田村秀昭君の
 質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 自由民主党の片山虎之助でございます。
 いろいろと質問させていただきたいと思いますが、まず具体的な質問の前に二点申し上げたい。
 一点は、先ほどもお話がありましたが、ペルーの日本大使公邸占拠・人質事件でございまして、きょうで四十四日目になるんですね。まだ人質の方は七十二人でしょうか、おられる。私は、人質の方は大変な疲労こんぱい、極限に来ているんじゃなかろうかと思いますし、それから御家族や関係者の方の外での御心配もこれは想像を絶するだろう。一日も早い解決が、総理が言われる平和的解決、人質の全員解放が望ましいと思います。
 保証人委員会ができまして、どうにか動くのかなと思っておりましたら、どうもペルー政府側ですか、警察の示威行動が盛んに行われて、ゲリラの方もそれに対応する、発砲する。不測の事態でも起こったら大変かなと、こう思っておりましたところ、二月一日に総理とフジモリ大統領がトロントで緊急のトップ会談をおやりになると。中身はなかなか難しいことですから詳しくは聞きませんが、先ほどの御答弁もありましたけれども、ぜひその会談に臨まれる総理の御感想、御所見があればお教えいただきたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在、直接対話をスタートさせる、再開をめぐりまして、ペルー政府とテロリストグループの間でさまざまなやりとりが行われております。しかし、昨日、シプリァー二大司教、ビンセント・カナダ大使、そしてミニグ国際赤十字代表で構成されております保証人委員会の会合が行われました。私ども、本当にこの直接対話というものが早急に開始されて、その開始が解決に結びついていくことを願っております。
 ちょうど二十八日、大統領の方から御連絡をいただき、たまたまちょうど衆議院の予算委員会におりましたので、昼の時間に私の方からかけ直しをさせていただきましたが、その際にも、平和的解決、人質の全面即時解放というものに向けたペルー政府の努力に対して私は改めて支持ということを申し上げると同時に、公邸周辺の警備の強化というものが、その必要性はよくわかりますけれども、不測の事態が起きることのないように十分配慮してほしいということも申し述べてまいりました。
 そうしたプロセスの中から、昨日、フジモリ大統領の方からどこかで会談をというお話がありまして、国会の御了承がいただければ二月一日、すなわち明日、参議院の御審議の全部終わりましたところで、その足でカナダに向かいましてフジーモリ大統領とお目にかかりたいと考えております。
 非常に厳しい要件でありますけれども、我々はそのテロリストの要求に屈するわけにまいりません。そして同時に、人質の人命というものをあくまでも私は大切にしたいと思います。それだけに大変難しい問題ではありますけれども、院の御決議もちょうだいをしていることであり、全力を尽くしてまいりたいと今願っております。
 どのような話になりますか、これは今予測もつきませんし、その点はまたお許しをいただきたいと存じます。
○片山虎之助君 ぜひ、総理の今言われましたテロリストには屈せず、人質の安全、解放、このための実り多い会談になることを心から望んでおきます。
 二点目は、昨日、当院で友部氏の逮捕許諾請求に対して応諾の議決をやりました。参議院は割にないんですよ。衆議院はちょくちょくあるんですが、参議院はない。四十三年ぶりであります。しかも、詐欺罪の疑惑という破廉恥なことでありまして、私は本院の権威と品格をおとしめたまことにもう遺憾きわまることだと考えております。
 しかも、捜査当局の説明だと、使途不明金がどこにどう流れたか、政界に流れた何だと、いろんなことをマスコミも報じておりますけれども、これも解明されなければなりませんが、特に御承知のように公選法の二百二十四条の三は、衆議院の小選挙区比例、参議院の比例について、名簿登載資格を与えることの権限を持つ者が請託を受けて金品をもらいますと、三年以下の懲役になるんです。申し込んだ方も三年以下の懲役ないしは百万円の罰金になるんです。
 そんなことがもし仮に事実だとすれば、これは議員の資格を、議員のバッジを金で買ったことになるんです。こんな国民から見て政治に対する不信をもたらすことはない。私は、そういう人を議員にする名簿に登載した政党の不明を恥じてもらわにゃいかぬと思います。ぜひ捜査当局は徹底的な究明をやってもらう、刑事事件の責任をはっきりしてもらう。あわせて同時に、政治責任も私はとってもらいたいと思う、関係者のですね。
 同時に我々も、各政党、各国会議員、政治家、すべて政治倫理の確立のためにさらに襟を正して思いを新たにせにゃいかぬと思いますが、総理の御所見があればお伺いいたしたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 党派が同じであれ異なっておれ、同僚議員の許諾請求にこたえるという結論を出しますとき、どれほどつらい思いをしながらこれに応ずるか、私自身も衆議院において体験をいたしております。それだけに委員の今述べられたお気持ちは、同じ思いをした一人としてお答えをさせていただきます。
 しかし、お尋ねのこの事案そのもの、これは既に捜査当局が全容解明、しかも早期の全容解明というものに向けて全力を傾けた捜査を行っているものだと私は思いますし、真相究明はその中からなされるでありましょう。きちんとその究明がなされることを私も願っております。
○片山虎之助君 それでは、具体的な質問に入りたいと思います。
 まず、補正予算関係と景気対策でありますが、今回、御承知のように補正予算が成立する。総理が言われるように、休みない財政運営をやって景気を回復するということは、私はもう当然必要だと思います。今回の補正予算にのったものは、私はすべて緊急性があると考えておりますし、しかもそれが同時に景気の下支え、回復に大変な助けになる、こういうものだと思っております。また、地方もちょうど今が最終的な来年度予算と最終補正予算の編成期なんですね。そういう意味でも連携をとってやるということが景気回復に大変役立っておる。
 そういう意味で、与野党話ができまして、明日、補正予算がこの参議院でも通過する、こういうことになったことは大変私は喜ばしいと思いますけれども、この補正予算に対する考え方について総理の御所見を承りたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から御指摘をいただきましたが、私自身は実は地方の補正のところまで国会でも申し上げてはまいりませんでした。しかし、そうした効果が見込まれることは当然のことでございます。
 同時に、私どもも、八年度補正予算というもの、いろいろな御意見を衆議院でもちょうだいいたしましたが、阪神・淡路大震災復興対策費にいたしましても緊急防災対策費等につきましても、本当に急がなければならない、そして必要なものを計上してまいったつもりでございます。
 確かに、この財源として一方では建設国債を発行いたしました。しかし、既定経費の節減を思い切って行うと同時に、剰余金を国債の返還などに充てるなど特例公債の減額を行う、財政健全化にも努めてまいったつもりであります。そしてその上で、御指摘のようにこの補正予算というのは八年度末から九年度初にかけての需要の下支えの効果というものを当然含んでおり、これが九年度予算とあわせて切れ目のない予算の円滑な執行に資する、経済運営の上にもプラスに働いてくると私は思っております。
○片山虎之助君 一部で、今回の補正予算は公共事業等のばらまきだ、こういう御批判があります。今の景気の状況は、去年に比べますとずっと公共工事の受注額というのは減っているんですよ、もう八カ月も。民需がまだそんなに強くない。私は、景気対策のために緊急性がある必要な公共事業を追加することはひとつも構わない、こう思いますよ。したがって、この補正予算の中に、プラスとあるいは言うんでしょうか、来年度公共事業の前倒しのゼロ国一兆円だとかあるいは住金の融資枠の拡大、五万戸だったですか、一兆円とか、これは私は必要だと思うんですね。
 もっと胸を張って、必要なものをきちっと手当てをして、しかも景気にもいいんだ、こういうことを政府が言うべきだと思いますが、大蔵大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(三塚博君) 公共事業が執行されますとそれだけの経済効果は出ますこと、かねがね御主張のとおり、私もそれを全く否定するということはいたしません。
 これまで景気対策のために公共投資が大幅に追加をされてきました。相乗効果が以前より落ちてまいりましたことも計数的に検証されてきたところでございます。欧米諸国では、不況期においては規制緩和などを通じた市場機能を盛んにすることによりまして下支えをいたしてきております。我が橋本内閣も、まさに規制緩和等を含め六つの改革、これを断行するということも、よきことはよきこととしてベースにつくり上げていくということであろうと思います。
 危機的状況にございます我が国の現況の中で、これから、過度に財政に頼る景気対策ということではなく、諸改革の断行によりましてこのことを下支えし、民需の活発化を促していくということが大事であろうと思います。
○片山虎之助君 大蔵大臣の言われるとおりなんですね。財政だけに頼る景気回復はもうこれからなかなか通用しない。私はやっぱり税制改革、規制緩和あるいはいわゆる日本版ビッグバンだとか、そういういろんなプログラムを着実にあわせてやることが必要だと思いますが、それじゃ公共一事業を一切抑えてしまっていいのかどうか。
 今、大蔵大臣は、波及効果の乗数効果が落ちていると言いましたけれども、これはいろんな計算で違うんです。世界経済モデルによると落ちていないということになっているんですね。とにかく減税よりも私はまだ公共事業の方が即効性があるし効果があると思いますが、乗数効果について、経済企画庁長官いかがでしょうか。
○政府委員(中名生隆君) お答え申し上げます。
 経済企画庁では、先生御指摘のように、世界経済モデルで公共事業の乗数効果というのを計算いたしております。これは、その時々のデータを織り込んでできるだけ新しいものをつくっておりますが、一番新しいモデルでは九二年までの十年間のデータを入れたものを計算いたしております。この計算で見ますと、そこまでの時点では公共投資によります乗数効果というのは大きくは低下をしていないという状況でございます。
○片山虎之助君 そうなんですよ、大蔵大臣。これは計算のあれで、ただ部品や製品の輸入が、日本は現地法人をつくっていますから入っているし、経済そのものがソフト化あるいはサービス化で変わっていることは私は確かにあると思いますが、それなりの効用はある。
 さらに、本格的な高齢社会になる前に、やはり基本的な社会資本はきっちり整備しておく必要がある。生活道路だとか下水道だとかあるいは住宅、公園だとか、それから空港や港湾でもおくれているんですよ、ある意味で、アジアのよその国に負けますよ。
 そういうことについて、建設大臣、公共事業を代表して御答弁を。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほどから委員のお話を聞いておりまして、さすが参議院の良識だなということをつくづくと感じております。
 御承知のように、社会資本整備は先進諸外国に比べましてはぼ五割程度の水準でしかないわけでありまして、国民の富を飲んだり食ったり、そういうことにだけ費やしていいのかと。これはそれなりの満足感はあるわけでありますが、やはり社会資本整備を着実にやっていくことをしなければ、我々の子や孫の時代において我々は当然の批判を私は受けると思います。
 公共投資が何か悪だというような、妙などこから出た議論かわかりませんが、今経済企画庁からのお話もございましたように、景気を着実に自律反転の軌道に乗せていく面におきましても下支えの大きな効果があることは当然のことでありまして、そういう意味でも、このたびの補正予算は一石二鳥のそうしたきちっとした予算である、このように思っております。
○片山虎之助君 どうも参議院の良識と褒めていただきまして恐縮でございますが、ただ公共事業の効率化というのは同時に急務だと私は思うんですよ。これはもう世間では三割も四割も高いと、そんなことはないと思いますけれども、資材が高かったり人件費が高いんだから、日本は山が多いんですからエネルギーのコストも高い。私はしょうがない面もあると思いますけれども、しかし、国民の目から見てコスト削減の努力をしなければなりません。
 平成六年の秋ですか、何か建設省ではコスト削減の計画をおつくりになった。その結果どのくらいコストが削減できたのか。
 それから、先般総理の指示で閣僚会議をおつくりになりました。どのくらいの削減を目標にされるのか、御答弁をお願いいたしたい。
○国務大臣(亀井静香君) 御指摘のように、国民からの貴重な税金を効率的に使って社会資本を整備するということは当然のことであります。
 総理からも、公共事業のコスト削減に関する関係閣僚会議を設置された上で厳しい御指示をいただいておりまして、関係閣僚間において今鋭意検討しております。いろいろこの方法、私ども事務的に考えておりますけれども、確かに資材面、手続面等含めて改善の余地はうんとあると思います。警察庁なり労働省なりいろんな各省の協力を得なければ建設省だけで解決できない面もあると思いますし、また一方では、施工能力のある中小の業者が下請という形じゃなくて直接受注する機会を思い切ってふやしたいと、このように考えております。このこともある意味ではコスト削減に大きく寄与するんではないかと、具体的に今取り組んで成果を上げたいと思っております。
○片山虎之助君 何割ぐらいでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) これはまだ私無責任に、各事業分野がありますから一律に幾らと言うわけにはまいりませんが、官房長官や総理から早く目標を出してやれと気合いを入れられるのでありますけれども、その点につきましては私は極めて慎重に、しかし思い切って各分野について切り込んでまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 大胆な建設大臣が慎重になられてあれでございますが、できるだけ早く削減の目標を出してぜひそれを実行していただきたい。
 それと、公共事業もさることながら、地方の単独事業は二十兆円を超えているんですよ、地財計画上。公共事業の倍なんですね、地方から見ると。ぜひ地方単独事業のむだを排しコスト削減に取り組んでいただきたいと思いますが、自治大臣。
○国務大臣(白川勝彦君) 委員御指摘のとおり、地方単独事業だけで二十兆ございます。それから、補助金等を通じて公共工事も十兆円あるわけでございまして、結論といたしましては、地方公共団体の名前で三十兆円の工事を発注しているわけでございます。
 これを例えば一割縮減すれば三兆円が浮くわけでございまして、大変大きいわけでございます。補助金等に関しては、その補助を出す省庁の方からかなり細かいいろんなものがついてくるようでございまして、細かい逆に制限もあるようでございます。地方分権の時代でございますから、そういうことをしなきゃいけない。
 そこで、私は率直に思いますけれども、そんなに関係者が大議論をしなきゃならぬほどのこれは問題なのかなと。私は、入札制度というもの、そして工事を受注する人の競争というのを、本来我々が想定するような入札というのをきちんとすることによってこの問題は半分方は解決する、こう私は思っておりまして、関係者の皆様方のこの点に関しての意識を高めていただきたいと。
 もう一つは、今度、確かに発注者側も私は変えなきゃならぬところもあると思います。単年度予算という制約がありまして、工事をする方にしてみれば平準化をしていただきたいという強い希望があるわけでございますが、出るのはどんとまとめて出ると。そうしたら、当然のことながら一時期に消化をしなきゃならぬわけでございますから、人件費その他が高騰する。ですから、受注者側の努力と同時に発注者側の努力ということも私はこの際真剣に考えていかなきゃならない。
 そういうところで、継続工事等について、新たなる工事の受注と継続工事の場合、全く同じような形でしなきゃいけないのか。それは公正な執行という意味で大事なのかもしれませんが、継続工事を全く別の業者が受注するということは極めて数少ないわけですから、その辺についてのもう少しフレックスな物の考え方をしたら随分改善されるんじゃないかなと、そんなふうに思って、自治省の中にも対策委員会をつくって、その目標に向かって努力をしておるところであります。
○片山虎之助君 今の白川自治大臣のお話、ぜひ関係閣僚会議で十分議論して適正な方向を出していただきたい、こういうように思います。
 実は一昨日、自民党の研究会が特別養護老人ホーム、岡光さんの件で相当有名になりましたね、丸投げか何か知りませんけれども、それについての是正案を厚生省に申し入れたと報ぜられておりますが、厚生省としての今後の取り組みはいかがでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 厚生省内に設けた調査委員会におきまして、昨年来の不祥事の反省を今後どうやって再発防止に生かすかということで省内でも調査を進めております。
 一昨日、自民党からの御指摘、御提言を受けて、補助金の交付対象施設の選定手続あるいは建設工事にかかわる手続、さらに社会福祉法人の運営等の適正化等、今鋭意取りまとめている最中であります。あすじゆうには公表できると思います。
○片山虎之助君 それから、来年度予算になるんでしょうか、省庁間の公共事業の連携調整のために二百億円の枠をおつくりになったと。それはどういう利用の仕方をするんでしょうか。事務方でも結構ですが、大蔵大臣でも結構です。国土庁長官ですか。
○国務大臣(伊藤公介君) これまでは、ややそれぞれの省庁の縦割りということでいろいろ御指摘をいただいてまいりました。
 例えば、港湾をつくる、高規格幹線との間の道路をどうするかという、運輸省、農林省、建設省それぞれの事業展開をするわけですけれども、その間の調整をどうしていくかということがやはり非常に大事だという御指摘をいただきまして、従来百四十六億でありましたが、北海道、沖縄等を含めますと約二百億の調整費の中で私ども各省庁間の調整をして、総合的な国土政策が進められるようにしっかりやってまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 そこで、今度のこの補正予算で私が今後の問題点として考えますのは、予算というのは年間総合予算がベターなんですよ。だから、補正予算はできるだけ必要なものに限る必要がある。ただ、今回は私はやむを得ないと思いますが、今後ですよ。
 そこで、補正予算の中に毎回登場してくるのがウルグアイ・ラウンド関連対策なんです。これはもともと平成六年度の補正で始まって、当初でも少しつくんですが大部分は補正でつくんです。それから、これも役所側には理屈があるんだけれども、住都公団の補助金、補給金も同じなんです。
 だから、ある意味ではシーリングのしり抜けをやるためにという疑いを持たれるおそれがある。したがって、平成九年度以降の補正のあり方について私はそういうものはやめてもらいたい。シーリングの枠にはまらないのなら例外扱いすればいいんですから。大蔵大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(三塚博君) そういう意見もあることを承知いたしております。自民党を代表する本委員会の質疑において問題提起をされたことは決して忘れません。
○片山虎之助君 いやいや、それは忘れないだけではだめですよ、もう永久に大蔵大臣をおやりになるわけじゃないんだから。どうされるかの方向を言ってくださいよ。年間総合予算主義というのが私は正しいと思っているんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(三塚博君) そのとおりでございまして、財政民主主義の観点からいいましても、年一回の予算を編成するときに、一年の計は元旦にありということではございませんが、四月一日にありでありますから、予算年度でありますので、そのことを大事にしながら財政再建元年にふさわしい予算編成をしたつもりでございます。そのとおりであります。
○片山虎之助君 よろしくお願いします。
 そこで、この株安について私は思うんですが、普通は年末年始や御祝儀相場で株が上がるんですよ。ところが、年末からがたがたと株がダウ何千円も下がっている。それに対して政府側は、とにかく重大な関心を持っているけれども、マーケットのことはマーケットでどうぞ御自由にと。
 私は、これではなかなか先行きの不安がとまらないと思いますよ。もう少し事態をしっかり認識して、もう少し前向きのコメントを出され、またできれば三月末ぐらいまでがいいんですが、今後の税制改正で、資産デフレなんだから、土地税制や有取税あるいは法人課税も財界の方はやかましい、そういうものの税制改正の大きな筋を示す、あるいは規制緩和の前倒し、ビッグバンの前倒し、そういうことを前倒しのこういうスケジュールでやるんですということを示すだけで私は株安はとまると思うんですよ。株が下がってもうみんな怒るんですよ。株が上がって怒る人はいないんです。下がればみんな怒る、本当に。みんな貧乏人になったと思っているんです。大蔵大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(三塚博君) 株安とよく言われます。時に株高というのもあります。自由主義経済の基本は市場に介入をしないという、自律的な努力の中で産業が振興していくということであり、特にマーケットでございますから、資本市場であり、株式市場は総合的な産業経済の血液を供給しておるところであります。
 御案内のとおり、ここ三、四日ほぼ安定しつつあるように見受けます。これが乱高下するということに対しましては重大な関心を持って見詰めることは当然でありますが、政府として株式市場に介入をいたしますことは自律的な決定というものに干渉することになります。経済国家として、またG7のリーダー国の一つとして、他国の例もまさに今申し上げたとおりでございまして、市場のことは市場に聞けと。マーケットがそれをその都度決めてくるわけでありますから、そのことは警告として受けとめますけれども、ここのところは政府として守らなければならない一つの基本でありまして、また越えなければならない資本市場の問題であります。
 御説のとおり、諸改革の断行をスケジュールを決めてやれというのは、まさにこれに逆に政治がメッセージを送ることになります。また、おかげさまで明日で補正予算が可決成立の予定である、御審議の予定であると、こういうことであります。こういうこともメッセージでありますし、来年度予算を年度内に成立させていただきますこともこれまた大きなメッセージでございます。どうぞそういう点で御理解を賜ります。
○片山虎之助君 市場が乱高下じゃないんですよ。今、大蔵大臣が言われるように仮に安定しているとすれば、低位安定なんですよ、一万七、八千円で。乱高下じゃないんですよ。
 それから、私が言っているのは、市場介入しろとなんか一つも言っていない。私は、どうせ橋本総理の六つの大改革をおやりになるんだから前倒しをしなさい、スケジュール、プログラムを明らかにしなさいと、どうせやるんですから。そうなれば市場が安心する、それが株安をとめることになる、こういうふうに私は考えているんですが、総理いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) それぞれの改革の中のスケジュールをできるだけ明らかにすべき、そしてそのうちで前倒せるものは前倒せ、私もその御指摘は非常に素直にちょうだいしたいと思います。
 殊にその中で規制緩和について、昨年企画庁の方から問題提起があり、それを各省で真剣に受けとめてもらいまして、六つの分野について相当なものが出てまいりました。
 典型的なものは、運輸省における需給調整の原則廃止。ただ、逆にこれは需給調整を廃止しました場合に、過疎地域のバスだとか離島航路だとかというところに不安を残さないような工夫は必要とするんですけれども、そういう方向がまず既に出ております。こういうものに日にちを入れていくことも必要でありましょうし、さらに他の分野の規制緩和をできるだけ前倒していくといった努力も必要であると思います。
 近いうち、そうした趣旨のことを私は閣議なり閣僚懇談会なりで改めてすべての閣僚にそれぞれの主管部分における努力を重ねて要請したいと思っておりまして、議員の御指摘は素直にちょうだいしたいと思います。
○片山虎之助君 次に、為替安、円安なんですよ。これもずるずる、まあ輸出にいいんだからいいじゃないかと言っているといつの間にやら円が百二十円を超えるようになっているんですね。政府に言わせると、いやいや、円が安いんじゃないんですよ、ドルが強いんですよと言うんです。それはそうでしょう。しかし同時に、私は円安というものがいろんな影響を与えるようになってくると思いますよ、このままでいくと。そこで、これはとめてもらわにゃいかぬ、ほどほどのところで。このほどほどが難しい、為替については。
 そこで、日本が今大変な超低金利です。とにかく公定歩合が〇・五なんという国はありませんよね、ない。ドイツが二・五、アメリカが五・〇、イギリスが六・〇、日本に割に近いのはスイスが一・〇ですけれどもね。私は、もうそろそろこの長い間の、〇・五は一年半ほど前ですけれども、その前が一%、一・七五ですから、もうそろそろこの超低金利政策をやめてもらわないとくたびれてしまう、みんな。
 とにかく今の金融資産は一千百兆円と言われている。負債が三百兆ですから、八百兆でしょう。一%で八兆円なんですよ。八兆円の消費が仮に起こったとすれば大変なことになる。それが超低金利によって個人から金融機関や企業に所得移転しているんですよ、国民の負担でですよ。国民の負担でそういう企業や金融機関がもうかっていると言われても、必ずしも正確ではありませんけれども、やむを得ないことになっている。もう年金生活者やお年寄りはくたびれていますよ。
 ぜひこの超低金利を直してもらいたい。せめて〇・五ぐらい公定歩合を上げてもらいたい。私は、〇・五ぐらい上げても日本経済は大丈夫だと思うし、上げることのメリット・デメリットを考えているときに、もうそろそろ平行になって、メリットの方が出てくるんじゃないかと思いますが、日銀総裁いかがですか。
○参考人(松下康雄君) 私どもは、これまで日本経済を自律的な回復軌道に乗せていくということを目的にいたしまして思い切った金融緩和措置を講じてまいりました。そうした政策効果の浸透もございまして、このところ住宅建設の活発化ですとか設備投資の増加でありますとか、あるいは純輸出の減少傾向の一服というような次第で国内の景気は緩やかな回復を続けておりまして、最近では景気回復力の底がたさが次第に増してきていると見ております。
 このように経済活動を活発化させてまいりますことは雇用の回復あるいは所得の増加という形で広く国民にメリットを及ぼすものでございまして、私どもももとより金利水準に多くを依存していらっしゃる家計の御苦労はよく理解をしているつもりでございますけれども、全体として判断をいたしますと、やはり国民に負担を負わせるということよりも、国民全体の将来の経済回復のメリットを大きくするというねらいであることを御理解いただきたいと思います。
 そこで、景気の先行きについての判断でございますが、今後、財政面からの影響をこなして経済が自律的な回復軌道にしっかりと移行してまいりますには、民間需要の回復力がもう一段強まることが必要であると考えております。また、最近の株式市場の動向から見ますと、企業は景気の先行きに対しましてなお慎重な見方をとっているようでございます。
 こういった情勢から、当面の金融政策の運営に当たりましては、これまで同様に景気回復の基盤をよりしっかりとするということに重点を置きまして、情勢の展開を注意深く見守ってまいることが適切であろうという判断をいたしておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○片山虎之助君 日銀総裁は、景気回復が先決で、景気が回復すればみんな豊かになるんだから、国民にも回り回ってプラスがあるんだから、まあもうちょっと辛抱せい、注意深く見守ると、こういうことなんですね。でも、公定歩合は日銀の政策委員会、日銀改革が今大きな課題になっておりますけれども、政策委員会で決められるわけですよ。どうですか、日銀の独自性をお出しになったら。再度の御答弁をお願いします。
○参考人(松下康雄君) 私どもは中央銀行といたしましての責任を痛感し、また私どもの責任におきましてただいま申し上げましたような経済情勢の判断をいたしまして、この金融政策の方針が全体として見て国民経済のために有益であるということを考えました上でこの政策をとっている次第でございます。
○片山虎之助君 総理は、平成九年度は財政構造改革元年にすると、こういうことで国債を四兆三千億減額したわけですね。ところが、増税は七兆じゃないか、数字が合わないじゃないかという議論があるんですが、実は地方の方の借入金の減が二兆七、八千億あるんです。足すと七兆を超えるんですよ。私は、そういう意味では、果敢に国債減額や地方財政の借入金減額をおやりになって、構造改革元年として百点ではないにしてもかなりいい線を行っているなと。だから、今後どうやるかですよ、財政再建を。
 そこで、財政再建法の議論が起こっておりますが、その時期、内容が定かでない。まあ内容はいいですよ。財政再建法を国会で審議してもらう時期を、どうも総理は秋の臨時国会だと、大蔵大臣はこの通常国会の後ろの方だと、こう言われておるんですが、それはどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(三塚博君) 決して食い違いはないんです。財政構造改革会議、御案内のとおり、二十一日に与党三党の申し入れを受けまして御案内のメンバーでスタートを切りました。二月上旬に第二回の会議が行われます。自後は、企画委員会というんでしょうか幹事会というんでしょうか、具体的な項目について検討に入らせていただきます。
 まさに財政再建をどのような手法で取り進めるか、そのためには具体的にどう切り込まなければならないのか。危機的な国家財政の状況でございますから、ひとり等閑視するようなそしりを受けるわけにはまいりませんし、国家の行政の基本は、国の経済の基がしっかりし、次世代がこの国に誇りを持って全力を尽くしてくれるような世代間の断絶のない公正なよりよき日本の国家がしっかりと継承されていくようにならなければなりませんから、借金は確実に返していかなければなりません。
 EUの加盟条件に、地方、国の累積赤字はGDPの六〇%以下が基本である、フローは三%の赤字であると、こういうことであって、それ以下と。我が国もそこを目指すわけでありますが、二〇〇五年までには確実に脱出をしようと、これは総理のつくり上げた命題であります。そして、それは一年でも早くやろうと。そのためのスタート台に立ったわけでございますから、まず平成十年の予算編成をまさに第二年度の、それから構造改革の基本に沿って、基準に沿ってこれを行うということで成果あらしめなければならぬということで、この常会のおしまいのころまでには何とか編成に影響力を及ぼし、国民各位の理解を求めるためにも法案をつくりたいという気構えを示したわけです。総理が秋の臨時国会にそのことが御審議いただけるようにと、こう言っておることと気構えと同じでありまして、そう御理解をしていただきます。
○片山虎之助君 わかりました。よろしくお願いいたしたいと思います。
 それから、財政再建法の中身ですね、フローで三%以下、ストックで六〇%以下、いいんですよ。しかし、そういうことだけじゃ本当の効果があるんだろうかと。よその国がやっているように、分野ごとに上限を設けるなり、あるいは優先順位をつけるなり、本当はスクラップ・アンド・ビルドというのもあるんでしょうが、何か中身の手法をお考えいただかないと、努力目標を示した訓示規定みたいな財政再建法じゃ私は意味がないと思います。
 そこで、この財政再建と絡んで盛んに議論されているのが、一つは公共事業の五カ年計画。今十六種類あります。そのうちの五種類が年末に閣議決定されたわけですよ。大体四割程度伸びていますよね、事業規模が。それからもう一つ、その根っこにある公共投資基本計画、これは外国との関係ありますし、しかもこれは単に見通しですが、目標ですが、しかし六百三十兆円。これと財政再建との関係をどうきちっと整理されるのかということが一つ。
 それから、あと整備新幹線がありますけれども、それはちょっと後にします。
 今の公共事業五カ年計画と公共投資基本計画、六百三十兆円と財政再建との関係はいかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 原則論から始めますとひどく長々となりますから、それを申し上げるつもりはありません。
 そして、公共投資基本計画、もともと四百三十兆という数字を出しました時点では、これはまさにアメリカとの構造協議のぶつかり合いの中で、アメリカ側の要求に対抗する手段として選んだものでございました。しかし、その後、まさに本格的な高齢化社会というものの到来を前にして、我が国が豊かな、しかも質の高い生活水準というものをつくっていく、そのためにということから社会資本整備という観点でこれを改めた内容になっているわけです。
 今それぞれの個別の五カ年計画のお話もありました。私は、それなりに皆、実はその時期その時期の経済情勢を見ながら進めていくという性格のものであって、ここで云々すべきと必ずしも思いません。しかし、この財政構造改革会議の議論の中では、当然のことながら聖域のない議論をしていくわけでありまして、この問題についても十分御論議がいただけるものと私は思っております。
○片山虎之助君 ぜひ総理、財政再建法を国会に出される、議論される段階までに関係をきちっと説明できるように、公共事業五カ年計画は意味があると私は思っている。ただしかし、今のようなやり方でずっといくのが正しいかどうか、基本計画の方はもっとふわっとしていますから、ぜひ財政再建との関係を整理していただきたいと思います。
 そこで、来年度予算、平成九年度予算で大変に地元でも評判が悪いものに整備新幹線があるんです。予算全体のイメージを悪くしているような感じすらあるんですよ。しかも、中身は割に誤解がある、こういうように私は思うんです。本当にそう思います。やっぱり高速鉄道というものの優位性、例えば環境上の、あるいはエネルギー上のというものがありますし、道路で運ぶには限界があるんだから、大量に高速で人や物を動かすということの意味もある。それから、地域にとっては悲願なんですね。地域の方々のあの熱い思いを聞いていると嫌と言うわけになかなかいかない。しかし同時に、一方では財政再建という大変な課題がある、どう調整させるか。
 そこで、いろいろ苦心されて、政府・与党で検討委員会をおつくりになって、一件審査で新規着工を決めていかれると。それにはいろんな八ードルをつくられました。その概要と取り組む姿勢を、運輸大臣。
○国務大臣(古賀誠君) 久方ぶりに新幹線問題につきましても明るい御論議をいただくことになりまして大変心強く思っておりますが、御案内のとおり、整備新幹線、先生御指摘のとおり、今後我が国の高速交通ネットワークを形成する意味で大変必要な輸送機関であるというふうに思っております。
 また同時に、国土の均衡ある発展、それからまた地域の活性化、そしてまた、先生も今お触れになりましたけれども、沿線の住民の方々のこの整備新幹線にかける期待と夢、これは大変大きなものがございます。そういう意味で、この整備を着実に推進していく必要があるだろうというふうに私は思っております。
 しかし一方では、今の財政、まさに財政再建の第一歩を踏み出すわけでありますから、この点にどう配慮していくのか、大変大事な観点だというふうに思っております。
 御承知のとおり、整備新幹線について、昨年の十二月の政府・与党合意に基づきまして、総理もたびたび御答弁いただいておりますけれども、整備区間ごとにまず収支の採算性の見通しをしっかり立てようということだろうと思います。また、用地の確保の見通しも確かなものでなければいけません。そして、並行在来線の経営分離について、関係する地方自治体とどういう合意がとれるのかということも私は重要な観点だと思います。また、当然事業主体でありますJRとの同意、こういった基礎的な条件をしっかり確認した上で私は適切に処理していきたい、このように考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○片山虎之助君 この整備新幹線で世間が言っているのは、一つは、国鉄長期債務が二十八兆幾らもあるのに何でまた赤字になるものをつくるのかということなんですね。それが一つ。
 それから、建設財源はどうなっているのと。財政再建で厳しい。建設財源はいろんなあれがありました。固定資産税の振りかえや何かの議論があって、一応リーズナブルな範囲での財源の手当ては私はできていると思っている。
 国鉄長期債務というのは、何らかの形で平成九年度中に結論を出すというのがお考えのようですが、これはきちっと出す、国民の理解を得ながら。問題は、赤字になるものはつくらないということですよ。赤字にしない。しかも、それを国民から見て納得できるような説明と手だてを示すことが私は必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(古賀誠君) まさにおっしゃるとおりでございまして、まず赤字を出さないということが一番重要な観点だろうと。それだけに、今申し上げました要点をしっかりと踏まえ、基本的な問題を確認した上で着工していく、適切に処理していく、こういう意味でございますので、御理解をいただきたいと思います。
○片山虎之助君 それから、衆議院の予算審議の過程で建設大臣は、住都公団の改組、縮小、もう分譲住宅から全面撤退、賃貸住宅はもうかなり限定的にやると。残りは都市再開発や市街地再開発をやるんだと。そうなると、地域振興整備公団が地方の方をやりますから、ダブるから両方の統合もあるんだと。こういう御答弁があるわけでありますが、どうも関係省庁の御意見は必ずしも一致していないと思うんですね。
 そこで、申しわけありませんが、建設大臣、通産大臣、国土庁長官の御答弁を簡潔にお願いします。
○国務大臣(亀井静香君) 国民のために住都公団、地域振興公団の業務を今後どういう組織で、どういう権限等でやっていくというようなことの基本的なことにつきましては、通産大臣、国土庁長官と一致をしていると、このように考えております。
○国務大臣(佐藤信二君) 通産省といたしましては、この地域振興整備公団の問題に関しては、平成七年二月の特殊法人の見直しについてということで、閣議の決定に基づいて業務の見直しというものを既に確実に進めているところなんです。
 今お話しの地域振興整備公団と住都公団の件は、亀井建設大臣の方から一週間ぐらい前に、こういう問題があるから一緒にと、こんな話をいただいたことは事実であります。そこで、統合も視野に入れて事務方でもって今検討を依頼しているということでございます。
 本問題に関しましては、統合も一つの考え方とは思いますが、行政改革を本当に実現していくために必要なことは何かという立場に立って総合的に考えるべきである、こういうことでございまして、住都公団についてはまずどのような業務の見直しを行ってもらえるのか、あるいはどのようにスリム化になっているかというものをお示しになることが重要である、それを踏んまえて地域振興整備公団との関係について検討していきたいと、かように考えております。
○国務大臣(伊藤公介君) 地域振興整備公団は、これまでも地方の都市づくりあるいはニュータウンなどで非常に大きな時代的な役割を果たしてきたと思っています。
 そこで、建設大臣のもとで今住都公団の大きな見直し、スリム化を断行する、こういう方向であります。私ども国土庁といたしましては、過疎と過密を解消して、豊かな自然を背景にしてすばらしい国土政策を展開していきたい、そういう中で、この行政改革の中で、住都公団というものも新しい時代にスリム化していくし、私たちの地域振興整備公団というものも、その果たしてきた役割を生かしながら、住都公団との統廃合ということも一つの選択肢として、私たちは今それぞれの答弁がありました大臣と連絡をとりながら、官房長同士でもどういう形が一番いいのかを検討するように指示させていただいております。
○片山虎之助君 基本的には一致しているんでしょうが、三大臣若干違いますね、ニュアンスが。どうも押しかけ結婚風なんですよ、押しかけ結婚。来られた方はちょっと迷惑している。しかし、まあいい申し出だから検討しましょう、こういうことだと思いますね。
 そこで、同じくまた建設大臣に関係があるんですが、日野市長が高速道路に固定資産税をかけると。そこで、建設大臣と市長との間に言葉を選ばないやりとりが大分ありまして、マスコミがおもしろおかしく取り上げておるんですが、これは論争で決めるべきことじゃないんですね。地方税法上の解釈なんですよ。公共の用に供する道路は固定資産税をかけないと書いてある。そういう解釈は確立しているんだから、その解釈について、自治大臣、再度御確認をお願いします。高速道路も公共の用に供する道路だと。
○国務大臣(白川勝彦君) 片山委員おっしゃるとおりでございます。
○片山虎之助君 そこで、何で日野市長がそういうことを考えついたかといいますと、道路審議会の中間答申で、とにかく将来、もともと高速道路は最終的には無料開放になるという前提があったんです、途中で償還が終われば。償還が終わっても補修だとか更新だとかいろいろあるから、とにかくずっとお金を取るということの答申をしたんですよ。
 そこで、市町村にとっては話が違うではないかと、こういう感じは私は確かにあるんです。あるんだけれども、まだ中間答申で、国として、建設省としての態度も一つも決まっていないし、そのための法律も何にも出ていない。そういう段階で、一方的に固定資産税をかけるということは乱暴きわまると思いますよ。いかがでしょうか。
○国務大臣(白川勝彦君) 片山委員のおっしゃったとおりでございまして、誤解のもとは道路審議会の答申から出てきたわけでございます。それはそういう考え方もあるという話であって、最終的に建設省の方で高速道路の償還後はどうするかという話が決まって、それに基づく方策が決まり法律等が変わればその時点で我々も見直すつもりでございますが、今の、ただこういう一考え方もあるという時点で変えるつもりはありません。ですから、東京都を通じまして日野市の方にも、適正な措置をするようにということで現在指導しているところであります。
○片山虎之助君 そこで、永久に無料化を仮にできない、まだ決まっていないんでしょう、となったら、私は何かきちっと手だてというか手当てをしないといかぬと思いますね、法律上きちっと書くとかあるいはほかのあれを考えるとか。例えば国有提供施設の納付金制度なんというのがあるんですが、それがいいとは思いませんよ。思いませんけれども、何かきちっとやる、そのための検討を関係者で本気でやる、こういう必要があると思いますが、建設大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 委員御承知のように今プール制でやっておるわけでありますから、全国のネットワークを完成した後これを無料化するというのが今の方針でございますけれども、私どもといたしましては、道路公団についてこれを抜本的に見直しを指示して、今検討させておるところでございます。
 道路公団が今のままの経営形態なり、いろんな形でいくのかどうかを含めまして、将来これが無料化という形でいくのか、あるいは維持管理という面がございますから、そういうことを含めて有料化という形になっていくのか、その場合経営形態が今のままでいいのかどうかという問題もございます。これを今総合的に将来を見詰めて検討しておりますので、その中で結論を出していきたい。しかし、当面、高速道路料金をこれ以上上げていくことのないようなそうした経営努力をし、それまでの間も無料に限りなく近づけていくという努力をしてまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 私の関連質問で同僚議員が日本海の重油流出の除去問題その他を質問すると思いますが、せんだって、これも衆議院の審議において自治大臣が、沿岸の関係地方団体は思い切って重油除去のためにやれ、金に糸目をつけないとは言われなかったんでしょうが、心配せぬでやれ、特別交付税は幾らでも出す、こういう趣旨を言われた。私も反対じゃないんです。特別交付税はそういうためにあるんです。
 しかし、原因はロシアなんですよ。ロシアのあんな、おんぼろと言ったら怒られますが、波と風で沈むようなタンカーなんですよ、問題は。いや本当に。そこで、そのための除去に莫大な特交がそっちへ回されるとしますと、特交だって無尽蔵じゃないんだから、しかもこれは全地方団体の共通の財源なんです。だから、私はおのずから限度があると思いますよ。どのくらいなのかようわかりません。
 その辺について、自治大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(白川勝彦君) 油の除去、寒天下で大変苦労されている、しかもささやかなことで心配されている方に、私はそんなことは心配しないでいいと言ったのでございます。
 どういうことで苦労しているかというと、ドラム缶を買ったりあるいは麻袋を買うとかいろんな、油除去、清掃費用の一番大きいものは、もう委員御存じのとおり、本当に手を抜けない人件費なんですよ。その人件費は、職員の超過勤務手当とか、一日三千円前後の消防団の手当、それは幾らでもないわけです。実際、そのまた何十倍も上回るボランティアでやっているわけでございまして、そのボランティアの方が作業をするためにスコップだとか、いろんな状況によって違うそういうものを買う。しかし、財政力の乏しいところは、それを買っても後で面倒を見てくださるのかなと言うものですから、そんな金ぐらいはだれが面倒を見なくても自治省は責任を持ちますから遠慮なく買ってくださいということであって、このナホトカ号の事故全部をこれは自治省だけで対応できるものじゃありません。
 まず第一次的には船主責任保険や油濁補償基金から出してもらわなきゃいけないし、それ以外にも各省庁が持っておられるでしょう。同時に、もし莫大な別の被害が出た、今予想できませんが、漁業被害とかそういうものが出たとして、そういうものは本来、場合によったら国からも別の手当てがなされるかもわかりませんが、特に油を除去する、しかもそれはボランティアを組織してやる、その中核になるのは各地方自治体なんですよ。そういうところがかかる金はおっしゃるとおりそんなに多くなるものではありません。その程度のことは、ほかの省庁が全然面倒を見ていなくてもそれは自治省において責任を持つ、こういうことを言ったわけでございまして、言ったことは責任を持ちます。
○片山虎之助君 よくわかりました。
 そこで、次は、質問の大きなテーマを教育改革、教科書問題に移したいと思います。
 総理が五つの改革のほかに教育改革をお取り上げいただいたことは、私は大変喜ばしく思っております。
 十二月十六日の特別委員会の質問で私は、公務員の綱紀の弛緩、倫理の退廃は、公務員自身にも責任はあるけれども、同時に日本人自身がおかしくなりかけていると。愛国心を忘れ、愛郷心を忘れ、恥を忘れ、滅私奉公を忘れ、滅私奉公は古いんですけれども、勤勉を忘れ、質素を忘れ、いや本当ですよ。そのためには、政治家の責任ももちろんあるけれども、教育の重要性ということを申し上げたわけで、お取り上げいただいたことを大変感謝いたします。
 ただ私は、教育の改革は五つの改革とはちょっと違うと思うんですよ。これは人づくりなんです、心の問題なんですね、夢をどうするかという問題。だから、すべてのシステムの改革、残りの改革とは別の次元の改革であり、むしろ文部大臣は先ほどの質問に基盤だと、こう言われましたが、基盤というのか根底というのか、それをまずしっかりしながら五つの改革と、こう私は思いますけれども、いかがでしょうか総理。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は議員の御見解に異論を唱えるのではありません。
 しかし同時に、例えば教育の中におきましても規制緩和をしなければならない部分をたくさん持っております。そして、これは例えば私学等を考えましても、まさに規制緩和という範嗜からとらえる部分を持っているわけであります。
 根底をなす改革であることは、私は全く異論ございません。その上で、やはり同じような視点から進めなければならない部分もあることは事実だと思います。
○片山虎之助君 総理の言われるとおりで、教育システムの改革も同時に必要なんですね。しかし同時に、そのことは日本人の意識の改革、日本には何でもあるけれども、日本だけがないと言われるような状況を打破していくことが私はやっぱりこの改革のポイントだろう、こういうふうに思います。
 そこで、教育という言葉なんですが、明治にそういう言葉が入って、エデュケーションですね、これはラテン語がもともとのあれでありまして、結局引き出すということなんです、押し込むとか植えつけるということじゃないんです。個人の持つ能力や創造性やチャレンジ精神を引き出すことなんですね。だから、明治の初めに、明治十年ごろ、総理がお出になった慶応義塾大学の創始者の福沢諭吉は、教育という言葉はおかしいんだ、発育だ、育つを発する、育つを刺激するんだ、こういうことを言われているんです。
 ところが、今の教育は引き出していますかね。私は、押し込んでいる、妙なものを植えつけている、そういう教育に変わっていると思います。本当に個人の能力や創造性やチャレンジ精神を引き出す教育に変えてもらいたいと思いますけれども、総理いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は今の御意見に全く異論がありません。先ほど他の議員の御質問に対して同じような趣旨を別な言葉で言いかえたように思いますが、例えば民間で活躍しておられる方が教職員としての資格をお持ちにならないままに教育の場に立てるようなと、一つの例のつもりで私は申し上げました。
 今まで反省されながらなかなか実行に移されなかった部分の一つでありますが、私は、要は地域社会の中におきましてもどうやって、例えばよそのお子さんが悪いことをしていたときにしかって、向こうの親からどなり込まれたりしないで地域社会の連帯の中で子供たちを育てていけるかということに尽きると思います。そして、例えばスポーツ少年団でありますとかボーイスカウトでありますとか、その地域で本当に育っていくかどうかはまさにボランティアとしてリーダーをしてくださる方の情熱がその組織を育てていくかどうかのかぎになります。
 そういった意味では、まさに議員の御指摘になりましたような部分、十分大切なこと、そのように受けとめております。
○片山虎之助君 もう午前中の時間がそろそろ来ました。
 総理の指示に基づいて、文部省は一月二十四日に教育改革プログラム、こういうのを発表されました。盛りだくさんでいっぱいいろんなことを書いてある。あの教育改革プログラムの基本は何なのか。どういう決意でお取り組みになるのか。作文じゃいけませんよ、作文ならだれでも書けるんだから。先ほどの質問では大変丁寧な決意ある御答弁がありましたが、重ねて文部大臣よろしくお願いします。
○国務大臣(小杉隆君) 従来の教育がともすると知識を教え込むという方向に重点が置かれていましたが、これからはもう少し人格形成という面に力点を置いていきたいと思っております。
○委員長(大河原太一郎君) 片山君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成八年度一般会計補正予算(第1号)、平成八年度特別会計補正予算(特第1号)、平成八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 教育における教科書の重要性というのは論をまたないところでありますが、現在、我が国は昭和二十四年度から検定制度がとられております。検定というのは、国定教科書と自由化の真ん中なんですね。民間に書かせるけれども、チェックすると。
 ところが、このチェックも大変きついチェックから緩いチェックまで何段階もある。私は、今の我が国の教科書検定制度は大変緩やかになっていると思います。ということは、既に文部大臣から答弁がありましたように、明らかに事実と違うもの以外はいいんだと、こういうことになっている。
 しかも、昭和五十七年に中国、韓国と若干問題がありまして、侵略か侵攻か侵入かという。そこで近隣諸国条項というのが入ったわけですね。近隣アジア諸国の近現代史については国際理解と国際協調の観点から配慮しなさいと。私はそれは一向に構わないと思うんですね。近隣アジア諸国と仲よくする、彼らに与えた痛みについてはちゃんとわかるということは私は必要だと思うけれども、同時に我が国の歴史や文化や伝統に対する誇りや自信を与えるような教科書でなければならないと、こういうふうに思うんですね。
 今は適当、不適当は言えないですよ。これは間違いだ、明らかに間違いだと、事実と違うというものだけチェックする。これでいいんだろうかなと。私は、もう少し前向きの、国際社会でも尊敬されるよき日本人をつくるための教科書にする、そういう観点が検定に要ると思いますが、文部大臣いかがですか。
○国務大臣(小杉隆君) 先生御指摘のとおり、著作者、編集者の創意工夫によって教科書ができているわけでありまして、今の検定制度のお話もありましたが、文部省としても学習指導要領とか検定基準に従って検定をさせていただいているところです。
 例えば教育基本法の第一条、これはもう私が読み上げると長くなりますから申しませんが、とにかく個人の人格の形成ということを第一の目標としておりますが、同時に国あるいは社会の形成者の一人としての自覚も持つことを目的としております。そういう中で、私どもも、国民として自分の国の歴史とか文化とか、あるいは国民としての自覚や誇りを持つような、そういう歴史教育といいましょうか、教科書の作成に努力をしているところでございます。
○片山虎之助君 わかったようなわからないような答弁でございますけれども、時間が余りありません。
 そこで、文部大臣、教科書は検定があるんですよ。その教科書を教える教師用の指導書は全くノー検定なんですよ。これがかなりいろんなことを書いているんです。いいんですか、それを野放しにして、自由自在にして、教える側。教科書だけ検定がある、緩やかだけれども。いかがですか。
○国務大臣(小杉隆君) 私も教師用の手引書を見せていただきましたが、かなり詳しく書いてあります。例えば、きょうのようなこういう国会の問答も全部書いてあります。これはあくまでも教科書会社が任意に発行しているものでありまして、私たちとして特にこれにかかわっているわけではありません。ただ、指導用の手引、これを見まして、その記述が適切であるかどうかについては我々としてもよく注意しておりまして、もし行き過ぎたような場合がありましたら教科書協会を通じまして記述の改善方について指導を行っております。
○片山虎之助君 私は事実は事実を歴史としてきちっと教えてひとつも構わぬと思う。ただ、それを誇張したり歪曲したり間違えたり、それは困ると言っているんですよ。そういうことが教師用の指導書に散見されます。調べてください。そして、それはきちっと何らかの措置をとるということを約束してください。
○国務大臣(小杉隆君) 繰り返しになりますけれども、そういう場合には記述の改善方について教科書協会を通じて各教科書会社に申し入れる、こういうことになっております。
○片山虎之助君 協会を通じてじゃ迂遠なんですけれどもね。
 そこで、きょう午前中も質問がありました、ほかの党の質問者から。教科書について偏向だとか不正確だとか間違いだとかいっぱいそういう注文がある。それを文部省のどこかできちっと受け付けて、精査して、場合によってはその言ってきた人と協議して直すという仕組みゃ場をつくる用意はありませんか。
○国務大臣(小杉隆君) 教科書に関してはさまざまな御意見や御要望があるところですが、その都度説明はやっておりますし、また必要なものは発行者の方に伝えるというようなこともやっております。
 私自身もいろんな方々の御意見をできるだけオープンに聞くように努力をしております。とにかく国民の教科書に対する信頼感というものを確保するためにさらなる努力をしていきたいと思います。
○片山虎之助君 いや、だめですよ。文部省に、教科書に関する苦情センターと言ったら語弊があるかもしれぬけれども、そういうものをつくって、そこできちっと、これはこういうことです、これは間違いですから直してくださいとか、そういう仕組みをつくってください、場を。任意で受け付けてということじゃ直りませんよ。
○国務大臣(小杉隆君) 教科内容につきましては、教育課程審議会という文部大臣の諮問機関がありまして、もし自分の意見を言いたいということがあれば、所定の手続をとっていただければいつでもヒアリングをする、そういう場を設けております。
○片山虎之助君 いや、それは簡易にすぐ言えて、そこできちっと、公式非公式じゃなくて、議論をしてよりよい教科書をつくるというような場を設けるんですよ。
 時間が余りありませんからあれですが、実は教科書の偏向記述の問題やいわゆる従軍慰安婦の問題で今国内のいろんなところで大変論議が起こっている。私の地元の岡山県議会も十二月十九日に、中学校の歴史の教科書の従軍慰安婦の記述を落とせという陳情の趣旨採択をしたんです。全国で今十ある。それから、県でも四県用意しているところがある。ほかにもいっぱい広がっていますよ。やっぱりそれだけ国民の関心が教科書問題に向かってきたんです。私なんかは門外漢だった。だから、こういうところでこういう質問をするということは、これはこれでいいのかなと、普通の国民が私はそう思っていると思うんですよ。
 そこで、いわゆる従軍慰安婦の問題は私はやや感情過多になり過ぎていると思う、ともに。もっと事実だけを冷静に検証して、それに基づいた議論をすべきなんです。聞く耳を相手は持たない、こういうのは私は困ると思います。しかし、実際はいろんな動きが出ている。私はどうやってこれを直すかということは大きな国民的課題だと思いますけれども、まず従軍慰安婦という言葉はやめてくださいよ、教科書でも、政府のものでも。政府の場合には「いわゆる」が上についているけれども。これは誤解を招くに決まっている。文部大臣は二種類あると言った、従軍という言葉に。そんなこと国民はわかりますか、いかがですか。
○国務大臣(小杉隆君) そもそもこの慰安婦という記述が教科書に載るようになった経緯については先生も十分御承知だと思うんです。
 戦後処理問題が非常に議論されたのがたしか平成三年の三月ごろだったと思いますが、その後政府としてもいろいろな調査、内外のいろいろな調査機関に当たったりあるいはいろんな資料を検証したりして、客観的な調査研究の結果として平成五年八月に政府の慰安婦関係調査結果というものが出されました。そして、この問題が社会的に大きく取り上げられまして、歴史的事象の一つとして中学生にも理解が可能である、こういうことから執筆者並びに教科書発行会社の方で記述に踏み切ったものと考えております。
 私どもは、そうした経緯を尊重しながら、よりよい検定制度というものをつくっていくためにさらに努力したいと思っております。
○片山虎之助君 従軍というのは軍属ですよ、軍籍を持つということなんですね。したがって、従軍記者だとか従軍看護婦さんはおるんです。従軍慰安婦なんというのはないんですよ。勝手につくった言葉でひとり歩きをしている。しかも、この言葉は一定のイメージを与えるんですよ。不正確でありかつ一定のイメージを与える。特に私は大変な影響があると思う。
 そこで、文部大臣が今言われた平成五年八月四日の外政審議室の調査、それに基づく官房長官の談話がこれまた不正確なんですよ、不正確。軍が関与していると。関与はしていますよ。関与にもいい関与、悪い関与、積極的な関与、消極的な関与があるんだから。それは兵士を守るために消極的にはいい関与をしたんですよ。だから、それは私は否定しません、否定しない。それじゃ、強制連行や強制募集、そういうことの事実が確認できたかどうかなんです。ところが、あの調査報告も官房長官談話もかなりあいまいなんです。
 そこで、外政審議室長、どういう調査をしましたか。
○政府委員(平林博君) お答えを申し上げます。
 政府といたしましては、二度にわたりまして調査をいたしました。一部資料、一部証言ということでございますが、先生の今御指摘の強制性の問題でございますが、政府が調査した限りの文書の中には軍や官憲による慰安婦の強制募集を直接示すような記述は見出せませんでした。
 ただ、総合的に判断した結果、一定の強制性があるということで先ほど御指摘のような官房長官の談話の表現になったと、そういうことでございます。
○片山虎之助君 今の審議室長の話は、資料と証言を集めた、資料には強制性を示すようなものはなかったと。ということは、(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)いや、今答弁したんだから。
 そこで、それじゃ証言ということになる。その証言はどういう人から集めましたか。
○政府委員(平林博君) その前に、強制性の問題でございますが、今御答弁申し上げましたのは、強制募集を直接示すような記述は見出せなかったと。ただ、もう少し敷衍して申し上げれば、いわゆる従軍慰安婦の方々の日常の生活等におきましては強制性が見られるということで先はどのような官房長官の談話になったということでございます。
 証言につきましては、元従軍慰安婦とされる方々本人、それからいろいろな研究者、学者等でございます。
○片山虎之助君 いや、日常生活の強制性なんというのは、これはある意味ではわけがわからないんですよ。そういう資料があるなら、また出していただきたいと思いますが。
 そこで、結局は証言を中心にどうもあの調査報告や何かができたんじゃないかというふうに私は思っている。証言というのは、当事者の両方なり第三者が入る証言でないと、片っ方だけの証言者を集めてということは、ちょっと私は客観性を欠くんじゃなかろうかと。
 そこで、この調査報告なり当時の官房長官談話のバックデータ、資料があればディスクロージャーしていただきたい。
○政府委員(平林博君) 調べた限りの資料につきましては、それぞれの省庁、さらにはまとめまして外政審議室にございまして、一般の閲覧に供してございます。
○片山虎之助君 いやいや、それじゃその資料だけであの調査結果ということは、なかなか私はすぐは結びつかないような気がしてしようがないんですよ。
 いずれにせよ、しかしそれはきちっと資料として出していただきたいと、こういうふうに思います。もう一度。
○政府委員(平林博君) 御要求がございますれば資料をいつでもお持ちして参上いたします。これはどなたにも、研究者、一般の方を問わず見ていただいておりますが、御要求がございましたらいつでもお持ちして御高覧に供したいと思います。
○片山虎之助君 特定の個人の方の名前を出すのは本当はちょっと恐縮なんですが、当時の官房長官は河野さんで、河野さんが暮れのある新聞に、残された資料によれば、その当時の談話で彼が言ったことを裏づける資料はある、しかもそういう事実もあるということを言われているんですよ。それは恐らく個人の資料じゃなくて外政審議室か何かの資料だと思うんですが、そういうものはありますか。
○政府委員(平林博君) 残された資料はございます。当時の河野官房長官がおっしゃっていた資料も、どのことをおっしゃっているのか今つまびらかにしませんが、すべてそろっておりますので、いつでも御高覧に供することができると思います。
○片山虎之助君 それじゃ、すべてのそういう資料を当予算委員会に出すことを改めて要求します。理事会で御協議いただきたいと思います、委員長。
○委員長(大河原太一郎君) 資料要求については、後刻理事会において協議して処置します。
○片山虎之助君 もう時間がだんだんなくなってきたんですが、もし資料が大変不十分で不正確であると、こういうことになりましたら再度調査をする御意向がありますか、ありませんか。
○政府委員(平林博君) 調査は平成四年の七月と五年の八月の二度にわたって行われて公表されておりますが、特に平成五年八月の調査の結果発表に当たりましては、調査対象を国外に広げますとともに、関係者からの聞き取り調査も行っておりまして、政府として当時、全力を挙げて誠実に調査したところでございます。
 政府といたしましては、当時の調査で一応一つの区切りをなしたというふうに考えておりまして、現在のところ再調査を行う考えは持っておりません。
 しかし、いずれにしましても、十分な調査をしたと考えてはおりますが、事柄の性質上、その後も新しい資料が発見される可能性は否定できませんので、引き続き十分な関心を持って対応しているというところでございます。
○片山虎之助君 それは予算委員会の理事会なり何かで協議しまして、その結果どういうふうに政府にあれするか、なお引き続いて検討させていただきたいと思います。
 そこで、そういう事実を踏まえて、文部大臣、とにかく事実が定かでないんですよ。ある意味では未確認、不正確なものを教科書に載せるということ、私はそれは大変困ると思うんだけれども、まあここはいろんな意見がありましょう、そちらの方でいろんなことを言っておられる方もおるんだから。しかし、それを中学生に、思春期前期の中学生に何でその内容を教えなきゃいかぬか。教えることは、私は歴史の内容は山ほどあると思いますよ。何でそういうことを特に教えなきゃいかぬか。
 それと、いろいろ聞きますと、外国の教科書でそういうことを書いてあるところはどこもないんですね。私は、教育的配慮の上からいっても、もっといろんな、是非分別ができるような高等学校や大学生ならいいですよ、中学校の教科書に何で載せなきゃいかぬか。しかも、教科書の重要性から国費で無償にしているんですよ、義務教育はいかがですか。
○国務大臣(小杉隆君) 文部大臣としては政府の調査結果というものは尊重する立場にあるわけですし、それから中学生に云々という話については、現在もエイズなどの教育をやっておりますし、またこの問題は社会的に大きくマスコミでも報道されているということで、私どもはやっぱり事実は事実として伝えるということも重要な教育の一環だろうと思います。
 先生の今御指摘のように、ほかにもいっぱいいいことがあるじゃないかというお話ですけれども、私たちは、現在の学習指導要領の中でも、例えば小学校においては人物中心の歴史学習ということをやっておりますし、中学校でも世界史を背景とした我が国の歴史の学習というものをやっております。
 いずれにしても、今後の子供たちが日本の歴史や文化に誇りを持って日本人としての自覚を持つ、国際社会の中でそうした気持ちで生きていく、そういう教育に向かって努力をしていきたいと思っております。今、教育課程審議会においてこの教育課程全体の改定について審議を行っておりまして、その中で歴史教育についても御議論をいただくことになっておりますので、さらに努力をしたいと思っております。
○片山虎之助君 もう時間がありませんが、無味乾燥な人格を形成してもらってもしようがないんですよ。自国の歴史や伝統や文化に誇りゃ自信を持つような、それをもとに未来を切り開いていくような青少年を私はぜひ育てていただきたい。今のような歴史教育のあり方では大変私は問題があると思います。
 歴史教育全般について、あるいは歴史認識について、総理の御所見を最後にお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどから議員と文部大臣のやりとりを聞いておりまして、共通する部分、それは事実は事実のままに、ありのままに教える。その教える年次はどの年次がいいのかということは、専門家としてそれぞれの判断がありましょう。そして、大きな歴史の流れを十分に若いうちに覚えてもらっておく。これは大事なことだと思いますし、私は、この議論が不毛な議論に終わらないためにも大きな歴史の流れを事実を事実として教える、ここに共通の意図を見出したい、そのような気持ちで御意見を拝聴しておりました。
○片山虎之助君 私の残余の時間は、同僚議員の山崎、関根両議員に質問をしていただきます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(大河原太一郎君) 関連質疑を許します。山崎正昭君。
○山崎正昭君 自由民主党の山崎正昭でございます。先輩、片山委員の関連ということで、少々お時間をいただきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 質問は、一月の二日に発生をいたしましたナホトカ号による日本海油流出災害、これに絞ってやらせていただきたいと思いますので、お願い申し上げたいと思います。
 さて、その前に、現在重油が漂着をいたしましたそれぞれ地元沿岸の皆様方は必死になってこの大災害に立ち向かっておるわけであります。今日まで対策に取り組んでいただきました地元自治体、さらには自衛隊、さらにはボランティアの皆さん方に心から敬意を表しますとともに、感謝、お礼を申し上げ、合わせて四名の方が過酷な作業で亡くなられたわけでございます。まことに残念のきわみであります。御冥福をお祈り申し上げますと同時に、御遺族の皆さん方にお海やみを申し上げたいと思います。
 さて、御案内のとおり、一月二日に大量の重油を流出されましたこの事故、七日にその船首部分が私の地元であります福井県三国の沿岸に漂流をいたして着底をいたしました。と同時に多くの重油が海岸に打ち寄せられたわけでございます。
 さらに今後、北西の季節風に乗り、また海流に乗って青森県沖から津軽海峡を経て三陸沖までに至るのではないかというような予測もできるわけでございまして、そういうことになりますと非常に長期化になる、こう思っております。
 そして、その間、一級寒波に見舞われまして、途中回収作業が寸断をされて、寸断されるとまたもとのもくあみになり、さいの河原になってしまう、そんな状態の繰り返しが今日まででございます。
 したがいまして、地元の住民はとにかく一分一秒でもいい、早くこの油を回収してほしい、さらにはこの船首部分から油を抜き取って除去してほ一しい。あわせて、本体がまだ島根沖に沈んでおるわけです。油が流出しておるとも言われておる。何とかこれに即時対応してほしい、こういうようなことを切に望んでおるわけでございまして、その点について運輸大臣さらには科学技術庁長官にお答えをいただきたい、このように思います。
○国務大臣(古賀誠君) 先生の御質問にお答えいたす前に、先生今お話しいただきましたように、今回のタンカー事故によりまして、まず漂着油の防除のために大変御努力いただいております沿岸住民の多くの方々、またそれを助けていただいている民間ボランティアの方々、もちろん政府機関の方々の御支援に対しまして、私も心から感謝を申し上げたいと思います。
 そして同時に、先生今お話がありましたように、不幸にして民間ボランティアの方が四名お亡くなりになっている。大変残念なことであります。私からも心から弔意を表し、そして御家族の皆様方にお見舞いを申し上げますと同時に、二度とこういうことのないように、まず健康管理にさらに引き続いての努力をしていかなければいけないということを痛感いたしておるところでございます。
 同時に、先生におかれましても事故発生以来、御地元ということもおありでしょうけれども、再三合同対策本部をお訪ねになり、また地元の皆様方を励ましていただいておりますことにも心から敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。
 状況につきましては、先生も既に御承知かと思いますけれども、二日事故発生以来、海上保安部は職員の必死の努力によりまして、まず人命救助に全力を尽くさせていただき、そしてこの船首部を何とか最悪の状況にならないように沖合曳航に努めてまいりました。海上保安庁だけではございません、民間会社によるタグボート等も試みてみたことは事実でございます。しかし、残念ながら荒天の日本海の中にありまして三国町に船首部が着底をした、こういう状況にあるわけでございます。
 今、浮流する油の回収、漂着している油の防除作業、そして触れていただいております本体船尾部の沈没した状況につきましても、どういう状況でどのくらいの実は水深のところに沈んでいるのか、そして湧出している油がどういう状況の中で出てきているのか、まず原因究明が必要だということで、二十五日、科学技術庁の御支援もいただきまして深海観測装置によって調査をいたしました。
 しかし、大変水深の深い、当初二千メートル前後かと思っておりましたけれども、恐らく二千五百ぐらいあるのではなかろうかというような状況の中で、二十五日に調査いたしました深海観測装置では十分の調査が不可能でございますので、もっと精度の高い三千メートルぐらいの水深の中ででも状況を把握できる深海観測装置がないか、科学技術庁の方に御相談を申し上げ、まずどういう状況の中にあるかという船体の調査にも全力を挙げてまいりたい、このように考えているところでございます。
○国務大臣(佐藤信二君) 山崎委員にお答えいたしますが、本当に御心痛の誠でございます。
 今、運輸大臣が話しましたように、内閣として運輸大臣を本部長として各省協力体制に入っております。
 科学技術庁といたしましては、本件の事態の重要性というものにかんがみ、できる限りの支援をするということで、具体的にはナホトカ号の本体部分の調査ということでございまして、海洋科学技術センターの深海観測装置ディープトウを支援母船「なつしま」に搭載して、一月二十五日からナホトカ号の後部船体が沈んでいると思われるところで調査を実施しております。
 現在までに当該海域において水深約二千五百メートルの海底に船体を確認いたしまして、カメラにより船体を撮影し、手すりだとか居住空間の一部と見られる部分を確認いたしました。また、ソーナーによる調査で、この船体の大きさは長さが約百メートルから百五十メートル、高さが約二十メートルから三十メートルであることが判明しております。
 ただし、発見地点、船体の大きさ等からナホトカ号の可能性もあると推定されますが、確認はまだできておりません。というのは、このナホトカ号自体が百七十メートルあるわけで、そのうちの大体百メートルから百五十メートルというのは、二つに分断されまして、船首の方が約五十メートルだということで引いたのが大体百メートルから百十メートル、こういうふうになっております。
 本日の午後にも「なつしま」を再度現地へ派遣する予定でありまして、今後とも海洋科学技術センターの深海調査にかかわる技術を駆使してこの問題の調査に努めていきたいと思っております。
 以上です。
○山崎正昭君 十分なる対応をひとつ努力を期待申し上げたい、このように思います。
 次に、それではどうしてこんなに被害が拡大していったのか、また拡大しつつあるのであろうか、こういうことを私なりにまとめてみますと、三点あると思うんです。
 まず第一点は、事故、災害発生場所が公海上であった。そして、我が国の主権が及びがたいと判断された。さらに、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の解釈、広い解釈をするために時間がかかった、そういうことからやはり警戒体制や初動体制に問題があった。それが拡大の一つの要因である、このように思います。
 もう一点は、おのずと日本海側は非常に冬は荒天なんです。もう想像を絶する荒波なんです。そういうところへ、私の調べる範囲内では油回収船は九隻太平洋側にあるようでありますが、しかもその一隻は清龍丸という、これはもともとはヘドロ回収船なんです。それが一隻。あと小さなのが八隻ある。日本海側にはゼロなんです。一隻もない。さらには、いわゆる処理能力。片一方は一万七千ほどの処理能力があるんですが、日本海側はわずか千二百キロリットル。オイルフェンスにしても太平洋側は一万五千メートル。日本海側は三千ちょっとです。
 こういうことを考えますと、やはり私はどうしても施設整備の手落ちがあった、こういうふうに言わざるを得ません。さらに、清龍丸もさっき申し上げたようにヘドロ回収船、しかも到着まで四日もかかった、これはノウハウや装備が全く不十分であった、これが二つ目。
 三つ目は、九五年の閣議で決定されました油汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画、こういう体制ができておったと伺っておりますが、このいわゆるマニュアルについても非常にあってないような、無実の、無名のものになっておったんじゃないか、こういうふうに私は解釈をいたしておるわけでございます。
 そこで、今後こういった装備の配置について、海洋国日本を守るためには早急にこれをしなきゃならぬ。油の一〇〇%輸入国なんです。毎日この日本海側を往来しているわけです、産油国との間で。こんな状態の中でこんな装備で果たしていいのか。もう少し言いますと、こんな事故が三つ四っ続けて起きてみなさい、国防問題ですよ、これは。そのくらい大変な問題ではないかと私は思っております。
 したがって、一隻百億かそこらの船でしょう、せめて四、五隻ぐらいつくったらどうですか。三隻、四隻つくったらどうですか。そのくらい私はやるのが当然だと思う。
 海上保安庁の施設なんてもうちゃんがらですよ、本当に。老朽化して使い物にならない、実際持ってきてみても。だから、私はそういうことも十分考えていかなきゃならぬのではないか、こう思いますが、総理初め運輸大臣、関係大臣にそれぞれお伺いいたします。
○国務大臣(古賀誠君) お答えをいたします。
 三点ほど御質問があったかと思います。
 まず最初に、初動対応について領海外、公海であったからおくれたんではないかと、こういう御指摘だったんではないかと思いますが、海上保安庁は海上保安庁法に基づきまして領海内でも公海においても油の防除を行うという責務を実は有しているわけでございます。また、船舶所有者も流出した油によっての損害を回避すべき民事上の責任も有しております。ゆえに、領海の内外問わず、今回の事故におきましても直ちにあらゆる手だてによりまして油の防除作業に取りかかっているということを申しておきたいというふうに思います。
 それから、二点目の御指摘であります資機材の問題でございます。
 これは確かに先生の御指摘のとおりでございまして、残念ながら我が国の油の回収船、それから油の回収装置、いずれも静穏な海域を前提として実は装置されております。とりわけ、それぞれの配置につきましても、先生におしかりいただくかわかりませんけれども、タンカー等の船舶の交通のふくそうする地域、そういったところを前提といたしておりますので、どうしても東京湾だとか瀬戸内海だとかというところに重点を置いていることは間違いございません。大変反省の材料だというふうに思っております。
 また、清龍丸も実は港湾のしゅんせつをやる船でございまして、油回収の専門の船舶ではないということも御指摘のとおりでございます。しかも、せいぜい波高が二メートルぐらいだと。そうしますと、あの厳しい冬の日本海の六メートルを超すような波高の中では到底その機能を有効に発揮できないということになるわけでございます。ましてや、そのほかの油の回収船はそれよりもずっと機能が落ちるわけでございますから、とてもあの日本海では有効な活用が望めない。
 この点につきましては、私は総合的にこういった油の流出事故に対する体制というものをどう整備していくのか、私の足らざるところも含めて、今度のこの事故の教訓を生かしていくために検討してまいりたい、このように考えております。
 三点目でございますけれども、この国家的な緊急時計画、これは先生も御承知のとおり、まさに今回のような油の流出事故に備えて関係行政機関が迅速に効果的に対応することを目的といたしているものでございます。確かに、海上保安庁を中心といたしまして関係官庁何回となく会合を持ち、情報交換、そして円滑な油防除のための会議というものをやっておりますけれども、それが果たしてどのぐらいの国民の方々に、また先生の御期待にこたえるような会であったのか、今後問題点を検証する中でこれらの点についても私は十分な反省を重ねていく必要があるだろう、こう認識いたしております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、運輸大臣から申し上げましたように、我々この対応のおくれというものは認めておりますし、これは大変申しわけなかったと思います。
 ちょうど二日、十一時過ぎぐらいでありましたか、第一報を私が受けましたのはそのころだったと思いますが、そのときにはまず人命救助ということが率直に申しまして私の頭の中にもございました。そして一名を残し、たしか三十一名であったと思います、救出を終わったという報告を受けましたのは二時過ぎだったと思いますけれども、そのときに油が漏れている、漂流しているという報告とともに、海上保安庁がその監視を継続中という報告を受けておりました。
 その後、切断された船首部を何とかして陸地に近寄せないように、今お話がありましたように、海上保安庁の船舶を含めまして、決してそれほど恵まれた状況で彼らは作業しているわけではございません。殊にフィルムを見てみますと、一番多用され、代船建造の必要性が相当迫っております千トンクラスが主力だったようでありますが、最後のころにはその二隻がチェーンでお互いをつなぎながら、そのチェーンで船首部を何とか海岸から引き離そうと、むしろ私はちょっとフィルムを見ておりまして座礁の危険を感じるぐらい最後まで努力をしておりましたが、それが力が足りず三国町に漂着するという事態になったことも事実であります。
 我々がこの中から学ぶべき教訓は多くあると存じます。そして、その意味では、かつて新潟港において、また若狭湾において起こりました事故からの教訓が十分に生きておらなかったという御批判も甘受いたします。その上で今後の対応に全力を挙げてまいりたい、そのように思います。
○山崎正昭君 今までの総理の積極的な答弁、大変私も評価をいたしますし、運輸省初め海上保安庁、一生懸命やっていることは認めます。これは評価をいたします。しかし、何としてでもこの回収を含めての装備を早急に私は構築していくべきではないか、こう思いますので、等々の予算化の問題についても早急に対応していただきたい、このように思っております。
 次に、財政支援も含めた問題でちょっと伺いますが、二十八日間過ぎたわけでございまして、この人的、物的な経費はそれぞれもう非常に膨大なものに膨れ上がっておるわけであります。したがって、各地方自治団体もその対応に大変苦慮をしている。また、回収作業に当たっておられる方もそういった財政的な裏打ちがございませんから不安になっている。寒さと疲れと不安でもう本当にやり切れないというのが現況でないかと私は思っております。
 したがって、先ほど自治大臣はささやかなる支援、言ったことはやりますと。ささやかな支援では、もう少し勇気ある発言を僕はしてほしいなと、こう思うんですね。ですから、あくまでも当面の措置として特別交付税による通常の上乗せをして、そしてやはりメンタルな要素が働きますから安心させてやってほしい、私はこのように思っておりますので、それもお伺いいたします。
 さらに、今後長期間にわたりますから、今後また質問いたしますが、新たな財政支援がつくられた場合でも、被災地については特別交付金を上積みして、そういった面でも着実にやっていって復旧、復元に努力ができるんだ、こう思いますから、それもあわせてひとつお答えをいただきたい。
 また、大蔵大臣には、予備費についてどうお考えになっておられるか、これもひとつお伺いさせていただきたい。
 それから、まだ流出が続いておりますから、非常に長期的になるんじゃないか、私はこう思っております。そういったことになりますと、当然あらゆる被害が想定されてまいるわけでございます。そういったことを含めますと、またこの環境の復元は二十年も三十年もかかるんじゃないか、こういうようなことを言われておるわけでございますし、さらには、旅館業を含めた民宿、それから全漁業者の皆さんもそうでありますが、経済活動に非常に大きな被害が出ており、影響をいたしておるわけであります。
 そんなことで、我が福井県ですが、二十日に、とにかく漁業関係者及び指定業種中小企業者に対して、二十億、無利子で五年間ということで、すぐそういった制度を開始したわけでありますから、国としても災害基本法で定めた災害ということで指定をして、油回収、環境復旧への財政支援、あわせて住民の経済対策に対する財政支援ということで、今回の災害のすべてを含んだいわゆる財政支援ということで臨時特別措置法をすべきと私は思っております。
 したがって、そういったことも含めて、私どもも議員立法でやろうかということで今皆さんと検討しておるわけでありますが、そういったものを含めてひとつ関係大臣からお答えをいただきたい、このように思います。
○国務大臣(白川勝彦君) 山崎委員の事故を目前にしての切々たる悲痛な叫びは、私の郷里でも流れておりますので同じでございます。
 私がささやかな支援と申し上げたのは、別にそういう意味ではなくて、今回どういうところに一番被害が出てくるんだろうか。一つは、先生がおっしゃった漁業に関する被害というのは大変なものだろうと思います。そして、それは容易に予測できることであります。観光業者等の被害がどうなってくるのか、あるいは夏場の海水浴のお客がどうなるんだろうか、こういうような問題は、現時点では、我々の油防除の作業がどの程度立派にいくかによって抑止もできますし、なかなか予測しがたいものがあるわけでございます。
 ただ、今度もう一つ大きいのが、油を防除し回収する費用、これが膨大だと言ったのでございます。その膨大な中で、地方自治体が現在擁している費用は、例えばもしボランティアの御協力も一日幾ら換算としたら膨大だけれども、しかしボランティアといえどもだれかが組織しなければあれだけの油を回収することはできないわけです。地方公共団体が擁する費用は、トータルの中ではそんなに大きなものでないから、しかし少なくともそれがなければボランティアが有効に動けないんだから、それは自治省は自治省の責任において何とでもするということを申し上げたのであって、ささやかだからやるという意味なのではありません。
 ただ、さっき言ったとおり清掃費用というのは、回収する費用と意外に大変かかりそうなのが、あの砂まじりの、水まじりの、海藻まじりの、ごみまじりの、寄せ集めた油を処理するというのはちょっと地方公共団体でできる話じゃございません。そして、承りますと、これがなかなか難しい、専門家でないとできないようでございまして、こういうものについてはどこかで、どこがやってくれるかわかりませんが、国全体としての中のどこかできちっと処理してもらいたいし、これらの額は、できれば地方行政の費用ということではなくて、国の災害対策本部のどこかで見ていただければと、そんな意味で大蔵大臣にもぜひお願いしたいところでございます。
 ささやかなお金と言ったのは、物すごい多くの人の、まあいろんな機械があるかもわかりませんが、本当にボランティアに頼らなければ、あれだけ広い面積の中に来ている油は実際回収できないと思います。しかし、それを地方自治体や消防が、だれかが組織しなければそのボランティアの活動もうまくいかないわけでございまして、それらの費用は全体から見たらわずかだから、それについてはどんなことをしてでも費用の不安なくやっていただきたい、我々は今こう言っているわけでございまして、どうかひとつ誤解のないようにしていただきたいのであります。
○国務大臣(藤本孝雄君) 被害を受けました漁業者に対しましては、農林水産省といたしましてできる限りの対策をまず講じてまいります。
 この被害につきまして整理をいたしますと、補償と対策ということになろうかと思います。
 補償の点につきましては、先生も御存じのように、これは民事上の世界でございまして、船主側から補償が行われる、こういうことになります。その補償の範囲でございますが、これは従来のこの種の事故からいたしますと六つの範囲がございまして、清掃費用や、汚染災害の防止または軽減の費用、漁船・漁網が汚染された損害、それから休漁補償、地方自治体の超勤費用、ホテル・観光業者等の被害また風評被害等でございます。この民事上の問題でございますけれども、広範囲で、しかも対象の方が多いわけでございますので、この補償が円滑に行えるように関係省庁協力し合って強く求めていくという考え方で今進めております。
 それから、対策といたしましては、これまたお地元のことでございますから十分御承知のとおりでございますが、特に漁場の回復、保全、それから漁港の保全、また漁業資源に対して今回の油の流出がどういう影響を与えるか、こういうことについての調査、これは地元から非常に強い要望がございます。この点については、私ども十分に調査をいたしまして、それぞれの制度でそれぞれの内容に応じて対応してまいりたいと考えております。
 それから、融資の点につきましては先ほどお触れになられました。私どもといたしましても、この災害を受けました漁業者が経営に困らないように十分な融資の制度を活用して対応してまいりたい、かように考えております。
○国務大臣(三塚博君) 今回の重油流出事故につきましては、官民挙げて、またボランティアの皆様も参加をしながら、地域の皆様と一体となって涙ぐましい努力をされておりますことを存じ上げておるところであります。
 どのような経費が必要でありますかどうか、ただいまのところお答えできる状況にはございませんが、いずれにせよ政府としては引き続き迅速的確に対処していくことになるだろうと承知をいたしております。
 また、予備費の問題についてお話がありました。その使用時における追加需要に対応して行うものであり、その後、期間の経過等に伴い、さらに追加財政需要が必要になった場合にも予備費の使用は可能でございます。
 新規立法についていかんということでございます。今回の事故の事態の重大さにかんがみ、対策本部長である古賀運輸大臣が中心となりまして取りまとめをしておるところでございまして、迅速的確に対処してまいることと相なります。
○山崎正昭君 ちょっと関連いたしますが、一番これから地方自治体や地域住民の皆さんが心配なさるのは、これからの補償問題等含めまして、どこが窓口になっておるのか、どこで一体的にそういったものを集約して、例えばどういう保険会社に折衝するのか、そして今後そういったいろんな指令はどこから出るのか、どこの窓口から出るのか、これがちょっと私どもわからない。何とかそれを求めてほしいと、こういうことも言われておるんですが、その点についてお答えいただきたい。
○国務大臣(古賀誠君) お答えをいたします。
 私の方の本部は応急対策について、まず油の防除を中心として各省庁間の御協力をいただいて早急な対策を進めていくと、こういうことになろうかと思っております。
 今、それぞれの大臣そしてまた先生から御指摘いただいているような今後のさまざまな問題、御承知のとおり基本的には船主の責任、被害を受けられた方々、民事上の問題でありましょう。しかし、だからといって政府が手をこまねいているということでは、これだけの重大な事故を考えてみますと、責任を果たしていかなきゃいけない。きっちりとその責任を果たしていただくように働きかけをしていくということも当然でありましょう。時によっては外務省のお力をおかりしなければいけない。また、今お話があっているように、農林漁業、特に漁業者の方々、そして長期的には環境の問題、そしてまた地方自治体が中心となっていただいている自治大臣からも御答弁いただきました地方財政の問題、非常に幅広い分野に私は関係してくるだろうと思います。
 まず、これからどういう被害がどの程度あるのかという掌握も大事になってくるでしょうし、どの分野まで広がるのかということも大事な問題でありましょうし、そしてそれにどういう対策をしていくのか、これがまた一番御地元の方々にとっては大事なところだろうということを考えますと、早速官房長官が主宰なさいます関係閣僚会議も設置させていただいておりますから、私は、総体的な問題についてはそちらの方で十分な論議を重ねて、各省庁協力をして、御地元の皆さん方、そしてまた広くこれからの油の流出事故に対する体制のあり方、こういったところについて協議していくことだというふうに認識いたしております。
 当面、さまざまな問題点につきましては、運輸省の私の方で窓口として一元化させていただきます。
○山崎正昭君 次に、この事故責任と後の補償についてちょっと述べさせていただきたいと思います。
 実は今月十一日に、このナホトカ号の船主であります社長が責任を全面的に認めて重油回収に携わっている方々への陳謝をしました。それから、損害賠償に対する誠意ある対応をすると、こういうようなコメントを私どもにしたわけでありますが、また後日、その舌の乾かぬうちに、各社の新聞紙面を見てみますと、ロシアの調査委員会が、海難事故原因は不可抗力であり、国や船会社に過失は一切ないんだと、こういうようなコメントも出ておるわけであります。したがって、実際、調査委員会ができてそういう結果が得られておるのかどうか、大変私は不満に思っております。
 さかのぼりますと、放射性の廃棄物、これは不法投棄もございましたし、まさしく隣国でこれから親しくなければならぬロシアという国は全く信用できないというのが私の現在の気持ちであります。
 したがって、これからロシアと、こういう責任の所在、さらには保険の下付も含めて補償、そういったものをやはりこれから積極的に進めていってもらわなきゃならぬと思うんです。したがって、現在まで、その窓口は運輸大臣か外務大臣かわかりませんが、どういうような方法でロシアとの対話を進められておるのか、交渉しておるのか、それについてお答えをいただきたい、このように思います。
○国務大臣(池田行彦君) 御承知のとおり、この補償問題は、先ほどの運輸大臣からの御答弁の中にもございましたが、基本的には船主との間の民事的な問題になるわけでございます。しかしながら、政府としてもできる限りの対応をしなくちゃいけないと思っております。
 これまでロシア側といろいろ折衝してまいりました経緯をかいつまんで申しますと、まず一月五日に東京におきましてロシアの在京大使館に対し、船主がこの補償問題等について誠意を持って適切に対応するように、ロシア政府もその点についてきちんと努力するようにという申し入れをいたしました。
 それ以来、東京においてあるいはモスクワにおいて、累次にわたりましていろいろな申し入れをしております。事故の徹底した原因の究明あるいは再発防止、それから賠償、補償問題への対応、それから、もとより汚染の防除に対するロシアの協力等でございます。私自身も十四日だと思いましたが、パノフ大使を呼びましていろいろ話をしたところでございます。そういった中で、御承知のとおりロシアの防除船、今三隻だと思いますが、敦賀湾の方へ参りましてある程度作業に入っておるとかいろいろやっておるところでございます。
 そして、今御質問の中で具体的にございました原因究明の関係でございますけれども、これはロシア側においてはナホトカの、日本で言えば港長と言いまして、港湾の管理者でございますね、そういった者を委員長としての原因調査の委員会をつくっているようでございます。
 そして、それが中間的な報告をしたときに、何かどうも物理的な衝突か何かがあって、それが大きな原因じゃないかというようなことを報告したという報道があったものでございますから、我々としては十分な調査が必ずしもなされたとは思われないし、早々にそういうふうな中間といえども報告を出されることはいかがなものであろうかということを申し入れ、事故原因の究明については我が国とロシアと協力してやろうじゃないかという申し入れもしております。そんなところでございます。
 それから、最終的な報告があったんじゃないかということでございますが、この点につきましては、既にこれも在ロシアの我が方の大使館からロシアの外務省並びに運輸省に確認をいたしました。しかるところ、ロシアの先ほどの原因究明の委員会においてもまだ最終的な結論は得ていない、したがってそのようなものは存在しない、こういう回答を得ておるところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも原因究明につきましても我が国は我が国として独自の調査をされる、また、ロシアもそういうことはやるでございましょうけれども、協力して原因究明に当たろうじゃないかという申し入れをもう既にしているところでございます。
 それから、補償についても今後とも適切な対応を求めてまいりますし、さらに再発防止、あるいは今後あってはならないことでございますが、類似の事故が起きた場合の対応の枠組み、二国間の協力体制あるいは多国間の協力体制についてもいろいろ作業を進めていこうということで、もう既にいろいろな形で、例えばロンドンにおいて開かれた国際海事機関の会合で提案する等の作業を進めておるところでございます。
○山崎正昭君 今また外務大臣の御答弁で、中間的な調査ができておる、そういうことでなかったのかというようなお答えですが、後日その中間調査の結果をひとつ私どもにお知らせをいただきたい。それによって今後の保険とか補償問題、これらいずれにもかかわる問題でありますし、合同調査もやらなきゃならぬということになるであろうと私ども予測できますので、その辺もひとつ要望しておきたいと思います。
 次に、環境問題でありますけれども、生態系に大変大きな影響を及ぼすと聞いておるわけであります。
 過去を見ますと、アラスカ沖の重油流出は八年後の今もって大変な状況であると伺っておりますし、それから昭和四十九年の岡山県倉敷の三菱石油タンクの流出事故でございますけれども、これを一つ例にとってみますと、その調査は二年で終了して、その後は各省庁の対応にゆだねられた、こういう結果が出ておるんですね。当時の環境という国民の考え方と今の環境とは大きなギャップがあると私は思うんですよ。二十年間もしくは三十年間影響があるだろうと言われておる中であります。
 だから、水島のように二年で打ち切るんだ、各省で対応するんだと、そういうことじゃなくして、ずっと継続的に追跡調査を行って、その結果、いろんな事象が出てきたら絶えずそれを復元、復旧していく、やっぱりこういう対応をとりませんとこの日本海の回復は非常に困難だろう、こう私は思うんですが、その点、環境庁長官また関係大臣、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(石井道子君) 山崎議員が福井県出身の参議院議員として、地元の問題として大変切実な思いで臨まれていらっしゃること、本当に私もよくわかります。
 このたびのナホトカ号によります重油の流出事故につきましては、日本海という大変荒れた海で起こったということもありまして、その影響が大変広範囲に及んでいるわけでございます。大規模な事故になっておりまして、重大な環境汚染が発生をしております。このために、環境庁といたしましても直ちに関係自治体と連絡をいたしまして、第一段階の調査に着手をしたところでございます。
 現在の状況では、二千五百メートル以上の海底に沈没している状況でありますとか、また船首の処理が思うように任せないというようなこともありまして、かなり長期的な取り組みが必要になってまいっております。
 このような重大性にかんがみまして、今回、二月上旬になると思いますけれども、関係する分野におきます専門家による検討委員会を速やかに設置する計画でございます。そして、その調査内容とかあるいは調査期間について御意見を伺いながら、関係省庁とも連携をして、今後、ニカ月、三カ月、六カ月、一年、二年後あるいは三年後、ずっと段階的、継続的に調査を実施いたしまして、そして今後の対策に生かす方針でございます。
○国務大臣(小杉隆君) 天下の名勝東尋坊など四カ所の名勝、天然記念物が、油の漂着によりまして大分損害というか被害を受けております。しかし、私どもは、文化財保護ということは大事でありますが、今回のような緊急の油の問題については、本来は事前報告とか事前の協議というのが必要なんですが、それは一切問いませんで、今回は事後報告でよろしい、まず油流出の対策を先行して優先してやってほしいと、こういうことで特例を認めて対処しております。
 ただし、これからこの景観を回復させるためには相当の時日と費用がかかると思いますが今後、地元市町村等と協議をしながら、現状を早く景観回復に向けて努力したいと思っております。
○山崎正昭君 時間が来て大変恐縮でありますが、もう一問だけで最後にさせていただきたいと思います。
 今回のこの油流出事故は、我が国で初めてこういったケースが外洋上で起きたということで、大変戸惑いや不安があったのも事実でございますし、日本海という特殊な自然、気候状況の中で、大変な状況の中での回収作業には大変不備もあった、それから施設の不備もあった、初動体制のおくれもあった。これはもう否めない事実だと、こう思っております。しかしながらみんな必死でやっている、やっていただいておる。これに私も評価もし感謝も申し上げておるんです。
 そこで、これから危機管理の強化とか政府支援の検討、設置、また環境対策、そして国際的な環境をどう整備していくか、こういうこと。さらには、阪神・淡路大震災からボランティア活動というものが非常に芽生えてきた、奉仕の心というもの、日本の文化というものが非常に私は進んできておるんじゃないかと。こういう方たちへのこれからのいろいろな環境整備、保険も含めてでありますけれども、そういったものをこれからやっていって再び日本の心をというような気持ちに私は駆られております。これがやはり今度の災害を通じて私の感じたことであります。
 したがいまして、総理の強いリーダーシップのもとで力いっぱい、この点もお願い申し上げたいと思いますし、私も、地元の一人でありますから命がけでこの問題に取り組み、それに対処してまいりたいと、こういう決意を持っておる次第であります。
 恐れ入りますが、総理の総合的に見た御感想と決意、そこをひとつお願い申し上げて、そして私の質問を終わります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうどASEANから帰りまして、一月十七日、阪神・淡路大震災の追悼式に参りましたとき、その席におられた方々の中から、あの震災のとき我々は本当にボランティアの方々に助けられた、今度は我々が恩返しをするとき、実はうちの子も今行っています、そう言われまして、私は本当に感激しました。そして、議員から今お触れをいただきましたように、我々に足らざるところがあったことを私はそのままに率直に申し上げてもまいりました。
 そして、各閣僚からいろいろの角度のお答えを申しましたが、私がこの事件、今一番気になっておりますのは、まさに油の汚れを取りました後でも、あれだけ海藻がやられますと、当然ながらその海藻をえさにする貝類の繁殖はとまります。また、底魚が被害を受けます。生態系は大きく傷つきます。どうやって漁場を再建できるかということが一つ。
 さらに、当初千八百メートルぐらいの深さに沈んでいると予測をいたしておりました船の後半部、科学技術庁の探査装置を入れて調べてみますと二千五百メートルという深海でございます。これは、私は専門家でありませんから聞きかじりでありますけれども、千八百メートルに沈んでおります船体でも、これを引き揚げるということは技術的に甚だ困難と言われておりました。それがそれよりもはるかに深い二千五百メートルという海の底にある。果たしてこの船体をどうすればいいのか。
 推定によれば、一万一千二百キロリッターの油をその船内にとどめている。これが、船体の引き揚げ等の処理ができないとすれば、常に漏れてくる油の警戒のために付近に船舶を置き、航空機を置き、さらにその浮遊する油を拡大させないための仕組みを必要とする、技術的にどういう対応があり得るのだろう、しかもこれは長期化する可能性がある、この問題が実は私は最後に残る問題として非常に深刻に受けとめております。
 そうした問題に対する技術的な知見をも含め、日本国内だけではなく、国際的にも技術を発掘しつつ、これからも努力をしてまいりたい、そのように思います。
○山崎正昭君 終わります。(拍手)
○委員長(大河原太一郎君) 関連質疑を許します。関根則之君。
○関根則之君 自由民主党の関根則之でございます。
 昨日、友部達夫議員が詐欺容疑で逮捕されました。日本の憲政史上、参議院の歴史に大きな汚点を残すものと受けとめております。参議院は開設以来五十周年をことし迎えるわけでございますし、これを契機としていろいろな行事も予定されておりますけれども、何よりも参議院への国民からの信頼を高めていきますために参議院改革を積極的にやっていこうということで臨んでいるその最中にこのような不祥事が発生したわけでございます。
 所属政党でありました新進党はもとよりその責任は重大でありますけれども、我々は党派を超えて参議院全体としてこの問題に対処いたしまして、どういう事態が現実に起こっていたのか、全容の解明をするとともに、こういうことが二度と起こってはなりませんので、再発防止のための万全の措置を講じていく、そのことによって国民の参議院に対する信頼を取り戻していく、つなぎとめていく、そのことが必要ではないかというふうに考えております。
 政治倫理審査会というのがございます。岩崎純三会長のもとに既にもう各派で折衝を始めていただいておりまして、この問題にも取り組んでいただけると、こういうお話でございますので、今後の御活躍に御期待を申し上げるわけでございます。
 しかし、総理、いずれにしろこの問題は私どもの同じ参議院議員の中から起こった問題でございます。私どもも心から国民に対しまして、今回のような不祥事が発生したことに対しましておわびを申し上げる次第でございます。
 と同時に、こういうことが二度と起こらないための対策について本当に真剣に取り組んでいかなければいけないと思います。政党の責任は当然でございます。我が国の行政の最高責任者であり、政権政党でもあり、日本最大の自由民主党の総裁でもあります総理からお考えを、この問題に対してどういう考え方をお持ちなのか、お尋ねを最初にしておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 自由民主党という立場でありますならば、この事態に対応し、昨日、幹事長談話という形で私どもはこの事件に対する感想を申し述べました。国会としていかに名誉を挽回するか、真摯に受けとめなければならないということを趣旨といたしたものでございます。
 私は、本当に、先ほども申し上げたことでありますけれども、院を異にするとはいいながら、私たちも許諾請求を求められ、それに応ずる採決を行ったとき、何とも言えない思いでございました。恐らく今、参議院の皆さんが同じような思いを党派を超えてしておられるであろう、思い半ばに過ぎるものがあります。殊に、議院開設五十周年というその節目の年、しかもさまざまの改革を目指して積極的に院を挙げて御努力をしておられる中の事件でありますし、本当に残念であるという以上に申し上げる言葉がございません。
 衆参あるいは党派、そうしたものはこの事件について私はかかわりないと思います。むしろ、政治家すべてが本当に自分たちを戒めながら、議会制民主主義というものを守るためにどう行動しなければならないのか、国政に対し全力をもって取り組む、そうした決意を新たにさせていただいております。
○関根則之君 大変な事件なんですけれども、友部さんという方は相当今までもいろんなことをやってきている人ではないかというふうに言われていますよね。今からもう二十年ほど前に同じような日本保証販売という会社をつくって、その会社がやっぱり預金の受け入れみたいなことをやって、昭和五十一年に倒産しているんですね。何か自衛隊の方々に対して宣伝をした、それで迷惑を受けている方々がいっぱいいるんだと、そんな話も聞いていますよ。
 何か今度の事件を見ていましても、最初から詐欺事件みたいなもので、豊田商事だとかネズミ講だとかあるいは保全経済会というのがかつてありましたね、あれと同じような事件じゃないか、そんな感じがするんです。政治家が詐欺をやったんじゃなくて詐欺師が政治家になったんじゃないか、詐欺師が国会議員になったんじゃないか、そんな感じさえするわけでございます。
 ところで、国会議員にどうして詐欺師がなれたんですか。それはやっぱり新進党という政党が比例選挙において、この友部さんを候補者に、名簿に登載をして当選させたから国会議員になったんでしょう。その責任、詐欺師のような人を国会議員にした新進党の責任というのは物すごく私は重大だと思います。そういうことで、新進党自身もその責任をしっかりと受けとめていただかなければいけないというふうに思います。
 総理、制度的な問題でちょっとお尋ねしたいんですけれども、非常にこの比例選挙というのはいろんな問題があるんですね。今度でもありましたけれども、ある政党から比例名簿に載せてもらって当選して、当選した途端にほかの政党に移っちゃう、国民の信頼を裏切るというような行為が行われるんです。
 それから、今度の友部さんの場合だってそうです。早速、新進党の幹事長が辞職したらどうだと言っていますけれども、もし友部さんが辞職をする、あるいは失職をするということになりますと、後から上がってくるのは新進党の議員なんです。何かいかにも自分のところで、自分の党派の議員を一人ふやしたいために辞職勧告しているみたいな、そんな結果になるじゃありませんか。
 こういう問題について少し見直しをする必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは正直、私がお答えをするのに適した問題かどうか、ちょっと首をひねります。
 少なくとも、やはり私は、こうした問題はその比例代表選挙のあり方も含めまして、本来各党各会派の間で十分御議論をいただくべき問題ではなかろうかと。これは正直、特に他の院に属しております私が申し上げることは非常に僭越だと思います。
○関根則之君 これは、参議院の選挙法というのは衆議院も含めて国の法律として定まっているものですから、衆議院だから関係ないと、そういうものじゃないと思うんです。しかし、これはもちろん総理だけがお考えいただくものじゃありません。参議院としてもこれから真剣に取り組んでいかなければならない問題であるというふうに私どもも認識をしておりますので、御協力を今後いただければありがたいと思います。
 そこで、次に移りますけれども、自治省にお尋ねします。
 新進党の政党の組織で青森県の県連それから第三総支部、岩手県の第三総支部、第四総支部、東京都の都連それから第二総支部、新潟県県連と第一総支部、愛知県の県連と第九総支部、長崎県の県連と第二総支部、熊本県の県連と第一総支部、これらに対して年金会オレンジ共済友部達夫議員から献金等があったかどうか、報告書の中でどうですか。
○政府委員(牧之内隆久君) お尋ねの団体はいずれも都道府県選挙管理委員会の届け出団体でございまして、いずれも平成六年または平成七年の設立てございますが、各選管に確認をいたしましたところ、平成六年及び平成七年の政治資金収支報告書にはお尋ねのような記載はいずれもなかったということでございます。
○関根則之君 岩手県連に百万円、それから友部さんの総支部に対して五百万円ですか、こういう献金があったという事実はわかっておりますが、ほかにはないということでございますので、そのことをきちっと受けとめておきます。
 それから、今は政治家は、新しい法律によって直接献金を受け取ることはできませんね。その点いかがですか。
○政府委員(牧之内隆久君) 平成六年二月の法改正によりまして、政治家に対します献金は政党からのものを除きまして原則としてできないということになっております。
○関根則之君 今度の問題で、いろいろ取りざたをされているわけでございますけれども、もし参議院の議員の議席がお金で買われたということになったらこれは大問題なんですよ。しかも、その資金が詐欺によって得られた金であるとすれば、これはもうどうにもならない。とんでもない、議会制民主主義の崩壊につながるものであるというふうに私は思っておりますけれども、心配をいたしております。
 その中で、三つほどちょっと警察当局にお尋ねをいたします。昨年の六月、名簿工作、直接関係あるかどうかは別といたしまして、都内のホテルの鉄板焼き屋で三千万円の金が細川護煕元首相の腹心と言われる初村謙一郎前衆議院議員に対しまして同首相あてに渡されたと、こういう話がありますが、この事実は調査の上わかっておりますか。
○政府委員(泉幸伸君) そのような報道がなされておることは十分承知しており、また事実関係を解明すべきであるという旨の御指摘もちょうだいしております。
 現在、事実関係については詐欺により得た資金の使途先の捜査ということで鋭意捜査中でございます。
○関根則之君 それでは、いろいろなところで言っているんですけれども、例えばテレビのインタビューで石崎松之介容疑者が名簿の順位に関連いたしまして四、五人の政治家に金を渡したと、こういう証言をしているということがありますが、これについて警察はどういうふうに承知をいたしておりますか。
 それから、友部議員の次男の友部百男という人が、これも容疑者ですが、逮捕されておりますけれども、国会議員六人に三億円の金を渡したと、こう言っているということが言われておりますけれども、この二つの事実につきまして警察はどのように事実関係を把握していますか。
○政府委員(泉幸伸君) ただいま御指摘の事実について、いろんな媒体において報道されておるということは承知しております。
 これにつきましても、その事実関係について現在行っております詐欺事件の捜査、なかんずくその使途先の捜査ということで捜査中でございます。
○関根則之君 警察は口がかたいですからね。はっきり確定してからじゃなきゃ言えないんだと思いますけれども、しっかりひとつ調査をしていただきたいと思います。
 ところで、名簿の登載、それから順位の決定につきまして、もし資金の提供が行われたり、あるいはそれを収受したりいたしますと三年以下の懲役ということになって、罰則をもって禁止されているんですよね。この禁止をされている趣旨はどんなことなんですか。ちょっと説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(牧之内隆久君) 公選法二百二十四条の三についてのお尋ねでございますが、参議院議員の比例代表選挙及び衆議院議員の小選挙区選挙並びに衆議院の比例代表選挙におきましては、候補者の届け出あるいは名簿の届け出の主体が政党とされておりますことから、候補者や名簿登載者の選定が公正に行われますことを確保するために、特に本条が設けられたものと承知をいたしております。
○関根則之君 これは選挙区の参議院議員についてはそういう規定はありませんね。どうして選挙区がなくて比例区の方だけこういう罰則規定があるのか、その辺はどうですか。
○政府委員(牧之内隆久君) 比例代表選挙におきましては、名簿の届け出は政党が主体でございますが、参議院の選挙区選挙におきましては立候補の届け出の主体はあくまでも候補者個人でございまして、仮に政党の公認といったような行為があったとしましても、それは政党の内部行為であるということから、本条の適用はなされていないものでございます。
○関根則之君 この名簿に関して金が動くということは大変な重大な犯罪として日本の法律で決まっているわけですよね。そういうことが行われたのではないかという疑いが持たれているわけですけれども、これに対する検察庁と警察の対応の仕方は現在どういうふうになっていますか、友部に関連して。
○政府委員(泉幸伸君) 御指摘の事実は大変重要な問題であるというふうに認識しておりまして、いずれにしても詐欺事件で得た資金の使途にかかわる問題でありますので、現在、先ほど申しましたように、詐欺事件で得られた資金の使途の捜査を通じてその実態を解明するように取り組んでおります。
○政府委員(原田明夫君) お答え申し上げます。
 御質問は、捜査当局で現在進めております捜査にかかわる事柄でございますので、具体的に法務当局としての答弁は差し控えたいのでございますが、検察当局におきましては、警察当局の捜査と緊密な連携を図りながら事案の解明に向けて鋭意所要の捜査を進めまして、法と証拠に基づきまして適正に対処してまいるものと存じます。
○関根則之君 今、警察は生活安全局で扱っていますよね、友部の事件を。私は、これは最初から、詐欺事件だから、刑事局が表へ出てきてやらなきゃいけないと思うんですよ。今警視庁でも生活安全部か何かでやっているんじゃないですか。この問題に対して真っ正面から、二百二十四条の三、さっきの名簿に関連する犯罪事実の捜査ということで真っ正面から出てくるなら捜査二課が出ていかなきゃならないんですよね。その辺の体制はどうなっていますか。
○政府委員(泉幸伸君) 生活安全部においては、本件事案のように主として一般大衆から資金を集め、それに被害を及ぼすという事案であるということで、警視庁の生活安全部などを中心として捜査をしております。いずれも十分な捜査能力を持った体制で臨んでおると思っております。
 なお、帳簿捜査等非常に専門的な解明を要する部分につきましては、既に御指摘の部局に属します捜査員も投入してこれに当たっております。
○関根則之君 警察官が一生懸命やってくれている。特に、この寒の内の寒空の中で一生懸命夜も張り番をしているというのはよくわかっていますよ。しかし、さらに徹底してこの問題について、特に名簿の順位に関連する罪について真っ正面から照準に据えて、視野の中に入れてやってもらいたいと思います。それについて警察の決意をお伺いいたします。大臣、できましたら。
 それからもう一つ、時間がありませんから一緒に申し上げますが、検察庁、何か十人の特捜検事を入れたというような話がありますけれども、その体制づくりはどうなっておりますか。
○国務大臣(白川勝彦君) 本件につきましては、多くの方が詐欺というようなことを言っておりました。私、本件が詐欺であるかどうかというのは、そう口で言うほど簡単ではなくて、多額の資金を集めている、しかし集めてはいるけれども、ほとんど貯蓄しているわけでもない、運用しているわけでもないということで、そう人が言うほど簡単でないので、最初は出資法違反で捜索をしたと、こう聞いております。
 ただ、そこで、どなたもお触れになっておりませんが、これは自治大臣として申し上げたいのでございます。皆さんにお考えいただきたいんですが、この勧誘のパンフレット等に、共済事業、それからその他は確かに別にどこの許可を得る必要もないわけでございますが、元請団体が自治省届け出団体と書いてありましたのは、自治省、こんなふうにまさか、政治団体は確かにこの場合は自治大臣の方に届けてあるわけでございますが、まさか自治省がこういうところで引き合いに出されるというのは思っておりませんでした。
 ですから、これらの問題は、お互いそれぞれ政治団体を持っているわけでございますが、万が一にも政治団体、これは自治大臣もしくは都道府県知事の届けであるわけでございますが、こんなようなことがあったということも、この際お互い自重自戒をしなければならないことではないかなとあえて付言をさせていただきたいと存じます。
 なお、御指摘の点でございますが、あくまでもこれは九十数億円という多額の詐欺被害事件でございますので、これ自体が極めて重要な社会的な影響あるいは被害の大きい事件でございますので、鋭意捜査いたしますが、委員御指摘のとおり、そのお金が万一名簿の作成の上に使われ、ゆがめられた形で選挙が行われたということになりましたら、これまた政治の信頼性をゆがめたという意味では大変大きな問題でございますので、重大な関心を持って警察当局としては鋭意捜査を進めておると、こう承知をいたしております。
○政府委員(原田明夫君) 検察当局の体制についてお尋ねでございました。
 ただいま委員御指摘のような報道をなされているということは承知しております。検察当局といたしまして、どのような体制でどのような状況で捜査いたしてまいるということについてあらかじめ明らかにすることは差し控えさせていただきたいのでございますが、本件につきましては警察当局の捜査と相連携いたしまして、その事態の推移に従いまして必要な体制を整えて適正な捜査を進めてまいるものと考えております。
○関根則之君 名簿登載について権限を有する者が、先はどのような私が挙げたような例でお金が動いたということになりますと罪を問われるわけなんですが、平成七年の選挙の当時、友部さんの選挙の当時、新進党のこの権限を有する者というのはどういう方がついていたわけですか。
○政府委員(牧之内隆久君) 権限を有する者と申しますのは、候補者の選定なり、あるいは名簿の選定、あるいは名簿順位の決定などにつきまして権限を有する機関が一般には政党の中に設けられると思いますが、その機関に任じておられる方、あるいはその機関が組織体でありますならばその組織の構成員であり、または最終決定機関の前にその決定機関を拘束するような機関が別途ありますればその機関の構成員も入るということでございますが、だれが入るかということは個々具体の実態に応じて判断をすべき問題であろうと思っております。
○関根則之君 警察の方は、だれとだれとだれが当時の責任のある者だっだということを特定しておりますか。
○政府委員(泉幸伸君) 現時点ではただいまの御質問について確認はいたしておりません。
○関根則之君 当時、いわゆる比例名簿を出すときに附属書類として提出があるわけですけれども、権限ある者としてどんな書類が新進党からは出ておりましたか。
○政府委員(牧之内隆久君) 平成七年執行の参議院比例代表選出議員選挙におきます新進党から届け出のありました名簿登載者の選定手続等によりますと、選定機関の名称が新進党選挙対策委員会、構成員の選出方法は、党首を委員長、副党首を副委員長、幹事長を事務総長とし、他の委員は党首、副党首及び幹事長が協議し指名する、選定手続は選挙対策委員会で案を作成し決定するという内容になっているところでございます。
○関根則之君 そうすると、当時の新進党の党首だとか副党首だとか幹事長、だれですか、わかりませんか。
○政府委員(牧之内隆久君) 私どものところに届けられております書類は、党首あるいは会計責任者しかわかりません。党首は海部俊樹氏でございます。
○関根則之君 党首が海部さんで、副党首はいろいろいますよね。それから、幹事長は小沢さんですよ。もし仮にこれらの人に対して先ほど申し上げましたような資金が動いているということになればこれは大問題でございますから、その辺のところはぜひひとつ検察当局、警察当局でしっかりと厳正に捜査をしていただきますようその決意のほどをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(白川勝彦君) 何度も申し上げておるとおり、本件詐欺事件は、被害も大きく、社会的に大きな被害が出た事件でございますので、それ自体詐欺事件としても鋭意捜査を遂げますが、もしその過程の中で、委員御指摘のように、国政選挙を不浄な金でゆがめられたという事実があれば、警察当局は法と証拠に基づきまして厳正に対処すると確信をいたしております。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、大渕絹子君の質疑を行います。大渕絹子君。
○大渕絹子君 私も、今の関根委員に続きまして、今回起こりました友部達夫参議院議員の逮捕の事件から入らせていただきたいと思います。
 白川国家公安委員長に、警察庁としては初めて逮捕許諾の国会議決を経ての逮捕に踏み切ったこの経過についてお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(白川勝彦君) 確かに、警察庁を通じて国家公安委員長として昨日の許諾請求に出させていただいたのは、この制度始まって以来私が初めてと承知しております。
 ただ、全く他意はないわけでございまして、我が国の犯罪捜査は一次的には警察とされておりますが、特殊な犯罪につきましては検察官が直ちに一次的な捜査に乗り出すと。こういうことで従来、贈収賄事件とか政治家が絡むというような問題については、俗に言われる東京地検特捜部等が当たられてきた関係で、検察官から裁判官に対して令状請求がなされるという関係で法務大臣が出るケースが多かったわけでございます。今回は警視庁の生活安全部が捜査に着手いたしました関係で、友部議員に対する逮捕状の請求もこの司法警察員からなされている関係で警察庁から御説明を申し上げたと、こういうことでございまして、基本的にはそれ自体は特に意味はないと思っております。
○大渕絹子君 これからの捜査の結果になろうかと思いますけれども、善意の第三者から九十二億円もの巨額なお金をだまし取り、そしてそのあげくに使途不明金が三十二億円もあると報道されている今回の事件について、警察庁として徹底的にこれからこの金の流れの究明をする決意を述べていただきたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) ただいま御指摘の現在まだその行方がわからない多額の資金については、全力を挙げてその究明に当たるということで捜査を進めております。
○大渕絹子君 二千五百名もの市民を巻き込んだ詐欺行為は、今までの逮捕許諾請求の前例にはない本当に恥ずべき悪質なものであると思います。参議院の品位と名誉を失墜させ、院の秩序を乱した行為と私は断ぜざるを得ないと思っています。
 そこで、憲法五十八条、国会法、参議院規則に照らして、この事案についてでなくてよろしいですけれども、法制局から一般の事案として国会議員の身分を剥奪する制度があるかないかをお聞き
 いたします。
○法制局長(田島信威君) お答えいたします。
 具体的な議員の行為について、それが懲罰に当たるかどうかということは院が判断することでございます。したがって、法制局としては一般論としてお答えすることといたします。
 国会議員は、選挙によって国民から選出されており、国政において重要な役割を果たしておることから、憲法上、免責特権や不逮捕特権が認められており、その身分は高度に保障されております。このため、国会議員をやめさせることができるのは、憲法上は資格争訟と懲罰による場合に限定されております。
 懲罰による議員の除名については、憲法第五十八条第二項が定めております。この議員に対する懲罰権は、議院の自律権として、その運営を円滑に行うため、院内の秩序を乱した場合に限定して憲法上認められているものでございます。この場合、院内というのは必ずしも議事堂構内に限られるものではなく、委員派遣などの際の行為も対象になると解されております。
 ただし、院内の秩序とは無関係な個人的行為は懲罰の対象にはならないと解されております。
 いずれにしましても、初めに申し上げましたとおり、具体的な議員の行為が懲罰に当たるかどうかは院が判断することでございます。
○大渕絹子君 院の問題をあえてこの予算委員会の場所で私は持ち出させていただきました。きょう、委員の皆さんに参考資料として懲罰の規定について細かく書かれたものをお配りしてございます。そこの二枚目、三百五十一ページと記されたところの最後の「第四に、」という以下をどうぞ委員の皆さんもしっかりとお読みいただきまして、この事件によって失墜をした参議院の名誉回復のためにお互いにこれから努力をして、自浄作用といいますか、それを求めていきたいというふうに思っております。強くそのことをお願い申し上げておきたいというふうに思っております。
 この規定によれば、懲罰事犯であるかどうかを定義づける一般的な規定は全くなくて、それは院の判断にまっということに決められているわけでございますから、院の範囲の中で今回のこの事件が院の秩序、院内の秩序を著しく乱した行為とみなされるときには除名処分に、懲罰委、懲罰がかけられるというふうに私は読むわけでございます。
 そういうこともあるということを踏まえて、院の皆さんとこれから先議論をしていっていただきたいなと強く要望するものでございます。
 次に、総理大臣のアジア外交についてお聞きをいたしたいと思います。
 総理は所信表明において、これからの二十一世紀、アジア地域との友好関係に重要な関心を持っている、特にこの地域が経済的にも安定して暮らしていけるためには人口問題、食糧問題、エネルギー問題等々が大変重要な課題であるということを述べられました。そこで、私はきょうは、余剰米をたくさん抱えている日本の国家として食糧の問題に限って、総理はこのアジア地域における日本の役割、食糧問題に対する具体的な政策をどういうふうに考えておられるのかお聞きをします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど一昨年、村山内閣の折に大阪でAPECの総会並びに非公式首脳会合が開催をされ、そのときに議論になりましたのがまさにこのテーマでございました。
 このときはWTOにおけるウルグアイ・ラウンドの決着の余波を受けまして、各国の足並みは必ずしもそろってはおりませんでした。殊にケアンズ・グループを中心とした国々からはウルグアイ・ラウンド農業合意の加速化を求める空気があり、現に非公式首脳会合で当時議長をお務めになった村山総理もこれを抑えるのには随分御苦労になったと承知をしております。
 一方で、同じAPECのメンバーの中にも、日本を初めとして食糧を相当程度輸入に頼っている国が存在をいたしております。そして、それぞれに自国の農業の将来に思いをはせながら、自給率の維持向上に意を用いております。
 そして、まさにそのAPECの非常に大きな論点は、二十一世紀のアジア太平洋地域というのは繁栄の世紀だというけれども、本当にそんなに楽観できるんだろうかと、この疑問を日本が呈し、リードをしたところから非常に大きく動きました。
 すなわち、日本が提起をいたしましたのは、まさに通常であるなら本当に繁栄を期待される地域であろうけれども、その経済発展に伴ってそれだけ豊かになれば人口も急増する、食糧は当然のことながらより多くを必要とする、しかしその生産は急に拡大できるものではない。さらに、エネルギー消費は非常に拡大をする、当然のことながら環境問題を惹起する。こういう警告を発したいという日本と志を同じくする国も殊に食糧については見解が分かれたわけであります。そして、最終的には幾つかの国との協力体制の中でこの警告は既に発せられました。
 そして、既にその後いろいろな動きを始めておりますが、現在、例えば昨年の暮れのAPEC、スービックの非公式首脳会合、マニラの全体会合、やはり二十一世紀の制約要因としての食糧ということはそれぞれがやはり認めた上で論議に入っておるという状況でございます。そして、日本は、そうした中でAPECにおける食糧タスクフォース、これをつくることになりまして、その共同議長を務めると。そして、そうした役割を通じてこうした課題に対応していこうと考えております。
 今後、この地域の食糧問題の解決のためには、APECを中心とする地域的な取り組み、同時に域内の関係各国との二国間の協力というものを進めていく必要があろう、そのように考えているところでございます。
○大渕絹子君 ありがとうございました。
 我が社会民主党は東アジア食糧安全機構を創設したらどうかということを呼びかけています。ジャポニカ米、いわゆる中粒種を食べる国民、国家がお互いに余った米について備蓄をしておいて、そして足らないときはそこの機構から借りて需要を満たす、そしてまた自分の国で余ったときにはまたそこに拠出をして、お互いに貸し借りという条件の中でそういうシステムをつくり上げていくことができれば、今回、国際赤十字の発表によりますと、北朝鮮などは一人当たり一日わずか百グラムぐらいしかとれないような状況に置かれている、非常に厳しい状況に置かれているところに対しても優しい手が差し伸べられていくのではないかというふうに思うわけでございます。
 この東アジア食糧安全機構の設立について、外務大臣、農水大臣の決意、検討をしていただきたいということをよろしくお願いします。
○国務大臣(池田行彦君) 今後の世界、とりわけアジア地域にとりまして食糧問題、食糧の安全保障、これがいかに大切かというのは私どもも痛切に考えている次第でございます。そういった観点から、我々は、例えば食糧援助規約であるとかWFPであるとか、そういった世界的な食糧問題に取り組む機関でも積極的な役割を果たしてまいっております。
 そうして、特にアジアの地域的な協力につきましては、先ほど総理から御答弁ございましたように、APECの場におきまして現在も食糧タスクフォースの共同議長をやっております。そのように積極的な役割を果たしてきているところでございます。
 今後もそういった努力は続けてまいる所存でございますけれども、御提案のございました東アジアの食糧安全保障機構でございますか、そういうふうな新たなこの地域だけに限定した、しかもジャポニカ米を中心にしたというような機構をつくるということは、大切な問題ではございますが、これを国際的に進めていく上で果たして妥当な道かどうか、これはいろいろ検討してみなくちゃいけないと思います。屋上屋を架することになるんじゃないか、既存の枠組みとの重複になるんじゃないかということもよく考えなくちゃいけない、こう考える次第でございます。
 それからまた、北朝鮮の関連でのお話もございましたが、この北朝鮮の関係につきましては、食糧事情が厳しいことは十分承知しておりますけれども、これはこれでまたいろいろ別の観点からも考えていかなくちゃいけない問題だということは御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(藤本孝雄君) 国民の主食でございます米の備蓄の問題、これは私どもにとりまして非常に重要な問題で、就任以来非常に大きな課題の一つだと私は心得ております。
 作況指数が一〇〇でございますが、仮に一〇五ということになりますと五十万トンふえる。また、九五ということになりますと五十万トン足らない。ですから、適正な在庫をしていく。今百五十万トンということを考えておりますけれども、この適正在庫を上回る備蓄ということも当然あり得るわけでございまして、そういう場合に、この適正在庫を上回った米の活用方法、これは非常に大事な問題だというふうな認識を持っておりまして、このことについて九年度め予算で調査費を私が指示いたしましてつけました。これは外国の備蓄食糧であるとか、また余剰農産物の活用方策等について調査をしようという考えで調査費をつけたわけでございます。
 先生御指摘の東アジア食糧安全保障機構、この御提案はこういう余剰食糧の活用方策の一環としてお考えになられた、そういうお考えであろうと思うわけでございますが、外務大臣が今言われました他の国際機関との重複の問題とか、国際法上のルールの問題であるとか、米の場合にはトン当たり三十万円という財政負担が要りますものですから、ODAで出します場合でも十万トンで約三百億と、こういうこともございまして、なかなか困難な事情はございますけれども、私はこの問題は極めて重要な問題だと心得ておるわけでございまして、そのための調査費も計上した、十分に調査、研究して対応してまいりたい、かように考えております。
○大渕絹子君 ありがとうございます。
 まだ何年もさきでないときに日本も食糧不足、冷害で輸入をしなければならない状況がありましたから、決して北朝鮮の事情が私たちの身にはないことだと言い切れないと思いますから、十分に検討して前向きに取り組んでいただきたい。また、貸し借りであればWTOやFAOの規定にも触れることなくやれることができるのではないかと私は思っておるところでございます。
 また、ナホトカ号の重油事件については細かく質疑がされましたけれども、総理に一点だけ。
 ロシアのパノフ駐日大使が新潟入りをしたときに、今回は日本もロシアも措置をとるのが非常に遅かった、こういう事故が起こったときには国際的にお互いに協力をして早急に手を打つ国際システムみたいなものを早急につくるべきではないかという御提案をなさったのですけれども、いつ起こるかわからないこうしたタンカー事件に備えて早急に国際的なシステムづくりを御検討いただきたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 今回の事故に対する対応ももとよりでございますが、将来にわたって類似の事故がまた起こった場合に迅速な対応ができるような国際的な協力の枠組み、これは整備してまいらなくちゃいけないと思っております。
 現在でも全くないわけじゃございません。例えば国際海事機関、IMOと申しますが、この機関がございます。現にこの機関がこの十三日にロンドンで会合を開きました際に、我が国から今回の事故の経験にかんがみ、いろいろ作業を促進すべきことを提案いたしました。
 それからまた、リージョナルなもので申しますと、日本、韓国、ロシアそして中国が中心になってつくっております北西太平洋地域海行動計画という考え方のものがございまして、それに基づいて今回の事故を踏まえていろいろ相談しようじゃないか、国際会議を持とうじゃないかということを既に日本からもロシア等に提案したところでございます。
 またそのほかにも、十五カ国ぐらいから成りますアジア地域における国際的な取り組みの機構もあるわけでございます。いろんなものがございますけれども、やはりそういったものが十分でないということもございますから、今後一層改善そして強化していくために努力してまいりたいと思います。
 それからまた、ロシアの場合には、既に条約なんかもいろいろございますけれども、そういう中でロシアが加盟していないものもございます。そういったものについては、ロシアも早く加盟するようにということを既に我が方からも申し入れと申しましょうか、慫慂したところでございます。
○大渕絹子君 もう一点、ボランティアで参加をして病死された方が四名おられますけれども、この方たちに対する見舞金あるいは弔慰金のようなものは考えられておりますでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、外務大臣から御答弁をいたしました点、本来なら私が立つべきでありましたが、幾つかまさにロシアが我々に批准を約束しながら現在も批准をしておりません条約が頭に浮かびまして、一瞬間立ちそびれまして失礼をいたしました。
 また、四人の方が既に亡くなられた。これ以上本当に犠牲者をふやしたくありませんし、ボランティアとして御苦労をいただいたこの四名の方には本当にお悔やみを心から申し上げます。
 ただ、現行の制度の上で考えますと、その見舞金について、今までいろいろ工夫してまいりましたけれども、実はうまい工夫がありません。ただ、これは大渕委員の亡くなられた方々に対するお気持ちもよくわかるつもりでありますし、どのようなことができるのか、なお考えでみたいと思います。
○大渕絹子君 ぜひ温かい御配慮をお願いしたいと思います。いろいろな事件が次から次へと起きて忘れ去られようとしておりますけれども、年末に起きました蒲原沢の土石流災害について私はもう一度お尋ねをしていかなければならないと思っています。
 白川国家公安委員長に私は去る十二月十七日、現地調査を終えてからの地行委員会で発注者側の責任問題について追及をし、原因究明を徹底して行うようにお願いをいたしましたけれども、その後の捜査の結果について教えてください。
○国務大臣(白川勝彦君) 大渕委員にお答え申し上げます。
 警察としては、蒲原沢土石流事故の重大性にかんがみ、昨年十二月十七日付をもちまして、長野県、新潟県両県警の合同捜査本部を設置し、現場一帯の実況見分のほか、工事関係者から事情聴取等本件の原因究明に向けて所要の捜査を鋭意進めているところであります。
○大渕絹子君 当初から天災か人災かというようなことで多く言われていたわけですけれども、その観点についてはまだ捜査結果が出ないということでしょうか。
○国務大臣(白川勝彦君) 現在のところ、まだ捜査中でございまして、一定の結論に達したという報告には接しておりません。
○大渕絹子君 土石流災害の捜査中に姫川下流の水門で二次災害とも言うべき死亡事故が一件発生しているんですけれども、自治大臣は御存じですか。
○国務大臣(白川勝彦君) 委員から指摘をされましてから、そのような事故があったということは聞いておりますが、当時、二次災害というようなことで報告は受けておりません。また同時に、後でお尋ねあればお答えを事務当局からさせますが、果たしてこれが土石流災害と直接関係があるのかないのかにつきましては、いろいろ見解が分かれるようでございます。
○大渕絹子君 行方不明者の捜査中に、水門の上げ下げによってその管理をしていた若い方が首を挟まれて亡くなるというむごい事故が起こっているんですね。それは一切表に出ずに伏されているということが私は問題であるということを指摘しているわけですから、事務方で結構です、その事件の概要をお知らせください。
○政府委員(佐藤英彦君) お答えいたします。
 土石流事故の発生当日の午後、事故現場の下流に当たります黒部川電力姫川第六発電所取水口堰堤におきまして、除じん作業中の職員が過失により死亡するという事故が発生いたしておりますが、現地では、前日から雨が降りまして上流から砂やごみが流れてくるため、時々本流の水門を上げまして、たまった砂やごみを流す作業を行うとともに取水口の除じん作業を行っていたとのことでございます。当日、土石流事故の発生を認知いたしましたダム関係者が、被災者が流れてくることも考えられるとして、午後に予定をいたしておりましたダムの排砂、砂を流すことでありますが、排砂を中止することとし、水門を開かなかったものと聞いております。
 なお、警察から水門の開閉につきまして要請した事実はございません。
○大渕絹子君 捜査本部から水門の開閉についての御指示があったというふうに聞いていますけれども、そこのところの事実関係はどうですか。もう一度お答えください。
○政府委員(佐藤英彦君) ただいまも申し上げましたように、警察から水門の開閉につきまして関係者に要請したという事実はございません。
○大渕絹子君 警察からということだけでなく、消防、自衛隊、そこの捜索にかかわったすべての人から要請はなかったのでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 私が現地に参りまして各混成部隊を一元的に指揮をさせていただきましたが、そういうことを要請したということはございません。
○大渕絹子君 これはまた後ほどにさせていただきます。時間がありません。
 労働大臣、労働大臣にも我が大脇雅子委員から労働災害についての原因究明、徹底究明をお願いしてあったと思いますが、その後の捜査の結果をお願い申し上げます。
○国務大臣(岡野裕君) 先生おっしゃいますように、蒲原沢の事故は非常に悲惨なものでございました。したがいまして、まず第一に人命救助ということで一生懸命関係省庁と一緒に努力をしたわけでございます。したがいまして、それが終えんをするあたりから、今度は原因究明とそれから再発防止というようなことで、専門家をもって構成をします調査団を設けまして目下徹底的に原因を究明しつつある段階でございます。
○大渕絹子君 被害に遭われた方たちの補償の問題はどうなっていますでしょうか、労働省。
○政府委員(伊藤庄平君) 今般の土石流災害によります被災者の方に対します労災保険の給付の状況について御説明申し上げます。
 今回亡くなられました十三名の御遺族の方から遺族補償給付の請求が行われておりまして、現在までに既に九名の御遺族の方に支給決定をし支給を開始いたしております。残る四名の方につきまして遺族関係の確認が進んでおりますので、近々支給決定がなされ支給に入る段階になっております。
○大渕絹子君 建設大臣、当初、事件が起きたときに建設大臣は直ちに現地に入られて現地視察を終えて、これは天災である、どうにもならない、自衛隊や消防の力をもってしても崩落のセンサーさえも取りつけることが不可能なようなところで起きた崩落事故、それによって労働者が災害に巻き込まれた、天災が引き起こした労働災害というような観点でお話をなさっていたというふうに思います。
 また、当予算委員会の場所での質疑でもその旨答えられておったことを記憶しているわけでございますけれども、天災が引き起こした労働災害であるかどうかの認定によって私は補償の問題というのは大きく変わってくるというふうに思うのですけれども、今現在の建設大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(亀井静香君) 私が現地に参りまして状況を掌握したそうした状況の中では、工事施工者の工事を遂行するに当たっての処置その他等についても私の立場で報告も求めましたし、現場等も私自身も実査をいたしたわけであります。
 当時、工事現場に業者みずからが三カ所で降雨の測定器を置いて測定をしながら工事をやっていたという状況の中で、それぞれの測定器に一ミリあるいはそれ以下程度の降雨量しかないという状況の中で工事を続行しておったということもございます。また、現場の上流等に農水省の施工するダムニつ、建設省のダムニつが上流にあるというその下流でございまして、現地の状況等から見まして大規模な土石流が四つのダムの上流からそれを乗り越えて下流を襲ったという状況でございました。そういう中で、私といたしましては、これはその時点で人災であるというような状況ではないと、このように率直に申し上げたわけであります。
 なお、現在、建設省におきましても砂防学会にお願いいたしまして、学者先生、中立の方々の今徹底的な事故原因についての調査をしていただいておりますし、警察当局におかれまして今厳正な捜査をしておりまして、これについての過失があったかないかというようなこと等についての結論が出てくるものと思います。
 しかし、ただ一点言えることは、被害に遭った方々には何の過失もなかったということははっきりしておるわけでございまして、現在、遺族、被害者の方々と受注した業者との間で話し合いが行われております。建設省といたしましては、非常に大変な状況でございますので、残された方々にできる限り誠心誠意、ただ単なる法律的な観点だとかそういうことではなくて、心のこもったきちっとした対応をしてくださいという強い行政指導をいたしております。
 以上でございます。
○大渕絹子君 安全性が確保されない場所での公共事業の発注者の責任であるということも私はあると思います。そういう視点に立った今の建設大臣の御発言、大変ありがとうございます。そういう視点に立ってやっていただきたいというふうに思います。
 最後に、総理、公共事業は安全だと思っているんですね、皆。公共事業だから大丈夫だという認識の中で出稼ぎ者が最終的には犠牲になっていくという事故がもう相次いでいるわけですが、この公共事業を発注する際に、完全に安全な作業が確保できるということを確認した上で発注をするということの徹底を図っていただきたいと思います。総理にお願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はお気持ちは非常によくわかるつもりでございます。
 たまたま私は山登りが好きですから、数年前、姫川を遡行しました。そして、周辺の沢を見まして、本当に怖い、この沢を登る自信はないなと思いながら歩きましただけに、この事故が起きましたときに本当にぎょっとしました。
 その上で、誤解のないようにお聞きを願いたいと思うのでありますが、工事をする以上、当然ながらそこで働いていただく方々の安全に最大限の配慮を払い続けることは私は当然の責任だと思います。その上で、その工事に危険度の高いところで工事をお願いしなければならないケースが現実に存在することもまた事実だと思います。
 私は、実は蒲原沢というのがどれだかわからなかったのですけれども、あの沢を見ておりまして、幾つかの場所で砂防堰堤がつくられたり、いろいろな工事がされ、崩落防止に努められておるのをそのときも拝見しました。その崩落防止の工事そのものが実は危険を伴うわけであります。
 そういたしますと、これは作業管理に当たる者が全力を尽くして安全確保に努力をすることは当然でありますし、やれるだけの安全確保の手段をとらなければなりませんが、万が一という懸念を全くなしにはできないのではないだろうか。むしろ、国民の暮らしの安全を守るためにその危険を防止するという意味で、逆に危険度の高い工事に挑まなければならないときもある。率直に今御意見を伺いながらそのような思いを持っておりました。その上で、全力を尽くして安全を確保するよう努力していくことは当然のことと存じます。
○大渕絹子君 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 関連質疑を許します。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 今、沖縄では桜の花が美しく咲いております。世間を騒がせております汚れたオレンジはありませんが、名物のタンカンがおいしい季節になりました。総理並びに全閣僚におかれましては、沖縄の基地問題を解決し、沖縄のさまざまな振興策を充実していただきまして、二十一世紀、沖縄の未来に希望の大きな花を吹かせていただくことをお願い申し上げます。
 さて、ことしは日本国憲法施行五十周年の歴史的節目の年でございます。一方、沖縄の祖国復帰二十五周年でもあり、第三次沖縄振興開発計画の後期に入ります。
 私は、憲法五十年の歴史の中で、我が沖縄県には日本国憲法が及ばなかった、すなわち憲法空白の二十五年があったことを強く訴えたいのであります。
 沖縄の戦後史における基地問題初め沖縄問題の根源はまさにここにあり、この解決のかぎは憲法の理念にあると思います。沖縄県民が復帰に託した願いは、憲法の適用下に平和のうちに暮らしていくことであります。復帰二十五周年に当たり、総理は復帰に託した沖縄県民の、沖縄の心をどのように理解しておられるか。また、沖縄問題解決に向けた総理の御決意のほどをお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昭和四十七年五月十五日、その沖縄が本土に復帰をいたしました日の政府が発表した声明は、「沖縄を平和の島とし、わが国とアジア大陸、東南アジア、さらにひろく太平洋圏諸国との経済的、文化的交流の新たな舞台とすることこそ、この地に尊い生命を捧げられた多くの方々の霊を慰める道であり、沖縄の祖国復帰を祝うわれわれ国民の誓いでなければならないと信ずるものであります。」というものでございました。そして、まさに私はこの声明は、当時、本土復帰、祖国復帰という悲願を達成された瞬間の県民のお気持ちであったろう、そう思います。
 しかし、昨年初めて内閣総理大臣という立場で大田沖縄県知事にお目にかかりましたとき、私は知らざるを恥じる、おわびするという言葉から知事との会談を始めました。
 大田県知事がまとめられました「高等弁務官」という本がございます。これに目を通しましたとき、実は私は相当その内容に疑問を持ちました。そして、その疑問を持った部分を自分なりに調べてみました。そして、議員は今たまたま復帰のところから話し、あるいは憲法発布のところから始められましたが、第二次世界大戦中に当時の日本軍によって強制的に土地が収用され、日本軍としての陣地がつくられ、あるいは基地がつくられたときからの記録というものを改めて私なりに調べてみました。そして、その思いを余りに我々は受けとめるに鈍であった、鈍かった。読み終え、調べ終えたときの私の感じはまさにそういうものでありました。
 それだけに、現在なお沖縄県並びに県民の方々には多くの重荷を背負うていただいております。それを少しでも解消するための努力を続けること、それが我々の責任である、そのように思っております。
○照屋寛徳君 SACOの関連経費や沖縄特別振興対策調整費について、補正予算で処置をされる必要性、緊急性について大蔵大臣の御見解をお願いいたします。また、具体的な事業の内容等についても御説明願いたいと思います。
 関連して、基地所在市町村に対する平成九年度以降の振興策の具体化について、総理の所信をお伺いいたします。
 あわせて、沖縄開発庁長官に、沖縄振興策に取り組む御決意のほどをお尋ねいたします。
○国務大臣(三塚博君) 今回の補正予算案におきましては、SACO関連経費として七十二億円を計上しておりますが、これは昨年十二月出されましたSACO最終報告に盛り込まれました沖縄県の米軍施設・区域の整理、統合、縮小等に係る措置を実施するため、八年度に緊急に行うことを要する調査・工事費、周辺対策等に係る経費を計上いたしておるものであります。
 また、沖縄特別振興対策調整費は、沖縄に関する各般の施策の調査検討等を行うため経費として五十億円計上いたしたものでありますが、沖縄の振興は、米軍基地・区域が沖縄県に集中し、住民の生活環境や地域振興に大きな影響を及ぼしております現状からも緊急に対応しなければならない課題でございまして、補正予算に計上いたしますことは必要でありましたし、さように取り組ませていただきました。
○国務大臣(稲垣実男君) 照屋先生に申し上げたいと思います。
 先ほど総理から、二十五周年の節目に当たりまして、それに託されたお気持ちを述べられまして、私も全く同じ気持ちでございます。
 私も三回ほど沖縄を訪問いたしましたが、なるほど私ども本土におる者と違いまして、やはり基地があることによって今日まで県民の皆さんがそ五ぞ吾ろんな思いをしてこられたという尋ちにかんがみまして、いわゆる沖縄の問題はその解決に内閣を挙げて取り組まなければならぬ問題であるというふうに受けとめておる次第でございます。
 沖縄開発庁といたしましては、沖縄が本土復帰して以来、三次にわたりまして沖縄振興開発計画に基づきまして各般の施策を実施してきたところでございます。先般の沖縄問題についての内閣総理大臣談話に基づきまして、先ほど来三塚大蔵大臣から申し述べられたとおり、着々といろいろと諸点にわたって解決をつけてきておるところでございます。とりわけ、空港、港湾等の社会資本の整備、観光関連施設の整備等をさらに積極的に進めますとともに、自由貿易地域の拡充強化、これは大変期待をしておられるところでございますので、それらによりまして産業や貿易の振興等について一層検討を進めてまいりたいところでございます。
 さらに、平成九年度予算におきましても、今御説明ございましたとおり、自由貿易地域の拡充強化や普天間飛行場等の跡地利用に関する調査費なども計上されたところでございますので、今後とも沖縄開発庁としては内閣官房と協力いたしまして、いわゆる沖縄政策協議会に設置されました十のすべてのプロジェクトチームに積極的に加わりまして、関係省庁及び沖縄県と密接な連携をとりながら、沖縄県が地域経済として自立をしていく、また若い人たちが県外に職を求めなくても県内で職を求められるような雇用の確保がされ、県民の生活の向上に一層資するように、また我が国経済社会の発展に寄与する地域として整備されるように全力を尽くしてまいることをお誓い申し上げる次第でございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今それぞれからお答えを申し上げましたけれども、私から申し上げるべきこと、沖縄の振興具体策を検討いたしておりますのは沖縄政策協議会でありますが、これは御承知のように、大田県知事御本人が構成メンバーとしてお入りをいただいておりまして具体的な検討をしていただいております。
 また、先般は沖縄米軍基地所在市町村懇談会、いわゆる島田懇、こちらから提言をいただきました。そして、内閣としてもこれを最大限実現に努力していきたいと考えておるわけであります。
 そして、補正予算及び平成九年度予算についてどういうわけでというお尋ねがございましたが、知事さんと御相談をし、知事さんの御要望を受けて、特に知事さんが急いでほしいと言われるものを補正に計上いたしました。
○照屋寛徳君 官房長官のもとにつくられました基地所在市町村懇談会における島田座長提言の諸プロジェクトや、今沖縄政策協議会で論じられております新たな沖縄振興策で芽出しをするさまざまな公共工事、これは私は本土大手ゼネコンヘの発注ではなくして地元業者への優先発注をするのが施策の趣旨に合致すると思いますが、総理もしくは官房長官の所信をお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは議員が御指摘のとおりでありまして、公共工事、地元への発注機会が増大をいたしますことは沖縄の地域経済にとって非常に重要なことだと考えています。これまでも分離・分割発注の有効活用などによりまして地元業者の受注機会の確保に努めてきたつもりでありますけれども、今後とも可能な限り地元業者の受注機会を確保するよう努めてまいりたい、そのように思います。
○照屋寛徳君 普天間飛行場に関するSACOの最終報告に基づいて、政府は去る一月二十一日、名護市長に対してキャンプ・シュワブ沖でのヘリポート建設へ向けた調査協力要請を行いましたが、同市長から協力要請を拒否されております。
 総理並びに防衛施設庁長官はこの事態をどのように受けとめておられるのでしょうか。
○政府委員(諸冨増夫君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のように、SACOの最終報告におきまして、沖縄本島の東海岸沖に海上施設の建設を追求するということとされておりまして、先般、キャンプ・シュワブ沖が調査水域として最も適当であると考えられることから、一月二十一日に私どもの那覇防衛施設局長を派遣いたしまして、名護市及び沖縄県及び沖縄県漁連に対しまして所要の調査を実施することについて御協力をお願いしたところでございます。
 これに対しまして名護市長さんからは、県内移設が、国においては日米安全保障条約の履行、県においては国際都市形成構想を推進するために不可欠の事案であるならば、国と県が共通の状況認識のもとにキャンプ・シュワブ制限水域への移設について名護市に説明を行うべきであると考える、したがって調査について理解と協力を求めるのであれば県も一緒に説明してもらいたいという旨の御発言がございまして、申し入れを拒否されたところでございます。
 私どもとしては、今後とも地元の御理解を得ることが何よりも重要であると考えております。名護市につきまして今後とも調査の実施について御協力いただけるように最大限の努力をする覚悟でございますが、沖縄県に対しましても引き続き御協力を求め、その実現に対して全力を挙げて取り組んでまいりたい、このように考えております。
○照屋寛徳君 橋本総理がかねてより表明しておられます、地元の同意が得られない限り調査も工事の強行もやらないとのお考えは現在でも変わりませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 我々は、県初め多くの県民の方々から、とにかく住宅の密集する普天間を何とかしてほしいと言われて代替ヘリポートという案を考え出したわけでございます。これから先、普天間実施委員会を設置し、候補水域の選定を終えて、遅くとも本年十二月までには実施計画を作成しなければなりませんけれども、これに当たって地元の御理解、御協力を得ることは不可欠でありますし、その調整に最大限の努力を払っていきたいと思います。
 地元の自治体が納得されないうちに頭越しにいわば見切り発車をして、特定の場所に押しつける考えはありませんということは、十二月に沖縄県に参上いたしましたとき、基地関係市町村長の皆さんとお目にかかりましたとき、その席上で私がその市町村長さん方にお約束をしたことでありまして、頭越しということは今も考えておりません。何とかむしろ御協力をいただけるように委員からもお力添えを願いたいと思います。
○照屋寛徳君 ただいま総理の御答弁にもありましたが、普天間実施委員会は遅くともことし十二月までに実施計画を作成する、こういうふうにSACOで合意をいたしているわけでありますが、そのためにはいつまでに調査を完了しなければならないと考えておられるのか、その時期を具体的にお示し願いたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 今、総理からもお話がございましたように、地元の御協力を得ながら調査に入らなければならないわけでございまして、いつまでというわけにはまいらないわけでございますが、先般、名護市御当局にこちらが出させていただいて拒否されましたけれども、あの内容の調査でございますと、一、ニカ月かかるわけでございます。その後、具体的なボーリングその他ということになりますとまた日数はかかるわけでございますけれども、いつまでにというのは、それから先どれぐらい具体的に詳細な実施計画をつくるまでに時間がかかるか、その辺もございまして、今ここでいつまでにというようなことを期限を切って申し上げるような状況じゃないわけでございます。
 ただ、今言いましたように、今度申し出た調査をやらせていただければ、一、ニカ月でその調査は終わらせてもらえる、そういうふうに思っております。
○照屋寛徳君 代替ヘリポートの建設問題が今沖縄で大きな社会問題になっております。SACOの最終報告においては、代替ヘリポートについて撤去可能な海上施設として沖縄本島の東海岸沖に建設する旨合意をいたしております。
 最近、現地沖縄で、埋立案とかあるいはまた東村への誘致の動きが取りざたされておりますが、SACOの合意案以外の場所や工法でヘリポート建設を考えておるのでしょうか。総理の御見解を求めます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変恐縮な言い方でありますが、昨年春の状況を思い出していただきたいと思うのであります。
 当時、県を代表として沖縄の皆さんから出てくるお話、それは人口稲密地帯、人家の密接しているこの普天間だけは何とかしてほしいという強い御要請でありました。そして、日米がぎりぎりの議論をした中から、陸上では恐らく沖縄県内に受け入れていただげるところはないだろう、また埋め立てにも応じていただけるところはないであろう、現実に県の方から伝えられる空気もそのようなものでありました中で、この撤去可能な海上施設という案に我々はたどり着いたわけであります。
 議員からいろいろな声が沖縄県内にあるというお話をいただきました。しかし、海上施設という考え方で名護市に対し御協力をお願いに参り、名護市の方から県と同席でなければ聞けないという拒否を受けたこと、議員から御指摘のとおりでございます。
 我々としては、SACOの最終報告というものを踏まえ、海上施設、沖縄本島の東海岸沖への建設というものを追求していく所存でありますけれども、この過程におきましても地元の皆様の御理解、御協力というものを得ることが不可欠でありまして、普天間という基地をなくせという声に日米政府としてぎりぎり努力をしてまとめ上げましたものでありますだけに、引き続き地元の皆様との調整に我々は最大限の努力を払っていきますけれども、ぜひ御協力を得たいと繰り返しお願いを申し上げます。
○照屋寛徳君 復帰後、今日まで百七十八回の県道一〇四号線越え実弾演習が行われまして、約四万発以上の実弾が恩納岳やブート岳に撃ち込まれました。
 今年度じゆうに県道一〇四号線越えの実弾射撃演習を廃止するとの報道がありましたが、事実でしょうか。また、実弾演習廃止後における不発弾の処理、着弾地付近での植樹や水源地の整備など、環境対策は日本とアメリカ政府どちらがどのように行うのでしょうか。防衛施設庁長官に伺います。
○政府委員(諸冨増夫君) お答えいたします。
 現在、一〇四号線越え射撃の移転の問題につきましては、対象となります五カ所の演習場の方々に対しまして、私ども、移転についての御理解、御協力を得られるように今最大の努力をしておるところでございます。私ども、何とか三月いっぱいぐらいには理解を得ながら、平成九年度以降、整々とこの射撃の移転ができるように今努力をしておるところでございまして、御指摘のような報道もございましたが、私どもとしてはそういう決意で現在最大限の努力をさせていただいておるという状況でございます。
 それから、なお、現在のキャンプ・ハンセンにおきます状況でございますが、これはSACOの最終報告にも述べられておりますように、米国におきます米軍の射場に現在適用されております手続と同等のものである米海兵隊の不発弾除去手続により実施するという合意がSACOの最終報告で行われております。具体的には、射場整備の際に、大体半年ごとに射場整備作業と同時にその不発弾の処理を米軍は行っておるということで、こういう点についての合意といいますか確認をしたということでございます。
 現在、この一〇四号線越え射撃が本土に移設されました後におきましても、迫撃砲等のいわゆる射程の短い射撃については今後ともキャンプ・ハンセンにおいて実施されるということでございます。私ども、そういう射撃に伴ういろんな障害の防止につきましては防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律というのがございまして、この法律の定めるところに従いまして、従来から例えば赤土の防止に関する砂防ダムの建設であるとかあるいは農業用ダムあるいはその他のいろんな水道施設等の整備を行いつつ被害の防止に努めて射撃を行わせていただいていると、こういう状況でございます。
○照屋寛徳君 海兵隊の兵力削減、撤退問題については、私は昨年の臨時国会予算委員会でも質問させていただきました。沖縄県は、二月八日、東門副知事を団長とする女性だけの訪米要請団を派遣するようでございます。大田知事も四月下旬に海兵隊の兵力削減、撤退に絞った訪米直訴をする予定のように聞いております。
 SACOの最終報告後、政府と沖縄県との間でこの問題をめぐる認識の違いが相互不信を招いているのではないかと心配をいたしております。改めて橋本総理に、アメリカに対して海兵隊の削減、撤退を要求するおつもりがあるかどうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私も何遍もお答えを申し上げておると思いますけれども、沖縄県その他に海兵隊が駐留を確かにいたしております。その要因としては、アメリカ本土からハワイ、グアムなどに前方展開しております戦力に加え、水陸両用戦能力を持っております海兵隊が我が国に駐留することによりまして、アジア太平洋地域におけるさまざまな事態に迅速かつ柔軟に対応できる、こうした考え方があると思います。
 国際社会におきまして引き続き不安定要因の存在いたします中で、こうした要因のもとに我が国に駐留する海兵隊は、その有する高い機動力とか即応性などを通じまして在日米軍の重要な一翼を担っております。そして、我が国の安全及び極東における国際平和の維持、安全の維持に寄与している、私はそのように考えておりまして、現時点においてその撤退を求めるということは考えておりません。
○照屋寛徳君 昨年の十二月十日に、アメリカ海兵隊の戦闘機から四百五十キロ爆弾が那覇市の近くの海上に投下される事故が発生をいたしました。県民の安全に配慮を欠いて、まるで県民を標的にするかのような許しがたい事故でございます。しかも、SACOの最終報告で米軍の事件事故について適時の通報が確保されると発表された直後の事件でございました。
 そこで、外務大臣、防衛庁長官にお尋ねいたしますが、事故後、通報システムはどのように改善されたのか、また米軍の爆弾投下マニュアルを公表すべきだと考えるが、御所見をお聞かせください。
○国務大臣(池田行彦君) 昨年の十二月に起こりました爆弾投棄事故の際には、米側から日本側への通報、そしてまた日本の政府部内でのいろいろな連絡、そういった相互におきまして正確さあるいは迅速さという点でいろいろ問題があったところでございます。
 そういった反省を踏まえまして、早期の通報体制をつくろうということで、いろいろこれまでも日米合同委員会の場等で協議を進めてまいりました。そして現在、米側との関係につきましては、基本的に発生地の地元の司令官から在日米軍の司令部、そして在京の米国大使館、そして外務省という伝達ルートを基本にする、しかし場合によって現地での連絡もきちんとする、そういうことも含めまして、通報手続の経過だとか経路であるとか、あるいは通報されるべき内容等につきましてはほぼ合意に達しております。現在、さらに通報担当者の連絡のとり方であるとか作業の標準化とか、そういった点につきまして実務者間で最後の詰めを行っておるところでございます。間もなく日米間の合意ができると思います。
 それからまた、あわせて日本の政府部内での連絡体制、それから米軍の内部での連絡体制、それにつきましてもそれぞれ改善のための作業を進めておるところでございます。
 それからいま一点、御質問のございました爆弾投下のときのマニュアルの関係でございますが、これにつきましては、マニュアルそのもの自体は米軍内のマル秘の秘密文書でございますので、それはちょっと公表できないわけでございますが、しかしながら投棄手続の内容、これにつきましてはできる限り具体的に公表できるように今米側にもいろいろ働きかけを進めている、作業を進めているところでございます。
○国務大臣(久間章生君) 今、外務大臣がお答えになったとおりでございますけれども、国内での、特に沖縄への連絡等については、外務省の出先、沖縄事務所が今度設置されておりますので、そういったことについての細かい調整を今しているところでございます。
○照屋寛徳君 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で大渕絹子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、藁科滿治君の質疑を行います。藁科滿治君。
○藁科滿治君 民緑の藁科でございます。よろしくお願いいたします。
 最初に、ペルーの人質事件でございますが、発生いたしましてちょうど一カ月半を経過しておるところでございます。ぜひ、政府としましては人命尊重を第一に、事件が平和的に全面的に解決されますように一層の御努力をお願いしたいと思います。
 さて、新年早々日本海で重油流出の事件が発生をいたしました。今日まで関係者はもとより、格別ボランティアの方々に大変な御努力をいただき、献身的な活動をしていただいております。心から敬意を表したいと考えております。
 そこで私は、今回の事件を通じまして幾つか重要な教訓を残したのではないか、このように思っております。その第一は、船齢二十年を超える老朽船舶が日本の近海を日常的に往来しているという事実、この事実に対する危機意識の甘さがあったのではないかということが第一点であります。
 それから第二は、天候事情も含めまして、短時間で現場に駆けつけられる初動体制の整備、これを指摘することができると思います。
 それから第三に、油の流出を根源から断ち切るための回収船の整備、こういった問題点を指摘することができるのではないかというふうに考えております。
 こういったいわば問題点あるいは教訓といったようなものを踏まえまして、総理は今後どういうような考え方で対策を検討されようとしているのか、まずもって伺っておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員から三点の御指摘をいただきました。
 まず第一点に御指摘でありました老朽タンカーの対策につきましては、今回のような事故の再発防止を図りますために、関連条約の履行の確保などにつきまして国際海事機関において提案を行いますとともに、こうした機関などを通じまして旗国の検査の徹底、外国船舶の監督の強化などに取り組んでまいりたい、こう考えております。既にこの提案は日本政府として行っております。
 それから、二点目に初動対応というお話をいただいたわけでありますが、むしろ事件の発生いたしましたとき、冬の日本海の荒天下にもかかわりませず、直ちに人命救助及び行方不明者の捜索、こうした行動が非常に迅速に行われましたものから見ましても、初動としての対応は私は決しておくれをとっておらなかったと思います。
 そして、先刻申し上げたことでありますけれども、二日のたしか二時過ぎ、一名の行方不明者を残し三十一名の救助に成功したという連絡を受けましたとき、既に油が表面に浮いている、たしか浮遊しているという言い方だったと思いますが、引き続き航空機及び船艇によって監視するという報告を受けておりました。その後、海上保安庁は必死で努力をしてくれたわけでありますけれども、結果としてこれに成功しなかった。その意味においてこの御指摘は甘受しなければなりません。
 船艇を今後配備する上におきましても、今回の行動を見ておりまして、千トン型二隻で、その間にチェーンを引きながら、そのチェーンで引っかけて船首を海岸に近寄せないようにというような相当危険度の高い操艦を行いながら努力をしておりましたけれども、それが実らなかった。こうした点からいきますと、真冬の日本海の自然の力になお耐え得る船艇の配備というものを考えていかなければならないということが言えると思います。
 当然のことながら、非常に残念でありますけれども、流出した油がどんどん岸に漂着をする、こうした事態に対しましても反省点を我々は率直に認めていかなければなりません。
 最後に、その油が分散する前の回収能力という点について御指摘をいただいたわけでありますが、今回の事故、この体験を振り返ってみますとき、油回収船にいたしましても、あるいはオイルフェンス等の資機材の配備状況並びに現実の海に展張をいたしました状況等を反省いたしてみましても、この経験を踏まえて総合的に検討を加える必要がある、そのように私ども考えております。
○藁科滿治君 今回の事故におきまして、いわゆる回収船の存在というものが決定的な重みを持ったようなものですが、関連して運輸大臣にちょっと御質問いたします。
 現在、清龍丸、三千数百トンの回収船があるそうでございます。そのほか外洋作業に十分機能する船はないというふうに伺っているんですが、今後こういう状況に対して、具体的に質も量も補充するというような考え方をお持ちになっておられましょうか。
○国務大臣(古賀誠君) 委員の質問にお答えさせていただきますが、委員から御指摘いただきましたように、今時我が国の油の回収船は清龍丸、これが辛うじて外洋で有効に機能できる油の回収船でございます。
 ただし、何回か申し上げておりますけれども、この清龍丸をもっていたしましても波高二メートルまでが限界でございます。ほとんどの、ほとんどと申しますか、その他の油の回収船は、残念ながら静穏な海域を前提としてつくられたものでございますので、今時の厳しい冬の日本海では有効な機能を果たすことができません。
 御質問の今後の対策でございますが、あの冬の日本海の波高が本当に高いときには八メートルにも達するというような、そういう波高に油の回収船として技術的に対応できる船をつくることができるかどうかということをまず専門的に検討する必要があるだろうというふうに思っております。
 同時に、新しい資機材の開発にいたしましても、冬の日本海の気象現象に耐え得るかどうか、今後あらゆる角度から総合的に私は検討していきたい、大変問題点の多い検証の一つの大きな課題だと考えて総合的な検討に取りかかっていきたい、このように認識いたしております。
○藁科滿治君 外洋作業に対応できる船が一隻ということでは、現下の環境条件からいっても大変問題がありますので、ぜひ前向きに計画を立てていただきたいと思います。
 次に、総理に補正予算の問題について、基本的な考え方についてお伺いをしたいと思います。
 現下の財政事情については、施政方針演説あるいは提案説明で十分伺いました。まさに危機的な状態であり、先進国の中でも最低、最悪の状況であるということを強調されました。我々もそのとおりだというふうに考えております。
 そこで、今回の補正予算は、そういう観点から言うとどうも納得できない、説得性に乏しい、このように考えているわけでございまして、私はあえて申し上げますが、今回の補正予算は、環境からして、まさに阪神・淡路と沖縄問題に限定して提案をするべきではなかったか、このように考えるわけでございます。国民もそういうことであれば恐らく理解をしてくれるのではないか、こういうふうに考えますが、総理の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員の御見識は承りました。
 しかし、この八年度補正予算、これは阪神・淡路大震災対策費、議員の御指摘の項目の一つでありますが、同時に、緊急防災対策費など、私どもとしては緊急かつ真に必要だと思う経費を計上いたしております。
 そして、この補正予算に対する御批判の一つは建設公債を発行したという点でありまして、これは事実そのとおりでありますけれども、一方で既定経費の節減を思い切って行いながら剰余金を国債の償還などに充てるとともに特例公債の減額を行う、こうした点から財政健全化にも配慮するように努めております。
 そして、この八年度補正予算は、当然のことながら八年度末から九年度当初にかけましての需要の下支えの効果も見込まれるものでありまして、私どもは残念ながら議員とは見解を異にいたしております。そして、この補正予算を早期に成立させていただき、同時に平成九年度予算が年度内に成立をさせていただけますことをもって年度のかわりにおきましても予算の切れ目のない状態で新たな年度に移行していく、それがこの国の景気のためにどうしても必要な要件、そのように考えております。
○藁科滿治君 大蔵大臣に引き続き少し踏み込んだ御質問をしたいと思います。
 昨日、衆議院の方を通じて野党三党の組み替え要求を提起いたしました。これに対しまして、国対レベルの段階でその折衝を通じ政府・与党側の一定の考え方が示されました。しかし、この内容をよく読んで見ますと、すべて今後検討する、こういうことでございまして、現下の財政事情と補正予算というような性格から考えまして全く整合性を持たないというふうに私は判断をいたします。
 財政危機、改革などが強調されておりますけれども、国民が期待する改革はまさに行動だろうと思います。時間との勝負だろうと思います。
 そういう意味で、大蔵大臣に改めて、この今後検討するという内容についてもう少し踏み込んで、決意も含めて考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 昨日の与野党国対委員長会談におきまして野党三党の組み替え要求が出されたわけでございますが、与党から追加回答と、こういうことでありました。その内容についてはお聞きをいたしておるところでございますが、政党政治下における公党間のやりとりでございますものですから、せっかくの藁科議員の御質問でありますけれども、政府の側でございますからただいまの程度でとどめさせていただくということにしたいと思います。
 いずれにいたしましても、政府としては、八年度補正予算案、ただいま総理からも言われましたとおり、阪神・淡路大震災復興対策費、緊急防災対策費、かつ真に必要な経費を計上いたした最善のものと私自身は考えております。
 また、これらの財源として建設公債を発行する一方、既定経費の節減を思い切って行ったところであります。剰余金を国債の償還に充てるとともに、特例公債の減額も補正において行うなど、財政健全化に配慮するよう努めたところであります。
 この補正予算は八年度末から九年度当初にかけての需要下支えの効果もありますことは御案内のとおりであります。自律的回復への基盤が整いつつある我が国経済のさらなる信認を高めるものと信じております。
 深い御理解の中で御鞭撻をお願い申し上げます。
○藁科滿治君 時間もありませんので、最後に外交問題について若干の要望を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 先週末、総理は別府で日韓首脳会議を開催されまして、まさに私は、テレビの報道の範囲でございますが、胸襟を開く雰囲気での会合という意味で有意義なものがあったというふうに確信をいたしております。
 しかし一方で、よく考えてみますと、戦後五十年を経てまだまだ日韓の間にこれほど大きな壁があるかということを痛感させられますし、この段階で領土問題もあり慰安婦の問題等もあって、残念ながらもう一歩踏み込んだ形での話し合いになり切れなかったというふうに考えるわけでございまして、ぜひああいった雰囲気の話し合いを今後も密度を濃く、幅も広げ、奥行きも深めていただきたいということをひとつお願い申し上げておきます。
 あわせて外務大臣にお願い申し上げますが、戦後五十年、日韓の間でなぜこんな溝があるのか。我々は、過去に対して厳粛な気持ちで反省もしなきゃならぬと思いますが、それと同時に、未来に向けてもっと明るい展望の契りをやっぱり創造していかなきゃいかぬと思うんですね。そういう意味では、サッカーのワールドカップなんというのはもう天から与えられた絶好のチャンスであると思うんです。
 そういう意味で私は、政府間の外交も重要でありますけれども、文化交流、さらには次の世代につなぐという意味では青年同士の交流をもっと高めて深めていただいて、そして国と国の接点を厚く広くしていくべきではないかということを強調させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(大河原太一郎君) 関連質疑を許します。本岡昭次君。
○本岡昭次君 民主党・新緑風会の本岡でございます。
 橋本総理には、去る一月十七日、兵庫県の主催する阪神・淡路大震災犠牲者追悼式に御参加いただきました。その際総理は、追悼のお言葉をお述べいただき、その中で生活の再建なり雇用の安定、こういうことに力を注いでいきたいということをおっしゃいました。
 その生活の再建なり雇用の安定ということについてどういうふうに現在お考えなのか。地元で一生懸命この震災の中から自立するために頑張っている被災者に希望と勇気を与えるようなお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平成八年度補正予算及び九年度予算につきまして、この中に組み込んでおります施策につきましては国土庁長官の方から御説明をすることをお許しいただきたいと存じます。
 その上で、私が今痛感しておりますこと、それは何といいましても、やはり神戸の場合に港というもので長い歴史を築いてこられた町であります。そして、震災以降、かつては神戸港を利用していた船が、他の港に移りましたものがまだ戻り切っておりません。これをいかにして神戸港に戻していくか。そのために今既に港湾管理者の立場でいろいろなアイデアを神戸の方でもお考えをいただいております。例えば、書類の手続を他の港に比べて非常に簡素化をする、そういう一つの手間を省くだけでも実は大変喜ばれている、そういう報告も受けております。
 同時に、その港をより活発化していくことによって仕事場をつくり出していく、そうした方向に我々としてはこれから努力を一層傾けていきたいと考えております。
 細部にわたりましては国土庁長官から御説明を申し上げます。
○国務大臣(伊藤公介君) 阪神・淡路の復旧から復興につきましては、ただいま総理がお答えになられましたような基本的な考え方にのっとりまして、特に委員からも御指摘をいただきましたように、まずは立ち上がっていくための生活支援をどうするか。これは地元の知事さんや市長さんあるいは住民の方々と私どもも常に連携をしながら、生活の支援をさまざまな施策でやってきたところでございます。
 特に、公的な住宅をできるだけ早く完成していく、既に土地に関しましては八五%を確保し、あるいはまた公的住宅は五五%は既に着工済みでございます。十年度までには完成をするという方向であらゆる努力をさせていただいています。
 しかし、そうしたハード面とともに、例えば非常に低所得者の方々に対しては家賃を大幅に引き下げていく、そうしたことも今度の予算の中に入っておりますし、また単にそうした生活支援というだけでなくて、総理も今お答えになられましたように、雇用をどう確保していくかということはこれからの阪神、神戸の方々にとっては大変重要な課題だと私どもは考えてまいりました。
 そこで、新規産業分野を中心とした企業立地を促進するための経費、あるいは産業復興プロジェクトの推進のための経費などにも十四億円を計上するなど、具体的な雇用確保のいわゆる現地の町づくりに対してもきめ細かく対応をさせていただいているところであります。
 いずれにいたしましても、神戸港を初めとして、国際都市として再びよみがえっていくということが何よりも現地の皆さんにとっての希望でもありますし、私どもも国の立場からあらゆる支援をしてまいりたいと思っております。
○本岡昭次君 今、雇用の問題として港を取り上げていただきました。私も神戸に生まれ育った人間ですから、神戸港をそのように大事にしていただいていることは非常にうれしいです。
 ところで、港を再建し、そして雇用を創出するという場合に、どれだけの新しい雇用を神戸港の再建によって見込んでいるんですか。抽象的なことでなく、具体的に言うように。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありません。私、ちょっと数字を持っておりません。
○政府委員(生田長人君) 大変恐縮でございますが、投資額としては把握しておりますけれども、残念ながら雇用の人数までは現在のところ推計できておりません。(「通告していないと答えられない」と呼ぶ者あり)
○本岡昭次君 いや、通告していないと言ったって、雇用は港でとおっしゃったら、港を再建することによってどれだけの雇用がふえるのかということが当然なかったら、抽象的な話を幾らしてもらってもだめじゃないかと私は言っているんですよ。
○政府委員(生田長人君) 現在、神戸港の貿易額について見てまいりますと、震災前の八割まで復旧してございます。その点から考えますと、現在の従業員、なかなか雇用人数としては把握するのは難しいかと思いますけれども、約八割程度の復旧になっているというように考えております。
○本岡昭次君 もうよろしい。
 補正予算には復興のために二千九百四十五億円が計上されておりますが、それでは本年度予算と来年度予算にはどれだけの復興予算が計上されていますか。
○政府委員(生田長人君) 平成八年度の当初予算におきます阪神・淡路大震災の復興関連経費についてでございますが、現段階で配分が確定されているものの総額につきましては約二千九百億円となっております。
 また、平成九年度の予算におきます阪神・淡路大震災の復興関係経費についてでございますが、これは一部阪神・淡路対策として予算額が確定しているものもございますけれども、その多くが全国枠で計上されておりますので、現段階で総額を示すことは困難でございます。
○本岡昭次君 なぜ、この阪神・淡路大震災の復興予算を来年度予算の中でこれだけ計上しているということを言えないんですか、大蔵大臣。
○政府委員(生田長人君) ただいまお答え申し上げましたとおり、計上は全国枠で、例えば住宅予算等でございますけれども、補正と異なりまして全国枠計上でございますので、今後予算案が確定され、配分が決定された段階で総額が確定すると、このようになっております。
○政府委員(小村武君) ただいまお答えのありましたように、九年度予算については、実施計画を待って初めて地域的な割り振りの確定するものが、公共事業を初めそうした経費が多うございます。この実施計画は、九年度予算が成立いたしました後、関係省庁と私どもと協議をいたしまして初めて地域割りが決定されるものでございますので、その上で集計をいたしましてこの関連予算の経費をまとめてまいりたいと考えております。
○本岡昭次君 全然納得できないね。
 それでは、今回の補正予算に二千九百四十五億計上されておりますけれども、あの予算の費目を見れば全部当初予算に組み込んでしかるべき予算なんですよ。なぜ補正でなければいけないんですか、あの予算が。
○政府委員(生田長人君) 今回、平成八年度の補正予算に盛り込まれました復興関連施策につきましては、被災地の復興を一日も早く進めるという観点から、平成八年度予算の執行の状況であるとか、あるいはそれぞれの現在行われております事業等の進捗状況であるとか、あるいは地元自治体からの要望等を勘案しましてそれぞれ計上されたものと認識しております。
 例えば、先ほどの住宅対策でございますけれども、これは昨年の六月に決定されました公営住宅の新規整備戸数の増加あるいは公営住宅の家賃の大幅低減、こういったことを実施するために必要となった経費が新たに計上されたものでございます。
 それから、市街地整備につきましては、委員御承知のとおり、土地区画整理を初めとする事業が大変進捗をしておりまして、この進展を受けて、これを円滑に進めるための経費が計上されております。
 そのほかに、産業復興関係につきましては、地元が新規産業分野を中心とした企業立地を推進するための条例をこのたび施行されましたので、国としてこれを支援するための予算等を計上したものでございます。
○本岡昭次君 今度の補正予算は阪神・淡路大震災があるからという、こういう言い方は私は納得できないんですよ。そうしたら、阪神・淡路大震災はどっちでもええのかと言われたら私はかないませんけれどもね。そうじゃなくて、当初予算にきちっと組み込む、また来年度の当初予算に組み込むという、そういう予算のルールに従ってやつぱりやっていただきたいと、私はこう思うんですよ。それはそれだけ言っておきます。
 次に、阪神・淡路の大震災の復興基金というのがございます。ここへ今度は政府がいろいろ御支援いただいて三千億を増額、積み上げていただいたおかげでさまざまな改善的な施策が行われるようになりました。
 そこで、この復興基金の行う事業というのですか、救援、支援のためのさまざまな取り組みというのは地方自治体と復興基金独自の判断でできるものなのかどうなのかということ。
 それから、三千億の増額を政府の支援でやっていただくおかげできめ細かい支援が進んでいるんです。個人補償か個人補償でないのかというふうなそんな建前の話じゃなくて、実態的に今苦しんでいる人のところに支援が行き渡ると。だから、私は、この復興基金にやはり増額していくということの中でこの問題の解決を図ることが現実的な課題として一番適切じゃないか、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(白川勝彦君) 本岡委員にお答え申し上げます。
 もちろん、基金の設立の段階に当たって神戸、兵庫県等でお考えいただいて、それに対して私どもは御支援をすることで決めたわけでございますから、その基金の趣旨にのっとりまして地元の判断で当然支給していただく。何の支障もございません。
 ただ、私も自治大臣になりまして最初に当面いたしましたのが、六千億の基金を今度九千億にいたしたいというこの地元の御要望、与党三党のプロジェクトチームで何度も何度も議論をいたしました。最後は、三党の決断また地元の決断を踏まえて三千億増額することに私としてもオーケーをし、その三千億を積み立てた利子分について、実際上、地方財政措置を自治省としてさせていただくわけでございまして、やらせていただきました。もちろんこれで十分であるかどうかは別として、今の制度の中では最大限努力をさせていただいたつもりでございます。
 また、与党プロジェクトチームでも、これが現在でき得る、しかも国の厳しい財政事情の中でのある面では政治決断であったわけでございますので、これがいいんだからどんどんふやせばいいじゃないかと、こうおつしゃいますが、そう簡単な話ではないと思っていますので、まずは現在のこの基金をできるだけ効率よく支給していただく方に支給していただきたいと存ずる次第でございます。
○本岡昭次君 私は、この復興基金の三千億を政府の支援で増額したことを評価しております。
 そこで、一人二万円というお金を五年間、月額二万円を五年。そうすると、これで約百二十万ですよ。その百二十万というのを五年かけて払わなければならないのか、あるいはそれを一度に百二十万円払ったらどうなるのかという問題があるんですね。だから、これは県の判断で百二十万円を一時に払ってしまうということをやっても問題ないというふうに考えてもいいですか。
○政府委員(二橋正弘君) この基金の増額をするに当たりましては県、市と十分いろいろ相談をいたしました。与党のチームでもいろんな角度から検討されたものでございまして、その結果、それぞれこういうふうなことを条件にしてといいますか要件にしてこういう世帯に支給しようという一つのめどを持って三千億という金額もはじいたものでございます。県、市の方ではこれを基本にして、あとはいろいろ具体の運用という問題はあろうかと思いますけれども、そういう一定の検討材料にして基金を増額したものでございますから、これを基本にして運用されるものというふうに考えております。
○本岡昭次君 私のような例の場合はどうですか。
○政府委員(二橋正弘君) そういう個々具体のことにつきまして国の方で、私どもの方で一つ一つの実例を、この方がいいあの方がいいというふうに申し上げるつもりはございませんで、先ほど申しましたように、いろいろ検討されましたものを基本にして運用されるだろうというふうに思っている次第でございます。
○本岡昭次君 はい、結構です。
 それでは、次の問題に入ります。
 二十八日の読売新聞の朝刊に、アジア女性基金が、韓国の元慰安婦に償い金と医療福祉事業費計四百二十八万円を七人の銀行口座に振り込み、送金したという記事が出ていましたが、事実関係を明らかにしてください。
○政府委員(加藤良三君) アジア女性基金は、韓国において事業を一月十一日に開始いたしましたが、昨年八月に事業を開始したフィリピンの場合と同様、償い金などをお届けする具体的方途については、元従軍慰安婦の方々のプライバシーの保護という観点から基金としてこれを公表しないという立場であると承知いたしております。
○本岡昭次君 いや、私はこれが事実であるかどうかということを聞いている。
○政府委員(加藤良三君) 今申し上げましたとおり、元従軍慰安婦の方々のプライバシーに係る問題、プライバシー保護の観点ということから、基金としてはそのような事実、すなわち償い金などをどう具体的にお届けするかというその方途については明らかにしないという方針をとっておりまして、政府としてもこれを尊重している次第でございます。
○本岡昭次君 そうすると、この新聞は事実でないことを書いたということになるんですね。
○政府委員(加藤良三君) そのようなことは申しておりませんで、先ほどの答弁のとおりでございます。
○本岡昭次君 韓国政府はこの支給の中止を求めていたんですが、これは事前に協議したんですか。
○政府委員(加藤良三君) アジア女性基金の韓国における事業実施については、一月十五日の日韓外相会談において韓国側から既に実施した措置の撤回などを求めてきたということがございますし、これに対して池田外務大臣から、基金が実施した措置の撤回はできないが、今後については両国の外交当局者間で話し合う用意はあるというものを伝えたと、こういう経過がございます。
○本岡昭次君 委員長、ちょっと注意してくださいよ。私は韓国の外務省と話をしたかと聞いているんですよ、その後。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほど政府委員から御答弁申し上げましたように、具体的な支払いが行われたかどうか、その方途がどうだったかということは、プライバシーの観点もあり、これは公表されないという方針で基金はこれまでもずっときておられます。政府もそういった基金の御方針を尊重しておりますので、先ほど御指摘の報道につきましても、その事実があったかどうか、その報道がどうであるかということについては、ただいま申しました基金の方針を尊重する立場から政府としてはコメントをするのは差し控えざるを得ないということを御理解ちょうだいしたいということでございます。
 それからまた、韓国政府と我が外務省との間での話はどうかということでございますが、十五日に行いました外相会談の席上、韓国側から、この基金事業が行われるということはあるけれども、既に実施された事業については撤回、あるいはその途中経過にあるものについては中止をしてもらえないか、それから将来の問題については、これはやめてほしいという、こういう要望がありました。
 それに対しまして、私は、既に実施されている事業につきましては撤回あるいは中止ということは残念ながらできない、ただこれから将来のこの事業をどういう方向に運んでいくかということにつきまして韓国政府からいろいろお話があるならば、それは我が外交当局としてそのお話し合いをしていくことはやぶさかではないと申し上げたわけでございます。
 ただし、その際も一定の留保はつけておりまして、当然のことながら基金と政府とは別の法人格でございますし、民間の多数の方々の善意も集めたああいう基金事業でございますので、そのことは十分御承知、御理解いただきたい、その上で外交当局間の話し合いはやぶさかでないと、こう申し上げた次第でございます。
 そして、先般、先週末、別府で行いました首脳会談の際、別途、外相レベルのお話し合いもいたしました。その中でも、柳宗夏外務部長官の方からこの件についても、また再度、この前の十五日はこういう話であったがということで御確認の発言がございましたので、私の方から、先ほど申しましたような実施されたものの撤回、中止はできない、将来のことについてはいろいろお話をすることにはやぶさかでないということを申し上げながら、さらにこの基金の趣旨はこういうことなんだからということを申し上げて、御理解を求める努力をしたところでございます。
○本岡昭次君 全然納得できませんが、ちょっと先に進みます。
 外務省にお聞きします。
 補正予算に、国連女性関係拠出金として四億八千九百六十九万円が計上されています。この国連女性関係拠出金とは一体どのような事業の拠出をするんですか。今回の補正の理由と補正金額の積算根拠を明らかにしていただきたい。
○政府委員(加藤良三君) アジア女性基金の医療福祉支援事業に関する予算は、平成八年度当初予算において国連女性関係拠出金として計上されております。これは、当初この事業を女性の人権などの分野において知見を有している国連を通じて実施することを想定していた、そういう段階があったためにこのような拠出金として計上したというものでございます。ですから、当初予算において不足する必要経費を補正予算として計上することから、今回、当初予算と同様に国連女性関係拠出金として計上した次第でございます。
 額でございますが、本日の補正予算への計上の理由は、昨年の七月に、アジア女性基金が韓国、フィリピン、台湾の元慰安婦の方々、これは合計約三百人ということでございますが、に対する医療福祉支援事業として今後十年間を目途に総額七億円規模の事業を実施するという決定をいたしております。その際、基金は元慰安婦の方々の置かれている実情やお気持ちに沿う事業とするという観点から、十年間という期間の前倒しとそれから平成八年度予算の増額を政府に対し要請すると、こういう決定をした経緯がございます。
 政府としても、そういう基金の要請を検討した結果、元慰安婦の方々が既に高齢であるということなんかを勘案いたしますと事業の前倒しと初年度の集中実施は必要である、こう判断いたしまして所要額を今次の補正予算に計上したものでございます。
○本岡昭次君 名前を直しなさいよ、そんな国連女性関係拠出金なんて、わからないじゃないですか、どこにあるのか。こんなところに潜り込んでおる。
 そうすると、今年度の三億何がしの予算は使い切ったから足らないので補正したんですか。使い切っていないでしょう。三億九千か何ぼ、ことしも予算計上しているでしょう。
○政府委員(加藤良三君) 今申し上げましたように、平成八年度の当初予算を組む段階で国連女性関係拠出金として計上したその補正でございますので、当初予算と同様に国連女性関係拠出金として計上したということであり、その中身につきましては、十年間という期間の前倒しそれから初年度の集中実施ということを必要と判断して計上したものでございまして、今後、事業そのものについては引き続き関係国の理解を求めてこれを推進していくつもりでございます。
 いずれにいたしましても、平成九年度の予算ということにつきましては、当初予算から女性のためのアジア平和国民基金関係事業の拠出金として計上いたしております。
○本岡昭次君 平成八年度の予算にも計上されて、使い切ってこれを追加したのかと聞いておるんですよ。使い切りもせぬで、こんなもの積んでどないするんですか。
○政府委員(加藤良三君) 平成八年度の予算についてのお尋ねでございますが、アジア女性基金はこの事業を韓国とフィリピンにおいて既に開始しておりまして、台湾についてはその事業実施に向けた協議が今続けられていると、そういう状況にございます。
 基金としては、先ほど申し上げましたとおり、高齢であるこういう慰安婦のお気持ちを尊重することが重要であるということで、今回の所要額をあらかじめ計上するということで、八年度の予算を全部使い切っているという状況には今はございません。
○本岡昭次君 使い切っていないのになぜ追加をするんですかと聞いておるんです。
○国務大臣(池田行彦君) お答え申し上げます。
 政府といたしましては、外務省に計上されました予算は基金に対してすべてもう拠出したわけでございます。そういった意味では外務省としてはすべて使い切っておる、こういうことでございます。外務省としては拠出したわけでございますから、当初予算分は。
 そうして、その後、基金でいろいろその事業計画を御勘案になりまして、今までに政府から拠出された金だけでは対応できない、さらに追加分が必要であるということで話があり、それをもっともであるということで補正に計上した、こういう経緯でございます。
○本岡昭次君 何が足らなくて、どこへ新しく追加するためにこれだけの金を積んだんですか。
○政府委員(加藤良三君) 繰り返しになって恐縮でございますが、この先を見通した場合に十年間という期間の前倒し、これは高齢の方が非常に多いということから必要であり、その事業の前倒しと初年度の集中実施、これが必要と判断して行うわけでございます。
○本岡昭次君 十年間の前倒しをなぜ補正でするんですか。必要であるなら当初予算にすればいいじゃないですか。何が十年間の前倒しですか、使いもせえへんものを。
○政府委員(加藤良三君) 基金の決定はもう七月の段階でなされておるわけでございます。
○本岡昭次君 補正予算といったらこういうものも盛り込むんですか。十年間の前倒しで、それこそ今――そうしたらこの二月三月でこの金を使うんですか。使う当てもない、どこへ持っていくところもない金を前倒しして基金に積んでおく、そんなばかなことに国民の税金を使っていいんですか。絶対納得できぬ、こんなことは。
○政府委員(加藤良三君) 私たちは、そのような前倒し、初年度の集中実施が必要であるという基金の意見も尊重いたしまして基金に対してこれを拠出しておくわけでございます。
○本岡昭次君 いや、前のお金も使っていないのになぜ補正の必要があるんですかと聞いておるんですよ。
○政府委員(加藤良三君) 前のお金も拠出をしたわけでございますが、いずれにいたしましても我々としては、こういう方々が非常に高齢で、もしその支援が必要となった場合にはこれを手当てできるように、事業の前倒し、初年度の集中実施、これを必要と判断して、そういう判断の上に今の措置をとっているわけでございます。
○本岡昭次君 私はこのお金は削除すべきだと思いますよ、大蔵大臣。
○国務大臣(池田行彦君) 当初予算の段階におきましては、基金としてある一定の年限で、一定の計画で事業を実施しようと考えておった。それに必要なものとして八年度分としてこれだけ政府から拠出してほしい、こういう話があったわけでございます。
 その後いろいろ検討した結果、基金の事業として前倒しして集中的にやりたい、つまり今年度、基金の事業としても量がふえるわけでございます。そうしますと、当初予算で政府から拠出された金額だけでは十分ではない。だから、仮に基金に当初拠出されたものが、政府としては完全に拠出済みでございますけれども、基金ベースではまだ使い切っていないとしても、今年度、基金が行う事業の原資としてそれでは十分でないから、補正で政府からさらに拠出してほしいと、そういうことで計上したわけでございます。
○本岡昭次君 韓国で七人でしょう。フィリピンで九人でしょう。どこへ持っていくんですか、中国ですか、インドネシアですか、お金を。
○政府委員(加藤良三君) これは韓国、フィリピン、台湾であるということを申し上げたつもりでございます。
○本岡昭次君 そうすると、追加したお金をこの年度中に使い切ると、そういう確定してきた事項があるんですね。国民の税金じゃないの、カンパじゃないよ。
○政府委員(加藤良三君) 先ほども申し上げましたように、昨年の七月の段階でアジア女性基金からそういう要請が参っておりまして、政府はその要請を認めて基金に拠出を行ったと、こういうことでございます。
○本岡昭次君 私は、もう一遍この財政法二十九条ですか、補正予算とは一体何なのかという問題を徹底的にこの問題で洗わなければ、国民の税金ですよ、カンパじゃないんだ、このお金は。国民の税金は予算の執行に基づいて支出するものを、今みたいに基金がそのお金を使い切ったのかどうかわからぬ、追加してくれというその金を何に使うかわからぬ、それでも出すんですか。こんなばかなことが許されますか。絶対おかしい。だからいろんな問題が起こるんですよ。
 梶山官房長官、あなたが過日、公娼制度とかいろいろおっしゃったから、もう時間だからやめますよ、答弁要りませんけれども言うだけ言っておきますが、おかげで韓国の被害者の方は、あなたたちは従軍慰安婦だと言われておったらしいがそうじゃないじゃないか、公娼制度の売春婦だったんじゃないか、日本の官房長官がそう言っておるといって物すごい非難、攻撃を受けておるんですよ。だから、あなた方の一言一言がいかに被害者を傷つけておるかということを心して反省してください。
 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で藁科滿治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○委員長(大河原太一郎君) 次に、有働正治君の質疑を行います。有働正治君。
○有働正治君 私は、日本共産党を代表いたしまして、オレンジ共済の疑惑、そして農業予算のむだや浪費、これにつきまして総理、関係閣僚に質問するものであります。
 まず、オレンジ共済疑惑をめぐってでありsます。最大の問題は友部議員の比例名簿順位、また議席が金と取引されたという疑惑であります。
 ここに私はきのう付の私どもの新聞「赤旗」、これを持ってまいりました。ここでは、友部参議院議員がなぜ新進党から出馬したのかと、この問題について逮捕される前にオレンジ共済元理事でありました石崎松之介氏が、現在容疑者でありますが、赤旗記者に語った克明な内容であります。その内容は次のとおりであります。
 つまり、九五年七月、オレンジ共済の幹部会で新進党から出ようということになった。このため新進党工作を進めたが、その一つは益川昇常務理事ルートで細川元総理ら新進党本部に工作するというもので、これだと五億円かかるというものであった。
 いま一つのルートは、政治ブローカー斎藤麗二氏を通じて新進党の上層部に直接働きかけるというもので、斎藤氏は新進党の小沢辰男衆議院議員を友部氏らに紹介した。この二番目の工作ルートは当初三億五千万円だというので石崎氏自身も了承したが、最終的に十億円に膨れ上がったということであります。
 私、当委員会に資料を配付させていただいています。
 これは石崎氏が書いた文書をそのまま整理したものであります。その石崎氏の書いたメモ、私は現物のコピーをここに持っています。(資料を示す)これはことし一月五日、石崎氏が直接書いたものでありまして、赤旗記者に手渡したメモであります。それはスーパー定期で集めた五十億円の支出内容を明記していますが、これをわかりやすくワープロ化したものであります。
 その中で、二行目に初当選時の献金・選挙費用は十億円ということをはっきりもとの文書の中にも明記しています。その中で石崎氏は、だれに幾らと具体的な個人名を挙げて、その合計額が十億円になると、根拠を示して十億円という数字を示しているわけであります。
 捜査当局に尋ねます。
 この事実を石崎容疑者から聞いて承知していると思うわけでありますが、いかがでありましょうか。
○政府委員(泉幸伸君) いずれの事実も本件詐欺に係る駒取金の使途に関係するものでありまして、現在押収しておる帳票類、関係者の取り調べ等の捜査を継続し、それらを明らかにするために捜査中でございます。
○有働正治君 続けて、石崎氏は次のように語っています。
 新進党比例候補二十一人のうち旧日本新党枠が七位、九位、十三位で、斎藤氏及び当時新進党選挙対策事務次長の初村謙一郎当時衆議院議員、さらに友部議員の元公設第一秘書の大久保維曙氏のライン、つまり第二の工作ルートによって、七位は学者が入ったが九位は確実と言われた。それが十三位となった。そのときは怒った。しかし、新進党は十八位まで当選したので、友部氏は悠々の当選となったので喜んだ。しかし、工作資金は十億円に膨れ上がったという内容であります。
 要は、石崎氏の言い分というのは、新進党の中でも旧日本新党への工作とその枠で当選したいというもので、細川氏らの責任は免れ得ないと考えるわけであります。現に細川氏側には三千万円の金が一たん渡っていたことが明らかになっているわけであります。
 こういう経緯から見ましても、旧日本新党との絡みできっちり解明すべきは解明すると思うわけでありますが……(発言する者あり)何ですか、邪魔しないでくださいよ、質問中に。勝手なことしないでよ。私は論拠に基づいてやっているんだから。論拠についてやっているんですから。
○委員長(大河原太一郎君) 都築先生、発言中、発言中。
○有働正治君 国会で解明は当然じゃないですか。国会で真相究明は当然で、捜査当局はやるけれども国会としてやる。これは国民の皆さんも当然だと思うわけでありますが、どうでしょうか。
 そこでお聞きします。
 国家公安委員長・自治大臣、解明をきっちりゃるかどうか、明確に答えていただきたい。
○国務大臣(白川勝彦君) 本件は詐欺事件としても極めて多額であり、かつ多くの関係者がいる詐欺事件としても極めて重大な事件でございますので、捜査当局が今鋭意、全貌解明のために努力をいたしているところでございます。
 その捜査の過程の中で、有働委員の今御指摘のような公職選挙法二百二十四条の三、すなわち
 衆議院名簿登載者の選定又は参議院名簿登載者の選定につき権限を有する者が、その権限の行使に関し、請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、これを三年以下の懲役に処する。
こういう事案が出てまいりました事実がまいりましたら、警察当局は当然のことながら法と証拠に基づいて適正に処理すると、こう確信をいたしております。
○有働正治君 そのほかにも小沢辰男氏へ百万円が一たん届けられ、返却したことは本人らも認めているところであります。この点もきっちり解明を行うのかどうか、国家公安委員長、再度答弁願います。
○国務大臣(白川勝彦君) 事実に基づきまして、それが法律に違反するようなことであるならば警察は当然のことながら厳正に執行すると、このように考えております。
○有働正治君 自治省にお尋ねいたします。
 比例代表選挙に当たっては、公選法施行規則によりまして、参議院名簿登載者の選定手続等を記載した文書及び宣誓書を提出することになっているわけであります。友部議員が当選した九五年参議院選挙の新進党の場合、具体的にどうだったのか。その記載及び宣誓内容をきっちり御説明いただきたい。
○政府委員(牧之内隆久君) お尋ねの平成七年執行の参議院比例代表選出議員選挙における新進党から届け出のありました名簿登載者の選定手続等によりますれば、選定機関の名称は新進党選挙対策委員会、構成員の選出方法としましては、党首を委員長、副党首を副委員長、幹事長を事務総長とし、他の委員は党首、副党首及び幹事長が協議し、指名をする。選定手続は、選挙対策委員会で案を作成し、決定をするという内容になっております。
 また、これとあわせまして、名簿登載者の選定が適正に行われた旨の宣誓書が選定機関の代表者である海部俊樹氏から提出されているところであります。
○有働正治君 今報告のとおりであります。
 当時、党首は海部俊樹氏、副党首は羽田孜氏ら三名、幹事長は小沢一郎氏、そして選対委員会の委員に細川護煕氏らが入っているわけであります。
 国家公安委員長にはお尋ねいたしました。法務省当局にお尋ねします。検察庁も、私がさきに挙げました候補者名簿をめぐる一連の問題を含めまして徹底解明すべきと考えるわけでありますが、いかがでありましょうか。
○政府委員(原田明夫君) 現在捜査中の事案でございまして、事案の解明に向けまして、検察当局におきましては警察当局とも連携いたしまして、今後所要の捜査を進めてまいるものと考えております。
 その状況につきまして、法務当局といたしましてあらかじめその中身について言及することは避けさせていただきたいと存じますが、捜査当局におきましては、刑罰法令に触れると認められる具体的な容疑事実が判明いたした場合には、法と証拠に基づきまして適正に対処してまいるものと考えております。
○有働正治君 総理、この問題についていかがで
 ございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、参議院制度五十周年という今年、参議院においてこういう事件が発生したことを大変不幸なことだと存じます。
 そして、先ほど他の委員の御質問にもお答えを申し上げましたが、私自身衆議院の立場でありますけれども、同僚議員の逮捕許諾請求に賛成の議決に加わりましたとき非常に複雑な思いをいたしました。恐らく党派を超えて参議院の議員各位、同じような思いでこの事件を受けとめられ、このような事件が当然のことながら二度と起こってはならないとみずからを戒めておられるであろうと思いますし、衆議院の我々もまた同様に思います。
○有働正治君 そこで、我が党としましては、本院での真相究明のため、第一次分といたしまして次の証人喚問を要求いたします。友部達夫参議院議員、細川護煕衆議院議員・元総理、初村謙一郎前衆議院議員、石崎松之介元オレンジ共済組合理事、大久保維曙友部議員元公設第一秘書、斎藤麗二氏、以上であります。
 委員長いかがでありましょうか。
○委員長(大河原太一郎君) 証人要求につきましては、後刻理事会において協議をして、その取り扱いを決めます。
○有働正治君 それでは、次に農業問題、とりわけ私は農水省予算のむだや浪費を中心に質問したいと思います。そのかかわりで、まず減反問題に
 つきまして農水大臣にお尋ねします。
 今の減反状況、面積、そのふえ方、その減反面積が作付面積に対してどういう比率なのか、概況をまずお示しください。
○政府委員(高木賢君) 減反をめぐる状況でございますが、平成七年度の実施状況につきましては、水田営農活性化対策の三年目といたしまして目標面積六十八万ヘクタール、その達成率は全国ベースでは一〇一%でございます。ただ、七県において未達成となっております。平成八年度の生産調整目標面積につきましては、従来の水田営農活性化対策ベースで七十八万七千ヘクタールという数値でございます。その水稲潜在作付面積に占める割合は二八・八%でございます。
○有働正治君 この間十万七千ヘクタールもふえているわけであります。減反面積の作付面積に対する比率、私どもの計算によると三七・一%で、農水省のは分母を大きくしているから数字が少ない。
 減反目標が達成できなかった県、数だけ教えてください。
○政府委員(高木賢君) 七県でございます。
○有働正治君 昨年の場合、十二県と承知していますけれども、どうですか。
○政府委員(高木賢君) 失礼しました。七年度が七県でございます。八年度は十二県でございます。
○有働正治君 殊さら数字を低くしようという意図があることをはっきり指摘しておきます。
 輸入、片やその中で減反、減反しながら片や輸入、これに対する農民の怒りというのは本当に大きなものがあります。かつて我が家も五反百姓です。私も田植えをしたり稲刈りをしたり、酪農をやってまいりました。気持ちが本当にわかるわけであります。
 こういう事態が背景にあってと思います、高知の橋本大二郎知事が、少なくとも行政の側から減反推進に積極的に加わることはしない旨述べておられるわけでありますが、農水大臣、どう受けとめておられますか。
○国務大臣(藤本孝雄君) この問題はしばしば取り上げられておりますので、少し背景も説明いたしたいと思います。
 まず生産調整につきましては、我が国の今の米の需要が一千万トン、それに対しまして潜在的な生産力は千三百五十万トン、こういう三割に近い需給のギャップのある中で、三百万の米作農家を対象にして平成八年度から三年間の計画で生産調整を今しておるということが一つ。
 それから二番目には、この生産調整というのは……
○有働正治君 橋本知事の……
○国務大臣(藤本孝雄君) それは最後に申し上げます。
 それで、生産調整の必要性につきましては、調整をすることによって、生産者にとっても消費者にとっても、価格が低落をしたりまた暴騰をしたりということになりますと、これは非常に経済的に、経営的に、また消費者にとりましても重大な問題でございますので、生産調整の重要さというものは十分にあるわけでございまして、そういう点からいたしますと、この生産調整を進めていく上で、まず主体的には生産者が進めていくということが私は当然だと思うわけでございます。
 しかし、三百万もの農家にとって主体的に生産調整を行うということは、これは現実の問題として無理でございます。そこで、行政が生産調整について助言と指導を行うという必要性があるわけでございまして、その点については高知県知事におきましても十分に御理解をいただいておるというふうに承知をいたしております。
○有働正治君 総理いかがでありましょうか。積極的に減反推進に加わることは自分は問題だという発言でありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私人として兄弟でありましても、公人としての立場は違います。おのずからその違いがここに出ておると思います。
○有働正治君 やはり民の心を解していないという答弁であったと私は解するわけであります。
 今明らかになったように、片や膨大な減反をやっているわけであります。ところが、その反面で膨大な干拓がこの後も膨大な予算で行われる、こういう事態が続いているわけであります。
 今、干拓事業というのはどういう状況にあるか、まず農水省御説明ください。
○政府委員(山本徹君) 現在、干拓事業で実施いたしております地区は諌早湾及び木曽岬でございます。
 なお、現在の社会経済情勢の変化を踏まえて事業を休止している地区が中海、羊角湾でございます。
○有働正治君 規模等、若干内容を説明してくれ。
○政府委員(山本徹君) 規模につきましては、諌早湾が農用地造成面積は千六百三十五ヘクタール、木曽岬が三百七十一ヘクタール、それから中海が二千七十六ヘクタール、羊角湾が百四十ヘクタールでございます。
○有働正治君 農水大臣に聞きます。
 片や膨大な減反をやっているわけであります。そういう中でまた干拓をやろうと、これはおかしな話じゃありませんか。どういうことで減反の中で大干拓をやろうというわけですか。
 農水大臣に私は聞いているんですよ。そんなこと事務当局に聞くつもりはありません。
○政府委員(山本徹君) 日本の農業の自給率を確保するために生産性の高い優良な農地をこれから維持確保していくということは大変重要な課題でございますので、こういった干拓によって生産性の高い平たんな農地を造成するということも農政の一つの重要な課題であると思っております。
○有働正治君 大臣、大臣。私は大臣に求めているんだから。
○国務大臣(藤本孝雄君) 減反につきましては、先ほど申し上げましたように、この事業が生産者にとりましても消費者にとりましても非常に大事な問題であるという点で申し上げたわけでございます。
 それから一方、干拓事業につきましては生産性の高い農地を、特に野菜とかそういうものを中心とした作物になりますけれども、特に我が国の場合には、今この干拓事業を進めていこうとしている地域につきましては大規模な平地というものが少ない、そういう地形からいたしまして、そういう大規模な干拓事業を行うことによりまして、米以外のそのような農業作物をつくることによって農家の経営、ひいては消費者にとっても有益な農業になるということについて我々としても推進していこうと考えておるわけでございます。
○有働正治君 全く答えになっていない。国民がこういう答弁で納得するはずはないわけであります。
 会計検査院にお尋ねします。
 これまで干拓の済んだところ、また進めている中で、会計検査の中で問題点を指摘しているのをまとめて御報告願いたい。
○説明員(小川光吉君) お答え申し上げます。
 会計検査院といたしましては、多額の国費が投じられている干拓事業につきまして、適正なその事業の実施と事業効果の発現の観点から検査を実施してまいっております。過去六回ほど決算検査報告に掲記しているところでございます。
 国営干拓事業のうち、今お話にあります継続事業につきましては、過去十年以内では、平成元年度及び五年度に決算検査報告にそれぞれ木曽岬、羊角湾の干拓事業を掲記しているところでございます。
○有働正治君 その内容を説明してくれと言っている。
○説明員(小川光吉君) 木曽岬につきましては、平成元年度の検査報告で会計検査院法三十六条によります意見表示事項として掲記しております。
 その概要につきましては、農林水産省で愛知県と三重県の県境部に位置する木曽川河口部付近で国営木曽岬干拓事業を昭和四十一年度から実施し、元年度末までに事業費百五十二億六千百二十八万余円で三百七十ヘクタールを陸地化しておるところでございますが、この事業により造成いたしました土地は、愛知、三重両県の県境が画定されていないため、干拓地の土地利用計画が定められないまま長期間更地のままとなっていて、事業効果が発現していない事態が継続しており、本件干拓地の有効利用について多角的に検討する要がある旨指摘しておるところでございます。
 また、平成五年の検査報告におきましては「国営羊角湾土地改良事業の実施について」ということで、特に掲記を要する事項として掲記しておりますが、その概要につきましては、農林水産省で熊本県の牛深市等におきまして昭和四十三年度から干拓事業により百四十ヘクタール、総合農地開発事業により三百六十一ヘクタールの農地をそれぞれ造成することとし、平成五年度末までに事業費百九億四百二十万余円をもってこの事業を実施しているところでありますが、干拓事業と水源施設は漁業補償の問題が解決していないため昭和四十九年度から工事を休止していると。
 また、干拓事業の長期化等に伴います事業費の増大等により農地取得者の負担金が増大し、計画どおりの干拓地での営農は相当困難と認められるというような事態があり、会計検査院としては将来の農業情勢や地域の実情等を総合的に勘案して、農林水産省等において関係機関と協議するなどして事態の改善が図られる要がある旨問題提起いたしたところでございます。
○有働正治君 過去の。もう一つ質問したよ、まとめてと私は。過去。
○説明員(小川光吉君) 今十年以内の話を申し上げましたけれども、その前には昭和五十五年度の検査報告で干拓事業について掲記してございます。その内容につきましては、国営干拓事業百八十三地区について調査を実施し、その結果を特に掲記を要すると認めた事項として掲記してございます。
 その内容につきましては、干拓地が造成された後などにおきまして、農業以外の用途に転用されていたり、工事の途中で事業が廃止または休止されていたり、工事は継続されているものの造成後の土地利用について所期の目的どおりにいかない恐れがあったりしているなどの事態が五十四地区、面積で判明している分だけでございますが、約一万ヘクタール、事業費相当額で一千百五十余億円見受けられました。このうち、当時事業を実施中の地区等につきまして、流動する社会経済情勢に対処して、地元関係者との調整や事業をめぐる自然及び社会環境との調和を図りながら適切に事業を実施していくことが肝要である旨この五十五年の決算検査報告で掲記しているところでございます。
 以上でございます。
○有働正治君 ちょっと長かったんですけれども、かって干拓した中では一万ヘクタール、これが宙に浮いている。最近やった中でも七百十ヘクタール、二百六十億円と膨大な干拓費用をつぎ込みながら、予算をつぎ込みながら本来の目的に供していない。その上に立って減反もやりながらまだまだやろうというのが諌早。
 諌早の事業の内容を御説明いただきたい。
○政府委員(山本徹君) 諌早湾につきましては、これは長崎県で実施しておるわけでございますけれども、地形的に平たんな農地に乏しい地区でございまして、生産性の高い平たんな農地を新たにつくるとともに、この諌早湾の周辺の住宅地等は低地でございますので、これまでもたびたび洪水、高潮等の被害に見舞われております。こういった高潮、洪水等の被害を防止するための防災機能の強化をあわせ行うことを目的といたしまして工事を実施しているものでございます。
○有働正治君 だから、内容を説明してくれと言っているんですよ。
○政府委員(山本徹君) 事業の内容につきましては、昭和六十一年から事業を実施しておりまして、平成十二年に完了を目指しておりますが、農用地面積は千六百三十五ヘクタールの造成、それから国費千九百五十七億円をもって事業を実施いたしております。
○有働正治君 当初事業予算規模、現在の予算規模はどうなっていますか。
○政府委員(山本徹君) 当初の計画時の事業費は千三百五十億円でございますが、現在の計画の事業費は二千三百七十億円でございます。
○有働正治君 これからどれぐらい使うつもりですか。
○政府委員(山本徹君) 平成八年度までの事業費が千五百四十二億円でございまして、平成九年度以降の事業費は八百二十八億円を見込んでおります。
○有働正治君 農水大臣に聞きます。
 八百二十億円余りこれから使おうと。それだけで済む保証があるのかどうか。また、営農計画はどういう確信と展望があるのか。大臣、これだけの膨大な予算ですからはっきりお示しいただきたい。
○政府委員(山本徹君) 現在、この地域では潮受け堤防という堤防の防災機能の早期の発現に向けまして潮受け堤防の工事を中心に進めておりまして、全体の事業の完了を十二年を目標に鋭意推進しているところでございます。
 営農計画でございますけれども、この地域には先進的な優良な野菜あるいは畜産の経営農家がたくさんいらっしゃいまして、そういった農家の増反、規模拡大、あるいは入植等も相当見込めるのではないかと考えておりまして、土地配分をこれから行ってまいりますときに、募集を予定しております農家の皆様方の御意向を勘案して営農計画を策定して、これを生産性の高い農地として有効に使って先進的な農業経営を実現していただくことを期待いたしております。
○有働正治君 八百何十億でとどまらないことはもう明白であります。この期間に二倍近く膨れ上がっているわけですから、それがもっと膨れ上がることも明らかであります。
 営農計画と言われましたけれども、そういう見通しがないから、県議会で県知事は今見直しを検討中だと言っているんです。入植だって、何人入植するという具体的な見通しがありますかどうか、その点についてお尋ねします。
○政府委員(山本徹君) これから周辺の募集対象農家等の御意見等も十分に聞いて、この農地が先進的な農業者に十分活用されるように御相談してまいりたいと思っております。
○有働正治君 本当にひどい話だと思うんです。私、現場に行って農家の方、関係自治体の方に全部聞きましたよ。全く見通しはない。現に、内部調査をやっているけれども、はっきり入植する人はだれ一人いないですよ。そんな何千億もこれからかけようというものを、片や減反をやりながら、何千億、入る見通しもない、営農計画も知事は見通しがない、検討していますとはっきり答弁していますよ。それなのにこんな膨大な予算を使うなんて、国民が納得すると思いますか。
 農水大臣、そして総理、本当に公共事業に聖域を設けないでメスを入れる。中海の干拓だってそうですよ。この期に及んで再開しようなんでもってのほかです。それぞれ答弁を求めます。
○国務大臣(藤本孝雄君) 中海の干拓の問題につきましては、今後どうするかという中立的な見地から調査をしようということでありまして、将来どうするこうするということを今決めて調査をしているわけではございません。
 それから、諌早湾の問題について御指摘がございました。私も勉強してみたいと考えております。
○有働正治君 何と言いましたか。聞こえませんでした。
○国務大臣(藤本孝雄君) 勉強してみたいと考えております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、先ほど来農水大臣から御答弁をいたしておりますように、干拓事業というものについての意義はあると思います。
 ただ同時に、一方、自然環境に与える影響など、今まで実は議員から多分御議論が出ると思っておりましたら出ませんでした。私は、やはりそういう面の議論があることも事実だと思います。
 ですから、干拓事業を実施していくというのでありますなら、やはり自然環境の保全あるいは営農の見込み、効率的な事業の実施といった点に十分に配慮しながら進めていくということでなければならない、私はそう思います。
○有働正治君 今の総理の答弁というのは非常に私は重いと思います。環境問題一つ考えてみましても、大干潟がなくなるわけです。国際的な批判の的になろうとしている。私はこのまま推進することは許されないと思います。
 こういう大規模プロジェクトを今後もどんどん進める。こういうのに対して、財政危機であれば本当に聖域なしにメスを入れる。私は具体的に諌早干拓事業を挙げたわけですから、勉強するというのでなくて根本的に見直す、そういうことをやらずして消費税を引き上げる、こういうことに対して国民は絶対納得しない、そのことを厳しく要求して、私の質問を終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で有働正治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(大河原太一郎君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋宗康君。
○島袋宗康君 二院クラブの島袋宗康でございます。私は沖縄の基地問題を中心にして質疑をさせていただきますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 ことしは沖縄の復帰から二十五年、さらに沖縄を本土から切り離したサンフランシスコ条約発効から四十五年という節目の年に当たります。一九六五年八月、戦後初めて沖縄を訪れた佐藤元総理は那覇空港で、沖縄の祖国復帰が実現しない限り我が国にとって戦後は終わっていないという名せりふを残されました。
 御承知のとおり、沖縄は一九七二年に復帰を果たし二十五年がたったわけでありますけれども、依然として国内米軍基地の七五%を占める沖縄基地を目の前にしたとき、私はあえてその名せりふを次のように言いかえざるを得ません。すなわち、沖縄の基地問題が解決しない限り我が国の戦後は終わらないということであります。
 沖縄の基地問題解決は我が国の政府が解決しなければならない大きな課題だと私は思っております。戦後処理そのものだというふうにも考えております。政府のこの問題に対する基本的な認識をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほども照屋議員にお答えを申し上げましたが、まさに沖縄の本土復帰の日、政府は沖縄県の未来にかける喜びを素直に表現した声明を発表いたしました。その上で、今日その期待にこたえ得ているかと申しますなら、私どもは残念ながらその期待にこたえておらないということをしばしば本委員会において議員の御質問に対してもお答えを申し上げております。そして、今もその点は同様の思いであるということを申し上げます。
○島袋宗康君 本土復帰の際、政府が県民に示した条件というのは、核抜き本土並みという公約でありました。県民は平和憲法のもと、基地の大幅減少を夢にまで見ました。県民は決してその公約を忘れてはいません。
 復帰後二十五年のことし、政府は沖縄基地の現状を直視していただきたい。果たして沖縄の基地は本土並みと言えるでしょうか。総理と外務大臣の御所見を賜りたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは、先刻も御答弁を申し上げたところでありますが、沖縄県に非常な御負担をかけておるということを承知いたしておるつもりであります。そして、この二十五年間を振り返りましたときに、余りに我々が沖縄の方々の心に対して鈍感な対応しかしてこなかったということをおわびも申し上げております。改めてその言葉を繰り返します。
○国務大臣(池田行彦君) 私どもといたしましても、沖縄の県民の方々に長年にわたり大変大きな御負担をおかけし、また生活の面でも御不自由をかけた、このことは決して忘れておりません。したがいまして、現在あとう限りの御負担の軽減に努めておるところでございます。
 ただ、一方におきまして、今後とも我が国の安全を守るといった観点から、なお沖縄におきましても米軍の基地の存在をお認めいただかなくちゃいかぬと、こういう事情もございます。そういった事情の中で、あとう限りの負担の軽減、それからまた沖縄県民の皆様方のお気持ちに沿った対応をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○島袋宗康君 大田知事は、返還後、期限をつけて段階的に行うため、基地返還アクションプログラムという計画を作成しております。一方、米軍は東アジア戦略報告などをもとに具体的な兵員措置などの概要を公表しています。ところが、我が国政府からは、米軍との協力体制など抽象的な方向性が見えても、主体的な具体案は示されておりません。
 政府には国内の米軍基地削減計画はあるのかないのか。なければ、今こそ計画を策定すべき時期ではないのか。あるならば、政府案では例えば二〇一五年に沖縄の基地はどのようになっているか、そういった見通しについて御説明願いたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 私どもは、現在の国際情勢、とりわけ我が国を取り巻く安全保障環境を考えましたときに、やはりこれからも我が国自身の防衛努力と同時に日米安保体制でしっかりと安全を守っていかなくちゃならぬと考えております。
 そして、そのような日本の防衛という観点あるいは極東地域の安定ということを考えました場合に、やはり米軍のプレゼンス、これは現在我が国にございます水準を含めましてアジア太平洋地域全体で大体十万人というレベルになっておりますが、これだけのレベルを維持することがアメリカがこの地域の安定を守るために役割を果たしていくというそのコミットメントを達成する上で必要なものだと、このように考えますので、我々は今はその水準を前提として考えているわけでございます。
 しかし、そういった中においても具体的に何とか基地の整理、統合、縮小を図っていけないかと、このことを真剣に考えまして、特に沖縄に存在します基地につきましてあとう限りの整理、統合、縮小を図るというので、SACOをつくって一年有余にわたる検討をして、先般最終報告をまとめ上げたわけでございます。そして、我々といたしましては、ここで出ましたいろんな努力を着実に実施してまいりたい、そして沖縄の県民の方々に御負担願っているそれをあとう限り少しでも軽減してまいりたい、そのように努力していくところでございます。
 なお、中長期的に申しますならば、国際情勢が大きく変われば、それは先ほど申しました、この地域に展開する米軍の水準にもそれは変化はあり得ることでございまして、その点については日米間でもいろいろ協議をしていこうということはいろんな折に触れて申し上げてきたところでございます。
○島袋宗康君 県民は今の御説明ではちょっと納得しかねると思います。基地返還アクションプログラムというものは県のこれからの二十一世紀に向けたいわゆる計画ですので、それにぜひ合わせていただいて何とか沖縄の基地奪回を図っていただきたい、こういったことが県民の願いであります。時間もありませんから多くは申しませんが、ぜひその辺は、ただ基地を存在させるというだけじゃなくして、どうすれば県民の要求にこたえていけるかということも真剣にひとつ考えていただきたいと要望しておきます。
 戦後五十一年たってもこの状態が続いていることは、明らかに私は地域差別、沖縄差別ではありませんかと言いたいわけです。少なくとも政府が今最優先すべきことは、異常なまでに集中、集約された在沖米軍基地の無条件整理、縮小でなければならないと思います。その場しのぎの県内移設であっては県民は納得しません。同じ日本人として、あるいは同じ憲法のもとで基本的人権の享受を保障されている国民として問うならば、一体政府は今そして来るべき二十一世紀、沖縄の基地問題をどのように解決しようとしているのか、これはもう一遍明確にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、私どもとしても、現在の日本を取り巻く国際情勢のもとでの我が国の防衛、そのために必要な米軍の基地というものを考えましていろいろ検討してまいりました。とりわけ、沖縄についてはSACOの最終報告をまとめたわけでございますが、まずこれを着実に実施していくということが大切だと思います。
 しかしながら、私どもはこれをやれば沖縄の基地の問題は終わったとは決して思っておりません。我々はこれは重要な課題として引き続きこれからも取り組んでまいりたい、このように考えております。これは先般の外交演説の中でも私は触れさせていただいたところでございます。
 それからなお、長い目で見ますならば、我が国を取り巻くこの地域の安全保障環境にも大きな変化を来すことはあり得るわけでございまして、そういうことも従来はあり得るということを我々は忘れておりません。であればこそ、これからのいろいろな米軍のあり方、状態につきましても日米間でよく話をしていこうということがSACOの報告の中にもうたわれている、こういうことでございます。
 いずれにいたしましても、今後ともそのときそのときの情勢を踏まえて必要な安全保障努力はしなくちゃいけませんが、同時にそのことが地元の方々にお与えする御負担なり影響というものを極力小さくしてまいるための努力は続けてまいる所存でございます。
○島袋宗康君 総理の御所見をお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、外務大臣がお答えを申し上げたことに尽きていると思いますけれども、私どもは少なくとも現在の状況を少しでも改善したいという思いでSACOの最終報告をまとめる段階も取り組んでまいりました。
 残念ながら一〇〇%県民の声にこたえることはできなかったと思います。しかし、少なくとも現状を少しでも改善しようと努力をし、その中から一定のものを生み出してきた。私はその努力を評価してくれとは申し上げません。しかし、少なくとも現状そのままでいいと我々が思っているのではない、我々が与えられた条件の中で少しでも状態を改善しようとして努力しているということだけは認めていただきたいと考えております。
○島袋宗康君 先ごろ発表されましたSACO最終報告に基づき日米政府で返還合意されたものがすべて実現しても、沖縄の基地はたかだか敗戦直後の基地面積に戻るにすぎません。また、SACO報告以後の沖縄基地がどうなるのか、全く手がかりがありません。
 そういう状況下、大田沖縄県知事は、基地の問題の根源である兵員削減の具体的要求を持って四月ごろに、これは女性の副知事でありますけれども、訪米する予定だと聞いております。このことについて政府はどのような評価をしておられますか。
○国務大臣(池田行彦君) 私どもも大田知事が訪米されるということはお伺いしておりますけれども、ただ知事が具体的にどういう用務でどういうことをなさるかということについて政府としてコメントを申し上げるのは、これはちょっと礼を失することになるかと存じますから控えさせていただきたいと存じますけれども、いずれにいたしましても、政府といたしましては、沖縄県の抱えておられる大変大きな問題を十分念頭に置きまして、これから基地の整理、統合、縮小についても、それからまた沖縄の振興策についても、沖縄県とも十分に御相談しながら全力を傾注してまいらなくてはならないと、このように考えている次第でございます。
○島袋宗康君 時間です。
 ありがとうございました。
○委員長(大河原太一郎君) 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十一分散会
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