第140回国会 決算委員会 第3号
平成九年七月三十一日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 七月十日
    辞任         補欠選任
     依田 智治君     上吉原一天君
     堂本 暁子君     水野 誠一君
 七月十八日
    辞任        補欠選任
     魚住裕一郎君     渡辺 孝男君
 七月三十日
    辞任         補欠選任
     加藤 修一君     福本 潤一君
     山崎 順子君     岩瀬 良三君
     水野 誠一君     奥村 展三君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 秀樹君
    理 事
                鎌田 要人君
                長峯  基君
                野沢 太三君
                猪熊 重二君
                海野 義孝君
                緒方 靖夫君
    委 員
                岩井 國臣君
                海老原義彦君
                景山俊太郎君
                上吉原一天君
                塩崎 恭久君
                松村 龍二君
                守住 有信君
                吉川 芳男君
                岩瀬 良三君
                福本 潤一君
                益田 洋介君
                山下 栄一君
                渡辺 孝男君
                朝日 俊弘君
                萱野  茂君
                大脇 雅子君
                谷本  巍君
                椎名 素夫君
                奥村 展三君
                栗原 君子君
   国務大臣
       建 設 大 臣  亀井 静香君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       稲垣 実男君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  伊藤 公介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        貝田 泰雄君
   説明員
       北海道開発庁総
       務監理官     小野  薫君
       北海道開発庁計
       画監理官     青木 東雄君
       沖縄開発庁振興
       局長       若林 勝三君
       国土庁計画・調
       整局長      河出 英治君
       国土庁土地局長  窪田  武君
       国土庁地方振興
       局長       鈴木 正明君
       大蔵省主計局次
       長        寺澤 辰麿君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       国税庁長官官房
       国税審議官    西川  聰君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設大臣官房総
       務審議官     小鷲  茂君
       建設省建設経済
       局長       五十嵐健之君
       建設省都市局長  木下 博夫君
       建設省河川局長  尾田 栄章君
       建設省道路局長  佐藤 信彦君
       建設省住宅局長  小川 忠男君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       会計検査院事務
       総局第一局長   深田 烝治君
       会計検査院事務
       総局第三局長   大和 顕治君
       会計検査院事務
       総局第五局長   小川 光吉君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        望月 薫雄君
       北海道東北開発
       公庫総裁     濱本 英輔君
       沖縄振興開発金
       融公庫理事長   塚越 則男君
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  本日の会議に付した案件
○平成七年度一般会計歳入歳出決算、平成七年度
 特別会計歳入歳出決算、平成七年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成七年度政府関係機関
 決算書(内閣提出)
○平成七年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成七年度国有財産無償貸付状況総計算書(内
 閣提出)
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○委員長(宮崎秀樹君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十日、堂本暁子君及び依田智治君が委員を辞任され、その補欠として水野誠一君及び上吉原一天君が選任されました。
 また、去る十八日、魚住裕一郎君が委員を辞任され、その補欠として渡辺孝男君が選任されました。
 また、昨三十日、水野誠一君、山崎順子君及び加藤修一君が委員を辞任され、その補欠として奥村展三君、岩瀬良三君及び福本潤一君が選任されました。
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○委員長(宮崎秀樹君) 平成七年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、建設省、北海道開発庁、沖縄開発庁、国土庁、住宅金融公庫、北海道東北開発公庫及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。
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○委員長(宮崎秀樹君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮崎秀樹君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(宮崎秀樹君) 速記を起こしてください。
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○委員長(宮崎秀樹君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩井國臣君 自由民主党の岩井國臣でございます。
 党を代表する形で質問させていただきますが、まず北海道の問題から入らせていただきたいというふうに思います。
 もう言うまでもないことですが、北海道は農林水産業というものが最重要産業でございますけれども、今後、観光産業についても大いに考えていかなければならないのではないかと、そんなふうに考えるわけでございます。北海道の雄大な美しい自然が何よりも北海道観光の売り物であろうと思うわけでございますけれども、その北海道で本来美しいはずの湖が大変汚れているということで、ちょっと質問させていただきます。
 まず、北海道開発庁にお聞きするわけですけれども、網走川の網走湖でございますが、網走湖の環境基準及び水質の現状がどうなっているのか、そしてまたアオコとか青潮の発生状況、そしてヘドロの堆積状況について説明いただきたいと思います。そして、そのような現状を現在どのようにお考えになっているのか、それをお伺いしたいと思います。
○説明員(小野薫君) お答えを申し上げます。
 網走湖は環境基準のA類型に指定されておりまして、基準値は、化学的酸素要求量、CODでございますが、三ミリグラム・パー・リッター以下というふうに定められております。
 現在の水質の状況でございますが、昭和六十一年から平成七年までの調査では、CODは六から八ミリグラム・パー・リッター程度でございまして、環境基準を大きく超えている状況でございます。
 また、全窒素、全燐、これもその環境基準に定められております。これについては、網走湖全体ではおおむね環境基準の値程度でございますが、閉鎖性水域となっております呼人浦、女満別湾、こういうところでは環境基準値を超えている状況でございます。
 なお、水面下六メートル程度以下でございますが、塩水層がございまして、これは無酸素の死水域というような状況になっております。
 それから、次にアオコでございます。網走湖におけるアオコは近年ではほぼ毎年のように発生しておりまして、平成六年八月には湖面全域に発生をしております。
 青潮については、無酸素状況となっております塩水層が風によって巻き上げられまして、表層が酸欠層になりまして魚類などがへい死し、発生するものでございます。昭和六十二年に初めて発生して以来、ほぼ二年に一度の割合で発生をしている状況でございまして、本年五月にも発生をいたしております。
 次にヘドロでございますが、湖内全域に堆積しておりまして、観光利用がなされております閉鎖水域でございます呼人浦、女満別湾、こういうところでは二十センチから一メートル、そういう厚さで、総量約二百万立米が堆積をしております。網走湖は、シジミ、ワカサギなどの有数の内水面漁場でございます。また、昭和三十三年に国定公園に指定されておりまして、自然環境が豊かな観光資源として重要な湖というふうに私ども考えております。
 その中で水産、観光、レクリエーションに悪影響を及ぼしますアオコ、青潮の発生、またヘドロの堆積は地域にとって大きな課題であろうというふうに考えておりまして、そのための対策を積極的に進める必要があるというふうに私ども考えております。
 以上でございます。
○岩井國臣君 昨年、私も現地を視察させていただきまして、今御説明ございましたけれども、これは大変な状況だなというふうに感じたわけでございます。ことしはまた現地におきましていろんな人の話も聞くことができました。これは早急に何とかしなければならないのではないか、そういうふうに思った次第でございます。
 そこで質問ですが、毎年ヘドロはしゅんせつしておられるわけでございますけれども、現在の計画では何年したら終わるのか。また、ヘドロのしゅんせつのみならず、その他の水質汚濁対策も実施しておられると思うんですが、平成七年にはどんなことをやられたのか。その辺を説明していただきたい。さらに、今後の水質改善の見通しといったものもあわせて聞かせていただければありがたいというふうに思います。
○説明員(尾田栄章君) ただいまお尋ねの網走湖の水質対策としてどういうことをしておるかということでございますが、平成五年度から直轄河川環境整備事業によりまして、底泥のしゅんせつ等を、御指摘がございましたヘドロのしゅんせつ等を行っておるところでございます。
 平成七年度につきましては、今申しましたヘドロのしゅんせつ、そして水草の刈り取りということを湖内の対策として実施をいたしております。そしてまた、流入河川対策といたしまして、直接浄化施設の設置を平成九年度に完了するということにしておるところでございます。
 この底泥のしゅんせつでございますが、全体約二十万立方メートルございまして、平成七年度で申しますと約七千立方メートルのしゅんせつということでございまして、まだ相当の期間かかろうかというふうに思っております。
 現況の水質が、先ほどの御答弁のとおり、六から八ppmということでございます。環境基準の三ppmを満足させるということにつきましては、下水道の整備あるいは畜産の排水の対策等と相まちまして、その環境基準を達成するのを目指してこれから頑張っていく必要があると考えております。
○岩井國臣君 ただいま御説明のように、ちょっと見通しがつかぬというふうなことだと思うんです。大変残念なことだというふうに思います。
 次は、国土庁にちょっとお聞きするわけですけれども、国土庁におかれましては現在、ポスト四全総、新たな国土計画を策定中でございます。恐らく自然との共生とか美しい国づくりといったテーマが一つの大きな柱になるのではなかろうかなと、こう思っておりますが、その辺、今国土庁としてはどんなふうにお考えになっておるのか教えていただければと思います。
○説明員(河出英治君) 国土庁では、現在新しい全国総合開発計画の策定作業を進めているところでございます。
 昨年十二月の国土審議会の計画部会におきまして、計画部会調査検討報告をまとめて公表したところでございます。この報告におきましては、今先生御指摘のとおりに、二十一世紀の国土づくりの構想といたしまして、経済的な豊かさとともに精神的な豊かさを味わうことのできる、人間性にあふれた生活を実現することを掲げているところでございます。そのためには、やはり自然を保全、回復し、ゆとりと美しさに満ちた暮らし方を実現して、美しい国土を形成していくことが重要であるとされているところでございます。
 このためには、安全で自然豊かな国土の形成のために、例えば汚水処理施設の整備によりますところの湖沼等の水質保全を図るとか、あるいは環境影響をできるだけ回避し、最小化していくことを課題とした、いわゆるミティゲーションの施策を講ずるとか、廃棄物・リサイクル対策を講ずるとかということが指摘されているところでございます。
 今後ともこのような趣旨に立ちまして、新しい全総計画の策定に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○岩井國臣君 さて、北海道開発庁長官、以上のやりとりを聞いていただいて、いかがでしょうか。私は、今後、北海道開発庁といたしましては流域を視野に入れた総合対策を各方面との連携のもとに、総合調整官庁としてのメリットを生かしながら水質汚濁対策を積極的に実施していく必要があるのではなかろうか、そう思うわけでございます。
 北海道開発庁では現在新たな北海道総合開発計画を策定中であるというふうに私も聞いておるんですが、恐らくそこでも自然との共生とか美しい北海道づくりといったテーマが一つの大きな柱になるのではなかろうか、こう思っておるんですが、そういった観点からいかがでしょうか。
○国務大臣(稲垣実男君) 今御質問の御指摘をずっと聞いておりまして、網走湖を例にとられましたが、この湖はワカサギやシジミというような面からいきますと非常に内水面漁業に貢献しているところであります。一方、委員の御指摘のとおり、最近観光、レクリエーション、そういった分野においても極めて多面的な価値を有している、そういう貴重な地域の財産だというふうに認識をしております。
 そこで、周辺地域からの汚濁負荷の流入というものが依然として続いておりますし、それから塩水と淡水の境界層の上昇などによりまして、富栄養化の進行というものは、いわゆる目で見たときに非常にアオコが発生をするというようなことや青潮の発生など、水産、観光両面から見ても大変な影響を与えておる。そういうことでございますから、対応策として直轄河川の浄化事業や下水道整備などが進められておるところでございます。
 御指摘のありましたとおり、次年度以降、総合的な開発の問題については、こういった人間と共生をしていくという視点に立って、さらに流域全体を対象として、また農地から流れてくる水ということも考えていかなければなりませんし、畜産が非常に盛んなところでもありますので、それの対策もしていかなければならぬだろう。あるいは事業場の排水、家庭排水など、関係行政機関や地域住民とも十分な連携協力のもとに、河川事業と農業農村整備事業との連携などを緊密に図りまして総合的に取り組んでいるところでございますので、今後も、委員指摘のとおり、開発庁としても総合行政の利点を大いに発揮しまして地域課題の解決に努めてまいりたいと思っている次第です。
○岩井國臣君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に沖縄の問題に移りますが、沖縄は古くからサンゴ礁の海とともにその生活、文化がはぐくまれてきたというふうなことがあろうかと思います。しかし、その美しいサンゴ礁の海がいわゆる赤土流出問題で多くの被害をこうむりまして、三十年来の社会問題になってきたのでございます。そしてようやく、本当にようやくにして、全く遅きに過ぎた感もあるんですけれども、ようやくにして赤土等流出防止のための県条例が平成七年度にできました。大変結構なことでございますが、この県条例だけではとてもサンゴ礁を守ることは難しいというふうに思います。
 そこで質問ですが、平成七年度に施行されました赤土等流出防止条例について御説明いただきますと同時に、赤土流出問題の解決のために沖縄開発庁としては今まで何をやってこられたのか、その点につきましても御説明いただきたいというふうに思うわけであります。
○説明員(若林勝三君) 沖縄県の赤土等流出防止条例につきましては、今先生から御指摘ございましたように平成七年に施行されておるところでございまして、この条例は二十六条で実は構成されておりますが、主な内容といたしましては、まず切り土等による土地の形を変える行為、これは事業行為と呼んでおりまして、この事業行為を行う場合に、当該事業行為現場から赤土等が流出しないように防止措置を講ずる、まず努力義務が課されておるわけでございます。
 それから、一千平方メートル以上の事業行為を行う者につきましては、事業行為着工前に県の定める基準に従って赤土等の流出防止対策の内容を定めまして、その対策を含めて当該事業の概要を沖縄県知事に届け出または通知をすることが義務づけられているところでございます。こういった届け出を行った事業行為者が届け出内容に違反している場合には、必要な改善または工事の一時停止を命じ、これらの命令に違反した事業行為者には罰則が適用されるというふうに条例上はなっておるわけでございます。
 次に、それでは沖縄開発庁としてこれまでどういう対策をとってきたかということでございますが、沖縄開発庁では、まず赤土の流出防止対策に関しまして、沖縄開発庁を初めとする九省庁から構成されております沖縄県における赤土等流出問題に関する関係省庁連絡会議というものを開催いたしておりまして、また、現地では沖縄総合事務局と沖縄県との間で各種連絡会議を開催して連絡協議をよくやっておるということでございます。
 それから、こういった赤土流出がどういう状況になっているかということを把握するということも大事なことでございまして、十八の市町村から構成される赤土流出状況連絡報告体制、ネットワークと呼んでおりますが、これを運用することによって現状の的確な把握を行うということに努めておるところでございます。そこでまた赤土問題に関する調査ということで、沖縄特定開発事業推進調査におきまして赤土砂等流出防止対策のための各種基準等を策定、調査などを行っておるわけでございます。
 さらに、予算面でございますが、予算の確保という点につきましては、沖縄開発庁は沖縄における各種の公共事業費の一括計上を行っておるところでございますが、公共事業からの赤土の流出を防止するために必要な経費につきましては、道路、治水、農業農村整備等、おのおの公共事業の事業費の一部といたしまして対策の実施に必要な額を確保しておるところでございます。
 開発庁におきましては、このように赤土流出防止のため、各省庁、県等と密接に連携をとりながら各種の施策を推進してきているところでございます。
○岩井國臣君 県条例は言うまでもなく遡及適用はないわけですし、今御説明ございましたようなことで、どうもまだちょっと決め手に欠けるのではないか、何か靴の底から足をかいているような感じでございまして、もどかしい感じを受けるわけでございます。
 したがいまして、沖縄開発庁は、美しいサンゴ礁の海を保全するためには、先ほどの赤土等流出防止条例はもとよりでございますけれども、それだけではなくて、理想的にはどんな施策がいいのかひとつ前向きに御検討いただきたい、こう思うわけであります。
 また、沖縄開発庁としては今後どう具体的に対処していくのか、これはぜひ沖縄開発庁長官に決意も含めてお考えをお聞きしたいわけであります。
○国務大臣(稲垣実男君) 今、岩井委員から、大変心配をして、せっかく沖縄は観光や漁業でサンゴ礁に恵まれてすばらしいところじゃないか、これが赤土でだんだん汚染されていくのは大変悲しい事実だと、こう御指摘があったとおりでございまして、私も沖縄に参りまして、また島々も訪れましたが、空の上から非常にサンゴの美しい姿を見て、ああ沖縄に来たなという感じが非常にしておりました。
 そういうことで、サンゴの自然環境というものは観光や漁業に、県民経済に大変寄与しておるわけでありますが、今御指摘のとおり、赤土の流出というものはこれらの県民経済に大きく影響を与えていることを十分認識しております。
 公共事業の実施につきましては、先ほど政府委員から答弁いたしましたとおり、赤土流出防止対策についてこれまで進めてきた諸施策を実施してきております。また、のり面保護や沈砂池の設置に要する予算の確保など、今後とも着実に推進をしてまいりたいと思います。
 また、工事中に台風なんかが参りますと、まだそういうのり面がきちっとできていない場合は、緊急的な措置として、例えばシートを張るとかあるいはその上にちゃんとおもしをやって赤土の流出を防止するような、そういう施策をきめ細かく行っていくということが極めて重要であると思う次第です。
 沖縄開発庁としましては、今後とも関係省庁や沖縄県と連携を密にとりながら、赤土の流出防止対策を一層充実してまいりたい、こう思う次第です。
○岩井國臣君 この赤土流出問題につきましては、私もそれなりに重大な関心を持っておりますので、引き続きいろいろ御検討をいただき、前向きに取り組んでいただきたいと思うわけですが、ちょっと時間の関係もありますので、フリー・トレード・ゾーンの話に移らせていただきます。
 沖縄経済は、言うまでもなく先ほどの観光事業、そして一番大きなのはやっぱり公共事業ですね、公共事業と観光で保っているようなところがあるわけであります。もちろん基地問題の収入というものもあるわけですけれども、基地関連につきましては、土地利用がそれによりまして大きく妨げられているというふうなマイナスの側面もございますので、基地が与える沖縄経済への影響というふうな観点で考えた場合に、余り積極評価は避けた方がいいのではなかろうか、こんなふうに思います。
 したがいまして、沖縄経済は公共事業と観光で保っていると、そう言ってもいいんじゃないか。フリー・トレード・ゾーンがありながら、私の感じといたしましては、大蔵省が大変難しいことを言うものだから、フリー・トレード・ゾーンが沖縄経済に与える影響はまあゼロと考えていいんじゃないか、要するにぱっとせぬ、こういうことですね。
 昨年九月十一日の決算委員会でも私は少し取り上げさせていただいたわけであります。当時の岡部沖縄開発庁長官からは私が期待した答えはもらえなかったんですけれども、ただ、こうおつしゃいました。「県からもいろいろな要望が出ておりますので、開発庁が中心になりましてこの検討を鋭意進めておるところであります。」と、そういう答えをいただきました。
 例の沖縄政策協議会、総理を除く全閣僚と大田知事で組織されておる協議会、あの協議会では年内に政府としての沖縄振興策を取りまとめる、そういうふうに聞いておるわけでありますが、フリー・トレード・ゾーンについては思い切った制度拡充を図る必要があるのではないかと私は思っております。その問題をここで取り上げるのは必ずしも適当でないかもわかりませんので、とりあえず本日は、現在の検討状況はどうなっているのか、その辺だけちょっと御説明いただきたいと思うわけであります。
○国務大臣(稲垣実男君) 委員指摘のとおり、自由貿易地域につきましては、現在、沖縄県から税制、関税面を中心とした特別措置の導入等による拡充強化を要望されております。関係省庁及び沖縄県から成る沖縄政策協議会におきましても、国際貿易・物流基地の形成プロジェクトチームにおきまして自由貿易地域の拡充強化についてただいま幅広く検討していることになっております。
 沖縄開発庁におきましては、現在、自由貿易地域の拡充強化に関する調査費を四千二百万円計上しておりまして、既にそれを実行しつつあるところであります。この中で沖縄の経済や貿易の取引の現状を分析しながら、沖縄の産業振興、貿易振興のために沖縄に展開する自由貿易地域のあり方がどうあるべきか、今の場所は少し狭いじゃないか、もっと適正規模に拡大化せにゃいかぬじゃないか、こういう御指摘があろうかと思います。
 それにはどうしていったらいいかということでございまして、これらの問題を取り上げまして、沖縄の産業振興あるいは貿易振興のため沖縄に展開する自由貿易地域の展開をさらに図っていくためにどのような機能が必要であるかということも、海外のいわゆるフリーゾーンと言われておる各地域を今丹念に、先日も実は笠原政務次官も海外に行っていただきまして、調査報告を受けております。こういった実例もなかなかいいなと思っているところもございます。そういった分析を踏まえながら、調査検討をただいま行っているところでございます。
 沖縄開発庁としましては、関係省庁やあるいは特に沖縄県の要望によりまして、そこで一つの提案というものが出てくるわけでございますので、それを今私どもは注視しておるところでございます。しかし、現況においても、連携をとりながら、どのようにしたら産業振興が図られるか、貿易振興につながる自由貿易地域の拡充強化に役立っていくかということでただいま鋭意取り組んでおるところでございます。
○岩井國臣君 さて、次のテーマに移ります。
 次は、会計検査のあり方について少し議論させていただきたいと思います。
 二週間ほど前の日本経済新聞にこういう記事が載っておりました。福島県只見町の町営温泉ホテルに絡んでの記事でございます。只見町は、町おこしのために都会からの観光客を意識して大変立派な温泉ホテルをお建てになった。ほとんどが国費で、建設費二十一億円、町の財政規模が五十億ということですから、相当思い切った投資と言えるかと思います。しかし、これがうまく利用されているのかどうか、そこが問題なのでございます。もしこれがむだな投資ということになれば、一体だれがこの責任を負うのかということでございます。
 地方交付金で国が補てんしない、本当の意味での自主財源ですべてをやっているのなら、町長の責任ということで、こんな国会で云々する必要は全くないわけでありますが、後で補てんする地方交付税も含めましてその建設費のほとんどが国費であるとするなら、国は黙っているわけにはいかないのではなかろうか、こう思うわけであります。かかる観点から若干の質疑を進めてまいりたいと思います。
 まず、自治省にお伺いいたします。
 只見町の町営温泉ホテル「季の郷・湯ら里」、それ自体は農水省の所管事業がメーンのようでございまして、国庫補助金は約六億六千万と聞いておりますけれども、その関係で地方債なり地方交付金が使われているのでしょうか。使われているとすれば、それはどの程度の額になっているのか。それでまた、只見町の町民の税金で賄われる純粋の自主財源というものはその中でどのぐらいになっているのか。ちょっとその辺の御説明をいただきたいと思うわけであります。
○説明員(二橋正弘君) 福島県只見町の交流促進センター「季の郷」という施設でございますが、今お話がございましたように、農林水産省の新山村振興農林漁業対策事業費補助金等を受けて建設したものでございまして、全体の事業費は約十六億一千六百万でございます。
 その財源の内訳は、農林水産省の国庫補助金が六億六千万、それから県の補助金が五千三百万、それから地方債が五億五千万、それから町の一般財源三億五千四百万でございます。このうちの、地方債五億五千万のうちに過疎対策事業債が五億一千六百万余ございまして、これにつきましては後年度、元利償還の七割が地方交付税に算入されるという仕組みになっておるものでございます。
○岩井國臣君 今御説明いただいたわけですが、細かい数字の話はともかくとして、いずれにしろ大変大きな額の国費が投入されておるということだと思います。
 私が今申し上げたいことは、補助事業であろうが地方単独事業であろうが、相当国費が入っているということでございます。したがいまして、そこにむだがあってはいけない。だとすれば、私が思いますのに、少なくともむだがあるのかどうかというふうなことはだれかがチェックしなきゃいかぬ、だれのチェックもなしにそのまま放置されているというようなことは断じて許されることではない、こう思うわけであります。
 引き続き自治省にお聞きいたします。
 只見町の町営温泉ホテルの場合、一九九六年度の決算、この三月の決算でございますが、新聞によりますと八千万円の赤字決算だ、町の一般会計から補てんされたと報道されておりますが、その財源の補てん内訳というのはどういうふうになっているのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○説明員(二橋正弘君) 平成八年度の決算では一般会計から八千二百五十四万八千円の繰り入れがされております。この内訳は、私どもがお聞きしているところでは初度詭弁的な備品周辺整備につきまして三千六百万余、それから公債費、借入金の返還でございますが、これにつきましては一千六百万余、それからいわゆる施設管理費の不足を補てんするためのもの、これにつきましては二千九百万余、合わせて八千二百五十四万八千円の繰り入れがされております。
 これにつきましては、先ほど申しましたように、この関係では過疎債の元利償還は交付税に算入することになっておりまして、強いて申しますと、八年度の場合には、過疎債の元利償還の額で交付税に算入いたしましたものは一千百万でございました。それが含まれているというふうに御理解いただきたいと思います。
○岩井國臣君 都市住民の分も含めて国民の税金が投入されるということなんですよ、町民の税金だけじゃないということです。
 只見町の町営温泉ホテルの場合、去る七月十七日の日本経済新聞によりますと、今のところ赤字が黒字になる見通しというものは全く立っていないというふうなことなんですね。このままずっと赤字が続くか、将来営業停止状態といいますか、投資に見合った利用がなされないという状態に陥ることも十分考えられるわけであります。
 こういうことは只見町の例ばかりでなくて全国的に数多く生じているのではなかろうかというふうに思うわけでございます。仮にこのような国費のむだが生じた場合に、国費支出に関連いたします責任は一体だれがとるのか、そういう問題でございます。
 そこで、会計検査院にお聞きいたしますが、このような補助金、そして地方債といった政府資金という国費にむだが生じているということがわかりながら、そういうことを知りながらそのまま放置しておったような場合、会計検査院は不作為の責任というものが生じてくるのではなかろうか、こう思うんですが、その責任問題、会計検査院としての責任という問題についてどういうふうにお考えになっておるのか、ちょっと見解をお聞きしたいわけであります。
○説明員(深田烝治君) お答え申し上げます。
 補助金や地方債における資金運用部資金等の国費の使い方にむだが生じていないかどうかにつきましては、私ども常に注意を払いまして会計検査を実施してきているところでございます。
 そして、補助金の検査におきましては、補助の対象とならないものに交付していないか、事実と異なる経費使用の実績報告により過大な交付を受けていないかという点だけではなく、補助の対象となった施設が良好に運営されまして補助目的を達しているかどうかという点も含めまして、幅広い観点から検査を実施しているところでございます。
 また、起債事業の検査につきましても、資金需要がないのに貸付金が貸し付けられましたり、起債事業により取得されました施設が目的外に使用されたりしていないかなどの観点で検査を実施しているところでございます。
 その結果、過去の検査報告におきましても施設の有効利用についての指摘を行っておりまして、今後ともこのような観点からの検査は充実してまいりたい、このように考えているところでございます。
○岩井國臣君 私、昨年の十一月二十七日の決算委員会で申し上げましたけれども、あのときの話をちょっとしますが、平成六年度の地方単独事業というのは十七兆円、補助事業が十一兆円、単独事業の方が六兆円も多いんですね。しかも、それについて会計検査院のメスが入っていないということで問題にしたわけであります。
 地方単独事業には、言うまでもなく、今御説明もありましたけれども、地方交付税だけでなくて地方債における資金運用部資金等の国費が入っておる。会計検査院の検査というものを一般論で言いますと、何も設計、施工等の執行面に限定したものではないと思います。そういう御説明も今ございました。
 したがいまして、起債事業の検査につきましても、設計、施工等の事業執行面に限定しないで、投資に見合った利用がなされているのかどうかという貸付金の有効利用の面からも検査をすべきであろうかと思います。先 ほど御答弁があったわけですけれども、今後そういった貸付金の有効利用という面について具体的にどうされるのか、その辺、再度ちょっとお聞きしたいわけであります。
○説明員(深田烝治君) お答え申し上げます。
 起債事業の検査におきましては、現在のところ、その個別事業の設計、施工という執行面の検査もございますが、むしろ先生今御指摘の、整備された施設が目的外に使用されていないか、あるいは投資に見合って有効に活用されているか、そういった面について検査を実施しているところでございます。この貸付金の有効活用ということは非常に重要なことでございますので、今後も関心を持って検査に取り組んでまいりたい、このように考えております。
 なお、貸付金の検査におきましては、過去の検査報告でも、融資した資金により設置しました施設が遊休しておりまして貸し付けの目的を達していない、そういうような指摘も行っておるところでございます。
○岩井國臣君 私が今問題にしておりますのは、町村のいわゆる箱物でございます。箱物が効率的に利用されているのかどうか、そういう問題でございまして、国費が入っている以上、会計検査院が中心になって何らかのチェックが必要ではないか、そういう問題提起をしておるわけであります。
 会計検査院は、資金需要に見合った貸し付けが行われているかどうか、大蔵省の関係は毎年検査が入っていると思いますが、それにとどまっておるようですね。そこがちょっと問題じゃないか。恐らく多くの箱物の場合、利用度が維持管理費に見合っていないのではないか、そんな気がしておるわけであります。
 しかし、私の真意は、そういう利用度の低い箱物が不必要だというふうに考えておるのではなくて、むしろ逆でございまして、何とか知恵を出して利用度を上げたい、そういう思いが強いのでございます。すなわち、我が国の場合、ともかくハードな施設整備が先行いたしまして、何とか運動といったソフトな取り組みが大変弱い。例えばドイツの「美しき我が村」とか「農家で休暇」、あるいはフランスのエコ・ミュージアムとか、そういったソフトな取り組みをもっともっと官民挙げてやっていかないといけないのではなかろうか、そういう思いが強いのでございます
 ですから、会計検査院なりなんなりの国のチェックがあって、それが契機となって何がしかのソフトな取り組みが現地で始まっていく、そういう観点でぜひひとつ会計検査もお考えいただきたい、そういうことを願いまして以上の質問をさせていただいたわけでございます。
 そういったものと関連いたしますが、次は都市と農山村との交流の問題に移りたいというふうに思います。
 マルチメディアとかマルチハビテーションという言葉がございます。従来、我が国の国土構造は過疎過密と二極分化して、現在さまざまな問題声生じているわけでございます。
 私は、二極分化してしまった過疎過密を統合するといいますかつなぐものとして、マルチメディアを前提といたしましたマルチな生活あるいはマルチな職場勤務というものが今後過疎で行われろ必要があるのではなかろうか、そんなふうに実は思っておるわけであります。マルチな学校生活とでもいいますか、都会の子供が臨時的にですけれどももっと自由に農山村の学校で学べるようなシステム、例えばマルチスクーリングというよう々言葉がいいのかどうかわかりませんけれども、そんなことも実は考えておるわけでございます。ともかくマルチでいかなきゃいかぬ。都会人のためにセカンドハウスとかリゾートオフィスが今後過疎地域にどんどんつくられていく必要があるのではなかろうか、私はそんなふうに考えております。
 そういう私の考えからいたしますと、要するに都市と農山村との交流の促進という観点からいいますと、道路網にいたしましても、下水処理施設にいたしましても、また光ファイバーにいたしましても、過疎地域のインフラ整備というものを急ぐ必要があるのではなかろうか、只見町の町営温泉ホテルのような都市と農山村との交流施設はもっとつくられるべきではなかろうか、こんなふうに思っております。
 しかし、ソフトが伴わないようではせっかくの施設も宝の持ちぐされになりかねない、それでは国費のむだ遣いと、こうなるわけであります。したがいまして、国はやはりこれを厳しくチェックする必要があるし、また同時にソフト面での支援も積極的に行っていく必要があるのではなかろうか、こんなふうに思っておるわけであります。
 そういう観点からちょっと国土庁に御質問いたしますが、福島県只見町の町営温泉ホテル「季の郷・湯ら里」のような町おこしのための施設が各種補助事業や起債事業などによりまして全国的に数多くつくられておるのではなかろうかと思います。これら交流施設の利用度を上げ、所期の目的を達成するためには、国土庁といたしまして今後どのようなソフト面での支援策が考えられるのか、何とかいい知恵がございませんでしょうか。
○説明員(鈴木正明君) 都市と農山村の交流を推進するに当たりましては、お話のございましたように、宿泊施設、体験施設あるいはスポーツ・レクリエーション施設、こういった施設などのハード面の整備、それとあわせまして交流施設の効果的な利用に結びつくような情報の提供、あるいは都市住民のニーズに合った地域特産品の開発、販売、またイベントの開催、さらにはそういった施設の活用面での工夫とか地域づくりを企画し立案し推進していけるような人材の育成といったソフト面の取り組みというのも重要であると考えております。
 国土庁におきましては、例えば情報提供といったことで、都市と農山村との交流のうちで優良なり先進的な取り組みをしているものにつきまして情報誌を発行して紹介するといったことをいたしておりますし、また市町村のホームページとリンクいたしまして、その交流の取り組みというものを写真入りで見るようにできる国土庁のホームページを開設いたしております。
 また、市町村が行っておりますさまざまな交流の取り組みのうちモデル的なもの、人材育成とか交流イベントの開催でモデル的なものにつきましては支援を行っておりまして、例えば人材の面では、今お話に出ました交流施設の経営ノウハウや接客マナーの研修会を行うといったことを応援したり、活性化のための後継者育成やネットワークつくりのためのフォーラムなどの開催を後押ししたりしております。
 またさらに、専門家を派遣いたしまして、地域でのいろいろな町づくり、地場産業おこしなどについて助言を行っている、こういうことをいたしておりまして、交流施設とあわせて、このようなソフト面での取り組みというものを有機的に結びつけて地域の活性化につなげていくということが重要だと考えております。
 こういった観点を十分踏まえまして、今後とも都市と農山村の交流というものを応援していきたい、このように考えております。
○岩井國臣君 実は私は、リージョナルコンプレックスというようなことを日ごろ言っております。
 リージョナルコンプレックスというのは、言うなれば地域づくりのためにつくる地域のいろんな人のネットワーク組織のことを言っているんです。小さいものは趣味のサークルといったものから、大は商工会とか森林組合とか漁業組合とか農林組合とかいろんな団体からそれなりの人が集まってきて、できれば行政からもだれが入ってきて、そんな地域づくりのための地域のネットワーク組織、それをリージョナルコンプレックスと、こう言っておるんです。
 国土庁にぜひこの旗を振っていただいて、それぞれの過疎地域においてリージョナルコンプレックスというものがうまく形成されていくようにひとつ御尽力いただけないか、そういったもののひとつ国民運動みたいなものが起こっていけばいいな、こんなふうに実は思っておるわけであります。
 私が言いましたリージョナルコンプレックスの形成は地域の問題ですからだれかがやるとして、仮にリージョナルコンプレックスというようなものがその地域においてできたような場合、ぜひ国土庁は支援をしていただきたい。市町村、都道府県、また国の区別なく地域の行政組織にも働きかけていただいて、そのリージョナルコンプレックスを支援する体制がとれないか。
 支援の内容はそう大したものじゃなくて、事務局への人的な支援を主体にして、財政的な負担は余り負担に感じないで済む程度のものでいいと思うんですね。地域の行政組織の支援体制がとれそうな場合に、国土庁は、リージョナルコンプレックスの形成のために、ある程度条件が整ってきたらということですけれども、ぜひ専門家を派遣してほしい、そんなふうに実は思っておるわけであります。
 そこで質問になりますが、先ほどの只見町の町営温泉ホテルのような、言うなれば都市と農山村との交流施設の利用度が低いというような場合、その利用度を高め、そして、ひいてはその地域の活性化に資するようにソフト面での支援策をさらに積極的に講ずる考えはないか、これはぜひ国土庁長官に決意も含めてお考えをお伺いしたいわけであります。
○国務大臣(伊藤公介君) これから日本人のライフスタイルもかなり大きく変化をしていくと思います。労働時間の短縮あるいは学校五日制、余暇時間をどう我々が活用していくか、非常に重要なテーマになってきていると思います。
 そうした中で、今先生からもるる御指摘をいただきましたが、私たちは、これまでの四全総、地方にさまざまなハードな面の国土政策が非常に行われてきたように思うわけでありますが、これらを振り返りながら新しい全国総合開発計画を進めていきたいというふうに考えております。
 具体的に申し上げますと、今まで建設省などで新しい発想として道の駅構想がかなりそれなりの役割を私は果たしてきたと思いますが、委員から御指摘をいただきましたように、これから二十一世紀は情報通信時代だというようなことも含めまして、私どもが国土庁で初めての試みをモデルケースとして来年あたりからスタートしてみたいと思っておりますのは連携の駅構想でございます。これは今までの、高速道路を走っていて、休憩地域にトイレもありますし、そこでその地域の物産を売るというものだけではなくて、そこに行ったらその地域のすべての情報がある、いわゆる情報で結ぶ連携の駅構想をぜひ私どもは始めてみたいというふうに考えております。
 連携の駅に行ったら、例えば今お話のありましたように、ここにはどのような宿泊施設があるか、あるいは非常に特別な村おこしが行われているか、あるいはどこに釣り場があるかとか、そうしたさまざまな情報が得られる。しかも、それは道路だけではなくて、海もそれから山岳も、農村や都市を結ぶそうした連携の駅構想を全国ニカ所か三カ所ぐらいをモデルケースにして、新しい日本人の生活を考えながらそうした国土庁なりの新しい発想もやってみたいと思います。
 また、先生今御指摘をいただきましたソフト面の人材派遣、そういう意味では、今民間の中にこうした市民運動というか地域おこしのある意味では非常にすぐれた指導者がおります。私ども国土庁でも、最近そうした方々にもお集まりをいただいていろいろなノウハウを提供していただいているわけでありますが、そうしたものを私どももできるだけ集積をいたしまして、ソフト面のいわゆる人材派遣ができるようなこともぜひ考えていきたいというふうに思っております。
○岩井國臣君 ハードとソフトと、こう言うわけでありますが、やっぱりソフト面の取り組みが大変弱いんです。人材派遣の話を今していただきましたが、地域でそういう地域づくりの動きがあるような場合に、指導するというのか、そこへ一緒に行って、都市と農山村の交流という形でいろんな活動をやっていく、そういうソフト面にぜひ力を入れていただきたい。
 ただ、じゃハードはいいかというとそうもいきませんで、次にハードの面もちょっと国土庁長官のお考えをお聞きしたいわけです。
 国土の均衡ある発展が何よりも重要だと。特に過疎地域の活性化のために、今言いました都市と農山村との交流を促進する必要がある。どうもこれが決め手なんですね、過疎問題の。しかし、過疎地域におきましては、都市と農山村との交流を前提にした、ソフトも足らぬのですけれども、やっぱりハードのインフラ整備もおくれているんです。トイレもくみ取りじゃだめなんです。
 特に私は、交通ネットワークと今長官もちょっとおっしゃいましたが、情報です。光ファイバーというか高度情報化、交通ネットワークと情報ネットワーク、これがすべての施策の基本になるのではなかろうか、こう思うわけであります。これの整備をともかく急ぐ必要がある。現状についての認識と今後の見通しにつきまして、長官の御見解をお示しいただきたいと思うわけであります。
○国務大臣(伊藤公介君) 基幹的ないわゆる高速交通体系は現在なお整備途上にあるというふうに私自身も認識をいたしております。現在では、全国一万四千キロのなお半分弱という状況でありますから、こうした高速交通体系というものも計画的に進めていかなければならないと思いますし、同時にまた、十分な幅員が確保されていない、そうした状況があることも認識をいたしております。
 しかし、もう言うまでもなく、我が国は国全体として財政構造改革のそれこそ真つただ中にいるわけでございまして、ハード面につきましては、特に私どもは効率的なことも選択をしていかなければならない。そして、将来的にどうしても必要なものは、私たちは次の時代への投資もきちっとするという選択をしながら、ハード面もしっかり取り組ませていただきたいと思います。
 特にまた、光ファイバー網などの高度な情報通信体系については、現在人口比で一二・五%完備をしているにすぎない。この分野におきましてはアメリカなどに比べて日本はややおくれているのではないかという指摘をされているところでもございまして、新しい全国総合開発計画の中では、既に重要なテーマとして交通・情報通信体系が位置づけられてきているところでありますが、今申し上げたような選択もきちっとしながら、今後、新しい総合開発計画の中には、先生から御指摘をいただいたような点もしっかり私自身も位置づけさせていただきたいというふうに考えておりますし、また、既に事務当局にもこれらのことを私自身が指示させていただいているところでもございます。
○岩井國臣君 新しい国土計画策定作業真っただ中だと思います。私は、三大ネットワーク、こう言っておるんですが、一つは交通ネットワーク、それから情報ネットワーク、今取り上げさせていただいたわけで、長官からも大変前向きな答えをいただいたわけでありますが、もう一つはエコロジーネットワーク、エコネットと言っておるのがあるわけでありまして、きょうは取り上げませんが、その辺もぜひよろしくお願いをしたいというふうに考えております。
 次に移ります。土地の有効利用の問題でございます。
 政府は、去る二月十日に、地価抑制から土地の有効利用への転換を図るため新総合土地政策推進要綱を閣議決定されました。この新しい要綱によりますと、今後の土地政策の目標、端的に言えば土地の有効利用を図る、そういうところにある、そういうことであろうかと思います。そこで質問でありますが、新総合土地政策推進要綱に基づきまして、現在建設省はどのような取り組みをなさっておるのか、その辺の説明をしてください。
○説明員(小鷲茂君) 御指摘のございました新総合土地政策推進要綱が作成されましたのがことしの二月十日でございます。その後、四月十四日に土地の有効利用促進のための検討会議が政府部内に組織されておりまして、現在ここで土地政策の転換に伴う土地の有効利国策について検討が進められているわけでございます。
 建設省といたしましては、この要綱策定前から既に土地の有効利用というのが大きな政策課題であるという認識のもとにいろいろな政策の展開をいたしてまいっております。さらに、昨年からことしにかけまして、法律改正を含む相当大幅な制度の改善をいたしております。例えば、都心居住の推進のための都市計画法あるいは建築基準法の改正、それから密集市街地の再整備のための新しい法律の制定、これらをさきの通常国会でお願いいたした次第でございます。
 さらに、ただいま申し上げましたような検討会議における検討に向けて、そのほかの促進策についていろいろ検討を進めておるわけでございますが、具体的に一つ例示を申し上げますると、昨今、地方中小商店街の衰退が言われておりまして、中心市街地の活性化というのが大きな政策テーマになっております。内容を見ますると、商業施設あるいはその他の施設が歯抜けのような状態になっておって、なかなか活性化に結びつかないという状況もございますので、こういった土地の有効利用をどうやって促進していくのかといったようなことにつきまして、現在事務的な検討を進めている段階でございます。
○岩井國臣君 新総合土地政策推進要綱の眼目は、言うまでもなく土地の有効利用でございます。
 しかし、土地の有効利用といいましても、閣議決定の要綱を見る限りにおいて、必ずしもイメージがはっきりしません。土地政策審議会の答申の中で土地の有効利用を図る際の基本的方向というのが示されておるわけでございます。それである程度イメージすることができるわけであります。要綱ではなかなかちょっとイメージがわかない、審議会の答申でやっとある程度のイメージが出てくるかなと。しかし、それとて人によってイメージが違うかもしれない。
 答申に書かれております土地の有効利用を図る際の基本目標でございますが、こう書いてありますね。居住、業務、環境等、いわゆる都市機能のバランスの回復、これが一つですね、都市機能のバランスの回復。そして自然の豊かさの回復、これが二点目ですね。この二つでございます。今ここでは自然の豊かさの回復という項目を取り上げてみたいというふうに思います。
 国土庁にお聞きいたしますが、土地政策審議会の答申で言われております、要綱ではなくて審議会の方でありますが、自然の豊かさの回復というのは具体的にどんなものをイメージすればいいんでしょうか、こういうことでございます。
 私は、都市におきます自然の豊かさの回復といったときに、町づくりで今いろんなところで話題になっておりますビオトープ、それから、私もいろいろなところで言っておるんですが、水と緑のネットワーク、そんなことをイメージするわけでございます。私はそんなイメージを持つわけでありますが、一般的に言いましてどんなものをイメージすればいいのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○説明員(窪田武君) 先般の土地政策審議会の答申におきまして、先生御指摘のとおり土地の有効利用の推進はやはり重要であるということで、その土地の有効利用の推進の、有効利用そのものにつきましても一応定義をさせていただいております。それには、単に土地の高度利用を追求した経済的な効率的な利用という視点だけじゃなくて、公園とか緑地とか森林等のオープンスペースの確保も含めまして、地域全体の土地利用計画に従いまして社会的な観点から総合的に効果的と判断されるような土地利用の視点が重要であるというふうに書いてございまして、その土地利用の視点のうちの重要なものとして、先ほど委員御指摘のとおり、自然の豊かさの回復を進めていくということが掲げられているわけでございます。
 その具体的なイメージでございますが、先生のおっしゃるようなビオトープ等のものも含めまして、まずは既成市街地におきましては、いわゆる都市公園等も含めました都市基盤整備によりまして、居住水準ばかりじゃなくて都市環境の質的向上というものに重点を置いた町づくりを進めていくということでございますし、さらに、これから市街化が進みます都市近郊におきましては、むしろ残された農地、森林、河川等の自然的土地利用を保全しつつ、そういう自然と調和のとれた質の高い市街地の形成を図っていくというところを重点にやっていきたいというふうに思っているところでございます。
○岩井國臣君 土地政策審議会の答申では、自然の豊かさの回復ということが居住、業務、環境等都市機能のバランスの回復と並んで土地政策の重要な目標になっている。しかし、具体的な施策を記述いたしました閣議決定の要綱の段階になりますと、自然の豊かさの回復という言葉は出てこない。言葉が出ないばかりじゃなくて、どうもイメージが出てこない。
 国土庁は具体的にどのような施策を行おうとしているのか、さらに御説明いただければと思います。
○説明員(窪田武君) この答申を受けまして、土地の有効利用という土地政策の新たな目標の実現のために、先般閣議決定されました新総合土地政策推進要綱におきましては、先生御指摘のとおり自然の回復というそういう言葉は使ってございませんが、その中の土地の有効利用の重要な視点といたしまして、環境への負荷の少ない土地利用の推進を図るということで各種の施策を掲げております。
 その一つは、エネルギー消費の少ない都市構造・交通体系への転換、いろいろ交通システムなりの問題だろうと思います。それと二番目に、都市公園の整備を含め公共・公益施設の緑化の計画的な推進、さらに民有緑地の保全による市街地における緑地の確保という問題がございます。
 さらに、その具体的な問題といたしまして、潤いのある生活空間の形成に資する水辺空間の整備の推進というものも具体的にこれから進めていくんだということを要綱の中へ盛り込んでおりまして、これらにつきまして、国土庁といたしましては、今後とも関係各省とも十分連絡をとりながら、その着実な推進に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○岩井國臣君 別に、審議会の言うとおりに政府がやる必要はないわけですけれども、しかし、せっかく土地政策審議会というのがあるわけですから、その審議会の中で、先ほど言いましたように、都市機能のバランスの回復というのと、それから自然の豊かさの回復という二つの柱があるわけですよ。今、確かに具体的な施策で言われたのは、その他大勢というか、もろもろの中にそれは入っていますよということであるかもわかりませんが、要綱の中でも明確に柱立てがされていない、要するに重要視されていないというふうに私は感じるわけであります。
 私は、これからの土地政策で、自然の豊かさの回復ということは大変重要な政策目標になると考えております。そしてその中で、ビオトープとかあるいは水と緑のネットワークとかで、河川の発達あたりが非常に大きいんじゃなかろうか、そんなふうに私は考えておるわけであります。ビオトープとか、あるいは水と緑のネットワークとかいう観点に立って都市河川の環境を改善していく必要がある。そのためには、都市河川の流下能力にもっと余裕が必要ではなかろうか。今余りにも余裕がなさ過ぎる。世間では三面張り三面張りと言われるわけでありますけれども、もっともらしく、それは今余裕がない、治水緑地の増大を図っていく必要があるんではないか、こんなふうに私は個人的には思っておるわけであります。
 河川局長にお聞きします。治水緑地事業の現状について報告してください。
○説明員(尾田栄章君) 御指摘の治水緑地事業は昭和四十八年度に創設をいたしたものでございますが、現在、十九カ所で事業を実施いたしております。そして、ただいま先生御指摘の、都市の中で余裕を持たせる、そういう意味合いでの遊水地事業について申しますと、直轄事業、補助事業を合わせまして百三十三カ所で実施をいたしておるところでございます。このうち、先ほど来御指摘の水と緑のネットワークと申しますか、そういう都市の中での貴重な空間、緑の空間としての公園事業と合わせた形での整備というものが五十七カ所ございます。
 そういう意味合いでは、まさに治水の安全度の向上を図る、都市の中の土地の利用の安全度を図る、そういうこととあわせまして、自然豊かな水辺空間、憩いの場を創出する、そういう公園事業的性格とあわせてこの機能を果たせる、そういう意味合いでは大変すぐれた公共事業の一つではないかと考えておりますが、現下の大変厳しい財政状況のもとで、蒲原沢、針原川という痛ましい事故が起こっている、そういう土石流災害が起こっているという中で、こういう事業をどういう形で進めていけるのか、大変憂慮をいたしておるところでございます。
○岩井國臣君 都市部におきまして治水緑地の増大を図るというふうなことは、財政上の問題もありますが、土地取得の困難性から現在ほとんどあきらめられているのではないか。重要だということをおっしゃいましたけれども、現実には余り大都市においては行われていない。したがいまして、そこはちょっとやっぱり発想の転換が私はいいのではなかろうかと思います。ミニ治水緑地というようなことで、小さいやつ、そんなものをたくさんつくりまして、それらをビオトープ型の都市公園と兼ねさせるというような考え方がいいのではないだろうか。
 ともかく、都市空間にはもっと水と緑の空間が必要です。災害のことをおっしゃいましたけれども、災害のことを言い出すとこれはもう何もできないわけですから、そこをどうバランスをとっていくのか。難しいところではありますが、やはり都市における環境問題、自然の豊かさの回復ということは大変重要な政策目標になるはずでございますので、ぜひ前向きにお考えいただきたい、こういうふうに思います。
 関連の質問になりますが、そういうことで私は、治水緑地を兼ねましたビオトープ型の都市公園をもっとふやして都市河川を主軸にした水と緑のネットワークをつくっていかない限り、都市におきます自然の豊かさの回復なんというものはできないのではなかろうか、こういうふうに思っておりますが、建設大臣にお聞きしたいと思います。
 土地政策審議会の答申でうたわれております都市政策の目標でございます自然の豊かさの回復を今後どのように実現しようとしておられるのか、ひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 御指摘のように、我が国の都市が欧米の都市と比較をしてみましても、とてもじゃないけれども人間の住むような環境ではないと言っても過言ではない状況であります。ペンシルビルが乱立をする墓場のような都市になっているんじゃないかとも言われる、墓場ですら緑があるわけでありますが。そういう意味で、委員の御指摘のことは、ただ住んで、寝れればいいとか働ければいいというものでは私はないと思いますので、全く同感であります。
 建設省としては、グリーンプラン二〇〇〇という政策を昨年の暮れに打ち出しておりますが、街路事業にいたしましても、あるいはおっしゃいますような河川改修等を行う場合におきましても、民間がマンション等を建設していくあるいは個人が家を建てる場合においても、やはり緑というものを意識的に組み込んでいくことを国民運動的にぜひお願いもしたいということでやっておることは委員も御承知のとおりであります。
 そうしてまいりたいわけでありますが、河川局長が今言いました、一方ではすさまじい自然災害に襲われている、災害国家日本ともいう国であります。土石流に対しましては全国八万カ所、危険箇所がございます。
 この間、鹿児島のあの現場、あそこも危険地域に指定はしておりますが、全国の他の地域に比べて特別あそこが危険度が高いという認識をしておったところでもございません。シラス地帯でもございません。普通の土壌のところだ。行かれた方はおわかりですが、今にもがけ崩れが起きそうな急峻な斜面でもありません。ミカン畑が一帯に広がっておる、素人から見ますとまさかというような感じのする、そういうところで起きたわけで、しかも雨が降りやんでから四、五時間たった夜中に起きたわけであります。あのとき、十四メートルの堤防が七割方完成しておったわけでありますけれども、ほとんど完成しておったと言ってもいいわけであります、機能としては。もしこれがなければ六、七十名の方々が一瞬にして生命を失われておったであろう、これはほぼ間違いないと思います。二十一名の方、本当にお気の毒でございました。
 そうした状況でありまして、御承知のように全国八万カ所ございます。優劣といったらむしろもっと危険度が高いところがたくさんあるかもしれません。そういう人の命を守るということが国土行政の前提になければならぬことで、快適であるということも大事でありますけれども、そういうことが私はやはり基本であると思います。
 そういう意味で、残念ながら七%カットされたわけで、何かこちらを向いているからこちらという意味ではございませんが、七%公共事業をカットされた中でそうした万般の責任をどう果たしていくか。事業の中身も我々としては今度は本当にきつうございます。六十二年のときは国が切った分を地方自治体が肩がわりをいたしました。今度は単独事業はほとんど期待できません。そういう状況の中で、まず地域の安全を含めてどう守っていくかという大変な課題の中で、しかし、委員が御指摘のように都市に国民の相当数が集中をしておる、その方々に心身ともに快適な御生活を送っていただくには、我々としては予算の中身をどう工夫していくかということを今真剣に考えておるわけでございますので、委員からも細かくひとつ御指導を賜りたい、このように思っている次第でございます。
○岩井國臣君 確かに安全の問題、災害の問題は極めて重要な課題ですから、それを無視して環境問題に取り組めというようなことを言っておるのではなくて、両々相まって、都市における自然の豊かさの回復というものもまさにこれからの都市政策の重要な課題になるということを今申し上げておるわけで、ぜひひとつその辺の認識をきっちりお願いしたいと思います。
 さて、次の問題に移りますが、次は中小・中堅建設業の受注機会の確保という問題でございます。
 御承知のとおり、官公需法という法律がございます。公共工事の発注におきまして、中小建設業に対しては契約目標というものを定めまして、国全体としてその契約目標が達成できるようにそれぞれの発注機関ごとにしかるべき配慮をしていく、こういうことであります。
 建設省所管の公共事業では中小企業向けの実績はどうなっているのか、平成五年度、六年度、七年度、そして平成八年度の数字を教えていただきたいと思います。
○説明員(小野邦久君) お答えを申し上げます。
 建設省の直轄工事における中小企業向けの発注の比率でございますけれども、御案内のとおり、平成六年度は若干低下をいたしました。全体としての契約金額が低下をしたということもございますが、平成六年度は四〇・一%に落ちたわけでございますが、中小建設業等を取り巻く大変厳しい状況にかんがみまして中小建設業者の受注機会の確保対策に取り組みました結果、平成七年度の受注・発注実績でございますけれども、四四%、また平成八年度は四五・七%ということで平成六年度の実績を上回る結果になったところでございます。
 平成九年度予算の執行に当たりましても、引き続き中小・中堅業者の受注機会の確保対策をどうするか、これは大変強い大臣の御指示もございまして、鋭意取り組んでいるところでございます。
○岩井國臣君 平成六年度は指名契約制度の大改革によって大混乱がございましたですね。大手ゼネコンに受注がかなりシフトしてきた。建設省の特段の御努力によりまして、今の御説明にもございましたけれども、全国的にはおおむねもとの状態というか平常状態に戻ってきたということでございます。まことにありがとうございました。
 しかし、問題はまだ残っておるんですね。地域的にA業者とB業者とC業者のバランスが崩れているところがある。例えば兵庫県におきましては、中小建設業の受注実績、平成五年度が三五・二%、六年度が三一・八%、七年度が二三・八%。平成七年度は大幅に減りました。
 中小建設業の皆さんが、あの大震災の直後に人命救助からいろんな救援物資の運搬、仮設トイレの設置だとか水の運搬、万々おおよそ大手のゼネコンができないような、血の出るような努力をされたわけであります。
 平成七年十月三十日の決算委員会で私はそのことを取り上げさせていただきまして、建設省もそのことをお認めになりました。そして、中小・中堅建設業の参加機会を拡充するということをお約束いただいたわけであります。
 さらに、昨年七月二十四日の決算委員会でも再度この問題を私は取り上げました。大手ゼネコンが仕事を取りまくり、地元建設業には期待していたほどの仕事をさせてもらえないというふうな不満等、それから道路の舗道工事のロットが長過ぎると、ロットの問題につきまして不満の声を紹介させていただきました。
 その結果かどうかわかりませんけれども、平成八年度の受注実績は二八・七%と平成七年度より少しよくなりました。しかし、平成五年度の水準には遠く及ばない。これは兵庫県の場合です。そこで、まだまだ地域的なアンバランス、全国的にはかなりよくなっているんですけれども地域的にはまだまだ問題がある、こういうふうに思います。
 ちょっと時間がございませんので、お願いだけさせていただきます。
 ぜひひとつ地域的なきめの細かい配慮を、全国グローバルでどうだじゃなくて地域的にもよく目を光らせていただきたいということをお願いだけさせていただきまして、次の歩切りの問題に移らせていただきたいと思います。
 さて、先ほども申し述べましたように、市町村の起債事業につきましても会計検査のメスを入れてほしい、これが私の会計検査院に対する切なる願いでありますが、私はもう一つ会計検査院に切なる願いを持っております。
 現場における非破壊検査を多用してほしい。現在、会計検査院が行っておられる検査というものはおおむね書類審査なんですね。書類審査では何ぼ膨大な書類を用意させても手抜き工事というものは見つかりませんよ。一昨年十月三十日の決算委員会で取り上げさせていただきましたけれども、阪神・淡路大震災で多くの手抜き工事が見つかりました。その点につきましては建設省も会計検査院もお認めになりませんでしたけれども、私はこれは周知の事実ではなかろうか、こんなふうに思っているんです。
 そこで質問になりますが、昔ほどでないにしても手抜き工事は今もあるのではなかろうか。近年は歩切りとかダンピングまがいの安値受注が横行しておりますので、手抜き工事が今大変増大しておるのではなかろうか、私はこんな心配、懸念を持っておるわけであります。このことにつきまして会計検査院の認識というものをお聞きしたいと思います。
○説明員(大和顕治君) 会計検査院では、公共工事の執行額が多額に上っておりますことから、従来から重点を置いて検査をしているところでございます。検査に当たりましては、工事の計画、設計、積算、施工の適否及び公共工事そのものの事業効果など多角的な観点から検査を実施して、その結果を毎年決算検査報告に掲記しております。
 決算検査報告に掲記したもののうち、工事の施工に関するものといたしましては、施工が不適切で工事の目的を達していない事態を最近五年間で見ますると、毎年二ないし六件指摘してございます。
 施工が不適切となっている事態の原因といたしましては、発注者側の原因といたしましては工事の監督検査が十分でなかったということになるわけでございますけれども、逆に受注者側から見ました場合にはいわゆる手抜きと称するもの、もしくは施工ミスと称するようなものが考えられるわけでありますが、会計検査院が指摘している事態のほとんどを分析してみますと、いわゆる施工ミスによるものが大半と認められるわけでございます。
 このようなことからいたしますと、手抜き工事が近年特に増大しているという認識は検査した範囲におきましては持ち合わせていないというわけであります。
 しかしながら、阪神・淡路大震災の教訓によりまして構造物の安全性が強く要求されていることもありまして、今後とも会計検査に当たりましては、当局の監督検査が十分でないと認められるような工事、もしくは予定価格に比べまして著しい低価格で入札された工事などが見受けられました場合には、先生の御指摘の手抜きの有無も念頭に置きまして、施工についてより一層重点的に検査をしてまいりたいと思っております。
○岩井國臣君 一昨年十月三十日の決算委員会で私の質問に対しまして会計検査院はこういうふうにお答えになっております。
 本院におきましては限られた人員によりまして効率的な検査を実施してきておりますが、特に本年は阪神・淡路大震災で公共構造物に多大な被害を受けておりまして、公共構造物についての安全性に国民の関心が非常に高まってございます。こういうような点を考慮して、今後検査に当たりましては、新しい検査手法の開発だとかあるいは職員研修の充実などを図りましてより一層効率的な検査を行ってまいりたい云々、こうあるわけですね。
 そこで質問ですが、私の質問に対してお答えになりました新しい検査手法の開発というのは現在どういうふうになっておりますか。
○説明員(大和顕治君) 先生御指摘のように、さきの決算委員会におきましてそのような御答弁を申し上げたところでございますけれども、その後の状況でございますが、まず職員研修につきましてでございますけれども、検査院では、年間の研修計画を定めまして、効率的、効果的な検査のための職員研修を実施しております。その中にありまして、公共工事の検査に関する研修につきましては、私どもの安中研修所におきまして新たに八年度から予算をちょうだいいたしまして工事検査実習施設を現在建設しているところでありまして、この施設を使用しまして工事検査の研修の充実を図ることといたしております。
 この工事検査実習施設では、種々の公共工事において建設される構造物のモデルを築造しまして、この中には施工不良の状況を示したものなども考えておるわけでございますけれども、この施設により研修を行うことで、例えば設計図書と構造物の照合の方法であるとか、非破壊検査機器などの各種検査機器の使用方法の充実であるとか、破壊検査が必要な場合の判断と方法であるとか、なお、構造物の表面の現象、例えばコンクリートにクラックがありますと、そのクラックの位置とか形状などから施工不良の状態を発見する方法といったようなことなどによりまして、より実践的な検査技術の習得を図ることといたしておりまして、あわせて、ともにさらに検査技術の向上を図りたいということを考えておるところでございます。
 次に、新しい検査手法の開発につきましてでございますけれども、阪神・淡路大震災以来、構造物の安全性が特に注目されているわけでございまして、さらに近年、補助工事等で設計ミスにより構造物の安全性が損なわれている事例を指摘しているわけでございまして、こういうことからいたしまして、主に補助工事における設計が適切かどうかということを検査する一つの方法といたしまして、パソコンによる設計チェックを、設計ソフトを導入して新たな検査手法として実施しているところでございます。
 今後とも、職員研修の充実と新しい検査手法の開発に努めてまいりまして、より一層効率的な検査を行ってまいりたいと考えております。
○岩井國臣君 現在は、現場の非破壊検査というのはほとんど行われておらず、手抜き工事というか不良工事の発見は書類検査が中心になっている。したがって、本来施工のために不必要な写真とか書類がただ単に会計検査のためだけにいっぱつくられておる。施工業者は悲鳴を上げておるんですよ。何でそんなに膨大な写真や書類が必要なんでしょうか。国民が一般の写真屋で現像して焼き増ししてもらいますね。国民が撮っている写真よりも工事現場で、公共工事で撮られている写真の方が多いというんです。膨大な写真を撮らせているんですよ。
 ちょっと時間がございませんので質問をやめて要望だけにさせていただきますけれども、でき方をチェックするのであれば、現場の非破壊検査が中心にならなきゃいかぬというふうに思います。これは会計検査院としては特段そういうことを要求していないと。従前の手続というか考え方でやってもらえばいいんで、特段会計検査のために余分な写真を撮れとか書類を整えろとか、そういうことを一切していないということのようですけれども、やっぱり会計検査というのは意識してやるんですね。ですから建設省も、これはちょっと余りにも膨大過ぎますので、ひとつこれよろしくお願いしたいと思います。
 次に、品質管理の国際規格ですね、いわゆるISO九〇〇〇シリーズに関してでございますが、これによりまして、今後、発注者と受注者の権限とそれから責任、権限と責任というのは裏腹だと思いますが、発注者と受注者の権限と責任の明確化を図っていく必要があるのではなかろうか。今後、ISO九〇〇〇シリーズが普及していけば、会計検査も現在のものとは随分変わるのではなかろうか、こういうふうに思います。限られた人員の中でもっと効率的な検査ができるはずでございます。
 発注者責任ということで言いますと、会計検査院は市町村におきまして近年横行しておる歩切りについてどう思っておられるのかよくわかりませんが、歩切りというものは公共構造物の品質低下につながるおそれがあり、絶対にあってはならないものだと思います。つまり、公共構造物の品質確保につきましては、施工業者の責任が最も大きいと思いますけれども、やはり発注者の責任も見逃すわけにはいかないのではなかろうか。ですから、私は会計検査院に歩切りについてしかるべきチェックをしてほしいというふうに考えております。
 時間の関係でちょっと質問は省略いたしまして、発注者責任というものを厳しくチェックするということを要望だけさせていただいて、次に移りたいと思います。
 建設省にお聞きします。
 昨年七月二十四日の決算委員会でも私は歩切りの問題を取り上げました。去る四月に「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針」なるものが策定されたところでございますが、特に最近、このコスト縮減が歩切りという安易な方法につながりはしないか、そういう懸念が大変深刻になっておるんですね。建設省は今後どのような措置を講じていこうとしておられるのか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(小野邦久君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、今私ども関係各省とも十分協力をいたしまして、あるいは内閣の方針として建設工事のコスト縮減対策に取り組んでいるわけでございます。中央でコストの問題を言えば言うほど地方で歩切りが起こる懸念があるのではないかというのが先生の御指摘ではないかというふうにも思うわけでございますが、一般的に、設計書金額の一部を正当な理由なく控除して予定価格を作成するいわゆる歩切りでございますけれども、これにつきましては、工事価格だけを下げるということになりますと、その下にある下請業者とか、あるいは資機材の供給業者とか、あるいは直接は労働者自体に大変不当なしわ寄せが起こりがちだと。また、結果として品質にも大変大きな欠陥が出るのではないかというような点も懸念されるわけでございます。
 したがいまして、私どもコスト縮減の行動指針の中にも、不当なしわ寄せが今申し上げましたような下請業者、資機材供給者、労働者というようなところに起こらないように十分留意するようにということを明記して今指導いたしているところでございます。
 特に、発注者の責任につきましては、この趣旨を、単に通達を出すというだけじゃなくて、主管の課長会議等であらゆる機会を通じて徹底をしておりまして、今後とも歩切りの防止につきましては状況把握も含めて各種の場を通じて徹底をしていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○岩井國臣君 自治省との関係におきましてはどのような措置を講じておられるんでしょうか。
○説明員(小野邦久君) お答え申し上げます。
 自治省の関係でございますけれども、公共工事は金額で大体七割以上が公共団体のお仕事、また件数で九割が公共団体のお仕事ということになるわけでございます。そうなりますと、政府でコスト削減のいろいろな努力をすることも、公共団体の御協力をいただかないと本当に十分な成果は上がらないわけでございます。
 こういう点を踏まえまして、私どもでは行動指針の趣旨を公共団体に徹底するために、自治省の御協力をいただいて現在建設省、自治省あるいは農林水産省、運輸省とともにコスト縮減に対する連絡会議を開催いたしましていろんな情報交換をやっております。
 特に、自治省におかれましては、ことし四月四日付で事務次官通達あるいは六月六日付で都道府県の総務部長あるいは指定市の総務局長等に行動指針、コスト削減方策の趣旨を十分徹底していただきました。また、あらゆる機会を通じて都道府県にも自治省と連携をとりながら種々のお話をするという形で進めているところでございます。
○岩井國臣君 言うまでもなく、補助金というものは適正に使われなければなりません。公共工事の場合、その執行者である市町村には当然発注者としての責任がある。予定価格というものは適正に設定されなければならない、間違っても歩切りがあってはならないと思います。歩切りによりまして手抜き工事が行われる心配があるというばかりでなくて、そもそもこの歩切りという行為は官尊民卑の観念に基づく唾棄すべき行為だと思います。このような官尊民卑の観念に基づく行為が横行しておるようでは、我が国はこれからの国際社会を先進国として生きていくことは難しい。こういう官尊民卑の観念に基づく行為は早急に根絶するよう国はあらゆる努力をすべきではなかろうか、こんなふうに思うわけであります。
 建設省は自治省の力をかりる必要が当然ありますけれども、建設省自体としても自分でやれることをやるべきではなかろうか、こんなふうに思います。公共工事というものは、予定価格が適正に設定されないと手抜き工事の心配があるものなんです。ですから、歩切りを行っている市町村に対しましては、補助金適正化法の精神からいって厳しく注意喚起をすべきではなかろうか、こんなふうに思います。
 いろいろ難しい問題もあろうかと思いますけれども、最後の質問でございますが、建設省は歩切りの防止に積極的に取り組んでいただきたい。建設省としての取り組み姿勢というものをお示しいただければと思います。
○説明員(小野邦久君) お話しのとおり、歩切りは正当な契約関係を著しく逸脱をする行為だと思っております。こういうことのないように、あらゆる機会を通じて関係機関とも連携をとりながら指導の徹底を図ってまいりたい、こう思っております。
○岩井國臣君 終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(宮崎秀樹君) 午前の審査はこの程度とし、午後零時四十五分まで休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時四十六分開会
○委員長(宮崎秀樹君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成七年度決算外二件を議題とし、建設省、北海道開発庁、沖縄開発庁、国土庁、住宅金融公庫、北海道東北開発公庫及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○海野義孝君 平成会の海野義孝でございます。よろしくお願いいたします。
 きょうは、時間も限られておりますので、大きく二つの御質問を申し上げ、いろいろと御教示をいただきたい、このように思うわけでございます。
 まず最初に、公共事業と財政の再建問題につきまして御質問させていただきたいと思います。
 御案内のように、昨年来、我が国の財政状況が大変厳しい状況にあるわけでございまして、そうした中で現在のそうした国民的な負担というものを後世代に先渡しすることは極力避けたいということで、現在、内閣を初めとしまして大変な御努力をされているということでございます。
 年初来、財政構造改革会議あるいは行革会議等におきましていろいろと御検討されてきておりまして、夏さなかでございますけれども、平成十年度の予算の問題がいよいよこれから各省庁概算要求といいますか、従来的に言いますと一括請求というかシーリング方式でおやりになりましたけれども、今回はいわゆるキャップ方式というようなことに改められて、いよいよこれから予算についての要求、そしてこれから年末にかけての審議が始まるということでございます。
 そういった点で、この公共事業と財政再建ということ、これはやはり一般経費の中で公共事業のウエートが高いということでこれの動向がいろいろ注目されるというわけでございます。後ほど建設大臣には御所見をお伺いいたしますけれども、まずこの平成十年度の予算の概算要求の新ルール、これがつまり新しい基本方針の中で新ルールが示されたわけでありますけれども、これは従来の概算要求基準、シーリングにかわってこういった危機的な財政状況を打開するための方策としてこういった新しい方針が打ち出された、こういうように言われているわけでありますので、その点につきまして三、四点ひとつお教えいただきたい、こう思うわけであります。
 これは大蔵省にお願いすることになろうかと思いますが、まず新しいいわゆるキャップ方式、それと従来のシーリング方式、これの違いといいますか、それの理念というか具体的な内容というか、そういったことについてまずは御説明をいただきたいと思います。
○説明員(寺澤辰麿君) お答え申し上げます。
 十年度の概算要求につきましては、先般六月三日に閣議決定されました「財政構造改革の推進について」に沿いまして行うこととしております。
 御質問の従来の概算要求基準の考え方と今回の違いでございますが、これまでの概算要求基準のもとでは、例えば経常的経費と投資的経費に分けて、一定の考え方の中で技術的、機械的な手法から概算要求の枠についての具体的な数値を示す手法でございました。
 今回の「財政構造改革の推進について」の中におきましては、個別の主要経費ごと、つまり公共事業関係費といったような主要経費ごとにめり張りをきかせました具体的な予算の量的な縮減目標が定められているということでございます。
 また、歳出の内容につきましても、例えば社会保障関係費について年金、医療などそれぞれの分野につきまして社会保障構造改革と言える内容を示している等、また公共投資予算に関しましても配分の見直しなど中身に踏み込んだ内容となっておりまして、各省庁はこうした歳出の改革と縮減の具体的目標に基づいて概算要求を行うこととされたわけでございます。
○海野義孝君 概略の御説明だったかと思うんですけれども、新しいキャップ方式によれば、例えば公共事業につきましてもかなり踏み込んだ、要するに新しい手当てというか方式でおやりになるんだと、こういうことですけれども、ちょっとまだやや抽象的だという感じがするんです。
 具体的にどういう点が従来よりはめり張りをきかせたというか、そういった面ではっきりしたのかどうかという点、その辺は何か御説明いただけますか。
○説明員(寺澤辰麿君) 委員御指摘のとおり、現在の厳しい財政状況の中で、まず取り組んでいくことが重要である課題といたしましては財政赤字の縮減を進めていくこと自体が重要でございまして、それが財政構造改革の課題であると考えております。そのためにまず歳出の量的削減に取り組んでいくということになっているわけでございます。
 この認識のもとで、さらに財政構造改革会議におきますあらゆる角度からの徹底的な議論の結果を踏まえまして先般の閣議決定がございまして、その中において個別の経費ごとの具体的な削減策、それから背景となっている長期計画にまでさかのぼった縮減目標を定めるといったような、これまでに例のないものとなっているということでございます。
○海野義孝君 これから具体的に平成十年度の予算の編成を行っていかれる中で、年内にはその輪郭というか全体像が従来とはかなり違った、まさにおっしゃるような新しい方式に基づく予算の編成、これはまた財政構造改革ないしは財政再建という面にも資する、そういったものであるということがはっきりしてくるかと、こう思うわけであります。
 実は、この公共事業関係費、たしか七%削減されるということでありまして、これは私は大変思い切った削減ということだと思います。ただ問題は、どうしてこれを削減するかという面と、今おっしゃったようなキャップ方式ということに基づいてそういった数字が出てきたというあたりの関係性というのがいま一つ私はよくわからないわけなんです。
 ということは、具体的に言いますと、公共投資の基本計画といいますか、長期の公共事業の十年計画とか、あるいは十数あるかと思いますけれども個々の、例えば五カ年計画等がありますけれども、時間的な問題とかいろいろその内容の問題等は、私はこの段階で急いでそれの中身を吟味し、これを変えていくということは大変難しいという意味で、まずその初年度に当たってはそういった長期の基本計画を、言うなれば二年ないしは三年間目標年度を延ばす。例えば十年を十三年にするとか、来年度あるいは再来年度で五カ年計画が達成するものをさらに二年間延ばすというような面。これはある面で言うと、金額的な面で、十年で使う部分を二年ないし三年引き延ばすということが結果的に七%の削減というような形で出てくる。これは私の大ざっぱな考えですから、そんな簡単なものじゃないと、もっとそこは踏み込んで御努力されたんだということをひとつ御説明いただければ。
 ということは、この平成十年度につきましては、そういった長期の御計画についての引き延ばしというか、先へずれさせるというように私はとれるんです。これ間違っていたらお許しいただきたいんですが、それをやりますと、じゃ次の年度からどうなっていくんだというような問題がまた出てくるわけでありまして、私は初年度の七%の公共事業の削減ということは大変多とするものでありますけれども、今後そういったことを続いておやりになっていくと、これは後ほどまた御質問申し上げますけれども、果たして財政再建ということで社会資本の整備等についてこれをどんどん切り捨てていくということが本当にいいことかどうかという点。これは大臣、大変高邁な御所見をお持ちのようですから後で篤とお聞きしたいと思うんですが、その辺との絡みからしましてもややわかりにくいので、もうちょっと詳しく御説明いただきたい。
 つまり、公共事業七%削減、それとキャップとの関連。これはどうも私にとってみれば十年でやるのを十三年にするというような、単純に年度を延ばすということで、内容的に構造改革に踏み込んだものであるということはなかなか私は理解できない、納得できないということなんですが、その点ひとつ明快に御説明いただければと思います。
○説明員(寺澤辰麿君) 私どもから御説明するのがいいかどうかちょっと疑問がないわけではございませんが、六月三日の構造改革会議の推進方策、閣議決定したものによりますと、
  公共投資基本計画については、本格的な少子
 高齢化社会の到来を間近に控え、後世代に負担
 を残さないような財源の確保を前提として、二
 十一世紀初頭に社会資本が概ね整備されること
 を目標としている計画の基本的考え方は維持す
 ることとする。
  他方、我が国財政の危機的状況等を踏まえ、
 集中改革期間中に、公共投資の水準を、概ね景
 気対策のための大幅な追加が行われていた以前
 の国民経済に見合った適正な水準にまで引き下
 げることを目指す必要がある。
  こうした趣旨を踏まえ、公共投資基本計画の
 計画期間を三年間延長することとし、ということで、内容の見直しも策定後の諸情勢の変化を踏まえて行うということとされているわけでございます。
○海野義孝君 これは今後いろいろと御議論もまた出てくるかと思いますから今後の問題にしまして、もう一点だけちょっと今の予算の問題でお聞きしたいと思うのです。私は、財政危機の打開という点では、結果的にもちろんそういった金額面、そういった歳出を減らすということは当然かとは思いますけれども、やはりこの機会に思い切った構造改革をするということが一番根本的な問題ではないか、こう思うわけであります。
 この点は後ほどまた大きな第二点で住宅政策の問題と財投改革の問題で御質問させていただきますが、このキャップ方式というのが構造改革の理念と目的に沿ったものであるという点がやっぱり私はまだいま一つ得心がいかないという部分があるんですけれども、これといわゆる特別枠で五千五百億、その中で生活整備の問題とあとは流通整備ですか、こういった公共事業関係では両方でたしか四千億とか、そういうようなのがあるんです。何かそういう従来の固定化されているような各省庁別あるいは具体的な計画別のマターについて、今度は特別枠によって多少のめり張りをつけるということになろうかと思うんですけれども、こういう固定化した配分の中で特別枠によって多少のめり張りをつけるということは、配分を流動化させるという面でこの方式というのはいささか疑問があるように思うんです。
 その辺は、キャップ方式に基づく新しい予算枠と、特別枠によって多少のめり張りをつけるということが今後のいわゆる配分の面における流動化問題を大変起こすんじゃないかという点は、特に問題はございませんか。
○説明員(寺澤辰麿君) 七月八日の閣議におきまして概算要求に当たっての基本的な方針が総理及び大蔵大臣から示されたわけでございますが、御指摘のように、今回の基本方針の中では、閣議決定に示されました主要経費ごとの枠の中でのさらなる重点化を図るということから、公共事業関係費につきましては、物流効率化による経済構造改革特別枠千五百億、生活関連等公共事業重点化枠二千五百億、合わせまして四千億円が設けられております。また、他方、経済構造改革に資する分野につきまして、環境、科学技術、情報通信等、経済構造改革特別調整措置千五百億円が設けられることになりまして、予算編成過程におきまして所管の枠を超えた総合調整がなされることとされているわけでございます。
 今後、各省庁におきまして、こうした方針に従いまして概算要求を行うこととなりますけれども、財政当局といたしましても、今後十分な吟味をした上で、財政構造改革に資するような重点的、効率的内容となる予算にしていきたいと考えております。
○海野義孝君 どうもいろいろとありがとうございました。
 では、この関係につきまして亀井大臣に御所見をお聞きしたいと思います。
 これは新聞で拝見しましたけれども、かねて大臣は財政再建というのは経済の活性化なくしてはできない、社会資本投資を減らしていくことが財政再建ではないというようなことをおっしゃっています。
 実は、きょうの新聞を見ましたら、アメリカは大変財政再建が進んでいるという中で、大臣のお考えの根底にあるような、ただ減らすだけが能じゃなくて、片やふやす方も考えながら両面作戦でやっていかないと一方では国民も企業も元気がなくなって、そういった中で一方ではとにかく減らせ減らせとやっていったらどうだと。
 私が大変心配するのは、昨日ですか、多田建設の倒産という問題、それから先般は東海興業の問題が出ました。これは大蔵省証券局等の問題というより公共事業に携わっている企業の問題で、午前中、岩井先生が中小企業のそういった建設問題についてお取り上げになりましたけれども、今はそういった上場しているような中堅企業までがばたばたといっているわけで、これは従来から言われたことでありますが、大変ゆゆしき問題であると私は憂うるわけであります。
 これから先、そういった財政再建というような中で、もちろんその手当てというのはいろいろあろうかと思いますけれども、バブル崩壊以後の今日までの間に我が国の経済立て直しの中で大変貢献してきたのはやはり公共事業関係というか、建設関係に携わっていらっしゃる、相当数これは人数もふえているわけです。それがここへ来てこういった問題が相次いで起こり始めている。金融の次は建設だと言われましたけれども、こういう問題が出てきますと、私は、やはり財政再建の問題と公共事業の今後について、いわゆる構造改革等の問題というのは大変大きな深い問題であるということなんです。
 そういうことで、直接御担当の亀井大臣に今後どういうふうにそういう面でかじをとっていかれるかということで、財政構造改革会議にはたしか大臣はお入りになっていないというようにも聞いておるので、この辺も私にとっては大変わかりにくいんですが、その辺を含めてちょっと。
○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘といいますか、私の意見も冒頭に御紹介していただいたようなことでお尋ねをいただいたわけでありますけれども、財政再建は、経済の活性化なくして、単年度の収支をマイナス、カットしていくという手法のみによっては達成できるものではないと、私はそういう考え方であります。
 アメリカ経済の現在の好調、また財政事情の改善あたりも、我々としては一つの他国の教訓として率直にこれを考えなければならないと、このように思っております。
 現在の五百兆を超える借金財政を解消するということは当然の話でありますから、単年度のそうした収支についても意を用いることは、一つの手法としてあってはならぬということを私は言っておるわけではございません。そうした中で七%カットということが公共事業について決められたわけでありますけれども、もうそういう前提の中で経済をどう活性化していくかということを考えざるを得ないわけであります。
 では、そうして国もカット、恐らく各知事さん等から意見を聞いておりましても、単県じゃほとんどできないということをほとんどの知事さんが言っております。それで、市町村、県を含めて、六十二年のときは国の財政支出をカットした分を自治体が補てんいたしましたけれども、このたびは往復びんたが参るわけであります。
 そういう中で、地域によって違いますけれども、地方によっては公共事業の地域経済に及ぼす影響というのははるかに一〇%を超えていく、場合によっては一五%、もっとという地域があるわけでありまして、そこが国と地方との往復びんたという形で地域経済に打撃を与えかねないという今本当に深刻な状況があると私は思います。
 緩やかな回復過程に入ってきておるという判断をしておるわけでありますが、これはトータルの話でありまして、業種間のアンバランス、また大企業、中小、零細のアンバランス、地域間の格差、大変なまだら模様の中での現在の経済の状況であります。これをトータルとしてきっちりと回復軌道に乗せていく、財政支出を減らすわけでありますから、民需をどう喚起していくかということが勝負であります。
 そのために、もちろん規制緩和等の措置を思い切って政府は今進めておるわけでありますが、規制緩和のみならず、ありとあらゆる知恵を出して、具体的に民需を喚起していくという思い切った施策をやっていかなければならない。七%カットしたから財政再建ができるだろうなんて言っておれる状況ではない。経済が縮小再生産の過程に入っていくことが一番怖いわけでありますので、そうならないためにはどうするかという、この一点に限られると思うわけであります。
 建設省としてやることを私はやる以外にないわけでありますから、建設省といたしましては、御承知のように、この間、容積率の緩和等の措置もいたしましたけれども、思い切った建築基準法の改正も今準備いたしております。密集市街地の整備の法律も成立をさせていただきましたけれども、安全な都市づくりという中で、市街地の再開発等の中で内需、民需を引っ張り出していく、あるいは電線の地中化等をもう進めておりますが、そういう形で予算の支出が民需を引っ張り出していくという点に着目をしながら来年度予算編成も私どもはやっていきたい。
 それとまた、これは東京都や大阪の方はへえっとおっしゃるかもしれませんが、予算がカットされるわけでありますから、それをどう使うかということになりますと、用地費比率の低いところに重点的に振り向ける以外にはない、私はこのように思っております。この用地買収費は、全部がそうじやありませんが、銀行預金に化けていきやすいわけでありますから、具体的な工事費等を含めて、経済に具体的に波及効果という形で寄与していける分野に予算を相当重点的に振り向けていかなければならないのではないか。このように非常に厳しゅうございます。今大蔵省がのんきな答弁をしておられます。のんきじゃないかもしらぬけれども、しておられましたけれども、我々としては七%カットというのは本当に大変なことでございます。
 長い話をするつもりはございませんけれども、御承知のように災害国家日本であります。鹿児島であんなことが起きましたけれども、全国にあれよりかもっと危険なところが恐らく八万カ所程度あるのではないかと思います。
 そういうことを含めまして、非常に苦慮しておることを御理解賜りたい、このように思います。
○海野義孝君 大変御丁重に詳しく御説明いただきまして、やはり量がカットされるというのはある面ではやむなしですけれども、質的な面で知恵を絞って、そういった公的な需要が民需につながっていくという効果にかけていくというお話、ごもっともだと思います。
 次に、今のこととも関係があり、ちょっとお触れになりましたけれども、公共事業を根本的に洗い直すということが私は大事だと思うんです。これは大臣でなくて各局で結構でございます。
 一つは、午前中も大臣の御答弁にもありましたけれども、いわゆる人災と言えるのかわかりませんけれども、相変わらず各地におきまして大雨が降るごとに洪水あるいは土石流といろいろな問題が後を絶たないということでございます。
 こういった危険地帯等、さっき大臣は八万カ所というふうにおっしゃったようですが、全国に相当あるんじゃないか、こう思うのでありますけれども、現実には防災工事というのにほとんどまだ手をつけていないというか、終わっていないということだろうと思うんです。そういった危険地帯の箇所は現在どれだけあるかという点、それと近年の防災工事予算の推移、こういったことについてちょっと御説明いただきたい。
○説明員(尾田栄章君) ただいま御指摘の土石流危険渓流の数でございます。先ほど大臣がお答えを申しましたとおり七万九千三百十八渓流でございます。そして、地すべりの危険箇所が一万一千四十二カ所、この二つの数字は平成五年の調査結果でございます。
 そして、今回も佐世保等で現実に崩壊が起こっておるわけでございますが、急傾斜地の崩壊危険箇所数は八万六千六百五十一カ所でございます。これは平成九年の調査でございまして、平成四年の調査では八万一千八百五十カ所でございまして、事業を進めましてもそういう危険なところに人家が建ってくるというようなことによりまして、この五年間に四千八百カ所がふえておるというのが現況でございます。
 それに対しまして、こいう防災に関します予算でございますが、こういう土砂害に直接関係をいたします砂防事業、そして急傾斜地崩壊対策事業等々を含めます治水事業全般で申しますと、これは当初予算案でございますが、国費でございますが、平成五年度が一兆一千九百七十二億余でございます。国の全体の一般公共事業に占める割合が一四・二七%でございます。平成九年度で申しますと一兆三千二百四十九億三千六百万余でございまして、公共事業全体に占める割合が一三・六九%という数字になってございます。
○海野義孝君 どうもありがとうございました。かなり配慮しながら、こういった防災工事については年々の予算の中でおやりになっているというように思います。
 後ほどまた御質問しますけれども、七月の冒頭にお出しになった建設白書の中でも触れておられますが、そういった社会資本の整備ということが経済成長を押し上げていくということでありますけれども、こういうような防災の必要があるところが全国に相当あるという問題は、結果的には社会資本の整備によって経済成長、それはその分による防災工事の予算がつくとかそういうことによる雇用の問題とか、効果はそれなりにあるかもしれませんけれども、少なくともこれは日本のそういう資源とか資産というものを傷つけていくとか枯渇させていくという問題でありますから、これはマイナスの問題ということであります。
 そういう意味でも、先ほどおっしゃったキャップ方式というような問題の中では、たしか流通、国民生活という問題に特別枠を設けるというようなことになっているというふうにお聞きしましたけれども、こういう防災問題等について、先ほどのあれですと予算は年々厚くされているようには思いますが、この辺はよくお考えいただいてやるべき問題ではないかというように思いますので、その点よろしくお願いしたいと思います。
 次に、公共投資の見直しという点は、本来その事業がどれだけの効果をもたらすかということを国民に示すということが大事であり、そういう面で国民経済的に見ても優先度の高いものから実施し、むだなものは切り捨てていく、こういうことが私は大事だと思うわけです。
 冒頭の話にまた多少逆戻りしますが、そういう意味でも、公共事業につきましても構造改革という問題は徹底的に行うということが大事であって、私が申し上げたように、従来のシーリング方式からキャップ方式になったということで、そういった枠の公共事業というものの抜本的な見直しということがどれだけ国民経済的に効果を生むかという視点からもとらえていっていただきたい、このように思うわけですけれども、その点につきまして建設省のお考え方をお願いしたいと思います。
○説明員(小鷲茂君) ただいま御指摘の点につきましては、つい先般私どもから出させていただきました平成九年版の建設白書におきましても指摘をしておるわけでございます。
 この白書の中で述べておりますことは、いろいろ公共事業に対する御批判のある中で、これを効率的、効果的に実施していく側面として二つの側面を御披露いたしております。一点は効果的、重点的な事業の実施をしていくための仕組み、二つ目は透明性のある事業を実施していく仕組み、この二つの側面で対策を御披露しているわけでございます。
 まず最初の効率的、効果的な事業の実施という面につきましては、既にことしの四月に公共事業のコスト縮減対策を打ち出しておりますが、こういった諸対策に基づきまして工事執行のコスト縮減対策を進めるということがまず言えるかと思います。
 二つ目には、事業箇所の重点化ということでございます。これは、一カ所当たりの工事費のロットを大きくすることによりまして早期に工事を完成させる、そのことによりまして公共事業の経済効果を早期に発現させる、こういう趣旨でございます。
 それから三つ目には、よく言われております一部補助金の廃止あるいは統合、さらには事業の採択基準の引き上げ、こんなものを考えておるわけでございます。
 さらに、透明性のある事業の実施という観点につきましては、大規模公共事業の見直しに関しまして、例えばダム・堰事業等につきましては、審議会を組織いたしまして、この中でいろんな御議論をいただきながらその御議論を事業に反映させていくという点、あるいはまた費用効果分析、コストベネフィッ十分析と言いますが、こういうことを特に新規の事業に対しましては適用いたしましていわゆる箇所づけの透明化を図るといったようなこと、あるいは事業の採択基準そのものを合理化し公表していくといったようなことによりまして事業の効率化、執行の透明化を図ってまいりたいと考えている次第でございます。
○海野義孝君 今、後で御質問しようと思いましたが、今年の建設白書の中のことについてもお触れになりましたので、建設白書に関する質問は割愛させていただきまして、次に財政投融資改革と住宅政策につきまして時間の範囲内で簡単に御質問させていただきたいと思います。
 ここで改めて多言を要しないわけでありますけれども、現在、財政改革の問題等に絡みまして財政構造改革の問題というのがあるわけです。これにつきましては、いわゆる財政投融資の入り口から中間、出口に絡んでいろいろな議論がありますけれども、なかなかこれは議論が進んでいないというような感じがいたすわけであります。
 そういった中で、亀井大臣御就任以後、御所管の住宅政策につきましては、これは大変重要な問題ではあるんですけれども、これについて大変思い切った改革の旗振りをおやりになっているということで、これもいろいろな問題がありますけれども、私は大変敬意を表するところであります。
 そういう点で、この出口の財投機関、すなわち特殊法人のあり方がいろいろ言われている中で、住宅金融公庫と住都公団、この二つについて現状及び今後につきまして簡単に、これは建設省住宅局かと思いますけれども、御説明いただければありがたい、こう思うわけであります。
 ちょっと私、大分やりくりがまずくて時間が少なくなりましたので、簡潔にひとつポイントだけを御説明いただければと思うんですが、まず住宅金融公庫についてでありますけれども、現在の経営上の問題点、これについてお願いします。
○説明員(小川忠男君) 金融公庫は数次にわたる景気対策の過程で率直に申し上げまして非常に巨大化いたしております。それに伴いまして幾つかの問題があろうかと思います。
 ただ、率直に申し上げまして、現在時点で私どもが一番経営上の問題として直面しておりますのは、平成七年、平成八年、この両年にわたりまして大量の繰り上げ償還が発生いたしました。これはかつての比較的金利の高い時期にお貸しした貸付金が、最近の金利状況を念頭に置きまして民間への借りかえというふうな形で公庫への返済が進んだというふうなことでございます。ちなみに、平成七年には約十兆円、九兆九千億円の貸付金が返ってまいりました。平成八年では五兆六千億円というふうなことでございます。これに伴いまして金融公庫の財務が急速に悪化をしたという問題がございます。高い金利のものが返ってきて、それを現在時点では低い金利でしかお貸しできないというふうなことから逆ざやの状況が急激に拡大したわけでございます。
 これに対しまして、この公庫の財務体質の悪化にどういうふうに対応していくのかというのが当面の最大の問題でございます。
 幸い、平成八年度の予算でございますが、一千億円近い補正予算での措置というふうなものをお願いいたしましたし、また平成九年度の予算におきましてもいろんな意味で、資金の調達、貸し出し両面にわたりましていろんな改善措置というふうなものも講じております。
 また、具体的な金利の決め方というふうな点におきましても、例えば一つの例でございますが、今財投からお借りしております金利にむしろプラスアルファを上乗せした形で融資をいたしておるというふうなことで、従来は幾ら金利が低くてもそれに国費で補給金を乗せてより安くお貸しするというのが金融公庫の今までの慣行でございましたが、ここに来まして初めて、歴史的な超低金利の場合には借入金利に若干上乗せした貸出金利でお貸しするというふうなことで、多少なりとも公庫の財務体質を改善したいというふうなことでいろんな手を打たせております。
 一つだけあえて申し上げますと、今申し上げましたような繰り上げ償還に伴います財務体質の悪化をどうやって改善するのか、これが直面する最大の問題であろうと思っております。
○海野義孝君 そういった繰り上げ償還が大変ふえておりまして、その分によってさらにいわゆる金利差が拡大するということで、言うなれば補給金を一般会計から引っ張ってきているということですが、何か近年は金額が大きいために、その分を繰り延べるという形で特別損失金という形になっているわけですね。これが何か近年だんだん膨らんできているという問題ですけれども、これはどうなんですか。今後これは解消されていく見通しというか、そういったものがあるのかどうか。
 それから、ことしも、九年度に入りましてからも相変わらず超低金利ですし、繰り上げ償還的なことも起こっているんじゃないかと思うんですけれども、そういったことの先行き、現在の繰り上げ償還というか、特別損失の残高、それからこれが今後どのぐらいまで膨らんでいくか、これに対してはどういう解決策があるか、この辺についてお聞きしたいと思います。
○説明員(小川忠男君) ただいま御指摘になりました特別損失制度でございますが、歴史的には昭和五十七年度に既に制度としては創設されております。
 ただ、今問題になっております特別損失制度といいますのは、やはり繰り上げ償還に伴って、先ほどやや詳しく申し上げました逆ざや現象が生じておる。その逆ざや分を、これはかなり短期間の瞬間風速的な事象でございますので、これが生じた分を経理上は後年度に繰り延べるというふうなことでございまして、やや詳しく申し上げますと、平成七年度、それから平成八年度に生じた繰り上げ償還に伴います損失相当額の特損計上というのを、平成九年度から十三年度まで特別損失を計上することができるというふうな形で、これを平成十五年度から十九年度までの間に繰り戻すといいますか、繰り延べたものを再度補てんをするというふうな形で法律制度として先般の通常国会でお認めいただいたものでございます。
 今年度に入っても通常ベースよりはちょっと高い形で繰り上げ償還は若干ございますが、現段階では、今申し上げました法律制度の枠内でほぼ収れんするのではないだろうかというふうな形で将来を見通しております。
○海野義孝君 時間があと三、四分になりましたので、最後に総括的に大臣にまた御所見をお聞きしたいと思うんです。
 今の問題は、実は住都公団につきましてもお聞きしたがったんですが、時間の関係で残念でありますが、これを含めまして財政投融資改革の視点から、住宅金融公庫、住都公団など特殊法人改革に関する建設大臣の総合的な御所見を時間の範囲でひとつ承りたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 基本的には、民間にゆだねていい分野は思い切ってゆだねるということであると思います。これは住宅融資につきましても、また住都公団の事業につきましても、それが方向であると思います。
 ただ、いわゆる社会的弱者といいますか、そういうところの住宅需要に対して民間にゆだねておいてそれで大丈夫かという面があるわけでありまして、そういう面では、やはり中低所得者層に対して国からの補給金というような形、税金で一部面倒を見るという部分も出てこようかと思いますけれども、そういう部分はやはり私は残していかなければならないというのが基本的な考え方でございます。
○海野義孝君 終わります。
○益田洋介君 私は、まず最初に建設大臣に、昨年来、近畿地区の土木工事八百七十二件について談合が行われたということで、当時の平島栄西松建設取締役相談役が公正取引委員会に対して独禁法違反の疑いありということで申し立てを行ったという事件がございました。
 もともと平島さんという方は大林組の常務をされていた方でございますが、関西、近畿地方一帯の建設業界の業務部門のドンとして長らく存在をしておられた方というふうに伺っております。
 その平島さんが公取委員会に出されたいわゆる平島リストというのは、大口の百億を超える受注高の工事でいいますと、猪名川流域下水道、これは兵庫県発注の仕事でございます。それから神谷ダム、これも兵庫県。寝屋川南部調節地築造、これは大阪府でございますが、それぞれこの三件は百七十三億、百三十九億、百三十億という多額な受注額で発注がなされております。具体的には、平島さんの証言によりますと、大林組、鹿島、大成、清水、奥村といった建設会社を含む百五十五社の間で昨年度内で近畿地方だけで約八百七十二件の一般競争入札の際に談合が行われた、こういうふうなお話をされているわけでございます。
 この件につきまして、建設省の建設経済局建設業課と近畿地建が調査を行った。この結果について御報告がなされていると思いますが、大臣はこの結果についてどういうふうな御所見をお持ちか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 当初、平島さんですか、これの代理人と称する方が建設省に直接その談合の資料だと称するものをお持ちになられたということもございました。また、公取に対してもそうした申告といいますか、それをされたということもございます。またマスコミもいろんな形でそれが報道されました。
 私どもとしてはこれを放置いたすわけにはまいりませんので、経済局において関係者の事情聴取を初め徹底的な調査をいたしたわけでありますが、その間、平島氏を含めての関係者からの事情聴取、また各種の情報収集等の中で実態についての把握、残念ながら、平島さんが談合であったということを御自分で申告をされながら、後から公取からそれを取り下げられるというような、ちょっとわけのわからぬ行動をとられたわけでありますけれども、その間の事情の真相が何であったのか、また現に談合が行われたのかということについて、私どもの調査では極めて不透明な点が残っておるわけでありますけれども、談合の事実があったということは把握をいたしておりませんので、その旨、公取に対しても報告をいたしております。
 ただ、私はその報告を受けまして、非常に不自然な不透明な面が、私自身も納得しておらないので、さらに調査を継続するようにということで、今も調査は継続をさせておるところであります。
○益田洋介君 確かにそういったトーンのお話を大臣は調査結果が発表されてから記者団等にお話りになっていらっしゃるわけでございます。これは四月十一日のことだったと思いますが、大臣は、非常に不自然なところも多いので、再聴取も含め今後引き続き調査すると。それから、平島氏自身、あれだけの大騒動を起こしておいて、説明が極めて不自然である。日建連、土工協、建築業協の三団体に対して公正に受注競争するよう強く要請してきたと。
 調査の結果が果たして談合であったということが判明した場合にはどのような手段をおとりになる、措置をおとりになるおつもりか、それを伺いたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 現在もそういう形で調査は続行しておるわけでありますが、あわせて、委員が御紹介いただきましたように、関係団体に対して談合等があってはならないということの厳重な注意喚起もいたしておるわけであります。
 今、もしもというお話がございましたが、私は人を見れば泥棒と思えという立場はようとらぬわけでございまして、そういう意味では、調査結果がどう出てどうなるか、そういうあたりを見きわめてきっちりと対応してまいりたい、このように考えております。
○益田洋介君 大臣も法学部の出身でいらっしゃいますから当然御存じだと思いますが、刑法の談合罪、これは九十六条の三にございますが、談合罪を立件するための構成要因としては、公正な価格を害したか、あるいは不正な利益を得る目的であった談合であるというこの二点を立証しなきゃならない。この辺が非常にネックになっておって談合が立証された例がほとんどない。
 この刑法について、今行われている非常に巧妙な形での談合をきちっと取り締まるために刑法の改正が私は必要になってくるんじゃないか。あるいは法解釈について考え方を変えていかなきゃいけないんじゃないか。現実に適用して、全く談合の経緯がない、そうした痕跡が見られないというこういう調査結果を見ても、私自身素人ですが非常に異常な印象を受けるわけでございます。この辺については、方針はいかがでございましょうか。
○説明員(五十嵐健之君) 先生御指摘のように、談合罪につきましては、目的が一つの要件ということがありまして、俗に言いますと、立件になかなか難しい点があるとは言われているところでございます。
 ただ、こういう行為につきましては、談合罪の問題、刑法の問題と同時に、また独禁法上の問題にもなるというのが最近の関係当局における取り組み方針であります。そういった独禁法でありますとかあるいは刑法でありますとかいうような使える手段をフルに使いまして、こういう問題の解消に向けて取り組んでいただいておる、こういうところでございます。
○益田洋介君 私は、大臣の御意見も同じ点について伺いたいわけでございますが、一方で、独禁法ガイドラインというのがございまして、これによって合法であると認められている情報交換、結局ここにみんな逃げ道が設けられてしまっているんではないか、こういう意見も多々耳にしております。この辺については大臣どうお考えでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 私もかつて捜査二課長をやっておりまして、いろいろと経済事犯は嫌となるほど担当して取り締まった経緯もありますけれども、今御指摘のような建設業界をめぐるいろんな問題もあります。今の談合罪の話もありましたけれども、公正入札妨害罪ですか、そういうような法律も駆使をして警察当局が競争入札等が公正に行われるためのそうした捜査面からの努力もいたしておるわけでありますが、法律というのはどこまでどうきちっと整備すれば犯罪が防止できるかというのは私自身の経験からいいまして非常に難しい面があると思います。完全に性悪説の立場をとってがんじがらめにやってしまうことが果たして実際にそうした犯罪を防止する上において効果があるのか、またその上を行く知恵を出してくる場合もあるわけでありまして、もちろん不備な場合はきっちりとそれを改正して整えるという努力はしなければならぬと私は思います。
 こんなことを言ったら委員は答弁にならぬとおっしゃると思いますけれども、要は健全な経済活動をやっていく、経営者を含めて関係者のモラルの問題が私はやはり基本になってくると思います。そういう意味で、今行革と言われておりますが、心の改革を国民含めてやらない限りは、法律をもっと厳しくすることのみによって健全な社会が維持できるのかということになると、なかなか難しい面もある。
 ただ、委員がおっしゃいますような法の不備があるとすれば、これについては常に研究をしていくことは大事である、このように思っております。
○益田洋介君 大臣からモラル論を多々お伺いできるとは思っておりませんでした。
 もう少し基本的な問題、私は素人でございますので基本的な疑念というのがございます。
 仕事の受注に当たっての情報の交換とか調整といったことを情報交換と言ってしまうのかあるいは談合という言い方をするのか、こうしたことは必要ではないのか、必要悪というふうに言われておりますが、こうした調整がなされなかった場合には過当競争が高じて弱肉強食の世界に陥ってしまって、中小の建設業者というのは経営が立ち行かなくなっていくのではないかという声も一部では伺っております。また、地方公共団体が大型の工事を発注する場合には、技術的な問題、情報量の問題、設計の力もそうだというふうに伺っておりますが、そうした面を含めて地方の業者は中央のいわゆる大手ゼネコンに到底太刀打ちできなくなっていくのではないか、そういった懸念をする声もございます。
 大臣は、果たしてこの調整とか談合ということが社会悪なのかどうか、犯罪に妥当するものかどうか、その辺について率直にどういうお考えをお持ちですか。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、やはり基本的には、お互いにもうけを目的として、もうけを少しでもふやすためにいわゆる話し合いをして、そうしてある意味では国民の税金を余分に使っていくということはあってはならない、このように思います。厳重に取り締まられるべきものであると思います。
 ただ一方、一般競争入札を徹底していくことがいいのかどうかということにつきましては、私は非常にこの点については疑問がございます。ある意味では強者が弱者を資本力によってのみ込んでいく、ここの部分では徹底的に安値で入れて損してもほかのところでもうけるという形を戦略的にやってまいりますと、本当に力の強いところが結果的には何年かたちますと全国を制覇してしまうということも起きかねないわけでありますから、そういう面におきまして、一般競争入札という制度自身の持っている危険性というようなものも我々はいつも着目をしていかなければならない。また、新しい技術力、技術開発の努力、そういうものが応札にどう反映をされていくのかということについても、やはり指名競争入札というような制度の中から公正に客観的に役所側はそのあたりを評価もしていくという面も、私は公共事業を実施していく上において大事なことなのではないか、このように思います。
 そういう意味では、競争の公正性、透明性ということと、弱者を実際に受注という面で機会を与え守っていくという配慮を国が、自治体がどうやっていくかという、このあたりの調整は非常に難しいことでありますけれども、我々としては真剣に考えていかなければ、自由にしておけばそれですべてうまくいくというものではない。
 そういう意味では、随意契約といいますか、本当に役所が業者との妙な癒着が起きないで公明正大にずっとやっていけるというのであれば、そうした弱者に対しての配慮、あるいは技術力、いろんなものを総合的に判断して、機会を均等に、うまく発注をしていくというのも私は理想でもあろうかと思いますけれども、そうなると役所もうでばっかりと、またけしからぬ役人が生まれてくるという弊害もあるわけでありまして、そのあたり非常に難しいことであります。
 委員御指摘のように、この問題というのは一律にきちっと、黙って座ればぴたりと当たるというような方法がないことで我々も大変苦慮をいたしております。またいろいろといい御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○益田洋介君 もう少し大臣に具体的に、それではどうしたらこの談合の状態を回避できるようになるのか。法律を厳しくすればそれだけでいいのではないという御意見でございますので、当然聡明な大臣のことでございますのでお考えがあると私は思うわけでございますから、伺いたいと思います。
 全国市民オンブズマンという連絡会議の組織がございますが、そこが七月二十日から福岡市で全国大会を行いました。その席上で発表されたデータの一つに、落札価格の平均価格は発注者が設定した予定価格の平均九九%に当たるぎりぎりの値段で落札しているんだという結果が出ております。これは全国の場合でございます。
 ですから、入札価格というのが事前に漏れている、これは業界の方の言葉で言うと上限張りつきというんだそうでございますが、こういう発表がなされております。こういう点についてはどういう御意見をお持ちですか。
○国務大臣(亀井静香君) 私はこれについては見方があると思いますけれども、入札を希望している企業もそれなりに必死になって入札に参加するわけでありますから、積算基礎等を含めて発注者側とぎりぎり詰めてまいりましたら相当現実的には接近をしてくる可能性はあると思います。そうだから九九%と上限に張りついていると言い切る自信は私はございませんけれども、といって事前に予定価格が漏れておるとも断定はしかねるわけであります。
○益田洋介君 数字だけで申しますと大臣がおっしゃるようなぎりぎりのところまでということで、九九%入札価格の上限に張りついているのは非常に偶然的なものではないかという御主張は、現実的なものではないのではないかというふうに考える次第でございます。
 不調という言葉があるというふうに伺っております。これは最低入札価格が入札予定価格の上限を超えてしまう、そうすると不調になると。ほとんど不調になったものはない、こういうデータが出ております。九〇%以上は第一回の入札で全部決まっている。この辺の現状はどういうふうにお考えですか。
○説明員(五十嵐健之君) お答え申し上げます。先ほど大臣からも御答弁を申し上げましたけれども、積算に当たります、例えば標準歩掛かりでありますとかあるいは一般管理費率でありますとか現場管理費率でありますとか、それから最近は労務単価までそうでありますけれども、そういったものがオープンになっているわけであります。
 そういうできるだけ透明性を高めるというようなことから、発注に当たりましてのいろんなデータを提供しているわけでありまして、また建設業者の方々ももちろんいろんな経験を積んで、そういった一定の工事についてはこういうことになるのではないかというようなことでやっているわけでありますから、全く発注者側が何のデータも出さないでなぜ一発で当たるとかなんとかいうようなことではないわけであります。できるだけ適正な見積もりをしていただいて、それでその工事ができるかどうかというのを建設業者側、指名なら指名を受けた方にちゃんと計算をしていただいて、それで大丈夫という数字を出していただこうとしているわけであります。
 そういうデータの問題、できるだけデータを出しているということと、それから受注者側が非常に意欲を持って一生懸命その経験等に基づいて計算をしていく、その結果ではないかと思っております。
○益田洋介君 これもまた非現実的な御意見のように伺えます。
 入札に当たって、応札する業者すべてが実際に工事費を算定する、見積もりをするという例はほとんどないんだというふうに私は伺っております。ですから、当初から話し合いが持たれて、決まった会社だけが見積もりをする。見積もるためには調査もしなきゃいけないし、工法の検討もしなければならない、相当お金がかかる。だから、応札はするけれども、落札の予定をしていない建設業者は見積もりもしない、見積もりをした業者からどれぐらいの値段だ、こういう情報が与えられてそれで金額を決めるんだ、こういう話を伺ったことがございますが、この点はいかがでしょうか。
○説明員(小野邦久君) 大変生々しいお話をいただいたわけでございますが、私ども公共工事を発注する場合には、一般競争であれあるいは公募型指名競争入札であれ、いずれも予定価格を決めるわけでございます。受注業者の方々は、先ほど経済局長がお話しをいたしました積算基準あるいは労務単価、歩掛かりといったような公表されたもの、あるいは具体的な現場説明での工事の概要に基づいて具体的な積算をするわけでございます。自分が入れる札の価格をみずからつくるというのが大原則でございます。
 一般競争の場合にはあらかじめ、どういう方々に参加をしていただく、経験のあるなしとか、いろいろな一つの応募していただく条件を定めるわけでございます。これは公募型指名競争入札の場合でも同じでございます。原則として入札見積もりの、直接の札を入れるための価格の見積もりができないような企業と申しますか、そういうような方々が仮にあるとすれば、それは本来私どもでやっております入札には参加し得ないのではないか、こう思うわけでございます。
 先ほど先生からお話がございました刑法九十六条の三の一項に公正入札妨害罪という規定がございまして、最近では先生がお話しのような具体的に見積もり価格を積算できないような企業が、例えば発注者に予定価格を聞きに行くというような行為によって九十六条の三で捕まったという事例が一つ、二つ新聞等にも出ているわけでございます。
 私どももそういったようなことも十分勉強しながら、決してあってはならない談合の撲滅のためにいろいろな観点から発注者を指導しているわけでございまして、お話のようなことが仮にあるとすれば、それは実際に公共工事の入札に参加していこうとする企業としては大変不適切なものというふうに私どもは考えております。
○益田洋介君 非常に事務的なことで申しわけないですが、一問だけ質問させていただきたいと思います。
 公正取引委員会が九四年に、建設省に対してもっと積極的に刑事告発をしてもらいたいからということでガイドラインというのを発表しております。しかし、その後も告発件数は現在に至るまで四件しかない。公正取引委員会の根來委員長自身も、人員や法制面で十分な体制が整っていない、これが現状であると言っているわけでございます。
 私は、このガイドラインというのを入手いたしました。政府委員の方は御存じだと思います。大臣はこんな細かいことは御存じないと思います。「違反となるおそれがあるもの」、「原則として違反となるもの(及びその留意事項)」、「原則として違反とならないもの」、こういう一覧表があるんです。これ御存じですね。これがうまく機能していないんじゃないかと根來委員長がおっしゃっている。
 具体的に言うと、どういうふうに改善したらもう少しきちっとした形で指導が徹底できるのか、どういうふうにお考えですか。
○説明員(五十嵐健之君) ガイドラインにつきましては、そのもととなります独禁法の文章がどっちかといいますと抽象的といいますか一般的な書き方をしております。具体的にどういう場合にいけないかということがはっきりわからなければ、いつまでたってもこの関係についてはなかなか進まないという問題がありまして、そこで具体的にこういう行為は厳に慎まなければいけないと具体の行動のあり方につきまして示したものでございます。
 それをさらに、関係の組織ができておりまして、適正取引機構というのをつくりまして、ちょっと今手元に数字ございませんけれども、そこで年間一万人ぐらいになっていたと思いますけれども、講習をずっと重ねているというところでございます。
 それから、独禁法の違反事件につきましては、先生御指摘のように、確かに入札公共工事関係の違反事件というのは、例えば元年度はゼロとか二年度は四件とかいうようなことでございました。これは勧告とかあるいは課徴金納付命令とか、そういった件数でありますけれども、それが例えば平成五年度では十三件、六年度では十五件、七年度では十六件というようなレベルになっているというように承知しております。
○益田洋介君 この一覧表の中で私が注目しておりますのは、「原則として違反となるもの」の中の一の一の三、「入札価格の調整等」というのがありますが、この点がまさに平島氏が独禁法違反であるということで公正取引委員会に申し立てた中心になっている事柄であると思うわけでございますが、にもかかわらず、先ほど大臣がおっしゃったように、平島氏は申し立てを取り下げた。なぜ取り下げたと大臣はお思いですか。
○国務大臣(亀井静香君) 平島氏に聞いていただきたいと思います。私にはわかりません。
○益田洋介君 私は、九月から始まる予算委員会で、ぜひとも平島氏に国会においでいただいて、直接お話を伺うべきではないかというふうに考えておるところであります。
 先ほど大臣は、やはり業界全体のモラルを高めることが大事なんだ、法律を厳しくしてがんじがらめにしてしまってはいけないんだ、そのために役所がきちっとした指導をして徹底していかなければいけない、そういう御決意であるとおっしゃったわけでございます。
 最近起こりました刑事告発の中で、首都高速道路公団の建築工事をめぐって談合が持たれたという疑義が生じたわけでございます。この首都高の談合については、発注業者に関して道路公団の幹部の強い意思が、建設会社に就職をしている天下りの道路公団OBのところに連絡があって、OB間でつくっている首建協会、これは昨年の暮れに慌てて解散したそうでございますが、その中で話し合いが持たれて割り振りが行われていた。
 これはほぼ容疑が明確になりまして、残念ながら始末者を出さなきゃならない、事実であったという認定が行われたわけでございます。この事件について、大臣はどういうふうにお考えですか。
○説明員(木下博夫君) 今、先生の方から御質問がありましたところでちょっと私の方から訂正をさせていただきたいのは、これは刑事告発ではございませんで、いわば独禁法に基づく排除勧告を受けております。
 それはともかくといたしまして、昨年の七月に関係の企業あるいは公団に対して公正取引委員会が調査に入りました。おおむね一年近く公正取引委員会が種々の調査をいたしました。その結果を踏まえまして、去る六月三十日、お話のございましたように、建設会社十二社に対しまして首都公団が発注いたします建築工事、これは公正取引委員会の公表いたしました資料によりますと、平成七年度でおおむね九十億円ぐらいということでございますから首都高速の全体の工事の中では数%にも満たないわけでございますが、それはともかくといたしまして、建築工事に対して受注予定者を決定して、その受注予定者が受注できるようなそういう行為をしていた事実があるという指摘を公正取引委員会がしたわけでございます。
 私どもも同日付で首都高速公団に対しまして、公正取引委員会から再発防止措置をとるようにという申し入れを受けましたし、建設省に対しましても監督官庁といたしまして首都公団へ今後そうした事案が起こらないように指導をするようにということの要請も受けておりましたので、大臣からは、首都高速公団に対しまして公正取引委員会の申し入れ内容を踏まえまして早急に事実関係を把握して、総合的な再発防止策を報告するようにという強い指示をいたしました結果、七月十五日、先ほども御質問の中にございましたけれども、関係の職員の処分あるいは建設会社十二社に対しまして六カ月の指名停止をしたということでございます。あわせてこの問題は首都高速公団としても大変重く受けとめておりまして、種々の再発防止対策をまとめまして大臣に報告したというのが経過でございます。
○益田洋介君 私が大臣にお伺いしたがったのは、重ねて申し上げますが、業界のモラルを高めていくためには監督官庁がしっかり指導していかなきゃいけない。そのために努力をするんだ、不断の努力を続けるんだという大臣の御決意を伺ったわけでございますが、首都高速公団は建設省の監督下にある公団でございます。その監督下にある公団自身がこんなにモラルに反するような行為を行った、その件について監督官庁の大臣としてどのような御意見をお持ちか、これが私の質問だったんです。
○国務大臣(亀井静香君) 極めて遺憾な事態でございますので、理事長を私の部屋に呼びまして厳重な注意をいたし、さらに、首都高を監督する建設省の担当局長に対しましても厳重な注意をいたしておるところでございます。
○益田洋介君 理事長を大臣室に呼ばれ厳重な注意をしたと。私は、それだけで済む問題じゃないんじゃないかと思うんです。
 少なくともこの理事長は「理事長コメント」というのを出している、三谷浩理事長。どう言っているかというと、建設大臣から私に対し、文書による厳重注意がありましたので、私自身を含めた関係役員についてその責任を明らかにするとともに、関係職員に対しても必要な処分を行う所存でございます。こういうコメントを出している。ところが、処分されていない、だれも。この三谷さんという理事長御自身は一カ月の減俸ですよ、あと役員の方三人。それからこの担当の課長さんが六カ月の休職。それで終わり。
 こんなことでいいんですか、監督官庁として。業界のモラルを高めると言っているのに、こんなことじゃ全然示せないじゃないですか。本省のモラルがこういうでたらめなことだから、業界だって甘く見るんですよ。どう思いますか。
○国務大臣(亀井静香君) 厳罰ということがどの程度のことであるか、その尺度は私はいろいろおると思います。
 私は、事案の内容、その他に対する監督責任等、また当事者の責任等含めて総合的に判断をしてのそうした処分は、私は適切であるとこのように考えております。
○益田洋介君 しかし、常識的に考えて一カ月の減俸なんというのは痛くもかゆくもないわけですよ。処分したことにならないですよ、常識で考えて。
 それから、さらには発注者側が談合を主導しかという例では、日本下水道事業団、これももちろん建設省の監督下にあるわけでございますが、昨年の五月に有罪判決を受けている。刑事告発すれば有罪判決が出るんだ。何で今回していないんですか、答えてください。
○説明員(木下博夫君) 事務的なことについて私からお答えしたいと思いますが、告発行為は先生御存じのように、これは公正取引委員会が高検の方に告発等についての手続をするわけでございますから、発注者なりあるいは業行政を担当する建設省という立場ではないわけでございます。
 それから一ちょっと補足させていただきますが、先ほど大臣からお答えいたしましたように、大臣から公団の理事長に対して文書で厳重に注意したことを受けまして、公団の方は、理事長は一カ月ではなく三カ月の給与の返上をしておりますし、それから当事者である関係の課長は停職十五日、その他当時の上司でありました理事等につきましては、現在顧問でおりましたのですが、この担当の理事につきましては解職という処分をいたしました。
 それから、くどくなりますが、先ほど申し上げました再発防止の中には、情報管理を徹底する、あるいは職員に対する啓発をする、あるいは再就職口についての今後の対応、さらには入札制度についての改善という四本柱で公団の方からしっかり報告をいただきましたので、私も担当局長といたしまして、これらは今後適切にきちっとした形で行われることを、これからも随時必要に応じて報告を受けるというところまで現在進めております。
○益田洋介君 今、理事長の減俸は三カ月とおっしゃいましたが、間違いないですか、これ。文書で出してください、それ。私どもの認識では一カ月です。国会の場というのはそんないいかげんなことじゃだめなんです。一カ月と三カ月では大違いだ。答えなくていいよ、そんなの。文書で出してください、時間がないから。
 それで、刑事告発を今回公正取引委員会がしなかった理由は、検察と話し合った結果、事実認定や法解釈上の問題で若干無理があるんじゃないか、下水道事業団の事件に比較して。それで告発を差し控えたというわけなので、これも秋にやはり公取の方に来ていただこうと思っています。それで予算委員会の場できっちりどういう事情があったのか伺ってみないと。
 この下水道事業団の場合は理事長が更迭されているんです。まるっきり処分の仕方が違うじゃないですか、これじゃ。反省していない、首都高の問題は。大臣、どういうふうに考えますか、これ。
○国務大臣(亀井静香君) 反省をいたしておるというふうに私は確信をいたしております。そうした関係者についての人事面を含めての処置が妥当かどうかは、大臣である私が全責任を持ってやっておるというように御承知をいただきたいと思います。
○益田洋介君 大蔵省の方に来ていただいていて何も質問しないんじゃ失礼なので。
 住専問題以来、その前に大和銀行のニューヨーク支店の問題、それから大体今回の不良債権の問題というのは端を発したわけでございます。建設業界の不良債権というのは大分問題になっている。
 きのう多田建設が更生法を申請して事実上倒産した、こういうことになったわけですけれども、メーンの建設業界の不良債権の総額、それからこれは未回収工事金というんですか、焦げつきになりそうになっている不良債権、そういうのが多額にあるというように聞いておりますが、あらあらで結構ですが、概況をお話しいただきたいと思います。
○説明員(山口公生君) 私ども金融機関を監督しておる立場で数字等を把握できる範囲で申し上げますと、日銀の統計等によりますと、九年三月末の主要二十行の貸出金残高は三百九十五兆円でございます。そのうち、建設業というくくりでの貸出金は十四兆円でございます。したがって、パーセントは三・六%でございます。
 業種ごとの不良債権ということになりますと、全体としては不良債権額がかなり改善しているということはしばしば御報告申し上げておりますが、これが業種別になりますと、各金融機関に大変な事務作業を強いることになりますので、その提出を求めておりませんが、いろいろ報告を受けるときに各金融機関等に聞いてみた大まかな感じでは、他の業種向けの貸出金と比べて建設業向け貸出金の不良債権の割合が特に高いということは聞いてはおりません。
 ただ、建設業界を取り巻く厳しい環境を踏まえますと、今後、金融機関にとりまして新規の不良債権というものが発生する場合もあろうかと思いますが、各金融機関が抜本的な経営合理化努力等を行っており、また金融機関全体として不良債権問題を克服しつつある状況にかんがみますと、この建設業界に対するものを含めまして、不良債権問題を克服することは可能ではないかと思います。ただ、先ほども申し上げたような建設業界を取り巻く厳しい環境というものがございますので、関係各金融機関もそうした業界の経営状況あるいは将来の見通し等を十分勘案しながら適切に対応していっているというふうに考えております。
○益田洋介君 最後に、東京湾横断道路、ことし十二月に開通する予定でございます。これも奇妙な出来事なんですが、その建設に関しまして道路公団が五十億円の補助金をフェリー会社二社に支払っている。法的根拠は何にもないんです。当事者は知らないと言っている。支払いはなされている。これはどういうことですか、大臣。
○説明員(佐藤信彦君) 東京湾横断道路につきまして、旅客船事業に非常に影響が与えられますので、これに交付金を交付することでございますが、これにつきましては、道路建設に伴いまして必要とされる場合に事業主体からこういうものを交付するということにしております。この事業につきましては、法律が定められているかということだけではなくて、むしろ法律か要綱で行うかといったことにつきましては、具体の事業の状況によりまして事業主体が判断するといったことで行われております。
 この東京湾の事業につきましては、本四の話がございましたが、法律に基づいて行うか行わないかということはその事業の性質によって違いますが、本四につきましてはかなり一時的に大量な離職者が発生する、これによって受ける影響が非常に大きいといったことで立法措置等が行われているところでございます。東京湾につきましては、対象となる事業者が二社と非常に限定的なものでもございますし、そういったことも踏まえまして現行法の範囲内で処理できるといったことで、この交付金を支払うこととしております。この交付金につきましては、その事業者からの申請が上がってきた段階での判断ということになっておりますので、現在まだこの交付金については支払われておりません。そういった状況でございます。
○益田洋介君 時間がないので終わりますが、今おっしゃったとおり、本州四国連絡橋については特別措置法がつくられている。今回は、建設省と運輸省の局長間の通達だけで済まされている。私は、これは不自然だと思いますよ。
 時間だからやめます。
○萱野茂君 政府の行政改革会議の議論も六月には各省庁のヒアリングを終え、この十一月には最終報告ということで、いよいよ本格的な詰めの状態であると聞いております。
 一方、北海道開発審議会では、来年からスタートします次期の北海道開発計画の方向を定めます開発計画の策定という、北海道にとっては大変大事な時期にございます。この時期に、私から少し今後の北海道開発のあり方について議論をしてねきたいと思います。
 私は、本音を言いますと、開発という言葉、どうも余り好きではないのであります。ということは、私自身、北海道の先住民族でありますアイヌ民族の末裔としまして、自分たちの住む土地を他人によって開発され、その開発の結果、民族の生活や文化を滅ぼされ、民族の存在すら否定されてきたわけであります。開発という話感、言葉の響きには、怒りとかむなしさはあっても、もともと余りいい印象を持ってはいないのであります。できれば開発とか開発計画とかということではなく、何かもっと適当な言葉がないものかと日ごろ思っているものであります。きょうの場合は北海道開発庁にお伺いするわけでありますので、開発という言葉を使わせていただきましょう。
 初めに行政改革でありますが、今日、日本の社会、特に行政機関にとって行財政の改革の断行が我が国再生への道であり、財政改革と行政改革は表裏一体であり、避けて通れない課題であろうかと思います。北海道開発庁もそのらち外にはなく、こういうことは私も十分認識しているつもりでございます。
 ただ、最近の行革に対します議論を聞いていますと、どうも一面的でありまして、例えば財政的な側面のみが強調されるとか、一方では地方分権が言われながら、中央からの省庁の再編論、改革論ではないかなど、いろいろあるわけでございます。
 特に、北海道開発庁をめぐっての行政改革の議論は、単に省庁の再編とか省庁の改革にとどまらない問題を抱えているのではないかと思っております。国土の四分の一を占めます北海道という一つの地域を包括的に束ねている北海道開発庁の改革には、北海道という地域の将来がかかっている問題でありますから、地域の特殊性、それは国際的な環境ですとか、その地域の歴史的な特性ですとか、あるいはまた開発庁の生い立ちからして地方自治体との関係ですとか、多方面にさまざまなことに配慮しながら、北海道は将来どうあるべきかの確たる理念の上に立って、これにかかわる国の行政はどうあるべきかの議論を尽くしてほしいものであります。
 北海道の歴史を見ますとき、ここにも七月十二日付の北海道でのある新聞、道央のある市の開基百年の広告が一ページを飾っていますが、アイヌ新法が制定を見た現在も、アイヌが先住していた歴史は全く抹殺され、相変わらず人跡未踏の大地に先人がくわをおろして百年という意味のことが書かれているのであります。
 先住民族アイヌの歴史はさておき、一般的には北海道の開拓の歴史はわずか百年であります。この間、理想の大地とか食糧供給基地であるとか夢のある話がたくさんありますが、歴史の古い他の府県と比べたとき、決して平たんな百年ではなかったと思います。
 初期の開拓は、北方の防衛措置としての屯田兵移民、あるいは廃藩に伴う士族の移民などが国家の施策として行われました。戦中は、戦災疎開者の緊急開拓事業での入植など、戦後でいいますと、引揚者、復員者を対象とした緊急開拓事業があります。この戦後の緊急開拓事業は、昭和二十年十一月九日の閣議決定によるものですが、北海道に二十万戸、当時の北海道の農家戸数はおよそ二十万戸でありますが、これに対してこの入植計画は実態を全く無視した計画でありました。また、緊急に増田政策が進められる一方で、昭和四十五年からは米の減反政策が始まりますが、北海道には全国平均を上回る減反の傾斜配分が行われてきました。
 私が申し上げたいのは、資本の蓄積の乏しい北海道の百年の歴史は、一貫して国策のもとでの開発であり、また国策による負の政策の押しつけの場でもあったということであります。
 昭和二十四年には、それまで他府県同様に省庁の分割管理で行われていた北海道の開発政策について、これを一元化するために、総理の諮問機関として北海道総合開発審議会が設置され、二十五年には現在の北海道開発法の制定を見たのであります。当時は、各省庁の権益を侵すものであるとして省庁の強い反対がありました。また、地方自治との関係などでもさまざまな議論があったことを記憶しております。
 この間、北海道開発庁は、北海道における国の直轄の公共事業のうち農林、運輸、建設につきましては予算の一括計上を図るなど、大変重要な役割を担ってきました。現在、公共事業の総体につきましては、そのあり方を含め見直しを求める購い国民の世論がありますが、いわゆる省庁の縦割り行政を克服するとの点でいいますと、先見的灯一つのモデルがあったとして評価してよいのでけないかとも思っております。
 いずれにしましても、北海道開発庁をめぐる行政改革にあっては、北海道の将来を見据え、また私が申し上げた北海道開発の歴史と道民の世論を重視した説得性、先見性そして理想を大切にしていただきたいと思っております。
 そこで、行革についてでありますが、当事者にお伺いするのもいかがかと思いますが、それに臨む開発庁のお考えと御決意と申しましょうか、その辺についてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(稲垣実男君) 今、委員から、北海道の先住民族のアイヌの人々の声が切々と聞かされたような感じがしておりまして、アイヌ新法が制定されましたときに、本当に胸の中をえぐられるような切々な思いが私もいたしました。
 また、北海道は歴史的あるいは地理的な特殊事情等を有する地域であるというような認識のもとで、開発庁が出発しました当時は、やはりこれから豊かな開発の可能性を有する、我が国全体の課題解決に寄与することが大変期待されておった地域であることは間違いない。
 しかし、現時点においてどうかということになりますと、先生が言われましたように、開発庁のあり方というものが今問われておるところでありますが、現行の体制というものは、各役所の縦割り行政の弊害というものを排しまして、開発計画の立案から、そしてただいま委員が指摘されたように開発予算を一括計上し、現地北海道における国の直轄公共事業の実施までを一元的に担当するものであります。総合的に、また効率的に、経済的に、私は、開発庁のあり方というものが事業を推進する上におきまして相当な成果を上げてきたと考えておる次第でございます。
 以上のような認識を踏まえますと、今後の北海道開発体制のあり方を検討する上で重要なことは、引き続き北海道の開発を着実に推進するための仕組みが必要だ。先生は開発という言葉は余り好まないということですが、むしろ新たな視点に立って、開発という言葉でなければ振興させていくという、振るい興こしていくようなことが必要ではないか、そういう仕組みがやっぱり必要だ、私はこれは絶対必要であろうと思うんです。また、地域の実情に即した総合的な行政を推進する組織の体制がなければこれはいけませんので、それを確保することにあると考えておるのであります。
 今後とも、地元北海道の各方面の意見を十分尊重しながら、北海道の開発体制のあり方、奮い立たせるにはどうしたらいいかについて検討を進めてまいりたいと思います。
○萱野茂君 長官には、単に開発庁の権益とか省益を守ろうなどのお考えでの御所見とは思いませんが、これまでの認識に固執することなく、全く新たな行政の考えに立って、北海道開発庁のあめ方、役割、改革の方向について、内閣の中において奮闘されることをぜひお願い申し上げておきかいと思います。
 次に、これまた行政改革と密接に関連があるのですが、第六期といいますか、新たな北海道開発計画のあり方につきまして伺っておきます。
 北海道開発法の第二条には、北海道の総合開発計画は国が樹立するとなっており、その計画の目的は、「国民経済の復興及び人口問題の解決に寄与する」とあります。このように、この法律の制定は昭和二十五年でありますから、まさに戦後経済復興法なのでありましょう。したがいまして、このような法律自体、大変古色蒼然としたものであるばかりか、この目的にはそこに生きています道民の暮らしや文化などへの配慮は少なく、国家政策が優先され、計画の遂行を国策とする考えがにじみ出ているのであります。要するに、古いか新しいかという評価とは別に、この法律の趣旨、この計画自体が地域振興を目的としたものではないとの議論がもとからあるわけであります。
 いずれにしましても、この北海道開発計画は、およそ半世紀、北海道の地域開発、そして北海道の公共事業関連予算の計上の基礎となってきたものであります。半世紀にわたる事業でありますから、開発計画をめぐってさまざまな議論があり、さまざまな節目がありますが、私はこれまでの計画の一つの転換時期は第三期の計画であったかと思っております。
 第三期の計画は、苫小牧東部開発、石狩湾新港、青函トンネルや千歳空港の国際化、新酪農村の計画など、おくればせながら北海道でも重化学工業化への参加と国家規模での大型プロジェクトが具体化され、大きな転換を印象づけるものでありました。
 この第三期計画から四半世紀を迎えた現在、国際的には冷戦構造の終えんを迎えて初めての計画であり、国内的には経済が鎮静化し、産業経済の体質の変化が進み、財政改革や行政改革や地方分権という新たな時代の要求の中で初めて進められ、まさに時代の転換の中での計画を意味しているのではないかと思っているわけであります。
 この計画については、既に中間報告が出ておりますが、中長期的な総合開発のあり方の中核をなします基本理念は、自立する北海道を目指すとか、計画達成のための戦略をこれまでの国主体から主体の複合化を目指すなど、大幅な財政の縮減などが特徴であり、そのこと自体、これまでの北海道開発法が持つ法の趣旨からの転換を意味していると思いますが、いかがでしょうか。その点を一つ伺っておきます。
 さらに、これまでの行政実績なり開発効果を表現するとき、その尺度は予算の増減が物差しになってきたのであります。平たく言いますと、予算をたくさん確保することが自治体なり省庁の省益とされてきたのでありますが、そのような既成の価値観自体を転換する。少ない財源で行政効果なり計画の達成を可能にする価値観への転換が必要であると思いますが、いかがでしょうか。
 また、計画の背景をなします北海道の地域特性として、例えばロシアと極めて隣接する地域にあります。冷戦の時代には、北方領土の問題を含め、このことが緊張の要因、防衛の対象となってきたのですが、冷戦の終えんした今日、これは北に開かれた開発拠点、国際貢献、国際交流への期待になるわけでもありましょう。今こそこれまでの拡大均衡路線にかわり得る新たな北海道の役割として、計画の転換を明確にするときと思いますが、いかがでしょうか。
 また個別の公共事業についても、農業情勢の変化などを含め、受益の負担の限界など、さまざまな要因が出ている時期でもあります。苫東の開発を含め、見直すものは大胆に見直す時期にあると思います。その点も伺っておきます。
 最後に、計画の今後であります。計画決定までには、政府の行政改革の行方に関連いたしますので、それを見通すことは一省庁としてはなかなか難しいのでしょうが、計画の確定がずれ込んで、その結果、五期計画と新計画との間に空白時期が生じるなどのことのないように最大限の努力を払ってほしいと思います。その点をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(稲垣実男君) 大変幅広い観点から幾つかの視点に立っての御質問でございますが、まず先生から、自立する北海道を新たな理念に掲げること、これが北海道開発法の趣旨からの転換であると思うがどうか、こういったような御趣旨であろうかと思います。
 北海道開発は確かに先生がおっしゃるとおり、極めて広大な空間や恵まれた資源があります。私も何回となく北海道へ参ります。行くたびごとに北海道が大変好きになります。それほど自然というものは懐が大きいわけでありますので、訪ねる人たちをのみ込むほどの大きな力を持っているな、こう思うわけであります。
 そこで、我が国全体の発展にこれらの資源を役立てるために、北海道における資源の総合的な開発を行うことを目的としたものでございます。もちろん、この目的に沿った開発事業を推進するための開発計画というものは、自然を壊すのじゃなくてうまく生かしていく、こういう理念がなければなりませんし、その策定時の社会経済事情等を反映して定められるものでありますので、計画年次ごとの目標理念は必然的に進化するごとに交わってくるであろうと思います。
 新たな開発計画につきましては、委員御指摘のとおり、現在、北海道開発審議会におきまして調査審議を進めているところでありまして、審議会では、三月二十七日に「新たな北海道総合開発計画に盛り込むべき基本的事項」を決定したところでございます。
 ここでは新たに北海道開発の基本理念として、委員が申されましたとおり、自立する北海道の宝現、環境や資源を誇りを持って次の世代に引き継ぐ北海道の実現、多様な生活や文化を享受できろ安全でゆとりある北海道の実現を掲げているところでございます。以上のとおり、これらの理念は北海道開発法の趣旨に沿ったものであろうと思うわけでございます。
 次に委員は、隣接するロシアと国境が接しておるから国際貢献や国際交流の面でプラス要因ではないか、これを一つ明確に示すべきではないかという御指摘であろうと思います。
 当庁としましても、冷戦の終えんによりまして、北海道が北方圏諸国と東アジアのいわゆる結節点にあることの優位性はますます大きなものだと。今まで地図を見ておりますと平面的ですが、実は開発庁には今新たに地球儀を置いております。北海道の北緯四十五度付近をくるくると回しますと、北半球に属しておる国の大部分の首都といいますか、一番精力的にやっているところは大体この位置にあるわけであります。
 そういうようなことからいいますと、私はこの優位性をますます大きなものと認識しなければならぬと思うわけでありまして、今後の発展と交流の拡大が期待されておりますロシア極東地域との近接性というメリットを大いに活用することが極めて重要であると認識しております。ロシアとの交流は近年の水産物の輸入等によりまして非常に活発化しているだけではなくて、サハリンの大陸棚石油・天然ガス基地開発プロジェクトのいわゆる後方支援基地候補として道内の反地からも大分名乗りを上げられております。
 ロシアとの近接性が北海道にとってこれから大きなプラス要因になってまいると思いますので、去る三月二十七日に北海道開発審議会が決定した北海道総合開発計画に盛り込むべき基本的事項におきましても、そのことを踏まえて新計画の基本目標に北の国際交流圏の形成を挙げ、その主流施策として、東アジア、ロシア極東地方との多様な交流の推進を明示されているところであります。
 ちなみに、橋本総理が七月二十四日にある会合で講演されまして、米中ロ日四カ国の相互関係の中で日ロが一番立ちおくれておると。関係改善は両国が取り組むべき最優先課題の一つであるとして、そのために据える三原則として、信頼、相互利益、長期的な視点を挙げております。この原則に従い、両国がともに国益を喜び合えるような関係をつくることが肝要だと申し述べておられます。
 もちろん北方領土の問題等もございますが、そういうような点を踏まえまして、新計画案の取りまとめに当たっても御指摘の点が十分反映されるように努力してまいりたいと思います。
 残余の質問につきましては政府委員から申し上げます。
○説明員(青木東雄君) 大臣からお答えいたしました以外の三点につきましてお答え申し上げます。
 まず、少ない財源で計画の達成を可能にする価値観への転換が必要ではないかということについてでございますが、これまでのように右肩上がりの経済のもとでは、計画の早期達成や事業の早期完成に向けた予算を多く確保することが可能であり、そのことが評価された面があることは事実であります。しかし、今日の厳しい財政状況のもとでは、必要な予算の確保に努めつつも、予算の多寡のみを基準とすることなく、事業の重点化、効率化を進めることによりまして、限られた予算の中で効果的な政策転換を図ることが重要となっていると考えます。
 三月二十七日に北海道開発審議会が決定しました「新たな北海道総合開発計画に盛り込むべき基本的事項」におきましても、計画を推進する際の考え方として、費用対効果の重視や、事業の連携、総合化の促進を図ることによりまして、限られた財源のもとで、開発基盤の重点的、効率的整備に取り組むこととしております。また、産学官連携を促進するなど、国と地方、官と民の役割分担に応じた創意と工夫を凝らした取り組みを進めることによりまして効果的な政策を展開することにも努めてまいりたいと考えております。
 次に、苫小牧東部開発についてでございますが、苫小牧東部地域は陸海空のすぐれた交通条件を備え、高度な都市機能、産業機能等の集積する道央地域に位置するという恵まれた地理的条件などの優位性を有する我が国に残された貴重な空間であると考えております。このため、既に平成七年八月には、産業開発中心の開発からいわゆる複合開発に計画の見直しを行ったところでございます。
 現在の経済社会情勢におきまして、状況の厳しさはありますものの、港湾、道路、新千歳空港など、基盤条件が整いつつある当地域の高い開発可能性を生かしまして、産業、研究開発、居住機能が一体となった複合的な開発を積極的に展開していく所存でございます。なお、広大な地域でありまして、既に企業立地、基盤整備が比較的進んでいるところを優先的な開発推進区域として段階的に開発を進めていくこととしております。
 次に、計画に空白が生ずるなどのないようにとのことについてでございますが、北海道開発法には、国は北海道総合開発計画を策定し、それに基づく事業を当該事業に関する法律の規定に従い実施すると規定しているとおり、北海道総合開発計画は、毎年度の北海道総合開発を進める上での中長期的な指針でありまして、北海道開発予算の編成等、その推進に必要不可欠なものとされております。
 現行の第五期計画は平成九年度で終了することから、現在これに引き続く新たな開発計画の策定作業を進めております。御指摘のとおり、計画の空白期間をつくることは好ましくないことから、財政構造改革等の諸改革の動向をも踏まえつつ、関係省庁との連携を密にして、計画案の取りまとめに向けて鋭意努力してまいりたいと考えております。
○萱野茂君 次に、国道の通信網不通区間の解消について一つ伺っておきます。
 北海道は交通事故の多発地帯であります。死亡事故は例年ワーストワンという不名誉なことになっておりますが、統計のとり方によっては、例えば道路延長千キロメートル当たりでは三位とか四位とかであります。いずれにしても、北海道内で年間六百人からのとうとい人命が交通事故によって失われていることはどうしても回避しなければならないことであろうかと思っております。
 北海道における道路交通の基盤整備で言いますと、いまだ国道の未舗装区間があるなど、全国対比で見てもまだまだおくれております。道路管理者であります北海道開発局としても、公共投資に当たってめり張りのきく重点投資をぜひお願いしておきたいと思います。
 このことに関連いたしまして、国道の道路管理上の附帯施設について伺っておきます。
 私の家の目の前を国道二百七十四号線が走っております。この二百七十四号線は、北に向かいますと日勝峠を越えて十勝に入りますが、道央、道南圏と道東を結ぶ唯一の基幹道路であり、交通量は年々急増しております。日勝峠は標高一千メートルを超える峠道でありますから交通環境がなかなか厳しく、このために交通事故も多いわけであります。峠の下の日高町は人口二千五百人の小さな町ですが、昨年突然道内での交通事故率が一番になったということで驚いております。
 この日勝峠、実は数十キロにわたって通信網の不通地帯があるわけであります。山間地帯ですから携帯電話も通じない、人家も全くありません。交通事故が起きても救急車を呼ぶこともできないのが実態であります。この七月にNTTがサービス回線を一部に敷設し、多少緩和に向かっておりますが、道路を整備し管理する側としても、人命を大事にするという危機管理に必要な附帯施設の整備についてぜひ配慮していただかなければと思っております。
 この辺、通信網不通地帯に対しまして整備の計画があれば伺っておきたいと思います。
○説明員(佐藤信彦君) 通信手段の確保という御質問でございますが、特に平地部と違いまして峠部につきましては、まだまだ情報基盤の確保といったことがおくれた状態になってきております。その中で特に一たび災害や事故が発生した場合に、そういった峠部におきましては一般利用者からの通報をいただけないということでございますと非常に大きな問題になってきますので、建設省といたしましては、電気通信事業者に早くそういったところについての施設の設置等を要請しているところでございます。
 御指摘の一般国道の二百七十四号の日勝峠でございますが、現在、不感地帯でございます。これが二十キロほど残っております。今、先生からもお話がございましたように、この七月に二十キロのうちの十二キロがようやく解消されたところでございます。したがいまして、八キロが残っているかと思います。
 こういった区間につきまして、これは鉄塔等を設置していかなくてはならないわけでございますので、道路敷におきます。そういった施設の設置とか、それから移動通信サービスのための情報基盤の設置等、そういったようなこともあわせて電気通信事業者とともに積極的に対応していきたいというふうに考えております。
○萱野茂君 この事故のことでありますけれども、町民二千五百人の日高町のところへ一年に物損事故、人身事故を含めて四百件、そのうちの一割だけが日高町町民にかかわるもの、あとの三百六十はよそからの事故であります。それで出動するとか、いろいろ救急車が出るとかそういうこと、二千五百人の本当に小さな町にとっては大変な負担なんですが、開発局とかで何らかの方法がないものか、その点ひとつ伺っておきたいと思います。
○説明員(小野薫君) 今、先生から御指摘ございました日高町のこういう事故への対応の件でございます。先般も町長さんからその旨のお話は聞いてございます。開発行政でどういう形で御支援していったらいいか、今のところなかなか名案が浮かびません。政府の関係部署といろいろ相談しながら、ぜひ日高町のために積極的に御支援できるところは御支援させていただきたい、かように思っております。
○萱野茂君 次に、ウタリ福祉対策事業とアイヌ新法の関連予算のあり方について伺っておきます。
 大臣が十二分に御承知のとおり、アイヌ新法は、昭和五十九年に北海道ウタリ協会が要望を始めてから十三年を経て、この七月一日に施行となりました。新法にはさまざまな課題はありますが、旧土人保護法の廃止を含め、大臣には大変お世話になったことを改めてこの場をかりてお礼を申し上げておきたいと思います。
 私は、開発庁が所管省となったことについて、開発庁のあり方ですとか先住民族問題の認識にとりましても大変よかったのではないかと思っております。今後とも全力を挙げてアイヌ新法関連施策の取り組みについてお力添えをお願いしたいと考えております。
 そこで、来年度以降のウタリ福祉対策事業とアイヌ新法に関連します新施策の予算についてでありますが、新施策関連で言いますと、本年度は新法が施行されたとはいえ国の財政措置は一億五千万円でありました。一つの法律に初年度わずか一億五千万ということですが、新法が成立し、アイヌ民族の尊厳を大切にすると声高らかにうたいながら、ウタリ福祉対策が国の財政事情によって後退することがあっては、せっかくつくった新法のもとで次の日には新法でなく失望にならないようにお願いしておきたいと思います。
 政府のシーリングの方針として御配慮をいただかなければならないとは思っておりますが、幸いにウタリ福祉対策については、有識者懇談会においてもなお不十分との報告を受け、衆参両院での附帯決議にもその充実を求めておりますので、来年度の予算について大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(稲垣実男君) 北海道が進めておりますウタリ福祉対策を円滑に推進していくために、国におきましても北海道ウタリ対策関係省庁連絡会議を設置いたしまして、関係行政機関の緊密な連携を図りながらアイヌの人々の生活水準の向上等に努めてまいったところでございます。平成九年度の国のウタリ対策予算では、関係六省で合計約十七億円、対前年度比でいきますと一・五%増が計上されているところでございます。
 また、委員からお話がありましたとおり、私どもも大きな期待を持って、また委員が大変熱烈に推進役を買って出ていただきまして、本年五月八日に成立し七月一日に施行されましたアイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律、略称してアイヌ新法と申しておりますが、ヒの関連の予算といたしましては、まず本法の指定法人となる予定である財団法人のアイヌ文化振興・研究推進機構が行う各種事業に対して、北海道開発庁及び文部省に補助金約一億五千万が計上されているところでございます。
 当庁といたしましては、平成十年度の予算においてはこれらの施策の推進を図るために、大変厳しい財政状況の中ではございますが、所要のしかるべき予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
○萱野茂君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 終わります。
○谷本巍君 建設省にお伺いをいたします。
 六月に閣議決定されました「財政構造改革の推進」は、公共投資基本計画と公共事業関係の長期計画の期間を延長することによって投資規模の実質縮減を図ろうとするものであります。
 しかし、これをもって果たして構造改善と言えるのかどうかという点があるように思います。事業費の一律削減は事業費の省庁別配分を固定化いたします。現状を見てみましても、各長期計画の達成率には大きな差があります。一律延長は予算の非効率的執行体制を温存するということにつながりかねません。したがいまして、事業内容にまで踏み込んだ長期計画の見直しが必要ではないかと思います。
 建設省所管の公共事業の長期計画についても事業の重点化、効率化などその内容見直しを行うべきだと考えますが、どのようにお考えでありましょうか。
○説明員(小鷲茂君) 御指摘のありましたように、去る六月三日閣議決定されました「財政構造改革の推進」の中でも、公共事業関係の長期計画の扱いについて方針が示されておるところでございます。
 文書を読み上げて恐縮でございますが、三点言っております。一つには、「計画策定後、計画の前提となる事情が大きく変化した住宅については、事情の変化や財政構造改革の趣旨を踏まえ、公的部門の関与の在り方を見直す等今後の住宅政策を反映する方向で見直しを図る。」ということになっています。
 御案内のとおり、私ども所管の五カ年計画を八本持っておりますが、そのうちの一本の住宅について以上申し上げましたような方針が示されているわけでございまして、住宅につきましては住都公団の改革の問題もございますので、こういった点を踏まえて今後の住宅政策を見直した上で五カ年計画を新たにつくり直すということが今後必要になってこようかと考えております。
 それから、この閣議決定の中では、二点目といたしまして、「九年度末に計画期間が終了する道路整備・急傾斜地崩壊対策については、財政構造改革五原則を踏まえ、公共投資基本計画の実質的な縮減に留意しつつ、適正な改定計画を策定する。」ということになっております。
 この二本の五カ年計画につきましては、平成十年度から新しい五カ年計画をつくるべく、現在、御指摘のありました重点化、効率化、こういった視点を踏まえながら内容の検討を進めている段階でございます。
 それから三つ目といたしまして、これらの三つ以外の長期計画につきましては、現行の長期計画の整備の基本的考えは維持しながら、私ども関係の計画につきましては期間をそれぞれ二年間延帯するということがうたわれております。
 ただしかし、その場合には、基本的な考えは維持しつつと言いながらも、必要があれば事業の黄点化、効率化を図る等計画の内容の見直しを行うというふうにいたしておりますので、今後この方針に沿って対応していく必要があろうかと考えているところでございます。
○谷本巍君 それらの見直しを行う場合、事業効果の適切な評価を充実していこうということは従来とも言われてきたわけであります。
 そのこととの関連で若干伺っておきたいと思いますのは、例えばダムの建設について申し上げますというと、治水上の効果、発電上の効果等々のメリットがある。これに対して、環境問題として川の生態系の問題であるとか漁業上の問題等々からも幾つかの問題提起等々がいろいろな意味であるわけであります。
 そういう場合、直接的経済効果とそれから環境への影響のデメリットといいましょうか、そういうものをトータルした発想で問題をとらえていこうという視点でありましょうか。
○説明員(小鷲茂君) ただいまの御指摘は、個々の事業を実施するかどうかという際に大変厳しく問われる視点ではないかというふうに思います。
 御案内のとおり、現在、建設省では、大規模な事業、特にダム・堰等につきましては、地元の関係者を含めまして審議会を構成し、そこでいろいろ議論した上でその議論を事業に反映しようということを言っております。その中でも、ただいま御指摘になりましたような環境の問題その他が出てまいりますが、そういうものを現実には総合的に判断をして結論を出すということになるわけ体ございます。
 ただ、一点、事務的なお話になるかもしれませんが、現在私どもでは、個々の事業をやるかどうかという際に、いわゆる費用効果分析といいますか、そういったものを導入しようということで、特に平成九年度あたりから各部門検討を進めておるわけでございますが、その際に、例えば環境項目のようなものが貨幣的な価値で果たして評価でさるんだろうかという問題がございます。
 ただ、この辺につきましては、いろいろ欧米等の例などによりまして、そういった貨幣価値に置きかえるような先例的な研究も進んでおりますので、できるだけ同じまないたの上で比較できるような尺度があればそういうものを十分活用しながら進めていきたい、かように考えている次第でございます。
○谷本巍君 次に、工事コスト等縮減対策とそのフォローアップについて伺いたいのであります。四月に決定されました公共工事コスト縮減行動指針は、平成十一年までですか、工事コストの一〇%以上縮減を目指すというふうにしております。この種の事業の場合、例えば同じ橋をつくっても地形や地質によってコストがかなり違ってくるという場合があります。それだけに縮減実績の検証評価というのは非常に難しさが伴います。
 現に、建設省が平成六年に建設費縮減の行動計画を作成し実施してきたという経過、それからまた平成八年にまとめました公共事業の建設費縮減行動計画の場合でも、ほとんどの施策が五%以下の縮減にとどまってしまっていることが指摘されておりましたし、さらにまた、それとともに中間報告では、コスト縮減検証の難しさというのがわはり指摘をされておりました。
 建設省に伺いたいのは、コスト縮減の施策を検証評価し、さらなる縮減につなげていくためにどのようなフォローアップ策を講じていくようにしようとしているのか、その点について簡潔に承りたいのです。
○説明員(小野邦久君) お答えをいたします。
 先生御案内のとおり、定期的にフォローアップをしてその結果を公表する、それによって検証するということが大変大事だと思っております。
 ただその場合に、コスト縮減施策の中にはいろいろな施策がございますけれども、設計方法の見直しとか基準類の改正など比較的にその効果の計測が容易なものもございます。あるいは物流に係る規制緩和の結果、資材費がどうなるのか、当然安くなった場合にそれがどの程度のものであるのか、あるいは資材規格の標準化といってもそれが具体的にどの程度工事のコスト自体を下げることになったのかといった、そういう検証は非常に難しい部分がございます。
 ただ、そういうようなものでございましても、例えばモデル分析、具体的な当該工事を他の工事と比較をするモデル分析とか、あるいはマクロ的な手法等によってできるだけフォローアップの中で計測をしていく、確かな評価をしていくというふうに考えたいと思っております。
 計画自体の中で、フォローアップをやる、そして結果を公表するということをはっきりうたっておりますし、またそういう方向で他の公共団体とも十分御相談をしていく、こういうことでやっていきたいと思っております。
○谷本巍君 次に、大臣に公共事業コスト縮減と財政再建の問題について伺いたいと存じます。
 先ほど大臣は、公共事業コスト縮減の成果については社会資本の整備に振り向けていくとともに、経済活性化、とりわけ民需刺激といいましょうか、そこを念頭に置きながらやっていきたいというお話がございました。
 初めに伺いたいと存じますのは、経済の活性化というところに文字どおり焦点を据えていきますというと、弱者救済とは逆な結果が出てくる場合というのがしばしばございます。生活関連の社会資本の重点化を図っていく上で特に重視していただきたいと思いますのは、整備がおくれている分野それから地域への重点化を図りながら、地域格差の是正を図るようにひとつ配慮しながらやっていただきたいというふうに思うのですが、いかがでありましょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 私は委員のお考えと全然反したことをやろうと思っておるわけではございませんで、コスト縮減の果実は、それを例えばODAだとか社会保障に向けていくような余裕はございません、七%もカットされておるわけでありますから。公共事業の分野の中で事業を拡大していくということに尽きると思うわけでありますが、それは一つは、委員御指摘のように、経済の波及効果という視点も入れながら、地価の安いところの事業、これに向けてシフトしていくべきだと思います。
 また、弱者との関係で問題が出る、ちょっとこのあたり私、委員の御質問の趣旨がわからないわけでありますけれども、予算の執行が民需を喚起していく、引っ張り出していく。例えば電線の地中化なんかもその例でありますし、密集市街地の再開発、これは良好な住居環境をつくるという意味においても、これはむしろ弱者と言ったらおかしいんですが、非常に低劣な住居環境におられるある意味では低所得者層の方々、そういう方々が防災上も安全なところに住むなんというようなことについての土地の再開発、これが私は重要だと考えております。これがまた内需の拡大にもつながっていくであろうと、このように考えておるわけであります。
○谷本巍君 経済活性化をさせないというと財政再建というのは難しいということを大臣触れましたけれども、まさしくそのとおりであります。そのとおりでありますが、これまで公共事業費というのがかなり大きくなってきましたのは、景気浮揚、つまり経済の活性化というところにねらいがあって公共事業費を膨らませてきた。事実経過で言いますというと、その結果、財政の負債というのが非常に膨らんできたという大きなもう一つの側面があるわけであります。
 そういう点から見てみますと、先ほど大臣が言われましたように、活性化ということを念頭に置きながら重点化を図っていく、これはこれで非常に重要であります。だが同時に、思い切った縮減ということもあってしかるべきではないかと私は思うんです。
 先ほど、海野委員とのやりとりの中でアメリカの例が挙げられました。アメリカの場合も、大胆にもダムの建設をもうやめてしまおうというようなところまで踏み込みながら財政再建に取り組んできているというような状況があるわけですよ。でありますから、投資予算の削減ということもやはり念頭に置きながら私はやるべきだろうと思うんです。これは建設省だけに限らず、どの関係省庁についても同じように申し上げたいのでありますが、その点、大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 各委員会また当委員会等においても若干申し上げておるわけでありますけれども、私は社会資本整備、公共事業というのは二つの面があると思います。
 一つは、特に災害国家日本において、やはり生命、身体を守っていくという基本的な国家としての使命があります。それについては残念ながらまだ十分な状況になっていない。午前中にも申し上げましたけれども、土石流崩壊の危険性のあるところがまだ八万カ所もある、そういう状況でもあります。くどいようでありますが、出水市にいたしましても、あの堤防が、ダムがなければ、恐らく六、七十名の犠牲者が一挙に出ておったことはもう間違いございません。
 そういうような面から、今いかに生活が苦しくとも、苦しくなろうとも、財政事情が悪かろうとも、やはり生命にはかえられないわけであります。御承知のように、そういうことについての対応は一挙にはできません。財政事情が悪かろうが経済事情が悪かろうが何であろうが、それを着実にやっていくという国家の機能というのは、私はこれはもう絶対にゆるがせにできないと思う。
 今、委員が御指摘のように、アメリカはダムをやらないと。これはもう既にできておるからでありまして、御承知のように、国のでかさもありますけれども、日本に比べまして貯水量も恐らく何十倍の、これはもう比較にならないような整備が既にされておるわけでありまして、それと日本のような地形じゃございません。日本は非常に急傾斜という状況の中で、降った雨が全部ざっと行ってしまう。これは利水の面、飲み水の面につきましても言えることでありまして、そういう地形的な違いもございます。
 アメリカが今ダム建設をやめたからといって、日本は今まだまだ足らない状況でありますから、このあたりのことは我々としてはゆるがせにできない、このように思っておるわけであります。飲んだり食ったりと言ったらおかしいんですが、楽な生活を、個人が毎日の生活をやっていける、これにもちろん金を使わにゃいかぬわけでありますけれども、やはり先ほど申し上げました件をゆるがせにすべきではない、私はこのように考えておるわけでございます。
 もう一つの面は、景気について御指摘ございましたけれども、バブルが崩壊をいたしました後、日本経済において大変でかい傷跡が生まれました。景気も大変な状況になってきた。その中で、相次ぐ補正等を組みましててこ入れをする中で公共事業が使われたことは事実であります。
 しかし、これは効果がなかったという御批判もありますが、一方でそれをやっていなければ日本の経済がどうなっておったかという面もあるわけでございます。そういう面で、現在まあまあの状況になってきたからということで、過去の公共事業に金をぶち込んだことが景気を下支えしたという効果を否定するわけにはまいらないのではないか、私はこのように思っております。ただ、景気対策として、公共事業一本やりというわけにはまいらない、私はこのように思うわけでありますけれども、しかしその効用もまた否定をすべきではない、このように思います。
○谷本巍君 そうしますと大臣、大臣自身、財政再建というのをどういうふうにすればいいとお考えになっておるんですか。
○国務大臣(亀井静香君) 私は専門家でもございませんし神様でもありませんから、こういうあれでやればぴたりと当たるというわけにはまいりませんけれども、基本は、何度も申し上げますように、経済を活性化し、やはり健全な税収が上がっていくという状況をつくらなければ、単年度の収支のみ着目して予算をカットして緊縮予算を組んでいくというだけでは、私は五百兆になんなんとする今の借銭を返すわけにもいきませんし、また幾ら財政再建をやりましても毎年ふえていくわけでありますから、恐らく六百兆ぐらいいくと思いますね、どんなにやりましても。
 そういう状況を脱皮するには、アメリカもそうでありますけれども、やはり経済を活性化して税収をふやしていく。こんなことを言ってはちょっと誤解があるかもしれませんが、私は余りヒステリックに財政再建を考えるべきではない。諸外国と日本との場合、アメリカと比較いたしまして日本の場合は、例えが悪うございますけれども、一家の家計をやりくりすることについて、お父さんの稼ぎが余りない、一家の中で長男から金を借りている。国民は御承知のような預金等を含めて千二百兆の金融資産がございます。そういう中で、国が金がないという状況です。しかし、これは一家の中のあれで、外国から金を借りておるわけじゃありません。
 これに対して、アメリカ等は隣近所から金を借りてやりくりをしているという、言い方が乱暴でありますが、そういうことでありますから、一家の中でどう健全化していくか、官と民との関係になろうかと思いますけれども、そのあたりを、経済を活性化していく中で政府の懐もこれを緩やかによくしていくということしか私はないのではないか、このように思っておるわけでございます。公共事業を減らせばそれで財政再建ができる、あるいは単年度の収支だけ着目をしていけばそれでいいものじゃない、基本はやはり経済がどういう形で伸びていくかということであろうと私は思っております。
○谷本巍君 その辺のことについては私の考えとはかなり距離がございますけれども、質問を先に進ませていただきます。
 次に伺いたいのは、公共事業の入札・契約手続の改善とその後の実態把握の問題であります。初めに、入札等の改善の問題について伺いたいと存じます。
 ゼネコンの汚職を受けまして公共事業の入札構造の改善が進められてまいりました。総じて、何といいましょうか、幅広い業者の参加でもって談合などがやれないような新しいシステムをつくりながら改善に努めてきたというような経過がございました。しかし、そういう改善が行われてきたが談合はやっぱりどうも依然として続いているというふうに言われており、さらにはまた、例えば相模原市の下水道工事でありましたか、ここなんかでも新しく改善されたやつでもって入札をやってみたが、どうもこれがまた談合があったというような事実が発覚しているわけであります。
 そうした新しい制度のもとでも談合事件が発生したということについて、建設省はどう考えておられるか。それからまた、新しい入札制度は技術資料の作成それから提出など業者に負担をかけるような面もかなりございます。より多くの入札参加をさらに促していくためには何らかの方策が検討されてしかるべきではないかと思うのですが、その点どうでしょうか。
○説明員(五十嵐健之君) お答え申し上げます。
 平成六年度以来、一連の契約あるいは入札制度の改革に取り組みました。入札・契約制度の改革を過去も行っておりますけれども、この発注システムから建設業法の改正が行われたり、あるいは公共工事標準請負契約約款の改正、つまり当時考えられるあらゆる手段、あらゆる分野についての改革が行われたわけでございます。
 その結果、先生御指摘ありましたけれども、談合事件が発生したりしているということは、正直、担当といたしまして大変残念なことと申し上げざるを得ません。
 ただ、あらゆる分野、あらゆることにつきまして改革をお願いし、これを全国の発注者、市町村の数でいけば三千三百あるわけでありますけれども、それに公団、国、こういったところに全部新しい制度の方に持っていっていただく、また受注する方々にもそれになじんでいただくというので、あらゆる分野で担当の方々が頑張っているということは御理解いただきたいと思います。
 制度で全部そういう問題がなくなるというのは難しいということは、先生御指摘のとおりだと思います。
 一つは、思い切った制度の改善をすること。これと並行して、車の両輪みたいなものでありますけれども、これは発注者も含めてでありますが、発注者、受注者を含めたモラルの問題、モラルの確立ということが非常に大事だと思います。
 以来、各団体あるいはそれぞれの企業におきまして、企業倫理確立のために自分たちでそれぞれ覚悟を決めるということをやってきたわけであります。そしてさらに、新しい制度について早くなじんでいただくということも含めて、モラルの問題もありまして、いろんな講習会を全国に展開してきたわけであります。こういうモラルの確立と、一朝事があったとき、つまり談合の情報があるといったような場合には、発注者が警察でありますとかそれから公取でありますとか、そこに速やかに報告して厳正な手続をやっていただく。
 それから、発注者といたしましては入札を指名しない指名停止措置、あるいは法律に基づきます営業停止処分を行う、そういったことでモラルをより高めていただくとともに、それを守っていただけないところの一種ペナルティーは厳正に運用する。制度の改革と倫理の確立という二つの柱で取り組んでいるところでございます。
 まだそういう事件が起こっているというのは大変残念なことでございますけれども、かなり各発注者それから建設業界の方々も真剣な取り組みましていただいていると理解しております。
 それから二点目に、手続の簡素化をしたらどらかという御指摘がございました。
○谷本巍君 簡潔にお願いします。時間がありませんから。
○説明員(五十嵐健之君) 簡単に申し上げますと、発注者側からしますと、より競争性が高まればいろいろな資料が必要になってくるというところはあるわけであります。そういったことはあるんですけれども、できるだけ資料を減らす、必要最低限にする、こういうことを考えていまして、新しい制度が導入された後でも、簡単に申し上げますけれども、CORINSというような発注者共通のデータがある場合には手続を簡単にしてもいいとか、そういう改善を重ねているところでございます。
○谷本巍君 それと関連してもう一つ伺っておきたいと思いますのは、建設省と自治省とが共同で毎年地方公共団体の入札・契約手続の実態調査を行っております。この中で、地方公共団体の一般入札や透明性の高い指名競争入札方式の導入状況等々が記載されております。しかし、入札の実態を掌握するのには、入札に参加した企業の数等も含め、より詳細な調査というのを行うことが必尊なのではないでしょうか。また同時に、私はこれを公表すべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(五十嵐健之君) 先生御指摘の建設省と自治省の共同でやっている問題につきましては、さっき言いましたように三千三百が早くこの新しい制度になじんでいただく、それからそれがどのぐらい進捗しているか、まだおくれているところについては、ここまでやっているんだからもっとやってください、こういうような実態を調べるというための調査ということで取り組んでいるところでございます。
 もう少し個別の入札結果なんかがわかるようにしたらどうかという点につきましては、一連の改革の中でも入札結果につきましては個別にその都度各発注者が発表するということになっていまして、これがまだ一部の市町村のところではこれからというところがございますけれども、かなりこれを実施してきたという状況に、その都度各発注者が発表しているというところまで来ているところでございます。
○谷本巍君 次に、亀井建設大臣に伺いたいのであります。
 全国市民オンブズマン連絡会議が都道府県の情報公開制度を使いながら調べたものによりますというと、公共事業のほとんどに談合落札の疑いありというふうな結論になっておるようであります。その例として、複数回入札の場合でありますが、二位以下は変わってもどうも一位がさっぱり変わっておらぬといったようなことやら、落札価格というのが予定価格に限りなく接近をしているということが推定されるとかといったような幾つかの状況等々が挙げられております。
 情況証拠からすればきちっとそろったものはそろっているなという私、印象を受けるのでありますが、ただ証拠がない。したがって、談合の疑いがあったけれども談合があったとは言えぬだろうというような話になってくるのかもしれませんが、しかしそういう状況では、もう一般国民に対して僕は説明がつかないような事態になっていると思います。
 実態調査では最低制限価格以下の応札が明らかにされておりますが、予定価格に対する落札価格の比率の平均値等について調査を行うべきであると思うが、大臣、いかがお考えでありましょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 私どもも、談合行為があってはならない、また蔓延していくような状況はどうしても防がなければならないということで、私どもとしてはあとう限りの努力はいたしておるつもりでございますけれども、本当にある意味では難しい面がございます。
 建設省が直接仕事をやってしまうということであればこんな悩ましい問題に悩まされる必要はないわけで、かつて建設省も直接道路をつくったりしておった時代もあったわけでありますが、自由主義経済下における民間企業に仕事をやってもらう、それに対して発注をしていく。
 その過程で国民の利益が損なわれないように、税金がむだ遣いされていかないように我々としてもできるだけの努力をしておるわけでありますけれども、我々にいわゆる捜査権があるわけでもございません。立入調査権を行使してどんどんやっていけるというわけでもございません。一方では、警察、検察等の捜査機関も現に存在をしておるわけでありますが、そこらが適切にそれぞれの職務を私は全力を挙げて全うしていただくということも大事であると思いますけれども、発注者である建設省の立場としての全力の努力はいたしておりますけれども、それによってすべてがカバーできるかとおっしゃいますと、残念ながらそういうことはできない。
 要は、やはり談合をやっている方も国民でありますから、そういう方々の、国の税金を使って仕事をやるということについての心構えの問題等も私はやはり必要であろう、このように思うわけであります。答えになっておらぬかもしれませんが。
○委員長(宮崎秀樹君) 時間でございますから。オーバーしておりますから。
○谷本巍君 大臣、予定価格に対する落札価格の比率の平均値ぐらいはひとつ出してもらうことはできないか。
 これは個々の業界の皆さんのやつを出せと私は言っているんじゃないですよ。果たして市場原理が貫徹されているかどうかということを見るのには、その種の平均値ぐらい出してもしかるべきじゃないのかというぐあいに思うんですが、それで出してほしいと言っておるんです。
○委員長(宮崎秀樹君) 大臣、時間でございます。簡単にお願いします。
○国務大臣(亀井静香君) 建設省も、工事発注の自治体、自治体の方が七割ぐらいになると思いますけれども、そういう実態を常時把握していくということも大変な私は事務量という問題も労力の問題もあるかと思いますけれども、そういうことを含めてできるだけいろいろと目を光らせてまいりたい、このように思います。
○緒方靖夫君 公共事業をめぐって、公共投資基本計画に見られるように、総額先にありき、こういうやり方とか、あるいは社会経済情勢の変化で当初の目的が失われているのに事業をとめられないとか、あるいはまた国や地方の財政状況とのバランスを欠いた過大な投資等々、公共事業については大きな批判が高まっていると思います。こうした構造的なゆがみを抱えた、そしてまた公共事業の七割を占める建設行政の問題について質問したいと思います。
 来年度の公共事業費は七%マイナスということが閣議決定されているわけですけれども、その際、地域や生活に密着した公共事業は多く削られ、批判の対象になっている大手ゼネコンのもうけとなるような大型公共事業が温存されるのではないか、そういう懸念が非常にあるわけです。例えば、公共事業削減の筆頭に、公営住宅の着工予定五百カ所のうち半分程度を先送りにする、そういう報道もあるわけですけれども、これは事実でしょうか。
○説明員(小川忠男君) ただいま御指摘の件でございますが、公営住宅の整備事業に関連いたしまして、来年度に向けていろんな角度から検討しているのは事実でございます。といいますのは、予算額が減るということ以上に、公営住宅予算というのは非常に性格的に硬直化している面がございます。
 若干具体的な数字で恐縮でございますが、平成九年度四千三百億円ございますが、相当程度は既に採択した事業の歳出化分が国庫債務負担行為として来年度現実に歳出化されるというものでございますとか、あるいは家賃対策の補助という形で半ば義務化しているというふうなものが大半を占めております。
 したがいまして、来年度の枠を考える場合には、やはり単年度の歳出が少なくて済むような借り上げをふやすとか、これは入居者にとってみれば借り上げ方式であるか直接公共団体が整備するものであるかは同じでございますので、そういう政策的なめり張りをきかせるような検討であるとか、そういうものの一環として今年度、平成九年度でございますが、平成九年度に四万一千戸の予算枠がございますが、その一部について緊急性ないしは何が何でも今年度という必要性のやや乏しいものがあるのかないのか、もしあるならば、着工を来年度に先送りすることも可能ではないかというふうな観点から、全体的な政策の枠組みを点検する一環として、今御指摘になりましたような一部の先送りの可能性について検討をしているということでございます。
○緒方靖夫君 半分ではないということですね。そのことは確認したいと思いますけれども。やっぱり切り捨てるべきではない、このことを要望しておきたいと思います。
 道路でも「財政構造改革の推進について」では高規格幹線道路などが特別に重視されているわけです。ところが、道路審議会基本政策部会の二十一世紀のみちを考える委員会が行った公募意見ですね、ここにありますけれども、「ボイス・レポート」、これを見ますと、歩行者中心、高齢者対応、交通弱者に配慮した道づくり、このことがやはり一番大きな関心を集めていて、そして施策でも歩道の整備、これが圧倒的に一位になっているわけですよ。高速道路をつくれとか幹線道路というのは第九位です。
 こういうところから考えてみると、やはり高規格幹線道路を優先させて地域の生活道路にしわ寄せさせるべきではないと私は思いますけれども、いかがでしょうか。短くお願いします。
○説明員(佐藤信彦君) 高規格幹線道路についてでございますが、これは全国の日常の生活物資、これを運んでおりますのが、自動車で運ばれておりますのが九八%を占めるといったことで、そういった生活物資を運ぶといった点では非常に国民の足となっているといった状況でございます。
 ですが、先生おっしゃられたように、高速道路とあわせて身の回りの歩道の整備、これはこれから高齢化社会を迎えるに当たりましても、車いすで動かれる方も多いことになりますので、そういったものについての対応、これもあわせて大事ではないか。両方とも私どもとしては進めていきたいというふうに思っております。
○緒方靖夫君 七%カットのもとでどのように予算を配分するかということ、これは当然重要な問題になります。
 この間、公共事業の箇所づけのことが大きな問題になってまいりましたけれども、箇所づけが官僚と一部の族議員によって決められている、そういう指摘が行われたり、予算配分が政府・与党の私物になっているのではないか、そういう批判さえも行われてきました。
 建設省は、事業採択に当たって、だれの選挙区の事業かを調べているかどうか。また、箇所づけの際に、選出議員が与党か野党か、あるいは政策的な見解の違い、それによって考慮しているかどうか、その二点についてお伺いいたします。
○国務大臣(亀井静香君) どうも、聡明という名の高い委員の御質問にしては非常に意外な感が私はするわけでありますが、私どもは全国に地建という組織を持っておりますし、また本省も、常に地方自治体との連絡を密にしながら、必要性、緊急性の判断を具体的にやっておるわけでございまして、別に与党だから野党だからというような、そんな短絡的な判断で我々はやるつもりはありません。
 ただ、申し上げたいのは、そこから出ておられる議員の方々が地元のことは一番よく御承知なわけでありますから、特に小選挙区という場合は、その地域をただ一人代表しておられるわけでありますから、その地域の実態なり実情について、地域代表として我々行政府に対していろいろと具体的に御説明もいただき、御要望もいただく。そうしていただく責任をお持ちであろうと私は思うわけでございます。
 今、自社さ政権だから、おれたちは与党じゃないからそういう努力はどうも気が重いというのではなくて、ぜひひとつ委員におかれましても積極的にそういう地域の実情なりそういうような問題に対して我々にお話をいただければ、我々としては謙虚にお聞きする予定でございます。
○緒方靖夫君 今ちょっとお答えがなかったので、建設省にお伺いしますけれども、事業の採択に当たって、だれの選挙区の事業かということは調べていますか。
○説明員(小野邦久君) 具体的にそのようなことを調べているということはございません。
○緒方靖夫君 今否定されたんだけれども、こういう文書があるんですよ。
 日付は平成九年六月三日、出どころは建設省河川局河川環境課、あて先は各都道府県等々、タイトルは「平成十年度河川環境課所管補助事業概算要求について」、こういう文書です。全部で八ページありますけれども、この中でこういう箇所があるんです。必要な記載事項がずっと書かれていて、そして途中に、「小選挙区コード」、こういう箇所があります。そこでは、「実施区間内の市区町村に該当するすべての小選挙区を各列に一つずつ数値で記入すること。六区以上の選挙区に該当する場合は、檜橋特定事業係長まで連絡し指示を受けること。」、こう書かれているんですね。それから、実際にこういうコード記入の中にも、ここに都道府県名、そして事業種別、水系、河川名、市区町村名、小選挙区コード、こういうのがあるわけですよ。何でこういうことをやっているんですか。今、ないと言われたでしょう。
○国務大臣(亀井静香君) 当然でございます。国会議員は、小選挙区あるいは比例を含めて、参議院の方々はそれぞれ地方区、全国区あるわけでありますが、私どもは建設省の独自の判断だけで行政を執行していくという、そんな尊大な気持ちは全然ございません。その地域からどなたが出ておられるか、そしてその方々から、日ごろ委員会その他でいろんな御意見をいただいております。御指導もいただいております。そういう国民の代表である方々の御意見、そういうものを尊重しながらやっていく場合、この地域からどういう方が出ておられるかというようなことを、これは何も調査しなくてもわかる話でありますけれども、我々が把握をするということは当たり前の話でありまして、これは議会制民主主義という立場をとっている以上は当然のことであると私は思います。
○緒方靖夫君 その把握した結果をどう使われているわけですか。
○国務大臣(亀井静香君) それは、予算の編成、執行等の過程の中において、もちろん当該地域の市町村長なり県の部局、あるいは知事の意見を聞く場合もありますけれども、その地域から出ておられる代表者の意見を我々は無視するつもりはございません。
 そういう中で、この代表の方々に御意見をこちら側からお聞きするという場合だってあるわけでございまして、特にこのたび七%のカットという非常に厳しい状況の中で来年度予算編成もしてまいります。そういう中で、その事業の必要性等を含めて、市町村長のみではなくてその地域から出ておられる国民の代表の方々の御判断をお聞きするという場合もあろうかと思いますから、当然であります。
○緒方靖夫君 それによって政治的に差別等々はないということは断言されますね。
○国務大臣(亀井静香君) そんなことは当たり前の話であります。
○緒方靖夫君 当たり前と言われるけれども、そういう疑惑を招くような発言をいろいろされているんですよ。幾つも挙げることはできないけれども、亀井建設大臣は、例えば新進党を応援した建設業者は地獄に落ちるぞと言ったことがあるでしょう。これについては、選挙は戦い、戦いは戦い、選挙で向こうを応援したら大変なことになるぞということを言いたかったんだといって、その後、行政は公正でなきゃならないとつけ加えているから、そういうことを大臣言われていると思いますよ。だけれども、こういうことを並べているわけですよ。ですから、私はやっぱりこういう記載、わざわざこういうことをやる、そういうことはやめた方がいいと思うんです。
 しかも、これは私たちがいろいろ都道府県に連絡をとったときに、建設省から部外秘の文書として言われているから絶対出せない、そういうふうに厳命されている文書だと言っているんですね。そう公然とやる話だったら何で部外秘にするんですか。河川局長、そういう指示をした覚えはありますか。
○国務大臣(亀井静香君) 役所の文書は、もちろんどんどんオープンにしていい文書と、やはり一応部外秘扱いをすべき、あるいは厳秘にする、いろいろランクがあると思います。私はその通達の中身を全部読んでおりませんけれども、知りませんけれども、小選挙区でどこかと、そういう部分をもって部外秘にしたんではないと私は思いますよ。委員、もうちょっと素直に国家権力を私は見ていただきたい。権力というのは悪いことをするものだという先入観でおっしゃってはいないと思いますけれども、我々は公正にやっておるつもりです。
 そういうことで、共産党からもいろんな地域の事情を説明されることがあれば、私はいつも率直にお会いをして御意見を聞いて、取り入れるべきものは取り入れておるわけでございますから、そういう独断とは申しませんが、そういう偏見とは申しませんが、それに基づいた御質問はひとつお控えをいただきたいと思います。
○緒方靖夫君 それならば、こういうことというのはいつからやっているんですか。それから、河川局だけですか、道路局とかほかのところでやつていますか。それにちょっと答えてください。
○説明員(小野邦久君) ちょっと私も全部の局でそういうことをやっているかどうかつまびらかにしておりませんけれども、例えばダム事業等でございますと、大変大規模な事業だということもあって、影響範囲というものは広範囲にわたるというようなことからやっていることかなという感じもするわけでございますけれども、特に私ども中央の方からそういう具体的な指示を各局に出しているというふうなことはございませんで、個々具体的な事業の実施に当たって参考になればということでとっているものではないか、こういうふうに思います。
 それから、あえて一言言わせていただきますと、亀井大臣が就任されて以来、私どもに対して今のような形で具体的な個々の箇所づけについて、例えばその地域にどういう先生がおられるかとか党派とか、そういうことについての具体的な指示は一切ございませんで、具体的に事業の必要なものについて重点的にやれと、こういう御指示をいただいているところでございます。
○緒方靖夫君 政治的差別はないということで大臣は言われたし、それからまた官房長も建設省の中でどこでそういうことをやられているかわからないということなので、ひとつこれは調べて、どこどこでやられるのか、そのことを後で報告していただきたい。そのことを要求すると同時に、やっぱり大臣、誤解を招く、これはやめるべきだ、このことを要求しておきたいと思います。
 もう一つの問題、これはもう一つのゆがみと言っていいと思いますけれども、天下りの問題について触れたいと思うんです。
 この問題について、建設省は九三年に、ゼネコン汚職、相次ぐ不祥事の反省から、幹部職員のゼネコンヘの天下り、これを自粛する、そういうことを打ち出しました。当時の官房長であった伴現事務次官も、禁止期間の二年間が経過した場合でも自粛の気持ちは実現していきたい、そういう心情を述べておりました。
 こういう中で、特殊法人労連というところがありますけれども、ここの九四年の調査でも、建設省幹部職員の四百五十一人のうちゼネコンなど民間会社に二百四人就職しているわけですけれども、そのうち半数以上の百十一名が公的法人を経由している、こういう問題があるわけですよ。民間への直接の天下りの自粛だけでは不十分だ、このことを示していると思います。
 そこで、建設省では、技官、事務官別に退職者を掌握して、退職時の再就職だけでなくその後の異動も管理していると言われております。技官については官房の技術調査室で、事務官については官房文書課で退職管理をしている、そう言われていますけれども、それはいかがですか。
○説明員(小野邦久君) 退職後二年間、退職前五年間の密接な関連のある企業への就職については人事院に御承認をいただくとか大臣の許可を得るとかいうことが必要な制度になっておりまして、その意味では、二年間については厳密な管理をいたしております。
 二年を経過後、これは具体的な個々、個人の問題もございまして、確かに今二年経過後といえども、平成五年のゼネコン汚職以来の天下りの自粛についての考え方というものがそれなりに、すぐ二年間たったからもうどうでもいいんだということではなくて、気持ちとしてやはり継続をするということではないかということ、そういうことも考えられるわけでございますけれども、じゃ実際に具体的な管理ができるかどうかということになりますと、二年経過後はそういう意味の大臣の承認あるいは人事院の承認を経ずにいろんな企業に就職ができるわけでございまして、それを徹底的に追求をして管理していくということは現実には大変難しいというふうに考えております。
○緒方靖夫君 技官と事務官についてそういう管理はしている、していないということですか、どっちですか。
○説明員(小野邦久君) 技官、事務官を問わず、具体的に二年後の管理について現状を正確に把握するということは大変難しいと、そういう状況”あるという御説明をいたしました。
○緒方靖夫君 状況、難しいそうですけれども、建設省のOB組織で建和会、木曜会というのがあるそうですが、これはどういう団体ですか。
○説明員(小野邦久君) 建和会といいますのは、建設省を退職した主として幹部の方々の親睦同体、退職後の親睦団体でございます。具体的な組織等については、現役の者は直接の関与はございませんので、承知をいたしておりません。
 それから、木曜会というのは、これは建設省の職員の中で主として事務系の職員の親睦団体、こういうことでございます。これは現職も入っております。
○緒方靖夫君 小野官房長の名前も、この名簿がありますけれども、確かに入っております。
 今言われた建和会の方ですけれども、建和会の規約を見ると、ここには結局、OBは会員、それから現に建設省幹部として在職する者は会友となって、両方またがっているわけですよ。木曜会と同じなんですね、これは。しかもそれを見ると、年一回総会を行う、適宜懇談会を行う、そして名簿には建設省在職時の最終役職、現在の役職、住所等々がずらっと並んでいるわけです。
 私、聞きましたけれども、あるOBの話によると、懇談会では公共事業の予算や箇所づけが説明され、ゼネコンに天下りしたOBの営業活動の材料になっている。そういういわば癒着の温床にもなっているという指摘があるわけですよ。そういう点でいいますと、やっぱりこれは非常に重大だと思います。
 しかも、ここに一連の名簿があります。これは建和会の名簿それから木曜会の名簿、それからまた道路局の道草会、住宅局の新樹会、関東地方建設局の旧交会、河川局砂防部の地すべり同胞会等々いっぱいあるわけですよ。
 これを見ると、えらいことが書かれているわけです。建設省の関係部局内に事務局が置かれているわけですよ。木曜会だったらまさに官房文書課に置かれている。みんなそうなっているわけですね。そしてしかも、それぞれの事務局に最新の動きについて連絡するようにというわざわざ注意書きまで書かれている。こういうことをやっぱりやっている。しかも、OB会だけならいいですよ、現役も一緒になってやっているわけです。これは異常なわけですよ、ほかの省庁と比べても。何でこんなことをやっているわけですか。
○国務大臣(亀井静香君) ちょっと、私はなぜ悪いのかわかりません。何で悪いんですか。こんなところで質問しちゃいかぬですかね、逆に。だって、現役とOBが、そうした一つのかまの飯を食った者が一緒に時々親睦を図る……
○緒方靖夫君 短く。
○国務大臣(亀井静香君) 短くといっても、あなたは言いたいことばかり言っているんだから。
 親睦を図るということが何で悪いんですか。集まれば何か悪いことをしているんじゃないかという、そういう見方で言われることは極めて迷惑な話であります。私もその総会等に出て一緒に酒を飲んだこともありますけれども、極めて和気あいあい、別に談合の情報をとっているような状況じゃありませんよ。そうした人間関係を大事にしていくということまで否定をされるということでは、私は役所の仕事なんてうまくいかないと思います。OBと現役が仲よくやっていく、麗しいことであります。
 以上。
○緒方靖夫君 大臣はそう言われるけれども、やっぱり癒着なんですよ、これは完全に。
 一つは、私は今六冊手元にあるこの名簿を分析しました。集約、分析してみると驚くべき実態が明らかになるわけです。
 それぞれの名簿、事務次官、局長経験者等々OB、合計すると二千六十人いますよ。天下り先も全部書かれている。その先で一番多いのは民間企業、九百五十四人。このうち、清水、鹿島など大手ゼネコン等々の建設関連会社に九割にも及ぶ八百四十二人が天下っていたわけですね。しかも、その天下り先で七百五十九人という圧倒的多数が社長、取締役、顧問等々ですよ。しかも、それ以外に道路公団等々特殊法人の役職に三割ついている。こういう状況なわけですね。しかも、都道府県の関係幹部への天下りは八十二人いる。国会議員転出は二十九人いる。国会議員秘書は二人いる。
 これが一緒に集まるとどうなりますか。国会議員がいるわけだから、政と財、官、一緒になるじゃないですか。こういう今いろんな公共事業に対する厳しい批判がある中で、やっぱりそういう疑惑が持たれるようなこと。そして、ほかの省庁もOB会はやっていますよ。OB会というのは同窓会のようなものだからその名簿をつくるのはいいです。ただ、現役とOBが一緒になった組織をつくって、それが一緒になっている、それが問題だと思うんですね。やっぱりそういう疑惑を持たれるようなことはやるべきじゃない……
○委員長(宮崎秀樹君) 時間ですから終わりにしてください。
○緒方靖夫君 しかも、その事務局は役所の中に置かれているわけですね。だから、やっぱりこういうことを考えたときに、私はこの問題は非常に重大だ。したがって、ゼネコンに天下りしている退職者そして現役、これがその関係を厳しく律する、そういうことを大臣としても指導していただきたい。
 時間ですから、このことを要望して、質問を終わります。
○委員長(宮崎秀樹君) 亀井建設大臣、ひとつ簡便に。
○国務大臣(亀井静香君) そういう指導をするつもりはございません。
○椎名素夫君 沖縄の振興について伺いたいと思います。
 今、沖縄復帰以来、振興開発計画は第三次の途中でありますね。三次にわたっていろいろとやってきておられますが、拝見しますと、「計画の目標」という中に、もう第一次から「自立的発展の基礎条件を整備」というのが入っておりまして、第二次にも入っているし第三次にも入っている。それから、いろいろ資料をいただきましたけれども、沖縄にそういうことで振興開発の事業費としてつぎ込まれたお金の額というのは小さいものではない。五兆二千八百億というようなお金が入っておって、そのほかに基地から入る収入というのは三兆ぐらいあるんでしょうか。それで八兆円ぐらいのお金が復帰以来沖縄につき込まれている。
 ところが、この間の特措法の審議のときにも振興の話が随分出ましたが、沖縄経済の自立いまだしということで、それが中心の話題になっている。これだけいろいろお金がつぎ込まれて、その自立体制が全然できていないというような話ばかり聞かされて、非常に不思議に思うんですね。
 この内訳を見ると、振興開発事業による施設整備の概況というのをいただきましたけれども、治山治水から始まって、道路、港湾、空港、住宅対策、下水道、環境衛生、公園、農林水産業の振興、教育の振興、保健医療、その他というのを拝見しますと、復帰のときと平成八年度とをいろいろ比べた数をいただいたら、なかなかこれが印象的で、随分こういうインフラの整備というのは着々と行われているという印象を大変に受けるわけであります。
 にもかかわらず、その自立体制は全然できていないというようなお話で、ここのところは一体どう考えればいいのか。そもそもこの自立という言葉というのはよく考えてみるとわからなくなってしまいまして、ある地域の自立度というようなものは何かあるんでしょうか、そういう物差しのようなものが。それで、もしそういうものがあるとすれば、ほかの都道府県と比較して、それを大変極端に言われるほど沖縄の自立度というものは低いものなのか。
 そういった甚だ漠たる質問でありますが、感覚的で結構ですから、お答え願えませんでしょうか。
○国務大臣(稲垣実男君) 今委員から御指摘の、一体自立度という一つの物差しがあるかということですが、数字的にぴしっとこれが自立だよというのはなかなか示しにくいところでありますが、正直に私ども、本土復帰以来三次にわたってとにかく地道に振興開発計画というものを、約五兆円、二十五カ年の間に振興開発のために諸施策が講じられてきたことは事実でありますし、現実、私は復帰直後に参りまして、それからしばらく行かずに今度は長官として沖縄に行ったときには、もう本当にさま変わりをしたなというぐらい経済社会は総体として発展してきておるなと、こう思うわけであります。
 具体的には、水資源の開発をやった。水が足らないところでありますから、地下ダムをやったりあるいはダムをつくったりいろいろやってきている。あるいは交通・通信体系の整備を着々と進めている。あるいは農業生産基盤の整備等の振興開発事業、これはハードの面だと言われておりますかもしれませんが、そういうような基盤整備が進められた結果、道路がよくなりませんとバスも走りませんし、総体的にバランスのとれた発展を遂げてきたから沖縄の基幹産業というものが着々とできてきたんじゃないかと私は思います。
 例えば農業でありますが、農業をやるにはどうしても水が必要だ。サトウキビ作中心から、最近におきましては、冬春期といいますか、春野菜、冬野菜というものが、気候が温暖などころでありますから熱をかけなくてもできるということでありますから、そういったもの。あるいは熱帯果樹、最近ではマンゴーなんかが非常に完熟して、これも大変人気が高いわけであります。あるいは花卉、肉用牛など多様な農業の展開が図られているわけであります。
 しかし、水の確保や交通・通信施設などの生活あるいは産業基盤の面ではなお整備を要するものがまだまだあるのではないか。産業振興や雇用の問題など解決すべき多くの課題がある。言ってみれば、道半ばのところではないかと思うんです。
 総体的に見ますと、いわゆる本土におきまする他府県に比べて製造業というものがなかなか育ちにくい環境条件にある。原材料というものは汽車やあるいは道路で来るわけにはいきませんので、やっぱり飛行機あるいは船で持ってこなきゃならぬといったように、非常に本土の市場との遠隔性というものもありますし、また域内市場が非常に狭い。そこへ来て技術の集約が非常に少ない、あるいはまた必要な人材が十分にまだ育っていないといったことではないかと思われるわけであります。
 いずれにしましても、先ほど委員が指摘されましたように、県が自立してやっていけるのかというと、正直言いまして自立とは言えない段階にあろうかと思うんです。
 所得の問題でいきましても、格差が本土の他府県に比べますと七割程度だということでありますので、沖縄開発庁としては三次振計に基づきまして引き続き産業基盤の整備を推進し、さらに、これからはやはり技術時代だと言われております。それからまた、情報や人材やそういったソフトの面もさらに充実強化を図っていかにやならぬ。ハードだけではいかぬ。そのハードができた上に、さらによりよい効果の上がるようなソフト面の充実を図っていく、そういうところにおいて沖縄の特性を生かした特色ある産業の振興というものがこれから図っていけるであろう、こういうことであります。
○椎名素夫君 自立度なんて妙なことを申しましてまことに申しわけないんですが、考えてみると、いろんな比べ方があるんでしょうが、インフラの整備がどのぐらいかという、そういうような比較というのはできるだろうと思うんですね。そういうことからいいますと、自分の話をして申しわけないんですが、岩手県なんというのも全然自立しているとも言えないし、よその県のことを言うと申しわけないから言いませんが、自立できているなという地域というのは一体日本にあるのか。日本自体が一体本当に自立しているのかというような話もあるかもしれない。
 しかし、考えてみると、県民所得は今一番低いということで、今もおっしゃったように七割というような話ですね。
 もう一つ物差しとしてこれを大蔵省に伺っておきたいんですが、税収ですね、これも一つの物差しになるんじゃないかと思うんですが、どのぐらい税収は上がっているのか。そうすると、差し引きどのぐらい今度はお国からマイナス勘定でつぎ込んでいるのかというのも、これまた一つの物差したと思うんですが、そこらあたりいかがでしょうか。
○説明員(西川聰君) 沖縄県の徴収決定済み額を平成七年度で申し上げますと、国税全体で二千七百五十八億円ということになっております。歳入の方はそんなようなことになっております。
○椎名素夫君 わかりました。
 そういうようなことからいうと、確かに自立自立といっても、まだ自立ということには非常にほど遠い。今おっしゃったように、沖縄の地面の上だけを見てさまざまなインフラを整備するというだけだといけない面があるというようなお話だと思うんですが、例えば二次産業は全然発展しない、観光と農林水産が主であって、あとはこういう財政資金投入による建設などに依存したような体質になっている。結局、大きく言うとそれで息をついているんでしょうが、また実際にインフラもできているんでしょうけれども、それをずっと二十数年間続けてきたことでかえって何かを自分たちでやろうという自立精神を失ったというようなことを言う人たちもあります。
 それを突破するためにはどうするかということで沖縄の方々も最近は真剣になって考え始めている。今おっしゃったような非常に遠いところにあって、物を運んだりする飛行機代も随分高いですね。それから船で物を運ぶのも高い。そういうようないわば財政資金を投入していくということのほかに、もっと大事なことは、さまざまな制度を導入して、その上であの地域が自立できるようにしようという考えが出てきているように思うんです。
 せんだっても沖縄県で規制緩和委員会とかいうのをつくって、その報告書はつい最近出たわけですが、いろんなことが書いてありまして、もう御承知のとおりであります。
 さまざまな制度的な面を変えていこうということですけれども、「おわりに」というところに、これらのことを実現するには「沖縄県民自らが復帰プログラムに幕を引き、自己決定・自己責任の原則に基づき「新しい沖縄の創造」に向けて取り組むこと」が必要だと書いてある。どうもこの「復帰プログラムに幕を引き」ということで、沖縄開発庁を中心にやってこられたあれを全部くずかごに入れるというような感じが少しありまして、これはちょっと言い過ぎだろうと思うんですが、しかしそれにもかかわらず、ここにあらわれたような、いろんなお金をくれることよりも、こういう制度を導入させてもらえないか、この表現によれば「一国二制度的」というようなことを言っておりますけれども、こういう要望が非常に強いように思います。
 これからの手順ですけれども、これはまだ出たばかりである。沖縄政策協議会という総理を座長にしたものがございますね。そこにいろいろこういう考えも取り入れながら練り上げたものを持ってきて、そして審議、討議をなさるんだろうと思うんですけれども、そうなりますと、今までのまだ道半分である沖縄振興開発計画、この延長上のいろいろ今までやってこられたようなお仕事が一つありますね。その上にまたこういう考え方を持ってくる。これの関係は一体どうなるのか。つまり、振興開発計画とこういう制度的な要求というものをどういうふうに折り合わせていくのかということが一つ。
 それから、大変大事なことであるから総理を座長にして沖縄政策協議会というものをつくった。全閣僚が協議会に入っておるわけです。そうすると、沖縄経済開発、大臣もその全閣僚の中の一人というようなことになってしまっているわけですね。先に行って、その政策協議会でこういうふらな方向でやろうといったときに、他省庁も役割があるわけですけれども、その中での沖縄開発庁の役割というのはどうなるのか。
 この二点について伺いたいと思います。
○国務大臣(稲垣実男君) 今御指摘ありましたとおり、特に先生は、自由貿易地域構想の中でフリーポート構想を参考にしているのではないかというようなお話等もございまして、また補助金を投入するよりも自立てきる制度面からの支援が極めて大事だと。
 そのとおりでございまして、沖縄におきましては、先ほど申し上げたとおり、県の経済の自立的発展を図っていくために、やはり製造業を中心的した産業の振興、とりわけ新規企業といいますか新産業といいますか、そういう立地が非常に重事な一つの課題であろうと思うわけです。
 このために、沖縄開発庁におきましては、振興開発特別措置法に定める税制や金融上の優遇措置を組み合わせた制度である工業等開発地区あるいは自由貿易地域の活用等により、既存企業の振興及び企業立地の促進を図ってきたところであります。特に工業等の開発地区におきましては、製造業はもとよりそうでありますが、例えばバイオの関係とかソフトウエアあるいは化学工業等の企業の立地を見ているところでございます。
 また本年度から、工業等開発地区及び自由貿易地域への企業の立地及び投資の一層の促進を図るために、先生御承知のとおり、工業等の用に供する機械等の特別償却制度等税制上の優遇措置、まだ十分でないかもしれませんが、第一歩的に拡充強化を実施したところでございます。
 そういうようなことで、自由貿易地域のあり方については、沖縄県の要望等を踏まえまして、自由貿易地域のあり方、そのために必要な機能についての調査検討を行っているところでございます。
 それからまた、行政改革会議のヒアリングのときに沖縄開発庁は統合に実は柔軟な態度を示したと新聞にも出ておりましたが、私どもは沖縄開発庁の存在意義について十分踏まえているわけでございます。
 先ほどから申し上げますとおり、二十余年を経過しまして非常に着実に発展したと思うわけでありますが、沖縄は歴史的にも地理的な条件を含めてもなお本土との間に大きな格差やさまざまな特殊な事情というものを抱えているわけでありまして、沖縄県は我が国で唯一の島嶼県でありますし、まだ軌道のない県であります。軌道のない県というのは沖縄県だけでございまして、この間ようやくモノレールの起工式が始まったばかりでございます。そういったような島嶼県であり、遠く離れた本土との交通も、先ほど申し上げたように空路と海路に限られておりますので、経済活動や県民生活に大きなハンディキャップがあるということであります。
 それから、またもう一つ言えるのは、日米関係の基盤をなす日米安全保障体制のもとで駐留米軍の基地の七五%が存在している現状にかんがみますと、沖縄県は我が国の安全保障上重要な地域でありますが、沖縄県民は長年にわたって我が国全体の安全のために大変重い負担を負っておられるではないか。また、さきの大戦におきましては、激しい地上戦と艦砲射撃などによって県土全体が焦土と化して、一般県民約九万四千百二十人余のとうとい犠牲を出しておった。終戦後も約二十七年にわたって米軍の施政下に置かれて、本土の経済発展から取り残されるとともに、基地依存型経済構造を余儀なくされたこと等の特殊事情が存在をしておるわけでございます。
 こういった事情にかんがみまして、戦略的なこれからの産業の振興あるいは基地跡地利用対策など沖縄の発展のために諸課題を、これからそれに向けての対応をしていくと同時に、県民のさまざまな期待があるわけでございますので、何にしても沖縄の心を心として、できるだけきめ細かな施策を総合的、一体的に推進する行政機関が必要であると思いますので、ただいまのところ行政改革という面からも言われておりますので、何としてでも沖縄振興策の推進に中心的な役割を担うことになっておりますので、そういう意味からも沖縄開発庁を存続させることが極めて重要だということでただいま頑張っているところでございますので、よろしく御理解のほどをお願いいたします。
○委員長(宮崎秀樹君) 時間でございますから簡単にひとつ。
○椎名素夫君 最後に要望でございますが、今おっしゃったように非常に特殊な条件を持った沖縄である。できるだけ要望を入れていくということは非常に大事だと思いますが、私も沖縄の方々に常々言っておりますけれども、例えばこれからの計画をつくるのに、二〇一五年になったら基地が全部なくなるというようなことを基礎にしたような計画を立てるようなことではだめだよということを申しております。
 その上で、よく一国二制度というようなことを言いますけれども、特措法のときにも橋本総理にも申し上げましたけれども、日本全体をもう少し開かれたものにしようというその目標に合わせたところに沖縄の制度的な改革というものを合わせておけば、そのうちに解消する問題であって、そういうことを余り問題にせずに勇敢にやっていただきたいということをお願いして、終わらせていただきます。
○奥村展三君 もう既に公共事業そのもののあり方につきまして先輩の先生方からもお聞きになっております。できるだけ重複を避けたいと思うわけですが、本年の四月に与党三党におきます財政構造改革会議企画委員会等で公共事業のあり方についてアンケート調査をいたしました。私も参画をいたしまして、全国の三千二百三十二の市町村並びに東京二十三区等を入れまして、また中央官庁の課長さん方約千名になんなんとする方々にもアンケートをさせていただきました。その中でも出てまいりましたのは、特に市町村では縦割り行政の弊害、工事のコスト高が大変問題視されておりますし、一方、中央省庁では社会全体の必要性からの乖離あるいはまた全体としてのめり張りがないというような問題も提起をなされました。
 そういうようなことで、先ほど来いろいろ議論をされておりますように、ぜひ今後、公共事業におきましてコストの縮減対策に力を入れていただきたいというように思うわけであります。
 ただ、この公共工事コスト縮減対策に関する行動指針の中で技術開発の推進ということが実は挙げられておるわけであります。大変細部について申しわけございませんが、一つの例としてお聞きをいたしたいと思うんです。
 会計検査院等も指摘をなされておりますが、下水道整備事業、今日まで精力的におやりをいただいておるんですけれども、平成五年の検査結果で指摘をなされました。ということは、終末処理のいろいろな工事にかかわる床掘り等の費用の積算について、機械で床掘りをする、しかしその埋め戻しは人力によってやるというようなことで、そこに大きく積算高が過大になっておるんではないかということが平成五年にも指摘をなされていました。
 しかし、この平成七年の決算に目を通させていただいても同じようなことがまたそこに起きておるわけであります。毎年多額の国庫補助をしているわけでありますが、こういうことがやはり地方で行われておる。ここに指導されていく、指示をされていく、そしてまた、なぜこのようなことがたびたび起こっておるのかということにぜひ注目をしたいということで質問させていただいております。
 そういう中で考えてみますと、地域におきますと、建設省でやっていただく下水道事業、あるいは農水省でやっていただきます集落排水事業、同じ下水道ではないか。しかし、そこに大きな積算単価の開きがある。そういう矛盾点は地方でもやはりよく耳にすることでありますが、こういう問題について建設省としてどのようにお考えになっておるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(小野邦久君) お答えを申し上げます。同じ下水道でも集落排水もあるわけでございますが、コストが違うのではないか、単価が違うのではないか、こういう先生の御指摘だと思います。
 御案内のとおり、公共工事の発注に際しては適切な積算基準というものを定めまして、常にそれは市場の実態を反映するようにしているわけでございます。また、積算をする場合の労務単価等につきましては、三省の労務単価、いわゆる公共工事設計労務単価というのを調査いたしますが、これによって積算をしておりますし、資機材等につきましても公益法人の物価調査機関が調査をしております資料に基づいてやることにしているわけでございまして、積算の方法等は公共工事につきましてはそう大きな差はないというふうに考えております。
 ただ、具体的な各省庁の事業は、形態は同じでも、例えば事業箇所の現場条件とか施設に求められる機能等あるいは事業特性が異なる場合もございまして、おのずとそこに必ずしも同じ部分だけではないという部分が出てくるのではないか。下水道というか水路工事等をとりましても、例えば建設省の中小河川整備とか堤内の排水路整備工事、農水省の農業用水排水路工事等をとりましても、基準、方法等は全く似たようなものでございますが、現場の条件とか内容等によってかなり変わってくることもあり得ないわけではないのでございます。
 こういったような共通する部分につきましてはできるだけ内容の統一を図ることが大変大事だということもございまして、関係各省集まりまして積算単価の基準の方法、積算の方法というものについてできるだけ統一するようなことを従来からもやっておりますし、今後も引き続きやっていきたい、こういうふうに考えております。
○奥村展三君 今御答弁いただきましたように、国民にとってみれば、確かに諸条件いろいろ問題があろうと思いますが、同じ高さで見てみますと、建設省あるいは農水省等のそういう単価の差というものに対しては非常に矛盾を感じておるというのも現実でございますから、ぜひ今後公共事業のコスト削減というような意味で連携をとりながら推し進めていただきたいということを希望しておきたいと思います。
 質問させていただくことが幾つも関連をしておりますので、大変身近な問題で恐縮ですが、河川局長さんにお伺いをいたしたいと思います。
 昭和四十六年から始まりました琵琶湖総合開発、おかげでことしの三月三十一日をもって四半世紀にわたって一兆を超す大事業をなし遂げていただいたわけでありますが、この中に実は草津川の放水路事業を織り込んでいただきました。これは人家のあるところから五、六メーターの天井川になっておるのは御承知のとおりでありますけれども、過去に台風や大災害がありまして、常に仲民は不安を抱えて生活をいたしておるところでございますが、中小河川事業として取り組んできていただいたわけでありまして、特に私も平成四年、県会議員をさせていただいておりましたが、念願の国直轄事業に織り込んでいただくことができて本当に感謝を申し上げてまいりましたし、これは県にとりましても平成の大普請というようなことを申し上げておりました。
 平成十三年を目途に暫定通水をしてやろうというようにお聞きをしてまいったし、そのように推し進めていただいておると思いますが、今日まで取り組んでいただいた、そしてこれからこの平成十三年目標に向かってどのように進めていただけるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(尾田栄章君) ただいま先生御指摘の草津川放水路でございますが、まさに御指摘のとおり日本でも有数の天井川でございまして、東海道本線が河川の下をトンネルでくぐっているという現況にございます。
 この河川の根本的な改修として、今御指摘の草津川放水路を現在鋭意進めておるところでございまして、既に平成七年度にこの草津川放水路に北川を流し込みまして、また平成八年度末には伯母川の暫定通水を行わせていただいたところでございます。ところが、何と申しましても、上流の草津川のところにたどりつきませんと本来の放水路としての機能を果たさないということでございまして、何とか平成十三年、二〇〇一年までには通水をしたいというその目標に向かって全力を挙げておるところでございます。
 もちろん、この二〇〇一年時点におきましても、たとえ通水はできたにしましても、放水路の全面的な改修が終わるというところまではいかないわけでありますが、潜在的に非常に洪水の被害、そういうダメージポテンシャルを持っておりますこの草津川の根本改修となる草津川本川の水をこの放水路に引き込むところまで何とか頑張りたいと思っておるところでございます。
○奥村展三君 大変厚かましいお願いですが、念願でもありますので、ぜひ実現に向かってお願いをいたしたいと同時に、上流の草津川並びに金勝川との合流地点の上流のまたいろんな事業も改修計画にあわせてお願いをしておきたいと思います。
 次に、国土庁長官に御意見、所信をお伺いいたしたいと思います。
 いろいろな公共事業あるいは国全体の施策等の中で国土庁の果たす役割というのは私は大変大きな位置を今日まで占めてきたと思っておりますし、今後も大きな期待を寄せておる一人であります。
 今日、各省庁の再編問題等が議論を醸し出しておる最中でありますが、今日の縦割り行政の弊害、あるいはまたこれから再編をなされる中で、私は国土庁に今申し上げましたように大変期待をしておる一人であります。そしてまた、国土の均衡ある発展等を考えましたときに、私自身は地方の人間でありますけれども、やはり都市部から見ますと地方というのは非常におくれておるところが先ほどのいろんな先生方の御意見の中にもございました。こうした中で、国土庁の総合調整機関といいますか、そういう役割というのは大変重要なところでもあろうと思います。ぜひそんなことに心を持ちまして、長官の所信をお伺いいたしたいと思うところでございます。
○国務大臣(伊藤公介君) 委員もう既に御案内のとおり、現在行政改革会議において中央省庁の新しい機構改革が検討されているわけでございます。
 御評価をいただきましたように、国土庁はこれまで、国土の均衡ある発展あるいは豊かで住みよい地域社会の形成を目指して国土計画あるいは土地政策などで関係省庁の調整を行うという、そういう役割を果たしてきたわけでありますが、今後さらに国土全体をどのように調整していくかという意味では、国民の皆さんが、この三十七万平方キロのさまざまな地形、あるいはまたそれぞれの地域状況が非常に大きく変わっている日本列島の中でどのように二十一世紀に生活をしていくか。そうした中で、国土の均衡ある発展をするという意味では、国土行政というものは新しい省庁再編成の中の最も重要なところに位置づけられるべきだ。
 そして、言ってみれば国土のグランドデザインに基づいて、あるいは国土庁のそうした本来の機能といいますか役割の中でそのグランドデザインに従って建設省は道路をつくっていただくし、そしてまた豊かな住宅を提供する、あるいは運輸省はさまざまな、新幹線だけではありませんけれども、そうした交通ネットワークをつくっていただく、そして農水省は明るい農村をつくると、こういうことだろうと思います。
 今巷間伝えられているところでは、国土農水省とか、建設大臣がいて恐縮ですけれども、建設省の仕事は当然大事な仕事として位置づけられると思いますが、私どもはそういう意味で国土庁の役割はいよいよ省庁再編成の中の最も重要なところに位置づけられて、そしてその中で均衡のある国土行政というものが進められていくであろうというふうに考えております。今私どもは省庁再編の中で国土庁はその役割をどう果たしていくべきか、我が国土庁としての基本的な考え方をまとめてほしいということを事務方にも指示しているところでございます。
 委員からもいろいろなこれまでの国土庁の役割については評価をいただいたわけでありますが、今後ともどうぞ御協力をいただきますようにこの機会にお願いを申し上げる次第であります。
○奥村展三君 一方では地方分権が叫ばれている、そしてまたそれを実現していただかなければならないと思います。ですから、外交、防衛あるいは教育、そして今お話しのように国土の発展、こういうものはやはり国としての根幹をなすものでありますから、国民生活に大変大事なものでもあります。これはしっかりとした足腰の強い基盤づくりをする必要があると思います。
 そうした中で、私は、今おっしゃったように建設省あるいは農水省等々のそういう事業省庁との関連あるいは連携、先ほども申し上げました積算単価一つにしても、地方に住んでおれば、なぜこんなことが起きるんだろうかというような、小さなことでありますが、矛盾を感じたわけであります。
 国土の均衡ある発展を目指して総合調整役をぜひ国土庁が今後も推し仕切っていただけるように、私は個人的に応援をして頑張っていきたいなというように思っておるところでございます。次に、沖縄振興策についてお伺いをいたしたいと思います。
 もう既に先輩の椎名先生からも具体的なお話がございました。国民所得、県民所得、いろいろあるわけでありますが、県民所得をとってみたら最下位である、あるいは失業率は本土の二倍であると言われております。先月、私も長官と御一緒に慰霊祭に参加をさせていただいたときに、四団体の方々からの切実なる思いを私も感じさせていただきました。
 最近、特措法の流れを考えたときに、本当に我々も一生懸命沖縄という、そして戦争というもの、そして戦後の復興の中でどのようにしていけばいいかという沖縄の位置づけ等もいろんな議論がなされてきたと思うんです。しかし、国は国なりに一生懸命、橋本総理を中心に、また官房長官を中心にいろんな施策を推し進めていこうとされておる。実際あのときに話を聞いた市町村の温度、そして県の温度、国の温度、何か私はそこにアンバランスがあるのではないか。我々も一生懸命国として沖縄開発なり沖縄振興をしていこうと。決して特措法があったからやるというのではなくて、これからの国のあるべき姿の中でやっていこうと考えていながら、最近の報道や、いろんな現場へ行ってあのように四団体の方々にお伺いしていると、どうも県と市町村の温度差があるのではないか。
 これは私の個人的な感じかもわかりませんが、この点について、長官、どのようにお考えになって、今後どのように振興策を推し進めていこうとされているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(稲垣実男君) 今確かに御指摘の面の視点から見ますとそういうような感じも持たれると思いますが、本土に沖縄が復帰して以来、三次にわたっての沖縄振興開発計画に基づきまして、いわゆる国、地方公共団体がそれぞれ役割を分担してきた。その相互に密接な連携と協力を進めていきながらも、確かにある面で見れば温度差を感ずるかもしれませんが、とにもかくにも今沖縄県におきましては新しい国際都市形成構想を策定しているところでありまして、産業経済振興のための新たな施策の展開を図ろうとしております。また、市町村においても地域の実情を踏まえたさまざまな振興策がいろいろ出てきておるわけであります。それをどう調節するか、これがなかなか至難のわざでございます。
 しかし、沖縄の振興開発に当たっては、県と市町村がいわゆる役割を適切に分担して、そしてお互いに協力をしていく。何でも自分の方はこうだよということでばらばらではいけませんので、致協力すれば私は温度差はなくなるだろう、同じ火の玉になるということが大事だ。別々で見ると、どうもあっちの方は熱いがこっちは冷たいぞと、こういうふうに見えるかもしれませんが、つに協力し合えば同じ温度になるのじゃないか。
 そういうことがこれから必要でありますので、そういった観点から沖縄開発庁としては、県や市町村の振興策に十分留意して、沖縄県とそれから各市町村と十二分に密接に相談しながら、社会資本の整備やあるいはもろもろのソフトや経済自立策、また雇用の問題についても若い人たちが県内で就職できるようなそういうものをつくっていかなきゃならない。そして、全体が所得の向上、県民の生活の向上に役立つようなことをやっていかなきゃならぬと思いますので、そのように進めていきたいと思う次第です。
○奥村展三君 ありがとうございました。
 ぜひ、今長官が熱意を持って御答弁をいただいたその方向づけがなされるようにお願いをいたしたい。
 大変僭越な言い方でありますが、沖縄県民の皆さん方の意識改革というのも私は大事ではないかなというように思います。そうした中で、沖縄県みずからのリーダーシップをとっていただき、国と市町村、その連携を常にとりながら、ぜひ当初の目的が達成できますように期待をさせていただいて、質問を終わらせていただきます。
○栗原君子君 新社会党の栗原君子でございます。幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、建設省におかれましてはただいま第九次の定員の削減をなさっているところでございますけれども、この定員削減の中で建設省に求められている業務推進のために委託労働者を導入しているわけでございます。この委託労働者は行政判断を伴わない補助的業務と、このように建設当局は答弁をしていらっしゃるわけでございますけれども、実態は現場の監督業務あるいは単価入れを含む積算業務など、職員と同等の仕事をしているわけでございます。責任を持った直轄事業推進のためには国家公務員としての職員が対応することが当然であろうかと、このように思いますけれども、まずこの見解を伺います。
○説明員(小野邦久君) お答えを申し上げます。
 確かに、あらゆる業務を私どもの職員で実施するということは、大変願ってもない、またそうあるべきではないかという面もあるわけでございますけれども、御案内のとおり、政府は現在、第九次の定員削減計画を昭和四十三年から進めてきております。
 私どもの役所は、残念ながら定員削減計画におきましては純減でずっとやってまいりました。そういう点もございまして、業務的には職員の数が大変少ないと申しますか苦しい状況にあると率直に言えるのではないかと、こう思うわけでございます。
 そういう観点から、ふえてまいります業務を実施していくためには、いろいろな単純業務あるいは国の行政判断を伴わないような補助的な業務につきましては業務委託をどうしてもやらざるを得ない、こういう状況でございまして、御指摘のとおり、すべて国の職員がということは理想ではございますけれども、現実には片方で定員削減計画の実施ということもございましてなかなか難しい状況にある、こういうことでございます。
○栗原君子君 それでは、相次ぐ定員削減計画の実施に伴いまして、職場は、予算を執行する上で、定員が確保されていない中で長時間の超過密労働が慢性化をしているわけでございます。また、超過勤務の縮減については、当局は具体的な方策はとっておりません。実態に合わない超勤の縮減キャンペーンなどを実施しているという報告も受けております。
 こうした中で、全国的にも在職死亡者が出ている、あるいはまた長期療養者が増加をしている、定年退職の補充はなされていないとか、特に地建の現場の職員に至りましては、地権者への土地の折衝などで夜な夜な地権者のところへ伺って土地折衝に当たらなければいけないと、こういった報告も来ておるわけでございます。
 私も大変気になっております数字がここに出されておりますけれども、これはことしの七月十八日現在の数字でございまして、一九九一年から九七年の七月十八日までで二百十六人在職の死亡者が出ているといった報告を受けています。さらに、この中には自殺をした人が二十九名といった数字も出ているわけでございますけれども、こういったことの中で、どうこれをお感じになっていらっしゃいますか。
○説明員(小野邦久君) 私どもの建設省の職員は、八つの地方建設局、附属機関、本省等を含めまして全体で二万四千人弱いるわけでございます。定員削減計画の実施前は三万六千人以上の職員がいたわけでございますが、どんどん減ってきていることは事実でございます。
 その中で、今先生御指摘の在職の死亡者あるいは一部自殺者がある。二百十六名という数字をおっしゃいましたけれども、ちょっと手元に私どもの数値というものを把握しておりませんけれども、二万四千人近く在職の職員がおりますので、在職中に死亡する者、不幸にも死亡する者が出てくるということになってしまうわけでございます。
 こういうことのないように、日々健康管理等にも十分意を用いたり、あるいは必要な健康診断を実施するとか、いろいろなこともやっているわけでございますけれども、現実には在職中の死亡が出てきていると、こういう状況でございます。
○栗原君子君 ここで、委託労働者にかかる職昌一人当たりの年間の経費、これは九六年度の人事院勧告の平均賃金の大体三ないし四倍程度と、委託労働者に対して高い金額を払っているということになるわけでございます。約千八百万程度にも達している。こうした経費は工事費等の値上がりにつながってくるわけでございまして、実際の工事に充てる予算の圧迫にもなっていると、こういったことも報告を受けました。
 また、国家公務員の人件費の削減の一方で、委託労働者の経費のために工事費が圧迫されている問題がある中で、私は、委託労働者にすればそれじゃ国民の税金をむだ遣いしなくて済むのかどうかと、こういったことが大変気になっていたわけでございます。
 そうした中で、この委託労働者が実際に受け取っている人件費は、これは労働組合のアンケートの結果を見てみましても、二年前にアンケートをとっておりますが、一人当たりわずか五百四十万円程度でございます。その差額が派遣先の会社の取り分になっているわけでございます。
 ここに、ことしの六月二十三日に出されました新聞記事がございます。地建の派遣職員委託料一人千七百六十万円、このうちの業者取り分一千万円といった数字が出ております。このことについてどうお考えでございますか。
○説明員(小野邦久君) 新聞に出ておりました数字、必ずしも私どもで把握している数字ではないわけでございますが、先生御指摘のとおり、具体的に委託職員を一人派遣していただくということをいたしました場合に、具体的な委託者と申しますか、受託者自体に直接会社から支払われる賃金と、それからその当該受託者自体のいろいろな人当庁費等も会社では必要になるわけでございます。特に私どもの場合にはどちらかというと、だれでもいいというよりはむしろ、例えば二級施工管理技士の免許を持っているとか、そういうよろな具体的な資格を求めるという場合もあるわけでございます。したがいまして、具体的な金額、生生の御指摘の点、金額が高い、あるいは低いということは一概には言えない。
 やはり具体的なコンサルタント会社等に委託、派遣を求める金額というものは、当該委託者に支払われる個別の賃金と、それからその会社の諸経費と申しますか、当該派遣業務を実施することによる諸経費というものも含んだ数字として計上されると、こういうことでございます。
 したがいまして、今の御指摘のような千七百万という数字、それぞれの業務によって違うというふうに思うわけでございますけれども、それのみをもって高いというようなことは必ずしも言えないという感じはいたしております。
○栗原君子君 本来、国家公務員としての職員が業務執行に当たることが、私はやっぱり仕事に対しての安全とか質がよいとか公平な公共事業を推進することができると、このように思っておりますけれども、国民に求められている公共事業のこれこそ推進ということになるんではなかろうかと思います。
 この委託労働者の経費が高くて、そしてこの特殊法人の派遣会社には建設省の高級官僚の天下りがついていらっしゃる例が大変多いといったようなことも聞くわけでございます。
 工事費の圧迫となっていることからいたしましても、職員の大幅増員こそ私は必要ではなかろうかと思うんです。事業量が減るのであるならばまだ職員の削減ということもそれは納得できる部分があるわけでございますけれども、事業量は減りません、ふえているという状況の中で安全、良質、公平な公共事業を推進することが、これこそ国民本位の公共事業推進ということになるのではないでしょうか。こういうことを思うわけでございます。
 実は、私は先般広島の国道工事事務所に参りました。ここでは所長以下百四十三名の職員とそして六十八名の委託職員がおりまして、計二百十一名の事務所でございます。
 大体、新聞の報道でも三・五人に一人は民間人だということになっておりまして、場所によりましては官民逆転の職場もあるということでございます。法外な委託料は税金のむだ遣いになっているといった指摘があるわけでございますが、どのようにお考えでございましょうか。
 さらには、報告を受ける中でも明らかにされましたけれども、正規の建設省の職員は二年ほどで異動をするというのであります。そして、委託職員はずっとその部署にいるから、委託職員の方が事業の内容も大変よく知っているといったようなことがあるわけでございます。このことについてはどのように考えていらっしゃいますか。
○説明員(小野邦久君) 先生、御指摘にございました広島国道工事事務所でございますけれども、若干数字は六月末の現在員かどうかということで違ってきているわけでございますが、確かに平成五年度の当事務所の年度末定員は百五十一名でございましたが、平成九年度は百三十七名ということでございまして実質十四名の減と、こういうことになっております。この間、事業費は多少の伸長はございますけれども、どちらかというと一貫してふえてきていると、こういう状況にもあるわけでございます。
 一方、委託人員の数につきましては、五年度は八十五名の委託人員がいたという実績もございます。そのときどきの業務によって消長もするわけでございますが、ただ、これにつきましては平成九年度はかなり数も減っております。
 御案内のとおり、繰り返しになりますが、私どもは政府といたしまして定員削減計画の第九次を実施いたしておりまして、平成九年度はその初年度分でございます。私どもの定員が二万四千名弱おりますけれども、ことしは二百三十名ぐらいの定員は減員を実施しないといけないということでございまして、定員状況は大変苦しい状況でございます。
 御案内のとおり、本院におきましてもことしは定員増の請願の採択を認めていただいた大変少ない役所の一つでございます。本来でございますと、正規職員が実施をすることが本当は一番望ましいということもございます。必ずしもそれだけで対応できない場合に、必要最小限の委託職員を採用して事業を実施していくということはやむを得ざる事態でございまして、今後とも委託職員の数等、安易に流れることのないように十分工事事務所あるいは地方建設局、本省等を挙げて努力をしていきたい、こう思っております。
○栗原君子君 机を同じように並べまして仕事をしているわけでございますので、委託職員が大体どれだけいるのかということで、印をつけてくださいと言ったらこういった印をつけてくれまして、結構委託職員がいるということが言えるわけでございまして、これは単に私は広島の国道工事事務所だけではなくして全国的にそうしたことは言えると思うわけでございます。
 そして、ここで委託職員に対しましてまたアンケートをとっておりますけれども、契約内容と違う仕事をしている、会社でなく建設省の上司から命令をされているといったようなことをアンケートで答えております。契約内容と違う仕事をしたことがありますかという質問に対して、六割の人があると回答をしております。特に現場、技術や積算補助が高い率となっていますが、仕事のやり方では、建設省の上司からの一方的な押しつけ、あるいは配分が五五・五%、会社の上司からはわずか一三・三%ということになっております。
 労働派遣法の違反という実態が浮き彫りにされたというように解釈をしてもいいのでしょうか、どうでしょうか。
○説明員(小野邦久君) 具体的に委託職員がどこから指揮命令を受けるかと、これは受託者ということにもなるわけでございますが、その派遣元ということにもなるわけでございますが、派遣元との契約で例えば工事監督の補助業務とかあるいは積算の補助というような形の中で具体的な幾つかの業務を契約としてお願いする、その当該工事事務所の具体的な担当の課の中で仕事をしていただくわけでございますから、御指摘のように若干その部分で命令系統がはっきりしない部分というものがある場合もあろうというふうに思うわけでございますけれども、具体的にはあくまでも受託先と委託先との契約によって、派遣元の業務の内容によって処理をしていただくと、こういうことだと思っております。
○栗原君子君 今、答弁を伺いますと、あくまでも補助部分だということをおっしゃいますけれども、補助部分になっていないんです。職員以上によく物事を知っておりまして、職員は早い人は一年でまた異動していくということでございますから、そこは委託職員がいなきゃ何もできない。あるいはまた、ある出先に至りましては、そこの出先のキャップだけが正規の職員でありましてあとはすべて委託労働者だというんですね。これで補助的な業務ということが言えますか。
○説明員(小野邦久君) 具体的な工事監督業務あるいは積算業務にいたしましても、責任を持って担当の課の課長あるいは監督官等が判断をし実施をするわけでございまして、さっき単価入れというお話がございましたけれども、具体的な積算業務の中で、その一部を実施するということも当然あるわけでございますが、全体としての責任はあくまでも当該担当課の課長なりあるいは監督官とか所長が負っているというふうに理解をいたしております。
○栗原君子君 責任を持ってやるということは言えるわけで、それをしなければいけないということはよくわかっているんだけれども、正規の職員ではそれは手が回らない一大変手薄だと、だから写真を見てそれで判断をするだけに終わることもあるという報告を受けました。これ、どうですか。
○説明員(小野邦久君) 具体的な写真を見てというと、これは例えば現場監督の写真ということなのかと思いますけれども、午前中にも岩井先生から写真のお話を御指摘いただいたわけでございますが、現場で後から確認ができないような業務を、その場で写真を撮っておいて施工管理の効率化を図るということは当然あり得るわけでございます。また、それを結果として会計検査院の検査業務に応用していただくということもあるわけでございますが、例えば工事監督の補助という業務の場合に、責任者がたまたま現場に行くことができない中で、写真等によってその日の具体的な施工の実態、出来高等を判断するということはあり得るお話というふうにも思うわけでございます。
○栗原君子君 建設省のあの霞が関のビルの中にいらっしゃったのでは私は現場が十分にわかっていらっしゃらないなという気持ちを今持って聞かせていただきました。少し勘違いがあるんじゃないかという思いがいたします。
 続きまして、維持管理費の圧迫についてお伺いいたしますけれども、公共事業推進の重要な役割でございます防災とか国土保全、地震の予知、あるいはまた住宅の整備などの生活関連予算の低下の問題がございます。
 公共事業費の縮減が言われている中で、大型プロジェクトへは予算がつけられても、維持修繕費へのしわ寄せがあるのではなかろうか。これらは阪神・淡路大震災でも、あるいはトンネルの崩落事故、土石流の災害など大規模な災害だけを見ても多発をしているように思います。
 こうした災害で指摘されているのは、監督体制の充実、維持管理の充実、安全対策の徹底であると思います。住民が求めております生活基盤整備の充実こそ真の公共事業であると思いますが、維持修繕費が大変少なくなっているといったことは、先般も私は労使ともにそういう言葉を聞きましたけれども、どうお考えですか。
○説明員(小野邦久君) 私どもは、直轄のダムあるいは道路、河川等、あるいは一部国営公園等の維持修繕管理をいたしております。具体的に維持修繕関係の予算というのは、当該管理をいたします施設の延長、あるいは担当の部分ということによって決まってくるわけでございますが、御指摘のとおり、公共事業等の具体的な施設を維持管理する、あるいは修繕をしていくということは大変重要な課題でございます。維持修繕費を削って例えば新規の事業に回すとかいうような、現状では十分な予算のない中で事業を実施していくわけでございますから、いずれも厳しい条件のもとでやるわけでございますけれども、御指摘のとおり維持修繕費を削って他に回すというような、そういう予算運営というようなことはやっていないつもりでございます。
○栗原君子君 そのやっていないつもりがやっているということが、実は先般いただきましたこのパンフレットを見てみましても、八年度、九六年度ですね、四十億九千五百万円、維持修繕費が組まれておりますけれども、今年度、九七年度は二十九億九千万円と、これだけ大幅に減らされているということを言っております。
 特に、国道といえども、雨降りに子どもたちが通学途上、傘を差しても傘が国道にはみ出るといった状況、あるいは街路樹の暫定が十分でないとか、わだちがあるとか、そうしたさまざまな、新規のものも必要かもしれませんけれども、今あるものにもつと目を向けていただきたい、このことをお願いいたします。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 諌早湾の干拓の問題もお願いをしておりますけれども……
○委員長(宮崎秀樹君) 時間でございます。
○栗原君子君 時間がだんだん少なくなりましたので、最後に建設大臣、今のやりとりを聞いていただきまして、どのようにお考えになりましたか。お願いします。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、行政改革に公務員の削減は避けて通れないと、このように思います、基本的には。
 ただ、そのことが職員の理不尽な労働強化につながることがあってはならぬわけでありますから、そういう意味では業務の効率化、スリム化ということを進めていかなければならないと思います。安易にそれを業務委託とかいう形でしり抜けでいきますと、何のために行革をやったかわからなくなるわけでありますから、今委員が御指摘の点は、今後行革を進めていく上において極めて私は大事なところだと。
 そういう意味では、建設省に私は厳命しております。一升瓶を提げて地権者の方々のところに頭を下げて歩くような業務は一切やるなと、これだけでも業務が少なくなるわけでありますから。そういう意味で、やるべき業務を限定していく、自治体にお任せするところはお任せをしていくということである。また、住民の方々の自己責任、こういうものも強く求めていくという中で、業務自体をスリム化し、効率化していく、そうして公務員もやはり減らしていくということであると、このように思います。
 くれぐれも申し上げますが、労働強化の起きない配慮は当然であります。
○委員長(宮崎秀樹君) 他に御発言もないようですから、本日の審査はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時三分散会
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