第140回国会 科学技術特別委員会 第6号
平成九年五月十六日(金曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 四月一日
    辞任         補欠選任
     長谷川道郎君     及川 順郎君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     山本 正和君     清水 澄子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         猪熊 重二君
    理 事
                鹿熊 安正君
                吉川 芳男君
                高橋 令則君
                中尾 則幸君
    委 員
                海老原義彦君
                北岡 秀二君
                沓掛 哲男君
                二木 秀夫君
                松村 龍二君
                及川 順郎君
                広中和歌子君
                水島  裕君
                清水 澄子君
                川橋 幸子君
                阿部 幸代君
                立木  洋君
   国務大臣
       国 務 大 臣
      (科学技術庁長
       官)       近岡理一郎君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      沖村 憲樹君
       科学技術庁長官
       官房審議官    興  直孝君
       科学技術庁原子
       力局長      加藤 康宏君
       科学技術庁原子
       力安全局長    池田  要君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        塩入 武三君
   説明員
       原子力安全委員
       会委員長     都甲 泰正君
       資源エネルギー
       庁公益事業部開
       発課長      藤田 昌央君
   参考人
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事
       長        近藤 俊幸君
       動力炉・核燃料
       開発事業団副理
       事長       植松 邦彦君
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事  中野 啓昌君
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事  岸田 篤彦君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (動燃東海事業所再処理施設火災爆発事故等に
 係る諸問題に関する件)
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○委員長(猪熊重二君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月一日、長谷川道郎君が委員を辞任され、その補欠として及川順郎君が選任されました。
 また、昨十五日、山本正和君が委員を辞任され、その補欠として清水澄子君が選任されました。
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○委員長(猪熊重二君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に動力炉・核燃料開発事業団理事長近藤俊幸君、同副理事長植松邦彦君、同理事中野啓昌君及び同理事岸田篤彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(猪熊重二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(猪熊重二君) 科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、動燃東海事業所再処理施設火災爆発事故等に係る諸問題に関する件を議題といたします。
 この際、委員長から一言申し上げます。
 開会に先立ち、科学技術庁長官から、去る三月十七日の当委員会において政府及び動力炉・核燃料開発事業団の発言の内容について事実と反する箇所があった旨の申し出がありました。これは、原子力行政に対する国民の信頼を著しく損なうものであり、本委員会としては遺憾の意を表するとともに、政府及び同事業団に対し、今後かかることのないよう強く要望いたします。
 この件に関し、政府及び動力炉・核燃料開発事業団から発言を求められておりますので、これを許します。近岡科学技術庁長官。
○国務大臣(近岡理一郎君) 三月十一日に発生した動燃事業団アスファルト固化処理施設の火災爆発事故につきましては、地元の方々を初め国民の皆様に多大な不安と不信を与え、原子力行政の責任者として大変重く受けとめております。
 また、一連の事故対応について、情報伝達が遅いだけでなく、虚偽報告で告発する事態にまで至り、本委員会における動燃の参考人としての答弁においても事実に反する発言がなされるなど、まことに遺憾のきわみであります。
 今後とも、私自身が先頭に立って原因究明等に毅然として取り組むとともに、当庁みずからの緊急時体制の見直し、動燃の抜本的改革に総力を挙げて取り組んでまいる決意であります。
 特に、動燃の改革については、私直轄の動燃改革検討委員会を中心に、業務の抜本見直し、現場重視の体制整備、業務運営の透明性確保といった事項について、聖域を設けず、ゼロから出直す覚悟で徹底的に実施してまいる所存であります。
 今後とも、委員長を初め委員各位の御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。
○委員長(猪熊重二君) 次いで、近藤参考人。
○参考人(近藤俊幸君) 先般三月十七日の本委員会において、事実と異なる発言を行ったことは、国会の権威と尊厳を傷つけ、猪熊委員長初め委員会の諸先生方に大変御迷惑をおかけしました。深くおわび申し上げます。本日、おわびと訂正の機会を設けていただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、早速でございますが、さきの本委員会での発言内容の誤りにつきまして御説明させていただきます。
 三月十一日十時二十二分に消火の確認をしたと御説明してまいりましたが、実際にはそのような事実はなく、十時十二分ごろに水噴霧による消火を開始し、十三分ごろに火が消えていると認識し、水噴霧を停止しただけということが四月八日、社内調査で明らかになりました。本件は管理職までが関与した虚偽であり、規制当局から告発を受けるというまことに不名誉な事態となりました。まことに申しわけなく思っております。
 そのほかにも、写真を廃棄するなど、事実を事実として報告するという基本原則の認識の甘さや、指示連絡の不徹底が原因で起こした不祥事もありました。これらの発生原因、問題点を徹底的に洗い出し、改革につなげる決意でございます。
 国権の最高機関である国会の参議院科学技術特別委員会において、まことにあり得べからざる答弁をいたしましたこと、また、三月二十一日の委員派遣の際にも同様の御説明を申し上げておりましたことについて、重ねておわび申し上げるとともに、訂正させていただきたく、お願いいたします。
 今後とも、委員会の先生方におかれましては、御指導くださるようお願い申し上げます。
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○委員長(猪熊重二君) 次に、動燃事業団アスファルト固化処理施設における火災爆発事故に関する原因調査状況について、政府から報告を聴取いたします。近岡科学技術庁長官。
○国務大臣(近岡理一郎君) 火災爆発事故の原因調査状況について、御報告いたします。
 今回の事故については、事故調査委員会において、全面公開のもとで原因究明のための調査検討を鋭意進めてまいりましたが、先般五月八日に、これまでに明らかになった事実関係を整理し、調査状況について中間的な取りまとめを行い、公表いたしました。
 本報告書の詳細については、原子力安全局長より後ほど説明させますが、科学技術庁としても、迅速かつ正確な情報入手のための体制ができていなかったことから、状況の把握等が十分に行えず、事故の重大性の判断を誤り、的確に対応できない点がありました。科学技術庁として、これらを重く受けとめ、今後の行政に的確に反映させ、全力で改善策を講じてまいりたいと思います。
 今後とも、原子力の安全確保に取り組んでまいる決意でありますので、御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
○委員長(猪熊重二君) 池田科学技術庁原子力安全局長。
○政府委員(池田要君) 動燃事業団アスファルト固化処理施設における火災爆発事故の原因調査状況について御説明申し上げます。
 火災発生原因の調査状況につきまして、運転記録、作業者からの聞き取り等から、これまでに次のことが判明いたしました。
 すなわち、最初に火柱が上がったとされますドラム缶は、処理されておりました給液バッチのうち、二十八及び二十九バッチのドラム缶、または二十九バッチのみのドラム缶である可能性が大きい。事故の数日前から、廃棄物の発生量を減少させるため、廃液の供給量を通常よりも下げて運転しておりましたが、この運転は放射性物質濃度が比較的高い廃液では初めてであり、混合物中における化学反応の促進に寄与した可能性がある。混合処理工程で部分的に温度の上昇が見られており、異常な発熱反応が起きていた可能性がある。ドラム缶に充てんした際、混合物がかなりやわらか目であり、ドラム缶から蒸気のようなものが出ていました。このことから、混合物の温度、成分が通常と異なり、気体の発生を伴う化学反応が進行していた可能性がある。
 そして、着火の原因については、可燃性蒸気の発生と同一事象として考えられる自己発火による着火である可能性が極めて大きい。爆発につきましては、当初火災が発生したアスファルト充てん室において着火し、爆発が起こった可能性が大きいと考えております。その原因につきましては、可燃性ガスの発生、可燃性粉じん、ミスト等の発生、液体状または固体状の爆発性物質の生成が考えられ、火災との関連を考慮しつつ、今後検討を行ってまいります。水噴霧によります消火については、再発火の防止の観点から、一分間程度では明らかに不十分であったと考えられます。
 また、事故後の動燃事業団及び原子力安全局の対応につきましても、これまでに明らかになりました事実関係を取りまとめるとともに、これらを踏まえた改善策について記述しております。
 今後は、サンプルの採取、分析、実験等を着実に実施し、得られたデータ等を公開で行います事故調査委員会の場で徹底的に吟味することにより、火災及び爆発の原因についてさらに十分な検討を進めてまいることとしております。
 御説明は以上にさせていただきます。
○委員長(猪熊重二君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○沓掛哲男君 自由民主党の沓掛でございます。私の持ち時間は二十五分でございますので、簡潔に進めさせていただきたいと思います。
 私は、エネルギー確保の観点から、動燃で行っている研究開発、それに伴う実験、試験というものは極めて重要であると認識いたしております。
 動燃は設立して三十年経過していますが、これを節目にしてさらなる発展を、それは量的よりも質的な発展を希望するものです。であればこそ、今回の一連の事故に関連して大変厳しい質問をさせていただくことになるかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。
 そこで、動燃東海事業所のアスファルト固化処理施設において去る三月十一日に発生した火災並びに爆発事故について、今いろいろ説明等がございましたが、これについてお尋ねしたいと思います。
 私自身も、大学を出て国立の研究機関に五年間いた人間でございますので、そういう体験も踏まえながら、少し中に入った質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、この実験の目的は何なんでしょうか。そして、その際の実験の企画立案をされ、実験実施の責任者となる人がいるはずですけれども、その人はだれなんでしょうか、教えていただきたいと思います。
○参考人(中野啓昌君) お答えいたします。
 今回、当事故のございましたアスファルト固化処理施設におけるキャンペーンでございますが、平成九年二月七日から実施しております。やっておりました試験目的の内容は、廃液の貯槽の底の部分にございます廃液を固化した場合の影響調査、それから、第二点目といたしまして、固化体の減容率を改善するということの検討などを目的として行ったものでございます。
 火災発生時におきます運転では、エクストルーダと申しまして、アスファルトと廃液を混合させる機械でございますが、ここへの廃液供給量を低下させることによりまして固化体の減容率がどの程度下がるかを把握しようとしておったわけでございます。
 運転計画の作成に当たりましては、担当の主査と作業請負会社の職員によりまして、今までの実績をもとに安定運転条件等の検討を行いまして、検討に基づきキャンペーン運転計画書を作成し、担当主査が確認した後、運転担当責任者である処理一課長の承認を受けまして試験運転を実施していたわけでございます。したがいまして、実施にかかわる責任者は処理一課の課長でございます。
○沓掛哲男君 今、担当の主査も確認したと言うけれども、そういう企画立案するのは作業員なんでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) お答えします。
 作業員が単独でやる場合もございますし、作業員が主査と相談をして企画する場合もございます。それはそのときの内容によります。
○沓掛哲男君 この問題は後ほどまた深く入っていきたいと思います。
 次に進みます。
 三月十一日の十時六分の火災発生時に、実験責任者、あるいは今おっしゃった職員で言う担当の主査あるいは一課長、だれかがおられるのが普通なんです。私たちは、自分で研究所にいてそういうものを計画云々すると、もうそれだけで頭がいっぱいになって、一生懸命考えていますから、現場に常に張りつけでいたものです。そういうことから見て、今申し上げた、職員がだれもいなかったようなんですけれども、一体なぜこういう人たちは現場にいないんでしょうか。作業員に任せきりなのでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) 先生御指摘のように、当日は、担当課の課長でございます処理第一課長は出張いたしておりまして、代理者ということでその課の管理職でございます担当役が当日の業務の管理をいたしておりました。そこで報告を受け、また、当日の必要な運転に関する指示をしておりました。
○沓掛哲男君 消火設備作業要領においては、消火設備の操作は今言われたように班長の指示で行うこととされておりますが、班長不在の場合の代理者は恐らく今おっしゃった担当役ということになるんでしょうけれども、代理者の規定はないのか、また、代理者は決められていないのかということですが、今おっしゃったように代理の担当役ということでよろしいわけですね。
○参考人(中野啓昌君) 私ども、代理者を決める場合に二つの方法をとってございます。
 一つは、何といいましょうか、職制上直近上位の人が代理者になるというルールがございます。この場合には、特にだれが代理ということには決めてございません。決めてある場合には、第一代理者はだれだれ、第二代理者はだれだれとあらかじめ数代理者まで決めてございます。そういう二つの方法をとっております。
 この場合には、代理者を指定しておりませんので直近上位ということになりまして、この場合は主査になります。主査がいない場合には担当役ということになります。
○沓掛哲男君 そうすると、担当の主査というか、今おっしゃられたのは、作業の責任者は作業員で、それがあれならば上の担当の主査ということなんでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) 先生今お尋ねのことに関して御説明申し上げましたのは、消火を行う際に、例えば水をかけたいという許可をとる、その許可をとるのは通常は班長でございます。班長がいない場合にだれに聞くかといいますと、直近上位である主査に聞くという、このあたりを御説明申し上げたわけでございます。
○沓掛哲男君 班長の上に主査がいるわけですか。そうですが。
 そこで、三月十一日十時六分、火災発生後、職員が最初に現場に行ったのは何時なのでしょうか。それはだれなのでしょうか。そして、どのような指示を行ったのでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) 職員が火災発生後入ったのは何時か、だれか、どういう目的かということかと存じますが、火災後、職員が最初に入りましたのは同日の十五時十五分でございまして、火災現場の中に入りました第二回目の際でございます。このときに放射線管理第二課の職員が放射線の状況調査のために入域してございます。
 なお、第二班は三名で入域しておりまして、作業の目的はスミアーの採取とか、ダストモニターのろ紙の交換とか、建屋の換気系、運転前の作業確認等でございまして、当時既に事故対策本部ができておりましたので、本部長の指示に基づいて入っております。
○沓掛哲男君 十五時十五分に入られたということですが、部長さんが事故対策云々で職員を集められたというのは、いろいろ資料を見ると火災発生十時六分後そんなに時間がたっていなかったと思うんです。部長さんが職員を集めて、そして対策をつくって、その人たちは十五時十五分まで、これはまた別の人が行くということだけれども、集まった人たちはなぜすぐその場で行かなかったんですか。そしてまた、十五時十五分に行かれたというのは結局その人ではないということなんでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) 先生御案内のように、火災が発生いたしましてセルの中から煙が出てきたわけでございます。煙が出てまいりますと、当然セルの中にございます放射能も外に漏れ出してくるわけでございまして、そういう影響等も考えまして、十時三十分過ぎには退避命令を受けまして全員がその施設から退避をしておるわけでございます。
 現場では、既にべータダストモニターの吹鳴等がございまして、空気汚染が発生しているということもわかっておりました。したがいまして、火災発生時におきましては、まず待機する、そして状態を見て中に順次入っていくという措置をとりました。今、第二班の中に職員が入っていたと御報告を申し上げましたが、第一班といいますのが十三時三十四分に、ほぼ中の煙が出てくるのがおさまったなというところを見計らいまして、消防署の職員の方と作業員二名とで入域いたしております。このときは中の状態がどうかということでさっと中に入っただけでございますが、当然防護服等きちっとした格好をして、安全を十分確保した上で中に入っております。
○沓掛哲男君 後からも出てくるし、またきょう安全局長の説明したこの資料を見ても、出てくる人はみんな作業員なんですね。今もおっしゃったように、十三時三十四分に入られたのも、消防署の人と作業員が入るというんだけれども、職員はどこからも出てこないんですよ。
 こういうことをしていると二十五分の時間がなくなるので、少し前に進めさせてもらいますけれども、私は、なぜ本当に消火の確認というのを職員が行わなかったのか非常に不思議なんですよ。通常では考えられない。やっぱり現場の責任者というのは、作業員にも人任せきりじゃなくて、必ず自分が行くというのが通常なんだけれども、ここのところはどうしてそうなっているのか、ちょっと異常だなというふうに思います。
 さて、二十時四分における爆発事故発生時、現場にはだれかが常駐していたのでしょうか。職員もだれかがいたのでしょうか。被曝した人が三十七名いて、その中に職員は二人いたということですが、それはその後でもあり得ることなんだけれども、爆発事故が発生したときの現場にはだれがいたんでしょうか。すなわち二十時四分の現場です。
○参考人(植松邦彦君) お答え申し上げます。
 二十時四分ごろに爆発が発生いたしました。このときは、報告書にも出ておりますように、職員及び作業員は隣の建物に集まってその後の入域についていろいろ準備作業、ブリーフィングをしておる最中でございました。したがいまして、職員は隣の建屋にほとんど集まっておった状況でございました。職員が最初に爆発後の現場に入りましたのは煙の発生がおさまった後でございます。それは三月十一日の二十三時十分ごろでございますが、安全を確認しながら防護具等を着用して、安全管理部放射線管理課の第二課員、これは職員でございますが、現場状況調査のために入域をいたしております。
○沓掛哲男君 今、職員というと放射線のそういう人たちであって、実験をした人たちというのはなかなか出てこないんですね。アスファルト固化処理施設の関係者は職員四名と四十一人余りの作業員と聞いているんですけれども、経常業務は作業員に任せて、実験も任せているんでしょうか。何もかも任せているとしたら、職員は一体何をしているのかなと思えてならないんです。しかし、今ここでそれを聞いていると時間がないので、そういう強い気持ちがあります。私が研究所にいたころとはもう全然違うんですよ。
 それで、次に移ります。
 動燃は、一九八一年十二月十五日に発生したユーロケミックの火災事故の情報を受けて、一九八二年七月から九月にかけて安全性確認のための二百リットルドラムの固化体燃焼試験を行っています。報告書にございます。その際、火が出ましたのでスプレーを五分間放水したら炎が消えました。さらに三分間継続し、トータル八分間の放水で消火をしたとあります。このことにより、一定時間継続放水すれば完全消火が可能なことが確認されています。大変立派な実験がなされております。
 この試験結果がなぜ生かされなかったのでしょうか。動燃ではいろんな試験をするけれども、その試験結果は一体どんなふうに取り扱われているんでしょうか。一過性で、終わったらばいということなんでしょうか。何か処方、動燃技術資料のようなところには書かれているようなんですけれども、動燃というのは一体どういうふうなことで実験をやっているんでしょうか。試験研究員がやってそれで終われば終わったという、後に生かせるシステムというのはないんでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) 先生の御質問は二つあろうかと思いますが、まず燃焼実験等を行った成果が十分反映されていないのではないかという件に関してでございますけれども、燃焼試験等を行いまして、実は幾つかの改良、改造を行ってございます。一つはセルの中の噴霧孔の増設でございまして、特に……
○沓掛哲男君 時間がないのでそんな内部のことは結構です。使われたかというのを簡潔に答えてください。
○参考人(中野啓昌君) 幾つかが使われましたけれども、いわゆる燃焼時間をどれだけに設定するかという部分については、教育訓練とかあるいはマニュアルの中に使われることがございませんでした。
 なお、試験研究の成果につきましては、一般的に技術資料として登録をいたしまして、関係者に配付し、私どもの図書館にも設置し閲覧できるような形をとってございます。
○沓掛哲男君 今申し上げているのは、そういう実験をしたからスプレーの穴がどうとかということじゃなくて、火が出たら何分間やるということが一番基本なんです。私ずっと勉強してみたんです。そうすると、動燃の皆さんというのは、特に職員の皆さんは一体何が大事なのかわかってないんですよ。動燃の目的が何なのかがわかっていない。今、そんな穴がどうなんというのは二次的なことなんです。火が出たら長い間スプレーをやれと。五分とか八分やれということが大切なんです。万事そうなんですよ、非常に私も残念なんですけれども、次に行きます。
 動燃の特異な制度として、作業請負契約が昭和五十三年度から採用されております。これは仕事がふえて人がふえないということですし、ほかにもないわけではありませんが、採用されておりますが、契約を超えた事態への対応はどうなっているのか。契約上は職員に指示を仰ぐことになっているんでしょうけれども、実態は職員と作業員との業務範囲が混然一体となっているのではないでしょうか。
 作業員制度導入から二十年経過しており、現場の職務を熟知した作業員に本来職員のやるべきことも任せて、その結果を報告してもらうようになっていたのではないでしょうか。その結果、責任の所在が不明確になって、自分がいてもいなくても余り関係ない、作業員にさえ言っておけば何でも報告してまとめてきてくれる、そういうふうな何となく動燃自体の職員の無責任さがここに出てきたように思えてならないんですけれども、これについてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) 今回の運転に関しましては、動燃と会社との間で作業請負契約をきちっと結んでおりまして、先生御指摘のございました業務内容につきましても具体的に明示してございます。そして、契約締結に当たりまして、合意に沿った作業範囲の中できちっと責任をとって仕事をしていただくというふうにしてございます。
○沓掛哲男君 契約とか云々はそうなんだけれども、実態がそうでないということを私は言っているんです。
 それから次に、動燃の実験等で私思うんだけれども、基本的なものとそれに付随した二次的なものが世の中どこにでもあるんです。木で例えれば幹と枝葉に当たるものに分けられると思うんですけれども、最初に私は目的を聞いたけれども、あの目的は何かというと、要するに、ドラム缶に廃棄物をアスファルトを入れ込む、そうすると、大体熱いやつを入れるものだから、冷えていくと上に一五%ほど空間があくわけですね。空間がドラム缶にあくから、それをもう少し、何%でも余計入れればドラム缶の本数が減る、そういう実験なんです。要するに、家庭でいえば、ごみが出る、それを袋に入れる、上の方にすき間ができる、すき間ができると袋が余計に要るから、そのわずかなすき間に何かもうちょっとごみを入れるようなことができないか、そういうことで、それも経費を節減する上で決してむだだということではないんですけれども、そのことで、こんな大きな不始末で動燃全体がひっくり返るようなことが起きてくるんです。
 だから、何が一番大切なのか、そういうことについて全体の人がよくわかっていないというふうに思えてならないんです。もちろん私はこの八五%充てんされているのをもっとふやすことを意味がないと言っているのではありません。しかし、それがいわゆる動燃の死命を制するものではないし、死命をかけてやるべきものでもないんです。ないと言うと言い過ぎですけれども、そういうこともあってこれを重要視しないで非常に軽率にやったのかなというふうに思えてならないんです。お答えを聞いていると次に進めないので、そういうふうにぜひ理解してください。
 そして次に、私は思うんだけれども、今回の事故原因の調査は徹底的にもちろんやっていただきたいんです。しかし、この種の、アスファルト固化体減容率改善という難しい言葉を使っているけれども、要するにドラム缶の中に廃棄物を入れたら上にすき間あきます、アスファルトの熱いものを入れるわけですから。そうすれば、冷めていけば減るから、今の場合一五%くらいあく。そこを少しでも詰めたいということなんですけれども、そういうふうにやる処理方法というのは幾らでもあるわけです。今回の実験内容をさらに改善して、そして何が何でもその方法でやらなければ動燃の事業ができないというものでは全然ないんです。
 ですから、私は徹底的に究明はやっていただきたいけれども、これを全部読んでみると、いろいろな過程で、火がついたときにはこういうことじやなかったか、いやしかしこういうことなのかもしれない、まさにこれはこうだということをいっぱい仮定して随分勉強しているんですよ、今の火が出た理由なんかを。それを徹底的に動燃挙げてやっているというんじゃ、これは動燃の目的じゃないんですよ。ですから、必要な限度において速やかにこのことはやっていただいて、そして動燃本来の使命、役割分担をきちっとやっていただきたいと強く思います。
 もうよく皆さんもおわかりいただいたと思います。ドラム缶に一五%あく、その空間にいかに二%余計入れるか、三%やるかという実験なんです。ですから、そのことを大事でないとは私決して申しません。しかしながら、本当にそれだけで動燃がとまってしまう、我が国の原子力政策がそこで傾くというような、そんな大々々ではないとは言いませんけれども、やっぱり物事には幹もあれば枝葉もあるんです。
 私が最初に政治家になったとき、安倍晋太郎先生の派に入ったけれども、安倍晋太郎さんはいつも言われました。いわゆる幹立ちて基生ず、基本をきっちりとしないと幾らやってもだめだよと。そういう点で、私はこの幹という基本が動燃で何かこう、どこが幹なのかというしっかりしたものが全体としてぼやけてしまっているように思えてならないんです。
 それから次に行きます。
 もう時間もないんで、動燃を改革する上で私なりの意見を少し述べさせていただきたいんです。
 まず一つ、現場ではミスやトラブルというのはあるんです。ミスやトラブルのない現場なんてあり得ないんです。しかし、原子力に関するいろんなことにかけては、これは完全無欠です、もう本当にいかなるあれもありませんという、そういうことを今まで言ってきているわけです。それはいろんな背景があるからやむを得ないと思います。
 だけれども、私は、そういうトラブルはオープンにぜひしていただきたい。そして、速やかに善処する、そういうことを職員にも徹底していただく。トラブルやミスを恐れないで、そういうものがあったら速やかに善処する、そしてオープンにしていただく、そういうことが私はこれからいろいろ科学技術を進めていく上において、やる人も、また日本国民にもぜひ理解していただきたい。
 大きな事故になるようなことは、それはもちろん絶対にないようにはいたしますといってみんなでやっているわけですけれども、私もきのう、おとといと鹿児島の災害地に行ってきたんですけれども、川内にある原子力発電所が地震でどうなったかというのがきのうのマスコミの一番先の私への質問でした。ですから、そんなことは心配しないでください、原子炉は五重の安全性を持たせてといろいろ説明したら、彼らは、それならそういうことを川内の原子力発電所なり九電の人が言ってくれればいいじゃないですか、私らが行くと門前払いですというようなことを言っていましたけれども、そういうことのないようにぜひお願いしたいと思います。
 それから次に、いわゆる研究開発及びそれに伴う実験と経常的業務、すなわち運転業務とは区別して取り扱うことが私は必要だというふうに思います。研究開発的なものといわゆる運転業務的なものとは取り扱いを変えて、研究開発的なものは研究者、職員が中心になって、もちろんいろんな作業は作業員にさせるにしても。また、運転業務的になったものはもう作業員的なものにしてしまう。それを分けるのも必要でしょうし、けじめをつけながら運営することも私は大事だと思います。これを読んでみると混然一体になっているんですよ、研究開発も運転業務も。そして、何がここで一番基本なのか、そういう点がないというふうに思います。
 それから、予算の効率的執行と業務に応じた職員、作業員の適正規模の確保ということも大切だというふうに思います。
 今回の行財政改革でも、試験研究的なものについては特別配慮するということに党から出す案はなっているわけですけれども、貴重なお金をやっぱり大事に効率的に使っていただきたいというふうに思いますし、職員も、私は初め動燃は五、六百人の人かなと思ったんです。そうしたら二千八百人近くもおられるし、作業員は三千七百人もおられるんです。それを管理するだけで皆さん頭いっぱいになっちゃうんじゃないかなと思って、そういうことはないとは思いますけれども。だから、それはやっぱり適正規模というのは必要だというふうに思います。特に、研究開発的なものはお金がいっぱいあるとお金に追い回されてしまうんです。そういうことのないようにぜひお願いしたい。
 それから次に、人事政策としても適材適所の貫徹をぜひお願いしたい。
 動燃の場合はどうしても電力会社とかあるいはメーカー等からの出向者が参ります。そうすると、前の人が三、四年いると次の人がまたそこへ入ってくるというふうになりがちです。そうすると、必ずしもその人は適材適所の場所でもないわけです。やっぱり来たらそんなことを考えないでぐるぐると回して適材適所でぜひお願いしたい。
 それから、私は、競争原理の働く分野で厳しい事業運営等を経験された方を経営者の中にぜひ入れていただきたい。いろいろ役員を見せていただきましたけれども、電力会社、または科学技術庁、それから大きなメーカー、そういう方が役員ですけれども、そうじゃなくて、厳しい経営環境の中で育ってきた、そういう人もぜひ経営者の中に入れていただきたいなというふうに思います。
 それで最後に、いわゆる今回の一連の事故で動燃はその信頼を私は大きく失ったと思いますが、どうか近岡大臣のもと科学技術庁は一致結束し、また近藤理事長のもと動燃の職員も奮い立って、両者力を合わせて我が国の原子力政策を強力に進めていただくことを強く願う次第でございます。
 ちょっとオーバーしてしまったので、ここで大臣と理事長さんから所見と決意をお伺いしたかったんですが、次が待っております。本当にありがとうございました。ひとつまたよろしくお願い申し上げます。
○松村龍二君 自由民主党の松村でございます。
 私、地元が福井県でございまして、一昨年十二月八日に「もんじゅ」におきましてナトリウムの第二次系冷却システムに故障があったということに対しましても重大な関心を持ってきたものでございます。「もんじゅ」事故におきましては、科学技術庁は受理した法令報告を現場の調査の時間が違っておったということで後日訂正する事態になりまして、反原発の市民から福井地方検察庁に告発されるというような事態になったのであります。今回の東海事故では、虚偽報告でみずから動燃を茨城県警に告発するという異常な事態となっております。
 いずれにいたしましても、動燃が事実と異なる内容を法令報告として科技庁に提出したことは言語道断でありますけれども、いずれの場合も科技庁は事故後直ちに立入調査をしているにもかかわらず、事実関係を十分調査、把握できなかったということも指摘せざるを得ないのでございます。
 地元の県知事は、このたびの東海事故「ふげん」問題について、動燃そのものの体質を変えない限り日本のエネルギー政策を任せられないとまで言っております。また、科技庁自身の原因調査体制を根本的に変更しない限り、今後とも同じような事態が発生し、国民の原子力に対する信頼をさらに失うことになるのではないかと考えているところでございます。
 昭和五十三年に原子力安全委員会が発足いたしまして、原子力船「むつ」問題を契機に議論された原子力行政改革のいろいろな検討がございましたけれども、この原点に立ち返って安全の体制について検討する必要があるんではないか。
 そういう原点に返りますと、五十基もの軽水炉の運転管理につきまして経験を積んでおる通産省の安全規制部門と科技庁の原子力安全局とを統廃合をして、原子力の安全規制のあり方を見直し検討するというようなことも要求されるんではないかというふうに思います。
 それくらいの徹底的な安全監視の充実を伴わないと、国民の信頼感、安心感は回復しないし、結果的に我が国の原子力政策、エネルギー政策を推進することは極めて困難であると考えるのでございます。
 そこで質問をさせていただきますけれども、先ほど訂正がございまして謝罪がありました、三月十一日の十時二十二分に、目視により消火していると判断したという一文がございます。私どもも科学技術庁からの報告によりまして消火前後の動燃からの報告を見せていただいたわけでございますけれども、今の十時二十二分の一文をとりましても、見事に主語と目的語、述語、これがしつかりしていないわけです。英語に翻訳すると文章にならない、論理的な言葉に直すと文章にならない、目視により消火していると判断した。次の行を見ましても、消火を確認するために消防職員と動燃の職員がアスファルト固化処理施設付近に近づいた、こういうような記述がありまして、目的は消火を確認するためであったかもしれませんけれども、文章自体は消火を確認したというように完結していないわけです。
 このように見ますと、消火した前後の文章が全部、主語と述語と目的語が実にいい加減な文章であるということを指摘せざるを得ないわけです。
 それで、消火を確認したという十時二十二分の文章が、実に二十日間もおくれて四月八日になってようやく誤りであったということに気がついたということになっているわけですけれども、動燃の報告、動燃内部のチェックもさることながら、原子力の安全について責任を負う科学技術庁の原子力安全局がその程度のチェックしかできないのかということを指摘せざるを得ないわけでございます。
 そのほか、前処理工程の変更問題等につきましても、なぜ長時間たたないと事実が把握できなかったのかということを指摘せざるを得ないわけでございます。科学技術庁といたしまして、なぜこれらの事実を把握できなかったのか、また日本の原子力の安全を担う安全局としての責任といいましょうか、今後の体制について御意見を聞かせていただきたいと思います。
 時間もございませんのであわせて質問をさせていただきますが、動燃の体質改善や組織の見直しにつきましては、先ほど来お話がございますけれども、大臣に、見直しについてどのような基本的方針と今後のスケジュールを持っているのかお伺いします。
 さらにもう一つ伺いますが、前科学技術庁長官が記者会見におきまして、現在の原子力安全規制の体制はこれでいいのかと、アメリカの安全規制委員会は実に五千人もの体制でもって安全規制に当たっているということにつきまして、記者の質問に応じて言及しているわけでございますが、そのような安全規制体制が日本でも必要となるのではないかという見解も示しているわけでございます。
 危機管理の経験が今まで余りなかったという点で、安全規制、安全のチェックに問題があったかと思いますけれども、「もんじゅ」の事故にいたしましても大変基礎的なさや管のミスからあのような事故が起きたということで、炉をつくるときの審査体制にも問題があったという観点から、原子力安全委員会といたしまして、今後このような体制でいいのかどうかということについてもお伺いいたします。
 また、科学技術庁として、原子力安全委員会のあり方も含めて今後の我が国の原子力安全規制体制をどう改善するつもりか、お伺いいたします。
○政府委員(池田要君) 初めに、先生からの御指摘は、十時二十二分の問題をなぜ科学技術庁自身が見抜けなかったのかといった点の御指摘がございました。
 この点につきましては、私ども、火災が目撃されまして、それに対しまして現場に駆けつけて消火活動に参加したといった作業員についても特定できるものでございますから、報告書には確かにだれそれという名前までは明確にしていないものの、この間の事実関係の把握は比較的容易だと考えておりました。実際に「もんじゅ」の経験がまだ直近にございましたから、こういった事実関係につきましても、火災の消火活動をし、火が消えていることを確認する、申し上げれば非常に単純な作業でございますから、この間の事情について事故から十日目に出されました法令に基づきます報告の中にこういったことについての偽りがあろうとは思わなかったことも事実でございます。
 この点につきましても、その後事故調査委員会の活動が本格化いたしまして、実際に現場の作業員に対する調査委員会のメンバーからの直接の事情聴取といった段階になって、こういったことについてのうそがあったといったことが見つかったことも、当事者の意識がそういったところまで問い詰められなければ事実関係が明らかにならないといったことについても大変私どもは残念に思っているところでございます。
 もう一つ、処理工程、運転計画の変更について、これもなぜ科学技術庁はわからなかったのかといった点についての御指摘がございました。
 この点につきましては、事故調査の過程におきまして、事故現場から回収されましたチャート、計測紙のたぐい、それから作業員に対します事情聴取、こういったことによってどうも運転の状況が違っていたようだといったことがわかるに及びまして動燃事業団から運転計画が提出されたといった経過もございました。そうしたことから考えましても、事業団自身が運転計画の変更といったものについて、それほど事故に影響を及ぼしたといったような認識がなかったといったようなことも私ども事実だと考えておるところでございます。
 こうしたことを考えますと、私どもむしろ日ごろから事業団におきます現場におきます運転管理のあり方につきましても、今回のような事例を踏まえますと、より細かな監視あるいは注視といったものが必要ではないかと考えておる次第でございますし、今回の経験は十分に今後に生かしてまいりたいと考えている次第でございます。
○国務大臣(近岡理一郎君) お尋ねの動燃の体質改善、組織の見直しについて科学技術庁はどのような基本方針と今後のスケジュールを持っているかという問いでございますので、申し上げたいと思います。
 申すまでもなく、動燃の抜本改革は緊急に取り組まなければならない重要な問題であります。したがって、私としましても、動燃の体質及び組織それから体制について第三者的なチェックを受けながら、聖域を設けずゼロから見直す覚悟で今検討を進めているところであります。
 具体的に申し上げますと、四月十一日に私直轄の委員会としまして、吉川前東大総長を座長とする動燃改革検討委員会を設けました。これまでに二回会合をいたしまして検討をいただいているところでございます。検討委員会では、動燃の廃止をも視野に置き、また国の監督のあり方も含めて検討することを議論の前提としておりまして、現在、論点の絞り込みを中心に忌憚のない意見をいただいているところであります。
 先般の会合で、来るべき六月六日に開催される次回の会合で改革の基本的方向を座長私案として出していただきたいと。したがって、それに基づいて御議論をいただくという予定になっております。今後のスケジュールとしましては、当検討委員会におきまして、六月中に動燃改革の基本的方向を打ち出したいと思っております。そして、七月末を目途に取りまとめを行っていく予定であります。
 科技庁としましては、同検討委員会の検討結果、また関係各般の御意見も踏まえながら、具体的な改革案の詰めを速やかに行っていかなきゃならない、このように思っております。
○説明員(都甲泰正君) 先ほど、原子力安全委員会の安全規制体制を日本においても強化すべきではないかという御指摘をいただきましたので、それに対しまして見解を述べさせていただきたいと思います。
 原子力安全委員会は、独自の立場に立ちまして行政庁が行いました安全審査のダブルチェックを行うとともに、安全審査のための指針類の整備でございますとか、あるいはその他原子力の安全確保のための重要事項につきまして審議検討してきたところでございます。
 しかしながら、このたびの動燃の一連の事故は、原子力の安全性に対する国民の不安感、さらには不信感を増大させたことでございまして、このような状況下で原子力の安全確保を担う原子力安全委員会の果たすべき役割はさらに重要になってきているという認識を持っておるところでございます。
 当委員会は、スタッフは現在二十名足らずの小さなスタッフでございますが、そのほかに原子力の各分野の専門家、数百人の専門家で構成されております審査会でございますとか専門部会等、幾多の組織を有しております。今後とも、このような組織を最大限に活用するとともに、原子力安全委員会自身の機能の強化を図りまして、国民の安全性に対する信頼を回復し得るよう、従来以上に取り組みを強化してまいりたいと考えておるところでございます。
 さらに、「もんじゅ」事故でございますとか今回の火災爆発事故の防止につきまして、原子力安全委員会としてどのようなことが過去にでき得たか、あるいはなすべきであったか、あるいは将来再発防止のためにどのようなことができるかということが明らかになってまいりました時点で見直すところは見直してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○政府委員(池田要君) 先ほど先生から、役所としてどう考えるかといったことについてのお尋ねもございました。
 私ども、原子力の安全規制に当たりましては、法令に基づきまして、独立性を保ちながら厳格に安全確保を図りますとともに、その過程でありますとか結果につきまして、情報を公開することによって透明性を高めていくことが必要であると認識しております。
 このような観点から、我が国の安全規制におきましては、行政庁によります安全審査に加えまして、ただいまも御説明がありましたように、安全委員会がダブルチェックを行うというような規制体制が整備されているところでございます。
 また、今回動燃事業団の虚偽報告に対しましても、規制法違反ということで私どもから事業団を告発させていただいたといったことにごらんいただけますように、規制当局としましても、法令に基づきまして毅然とした対応をとりたいということで考えてございます。
 なお、安全性に関します情報を積極的に公開するといったことでは、原子力安全委員会、それから今回の事故調査委員会の会合につきましても公開で行うといったことで取り組んでおりますし、安全規制の透明性を高めるための取り組みは今後とも強化してまいりたいと考えております。
 なお、こういった独立性、透明性を高める上でどのような実施体制が適切かといったことにつきましては、私どもこういう取り組みの中で常に検討すべき課題であると考えておりまして、科学技術庁としましても、今後とも一層の安全規制体制の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。
○松村龍二君 時間もございませんので、あと一つ、「ふげん」の問題について触れさせていただきますが、四月十四日未明に、御承知のとおり、重水を減速剤に使う原型炉でございます「ふげん」から、ある期間使用し劣化した重水を精製し再利用するための劣化重水が漏れ、大気中にトリチウムが漏れたことを示すモニターが警報を発する事故が発生いたしまして、過去五年間に十八件の重水漏れとこれに伴う微量のトリチウムの環境への放出事故が発生していたことが判明したわけでございます。
 放射能が環境へ放出されるということにつきましては、住民が大変に関心を持っていることでございますので、地元自治体に全く相談もなく通報されなかったということは、どうも動燃は、放射性物質を大量に取り扱い、その安全性に対して住民の不安の高い施設を管理運営する基本認識に欠けているのではないかという認識を持っているわけでございます。
 私どもの地元福井県も、過去この原子力発電所の第一号機ができまして以降、電力会社あるいは科学技術庁、動燃と連絡を持ちながらいろいろ試行錯誤を重ねて、安全の問題について経験を重ねてきているわけでございます。このような経験を有する地元自治体に対して、やはり放射線の問題を初めといたしまして、「ふげん」の運転停止を急にする、安全と関係がないというのなら何で急に地元に相談なしに運転停止をしたのかということについても不信感を持っているといったこともあるわけでございます。
 原子炉の運転停止や運転再開等について、その目的や根拠を地元自治体に事前に説明してほしいといった要望を持つわけでございます。また、「ふげん」の問題にいたしましても、新聞報道によりますと、突然これを将来廃炉にするのではないかといった観測記事が載りますと、地元といたしましては大変に関心を持っておるだけに、何の相談もないままそのような新聞記事がひとり歩きするということに対しては不信の念を持つわけであります。地元に対しまして、いろんな問題について十二分に意思疎通をしてほしいということを要望いたすわけでございますが、科学技術庁長官、一言だけコメントをいただきたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) 「ふげん」発電所を一時停止いたしました理由は既に先生御説明のとおりでございまして、その際、地元には連絡はいたしましたけれども、十分に御説明する間なく行ったことにつきましては非常に申しわけないと考えている次第でございます。その後、審議官を派遣して地元には説明いたしましたが、今回は極めて異例な措置として考えております。
 これからは、より地方自治体と連絡を密にしてまいりたいと考えておりますし、「ふげん」の今後の問題につきましても同様に対処したいと考えておる次第でございます。
○広中和歌子君 参議院平成会の広中和歌子でございます。
 きょうは、大変に重たい問題を審議させていただくという認識を持っております。
 昭和三十一年五月でございますか、科学技術庁の設立の歴史を見ますと、その前に既に原子力委員会が存在していたと。つまり、科学技術庁にとりまして原子力の開発は国策として位置づけられていたことがよくわかるわけでございます。安定したエネルギーを供給することによって国民生活の質の向上を図るということが科学技術庁にとっての大きな原点であるということだろうと思います。その研究開発の前提は平和利用であり安全の確保であり、原子力というのはクリーンである、安全である、平和利用なんだと言われ続けてきたわけでございます。
 このたびの動燃の「もんじゅ」の事故に続いて東海再処理工場で起きた事故なども、国の原子力政策の行方に大きな大きな影を投げかけているんじゃないかと恐れるものでございます。事故そのものの重大さもさることながら、「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故でも東海再処理工場における火災でも、また「ふげん」の重水漏れでも再三虚偽の報告が行われたこと、そのことへの国民の原子力政策全般に対する信頼性が失われたこと、この責任は非常に大きいんではないかと思います。
 動燃の所管官庁である科学技術庁の責任を、たびたびこういうことは聞かれて大変恐縮でございますけれども、大臣としてはどういうふうに認識していらっしゃるか、お伺いいたします。
○国務大臣(近岡理一郎君) 原子力の長期計画は、長期的な観点を踏まえながら、原子力政策の基本方向を示したものとしまして原子力委員会が作成しているものでありますが、これまでも状況の進展及びいろいろな変化に適切かつ柔軟に対応をしているところであります。
 具体的には、「もんじゅ」の事故以降にもこのような考え方から、原子力委員会では、原子力政策円卓会議のいろいろな議論を踏まえながら、本年一月に核燃料サイクルの具体的な施策の進め方についての考え方を取りまとめるとともに、高速増殖炉懇談会を設けまして将来の高速増殖炉のあり方について幅広く検討しておるなどの対応をとっているところであります。
 しかしながら、我が国の原子力政策の基本である核燃料サイクルの重要性については、私から申し上げるまでもなく、資源小国である我が国におけるエネルギー供給上の原子力発電の重要性にかんがみまして、今回の事故によっても変わるものではないことが、実は先般、五月九日の日に原子力委員会を開きましていろいろ委員の方々の御意見も取りまとめてみました。したがって、原子力委員会としても改めて、今までと同じように核燃料サイクルをそういった線でやっていくということを確認されたところでございます。これまだ入っていませんか、間違えました。この点は取り消させていただきたいと思います。
 いずれにしましても、動燃についての科学技術庁の責任でございますが、私率直に申し上げまして、やっぱり「もんじゅ」以来のあの事故が生かされていなかったと端的に申し上げたいと思います。特に、先ほど沓掛委員からもいろいろお話があったように、今回のあの火災事故というのは、防ごうと思えば爆発事故は防ぎ得たんじゃないかというふうに私思っております。
 そういった意味で、科学技術庁の責任ということになりますと、やっぱり指導監督の点においても、「もんじゅ」の教訓が現場まで行き届いていなかったという責任は、私はやっぱり監督官庁としても十分これは受けとめなきゃならない、このように思っております。
 ちょっと答弁が違っておるようで申しわけありませんが、後でまた申し上げたいと思います。
○広中和歌子君 私は何事も安全ということはあり得ないんじゃないかと思います。必ず物事には、例えば新幹線に乗るにしても飛行機に乗るにしてもリスクというものが伴うわけで、そうしたリスクというものが明らかにされ、そして納得した上で国民が選択をする、そういうようなことがあるんじゃないかと思います。
 原子力の場合でも、安全なんですよ安全なんですよと言い続けられるんじゃなくて、どういうリスクがあるか、どういうベネフィット、つまり恩恵があるか。その恩恵とリスクのバランス、そしてリスクをいかに少なくするか、そういうマニュアルというんでしょうか、そういうものが国民に十分開示された上で、国民に原子力政策をサポートしてもらうと。
 先ほど長官がお述べになりましたように、原子力政策というのは戦後のエネルギー政策の柱であり、国民の電力の今現在は三三%でございますけれども、その役割、そして私どもが得ている恩恵というのは非常に大きいわけでございます。それを支えている原子力政策そのものの中にきっちりリスクというものも組み込んで、これから国民に情報公開をしていただくということが非常に大切なんだと思います。そのことに長官ぜひコメントしていただきたいと思うんです。
○国務大臣(近岡理一郎君) 私はきのう衆議院の委員会でもそのことをはっきり申し上げました。
 今までは、ミス、トラブルは絶対ないんだということ、これはないにこしたことはないのでありますが、私はこういった研究開発過程においては、ある程度のそういった機械的なミスあるいはトラブルというのは起こり得ることじゃないかなというふうに思っております。
 起こった場合に、やはりすべてを先生今おっしゃるとおり公開して真実を申し上げると。そしてその結果、実態というものをうそをつかないで、虚偽報告なんかないようにしてはっきりと真実を国民に申し上げて、そして結果がどうであったかということを確実に知らせ、公開すべきなんですよ。そして、結果がこうだったから、なるほど我々人体にも放射能の影響がなくてよかったな、あるいは環境の汚染がなくてよかったなというふうなことまで国民にわかっていただかないと、信用していただかないと、いかに不安を取り除き、心配するなと言っても私はだめだと思うんです。
 そういったふうなことで、私はわかりやすい情報公開というものをやって、そして今私申し上げたとおり、最後の最後まで信用される情報公開というものをきちっとやると、わかりやすくやるんだということも、やはり実行というのは大事じゃないか、このように思っておりまして、委員もおっしゃるとおり、私も全く同感なんです。
○広中和歌子君 ですから、この動燃の事故も、専門家だからよく知っているんだ、国民に余分な心配をかけたくない、そういうようなことで内部で処理なさったんじゃないかと思いますけれども、そうした態度は何も動燃だけに限ることなく、大変失礼ですけれども、各省庁、特に批判を浴びそうなことに関しては隠そうといったような、そういう操作が働くんじゃないかと思うんですね。
 今、行政改革に絡んで情報公開ということが言われておりますけれども、科学技術の分野におきましても、確かに難しい分野で素人にはわかりにくいんですが、それでも読める人、理解する人がいるわけですから、ともかく情報を本当に公開していただきたいと。今の大臣の御答弁、大変多とするものでございます。
 それから、こういう国民の不信感がある中で、原子力発電所の立地あるいは研究施設とかを建設する場合に、住民の理解が非常に得られにくいという、そういう悪影響が大いに出るんじゃないかと思うんですけれども、地元にもやはりどれだけのリスクがあるかということと同時に、それをコンペンセートする、補完する、どういうベネフィットがあるのか、どういう利益が還元されるのかということもきっちり公開していただかないといけないんではないかと思います。
 それは、単に地元の人だけではなくて、日本国民全体にやはりそういうものも公開していただいた上で、例えば原子力発電所あるいは研究所を立地する場合の本当のコスト、国民一人頭どれだけのコストがかかるかということも私たちは知りたいと思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(近岡理一郎君) 私ばかりお答えして申しわけありません。
 先生が今おっしゃったこと、全く同じことを私きのうの衆議院の委員会でも申し上げたんです。やはり、立地される地区だけじゃなくして、国民全体に対して日本のエネルギーの現況、そういったふうなものもみんなに理解していただく努力を私たちはしなきゃならぬだろうというふうに思います。そうしませんと、三〇%以上も占めているこのエネルギーというものを本当にやっていく場合に、何でこんなに危ないものをやらなきゃならぬのかというようなことをやっぱり立地地域だけでなく、国民全体の方々に御理解していただく意味でも私は大事なことじゃないか。
 そういったことを、どういうふうな方法がいいのかなということで、本当にこれは間隙をあけても、今までのただ円卓会議周辺でやるだけでは私は足りないんではないかなというようなことで、きのうも全く同じ意見をお答えさせていただきました。
○広中和歌子君 原子力の長期計画でございますけれども、平成六年六月に原子力委員会がお決めになったようでございますけれども、この長期計画はこうした一連の事故の結果として変更を余儀なくされるようになるのでございましょうか、お伺いいたします。
○政府委員(加藤康宏君) 先ほど大臣も答弁いたしましたが、原子力の長期計画につきましては基本的な方向を示しておりますが、これも状況の進展に応じて適切に柔軟に対応していこうとしております。
 具体的には、「もんじゅ」の事故以降につきまして原子力委員会では、先ほど大臣もメンションいたしましたが、原子力政策円卓会議でそういう議論を踏まえまして、この一月には核燃料サイクルに関する当面の進め方につきまして考えをまとめました。
 それから、高速増殖炉懇談会というのをつくりまして「もんじゅ」のあり方、これは幅広い立場の方々に集まっていただきまして意見交換をし、今後の方針を検討していただいているわけでございます。そういうようなものを踏まえまして長期計画の進捗状況をフォローしていくわけでございます。
 この動燃の事故に関しましては、先ほど大臣申しましたが、核燃料サイクルの推進ということは日本のエネルギー政策に非常に重要である、そういう方針は変わっておりませんが、いずれにしても、長期計画につきましては、先はどのような問題も含めまして、必要に応じまして長期計画の改定も視野に入れながらいろんな施策を展開していきたいと考えている次第でございます。
○広中和歌子君 そういう中で、この事故というのはいろいろなところで支障を来すんじゃないかと思うのでございます。
 ちょっと大臣にお伺いしたいんですが、「ふげん」でございます。「ふげん」では重水漏れで放射性物質のトリチウムが出てちょっと被爆をした。その量は大変微量であって人体には影響ないと言われておりますけれども、そうした事故が精製室で起こったわけでございますけれども、実験炉までも停止なさいましたね。それはどうしてでございますか。
○政府委員(加藤康宏君) 「ふげん」、我々は原型炉と言っておりますが、原子力発電所でございます。先ほどの重水の漏れたのは原子力発電所自体ではなくて、それに付随する重水を精製する装置でございますけれども、「もんじゅ」それから東海の再処理の事故におきまして、動燃事業団の連絡通報が非常に悪いということが社会的にも問題になったときでございました。
 それだけに、先ほど松村先生から御質問ございましたけれども、三十時間ぐらいたってから連絡が国とか地元に行く。あそこの「ふげん」自身は非常に安定して成績のいい発電所ではございます。そういうようなところにおいてすら三十時間も連絡通報にかかるということはなかなか大変な問題であろう、徹底的に一度連絡通報体制を直してもらわなきゃいけないんではないか、そういう趣旨で一たん炉をとめて、連絡通報の問題につきまして徹底的に改善していただきたい、そういう趣旨でそういう措置をとらせていただいた次第でございます。
○広中和歌子君 いろいろ廃棄物の再処理とかいろんなところでおくれが出てくるんじゃないかというふうに心配されるわけでございます。
 それから、プルトニウムの利用の仕方でございますけれども、今、プルサーマルという形で一部のプルトニウムをウランにまぜて使おうという動きがございます。この現状でございますけれども、当面の核燃料サイクルの推進について閣議了解した後、電気事業連合会は二〇〇〇年までに四基、二〇〇〇年代初頭までに九基、二〇一〇年までに十六基から十八基のプルサーマル計画を実施することを確認したというふうに言われております。
 そこで問題なんですけれども、MOXというそうですけれども、この燃料は海外ではかなり前から、一九六三年ぐらいから利用されて、現在では非常に経験があるわけですね、千五百本を超える実績がある。原子力安全委員会は一九九五年に特別の問題がないという報告書をまとめておりますけれども、我が国国内においては余り経験がないわけです。ニカ所の原発で実証試験を行ったにすぎない。
 こういう現状にありまして、国内外の実績を検証する必要があるんではないかというような気がいたしますけれども、福井、福島、新潟の三県にプルサーマル計画を実施することの了解を求めていらっしゃるわけですが、了解というのが得られるものなんでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(加藤康宏君) 海外では先ほど申されましたように非常にたくさんの実際の経験がございます。国内では、国内の軽水炉ではそう数多くございませんが、先ほどのATRの「ふげん」ではやはり同じようにMOX燃料を燃やしておりまして、六百体以上既に燃焼したり再処理もしているわけでございます。安全委員会の報告もございますけれども、技術的には問題ないと考えている次第でございます。
 したがいまして、プルサーマルにつきましては、使用済み燃料中のプルトニウムを使っていく非常に有効な手段ということで、先ほど申されましたような閣議了解でそういう方針を立てておりますが、三県知事に御説明後も、それぞれの地元の説明会等へ我々出向いておりまして、そういう努力を続けながら、御理解をいただくように引き続き努力をしていきたいということでございます。
○広中和歌子君 原子力発電についてなんでございますけれども、少なくとも我が国にとっては供給の安定性にすぐれているとか、地球環境、少なくともCO2を出さないという意味ではクリーンエネルギーであると。それから経済性にもすぐれているというふうに言われているんですが、動燃などのこうしたところにかかっている費用などを考えますと、どうなのかななんて思ってしまいます。
 原子力発電の一キロワット当たりのコストが九円、石油が十円、石炭が十円、LPGが九円程度、また水力が十三円などというようなデータが出ております。通産省にお伺いいたしますが、原子力発電九円というのはどういう計算で、何がその計算の中に入っているんでしょうか。こうした研究開発とかそれから特に使用済み核燃料の再処理とか、そうした料金も含んだ上での値段なのでございましょうか、お伺いいたします。
○説明員(藤田昌央君) ただいま御質問の発電コストでございますが、私どもが計算をしております考え方は、実際に運転を開始いたしましたあるいは運転開始予定の発電所を参考にいたしまして、これをモデルプラントという形で想定をいたしております。こういう発電所の資本費、燃料費及び運転維持費などの経費の総額をいわゆる総発電電力量で割りまして発電コストを計算しております。この方式は、国際機関等で一般的に採用されております発電コストの計算の方式でございます。発電所の発電コストにつきましては、燃料費に核燃料サイクルの費用でございますとか、あるいは廃炉の関係の費用、あるいは放射性廃棄物処理処分の関連費用についても含めてございます。
 他方、研究開発でございますが、原子力関係の研究開発につきましては、当省の関連でも平成九年度に予算ベースで約二百六十億円の事業を行ってございます。さらに、科学技術庁におきまして動燃を中心にいたしまして各種事業が行われているわけでございますが、こういう研究開発の費用というのは将来用いられる原子力技術の開発でございまして、現在の商業用の原子力発電所のコストには反映させていないというのが各国の例でございます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 それでは、今の原子力発電が悪いというわけじゃないんですけれども、別の視点で、核融合について最近マスコミなどでも報道されましたので、ちょっとお伺いさせていただきたいと思います。
 現在、米国それからEU、ロシア、日本の協力によって、夢のエネルギーと言われる核融合開発の研究が進められているわけでございますが、これは私が申し上げるまでもなく、核融合の燃料である重水素が海水中に豊富に含まれており、これが実用化されれば人類は無公害のエネルギー源を確保できるというふうにうたわれております、本当かうそか私はわかりませんけれども。
 ともかく、国際核融合研究の新たなステージとして実験炉ITERプロジェクトに科学技術庁が取り組んでいると伺っております。この計画についての日本の取り組みと、それからこれはどこかの国に誘致されて、実験炉というんでしょうか、設備が設置されることになるんですけれども、日本としてはどういう方向でこれに取り組もうとなさっているのかお伺いいたします。
○政府委員(加藤康宏君) 核融合につきましては、先生御説明いただきましたように、将来の半永久的なエネルギーを確保できるということで非常に重要な課題でございます。
 ITERにつきましては、現在工学設計の段階でございまして、工学設計の後、次に建設に移ろうかということでございます。それで、工学設計は来年の七月ごろまでに終えまして、それまでに建設するかどうかを決めよう、こういう話がございましたが、アメリカ、ロシア、ヨーロッパとも、今の時点で建設をコミットするのはなかなかちょっと難しいということで、現在の設計を三年間ぐらい延長しまして、その間にもう少しコストを重視した設計とか、サイト、例えば日本のような地震国でも置けるような設計とか、そういうような設計画をもう少しいろいろ検討しましようということで、実は建設自体を決めようという話は三年ぐらい先にしようという話になっております。
 先ほどの誘致の話につきましては、日本の国内におきましても数カ所から一TERを誘致したいという話でございます。もちろん、ヨーロッパもヨーロッパに置きたいということがございます。
 そういう誘致といいますか立地する国としますと、その国としての責務が非常に大きくなる。一兆円を超えるプロジェクトと言われますもののかなりのものを出さなければいけないとか、そういう財源的な手当ても考えなければいけませんし、この辺これからまだ難しい問題でございますが、科学技術の力でエネルギーを確保できるという非常に夢のあるプロジェクトでございますので、当庁としましても前向きに引き続き対応していきたいと考えておる次第でございます。
○広中和歌子君 誘致します場合には、誘致国の費用分担というのが非常に大きいと理解してよろしいんでしょうか。
○政府委員(加藤康宏君) まだ幾らというのは決まっているわけでございませんが、誘致いたしますと、その国に例えば千人を超えるような優秀な研究者が来る、そういう研究者が来ることの効果もございますし、もちろんそれをつくるまでの建設工事、そういうことで国民経済的にも非常にメリットを受けるようなものでございます。
 それから、当然その国の若い人たちもアクセスできまして、夢を持てる、そういう立地国のメリットは非常にございます。したがいまして、それに応じて分担が大きくなる、そういうことはあり得ると思いますが、まだ十分な協議がされておりません。
○広中和歌子君 先ほど原子力ハンドブックか何か読んでおりましたならば、日本の原子力発電所は、一番最初にできた二、三基というのは欧米の技術を利用してつくられたようでございます。そういう意味では開発コストというのは日本は払っていないわけでございます。
 いろいろな考え方があると思うんですけれども、日本は軍事費はGNPの一%以内に抑えておりまして、少なくともこれは先進国中GNPの割合では非常に低いんじゃないかと思います。それで、こういう基礎的なエネルギーの基礎研究、それに日本が、一兆円というと非常に大きな額ですけれども、これは毎年というわけじゃなくて一回限りで、後はランニングコストが、動燃にかかったようなものがかかるんじゃないかと思いますけれども、そういうコストというものも、国際貢献とそれから今お話にありましたようなさまざまな日本の科学技術、そしてまたインフラヘの波及効果なんかを考えますと、ぜひ誘致に積極的になっていただきたい。これは私個人の希望でございますけれども、私の意見に賛成してくださる方も結構いらっしゃるんじゃないかと思いますので、応援させていただきますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(加藤康宏君) 非常にありがたいお言葉でございまして、我々もそういう先生方の御支援をいただきながら一生懸命に頑張りたいと考えております。
○広中和歌子君 それからもう一つ言わせていただきたいことは、クリーンエネルギーと言いましたときに、予算を見ますと、省庁別じゃなくて省庁を全部集めてクリーンエネルギー、いわゆる環境にやさしいエネルギーという項目を見ますと、その六〇%ぐらいが原子力関係なんです。
 私は、もうちょっとほかのクリーンエネルギーにも予算が使われてもいいんじゃないかなと思うのでございますけれども、原子力というのは非常にお金がかかることはよくわかりますけれども、その配分に関しましても科学技術庁が、環境庁もかかわりがありますでしょうけれども、中心になってそうした配分も考えていただき、太陽光発電とかあるいはまた省エネルギーのさまざまな技術開発なんかにもぜひ研究の目を向けていただきたいとお願いいたしまして私の質問を終わらせていただきますが、最後に大臣、コメントしていただければ幸いでございます。
○国務大臣(近岡理一郎君) 今ITERにつきまして局長から答弁しましたように、日本の将来を考えますと、今財政状況いろいろな課題はありますけれども、やはり日本としてはこれに取り組んでいく姿勢というものは崩しちゃいかぬなというような感じを持っております。
 それから、ただいま御指摘のクリーンエネルギーの問題、環境とのかかわりの問題、これらはやはりなぜ原子力のエネルギー自体が日本で開発研究されて今も使っているかというようなことを考えますと、これから省エネルギー関係、あるいはクリーンエネルギーをどういうふうに総合的に組み合わせていくべきかというふうなことは、やはりこれは大事なことだというふうな考えをいまだに私も持っております。
○広中和歌子君 ありがとうございました。
○高橋令則君 動燃の事故について、今までのさまざまな質問と重複を避けて一点だけお尋ねをしたいと思いますが、減容率の実験についての報告は今回初めてお聞きをしたわけでございます。これは、実験の計画それから進め方については動燃のいろんな内部規定があろうかと思いますが、それらに照らして適正なものだったんでしょうか。
○参考人(中野啓昌君) お答えいたします。
 減容ということそのものは、先生のお尋ねは多分、同じアスファルト固化をするにしても減容率を通常よりも下げた形のものをつくるということが初めてかというお尋ねかと存じますが、既に過去に何度もやっておりまして、今回の場合には、中レベルの廃液についてこういった減容率を上げるということができないかということでやったわけでございます。
 それから、規定に従ってきちっと行われていたのか、あるいは手続はちゃんと行われていたかということに関しましては、運転の開始に先立ちまして、規制法に決められております保安規定、これは東海事業所の保安規定でございますが、この保安規定に従いまして四半期ごとに運転計画書を作成いたしておりまして、その運転計画書を再処理施設安全専門委員会という事業所の中の委員会にかけ、審議をいただき、そして最終的に再処理施設保安統括者の承認を得ることになっております。
 その承認をもとにいたしまして、さらにその下に運転要領書とかいろいろございますが、それに従って、このアスファルト固化施設の場合、キャンペーン運転計画書というものをつくることになってございます。このキャンペーン運転計画書の結果をもとにいたしまして、アスファルト固化処理施設を所管いたします処理第一課で作成をいたしまして、先ほども御質問がございましたが、最終的には処理一課長が決裁をすることになってございます。
 今回のキャンペーン中の供給流量などの運転条件の変更につきましては、キャンペーン運転計画書の中に記載済みでございまして、正規の手続を踏んだものと考えてございます。
 なお、今回の事故が、原因究明の結果、キャンペーン運転計画書の運転条件に結びつくことになるようでございますれば、今後、キャンペーン運転計画書の作成、取り扱いについて問題があると思われますので、必要な対策改善を施していきたいと考えているところでございます。
○高橋令則君 そうしますと、今後の事故の解明いかんによっては、正規な手続によっても防止し得たか、いわゆる今回の事案発生ですね、それが明らかになってくるというふうに考えていいわけですね。
○参考人(中野啓昌君) 今回の事象の解明によって、今後どういうふうに対応すべきかいろいろ明らかになってまいるものと期待しておるところでございます。
○高橋令則君 それを待ってまた質問をさせていただきたい、そのように思います。
○清水澄子君 社会民主党の清水澄子です。
 先日、四月二十二日の予算委員会で私は動燃の皆さんには参考人質疑でお伺いをしたわけです。そのときにもお聞きしたんですが、一九七一年から一九七三年まで、アスファルト固化施設の安全審査について動燃は実験をしておったわけです。そして、放射性廃棄物のアスファルト固化処理技術では水素爆発の危険性があるということを当時から報告されていて、それは原子力委員会に報告をされていたと思います。
 ですから、そういう子細な評価試験が行われていたにもかかわらず、そしてその上にまた最近明らかになったのが、一九八二年には再処理工場爆発事故が起きたということを想定した、アスファルト固化施設での火災を想定した消火実験が行われている。
 こういうさまざまな実験が行われていたにもかかわらず、それらの評価とか実験によってあらわれていた危険性、こういうものがその後こういう施設の設備、運営、それから事故のときの対応に全然つながっていないという、そういう理由というのが非常に私どもは不思議な気がします。
 それは、私は、動燃の皆さんの責任が第一にあるということはこれまでも伺ったものですから、きょうは、なぜ科学技術庁は安全審査の過程でこれまでこういう実験や評価試験を全然考慮されてこなかったのか、その責任は一体どのように考えていらっしゃるのかということについて、私は長官からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(近岡理一郎君) 先ほども私は申し上げたわけでありますが、やはり先生今御指摘のとおり、過去にああいう実験をやっていながら、なぜそれが生かされなかったかということは本当に残念なことであります。私どもは、本当にそういったことを考えますと、いかに現実的にそういったことが生かされていないかということが、これからの私たち指導監督する立場においても、また動燃自体の体質なんかもやはりお互いにこれから改めるものは改めていかなきゃならぬのじゃないか、このように率直に私は認めざるを得ないと思います。
 したがいまして、現在、事故調査委員会におきまして今回の事故の直接の原因は一体何であったのかという問題、あるいは事故が起こった背景として設計、運転、そして事故時の対応にどんな問題があったのか、先ほどもいろいろありましたとおり、さらに運転計画を作成するに当たっての安全の確認が十分に行われなかった可能性もやっぱりあるということ等を特に重視しているところであります。
 したがって、このような原因究明の過程を通じましていろいろな教訓を謙虚に受けとめながら、これから安全規制面において改善するものはしていくというふうなぐあいに安全確保に全力を尽くしてもらわなきゃならぬと、このように思います。
○清水澄子君 今、長官のお答えで、やはり過去のこれまでの安全審査のあり方とか原子力委員会のあり方とか、そういうものをやはりもう一度点検するということが非常に重要だと思うんですが、科学技術庁から出されている「事故の概要及び基本認識」にはそういうのないです。今回のも、情報伝達の不適切な対応、虚偽報告等という形で現在の状況に対してあるわけで、みずからのこれまでの政策なり運営なり姿勢の中に問題はなかったかという、私はそこがとても重要なことだと思います。
 そういう意味でも、やはりこの施設に対しては科学技術庁による行政庁の審査と、当時の原子力委員会の審査と、二回も審査が行われていたはずですが、二回ともこういう火災爆発の危険性を見逃していた、このことが今回の爆発事故につながった一つのやっぱり理由にもなると私は思うんです。この点ではやはり安全審査体制が非常に決定的に不備だったと思いますけれども、どうお考えでしょうか。
○政府委員(池田要君) ただいまの、火災爆発につきまして今回の報告書でどういうふうに扱っているかという点につきましては、報告書の中にも今回の事故、これまでに明らかになったところを記させていただいております。
 その事故を踏まえますと、事故と当初の安全審査との考え方の関連につきましても、例えば火災防止のためのアスファルトについての対策が十分であったかどうかということでございますとか、火災の検知システムですとか消火設備、それから火災が起こりましてセル内の換気機能のあり方、実際にはアスファルトで固めたものが燃えたものですから、フィルターが目詰まりするといったことが今回も観察されているわけでございます。それから事故の状況把握及び拡大防止に必要な設備がいかにあるべきだったか。それから今回は火災が生じ、それに対する消火が不十分であったといったことからひいては爆発につながったわけでございますけれども、そういった爆発に対する考慮といった観点から、今後、火災爆発原因の全容の究明と並行して十分検討する場が必要だと。こうしたことについては今回の報告書にも記させていただいております。
 この点につきましては、当初の安全審査について先ほど御指摘がございましたけれども、火災についてまでの考慮はしておったわけでございます。
   〔委員長退席、理事高橋令則君着席〕
当時、安全委員会の専門審査会で議論はされておるわけでございます。ただ、火災から今回のようにその後の経緯はあるにしても、爆発まで至ったといったことにつきましては、当時の安全審査における配慮が適切なものであったかどうか、それは今後ただいまの原因究明とあわせまして検討させていただきたいと思っております。
○清水澄子君 当時の安全審査が十分であったかどうかということを再度確認していただきたいと思いますが、実際、安全審査体制上の責任の所在というのは一体どこになるんですか。そして、今何を改善すべきとお考えでしょうか。
○政府委員(池田要君) ただいまは、今回の報告書につきましても事故の原因調査の過程におきましてまとめたところでございますから、ほぼ火災原因等についての見通しを得た段階でございます。ただいまおっしゃいましたような安全審査、基本設計の段階あるいはその後の工事、それから運転管理のあり方、そのどこにどんな問題があったかといったことはまだこれから見きわめさせていただきたいと思っております。
 そうした意味では、安全審査におきましての妥当性につきましてもその過程で明らかにさせていただきたいと思っております。その過程で、例えば行政庁におきます審査において思い至らなかった点があるのか、あるいは安全委員会におきます議論でそういった火災あるいは爆発についての議論が十分であったのかどうかといったところが明らかになりますと、その当時の行政庁ないしは安全委員会での議論においてどういった問題があったか、そうしたことが明らかになりますと、ただいまおっしゃったような点についてもおのずから明らかにできるんじゃないかと思っております。
○清水澄子君 その当時の状況を明らかにしながら責任の所在も明らかにされて、ぜひ審査状況を公表していただきたいと思います。
 次に、「ふげん」と「もんじゅ」についてなんですけれども、先ほどからお話ありますように、四月十五日に東海村の再処理工場での動燃の不始末といいますか、国会で二度とこういうことは起こしませんという発言をしていらっしゃるそのときに、福井県の敦賀市で運転する新型転換炉「ふげん」でまた放射能漏れが起きたと。しかも、公表は事故から三十時間後だったと。余りにも繰り返されるものですから、その点はもう皆さんおっしゃっていますので、これは動燃だけの問題かどうかと思いますが、動燃に対しては非常に不信は持たれていると思います。さらに、科学技術庁から原子炉の停止命令が出て、そして通常の停止作業に入った直後にまた緊急停止トラブルに見舞われてしまっていると。
 事故隠しというのが今回にとどまらないで過去五年間に放射能漏れが十八回も起きていた、こういうことについて一度も報告していない。これは法律対象の事故でなくても、県や自治体との安全協定にやっぱり違反していると思います。そういう報告をやるべきことがやられない。たまたまこういう事故が明らかになってきて初めてわかるわけですから、これについては今後どういうふうに措置なさるのかというのは本当に動燃自身がもっと明確にしていただきたいと思います。
 私は、これは動燃だけじゃなくて、新型転換炉「ふげん」というのは日本独自の原子炉という宣伝のもとに開発が進められてきたと思います。そして昨年、原子炉「ふげん」に続く実証炉が、青森県で本来それが開発されるべきだったんですが、建設費が高過ぎるという理由で中止となっているわけです。ですから、その実証炉がないというならば本当は中止すべきなんです。それを科学技術庁は試験研究を理由に十年間の運転延長を認めてこられたと思うんです。非常に私なんかは考えるのは、無意味な運転継続が行われたことが放射能漏れ事故にもつながっているという意味でも、これは単に動燃だけを批判していればいいということではなくて、科学技術庁の政策にも判断にも問題があったと私は思います。
 ですから、その点どうお考えかということと、それから、それらをどう認識されているのかという点と、「ふげん」はやはりもう早期に廃炉に持ち込むべきだと思いますが、その点どう考えていらっしゃるか。同時に、「もんじゅ」の運転再開も中止すべきだと思います。その点についてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(加藤康宏君) まず、「ふげん」の問題でございますが、「ふげん」の今後の問題につきましては、先ほども御答弁させていただきましたが、動燃改革検討委員会でもいろんな動燃事業団の業務の問題につきまして御議論をいただいております。そういう結論をいただきながら検討したいと考えております。
 先般の事故と申しますかトラブル自身は、先生もいみじくもおっしゃいましたように法律に触れるレベルのものではない非常に軽微なものでございました。しかしながら、県との関係でどこまで報告するのか、何か出たときのすそ切れといいますか、どこのレベルから報告しなきゃいけないか多分現場で迷っていたのじゃないかという気がいたします。したがいまして、そういう緊急に連絡する話と同時に、どこのレベルまできちっと地元にも報告しなきゃいけないかということをはっきりしていただく。そういう意味で、今回、連絡通報体制という中でそういうことも明らかにしていただきたいということでやっている次第でございます。
 それから、「もんじゅ」につきましては、現在、原子力委員会におきまして、高速増殖炉懇談会におきまして幅広いいろんな方々の参加を得ましてどうするかという議論をしていただいている最中でございます。そういう議論の結果に基づきまして対処していきたいと考えている次第でございます。
○清水澄子君 次に、事故調査のやり方についてお伺いしたいと思います。
 これは安全審査にも通ずることだと思いますけれども、原子力関連事故の調査というのは、その事故を起こした当事者がまたそれを調査しているというのではやっぱり本当に真相は明らかにならないだろうと思います。これまでもそういう安全審査の仕方というものがあったために、いつでも何か事故が起きると予測できない事故を起こしたという形で、何というんですかその場の対応になってきたと思います。
   〔理事高橋令則君退席、委員長着席〕
 ですから、そのためにはやはり私ども考えますのは、なぜこんなに事故が起きるかということなんですけれども、ようやく最近、私きょうここへ出て原子力開発に安全はないということを公然と聞きましたけれども、今までそういう表現はほとんどないんですね。日本の原子力技術は世界で最高であるという宣伝を非常に住民には絶えず動燃は説明しておりましたし、現時点でもやっております。
 ですから、やはり原子力推進の論理といいますか、そういう安全神話という意識というものをやはりみずからもう少し反省するということが非常に必要だと思います。反省なしにそういう意識を持った当事者が事故調査をしても、やはり本当の解明にはつながらないんじゃないか。決して住民やら国民からその不信は払拭できないだろう、このように思います。
 そこで、今度、事故調査や動燃の改革を第三者機関に委託すると言われているわけですけれども、動燃改革についてはアーサーアンダーセンという会社に依頼されるようですが、その場合、収集した資料とか作成した資料の公開とか、審議の議事録の公開などというのはきちんと保証されるものなのか、どうなんでしょうか。
○政府委員(池田要君) まず初めに、ただいま先生の御指摘の中で、原子力に安全はないというふうに御指摘があったわけでございますけれども、先ほど大臣からの御発言の中にも絶対安全ということはないと、そういう意味では故障ですとかトラブルといったことはあり得るんだといったことでしかるべき対処が必要だと御発言があったことについては、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
 ただいまの、アスファルト固化処理施設の事故調査につきまして、第三者機関によって行うべき、あるいは公開すべきという点でございますけれども、今回の事故が発生しましてから、私ども翌日には、徹底した原因究明といったことで再処理工程の専門家ですとか火災爆発等の分野における外部の専門家にお集まりいただいて事故調査委員会を組織いたしました。
 翌々日からは調査検討を行っているところでございますし、委員会も会議自身がこれまで八回を数えておりますけれども、すべて公開で行っております。プレスの方はもちろん、一般の方もそれを傍聴して見守る中で会議を進めさせていただいておりますし、会議の速記録はもちろん、資料でございますとか、こういったものにつきましてもすべて入手が可能、あるいは原子力公開資料センター等において閲覧に供するといったこともさせていただいております。
 事故のこうした原因究明につきましては、積極的な情報公開ということで、国民の皆さんにわかりやすく説明していくことが重要だと認識しております。今回の報告書につきましても、そういった観点から、まだ中途ではございますけれども、私ども役所の責任でまとめさせていただき公表させていただいた次第でございます。今後とも、このような方針のもとで事故の原因の究明に取り組んでまいりたいと思っております。
○政府委員(加藤康宏君) 動燃改革の方につきましても同様でございまして、第三者的なチェックということで動燃改革検討委員会を設けて検討していただいているところでございまして、会合自身全く公開してやっております。資料もオープンでございます。
 それから、先ほど外部コンサルタントにつきましてお話がございました。アンダーセン社にお願いしておりますが、その報告も当然その改革検討委員会に報告されますので、オープンにさせていただきます。
○清水澄子君 まだ事故調査に関する方は質問していなかったんですが、答えが先に出ましたのでそれでいいんです。動燃改革の方はそれで結構です。
 それから、事故調査に関しては、原子力政策に批判的な立場の方も含めた意見を反映されるような、そういう客観性を確保していくということが非常に重要だと思いますから、現在構成されている事故調査委員会はそういう条件を備えているのかどうかということ、それからやはり情報公開、そこで審議されたことはすべて公開するということをぜひお願いしたいと思います。
 私の時間がございませんので、最後に一言だけ。
 科学技術庁は、今回はどちらかといえば動燃がだめという理論です。私も動燃には非常に大きな問題があると思います。しかし、これだけでは本質的には解決できないと思います。これは動燃ということだけではなくて、再処理とか高速増殖炉という原子力技術、とりわけプルトニウムに絡む技術が持っている問題点がさまざまな事故とか秘密主義になったりする大きな原因であるわけです。
 やはり科学技術庁や原子力関係の方は、そういうことをそうですねとは言えないのかもしれませんけれども、そういう意味でプルトニウム利用そのものの安全性とか経済性とか、将来のエネルギーにとって本当にこれが可能なのか、もう一度根本から議論をする委員会というものをぜひつくっていくべきだと私は思います。
 そして、それには科学技術庁は、科学技術庁の中だけで議論をしているのでは本当に国民の意見が反映できませんから、国民とともに議論するような道をぜひ考えていただきたい、こういう意見を申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
○中尾則幸君 民主党・新緑風会の中尾でございます。
 私は、最初に、科学技術庁が今回まとめました原因等事故報告書、中間報告について伺いたいと思っています。
 この中間報告を私も読ませていただきましたけれども、その中に、事故調査委員会における事故原因の検討状況等の過程において明らかになった事実関係を整理したものであると。つまり、当然のことながら科学技術庁がまとめたものでございます。
 ただいま清水先生からも御指摘がありましたけれども、第一義的に動燃の責任というのは重大であると私も当委員会で再三指摘させていただきました。この報告書の中にも指摘してございます。しかし、管理監督の立場にある科学技術庁の責任も重大であると私は思うわけです。
 先ほど、近岡長官からも、「もんじゅ」の経験が生かされておらぬ、科学技術庁の責任も重いと言っているにもかかわらず、今回の中間報告を見て、私、がっかりしたんです。一部に何か責任めいたような記述がございましたけれども、はっきり明記しているところはどこにもございません。これは当然そうなんですよ、科学技術庁がまとめているわけですから。当事者がまとめると結果はこういうふうになるわけです。
 それで、まず最初にお伺いしたいのは、このことについて長官、先ほど御答弁もございましたけれども、どのようにお考えになっていらっしゃるか、長官からちょっとお話を伺いたい。ちょっと先に長官、聞かせてください。
○国務大臣(近岡理一郎君) 前回の委員会でもいろいろ私申し上げておったのでありますが、今、委員御指摘のとおり、今回の事故は、指導監督する立場の科学技術庁自体にも、今回の処理あるいは事故の把握、そういったものに対する甘さがあったんじゃないかと。今までのどちらかといいますと報告待ちというような姿勢は私は改めるべきであると。むしろ、役所それ自体も現場の方に出かけていって、そして四六時中そういった事故を実践的に処理できる体制づくりというものを動燃と一緒になってやらなければ、こういった問題というのは法律や規制だけでは私はいつまでたっても処理できないんじゃないかというふうなことを感じております。
 後ほどいろいろお聞きになれば申し上げたいと思いますが、こちらの方から現場に出かけていって、そしていろいろな調査とか、場合によっては法令検査とかいろいろなものをやって、いざという場合に備え得る体制づくりというものを科学技術庁も一緒になってやらなければいけないと、こんな気持ちでおります。
○中尾則幸君 長官のお答えはまことにそのとおりだと思うんですよ。この報告書を見ても、やっぱり第三者的な立場に科学技術庁が立っていると私は指摘せざるを得ないんです。
 そこで、事故調査委員会では、科学技術庁に対する責任のあり方、これ大変問題なわけですけれども、話し合われたのかどうか、お答え願います。
○政府委員(池田要君) 今回の報告書は、事故の原因究明につきまして中心となります議論は事故調査委員会において検討を踏まえてまとめてございます。ただし、今回の報告書は、事故の概要でございますとか動燃事業団及び科学技術庁がこの事故に関しましてとった措置、そういったことまで網羅的に記載する必要がございますから、中間ではございますけれども、科学技術庁の責任でまとめさせていただいた次第でございます。
 この報告書におきましては、先ほど大変厳しい御指摘をいただきましたけれども、科学技術庁といたしましても、迅速かつ正確な情報を入手するための体制ができていなかったことから、火災の状況あるいは放射性物質の環境への放出でございますとか、作業者の体内への放射性物質の取り込みなど、こういった状況判断が的確に行われなかったといったことにつきましての科学技術庁の責任についても認めているところでございます。
 今回の事故の概要につきましては、こうした過程で科学技術庁としての取り組み、それからこうした報告ぶりにつきましても、さきに行いました事故調査委員会において御報告申し上げるとともに、委員の先生方の御審議もいただいた上で公表させていただいたということを御理解いただきたいと思います。
○中尾則幸君 今、局長の言われたことは私も理解しておりますよ。火災に至る経過だとか原因に対する推定、いろいろ出されている、事故調査委員会ですから。ただ、私が言っているのは、ここで動燃の責任は重いと書いてあるんです。一方、科学技術庁の責任と書いていないから私はおかしいなと言っているだけで、これはお答えは要りません。
 五月八日、これが出されたんですが、事故調査委員会名でなくて事務局である原子力安全局が出しているわけです。これは私が指摘したところですが、どうして事故調の名前で出されないのか、そして最終的にはいわゆる事故調査委員会の名前で出す用意があるのか、時期はいつごろなのか。
○政府委員(池田要君) 今回の報告書をなぜ科学技術庁の責任で出したかということにつきましては先ほど申し上げたとおりでございます。
 なお、これからまだ火災原因、その後の爆発につきましてもより詳細な検討をしていく必要がございます。現場からのサンプルをとって分析をしますとか、それから事故のシナリオについてのこれを確定しますための実験等を行う必要があると思っておりますから、こうしたことについてはまだ若干の時間をいただきたいと思っております。そうした過程を踏まえまして、最終的には当然のことながら事故調査委員会として報告をまとめていただくことを考えてはございます。
○中尾則幸君 わかりました。
 次に、先ほどからもお話がございましたけれども、運転条件を変更したことが事故につながったと推定される、そういう見方もされてございます。この運転状況の変更をした際、混合中のアスファルトの高温異常を示す警報が鳴ったと言われております。これはアラーム警報というふうに参考資料では書かれておりますけれども、一体どのぐらい鳴っていたのかおわかりですか。回数がわかれば教えてください。
○参考人(中野啓昌君) 先生お尋ねの件は、多分エクストルーダの温度上限警報のことかと存じますが、第七ゾーンの警報が八日に十回程度鳴っておるというふうに聞いてございます。と同時に、その際に温度の変化が見られ警報が鳴るたびに、温度上昇の警報でございますので、警報が鳴ったときに温度を下げる措置というのを行っているそうでございます。
 なお、正確な回数につきましては、運転員の記憶があいまいでございまして明確ではございません。
○中尾則幸君 いただいた参考資料によりますと、温度高アラーム発報、いわゆるエクストルーダ第七ゾーンの温度変化、私素人なんですが、発報をしたというのは一回だけ鳴っているんですね、これはグラフでございますけれども。今お話を伺ったら十回程度ということで、どうしてこのように違うんですか。
○参考人(中野啓昌君) 多分、先生お持ちの記録計は、ある時間を区切って点をとった記録計かと存じます。私が申し上げましたのは、連続した記録がございまして、連続した記録というのは少しずつ全部が上がっていくのが記録されております。百九十度近辺になりますと警報が鳴るようになっておりますので、それを含めて申し上げたわけでございます。
○中尾則幸君 それはこのグラフ以外にどこかに記述されていますか、これは大事なことなんですよ。
○参考人(中野啓昌君) そのグラフはたしか一時間に一点ずつとっていったグラフではないかと思いますが。
○中尾則幸君 一時間に一回。私が知りたいのは、発報がこの表を見ると一回しか鳴っておらぬということになっているわけです。それでおかしいから、新聞報道では数回鳴っているというんで、私は動燃に事前に聞きました。そうしたら回答をいただきました。数回鳴っておるというから、これはどうしてなんだと。もうちょっとわかりやすく報告すべきじゃないですか。これはだれが見たって、百九十度C、摂氏百九十度以上は一回しか読みとれないですよ。こんなことでいいんですか。
○参考人(中野啓昌君) 先ほど申し上げましたように、あるときにはデータをまとめて出すということもございます。そういう意味で、まず最初にお出ししましたのは、一時間のある時点をとりましてデータを作成し、そうなりますと、実際に見えてまいりますのは百九十度を超えた時点が一点ということになるわけでございます。その間の何時間かを全体を連続してとったものを見てまいりますと、先生に御説明に上がったり、あるいは先ほど私が御説明を申し上げましたように何回か鳴っておるわけでございまして、これ自体はいわゆる温度が上昇したから直ちに冷却に入るようにという指示の警報でございますので、従来はそういう扱いをさせていただいていたわけでございます。
○中尾則幸君 そうしたら、現場作業員はこの異常な事態をだれに、どう報告したのか。あるいはこの時点でどんな措置をとったのかお答え願います。
○参考人(中野啓昌君) この温度上昇の傾向につきましては、先ほど申し上げましたように、警報が鳴りますとその都度冷却水を出しまして温度を下げるような措置、操作をいたします。そういった操作を行ったことを含めて、三月七日から九日の運転状況につきましては三月十日の朝会におきまして報告をいたしております。
 この際、エクストルーダの加熱条件が排液供給量に対して過大だと思われることや、あるいは固化体の性状がやわらかいといったようなことについても担当の課長に報告されております。ただ、こうした現象はこれまでにもあったことから、もうちょっと状況を見ようではないかということで、十日の朝会ではそういう判断になってございました。
 具体的には、先ほど申し上げましたように、発報が鳴りますとすぐ冷却水を出して温度を下げるという措置を現場ではとってございます。
○中尾則幸君 三月十一日なんですよ、火災が起きたのは。朝会を開いていたというんですね、三月十日。この報告書は残っていますか。
○参考人(中野啓昌君) ちょっと確認できませんので、後ほどお答えしたいと思います。
○中尾則幸君 この朝会の報告については、前日の会議で何が話されていたか、大変大事な点だと思いますので、この委員会にぜひとも資料等を提出していただきたいと思います。
○参考人(中野啓昌君) 先生のおっしゃいましたのは、朝会の記録が残っておるかということでございますが、報告そのものに関しましては通常、口頭で報告をされております。
 この日の中身につきましては、先ほど申し上げましたように、アスファルト固化体がやや柔らかかったとか、そういったことも含めて報告されております。
○中尾則幸君 それでは、分かった範囲でお知らせください。
○委員長(猪熊重二君) そうすると、その朝会の会議録みたいなものはあるんですか。
○参考人(中野啓昌君) 先ほど申し上げましたように、その確認がちょっととれませんので、それも含めて後ほどお答えさせていただきたいと存じます。申しわけございません。
○委員長(猪熊重二君) 存否を含めて、あった場合には適切に処置していただけますか。
○参考人(中野啓昌君) それそのものをお出ししますし、それから先生の今お尋ねのように、そのあたり資料ができるものなら出してほしいというふうにおっしゃったように私今承りましたので、そのように措置させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
○委員長(猪熊重二君) じゃ、そうお願いします。
○中尾則幸君 三月十日の朝会で、結果として判断ミスだったろうと。どんな話し合いをされたか、今後その朝会の報告、資料等を拝見させていただきたいと思うんですが、ただ、この運転変更が一課長の判断で行われていたと。こういう運転変更というのは重要な、何というんですか、判断だろうと思いますので、これはもう事業所や責任者の組織的判断が私は必要ではないかと思うんでございます。
 動燃の保安規定に運転変更等の今回の措置が違反しているんではないかというのが第一点。さらには原子炉等規制法についても引っかかってくるんではないかと思うんです。その二点についてお答え願います。
○政府委員(池田要君) 動燃事業団の再処理施設におきます保安規定におきましては、こういうアスファルト固化処理施設につきましても、運転、保守等に関する重要事項につきましては、動燃の中に設置されておりますところの再処理施設安全専門委員会において審議されるといったことが決まりとして明記されております。
 今回の実際の運転計画につきましては、そうしたことから見ました場合に、こういう重要事項としてしかるべき議論をされるべきであったかどうかといったことが問題になろうかと思います。
 この点につきましては、今後この原因究明の過程におきまして、運転計画書、具体的には数日前からの今回の流量の変更でございますとか、作業員が観察しておりましたようなそういう状況、こういったものと事故原因との関係がより明確になってまいりますれば、運転条件の変更が保安規定に照らしました場合に、違反しているかどうかといったことにつきましても厳正に検討する必要があると考えております。
○中尾則幸君 それから、中間報告等の資料によりますと、先ほども指摘しましたけれども、運転変更等による事故、数日前から異常、異変があったと。この事実が明らかになったのは四月二十四日の第七回の事故調であったというふうに報道されております。これは事実かどうか。それで、なぜこの四月二十四日までこういう重大な事実を動燃は明らかにしなかったのか、まず第一点。
 それから第二点目は、この操作記録、運転記録、充てん記録等の記録の一部が所在不明だ、これは当時の爆発等で吹き飛んだのではないかというようなことも言われておりますが、資料発見の努力はされているのか。この二点、動燃にお伺いします。
○参考人(中野啓昌君) 四月二十四日の事故調査委員会に向けまして、いろいろな資料を集め、これらのデータを集めて検討した上で、この時点でまとめて出させていただいたということは事実でございます。発見そのものは、若干その前から部分的に資料が見つかったりはしておりますけれども、できるだけまとめた形で御報告させていただいていたということでございます。
 それから、運転記録が紛失したということでございますが、爆発の際に制御室の窓ガラスが飛ぶというようなことがございまして、固化体の充てん記録の一部が施設の外に飛散したと考えられておりましたけれども、三月十二日未明に回収物を調査いたしましたところ、紛失いたしました固化体の充てん記録の大体ほとんどが回収されております。ただ、回収されました記録類の中には、今後の原因究明に必要であり、また重要な記録があると推定されておりますけれども、重要な書類のすべてが回収されたかどうか、ちょっと今のところまだ不明でございます。
 なお、回収された記録類の調査確認作業を鋭意進めておるところでございますが、事故調で問題となりましたドラム充てん記録につきましては欠落していた二十三枚のすべてが回収されております。
○中尾則幸君 科学技術庁にお伺いしたいのですが、この四月二十四日までこういう重要な事実を、今、中野理事がまとめてなんて言うけれども、それは言い逃れでありまして、これは事故調の委員の皆さんも大変憤慨されておったというふうに聞いておるんです。科学技術庁、今の発言について、私は大変遺憾だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(池田要君) 確かに事故調査委員会におきましては、発足当初からこの十数年、十五年ほども運転しておりました施設で、なぜこのような火災が起きたのかといった点につきましては当初から問題視されておりましたし、事業団に対しても、思い当たることがないかといったことについての問い合わせば何回か行われたといったことを承知しております。
 しかるに今回、この事故調査委員会を何回か重ねまして、先ほど申しましたように、実際に用意ができて報告が行われたのは二十四日の第七回目の委員会でございました。この間に私どもが実際に現場の作業員からの聞き取りの状況ということでまとめさせていただきましたのも、参考資料の方にまとめさせていただいたとおり、平成九年の四月十四日、事故調査委員会の一週間ほど前になりましてから、ようやく実際に作業員からの生々しいといいますか、そういった状況についての情報が得られたといったこともございます。
 確かに、先生御指摘のとおりに、事故調査委員会の先生方ももっと前向きにと申しますか、積極的にこの調査に協力するといった姿勢で情報の提供があってよかったのではないかといった点についての御指摘があったのも事実でございます。
 こうしたことにつきましては、今後もまだ調査は進めるわけでございますから、こうしたことにかんがみて、より積極的な事業団におきましての取り組みといったことについては、この調査を的確にかつ早急に進めます意味でも大変重要なことでございますから、真摯に取り組んでいただきたいと思っているところでございます。
○中尾則幸君 私は一番初めに、東海村の事故が起こる前に、中野理事に「もんじゅ」の事故の教訓についてお話を伺ったわけです。委員会の都度新たな事実というか、事故隠しあるいは組織ぐるみの隠ぺい工作、これについて私はもうあきれて物が言えないというのが実感でございます。その一言だけ申し上げます。
 さて、再三この委員会でも私は指摘させていただいたんですが、報告書の中で情報の伝達体制のあり方について大変問題になっておるわけでございます。報告書の中でも、事故後の動燃の対応を含めて情報伝達体制をどうするかということにも若干踏み込んでございます。何点かまとめてありまして、例えば現場重視の姿勢の徹底だとか、報告すべき情報の範囲及び項目の明確化等々、四点にわたって指摘してあるのは全くそのとおりだと思うんです。そしてさらにはハード・ソフト両面にわたる抜本的な改革を図る必要、そのとおりでございます。日ごろの教育訓練、そのとおりでございます。情報伝達の重要性。ずっとこれ見てみますと、何やら「もんじゅ」のときにもこれに似たようなことが、同じなんですよ。
 それで、私は「事故対策規程」というのをちょっと取り寄せて読ませていただきました。びっくりしたんです。大変書き込んでありまして、これの改訂が平成八年の十月一日ですから、「もんじゅ」の教訓を生かそうという姿勢なんです。これを読んで、時間がありませんから、情報伝達の仕組みを簡単に、だれがどういう位置づけであって、どういう責任者とすぐ言えますか。もし言えたら言ってください。
○参考人(中野啓昌君) 第一報につきましては、現場責任者が事業所の情報連絡者を通じてそれぞれ関係の箇所に即刻お知らせするということになっております。続報に関しましては、本部の了解を得た上で順次出していく、そういう形態になっておるかと思います。
○中尾則幸君 これは「ふげん」の、この東海村の事故のさなかになぜ三十時間も情報の伝達がおくれたか、過去にも何回も警報が鳴ったというような、あるいは放射能漏れもあった。これを見まして、今、中野理事がお話ししましたけれども、膨大なんですよ。情報伝達のあり方云々というけれども、詰めていけば詰めていくほど情報伝達はだめだということがわかりました。なぜかというと、情報の伝達は、私も情報関係でずっと二十数年やってきました。少なくとも第一報のあり方について非常にこれ問題が残っているんです。通報基準の明確化、あるいは通報システムの簡素化なんです。だれでもわからなきゃいけないんです。今、理事がお話ししたように、これはだれでもわからないですよ。いざ鎌倉になったときに、どうしてこの基準を皆さん頭に入れているんですか。これちょっと私、メモしてみましたら大変なんです。
 事故対策規定第十七条、第一報に係る連絡責任者、この中でまず時間内連絡責任者がございます。時間外連絡責任者もございます。それぞれ指定される。そして、もしいなかったら代理があるわけです、あらかじめ複数指定しておく。そして、その順位を決めると書いてあるんです。常時連絡体制。そうですよ。これはもう完璧ですよ。そして、さらには連絡補助者もあらかじめ指定をしておくというんですよ。ぼおんと入って何か警報が鳴った、あ、困ったなというときに、いや、補助者はだれか、連絡責任者はだれか、探している暇はございませんでしょう。
 それから第十八条、情報専任者というんですよ、これはわからないですね。現地情報専任者をあらかじめ指定しておく。本社情報専任者、代理者の順位も決めておくと。こうなったときに、情報伝達の迅速化について行えるわけないんです。
 つまり、私が申し上げたいのは、今まで「もんじゅ」もそう、それから今回の東海村もそう、そして「ふげん」もそうなのは、根本的にまず指摘したいのは、原子力の安全神話があったからですよ、今崩れてきている。その根本的な認識が甘かった。まずそれが第一点です。
 それにしても、なぜこの情報がおくれるかといったら、簡素でないんです。だから、私はマニュアルを最も簡素にすべきだと。つまり、警報が鳴ったらすぐ、例えばデスクといったらおかしいですけれども、責任者に警報が鳴ったと伝えるんですよ。例えば各地方自治体あるいはその担当者でいいんです、それは外部に漏れませんから。そして、誤報だったら、その後に誤報でしたと言うようなシステムというのが一番簡単だと思うんです。そうすればだれも混乱しない。第一報に指示が入るからだめなんです。
 これについて、動燃、どういうふうに考えていますか。
○参考人(近藤俊幸君) 先生、非常に貴重な意見を言っていただきましてありがとうございます。
 確かに、おっしゃるとおり表現も法律的な感じの表現になっておりまして、いざ鎌倉というときにさっと使えるようなものになっておりません。それで、もっと実践的な方向でというのは当然簡素化という方向になりますが、実践的な観点からそれはもう先生御指摘の方向で見直したい、また一部見直し作業に入っております。しばらく時間がかかると思いますけれども、よろしく今後とも御指導のほどお願いします。
○中尾則幸君 時間がもう二分しかなくなりました。
 最後に一つ、先ほどからも指摘していますけれども、今回の事故は動燃だけじゃなくて科技庁の責任も重大だと思います。科学技術庁の原子力行政そのもののあり方も再検討を迫られるというふうに思っております。一部の報道では、行革会議、省庁の再編等を検討されておりますが、その行革会議で科学技術庁初め国の研究体制の再編案が浮上してきているというふうに聞こえてございます。
 科学技術庁は小手先の改革をやろうなんとは思ってないと思うんです。抜本的に改革しようと思っているように私は伺っておりますが、組織全体をにらんで原子力行政のあり方、科学技術庁のあり方を抜本的に見直していかなければならないと思うんですが、最後に大臣の決意というかお考えを伺って私の質問を終わります。
○国務大臣(近岡理一郎君) ただいま委員のいろいろなお尋ねを聞いておりまして、本当に具体的に私も全く同感の箇所が非常に多いわけであります。
 そこで、今現在私の直轄の動燃改革検討委員会で、動燃だけじゃなくして科学技術庁そのものの監督のあり方も含めて検討をしていただいているところでございます。今御指摘のとおり、やはり今回の事故を契機にして、恐らく「ふげん」の教訓が生かされていない現況を見た場合に、今回を逸したならば私は今後将来科学技術庁そのものの存在にかかわってくるんじゃないかというぐらいの強い覚悟を持っております。
 今御指摘のように、行革のいろいろな政府側の会議の関係、あるいは私の方の党側のいろんな部会の関係、あるいは推進会議の関係、いろいろそういった意味でこれはあらゆる観点から第三者のコンサルタントも頼んでおりますし、本当にこれから科学技術庁、動燃のあり方が、国民のために、また日本のエネルギーというものを担っていく上において一番いいのはどういう方法なのかというようなことを考えますと、全くこれは原点から、ゼロから私は出発すべき問題であって、この機を逸したならばもう科学技術庁そのものの存在すら問われる事態になるというようなことで、強い信念でこの改革だけは、本当に我が役所を、科学技術庁を含めまして、私は率直に素直な気持ちで向かっていかなきゃならないというふうに決意をいたしております。
○阿部幸代君 初めに、五月八日付の科学技術庁原子力安全局の「アスファルト固化処理施設における火災爆発事故の原因調査状況について」の報告に関して幾つか質問したいと思います。
 今回の火災爆発事故に際する消火作業でたった一分間しかスプリンクラーによる水噴霧をしなかったわけですが、なぜ動燃が一九八二年に行った実験結果が生かされなかったのか。そもそも消火マニュアルにこの実験結果が生かされなかったのはなぜなのか。この点に関する言及がないのは原因調査としての切り込みが非常に不十分だと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(池田要君) 先生御指摘のとおり、今回の火災が発見されましてから実際に消火活動に入るまでに時間を費やしているといったことも報告書に書かせていただいております。
 それから、消火に際しまして、水噴霧の指示を得ましてから一分ほどで火が消えたのでやめたといったことにつきましても、その後これが爆発に至ったといったことを考えましても、これは明らかに消火については不十分だったと。
 それから、先生御指摘のとおりに、八二年には動燃事業団はそういう経験を持っていたわけでございますから、そうしたことを考えてもこの措置は明らかに不十分だったといったことにつきましては、報告書ではっきりと書かせていただいた次第でございます。
○阿部幸代君 不十分なことがなぜ起こったのかという切り込みが必要だというふうに思うんです。つまり、事故調査というのは科学的、技術的な解明と同時に、事故の組織的、行政的な背景を解明することが不可欠なんだと思うんです。そういう意味で質問をしています。
 八二年の実験結果は、同年九月にアスファルト固化体の燃焼消火実験報告書として、また十月には追加実験結果をアスファルト固化体の水噴霧消火実験追加試験報告書として報告をされています。この報告書と、七三年七月の放射性廃棄物のアスファルト固化体の安全性評価試験、この資料が公開されたのはことしの三月二十六日だったそうですが、動燃の広報室によると、内部資料として作成されたからという説明がされています。
 既にほかの委員さんの質問に対する答弁の中で、動燃の図書室には置かれていたんだというようなことも答弁で承っているんですけれども、こういう重要な実験研究結果ですから、当然科学技術庁は知っていましたね。
○政府委員(池田要君) 八二年に動燃事業団が行いました燃焼それから消火に関する実験の報告書、この資料につきましては、動燃事業団の中において技術資料として登録されていなかった、担当課で保管されていたために、動燃事業団の中での周知はもとより、公表ですとか私どもへの報告も行われていなかったといったことが事実でございます。したがって、結果としてマニュアル等への反映にも生かされなかった事情が判明してございます。
 なお、この報告書につきましては、事故原因の究明の過程で参考にするために、動燃事業団が四月二日に開催されました事故調査委員会に公開資料として提出した次第でございます。
○阿部幸代君 二つの問題を指摘したいんですが、動燃事業団は、研究開発のいわば主体としてこういう重大な研究成果、実験結果、こういうものを本当に生かしていく義務があるし、そういう意味ではその成果を公表するというか、少なくとも監督官庁である科技庁に報告する義務があるというふうに思います。先ほどの答弁ですと、図書室には置いていたんだ。つまり、見る気になれば科技庁も見ることができるという位置にあったということでは、科技庁も怠慢であったなということを指摘したいというふうに思います。研究開発の根本姿勢にかかわる問題だと思います。
 次に、同じ報告書の中で、保安規定による安全管理の部分について伺います。
 保安規定というのは、原子炉等規制法第五十条の定めで、内閣総理大臣の認可を受けなければならないものなんですね。つまり、「内閣総理大臣は、保安規定が使用済燃料、使用済燃料から分離された物又はこれらによって汚染された物による災害の防止上十分でないと認めるときは」「認可をしてはならない」のです。政府、科技庁の責任は極めて重たいものなんです、法律上。
 ところが、今回の報告書ではどういうふうに書いてあるかといいますと、読み取る能力が物すごく要求されました。保安規定には「運転計画を四半期ごとに作成し、保安統括者の承認を受けること等が定められている。しかしながら、今回の火災発生の要因として想定されている事項である、給液中の物質の成分の割合、エクストルーダヘの廃液供給量、エクストルーダの温度条件等は定められていない。また、非常の場合に採るべき措置についても、火災が発生した際の消火措置等に関する具体的な措置については明確に規定されていない」と。だから、保安規定に関して検討を行う必要があるとまるで他人事のように書かれているんですけれども、施設の運転段階における安全規制の基本となる保安規定に関して、第一義的責任は政府、科技庁にあるし、まさに今その責任が問われているんではないでしょうか。
○政府委員(池田要君) ただいまの先生の御指摘でございますけれども、保安規定はそもそも事業者が再処理施設のような施設の建設をいたしまして、運転に先立ちまして自分がつくり認可を求めるものでございます。したがって、事業者が安全上重要な事項について、これは法律上もその基本的な要件については規定がございますけれども、事業者が約束することでございまして、その内容についてはそもそも事業者自身が、それに基づいて細部の規定をつくることを含めまして、その実行については責任を持っているわけでございます。
 したがいまして、ただいまの御指摘でございますけれども、まず運転管理のありようにつきましては事業者である動燃事業団がすべてにおいて責任を持っているということは、この点については十分御理解をいただく必要がございます。
 また、ただいまのように保安規定の規定ぶりに照らしましたときに、今回のような実際の運転管理マニュアル、運転管理の計画、こういったものが事業者の中においてしかるべく安全上の要件等をチェックできるような運用をされていたかどうかといったことにつきましては、今回の運転計画書自身が動燃事業団の中でその変更に当たりまして必ずしも適切な審査を得ていたといったことではないような状況がわかってきております。
 そうした意味で、報告書におきましても、この保安規定と運転計画といった関係につきましても原因究明とあわせまして今後検討する必要がある、そういうふうに記載させていただいた次第でございます。
○阿部幸代君 不十分な保安規定であるからこそ検討を行う必要がある、そういうことだと思うんです、報告は。そして、その不十分な保安規定を認可した政府、科技庁の責任は重たいということを率直に認めていただきたいんです。責任逃れはしていただきたくないんです。
 もう一つ伺います。
 この報告書の中で「安全審査における火災・爆発についての考慮」の部分ですが、基本設計段階の安全評価で、「周辺公衆に影響を与える事故は発生しないと考えられるが、万一、事故が発生した場合を想定し、周辺公衆への影響を評価した。仮想事故としては、放射性物質及びアスファルトが存在し、かつ、工程中一番温度が高いエクストルーダにおける火災事故を想定した」というふうにあります。
 この仮想事故というのは、具体的にどういう核種がどれぐらい出るのを想定したものだったんでしょうか。また、今回の火災爆発はその仮想事故と比べて結局どうだったということが言いたいんでしょうか。
○政府委員(池田要君) ただいま先生からは、この施設が安全審査を受けましたときに、当時の原子力委員会でございますけれども、核燃料安全専門審査会の部会において審査が行われたときの事故評価について御質問がございました。
 なるほどこの審査におきましては、この施設におきましては放射性物質それからアスファルトが存在します、したがってこの工程中で一番温度が高いエクストルーダといった施設におきましての火災事故を想定し、その結果として周辺公衆への影響も評価したわけでございます。このときに、この評価に伴いまして環境に放出される放射性物質は約十の十一乗ベクレルと評価されてございます。なお、セシウムは中心になります核種でございますけれども、セシウムについては約三掛ける十の九乗ベクレル、これは審査書にも記載されているとおりでございます。
 なお、今回の事故に伴いまして環境に放出された放射性物質につきましては、この報告書の中にも記載させていただいておりますけれども、日本原子力研究所が推定しました結果では、セシウムー37という核種につきましてはおおむね十の九乗ベクレルのオーダーと見積もられているところでございます。
 この両者を単純に比較することは適当ではございません。施設の外に出た態様というのも違っておるわけでございますから単純な比較はできませんけれども、セシウムという代表的な核種の放出量から見ますと安全審査時に評価されたものと同程度となっている次第でございます。
 いずれにしましても、今回の事故による環境への影響につきましては、今後原子力安全委員会の専門部会等を通じましてさらに検討を行う必要があると考えております。
○阿部幸代君 今セシウムだけお話を伺ったんですけれども、この仮想事故の全容というのは教えていただけますね。それともっと比べて今回どうなのかということを判断したいわけですけれども、時間かかりますか、教えていただくのに。
○政府委員(池田要君) これは当時の安全審査の審査書自身は公表されておりますから、その資料をごらんいただくことができると思います。
○阿部幸代君 今回の事故の認識の問題なんです。これと比べて同程度であったということを今おっしゃったんですけれども、今回の事故がどういう規模の事故であったかという認識は非常に重要だと思うんです。建屋の破壊により閉じ込め機能が喪失し、放射性物質が環境へ放出され、被曝した方が三十七人に上った重大事故との認識がなされているかどうかということが私は問われているんだと思うんです。
 というのは、国民は、もしもっと高レベルの放射能を扱うところで同一の事故が起こったらどうだったのか、ここまで認識を当然深めていくわけなんです。今回の事故についての認識、改めてもう一度伺います。
○政府委員(池田要君) ただいまの御指摘でございますけれども、こうした核燃料物質を扱いますような施設におきましては閉じ込めといったことが一番重要な要件かと承知しております。そうした意味で、今回この施設において火災爆発が起こりました結果、その閉じ込め機能が失われた、施設自身が破壊され、放射性物質が建屋の外に出たといったことは極めて重大なものであると考えております。
○阿部幸代君 事故調査に当たる側の姿勢次第で調査内容に違いが出てくるのは当然であるというふうに思うんです。ですから、私は、いわば動燃を育ててきた責任ある立場での調査を科技庁には自己分析的に進めていただきたいというふうに強く要望いたします。
 次に、再処理とプルサーマル計画の見直しについて伺いたいと思うんです。
 「もんじゅ」のナトリウム漏えい火災事故に次ぐ再処理施設、アスファルト固化処理施設の火災爆発事故と重大事故が続いていて、秘密主義、隠ぺい主義と相まって国民の不信感が高まっているのはもう御存じのことと思います。こういうときだからこそ、原子力政策の根本からじっくり見直しをすることが求められているんだというふうに私は考えます。
 まず、使用済み核燃料の再処理はやめるべきではないかということです。「もんじゅ」再開の見通しもなく、新型転換炉実証炉がとりやめになることによって「ふげん」の実証炉開発への道も閉ざされて、プルトニウムの使い道はないわけですから、実践的にも再処理をやめるという選択肢があるわけなんです。
 そこで、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場について、建設の中止を検討するべきではないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(加藤康宏君) 再処理技術につきましては、既にイギリスとかフランスで三十年以上商業工場としての運転実績がございます。現在も順調に運転が続けられているところでございます。
 その実績に入るわけでございますが、フランスにおきましては、一九九〇年に六ケ所の工場と同じ形の再処理工場、UP3といって、年間処理量は同じ八百トンでございますが、が操業されておりますし、イギリスにおきましても、それよりも大型の再処理工場、これは年間千二百トンの工場でございますが、それが一九九〇年から操業を開始しております。日本でも、動燃が昭和五十二年から東海の再処理工場でホット運転に入りまして、五十六年から本格運転をし、実際の使用済み燃料の再処理を実施しておりますし、またそれを通しまして所要の技術開発を進めてきているわけでございます。
 今般、アスファルト固化処理施設で火災爆発事故がありまして、その徹底的な原因究明や再発防止策は図らなければいけませんが、これは再処理工場の主の方法でございますピューレックス法によります工程そのものの事故ではございませんし、再処理に関しますこれまでの内外の実績、現状から見ましても、再処理技術は基本的に既に確立されているものと考えております。
 六ケ所村再処理工場の計画は二〇〇三年の運転開始を目指して建設が進みつつございますところで、特に施設の一部でございます使用済み燃料の貯蔵施設はことしから稼働する予定でございます。
 今後とも、安全確保を第一義的に、地元の御理解も得ながら着実にその再処理事業の推進を図るべきものと考えている次第でございます。
○阿部幸代君 外国で安全に運転している例があるということですけれども、外国の技術を導入してまさに日本で事故が、「もんじゅ」でも、また再処理工場でも起こっているわけです。再処理技術についてはもう確立しているということを前回も私の質問に対して答弁なさっているんですけれども、今回のアスファルト固化処理施設の事故というのは再処理工程の全体の中で起こってくる事故であるわけです。そこだけ切り離して考えることはできないわけでしょう。事故調査、原因調査もそういうメスが入れられているんだと思うんです。ですから、確立論というのは私は撤回していただきたいというふうに思います。そういうことを言うからこそ、優等生である動燃がまさに突っ走ってきたんじゃないですか。
 再処理施設の安全審査、特に火災爆発についての考慮が不十分であったということが今回の事故で明らかになったわけですから、安全審査の見直しが当然六ケ所村再処理施設にも及んでいくわけですね。
○政府委員(池田要君) 今回の事故は、再処理工程から出てまいります液体状の廃棄物を管理するために、これを蒸発させた上でアスファルト固化をするという施設において生じたものでございます。現在の計画では、六ケ所村の再処理工場におきましてはこのような施設はございません。工程自身も全く違ったものをとってございます。
 したがって、もう既に、これまでに基本的な施設につきましては安全審査を終えてございまして、現在、一部の施設の効率化といったために変更審査を行っておりますけれども、これまで私どもが安全審査を行いましたところでは、六ケ所の施設の安全審査につきましては、この事故のこれまでの調査状況等を踏まえましても、直接にそれを踏まえて変更するようなところはないと考えてございます。
○阿部幸代君 私は専門家にいろいろ聞いて今回勉強したんですけれども、建設中の六ケ所村の再処理工場の再処理のプロセスには何ら東海村等の再処理施設と変わりがないわけですね。プロセスには変わりがないんです。ただ、溶媒抽出装置など装置が異なるだけということです。年間処理容量が東海再処理施設の二百十トンに対して六ケ所の方は八百トン、規模が異なります。しかも、持ち込まれようとしている使用済み核燃料が、原子力発電所における高燃焼度化が進み組成そのものがより危険になり、例えば平常運転でも化学反応しにくくてフィルターでとれず、当然環境に放出されていくクリプトン85、こういうものも数十倍になるし、一たん事故が起これば、つまり今回の東海再処理工場のような事故でも、また別の工程での事故でも起これば東海での事故の比ではない、そういう専門家の指摘があるわけです。環境と人体に与える影響が東海の比ではないということですが、どう考えますか、その専門家の指摘。
○政府委員(池田要君) ただいまも申し上げましたように、原燃の再処理工場と東海村再処理工場を比べましたときに、本体については共通部分もございますけれども、今回事故が起こりましたアスファルトの固化処理施設に相当するものは原燃の再処理工場にはないということだけ御理解いただきたいと思います。
○阿部幸代君 存じております、コンクリート固化処理施設であるということを。ただ、再処理のプロセスそのものは変わらないということを私は言いました。そこだけ切り離して見ることができないというのが今度の東海の事故でも明らかじゃないですか。
 質問を続けますが、再処理施設の建設については、旧西ドイツのバッカースドルフの再処理施設計画が取りやめになった例やアメリカのバーンウェル再処理施設の建設が取りやめになった例が既にあります。特にこのバーンウェルの再処理施設の場合は、建設がほぼ完成していたのに、規制の強化に伴う追加投資が膨らんで、アメリカは環境規制が厳しいんですね、それをクリアするための追加投資が非常に膨らんでいって、結局運転が断念されたわけです。
 重大事故が相次いで再処理技術の未成熟ぶりが明らかになっている今現在、新たな再処理施設の建設が続行されているというのはセーフティーカルチャーの欠如そのものであるというふうに私は思うんです。先ほど来ほかの先生方から安全神話はだめだということが指摘されました。だから安全じゃないんだといって突っ走るわけにはいかないわけで、セーフティーカルチャーというのは安全性確立最優先の思想と仕組み、そういうふうに私は理解をしていますが、このセーフティーカルチャーの欠如そのものを推し進めていっていいんですか。
○政府委員(加藤康宏君) 再処理の技術の問題でございますが、日本の再処理技術につきましては、東海工場もフランスから技術を入れてつくっている。その技術も含めまして、フランスで先ほど申しましたUP2とかUP3という大型の再処理工場をつくってございます。そういう施設も非常にうまく運転されております。そういうものがまた六ケ所村に技術的に導入されるわけでございまして、再処理技術につきましては、我々、今は十分確立されているものと考えている次第でございます。
○政府委員(池田要君) 先ほどの先生の御指摘について若干コメントさせていただきたいと思いますけれども、今回の事故調査につきましては、私どもこの事故の特質は何かといったことについて見きわめる必要があると思っております。そうした意味で、調査自身も公開で進めさせていただいておりますし、その区切りごとに公表させていただきまして国民の皆様に広く御理解いただくことが必要だと思っております。
 また、セーフティーカルチャーについての言及がございました。それがないままに進めてよいかといった点についても御指摘がございました。
 今回の事故の経過を見ましても、確かに動燃事業団におきます事故を引き起こした経過につきましてもいろいろこれまでにも問題が指摘されております。また、私ども科学技術庁の指導のあり方といった点につきましても、この報告書にもありますように私ども明らかにさせていただいているところでございます。
 そうした意味では、こういうセーフティーカルチャーにつきましては、事業者はもちろんでございますけれども、私ども役所自身も真摯に取り組んでつくっていくものと思っております。今回の事故からも教訓として学ぶべきことはつぶさに学びながら、このセーフティーカルチャーにつきましては醸成を図ってまいりたいと思っております。私どもの事故の究明の進め方、それから規制の仕方についても、そういった意味での監督、御指導をお願いしたいと思っております。
○阿部幸代君 次に、再処理してつくられるプルトニウム利用のMOX燃料を商業炉で使用するプルサーマルについて伺います。
 本委員会の二月二十六日の審議で、我が党の立木委員の質問に対して政府側からの答弁で、少数体による実証実験、これは立木委員の方から指摘をしましたが、美浜と敦賀のニカ所で実施したのは六体ですね。「もんじゅ」の前、常陽の四百四十体と比べても異常に少ない、こういう指摘を我が党の方からさせていただいたんですが、答弁の中では、それも済んでおるし、「新型転換炉「ふげん」におきましては同じようなプルトニウム燃料も既に六百三十八体も安全に効率よく運転している」、こういう説明がなされました。
 この「ふげん」でのMOX燃料の経験ですが、トリチウム漏れ事故調査のために私ども現地調査に行った折ですが、ハードには役立っているが炉心管理は別だ、炉心管理には外国のデータを用いる、こういう説明を受けました。つまり、国内で自前で実験らしい実験はほとんどやっていないのがプルサーマルです。
 一気に商業炉でのプルトニウム、MOX燃料使用は無謀に過ぎますし、再処理先にありき、プルサーマル既定路線を国民に押しつけるということに対して納得がいきません。再検討が必要ではありませんか。
○政府委員(加藤康宏君) 国内でのMOX燃料の経験につきましては、先生御指摘のように少数体実証試験、六体ですか、それに新型転換炉「ふげん」で六百体以上のがある、これはこの前も御説明申し上げました。当然、技術的には今の軽水炉
 におきますMOXとは燃焼度、プルトニウムの量、違っていますから、炉心管理上は当然変わると思いますが、いずれにせよ、既にヨーロッパにおきましても千六百体以上の実績がある。
 もともと軽水炉の最初のウラン燃料もアメリカから燃料自体を買ってきたわけでございまして、そういう燃料自体はアメリカでつくっても日本でつくってもヨーロッパでつくっても技術的には変わらないわけでございます。そういう意味でヨーロッパの実績というのは十分考慮されるべきと考えておりますし、そういう意味でプルサーマルの安全性につきましては十分やっていけるものと考えている次第でございます。
 したがいまして、この二月来既に御説明していますように、資源的な制約や環境保護の観点からやはり原子力発電を長期に進めていく上でプルサーマルは重要でございまして、先般の閣議了解に沿いながら、国民の理解を得られる努力をしながら進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○阿部幸代君 今、最後の国民の理解を得ながら進めてまいりたいと思いますというところにせめてもの救いがあるのかなというふうに思うのですが、重水減速炉「ふげん」の実験は外国のデータで炉心管理をやってきたということで、自前の実験らしい実験をやっていないということを直視していただきたいというふうに思います。
 あと、国民の理解という意味では、新聞報道によりますと、福島を初め、新潟、福井、茨城、静岡、佐賀、鹿児島など原子力発電所を抱えている自治体の首長がいずれもプルサーマルについての住民の合意ができていない、こういう旨の発言をしています。この声をぜひ重視して、国民合意が得られない限りプルサーマルはやめていただきたいというふうに思います。
 大臣に伺いたいのですが、動燃改革を言うのでしたら、動燃が推進主体となって進めてきた日本の原子力政策そのもの、つまり再処理、高速増殖炉、新型転換炉、これが行き詰まって、残るはプルサーマルだけになっているんですが、この原子力政策そのものの見直し、核燃料サイクルや原子力の長期計画の見直しが当然だというふうに思うんです。
 また、大臣は、動燃改革検討委員会で、一方で動燃の存廃を含め考えていかなくてはいけない、こういうことをおっしゃりながら、一方で従来の政府の原子力政策についての議論はできないというふうに、枠をはめたと報道されているんですけれども、これでは自由な議論ができないと思うんですね。
 動燃改革と日本の原子力政策の根本問題についての長官の見解を伺います。
○国務大臣(近岡理一郎君) 現在、動燃の抜本改革につきまして検討委員会で審議が進められているわけでありますが、動燃は核燃料サイクルの確立に向けた研究開発の中核的役割を果たすべく設立された機関であります。したがいまして、原子力委員会の場におきまして、先ほど申し上げたとおり、先般、今後の業務の前提として核燃料サイクルについて改めて議論が行われました。その中で、やはり資源の有限性あるいはエネルギーセキュリティーの確保、放射性廃棄物による環境への負荷の低減の観点から、核燃料サイクルの原子力政策上の重要性は今回の事故によって変わるものではないということを確認いたしたところでございます。
 したがいまして、必ずしも現行の長期計画を直ちに改定する必要があるとは考えていませんが、今後とも原子力開発利用の進捗状況を踏まえて柔軟に対応するとともに、必要に応じまして長期計画の見直しをも視野に入れて適切な政策展開を図っていかなければならない、このように考えております。
○委員長(猪熊重二君) 本件に関する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十五分散会