第141回国会 逓信委員会 第3号
平成九年十二月四日(木曜日)
   午後一時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     松 あきら君     但馬 久美君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     但馬 久美君     松 あきら君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     畑   恵君     大野つや子君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     大野つや子君     畑   恵君
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     保坂 三蔵君     片山虎之助君
 十一月二十八日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     保坂 三蔵君
 十二月一日
    辞任         補欠選任
     畑   恵君     林  芳正君
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     林  芳正君     畑   恵君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         川橋 幸子君
    理 事
                鹿熊 安正君
                景山俊太郎君
                続  訓弘君
                及川 一夫君
    委 員
                加藤 紀文君
                陣内 孝雄君
                畑   恵君
                保坂 三蔵君
                守住 有信君
                森田 健作君
                扇  千景君
                鶴岡  洋君
                松 あきら君
                伊藤 基隆君
                三重野栄子君
                上田耕一郎君
                山田 俊昭君
                水野 誠一君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  自見庄三郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長  天野 定功君
       郵政大臣官房総
       務審議官     濱田 弘二君
       郵政省郵務局長  長谷川憲正君
       郵政省貯金局長  安岡 裕幸君
       郵政省簡易保険
       局長       金澤  薫君
       郵政省通信政策
       局長       木村  強君
       郵政省電気通信
       局長       谷  公士君
       郵政省放送行政
       局長       品川 萬里君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   説明員
       郵政大臣官房人
       事部長      足立盛二郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査
 (郵政省再編に関する件)
 (情報通信の高度化と普及に関する件)
 (郵便局のワンストップ行政サービスに関する
 件)
 (郵便貯金・簡易保険資金の自主運用に関する
 件)
 (NHKの受信料問題に関する件)
 (金融ビッグバンと郵便貯金の役割に関する件
 )
 (郵便事業への民間企業の参入に関する件)
 (簡易保険の法人契約に関する件)
 (特定郵便局長問題に関する件)
 (地域情報化推進施策に関する件)
    ―――――――――――――
○委員長(川橋幸子君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査を議題といたします。
 まず、現下の郵政行政の諸施策について郵政大臣から発言を求めることといたします。自見郵政大臣。
○国務大臣(自見庄三郎君) 川橋委員長を初め逓信委員会の皆様には、平素から郵政行政の適切な運営につきまして格段の御指導をいただき、厚く御礼申し上げます。
 私は、就任以来約三カ月を経過した今日、郵政行政が国民の日常生活に極めて密着したものであることを改めて認識し、かつ責任の重大さを痛感しているところであります。この機会に所管業務の当面する諸課題等につきまして申し述べさせていただき、先生方の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 まず、郵政事業関係について申し上げます。
 郵便局は、地域における最も身近な国の窓口機関として長く親しまれてきており、郵便、貯金、簡易保険等、国民生活に不可欠なサービスを提供し、国民の皆様からも高い評価をいただいているところであります。
 今後、高度情報通信社会、少子・高齢社会の本格的到来に加え、地方分権時代を迎えようとしている中で、郵便局を情報・安心・交流の拠点として、国民の信頼にこたえ、地方・地域の発展に一層貢献できるようにするため、本年六月にいただいた郵政審議会答申「郵便局ビジョン二〇一〇」への取り組みを強化し、国民共有の生活インフラである全国二万四千六百の郵便局ネットワークを最大限に活用することにより、国民・利用者の視点に立った施策を展開してまいる所存であります。
 個々の事業につきましては、まず郵便事業は、本年度における郵便物数はおおむね順調に推移しておりますが、国民・利用者のニーズに適切にこたえるため、経営の一層の効率化、合理化及び郵便利用の拡大が重要であると考えております。このため、本年十二月一日に定形外郵便物の料金引き下げ等を実施したほか、明年二月二日からの新郵便番号制導入を初めとする事業の効率化、合理化等、郵便サービスの向上に資する施策の展開に努めてまいります。
 為替貯金事業につきましては、金融システム改革の進展により、今後、一層の金融自由化が進められる中、金融市場との調和を図りつつ、国営事業としての郵便貯金の役割を適切に果たしていくことが必要であると考えております。このため、郵便貯金オンラインシステムの民間金融機関への開放等に取り組み、国民の共有財産である郵便貯金ネットワークを積極的に開放、活用することにより、国民・利用者の利便性の向上に努めてまいります。
 また、郵便貯金資金の運用につきましては、引き続き預金者利益の確保、事業の健全経営を図るべく、安全、確実かつ有利な運用を行ってまいる所存であります。
 また、我が国は少子・高齢化が急速に進展しており、国民一人一人が安心して暮らせる社会を構築することは重要な政策課題となっております。
 そこで、簡易保険事業といたしましても、国民の自助努力を支援するため、確実な事業経営に努めるとともに、商品、サービスの充実や資金運用制度の改善等に取り組み、国民の信頼にこたえてまいりたいと考えております。
 以上、郵政三事業について申し上げましたが、郵政三事業は多くの職員により支えられて初めて成り立つものであり、意欲に満ちた創造性ある職員なくしてはその発展は期待し得ないものであります。そこで、国民・利用者のニーズに対応したより質の高いサービスが提供できるよう、積極的な人材開発と活力のある職場づくりに特に力を入れるとともに、相互信頼に基づくより高次の労使関係の構築に向かって努力してまいります。
 次に、情報通信行政関係について申し上げます。
 情報通信は、社会経済全般の基盤として二十一世紀の根幹となるべき最重要分野であり、また、政府が進めている六大改革等社会経済システム改革を推進するための原動力となるものであります。私自身、情報通信行政の役割は、このような情報通信の高度化の実現と普及を進め、国民が情報通信をあまねく公平に利用できるようにすることにあると認識をいたしております。
 具体的には、本年六月にいただいた電気通信審議会答申「情報通信二十一世紀ビジョン」に基づき、光ファイバー網等次世代ネットワークの整備促進、規制緩和の推進等による情報通信市場の環境整備、全放送メディアのデジタル化の推進、公共分野の情報化を初めとするアプリケーションの開発普及、研究開発の推進、情報通信のグローバル化の促進、情報格差の是正や消費者保護等の利用環境の整備等、情報通信行政を積極的に展開してまいる所存であります。
 電気通信関係については、現在、第二次情報通信改革への取り組みを強化しているところでございますが、この推進は、電気通信市場のダイナミズムを創出するとともに、ニュービジネスの振興や利用者の一層の利便性の向上に資するものであります。そのためには、規制緩和や公正有効競争条件の整備等を推進することが肝要であります。今後とも、これらの諸施策を展開することにより、競争導入のメリットが利用者に還元され、また、事業者の健全な事業展開ができるよう努めてまいる所存であります。
 放送行政については、デジタル技術の発展の成果を広く国民・視聴者にも還元できるように、二〇〇〇年以前に地上デジタル放送を開始するための検討等、国民・視聴者の利益を最優先にした行政を展開してまいりたいと考えております。
 また、さきの国会で放送法を改正していただき、字幕・解説放送を通じ視聴覚障害者のアクセス機会の拡大等が行われました。これを受けて、去る十一月十七日、二〇〇七年までに地上波による総合放送について字幕付与可能な放送番組のすべてに字幕がつくこと等を目標とする指針を発表したところでありますが、今後ともこうした視聴者政策の充実強化を図ってまいる所存であります。
 また、国際関係については、WTO基本電気通信合意の発効を目前に控え、情報通信分野の国際連携を強化するとともに、我が国通信事業者等の海外展開を促進してまいる所存であります。
 以上のように、情報通信行政の課題は多岐にわたっておりますが、今後、これらの諸施策を総合的に展開することによって、高度情報通信社会の構築を加速してまいりたいと考えております。
 なお、十一月十八日の経済対策閣僚会議で決定した「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」には、KDD法の廃止、電気通信料金へのインセンティブ方式導入の前倒し等の情報通信分野の規制緩和施策、光ファイバー網の早期整備、インターネットのアクセス拠点の全国整備等を盛り込んでおります。今後、活力に満ちた日本経済を実現するため、これらの施策を着実にかつ力強く実施してまいりたいと考えております。
 さて、今日の我が国の直面する最重要課題は、行政改革、財政構造改革等の六つの改革を進めることであります。行政改革については、昨日、行政改革会議の最終報告が取りまとめられたところであります。
 最終報告では、郵政行政につきましては、(一)現行の郵政省の通信政策局、電気通信局及び放送行政局は、二局に再編し、総務省の内部部局とする、(二)総務省に、郵政三事業に係る企画立案及び管理を所掌する内部部局として郵政企画管理局を置き、同事業の実施事務を所掌する外局として郵政事業庁を置く、(三)郵政事業庁は五年後に新たな公社に移行する、等の内容となっております。
 郵政行政は、郵政事業、情報通信とも、国民生活、地域社会、経済、文化、行政等あらゆる分野を支える基盤となる極めて重要な分野であります。
 今回の最終報告では、国営・三事業一体により全国あまねく公平に国民生活に不可欠なサービスを提供するという郵政事業の基本は変わっておりませんし、情報通信関係についても、関係三局が一体として総務省に移行する案となっておりますので、総合的、戦略的、機動的な行政展開が引き続き可能であると考えております。
 したがって、今後、省庁再編に向けた具体的検討が始まることになりますが、私といたしましては、この最終報告に記載されている総務省において、これまで述べてまいりました郵政行政に係る諸課題に適切に取り組んでまいることができるものと考えております。
 以上、郵政行政が抱える諸課題及び行政改革会議長終報告に対する所感を申し述べました。私といたしましては、今後とも、さまざまな課題に対し積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、川橋委員長及び理事を初め逓信委員会の皆様におかれましては、何とぞ温かい御指導と御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。
○委員長(川橋幸子君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
○保坂三蔵君 自民党の保坂でございます。
 限られた時間でございますが、大臣並びに各局長さんにお尋ねをしてまいりたいと存じます。
 最初に、昨日発表になりました政府の行政改革会議の最終答申についてでございますが、考えてみますと、昨年の十一月二十八日に発足以来一年、二〇〇一年からの新たな省庁体制の枠組みがここで固まったわけでございます。明治十八年に内閣制度が創設されて以来百十三年ぶり、これほど大規模な抜本改革はない、こう私どもは評価をしているところでございます。
 この間、第二次橋本内閣がスタートしたのが九月十一日、堀之内前郵政大臣から継がれまして自見大臣が誕生されました。自見大臣は、かねてから郵政三事業はもとより、郵政各般にわたって大変お詳しく、見識もお持ちでありまして、私たちも日ごろから尊敬していたところでございますが、何と適切な大臣が御就任されたんだろう、非常に私どもといたしましては喜んでおりました。
 つきましては、今回の最終答申の評価と、この間、国民世論がこの論議に、あるいはまた郵政の各事業について非常に大きな国民自身の動向がございました。これらをどうごらんになったか。この二点、大臣の御所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 保坂委員にお答えをいたします。
 今の先生のお話のように、行政改革会議は、政府・与党の熱心な協議を経まして、一年間にわたる審議の結果を最終報告として取りまとめたわけでございます。この間におきまして、本当に国を思い、国家を思い、大変熱心な御論議があったわけでございますが、関係者の方々に心から敬意を表させていただく次第でございます。
 私の最初の発言の中にもございましたように、最終報告においては、情報通信行政については大臣のもとに戦略的、機動的かつ一元的に遂行し得る省の組織とすること、また、郵政事業については国営・三事業一体で同じ省の下で運営されることという、かねて我々が要望していたことが基本的に盛り込まれたというふうに受けとめております。
 そしてまた、その間、約三千三百ございます地方議会の九八・五%の方が郵政三事業については国営・三事業一体が適切ではないかと、まさに明治四年以来百二十六年、郵便事業が始まってあるわけでございますけれども、その間、本当に国民に理解をされていると私も感動を覚えたわけでございますが、地方議会の九八・五%の方々が決議をしていただく、そういった状況にあったわけでございます。各政党また与党においても大変真摯な御論議があったわけでございますが、本当に私は率直に言えば、そういった世論がやはりこの最終報告に向けて大きな力を寄せていただけたということを所管大臣として大変感謝をいたしております。
○保坂三蔵君 私も全く大臣と同感でございまして、国民が示した郵政事業に対する理解、これは郵政職員のみならず、私たち郵政事業に深く関心を持って国会で活動してきた者にとりましても大変感銘を覚えた次第でございますが、このことをもって新たな体制で頑張ってもらいたい、こういう気持ちはひとしおでございます。
 ところが、一方、その会議の中で情報通信の部分がどう論議されたか、このあたりを非常に私は懐疑的に見てまいりました。
 特に、行革会議の省庁再編の集中討議期間、これは八月にございましたが、その二日目の、たしか八月の九日であったと思いますけれども、その冒頭に橋本総理大臣が、監理を含めて通信・放送行政に関しては行政委員会でチェックする、振興に関しては産業省と、こういうふうな発言をされまして、そのまま余り論議がなかった。そして、これは最後までこういう方向で進んでいたわけです。
 顧みますと、昨年の五月に、読売新聞社が省庁再編案というのを発表いたしましたが、まさしくここにもそのような仕組みが出ておりまして、郵政公社も出ていれば、情報通信委員会なんかも出ておりまして、何と手際よく一年前に発言され、そのとおりになっているんだろうと、私もげすの勘ぐりじゃありませんけれども随分と考えました。
 しかし、そのことはさることながら、いずれにいたしましても、行革会議の最終報告の中にも、省庁名の中には情報通信あるいは通信という言葉は結局は出てこなかったわけです。二十一世紀に向けて我が国が発展していく上で根幹となる情報通信の意義とか重要性というのが一体国民や関係者にどのぐらい理解されていたんだろうか。行政改革会議の中の論議が少なかったことを含めて、私は非常に痛感をしたわけでございます。
 また、不思議なのは、業界も何にも発言をしない。どういうことなんであろうかということを考えました。そして、新聞なども開きますと、投書欄にも情報通信の言葉は余り躍っていなかった、こういう感じで見たわけでございますが、一体、十分な議論が行革のこの論議の過程の中で尽くされてきたとお思いでございましょうか。また、本当にこの意義についてどう国民が理解されているかというあたりの御観測を聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(木村強君) ただいま行政改革会議をめぐります情報通信についての御指摘がございました。情報通信の重要性につきまして、行政改革会議の委員の皆様方がどの程度の認識をいただいておったかどうか、私の立場でここでお答えすることはなかなか難しゅうございます。しかし、郵政省といたしましては、こういった行政改革会議が情報通信につきまして議論をされる前提として、六月十一日にヒアリングを求められております。官房長が中心になりまして、情報通信の行政の重要性等につきましても、資料も出し、御説明をする機会が与えられております。また、最終段階ではございましたけれども、十一月十二日におきまして郵政省からの意見提出等の場におきましても、情報通信の重要性とその行政組織のあり方につきまして、私ども郵政大臣以下郵政省としての考え方を繰り返し説明したという事実がございます。
 なお、先生御指摘のとおり、業界からの反応につきましては、新聞等で見ます限り、そういう動きが大変少なかったのではなかろうかという御指摘がございますが、他の役所の分野の業界がどの程度新聞等で取り上げられたかということは定かに承知はいたしておりませんけれども、情報通信につきましても、学者の先生方あるいは研究者の先生方あるいは有識者の先生方が情報通信の重要性について投稿され、論評された記事が結構たくさん出ております。
 業界につきましても、個別に申し上げますと大変恐縮でありますけれども、TTNetの社長であるとか、あるいは松下通信工業の社長であるとか、あるいはNECの関本会長等から、情報通信行政の一体的な推進の必要性についての御意見が投稿されておったというふうに承知をしておりますし、その議論の終盤におきましては、マスコミといいますか、新聞活字の中で情報通信行政のあり方という活字が結構、最終場面でございましたけれども、出てまいったというふうに認識をいたしております。業界としましては、社団法人電気通信事業者協会や社団法人日本ケーブルテレビ連盟各地方支部等におきましても御意見を発表されておるというふうに理解をいたしております。
 そういう意味で、先生から見ればまだまだ、私ども具体的な行政の中で情報通信の重要性について各方面に訴えながら展開をしてきておるつもりでございますけれども、先生の御指摘で不十分だということにつきましては、行革会議の中で情報通信が一つの大きな柱として議論されたかどうかという点につきましては、私どもも内心じくじたる思いをいたしております。
 以上であります。
○保坂三蔵君 決して偉そうに発言しているわけではございませんで、私たち関係議員の中でこの間かなりいろんな論議をしてきましたけれども、情通に関しましてははっきり言って話題性が乏しい。新しい分野だということだけしか認識されていない。そして、情通といえばテレビと携帯電話ぐらいしか話題に出てこない。私どもといたしましては、日本の戦略的な基盤産業としての部分とか、あるいはまたすべてのジャンルのべーシックな部分に存在する情通の世界が、これほどまでにまだ理解されていないかということは非常に残念でございました。
 それで、くどいようでございますがもう一点、我々が口を酸っぱくしてすべてのべーシックな部分での重要性ということを言っておりましても、本当に情報通信の未来像というのは国民の皆様にどう話していけばいいのか、なぜ大事で、またなぜ私たちは真剣にこれを論議してきたのか、このあたりは木村局長の御見識を伺いたいと思います。
○政府委員(木村強君) 情報通信につきましては、技術革新の成果をいかにスムーズに遅滞なく国民生活あるいは企業活動の中に円滑に還元をして、時間と距離を克服して、国民生活あるいは企業活動あるいは行政活動等、国の行き方について非常に効率的に、しかも利用者が安心してそういうものに取り組めるように、なじみやすいようにという理念のもとに情報通信が発達をしてきております。
 そういう意味で、情報通信の重要性等は、それを具体的にお使いになる方、例えば携帯電話、昔は考えられませんでしたけれども、これが非常に便利だということで、個別に使われておられる方につきましては実感があろうかと思いますけれども、これから先の展望につきましては、国民各位が身近にどうだというところまでなかなか思いがはせられないということもございます。技術革新の急速な進展はございますけれども、一部の専門家にしかなかなかわからないというようなこともございます。
 そういう面では、私どもは、電気通信審議会に情報通信二十一世紀ビジョンというものも大臣から御諮問をいたしましてこの春にいただいておりまして、できるだけ行政としても情報通信の先行きといったようなものを、展望を国民の皆様方に情報開示していくということが必要であろうということで取り組んできております。
 現に、それぞれ国民の皆様方の身近な分野で、特に公共分野で情報通信が利活用されるということが一番身近にわかるものですから、数年前から自治体ネットワークシステムということで、地方行政であるとか、あるいは医療、教育、そういった分野で身近に住民の皆様方がこういった情報通信を利活用できる方策というものを進めてまいりました。また企業につきましては、もう既に、それぞれ企業活動をより効率化していこうということで、その技術を採用されて展開をしております。
 いずれにいたしましても、情報通信がより身近に、しかも、身近になると同時にまた安心できない面もございますので、こういった点をきちっとサポートしながら、より高度化、そしてできた情報通信技術というものはより普遍的に普及させていくという、富士山で言えばすそ野を広げていくと同時に技術革新の成果をより高い方向へと持っていこうということで私ども考えております。
 現に、政府におきましても、今六つの改革を強力に進めようという中で、情報通信の高度化はその改革の原動力であるという位置づけもなされて取り組んでおるという状況でございまして、国民生活、二十一世紀に向けて国民のライフスタイル、あるいは社会構造の変化というものに非常に有効なものであろう。
 また、私どもの大臣がかねがね申されておりますように、雇用にも将来結びつく。あるいは景気の回復、二〇一〇年には百二十五兆という市場規模の試算もございます。あるいは二〇一〇年に二百四十四万人の雇用創出ができるというような試算もございまして、そういった景気、雇用、あるは社会構造の改革、こういったものに非常に有効な手段であるという認識を持っておりまして、世界各国これもほぼ共通の理念であろうというふうに考えております。
○保坂三蔵君 ありがとうございます。
 なるほどそのように非常に重要性を持った戦略的な部分がある。いわば国家の進路を左右する、こんな重みがある。その重みがあるものを産業の一局面に区切って、この振興については産業省、残りの行政はすべて三条委員会の行政委員会に押し込めろと、随分欠落したむちゃな議論が展開したと思って驚いているわけです。企画立案はともかく、総合調整までできないわけですから。そういうことを見ながら、現下の情報通信の世界と、また世界の中での日本の位置、こういうことを非常にこういう論議から憂える者の一人でございます。
 アメリカの情通の世界と日本の情通の世界はもう完全に水があけられて、アメリカは追い越せないというようなことでの論議が昨今かまびすしいわけでございますが、そういうデータを私たち見てみますと、例えば国家的な基本的な戦略についての日米格差ということでずっと私もいろんなデータをひろってみたんです。インターネットの接続ホスト数、これは電子メールのボックス数ですが、日本はアメリカの四分の一。それからCATVの加入者数は同じく日本はアメリカの五分の一。それからパソコンの普及率は日本が一三%でアメリカは四〇%。それから同じパソコンのLANの接続率、日本は八・六%、アメリカは五二%。それから情報通信分野の研究開発費は総額でアメリカの六五%、政府の負担の割合でいくとアメリカのわずか三〇%。それから民間投資全体における情通の関連投資の比率は日本は一六%、アメリカは三二%。このようにもうアメリカと日本の差は歴然と開いてしまっている、こういう状況なんです。
 しかも、無視できませんのは、EUがこれに力を入れてきている、またアジアが力を入れてきている、こういう状況でございまして、ひとりフロントランナーを走っているつもりが、いつの間にか後続ランナーの部類に入ってもおかしくないような、そんな危惧さえ感ずるわけなんです。
 ちなみに申し上げますと、クリントン、ゴア両氏の体制におきまして、例のアメリカの情報スーパーハイウエー構想、全米をカバーする情報基盤の整備構想を打ち出しました。ヨーロッパでもTEN構想、これは全欧州をネットワークで結ぶという構想。それからアジアでもシンガポールのIT二〇〇〇構想、インテリジェントアイランド構想といいましょうか、それからマレーシアのマルチメディア・スーパー・コリドー計画、これなんかも二〇二〇年までに情通の世界を活用して先進国入りするという大変な国家ビジョンを出しているんです。
 こういうものを見てまいりまして、日本は一体世界の位置の中でどの部分にあるのだろうか、情通を国家戦略と位置づけている各国の様子の中で、日本はおくれをとっていないか、こういう懸念が本当に私どもほうふつとしてわいてくるわけでございます。このあたりの日本と世界の関係、また日本の位置、また追い上げる力、あるいはアメリカをキャッチアップして追い抜けるか、こういう見通しはなかなか難しいとは思いますが、情通行政のトップとしての局長の御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(木村強君) ただいま先生、アメリカと日本とを比較されまして、情報通信にかかわる指標と申しますか、一つのメルクマール的な数字をお挙げになっていただきました。さまざまなメディアがあり、日米の比較につきましても一概にこれがアメリカが進んでいるから全体としてこうだというのはなかなか難しいというふうに考えております。
 例えば、今、先生アメリカが非常に進んでおるという点を御指摘されましたけれども、例えばネットワークインフラの高度化状況につきましては、光ファイバー化率などを見ますと、米国は九四年末で九・三%であるのに対しまして、日本は同じ九四年末でありますけれども一五・一%、またデジタル化率につきましては、九五年末、米国では八九・八%であるのに対しまして、日本は九〇・四%であり、九七年には一〇〇%を達成する方向にあるということで、我が国が米国よりもむしろ進んでおるという点もございます。
 また、携帯自動車電話の普及状況につきましては、九六年末には加入者では米国は四千四百四万人、日本は二千三百十一万人ということでトータルの数字は下回っておりますけれども、人口普及率で見れば米国は一六・七、日本は一八・五%と、日本が上回っている分野もございます。
 その他、そういう形で全体をどう見るかということでありますけれども、確かに最近のアメリカの状況を見ますと、例えばインターネットやあるいはGPSといったものにつきましては非常にリードしておる。これは米国におきましては、軍事技術を民間転用する中で、やはり政府主導での技術開発成果が民間のマルチメディアのそういった情報通信基盤に大いに寄与されておるというようなことがあると思います。そういう面で、なかなか米国はいろんな面で資本投下もいたしておりますし、やはり軍事ということで情報についての関心が非常に強かったという経過などもございます。そういう意味で進んだところが多々あろうかと思います。
 しかしながら、私どもも昨年でございましたか、経済構造改革特別措置の中に情報通信基盤というものも閣議了解の中で入れていただいたりもしまして、情報通信がやっと予算の関係では経済構造改革に資するんだ、国家の大きな方向づけをしていく一つの要素なんだというようなことが財政当局にも認識されたということで、私ども、今後とも情報通信の効用等につきまして客観的に世界と国内との比較等も挙げながら、おくれることのないように、日本が二十一世紀に対しまして伍して立派な国となっていけますようにさらに努力したい、このように考えております。
○保坂三蔵君 今お話を伺ったとおり、例えば、経済政策上もこの推進をすることによって効果があるというお話がございましたけれども、過日の緊急経済対策あるいはそのほかを見ましても、もう現実には、一方では四百七十六兆円の長期債務を解消していかなければ財政の硬直化を生むということで財政構造改革、一方では当然デフレ効果がある。そこへもってきて喫緊の景気対策が出てくる。こういう中で翻弄されているわけですね、今。そこで息の長い、しかも即効部分を含めた情通の関連投資というのは非常に有効的だと思うんです。そういうお話も今していただきました。
 こういう経済政策を見ながらも、さらに、情報通信が経済生活あるいは文化、あらゆる社会経済活動の基盤にあるということも、たびたび申し上げるようですけれども再認識していかなくちゃならない、こう思っているわけです。
 アメリカの話を出して恐縮でございますが、クリントン氏が盛んにメッセージを送るわけです。これは、国内向けのメッセージでもあると同時に世界のフロントランナーとしての私たちにも受けとめられるメッセージじゃないかと思うんです。ちなみに、インターネットが情報通信メディアとして急速に発展してきて、コミュニケーションの手段というだけではなくて社会全般にわたって不可欠な存在になる、こういうことを私たち認識しておりますが、クリントンはこう言っているんです。インターネットは町の広場のような存在になり、コンピューターはすべての教科の先生として、またすべての文化のかけ橋として各家庭に存在するようになる、こう断言しているんですね。教育改革とともに情報通信の高度化に対応した教育まで国の重要施策として取り上げている。こんなことを言っております。
 それは言っているだけではなくて、ことしの二月の一般教書でも、だれでも八歳で読むことができて、だれでも十二歳でインターネットに接続でき、十八歳で大学進学の機会を得て、大人はすべて生涯学習ができるようにしよう、こう訴えておりますけれども、そういう数字が現実に出ているんです。
 例えば、日本の公立小中学校でのインターネットの普及率を見てみますと、わずか三・五%なんです。それでも進んできた。しかし、アメリカでは既に一九九四年に三五%に至り、九五年には何と五〇%を超えて、九七年にはさらに六〇%を超えていくというような勢いにあるわけなんです。
 こんなことを見てみますと、悔しいですけれども、宝くじしか頭にない文部省と一緒にやっていて郵政省いいんでしょうか、こういうふうに言いたくなっちゃうぐらいに率直に言って、言葉にちょっと行き過ぎがありましたらおわびいたしますけれども、郵政省に対する期待が大きい。ですから、経済政策だとかそれから今言った教育との関係、このあたりについての郵政省としてのお取り組みがございましたら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 保坂委員から大変熱っぽい激励を含んだ御質問をいただきましてありがとうございます。
 実はインターネットの件でございますが、これは今先生が述べられましたように、世界で二億人の方が利用している。日本でも一千万人近い方が利用しているんではないか、こう言われているわけでございますけれども、このインターネット等が活用できるように、情報リテラシーと申しますか、情報通信機器等を自由に操作できる能力の向上が重要な課題だというふうに認識いたしております。
 その中で、今先生も御指摘されましたように、小学校、中学校において学習の中でインターネットを活用することにより、次代を担う児童生徒の皆さんに早い段階からインターネット等になれ親しんでいただくということが大変大事だ、こういうふうに思うわけでございます。その辺を踏まえて、クリントン大統領もアメリカの教書の中で全米の学校等をインターネットで結び、十二歳でみんながインターネットにアクセスできるようにということは今先生からも御紹介があったわけでございます。
 郵政省といたしましても、まず小学校、中学校を初め全国すべての人々が市内料金でインターネットにアクセスできるように、そのためにはアクセス拠点を整備せねばなりませんから、その拠点整備の来年度中の実現を支援していく考えでございます。
 さらに、小学校等におけるインターネットの活用促進を図るために、学校向けの通信回線の高度化やそれからまた有害情報の除去、これも大変大事な教育的視点だというふうに認識をいたしております。それからインターネットの利用に当たっての負担軽減などが課題だというふうに思っております。
 それを受けまして、実は私と町村文部大臣と話をいたしまして、これはなかなか事務的には難しかったところもあるわけでございますが、まさに子供の未来の話でございます。今さっき言いましたように高度情報化社会、日本国の未来の話でもございます。ちょうど委員会の席で横でございますからそういう話になりまして、それでは、ひとつ文部、郵政両省が共同で有識者による懇談会を設置しようということになりまして、実は昨日、その第一回の会合を開催していただきまして、両大臣ともども出席し、四月までに提言をまとめていただく予定にいたしております。今先生からいただきました激励、まさにそういった時代でございますから、ひとつ省と省の壁を越えて両大臣で懇談会をつくって四月までに提言を取りまとめていただきたい、こういうことを実は昨日やらせていただいたところでございます。
 今後、この懇談会において、ただいま申し上げましたような問題点につきまして有識者の方々の御意見を賜りながら、小中学校におけるインターネットの利用環境の整備に積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○保坂三蔵君 ありがとうございました。心から期待をしておりますので、ぜひ文部省と協力してやっていただきたいと思います。
 まだ電磁波の問題など非常に心配な問題がありますのでお尋ねしたかったと思いますし、またサイバー法の制定などもいよいよ必要になってきたんではないかという議論もしたかったのでございますが、与えられた時間が限られておりますので、最後に、非常に次元が低くなるといえば低くなるんですが、一言言っておきたいことがございます。それは族の問題です。
 私は、保坂君は郵政族かと言われますと、はいそうですと答えてまいりました。それは、決して山賊でも海賊でもないという意味で答えたのでございますけれども、こちらにも、そういうことを申し上げては恐縮でございますが、伊藤基隆先生も全逓の中央執行委員長として大ベテランで、私どもいろんな勉強をさせていただきました。及川先生も全電通の中央執行委員長としてこの世界のことはすべて御存じ。また、私どもの守住先生も郵政の問題は専門家。こういうことで、いろいろ勉強させていただきました。議院内閣制度でございますから、今、短い時間で論議させていただきましたとおり、新しいジャンルで難しい。言葉も、それこそ英語をしゃべれなければ全くわからないような世界も現実的には大きいんですね。英語圏以外の全ヨーロッパでも英語をやらなくちゃもうついていけないよというような、そんな時代が現実に来ているわけで、私たちも勉強しながらやっていこうと思っていたやさきに、読売新聞は族のばっこということでまた展開をしているわけです。
 この中にもこういうことが書いてあるんです。「自民党族議員に対する国民の厳しい見方が浮き彫りになったが、政治不信の背景にも、特定の利害追求に終始する族議員への根強い批判があるとの見方が多い。」、こう言っている。御丁寧に族議員の解釈までここに書いてありまして、「関係省庁、関係団体・業界と密接な関係を持つ議員のこと。各省庁の政策、予算案の決定や利害調整に大きな役割を果たす。その見返りに、関係団体・業界は、族議員を「カネとフダ」で応援する。」と、こう書いてあるんですが、もう情けなくなります。
 渡辺恒雄さんなんか、申しわけないけれども、読売新聞の代表で言っているんじゃないですか。読売新聞の投書欄には郵政省を守れと言いながら、社説は違うことが書いてある。全く世論とどう違うんだと言いたい。実は、私は高校時代の渡辺さんの後輩なんですけれども、渡辺恒雄さん、ファッショだとよっぽど言いたいんですね。
 ここにはこういうことも書いてある。「野党側からも「省庁を会社に見立てれば、族議員は与党の総会屋」」だと。冗談じゃない。ありとあらゆる言葉を使って、それで世論調査で族議員が一番悪かった。その族議員の悪い順番を言うと、「@郵政族A大蔵族B建設族」、こう書いてあるんです。
 私は、そういうようなミスリードといいましょうか、それじゃ御自分たちがそんなにオープン、フェアでいくんだったら、再販制度をどうして守ろうとするんだとよっぽど言いたいですよ。自由な、オープンな市場だったら再販制度だってなくして、つぶれる出版社や新聞社が出たっていいじゃないですか。しかも、我々は文化事業で守ろうとしているんですから。
 ですから、やっぱりジャーナリズムは真実は語ってないと。事実は語っても真実は語ってないとかテレビもそうだということをよく言いますけれども、私は世論のミスリードはいけないと。今の景気だとかあるいはリセッションに関しましても、言葉がもう躍っちゃって、大恐慌が来ているとか。元気を出そうといったって、マスコミだけ読んでいれば元気がなくなっちゃう。本屋に行ってみてくださいよ。恐慌と名前のつく本が何冊出ているか。そして週刊誌を開けば――そうでしょう。それじゃもうお先真っ暗ですよ。日本人の元気がなくなればそれで勢いが出るグループがあるんだったら、それはちょっと存在としてはおかしい。
 この族議員について大臣の御意見を承りたかったんですが、お立場がありますので結構でございます。私の思いのたけを話させていただきました。
 最後に、実は昨日、政府・与党の財政構造改革会議の企画委員会、これは加藤幹事長がおやりになっているところで、三十兆円を超える旧国鉄、国有林野の長期債務処理の大筋が固まったと。それによりますと、大半の債務は一般会計が引き継いで、六十年かけて国全体の債務として一体で処理していく。利払い負担軽減のために財政投融資資金を低利で借りかえして、軽減後の利払い分の財源にはたばこ税の新税などとあわせて、旧国鉄債務には郵貯の黒字二千億円を活用する、こうなっているわけです。
 郵貯の黒字というのは本当はもうけなんだろうか、利益として処分していいものだろうか。こういう論議が、実際になされてない状況の中から、仮にこれを臨時措置あるいは緊急措置として認めたといたしますと、将来郵貯に赤字が出て窮地に陥った場合、だれが補償するんだろうか、こういう問題も出てまいります。
 したがいまして、この際、政府の負担のことも含めて、十分このあたりを念頭に置いていただきまして、一応中央省庁の再編については決着がつきました。その中でこの論議もあったこととは思いますけれども、郵便貯金制度を信頼し、また簡易保険制度を信頼して、郵政省と密接な理解の立場にある国民を残念な気持ちに陥れないような御配慮をしっかりと担保していただいて議論に臨んでいただきたい、このことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○続訓弘君 平成会の続でございます。
 本日は、大臣就任後初めての委員会でございます。まずもって、大臣御就任おめでとうございます。
 そして、ただいまは大臣から力強い所信的な所感を承りました。それを踏まえながら、かつただいまの私が日ごろ同僚として敬愛する保坂議員の質問の足らないところを私が補わせていただきながら質問させていただきます。
 まず、橋本総理が日ごろ火だるまの行政改革を断行すると、こういうお話をしてこられました。本日はその一部を先送りしながらも閣議決定されたと承っております。今、保坂議員から御紹介ございましたように、十二月二日の読売新聞の朝刊に世論調査の結果が出ておりました。私は、保坂議員とは若干違って次のような解釈をしております。
 郵政三事業を含めた行革、これに対して国民は大変期待をしていた。今度こそ本当の行革をやってくれるんじゃないのか、国民にとっては千載一遇のチャンスだと、今度の行革は。しかし、にもかかわらずその行革は道半ば、中途半端に終わってしまった。その結果がこの世論調査の結果ではないか、こんなふうに思います。
 そして、族議員の弊害が多いと世論調査は答えております。これは世論調査なんだ、意図的に読売新聞がやられた調査ではないと私は思います。三千人の人たちの世論調査の結果だと思います。族議員の弊害が多いと答えたのが何と六八%、そしてその第一は郵政族四〇%であり、大蔵族三二%、建設族二三%、厚生族二八%、こんなふうに報道されておりました。そして、恐るべきは、政治の現状に不満を感じておられる方々が何と七八%にも達しております。このことは、私ども政治家が真摯に受けとめる必要があるのではなかろうか、こんなふうに思います。
 したがって、先ほど申し上げました今回の行政改革が本当の意味で国民の期待する行政改革だったとするならば、私はこのような世論調査にはならなかったのではなかろうかと思います。
 この世論調査の結果を踏まえながら、本日閣議決定されましたこの郵政三事業の将来に対して、所感でもお述べになっておられますけれども、初めての委員会でもございますし、国民に語りかけて、自分はこういう思いで今後の郵政事業に対し対処する、国民は安心してください、こんな所感を国民の前に御披瀝願えればと存じます。
○国務大臣(自見庄三郎君) 続委員御存じのように、行政改革の目的は簡素、効率、国民のための行政を実現することだ、私はこういうふうに思っております。そういった中で、郵政三事業につきましては、これは御存じのように、国営・三事業一体ということで、きょう閣議決定をさせていただいたわけでございます。
 しかし同時に、その中でも、もう先生御存じのように、預託義務の廃止ということをうたっております。これは集めるところが郵便局、郵政省でございまして、それから大蔵省の資金運用部に行きまして公団公社に行くといったシステムが、法律上の義務といたしまして、郵便貯金については預託義務というのがずっとあったわけでございます。そういった中で、預託義務の廃止ということは、やはり私は一つの大きな改革であろうというふうに思っております。
 また、郵便につきましても、御存じのように、信書につきましては長らく国家が独占してきたわけでございますが、このことについても、民間企業の参入について条件を考えるということを決定していただいたわけでございますから、やはり大きく官から民へという流れも同時にあるわけでございます。しかし同時に、信書というものは長い間世界各国、ユニバーサルサービスの保障をして国家あるいは公権力がやってきたわけでございますが、そういったところ、一つ宿題をいただいたわけでございますから、それはやはり私は今日的な課題ではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、今さっき申し上げましたように、三千三百近い都道府県あるいは市町村の地方議会があるわけでございますけれども、九八・五%の議会が国営・三事業一体ということで御決議をいただいたということは、やはり私は長い間、明治四年、郵便事業を始めて以来百二十六年の歴史があるわけでございまして、二万四千六百の郵便局のネットワークがございます。これはまさに国民の財産でございます。あらゆる市町村にあるわけでございますから、そういった郵政事業あるいは郵便局で働いている方々、始められた先人、あるいは国民が築いてこられた長い間の信頼が、やはり郵便局は国営で今のままでいいんじゃないのという、私は、そういった大きな国民の意思であったのではないかというふうに思っています。
 ただし、今さっき申し上げました預託義務の廃止だとか、あるいは郵便についても民間企業の参入の条件を考える、こういった今日的課題もいただいたわけでございますから、そういった意味では、行政改革の簡素、効率、そして国民のための行政改革ということについてはある程度の回答を出していただけたのではないかということを思っております。
○続訓弘君 先ほど大臣は所感の中で、郵便局は地域における最も身近な国の窓口機関だと、そして国民に長く親しまれてきた、国民の皆様からも高い評価をいただいている、こんな御説明がございました。そして同時に、三千三百余団体の議会からも郵政三事業に対する熱い思いの声援があった、こういう御報告も先ほどございました。
 そこで、ワンストップ行政について、郵便局をどういうふうに利用するかということに関連をして、私は事務当局にちょっと伺わせていただきたいと存じます。
 「郵便局ビジョン二〇一〇」という計画に基づいて、郵政省は、十一月二十六日から一月の末日にかけて東京都と愛知県と沖縄の三地方で実験を開始されました。その実験の東京都の場所は、保坂議員の地元台東区であります。私は、昨日台東区の担当者に、お偉い人じゃなくてじかの担当者に電話をして伺わせていただきました。どんな実験をやっているんだと伺ったら、私どものところでは、まず一つは観光案内事業の関係、それにイベントの関係、それに区内の防災関係、この三つが実験ですよと。三つの郵便局が指定をされました。百人のモニターが委嘱されました。そして、十一月二十六日には確かにモニターからの問い合わせが殺到いたしました。しかし、今は閑古鳥が鳴いております。あわせて、例えば初日のときには、観光案内が六十八件、そしてイベントの照会が十四件、防災の照会が十六件、合わせて九十八件が一週間の実績である、こんな報告を私は受けました。
 そこで、少なくとも、大臣が今もおっしゃられたような攻めの郵便局、国民に親しまれることであるとするならば、この隘路は何かと担当者に伺いました。住民が一番必要とするのは何かといえば、やはり印鑑証明書あるいは転入転出の手続だとか住民票をとるとか、そういうことでございますと。なぜそういうことがやれなかったのかと僕は質問しました。行政の厚い壁がございます、自治省の壁があり、法務省の壁がありますと。じゃ、その壁を取りほぐす努力をされたとあなた方は伺っているのかと言ったら、相当の努力をされたようだけれどもなかなかかみ合わなかった、こういう話であります。
 そこで、事務当局に伺いたいのは、本当に今、大臣がおっしゃられるような親しまれる郵便局、ワンストップ行政ができる、そんな行政の窓口としての郵便局ということであるならば、私は、そういう法律の壁を打ち破る必要があるんじゃなかろうか、そういうふうに思います。
 いずれにいたしましても、あなた方の試算では、ワンストップ行政を遂行することによって少なくとも千四百億から二千四百億の経済効果が発生する、こんなふうにうたっておられるわけですから、そういう意味でも行政の厚い壁をお互いに取り払って、真に今皆さんが示されたような経済効果があるような方途をとるにはどんな隘路があるのか、まずその辺の所見を伺いたい。
○政府委員(長谷川憲正君) 今、委員から御指摘をいただきましたように、私ども全国二万四千六百の郵便局ネットワークを活用いたしますと、何しろ郵便局は国民からしまして最も身近な窓口でございますので、ここで各種の行政サービスを受けることができればその利便は大きく向上する、このように考えているところでございまして、御紹介のありましたように、ワンストップ行政サービスの実現に一生懸命今取り組んでいるところでございます。
 今年度は、まさに今御紹介がございましたように、東京の台東区と愛知県の岡崎市それから沖縄県の竹富町の三カ所で、要するに大都市それから中規模都市、そして過疎地というような地域を三カ所選びまして、いずれも情報化に大変熱心に取り組んでおられる自治体でございますが、十一月二十六日から実験を開始させていただいたところでございます。
 このワンストップ行政サービスを本当に全国の国民の皆様が御利用いただくようになるためには、おっしゃるように数々のまだ隘路があろうと思います。その中には、御指摘のとおりに、各省庁でいろいろな行政手続を決めておるわけでございますが、そういう法律の壁等もございます。したがいまして、この点につきましては、今後部外の関係者あるいは関係の省庁を交えた調査研究会を開催いたしまして、今後の本格的な実現に向けての研究をしてまいりたい、このように思っているところでございます。
 今年はとにかくその手始めの年でございますので、ことしの実験目的は、郵便局に設置をいたします情報端末がいかにお客さんに使いやすいものになるかというようなこと、あるいはどのようなサービスを提供すればお客さんにたくさん使っていただけるのかといった需要動向、こういった調査分析をとりあえず行うこととしているところでございます。
 今後とも、来年度の予算を含めましてこのワンストップ行政が着実に成功してまいりますように取り組んでまいりたいと思っているところでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
○続訓弘君 せっかくの御努力を要望申し上げます。
 次に、郵貯、簡保について大臣にお伺いいたします。
 郵貯、簡保の自主運用につきましては、我が新進党が日本再構築宣言の中で述べている政策でもあります。
 財政投融資制度は、戦後我が国の復興と成長に大いに役立ったことは明らかであり、しかし、国鉄長期債務や国有林野特別会計、本州四国連絡橋公団などの繰越欠損やその非効率性への指摘が財投見直し論、郵貯、簡保の自主運用論、こういうものになったんではなかろうかと思います。また、金融ビッグバンを控えて、金融面から見ても改革は不可避であったと思います。
 新進党はかねてより、郵政三事業改革は、経営形態問題から入るのではなくて、金融面から財政投融資制度全体を見直すべきである、こんなふうに主張してまいりました。
 さて、これから郵貯、簡保について自主運用されることになるわけでありますけれども、郵政大臣として財政投融資制度の現状認識、またこれからの財政投融資制度のあり方についての所信と所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(自見庄三郎君) 続委員御存じのように、財政投融資というのは、社会資本整備あるいは国民生活に密着した分野での支援等、我が国経済にとって大変大切な役割を果たしてきたと思っております。その基本的な役割は私は今後とも残るものというふうに考えております。
 しかしながら、財政投融資制度が本来的な機能を果たしていくためには何よりも社会経済情勢の変化等に応じ、その対象分野や対象事業を見直し、資金の重点的かつ効率的な配分を図っていくことなどが必要だというふうに考えております。
 そういった中で、今自主運用についてどう考えるのかという話でございますが、御存じのように、簡易保険は大正五年に創設されまして、大正八年から自主運用が始まったと思っております。戦時中の一時期、戦費調達ということで昭和十八年から二十八年まで大蔵省に移行したことがございますが、基本的に自主運用をさせていただいておりまして、約百兆円の金を自主運用させていただいております。
 また、今先生御指摘の郵便貯金につきましては、約二百三十兆余でございますが、たしか昭和六十二年だったと思いますが一部自主運用を認められました。四十兆、このとしは四十五兆になるわけでございます。ざっと今実に百四十兆近いお金をまさに大正八年以来自主運用させていただいておるわけでございます。
 そういった中で、財政投融資の話が出ましたが、今さっきから預託義務を廃止するということでございます。今後、あくまで国営ということでございますから、やっぱり安全、確実なことが私は大事だろうと。また同時に、社会資本整備あるいは国民生活に密着した分野での支援等は、私は、資金の運用としてこの部分はやはり国営でございますからきちっと残っていくだろうというふうに思っております。
○続訓弘君 事務当局に伺います。
 郵貯、簡保の財投資金の焦げつきはどのくらいありますか。
○政府委員(金澤薫君) 財投に関しましては、郵貯は資金運用部への預託義務がございまして、それに基づいて運用しているところでございます。簡保は郵政大臣が自主運用いたしておりまして、財投機関に対しまして直接運用しているところでございます。
 いわゆる財投に関して不良債権があるかというお話でございますけれども、私ども、一般的に不良債権とは、金利減免債権、それから破綻先債権及び延滞債権を指しておりますけれども、郵貯、簡保に対しましてはこれまで滞りなく元利払いが行われておりまして、いわゆる不良債権はないというふうに考えているところでございます。
 しかしながら、簡保の財投機関への運用につきましては、各機関の事業の運営状況を非常に厳しくチェックいたしております。運用対象機関も平成九年度は国鉄清算事業団をゼロにいたしました。このように毎年見直しております。また、運用額につきましても、事業計画や資金需要等を十分考慮して行っておりまして、今後とも償還について問題が生じることはないというふうに判断いたしております。
○続訓弘君 恐らく事務当局はそういうお答えだろうと私は予測しておりました。
 昨日の衆議院の決算委員会で、石油公団が石油開発会社に融資をして、回収不能金、これが三千七百二十億円出たと、こんなふうにちゃんと明らかにされている。その中で財投分が幾らか。しかもその中に郵貯分と簡保分があります。そういうことで私自身積算してみますと、同公団に対する運用部資金が五千六百九十七億円、簡保資金が六百億円入っております。そうしますと、仮にこの五千六百九十七億円の資金運用部資金の中の郵貯分が六割と仮定しますと、簡保を含めまして約四千億円が貸し付けられたことになると私は思います。いずれにいたしましても、そういうことから類推すると三千七百二十億円のうち約二千億円が焦げつきの金ではなかろうか。
 しかし、今お答えがございましたように、いや、大蔵省が責任を持って返すんだ、だから私どもは焦げつきはありませんよと、こうおっしゃるかもしれませんけれども、最終的にだれが負担をするのか。これは最終的には国民の税金で負担せざるを得ないんじゃなかろうか、私はこういうふうに思います。
 そこで、今度は自主運用になるとこの責任はすべて当局が負わなければならない、こんなふうになるんではなかろうかと思います。いずれにいたしましても、これからの運用は大変難しいし、そしてまた大事である、こういうふうに思います。ぜひこういうことがないように努力をしていただきたい。
 次に、私はもう一点、最近郵貯の、剰余金ではありません、いわば預金者のお金がたまっているのが四兆三千億あると。その中から事もあろうに国鉄清算事業団に対して一年間二千億、五年間で一兆円割愛される、これが決まったやに新聞報道されております。私は、これは預金者のお金だ、これを国鉄清算事業団の赤字解消に使うことはいかがなものか、こんなふうに思いますけれども、大臣の所見を伺います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 続委員御指摘のとおり、国鉄長期債務問題については御指摘のような報道がございました。また、財政構造改革会議の企画委員会においても、昨日、郵便貯金に言及した座長案が示されましたが、これはいずれも決まったものではなく、引き続き検討が行なわれるものというふうに聞いております。
 郵便貯金の積立金は、続委員御指摘のとおり、余りではなく、まさに将来の金利の支払いという預金者との約束を確実に果たしていくための、いわば支払い準備金としての性格を持つものでございまして、預金者の利益にかなうように取り扱うことが原則であるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、郵便貯金の積立金については、この原則を基本に考えてまいりたいというふうに思っております。
○続訓弘君 大臣に要望申し上げます。
 今申し上げましたように、四兆三千億は庶民の預金のいわば共有財産だ。そういう共有財産がこれから今度は自主運用される。今までは相当高い金利の確実な利子が入ってくる、これは担保されていた。しかし、自主運用となればそうはいかないと思います。そういう意味でも、この四兆三千億は貴重な国民の預金者の財産であるということに思いをいたし、同時に、もし仮にこういうものを召し上げるとすれば、普通の会社であれば株主代表訴訟のテーマになる、私はこのようにさえ思うわけでございますので、ぜひともこの点については大臣が体を張ってそういう預金者のいわば財産を守り通してほしい、こういうことを御要望申し上げます。
 そこで、あと質問を一つだけ。
 私は、かつて東京都の副知事時代に、光ファイバー網を敷設するように下水道の管渠を利用できないか、こういうことをかねがね事務当局に検討してもらいました。それには隘路がございました。公営企業法に基づけば、下水道事業者が下水道の空間を利用してはならぬ、こういう話でございましたけれども、情報通信産業の高まり、そういうこともありまして、昨年十二月に法改正がございまして、そういう公共部門の一部あいているところは利用してよろしい、こういう話になりました。
 そこで、東京都の下水道は区部、三多摩を合わせまして二万五千キロあります。そのすべてに光ファイバー網を整備するということは難しいとは思いますけれども、これからの情報通信の高まりの中ではあるいは可能性があるかもしれません。いずれにいたしましても、そういうことを利用して下水道事業者があらかじめ敷設をする、そしてそれを利用する人たちに賃貸しをする、そういう制度はできるかできないか。仮にできるとするならば、私の試算では、東京都の半分ぐらい利用可能だと仮定をしても、一年間に三百億円の収入が入ってまいります。
 そういう法的ないろんな問題があるかと存じますけれども、こういうものを下水道事業者としてできる方途はあるかないか、あるいは今後検討するかどうか、その辺について事務当局からの所見を伺いたいと存じます。
○政府委員(谷公士君) 先生御指摘いただきましたとおり法改正が行われまして、下水道の管路をその他の目的、例えば電気通信回線の敷設のために用いることができるという措置が講ぜられました。これを受けまして、現実にもう、一部でございますけれども、通信事業者がこの下水道管の管路を利用しているという例が出始めているように聞いております。
 今お話ございました、下水道管理者である地方公共団体がみずから光ファイバーを敷設して、将来それを民間の通信事業者にいわば譲渡するというふうな形のものはどうかということでございますけれども、まず下水道管理者である地方公共団体がそのような形のものを敷設することができるかどうかということにつきましては、これはまず一義的には、この当該下水道管理者がそのような行為能力を持つかどうかという問題であろうかと思います。
 それから、そういった通信回線が自営用に使われますものであれば、これは特段事業とかかわりがないわけでございますけれども、仮にこれを事業用としてお使いになるということで他人の通信の媒介にお使いになるということでございますと、通信事業者ということになってしまいます。ここでまたもう一つ、そういう通信事業者適格性があるかどうかという問題が出てこようかと思います。
 それから、もう一つの問題といたしまして、高度情報通信社会の構築につきましては、高度情報通信社会推進本部というのが政府全体の取り組みをしているわけでございますけれども、この中で決定をいたしました基本方針の中に、経済効率の観点から、公正有効競争のもとに基本的には民間主導で進めるべきだということが書いてございますので、最初から公的な団体がこういった形の整備を進めるということは、一般的に申しまして、こういう観点からいかがかというふうに思います。
 ただ、先ほど申し上げましたように、そういったことが事業法の建前から申しましてできないというわけではございませんで、それは下水道管理者のあり方としてまずどうかということになろうと思います。それから、それを通信事業として扱えるかどうかという問題になろうかと思います。
 それからまた、もう一つのあり方といたしまして、下水道管理者が自営のために引かれた光ファイバーあるいはその余裕の回線を通信事業者に提供するといいますか、形としては受託という形になると思いますけれども、通信事業者の委託を受けて受託の業務として取り扱うという場合が考えられます。このことにつきましては、電気通信事業者側におきまして委託を必要とする事情があるかどうかということ、それから、先ほど申し上げましたと同じことでございますが、下水道管理者側においてそういった委託を受けて事業を営むことができるような制度的な措置が確保されているかどうかということではないかというふうに考えます。
○続訓弘君 御要望申し上げます。
 東京都の下水道は一〇〇%普及されました、二十三区の場合は。したがって、もはや新規の事業はございません。しかも二十三区の場合はやはり企業が密集しております。需要度は高いんです。しかも能力がございます。下水道管理者が申請をした場合には、そういう法律の壁がないように、ぜひひとつよろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○松あきら君 平成会の松あきらでございます。
 本日は、自見郵政大臣が御就任なさいまして、私も初めて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 また、今国会、川橋委員長御就任、私といたしましては、女性の委員長であるということで非常に心強く、うれしく存じておる次第でございます。
 先ほど冒頭に郵政大臣の御発言の中で、放送行政については、国民・視聴者の利益を最優先にした行政を展開してまいりたいと考えておりますという御発言がございました。
 そこでまず、さきの国会で堀之内郵政大臣が明確にお約束をくださいましたNHKの受信料免除の件について、その後いかがなりましたでしょうか。ぜひ、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(自見庄三郎君) 前国会に堀之内郵政大臣が御発言をされたということは私もお聞きいたしております。
 受信料免除の件につきましては、松委員御存じのように、社団法人日本放送協会が大正十五年に創立された当時から、実は学校、福祉施設等を対象に実施してきたということをお聞きいたしております。昭和二十五年のNHK発足後にも引き継がれまして、以降、免除対象の変遷を伴いつつ現在に至っております。
 この免除の趣旨は、NHKが放送の普及という見地から行ってきたものでございます。しかし、その後放送が普及していく中で、昭和五十一年でございますか、受信料改定の際、その前年の国会の附帯決議において、受信料免除措置は「抜本的な検討を行うこと。」との御指摘をいただいたことを契機といたしまして、昭和五十三年以降、関係機関の協力を得つつ、逐次免除措置を廃止いたしております。回数によれば五回、あるいは三十三万件減らしたという報告もいただいているわけでございます。
 今後とも、NHKにおきましては免除措置を縮小していきたい、NHK自身がそういった意向であるということでございますので、できるだけその意向を尊重してまいりたいというふうに思っております。
○松あきら君 これはちょっと読ませていただきたいと思いますけれども、さきの国会で堀之内郵政大臣にこのようにお答えいただいているんです。
  受信料免除というのは、放送の普及という見地から教育、社会福祉等の分野において行われてきたところでありますが、放送の普及の現状、協会の財政事情の現状にかんがみますと、NHKにおいても見直しを行っていかなきゃならぬということで、昭和五十三年から逐次この放送受信料の免除を関係機関と交渉して今日に至っておるわけであります。
 郵政省といたしましても、今後、学校や社会福祉施設に係る受信料につきましては、それぞれの行政による財政負担が望ましいと私も考えておりますので、今後、NHKと一緒になって積極的に関係機関に理解を求めていきたい、こういうように考えております。
 また、しかも先ほど大臣、順次進めていきたいとおっしゃいましたけれども、これは、大臣が免除の認可をしているわけで法律を変えるわけじゃないんですから、もしNHKが免除の廃止を申請したら、大臣、許可をしていただけますでしょうかと私がさらに申し上げましたら、こうおっしゃってくださいました。
  先ほども御答弁申し上げましたが、私も先ほどから林先生や西川先生の考えに同感でありまして、私も昭和五十三年ごろ逓信委員会の理事をしておりましたが、その当時からこれは大きな問題であったわけで、私もきょう御質問いただいて、初めてまだこういうように残っておったのかと痛感をしました。だから、改めて私も局長やら全部、そしてNHKとも相談をいたしまして、この辺はもう、小中学校はこれは市長村で持つべき品物である、あるいはお話しのように特養とかそういう社会福祉施設はやはり厚生省で当然持つべきものだ、こういうように考えております。
ここまで言っていただいて、私はもう非常に狂喜乱舞したわけでございます。
 なぜならば、公平負担ということにかんがみますと、やはりさきの国会でも申しましたように、学校も今はもう教科書だけの教育じゃないわけで、画面から、映像から見た方が手っ取り早い、あるいはもっとインパクトが強いなんという時代になっておりますのに、いまだにほおかむりをしている、こういったことは私は許せないと思うんです。
 個々人の方からいただく、あるいはそういった学校、病院から直接いただくということじゃなくて、私は、やっぱりこれは厚生省あるいは法務省、刑務所もありますからね、そして文部省、これが出すべきである。厚生省の予算は十六兆とか文部省五兆とか、少し変わっておりますけれども、そんなふうにいろいろあるわけですから、私はもうぜひこうしていただきたいということで申し上げたんです。
 なぜならば、NHKは、今までは実は繰越金が随分たくさんあったわけです、関連のいろんな事業等で。それがついに二年続きで赤字になりまして、繰越金の三百八十四億がもう底をついちゃいましたと。要するに、今までは三%の消費税のときもいただいておりませんでした、しかし、五%に上がったときに、これからはその二%分はいただかないともう首が回らないんですと、こういうことだったわけですね。それで、調べてみましたら、行政関連の施設、また学校の免除をやめると百二十五・六億円になるわけなんです。やっぱりこれはとっても大きい、毎年この数字でございますから。
 なぜならば、もちろん大臣はよく御存じのように、まずNHKはアナログで出発しちゃったわけでございます、ハイビジョンでも。今も正直言いまして映像はアナログなんですよ、ハイビジョンも。音声だけデジタルなんです。こういうふうにデジタル化というものに対しては、どういうことか、またこれ来週ございますので私も聞きたいと思いますけれども、非常におくれをとってしまった。
 そして、本当にこのデジタル化のためにはもっとさらにどんどんお金をつぎ込まなきゃならない。もうはっきりとお金がかかることはわかっている。そして、もう繰越金はないという状況で、今後やっぱりこれは受信料という形で国民にさらに、まあ来年は上げなくてもまたいつ上げるかわからないというような状況になっているところで、こういった免除をいつまでもやっているということに対して非常に、私は、やっぱり公平負担ではないんじゃないかという点で御質問させていただいております。
 さきの国会でも、私本当に、堀之内郵政大臣の御所見を伺ってもう喜びまして、帰りのエレベーターに乗るまでの間も、もうとんでもないことなんだと、私はもうあなたの意見に本当に賛成なんですよ、ぜひやりますというふうに、それは議事録には載っておりませんけれども、そういうお話もいただきました。本当にぜひこれは、もちろん自見大臣にもそういうことでお話はきちんと行っているとは思いますけれども、もう一度私は、自見大臣といたしましてどういう御所見をこのことに対して持っていらっしゃるか、明確に伺いたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 私、前大臣が申し上げたことは、免除の対象から外れるであろう機関が、場合によってはその財源をみずから負担することもある一方、場合によっては行政において負担することもあり得るとの趣旨であるというふうに理解をいたしておりますので、したがって、考え方においては差はないというふうに思っております。
○松あきら君 ありがとうございます。信じておりますので、これは私ども国民のためでございますので、ぜひ進めていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 さて、来週NHKございますので、これはいろいろNHKに聞きたいと思っているんですけれども、その前段階といたしまして放送法について少し大臣の御所見を伺いたいと思います。
 NHKの基本的な姿勢といたしまして、視聴者本位性というスローガンがございます。豊かな放送を視聴者に提供するという宣言でもございます。しかしどうも、先ほどからも申しておりますように、受信料を徴収できることをよいことに視聴者本位性が踏みにじられているんじゃないかというふうに思うことがございます。
 テレビ受像機を設置した者は嫌でも受信料を支払わなきゃならないわけでございます。このように受信料は放送法三十二条に規定をされております。先ほど大臣もおっしゃっておりましたように、昭和二十五年にできた法律。以来、右肩上がりの高度成長期を経まして、バブルをまた経験して、今日、放送革命などという言葉が出る時代となったわけでございます。四十五年が過ぎているわけなんです、これができまして。やはりちょっとこの四十五年という歳月は余りにも長く、またいろいろな激動の四十五年であった。視聴者本位とは言いながら、まだまだ供給者本位の経営がなされているというふうに思ってしまいます。
 そしてまた、その受信料のあり方を今こうやってお尋ねをしているわけでございますけれども、十一月四日の衆議院の財政構造改革特別委員会でもNHKの検討がなされておりました。民営化を論じるならNHKが先だと、国民はいつまでもNHKの受信料を負担するのかなんという、こういった議論もあったようでございますけれども、NHKの受信料というものは、NHKが事業を営むための国民的負担なのでしょうか、それともNHKの放送を視聴するための料金なのでしょうか。いかがでございましょうか。
○政府委員(品川萬里君) 制度の趣旨でございますので私の方から答弁させていただきます。
 先生御案内のように、もう改めて申し上げるまでもございませんけれども、NHKというものは、放送法七条に示されておりますように、まさに豊かで良質な番組を提供する、そしてあまねく公平に日本全国の国民が民主主義の基礎であります情報に公平にアクセスできる、そしてまたこの放送の分野というものの先端的な技術、この技術開発の成果が広く国民に均てんされるようにということ、そしてまた海外同胞への我が国の情報提供、あるいは海外諸国の我が国の国際理解への普及促進ということを、まさにNHKの使命として存続しておる団体でございます。
 したがいまして、このような国民的な課題を使命としている協会でございますから、やはりこれはこの受信料というものによって支えていくということが、このNHKの使命が妥当であると、今後もNHKの使命を果たさせるべきであるということであれば、やはりこの財政面において経営の高度な自立性あるいは自主性ということを担保するとすれば、現在の受信料制度というのは大変妥当な制度ではないかというふうに考えております。これが法の趣旨でございます。今後もNHKの使命というものを前提にする限り、この受信料制度というのはやはり法の示すところで妥当な制度として我々は考えていくべきではなかろうかと考えております。
 もとより、今までも受信料制度の中で、言ってみれば受信料体系と申しましょうか、これについてはいろいろ時代の進展とともに工夫がなされてきておりますので、今後ともその点についての配慮は当然なされていくべきものと、かように存ずる次第でございます。
○松あきら君 そうでございますか。もちろんわかっておりましたけれども、それは一種の税金のようなものであると。テレビを買って家につけた者はNHKを見ようが見まいがもうみんな払うと。
 公平にあまねくという点で一つちょっとお尋ねしたいんですけれども、ワールドカップの予選がございました。これは国民的な関心事で、いっときは何か五十数パーセントにも瞬時ではなったというようなことでございます。このワールドカップのサッカーの予選の試合、NHKではBSで中継をしたわけです。BS契約は八百万と言われているわけでございます。普通のカラー契約は二千七百万でございますので大分低いのでございますけれども、普通のカラー契約だけの方は総合テレビジョンではこのサッカーが見られないわけですよ。
 つまり、皆さんからいただいた受信料で衛星を上げているわけですよ。別に衛星代をいただいているわけじゃないし、BS契約の方に衛星代下さいと言っているわけじゃない。受信料で衛星を上げているのに、こういうみんなの関心事の一番見たいというような番組をBSでしか見せないということは、やはり衛星契約を伸ばそうとするための営業本位とか営利本位の番組づくりと言われても仕方ないと私は思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(品川萬里君) お答え申し上げます
 ただいま先生御指摘の点、大変サッカーというものも国民的スポーツになってきたというふうに世上言われております。ただ、この番組をどのチャンネルで流すかというのは、もとよりNHKにおいて放送法の精神に従って番組準則に従って番組編成をしていくわけでございますけれども、これはやはり私どもがどちらで放送すべきだということではなく、NHKにおいて自主的に判断されるべき点ではなかろうかと存じます。
 ただ、余談でございますが、実はNHKのラジオ放送が大正十四年に始まったときに、スタート時点で甲子園野球大会を中継したということが大変放送普及に貢献したというようなエピソードもございまして、やはりスポーツと放送というのは大変深い関係がございます。ともに放送がスポーツを振興し、スポーツがまた放送のよさというものを示すというような関係がございますので、そうしたサッカーでございますとかさまざまなスポーツについてどのような放送体系がいいのか、これはNHKにおかれてもあるいは関係の放送事業者においても種々研究がなされていくのではないかと私どもも期待し、またそのように信じておる次第でございます。
○松あきら君 今のお答えは、何かともすると、それはNHKのことなんだから、NHKがそれぞれ独自でおやりなさいよというふうに私には聞こえました。しかし、やはりそれは郵政省が、そういった営利本位の番組づくりじゃおかしいのじゃないかとか、そういう指導があってしかるべきだと私は思うんです。そのためにきちんといらっしゃるわけですから、やはりこれはもう勝手にやったらいいよということになるとちょっと違うのじゃないかと私は思います。
 そこでもう一つ、受信契約のあり方なんですけれども、衛星放送でWOWOWというのがございます。私は契約していないのですけれども。このWOWOWというのが何か映画とかそういったものが多くてかなり若者にも人気があるんだそうでございますけれども、このWOWOWを見ようとしますと、その前に必然的にNHKのBSの契約をしなければいけないというのですね。これはどうしてなんでしょうか。WOWOWは見たいけれども、BSは要らないよという人もいるかもしれない。ちょっとこれはどうしてなのか教えてください。
○政府委員(品川萬里君) BS放送につきましてもこの受信料契約の中の話でございます。BS放送のアンテナがつきますと、今は同じ受信機で受信できるわけでございますので、まずはNHKにおいてもアンテナのあるところはぜひ受信契約をお願いするということになろうかと思いますが、この点につきましては、去る三月に規制緩和の推進計画の再改定ということで、先生御指摘の点についてのスクランブルの是非等々についての検討をするようにという指示がございました。
 私どもといたしましても、これは主として利用者の関係からの観点での行革委員会でのあるいは閣議決定のポイントでございますけれども、いずれにしましても、現在既にこの受信契約世帯が八百万に達しているということ、そしてまたNHKの役割というもの、それからそうしたスクランブルということになりますと、今のところデコーダー一台が二万円かかるというようなこともございまして、こうした点も考慮しつつ、今後NHKのスクランブルのあり方はどうしたらいいか、NHKの意見も聞きながらあるいは関係者の意見も聞きながら種々検討してまいりたい、このように存じております。
○松あきら君 なぜこんなことを申し上げるかといいますと、先日あるところで若い方がこんなことを言っているのを耳にしたんです。NHKの集金人に受信料の催促をされているんだけれども、自分はNHKなんか見ない、どこかでNHKの映像の映らないテレビはないものであろうか、こういうことを言うわけですね。
 カラー契約では月に千三百九十五円、二月で二千七百九十円ほど支払います。先ほどの、これは一種の税金ではないけれども、そういったことで国民的負担であるなんということを伺いますと、私も宿舎、自宅、会館ともう五、六カ所でテレビを置いているわけですから、そのたびにこのお金を払う。何だか納得いかない、税金ならば一台分でいいんじゃないのみたいな気持ちに正直言ってなります。ですから、若い方がNHKの映らないテレビが欲しいという気持ちがわからなくもないという気が私はするわけなんでございます。
 例えば、電力会社の全国の一般家庭の契約口数を調べてみましたら六千五十万口あるわけです。テレビを持っておられないというお宅は少ない、ほとんどないのじゃないかという時代に、電気の契約数に比べてNHKの契約件数は三千五百八十万件ですから、六割以下ということなんですね。こういうことを見ましても、できることならばNHKに受信料を払いたくないよと、そういう意見がたくさんあると見ていいと思っているんです。こういった現実がたくさんある、こういったことをどういうふうに考えるのかなと私は思うんです。
 そこを考えますと、先ほど申しましたように、取れるところから取らない、免除、百二十五・六億はほっておいて、文句が言えないところからは手っ取り早く取ると、私はこういうことはやっぱり納得がいかない。これは各省庁が予算を措置して、たったのと言うと国民、庶民からすると百二十五億とか六億は大きなお金ですけれども、それぞれの省庁で割ってみたらそれほどの金額ではないんじゃないか、これはやっぱりきちんといただかなければいけない。いつまでも受信料はNHKに対する国民的負担金だなんて言っていたらみんな不払いになっちゃう。私はそれを心配いたします。
 放送法が、旧来の供給者の論理であって、視聴者本位に立っていないと私は思いますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 現行の受信料制度は、NHKがその役割を果たすために必要な財源を広く視聴者全体に直接求めることにより、これはまさに報道機関でございますから、高度な自主性あるいは中立性を財政面から担保するものだというふうに思っております。
 また我が国の放送は、受信料を財源とする公共放送としてのNHKと、御存じのように広告収入等を財源とする自由な私企業としての民放が併存をいたしておりまして、その切磋琢磨する中で発展してきたところだろうというふうに思っております。
 先生御存じのように、これからのデジタル時代においても、このような公共的な役割を果たすことが期待されるNHKの事業運営を支えていく基本的財源としては、広く視聴者全体に直接負担を求めております現行の受信料制度は引き続き維持すべきものであるというふうに私は考えております。
○松あきら君 NHKは、研究開発という名のもとにもちろん受信料が使われているわけでございますけれども、例えばNHKのハイビジョンの研究、この開発費は一体幾らくらいの累計になるんでございましょうか。
○政府委員(品川萬里君) 申しわけありません、今個別の数字を持っておりませんので、別途御報告させていただきます。
○松あきら君 意地悪言って済みません。二百九十億円、平成九年で三十二億円。その開発費原資はどこから出ているかというと、もちろん受信料から出ているわけです。
 先日、十一月二十五日にハイビジョンの日の式典がございまして、ハイビジョン受像機が各社から展示されておりました。壁かけのテレビが百二十五万円だとか百五十万円とか、いろんな値段がついておりました。その中にNHKのものももちろん展示されていたわけでございますけれども、これには値段がついておりません。なぜならば、受信料で開発をしているんですけれども、メーカーじゃないので売るわけじゃないからもちろん値段をつけない。これどういう意味なのか。
 高度成長期の日本の放送技術を引っ張ってきたのはもちろんNHKの研究所だったと思いますし、御立派な業績数々あります。しかし、昨今は名立たるメーカーが林立している、本当にそういう時代なんですよ。ですから、これほどまでに研究開発に熱心にならなきゃいけないのかなと。今もちょっと答えてくださった中に新しい技術をいろいろというふうなお話もありましたけれども、何か新しい技術ができるということがまた受信料の値上げに通じちゃうんじゃないかという、我々にとりましては、視聴者としては負担以外の何物でもないという気がするんです。
 それなのに、さっきのサッカーの例のように、実は見たいものはBSを契約しなければ見られない。地上波、民放でやっているんだからそっちで見なさいよとおっしゃるかもしれないけれども、地方の方あるいは山間地の方は、NHKしか映らないところも随分日本じゅうであるわけでございます。そうすると、民放の方を見たいと思っても見られない、BSはつけてない、でも受信料は払っている。そういったもう本当に御不満の声が、私は、これは直接聞いておりませんけれども、きっと数々あるように思います。
 こんな余計な開発要らないんじゃないかなんて思いますけれども、こういうことをしておきながら、それについてはいかがでございましょうか。
○政府委員(品川萬里君) これも重ねてのお答えになりますけれども、先ほど申し上げましたNHKの使命といたしましては、放送と受信の進歩発達に必要な調査研究を進めていくということが使命でございます。
 では現実に、ハイビジョンなりあるいは、多分先生がごらんになりましたのはプラズマディスプレーの機器ではなかろうかと存じますけれども、これを例にとって申し上げますと、やはり大型で高画質の受像機が広く家庭で普及する、これがNHKの使命にも合うわけでございますけれども、このような技術開発というものはあくまで放送の普及ということを使命とするものでございます。
 実は、先生がごらんになったと思われますプラズマディスプレーにつきましては、昭和四十六年ごろからかなり世界に先駆けてというような形で研究を始めたわけでございます。これも、より多くの国民の皆さんによりいい、新しい、次の世代の、ユニバーサルサービスというものの相場といいましょうか水準というのは時代によって変わっていくわけでございますから、より国民の皆様にいい番組を見ていただけるようにということを心がけての研究でございまして、そういう意味ではNHKの使命に合った研究ではないかというふうに存じております。
 放送の分野においては、受像機は確かにメーカーさんがつくりますけれども、どのような受像機にしたらいいかというのは、放送方式なり放送の技術と車の両輪のように研究が調和して進みませんと受像機の製造開発も進まないわけでございまして、そういう意味ではNHKが受像機の分野についても先端的な研究を受け持たざるを得ない部分があるということでございます。
 ただ今後、技術開発の進歩というのはどんどん進んでおりますし、それからまた機器メーカーさんにおける技術開発能力というものもどんどん進歩発展しておりますので、NHKの使命と、そしてまたメーカーの方々との間の適切な協力関係というものは常に模索していくべきことではなかろうかと存ずる次第でございます。
○松あきら君 実は、国際放送についても同じようなことが言えると思うんですね。視聴者は自分がテレビを見たいから契約をしている。一般の方は、これが半ば税金のようなものであるなんということは思っていないわけで、テレビをつけたから払おうか、NHKも時々見るということで払ってくださっているわけでございますけれども、外国にも行っていない大半の視聴者にとって国際放送への支出は納得がいかないと思うんです。邦人の安全のためと言うんでしたら、私はこれはNHKだけの使命じゃないと思うんです。
 以前、国際交流基金がお金を出して国際放送はNHKにやってもらっていた経緯があるそうでございますけれども、なぜ受信料で国際放送が義務づけられるようになったんでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(品川萬里君) 本来、NHKの使命といたしまして、同胞愛というとちょっと言葉が大げさかもしれませんけれども、今例えば諸外国に長期に滞在されておる方が、外務省の調査でございますが、全世界に七十六万三千人おられます。そうした方々の思い、あるいはグローバル時代と言われる、諸国間との平和で友好な関係において初めて我が国の発展、平和もあり得るということでございますので、やはり我々の日本国についての情報が広く海外に示されるということは私どもにとっても大変重要なことであるわけでございまして、そういう使命というのはまさにNHKの本来の使命の一つとして、当然一つの重要な課題として遂行されているというふうに認識しております。
 国によりましては、そうした使命については確かに国が費用を負担するという国もございましょう。それから、受信料だけではなくて営利目的の収入で運営されておるところもございますけれども、NHKは、基本的に受信料をもって運営するという組織体でございますので、国際放送というものもその本来の役割として発揮する、そしてまた運営費につきましても受信料で賄う、この現行の体制というのは総合的に見て、我が国の放送のNHKに期待した役割ということからして適切な仕組みではなかろうかと存じます。
○委員長(川橋幸子君) 済みませんが、松あきらさんの持ち時間は終わっておりますけれども。
○松あきら君 済みません。
 では最後に、受信料収入を経営の基盤として経営しているNHKを監督している郵政省は、この古い四十五年もたっている法律を見直しまして、開発が進めばあるいは受信料が安くなるとか、また本当に見たい番組を見られるようにする、こういうことで指導するという行政責任があると思います。それを郵政大臣にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤基隆でございます。
 私は、郵便貯金事業がこれから起こる金融を取り巻く諸情勢にどのような役割を果たしていくかということをテーマにして、最初に事務当局にお尋ねして、最後に大臣の見解をお聞きしたいと思います。
 少し状況の説明をしなければ質問になりませんので、若干冗漫になりますけれども、お聞きいただきたいと思います。
 今、十年国債の金利は表面利率が二・一%であります。銀行の十年定期は平均で一・一三%、郵便局の定額貯金は十年の利回りベースで〇・四五九%であります。銀行の十年定期と十年国債を比べた場合、同じ十年であるのに十年定期は国債より金利が低い。グローバルスタンダードでは、金利は、固定金利と変動金利を交換するときのスワップ金利や国債金利をベースとして、商品の信用力や流動性、すなわち換金性などの特性を加味して決まると言われております。流動性の有無や元本保証などの性格の違いはあるにしても、預貯金金利は市場金利に比べて随分と低いように思われます。預金金利の自由化は終了しているので、金利は市場原理が貫徹しているというふうに思っておりましたが、どうもそのようになっておりません。こうした現在の状況の背景にどのような事情があるのかという問題意識から、以下、質問したいと思います。
 郵政省は、大蔵省との間に平成四年十二月二十五日、定額郵便貯金の金利について、いわゆる郵政・大蔵合意を行いました。これは、「郵政大臣は、定額郵便貯金の利率を、市場金利の動向に配慮しつつ、十年利付国債表面利率(クーポンの利率)の水準及び定期預金その他の民間金融商品全般の金利水準を勘案して定める。」と。定額郵便貯金の利率(預入後三年経過時の利率)水準の目安を具体的に示すと、定額郵便貯金の利率水準が通常の場合は、クーポンの利率から〇・五%を引いたもの、あるいは市場において形成される三年の固定金利定期預貯金の利率掛ける〇・九五程度、すなわち〇・〇五%低いランク。定額郵便貯金の利率水準が高水準の場合は、クーポンの利率から〇・五ないしは一・〇%を引いたもの、ないしは市場において形成される三年の固定金利定期預貯金の利率掛ける〇・九〇から〇・九五%、すなわち〇・一%から〇・〇五%程度低い利率に定めろ、民間より低い利率に置けということでございます。
 「定額郵便貯金の利率が一般の金融機関の金利の形成に強い影響を及ぼすおそれがある場合において、大蔵大臣の求めがあったときは、郵政大臣は、利率を定めるに当たって、大蔵大臣と協議する。」と、一方的に大蔵省からのアプローチによって協議する。または、「今回の合意によって、小口預貯金者への自由化メリットの還元、民間金融機関の自由な競争の促進又は個人貯蓄分野における官民相互間の資金シフトの回避等トータル・バランスの確保等について、金利による運用では実効があがらない場合には、両省は、必要に応じ商品性の見直しを含め、今回の合意の全般的な見直しを行うこととする。」と。
 定額貯金のありようが、すなわち民間金融機関の自由な競争の促進になるかならないかに影響を与えるということで、または定額貯金利率のありようが、民間の定期預金等の利率において優位にあれば、小口預貯金者への自由化のメリット還元にならないというようなことが意味として含まれているように思われます。しかし、両省はそういうことは言っておりません。
 この合意は、実は余り知られておりません。厳然たる事実であるにもかかわらず、郵便貯金の方が民間の預金より利率が高いということで定説がずっと続いておりますが、実際はこういう状況になっております。そこで、本合意の経緯について、問題の発端から合意成立までのプロセスについてまずお聞きしたい。
○政府委員(安岡裕幸君) お答え申し上げます。
 郵便貯金の金利自由化に対しましては、私どもといたしましても、郵便貯金の使命でございます預金者利益を確保、増進するという見地から、自由化に対しましては積極的かつ的確に対応する、こういう姿勢で臨んでおるところでございます。
 定額貯金の金利決定ルールにつきましては、我が国におきます金利自由化の中で、定期性預金の金利自由化のために、郵政、大蔵両省間で合意を得たということでございます。
 我が国の預貯金金利の自由化につきましては、昭和六十年三月から、MMCという形で市場金利連動型預金の導入から始まったわけでございますが、逐次拡大をいたしまして、郵貯につきましても利用ができる小口預金の自由化という格好で、これは平成元年から始まっておりますけれども、小口預貯金のMMCということで順次推進をしてきたということでございます。
 今回のお話は、定期性預貯金金利につきまして、平成五年の夏をスケジュールと定めまして、それに向けて鋭意折衝を行ってきたということでございます。
 郵政省といたしましては、小口預金者に金利自由化のメリットを還元するという立場を第一に置きまして折衝を行いまして、その結果、平成四年十二月に大蔵省との間で合意に至ったというのが経緯でございます。
○伊藤基隆君 私は、実は第三次行革審で専門委員を務めてきました。第三次行革審において、一九九三年六月十六日、この合意ができた半年後、全国銀行協会連合会、全銀協に対するヒアリングが行われまして、全銀協から、皆さんよく御存じの奥田会長、当時第一勧業銀行頭取であります、そのほか役員が出席して郵便貯金批判と事業縮小、経営形態の変更についての見解を述べました。私の目の前でやったわけですから、よく私は覚えております。
 その基本的な主張は、郵便貯金の存在が金融自由化の阻害要因となって国民経済的に見て問題があるということから、郵便貯金事業は縮小し、さらには廃止をせよという主張でありまして、事業縮小の具体的なプロセスとしては、限度額の大幅な引き下げ、定額貯金の見直し、金利手数料の民間追随と金融面にかかわる監督官庁の大蔵省への一元化、郵貯特別会計の収支状況、経費分担、限度額管理などのディスクロージャーの充実と業務拡大の凍結を提起しました。経営形態問題についての全銀協の奥田会長が述べた意見は、郵貯は縮小ないしは廃止が妥当ということでありました。
 私は、この考え方に今ここでコメントする考えはございません、コメントすれば幾らでもできますが。この経緯からすると、私は、郵政・大蔵合意は民間金融機関の要求によるものではないかというふうに当時思いましたし今日も思っておりますが、郵政省はどのように考えていますか。
○政府委員(安岡裕幸君) 先ほど申し上げましたとおり、郵政・大蔵合意は、金利自由化の中で定期性預貯金金利の自由化のために行われたということでございます。
 郵政省は、金利自由化に対しまして一貫しまして積極的かつ的確に取り組んできたというところでございまして、確かに、一部民間金融機関のそういう議論もありましたけれども、我々は、むしろ預金者、これは全国民、銀行預金であれ郵便貯金の預金者であれひとしく金融自由化のメリットを受けるべきだということで、いわば民間金融機関のしりをたたくという形で自由化の金利ルールを定めてきたということでございます。
 金利自由化によりまして金融機関の競争を活発にするということで、新たな商品開発、利用者本位のサービス競争が行われるということで金利自由化のメリットが受けられる、そういう仕組みはでき上がったんじゃないか、こんなふうに考えております。
○伊藤基隆君 本合意によって、現状はどのようになっておりますか、金利について。
○政府委員(安岡裕幸君) この自由化後の定額貯金の金利につきましては、先ほどの平成四年の合意を受けまして、平成五年六月から自由化になったわけでございますけれども、現在まで金利決定のこのルールに従いまして市場金利を反映するという仕組みになっていまして、あるいはその中で官と民との資金シフトを生じないようにバランスもとるという両面を具備するというような格好で、ルールは適切に機能をしているというふうに思っております。
○伊藤基隆君 さて、この郵政・大蔵合意はいつまで継続していくつもりか、その考え方をお聞きしたいと思います。
○政府委員(安岡裕幸君) 郵政省といたしましては、この金利決定ルールにつきましては適切にただいま機能していると考えておりまして、現時点では合意は見直す必要がない、こんなふうに考えているところでございます。
 しかしながら、今後いろいろ金融情勢というのはかなり変わってくるんじゃないかというふうに認識しておりまして、金融ビッグバンの進展、あるいは商品の多様化、あるいは我が国の個人金融市場が大きく変化するということも予想される中で、郵貯を取り巻く環境もかなり変化してくるんじゃないかというふうに思います。
 そういう面で見ますと、それに適切に対応する事業運営が求められますので、こうした観点の中で金利というものも大変重要なファクターでございますので、金利決定のあり方につきましても、今後状況に応じながら対応していくべきものと、こんなふうに認識いたしております。
○伊藤基隆君 既に、両省の定額合意から五年近くが経過しました。金融自由化や個人の金融資産の多様化の進展、また今後、金融ビッグバンの到来や郵貯資金の全額自主運用の実現など、郵便貯金事業を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。
 こうした状況を踏まえ、今後は、郵便貯金の金利については、預金者利益の確保を図りつつ、市場原理に基づいて自己の経営判断により決定していくべきと考えますが、どうですか。
○政府委員(安岡裕幸君) 郵便貯金金利につきましては、市場金利や民間預貯金金利の動向等を勘案して決定するということになりまして、この市場原理に基づいた行動をしていくというふうに現在もなっていると思っています。
 ただ今後、金融ビッグバンが大変進展をしていくということで、個人の金融市場もかなり変化するんじゃないか、こんなふうに予想もされますし、あるいは郵便貯金の先ほど来の全額自主運用ということも踏まえまして、金利の決定に当たりましては、経営の健全性を確保した上で、何よりも預金者の利益の増進に努めていくということで一層重要になってくる、そのための努力もしていかなきゃいかぬ、こんなふうに考えておるところでございます。
○伊藤基隆君 自己の経営判断により決定していかないと大変なことになるという認識は持っていただきたいと思うんです。さまざまな取り巻く状況があるがゆえに慎重にならざるを得ないのかもしれませんけれども、一方はそうではないわけですから、よく考えなきゃならないというふうに私は思います。
 また、今、金利の問題についてお尋ねしましたが、商品面においても金融ビッグバンが進展する中で預金者にとって魅力的な商品を提供していかなきゃならないというふうに思いますが、その決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(安岡裕幸君) 日本が金融自由化の中に進展が進んでいるわけでございますけれども、私どもとしても、金利の自由化に適切に対応するということだけではなくて、商品の多様化を含めましてもう少し適切に金融全般の自由化に適切に対応して預金者の利益を増進するということでやっていくべきものだというふうに考えております。
 したがいまして、金融ビッグバンという動きにつきましても、そういう意味合いで積極的にとらえていくべきものじゃないかというふうに思っております。
 今、差し向き、郵便貯金といたしましても、現在これは予算要求いたしておりますけれども、商品の多様化というか、もっとシステム全体を、郵便局ネットワークをもっと便利にしていこう、あるいは民間の方にも開放していこうということで、郵便貯金のオンラインシステムのオープンネットワーク化ということで、郵便局のCD、ATMと民間のCD、ATMとを接続するということを予算要求の重要施策として掲げているところでございます。
 それから、ICカードということで、従前の磁気テープを活用するのでは容積が小そうございますので、ICカードの機能を拡充するということで、先般ちょっと報道発表させていただきましたけれども、いわば財布型のものを実験していくというようなこともやっているところでございます。
 今後とも、金融ビッグバンの進展を見きわめながら、預金者利便の向上に取り組みまして、お客様のニーズを積極的に取り込むということで、そういう商品、サービス面の積極的な開発も行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。この辺が私どもの基本的な使命なんじゃないか、こんなふうに存じておるところでございます。
○伊藤基隆君 さて、大臣にお尋ねいたしますが、お尋ねをする前に、少し状況についてお話ししたいと思います。
 私は、参議院の行財政改革・税制等に関する特別委員会のメンバーでございまして、きょう郵政省に質問しているテーマを特別委員会でも取り上げて、大蔵大臣に質問し、また参考人に質疑をいたしました。
 十一月十八日に行われた参考人質疑の中で、私が田尻参考人に質問したときに、田尻参考人は現下の金融を取り巻く情勢について以下のように述べました。
 すなわち、今、日本に千二百兆円の個人金融資産があるけれども、郵便貯金は平成八年度末で二百二十兆、一人平均百七十九万五千円でございますが、これが今後十年間を考えると五百兆円ぐらい上積みされるのではないかというふうに思うと。八〇年代以降、市場経済化が進む中で、欧米社会においては賃金格差の拡大が進んでいると、それが所得格差の拡大、社会的機会の拡大へと入ってきている、機会の不平等の拡大ですね。市場経済化の進む中で起こっているこれら社会問題が金融経済によって加速されるおそれが強いと。それらが貸出先との関係、あるいは預金の受け入れにおいて金融排除のメカニズムが作動することが懸念される。欧米においては、商品開発なり店舗戦略なり新しい金融ハイテクなりいろんな分野でこの金融排除が進みつつあるのが現状だと。だから、民間企業の論理ではない別の論理を持った公的な金融機関の存在は預金と投融資両サイドで今後も引き続き必要という見解を述べられました。
 また、貝塚啓明参考人は、ビッグバンと郵便貯金との関係において、「ビッグバンというのは、単純に申せば大口の取引を東京市場で非常に効率的にやるためにそういう場を整えると。ですから、ビッグバンは主として日本の例えば都銀とかそういう大きな銀行あるいは外資系の金融機関の活躍する場で、そういう場と小口の、例えば銀行さんでも第二地銀さんとか信用組合とか信用金庫とか今おっしゃいました郵便局、そういうものの活躍の場は基本的には少し違って、小口の金融はもともとの日本のそれぞれの地場の金融が受け持つべきであるというふうに私は思います。」と述べました。
 私は、金融ビッグバンは、ハイリスク・ハイリターンという場面に千二百兆円の国民資産が裸で出ていくという危険なことが想定されるから、ローリスク・ローリターンという金融システムも必要ではないかということを実は特別委員会で大蔵大臣に質問し、大蔵大臣もそのとおりだというふうに答えているところでございます。
 さて、日本版ビッグバンは、まさに政府が考える金融システムの革命的改革と言えるかもしれません。二〇〇一年にはニューヨーク、ロンドン並みの国際市場にする。ここで出てくるのは、千二百兆円もの我が国個人貯蓄を十二分に活用する、実はこれに向かって諸外国の金融資本は舌なめずりしているというふうにうわさされております。それと、市場自体の構造改革を成し遂げ東京市場の活性化を図る、これが目標であります。それと、構造改革への取り組みとして、フリー、フェア、グローバルヘの改革と不良債権処理ということで挙げております。
 しかし私は、この改革スケジュールには、日本社会において発生が予想されるさまざまなひずみについては、金融改革を目的とするために当然にして日本版ビッグバンでは触れられておりません。社会的ひずみがどう起こり、どう対応するかは触れられておりません、金融メカニズムだけを目的にしておりますから。これは当然といえば当然であります。
 しかし、それは国として放置できることではございません。多方面における日本社会の基盤を確固とするための改革プログラムが同時に検討されなければならないし、確固たるものをつくり上げなきゃならないと思っております。
 ここでは、その一つのセクションとして、金融経済における厳しい変化を予測して、公的金融の役割について考えてみます。
 これから起こり得ることを想定しての公的金融の役割、新たな機能ということからすれば、一つは民間金融を量的、質的に補完する機能、金融自由化の弊害を補正する機能、さらに金融資本市場における競争を促進する機能、あるいは市場に任せられないわけではないが政府が行えば一層の便益を得られる機能、ないしは政策の失敗に対するチェック・アンド・バランス機能などの機能があると考えられます。
 郵便貯金がこのメカニズムの中で新しい重要な役割を果たしていくというところに、実は郵便貯金への国民的な期待というか、郵便貯金が国民の直接資産をどう守るかということになっていくのではないかというふうに私は考えます。
 そこで、郵政大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 金融ビッグバンは、我が国金融市場の活性化を目指し、民間金融機関に対する規制緩和等を進めるものとして理解をいたしておりまして、基本的には利用者の利便を向上させるものであり、積極的に進めるものだというふうに思っております。しかしながら、今まさに伊藤委員が言われましたように、政策というものはひなたがあれば陰もあるわけでございまして、そのことで今大変適切な御指摘があったというふうに思うわけでございます。
 その中で、イギリス、アメリカでも見られますように、規制緩和により金融サービスの地域間格差や顧客間の格差が拡大する可能性もございます。例えば、イギリスの例でございますが、平成二年から平成七年の間、ロンドンにございます銀行支店数が約二百七十一減少いたしております。また、ウィンブルドン現象といったようなことも起こっているということは、先生御存じのとおりでございます。またアメリカにおいては、貧しい家庭が銀行口座を失っていき、現在、銀行口座を持っていない世帯が全体の四分の一以上となっているというふうな調査結果もあるわけでございます。
 そういった中で、一方、今伊藤委員が言われましたように、郵便貯金は、まさに小口個人を念頭に置いて基礎的な金融サービスを全国あまねく公平に提供するという役割を担っているわけでございます。ビッグバンが進展する中、郵便貯金がこうした役割を果たしていくことによって、全体としての利用者利便が一層向上するように事業運営に努めてまいりたいというふうに思っております。
○伊藤基隆君 私の質問しようと思ったテーマはこれで終わります。
 最後に一言だけ申し上げたいと思います。
 当初から保坂先生の質問や続先生の質問をお伺いしておりました。今回の行政改革、省庁再編にかかわる質問を両先生がされておりましたが、私も全く認識は一致しておりまして、そのことについての改めての質問は行いませんが、少し私の考え方といいますか、郵政省に対する要望を申し上げたいというふうに思います。
 私は、かねがね郵政三事業は郵便局ネットワーク産業、郵便局のネットワークというところに最大の力点があるというふうに申し上げておるわけです。郵便局ネットワークは、皆さん御存じでございますが、情報通信の基盤的サービス、さらには国民の日常生活に直結する日常生活的な金融サービス、それも基盤的なサービスを提供をするものでありまして、国が成り立つ上で、あるいは国と国民との関係を安定化する上で必要欠くべからざるものと考えております。
 さらに、一つ一つの郵便局は、地域社会の重要な生活上の接点、あるいは情報発信基地というようなものになっておりまして、その一つ一つの郵便局が生き物のように有機的につながってネットワークされているところに郵便局ネットワークの存在価値があるわけであります。
 私も、その郵便局ネットワークの中のごく小さな一員として働いたことがありますが、非常に弱いというかソフトでありますから、ハードはないわけで、人間と人間のつながりによって機能しているという側面が強いわけです。これが一たん外部の圧力等によって壊れると修復はできないというふうに思っています。
 一方、情報通信については、今から将来に向けての人間のあらゆる営みに深くかかわってくる問題でございます。社会のあらゆる分野が情報通信の全システムによって影響を受けるというふうに考えております。産業、文化、国際関係、さらにはもっと深く民主主義の基幹にかかわる、そういう影響を我々に与え続けるんじゃないかというふうに思っております。
 情報通信と郵政三事業、今回政府において決定された省庁再編、または三事業の問題、省庁再編上の情報通信のとらえ方、また郵政三事業の問題の結論が出されたわけでございますが、今後の二十一世紀を考えたときの重要な位置づけとなる郵政三事業、情報通信問題でございますので、ぜひ実効ある体系に定着させるために、郵政大臣を先頭にした省を挙げての努力をお願いしたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○三重野栄子君 社会民主党の三重野栄子でございます。議運理事会のために遅延をいたしまして、大臣の所感を直接お伺いすることができませんで大変失礼いたしました。書面をいただきましたので、所感の内容につきましては理解をさせていただいたというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 四つの事項について質問をいたしたいと思います。
 まず第一の項目につきましては、行政改革会議の最終報告に関する大臣の所見をいただきたいと存じます。
 政府の行政改革会議は、早ければ二〇〇一年から現在の二十二府省庁体制を一府十二省庁へ移行することを柱といたしまして、中央省庁再編の最終報告を決定いたしました。臨時閣議を開いて、中央省庁再編等準備委員会を設置し基本法づくりを始めるという報道をけさほど私はニュースで伺いました。
 この間、郵政三事業については最終段階まで激しく討論をされました。私のところへも、郵便局を利用している方々から陳情や要請がたくさん参りまして、まさに国民的注視と申しましょうか、その中で決定されたこのたびの郵政三事業、情報通信分野の再編成につきましては、自見大臣はもう御就任早々からずっとこの問題でございまして、大変御心労であったというふうに思いますが、担当大臣として、今伊藤議員の御要望等々もございましたけれども、その評価と今後の抱負を含めてお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(自見庄三郎君) 三重野委員にお答えをいたします。
 今般、行政改革会議は、今先生御指摘のとおり、政府・与党の熱心な協議を経まして、きょうの朝の臨時閣議で決定をさせていただいたということでございます。一年間にわたる審議の結果を最終報告としてきょうまとめていただきまして閣議決定をさせていただいたわけでございます。関係をいただきました皆様方に心から敬意を表させていただきたいというふうに思うわけでございます。
 最終報告におきましては、今さっき申し上げましたように、情報通信行政につきましては、大臣のもとに戦略的、機動的かつ総合的に一元的に遂行し得る省の組織とすること、また二点目に、今さっきからいろいろな御意見もいただきました、郵政事業については国営・三事業一体で同じ省で運営されることということを、かねて我々は要望させていただいておったわけでございますが、このことが基本的に盛り込まれたというふうに受けとめております。
 また、あの中で、今度は自治省や総務庁との統合を図られると、総務省ということで一緒になるわけでございます。こういったことになりますと、まさに地方分権あるいは地方の時代でございますから、自治省等と一緒になることにより地域情報化の推進、あるいは総務庁が行政の情報化の推進をしている主管官庁だとお聞きをしておるわけでございますから、行政情報化の推進、これも比較的日本はおくれているという御指摘もいただいておるというふうに思うわけでございます。また、今さっきからいろいろお話がございましたワンストップ行政サービスの推進も、自治省と一緒になることによって、そういった諸施策の充実と円滑な展開も期待できるんじゃないかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、郵政省としては、最終報告の趣旨を踏まえつつ、二十一世紀に向けて真に国民本位の行政サービス、行政改革の基本的な目的は簡素、効率、国民本位だということを私今さっき申させていただいたわけでございますが、まさに真に国民本位の行政サービスを提供できるよう、引き続き自己改革に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○三重野栄子君 そこで、郵政事業への民間参入について幾つか質問をいたします。
 まず第一は、行政改革会議は最終報告で郵政事業への民間参入について具体的な検討に入るとされておりますが、郵政事業への民間企業の新規参入について、郵政大臣としては基本的な見解をどのようにお持ちかお伺いいたします。
○国務大臣(自見庄三郎君) 郵政事業、その中でも特に郵便事業だと思いますが、郵政事業への民間参入についてのお尋ねでございますが、郵便事業が提供しているサービスのうち、信書以外のサービス、すなわち小包だとか新聞だとか雑誌、書籍、カタログなどは、これはもう事業創設以来、民間事業者においても取り扱うことが可能な分野でございまして、今、郵便と民間企業相互に参入をいたしている分野でございます。
 一方、信書、御存じのように、これは手紙・はがきでございますが、これは国民の基本的な通信手段であり、特に大都市と過疎地でコストに大きな差があるわけでございます。過疎地に郵便を運ぶ場合、東京都内に運ぶよりも数十倍に近いコストが実はかかるわけでございます。それをなるべく安い、全国あまねく公平に安い料金でサービスするということをやっております。
 これは、御存じのように、法律上ユニバーサルサービスというものが義務づけられておりますから、二万四千六百の郵便局ネットワークがございます。東京からどんな過疎地でも、あるいはそれこそ沖縄から北海道でも、これは全国均一料金制、そして簡易なポスト投函制と、そういったもとで、今言いましたように全国あまねく、どういう地域でも同一料金でポスト投函制でいくというのが近代郵便制度の基本でございまして、日本もそういった趣旨に基づきユニバーサルサービスを確保させていただいておるわけでございます。
 このようなことから、基本的な信書のサービスは、制度創設以来、世界各国とも国または国に準ずる機関が独占でサービスを提供しているところであるというふうに承知をいたしております。
 したがって、行政改革会議の最終報告の中に、「郵便事業への民間企業の参入について、その具体的条件の検討に入る。」という項目があるわけでございますが、この検討に当たっては、今後とも国が行っております郵便事業による信書送達のユニバーサルサービスが確保できることが前提になるというふうに考えております。こうした考えに立って、民間参入がユニバーサルサービスに与える影響、さらには、国による信書送達の重要性とこれに関する国民の期待などを十分に考慮しながら、幅広い観点から慎重に検討していくことが必要だというふうに思っております。
○三重野栄子君 理解することができました。
 そこで、そうしますと手紙とかはがきのコストと料金の関係でございますが、日本の場合はどういうふうになっているでしょうか。イギリスやフランスでは同じ料金、それからドイツでは日本のように差がないというふうに伺っておりますけれども、民間企業の参入の場合にも大きくかかわってくるかと思いますけれども、手紙とはがきのコストと料金との関係について御説明いただければと思います。
   〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕
○政府委員(長谷川憲正君) ただいま手紙とはがきのコストと料金の関係についてのお尋ねでございますが、我が国の場合には、御承知のとおり、手紙が基本のものが八十円、それからはがきにつきましては五十円という料金を取っておりまして、伝統的にはがきの方が手紙の料金の三分の二程度ということに設定をされております。
 この点につきましては各国でもいろいろ違いがございまして、イギリス、フランス等では手紙とはがきの料金は同じ、ドイツでははがきの方が一割程度安くなっております。それから一方、アメリカに参りますと日本と同じでございまして、はがきは手紙の三分の二程度に設定をされております。
 コストの点から申し上げますと、ちょっと外国のコストにつきましては資料が手元にございませんが、日本の場合には既に公表した資料がございまして、第一種郵便物の場合には七十七円八十一銭、これは手紙でございます。それから第二種郵便物、はがきでございますが、四十七円十五銭という平均費用が出ております。
 これからごらんをいただいてもおわかりをいただけますように、はがきの方が小型で皆そろった大きさでございますので処理がしやすいということからコストも安くなっておりまして、私どもそういったコストを反映した料金になっているというふうに思っておりますし、また伝統的に、はがきは大変簡易な通信手段だということで、なるべく安く据え置くべきであるということを郵政審議会の中でも御指摘をいただいてきたところでございますが、各国それぞれにお考えが違うようでございます。
○三重野栄子君 今コストのことを伺いました。
 民間企業の参入という場合は、外国の企業からも参入ということが考えられるんでしょうか、国内だけの参入になるんでしょうか。
   〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕
○政府委員(長谷川憲正君) 郵便事業への民間企業の参入の問題につきましては、これから検討させていただきますので、詳しいイメージを今持っているわけではございませんが、仮に民間企業が郵便の一部に参入をするということになれば、これは国内の企業だけに限るというわけにはなかなかまいらないのではないか。これは私の今個人的な感想でございますが、そのように思っているところでございます。
○三重野栄子君 これは新しい問題でございますから、今までも十分検討されたと思いますけれども、これからの御検討の結論を待ちたいというふうに思います。
 次に、郵便局におけるワンストップ行政サービスについて一、二伺いたいと思います。
 二十一世紀の郵便局は、先ほどもちょっと伊藤議員からおっしゃいましたが、情報・安心・交流の拠点としての役割が「郵便局ビジョン二〇一〇」に描かれていると思っております。平成九年度既に実験段階ということで行われていることは、先ほど続議員のときにもお話がございました。その場合に、行政サービスということになりますと、関係省庁とのかかわり、特に自治省だとか、先ほども少しお声は出ておりましたのですけれども、そのあたりの問題について実験段階では事前に御協議をなさったでしょうか、あるいはどういうことでこの実験段階にお入りになったのか、そこらあたりを先ほどと重ならない程度で伺いたいと思います。
○政府委員(長谷川憲正君) ワンストップ行政サービスにつきましては、先生今お話しございましたように、ことしから実験を開始させていただいております。この開始に当たりましては、既にいろいろな関係省庁とも御相談を行っているところでございます。ただし、各省の関係いたしますいろいろな法律制度が、このワンストップ行政サービスを実現していく上でいろいろと手直しが必要だということでございますけれども、まずはいろいろ研究が必要だということで、これらの関係省庁と一緒になりまして、さらに学者の先生あるいは技術の専門家等にも入っていただいて、調査研究会を発足しようということで既に合意を見ておるところでございます。
 今年度のサービス実験そのものは、郵便局におきます端末の性能、使いやすさを試すとか、あるいは自治体側でどういうサービスがこのワンストップ行政サービスを展開するときにお客様にとって特に需要が多いかというようなことを調査することを主体にしておりまして、今回の実験そのものは郵政省限りで行わさせていただいているところでございます。
○三重野栄子君 大変このことにつきましては私も関心を持っているところでございますが、「郵便局ビジョン二〇一〇」の中には、二〇〇五年ごろまでに本格的なワンストップ行政サービスの実現を目指すというふうにあるわけでありますけれども、この点を大いに進めていただきたいという意味も持ちまして、二〇〇五年よりももっと早く前倒しで本格的な実施に入ることはできないのかということが一つ、それから行政サービスというものを郵政省側からこういうことがあるんじゃないでしょうかと探すことも必要でしょうけれども、やはり住民が参加をしていく、あるいはそれぞれの自治体が参加をしていってその内容だとかやり方とかいうことを提言していくというような、そういうシステムも取り入れていただければ大変私としてはうれしいと思うんですけれども、そのあたりのことはいかがでしょうか。
○政府委員(長谷川憲正君) 御指摘のとおりでございまして、まずお客様がどのようなワンストップ行政というものをお望みになるかということにつきましては、私どもが役所の立場で考えるということではなくて、まさに住民の方々から学ばなければならないというふうに思っております。
 そういった趣旨で、ことしの実験は三カ所だけでございましたが、来年度の予算、現在要求をさせていただいているところでございますけれども、数多くの自治体におきましていろいろな形の実験をさせていただくということを考えているところでございます。
なお、郵政審議会の答申「郵便局ビジョン二〇一〇」で、二〇〇五年を目途に本格的なワンストップ行政サービスを実現するようにという御提言をいただいているところでございますが、各国とも一生懸命今実験を続けているという大変チャレンジングな課題であるとは思っております。しかし、国民サイドから見たときに大変利便の大きいサービスだというふうにも思っておりますし、それから、各行政庁の出先を少なくすることができるというようなことから行政改革にも資するものだというふうに思っておりますので、精いっぱい努力をいたしまして、御指摘のとおり、できるだけ早く実現ができるように努めてまいりたいと思います。
○三重野栄子君 新しい時代に向かって、そして新しい機構でもって前進されることを大変期待いたしております。大臣の御活躍もお願いしたいというふうに思います。
 最後に、国鉄債務処理についてお伺いしたいと思います。
 先ほど保坂議員の御要望の中にも出ておりましたのですけれども、国鉄の長期債務処理が大きな課題となっております。郵便貯金の積立金の活用ということがこれも報道で出ておりましたので、この問題について、事実でしょうか、そのことについて郵政省はどのように評価されているのか、お伺いいたします。
○政府委員(安岡裕幸君) お答えいたします。
 国鉄長期債務問題につきましては、御指摘のような報道とか、財政構造改革会議の企画委員会におきまして、昨日、郵便貯金に言及した座長案が示されたということでございますが、これらはいずれも決まったものではございません。引き続き検討が行われるものと、こんなふうに聞いているところでございます。
 そもそも、郵便貯金の積立金でございますけれども、将来の利子の支払いという預金者との約束を確実に果たしていくための、いわば支払い準備資金としての性格を持つものでございまして、預金者の利益にかなうように取り扱うことが原則である、こんなふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、郵便貯金の積立金につきまして、この原則を基本に考えて対処してまいりたい、こんなふうに考えております。
○三重野栄子君 それぞれの人々が貯金をしたものを返済に充てるということにつきましては、この長期債務につきましては大変処理は重要だというふうには思いますけれども、目的が違ったところで利用されるということは本意ではございませんので、ただいま伺いました方針を遵守されますようにぜひとも強く要望したいというふうに思います。
 時間が一、二分ございますので、最後に、大臣のこれからの決意の表明をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 三重野委員とは同じ福岡県選出の国会議員でございますので、大変日ごろから御指導をいただいておりましてありがとうございます。
 最後に決意をと、こういうことでございます。
 やはり、新しい時代でございます。最初の発言でも述べさせていただきましたように、まさに郵政三事業の伝統と歴史を踏まえ、そして国民のための郵便局だと、そういったことを踏まえつつ、今さっきからワンストップ行政サービスの話だとかいろいろ出てきたわけでございますが、新しい時代にやはり国民の利便に合うように、あくまで国民のための郵便局であるということ、まさにこれが所信でございます。
 なおかつ、明治四年以来、今二万四千六百の郵便局のネットワークがあるわけでございます。これは、長い間これのために本当に全力を尽くしてこられたたくさんの先人がおられるわけでございまして、そのために今このネットワークがあるわけでございます。まさに「故きを温ねて新しきを知る」と申しますか、大事なところはきちっと岩盤のように残しつつ、なおかつ新しい時代に向かってこれはやはり今日的な三事業ということも考えていかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。
 もう一方、郵政行政の大事な柱でございます情報通信につきましては、今さっきから答弁を申しましたように、まさにアメリカのクリントン大統領を初めゴア副大統領、情報スーパーハイウェーだと。これは、アメリカのみならずヨーロッパまたはお隣のアジアの国でも国家を挙げてやっているわけでございます。そのためには総合的な、戦略的な、機動的な行政システムが必要でございます。なおかつ、まさに情報通信の時代でございますから、基本はいろんな民間事業者あるいは国民の方々でございますが、そういった中、本当に二十一世紀を見据えて揺るぎのない行政をやらせていただきたいと思うわけでございます。
 そのためには、さらに一層の御支援、御指導を心からお願いする次第でございます。
○三重野栄子君 どうもありがとうございました。御健闘をお祈りいたします。
○及川一夫君 自見郵政大臣、大変御苦労さまでございます。
 今までかなり外枠といいますか、表に向けての発信を中心にしてお話がございましたが、私は、短い時間ですが内なる問題についてお尋ねをしたい、また要望もしたいというふうに思います。
 まず、行革の問題については報道されております。国会として別にこれを承認されたわけではありませんが、行革に関する基本法の問題も出てくるでありましょうし、省庁の設置法という問題で具体的にこれから描かれていく、決められていくという問題であろうと思います。
 ただ、政府として、一定の報告書を確認し、これを尊重する、こういうふうに言ったからには、あのとおり実施をしていきたい、こういう前提でしょうから、当然郵政省に対してはそういうお尋ねというか、御相談というか、そういったこともあっただろうし、原則的に理解をし納得するということが、私は内なる問題としてあるんじゃないかという気持ちがしますが、いずれにしても今後の問題であります。
 そして、私が郵政大臣にちょっとお聞きしたいのは、三事業の新公社化ということが打ち出されているわけですね。これまで三事業一体にして運営されてきて、国営事業としてやってきた。これからも国営事業ではあるが、独立採算性を求めた新公社という言葉を使っているわけですね。これは一体、お気持ちの問題としてどういうふうに受けとめられているか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 及川委員におかれましては、本当に郵政事業に対する情熱、また本当に熱い御論議をいただきまして心から感謝をいたしております。
 今、移行される新たな公社についてどう思うのか、そういう御質問だと思うわけでございます。この新たな公社の組織の位置づけといたしましても、これまでにない組織であることから、具体的には、またいろいろ委員の方々の御指導をいただきながら、私は今後の検討を待たなければならないというふうに考えておるわけでございますが、今、原則として申し上げましたように、国営・三事業一体であること、また国家公務員としての身分を維持していることから、国民生活に不可欠なサービスを国民に身近な郵便局を通じて全国あまねく公平に提供することという、これまで郵政事業が果たした基本的な役割は今後とも維持されるというふうに受けとめております。
 今、及川委員の言われましたように、今度は自主運用だということでございます。また、きょうもいろいろな方々からそういった質問をいただいたわけでございますから、そういったこと、またきょうの朝、正式に閣議で決まったばかりでございますが、郵政事業庁から新たな公社にという間五年間あるわけでございます。今言いました国営・三事業一体、国家公務員である、この原則は踏まえつつ、また自主運用の問題等々あるわけでございますから、いろいろと御指導いただきたいというふうに思っております。
○及川一夫君 五年後ということを前提にしながら、そこに到達する準備をこれからいずれにしても進めていかなければならぬのですね。私は、一番大事だと思うのは、少なくとも国営事業であるということで位置づけて三事業一体、これは新公社になっても同じ、しかも公務員であるということですね。新公社という言葉があるからには、旧公社というのがあるわけです。旧公社と新公社が一体どこがどう違うのかということになりますと、私は、少なくとも独立採算性という点では同じなんですが、予算総則というのがありましたね。これでもって人件費が確実に自由にならないという前提で運営されてきた。身分は国家公務員でなかった。ただし、罰則の問題は準公務員ということで位置づけられて旧公社というのはあるわけです。
 しかし、今度の新公社の場合に描かれているのは、独立採算制で国家公務員ではあるが、いずれにしても予算総則制度のようなものはない。予算についても国会で論議をされずに自由に運営することができるということが前提になっていますから、新と旧ではえらい違いがあるということなんですね。それだけにより民間的運営といいますか、そういったことを行政の面に入れていかなければならないということになりますと、今のような立場、今のような気持ちでもって運営するというのは下手すると間違いを起こすという気がしてならない。特に、労使の関係については、そういう立場から心構えというものを新たにしなければならないんじゃないかというふうに私は思っています。
 私自身は旧公社を体験いたしました。ずばり言って昭和三十三年から事前協議制を入れて、そして三十数年間労使関係でもってさまざまな経営の議論をしながら、今日のNTTまで持ってきたという経過があるわけです。今、恐らく郵政の労使関係には事前協議制などというのはないと思います。もちろん経営協議会的なものもないでしょう。今の立場でしたらそれ自体は管理運営事項ということで、労使の議題には供しないということが私はあると思うんですね。しかし、旧公社の場合であっても、昭和三十三年から事前協議制が入り、今日的には経営協議会ということに実はなっているわけなのであります。
 一言に事前協議制を認めるか認めないかということで物を考えがちでありますけれども、これは事前協議制にしろ経営協議会にしろやっぱり経営というものを知るということは、それだけ労働組合も勉強しなければいけませんし、単なる頭から反対だけでは律することができない。常に相手の申し分に対してはこちらの側も理をもってこたえていくという関係にしませんと、私は成り立っていかないというふうに思うわけであります。
 したがって私は、今日の労使関係というものをどういうふうに皆さん方がお考えになって、新公社化になった場合には、それ自体については改良、改善というものが私はあるべきだと思いますが、そういう立場に立って考えられるかどうか、そこをお尋ねしておきたい。
○説明員(足立盛二郎君) お答えさせていただきたいと思います。
 まさに先生御指摘のとおり、郵政事業といいますのは大変人力依存度の高い事業であります。そうでありますだけに、職員一人一人の活躍がまさに事業経営の命ということでありまして、そういう意味では、たとえ新たな公社になりましても、こうした職員の意欲的な活躍が最も経営上も重要な課題であるというふうに考えております。
 そこで、先生先ほど来からお話ありました労使関係のあり方でございますが、従来から信頼関係ということを基本といたしまして、郵政事業におきましてもさまざまな課題、例えば合理化、効率化問題といったような課題に労使一体で臨んでまいったところでございます。さらに、今後二十一世紀へ向けまして郵政事業が新たな展開をしていく上に当たりましても、こうしたこれまで郵政の労使関係で一歩一歩積み上げてきました信頼関係というものを基本といたしまして、どのような労使の意思疎通の仕方が適当であるのかといったことにつきまして、十分労使で今後話し合っていきたいというふうに考えております。
 なお、若干補足させていただきますと、先生もただいま御指摘ありましたとおり、かつて団体交渉事項というものを非常に限定して行っていた時代もありました。しかし、今日では相互理解を図るというような観点から、ある程度経営の問題につきましても自由な意見交換を行う場、郵政事業改善労使懇話会と呼んでおりますが、そういったものなども工夫いたしまして取り組んでおるところでございます。
○及川一夫君 今の足立さんの答弁は大臣も同様というふうに私は受けとめておきたいと思います。
 それで、過去のことは過去のこととして、新たな事態にどう対応するかという観点から、ぜひ労使間ではよく話をされて、意思が共通して通じ合うというのは一体どういうことなのかということを思い起こしていただきまして、それで改善、改革に努めていただきたいということを要求しておきます。
 それで、郵政事業そのものは、いずれにしても総務省というところが想定されていまして、もう今までの郵政省の省議的な運営ではなくなるんじゃないか。つまり、総務省の中に自治省的なものが入っていますね。従来の総務庁というのも入る。ですから、消防のようなものも私は省議にかけられればお互いに議論されなきゃならぬということになるし、そういう意味では大きな省議になるんでしょうけれども、私から言うならば、まさに総務省ほど国民の生活と直結する直接的な省はないなというほど非常に私は重要視したいと思うんです。
 確かに郵便のネットワークがあるでしょう。これは配達とかあるいは訪問することによって大きな核があって、社会的な情報の受け渡しをし合うということのネットワークですよ。それから、情報通信産業といえば、やはり端末機というものを中心にしてネットワークが張られる、こういう格好ですね。自治ということになれば、それぞれの生活の財産あるいは生命というものをいわば管理するというか保全するというか、そういう立場に立った一つの核、ネットでもあるわけですよ。この三つのネットが重なった形で総務省というのが私はでき上がるんだと思います。
 したがって、ここへ持ち込めばそれこそ何でも、少なくとも国民生活の一つ一つが解決されていくというふうな機能を発揮することになるんじゃないか。そこで、郵政省がこれまで描かれてきた地域における行政サービスのセンター構想というのがありますね。これなんかを容易にすることになるんじゃないか。そういった点では、新しい郵政事業というか、そういう意味での発展の核になるんじゃないかというふうに私は思っていますので、大臣にそういった点で十分理解をしていただいてリーダーシップを発揮してもらいたいということを要求して、終わりたいと思います。
○上田耕一郎君 上田でございます。
 まず、今度の行革会議の最終結論についてですけれども、一応直ちに民営化はしない、郵政三事業一体とするということは、国民世論の反映があったと思います。いただいた資料を見ますと、地方議会、全国で九八・五%が国営支持決議ですね。世論調査でも大体二対一です。中には三対一というのがありますし、四対一というのもあるぐらいで、ほぼ世論は圧倒的に国営支持、今のユニバーサルサービスを続けてほしいということだと思うんです。その反映があった、その点で私たちもこの面は積極的に評価しているんですけれども、ただ第二に、将来の民営化についてレールが敷かれた、そういう厳しい判断をしております。
 と申しますのは、今も質問で出ましたけれども、五年後に新型公社になる、独立採算制、企業会計原則に基づくと。予算統制、毎年の国会議決は必要としない、中期経営計画を策定する等々ということになるわけで、明らかに民営化へのレールが敷かれたと思います。その証拠に、国営維持なら閣僚をやめると言っていた小泉厚生大臣はおやめにならないで、事実上の民営化だと言われている。行革会議の結論が出たとき、母校の慶応大学で講演して「「民営化を行わない」というのは、反対論者に対するおまじないをぺたんと張ったようなもの。中身をみれば完全な民営化だ」、こう言っています。橋本首相も小泉氏に、郵便貯金の預託制度の廃止、封書・はがき分野への民間参入が盛り込まれたことを挙げて、「あなたの主張も随分入っている」、こう言ったと。だから、小泉大臣はベルリンの壁が崩れたようなものだと、そう言っているんです。
 郵政大臣、いかがです。この小泉厚生大臣の、見方によれば民営化だ、そのスタートが切られたという見方に対して、郵政大臣としてはどうお答えになりますか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 上田委員の質問に答えさせていただきますが、最終報告でも、郵政事業については、新たな公社への移行により、「民営化等の見直しは行わない」とはっきり明記をされてあるわけでございまして、そういったことを考えまして、国営・三事業一体、国営形態である新たな公社への移行にとどまるものというふうに受けとめております。もう一度申しますけれども、「これらにより、民営化等の見直しは行わない(国営)」、こう書いておるわけでございますから、これが将来の民営化に向かう方向だというふうなことを言う人もおられますけれども、私はきちっとこの文書の言葉どおり、いろいろ国民の御支持あるいは国会の委員の方々にも大変な御苦労いただいたわけでございますが、やはりこれは「民営化等の見直しは行わない」と明記をいたしておるわけでございますから、そのことを大変重く受けとめております。
○上田耕一郎君 私たちは小泉さんにはもう絶対反対なんですけれども、彼がそういう評価をする理由を三点挙げてある。一、郵便事業への民間参入、二、郵便貯金資金の財投預託の廃止、三、独立採算制導入というんですね。
 それで、私はこの問題をきょう少し取り上げたいんですが、大臣が先ほどの冒頭に述べた言葉の中で、本年六月にいただいた郵政審議会答申「郵便局ビジョン二〇一〇」への取り組みを強化しと言われた。最終答申に、民間参入問題が書かれています。手紙・はがきの独占、この手紙・はがきの独占があるからこそユニバーサルサービスが可能なんだと。ここに、民間参入になると、試算も出ています。もし民間が政令指定都市あての大量郵便のみに現在の郵便料金の半額程度の料金で参入すると、政令指定都市以外の地域あての一般料金、手紙八十円が三倍の二百四十円、はがき五十円が百五十円になっちゃうと、こういう試算まで挙げて、もし民間がこういう手紙・はがきの分野に参入してくることになりますと、ポスト、このシステムも崩壊する、一律料金も崩壊すると。最終的には郵便のネットワークそのものも崩壊にいくと、そう述べているんです。
 郵務局長、先ほどこれから検討と言われたけれども、もし全国一律で、民間参入にはそういう条件を課するおつもりなのかもしれないけれども、ここにあるように今のシステムの崩壊にならない保障はありますか。
○政府委員(長谷川憲正君) ただいま先生御指摘のように、さきに郵政審議会の中で、郵便事業に民間が参入した場合の影響等についての試算、確かにございまして、私どもも非常に重く受けとめているところでございます。
 辺地に至ります全国津々浦々までの郵便のシステムを維持するということは、そもそも国民の知る権利あるいは伝える権利にかかわる重大な国の責務だというふうに私ども思っているところでございまして、今般、行政改革会議の最終報告を受けましてこれから検討に入ることになろうと思いますが、その場合でも、先ほど来大臣からも申し上げておりますように、全国津々浦々までのいわゆるユニバーサルサービスを維持するということが検討の前提でなければならないというふうに私ども考えているところでございます。
 したがいまして、これからの検討に当たりましても、十分外国の例なども研究いたしましておかしな仕組みをつくらないようにきちんとできるだけ検討してまいりたい、このように思っているところでございます。
○上田耕一郎君 この問題は、我々も今後注視していかないといけない、非常に大きな問題だと思っている。
 二番目の問題は、郵貯資金の資金運用部への預託廃止、全額自主運用の問題です。
 きょうの新聞にいろいろ論評が出ています。毎日新聞は、「簡易保険と合わせ計三百三十兆円もの資金を動かす世界に類のない「怪物」が生まれる。これは恐竜と同じ」だ、「遠からず自分が抱えるカネの重みで身動きが取れなくなる。」、こういう予測をしています。
 それで一新聞報道によると、郵政省はこの運用計画をつくっていると言われている。時間がありませんから新聞でいいますと、大体八割を国債、地方債、それから新しい財投債、財投機関債などで運用して危険な運用はしないと、そういうつもりだと新聞報道にあります。
 日経新聞の論評はこう書いてあります。「無駄が多い特殊法人のリストラが進み、財投債や財投機関債の発行量が急速に減少すれば、郵貯、簡保資金の運用先が狭まる。」、「運用が行き詰まることも予想される。」、だから、八割を安全な国債あるいは財投債、財投機関債で運用して、それがぐっと減ってくると運用が行き詰まるんじゃないかということ。
 そうなると、先ほど伊藤さんは、全銀連の会長が結局郵貯は縮小並びに廃止、こういう要求をしていると言いましたけれども、郵貯の規模の縮小、規模の縮小のためには郵貯の金利をもっと下げるということも出てきかねない。それをしないとすると、これどこかに委託して、非常に危険な株式だとか証券投資、こういうところに目を向けていかざるを得ない状況になるかもしれません。
 年金福祉事業団は財投から二十三兆円借りて運用して一兆円大穴をあけたということになりますと、国民の大事な郵便貯金が、財界、金融界がねらっております、先ほどから千二百兆円の個人資産の証券界への運用まで出ているけれども、ビッグバンになればそうだと思うんだが、本当に危険なことになりはしないかというように思うんですけれども、その点、いかがですか。
○政府委員(安岡裕幸君) お答えを申し上げます。
 郵便貯金の預託の廃止と全額自主運用というのが打ち出されておるところでございまして、私どもとしても責任の重大さを大変感じているというところでございます。
 幾つかの観点の御質問がございましたけれども、まず申し上げておきたいのは、郵貯につきましては昭和六十二年度からその資金の一部を自主運用いたしております。資金運用部に預託を一たんしましてそれを借り受けるという形ではございますけれども、もう既に自主運用いたしているということでございまして、そういう面ではもう十一年間の実績を有しているということで、資金量も四十兆という格好でございます。
 簡保につきましては、もう御案内のとおり、この制度が始まった大正八年から自主運用しているということでございまして、私どもとしては、この長年の実績あるいはその経験を踏まえまして預金者利益の確保や健全経営の確保に留意しつつ適切に対処していくというのが基本的な考え方でございます。
 具体的な話といたしましては、私どもとして、国営郵貯ということといたしまして財投の機能は基本的に残るということも踏まえまして、社会資本整備等の公的分野に長期資金を供給するということを一つの大きな役回りにしていきたいというふうに思います。
 それから同時に、いろいろ日本版のビッグバンも進んでくるということでございまして、社債等の発行量もかなり拡大してくるんじゃないかというふうに思います。そういったところにも金融市場で社債等に有利運用するということもやっていきたいというふうに思いますが、それに対する投資の態度といたしまして、基本的には長期で安全、確実な運用を旨とした運用を考えていくということで、もって健全経営を確保する、こんなことでいきたいというふうに思います。先ほど来の八割というのもそういう思想でございまして、そんな運用スタンスで臨んでいこう、こんなふうに考えています。
○上田耕一郎君 自民党の武藤行革推進本部長は、最終報告が固まった直後の十一月二十六日、預託廃止に加えて郵便事業への民間参入や郵貯金利の引き下げなどが実施できれば、金利引き下げと言っているんですよ、「民営化の議論はしてもいい」と自民党の本部長がそう言っているんです。ですから、きょう大臣や局長は私の危惧を一応否定されたけれども、既に私はレールは敷かれて大変な事態が来ると思うんです。民間の郵便事業への参入は二〇〇一年ですから、早くも迫っているわけです。
 きょうは時間もありませんから今後この問題は追及させていただくことにして、実は今までの郵政省の事業の中で民営と同じあるいはそれ以上のひどい実態があるという問題で、簡易保険の団体生命保険問題を次に取り上げたいと思います。
 これは既に民間の団体生命保険で昨年来大問題になり、マスコミでも批判され、裁判でも次々に判決が出ている問題でございます。実は私ども、日本の資本主義というのはルールなき資本主義で非常に異常なことが多いということを党としても指摘しているんですけれども、やはりその一つです。
 従業員の遺族補償のための保険のはずなのにそれが会社のための保険になってしまっている。これアメリカでもイギリスでも、世界にないですね、こういうのは。日本でも戦前余りなかった。戦後生まれた奇怪な事態なんです。従業員に無断で生命保険を掛ける。莫大な保険金は会社がそのまま取ってしまうという団体生命保険で、これは昨年の四月、青森地裁、ことしの二月、山口地裁、ことしの五月、名古屋地裁で死亡保険金は一応企業に払われることになったとしても本来社員のための福利厚生、遺族補償を目的とするものであるから全額保険金は遺族に払えという判決が出たという有名な問題です。
 ところが、ここに判決が全部ありますけれども、こういうとんでもないものが郵政省の簡易保険にもあるんだということが問題になっている。ことしの二月、この問題の専門家の北海学園大学教授本間照光氏は雑誌「世界」の「ホット・アングル」というところで、「官民一体の無断生命保険」ということで簡易保険に同じ問題があるということを摘発し告発しているんです。
 これは調べてみると、民間よりもひどい性格をやっぱり持っているんですね。問題になったのは何かというと十年満期の普通養老保険、これの団体生命保険ですよ。民間の場合は一年間の掛け捨て定期保険が中心なんだけれども、簡保の場合は普通特別養老保険が主なんです。そこで民間と違いが生まれている。それで、普通養老保険というのは、簡保の契約の中で契約数でも金額でも四割を超える中心的な問題だ。この中の法人契約、お聞きしましたら百五十三万件あるんです。すると、一つの企業が一つ入っているんだから、百五十三万社が養老保険、団体生命保険を契約しているんですね。金額はと聞いたら、お答えにならない。僕はおかしいと思うんだ。こういう大問題をこの情報公開のときに幾ら言っても出さないんですよ。何で出さないのか。件数は答えが来たけれども、金額はどのくらいか答えが出てこない。おかしいと思う。
 この法人契約には、パンフレットによりますとパターン一、パターン二、パターン三と三つあります。このパターンそれぞれについて金額、件数、割合、幾らですか。どうなっていますか。
○政府委員(金澤薫君) 郵政省の団体的な契約と申しますのは、いわゆる法人契約というふうに称しております。これは、法人が保険契約者となり得る契約という意味合いでございます。そういう意味合いで見ますと、法人契約の保有契約件数は百八十一万ございます。そのうち、先ほど御指摘になりましたのは普通養老保険で二分の一損金算入が認められている、そういう形態を指されたものというふうに認識しておりますが、それは大体百四十二万件ぐらいございます。
 それから、保険金額についてでございますけれども、これちょっと集計に非常に時間がかかりましたのでお見せすることできませんでしたが、集計したところによりますと、法人契約全体で見ますと五兆七千六百七十億六千百万円という数値になっております。それから、先ほど申し上げました二分の一損金算入が行い得る法人契約、それは四兆七千百七十一億三千百万という数値になっております。
 三つの形態というのは、ちょっと私手元にパンフレットを持っておりませんので、今詳細は承知しておりません。
○上田耕一郎君 金額は今お答えになったので、これは前進したと思います。四兆七千百億なんですね。かなりの額です。
 パターンが三つあるんですけれども、このパターン三というのが、満期保険金も死亡保険金も全部企業、会社に入ってくるというので、これはつまり民間と同じものなんですね。これは、新聞でも従業員に無断のケースがあったというので大問題になって、郵政省も通達を出して、無断でやった場合には一週間ないし三週間指導期間をやるという厳しい措置をとったということも報道されております。その措置はいいんだけれども、これはどうです、先ほど私三つの判決を挙げたんだけれども、大体この加入規定の例には「役員及び従業員の福祉を増進する目的」と書いてあるんだから、だから死亡保険金あるいは満期保険金、特に死亡保険金は判決にあるように遺族に支払うべきそういう措置を郵政省としてもとるべきじゃありませんか。いかがでしょうか。
○政府委員(金澤薫君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、税法上の特例措置として二分の一損金算入が認められております保険契約、これはすべて遺族が死亡保険金の受取人というふうになっております。それがほとんどでございます。ただ、簡保法上は被保険者として法人がなり得ることも契約自由の原則上当然あり得るわけでございまして、死亡保険金受取人として法人が指定されているという場合もございます。それは、被保険者本人が同意しているというのが前提条件になるわけでございます。同意がなければ無効になります。したがいまして、そういう被保険者が同意している法人が保険金受取人となる契約、この場合については法律上当然に法人に支払うということでございまして、遺族を保険金受取人とするというふうな判例はございません。
 先ほど御指摘になりましたような民保の裁判事例が数々出ておりますけれども、これらの事案は、被保険者の福利厚生を達成することを目的としております民間の福祉団体定期保険、こういう保険の趣旨から見て、従業員が死亡した際に支払われます死亡保険金、これについては社会通念上相当な金額については遺族に支払えという判決でございます。これは、いわば会社と遺族との間の問題でございまして、遺族そのものを保険金受取人と認定したものではないというふうに私ども理解しているわけでございます。そういう意味において、法律上は保険金受取人に法人がなり得る場合がある、判例は先ほど申し上げましたような会社と遺族との間の整理をしているというふうに考えている次第でございます。
 ただ、もう一つ判例がございまして、静岡地裁の判例では、被保険者の同意がない保険契約は無効というふうに書いてございまして、これは、簡保の場合は個々の契約者について個々の契約が存立しますが、民保の場合は一括契約でございまして個々の契約者の同意というものについて若干従来疑義がございました。そういう意味から、同意がなければ無効ということを判決で明快に打ち出したものというふうに考えている次第でございます。
○上田耕一郎君 法律的には同意によって死亡保険金は企業に入るということになっているんだけれども、先ほど局長も言われたように、会社と被保険者とのことによって会社がそれを被保険者の福祉のために支払えという判決なんですね。郵政省のものも、ここに簡易生命保険加入規定の例というのが並べてあるんですよ、パンフレットに。それに従業員の福祉増進の目的をもってというんだから、企業と簡保の法人契約の場合も企業と被保険者との間で福祉増進ということになっているんだから、やっぱり判決どおりそういうふうにすべきだと思うんです。
 この点は、郵政省も法律を盾にそうおっしゃるけれども、これは法律もちゃんとしていない点がある。アメリカでは一九一七年にモデル法がつくられて、それが各州の指針になっているんです。企業が保険金の受取人になることを禁止しているんです。これが先進国のやり方ですよ。ところが日本の場合、本人の同意で死亡保険金が企業に受け取られるというケースがあったとしても、これは団体生命保険の精神によって、従業員の死亡をチャンスとして会社がお金をもうけてしまうというあり方は本来の生命保険の趣旨に全く反するものだと思うので、深い検討を要望しておきたいと思います。
 時間が余りなくなってまいりましたので、なおこの問題は続けてやっていきたいと思いますけれども、少しはしょりまして、次に満期保険金の問題に入りたいと思います。
 簡保の場合には、民間の団体生命保険と違うのは、養老保険だということです。そうすると、満期になりますと満期の保険金が出てくるんですよ。民間の場合は一年掛け捨ての定期保険です。十年満期になると、一千万円なら一千万円の限度で満期の保険金が出てくるんですね。その満期保険金を会社のために大いに使いなさいということになっている。
 今、ちょっと改訂したのがこれなんですが、どうも私がこれを取り上げるということになったこともあってかもしれませんが、改訂された。改訂前のパンフがこれです。「充実の企業経営に」、「簡易保険の法人契約 今だからより「安全」「確実」「有利」三つの特色 福利厚生の充実 法人税の繰り延べ 資金づくり」、ずらっとだ。計画的な資金づくりをやりなさい。法人税の繰り延べに使いなさい。それから「満期保険金の使いみち」、「満期保険金の使い道は自由です。」と書いてある。「一 社長等役員の退職金」、「二 従業員の退職金づくり」、「三 経営戦略の資金」、「四 設備の改善・修理資金」、「五 事業用の投資資金」、「六 機械・備品等の購入資金」、「七 役員報酬のアップ」、「八 役員・従業員の海外旅行」、「九従業員の特別賞与」となっているんです。
 満期保険金は自由に使えますよと。二分の一は損金として算入されます。これは資金づくりに使えると、「二分の一損金算入方式」。満期保険金はこうなるということで、企業にいかにプラスになるかということをずらりと並べて、これを使って法人契約をふやしてきているんです。
 これは、私は生命保険のあり方として余りにひど過ぎる、国のやる生命保険で。従業員の生命、それから遺族の補償、福利厚生のための生保を、企業のための資金づくりに使いなさい、税金対策に使いなさい、満期保険金は自由に使えますということをパンフで売り歩いていたんです。これはもう許すことができないやり方で、民間以上にひどいと私は思う。「充実の企業経営に」と、そういうことが書いてあったのが、今度変わっているんです。
 それで、さらに企業にとって有利なことは、解約ということがあるんです。途中解約が多いんです。法人契約は二年から五年で解約され、あるいは乗りかえられているのが大部分だとも言われている。だから、こうやっておいて解約するんです。解約するとどうなるかというと、五年で解約すると毎年の保険料の八割が還付される。損金扱いが五割で還付保険料が八割、合計すると保険料総額の一・三倍の資金を企業は自由に手にすることができる、そういう仕組みを企業が使っているんですよ。
 これを利用して、募集手当の問題というのも生まれる。外務員に対して支給される法人契約の募集手当は、初回保険料の二〇%から五〇%。このパンフで出ている二千万円の掛金の法人契約の場合、八十万円の手当になる。簡保の募集手当だけで年間二千万円を超える外務員が五人いる。こういう外務員は法人契約を専ら主な活動の内容にしているということも言われているんです。私、一つ一つこれもお聞きしたいんだが、きょうはもう時間が迫っております。
 そこで私は、大臣、これは全部きょう言えなかったけれども、あなた方は、このパンフを余り露骨な企業のためのものなので変えざるを得ないような、本当に企業奉仕の生命保険をこの法人契約でやってきたわけですよ、養老保険を使って。これは根本的な見直しが必要で、むしろ廃止するべきじゃないか。従業員の命を担保にして企業が利益を上げることを保障している法人契約については廃止が必要ではないかとさえ私は思っているんです。
 大臣、にわかにここではお答えになれないだろうけれども、これだけ世論の上でも問題になり判決も次々と出ている、民間以上に重大な内容さえ含んでいるので、この問題をひとつ研究し、根本的に見直すということをぜひやっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 上田委員御指摘のところでございますが、法人契約はそのほとんどが従業員の福利厚生のために契約されており、簡易な生命保険の普及を図り国民の福祉を増進する簡易生命保険法の趣旨に合致しているものと考えております。
 この法人契約においては、従業員である被保険者が不利益をこうむることがないように、同意の有無を必ず確認するほか、遺族からの保険内容の照会に対し情報提供を行う等、被保険者及び遺族の利益に十分配慮しているというふうに私は思っております。
○上田耕一郎君 局長もひとつ、先ほど手を挙げていたから、あなた担当者なんだから、どうお考えになりますか。
○政府委員(金澤薫君) 私が手を挙げましたのは、事実関係だけお答えしておこうと思いまして手を挙げたわけでございます。
 先生がお示しになりましたパンフレット、これ従来使っておりましたパンフレットで、現在は新しいパンフレットをつくっております。これは、法人契約というのは福利厚生という本来の目的で使用すべきものでございまして、その趣旨をより明らかにしようということですべてのパンフレットを見直しました。新しいパンフレットからは、この企業経営の充実に資するような表現は一切削除させていただいたということでございます。
 私どもとしては、法人契約はその本来の趣旨にのっとり企業の福利厚生に役立つものとすべきであるという考え方から、今後ともこの問題について取り組んでいきたいというふうに思っております。
○上田耕一郎君 終わります。
○山田俊昭君 二院クラブの山田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 特定郵便局長についてお尋ねをいたします。
 従来、特定郵便局長については、多々問題点が指摘されておるところであります。代々世襲制が多いと言われる特定郵便局長の選考任用制の問題、あるいは経費として特定郵便局長だけに支払われる渡し切り費の問題、局舎借り入れの問題等々数多くの問題点が指摘されているところでありますが、私はかつて特定郵便局に関して借り入れの問題だとか選考任用制の問題についてはお尋ねしたところであります。きょうは、この特定郵便局長という国家公務員の地位にある立場の人と国家公務員法百二条とのかかわりと申しますか、政治とのかかわりという観点から二、三お尋ねをいたします。
 ことしの六月二十二日の東京新聞によりますと、特定郵便局長で組織する全国特定郵便局長会なる組織が選挙になると自民党の大応援団と化すことを指摘しております。このような事実を大臣はどのように把握され、どのような御見解をお持ちかお尋ねをいたします。
○国務大臣(自見庄三郎君) 特定郵便局長会、全特と申しますけれども、山田委員もう御存じのように、これは全国の郵便局長によって組織された任意団体でございまして、特定郵便局長制度の発展並びに会員の勤務条件の改善及び社会的経済的地位の向上を図るとともに、郵政事業の発展に寄与することを目的として昭和二十八年に設立した団体だと、こういうふうに思っております。
 今先生の、東京新聞に自民党の大応援団といった記事があるという話でございますが、記事にある自民党の大応援団とは具体的にどのような事実を指しているのか明らかではないというふうに思っておりまして、いわゆる選挙を含む政治的行為については、国家公務員法等の法令で許された範囲内で行われているものと承知をいたしております。
○山田俊昭君 もう一つ。行革の目玉、中心とも言われております郵政三事業の民営化、この民営化は特定郵便局長といわゆる族議員が一体となってつぶしたというマスコミ報道、新聞報道がありますが、この点に関する大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(自見庄三郎君) 全特は任意団体でございまして、その活動についてはコメントをする立場にはないわけでございますが、郵政事業の現行経営形態に対する多数の国民の世論の支持がある中、全特が、郵政事業は国営・三事業一体であることが国民にとって最良であるという考えに基づいて国会議員を初め関係方面に対し広く理解を求め働きかけたことについては特段問題はなく、行革つぶしという批判は私は当たらないというふうに思っております。
○山田俊昭君 全国三千三百二の自治体の地方議会のうち三千二十三の自治体がいわゆる郵政三事業民営化反対決議をしております。これは九一・六%にも及ぶものであります。
 なぜかくも地方自治体がかかる決議をなされたかという背景を新聞その他のマスコミは分析をしております。これはまさしく特定郵便局長の議会へ贈答品を贈っての請願要請工作であるという報道がされております。埼玉県の三市二町にわたる事実を具体化して報道しておるわけであります。坂戸市とか大宮ですか、ビール券、せんべい、切手類を同封いたしまして、ぜひこの三事業の民営化をつぶしてもらいたいという嘆願要請の働きがあった。まさしく、地方議会への特定郵便局長の圧力によってこの地方議会での議決がなされたのではないかという推定がおのずとできる、こういう分析でありますけれども、これに対する御見解をお尋ねいたします。
○政府委員(天野定功君) お答えいたします。
 確かに、一部の地区で、特定局長が地元の議員に対しまして私どもの組織問題につきまして御理解を求めていく中で、儀礼的にビール券を持参したという事実があったと承知いたしております。
 このようなことはいたずらに疑惑を招くことにもなりかねないものでございますので、私どもはそのようなことを厳に慎むよう指導しているところでございますが、しかしこのことをもって、先ほど先生御指摘の多数の地方自治体の現行経営形態の支持につながったというのはいかがかと思っております。やはり平素における郵便局のサービス、あるいは職員の活動が広く地域社会あるいは地元の方々の理解や御支持があったればこそ、そのような多数の支持があったというふうに私どもは受けとめております。
○山田俊昭君 もちろん私には調査能力があるわけでなく、今申し上げているのは新聞とか雑誌を根拠にして申し上げているわけでありますけれども、それが事実と違うとするのなら、特定郵便局長が国家公務員の地位にあるなら、そこら辺の疑惑がこれほどマスコミを通じて報道されているなら、それは違うんだという何らかの法的措置なり抗議なりをされたかどうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(天野定功君) 特段そういった報道につきまして私どもの方で抗議するとかそういったことはいたしておりませんけれども、しかし、いろいろその報道につきましてお問い合わせがございまして、それにつきましては今申し上げたような趣旨のことを私どもお答えいたしております。
○山田俊昭君 これだけ国民世論といいますか、一般的にそれがあたかも真実かのごとく伝えられているという事実はお認めになられるかどうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(天野定功君) 今回のいろんな行革の論議の中におきまして、いろんなマスコミの報道におきまして、先生御指摘のように、地方自治体の働きかけがそういった特定局長の動きと結びつけて報道されているという事実は承知いたしております。
○山田俊昭君 かかる国民全部から疑惑を向けられているという事実に対して、郵政省は当然その疑惑払拭のためにいろんな方法を通じて真相を明らかにされるべき義務があるように思うのですが、いかがでしょうか。大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(自見庄三郎君) 今さっき申し上げましたように、全特は任意団体でありまして、その活動についてはコメントする立場にないわけでございますが、しかし、こういった行革の大変大きなテーマ、それは、報道機関が報道機関のいろいろなお立場で報道するということは自由主義社会における原則でございます。その中で、国民にはいろいろな御意見があると思うわけでございますが、その過程ではいろいろな御意見が特にあるわけでございますが、最終的にはこういった国営・三事業一体ということできょうの朝決着したということにつきましては、私は大変評価をさせていただいております。
○山田俊昭君 釈迦に説法ですが、特定郵便局長というのは国家公務員であります。国家公務員法第百二条は公務員の政治的中立性、政治行動の制限を設けております。かかる意味において特定郵便局長に政治への関与があるという疑惑があるのなら、郵政大臣は徹底的に疑惑解明のために御努力をして真相を明らかにしていただきたいことを要望いたします。
 次に、ここ数年来、自民党の国会議員の秘書たちが特定郵便局長に転職している事実がこれまたマスコミによって指摘されているところであります。
 本年十一月十二日の朝日新聞によりますと、特定郵便局長へ転身した議員秘書はわかっているだけでこの三年で五人ある、その全員が当該議員の地元の局長になっており、しかも当該議員はいずれも地元の局長会の顧問である、こう報道されておりますが、これは事実であるかどうか御答弁をお願いします。
○説明員(足立盛二郎君) お答えさせていただきます。
 部外から任用される特定局長の前歴につきましてはさまざまなものがあるわけでございます。先生御指摘の十一月十二日の新聞の記事が掲載されましたので、その後調査いたしましたところ、国会議員の秘書の前歴を有する者がいたことは確認いたしました。しかし、これらの者は地域住民の信望があって、その局を運営するに足る事業管理能力を有するかどうかといった視点から任用されたものでありまして、国会議員の秘書という前歴で任用されたものではないというふうに認識しているところでございます。
○山田俊昭君 もちろん特定郵便局長の任用規程といいますか、形式的な書面審査といいますか面接が大半を占め、国家公務員でありながら、特定郵便局長というものの試験要項だとか試験日だとか試験に対する中身が一般国民に全然公示されていない。密室閉鎖性をもって特定郵便局長が選ばれているという一面があるという現実を踏まえますと、いわゆる国会議員の秘書が特定郵便局長に任用されるという事実、かつての秘書がいわゆる地元民との密着の中で政治活動をしていくという疑いを持つことは十分考えられるところであるわけであります。
 今、特定郵便局長というのは任用制度の趣旨に乗っかって選任されて任用されているということでありますが、三年で五人あるという報道なんですけれども、郵政省としては、国会議員秘書が特定郵便局長にこれまで何人任用されているのか、数がわかればお教えいただきたい。過去五年でも十年でも、期間を区切ってお教えいただければ幸いです。
○説明員(足立盛二郎君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、当人の前歴のみをもって選考するものではございませんので、そのような統計、データというものは持っておりません。御了承いただきたいと思います。
○山田俊昭君 これだけいろんな観点から私も疑問に思うわけでして、かかる問題、疑惑が投げかけられている以上、郵政省としては速やかにその数なり統計をお示しになるべきではないかと思うんですが、この御用意なり、おつもりがあるかどうかお尋ねをいたします。
○説明員(足立盛二郎君) 特定郵便局長の任用につきましては、国家公務員法の三十六条に基づきまして、先生先ほど御指摘もありましたが、教養試験、作文試験、面接試験等の能力の試験を行いまして総合的に判定をして行っているところであります。
 当該の職員の前歴といったようなことにつきまして選考の基準としておるわけではございません。そういったことを考えますと、前歴によりましてどのような、何人いたかといったような統計はとる必要がないものというふうに考えております。
○山田俊昭君 任用規程というのがあって、いわゆる特定郵便局長になるにはこれこれしかじかだというものがあるわけでありますけれども、他の国家公務員の試験とか採用制度と比較しますと極めて閉鎖的であると私は思うんですが、この点に関する御意見はいかがでしょうか。
○説明員(足立盛二郎君) 国家公務員の採用につきましては、広く一般に公募をして大量に採用するという場合には、御承知のとおり競争試験というものがあるわけでございます。
 しかし、特定郵便局長と申します郵政事業の組織の中の管理者につきましては、そのほとんどが部内の職員から登用される実態にもあるわけであります。一部、部外の方からも採用しておるわけでありますが、大量に採用するといったものではなくて、個々の特定郵便局の局長があいたときにその地域にふさわしい人を選ぶというようなことから、広く一般に公募をするよりも、平素からそういう特定局長にふさわしい人たちの情報をリストアップいたしまして選考していくということが適当であるというふうに考えておるところでございます。
○山田俊昭君 水かけ論になるかもしれませんのであえて申しませんけれども、部内から推薦だとか特定郵便局長の推薦を優先的に採用していくという実態があるやに聞いているわけですが、国家公務員である限り、試験日はいつで試験の内容はどうで何人を応募するんだとか、そこら辺のところをもっと徹底していただきたい。極めて常識的な私は要望をしているつもりであります。これを強くお願い申し上げまして、次の質問に移ります。
 何か、今回私も質問するに当たって知ったんですが、草の根プロジェクトというのがあるんだそうであります。
 これも新聞によるわけですけれども、このプロジェクトは、郵政省が平成五年から始めたいわゆるかんぽ健康増進支援事業の一つで、助成金額が事業全体で昨年、平成八年度で十九億円支払われているそうであります。いわゆるこの助成を受けるには、助成を希望する簡保加入者がまず実行委員会をつくり、簡易保険加入者協会に申し出ることが必要で、次に同協会が簡易保険福祉事業団に申請して許可を得て、簡易生命保険特別会計から実行委員会の会長に助成金が渡されるという仕組みだそうであります。
 私は、この助成金の使途と運用についてお尋ねをするものであります。
 この実行委員会の会長は特定郵便局長がなる可能性が極めて高いという、新潟県特定局長の談話として同じ新聞に発表されております。この点のデータ、今言うように、この実行委員会会長に特定郵便局長が過去何人ぐらいなっていらっしゃるのか、また特定郵便局長を優先してこの実行委員会の会長に推薦しているのか、そこら辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(金澤薫君) まず、草の根プロジェクトという事柄に入る前に、全体の俯瞰図を御説明申し上げたいと思いますが、かんぽ健康増進支援事業というのは三つの事業をやっております。
 一つは成人病等予防事業、それから介護支援事業、それから健康づくり事業、この三つの事業を実施しておりまして、実施規模別に県単位のプロジェクト、市町村単位のプロジェクト、それから地域単位のプロジェクト、これがいわゆる草の根プロジェクトというふうに称しているところでございます。
 先ほど、先生全体で十九億円とおっしゃいましたが、そのとおり十九億円でございます。そのうち、草の根プロジェクトに対しましては十一億円の助成をしているところでございます。それが全体の構成でございます。
 それから、草の根プロジェクトの件でございますけれども、これは老人会とか婦人会といった各地域の非常に小さな単位の事業でございます。また、全国津々浦々で行われますために、この事業は実際は簡易保険加入者協会というものが事業申請者になっておりますが、その支部がないということがございまして、これらの全国津々浦々の非常に小さなそういうものにつきましては、事業を行う老人会とそれから郵便局、この間で実行委員会というものを設立いたしまして、助成金を同委員会に交付している、そういう仕組みになっているところでございます。
 特定局長が会長になることがあるのかというような御質問がございましたが、プロジェクトを適切に管理運営していくためには実行委員会の会長に人を得る必要があるというふうに考えている次第でございまして、特定局長が適任というふうに地域の方々からみなされまして就任する場合も当然ございます。この場合も、助成金は郵便局長個人としての口座に振り込むということは一切ございません。新たに実行委員会会長というもののロ座を開設いたしまして、その口座に振り込んでおりますし、その助成金の使途は実行委員会の決定のもとに行われるということでございまして、この使途については簡保事業団が最終的に監査を行っているということで、きちっとした経理をしているところでございます。
 数はどうかということでございますけれども、これは私ども、全国は津々浦々ございまして現在は把握しておりませんけれども、プロジェクト実行委員会の会長、これは地域に根差してプロジェクトを適切に実行し得る人材でなければならないというふうに考えておりまして、そういう適切な人材を得るよう私どもとしては側面から支援しているところでございます。
○山田俊昭君 十九億もの金が公費として、実行委員会の名目の口座かもしれませんが、入れられている。しかし、会長を経験した某特定郵便局長の談話によりますと、自分のポケットマネーでトロフィーを買ったり商品をつくったりして、これは極めて自由に出せるという、相当裁量のある支出ができるというふうに言っていらっしゃるんですね。そして、この会長を経験していい顔ができた、こういう報道もなされております。
 ここら辺の一連の新聞を読んでみまして、私は、草の根プロジェクトの表向けの事業目的は確かに簡保加入者の健康増進であっても、見方によっては特定郵便局長の名士復活事業、さらにいえば選挙運動の際の集票装置の一つというようなうがった見方もできるのではないかということを御指摘したいと思うのであります。
 そこで、提案するわけですけれども、この実行委員会の会長は、特定郵便局長とか郵政職員はこれを任用しない、就任はさせないということにぜひ禁止規定を設けていただきたいんですが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○政府委員(金澤薫君) これは婦人会とか老人会とか非常に小さな単位で行われるものでございまして、その中心になる人に人を得ないとなかなかうまく物事が進まないということもございます。したがいまして、どなたでなければならない、この人はだめだとか、そういうことをここでお示しするのは適切でないのではないかというふうに私ども考えておりまして、そのプロジェクトの本来の目的から見てふさわしい人材、その方が会長になるということが最も適切なことでございまして、私どもそういうことが実現できますよう側面から支援していきたいということでございます。
○山田俊昭君 ぜひそういう方が、特定郵便局長が任命されないことを強く要望しておきたいと思います。
 もう少し時間がありますので、これは郵政省に対する提案、提言といいますか、二、三申し上げたいと思うんですが、いわゆる電話とか切手を広告媒体とされたらどうか、こういうことの提言であります。
 これは調査室の人に調べてもらった資料でございますが、スウェーデンでは電話の通話中にコマーシャルがある一定の時間流れる。通話中に途切れるわけですね、どこかのコマーシャルが入るわけですから。その間拘束されて聞かざるを得ないということがあるから、電話料を全部そのスポンサーが負担するという制度がスウェーデンではとられているんだそうであります。これもぜひ日本で取り入れられるおつもりはないのか、簡単な御答弁をお願い申し上げます。
○政府委員(谷公士君) 御指摘のようなサービスを提供するかどうかにつきましては、まずは電気通信事業者が判断すべき事項かというふうに考えております。一般論として申し上げますれば、事業者の創意工夫によりまして、利用者の方々に安価で多様なサービスが提供されるということになれば、それはそれで大変望ましいことだというふうに考えております。
○山田俊昭君 一つのことをするにはいろんな法律の規制があるから、できるだけ規制緩和をしていただいて、そういういいものはどしどし取り入れる制度ができ上がることを希望するものであります。
 もう一つはカナダのことなんですが、四年ほど前からカナダでは切手にコマーシャルを入れている。何とか会社の宣伝をしている。切手の一部に入れるわけですが、それをいわゆる広告主が切手代を負担し、利用者はその分安くなる、こういうことであります。利用者にとって切手代が一円でも安くなるということは極めていいことだと思うんですが、これなど日本では御採用の意思がおありかどうかお尋ねをいたします。
○政府委員(長谷川憲正君) ただいまの切手に広告を入れたらいかがかという御提案でございますが、私どもでも同様の趣旨の施策といたしまして、はがきに広告を入れさせていただく、そのかわりに販売額を安くするという取り組みは以前から行っております。一般にエコーはがきと言われているものでございまして、昭和五十六年からそのような取り組みをいたしております。
 今御提案のありました切手に関しましては、一種の金券でもございますし、これに広告を入れるということにつきましては、切手そのものの図案が小さい、広告効果というようなこともあろうと思いますので、今御紹介のございましたカナダの件も含めまして種々検討をすべき課題があるのではないかというふうに思っております。
 先生御提案の趣旨は、国民により安い料金で郵便サービスを提供していくために広告料収入の道を広げてはいかがかと、こういう御提案だというふうに思いますので、今後、御質問の趣旨を踏まえまして広く検討してまいりたいというふうに思っております。
○山田俊昭君 もう一問。
 次はイギリスでありますけれども、イギリスは、いわゆる郵便を出すと消印をするわけですね、その消印は郵政省がするわけですけれども、その消印の中にやはり広告を入れている。何とかチョコレートとか、何とかキャラメルとかやっているんだそうであります。イギリスのその制度が民間利用者にどの程度利益になっているか、ちょっとそこら辺のところを調べておりませんのでわかりませんけれども、日本でもぜひ採用なさって、例えば一つの郵便局で一カ月間とか一年間にその消印の広告をしたスポンサーから出されたお金をボランティアなり国民の利用者に還元するのも一つの方法ですが、いわゆる消印広告の料金設定して、そこからの上がりをボランティアとか何らかの有益なものに使っていく、こういう方法が採用されたらいいんではなかろうかと思うわけですが、この提案に対しての御意見はいかがでしょうか。
○政府委員(長谷川憲正君) 消印に広告を採用いたしますことにつきましては、日本も一度やったことがございます。昭和二十四年に郵政省広告取扱規則というものを制定いたしまして、その際に、日付等の消印をいたしますが、そこに簡単な標語を入れたという例がございました。しかし、この件につきましては、利用が高まるにつれまして、差し出しをされる方が全く予期しないような広告が表示されるということについてかなり多くの非難が浴びせられまして、結局、昭和二十七年に廃止をされたという過去の経過がございます。
 いずれにいたしましても、郵便物は数多くの人から差し出され、数多くの方に配達をされるという趣旨のものでございますので、先ほど御答弁を申し上げましたように、広告料収入の道を広げてはどうかという観点からいろいろと検討してまいりたいというふうに思いますが、この件に関してはかなり難しい問題もあるのではないかと思っているところでございます。
○山田俊昭君 はがき広告があるということは、私、知りませんでした。例えば、今五十円ですね、これは幾らになっているんですか。スポンサーに幾ら負担させているんですか。これはほとんどの人が知らないから、郵政省はもっと宣伝しないとまずいと思うんです。
○政府委員(長谷川憲正君) 宣伝下手でございまして恐縮でございます。スポンサーの方から十円の負担をいただきまして、そして印刷料等に費用もかかりますものですから、お客様には五円引きで販売をさせていただいているところでございます。
○山田俊昭君 終わります。
○水野誠一君 さきがけの水野でございます。
 八月七日にアメリカ政府が一方的に制定しました、国際電話についての国際精算料金の上限、いわゆるベンチマークの問題について、私は九月十七日の決算委員会で質問をさせていただきました。
 そのとき、日本政府としては、米国に対して懸念を持っているという内容のコメントを既に提出していたと、そのことについて御報告がありました。そして、引き続き制度の改善を求めていく旨、御答弁もいただいたわけでありますが、その後、十月にはベンチマークの撤回を要望されたということも聞いております。
 現時点での状況について御報告をいただければと思います。
○政府委員(谷公士君) 御指摘のとおりでございまして、その御指摘もいただきまして御答弁を申し上げました。
 このFCCの規則につきましては、事実上の米国市場への参入障壁となるというものであること、それから、本来商業ベースで決めるべき精算料金を米国政府が参入規制と結びつけて一方的に制限を設定するものであるということ、それから、内国民待遇等のWTO協定の諸原則との整合性という面からも疑問があることという問題があったわけでございます。
 日本政府といたしましては、こうした認識に基づき、本年の十月、それから十一月に開催されました米国政府との間の規制緩和会合の場におきまして、これらの問題の改善方を申し入れをいたしました。
 ただ、残念ながら米国政府からはこれまでのところ具体的な改善を行う旨の回答が行われておりませんので、今後も引き続き機会をとらえまして米国に対して制度の改善を求めていきたいと考えております。
 それから、KDD等我が国の国際通信事業者三社を含む各国の多数の事業者が、九月から十月にかけまして、この規則の取り消しを求めて米国において司法審査請求を申し立てているという事情がございますので、この推移も見守ってまいりたいというふうに考えております。
○水野誠一君 これは非常に重要な問題でありますので、今後とも推移を見守っていきたいと思います。
 また、それと同時に、そのとき質問の時間がなくて予告だけさせていただいたんですが、国際電話においては、国際回線というのは両国事業者の共有財産という考え方のもと、コストも平等に負担するということになっているわけです。国際通話は二国間の共同事業であることにかんがみれば、これは当然妥当な仕組みだというふうに考えています。ところが、最近、非常に盛んに使われるようになりましたインターネット、このインターネット回線の接続においてはこの原則が全く当てはまらない、大変不公平な状態になっているということを聞いております。
 現在、インターネットを米国に接続する場合、米国の相手国が、例えば日本なら日本が回線コストや接続コストを全額支払っておる。結果として、世界じゅうでアメリカだけがインターネット接続にかかる国際回線コストの負担を逃れている、こういう事実があるようです。
 インターネットの利用実態というのは、確かに諸外国からアメリカにアクセスするものが圧倒的に多い。これは事実だと思いますが、今後は、インターネットの世界的普及によって双方向通信が増加するということは明らかであります。八月末に我が国でも認められましたインターネット電話サービスというのもございますが、これは従来の国際電話の四分の一という劇的に安い、低価格が実現しているというようなこともありまして、今後は国際通話、国際電話においてもこのインターネットはかなり使われる可能性があるということだと思います。
 そうなってまいりますと、この問題というのは、今後新たな日米間摩擦になる可能性もあるというふうに思います。その辺について、郵政省としてどのように今後お取り組みになるのか、できますれば大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 水野委員から大変該博な知識に基づく御質問をいただいたわけでございまして、今先生の言われるとおり、一般に国際回線の費用負担に関しましては、ITUのルールにのっとりまして、我が国の第一種電気通信事業者が提供する国際部分については我が国のユーザーが、また米国の電気通信事業者の提供する回線部分については米国側のユーザーが、それぞれの契約により負担するというのが通例でございます。
 しかしながら、今先生の御指摘のとおり、インターネットのような新しい分野についてはこういったルールが適用されていないのが実は現状でございまして、従来インターネットは、今先生も質問の中でも言われましたけれども、特に学術分野での利用が中心であって、実態として米国の学術研究データベースと申しますか、そういったデータベースヘのアクセスを希望する人が多かったため、米国外の者が回線費用を全額負担するという慣行が実は形成されたものというふうに思っております。
 しかしながら、今先生が言われました、大変重要な問題でございますから、事業者間での話し合いの進展あるいはITU等の場での論議の動向を見ながら適切に対処してまいる所存でございます。
 実は、KDDも業務協定の締結の際に、米国のATTに対しまして料金負担の適正化を要望いたしておりますし、十二月二日でございますからごく最近でございますが、実はITU、これの国際電気通信連合電気通信標準化部門の第三回SG3の会合、これにおいても今の問題、インターネットの国際回線の費用負担について議論が行われたというふうに聞いております。
 いずれにいたしましても、大変重要な問題だという認識は持たさせていただいております。
○水野誠一君 この問題も、先ほどのベンチマークのテーマ同様、推移を大変興味深く拝見していきたいと思いますので、ひとつ郵政省にも頑張って折衝に当たっていただきたいと思います。
 次に、地域情報化推進施策について伺いたいと思います。
 十月三十一日に、総務庁から、地域情報化推進施策の総合性の確保に関する調査結果に基づく勧告が郵政省あるいは通産省など五省に対してなされました。これによりますと、現在十二あります地域情報化推進施策が、実際にはかなり重複、類似したものが多くて、全体として有効に機能していない傾向があるという指摘があったわけです。
 ちなみに、郵政省については、テレトピア構想あるいはハイビジョンシティー構想が対象として取り上げられているわけですが、それぞれ通産省ではニューメディアコミュニティー構想あるいはハイビジョンコミュニティー構想と大変内容が類似しているものがある。
 ちなみに、ハイビジョンシティー、ハイビジョンコミュニティーなんというのは名前まで似ているわけでありますが、地域指定の重複やあるいは相互調整の不備がかなりあるという指摘がされております。
 また、指定地域の中には、その地域指定の申請を郵政省の要請に基づいて行ったと。そこで、当該地域ではシステムが構築されていない事例もあるというような、地域指定と地域の具体的ニーズとのミスマッチというような指摘も挙げられております。
 この辺の事実というのはいかがなものなのか。こういった事実があるのかどうか。そして、事実だとすれば、この事態の再発防止についてどのような措置をおとりになっているのかお答えいただきたいと思います。
○政府委員(木村強君) 水野先生から地域情報化施策につきましての総務庁の勧告の件について御質問がございました。
 確かに、先生御指摘のとおり、勧告におきましては、テレトピア構想とニューメディアコミュニティー構想、ハイビジョンシティー構想とハイビジョンコミュニティー構想等につきまして、郵政省と通産省とそれぞれの所管による違いということで異なった施策が展開されておるわけでありますけれども、地域指定の重複とかあるいは相互調整の不備があった旨指摘をされております。
 これにつきましては、確かに外から見ればそのようなことがあるということで、総務庁ともいろんな議論をいたしましたけれども、それぞれの役所の目的に従って、施策の立案時に双方の理念につきまして一定の整理をするということでいずれの施策も展開をしておりまして、例えばテレトピア構想につきましては、実用を前提として社会資本としての高度な通信ネットワークを指定した地域に優先的に構築をする、これを基盤としたマルチメディアの総合的な普及を図るということで、インフラをベースにしてネットワークを展開するということが基本になっております。また、通産省のニューメディアコミュニティー構想につきましては、地域コミュニティーの産業あるいは社会分野のニーズにこたえるモデル情報システムの構築促進ということでございまして、コンピューターを中心とする情報通信機器の利用促進という観点で通産省の施策は展開をされておるということであります。
 しかし、外から見れば、例えば地域がダブる、あるいは同じようなネットワークとコンピューターとのドッキングしたような施策ということになりますと、確かにそのような事例もあるということで総務庁の方からの指摘を受けておりますけれども、基本的には今申し上げました理念の相違に基づいて、しっかりとしたすみ分けをしながら発足してきたものだというふうに認識いたしております。
 また、そういったことは、それぞれの地域のニーズに応じて選択のメニューをたくさん提供するという意味では、地域の情報化のそれぞれがマッチした中身を選べるということで、メニューが多くなればなるほど全体的に広範な地域情報化が進むという意味では非常に意味があったものだろうというふうに感じておりまして、総務庁の勧告等の前提としての私どもの議論の中でもそういったお話をさせていただいております。
 しかし、最終的には連係プレーと、高度情報化推進本部というものがございますように、政府としてこれからは一体となっていこう。例えば、コンピューターとネットワークもドッキングしてまいっておりますし、施策の現実の中身からいたしますと、例えばテレトピア構想というのは最近でも非常な実需がございまして、平成四年から八年に至るまで、四年は十七件、七年、八年には十四件、十五件、通産省のニューメディアコミュニティーにつきましては地域指定件数が八年度はゼロ件、テレトピア構想は十五件でございました。そういった意味で、総務庁につきましてもいろんな議論の過程の中で、地域の実態に応じてやはりネットワークを中心とした施策が展開されていくというのが事実上情報通信の実態でございまして、それにコンピューターがぶら下がるという形であります。
 そういうネットワークの進展、それから単に産業的側面からだけではなくて、先ほど午前中にも保坂先生から御質問がございましたように、情報通信というのは経済、社会、生活、文化、あらゆる各般にわたる基盤だということで、地域の自治体のニーズとしてはテレトピアというものが非常にいいということで、この点につきましても総務庁の勧告で評価を得ているところであります。
 時代の流れに応じてこういった違いがはっきりし、実需に合った、ニーズに合った施策をこれからも展開してまいりたい、このように考えます。
○水野誠一君 総務庁の勧告自体が外から見ている表面的な勧告だけとも思えませんし、また、今答弁の中にあった高度情報化推進本部の機能自体、私は何度も今までも決算委員会あるいはこの逓信委員会でも危惧を申し述べてきたように、本当にそういった調整機能というのが有効に働いているのかどうかという点については、なお一層注意深く見守っていきたいというふうに思います。
 特に、この情報化の問題というのは各省にまたがる非常に広範なテーマでありますし、また二十一世紀においてはますますその重要性が出てくるということの中で、今回の行政改革の中でも我々はやはりこの情報通信に関する行政というのは横断的なもの、できれば内閣府の機能としてそれを明確に位置づけるということを主張したような経緯もあります。それはまさにそういった意味で、各省庁の省益ということにとらわれず、あるいはもっと横断的な広範な行政としてこれが機能することによって、先ほど保坂先生からもいろいろお話がございましたし、そのとおりなんですが、二十一世紀の日本がデファクトスタンダードをこういう分野でもとっていけるような国になってほしいという思いから、特にお願いをしておきたいと思います。
 テレトピア構想の件について、今お話もございましたが、平成七年六月の通信政策局の通達によって、計画を五年後ごとに見直すことになっています。平成七年度末までの指定分を対象にして、一年半たった今月にフォローアップ調査があったというふうに聞いておりますが、計画から五年たっている八十七件のうちまだ四割ほどしか見直しが終わっていないというふうにも聞いております。この事情というのは何か、どういうことなのかお答えをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(木村強君) 先生御指摘のように、テレトピア構想につきましては、平成七年六月の通達で、テレトピア構想が実施をされている地域等につきまして、そのニーズに合っているかどうか、実需が出ておるのかどうか、本当に機能しているのかどうかというのをやはり再評価していくべきであろうということで通達を出しております。
 現時点では、その基準に該当する八十七地域につきまして順次見直しに取り組んでいるということでありますけれども、完了しておるのは四割に当たる三十四地域でございまして、一年半になりますけれどもまだ五十三地域残っておるということは先生御指摘のとおりでございます。しかし、これは見直しについてはもう既に着手をしておるということでありますけれども、具体的には、例えば地域総合化計画ということで地方自治体が地域の情報化に取り組む計画の企画立案等を行っておるケースがございまして、そういった意味で、見直すに当たりましては地方公共団体等とよく連携をとりながらそのタイミングを合わせていこうというような趣旨もございまして、うまくサイクルが合うようにということで、やや地域、地方公共団体の動きに合わせてペースが落ちておるというケースもございます。
 いずれにいたしましても、一定の期間内に地域とマッチした形、整合性のある形で見直しが行われるようにということで、これからも地域の実情に応じてフォローしてまいりたいと考えております。
○水野誠一君 同様にハイビジョンシティー構想の見直しというようなことも一つテーマだと思いますが、時間の関係もありますので、それはまた次回に譲るとしまして、次に緊急経済対策についてお尋ねしたいと思います。
 先ほど大臣の御発言にもございましたが、十一月十八日に「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」が発表されました。この中には郵政省関連の施策も多く含まれております。規制緩和策の一環としてKDD法の廃止、すなわちKDDの完全民営化がその中に含まれていたことは先ほどのお話にもございました。ただ、さきの通常国会での法改正でもこのKDDの完全民営化の問題は議論をされたというふうに記憶しております。そのときは結局見送られたわけでありますが、この廃止が四カ月足らずの間に今回また提案をされてきているという経緯について御説明をいただければと思います。また、このことによって経済効果がどれほど上がっていくのか、その辺についてもお考えを例えればと思います。
○政府委員(谷公士君) 確かに、KDD法につきましては、さきの通常国会におきましてKDD法の御審議をいただきました際に、御指摘のような御質問を何度かちょうだいをいたしました。その際お答え申し上げましたのは、現段階といいますか、その当時におきまして、世界の各国、各地域に対して通信回線を確保しユニバーサルサービスを提供できるのはKDDのみであるので、当面特殊会社にとどめる必要があるが、他の国際通信事業者も逐次対地を拡大しているので、そういった状況を見るとKDD法を廃止することもそう遠い将来ではないのではないかというふうな趣旨の御答弁を申し上げたように記憶しております。
 それからまた、この法案について御可決をいただきました際に附帯決議をちょうだいいたしまして、その中でKDDの将来のあり方につきまして、国際電気通信の動向を踏まえて時期を逸することなく検討して結論を出すようにということを決議としていただきました。
 私ども、この決議あるいは御質問の趣旨を体しまして、その後、国際通信市場の動向を踏まえて検討してきておったわけでございますけれども、新規参入の国際系のKDD以外の事業者二社におきましても急速に対地を拡大してまいりまして、いずれも二百対地を超えて、KDDは二百三十三対地でございますけれども、ほぼKDDに匹敵するようなネットワークを有するようになってまいりました。そういう事情を踏まえまして、先般申し上げましたような判断のもとにKDD法を廃止することに踏み切ったわけでございまして、次期通常国会にこのための法案を提出し御審議をお願いしたいというふうに考えておるわけでございます。
○水野誠一君 私自身、民営化は大いに結構だというふうに思いますが、今、局長の御答弁にもありましたユニバーサルサービスの確保ということについては十分に注意をしていかなければいけないというふうに思います。
 そして、一つ伺いたいのは、特殊会社でなくなることによってKDDがWTOの外資規制の対象から除外されるのかどうか、この点についてお尋ねしたいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(谷公士君) 済みません。ちょっと答弁を漏らしまして、先ほど御質問いただきました経済効果の点について先に御答弁をさせていただきます。
 KDD法が廃止されますと、業務範囲とかあるいは他の事業者との提携等につきまして完全に自主性に基づく経営判断が行えるようになるわけでございまして、より機動的な経営への対応が可能となると考えております。具体的にどの程度の経済効果ということは私ども計算することはできませんけれども、こういったことでKDDが通信市場の動向に即応いたしました経営を行うことによりまして、国際通信市場を含む通信市場が一層活性化して、その結果、料金の低廉化、サービスの多様化等によります通信需要の喚起でございますとか、あるいは景気対策に貢献できると、そういう効果をもたらすのではないかというふうに考えております。
 それから、ただいま御質問いただきました外資規制の問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、従来、KDDが国際的なユニバーサルサービスを確保することができる唯一の存在であるということで、特殊会社としてまた外資規制も行ってきたわけでございますけれども、新規参入事業者もその後対地を拡大して世界の多数の地域、国と安定的につながるネットワークを有するようになってきたということを踏まえまして、今般KDD法を廃止するとともに、KDDの外資規制も撤廃するということになるわけでございます。
 ただ、この外資規制を撤廃いたしましても、国際系の新規参入事業者の対地も二百対地を超えているという状況でございますし、そういう意味で我が国との間の通信の多ルート化が実現できてきておるということ、それから、天災、事変その他の非常事態が発生し、発生するおそれがある場合における重要通信の確保ということも事業法、電波法等において確保されておりますこと、さらに外為法におきまして対内直接投資等についての一定の規定が設けられていることというようなことから考えますと、この外資規制を廃止いたしましても国の安全を確保するという観点からは基本的な措置は確保できているんではないかというふうに考えているところでございます。
○水野誠一君 この経済対策の中で、光ファイバー網の整備の完成期日を当初の二〇一〇年から二〇〇五年へ五年間前倒しをするという内容も盛り込まれています。これは大変結構なことだと思うんですが、一方で、いたずらにインフラの整備を急ぐだけで肝心な実需が伴わない、単なる建設事業としての経済効果しか期待できないということになってはいけないと思っております。
 広がりのある対策を実現していくためにはネットワークを行き交うアプリケーションやコンテンツの開発促進策が必要だというふうに思い、これは私も何度もこの逓信委員会でその点についてお尋ねをしてきておりますが、新たに大臣になられた自見大臣のお考えをこの際伺っておきたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 水野委員の御指摘のとおりでございまして、我が国の情報通信の高度化を推進していくためには、光ファイバーを初めとするネットワークインフラの整備も大事でございますが、同時にある意味でそれ以上に大事なのが、今委員御指摘のとおりに、この上に展開するアプリケーションあるいはコンテンツの振興を一体として推進することだというふうに思っております。
 そういった中で、アプリケーションにつきましては、公共分野に率先して導入を推進することが私はまず大事だと思っておりまして、そういう意味では、今度の行革の結果、郵政省は総務庁とも一緒になるということでございまして、総務庁は行政の情報分野を今主管いたしておるということをお聞きいたしておりますので、そういう意味では公共分野における率先した情報化に資するのかなというふうに思っております。
 それからまた、政府といたしましても高度情報通信社会推進本部におきまして、先生御存じのように、今言いました行政それから医療、教育等の六つの公共分野を選定して、各分野ごとに実施指針を定め、アプリケーションの導入普及に取り組んでいるところでございます。
 郵政省といたしましては、こういった六分野を中心としたアプリケーションを振興するために、遠隔行政窓口システムあるいは遠隔医療支援システム等のアプリケーションを導入する自治体に対する支援など幅広い施策展開に努めているところでございます。
 一例を挙げますと、実は村山総理がサミットに行かれまして、当時、それを受けてブラッセルで情報通信担当大臣会議があったわけでございますが、サミットで何か情報通信だ、電気通信だとそういった話で、それを受けてブラッセルで情報通信担当大臣、日本からは郵政大臣と通産大臣が行かれたと思っておりますが、その中で実は遠隔地医療をやろうということでございました。たまたま私は九州でございますが、九州大学の医学部と産業医科大学の医学部とアメリカのクリーブランドクリニックという世界で非常に有名な医学部がございますが、それが太平洋を越えて遠隔地医療の実験を、実はこれは三十億円ぐらいかかったわけでございますが、やっていただいたということもございます。まさにそういったシステム等のアプリケーションの導入、これは大学でございますが、そういった幅広い施策展開に努めてまいりたいというふうに思っております。
 もう一点、コンテンツでございますが、これは多様なニーズにこたえるための多様なコンテンツの制作、流通を促進するための環境整備が言うまでもなく必要でございます。こうした認識に基づき、ケーブルテレビ用の番組あるいは字幕放送番組等の、これもこの前放送法を改正して字幕番組等々のガイドラインもつくらせていただいたわけでございますけれども、制作支援等の措置を講じているところでございます。
 いずれにいたしましても、もう先生御指摘のとおり、ハードとともにソフト、特にアプリケーション、コンテンツが大事でございますから、引き続き御支援をいただきながら振興策の充実強化に努めてまいりたいというふうに思っております。
○水野誠一君 もう時間が間もなく参りますので、最後に一つだけ伺いたいと思います。
 先ほど政府委員の説明にもありましたように、光ファイバーの設置というのは日本はかなりアメリカよりも進んでいるということは事実だと思います。そしてまた、さらに五年間前倒しをして二〇〇五年に完全に整備をするということで、大変結構なんですが、アメリカではメタル回線の容量を大幅に拡大する技術開発ということもかなり研究をしておられ、これによってまだ寿命が来ていないメタル回線を大いに利用する、活用することによって利用者のコスト負担軽減に有効だという期待もあるということを聞いております。
 光ファイバー化も結構なのでありますが、こういったメタル回線の有効利用ということについても私はやはり片方ではしっかりとした研究を繰り広げる必要があるんではないかと思いますが、その点について郵政省のお考えを最後に伺いたいと思います。
○政府委員(谷公士君) 先生おっしゃっておられますのは、いわゆるxDSLのことかと存じます。xDSLにつきましては、メタル回線上で高速伝送を可能とする技術でございまして、現時点では光ファイバー網の整備と比較をいたしますと非常に安価に迅速に高速アクセスのニーズに対応できるものであるというのは御指摘のとおりでございます。また、xDSLの導入によりまして、高速な通信環境に適したアプリケーションなどの開発普及も促進されるという効果もございまして、そういう意味でもこのxDSLは光ファイバー網実現への橋渡し的な技術としての役割も期待されるものでございます。
 郵政省といたしましても、このxDSLにつきまして懇談会を開催してその実用化の可能性について検討を進めてまいったわけでございますが、その中で指摘されましたのは、なお解決すべき課題もあるということでございまして、現在、通信事業者におきまして実証実験の準備をいたしておりますので、そういった結果も踏まえてさらに技術面、制度面等の検討も行って取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○水野誠一君 終わります。
○委員長(川橋幸子君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(川橋幸子君) 速記を起こしてください。
 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は来る十二月九日午前十時から開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十九分散会