第142回国会 予算委員会 第6号
平成十年二月四日(水曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 二月三日
    辞任         補欠選任
     緒方 靖夫君     西山登紀子君
     木暮 山人君     田村 秀昭君
     佐藤 道夫君     島袋 宗康君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岩崎 純三君
    理 事
                岡部 三郎君
                小山 孝雄君
                佐藤 泰三君
                永田 良雄君
                成瀬 守重君
                小山 峰男君
                角田 義一君
                風間  昶君
                照屋 寛徳君
    委 員
                阿部 正俊君
                石井 道子君
                板垣  正君
               大河原太一郎君
                大野つや子君
                金田 勝年君
                沓掛 哲男君
                末広まきこ君
                田沢 智治君
                武見 敬三君
                谷川 秀善君
                南野知惠子君
                長谷川道郎君
                平田 耕一君
                真鍋 賢二君
                依田 智治君
                久保  亘君
                小林  元君
                直嶋 正行君
                広中和歌子君
                和田 洋子君
                魚住裕一郎君
                牛嶋  正君
                加藤 修一君
                高野 博師君
                及川 一夫君
               日下部禧代子君
                田  英夫君
                笠井  亮君
                須藤美也子君
                西山登紀子君
                田村 秀昭君
                星野 朋市君
                島袋 宗康君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       内閣総理大臣   橋本龍太郎君
       法務大臣     下稲葉耕吉君
       外務大臣     小渕 恵三君
       大蔵大臣     松永  光君
       文部大臣     町村 信孝君
       厚生大臣     小泉純一郎君
       農林水産大臣   島村 宜伸君
       通商産業大臣   堀内 光雄君
       運輸大臣     藤井 孝男君
       郵政大臣     自見庄三郎君
       労働大臣     伊吹 文明君
       建設大臣     瓦   力君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    上杉 光弘君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 村岡 兼造君
       国務大臣
       (総務庁長官)  小里 貞利君
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       鈴木 宗男君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       尾身 幸次君
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       谷垣 禎一君
       国務大臣
       (環境庁長官)  大木  浩君
       国務大臣
       (国土庁長官)  亀井 久興君
   政府委員
       内閣審議官    安達 俊雄君
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局総務
       主幹       梶田信一郎君
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       人事院総裁    中島 忠能君
       人事院事務総局
       管理局長     尾木  雄君
       阪神・淡路復興
       対策本部事務局
       次長       田中 正章君
       総務庁人事局長  中川 良一君
       北海道開発庁総
       務監理官     小野  薫君
       防衛庁装備局長  鴇田 勝彦君
       防衛施設庁長官  萩  次郎君
       経済企画庁調整
       局長       塩谷 隆英君
       科学技術庁長官
       官房長      沖村 憲樹君
       沖縄開発庁総務
       局長       玉城 一夫君
       沖縄開発庁振興
       局長       若林 勝三君
       国土庁防災局長  山本 正堯君
       外務大臣官房長  浦部 和好君
       外務省北米局長  高野 紀元君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    天江喜七郎君
       外務省条約局長  竹内 行夫君
       大蔵大臣官房長  武藤 敏郎君
       大蔵省主計局長  涌井 洋治君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省理財局長  伏屋 和彦君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       通商産業大臣官
       房審議官     杉山 秀二君
       郵政大臣官房総
       務審議官     濱田 弘二君
       郵政省貯金局長  安岡 裕幸君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省労働基準
       局長       伊藤 庄平君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       自治大臣官房長  嶋津  昭君
       自治省行政局選
       挙部長      牧之内隆久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
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  本日の会議に付した案件
○平成九年度一般会計補正予算(第1号)(内閣
 提出、衆議院送付)
○平成九年度特別会計補正予算(特第1号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成九年度補正予算三案の締めくくり総括に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 締めくくり総括質疑の割り当て時間の総計は五十分とし、各会派への割り当て時間は、民友連十六分、公明十一分、社会民主党・護憲連合五分、日本共産党六分、自由党六分、二院クラブ三分、新社会党・平和連合三分とすること、質疑順位についてはお手元に配付いたしておるとおりでございます。
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○委員長(岩崎純三君) 平成九年度一般会計補正予算(第1号)、平成九年度特別会計補正予算(特第1号)、平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。
 これより締めくくり総括質疑に入ります。久保亘君。
○久保亘君 最初に、アメリカのイラクに対する武力制裁に関して、日本政府が得ている情報で報告できるものを説明してください。
○国務大臣(小渕恵三君) 現在、イラクの情勢につきましては、各国とも国連決議につきましてイラク側がこれをいかに受けとめるかという外交努力を展開中でございまして、特に米側といたしましては、オルブライト国務長官が中近東を回りましてそれぞれ各国との話し合いを進めておるところでございますが、まだその詳細につきましては十分報告を得ておりません。
○久保亘君 ロシア政府の方でフセイン大統領との間に一つの合意があったという報道がありますが、このことは外務省は承知されておりますか。
○政府委員(天江喜七郎君) 私どもが承知しておる情報では、イラクに対しましてロシアが外務次官を派遣いたしました。第一回目はそのまま戻りましたが、二月二日に再度バグダッドに入りまして、その結果、八カ所の大統領の官邸等の査察が認められたということをロシア政府は発表しました。そのすぐ後に、今度はイラク政府は、外務次官がテレビでもってこれを完全に否定いたしまして、状況は膠着状態と承知しております。
○久保亘君 国連の決定に基づいて、これに違反するということで武力攻撃が行われるという場合には、この攻撃は事前に日本政府には通告されるものですか、いかがでしょうか。首相、これはおわかりでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現時点におきまして、日本政府自身、例えば東京におりますイラクの臨時代理大使を外務省に招致し、国連決議を遵守し、査察に応じるよう説得等いたしておる、外交努力をいたしておる最中でございます。
 そして、私は、議員が今想定されましたような事態にならないように日本自身も外交努力を尽くしていきたいと考えておりますけれども、不幸にしてそうした御想定のような事態があります場合において、連絡がないとは私は思いません。
○久保亘君 アメリカは議会においてもフセインの招待を断ったという報道がございますが、非常にこのイラク問題は緊迫の状況にあるのではないかと思っております。今、日本政府の立場については少し触れられておりますが、日本政府としてはこのことに関して、イラクの説得と同時にアメリカ側との間の話はどうなさっているんでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 国連決議の一千百三十四につきまして、日本側としても共同提案国になっておる立場でございます。したがいまして、アメリカ側の現在の努力を見守っておるところでございますが、我が国としては、先ほど総理が御答弁申し上げたように種々の外交努力を展開いたしておるところでございます。
 したがいまして、アメリカとの協調、協力あるいは情報の交換ということにつきましては、十分いたしてまいりたいと思っております。
○久保亘君 この問題について、日本政府としてひとつ的確な対応をされるように特に希望申し上げておきます。
 次に、同じく外交にかかわる問題としてペルーにおける日本人学生の虐殺事件について、この事件の概要と、日本政府がペルー政府との間に行われたいろいろな交渉や措置はどうなっておりますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 本事件につきましては、前途有為な二人の学生を亡くしたということでありまして、まことに残念のきわみでございます。
 事件発生以降、昨年の十二月上旬に、大学からの依頼にも基づきましてペルー国家警察当局に本格的な捜査を依頼いたしました。軍人の関与が確認されました十二月二十七日に、小西在ペルー大使を通じまして、真相究明、関与した者の適正な処罰、ペルーを訪問する家族への最大限の便宜の供与等、申し入れいたしております。
 十二月三十日に小西大使が声明を発表し、家族への弔意を述べ、事件は極めて遺憾であるとして、真相の究明、法による適正な処罰を求めて改めて要請をいたしておるところでございますが、ペルー政府といたしましても、我が国の申し入れを踏まえまして迅速に司法手続を開始する等、事件の真相の究明に努めておるところでございます。
○久保亘君 外務省、パスポートに書いてある表紙の裏のところをちょっと読んでみてください。
○政府委員(浦部和好君) 手元にパスポートがないものですから直接文章自身を読み上げることはできませんが、書いてある趣旨は、邦人の保護に万全を期すという趣旨のことが書いてございます。
○久保亘君 日本人旅行者の安全について、特に保護扶助等について旅行先の関係諸官に要請すると外務大臣名で書かれております。今回の虐殺事件にかかわったペルー国軍の兵士というのは関係諸官に入りますか、入りませんか。
○政府委員(浦部和好君) ペルー側当局に対してという趣旨でございますから、当然いろいろな部署のそういう当局者は我々の対象になると思います。
○久保亘君 任務についていたペルー国軍の兵士によって日本の旅行者である学生が虐殺される、こんなことはあり得ないことだと思うんです。このことに関して外務省は厳重な抗議をペルー政府にやらなければいけないと思うんですが、先ほどの報告ではなかなか、この事件を見ている我々としては納得できないところがあるんだが、どうですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘のように、少なくともペルーの国軍の兵士がかような事件を惹起したということにつきましては、まことに残念至極な話でございます。政府といたしましては、現地大使を通じましてペルー側にこの日本政府の立場、日本国民を保護しなければならない立場として強くこのことを申し入れいたしておるところでございまして、かかるがゆえに、ペルー政府といたしましてもこの裁判につきましてより迅速に今処理をしているというふうに認識をいたしております。
○久保亘君 この問題について首相のコメントなさったことがいろいろと週刊誌等にも報道されておりますが、この際、総理の方でもし御発言がありましたら、どうぞ。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず私は、亡くなられた二人の方々に対するお悔やみを申し上げ、同時に、当日の発言を通信社の記者諸君のメモそのもので起こしてみましたので、それを読み上げることでまずお答えをさせていただきたいと思います。
 質問は、早大の二人がアマゾンで命を落としたという知らせが入っているが、みずから登山で海外に行く総理は海外での身の安全についてどう考えるか、こういう質問であります。
 そして、メモに残っております私の答えは、その話はしばらく前から情報としては確認している。本当に残念なことだ。よくわからないのは、事前に現地での安全の確保がどのように決められていたのかわからないということだ。冒険というものは危険があり、その危険は事前に準備して最小限にとどめる必要がある。それでも墜落とか転覆とか、蛇やヒルにかまれることがある。二人のいた探検部にきちんとした計画書が出ているのか、連絡がないと捜索を始めるチェックポイントがあったのか、そういうことが今までの報道からでははっきりしないので論評はできない。軍の連中が殺害したならそれはもってのほかだが、ペルーはMRTAだけではなくほかにもテロ組織があって、当然政府軍との間でぴりぴりしている。十分に事前に準備ができていたのか、冒険好きな僕からしても疑問に思う。
 それは、例えば何日までに帰らない場合に、連絡がない場合にどういう行動を、例えば今外交当局に対しての御質問がありましたが、現地の大使館等にどういうふうに連絡体制をとっておられ、あるいはとれない場合に行動するのかとか、そうしたことがわからないものですから論評はできないということと同時に、軍の連中が殺害したという情報が確認されないままでございましたので、軍の連中が殺害したならそれはもってのほかだがという言葉を使い、そういうふうに確かに説明したと私も思いますし、メモではそのように残っております。
 その後、さまざまな報道でその部分が引用をされ、そして私自身に対する糾弾文という発表がございました。そして、それを受けて記者の諸君からまた御質問がありましたので、私がペルー政府に毅然たる抗議を行うべきであったとの御批判をいただいているが、本件については、軍人の関与がペルー軍により確認された後の十二月二十七日以降、数度にわたり現地の小西大使を通じ、事件の真相の究明や事件に関与した者への適正な処罰を申し入れている。また、自分の意を踏まえ、十二月三十日、小西大使が、本来市民の生命と安全を守るべき立場にある軍人が集団で罪のない青年を殺害したことは極めて遺憾であるとの表明も行っている。
 私の発言として引用されているのは昨年十二月二十八日に行った番記者諸君への自分の発言の一部にすぎず、自分としては、その時点で詳細なことが判明していないため論評はできないがと述べた上で、二人の有為の青年が殺害されたこの事件は本当に残念なことである、ペルー軍の兵士が殺害したというのであればもってのほかであるとの気持ちとともに、冒険には危険が伴うが、その危険は事前に準備をして最小限にとどめる必要があるとの趣旨を伝えようとしたものであり、犠牲者の方に説教を行うなどという趣旨ではなかった。関係者がそのような趣旨にとられ、不快な思いをされたというのであれば、これは自分の本意でなかったことを御理解いただきたいというコメントを記者団に出しました。
 事実関係において、私自身、亡くなられたお二人に対して、またそれに対して軍人の集団が殺害に関与した、これは厳正に法の裁きを受けてもらわなければならないという気持ちにおいては変わりがありません。そうした事情が判明をしない時点で、先ほどのような、御紹介をいたしましたような記者諸君のメモによりましての質問であり、それに対して、詳細がわからないので論評ができないと、それから軍がそういう行動に出たのであればもってのほかということを私は申しております。
○久保亘君 それでは次に、経済政策に関してお尋ねしたいと思いますが、やはりもうはっきり申し上げて、先の見通しを誤っていたとか誤っていなかったとかいう問題は一応これは別のところに置くとしても、今の日本経済の現状を見た場合に、二者択一とかそういう議論ではなくて、政策の優先順位というのはおのずから決まってきているのではないか。そのことに対しては、はっきりと政府として国民に対して説明すべきだと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 従来、往々にして政策転換をしたのかしなかったのかというところから御質問をいただき、その御質問に対するお答えとしてさまざまなことを申し上げてまいりました。
 経済の実態あるいは金融システムの状況を考えながら、その時々の実情に応じて臨機応変の対策とか措置をとっていく、これは私は当然のことであると思っておりますし、まさにそのためにも金融システムの安定というものが何といっても今大事なこと。国会にもそうお願いをし、そして金融システムを安定させることにおいて、景気というものを基本の部分で安定させることにより、例えば貸し渋りと言われるような現象にも対抗していこうといたしておりますし、その限りにおきまして、当面我々は景気を回復軌道に乗せていくこと、それ以前に金融システムの安定を一日も早く実現すること、こうした施策をとっておることは議員御指摘のとおりであります。
○久保亘君 大蔵大臣の交代は、やはり当面する経済政策の転換を一つはその中に含んでおったのではないかと思うんですが、大蔵大臣の本委員会における就任あいさつからはそれを全くうかがい知ることができない。これは私の言っていることは間違いですか。
○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。
 私は、大蔵大臣就任直前まで衆議院予算委員長をいたしておりました。その機会に、橋本総理大臣のこの問題についての発言をしばしばお聞きいたしておりました。その橋本総理大臣に任命された大蔵大臣でありますから、総理大臣のお考えを十分体して大蔵大臣としての職責を果たしていかなきゃならぬ、こういう考え方でございます。
 したがいまして、私自身思っておるわけでありますが、今日でも財政構造改革の必要性、これは何ら変わるものではありません。したがいまして、西暦二〇〇三年までの間に赤字公債発行をゼロにする、あるいは国、地方の財政赤字をGDP比三%以下に抑えていくということを、財政構造改革法を踏まえながら実現することに向けて努力をしていかなきゃならぬ。同時にまた、経済の状況、景気の状況等々を踏まえて適時適切に景気対策等はしっかりやっていくという考え方でありまして、そのことを就任に当たって私の考え方として申し上げた次第でございます。
○久保亘君 それでは、景気対策ということについて言うならば、先ほど首相は金融システムの安定ということを言われた。もう一つ、消費の抑制をどうするかという問題があるんじゃないですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、本院でも今まで既に何回か御答弁を申し上げておりますが、家計部門におきましても、また企業におきましても、消費あるいは投資の意欲が非常に厳しい空気を持っておりますことを承知しております。
 そして、そういう意味でも、我々はその抑制の裏にあります例えば貸し渋り現象とか金融に対する不透明というものも直していかなければならないと思っておりますし、そういう努力をしていくということは当然のことであります。特別減税を先般御審議いただきましたのも、そうしたものもその中にあることは、私は議員がおっしゃろうとすることと方向的に違うものだとは思いません。
 また、間もなく御審議をいただこうとしております十年度予算に対しましても、同時に御審議をいただきます政策減税等、こうしたものは企業の景況感にも当然影響を与えてまいりましょうし、消費といいますか投資といいますか、設備投資の方向といったものに対しての先行きの不透明感を晴らしていくものだと思います。
○久保亘君 確かに、二兆円の特別減税を決意なさったことも一つの景気対策として効果のあるものであったことを否定はいたしません。しかしこれは、一つはタイミングが悪いのと、それから何といっても、国民は年度で二兆円の特別減税がかつてのように行われたと思っていたわけでありますが、実際には平成十年にわたって二カ年で完結する二兆円減税になっています。これでは抑制されている消費を回復するということは非常に難しい。
 この際、所得税、住民税等の減税に関して平成十年度においても思い切った施策を講ずるというお考えはありませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現に今、私どもは本院におきまして平成九年度の補正予算案の御審議をいただいております。同時に、平成十年度予算並びに関連する政策減税等を含めました予算関連法案の御審議をこれから我々はいただかなければなりません。しかもその前に、金融システム安定化に関する二法の御審議もいただこうといたしております。
 私は、まず何よりも先に、既にこれに対していろいろな御意見が出ておりますが、それは承知をいたしました上で、政府として決定し公表をいたしましたものが時間差を置かず、言いかえますならば、年度をまたがる部分において空白をいかに生じせしめずに国民の手元にお届けができるかということが何よりも今の時点で大事なことである、そのように思い、お願いを申し上げている次第であります。
○久保亘君 政府として十年度の予算を国会に提出されている中でお答えになるのは非常に難しい問題だというのはよくわかりますが、心構えとしては、やはり私が申したような路線を明確にする、政策の立て方をきちっとした立場でやるということが重要になってきていると思うんです。
 そういう中で、あなたの党では、役員会で議論をされております、話題になりました十年度の補正予算を直ちに景気対策として決めるべきだという意見のようでありますが、このことに対して本委員会でもお答えになっておりますけれども、大蔵大臣、この補正予算という考え方は政府としては持たないということですか、どうなんですか、はっきりそこを説明してください。
○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。
 自民党の中で委員御指摘のような議論がなされておるということは、直接はまだ聞いておりませんけれども、新聞報道などで承知いたしております。
 しかし、私は大蔵大臣でありまして、現下の景気状況に対応するために二兆円の特別減税、この法案を成立させていただいて、二月、三月に集中的に所得税の減税、約一兆ぐらいなされることだそうでありますが、それに合わせて補正予算を成立させていただければ、そこに組み込まれておる二兆五千億からの公共事業の追加分、そして金融安定化関連法を通していただければ金融システム安定化のための施策が進んでまいります。さらに十年度予算関連法案を成立させていただければ法人税の三%減税ということも実行に移されていくわけでありますから、そういったものが総合的に実行に移されてくれば景気に対していい影響を与えてくれる、そういう状況をしっかり見守った上でその後のことは考えるべきだと。
 したがいまして、まずは補正予算あるいは金融関係二法、そしてその先は十年度予算、こういったものを速やかに成立させていただきたいということをお願いするのが私の立場でございます。
○久保亘君 十年度の大型補正が今必要だという主張を責任ある立場の人がやっているということは、ある意味では国会に提出されている十年度予算案の否定にもつながるわけですが、これはどうお考えですか。
○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。
 私の認識といたしましては、いろんな研究をしていらっしゃるという段階だと承知しておるわけでありまして、我が党で方針を決めたとは聞いておりません。
○久保亘君 補正予算を今論ずるということは、審議もまだされていない十年度予算の否定につながらないかと聞いているんです。
○国務大臣(松永光君) 私どもとしては、先ほど申し上げましたように、御審議願っている補正予算、そしてその後にお願いする本予算、これの速やかな成立をお願いしておるわけでありますが、今、党の中で、全部ではありませんけれども、いろんなことの研究をしていらっしゃるということなのでありまして、そのことは本予算の否定にはつながるものではない。私どもはそういうふうには考えておりません。
○久保亘君 研究をされているというんじゃなくて、国民に向かって自民党の要路にあられる方がこういうことをやるということを話されているわけですよ。そういう受けとめ方ではいけないんじゃないですか。
○国務大臣(松永光君) 研究や議論をしていらっしゃるという段階だと私は思うのでありまして、これから審議をお願いする本予算を否定するという趣旨には私はとれないわけであります。あくまでも私どもとしては本予算をそのまま審議していただいて早く成立させていただきたい、こうお願いをしておるわけでございます。
○久保亘君 既にその構想は自民党の役員会でも説明されているんですよ。
○国務大臣(松永光君) 景気の現状を考えられて、役員会も含めて研究や議論がなされているということでありまして、方針が決められたとは聞いていないんです。まだ決められていないはずでございます。
○久保亘君 それでは、この構想の中で私も注目している点は、六兆円の財源を郵貯の利子課税から先取りする、こういうことですが、この点に対して郵政省、ちょっと説明してください。
○国務大臣(自見庄三郎君) 久保委員にお答えをさせていただきます。
 事実関係といたしましては、二〇〇〇年、二〇〇一年に、まあ平成十二年、十三年でございますが、満期を迎える定額貯金は十年前に預け入れをやっておりますので、これは一九九〇年、一九九一年度、平成二年、三年度に預けられた定額貯金でございます。その預入金は、平成二年度、一九九〇年度では約六十二兆円、それから一九九一年、平成三年度は約四十四兆円となっております。
 今言いましたように、平成二年に六十二兆円、平成三年度に四十四兆円、合計百六兆円預入金があったわけでございます。これがほかの年と比べてどうかといいますと、実は平成元年度が十五兆円、今申し上げましたように平成二年度が六十二兆円、平成三年度が四十四兆円、平成四年度が三十六兆円でございますから、平成二年度と平成三年度で合計百六兆円の従来よりも多い預入金があったということでございます。今一体何ぼ残っているのかと申しますと、一九九七年三月末の段階ではもう約四割程度が払い戻されておりまして、この時点では六十五兆円程度の元金が残っているものというふうに考えております。
 将来、これが満期を迎えるわけでございますが、六十五兆円というのは事実でございますが、平成二年、三年度の定額貯金の満期を迎える元利合計額がどれくらいに将来なるのかということにつきましては、これは今後の金融情勢の影響を受けることですから具体的な数字を申し上げることはできない。しかしながら、今申し上げましたように、平成二年、三年度の預入額は六十二兆あるいは四十四兆となりまして、前の年の平成元年、それから平成三年の後の平成四年度は三十六兆というふうに私は答弁を申し上げましたが、それに比べて大きな額となっておりますから、それを踏まえますと、二〇〇〇年、また二〇〇一年度、これは平成十二年、平成十三年度でございますが、満期を迎える定額貯金の額は前後の年と比べてかなり大きな額になるものというふうには考えております。
 ただ、しかしながらこれはもう今から、先生御存じのように、金融ビッグバンあるいは金融情勢が変化することも見込まれますので、現時点では確定的な数字は申し上げ得ないという状況でございます。
 以上でございます。
○久保亘君 確定的な数字が出ないことはわかりますが、しかし少なくとも二〇〇〇年度と二〇〇一年度に財源となるような数兆円、六兆円前後の利子課税の税収があるということは郵政省としては早くからわかっておったことですか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 平成二年、三年度のときに大変定額貯金がふえたということはもう皆周知の事実でございますから、それが十年後に集中満期を迎えるときは一定の利子課税が入ってくるだろうということは前々からこれはもう一般の方もよく御存じのことだというふうに思っております。
 ただ、今言いましたように前後の年と比べてかなり大きな額となるだろうというふうなことは予想されておりますけれども、具体的にどれくらいということは、先生もう御理解いただいたように、今からまだ二年、三年先のことでございますから具体的な数字についてはまだわからない、こういうところでございます。
○久保亘君 大蔵大臣は就任あいさつに続いて財政構造改革の推進に関する基本的な考え方を述べられ、中期財政計画の資料も添えられている。
 あの資料の中には今の問題は入っておるんですか。
○政府委員(尾原榮夫君) お答え申し上げます。
 中期財政試算に今の数字が入っているかというお話でございますが、中期財政試算、この目的といいますのは中期的な視点に立った財政運営を進めていく上での検討の手がかりを示すということでお示ししてございます。
 そういう中で、税収でございますが、税収は経済状況の推移で年々変動するものでございます。税収の中期的な推計につきましては、従来から経済計画におきます名目経済成長率等を使いまして機械的に算出させていただいております。したがいまして、今言ったような個別の要因につきましては織り込まずに機械的に計算しているというのがこの試算でございます。
○久保亘君 その財政構造改革の政府がつくられました与党との間の会議で財政再建を論ぜられたときには、当然に六兆という歳入が予定されるものが無視されているということはあり得ないことだと思うんですが、どうなんですか。
○政府委員(尾原榮夫君) ただいまの平成二年、平成三年に預けられました定額貯金に係ります税収の問題でございますが、確かに平成二年、三年にそのピークがあったということは我々も承知しているわけでございますけれども、現実に満期までの間にどのぐらいの取り崩しが起きるか全く不確定であるわけでございます。
 それでまた、この中期財政試算の性格から申し上げましても、全体としての税収の傾向がどうなるかということを試算しているわけでございまして、そういう意味で機械的な仮定計算を行い、個別の要因は織り込まずにこれまでもやってきているところでございます。
○久保亘君 二〇〇三年度には特例公債の発行をゼロにしよう、財政赤字を三%以内にしようということで非常に厳しい構造改革の考え方をまとめられた。そういう中で、そういうものは入れないんだというようなことで、六兆ですよ、そんなことをやったら、こんなものはまるでつまらない資料にしかならぬじゃないですか。
○政府委員(尾原榮夫君) 今、先生から六兆もの巨額なものになるのではないかというお尋ねがございました。恐らく二年、三年での一つの試算をされておられるのかなと思いますが、ただ、私どもこの税収を見ます場合、こういう個別の要因、それ以外にも、金利以外にもいろんな要因がございます。やはり中期的に税収がどうなっていくかと見る場合には……
○久保亘君 そんなことはいいんですよ。六兆円がなぜ消えとったんですかと聞いているんです。
○政府委員(尾原榮夫君) 今の六兆円になるかどうかも、まさに今後の取り崩しがどうなるか、金融・財政事情によるものでございますからなかなかわからないところがございます。この中期財政試算におきましては、そういう意味で名目成長率に基づいて機械的に計算を行わざるを得ないものだというふうに理解しております。
○久保亘君 プロのあなた方がこれは数字上きちっと計算できないものだからわからないと言っている。ところが、政治家の人たちはわかっておるんだね。こんなばかな話がありますか。さっき郵政大臣もそれらしきことを言われたんだ。何で主税局だけがわからぬのか。
○政府委員(尾原榮夫君) もう少し申し上げさせていただきますと、例えば利子の源泉所得税一つとりましても、平成二年度には五兆三千億円の税収がございました。それが年々、公定歩合の引き下げ等によりまして平成十年度一兆三千億というふうに、実はそこだけとれば大きく減少しているわけでございます。
 したがいまして、じゃこのような減収分を将来どう考えるかということにも実はなってくるものでございますし、中期財政試算におきます税収見積もりを行うに当たりましては、まさに名目経済成長率をどうするかということのみによりまして機械的に試算をしているところでございます。
○久保亘君 こういう巨大な税収が見込まれるのであれば、これをどう使うかということについては、これは国民が納める税金ですから、じゃ景気対策として恒久的な減税の財源にしてもらいたいという意見もあるんです。こういうものが財政再建論や景気対策論の中で今まで全く論ぜられなかったということは、これは総理どうお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 財政構造改革を議論いたします間、さまざまな角度から議論をいたしました。そしてまた、細かい部分につきまして企画委員会等でも議論を煮詰めてまいりましたけれども、今事務局から申し述べたような事情がありましたことも御理解をいただきたいと存じます。
○久保亘君 企画委員会の座長をされた加藤さんが、野中さんの説明を聞いて、これはまた一つの財源に対する考え方だということで非常に評価されておるんです。ということは、財政構造改革のあの会議の中では論ぜられていないということじゃないですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 企画委員会の方でも御議論があったかどうか、これは実は私は企画委員会に出ておりませんから詳細を承知いたしておりません。親委員会の方において、個々のこうした税源あるいは財源、触れたもの触れなかったもの、さまざまなものがございました。
 そうした中で、今私どもは、先ほども大蔵大臣が申し上げておりましたように、平成十年度予算並びにそれに関連する法律案を全力を尽くして編成し御審議をいただこうとしておるわけでありまして、これが最も今急ぐものと考えております。
○久保亘君 一点は、国民の側から見ると、その財源が隠されておって、そして平成十年度の予算は財政構造改革推進法に基づいてつくられて、そしてその隠し財源が後から出てくるというようなことなら、この予算案を信頼できない。
○政府委員(尾原榮夫君) ただいま平成十二年、十三年のピークにおける税収を隠していたのではないか、こういうお尋ねかと思いますが、そういうつもりは全くございません。そこにピークがあるというのは広く知られているところでございます。
 ところで、中期的に財政運営をどうするかという場合に備えて私ども中期的な税収をお示ししているところでございますが、実は税収そのものは、やはり名目経済成長率がどうなるか、確かに利子のピークがあるということも影響してまいりますが、そういうことが非常に全体としての税収動向に影響を与えてまいります。
 今おっしゃいましたように、各年各年の税収といいますのは、まさに各年各年そのとき見積もるわけでございますが、その個別の事情を捨象いたしまして中期的に税収がどうなるかという場合には、やはりその一定の名目経済成長率を前提といたしまして、それに弾性値を乗じて機械的に算出する、こういう形で全体の税収の見通しをつけていくというのが一つの正しい姿ではなかろうかと我々は思っているところでございます。
○久保亘君 そういう資料づくりの技術を私は聞いているんじゃないんですよ。
 それで、再度伺いますが、この六兆円という財源は十年度の予算を論議するときに我々の側も使っていいんですね。大蔵大臣に伺いましょう。
○政府委員(尾原榮夫君) 毎年度の予算の基礎としての一般会計税収の見積もりでございまするけれども、やはり一部分の増減に着目するのではなく、税収全体としてどうなるのかということで判断していくべき性格のものであろうというふうに思います。
 したがいまして、毎年度の税収見積もりでございますが、十年度の予算案もそうでございますが、その予算編成時点までの課税実績や政府経済見通しを基礎に見積もり作業を行っているところでございまして、そのような性格のものであるというふうに認識しているところでございます。
○国務大臣(松永光君) お答え申し上げる前に、先ほどちょっと私が久保委員にお答えしたことについて正確でない点がありましたので訂正させていただきます。
 と申し上げますのは、六兆円云々の景気対策のことが我が党の中で議論されているということに関連してでございますが、実は個々の人が自分のアイデアとして議論をしていらっしゃる段階でございまして、まだ正式の場、例えば役員会等で正規の議題として議論はされていないというのが正確なところでございますので、訂正をさせていただきます。
 ただいまの平成十年度予算の審議をしていただく場合の税収見積もりのことでございますが、それは審議をお願いしておる十年度の税収見積もり、これは個々の税目ごとに計算をし予測をしての数字でありますので、今話に出ておる郵便貯金の利子の関係云々というのは、十年度の税収見積もりを議論する場合には、使うことは難しいのではなかろうか、私はそう思います。
○久保亘君 そうすると、その六兆円を財源として前倒しに使う、国債の発行に全部使うというようなことはあなたは認められないということですか。
○国務大臣(松永光君) お答えいたします。
 私は、そのことは考えておりません。
○久保亘君 考えていないということと認めないということとは違うんです。
○国務大臣(松永光君) 政府としては数年先に税収としてあるかもしれぬということを十年度の税収の議論として使うことはできないんではないか、こういうふうに私は思います。
○久保亘君 十年度の税収じゃなくて、私が聞いておるのは財源と聞いておるんです。
○国務大臣(松永光君) 数年後の税収を予測して、それを十年度の財源に使うということは私はできないことだ、こう思います。
○久保亘君 それでは次に、金融機関の貸し渋りの現状についてひとつ数字で説明をしてください。事務当局で結構です。
○政府委員(山口公生君) 手元にございます資料で五業態、都銀、長信銀、信託、地銀、第二地銀の数字の円貸し出しで申し上げますと、昨年の十月でマイナス〇・二%、これは貸し出しの平残の前年比でございます。十一月がプラスの〇・二%、十二月がプラスの〇・五%となってございます。
○久保亘君 金額は。
○政府委員(山口公生君) 十二月の平残が四百九十一兆四千億でございます。
 貸し渋り現象ということになりますと、全体的に見た場合と個々の金融機関のビヘービアということもあると思います。特定の銀行が自己資本比率の問題あるいは資金調達の危険性の問題から貸し出しを絞る、あるいは返済を求めるということは、全体の数字とはまた別に起こり得るケースであるというふうに私は思います。
○久保亘君 私が手にしております資料では、昨年三月期と九月期の対比で見ますと、貸し出し総額が一部上場の金融機関百一行で六兆三千七百億ぐらいのマイナスとなっておりますが、それは間違いありませんか。
○政府委員(山口公生君) 私は今その数字は手元に持っておりませんが、今申し上げた私の数字もこれは統計値でございます。先生の統計値も恐らく正しいと思いますが、ただその中には、例えばインパクトローンとかそういったものも恐らく含まれているんではないか。私が御紹介いたしましたのは円貸し出しの部分でございます。
○久保亘君 銀行はなぜ突如として貸し渋りを始めたんでしょうかね。あなた方、その原因はわかっておられるのですか。
○政府委員(山口公生君) 二つぐらい理由があると思います。
 一つは自己資本比率の低下の問題でございます。これは、償却を進めていくということはこれまでの利益の蓄積を取り崩すということであります。自己資本比率といいますと、ちょっと釈迦に説法になって大変恐縮でございますが、分子に自己資本あるいは利益で今まで積み立てたようなもの、そういったものが分子に行きます。分母は貸し出しとか保証だとかあるいは債権を持っているとか、そういうものが分母に来ます。
 そうしますと、自己資本比率が下がるということになりますと、今度分母を小さくしないと例えば八%とかあるいは四%とかいう基準を割るという事態に陥るわけです。例えば八%を割るということになりますと、海外で貸してくれる銀行はありません。これはもうある意味ではクラブからはじき出されるという状態になります。幾ら自分のところは健全だと言っていてもそういう資金が取れない状態が生じるわけです。
 さらに国内でも、昨年のちょうど十一月でございました、いろんなうわさが出ました。危機の報道がなされました。市場が大変にすくみ現象を起こしました。本当は健全であるにもかかわらず、いろんな風聞で、あの銀行には貸せないと、プロがそういうふうなビヘービアをとったわけです。みんな真っ青になった状況であります。そういった現象が自己資本比率の方からくる貸し渋りの問題です。
 もう一つは、今申し上げましたマーケットのすくみ現象であります。
 みんなが自分の銀行のことだけを考え、余っているお金を本当は足りない銀行に回してあげるのがコール市場です。しかし、自分の銀行がより安全により安全にということで流動性を持ちますと、資金が流れなくなります。そうすると、勢い分母を減らそう、貸し出しを減らして回収して、自分のところになるべく現金あるいは流動性のある国債とかそういったものを持とうとする動きになります。
 そういう二つの原因で恐らく貸し渋り現象という残念な現象が今起きていると思います。
○久保亘君 金融機関は本来お金を貸して商売が成り立っておるんです。これを貸さないということになれば、どうやって金融機関はその利益を上げていくんですか。
○政府委員(山口公生君) 確かに、貸し付けが一番利益の源泉だろうと思います。あとはポートフォリオといいますか、債券投資等のマーケットでのもうけというものもあります。
 ただ、今起きておりますのは、貸し出しをリスクの高そうなところからどんどん引き揚げていくという現象であります。したがいまして、そこにおきましては本当は貸したい、貸してもうけたいという気持ちは銀行にはあるわけでございます。しかし、一方でそういった先ほど申し上げたような現象で貸さないという現象が起きているということでございます。
○久保亘君 早期是正措置を一年先送りしてもほとんど効果がないというのを参考人がきのう言われておるんだけれども、そうすると今あなたが言われることとは違うんじゃないですか。
○政府委員(山口公生君) 早期是正措置の弾力的運用といいますのは、国内基準に基づきましての命令を、自助努力を待つという形で一年猶予するということでございます。それによりまして、やや金融機関の中にはほっとしたという空気は流れておりますが、具体的にそれでもって自己資本がよくなるわけではありません。
 だから、自己資本比率を上げるためにはどうするかということで、私どもとしましては貸し渋り対策として預金とのネッティングを、つまり分母の方を預金とのネッティングを認めるとか、あるいは株式の評価の方法を変えてもいいというようないろんな貸し渋り対策を打ち出しました。そういったものを活用してもらうということが一つあります。
 それからもう一つは、今回御審議をお願いしております、やはりいざというときの資本注入という備えというものを用意することによって、安心してそういう行動ができるという二つの方法でそういったものを解決したいと考えております。
○久保亘君 時間がありませんので、もう一つ二つちょっと聞いてみたいことがあるんです。
 一つは、住専問題処理のときに与党三党と銀行側との合意になりました銀行リストラはどの程度、どういう形で進んでおりますか。
○政府委員(山口公生君) 申し上げます。
 例えば、平成八年度中に主要二十行、今十九行でございますが、八千六百人の人員削減を行っているというようなことを取りまとめて国会にも御報告申し上げております。
○久保亘君 きのう、参考人は役員報酬についてここで公述することを拒んだんです。役員報酬はどうなっておりますか。
○政府委員(山口公生君) 役員報酬につきましては、商法の計算書の附属明細書に総額が記載されております。
 それによりますと、例えば都市銀行で一人当たりで申し上げますと、六年三月期が三千六十三万円でございました。それが一年後の七年三月期が二千九百九十三万円。八年三月期が二千九百七十万円。九年三月期が二千七百七十万円でございます。少しずつ下がってきている。長期信用銀行とか信託銀行になりますと、もう少し金額が低くなってございます。
 以上のような傾向でございます。
○久保亘君 最後に一つ伺っておきたいのは、一九九六年に成立いたしました預金保険法改正のときに、特別勘定に保険料率を七倍にして基金を強化することになったんですが、今この基金は順調に七倍で納入されているのですか。そして、どの程度基金に蓄えられたのか、わかりますか。
○政府委員(山口公生君) 七倍に引き上げさせていただきまして毎年順調に収入として上がっております。それで、五年間で二・三兆か四兆、ちょっと覚えておりませんが、一部その残りがありましたので二・七兆の五年間の財源がありました。
 それで、この間まで一・四兆使ったと申し上げましたが、大体、最近の支出もありますので一・五兆ぐらいもう使っておる段階でございます。残りが一・二兆ぐらい残っている。しかし、破綻の処理が、まだこれから北拓の処理とかいろいろ控えておりますので、そういったものに充当されていくということでございます。
○久保亘君 このとき国民に説明したのは、この七倍の特別勘定をつくれば二〇〇一年までは預金は全額保証されるということでしたね。
○政府委員(山口公生君) 当時御説明申し上げたのは、七倍にして五年間は全額保証するようにいたしたいと。ただ、そのときにもう一つありまして、信用組合の方はこれは政府保証をつけさせていただく、こういうことを言っておりました。
○久保亘君 そうすると、途中で全額保証するためには十七兆交付国債と政府保証が必要ですというふうに変わった一番わかりやすい説明はどういうことなんでしょうか。これは大蔵大臣でも結構ですし、もし事務当局が説明するなら説明してください。
○政府委員(山口公生君) 金融三法をお認めいただきましたときには信用組合の破綻が大変相次いでおりました。木津信組という大きな破綻もございましたけれども、信用組合の問題が最大の問題になっておりました。ところが、昨年の秋でございますけれども、いろいろ株価の下落、格付の引き下げ等で危機が非常に高まり、しかも私が再三申し上げておりますマーケットのすくみ現象というのもありまして、北海道拓殖銀行あるいは徳陽シティ銀行等の破綻、一般の金融機関における大規模な破綻が相次いで発生しました。
 その直後でございますが、幾つかの銀行で預金者の方々が、約十行ぐらいだったと思いますが、店先に相当お並びになりました。私ども、預金は保護されておりますということを申し上げておきましたけれども、そういう非常に不安をお持ちになって、それで大臣の談話も出しましたけれども、しばらくはそういう御不安を与え続けた。私どもの見通しも十分でなかったと思いますけれども、そういった現象が起きました。
 それで、万全を期して預金は二〇〇一年三月までは全部保護しますということをはっきりとした形でお示しさせていただきたいということで今回お願い申し上げている次第でございます。
○久保亘君 もし首相の方で御意見ございましたらぜひ。まだ二年もたっていないんですよ。あのとき説明したことと、今度は大手銀行の倒産はない、こういうことを政府は胸張って言っておるんです。そういう中でなぜ十七兆の資金が必要となるのか、そのことは十分な説明がなければなかなか国民の側も納得できないことだと思いますので、もし御所見がありましたらどうぞ。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かにあの住専の問題が非常に深刻な状態で、国会にも御論議をいただきました、議員にも大変な御苦労をいただきましたとき、私どもの目前にございましたものは信用組合の破綻というものであり、その状況というものは非常に深刻でありましたから、議員が御指摘のとおりの処方せんを当時書きました。
 ただ、その後におきまして我が国を取り巻く国際的な環境にも大きな変化が生じておりますことは申し上げるまでもありません。そして、我が国の金融機関の中におきましても、大手の都市銀行の一つでありました北海道拓殖銀行が、まず海外業務から撤退を余儀なくされ、そして国内における体制立て直しの計画が幾つか挫折するうちに、市場の信用が得られないという状況の中で破綻を来すという事態になりました。
 こうした状況の中で、改めて私どもは今、金融安定化システムというものを本気で考え、その結果として、預金者の保護に対する部分と同時に、システムの安定化のための対応の二つの処方せんを書き、国会に御審議を願おうといたしております。
 住専のときに御苦労いただきましたお立場から議員が今述べられましたお気持ちを酌みながら、同時に、必要とする処方せんに対し的確に対応しようとする政府の努力に対しましても御協力を心から願う次第であります。
○久保亘君 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で久保亘君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、風間昶君の質疑を行います。風間昶君。
○風間昶君 公明の風間でございます。よろしくお願いいたします。
 昨日も議論になっておりました公務員倫理法について、きょうは新聞各社、きのうの議論を踏まえてさまざまな記事になっているところであります。
 そこで、今手元に持っておりますのは、内閣の法律顧問である位置づけだと私は思うわけですけれども、一昨年の十二月の法制局職員倫理規程を持っているわけです。ここで第三条二項に禁止事項が書いてございます。
 法制局長官に、禁止行為を列挙してあるんですが、その理由と背景についてまず伺いたいと思うんです。
○政府委員(大森政輔君) ただいまお尋ねいただきました内閣法制局職員倫理規程、これは平成八年十二月二十七日に制定したものでございます。そして、第三条の「関係業者等との接触に関する規制」という見出しのもとに、「次に掲げる行為を行ってはならない。」ということで、合計十二項目の禁止事項を列挙していることは御指摘のとおりでございます。
 この倫理規程は、内閣法制局設置法第二条に基づきまして、これは一般的な職務命令でございますが、内閣法制局長官訓令として制定したものでございますが、先ほどお触れになりましたように、平成八年十二月十九日の事務次官等会議申し合わせと全く実質的な内容は同様でございます。
 私どももこの事務次官等会議のメンバーに内閣法制次長が入っております。したがいまして、この申し合わせを忠実に実行したということでございまして、内閣法制局として独自にその内容を検討したというものではないという経過を有している次第でございます。
○風間昶君 独自にやったものではないということですが、独自にやるべきだとは考えなかったわけですか、その時点で。
○政府委員(大森政輔君) 内閣法制局、これは国家行政組織法上の組織ではございません。内閣法に基づく内閣法制局設置法によって設置された内閣の補佐機関ではございますけれども、そこに所属している職員と申しますのは、広い意味では政府の職員と同じ立場で勤務しているわけでございまして、やはり事務次官等会議の申し合わせに従って同様の規律を受けるべきであるというのが当時の判断でございます。
○風間昶君 今おっしゃった十二項目にわたる禁止事項の中で、オーケーというか容認することは湯茶の提供だけというふうに書いてあるわけですけれども、それだけでいいんでしょうか。法制局長官としての意見を伺いたいと思います。
○政府委員(大森政輔君) ただいま言及なさいました点は、やはり事務次官等会議申し合わせの中でも全く同一の表現をとっておりまして、「前各号に掲げるもののほか、一切の利益や便宜の供与を受けること。」は禁止される、これの除外事由として、「社会一般の接遇として容認される湯茶の提供等を除く。」、このように規定しているわけでございます。したがって、この規程の本旨は一切の利益や便宜の供与を受けることは禁止されるというところに重点があるわけでございます。
○風間昶君 議論を聞いていますと、私は、法制局というのは内閣の法律顧問というふうに位置づけているわけですから、しかもそこに次長が出ていらっしゃる事務次官会議の中で、法制局としての意見はなかったのかということを含めてお伺いしているんです。
○政府委員(大森政輔君) 先ほど申し上げました事務次官等会議の申し合わせと実質的に全く同様の内容を規定したという趣旨は、他人が決めたものをただ履行したという意味じゃございませんで、やはり事務次官会議等の中で、内閣法制次長も一のメンバーでございますから、事務次官等会議を構成する者の総意としてこのような申し合わせをしたんだと。したがって、その内容を実質的にそのまま内閣法制局倫理規程の中に取り入れて訓令として出したのであると、このように御理解いただきたいと思います。
○風間昶君 わかりました。
 それでは、大蔵省に伺います。
 大蔵省もやはり大蔵省職員倫理規程というのがあると思いますが、今回逮捕された宮川容疑者あるいは谷内容疑者は一般社会の通念上許されると思って接待を受けたというふうに報道もされておるわけですけれども、そこで、この大蔵省職員倫理規程との相違をどのように考えるのか、まずその認識を伺いたいと思います。
○政府委員(武藤敏郎君) 平成八年の十二月に設けられましたこの倫理規程におきましては、禁止事項の中で、「次に掲げる行為を行ってはならない。」ということで十二項目掲げられておりますけれども、その第一に「接待を受けること」ということが書いてあります。この「接待を受けること」ということについては例外として認められるということはあり得ません。すなわち、接待は全面的に禁止ということになっております。
 ただ、「会食をすること。」というのが次にございまして、会食をする場合には例外が認められております。一つは対価を支払って行われる場合、それから職務上必要な会議等において会食をする場合、服務管理官の承認を得るということが前提でございますけれども認められているということでございまして、今回の二名の者の被疑事実にあるような接待を受けているということは少なくとも八年十二月以降のこの倫理規程のもとにおいてはとても認められることではない、絶対認められることではない、このように考えております。
○風間昶君 宮川容疑者は一月二十六日の読売新聞の夕刊の取材に、インタビューにこうおっしゃっています。一問一答で、「金融検査部だけがやり玉にあがるのは納得いかない」、「それにしても、なぜ金融検査部だけが」と。まさになぜ自分だけがという心情がこの言葉の中ににじんでいると思うんです。
 接待が大蔵全体に、ノンキャリアだけでなくてキャリアの方にもあった、それが全体の常識だったということすらうかがわれる、構造的な問題の認識だというふうにうかがわれるわけですけれども、この点について大蔵大臣の感想を伺いたいと思います。
○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。
 今回の大蔵省の職員二名が逮捕されたという不祥事は大変遺憾千万なことでありまして、大蔵省の信用、信頼を著しく傷つけた、こう思いまして、深くおわびしますと同時に、将来このような事態が絶対起こらぬようにいろいろな面から思い切った改革をしていかなきゃならぬ、そういうふうに思います。
 今お話しのありました読売新聞ですか、その一問一答の中に出てくる、おれだけじゃないよという言葉は、私は非常に遺憾な言葉だと思う。おれだけじゃないならば自分は許されるという考え方は間違いなんです。ほかにおったと仮定しても、自分が悪いことをしていれば、悪いことをしたとしてきちっと制裁を受けるのがこれが真っ当な倫理観じゃなきゃならぬ、私はそう思います。
 その意味で、この倫理規程は当然遵守しなきゃならぬことでありますので、そういったことがきちっと守られるような大蔵省の気風にしたい、私はそう思っております。
○風間昶君 そこで、この倫理規程があるにもかかわらず問題が発覚したということが本委員会でもずっと議論されているわけですから、きのうも議論になった公務員倫理法について、もし倫理法がつくられたと仮定するならば、禁止行為を列挙している法律の方がいいのか、あるいは遵守行為を列挙した法律がいいのか、大蔵大臣は元検事をやられたという立場からどっちが使いやすいと思いますか。
○国務大臣(松永光君) お答え申し上げます。
 私は、ある意味では立法のあり方の問題についてはそれほど通暁しているわけじゃありません。できている法律を使うだけのことでございまして、そういう点はできるならば法制局長官にひとつお答え願えればありがたい、こう思うのであります。
 いずれにせよ、検事という話がありましたがこれは若いときのある時期でございまして、大部分は弁護士でありまして、ある法律に基づいて仕事をしているという立場でありますから、立法政策のことは専門家の方にひとつお尋ね願いたいというふうに思います。
○風間昶君 答えていらっしゃらないですね。
 使いやすいという言葉があれなら、どっちが取り締まりやすいですか、大蔵省の内部で不祥事が起こった場合のことも含めて考えるならば。いかがですか。
○国務大臣(松永光君) 一般論的な考え方でございますが、何々をすべからずというのがわかりやすいと思います。
○風間昶君 じゃ法制局長官、いかがですか。
○政府委員(大森政輔君) 現行の倫理規程は、先ほどから御指摘のとおり、禁止事項として規定しているわけでございます。ただ、これを法律化するということになりますと、それがどうあるべきか、これは慎重に検討しなければならない事柄である。
 そこで、今までもたびたび関係者からお答えいたしているとおり、現在検討委員会におきまして、適用対象をどうするか、あるいはその法律の内容をどう盛り込むかということをあらゆる観点から検討中でございます。そして、検討委員会の一応の結論が出ましたら、それを所管省庁の法案として内閣の閣議決定を経て国会にお届けする、こういう手続きになるわけでございますが、その閣議決定の前提として、法制局は今度は法案の審査という立場で関与することになります。そういう法律案の成案ができましたら、ただいまお尋ねの問題を含めて、法制上の観点から十全な審査をすることが予定されております。
 したがいまして、現段階でどちらがいいのかというお答えに関しましては、そういう関係もございますので、断定的な結論は留保させていただきたいと思う次第でございます。
○風間昶君 何だかキツネにつままれたような感じでございます。
 そこで、今お話があった事務次官検討会というんでしょうか、その検討会が開かれたそうなんですけれども、その取りまとめをされていかれるのは総務庁だと私は思うんですが、法案の原形となるものをいつまでに取りまとめていくのか、決意を含めて総務庁長官にお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(小里貞利君) 先ほどからお話がございますように、公務員倫理問題等に関する特別委員会、総理の方から去る日、直接指示がございました。そして、内閣官房古川副長官の手元におきまして、関係省庁、一つのグループを編成して目下集中的にこれが検討を進められておるところでございます。
 私ども総務庁は、ただいまお話がございましたように、本来、人事管理あるいは行政管理、行政監察等を通じまして、この種の問題につきましても焦点を強く当ててこれが管理運営に当たっておるところでございます。今お話がございましたように、公務員のこのような不祥事をこの際もう絶対的に根絶しなければいかぬ、そういう観点から抜本的な見直しあるいは対策を立てなければいかぬ、さように重要に認識をいたしておりまして、できるだけ早い時期にこれが一応の成案を得まして、そして国民の信に背くことが再びないようにきちんと整理をしなければいかぬ、さように思っておる次第でございます。
○風間昶君 今できるだけ早い時期にというふうにおっしゃいましたけれども、きょうの日本経済新聞では「今国会に倫理法案」という見出しが躍っているわけです。これに促されるような形になるのかどうかは別にして、これが誘導していくのかどうかわかりませんが、そうなると、総務庁としてはもうちょっと、どのぐらいを目途にということぐらいは言っていただかないと、また、そのぐらいの決意がないとまた忘れてしまうことになりはしませんか。
○国務大臣(小里貞利君) 現在の国家公務員法なり、あるいはまた先ほどから議論がございましたいわゆる一昨年の十二月に制定されました訓令でございますが、倫理規程等々の関連もございますし、なおまた、今日このような不祥事が限りなくと申し上げていいぐらい無原則に発生いたしておりまする現在の深刻な状況からして、できるだけ急がなければならぬ、今国会に提出できることを目標にいたしまして、あとう限りその方向で努力をしなきゃならぬ。整理して申し上げますと、今国会提出を念頭に置いております。
 以上でございます。
○風間昶君 そこで、総理、各省庁に倫理規程があるというのも当然あれなんですが、ずっと何省庁かのを見させていただきました。ベースになっているのは、やっぱり厚生汚職からの一昨年十二月十九日のこの事務次官会議申し合わせだと思うんですけれども、中身を見てみますと結構完成度の高い倫理規程だと私は思うんです。
   〔委員長退席、理事永田良雄君着席〕
 そうすると、これに罰則をつけるなどの手直しをすればかなり通用する倫理基本法みたいな形になるんじゃないかと私は思うんですけれども、そういう意味では細かな議論は必要ないと思っているんです、課題は課題としてあるけれども。早急に法制化に着手すべきだと思いますけれども、総理の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 既に古川副長官に指示を出し、作業を始めておりますということは本院でも申し上げました。
 同時に、今引用をされました倫理規程が相当程度に当時議論をされている内容であるという御評価をいただく、これはこれとして本当にその作業自体はよくやられた、私もそう受けとめましたので倫理規程というものでいいという判断を当時したわけであります。
 しかし、問題はそれが守られなかったということでありますから、当然ながらその倫理規程における違反行為に対するペナルティーをどういう形で科していくのかと。それが例えば懲戒なのか、あるいは公務員としての懲戒処分のようなものを遵守していくのか。犯罪に当たるものは別です、これは全く刑法の世界ですから。どういうものを担保していけばいいのかとか、そういう点、私はそれほど実は議論は簡単だと思いません。
 今、議員と大蔵大臣の御議論を聞きながら、私は改めて目を通しておりましたのは、アメリカの一九七八年の政府倫理法の内容でありますけれども、これも発足させた時点から八九年に改正が行われている。それ以前のものに比べてまた変化をさせている。いろんな点が目立ちます。これを一つの、こればかりが私は必ずしも参考だとは思いません。
 そして先日、他の委員の方から、内部告発に対する保護規程といったようなお話もありました。イギリスでたまたま行政改革に関連してでありますけれども、内部告発に対してその成果を見て、これは日本と違いまして栄典制度を持っておりますので、勲章を与えるとか爵位を与えるという形でその行為を担保するといったやり方をとっていることも頭に浮かんだりしております。
 この辺の整理は、私は、多少の時間はいただかなければならないと思いますが、大蔵大臣からも今申しましたように、やはりこの国会において御議論をいただける時間内に準備は終わりたい、そのような思いで取り組んでおることを申し上げます。
○風間昶君 次に、先ほどの久保委員からあった件とリンクするんですが、平成八年三月四日に「住専問題に関する新たな措置について」ということで、「民間金融機関は、今後七年間で一・五兆円規模の経営の合理化・効率化を行い、五千億円程度の税収増をもって国への新たなる寄与を行う。この実施状況について定期的にフォローアップし、公表する。さらに、大蔵省を通じて国会に報告する。」ということが決まって、一年以上たってようやく昨年の六月十日に参議院の行革・税制特別委員会で提出されました。
 内容は極めてずさんだと思っております。それは、久保委員も指摘されましたけれども、人員削減については主要二十行のリストラ状況を書いてありますけれども、人件費が幾ら減ったか、あるいは役員給与、退職金のカットについては全く触れられていない。
 さっき都市銀行だけ報告がありましたけれども、とりあえず、じゃトータルで今大蔵省がつかんでいるのは、国に幾ら銀行、金融機関が寄与したのかをどのぐらいつかんでいますか。
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。
 参議院の行財革特委に九年の六月十日に御報告を申し上げて、その中には各行別の人員削減あるいは店舗の減少等、あるいはリストラ状況をさらに各行別に細かくお出ししております。
 こうしたリストラは、当然こちらから言わなくても各銀行はやるべきことであり、これからも激しい競争裏の中で勝ち残っていくためには行っていくわけでございますけれども、これが国家への寄与となりますと、それは税収の増につながるという形での寄与になると思いますが、ただ、そのときの決算状況によりまして種々なケースになりますので、トータルとして幾らが税収に結びついたかということはなかなか申し上げるのは難しいというふうに思います。
 しかし、各行ともますますこれからリストラが必要になるということは、私もそのとおりだと思います。
○風間昶君 先ほど都市銀行の役員報酬だけは出ましたけれども、じゃそれ以外は出ているんですか。
○政府委員(山口公生君) 今ちょっと手元には持っておりませんが、例えば職員の報酬、これはディスクロージャー誌に掲載されております。各年、男子職員、女子職員、平均で幾ら、年齢で幾ら、新規採用が幾らという形でディスクロージャー誌にはっきりとそれはディスクローズされております。
 さらに、リストラ状況についてはもっともっと情報を開示するように私どもとしても指導していきたいと思います。
○風間昶君 答えていないんですが、そこで大蔵大臣、銀行がどれだけ反省して経営の健全化に努めてきたのかわからないままにこの三十兆円を投入するというのはどういうことだと、国民はここのところが一番不信あるいは怒りになっているわけですけれども、明確に答えていただきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) お答えいたします。
 銀行局長の答えが十分でないわけでして、私はそれ以上の細かい点を承知していないのでありますが、いずれせよ、今日の厳しい状況を乗り越えるために三十兆の公的資金を使わせていただくということになってくるわけでありますから、したがって、銀行等が厳しいリストラをして、また職員の給与、役員の報酬、こういったものもやはりもっと引き下げをして、リストラももっと進めて、そして国民の理解が得られるような努力をしっかりやってもらいたいというふうに思っております。
○風間昶君 御希望を述べられたのか決意を述べられたのかわかりませんけれども、大蔵省に再度、国に幾ら金融機関が寄与したのか調査をすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(山口公生君) 厳しいリストラをすることによって経費を節減し、それで結果的には税収に寄与するという形の寄与は当然あるわけでございます。それは、今の時点でもあり、将来の時点にもわたるわけでございます。したがって、それを幾らということは、これは算定は私は難しいと思います。しかし、総体として見れば、今ここで思い切ってリストラをしてもらい、それで国民の皆さんに効率的な金融機能を与えると同時にそうした利益を上げる。利益を上げて未来ずっとそれが税収の増につながっていくということになれば、金融機関としても社会にそういう面でも貢献することができるというふうに思います。
○風間昶君 今必要なのは不良銀行の救済じゃないわけで、そんな銀行に三十兆円も使うぐらいなら、財投のお金を公的金融機関に入れて貸し渋りに苦しんでいる中小企業にできるだけ融通するということも必要じゃないかと思うんですが、大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(松永光君) お答えいたします。
 民間金融機関の貸し渋りに対する対策としては、平成九年度、平成十年度で約二十五兆円を実は用意してあるわけでありまして、それを十分活用して中小企業等の資金需要がきちっと満たされるように、そういったことにいたしておるわけであります。
○風間昶君 そして、今度は預金保護だけじゃなくて、いつの間にか金融債を保護する必要があるというふうに言っていらっしゃる方がいる。
 そこで、金融債の購入比率は個人と法人でどのような割合になっているのか、教えていただきたいと思います。
   〔理事永田良雄君退席、委員長着席〕
○政府委員(山口公生君) 金融債の残高でございますが、九年の九月末で六十九兆六千億ございます。このうち、割引金融債はおおむね個人ではないかというふうに推測されます。利付金融債がおおむね法人を対象にしているのではないかと思います。その観点から見ますと、割引債と利付債が三対七の割合でございますので、そういった形での御推察をお願いいたしたいと思います。
○風間昶君 そうすると、法人救済の意味合いが物すごく強いですね、今お話を聞くと。五十兆近くが利付債で個人対象の割引債が二十兆となると。預金者保護といっても、結局個人預金者ではなくて競争力を失った企業の延命策にすぎないのではないかと思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(山口公生君) 当委員会でも再三繰り返し申し上げておりますので、やや恐縮でございますけれども、本則とは違う附則の規定によりまして特別資金援助という形で金融機関が扱っているものについてすべて保護すると。取り扱っているというか預金保険の対象になっている金融機関でございますが、そこの中には大口の預金とか公金預金とかCDとか、今おっしゃいました金融債とか外貨預金とかいろいろなものがあります。
 今、先生は、そういう法人が持っているものまで保護するのかというのは、確かに預金保険の本来の考え方からいうといろいろ議論があってしかるべき問題でありますけれども、今のこの事態におきまして、法人預金は大変足が速いといいましょうか動きが速いわけでございます。仮にそういった現象が起きますと、社会的に混乱が大変激しく起きるというようなことも考えなきゃいけません。
 そこで生じてきます社会的なコストということを考えたときに、今は金融三法でそういった特別な資金援助という形をお認めいただいておりますので、結果的にそういったものも安心して銀行を使っていただけるという形になっておるわけでございます。
○風間昶君 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で風間昶君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、田英夫君の質疑を行います。田英夫君。
○田英夫君 去る一月十七日で阪神・淡路大震災から三年がたちました。しかし、依然として被災者の皆さんは数万人が仮設住宅に住んでいる。孤独死をする人も後を絶たないという状態が続いているわけです。
 今審議している補正予算に災害対策費が組み込まれておりますが、大蔵省、その内容を言ってください。
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。
 今回御審議をお願いいたしております九年度補正予算におきまして、災害関係経費として災害復旧等事業費を中心に四千七百三十八億円を計上しているところでございますが、そのほかに阪神・淡路大震災復興対策費として千二百八億円を計上しているところでございます。
○田英夫君 阪神・淡路のために千二百八億円という数字になっておりますけれども、一方、各政党からこの事態の中で法案が出されておりまして、一つは、参議院の災害特別委員会で継続審議中でありますが、いわゆる市民・議員立法と言われている、被災者の市民の皆さんがみずから法案をつくり、これを有志議員が超党派で受けて法案にまとめたという画期的なものであります。もう一つは、いわゆる野党の三党が出されました、これも継続審議になって参議院災害特にあるわけです。
 一方で、自民党も、やはりこのままにしておくわけにはいかないというお気持ちから、一つの法案をまとめておられることを私も承知しております。与党三党の協議にゆだねたいというところまで来ているわけであります。
 この三つの法案、共通点があります。一つは公的資金を被災者のために支給するという点、二番目は被害の程度を家屋の損害の度合いによって測定をしてやる、全壊とか半壊とかいうことに応じて一定の金額を支給するようにしている、この二点は共通しております。相違点もあります。違うのは、阪神・淡路に適用するかどうかという点が非常に大きく違うところです。
 そこで、政府に伺いたいのは、すべて三つの法案に共通している公的資金を投入する、これについて政府はどうお考えになるのか。従来はこの点が我々から見ると政府の壁になっておりました。国土庁長官、いかがですか。
○国務大臣(亀井久興君) 被災者の支援についてのお尋ねでございますけれども、将来の災害に備えました基金制度につきましては、御承知のとおり、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、新たな防災施策の確立を目指して、内閣総理大臣が設置をいたしました防災問題懇談会におきまして検討が必要という提言をなされているところでございまして、私といたしましても検討すべき重要な課題である、そのように受けとめておるところでございます。
 今、委員がお述べになりましたように、現在、議員立法として二つの法案が継続審議となっておりますし、また自由民主党におきましても精力的に議員立法を目指して取り組まれているということを十分承知いたしておりますけれども、議員提案のいわゆる議員立法のことにつきましては、その内容について今コメントすることはお許しをいただきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、国としてこのことについて十分に検討をすべきであるということは、そのとおりに私は受けとめておるところでございまして、自民党の案につきましても、これから引き続き検討に御協力をしていきたい、そのように考えております。
○田英夫君 問題は公的資金を投入するかどうかという一点に絞られるんです。
 従来、政府はこれに反対をしておられた、はっきり申し上げて。しかし、きょうもこの委員会で金融機関を救うために三十兆とか十七兆とかいう金額が語られている。阪神・淡路へ行きますと被災者の皆さんは、バブルのときに踊って経営を悪化させたその金融機関を救うために、あるいは企業を救うために膨大な公的資金を投入すると言っていながら、被災者に対しては、私どもが今出している市民・議員立法で総額一兆円をちょっと超しますが、どうしてこれが出せないのか、素朴な疑問があります。
 重ねて国土庁長官に、公的資金を政府は投入されるかどうか、これに絞ってお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井久興君) 重ねてのお尋ねでございますけれども、もう委員既に御承知のことでございますが、阪神・淡路大震災につきましても国費ベースで四兆円を超える資金を投入いたしておるところでございます。
 また、いわゆる被災者の支援に関しましても一兆円以上の資金が既に投入されているところでございまして、御承知のとおり、瓦れきの処理でございますとか、あるいはまた公営住宅の建設、仮設住宅の建設、さらにはまた住宅の建設についての国庫融資等の優遇措置、こうしたことについても国費を投入いたしております。
 さらには、地方公共団体が中心になりまして設立をされました基金について、国としてもそれを地方財政措置等によりまして御協力を申し上げておるということでございまして、それなりの国費、公的資金というものは被災者の支援のためにも既に投入をしてきておるところでございます。
 新たな基金制度のことにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、各党で今御検討をいただいておるところでございまして、それに対して調整に参画をしてまいりたいということでお許しをいただきたいと思います。
○田英夫君 基本的に違うところがあるんですよ。つまり、今、亀井さんが言われたのは公共的なものについて政府が出されたものです。被災者個人の生活基盤を回復するために、救うために、困っている人を助けるために公的資金を出す気がありますかということをお聞きしているんです。
 総理大臣、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員はよく御承知でお尋ねでありますから、私も繰り返しは避けたいと思います。
 その上で、生活再建支援金、これがどういう性格であるのか、この給付がどう行われているのかも議員は御承知で御発言でありますが、これは地元の自治体が阪神・淡路大震災復興基金を活用して被災高齢世帯あるいは被災要援護世帯に対して給付を行っておられる。これに対して、国としては地方財政措置による支援を行っている。こうした分野に何もしていないのではありませんということだけは、一応私は申し上げたいと思います。
 そして、自然災害の被災者の生活再建についての問題というのは、ある意味では新しい問題でもありますが古い問題でもあります。大災害のありますたびにこうした課題が議論をされてまいりました。そういう中で、今、既に議員からも触れられましたような提案が議員立法でなされている、また与党内におきましても新たな災害被災者支援のあり方につきまして、基金の創設などを含めて精力的に検討が行われていることは私もよく承知をいたしております。そして、注意深くこれを見守っていきたいと考えております。
○田英夫君 この問題は、与党間でも話し合いますし、災害特別委員会等の場でもまた議論をさせていただきたいと思います。
 けさになって急に通告をいたしましたから政府の方、防衛庁など御準備いただいているとは思いますが、先ほどもイラクの問題が出ました。この問題は非常に緊迫をしてきていますが、そんな中で、先日、横須賀を基地にする空母インディペンデンスが出港していきました。これは中東に向かっているということであります。その出港後、浜松の航空自衛隊基地で艦載機の一部が給油をしたという話がありますが、これは事実でしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 艦載機六機が浜松に緊急着陸して給油したというのは事実でございます。
○田英夫君 ということは、現在はまだ戦時じゃありませんから、イラク攻撃しているわけじゃありませんから、これは平時のACSAの適用ということで理解していいんでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) これはACSAではございませんで、現在あります自衛隊法で、自衛隊の基地に飛行機が着陸した場合、給油を求めた場合にはそれに必要な給油をするという規定がございまして、艦載機に限らず、民間の飛行機がおりた場合でもそれは給油できることになっております。
○田英夫君 インディペンデンスが、アメリカ軍がイラク攻撃を開始したというときに、中東で戦闘に参加をすると様相はかなり変わってくると思うのですが、その場合は、横須賀基地から出港していってイラクで軍事行動に参加をするということになると、日米安保条約との関係はどういうことになりますか。
○政府委員(高野紀元君) お答え申し上げます。
 今の御質問は、米国によるインディペンデンスが戦闘に参加した場合の安保条約との関係というお尋ねでございますけれども、先ほど来御説明申し上げておりますとおり、現在、各国による懸命な外交努力が行われている最中でございますので、イラクへの攻撃云々という仮定の問題についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
 ただ、全くの一般論で事前協議との関係を申し上げますと、事前協議の主題となりますのは、日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設・区域の使用でございまして、それ以外の場合は事前協議の対象とならないということは従来より御説明しているところでございます。
○田英夫君 私は安保条約との関係を聞いたんです。安保条約第六条の範囲は極東ですから、イラクは入らないと思いますが、その点はどうなんですか。
○政府委員(高野紀元君) 安保条約の六条に関連いたしました極東の範囲ということに関しましては、昭和三十五年の統一見解に示されているとおりでございまして、大体のところ、フィリピン以北日本周辺の区域を言うということでございます。
○田英夫君 だから、イラクに行くことはできませんね。
○政府委員(高野紀元君) 今の御質問に関しまして申し上げますと、米国は従来から在外本土に展開している部隊、艦船を運用の必要上常に再編成してきているところでございます。そういう中で、例えば我が国に配備されている艦船等がこれまでも移動してきているところは御承知のとおりでございます。
 そういう中で、この空母インディペンデンスの問題でございますけれども、これが中東湾岸等へ、すなわち極東の外にいろいろな目的で移動するということ自体は安保条約六条の上で排除されていないということ、これも従来から申し上げているとおりでございます。
○田英夫君 問題の大きさに比べて大変時間がないものですから、議論ができません。
 しかし、最後に申し上げたいのは、過去に、ベトナム戦争のときに私もこのことについて、つまり日本の基地からベトナム北爆にB52が直接参加することは許されないということで厳しく議論をした記憶があります。どうぞ、このことを政府は厳格に守っていただきたい、そしてアメリカに対しては毅然とした態度をとっていただきたいということを申し上げて、終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で田英夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、笠井亮君の質疑を行います。笠井亮君。
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮でございます。
 きょうまで補正予算をめぐる極めて短期間の審議でございました。しかし、その中でも特に銀行支援の三十兆円計画をめぐって、それ自体の道理のなさということが明らかになってきております。しかも、国民の憤激を呼んでいる銀行、大蔵汚職との関連でも、資料提出、証人喚問を含めて徹底究明が必要であります。そういう中で、このまま審議を終局するわけに絶対にいかない、さらに徹底審議することを強く求めるものであります。
 遺憾ながら、大変に短い時間でありますので、預金保険料の問題に限って私は質問いたします。
 平成八年六月の預金保険法の改正の際に、政令で定められた特別保険料、この料率、現在〇・〇三六%は、遅くとも平成十年度末までに特例業務の実施の状況を踏まえて検討を行うものとされております。
 この立場から、橋本総理は、昨年十一月六日の衆議院本会議でも、「仮に、現在見込まれる機構の財源で対処が困難な状況が発生した場合には、平成十年度末までに保険料率の検討を行う」と、こう答弁されました。間違いありませんね。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 何月何日の本会議と固定して言われますと、私は、事前にその日にそういう答弁をしたかどうかを調べておけという御注意をいただいておりませんので、よくわかりませんと申し上げなければなりません。
 ただ、預金保険の保険料率について、平成八年度からそれまでの七倍に引き上げたということは事実であります。
 同時に、保険料負担につきまして、遅くとも平成十年度末までに機構の業務あるいは金融機関の財務の状況などを勘案して検討を行うこととしております。そうした中で、我が国の金融機関の置かれている状況、あるいは国際的な信認との関係などにも十分気をつけながら検討していくべきものだと考えているということは改めて申し上げます。
○笠井亮君 当日の会議録を見ましたので、そこで明確に言われていたことでありますけれども、見込まれる機構の財源で対処が困難な状況が発生した場合に検討する、そして今も、平成十年度末までに見直すと、こういうことを言われました。さまざまな状況ということも踏まえてと言われましたが、いわば公約でございます。
 それでは、現在の預金保険機構の責任準備金の残高、そして、今問題になっておりますけれども、北海道拓殖銀行の処理にかかる予想されるコスト、それぞれ幾らになりそうかということについていかがでしょうか。
○政府委員(山口公生君) 預金保険機構の残高でございますが、九年度末の見込みで約四千億円の欠損であります。これは、保険料は毎年入ってまいります。七倍にした保険料が入ってまいりますが、それより以前に、例えば木津信組のような大型な破綻がありました。そのための支出が済んでおりますので、こういった欠損になっております。
 それから、もう一つお尋ねの北拓の件につきましては、検査の結果、ロスとして約八千四百億円という数字をお示ししておりますが、これは一つの参考になりますけれども、さらに実際にやるときには清算検査というのをもう一回やり直さなければいけませんので、そこで確定をされていくというふうに思っております。
○笠井亮君 さらに、これは事実関係ということで聞きます。
 現在の保険料率、総額〇・〇八四%、一般保険料がそのうち〇・〇四八、それから特別保険料が〇・〇三六ということでありますけれども、この算出根拠というのはどういうものですか。
○政府委員(山口公生君) 当時、平成四年から七年末までに生じた破綻金融機関の損失額、これが約二・五兆円でございました。その法案の御審議を賜る前提として、今後五年間に同程度の破綻が生じた場合にも対処し得るようということで七倍というのを決めていただいたわけでございます。
 それで、ペイオフコスト相当分とそれからペイオフコスト消化分がございます。それがおおむね一対一、あるいはマクロ的な預金の分布でいいますと、それが六対四というような関係でございましたので、四対三という形で置かせていただいておる、こういうことでございます。
○笠井亮君 保険料収入全体は年間幾らですか。それから、そのうち特別保険料分は幾らになっていますか。
○政府委員(山口公生君) 年間約四千六百億円、一般が二千六百億円、特別が二千億円でございます。
○笠井亮君 まさに機構の財源で対処が困難な状況にあって、また木津信用組合までの状況が今後五年間続くという現在の率の算出根拠が明らかに変わっている事態だと思うんですね。
 そうなりますと、見直すという公約、このことから見て、私は保険料率を当然引き上げるべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(山口公生君) 総理からの御答弁にもございましたように、十年度末までに諸情勢を勘案して見直すということにいたしておりますが、考慮すべき点が幾つかあろうかと思います。
 もちろん、今後の状況によっても変わると思いますけれども、まず一つは差別的な保険料にしないということでございますので、都銀あたりの負担率と中小の負担率も同じでございます。そうしますと、第二地銀、信金、信組、労金、そうした中小の金融機関の負担がもう平均でも九%をはるかに超えております。その機関によっては相当な負担になっているということもひとつ考えなきゃいけないという点があろうかと思います。
 もう一つは、国際的な観点から、アメリカの主要行は保険料がもうゼロになってきております。そうした中で国際競争を強いられていくということでございますので、そういった観点もある。
 それから、いつまで保険料が引き続き課せられるのかということについて海外がかなり注目をしているということも考えながら、しかし、そうした総理のおっしゃったような観点から見直しを行うということにしておるわけでございます。
○笠井亮君 幾つかの理由を挙げましたけれども、中小の銀行は大変だということでありますが、米国の利益に対する保険料負担のピークは八%、日本の場合は九六年度、都市銀行でも三・八、全銀行ベースで五・二です。
 都市銀行にもっと負担してもらってもいいではないか、今度の一連の汚職問題でも、地方銀行などから、MOF担を置いて接待攻勢をかけているのは都市銀行だ、同列に置いてもらっては困るという声も上がっている。都市銀行にさらに保険料負担を求めることも当然これは検討すべきだと私思うんです。
 それから、世界の信認と先ほど総理も言われました。国際的な問題もある、こういうことも挙げたわけですけれども、私は、預金者保護もできないで国民の税金で守ってもらって、しりぬぐいをしてもらう、これで世界に通用するのかということを強く思うわけであります。国際的に見ても、今払っている保険料というのは、これは衆議院でも明らかになりましたけれども、負担で見て米国のピーク時の三分の一、利益に対する負担率でも大体半分から三分の二であります。
 私は、預金者保護と言うならば、まず銀行の責任でやる、これはアメリカでもやった当然のルールだというふうに思うわけであります。
 政府の法案では、特別保険料というのは二〇〇一年三月までで、その段階で穴があいた部分は税金で穴埋めしようというものであります。二〇〇一年になったら、公的資金の方は三十兆円、預金保険法では十七兆円でありますが、これを限度に、清算して必要なら入れると。国民からは負担を求めながら、銀行には保険料をまけてやる。特別保険料がなくなって保険料が減額されることにこのままではなるわけでありまして、これでは道理に合わないと思うんです。処理に必要な金がふえている中で、あえて銀行負担を下げるようなことはすることないじゃないか、これ当然だと思うんです。
 道理に合わないからこそ、去る日曜のテレビ討論会でも、自民党の加藤幹事長が二〇〇一年以降も特別保険料は集めるということをこれから考えるべきだと発言されました。穴があいたら、税金で入れないで特別保険料の延長も当然真剣に考えるべきではないか。
 ここで、総理に最後に伺いたいんですけれども、料率引き上げということも、そしてまた特別保険料の延長ということも含めて、預金保険料についてはさまざまな見直しが必要だ、そういう御認識ですね。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 我が党の幹事長のテレビにおける発言を御引用になりましたけれども、ここにその記録を発言そのもので見ておりますと、必ずしも議員が正確に要約をされたようには思えませんので……
○笠井亮君 そのとおり私は言いました。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いえいえ。
○笠井亮君 これ、起こしたものです、私の。
○国務大臣(橋本龍太郎君) こういう点は正確にお願いを申し上げます。
 そして、その上で、平成十年度末までに検討する、保険料負担について先ほどお答えを申し上げたとおり検討をしていくものと思います。
○笠井亮君 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で笠井亮君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岩崎純三君) 次に、星野朋市君の質疑を行います。星野朋市君。
○星野朋市君 本日は、伊吹労働大臣に主としてお伺いをいたします。
 本予算委員会は、ほとんどが金融問題に終始をしておりますけれども、国民生活にとってもう一つ極めて大事なことは失業の問題でございます。この問題について、労働大臣にお伺いをいたします。
 現在の完全失業率三・四ないし五、有効求人倍率が〇・六八、こういう状況であります。かつて宮澤内閣が生活大国五カ年計画というのをつくりまして成長率三・五%と言っていたときは、二〇〇〇年には日本の労働人口の労働生産性は二〇%以上向上させないと適用できない、そういう形で労働政策というのは続いてきたと私は思うんです。それは、現状と比べて余りにもこの乖離が大き過ぎる。
 労働大臣はどういう御所見をお持ちか、お聞かせ願いたい。
○国務大臣(伊吹文明君) 今、先生御指摘になりましたように、有効求人倍率やまた完全失業率の数字を見ますと、この数字は空前の好景気と言われておりますアメリカの四・五程度に比べるとかなり低いということは事実でございますが、終身雇用制を前提といたしております日本の過去の趨勢から見ると、御指摘のように大変私は厳しい数字になっていると認識をいたしております。
 そこで、国民にとって一番やはり大切なことは、現在の生活が安定しているということと健康と、それから将来に不安がないというこの三つだろうと思います。したがって、雇用というものは何よりも政治の中で大切な政策目標として考えていかねばなりません。
 そこで、将来の問題といたしましては、今、橋本内閣で行っております種々の規制緩和、あるいは雇用の受け皿、その結果として生ずる新しいベンチャービジネス、それらに対して企業への助成、同時にそこで働く人への助成、これを的確に行いながら、先ほど来御指摘のように、生産性が上がっていくような産業をつくり出していくということが大切だと思いますが、当面の問題としては、雇用というのは経済がうまくいっている中で有効需要が創出され、雇用の受け皿が出てくるということでございます。
 そこで、現在の経済情勢については、るる関係閣僚からもお話がございましたように、実体経済としての私は日本経済は決して弱いとは思っておりません。しかし、残念ながら金融面での、金融システムの不安ということから、運転資金等的確な資金が経済に提供されないということから生ずる不安、そしてその不安がまた不安を呼んでいるという状況、これらが相まって現在の状況に私はなっていると思います。
 大蔵大臣からお話がございましたように、補正予算及び平成十年度予算、そして何よりも金融システムの安定化のための諸施策が順調に動くことによって、私は、平成十年度の経済見通しに書かれておりますように三・三%程度の失業率に、いずれ企画庁長官が話しておりますように四月、五月ごろからは景気が上向けばそのような方向になるのではないかと考えております。
○星野朋市君 今、労働大臣はやや楽観的な見通しを述べられましたけれども、政府の中期計画で唯一持っている数字というのはいわゆる構造改革を伴う経済政策というものですね。これは松永大蔵大臣が御就任のときも中期財政展望の中にそういうものを織り込んでいるわけです。
 どういうことかというと、構造改革ができれば日本は三・五%の成長を遂げられるけれども、構造改革ができなければ一・七五%である、それからそのときの失業率も三・五%である、こういう中期展望というのがいまだに生きているんですよ。そうすると、現在の失業率というのは何だと、構造改革は一向になされていないじゃないか。この計画ができたのはもう二年以上前ですから、一向にできていないじゃないか。その数字とぴったり合うんです、おかしなことには。それをどう考えられているのか。
 それから、円高が一番進んだときは一九九五年の三月、まさしく今から三年前です。このときの三月に瞬間的に円は八十円をつけました。七十九円幾らという瞬間的な値段もあったんです。そのときの秋にようやく百円に回復した。それから、今までに日本の製造業からどのくらいの人間が減少したか。恐らくこれは二百万近い百数十万の人間。その人たちの受け皿はどこにあったかというと、建設業が九十万から百万、その他はサービス産業、ここが受けたわけです。そういう受け皿があったんです。
 ところが、これからどうだろう。今の財政構造改革法では、公共投資その他は七%減という。それから、今金融機関の問題が大きな問題になっていますけれども、これは余り具体的に言うと問題ですから言いませんけれども、全国に五十数万あるという建設業、これらが問題であります。ですから、金融貸し渋りの第一位の対象業種は建設業なんですね。こういうことになると、労働大臣が先ほどから申されているような楽観的な状況で済むのかどうか。もう一度お答え願いたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 建設業の問題については、確かに構造改革の中では七%減ということが書かれております。しかし、公共事業の支出の態様も構造改革をされていくと私は思います。具体的に言えば、直轄事業や補助事業があるいは民間資金導入のような形になってまいれば、少しの財政支出で大きな有効需要を出す公共事業というものは当然出てまいります。
 それから将来的には、政府の計画にもございますように、構造改革が、構造改革というのは先生の御指摘がございましたけれども、やはり構造を変えていく、制度を変えていくということによって五年、十年の間に経済構造が変わってくるわけでございますから、将来的には医療福祉、生活文化、情報産業、こういう御指摘になったサービス業を中心に二〇一〇年では、例えば医療福祉では四百八十万、生活文化では三百五十五万という受け皿を一応考えているわけです。
 それと別に、当面の経済がどう動くかということは、それに対するいろいろな別途の要素として私は考えねばならないと思っております。
○星野朋市君 新産業の受け皿、これが育つまでには少し時間がかかるんですよ。タイムラグがあるんです。片方の失業は下手すると瞬間的に出てくるおそれがある。その間どうやってつなぐか、これが今求められている労働政策の一番基本だと思うんです。これについてどういう対策がとられるのか。
 それからもう一つは、日本全体もう少し、これ以上の失業者を出さないという、例えば日本の失業率が欧米並みに五%以上になったらちょっと社会問題になると思うんです。そういうことを含めて、やはりこれからワークシェアリングの問題について真剣に検討していただきたいと思いますが、労働省はどうお考えですか。
○国務大臣(伊吹文明君) 確かに、御指摘になりましたワークシェアリングという問題は考えねばなりません。したがって、働く人の立場からいっても、働く形態というものはこれからどんどん変わっていくと思います。私は終身雇用制度というのは必ずしも悪い制度であるとは思っておりません。いいところもたくさんあると思います。
 しかし同時に、学校を出たときに人生経験は余りないけれども、決めた進路で一生の自分の進路が決まっていくということについて、途中で思い直す人もたくさん出てまいります。女性も社会進出をしておられます。子供を育てた後また働きたいとか、保育園に行った後また職場へ戻りたいという方もたくさんおられます。したがって、ワークシェアリングということだけではなくて、あるいはワークシェアリングというものをやりやすい形にするために、終身雇用制ではない派遣職員の方式であるとかあるいは裁量労働制の導入であるとか、いろいろなことが組み合わされて、これからは結果的にワークシェアリングの方向へ向かっていく部分もあると私は思います。
 したがって、労働の分野というのはすぐれてその国の生活様式、伝統文化の反映であると私は思いますが、同時にグローバル時代に即するような規制緩和も行っていかねばなりませんので、それらを含めた法改正をこの国会にぜひお願いしたいと思って、今準備を進めているところでございます。
○星野朋市君 既に大臣から触れられましたけれども、今国会、労働省としては労働基準法の改正という大きな問題を控えているわけですけれども、その一番目玉がいわゆる裁量労働制だと思うんです。裁量労働制の問題点、連合なんかがこれはサービス残業の増加につながると盛んに言っているけれども、私は観点がちょっと違うんです。これは賃金体系の変更につながるのだと思っていますけれども、時間がありませんので簡単にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 私も先生と大体同じような理解で法案を提出いたしたいと思っておりますが、一定の仕事を達成すれば労働時間はその方の判断でやっていただいていいという制度ですから、能力があれば週二十時間で仕事を終わらせて、あとの時間は自由にいろいろなことに使えます。しかし、欠点というか労働組合が御心配になっているのは、仕事ができなければ四十五時間、五十時間と働かねばならないということです。
 そこでは働く人たちの代表の人たちが使用者側と話し合って裁量労働制を入れるかどうかということを決めるわけでございますから、私は歯どめはきちっとあると思っておりますし、また、そういう労働者の大部分を代表する人たちがホワイトカラーの中で使用者と話し合うことによって、労働組合も組織ができていないホワイトカラーの中へ入っていけると思うんです。入っていって、また、しっかりした組合がなければ使用者も困るんです。
 私は、そういう方向に向かって建設的な労使関係ができることを期待し、また賃金形態も先生がおっしゃるように変わってくると思います。
○星野朋市君 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で星野朋市君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岩崎純三君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋宗康君。
○島袋宗康君 本日の予算委員会で私は三回目の質疑になるわけでありますけれども、総理とは見解や沖縄基地の実情に対する認識にかなり違いがあることがはっきりしてまいりました。
 総理のお答えに、心外であるとか残念であるとかという言葉が頻発しております。私も残念ではありますけれども、見解の相違や認識の違いをはっきりと認めます。しかし、今大切なことは、どうすれば沖縄の基地問題を一歩でも前進させることができるのかという一点に尽きます。まさにオール・オア・ナッシングの論議ではだめなんです。
 ただ、今もう一度指摘しておきたいことは、三事案より急ぐ問題として急浮上してきたのが普天間飛行場の問題であります。沖縄県民の認識としては、三事案が緊急課題であるとすれば、普天間飛行場は超緊急課題であるということであります。それほど事態は緊迫しているということを認識していただきたいと思います。その普天間飛行場問題さえ沖縄県民は県内移設はノーだということが今はっきりしております。
 非常に重要な問題でありますので、総理の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 何度も議員との間で同じような御意見を承り、同じようなことをお答えしなければならないことを本当に悲しく思います。
 先日もお答えを申し上げましたように、まさに大田沖縄県知事と初めて総理としてお目にかかりましたときに、私は実は三事案というものについての御意見が出ることを予測しておりましたが、当時、知事さんからはそれよりもっと急ぐテーマとして今御指摘のように普天間基地の問題が提起をされました。それに対して今日まで進めてまいりました努力というものは御承知のとおりであります。
 そして、一昨年の四月、現在の基地の機能を維持しながら五年ないし七年ぐらいで全面返還ということを発表できるまでに至りました。その発表に際して、当時、大田沖縄県知事は、より望ましいのは無条件返還であるが、厳しい情勢の中でそれを県が望めば普天間基地の返還は実現できない、普天間が町のど真ん中であり人命への危険の懸念が強い、その懸念を解決できると述べてくださいました。
 私が本当に懸念いたしますのは、自然環境、騒音、安全、いろいろなことを考慮して、現在の普天間飛行場よりも規模を大幅に縮小し、しかも必要がなくなりました場合には撤去できるという、すなわち知事が提起をされました問題に対して政府が現時点でぎりぎりの選択肢として御提示を申し上げた海上ヘリポート案が実現できなければ現在の普天間基地というものがそのまま残ってしまうということです。
 周辺住民の不安を一日も早く解消してさしあげられるように最優先で政府も取り組んでまいりましたし、またその努力はお認めをいただきたいと思います。
○島袋宗康君 昨日の新聞に「在沖米軍の段階的移動を」という大きな見出しで地元の沖縄タイムスと琉球新報に掲載されております。
 その内容は、米軍準機関紙、星条旗新聞が、去る一月二十九日の米下院国家安全保障委員会で、民主党のポール・マックヘル下院議員が、今後十年ないし二十年で沖縄の前方展開兵力、海兵隊などを段階的に太平洋の他の地域に移動させるべきと提言をしておると。さらに、琉球新報では、エドワード・ワーナー米国防次官補が、国防総省内で在沖米軍の移動などについて研究が進められているということを明らかにしております。
 外務大臣はこの辺についてどうお考えですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 米国のマクヘイル議員が、米下院国家安全保障委員会におきまして沖縄が米軍の主たる配備地として中長期的に適当でないという考え方の発言をなされたことは承知をいたしております。
 ワーナー氏の発言につきましては、調査いたしましたところ、そのような真意ではないというふうに理解をいたしております。
 いずれにいたしましても、米議会の議員の発言というものは注目すべきものでありますが、政府としては政府と政府との信頼においてその対応については決しておるところでございます。
○島袋宗康君 アメリカの国内でも海兵隊の移動ということは検討されているわけですから、やはり日本政府としても自主的判断で検討する必要があると思いますので、私はあえて申し上げておきます。
 日本の安全保障にとって日米安保体制が不可欠で、そのため日本国内に米軍基地を置く必要があるとの主張がありますが、なぜ米軍基地の七五%が沖縄だけに偏在しているのか。多くの現状肯定論者は沖縄の地政学的な位置とか米国の戦略とか弁明しておりますけれども、しかし今日の兵器の性能や米国の戦力などから、その理由は余りにも意味を持たないと私は思います。ただ安易に現状を踏襲しているだけにすぎないと思います。対米追従で、沖縄県民の不満は経済振興というあめで抑えられるとたかをくくっている、私はそうとしか思えません。しかし、沖縄県民はこれ以上安保体制の犠牲になり続けることにはもう我慢ができないわけです。
 去る一月二十九日、本委員会において、沖縄米軍基地を縮小する方法は二つしかない、一つは米軍の国外移転で、もう一つは米軍の本土移転と私は申し上げました。この問題に対して、総理は、現実から考えて「いずれも今とり得る状況ではない」、一つには「日本以外の場所にアメリカの海兵隊の移動を求める状況ではない」、二つには「本土の各県に移せと、突然のお話になりますが、言うべくして簡単なものではない」、こういうふうにお答えになりました。
 しかし、米軍の国外移転については政府はもっと強い対米交渉姿勢をとるべきである、海兵隊の撤退論は今米国内で強い主張があるということを私は申し上げまして、総理のお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政府は誠心誠意米国政府との間で沖縄の皆さんの声というものを受けながら話し合いをし、その上でSACOの最終報告をまとめました。そして、先ほど私から御紹介をいたしましたような知事さんの御発言がいつの間にか忘れられてしまっている状況を大変残念に思います。
○委員長(岩崎純三君) 以上で島袋宗康君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岩崎純三君) 次に、山口哲夫君の質疑を行います。山口哲夫君。
○山口哲夫君 政府はこれまで、公費の投入、銀行支援に当たりましては、まず銀行側のリストラ、それから経営者の責任、こういうことが行われなければならない、こういうふうに終始言ってまいりました。しかし、実際には実行されていないと見なければなりません。
 先ほどの質疑の中で、銀行局長の方から、例えば都市銀行の役員報酬、ずっと四年間の実態を報告しておりましたけれども、これとて内容をよく分析してみなければ必ずしもリストラになっているかどうかわかったものではありません。大変高い給与の頭取が二人か三人やめればぐっと下がるわけですね。ですから、内容を全部分析しなければリストラしているなんということにはならないと思うんです。
 特に、頭取の中には総理大臣の二倍くらいの報酬を受けている方がいらっしゃるという話を聞いております。これは銀行独自の力でちゃんとした利益を上げている間ならまだそれはいいでしょう。しかし、少なくとも国民の税金を投入するというときに、こういう常識では考えられないような報酬を受け取っているままでの公費の投入ということではとても私たちとしては認めるわけにはいかない、こういうふうに思うけれども、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 気分的には私も全く同じような感じだと思います。
 ただ、政府が各金融機関の人件費あるいは役員の給与を決定するわけではありません。本来はこれは株主の意向がそうしたものの改善の方向に向かうように動いてほしいものだなと私は思います。
 気持ちの上では私は議員と同じでありますが、仮に株主がそれを許すんだからということになりますと、これはまた別な問題を生じてくるんじゃないでしょうか。
○山口哲夫君 公費を投入するという立場で、銀行のリストラや経営者の責任追及が行われなければいけないということ、これが先決だということを総理を初めいろんな方がおっしゃっているわけですから、私は株主がいいと言えばそれでしようがないだろうということにはならないと思うんです。
 例えば優先株、劣後債、こういうものに対して申請をしてくる。そのときに、当然法律に基づいてこれからの改善計画書を出しなさいということになっているわけです。経営の健全化確保のための計画、これを出さなければならない。そうすると、その改善計画の中に、抽象的にではなくしてもっと具体的に、例えば役員報酬というものはこういうふうに削減をしてまいりました、あるいはこうこう具体的に削減をしております、そういうものをちゃんとつけてこなければそういう計画書は受け取るわけにはいかないし、政府の公費投入ということもできないのではないかと思うわけです。
 その点についていかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そうお尋ねをいただければ、私は正確にお答えができると思います。
 と申しますのは、今公的資金が投入されている状況ではない中で、民間金融機関がどういう給与体系を設定しているかについて、政府としてその経営内容を十分熟知せずに介入することはできません。
 しかし、このシステムを国会がお認めいただき、それが制度として動き始め、この資金によって自己資本の充実を図ろうとする金融機関は当然その申請を行われるでありましょうし、これは委員会においてチェックをされます。そして、将来の計画に対しても、十分経営が成り立つであろう証明を求められることになります。その中には当然ながら役員報酬等も含まれるでありましょうし、不適切なものであれば、これは審査機関として注意を喚起し是正を求めるといった手続がとられる、私はそう理解をいたします。
○山口哲夫君 法律を読んでみますと、計画書を出すについていろいろなリストラの実態を明らかにしなければならないけれども、何か抽象的に終わってしまうような心配を受けるものですから、そこをはっきりさせてもらいたいと思ってあえて質問をしたわけです。
 今の総理の答弁ですと、相当具体的な内容について出されてくるであろうし、その内容に従って審査をしてくる、そういうことで受けとめておきます。具体的な内容が明らかにならない間は政府としても当然公費の投入はしないという立場でそれを受け取っておきたいと思います。
 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で山口哲夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして、平成九年度補正予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。
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○委員長(岩崎純三君) それでは、これより討論に入ります。
 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。広中和歌子君。
○広中和歌子君 私は、民友連を代表して、ただいま議題となりました平成九年度一般会計補正予算外二案につきまして反対の討論を行います。
 昨年十一月には三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券、徳陽シティ銀行が次々に経営破綻を起こし、国民の間に金融不安が一気に高まりました。また、銀行の貸し渋りが広がり、企業倒産は過去最高水準となっているほか、消費者マインドも一段と冷え込み、景気は腰折れ寸前の状況となっています。
 このような景気の大幅な後退をもたらした責任はまさに橋本内閣の政策判断の誤りによるものであり、消費税率の引き上げ、特別減税の打ち切り、さらに医療費の負担増等、合計九兆円に及ぶ国民負担増を強行したデフレ政策の失敗です。
 さらに、橋本総理は、日本発の金融恐慌、経済恐慌を決して起こしてはならないと突然言い出されましたが、今日まで不良債権問題の処理を先送り、放置し続けた責任は一体どうなるのでしょうか。また、七十六兆円にも達しようかとする不良債権をもたらしたバブル経済の責任があいまいなまま公的資金の導入が行われることには納得がまいりません。
 バブル経済と膨大な不良債権の発生を放置してきた金融行政には大きな反省が求められなければなりません。そうした時期に、大蔵省の金融検査をめぐる汚職事件が発覚したことは、金融業界とのなれ合い行政を当然視してきた大蔵省の構造的体質にメスが入ったと言っても過言ではありません。国民に大幅な負担増を求める予算を編成する一方で、金融機関と大蔵省の癒着の実態がこれほど悪質なものであったのかと、国民はただただあきれ返っているのが実態なのです。大蔵省の検査官を初めとする公務員の倫理、モラルの低下には著しいものがあり、私はこの場をかりて実効ある公務員倫理法を制定すべきことを強く要求するものです。
 今回提出されました平成九年度補正予算三案につきましては、今日の経済不況を克服するのにはほど遠い内容であって、到底認めることはできません。
 以下、その理由を申し上げます。
 反対理由の第一は、景気回復には全く不十分な二兆円の特別減税しか盛り込まれていないことです。
 しかも、私どもが再三要求したときには減税はできないとしていたにもかかわらず、米国からの強い要求があれば簡単に政策変更してしまうというのはどういうことでございましょうか。しかも、実施時期が余りにも遅過ぎます。私どもが主張してきたように、所得税・住民税減税で三兆円、法人税等の減税分三兆円を合わせた六兆円規模の制度減税を直ちに実施し、経済をまず回復軌道に乗せることが先決なのです。
 反対理由の第二は、銀行救済のための公的資金導入を容認した予算となっていることです。
 ここに至っても銀行の不良債権総額が一体幾らあるのかが不明では、政策の是非すら判断できるわけがありません。しかも、不良債権の発生を放置し続けた経営者責任、政治責任、行政責任が一切問われようとしていない点は断じて納得できません。
 反対理由の第三は、住宅・都市整備公団補給金等が千四百億円計上されていることです。
 これまで住都公団の賃貸住宅には政策的見地から一般会計からの支出を続けてきたところですが、その結果は民間よりも割高な家賃で空き家が目立っているのが実情です。一向に住宅政策を見直しすることなく住都公団への補給金を補正計上することは到底認めることができません。
 最近の世論調査によれば、橋本内閣の支持率は低下の一途をたどっており、国民の不平不満は限界に達しようとしております。また、一連の大蔵省をめぐる不祥事で金融行政に対する国民の信頼は地に落ちてしまっております。この際、橋本内閣はこれまでの経済政策の無策と失敗、さらには大蔵行政に対する国民の信頼を裏切った責任を明確にし、みずから潔く退陣すべきことを強く要求いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(岩崎純三君) 佐藤泰三君。
○佐藤泰三君 私は、自由民主党を代表し、平成九年度補正予算三案について賛成の討論を行います。
 日本経済は大変厳しい状況に置かれております。このような状況に対応して、政府は、昨年十一月、我が国経済を着実な成長軌道に乗せるため、緊急経済対策を発表するとともに、十二月には二兆円の特別減税等を内容とする景気対策と緊急金融システム安定化策を決定し、総力を挙げて景気対策に取り組んでまいりました。これら諸施策の着実な実行により日本の景気を回復軌道に乗せることが我々に課された使命であると確信し、橋本内閣の時宜を得た政策と英断に対し高く評価いたすものであります。
 本補正予算はこれら諸施策の実行に必要不可欠な内容であり、大いに賛意を表するものであります。
 以下、その主な理由を申し上げます。
 賛成の理由の第一は、総額二兆円規模に上る特別減税を実施するための措置を盛り込んでいることであります。二兆円の特別減税は冷え込んだ個人消費を刺激し、景気回復の足がかりになるものと大いに期待できるものであります。
 賛成の理由の第二は、金融システム安定化策を実施するための措置が盛り込まれていることであります。公的資金の活用を図り預金者の預金を全額保護するとともに、金融危機に万全の備えをすることは我が国の金融システムの信頼回復に必要不可欠な措置であります。
 賛成の理由の第三は、事業費ベースで総額約二兆五千億円に上る公共事業費が盛り込まれていることであります。緊急な措置が必要なものとして、災害関係経費、阪神・淡路大震災復興対策費等が計上されております。また、一兆五千億円のゼロ国債による前倒し発注は新たな財政負担を伴わずに切れ目のない景気対策を講ずるものであり、大変時宜にかなった措置であります。
 なお、本補正予算では、既定経費を約九千九百億円節減するほか、平成八年度剰余金約五千九百億円を繰り入れるなどしております。これらは限られた財源の有効活用であり、危機的状況にある我が国の財政健全化に資する措置として大いに評価すべきものであります。
 本補正予算は、当面する日本経済の危機に対応し、金融システムの安定性、信頼性を確保し、早急な景気対策を実施するために緊急に必要なものであります。政府におかれましては、本補正の成立後、その早急な執行により日本経済の着実な回復を図っていただきますようお願いいたしまして、私の賛成討論といたします。(拍手)
○委員長(岩崎純三君) 魚住裕一郎君。
○魚住裕一郎君 私は、公明を代表し、政府提案の平成九年度補正予算三案に対し反対の立場から討論を行います。
 現在、日本経済は非常に深刻で混沌とした状況に陥っております。橋本内閣の失政による景気の低迷、金融不安、失業率アップ、今や日本経済は失速寸前の状況にあります。このような失政を続ける橋本内閣の提出した政府三案には断固反対することを表明し、以下、その主な理由を申し述べます。
 まず第一の理由は、いわばなし崩し的に、金融システム安定化策として、預金保険機構の日銀借り入れに伴う二十兆円の政府保証という公的資金導入を決めようとしていることであります。
 橋本総理は金融システム不安を招いてしまったみずからの失政を何ら反省することなく、また国民に対して導入の経緯や必要性さえ十分に説明することなく、さらに住専処理に際し、これ以上の公的資金導入はないと明言しておきながら、国民の血税たる公的資金を導入しようとしているのであります。しかも、公的資金は優先株などの購入にも充てられることとされ、これは単なる銀行救済であることはだれの目にも明らかであります。
 また、大蔵省の相次ぐ不祥事、疑惑が解明されないままに、裁量行政拡大への道をとるわけにはまいりません。橋本内閣の国民軽視のやり方は到底容認できるものではありません。
 第二の理由は、二兆円減税が余りにも場当たり的に導入される点であります。
 橋本総理はさきの臨時国会で財政構造改革法の成立を強行し、景気対策としては赤字公債発行につながる特別減税は導入せずとかたくなに繰り返し述べてきた。にもかかわらず、突然翻意して導入を決める。まさに場当たり的で、ダッチロールと言わざるを得ません。しかも、景気がここまで悪化してしまっては、わずか二兆円の減税では景気浮揚には全く力不足であります。今この時点では、我が党が主張しているように、六兆円の恒久減税を基本とする大幅減税を実施すべきであります。
 また、本年一月の額賀副長官の四月大型補正発言の報道を否定したかと思うと、今度は六兆円規模の補正に同調する。朝令暮改以外の何物でもありません。
 第三の理由は、中小企業対策が不十分であることです。
 銀行の貸し渋りによる中小企業の倒産の懸念はきのうの参考人の意見陳述のとおりであります。政府系金融機関の貸出枠拡大などによる中小企業対策はその場しのぎにすぎず、根本的な解決策とは到底言えません。しかも、民間が貸し出しを控えているところに政府系金融機関が貸し出しを行うことが現実に可能であるかは極めて疑問であり、また不良債権拡大の可能性も懸念されます。このことは橋本政権の無策ぶりを如実に示しております。
 第四の理由は、ウルグアイ・ラウンド対策の米関係予算並びに住宅・都市整備公団補給金が含まれている点であります。
 補正予算は、財政法二十九条、予算作成後に生じた事由に基づき緊要な経費の支出のためのものであります。補正予算の性格上、許されざる右の各経費の計上はごまかしのそしりを免れません。
 最後に、現時点で考えられる最良の景気対策は、将来のビジョンも示せず、ただ日本経済を低迷させている橋本内閣の退陣であるということを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(岩崎純三君) 照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました平成九年度補正予算三案について賛成の討論を行うものであります。
 本補正予算案においては、最近の経済社会情勢にかんがみ、万全の景気対策ときめ細かな社会的弱者対策が盛り込まれていることから、賛意を表するものであります。
 以下、具体的に理由を申し述べます。
 第一の理由は、所得税減税に関する措置が盛り込まれている点であります。
 景気低迷の最大の要因となっている個人消費を喚起することが現在最も重要かつ有効な景気対策であることは明らかであります。政府は総額二兆円に上る所得・住民税減税を決定されましたが、まさに時宜を得た大胆かつ適切な措置であり、反対の余地はありません。
 第二の理由は、金融システム安定化に資する措置が盛り込まれている点であります。
 相次ぐ金融機関の破綻により金融不安が広がる中、政府は預金者保護等を目的として総額三十兆円の公的支援策を打ち出されました。本補正では、予算総則において預金保険機構の借り入れに対し政府保証を行うことが明記されており、金融システム安定化への政府の確固たる姿勢をあらわすものとして高く評価いたします。
 第三の理由は、社会的弱者に対するきめ細やかな措置が講じられている点であります。
 長引く景気低迷と史上例を見ない低金利の最大の被害者は障害者や高齢低所得者といった社会的弱者の方々であり、このようなときこそ政府は財政面からの支援を怠るべきではありません。本補正予算では臨時福祉特別給付金として千五百億円が計上されており、時宜を得た予算措置だと評価しております。
 以上、賛成の理由を述べました。
 政府におかれましては、でき得る限りの景気浮揚策を断行し、政府系金融機関に新たな融資制度を創設し中小企業向け融資等の改善を図り、金融破綻に起因する雇用不安の克服に努めるなど、国民の期待にこたえられるよう強く要望して、賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(岩崎純三君) 須藤美也子君。
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表いたしまして、九七年度一般会計補正予算外二案に対し反対討論を行います。
 まず、反対する最大の理由は、大蔵汚職の十分な究明もしないまま当初予算の半分に近い三十兆円もの巨額な公的資金を銀行業界の支援につぎ込む枠組みをつくることです。そのために本補正予算の総則で二十兆円の政府保証枠が掲げられており、我が党は断じて容認できません。
 橋本総理は、これまで三十兆円の投入計画について、これは山一証券、北海道拓殖銀行の破綻によって金融システム全体の信用が揺らいでいるからだと説明してきました。ところが、金融不安の発端となった山一証券、拓銀の破綻が、まさに大蔵省の深い関与による事実上の共犯関係で行われてきた疑惑が一層強まっています。
 すなわち、大蔵省への拓銀の接待は拓銀の金融検査に入ったちょうど同じ時期の九四年八月から始まり、収賄検査官は検査日程を漏らし、検査官を逆指名、不良債権を隠した上、違法融資を不良債権扱いにし、無税償却を認める脱税工作まで行ったというのです。一方、山一証券の自主廃業のきっかけとなった簿外債務、飛ばしについても、我が党の質問で明らかなように、大蔵省が当時の実態を知っていた可能性が強くなりました。
 しかも、このような重大問題の徹底解明に不可欠の資料として我が党初め野党四会派が共同して要求している大蔵省検査の資料提出も行われず、関係者の証人喚問も実現されなかったことはまことに遺憾であります。まともな解明もないまま国民には九兆円の負担を押しつけ、財政構造改革法でさらなる社会保障の負担をふやしながら、癒着の一方の当事者である贈賄銀行に三十兆円もの支援をする道理は全くありません。
 このような重大問題をないがしろにし、極めて短時間の審議で本補正予算の成立を図ろうとすることに厳しく抗議をするものであります。
 反対の第二の理由は、SACO関係経費七十二億円を計上していることであります。
 これは米軍による沖縄県の実弾射撃演習を本土に移転、拡張するための追加経費などですが、こうした米軍演習は米国がアジア太平洋地域で行う軍事作戦行動に日本を自動的に参戦させる新ガイドラインの先取りであり、日本とアジアの平和への脅威にほかならず、その財政的なてこ入れは断じて認められません。
 最後に、本補正予算には一年限りの二兆円の特別減税を盛り込んでおりますが、これでは全く不十分であり、我が党は反対であります。九兆円もの国民負担増路線を根本的に転換することなしには国民の不況打開の要望にこたえることはできません。
 我が党の質問によって、社会保障、福祉、医療が公共事業以上に安定的経済成長に寄与するということも、本委員会で厚生白書初め公的資料で明らかになり、橋本総理もこの事実を確認いたしました。
 日本共産党は、消費税を三%に戻すこと、低所得者に厚い所得税減税を恒久化すること、公共事業偏重のあり方を改め社会保障制度を充実させることを強く要求して、反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(岩崎純三君) 星野朋市君。
○星野朋市君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました政府提出平成九年度補正予算三案に反対する立場から討論いたします。
 反対の第一の理由は、この補正予算案は理念も哲学もなく、特別減税の場当たり的再実施だからであります。
 橋本総理は昨年十二月に特別減税の再実施を突如表明されました。我々が昨年の通常国会に提出した特別減税継続法案を廃案にし、財源を特例公債に求める減税は実施できないとの答弁をたびたびされてきたにもかかわらず、みずから招いたこの不況、金融危機に反省もなく、全く支離滅裂であります。まずはみずからの過ちを素直に認め、国民に謝罪すべきです。
 また、二兆円の特別減税再実施では規模も小さく不十分で、特別減税である限り期限が来れば増税が待ち構えており、景気浮揚効果も期待できず、まさに増税予告つき減税であります。
 真に景気への影響を考え、庶民の困窮を救うためであれば、平成十年分特別減税は恒久制度減税とすべきです。もちろん、恒久化するに際しては、最高税率の引き下げ、税率構造のフラット化、簡素化を実施し、すべての税率を引き下げて抜本的な税制改正を行わなければならないのは当然であります。
 反対の第二の理由は、金融システム安定化策と称するものであります。
 さきの大蔵省金融検査部の不祥事はまさに政官業の癒着の典型であり、護送船団行政のなれの果てであります。今や金融行政、銀行業界への信頼など全くありません。
 金融システムの不安を解消するためには、事前指導型の裁量行政から事後チェック型のルール行政へと改革し、透明さを増して市場の信頼を取り戻すことが必要なのです。
 銀行に優先株等を発行させ公的資金により引き受けるのも悪名高い護送船団行政の拡充強化継続でしかなく、安易な救済は金融機関の経営努力を怠らせ、かえって国際競争力をそぐ結果となります。頻発する不祥事をなくし、他産業に比べて高い給与を是正し、店舗を合理化するなど、金融機関にはまだまだ大胆なリストラの余地があるはずです。
 また、金融機関だけを救済するのはまことに不公平であり、モラルハザードは銀行だけでなく日本全土に蔓延するに違いありません。今回の大蔵省の不祥事は不良債権検査に関係しており、贈収賄となれ合い検査のもとで報告された不良債権額により公的資金を導入することは言語道断であります。
 もはや橋本内閣には、この経済危機に対する能力も責任も持ち合わせておらず、橋本内閣の編成する予算にあすの日本をどのようにするのかというビジョンを見出すことは全く不可能であります。
 以上、政府提出平成九年度補正予算三案に反対する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○委員長(岩崎純三君) 以上で討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 平成九年度一般会計補正予算(第1号)、平成九年度特別会計補正予算(特第1号)、平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
○委員長(岩崎純三君) 多数と認めます。よって、平成九年度補正予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会