第142回国会 予算委員会 第15号
平成十年四月三日(金曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月二日
    辞任         補欠選任
     今泉  昭君     直嶋 正行君
     齋藤  勁君     菅野 久光君
     栗原 君子君     山口 哲夫君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     魚住裕一郎君     荒木 清寛君
     吉川 春子君     橋本  敦君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岩崎 純三君
    理 事
                岡部 三郎君
                小山 孝雄君
                佐藤 泰三君
                永田 良雄君
                成瀬 守重君
                小山 峰男君
                角田 義一君
                風間  昶君
    委 員
                阿部 正俊君
                板垣  正君
               大河原太一郎君
                大野つや子君
                金田 勝年君
                北岡 秀二君
                沓掛 哲男君
                田沢 智治君
                武見 敬三君
                谷川 秀善君
                南野知惠子君
                長谷川道郎君
                平田 耕一君
                真鍋 賢二君
                依田 智治君
                久保  亘君
                小林  元君
                菅野 久光君
                直嶋 正行君
                広中和歌子君
                荒木 清寛君
                牛嶋  正君
                加藤 修一君
                高野 博師君
                及川 一夫君
               日下部禧代子君
                田  英夫君
                笠井  亮君
                須藤美也子君
                橋本  敦君
                田村 秀昭君
                星野 朋市君
                佐藤 道夫君
                山口 哲夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
   参考人
       元大蔵省証券局
       長        松野 允彦君
       大蔵事務官(元
       大蔵省証券局業
       務課長)     堀田 隆夫君
       山一證券株式会
       社元代表取締役
       副社長      白井 隆二君
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  本日の会議に付した案件
○平成十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成十年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成十年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○委嘱審査に関する件
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○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算、平成十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 本日は、平成十年度総予算三案の審査のため、参考人、元大蔵省証券局長松野允彦君、大蔵事務官(元大蔵省証券局業務課長)堀田隆夫君及び山一証券株式会社元代表取締役副社長白井隆二君から御意見を求めることといたします。
 この際、参考人に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用のところ御出席をいただき、ありがとうございました。
 当委員会におきましては、目下、平成十年度総予算の審議を進めておりますが、特に、金融・証券業界と監督官庁との関係について議論が重ねられてきたところであります。中でも、いわゆる飛ばし行為に大蔵省が関与していたのではないかとの問題につきましては、衆議院で証人喚問も行われておりますが、参議院におきましては、関係者から個別に証言を聴取する方法では真実の解明に限界があるとの認識で各会派が一致し、関係者に同席いただき、相互に認識の違う点があれば率直に御発言をいただける方法として参考人質疑を行うこととしました。参考人は、どうか御存じのことを率直にお話しくださるようお願いいたします。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。
 松野参考人、堀田参考人、白井参考人、本日はお出ましをいただきまして本当に御苦労さまでございます。
 さて、総会屋事件に端を発した、証券業界、銀行業界、大蔵省、日銀を巻き込んだ不祥事件は、国民にとりましてはただあきれるばかりであります。日本の国はこれからどうなっていくのかということを非常に心配しておるわけでございます。それが結局、景気が一向によくならないということにつながっているのではないかというふうに私は考えております。
 山一証券は、去る三月三十一日をもって百年に及ぶ歴史に幕を閉じたわけであります。七千五百人に及ぶ社員は職場を失い、家族を含めますと何万という人たちが生活の糧を失ったわけであります。まことにお気の毒なことであるというふうに考えます。
 きょうは、テレビで全国放映をされております。国民の皆さんは、その原因がどこにあったのか、そしてその責任はだれにあるのかということを本当に知りたいと思っておるだろうと思います。それを解明するかぎは、きょうお越しいただいたお三人さんが握っているのではないかというふうに私は考えます。どうか、国民にわかりやすい、国民に語りかける、真実をお話ししていただきますようあらかじめお願いをいたしておきます。
 まず、松野参考人にお伺いをいたしたいと思います。
 あなたは、平成十年三月十八日の衆議院予算委員会の証人尋問におきまして、我が自由民主党小川議員の尋問に対し、当時の山一証券副社長三木氏に会ったのは、三木さんとお会いした時期につきまして、その後いろいろと記憶を探ってみました結果、どうもお会いしたのは平成四年の一月の下旬であったと思うようになりました、こうおっしゃっておられますが、一月下旬であったというふうに現在では考えております、こうはっきりとお答えになっておられますが、それは間違いございませんでしょうか。
○参考人(松野允彦君) 間違いございません。
 実は、二月の中旬に当院の財政・金融委員会にやはり参考人でお呼びをいただきまして、そのときの記憶ではたしか十一月か十二月ごろではないかという御答弁を申し上げたことがございます。
 しかし、その後いろいろな報道がなされまして、六年以上前のことでございますのでいまだに完全に記憶が戻っているわけではございませんが、いろいろ報道されていることなどから考えまして、先ほど御指摘がございましたように、三木当時の副社長とお会いしたのは平成四年の一月下旬ではないかというふうに思い、そういうふうに衆議院の証人喚問でもお答えを申し上げたところでございます。
○谷川秀善君 このお会いになったのは、どういう案件でお会いになったのでございましょうか。
○参考人(松野允彦君) これは証言のときにも申し上げましたように、ほかの証券会社に一部トラブルがございまして、これは飛ばしに絡むトラブルでございますが、その処理についての話し合いがなされている最中に同様のトラブルが山一証券にもあるという情報が私に入ってまいりました。これはどこから入ってきたというのは私も記憶がないわけでございますが、そういったこともございまして三木副社長にお会いをしたと。したがいまして、三木副社長にお会いしたのはそのトラブルに絡む問題だというふうに記憶しております。
○谷川秀善君 いわゆる飛ばしに関してでございましょうね。
 堀田参考人にお伺いをいたします。
 山一の飛ばしの件について、あなたは当時業務課長をしておられたわけでございますが、平成十年三月十五日の予算委員会の海江田議員の質問に対し、三木副社長を業務課に呼んでお話を伺ったという記憶はございませんと答えておられますが、そのとおりでございましょうか。
○参考人(堀田隆夫君) 私も、六年前のことになりますので、必ずしもきっちりとした記憶がすべてあるということではございませんけれども、今お尋ねの山一の飛ばしにつきまして、三木副社長を業務課にお呼びしてお話をしたというような記憶は全くございません。
○谷川秀善君 それじゃ堀田参考人にお伺いをいたしますが、三木元副社長とは一度も会ったことはございませんですか。
○参考人(堀田隆夫君) 平成三年の六月にいわゆる証券不祥事が発覚いたしまして取りやめになりましたけれども、その前には、大手四社、四証券会社の企画担当副社長と大蔵省との定期的な会合、昼の会合がございました。大蔵省の方は二人の審議官、それから私ども課長、数名の課長ということでございますけれども、三木副社長は企画担当でいらっしゃいましたので、その会合で月に一度ぐらいのペースでお会いしていたということでございます。
○谷川秀善君 それでは、いわゆるこの平成三年以前ですね、だからあなたが今おっしゃったのは、平成三年六月以前は会ったと。それ以前は、いわゆる一般的な仕事の会合とか何かでは会ったけれども、山一証券に関する何かに関しては会ったことはない、こうおっしゃるわけですね。
 だから、この平成三年の一月ごろに、六月までは個別の案件、山一証券の案件に関しては会ったことはない、こういうことでございますね。答えてください。
○参考人(堀田隆夫君) 今仰せのとおりでございまして、この山一証券の飛ばしあるいはトラブルの件で三木副社長とお話をしたことはないと記憶しております。
○谷川秀善君 それじゃ松野参考人にお伺いをいたしますが、あなたは小川委員の尋問に対し、私個人が三木さんを呼んだという記憶はございません。しかし、実はその当時、別の証券会社におきまして、ほぼ同じような飛ばしに絡むトラブルの問題があったという記憶がございまして、これは恐らく大和証券のことだと思いますが、その問題、これは私が直接ではなくて、当然その担当の部署、恐らくこれは業務課だと思いますが、その証券会社とが処理の話し合いをしていたというふうに私は記憶しておりますが云々とあって、その過程で、今申し上げた海外の投資家への飛ばしの継続というようなアイデアが出てきて、それが私の頭に入っていたものですから、三木さんにお会いしたときにそういうものも考えられるということを申し上げたのですが、その過程で、山一証券についても同じようなトラブルがあるというような情報が私に入ってまいりまして、それに対して私は、山一証券を呼んで事情を聞いてみたらどうかということをたしか言った記憶がございます、こう答えておられるわけです。
 だれに言ったんですか、松野参考人。
○参考人(松野允彦君) それは私も大分記憶を手繰り寄せているわけでございますが、証言のときにも申し上げましたように、山一証券に同様のトラブルがあったという情報がどこから入ってきたかというのは実は私はわかりません、率直に申し上げまして。
 したがいまして、私は、だれから聞いたかというのを、どう記憶を手繰りましてもその人間を思い出すというだけの確かな記憶がないわけでございまして、山一に絡むトラブルについての情報源あるいは私にだれが伝えたかということについては、どうしても記憶がないということを御理解いただきたいと思います。
○谷川秀善君 それはちょっとおかしいじゃないですか。
 あなたは、山一証券を呼んで事情を聞いてみてはどうかとだれかに言った記憶がある、こう言っておるわけですよ。だれに言うんですか。少なくとも証券業務を監督しておられるのは証券局でしょう。違いますか。その証券局の局長が部外者に言うわけがないでしょう、調べてみてはどうか、こういうことを。
 少なくとも、私は、やっぱり部下である業務課の、業務課長であるかどうかは知りませんよ、部下である業務課に指示をするのが役所としての普通の常識じゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○参考人(松野允彦君) まさにおっしゃるとおりでございますが、当時の状況を申し上げますと、私は非常に法案の準備に忙殺をされておりまして、情報が上がってまいりましたときに、その情報を上げてきた者に対してそういうふうな話をしたというふうに思います。
 したがいまして、私としては、当然その情報が業務課に伝えられ、業務課の担当者が山一証券を呼んで事情を聞くというような指示をしたというふうに思っていたわけでございます。
○谷川秀善君 それは大分昔の話ですから、なかなか記憶は定かでないのかもわかりません。
 私も長年役所におりましたが、役所の常識としては、そういう情報がどこからか入ったということになったら、それを直接担当している課長なりを、局長の場合は課長を呼んで、こういう情報を得たが一遍調べてみてはどうかと言うのは、これは常識だろうと思うんです。これは、言うたら記憶の問題ですから、恐らくそういうことだろうと私は思います。
 そこで、堀田参考人にお伺いをいたします。
 当時、業務課長をしておられたわけですから、直接の上司である松野参考人から山一を呼んで事情を聞いてみてはどうかということを言われたことがございますでしょうか。
○参考人(堀田隆夫君) 当時、松野局長からそういう指示を受けたという記憶はございません。
○谷川秀善君 そうなると、結局、大蔵省の組織というのはどうなっているのかというふうになりますね、これは役所ですから。
 こっちはだれかに言うたと言っているんですよ、松野参考人は。ところが、直接の部下である堀田参考人は言われた記憶がないと。そうすると、大蔵省というのはどんな仕事をしているのかと国民は皆そう思いますよ、これは。私はそうじゃないと思うんです。言いたくなきゃ言わぬでいいです。私はやっぱり言われたと思うんです。その辺のところが一番国民が知りたい、こう思っているんだろうと思うんです。これは何ぼこれからこれやったってあかんと思いますから、次に行きますが、これは国民が聞いたらやっぱりおかしいということだけはおわかりいただけたと思います。
 大和証券で大変な問題が起こっている時期に、山一でも同じようなトラブルが起こったわけです。そこで、あなたは海江田委員の質問に、それは通常、こういうトラブルの問題を処理いたしますのは、当時の業務課、現在では証券業務課という名前になっておりますが、特別の事情のない限りそうだと思います。もう一つのトラブルの件、これは大和証券のことだと思いますが、につきましては、私は、その証券会社の社長と数回お会いしているというふうに思いますと答えておられますね。
 だから、常識的に考えれば業務課だと、こう言うとるんですよ、海江田さんの質問に対して。ところが、今お二人に聞くと、全然言うた覚えもなければ聞いた覚えもない。証券局長と業務課長というのは直接の上下の関係ですよ。こういうずさんな大蔵行政をずっとやってきたのかと思うと私はぞっとしますよ、本当にこれは。
 そういうことですが、松野参考人、証券会社の社長と数回お会いしたと思います。どれぐらいお会いになったんでしょうか。
○参考人(松野允彦君) ちょっと古いことでございますし、正確な回数は記憶しておりません。数回といいましても、社長でございますから、そんなにたびたび会ったということはないと思います。多分二、三回ぐらいではないかというふうに思います。
○谷川秀善君 二、三回ぐらいだろうと思いますよね、お互いにそれぞれお忙しい方ですから。
 それで、そのときにその社長とどういうお話をされたのでございましょうか。
○参考人(松野允彦君) これは、先ほどちょっと申し上げましたように、当時大和証券に飛ばしに絡むトラブル案件がございまして、事務レベルでもその事情を聞いておりました。大和の当時の同前社長が私に直接その問題について報告に来られたというところからお話が始まって、そのトラブルの処理について二、三回お会いをしたという記憶はございます。
○谷川秀善君 そのトラブルの処理についてどういう処理をしたらいいのかというお話をされたんですか。その中身について、古い話ですけれども、もし御記憶がございましたらお話しいただけませんでしょうか。
○参考人(松野允彦君) これは確かに個別のトラブルの問題ではございましたが、先ほど申し上げましたように、個別のトラブルの問題につきましては基本的に業務課の事務レベルで大和証券から事情を聴取していた段階でございます。したがいまして、私が同前社長とお会いしたお話は、もちろん個別の問題もございますけれども、飛ばしというものについての私どもの考え方といいますか、そういったものをお話をした、そういう部分の方が多かったんではないかというふうに記憶しております。
○谷川秀善君 この当時は恐らく飛ばしは別に違法でも何でもないわけですね、現先というのは。ただ、損失補てんをするということが、それまでは通常やられていたわけですね、ところが、それはおかしいんじゃないかということで十月に法ができて、一月一日から法が施行されたわけですね。それまでは別に飛ばしをやるということは商取引でありますから問題なかった。ところが、バブルがはじけて結局にっちもさっちもいかなくなってきた、飛ばそうにも飛ばしようがなくなってきたということでいろいろ相談されたんじゃないんですか。それはいかがでございましょうか。
○参考人(松野允彦君) 私が同前社長とお話をしている中で、もう飛ばしができなくなってきたというようなお話を聞いた記憶はございません。
○谷川秀善君 合法的に飛ばそうとしても、いわゆる飛ばされた方は何かメリットがなきゃ飛ばさせぬと私は思います、メリットがなければ。損をかぶってまで飛ばしを引き受けるわけはないはずですから。これはこれでよろしい。
 大和証券の社長とお会いになったのは、恐らく大和証券が東急百貨店との間で大体六百億ぐらいの含み損を抱えて、それをどう処理しようかということで、私はやっぱり大和がいろいろ悩んでいたと思うんです。それで監督官庁である大蔵省にお伺いを立てて、その処理方策について御相談になったんじゃないかと思いますよ、これは常識的に考えて。監督行政をやっているわけですから、やっぱり証券会社としては六百億ぐらいの含み損を抱えたということで相談に行ったと思うんです。ところが、その処理方策をめぐって恐らく意見が合わなかった、だから何回も会ったんじゃないかというふうに私は思いますが、いかがでございましょうか。
○参考人(松野允彦君) 同前社長との間で意見が特に合わなかったというような記憶はございません。
 確かに大きな含み損を抱えている問題ではございましたけれども、それについて大和証券がどういうふうに考えているのか。基本的にトラブルの処理というのはまず当事者間で話し合いをすべき問題でございまして、行政が方向づけをするというような問題ではございません。したがいまして、当事者間での話し合いの状況あるいは大和証券の中での検討あるいは判断の問題というようなことが同前社長との話の内容でございまして、特に大和証券がどうしたいのを大蔵省あるいは証券局がどうするというようなことで意見が対立していたというような記憶はございません。
○谷川秀善君 あなたは大和証券問題に関してこうも言っておられるわけです。
 担当課、当時はこれは業務課だと思いますが、いろいろ飛ばしの処理について論議をしている過程で、海外の投資家に、まあ飛ばしというのは株式の現先取引のことで、これ自体は違法でないのでありますが、現先の相手方を海外の投資家に求める報告を私が受けたのは事実ですと言っておられるわけです。だから、こういう報告を受けたと、こう言っておられるわけですよ、あなたは。
 だれから報告を受けたんですか。当時の課長である堀田参考人じゃございませんでしょうか。
○参考人(松野允彦君) 今御指摘のこの海外の投資家に株式の現先取引の相手方を求めるといういわばアイデアでございますが、このアイデアは、私の記憶するところでは、業務課が大和証券と協議、議論をしている中で、多分私の感じではこれは大和証券側から出てきたアイデアだと思うわけでございますけれども、それを業務課長、課長が直接だったかどうかはちょっと記憶がございませんけれども、業務課からそういう話を聞いたという記憶はございます。
○谷川秀善君 堀田参考人はいかがでございましょうか。局長に報告をしたという記憶はあるんでしょうか。
○参考人(堀田隆夫君) 大和証券の問題につきましては、大和証券の方から私に、業務課の方に、まあ相談というか報告がございました。十一月の下旬ごろからだろうと思いますけれども、社内におけるトラブルというか不祥事を把握したということで報告がございまして、何回かトラブルの相手方の顧客との折衝状況でございますとか社内における調査状況、特に取扱者、担当者がどういうふうにその問題をしゃべっているかというようなことについて報告がございました。
 基本的には調査中であるという報告でございましたが、恐らく一月中旬か下旬だと思いますけれども、大和証券の方から、社内で今いろいろトラブルの処理方策について検討しているけれども、直取引の相手を外国の投資家に求めるというようなアイデアも浮上しておる、ただ、まだそれをやろうとかやる方向で考えているとかということではなくて、アイデアとして浮上している、しかしいろいろな問題もあって今議論をしているんだというようなお話がございました。
 私に報告をしてこられたのは、管理と申しますかいわゆるコンプライアンス担当の役員でいらっしゃいますけれども、その方はこの問題についてはどちらかというと否定的な感じで、いろいろ問題が多いと思いますという感じの御報告でございました。私は、その話を聞きまして私の上司であります審議官と局長に御報告をしたと思います。
 ただ、この問題は、大和証券の方から、アイデアのようなことをお話ししたけれども、ああいうことはもうやめる、裁判上の手続をとって顧客と争うことにしたという報告がそう日を置かないでございました。
○谷川秀善君 松野参考人、あなたは衆議院の予算委員会で大和証券問題につきまして、当時の社長、同前雅弘さんですけれども、数回にわたる話し合いの中でもそういう話が出ておりまして、ということは、これはいわゆる飛ばし、現先取引のことでございますが、私としては、法律に触れない形でそういうことができるのであれば、それは選択肢の一つではあると、こう答えておられるんですね。しかし、証券を引き取るというのであれば結局これは損失補てんにつながりますから、これは平成三年十月三日に証券取引法が改正をされ明くる年の四年一月一日から施行されているわけで、損失補てんが禁止されてしまっているわけです。
 もし証券会社が引き取るのであれば、損失補てんをする以外に恐らく私は相手方が納得しないと思いますよ、そんなの。損を補てんしてもらわぬ限り、そんなのよろしいわと言うようなばかはおりません、これは。
 だから、損を引き取るということは、結局は言うてみたら債務を保証するということだろうと思いますよ。そうすると、何らかの形で簿外処理をする以外に方法はないんです、これは。結局は、損失補てんというのはどうするかというと、簿外で処理をするという以外に平成四年一月一日からは方法がないんです。損失補てんに該当しない唯一の道というのは、今ちょっとおっしゃいましたが、証券事故として裁判をする以外にないんです。裁判上の和解をするか民事調停の手続をするのが筋なんです。これがいわゆる法で認められている適法な措置なんです。
 当初、恐らく大和は、もう法が成立をしたから法的処置をする以外に方法はない、飛ばしは嫌だと、こう言うていたのを、大蔵省が飛ばしをやれと指導したんじゃないですか。そやから何回も会わなきゃいかぬということになったんじゃないですか。
 その辺、松野参考人、いかがでございましょうか。
○参考人(松野允彦君) 私と同前社長との二、三回の会合では、私の記憶する限りそういうふうなことではございませんでした。
 先ほども申し上げましたように、海外の投資家に直取引の相手を求めるというアイデアが大和証券から出てきていたわけでございますし、飛ばしが全くできなくなって、もう証券会社が損失補てんというような形で引き取らざるを得ないというような感じのお話が同前社長からあったというふうには記憶しておりません。あくまでも当事者間で話し合いを続けているというようなことで数回お会いしたというふうに記憶しております。
○谷川秀善君 いわゆる証券取引のトラブルを解決する方法としては、飛ばしをやるか証券事故として処理をするか、この二つしかないんです。それ以外の方法はないんです。法改正までは、飛ばしをやってもいわゆる損失補償ができたんです。だから割に飛ばしで損失補償をして解決ができたんです。それをやり過ぎておかしくなったから、これはやっぱりおかしいということで法ができたんです。法の趣旨はそうでしょう。そうじゃなかったら何もあのときに法を改正する必要はないんです。あの法ができた以後は少なくとも飛ばしはできない、損失補償が絡む飛ばしはできない。
 そうすると、あなた、二者択一というたって法的措置以外に方法はないんですよ。法的措置をするのであれば、何も証券会社が大蔵省へ相談しに行くことはありませんがな。やればいいんですよ、法的措置をやればいいんじゃないですか。大蔵省に相談しに行く必要がありますか。当事者同士で法的措置をやればいいんですよ。
 ところが、その当時、実際は護送船団方式ですから、今はどうかちょっとわかりませんが、だからはしの上げおろしまで大蔵省が一々くちばしを入れていたんじゃないですか。まあ白井参考人うなずいておられますけれども、入れていたんじゃないですか。
 だから、大和証券の大幹部とお会いになっておられたのは、やっぱり飛ばしをいかにうまくやるかということを私はむしろ大蔵省が指導していたんじゃないかというふうに思いますが、もう一度改めて松野参考人にお伺いします。
○参考人(松野允彦君) 決して私どもが飛ばしをするように指導をしていたわけではございません。もちろん、御指摘のように、証券取引法が改正され、それが施行されました平成四年の一月以降は、法律に違反しない形で飛ばしを継続するか、あるいは証券事故という形で処理をして損失をどういうふうに負担するかというような解決策が考えられるわけでございますが、私どもの認識として、先ほども申し上げましたように、同前社長との話でも、飛ばしという問題、つまり株式を使った現先取引がもうできなくなったというような話を聞いた記憶はございません。
 大和証券自体が相手方の企業とまだ話し合いを続けていたというふうに私は認識をしておりましたけれども、そういう状況でございまして、必ずしも大和証券が証券事故として処理するというのを初めから決めていて、それを大蔵省がとめたというような記憶は全くございません。
○谷川秀善君 指導というのは非常に便利な言葉なんですよ。答えは二つありますよ、それでどちらかを選びなさいよと。これは非常に便利ですね。だから、指導していたと参考人はおっしゃいますが、これは二つ答えがある、どちらかをとりなさいというのは、非常に一般的な問題の解決をする場合には当てはまると思うんです。方法が二つあります、だからどちらかお選びになったらいかがですかと。
 ところが、今回のような場合は二つないんです。飛ばしをして簿外処理をするか、表で処理をするか。二者択一なんです。この前の衆議院の方でも、二つの方法があります、それを選ぶのは少なくとも四大証券たるものの社長はそれぐらいの見識はあるであろうというようなお答えもしておられますが、二つないんです。一つを選んだら違法なんですから。
 違法な部分と適法な部分を二つ並べてどちらか選びなさいと言われれば、恐らく証券会社の社長としては飛ばしの方を選べと言われたというふうにとりますよ。(「赤子でもわかるよ」と呼ぶ者あり)そうでしょう。とりますよ。適法な部分を選ぶのだったら相談する必要はないんですから。その辺はいかがでしょうか。
○参考人(松野允彦君) 今の御質問でございますけれども、飛ばしが即簿外であるというふうには考えないわけでございます。
 簿外といいますのは、証券会社がみずからの資産あるいは負債としてこの場合は引き取るわけでございますから資産に計上するわけでございますけれども、証券会社がみずからの資産として計上しなければいけないものを計上しないというのがいわゆる簿外でございます。
 飛ばしという行為は、そもそも企業間の取引行為でございまして、証券会社が直接その取引の相手方になるわけではございません。したがいまして、飛ばし行為そのものは証券会社が資産を取得するとか負債を負うとかいうような行為ではないわけでございます。
 したがいまして、飛ばしというものが純粋にといいますか、要するに法律に触れない形で行われる限りにおいては、証券会社の簿外であるとかそういったようなことは問題としては起こり得ないというのが私どもの当時の認識でございました。
○谷川秀善君 それは法的にはそうなんです。飛ばしは何も違法じゃないんです。飛ばしの損失を補てんしたら違法になるんです。これは今おっしゃったとおりなんです。私も何も飛ばしが違法だなんて言っておりません。現先取引は合法な取引なんです。しかし、損をわかっていて引き取る人がおりますかと聞いているんです。私は常識的な話をしているんです。これはもういいです、これ以上議論してもあれですから。
 それで、大和証券は恐らく松野参考人なり大蔵省の言うことを聞かずに法的処置を選んで、平成四年三月に調停が成立したと私は思います。その結果、大和証券は四百九十億、東急は百十億の損をかぶったんです。それで結局大和証券の社長は引責辞任をしたんです。後ほど大蔵省は大和証券に対して行政処分をしたんです。
 私は、大和証券は、法ができたということで、大蔵省の言うことを聞かずに勇気を持って法的処置をすることによって生き残ったと思います。ところが、山一は大蔵の言いなりになって自主廃業に追い込まれたと思います。
 私は、山一証券はここで勇気を持っておれば、簿外のことはともかくとして、生き残れたと思いますが、白井参考人、いかがでございましょうか。
○参考人(白井隆二君) 本日の予算委員会は大変貴重なお時間であることは私承知しておりますけれども、ただいまの御質問にお答えする前に、谷川先生初め委員の先生方のお許しをいただいて一言おわびを申し述べたいと思います。
 昨年十一月の山一の経営破綻によりまして、当社に信頼を寄せていただいておりました株主や顧客の皆様、そしてまた各方面の本当に多数の皆様方に大変な御迷惑をおかけすることになりました。そしてまた、冒頭、谷川先生御指摘のように、本当に多くの従業員とその家族に想像だにしなかった御苦労をかけてしまったわけでございます。
 こうしたことに対しまして、旧経営陣の一人といたしまして重い責任を感じますとともに、本当に申しわけないという思いで、この場で深くおわびを申し上げたいと思います。
 それで、ただいまの御質問でございますけれども、平成四年の一月のときに、大蔵省とのやりとりの詳細については、実は私、当時常務取締役財務本部長という立場でございまして、詳しいことは承知しておらないんでございます。よろしゅうございましょうか。
○谷川秀善君 いや、私が今聞いたのはそういうことじゃなくて、大和は法的処置をして生き残れた、山一は自主廃業に追い込まれた、それについてどう考えますかと聞いているんです。
○参考人(白井隆二君) これにつきましては、もう私はこういう非常に重い経営責任をとる立場でございますので、ちょっと申し上げる資格もないというふうに思います。
○谷川秀善君 なかなか言いにくいと思います。
 そこで、改めてお伺いをいたしますが、三木元副社長にお会いになったのは、松野参考人、あなたが呼ばれたのですか、それとも三木さんの方から勝手に来たのでしょうか。いかがでございましょうか。
○参考人(松野允彦君) 私個人が直接三木さんをお呼びしたという記憶はございません。
 ただ、先ほど申し上げましたように、山一証券にそういうトラブルがあるという情報が入ってまいっておりましたので、私は、その担当課で事情を聞いていたというふうに思っていたわけでございますので、その関係で三木さんがおいでになったというふうに理解をしたわけでございます。
○谷川秀善君 そのときの状況を衆議院の方で松野参考人は、三木さんと私が会ったとき、一対一で会ったかどうかという点については、率直に申し上げて私はよく覚えていません。同席者がいたかもしれないという気もいたしますが、だれが同席者であったかということについて全く覚えがない。多分同席者がいたのではないかと思うわけですが思い出せないと言っておられるわけでございますが、こういうエポック的なときにだれが同席したのかわからぬというのは、昔のことですからなかなか思い出せぬと思いますが、私としては、少なくとも当時業務課長であった堀田参考人は同席していたのではないかと思いますけれども、堀田参考人、いかがでございましょうか。
○参考人(堀田隆夫君) 同席をした記憶はございません。
○谷川秀善君 ちょっと常識では考えられぬと思いますが、まあそうおっしゃっておられますから。
 それで、これは一回きりでございましょうか、松野参考人。それ以後、お会いになっておられませんでしょうか、三木さんとは。
○参考人(松野允彦君) 私が記憶している限りは一回だというふうに思います。
○谷川秀善君 そこで、私はやっぱりそう思うんですよ。大体、大和証券の社長とは数回会っているわけです、同じこのトラブルの。三木さんとは一回。これは私の邪推かもわかりませんが、大和証券は大蔵に抵抗したと思うんです。いや、あきませんと。もう飛ばしはできません、だから法的処置をしますと。そして説得していたと思う。それで時間がかかった。三木さんは恐らく、はい、わかりました、飛ばしましょう、こう言ったと思うんです。だから一回で済んだと私は思いますよ。これは常識的に考えて、だれが考えてもそう思うのが当たり前ではなかろうかというふうに私は思います。
 そこで、白井参考人にお伺いをいたしますが、三木社長が松野証券局長とお会いになった後、あなた経理をずっと担当しておられたと思いますが、三木社長から何らかの経理操作を命令されましたか、されませんでしたか。
○参考人(白井隆二君) 当時副社長であった三木から私にそういう操作をしろというような指示は受けておりません。
 当時、これらの処理につきましては、法人の営業を総括しておりました今故人になった副社長が担当をしておりましたので、そうしたことはそちらから発信されて私の手元へ届く、こういうシステムになっておりました。
○谷川秀善君 私に与えられた時間が相当経過をいたしましたので、これ以上お伺いする時間がございませんが、私は今、皆さん方も国民の皆さんもお聞きをいただいて、この質疑を通じて真相はどこにあったのかというのは今もって何か霧の中というような感じがするわけです。どうも何となく大蔵と証券業界が今もって何かなれ合い、いわゆる護送船団方式で進んでいるんではないかと。結局、考えてみたら山一だけがやり玉に上がってスケープゴートにされたのではないかという思いを私は今強くいたしておるところであります。
 当時の証券行政のトップと課長が、四大証券の一つであり百年の歴史を持つ日本を代表する証券会社に対する指導に当たって、ほとんど意見の交換もしていない、勝手にやれというようなことがどう考えても私は理解できないんです。むしろ手厚い指導をやり過ぎた結果、裏目に出たんじゃないかというふうに私は思っています。
 それで、問題が表に出ると今度は大蔵は手のひらを返すように山一を切り捨てて、しっぽ切りして、自主廃業に追い込まれたのじゃないかというふうな思いを、恐らく国民の皆さん方も、また七千五百人以上の山一証券の社員の皆さん、そして家族の皆さんも、何となくこのテレビを見ていたらやり場のない思いを感じておられるんじゃないかというふうに私は強く感じる次第でございます。
 最後に、白井参考人、今までのやりとりを聞かれてどういう思いですか。感想を聞きまして、私の質問を終わらせていただきます。
○参考人(白井隆二君) たびたび松野元局長と当社の三木副社長とのやりとりについての御確認があったわけでございますけれども、何分その内容を私細かに聞いておりません。
 ただ、三木から、局長から東急百貨店の件について引き取ることに了承を得たと、こういう話は私聞いております。そのことだけちょっとつけ加えさせていただきます。
○谷川秀善君 それじゃ終わります。
○角田義一君 お三人の方、大変御苦労さまでございます。
 まず、白井参考人にお尋ねしますが、今、最後のせりふは大変重大なことをあなたここでお話しになっておりますので、まずその辺からお尋ねをいたしたいと思います。
 私どもの調査によりますと、一九九一年十二月二十四日、当時の経営首脳陣がパシフィックホテルに集まられたということを聞いておるんですけれども、その事実は間違いないでしょうか。
○参考人(白井隆二君) それは間違いございません。十一月でございます。
○角田義一君 十一月。
○参考人(白井隆二君) 間違いございません。
○角田義一君 どんなメンバーの方がお集まりになったんでしょうか。
○参考人(白井隆二君) 当時の社長とそれから副社長二人、あと主として法人の営業を担当しておりました常務、専務クラス、そして私、企画室の法務担当の部長、およそこんなメンバーだったと思います。
○角田義一君 その席ではどんなことをお話しになったんでしょうか。詳しいことはいいですけれども、大ざっぱに、時間がありますから急所だけ教えてください。
○参考人(白井隆二君) 結論的には、どうしても引き取らざるを得ない当社として、その玉を簿外でペーパーカンパニーで処理する、こういうことはやむを得ない、そういう結論でございました。
○角田義一君 その相談をされてから、年が明けまして平成でいうと平成四年になりますけれども、その相談をされた内容に関連をいたしまして、そこにおった役員の方からあなたに何か御報告なりがあったんじゃないですか。
○参考人(白井隆二君) その後の動きとしましては、平成四年の一月下旬に、東急百貨店さんのトラブル案件に伴いまして処理しなければならない玉を引き取る、こういうことを大蔵省も御了承いただいているのでということで報告がございました。
○角田義一君 大蔵省も御了解をいただいておるのでというのは、固有名詞を言いたくなければ役職名でいいですけれども、どういう方があなたにそういうことを言ったのですか。
○参考人(白井隆二君) 企画室の部長でございます。
○角田義一君 あなたは、その企画室の部長からそのことを聞いて、これは非常に重大なことだと思うんですね、その部長さんだけを信頼をされたのか、それとももっと上の人にそのことを確認しようというお気持ちにはなったんでしょうか。
○参考人(白井隆二君) 私の立場としては、当然その部長からだけの情報では不十分でございますので、当時、先ほど申し上げました、法人営業の総括をしておりました亡くなられた副社長のところに行きましてこれを確認したところ、そのようだけれども、これについては三木副社長が折衝に当たられたと、こういう話でございますので、その後に三木副社長のところに参りまして確認をしたところ、先ほど最後に申し上げましたように、局長が了承されていると、こういう話でございました。
○角田義一君 局長が了承されていると。局長というのはここにおられる松野さんのことでございますか。
○参考人(白井隆二君) はい、そうでございます。
○角田義一君 大蔵省というのは、証券会社にとってはどんな存在なんですか。
○参考人(白井隆二君) 私ども、御案内のとおり免許会社でございますので、やはり何といっても監督官庁である大蔵省からのいろいろなお話なり指導なりは、相当強く、重く受けとめているというのは間違いないところでございます。
○角田義一君 そうすると、先ほどの三木さんの、局長も了解しているというのは、世間の言葉で言えば天の声のようなものでしょうかな。どうですか。
○参考人(白井隆二君) そういう言葉で言うことが適当かどうかわかりませんけれども、まあそういうことではないかと思います。
○角田義一君 堀田参考人にお尋ねをいたします。
 先ほど、同僚の谷川先生からもいろいろお話がございましたが、大和証券との関係で、大和証券と東急百貨店とのトラブルをめぐってあなたと接触のあった方はどなたなんですか。大和証券の中で、どういうお名前のどういう方でございますか。
○参考人(堀田隆夫君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました、大和証券の中で管理担当の、本部長か何かやっておられた方でございますけれども。
○角田義一君 お名前を言ってください。
○参考人(堀田隆夫君) お名前は十亀さんという方でございます。
○角田義一君 十亀というのはちょっと珍しい名字ですが、その十亀さんとあなたとはどのくらいの頻度で会って、何を相談されていたんですか。
○参考人(堀田隆夫君) 先ほど申し上げましたように、十一月の下旬ぐらいに十亀さんが来られまして、トラブルがあると、必ずしも東急百貨店の問題だけではなくて幾つかの顧客との間でトラブルがあるという報告がございまして、それから一週間か二週間か置いて、その時々の、さっき申し上げましたような顧客との折衝状況でございますとか社内の調査状況についての報告があったということでございます。
 後の方で、さっき申し上げましたように直取引の相手方を海外の投資家に求めるというようなアイデアがあるという話は出たわけでございますけれども、私は、大和証券に対しましては、あるいは当時、山種証券あるいはコスモ証券も同じようなトラブルが報告されておりましたけれども、いずれに対しましても公明正大に対応しなければいけない。損失補てんを禁止する証取法が一月一日から施行される。その施行された後で不明朗に証券会社が金を出すことは許されないのであるから、まずはトラブルについてはきちっと顧客と折衝しなければいけない。できるだけ投資家の自己責任原則で投資家に負担を押しつけるべきである。それがうまくいかない、一部を負担せざるを得ないという話であれば、なればそれは証券事故として裁判上の手続なり民事調停上の手続をきちっと踏んで対応しなければいかぬ。
 いずれにしても、公明正大にやらなきゃいかぬということを繰り返し指導していたつもりでございます。
○角田義一君 どちらかといえば、あなたの立場でいうと後者の、今言った公明正大なやり方で処理をしなさいという方のニュアンスが強かったんですか、あなたのその十亀さんに対する態度としては。
○参考人(堀田隆夫君) それがとにもかくにも基本中の基本ということで申し上げたと思います。
○角田義一君 その十亀さんと東急とのトラブルの話の中で、山一さんも東急さんと同じような問題を抱えておるんだと、こういうお話を聞いておるんじゃないですか。
○参考人(堀田隆夫君) 十亀さんが山一について言及されたという記憶はございません。
○角田義一君 あなたはそうおっしゃるけれども、当時、いわば証券業界では山一と大和が東急百貨店との間でトラブルがあるというようなことはもう公知の事実で、その衝にある人は皆知っておった。そうじゃないんですか。
○参考人(堀田隆夫君) 山一証券について、当時飛ばしのうわさがいろいろとあった、一兆円の宇宙遊泳があるとか飛ばしがあるとかいろいろ市場関係者の間で言われていた、あるいは経済雑誌等に記事が載ったということはそのとおりでございます。
 ただ、私どもはその話を把握しておりません。私は、私ども業務課は山一証券に対しまして、いろいろうわさがある中で、さっき申し上げましたような方々、大和証券、山種証券、コスモ証券、いずれも私どもに報告がございまして、いずれも、何といいますか、裁判所の手続に移行して表ざたになって、私どもはいずれも行政処分を、法令違反と認定してこの三社を処分しておりますけれども、そういう中で、三社がそういう流れをとる中で山一については全く報告がありませんので、話がありませんので、恐らく春、早ければ二月ごろ、あるいはもうちょっと後じゃないかなと思いますけれども、山一証券に対しまして、担当の補佐を通じまして社内調査をしてこの問題について報告をしてくるようにと指示した記憶がございます。それに対しまして、山一証券の担当者はそういうことは一切ありませんという報告を私どもにしてまいりました。
 私は、結局この山一証券のトラブル、あるいは飛ばしの問題については何も具体的な事実を知らないままに夏が来て、人事異動で証券局を去ったということでございます。
○角田義一君 そうすると、お尋ねしますけれども、先ほど谷川議員も質問されておりましたが、三木・松野会談というものが存在をしたということは今日事実のようであります。動かしがたい事実のようでありますが、その三木・松野会談というものの存在を知ったのは、あなたは一体いつなんでございますか。いつの時点でその会談というものがあることを知ったんですか。
○参考人(堀田隆夫君) この問題につきましては、ことしの初めか去年の暮れか、新聞報道がございましたが、きちっとした形で知りましたのは、松野元局長が国会で参考人質疑でお話しになった、それが最初でございます。
○角田義一君 とても常識では信じられないようなことをあなたは言っておりますな。
 先ほど谷川先生からも御質問がありましたけれども、松野さん、どうなんですか。調査を、くどいようですが聞きますけれども、山一の関係について調査を命じた相手は堀田さんではないんですか。堀田さんでなければ堀田さんの下にいる課長補佐、あるいは総務課長、審議官等々じゃないんですか。だれかにあなたは命じているわけじゃないんですか。いかがですか、松野さん。
○参考人(松野允彦君) 先ほどもお答え申し上げましたように、山一にそういうトラブルがあるという情報が入ってまいりましたときに、すぐ調べるようにとは申し上げましたけれども、一体だれに言ったのかというのはどうも記憶がはっきりしておりません。
 しかし、いずれにいたしましても、その問題は当然このトラブルの問題でございますから、業務課の方にその情報が入って事情を聞くということになっているというふうに私は思っておりました。
○角田義一君 それじゃ聞きましょうか。
 当然、調査を命じたのであれば、どうなっているんだという報告は受けているわけですな。
○参考人(松野允彦君) これは、私の記憶する限りでは、業務課からその報告を直ちに受けたという記憶はございません。私としては、恐らく山一証券と事情をいろいろ聞いていて時間がかかっているんじゃないかというふうに思っていたわけでございまして、その間私は実は法律改正問題で国会の審議に忙殺をされておりまして、山一の個別のトラブル問題については率直に申し上げまして余りトレースをしていなかったということは事実でございます。
○角田義一君 トレースというのは日本語じゃないので、日本語で言ってください。
○参考人(松野允彦君) 関心を持って経過を見守るというようなことでございます。
○角田義一君 あなた、世の中通らないよ、あなたの言っていることは。自分で山一の調査を命じておいて、報告も受けないで、別に関心も何もなかったなんていうのは、失礼だけれども、証券局長さんというのはそういうことで大蔵省は務まるんでしょうか。どうなんでしょうか。
○参考人(松野允彦君) 大変厳しいお言葉でございますが、当時の状況を少し御説明申し上げますと、私は実は当時法案を抱えておりました。しかも、その法案は金融制度改革という長年の懸案の法律でございまして、本来ならば平成三年の六月に最終報告書が出て、すぐその法案作成の準備に入るというスケジュールになっていたわけでございますが、証券不祥事が表面化いたしました関係でその準備が非常におくれまして、結局十月あるいは十一月ごろからその準備をせざるを得なくなった。しかもその上に、制度改革のための証取法に加えまして、証券取引等監視委員会を設立するための証券取引法の改正という新しい問題がその上に重なってまいりまして、証券取引法をいわば同じ国会で二回改正するというような状況に追い込まれました。そういったこともございまして、平成三年の年末から平成四年のその法案提出あるいは国会審議までほとんどそれに忙殺されていたというのが正直なところでございます。
 個別のトラブル問題につきまして全く興味を持たないのかと言われますと、そういうことではございませんけれども、そういう状況の中で、この問題については、私としては担当課が十分事情を聞いているというふうに考えておりましたので、そういったところについてはむしろその法案の審議の方に忙殺されていたというのが率直なそのときの状況でございました。
○角田義一君 ちょっとちなみに聞いておきますけれども、堀田さんの当時の部下は厚木進さん、それから塩屋公男さん、それから宮野敏男さん、この宮野敏男さんというのは、あなた御承知だと思うけれども、どういう人ですか、今どんなになっていますか。
○参考人(堀田隆夫君) この間まで私どもの監視委員会の事務局におりましたけれども、いわゆる接待問題で逮捕されまして、現在起訴されているという状況の方でございます。
○角田義一君 榊原隆さん、この方もあなたの部下ですね。この方はどういう人ですか。
○参考人(堀田隆夫君) 私は、榊原さんと御一緒いたしましたのは平成三年の夏から四年の夏にかけての一年間でございますけれども、この榊原さんも同じように現在起訴されているという状況でございます。
○角田義一君 そうそうたる人が部下にいたわけだな。
 そこで、話を戻しますが、三木・松野会談ということをあなたは先ほど、堀田さんはいろいろ国会等で問題になって初めて知ったということのようですが、もしそれが本当だとすると、この山一の大きな問題をめぐって業務課長であるあなたに何の指示も報告も相談も松野さんはやっていないということになるわけですね。あなた、そういう上司のやり方というか、どう思いますか。
○参考人(堀田隆夫君) ちょっとその前に申し上げさせていただきますが、業務課長をいたしておりまして、その間に、さっき角田先生おっしゃいましたように山一証券が十一月二十四日に会社で含み損のある有価証券を関係会社で簿外で引き取るという決定をして、一月一日に改正証取法が施行されるまでの間にほとんどのものを既に引き取ったということを行っていたわけでございまして、私は当時の担当官といたしましてそれを全く知らなかったということについては、その不明をおわびしなければいかぬと思っているところでございます。
○角田義一君 不明をわびるんですか。
 局長さんはあなたに、局長さんの言うことが本当なら何も言わなかったということになるわけで、何も相談もしなかったということになる。そうすると、勘ぐっちゃ悪いけれども、松野・三木会談というのは業務課長を入れては話せないようなことが話されたということなんでしょうか。松野さん、どうですか。
○参考人(松野允彦君) この三木さんとの話し合いの内容でございますが、これは再々お答え申し上げておりますように、特にだれを入れては話せないとかいうような内容の話ではございません。
 先ほど引き取ることを了承したというようなお話がございましたが、私としてはそういうような思いは全くないわけでございまして、特に一月下旬ということでございますから、もう改正証取法が施行されまして、引き取れば損失補てんに該当するというのが明確になっていた時点でございます。そういう改正したばかりの証取法に明らかに違反するような違法行為を了承するというようなことは、私としては全く考えられないし、そんなことをしたつもりもございません。
 したがいまして、私は、三木さんとお話を申しましたのは、先ほど来申し上げておりますように、事務的には業務課で事情が聞かれているという前提でお話をしておりまして、したがいまして個別のトラブル処理の問題、これは双方に主張がございますから事実をいろいろ確認してみないとわからないわけでございまして、行政としての考え方をなかなかすぐ言えるわけではございません。むしろ、そういう個別のトラブル問題というよりは、飛ばしというものについてのやや一般的なといいますか、そういうふうな感じで私はお話をしたというふうに記憶をしております。
○角田義一君 局長ね、そんなこと通らないよ、世の中。飛ばしの一般的な問題なんというのはプロの証券業者は知っているんですよ。失礼だが、何もそんなこと一々天下の局長さんのところまで来てお伺いを立てるなんてことはないんじゃないの。もしそんなことで一々一般論をお話ししていたらあなたの体はもたないよ、逆に。そうじゃないんですか。やっぱり業務課長には言えないようなことだから外させてお二人で話したのと違うんですか。内容はどうなんです。本当のことを言ってくださいよ、松野さん。
○参考人(松野允彦君) 繰り返し申し上げますが、そういうふうな話の内容は全くございません。(「何でそこだけ覚えているんだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○委員長(岩崎純三君) お静かに願います。
○角田義一君 あなたは先ほどから盛んに個別個別と言うけれども、大和証券だって個別でしょう、山一だって個別でしょう、どこに区別があるんですか。大和は六百億ですよ、山一は三百億ですよ。六百億はあれほど丁寧ないろいろな議論を、先ほど谷川先生からお話があったけれども、議論なり相談なり何回も会っていて、三百億の方は一発でいいのかと。山一だって個別じゃないんですか。
 だから、あなたが盛んに個別だ個別だと、国会が忙しい忙しいというような弁解は通らないんじゃないんですか。どうですか。
○参考人(松野允彦君) 大和証券のトラブルと山一証券のトラブルについて私が違った態度をとったというつもりは全くございません。
 大和証券につきましても、あるいは山一証券につきましても、もしトップの方がお話をしたいということであればやはりお会いをしたわけでございまして、たまたま同前社長の方が何回かおいでになったということはございますけれども、基本的に話し合いの内容が違うというようなことは全くございません。同じお話を申し上げたというふうに記憶しております。
○角田義一君 あなたは衆議院の証人喚問で、山一の恐らく三木副社長が持ってきたのではないかと思う催告書をちらっと見たと、こういうふうに言っておられますけれども、見たことは間違いないんですな。
○参考人(松野允彦君) この催告書というものがどこかの雑誌にたしか掲載をされまして、それを見て記憶をよみがえらせたわけでございますが、確かに催告書というような形のものを見た記憶がございます。
○角田義一君 参考人に催告書をお見せしたいと思います。お見せすることをお許しください。
○委員長(岩崎純三君) どうぞ。(角田義一君資料を手渡す)
○角田義一君 これがあなたがちらっと見たと証言をされる催告書の写しです。
 恐れ入りますが、三行目からちょっとお読みいただけますか。時間がありますから、私がここまでというところまでお読みいただけますか。
○参考人(松野允彦君) 三行目といいますと、「東急百貨店は」というところでございますか。
 東急百貨店は貴社のご依頼により、年一割の金利をつけるとの条件で平成二年二月総額金五二三億円を限度とする短期の融資を行なうことに同意し、同融資の実行は貴社の設営による現先取引の対象たる株式その他の証券を同社が買取る形で行ない、融資金の返済は同社が買取った株式その他の証券を貴社が買受先として指定する事業会社に買戻させる形で行なうか、それができなければ貴社がこれをみずから買戻して融資金を返済するとの貴社のお申出でを受諾し、その後貴社のお申出で通り同年二月から三月にかけて融資が実行され、なをその後も株式その他の証券の現先取引による買取り・買戻しを繰り返すことによって、融資金の返済と新規融資の実行が継続されました。
○角田義一君 お読みください。時間はございますから。
○参考人(松野允彦君) 
 ところが右形式で取引された株式その他の証券のうち平成三年八月以降に東急百貨店が買取った左記証券の買戻しの処理が未解決のまま放置され、右買取りにかかる融資金三〇四億五、五〇四万九、七〇八円の返済が未だなされておりません。
 右処理につきましては、これまで何度も東急百貨店側から催告を行ないましたが、貴社は言を左右にして返済されなかったばかりか、最近になって「右取引は通常の証券取引に基づくものと認識している。」など不可解な言辞を弄して約束の履行を拒んでおられます。決算期を目前に控えている東急百貨店としましては、もはや猶予し難いところでありますが、敢えて来る本月二七日まで猶予をいたしますので、同日までに前記融資未済金三〇四億五、五〇四万九、七〇八円を返済日までの年一割の割合による利息金(平成四年一月二七日現在金一三億七、二三二万八、八九七円)とともにご返済下さい。
 万一返済されないときは、同社は直ちに東京地検特捜部に詐欺の被害にあったものとして貴社代表取締役らを告訴し、また報道機関を通じて事案の全容を公表する意向であります。
 遅滞に対する弁解や言訳は不要です。右猶予期限までにご返済いただくよう重ねて催告致します。
○角田義一君 結構でございます。どうも済みません。
 これは、名前もあえて申し上げませんけれども、平成四年の一月二十一日に東急の代理人の弁護士の方から山一証券の行平次雄社長に内容証明で来たものであります。
 私は、あなたは衆議院で、この催告書をちらっと見たと。どうしてもひっかかるんです、ちらっとという言葉が。これはちらっと見るような内容じゃないんですよ。少なくとも山一と東急との間のトラブルの実態がきちっと書いてある、ここには。非常に深刻な事態ですよ。
 一月二十七日までに返してほしい。そして、一月といったら、こういうことをやればこれはもう明らかに損失補てんなんですから違法なんです。山一としては、右にするか左にするか、どうするか、決断をしなきゃならぬときに来ているんです。だから、これを持って松野さんのところへ泣き込んだんじゃないんですか。これをどうしよう、どうすればいいんだ、こういうことで、窮鳥懐に入ったかどうか私はわからぬが、この催告書を持ってあなたのところへ泣きついたというか指導を仰いだ、これが真実じゃないんですか。ちらっと見たというような程度の問題じゃないんじゃないですか。本当のことをあなたは言ってくださいよ。
○参考人(松野允彦君) この催告書を確かに持っておられたというふうに記憶しております。しかし、今読ませていただいたような内容まで詳細にそのときに私は把握した記憶はございません。
 基本的に、事務的にそういう検討がなされているというふうに思っておりましたし、それに、もし山一証券がこの催告書によってどうしても東急百貨店との間のこのトラブルの処理をするのであれば、それは証券事故という形で処理することが一月から認められていたわけでございます。
 したがいまして、この件について、どうしてもどうこうしろというような指示をしたとか、あるいは強力な指導をしたというふうな記憶はございません。
○角田義一君 そこで問題なんです。先ほどの白井さんの言葉が非常に生々しい言葉でもう一遍よみがえってくるんです。この東急の問題について、処理の仕方について松野局長の了解を得ているということです。法的措置でやらせるのならこんな大騒ぎにはなっていないんです。
 もう一度、くどいですけれども、ちらっと見たというような程度ではなくて、三木さんが持ってきたこの催告書の内容、あれをあなた本当に見て、実態を全部わかった上でお話をしているんじゃないんですか。念を押して聞きます。もう一遍聞きます。
○参考人(松野允彦君) このトラブルといいますのにはやはりお互いに主張があるわけでございまして、私としてこの両方の言い分というものの一体どっちが正しいのかということを決める立場にはございませんでした。
 確かにこういう催告書が出ているという事態はあるわけでございますけれども、この中に書いてありますように、山一証券の方はそうではないという主張をしているわけでございまして、その辺は行政としてどう判断するかというような問題では基本的にはないわけでございます。行政で判断するだけの材料がないわけでございまして、これはやはり当事者間で話し合いをして、当事者間で解決をすべき問題ではないかというふうに考えるのが我々のこのトラブルに対する行政の基本的な考え方でございます。
 もちろん、法律上には仲介というような制度もございますし、あるいは今申し上げた証券事故で処理をするというような方法もあるわけでございまして、そういったものを、新しい改正証取法をにらみながら、証券会社としてどういうふうにこのトラブルを処理するかというのを考えていただくというのが本来のトラブルの解決のやり方であるというふうに私は考えておりましたし、また、それは当然四社の経営陣でございますから、明らかに違法になるようなことをやるというようなことは到底考えていなかったわけでございます。
○角田義一君 あなた、それならそれではっきりと、先ほど谷川先生がおっしゃったとおり、これはもう法的に処理した方がいいよと。何で海外に飛ばした例もあるとか、先ほど大和さんとの中で海外へ飛ばすのもいいじゃないかとサジェスチョンをしたという話が出たでしょう。そんなこと言う必要ないじゃないの、そんな。一般論で事が済むようなことじゃないんじゃないですか、これだけの緊迫した事態で。
 しかもあなたが、先ほど谷川先生もおっしゃったけれども、大和証券の例でこういうアイデアもあると、海外へ飛ばせばいいとか、そういうことを言われれば、三木さんは、先ほどの天の声じゃないけれども、わかったという話になるのが、これがいわば大蔵と業界のあうんの呼吸でやったということじゃないんですか。そうとしか考えられませんがね。国民はだれも皆そう思いますよ。
○参考人(松野允彦君) 一般論ということを決して強調するつもりはございませんが、先ほど来申し上げておりますように、このトラブルの問題というのは事実関係が行政としてははっきり把握できないわけでございます。両方の主張があるわけでございまして、したがって、基本的には当事者で解決をするというのが原則、行政の態度でございます。
 したがいまして、私が三木さんとお話をしたときにも、私の意識としてはこの問題で議論をしたという意識はむしろ薄くて、飛ばしについてのいろいろな問題あるいは考え方というのを議論したというふうに私は認識をしたわけでございます。しかも、改正法が施行されたばかりの段階で、明らかにそれに触れるような、損失補てんをしていいというふうに受け取られるようなお話をしたというつもりは全くございませんし、そういう記憶はございません。
○角田義一君 それじゃ聞きますけれども、その今の催告書をちょっとごらんになってください。一番最初のページに、「融資金の返済は同社が買取った株式その他の証券を貴社が買受先として指定する事業会社に買戻させる形で行なうか、それができなければ貴社がこれをみずから買戻して融資金を返済するとの貴社のお申出でを受諾し、」と書いてあります。
 これは言うところの損失補償でしょう。一月の段階で禁止された損失補償のことを言っているんでしょう。
○参考人(松野允彦君) この催告書の表現では確かにそういうお申し出といいますか、責任といいますか、そういうことがあればこれは損失補償に該当いたします。
○角田義一君 だから、その損失補償をしないで、先ほど谷川先生の言ったとおり、隠すには飛ばさせる以外にない。海外の会社か、国内でも何でもいいけれども、ほかに飛ばさせて、当面表ざたにならぬようにしておきなさいと、そこまであなたは言っているのと違うの。
○参考人(松野允彦君) この飛ばしと申しますのは、委員御存じのように、株式を使った現先取引でございますから、当事者間は株式担保の金融であるというふうに認識をされている場合が多かったと思います。
 そういう金融取引ということで考えた場合に、先ほど来海外というお話がございますが、海外の投資家、これは確かに時価が非常に安くなっている株でございますから、いわば担保が非常に少ない金融手段であるということが言えると思います。したがってリスクがある。
 しかし、それだけ売買値段の差によっていわば金利のようなものが決まるというような形の取引でございますから、ハイリスク・ハイリターンというような形の取引というのは、海外投資家にはかなりそういうものを受け入れる投資家が存在するわけでございまして、先ほどちょっと申し上げましたように、そういうアイデアが出てきたときに、私は大和証券がそういうアイデアを考えたのかなというふうな感じを持ったわけでございます。そういうハイリスク・ハイリターンの投資家に飛ばしを継続する、株式現先の相手方を求めるというのは一つのアイデアではあるというふうに思って、三木さんとのお話でもそのお話は出したと思います。
 しかし、あくまでもそれは飛ばしというものが法に触れない形で、ここにありますように損失補償をしてしまえばこれは明らかに証取法に違反するわけでございます。しかし、飛ばし行為の中には、そういうことがなくて買い戻しが行われて飛ばしが解消された取引というのもかなりあるわけでございます。そういったような現状を考えますと、飛ばしというものについてそういう海外投資家というものを考えるというのも一つの考え方であるというふうに私は受け取ったわけでございます。
 この個別の問題についてどうこうというような御質問でございますが、これにつきましては確かにここには東急の主張が書いてございます。それに対して山一証券側がどういうふうな考え方を社内でしておられたのかというのは私はわかりません。
 しかし、いずれにいたしましてもこの問題については、もし引き取るのであれば、それは証券事故として引き取るというのが当然の対応策ではないか。改正されたばかりの法律で認められている手段でございますから、そういう形で処理をするというのが当然の方向であるというふうに私は考えていて、そういうふうなお話をしたというふうに記憶をしております。
○角田義一君 もう時間も迫ってきましたから聞きますけれども、松野さん、平成三年の暮れで飛ばしの問題というのは当時一応の決着というかけじめは、十分か十分でないかはわかりません、ついていると。しかし、年が明けて新法が施行される段階になって、大和が出るわ山一が出るわということになると、大蔵省は一体何を監査して何を調べていたんだと、その風当たり、風圧というものをどうにかして避けたい、こういう心情にあなたがなったんじゃないかというふうに私は思うんです。どうですか。
○参考人(松野允彦君) 飛ばしという問題につきましては、これは率直に申し上げまして、私どもは非常に把握が難しい問題だというふうに思っておりました。
 と申しますのは、基本的に企業間の取引を証券会社が仲介しているわけでございまして、証券会社の帳簿を通らないようなものもたくさんあるわけでございます。したがいまして、飛ばしというのが平成三年暮れの段階でどの程度解消していたのかという点については、私どもはもちろん把握することができなかったわけでございます。
 それで、四年一月になって証券取引法の改正が行われ、損失補てんが禁止され、そのかわり証券事故として処理をすればそれは損失補てんにはならないというような方向といいますか、そういうことになったわけでございます。したがいまして、飛ばしというものについてもし証券事故という形で処理をされるのであれば、実は法律審議の最中に、証券事故として処理をするという道を残すことはいわば抜け道をつくるようなもので余り適当でないというような御審議がございました。しかし、そうはいっても、証券取引行為の問題からいたしまして、どうしてもトラブルというものが避けられないということになれば、裁判上の、裁判の手続によるか民事調停によるか、ともかくそういうような形で公正な裁判官の判断があれば、それは証券事故として処理をして損失補てんには該当しないということにしたわけでございますので、飛ばしの処理の問題として、証券事故という形で処理をされるのであれば、それは私は別に大蔵省がどうこうという問題ではないというふうに考えておりました。
 もちろん、飛ばしが見つけられなかったじゃないかという御批判は当然受けるわけでございますけれども、飛ばしというのは、正常に行われているといいますか、言葉が悪いんですが、飛ばしが続いている限りは、率直に申し上げて、これはなかなか行政としては把握できないという性格のものであるというふうに私は思っておりましたので、あえて飛ばしは見つからなかったと。
 証券会社が責任を負うような飛ばしというものは幾つか、先ほどありました山種とかコスモとかいう形で出て明らかになったわけでございますが、そうでない限りはなかなか把握できないということについては、私としては、行政としてやむを得ない限界の問題ではないかというふうに考えていたわけでございまして、新しい法律ができたとたんに証券事故がいっぱい出てくるから非常にぐあいが悪いとかいうようなことを特に意識していたつもりはございません。
 ただ、そうはいいましても、相当多数の企業が飛ばしを行っていたというふうな話をいろいろな報道で聞いていたわけでございまして、その飛ばしが一挙にすべて証券事故で解消できるのかどうかという点についての危惧というのを持っていたことは事実でございます。
○角田義一君 もう時間がないから、ちょっと聞きますけれども、これだけの深刻な、先ほど内容証明、催告書を見せたような非常に深刻な事態の問題についてどういうふうに山一が始末をつけたのかということについて、あなた、当然フォローして聞いていますでしょうな、山一に。簡単に言ってください。
○参考人(松野允彦君) 実は聞いておりません。
○角田義一君 なぜ聞かなかったんですか。大和の方はああいう形で始末がついて六百億、こっちは三百億、大変な金ですよ。そして、三木さんが泣きついてきていて、あなたのところに相談に来ていて、どうなったんだ、三木さん、あれはと。これは世の中の常識ですよ。それも聞いていないんですか、どうですか。
○参考人(松野允彦君) 私は、先ほど来申し上げましたように、ちょっと国会に忙殺されておりまして聞いておりません、率直に申し上げて。
○角田義一君 あなたね、国会国会って、確かに国会大変ですよ。大変だけれども、三百億の山一の問題が、これだけ相談に来られていて、どうなったんだというあいさつの一つもしないなんという証券局長はいませんよ、世の中に。あなただけだよ、もし本当だったら。
 それじゃ聞きましょうか。あなたは聞く必要がないんだよ、先ほど谷川先生が言ったとおりに、うんと言ってやってくれたんだから。変なふうにフォローしてこれがばれちゃ困るんじゃないんですか。だから、フォローする必要性がないんだ、あなたにとってみれば。聞く必要がないんだ。もうちゃんと山一はおれの言ったとおりやってくれたなと。だから聞く必要がなかったんじゃないですか。そういうふうに考えるしかないよ。どうですか。
○参考人(松野允彦君) 私としては担当課がフォローしていたというふうに認識をしていたわけでございまして、私自身がその後始末について聞かなければならないというふうな、もちろん時間的余裕があれば聞いたわけでございますけれども、特にこれは私が聞かなければならない問題であるという認識はしておりませんでした。
○角田義一君 あなた、今の松野さんの話を聞いてどう思う。あなた、事務局長ですよ。こういう大蔵行政でどうなんですか。
○参考人(堀田隆夫君) 何と申しますか、これはいずれにしても、さっき申し上げかけましたけれども、山一証券が経営トップの判断のもとで方針を三年の十一月に既に決めまして、十二月までにほとんどの引き取りを終えているという事件でございます。
 これは私ども、今監視委員会の事務局長の立場で申し上げているわけでございますけれども、その内容をきのう取りまとめて発表したところでございまして、ただいま先生がおっしゃっておられますのは、松野元局長の会談と申しますのも一月の下旬の話でございますので、山一証券の大きな方針、大きな流れというものから見れば、これは、何と申しますか、そう重要な意義を持ったものではないというふうに認識しております。
○角田義一君 そんなこと、あなた、言うね。よくそれで事務局長なんて務まりますな、証券監視委員会の事務局長。
 あなた、きのう出したあの何とか報告書、本来であればあなたは辞職をしてそこから去らなきゃいけないんですよ。あなた自身がいろいろな調査の対象になるのと違うんですか。調査の対象になる人が調査して、自分の、あるいは当時の証券局の恥部を隠すのは当たり前でしょう。それで本当の調査ができるんですか、国民の前に示せるような調査ができるんですか。失礼だが、あなた自身が調査の対象になるんじゃないんですか。
○参考人(堀田隆夫君) 今回の私どもが実施いたしました山一証券に対する犯則調査あるいは特別検査につきましては、いろいろな関係者からお話を伺いまして、その結果、犯則の心証を得たものについては検察庁に告発し、法令違反行為と認定できたものにつきましてはそれを大蔵大臣に勧告をしたということでございます。
 先ほど申し上げましたように、これは会社の組織的あるいは計画的な行為でございまして、行政がそこに深く関与したというようなことはないというふうに私ども考えております。
○角田義一君 深く関与したことはないと。先ほど白井さんのあれだけ重大な証言が出てきて、失礼だけれども、三木さんや行平さんや、そういう人たちに全部これ聞いたかね。聞いたのなら調書があるでしょう。調書をここに出しなさいよ、後で協議するから、そんなふうにあなた開き直るなら。どうなんですか。
○参考人(堀田隆夫君) 関係者からいろいろお話を伺っておりますけれども、どなたからお話を伺ったということは差し控えさせていただきたいと思います。
○角田義一君 あなた、ふざけちゃいけないよ。それじゃ失礼だけれども聞きますけれども、この報告書の中にこの山一の三百億の問題、書いてあるんでしょうな、詳細に書いてあるんでしょうな。
○参考人(堀田隆夫君) 大蔵大臣に対して提出いたしました勧告書、公表しておりますけれども、その中に、名前は出してございませんけれども、東急百貨店とのトラブルの件で山一証券が二百五十億がらみの損失補てんを行ったということを書いてございます。
○角田義一君 そのときの大蔵省との関係については、あなた自身が自分を調べることできないでしょう。あなた、だれかに調べられたんですか。聞きましょうや。あなたを調べたのはだれですか。あなたを調査の対象にして聞かれた方はだれですか。これを答えてください。
○参考人(堀田隆夫君) これは私どもだけでなく、検察庁と連携をとりながら、犯則調査の方でございますが、やっている話でございます。この犯則調査に係る分は既に起訴がされまして、これから公判の手続が始まろうという段階でございまして、だれから話を伺ったかというような話については申し上げるのを差し控えさせていただきたいと思います。
○角田義一君 そんなことを聞いているんじゃないんです、あなたには。あなたは政府委員ですからね、参考人であったって。うそは言えないんですよ。私が聞いているのは、あなた自身が、これだけ国会で大きな問題になっているんだから、山一の問題について聞かれるべき対象ではないんですかと聞いているんです。あなた自身が聞かれるべき対象として大蔵省の中のどなたかから聞かれたことがあるんですか、ないんですか。答えてくださいよ。
○参考人(堀田隆夫君) 先ほど申し上げましたように、この平成三年から四年当時、私は山一証券のトラブルあるいは飛ばしの話を全く知っておりませんでした。それだけのことだということで考えております。
○角田義一君 そんなこと聞いていないよ。あなた自身が、大蔵省のだれでもいい、そのことについて聞かれているかと聞いているんですよ。あなた自身当然、ここで、国会でこれだけ大きな問題になったんだから、聞かれるべきなんだよ。聞かれるべきでしょうがね。
 私が聞いているのは、聞かれたのか聞かれていないのか、あなた自身が調査の対象ではないのかと私は聞いているんだ。答えてくださいよ、まともに。まともに答えてくださいよ。
○委員長(岩崎純三君) 質問に答弁してください。
○参考人(堀田隆夫君) 私は監視委員会の事務局長という立場でございまして、この問題につきまして監視委員会の中で担当者といろいろ意見交換をしているということでございます。
○角田義一君 そんなことじゃない。何回も言わせなさんなよ、人に。あなた自身が調査の対象なんだから、あなた自身がそういう調査を受けたかと聞いているんだ。
○参考人(堀田隆夫君) 何と申しますか、調査を受ける受けないという、それは調査を受けたあるいは検査の対象として話を聞かれたというふうに置きかえてもいいと思いますけれども、私は私で監視委員会の中で当時の記憶について担当官に話をして、この検査あるいは犯則調査の全体の取りまとめを考えて対応していったということでございます。
○角田義一君 これでもう時間ですから終わりますけれども、まことにでたらめだ。これだけ大蔵の汚職というのが重大なものになっていて、その辺のけじめも全くついていない。全然ついていない。
 あなた、失礼だけれども、局長をやめた方がよろしいよ。やめる意思はありませんか。最後、それ、私の質問。
○参考人(堀田隆夫君) 監視委員会に与えられた責務はまことに重大でございますので、これからも力を尽くしていきたいと思っております。
○角田義一君 あきれてこれ以上物が言えません。
 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 暫時休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ─────・─────
   午前十一時五十六分開会
○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成十年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りいたします。
 本件につきましては、理事会において次のとおり決定いたしました。
 審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりとする。
 審査を委嘱する期間は、特別委員会については四月六日の午後三時からとし、常任委員会については四月七日から八日正午までの期間とする。
 以上でございます。
 ただいま御報告いたしました理事会決定のとおり、審査を委嘱することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岩崎純三君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十年度総予算三案を一括して議題とし、参考人に対し質疑を行います。
○荒木清寛君 公明の荒木清寛でございます。
 私は、午前中の松野参考人のお話を聞いておりまして、一言で言いますと部下に対する責任転嫁でございまして、本当に憤りを感じました。
 そこで、先般、二月十三日の本院の財政・金融委員会での質疑、参考人質疑でございますが、角田議員が、「その業務課長の堀田隆夫さんには山一から相談を受けたことについてあなたは話してございますか、当時。どうですか。」と。参考人の答えです。「私が相談を受けました内容は、今申し上げたような飛ばし取引の適法性の問題、つまり法律に違反するかどうかという問題でございまして、私はそれに対して、」ということで、三木さんにどういうお話をしたのかという答弁が続くわけですが、その後で、「したがいまして、法律の枠内で証券会社の経営者がどういう判断をするかという問題でございまして、あえて私はそれだけの問題だというふうに認識をしておりましたので特に担当の業務課長に話したこともございませんし、引き継いだこともございません。」と言っておられます、議事録。
 ところが、議院証言法の適用がある先般の衆議院予算委員会での証人喚問においてはこういう陳述です。私は、先ほど申し上げましたように、山一との間で飛ばしに絡むトラブルがあるという報告を受けて、その内容については事情を聞いてみろということを言ったわけでございまして、中身について私はほとんど把握をしておりません。というのは、個別の案件について局長が一々事実関係を確認するというような時間的な余裕もございませんし、担当課があるわけでございますから、担当課がよく両者の言い分をよく聞いて云々と。全然言っていることが違うじゃないですか。
 当初は、私が現場の頭越しに直接三木さんと話をしました、担当の業務課には言っておりませんと。ところが、証人喚問になったら逆ですよ。個別の問題は担当課がやっておりますと。こんな責任逃れがありますか。偽証じゃないですか、これは。
○参考人(松野允彦君) 一番最初のときにも申し上げましたように、二月中旬に当院の財政・金融委員会の参考人に呼ばれましたときには、確かに六年以上前のことでございますから、記憶が非常にない部分がございました。その後、証人喚問までの間にこの本件についていろいろな報道がなされました。あるいは私自身が事情を聞かれたという問題もございます。そういった過程で、いろいろと記憶を手繰り寄せてみましたら、やはり先ほど引用していただきました証人喚問のときのような状況ではないかというのをやっと思い出したということでございまして、そういった意味では、参考人質疑のときのお答えを、一番初めに申し上げましたように、おわびをして訂正させていただく部分が多々あろうかと思います。
 何しろ六年以上前のことでございます。記憶がない部分もまだたくさんございますけれども、報道などを見てできるだけ記憶を手繰り寄せた結果が証人喚問のときの御返事というふうに御理解をいただきたいと思います。
○荒木清寛君 いや、六年前の話がどうしてそんな急に記憶が鮮明になるんですか。
 しかも、先般の証人喚問、確かに三木さんに会った時期はあなたは訂正をしています。九一年の十二月ではなくて九二年の一月だと。ところが、今読んだ件については、参考人質疑のときに言ったことは間違っておりましたと、何にもそんなことは言っていないじゃないですか。そういう話であれば、どうして証人喚問のときに訂正しますという発言がないんですか。
 しかも、一月三十日の日経のあなたとのインタビューによると、一九九二年一月前後、山一証券の当時の三木副社長が大手百貨店の飛ばしの処理について報告に来たとの証言があるが、僕が記憶している限り山一はない、山一は全然聞いていない。確かに、この記事の件については参考人質疑で訂正をされました。
 しかし、この山一の件をだれが担当したのか、一番大事な問題について、一月三十日の時点では会っていない。ところが参議院に来ると、これは現場の頭越しに私がトップ同士で交渉をした。そして衆議院に来ると、いや、これは現場がやっていた話で、私は上がってきた話を聞いただけだ。二転三転しているわけでありまして、私はこれを読んだだけでもうあなたの言っていることは基本的に信用できない、そう思っているわけなんです。
 そこで、なぜ三木副社長と会ったのか。午前中の質疑では、谷川委員の質問に対しまして、概要こういうお答えがありました。ほかの証券会社で飛ばしに絡むトラブルがあった、当時。同様のトラブルが山一証券でもあるという情報を入手した。その入手源については覚えていない。そこで、三木さんに会ったわけですが、それはトラブルに絡む問題ということもあったんだというふうにおっしゃいましたね。
 それじゃ、そのトラブルというのはどういうトラブルだったんですか。改めてお聞きいたします。
○参考人(松野允彦君) それは、その当時は覚えていたかもしれませんが、実は、個別の企業名を忘れておりましたけれども、最近問題になっておりますので思い出したわけでございますが、いわゆる東急百貨店の問題に絡むトラブルであるというふうに思います。
○荒木清寛君 それを聞かれたわけですね、当時。それじゃ、その東急百貨店との間で大体どの程度の金額のトラブルだということは当時聞かれましたか。
○参考人(松野允彦君) 当時の記憶と、当時聞いたかどうかということについての今の記憶と、その後の報道で入ってきた新しい情報とは混在しておりますから、それを分けるというのは非常に難しいわけでございますけれども、率直に申し上げて、そのときに果たして具体的な金額まで聞いたのかどうかという点については、私は、はっきり申し上げて記憶していなかった、つまり記憶がなかったというのが本当のところだと思います。
 ただ、最近いろいろ報道がされていて、ああ、そういうものだったのかなというふうに思い出したというか、あるいはそういうふうに報道を受けて考えたといいますか、そういうふうな感じだと思います。
○荒木清寛君 トラブルなんという、そういう抽象的なものではないんです。あくまでもトラブルは具体的でありまして、当然三木さんがそういう件で来られたら、だれとの紛争ですか、それは金額として幾らですか、どういう態様のトラブルですか、貸借関係ですか、損害賠償ですか等々、あらましを聞くのは当然ですよね。お聞きになったんじゃないですか、当時。
○参考人(松野允彦君) 聞いたかもしれません。ただ、聞いたのを忘れたのかもしれません。しかし、午前中にも申し上げましたように、そういう問題については直接副社長と局長が話し合うというような問題ではなくて、やはり個別のトラブルの問題というのはあくまでも担当課が事情を聞いているというふうに私は思っておりましたので、そういう前提のもとでお話をしたわけでございます。
 具体的な相手企業名あるいは金額というのをどの程度の関心を持って聞いたかということになりますと、先ほど申し上げましたように、今度いろいろ報道がなされるまでは全く忘れてしまっていたというのが正直なところでございます。
○荒木清寛君 そんな、トラブルに絡む問題で来ているのに、その内容がわからなくて何の話をするんですか。
 しかも、今のお話ですと、東急百貨店という企業名は聞いたような発言でしたけれども、これも二月十三日の参議院での参考人としてのお答えは、笠井先生の質問、「いつ、どういうトラブルが発生したという話はそこで出なかったんですか。」、参考人、「私の記憶している限り、その点については余り私は聞いておりません。」、笠井委員、「トラブルの相手がだれだったかということも聞いておられませんか。」、「聞いておりません。」、「金額がどれぐらいのトラブルかということも聞いていませんか。」、「私の記憶しているところでは金額も聞いておりません。」。
 最初はもう全面否定ですよ。ところが、それじゃもう通用しませんから、だんだん、企業は聞いたかもしれない。金額はどうだったか。聞いたに決まっているじゃないですか、そんなことは。トラブルの話で来ているのにその内容を把握しないでどういう相談ができるんでしょうか。
 そこで、山一と東急百貨店のトラブルの情報源ははっきりしないということですが、これは、あなたが大和証券の同前社長と数回会ったときに、そこでそういう情報を得たんではありませんか。
○参考人(松野允彦君) 同前さんとお会いしたときに山一の話が出たということはございません。
○荒木清寛君 そこで今度は、当時の証券局は、いわゆる証券会社と顧客のトラブルに関してどういう方針であったか、なかんずく飛ばしについてはどういう態度であったかということにつきまして、堀田参考人、松野参考人にお尋ねをいたします。
 午前中、堀田参考人は、大和と東急のトラブルに関して十亀さんの相談に応じた。このときにどういうアドバイスをしたかというと、トラブルは顧客との折衝で解決せよ、なるべく自己責任で要するにそういう含み損というのは引き取らせよ、うまくいかない場合にはこれは証券事故として処理をするかあるいは裁判にかけて処理をすべきだと。これは私は全くの正論だと思います。
 ところが、当時のあなたの上司の松野証券局長は違うことを言っていらっしゃる。これは三木さんにおっしゃったことでしょうけれども、法律に違反しない形で飛ばしを継続するという選択肢もある、あるいは証券事故として処理をする選択肢もある。
 要するに、堀田参考人は、これは自己責任で損害をかぶせるか裁判で解決をせよ。しかし、あなたの上司の局長は、飛ばしという方法もあるよと。これが当時の証券局の方針だったんですか。堀田参考人にお尋ねします。
○参考人(堀田隆夫君) 損失補てんがあれだけ問題になりまして、損失補てんを禁止する法律が施行されるという状況のもとで、先ほど申し上げましたように、公明正大に対応、対処しなければいけないということは基本でございますけれども、ただ、トラブルについてどう解決していくのか、どう対応していくかというのは基本的には経営判断の問題でございますので、行政の立場としては経営の判断を見守っていくと。その結果、違法行為の域に近づいていくようであればそれは強く警告しなければいけませんし、違法行為を実際にやってしまったらそれは処分をしなければいかぬということでございますけれども、まずはそれを最終的には経営の判断であるということで見守るべきということだろうと思います。
 今のお話の中で、飛ばしというのは、午前中からも出ておりますけれども、直ちに違法というわけではございません。現先取引は民間で行われている通常の金融取引でございますし、証券会社が顧客間の直取引を仲介するというのも正常な証券業務でございます。顧客が決算対策といいますか、企業が決算対策あるいは損益調整のために期末決算期をまたいで有価証券を現先で取引をするというのも実際によく行われていることでございます。そのレベルではまだこれは違法というようなものではないわけでございまして、そういった方向で経営が対応するというのであれば、それは一つの選択肢であるというふうに考えていたと思います。
○荒木清寛君 いや、私がお聞きをしているのは、そういう含み損の引き取りを求められるような状況で飛ばしも選択肢としてありますよというのが証券局の方針だったんですかとお聞きしているんです。具体的に大和証券とのトラブル解決の相談の中で、適法な形で飛ばしてはどうですかという選択肢は示されましたか。
○参考人(堀田隆夫君) 私は、大和証券に対しましてそういうことを申し上げたことはないというふうに思っております。
 ただ、今の先生のお話の中で、飛ばしということと関係子会社で引き取るというのは別の話でございますので、関係子会社で引き取るというような話になりますれば今回の山一証券のように損失補てんということになるわけでございます。そことはちょっと性格が異なるということを申し述べさせていただきます。
○荒木清寛君 そこで、松野参考人にお尋ねいたしますが、午前中もこの飛ばしの法律解釈について参考人のお説を開陳していただきまして、私も拝聴いたしました。
 ただ、先般来この飛ばしがいいのか悪いのかという問題は、午前中おっしゃったような株式担保の金融といった意味での飛ばしじゃないわけです。本件に関して、何も東急百貨店が自分が持っている有価証券を担保にお金を借りたいとか金融取引をしたい、ついては山一証券に相手方を紹介してくれないかと、そんな話ではないわけですよ。あなたがおっしゃっているのはその話でありまして、今問題になっておりますのは、東急百貨店が山一証券に含み損を補てんせよと言ってきた、その場合に株式、有価証券を飛ばすことで解決していいのか、そういうことを証券局が示唆していいのかという話だと思うんです。全くすりかえているわけですよ。
 そこで、これも証人喚問でのあなたの御答弁ですが、現先取引そのものが好ましい行為である、好ましい取引であるというふうに考えていたわけではありませんとはっきりおっしゃっているわけです。今言ったような含み損を解消するために飛ばすというようなことがどうかということについてはおっしゃっているわけです。だから、そういう意味での飛ばしですよ。飛ばしというのは本来そういう意味であって、現先取引なんかよりもう少し私は狭いと思いますよ。仮にそれが法律的に厳密な意味で違法ではないといっても、証券局長がそういうトラブルを抱えた証券会社にお勧めをするような筋合いのものじゃないということはあなたもお認めになりますね。
○参考人(松野允彦君) 確かに飛ばしというのは現先取引の中の一つの類型であるというふうに思います。株式を担保にしたといいますか、株式を使った現先取引であるということでございますし、その株式には含み損が生じているということでございますので、企業が決算期を前にして現先取引という取引形態を利用してその含み損を出さないようにするというのが飛ばしと言われているわけでございますので、そのこと自体私も決して好ましい方法ではないというふうには思いました。
 ただ、そうは言いましても、先ほどちょっと申し上げましたように、そのような行為がかなり広範に行われていたというようなことも、これは私どもがはっきりと把握したわけではございませんけれども、いろいろな報道で、そういうことが各企業で行われているということも事実でございます。その過程においてそういう飛ばし行為が、これは買い戻し条件つきでございますから、買い戻してしまえばそれで解消してしまうという性格の取引でございますし、現実にそういう形で解消したものもあるわけでございます。
 したがいまして、飛ばし行為そのものが即違法ということではない。確かに好ましい行為であるということまでは言い切れないと思いますが、多数の企業がそういうものを使っており、かつそれが解消されるというような事例も見られていたわけでございます。そういった中で、トラブルの処理に当たって飛ばしというものが行われるということが、法律に触れない限りはやむを得ないというような考え方を持っていたわけでございます。
 なお、御指摘の東急百貨店のケースでございますが、これは私は、今の催告書などから見ますと、むしろその飛ばしの相手方であった、つまり融資をしていた側ではなかったのかというふうに考えられます。普通、飛ばしを行うのは現先取引のまず売りから入る企業でございまして、これはいわば資金調達側になるわけでございますけれども、東急百貨店の場合には、先ほどの催告書を読ませていただきました限りでは逆の、その相手方であったというような感じがしておるわけでございます。
○荒木清寛君 あなたは先ほど角田委員が催告書を読んだことに関して、これは東急百貨店の主張であって、山一証券には山一証券の主張があるはずで、それを判断する立場にはないと。ところが今は、一方的に自分に都合のいいように東急百貨店の言っていることを援用してそんなことを言っている。けしからぬですよ、そんなのは。それで、好ましくない行為であってもみんながやっていることであればやっていいという話じゃないと思うんですよ。みんなが駐車違反しているからしてもいいというのと同じ。
 あなたは、この意味での飛ばしが好ましくないということを自分では認識していながら、そんなことを何で山一証券の三木副社長に選択肢の一つとして示したんですか。
○参考人(松野允彦君) これも先ほど来申し上げておりますように、トラブルは基本的に当事者間の話し合いで解決をすべきというのが行政の立場でございます。そのときに、法律に触れない範囲内で解決できるのであれば、それは行政としてあえて介入をするということはないし、また介入をすべきではないんではないかという考え方でございまして、好ましくない行為と違法な行為というのは別であろうと。違法な行為をやるのであれば、これはやはり行政として介入するなり、あるいは違法な解決を行えばそれなりの対応をする必要があるわけでございますが、法律の枠内で行われる解決策であれば、それは行政としては介入、関与するということはできないんではないか、あるいは関与すべきではないというふうに考えていたわけでございます。
○荒木清寛君 いや、違法でないとしても好ましくないわけでしょう。そんなものを監督当局は何で選択肢の一つとして示す必要があるんですか。それをやろうとしているのを阻止できないという話であればわかりますよ。違法でないんだから差しとめる権限がない。そうじゃなくて、あなたは好ましくないことを知りながら提案しているんじゃないですか。そうなったら山一証券としては、これはお墨つきを得た選択肢の一つであるという話になるんじゃないですか。
 何であえてそんな飛ばすような提案をしたんですか。もう一回答えてください。
○参考人(松野允彦君) 提案といいますか、選択肢の一つとして、法律に触れない形であれば飛ばしの仲介を継続することもあり得るということを申し上げたわけですが、それは、先ほど申し上げましたように、そういう飛ばし行為が相当広範に行われており、かつそれを処理しようといたしますと、これは企業と証券会社の間、あるいは企業と企業の間でその損失をめぐって相当なトラブルといいますか、あるいは話し合いをしなければいけないというような状況になるわけでございます。
 そういったようなことを考えますと、法律に触れない限りでそういうふうな処理の話し合いをする時間を与えるということは必要ではないかというふうに判断したわけでございます。
○荒木清寛君 山一証券が本件のトラブルに関して東急百貨店の証券を飛ばした場合に、最終的には山一証券がこの損失を引き取らざるを得ないという危険性があるということは予想できなかったんですか。
○参考人(松野允彦君) これは私自身が別に両者の言い分を聞いていたわけではございません。したがいまして、それは可能性としてはおっしゃるような可能性もあったかもしれません。ただ、そうは言いましても、こういう問題というのはもともとがいわゆる一任勘定から発生したロスの負担の問題でございます。そういったことからいいますと、証券会社が責任を負うのかあるいは一任をした企業が責任を負うのかという問題は個々のケースによって違ってくるわけでございまして、事実関係をはっきりしない段階で行政としてどう判断するということができるような性格のものではございません。
 したがいまして、最終的にどういう形になるかというのは、これはそのトラブルを抱えている証券会社の経営者が判断をしなければいけない、判断すべき問題だと思うわけでして、行政当局としてそういう判断をするということはできないというのが私の立場でございます。
○荒木清寛君 そこで、今度は白井参考人にお尋ねをいたします。
 山一証券というのはもう自主廃業になりまして、あなたも大蔵省の免許のもとでなりわいを立てているわけじゃありませんから率直にお話しいただきたいと思います。
 先ほどの質疑の中で、一九九一年十一月二十四日でしたか、経営首脳陣の会議が行われました。そこで、どうしても引き取らざるを得ない玉を簿外でペーパーに移すということを決定しましたという話でしたね。これは結局、翌年になりますと、九二年一月一日からは証券取引法の改正が施行になって損失補てんができなくなるので、その前に年内に処理をしておこうと、そういう趣旨だったんですか。
○参考人(白井隆二君) 御指摘のとおりでございます。
○荒木清寛君 そうしますと、その引き取らざるを得ない玉の中に東急百貨店の分は含まれていたんですか。
○参考人(白井隆二君) これは含まれておりません。
○荒木清寛君 そうしますと、この東急百貨店の分は当初は引き取らない、訴訟で解決をするという方針であったのではないでしょうか。
○参考人(白井隆二君) これは、私が当時担当しておりましたのは財務の方でございまして、法人の営業の方とトップとの間で検討したことだと思いますので、その時点で訴訟するなり争いをするという状態にあったかどうかというのは私は承知しておりません。
○荒木清寛君 当時既に東急百貨店の分は、当時というのは九一年十一月当時、わかっておったんですか。紛争としてあらわれていたんですか。
○参考人(白井隆二君) これはちょっと私は存じておりません。
○荒木清寛君 あなたは、この翌年の三木副社長、松野証券局長の会談の件は故人となった副社長から聞いたということです。その範囲でお答えいただければ結構なんですが、あなたは聞かれた話としてお答えいただければ結構なんですが、この三木副社長はなぜ松野局長のところに相談に行ったのか、その経緯といいますか、理由は御存じですか。
○参考人(白井隆二君) これは年が改まりまして、平成四年から新証取法のもとではやはり損失補てん行為は禁止行為ということでございましたので、それでこの東急百貨店のいろいろな処理の件について御相談に上がったんだというふうに私は考えております。
○荒木清寛君 要するに、大蔵省、監督当局のオーケーがないとこれは法律にひっかかるのではないかということで相談に行ったと聞いているということですね。
○参考人(白井隆二君) はい。
○荒木清寛君 それで、先ほど三木副社長が折衝に当たったと、局長が了承したと聞いているというお話でしたね。これは東急の玉を簿外でペーパーに移すということについての了承があったと聞いていますか。
○参考人(白井隆二君) これは先ほども申し上げましたとおり、法人営業担当の副社長が間に入りました企画室の部長を通じて私に報告に参ったことでございます。そして、私は、当然その時点ですから、新しい法律のもとではこれはぐあいが悪いんじゃないかということで、その法人担当の副社長のところにも行って確認し、そしてその話では、三木副社長が局長と会って了解をとったそうだよということでございましたので、それで三木副社長のところに行って確認しましたところ、局長が了承したということで、国内のそのペーパーカンパニーに移すことについてまで了承したかどうかは私存じませんけれども、一応そういう話、局長が了解されたということだけは間違いなく三木から聞いております。
○荒木清寛君 わかりました。
 そこで、次に堀田参考人にお尋ねいたします。
 きょうも同趣旨の話がございましたが、衆議院の委員会での政府委員としての答弁の中でこうあるわけです。いわゆる海外に飛ばすというアイデアについての答弁、大和証券の側でそういう議論が行われているという報告がございましたと。ちょっと飛ばしますけれども、好ましくない話だなということを申し上げたと思いますということをおっしゃっていますね。
 なぜ、これは好ましくないというふうに当時判断されたんですか。
○参考人(堀田隆夫君) トラブルの処理、トラブルへの対応として、何と申しますか、飛ばすというようなことは決してそれは褒められた話ではない、好ましい話ではないという感じがいたしまして、そう申し上げたということだと思います。
○荒木清寛君 それは先ほどもお聞きしたんですが、海外に飛ばすということについて好ましくないというふうにおっしゃっているわけだから、この海外ということも好ましくないという判断の一つの要素になったと思うので、そこをお尋ねしたわけです。
○参考人(堀田隆夫君) 海外に飛ばすと申しますか、海外の投資家に直取引の仲介の相手を見つけるというのは、大和証券の側のアイデアとして出てきたということでございまして、先ほど午前中に申し上げましたように、出てまいりまして、それを紹介していただいた役員はどちらかというと消極的な感じで、社内に積極派、消極派あるけれども、まあいろいろ問題があるというような報告があったということでございます。
 海外という話を聞いて、恐らく率直に言って意外に思ったということだと思いますけれども、海外だからといって、何と申しますか、飛ばすということは、それは国内でも国外でも変わるところはないだろうというふうに思います。
○荒木清寛君 いえ、そうではなくて、海外に飛ばすと余計不透明さが増すという判断があったんではないですか。
○参考人(堀田隆夫君) 不透明さと申しますか、外国の投資家に直取引の相手を求めるというのは、それは一つの商行為だろうというふうに思います。
○荒木清寛君 いや、大和証券が相談に来たのはそういう話じゃなくて、いわゆる損失補てんを解消するために飛ばすという話だったわけでしょう。結構でございます。
 そこで、松野参考人にお尋ねをいたすわけですが、きょうも同趣旨の話がありましたが、先回の証人喚問でも、海外の投資家への飛ばしの継続というようなアイデアが出てきて、それが私の頭に入っていたものですから、三木さんにお会いしたときにそういうものも考えられるということを申し上げたと。あなたの方から三木副社長に選択肢の一つとして示しているわけですよね。
 なぜ国内ではなくて海外という、そういうアイデアを提供したんですか。
○参考人(松野允彦君) 別に、特に海外ということだけに絞って話をしたということではないと記憶しております。要するに、飛ばしという行為、これが通常の形で仲介を行うということが継続されるというのであれば、それは一つの選択肢であると。その中で、その飛ばしの相手方が海外の投資家であるというようなケースも考えられるというようなお話をしたというふうに記憶をしておりまして、特に海外だけということでお話をしたというふうには記憶しておりません。
○荒木清寛君 それは幾つかの選択肢の一つではあったと思いますが、この海外ということをあなたはかなり強調されているわけですよ。
 どうしてかといいますと、これも証人喚問の質疑の中で、「あなたは三木さんに対して、外為の問題については専門家を紹介しよう、こういうふうにおっしゃったことは記憶していませんか。」、答え、「あるいはそういうことを話をしたかもしれません。正確な言葉遣いは覚えておりません。」、外為の専門家を紹介したということをほぼお認めになっているわけですよ。極めて有力な選択肢として提案をしたんじゃないですか。
○参考人(松野允彦君) 別に有力な選択肢というわけではなくて、ただ海外の場合にはそういう問題があるではないかというのが三木さんの御意見でございましたので、そういうやりとりになったんだというふうに思います。
○荒木清寛君 いや、そうしますと、三木さんの方から海外という話が出てきたんですか。
○参考人(松野允彦君) いえ、そうではなくて、今御答弁申し上げた趣旨は、私が海外の投資家も考えられるとたしか言ったときに、私の記憶では、三木さんの方から外為法上問題があるんじゃないかというようなお話があって、それに対して私が、もしそうであれば相談をしてみたらどうかと、こういうふうな話をしたというふうに記憶しております。
○荒木清寛君 飛ばしの相手方を国内で見つける場合に比べれば海外で見つける場合の方がはるかに難しいということは、まあ常識だろうと思います。それをあえて海外という選択肢を示したということは、要するに外国に飛ばせば見つかりにくい、そういう趣旨が言外に込められていたんではありませんか。
○参考人(松野允彦君) 海外の投資家を見つける方が難しいというお話でございますけれども、私はそうは考えませんでした。午前中の質疑のときにもあるいは申し上げたかもしれませんが、この株式を使った現先取引いわゆる飛ばしでございますが、これは確かに時価が下がっておりますから、担保が非常に少ないといいますか、担保が小さいものについて金融をつけるというような形の金融取引であるというふうに考えられるわけでございまして、したがいましてリスクが非常にある。
 しかし、リスクはあるけれども、それは買い戻し値段との差額がいわば金利的な考え方で考えられていたわけでございまして、そういうリスクの高いものについて金利の高い取引が行われる、いわゆるハイリスク・ハイリターンのような取引というのはむしろ海外の投資家が見つけやすいんではないかというのが、私が最初にこのアイデアを聞いたとき、恐らく大和証券からこのアイデアが出てきたんだと思いますけれども、そういうふうな考え方かなという感じを持ったわけでございまして、海外投資家の方が見つけにくいというふうな感じは私は持っておりませんでした。
○荒木清寛君 三木副社長が相談に来たのはそんな金融取引ですとかハイリスク・ハイリターンという話ではないわけです。東急百貨店が、先ほどの催告書ですと三百四億円補てんせよと言っている、それを飛ばしで解決するということになれば時価にそれだけの金額を足して売らなきゃ解決できないわけでしょう。証券市場で買えば安く買えるものをそんな三百億円も、あるいは二百六十四億円ということになっておりますが、それだけ上乗せをしてその証券を買う投資家なんというのはいるんですか。
 そこで、もう時間もございませんが、あなたはこの証券局長の交代の際に、この山一証券の飛ばしの件は後任者に引き継ぎましたか。
○参考人(松野允彦君) 引き継いでいないと思います。
○荒木清寛君 その証券局長の引き継ぎというのは口頭で行うんですか、書面で行うんですか。
○参考人(松野允彦君) 大体の場合には口頭のケースが多いと思います。というのは、事務的な問題につきましては後で各課が新しい局長に説明をするというシステムになっておりまして、局長同士で引き継ぎをする場合に、それほど書類をたくさんつくるというようなことはございません。
○荒木清寛君 では、その引き継ぎの際に、個別の証券会社にかかわる課題も引き継ぐことはあるんですか。
○参考人(松野允彦君) 局長同士で引き継ぐ場合には、そこまでのものはほとんど、私が経験した限りではございません。むしろ、それは、今も申し上げましたように、各課が事務的に新局長に説明をする中でそういう説明が行われるというのが普通の姿でございます。
○荒木清寛君 その九二年当時は、飛ばしトラブルが発覚し、国会でも何回も取り上げられております。新幹線が、当時ののぞみ号、名古屋駅を通過することが名古屋飛ばしであるといって大騒ぎしたほど、社会的にもこの飛ばしという言葉が大問題になっていたわけです。どういう意味で問題になっているかというと、これは要するに、証券会社と顧客との不透明な取引を象徴する問題であるという意味で社会的な認識があったわけです。
 あなたは当然この山一証券の飛ばし、山一証券が東急百貨店との件で飛ばしを行ったことはもう認識をしていたと思いますが、なぜこういう重大問題を後任者に引き継がなかったんですか。
○参考人(松野允彦君) 今申し上げましたように、個々の事務的な問題は当然、各課で把握して説明をするわけでございますし、私自身、実際問題といたしまして、私が大蔵省をやめましたときには国会で金融制度改革法が通った直後でございまして、個別の問題についてまで、そういう各証券会社の個別の問題についてまで局長同士で引き継ぐということは通常は行われないといいますか、それは事務的な説明の中で行われるというのが普通の扱いでございまして、私自身そういったような環境の中で大蔵省を退職したということもございまして、特に山一証券のこの問題について後任の局長に引き継ぐというようなことはしなかったわけでございます。
○荒木清寛君 これは決してそんな事務的に引き継ぐような個別の問題ではありません。その九二年だけでも半年間で大和証券が飛ばしに関して千百七十一億円を支払って処分を受けた、あるいはコスモ証券は四百十六億円を支払い飛ばしに関して処分を受けているわけです。全部あなたの在任中でありまして、そういう中でこの山一証券の飛ばしの問題を引き継がなかったその行政責任はまことに大きいということを申し上げまして、質疑を終わります。
○及川一夫君 参考人、午前中からお疲れでしょうが、お疲れになるくらいの答弁は実はされていないなという気持ちでいっぱいです。本来なら皆さん方の方も、すべての人とは言いませんけれども、どちらにしても一つの疑問、疑惑に対して正確に答えて真実を明らかにするという意味合いのことが今回の参考人招致、またこういう形式でのやり方ではないでしょうか。
 恐らく、松野参考人にしても堀田参考人にしても、従来の参考人招致でのやりとりというのはある意味の原型があるわけでして、それとはちょっと違った形になっていますね。それほどやっぱり社会的にも国民的にも問題になっているし、今の大蔵不祥事を頂点にしたそれこそ疑惑なり不信という問題があるだけに我々も責任を感じながらあなた方に対して質問している、はっきりしてくれということを言っているわけですから、そういう思いというものをぜひ念頭に置いてお答えをいただきたい、こういうふうにまず私は申し上げておきたいというふうに思います。
 それで、今まで同僚の議員の皆さんがおっしゃられて、また問題を指摘していることについては一々ごもっともだし、また大変大きな疑惑のある問題で、どうしても解明ができていないということに尽きると私は思うんですね。
 その出発点はどこにあるのかなということを考えますと、松野さんと三木さんが会談をされた、それがあったのかなかったのか、同時にそういう会談はどこでだれがセットして、その上で実現をして、それがどういうふうに山一に受け取られていったのかということが一番私は問題だと思うんですよ。
   〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕
 特に、松野参考人と堀田参考人は上司と部下の関係でございますから、そういった点ではお互い苦労した立場なので僕は問題は一つだと思っているんだけれども、特に今までの中で、一対一で会われたのかどうか、さらには同席者があったのかなかったのかということでは、率直に言って堀田さんも知らないというし、それから山一の白井さんは、これはまた別の立場ですからどういうふうにお聞きになったかということもお尋ねしたいとは思いますけれども、松野さん、私はあなた一人で何か芝居しているような気がしてしようがないんですよ。
 それと、一体どなたが発議をしたのか。あなたは、業務課で恐らくほかの問題で議論した中で、たまたま三木副社長が私のところへおいでになったという立場に立っておられる。しかし、三木さんの方は大蔵省に呼ばれたという話でして、それで堀田さんは知らないと、こう言われている。
 では、だれが一体本当のことを言わないのか、本当のことを知っているのはだれかと言ったら、これはどう見たって松野さんが一番知っているわけですよ、あなたのところから始まったんだから。どうですか、これは。
○参考人(松野允彦君) 今お尋ねの点でございますが、三木さんとお会いした経緯でございますけれども、私個人として三木さんに連絡をして、直接おいでいただきたいというふうに申し上げた記憶は私にはございません。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、山一証券にトラブルがあるという情報が入ってきて、その情報について、その情報が業務課に入って、業務課で事情を聞いていたというふうに思っていたわけでございますが、その過程で三木さんが私のところにお見えになったというふうに私は受け取っております。そこのところは三木さん自身がどう言われているのか私も存じ上げません。私の考え方を申し上げているわけでございますけれども、私自身が直接三木さんにおいでいただきたいということを言った記憶は私にはございません。
○及川一夫君 記憶がないの問題じゃないんですよ。あなた、責任者としてそれで本当に責任を感じませんか。だれも手引きをしていないのに、のこのこと局長室に三木さんが入っていっているということを考えたときに、そんな管理の仕方ありますか。業務課にあるのか総務課にあるのか知りません、局長との会見をセットするのは。あなたがじかに呼ぶことだってあるわけです、それは。あっていいんです、それ自体は。ところが、業務課は全然知らないと言うんだから。だれですかと、ここまでいったら委員会は普通とまるんじゃないですか。それで政府統一見解とこうなるんですよ、これ。参考人だからまだこれはやっています。だけれども、食い下がっていると時間がどんどんたってしまう。
 だから、あなた、記憶はしていないと言うんじゃなしに、だれだったかどうだかも結局私一人で責任をかぶります、私が呼びましたということであってもやむを得ませんと言うのが僕は責任者の態度であるべきだと。でないと、あなた、部下におまえがやったんだと、こういうふうに言うんですか。そんなことには私はならないと思う。
 それで、もう一つ、あなたは山一でいろいろトラブルがあるらしいということに気づいたと、こう言われましたね。それで、部下に、担当に調査を命じた、こうおっしゃられる。だれですか、この担当者というのは。
○参考人(松野允彦君) これも最初に申し上げましたように、その情報を上げてきた人間がだれだったかというのはどうしても私は特定できない、記憶が鮮明でございません。ただ、その上げてきた、多分上げてきた人間に対して、山一証券から事情を聞いたらどうかというような話をしたと思います。
 したがいまして、委員おっしゃるように、三木さんにお会いするのに、私が呼んでなくても、もちろん私がお会いしたわけでございますし、私が三木さんと交わした会談の内容というのは、それは私自身が三木さんとお話をしたわけでございます。先ほど来、その中身については非常にいろいろな、私が考えていたこととは全く違う内容のお話がございますけれども、いずれにいたしましても、私が三木さんとお会いしたということは事実でございますし、また私自身としては当然事務的にもフォローしていたというふうに思っていたことも事実でございます。
 しかし、三木さんとの会談の内容あるいはその中でどういうことを言ったかと、具体的な内容を全部、六年前でございますから、覚えているわけではございませんが、その趣旨については既に申し上げたとおりでございます。
○及川一夫君 それは飛ばしのことについて話したんでしょうから、それはあなたは認めている。飛ばしの問題について話をした。わかっています、僕らも。だから、それは何もわざわざお答えにならなくてもいいんです。
 したがって、担当者はだれかという問題については、僕は恐らく堀田さんも知らないと思う。だから私は、これは本当に明らかにしてもらいたいというふうに思います。それが今回の大蔵事件につながった逮捕者であったということになると、これは大変なことになりますよ。そういうことをまず指摘しておきたい。
 それから、先ほど角田議員の方から催告書の話が出ましたね。ちらっと見たと言うんだけれども、どこで見たんですか。
○参考人(松野允彦君) これも実はいろいろ記憶を探っているわけでございますけれども、三木さんが持ってこられたのか、あるいは三木さんにお会いする前に見たのか、ちょっとそこがはっきりいたしません。
○及川一夫君 そこなんですよ、問題は。
 大体、催告書なんというのは世の中にぱっと出るものですか。監督官庁である大蔵には物によっては報告することもあるかもしれない。一般にはこれは私はオープンにされないものだと思います。本人同士、当事者同士だけというのが前提です、これ。弁護士さんだってそういう立場に私はあるんだと思いますよ。
 そうすると、三木さんが持っていく以外にないんですよ、あなたのところに。持っていって、あなたはちらっと見たんじゃないです、全部読んでいるんですよ。事の重大さは知っている。どう処理するかということをお考えにならなきゃならぬところにいったときに、ぱっと断るか、それともアイデアを出すかというところに私はいったんだと思いますよ。
 だからそこは、催告書の問題は、三木さんに見せていただきましたということをはっきり言うべきじゃないですか。それ以外あなたのところに届くはずはない。ちらっとも何もない。ちらっとといったら業務課かどこかにあったということになるし、それか山一の方から送ってきた、大蔵に、ということ以外にないんです、これは。どうですか。
○参考人(松野允彦君) 今のお尋ねのように、三木さんが持ってきたというふうに断言できれば私もそれでいいのでございますけれども、記憶にないものを無理に、それと違うことを言うというわけにもまいりません。本当に記憶に、いつだれから見せてもらったのかということについては記憶がございません。
○及川一夫君 東大を一位、二位、三位ぐらいで出られた方がこの問題になるとみんな記憶を失ってしまうというのはおかしいですよ、どう見たって。尋常じゃないです、これは。だから、私はそれ以外にないと思う。見ていいんですよ。見て、相談に乗っかったっていいんじゃないの。それ自体は違法でも何でもないです。だから、もっと素直であるべきだ、正直に解明すべきであるということを私は申し上げておきたいと思う。
 それで、次の問題として飛ばしの問題で、これは違法でないということが言われるんですが、飛ばしという言葉はいつから使われているんですか。何か俗語辞典にあるそうですね。松野さん、御存じですか。
○参考人(松野允彦君) 私はちょっといつから使われているのか存じ上げません。
○及川一夫君 要するに、悪いことをした時代、悪いことが自由にできるような時代にオープンに損金を補てんしようじゃないかということを赤裸々に言うわけにいかない、それで俗語をつくったんだろうと思うんです、飛ばし。
 だから私は、飛ばしは絶対に損金を補てんするという意味のものだと思うんですね。ですから、専門の用語では現先ということを使うんですが、この現先という言葉だって、あなたや堀田さんはそれほどでもないんだけれども、やっぱり微妙なところで使う場所が違うんですよ、お答え聞いていても。あの会議録を読んでいてもそうですわ。ですから私は、この飛ばしなんという言葉は悪いことのイメージしかわかない。損金補てんということですから、飛ばし自体が違法でないみたいなことを言い切るというのは、私は問題だと思う。堀田さん、そう思いませんか。
○参考人(堀田隆夫君) 先ほども申し上げましたけれども、現先取引あるいは証券会社の仲介行為としての媒介と証取法では言っておりますけれども、直取引の仲介をする、あるいは企業間の損益調整売買というのは実際に金融取引としてこの世の中で行われているものでございまして、それに証券会社が例えば顧客を紹介するというような形で関与する分には、それは違法でも何でもないわけでございます。
 ただ、その先の、顧客の勧誘の度合いが社会通念上のサービスからかけ離れているような場合、あるいはさらに一定の利回りを保証して勧誘するという場合には法令違反になりますし、飛ばしを自分で引き取れば損失補てんになるということでございます。飛ばし取引は、そういう意味では違法ではないわけでありますけれども、いろいろ違法な行為が潜みやすい面はあるということだろうと思います。
○及川一夫君 これは法制局の見解という意味で論議したことはあるんですか。
○参考人(堀田隆夫君) いわゆる飛ばしを私ども当時の証券局が証券行政として知るところとなりましたのは、大体平成三年の後半ぐらいだと思います。
 この飛ばし行為を証取法上どう位置づけるのか、どういう違反行為があるのかというのはかなり実務的に私ども苦労をいたしました。法制局に行きましたか法務省の刑事局に行って、折から損失補てんを禁止する法律が成立するあるいは成立したという時点でございますので、いわゆる損失補てんとの関連でこの飛ばしをどうとらえるかということで、たしか課長補佐を連れて刑事局に相談に行った記憶がございます。
○及川一夫君 これは国会の側の問題として突き詰めなきゃいかぬ問題だなというふうに思っています。
 この飛ばしの問題については、局長の扱いとそれから堀田さんの扱い、特に山一との関係では違うんですね。まず局長の場合には、こういう行為については違法ではないということを前提にされている。それで海外という言葉をつけたときもあればつけないときもあるんですが、要すれば現先取引でいくのなら、それはそれでいいよと、そういう意味合いのことをおっしゃられている。しかも、表に出す、つまり証券事故という扱いでいく、二つの方法がある、しかしどっちをとるかの問題は経営の判断だと、こう言われている。堀田さんの場合には、そういうことを言う前に、好ましくないな、適切ではないよという意味でコメントをしながら、山一のいろんな問いに対しては、あるいは山一ばかりじゃないんでしょう、これは大和の話だと思うんですが、そういうことをおっしゃられているわけですよ。
   〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕
 違法ではないんだよということを前提にされて、これもある、あれもある、おまえらが判断しろというのと、違法、違法でないということを言わないで、どっちも好ましくない、これは不適切だということで指導する、監督官庁としての見解を述べるというのとは私は物すごく違うと思う。
 そこのところが違うんですか。松野参考人は、今でもそのお考えは変わらないんですか。
○参考人(松野允彦君) これは多分に人の考え方の問題になろうかと思いますが、私は当時、金融制度改革法をやっていたということもございまして、基本的に証券会社の経営者の判断というのをやはり尊重するといいますか、あるいは経営者に判断する機会をなるべくたくさん与えて自己責任で経営をしてもらいたいというような立場で金融制度改革法に取り組んでいたわけでございまして、そういう観点から申し上げますと、経営者に選択肢を提示して、後は経営判断にできるだけゆだねるというのが私の行政の基本的な考え方であった。
 それが、そうはいっても当時まだ護送船団的な行政をやっていたじゃないか、そういう中でそういうやり方をすることが果たして適当かどうかという御批判はあろうかと思いますが、私の行政のやり方としては、できるだけ経営者に判断をしてもらうというようなことで行政をやっていたというのが私のその当時の考え方でございます。
○及川一夫君 僕は、余り当たり前のことを力説されるとそれ自体に、やはり受ける方から見れば、あ、おれらが判断をすれば大体証券局長さんは認めてくれるんだなと、二つの方法の中でということになるんです。
 自己責任は当たり前じゃないですか。経営判断というのは経営している人がやりゃいいんだから、何もそう強調せぬでもいいんですよ。そういう強調をするから、私は、課長と局長を並べたら局長は偉い、局長はとにかく認めてくれたようだとか、認めた、我々がやっても認めてくれると、こういう思いで私はなっていくんだと思います。
 だから私は、行政というのは本当に注意深くやらなきゃいかぬなというふうに思うんですが、そこで白井さん、大変恐縮ですけれども、山一が簿外処理の問題を含めて決めましたね。そのときに、簿外処理というのは僕らからいえば、だれがどう考えたっていい方法じゃないことははっきりしているわけだから、社会的に反する行為とまで言えるという前提に立つと、今どう見ますか、そのときに決めたこと。
 それから、決めるに当たっての最終的な判断は、先ほどちょっと言われたようだけれども、証券局長が認めてくれたという、直接会った方が言われたことが決定的な意味を社内では持ったんじゃないかという私は気がしてならないんです。だって、あなたのところだって大変いい人がおるんだから、悪者ばかりいないんですよ。あるいはみんないいけれども、もうどうにもこうにもしようがなくなって、最後に証券局長も認めてくれるという、そういう保証をとったような気持ちで、これでいくということについて衆議を決するというようなのではなかったのかなと思うんですが、どうですか、当時のことを思い起こしまして。
○参考人(白井隆二君) 先ほどお話し申し上げました平成三年の十一月、この時点での、あの会議の時点でございますが、ここでは大蔵省の御判断というのはまだ仰いでいない。つまり山一の経営の判断で、これを表に出すともう会社が大変なことになる、そういう判断に基づいて一時的な、緊急避難的な行為として簿外処理を行うということを決定したわけでございます。ただ、年が明けての一月の東急百貨店の件につきましては、これは先ほど来申し上げておりますとおり、当時の副社長の三木が松野局長から了解を得たということで私は認識しております。
○及川一夫君 監督する者と監督される者の立場は大体そういうものです。しかも、護送船団方式をとっていますから、お上の言うことに抵抗したらという気持ちがやっぱりどこかで働いていますよ。だから、お互い気をつけなきゃいかぬと、こうなるわけでしょう、これは。私はそう思います。
 そういった点で、先ほどの論議の中で引き継ぎという問題がありました。それで、何か原則口頭でやっているようなお話なんだけれども、各省庁のものについて私も一応調べてみました。原則文書なんですね。文書といったって、何もあなた、一から二まできれいに整合性のあるものじゃなくて、メモ的なものであってもそれを交換して、課長がかわる場合もそれをやっている省があるんです。しかも、こういう重要な問題というのは、これは山一が仮に悪いことをすれば証券業界全体に影響を与える問題ですよ。そういう重要な問題を引き継ぎしない、口頭であれ文書であれ、しないなんというのは本当に考えられるのかなと。
 私らも大蔵省に参ります。局長室に行くことが多いんだけれども、行ったら何かメモする人が必ずいるじゃないですか。こっちから持ち込んだ問題によってはちゃんと課長を呼ぶじゃないですか。こういうことが常態だと私は思う。だから率直に言って、あなたが同席者がいたという思いがするというのは、審議官と違いますか。審議官というのは特別な課題を与えて検討しろと、特別任務を与えるということも一つの役割ですね。だから、堀田さんが知らないなら、私から言ったら、金子審議官といいましたか、あの方が、その後、日銀の政策委員をしていますね、大蔵代表委員ということで、そこに行っておられるんだが、同席されたとすれば、あるいはこの処理の問題についてはいろいろ考えなきゃならぬことがあるから、課長や何かに命ずるよりも審議官にこの際検討してみろとかなんとか言われたんじゃないですか。金子さんじゃありませんか。
○参考人(松野允彦君) 大変申しわけございませんが、本当にきょう、だれであったかというのを確定するだけの記憶がございません。確たる記憶なしに人の名前を言うというのも無責任でございます。
 といいますのは、三木さんとお話をしたのは専ら私でございまして、そういった意味では同席者というのがだれだったかということをそれほど私は意識をしていなかったということもございます。記憶が確かでないということで御了解をいただきたいと思います。
○及川一夫君 了解するもしないもないんです、これはあなたが言ったことなので。私が無理無理同席者はだれかということを聞いているんじゃないんですよ。同席者がおったと思うというところから始まっているんです。
 それなら、あなた、担当の課である堀田業務課長かいな、こう思うじゃないですか、どなたでも。だから質問が出るのであって、しかし問われると今度は、いや、私の記憶にないものを言うのは失礼に当たるなんというのは、そんな言い方ありますか。もう一々気になることばかりなんですよ。
 しかし、時間が来ましたから終わりますけれども、そんな大蔵のお役人じゃないはずだというふうに私は申し上げて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。
 先ほど来の審議を通じて、ますます疑惑が深まっているというふうに思います。
 午前中、白井参考人が、九二年一月の山一と東急とのトラブルの違法処理について、当時の三木副社長と確認をして、松野・三木会談の結果、局長が了承していると受けとめて処理されたというふうな趣旨を述べられました。極めて重大な問題だと思います。
 松野参考人は、午前の質疑以来繰り返し、当時国会審議に忙殺されていた、そして山一の問題が耳に入ったので調べるように指示をしたけれども、その後トレースしなかった、確認しなかったと答弁されました。
 私、昼休みに、局長がどんなに忙しかったか、当時のことを調べてまいりました。国会会議録の総索引がございます。当時、九二年でありますけれども、この問題が一月下旬ということですから、その後二月から局長がおやめになった六月まで百五十日間あります。そのうち国会で答弁されたのが何日あるか。わずか二十六日でございます。私は、国会審議が忙しかった、これはまさに言い逃れをして、そしてまともな答弁をしていないんだというふうにしか受け取れないわけであります。
 なぜ、みずから山一のトラブルについてどうなっているか調べるように指示をしながら、そしてその後、三木副社長が来ながら、その結果がどうなったかきちっと確認、フォローしなかったんですか。
○参考人(松野允彦君) 今の国会審議云々の問題でございますが、私が申し上げましたのは、もちろん国会審議もさることながら、その国会に提出するための法案の準備ということを申し上げたと思います。
 繰り返しになって恐縮ですが、本来、証券不祥事が表面化しなければ、すぐ六月から金融制度改革のための証取法改正作業に入れたのが、それが結局四カ月以上おくれてしまったわけでございます。そのおくれている間に、さらに監視委員会のための証取法改正というもう一つの課題がふえてきたわけでございまして、九一年から九二年にかけましてはその法律をつくるのにほとんど忙殺されていたというのが正直なところでございます。
 したがいまして、もちろんそれは、国会に提出されてからの審議は今御指摘のようなことでございましょうけれども、それをつくるのに非常に忙殺をされていて、したがって山一問題について私はその担当課がフォローしていたというふうに思っておりましたので、ついその法律案づくりの方に没頭していたというのがそのときの状況でございます。
○笠井亮君 国会に物理的に拘束されていた、これはまたひとつわかります。しかし、局長が鉛筆なめなめ法案の一文一文書いたわけじゃありませんね。しかも、一月にその重要な会談があった。その直後、二月というのはそれがどうなったかということが非常に気になった時期だったはずであります。
 忙殺されていたと言いますけれども、当時、九二年二月はリクルート、共和問題があって、二月五日から二月十八日までは衆議院の予算委員会は空転していました。したがって、質疑が全く行われていない。二月の二十八日間中あなたが国会に来て答弁されたのは、十九日、二十五、二十六、二十七の四日間だけです。
 私は、改めてこの問題を見ますと、その結果について確かめるまでもなく、三木さんと会談をした。手打ちが済んでもう処理もはっきりわかっている、だからあえて確かめる必要もなかったということでしなかったと言わざるを得ないというふうに思うわけでございます。
 松野参考人の一言が、結局、山一を違法処理に向かわせたと。堀田参考人は衆議院の答弁で、大和から海外への飛ばしについて話を聞いた際に、先ほどありました好ましくない話だなと申し上げたと。そして、そのことについて松野局長に私の感じをどう伝えたかということで、褒められた話ではないというのが常識でございますので、そんな顔をして局長室に入ったのではないかと思います、こう言われました。
 どういう顔をして、何と報告されたんですか。
○参考人(堀田隆夫君) 具体的にどういうことを申し上げたかよく記憶にないのでございますけれども、大和においてそういうアイデアが出ているということをお伝えしたということは確かだと思います。恐らく、そういうことを考えているようですよ、あるいは議論しているようですよという気分で御報告申し上げたのではないかと思います。
○笠井亮君 好ましくない、褒められた話ではない、こういうことです。それから、先ほどはこういう問題で違法な面が潜みやすい、とりわけ海外はということも言われていました。まさにそういうことで報告したと。
 ところが、その報告を受けた松野参考人は、そういうアイデアがあるということをあえて今度は山一の三木副社長にも話をした。この矛盾は非常に大きいと思うんです。
 松野参考人はどういう立場で山一に話をしたのか。つまり、大和の問題で出てきたアイデアというのが、これはけしからぬ、好ましくないし、当時の堀田課長が報告したような形で、褒められた話じゃないと。したがって、それはそういうことをやっていけば違法なことになる可能性がありますよ、そういうことに導く可能性がありますよということで、アイデアはあるけれども、それはだめですよという可能性を含めて言ったのか。それとも、これは違法ではないから、そういうこともあり得るんだよということで、むしろいいことだからそういう選択肢もあるよということでサジェスチョンをする立場だったか、この違いは天と地になってくる。
 新法のもとで、大蔵としてまさに指導的姿勢をとるかどうかが問われたときに、この問題を正す方向であなたがこのアイデアを出したとは言えないんじゃないですか。どうですか。
○参考人(松野允彦君) 今お尋ねになられた二つのどちらかというお尋ねでございますけれども、私の記憶いたします限りでは、むしろその真ん中ぐらいの感じ、つまり法律に触れないということでできるのであれば、それは一つの選択肢であるというふうな趣旨で申し上げたと思います。
 もちろん、法律に触れるような形で行われるというのはこれはもう全然論外でございますから、法律に触れないという形であれば、そういう選択肢もあり得るということを申し上げたんだろうと思います。
○笠井亮君 証券局長が四大証券の幹部から相談を受けて、真ん中ぐらいの立場なんという、そういう相談の乗り方あるんですか。ありっこないですね、こんなのは。真ん中ぐらいなんということでどっちともとれる。そして、三木副社長は、現実にそれを聞いて安心してこれはやってもいいなということで違法処理に向かっていった。まさに、そういう点では局長の責任が大きいと思うんです。
 私、堀田参考人の責任も極めて大きいんじゃないかと思うんです。午前、この山一問題をいつお知りになったかということで、国会でこのように問題になるようになってから、去年、ことしにかけて初めてお知りになったということを言われました。
 私どもの調査によりますと、九二年一月、山一の常務の一人が証券局業務課、当時ですね、堀田課長のもとで山一を担当していた課長補佐に説明に出向いたと。飛ばしをめぐる山一と東急のトラブルについて説明をして、裁判で決着させるとの社の方針を伝えたということであります。これを受けて三木・松野会談が設定された。その結果は、先ほど来ありますように逆の方向で結論が出たと。この課長補佐は現在準大手の証券会社の幹部になっていますけれども、この問題について、そういう説明が山一からあったとすれば当然上に上げる、こう述べております。上に上げるということは堀田参考人が直接の上司。この課長補佐からこの処理をめぐる問題について報告を受けていたんじゃないですか。
○参考人(堀田隆夫君) 山一証券の方が私どもの業務課の課長補佐にトラブルの内容について報告をしたと言っておられるという話は私も聞きました。ただ、今、先生おっしゃいました当時の課長補佐は、そういった話を聞いた記憶はないと私には言っております。私は、少なくとも彼がそういう報告を山一証券から聞いたという報告を私にしてきたという記憶は全くありません。
○笠井亮君 私は信じられませんね。堀田参考人も問題を知りながら容認をして、そして関与をしてきたとすれば、これは今、証券取引等監視委員会の事務局長としてあるまじき過去を持ち続けてきたことになります。
 松野参考人に伺いますが、先ほどトラブルについての情報をだれから聞いたかわからないと言われましたが、金子審議官という名前も出ました。担当していた課長補佐から聞いたということはありませんか。
○参考人(松野允彦君) それはちょっとだれから聞いたかというのがどうも記憶がはっきりいたしませんので、担当補佐から聞いていないということを断言するというのもできないわけでございます。ただ、当時の業務課長である堀田さんが聞いていないと言われるのであれば、そうではないんじゃないのかなという感じがするぐらいでございます。
○笠井亮君 局長は副社長の相談に乗りながら、その後、結果について報告を聞いていない、担当の業務課長は最近まで知らなかった。どこも三百億円もの処理却下についてつかんでいないということだとしたら、大蔵省は全く無責任だと言われても当然でありますし、私はそんなことはあり得ないと思うんです。局長同士の引き継ぎがないとすれば担当の部局で引き継いでいる。どこかにこの処理をめぐる文書がきちっとあるんじゃないんですか。堀田参考人、それを調べましたか。
○参考人(堀田隆夫君) 事、業務課に関して申し上げるだけでございますけれども、業務課ではトラブルについて把握していなかったというふうに記憶しておりますので、業務課でその話を後任の課長なり後任の課長補佐に引き継いだということはないと思います。
○笠井亮君 じゃ、一体どこに引き継いだか、どこにこの問題が、大蔵省に相談を受けながらちゃんと処理されたことが記録されているか。この問題は極めて重大だし、何もなかったらずさんきわまるという事態だと思うんです。そういうようなことを見ますと、局長を初め業務課長を含めて局ぐるみ、全体で隠し立てしているんではないか、疑惑がますます深まる。まさにそういうことが今日の破綻につながったということになれば、この責任は極めて重大だと私は思うわけでございます。
 委員長、関連質問をお願いしたいと思います。
○委員長(岩崎純三君) 関連質疑を許します。橋本敦君。
○橋本敦君 私は、主として白井参考人を中心にお伺いしたいと思います。
 白井さんは、経歴を伺いますと、経理部長を経て平成元年に取締役におなりになる、そして経理部長も兼任をされる。それからさらに、三年には常務に昇進をされ、管理部長を引き続きお引き受けになり、四年には専務になられますが同時に管理部長、それの引き継ぎで財務部長ということで責任をおとりになっている。そういう部長は当然管轄として証券の管理や経理を御担当になってきた。それからさらに副社長ですから、まさに山一証券において主要な幹部であったということは間違いない。これはそのとおりですか。
○参考人(白井隆二君) はい、そのとおりと認識しております。
○橋本敦君 山一は百年の歴史を閉じました。七千五百人の従業員はまさに家族を含めてあすの不安におびえるという、そういった状況になりました。それが同時に、北拓等の関係もさらに深まっていきますけれども、我が国の金融不安ということの発端となって社会的には重大な問題になり、国民の税金三十兆円を投入するというスキーム、ここまで行きました。こういうことについて、野澤社長は涙を流して、従業員は悪くありません、私たちが悪いんですと、こうおっしゃったことは印象的ですが、その私たちという中にあなたもお一人として入っているという責任と自覚はございますか。
○参考人(白井隆二君) もちろんございます。
○橋本敦君 そういう責任に基づいてお伺いをしたいのでありますが、先ほどの東急問題の処理であります。
 ここで堀田さんにお伺いをいたしますが、この問題については昨日出されました報告書で記載があるということでございます。私も拝見をいたしました。平成四年一月三十一日に、この問題について、名前は出ておりませんけれども、約二百四十八億円相当の財産上の利益を提供する、こういうことで決着をしたということでございます。このこと自体は違法な損失補償ということになっているのですか、どうですか。
○参考人(堀田隆夫君) 山一証券の関係会社が東急百貨店から含み損のある有価証券を引き取りましたのが四年に入ってからでございます。したがいまして、一月一日、一月以降は新しい当時の証券取引法、損失補てんを禁止する法律が施行されているところでございますので、監視委員会としてはその行為は損失補てんに該当すると。ただし、刑事の問題としてはもう既に時効が来ておりますけれども、法令違反は法令違反であるということで大蔵大臣に勧告をしたということでございます。
○橋本敦君 おっしゃるとおり、まさに時効に来ているけれども違法ですね。
 そこで、白井さん、先ほどおっしゃいました。この問題については、この問題が違法ではないかという心配もあるのであなたは確認をなさったそうですが、これは大蔵省の担当者の許可を得ておる、こういう話もあったので、直接あなたは副社長を通じて、三木さんに確認をした、しかしそれはそれでよろしいということであったということですが、これは間違いないんですね。
○参考人(白井隆二君) はい。当時の副社長の三木からそういう話を聞いたので、私は、もちろんその法令違反という問題は含んでおりましたけれども、その時点では一応わかりましたということでございます。
○橋本敦君 まさに、ここにも大蔵省と山一証券が共同で違法行為をやったという端的なあらわれがある。まさに大蔵省は共犯と私は言わざるを得ないという問題の一つの発端がここにあると思いますよ。
 この三木さんと松野さんの会談の後、報道されている有力な経済紙の報道によりますと、社内では緊急に行平前会長も同席をして担当役員らに松野証券局長とのやりとりが報告され、ここで会議が持たれたと。そして、この会議で重要な方針が出てくるんですが、この会議に、白井さん、参加されておりますか。
○参考人(白井隆二君) 私は参加してなかったと思います。
○橋本敦君 参加していないけれども、あなたの立場からいえば、その後の山一の経営方針に深くかかわる問題ですから、お聞きになったに違いない。
 この会談の後で三木前社長から、山一で償却するしかないという方針を松野氏に打診をして、そしてそれを結局は簿外で処理するという、そういう方向に向けて一定の了解を得たという報告があって、会社としてはそういう方向に進むことになったという報道があるんです。あなたの御認識はどうですか。
○参考人(白井隆二君) 大体今、委員の御指摘のとおりではなかったかと思っております。
○橋本敦君 松野さんがおっしゃっていることと食い違っているという点は私も承知の上で聞いているんです。当の山一証券の側から今のようなお話があったということは、私はまさに重大な問題だと受け取っているわけであります。
 次いで簿外処理の問題に移りますけれども、検察庁、法務省からいただいた資料によりますと、三木さんは行平さんとともに平成七年六月三十日、簿外処理、この問題についてまさに二千三百三十一億円、これの過少申告を行って、それでまさに証券取引法違反、商法違反として粉飾決算に値するわけですが、一つはこの事実で起訴される。第二番目には平成八年六月二十八日の大蔵大臣報告についても五十六期事業年度決算について、これで抱えた含み損、簿外処理をして、これで二千三百七十九億円、これの期末処理、利益計上ということで、ここでも簿外処理をして虚偽の報告をした。平成九年六月三十日についても、これについて同じように含み損益を有価証券の簿外処理で、これで小さくして、重要な虚偽報告をしたということで起訴されている。
 この起訴に関連をして、白井さん、あなたもまさにそれの相談にあずかったということで検察庁から取り調べを受け、公訴事実としては三木さんも行平さんもあなたと共謀の上だというようになっていることは間違いないんですね。
○参考人(白井隆二君) それは間違いございません。
○橋本敦君 こういう簿外処理、つまり商法違反、証券取引法違反、こういうことを行うようになったことについて、大蔵省との関係では、これが検査でばれたら大変なことになると心配するのは当たり前なんです。こういうことをやってきたということが、一回じゃありませんよ、今言ったように続けられてきた。こういうことについて、実際あなたの会社としては、大蔵省の監督について、厳しく監督されるという立場じゃなくて、むしろある程度話がついてある、そういう気持ちがあってやったことじゃないんですか。率直に言ってください。普通ならやれませんよ。
○参考人(白井隆二君) 先ほど来問題になっております東急百貨店の引き取りにつきましては、これは申し上げているとおりでございます。
 しかし、そのほかにつきましては、私は大蔵省の御了解とかそういったようなことは特に認識しておりません。
○橋本敦君 私は了解があったまでは言っていないんです。了解があったら大蔵省は共犯者になっちゃいます。しかし、大蔵省の検査について、監督について、東急百貨店の処理のように甘く見ていたという、そういう関係があったのではないかということを率直に反省しませんか、こういう意味ですよ。どうなんですか。
○参考人(白井隆二君) 検査につきましては、特にこちらの方から意図的に隠すとか、そういったようなことは一切行わなかったと思っておりますけれども、もちろん今いろいろなことにつきましての反省は尽きないところでございます。
○橋本敦君 意図的に隠すことはなかったと言いますが、しかしあなたの方は一体何回検査を受けておりますか。大蔵省からいただいた資料でも、平成五年そして平成七年、平成九年、何カ月にもわたって検査を受けておりますよ。
 こういう検査で大蔵省が違法な飛ばしあるいは簿外処理、これを発見できなかったということ自体、大蔵省の重大な責任だと思うけれども、あなたの方は帳簿でわからないように隠しておったという事実、これが一つは重大な責任としてあるじゃありませんか。反省しませんか。
○参考人(白井隆二君) 今申し上げましたように、反省ということにつきましては、大変強く今感じているところでございます。
○橋本敦君 まさに隠したんですよ。そして、大蔵省はそのことを徹底的に検査できなかった。大蔵省がそのことを徹底的に検査できなかったということについて、もう一つ重大な事実がある。いいですか。
 平成五年七月十七日、これは最初の平成五年の検査の真っ最中です。その真っ最中に、五年七月から六年十月にかけて、検査官に対して前後五回にわたり代金合計四十一万二千三百三十八円相当のゴルフ等の接待あるいは商品券等の供与、これを検査官に行ったということで山一証券は贈賄で調べられる、そして検査官は起訴されている。これは事実でしょう。
○参考人(白井隆二君) 私は、この接待関係につきましての詳細は承知しておりません。
○橋本敦君 起訴されている事実は知っているでしょう、検査官が山一から接待を受けて。知っているでしょう、事実なんだから、起訴状も出ているんだから。
○参考人(白井隆二君) 山一の場合は非常に少額だったということは私、認識はあるんですが、検査官の方が起訴されたというのはちょっとよく存じていませんけれども。
○橋本敦君 宮野敏男大蔵省証券局課長補佐、当時、同局証券調査官、わかりましたか。
○参考人(白井隆二君) わかりました。
○橋本敦君 起訴されているんですよ。金額は少額だというけれども、検査を受けている最中に少額でもわいろを贈って接待していいわけはないです。いいですか。
 そういうことをやってきたんですよ。まさにそういうことが今度の問題で、大蔵省とそしてあなたの会社との関係において徹底的に厳しくやらなきゃならぬ重大な問題としてあるわけなんです。
 堀田さんに伺いますけれども、この簿外処理という問題について、調査の結果はどうでしたか。
○参考人(堀田隆夫君) 昨日、一連の山一証券に対する特別検査の結果をまとめて大蔵大臣に勧告するとともに、公表したところでございます。
 先生のお尋ねの簿外債務でございますけれども、平成九年三月末の簿外債務でございます。国内関係会社に係るものが約千六百八十億円、海外現地法人に係るものが約千三十億円、合計で約二千七百十億円に上るものと認められるということでございます。
 この点については、三月二十日に検察庁に対して告発も行っているということでございます。
○橋本敦君 それで、それ以外に、そういう粉飾決算をした結果、山一はその粉飾決算を隠すために、簿外債務を隠すために、株式配当してはならないのに株式配当ができるような、そういう経理をやって違法な株配当をしたということでも今度起訴されましたね。
○参考人(白井隆二君) 前会長、社長が起訴を受けたということは承知しております。
○橋本敦君 それについて私が見た有力な経済紙は、三木社長が新聞関係の記者の皆さんから山一の経理について、株配当、心配じゃありませんか、いろいろなうわさがあります、そういう話をされたときに、その点については大蔵省とも相談の上、株配当ができる、そういう方向で間違いございません、こういったことを言っていると新聞で報道されております。
 こういう違法な株配当をするということについて、大蔵省に何らかの接触をして話をしたということは、あなた御存じありませんか。
○参考人(白井隆二君) これは私、存じておりません。
○橋本敦君 この点も調べるべき重大な問題だと私は思うんです。
 ある有力紙はこうした問題についてこう言っております。二千六百億円もの簿外債務、いわゆる飛ばしに山一証券が押しつぶされるまでの五年間の真相は、大蔵省と金融界の異常な関係を最も象徴するものであろう。山一の破綻直前の記者会見で長野大蔵省証券局長は、簿外債務を知ったのはわずか五日前だと述べた。だがしかし、本紙の取材に対し複数の山一経営陣は、当初から大蔵省は知っていたはずだ、それどころかいろいろなサジェスチョンも受けた、こう明言している。こういう記事があるのも、私は今の現状から見て当然うなずけることだと思うのであります。
 さらに、それだけではありません。山一の元首脳は、こういった飛ばしの概要は、歴代の証券局業務課長の引き継ぎ事項だったとも語っているという記事もある。私は、この記事の信憑性は今までの状況から見てある程度高いと思います。
 証券局長、最後に伺いますが、証券局内で山一の飛ばしや簿外債務や、こういった一連の問題について話は出ていた、そしてそういう話についてはそれなりにそれぞれ引き継ぎ事項の、言うまでもありませんが、検討を加えてきておったというのか、全然知らなかったというのか、正確に責任を持ってもう一度答えてください。
○参考人(堀田隆夫君) 私が業務課長をしておりました平成四年六月までの段階では、簿外債務あるいは飛ばしの話について証券局が把握していたということはございません。したがって、これを引き継いでいるということもないわけでございます。
 今の状態については私、わかりませんけれども、現在の長野証券局長が昨年の十一月十七日に山一証券の野澤社長からの報告で知ったと答弁をされているところでございます。
○橋本敦君 山一側の言うことと大変な違いがあり、大蔵省の責任の追及はこれからやらざるを得ないと思います。
 終わります。
 ありがとうございました。
○星野朋市君 私は、きょうの参考人質疑に関しまして、一種の思いがあるんです。どういうことかといいますと、私は、昭和三十九年に山一証券を主幹事にして上場いたしました。それから四半世紀にわたって山一証券を通じて数回の増資、最後には転換社債の発行までいたしました。そういう会社が愚かな経営者数人のミスのために、または意図した何らかの悪意のために、関連社員一万人を含めてあっという間に消滅してしまった。しかも、それが単に一会社の消滅だけではなくて日本の金融界に非常に大きなインパクトを与えた。こういうことで、私はその思いをしょって、きょう質問をいたします。
 まず、白井参考人にお聞きしますけれども、松野参考人がしばしば、私は同席していた人間がいるかどうか、また、いたとしてもその人間の名前を思い出せないと、こうおっしゃっていますけれども、民間の会社が普通、官庁の局長クラスのところへ行くときに一人で行きますか。大体副社長クラスが行くんだったならばどなたか連れていくのが普通ですね。私は、何人ものOBもしくは現職に対してそういうことを聞きました。ほとんど一人で来るということはございません。一人で来るような場合はよほど親しい人でないと来ないと、こうおっしゃっていますが、白井さんは、三木さんにどなたが同行したか御存じでございますか。
○参考人(白井隆二君) 私は存じておりません。
○星野朋市君 一つはそれが肝心なんです。
 それから、山一の役員はしばしば、平成三年から平成四年にかけて、日曜日にゴルフウエアでもってゴルフに行くと称して、当時本店は八重洲口にありましたから、八重洲口の六階の役員室、もしくはさっきパシフィックというホテルの名前が出ましたけれども、ホテルで会合を重ねて、それでいろんな問題について協議をしておったということを聞いておりますけれども、それも事実でございますか。
○参考人(白井隆二君) 先ほどございました例えば平成三年の十一月ですとかホテルで会議をしたというのは、私の覚えているのでは二、三回程度でございまして、八重洲の六階で、本社で普通のカジュアルなウエアで会議をやったという記憶はございません。
○星野朋市君 松野参考人にお聞きしますけれども、松野さんは最初、三木さんにお会いしたときは平成三年の十一月か十二月だと、こうおっしゃっておった。そして、証人喚問のときに、いや、実は平成四年の一月だった、一月の二十三日だろうという質疑がしばしば行われましたけれども、私は、松野さんは三木さんに数回お会いになっているんじゃないか。そのことが頭にありますから、思わず十一月、十二月と言ってしまって、はて、待てよと、一月からは禁止事項が入ったから、そこで会ったということならば絶対禁止された事項のことを自分が山一の責任者に対して言うはずがない、こういうことを考えられて、そして日にちを訂正されたんじゃございませんか。
○参考人(松野允彦君) お尋ねでございますけれども、私が十一月か十二月に会ったかもしれないということを申し上げていた段階では、はっきり申し上げまして、改正証取法が十月三日に成立しておりますが、それ以降であったということははっきりしているけれども、どうも日にちがよくわからなかったということが本当はそのときの記憶の状態でございました。
 それがその後、いろいろな報道がなされ、先ほど出ました催告書の問題が出てまいりまして、私はどうも三木さんとお会いしたころにあれを見たという記憶がございまして、あの催告書の日付は一月のたしか二十一日か何かでございます。したがいまして、それ以前に私はお会いしたという記憶は全くございません。
○星野朋市君 ちらっと見た催告書の日付だけはよく覚えておられるという不思議な現象があるわけでございます。
 松野参考人が証券局長であった平成三年の六月に、当時野村証券の社長だった田淵義久氏が株主総会で損失補てんの件に関して、これは大蔵省も承知していると思わず口走ってしまった事件がある。松野参考人は証券局長になったばかりですから、そのことを私はよく覚えておられると思うんですが、いかがでございますか。
○参考人(松野允彦君) 私が証券局長になりましたのは実は平成二年の六月でございまして、二年から四年まで二年間証券局長をやったわけでございますが、証券不祥事が明るみに出ましたのは、その一年目が終わる、あるいは終わった直後かもしれません。平成三年の六月のたしか下旬ぐらい、中下旬だったと思います。その六月の株主総会において、野村証券の当時の田淵社長がそういう趣旨の発言をされたというのは覚えております。
○星野朋市君 先ほどの件に戻りますけれども、大和証券は同前社長と、それから角田議員がまさしく指摘した十亀さん、この二人が同道して局長のところへ伺っている。その後、十亀さんは堀田さんのところでいろいろ御相談なさっている。同前社長は数回松野さんとお会いになっていろいろ御相談なさっておる。その中で飛ばしの件もサジェスチョンを受けて、それで大和の本社へお帰りになって、大和の本社ではしばしば千野さんを含めた中で議論されている。結局、数回の議論の上、裁判でもって決着をつける、こういう結論になったわけですよ。
 そうすると、その事例を知っていながら、山一はなぜ三木副社長一人だけが松野さんのところへ行って相談なさっておるのか、そこが非常に不思議ですね。どう思われますか。
○参考人(松野允彦君) 確かに、私のところに山一証券でこの件でお見えになったのは三木副社長だけでございまして、当時私は、先ほど来申し上げておりますように、当然、業務課あるいは事務方で話を聞いていたというふうに考えておりましたので、特に三木さんが私のところにお見えになったということについて不思議に思ったわけではございませんし、同前さんとの会合というのも、複数ではございますけれども、そんなに頻繁にやっていたというふうには記憶をしておりません。
○星野朋市君 白井参考人に再びお尋ねをいたしますけれども、山一証券にはMOF担はいらっしゃいましたか。
○参考人(白井隆二君) 山一におきましては、大体MOF担というものの意識というのは、証券不祥事までは大体そういうことで対応していましたけれども、証券不祥事、つまり平成三年の夏以降は、いわゆるそのMOF担一人で証券局に行っていろんな情報を収集するとか、そういったような動きをすることはなくなりまして、大蔵省証券局の課ごとに山一の中の各部が接触する、おおよそそういう原則で動いておりましたので、例えば総務課と業務課には企画室が中心にと、あるいは流通市場課には各商品本部が接触するとか、大体そういうような形で動いておりました。
 それから、ちょっと先ほどの回答で訂正させていただきたいんですけれども、委員の御質問の中に、ホテルでの会議は平成三年と四年の間というふうに限りますと、私は一回だけなのでございます。それで、その年の夏に開いたというのを後から聞いたということでございまして、ちょっと二、三回と申し上げましたのは訂正させていただきたいと思います。
○星野朋市君 山一のこの事案に関しまして不思議なのは、当時の行平社長の名前が出てこないんですよ。三木さんの名前だけが出てきまして、行平さんの名前が出てこないというのは、行平さんは陰で三木さんといろいろ連絡をとっていたんじゃないか。
 松野参考人にお伺いしますけれども、行平さんと夜の会合をお持ちになったこと、何回ありますか。
○参考人(松野允彦君) 私、先ほど申し上げましたように、平成二年から四年まで二年間証券局長をやっておりましたが、後半の一年間は、これは証券不祥事が明るみに出たということもありまして、証券界との会食は一切なかったというふうに記憶をしております。前半につきましては、それはあったと思いますが、ちょっと回数までは記憶しておりません。
○星野朋市君 白井さんは経理を担当されていたから当然おわかりですけれども、行平さんがどのくらい接触していたか、今覚えていらっしゃいますか。
○参考人(白井隆二君) 私の執務しております経理というのは兜町の別館にございまして、本社の八重洲の動きというのはなかなかわかりにくいところがございまして、当時社長の行平がどのぐらい接触していたかというようなことはちょっとわからないんでございますけれども。
○星野朋市君 堀田参考人にお伺いしますけれども、私は大分前から、きのう夕方発表されたいわゆる証券取引等監視委員会の調査がどうなっているかということを尋ねておったわけですね。そして、あしたもこの件に関して質問するかもしれないということをあらかじめ言っておいたら、夕方になって私のところへこの冊子が届きました。内容は余り詳しくないんです。
 この中に、大阪の鉄鋼問屋阪和興業に対する山一証券の損失補てんの事案が入っていますか。
○参考人(堀田隆夫君) 個別企業の名前を挙げるのは公務員の守秘義務に照らしてどうかと思いますけれども、この際ですから申し上げますけれども、この補てんの相手先に今おっしゃいました企業は入っております。
○星野朋市君 この阪和興業の件に関して、ロッキード事件のときに有名になったタックスヘーブン、ケイマン島に白井参考人の口座があるということは、白井参考人、御存じですか。
○参考人(白井隆二君) 私の名義の口座があるということは全然存じておりません。
○星野朋市君 これは借名口座から白井参考人の名義に変わった口座があるはずなんです。
 それで、失礼ですけれども、あなたは今言ったようなこと、それから総会屋担当、こういうことでいわゆる企業の陰の部分を担当されていた方なんですね。それで、山一のこういう一連の事件ということに、私は別のところにいたからとか、そういう形で私は言い逃れはできないと思う。こういうことのために集まった山一証券の幹部というのは、通常の業務をやっている人たちとは私には思えないんですよ。
 そこで、三木さんが松野さんと接触をして帰ってこられていろいろなことを報告なさって、それであなた方は対策を講じられていたと私は思いますけれども、先ほども荒木委員の質問の中にちょっと出てまいりましたけれども、いわゆる海外へ飛ばしをやった場合に、外為法でいうと日銀の許可をとらなくてはならないでしょうかと三木副社長が松野さんにお聞きしたところ、心配はないよ、もし心配ならば専門家を紹介しようかと言ったということがあるんですけれども、そういうことをお聞きになりましたか。
○参考人(白井隆二君) 私は、当時の副社長の三木からは聞いておりませんで、最近の報道でそういうことがなされているということを知っていて、この真偽のほどは存じておりません。
○星野朋市君 最近というのはいつですか。
○参考人(白井隆二君) これは、そうでございますね、ことしに入りましてでございます。
○星野朋市君 それでは、同じく三木さんが松野さんのところへ行って、これは要するに東急の問題ですけれども、うちで引き取らなくちゃならないんでしょうかと聞いたときに、松野さんから、まあほかにも方法があるんじゃないか、海外でやれば大蔵検査にも引っかからない、そういうようなことを言われたということをあなた方の会議で三木副社長が漏らされたことはありますか。
○参考人(白井隆二君) この件に関しまして、会議を開いたという記憶は私、全くございません。副社長の三木のところに私が行って確認をとったときに、一言、局長が了承されている話だよと、こういうことでございました。
○星野朋市君 この了承されているということが非常に重大なことなんです。その意味で、三木副社長と同道していった山一証券の人がだれなのか、これが一つのポイントになると思うんです。けさからいろんな質問がありましたけれども、同席した人は大蔵省の人ではないはず。これは私が最初に申し上げましたとおり、大体そういう形の場合は、民間から単独で行って単独で会うというようなことはないということであります。
 最後に、松野参考人にお聞きしますけれども、証券局は平成四年の八月、三カ月間にわたって特別検査を山一で行って、山一がそのとき既に米国債に切りかえて飛ばしを行っていた事案を発見していたにもかかわらず、その指摘をせず、取り消しも行わせず、そういうことを松野参考人のところに報告がございませんでしたか。
○参考人(松野允彦君) 今のは平成四年の八月でございますか。
○星野朋市君 そうです。
○参考人(松野允彦君) 四年の八月は、私はもう退職をしておりましたので、もちろん話を聞くというような立場にはございませんでした。
○委員長(岩崎純三君) 星野朋市君、簡潔に。
○星野朋市君 今度の事件が、最初申し上げましたとおり、単に一証券会社の消滅ではなくて、日本の経済に非常に大きな問題を残したという意味で、これは単にきょうの参考人質疑に終わらず、これからもずっと見続けていかなければならないものだと思っております。
 時間が来ましたので、終わります。
○佐藤道夫君 私から松野参考人にお伺いいたします。
 まずもって簡単な問題でございますけれども、今回の山一の件はもちろん大蔵省証券局の公式の業務として取り上げられたと、こう考えてよろしいわけですね。結論だけで結構であります。
○参考人(松野允彦君) 今回の業務とおっしゃられますと、何でございましょうか。
○佐藤道夫君 要するに、公式な仕事として取り扱ったのか、あるいはあなたの個人的な趣味として扱ったのか、どっちかということを聞いているんです。頭がいいわけでしょう、あなたは。
○参考人(松野允彦君) 私が三木さんと話したことでございますか。
○佐藤道夫君 もうよろしいです。
 日本の役所は頭のかたいことで大変定評があります。公式な仕事、業務として取り上げた以上はこれに関して必ず膨大な書類がつくられます。なぜこの仕事を我々が受け持ったのか、そのいきさつはどうだ、経過はどうだ、それから最終処理はこうなったかと、こういう書類が必ずつくられるわけであります。一件書類と言ってもいい。ところが、先ほど堀田参考人の話ではこれは一切つくられていない、こういうことでございますので、大変いぶかしいわけであります。
 松野参考人の話によりますれば、どこからともなく、だれとも知れない者から情報の提供を受けまして、多分担当課だと思うけれどもだれかを呼んで伝えた、調査をするように伝えたと。こんなことは、日本の役所でこんなばかげたことはないわけです、私も役所に何年もおりましたからよくわかっておりますけれども。そういうことになりましたら、担当課長をまず呼び出しまして、こういう情報が入ったので君のところで至急調査をしてほしい、こういうわけであります。
 担当課長は課に戻りまして、彼のやるべきことは何か。第一にやることは担当者を指名することであります。課長補佐、係長、何人もいる中からあの男が一番適任だ、君にこれは局長の特命だからお願いしたい、こう言って命令するわけでありまして、命令された担当者の第一にやることは何かと、こう言いますと、これは書類をつくること。本日、課長より局長の特命事項としてこれこれしかじかのことで命を受けたと。大蔵の官僚ですから大変頭がいい。これについての問題点はこれとこれとこれと、もう多分最初のうちから大体の処理方針も示されているんでしょう。それから、これに関係する役所はこれとこれとこれ、内閣法制局と法務省刑事局、これについてはいつ幾日ごろ意見を打ち合わせに行きたいというようなことがちゃんともう最初から大体決まっておって、その書類は課長を通じて局長に上がってくる。局長も、あの課はよくやっているわいと、こう思うわけであります。
 その関係が一体どうなっているのか、さっぱりわからないのであります。
 私がもう一つわからないのは、三木副社長と松野局長が会ったいきさつです。三木副社長は呼ばれたと言っているし、こっちは呼んだ覚えはないがと。しかし、それにいたしましても、局長が向こうの山一の副社長と会う、これは大蔵にとってもかなり重要な問題でありますから、松野局長のやるべきことは何かと、こう言いますと、すぐ担当課長を呼んで、例の件はどうなっているかと。担当課長は、大変報告がおくれておりましたがもうほとんど調査が終わっておりますと。きょう山一の副社長が会いに来る、どういうふうな指示、指揮あるいはまた助言をしようかと。これについて担当課長は必ず二案、三案、四案ぐらい持ってきまして、こうやりなさい、ああやりなさい、これが一番いいと思いますと助言をします。局長は、なるほどな、じゃそれでやろうや、君もちょっといてくれよと、こういうことで三木副社長が呼び入れられるわけであります。これはどこの役所でもこういうことをやっております。そして、これは監督官庁から監督されている証券会社に対するいわば判決の言い渡しと言ってもいいと思います。重々しいものであります。単なる助言とか指導とかいうものじゃないと私は思います。
 それで、担当課長のつくったその要綱に従って助言をする、指導をする、監督をする。その結果がどうなるかといいますと、これは担当課長がまた議事録的なものをつくって記録に編綴する、保管する、こういうことになるわけであります。
 それから、局長は大変忙しくて法案に忙殺されてあれこれする暇がなかった、そのことも関心を失ったと言っておりますが、これもまた私に言わせれば絶対信用できないことであります。
 末端の法案担当の事務員がそういうことを言うならばわからぬでもないんですけれども、局長ですから証券行政全体を見ているわけであって、法案の関係はほんの一部と言ってもいい。これが忙しくて全部目が行かなかった、こんなばかげたことはあるわけはないんです。しかも、廊下などで担当課長と行き違えばすぐ問題を思い出して、君あの件どうなっているかと、そう言えば担当課長は、報告がおくれて申しわけございませんがこうなっておりますということで話というのは進む。
 全然知らなかった、そういう無責任な局長がこの霞が関にいたのかと私、初めて知りました。霞が関どころか全国に何千何万という役所がある中で一番最低の話ではないのか、こういう気もしないわけではございませんが、しかしそんなことは恐らくないんでしょう。全部知っていたか、あるいはこれから先は私の推測でありますので、もし名誉を毀損することがあれば大変申しわけないと思いますけれども、これは大蔵省の局長室での話し合いではなかったんじゃないか。
 そう言いますと大変申しわけないんですけれども、三木副社長からどこか料亭にでも接待を受けまして、その場で三木副社長が何げない調子で、あの問題で困っているが局長さんどうすればよろしいのかなというふうなことを言って、こちらも酒の勢いもありますから余り深くも考えないで、まあ海外にでも飛ばすのか、こんな言い方でもしたのかと。だから、この関係の記録が一切残っていないんだろうと思います、残っていないことは間違いないようですからね。
 ただ、担当課の説明もどこまでが本当なのか。厚生省の薬害エイズの問題も、あれも書類隠しが行われていたというので、この関係の書類が一切出てこない。あるいは大蔵省がこれを隠匿しているのかもしれませんので、そうなりますと私の推測は当たらない。ちゃんと大蔵省の正式な業務として行われた、そういうものだ、こういうことになるわけですから、委員長、まことに申しわけないんですけれども、大蔵省に対してとりあえずこの一連の資料の提出を命ずるようお願いしておきたいと思います。
 なお、私の今のこの話につきまして、松野参考人も何かお考えがあろうかと思いますので、お聞かせ願えればと思います。
○参考人(松野允彦君) せっかくのお尋ねでございますので少し申し上げたいと思いますが、まず、この問題は基本的にトラブルの処理の問題でございます。
 証券会社と顧客、この場合は企業でございますけれども、そのトラブルの処理につきましては、これは今、佐藤委員から先輩としていろいろお話がございましたけれども、証券局の仕事としてもし仲介を申請されれば、これは当然法律にのっとってやるわけでございますが、トラブルの処理につきましては基本的に当事者でなければわからない事情がたくさんございます。それをすべて行政が両当事者から聞いて判断をするということは到底できないわけでございまして、基本的には当事者である証券会社と顧客との間の話し合いにゆだねるというような形になるわけでございます。そういった意味では通常の役所の中の仕事のやり方という問題とは少し性格が違うのではないかというふうに私は考えていたわけでございます。
 いずれにいたしましても、この問題、確かにいろいろないきさつがあったとしましても、証券局の中の情報の伝達の確認の問題としてやや確認が足りなかったんではないかというような御指摘がございます。それは私もそうではないかということは反省するわけでございますが、しかしそういう問題とこの山一証券が廃業に追い込まれた簿外、粉飾という問題とはやや問題を異にするわけでございまして、監視委員会の報告等によりますと、この簿外債務を処理するために相当膨大ないわゆる特定金銭信託というのが設定をされておるわけでございます。そういう形で表に出た、バランスシートの表に出た部分が若干あるわけでございまして、そういったものについて、私から申し上げるのはややおこがましいかもしれませんが、どうして公認会計士の監査が十分できなかったのか。
 もちろん、大蔵省の検査でもチェックできなかったという問題はございますけれども、今、監視委員会がいろいろ発表されております実情を見ますと、この粉飾決算、大量の簿外債務という問題がどうしてこの六年の間に公認会計士監査なりで発見できなかったのかという点について、率直に私はやや疑問に感ずる点もあるわけでございます。
○山口哲夫君 新社会党の山口哲夫と申します。
 最後の質問になるかと思いますが、けさほどからずっと皆さんのお答えを聞いておりまして感じたことを申し上げます。
 私は、松野さんも堀田さんも監督官庁の責任というものを全然果たしていらっしゃらなかった、そういうふうに思います。監督官庁の責任というのは、例えば飛ばしをやりたい、そういうような相談があったときに、これは法律に抵触しないからまあいいだろうと、そんなような考えで進んできたようでありますけれども、しかし社会の情勢とか経済の情勢、そういったものをきちっととらえて、そのままやらせておいたら大変な事故につながってくるということを考えて、これは法律的には認められてはいるけれども決して好ましいことではない、あなた方は大変なことをこれからせざるを得なくなりますよと、そういうことを指導するのが監督官庁の責任ではないんでしょうか。いかがですか。
○参考人(松野允彦君) 確かに御指摘のように、先ほど来申し上げましたように、飛ばしというのは決して好ましい行為ではないし、その結果が場合によっては損失補てんにつながるというような、あるいは証券事故として処理されるにしても企業ないし証券会社に相当の損害が発生するというような問題でございます。これはバブルが崩壊して株価が暴落したという客観情勢があるわけでございますけれども、ただあの当時の状況を申し上げますと、先ほど来ちょっと申し上げましたように、相当多数の企業がこういう形で含み損を抱えている株式について、その含み損を表面化させないために飛ばしというような形の取引を行っていたという現実がございます。
 私どもはそういう現実を踏まえながら、もちろん証券市場の公正さということも考えなければいけないわけでございますけれども、ぎりぎり法律に違反しない範囲であれば、そういう含み損というものを証券会社と企業との間で話し合ってどういうふうに処理をするのか、場合によっては、それは企業が全部かぶって回収をしたものもたしかあると思いますし、証券会社が証券事故として処理をしたものもあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、相当多数そういう行為が行われているという状況を考えますと、それについてある程度の話し合いの時間を与えざるを得ないんではないか、法律の枠内ということは当然でございますけれども、その中で時間を与えざるを得ないというふうに私は判断をしていたわけでございます。
○山口哲夫君 経済が平常に動いているときならそういうことも言えると思います。しかし、当時はそういう事情ではなかったと思うんです。この時代に、一九九一年から二年にかけて、もう飛ばしをやったならばこれは大変な損害というものが出る、損失が出るということぐらいは私はわかっていたと思うんです。そうなると何につながるかといえば、これはやはり最後は簿外処理をせざるを得なくなるだろうと。これは犯罪行為ですよ。そういうことを予測できませんでしたか。
○参考人(松野允彦君) ちょうど九二年でございますが、もちろん飛ばしというのが続きますと損害がふえていく、損失がふえていくというようなことも予想されるわけでございますが、しかし一方では一月から施行されました新しい証取法の中で証券事故で処理をすることができるという道を、むしろそういう道が新たに設けられたわけでございまして、したがって損害をめぐって話し合いをするのであれば、証券事故としての処理の手続が行われることに、それを利用することができるということになっていたわけでございます。
 したがいまして、必ずしも簿外にせざるを得ないというようなことにはなっていなかったというふうに私は認識をしております。
○山口哲夫君 損失補償をすること自体、やはりこれは問題があるわけですね。違法でしょう、これは。
 私は、この時代というのは、平均株価というのがどういうふうに動いていたかというものをとってみました。一九八九年から一九九〇年にかけて、ちょうどこれはバブルの頂点の時代、平均株価は約三万八千円でした。そして、三木副社長が松野さんとお会いしていたころ、一九九一年の暮れから九二年の正月にかけてずっと二年間、バブルの崩壊過程で株価はどんどん下がっていった時代です。何と二万二千円まで下がっています。そして、その後一年間まだ下がり続けているんです。我々みたいな素人でもこのときに株を買いますか。普通はこれは危険だなと思うでしょう。証券局長は日本の経済がどういうふうに動いているかくらいのことは私は判断できると思うんです。
 こういうときに飛ばしの相談があったら、これをそのまま続けさせたならば、最後はやはり山一なりあるいは大和なりが大変な損失を補償せざるを得なくなる。それは違法行為につながっていく、最後はどう処理するんですか、簿外処理をするんだろうか、そんなことをやったら犯罪だろうと、そういうふうにつながるんだから、これはやめた方がいいのではないですかという指導をするのがあなた方の仕事じゃないんですか。いかがですか。
○参考人(松野允彦君) 確かに九一年から九二年にかけて株価が下がり、株式市場が非常に低迷していたというふうに記憶をしております。しかし、その前に、既に平成元年の十二月にピークを打ってからもう半値近くまで下がっていたわけでございまして、その過程において相当な含み損が発生し、一任勘定でございますが、そういうことを背景にしてこの飛ばしというのが相当多数の企業で既に行われていたという現実があるわけでございます。
 確かに株価はその後も下がっていきました。しかし、既にピークからそこまで下がっていた状況で、そういう飛ばし行為が行われていたという現実があったことも事実でございます。その辺の判断というのは非常に難しくて、私自身で判断するというようなわけにはいかないわけでございますが、そこはやはり経営者の判断にゆだねざるを得ないというのが私の当時の考え方だったというふうに申し上げたいと思います。
○山口哲夫君 ピークから下がっていたことは事実だけれども、まだ下がり続けるというくらいのことは判断できたでしょうというんです。ですから、やっぱりこれは責任逃れだと、そういうふうに私は言いたいわけです。
 これは決して私だけが言っているんじゃないんですよ。証券会社のある幹部の人でも同じようなことを言っている。例えば、ある中堅社員が松野氏に相談した後に簿外処理は本格化したのだから、松野氏からの指示があったと考えるのが自然だ、指示していないと百歩譲っても、飛ばし取引での損失を認識しながら厳正な指導をしなかったのは極めて無責任ではないかということさえ言っているわけであります。
 私はそういうことを考えたときに、この山一の破綻の責任というのは監督官庁にあった松野さんたちの責任というものは免れないだろうと思うんです。その責任というものを感じませんか。
○参考人(松野允彦君) 私も大蔵省に長い間おりましたけれども、比較的、証券行政にタッチした期間の長い人間でございます。百年以上の歴史を持っておりました四大証券の一つであります山一証券、一時はトップ企業でございました、これが自主廃業に追い込まれたということは大変残念なことだと思いますし、それについて監督行政当局として責任がないというふうに申し上げるつもりはございません。
 ただ、先ほどちょっと申し上げましたように、その直接の原因は粉飾決算にあるわけでございまして、これだけ膨大な簿外債務を抱えた粉飾決算が六年間にわたって行われていたということを一体どう考えるのかという問題でございます。
 私は、その一端が、特定金銭信託の設定によってお金が調達されているというようなことが監視委員会の報告にあるわけでございますので、先ほど申し上げたことを繰り返すようで恐縮でございますが、どうしてそれが第一義的には公認会計士の監査でチェックできなかったのかという点について私は本当に不思議に思うわけでございます。
 山一証券が自主廃業に追い込まれた原因についてはいろんなものがあろうかと思います。大蔵省の責任ももちろんありますが、直接的な要因としては今申し上げたような粉飾決算というのを六年間見抜けなかったというところにあるんではないかというふうに考えるわけでございます。
○山口哲夫君 六年間も粉飾決算を見抜けなかった、そういう責任さえあるということを私は強く指摘しておきたいと思います。
 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人には大変御苦労さまでした。
 次回は来る六日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会