第142回国会 地方行政・警察委員会 第2号
平成十年一月三十日(金曜日)
   午後零時三十一分開会
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   委員の異動
 一月二十日
    辞任         補欠選任
     下稲葉耕吉君     井上  裕君
 一月二十一日
    辞任         補欠選任
     鈴木 正孝君     山本 一太君
     長谷川道郎君     芦尾 長司君
     魚住裕一郎君     山下 栄一君
 一月二十二日
    辞任         補欠選任
     山下 栄一君     魚住裕一郎君
 一月二十三日
    辞任         補欠選任
     井上  裕君     下稲葉耕吉君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     白浜 一良君     荒木 清寛君
     高橋 令則君     扇  千景君
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     岡野  裕君     鈴木 正孝君
     下稲葉耕吉君     三浦 一水君
     鈴木 省吾君     常田 享詳君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藁科 滿治君
    理 事
                久世 公堯君
                松村 龍二君
                朝日 俊弘君
                有働 正治君
                扇  千景君
    委 員
                芦尾 長司君
                上吉原一天君
                鈴木 正孝君
                田村 公平君
                谷川 秀善君
                常田 享詳君
                三浦 一水君
                山本 一太君
                小山 峰男君
                荒木 清寛君
                魚住裕一郎君
                村沢  牧君
                渡辺 四郎君
                山口 哲夫君
                岩瀬 良三君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    上杉 光弘君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        野田  健君
       警察庁刑事局長  佐藤 英彦君
       大蔵省主計局次
       長        寺澤 辰麿君
       自治政務次官   佐藤 静雄君
       自治大臣官房総
       務審議官     香山 充弘君
       自治省行政局長  鈴木 正明君
       自治省行政局公
       務員部長     芳山 達郎君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  成瀬 宣孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   説明員
       厚生省社会・援
       護局企画課長   大泉 博子君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
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○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十九日、高橋令則君及び白浜一良君が委員を辞任され、その補欠として扇千景君及び荒木清寛君が選任されました。
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○委員長(藁科滿治君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に扇千景君を指名いたします。
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○委員長(藁科滿治君) 次に、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案並びに地方交付税法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。上杉自治大臣。
○国務大臣(上杉光弘君) 本日から審議いただくわけでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 ただいま議題となりました地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 まず、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 当面の経済状況等を踏まえ、個人住民税について平成十年度限りの措置として定額による特別減税を実施するとともに、その減収額を埋めるため、地方債の特例措置を講じる必要があります。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。
 個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、当面の経済状況等を踏まえ、平成十年度限りの措置として特別減税を実施することといたしております。この特別減税の額は、所得割額の範囲内で八千円に控除対象配偶者または扶養親族一人につき四千円を加算した金額とすることといたしております。また、この特別減税においては、税負担の軽減効果が早期に実現することとなるよう、徴収方法についても特例措置を講じることといたしております。
 第二は、地方財政法の改正に関する事項であります。
 地方財政に関する事項につきましては、個人の道府県民税または市町村民税に係る特別減税による減収額を埋めるため、地方債の特例措置を講じることといたしております。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 今回の補正予算においては、平成十年分の所得税の特別減税等に伴い、平成九年度分の地方交付税が二千二百二十一億円余減少することとなりますが、地方財政の状況にかんがみ、当初予算に計上された地方交付税の総額を確保する必要があります。このため、平成九年度分の地方交付税の総額の特例として、同額を地方交付税の総額に加算するとともに、平成十三年度から平成二十年度までの各年度において当該年度分の地方交付税の総額に加算する額を変更することとしております。
 以上が、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(藁科滿治君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終了いたしました。
 これより両案に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。
 ただいま提案されました両法案につきまして、二、三、御質問を申し上げたいと思います。
 今、考えてみますと、ここ五、六年、国も地方もいろいろ財政難で大変でございます。そういうことで、橋本総理もいわゆる行財政改革を本当に実現して何とかこの難局を乗り切らなきゃならぬということで、今、橋本総理を初め上杉大臣も頑張っていただいておるところでございますが、これ考えてみますと、国の財政も地方の財政も、結局入ってくることが少なくなってくるとやっぱりしんどくなってくるわけですな。入るをはかって出るを制するというのが、これは何も国の財政だけじゃなくて、地方の財政だけじゃなくて、我々家庭でもそうです。やっぱり収入がどれぐらい入ってくるかということでどれぐらい使うかということだろうと思うんですが、急に悪くなってきたというのは、やっぱりバブルで一番もうかったのはどこかと、こういうものをよく考えてみたら、それは企業みんなもうかったかもわかりませんが、私は国と地方だと思いますよ。
 結局、バブルがばあっとわいてきた。そうすると、労をせず国も税収がどんどん入ってくる、地方も税収がどんどん入ってくるということで、結局その税収を今までの借金返しに使えばいいのに、何となく行政需要なりいろんなことがだんだん広がってくるものですから、いろんな仕事をやり出した、また福祉もいろいろやってきた。ところが、がたんとバブルがはじけてがたんと財政がおかしくなってきた。
 しかし、今まで広がった分を一挙に急に縮めるというのは、これはなかなか難しいんですよ。我々の家庭でも同じです。収入のいいときにいわゆる家計規模を大きくしてしまったら、今度おやじさんが失業した、さてえらいこっちゃと、こう言ったってなかなかそれを縮めるというかその規模を小そうするというのは非常に難しい。今、国も地方もそういう状況じゃないかなというふうに私は思っているわけです。
 そういう意味では、真剣にこれから本当にどうするのかということをやっぱり考えないといかぬ。そのためにはやっぱり景気をまずよくせにゃいかぬのです。体質を改善することも大切です。その財政をどうするかということも大切ですが、今景気をどうよくするかということだろうと思うんです。
 そのために。今度、年末に橋本総理が一大決心をして二兆円減税をやったということは、私は、やっぱり景気を下支えするという意味においては非常にいいことだろう、そういう意味では一日も早くこれを実行に移さないとなかなか効果はあらわれてこないというふうに思いますが、まず大臣に私が今申し上げましたようなことを、地方財政、上杉大臣非常にお詳しゅうございますから、地方の財政状況をいろいろごらんになられて、今どういうことをやらなきゃいかぬのかということを総括的に大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 今おっしゃったとおり、確かに、過去の経緯から見れば、バブルがはじけた後、その状況を一遍に切りかえるというのは非常に難しいことはよく承知をいたしておるわけでございます。地方財政もそのような意味で極めて厳しい状況にございますが、それぞれ事業を拡大したがために相当このバブル期に借入金がふえておることも事実でございます。
 さような意味で、地方の財政はおおむね教育関係、社会保障関係、それから公共事業関係で約七割を占めておるわけでございます。これらのものは、ほとんど法律制度で国が決めたものを地方財政負担として財政運営の中で措置しなければなりません。そのような厳しさが地方財政にはございます。
 加えて、国の財政が厳しいわけでございますから、国の財政が公債に依存しておる今の現状を打破しない限り、せっかく地方交付税で地方財政のために対応いたしましても不足分はこれを借金に頼らなければならない。三千三百に配るときに足りないわけでございますから、その足りない分は行政需要に応じて、足りないから配らぬというわけにはいかない、それはやっぱり借金に頼らざるを得ない。さらに、制度的な補助事業等については応分の地方負担が制度的に決まっておりますから、その地方の財政負担分も国が国債に依存しております以上はどうしても借金にその分を頼らなければならない、このような厳しさがあるわけでございます。
 したがいまして、これらのことを十分私どももわきまえて、さらに今回の行財政改革の基本線に沿いまして、厳しくこれらのことに取り組んでまいりたい。一日も早く健全財政に地方財政をしない限り、地方分権という大改革のこの対応も待っておるわけでありますから、心を引き締めてこれらに対応してまいりたいと考えております。
○谷川秀善君 ぜひ、実力大臣でございますから、よろしく地方を御指導賜りたいというふうにお願いを申し上げておきます。
 それでは、まず今回提案されております個人住民税の減税でございますが、この内容について簡単に御説明願えますか。
○政府委員(成瀬宣孝君) このたびの特別減税は、最近におきます経済状況等を踏まえまして、個人住民税につきまして平成十年度限りの措置として六千億円規模の定額による減税を実施しようとするものでございます。この特別減税は、納税義務者本人につきまして八千円、これに控除対象配偶者または扶養親族一人につき四千円を加算した金額を個人住民税の所得割額がち控除することにより行うものでございます。
○谷川秀善君 そうすると、標準世帯で夫婦と子供二人と見た場合、大体二万円ぐらいに相なるわけですが、今回のいわゆる減税ですね、六年から八年ぐらいまでに住民税減税をやりましたね、その方法とはちょっと違うんですな。それをちょっと説明してくれますか。
○政府委員(成瀬宣孝君) 平成六年度から八年度にかけまして三年間行われました特別減税は、所得割額の一定割合を控除するといういわゆる定率控除方式でございましたけれども、今回は所得割額から一定額を控除するといういわゆる定額控除方式といたしております。これは、今回の所得税の特別減税が定額方式をとられたこと、さらには納税者にわかりやすい仕組みを考えることなどを考慮したものでございます。
○谷川秀善君 私は、所得税もそういうことですから住民税もそういうことにした方が非常にはっきりして、どれだけ減税になったかというのがよくわかると思うので、今度の方法はいい方法だと思っているわけです。
 それで、これは減税になりますとやっぱり自治体の収入が減りますね、どうしても。急に減税をするわけですから。自治体の収入減に対してどのように対応されますか。
○政府委員(二橋正弘君) この減税によります減収は六千二百四十億円というふうになるわけでございますが、これにつきましては、地方税にかわる財源といたしまして、地方財政法第五条の特例となります減税補てん債の発行によりまして補てんをして財政運営に支障が出ないようにするということでございます。
○谷川秀善君 そこがちょっと私は、減収補てん債で補てんするというのは今までずっとやってきたことなんですが、それは補てんしてやってもらわないと地方団体も大変だと思うんです。
 これで、じゃ長い目で見ると、減収補てん債で補てんするんだ、それでまた今度はその償還のときに面倒を見てあげるんだと、こういう話なんですけれども、その間大分空白ができるんですな、空白が、やっぱりある程度。その辺で非常に困っておる地方自治体がやっぱりあると思うんですようまく全額補てんしてくれるかというのは、これ何か理屈ではそうなるんですけれども、実際上はそうならない場合もあるというふうに聞いておるんですが、そういうことはないんですか。
○政府委員(二橋正弘君) この減収補てん債を出しますと、団体ごとにその額がはっきりしてまいりますので、それぞれの元利償還に応じて交付税に算入をするということにいたしますので、今、委員おっしゃいますように、その実際の償還と交付税によって財源措置するものとの間にずれが出るということはないわけでありまして、全体として、その元利償還の全額について需要に織り込んで計算をしているということでございます。
○谷川秀善君 やっぱりずれる部分もある。
 不交付団体の場合はそこで減収補てん債もやってもらえるわけですか、不交付団体、それはどうですか。
○政府委員(二橋正弘君) 不交付団体も当然減収が生じまして、減収補てん債によります。後年度その償還を需要に織り込んで計算をして、その結果、不交付団体が交付団体になるというケースもあるでしょうし、そういうふうに織り込んでもなおかつ不交付という状態もあり得ると思いますが、そういう場合には結果的に交付税の補てんはございませんが、交付税の計算上、元利償還は需要に一〇〇%織り込んで計算をして、不交付団体はその結果不交付の場合には交付税の補てんはできないということにはなります。
○谷川秀善君 地方は非常に今苦しゅうございますから、できるだけ国民の減税効果が、地方公共団体に対して余り減税によって影響のされぬように自治省の方で何とか手当てを考えてやっていただきたいというふうに思います。お願いをいたしておきます。
 それで、この所得減税はやっぱり次に必然的に交付税に影響しますね。住民税もさることながら、二兆円の所得税減税は。交付税に影響を与えるのは、まず平成九年度でどれぐらい影響を与えますか。
○政府委員(二橋正弘君) 九年度の所得税の特別減税に伴います交付税の減収は、三千百三十三億円でございます。
○谷川秀善君 そうすると、この三千百三十三億を結局どういうふうにして補てんをするんですか。
○政府委員(二橋正弘君) この三千百三十三億円につきましては、平成八年度の国税の決算の精算増によりまして交付税の増額になってくる分がございまして、それと、平成九年度、今年度は逆にマイナス見込み、国税の減収に伴いましてマイナス見込みが立っておりまして、それを差し引きいたしました九百十二億円をまずその三千百三十三億円に充てまして、残りの二千二百二十一億円については一般会計から加算を行うという形で補てんをすることといたしております。
○谷川秀善君 大体二千二百二十一億円を平成九年度補正予算で措置をするということですね。そうすると、この平成八年度国税精算分等の九百十二億円はどのように精算をされる御予定でございますか。
○政府委員(二橋正弘君) これは、八年度の国税が予算より増収になりましたことに伴います交付税の増額でございますので、その金額を九年度の交付税にプラスするということでございます。その片方で九年度の国税がマイナス見込みでございますので、差し引きをいたしました九百十二億円を九年度に加算するということでございます。その加算し足りない二千二百二十一億について一般会計からさらに加算をするということでございます。
○谷川秀善君 そうすると、この加算した九百十二億円はどれくらいで精算をする予定ですか。
○政府委員(二橋正弘君) これは、もともとその正税分がふえてきた金額でありますので、そのまま形の上で配分された交付税の原資になるというものでございまして、後で精算するとかそういう性格のものではございません。
○谷川秀善君 それでは、今度の十年度はどれくらい影響いたしますか。
○政府委員(二橋正弘君) 十年度は所得税の減税が四千二百四十億でございまして、交付税へのはね返りは千三百五十七億でございます。
○谷川秀善君 これ、個人住民税も十年度影響しませんか。
○政府委員(二橋正弘君) 個人住民税は、先ほど申しましたように、十年度で六千二百四十億地方財政に影響してまいります。したがいまして、特別減税、所得税、住民税を通じますと、両方合わせて平成十年度に地方財政では七千五百九十七億の影響が出るということでございます。
○谷川秀善君 そうですね、大体七千五百九十七億影響すると思うんです。
 これは平成十年度予算のときに議論すればいいんだと思うんですが、これはどういうふうに補てんをする予定でございましょうか。
○政府委員(二橋正弘君) この交付税の減収千三百五十七億につきましては、交付税特別会計の借り入れによって補てんをするという予定にいたしております。それから住民税の減収につきましては、先ほど申しましたように、減税補てん債で補てんをするということにいたしております。
○谷川秀善君 今のお話を聞いていますと、地方交付税もなかなかこれ、やりくりがどうも大変なようでございますが、いずれにしても、この地方交付税は大体あれですね、平成六年度以降地方財政は非常に苦しい状況に相なっておると思うんですよ。だから、八年、九年、十年、これ連続して財源不足を生じております。
 この前もいつか御質問しましたが、こういう状態が続くと、地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当してくると思うんですが、これに対するお考えはいかがでございましょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 今御指摘ございましたように、平成八年度以降、当初の段階から多額の財源不足が生じておりまして、平成八年、九年、それから次の十年がそれぞれ交付税法の第六条の三第二項の規定に該当するということになるわけでございます。
 八年度、九年度につきましては、それぞれ必要な交付税を増額するに当たりまして国と地方とで二分の一ずつ責任を持つという単年度の改正をこの六条の三第二項の制度改正として行わせていただきました。
 十年度、来年度は、これから御審議いただくわけでございますが、全般的に歳出の抑制に努めておりますが、最近の地方税なり交付税なりの伸びの見込みが低いということもございまして、また片方で公債費が相当ふえてくるというようなこともございまして、この減税分を除きました通常の財源不足でも、この平成八年、九年に引き続いてこの六条の三第二項の規定に該当するような、そういう事態になっておるわけでございます。
 したがいまして、こういう状況を踏まえまして、十年度の地方財政対策におきましては、この十年度からいわゆる財政構造改革の期間に入っておりますことを考慮いたしまして、そのうちでも特にその前半の三年間が集中改革期間と定められておるといったようなことを踏まえまして、三年間をにらんだ制度改正を行うということを予定いたしております。
 これから御審議いただくことになるわけでありますが、考え方として、この間の、要するに集中改革期間の交付税特別会計の借入金の償還を十三年度以降に繰り延べをいたしますとともに、この期間中において財源不足が生ずる場合、交付税で対応しなくちゃいけないもの、これについては、国と地方がやはり二分の一ずつ折半をして責任を持つという、そういう趣旨の制度改正を行うということに今予定をいたしておりまして、そういうことでまた後ほど御審議をいただきたいというふうに思っております。
○谷川秀善君 今御説明をいただきましたように、なかなか地方財政大変でございます。平成十年度でも、いろんな手当てをしても財源不足見込み額は四兆六千四百六十二億あるわけでございます。こういう状況の中でこれからやはり行政改革をやり、地方分権をやり、地方の時代と、こう言われてきているわけですから、そういう意味で、やっぱり地方は地方なりに身を切る努力をする、同時に、国の方も、地方に権限を渡すだけやなくて、やっぱりある意味の財源の裏づけもやってやっていただかないと、なかなか均衡ある地方の発展はおぼつかないというふうに思うところでございます。
 最後に、大臣、その決意をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(上杉光弘君) いろいろ御意見いただきましたが、地方財政、大変厳しいときではございますが、だからといって今のような状態でいいわけはないわけでございます。
 地方財政の改革は、この行政改革とともに、また地方分権の推進とともに、あるいは地方行政体制の整備とともに欠くべからざる、私はともにセット論だと、こう思っておるわけでございまして、御指摘いただきました点、御意見ありました点等十分踏まえまして今後対応してまいりたいと考えております。
○谷川秀善君 ありがとうございます。終わります。
○朝日俊弘君 新しく統一会派として結成されました民文運の朝日でございます。よろしくお願いいたします。
 きょう、本題に入ります前にぜひ国家公安委員長にお伺いしておきたい点がございます。
 御承知のとおり、今週は専ら大蔵官僚の腐敗の構造にかかわる報道一色ということで、そのことが引き金となって大蔵大臣自身の責任が厳しく問われたわけでございますが、ちょっと振り返ってみますと、その前の週には、金融・証券会社による利益供与事件、汚職事件を捜査中の警視庁の捜査員がその捜査に関してわいろを受け取った容疑で逮捕されたと、こういう大変ショッキングな報道があったことを私は思い出しております。
 この事件といい、また引き続いて起こった大蔵官僚の事件といい、国民の国に対するあるいは政府に対する不信ここにきわまれり、こういう状況ではないか。
 私から申し上げるまでもなく、この委員会は、参議院における常任委員会の再編に伴いまして新たに地方行政・警察委員会として設置されたわけでございます。そして、きょうはその第一日目でもございます。あえて質問の冒頭に、国家公安委員長としてこの一連の事件をどのように受けとめ、また今後どのような姿勢で取り組んでいこうとされているのか、御決意を含めて国家公安委員長の所信を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘の点につきましては、私もたびたびの記者会見で国民の皆様にも深くおわびをし、この問題に取り組む姿勢を明確にいたしたところでございます。
 今回このような事件が発生いたしましたことはあり得べからざることでございまして、特に公安委員会・警察といたしましては、企業と総会屋の遮断をいたすべく対応の真っ最中にあるときの事件でありますだけに極めて遺憾千万と言わなければならないわけでございます。
 国家公安委員会といたしましては、警察庁から、今回の事案を踏まえ、現在各都道府県警察で推進中の再発防止のための諸対策を再点検いたしまして、さらなる努力を促すため、基本を遵守した職務執行の徹底及び捜査管理の徹底等を柱とした緊急通達を出しまして報告を受けたところでございます。
 国家公安委員会といたしましても、警察庁、都道府県警察と一体となりまして綱紀の粛正と職業倫理の確立について徹底し、また国民の皆様から信頼していただく警察としてのその責任を果たしてまいらなければならないと、そのようにかたく決意をいたしておるわけでございまして、国民の皆様から最も信頼を受けなければならない、行財政改革や地方分権の推進等しなければならないさなかでの事案でありますだけに、身の引き締まるような思いでその責任を痛感いたしておるところでございます。
○朝日俊弘君 今御決意をお伺いしたわけですが、平たく言えば金融機関と大蔵省と警察とくるんじゃったらこれは何でもできるわけでありますから、ここは改めてきょうお伺いした御決意のもとにきっちりとした対応をぜひお願いしたい、こんなふうに思います。
 それでは、ただいま議題となっております二法案につきまして幾つか確認の意味を含めて質問をさせていただきたいんですが、私は、とりわけ年度途中における特別減税を実施するに当たって、地方財政への影響とその財源措置のあり方の問題について絞ってお尋ねをしたいと思います。
 今回のような年度途中における特別減税といいますと、何様のケースを振り返ってみますと、ちょっと古いんですが、例えば昭和五十九年の二月に昭和五十八年度補正予算開運の特別減税と、こういうのがございました。そこで、この五十八年度の補正予算関連の特別減税の場合に、この減税による地方財政への影響はどの程度あって、その影響分については具体的にどのように措置されたのか、まずこの点について御説明を伺いたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) ただいまお挙げになりました昭和五十八年度補正におきます所得税減税に伴います減税額でありますが、これは千五百億円でございました。したがいまして、これに見合う交付税の減少額は四百八十億ございました。この四百八十億につきましては、一つは昭和五十七年度決算に伴います精算増、交付税の精算増の一部、百五十八億円でありますが、それを充て、残りの三百二十二億については一般会計からの加算措置によって補てんしたところでございます。
○朝日俊弘君 今回提案されております特別減税の場合は、今の御説明の中にもありましたけれども、今回の場合は特例加算額については後年度の地方交付税の特例措置額から減額される、つまり国の加算額が減額されることになり、実質的には地方自治体が負担をするということになるのではないか。
 それに比べて、ただいま御説明いただいた昭和五十八年度の減税の場合は、地方交付税の特例加算額について前年度決算に伴う精算増を差し引いた残りについては全額国が補てんしたというふうに理解をしてよろしいのでしょうか、ちょっと確認をしたい。
○政府委員(二橋正弘君) そのとおりでございます。
○朝日俊弘君 じゃもう一つの例を御説明いただきたいと思うんですが、同様に年度途中の特別減税で昭和五十六年度にも行われております。ただ、このときは額が少なくて何か国民一人当たり五百円程度の少額な減税だったために、いわゆるラーメン減税と、こういうふうに言われているんだそうでございますが、この場合にはその地方財政への影響はどの程度で、その対応策としてはどうされたのか、これも同様に御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 昭和五十六年度の特別減税、いわゆるラーメン減税というふうに俗称されておりますが、このときの減税額は四百八十四億でございまして、これに見合います交付税の減収額は百五十五億でありました。この額につきましては交付税特別会計の借入金で対応いたしておりまして、その元利償還金については元利とも国負担とされております。
○朝日俊弘君 そうしますと、この五十六年度の場合には、特別減税分見合いについては結果的にはその全額を国が負担する、自然減収分見合いについては国が二分の一、地方が二分の一、それぞれが負担をする、こういうことになっていたというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(二橋正弘君) そのとおりでございます。
○朝日俊弘君 ちょっと古い例を引っ張り出しましたのは、もうおわかりだと思いますが、どうも今回の提案されております年度途中における特別減税が実施される場合に、そのことによる地方交付税への影響分に対する措置といいますか対応の仕方がいつの間にか変わってきているんじゃないかというふうに思うんですね。地方の負担がだんだん重くなる方向にシフトしてきているんではないかこれはやはり問題ではないかというふうに私は思います。
 改めて、今の時点ではややさかのぼった議論になるのかもしれませんが、私自身は、そもそも国の経済政策の一環として特別減税が実施される、特にそれが年度途中において国の政策変更として行われる、まさしく今回の減税はそういう性格のものだと思うんですが、そういう場合は、そのことによって地方財政への影響分が出る、この分について基本的に国が責任を持つべきである、こういうふうに私は考えます。いつの間にやらだんだんと、国が責任を持って対応すべきところがじわじわと自治体の方に負担が転嫁されていっているんではないかという危惧を感じます。
 ましてや、先ほども大臣の方からもございましたように、今、地方分権、具体的に推進しよう、こういう重要な課題に直面しているときでもございますし、その中で自治体の財源の安定的な確保ということは極めて重要な課題であります。
 今回のような対応について、今申し上げたように私は甚だ疑問であるというふうに指摘をせざるを得ないのですが、この点に関して自治大臣としての基本的なお考えと、そして今後またもしかするとあるかもしれない、どのように対応していこうとされているのか、この機会にぜひ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 経済の変動や政策減税等によりまして地方交付税の所要額が不足をする場合、今度の場合は年度の途中でございますからなおのことでございますが、地方財政の運営に支障が生じるようなことのないよう補てん措置を講じることは国の当然の責務と考えておるわけでございます。その財源を国の方で負担するのかあるいは地方の財政の負担とするかは、具体的にどのような補てん措置を講じるかという議論もあるところでございまして、その場合、その時々の国、地方の財政状況等を総合的に勘案して対応して行ってきたというのがこれまでの経過でございます。
 今回の特別減税は、景気対策という、一方では単なる減税だけではなくて、そこに強い意志が働いておる。特に総理の言葉をおかりしますれば、日本から経済恐慌を来すような発信というものはしてはならないと。我が国の景気対策というものはそういう国際社会をも十分視野の中に入れたものとして決断が下された、こういうことでございます。
 このような、国あるいは地方のその時々の財政状況等を見て十分これを勘案した対応を行っていくということについてはこれまでの対応と私はその基本は変わらないと、こう思っておるわけであります。その際、例えば経過として申し述べられたように、昭和五十年代の前半は、五十二年、五十三年、五十六年どこのような措置をしておるわけでございますが、政策減税による年度中途の国税の減額補正に伴う地方交付税の減収の全額を国がすべて負担をした例や、精算を全部して二年度分の調整で精算増を除く部分を国が負担した昭和五十八年の例があることは財政局長からも説明しましたとおり、御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、昭和五十九年度の地方財政対策の見直しにおきまして、原則として新たな借入金を廃止し後年度の精算を伴う交付税の特例措置を講じることとしたこと。二つ目には、地方財政は国の財政と並ぶ公経済の車の両輪である、こういう一つの基本的な考え方によりまして経済的にも大きな地位を地方財政は占めておると。また三つ目には、政策減税による景気回復の効果は地方税、交付税の増収になって地方財政にもこれは及ぶものでございまして、この特別減税の効果というもので景気が回復路線に転化をすればいいというのが私どもの期待であり、またそうしなければせっかく特別減税をしたという意味はないと思うわけでございます。景気をよくすることにおいて政策減税の効果が何としてもあらわれることを私どもは期待をし、地方財政の上からも税収増というものを期待いたしておるわけでございます。
 このようなこと等を含め、政策減税による影響について国の負担によって補てん措置を講ずることは行われておりません。
 例えば、当初予算における減税で影響も多額でございました平成六年度及び平成八年度の特別減税による影響については、交付税特別会計の借入金により対処をし、平成六年度においては元利とも地方が、平成八年度においては元金は地方、利子は国が負担することとした経緯もございます。また、政策減税による影響が比較的少額でありました平成五年度は先ほど局長が説明をしたとおりでございます。あるいは、平成七年度の補正予算におきます少額の補正等におきましては、地方交付税法の附則第三条の規定に基づきまして一般会計からの加算により対処をしまして後年度の精算を行うことといたした例等があるわけでございます。
 今回の補正における補てん措置につきましては、このような経過あるいは状況を踏まえまして検討を行ってきたところでございまして、平成五年度の補正や平成七年度の補正と比べまして補てん所要額が二千億余という多額に上っておりましたが、今回の特別減税の趣旨を踏まえて国の一般会計からの加算により所要額を補てんすることといたしたものでございます。御理解をいただきたいと思います。
○朝日俊弘君 ちょっと残念ながら御理解できない答弁だったと思います。
 結局、今のはほとんど経過の説明なんですね。どうやら経過の説明を伺いますと昭和五十九年あたりから変わってきたというような御説明なんですが、きょうは時間が余りありませんのでこれ以上お尋ねしませんけれども、少なくとも基本的な考え方はある時点までは自治省も私と同じ考え方を持ってやってこられたはずなんですよ。それが何かねじ曲げられてきているんじゃないかと私は思うんです。これからこの問題ですぐに今回提案されているものをどうこう直すということにはならないかもしれませんが、私が先ほど申し上げた基本的な考え方はぜひ改めてこの際御認識をいただきたいと、こういうふうに強く要望しておきます。
 それでは、最後に今回の特別減税の実施と関連いたしまして平成九年度の補正予算の中に計上されております低所得者等に対する臨時福祉給付金の支給について、厚生省及び自治省両省に対する私からの要望を含めてお伺いしておきたいと思います。
 御承知のように、これまでにもこのような同様な措置がとられたことがあるわけですが、その都度さまざまな問題点が指摘をされております。従来の地方行政委員会においてもるるこの具体的な実施に伴う問題点、例えばその対象となる者の的確な把握の仕方がどうかとか、あるいは対象者への周知徹底の仕方がどうかとかいうような問題が指摘をされておりました。しかも今回は年度末にやるわけでありますから、極めて短期間の間にその実務を市町村が担当しなければいけない。作業量も大変でございますし、また幾つかの問題点を念頭に置いてきめ細かな配慮を必要とすみ、こういうことでございます。
 今回の実施に当たってはこれまでに挙げられていた問題点等を踏まえて具体的な実施の方法について何らかの改善方策が検討されてきたのか、されてきたとすれば具体的にどのように改善しようとされているのか、両省に簡単で結構ですが、御説明をいただきたいと思います。
○説明員(大泉博子君) 先生おっしゃいますように、都道府県、市町村にとってこれは大変な業務であると私どもは理解しております。したがいまして、今回の給付金の支給に当たりまして最も配慮いたしましたのは先生がおっしゃった周知徹底というところにございます。
 具体的には、支給対象者が千三百万人でございますけれども、これを二倍以上も上回ります二千八百万枚のパンフレットをまず作成いたしまして、昨年行ったときには政府広報のみでございましたけれども、今回は新たにテレビのCMを二十本、それからラジオCMを二百三十本、そして三大紙による新聞広報も予定してございます。
 さらに、もう一つ新たに、私どもの方でポスターを二十二万枚作成いたしまして、都道府県、市町村に配布をすることにいたしております。
 もう一つ、これに加えまして、地方自治体独自の広報紙、それからマスコミの活用、これに予算をつけましたのと、それから社会福祉協議会、民生委員の協力も私どもの方で求めております。
 今回は昨年よりもずっと周知徹底ができたというふうに思っております。
○政府委員(成瀬宣孝君) 今回支給されます臨時福祉特別給付金のうち、例えば最も一般的なものであります臨時特別給付金は、平成九年度の市町村民税が課されなかったことが支給要件とされておりますなど、市町村が給付金に関する事務を取り扱うに当たりましては市町村民税の課税の有無を確認する必要があるわけでございます。
 この課税の有無の確認は、厚生省が定めました臨時福祉特別給付金取扱要領によりまして、給付金の給付を申請する対象者の方々に納税額がないことを証明する納税証明書をとっていただくか、あるいは申請者の同意を得まして福祉部局が税務部局に確認するかのいずれかの方法によることとされております。
 自治省といたしましては、昨年におきます給付金支給の実施状況等を踏まえまして、市町村の税務当局に対しまして今申し上げました取り扱いが間違いなく行われますよう、各種会議の場や、文書により説明を行い、その徹底を図っておりますとともに、市町村におきましても税務部局が福祉部局と十分な連携を図って対処していくよう要請しているところであります。
○朝日俊弘君 ありがとうございました。終わります。
○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。
 この減税二法案に入ります前に、先ほど朝日委員からもございましたけれども、今、国民は政策不況で苦しんでいるとともに、連日のように報道されます公務員の倫理の崩壊というか、そういうことで本当に怒っております。
 半月ほど、この大蔵官僚の件で目がそがれてしまいましたけれども、やはり私もこの本垰警部のことは触れざるを得ないわけでございますけれども、ここしばらく新聞報道は余りされておりませんけれども、この本垰警部の事件の概要をまず御説明していただきたいと思います。
○政府委員(佐藤英彦君) お尋ねのことにつきましては、警視庁の警察官が、刑事部捜査第二課に勤務中の平成五年二月から八月ごろにかけまして捜査に携わった大和証券株式会社国立支店長らによる詐欺、業務上横領事件の捜査を通じて面識を得ました同社の総務部付次長らから、平成五年の四月から同九年二月ころまでの間に都内飲食店において代金約六十万円相当の遊興飲食の接待を受け、平成五年七月ごろ、五十万円相当の旅行券を受け、平成五年十月ごろから同九年二月ごろまでの間に都内飲食店等において現金二百八十万円余を受け、それぞれわいろを収受したというものであります。
 警視庁におきまして、一月十四日、収賄被疑者として当該警察官を通常逮捕したものでございます。
 現在、公訴の提起に向けまして警視庁と東京地検において捜査中でございます。
○魚住裕一郎君 新聞報道によれば、いろんなことが書かれておりますが、一つは、捜査情報の漏れというか、かなり、例えば大和証券の関係者に事件関係者の供述の内容を点検させる、あるいは逮捕するかどうかというような方針を伝える、あるいは共犯者を網羅したような相関図を書き写しをさせる、さらには、例えば静岡県の方に捜査員を派遣して調べなけりゃならないものを、そんな必要はないんではないかという指摘によってその方針を変えさせるというようなところがございました。
 私は、捜査情報というのは非常に大事かと思います。去年の六月ですか、大阪府警の捜査二課の巡査部長、捜査情報を漏らした見返りに現金とゴルフ会員権を収賄したということもございました。また、九三年十一月ですか、赤坂署の巡査部長がカジノ賭博ですか、カジノバーに取り締まりの情報を漏らしたと、その見返りに現金を収賄したということがございます。
 捜査情報の管理というものは一体どういうふうになっているんでしょうか。
○政府委員(佐藤英彦君) 今もろもろの捜査事項にかかわる情報、資料についてのお尋ねをいただきましたけれども、一般論にならざるを得ないのでありますけれども、やはり捜査の手順といいますか、捜査過程によりまして管理の仕方は異なってこようかと思います。
 すなわち、捜査の端緒をとります、端緒にかかわります。そういう情報の収集と管理、そして報告をされました捜査情報、資料についての着手までの管理、そしてそれらに基づいて捜査を行った結果を検察庁に送致いたします前後の管理、それはそれぞれ異なってこようかと存じますけれども、基本的には、個人で個々人の才覚によって収集してきた情報であり資料であったといたしましても、それは公権力の発動として行われた結果の情報、資料でございますので、組織的に厳正に管理されるべきは当然であるというぐあいに考えております。
○魚住裕一郎君 それから、逮捕されたときの警視庁の記者会見では、捜査がゆがめられた事実はなく、厳正に行われたと確信しているというようなことが強調されておりましたけれども、捜査員を送らないというようなこと自体、捜査にゆがみをもたらしたのではな抽んですか。捜査方針にゆがみなない、厳正に国立支店の事件は捜査を遂げたというように確信しているとは述べておりますけれども、事実は、情報を漏らすだけではなくして、いろんな捜査方針を彼を使ってというか、彼自体が詐欺をしてきたのではないかということを聞きたいんですが。
○政府委員(佐藤英彦君) 実は、この収賄事件のもとになりました今お尋ねの大和証券に係ります、大和証券の国立支店長に係ります詐欺、横領事件でございますけれども、この事件の端緒は、大和証券の会社の中におきまして風評に基づいて社内調査が開始されたというのが最初の動きであります。それで、会社といたしましては、チームをつくって調査をしていく過程で、どうも心配だということで、警視庁の方に相談に行きたいと、そしてその相談が今お尋ねの警部補のところにもたらされたというのがこの事件開始の発端でございました。したがって、当初は大和証券会社の中におきます調査結果について説明を受ける等々の協議を行う過程で別途にまた警視庁としての捜査活動を開始したということでございます。
 したがいまして、大和証券自体がまた保護預かりをいたしておりました顧客の株券等、これにつきまして国立支店長の共犯となりましたところめ別の支店長がそれを勝手に引き出しまして、そして町へ流すというようなことがございましたので、大和証券自体も被害会社でございました。したがって、当初相談を受け、また被害者でもある会社ということから、当初の経緯からは多少その警部補の心の中に油断といいますか、安心感といいますか、すきといいますか、そういうものがあったのは否めないのではないかというぐあいに考えております。
 しかしながら、そうであったといたしましても、御指摘のように情報を漏えいし、あるいは金品を収受するということはあってはならないわけであります。その後捜査は、捜査本部を設置いたしまして、百名を超す被害者の捜査を行い、法人が二十社近く被害者としてございまして、その法人の調査、捜査、そして大和証券の中の多数の社員がその情報を知らずに、あるいは情報を知ってこの国立支店長の犯罪に何らかの形でかかわっておりましたので、その社員の捜査等々を行ったわけでございます。
 したがって、警部補でありまして、かつ取り調べという一定の事項しか担当していない当該警部補におきまして、捜査方針について左右をするということはあり得ないというぐあいに考えているところでございます。
○魚住裕一郎君 一捜査員であってもその担当部署においては責任を持ってやっているわけであって、例えば捜査の会議の中で意見を発言することによってやはり変えていけるのではないのかなと思っております。
 それと、この大和証券国立支店の事件は九三年八月ごろには一応は終結をしているわけでございます。先ほどの概要の中で、例えば旅行券というのは九三年五月ですか、五十万円の旅行券、これはまさに渦中と言えるわけでございますが、実は収賄という形で来ている事実の中では九七年二月までずっといろいろな形で収賄しているということでございますが、三年半ですか、それほどずっと続いていることは、これはどういうふうに理解をしておりますか。
○政府委員(佐藤英彦君) その点につきましても、まさに現在、動機、この事件の原因と関連をいたしまして、一つ一つ収受行為について裏づけをする等の捜査中でございますので、確たることは申し上げることのできる状況ではないのでありますけれども、現時点でどう考えるかという意味でお答えを申し上げます。
 先ほど本事件についての同警部補のかかわり方についてお答えを申し上げましたけれども、これは私の推測が入って恐縮でございますけれども、彼の中にはうまく利用されてそういうところに陥ってしまったということも一方でございます。他方では、彼は情報の収集にたけた男でございましたので、引き続き将来の事件捜査のためにその知り合った会社幹部と関係を継続していくことに一定の彼なりの価値を見出したのではないかというぐあいに推測をいたしております。また会社の方におきましても、いずれまた警視庁において捜査活動に従事するであろう、そういう幹部であるというところに一定の価値を見出したということではないのかなと現時点では推測をいたしております。
○魚住裕一郎君 そうすると、最近の事例では、職務に関しというようなことから離れている部分もあるというふうにお考えになっているわけですか。
○政府委員(佐藤英彦君) 今申し上げましたのは、具体的な事実に即してのお答えは捜査を遂げておりませんのでなかなか申し上げられないということから、一般的な背景という意味で申し上げたつもりでございます。
 したがって、旅行券を含めましてそれぞれ毎回毎回の飲食がございます。また回を重ねての現金の収受もありますが、その一つ一つの行為についてどういう趣旨であったのかということをつけてまいらなきゃならないということで、その捜査活動を現在やっている最中でございますので、現時点におきましては明確にお答えすることはいたしかねることを御理解いただきたいと存じます。
○魚住裕一郎君 彼はいろいろなことをやっております。もちろん現金をもらったとかつケ回しをするとかありますけれども、知人の娘の就職をさせるとかいうようなこともございました。また、証券会社の方では総会屋担当という形で入社させよう、そういうようなつき合いをしているということでございまして、まさに持たれ合いというような状況ではあります。ただ、持たれ合いだけ、そういう理解でいいのか、だんだん金額もエスカレートしているというふうな状況であります。
 一たん握った弱みをネタにしてほとんどおどし、すかしというふうにも見えるわけですね。これは収賄というよりも恐喝に近いのではないかというふうに見えるんですが、そういう点はいかがですか。
○政府委員(佐藤英彦君) 少なくとも現時点までにおきまして、私どもの把握している事実関係からは、今御指摘のような恐喝にわたるのではないかというような事実は把握をいたしておりませんし、報告を受けておりません。
 これまでの状況では、やはり贈賄側において一定のメリットがあるということで、それぞれの時期においてわいろを供与し、彼はまたそれを収受してきた、それがまことに遺憾ながら、だんだん感覚が麻痺した状態でそのやりとりが行われるようになってきたということは事実であろうと思いますけれども、今のところはそのようにしかちょっとお答えがいたしかねます。
○魚住裕一郎君 それで、自殺未遂をされましたね。これは、私物のカッターが取り調べ室にあったということでございますし、トイレに入るときに腰縄を外したとかいろいろなことが積み重なっているようでございますが、本垰警部だけではなくて、取り調べをしている当の警察官自体もかなり職務倫理として余りにも外れているのではないか。要するに、身内意識云々というような言い方をされておりますけれども、先般、愛知の方ですか、スプレーをかけられて被疑者に奥さんともども逃げられたというようなこともございますけれども、余りにも警察官の職務に対する、職務をなめているのではないのかなというふうにしか思えないような事案が続いているわけでございます。
 職務倫理というかこれについてどのように強化をしていくかあるいは図っていくのか、大蔵省の方では何か新しい監察官みたいなものをつくったようでございますけれども、警察としてはどのようにお考えなんでしょうか、国家公安委員長、そういう面、御答弁ございましたらお願いいたします。
○政府委員(野田健君) 警察庁といたしましては、昨年、警視庁の城東警察署で不祥事案が発生し、あるいは大阪府警察本部の捜査二課でも収賄事件があったというように重大な不祥事案が発生したことにかんがみまして、緊急通達を発出し、それぞれ各都道府県警察において、業務管理の適正を期すように、あるいは監察体制をしっかりやるようにというようなことで相当強い指示をしてきたところであります。
 また、今回、このようなことがありましたので、さらに今回の事案を考えてみますと、本部において情報の管理といいますか捜査幹部の管理意識が十分でない、あるいはまさに基本どおりやるべきことが行われていないというようなことがありましたので、そういう点についてさらにつけ加えて、一線の指導をしてもらいたいということで、臨時の全国総務・警務部長会議を開催して、そのような内容について強い指示を行い、あるいは今年の警察教養の第一重点ということで職業倫理教養の推進というものを掲げて、現在学校教養あるいは職場において職業倫理の徹底を図る努力をしているところでございます。
○国務大臣(上杉光弘君) 今回の事件というよりも、たび重なっておるわけでございますし、良質で安定した治安を維持し国民に提供しなければならない警察として、たび重なる不祥事はまことに遺憾千万であります。警察のたるみと言われても言いわけのできるものではなかろうと思います。
 私はそのような意味で極めて責任を痛感いたしておりますが、今回のこのようなものをしっかり警察が受けとめまして、あらゆる対応をして、このような不祥事が起こらないようにしていかなければならないと。私自身も責任を痛感し、そのような決意を持って今後対応してまいりたいと考えております。
○魚住裕一郎君 減税も少しお聞きしたいと思います。
 今回二兆円の特別減税ということでございます。我々はもう一年も前から、さらにその前からも声を大にして減税を言ってきたわけでございますが、朝令暮改というふうに言われておりますけれども、突如減税が出てまいりました。
 ちょっと私よくわからないんですが、この二兆円の中で何で地方税といいますか県民税とか市町村民税まで減税をするのか。全部所得税減税でいいんではないかというふうに思っておるんですが、もちろん交付税の関係もございますが、ちょっと教えていただけますか。
○政府委員(成瀬宣孝君) 今回、特別減税を国税、地方税一体で行うということで、同じ個人所得税であります所得税、地方税にありましては個人住民税で対処することになりましたのは、やはり最近におきます経済状況等を踏まえまして、国全体の施策として景気対策をしっかりやる必要がある、課題であるという認識のもとから、それぞれの立場で一体として減税を行うことになったものであります。
 なお、平成六年度から八年度にかけて景気対策の一環として実施されました特別減税につきましても、所得税、個人住民税あわせて行われているところでございます。
○魚住裕一郎君 いやちょっと、そうじゃなくて、何かよくわからないんですよ。国全体を挙げて云々というような話はありますけれども、これ突然総理がASEANから帰ってきて減税と言い出したわけでしょう。それで地方までえらい財源が大変だと言っている中で、これまで押しつけるという形になるわけですね。
 そして、私が聞きたいのは、国の経済政策、財政政策の失敗で大変な不況になっているという中で突然こう言い出して、何で住民税まで減税するのかなということなんですよ。二兆全部所得税でやればいいじゃないのという……。
○政府委員(成瀬宣孝君) 同じようなお答えになるかもしれませんけれども、今回の特別減税は、今国会におきまして総理が何度も申し上げでおりますように、最近におきますアジアの深刻な経済の状況、あるいは秋以降の我が国の経済状況の大変芳しからぬ推移等々を総合的に勘案いたしまして、国だけが、あるいは地方だけがということではなく、国全体の施策として国、地方を挙げて取り組むべき課題であるという考え方から、国税、地方税一体として減税に取り組もうということで今回の特別減税が行われることになったわけでございます。
○魚住裕一郎君 いや、国、地方を挙げてと言うけれども、地方はそれでいこうというふうに言ったわけですか。
○政府委員(成瀬宣孝君) 今回の特別減税につきましては、御指摘がありますように、大変強い総理の御決意、リーダーシップのもとに行われることになったわけでありますが、ただその際にも、当然のことながら総理は関係閣僚等々にお集まりをいただきまして、その席で十分論議がなされ、最終的にそういう方針が決定されたというふうに承っております。
○魚住裕一郎君 今十分論議されたというお話でございますが、それは閣議の席でやるわけで、地方団体を代表してというか、地方の立場で自治大臣も十分議論されたと思いますが、どういうような地方の代弁者というか、お話をされたんでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 十二月十七日の朝でございますから、そこで、国の税調、与党の税調もそれぞれ濃密な議論をした上で結論を出しておったのが前の日でございます。その翌日でございますから、相当なこれは決意だというふうに受けとめたのが私の率直な気持ちでございます。
 その場合、総理は、アジアの重要な会議を済ませてきて、恐らく肌身を通じてこれは容易ならざることだ、容易ならざる状況にあると。また、たびたび申し上げておりますが、我が国から世界の経済恐慌を来すような、発信をするようなことになっては、資源を持たない国家としてどう生きていくかという我が国の一方では国際社会の中における命題もあるわけでございます、したがって、そのようなこと等も考えて、強い決意のもとに、財政構造改革のもとではあるけれども、それはひとつ決断せざるを得ないと。私は、ある意味では苦しい中にも厳しくこの状況を見据えた決断ではなかったのか、このように考えておるわけでございます。
 なお、この政策的なものはあくまで国が決めた政策であるから国の責任でやるのかと、こういう御意見もございますが、昭和五十九年の、先ほども朝日委員の質問にお答えしましたように、地方財政の見直しというその折に、地方財政というのは国家財政とともに車の両輪として国の財政、経済の中に大きな地位を占めておるというある意味では理屈づけのもとに自治省は方針転換をしたと、私はそう思って、先ほども御指摘がありましたが、方針転換をした上で国家財政、地方財政ともに対応した形での財政運営というか、そういう景気対策というか経済政策というか、そういうものが持たれるようになったのではないかと。その方針はこの内閣にも受け継がれて、また今回の措置というのはそういう一つの基本方針のもとになされたものだと、こういうふうに考えております。
○魚住裕一郎君 納得できませんが、時間が参りましたので終わります。
○渡辺四郎君 社会民主党の渡辺です。
 私は、きょうは補正予算に関連する問題に絞ってお尋ねをいたしたいと思うんです。
 まず、自治省が昨年の十二月二十日に一兆一千四百億余りに上る国の九年度の補正予算案が閣議決定したのを受けて、地方財政の今後の運営に当たっての留意事項について、財政課長内節を都道府県と政令市に通知をしていますが、その点について幾つかお伺いをしてみたいというふうに思っております。
 まず、第一点は、先ほどからお話がありますように、今回の補正予算で、所得税の特別減税の実施等に伴い、国税の減額補正等によって地方財政においても地方交付税が最終的に二千二百二十一億円余りの減が土しることとなったが、これについては、大臣からお話がありましたように、国の一般会計から加算措置を講ずることによって補てんをされ、平成九年度の地方交付税の総額にとっては当初の地方財政計画に計上された額が確保されたので、この点については結構なことだというふうに思っております。
 ただ、問題はこれからですが、「この加算相当額については、地方財政の運営に支障が生じないよう、」というふうに内節の中の文章にありますが、地方交付税法の附則第四条の二の第三項の規定に基づき将来各年度分の地方交付税の総額に加算する額を減額するというふうにしております。これは、現在、平成二十四年までの加算額として約五兆五千億余の加算額がありますが、これから減額をするというふうにされておりますが、その中で、将来各年度の地方交付税の総額に加算する額を減額することとしているが、地方財政の運営に支障が生じないよう減額するとは、私頭が悪いのかどうかわかりませんが、どうも意味がわからないわけです。
 例えば、平成十三年度分であれば六百億ぐらいの減額になるわけですね。ですから、そういう点から見て、仮に加算をする額の減額を財政構造期間中の集中期間として言われております十年から十二年をゼロにしておるわけですね。そのことを支障がないというふうに指すのか。でなくて、十三年度以降、言いましたように二十年まで、最高が十三年の六百億、あとが毎年二百億ずつぐらい減額をしていくわけです。そのことによって支障がないというふうに見ておるのか。
 ですから、支障がないというのは、例えば交付税総額十五兆なら十五兆あると、そのうちの一%の例えば千五百億が減額になるならば支障がないとか、あるいは〇・一%の百五十億程度であれば支障がないとかというふうに私ら自身は普通そう思うわけです。この「地方財政の運営に支障が生じないよう、」ということについて少し御説明を願いたいと思うんです。
○政府委員(二橋正弘君) 平成九年度におきます一般会計からの加算につきましては、二千二百二十一億円というふうにかなり多額に上っております。この加算をして後年度精算をするという同じようなやり方をとりましたのは平成五年度あるいは平成七年度の補正でございますが、そのときの補正の額は五年度で四百六十億余り、それから七年度は三百七十億余りでありましたので、それに比べますと今回の二千二百億という金額はかなり多額に上っております。
 それからもう一つ、これから御審議をいただくことになるわけでございますが、平成十年度の地方財政対策におきまして、平成十年度から十二年度までのいわゆる構造改革の集中改革期間中におきます交付税特別会計の借入金の償還を十三年度以降に繰り延べるというような制度改正も予定いたしておることでございまして、そういった状況も踏まえまして、地方財政の運営に支障が生じないようにこの二千二百二十一億については十三年度から二十年度にかけて精算をすることにしたということでございます。
 先ほど申しました五年度とかあるいは七年度の場合の加算でありますと、例えばすぐ翌年から精算を始めるといったようなこともございましたが、今回の場合にはその金額も考え合わせまして、据置期間、それから精算をする期間というのをこれまでに比べて長いものにして、そういう意味で地方財政の運営に支障が生じないようにしたというふうなことで御理解をいただきたいと思います。
○渡辺四郎君 大体わからぬことはないと思うのでありますけれども、もう少し何かわかりやすい表現がないかという気がしてなりません。それはその程度にしておきましょう。
 それでは、次にお尋ねしますが、今回国の一般会計から加算された二千二百二十一億円、先ほど来議論になっておりますが、これは地方交付税法の附則第三条に基づく特例加算という考え方によるのか、この点明確にひとつ伺いたいと思うんです。
○政府委員(二橋正弘君) 今、委員がお挙げになりました交付税法の附則第三条の規定と申しますのは、先ほどもちょっと議論がございました昭和五十九年度の地方財政対策の見直しの際に、今後の地方財政の不足の補てんのやり方として法定化されたものでございます。
 平成九年度の当初は、先ほどもちょっと申しましたが、交付税法六条の三第二項の規定に該当いたしておりますので、平成九年度限りの制度改正、つまり交付税の増額分を半分ずつ国と地方で責任を持つということでございますが、それを平成九年度限りの制度改正として交付税法の附則第四条にそういう規定が設けられておりまして、それによって交付税の総額を確保するということになっておりますので、法律の上ではこの附則三条の規定の適用はないわけでございます。ただ、考え方といたしましては、実質的には附則三条の趣旨を踏まえて、そういう規定に準じて行ったものということで御理解をいただければと思います。
 先ほどちょっと例に挙げました平成五年度の補正あるいは平成七年度の補正のときには、これは五年度、七年度というのは今の六条の三第二項の規定に該当していない時期のものでございましたので、そのときに加算をいたしましたのはまさに附則第三条の規定に基づいて加算をしたものでございまして、それと質的に同様でございますが、法律の規定ということで申しますと、附則第三条がそのまま適用になるものではなくて、同じような性質なものですから、それに準じた措置としてとらせていただいておるということでございます。
○渡辺四郎君 かなり無理をしてこの附則三条に準じてやったというふうに私自身は受け取るわけですけれども、先ほど大臣は御答弁の中で、何か自治省自身が政策を変えたんだというようなお話をされておったわけですが、五十九年のいきさつから見ても、この附則三条に基づく、附則三条の新設の内容というのはあくまでやっぱり今の局長がおっしゃったように、交付税法の六条の三の二に該当する、そういう交付税総額に不足を来すということで当初予算段階でこれを適用するというふうに僕らは理解をしておったわけです。ですから、今度みたいに年度途中の国の政策転換によって生じた部分に対してこれを持ち込むというのは少し無理があるんじゃないか。
 だから、先ほど朝日さんも言っておりましたように、年度途中の国の政策変更によって地方財政に不足が生じた場合には、これは先ほどお話がありましたように五十七年度でも三百二十二億円、全額組んで補てんをしたわけです。そういう措置を講ずべきじゃないかという気がしてならないわけですけれども、この三条そのものの立法の趣旨が、地方交付税の総額の安定的確保に資するためというのがこれは前提なんです。
 ですから、先ほどから言いますように、当初予算段階で交付税総額に不足を来すという段階でこの三条を適用して、今ありますいわゆる加算額から減額をしていきながらでも、その時点で補てんをしてもらう、こういうふうな格好でスタートをしたというふうに思っておるわけです。
 ここでお聞きをしたいのは、大臣は先ほどああいうふうに言われましたけれども、事務当局として折衝に当たった段階で、私は後年度に精算はしないという意味でこの部分についてはやっぱり加算措置を主張してもらいたかったと、僕の立場から見れば。そういう主張をされたかどうかひとつお尋ねしたいと思うんです。
○政府委員(二橋正弘君) 昭和五十九年度の地方財政対策の見直しによりまして、交付税の不足額を埋めるやり方として附則三条を設けまして、委員も今おっしゃいましたように、交付税の総額の安定的な確保に資するための必要な特例措置を講ずる、こういう規定を置いたわけでございます。
 このときには当然、加算をいたしますとそれは後年度精算をするということを意味しておるわけでございます。これは交付税法の六条の三第二項の規定に該当しない事態でありましても、地方財政の状況に何らかの形で交付税の加算が必要になってくるときに、平成五年度でありますとか平成七年度の補正のようにこの規定によって補てんをしてきておるわけであります。
 ただ、平成九年度の場合にはこの六条の三第二項の規定に該当いたしましたので、附則四条というのを設けて単年度限りの制度改正をいたしましたので、法律の上の理屈としてはその四条によることになるということになるわけでありますが、今回の減税に伴います不足額の加算ということについて言えば、五年度とか七年度と同様の事態でありますので、この加算というやり方を五年度とか七年度のような内容のものとして、実質的にその附則三条の規定に準じたといいますか、実質的にそれに当たるようなものとしてとったわけでございます。
 今、委員が、そもそもこういう年度中途での政策減税あるいは景気対策としての減税の補てんについてどういう考え方で対応し、あるいは折衝しておるのかということでございますが、従来からいろんな経緯がございまして、先ほども大臣からも御答弁いたしましたように、過去において、五十年代の前半のように、政策減税に伴いますものをすべて国の負担で補てんをしたというときもございますし、それから最近のように、特に国と地方が税体系全体の中で一体として特別減税を行うような六年、七年、八年、今回といったようなときには、昭和五十九年度の地方財政対策の見直しということがその間に行われておりますので、基本的な考え方としてそういう財源の交付税の不足が出てきたときに附則三条の精算を伴う加算で行うというふうな考え方のいわば見直し、地方財政対策の見直しが五十九年度に入っておりましたので、それ以後はそういう取り扱いになっているというのが原則でございます。
 したがいまして、もちろん私どもとしては、今回のような年度も相当押し迫った段階の減税でもございまして、実は大蔵当局とはいろんな議論はいたしました。過去の経緯を踏まえていろいろな議論はいたしましたが、現在の国と地方の財政状況等を総合的に考えますと、今の六年、七年、八年とやってまいりましたような特別減税とほぼ額も、所得税、住民税ほぼ同じぐらいの額で特別減税を行うといったようなこともございまして、そういった全般の財政状況とあわせて考えて今回のような形で、六、七、八のことを念頭に置き、かつ五年、七年の補正のことを念頭に置いて、九年度分は加算で、それから十年度分は交付税特別会計の借り入れでということで対応させていただいた次第でございまして、御理解いただきたいと思います。
○渡辺四郎君 これは私の一方的な思い上がりかもしれないけれども、今の附則四条の二の三項、これはやっぱりバブルのころ国自身も財政は非常に厳しいというようなことでありましたけれども、地方税収の関係の部分で決算段階でも税収がふえてくるというようなことで、逆に言ったらあの時分、今の加算額で積んでおる、国に貸しておる金はやっぱり地方の財政を国に貸したわけです。それで、地方財政の将来も見越しながら徐々に返してもらおうというふうに思っておったものを、年度途中の政策変更でやって、それを減額されていくということになると、先ほど言いましたように五兆五千億の金を平成二十三年までに返していただくことになっておる。
 それをどんどん食い込んでいくような格好、食いつぶしていくような格好になっていくものですから、せっかく将来を見越して、いわば国に対しては積み立てみたいなことですから、それが減っていくものですから、ちょっと心配をしながらそういう意見を申し上げたところです。
 ですから、これはこれから後の問題としても、僕はやっぱり途中の政策変更については努力をしていただいて、あくまでやっぱり国の責任で加算措置をさせる。そういう立場で、年度当初は別ですけれども、年度途中の政策変更についてはひとつ努力をしていただきたい、これはお願いをしておきたいと思うんです、余り時間がないものですから。
 次に、補正予算で追加される一般公共事業あるいは災害復旧事業あるいは災害関連公共事業などについての地方負担分、これについては総額で結構ですがどの程度を見込んでおるのか。この地方負担分については原則として地方債を充当し、元利償還の一部も交付税で措置するというふうに言われておりますが、一部というのはどの程度なのか、いつごろまでに自治体に対して指示をするのか、二つの点をお伺いしたいと思うんですけれども。
○政府委員(二橋正弘君) 今回の国の補正予算によりまして九年度に追加をされます一般公共事業費等の地方負担は、国費が六千百億円のうち地方負担額が約三千三百億円となっておりまして、これに伴って地方債計画の改定を予定いたしております。
 そのことにつきましては、地方団体の方に既に内々の連絡はいたしております。その補正予算に充当いたします地方債の元利償還でありますが、これにつきましては充当率を一〇〇%にいたしまして、これまで災害復旧事業債については九五%を元利償還いたしますとともに、その他の事業についてはここ数年は原則として八割を元利償還費に応じて算入をいたしまして、残りの二割分を標準事業費方式ということで算入をしてまいりました。
 こういう元利償還に対します交付税措置について、その算入率をどうするかということにつきましても、地方分権推進委員会の中でも意見のやりとりがあったところもございまして、そういったことも踏まえて検討してまいりたいと思っておりますが、平成十年度の基準財政需要額から算入する必要がございますので、当面この九年度の補正の分につきましては、これまで八年度までと同様の、先ほど申しました元利償還に応じて八割、標準事業費方式で二割というそのやり方で算入することを私どもとしては内々予定いたしておるところでございます。
○渡辺四郎君 時間が来ましたので終わります。
○有働正治君 まず、深刻な不況と減税をめぐってお尋ねします。
 大臣に端的にお尋ねいたしますけれども、今日の経済、深刻な不況問題、消費不況という認識はお持ちでいらっしゃいますかどうか、この点についてまずお伺いします。
○国務大臣(上杉光弘君) 我が国の経済の中で消費経済が重きをなしておることは十分承知をいたしておりますが、ただいまの質問については、そのような御意見もあり、消費経済が重きをなしておるということは十分承知をいたしております。
○有働正治君 その点で、政府の経済政策の誤りという問題が厳しく指摘されているわけでありますが、その点についての認識、反省は、どういう認識でおられるのかもお示しいただきたいと思うのであります。
○国務大臣(上杉光弘君) 私の認識は、政府の経済政策は誤っておるとは思っておりません。
 それは、御案内のとおり、我が国だけではどうにもならない状況も国際社会の中であるわけでございまして、私どもの国の立場としては、例えば、いろんな見方がありますけれども、個人の資産では千二百兆円というものをしっかり持っており、これが大きな下支えをしておることも事実でございます。また、対外資産についても八千億ドルぐらいある。あるいは外貨準備高も二千億ドルぐらいある。そういう経済的なものもあり、例えば電機、自動車、電子、そういう意味での国際競争力は今でもなお維持されておるわけでございますから、こういう経過が今の時点でありますけれども、今の経済政策は私ども基本的に間違っておるという認識はありません。
○有働正治君 消費不況の側面は持っているとこのことは認めながら、政府の政策の誤りはないと。これまた矛盾した答弁であるし、こういう認識であることに驚き、また国民はいかが思われるかということを指摘しておきます。
 消費不況については認められたわけでありますが、私どもは、消費税率の三%から五%の引き上げ、また特別減税の打ち切り、医療費の、私どもに言わせれば大改悪、九兆円に上る国民に対する一挙の負担増という問題が今日の大きな事態を招いている、これはもう明瞭だと思うのであります。
 その点でいえば、今回の減税の問題につきましても一過性の減税にすべきではない、税制上の緊急措置といたしましても恒久減税にする、また、消費税率を少なくとも当面もとに戻す、これだけで七兆円の減税規模になるわけであります。医療費負担増をもとに戻す、ましてやこれから大改悪に上乗せする改悪をやる、こういうことはますます消費不況を深刻にせざるを得ない、こういうことになるわけであります。
 そういう点で、今申しましたように、消費を上向きにする思い切った手だてが求められていると私どもは思いますし、そのことを要求するわけでありますが、大臣、できるだけ簡潔に御答弁いただければと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 今のこの状態というのは御案内のとおりでございまして、バブルがどんどん生成してきた、そしてこれが崩れて見通しや対応というものが、予期せぬことが起こりましたから決して百点満点いただく万全なものであったと思っておりませんけれども、バブルが、ずっと続いてきたものが崩れたことにおいてこの予期せぬ事態に立ち至っておるというのが今の姿だと思います。
 したがって、政府といたしましては、国民の消費に対しましては万全を期して取り組んでいかなければならない。ただ、二兆円という減税だけを見ていただくとそうでありますが、少なくとも金融経済政策というものを、あるいは金融システムの改革というものをやりながら、経済政策等も含めてこれを相乗的に効果あらしめようといたしておるわけでありまして、そのような努力をいたしておりますことについては御理解をいただきたいと思います。
○有働正治君 二兆円では極めて不十分で問題だということを指摘しておきます。金融安定化問題については根本的問題がある、ただし、ここでは議論はいたしません。
 そこで、先ほど申しましたように、恒久減税、消費税その他をもとに戻す等々の思い切った手だてをとるその財源ともかかわるわけでありますが、全国的なレベル、国レベルでも地方自治体のレベルでも公共投資のあり方というものが問われているわけであります。むだや浪費にメスを入れるという問題であります。
 まず、事実確認を求めます。
 サミット参加七カ国の自治体の公的資本形成、つまり公共投資の対GDP比の数値は各国どうなっていますか、出典を含めてまず御説明いただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) OECDが作成いたしました資料によりますと、一九九四年でありますが、日本が六・四、アメリカが一・六、イギリスが一・〇、フランスが二・四、ドイツが二・三、イタリアが一・六、カナダが一・九、いずれも対GDPの比率でございます。
○有働正治君 日本が六・四、それからアメリカが一・六、そうしますと、日本のGDP比はアメリカの四倍と。イギリスが一・○と述べられましたので、イギリスの六・四倍ということになるわけであります。
 大臣、日本の公共事業、今のは地方の場合ですけれども、この数値は異常に高いというふうに、事実関係はどういうふうに思われますでしょうか。その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘のように、我が国の地方団体の公的資本形成のウエートは先進主要国に比較して高いものとなっておりますが、一つには、社会資本が概成しておる主要先進国に比較いたしまして我が国の社会資本の整備はいまだその形成過程にある、特に地方はおくれておると認識いたしております。また二つ目には、急峻な山脈が列島を横断しているほか、多雨や火山国であるために災害が多発するなどの特殊事情がある。治山治水、急傾斜土砂崩壊で災害危険箇所二十二万カ所、長期計画の中三つ足しますと二十兆程度、少なくとも年間四兆円以上のものを投じなければ国家存立の基盤である国土が守れない、国民の生命と財産が危ない、そういう国であるということであります。
 これらのことにおきましても、公的な資本形成というものが経済に占めるウエートは非常に高いし、地方はもっと高い。さらに公共投資の多く、八割を国の長期計画等に基づき公共団体がこれを執行いたしておるわけでございまして、そのような意味では地方の占める率は非常に高い、このように考えております。
○有働正治君 非常に高いという事実関係だけは認められました。
 いろいろその理由についても大臣なりの御見解を述べられましたけれども、私は、最大の要因が、自主性を喪失した自治省自身の説明によりましても、国際公約に基づいて社会資本の整備に地方自治体も大きな役割を果たしてきたとこの間みずから述べておられたように、アメリカの外圧の中で長期計画、その中での一連の地方単独その他の異常な伸びと、その中で大規模プロジェクト、むだ、浪費、これが数々指摘されているわけで、国際的にも異常に高い。
 逆に、社会保障等は国際的に数分の一という非常に低い状況で、国民の命や暮らしを守る問題がどこの地方自治体でも大問題にならざるを得ないという状況があるわけで、私は、この事実を直視しながら、むだや浪費にメスを入れて、本来の自治体のあり方に戻るという政策転換が必要であるということを主張して要求しておきたいと思います。
 議論は改めて本格的にやりたいと思うのであります。
 次に、今回の減税に関連いたしましてお尋ねします。
 住民税減税とのかかわりで、六千二百億の自治体の減収分のかかわりで、特に交付税の不交付の自治体、東京都、千葉市その他、今日百二十三団体のようでありますが、例えば東京都の場合にはおよそ二百億円の減収が見込まれるという状況にあるわけであります。これが事実上それぞれの自治体の責任で負担せざるを得ない。そうなりますと、それがほかの分野に、福祉や暮らし、東京都の場合にはいろんな点でこれが、昨年の都議選を含めまして大問題になって、全国の自治体でも同じような問題が見られるわけであります。
 こういう交付税不交付団体からの要望として、国の政策によるこういう減税は国の責任で財政的にもきっちり補てんするということが強い要望として出されているわけでありますが、そういう方向で大臣いかがでありましょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 住民税の減税によります影響は、先ほど申しましたように減税補てん債で補てんすることにいたしておりますが、これは交付団体、不交付団体を通じての話でございます。
 したがいまして、その元利償還につきましては、後年度地方財政計画の策定に当たってその所要額を見込んで個々の団体ごとに算入していくわけでございますが、その結果、不交付団体が交付団体に変わるということは当然あり得るわけでございますし、また、なお相当な財源超過があるところでは、それでもなお不交付になるということは当然あるところであります。
 これは交付税の制度の仕組みからいきまして、そういうことにならざるを得ないということはぜひ御理解いただきたいと思いますが、不交付団体の地方団体から時々私どもに対しても、その趣旨での御要請、御要望はいただいております。
 交付税の関係は今言いましたようなことで限界がございますが、毎年度の財政運営にそのことで支障が出ないようにということで、地方債の計画の中でそういうことにも対応できるような調整債の枠も設けまして、個々の団体の財政運営の状況を御相談いただきながら、それによって対応いたしておるところでございます。
○有働正治君 要望が来ていることは認められました。事実上それぞれの自治体でその分を対応しなくてはいけないということで深刻な悲鳴を上げておられるわけで、こういう問題も責任を持って解決すべきであるということを要求しておきます。
 次に、財政健全化債の問題についてでありますが、大臣、これは、いわば行革等を推進してその効果があった自治体に対して地方債の上積みを認める、端的に言えはそういう内容であろうと思うのでありますが、そうなりますと一種のペナルティーになるということにならざるを得ないと。その点では、自治体に対する、自治権に対する侵害にならざるを得ないと。こういう国の干渉、介入で財政健全化債を左右するというようなことはやるべきではないと私は考えるわけでありますが、大臣いかがでありましょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 委員長。
○有働正治君 大臣、端的に言ってください。時間がないから。事務当局はいいよ。いやいいよ、大臣が答弁すると言っているんだから。
○政府委員(二橋正弘君) ちょっと御趣旨、今……
○有働正治君 いやいや、いいから、時間がないから。その分延長してくれるなら。
○政府委員(二橋正弘君) 今、委員ペナルティーじゃないかという御指摘がございましたので、そこのところはちょっと趣旨だけお話しさせていただきたいと思います。
 地方財政はマクロでもちろん財源手当でいたしますので、毎年度の財政運営が全体としてできるような財源手当ては毎年度マクロでいたしますが、団体ごとによってはもちろんいろんな状況の差がございまして、特に財政運営がきつくなっているという団体がございます。そういうところにつきましては通常のレベルでの地方債の発行にプラスして、これはプラスいたしますとその分は当然また後ほどの財政運営に響いてまいりますので、プラスして通常では発行しないようなレベルの地方債を出そうというのがこの健全化債でございます。
 そのためには、将来の財源はやっぱり確保できるような見通しがなくてはいけないということで、それをいろんな行政改革なり事業の見直しによって健全化の財源の見通しを立てていただくということで、通常の団体にないプラス分を健全化債として出そうというものでございまして、決してペナルティーとかそういう色彩のものでないことは御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 委員長。
○有働正治君 大臣、ちょっと質問しますから。
 今説明がありましたけれども、実際上行革を推進することを前提にして健全化債を発行するということになるわけですから、言葉としてペナルティーかどうかはともかくとして、実際上そのことを自治体に強要するということにならざるを得かいわけですから、それが条件になるわけですから、自治権に対する、自主性に対する侵害になることは明瞭であると私は厳しく指摘します。
 その点で大臣、最後ですけれども、私は二つの大きな問題を指摘したい。それは、上下主従関係を打破するというのが分権推進委員会の勧告等で今進められているわけであります。そういうものとは全く相入れない強制的な事実上の介入であるし、干渉にならざるを得ない。それから、これが一片の通無で行革大綱等の推進を求めるということがやられるわけで、本来、地方自治法二百四十五条の精神というのは技術的助言だということが言われているわけですけれども、実質上行革大綱を推進させたり促進させるという、やっぱり自治権の干渉、介入に私はなっていると。
 そういう点からいって、財政健全化債という問題を含めまして、一片の通達等でこれをやるという問題を含めまして、今の地方自治権を拡充するという精神と組入れない。そういう点からいって、こういうのはやめるべきだと私は思うわけであります。大臣、いかがですか。
○国務大臣(上杉光弘君) むしろ財政構造が悪化しておる団体がいっぱいあるわけでございまして、その上で分権推進をやる。私は、非常に地方団体が大変な実情にある、むしろ地方団体からはお喜びいただけるのじゃないか、ペナルティーどころではない、反対のお喜びいただこう、安心して地方団体の行政を運営していただこう、財政を運営していただこう、こういう気持ちがあることをまず前提で申し上げておきます。
 そのような前提のもとに財政健全化債は、このような地方の団体があくまでみずからの判断に基づきまして行政改革や財政健全化の取り組みを行う場合、当該団体が所要の行政水準を維持しながら財政健全化等を実施できるよう資金面で御援助申し上げる、支援していく、こういう国の責任ある立場をとろうとするものでございまして、地方公共団体の自主性、自立性というものを十分尊重して措置してあると私どもは判断、認識をいたしておるところであります。
○有働正治君 終わります。
○扇千景君 自由党の扇千景でございます。
 まず、質問に入ります前に、大臣には失礼かもしれませんけれども、参議院として私どもは考えなければいけない、与野党を超えて私たちは考えなきゃいけないということを冒頭申し上げたいと思います。
 と申しますのは、きょう午前中、本会議において趣旨説明を伺いました。約一時間弱の休憩で本委員会。地方行政・警察委員会、これも参議院の改革の一環としてこの委員会が再編されまして、参議院の改革だということで初めてきょうこの委員会が開かれたわけでございます。そして、先ほど大臣からの提案説明を伺いました。約三時間の時間を置いて採決まで持っていくという。
 これは参議院軽視であって、委員会軽視はすなわち参議院軽視になる。しかも参議院はことし選挙です。参議院無用論が叫ばれて、世間の声も厳しいときに、投票率がどうのこうのと言う前に、こういう委員会の持ち方というものがあること自体が、私はみずから参議院の威信低下というものに手をかしているのではないかと。大変恐縮ですけれども、大臣、国対委員長経験で大変経験のある大臣でございますので、大臣の経験の中で、本会議場で趣旨説明をし委員会で提案説明をして採決まで持っていった例がおありになるかどうか、ちょっと御経験の中から御返答いただきたい。
○国務大臣(上杉光弘君) 大変厳しい御意見を含めた御質問でございますが、扇先生、まさに野党の中で聡明にして見識ある政治姿勢をいつもおとりになっておることは私十分承知をした上で申し上げたいと思います。
 これまで、例えば阪神・淡路大震災の折などは、衆議院とは違って時間等、相当夜も審議してそれに対応したような濃密な審議、また時間的にも、夜の審議も含めて阪神・淡路大震災の皆さんに対応した極めて異例な一つの審議の状態はあったと思います。
 今回につきましても、参議院の権威ということになれば、参議院の役割というものは、御案内のとおり、衆議院の足らざる審議があればそれを補完し、出過ぎたものがあるとすればこれを抑制し、そしてバランスをとるという参議院に課せられた両院の一院としての役割がそこにはあるわけでございまして、十分そういうことを認識した上で各党間の話し合いでこの日程が決められたものと思っております。
○扇千景君 時間がありませんから端的にお答えいただきたいと思いますけれども、阪神・淡路大震災はこれは緊急の場合であって、私は今までの経験で、事務局にも調べさせましたけれども、こういう例は参議院ではかってありません。今回が初めてです。
 私は、大臣に苦言を呈しているのではなくて、私ども参議院自身の自戒として、これは与野党を通じて、こういうかつて例のないことを参議院がするということに対して、参議院改革の第一回の委員会でありますればこそ私は残念であるということをあえて申し上げたいと思いますので、大臣を責めているわけではありません。私たちの自戒の念を込めて、委員一同とともに与野党を超えてこれは反省材料であるということを申し上げております。
 それから、先ほど来、同僚からの御質問を聞いておりますと、この減税法案の提案理由についても提出の過程においてクエスチョンマークがるる発せられておりますけれども、私は総理大臣の出席を要求いたしました。でなければわからないところも多々あるわけでございます。先ほどの大臣の答弁を聞いても、大臣自身も知らない間というのもあったやに伺います。ですから、私は総理大臣の出席を求めましたけれども、こういう拙速な委員会の運びにおいて総理大臣の出席が求められなかったということに関しても、私は遺憾であるということを申し上げて、質問に入りたいと思いますけれども、その点、自治大臣という枠を超えて国務大臣としていろいろとお尋ねしていきたいと思いますので、大臣によろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから、委員会の持ち方に対しては、委員長に私は文句を言うだけではなくて、この委員会の取り運びにおいて少数会派にも多数お時間を配慮されたことに対しては一言敬意を表しておきたいと思います。
 それでは、減税の今回の法案について、私どもは、昨年の通常国会におきまして、新進党として当時二兆円の特別減税の恒久的な継続を主張し、まして法案を提出いたしました。ところがそのとき、橋本総理、特別減税を続けるには恒久的な新たな財源が必要だが、現在の厳しい財政状況を考えればとり得ませんと一喝されました。ところがその上、今も同僚議員のお話のように、消費税、医療費等と九兆円の増税を課しながら、今まで私どもが要求をして法案まで出したにもかかわらずそれが実行できなかったのは去年のことであります、昨年です。にもかかわらず今回はあわてて本法案が提出されました。これはツーレート、ツーリトル、要するに、遅過ぎるし、その上に規模が小さい、そういうことでございます。
 これに関しては何の効果もないと思うんですけれども、国務大臣としての大臣の御答弁をお伺いします。
○国務大臣(上杉光弘君) たびたびの御質問でございますが、総理は恐らく海外へ出られる前の情報等もとり、十分情勢を見きわめた上で国際会議に出席されたと思うんですが、総理のお言葉から察するに、想像を絶するものであったと、認識がそういうものであったと、こう思うんです。
 したがって、その決断を受けて減税が閣議において了承されたわけでございますが、今回の所得税、住民税合わせて二兆円規模の特別減税というのは、野党の皆さんのそうした動向というものが完全に断ち切られて、そして与党だけでの判断、あるいは総理の判断されたことじゃない、与野党含めたそういう動きというものが、動向というものが十分積み上がった上での私は結論であったと理解をいたしておるわけでございます。
 そのような意味も込めて、今回の特別減税は、財政、金融両面にわたって総体的なものを含めて実施されるさまざまな措置が政策的にここには織り込まれておるわけでございまして、影響のある国民生活や企業活動の先行きに不透明感がありますけれども、これを払拭いたしまして我が国経済の力強い回復に向かうものと、必ずこの相乗効果が出てくる、このように私は認識をいたしております。
○扇千景君 今回の特別減税は一時的な処置であって、特別減税が終わればこれは泡と消えてしまうんではないんですか。たしかそうだと思います。
 しかも、特別減税は、今の大臣のお話にもありましたように、橋本総理が加藤幹事長、三塚前大蔵大臣への指示により、唐突なものだと報じられているんですね。そうすると、自治大臣はその中に入っていないんですけれども、各地方自治には先ほどるるお話がございましたように影響があるんです。これはどうして大臣は黙っていらしたんでしょうか。決めたことだから仕方がないとお思いになったんでしょうか。
 また、もう一つ不可思議なことがあるし、私は何とも納得ができないんです。御存じだと思います。橋本総理や辞任した三塚大蔵大臣、与党自民党すらも継続して減税を考えるべきではないかという発言が相次いで行われています。これこそ今回の減税法案が既に失政であるという証拠ではないんでしょうか。端的にお答えください。
○国務大臣(上杉光弘君) 私は外されていたとは思っておりません。十七日の早朝の閣議において正式に協議をされ、またそのような意味では、地方行政の立場でそれを了承いたした会合で協議した結果了承いたしたわけでございますから、外されているとは思っておりません。
 また、恒久減税につきましてはさまざまな議論があることも承知いたしておりますが、このような特別減税、金融、財政面からの政策も織り込んだ相乗効果を期待しておるわけでございまして、平成十一年度以降こういう形での減税をしないように、しなくてもいいように、そのような効果あらしめなければならぬと考えております。
○扇千景君 今の大臣のお言葉ですと、平成十一年、十二年にそういう効果をしなくていいように、あらしめるためにと今おっしゃいましたか、それなればなぜ二兆円という数字が出てきたんですか。
○国務大臣(上杉光弘君) それは閣議、さらには、その朝は関係閣僚と政府与党三党そろい踏みのもとでの責任ある立場のそれぞれの皆さん一緒になって関係閣僚との会合で方向づけになったことでありまして、そのような意味での協議の結果であると認識しております。
○扇千景君 今の大臣の答弁では、二兆円で経済効果がある、あるいは十一年度、十二年度に今と同じようなことをしなくて済むようなという、何の答弁にもなっておりません。なぜ二兆円かという答えには全くなっておりません。
 私どもは、本来、通常国会というのは冒頭に、今回の場合平成十年度の予算を審議するのであるのが例年の慣例でございます。昨年の九月の臨時国会でなぜこれを出さなかったんですか。何のための臨時国会だったんですか。政府の認識の甘さが露呈したという証拠ではありませんか。なぜ昨年の臨時国会にこの減税案が出せなかったのか私はその点何としても理解できません。そういう意味では、今、大臣が与党三党で決めたとおっしゃいますけれども、与党三党で何の理由で二兆円という額をお決めになったんでしょうか今この時期に。先ほど申しましたように、ツーレート・ツーリトル、小さ過ぎるし遅過ぎるというのが認められた証拠であろうと思います。
 私は、昨年の臨時国会で審議した財政構造改革法案と矛盾して、改革の精神を踏みにじった増税予告つき、ことしだけなんですから増税予告つきのばらまき減税ではないかと思うんです。先ほど大臣がおっしゃいましたようなこれによって経済効果があるということは全く期待できないと思うんですけれども、まして私どもはその二兆円の効果というものには疑問を持っておりますし、もう一つ申し上げます。
 この間、一月十九日、衆議院の予算委員会で橋本総理が、「私、本当に私がやめれば途端にぽんと景気が回復して、株価も上昇し、すべてがよくなるというんだったら、即刻でもかわります。」とおっしゃったんですね、総理は。私、これぽんと上がるかもしれないと思うんですね。三塚大蔵大臣がおやめになった途端に株価も上がりあるいは円も上がったんです。ですから私は、今、大臣がおっしゃたようにこれによって効果が上がるということには何の保証もないと思うんですけれども、再度端的にお答えください。
○国務大臣(上杉光弘君) 実は、御案内のとおり、平成七年度も所得税と合わせて二兆円、それから平成八年度も二兆円やってきておるわけでございまして、引き続き三年間で六兆円、こういう大規模なものになるわけでございます。
 財政構造改革の大方針を出しまして、そして健全財政を国も地方もということで取り組みのさなかでありましたから、当年度当初からこの二兆円の減税というものについてはなかった。しかし七年度、八年度と続いてきた減税でございまして、これをさらに三年も続ける、こういうことでの二兆円であったことについては御理解をいただきたい。
 それから、橋本総理が私がやめれば景気がよくなるというものであればという話をされましたが、それは今回の二兆円減税に対する経済、金融両面の政策の相乗効果が必ずあるという、ある意味では裏返しの将来を見据えたものでもあろう、私はそのように受けとめてお聞きをいたしたところでございます。
○扇千景君 お聞きになるという言葉で聞きとどめるということだけで、保証ができないということなんでしょうから、私もこれ以上言いませんけれども、先ほど申しましたように、この法案が通る前から、私は、少なくとも橋本総理ややめられた三塚大蔵大臣あるいは与党自民党の中からも継続して減税を考えるべきではないかという声が出ているということは、これが失政であるということの証拠だと思うんですけれども、そのことに対しての大臣の答弁はいただいていないので、もう一度おっしゃってください。
○国務大臣(上杉光弘君) 三年続いて二兆円の減税を断行するということにいたしたわけでございまして、今後はこの効果というものを十分見きわめた上での判断だと思いますが、私の現在の立場からいたしますと、十一年度以後にこのような形でのことをしなくてもいい効果が出るように、これは万全を期して努力をいたしたいと考えております。
○扇千景君 先ほどと同じお答えで、十一年からはしなくてもいいようにと。これで景気が回復しなければ重ねてするという裏返しですね。
○国務大臣(上杉光弘君) 裏返してはございません。しなくてもいいようにひとつこの相乗効果をもたらさなければならない。そのために政府を挙げて努力をしていかなければならない。
○扇千景君 挙げて何をするんですか、政府を挙げて何をするんでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 先ほどから申し上げておりますように、二兆円の所得減税と金融、経済政策両面からこれを打ち出しておるわけでございまして、もうその中身については御承知のとおりでございますから申し上げませんが、そのような打ち出した方向に行政が総力を挙げて取り組む、こういうことであります。
○扇千景君 私は、努力するということを要らないと言っているわけではないんです。当然のことなんですから。
 私は、それと、先ほどるる同僚議員からお話ございましたからあえて重ねて、時間がありませんから、聞きませんけれども、先ほど冒頭に大臣がおっしゃいました、国税と地方税の現状ではすべてリンクしているというお話が大臣からございました。当然のことでございます。地方分権が進んでいないという証拠なんですから。
 私は、そういう意味では、国税が、先ほど来るる同僚からお話ございましたように、急に年度途中で減税をするという、そういう変更をしますと、地方財政に特別減税処置を強いることになりますね。
 私は、それに対して先ほど大臣からまあ仕方がないんだというような弁明がありましたから、重ねて同じ御答弁をいただこうとは思いませんけれども、国税が国の予算途中においてこういう減税を突然するということに対しては、先ほど同僚議員から御説明ございましたように、年度途中において地方財政に負担を強いるということに関しては、担当大臣として厳に私は政府に申し入れていただきたい。これはもう同じ答えが出るでしょうから、要望にとどめておきます。
 また、観点を変えますと、国民の中には、減税というまくら言葉さえつけば金額にかかわらず賛成すべきだという声もあるんです。まくら言葉ですから。減税という声さえ聞けば。けれども、正確に言えば、平成十年度のみの単年度減税では、臨時、一時的な処置であって、目前に同額の増税が待ち構えているんです。大臣がおっしゃるように、単年度なんですから。
 加えて、十年度は財政構造改革法、昨年通したんですから、それによって本年度の予算というのは私は必要以上に歳出削減のデフレ予算となるんだと思います。結果として、それは国民を一瞬のうちにだますという言葉は悪いかもしれませんけれども、目くらましという言葉も差別用語かもしれませんけれども、私はそういうことになるんではないかと。このような増税予告つきの減税では何の効果も私はないと思うんです。
 先ほど大臣はあるあるとおっしゃいましたけれども、それは見解の相違だと思います。私たち自由党は恒久化を視野に入れた特別減税の継続を主張し続けているのが反対理由の一つなんです。そのことに関して最後に大臣の意見を聞いて、終わりたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 十分承りましたが、今回の減税はこれまでと違って、金融、財政面の総合的な相乗効果を期待した政策もあわせて打ち出しておる。その点は強く表ににじみ出ておることでございまして、もう申し上げるまでもないと思ったから先ほど控えましたが、例えば予算上の措置としては、災害等の公共事業の追加が一兆円、それからゼロ国債の活用、地方のそういうものも含めた上での財政措置を一兆五千億、さらに税制上の措置としては、二兆円の減税のほか、法人課税あるいは金融関係税制、土地住宅税制、これに八千四百億程度のものが含まれておる。さらに、金融上の措置としては、金融システムの安定化のために、あるいは預金者の保護のために三十兆円というものを方向づけをしたと。そういうことで相乗効果が十分出てくることについて我々は万全を期していかなければならない。おしかり、御指摘の点は十分心に受けとめまして頑張ってまいりたいと考えております。
○山口哲夫君 私は、以前から、この地方交付税というものは一般会計を通すのではなくして交付税特別会計に直接入れるのが正しいんではないか、こういうことを主張し続けてまいったわけですけれども、今回また政府の特別減税によりまして、その必要性がますます出てきたと、そういう気持ちになりました。
 そこで、余り時間がありませんから結論だけを申し上げますけれども、先ほど来、随分同僚議員からもこの問題についていろいろな角度からお話がありましたが、年度途中に国の政策として実施される特別減税に関連いたしまして、だんだん地方に負担を強く求めていく、そういう傾向になってきているんではないかと思うわけです。その時々の国の財政状況によりまして地方自治体の負担が変化するのでは、地方財政の安定性からいっても決して好ましいことではないと私は思うんです。
 そこで、直入の必要性になってくるわけですけれども、地方分権推進委員会が第二次勧告でそのことについて触れております。「地方交付税について、国の一般会計を通すことなく、国税収納整理資金から」、これは正確には国税収納金整理資金からが正しいんではないかと思うのですけれども、「地方交付税特別会計に繰り入れる措置については、」、これも「地方」は要らないはずです、「交付税特別会計に繰り入れる措置については、地方公共団体の固有財源とされている地方交付税の性格を明確にすることに資するという意見がある」。一方ではそれを否定するような意見もあるようですけれども、いずれにいたしましても地方分権推進委員会としては、この交付税を交付税特別会計に直入する問題について引き続き検討していく必要があると言っているわけですね。ですから、分権推進委員会でもこの問題に大変注目をしているということがはっきりいたしております。
 そこで、地方自治体に安定した地方交付税を確保する、そういう姿勢を示す上でも、地方交付税は交付税特別会計に直入することが私は正しいと思うけれども、大臣の見解をお聞きいたします。
○国務大臣(上杉光弘君) 私も地方出身でございますから、御指摘の点について率直にお答えをしたいと思います。
 交付税の特別会計への直入についてでございますが、自治省といたしましては、かねてから地方共有の固有財源である地方交付税の性格を明確にいたしてきたところでございます。明確にいたしております以上は、私はその直入については実現を図ることが望ましいものと考えております。今年度におきましても、地方交付税の概算要求に当たって要請をいたしたところでございます。
 しかしながら、国との関係でございますが、交付税を一般会計から除くと、一般会計が国の財政全体を反映しなくなるなどということがございまして、そのような問題から国庫当局との合意を見るに至らなかったところでございます。
 地方分権推進委員会におきましても、こうした問題等が踏まえられまして、さらに検討課題になっておることは私も承知をいたしておるわけでございまして、御指摘の点については、いつ何ときかこれは方向づけを国ときっちりした話し合いをしなければならないわけでありまして、直入の実現に向けて私は努力をいたさなければならない、このように考えております。
○山口哲夫君 大蔵省いらっしゃいますね。そこで大蔵省にお聞きしますけれども、大蔵省はいわゆる反対の立場をとっておりますね。説明を聞くと長くなりますから私の方でお話ししますけれども、そうかどうかだけ回答してください。
 この地方分権推進委員会の答申の中で、先ほど申し上げました続きがあります。「という意見がある一方で、国の一般会計において主要税目の状況を一覧性ある姿で示す必要がある等の観点から問題が多いとの意見があり、こうした状況を踏まえ、引き続き検討していく必要がある。」と。「主要税目の状況を一覧性ある姿で示す必要がある」、これが大蔵省の見解ですね。一覧性って何ですか。
○政府委員(寺澤辰麿君) お答え申し上げます。
 地方交付税を一般会計から交付税特別会計に繰り入れるという現行制度につきましては、昭和二十九年度の地方交付税制度創設以来とられている、制度でございます。さらにさかのぼれば、昭和十五年に創設された配付税制度のもとにおきましても同様の取り扱いが行われております。
○山口哲夫君 経過はわかっているから、一覧性だけ答えてください。
○政府委員(寺澤辰麿君) はい。
 これを変更することは国の予算制度あるいは会計制度にも大きな影響を及ぼすものと考えておりますが、具体的にその問題を申し上げますと、地方交付税が一般会計予算に計上されている現行の制度は、歳入面におきましては、税制の根幹をなします所得税、法人税等の税負担の状況を一覧性のある姿でお示しできると。
 また、歳出面では、中央、地方相互間の財源配分の状況を一覧性のある姿でお示しできるということによりまして、国民に国の税負担の状況及び財政状況をお示しするとともに、国及び地方を通じる財源運営の総合的調整につきまして、国民の理解と判断を求める上で必要不可欠なものであると考えているわけでございます。
○山口哲夫君 交付税の対象になるそれぞれの税というのは、いわゆる主要な税だという今お答えでした。
 そうすると、揮発油税は主要ではないんですね。というのは、特別会計に直入している税目がたくさんありますでしょう。揮発油税は道路整備特別会計に直入ですよ。これは六千三百億もある。それから電源開発促進税は電源開発促進対策特別会計に直入。原油等関税は石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に直入。そして、この間までは消費税の譲与分も一兆四千億、これも直入。地方道路税、石油ガス税譲与分、航空機燃料税譲与分、自動車重量税譲与分、特別とん税、これはすべて交付税及び譲与税配付金特別会計に直入しているんですよ。
 なぜ、そのほかの法人税、所得税、それから消費税、酒税、たばこ税、直入できないんですか。これは主要な財源という見解からいけば、揮発油税だって私は同じだと思いますよ。
○政府委員(寺澤辰麿君) 十年度予算のベースで、国税収入は五十八兆五千二百億でございますが、国税三税、消費税、たばこ税はそのうち八五%を占めているわけでございます。という意味で、税の根幹をなすものというふうに言わせていただいた次第でございます。
○山口哲夫君 一覧性の問題はどうなんですか。そういう主要な税目を、例えば法人税は十三兆五千四百八十億円、これは平成九年度の租税として入っているんですということをきちっと書きたいわけでしょう。それから、消費税は五兆九千四百八十億円ですと、書けばいいじゃないですか。その中で直税分はこれだけありますということをきちっとそこに示していけば、国民が見たら、ああなるほどこういう税というのは国の方に入るけれどもそのうちの三二%はちゃんと交付税会計に入っているんだな、直接入っているんだなということがわかるんじゃないですか。
 だから、主要税目だとか一覧性だとかというのは、悪い言葉で言えば大変へ理屈なんであって、私たちは、これを直入しようと思えば何にもそういう心配はないと、そう考えます。極めて技術的な問題です、これは。どうですか。
○政府委員(寺澤辰麿君) 国の一般会計は、国の政策としての資源配分をどのように行っているか、またそのための財源をどういう税収で賄っているか等を総計いたしまして、予算の一般会計の中で資源配分機能について明らかにする。地方交付税につきましては、先ほど申し上げましたように、中央、地方相互間の財源配分状況を全体の中でお示しするということで国民に国の税負担の状況、財政状況をお示しする。また、国及び地方を通じる財源運営の総合的調整について国民の理解と判断を求めるということになっておりまして、現在の姿がとられている理由は、そういう全体の姿を明確にすることが必要だということからとられているんだと考えております。
○山口哲夫君 だから、法人税とか所得税がこれだけの税収がありますということを書いちゃいけないとは私、言ってないんですよ、書けばいいじゃないですか。しかし、そのうちの三二%は直入しているんですよと、そういうふうに書いたらだめなんですか。それでも一覧性を何か阻害することになるんですか。
○政府委員(寺澤辰麿君) 繰り返しの答弁で恐縮でございますが、国の予算制度、会計制度の中で交付税制度創設以来こういう形で国民にお示ししてきたことを踏まえまして、現行の制度を引き続きとることが必要であるというふうに考えている次第でございます。
○山口哲夫君 だから、私たちの言うことに理由は確かにありますねという気持ちがあるんだったら今までのものを直せばいいじゃないですか。大蔵官僚というのは何でも昔のことばかりやっている。そんなことをやっていたら何も進歩なんかならぬですよ。私の言うことは国民に対してかえって不親切なことになるんですか。
○政府委員(寺澤辰麿君) 一般会計の姿としての一覧性というものが今先生御指摘のような形での直入によって担保できるかどうか私には現在判断できませんけれども、現在の制度の必要性は歳入面、歳出面で明らかになるわけでございまして、国民に理解を求める際にはこの方式が適当ではないかと考えているわけでございます。
○山口哲夫君 まず、交付税というのは地方自治体のこれは固有の財源だということは認めますでしょう。それを認めているんだったら、何も一般会計を通していろんな面倒くさい手続をして地方自治体に回すというやり方をしなくたっていいじゃないですか。そういうことをやるから毎年毎年の自治体の負担分というのがだんだんふえていくんですよ、国の財政事情によっては。
 だから私たちは、そういう手続を経なくても、固有の財源であるならば、きちっと直入をするということは、今ここで、分権委員会でも示しているように主要税目、それから一覧性、そういうところに問題があると言うんだけれども、私は、そんなものは技術的な問題であって幾らでも直そうと思えば直せるし、今私が言ったように直すことによって一覧性を阻害するものでも何でもないと。そういうことを考えたら、検討してみるくらいのことは答えてもいいんじゃないですか。
○政府委員(寺澤辰麿君) 一般会計予算に計上することが地方の負担につながるということは、御指摘ではございますけれども私どもはないと考えておりまして、国の予算の姿として歳入、歳出を一覧性のあるものにして議決をいただくということが適当ではないかと考えている次第でございます。
○山口哲夫君 あなた政府委員ですか。政府委員だったらもう少し検討してみましょうくらいの答弁できないんですか。これだけいろんな意見があるんですよ。与野党を通して大体共通した意見じゃないですか。しかも、自治大臣を中心として自治省の考え方もそういう考え方のはずですよ。それを大蔵省だけが長い今までのやり方でどうしてもやらざるを得ない、しかも一覧性の面からと言うけれども、私の言っていることは一覧性を阻害するものでも何でもないですよ。技術的にちゃんと書き方を直していけばそれで済むことなんです。それでも検討する余地全くないですか。
○政府委員(寺澤辰麿君) 先生御指摘の書き方なるものがちょっと私には理解できないわけですが、一般会計の中で国、地方を通ずる財源の配分、資源配分を全体として予算に反映させるという必要性は引き続き残るという感じがいたしております。
○山口哲夫君 法律に基づいて、所得税、法人税三二%、たばこ税二五%、消費税二四%と決まっているんですよ。決まってないというならそれはあなた方の言い分もあるでしょうけれども、ちゃんと決まっている。法律どおりにやろうと思ったら直入したって何も関係ないですから、あなた方の言うようなことは関係してこないじゃないですか。それでもまだ言い張るんですか。検討する余地全くなしですか。ないというのであればまた予算委員会で大臣とやらざるを得ませんね。
○政府委員(寺澤辰麿君) 先ほど先生が御指摘されました地方分権推進委員会の第二次勧告におきましても、「地方公共団体の固有財源とされている地方交付税の性格を明確にすることに資するという意見がある一方で、国の一般会計において主要税目の状況を一覧性ある姿で示す必要がある等の観点から問題が多いとの意見があり、こうした状況を踏まえ、引き続き検討」ということになっているわけでございまして、この第二次勧告につきましては、政府といたしましても最大限尊重することになっておりますから、そういう意味での検討はいたします。
○山口哲夫君 これは平成七年三月十六日、私この委員会で質問しているんですけれども、このときに前の事務次官ですか、遠藤さん、財政局長さん、当時。これは自治省としては悲願だと言っているんですね。片方の官庁が悲願だと。これにはちゃんとした理由がある。あなた方の言っているのと思想的な対立、何にもないんですよ、これは。単なる書き方の問題ですよ、これは。それなのに、大蔵省だけがこうやって意地を張って、全然検討するといったってまじめに検討した経過ないでしょう。ちょっと大臣折衝のときにそういう話は出るかもしれないけれども、あなた方本当にまじめになって我々の今のような意見を聞いた上で、じゃ真剣に一つ一つやってみましょうかというあれが僕は感じられないんですよね。
 だから、もう少し素直に、特に今度は分権推進委員会で引き続き検討していく必要があると言っているんですから、もっとやっぱりまじめな姿勢を持ってやらなければいけないですよ。大蔵省が何でも官庁の上にあるような、そんな考え方を持っているから今回のようないろんな事件が起きるんですよ。もっと素直に検討したらどうですか。
○政府委員(寺澤辰麿君) 先ほどお答えした観点から、第二次勧告の意見も踏まえた検討を行うということでございます。
○山口哲夫君 時間があと一分しかないものですから、大臣と減税に対する景気問題について基本的に議論したかったんです。相乗効果、相乗効果とさっきから何回も言うし、総理大臣も必ず使う言葉なんです。一体相乗効果って何なのか。具体的にどういう相乗効果があるのか。もっと真剣に少し時間かけて議論したいなと思ったんですけれども、大蔵省のかたくなな関係でこういうふうになってしまい、またゆっくりやることにいたしまして、今大蔵省は検討はしますとこう言っているんですから、本当にまじめに検討してくださいよ。また、いずれやりますのでお願いします。
 終わります。
    ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡野裕君及び鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として鈴木正幸君及び常田享詳君が選任されました。
    ―――――――――――――
○岩瀬良三君 改革クラブの岩瀬でございます。いろいろな議論がなされておりましたので、ダブらないような形で御質問したいと思います。
 我々、昨年の秋の財政構造改革法案で、財政再建が最優先するんだというようなことで大分議論をさせていただいたわけでございますが、そういう中でも赤字国債を財源とするいろいろな事柄については非常に困難だというようなことも言われておるわけでございます。そういう中で、先ほどからもいろいろな皆さんが指摘されておりますように、こういう所得税を初めとする減税案が出されたわけでございまして、またこの減税案は、今御答弁いただいたのをお聞きしていますと、国、地方を通じて景気浮揚に努めるんだというような事柄のようでございますし、また補正予算の中にも公共事業、債務負担行為でしかもゼロ国債というようなことまで含めてこれはもう明らかに景気浮揚の事柄であるわけでございます。
 こういう中で、余り多くは申し上げませんが、自治大臣は地方の方の指導も全部行わなければならないわけでございますので、総理大臣がこう申したというようなことは十分わかりましたけれども、そういう中で大臣の考え方として地方にもまたそういうことの方針を伝えなきゃいけないわけなので、政策転換をしたんだというようなことのように私どもはとっておるわけですけれども、この点についての所感をお伺いいたしたいと存じます。
○国務大臣(上杉光弘君) 今回の特別減税は、言うなれば財政構造が改革をしなければもたない状況にある、極めて危機的状況にあるということが一つあります。さらにまた、改革によりまして財政を健全化しなければならない。そうしなければ地方分権を推進しても地方は大変だという状況というのは御理解のとおりでございます。このようなことが基本となりまして、安心で豊かな福祉社会といいますか健全で活力ある経済等の実現を図るためには、どうしても二兆円のこの特別所得税減税が必要であった、こういうことでございます。
 したがって、このような我が国の状況、実態といいますか我が国を取り巻く経済金融情勢の変化にも、また他方敏感に対応した税制などの措置も講じていかなければならない。言うなれば、特別の減税とあわせてこのような財政、税制、金融政策も織り込みやっていくわけでございますが、これは両者は財政構造改革との二者択一ではない。この説明はたびたび総理もされておりますが、方向転換とは思っていないわけでございまして、まことに難しい問題でありますけれども、これは同時並進で取り組んでいかなければならない問題ではないか、このように考えておるところでございます。
○岩瀬良三君 そこら辺はいろいろ言っても水かけ論だろうと思いますので。
 そうしますと、今までの減税、これについては大分渋っておったわけですけれども今度実施した、補正で実施したということであろうかと思うんですが、しかもこれは一年限りだというようなことで、我々はこれは継続してやらないと効果がないんだろうというふうに見ておるわけですけれども、これは事務方で結構だと思いますけれども、一年限りの減税、二兆円減税というものの効果というのはどのように押さえておるんでしょうか。
○政府委員(成瀬宣孝君) 今回の特別減税は、平成十年度限りということで立案をいたしておるものでありますけれども、先ほど来大臣から何度も御答弁申し上げておりますように、政府といたしましては、この二兆円の特別減税を初め財政、金融両面にわたるさまざまな措置を機動的かつ的確に講ずることによりまして、特別減税というものが平成十一年度以降も必要となるような状況にならないよう最大限の努力をしていきたいということでございます。
 なお、この特別減税を継続するとかあるいは恒久減税化すべきではないかといったお尋ねかとも思いますけれども、我が国の租税負担率、国際的に見ましてもかなり低い水準にありますこと、あるいは恒久的な減税ということになりますとやはりそれにかわる新たな財源も必要ではないかというようなことをいろいろ考え合わせますと、なかなか困難なものがあろうかというふうに思っております。
○岩瀬良三君 そうすると、この特別減税というのは、財源の面、いろいろな面を考慮するともう継続することは非常に困難だと、こういうふうにとってよろしいんでしょうか。
○政府委員(成瀬宣孝君) 現在の政府の気持ち、考え方としては、そういった状況になりませんように景気対策に万全を期するということにとにかく意を用いることがまずは必要ではないかというふうに思っております。
○岩瀬良三君 それでは、次の方に入らせていただきます。
 一月十三日の新聞の中で、上杉自治相が口を滑らせるというようなことで記事が出ておるわけでございますが、昨年末の閣僚懇談会で首相が地方分権の推進に協力するよう各閣僚に求めたことについて、記憶にないくらいだから大した発言ではなかったと、こう報じられておるわけでございます。ただ、この中身そのものは、地方への権限移譲、特に市町村への移譲が不十分なので引き続き皆さんで検討してほしいと、こういう内容のものであって、中身は極めて大事なものであったわけでございますが、それがこういう形で報じられておるんですが、これについて大臣、所感をお願いします。
○国務大臣(上杉光弘君) これは、閣僚懇談会の場で総理から指示されたことでございまして、閣僚懇談会で出たことは官房長官が記者会見をするということになっておりました。だから私は記者会見で申し上げませんでした。ところが、なぜ言わぬと、こういうことでありますから、そこでちょっとやりとりがあったわけです。それで、ほかの閣僚は言っておるじゃないかと、こういうことでございましたから、それは私は言っちゃいかぬと。閣僚懇談会は官房長官がこれは記者会見で言うんだという、政府としては窓口を統一するということでしょう。そういうことから少しこじれたわけでございまして、口を滑らしたということじゃありません。
 総理がこれまで、地方分権推進は、これは縦に置いた中央集権の行政体制から同格に今度は横に置いたものとして分権を推進しなさいと常に言っておられるわけでありまして、そのような基本的な意見の枠組みというものは外れていないと。だから、別に新しく、目新しく基本を外れたようなことは言っておられないから心にとどめるというようなものではなかったと。今までのものを繰り返し言われたという意味で申し上げたわけでございまして、口を滑らしたわけでも、そういうものについての基本的な違いがあったという意味で申し上げたわけで、新聞に書いておるようなものでは私は真意はないと、こう思っておるわけでございます。
 この内容については、御案内のとおりでございまして、大した発言ではないということではなくて、その基本組みから外れたものではないから、ここで申し上げる大した、そういうことを申し上げる、重ねて言うことではないと、こう申し上げたわけでございます。
 したがって、今度の地方分権推進というのは明治政府以来の大改革でございまして、縦のものを横に置くというんですからこれほど大きな改革はないわけでございまして、そのことに対する、総理の、分権に対して全体の閣僚に対して、強い要請があった、こういうことでございまして、そのように御理解いただければありがたいと。
○岩瀬良三君 地方分権につきましては、これからも大臣として、今までの批判としましては市町村への移譲、県への移譲が国からのものが少ないんじゃないか、こういうようなことが言われておるわけでございますし、またそれが官から民へ、国から地方への一つの流れがこの地方分権の根本だろうと思うわけで、自治省としましてもまた大臣としましても積極的にこの流れについての御発言をお願いしたいというふうに思うわけでございます。
 時間がないのですぐ次の方に入りますけれども、先ほども魚住委員からお話がありました所得税の減税と個人住民税の減税なんですが、これは私も所得税の減税だけでやればいいんじゃないか、こういうふうに思っておるわけです。
 その中で、ちょっと一つ、率の点をお聞きしたいんですけれども、この二兆円減税のうち一兆四千億と六千二百億と七対三になっておるわけでございます。過去の減税でも七対三になっておるんじゃないかと思うんですが、この基準はどこで、いつから始まっておるのか、その点。
 それからまた、平成九年度当初では所得税収が約二十一兆円、それから個人住民税収が十兆円と二対一になっておるわけでございます。これは道府県民税の所得割と市町村民税の所得割の合計ですが、二対一になっておるんですが、こういう点についてはどこでどう決まっていくんだろうというふうに思うわけでございます。基本には所得税減税でやればいいんじゃないかというふうなのが一つあるわけですが、その点についてお答えいただきたい。
○政府委員(成瀬宣孝君) 特別減税に係ります減税の割合を同じ個人所得課税であります国税の所得税と地方税の個人住民税で七対三といたしましたのは、最近におきます所得税と個人住民税の税収規模の割合を考慮して定めたものでございまして、平成六年度から平成八年度にかけて実施しました特別減税の際の考え方に準じたところでございます。
 ただいま予算の額について御指摘ございましたけれども、ちなみに私が手元に持っております平成八年度の所得税なり個人住民税の決算額で申し上げますと、所得税が約六八%、個人住民税が三二%といったような状況でございます。
○岩瀬良三君 所得税と個人住民税ですが、今までの慣例で何かそういうふうなのがいつもできているようでございますけれども、翻ってみますと、いろんな事業支出は地方が二で税収の方は国が二というようなのが基本にあるわけなので、こういう点での是正が言われておるわけです。
 こういう点で、こういう減税のときでもそのままに、所得税なら所得税でやって地方の税はいじくらなければ自然とこれは比率が高まっていくわけなんです。今後、減税の際でもそういう点について十分お考えの上減税に対処していただきたい、そういうふうに思うわけでございますが、この点、大臣どうでしょうか、今後に対する考え方という点があるわけですが。
○政府委員(成瀬宣孝君) いろいろ考え方があろうかと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、同じ個人所得課税であります所得税と個人住民税の税収のウエート、住民税の方も相当大きなものになっております。そしてまた、地方財政、国家財政、いずれも公経済を担う車の両輪でもございますので、最近の傾向としては、六年度以降三年間同じような考え方がとられてきているわけでありますけれども、国、この場合の国というのは恐らく地方の利害も同じかと思うんですけれども、国の景気対策を図るためには国、地方が一体となって車の両輪として取り組むということで、必要に応じてやはり所得税、個人住民税、所得課税の世界で減税を行う場合には一体として取り組むという必要性も認められるんではないかというふうに思っております。
○岩瀬良三君 もっとやりたいんですけれども、時間の関係で一つちょっとお話ししておきたいのがございます。
 それは、還付加算金というのがございまして、これは地方税法上、過誤納のようなもので、役所に納めた場合、それが間違っていた場合還付加算金ということになるわけですけれども、年七・三%で返すことになっておるわけでございます。これは延滞金等の利率が一四・六%で、延滞したようなときには高い率で利子がつくわけですが、これは延滞するわけでございますから当然高い利率がいいんですけれども、間違って納めたようなときの利率が七・三%ということで、これが地方税法に明記されちゃっているわけでございます。今みたいに低利率で一年定期をやったって〇・二%か三%の利率しかないときに、これがずっとそのままになっちゃっているわけです。そうしますと、ある会社にしてみれば誤って納めちゃった方が利率がたくさんとれるわけなので、これが恐らく各市町村ともふえているんじゃないかと思うんです。
 こういうものの調査はされたことがありますかどうか、そういう点についてちょっとお尋ねしたいと思いますし、これは改正すべきじゃないかと思うんですが、この点についてはどうでしょうか。
○政府委員(成瀬宣孝君) 還付加算金の割合、年七・三%、日歩二銭に相なりますけれども、この水準につきましては。先ほど御指摘もありましたような延滞金との関係、あるいは国税、国税も同じように日歩二銭ということで定められております。それから税制の安定性の問題等もございます。そういうことで、現在、国、地方通しまして年七・三%、日歩二銭ということでその割合が定められているわけでございます。
 そうした中で、じゃ現実の還付加算金の状況はどのように推移しているかというお尋ねかと思いますけれども、都道府県別の還付加算金の額で申しますと、平成六年度から七年度、八年度にかけまして確かに御指摘のように金利動向は一方的に下がったまま低位で安定しておるわけでございます。そうした中で還付加算金が金額的にもふえているんではないかというような御懸念もあろうかと思いますけれども、今申し上げました都道府県別の還付加算金額、これは全国四十七都道府県の合計額でございますけれども、ふえるということではなくて、逆にやや微減と申しますか、七年、八年度を見てみますと対前年度それぞれ減っておる、減少しておるというような状況に相なっております。
○岩瀬良三君 今七年、八年度の比で言っているわけですけれども、恐らく九年度は、私、どこの公共団体とは言いませんけれども激増しております。これは利子をまたたくさんつけなきゃならないということで、市役所等でも困っている問題でございます。
 ですから、ぜひここらのところは、その年度の中でもいろいろ声を酌み取っていただいて、それからもう一つは、基本的には、還付加算金、こういう長い低利率の時代でございますので、これを改正してもいいんじゃないか、またはこういう法律の中に書かずにその時々で運用できるような形に持っていってもいいんじゃないかというふうに思うんです。初めの方の調査なり何かの点はこれは御要望申し上げるにして、そういう法改正、こういうものもしていく必要があるんじゃないかこう思うんですが、その点についてお答えいただければと思います。
 これでもって終わります。
○政府委員(成瀬宣孝君) いわゆる金利動向等をにらみながら、場合によっては還付加算金の割合を引き下げるというようなことも考えるべきではないかという御指摘かと思います。
 確かにいろんなことを考えるべきだと思いますが、ただこの割合、金利水準のみならず延滞金の方の割合とのバランスをどうとるか。あるいは、これは地方税だけというわけにはまいりませんので、国税との関係をどう調整するか、あるいは税制の安定性の維持といったようなこともあわせ考えなければいけないと思います。そういったことをいろいろ考えながら、御指摘の点についてはよく留意してまいりたいというふうに思っております。
○委員長(藁科滿治君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、下稲葉耕吉君が委員を辞任され、その補欠として三浦一水君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案の修正について有働正治君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。有働君。
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由及びその概要を御説明いたします。
 今日の不況の原因が、橋本内閣が推進した消費税の税率引き上げ、医療制度改悪など国民への九兆円もの負担増にあることは、今や国民周知のこととなっています。その施策の一部手直しを迫られた橋本総理は二兆円の特別減税の実施を打ち出しましたが、減税規模が小さい上に一時的措置ということもあり。冷え込んだ個人消費を温める力にはなっておりません。世論調査によれば五三%が減税の継続を求めており、減税恒久化は今や国民の声となっています。
 修正案は、こうした国民の声にこたえて、政府案で平成十年度限りとされている住民税所得割の特別減税を平成十一年度以降当分の間継続するという内容のものであります。
 慎重審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げまして、説明といたします。
○委員長(藁科滿治君) これより地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案の原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにして簡潔にお述べ願います。
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対し、我が党提出の修正案への賛同を求めるとともに、政府提出の原案に反対する討論を行います。
 この法案は、昨年十二月に橋本首相が景気対策として発表した二兆円の特別減税の関遵法案であり、三十兆円の銀行支援とセットで出されたものであります。消費税率の引き上げ、医療制度改悪などによる九兆円の国民負担増に加え、今後予定されている社会保障制度の改悪によって国民の将来への不安が増大し、消費が冷え込み、不況が深刻化しているもとで、わずか二兆円の単年度限りの減税では消費拡大の効果は薄く、これで事足りるとすることは認められません。
 我が党は、国民の懐を暖かくして個人消費を拡大し、景気をよくするために、所得税、住民税減税の恒久化に加えて、より消費拡大に直結する消費税率の引き下げ、社会保障制度の改悪中止など全面的な対策を政府に要求しつつ、少なくとも住民税の減税について、単年度限りとせず、九八年度と同様の特別減税を九八年度以降も継続することを求める修正案を提出したものであります。
 したがって、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対し、九九年度以降も減税継続を求める我が党修正案への賛同を求めるとともに、単年度限りの減税では効果が少ないことがはっきりしている政府提出の原案に反対であることを表明し、私の討論を終わります。
○委員長(藁科滿治君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、有働君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藁科滿治君) 少数と認めます。よって、有働君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藁科滿治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにして簡潔にお述べ願います。
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法の一部を改正する法律案に対する反対め討論を行います。
 本法案は、政府の景気対策としての二兆円減税に伴う交付税の減額分に対する補てん措置を定めたものであり、深刻な財政危機にある地方自治体の財源確保に深く関係しているものであります。
 反対の第一の理由は、交付税減額の理由が橋本内閣の二兆円特別減税にある以上、その補てんは国の責任で行うべきであります。ところが、法案は、当面は減額分二千二百二十一億円老国の一般会計からの繰り入れで補てんするが、その精算については将来国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れられるべき額から減額することとされ、結局、実質的に地方負担とされるからであります。これでは、国の責任の放棄につながるものと言わなければなりません。
 反対の第二の理由は、地方財政が九四年以降、多額の財源不足が続き、地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当する事態となり、本来、交付税率の引き上げを行わなければならないにもかかわらず、政府はその努力を怠り、地方負担を拡大しているからであります。
 最後に、政府は、自治権の拡充のため、さらに住民の福祉、暮らしを守ることを第一の仕事とする自治体の財政を保障するため、交付税の総額を確保する責任を果たすべきであることを厳しく指摘し、私の反対討論を終わります。
○委員長(藁科滿治君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより地方交付税法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藁科滿治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十八分散会
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