第142回国会 地方行政・警察委員会 第9号
平成十年四月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月八日
    辞任         補欠選任
     釜本 邦茂君     下稲葉耕吉君
     鈴木 省吾君     中原  爽君
     常田 享詳君     大木  浩君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     大木  浩君     国井 正幸君
     上吉原一天君     常田 享詳君
     下稲葉耕吉君     長谷川道郎君
     大渕 絹子君     瀬谷 英行君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藁科 滿治君
    理 事
                久世 公堯君
                松村 龍二君
                朝日 俊弘君
                有働 正治君
                高橋 令則君
    委 員
                芦尾 長司君
                岡野  裕君
                国井 正幸君
                田村 公平君
                谷川 秀善君
                常田 享詳君
                中原  爽君
                長谷川道郎君
                小山 峰男君
                魚住裕一郎君
                白浜 一良君
                瀬谷 英行君
                渡辺 四郎君
                山口 哲夫君
                岩瀬 良三君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    上杉 光弘君
   政府委員
       警察庁長官    関口 祐弘君
       警察庁生活安全
       局長       泉  幸伸君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   説明員
       文部省教育助成
       局財務課長    加茂川幸夫君
       郵政省電気通信
       局電気通信事業
       部業務課電気通
       信利用環境整備
       室長       千葉 吉弘君
       郵政省放送行政
       局放送政策課長  伊東 敏朗君
       建設省道路局道
       路環境課長    原田 邦彦君
   参考人
       中央大学法学部
       教授       堀部 政男君
       東京都立大学法
       学部教授     前田 雅英君
       社団法人テレコ
       ムサービス協会
       事業者倫理委員
       会委員長     遠藤  毅君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨八日、鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として中原爽君が選任されました。
 また、本日、上吉原一天君及び大木浩君が委員を辞任され、その補欠として常田享詳君及び国井正幸君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本法律案の審査に関し、参考人の方々から御意見を承ることといたしております。
 参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。
 皆様の忌憚のない御意見を承り、本法律案審査に反映させてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からそれぞれ十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 それでは、まず堀部参考人からお願いいたします。
○参考人(堀部政男君) おはようございます。中央大学の堀部でございます。
 本委員会におきまして、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に関連いたしまして、インターネット問題について意見を述べる機会を与えられましたことを大変光栄に存じます。
 インターネットにかかわる法的問題につきましては、これまでにも国際的、国内的にも随分議論をしてまいりました。最初に、インターネットにかかわる一般的な問題について申し上げたいと思います。
 インターネットは、改めて言うまでもなく、多くの機能を発揮できますし、また多くの可能性を秘めています。従来のメディアと比較いたしますと、インターネットは、個人の情報発信と情報アクセスの機会を世界的規模で飛躍的に拡大する点で、これまでの出版、通信、放送といった既存のメディアとは異なる特徴を持っていまして、政治、経済、社会、文化等さまざまな分野に非常に大きな影響を与えるものであります。その重要性はどんなに強調しても強調し過ぎることはないと思っております。
 このような特徴を備えましたインターネットも、情報流通の点でさまざまな批判を加えられています。その問題点を次のように整理することができるかと思います。
 まず第一に、個人の情報発信が容易であるため、出版、新聞、放送等と異なりまして、発信者にプロの倫理観がないというところであります。
 第二に、放送等と異なりまして発信者に匿名性があるために、無責任な情報発信や違法行為が心理的に容易にできるという面があります。
 第三に、違法な内容の情報があるサーバーから削除されましても、他のサーバーに簡単かつ迅速にコピーできますために、情報が流通し続ける可能性は大きいと言えます。
 第四に、ある国が国内法によって違法な情報の流通を禁止いたしましても、別の国で違法でなければその情報が世界じゅうに流通する可能性もあります。
 第五に、そのようないろいろな情報が世界じゅうに流通するわけでありますが、その関係で、一つの国でアクセスを制限いたしましても、他のプロバイダーを利用することによって当該情報が広く流布するというような問題もあるわけであります。
 こうした問題につきまして、これまで幾つかのところで検討してまいりました。国際的には、OECD、経済協力開発機構の中にICCPという委員会がございまして、そのもとに専門家会合があります。そこでもインターネット問題をどうするのかということは、一九九六年二月のオーストラリアのキャンベラで開きました会議でも議題になりまして、私もそのときこの種の問題でスピーチいたしましたが、非常に大きな関心が世界的に持たれております。その後OECDではさまざまな形で検討をしてきておりまして、昨年も七月それから十月と検討を重ねてまいりました。しかし、各国の事情がそれぞれ異なりますし、また法制度が異なるために、なかなか統一した、あるいは調和のとれたルールをつくるというところには至っておりません。
 また、G8の中で、特にG8の科学技術大臣等の集まりでありますカーネギー・グループというのがありますが、そのもとにやはり専門家会合ができております。この会議が昨年の十月にローマで開かれまして、そこにも出てまいりました。
 各国の関係者どこの問題で議論をしてきておりますが、そこですぐに条約をつくってというような提案までは行きませんで、各国がそれぞれ検討をし、そうしたものを各国がそれぞれまた話し合いをしていく、全体として国際協力をしていくというようなことにとどまっております。
 そういうことを踏まえまして、郵政省の研究会、これはこれまで二回開いております。最初は一九九六年の十二月に報告書を出しました。また、一九九七年、昨年の十二月にももう一度報告書をつくっております。この研究会で多くの議論をしてまいりました。そこでは法的な規制までは提案するに至らなかったわけであります。先ほど言いましたような国際的な動向も踏まえつつ、さらに検討を続けるというようなことも報告書では述べてみたわけであります。
 特に、郵政省の場合には、電気通信事業を所管している関係で、電気通信事業法の三条に定められています検閲の禁止、それから第四条に定められています通信の秘密、これとの関係でプロバイダーである電気通信事業者あるいは電気通信事業者であるプロバイダー、これに対してどのように法的に責任を負ってもらうのかということにつきましても、なかなか解釈が統一いたしませんで、先ほど申し上げましたように、法的な措置を講ずるというところまでは至りませんでした。
 そういう中で、警察庁が今回、風営法、風適法の一部改正ということでインターネットについて一定部分の規制をするということを聞きまして、既に家庭や学校にもいわゆる有害情報というのが入ってきていますし、そういうことを考えますと、また、先ほど言いましたような私責任者で検討してまいりました研究会では、法的措置というところまで提案するまでに至っていなかったものですから、この案によってインターネット問題について本格的な議論が始まるんではないだろうか、そういう意見も述べたことがございます。
 また、それとともに、研究会でかなり慎重な議論をしてまいりましたので、その立場から今回の法案につきまして若干意見を述べてみますと、今回の法案を見まして、規定はかなり注意深く慎重に書かれているというふうに受けとめました。それをほかの研究会あるいは学会で議論している立場で申し上げますと、まず一つは、表現の自由との関係をどうするのかということがございます。
 今申し上げましたように、注意深く慎重に規定されているという点では表現の自由との抵触というのはそれほど生じないのではないかというふうにも思います。しかし、実際に適用するということになってまいりますと、これは日本の法律の規定の仕方の常なんですが、かなり概括的でありますので、この法案が成立した場合の適用を受ける人たちからしますと、何がどうなるのかということが今ひとつわからないのではないか。そういう場合に、やはり解釈基準を明確に示すということをぜひしてほしいと思います。また、その解釈基準をできるだけ速やかに公表し、それについても議論を深めるということが必要ではないかと思います。
 第二に、これが風適法の一部改正ということでなされている関係で、青少年に有害な情報ということで、やはり性に関する情報になっております。しかし、最近問題になっていますような暴力的表現などをどうするのかという問題も残るかと思いますし、国際的に議論していますと、さまざまな問題になる情報が出ておりまして、それにどう対応していくのかということがあります。これを機会にぜひそういう問題についても議論を深めていただく必要があろうかと思います。
 第三に、国際的な議論をしておりますと、これだけ国際化してきておりますが、各国は主権をそれぞれ持っているということは当然の前提でありますが、なかなか調和のとれた法規制というものができにくい状況があります。今後そういった検討がいろんなところでなされるかと思いますが、その際にもこの法案の趣旨が生かされるような形で運用していくということが必要ではないかと思います。
 申し上げたいことはたくさんございますが、とりあえず以上で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(藁科滿治君) ありがとうございました。
 次に、前田参考人にお願いいたします。
○参考人(前田雅英君) 前田と申します。専門は刑事法の研究をいたしております。
 この委員会に呼んでいただいた一つの理由は、昨年度この風適法改正の前提になるような問題について何人かの先生方と研究会をさせていただいた、堀部先生とはまた別の研究会でございますが、勉強させていただいたということであろうかと存じます。このような場に呼んでいただいて本当にありがとうございます。
 インターネット一般に関しては堀部先生からの御説明で、私それにつけ加えることは基本的にはないんですが、ただ一つ、繰り返して申し上げるとすれば、やはりこれから非常に重要なものである、健全な発展が必要なものである、家庭にも入り込み得るし、小学生までも見得るものである。いわば社会の中での太い大通りみたいな、情報通信の大通り、分遣みたいなものですから、そこに裸の女の人の写真を置いておいていいのかというのが私なんかの基本的な発想の出発点で、そういうことは家庭の監視に任せればいいというような言い方もされるんですが、私は、やはり今の段階で、刑事の世界から見ておりますと、今から申し上げる幾つかの問題点がございますので、法的な規制も必要であるという考え方をとっております。
 むしろ、法案に私は不満といいますか不十分なというのは、先ほど堀部先生のお話にも出てきました暴力的表現をどうするかという問題もありますが、それをさておきまして、わいせつ表現にいたしましても、これは風適法の改正ですから、業にしないものについてのチェックというのは及ばないわけで、今後の課題として残ると思います。ただ、その意味でマスコミの一部にはざる法だというような言い方のコメントもあるようですが、間違いなく、できた方が社会のためになる、むだにはならないというふうに私は考えております。
 一つは国際的な観点、先ほど御指摘がありましたけれども、刑事の世界の国際的な観点で、ほかの部会であると思いますが、幼児ポルノが非常に問題になっております。インターネットにおいて幼児ポルノの占める割合というのは非常に高いし、日本が発信源になって世界に幼児ポルノをばらまいている、それでお金を取っている、こういうことに対して何ら手をこまねいて見ていいのかという批判は当然あろうかと思います。それから、業として行うもののかなりの部分は間違いなくやはり暴力団につながって、その資金源になっているということは明らかだと思います。
 プロバイダーの、後でも触れますが、ほとんどというよりはほぼ全部のプロバイダーはまともといいますか、きちっとしているんだと私は思うんです。ただ、ごく一部にわいせつ画像を集中的に扱うところがあって、これは他の研究会で出た話ですが、三つないし五つのプロバイダーをとめたらわいせつ画像のほとんどはなくなるだろう、非常に大量なプロバイダーのある中で問題のあるプロバイダーというのは非常に特定している。そういうものに対して、表現の自由とか営業の自由というようなことで法の網を一切その人たちのために外してしまうのが合目的的なのか、合理的なのかという感じがいたします。
 そういうプロバイダーのものには、ソープランドの宣伝とかストリップの宣伝とか、そういうものが載っているわけです。そして、関連して幼児ポルノなんかにつながるようになっている。これはやはりほかの警察なんかのお調べでもそうですが、暴力団につながっている。資金はそちらに流れている。それに対して、やはりほかのアダルトショップで行っていることに対して風適法で網をかけているわけですが、なぜインターネットでやったときだけ網がかからないのか。これは国民は納得しないと思います。
 その網がかかるようにすることによって表現の自由が害されるのだとすれば私は問題だと思いますが、今回の法案は、先ほど申し上げましたように非常に限定的といいますか、まず業に限っている、営業をした人に限っている。それから、青少年に対して具体的に確認をしないで販売したりした者についてのみ、しかも処罰ではなくて指導するように、そして指導に従わないときに初めて処罰が出てくるというような構造になっておりまして、憲法上の問題、これは私は含まれていないんだというふうに考えています。
 もちろん、この法案に関してはマスコミ等でいろいろな批判がございまして、外国から入ってくるものに対して日本国内だけ規制しても何の意味もないではないかということなんですが、これは全く違うと思います。外国のものは、今はもう大体クレジットカードの番号が必要ですし、それから、日本人が好んで読むようなものは、外国から送ってくるように見えて日本人が送って外国から発信する。外国のサーバーにおいてやるわけですが、そこがとまりますと、私はかなりの量のわいせつ画像、有害情報というのはストップできるんだというふうに考えております。
 それから、この法令に関して、文言があいまいだという御指摘がございますが、これは使われている概念というのは、「専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業」、これは現行法で使われている概念です。これがあいまいだということは、現在の風俗規制全部があいまいで、それをやってはいけないということになるわけで、この概念があいまいだというのは、私はちょっと形式論、弁護士さんの中にそういう議論があるんですが、問題があるのではないか。
 あと、プロバイダーに対して一定の義務を課すわけですが、私はこれは必ずしも検閲を要求していることにはならないのではないか。
 わいせつ映像、ここで使われているわいせつという概念は、今申し上げた青少年に見せてはいけないような性的好奇心をそそるようなものよりもっと狭いわいせつという刑法上の概念です。それを見せただけで処罰される概念です。このわいせつな映像を記録したことを知っていたときには必要な措置をとる。わざわざ調べてわいせつ画像があるかどうかをチェックしろとは言っていないんですね。通報なんかを受けて明らかに知ったときにはそれに対応する措置をとる。これによって、間接的ではありますが不当な営業所を排除するという効果をねらって、不十分ながらも私は意義のある規定ではないかと考えております。
 もう一つこの問題に関して、法律家の世界での議論が流動的だということがあるんですが、いろんな御意見があろうかと思います。ただ、一つはっきりしているのは、インターネット上のわいせつに関してのコントロールに関して、これは今申し上げた青少年に対しての広いものではなくて狭いわいせつ画像ですが、判例がたくさん出ております。そして、判例には一つの揺れもございません。全部有罪です。そのときの基準は完全に固まっています。ですから、わいせつに関してインターネットだから議論が揺れているという議論は誤っていると思います。少なくともわいせつ概念に関して、わいせつをインターネット上規制するということに関しては、裁判所以下検察に揺るぎはない、これが世の中に私は定着していくと思います。
 ただ、もちろんそういいましても外国からのものが全く消えるわけではございませんで、抜け道は残るし、穴だらけというふうに見えるかもしれませんが、しかし、まず今の段階でこの一歩を踏み出して規制をしていくことが大事なインターネットという通信手段、我々にとっては研究の非常に重要な手段でもあるわけですが、これを発展させていくために非常に有意義だというふうに私は考えております。
 以上です。
○委員長(藁科滿治君) ありがとうございました。
 次に、遠藤参考人にお願いいたします。
○参考人(遠藤毅君) 遠藤でございます。
 私は、社団法人テレコムサービス協会、第二種電気通信事業者四百二十五社がつくっている協会でございます。そこで事業者倫理委員会というのをつくっておりまして、その委員長を務めさせていただいております。
 私ども、一昨年の六月から総会の決議によりまして事業者倫理委員会というのをつくりました。それで約二十カ月をかけまして、ことしの二月十六日に我々の事業者のインターネット等の苦情処理に関するガイドラインというのを発表しております。これはホームページにも載っておりますし、こちらの方にもお届けしてあると思います。
 これをつくる過程において、全会員のアンケート等を数回とらせていただいたり、それから各弁護士さん、それから学者の先生方の御意見も賜ったり、教育の方の御意見を賜ったりしてつくってまいりました。この過程でいろいろと考え方としてまとめてきていたわけですが、この二月十六日に我々が発表しました後、実は二月の末に風営法の問題を御説明いただきました。私ども、それに関しまして警察庁の方に御意見を申し上げております。警察庁の方から三月の初旬にお答えもいただいております。
 そのとき我々が懸念した事項、このことについてちょっと御説明したいと思います。
 一つは、ダイヤルQ2の時点で、ダイヤルQ2が一言にわいせつという形で、ダイヤルQ2イコールわいせつということになってしまったために、正常なサービスに対してダイヤルQ2が使いにくくなってしまった、こういうようなことが実はありまして、ダイヤルQ2も早急に正常化をしなきゃいけないという立場をその当時とりましたのが第二種通信事業者でございます。
 そういうようなことを考えまして、我々は映像の営業者ではないんですが、映像を仲介する事業者という位置づけにされておりまして、心配しましたのは、インターネットイコールわいせつ事業者というような風潮が立ってしまうとインターネットの発展に非常に困るのではないかということを考えました。
 それから、お答えとしていただいておりますし、結果としてはなっているんですが、事前事後を問わずサーバーの中を調査するということは不可能に近いだろうということで、調査義務を課せられる、こういうことについてはいかがなものかということです。
 それから、わいせつ、違法というものの判断、それはある程度の今判例に出ているということでガイドラインをお示しいただき、具体的な明確なものをお示しいただければ判断をできるんですが、わいせつだけではございませんで、今度のものはわいせつという問題だけで我々通信事業者がうたっておりますが、そういう判断の基準をきちんと具体的にお示しいただかないと、我々が判断するということは非常にロードが大き過ぎるのではないかというようなことを申し上げております。
 それから、知ったとき事業者が措置するということです。これは我々のガイドラインでも、我々が知って必ず迅速に利用者からの苦情に対して措置をする、それから立場としては段階的な措置をする、急激な措置ではなくて、要するにやめてくださいというお願いをして、それから停止に行ったり解約に行く、こういう段階的な措置をしましょうというのは我々のガイドラインの精神も同じでございますが、要するに措置をしたことによって、一方、我々は電気通信事業法に縛られておりまして、通信の秘密と検閲とに縛られております。
 そういうようなことで、よかれと思って自主的に措置をするということを我々は決めておりますが、措置をしたことが別な法律で訴追されるというようなことのないように、アメリカにはこのような法があるそうなんですが、日本にはそういう法律はございませんので、懸念しているのは、そういうよその法律によって、よそというか我々の本来の法律によって訴追されるというような行動がないようにということを心配しております。
 大体、申し上げたい意見はそういうことでございますが、先ほど先生方がお話しなさいましたのであれだと思いますが、インターネット自身というのは、我々が考えましたのは、ホームページというのを御存じだと思いますが、半分は要するに掲示板みたいに皆さんに見せている、先ほどの、道路で大通りで見せるという部分、それから一対一のメールで郵便で通信をしている、この部分とが一緒になっておりますので、我々はガイドラインなんかも分けて措置するということをしております。
 この風営法全体に対して最初我々の立場も、青少年に関して有害な情報を流す、そういうようなことに対してはいいはずがございませんので、基本的にはそれには賛成しております。
 ただし、これだけでいいのかという問題では我々は疑問を感じておりまして、青少年に対してというのであればこれだけでは不十分じゃないかと我々も考えていますけれども、我々事業者の苦情処理の実態を見ましても、この問題はごく一部の問題です。もっとインターネット犯罪というのは大きなグローバルに問題がございますので、これはやらないよりはやった方がいいと思いますが、これだけでは非常にインターネット全体をするのには不十分であろう、こういうふうな意見です。よろしゅうございますでしょうか。
○委員長(藁科滿治君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の陳述は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村公平君 自由民主党の田村公平と申します。三人の参考人の先生の方々、きょうは本当にお忙しいところありがとうございます。
 最初に、堀部参考人にお伺いしたいんですが、OECD等でも検討され、また郵政省の研究会が二回開かれたけれども、法的規制というよりもそこまでの結論に至っていない、ここの点をもう少し掘り下げてお聞かせしていただければと思います。
 もちろん、私自身もインターネットというものが次の日本を含めた世界の新しい産業になり得る大変大事なことだとは思っておるんですが、その中で、問題点の中に基準のあいまいさとか性に関すること、あるいは国際化している状況での対応の困難さ等々ございましたけれども、風適法の改正、午後から質疑が実はあります。その中でわいせつとは何ぞや、基準の中で、このことも、堀部参考人側自身の今までの成果というか研究の中で、これは実は法学者である刑法の前田参考人にもお願いをしたいんですが、刑法で言うところの、前田参考人のお話によりますと、業として行うもの、つまりプロバイダー、たしか、私聞き間違いなければ二ないし三ぐらいの大どころを押さえるとほとんどそういうわいせつ画像は押さえられるという話でありましたが、ならば現行法の中でくくれるんじゃないかという気もいたします。
 あわせて、それに対して先生の言うところのわいせつということの基準。これはチャタレー事件でも同じように、私なんかも中学生のころは友達が女の子の裸の週刊実話か何かの切り抜きみたいなのを持ってきて胸がときめいたこともありましたけれども、今ごろあんなものを見たって、それが何じゃいというぐらいで、この前も警察庁の方で、僕がモザイクと言ったら警察庁の方があればモザイクじゃなくてマスクと言うんだというんで、それを外すソフトもあるというんで外したのを見てみましたけれども、動かぬ絵で別に飛びかかっても来ぬし、それが一体何ぼのものやと。もちろん、人類発生以来、性というものは大変大事なもので、今日我々が生きておるのも性というものがあったおかげで生きているわけですから、それに伴い古代ギリシャの時代からいろんな文学や芸術も生まれてきたと思います。そういう観点からして基準というもの、基準というふうに簡単に使いますが、そこいらもちょっとお教えをしていただきたい。
 それから、遠藤参考人、いわゆる第二種電気通信事業者として警察庁ともいろいろお話をなさって、規制がないよりはあった方がいい、じゃ憲法に基づいた通信の秘密だとかそういう別法でという懸念、これはまさに私もおっしゃるとおりだと思いました。大体、法律をつくるときに、立法の趣旨というものとそしてそれを実際に運用する現場の警察官、これは非常にばらつきがございまして、裁判にかかって無罪になったとかではちょっと、その間に信用失墜とか実質上の業務停止、新しい産業だけにそこいらを非常に私も危惧しております。
 私自身の体験で言いますと、公職選挙法という法律があります。これは金銭、酒食等で公正な投票を阻害されてはいけないというのが立法の疑旨でありますけれども、現実問題、選挙をやる者として、現場の警察官は警察手帳を見せて田村公平がおまえ戸別訪問したんじゃないかと、戸別訪問していなくても。田舎の有権者は、普通に会う警察官というのはスピード違反とか駐車違反ぐらいなんですよ。私服の刑事にこうやってやられたら現実問題もう何にもできなくなる。一種の選挙妨害にすらなり得るようなことを自分自身が体験しているだけに、参考人のお立場で言いますと第二種電気通信事業者ですから、ちょっとこういうことはどうなっているんやと。それは知った時点でとおっしゃいますけれども、お上ですから、どうなっているんやと聞かれただけで、ある部分手足がなえてしまうようなことも私は容易に想像がつくような思いがするものですから、そこいらの生の、事業者として、もちろん健全でなければ発展はしないわけですけれども、とはいいながら現実問題、企業を運営していく、会員の方々のことを考えたときに、もう少しそこいらの本音の部分がお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○参考人(堀部政男君) ただいまの先生の御質問につきまして幾つか申し上げたいと思います。
 まず、OECDでありますが、先ほど申し上げましたように、一九九六年の二月にキャンベラでこの問題だけではなくもっと広く情報問題について議論をいたしました。そのとき以来、この問題をどう扱うかということが関心事になっております。
 昨年の一月二十七、二十八、OECDの専門家会合が開かれましたときに、ベルギー政府からは、条約をつくるべきである、こういう提案もなされました。また、フランス政府は、国際協力協定をつくっていくべきではないか、こういう提案も具体的にあったわけであります。それに対しまして他の国は、それぞれ各国対応している、あるいは対応しつつあった段階でありまして、もう少しそれぞれの状況を見た上で考えるべきではないかというようなことで、OECDの専門家会合では引き続きこの問題を検討していくということになりました。
 私が属しています専門家会合の親委員会でありますICCPという情報・コンピューター・通信政策委員会の方で、昨年の七月に会議を開くということをいたしました。また、十月にも会議を開く。そこにまた各国それぞれ持ち寄りまして議論をしたところでありますが、なかなか統一した行動というのは難しいという状況にありまして、各国の経験あるいは情報をお互いに交換するということにとどまっております。
 それを踏まえまして、先月三月にまたOECDと、これはビジネス・アンド・インダストリー・アドバイザリー・コミッティーという民間団体がありまして、そこの共催でインターネットの問題の自主規制についての国際会議がありまして、日本からも出たと聞いております。
 そういうようなことで、OECDでは今のところまとまった見解を出すに至っていないという状況にあります。そうした議論を私自身がしてきているということもあり、また郵政省の場合、先ほど申し上げましたように電気通信事業法との関係でどうするのかということがなかなか結論が出にくいというところがあります。そこで、引き続きこの問題を検討していこうということになりまして、二回引き続き検討いたしましたが、法規制ということを提案するまでには至っていないというところであります。
 その一つは、先ほど言いました表現の自由とのかかわりというのも、そういうことを非常に強く主張される方もおりますし、また法を、プロバイダーの責任をどうするのかということにつきましても、先ほど遠藤参考人が言われたようなことが出てまいりまして、なかなか法律の中に何か書くというのがまだ熟していないような状況だと判断いたしました。
 私自身、例えば電気通信事業法の中に電気通信事業者の責任というものを条文として書くとすればどういうことになるんだろうかということで考えてみましたが、なかなか表現が難しいというところで引き続き検討をということになっております。
 それから、わいせつにつきましては、御存じのとおり「チャタレー夫人の恋人」で最高裁が示しました三要素がございまして、それが日本ではわいせつの定義として使われております。その定義も、その時代時代に応じて実際の適用の面では変わってきているというふうに見ております。
 わいせつにつきましては、先ほど前田参考人が言われましたように、法的には確立していると思います。ただ、実際の適用におきまして、変化してくる状況にどう対応するのかという点ではさまざまな議論が行われております。
 これは他の国におきましても同様でありまして、このあたりは先生御指摘のように、いわば性というのは人類の基本にかかわることですし、それぞれの国の対応の仕方も異なるのは当然かと思いますが、こういうインターネットで情報が自由に行き交うような時代になってまいりますと、やっぱり何かできるだけ調和のとれた基準みたいなものが考えられていくべきではないかというふうに考えております。
○参考人(前田雅英君) 御質問の件ですが、一つは、わいせつの基準は今堀部先生が御説明になったとおりなんですが、動きますので、我々が講義するのでも、戦後、映画でキスシーンがわいせつだったわけですね。今は道端でやったりするわけです。確かに動くし、最近の例でいえばヘアが出るのがわいせつだとして取り締まっていたのがやめたりしています。
 ただ、動くからといって基準がないということでは私はないんだと思うんです。少なくともその業界の人にとっては基準は非常に明らかで、そのぎりぎりのところで押しつ戻りつつばぜり合いをやっているわけですね。この程度までは大丈夫だとちょっとボールを遠くに投げてみて、たたかれて、許されたから先へ行く。
 ただ、いずれにせよこの法律では営業としてやる人を対象にしていますので、どこまでがわいせつかどうかということで行動がシュリンクするとか表現の自由がという議論は、私は現実性がないのではないかという気がするということでございます。
 あともう一つ重要なのは、今プロバイダーがコミットしなきゃいけないわいせつという概念のほかに、もう一つ、有害情報ですね。これももっとあいまいといえばあいまいなんですが、やはりそれは、家庭内でお子さんやお孫さんが自分でスイッチをひねって見ているものとして許されるかどうかというふうに考えてみたときに、そのコンセンサスができてくるし、これも業界ですから。そうすると結局、今青少年に見せてはいけないものというのはある程度スタンダードでできているわけですね、指定している。それと同じような基準をそのままインターネットに持ってこようというだけですので、それほど不明確になるという御懸念は無用ではないんですが、余り強く考えなくてもいいのではないかというふうに私は考えるということでございます。
 それから、プロバイダー二社というふうにとらえたとするとあれで、私が専門家から聞いたのでは三社から五社というふうに聞いているんですが、そこにかなりわいせつなホームページが集中している。これはもう何万という数に恐らくなるんだと思います、ホームページ自体として見ますと。しかし、業者としては非常に限られたところである。大部分のプロバイダーというのは非常に健全な情報に限って、それからチェックもしている。
 ところが、一部のプロバイダーは、それによってヒット率といいますか要するにテレビでいえば視聴率ですが、それを上げる最大の道具はわいせつですから、かえって奨励しているプロバイダーがあることは事実なんですね。そういうものに対して表現の自由という名のもとに何の規制もできない、これはおかしいと私は思います。今回でも十分知って、しかも恐らく現実に行われる手段としては、警察からこんなに流れているんで、これはわいせつ画像ですよというのがそのプロバイダーにいって、プロバイダーにとめさせるという段階になると思います。
 芸術家が見てこれがわいせつかわいせつでないかというような、子供にまずいかどうかというようなことを迷うかもしれないというような議論があるわけですが、今回は業者ですから、自由に見せようとか芸術の表現としてというような人たちではなくて、それによってお金を取ってもうけようとしている人たちにとってコントロールするという意味で特定のプロバイダーに対してこういう非常にえんきょくな義務を課すということは、私は問題はほとんどないというふうに考えております。
○参考人(遠藤毅君) ただいまの御質問にお答えする前に、我々の事業形態をちょっと御説明しておいた方がいいかと思います。先生方もちょっとお間違いになって発言していると思うので。
 プロバイダーの形態としましては、お客さんにアクセスをさせるプロバイダー、ゲートと言いますけれども、電話をかけさせてきている、それを専門にしているプロバイダーと、要するに画面が入る倉庫となりますサーバーという入れ物を貸す倉庫屋さんとなるプロバイダー、それからコンテンツという倉庫の中身をつくる人たち、こういうふうに分かれております。ほとんどのところが最近はコンテンツプロバイダーというのを兼業することが始まりましたけれども、アクセスプロバイダーから始まっております。
 我々会員の方の実態を見ましても、アクセスプロバイダーとサーバー貸しのプロバイダー、要するに運送屋さんと倉庫業というところから始まっておりまして、その中身をつくる、今問題になっておりますのは中身の問題で、荷物の問題なんですね。そこのところがございますことをまずお話ししておかなきゃいけないと思います。
 それから、御質問の点でございますけれども、我々のガイドラインを見ていただきますとわかりますが、我々はもう一昨年から実はお客様とそういうような問題に両挟みになるわけですね。両挟みになっているのが事業者ということだと思います。事業者にはお客様が確かに悪いものを見ればいろんなクレームが来ます。
 それから、警察の方も来るという形になるんですが、その捜査の方に関しましては、我々は要するに強制捜査、令状を持って、しかもその令状が通信の秘密を侵さない、その本人だけとかという個人のプライバシーの問題もございますけれども、そこの問題だけであれば当然国民の義務ですから強制捜査に対しては対応すると。それから、任意捜査に関してですが、これは通信の秘密に属する場合には訴追が免れないという判断をいたしまして、それは基本的には協力してはいいんですが、判断で協力してよろしいということを我々はうたっていますが、原則としてはこれは通信の秘密の部分だけはお断りしましょうと。
 それから、先ほど言いましたように、情報を見せるサーバー貸しというか、ホームページという、街頭に出ている掲示板のようなものを載せる。これの内容については通信の秘密に当たらないのではないか、こういうような解釈をして、ガイドラインをつくっております。
 以上でございます。
○田村公平君 どうも、参考人の方々、ありがとうございました。午後からの審議に役立てたいと思います。
 終わります。
○小山峰男君 民友連の小山峰男でございます。きょうは、三人の先生方、大変お忙しいところ、御苦労さまでございます。
 私は、まず堀部先生と前田先生にお聞きしたいと思います。
 現在の世相の中で、わいせつというような問題だけでは解決しない問題が多いというお話がございました。先ほどの幼児ポルノだとかあるいは暴力だとか、あるいは爆弾の製造方法を教えるとか、考えると世の中に害を流すというものは相当あるというふうに思うわけでございます。
 今回はわいせつを主題とした法規制というふうになっているわけでございますが、今言われたような問題をやるとすれば、風営法だけではもうとても手に負えないだろうというふうに思っているわけでございまして、私はこれらの問題はやっぱり青少年の健全育成という観点からいろいろな問題を総合的に考えるべきではないかというふうに思っておるわけですが、お考え方いかがかという点をお聞きしたいと思います。
 それから、遠藤参考人には、先ほど、自主的措置について他の法律で訴追されるというようなことがあっては業者としてはやりきれないというお話があったわけでございますが、これ、何かいい方法といいますか、例えばそのものを、警察と言っていいのかどうか、そういうところで判断してもらって責任はその人にというようなことが考えられるのか、られないのか、その辺のことについてお聞きしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○参考人(堀部政男君) ただいまの小山先生の御質問についてでありますが、欧州連合で議論をしてその結果を文書にしているものがあります。
 そこでは、インターネット上の違法な情報の範疇に含まれるものとしまして、児童ポルノは当然挙がってまいりますが、それ以外にこういう言い方をしております。
 国の安全保障ということで、その括弧の中で爆弾のつくり方、麻薬の製造方法、テロ活動を扇動するもの。次が未成年者の保護ということで、またそこの括弧の中で、悪質な販売行為、暴力、ポルノ。それから次に人間的尊厳の保護ということで、人種間の憎悪や差別を助長するもの。最近このヒューマンディグニティーというような言葉もかなり使われたりしておりまして、国際会議ではこれどうするのかということがよく問題になってまいります。
 次が経済的安全性ということで、また括弧しまして、詐欺、クレジットカードの偽造を教示するもの。それから次が情報の安全性で、悪質なハッキング。プライバシー保護ということで、個人情報の不正利用、電子的ハラスメント。それから次に名誉の保護ということで、中傷、違法な比較広告。最後に知的財産権ということで、これは著作権保護を受けているものの無許可での流通、こういうものを挙げております。
 これは欧州連合でつくった文書でありますけれども、これなどもいろいろ私どもも検討してみておりまして、このうち日本で現行法で対応できるものは何かということも考えていかなければならないところでありますが、欧州連合が全体として、イリーガルコンテンツとして問題にしていますのはかなり広いものになっております。日本でいいますと違法なもの以外に公序良俗に反するようなものも含めて検討の対象にしているというところがあります。
 幼児ポルノにつきまして、先ほど前田参考人からも出てまいりましたが、こういうこともありますので申し上げておきたいと思います。
 これはそういう国際会議などに出ていますと、日本から発信されている情報の中に幼児ポルノ、チャイルドポルノがかなりある、これはそれぞれの国でそれを受けているわけでそれぞれの国では違法である、なぜ日本はそれを規制しないのか、こういうことをよく聞かれます。ホーム・ページの上にorドットjpというのがついたりしているので、これは明らかに日本だ、こういうふうに指摘されるわけであります。日本の場合には幼児ポルノそのものを違法とする規定はありませんで、刑法百七十五条のわいせつ罪に該当すれば処罰する、そういうことであるとまず説明をするわけであります。そうしますと、幼児をきちんと保護しないのかというようなことで、何となく日本というのは子供を大事にしないというような見方をされるというところもあります。
 この議論は、例えばイギリスにはインターネット・ウォッチ・ファンデーションという民間のインターネットを監視している機関がありまして、そこにも行っていろいろ意見交換しますと、日本のこれとこれは明らかにイギリスの法律に違反している、日本はなぜそれを放置するのか、こういうことも言われます。
 その話はいろいろな機会に私もしてきているところでありますけれども、そういうふうにそれぞれの国の対応の仕方が異なりますところを一体どう調整していくのかということもこれから国際的には、これからというより既にいろいろ議論は進んできておりますが、さらにこれからも国際的に検討をしていく必要がある問題であるというふうに考えております。
○参考人(前田雅英君) 非常に重要な御指摘、御質問だと思うんですが、今の幼児ポルノも一つでして、幾つかの政党の方に御説明を申し上げたことがあって、この委員会とは直接関係ない議員立法をしている幼児ポルノの関係でちょっと御説明を申し上げたことがあるんですが、インターネットに絡むものとして暴力、性全部を一まとめにして、何か立法しようというのは、できればそれが一番いいわけですが、私は現状では非常に意見の調整とかすり合わせが難しいので、モザイク状ではありますが、できるところから問題のない形でそれぞれの部分できちっと規制していただくのが一番合理的なものだと思うんです。
 その中で、この法案というのはインターネットに対して法的に踏み込むという意味では画期的なものになるわけです。これができますと、ほかの法規制、例えば幼児ポルノをインターネットに載せたことに関してどうコントロールしていくかというような議論に非常に大きな力になっていく。その意味で、この委員会の審議というのは非常に大きな意味を持っているというふうに考えております。
 あと、先ほど遠藤先生御指摘のように、プロバイダーというのはいろんな種類があって、私なんか念頭に置いて、わいせつ画像のときには場所貸し、サーバー貸しとかホームページをコントロールするものを中心に考えているわけですが、今問題になった暴力とか、それから薬物の売買とか、それから爆弾のつくり方みたいなものというのは、むしろ別のタイプのEメールのやりとりを管理するようなプロバイダーの仕事の方にかかわってくるのかと思います。
 ただ、今回の議論に関して言えば、やはりわいせつな画像みたいなものを知ったらばやはり明確に違法だというものに関してはコントロールしていただくという範囲にとどめておくというのが合理的で、その意味でのプロバイダーというのは、私なんかのイメージとしてはホームページを中心としたものを考えているということです。
 ちょっと委員の御質問とずれてしまって恐縮ですが、確かに暴力その他のことに関しての議論もぜひこちらから先生方に関心を持って取り組んでいただきたいというふうにお願いしたいと思います。
○参考人(遠藤毅君) 御質問の趣旨は、ここにおられる堀部先生が昨年、一昨年とやられています郵政省の情報流通ルールに関する研究会の報告書で、実はナショナルセンターみたいな苦情処理機関みたいなものができてというようなことの提案がそこには書かれております。我々としても今ガイドラインができたからいいということではなくて、我々がこれをどうやって運用して実効性を高めたらいいのかというのはことしの課題として研究するつもりでおります。
 確かに、どこかへ行って我々が問い合わせをして、これは何だという判断をいただいて、それで自分たちの行動をそのまま実行するということがあれば訴追される危険はないわけです。それか、そういうような人間が各社に、教育をして、それが毎年研修して、判断をする人がいるとか、何かそういうことについて我々は研究していきたい、今後至急研究していきたいと思っております。今年度の研究課題には入るかどうかわかりませんが、今年、来年に続けてその研究課題をぜひやっていきたい。これらについても実はOECDとAPECで我々このガイドラインを紹介いたしましたので、外国からのいろいろな情報も取り入れていきたい、こういうふうに考えております。
○小山峰男君 どうもありがとうございました。
○委員長(藁科滿治君) 参考人の方、大変恐縮でございますが、簡潔な御答弁をいただいておりますけれども、十分間の質疑でございますので、なお一層御協力いただきたいと思います。恐縮でございます。
○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。では簡潔に私も質問させていただきます。
 まず、堀部先生、先ほど今回の規定の評価をされましたけれども、概括的でなかなか基準としてわからないのではないかというお話もあったと思います。
 そこで、アメリカの昨年の通信品位法、これはわいせつと下品な、大体日本のアダルト物は下品なというような概念に入るようですが、それについてはFCCなりあるいは議会の議事録を見なきゃわからない、だからこれはあいまいだから違憲であるというような判決が出たと思いますが、同じような志向性のお話だったかなと思ったものですから、この判決の評価についてちょっと教えていただければと思っております。
 それから、前田先生、先ほどプロバイダーの業者の中で暴力団に関与しているところもあるというようなお話でございますが、これはかなり実証的にきちっと検証されているんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
 それから、遠藤先生、今苦情処理機関というようなお話がございましたけれども、放送局もNHKあるいは民放連で自主的な苦情処理機関ができました。そういうようなものを目指しておられるのか。それには、放送ではプライバシーの問題が中心でございましたけれども、非難、中傷であるとか、そういうようなものまで含まれてくるのか、あるいは危険な情報まで含まれるのか、ちょっとお教えいただきたいと思います。
○参考人(堀部政男君) ただいまの魚住先生の御質問でありますが、アメリカのテレコミュニケーションズ・アクトという一九九六年の法律、その第五編がコミュニケーションズ・ディーセンシー・アクト、これを日本では通信品位法などと訳しております。
 そのうち違憲であると主張されましたのが二つの言葉でして、一つはインディーセントというものであり、もう一つはパテントリー・オフェンシブというものでありました。このインディーセントというのが日本では「下品な」、ディーセンシーに対するものですので「下品な」と訳しておりますが、日本語で言う「下品な」というよりもやはり「卑わいな」という部分も少し含んだ概念であるというふうに私は理解しております。
 これにつきましては、連邦議会がこういう規定を入れましたのは、今、先生御指摘の放送の分野でパシフィカ・ファンデーションという判決がございまして、そこでは放送においてはインディーセントな表現を規制してもこれは合憲であるという判決が出ております。それをインターネットといいますか、あるいはパソコン通信やなんかの分野で、そういうところでインディーセントを入れても合憲だというのがその法案にその言葉を入れた立場の方の意見でありました。
 それに対しまして、アメリカの市民団体、それからインターネット関係の事業者も含めまして原告になって訴えを提起するということになりまして、その際に実際にこれはアメリカで意見交換もしてまいりましたが、インターネットと放送とは違うということを相当強く主張しまして、裁判官もそれを認めて、インディーセントというものあるいはパテントリー・オフェンシブというものはやはりあいまい性、漠然性ゆえに無効、違憲、あるいはボイド・フォー・ベーグネス、漠然性ゆえに無効、こういう判例上の判断基準に従って憲法違反である、こういうことを言ったわけであります。
 日本の規定は、そこがかなり性的好奇心とかあるいは衣服を脱いだ者というようなことで、かなり具体化しているというふうに私は見ております。
 しかし、恐らく今後運用していく段階になりますと、もちろん実際に適用を受ける、あるいは届け出を義務づけられる人たちというのは少数だと思いますが、そういう人たちがやはり十分理解できるような解釈基準のようなものを示すことによってこのあたりをより明確にしていただきたいというふうに考えて、先ほどそういうふうに申し上げました。
○参考人(前田雅英君) 簡潔にお答えいたします。
 この参考資料にも私の論文を引用していただいているわけですが、具体的に株式会社になっているプロバイダーの株のかなりの部分を暴力団ないし暴力団舎弟が払っているといいますか、シェアしているという実証的な事実がございます。それから、それ以外にもやはりその内容とか関連する産業、裏ビデオとか、そういうものとのつながりとかから見て暴力団との関連性が非常に強いと客観的に推定されるものがたくさんあるということは間違いない事実です。
○参考人(遠藤毅君) 苦情処理機関について、今民放連とか映倫とかいうような形のようなものを考えているのかという御質問に対しましては、今現在我々の中で意見があることは、事業者だけで判断をするとかいうことはできないだろう、ですから何とかニュートラルで透明性のある第三者的な機関、それをつくるためには我々が努力して協力することもやぶさかじゃないというのが大半の意見だと思います。
○魚住裕一郎君 終わります。
○渡辺四郎君 社会民主党の渡辺でございます。
 三人の先生方から見れば私らは全くの素人であるものですから、大変初歩的な質問になるかもしれませんけれども、特に遠藤参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほどの御意見の中で、特に調査義務を課さないようにという御意見がありました。
 これについてでございますが、これはお話がありましたように、一つは電気通信事業法、この通信法の内容を読んでみますと、国または公の機関は電気通信事業の取り扱い中に係る通信の内容を調べることはできない、こういうことで、これは禁止行為として明確に電気通信事業法にもうたわれておる。こういうことの中で、例えばおかしいんじゃないかということでプロバイダーの方に警察の方からひとつ調査をしたらどうかというようなことがおってはならないという、私もそのとおりで、これはもう事前事後を通じて調査をすることは一切あってはならない、こういう立場に立っておるわけですが、現在、自主規制もやられておりますし、業界自身のガイドラインも持っておられますが、今日まで幾つか意見があったと思うんですけれども、何かそこで争いになったりあるいは紛糾したりというような事案があったでしょうか。
○参考人(遠藤毅君) 私どもの方の事例、要するに捜査に関する事例としましては、つい最近、これは新聞報道なんですが、ベッコアメさんの方であったのは、実は強制捜査なんですが、捜査令状の方が広範囲に全台帳みたいな形で書かれていた。それで、それを持っていってしまったんですが、その中の本当の被疑者というのはごく一人とか何人とかだった。そういうときに、やはりそれ以外の人のやつを出さないようにというようなことはあったかと思います。こういうお答え方でよろしゅうございますでしょうか。
○渡辺四郎君 いろいろ参考人の先生方を中心に出された文献等も読ませてもらいました。今の自主規制、ガイドラインの中で、かなり一〇〇%近く解決しておるというような文献も読ませていただきました。
 それで、やっぱり私らが一番心配するのは、今遠藤参考人からもお話がありましたし、堀部参考人からもお話がありましたが、今度の法律の中で、わいせつという定義ですが、これが何なのかということもないし、それはあくまでプロバイダーの判断にゆだねるというようなことになりますと、なかなかやっぱり難しさがある。それに片一方では、電気通信事業法で枠がはまっておるという状況でありますから、先ほどお話がありましたように、板挟みになるというのは三つも四つも事柄が重なって、そういう状況が出てくると思うんですね。
 ですから、私らもできるだけこれを実施していくということになれば、わいせつという定義についてやっぱり業者、業界の皆さんが一見すればすぐわかるというようなことを示さなければなかなか大変なことになると思うものですから、申し上げましたように調査義務についてはこれは私はやっぱり絶対にかけちゃいけないと、こういう立場で申し上げました。
 以上で私は終わります。
○参考人(遠藤毅君) 私どもの要望を理解していただきまして、ありがとうございます。我々の方もその調査義務の観点が事前事後にも及ばないようにということは懸念していることでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○渡辺四郎君 終わります。
○有働正治君 本日はありがとうございます。大局的に大変貴重な御意見で、それぞれのお立場、理解できる内容でございました。とりわけ今、性をめぐる異常な事態というのはこれからの日本社会の発展の上でどうしても解決が迫られている国民的な課題である、これは各分野においてそれぞれ全力を挙げて取り組まないと日本社会は大変な事態になり得る、そういう点からいったら国民的なそれぞれの立場からの世論と運動を含めましてやはり取り組まなければいけない課題ではないかと、この点ではそれぞれの参考人の方々も同じ立場で御尽力されていると理解しているわけであります。
 堀部参考人にお尋ねしますけれども、プロバイダーに対する規制、一定の緩やかな規制と申しましょうか、そういうものとインターネットの発展とのかかわりで今回のような法改正が行われた場合、インターネットの発展の障害なり阻害なりとのかかわりはどういうことになるのかということであります。
 先ほど解釈基準をある程度示すなりしていただく必要があるのではないか等々お述べになられましたけれども、そこらあたりをきちっと示せればその点で少し阻害要因が緩むのかなという気もしないわけではありませんけれども、この点いかがでございましょうか。
○参考人(堀部政男君) 有働先生御指摘のとおりだと思います。
 先ほどは有害な情報といいましょうか青少年に対するもので申し上げましたが、もう一つのわいせつ情報について知ったときということ、それは既に議論があるところでありますが、いろいろ意見交換を行ったところでありますけれども、ここがまさに電気通信事業法との関係で問題になりまして、電気通信事業者の場合は三条の検閲の禁止、四条の通信の秘密の保持ということが義務づけられております。
 この点につきまして、パソコン通信の時代からこれが非常に大きな問題になってまいりました。それまで電話の場合には一対一で、それはまさに通信の秘密ということで議論になってきたところでありまして、そこはやはりそのままにしておく。それに対して、パソコン通信で掲示板に何か書き込むというものについて、パソコン通信の運営者も電気通信事業者になりますので、中身を見ていいかどうかということが大問題になってまいりました。
 そこで、私は個人的には、従来の一対一の通信とは異なる概念、一つの道具概念としまして公然性を有する通信というふうに言葉をつくってみまして、その場合には検閲の禁止あるいは通信の秘密というのは及ばないのではないかと。これは情報を発信している側がより広く見てもらいたいということで公開しますので、そこには及ばないのではないか。そこの解釈がもとになりまして、テレコムサービス協会の会員社でありますコモンキャリアなども中身については見ることができるというところまでは来ております。
 しかし、それを常に見ていなければならないのかということになってきますと、それは非常に大きな負担になるというのが私が聞いておりますプロバイダー側の主張でありまして、そこを今度の法案では「知ったとき」ということで、多分苦情が来たとかということをとらえて調べる、こういうことを指しているのではないかと。そういうふうにまた解釈をしなければ非常に負担もかかりまして、先生御指摘のようにインターネットの発展を、前田参考人の話からすれば阻害しないということになるのかもしれませんが、そういうインターネットの発展を阻害する側面は少しはあるのではないか。
 既に、実はプロバイダーは二千五百社ぐらいありますが、これは遠藤参考人にお聞きした方がいいんですけれども、必ずしもこれは採算がとれていないという話でして、七割ぐらいはほとんど営業していないというような状況にあるそうであります。そういう状況の中で、「知ったとき」というのを、常に調査義務を課するというようなことになってきますと、ますますこの業界から撤退する事業者がふえてくるのではないかというふうにも考えられますが、そういう意味では若干の阻害要因になると思います。
 ただ、多分この法案で意図しているところはそれほど厳密な調査義務ということではないというふうに理解しておりますので、その限りではそれほど大きな阻害要因にはならないのかなというふうに思っております。
○有働正治君 前田参考人にお尋ねいたします。
 法改正の内容を方向づけたと思われる昨年十二月の「時代の変化に対応した風俗営業の在り方について」の報告書がありますけれども、その中で通信の秘密と表現の自由というここのかかわりについて一定の議論が行われたんではないかと思うのでありますけれども、そこらあたりがどういう状況なのか、またそれを踏まえて大体どういう方向をお示しになったか、できれば簡潔にお示しいただきたい。
 それから、遠藤参考人にあわせてお尋ねしますけれども、先ほどいろいろ業界としての懸念なり心配事をお述べになられました。当局ともいろいろその点でこの間折衝に努めてまいられたということでありますけれども、その結果皆様方の御心配なり懸念は大体おおよそ解消されたのか、あるいはもっと明確な基準その他をもう少しお示しいただいて具体化していただくとその点が氷解すると申しましょうか、非常に仕事のかかわりでは解決すると、そこらあたりはどういうお感じでおられるのか、お二人にお尋ねいたします。
○参考人(前田雅英君) 通信の秘密、表現の自由というのは法律家にとって非常に大事な概念で、青少年の健全育成とどちらかということではなくて両方大事な概念で、盛んに議論がなされたわけです。
 この問題に直接関連する部分としては、通信の秘密に関しては、先ほど遠藤先生から御指摘がありましたように、ホームページ型のものというのは二当事者間の秘密という感じではなくて外に向かってオープンにするものですから、これについて従来型の通信の秘密的な議論はそれほど問題にならないということでコンセンサスがあの委員会ではできたんだと思うんです。
 あと表現の自由に関して言いますと、芸術的表現とかいろんなことを含めてわいせつ表現との切り分けは非常に難しいわけですが、現に問題になっているものというのは、特に業として行うようなものに関して言えば、これは明らかに保護に値する表現の自由の範疇を超えている。要するに、わいせつな画像を発信してそれによって金もうけをしようとする人たちに関して、それをある程度、かなり限定した、ここの法案で言えば従来の風営法で使っている基準で切り分けていくわけですが、これで切ることが表現の自由を侵すことにはならないという議論であると思います。
○参考人(遠藤毅君) 今までお話しいただいた中で意見を入れていただいたというのは、わいせつに限って、我々代行業者の問題、わいせつ及び有害な方まで広げていないというところなどがございます。
 ただし、先ほどから申し上げましたように、わいせつならわいせつの基準、それから有害なら有害の基準というのが具体的に、我々も十一地区、全国に地区の会がございますけれども、それぞれに皆さんがわかるような形でお示しいただかないともう我々は判断に困る、判断が一律にならない、そういうようなことで、そこらあたりが一番かと思います。
○有働正治君 どうもありがとうございました。
○高橋令則君 三人の先生方には御苦労さまでございます。
 端的にお聞かせをいただきたいんですが、今度の風適法の改正の対象となっている画像なんかを見ましてちょっとびっくりしているんですけれども、ああいうことが放任では困るなというふうな認識をしております。それは恐らく先生方も同じではないかと思うんですね。
 ただ、そうはいいましても、インターネットの世界、そして電気通信の世界でそれが別な意味で法の利益を阻害するというのもぐあい悪いと思うんですね。
 それで、一つは堀部先生にお尋ねしたいんですけれども、この風通の今度の案でない形で、電気通信法の世界で別の形でこういうふうな法益を守る方法が、自由にできるというんですか、業界の中でできるのかわかりませんけれども、風通の世界ではなくて別な世界でそういうふうな法律というかあるいは法益、法律の利益、全体の利益を守る方法が、代替的なというのは変ですけれども、そういう方法があるかどうか。それは、一つは国際的な問題もあると思うんですね、その比較もあると思います。それからもう一つは、業界の中で、いわゆる自主的な規制によって法的以前にそういう利益を守る方法があるかどうか、それを遠藤参考人にも、お二人にお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(堀部政男君) ただいまの高橋先生の御質問に電気通信事業法との関係などで申しますと、電気通信事業法は先ほど申し上げましたように、従来の一対一の通信を基本にしている関係でむしろ通信の内容にはかかわらないという建前になっております。アメリカの方ですとコモンキャリアという言い方をいたしまして、ともかく情報を運ぶだけ、こういう考え方でありまして、何か電気通信事業法の中に内容規制を入れるというのはやりにくいところはあります。そこで、事業者でありますプロバイダーに何らかの責任を課するようなことはできないかということで議論をしてみましたが、まだ結論には達しておりません。
 この問題、先ほど申し上げましたように、欧州連合、それからOECD、各国それぞれ議論がありまして、各国それぞれの対応をしております。なかなかこれがベストだという方法はないわけでありますが、それぞれのところ、政府関係できちんと総合的に議論をしてみて、今、何が必要なのか、何を守るべきなのか、何を規制すべきなのかということをしていくという方法もあったのではないか。今回こういう形で、風営法の改正という形が出ましたので、それは一つの方法であろうというふうに考えております。
○参考人(遠藤毅君) 今、実効性、要するに我々ガイドラインをつくって自主規制をしようと。ということは、二年前にそろそろもう自主規制をしないとたまらぬという話も出てまいりまして、我々必要に迫られてこのガイドラインをつくっていったわけでございますけれども、その間に各国での法律の状態などを調べてみますと、正しいかどうかわかりませんが、ドイツのマルチメディア法なんかでは、要するにそういう自主規制そのものを国がオーソライズしてくれて、そこへ全部入って自分たちで決めて自分たちでやりなさいよと、こんなことをドイツの場合は決めていると思います。そういうのも一つの方法かなとは思いまして、自主規制をやらせるんだったらそこに実効性をあるようにするということがそうかと思います。
 今インターネット事業者だけで二千五百社、我々二種事業者で五千を超えております。その中、我々が組織していますのは四百二十五社でございます。ですから、その他のものが大分あるということでその実効性というものは疑問視されるかと思いますが、我々も今土地区で実はこのガイドラインの説明会を次々と開催しておりまして、我々会員ばかりじゃなくて非会員に対しても出席を促している、こういう状況でございますが、この実効性がこれからの問題になってくると思います。
○高橋令則君 前田先生、今お聞きになりましたように効果的な規制といいますか、風適法によらない刑法とかいろんな法律でやっていく、そういうふうな集積によって形成されていってこういうふうな、あえて風通でやらなくてもいいじゃないかという議論もあるわけですけれども、聞いているとどうも代替性もちょっとなさそうですし、他の世界で法益を守るということも難しいように感ずるんですが、この辺についての先生の御意見を。
○参考人(前田雅英君) 先ほども申し上げましたように、いろいろな分野で御議論をいただいて、まずいところを直していっていただくということは非常に大事なことだと思うんです。私の専門である刑法の世界というのはやはり最後の最後で、非常に刑罰も重うございますし、こういう刑罰の前に措置を命じて、それに対して従わない場合に副次的に刑罰が出てくるようなソフトな対応をまずやっていただきたい。
 それから、これはこの関係の学生なんかも含めてですが、非常に関心のある立法だと思います。これで非常にソフトではあるが一歩出るということで、これができることの波及効果によってほかの分野での規制にも動きが出てくると思いますので、繰り返しになりますが、私はこの規定を早急に通していただくということが非常に重要なことであるというふうに考えております。
○山口哲夫君 新社会党の山口と申します。きょうは大変ありがとうございました。
 まず、遠藤先生にお尋ねをいたします。
 青少年に対してというのであれば、これだけでは不十分でないかという先ほどお話がございましたので、もう少し具体的にその対策はどうしたらいいのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(遠藤毅君) ここで我々に課せられているのはわいせつということだけでございまして、我々もガイドラインをつくる際に違法な部分と、その大きさの上に有害な部分というのがある、これは成人に対して有害なんです。それから、青少年に有害というともっと範囲が広くなってくるわけですが、そういうようなことに対する基準なりなんなりというものをもっと議論していく必要があります。それから、これでは、わいせつというところを処理するだけで不十分ではないかと申し上げたわけでございます。
 当然、我々事業者も親でございますので、我々の常識といいますか、良識の範囲でそういうような問題には善意で対処していこうというガイドラインを示しているわけでございます。
○山口哲夫君 前田先生にお尋ねをいたします。
 新聞によりますと、今回の法改正は抜け穴があることは否定できない、そういうようなことも書かれてありました。しかも、警察関係者の中からもそういう声があるということがありましたけれども、具体的にどういうことが考えられるんでしょうか。抜け穴というのはいろいろあると思うんですが。
○参考人(前田雅英君) 一番多く指摘されるのは、日本でとめても外国からどんどん入ってきて、子供はやっぱり外国のポルノを見てしまうではないかと。日本発信のものをとめても、外国のものが見られるではないかというようなことが一番大きく指摘されることなんですが、これについては先ほど申し上げましたように、実は外国のものというのはだんだんクレジットカードの番号を出さなければ中に入れないようになってきておりますし、この案も、日本のものもクレジットカードの番号を出さなければ入れないようにしようという案で、それをやりますと、かなり私は限定されてくるのではないかという気がいたします。
 それから、外国から送られてくるように見えて、何とかjpと書いてなくて向こうの何とかcomというアメリカ発信のように見えて、実は日本の業者が向こうのサーバーにおいてやっているものが非常に多いです。なぜかというと、日本語版が非常によくできていたりとか、モデルが日本人向けのものが非常に多い。こういうものもあるから抜け穴が多いといいますか、日本をきちっととめれば、そういうものは私はかなりとまってくると思います。私は一〇〇%これでとまるとは思わないんですが、かなり効果はあると。
 一〇〇%効果が出ない法律をつくるのは、抜け穴が少しでもある法案をつくることは不当であるというふうには私は考えないので、もちろん私としては、初めに申し上げたように、もうちょっと規定の目を細かくしていただいた方がという考えは持っておりますが、現状でこういう案が出ている以上、この案に賛成すると。それによって出ている穴というのはもちろんないわけではないけれども、つくるメリットの方がはるかに大きいという考えを持っております。
○山口哲夫君 無料の画像の提供、これは規制の対象外だというんですが、私ども先般実際に見せていただいたんですが、その無料のところを。非常にやっぱり問題もあるのでないかなという感じを抱きましたけれども、その辺はどうなんでしょう。抜け穴の一つと考えてよろしいのかどうか。
○参考人(前田雅英君) まさにおっしゃるとおりだと思います。
 私は、やっぱり無料の部分についての手当てというのは考えなければいけないと思うんですが、そこになりますと、先ほどいろいろな委員からも御指摘がありましたように、まさに表現の自由とか、芸術家が自分の趣味で外に出している、これは美であると思っているというものをどこまで規制していいかということで、非常に紛れが出てくる。ところが、業者として販売して金をもうける人たちにとっては、これは基準はかなりクリアになってくると思うんです。
 ですから、無料で出している人に対しては具体的にどう対処するかといいますと、それが青少年に有害という段階より一つ上の、刑法上わいせつに当たるということで、刑法百七十五条で処罰できるものについて捜査し立件してやって対処していただくと。そして、それに関しては、先ほども申し上げましたように、かなりの数が立件されて全部有罪判決がおりているということで、これは私は定着していけば、捕まって処罰されるということが彼らの仲間のうちでも認識されれば次第におさまっていく面はあるのではないかと。ただし、完全に穴を防ぐのは無理だと思っております。
○山口哲夫君 終わります。ありがとうございました。
○岩瀬良三君 改革クラブの岩瀬でございます。きょうは、諸先生方、本当に貴重な御意見をありがとうございました。
 それぞれの先生方に一問ずつ御質問申し上げたいと存じます。
 堀部先生でございますけれども、このインターネットの世界は国境がない世界なんで、世界が統一していろんな規制をやるのが一番これは望ましいことだと思うわけでございますが、先生がいろいろ国際会議等で御活躍いただいている中でも、先ほどのお話の表現をかりれば、国際協力にとどまっているというようなことなのでございます。それで、各国とも規制をしなきゃいけないという点ではある程度合意があるんだろうと思うんですけれども、基本的なところで各国の意見が異なるのか、技術的な面で非常に難しいのか、規制の面で難しいのか、各国との規制のあり方についてのいろんな会議等での事柄についてお話しいただければというふうに思うわけでございます。
 それから、前田先生でございますけれども、先生は十分とは思えないけれどもやった方がいいんだろうという御意見でございます。私も今インターネットにかかわらずテレビでもかなりもっと規制しなきゃいけないんじゃないかというような考えも持っておるわけですけれども、そういう中で、今度の風営法の改正、これは規制のあり方について各国の中でどの程度のランクというのですか、位置というのですか、なんでしょうか。日本としては初めてのことなんだろうと思いますけれども、そういう点でのお話をいただければと思います。
 それから、遠藤先生、業界としてこういう立派なガイドラインおつくりになった点、非常に大変だったと思うわけでございます。また、このガイドライン、国際的なところにも出してというようなことがどこかに書いてあったようにも思うわけでございますが、ごういつ中で、一面では各国ともまた競争していかなきゃならないという点があるだろうと思うわけです。先ほど堀部先生の七割ぐらい開店休業しているんじゃないかというようなお話もあったわけですが、そういう中で、先ほどナショナルセンターというようなお話もあったんですが、自主規制も含めて、これから業界として要望していきたい、そういうものがございましたら、ひとつお願いしたいと思います。
○参考人(堀部政男君) ただいま岩瀬先生の御指摘のうち、国際協力という言葉で言っておりますが、なかなかそこが実際には難しいという点は、それぞれの国に主権がある、当然のことなんですけれども、その範囲で法律をつくるということをしていますので、全体として法律をつくっていくとなるとやはり条約にしていくというようなことを考えなければならないわけであります。
 しかし一方では、自主規制を中心に、あるいはフィルタリングソフトということで実際に受けられないようにするというようなことを通してやるのを基本にすべきであるという考え方のところもありまして、そういうところからなかなか全体として歩調はとれないというところがあります。
 現実には、それぞれの国が処罰法規を設けますと、他の国の捜査機関がそれを見まして、インターポールなどを通して指摘をして実際に立件に至ったという例などもありまして、そういう国際的なというか、ボーダーレスになってきたがゆえに新たなそういう協力関係も出ているというところも見られます。
○参考人(前田雅英君) 青少年に関する性的な有害情報の規制という意味では、これは世界的なといっても国によってもちろんでこぼこはあるわけですが、非常に緩やかなものというふうにお考えいただいた方が私はいいんだと思うんです。
 誤解されがちなんですが、日本は性表現がヨーロッパやなんかより非常に厳しいというふうに考えられがちなんですが、ヨーロッパなどは青少年に対する性的な情報に関しては非常に厳しい規定、コントロールに置かれているわけです。
 まして、先ほど堀部先生からも御指摘ありましたように、幼児ポルノ、これに関しては日本の現状というのは世界的に見ると非常にいわば犯罪的な状況にあるといいますか、国際会議では必ず日本の代表がたたかれて帰ってくるというような状況にあると思います。
 その意味で、十八歳未満の者に関しての性情報をある程度コントロールするということ自体は世界のレベルから見て決して出過ぎたものではない。ただ、いろんな御懸念は、もうちょっと細かいレベルで御指摘があることはあろうかと思いますけれども、大きな流れとしてはそういう位置づけで考えていただいて結構だと思うんです。
○参考人(遠藤毅君) 私どもの方のこれからの希望ということでお話しいただいたかと思いますが、これらのことが我々事業者にとって実効性がなければいけないということで実効性を求める方法、我々の協会も非常に貧乏なものですからみんな手弁当で、ボランティアでやっているような状況でございますが、そういうようなことを、我々組織率も一割くらいしかないという状況下においてこの普及活動を全国にわたって小まめにやっていかなきゃいけない。そこあたりでやっていった結果としてまたいろいろお願いをするということを、先ほどのナショナルセンターの問題なんかももっともっと討議をした上で我々意見を出したいと、こういうふうに考えておりますので、その節はよろしくお願いいたします。
○岩瀬良三君 堀部先生にちょっと一問だけお願いしたいんですけれども、先生慎重な言い回しだったわけですけれども、方向としては自主規制の方向へ行っているというふうに解釈していいのかどうかなんですが、その点どうですか。
○参考人(堀部政男君) 各国とも、法的規制、自主規制、それから技術的規制、その大きく分けて三つを併用していると見てよろしいかと思います。そのために、特にアメリカでは昨年の六月二十六日に合衆国最高裁の違憲判決が出ましてから、クリントン大統領みずからフィルタリングソフトをもっと用いるようにということを出しておりまして、そういう形で技術的な対応も図るべきであるという状況が各国で出てきております。
 自主規制につきましても、それぞれの国でまたそういう団体ができまして、お互いに情報交換しながら、これは問題であるという指摘をしながらそういう情報を何らかいい方にしていくというような努力を重ねてきているということでありまして、法的規制というのは一つの重要な手段ではありますが、それのみでは青少年に対する有害な情報の送信などはやはり不十分でありまして、全体としてこの問題は考えていく必要があるのではないか。本委員会での御検討はこの法案でありますけれども、全体的な状況を踏まえてそのあたりの御審議が必要なのではないかと思います。
○委員長(藁科滿治君) 以上で参考人の方々に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な御意見を賜りましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしましてここに厚く御礼を申し上げます。
 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   年前十一時四十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十分開会
○委員長(藁科滿治君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、下稲葉耕吉君及び大渕絹子君が委員を辞任され、その補欠として長谷川道郎君及び瀬谷英行君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(藁科滿治君) 休憩前に引き続き、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村公平君 自由民主党の田村公平でございます。
 きょうは、警察庁御当局はもとより、国家公安委員長、そして建設、郵政、文部から説明員として来ていただきました。
 事は風適法の改正でありますが、その前に、けさの参考人質疑等でもありましたとおり、インターネットの問題等々が非常に重要な要素を置いております、ちょっと冒頭、総論を申し上げさせていただきたいと思います。
 今、性の問題、それからインターネットの問題、時代の変化とともにいろんな社会的な基準、要素が変わってまいります。例えば、私の小学校や中学校の時代には電子計算機もありませんでした。辛うじてあったのは、器械式のぐるぐる回すのと竹でできた計算尺でありました。今、学校教育においてもインターネットを通じて世界とアクセスできる、あるいは高度交通情報システム、我々これをITSと呼んでおりますけれども、これも広い意味でのインターネットであります。あるいは道の駅、道路から情報を受け取り、発信できる、これも広い意味でのインターネットであります。各省庁に置いてありますノート型パソコン、LANと呼んだりいろいろしますけれども、これも広い意味のインターネットであります。また、既に衆議院ではパソコンが議員会館の各部屋に納入されておるように聞いておりますし、参議院でもそういうことがこの六月ぐらいにやられようとしております。
 そういう中で、後段触れてまいりますが、インターネットにおけるわいせつの基準だとかポルノということを風適法だけで考えることが本当にこの国の発展になっていくいいことなのか。情報産業というのは、これから先二十一世紀を切り開く大変大きな武器になる産業であるというふうに私は認識をしております。
 かつてベータシステムとVHSと大きな戦争がありまして、技術的にはベータシステムがよかったのが、国際標準化ということでソニーのベータは敗れてしまいました。あるいはテレビの世界でも、ヨーロッパを中心としたPAL方式、そしてアメリカ、日本を中心としたNTSC方式。いずれにしても、この新しいインターネットというものを中心とした情報産業は、いずれかの時点で国際標準、そういうものをつくり上げていかなければならない大変大きなテーマだと思っております。その国際標準をつくり上げた国が恐らく来世紀の大きなリーダーシップを持つ、それぐらい大きな問題だと私は認識しております。
 その中で、どんと次元が下がるわけではありませんが、最も人間的な風適法の質問に入らせていただきたいと思います。
 そもそも前回の改正において風俗営業と風俗関連営業というふうに規定した理由、先般こういう一枚紙をいただきましたけれども、ここにも、いわゆるセックス関連産業で厳しく制限するものとか、適正に営まれれば国民に憩いを与える営業と、大まかなことが書いてありますが、前回規定した理由をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 御案内のように、現行風適法は昭和二十二年に制定された風俗営業取締法がもととなって、その後改正が繰り返されてきたわけであります。
 本法に言う風俗とは、いわゆる飲む、打つ、買うという言葉に代表されております人間の欲望についての生活関係を意味していると理解しておりまして、これを踏まえ、その業態から見て類型的に賭博あるいはわいせつ等、いわゆる風俗事犯の発生する可能性を秘めておる営業を総称して風俗営業と称しているわけでございます。
 他方、今御指摘の風俗関連営業は、昭和五十九年の改正により、ソープランド、ストリップ劇場など、直接性を売り物にする営業を規制対象にする際に、今申しました風俗営業とは別でありますがそれと関連しておる営業であるという趣旨から、風俗関連営業というふうに名づけられたと聞いております。
○田村公平君 そこで、今回の改正案では、先ほど冒頭、総論でも申し上げましたように、時代の変化、多様性にかんがみて風俗関連営業を性風俗特殊営業と、こういうふうに規定をしております。先ほど泉局長のお話にもありましたけれども、この後、実はピンクビラとかいろいろ話が細かく入っていきますけれども、性風俗特殊営業と性という字をきちっと入れて、あるいは無店舗型の性風俗営業と、こういうふうに差別化というんでしょうか区別化というんでしょうか、こういうことをした背景をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 今申しましたように、風俗関連営業というのは昭和五十九年の風適法の改正時にストリップ劇場、ソープランドなど、直接性を売り物とする営業を指すものとして定められ、すなわち従前の風俗営業とは別個のものであるという観念を持ってその趣旨で名づけられたものでありますが、昨今、これらの風俗関連営業において、性を直接売り物とする営業がいわば過激になり、いわゆるいかがわしさが増してきており、また実態としても性風俗店、性風俗営業などの呼称が一般化してまいりまして、先ほど申し上げました元来の風俗営業とは別個のものであるということが若干紛らわしくなってきたわけであります。
 今回の改正法におきまして、従前の規制に加えまして無店舗型の形態の営業も対象といたしたいと考えておりますが、これらのことからこの種の性に関する営業であり、かつ風俗の一部である性風俗にかかわる営業の中でも特別に、特殊な役務の提供、物品の販売を業とするものであるということを規定上も明確にしたい、そしてその上で風俗営業との差異を明らかにしたいという観点でこの紛れをなくすという趣旨から、性風俗特殊営業という名称を用いることといたしたものでございます。
○田村公平君 いわゆるまじめにやっておる風俗営業店にとっては、これはもう峻別化というか差別化できるということは大変結構なことだと思います。ぜひそういう意味で、いかがわしいというか、このいかがわしいとかみだらなとかいうことについてはまた後ほど触れたいと思いますけれども、正業と不正業というとちょっと言葉は悪いかもしれませんが、そこいらのことはよろしくお願いをしたいと思います。
 実は、昭和五十九年にこの法律改正のときに衆参両院で附帯決議が十二項目にわたってなされております。それの大まかな中身を言いますと、「広告及び宣伝の規制に当たっては、公正かつ効果的に行われるようその基準の明確化を図り、都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底すること。」という附帯決議、五十九年の改正から本日この法改正をするまでに周知徹底はなされておるんでしょうか、第一線に。
○政府委員(泉幸伸君) 前回の法案審査の際の国会における附帯決議でございます。当然のことながら、それに従いましてその趣旨に沿って対応し、今御指摘のように都道府県警察に対する周知徹底も完璧を図り、適切、効果的な運用を図ってきておるところでございます。
○田村公平君 そこで、いわゆるピンクチラシ。
 実は新橋の駅前に、機関革がある方に広場がございます。ニュー新橋ビルという大きなビルがあってそこの前が広場になっています。そこのわきに交番があります。あるいは品川の駅前にも交番があります。交番の隣は四つか五つか電話ボックスがある、もちろん電柱もあります。電話ボックスの中にも電信柱にも、女性の裸を印刷した名刺サイズの何番に電話しなさいというビラがおびただしく張られております。まさに交番の目の前にあって、交番のお巡りさんはあそこに立って、僕自身が何回も張っておるのを目撃しているわけですが、自分の警らというか交番から見ておって、それがずっとそのまま実質上放置されておる。そういう現状があるのを私自身が見ています。
 そして、例えば新橋の駅前の交番があるところは、いわゆる自歩道の上に交番があって、自歩道の上にNTTの電話ボックスがある。これは道路管理者は、新橋駅前は都道かもしれないですけれども、品川駅の方は国道十五号線ですから建設省が所管する道路、そして全国にある主要地方道、市町村道を含めていうとそれの元締めというのは建設省の道路局になるわけで、そこの上に賃貸なのか道路占用なのかわからぬがNTTあるいは東京電力とかいろんなものの柱が立っておる。
 今、何で交番の警察官が目が届かないかということを言ったかといいますと、現場の警察官は何もピンクビラだけを取り締まるんじゃなくして、道を聞きに来たり、あるいは受令機に基づいてばっと出ぬといかぬときもある、そいつらにかかわっておったらもっと大事な事案についての対応ができぬとか、いろんな勤務の制限等もあるでしょう。冒頭申し上げましたように、この手のものの取り締まりとかいうのは、ちょうど今まさに春の交通安全週間でありますが、必ずこういう季節になりますと交通警察の方が新入生に対して危ないですよとか、PTA、学校等、教育現場と連携をとりながら、死傷事故のないように地域社会と密接な連携をとりながらやっておる。
 きょう建設省にも郵政省にも来ていただいておるのは、果たしてそういう意味において、特に建設省の中には最近だと思いますが道路環境に関するということで新しく道路環境課が新設されたことを承知しておりますけれども、具体的に警察とか関連する役所との共同作業というんでしょうか、そういうことはやっておられるんでしょうか、建設省にお伺いします。
○説明員(原田邦彦君) 議員御指摘のとおり、建設省といたしましても、良好な道路環境の整備、保全を図っていくということは極めて重要な課題だと認識しておるところでございます。
 それを受けまして、従来から定期的な道路パトロールを道路管理者自身もさせていただいておりますが、それとあわせまして、警察であるとか屋外広告物を担当しております地方公共団体、さらには電信柱であるとか電話ボックス等の施設を管理しておりますNTTや電力会社等々と連携をとりながら、合同会議であるとか合同パトロール等を実施しているところでございます。
○田村公平君 これは、関係する役所は本当に真剣に取り組んでいただかないと、単なる省庁再編で局長のポストを一省当たり十ぐらいにしろという政治の世界でよくあるような合従連衡、野合的なことにならぬように肝っ玉を据えてやっていかないと、役所の存在価値自体が疑われる。なるほど法はできた、しかし現実問題としてその実効が上がらないということは、いわゆる政治不信を含めた広い意味での不信感ができてくる。省庁間で仮にやっても我々には見えぬのよ、はっきり言って。
 だから、そういう意味で、国民に対してどういう協議会を持ちどういうふうなことをやる、それがはっきり見える形をとるべきじゃないかと思います。官報とか公報とか文書箱にいっぱい書類が来るけれども、そういうのを幾らひっくり返してみてもなかなか我々の目には見えない。おたくなんかは外郭団体、いろんな何とかセンターみたいなものをつくって広告をとって機関誌みたいなもの、余り人が読まぬようなものをいっぱいつくってばらまいておるじゃないですか。せめてそういう中にも、こういうことを私らもやっています、国民の皆さん理解してくださいよという総合的な対策を講じないと、この手の規制を改正しても、そもそも立法の趣旨はいかにして実効を上げるかということでありますから、縦割り行政の弊害の中でも、行革のこともその中にあると思いますので、心してかかっていただきたいなというふうに思います。
 そこで、インターネットの方に入らせていただきたいと思います。
 インターネットのことは、この法改正の前後のころに正直言いまして私も余り意識がなかったんです。なぜかといいますと、私はブラインドタッチができないものです、パソコンノートを持っていますけれども。コンピューターのことを電脳とも言いますけれども、中をあけてみたってチップが入っておって、かたいものがごちゃごちゃ入っておって顕微鏡で見てもわからぬ。したがって、幾ら私の脳細胞をから割って取り出して電子顕微鏡で見てもそこから映像は出てこないわけで、正直言いまして、この前、委員長室でインターネットを利用したいわゆるポルノ画像を見せていただくまで、パソコンとかいうものを使って警察用語で言うところのあの手のいかがわしい――私は実はあれを見たって余りいかがわしいとは思わなかったんです、それは見解の相違があると思うんですけれども。
 そこの部分に一種の規制をしようということになったわけですが、いわゆる刑法で言うところの百七十五条ですか、チャタレー事件以来、あの本を今読んだとしても何の感動も恐らくないだろうし、それよりは日経新聞に連載されていた渡辺淳一の「失楽園」の方がずっとわいせつじゃないか。日経新聞に出ておるからわいせつと言わないのかな。もしあれが三十年前に出ておったら恐らく警察はがちゃんとやったんじゃないかという気がするんです。
 現実問題としてのインターネットにおけるわいせつとかいうことの基準は、警察庁の方はどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(泉幸伸君) 既に御案内のように、今回の法改正ではインターネットに送られる映像について、わいせつなものに対する一定の規制と、それ以外にいわゆる有害情報と称していますが、それよりかひどいものについての規制を図ろうということを考えております。
 今、わいせつについての御質問でございました。わいせつにつきましては、今御指摘の事件についての最高裁の判決で、いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものというふうに示されております。これの具体的な当てはめについてはその都度具体例に即してやってまいることでございますが、基準といたしましては、今申しましたいわばこの三つの基準に照らし合わせてわいせつかどうかという判断をするということでございまして、これ自体は基準として変わらないものでございます。
○田村公平君 これはかなり個人差があるものだと思いますし、生まれ育った環境によっても違うと思います。午前中もちらっと言いましたけれども、僕ら昭和二十二年生まれの人間からすると、中学生のころ、いわゆる週刊実話とかあの手の、当時エロ本と言っておったんですが、だれか悪餓鬼が持ってきて授業中にそれを見て著しく興奮をした時代もあれば、今どき週刊ポストや週刊現代のグラビアを見たって、何だこの程度かと。それだけ時の流れというんでしょうか、そういうものがあるので、基準というものについて本当はいっぱい議論をしたいんですけれども、一応十一項目ぐらい質問通告しておりますので、もうちょっと大事な部分、全部関連しますけれども。
 うちの委員会の調査室は大変立派な資料をつくってくださっておりまして、そこの八十二ページに教育分野におけるインターネットの活用促進に関する懇談会(第一回)というのが平成九年十二月三日に、文部大臣、郵政大臣等々あいさつがありまして、石井威望座長を中心にして、教育分野におけるインターネットの活用に当たっての考え方や利用環境の整備等ということ等を含めて、これは有害な映像等を意識したものと承知をしておりますが、こういうことについて、警察庁もそうです、文部省もそうです、郵政省もそうですけれども、先ほどの建設省の話じゃないですが、密接な連携はおとりになっておるんでしょうか。これは郵政省がな。
○説明員(千葉吉弘君) お答えいたします。
 ただいま先生が御指摘になりましたように、教育分野におけるインターネットの活用促進に関する懇談会、これにつきましては、教育分野におきますインターネットの活用に当たっての考え方あるいは利用環境の整備につきまして検討しその活用を図るということを目的にしまして、昨年十二月発足したものでございます。
 御指摘ありましたように、これは郵政大臣と文部大臣の共同ということで設置したものでございまして、それ以来既に三回の検討をしてございます。この検討につきましても、六月を目途に報告書をまとめようとしてございますが、ここにありますように、両省密接に連携をとってこの問題につきまして審議を進めているということで御理解願いたいと思います。
○田村公平君 実は僕は教育分野におけるインターネットの活用促進に関する懇談会というのはもう既に遅いんじゃないか、陳腐化しておるんじゃないかという気がしております。これは文部省にもよく聞いていただきたい。
 私の高知県では、平成九年度で既に小中高、大学含めまして約七〇%既につないでおります。平成十年度中に一〇〇%になります。そこで問題になったのは、やはり有害な情報、有害な情報の中にはもちろんマルチメディアの中ですからネズミ講的なもの、それも有害情報であります。それから、幸せの手紙じゃない不幸の手紙がな、私に一つ来たらあと五人に出せとかいうその手の、わいせつだけじゃなくして、児童生徒にとっては非常に困るものも、これは極端に言えば学校の教育現場にパソコンを入れて、私のようにブラインドタッチのできない者よりもいわゆる青少年というのは大変この手の機械には明るく、早く習熟するし、放課後忍び込んで勝手につないでということを私どもの高知県では非常に憂慮いたしまして、少なくとも学校のパソコン等のネットワークは全部一度教育センターというところでフィルターをかけまして、つまり有害な情報を流すプロバイダーはそこでもう遮断してしまう、ダイレクトにアクセスはできませんよというふうにしておるんです。
 ところが、今自治省も、二十億円だったと思うんですが、交付税措置を学校のインターネット等について、各役所がそういう時代の流れに沿っていろんな対応をしようとすることは決して悪いことではないんですけれども、高知県がやっておるような教育センターにアクセスして常に高知大学がウォッチングをしながら新しく入ってくる有害と思われるプロバイダーをなるだけ除去する。それは個人が青少年であっても家庭で勝手にアクセスしていろいろやる、これはもうそこまではとてもじゃないですけれども、せめて教育現場ではそういうことのないように、間違えても異常に興奮して帰りがけに学校で習ったから抱きついた、飛びかかったということは、これはちょっと。
 それは自治省からも交付税措置がされておったとか、文部省の施設、この学校は文部省の金ですけれども、そういうことのないようなことを私どもの高知県はやっております。今全国の普及率が七%台だというふうに僕の記憶が間違ってなければ覚えておるんですけれども、これがやがて政府の大型経済対策、今自民党サイドのように聞いておりますけれども、その中にも情報通信ということを言っておりまして、加速度的にそういうものが学校教育の現場に導入されたときに、統一基準がない限りにおいては、高知県ではそうであっても、どこかで穴が破られたらそこから全部へつながっていくのがこのコンピューター社会のすごさでもあり、すごさというのはいい意味でのすごさ、悪い意味でのすごさでもあるんですけれども、ここいらについて文部省、どういうふうにお考えになっていますか。
○説明員(加茂川幸夫君) お答えをいたします。
 先生御指摘のように、教育分野でインターネットの活用を進めていく上におきまして、いわゆる有害情報の問題は大変大きな課題であると認識をいたしておるわけでございます。
 先ほど郵政省御担当者からも御答弁ございましたように、一方では文部、郵政省が共同いたしまして懇談会を設けまして、その場でいろいろなインターネットの利用環境の整備について御検討をいただく中でこの問題も取り上げていきたいというのもその一つの対応でございます。
 また、文部省におきます事業でも幾つがこの有害情報対応についての事業がございまして、一つはインターネットの効果的な活用法、課題等について実践研究を行っていただくということで、十五の県市の教育委員会に委嘱をいたしまして、各学校で具体的にインターネットを使う際にどういう問題が生じるのか、子供たち一人一人がまずその有害情報にどう接していったらいいのかという個人の態度の育成レベルまで掘り下げました研究も進めでございます。こういった学校ごとでの対応も一つ事業として行っておるわけでございます。
 また、別の事業でございますが、先生、高知県の進んだ例を挙げられましたけれども、実際各県によってそのインターネット接続の割合は格差がございます。全国平均では約一〇%でございます。高知県のその進んだ取り組みの例が今申し上げようと思っております事業でございますが、各県の教育センター等を情報通信の拠点として整備するための補助事業も行っておりまして、ここでいわゆる有害情報のフィルタリングの機能が果たされていることがございます。これは高知県のみならず数県例が実際にございます。
 そういった各般の取り組みをいたしておりまして、教育上でのこの問題についていろいろ努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
○田村公平君 これは警察庁にもお願いしておきたいんですが、警察庁というと、つい悪いやつを逮捕するというか悪いやつをやっつけるというか捕まえるのが商売だから仕方がないかもしれぬけれども、インターネットにおけるポルノだとか有害情報ということは事ほどさように、冒頭以来申し上げましたとおり非常に大きな広い世界を含んでおります。そういう意味で、よほどしっかりとした省庁間の連絡等も密にしておかないと、一つ破られたら、これから先伸ばさぬといかぬ情報通信産業として、大変大きな我が国の基幹産業になり得るようなツールというんでしょうか、インフォメーションというんでしょうか、そういうものの発展を阻害することにもなりますので、やはりそこいらのことはちょっと留意をしていただきたいなと思います。
 インターネット関係はこれぐらいにさせていただきまして、前にも僕はこの委員会でテレクラのことを言いましたけれども、一部の県を除いてほとんどテレホンクラブは条例で対応しております。テレホンクラブも電話回線を使っているわけですから、条例は各都道府県の話で、それを超えてどんどん回っていく話でありますけれども、本来は各都道府県に条例で任せるべき問題ではなく、援助交際の問題とかいろんな社会問題を惹起しておりますので、どうして今回テレクラについて、例えば検討したけれどもどこかがだめでだめだったとか、検討に値しなかったとか、いろいろあると思いますけれども、そこらをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) テレホンクラブにつきましては、平成七年九月から平成九年六月までの間に全国の辺十六都道府県におきましてそれぞれテレホンクラブを規制する条例が施行されております。
 実は、テレホンクラブの営業は複数の都府県にまたがって営業を行っているというのは非常に少のうございます。それぞれ県内で行っているというものが大部分でございます。それぞれの条例におきまして、その県の独自性といいますか、地域の実態に合った条例が定められており、細部においてはいろんな規制ぶりについて違いもございます。条例でございますから、そういう性質を持っております。しかし、テレホンクラブを一定の規制下に置いて青少年に対して悪影響を及ぼさないように規制を行うという点においては全部共通してそういう条例が定められております。
 そういうことで、現段階において国におきまして一律にこれを規制する必要性いかんということで議論をいたしましたけれども、実はまだ成立を見ていない県もあることはあるんですが、ほとんどの県において条例で定められている、そしてそれが機能しているという状況で、法律で統一的に規制する必要性は現時点では低いんじゃないかという判断をいたしました。そういうことから今回、風適法の改正に当たりまして規制対象として取り込むことはいたしていないという状況でございます。
○田村公平君 そういう見方ができるかもしれませんが、テレクラ等の営業にかかわっておる事業主体というのは、いわゆる暴力団関係者がほぼ一〇〇%近いというふうに私は認識しております。そういう意味で、暴対法の一部を改正する法律案もここでやらせていただいたわけですけれども、後ろが暴力団であれば、基準は一緒だといっても各県ばらばらの条例で対応させていくことが本当にいいことなのかどうか、これは引き続き重大な検討課題として私は問題提起をしておきたいなと思います。
 そこで、先般、この法案の提案理由説明の中に、「風俗営業等に関して行われる売春を防止するための規定の整備を行うとともに、」、その後「無店舗型性風俗特殊営業」と続くわけですが、ここの売春防止について。これは、恐らく外国人がいわゆるだまされてというか大変貧しい国にたまたま生まれ育ったためにだまされて、こっちの資料でも組織図を読ませていただきましたけれども、ブローカーがパスポートを預かって、不当な借金を課する。その昔、戦前に我が国もからゆきさんとかありましたけれども、国の名前を挙げて大変申しわけないと思いますが、まさにフィリピンやコロンビアやタイの東北部の人たちをだましたも同然で拉致してという趣旨だと思うんですよ。なぜかというと、法律の中に第三者がパスポートを預かることもいかぬというふうに書いてあるわけです。
 今回、これで皆が皆警察なりにそういう被害に遭っておられるところの外国人女子が駆け込んでくれればいいんでしょうけれども、この改正でどの程度の実効が上がるか。それは予測はできないです、これから改正されるわけですけれども。そこらの事情等をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 今御質問の背景状況を申しますと、御案内のとおり、来日して風俗営業やあるいはバー、スナック等の飲食店で就労する外国人女性が増加しておりまして、これらの女性の中にはというか、その多くの人が短期滞在あるいは興行等の資格で入国してこれらの店で働いている、これは不法就労に当たるわけであります。そして、不法就労に当たること自体がその女性にとっては弱みであります。
 またさらに、今お話しのように、日本に入国するに当たり、いわゆるブローカーと称しておりますが、それを段取りする音あるいはその店が雇い入れるについてそのブローカーに対する借金の肩がわりということで最終的にその女性に高額の借金が、債務があるというふうに位置づけられて、それを返済する等のためにやむを得ず過剰なサービスあるいは売春に走るという例も多うございます。実質的に売春を強要されていると評価してもいいのじゃないかというケースも目にするところであります。
 そういう観点から今回、一つは善良の風俗の保持という観点がございます。もう一つは外国人女性の保護を図るという観点でこれらについての取り組み。国際的にも非難を受けたこともございますが、早急な取り組みが必要だという認識のもとに、一つは不法就労助長罪を犯した人間を風俗営業の許可の欠格事由にするということで、そのような者には風俗営業をやらせない。あるいは風俗営業者やバー、スナック、また外国人女性をこれらの営業に派遣している、そういう業者やブローカーについて売春を助長することとなるような行為、先ほど申しました不当に高額の債務を負わせる、あるいはその債務を負わせた上でパスポート等を預かるというような行為を規制するということを考えております。
 これによりまして、売春のいわば素地と考えられている部分が相当、もちろんきちっと全部遵守してもらえば完全によくなるわけでありますが、これを風俗営業者等に義務づけを行って、それを厳しく守っていただくということで相当程度こういう情勢は是正されるものというふうに考えております。
○田村公平君 東南アジア等々発展途上国を中心にした婦女子による売春、これはともすれば、我々つい新宿の二丁目だとか歌舞伎町だとか、赤坂の一ツ木通りのこっち方の何とか通りとか、そういうふうに思いがちですが、私の田舎のような大変な田舎の県でもある。なおかつそれが僻地の市クラス、市といっても二万七千人か三万人程度のところにも定期的にフィリピンとかが巡回して、二、三カ月のローテーションでうまいこと入れかわっておるんですけれども、実質そこのお店は、地元の者に聞けば売春宿、宿というかクラブというか、連れ出す。これはそういう地方まで実は蔓延しておるんですよ。
 私は、別に高知県警の捜査能力を疑うものではありませんが、そういう意味で現場の警察官がタイ語であるとかタガログ語、中国語も含めた語学的な教育等々やる。そうしていないと、日本人の後ろにおるブローカーは、それは悪いことをしておるのは知っていて金を稼がないといかぬから、日本語ですから現場の警察官を含めてうまくごまかしもきくでしょうけれども、被害にというか、だまされた人を含めて、そういうところにぱっと行って現地の言葉でできるぐらいの能力を持っていないと、気がついて内偵しておる、本当にパスポートは預けてあるのか、どうのこうのと言っているうちに、彼らは全部入れかわるわけですから、そういう点を一つ指摘しておきたい。
 既に我が国はこの問題について諸外国から大変な批判を受けております。特にフィリピンはキリスト教国でもありますし、タイはほほ笑みの国、仏教徒の国でもあります。そういう国々に対して今回の法改正を、インターポールや東南アジア同士の警察としての交流もあると思いますけれども、説明等は十分になされていくおつもりでしょうか。あるいはもうしているのか。お伺いしたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 売春事犯に限らず、犯罪の国際化、私の所掌しておる薬物にしてもけん銃にしても非常に国際化がなっておるところでございまして、今御質問のありましたように、それぞれの話学力を有する捜査員が必要だという状況はまさしくそのとおりで、それの整備に努めておるところでございます。
 また、これらの事案につきましては、今御指摘の女性を日本に持ってくる売春事案はもとより、薬物、けん銃等の密輸等、外国との関係は必須でございます。日常的にそれら外国の捜査機関との連携はやっておるところでございます。
 今回、この風適法の改正が認められれば、その状況もそれらの機関と情報交換をいたしまして、所要の捜査を一層進めてまいるということといたしたいと思っております。
○田村公平君 残り時間が十七分ぐらいになってきましたので、僕は余り警察庁長官に答弁は求めたくはないんですが、今まで冒頭の総論から入りまして、その中で法をつくる立法の趣旨というものと、実際にその法を運用するのは現場の一線の警察官であります。午前中もちらっと言いましたけれども、公職選挙法という金銭や酒食をもって公正な投票が妨害されることを防ぐための法が成立したあげくに、私はいわれなき違反というようなことで、一種の選挙妨害ともとれることも現実問題にあるわけです。そういうことを考えたときに、一線級の警察官の士気、教育の問題。
 私は、いつとは申しませんが、山手線に乗っておりまして、ラッシュだったものですから、母親あてに書いた手紙の封筒がのりづけが悪くてはがれておりました。時間も急いでおったものですから、渋谷駅でおりまして、ハチ公の前の交番のお巡りさんに、済みません、のり貸してくれませんかと言いましたら、おまえののりでくっつけろと言われたんですよ、警察官に。そういう警察官が現実問題としておることも事実であります。
 浪人中、平河町に落選事務所を構えておりましたが、外国の要人等が来ると、赤坂見附の駅あるいはそこの永田町駅から歩いてとことこと平河町の自分の落選事務所に行く間に何回も誰何をされた。これは御案内のとおり、持ち物をあけて見せろということは令状がない限りできないはずでありますが、つまり私の善意によって見せるべきことを非常に高圧的に、あるいは私の事務所に人が何人おって、その者が一体どこに住んでおってという、刑事と称する人がろくに警察手帳の提示もしなくて聞き込みというか、それは治安を守るという意味はわかるんですが、二十万人単位でおればそういうこともあります。
 そういう意味で、もし本当に現場の警察官の教育や知識、それから人が足りなければ、先ほど申し上げましたけれども、品川駅前の交番や新橋駅前の交番ではありませんが、その先の土橋の交番に行ったらいつも人がおらぬのですよ、あの土橋の交番は。交番のマークはついていますけれども。だから、その次の交番といったらちょっとどこにあるか僕はよくわからぬのですけれども、多分数寄屋橋の交番だと思います。それから数寄屋橋の次が銀座四丁目の三愛のところの交番だと、あのかいわいだけで。
 足りなければ足りるようなそういうことも含めて、締めくくりに長官、今までのやりとりを含めまして、連係プレーも含めまして、何か御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(関口祐弘君) 本日御審議いただいております風俗環境の問題一つをとりましても、最近新しい事態というものが出ておりますし、そしてまた来日外国人の犯罪の増加等々、治安情勢というのは一段と厳しくなっているということでございます。そのために、平成八年度におきましては三千五百人、平成九年度におきましては約千五百人の地方警察官の増員が措置されたところでありますが、平成十年度におきましては、政府を挙げての行財政改革に取り組んでいる中で地方警察官の増員は見送っております。
 現在、全国で二十二万六千余の警察官が日々発生する事案に対しまして命をかけて治安維持に当たっているわけであります。こうした中で、私どもの力を最大限に発揮すべく、徹底したリストラというものを進めているわけでございまして、例えば管理部門というふうなものは極力スリムにいたしまして、第一線の現場、実動部門というものをパワーアップするというふうなことで警察力の強化に努めてまいりましたけれども、今回の風営法の改正、その運用というものに当たりましても、今回の改正を実効あらしめるという観点から、各種会議等を通じまして改正の趣旨を全警察職員に徹底をするということ、そしてまた職員の配置の見直し等によりまして必要な体制の確保に努める、あわせて職員の士気高揚というものにも十分配慮してまいりたいというふうに思います。
 また、委員御指摘の警察官と市民とが直接接触する場面というのは非常に多いわけでございます。もう四、五年前からになりますけれども、一時期警察官のそうした、特に警察署の窓口の態度が余りよくないというふうなことが言われまして、私ども市民応接というふうな言葉を使っておりましたけれども、ともかく市民の立場に立って仕事をやっていこうということを一つの方針として示し、今第一線に浸透を図っているということでございます。その点での御理解を賜ればというふうに思います。
○田村公平君 約五十分近くにわたりまして私もいろいろ申し上げ、また政府側からもいろんな答弁をいただきましたけれども、事は風適法の改正案のみならずいろんな分野が複雑多岐に絡まり合っておるのが現代であり、また未来だと思います。
 その中で、実はこの法律ずっと読んでみますと、割がししょっちゅう出てくるのは、回数はちょっと数えませんでしたけれども、いわゆる都道府県公安委員会という言葉が、上杉国家公安委員長にお尋ねをちょっとしたいと思っていますけれども、公安委員会という言葉が非常に出てきます。私が持っております免許証も高知県公安委員会と書いてありますけれども、私、公安委員会見たことありません。伊野町に運転免許センターというのがあるんです。そこで、免許センターでもらうわけです。よその県のことはとやかく申し上げませんが、私の高知県では大体銀行の頭取さんとか教育者の古い人というんでしょうか、人格高潔にして人畜無害というか、そういう人が公安委員になっておりまして、何か勲章がそろそろ欲しい生存者叙勲の最後のトリなのかなとか、余り実務をやっておるようにも見えぬ一種の名誉職、某銀行の頭取になれば自動的に公安委員になるから、充て職という言葉がありますけれどもそういうことかいなという気がして、その公安委員会が許認可だとかいうことがしょっちゅうこの中に出てまいりますが、決して上杉国家公安委員長が充て職とかそういうふうに私思って言っているわけではありません。どうも実務は全部警察がやっておって、警察は得手の悪い、自分にとってまずいことがあったら全部これは公安委員会です。実は全部自分でやっておるんですよ。泥棒と警察の関係みたいなことなのかなと、泥棒と泥棒か、どっちでもええわ、そういう思いが常日ごろしておるものですから、公安委員会という名前がにしきの御旗であり、あるときは都合のいい隠れみのになってくるのじゃないかなという気もしております。
 先ほど来申し上げましたとおり、世の中が複雑になればなるほど、ある意味で専門的な知識を有し、確かな先を見る目を持った人たちがそういう任につく、あるいは公安委員会の下にもっと公正な第三者機関的な、例えば一つの考え方としては、それぞれの弁護士会等々、そういうものがあってもいいような気もいたしますが、形骸化しておるんではないかという気を、これは私の勝手な思いですけれども、よその県のことは知りませんから、最後に上杉国家公安委員長から御見解をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 公安委員会が形骸化しておるのじゃないかというのは、そういう見方がなされるということは心して受けとめておかなければならぬことだと、こう思っております。
 ただ、公安委員会、きょうも午前中ございました。私も公安委員会に出ます。決して形骸化されておりません。各界各層の代表的な方が出て国家公安委員会は会議が進められ、またその時々の事案の問題でありますとか警察行政の局面についての詳しい説明がありました後、委員がそれぞれの立場で意見を述べて、それが集約をされ警察行政に反映される、民主警察の基本は公安委員会の設置にあると私は思っておるわけです。
 また、日本の警察行政の特徴的なものは、旧内務省としての警察のような形にならないように、民主警察が貫かれるように各県にも公安委員会が設置をされ、また公安委員として各界代表の人間としての経験も豊富、識見力量とも立派な方が人選をされまして公安委員会が行われておるわけでございまして、私のささやかな経験でございますが、認識からいたしますと、決して形骸化しておるとは思っておりません。しかし、そのような見方があるという事実は確かでございまして、これがすべて公安委員会が公開されたものではない。それはやっぱりある意味では内部の会議的な色彩が非常に強いという側面も持っておるからでございまして、その点にはそういう意味での御理解をいただければありがたい、こう思います。
 そういうことで申し上げますが、私の見るところ、公安委員会制度は、国も都道府県も含めまして警察の政治的中立性の確保と警察の民主的運営を図るという本来の趣旨に沿ってその機能を果たしておる、そういうふうに御理解いただければありがたい、こう思っておるわけでございます。
 都道府県の公安委員会に与えられました権限につきましては、都道府県警察の補佐を受けつつ適宜適切にこれが行使をされておる。公安委員会の名前が出ましても、例えば運転免許証等あるいはそれらの事務的なものについては、警察がやらなければ、数名の公安委員でこれらのことすべてやるわけにいきませんから、これはそういうふうに御理解をいただければ大変ありがたい、こう思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、国民、県民の代表として人格識見にすぐれた複数の方々が警察活動をチェックするという現行の公安委員会制度は非常に大きな意味を持つものではないか、このように考えております。
 ただ、言われるように、もうちょっと現役が出てばんばんやったらどうだと、こういうことでございますが、それはある程度時間に余裕のある方でございませんと、若い、社長をしておるとかあるいは何々の団体の会長だとか、そういう方では本業に差し支えるというものもあるかもしれませんが、大方御年輩の方がいらっしゃる。ただ、国家公安委員会は、大学の先生とかあるいは司法界の代表であるとかマスコミ界の代表であるとかあるいは実業界の代表であるとか、それぞれの方が出ておられるわけでございまして、立派な現役活動をお務めになっている方がお出ましをいただいておる。こういうことでもございますから、現実の国民生活の実態というものを理解し、肌に触れながらの公安委員会における発言だと私は受けとめておるわけでございまして、委員がおっしゃるようなことのないように、そういう御指摘を受けることのないように、ただいまお聞きしましたことについては次の公安委員会では私の方からも御報告申し上げて、その点についてはそういうことのないようにさらに相務めてまいりたいと考えております。
○田村公平君 国家公安委員長、どうもありがとうございました。
 ただ、私の高知県の例で言いますと、二百以上の肩書きを持った人が、この人何でこんなに肩書き持って、一体自分が何やっておるかわかっているかなという人が公安委員をやっていることも一つの、よその県は知りません、事実でございますので、そこいらはぜひよしなによろしくお願いいたしたいということで、時間が参りましたので終わらせていただきます。
○小山峰男君 まず最初に、インターネット関係のことについてお聞きしたいと思います。
 去る四月七日の本委員会におきまして、白浜委員の御質問に対しまして、インターネットによる規制等については従来と同じ範囲あるいは同じ概念の中のものであって、いわゆる無店舗型の営業に拡大したものだという御説明があったわけでございます。
 そこで、表現の自由の問題だとかあるいは放送法の問題だとか、いろいろの絡みがあるわけでございますが、この辺につきまして十分クリアしているというふうにお考えかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 細かな規定は別といたしまして、今回の基本的な考え方は、ただいま御指摘ありましたように、私ども、現実の空間で違法とされているものはインターネット空間といいますかインターネットの世界でも当然同様の評価を受けるべきであろうという認識のもとに、現実に店舗を構えて有害な情報を業としている者に対する規制と同様の規制を、インターネット上において業としている者に及ぼそうということでございます。
 その意味では、現代社会において青少年に有害だと位置づけられているものについて、その概念をいささかも変更されるものでない同様のことをインターネット上でも行うということで、紛れはないというふうに考えておるところでございます。
○小山峰男君 今、紛れもないというお答えをいただいたわけでございますが、クリアしているというお考えでいいわけですね。
○政府委員(泉幸伸君) 現在の考え方に沿うものであると。クリアというのは何をクリアかというのはちょっとあれですが、現在の世間で通用している考え方に沿うものであるというふうに考えております。
○小山峰男君 次に、若干細かい法律の問題をお聞きしたいと思いますが、まず許可の欠格事由の追加として、「不法就労助長罪を犯して一年未満の懲役等に処せられ五年を経過しない者」というふうに書いてございますが、これは、今までこの部分が空白であったということで今回追加するのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 現行の欠格事由で、一年以上の刑を受けた者につきましてはどのような罪であれ欠格事由になっております。一年に満たない刑を受けた者につきまして、具体的に犯罪名を列記いたしまして、有罪の刑を受けて一年未満の者については欠格事由とするという構成になっております。
 今回盛り込んでいただこうとしております不法就労助長罪は記載されておりませんでしたので、そこの部分を盛り込みたいということでございます。不法就労助長罪で重い刑を受けた者は従前も欠格事由になりましたが、一年未満の刑の者についてはそういうことになっていなかったので、今回そのような手当てをしたということでございます。
○小山峰男君 次に、営業者の遵守事項の強化ということで、ここに「不相当に高額の債務を負担させること、」、その次に「不相当に高額め債務を負担させた上でその旅券等を保管すること」というふうになっておりますが、この「不相当」というのは幾らぐらいというか、基準というかそういうものが考えられているかどうか。
○政府委員(泉幸伸君) 今御質問の規定を設けようとする趣旨は先ほども申し上げましたが、そのような状況下で売春せざるを得ない状況に追い込むということを避けよう、そういう事態をあらかじめ防ごうということでございまして、幾らが不相当であるかどうかの判断は、支払い能力に照らして不相当に高額ということで、同語反復になるわけでありますが、具体的なケースで考えますと、営業者が得られる収入、そして日々にかかる生活費といいますかそういうもの、それと債務の額、それらを比較して、とても通常の形では返済できない額である、そのようなものを「不相当に高額」というふうにあらわしたわけでございます。
○小山峰男君 今のような基準では実際の現場へ行くとかなり混乱が起こるんではないかというふうに思っておりまして、やっぱりある程度の基準というのは当然私は示されてしかるべきだというふうに思っていますので、お願いをしたいと思います。
 それから三点目ですが、先ほど無店舗型の営業まで広げたものだ、何ら概念を拡大したものではないというお話があったわけでございますが、このいただいた概要によりますと、有害ビデオ等通信販売営業につきましては、「性的好奇心をそそるビデオテープその他の物品」というようなことで、政令にまた下げている部分もあるわけですが、インターネット利用の有害映像送信営業の書き方と少し違っている。「性的好奇心をそそるための性的行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態等の映像を見せる営業で、」というふうになっているわけでして、いわゆる状況というか概念規定がばらばらではないかというふうに思うわけでございますが、これはどうして統一しなかったんですか。
○政府委員(泉幸伸君) 有害ビデオ等通信販売営業の対象は、法文上、御案内のとおり、「前項第五号の政令で定める物品」ということにしておるわけでございます。この有害ビデオ等通信販売営業は主として物の販売でありますので、その物は写真その他の物品も含むものでございまして、それらについてより具体的なものは政令で定めるということに規定しております一方、インターネットの利用の有害映像送信営業については、これは映像のみでございますので、「性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像」というふうに定めております。
 ただいま申しましたように、有害ビデオ等通信販売営業の対象で「政令で定める物品」の政令での定め方につきましては、現行の政令第四条において、「衣服を脱いだ人の姿態の映像を主たる内容とするフィルム又はビデオテープ、ビデオディスク、」云々ということ、または「性的な行為を表す写真その他の物品又はこれらに類する物」ということで記載をしております。
 物と映像ということで法律上の規定ぶりは違った書きぶりになっておりますが、政令の段階で具体的な規制になりますと同一の表現で、すなわち映像については同一のものを規制しておるということでございます。
○小山峰男君 物と映像ということだという説明ですが、いずれにしても、法律と政令をあわせたものと法律とイコールだという理解でいいわけですね。
○政府委員(泉幸伸君) 有害物品についてはそのとおりでございます。
○小山峰男君 基本的には、今回のような具体論を法律に書くということが大事だというふうに思うわけでして、今回の改正についてどうこうということではありませんが、今後そういう方向で立法等をしていくべきだというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 それからもう一点、ポンチ絵というんですか何というんですか、これもいただいたわけでございますが、この無店舗型性風俗特殊営業それから映像送信型性風俗特殊営業につきましては、いわゆる下からの矢印が上がっていないという形になっております。派遣型ファッションヘルス等については、接客従業者への売春強要の防止というようなことは当然矢印が上がってもいいんではないかなというふうに思うわけですが、この部分はないというふうに理解するわけですか。
○政府委員(泉幸伸君) 接客業務受託業の対象についての御質問でございます。
 派遣型ファッションヘルス等の無店舗型性風俗特殊営業に関して、その当該営業を営む者から連絡を受けて接客業者を直接客のもとに派遣する形態というものがあるとすれば、それは実質的にはそういうふうに派遣した者が無店舗型性風俗特殊営業の共同経営者またはそれの事務所の責任者であると。すなわち、そのような無店舗型のファッションヘルス等への派遣をこの接客業務受託業が行うという形態は現実には考えられないところで、現にそういう事例は画にしていないところでございます。そういう意味で、そこの矢印は抜いてある、矢印を抜いてあるというよりもむしろ接客業務受託営業が派遣すべき対象からは除いておるということでございます。
○小山峰男君 ちょっと私も理解できないんですが、具体論として、例えば派遣会社みたいのがあって、そこに女性が何人かいて、派遣型ファッションヘルスというか、あなたはどこへ行きなさいよと一般的にやるわけですね。そのときに、その女性に対してかなりの借金なりなんなりを負わせて、半強制的に派遣して行為を強制するというようなことは考えられないということなんですか。
○政府委員(泉幸伸君) 接客業務受託営業に関する規定は、既に御案内のとおり、店舗型の風俗特殊営業に接客従業者を派遣いたしまして、その店舗型性風俗特殊営業における接客業の全部または一部を行わせるという形態として規定してございます。現実の店舗に派遣して、そしてそこの接客業務を一部派遣するという形態は現に存在し、十分想定できるわけでございます。
 ここの図では派遣型ファッションヘルスというふうに記載しておりますが、このようなものは、客からの連絡を受けて配下にある女性をその住居あるいは宿泊場所等に派遣して、そこで一定の行為を行うという業態をとらえておるわけであります。
 接客業務受託業者がこのような派遣型ファッションヘルスに人を出して、そしてその派遣された接客従業者がどのようなことをするかということまで監督している形態ということを考えますと、このような無店舗型性風俗特殊営業、派遣型ファッションヘルスのような業態とあわせて考えますと、それはまさしく接客業務受託業と言っているけれども、接客従業者を派遣した者が、その派遣された従業者が客の住居なり宿泊場所等で一定のことを行う、それを監督しているということであれば、翻って考えますと、まさしく接客業務受託業と言っているけれども、実はそれは派遣型ファッションヘルスそのもの、あるいは共同で行っているものというふうに評価できるであろう。その意味では、この接客業務受託業が店舗型の風俗特殊営業に接客従業者を派遣する場合と実質的に異なってきていると評価できるという意味で、また現実にはこのような規定を適用する例もないということでございますので、今回その接客業務受託業の派遣先からは除いておるわけでございます。
○小山峰男君 私もよくわからなくなってしまったんですが、説明の方もなかなか難しいのかどうか、これは時間もあれですからひとまずおきます。
 先ほどのインターネットにまた返るわけですが、規制の方法としてはいわゆる流す方の規制ということと、それから受け手側の規制というのが両方考えられると。外国なんかはどちらかというと受け手側を規制する形が多いというふうに私は聞いているわけですが、今回いわゆる業として流す方について届け出だとかいろいろな規制をかけたということですが、その辺の考え方をお聞きしたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 受信者側の一定の規制という御質問でございますが、現在、私ども承知しておるものとしては、国内、国外の例を問わず、受信者に法的義務を課して規制をしている直接的な例は承知していないところでございます。
 受信者に対する法的規制ではございませんが、受信者側でそういう一定の情報を自動的にブロックするシステム、いわゆるフィルタリングシステムと言われているものを研究し、それを進めている、あるいはフランスの電気通信規制法では、プロバイダーに対してフィルタリング技術の提供を受信者に行うことを義務づけているという例は承知しておりますが、受信者がある一定の義務づけをされているというものについては承知しておりません。
○小山峰男君 そういう人が、受け手側の規制というか、受け手側に権利、義務を課するということじゃなくて、受けられないようなシステムというのができているというふうに聞いているわけです。
 今回の規制は国内の業とする者だけが対象になっているということでありまして、例えばどこか外国へ行ってこういうものを流すような形になるとすれば、いわゆる無制限にそれが通用していってしまうという問題もあると思います。
 若干、具体論になるわけですが、現在のこういうようないわゆるインターネットの中におけるわいせつ的に考えられるような件数というか、そういうのが国内で、あるいは国外でどのくらいというふうに概括的にでもいいですが、把握できておりますか。
○政府委員(泉幸伸君) 国内のいわゆるホームページといいますか、こういう情報をインターネットを通じて送信しているホームページの数が約五十万あるというふうに聞いております。ただし、その中で、全部は調べておりませんが、ある一定のサンプルといいますか、具体的に申しますと申請登録型のサーチエンジンというものがありまして、そこを見ますといろいろなホームページがずっと列記されております。あるサーチエンジンを私ども調査いたしまして、全部で十万四千余りのホームページがそのサーチエンジンには含まれておりまして、その中で今回問題にしておりますアダルト画像、写真というものに分類されており、有害映像送信営業に該当するであろうと考えたものが六百三十二でございました。
 先ほど申しました全体の数と今のサンプルの調査を掛け合わせまして、推測でございますが、約三千の有害映像送信営業に該当するような業者があるのではないかというふうに考えております。
○小山峰男君 今のは国内というふうに理解していいわけですか、国内で五十万件ぐらいホームページそのものが。それから、国外というのは把握できるんですか、これは。
○政府委員(泉幸伸君) 国内であるとされているのが五十万、これはインターネット協会の数でございます。それから、その数に先ほども申しました推計による率を掛け合わせますと約三千が有害映像送信営業になる、これは国内の業者でございます。
 国外の業者についてはそれぞれ数が相当あると思いますが、それの把握はいたしておりません。できておりません。
○小山峰男君 今の推計で三千件ぐらいというお話があったわけでございますが、今回の届け出というようなものの中に入ってくるのは、そのうち何件ぐらいになるわけか、それはわかりますか。
○政府委員(泉幸伸君) この三千という推計数がそのとおりあれば、この三千が届け出の対象になります。
○小山峰男君 今回、インターネットに初めてこういう規制が入るということのようでございますが、必ずしも十分なも何でないというふうに思います。
 いずれにしても、国外等から直接引き出すような部分も相当出てくるだろうと。逆に、国内の業者を規制していけば、当然国外という問題が出てくるのではないかというふうに思うわけでして、今後の方向としてはやっぱりそういうものも含めて対応するというような検討をいただきたいと思いますが、そういう点はいかがでしょうか。
○政府委員(泉幸伸君) 今回お願いしております法改正が日本国内における一定の営業に対する規制であります風適法の中での一つの規制でございます。その意味では、純粋に国外のみで活動している業者の規制というのはこの風適法の範囲の外になるんじゃないかと考えております。
 ただし、今回の有害映像送信業者についての規制は主として十八歳未満の者に見せないような措置をとるということでその規制を考えておりますが、現在、私どもが幾つかサンプル的に国外のこのようなホームページにアクセスしてチェックいたしますと、私どもが知る限りではそのほとんどがクレジットカード決済によって初めてアクセスできるというような仕掛けを国外のものはとっておるようでございます。そうしますと、今回、私どもは国内業者についてもこのクレジットカード型の決済でやる、すなわち十八歳未満の者にアクセスさせないような営業をすべく規制をするという意味では、外国業者については、私どもが今考えております規制について考えますと、既にそういう形で十八歳未満の少年の利用が事実上制限されている実態であるということでございます。
 また、国内の業者が国外のサーバーを利用しておりますものでありましても、国内に営業所その他を設けて国内で営業しておるというものであれば、これは国外のサーバーを利用しておるとしても、これは国内業者でございますから、今回の業法の規制を当然ながらかけていくということでございます。そういう状況を見据えながら国外業者の問題もなおフォローしてまいりたいと考えております。
○小山峰男君 次に、判断基準についてお聞きしたいと思いますが、先ほど申し上げましたようにこのわいせつな画像というか、それの判断というのはかなり難しいというふうに思うわけです。それで、各県の最先端で実際に扱う人たちの苦労というのも当然大変なわけでございますが、そういう意味で、警察庁としてこの判断基準を示さないと実際の実効が上がってこないだろうというふうに思うわけですが、この辺、法律が制定された後のスケジュールというか、そういうものの作成の考え方、そういうことについてお聞きしたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) わいせつにしろ、それから青少年に対する有害情報として規制すべき法律に規定しております一定の情報にしろ、概念そのもの、基準そのものは客観的になっておると考えておりますが、それの具体的な当てはめ、あるものがこれに該当するのかどうかということについては、それぞれ人の見方等々ございます。これは判例においても通常時を基準として考えるということでございます。ですから、一般的な物差しとなるべき基準は既に明らかであり、またこれも明らかにしてまいります。
 さらに、それだけではなかなか具体例で判断できないという問題、指摘もございます。私どもとしましては、一つは、わいせつについては幾つか検挙事例あるいは裁判事例で判断が確定したものもございますので、そういう情報を提供すること。また、有害情報につきましては、これはどのようなものが有害かということにつきましては、冒頭申しましたように、現在店舗型で既に定着しておるものと考えております。そのような形でまた具体的な解釈基準もさらに詰めて公にしてまいりたいと考えております。
 ただ、いずれにしましても、非常にボーダーのところを考えますといろいろ論議があると思いますが、現行、非常にはんらんしておりますのは、論なく該当できるんじゃないかと思われる情報が非常に多うございます。そういうものについては積極的に適用していくというふうに考えております。
○小山峰男君 最後に、大臣にお聞きしたいと思います。
 今回の改正はあくまで営業ベースでどうのこうのという改正になっておるわけでございまして、また中身もいわゆるわいせつというようなものが主体になっているということでございますが、このほかに幼児ポルノだとか暴力の問題だとか、あるいは弾薬の製造だとか麻薬のつくり方とか、いろいろなものがあるというふうに思っておりまして、やっぱり風営法だけで対応していくというのはなかなか難しいだろうと。先ほど田村委員の方からも御質問ありましたが、青少年の健全育成というような立場からももう少し総合的な対応策、そういうものが当然必要だというふうに思っておるわけでございます。
 そういう点について、大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 今回の改正につきましては、一つは御案内のように風営法といいますか、風俗営業に関するものの努力規定を中心にしたものとして法改正をしたわけでございます。したがって、これは表現の自由とかいろいろ難しい問題もありますから、あくまでこれは努力規定とし、罰則規定を用いていないという、ある意味から見ると弱い面もあるというふうに指摘されても仕方のない側面も持っておるわけでございますが、しかし、この点については十分注意をしまして対応をしてきたわけでございます。
 また、委員御指摘の風俗営業法の対象となります営業の問題以外にも、現在各種の雑誌でありますとかメディアを通じていわゆる有害情報がはんらんをしておるわけでございまして、これが青少年の健全育成に極めて問題あり、支障がある、青少年の健全育成上の問題として、この意味ではすべてその認識に立った上での対応ということになるわけでございます。また、少年の非行化防止と健全育成のために有害情報への対策を強化しなければならないという視点もその中には組み込まれておるわけでございます。
 このような観点から、各都道府県の条例等によりましても有害図書類等の規制というものは実効あるものとして、関係機関や地域住民と連携をとりつつ必要な取り締まりや、関係業界に対しましても自主的な協力等をしていただきますように要請もいたしておるわけでございます。
 また、無料で提供されるインターネット上の有害情報の問題につきましても、昨年三月には有識者から成る調査委員会も発足をさせまして必要な検討を行うなど、今回の改正作業と並行して総合的な対策に取り組んできたわけでございますが、委員御指摘のとおり、これは法律をこういうふうに改正すればすべて盤石とは思っておりません。関係機関、団体、社会全体の問題としても取り組んでいかなければなりませんので、全く御意見のとおり相互連携を関係機関、団体ととりまして対応をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○小山峰男君 ぜひ積極的な検討をお願いしたいと思っております。
 以上で終わります。
○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。まず、私もインターネット関連からお聞きをしたいと思います。
 今、小山委員からも総合的な検討をというお話がございました。私も今回のこの改正案というのは、インターネット空間という先ほど表現がございましたけれども、初めての法規制だと思います。そういう意味では、社会的にも大変注目を集めているのではないかなと思いますけれども、インターネット空間についてはいろんな問題がございますが、まずそういう点から入っていきたいと思います。
 よく新聞記事にも載っておりますけれども、例えばアメリカの国防総省にアクセスをした、国を越えて捕まえに行ったみたいな記事もあったやに思います。例えば、国家機関、防衛庁にしてもあるいは警察庁にしても情報公開の問題はあります。県警本部長がだれと一緒に飯を食ったかとかそういう問題とは別に、例えば補導歴の情報であるとか、防衛庁ならそれなりの国家の安全に関する情報もあるんだろうというふうに思います。
 そういうコンピューターにアクセスをする、これは非常に大きな問題ではないだろうかなと思っておるんですが、今回はわいせつとかそういうところにまず一番最初にお出しになったわけです。警察としてはこういう問題をまず最初に考えるべきではないだろうかなと思うんですが、この点についての警察の現時点におけるお考えをお知らせください。
○政府委員(泉幸伸君) 御質問のように、インターネットといいますか、コンピューターネットの世界、非常に迅速性、即時性、また広域性等の特徴を持っておるものでございます。また、そういう特徴で多くのデータが集積されているところから、ある情報に対するアクセス、これをどう規制していくか、どのように秩序立てていくかという大きな問題でございます。
 警察庁といたしましては、この不正アクセスの問題、喫緊の重要課題であるということで検討は進めております。また、将来的にといいますか、世界的な問題になっておりますが、電子取引等が盛んになってまいりますと、そこで用いられる暗号等についての安全性を確保するということで、詳細は省略いたしますが、その認証機関をどうするかというような制度づくりの問題もございます。
 そのような問題それぞれ現在検討を進めておるところでございますが、今回の風適法でインターネット関連でお願いしておりますのは、先ほども申しましたが、そのような特性とは別に現実空間の中で違法とされているものがインターネット空間といいますか、インターネット上では野放していいということではなかろうという考え方のもとに、現にインターネットを用いて個室ビデオに該当するような違法な映像が垂れ流しになっている、しかもそれを業としているということ、現実の性風俗特殊営業、今までの風俗関連営業でございますが、それの規制と同等の規制をインターネット上で行われているものについても規制しようということで今回出したものでございまして、インターネット全体の情報についてのコントロールというんですか、秩序づけというようなことを目指したものではございません。
○魚住裕一郎君 もちろん、全体を秩序づける、こういうような法律では足りないでしょうけれども、今、不正アクセスについてのお話を伺いました。
 この内容、コンテンツの関係でございますけれども、今回はこういう性的好奇心をそそるという内容でございますけれども、前にもたれか何回かお話がございました。例えば、サリンガスのつくり方を易しく解説した情報が流される、あるいは原子爆弾の易しいつくり方、あるいは炭疽菌の簡単なつくり方と持ち運び方、そういうような情報というのは、こういう風俗情報以上に警察にとっては喫緊の内容だと思うんです。それをどういうふうにしていくのか、もしそれが学術論文で書かれた場合は、じゃどうするのか、この二点について。
○政府委員(泉幸伸君) 今、例としてお挙げになりましたもの、いずれも言論なり表現の自由といいますか、言論の中身の規制に関するものだと理解いたします。
 このようなものについて今、例としてお挙げになったもの、私どもとしては非常にそういうものが飛び交うということは問題だと考えておりますが、それをどう規制するか。このこと自体は、それの規制となりますと、より大きな表現の自由との整合性をどう考えていくか、学問の自由との関係をどう考えていくかという大きな問題を惹起いたします。その意味で、これは特に今御質問にもありましたけれども、善良の風俗、清浄な風俗環境の保持、あるいは少年の健全育成という風俗営業の範囲は超えるものでございます。
 警察としましては、そういうこと自体について問題意識は持っていますが、それの規制というのは軽々に結論めいて申し上げる状況にはないというふうに考えております。
○魚住裕一郎君 もう一度その点についてなんですが、要するに本当に今、国家の存立とかの問題になった場合に、こちらの方がもっと大きな問題でしょうということなんです。
 もちろん、今、局長おっしゃるように、表現の自由、学問の自由との関連はより大きな論点として出てくるんだろうと思いますが、警察サイドからしてみると、わいせつとかそんなものよりもはるかに治安の秩序という面から見たら、もっと重大な関心事を持っているんではないのか、こういう風適法の改正よのもまずその部分についての立法作業があってしかるべきではないのかというふうに思うものですから、お聞きしているんです。
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御指摘の点につきましては、もう御指摘のとおりです。私もそういう認識は持っていますが、これは国家全体の問題でもあり、警察行政を超える問題でもございますから、この場で私からどうだということにはならない。
 ただ、局長からも答えましたように、その点については問題意識を持っていることは事実でございますし、また今後インターネットの時代という将来の道筋が見えておるわけでありますから、国家としては、総合的にこれらの問題については検討するというか、研究をするというか、そういう将来の事態というものは当然私は予測をしてしかるべきだと。また、私自身も、それらのことについてはよくよく警察当局にも、警察所管の分野についての勉強はいたしておると思いますが、さらにそれらのことについての勉強は取り組ませておきたい。
 言うなれば、国民生活や国家のありようにさわりがあるようなインターネットの悪用といいますか、そういうものを通じて表現の自由でありますとかあるいは学術的なものでありますとか、そういう広い意味での問題等は当然警察庁だけで手に負える問題ではなかろう、このように考えておるわけでございまして、御指摘の点については十分そういう意識でおりますことは申し上げておきたいと思います。
○魚住裕一郎君 情報セキュリティビジョン策定委員会報告書なるものがことし二月出ておりますけれども、最終的なこの立法作業というのはどういうような段階を踏んで、いつごろ出てくるものなんでしょうか。
○政府委員(泉幸伸君) ただいま御指摘の情報セキュリティビジョン策定委員会というのは、別な部門、部というか私どもの局でございますけれども、勉強しております。
 先ほど少し申し上げました電子取引の安全性を確保するための暗号技術の普及その他に関するものだと思いますが、これらにつきましては、警察として、電子取引におけるセキュリティー確保が非常に大事であるという旨をそのような報告書にまとめて各関係方面に問題提起をし、それぞれ検討していただく。そして、事は、今、大臣の御答弁にもありましたように、ひとり警察のみで規制するというには余りにも大きな対象でございます。いろいろな関係機関もございます。そういうところでの議論がこれからなされていくであろう。
 特に、私ども警察の立場としては、そういう電子取引の普及、これは時代の一つの流れだと思いますが、そういう電子取引の普及がなされるとぎにそのセキュリティーの面に対する問題意識をぜひ持っていただきたい、等閑視していただきたくないという観点から、そのような報告書を配り問題提起をしておるということでございます。
 今後、どのような法の形になっていくのかというのは、今申しましたようにそれぞれの機関あるいは部門、これは自主規制も含めましていろんな部門でそれの動きに対する対応ぶりを検討されております。それぞれにつきまして、私どもとしては電子取引の安全性の確保という観点で所要の意見も申し上げ、それらに反映させていただくように努力してまいりたい、こういうスタンスでございます。
○魚住裕一郎君 私も、その辺しっかり議論を今後もさせていただきたいというふうに思います。
 それで、映像送信型でございますけれども、今回届け出をさせるという形になっておりますけれども、概念が、性的好奇心をそそる云々とありますが、例えばアイドルの写真集みたいになった場合は非常に難しいのではないかなというふうに思うんですね。週刊誌でもヘアヌードが出ているのがいっぱいございます。文部大臣のところに行った雑誌協会の人が文部大臣に怒られたということがありましたけれども、そのとき雑誌協会の人は、いやこれは芸術ですと言っておりました。
 非常に不明確だなというふうに言わざるを得ないんですが、ただアイドル写真集みたいな場合は、写真集というか、写真を列挙したホームページみたいな場合はどういうふうなお考えでありますか。
○政府委員(泉幸伸君) 御質問のアイドル写真集の実態を必ずしも正確に、先生御指摘の写真集をイメージしながら御答弁できるか自信ございません。どのようなものか、そのものによるわけでございます。
 少なくとも、今回規制をしようという業者につきましては、法案にも書いておりますように、性的好奇心をそそるものあるいは性的行為をあらわす場面または衣服を脱いだ人の姿態の映像というふうに規定してございます。性的行為をあらわす場面というのは、こういう場でなかなかはばかるような表現になっちゃいますけれども、性交だとか性交類似行為等を考えております。衣服を脱いだ人の姿態というのは、全裸または半裸で、社会通念上人が当然着用しているようなものを脱いでいる状況ということで、相当しっかりした概念だというふうに考えております。
○魚住裕一郎君 今の概念規定を伺っていても、やっぱり週刊誌はそうなってくるんだろうなと思うんですわ。
 それで、先ほどからもその判断基準というのを出さなきゃいけないというふうな話がございますけれども、それは政令とかそういう形で出すんでしょうか。
○政府委員(泉幸伸君) これにつきましては、従前も実は解釈基準ということで策定し、公表してございます。今回、新たに無店舗型の営業も規制いたしますので、店舗型、無店舗型を問わずこの概念につきましてはその解釈基準についてもう一度検討いたしまして、早急に策定し、これを公表するということを考えております。
○魚住裕一郎君 その解釈基準を見て初めてこの概念がわかるということを意味するのかなというふうに思います。
 去年のアメリカの判決の中で、例の通信品位法、午前中も議論になりましたけれども、あいまいであるがゆえに無効だという理由になっております。FCCの解釈あるいは議会の議事録を読まなきゃいけないようなものはあいまいであるということで無効になったと思いますが、この判決についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(泉幸伸君) まず、端的に申しまして、米国の通信品位法で問題とされた、日本語に訳すと下品など訳しておりますが、下品なあるいは明らかに不快感を与えるという概念が法文上あいまいであったという評価を受けた。同様の中に登場しているわいせつについてはそういう評価でなくて、わいせつの部分を除き違憲判決が出た。すなわち、下品あるいは明らかに不快感を与えるというような概念があいまいであるというふうにされたと理解しております。
 先ほども申し上げましたとおり、私も、今回の性的好奇心をそそるためあるいは性的な行為をあらわす場面または衣服を脱いだ人の姿態の映像というものについては、下品などか明らかに不快感を与えるという表現と比べて大変確定した、揺らぎようのない規定ぶりであるというふうに思っております。
 解釈基準を示すと申しましたけれども、解釈基準、従前のものも先ほどお答えしましたような形で既に店舗型については定着し、何ら問題は生じていないというふうに理解しております。
○魚住裕一郎君 何か水かけ論になりそうな感じでございますが、今回、十八歳未満の者に見せないためにクレジットカードを利用させるという形になるわけでございますけれども、そうすると大人であってもクレジットカードを持っていない人が当然いるわけです。そういう人にはこういう好奇心をそそる映像は見せないぞということになるわけですね。私、非常に法のもとの平等に反するのではないかと。例えば、不況で破産でもあればクレジットカードを持てませんね。そういう人にはもう見せないんだ、お金を持っている人は見ていいよ、こういうことになるんですが、いかがですか。
○政府委員(泉幸伸君) 該当条文が三十一条の八でございますが、クレジットカードを代表させて申しておりますが、条文に則して言いますと、クレジットカードというのは、四項の「十八歳未満の者が通常利用できない方法により料金を支払う旨の同意を客から受けた」、これはクレジットカードを想定して規定したものでございます。ごらんいただきますように、それ以外に、「十八歳以上である旨の証明」、とれは運転免許証その他幾つかの方法があると思います。それから三項では、いわゆるQ2利用につきましては、「十八歳未満の者が通常利用できない方法による客の依頼のみを受ける」云々と書いてありますが、Q2の〇九九〇の後、三で始まる番号はNTTと成人が特別契約をした場合に用いることができる。
 ですから、こういう映像送信型性風俗特殊営業については、一つの方法としては、このQ2の三で始まるものにしていただいたら子供は見ることができない、あるいは運転免許証その他の身分確認をした上でアクセスナンバー等を付与していただければ子供は見ることができない、クレジットカード支払いにしてもらえれば子供は見ることができないというふうな規定にしてございますので、クレジットカードを持たない大人が全然見る道が閉ざされているわけでは毛頭ございません。
○魚住裕一郎君 簡便な方法はもちろんクレジットを利用する形になろうかと思いますが、だからこそ逆に、クレジットをどんどん使いなさいというような形になりかねないなと、実際上の動きとしては。クレジット番号とかが非常に不正に利用されたりしている事犯も多いわけで、この点の対処、要するにこれをどんどん一方で進めながらまた対処しなきゃいけないというようなことになってくるんではないかなと思いますが、いかがですか。
○政府委員(泉幸伸君) まず、基本的にこのような映像送信型性風俗特殊営業について、慫慂するというものとしては位置づけられておりません。むしろ、届け出をし、一定の厳しい規制をかけて抑制すべき業態であると認識しておりますので、クレジットカードの利用促進という御指摘はあるいは当たらないのではないかと思っております。
 もちろん、クレジットカードの偽造あるいは変造あるいは不正使用、これは今回の風適法を離れた大きな治安問題でございます。これらにつきましては、各方面に対する啓発をも含めまして、取り締まりの強化等で対処しているというところでございます。
○魚住裕一郎君 法文上の問題なんですが、今までインターネット関係でかなりの数が検挙されました。わいせつ物陳列罪というような形の罪名が多いかと思います。
 判例も、下級審ながらぼつぼつ出てきました。学説上二説あるようですが、要するにわいせつ概念というのは、先ほど田村先生からいろいろお話がございましたが、わいせつ物なんですね。「文書、図画その他の物」、物なんですね。判例上もいろいろ工夫をして、例えばテープレコーダーがわいせつ物だみたいな、ちょっと常軌を逸してきているんじゃないかなというような解釈をして何とか有罪に持ち込んでいるというのが実態かなと思っております。
 そう思っていたところ、今回、プロバイダーに関連して、「わいせつな映像」という表現になっております。今まで警察の現場ではわいせつ物、何とかきっちり取り締まろうという形で努力していて、今度この風適法の改正では、「わいせつな映像」という表現に変わってきておりまして、警察の対応が変わってきたのかなというふうに思ったんですが、要するに私が言わんとすることは、いろんな立法があると思いますが、刑法を拡大解釈させていくということよりも、外国の例でもありますけれども、もっときっちりそれをやった方がいいんではないかという観点からお聞きしておりますが、いかがでしょうか。
○政府委員(泉幸伸君) 今御指摘のように、わいせつ物を刑法で検挙する場合に構成要件を充足させる事実をどのように組み立てるかというのは、工夫もし、また刑法の適用上いろいろ議論があるということは承知しております。それぞれの実態に応じてその物をどう構成するかというのを現場で幾つかの工夫を、工夫といいますか該当すべくやっておるところでございます。
 今回は、一つはその刑罰法の適用とは離れた場面で行政法的にそういう映像そのものをとらえまして、業としてそれを送信する者を規制しようとするものでございまして、その意味では刑法のわいせつ罪ととらえ方が異なっておるというふうに存じます。今までは個室ビデオでは映像そのものの展示を規制しておりました。それと同じことをインターネットでやろうということでございます。その意味では、刑法のわいせつ罪の適用について変化があったかどうかということとは一応無関係であるというふうに考えております。
○魚住裕一郎君 今、一応無関係だというお話でございました。
 これは、今回のプロバイダーに対する規定というのは努力義務規定というか、訓示規定みたいなものだなと思いますが、これがうまくいかなかったらば、そのうち改正しましょう、罰則つきにしましょうという話にもなってきかねない。もちろん、知りながら放置したとかいろんな形で構成要件を変えてくるんだろうとは思うのでありますけれども、そうすると、今、局長がおっしゃったのは、これは行政法規だというようなことでありますけれども、もう即刑罰法規になってくるわけですね。その点はどうなんでしょうか、仮定の話になりますが。
○政府委員(泉幸伸君) 法を御提案し、御審議いただく立場としては当然のことでございますが、このような法律は、現在プロバイダーにおかれても自主規制が進んでおります。こういう規定を設ければ当然守っていただけるものだと思っておりますので、なおこれを変えて罰則で直接対処しようというようなことは考えておりません。
 なお、わいせつ物の幇助等につきまして適用があるかどうかという問題は、またこのプロバイダーについて惹起されておるわけでございますが、先ほど申しましたように、物をどのようにとらえるか、そして知っておっただけで、認識があっただけで幇助と言えるかどうかというような、わいせつ罪の当てはめの段階で非常に個別の事情において判断しなきゃならない問題があろうかと思います。
 ともあれ、私どもは今回この風適法の改正でプロバイダーの努力義務ということで、プロバイダーの段階でわいせつ情報をカットしていただくということをプロバイダーの努力としてお願いするというふうな規定を中心に新たな規定を設けたわけでございます。
○魚住裕一郎君 終わります。
○渡辺四郎君 私は、第一点は、今回の風営法の規制の緩和の問題について若干お尋ねをしたいと思うんです。
 今回、規制対象の見直しとして、ダンススクールが挙がっております。確かに近年では健全なスポーツ、娯楽としての認識が深まっておりまして、風俗営業から除外をするのは当を得ておるというふうに思うわけですが、問題は、今日まで営業に係る法令違反やあるいは風適法に基づく行政処分の状況など、ダンススクールの最近の実態は一体どうなっておったのか。
 それからまた、今度の改正で、一定の資格を持った教師がいれば健全な営業が期待できるのかどうなのか、ここらはどういう判断をされておるのか。この二点をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) ダンススクールについては、現在、平成九年で千四百余りのダンススクールの営業所があると把握しておるわけでございますが、過去五年間風適法違反の検挙はございません。行政処分として、住所変更の届けを懈怠したということで届け出るようにという指示処分、これが一件あったという状況でございます。
 そのような状況を受け、今回、風適法の許可対象から除外することが適当であろうというふうに考えたわけで、幾つかの問題につきましては、ダンススクールで構成されている業界団体等を中心とした自主規制で対処していただけるものというふうに考えております。
○渡辺四郎君 後の方の答弁はなかったわけですが、一定の資格を持った教師があれば健全な営業が期待できるかどうか、恐らくそういう判断をされただろうと思いますから、省略をいたします。
 二点目の問題として、特にダンススクールの周辺で、やはり騒音とか振動問題について悩まされておる住民の方々もおることは事実です。これを除外した後、今、局長からお話がありましたが、業界の自主的な実効性のある規制がとられればよいわけですけれども、局長も御存じのとおり、現在のダンス業界というのは必ずしも組織化されておらないというのが実態ではないか。ですから、業界の意思統一を図るのに非常に難しさ、困難さがあるんではないかというふうに思うわけですが、これについてどういう見方をされておるのか、お伺いをしたいと思うんです。
○政府委員(泉幸伸君) 失礼しました。先ほど、ダンススクールの教師の存在について答弁を失念いたしました。
 今の御質問の騒音、振動等の問題でございます。基本的には風適法の許可対象から除外して監督下から出るわけでございますから、業界の自主規制で守っていただくべきで、また現在のところ、それぞれの団体、幾つかございますが、守るというふうに言われております。私どもとしては、その自主規制で守ってくださいということがまず第一でございます。
 当然ながら、こういう騒音、振動で何らかの法令に違反するような、軽犯等に違反するような事態になれば、その法令を適用するという場面も出てこようかと思いますが、いずれにしても、そういう団体等との連携というのは、今後とも教師の資格の認定等がございますので、そういう団体を通じてそれを守るべく要請していくというのが基本になろうかと思います。
○渡辺四郎君 ダンススクールの問題の最後に、スクールとは違いますけれども、和風料理店の皆さんや、あるいは飲食店を併設しておる旅館等の皆さんたちから、ダンススクールと同様に風俗営業の対象から除外をしてほしい、こういう要望が上がっておると思います。私のところにも来ておりますが、この点についてはどういうふうなお考えですか。
○政府委員(泉幸伸君) 和風料理店あるいは料亭等について健全な営業を継続している業者が多いという状況も承知しております。また、今お話しのように、料亭等和風の料理店経営者の団体から御指摘のような陳情も私どももいただいております。
 ただ、現状を見ますと、一部の業者とはいいましても、やはり依然として売春等の風俗事案があること、それから特にこの許可対象から全く除外して自由にした場合に人的規制がなくなりますので、暴力団あるいはそれに近い人物による営業が生じる等々の問題がありますし、それからこの自主規制ということを考えますと、その中心となる業界団体が必ずしも組織率が高くないということがありまして、現時点で許可対象から除くことは困難であろう。
 ただし、長年営業を健全になさってきた業者の方々が不満といいますか、そういうふうな気持ちを持たれているということも理解できますので、今回の改正案では公安委員会の認定制度を設けて、特に長年健全な営業を営んでいる風俗営業者を特別な扱いをするというような制度を設けたところでございます。
○渡辺四郎君 今からちょっと郵政省の方にお聞きをします。
 インターネットに流れる有害情報について、郵政省が学識経験者や業界による研究会で、発信者やプロバイダー、受信者の段階に分けて規制の方法の検討を続けておるというふうにお聞きをしましたが、その検討状況はどうなっておるのか、簡単に。
○説明員(千葉吉弘君) お答えいたします。
 近年、電気通信サービス、特にインターネットの爆発的な普及に伴いまして、インターネット上を流れます違法、有害な情報、こういったものの流通が社会的に大きな問題になってございます。このため、郵政省としましては、情報流通ルール全般のあり方につきまして検討するため、昨年十二月まで、電気通好サービスにおける情報流通ルールに関する研究会、座長は堀部政男中央大学教授でございますが、この研究会を開催いたしまして、昨年十二月二十五日にその報告書が発表されたところでございます。
 この報告書の概要でございますが、インターネット上の情報流通につきまして、まず第一点でございますが、発信者、そしてまたそれを受ける方、受信者、それぞれが責任と自覚を持って利用すべきである、そういう自己責任の原則というものをまず挙げてございます。
 第二点でございますが、違法な情報発信、これに対します現行法の的確な適用というものがうたわれてございます。
 三点目でございますが、プロバイダーによります自主的な対応、いわば自主規制でございます。こちらの自主的な対応の推進を検討すべきだというのが第三点でございます。
 次の点でございますが、受信者の選択を可能とする技術的手段、これは、一般的にフィルタリング技術、言ってみれば有害な情報を受信者の方がみずから選択する、そういう技術的な手段といったものを活用すべきであるという点が挙げられてございます。
 さらに、苦情処理窓口、さまざまな情報流通に関しましていろいろな苦情あるいはクレームがございます。こういったものの窓口を明確化すべきであるという提言がうたわれてございます。
 最後としまして、今後、こういったインターネット上の情報流通につきましてはさらに今後の動向がございます。そういった点を踏まえた検討の推進、こういった点を御提言いただいておるところでございます。
 郵政省としましては、このいただいた提言を十分尊重いたしまして、こうした問題につきまして諸外国の取り組み状況、あるいは表現の自由、通信の秘密の保護、こういった問題との関連を十分に踏まえた上で、制度あるいは技術、こういった点から引き続き多角的に検討していく必要があると認識しております。
○渡辺四郎君 自見郵政大臣が、「「プロバイダーに過度な負担を与え、インターネットの健全な発展や円滑な提供を阻害しないように、一定の配慮が必要」とし、まず業界の自主規制にまかせたいという姿勢を強調した。」ということが二月十八日の読売新聞に出ております。大臣の言うプロバイダーの過度の負担とは一体何なのか、また過度の負担によって心配される点を、あれば具体的にお示し願いたい、それが第一点。
 それから二つ目は、郵政省はインターネットは限りなく放送に近い通信だ、公然たる通信であると解釈しておるというように聞いております。これはインターネットは通信でしかあり得ないということか。であれば、通信を放送のように規制をすれば、電気通信事業法が禁じておる通信内容の検閲に当たるのでないか、この二点についてお聞きをしたいと思います。
○説明員(千葉吉弘君) まず、第一点のお尋ねでございます。
 郵政大臣の方から、二月に、自主規制に任せたいと強調したとのお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたとおり、昨年開きました研究会の報告書の根幹をなす考え方は規制の必要性、それと自由な情報の流通、いわば表現の自由でございますが、こうした問題とのバランスを図る必要がある、こういった点が中心である、重要であるということが我々の理解でございます。そうした点を踏まえた上での発言であったという点がまずございます。
 そうしたことを踏まえまして、今回お尋ねのプロバイダーにとって過度の負担の懸念ということでございますが、まず違法な情報、例えばわいせつが今回そうでございますが、こうしたものをプロバイダーがみずからのホームページに掲載されていないかどうかというものを積極的に調査する、そういう監視義務といったものがかけられるという形、あるいはこういった違法な情報の流通を除去するため罰則を伴いまして、それをプロバイダーに除去するような義務を課す、そういった場合には特に違法性の判断というものの困難が予想されるのでございますが、そうした形がなされた場合に、プロバイダーに対してはこういった非常に広範な義務が課されるのではないかというふうに考えてございます。
 今回の法案のうちプロバイダー規制の部分でございますが、先ほど来御質疑がございますように、わいせつ映像はんらんに対してプロバイダーにも必要最小限度の責務を果たしてもらうという趣旨でございまして、そういう意味では努力義務でございます。内容的にもプロバイダー自身がっくりました自主的なガイドラインに沿った対応をすれば足りるということから、昨年発表されました報告書にも矛盾するものではないと考えております。
 第二点のお尋ねでございますが、放送に近い通信あるいは公然たる通信という関係でございます。昨年の報告書におきましてはインターネットのホームページ、それからパソコン通信におきます掲示板も入るかと存じますが、こういった通信という形態をとってございますが、だれでもがその内容を知ることができる、もともと発信した方はだれでも見ていただきたいという前提で発信されている、そういう意味では実質的に通信内容に秘密性が認められないというふうに考えてございます。だから、情報が不特定多数にまず流通する。そういう意味では、従来ありますような電話でございますが、一対一の通信といったものとは別に扱いをすることが適当ではないかということで、そういう通信を指すための言ってみれば道具としまして公然たる通信という言葉が使われているということでございます。
 したがいまして、この公然性を有する通信につきまして、放送のように規制するという趣旨ではございませんで、あくまでも通信の一形態、一つの形態としまして、そういったものにつきましては通信の秘密あるいは検閲の禁止といったものがどのように適用されるのかということを検討した上で、プロバイダーによります例えば削除でございますとか利用禁止でありますとか、そういった自主的な対応をとることも可能であるという報告をいただいたということでございます。
 以上でございます。
○渡辺四郎君 僕は頭が悪いからよくわからぬが、では次の問題で、インターネットが国際的に明確なルールづくりが今求められつつある、そういう時期に来ておるわけです。郵政省としては、テレコムサービス協会のガイドラインを経済協力開発機構、OECDに提出をして各国とルールを検討する方針というふうに報道されておりましたけれども、これについてはどういうお考えか、その辺の状況について簡単にひとつ、時間がないからお示し願いたいと思うんです。
○説明員(千葉吉弘君) 先生御指摘の自主ガイドラインでございますが、社団法人テレコムサービス協会が二月に発表いたしました。このガイドラインでございますが、OECD、経済協力開発機構の国際機関、こういった機関で世界的なインターネットにおきます情報流通ルールにつきまして検討されておる状況でございますが、世界的には各国の対応もまちまちでございまして、いまだに統一的なものがないというのが現状でございます。
 実は去る三月二十五日、このOECDの中の情報コンピューター通信委員会というところがございまして、そのところでインターネットコンテント自主規制フォーラムというものが開催されております。このフォーラムにつきましては、各国のそういった事業者団体あるいは産業界、それから政府関係者、こういった者が集まりまして、いわゆる自主規制のあり方につきまして、あるいは政府の役割のあり方につきまして検討がなされたところでございます。その場におきまして、郵政省から推薦いたしまして社団法人テレコムサービス協会がガイドラインの紹介を行ったという状況でございます。
 結論から申しまして、このフォーラムでございますが、さまざまな議論が行われましたが、自主規制のあり方あるいは政府の役割につきましてもさまざまな考え方がございまして、国際的に統一のとれたルールというものが形成されるまでには今なお時間を要するというふうに認識しております。
 今後とも、郵政省としましては諸外国との協調に取り組んでまいりたいと考えております。
○渡辺四郎君 ちょっともう時間がないから、もう一点は飛ばします。
 次に、警察庁の方にお伺いしますけれども、今度のもう一つの改正項目でインターネット利用の有害映像送信営業に対する規制についてですが、プロバイダーに対してわいせつな画像が自分のサーバーに記録をされていることを知ったときはその送信を防止するため必要な努力義務を課すこととされておるようです。通信の秘密の保護とか、さっきからありましたように情報の法規制に対する表現の自由の問題、あるいはそういう問題等で法規制の効果の点などについて私自身が若干疑問を感ずるものですから、以下の点ちょっとお尋ねをしてみたいと思うんです。
 一つは、インターネット上のわいせつ画像については、先ほどお話がありましたようにこれまでも野放しだったわけではないわけですね。刑法のわいせつ図画公然陳列罪ですか、これを適用してかなり摘発をしてきておると。今回、法律改正までして規制をしなければいけないような事態になっておるのかどうなのかというのが第一点です。
 それから、今度の改正の内容を見てみますと、大人が見ている分は違法じゃないんですね、十八歳未満の少年が有害なポルノ画像を有料で見ている場合だけが規制の対象になるのだと。ですから、確かに目的は、わいせつ画像を子供の目の近くに与えることを遠ざけていくというのが目的だと思うんですが、その画像を流す業者を排除することにあるということもわかります。
 お聞きをしたいのは、わいせつ画像を無料で見せる場合は規制の対象じゃないということと、きょうの参考人の御意見にもありましたけれども、海外からの映像も規制の対象ではない、さらに無料のホームページにはわいせつ画像は無数に現在もう流れておる、だから国内のホームページがだめなら海外にまた抜けていこうじゃないかということも問題だと午前中ありました。そういう抜け道がありながら、法規制をかけてもそれだけの効果が上がるのか、あるいは期待ができるのかという私自身の疑問もあるわけですが、ここらは事務段階じゃなくて国家公安委員長の方から御見解をお伺いした方がいいんじゃないかと思いますから、ぜひ国家公安委員長のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) お答えする前に一例紹介しておきますと、日本PTA全国協議会というのがありますね、そこから私あての陳情もございまして、ここでは全く社会的な常識の線に沿って陳情が参っておりますが、そのような動きもございました。例えばどういうことかというと、インターネット上のポルノ映像等について青少年の目に触れさせないようにするため法律で規制していただきたい、またプロバイダーについてもそれを放置してはならない旨法律で規制していただきたい、アダルトビデオのレンタルや通信販売及び女性を派遣するいかがわしい営業について青少年の健全な育成という観点から法律で規制していただきたい、こういうような具体的なものも含めた陳情等もあったのは事実でございます。
 おっしゃるように、法律をつくりましても社会的な協力あるいは業界の理解、協力、家庭的な協力がなければこの効果をあらわすことはできない、そういうふうに私は思っておるわけでございます。御指摘のとおり、それを申し上げてお答えいたしますが、今回新たに規制の対象となるのはインターネットを利用したポルノ営業及びプロバイダーであります。
 まず、インターネットを利用したポルノ営業につきましては、届け出制を導入することによりましてその実態把握が可能になる、また違法な営業を排除することが可能になる、このような一つの判断があるわけでございます。さらに、無料のホームページや海外から発信するものは今回の規制の対象外でございますが、まずは国内に三千以上この業者があり、先ほど局長が答えましたが、有料ポルノ映像を送信する営業について法の網をかぶせることによりまして、少年の健全育成を阻害するおそれのある状態が生じることは防止でさるという考え方に立っておるわけでございます。
 次に、プロバイダーに対しては、努力義務が課せられることによりましてわいせつな映像に関するプロバイダーの法的責任が明確化し、プロバイダーの自覚の向上につながるということも一つの考え方に立っております。
 このように、今回の改正が決して万全とは思っておりませんが、コンピューターネットワークのわいせつ映像をなくすという目的に向け大きく前進をさせる、少年の健全育成に対するこのような意味での悪影響を取り払うということに対しての法の改正でありまして、そのことを一つの目的というか、前提にしてこの法律改正をいたしたわけでございます。
 なお、無料のホームページ等につきましては、今回の改正を契機といたしまして国民の議論が活発に行われ、また社会的な一つの背景としての理解、協力が体制的に条件整備されることを心から念願いたしておるわけでございます。
○渡辺四郎君 二つ残っておりますけれども、ちょっと時間がないから、私は大事なところを押さえておきたいと思うんです。
 きょうの午前中の参考人の中でプロバイダー業界の代表の方からもお話がありました。朝からの議論の中でも、さっき最高裁の三つの判例の基準みたいなものを局長がお話しをしましたけれども、どうもやっぱりわいせつの定義そのものも示されていないというのが業界の皆様方の取り方なんです。判断はどうしてもプロバイダーに任されておる。そうすれば、さっき郵政省にもお聞きをしましたけれども、プロバイダーの場合は電気通信事業法との関係でどうしても板挟みになるということを業界の代表の方もけさの意見の中で言われていたわけです。
 そういうことで、例えば国民から変な画像が出ておるという苦情があれば警察庁の方はプロバイダーの方に要請をするでしょう。そうした場合に、見なければわからないわけですから、これは通信の秘密を破るわけです。そうしますと、これは電気通信事業法で引っかかるという等の問題があるものですから、業界の皆さんが非常に心配をされておる。
 ですから、やらなければいけないことはわかっておるわけです、この問題も。そうすれば、業界の皆さんが安心してできるようなことを郵政省と警察庁の方とが一体となって早期にその問題の解決をするといいますか、方向を出すといいますか、そういうことをしてあげなければ、業界の皆さんが今自主的にガイドラインまでつくってやっておるわけです、そういう協力をしていただくわけですから、より協力のしやすい条件をつくってやるということをぜひひとつお願いしておきたい。これはお願いです。
 そういう中で、もしもそういう事件が発生をしたと。ところが、今申し上げましたように板挟みになっておるものですから、だから調査をしなさいとか、事前事後を通じてそういう調査についての義務としての調査権はない、プロバイダーの方に義務はないんだと。だから、あくまで警察庁の方としては要請をする、自主性に任せて調査をするんだということの念を押しておきたいと思うんです。
 もう余り時間がないけれども、ここは大事なものだから、法律案の要綱にも概念規定がないと先ほどから言いましたけれども、ある憲法学者が、その範囲も不明確だ、表現の規制としては明らかに的確性を欠くので、憲法学上から見ればこんなに瑕疵のある法律は漠然性ゆえに無効とされるというようなことを言っておるわけです。
 ですから、そういう点等がありますから、せっかく法律をつくって業界の皆さんに協力を要請するということになれば、そういうことにならないような段取りをしなきゃいけないと思うものですから、そういう点は局長の方から先にお答えを願って、そして警察庁長官、ひとつあなたの方からも、さっき言いました業界との関係の部分、郵政省関係の部分は大臣の方からでもひとつ早急にまとめていただいて、業界の皆さんが安心して協力のできるような体制をつくっていただきたいと思うわけです。
 以上です。
○政府委員(泉幸伸君) ただいまも御指摘いただきましたし、今までにも御議論いただきました通信の秘密、それから検閲を避けるプロバイダーに過重な義務を課さないということは、私どもも当然この議論の過程で慎重に配慮してきたところでございます。
 御案内のとおり、今回提案させていただきました法では、プロバイダーには調査義務は課しておりません。知ったときの措置を講ずるように求める、努めるという努力義務のみを課しておりますので、調査義務を規定したものではございません。他の客等からの苦情により自己の所有するサーバーコンピューターの記憶媒体に一定のわいせつな記録が記録されていると知った場合における事後措置を規定したものでございます。
 また、プロバイダーが板挟みという表現をなさいました。両方の監督を受けてという事態を心配なさっているという声も聞きますが、私どもがプロバイダーに対して唯一この法律で取り得る手段は勧告でございます。勧告を行う場合には郵政大臣とあらかじめ協議して行うということで、そのような心配もないような規定になっていると考えております。
 運用に当たりましても、当然ながら、今御指摘のプロバイダーの調査義務等を課すようなことのないように運用を十分に気をつけてまいりたいと考えております。
○政府委員(関口祐弘君) インターネットの法規制等の問題でございますけれども、私ども、この対象とするものにつきましては、例えば映像送信型性風俗特殊営業というものに対する規制ということを一つ考えるわけでございますが、その営業の定義というものにつきましては、既に風適法等におきまして使っている用語をそのまま使用しているものでございます。したがって、一応定着をしているというふうには考えておりますけれども、しかし、今回の改正に当たりまして、そしてまたただいまの委員の御指摘等も踏まえまして、営業者の便宜等に資するために規則、解釈基準等によりましてさらに具体的な基準と申しますか、そうしたものを作成するべく検討してまいりたいと思います。
 そして、私ども、法の運用に当たりましては、いやしくも人権の侵害というふうなそしりを受けることのないように十分な配意、そして第一線の指導というものを徹底してまいりたいと思います。
○渡辺四郎君 時間が来ましたから、終わります。
○有働正治君 まず、国家公安委員長そして国務大臣としての基本認識だけお伺いしたいと思います。
 今日、とりわけ性をめぐる違法、有害な一連の事態というのは、インターネットを含めまして極めて異常で深刻な事態だと思うわけであります。しかも、八四年の本法律改正以降、今日までの事態を考えてみますると、ますます憂慮すべき事態になってきていると考えるわけであります。二十一世紀を目前にして、この問題というのは日本の社会の健全な発展の上で避けて通れない、本当に近々に解決すべき国民的重要課題の一つだと考えているわけであります。
 そういう点では、解決のために国民的な世論と運動、そういうのが求められていると思います。国会は国会として、行政府は行政府として、あるいはそれぞれの分野、団体挙げて国民的に解決のために力を合わせていくことが求められているということを痛感しているわけでありますが、そこらあたりの基本認識はどんな感じでおられるのか、まず国家公安委員長にお尋ねするわけであります。
○国務大臣(上杉光弘君) 委員御指摘のとおり、今日の性風俗の乱れ、またそうした情報でありますとかあるいは映像、写真等のはんらんというものは、著しく少年の健全育成を阻害しておることは申すまでもありません。
 今回の風適法の改正は、そのような社会的な背景を十分踏まえ、前回同法が大幅に改正をされました昭和五十九年以降の風俗環境の著しい変化に対応していこうとするものでございます。特に近年、性風俗産業に関し無店舗型の営業形態が増加している、この性風俗に係る秩序に大きな乱れが生じておりまして、先ほど申し上げましたように、少年の健全育成への大きな障害となるのみならず、大きな社会問題にさえなっておるわけでございます。これらの営業の規制の強化を大きなねらいといたしておるところでございます。
 今後とも、関係法との整合性を持たせたこの法律の適用、運用というものを図ることは申すまでもございませんが、風俗環境の変化に対応した規制や厳正な取り締まりが行われるよう、警察当局を指導してまいりたいと考えております。
○有働正治君 法だけではやっぱり解決できない問題があるわけで、国民的な大きな取り組みが必要だという認識でおられることはそうだろうと思うのでありまして、そういう立場から挙げて取り組んでいく必要があると考えるわけであります。
 具体的な法内容について幾つか御質問します。
 社交ダンス等が健全な文化、レクリエーションとして国民の間に広く普及しているわけで、今後ともこれを発展させていくべきものだと考えるわけであります。そういう点で、一定の条件を備えたダンススクールを風適法の規制対象から外す、これは当然の措置だと考えているわけであります。
 また、性風俗特殊営業を除くその他の風俗営業について、売春事犯の防止等の措置を講じた上で健全な営業を行っている者について一定の規制緩和を図る措置もそれとして妥当だと考えるわけであります。問題は、特殊風俗業者の認定制度導入に関連して警察推奨の優良風俗店という使われ方をされるおそれがなきにしもあらずということであります。
 そこで、お聞きしますけれども、風適法の目的につきまして風俗営業の振興を図るという目的は含めていないとこれまで政府の立場としてはとってこられたやに承知しています。今回、改正後もこの点は変わらないと考えられるのかどうか。また、そうであれば、業の振興には手をかさないためにどういう歯どめ措置をとられるのか、あわせお示しいただければと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 御案内のとおり、今回の法改正でも第一条目的規定についてはその内容の変更はいたしておりません。その意味では従前と変わるところはございません。
 それから、業の振興という点につきましては風適法上特段の規定はございません。むしろ、風俗営業を含めまして健全営業が図られるための所要の立地制限等の規制を行っておるという状況でございまして、そのこと自体は従前と変わるところはないわけであります。ただ今回、この特例営業の制度につきましては風適法上いろいろな規制がなされておりまして、ややもすると、それを守るインセンティブが余りにもないじゃないかというような声も聞かないではないわけでありまして、長年何らの違反もなく営業をしてきたという者について健全な営業である旨の認定制度を設けようということにとどまるものでございます。
○有働正治君 次に、インターネットの規制と表現の自由とのかかわりでありますけれども、第二条八項の映像送信型性風俗特殊営業につきまして、具体的にどのような基準で適用業者、非適用業者を判断されるのか。また、性的好奇心をそそるという概念規定が刑法百七十五条のわいせつ概念よりも広く青少年保護育成条例の有害図書概念よりも広範だという指摘もあるわけで、そういう点で客観的で具体的な判断基準についてどういうことを考えておられるのか、お示しいただきたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 御質問の映像送信型性風俗特殊営業につきましては、二条八項にありますように、「専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、」云々と書いてございます。その意味で、これは現に個室ビデオと呼ばれております店舗型の営業と同一内容を、放送または有線放送に該当するものを除く電気通信設備を用いて客に届ける営業ということで、どのようなものが該当するかということにつきましては、営業として取り扱おうとしている映像については客観的に明らかになっているものであると考えております。
 なお、これらにつきましては従前も規則、解釈基準等により具体的な基準を店舗型については示してきたところではありますが、今回の改正を受けて、改めてこれに関する解釈基準等を策定し公表してまいりたいと考えております。
○有働正治君 言論、表現の自由とのかかわりで客観的で具体的な判断基準、これをきっちり明示すべきだと考えるわけであります。
 それから、インターネットによるアダルト画像送信に関する営業規則として、改正案が公安委員会によるプロバイダー業者への勧告などを盛り込んでいるわけでありますが、この点で二つの問題が出てくると思うんです。
 一つは、プロバイダー業者に自己検閲、私的検閲を要求するとなれば、言論、表現の自由等の侵害という問題が生ずるわけでありますけれども、この私的検閲がどういうことになるのか。もう一つは、警察がプロバイダー業者に勧告する際の判断基準でありますけれども、わいせつ映像とは何かの定義をめぐってさまざまな議論はあるわけで、このプロバイダーに対しわいせつ映像送信防止措置をとれと勧告する場合のわいせつ映像とは何か、その判断基準、ここらあたりどうなのかということで、私的検閲問題を含めまして御見解をお示しいただきたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 一般に検閲とは、思想内容等の表現物を対象としてその全部または一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的に一般的に発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものにつき発表を禁止することをその特質として備えるものを指すと解すべきであるというふうに言われております。
 また、その主体は行政権が主体であるというふうに言われておりますが、主体につきましては今自己検閲という御質問の内容でありますので主体は別にいたしまして、今回の改正案においてプロバイダーに課せられている努力義務というのは、プロバイダーがわいせつな映像が記録されていることを知った場合のその後の措置についてのものであって、事前に映像の内容を調査、探索することについて求めているものではない、その意味てば検閲には当たらないと思っております。
 また、知った場合の事後措置であり、しかもそれが努力義務にとどまっておりまして、罰則については設けられていないということで、プロバイダーの方々が必要以上に過敏に反応して、後で恐ろしい措置が来るからあらかじめ自己検閲か自主規制ということでそのサーバーの内容を点検するに走るというようなおそれもこれまたないというふうに思っております。
○有働正治君 勧告の判断を聞いているんです。
○政府委員(泉幸伸君) 勧告につきましては、法文に書いてございますように、プロバイダーが必要な措置をとっていないというときに郵政大臣と協議して行うわけでございますが、その中身でありますわいせつの基準につきましては、既に申し上げております、いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものというのがわいせつでございますので、これに当たるかどうかという当てはめて判断することになるかと思います。
 これ自体は通常人の判断ということで、プロバイダーがこの基準で判断できると考えておりますが、ただ幾つもの事例がある問題でありますので、私どもとしましては、限界的な事例については判断に迷う場合もあると考えられますことから、検挙事例において具体的な事例でわいせつに当たるという司法判断が示された事例等を一般化してプロバイダーにお示しするということも検討しているところでございます。
○有働正治君 この点、国家公安委員長にも改めて確認をさせていただきたいのでありますけれども、この映像送信型性風俗特殊営業の適用基準あるいはわいせつ映像の送信を防止する措置を求める勧告の適用基準、これが指摘されています言論、表現の自由等々の立場からきっちりする、国民の権利を保障するという重要な問題にかかわるわけでありますので、この点についての見解、改めて明確にして、いただきたいと思います。
○国務大臣(上杉光弘君) 各界各層の有識者等の御意見も十分聞きまして、私の記憶では半年間ぐらいこれは十分検討、協議をしてきた。そういう意味で、ただいま御指摘の点につきましては、映像送信型性風俗特殊営業の該当性及びわいせつの判断基準につきましては、現時点でも十分に明確にされていると考えておるわけでございます。
 他方、営業者というそれを業とされる方がおるわけでございますから、便宜等に資するためにもさらに具体的な御指導を申し上げなければならない、こういうふうに考えております。
○有働正治君 通信の秘密、表現の自由等とのかかわりで問題、運用を含めましてきっちり対応を願いたいということを改めて申し上げておきます。
 国家公安委員長にもう一点でありますけれども、外国人売春婦の取り締まりの問題であります。
 これは、国内はもとより、海外から女性を入国させて売春させるという人権侵害行為が我が国で横行しているということで、非常に批判が高まっているわけであります。
 そこで、この問題について毅然としてきっちり対応することが求められているわけでありますが、その際、半年ごととかあるいは四半期ごととかその状況を公表するなどして、国民的にこういう問題も解決していくということを含めた取り組みの強化が求められると思うわけでありますが、この点、いかがでございましょうか。
○国務大臣(上杉光弘君) 警察庁では、来日外国人問題の現状につきましては半年ごとにもう既に公表をいたしておるわけでございます。これらはさらに続けてまいらなければならないと考えております。その際に、外国人女性の関与しました売春等の事犯の取り締まり状況についてもあわせて公表いたしておるわけでございまして、引き続きこれらの努力は怠りなくやっていかなければならない。いやしくも国際的な批判を受けるようなことのないように対応してまいりたいと考えております。
 委員の御指摘の点も外国人女性が関与した売春等の事犯取り締まりの成果というものでございますが、これも引き続き積極的に、これは公表だけではなくて、警察当局として取り締まりを強化し指導してまいるようにしたいと考えております。
○有働正治君 次に、住宅地へのパチンコ出店規制問題は今回、法改正の内容には含まれていないわけであります。私は昨年六月十七日の暴対・風営小委員会でこの問題について住民の方々の請願、要望等も踏まえて改善方を要望したわけであります。その後、どういうふうに検討されておられるのか、簡潔にお示しいただければと思います。
○政府委員(泉幸伸君) ただいま御指摘のように、昨年六月十七日の風俗小委員会での御指摘で、その際、御指摘を念頭に置き検討すると御答弁申し上げました。その後、今回の改正にあわせて検討いたしました。
 御案内のとおり、今回の改正は風俗営業に対する規制の緩和、営業に関して行われる売春事犯の防止、無店舗型性風俗特殊営業等に関する規定の新設でございます。ここを重点としておりますが、御指摘のありました市町村条例で地域規制を行うこと、あるいは地域住民の同意を許可の要件とすること等について部内で検討を行いましたが、営業者に対する過度な規制にならないかという問題がございますし、また、あわせまして県を含みます地方団体の事務の配分のあり方等の問題があります。なお慎重に議論すべき点が多いということで、改正内容には盛り込んでいないものでございます。
○有働正治君 良好な住環境を守り、静かに暮らしたいという住民の願いと、住民が主人公という自治体のあり方に照らして、このパチンコ出店をめぐって全国幾つかの地域でトラブルが起きているわけで、その問題の解決というのは決して軽視できない内容を持っているんじゃないかと思うわけであります。住居集合地域境界から百メートルを原則制限区域にしていただきたい、営業制限地域の指定は最も身近な市町村条例で行われるようにこの点も改正していただきたい、また住民説明会と市町村長の同意等々を内容とする要望でありました。これを制度化すれば、パチンコ出店をめぐる全国幾つかの地域で起こっているトラブル等々も大方解消するということだと思うんです。
 そこで、今、局長御答弁になりましたけれども、国家公安委員長、こういう強い要望がありますので、政府としてこれは積極的に受けとめて検討して対応を求めるわけであります。最後に、国家公安委員長の御所見だけお聞きして終わります。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘の提案につきましては、局長からもお答えをいたしましたが、他の関係する諸制度も十分参考にしつつ、今後とも引き続き慎重に検討していくべき課題と考えております。
 なお、地域住民とのトラブル等が起こらないようにと、こういうことでございますが、この点につきましては、周辺住民の同意ないし意見聴取等を営業許可等の要件とすることは、この点についても慎重に検討をすべき課題と考えておるところでございます。
 このような風俗営業につきましては、善良な風俗の保持と営業者の営業権との調和を図らなければならないことも事実でございまして、また公平公正な運用を確保するという観点も外すことのできない観点でございますから、主観的な判断を入れることなく、都道府県条例等で定めた地域以外の地域での営業をすることといたしておるわけでございまして、地域住民とのトラブルがないように、国民の生活に支障のないように、これは十分考えていかなければならないことは委員御指摘のとおりでございまして、これらのことを総合的に勘案をいたしまして検討を慎重にしてまいりたいと考えております。
○有働正治君 終わります。
○高橋令則君 風適法の今回の改正の前に、前提と申しますか研究会があったようでございます。それをちょっと見せていただきました。その提言の中で「議論が尽くされたわけではないが、」というふうなくだりがございます。今回、恐らくやられた部分はやったんでしょうが、残っている部分も多々あるというふうにも見えるわけですね。それで、全部とは申しませんけれども、この研究会の中で残されている議論があるとすればどういったものがあるか、まずそれをお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 研究会の提言の中で、「議論が尽くされたわけではないが、」というふうな表現は確かにございます。学者の先生に幅広く御検討をお願いし、また、私どもはこれは長い時間かけられないということで、半年間に七回にわたっての検討を急いでいただきました。外国人女性の保護等の問題、無店舗型の営業等の問題、自主規制の問題、あるいは地域の実情に即した都道府県による自主規制の促進の問題等を取り上げていただきました。それぞれのテーマについて全く諭し尽くしたというわけではないという趣旨で「議論が尽くされたわけではないが、」という表現があると理解しております。
 例えば、残っている問題としてはどんなものがあるかというと、大きな問題として性に関する情報で、今回この委員会でも御指摘いただき、また御質問にもございましたが、性に関する情報のつくり手に関してその規制の必要性あるいはそのあり方等も論すべきではないかというような議論もございました。これは風適法の枠組みをある意味では超えたものでございます。さらにこういう問題を、風適法の改正という委員会ではございません、風俗行政のあり方ということでお願いいたしましたので、例えば今申しましたような問題については残っているよという御指摘でありました。
 今回の法改正につきましては、昨年十二月にこの御提言をいただきまして、さらにそれを踏まえまして内部の検討、それから関係業界、関係方面の意見聴取、関係省庁との協議ということを経て改正案の成案を得たというような状況になっております。
○高橋令則君 報告の末尾で、「ぱちんこ営業の在り方について」とありますね。ここに「賞品問題の解決」云々と出ております。これについての検討及び方向についてはいかがですか。
○政府委員(泉幸伸君) パチンコの賞品問題については、実はメンバーが若干異なりますが、同じように生安局に設けました研究会において平成六年十月に一定の方向をいただいた検討結果がございました。そこでは営業のあり方について一定の方向が示されたわけでありますが、その前提条件として、一口に言いますと、社会のコンセンサスが、国民的コンセンサスが十分得られていること、内容の詳細は省略いたしますが、その上で一つのあり方を示されました。
 ただ、この問題はそのまま残っておりますので、今回、現在のパチンコ営業の現状につきまして、私どもの方から御報告申し上げ、その上でお手元の資料の五十ページにありますような、現状はまださらに慎重な検討が必要とされるというふうな判断が今回の検討会ではなされたという状況でございます。
○高橋令則君 私も若干聞いておりますが、なかなかコンセンサスを得るのは難しいというふうな意見もあるようですし、また自主的な規制ですか、そういうふうな動きもあるようですし、今後やはり業界全体の問題としてなかなか大きな問題だというふうな認識もあるようですが、当局自身として、今の段階で何か方向性についての認識はありますか。
○政府委員(泉幸伸君) パチンコ営業につきまして、営業のあり方等幾つかの解決しなきゃならない問題がございます。
 そのうちの一つとして私どもが認識しておりますのは、パチンコは本来遊技の結果一定の景品をもってそれを楽しむという形を風適法は前提にしております。現行では、そのパチンコ店から得た景品を客が別な場所に持っていっていわゆる換金するというようなことが常態化しておって、これは風適法の本来考えていた、違反になるかどうかは個々の形態において違反になる場合もあるし、そう違反として問擬できない場合もございますが、少なくとも風適法が前提としていたパチンコ営業の理念といいますか、そういうものとは離れているんじゃないか、この問題をもう少し法的に整理して具体的な対処法を出すべきじゃないかというのが、そしてその一つの方向を模索されたのが平成六年十月の結論でございました。
 ただし、そういうことが行われて、パチンコがそういう営業になっていいよということを国民的に認められる必要がございます。そういうものにつきましては、一つはパチンコの不正機等が蔓延しない大変公正なゲームになっていること、あるいはパチンコの射幸性によって社会的な問題が生じていないこと等々の前提条件があるだろうという判断でございます。
 そういう観点で現状を見ますと、まだまだ解決さるべき課題は多かろう。これについては業界でも自主規制ということで鋭意取り組んでおりますが、まだその途上にある。その意味でそういう状況も御報告申し上げたところ、この研究会においては、先ほども申しましたような記載になって、なお継続検討すべき課題であるというふうに提言の中に盛り込まれたというふうに理解しております。
○高橋令則君 ありがとうございました。
 次に、今回の改正の問題ですけれども、私ども見せていただいたいろいろな資料からすると、相当尽くした検討をされているというふうにそれなりにしておりますが、人によってはまだ十分じゃないというふうな、立法の過程についてまだまだというふうな議論のある方もいるようです。今回の法案は秘密裏にやったんじゃないかとか、強引ではないかとか、それからインターネットが関係する法案はできるだけインターネットを公開してやるべきだとか、こういうふうな意見があったんですわ。こういうふうな立法経過についての配慮はいかがでしたか。
○政府委員(泉幸伸君) 当事者でございますので、それの評価というのはむしろみずから申し述べるべきでないかもしれませんが、私どもといたしましては秘密裏というような表現は大変意外でございます。広く業界の意見も聞き、研究者の方にも聞き、その中間報告も報道等にリリースして問題点等も明らかにしてまいりましたし、研究会の提言段階、これはさっき申しましたようにまだ法案をこれから策定しようという段階でございます、問題点の指摘、こういう方向性を示したという研究会の提言の段階でもこれもオープンにいたしました。また、作業途中で骨子等の段階も通常のルートでございますが報道機関を通じて国民の皆さんに知っていただくということで報道もなされました。
 インターネットで出したのかというお話もありました。インターネットのホームページに私どもが出すというようなことはいたしませんが、これは私どもが考えますのは、日常的に警察の動向、官の動向を報道される報道機関を通じてお知らせしておりますので、秘密裏というのは全く当たらないんじゃないか、これは当事者的な者が申し上げるのもなんでございますが、そのように考えております。
○高橋令則君 御答弁については理解いたします。
 具体的に法令の中身なんですけれども、営業時間制限の緩和の基準、これはいわゆる政令に定める基準に従って条例で一時間緩和できるんですね。政令の基準の考え方について。
 それからもう一つは、聞いている限りでは、通常は零時で終わるのを例外的にということですけれども、それ以上に実態はもっとあるんじゃないか、せっかく一時までにしてももっと実態は言うなれば超えてしまうんじゃないかというふうな別の意味のまた心配もあるという議論もあるんですね。この点はいかがですか。
○政府委員(泉幸伸君) 現行の規制は、実は昭和五十九年改正まではほとんどの都道府県が条例で風俗営業等につきましては午後十一時までという規制をしておりました。五十九年に、国民の生活様式が多様化しているということで、午前零時まで原則として認めるという規定になりました。御案内のとおり、実は地域によってお祭りだとか特別の日というものを指定しまして、それはさらに延ばしていい、現在条例で延ばしていいということにしてございます。それはもっと遅い時間になっています。その特別な状況があってさらに延ばした日、そういうものではなくて、もっとある特定の地域については通常の姿としてさらに延長していいということを考えようとしたのが今回でございます。
 政令の基準等につきましては、商業地域内、例えば商業地域内の繁華街で風俗営業所だとか深夜酒類提供飲食店等が密集しているような地域というものを考えております。
 なぜ今回零時を一時にしたかということにつきましては、一般的にもう少し遅くてもいいんじゃないかという声もありましたが、私どもは、総理府統計局の調査によって国民の生活様式を調べたものがございますので、それを参考にいたしました。十五歳以上の国民で午前零時から零時半までの時間帯に起きている人が昭和六十一年は一一%だったのが平成八年には一五%、零時半まで起きている人が少しふえております。それから午前零時半から一時まで起きている人が昭和六十一年は八%だったのが平成八年は一二%ということで、国民生活が深夜の方にスライドしているということは出ておりますが、必ずしも大きなものではないということで、一気にいつまででもいいということになりますと、風俗営業で一般的に午前零時ということを風俗環境の維持等の側面から定めておりますので、午前一時までというのが妥当ではないかというふうに判断いたしまして午前一時ということにいたしたものであります。
○高橋令則君 その話は伺ったんですけれども、なおかつ超えたものがどんどん出てくるんじゃないか、守られないというふうなことも心配をするんですが、これについてはいかがですか。
○政府委員(泉幸伸君) これらにつきましては、決められているルールを守らない者でありますから、風俗営業者であれば行政処分等を含めます積極的な取り締まりで対応するということに相なろうかと思います。
○高橋令則君 聞くのもどうかと思うので、この辺でやめておきます。
 それからもう一つですが、風通について県レベルの立法、条例があるんですね。やはりこの研究会のくだりで「地域の実情に即した都道府県による自主規制の促進」云々というのがあるんです。これはちょっと奇異な感じがしたものですから、中身はわかっていますけれども、これをなぜ書いて取り上げたんだろうなというふうに思ったものですから、これについての所感はいかがですか。
○政府委員(泉幸伸君) 御質問の趣旨は、この研究会でなぜそのことが取り上げられたかということでございますか。
 これにつきましては、実は先ほど御質問ありましたように、風俗営業に類似したものとしてテレホンクラブの規制等が条例で行われております。また、条例で新しい型の風俗営業類似のものを設けるというような動きも時にございます。
 ただ、これにつきましては条例と法の関係、これは若干行政法の難しい問題があるようでございます。非常に難しい問題がある、また興味深い問題があるということで取り上げられて、横出し規制といいますか、風適法が対象としていない営業について条例で必要な制限を定めることはどうかという議論がありまして、それは定めることができるのではないか、その旨法律で明記したらどうかという問題とか、今申しましたテレクラ条例があって、その条例に違反した人間については風俗営業の許可の欠格事由とするというふうな制度も考えられるではないかというような御議論がありました。そういうものについて検討がなされたということでございます。
 結果としましては、条例上定めることができるというのは、これは明らかであるので規定する必要がないということ、それから、条例違反を法律上の欠格事由の要件にするということについては、国と地方公共団体の事務の分配という形で非常に議論の寄るところであって、今まさしく事務の分配自体が議論されておるのでここで結論を出すのは早計であるというようなことで、いずれにしても二つのことについては今回の改正案には盛り込まなかったということ、そういう経緯でございます。
○高橋令則君 この行政事務条例というのはなかなか難しいんですね。したがって議論があるんですが、私は、さっきお話もありましたように、必要性はわかりながらも余り地方団体、規制するような、それを準則とかいろんなことで国が出してくるのは自主性という面でちょっと問題があるんじゃないか、地方自治の問題で問題があるんじゃないかという認識を持っております。
 これはもう最後ですが、この点については、大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(上杉光弘君) 御指摘の点につきましては、いかなる条例を対象にすべきか、これは検討を要するということ、もう一つは国と地方の事務配分のあり方について地方分権推進委員会で検討が進められておること等からいたしまして、今回は見送ることとされたわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、仮に御指摘の提言のように国が都道府県の条例等について介入するような、入っていくようなことは、これは問題があるわけでございまして、御指摘の提言を取り入れることにした場合には地方自治の趣旨を尊重して行っていくべきことは当然のことと判断をいたしております。
○高橋令則君 ありがとうございました。
○山口哲夫君 インターネットの画像送信についてお尋ねをいたします。
 ことしの三月九日付でインターネット弁護士協議会が「風営法改正に対して表現の自由を侵害する危険の高い改正内容を問う」、こういう文書を出しております。その中にこういう一節がございます。
  今回の法律案要綱では、規制対象を「性的好奇心をそそる」という概念規定をしているが、これは、刑法一七五条の「わいせつ」概念より広範な上、青少年保護条例等の「有害図書」概念よりも広範だとの指摘もなされている。この法律案要綱では概念規定もなく、その範囲が、きわめて不明確で、表現の規制としては明らかに適格性を欠くものといえる。こうした瑕疵は、憲法学上は、「漠然性ゆえに無効」とされるべき内容と考えられる。
こういうことが言われているわけです。
 先ほど渡辺議員も触れられておりましたけれども、憲法上、漠然性ゆえに無効だということになるとこれは大変な問題でないかと思いますけれども、特にこの点を中心に考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 性的有害情報として業者を規制しておる概念がわいせつよりも広いということはそのとおりだと考えます。
 ただし、これにつきましては現行の風俗営業適正化法において風俗関連営業として規制を受けておりますいわゆるアダルトショップ、あるいは個室ビデオ、ストリップ劇場等において用いられ、定着した概念でございます。その意味では、概念があいまいである、ひいては憲法違反であるというおそれは全く当たらないものと考えております。
○山口哲夫君 それでは、次に移りますけれども、アメリカの最高裁が昨年の六月に通信品位法を違憲と判断いたしております。その理由は、十八歳未満がどうかの判断ができないのに広告宣伝や送信を禁止することは違憲ということで、こうした規定、規範は無効ということになったわけでありますけれども、この判決についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(泉幸伸君) 今の御指摘は米国の通信品位法、CDAと呼ばれているものでありますが、それについて、わいせつまたは下品な画像の通信、または現代社会の基準に照らして明らかに不快感を与えるとされる方法によって性的行為等を描写などする画像等の通信を伝送することを禁止する法律であったところ、この下品な及び明らかに不快感を与えるという規制対象が法文上あいまいであるとして、憲法で保障された表現の自由を損なうものであるとの理由により、わいせつに係る部分を除き違憲、無効となったというふうに聞いております。
 このインターネットにかかわる規制に関しまして、アメリカの通信品位法と現在御審議いただいております風適法の改正につきましては、一つは、改正風適法は性を売り物とする営業のみを規制対象としているのに対し、アメリカの通信品位法はいわゆる何人も規制という形になっていること。また、改正風適法は映像のみを規制対象にしているのに対し、アメリカ通信品位法は映像のみならず論評、要求、提案、申し出なども対象となっていること。改正風適法は行政処分で対処するとなっておるところ、通信品位法は刑事罰を科すということになっておる等々、非常に異なった法律でございます。
 今回の改正で規制の対象となる映像送信型性風俗特殊営業の営業の定義が「専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業」ということで、これはさきに申しました現行の風適法及び風適法施行令において同種の役務を提供する風俗関連営業の定義の中で用いられて定着しているものをそのまま使用したものでございまして、あいまいだという批判は当たらないと思います。
 さらに、これにつきましては、これまでも解釈基準を作成し公表してきてございますが、今回の改正に当たりまして、新たに規制の対象となる営業者の便宜などに資するために、規則、解釈基準などによりさらに具体的な基準を作成し公表することを考えておるところでございます。
○山口哲夫君 アメリカの判決の判断の中心になったのは、十八歳未満がどうかというその判断が非常にできないという、そこに問題があったと思うわけですね。本当に十八歳未満がどうかということは、アメリカではなかなかそこが難しいということになっているわけですけれども、いかがなんですか。
○政府委員(泉幸伸君) 今回の規制では十八歳未満の者を客としてはならずという年齢制限規制を設けております。十八歳未満の者を客としてはならない規制を守るために、具体的な方法について三十一条の八の三項及び四項で定めております。
 三項で定めておりますのは、「十八歳未満の者が通常利用できない方法」と記載しておりますが、これは、例えばNTTが提供するダイヤルQ2サービスでは、事前に加入電話契約者から書面による申し込みがないと利用できない成人向けの番号、〇九九〇の後三で始まる、これを使いなさい。これを使うと十八歳未満の者は利用できなくなるから、それ以外のものでやることを禁止します。
 それから、四項では、客が十八歳以上である旨の証明を客から受けなさい。これは運転免許証等、本人の年齢が確認できるものの写しの送付を受けてその者に対してパスワード等を送って営業を開始するという措置をとる。あるいはさらに、「十八歳未満の者が通常利用できない方法により料金を支払う旨の同意」と記載しておりますのは、クレジットカードによる決済ということを制度として設けますと、結果として十八歳未満の者はクレジットカードを有していませんので、クレジットカードによる決済を真に同意を得れば十八歳未満でないことになるということで、以上のような方法をとることによって、業者は客が通常十八歳未満でないことを把握することができる。また、営業を利用するためには、一方で何らかの手続を踏む必要があるということで、十八歳未満の子供がこの営業を利用しにくくなるということも考えておるところでございます。
○山口哲夫君 いろいろと述べられておりましたことが確実に実行されれば、それは十八歳未満であるということを確定することができるのでしょうけれども、しかし一説にはこの法律そのものが非常に抜け穴がたくさんあるんだと、そういうことが警察当局の中からさえ聞かれているということが新聞でも報道されておりました。
 それで、ちょっと固執するようですけれども、アメリカでは十八歳であるか否かの判断が確実にできない段階でこういう法律というものはやっぱり違憲であると。だから、アメリカは日本と同じように十八歳未満に対する規制というものをいろいろと考えたんだろうけれども、確実にそれができないということを言っているんです。日本でいろいろと今述べられたようなことは、やれば確実に十八歳未満であるということが把握できると言うんですけれども、同じような国家が、片方ではそれは確実性がないんだと言っているんですけれども、そのアメリカの考え方についてはどういうふうに判断されるんでしょうか。
○政府委員(泉幸伸君) アメリカの考え方ということに直接お答え申し上げる材料を持ち合わせておりませんが、実は十八歳未満の者にこういう営業に接しさせてはならない、十八歳未満の者をこの種営業から遠ざけるという規定は、現行法にあります個室ビデオあるいはアダルトショップ、大人のおもちゃ等には立ち入りを禁止させるということで、現に規制が動いております。
 それの確認方法というのは身分証明を見せるとかということで、先ほど申しましたインターネットは通信でございますので、直接面接ということがないという特性があります。ダイヤルQ2の頭、三の番号は十八歳未満の人は使えないという制度になっていますので、それでやると十八歳未満は排除できるだろう。それから、クレジットカード決済ということになれば十八歳未満は排除できるだろう。
 それ以外に、十八歳未満でない、すなわち十八歳以上である旨の運転免許証その他の身分証明書を送付して、それからそれを対象に営業する。つまり、今回規制をしようとしておるのは、だれでもいつでも見られるという画像ではございません。営業でございますから、一定の資格を持った者だけがアクセスできる。一定の資格を持った者だけをアクセスさせるために、営業の状態として、一つは特定のパスワードを与えて、それ以外の者はその中身を見られない。パスワードを与えるときに料金を取る。パスワードを与えるときに十八歳であるかの確認義務を課しておる。それから、パスワードでなくて営業するもう一つの形態としてダイヤルQ2の制度がございます。
 ダイヤルQ2の制度は、御案内のように、通信で接続をして電話料金と一緒に情報料もNTT等が徴収するという制度でございます。これはだれでも何ら確認することなく情報にアクセスすることができるわけでありますけれども、そのときに、さきに申します〇九九〇の三で始まるものはNTTとあらかじめ特別の契約をしていないとその電話からつながらないという仕掛けになっております。つまり、十八歳未満の者はつなぐことができないということになっていますので、今申しましたようなことと相まちまして、十八歳未満の者を業者が排除しようということを考えれば、これは十分にできるということだと思います。
○山口哲夫君 局長のおっしゃる、日本としてはこういうことをやれば制限することはできるんだというそのお考えはわかります。しかし、日本が今考えているということは、アメリカでも同じようなことを考えてやろうとしたわけです。しかし、アメリカの裁判所の判断としては、それでも十八歳未満であるということを確定させるということは非常に難しいんだと、そういう中でこういう法律というものは違憲だという、そこに私はやっぱり注目をせざるを得ないと思うんです。こういう問題について法律をもって規制すること自体がやっぱり非常に難しいという問題がそこにあるんでないかと思うわけです。
 そこで、長官にお聞きしたいんですけれども、大人にとっては問題はない、しかし未成年者だけは制限したいという方向、それに対しては、法の規制ではなくして、受信規制という方法が実はあると言われているわけです。OECDを初めとして世界各国もこの方法を実は支持しているわけです。特に、アメリカ大統領のクリントンさんは最もこの受信規制という方法を推進している方だと言われているわけです。だから、世界的な動きがそういう方向であるという中で、なぜ日本が非常に多くの問題を抱えていながら法をもって今急いで規制しなければならないんだろうかというところに私は大きな疑問を持つわけですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(泉幸伸君) 今回の規制は、一つはアメリカとの比較で御質問でございますが、さきにも申しましたように、アメリカは直罰でもって臨む禁止についての判断ということ、それから、今御審議いただいておりますのは、行政法として一定の義務を課し、その違反に対しては指示処分等で対応する、その違反に対しては間接的な罰則というような形をとられているという法のあり方から、その実効性あるいは妥当性の問題は変わってくるんじゃないかというふうに考えます。
 ただいま御指摘の受信側でそういう有害情報をカットするという方法が現在検討されていることは承知しております。これは、むしろ私どもが今やろうとしている、いわゆるポルノ営業といいますか、児童に有害な情報で営業を行う者の規制というよりも、それを離れまして、およそインターネットにおいて子供に有害な情報は全部カットしてしまうという思想のもとに出てきたものだと考えております。そのことが機能するためにはいろいろ、一つ一つの情報にレーティングといいますか、ラベルを張って、一定の情報については技術的にといいますか、機械的に排除するようなものを受信装置に備えつけるというような措置が必要だろうと思います。
 それ自体非常に有効なものというふうに考えますが、そのことと既存の店舗をもって営業しておる者がインターネットを利用して営業する、そういうものについても放置できない。店舗をもって営業している者と同様の規制をインターネットをもって営業している者についてはかけるという点においては矛盾しないし、またVチップ等の受信規制でのみ対応すべきものであるというふうには考えていないところでございます。
○山口哲夫君 世界のそういう流れに逆らってまで日本が法律をもって規制するということに対しては、私はやっぱり抵抗があります。
 先ほども申しましたように、親がこの番組だけは子供に見せたくないんだ、そういう性の問題だとか暴力の問題だとか、とにかくテレビでもはんらんしているし、ましてやインターネットでそういうものが流れてくる。これだけは見せたくないと思えば、本当に技術的にVチップというものを親がテレビの中に挿入することによってそういうものの画像を子供に見せないで済むということが既に多くの国々でとられている、そういうことをやはり私たちは真剣に、そちらの方こそむしろ一生懸命に頑張っていかなければならないんではないだろうか。
 十八歳未満の子供たちに、私自身としても、性に関するもの、暴力に関するものはもう見せるべきではないということについては全くこれは同感ですけれども、しかし、方法としては、まず今申し上げたようなことを先にやるべきでないだろうかということを私は考えております。
 時間ですので、これで終わります。
○岩瀬良三君 午後からの各委員さんの質疑を聞いておりまして、質問の仕方は違いましても、私で八人目でございますので、大体私の質問することと答え的には似通ったものがかなりもう出てきておるかと思います。ダブっている点は御了承いただきまして、端的に要点だけお答えいただければというふうに思うわけでございます。
 この有害関係は、有害図書、これは歴史も古いわけですけれども、各県でも条例をつくってこれを制限したり指定したりしているわけでございまして、私も有害図書の指定をやったことがありまして、これはもう容易なものじゃない。毎週毎週出てくる週刊誌なり雑誌なりというのが量が物すごくて、やる人が限られている。といって、昼間それをやっているわけにいかないんで、夜、寝静まったころうちでやっていたということで、もうこれはもとを制限していただかなければとてもたまらない、こういう経験を持っておるわけでございます。この有害関係の、この場合でいくとインターネットだろうと思うんですけれども、図書の場合には本当に大変なものがありますので、青少年健全育成という立場から見るとこういうものの少なくなっていくことが必要なんだ、どんなことがあっても少なくなっていくことが必要なんだ、そういうふうに私は思うわけでございます。
 それから、一つこれは感想でございますが、先ほど高橋議員からお話がありました営業時間でございますけれども、なぜ一時間、これはいろんな条件が、特別の地域ということ、また都道府県の条例でというようないろんな制限があるわけでございますけれども、小さな料理屋さんなどで、わき道と申しますかちょっと離れたところへ車をとめてやっているわけで、帰りはみんな飲酒運転で帰っていくというような事態なんで、ここで一時間ふやすことはどうかなというふうに私は思っておるわけでございます。まあこれは感想でございます。
 質問に入らせていただきますけれども、十八歳未満の者が映像を見ないようにということで今度、これは三十一条の八の四項で言われておるわけでございますが、今も議論がありましたけれども、十八歳ということが明白かどうかという点もあるわけでございますが、「十八歳未満の者が通常利用できない方法により」というようなことが言われておるわけですけれども、この方法というものはどういう方法をとっていくんだろうか。それからまた、これについて違反した場合はどういうことになるのか。その点について御質問申し上げます。
○政府委員(泉幸伸君) 「十八歳未満の者が通常利用できない方法により料金を支払う旨の同意」と規定しておりますのは、料金の支払いはクレジットカードによる決済とする旨の客の同意を得るということを想定しております。
 この四項の規定に違反した場合に、当該規定に違反した原因に応じて具体的な、三十一条の十で十八歳未満の者を客としない旨の措置をとるべきことを命ずることといたしております。
○岩瀬良三君 クレジットカードというようなお話ですが、風俗営業関係については何か正確にはいかない点が非常にあるんだろうという一つの見本だろうと思って申し上げたんですけれども、クレジットカードも親のものを借りる場合もあるんだろうし、またいろいろ方法がある。借りてくるというようなこともあるのかもしれませんけれども、なかなかこれ難しい話だなというふうにとっているわけでございます。
 それが主ではございませんで、ただそういうものを見せないようにするということが主だろうと思うわけでございます。そうしますと、有料なものはいろいろそういう規制をかけるんですけれども、無料なものもかなりのものが出回っているということでございまして、見せないという趣旨から見ると、有料なものだけでもってこの趣旨と申しますか目的が達せられるのかどうか。そういう点についてはいかがでございますか。
○政府委員(泉幸伸君) 御指摘のとおり、無料でポルノ映像を見せるものについては規制の対象外でございます。何らの規制を及ぼすような形にはなっておりません。これは何回か申しておりますが、現実のこの空間において既に現行法において規制の対象となっているポルノ営業と同様の考え方をとったということであります。つまり、営業として見せるものについては現実の個室ビデオ等で規制をしております。
 無料でポルノを見せる場合、これがわいせつ物陳列等に該当する場合は格別でありますが、単にポルノ映像を無料で見せたということについては、相手が未成年であっても成人であっても何らの規制はございません。そういうものと対応するものであります。
 もとより、これで十分である、もう全く問題ないというふうに考えているわけではございません。現実にインターネットにおいて青少年の育成に非常に有害な映像があふれている、それを何とか規制すべきであるという考えのもとに営業について、営業者だけでもと称した方がいいと思いますが、規制しようと。これについては約三千ございますし、特に金を取ってまで見せるというのは、もう少し言葉を足しますと程度のひどいものでございます。そういうものから押さえていくというふうな考えで今回の改正案をお願いしている次第でございます。
○岩瀬良三君 それから、わいせつな映像の記録を知ったときはというふうな表現でプロバイダーに対して言っておるわけでございますけれども、このわいせつな映像は、これは先ほどからありますように裁判事例があったりいろんなものがあるんだろうと思うわけでございます。十八歳未満の場合には、わいせつ、それからそれよりも範囲が広くて有害、また先ほども話がありましたけれども、好ましくないものというのも青少年のためには見せてはならないんだろうと思うわけでございます。こういうものをプロバイダーの方に判断させるということがなかなか難しいんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでございますか。
○政府委員(泉幸伸君) プロバイダーのところにストックされているか、あるいはためておかれて利用者に流される映像につきましては数多くございます。これは多くのホームページを抱えておるのが通例でございます。わいせつからさらに広く、今回、業の対象にしております有害映像と申しますか、そういうものまでプロバイダーが注意してチェックしてもらうということはある意味で非常に大きな負担となるということを考えておることと、それが十八歳未満に向けられたものか成人にのみ向けられたものかというところの判断もまた必要になる状況もございます。
 ただ、わいせつにつきましては、これは何人に向けても不特定多数の人に見せることは刑法で禁止されておる犯罪でございます。プロバイダーがそれを知っていたか知らなかったか、あるいは知っていたとしてもそれの幇助になるかどうか、それはまた別な評価であろうかと思いますが、そういう犯罪に該当する、もう少し言葉を足しますと、場合によっては幇助の責めも問われかねない事態であります。そういう限定された事態を、しかもあらかじめそれをそういうことのないようにチェックしなさいというのではなくて、ユーザー等から苦情でそういうのがあるということがわかった、そのときにそれを、これは十八歳未満関係ございません、一般に送信しないような措置をとる。つまり具体的に言うと、発信者に対して送信停止を求める、あるいは契約上そういう権限があるならばプロバイダーが契約に基づいて措置するというふうなことを求めておるものでございまして、何回か御議論ありましたが、言われるほど過大、過重な義務を課しているものではないと考えておるところでございます。
○岩瀬良三君 そういう中で、今も山口議員の方から出ましたけれども、アメリカの方ではVチップというふうなことで一般的な規制の方向づけのようなんですけれども、郵政の方に来ていただいたんですが、このVチップ、なぜこういうものが出てきたか、そこら辺のところを御説明いただきたいと存じます。
○説明員(伊東敏朗君) 先生御指摘のVチップでございますが、私どもが承知しておりますのは、一九九六年の電気通信法で規定されたものというふうに承っております。
 この背景という御質問でございますが、やはり暴力の青少年に与える影響の中の幾つかのものとしてテレビというものもアメリカのいろいろな議論の中で出てきたものというふうに私どもとしては認識をしております。
○岩瀬良三君 それで、Vチップ導入についてアメリカでは最近どういう実施をしようとされておるんでしょうか。
○説明員(伊東敏朗君) 現在のアメリカのVチップの導入の動向でございますが、先ほど申し上げましたように一九九六年の法律で規定されました。Vチップの制度といいますか仕組みでございますが、番組にあらかじめつけられたコード信号をもとに、暴力や性的シーンの多い番組などにつきまして親が子供に見せたくない番組を選択できるようにするものでございます。したがいまして、放送事業者は、自主的に暴力や性的シーンの多い番組のレーティングを行いまして、番組にこれを示す信号をつけて放送を行う、こういう仕組みのものでございます。
 現在、アメリカにおきましては、このレーティングが昨年から行われておりまして、放送事業者が自主的に年齢に応じた六段階の分類あるいは番組シーンに応じた五種類の分類を併用して実施しておるところでございます。ことしの三月になりまして、アメリカのFCC、連邦通信委員会でございますが、この委員会は来年の七月、一九九九年の七月までに十三インチ以上のテレビ受像機の全機種の半分、それから二〇〇〇年、平成十二年一月までに全機種に内蔵するようにメーカーに義務づけたところでございます。
○岩瀬良三君 ありがとうございました。
 私は、インターネットの点も非常に大事な問題であるとともに、テレビの方での暴力、それからもちろん性関係、こういうものもかなり青少年の今の犯罪に影響しているんじゃないか、通信の自由の問題がありますけれども、ここら辺もできるだけ少なくしていかなければならないんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 インターネットの方へこのVチップをすぐ応用はできないんだろうということでございますけれども、ちょっと外れますけれども、少なくともテレビ等への日本でのこういう規制、こういうものについて、テレビの規制は警察の分野でないかと思いますけれども、そういう面での幅広い規制、こういうことが必要なんだろうと思うわけで、警察庁長官、そこら辺のところのお考えをいただきたいと存じます。
○政府委員(関口祐弘君) ここ数年来、少年の暴力事件とかあるいは性非行等が大変目立っておりまして、まことに憂慮にたえないところでございます。
 こうした少年非行の背景でありますけれども、各種の社会的な環境要因というものが絡んでいると思います。その中で、委員御指摘のテレビ番組等が少年非行に与える影響でありますけれども、確かに少年非行の個別事案の中にはその影響を受けていると見られる事例もございます。さらに、このような直接な影響ばかりでなくて、性や暴力に関する露骨な情報や犯罪を肯定するような情報のはんらんが少年非行問題をさらに複雑なものとしていることは否定できず、情報の送り手あるいは情報の受け手の問題も含め社会全体で真剣に議論を重ねるとともに、幅広い取り組みを進めていくことが必要と考えているところでございます。
 テレビ番組等を含めたメディアの問題というのは非常に広範にわたるわけでございまして、警察といたしましても、各種のメディアによる自主規制あるいは青少年保護育成条例等に基づく法規制を実効の上がるものといたしまして、あるいは社会全体としての議論が深められるよう、今後とも各種メディアと少年非行の関連につきまして必要な研究を行いますとともに、積極的な情報提供を行うなどしてまいりたい、かように考えているところでございます。
○岩瀬良三君 青少年関係も含めてでございますけれども、こういう問題は一分野だけではなくて社会全体がこれをフォローしていかないとなかなか実効が上がらないわけでございます。今、青少年、主に少年の方ですけれども、いろいろたむろしたりというようなことで数がふえてきている、補導していかなきゃならない少年もふえてきている、こういう統計数字もあるわけですが、実態上もそういうことが言われておるわけでございます。
 この風営法の関係では少年指導員というようなことも規定があるわけですが、補導員の数、警察のある程度関連を持った、下ということじゃなくて、関連を持ったところの補導員の数が今少ないということを言われておるわけですけれども、これはどのくらいの者がおって活動してくれているのか。また、その活動してくれている中では、少年が刃物を携行、これを使うんじゃなくて携行している率が多い、こういう話も私は聞いておるところでございます。それを何かに使うというんではなくてただ持って歩く、こういうことを聞いておるわけでございまして、こういう補導員の増員も図っていただく必要があるんじゃないかと思うわけでございますが、この点についてお話しいただければと思います。
○政府委員(泉幸伸君) 各都道府県警察においてもちろん警察官も少年補導等に当たっているわけでありますが、警察官以外の職員として少年補導を担当する専門職員というのが全国で約九百三十人おります。また、少年問題に対処するために、とてもこれだけじゃ足りませんから、地域の住民の方々と連携して少年補導員という、さっきは少年補導職員でございましたけれども、補導員という呼び名で約五万二千のボランティアの方にお願いしておるところでございます。
 これらのボランティアの方々が少年補導職員、警察の職員と手を携えて不良行為に係る少年の街頭補導、それから少年の立ち直りのための地域としての支援、環境の浄化活動、また社会に対する啓蒙活動等に従事していただいておるところで、御指摘のように、今後その役割はますます重要になっていくものと考えております。
 警察におきましてもこれらの補導活動をさらに強化して、また家庭との連携も深めていくということで、少年補導に係る今申しました少年補導職員等の警察職員の効果的な活用、民間ボランティアとしての少年補導員の方々との連携強化等、全体としての活動を強化していく必要があるというふうに認識しておるところでございます。
○岩瀬良三君 終わります。
○委員長(藁科滿治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藁科滿治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 朝日君から発言を求められておりますので、これを許します。朝日俊弘君。
○朝日俊弘君 私は、ただいま可決されました風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民友連、公明、社会民主党・護憲連合、自由党、新社会党・平和連合、改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします、
    風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 最近における風俗環境の著しい変化にかんがみ、善良の風俗と清浄な環境を保持し、年少者の健全な育成を図る観点等から、政府は左記の事項について措置すべきである。
 一、風営適正化法の運用に当たっては、明確な基準を示し、都道府県警察における適確な執行ができるよう努めること。
 特に、広告及び宣伝の規制については、公正かつ効果的に行われるよう、都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底を図ること。
 二、風営適正化法の運用に当たっては、表現の自由、営業の自由等憲法等で保障されている基本的人権を侵害することのないよう慎重に配慮すること。また、職権の乱用は厳に戒めること。
 特に、映像送信型性風俗特殊営業の規制の実施に当たっては、検閲の禁止、通信の秘密の保護あるいは表現の自由等に十分かつ慎重な配慮を行うこと。
 三、風俗営業者への指導については、営業の自由を最大限尊重するとともに、営業者の立場・営業実態等を踏まえ、今後とも規制の在り方について見直すこと。
 四、性風俗特殊営業については、売春防止法等に基づき今後とも有効適切な取締りに努めるとともに、これらの法の網を逃れる脱法的な形態の営業についても違反の取締りを強化すること。なお、あからさまに性を売りものにし、人間の尊厳を傷つける営業及び行為については公共の立場からこれを厳しく規制すること。
 五、風営適正化法に基づく政令等の制定及び同法の運用に当たっては、風俗環境の改善等に関する事項が、本来地方公共団体の基本的事務であることにも配意し、広く各界の意見を聞くこと等により、法の運用に誤りなきを期すこと。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いしたいと思います。
○委員長(藁科滿治君) ただいま朝日君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藁科滿治君) 全会一致と認めます。よって、朝日君提出め附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、上杉国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。上杉国家公安委員会委員長。
○国務大臣(上杉光弘君) 政府といたしましては、熱心に御審議をいただきまして速やかに御採決いただいだわけでございますが、審議の経過における御意見並びにただいまの附帯決議の趣旨を十分尊重いたしまして、善良の風俗及び清浄な風俗環境の保持並びに青少年の健全育成に万全の措置を講じてまいる所存でございます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(藁科滿治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藁科滿治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十七分散会