第142回国会 経済・産業委員会 第12号
平成十年五月十四日(木曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     斎藤 文夫君
     但馬 久美君     加藤 修一君
  出席者は左のとおり。
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    委員長         吉村剛太郎君
    理 事
                沓掛 哲男君
                畑   恵君
                平田 耕一君
                平田 健二君
                梶原 敬義君
    委 員
                斎藤 文夫君
                成瀬 守重君
                西田 吉宏君
                吉川 芳男君
                小島 慶三君
                前川 忠夫君
                海野 義孝君
                加藤 修一君
                鈴木 和美君
                山下 芳生君
                平井 卓志君
                水野 誠一君
                椎名 素夫君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        岩田 満泰君
       通商産業大臣官
       房審議官     古田  肇君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   参考人
       学習院大学経済
       学部教授     田島 義博君
       日本チェーンス
       トア協会副会長  荒井 伸也君
       協同組合連合会
       日本専門店会連
       盟常任理事・政
       策委員長     岩井  滉君
       社団法人日本消
       費生活アドバイ
       ザー・コンサル
       タント協会副会
       長        三村 光代君
       彦 根 市 長  中島  一君
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  本日の会議に付した案件
○大規模小売店舗立地法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○中心市街地における市街地の整備改善及び商業
 等の活性化の一体的推進に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
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○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、但馬久美君及び山本一太君が委員を辞任され、その補欠として加藤修一君及び斎藤文夫君が選任されました。
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○委員長(吉村剛太郎君) 大規模小売店舗立地法案及び中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案を一括して議題といたします。
 本日は、両案の審査のため、お手元に配付いたしております名簿の五名の方々に参考人として御出席願っております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。ただいま議題となっております両案につきまして、皆様方から忌揮のない御意見を承りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 議事の進め方でございますが、まず参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただいた後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。また、発言の際はその都度委員長の許可を受けることになっておりますので、あらかじめ御承知願います。
 なお、参考人の方々には、意見の陳述及び委員の質疑に対する答弁とも着席のままで結構でございます。
 それでは、田島参考人からお願いいたします。田島参考人。
○参考人(田島義博君) 田島でございます。
 お手元に一応発言の趣旨をレジュメに取りまとめてお配りしてございます。
 まず第一に、私たちが参加しておりますいわゆる合同会議で大店法廃止答申をいたしました背景でございます。一つには規制緩和の大きな流れがございまして、しかも国際的な世論、これはとりわけWTOにおける議論の流れということでございますが、そういうこと及び国内の世論等を考慮いたしますと、大店法を現在のままで維持するというのは非常に困難な情勢にあるという判断をいたしました。
 加えて、大店法の有効性についての評価でございますけれども、これは申し上げるまでもございませんが、大店法の場合には、大型店舗の進出でありますとか、あるいは休業日数でありますとか、営業時間でございますとか、こういったものを調整する、ある意味で大型店を何らかの形で抑制することによって中小小売商業の事業活動を確保する、こういう建前になっておるわけであります。
 大型店の進出やその活動を単に抑制するだけで中小小売商業が生き残り、かつまた成長していけるかということになりますと、やはり消費者がお店を選ぶわけでございますから、消費者が選びたいような店に小売商業自身が変わっていかないと中小小売商業の成長等を確保するということは不可能でございます。そういう点から考えますと、大店法の有効性というのも非常に限定されているといいますか、局限されておると申しましょうか、そういう判断の上で新しい視点というのが必要だという考えに私たちとしては到達いたしたわけであります。
 新しい視点というのは何だということになりますと、これは住みよい街づくりをするということ、住みよいということの条件の一つに小売商業があるわけでございますが、そういう住みよい街づくりと消費者にとって好ましい小売店舗の配置、こういったものをつくり出していく新しい法の仕組みが必要であろう、こういう判断に到達いたしたわけであります。
 そこで、これは単に消費者というのではなくて、地域で生活している生活者にとって、いろんなお店があって生活者が自由に選択できる状況が必要だと思うのであります。
 まずは、モータリゼーションが進展しておりますので、それとの関係で郊外商業地、主としてショッピングセンター等でございますが、これに対する消費者といいますか、生活者のニーズというのは非常に高まってきておるわけであります。他方、高齢化が進んでいる、あるいは若い世代におかれましても女性の社会進出というのがますます拡大してまいりますと、買い物の時間というのが非常に限定されます関係で、ある意味では近隣商業地に対するニーズも一方では高まってまいります。こういう相反するニーズが存在するということは、これは多様な小売商業が必要だということと同時に、可能だということを示すものだというふうに思うのであります。
 したがって、流通政策の一つの課題というのは、そういう商業の多様性を確保するということがまず一つ挙げられるように思いますし、多様性を確保いたしました後は、消費者が選択することによって、消費者に選ばれるところは成長する、選ばれないところは衰退する、これは市場原理に任せるべきだと、こんなふうに判断いたします。
 そこで、大型店舗についての考え方でございます。経済活動は本来自由であるべきだとは思いますけれども、大型商業施設、これは必ずしも商業施設に限りませんが、大型施設というのはある面からいえば国土利用の問題でございますので、国土利用のルールに従うべきだというふうに考えます。
 したがって、都市計画の枠の中で、建設の場所、規模、あるいは活動の仕方等を考えていく必要があると思います。従来、大店法には都市計画の視点が入っておりませんでした関係で、そういう意味ではやはり新しい法体系というものがそこで必要になってくる。これはゾーニングと呼ばれる考え方でございますが、この種の考え方、あるいはその考え方に立脚した制度、行政というものは、アメリカのゾーニング制度、フランスのロワイエ法、あるいはドイツの連邦建設法等々考え合わせますと、この仕組みというのは国際的にも容認されるものである、こう考えます。
 それと同時に、ある地域に大型商業施設が建設されますと、当然この地域の環境に対するさまざまな負荷が発生いたします。したがって、大型店舗の建設というのは自由であるべきだという主張が一方にございますけれども、他方、そういう環境に対する大型商業施設の負荷を最小化するというのは大企業の社会的責任の一つであろう、こういうふうに考えるわけでございます。
 中小店舗についてどう考えるかということでありますが、先ほど申し上げましたように、近隣商店へのニーズは大きいわけであります。これは、諸外国におきましても一たん都心部から小さいお店がなくなってまいりましたけれども、便利性ということで、ドイツにおきましても、アメリカにおきましても、そういう小さい店舗が再びよみがえってきております。
 ただし、近隣商店に対するニーズが大きいとは申しましても、古い業種、古い業態では消費者が行きたがらないわけでございます。そういう意味では、商店街を現在のままでずっと成長させていくというのはほとんど不可能と考えられますので、業種、業態の構造改革と申しましょうか、これを商店街単位で考えていくというふうなことをしなければ、中心市街地というのが活力を取り戻していくというのは不可能だろうと思います。また、モータリゼーションは今後さらに進むと考えられますので、自動車社会との親和性と申しましょうか、カーフレンドリーな中心商業集積をどうつくっていくかというふうなことが行政に対しても求められる、こんなふうに考えるわけであります。
 ただ、近隣商店に対するニーズが強いあるいは強くなるとは申しましても、中小小売業は規模が小さいことに伴うさまざまのマイナスがございます。したがって、そういう小さいということの不利を克服してまいりますには、地域的な集団化でありますとか、あるいは業態別組織化でございますとか、こういう形で中小企業が集団として大企業と競争するという仕組みをつくってやる必要があるというふうに思います。この業態別組織化というものの有効性につきましては、フランチャイズシステムによるコンビニエンスストアの最近の成長ということで御理解がいただけるだろうと思うわけであります。
 そういうふうな考え方の上に立って二十一世紀というものを展望してまいりますと、地域住民あるいは生活者の利便のためには、郊外商業地と都心商業地の機能分担が行われ、かつそこに過当競争ではない正常な競争が行われていく、こういう状態を私たちは望ましい姿と考えるわけであります。また、大企業と中小企業の分業と協業という体制をつくっていく必要があると思います。
 なかなか抽象的で具体化は非常に難しいというふうに考える方が多いわけでございますけれども、御案内のように、欧米におきましてはタウンマネジメント、あるいはイギリス等におきましては、町そのものを売り出していくというふうな意味においてタウン・マーケティング・アンド・マネジメント、こういう考え方で自治体を中心にした活動が行われておるわけであります。そういう意味では、競争というのは決して相手を打倒することではなくて、機能分担をしながら競争をする、こういう状況が望ましいと思うのであります。
 締めくくりにこれは相田みつをさんの言葉でございますけれども、「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」ということで、そういう分業と協業の時代が到来する、また到来するように法と行政でバックアップしていく、こういうことを我々学校の教員としては願っておる次第でございます。
 以上、陳述を終わります。
○委員長(吉村剛太郎君) ありがとうございました。
 次に、荒井参考人にお願いいたします。荒井参考人。
○参考人(荒井伸也君) 日本チェーンストア協会の副会長を務めております荒井でございます。
 このたびの大規模小売店舗立地法案、以下、立地法と表現させていただきますが、その審議につきまして、幾つかの疑問点、要望事項等もあわせて所信を申し述べたいと思います。
 私ども日本チェーンストア協会は、三月末現在で企業数百二十四社、店舗数にして七千五百三十一店舗の会員を抱える団体でございます。その過半は食品取扱高の大きいいわゆる食品スーパーでありまして、私の会社、サミット株式会社もその一つで、東京を中心に六十四店舗の食品スーパーを運営しています。その他のメンバーとしては、いわゆる総合スーパー、よくGMSなどという言い方もされますが総合スーパー、あるいは専門店、ホームセンターなどのチェーンストアでございます。
 また、会員企業全体では、大勢のパートタイマーの方々も含めて、八時間労働に換算いたしまして従業員数が四十六万二千五百人、そして平成九年の総売り上げは十六兆八千六百三十五億円でございます。先日発表された平成九年商業統計速報によりますと、自動車関係を除く小売販売総額は百二十八兆円ですから、その一三%ほどのシェアになります。
 こう申しますと、いかにも大型商業施設を経営する大企業の業界団体というような印象をお与えするかもしれませんが、店舗数四、五店というような企業も参画しておりまして、本日は、私といたしましては、生活者に一番近いところに位置する業界の代表という立場で参ったわけであります。
 さて、昭和四十八年十月に制定されて、四十九年三月一日から施行された大規模小売店舗法、これも以下、大店法と表現させていただきますが、これは、主に中小小売業の事業活動機会を確保するために、大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整することを目的とした経済規制法でありました。
 私ども日本チェーンストア協会は、本来、原則自由であるはずの経済活動を規制するものとして、長年その廃止を訴えてまいりました。その意味で、産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会の合同会議が昨年十二月に出した中間答申において、現行スキームで大型店の事業活動を調整することはもはや時代の要請に合わない、したがって、計画的な地域づくりや交通・環境に与える諸問題を解決するため新たな実効性ある政策的対応へ転換し、現行大店法に基づく調整はその使命を終えることになると示したことで、需給調整として大型店を規制することは社会的、経済的に失うものが多いということが、大店法施行後二十五年近くたってようやく認められたものとして、心から賛意を表するものであります。
 また同時に、私どもが主張してまいりました、政府の規制緩和後、地方自治の名のもとに、自治体が同じような規制を新たに始めるようではむしろ改悪になるという懸念につきましても、同じくさきの合同会議の中で、地方自治体においても独自に需給調整をベースとする規制を行うべきではないとの確認がなされ、立地法がその考えを体現されたことにつきまして高く評価するものであります。
 私は、在来の大店法の最大の問題は、必ずしも法律の文言どおりに運用されてこなかったところにあると思います。すなわち、法に定めのない事前商調協、事々前商調協などが行われ、その上で地元との出店合意書の提出が求められ、これが事実上の出店内容を決めてしまうという運用が長らく続いたものです。手続の公平性や透明性を著しく欠く結果となったことは言うまでもありません。
 また、今まで横出し、上乗せ等の表現で語られてきましたいわゆる自治体の独自規制は、私どもチェーンストア業にとって大変に頭の痛い問題であったのです。すなわち、チェーンストアは多数の店舗を統一したシステムで効率的に運営することによってコストを最小化することに日夜努めているのですが、自治体ごとにばらばらの規制や指導がなされれば、私どものノウハウでもあるこのシステムがその機能を十分に発揮することができず、ひいては廉価で良品を提供するという我々小売業の使命を達成することも困難となりかねません。その意味で、もちろん私どもの経営努力が一層要求されることは論をまちませんが、この独自規制の禁止はお客様のメリットにつながるものと言えましょう。
 次に、昨今激しく変化しているお客様の生活様式や購買行動に私どもチェーンストアがどのように対応しているかを御説明し、御審議の参考にさせていただきたいと思いますが、そのために、まことに恐縮ですが、チェーンストアの業態とその立地特性について若干御説明をさせていただきたいと思います。
 私のペーパーの一番最後に「業態と立地特性」という簡単な表がございます。ちょっとお開きいただきたいのですが、これは実は大変単純に整理しておりまして、小売業、特にチェーン小売業の業態はもっとはるかに複雑なものでございますが、その中の軸とでもいうべき三つの業態をここで取り上げております。
 一つは総合スーパー、これはGMS、ジェネラル・マーチャンダイズ・ストアとか、あるいはひところまで言われていた言葉でセルフサービス・ディスカウント・デパートメント・ストア、大変長いですけれどもそういう言い方もされておりまして、総合スーパーというものであります。それから、食品スーパー、スーパーマーケットとアメリカで呼ばれておりますのは、この食品スーパーだけを指す言葉でございます。それから、コンビニエンスストアというようなものがあるわけですが、これらはそれぞれ実は社会的な機能、ファンクションを異にするものでございます。
 一番わかりやすい方から言いますと、コンビニエンスストアは言ってみると急場の買い物対応ということで必要な商品は全部そろっている。これはワンストップショッピングと申しますが、急場の買い物にワンストップショッピングでこたえる業態でございます。例えば、コンビニエンスストアでビールを置くとすれば、このビールは冷えていなければならない。急に見えたお客さんに出すビールが温かいのではしようがないので、必ず冷えたビールを出すというのがコンビニのビールの置き方でございます。
 食品スーパーとなりますと、これは実は家庭内で食べる食を提供する業態でございまして、いわば外食産業に対する内食産業とでも言うべきものであります。家庭内で食べる食事材料と一緒に買うものなら、ワンストップショッピングで何でもそろうということを軸にした業態でございます。ここでは、ビールは冷えたものも置く必要がありますけれども、同時に一週間分の晩酌用のビールも置く必要があるということで、同じビールを置いてもコンビニとは若干置き方が違ってくるというわけです。
 それから、総合スーパーの方は、ある地方都市を前提にして、例えば四十万の町があるとすれば、その四十万の都市で得られる最も広い品ぞろえを集めるというような考え方でございまして、そこでは当然冷えたビールも普通のビールも、ほかに贈答用のビールというようなことや、場合によると珍しいビールというようなものも品ぞろえされてくる。
 実は、この三つの業種は時には皆スーパーと一言で呼ばれていますが、全く違う部分を持ったものでございます。営業政策もノウハウもそれぞれ違っておりまして、コンビニがうまくできたから食品スーパーがうまくできるとか、食品スーパーと総合スーパーが同時にうまくできるというものでもないというくらいに違っております。
 その結果、立地の特性や店をつくる場所も業態ごとに違っておりまして、総合スーパーの場合には通常都市全体を商圏として考えます。したがって、人口が多ければ広い店をつくる。例えば、人口四十万の町に一万坪であるなら、人口百万だったら二万坪つくるというように、町の大きさに合わせて店の大きさが変わってくるところに特色がございます。
 これに対して、食品スーパーとコンビニエンスストアは、町の大きさが大きくなっても実は店は大きくはなりません。反対に店の数をふやしていくという出店政策をとるわけでありまして、例えば食品スーパーでいいますと、東京都心部ですと半径五百メートルのお客様を対象にしている。ちょっと地方都市でも一キロぐらいのお客様ということで、その店の近隣のお客様を対象にするわけでございます。
 そして、実はこの立地の特性がそれぞれ違っているということが大規模小売店舗立地法のこれからに非常に関係してくるのではないかと思います。
 さてそこで、これらの業態は、必ずしも消費者を一括で単純にとらえているわけではありませんで、所得とか年齢とかライフスタイル、企業それぞれの営業政策で、我が店は比較的若い層を対象にするとか所得の高い層を対象にするというふうに、対象によってやり方を分けてきております。恐らく、本格的な高齢社会が到来するころには、高齢者を対象にした食品スーパーというようなものも生まれてくると思います。
 例えば、カロリー表示のしっかりした塩分の少ない総菜、そしてお年寄りの好むお弁当。お年寄りがお弁当を食べるときに通常のお弁当では重くて持ち上がらないというので、実は私どもも高齢者用の片手で持ちやすいお弁当というのを開発しようかなと考えているわけですが、そういうものが品ぞろえされ、車いすで楽に買い物ができるというようなお店も本格的に出てくるのではないかと思います。
 ただ、これらの業態にチェーンストアとして共通するものは、基本的には標準化ということをすべての出発点にしておりまして、それゆえに標準化になじまない分野についてはチェーンストアは大変苦手でございます。このあたりに独立商業の皆さんとのすみ分けや共存の形をとっていきやすい部分があると思います。
 以上のようなことを前提にして考えますと、このたびの立地法の問題点が浮かび上がってまいります。すなわち、中心市街地の活性化に関連して次のことが指摘できます。
 中心市街地の衰退は、商店街の後継者難や公的機関の準郊外への移転などによると言われておりますが、ここで今申し上げました総合スーパーが郊外に移動したこともそのきっかけの一つとなっていることは確かに否めないことです。しかし、これは車社会に対応したためであって、車での買い物を希望している消費者の期待にはこたえた、企業としては大変立派な経営努力ではないかと思います。
 問題は、残された中心市街地の方なのですが、そのままでは衰退してしまいます。それを救う道は、業態の立地特性に隠されているわけで、都市中心部で活性化の核となるべきチェーンストア業態は実は食品スーパーでございます。先ほど申しましたように、町全体を総合スーパーが対象とする。そのねらい方はちょうど百貨店と同じような出店の仕方になるわけですが、食品スーパーというのは人口さえあれば、周辺に五千世帯程度の人口があればどこでも出ていけるわけですから、必ずしも郊外に行く必要はないという意味でございます。大店法の規制は、その業態の入れかわりをおくらせる効果を過去発揮してきたということが言えると思います。
 その意味で、大店法が撤廃されることは中心市街地の活性化のためにもいいことだと思いますが、心配されますのは、新しい立地法が環境問題を配慮事項の中心に置く結果、中心市街地に対する食品スーパーなどの出店がやりにくくなるおそれがあるということです。といいますのは、中心市街地こそ交通状態などの環境条件が理想的には整いがたく、それゆえに、本来市街地立地型の食品スーパーもまた環境問題の解決しやすい郊外立地を中心に出店せざるを得なくなるということです。中心市街地の環境問題は、過去の計画性に欠ける街づくりの結果でありますが、そのためにまた一層衰退に拍車がかかることがないような工夫が何か必要になるのではないでしょうか。私が立地法に関連して最も心配するのはこのことであります。
 立地法の問題点の第二は、経済的規制としての大店法を廃止することと環境問題などの社会的規制に関する新法の制定とを同じ土俵の上で論議することの不思議さであります。あたかも大店法の交換条件のように立地法が扱われることは筋道からしてもおかしいのですが、そのおかしさがごく自然に行われるということの中に、実はこの立地法が、建前どおり運用されなかったかつての大店法と同じように、事実上の出店規制に使われるのではないかという危惧を抱かざるを得ないわけです。したがって、その点の歯どめをぜひお願いしたいと思います。
 第三に不思議なことは、環境、交通渋滞、騒音などについて問題を起こす可能性がある施設はたくさんございます。その中でなぜ大規模小売店舗のみが対象になるのか。例えば、大型オフィスビル、マンション、ホテル、劇場、スポーツスタジアム、遊技場なども同じに扱うのが当然のことではないでしょうか。ここにもまた、かつての大店法のかわりに大規模店の出店を抑制しようとする意思のようなものを感じざるを得ません。
 要するに、都市の環境問題はひとり大規模店舗からのみ生ずるわけではありません。駅前の放置自転卓や狭い道路の交通渋滞など、過去の都市計画の悪さが今日に影響を残している姿を私たちは至るところで目にしております。その都市の中でも生活者は暮らし、日々の生活のために買い物を必要としております。すべてを新たに店舗をつくろうとする小売業の責めにして、消費者の不便を強いる事実上の出店規制になることを私どもは恐れているわけであります。
 そのほかに、交通混雑、ごみや騒音の問題は、ともすれば店舗面積を削れ、営業時間を短くしろといった主張につながりやすい点を懸念するものであります。交通混雑やごみなどを相対的に減少させることが本来の立法趣旨であるはずで、その目的達成のため、事業者や関係者がとるべき手段は多種多様であってよいと思われるにもかかわらず、経済規制の肩がわりといいますか、実質、経済規制の復活となることを懸念するものです。
 最後に、二十一世紀を目前にした今日の閉塞状況にある日本経済のためには、GDPの六割を占める個人消費を活性化することが一番の処方せんです。今からでも遅くはないと思います。事業活動に係る規制を緩和、撤廃して、創意工夫が生かされる社会への転換が急務のはずです。その意味では、大型店だけを対象にした今回の立地法も、自由であるべき商業への制約という危惧から、必ずしももろ手を挙げて賛成とは申し上げられないのがまことに残念であります。
 以上で私の意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(吉村剛太郎君) ありがとうございました。
 次に、岩井参考人にお願いいたします。岩井参考人。
○参考人(岩井滉君) 御指名をいただきました日本専門店会連盟政策委員長を務めております岩井でございます。きょうはこのような発言の機会をいただきまして、まことにありがとうございました。
 内容につきましては、お手元に要旨をお配りさせていただいておると思いますので、大体それに沿った御説明をさせていただきたいと思います。
 私は、今回の中小小売商を保護する目的でありました大店法が廃止されるという前提で大型店立地法への政策転換を考えますときに、これまでほとんど無視されてきております大型店と街づくりとの関連を明確に意識を持ち、専ら住民、消費者の観点に立って地元の意見としての大型店と地域社会との調和を図らんとするものと理解をいたしておるところでございます。
 このたび、大店法が廃止になることにつきましては、中小小売商の現在の厳しい環境状態を考え合わせますと大変不安が残るところでございますが、その不安につきましては既に先生方がもう十二分に御認識と存じますので、本日は私なりに大店立地法、中心市街地活性化法等について意見を申し上げさせていただきたいと存じます。
 まず第一点といたしまして、街づくりの観点から欧米諸国並みの規制法が導入される方向であると理解いたしておりますが、ヨーロッパ諸国の規制は、都市計画体系の中でゾーニングをした上で、ゾーニング上問題のない地域に出店する場合であっても、さらに個別の開発許可を課することにより、計画的な街づくりと個別の開発案件による周辺環境、街づくり等への影響の緩和を図り、もって良好な街づくりを実現するというふうに伺っております。
 この点につきましては、我が国の都市計画法の体系では、後ほど少し述べさせていただこうと思っておりますが、残念ながらさまざまな限界があるように思われます。今回の大店立地法は、まさにこれを補完するものとして提案されたのだろうというふうに理解いたしております。
 したがいまして、グローバルスタンダードという言葉が今使われておりますけれども、このグローバルスタンダードに準ずるというのであれば、諸外国の都市計画体系で行われている規制であって、我が国の都市計画体系で対応できない部分については、まさに大店立地法により対応すべき分野であるのではなかろうかと存じます。そうでなければ、グローバルスタンダードということにはならないのではないかというふうに考えるところでございます。
 もちろん、諸外国でも個別案件の許可の物差しとして、あらかじめ住民の意思としての地域計画の存在が前提として持たれていると承知いたしております。しかし、逆に言えば、地元の何らかの計画で中心市街地の維持、活性化や身近な購買機会の確保がうたわれているのであれば、ゾーニング上問題ない出店についても、中心市街地活性化や身近な購買機会の確保に問題がなければ個別にチェックし、問題があれば許可されないということもあると伺っております。この部分が都市計画法の開発許可で審査できない以上、我が国では大店立地法にゆだねられざるを得ないものと考えるところでございます。
 したがいまして、我が国で諸外国と同様の街づくりを行うためには、都市計画マスタープランや街づくりのために独自の計画、プランを策定することによって地元の意思を明確にし、これをベースとして特別用途地区を含めてゾーニングをした上で、さらに大店立地法により個別案件について住みよい街づくりのための調整が行われることが必要だと存じます。
 大店立地法は、以上の認識に基づく運用をぜひお願いいたしたく、具体的には次に述べさせていただきたいと存じます。
 一つは、法の目的となっています生活環境の幅広い概念が必要かと存じます。それは、単なるごみとか騒音、あるいは交通渋滞等の問題のみならず、住民が望む街づくりとの整合性を配慮したものであることが必要であります。その中には、地域の伝統、文化を担い、また既存の公的ストックたる中心市街地の役割や、高齢者、身障者等の社会的弱者に対する町のあり方、例えば、歩いていけるところに買い物をする場所が常にあるということを考慮すべきであると存じます。
 この場合、誤解のないように申し上げますが、これまでの大店法の目的であった中小小売商の保護を求めるものではありません。あくまでも欧米のように街づくりの観点から、地域住民の買い物機会の確保、中心市街地の空洞化防止等を指針の中に調整基準として盛り込むべきものであると考えるからであります。これが一番重要なポイントであろうかと存じます。なお、この場合、調整の基準として地域の計画が必要ならば、条例等の制定を前提にすることがよいのではないかと存じます。
 次に、法第四条の指針あるいは五条の通産省令においては、地方分権の立場からも地方の判断を最大限尊重すべきだと存じます。そのために、指針や省令では、地域が実情に応じ独自の基準や調整事項を定められる余地を残すべきであるというふうに存じます。
 さらに、地域住民が意見を言えることになっておりますが、幅広く住民が参加できるように都道府県等に審議会の設置等を提案したり、あるいは出店影響評価ができるよう情報公開というシステムを設定する必要があろうと存ずるところでございます。
 また、今回のこの制度を実効あるものにするためには、万一都道府県等の勧告、公表に従わない大型店が出てきたときには、命令、罰則等も追加するぐらいの強い方針で運用することが必要と思うところでございます。
 さらに、法第十三条の中に「地域的な需給状況を勘案することなく、」とうたわれていますが、この「需給状況」という文言がややあいまいではないかと存じます。地域の文化、伝統の維持、景観の保全等々、その地域地域のニーズやコンセプトに応じた街づくりの視点から行われる欧米諸外国並みの独自規制まで制限されないようにぜひお願いをいたしたいと存じます。この点は衆議院でも附帯決議をいただいているというふうに伺っております。
 さらに、中心市街地活性化法につきましては、これまで申し上げました大店立地法並びに都市計画法の一部改正を踏まえ、整合性を確保しつつ進めていただきたいと強くお願いをいたしたいと存じます。
 中心市街地活性化対策の推進に当たりましては、国の十一省庁の一体的かつ総合的な取り組みを推進するために、関係省庁間の有機的な連携体制の構築を図るとともに、関係官庁の窓口の一本化をお願いいたしたいと存じます。また、市町村、都道府県等においても関連部局の窓口の一本化等、法の趣旨に即した活性化対策の実施体制が整備されるよう、市町村、都道府県等に対し適宜適切な御指導をいただくことが必要かと存じます。
 さらに、この中心市街地活性化法の指定地域の選定に当たりましては、地域の要望を勘案し、弾力的かつ強力な対応をぜひお願いいたしたいと存じます。これらの実施に当たりましては、さらに長期的な視点に立った支援が必要かと存じますので、これもあわせてぜひお願いをいたしたいと存じている次第でございます。
 以上、雑駁でございますが、申し上げまして、私の意見表明とさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(吉村剛太郎君) ありがとうございました。
 次に、三村参考人にお願いいたします。三村参考人。
○参考人(三村光代君) 御紹介いただきました三村でございます。
 貴重なお時間ですが、私がここにおりますことは普通の消費者団体とは違うんではないかという疑問をお持ちの方もおいでではないかと思いますので、簡単に私の会のことを紹介させていただきます。
 私どもは、一九八八年に通産大臣の許可を得まして消費生活アドバイザーと消費生活コンサルタントが一緒になって設立した社団法人でございます。レジュメの方に書きましたが、余り名前が長いのでふだんはNACSと呼んでおります。NACSの英語の解釈は、消費者問題の専門家集団だということで私どもは活動を展開させていただいております。消費者運動は、例えば駅前でチラシを配るとかプラカードを持って運動を展開するというようなことは、私どもとしては会の目的の中には入っておりません。
 私どもの一方の構成員であります消費生活アドバイザーは、ことし三月に十八期が出ました。現在全国に六千五百人ぐらいのアドバイザーがおります。それから、消費生活コンサルタントは、昭和三十七年に財団法人の日本消費者協会が養成を始めまして、毎年五十人ぐらいの養成を行っておりまして、現在千七百名ぐらいが全国に散っております。現在、私どもの会は、その中の一部が加入しておるだけなんですが、四月末で三千四百名の会員を擁しまして、全国、沖縄から北海道まで会員の一人もいない県はないという状況になっております。
 実は、消費生活アドバイザーは二十八歳が受験年齢ですので、企業に勤めているとかの実績のない方は二十八歳にならないと試験が受けられないことになっております。アドバイザーの中で圧倒的に多いのは主婦でございます。七〇%ぐらいの主婦がアドバイザーの資格を持って活動しているという状況です。消費生活アドバイザーは企業とのかけ橋ということになっておりますので、企業の中から消費者のかけ橋役をしております。
 それから、コンサルタントは、消費者団体の中で活動している人もおりますが、実際は消費生活センターの窓口で相談に当たっている者もたくさんいるというのが現状です。
 さて、本日のテーマに入らせていただきますが、「現行大店法下での消費者」というテーマを挙げてまいりました。
 現行大店法では、開店日、年間休業日数、閉店時刻、そして面積の四項目で調整を行っております。休業日数の削減とか閉店時刻の延長などは、これを認めると周りの中小商店に影響するからという理由で、この要求をのむときは店舗面積を大幅に削減するというバーターで調整されているのが現状のようです。一日や二日の休業日数削減の要求が認められないということもあります。審議会の席でも、面積は削られるのだから初めから多目に申請すると言われた委員さんもおいでになられました。逆に、私が出ております埼玉県のある意見聴取会議で、三十平米ぐらいの店を経営している商店主の方が大型店に対して、大き過ぎて想像できない、どっちみち競争にならないんだからどうでもよいと言われたことがありました。
 町の中心にスーパーマーケットがあり、その周りに商店街が発展していた一昔前の商業地区が消費者にとっては大変ありがたい姿だったというふうに思います。なぜかというと、そこに行けば品ぞろえの豊富な店で選ぶことができ、価格も安く選ぶことができたわけです。さらに、その周りを取り囲む門前町的になっている商店街では、高品質で差別化された商品を買うことができるという利点があったわけです。消費者にとっては大型店だけでも、それから中小小売店だけでも望ましい町とは言えないのです。今やぜいたくなことになってきていますが、今申し上げたような町が望ましいのではないでしょうか。
 欲しいものを求めて町の商店を何軒も歩いたという経験を持つ方はたくさんいらっしゃると思うのです。私もその一人ですが、思いがけず町の小さな店で探していたものを見つけたということもあります。特に特殊な商品でない限り、コマーシャルが流れ出すとその商品が買いたいと思って特に私のような立場の人間は探して歩くわけですが、大型店でもスペースがないということだとか、それからバイヤーさんの活動の足りなさもあるのかもわかりませんが、見つからないということも結構あります。ところが、努力しているお店では、その新しい商品が小さいお店の中で見つかるということもあるわけです。やはり消費者が何を買いたいのかということを念頭に置いた街づくりというのを考えて商店主もやっていただかないといけないんではないかというふうに思います。
 また、埼玉県のある市が行った市民の購買行動調査の結果によりますと、広告をよく読む主婦、新聞は読まないんじゃないかと冗談を言った人がいますが、広告を絶えずくまなく読まれている主婦の方たちは、どこに行くとお砂糖一つがどのくらい安いかということも探して回って歩いている。働いていない主婦は、それが自分の働きだと思っている主婦もたくさんいるわけで、そういう形で広告をよく見る方は、そこが安いとわかれば市外の商店にでも出かけていくという行動をとっているわけです。現実には、商品がたくさんあることも望みだけれども、安いということも消費者にとっては足を向ける大きな要因になっているということを知っていただきたいと思います。
 さて、またこういうような消費者であっても、アフターサービスを望むような大型の商品とか設置が自分ではできないようなものは、後々のことを考えて近くの店で選ぶというように使い分けをしている消費者もたくさんおります。しかし一商店や商店街によっては電話やファクスで注文を受けて配達することでお客をつなぐ手段にしているところもこのごろは大変ふえてきております。
 あるコンビニでバイクを置いて配達するという店がありましたので、そこへ行きまして、ボールペン一本でも配達してくれますかというふうに聞きましたら、二百円出してくれれば配達すると言われたんです。これからはサービスを買う時代だから、ボールペン一本を配達してくれと言う人はいないかもしれませんが、意外や、聞いてみると利用している人がたくさんいる。高齢者にとっては、毎日二百円プラスすることでお弁当の配達をしていただけるんだったらありがたいサービスになるのではないかというふうにも思います。努力なしで中小商店が保護される時代は終わったのではないかと私は申し上げたいと思います。
 さて、次に、最近は超大型店が郊外に出店するという傾向が見られますが、そのために町の中心街から商店が消えるという現象が起こっています。私の住んでいる町でも同じような現象が起こっておりまして、つい先ごろまでアーケードがついていたところのアーケードがなくなったら、単なる通りになってしまったんではないかと思えるような現象が起こってきております。こういう郊外に大型店ができるということで泣いている消費者もいるんだということも私は申し上げておきたいと思います。
 それは、車の運転ができない人あるいは高齢者。実際には、郊外の店にだれかに運転していっていただかなければ行けないといっても、今の地域、私も住宅地に住んでおりますが、よその奥さんを誘ってこれから買い物に行こうというような状況ではないんです。隣近所がとてもそんなことをできるような状況にないというのが現状ではないかと思うんです。まさか隣に住んでいる人がだれか知らないなんということはありませんが、そんな現状の中で車の運転のできない人というのは、現実には郊外の店に買い物に行きたくても行けないというのが実態です。
 ある高齢者の話ですが、町の中央まではいつもバスを利用して行っていたのですが、あるとき布団を仕立て直しに出したいと思い、持っていきたかったけれどもバスには乗せられないので、自分でシルバーカーを押して遠くまで行ったという話を聞きました。
 これなどはバスに乗らなくても電話一本でお店の方に来ていただくことが可能なものではありますが、高齢化社会に向かって、実際に毎日の食料品はそれではだれが買うのかということになります。ヘルパーさんにお願いしても、近くに店がなければ買いに行っていただくことも不可能になってきている現状の話を聞いております。そういう中で、消費者が生きる手段として一番大事な食料品を買うことすらできないというような状況になっては困るというふうに、高齢化社会に向かえばこそその辺は私は重要な問題として考えていただきたいというふうに思います。
 さて、総理府の調査によると、消費者が店を選ぶときの第一は豊富な品ぞろえ、品質がよいこと、価格が安いですが、もう一つ、毎日の生活から見ると今申し上げましたように近くて便利ということも必ず挙がってきます。また、駅に密着の店などは、働く主婦にとっては通り道にあるということで選ぶ重要な要因になります。働く主婦は夜遅くまで開店している唐というのはとてもありがたいんですが、現実にはそこに働いている主婦もいるということもお考えいただかないといけないのではないかというふうに思います。
 さらに、夜遅く私が実際に買い物に行って幾つかの店を歩いてみますと、明らかに生鮮食品の品ぞろえは悪くなっています。さらに食料品以外の売り場を少し歩いてみますとわかるんですが、客がほとんどいないというような状況ですと、現実には店員さんを探すのも大変です。
 九時閉店のあるスーパー、大型店の方に伺ってみましたら、とても残念な話なんですが、客も含めて人が少なくなるために、見張る目が少ないということもあるんだと思うんですが、万引きがふえているということを伺いました。こういう問題まで大型店の規制の中でどうこうする問題ではありませんが、そういう素地をつくっていくというようなことは考えておかなければいけないことではないかというふうに思います。
 大型店の出店ラッシュになり大型店同士が熾烈に争いをするようになってきているということも一つ問題ではないかというふうに思います。せっかく出店したのに、店の思惑に合わないからといって勝手に退席してしまうという店も最近よく見られるんです。それはそれなりにお店のいろんな意味での思惑がおありだと思いますが、実際に商店が空洞化している中で消費者が買い物に行けない状況ができるということもあることも知っていただきたいと思います。
 これは山口の審議会の席で出ていた例なんです。国道を挟んで超大型店が二店舗出ることに決まったわけですが、その中で、両店舗が話し合って扱う商品をドッキングさせないという手段を講じるということになったという話を聞きました。そのあたりの配慮も大変大切なことではないかというふうに思います。
 それから、大店法がいよいよ消えることになったわけですが、いろんな意見がありますが、これからできる新しい法律は、やっぱり出店に当たってはナショナルスタンダードをつくっていただいて、ここまではどこに出店しても同じだという線を引いていただく必要があると私は思います。その後で、それぞれの市だとか県だとかが考えて条例が必要ならばつくっていただくのはそれでよろしいと思うのですが、あくまでも一線はナショナルスタンダードでいっていただかないといけないのではないか。
 勝手に動かれないようにしていただきたいのとあわせて、街づくりという言葉の陰に隠れて大型店が以前の商調協のときのようになかなか出店できない状況になるということも避けていただきたいというふうに思います。その問題は、消費者にとっては明らかに消費者の生活環境を悪くしていくことにもなるわけですから、ぜひその点も考慮に入れていただきたいと思います。
 それから、新しい立地法では、消費者というよりも住民あるいは生活者の目で監視ができるので、また消費者がここに一歩加わって物が言えるときが来たというふうに私は思っております。
 私が出席した意見聴取会議でも、ごみ問題を取り上げた消費者代表が、どこにごみを持っていくのか、市のごみ焼却場に出されるのは困る、その問題がはっきりしないと出店に賛成できないと主張していらっしゃいました。新法での出店は、住民、生活者の監視は否めないと思います。したがって、この問題は既存の大型店にも影響が及ぶと考えております。
 大型店の適正な立地は地方行政に任されることになりますが、先ほど申し上げました商調協のような特に市町の調整が出ないようにきちっと基準を定めていただきたい。そして、消費者や生活者が監視しやすくするために、一般住民に公告縦覧を簡単にできるよう何らかの手段を講じてほしいと思います。できれば、公民館等、消費者が集まってきやすいところに、住民が集まってきやすいところに縦覧できる場所を置く、それから公民館などで説明会を開催する、町内会の回覧板でそのお知らせを流すというような形をとっていただけるとありがたいと思います。
 意見提出もどこにどのように出していくのか、情報提供も必要です。これまでと違って、出店してから約束を守っているかを監視することも必要だと思います。住民の監視は四六時中厳しく見ていることになるので、ごまかしがきかないと言えるのですが、そのためには住民に意見が言えることを知らせることが必要です。監視できる体制をつくることが必要だと思います。
 私の会は、幸いに全国に小さな地区分科会等を持っておりますので、できる限りその拠点となって住民の方たちを引っ張っていけるようなリーダー的な活動を展開していきたいと思っております。
 以上です。
○委員長(吉村剛太郎君) ありがとうございました。
 次に、中島参考人にお願いいたします。中島参考人。
○参考人(中島一君) ただいま御紹介をいただきました滋賀県彦根市長の中島でございます。
   〔委員長退席、理事平田耕一君着席〕
 経済・産業委員会の皆様方には、日ごろから都市自治体の円滑な行財政運営と地域の経済・産業の発展のために格別の御理解と御高配を賜っておりまして、まずもって厚く御礼申し上げます。
 また、本日は、私ども都市自治体にとりまして最大の懸案事項となっております中心市街地の活性化等に関しまして発言の機会を与えていただきまして、深く感謝申し上げます。
 さて、これから申し述べます内容につきましては、お手元にお配りいたしましたレジュメに沿って申し上げるわけでありますが、その項目につきましては、まず中心市街地の衰退の現況、二番目に全国市長会の中心市街地活性化対策研究会の中心市街地の活性化対策のあり方の研究・検討結果について、三つ目といたしまして中心市街地活性化施策を効果的、効率的に推進するために、四番目には私ども滋賀県彦根市の事例について報告を申し上げまして、最後にこれの取りまとめという順序でお話を申し上げたいと思います。
 ところで、今さら私から申し上げるまでもございませんが、都市において中心市街地は、ショッピングやにぎわい、交流の場などを提供し、都市としての機能を高めることによりまして、いわば都市の顔としてこれまで極めて重要な役割を果たしてまいりました。
   〔理事平田耕一君退席、委員長着席〕
 しかし、近年に至りまして、急速なモータリゼーションなどの進展によりまして市民生活が車中心のライフスタイルに変化するとともに、大規模小売店舗の郊外展開、道路、駐車場などの都市基盤施設の整備のおくれ、さらには地価高騰の影響などを背景に各都市の中心市街地の空洞化が急速に進行してまいりました。このことは、大都市や地方中核都市だけでなく、人口のさらなる減少や高齢化の進展などに悩む小さな都市におきましても大きな問題になっておりまして、まさに全国的な危機であると認識いたしております。
 また、昨年、全国市長会が実施しました全市長に対するアンケートの調査結果におきましても、都市施策を実施する上で中心市街地衰退の問題が重要な課題であるとする意見が一番多く、さらに、今後中心市街地の整備を重点的に行う必要があると回答した市長が六割近くを占めております。
 こういったことから、全国市長会といたしましても早急に取り組むべき重要な課題であると認識し、中心市街地活性化対策研究会を設置しまして中心市街地の活性化対策のあり方を研究・検討いたしたのであります。その結果を昨年十二月に、地域が一体となった活性化対策の推進、二番目に中心市街地の活性化に向けた基盤整備、三番目に商店街等の活性化すなわち商業振興の三点を骨子とした意見書として取りまとめ、各方面に提出し、強く要請を行ったところであります。
 中心市街地活性化施策を効果的、効率的に推進するためには、都市自治体が中心的な役割を果たすことはもちろん、国、地方公共団体、さらには商店街等が一体となりまして地域の実情に基づいた柔軟な施策を展開し、地元の機運醸成を図ることが重要であるとしております。
 特に、国に対しましては、各省庁における類似施策の連携強化による総合的支援策を講ずるとともに、商店街活性化のための金融・税制優遇措置の創設等を求めたのであります。さらに、中心市街地の持つ商業、業務機能はもちろんのこと、文化・教育、福祉・医療、居住等の都市機能の充実を図り、これを支える道路、駐車場、公園、河川などの基盤施設や鉄道、バス等の公共交通手段の整備充実を図ることを要請いたしたのであります。
 ここで、せっかくの機会でございますので、この意見の内容とあわせまして、私ども彦根市の事例につきまして御紹介を申し上げたいと思います。
 滋賀県彦根市は、昭和十二年に市制施行以来、琵琶湖東北部の中心都市といたしまして発展し、昨年で市制六十周年を迎え、現在人口は十万六千人の都市となりました。琵琶湖と鈴鹿山系に囲まれ豊かな自然に恵まれた本市は、江戸時代に彦根藩井伊家三十五万石の城下町として本格的な歩みを始め、開国を英断し、今日の日本の礎をつくった井伊直弼公の生誕の地として、現在に至るまで歴史的な面影とともに中世から近世にかけての貴重な歴史遺産を数多く残しております。
 彦根市では、市制六十周年を機に、来るべき二十一世紀に向けまして、歴史と伝統を踏まえた新しい都市をクリエートする「ルネッサンス彦根」の考え方を基本に、彦根市総合発展計画「彦根ルート二〇〇一計画」の基本構想であります「あすに向かって息吹のみなぎるまち」の実現のため、市民と力を合わせて取り組んでいるところでございます。
 さて、本市の商業及び商店街の状況は、昭和初期から銀座商店街を中心とする中心市街地の商店街が繁栄し、特に銀座商店街は昭和三十年代から防災建築街区造成法に基づく防災街区の造成に着手し、街路整備と防災建築の建設が行われました。
 さらに、昭和五十年代には、JR彦根駅の改築や駅前区画整理事業に伴いまして駅前商店街の整備が進み、商業の重心は市内中心部の銀座商店街を中心とする地域から駅前商店街へとシフトしました。また、同時期から市街地が徐々に南部地域に進展していく中で、郊外の幹線道路に沿った商店街がいわゆるロードサイドショップとして繁栄を見せるようになりまして、こちらへのシフトも進みました。
 さらに、現在におきましては、近隣都市での大型店の出店を初めとしまして、現在の彦根市の商圏人口は約二十六万人、商業地のレベルといたしましては地域中心型商業として位置づけられています。といいましても、彦根市中北部エリアは都市型商業地の空白地帯でありまして、地理、交通の面で拠点性を持つ彦根市といたしまして、都市型商業地としての商圏拡大を図るチャンスととらえ、平成八年度にJR南彦根駅前に整備された大型商業施設の建設によりまして、地域中心から都市型商業への展開を図ろうとしたことによりまして商業の重心が変遷してまいりました。
 一方、既存の中心市街地商店街におきましては、店舗やアーケード等の老朽化に加えまして、顧客の減少や後継者不足等に伴う空き店舗も目立ちましてにぎわいを失っております。
 本市では、衰退が進んでいる中心市街地商店街に隣接しているかつての城下町の町割りが最初に行われたとされております本町地区におきまして、「夢京橋キャッスルロード」として地域住民の意欲的な取り組みによる「まちなみ景観再生事業」を行っておりまして、江戸町屋風の景観を持つ町並みを創出したことによりまして各方面から街づくりに対する大きな関心をいただき、また、こうした整備に伴い商業の活性化が進んできたことから、この通りに接する市場商店街にも取り組みが広がりつつあります。さらに、商店街の中には、「ふるあたらしいまち創り」としまして、古い建物を生かした街づくりの取り組みや空き店舗対策にも取り組みが行われておりまして、衰退の進む中心市街地商店街の中での活性化に対する意欲が広がってきております。
 こうした状況から、官民一体となって再生を図るため、彦根市と彦根商工会議所が中心となりまして彦根市中心市街地再生事業委員会を組織し、平成九年三月に「彦根市中心市街地まちづくり構想−報告書」をまとめておりまして、平成十年度から市の基本構想の策定とタウンマネジメント機関の設立と事業計画の策定に取り組みを進める計画をしております。
 本市といたしましても、都市基盤の整備や商店街支援等により中心市街地の活性化を推進し、個性ある歴史、文化に根づいた持続性ある街づくりへの取り組みによりまして、「あすに向かって息吹のみなぎるまち」づくりの実現を図ってまいろうとしているところであります。
 以上、本市の現況と今後の考え方の一端を申し上げましたが、中心市街地の再生、活性化は極めて厳しい面もございますけれども、今取り組みを開始すれば近い将来中心市街地が再生する可能性もあると確信しており、引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 さきに成立いたしました平成十年度予算におきましては、極めて厳しい状況の中で、中心市街地の活性化関連につきましては十一省庁にわたる知恵を絞った積極的な内容を盛り込んでいただきまして、感謝をいたしております。また、先般決定さ九ました総合経済対策におきましても御高配を賜り、まことにありがたく存じている次第でございます。
 この上は、当委員会で御審議いただいております中心市街地の活性化法案の早期成立とあわせて、この機会に次の三点についてお願いを申し上げます。
 まず第一点は、各都市の意向の尊重についてであります。中心市街地の活性化対策は、各都市の実情に応じた対応が必要と考えられます。今回の法案におきましては、基本計画を市町村が作成することとするなど種々御配慮いただいておりますが、計画の実施等、具体的な施策の展開において各都市の意向が最大限生かされますようにお願いをいたします。
 第二点は、各省の連携と窓口の一元化についてであります。活性化対策は、今回の法案に各般の施策が掲げられているように、各分野の施策を連携させながら総合的な戦略のもとに進める必要があります。そのため、各省の施策の実施に食い違いが生じることなく、適切なタイミングに必要な施策が円滑に実施されますよう、各省の窓口設定のあり方を含め各省間で密接な連携をとっていただきますようお願いいたしをする。
 第三点目でありますが、事務の簡素化についてであります。法律等に基づく事業を効果的に実施するため、関係する事務につきましてはできる限り簡潔に行われるよう御配慮いただきたいと存じます。
 次に、大規模小売店舗立地法案についてであります。本法の運用主体は都道府県及び政令指定都市でありますが、交通渋滞、騒音、また廃棄物など都市環境への影響だけでなく、中心市街地活性化の取り組み等との整合性にも留意した、関係市町村の意見、実情を十分反映させた運用をお願いしたいと存じます。
 以上、都市の立場から意見を申し述べましたが、地域の経済・産業の発展のため今後とも積極的に取り組んでまいりたいと存じますので、諸先生方におかれましても引き続き絶大なお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
 本日は、大変貴重な時間を拝借させていただきまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
○委員長(吉村剛太郎君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人の方々に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○平田耕一君 自由民主党の平田でございます。
 本日はありがとうございます。よろしくお願いいたします。一つずつでも皆さんにお尋ねをしたいと思っています。
 まず、荒井副会長からお尋ねをしたいと思いますけれども、いろいろ自由に競争させると、こういう御意見だと思うんですが、私が心配するのは、大変今大規模な会社が隆盛にやっておられますけれども、これから海外から大資本の大きな店というのがどんと出てくるんだろうというふうに思うんです。そんなときに、逆に少しそれらから防衛するぐらいのこともみんなで考えにゃいかぬのじゃないかというふうに思っているんですけれども、皆様方は海外からの進出についてどういうお考えを持っておられるのか、また推測でもあれば簡単に教えていただきたいと思います。
 それからもう一点は、各地に大型店舗がありまして、それらの設備自体の寿命というものがかなり短いというふうに感じています。その後には必ず周辺の荒廃といいますか、お店の方は新しいところへかわってまた隆盛にやられますけれども、残ったところはどうも貧弱になっていくというような形で、そういう大きな店をつくられたときに、最後まで街づくりに関して一体となってやっていくという考え方についてどのように思われるか。
 二点お尋ねしたいと思います。
○参考人(荒井伸也君) まず、自由競争をどんどんやっている、そこに海外からの大資本が攻めてくる、それに対する防衛をどうするかというような問題なんですが、大前提といたしまして、過去、大資本と小売業の関係というのは必ずしも大資本が強くないんです。
 例えば、私どもの会社は実は住友商事が一〇〇%資本を持っている、これは大商社でございます。そして、今から三十五年前にアメリカのセーフウェイという世界で最強の食品スーパーと住友商事が提携してつくったのが一号店でございます。見事に失敗いたしまして、セーフウェイは二年でアメリカに引き返してしまいました。
 これは一つのシンボリックな出来事なんですが、現在栄えておりますチェーンの小売業の中で、例えば鉄道、百貨店、商社など、大資本が資本力でもって制圧できるだろうと思ってやって成功したところはほとんどございません。
 先ほどの総合スーパー大手十社の中で大資本系と思われますものは、これも大資本系と言っていいのかどうかわかりませんが、セゾングループと東急の系統のお店があるだけで、残りの八企業はすべて間口二間ぐらいの小売商から始まったというような方たちばかりでございます。
 それから、食品スーパーの方の大手十社を見ますと、このうち大きな資本が始めたものは、大丸の始めた大丸ピーコック、それから相模鉄道が始めた相鉄ローゼン、そして私ども住友商事のサミットだけで、七社はそれぞれ八百屋さんだとか魚屋さんだとかあるいは乾物屋さんだとかが変身してきたものであります。
 つまり、資本力でやればうまくいくというような簡単な世界ではない、もっともっと人間的な、あるいは非常に多くのノウハウ、開発の努力が要って、それは非常に地道な努力だということがまず基本的な前提でございます。
 それから、海外からの資本につきましては、今申し上げましたように過去試みがあって余り成功したケースはない、私どもの会社自身がそのいわば後でございます。
 ついでに申し上げておきますと、私は七年たってから、赤字でどうにもならないサミットという会社に住友商事の方から志願して出向させてもらったわけです。そのとき私が思っておりましたのは、やはりこれは町の小売屋さんのまねをするに限る、町の小売屋さんからスーパーを成功させている皆さんを一生懸命勉強することが生き残る道であろうということで、以来私がやってまいりましたすべては、そういういわば独立資本から立派に成功された方に教えていただきながら、その跡をたどってどうにか生き残ってきたということでございます。
 つまり、資本力だけでどうにもならないところにもってまいりまして、さらに食品スーパーを例にとりますと、これはその国々の食生活と非常に関係があるわけです。そこで、私どもは台湾に店を持っているんですが、逆に大変にやはり苦労いたします。つまり、小売業はほとんどの場合にその地域の生活と非常に密着しておりますので、なかなか簡単にはいかない。
 ただ、御存じのとおりトイザらスというような大変巨大なおもちゃのチェーンが来てなかなか繁盛しておると聞いておりますが、これは私の今まで調べた範囲ですと、トイザらスが海外にお店を持っているときに、日本からのおもちゃの大量購入先でいらっしゃるわけです。したがいまして、日本のおもちゃメーカーともともと大変密接な関係があるということがトイザらスの日本におけるマーチャンダイジング力を非常に強めたというように感じておりまして、むしろ一般論としては例外なのではないかと思います。
 それから二番目の、大型店の設備の寿命が非常に短いということなんですが、設備というよりも売り場面積が長期的に変化しておるわけです。例えば食品スーパーでいいますと、三十数年前は大体二百坪をつくるのが精いっぱいでした。食生活が多様化してくるに伴いまして、私どもは今大体二千平米ぐらいの、つまり六百坪ぐらいの食品スーパーをつくるようになってきています。これは消費者の生活に合わせたわけなので、当然の変化なのですけれども。
 そうは申しましても、実は先ほども申しましたセーフウェイと住友商事がやりました第一号の野沢店は、今もっておかげさまで繁盛して続けておりまして、それほど大きな変化がない部分もございます。
 寿命が短くなった一番大きな理由は駐車場でございまして、モータリゼーションが急激に進行したために、これにこたえなければならないということからスクラップするというようなケースもあったのではないかと思います。
 以上でございます。
○平田耕一君 ありがとうございました。
 多少やっぱり環境型の規制といいますか、そういうものの重要性もにじませていただいたというふうに思っています。
 田島先生にお尋ねしたいと思うんですけれども、荒井参考人もおっしゃっていただきましたけれども、流通ということでいろんな創意工夫なんかは同等にできるんだけれども、結局資本の論理というものがあってなかなか難しいと思うんです。やっぱり先生がおっしゃったように、すみ分けも大事なんでしょうけれども、基本的には税制とか会計制度とかという部分で、スケールメリットが経済上必ず生み出せるというんじゃなくて、小規模で十分そういう部分では競争できるという何か制度があった方がいいというふうに常々思っているんです。ざっとした質問ですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(田島義博君) 流通がよいということをどういう物差しで判断するかというときに、どちらかといいますと経済学者は効率性ということをほとんど唯一の物差しにして考えてまいりますけれども、効率性ということを考えますとどうしても規模の大きい方が規模経済が出る。そうすると、例えば日本の小売業総数百五十万のうち、大企業のシェアが上がれば流通は効率化されるんだというふうな考えがございますけれども、これは大変な錯覚でありまして、規模が大きくなると規模経済が出る場合と規模不経済が出る場合というのがあるわけでございます。
 どういう場合に規模経済が出でどういう場合に規模不経済が出るかということになりますと、一番簡単なのは技術革新、これは非常に広い言葉でありますが、工夫、新機軸、いろんなことをひっくるめましてそういう技術革新をベースにして規模が大きくなるときには規模経済が出やすい。人、物、金という経営資源を次から次に突っ込んでより大きな店をよりたくさんつくるという格好で規模が大きくなった場合は、つまり技術革新がベースになっていないわけであります。この場合には規模不経済が出る可能性がある。
 私たちは、成長と言うときには技術革新をベースにしたものを呼び、技術革新がベースになっていないものを成長と呼ばない、これは膨張だと。膨張というのは病気である。したがって、流通業でも急速な資本投下を行った企業というのは今日かなり経営的に悪化しておる。
 具体的な数字で申しますと、投下資本あるいは総資本と申してもいいわけですが、自己資本プラス他人資本であります。どのくらいの資本を投下してどのくらいの純益を上げているかという比率を計算してまいりますと、日本の大企業の国際的な水準というのは国際的に比較しますと極めて悪いわけであります。これは技術革新がベースになっていない、それから投資効率を余り判断しない、そういったことが原因になっておるかと思います。
 実は、もう一つ非常に大切な物差しというのは便利性だと思うのであります。便利性というのは非常にあいまいな概念だと言われておりますけれども、実はそうじゃなくて、一つはアクセスコストが非常に小さいことを便利と言っております。それから、家庭内在庫、在庫投資が小さくなるというのを便利と言っております。さらにまた、品物を探して歩く探索コストが非常に小さいというのを便利と言っております。そういう意味で便利性というのは今後非常に重要になっていくかと思うのでありますが、この便利性を満たす小売業としては、ある意味では近隣の中小商店というのは極めて有利な立場におる。ただし、小さいがゆえにいろんな技術革新が非常に難しくなるという側面がございます。
 例えば、これは昭和四十二年ごろ中小企業庁の新しい政策の中にも出てきたわけでありますが、コンビニエンスストアをボランタリーチェーンで展開することができないかどうかという議論がございまして、実はそのときコンビニエンスストア運営マニュアルというものを開発したことがございます。ただ、これで実際コンビニエンスストアをやられたのは大企業でございまして、しかもボランタリーではなくてフランチャイズという方式をとられた。これは、本部がノウハウを構築いたしまして、これを有料でメンバーに使わせる、したがって経営的な成功を保証する、こういう仕組みであります。
 ただ、フランチャイズの欠点の一つというのは、個々の加盟事業者の自由裁量の余地を極めて小さくするわけであります。ところが、商業というのは本来創造的でグリエーティブなものでございます。そういう小売業者の自由裁量あるいは工夫の余地というものを生かしてやるにはボランタリーという方式はいまだに有効だと思われますので、そういう意味では小売業の業種別、業態別組織化というふうなものが政策の中に入ってくるべきだろう、こんなふうに思っております。
○平田耕一君 ありがとうございました。何となくいいお話をいただいたように思います。何となくと言うと御無礼なんですけれども。
 いわゆるボランタリーなりフランチャイズなりチェーン店の大もとの本社というのは、考えてみたら本来卸売会社だと思うんです。だから、裁量性を大きくすればまたもとの流通形態に戻るんだなというような感じがしていまして、そこで規模の論理だけが働いてはいけない、小さくてもやっていける税制なり企業会計なりがあれば昔の形態でみんな生活できるという感覚がありましたものですから。示唆に富んだお話をいただいたというふうに思っています。
 それで、店の膨張とかいろんなものがあるんだよ、消費者はよく見なさいよという話を受けまして、三村参考人にお尋ねいたしますけれども、参考までに一番賢い主婦の買い物の仕方というものの典型的な例を簡単にひとつ教えていただけませんでしょうか。
○参考人(三村光代君) 私は余り賢い主婦ではないんですが、末端の主婦の人たちのお話を聞いてみますと、やはりどこで何を買うかというのを御自分なりにきちっと整理をして、先ほどもちょっと言いましたけれども、チラシ広告等が毎日大量に入ってきますから、そのチラシ広告等を比較しながら買い物をするというのが若い主婦の人たちがよくやっているそれなりの賢い行動だと私は思うんです。そのためには家計簿をつけるということがすごく大事で、ある栄養の運動をやっている方が、家計簿をつけない人には栄養の指導をしたくないというふうに言われたという言葉のとおり、家計簿をつけることですごく比較ができるんではないかというふうに思っています。
 それから、若い人にまとめ買いというのをどのくらいの程度でやっているかというのも聞いてみますと、一週間以上まとめ買いをするというのはとても難しいんです。買えることは買えるんですが、特に野菜類は、まとめ買いをたくさんすることで逆に冷蔵庫の中で野菜をごみにしているというケースが圧倒的に多くて、ごみを調べてみると五〇%以上が野菜だと言われているわけですから、まとめ買いというのはせいぜい三日がいいところで、私はそれがやはり賢いんじゃないかというふうに思います。
 済みません、お答えにならないかもしれません。
○平田耕一君 私、地元で家内と子供たちが生活していて、長男と私は東京で宿舎にいます。そうすると、学生の長男の方が買い物がうまいように思うんですよ、少しずつ買ってきますからね。家内によく言って聞かせたいと思います。ありがとうございました。
 それから、中島市長と岩井参考人のお二人から、地元の意見というか地域の意見、都市の意見というんですか、そういうものを酌み取れと、こういうことでした。そういうお話を伺うと、二人はどうも立場が違うんじゃないかというふうに思います。
 申し上げたいことは、意見を吸い取る場合には、商工会議所なり商店連合会なりで意見を集約された場合に、どうもそこの意見が全体の意見になったような錯覚が、実際そこのところはわかりません、錯覚しているところもある、間違っている場合もあるだろうというふうに思うんです。広く一般の住民の意見も取り入れて、ペストの意見になっているかどうかというようなことに業者の方は腐心しなきゃいかぬし、行政もまたそういうことに腐心されておられますが、おのおのの立場で、地元の意見、その集約の方法というようなことについて中島市長からお話を伺って、同じであればまた違う質問を岩井さんにはさせていただきたいと思います。
○参考人(中島一君) 実際問題、住民の意見というのはどういうところにあって、合わない場合はどのように対処していくのかというような御質問でございます。
 私は、実は二十世紀というのは標準化の世紀だ、二十一世紀は手づくりの時代だということを言っております。ということは、いわゆる経済の原則によりまして、大量生産、大量購入、大量販売ということでコストをダウンすることができる、これはもう原則でございます。そういったことになれ切っている中で、みんなの考え方が実は今の段階ではほとんど同じだろう。しかし、その中でも、時代をリードしたい、また感覚的に違うという人が正義のような発言をされる方があります。ですから、私は、そういう中でどのようにオーソライズしていくかということが非常に重要であるということは御案内のとおりでございます。
 しかし、これからのときに、意見が違った場合でも、私は実は対話の行政ということを旗印にしておりますから、話をしながら何を求めていくのか、何が要求されているかということがおのずから決まってくることを経験しております。
 物を買う、売るだけじゃなくて、一つのクリエートする場合には、いろんな意見がありますけれども、やはりそれぞれそのコンセプトが一緒でも手法が違っている。その手法を一つずつ説明し、また理解を得るということが一番大切な解決の早い道のりだと思っております。
○参考人(岩井滉君) 私どもの地元は実は北海道の札幌でございますが、その辺でも、いわゆる住民の意見というのをどういう範囲にお尋ねするのかというのはまことに難しい問題だというふうに常におっしゃっていらっしゃいます。
 ただ一つ、参考になるかどうかわかりませんけれども、札幌の西区に琴似という近隣商店街がございます。ここがたまたまJRの駅と地下鉄の終着駅ということで、いささか活気のある商店街でございましたけれども、今度、ことしじゅうに地下鉄が延長になりまして通過駅になるというようなこともありまして、大変危機感を持って活性化に今取り組むということでございます。
 これは、市の商業課がモデル地区として指定をいたしまして活性化に取り組んでまいっておるわけでございます。この中で、住民の意見のとり方という形で、もちろん地元の商業者も地域の住民の方たちも前向きに取り組むという前提でございましたからできたということもあるんでしょうけれども、実は未来の琴似まちづくりサミットというのをつくってこのテーマに取り組んでおります。
 参加されている方というのは、実は商店街の隣接地帯にある小学校のPTAなんかがかなり中心的な役割を果たしてきたというのがほかで余り見ない例だろうと思いますが、PTAの役員の方あるいは連合町内会の会員の方、小学校の校長先生、教頭先生、それからもちろんその地域の消費者協会の会員の方、それから福祉団体の役員の方、それに会議所、区役所の役職者の方、それにあと一般公募でこの団体に加盟を申し込んできた例えば飲食店組合の方とか、かなりいろんな広がりの方が集まって、このサミットを通じて琴似の未来について語り合うというようなことを進めているようでございます。
 その結果として、琴似の未来に関しての小学生のレポートといいますか作文、それから琴似の歴史についての研究会を小学生がつくるとか、そういう活動があると同時に、冬にはアイスキャンドルの展開をするとかということで大変楽しい街づくりに取り組んでいらっしゃる。
 こういう意見の取り上げ方というのがこれからいわゆる地域密着型の街づくり推進をやるためには非常に参考になるんじゃないかと、実は私どももサイドから見ながらうらやましく思っております。こういう形のものがだんだん住民の一つの形として声を出していく組織になっていけばいいな、こんなふうに考えております。
○平田耕一君 最後に、もう一点だけ中島市長にお尋ねしたいんですけれども、景観規制というお話をされまして、街づくりにはそれが一番じゃないかと思うんです。特に中心でなくても、古い町の再生とか小規模の商工業者が生きていける街づくりというのは景観規制があるべきだと思うんです。歴史の町だけじゃなくて、普通の町もです。そのことについてどの程度、もっともっと規制していくべきだという御意見なのか、実地経験を踏まえて教えていただきたいと思うんです。
○参考人(中島一君) 私は景観というのを定義づけております。これは私の定義でございますけれども、その都市の生活の姿は景観だということを言っております。したがいまして、屋根の形だとか色だとか外壁の仕上げとか、そういうものは一つの手段であって、決して最終の目的ではないと思っています。
 しかし、先ほども触れましたように、二十一世紀というのは手づくりだということは、標準化されたものを何に使うか、どう使いこなすかという時代はもう既に済んで、二十一世紀は、特色のあるもの、みずから得たいというそれぞれ個性のあるものを選択する時代だ、そしてそれをつくり上げていく時代だというふうに考えておるわけです。
 そういった中で、彦根では実は快適な環境をつくる都市景観条例というのをつくりました。前置きをしておるわけです。ですから、そういう中で考えておりますことは、標準化したものをつくり上げてそれに従うような規制ということは極力廃止していこう、むしろ一つの地域の特色を出すためにどういうような景観をつくっていったらいいのかということをまずもって進めていく手法と考えております。
 先ほど御披露申しました中で、「夢京橋キャッスルロード」というのがございます。おかげさまで大変な反響がございました。もともと道路幅員がわずか六メーターでありまして、最初の城下町づくりの第一号として出てきた慶長八年の姿でございます。しかし、現在の道路交通あるいは都市生活については、特に防災の点につきまして非常に大きな問題が出てきたということで、それを十六メーターの幅員にいたしました。
 これはいわゆる防災道路でありますけれども、一方、そういったことをやることによって左右の町並みが分断されて一体感がないといけないんじゃないかということを当初から考えたわけでございます。御案内のとおり、こちらの歩道から向こう側の歩道までだれがどういうふうに動いているか表情もわかるという限界は十五メーターあるいは二十メーターと言われています。そういった人間工学的な手法をとりまして道路幅員を決めたわけであります。
 そこで考えなきゃならないことは、江戸期の風情を表現しようということでありますが、ただこれは新しいものをつくって昔の姿を再現するんじゃなくて、その中に生活がどのようになされてきたかという経過を知ることができ、またその建物、町並みを通して訴えてくる歴史を人々が感じ取ってもらいたい、こういうのが趣旨でございました。ですから、そういうことになりますと、ファサードそのものも考えなきゃいけないということであります。
 そこで、ではどうしてそういう風情が出てくるかということにつきましては、まず私どもは、その地域の住民の方々に積極的に説明し、あるいは理解をし、またいろんなデータ等をお示しして皆さん方の意見をお聞きしました。先ほども触れましたように、やはりこれからは手づくりという結論になったわけであります。そういうことが一つの大きな目安になったり、また推進力になったことは事実でございます。
 私は、これからは都市の景観というものは、行政が先頭を切って前進の号令を出すよりは、市民、特に地域の住民の方々と行政、また事業者が一体になって進んでいくということ、それはただ単に構築物を変えていくだけでなくて、生活するために何をどのようにしていくのか。これは商店街的な形態をとっておりますけれども、例えば具体的に言いますと、銭湯がありましたが、もう銭湯をやめまして、駄菓子屋というんですか、そんなものに転換されました。これはこちらから強制したわけじゃないんです。そういった対話の中からその建築主やいわゆる地権者がそのような判断をされたということであります。
 ただ、雑多なものが混然一体となって果たしていいんだろうかということについていささか疑問がありますけれども、話し合いの中で一つの方向づけができできますと、それに対応するような御商売は何がいいだろうかということをみんなで考えてあげる。そこまでまとまりますと、それに対して行政としましては、例えばファサードに対する経済的な支援をするとか技術的な指導をするとか、こういうような順序でやってまいりました。
 私はこれからの都市の景観形成はそういった手法が一番いいんじゃないかと現在でも確信をしております。
○平田耕一君 大変ありがとうございました。以上で私の質問を終わらせていただきます。
○小島慶三君 参考人の皆様、御苦労さまでございます。少し時間をいただきたいと思います。
 初めに、私は昭和五十九年から主として工場立地とかそちらの方の仕事を手伝ってまいったわけでございます。それで、きょうは小売店の立地、商業立地、こういった問題を考えるわけでありますが、どうも工場立地の場合と少し趣が違う。工場立地の場合ですと、立地特性に応じて独自のといいますか、もちろん母都市との融和とかそういうことが非常に重要でありますが、そういうことから離れても、ある程度の立地特性を追求することができる。しかし、商業立地の場合には都市との関係が非常に重要であるというふうに私は今までの質疑応答で感じております。
 ところが、その都市というものがだんだんに変質しつつあるんじゃないかというのが私の感じなのでございます。といいますのは、市民という感覚というか、共同体としての市民のそういうふうなあり方といったようなものから、現在の流通面のメリットを追いかけていく形というのはかなり違った形になってきている。
 つまり、市のどういうところ、内部にいようと外部にいようと、とにかく自分の仕事は例えばコンピューター、パソコンに即したそういう新しい情報関係の仕事であると。それから、非常に多角的な情報が利用できるというふうなこと、あるいは買い物が必要であれば自販機でもある程度満たすことができるというふうなことになりますと、要するにどこへ住んでもいいということで、従来の都市の共同体の中に包み込まれてそれとの関係で生活をしていくというパターンというのがだんだん薄くなる。したがって、どこへ引っ越してもいいというふうなことが今起きているのではなかろうかというふうに思うんです。ですから、市民というよりも消費者としての自由度というものが非常に大きい、そういう都市生活になってきているんではないかと思うんです。
 実は、そういうふうに思い出しましたのは、これはちょっと話がずれますけれども、近所の商店がどんどんやめていくわけであります。私の近所でも一カ月の間に五軒やめてしまいました。それがかなり目抜きなところにある商店で、その商店でいろいろ聞いてみると、例えば自分は今までの仕事でかなりいろんなノウハウを持っている、だから例えばマンションヘ引っ越してマンションデザイナーというふうなことでもちゃんと食える、これは工場の方の言い方でありますが、そういうことがある。
 したがって、都市に対する共回生活体といったようなものが大分薄らいできているということが今の都市問題あるいは小売店の問題を私は非常に難しくしているんではないかというふうに思うのでございます。
 そういう中で、これからの都市の設計、あり方、こういったものをどういうふうにしてやっていくのか、かなり難しい局面が出てきやしないかと思うのでございますが、これは田島先生いかがでございましょう。また、彦根市長さんにもお伺いしたいと思います。
○参考人(田島義博君) 小島先生の本はよく読ませていただいておるものですから、お答え申し上げるのがやや潜越なような気もいたすわけでありますが、都市工学の御専門の彦根市長もおいでになりますので、ハード的な側面というよりはむしろソフトの面で私見を述べさせていただきたいと思うんです。
 確かに都市の流動性が非常に強まってまいりますし、それから消費者、生活者としての自由度が高まってまいりますし、そのことによって消費者あるいは生活者がどんな地域のどの店でどんな商品を選ぶかという自由度が非常に広がってまいってきておる関係で、今度はそのことがある意味で都市における流通企業同士の競争を非常に広域化すると同時に、大変難しいものにしていく。そういう生活者、消費者の自由度をやはりモータリゼーションが拡大をしていく。
 こういうふうな形の中で、行政区域としての都市は別として、生活空間としての都市というのはある意味で境界線がわからなくなってきておる。そういうことが今度は、具体的には例えば小さい村等で大型店を誘致するあるいは大型店が出店するといった場合に、直ちに周辺の市町村の商業施設に影響を与えてくる。そういう意味では出店調整の仕事自体に非常に広域的な判断を求めてくるというふうな形で、ある意味では現在の大店法による出店調整というふうなものを大変難しくしている。
 そういう意味では、商店街が空洞化しているというよりも都市自体が非常に空洞化してきておるというふうなことがございますために、新しい視点で商業の配置の問題を考えなければいけなくなっていく。ある意味では、今回の中心市街地活性化法あるいは都市計画法の改正、あるいは大店立地法の制定、こういったところの背後にそういう考え方がある、そういう議論を合同会議等でもさせていただきました。
 こういうことでございまして、ちょっと御返事になっておりませんけれども、以上のように考えております。
○参考人(中島一君) 小島先生の御質問は、一体これから我々はどこに住むのかということにせんじ詰めた御質問だと理解をさせていただきます。
 村という言葉がありますが、これは語源的には群がるというところからきたというように解釈をしております。群がるだけでは経済生活もできない、文化的な生活もできない。そこから都市ということに変わってまいりました。都に市が開かれる。人が群がっただけではなくて、そこには強力な文化的な刺激と同時に経済的な楽しい生活ができる、こういうことを象徴しているのが都市だと言っております。
 私どもの彦根市、一昨々年でありますけれども、二千人の市民に対してアンケート調査をとりました。その設問の中の一つに、彦根に住み続けたいという方に対してなぜかということを聞きましたら、やはり適度な文化的な刺激を得ながらも静かな生活、自然環境の豊かなということを六四%の人が答えています。これはこれからの町を象徴するものだというふうに私は解釈しています。
 実は、これも一昨々年でありますが調査したんですが、いわゆるリタイアされた高齢者の方に対して、これから町の中でどんな生活をしたいのか、住居形態について聞きましたところ、マンションがよろしいと。正直なところ、庭づくりあるいは盆栽などを楽しんで悠々自適を求めている人が多い、だから南庭空地といいますか底つき戸建て住宅を好まれているんじゃないかということをひそかに期待しておりましたが、そうでなかったわけです。
 ですから、その位置は少なくとも比較的都心に近いところということであります。それは、先ほども少し触れましたけれども、文化的な刺激があり、買い物もしやすい楽しい生活、そして人々がたくさん周辺にいるという安心感を求めていると思うんです。そういうことから考えますと、買い物空間というのが非常に重要になってくると思います。
 実は戦後、ストア方式の個店が非常にふえてきました。どこかで大量に生産されましたものを個店の方々が買い求めて、お店の裏の倉庫に置いておきまして、そして売れたら順番にそれを補充するように店先へ展示する、そういった方式が笑は戦後どんどんふえてきました。私は、むしろ地方の商店街、商店の個店こそもう一度見直していわゆるショッピングに戻っていかなきゃいけないんじゃないか。
 先ほど、お金を出せば物は何でも買える、人々と話をしなくたっていろんな高度な機械を使って買うことができます。駅に行けば切符もコインで買えます。そういった時代からだんだんと変わってきた。特に物を買ったりあるいは売るということ、いわゆる商売というのは決して私は目的物を買うだけに最大の喜びがあるとは思っていません。ですから、そういった意味におきまして、個店はもう一度ショッピングを目指したものでないといけないんじゃないだろうか。そういったものが連檐されまして商店街というものが出てくる。
 ですから、大型のショッピングセンターもあるでしょうし、先ほどもいろいろと分類されましたけれども、やはり従来の中心商店街こそ人々が集まってくる。先ほど都市のことを申しましたけれども、集まってきてにぎわいがあり、そこに対話ができる、そういう方向づけをすることによって都市に住みたい、その町に住みたい。モータリゼーションの中ですから、都市といったって境界領域はわかりません。しかし、もう一度戻ってきてもらうためにはそういった手法も考えなけりゃいけないんじゃないだろうか、このように考えるわけであります。
○小島慶三君 ありがとうございました。
 それで、くどいようですが、私は何か共同体の再建ということがこれからの一つの合い言葉にならないといけないんじゃないかと思います。そのための都市づくりとして、今彦根市長さんのおっしゃったような、そういう考え方が非常に重要だというふうに思います。
 それからもう一つ、これに関連しましてお伺いしたいのでありますが、これは先ほど荒井さんからいろいろお話がありまして、私はこれも大いに感ずるところが多かったんです。なかんずく業態と立地特性というところのお話で、なるほどいろいろこういうふうにカテゴリー別にアクセスが必要なんだなというふうな感じがしたわけであります。こういうふうに整理をしてみますと、例えば荒井さんの方で追求していかれるいろんな立地特性と個々の商店のあり方、こういったものと比べてみると、どう考えてもこれは勝負にならないというふうに私は思います。こういう荒井さんの話のような組織的な計画的な動き、そしてその持っている集中・集積的な意味というものと個々の商店の細々とした取り組みというものを考えてみますと、これはとても競争にならないというふうに私は感ずるわけであります。
 しかし、そういうことの中でも、やはりある程度すみ分けと申しますか、これは田島先生の論文にも出ておりますが、そういうふうなことが業界自体でも必要なんではないかというふうに思います。
 例えば、ダーウィンの進化論みたいなものはこのごろ否定する動きが出てきたようでありますが、とにかく弱肉強食だけではない、やはり何らかの共存というかすみ分けというか、そういうことで社会全体の安定感が得られるのではなかろうかというふうに思うのでございます。その辺につきましては、何か業界自体でこれはこういう形ですみ分けができそうだというふうなことがございましたらお教えいただきたいと思います。
○参考人(荒井伸也君) まず基本的に、私どものチェーンストアというものは、先ほど申し上げましたように標準化というものの上に全部成り立っておるわけです。先ほどお話しありましたように、二十世紀は標準化の時代、二十一世紀は手づくりの時代というのも非常によく納得できるわけですが、ただしこれは標準化がぱっと手づくりに変わるわけではなくて、標準化されたものの上に手づくりのものが入ってアウフヘーベンされるというんでしょうか、恐らくそういう形になるんではないかと思います。つまり、チェーンストアは非常に頑張りはしても、しょせんすべてをカバーすることはできないというのがまず土台にあると思います。
 実は私は、伊丹十三監督の「スーパーの女」という映画の原作の小説を書いた者でございまして、この中でそのことをるる述べて、あの映画でも出てきたわけですが、要は、スーパーの中では職人はだめだというのがあの映画に出てくるわけです。結局職人はやめていくんだけれども、ちゃんと職人として生きていける。この職人のつくる店とスーパーというものが本当に共存できたら、できるのですけれども、不幸にしてその位置関係が悪かったりなんかするとこれはなかなか大変だ。むしろ近くにあった方がいいというような関係ではないかというふうに思います。
 そこで、実はアメリカで人工的な商業集積をつくろうという考え方がありまして、これがショッピングセンターになるわけですが、大きく分けて三つあると言われているわけです。一つはネーバーフッド・ショッピングセンター、近隣ショッピングセンター。これは核となるのが食品スーパーであります。それから、リージョナル・ショッピングセンターという、それより規模の大きなものがありまして、核となるのがGMS、先ほどの総合スーパーのようなもの。それから、コミュニティー・ショッピングセンター。さらに大きなものはデパートを核にするということで、いずれも、最大のものが百貨店を核とし、中規模のものが総合スーパーを核とし、小規模なものが食品スーパーを核とするということで、実はお客様を引っ張ってくる機能というのがどうしても必要であるわけです。その客を引っ張ってくる機能の方は標準化をベースにしたチェーンが担う、そしてその中にちょうど門前町のようにすぐれた専門店がそろうというのが、立法論というか理想論としては一番いい形ではないかと思います。
 そこで、個々の商店のあり方についても大変に難しい、私どもも店をつくるためにいろんなことを感じながら来ているわけですが、私非常に感心したのは、例えばカナダのショッピングセンターで、飛ぶものという概念でお店ができているわけです。これは空を飛ぶというコンセプトで、たこだとか模型飛行機だとか、空を飛ぶという概念ですべてそろっている。別の専門店に行くと、ザ・ホイールといって、車という概念で全部集まっている。これは車といいましても自動車の形をしたいすとか、もちろん自動車そのものにかかわる何かから、もうありとあらゆるものが車ということで貫かれているというような、海外の非常に発達した小さい小売店のあり方はそこまで専門化しています。一年じゅうクリスマスの商品を売っている商店などというものもございます。そういうものには今言いましたような百貨店、総合スーパーないしは食品スーパーというような核が必要なわけだし、ついているわけであります。
 ただ、日本の場合にちょっと残念だったことは、長い歴史の中で既に商店がたくさん存在しているところにチェーンというものが発達してきたために非常に不幸なぶつかり合いが過去あったのではないかと思います。そのあたりで最終的な理想の姿としては今のようなすみ分けができると考えておりますので、そこに至る過程をうまくプログラムするというのが一番重要なことではないかというふうに感じております。
○小島慶三君 これが最後になりますが、先ほど彦根の市長さんから歴史と伝統と風土、そういったいろんなものを踏まえての新しい都市づくりと街づくりというお話がありまして、大変私はこれは結構なことだと思います。ぜひそういう形でこれからお進めいただきたいと思うんです。最後に御要望のありました三点につきましても、私そのとおりだというふうに受けとめております。
 ただ、市長さんのような先見性があり、そして指導的な、ある程度のビジョンを持っておられる、そういうところはどっちかといいますと余り問題はない、むしろこういう法律ができればどんどんそれに乗ってさらにいろいろ仕事を展開していかれるということだと思うんです。問題は、そういう傑出した指導者のいないところ、そこの方がむしろ問題だろうと私は思うのでございます。だから、だれかやっぱり中心になりまして、はっちゃきになっておれは命がけでやるよというふうな人が出ればいいんですけれども、必ずしもそうはいかない。さっき言いましたように、市民意識というものがだんだん薄れてくれば、自分の都市を何とかしようという情熱も理想もないところでは一体どういうことになるかというのが私は非常に心配な点であります。
 かつてテクノポリスをやりましたときに、もう従来の町とは無関係のようなところも実は結果としてそういうふうな新しい町もできないわけではなかった。これは私は余り成功ではなかったと思っております。
 とにかく、そういうふうに何かある目的があって、指導者がいて、それを取り巻くサポーターがいてというところがあれば、もうそれで私は成功だと思うのでございますが、そういうふうな受け渡しをどういうふうにしてやっていくのか。法律ではTMOですか、そういった組織があって、そういったアイデアを逐次醸成させていくといいますか、そういうふうなことが書いてあるんですけれども、果たしてそれがうまくいくのかどうか。この辺はいかがでございましょう。市長さんにお伺いします。
○参考人(中島一君) 先ほどはお褒めの言葉をいただきまして、大変恐縮しております。しかし、私が先見性があるとは自分自身では思っておりません。そういった方向をある意味におきまして叫んできた一人でございます。しかし、一人の人が一つの目標を決めてそれに前進するといったシステムといいますか方法というものは、実はもう二十一世紀では間に合わないんじゃないだろうか。冒頭、私ごあいさつを申しました中で、やはり市民とともに町をつくっていくんだと、そういった中心的なコンセプトは明確にしないといけないと思っています。
 今回、街づくりのことにつきましていろいろと意見を求められているわけでありますけれども、町は人が集まらなきゃいけないし、住みつかないといけないということでございます。その中で、では商店街、中心市街地はどうするのかということにつきましては、やはり地元の皆さん方の意見というものが非常に重要だと思います。
 しかし、そう申しますと、地元志向、本当に将来を展望して果たしていい町ができるのかという疑問が出てくる。また、そういうふうにお思いになる方もあると思います。そこに今回TMO、タウン・マネジメント・オーガニゼーション、そういったことを通産、またそれにかかわっていただいています十一省庁の皆さん方が知恵を出していただいて、いよいよこれからタウンマネジメントをやっていただく。その中に地元のそういった専門の人にも入っていただきまして、そして住民の方々と一緒になって知恵を出すということ、それを技術的にも経済的にも支援する行政の立場があると思います。
 これからは、やはり市民とともに事業者、行政がお互いに知恵を出し合っていく、そして都市間の競争をすることによってよりよい町がともに成り立っていくんじゃないだろうか、このように思っておりますし、私はそういったことが正しいと思って一生懸命頑張っておりますので、よろしくまた御支援をいただきたいと思っています。
○小島慶三君 ありがとうございました。終わります。
○加藤修一君 公明の加藤修一でございます。きょうは参考人の皆さん、大変にありがとうございます。
 まず最初に荒井参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほど来ほかの委員からも話がございました。今、小島委員から、あるいは先ほどは平田委員から競争力の問題について話がございました。私が受けているイメージとしては、日本の小売・流通業は極めて大変な状態、瀬戸際にあるんではないかという感じがしているわけです。それは、やはりアメリカあたりの圧倒的なパワーで上陸をしようとしている流通の外資、それとどう戦うかということがあると思うんです。
 先ほど来、トイザらスの話とかカナダのショッピングセンターの話とか、かなり専門化した小売業の話が出ておりますけれども、トイザらスが出てきたときに、この国は黄金の国ジパングだというような言い方をしたというふうに聞いております。それを聞きつけて、スポーツ・オーソリティ、あるいはオフィス・デポ、あるいはプライスクラブ・コスコ、そういった面々が日本に上陸するという話になっているわけです。
 こういった大きな外資の関係が、しかも世界じゅうから非常に安い商品を大量に仕入れて価格を低く設定する、あるいは在庫管理にコンピューターや通信衛星まで使うという非常にハイテクで武装していて、しかも少ない人数で細かなサービスを実現しているというふうに聞いております。こういった世界各国のその国々の中で勝ち残ったつわものが日本に押し寄せてくる。そういうふうに考えることができるわけですけれども、こういったことに対してどのように勝っていくかという戦略的な面についてどのような御見解をお持ちでしょうか。
○参考人(荒井伸也君) この点については、先ほどお答えしたことの中にも一部あるわけですが、要するに商品の種類と業態によって非常に違うということじゃないかと思います。
 先ほどトイザらスのことを申し上げたときに、おもちゃは日本からの重要な輸出商品でありまして、その関係でトイザらスはおもちゃについて日本のおもちゃ屋さんと非常に強いつながりがあったということが条件になっていたというようなことがありますので、そのような条件がある小売業が日本に進出してくるというときには確かに非常に難しいことはあるのではないかと思います。
 一方で、今度食品スーパーの方でいきますと、実は生鮮食品が命と言われているわけでして、肉や魚、野菜、これは非常に日本独特で、魚はもちろんですけれども、青果物なんかでも日本の青果物と海外とはもうまるで違うんです。これは産地の状況から市場の状況その他、一言で言えば、アメリカでは大陸で大量生産している野菜が日本では段々畑でつくられている。全部違っているというようなことがありまして、我々は軟弱物なんて呼んでいるわけですが、本当に日本の野菜は軟弱で、アメリカの野菜はかたい、強いんです。したがって、ばら売りができるけれども、日本はできないとか、こんな細かいことがいろいろありまして、生鮮などが関係するところではほとんど難しいと思います。
 また、世界じゅうから安い商品が入ってくるということです。例えば衣料品なんかの場合でいくと、デザインとか日本人の好みとか、私どものいわば兄弟会社でドイツのオットーという通信販売をやっている会社があるんですが、これなんかも非常に苦労していますのは、ドイツの婦人服のセンスを日本にどうこれをアプライするかということはなかなか難しゅうございます。
 したがって、一言で申し上げられませんが、これは結論的には業種、業態によって随分まちまちだということで、私はかなりの部分で日本の小売業の抵抗力は強いというふうに感じています。
 例えば、私どものチェーンストア協会の中にあるイトーヨーカ堂さんがセブンイレブンというコンビニエンスストアをやっています。これはセブンイレブンの本家であるアメリカのサウスランドから技術を導入してやったわけですが、今はアメリカのサウスランドの立て直しをセブンイレブンがおやりになっている。そして、このときの技術の一番中心になるのはコンピューターによる情報処理を中心とした単品管理であるということで、単品管理という日本語がアメリカで流通しているというような状態になっています。
 したがって、まちまちではあるけれども、日本のチェーンが今まで磨いてきた技術で基本的には対抗できるのではないかというふうに思っております。
○加藤修一君 それでは、田島参考人にお願いしたいんですけれども、先ほど合同会議の話が出ました。議長ということで、大変なエネルギーを使ったということで大変だったと思います。
 答申案がまとまって、それに対応した形で法律要綱、法律案ができてきているわけですけれども、私は特に非常に難しいなと思っていることがありまして、法律の中身が非常にわかりづらい文言になっている部分がたくさんある。定義をどういうふうにしていいのかということも当然あるわけですけれども、不明な部分もあったりするわけです。もちろんコンクリートされていない、国会の中で審議しなければいけない部分が相当ある。そういった意味で、政省令に任されるという意味で裁量性が非常にある。
 例えば、具体的な話を申し上げますと、第四条になりますけれども、通産大臣は指針を定め、これを公表しなければいけないということとか、あるいは第五条になりますけれども、大規模小売店舗の施設の配置に関する事項については通産省令で定める、運営方法についても通商産業省令で定める。こういった形で、中身がよくわからないという部分が非常に多いわけです。
 こういった裁量性の幅が非常にある法律案ということと、実際に答申案をつくられた中で、こういった面についてどういう議論がなされたか、後ろの方には役所の方もいらっしゃいましてなかなか発言しづらい向きもあるかもしれませんが、そこは大丈夫だと思いますので、どうかその辺詳しく教えていただければ幸いだと思います。
○参考人(田島義博君) 日本の行政制度というのは、ある意味で縦割りにでき上がっておりますし、こういう流通問題でありますとか商業問題、とりわけ小売業の配置あるいは活動の仕方等々について、片や都市計画的手法を入れ込む、また他方では都市環境に対する悪影響を最小化するという考え方を導入するということになってまいりますと、これは極めて横割り的な制度、行政にならざるを得ない。
 そういったところから、日本の行政制度がどのくらい横割りの方向へ動いていけるかというふうなことで、私は、ある意味で法案自体がわかりにくく複雑になっているという御指摘は、そういう縦割りから横割りへという時代の流れと非常に関係していて、一〇〇%横割りにはもちろんなれないとは思いますけれども、そういう行政のあり方自体の変化がいわば歴史的事実として今求められているということが、移行期において当面大変制度を複雑にせざるを得ないのかなというふうに思っております。
 ただ、そういうところを救ってまいりますには二つの対応の仕方があろうかと思うのでありますが、一つは、これは通産省の方でおつくりになると伺っておりますけれども、いわゆるガイドラインが非常に緻密につくり上げられる。そしてまた、緻密であると同時に非常に実態に合ったものになる。そうしますと、このガイドラインの内容によって行政の恣意性に対するおそれというのが相当縮小し得るかなというふうな感じを私個人は持っておるというのが第一点であります。
 第二点は、地域住民の意見を吸い上げたり、あるいは大型店が出店してまいりますときに、環境への負荷等々をどうやって小さくしていくかというふうな議論のプロセスが完全にオープンになっていて、審議の経過等が大変透明化されるということでかなりよくなるのではないかという期待をいたしておるんです。
 実は、議長の言ってみれば裁量で合同会議の審議過程を全部オープンにした。つまり、一つは発言者の実名入りで議事録を全部公表する。それから傍聴、これは会議室のスペースの関係もございますので、たしか五十人だったかと思うんですが、抽せんで傍聴を許すというふうなことで、草案の審議の過程はちょっとオープンは無理でございましたけれども、一般的な議論の場はそういうふうに完全にオープンにした。透明性を出す。こういうふうな手法が今後の新法あるいは改正法の運用に当たっても確保されれば、従来起こっておりましたいろんな問題というのは相当回避できるのではなかろうかというふうに私は考えております。
○加藤修一君 今の質問に関連してですけれども、田島参考人は新聞にこのように書いているわけなんです。これについてもう少し御説明をお願いしたいのですけれども、「自治体が街づくりを進めるうえで、関連する政策が複数の官庁にまたがっているのも弊害になっています。」という問いに対して、「今回の大店法の見直しも、所管の通産省以外に建設、国土、厚生省がからむ問題がいろいろ出てきた。他省庁の分野は突っ込んだ議論ができず、やりにくかった。とくに、都市計画はもっと議論が必要だったと思う。」、これが一点です。
 「新しい街づくりは、複数の官庁を横ぐしにした機構がないと運用できない」と。この「機構がないと運用できない」というのは先ほどの御説明と非常につながってくる話だと思うんですけれども、横ぐしにした機構の件で、これは具体的にどういうことを考えればよろしいかという点が二点目でございます。お願いいたします。
○参考人(田島義博君) 私は具体的なプランを持っているわけではないのでございますが、先ほど何人かの参考人から意見として出ておりました、関係する各省庁の窓口をある意味では一本化するとかあるいは非常に連携を密にするとか、そういうことが一つの具体的な答えになろうかと思っておるわけでございます。
 これは流通に限らないと思いますけれども、縦割り行政から横割り行政へ移行していくときに、最初の段階というのは、関連する複数の省庁の窓口が言ってみれば連携を相互に密にするということと、それがさらに進んでまいりますと、どこかに窓口が一本化されるとかあるいは新しい組織がつくり出されるとか、いろんなステップがあろうかと思うのであります。私がどの新聞に聞かれてしゃべったことか余り記憶をしておりませんけれども、そのときの私の気持ちはそんなことを意味しておったと思います。
 ただ、議論しにくかったということの具体的な意味でございますけれども、これはやはり大店法を継続するにしても大店法を廃止して新法をつくるにいたしましても、どっちみち都市計画と流通政策というものが密接に関連づけられなければならないということははっきりしております。ただ、従来の縦割り行政の中で通産省が、言ってみれば都市計画の問題を担当しておる建設省のことを先走っていろいろ言うわけにもいかぬでしょうし、また私たちが通産と建設とでどういう話し合いをしておるんだというようなことを余り伺うわけにもいかなかった。そういう意味では、その議論の中身というのは両省庁の間でいろいろ変わっていったであろうし進展していっただろうと思うんです。
 ただ、その間の実際の議論というのは我々十分承知しているわけではないものですから、建設省の問題を外して都市計画の議論をするというのはなかなか難しかった。そういうふうな意味で申し上げたわけでありますが、新聞記事は非常に簡略化されて書いておるものですから、ちょっと誤解を与える向きがあるかなというふうに思います。
○加藤修一君 さらに追加して、今のに関連してなんですけれども、「都市計画はもっと議論が必要だった」というのは、何か想定していることが現段階でもございますか。
○参考人(田島義博君) いえ、格別あるわけではございません。
○加藤修一君 同じく田島参考人に教えていただきたいんですけれども、先ほどの御説明の中で、都市環境への悪影響を最小化するというお話がございました。この件に関して、例えば法律の方では「目的」の中に、「その周辺の地域の生活環境の保持」云々と書いているわけですけれども、この生活環境の中身をどう考えるかということは非常に私は重要だと思うんです。
 その辺について、その幅がどこまでどうなるのか。例えば、身近な買い物をするそういうチャンスがなくなることも含めてそれは生活環境が悪くなるという話になるのか、その辺のことについてもう少し何か具体的にお考えであれば教えていただきたいと思います。
○参考人(田島義博君) 合同会議の審議過程で私たちが問題にしておりましたいわゆる都市環境というのは、交通混雑でありますとか、あるいはこれに関連してCO2の排出の問題でありますとか、あるいはごみの問題でありますとか、先ほどお話しになっておりました景観の問題でありますとか、こういう具体的なことを議論いたしたわけであります。
 例えば近隣商店街に対する悪影響というふうな問題につきましては、これを都市環境という言葉の中にひっくるめて私たちは議論した記憶はございません。むしろこれは都市の中心部における商業集積と都市の外縁部につくられていくところの新しい商業集積の関係の問題で、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、確かに自動車社会でございますから、駐車場があって車での買い物に利便な郊外型の商業施設へのニーズが高まる一方で、やはり女性、とりわけ主婦の方々が忙しくなって買い物の時間というのを制約されておりますし、高齢化も進んでおりますし、そういう意味では近隣型商業に対するニーズも非常に現在強いし、今後強くなるだろう。
 ただ、繰り返しでございますが、規模が小さいことに基づく不利というのを克服する手段が必要なわけでありまして、例えば集団で情報システム化を行うとか、あるいは集団で顧客を誘引するための販売促進活動等をやるとか、どっちみち組織化、集団化という方法を抜きにしては既存の商業集積である商店街の活性化というのは不可能だという判断をいたしておりました。
 それと、これも繰り返してございますが、やはり今までの業種、業態のままの集積では、商店街という集積全体としての顧客吸引力というのはどうしたって落ちていく。したがって、そこにある種のつくりかえといいましょうか構造改革、これが町の力だけでとてもできると思えませんものですから、そこに公共投資的なものを引っ張ってくることでそういうことが行い得れば、都心あるいは中心市街地、商業地の活性化の道は十分開けるであろうというふうな判断をいたしております。
 以上でございます。
○加藤修一君 法律の話になって恐縮なんですけれども、十三条の関係で「地域的な需給状況を勘案することなく、」という表現がございます。これはWTOとかガットに違反しないようにするためのものだというふうに私は理解しているわけですけれども、ただいま部分的に問題になりました身近な買い物機会の確保、あるいは中心市街地保護等のための規制というものを考える必要もあるのではないか。この辺については十三条の関連で、いわゆる地域的な需給の中身をもう少し広い範囲で考える必要があるのではないかというふうに考えているわけなんです。
 これに関連して、自然環境の保護とか、先ほど景観の話が出ましたけれどもそういう問題とか、あるいは高齢者の保護を目的にして条例等である意味では立地の制限という話も聞いているわけです、そういうことをすべきだという話があるわけですけれども、この辺についてはどういうふうなお考えをお持ちでしょうか。
○参考人(田島義博君) 私は、ある町の中長期の発展を考えるときに、大型店を抜きにしてこれを考えるというのはなかなか無理であろうと。そうしますと、大型店と中小を競争させるというよりも、大型店と中小が片やすみ分け、片や住民にとって住みやすい町をつくっていくんだという共通の認識のもとで協業をさせるという方向しかないだろうという判断を私はするわけでございます。
 したがって、いわば経済規制、つまり需給によって新規参入を抑制するというふうな方向はとらない、もはやとれないという内閣としての大きな方針があるわけでございますし、またそのことは国際的な世論の流れ及び国内の世論、こういったものを考えてまいりますと、私は需給調整的な考え方はやっぱり排除せざるを得ない。そういう意味で、それはガットということを意識したという面もありましょうけれども、国内外の世論の動きを見ますと、需給調整的発想というのはとれる時代ではないというふうな判断を私自身は持っております。
○加藤修一君 大変ありがとうございました。その辺については非常に大きな議論があるところだと思います。
○梶原敬義君 私は九州の大分県なんです。それで、余り全国的なことを敷衍して言うことはできないと思うんですが、しかし過去何回か選挙をやりまして、ほとんどの地域はつぶさに回っておりまして、状況というのは両方、大型店のことも小売店のこともあるいは中心市街地のことも知っているつもりなんです。
 国会へ来まして十五年になりますが、やはりその間にもあそこの中小商店が廃業したとか、あるいは別府や中津にしても商店街がもうどうにもならないような状況になっておるとか、そういうのをつぶさに見てきておりまして、デパートやスーパーの皆さんともよく話をしますが、双方からいろんなお考えも聞きます。
   〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕
 田島先生は、経済活動は本来自由であるとすぱっと切っておられます。あるいは荒井参考人も本来原則自由であるはずの経済活動は規制すべきでない、こう切られております。一方、岩井参考人は、身近な買い物機会の確保や中心市街地の空洞化防止、街づくり計画云々と、違う立場で言われております。
 我々立法府の議員としては、どっちも私たちは現地でこれは聞いてくるんですが、私は社会民主党で、私が考えるのは、ずっと八百屋をやっていたおばさんがもう廃業していくとか、あるいは中心市街地へ行くと惨めな形になっておる、こういう状況をやっぱり何とかしなきゃいけない、こう思わざるを得ないんです。
 この前、本委員会の審議のときにもフランスのロワイエ法の問題等についても申し上げ、議論いたしましたが、フランスというところは要するに三権分立、近代民主主義の発祥の地ですから、そういう意味ではロワイエ法の中にも廃業していく皆さんのために大型店は配慮している、お金までかけている、税金まで取っておる。確かにフランスというところはそういう本当に公平、公正、弱者に対する配慮をしているなど、私はなかなかその辺は参考になっておるんです。
 特に、中心市街地だけじゃないんです。大型店がどんどんだあっと出てくると、中心市街地よりもっとたくさんの中心市街地以外の中小小売店というのがひどい打撃を受けている。荒井先生は先ほど資本力の勝負じゃない、大型店も競争に負けてやめていくところだってあるいは撤退するところがある、こういうお話をした。確かにそれはあると思う。
   〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕
 ただ、大型店が来て二、三年で撤退する間に、中小小売店というのは一年も二年もそう持ちこたえ切らない。地元の中小小売店が打撃を受けて、そしていっときして大型店も大型店同士の競争が激しいわけですから撤退していく。そういう点では、弱いのは中小小売店の方で、ボクシングでいうと、これはフライ級とミドル級の戦いをしているようなものですから、やっぱりフランスのロワイエ法のような弱者に対する配慮もあっていいんじゃないか。その点について田島先生と荒井参考人と岩井参考人にお尋ねいたします。
○参考人(田島義博君) フランスの社会というのは都市ブルジョアジーというのが中核でございまして、都市ブルジョアジーの多くが小売商店主である、そういうことから社会的な安定と商業の安定というようなことを非常に昔から考えてきたというふうに言ってよろしいかと思うのであります。
 ロワイエ法は、御承知のとおり、大店法と同じ年に制定されたわけでありますが、ロワイエ法の第一条にロワイエ法の考え方が示されております。これは非常に簡単に申しますと、新しいタイプの小売業が出てくるというのは消費者の選択の幅が広がるので大変結構だ、ただし、一つの業態が突出して他の業態を駆逐してしまうというのはいわば国家的資源の浪費であると。そういう意味で、言ってみれば調整政策を正当化しておる。ただし、その際の視点といたしましては、単に中小保護的な視点ではなくて、むしろ都市計画的な視点というのが非常に強く出てきておる、こんなふうに考えてよろしかろうと思うのであります。
 これは、かつて行政改革推進本部で流通、土地、金融という三つの部会がつくられて、私はその中の流通の専門員をやらせていただいた時期がございます。そのときに、規制緩和論が大変優勢な中で、私の意見はいわば両論併記の形で採択されて最終答申に載っておりますけれども、私が申し上げたのは、この規制の経済的側面と社会的側面というのはコインの裏と表のように一体化しておるので、経済的規制の緩和を進めるときには社会的視点を重視すべきだというのが一点でありました。もう一つは、中小企業を大企業に対する競争単位に育て上げていくためには有効な中小商業政策が要る、こういう二点でございます。やはり中小商業の利点というのはいろんな点であるわけです。雇用の面でもそうでございます。ただし、一軒一軒で生き残っていける時代なのかどうなのかという問題がございます。
 そういう意味で、例えばドイツ等でも中小小売が非常に急速に減少していくという構造変化がもう大分前に見られましたけれども、当時でも小売を大と中小に分類して大がどうだ中小がどうだというふうに見るんじゃなくて、組織化された小売業と組織化されない小売業という分け方をいたして、組織化された小売業というのは三通りあるわけでありますが、一つは自分の資本で支店展開をするレギュラーチェーン、これは荒井参考人のお仕事のようなものがそうでございます。それから、今日のコンビニエンスストアに見られるフランチャイズチェーン、それからもう一つは、先ほど申し上げましたボランタリーチェーンであります。こういうレギュラーチェーン、ボランタリーチェーン、フランチャイズチェーン、こういう三つの組織形態に、組織に属しているものと属していないものと分けますと、実は孤立した小売商の比重というのはもう相当昔から極めて小さい数字でありました。これは、極めて小さいというのは本当に三%とか五%とか。
 そういう意味で、先進国におきまして中小商業というのは何らかの形で組織化されて、その協業組織というもので大企業に対する競争勢力になっている、競争九になっている。こういう状況にございますので、やはり中小の利点を生かしていくには組織化、協業化という中小企業政策というのがもっと強化されるべきだと、私はこのような考えを持っておるわけであります。
○参考人(荒井伸也君) 田島先生のお答えのとおりで、全く私もそれに納得するわけですが、私は実務家でありますので、そういういわば多少感覚的な話をさせていただきます。
 まず大分市は、私も実は思い入れがございまして、一番激しい競合があった場所でございます。もうかなり前ですけれども、そこに出店をした総合スーパー同士のそれぞれの計画年商を合計しましたら、市の購買力を上回っておったというようなことになりまして、これは大変だと、どこかがつぶれないわけにいかないというようなことがございました。もちろんこれは、それぞれのチェーンがそれを望んだわけではなくて、私どもが店をつくるときはどうするかというと、当たり前のことですが、なるべく競争を避けようとするわけです。競争のないところはお客様が不便を感じているところですから、一生懸命それを避けて計画をつくったところが、同じことを考えたよその人が来て同時に出ちゃったというのが恐らく大分市のケースではなかったかと思います。まことに不幸なことであったと思うんですが、そういうことはとにかく事実としてあるということについて率直に私は認めざるを得ないと思います。
 一方、商業の立地ということについて、先ほども私、立地のことを最初に申し上げたのは、実は小売業の競争というのは立地ごとに行われるんです。つまり、土俵がたくさんある相撲だとお考えいただくといいので、土俵から離れましたらその隣の土俵で行われている競争はもう何にも関係ないんです。
 ということはどういうことになるかというと、例えば大型店が一切出てきていない団地の中の小売店とかあるいは東京都心なんかに今でもそういうところがかなり残っているわけですが、全く大型店が出ていないいわば従来の小売商業の独占立地に参りますと、驚くべきことに、まず必ず魚屋さんの巨大なものがございます。そして、その魚屋さんはその独占立地の中で非常に独占的な商売をしておられる。具体的にどういうことをするかというと、僕らは見てすぐぴんとぐるわけですが、単価が非常に高くなっている。すごい粗利を取っているなということ。さらには、これはお魚屋さん独特というか生鮮小売独特になるんですが、一つ一つの盛り合わせの量が異常にふえてくるわけです。例えばアジを十匹とかサンマを最低で七匹とかそういう盛り合わせをして、これが嫌なら買わなくてもいいよという商売ができるわけです。
 したがいまして、小売業というのは立地ごとに独占、非独占が決まっているわけで、実はこのこともよく誤解されるわけです。例えばナショナルチェーンが強いと言いますが、私どもはナショナルチェーンとはほとんど競合していない。例えば、私どもは六十四店の食品スーパーがあると言いましたが、先ほど言った総合スーパーと近くで競合している店は、何と六十四店のうち一店だけなんです。あとはむしろ他の食品スーパーと競合している。競合がなくなると、これは小売業というのは規模の大小を問わず極めて独占利潤が出てくるということになります。
 したがって、先ほどかわいそうなおばさんという御表現がありましたけれども、確かにそのとおりで、私もどこかに立地調査に行ったときに、かわいそうなおばさんが商売をしている、私どもが店をつくったら苦労されるんだろうなと思って、本当にそういう気持ちを持つことがあります。また、もともと私の家系は大体小売業でして、そういう立場にいる逆の人の話もよく聞いていますが、一方でそのかわいそうなおばさんのわきに行くと、魚屋さんが盛り合わせをふやし、お肉屋さんが価格をつり上げ、そして八百屋さんもがんがんといい利益を上げている。
 したがって、そういうことを考えてみると、小売業の競争というものの本質から見て、需給を調整するとか出店を抑えるとかいうことは、かわいそうなおばさんの方だけ見てやるのは消費者に対して非常にまずいのではないかと思います。
 結論的に申し上げますと、過当競争のあおりで被害を受けられる小売商の方も、またモータリゼーションその他で社会が変化していく過渡期のために変動のあおりを受ける方も、また実際に弱者の方もおられると思うんですが、それは需給調整とか出店規制という方法でなく、もっと別の社会政策のようなもので何とかこれをカバーするべきものではないかと感じております。
 以上です。
○参考人(岩井滉君) 今の荒井先生のお話を伺っておりまして、競争というのはある意味でいえば対等の条件でやるべきものであって、フライ級とヘビー級のボクサーが殴り合うというのは、いわば競技というよりは撲殺に近いわけですから、これは試合にならないという感じがいたします。
 今のかわいそうなおばさんの場合あるいはお魚屋さんの場合にいたしましても、同じ規模のお魚屋の専門店同士がそこの地域内で競合、いい関係での競争をしていく、適正な価格を地域に提供していくということがある意味での今までの競争という観念だったと思うんです。規模が百倍大きなところと百分の一のところがいかに競争しても、これはもう原理的に競争にならないわけでございますので、この大型店といわゆる地域の零細店との関係というのはまた違った面で考えなければいけない。
 それはまた都市の構造から見ましても、いわば大型店が都市にあることが極めて悪いことではなくて、地域間競争も含めてあるいは消費者ニーズのためにも大事なことではありますけれども、しかし、それが過度の占有率を占めるようになってくれば、今の各都市で起きているような中心市街地の疲弊化といったような現象も含めて都市問題がかなり起きてくる。それが、そこに住んでいらっしゃる住民全体の財産である中心市街地といいますか、それまで培ってきたものを失わせていくという意味でこれは何とかしなきゃいけないんじゃなかろうか、これが今回の大型店立地の考え方の基本ではないかと我々は理解いたしております。これは、経済規制ということではなくて、街づくりの観点の中でそこに住んでいる人たちがどういう町を望んでいらっしゃるのかを軸にこの問題を調整していく必要があるんではなかろうか、一方的な勝ちということが町の中で望まれるような結論では決してないんではなかろうかというふうな気がいたします。
○梶原敬義君 ありがとうございました。
 田島参考人は専門家ですからちょっとお尋ねしますけれども、本法の第四条、指針というところがありますね。この指針につきまして我々が不満があるのは、大蔵省から出てくる法案あるいは通産省から出てくる法案というのは大体このくらい、あとは指針とか政令でやらせてくれと、こういうのが多いんです。今回も一番大事な指針というのはこういう形でぼんと出して、一つは、「大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき基本的な事項」、それから、「大規模小売店舗の施設の配置及び運営方法に関する事項であって、次に掲げるもの」、イ、ロと、こういうようになっている。御存じのとおりなんです。これは本当に我々、私も商工委員会から今の委員会でたしか十三年ぐらいになるんですけれども、ずっとこれはあんまりじゃないかと言い続けておるんですが、田島参考人、どのような感じを持ちますか。
○参考人(田島義博君) 大変難しい御質問でありますが、行政的な裁量の余地というのが余り広くない方がもちろんいいし、物差しが非常にはっきりしておるという状況がいいんだというふうに、これは別に合同会議の議長だとか審議会の委員だとかそういう立場じゃございませんで、全く個人の研究者としては、そういう基準といいますか、物差しといいますか、よりどころといいましょうか、それがかなり明確になっている、明文化されているという状況が非常に行政の透明性を出すという意味ではいいのではないかというふうに思っております。
○梶原敬義君 ありがとうございました。
 中島参考人は市長さんで、駅前の商店街のことや何かよくお聞きいたしましたが、先ほど申し上げましたように、大体消費者というのは買う金額というのはほとんど決まっています。どこに何があろうと一カ月間に買う金額というのは大体決まっている。中心市街地以外の中小小売店で今まで買っていた人が郊外の大型店や何がへ行きますと、やっぱり中心市街地以外の中小小売店も非常に打撃を受けると思うんです。私もそういうのを見てきておりますが、市長さんとしてその人たちに対してはどのようにお考えなんですか。
○参考人(中島一君) 駅前の区画整理でやったということは先ほど御報告しましたけれども、やはりエンドユーザーといいますか消費者というのは選択の自由度ということを求めることはもう御案内のとおりです。そして安いものがよいということであります。そうしますと、一般的に言えますことは、より大きな大規模店舗の方がいいんじゃないか、こういうことでありますけれども、私は、そういった諭理よりは、先ほどから申し上げておりますように、商店街というものをいわゆる横に長くなった大規模店舗と考えまして、そういった全体の中で判断すべきだ、これからはそうすべきだというふうに考えております。したがって、一つ一つの個店だけで勝負をするんじゃなくて、総合的に面的な中でやっていくのがいいと思います。
 そういったことで、皆様方、先生方もどこかへ行かれるときにも、ただ一つだけあるところじゃなくて、そこへ行けば群としまして面的に何かあるという、そういう未来があるとかあるいは偉大なる発見をするとかいう喜びを感じながら買い物に行かれる方が多いと思います。ですから、私は、ただ単に拠点開発よりは、これからは線的、面的という群体としての商店街に注目しなきゃいけない時代が来ていると思っております。
 そういった点で、中心商店街のこれからのあり方はそこに向けて考えていきたいと思っております。
○梶原敬義君 どうもありがとうございました。
 最後に三村参考人にお尋ねしますけれども、日本消費生活アドバイザー・コンサルタントというその仕事に当たるか当たらぬかわかりませんが、私が知っている人たちは大きなキャベツをたくさんつくっているんです。それで、おいおまえ食べるのかと言ったら、うちじゃ余り食べぬと言うんです。やっぱり虫の食わないものは余り食べないんです、消毒をやっているから。スーパーや何かというとだあっと卸していくわけですよ、スーパーでもいろいろあるから全部じゃないですけれども。こういう大型店がどんどん進出してくる場合に気をつけなきゃならないのは、海外からも入ってくるし、日本からもそういう非常に健康上よくないものが多量販売、多量消費でそういうところに行く可能性があるんですが、日常生活、皆さんの活動の範囲内で感じておられることがあればお聞かせください。
○参考人(三村光代君) 実際に農薬を使っている野菜は農家の方は食べない、自分たちが食べるものは特別につくっているんだという話はよく聞きますが、消費者もすごくその辺は今は神経質になっていまして、特に照射、ジャガイモの照射の問題だとか外国から入ってくるものの放射能照射問題、それから遺伝子組みかえの問題などは物すごくシビアになっています。これはもう末端までなっているんじゃないかと思うぐらいなってきていまして、産地をちゃんと表示してほしいとか、組みかえをやっているかやっていないか表示しろというのがすごく出てきています。ただし、原料で使われているものをどこまで表示するのかという問題は、消費者の要求がのめない部分もあるんだとは思うんですが、現実は今の消費者はとてもその辺はシビアになってきていまして、特に食品スーパーに対してはその辺の表示をきちっとやってほしいと。
 ただ、特に無農薬、有機農法というんだったら組みかえだってその中に入れてもいいんじゃないかという意見も外国では出ているというような情報もありますので、これからの消費者はおくれないように自分たちも勉強していかなければいけないんじゃないかと思っています。
○梶原敬義君 ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下でございます。
 まず初めに、荒井参考人に大型店の社会的責任について伺いたいと思います。
 今大型店というのは、大閉店時代でありますとか多産多死時代というふうに言われておりますとおり、特に中心市街地から撤退が目立っております。昨年の通産省の調査でも、九二年以降毎年二百店前後、九六年までの五年間で一千三十一店が閉店、撤退をしておるという調査が出ております。それから、今後も三年間で、例えばダイエーが五十店、西友が三十店閉鎖をする計画を持っているとか、ジャスコのように過去五年間で新規出店八十六店に対し閉店が四十一店、二店出れば一店は閉店という状況も事実起こっております。
 こういう点は、商店街や中小小売業者の皆さんからいたしますと、出てくるときにもそれでお客さんをとられるんじゃないかという心配がある。しかし、一たん出てこられたらずっとその大型店と共存共栄して、一緒に住みやすい地域として発展できるように努力しようじゃないかと思うわけですが、いつの間にか勝手に出ていってしまう。出てくるときも不安だし、出てきてからもいつ出ていかれるのかという不安が残るということでは、私は、これは大型店として社会的責任、モラルという点で非常に問題があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか、この点。
○参考人(荒井伸也君) 今御紹介になった数字、私どもの持っている資料と多少違うんですが、調べてみますと、今チェーンストア協会の関係では、平成九年度に閉店した店が四十八店舗ございまして、これは対象企業の総店舗数千四百五十六店の三・三%でございます。実際、これを多いと考えるか少ないと考えるかということはいろいろあるわけですが、事実、店舗をスクラップするということがございます。
 また、私どもも実際店を閉めて近くに新店を出すというようなことを反復しておりまして、これはチェーンストアの戦略としては当然のことということが言えると思います。なぜこれが当然かというと、結局それは大きく分けて二つないしは三つぐらいの理由で閉店ということが行われるわけです。
 まず一つ大きなトレンドとして、先ほど来申し上げているように、自動車時代が来たのに旧来の店ではそれへ対応できない、新しいお客様に対応しなきゃならないというような社会の変化に適応するということで、これはビジネスとしてあるいは社会的使命としてまさに犬型店の責任として当然のことだと思います。
 それからもう一つは、旧店舗がいろんな意味で危険性が増してきているというようなことがあるわけです。例えば、火災に非常に危なくなっているとか、あるいは設備が老朽化してちょっともう今の時代にそれを直していけないというような場合があります。
 それから三番目には、競争の条件が変わってきて、もっとよりすぐれた同じ機能を営む小売業が近所に出てきているという場合がありまして、この三番目の場合には全く問題はないわけです。先ほどのお話のように代替が既にできているわけです。
 それから二番目の問題は、これはそのようにしなければ消費者に、お客様に危険が及ぶわけですから、これもやむを得ないことと思います。
 そうすると、一番目の、時代の変化に合わせて移っていく、あるいはもっと大きな店が車社会に対応していくということは企業としては当然のことにしても、おっしゃるようなことが近隣の商店との関係で事実あることを私はよく存じております。したがって、私どもはどうしているかといいますと、店を閉めますときに近所の商店の方とやはりよくお話をしまして、実際二カ所ほどですけれども、サミットが違うところに移るんだけれども、周りに店を開いているものの客数が減るからという御近所の方から御要望がありまして、私どもそれを食品スーパーとは違う形でお客様ができるだけ集まるような施設に変えたというようなことも事実としてやっております。
 したがって、時代の変化に対応していく過程の中でどうしても出てくるそういうことについて、できるだけ対応しているということであり、またそれをしなければ、今度は逆にその時代の変化そのものに対する責任が果たせないということなので、私どもとしてはそれでやむを得ないのではないかと思っております。
○山下芳生君 サミットさんの姿勢はよくわかったんですが、全体として見ればそういう身勝手な退席、撤退というものが各地で問題になっているというのもこれまた事実であります。
 それから、田島先生にお伺いしたいんですが、先生は、高齢化、女性の社会進出が進む中で近隣型商業というもののニーズというのも今後高まるであろうと、そういう中で大型店とそういう近隣型商業の多様性の確保というものが大事だと御主張されました。これは私も全く同感であります。
 それで、近隣型商業というのはやっぱり近くにあるからこそ便利というかニーズがある。どこにでもあるからこそ役に立つということだと思うんです。逆に言えば、どこにでもないとだめだと。そうしますと、そのどこにでもなければならない近隣型商業に対するニーズが高まる、それを守らなければならないということだと思うんですが、今度の大店法の廃止及び立地法などの新法制定によって、あるいはまた都市計画法の改正によってそれが可能なのかどうか。
 私は非常に心配しますのは、立地法でそれはできないであろう。そうすると都市計画法かと思うんですが、日本の都市計画法の手法でそういうことはなかなか無理なんじゃないか。やはり全面的にどこにでもある近隣型商業を守ろうと思ったら、どこにでもそういう都市計画的な配慮、規制をしていくことにならざるを得ない。そんなことは今の都市計画法ではできない。この地域は原則禁止ですよということはできてもそのほかは原則自由、そういうことでは近隣型商業を守ることはなかなか難しいんじゃないか。経済的規制という側面からもそういう近隣型商業を守る上ではルールが必要なのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(田島義博君) 近隣商店街、これは全国にどのくらい商店街の数があるのか、そういう統計は余りないように思うんですが、大体全国に一万六千ぐらいの商店街と称するものがあると、こう言われております。
 実は近隣型商店街にお客さんが戻ってくるという状況が見込まれるものの、今度は近隣商店街同士の競争というのがある、これはこれで結構活発になっていくと思うのであります。これは単に自動車だけ考えなくても、バスとか私鉄とかその他の大量交通機関というのは日本は高度に発達しておりますし、今後も発達し続けるであろうということを考えますと、女性の社会進出ということともあわせて消費者、生活者の行動範囲というのは昔よりは広がると思いますので、近隣商店街同士の競争というのはこれは避けられない、こう思うんです。したがって、全部の商店街というものをこのまま維持できるのかということになりますと、これは客観的に言ってもちょっと不可能だろうと我々は思うんです。
 では、どこが生き残ってどこが言ってみれば市場から退出していくのかということになってくると、生き残るものの条件というのはやはり幾つか商店街そのものに存在するというふうに考えられますし、私は一つは、単に商業だけの問題ではないんですが、全体としてにぎわいの条件をどれぐらい満たしているか。このにぎわいの条件を持たない商業集積というのは集客が困難でありますので、長期的にはやっぱり衰退せざるを得ない。これはだれが衰退させるかといえば消費者が衰退させちゃうわけであります。
 そのにぎわいの条件についての研究分析がもっと私たちは必要だと。これは財団法人の地域流通経済研究所、熊本にございますけれども、あるいは九州の主な都市について全部分析したデータが近々に出されると思うものですから、私は非常に楽しみにその報告書を待っておるわけでございます。
 第一に、そういうにぎわいの条件、このにぎわいの条件は、単に小売店舗だけではなくて、食べるところ、遊ぶところというふうな要素が組み合わさって、それに文化的な条件等が付加されて形成されるというのがまず第一点だろう。
 それから第二は、消費者の買い物の仕方が変わっておりますので、従来型の業種、業態のままでよろしいのかということになりますと、そこに商店街としての業種、業態の構造的な近代化といいましょうか改革、つまり消費者が来てくれるような条件づくりというのが必要になっていくんじゃなかろうか。ただ、個々の小売店が自分で例えばお店をやり変えたり、あるいは情報システムを入れて自分でソフトをつくったりなんということはもうほとんど考えられませんので、これは先ほど来申し上げていますように、集団化、組織化という行政手法を投入せざるを得ないだろう、このように思うわけであります。
 そういうふうなことで、この便利性を求める消費者の声というのはもっと強まるけれども、その消費者を引きつけていくには、商店街がグループとして、それから商店街を構成する個々のお店がかなりイノベーションしていかないとちょっと無理なんじゃないか。そして、結論的には、商店街同士の競争というのが必要になっていって、お客さんを吸引する条件として大型店と中小の結びつき、これが必要なんじゃないか。
 先ほど御指摘のありました、例えばスーパーマーケットの退席の問題でありますけれども、これは荒井参考人が言われたとおりなんですが、ただ私たちはもう一つ別なことも考えております。それは、小さいお店が大きいお店に比べますと売上高等において劣ることは確かに間違いがない。そうすると、もっと大きな店を外につくって引っ越すというふうな動きが強いんですけれども、ところが下手に大きなお店をつくりますと、実は単位面積当たりの売上高とかあるいは利益というのは低下する危険性を持っておるんです。
 それで、例えば商店街に隣接した中・小型スーパーマーケット等を閉店する際、もう一遍そのお店で売り場の生産性とか労働生産性を高めるような手法の投入というものをもっと研究しないと投資のむだというのが非常に発生してくる。
 ですから、そういう意味で、退席する場合に、ちょっと待てと、その考え直しというのを、商店街からの圧力としてでなくて、私はむしろいろんな小売生産性の向上のための技術革新の問題としてもうちょっと考えていただきたいと思っております。
○山下芳生君 どうもありがとうございました。
 同時に、私は、近隣商店街というのは、本当は別にほかのにぎわいの施設、食べるところとか遊ぶところがくっついていなくても、お年寄りが近場で買えるところ、また働く女性が仕事の帰りに身近で買えるところが必要なんだ。それをどう守るのかというのは、大型店と一緒、他の施設と一緒でしか活路がないとすれば、これはこれからの地域社会にとって大変心配をするものです。
 最後に、私は、ぜひそういう点でもう一つ、単に買う場所ではなくて、商店街あるいは中小小売業が果たしている町のコミュニティーの中核としての機能、ただこれまでの自治会だとか町内会の役員をしているだけじゃなくて、これから高齢化が進む地域社会において高齢化をどう支えるかということを考えたときに、医療機関だとか福祉の専門家だけでは支え切れないんじゃないか。それだけで支えようとしたら物すごいコストがかかります。その中に、地域に住み地域の中にあって、地域の健全な発展とともにみずからの商売も発展できるという商店街や小売業者の方々がいてくださることがやはりコストを削減しながら地域社会を、高齢化社会を支えていく機能として大事なのではないかと思うんです。最後に田島先生にこの点での御意見を伺って、終わります。
○参考人(田島義博君) 実は私自身が高齢化してきておるものですから、これからを考えますと、今みたいに地域社会が崩壊していく中で自分が年をとっていくというのは、これは非常に不安だなという気はいたします。
 そうしたときに、例えば一つは医療機関の問題がありますが、大学病院なんかに行きますと、まあ待たされること待たされること。そうすると、やっぱり近所のお医者さんというのはそういう意味では大変ありがたい。しかし、おっしゃるとおり、医療機関だけでそうした健康な生活が確保できるわけじゃない。そういう意味では、商店というのが地域社会の一つの重要な要素として町の人々の暮らしを支えていく一種のインフラだと、まさに私もそのとおりだと思います。先ほど小島先生が御指摘になったような地域社会が崩壊していく日本の社会に何とか歯どめがかけられないものか、そのようなことを私は私で考えるわけであります。
 ただ、一言締めくくりに、昔、日本の町というのは大小さまざま、またどういう機縁で町が、都市が形成されていったか、それもいろいろでございますけれども、多くの町で商人がいわゆる町衆としてその町の文化を支えていった。非常に気概のある町衆というのが日本の都市文化を支えてきたと思うんです。私は、商業者の中から自分の町の生活と文化を守る気概のある町衆よ出よという、そういうことをぜひぜひ若い商業者に期待したい、このように思っております。
○山下芳生君 終わります。
○平井卓志君 自由党の平井でございます。
 相当きょうは御苦労願ってお疲れのようでございますので、若干観点を変えて、一問だけ、お答えいただくというよりも、御意見があれば拝聴したい。
 御案内のように、この立地法と活性化法が閣法として出てまいった。反対の方もおられましょうが、私どもは原則賛成なんです。ただ往々にして、税制なんかと違いまして、こういう法律は、これは間もなく成立するでしょう、私は申し上げたくないけれども、それっきりというのがよくあるんです。知っている人だけが知っている。しかも、この趣旨は一言に言えば地域の活性化なんです。本当にそういう街づくりができるのか。それだけを助けようということなんです。
 ところが、街づくりということになりますと、いろんな問題がある。彦根の中島さんのように非常に才能豊かな首長もおられれば、余り関心のない自治体の方もおられるし、行政能力にも差がある。地域の特性にも差がある。ただ、余り拙速な街づくりはいけませんが、時間がかかるところに私は若干問題があると思うんです。
 これはどういうことかと言いますと、ここから人によって理解の違うところですが、現在の経済環境なんです。一口で言えば、将来の展望の開けるところは一つもない。ここは予算委員会でございませんから細かく言いませんけれども、簡単に言えば、バブル崩壊以来約一千兆余りの含み損経済の中で今運営されていると思うんですよ。したがって、奥行きのわからないような不良債権を生んだ。与党の方はそうだと言いませんけれども、やはり判断ミス、政策ミスなしとしない。
 そうなりますと、月末の手形どうしようか、一週間後の小切手どうしようかという商店街の方が非常に多いんです。これは、日銭を回しておりますから売り上げが落ちれば仕入れの金が払えないんですよ。非常に単純な商行為なんです。その集まったところが商店街ですよ。だから、単に活性化といいましても、これは地域住民の相当の理解がなければならぬ。行政も縦割りの弊害を除いて全省庁が一丸となっての親切な助けをやらなきゃならぬ。さらに大事なことは、受ける地域住民側がそれだけの真剣な理解があるかないか。いずれにしたって、やる気のない人はだめですよ。消費者が見捨てたらもうこれはどうにもならぬ。
 しかし、延々と待っておりますと先の展望が極めて悪いので、今のような経済環境の中で少しでも早く効果あらしめるような街づくりについて何かお知恵はございませんでしょうか。
 何の御意見でも結構です。まず田島先生から。
○参考人(田島義博君) ただいま経済環境が非常に悪いとおっしゃったんですが、経済環境は御指摘のとおりでありますが、実は経済環境以外も八万ふさがりだと。例えば私は学習院という学校法人の経営者でありますけれども、学校という世界も大変な状況に立ち至っております。あるいは医療の世界もそうかと思います。そういう意味で私は日本社会はかなり八万ふさがりだと。
 何で八万ふさがりになっているんだということになると、私は、日本の社会のあらゆる面で二十世紀型の経営といいますか仕事の仕方、これが二十一世紀型の価値とシステムに変わらぬといかぬ、それが十分変わり切れなくて今苦しみもがいているという状況だろうと見ているんです。
 したがって、何がこの社会を救えるのかということになると、関係者がそれぞれの世界で、我々は学校の世界で、やはり従来と違う発想をするということしかないんじゃないか。そういう意味では、GNPの六割は個人消費でありますから個人消費が活発になるということが大切だと思うんです。ただ、個人消費を活発にするときに、税金を安くすればかなり効果があるという説ももちろんありますし、真実でしょう。ただもう一つは、みんな結構物を持っている時代に、かつて洗濯機が出てきたとき、かつてテレビが出たときに我々が感激したような消費の機会というのは今はほとんどありません。もうちょっと消費者を感激させるような物づくり、品ぞろえ、店づくりというのをやってほしいというふうに思うんです。それがないと、活性化のために資金を投じましてもなかなかうまいこと経済が、消費がよみがえらぬのじゃないかというふうな気がします。
 全く私見でございます。
○平井卓志君 では、これは私見で結構でございますから、荒井参考人にお伺いしたい。
 やはり商店街中心ににぎわうような活性化した街づくりをしようということになりますと、幾ら通産省がひとりで力んでどんな立派な法律案をつくっても、これは金融から建設、国土、全部がかんでくる。先ほどお話がございました。
 金融問題にここで触れると際限がございませんが、最近とみに、一年有半、貸し渋りという言葉が出ておりますけれども、私らが末端で聞いた話では、貸し渋りじゃないんです、貸し終わりなんですよ。引き揚げたらもう貸せないと。それは十七光突っ込んだって十三光突っ込んだって、これはいい悪いは別にしまして銀行には銀行の論理がある、自分は生き残るためにやっておると。それは表立って言いませんけれども。
 そうなると、そういう環境の中で、活性化のための法律案をこうやって審議して、参考人としてわざわざお運びいただいて、少なくともこの効果が出るような何かいい方法はないかと。全くその道では素人でございまして、流通関係の相当専門家でいらっしゃるんで、何か参考になるような御意見があればと、こんなことでお聞きしたわけですけれども、ございましたら何でもどうぞ。
○参考人(荒井伸也君) 余り難しい御質問でお答えがちょっとできないんですが、先ほどおっしゃいました、やる気のない人はだめ、消費者に見捨てられたらだめということに尽きるんじゃないかという感じがします。
 実を言いますと、私どもも大店法が盛りだった時代は本当に楽だったんです。ほとんど店がつくれませんでしたから、同時に競争も出てこないということでとっても楽をしておりました。これが緩和してきましたら非常に大変である。大変になるということは、競争相手も出てくるし、自分も店をつくらなければならない。そうすると勉強するんです。それで、あちらこちらに行って一生懸命勉強してくると今まで気がつかなかった問題がたくさん出てくるということです。
 先ほど大分の例で、極めて例外的なんで私は覚えているわけですが、ああいうことがしょっちゅうあるわけでもありませんし、さきのスクラップの方も三・三%ということは九七%はそういうことではないということでありますから。
 むしろ、余り例外的なものにとらわれずに、やはり自由な競争の中でお互いに切磋琢麿するのが実は結果的には一番活性化につながるんではないかというふうに感じております。
○平井卓志君 ありがとうございました。
○水野誠一君 さきがけの水野でございます。
 私も長いこと西武百貨店に身を置いておりまして、大店法で守られていたころの非常に楽な流通に長く身を置いておりましたんですが、そのころ田島先生にも随分いろいろお教えをいただいたりしてお世話になりました。
 この大変厳しい今の流通環境の中での今回の法律案ということでありますが、これは法律では百貨店も量販店も大規模小売店舗ということで一くくりにされてしまう。ただし、質的にはかなり違う役割を持っているというふうに考えております。
 百貨店というのは中心市街地立地型で、むしろ周辺の商店街と共存共栄を図ってきた歴史というのは非常に長かった。しかし、どちらかというと大変厳しい目で見られてきたということがございました。
 ただ、私は、時代が変わってきたなというふうに痛感しましたのは、昭和五十年代の後半だったと思うんですが、西武百貨店の宇都宮店に対して地元の商店街から営業時間の延長をしてくれないかという要請があった。これは私は大変びっくりいたしました、当時は大店舗法で営業時間を長くしちゃいかぬということでぎりぎりとやられておりましたので。これはどういうことかと申しますと、もう既にその当時、郊外型のショッピングセンターとの競争が出てきて、中心市街地が夜のにぎわいを出すためには百貨店が早々とシャッターをおろしちゃ困る、そんなことを言われた経験を今思い出すわけでございます。
 しかし、郊外型ショッピングセンターの時代、この方向というのは、モータリゼーションの発展を含めまして時代の流れでどうしてもなかなかとめられない状況だと思います。今、百貨店自体も、先ほどからいろいろ委員の御指摘もありますように、中心市街地の店を閉めてむしろ郊外型ショッピングセンターのアンカーとして移っていく、こういう時代になってきているということであります。
 そこで私は、だからこそ量的あるいは規模的な競争という概念から質的競争の概念に考え方を変えていかなきゃいけないんじゃないか、そこに先ほど来参考人の皆さんがおっしゃっているすみ分けということが可能になってくるんではないか、こういうふうに思っております。
 量の競争から質の競争へということで、先ほど中島市長のお話ということもございまして大変いい事例をお示しいただいたわけでありますが、これは質の競争であると同時に、またさらに重要なことというのは、競争の質ということにもなるんではないかと思うわけであります。規模とかあるいは価格破壊力ということだけで競争をやっていけば、これはどうしても最後は一人の勝者になってしまう。しかし、逆に言うと、そのときには市場というものがもう完全に破壊されてなくなってしまうあるいは魅力を失ってしまう、こういう怖さを私は痛感しているわけであります。生活を楽しくさせるあるいは魅力という付加価値で競争をしていく、こういうことをやっていかないと今この冷え切った消費というものに再び火をつけるということはなかなかできないんじゃないだろうか、そんなふうに考えております。
 中心市街地活性化法案、この法案が今話題になっているわけでありますが、ここの中でもこういった質的な視点というのは私は大変重要だと思うんです。後ろに通産省の皆さんがいらっしゃるんですが、こういう話になりますと通産省の考え方というのは、後でしかられるかもしれませんけれども、アーケードをつくれとか駐車場を整備すればいいとか、あるいはそのための資金援助を考えているということは出てくるんですが、どうも私はそういうことだけでは問題解決ができないというふうに考えております。
 先ほど山下委員が大企業の責任ということをおっしゃいました。私もその責任のある立場にかつてあったわけでありますが、例えば中心市街地の核店舗あるいは郊外でそこから客を吸引していっている量販店、そういうところが地域活性化のために、共存共栄のために何ができるかというふうなところでやはりともに知恵を出すことも私は必要なんじゃないかというふうにお話を伺っていて感じたのでありますが、その点について、田島先生あるいは荒井先生から何か御意見があればお伺いしたいと思います。
○参考人(田島義博君) 一つの事例を引かせていただきたいんですが、先ほど荒井参考人からトイザらスの話が紹介されました。トイザらスは六年間で六十四店舗づくって一千億の売り上げになったと、これが新聞で大変大きく取り上げられておりました。そのとき相手として日本の大きなおもちゃ屋さんが比較対照されておりました。
 実は、トイザらスというのはおもちゃ屋さんじゃないんです。トイザらスの一千億の売り上げの中でおもちゃの比重というのは三〇%でございまして、おもちゃ以外が大きい。実は、六年間で六十四店舗一千億円という実績は、これは日本市場が余り閉鎖的でないという大変いい証拠だと思う反面、私は物すごく注目をしなくちゃいかぬ事実があると思うんです。それは六十四店舗が全部黒字だということなんです。
 一般にトイザらスというのはディスカウンターだと、こう言われておりますが、日本の価格破壊をやったディスカウンターたちというのは今経営的に非常に苦しんでおります。なぜ同じディスカウンターで片や倒産に追い込まれ、片や利益率が非常に高いのか。ここら辺が先ほど申し上げました技術革新といいますかイノベーションと絡むんですが、トイザらスは自分はおもちゃ屋ではない、ゼロ歳から十五歳までの子供の総合店だと、こう考えております。そうすると、おもちゃ屋であれば、孫の誕生日におもちゃ屋に行ったらおもちゃを一つ買うというのが関の山ですが、おもちゃを五つも六つも買う人というのはまあいないでしょう。ところが、トイザらスに行けば、おもちゃのついでに洋服も買う、靴も買う、いわゆる関連購入が発生するわけでありますので、実はトイザらスというのは非常に客単価が高いわけで、したがって必要マージン率が小さくなりますので値段が落とせるという構造になっているんです。
 これはよく考える必要があるんですが、日本のデパートも総合スーパーもいろんな品物を売っておりますけれども、売り場売り場を見るとこれは物別縦割りなんです。必ずしもニーズ別様割りではないから関連購入は発生しにくいし、したがって店舗の生産性も労働生産性も国際的に見ると高くならない。アメリカ、ヨーロッパというのは歴史的な縦割りのシステムからニーズ別横割りへずっと動きつつあるんです。
 ですから、私は、こういうふうなこと等、地域に出店される大きなデパートあるいはスーパー等にもうちょっとイノベーションを考えてほしいということと、商店街ぐるみでニーズ別様割りのショッピングができるようなお店の組み合わせというふうなことがもっと追求されてよろしいんではなかろうか。
 これは私、今回のこの法律だけの問題じゃなくて、日本の流通業というのは国際的に見ますと規模の大きいところも非常に投資効率と収益性が悪いわけでありまして、そして国際的に物価を比較しますと結構高い。ですから、私は消費者の立場からいって内外価格差の縮小というのは大変大事だと思うんですが、反面、流通業の生産性を上げてやらぬとそれはだめだ。そうしますと、小売業だけでなくてもっとサプライソースから入れて流通全体の効率化を図っていく。その際、小売業の今申し上げました物別縦割りからニーズ別横割りといったふうな歴史的変化の問題とかをもっと追求していくべきではないかということを一人の研究者として私は考えておるわけでございます。
○参考人(荒井伸也君) 価格のことがちょっと出ていたわけなんですが、実は世界で最初にスーパーマーケットの協会がアメリカでできましたそのときの経営者たちの寄せ書きがある。スーパーマーケットの誕生はよく言われるように価格破壊ということで出てまいりまして、さらにさかのぼると百貨店の誕生も実は価格破壊でありまして、百貨店は十九世紀の中ごろパリで生まれましたが、その世界最初の百貨店はボンマルジェという名前でありまして、ボンマルシェというのはフランス語で安売りという意味だったわけです。
 つまり、小売業というのは、出だしたときは大体安いということを標榜して出てまいりますが、やがて実は値段よりも、値段はもちろん大いに安く売らなければならないというのはいわば経済行為としては当然のことですけれども、それ以上に社会に対してどんな役割を果たすのかということが重要になってきて、そして冒頭に私申し上げましたような社会的機能ごとに業態が分かれてくるという姿になってくるんではないかと思います。
 その最初のスーパーマーケットができました、まだスーパーとは価格破壊なんだよということを言われていたそのアメリカの寄せ書きにおもしろいのがありまして、いかなるビジネスも価格だけの上に立脚したものはないということが書いてあるんです。これは何と畑眼だろうかと。その後のスーパーマーケットの変化を予言するようなことが一九三〇年代に出ているわけです。
 結局、私ども考えてみると、我々の仕事は変化に合わせていくというか、時代が変わっていくのに合わせていく、極端に言うとそれしかない。お客様を我々が引っ張っていくとか何かではなくて、基本的にはお客様が移っていかれるところに我々も移り住み、お客様が欲していられる商品やサービスを提供するということに尽きるわけなので、そういう私どもの変化というものが時として、私は極めて例外的なことだと思いますが、いろいろな摩擦になったりなんかする。それは何とか我々の知恵で解決をしていく、よく話し合って解決していきたいと思っています。
 一度できた小売業は、逆に言いますと消費者にとっては環境そのものでありまして、例えばいい食品スーパーのない町に住んでいる人というのはなかなか生活が大変で、実は私もその一人で、自分の店が近所にないのが非常に残念なんですが、いい食品スーパーがあるところはマンションもよく売れるというようなこともあるわけで、小売業はそのように環境そのものだと思います。
 したがって、私どもとしては、自分の社会的使命をよりよく果たすことが実は環境に対して一番やるべきことではないか、そして一方でごみとか交通とかそういうマイナスの環境をできるだけ起こさないようにするということも同時に大切なんではないかと、そのように考えております。
○水野誠一君 終わります。
○委員長(吉村剛太郎君) 以上をもちまして参考人の方々に対する質疑を終わります。
 一言ごあいさつ申し上げます。
 参考人の方々には、御多忙のところ当委員会に御出席いただき、貴重な御意見を拝聴させていただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会