第142回国会 国土・環境委員会 第15号
平成十年五月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     景山俊太郎君     下稲葉耕吉君
     山本 一太君     山崎 正昭君
     菅野 久光君     峰崎 直樹君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     下稲葉耕吉君     坂野 重信君
     峰崎 直樹君     菅野 久光君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     木暮 山人君
     水野 誠一君     奥村 展三君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     木暮 山人君     泉  信也君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     青木 薪次君     村沢  牧君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         関根 則之君
    理 事
                岩井 國臣君
                上野 公成君
                小川 勝也君
                福本 潤一君
                緒方 靖夫君
    委 員
                太田 豊秋君
                鴻池 祥肇君
                清水 達雄君
                鈴木 政二君
                永田 良雄君
                岡崎トミ子君
                菅野 久光君
                荒木 清寛君
                村沢  牧君
                泉  信也君
                奥村 展三君
                山崎  力君
   国務大臣
       建 設 大 臣  瓦   力君
   政府委員
       環境庁大気保全
       局長       野村  瞭君
       国土庁計画・調
       整局長      河出 英治君
       建設省建設経済
       局長       五十嵐健之君
       建設省住宅局長  小川 忠男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        八島 秀雄君
   説明員
       厚生省生活衛生
       局企画課生活化
       学安全対策室長  内田 康策君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
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○委員長(関根則之君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月二十一日、景山俊太郎君及び山本一太君が委員を辞任され、その補欠として下稲葉耕吉君及び山崎正昭君が選任されました。
 また、去る二十二日、下稲葉耕吉君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信君が選任されました。
 また、去る二十五日、水野誠一君が委員を辞任され、その補欠として奥村展三君が選任されました。
 また、昨二十七日、青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として村沢牧君が選任されました。
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○委員長(関根則之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建築基準法の一部を改正する法律案の審査のため、来る六月二日午前九時から、高崎市長松浦幸雄君、東京大学工学系研究科教授神田順君、鹿島建設株式会社設計エンジニアリング総事業本部企画部長坪内文主君及び日本福祉大学情報社会科学部教授片方信也君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(関根則之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(関根則之君) 建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○福本潤一君 公明の福本潤一でございます。
 建築基準法に関する質問をさせていただこうと思います。
 今回の改正が、三年前の阪神・淡路大震災でかなりの倒壊住居等々があったことも一つの遠因といいますか原因になっているということでございます。阪神大震災で、特に木造住宅の倒壊による圧死者がかなり多かったということでございます。また、火災も発生したということで、本法案の中身にかかわる前に、建築物の中にある有害化学物質の話を若干質問させていただければと思います。
 あのとき猛火といいますか、大変な火災が発生したわけでございます。あのとき起こった火災の規模でダイオキシンというものが、塩化ビニール等々で発生するわけでございますが、どの程度の量が生じたか、グラムで言っていただくとありがたいわけでございますが、また今後どのような対応を同様な火災が生じた場合にするか。その前に、今回どういう対応をしたかということも含めてお伺いしたいと思います。
○政府委員(野村瞭君) お答えを申し上げます。
 御指摘のように、火災との関係もあったかと存じますけれども、私どもとしては、震災に伴いまして大量に発生しました廃材等の処理の際に一部地域で緊急避難的に野焼きが行われたことは御記憶にあろうかと存じます。この際に、お話しのようにダイオキシン類の発生も懸念をされたということでございまして、環境庁といたしまして、野焼きが行われておりました場所の周辺地域においてモニタリング調査を平成七年の二月から三月にかけまして実施いたしております。またその後も、簡易焼却施設の周辺においても同様な環境調査を行っているわけでございます。
 その結果を簡単に申し上げますと、ダイオキシン類につきましては、野焼きを実施いたしました地点の周辺での大気中の濃度、ダイオキシンについてでございますけれども、一立米当たりゼロから二・三ピコグラムの範囲にございまして、これは我が国の都市地域のダイオキシンの環境濃度の範囲内であったわけでございますが、比較的濃度の高い地点におきましては、やはり野焼きの影響を受けていたのではないかと考えております。
 また、簡易焼却施設周辺の大気中のダイオキシン濃度については、ゼロから〇・九ピコグラムの範囲でございまして、これも我が国の都市地域のダイオキシンの環境濃度の範囲内にあったかと考えております。
 このような結果を受けまして、環境庁としては厚生省に対しまして、震災の廃棄物の処理に当たっては環境保全に十分配慮して適正に処理されるように申し入れをいたしまして、厚生省の方では近隣の焼却施設の計画的な活用等によりまして、適正な処理に最大限の努力を行うこと等を関係自治体に指導いたしたところでございます。
 今後、同様な震災が生じた場合におきましても、関係省庁と連携をとりまして、環境モニタリングの実施など有害物質の発生等による二次災害の未然防止に必要な措置をとってまいりたい、そのように考えております。
○福本潤一君 私が聞いたのは、建設廃材の処理という形でのダイオキシンの量じゃなくて、あの時点で屋内にかなりの塩化ビニール製品等々ある、その中で、学者で試算している人がおられます。その試算の結果、例えば二戸当たりの住居から八百度以下だったらダイオキシンが発生するということならば、どの程度のダイオキシンが発生したのかという試算ができるわけです。大規模火災のときにそういう形の試算ぐらいはやっておいていただこうと思って、これを私は厚生省に投げたつもりでしたけれども、厚生省じゃなくて環境庁でしたね。
 焼却炉関係の詳しいデータがあると思うので、厚生省がおられたらその返答をお願いできればと思います。廃材じゃないんです、焼けた当時の火災の中でどの程度ダイオキシンが発生したかということです。
○説明員(内田康策君) 申しわけございませんが、先生のお申し越しの件、ただいまの時点で確認いたしましたので、持ち帰らせていただきたいと思います。
○福本潤一君 これは焼却炉等、例えば今回の予算で二千億近く、また補正予算で八百億近くですか、今回焼却炉関係で厚生省はダイオキシン対策に充てられていますので、そういう意味でも焼却炉だけじゃなくて、八百度以下で発生したときに普通の火災でもダイオキシンは発生しているという結果をかなりの学者は言っておりますし、データもかなり出ておりますので、ぜひともきちっと調べて、また次の委員会等で報告していただければと思います。
 さらに厚生省に、今回、国立医薬品食品衛生試験所というものがホルムアルデヒドの室内濃度に関する実態調査を中間報告されて、私も資料をいただいたわけでございますが、この中身を伺おうと思っておりましたが、あっという間に時間がなくなりますので、中身は結構ですので、シックハウス症候群に対して、対策は厚生省としてどういうふうにとられるかということを手短にお願いしたいと思います。
○説明員(内田康策君) シックハウス、お尋ねの件でございますが、昨年六月に、快適で健康的な住宅に関する検討会議健康住宅関連基準策定専門部会化学物質小委員会におきまして、室内空気中の化学物質による健康被害の防止に必要な指針とその策定に当たっての基本的な考え方について報告が取りまとめられ、室内空気中のホルムアルデヒドの濃度を指針値として、三十分平均値で二五万メートル当たり〇・一ミリグラムという値を提案していただき、公表したところでございます。
 さらに、関係省庁、関係業界、学識経験者等から構成された健康住宅研究会の取り組みに参画いたしまして、本年四月にはホルムアルデヒドの指針値を盛り込んだ設計施工ガイドライン等を本研究会が作成したところであり、このガイドライン等につきましては地方自治体を通じて全国の保健所等に配付するなどの情報提供を行ったところでございます。
 さらに、化学物質による室内空気汚染実態について把握するため、平成九年度から国立医薬品食品衛生研究所、全国の地方衛生研究所等の協力のもとに実態調査を行うとともに、厚生科学研究により化学物質過敏症に関する研究を実施しております。
 今後とも、汚染実態及び発生源等の把握に努めるとともに、関係機関と連携しながら必要な対策を講じてまいりたいと思います。
○福本潤一君 このホルムアルデヒドにかかわるシックハウス症候群というものが現実に新築住宅でかなり問題になっている。さらには、阪神大震災におきましても、住宅を建てた後、その新築住宅に入ったときにそういうシックハウス症候群にかかっておられるという方まで出られているということですので、今後、この問題に詳しく入る時間的余裕はありませんけれども、住宅室内の有害化学物質の濃度基準というものをつくってきちっと法定化していっていただきたいということを要望しておきまして、これは返答要りませんので、次の機会までにまたこの検討をしておいていただければと思います。
 早速、建築基準法の中身の質疑に入らせていただきますけれども、阪神大震災は先ほど申しましたように木造住宅による圧死者並びに火災による死傷者というのがかなり多かったという現実でございます。そのときに建物が耐震設計、大震災が起こる以前にはなかなかそういう、想定していた以上の地震が起こったということもあると思いますが、今後耐震補強工事というものが、例えば関東地方も今後大きな地震が起こるんではないかと言われておりますので、助成制度とかそういったものが対応として必要になってくると思いますが、現在やっておられる内容、また今後どういうふうな対策を考えておられるかをお伺いします。
○政府委員(小川忠男君) 阪神・淡路大震災で五十一万棟に及ぶ被害が生じました。正確な工法別の被害状況については掌握いたしておりませんが、ただいずれにいたしましても、いわゆる木造建築物に圧倒的に被害が大きかったというのは御指摘のとおりだと思います。
 それで、平成七年の十二月でございますが、建築物の耐震改修の促進に関する法律を制定していただきまして、努力いたしております。基本的には、通常の住宅については一定の要件を満たせば住宅金融公庫の金利を安くするということ。それから、大規模な建築物で部分的に耐震改修をしようとした場合に一番ネックになりますのは、いわゆる既存不適格があった場合にはそれをすべてきちっとしないと大規模な改修を認めないというのが基準法の建前でございます。したがって、耐震改修だけをとり出してやろうと思ってもほかに大きな違反というか既存不適格があると手がつけられないという現状がございましたので、この法律で少なくとも耐震改修に限ってはほかの既存不適格には目をつぶる、とりあえず耐震改修だけやってくださいというふうなことで手だてをいたしました。
 実績でちょっと今思いますのは、個人の住宅というのはやはり非常に難しい。ただ、実績を見ますと、この法律では学校でございますとか大規模な建築物についてはそれなりの成果は上がっております。したがいまして、むしろ戸建て住宅についてこれからどうするのかというのは、法律制定ということにとどまらないで、もう少し知恵が必要なのかなというのは今日時点で若干問題意識として持っております。
○福本潤一君 現行制度でさまざまな不備が起こっておるがゆえに今回一部改正という形になったんだろうと思います。大型のああいう大地震が例えば関東で起こったというときには、ぜひともきちっとした対応ができるように整備していただきたいと思います。
 今回、建築基準法ですけれども、従来、建築施工主、また市当局の方々の意見を聞きますと、ざる法だったという言い方まで起こっておるわけでございます。制定から半世紀が過ぎているという現在でございますので、このざる法の中身のさまざまな点を改正でうまく行き切るのかどうかというところが今後の問題になってくるだろうと思います。
 ここで今回、建築確認の中間検査というものを取り入れられたということでございます。特定行政庁というものが規模とか用途などを限って指定するというふうになっています。すべての建築物に対して中間検査を実施するようにしたらどうかと思いますが、この点について御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 今回改正をお願いしております基準法の中で、中間検査制度というのは、今までの基準法体系の物の考え方からしますと非常に大きな変革点の一つだと思います。といいますのは、御承知のように建築確認というのはペーパーでの確認でございますので、実物に着目して工程の途中に検査が入るという概念が実は今まで基準法体系には全くなかったわけでございます。
 ただ、中間検査制度創設をお願いしてみて、率直に申し上げますと、現在の行政の執行力といいますか執行体制という実力を前提にいたしますと、相当思い切ったところまで結果として踏み込んだなというのが実感でございます。
 といいますのは、結果として、行政側の、執行側の実力を考えますと、千八百人というのが建築主事の総数でございます。したがいまして、言うなれば工事完了検査が三五%しか行われていないという現実から出発したときに、中間検査というのはきちっとした建築物をつくり管理するための極めて有力な手段だと私どもも思います、思いますが、現実そこまで行き切れるのかという実力見合いの制約というのは行政庁としては考えざるを得ないという制約がございます。
 したがいまして、私ども結局考えますのは、外部検査としての中間検査という制度を創設する一方で、現在既に制度としてございます言うなれば内部監査、内部検査という設計士による工事監理というものについていま一度体制を引き締め直した上で、それを車の両輪として体制を整えたいというふうな思いがございます。
 その意味では、中間検査についてむしろ今回は思い切ってそこまで踏み込んだことが担当者としては力の限界であったということでございますので、お許しをいただければ、そういう意味での中間検査、公共団体ともども創設された制度の運用で頑張る一方で、工事監理にもう一回活を入れるということで対応していきたいと考えております。
○福本潤一君 そこのところ、力の限界がここであったということで、全部に適用はできなかった。民間委託できるようになった、民間確認検査機関が現実に建築確認できるようになった。ただ、すべての建築物に対して中間検査を実施すべきではないかという私の質問に対して、ここまでが限界だったと。限界だった、どういうことでしょうか。具体的に何が限界だったのかがちょっとよくわからないです。
 建設省が今回法案を出してこられて、ここらでストップしようと思われたんでしょうけれども、他省庁のかかわり、民間業者、民間委託するという形でもいろいろなシステムを取り入れられるわけでしょうけれども、どこがどういうところとぶつかって限界になったのかというのをちょっと教えていただけますか。
○政府委員(小川忠男君) 中間検査ということになりますと、年間百十万件という建築確認がございますので、百十万件の建築物に対して、行政にせよあるいは創設された民間確認検査機関にせよ、現地に足を運んで中間段階の工程を本当にチェックできるのかという現実上の問題がございます。どのくらいのマンパワーを投入できるのかというのは切実な問題として直ちに直面するわけでございます。
 したがいまして、先ほど力の限界というふうなことを若干舌足らずで申し上げましたが、もし民間確認検査機関が私どもの意図しているような形で創設され、行政と民間を含めた執行体制にそれなりのマンパワー的な余力が生ずれば、中間検査の対象を段階的にふやしていく。結果として、相当程度の建築物に対して何らかの形で中間検査が入るというふうな運用上の手だてを講ずればよろしいわけでございまして、それを実力がない状況のもとで、制度として必ず中間検査を全部についてやると言い切った途端に、現在完了検査はそうなっているわけですが、三五%の二の舞を踏むということは担当者として考えざるを得ないというふうなことで、先ほど申し上げさせていただいたわけでございます。
○福本潤一君 そうしますと、力の限界というより行政判断で今回はすべてをしないということで、今後行政が具体的に進展するに応じて増加していく、さらに増加していくことになるということはわかります。今回は、民間の方を委託できるようにある程度育成するというような指向性の中でこの法律改正があったというふうに受けとめさせていただきます。
 そうしますと、新築住宅に住んだ人たちのテレビ報道を見ていますと、よく欠陥住宅というのが出てきます。建築確認できちっとやってうまくいっておれば欠陥住宅にならないはずだと思っていますが、欠陥住宅というふうなことが判明した、そういうところに住んでいる人のテレビの映像が結構出てきます。完成後ということになると、こんな家は嫌だ、契約解除したいというようなときでも契約は解除できないという現実があります。
 そうしますと、PL法という製造物責任法というのがありまして、ほかの動産とかですとこの物件はちょっと問題あるぞということになりますが、不動産の場合は適用をしていないという現状がありますので、消費者保護という意味では非常に大きな金額の買い物が欠陥でどうしようもないという現実が起こっている。ならばPL法を適用しろとは言いませんが、PL法と同等の対策を何か建設省できちっと考えた方がいいのではないかと思いますが、その点よろしくお願いします。
○国務大臣(瓦力君) 福本委員から消費者保護の観点から欠陥住宅について御質問がございました。確かに、生涯におきましても一度か二度の買い物でございますから、これは大変重要な観点と存ずる次第でございます。
 欠陥住宅が国民の健康でありますとか生活の基盤を脅かす重大な問題である、かように認識をいたしておりまして、今ほど住宅局長の答弁にもございましたように、中間検査制度の創設など今回の建築基準法の改正に新たな建築規制制度の構築を進めまして、欠陥住宅と言われるものがなくなるように根絶に向けて全力を挙げていくことが大切である、かように考えております。さらに、最長十年の保証を行う住宅性能保証制度等の充実など、欠陥住宅を防止するための総合的な対策を推進してまいりたい、かように考えております。
 消費者保護の観点から、住宅及び建築にかかわる法体系全体のありようにつきまして大改正ということで今お願いをしておるわけでございますが、本格的に検討すべき時期に来ておるのではないか、こういう感じを持っておる次第でございます。
○福本潤一君 今後の対策に応じてPL法同等となるまで進めていただけることを望んでおきたいと思います。
 特に、建て売り住宅という場合は、現実に建てて進行している段階で中身を全然見ないで外回りだけ見て買う。それがとんでもない家だったということが起こりますし、大都市近辺で一軒家というのはなかなか買いにくくはなっていますけれども、さらに郊外へ行ってやっと買った夢のマイホームが建て売りだというケースはかなり多うございます。施工主として、建築主として自分でやるときは今回の建築基準法でかなりの対応ができるようになってくるかと期待しておりますが、そういう建て売り住宅の販売のときの問題、ここらにも対策を講じていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 引き続きまして、阪神・淡路大震災に戻りたいと思いますが、倒壊また火災の後、その中で違法建築物というのが建築されている。具体的には、建築確認等々する余裕がない非常事態ではあるという中で行われているわけでございますが、その建物のうち六割が違法建築だという報道がされたことがあります。
 連続してまた次に同じような地震が起こるという形にはならないことを望んでおりますが、そういう被災地の違法建築というものに対してはどういうふうな考え方をとっておられるのかこれをお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 阪神・淡路が極めて特異な事例だろうと思いますが、一般的に被災の前であろうが後であろうがやはりきちっとした基準は守っていただきたいというのが率直な気持ちではございます。ただ、阪神・淡路の事例に即して申し上げますと、六割かどうかは承知いたしておりませんが、相当程度違反があったという話は聞いております。
 ただ、被災直後の状況を申し上げますと、やはり何をさておいても被災者の生活再建を急ぐという異例の事態のもとで、しかも行政側の対応もあらゆることを一気にしなければならないということで、建築職員につきましても、平成七年度、八年度両年にわたりまして全国から二百二十人の応援体制をお願いいたしまして、神戸に集結していただいたということでやったわけでございます。平成六年度までの確認件数は七千件余りであるのに対して、七年度、八年度、被災後は一年当たり二万二、三千戸という形で、三倍近くの件数にはね上がったということでございます。
 そういうふうなことから、やはり行政側としては、極めて悪質なものを別といたしますと、ある程度黙認せざるを得ないものはやむを得なかったという、なかなかオープンには言いにくいような現実が、しがらみがあったというのもある程度私どもとしても理解せざるを得ない状況だと思います。
 ただ、幸いにして、あれだけの大災害だったわけですが、かなり現地も落ちついてきていまして、現段階ではきちっとした行政運営が行われているというふうに思っております。極めて異例の事態における異例の行政運営をしばらく行わざるを得なかったという状況じゃないかと思います。
 お答えになったかどうかわかりませんが、申しわけございません。
○福本潤一君 非常事態のときの話をさせていただいたわけでございます。ただ、建築基準法自体が、平常時において日本全国さまざまなところで建築確認を行う、その執行体制において、非常時ではないのにざる法だったという言われ方をしておるわけです。それで、今回執行体制を改善していく。
 ただ、この法律ができてもう五十年余りたっておる。では、その間何でそういう状態をわかっておきながら民間に移行せずに、今回少し改善しよう。その間放置していた理由、そこは何でかと。例えばバブルの前であろうと二十年前であろうと同じ改正がてきたわけで、どうしてその時点では放置していたのか。これは平常時の話ですので、はっきりお答えいただければと思います。
○政府委員(小川忠男君) 担当局長として一言申し上げたいと思いますが、私どもいろんな意味で基準法が目に見えやすい法律であるということでいろんな評価をいただくわけでございます。例えば阪神・淡路の被害状況を見ておりましても、私どもは実感として、基準法は極めて被災に対して威力を、十二分に効果を発揮したというふうな感じは、世の中一般の受けとめ方と違いまして実感として持っております。
 といいますのは、やはり五十六年の改正の規定が相当程度守られていて、新しい基準法の耐震基準にのっとって現実には建築物が建てられていて、被害が極めて少なかった。耐震基準以降のものについて確かに被害は生じましたが、それは残念ながらどこかに手抜きがあったというふうなものが若干あったということでございます。
 したがいまして、申しわけございませんが、認識の問題として巷間言われているほどの話ではなくて、私どもそれなりの効果のある法律だと思っております。ただ、あえて一言申し上げれば、今までの建築基準法の運用の努力というのは、やはり常識的な意味における行政の枠組みを大前提とした上での努力であった。
 どういうふうなことを言っているかと申し上げますと、現実にはマンパワーを通じて法律を執行するわけでございますが、非常に専門性の強い行政分野でございます。したがいまして、右から左へと直ちに担当できる制度ではございません。それで、建築士という制度がございますが、いろんな意味で公共団体にも体制強化をお願いし、あるいは特定行政庁の数もふやしてまいりました。まいりましたが、日本の建築の着工動態というのは年間百数十万件、恐らく世界にも例を見ない高密度の建築が行われている国柄でございます。そういうこともあって、常識的な行政の枠組みを前提とした体制では、やはり現実の必要量に追いつき切れなかったというのが率直なところだろうと思います。
 それに対して、世の中の流れも変わってまいりました。国際協調、規制緩和、民間活力、いろんな状況があって、ようやくと言うと語弊がございますが、行政だけがというところにある程度踏ん切りをつけて、思い切って民間の力をお願いしながら、官民合わせた全体としての執行体制の再編成を図るべきだというところに私ども自身の考え方も到達したし、あるいはそれを受け入れるだけの社会的あるいは行政的な環境が整ったというのが、極めて抽象的で恐縮でございますが、実態だろうと思います。
 要するに、民間に確認検査をお任せする、それで行政は違反摘発、町づくり、そういう分野に全力をかける。そういうものを思い切って構築できる状況に恐らく世の中はなってきたということじゃないかと私は思っております。
○福本潤一君 関連の質問をしたいわけですが、時間がなくなりそうです。
 ただ、昭和五十六年の改正でということは、一九八一年の改正で一九九五年の阪神大震災には非常に効果があった。これはどういう認識なのかというのはまた別個のときにお伺いさせていただくとして、百五十万件ということで日本は非常に多い。この中には、日本の住宅はウサギ小屋だとか、一時ありました、狭いと。また、箱庭のようにつくっては倒し、つくっては建てかえというようなことも伺ったことがあります。ですので、百五十万件が多いという背景もまた聞かせていただきたいなとは思いますが、これはまた次の機会にさせていただきます。
 今回のメーンになるのかなと思いますが、民間で確認検査機関、こういうものを今回、これも規制緩和の一つになるんだろうと思いますが、規制緩和かどうかはともあれ、どういう方針でどの程度の民間団体の数が見込まれるかというのを考えておられれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 何分にも新しいというか、本邦初演の試みでございますので、今どの程度と数字でお答えするのは御勘弁いただきたいと思います。ただ、民間を使ってということは、一つには民間確認検査機関同士で適正な競争が行われるマーケットが形成されるというのが一つの理念形としてあると思います。したがいまして、ユーザーの立場からすれば、二つ三つのうちから確認検査機関を選択できるような状況というのが一つ物の考え方としてはあるのだろうと思います。
 その意味では、どの程度の密度で確認検査機関がというのは、東京と田舎ではかなり違うと思いますし、それから決定的なのは、私どもの頭の中には民間確認検査機関を基準法で創設いたしましたが、恐らく二十一世紀には民間確認検査機関が担当する守備範囲、業務というのは、単なる確認検査だけではなくて、いろんな意味での住宅、建築物の評価をするあるいはメンテをするというところに業態が拡大していくと思います。そういうことを相当程度長期的には視野に入れて私ども制度を創設しておりますので、立ち上がりはいろいろ難しい点があろうかと思います。
 繰り返してございますが、やはり適正な競争が行われるマーケットが形成されるということを物の考え方の基本に置きたいと思います。
○福本潤一君 私はまた、この法案で民間開放した場合にどの程度の数が見込まれるということを、例えば第三セクターにしたらどうだとか、いろいろ検討するのかと思っていましたけれども、同じような状況のときに、こういう民間が指定確認検査機関に新たになれるというときに、見込みというのを全然試算しないでこういう法律をつくるものかどうか、そこを教えていただけますか。
○政府委員(小川忠男君) 見込みというのは、通常の改正ですと御指摘のように普通はそれなりの数字を懐に入れるというのが実態だと思います。
 ただ、今回建築基準法の改正を担当させていただきまして、例えば性能規定化もそうですし、民間開放もそうでございますが、率直に申し上げまして、今までの流れの中とこれから展開する行政の枠組みとは断絶がございます。要はどういうことかというと、今までそれなりの機運があって一歩を進めて改正するのではなくて、やはり将来を見越した上で大きな枠組みを提示して、それに向けていろんな体制を少しずつ整備していくというアプローチになっております。その意味では、今回御審議をお願いしております基準法というのは、通常の部分的一部改正と大分趣を異にしているというのは実感としてございます。
 その意味では、普通でしたらこの程度は予定していますと恐らく役所としては答えると思いますが、今回のお話についていえば、行政と並行して、行政も確認検査を行う一方で民間にも開放するという二段構えの枠組みをつくったというのも、今申し上げましたような背景があった上でのお話でございます。その意味ではなかなかお答えしづらいんですが、一般的には数字は準備いたしますが、今回は先ほどの話で御容赦いただきたいと思います。
○福本潤一君 とはいえ、ざる法の先ほどの認識で差があったところで、やはりそのことが結果として後を引いているのかなと思います。
 結局、年間百五十万件も基本的には建築確認をしないといけない。つまり、百五十万件確認するときに行政の人数がこんなに少ない、それで現実には建築会社にとってはとんでもない日数がかかって戻ってくる。施工主にとってもそうです。ですから、そこでざる法だと世間では言われておるわけです、その差が余りにも、チェックし切れない。それで民間に委託するということになりましたら、その差でどの程度という見込みはやはりきちっと、やっておられたのに言えないのか、やっていないのか知りませんけれども、きちっと数を検討の中に入れてやっていただくように、どの程度の期間にするかということがそれに響いてくるわけですから。
 それとの関連で、建築士事務所というのをまだ建設委員会のときに議員立法で出した記憶があって、また通りましたけれども、一つの同じ会社の中に一級建築士が入っていてやる場合と、そうでない世界で一級建築士がやる、建築事務所で受けて値段を決めていただくという形でやる場合との違いと、今回の改正は関連があるかどうかというのを少しお伺いさせていただければと思います。
○政府委員(小川忠男君) ちょっと御質問の趣旨、正確には受けとめ切れたかどうか自信がございませんが、一般的に建築士が設計をして全く別の会社が施工する、設計と施工が分離されているというふうな形態と、設計、施工がワンパッケージになっていて施工会社の中の設計士が担当しているというケースと観念的には両方ございます。恐らくこれは国柄によっても大分違います。ドイツのように設計、施工が完全に分離されているところもあれば、日本は恐らくどちらかといえば請負人、例えば私どもが家をつくる場合にも大工さんにすべてお任せするというふうな意味で設計と施工がワンパッケージになっているケースが多いと思います。
 建築基準法というものを考える場合にも、特に工事監理で問題になるわけでございますけれども、ワンパッケージになっているときにもやはり建築士としてけじめをつけた上で責任を全うするという体制をむしろ、冒頭申し上げましたようにきちっともう一回再編成した上で体制を強化したいという考え方で、基準法とは直接関係はございませんが、基準法の実効性という観点からあわせてそういう問題意識を持っております。
○福本潤一君 最後ですが、民と官という形のときに、民間が入ったときに、市役所の中の建物で一つの建築確認をするという場合と、自分の事務所でやる場合というふうになると若干ハンディも民間の方に起こり得るということも含めて行政対応もまた必要かと思いますので、その点も踏まえた上での今後運用、執行もお願いしたいということを述べまして、私の質問を終えたいと思います。
○上野公成君 自由民主党は三人質問させていただきます。小川局長の答弁は簡潔な方でありますけれども、時間がありませんのでより簡潔にひとつよろしくお願いします。
 今、福本委員からも、なぜざる法と言われているのにここまで時間がかかったとかいろんなお話があったわけあります。この間、都市計画法について私も非常にいろんな点を都市局長にお話ししていただきましたけれども、聞いていただいてまだまだ相当かたいというか、そういう感じがしたわけであります。
 この建築基準法につきましては、今まで非常に問題が多いということはずっと言われてきたことであります。私もこの建築基準法と近いところでずっと仕事をしておりまして、建築基準法の担当の課長をしているときは非常にかたいわけでありますけれども、やめてしまうとやはり問題だと言う人ばかりでありまして、そんなにみんなが問題だと言うのに何で改正できないんだということでずっと来ておったわけであります。
 今回の改正は、そういった意味ではここまで改正されたということは、本当に新しい行革あるいは規制緩和という点からも非常に評価をされていいんじゃないかなというふうに思うわけでございまして、大臣初め大変な指導力でここまで来たということに敬意を奏させていただきたいと思います。しかし、新しい体系でありますのでなかなかこれを実効あるようにするには相当な問題があるんじゃないかと思いますので、それについていろいろお聞きしたいと思います。
 まず、今までは仕様規定といいますか、何でもかんでも、ここはどういう材料を使うということを一つ一つ決めていたわけです。そして、先ほどの五十何年かの改正というのは、地震が起きるたびにもっと強固にしようということでやっていった結果、一番最後の改正の基準を守っていれば阪神の大震災でもほとんど倒れたものはなかった、こういうことでありますけれども、今度は性能だけを、これだ付の性能を守れれば何でもいい、そのことが実証されればどういうものでも結構ですと、こういうことだと思うわけであります。特に、大きな設計事務所でありますとか建設会社とかそういうところは自分のところの技術を生かす大変なチャンスになるんじゃないかと思います。
 先ほどもちょっとお話がありましたように、地方には大変多くの工務店だとか大工さんだとかそういう中小の方がおられまして、むしろその方が今までの建設の実際の担い手になっているわけであります。これは、仕様の規定も従来どおり残されるということはわかっているわけでありますけれども、しかしいろんな意味で大工、工務店の方々がいろんな知恵を出したり工夫を出したら、この性能規定化のメリットというのも生かせるような体制といいますか、受けているところあるいは行政として十分なことをやっていくという必要があるんじゃないかと思います。
 二年間ぐらい施行までに期間があるというふうに聞いていますけれども、そういう末端のといいますか一番底辺のところまで含めて、日本全国でこの性能規定が円滑な施行ができるような体制というのにどういう展望を持っておられるか、まずそのことをお聞きしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 中小の大工、工務店に性能規定化のシステムが徹底して浸透して最大限生かされるというのは非常に大きなテーマだと思います。二点お答えいたしたいと思います。
 一つは、性能規定化というシステムそのものの中に新しく開発された技術が仕様規定にいずれ取り込まれていく、非常に使いやすいような形に転化していくという制度が組み込まれているのが一つ。それから、やはり型式適合認定というふうな形で、わかりやすい形で制度化されるという仕組みも用意してありますという仕組み上の話。それから、その仕組みを支えるものとして、行政上はデータベース化を急ぎたいと思います。全国どこにいても、やはり新しい技術が開発された、こういうふうな工法があるというのは瞬時にして引き出せるような体制を徹底したいと思います。これは行政の努力でやりたいと思います。
 それからもう一つは、中小の大工、工務店に対してもいろんな政策支援努力をやってまいりました。これからは、例えば木造軸組み工法なんかの技術陣に対しましても、やはり性能規定化されるということを前提にした助成の仕方であるとかあるいは団体とのおつき合いの仕方というものが、中小企業対策そのものがかなり質的に今までと違ったものになってくるだろうと思います。そういう制度運用、それから今までの行政としての団体とのおつき合い、こういうものを含めて御指摘の点、頑張りたいと思います。
○上野公成君 日本の強みは技能だとかそれから技術だと思うんです。これが戦後の経済を本当に支えてきたわけでありますけれども、最近どうもそれをサボっているので少し心配な点が多いわけであります。そういう意味で、全国津々浦々までが本当に自分の技能を磨き、そして技術開発をする、新しいアイデアを出す、そういうための体制をぜひつくっていただきたいと思います。
 それから次に、この二、三年、非常に住宅のコストが高い、建設全体のコストが高いということで建設省の方でもコスト低減のためのアクションプログラムというのをつくって今努力をされている最中だと思いますけれども、この性能規定化というのは本当にありとあらゆる今までにないものを導入できるわけですから、相当縮減のためのアクションプログラムに貢献をするといいますか、そういうことが考えられるわけであります。
 大ざっぱでもちろん結構ですけれども、どの程度コストが下がるというような見込みを持っておられるか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 非常に難しい御指摘でございますが、準防火地域内でつい最近三階建ての共同住宅、解禁というと語弊がございますが、規制緩和いたしました。その結果でございますが、同じスペースの三階建ての共同住宅をつくったときに、木造三階建てでありますと今までに比べまして約一割コストが下がるという実績データがございます。これはマーケットの構造が変わらないまま現状で単に木造三階建てを共同住宅でやった場合のコストダウンでございますので、性能規定化が進展した暁には恐らくマーケットの構造そのものが変わると思います。マーケットの構造そのものが合理化されることに伴うコストダウン等々を加味いたしますと、極めて粗っぽい目標的なことを言わせていただきますと、一割の二倍くらいは影響を与えればいいんじゃないかという感じはいたします。
○上野公成君 実際はどうかということはありますけれども、やはりそんな目標を持ってこれをやっていただくということが、せっかく建築基準法を変えたわけでありますから、そういう心構えでぜひやっていただきたいと思います。
 今まで建築基準法がネックになって、ああいうことができないこういうことができないというような苦情といいますか、そういうものも随分聞いてきたわけでありますけれども、この性能規定化がされたことによって、今まで本当に難しかったけれども今度はこれで大丈夫だというような具体的な技術事例がありましたら、御紹介いただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 非常にわかりやすい例として、先般の長野オリンピックのときにアイススケートがエムウエーブという木造のドームで行われました。あれは極めて限定的な形で、三十八条認定という形で例外扱いでつくったわけでございますが、結局十三メートル以上、三千平米以上だったでしょうか、大規模な木造建築は例外なく禁止されているのを大臣の特例でやったわけです。恐らくこれからは火災関係のシミュレーションできちっとした検証を行えば、ああいう大規模な木造ドームであっても基本的に例外ではなく建てられることになるという点が一つございます。
 それから、非常に身近な話として、全国に数千万戸の戸建て住宅がございますけれども、どこへ行っても屋根がわらがございます。金属で屋根がふいてある。これは要はそういうふうな仕様で決まっているから、かわらであり金属板で屋根がふいてあるわけでございます。例えば、太陽光発電をもう少し進めようと思えば、屋根材と太陽光発電との機能がワンパッケージになった材質がもし開発されれば、今までの仕様には全くないわけですが、性能さえ論証されれば屋根材として本格的導入が可能になるという例がございます。
 そういうことで、非常にとてつもなく大規模な建築物あるいは極めて身近な材質、いろんな面にわたって性能規定化の影響は出てくると思います。
○上野公成君 今まで木造の建物について非常に火に弱いという思い込みに近いものがあったんじゃないかと思います。
 例えば、非常に大きな太い柱でありますと、表面しか燃えないから中まで燃えるということはないわけです。燃えるということはあるわけですけれども、構造的にもちゃんと柱が立っている、これはみんなに言われているわけであります。木造イコール火に弱いということがあったわけでありますけれども、今度の場合は、恐らく防火といいますか耐火というんですか、例えば三時間燃え続けていてもちゃんと柱が立っていればいいよというような性能の規定になるわけですから、木造の大規模な構造物なんかも随分できるわけであります。そういったことで、今までのタブーといいますか思い込んでいたことについて、大きな転換ができるという意味でも大変いいことじゃないかなと思っております。
 外国からもまた日本の市場というのが非常に閉鎖的だと、アメリカが一番うるさいわけですけれども、建築基準法もやり玉に上げられたことがあるんじゃないかと思います。私も日本・デンマーク住宅会議というのにずっとかかわってきたわけでありまして、これも日本とデンマークで相互認証しよう。その基準は性能の規定でやるよりしようがないし、その中でも検査の仕方といいますか測定の仕方といいますかそういうものに最後は落ちつくんじゃないかと思うんです。EUの方も統一化が進んでおりますし、アメリカと日本とEUという大きな中で相互認証ということがこれから国際化の中で進んでくるわけであります。これは何も日本だけが受け入れていればいいわけじゃなくて、日本のものがどんどん外へ出ていく、お互いに輸入もするけれども輸出もする、そういうふうにならなきゃいけないわけであります。
 そういった相互主義による相互認証の現在の状況はどういうふうになっているかまたこれからどういうふうに進めていかれるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 相互主義を基本としました相互認証というのは、これから恐らく非常に重要なキーワードになると思います。ポイントは、やはり海外から内外無差別に日本のマーケットに受け入れるという側面と、日本の企業が海外に向けて国際競争力をつけていく、二つの面が機能的にはあると思います。
 ただ、今までの運用としまして、例えば実績としては海外の試験機関の試験データを相互主義を前提に受け入れるということでカナダの試験機関を認定いたしておりますし、あるいは北米の木材でございますが十三規格について認証しております。おりますが、残念ながら今のところは相互主義ということは、協定上はベースに置いておりますが、向こうがこちらに来るときだけがということで、かなり片側通行になっております。日本のマーケットが大きくて日本企業はおなかいっぱいということなのかもしれませんが、やはり文字どおり相互主義で頑張ってもらいたいと個人的には思います。
○上野公成君 先ほども言いましたように、日本は技術立国でありますから、性能規定化によっていろんな新しいものが開発されるわけであります。来るだけじゃなくてどんどん出ていくということも必要なわけでありまして、何となくアメリカから攻められているからやるということじゃなくて、いいものは相互主義で向こうに出ていくようなこともぜひしっかりと頭に置いてやっていただきたいと思います。
 性能規定化につきましては、以上で確認させていただきました。その精神といいますか規定そのものは大変いいわけですけれども、本当に実行するのは大変だと思いますので、後で人のことを含めてもう一回質問させていただきますけれども、規定化につきましては一応これでやめさせていただきます。
 次に、もう一つ、ざる法ざる法と言われているのは、やはり確認、それからその後の検査だとか、建築基準法が建築主の権利を守ってくれてないんじゃないかということではなかったかと思うわけであります。今回の改正では、民間の機関による確認検査、これは今までは地方公共団体がやっているわけです。しかも、都道府県の建築課の職員だとか、それから市町村の建築関係の職員、これは個人が主事という資格でやっているわけです。知事の仕事ではないんです。あくまでも確認をするのは主事個人なんです。それから、市町村の職員でも同じことなんです。ですから、確認がまずかった場合の責任がだれにあるかということについては、今までも余り明確ではないと思うんですけれども、これからはやはり民間でお金をとって確認するわけですから、もしいろんなケースで確認に誤りがあったとき、そしてでき上がった建物が確認が悪いということによって変なものができ上がったというときに、だれがどういう形で責任をとるかということを明確にしておかなきゃいけないわけであります。
 まず、民間であるからということだけには限らないと思いますけれども、社会的に見ますと、民間でやると建築士の意向に沿って違反承知でやるんじゃないかとか、それから施工業者と組んで違反を承知でやるとか、そういう故意の場合が一番目のケースです。それから二番目は過失。悪意はないんだけれども過失だとか思い込みで間違えるということはあり得るわけでありまして、そういう過失の場合はどういう責任になるのか。それから三番目は、これは一番難しいことなんですけれども、性能の表示になりますと建築主事の実力が性能規定化に本当に追いついていけるかどうか。これは後でまた質問します。
 そうすると、技術水準から予測できないというものを大丈夫だというふうに確認してしまうケースと、三つのケースがあるわけであります。こういう場合にだれが、事務所が責任をとるのか、それからどういう形で責任をとるのか。それで建築主は欠陥の建物をつくられちゃったわけですから、その建築主にはどういう補償をするのかということを明確にしておかなきゃいけないので、その辺はどういうふうになっているか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 民間の確認検査機関を創設した場合の、故意、過失あるいは無過失、三つに分けた上での責任のとり方でございますが、二種類あると思います。
 一つは、建築主との関係における民事上の責任というのは損害賠償という形で出ると思います。それからもう一つは、行政上の監督処分を受けるという形での対応が一つあると思います。
 まず、故意の場合はもちろんでございますが、著しい注意義務違反があった、過失の度合いが高かったという場合には、当然のことながら民事上の損害賠償責任を建築主に対して負うという結果になると思います。また、行政上も、故意あるいは重過失をした確認検査員その者に対して業務停止あるいは登録そのものを抹消する行政処分があり得るということでございますし、恐らく故意の場合には確認検査員だけではなくて確認検査員が属している指定確認検査機関、会社としての確認検査機関そのものに対しても業務停止あるいは指定取り消しがあり得るという対応になろうかと思います。
 最後におっしゃいました技術的に予測できない場合には、恐らく現在の法体系からすればやはり確認検査員に対する損害賠償、これも難しいと思います。また、行政上の処分ということも発動するわけにはいかないというのが現在のあるいは運用上の枠組みだろうと思います。
○上野公成君 損害賠償もいいわけですけれども、個人とか事務所で相当なものを賠償するというのはなかなか難しいんじゃないかと思うんです。
 そこで、住宅の場合は住宅性能保証制度というのがありまして、それは保険によってカバーされるわけでありますけれども、やはりこれだけのことでありますから、一番守らなきゃいけないのは建築主であります。それは行政処分をしたからといってそれで満足するものじゃありませんし、損害賠償を掛けたって、それだけ多額の費用になるわけですからやはりなかなか対応してもらえない、泣き寝入りだということが考えられるわけであります。何か経済的な裏づけ、例えば性能保証制度のようなものを拡充するとかそういうことをしないとなかなか建築主の本当の保護にならないんじゃないかというふうに思いますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) お尋ねの点についてはアプローチが恐らく二つあると思います。
 一つは、今先生もお触れになりましたけれども、建物そのものが性能保証で保証されるという形で建築主を保護するというアプローチが一つございます。それは従来に増して普及を徹底的に頑張りたいと思いますが、やはり今回こういう新しい制度をつくったことに伴いまして、保険制度というものがもう一つきちっとした形で組めないだろうかという問題意識を持っておりまして、確認検査員が損害賠償責任を負う場合にそれを保険で補てんするということで、現在損保業界と新しいシステム、どういうふうなものが考えられるのかということについて一生懸命勉強をやっております。
 やはり行政がやっていたことを民間が担うというところまで踏み込んだわけでございますので、それをサポートするシステムとして行政だけの場合にはなかったところまで踏み込んだ支援システムというものはどうしても必要になってくると思います。
 御指摘のとおり、保険制度ということで少し勉強したいと思います。
○上野公成君 それからもう一つ、今回は中間検査というのがあるわけでありますけれども、従来でも金融公庫の場合は中間検査というのをやっておりますし、それからお話が出ております住宅性能保証制度でも中間検査はやっている。やはり中間の一番大事なところで検査をするということは、でき上がったものについて検査をしないものに比べると格段に信頼性というのは高まるんじゃないかと思うわけであります。
 中間検査も全部をやるということじゃなくて、特定行政庁が指定するということになっているわけでありますけれども、指定するものとしないもの、するものはどういうものをするか、あるいはしたものについては何かメリットがあるというか、行政的にどういうようおことが考えられるのかということについて、お聞きしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 特定工程として指定するイメージでございますが、やはり大きく分けると問題意識は二つあると思います。
 一つは、不特定多数の方が使うような特殊な大規模な建築物、これは常識的に一つあると思います。それからもう一つは、建て売りがかなり急ピッチで進んでいて、どうも品質がいまいち自信がないという場合に網をかぶせるという問題意識があろうかと思います。
 それから、指定した場合のメリットでございますが、かなり観念的でございますが、一般的に行政のチェックが入っているという意味でマーケットにおける信頼性が高まるということが恐らく最大のメリットだとは思います。
 実務上の話としてちょっと一つ念頭に置いておきたいのは、金融公庫の話もございましたが、金融公庫あるいは性能保証という観点からの検査が入っているケースがございますけれども、そういうものはできるだけ公庫あるいは公共団体等々と段取りを打ち合わせた上で、できるならば一回で両方が済むということになるように少し努力して知恵を出したいと思います。
○上野公成君 特殊建築物というか、不特定多数の人が出入りするようなものは今までの基準法の中でも別の扱いになっているわけであります。
 それよりむしろ、先ほどもちょっとお話がありましたように、建て売りはでき上がったものを買うわけですから、買う段階では中間を全く見てないわけです。ですから、不安も非常に多いわけです。自分で建てた、設計して注文した人は現場へ行って一々見ているわけですから、ちゃんと基礎がしっかりしているかどうかということは見ております。ですから、建て売りのようなものこそそういうことをしっかり重点にしていただいた方がいいんじゃないかなというふうに思っています。
 そして、今、性能規定化が非常にいい方向だというふうに私も思いますし、それから民間で確認をするということも、競争を含めていい方向に行くんじゃないかと思いますけれども、その中でも一番問題なのは、本当に性能規定化をするのにこれだけの大改正をやっても、担い手である建築士が一体これについていけるのかどうか。五十万とも六十万とも言われている建築士なんですけれども、どこにだれがいるかという把握の率も、お答えしていただかなくてもいいと思いますが、非常に低いと思います。
 検査をするというのも、今度は確認をするというわけですから、恐らく何らかの研修を受けるなりそういうことをするわけでありますけれども、いずれにいたしましても建築の行為にかかわる建築士そのものが相当レベルアップしないと新しい建築基準法の担い手にはなかなかなれないんじゃないか。しかし、建築士というのは一回試験を受けますと三年ごとに自動的に更新する、それしかないわけでありまして、どうもそれでは建築主にとってもなかなか不安なんじゃないか。
 やはり、建築士だとかそういう人たちにもう少し研修を義務づける、更新の際にそれができればいいけれども、それが仮にできないとしたら、研修をしたら、例えば構造なら構造の研修を受けた人だということをどこかに行けばちゃんとわかる、きちっと勉強していて、研修に限らないんですけれども、幾つかのものがあると思います。そういう仕組みみたいなものをやっていかないと、なかなかついていけないんじゃないかと正直に思います。私も周辺に建築士の人はいっぱいおりますけれども、実際は何もかもやれるというような人ではないわけでありますし、だんだん専門化していくわけでありますから、やはりそんなことが必要なんじゃないか。
 これは、建築士会というのがあって、建築士法の方には各県の建築士会というのがきちっと団体として法律的な位置づけもありますし、それから建築士会連合会というのが全国団体としてあるわけです。それから、事務所協会の方も先ごろの改正によりまして事務所協会、そして事務所協会の全国団体もきちっとしたそういう位置づけをされたわけでありますから、これは建築士法の中でそういった位置づけをきちっとして、そして建築基準法の新しい法律にちゃんと対応できるような体制をつくるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) 基本的に、性能規定化ということになりますと、設計の自由度が上がるという面を裏返せば、日進月歩の技術革新を制度として真っ向から受けとめるというふうなシステムでございます。その意味では、建築士の責任と役回り自体が変わっていくごとに常にフォローしていく必要性というのは、恐らく今までと質的に違った段階に入るんじゃないかという感じがいたします。
 その意味では、講習そのものを義務化するというのは数十万人いらっしゃいますのでなかなか難しいとは思いますが、やはり建築士会という社団法人の一つの責任のありようの問題として、傘下の建築士に対してきちっとした研さんを求めるというふうなことは当然に必要になってまいると思います。
 それから、昨年議員立法で改正していただきました建築士法で、いろんな事項を開示する、文書で公開するという体制にもなりつつあります。その意味では、自分の専門分野はここなんだということを何かユーザーに対してはっきりさせるようなシステムはどうあるべきかということなども含めて、やはり基本的なところでのありようについて、今直ちに確たるものは持ち合わせてはおりませんが、御指摘の点は持ち帰らせていただきまして、少し体制の足場を固めたいと思います。
○上野公成君 この新しい建築基準法が本当に機能するかどうかというのは、実はこれを建築士がどれだけそれについていけるかどうか、そういう体制を整備できるかどうか、こういうことに大きくかかっているわけでありまして、これができないと絵にかいたもちになってしまうわけでありますから、それをぜひ検討いただきたいと思います。
 ついでに、建築の分野も専門化がどんどん進んでおりまして、五十八年の建築士法の改正で建築設備士の位置づけができたわけであります。位置づけはできたわけでありますけれども、建築士と同じようなレベルまでの位置づけがまだできていないわけであります。しかし、実際、では建築設備士と建築士とどっちが建築の設備についての実力があるかということになりますと、これは常識的に言っても建築設備士の方が、すべてがどうかわかりませんけれども、設備については力があると言ってもいいんじゃないかと思います。
 特に、建築の中における設備の工事費の割合を考えていただければ、建築の設備の方はどんどんウエートを増しているわけでありますし、公共団体だとか国なんかは既にほとんど分離発注をしているわけであります。今後ますますインターネットみたいなものが家庭にも入ってくるし、それからテレワークとかテレラーニングとかそういうものが入ってくるとますますこの比重が大きくなるわけでありますから、やはりきちっと建築士の方は専門化を進めるという方向。そして、既得権でありますからなかなかそういうことはできませんけれども、しかしそれにはちゃんと研修を受けてきちっとしている人をどこかへ行けばちゃんとわかるようにするし、こういう専門的な分野できちっとされているものは、制度をもう少し整備するということはまだあるかもしれませんけれども、そんなことを少し考えていただいた方がいいんじゃないかと思うわけであります。
 建築設備士の一つの例を挙げて質問させていただきましたけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) これからますます建築に占める設備の役割、ウエートというのは大きくなると思います。
 現在は、恐らく発注者がワンパッケージで設計をお願いして、そのうちの一部について一級建築士から設備士に対していろんな意見照会なり下請が出ても、発注者は一体どこに対して、設備士に設備系統をお願いしてあったのかわからないまま契約が行われているという現実だろうと思います。少なくともその辺はきちっと、発注者に対して建築設備士のだれが責任を持って設備系統を担当したのか、これはやっぱり発注者においてもはっきりわかるようにすべきであるというふうな感じが一つございます。
 先ほども申し上げましたが、昨年の建築士法の改正で、建築主保護という観点だと思いますが、業務内容を書面により交付しなければならないということになっておりますので、その書面で意見を聞いた建築設備士が一体どなたであるのかということを文書ではっきり明示した上で、発注者の評価という点で少しきちっと位置づけをしていこうということで建設省令の改正を現在進めておりまして、来月半ばからはきちっとした形で、文書で建築設備士の氏名をはっきりさせるというところに踏み切りたいと思います。
○上野公成君 資格の問題は既得権があるものですからいろいろ難しい面もあると思います。しかし、こういう基準法に変えたわけですから、やはりその専門性をきちっと建築主なり一般の消費者にわかるようにする、専門化というのは大事にするという、そういう方向でぜひフォローしていただきたいと思います。
 それから、もう一つ別の質問をさせていただきますけれども、今度の改正の中に連檐建築物設計制度というのがあります。これは今までもう既に建物が建っていて、それでその地主さんの了解を得られれば一体の敷地で法律が適用になる、そういうことだと思います。
 例えば、袋小路になっていて、接道が不良なところに既に建物が建っている方の了解を得て一体の敷地だというふうに認めてもらえれば、合意をしてもらえれば、それが建築できるというようなことじゃないかと思うんですけれども、それでいいのかどうか。そのほかに、接道のほかにどんな効果があるのかということです。
 それから、ほかの人の土地と一体化するわけでありますから、やはりきちっとした地主同士の、地主と新しく建てる建築主ですね、きちっとした合意というのが、書面によるのか何か知りませんけれども、後でトラブルがあっては困るわけでありますから、どういうふうに担保をしてそのことをやっていくのかという、その点についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 連檐建築物設計制度のお尋ねでございますが、ただいま接道義務の合理化という話がございました。
 日本の市街地の現状を見ますと、接道義務についてこういうシステムを設けることの意味は大きいと思いますが、この制度はそれだけではなくて、容積率あるいは建ぺい率も二つ以上の建物ないし敷地をワンパッケージで考える。したがって、建物相互間で建ぺい率あるいは容積率の融通が可能になるという点が一つございます。
 それから、日影規制ですとか隣地斜線制限、これなんかについてもやはりワンパッケージで考えますので、連檐設計に組み込まれた建物相互の関係については、日影とか隣地斜線ではなくて、相互の採光、通風に支障が具体的にどうかということを個々のケースについて判断すれば必要にして十分であるということで、極めて日本的土地利用には有効に機能するのではないかと思います。
 それからそれだけにかなり将来にわたってお互いの権利行使といいますか、財産権の内容が変形を受けるわけでございますので、当然そういうものを進めるに当たっては、所有権者でございますとか借地権者の全員の同意というものが必要になってまいります。その同意をベースにして行政庁が判断するということでございまして、手続としては、判断をした場合には区域を公示する、一般に周知できるようなわかりやすい形で公示する、あるいは計画内容、設計内容がこういうものであるという図書を一般の縦覧に供する、だれでも見られるということで、手続についてもきちっとした体制をとりたいと思います。
○上野公成君 同意をした後にやっぱり嫌だとかということになって、それで後でもめることがないかなと心配なわけです。しかし、それは同意をされた場合はそれが一体の敷地というふうに今度は認められるわけですから、だからそれをきちっと建築確認をする部局というかどこかできちっとやっていて、これはほかの人が後から何か言ってきても、これはそうじゃないんだということをしっかりわからせるということが必要だと思うんです。
 今までは悪質な建て売り業者が敷地をこういうふうにダブルでやっていて、それで確認申請してそれを認められてという、それもざる法だと言われる一つのあれかもしれませんけれども、そういうことがないようにぜひこれはやっていただきたいと思うわけです。
 そして、先ほど冒頭に言いましたように、建築基準法の問題になっているところのかなりの部分を今回は改正していただきました。ただ、本当にこれが実効ある体制をつくるということもなかなか大変なことだと思うわけであります。
 もう一つ最後に、これは今後の課題についてお伺いさせていただきたいんです。
 建築基準法の第一条の「目的」を改めて読ませていただいたんですけれども、建築基準法の第一条は、「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、」、そして何を守るかというと、「国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。」。その生命を守る、財産を守るということは非常によくわかるんです。例えば構造耐力、壊れないようなものをつくるとか、それから火事になっても逃げ出せる、そしてある程度の財産を外へ持ち出す時間があるとか、そういう意味ではこの法律で言うと、生命と財産の保護ばかり言っているんじゃないか。そういうことは非常に言っているわけですけれども、この法律を読んで、健康を守るというために何の規定があるのかという気さえするわけであります。
 先ほど福本委員から質問がありましたように、今環境ホルモンの問題、ダイオキシンの問題が問題になっておりまして、これは下手をすると生殖能力がなくなって、日本人ところじゃなくて、民族が滅びるかどうかという危険さえあるわけですから、これは生命とか健康とか財産以上の国を守る基本になることじゃないかなと思います。
 それから、ホルムアルデヒドの質問をたしかされました。私も昨年の七月に宿舎を引っ越しまして、新しい宿舎へ入ったんです。一番最後の日に入ったわけですけれども、入ったらもう目がちかちかしてどうしようもないんです。窓をあけ放ってしばらくしたら落ちつきましたけれども、多分ホルムアルデヒドではないかなというふうに思っております。先ほど福本委員は、厚生省に対していろんな質問をされたわけであります。ホルムアルデヒドについても昨年の今ごろだと思いますけれども、WHOの基準と同じ〇・〇八ppmというのを一応示して、それを本当にどういうふうにするかというところまでは決めていないと思うんですけれども、厚生省でそんな基準も示してあるのは現実なんです。しかし、建築基準法の目的だということになっておりますので、こんなところで取り上げるのもどうかなというような気がしました。
 そこでまず、建築基準法で健康の保護というのをうたっているけれども、健康を保護する規定というのは一体あるのかどうかというのをお伺いしたい。
○政府委員(小川忠男君) 健康に古典的な健康と今日的な健康があるかどうかわかりませんが、建築基準法で健康の保護というふうに思われるのを全部ひっかき集めますと、四つばかりあろうかと思います。
 一つは居室の採光ですとか換気、これもある時代には健康的な観点からの規定だったんだろうと思います。それからもう一つは、住宅の居室における日照の確保というのがございます。それから三番目に、同じような感じでございますが、住宅等について地下居室を原則禁止するというのも発想の原点は同じだったんだろうと思います。それから四番目には、若干前の三つとは違いますが、共同住宅等の各住戸間の遮音について一応の規定がございます。
 その意味では、採光、お日さま、それから音、これについて若干の規定を設けております。
○上野公成君 衛生的な、じめじめしちゃいけないからもう少し乾燥させておくというか、そういうイメージですね、地下室にしても採光のあれも。これは今度の性能規定に変われば、例えば水銀灯をつけておくとか、それから換気をうまくする、湿度は一定に保つとかということをすれば、これは恐らく簡単に守れる。
 むしろ、今日的な問題というふうに局長がいみじくも今言われたわけでありますけれども、ホルムアルデヒドもどんな被害になって、がんになるかというようなこともありますし、それは科学的知見はないわけでありますけれども、厚生省のこういったエイズの問題を含めまして、きょうは厚生委員会じゃありませんけれども、そういった疑わしきを罰せずというのは裁判はそうかもしれないけれども、薬害でありますとかこういうものについては大体疑わしいものが本命になっているんです、過去のあれから見まして。だから、疑わしいのがあったら対応はちゃんとやっていくということが必要じゃないかというふうに思っております。
 そして、それでは建築基準法の中にすぐ書けるかということになると、それはまだそこまでは書けないということもある。少なくともそのことに向かって建設省としては、建築基準法の中にこういう規定があるわけですから、最大限そういう方向で真剣に取り組んでいただく。ホルムにつきましてもダイオキシンについても最大限前向きに、後ろ向きじゃなく取り組んでいただく。たとえ厚生省が後ろ向きでも、前向きに取り組んでいただきたい。
 それから、住宅の性能表示の法律を出すという検討をされているようなこともちょっと伺ったわけであります。そういう中で、室内のホルムアルデヒドはこの住宅は幾つである、この部屋は幾つであるというような表示をやるということからやって、これじゃなきゃいけないというのをいきなりやるわけにいかないと思いますので、そんな法律も検討されておりますので、そういう中でまず取り上げて、そしてきちっとした定見といいますかそういうものができたら、基準法にこういう規定があるわけですから、それは改めてそこで取り上げていくということが必要じゃないか。
 そして、シックハウスを考える会とかいろんな方があるわけですけれども、建設省の対応はそんなに悪くはないんですけれども、地方公共団体だとかそういうところへ行っても全然取り合ってくれないというようなことでもあります。そして、住宅の担い手といいますか住宅業界の方も、やはり自分のところがそういうふうになるということで、とかくこういうふうになりがちなんです。偏しがちでありますけれども、今まではやっていないわけですから、だからある程度しようがないわけです。だけど、ないようにしようということを考えていただいて、業界も含めて前向きに取り組んでいく必要があるんじゃないかと思うわけでありまして、その姿勢についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 基準法の役回りというのもやはり時代とともに変わると思います。今御指摘になりましたようなホルムアルデヒド、ダイオキシンあるいは環境ホルモン、こういう話というのは特殊今日的な課題だと思います。
 そういうものについて、建築行政の面からは、各省と協力して少なくとも科学的知見を正確に集大成してというのが現在の状況でございますが、わかっている限りで業界に対しても多少取り扱いをマニュアル化して最大限の努力をお願いしつつございますし、それから中長期的には科学的知見がそれなりに集約され体系化されたときには建築基準法の概念に取り込んでくるというのも、やはり一つの検討テーマとしてもうそろそろ念頭に置かなければならないという感じがいたします。
 また、直ちに表示項目になり得るかどうかの議論は別としましても、少なくとも性能表示をするときにそういう事柄について情報をきちっとユーザーなり購入者に伝えるということは、何らかの形で責任を持って行う体系というのはやはり準備すべきであろうという感じはいたしております。
○上野公成君 現段階ではそういうことではないかと思います。
 もう一つ、これは質問にお答えは要りませんけれども、もう一つの大きな問題は、既存不適格をどうするかという問題です。
 先ほどの五十八年の耐震基準、それによると、阪神大震災のときに崩壊した建物は恐らく、一軒もないかどうかは知りませんけれども、ほとんどなかったということで、これはそのときの建設委員会でお答えをいただいているわけであります。しかし、それ以前の建物というのがたくさんあるわけです。それについても、義務づけるということは今まで何回かやったわけでありまして、なかなか難しい点があると思いますけれども、やはりそれも一つの大きな課題だと思うんです。
 ですから、環境、健康というこの二つのことに対してどういうふうに建築基準法でやっていくか、そしてもう一つ、既存不適格をどうしていくかということ。その二つの宿題はあるわけでありますけれども、最初に言いましたように今回の建築基準法は、前回、都市計画法について非常に私は後ろ向きだということでかなりのことを申し上げました。それに比べまして、今まで同じことが建築基準法にも言われていたわけでありますけれども、そういった意味で大変大幅な画期的な改正だというふうに評価をさせていただいているわけでございます。
 しかし、この建築基準法を本当に運用するためにはいろんな問題もあるということも、これは大臣もお聞きいただいたとおりであります。
 今までの議論を通じて、今後の建築、住宅行政についてどのような方向展開をされていくか、ひとつ大臣のお考えをお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(瓦力君) 上野先生から大変整理をいただきまして今度の大改正につきまして御質問いただき、また住宅局長から答弁もいたしましたが、大変私も整理して勉強させていただきました。ここで発言の機会をいただいて感謝申し上げるところでございます。
 ただ、今回の改正は一つの時代の要請でもあり、私どもも真剣に取り組んでいかなきゃならぬ課題であると同時に、残された問題もいろいろあることも御指摘をいただきました。大事な機会でございますので、これらの御指摘も踏まえて住宅局が中心になってこれからの変化に対応した行政が行えるように一層努力をしてまいりたい。かようなことがいろいろ書いてございますが、率直な感じでございます。
 ありがとうございました。
○岩井國臣君 今、上野先生の方から建築基準法と健康の問題、そして既存不適格の取り扱いの問題、建設大臣といいますか建設省に対しますこれからの宿題というような形で問題提起がございましたけれども、建設大臣、私の方からもひとつ問題提起をさせていただきたいと思います。
 二年半ほど前になるんですけれども、私が国会議員になりまして直後の決算委員会でございますが、初めて質問に立たせていただきました。そのときに、土地利用規制の問題を取り上げさせていただいたんです。森建設大臣のときでございました。
 実は上九一色村の地域づくりの関係でございます。私ども新人仲間で現地視察に行ったんです。そのときにいろいろと私なりに考えさせられた問題でございますが、上九一色村の場合、現行の法体系では事前に何の手も出せなかった、こういう問題でございます。オウムの問題です。
 あのような施設に関連する法律といたしましては、消防法、医療法、食品衛生法、水道法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、そういった法律がいろいろあるわけでございますけれども、やはり建築物の立地に関する法律としては建築基準法が基本だと思うんです。
 そこで、私はあのときに、当時梅野住宅局長でございましたけれども、住宅局長に対しましてその点をお尋ねしたんです。そうしたら、案の足といいますか、当然答えも私なりに予想しておったんですけれども、現行の建築基準法では何ともしがたい、そういうことなんです。やっぱり現行の建築基準法といいますか、法体系では何ともしがたい。
 しかし、現地の公民館で私どもが現地の区長さんからお聞きいたしました話は、私どもにとりまして大変ショックだったんです。あのとき鈴木先生も御一緒だったんですが、大変ショックでございました。平成元年に始まりまして、平成三年から急速に土地の買収が進んでいったんです。あれよあれよという間に何とも言えぬ奇妙な建物がどんどん建っていったんです。全部で三十四棟。しかも、富士山を背景にあのすばらしい高原に建っていった。あの地帯が工業地帯に指定されているならいざ知らず、工場というか倉庫といいますか、何とも言えないああいう妙な建物があのすばらしい高原に建つなんてだれも予想もしなかったわけです。だれが考えてもこれは異常としか思いようがない。全く異常だと思うんです。
 そんな異常がなぜほうっておかれたのか、こういう問題なんです。それはだれも気がつかないうちにそうなっていったんではなくて、地元とのトラブルが日増しに高まって、上九一色村全体としても大変深刻な問題になっていった。それにもかかわらずそうなっていった。そういう中で、なぜ建築基準法は何ら手を打てなかったのか。いろいろ御努力はいただきまして、そういう御努力の結果の御報告というか、御説明があのときございました。現地の区長さんの言い方からしますと、この日本という国は本当に法治国家なのか、とても法治国家とは思えなかった、こんな話でございました。
 あのようなケースの場合、現行建築基準法ではどうにもならないんです。今度の改正でもどうにもならぬ点があるのかもわかりませんけれども、法体系の上で少し問題がありはせぬかなということで私は問題提起をさせていただくわけであります。
 十数年前、これも同じ山梨県でございます。環境問題が今大変大きな問題になっておりますが、山梨県は「環境首都・山梨」というふうに掲げまして、景観条例づくりをお進めになった。景観条例をおつくりになりました。そして、そんな中、八ケ岳山ろくの清里のリゾートマンションをめぐりましていろいろトラブルがあったわけです。それで裁判になりました。山梨県は景観条例を根拠に建物の高さについて見直しを求め、そして業者に建築確認を出さなかったんです。建築確認の申請を出したのに県が許可しないのは建築基準法に反するのではないかと業者が裁判に訴えた、こういうわけであります。
 結果はどうであったかといいますと、条例よりもやはり法の方が優先するということでございまして、県が裁判で負けてしまった。せっかく景観条例をつくって、個性ある地域づくりを行おうと、これは山梨県の切なる思いだったわけです。にもかかわらず、国の法が優先され、それができない、こういうことだったわけです。法体系全体としてどこかおかしいのじゃないかという気がして私はならない。建設省もHOPE計画というのをやっておられます。HOPE計画なんかも本質的に同様の問題を含んでいるのじゃないか、そんなふうに私は思うわけです。
 まず、国土庁に最初にお尋ねしたいわけでありますけれども、先般の「二十一世紀の国土のグランドデザイン」におきまして、美しい国土づくりというのが標榜されております。今までの全総計画に比べまして、これは大きな特徴だと思うんです。かかる見地から、今後何らかの形で建築物の立地規制などが、どういうものになるのかわかりませんが、そういったたぐいのものが行われる必要があるのではないかそして大いに景観とか個性ある地域づくりを進めていく必要があるんじゃないか、こんなふうに私は思うんです。
 建築基準法の問題はちょっと横へ置いて、ひとつその点につきまして、国土庁は今後どのように美しい国土づくりというものを進めていこうとしておられるのか、御見解をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(河出英治君) 先生よく御承知のとおりに、先般閣議決定をいただきました新しい全総計画、「二十一世紀の国土のグランドデザイン」は、その副題を「地域の自立の促進と美しい国土の創造」というふうにつけているわけでございまして、まさにゆとりと美しさに満ちた暮らしの実現、国土づくりをその目標としているところでございます。
 具体的には、都市の環境アメニティーの向上とか美しい都市景観を形成する観点から歴史的文化遺産の保全、活用、あるいは建築協定制度の活用等による民間建築物の規制、誘導などの施策を推進して、地方公共団体と地域住民が一体となった美しい町づくりを積極的に推進するということにしているわけでございます。
 これからこういった問題も含めまして全総計画全体の推進が非常に重要になってくるわけでございますので、関係省庁一体となって連携をとりながら、その効果的推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○岩井國臣君 ありがとうございます。
 ぜひそういったお考えで前向きに今後国土行政を展開していただきたい、切にお願いをしておきたいと思います。
 さて、先ほど述べました景観条例とか、それから建設省住宅局が重点施策でお進めになっておるHOPE計画とか必ずしも都市計画区域に限らないのです。都市計画区域外の区域でもやはり建築に際しまして環境との調和というものが求められてきている、そういうケースが今後ふえていくんだろうと思うんです。個性ある地域づくりということだろうと思います。これに建築基準法はどうこたえるのか、こういう問題提起でございます。
 もちろん先ほどの判例にもありますように、建築基準法以外に何らかの形の建築物の立地規制に関する法律がないと何ともならない、これはそのとおりだと思うんです。そう思うのでございますが、今後、建築基準法は他の法律と相まって美しい国土づくりというものに十分な機能を発揮していく必要があるのではないか、そういう大きな期待を私は寄せておるわけでございます。
 そこで、建設大臣にお尋ねしたいわけでありますが、建築物の立地規制に関する他の法令が定められるような場合、これも今後の課題でありますが、他の法令が定められているというような場合、建築確認の際、当然それとの整合性をチェックすべきではないか。このたびの建築基準法の改正ではこの点の改正が図られております。第六条です。従前は定めがどうもはっきりしない点がありましたが、今回のこの改正で他の法律との関係をチェックするという文言になっておるかと思うんです。この点につきまして、私は、美しい国土づくりに向けて建築行政の新たな展開というものがこれから始まっていくんだ、そんなふうに大いに期待をしておるわけでございます。
 そういうことでぜひ建設大臣の御所見と、こういった問題につきましての大臣の決意というものを伺わせていただきたいと思う次第でございます。
○国務大臣(瓦力君) 謹んでお答えいたします。
 ちょっと余談になりますが、私ども子供のころに銭湯へよく参ったわけでございますが、銭湯といえば定番で、富士山の絵があって松林があって、日本を代表する景観としてどこでもかかれておったわけでございます。今、岩井委員から山梨県の景観条例、またさきのオウムの事件に絡みまして上九一色村の問題にお触れをいただきまして、今そのことを思いながら、美しい国土というようなことに触れながらの御質問でありますので、私の決意をここで述べさせていただきたいと思います。
 建築行政におきましては、良好な市街地環境の確保を図るということも重要な目的であると、かように認識をいたしております。また、建築基準法におきまして、都市計画区域外におきましても、必要に応じまして地方公共団体が条例で建ぺい率でありますとか高さ等の必要な制限を定めるなどの措置を講じておるわけでございまして、先ほど御指摘の上九一色村におきましても、山梨県が平成四年の法律改正を根拠として条例を制定いたしまして、制限を行っておるところでございます。
 建築物の立地規制に関する他の法令につきましては、規制内容が建築行為そのものを対象とし、建築物について裁量性のない具体的な技術基準が決められているなど、建築確認検査になじむものであれば建築確認の対象として位置づけることとしているわけでございます。
 このような規制による行政のほか建築行政におきましても魅力的な建築物や環境の創造に向けまして総合的な見地から積極的に取り組んでいく所存でございまして、今美しい国土が、やはり町におきましてもそれぞれの住宅におきましても、それらが前進するように努力をしたいと存じておるところであります。
○岩井國臣君 大変ありがとうございます。
 美しい国土づくりのためには、建築基準法と地域立法が車の両輪であろうかと思います。建設省はいずれ国土庁と一緒になるわけでありますので、今からよく国土庁と御相談いただいて、美しい国土づくりのための、個性ある地域づくりのための地域立法を検討すべきだ、この点を最後に申し上げまして、終わらさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(関根則之君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十分開会
○委員長(関根則之君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、建築基準法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木政二君 鈴木政二です。
 午前中に引き続いて、福本委員、また我が党の上野委員、岩井委員に続きまして自民党の私も質問をさせていただきます。
 今回の建築基準法は昭和二十五年に制定されたということを聞いていますけれども、これは憲法と違って過去四十回ぐらい改正しているという話でありまして、建築法の第一条の六法をコピーしますと、最初からもういっぱいであります。暇だったものですからちょっと勘定しましたら四十近くあった。ここ十年間毎年改正をしております。
   〔委員長退席、理事上野公成君着席〕
 この改正が、この間の趣旨説明、提案理由を聞かせていただいて、短い時間ですから余りよくわかりませんでしたけれども、よく読んでみますと今度は抜本改正だ。特に、制度等の再構築を図りたいという意欲も非常に感じています。これはバブルやいろんな問題で、住宅問題、特に建築問題がいろいろ出ていた中で、ここへ来て急になぜ出てきたのかという背景が正直言ってわかりにくいんです。ざっくばらんな話をすると、瓦大臣が昔国対委員長をやっていたからそんな感じで国対でうまくしたのかなというぐらい、ここへ来て急に出てきたというこの背景をもう一遍整理、確認したいと思いますので、局長、答弁をお願いします。
○政府委員(小川忠男君) 建築基準法につきましては、いろんな意味で生活にかかわりがある、そういうふうな文脈で、その都度細かい改正を繰り返して今日に至ったわけでございます。ただ、ここしばらくの世の中の動きを見ていますと、建築行政に関連することに限りましても、一つにはやはり規制緩和ですとかあるいは官民の役割分担というのが、建築行政の外側の大きな時代のうねりとしてあると思います。
 それからもう一つは、建築市場、日本で五十兆円の金が動いております。それだけ膨大な建築市場のマーケットについて国際化ということがやはり避けて通れない状況であろうかと思います。その意味では、技術的には例えば建築基準についても国際調和といいますか国際規格というふうなものを導入せざるを得ない状況というのが一つ現実問題としてございます。
 それからもう一つは、阪神・淡路大震災での五十万棟に及ぶ被害というのは、いろんな意味で直接間接に影響を与えたと思います。
 今申し上げた三つのファクターというのは、過去四十回繰り返した細かい改正で対応できるという限界を超えている。言うなれば、建築行政の枠組みそのものの再編成というものを経ないでは対応し切れないという認識が、やはりここ二、三年私どもにはあったと思います。そういうことからやるならば、細かい改正の積み重ねというよりは、基本的なところに二十一世紀を見据えて今回思い切ってメスを入れるべきだというのが、お答えになったかどうかわかりませんが、担当者としての率直な気持ちでございます。
○鈴木政二君 私はもうここが限界だと思っていますし、特に二十代から地方議会をやっておりまして、建築の関係につきましては住民の人がいろんな相談に来られました。
 そうすると、いろんなところで壁に当たったのは事実でありますし、今のお話の中でインパクトが、外圧と言っちゃ恐縮かもわからないけれどもその影響力というのは非常に大きいし、また阪神・淡路の大震災、これは相当強烈なイメージだったし、その後の報道、いろんなものの中で不法建築や欠陥住宅だとかいろんな話が出まして、もうそろそろこれは本気でかかる。そういう面では、大臣、大変時宜を得たと思っております。
 どうも大臣を見ていますと、昔から防衛庁というのが頭にありましたけれども、こういう面では非常にタイムリーで、さっきの話じゃないですけれども子供のころ銭湯に行った、大衆の気持ちをよくわかっていただいているという感じがいたします。
 その中で一つ、先ほど上野先生からも話があったし福本さんからも話があったんですけれども、例の大震災で五十万棟が建築で損壊したという話。今度、いろんな面で先ほどの話のように規定を変えてきたという話であります。新しく合ったものなら何でもいこう、こういう感じでありますけれども、実際今度の震災を経験してみて、安全性というと基準の数値が恐らく出ていると思うんです。あのときに五十万棟倒れた。あれは震度幾つだったか、六か七だったかはっきり私も数字を覚えていないけれども。
 今度の場合、安全性確保、特に火災もありますけれども、地震ということに関しては小川局長、多分数字を出しこういうものをこれから決めていくと思うので、建設省としてはどのぐらいの数字を考えているんですか。
○政府委員(小川忠男君) 基準法と地震との関係でございますが、現在の耐震基準というのは昭和五十六年に新しくつくり出された基準を使っております。そこでの基本的な考え方でございますが、中規模の地震、震度五程度の地震に対してはほとんど建築物に損傷を及ぼさないというのが一つ。それからもう一つは、極めてまれにしか発生しないような大規模な地震、例えば震度六から七という地震に対しては、建物の被害はやむを得ないにしても、少なくとも人命に危害を及ぼすような大損害はこうむらない。この二つを軸にして細かく耐震基準が設定されております。
 それで、今申し上げました中程度、それからごくまれな大規模な地震というものを念頭に置いた二段構えの基準を、現実の阪神・淡路大震災での被害状況に照らし合わせてみた結果でございますが、これは若干担当者としてはある意味では技術的には救われた思いがいたしますのは、大規模な被害を受けたわけですが、今申し上げました意味での五十六年以降の耐震基準を満たしているものについては致命的な損害は極めて少なかった、五十六年以前の建築物が被害の大宗を占めていた。
 ただ、その中で行政としてやはり看過し得ないのは、五十六年以降の新しい基準に従ってつくられていた建物であるにもかかわらず、やはり現実には何がしかの被害は生じたわけでございまして、その多くがやはり世に言われるような手抜きであるとか施工不良というものが直接間接の原因になっている。したがって、ここはかなり大きな問題を行政上は残したなという感じがいたしております。
○鈴木政二君 そうすると、五十六年以降は間違いがなかったという判断でありますけれども、ちなみにあの阪神大震災というのは震度幾つでしたか。
○政府委員(小川忠男君) ちょっと震度は失念いたしましたが、たしかマグニチュードで七・三くらいだったでしょうか。
○鈴木政二君 震度は。
○政府委員(小川忠男君) 震度は七だったそうです。
○鈴木政二君 ということは、今の話のように五十六年を超えているわけですね。超えても大丈夫だという感覚で私どもは受けとめていいのですか、これは。再度お聞かせ願いたい。
○政府委員(小川忠男君) 正確に申し上げますと、先ほど言いました二番目だろうと思います。
 ごくまれにしか発生しない大規模、震度六から七、これについては建築物そのものの被害はある程度はやむを得ないという前提に立っております。ただ、建築物の被害は生じても、少なくとも人命に対する影響には至らないというのが基準の哲学というか背景の思想になっております。
○鈴木政二君 では、これをベースに、今後、安全性という面で建築基準法に照らしてこれを将来にわたってやっていくということで理解しておきます。
 次に、こうやって改正がいろいろあったわけでありますけれども、今度のものは本当に抜本的な改正で、先ほど上野先生の話もそうでありましたように、これからどういうふうにしていくかということでいろんな効果が出てくると思うんです。去年でしたか、ちょうどこれぐらいの時期だったと思いますけれども、都市計画法とあわせて、都市高層住居促進地域の指定で容積率を変えて、要するに平たく言うと都心へたくさんの方をもう一遍呼び戻していい住居をつくろうという法案だったと思うんです。
 これは非常に関心を持っていたものですから前の資料を引っ張ってきたんですけれども、容積率の緩和で地価が大幅に上昇する可能性もあるということが一つと、それからここ十年間において、要するにここ十年間というのは去年ですが、ここ十年間において六十万戸が新築される、そして土地取引を除いても二十四兆円の投資が見込まれるという経済緊急対策に最も合っているような話をしていたわけで、それで法案になったと思うんです。
 まだ一年しかたっていませんけれども、恐らく一年でもこの法案というのは、全国各地の都心でも東京都がかなりウエートの高い法案だったと思いますけれども、そこらの今言った住居の新築状況とそれから経済波及効果、これをお答えしてください。
○政府委員(小川忠男君) 先般の改正は二つございまして、一つは、今先生がおっしゃいましたように高層住居誘導地区という新しいゾーン概念をつくったわけですが、これにつきましては現在指定に向けて努力中でございまして、現実に指定済みという地区はまだございません。
 もう一つの改正内容は、マンションですとかアパート、いわゆる共同住宅につきまして、廊下ですとか階段といった共用部分を容積率算定から除外するという改正でございました。これは、もちろん全国津々浦々に適用になるわけでございますが、それの効果だけを切り離すという計算は非常に難しいわけでございます。ただ、この特例の適用を受けたマンション、アパートの建築実態でございますが、改正法が適用になりました平成九年六月から平成十年三月までの半年強の間で、全国で戸数にして五十九万戸、延べ面積にして三万六千平方メートル、金額にして建築工事費は六兆四千億円という推計になっております。
 したがいまして、そのうち改正部分がどれだけ寄与したかということはなかなか引き出しにくいのでございます。ただ、一点申し上げられますのは、六兆数千億円という膨大な金額が動いている実物に対して数十%の容積率緩和という具体的な措置が織り込まれているということの影響というのは、間接的にマンション価格が下がったのかあるいは広くなったのかどちらかはわかりませんが、やはり強烈なインパクトを与えたと思います。
 それから、ただいま私はマンションの面積を申し上げましたが、若干数字間違いがございました。正確には三千六百万平米というふうな数字でございます。訂正させていただきます。
○鈴木政二君 これはもらっていなかったからよくわからなかったのですが、数字を聞かせてもらって、本当にすごい効果だなというのがわかりました。
 そうすると、先ほどの上野先生の質問のように今度の連糖建築物設計制度、これもこういう面では即効するような話に私も感じられるんですけれども、そこらの所見をお願いします。
○政府委員(小川忠男君) 私が素直にお答えすると若干自画自賛みたいになって恐縮なんでございますが、日本の町のつくり方といいますか成り立ちということを考えますと、やはり一番問題なのは、敷地が余りにも狭小であって過密状況だということだろうと思います。どういう町をつくるにせよ、やはりそれがネックになっている。したがいまして、何らかの形で、地上げと言うと聞こえが悪いんですが、敷地を統合する、もう少し広い面積を確保するというのは基本だと思います。ただ、それはなかなか言うはやすくしてそう簡単にはいかない。ならば、権利関係は別として、建物のつくり方を、敷地を共同してという発想に立つのが今回の制度でございます。
 その意味では、正確な制度を御理解いただくには若干努力と時間が必要だとは思いますが、非常に日本的な実情を踏まえた制度だと私は思います。その意味では、かなり速いテンポで強力な町づくりの武器といいますか道具立てとして非常に有効に機能するんではないかというふうに内心思っております。
○鈴木政二君 今私もその話をちょっとしたんですけれども、これは結構新しい制度ですから、私はかなり正確にPRしていかないとトラブルのもとになると思うんです。特に、お年寄り夫婦だとかいう関係の人たちがそこに住んでいて、連檐の話をしていった場合、自分の息子や何かで後いろいろという話の中で、こういうトラブルは私は非常に多くなってくると思うんです。こういう場合の対応の仕方とかPRの仕方をしっかりしていかないと、建設省は比較的下手なんですね、PRが。そういうものがわかりやすくしていただいた方がいいと思うんです。
 建築基準法という法律は、正直言いますと、一般の建設屋さんとか、それから役所に勤めている人とか政治家の先生方だとか、そういう人は割とよくわかるんです。だけれども、それは本当に限られた部分で、家を建てようかなというような一生の仕事のときぐらいしか建築基準法というのは直接関係ないわけで、特に技術関係が多いし、恐らくこれを読んで家を建てる人なんか一人もいないと思うんです。それぐらいなじみのない法律であるから、そういうPRをしなきゃいけないことと、トラブルの対応の仕方というのはどういうふうにしていくか、二点聞かせてください。
○政府委員(小川忠男君) 建築基準法、それから民事関係における従来の常識的な慣行の極めて特例的な条項が盛り込まれております。その意味では、単に連檐建築物設計制度というのは、今現時点で建物を共同で申請しましょうというだけではなくて、五年後十年後にどちらかが建てかえるような必要性が生じた場合にも影響が出てくる。本来あると思っていた容積率が結果的に隣に移っているということがあり得る制度でございます。
 その意味では、確かに一生に一遍しかおつくりにならないような方々が、五年後十年後も念頭に置いた上で現段階で枠組みを設定するということでございますから、やはり一二〇%正確な意味するところを御理解していた上でということでございます。それについては私どもは当然周知徹底、宣伝というふうなことを努力させていただきたいと思いますが、最後はそれを認可する行政庁の側が申請者に対してその申請内容が個人にとって意味するところを、こういう結果になるんだと意味するところのプラス面マイナス面をきちっと説明した上で認可するということが最後のガードになると思います。
 その意味では、いろんな意味でのPRの努力は当然いたしますけれども、公共団体に一肌脱いでいただいて、制度運用に当たっては誤解がないように、そこはきちっと確認にもだめ押しにだめ押しを重ねた上で認可してオーソライズするという努力を公共団体にはお願いしたいと思います。
○鈴木政二君 おっしゃるとおりだと思う。ですから、特に市町村、県はよく建設省と打ち合わせをして、そういうことを理解してもらった上でやっていただくように、ぜひお願いをします。
 ちょっと途中になって恐縮で、通告もしていませんでしたけれども、さっき岩井先生がオウム真理教の話をされて、岩井先生も大変御心配をしておったんです。つい最近のテレビ、先生方も見られたかもわかりませんけれども、またいろんな地区でオウム真理教の事務所とか、名古屋ですと何か電子関係のお店をしているとか、いろいろうわさが出ておりまして、突発的な話で大変恐縮なんだけれども、あれほどのことをしていた宗教団体であります。
 宗教の自由は当然ながら私どもは理解をしておりますけれども、やはりさっきの岩井先生の話のように、住民にとってはこういう事件の後で、今はちょうど裁判でやっている最中であります。この間も何がしさんが無期懲役になったとか、そういう話の中で、非常に皆さん関心を持ち、また地元の住民としてそういうところの事務所とかそういうものというのはある面では市のマスタープランやいろんな問題の中で公共の福祉に反したり、公序良俗に反するようなことがあると思うんです。
 突発の質問で恐縮なんだけれども、岩井先生に関連して、その話の中で建設省として建築の問題としてその対応の仕方はどんなふうに考えて、また手が打てるのかどうなのか、お答え願いたいと思う。
○政府委員(小川忠男君) 先ほど大臣からお答えしたことに尽きるわけでございますが、若干敷衍いたしますと、上九一色村でああいうサティアンと称する建物が建った時点においては、建築基準法としては実は抑止力の限界を超えていたという点がございます。
 超えていたといいますのは、建築基準法の集団規定というのは都市計画区域内でしか機能しなかった。したがって、都市計画区域外になりますと、単体規定は別でございますが、建ぺいとか容積率、高さ制限等々の規定というのは建築基準法は実は適用になっていなかったわけでございます。それが現段階では抑制できるようになりましたというお答えをしたわけでございますが、それは平成四年の改正を根拠にして、都市計画区域外であっても条例で建築規制を、必要な網をかぶせることができるという体系に切りかわったわけでございます。山梨県では現にそういう条例をもう既に持っているということをお答えしたと思います。
 ただ、そのときに建築規制といろんな社会事象との間で一つ悩みがあるのは、やはり建築規制にはだれがどういう目的でということは必ずしも規制の正面切った判断基準にはなりにくいという点がございます。やはり事実が淡々と、その構造がどうか、高さがどうだ、建ぺい率がどうだという技術的な側面でチェックをしていくという体系でございますので、それに抵触しない限りは建築規制としてはなかなか難しいという点はございます。
 いずれにせよ、少なくとも冒頭申し上げました都市計画区域の内外で法的効果の及ぼし方に決定的な限界があるという点に関しては、少なくとも条例というフィルターを通じますが、準備さえしてあればそれなりの規制は行えるという体制にはなっております。
○鈴木政二君 本当に急な話で申しわけなかったんですけれども、岩井先生がいろんな面で現実に見てきて、体験の中で、私も同じでしたけれども感じました。宗教の自由は当然であります。ただ、今の状況の中でいろいろ考えさせられるというふうに私どもも思っております。
 建築基準法に入らせていただくんですけれども、要するに建築確認と検査の民間開放の話であります。
 私は、不思議に思うことが一点あります。不思議というのは、これは答弁いただければ解決できる問題かもわかりませんけれども、年間百十万件以上の確認申請があって、建築主事が今全国で千八百人おる、こういう話です。そうすると大体一人当たり六百件を超える膨大な審査だと思うんです。外国の例を見ると、アメリカで二十六人が十万人に対している。オーストラリアは二十三人、日本は今の数字でいくと六人ということであります。
 ただ、私もこれを調べてみてちょっと不思議に思ったのは、建築主事は千八百人なんだけれども、建築主事資格検定合格者のうち建築主事に任命されているのが千八百人だ。あと残り、その資格を持っているんだけれども、資格者が今一万五千五百人もおるという数字を見させてもらいました。ということは、この人たちは、もちろん特定行政庁に任命されなきゃ主事になれませんけれども、現実にこういう一万五千五百人というのはある面では予備軍です。そして、今度民間でやるというのは、確かに規制の問題やいろんな問題で民間にやってもらうということは私はいいと思うんですけれども、こういう一万五千五百人の方々の今の職業というのか、どういう方々が一万五千五百人いらっしゃるのか、ちょっと聞かせてください。
○政府委員(小川忠男君) 率直に申し上げまして、一万数千人の方々の現在のポジションというのは私どもとしては掌握いたしておりません。
 ただ、一万数千人というのは制度ができて以来の累計でございますから、極端に言えばお亡くなりになった方も含めて今まで五十年間にわたって資格をお取りになった方々を全部足し合わせると一万数千人という状況でございます。
○鈴木政二君 そうすると、今のこの実態は、ポジションは平たく言うとわからない。
 そうしますと、例えば建設省の方でもこの資格を今持っている方はいらっしゃるわけですか。
○政府委員(小川忠男君) 私どもの局内にも若干人はいると思います。実務経験はほとんどないかもしれませんが、極めて少数ですが、いると思います。
○鈴木政二君 それで、今度のこの民間の指定確認検査機関、さっき私は聞き忘れてしまったのかどうかわかりませんけれども、これは建設省としてはどんなふうな形の方々にお願いというか、これは県が指定することになっていますから、建設省としてはどんな方を考えていらっしゃるんですか。
○政府委員(小川忠男君) 理想型といいますか理念型とすれば、やはり制度が成熟した段階では、純粋に民間で企業あるいは設計事務所で建築関係の仕事をなさった方々が資格試験をお取りになって確認検査事務所を開くというのが一つの典型例だと思います。
 ただ、現実には資格者検定の要件として、確認業務に二年間従事しているという要件が設けられておりますので、制度を創設したしばらくの間は過渡的な話として、やはり今先生もおっしゃられた千八百人が現職の建築主事で、一万数千人が、私はどこにいるか定かではないと申し上げましたが、どこかに必ずいるわけですから、そのすき間のところが第一義的には制度生い立ちのしばらくの間は人材の供給源になってくると思います。
 ただ、長い目で見た場合には、専ら行政経験はないけれども、建築を学んで民間企業で、それはゼネコンなのか設計事務所なのかどこなのかは別として、経験を積んで、それで資格試験をお取りになってというのが一般的なイメージとして描き得るんだろうと思います。
○鈴木政二君 そうすると、局長の考えるこの指定確認検査機関の方々というのは、今が建築主事が千八百人おる、この方々は現実に年間百十万申請の件数がある。そうすると、大体どのくらいの人数を考えていらっしゃるんですか。要するに、この機関でみなしてこういう検査ができる、こういう形の方が一体どのくらいの人数を考えていらっしゃるのか。
○政府委員(小川忠男君) 極めて大ざっぱな話でございますが、先ほど例えばアメリカあたりは人数にして五倍から六倍というふうな数字がございました。五倍から六倍までもし人間がいるとするならば、中間検査も含めて行政というか、行政か民間かは別として、資格を持った人間がやはりアメリカ並みに二回、三回と検査に入るというところまでやり得ると思います。ただ、五倍から六倍の人間を確保するというのはなかなか大変だと思います。
 したがいまして、あえて数字を言えと言われれば、私は個人的にはやはり三倍程度の人間は欲しいと思います。
○鈴木政二君 わかりました。
 そこで、私はこの指定確認検査機関、一番大きな問題というのか、これは私は手数料の問題があると思うんです。局長はおわかりだと思うんですけれども、これは建築主に実際お願いに来られなきゃならない。だけれども、今の状態の中で建築主事が手数料、建築主事が取るわけじゃなくて地方自治体が取るんですけれども、この数字の実態。要するに、金額、手数料の問題が私は大きなウエートがかかると思うんです。
 今現実に、この建築主事の手数料は一体どんな状況なのか、教えてください。
   〔理事上野公成君退席、委員長着席〕
○政府委員(小川忠男君) 現行の確認手数料でございますが、基本的には実費を勘案して政令で定める、こういう規定になっておりまして、実際の政令では、確認にかかわる建築物の規模、広さによってランク分けをしております。一番安いのは八千円でございます。一番高くても五万平米以上の物件で七十一万円ということで、八千円から七十一万円までで幾つかのランクに分かれております。全国でたしか二百億円強の手数料収入が上がっていると思います。
 それで、これが実態として実費を勘案して政令でということだけれども本当はどうなんだということでございますが、あえて言わせていただければかなり安いと思います。実費割れをしていると思います、行政が今徴収しているのは。
 ですから、そこは基本的にはきょうあす直ちにということではないとは思いますが、やはり行政側にとっても今後の大きな課題の一つだと思います。
○鈴木政二君 だから、これは今現実にかなり行政が負担をしているという話です。私もコストを調査したら三分の一以下ぐらいじゃないかという話を聞いています、正直に今局長に言っていただいたけれども。
 そうすると、この検査機関の手数料と、今言いました現状の手数料のバランスをどういうふうにしていくか。例えば全国一律にしちゃうのか、それともその地域地域によって、もちろんさっきの手数料の段階があるんだけれども、全国一律の公定価格にしちゃうのか、それとも自由な価格にするのか、建設省としてはどういうふうに考えていますか。
○政府委員(小川忠男君) 制度がある程度成熟してきた段階では、基本的にはマーケットが決めることだと思います。地域別であれ全国一本であれ、行政が料金を高い安いということではなくて、マーケットによって各確認検査機関が独自に料金をお決めになればいい話であると基本的には思います。ただ、制度を創設してそれなりの枠組みが確立されるまでは、しばらくの間はある程度行政上のチェックというものもやむを得ないという感じも別途、一面では持っております。まだ確たる枠組みは構築し切れてはおりませんが、そのときに恐らく一番問題なのは、自律的に採算ベースに乗るかどうかという一点がかなり難しいという思いは率直に申し上げて持っております。
 ただ一面では、逆算をいたしますと、どの範囲の営業区域で、どういう物件を対象にして営業を展開するかというのは申請者の申請主義でございますので、極言すれば、もうかるところしかやらない、したがってもうかるんだというトートロジーの議論というのは片方にあり得るので、それ自体は必ずしも好ましいことではございません。その意味では、もうからないところは行政が補完をして、もうかりそうなところは民間がということがしばらく続くのか、そういうことも考えられますし、今のタイミングでは正確な展望を描き切れていないというのが率直なところでございます。
 ただ、いずれにせよ一つ言えることは、やはり行政について、民間を育てるという観点から行政のコストを上げるというつもりはございませんが、それ自身はかなりコスト割れをしている。したがって、中長期的には応益負担の考え方は徹底すべきだという問題意識を持つ一方で、民間については基本的には自由なんだけれども、やはりしばらくは行政の値段というものをにらみながら多少チェックはさせていただく。いただく一方で、基本的にはサービスによってそれなりの足場を築いていってもらいたいというふうな感じでございます。
 ちょっと抽象的で申しわけございませんが、問題意識だけは強烈に持っているつもりでございます。
○鈴木政二君 局長の言いたいことはよくわかりますし、私の言いたいこともよくわかってくれると思うんです。
 これは本当に難しい話でして、ここまでやった以上はもう後に引けないわけでして、ある程度の腹を据えての進め方をしないと、最終的にはさっき言ったようにユーザーがするわけです。そうすると、今度特定行政庁の建築主事のあり方もかなり大きな影響力を持つし、もう一つ、これを一つ間違えると今度は住宅価格にはね上がってくるわけです、もうおわかりだと思うんですけれども。そういう面でこの進め方というのは新しいだけに難しいし、問題意識を非常に持っているという今のお話は当然だと思うんです。
 局長の立場として、これから全国にこの話が邁進するわけでありまして、やっぱり早目の勇断を持たないと、各層からいろんな御意見を賜っておかしくなる話も出てくると思いますので、私はこれは早目に決断をせざるを得ないだろうと思っております。もう一度御所見を。
○政府委員(小川忠男君) 繰り返してございますが、基本的にはマーケットがというふうなことでございますが、しばらくの段階はある程度の価格の目安というものは我々なりに持って、公共団体がお考えになるその地域での相場観というのがあると思いますので、その辺との突合をしながら何種類かのランクづけをするのか、一本でやるのか、かなり早い段階で枠組みを設定して徹底させたいと思います。
○鈴木政二君 時間がなくなってまいりましたので、欠陥住宅の話で一点だけ明確にしていただきたいのがあるんです。
 例の日弁連の話であります。建築基準法の予定する工事監理が名義貸しによって形骸化しているという状況の中で、中間検査の話であります。先ほどもちょっと出ましたけれども、この問題はきちっとここの場で正確にお答えを願いたいと存じます。
○政府委員(小川忠男君) 幾つかの観点からお答えさせていただきます。
 現在の行政の実力、それから民間確認検査機関が現段階では全くないという状況のもとで、全国一斉にすべてについて中間検査を導入するという制度は、恐らく言うべくはやすくして絶対に実行できないと行政としては思います。
 したがいまして、特定行政庁が地元の状況をにらみながら、みずからの実力をにらみながら特定工程を指定した上で段階的に施工していくというのが現実的だと私どもは思います。それが二点目です。
 それから三点目につきましては、建築士による工事監理がしっかり行われていないではないかという指摘がございます。それについては私ども、相当程度そのとおりだと思います。現実についてはやはりもう一回足元をつくり直す、鍛え直すという作業がどうしても必要になってくると思います。それは断固やるつもりです。もう一回きちっとした形で建築士に責任に応じた対応をしていただく、それを制度的にも担保するような形をもう一回組み立て直したいと思います。
 そういうふうなことを片方に置きながら、片方で必要があれば中間検査をやります、こういう体制でというのが現在お願いしている案でございます。その場合に、恐らく長い目で見た場合には、片方で建築士による施工監理がきちっと再編成される、片方で民間機関も育ってくるならば中間検査そのものの守備範囲がだんだん広がってくる、成熟してくる。初めは少ないけれども、必要なものについては全部網がかぶるような体制が若干の時間をいただければ構築できることを期待して、そういう方向に向けていろんな意味での準備を進めていくということだろうと思っています。
○鈴木政二君 わかりました。非常に明確に答えていただいて、ありがとうございます。これはかなりいろんな面で注目をしている話でありまして、しっかりとした御意見、ありがとうございました。
 さっき触れたかもわかりませんけれども、住宅金融公庫の融資住宅等は地方公共団体に現場の審査などの業務を委託しているという制度があります、さっき上野先生がお話しいただいた話ですけれども。これは非常に重要な話なんですけれども、現在、この融資をしてやった住宅というのは、先ほどの阪神・淡路大震災のときにかなり強固だったという話が出ているんです。そういう面では、中間検査のあり方というのは非常に有意義なのかなというのが私の個人的な見解ですけれども、この中で最終的に委託業務というのはどういうふうに考えられますか。
○政府委員(小川忠男君) 民間の確認検査機関の育ちぐあいによるとは思いますが、少なくとも一つは、例えばユーザーが民間の確認を望んだときに、公庫だけが行政サイドで現場検査ということにはならないだろうと思います。そういう場合には、金融公庫の途中段階の現場検査というのも、お客さんが選んだ民間確認検査機関がワンパックにして行うということになるのは自然の流れだと思います。
 それから、先ほどの御質問と絡むんですが、やはり民間検査機関を育てていくという意味合いからも、これは県との御相談事ではございますが、準備が整い次第少しずつ、むしろ県ではなくて、特定行政庁ではなくて、やはり準備が整った民間確認検査機関の方に公庫の現場検査もお任せするという体制に少しずつ順次切りかえていくというのは、一つの考え方としてあるだろうと思います。
○鈴木政二君 時間も参りましたので、あと一、二点だけ。
 この間の経済審議会の話ですけれども、平成八年十月の建議において、建築規制の実効性を高めるには課徴金徴収制度などの導入を検討すべきというのが出ているわけです。これは、私は非常に大きな問題だと思っています。この問題について、局長はどう判断されておりますか。
○政府委員(小川忠男君) 一つの考え方、切り口だと私も思います。思いますが、やはり最終的に制度として、さあ右か左かと、こういうふうに問われたときに、少なくとも現段階で、建築物ですとか市街地の安全性というのは金銭で代替できるということには多少の違和感を覚えているというのが実感でございますし、恐らくその辺の受けとめ方というのは、私どもだけではなくて世の中一般の認識として、金を払えばということについて、そういう趣旨ではないとは思いますが、そういう受けとめ方をされかねないシステムについて、今直ちにということについては若干まだ煮え切っていないかなという感じはございます。
 ただ、いずれにせよ、行政上の手だてと課徴金的なものをあわせてというふうなものは、近いか遠いかは別として、将来的課題の一つかなというふうな思いがいたします。
○鈴木政二君 私は、これは本当に重要な問題だと思っておりますので、近い将来具体的にできるものならしてほしいという気持ちを持っております。
 こうやってずっと建築基準法をやっていまして、正直な話、やればやるほど自分の個人的な感じになってくるのは、自分の家を自分の財産で建てるとなると、立派な家で強固な家で家族は安全にという気持ちはみんな持つわけです。だれでもそうだと思う。
 その中に、今私はいろんな質問をさせてもらったけれども、将来本当に建築確認が要るのかどうなのか。個別的な住宅、要するに自分が自己責任を持ってきちっとしていく中で、確かにいろんなルールはあるし、さっきの話のように公の福祉に反しない限りは本当にここまで建築確認が要るのかどうなのかと、やればやるほど最終的にそんな気持ちにもなっているわけです。要するに、俗っぽいことで言えば、自分の家を建てるのに、自分が守って自分がきちっとするのは当たり前だから、こんなものは必要はないんじゃないかというのは庶民的な感覚だと私は思うんです。
 容積率の問題、いろんな問題があるけれども、基本的に建築確認という問題が、個別住宅、要するに自分の住宅にとっては将来本当に必要なのかなというのが私の実感であります。やればやるほど最後はそういうところに気持ちが行ってしまうところが今度の問題のいろいろ苦しい部分があるんですけれども、きょうは自分の率直な意見を述べさせてもらったので、非常に難しい話かもしれませんけれども、局長、どう思いますか。
○政府委員(小川忠男君) 局長としてはなかなか答えにくい御質問でございますが、率直に申し上げまして、私は、日本のマーケットがきちっと整備され機能するならば行政的な面でチェックをするという必要性というのはなくなるとは言わないまでもが、現在ほどである必要はないという可能性はあると思います。
 例えば、基準がはっきりしていて、それに違反しているような建築物がもしあったとして、それを本当にマーケットが相手にしないというところまで取引慣行、市場が成熟しているならば、むしろそれはマーケットが自然淘汰する話だというのも一つの物の考え方としてはあるんだろうと思います。
 ですから、細かい点について言えば、集団関係の町づくりの観点はどうだとかいろんな議論はあります。ありますが、事の本質からすれば、やはり行政がチェックをするのか、マーケットがチェックをするのか、あるいは設計者、施工者が自己責任でやるのか、外部検査なのか、いろんな組み立て方があるわけでございます。先ほど来の中間検査等工事監理の話をいろいろ伺っておりましても、要は自己責任の領域なのかあるいは外部検査で担保するのかの選択の問題だという感じを持っております。
 今の御質問については、もう少し射程距離を大きくして、そもそもどうなんだというふうなことでございます。若干くどくなりましたが、局長としての答弁の限界は超えているとは思いますが、やはり一つの物の考え方として、そういう発想はあり得るだろうと思います。
○鈴木政二君 大変立派な御答弁でした。外れた部分もあると思いますけれども、そういう面では柔軟だし、先を見ているなどいう感じがして、さすがに建設省の住宅局長であります。
 最後でありますけれども、大臣、お待たせをしました。
 私は二十六から、地方議会からずっと自民党でやってきました。その中でこの建築行政、もっと大きく言うならば住宅行政です。我が党、これは自分の党で言うのも何だけれども、いろんな政策は私は一つも間違っていなかったし、よかったと思うんですけれども、この住宅政策が我が党として余りうまくなかったんじゃないかという気がいたします。
 それは何かといいますと、まず核家族をつくってしまった。それでもう一つ、この核家族によって、日本の一番大事なもの、要するにおじいちゃん、おばあちゃん、両親、そして子供と、この三世代が本当にうまく心の交流をして、家族のきずな、地域のきずなを築いていった。これが親子の断絶をしたりいろんなことをして、少子化まで通じてしまった。
 それで、私のふるさと愛知県の知立という小さな六万の町ですけれども、昭和三十年代に日本住宅公団の公団ができました。ここは一万人の大きな公団だったんです。私が中学生だったか高校に入るぐらいのときだったんですけれども、そこの家に友人がおりまして遊びに行った。そのときの狭さ、要するにこのときの狭さを日本の建築、特に集合住宅やいろんな建築の基礎、模範にしてしまったから、あらゆるところが狭くなってきた。衣食住というものがあって、衣も食も私たちは満たしてきたんです。ただ、肝心の住、住むところが余りにもまだまだ劣だと私は思っています。
 もう一つ、ここでもそうですけれども、我が国は大変公共物は立派です。だけれども、小さいところ、要するに私的な部分ですと、大臣もお気づきのとおり会館を見るとびっくりしますね。仕事する場所が余りの狭さです。もっと言うなら、大臣の宿舎はどうか知りませんけれども、私の清水谷の宿舎、上野先生も一緒ですが、あそこは昔の感覚で今までずっと来ているという感じが私はするんです。
 さっき局長が健康を守るという話で、採光、通風、それから遮音、遮音なんというのは、御存じのように丸聞こえです、話なんというのは。私は、この健康を守るというのは、さっき上野先生おっしゃったけれども、もう一つ大事なことは精神的な健康を阻害しているということです、狭いから。こういういろんな問題があります。
 大臣、この間、建設省の人とレクチャーでいろいろやっていまして、大臣を見ていると、正直言って閣僚の中で一番こわもてです。見ている感じは非常に堂々とあれですけれども、すごく優しくて何か気配りがあると建設省の人が言っていました。
 大臣、私はちょっと言い過ぎたかもわかりません。我が党の一番の失敗だったと言ったかもしれませんけれども、これは前の人たちの話でありまして、これから私どもはこの住宅、衣食住の柱を何としてでも先進国並みにする責務があると思います。
 そして、大臣、もう一つ。これだけの抜本的建築基準法をつくられました。大臣は国対委員長もやられてよくわかっていますけれども、残す法案は余りないですね。そこらをあわせて住宅政策全般でも結構です。大臣の思ったことを述べていただきたいと思っております。
○国務大臣(瓦力君) 大変御研究いただく委員の方々の質問をこれからも引き続き受けるわけでございますが、確かに鈴木委員御指摘のように、私どもがまだ子供のころは大家族でございましたし、どこへ参りましても日本の田の字型の住宅というのは一つの形をつくっておったわけでございます。永田委員もいらっしゃいますが、私は石川県でございますが、石川県と富山県は住まいの面積では全国で一番広いところでございます。
 しかし、考えてみますと、私どもの社会自体が昭和三十年代後半からどんどんと変わってまいりまして、社会資本整備というものを、また町づくりというものを本格的に取り組んできたわけでありますが、欧米社会と違って我が国のストックは極めて方向がなかなか住宅に至るまででき上がらなかったわけでございます。また、家族構成も今委員指摘のように変わってまいりました。一つの豊かさを基盤といたしますと、どういう住まいのあり方、町のあり方がいいのかということは、今度の大改正を通じまして非常に大きな過渡期にあると思っておりまして、この時期を大切にしたい、こう思っておるわけでございます。
 そういうことを考えますと、今御案内のとおり規制緩和でありますとか官民の役割分担でありますとか国際調和でありますとか、また阪神・淡路を経て安全性の一層の確保でありますとか、そういった環境の変化や大きな変わり目に立ちましてこの改正を行いまして、また引き続き関係規定や体制の整備というものを二年以内に制度全体を組み立てていくという作業を急ぎまして、この改正の実のあるところをつくり上げさせていただきたい、こう考えております。
 今回導入される性能規定化でありますとか土地の有効利用に資する仕組みでありますとかコスト低減というのは、これからどんどん進むわけでございますし、住宅にもそれぞれ履歴がついて住宅性能表示制度の整備でありますとか性能保証制度の充実等いろいろ政策課題を含めましてこれから進めてまいるわけでありますので、今委員御指摘のように、もう我々のときの家や印とこれから我々がつくっていく住宅や町並みやそういったものが大きな今この基準法の中に時代の変化を感じながらおるわけでございまして、大変ただいまの質疑に対しましても、そういう時代背景を持ちながら御質問いただいて感謝をいたしております。
 どうもありがとうございました。
○鈴木政二君 どうもありがとうございました。
○小川勝也君 民主党の小州勝也でございます。
 有意義な午前中の議論でございました。私は、実は建設委員のころからこの法改正に興味がありまして、長いこといろいろなことを教えていただきながら本日の質疑を迎えるわけでございます。
 最初、私は人がいいのもありまして、あるいは建設省にいつも協力的なものですから、大改正が大変だったな、そんなことでこの法律を考えておりました。この質問に当たりまして少しずつ勉強していくうちに、あるいはいろんな方々の御意見を伺ううちに、この法律に問題点がたくさんあるな、そんな感想を持ちました。建設省の方にそれを打ち明けますと、実は私たちも完成されているとは思っておりません、この大きな骨組みをつくることによってこの法改正を充実したものにしていきたい、そんなお答えもありました。性善説か性悪説かというのは別にいたしまして、今国会のこの委員会での審議、議論を十二分に反映させていただきまして、謙虚に行政に当たっていただきたいとまず申し上げておきます。そして、きょうの質問は、そのいろいろ見つかりました問題一つ一つにつきましてお答えをいただく、そんな形にしたいと思います。何でこんなに問題がぼこぼこ出てくるのかなというふうに考えました。まず感じたことでございますけれども、後で政省令で定めるということがいかに多いかそういうことでございます。
 法律が家だとするならば、私たちがこの委員会でやっているのはまさに中間検査じゃないか、そして完了検査がない、そんな感想を率直に持たせていただきました。どれどれの敷地に何坪の基礎を打って柱を上げて屋根をつくる、ここまでしかこの法律案の改正が見せていただいていないからであります。コンセントの位置であるとかカーテンの色なんというのはこの委員会で審議する必要がないかもしれないけれども、政省令で定めるということが多いということは、後々我々が想定しない家ができ上がる可能性をも含んでいるということだと思います。例えば二階の間取り、本当であれば六畳と八畳にする予定だったのが三畳間が二つに四畳間が二つつくられるかもしれない、そんなもどかしさを委員会審議に当たりまして覚えたものでございます。
 これは一般論でございますけれども、ほかの法律案、ほかの委員会の法律案を見ておりましても非常に多いなというふうに感じておる次第でございます。これはいわゆる官主導と申しましょうか、いわゆる立法権の低下を意味していると思います。我々が立法権を保障させるためには、もっと法律案に細かいことまで今以上に書く必要があるなということをまず述べさせていただきたいと思いまして、今法律案に当たってはどうしてこんなに政省令で定めることが多いのか、そして本当に大事なことまでこの審議の時点でなくて後で建設省で決めるという部分が多いのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 私どもの率直な感じといたしまして、今回の改正で基本的な土台といいますか枠組みといいますか、これは法律でかなり明確に枠組みをつくり御審議いただいているという気持ちはございます。
 ただ、もし一点あるとすれば、やはり建築基準法という法律の性格上、やはり事柄が技術的、専門的な分野にわたるという点がございます。その意味では、恐らく技術革新に伴って中身そのものが常に変わり得るものであるという宿命をかなりの程度帯びた分野がございます。その意味では、土台といいますか基礎工事のところは法律で、それから世の中変わり得るという分野あるいは技術的に過ぎるないし専門的なところは政令以下にお任せいただきたいということで、私どもとしては仕分けたつもりでございます。
 その意味では、かなり二十一世紀に向けた建築基準行政のありようの基本的枠組みというのは法律で私どもとしては全力を込めて御審議をお願いする案をお願いしているというつもりでございます。
○小川勝也君 次の質問に入っていきますけれども、例えばこの根幹をなす柱の建築確認の民間開放、これをだれがやるのかということも私は不透明な部分がたくさん残っていると思います。
 後々いろいろな問題点を指摘いたしますけれども、建築主事制度というのは今までいわゆる地方自治体、行政の担当者が受ける資格を持っていた。これを今度は民間に開放するというのも大きな柱の一つだと私は思います。この新しい主事の資格試験、これをどういうふうに開催し、どういう要項で実施するのか、そしていつからやるのか、この辺のお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 新しい制度に基づきます建築基準適合判定資格者検定と言っておりますが、これについては法施行後できるだけ早く、具体的には恐らく来年には第一回目の検定試験が行われると思います。
 現在は、御承知のように行政側の職員が主として受けているわけでございますから、年間五百人から九百人程度でございますが、今度は一級建築士資格を持っている方が受験対象になりますので、試験の内容もやはり技術的な知識そのものは当然にお持ちであるという前提のもとで、むしろ検査をする、確認行政をするというふうな観点からの試験科目、チェックというのが中心であると思います。
 いずれにせよ、来年には第一回目の資格検定試験をやりたいということで考えております。
○小川勝也君 私は、なぜこの部分にこだわるかと言いますと、この法案を迎えるに当たりましていろんな方からお話をお伺いいたしました。今からお話をすることは、ある設計会社の方のお話でございます。もし民間開放されたとしても、その資格者たる人は当然のことながら市役所のOBであるだろう、こういうお答えでございます。
 私もこの辺は考えておらなかったんですけれども、今、鈴木先生の質問の中に、いわゆる即応予備資格者がおるわけでございます。当然のことながら、その方々というのは都道府県か市町村の建築部門を担当した人かそれに準ずる人だと思います。御案内のとおり、建設省の技術者の方々の部門というのは強固な結束がございます。それと同じように、市役所なんかでも同じ建築畑、土木畑、農業畑というのは強固なつながりを持っております。そうしますと、建設省なんかでも縦のつながりというのは当然あります。それと同じようなことが市町村の建築担当者とそのOBである資格者という関係を生む、これをその設計会社の方は危惧されておりました。それを私は聞いたときに、新しい資格制度を創設するのであれば、例えばその行政庁出身の資格者とそれ以外の方々の資格者の割合というのをある程度担保しないとこの制度は根本から崩れてしまうのではないか、こんなことを考えたのであります。
 例えば、札幌市という市役所があります。そして、そこの建築確認をもしとろうとしたときに、札幌市の建築行政、これは日本全国一律の法律ですけれども、町づくりや代々のしきたりやいろいろな風習や慣習があると思います。そのときに、札幌市のOBの方がいろいろ仕事がしやすい。例えば、これが旭川市出身の人がやるとうまくいかないこともあるだろうし、民間で資格を取った人がやろうとしたときにOBを守るために札幌市がちょっとだけ意地悪するかもしれない、そんなことも危惧しているのであります。
 バランスを考えた方がいいのではないかという私の危惧に対して、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) バランスというよりも、やはり世の中の移り変わりとともに自然体で対応すればそれなりの体制になるだろうという感じを私は個人的には持っております。
 ただ、御指摘の点について一点だけ申し上げますと、行政出身者がしばらくは担うというのは過渡的現象としてやむを得ないと思います。といいますのは、いずれにせよ資格者の要件として行政実務経験が二年以上というのが入っている以上は、少なくともしばらくの間はどこかで主事経験を積んだという方が主力になるというのは過渡的現象としてはやむを得ないと思います。ただ、それがもう少し時間がたち成熟してきた場合には、行政出身であるのか純粋たる民間であるのかということは、むしろ行政がどの程度ということを持つこと自体若干不見識だと私は個人的には思いますし、恐らく行政としては希望者があれば受けて立つというのが本来の筋だと思います。
 それからもう一つは、直接の御質問とかかわりないかもしれませんが、確認という行政事務の性格なんですが、基本的には裁量が入る余地のない事務だと思います。要は、確認法令といいますか基準に合っているのかいないのか、白なのか黒なのか、イエスかノーなのかということの、専門的ではございますが技術的な判断の問題でございます。その意味では、余り行政とのかかわりというのは心配する必要はないんじゃないかと私としては思っております。
○小川勝也君 心配ないというな言葉ですけれども、一般の民間業者や個人にとって分とか官とかいう人たちの占める位置といいますか、力の大きさというのは私ははかり知れないものがあると思います。役所のOBだったら信頼されるという部分がたくさんあると思います。
 そしてもう一つ、過渡期を通して最終的にはうまくいくだろうと、そのお考えが今局長から示されました。もし新しい制度、これがいわゆる事実上の民間開放と言うのであれば、私はスタートが一緒でなければおかしいと思います。例えば行政庁出身の方がフライングスタートして、その後民間が追いかけていく、こんなスタートはどうも考えられないなというふうに思います。
 それから、先ほど言いました旭川と札幌でさえ差が出るという危惧が出ている以上、私は公出身と民間出身とは歴然と差が出るのではないかなというふうに重ねて申し上げておきます。もしこんな私の危惧が本当だとすれば、最近はどうかわかりませんけれども、建設省を初めとする中央省庁は自分たちの仲間の天下り先を一生懸命つくっていたなどという話があります。それと同じように、今回、建設省が全国の地方自治体の建設担当者の仕事の道を開くということにもなりかねないと思います。
 それで、今の質問ともつながるんですけれども、例えば今は行政OBの人が過渡期においてさくさく仕事を始めている。そこに後発の、私に言わせればビハインドを背負っている民間がその分野に進出できるのか。そして、後発で頑張って市場を開拓して業として成立するのかどうか。その見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 過渡的な話として先ほどは申し上げたわけでございまして、マーケットが成熟してくれば、行政経験がかつてあったのか、あるいは純粋な民間として営業活動しているのかということは恐らく基本的な相違では私はなくなってくると思います。
 民間であるからこそサービス精神が旺盛だとか、あるいは通常お役人的な限界を超えたいろんな意味での営業活動ということもむしろあり得る世界だと思うし、その意味では確認検査、非常に技術的、専門的ではありますが、裁量が入らないところでどういう営業活動をするのかということはむしろお客が選ぶことであって、そこは行政出身だからということでお客さんが選ぶほど甘くはないだろう、現実のマーケットはと思います。その意味では、恐らくどちらがよりマーケットで優勢を占めるかというのは、まさにマーケットが判断することだという感じがいたします。
○小川勝也君 私が先ほど申し上げましたように、行政出身者は先ほど鈴木委員の質問で明らかになった数字でございます。それは亡くなっている方もおりますでしょう。同じ市役所や県庁の中で別な分野で仕事をされておられる方もいるかもしれません。あるいはOBといっても御高齢の方もいるかもしれません。しかしながら、今の数字は決して小さい数字ではありません。これから民間に開放すべく新しい試験を一年後に実施する。それに先駆けてもうその市場に入る人が少なからずいるわけでございます。
 そういうふうに、何年になるかわかりませんけれども、過渡期に業としてOBの方々が仕事を始めているところに民間の人がさあ参入するぞというほどおいしい業界なのかということになります。そんなに建築確認を業とするのはもうかると思いますか。
○政府委員(小川忠男君) 一つは、建築主事の資格者が世の中にたくさんいるという数字が先ほどもございました。
 ただ、恐らく一級建築士という形でそれに対応する数字をあえて言うならば、二十七万人という数字だと思います。一級建築士の資格を持っている人が全国には二十七万人いらっしゃいます。二十七万人のうちから〇・何%かが志を立てれば、極めて膨大な潜在的な希望者、候補者がいると思います。したがいまして、恐らく数字の上からいけば、必要にして十分なだけの人材を日本は持っていると思います。
 それから、おいしい業界なのかおいしくない業界なのかということでございますが、これは率直に申し上げて何とも言いにくい分野だと思います。といいますのは、確認検査だけなのか、これからの建築行政の進展いかんによってはそうではなくて、民需発の確認業務、確認と言うと語弊ございますが、建築物の診断、チェックというものが恐らく日本のマーケットは必要な時期が来ると思います。そういうふうな状況を念頭に置いたならば、恐らく今後の新しい業態の一つとしてきちっとした発展をする分野だろうと私どもは思っております。
○小川勝也君 業として成立するかどうかという確証が当然ないわけでございまして、本当に民間の方々にその仕事をやってもらいたいと思うならばスタートを同時にすべきだと私は思います。行政OBの方だけが先行しているというのはアンフェアだと思います。
 同時にスタートさせたらどうかという意見に対して、もう一度お答えください。
○政府委員(小川忠男君) 同時であることを否定しているわけではなくて、単に資格要件としてそれなりの実務経験をということを要件とせざるを得ないと私は思います。
 いずれにせよ、そういう資格制度を本邦初演で新しくつくる以上は、それなりの資格、責任、能力のある方をというときに、確認検査業務の実務経験を何年間か必要とするという要件は避けがたいと思います。それをつけた結果として、立ち上がり後しばらくの間はその出身母体が若干限定されるというマイナス面も伴うということでございます。これは、五十年に一遍の大改正をやったときの一年二年の問題というよりは、私どもにとって本当に必要なのは、十年後二十年後にどういう枠組みがつくられるのか、そのために何をすべきかというふうなことが恐らく一番重要だと思います。
 そのためには、スタートに当たって、先ほど申し上げましたように実務経験という要件を抜きにした制度を考え得るならば、おっしゃるようなことは理論上はあり得ると思います。私はその一点だけがひっかかるので、結果として過渡的にはそういう事態があり得るかもしれないということを申し上げているわけでございます。
 やはり基本的には、くどいようでございますが、新しい今までなかった制度をこれから生み出すわけでございますから多少の問題はあろうかと思いますが、やはり基本は、十年後二十年後に日本の建築行政の枠組みあるいは建築のマーケットはいかにあるべきかという観点から制度をつくり、構築すべき問題であろうかと思います。
○小川勝也君 ちょっとこだわりますけれども、いわゆる行政出身以外の人が試験を受けて、さあ業として成でてきるぞというところまでスタートラインをずらすべきだと僕は思います。今何年に一度の大改正として、その行政が先にスタートした市場では私はせっかくの民間開放が生かされないと思っているから言っているわけであります。それは後ほど御検討をいただいて、次の質問に移りたいと思います。
 午前中も審議がありましたけれども、今までの法律にもあった完了検査の実施状況が悲惨だという情報があります。もう一度報告をいただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 現段階での完了検査の実施率は、数字の取り方にもよりますが、基本的には三五%程度の水準でございます。全体の確認件数のうちで完了検査をきちっと受けているものの数字、この比率が約三五%という数字でございます。
○小川勝也君 その確認検査が三五%にとどまっている言いわけと、そして今回の法改正でどのように変わるという感想をお持ちか、二点お伺いします。
○政府委員(小川忠男君) 基本的には確認は大概の方はきちっとお受けになります。ただ、完了検査という制度が完了届が出た場合にということを制度上前提にしております。通常は、何か家ができてしまったら完了届を出されないままという方がいらっしゃる結果として、その完了検査が比較的低いというのが現実の姿だろうと思います。
 それから、あえて言えば、確認なりいろんな検査業務に組織の全エネルギーが食われていて、出てきていない完了届を、あなた出していませんねとせんさくして検査に行くというだけの実は行政上の余力がないというのが率直なところだと思います。
○小川勝也君 一般論でちょっとお伺いしたいのですけれども、さまざまな確認申請の検査があると思いますけれども、実例として、これはちょっとだめですねと言われるのはどういうのが多いのですか。これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 実は、きょう御答弁する前にうちの部隊に具体的にはどういうものがあるんだということを聞いたんですが、確認を受けたものということについて言えば、確認申請そのものはプロがやるわけですから、したがって頭からはしにも棒にもひっかからないというのが確認申請に出てくるケースというのは極めてまれであるという話は聞いております。
 ただ、行政として、これは何ともしようがないなというのは、素朴に言えば余り難しい話ではなくて、やはり形態制限、容積率が違反ですねとか、建ぺいがちょっと超えていますねというふうなケースが圧倒的だと思います。
○小川勝也君 先ほどの札幌、旭川の話に戻るんですけれども、例えば都市計画上のもの、条例、あるいはそれ以外商店街の申し合わせなど、いろいろな町づくりや町並みの有象無象の申し合わせや規制があると思います。そんなときに、今まででしたら例えば札幌市役所がすべて確認申請をするわけですので、この商店街は三階はだめになっていますよということはうまく説明できるわけです。
 ところが、今一般開放しますと、例えば旭川の確認業者が確認をすると、その情報がなかったり、あるいは関係ないだろうと言って町並みを破壊したりという、いわゆる町づくりや町並みをうまくやっていこうという場合にこの建築確認の民間開放が阻害要因になるのではないか、こういう懸念がございます。これは懸念は半ば当たっているのじゃないかなと思いますが、御理解をいただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 若干難しい問題を含んでいると思います。
 町づくりあるいは都市計画、いろんな観点からいろんな方向づけをして御協力を求める分野というのは今までも必要でしたし、恐らくこれからも必要だと思います。
 ただ、現状を一言で申し上げますと、建築確認という行政実態に合わせていろんな行政指導が行われているというのが現実の姿だったろうと思います。ただ、それをきちっと分けますと、単なると言うと語弊がございますが、いわゆる単なる行政指導なのか、根拠がはっきりした手続、規制なのかということは、恐らくこれからは今まで以上に明快に頭を整理した上で行政側も対応すべき問題だと思います。
 ですから、町づくりあるいは都市計画という分野でいろんな規制を行い、住民の協力を求めるということであるならば、やはり今まで以上に根拠、手続、基準、この三つが明確になる努力をすべきだと思いますし、それがきちっとしたものであるならば究極の姿は建築確認対象法令になると思います。根拠がはっきりしており、規制、基準がはっきりしており、手続がはっきりしているものであるならば、それは一般的には建築確認の対象法令に条例としてなるでしょうから、それは民間の確認検査機関でも当然の義務として確認対象に組み込むということになると思います。
 それ以外の根拠が行政指導だけということ、しかも行って見なければよくわからない、何を求められているのかいま一つよくわからないといったたぐいの行政指導は、これからはもう少し足元を再編成しきちっとすることが求められる、恐らく今回の基準法改正はそのきっかけになるだろうと思います。
 その意味では、くどいようでございますが、町づくりについて根拠、手続、基準がはっきりしているものについては私どもも公共団体に対して全力を挙げて応援したいと思います。
○小川勝也君 この法律の前に都市計画法を審議したばかりでございます。さまざまな地方や地域でそれぞれの特色を生かした町づくりをしてほしいなと私は思います。
 例えば外国に行きますと、色が同じ屋根、同じ色の壁、あるいは商店街などで言いますとアーケードの高さがありますので、いろいろと統一したりする事項があります。これは建築基準法改正と直接関係あるかどうかわかりませんけれども、町づくりや町並み規制、いわゆる広義におきます都市計画と建築基準法の整合性、これがうまくとられますようにこれからも御努力いただきたいと思います。
 次に、性能規定の方に移りたいと思いますが、これは先ほども少し嫌みなことを申し上げました。この参議院の調査室からいただきました資料の中に十の財団が載っております。日本建築センターなどであります。例えば、その住宅に使いますさまざまな木材、資材、建材、あるいはユニット等に安全のお墨つきを与えるところが今度の法律でできるわけでございますけれども、この十の財団はすなわちその中に含まれることになっているんですか。
○政府委員(小川忠男君) 十の財団が含まれるかどうかということは、彼らがどういう今後の生きざまというか業務展開をしようと考えているかということによると思います。
 ただ、十というのは多少語弊があると思いますが、所管財団の相当程度、例えば日本建築センターでございますとかベターリビング、いろいろございますが、客観的に見て現在の日本できちっとした検査を行い建築物をチェックする、性能を評価するという装備と実力を持っているものを言えと言われれば、今おっしゃった十の財団あたりはその最右翼に位置するというふうに評価いたしております。
○小川勝也君 たまたまこの十が出ておりましたのでお伺いしますけれども、建設省OBの方がこの十の財団にどのくらい役員その他で行っておりますでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) 手元の資料でございますが、十の財団で私ども建設省出身なのかどうかというのはちょっと定かではございませんが、国家公務員出身ということでお許しいただきたいと思いますが、十二名が国家公務員出身で役員として行っております。十の財団で十三名です。
○小川勝也君 以前に説明を受けたときは、さまざまな研究機関や大学、あるいは海外の研究機関も含めてこの性能規定を認定できる団体として指名する予定だと、こんな話をお伺いしましたが、どういうところまで話が進んでおるのか、最終的な数はどのぐらいにする予定なのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 数については名乗りを上げてきちっとした設備なり能力を持っていれば限定を設けるつもりはございません。
 それから、海外の機関でございますが、建築基準法という法律を改正する前に運用の問題として外国とはいろんな御相談をしております。相互主義でいろんな形で外国の検査データを日本ではそのまま受け入れましょうとかあるいは外国の機関が認定した木材について国内での流通を認めますというふうな取り決めを外国とやっておりますが、もう既に海外のカナダの機関でございますが、研究機関の検査結果というのは日本ではノーチェックで受け入れるという相互協定を結んでおります。また、木材の規格については、北米材でございますが、アメリカ、カナダ両国でございますが、十二の木材の規格について既に相互認証を行っております。
 したがいまして、余り気がつかれないかと思いますが、工事現場へ行かれますとJAS、日本農林規格、JASマークとあわせてWWPAとかカナダ、アメリカなんかのマークのついた木材が散見されると思います。それは運用上の話として相互認証で外国の評価機関が認定したものについてはそのまま日本国内で受け入れるという実態をもう既に先行させておりまして、現場ではそういうのが動き出しております。
○小川勝也君 時あたかもちょうどアメリカの商工会議所なる人たちが木材、建材の売り込みに私の会館の部屋に来まして、議事録を探ってみますと、衆議院の川内委員も何かそれについて質問をされたようでございます。
 今回の性能規定化に伴って、アメリカからの輸入建築資材が日本の工事現場で使われる例がふえるとお考えですか。
○政府委員(小川忠男君) それは一概には言えないと思いますが、ただバリアはなくなると思います。外国製品であれ日本国内製品であれ、行政の目から見たときに、ないしはユーザーの目から見たときに、基本的には安くて質がよければウェルカムであるという基本的スタンスだと思います。そういうふうなことを座標軸の原点に置いたときに、それに対する障害というかバリアというものは基本的には今に比べれば格段に少なくなると思います。
 したがって、結果的には外国製品が仮に価格が安くて質がよいならば今よりは入ってくる可能性は、蓋然性は大きいと思います。
○小川勝也君 本当は北海道の木材を使っていただくと一番いいんですけれども、これはユーザーが決めることでございまして、北海道にもカナダとよく気候が似ておりますのでいわゆるツーバイフォーというんですか、たくさん入ってきていると思います。
 これは局長に笑いながら聞いていただきたいんですが、食料品あるいは農作物を含めてアメリカから輸入しろ輸入しろという圧力がかかってきていると思います。いわゆる木材を含めた建築資材の分野でもあると思いますか。
○政府委員(小川忠男君) 住宅局長をやっておりましてそういう圧力はございません。ただ、バリアをなくしてくれという要望はございます。
 ですから、アメリカにせよカナダにせよいろんな方が見えますが、私が言うのは一言だけです。先ほど申し上げましたように、バリアはなくします、価格が安くて質がよければすべて結構です、頑張ってくださいと、ただし結果はどうなるかは行政はあずかり知らないことです、それは日本のマーケットなり消費者が決めることですというふうに、同じことを判で押したように繰り返しております。
○小川勝也君 それで、この性能規定化にはいろいろな危惧がございまして、例えば大企業にメリットがあって中小業者が不利をこうむるのではないかという声があります。特に一般木造住宅、いわゆる大工さんがつくったり工務店さんがつくったりする家であります。これは阪神大震災のときにも一部はその強度が証明されました。
 いわゆる純日本風木造建築がこの性能規定化によって不利をこうむらないかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 今、阪神・淡路大震災でのお話がございました。日本の大工、工務店、伝統的在来工法のための名誉のために申し上げたいと思うんですが、阪神・淡路大震災でも在来工法でもきちっとした形でつくってあるものについては絶対に被害をこうむっていない、大丈夫である、これは断言できると思います。
 いろんな建築着工が百五十万戸、六十万戸のとき、あるいは戸数が減っているとき、これを見ましても在来工法の住宅というのはやはり日本人の風土にかなり根づいているところがあるのかなという感じがいたしまして、やはり根強くユーザーの心をつかんでいるなという感じを持っております。
 したがいまして、では性能規定化がどういう影響を及ぼすのかということでございますが、長い目で見て建築資材の選び方とかいろんな影響は出てくるとは思いますが、それとは違った文化風土というのは牢固たるものはあるなという感じはいたします。
 ただ、一つ一般論として申し上げますと、やはり性能規定化というのは技術革新を真っ向から受けとめる制度でございますし、あるいは国際化というふうなものを基本的なところで進めるインパクトになると思います。その意味では大工、工務店というわけではございませんが、中小工務店の場合もやはり切瑳琢磨が必要になってくると思います。
 行政としてはそういうことを総力を挙げて情報提供する、ないしは受け入れやすい条件を準備するということで全力を挙げて支援体制を組んでいく立場にあるのかなという実感がいたしております。
○小川勝也君 最近は家が建つのが早いんですね。ぱぱっと枠組みをして、あとは壁をぺたぺたと、できればすごく早くてみんなびっくりしちゃうんですけれども、今技術革新という言葉がありました。私は在来工法の、例えばほぞというんですか柱を削ってそこにこちらの方をがしゃっとはめるという、その最たるものはくぎを使わない建築物だというんですけれども、あれはもう今になってもすばらしい技術だと思いますし、先ほど申されたように日本の風土に合っているのかもしれません。
 どんな家に住みたいかというのを決めるのはあくまでもユーザーだと思います。それをこの性能規定化がどこかの分野の建築物にとって不利にならないように特段の御配慮をいただきたいと思います。
 次の質問に移りますが、次の質問は、いわゆる市役所の担当の方にこの法改正に当たって御意見を求めたときに聞いた不安な点でございます。
 いわゆる連檐の制度でございます。これは一言で言うなれば空中が疑似財産になってしまうのではないかという懸念でございます。いわゆる売買とか取引とか相続とか分割して売るとか、あるいは空中権だけ売るとか、現行の登記制度との間でさまざまなトラブルを生むのではないか、そういう心配もございます。そして、例えば昔であれば建築確認をするのが市役所の建築課でありますので引き継いでいくこともできるけれども、今度はそれを扱う確認する業者がばらばらになってしまうおそれもありますし、まだ日本には口約束なんというのもありますし、その辺いわゆるトラブルの温床になるのではないか。
 この辺どのようにお考えになっているのかあるいは対策方法等はあるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 連檐建築物設計制度によりまして、結果として既存の建物から隣の建物に容積率が移ったような形になるという現象が生ずるのは御指摘のとおりでございます。もちろん、それを目的にしているという面がございますが、それに伴って何がしかの金銭が動くであろうということもある意味ではそうなるのだろうなという感じもいたします。
 ただ、そのときにやはりそれが当事者間で後々トラブルの原因にならない。といいますのは、相互に建てかえる時期が五年後十年後に来たときに、結果として五年前に認定を受けた連糖建築物の設計というのはある種の行政の判断のもとである種の前提条件で認定されているわけですから、それが五年十年たったときに実はというふうなことが蒸し返されても行政サイドには通らない、認定条件がはっきりしていますから。
 したがって、そんなつもりじゃなかったと言っても、五年後十年後にはいや実はこうなっていますよという話で、行政としては受け付けないという事態が起こり得るわけですから、そこはやはりきちっとした、今、口約束というお話がございましたけれども、単なる口約束を超えて、きちっとした形で相互の条件というものは明確にした上で確認をしておく必要があると思います。
 それは、しばらくの間は契約社会が成熟していればいざ知らずというふうなことだろうと思いますので、最終的には当面の間は行政が認定するわけですから、そのときにAさんBさんが関係している場合には、Aさんにとってこういう意味を持ちます、Bさんにとってこういう意味を持ちます、五年後十年後も同じですよということを、意味するところを行政が認定する前に、きちっとした形で御説明して確認をとった上で認定して登録するという慎重さがしばらくの間はやはり求められるだろうと思います。そういう形で運用するように全国の公共団体には繰り返しお願いをしたいと思います。
○小川勝也君 一番わかりやすい話が、例えば私の敷地がここにあってここに緒方さんの敷地があるとします。緒方さんのところは三階建てだからこれを貸してやるよと、そして小川ビルを建てます。それで、今度は緒方さんに万が一のことがあって緒方さんの息子さんが緒方ビル十階建てを建てたいうちはこんなに土地があるんだと、こういったときに、それは建てられませんよと言われるわけです。
 この辺が、今、容積率を安易にふやしたいから将来に禍根を残すということ、これは絶対否定できないと思います。これは非常に難しい問題だと思いますし、各行政庁といろいろ相談をしたり通達を出したりしたらいいと思いますけれども、これは例えば登記をつかさどる法務省とは話をしていますか、そして登記所には何らかの文言は残りますか。
○政府委員(小川忠男君) 法務省とは何回かこの件をめぐっても御相談をいたしておりますが、現在直ちに登記制度と連動するという状況には至っておりません。もうしばらく引き続き勉強しましょうというふうな形ではございます。
 ただ、登記制度とは現段階では連動していませんが、やはり役所に備え置く台帳にはきちっとした形で、こういう制度でありこういう結果になっているということをだれでも縦覧できるような形で書類はきちっと備え置いて準備しておきたいと思います。
○小川勝也君 今、法務省とは詰まっていないという話でした。役所に残すべく台帳の準備は進んでおるのか、そして法務省との協議が進まないうちに連檐制度が発効していわゆる容積率の貸し借りや売買がもう行われてしまうのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 法務省との関係にかかわらず制度は動かします。ただ、極めて特異な制度をつくったように見えますが、実は現在の制度の中でも特定街区ですとか総合設計という制度がございますが、実はそれに近いことが今でも部分的には行われているわけでございまして、特段問題を生じたという話も聞いておりません。
 ただ、今回の措置というのは、相手が既存の建物であっても連檐設計の制度を適用するというところが真っさらのところでつくり出す総合設計とはちょっと違うという点がございますので、私ども今までの総合設計なり特定街区の運用実績を通じて、恐らく土地に対して権利をお持ちの方々というのは案外、案外というと失礼なんですが、やはり極めてシビアに現況なり取引をにらんでいらっしゃる。余り甘い行為はおやりにならないという感じは持っておりますので大丈夫だろうと思いますが、念には念を入れてきちっと万全の構えをとりたいと思います。
○小川勝也君 土地財産というのは昔から地べたですね。例えば、大地主で平屋に住んでいるおじいちゃんがいたとします。隣にマンションが建ちます。マンションはどうせ建つんだ、あと二階建てさせてくれればあと幾ら幾ら払いますよと言われて、いわゆる物の本質を理解せずにそんなことが行われることも想定できると思います。
 これはこれ以上申し上げませんけれども、最終的な問題は法律が本会議で通ってからもさまざまな作業があると思いますし、法律が公布された後もさまざまな情報や問題点が指摘されると思います。だめなものはやめる勇気もこの時点では持っている必要があるのではないかなということを申し上げさせていただきます。
 次の問題ですけれども、建築基準法の大事なテーマに安全ということがあると思います。火にいかに強い建築物かという部分もあるかと思います。その部分で、例えば消防法との関係や民法の責任の所在、この分野との関係は改正で整備されているのかどうなのか、クリアになったのかどうかお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) ちょっといま一つ御質問の真意を理解しかねている感じはございますが、ほかの法令との関係について申し上げますと、基本的には特段の修正、改正というのは行っておりません。
 ただ、消防法との関係について言いますと、若干消防同意という手続がございますが、手続はお互いもう少し簡単にしようということで、若干の緩和といいますか、手続の簡素化を行っております。
○小川勝也君 少し法律から離れた質問をさせていただきます。
 今これからの時代、公共投資というものがさまざまな分野で行われていますけれども、どうせ補正予算で赤字国債を発行してお金を使うんだったらバリアフリーの関係に予算を使えと言う人がおります。これは横路代議士がよく言っているんですけれども。それはこれからの二十一世紀を見据えた建築基準法というテーマに向けていきますと、非常に大事な分野だと思います。公の建築物でもあるいは個人の建物であっても、この概念が非常に大事だと思います。その分野の関係といいますか配慮が今回の法改正に盛り込まれているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) バリアフリーということについて、基準法の改正案には直接盛り込まれておりません。裏返して申し上げますと、いわゆるバリアフリーでなくても建築基準法はオーケーであるという形になっております。
○小川勝也君 この基準法以外にさまざまな施策の中で、当然のことながら住宅を建てる時の税制の措置であるとかあるいはバリアフリーの様式や設備の開発にインセンティブを与えるとか、さまざまな手法があると思いますけれども、これからのバリアフリー的考え方への対応として言いただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 今、基準法としてはバリアフリーを制度化していないと申し上げましたが、例えば公営住宅ですとか公団住宅については、新規に建てるものはすべてバリアフリーにしております。大規模な改造をする場合にも、すべてバリアフリー化を前提に工事を行っております。また、政策金融でございますが、住宅金融公庫の融資で優遇金利、基準金利と呼んでおりますが、基準金利の一つにバリアフリー化というのを位置づけております。
 要は何を言っているかといいますと、行政が音頭をとってみずからつくるものですとか、政策誘導で多少上乗せします誘導政策としてバリアフリーというのは真っ向から位置づけております。位置づけておりますが、ここ一線は絶対に譲れない最低限だという形で例外なく強制するという建築基準法の性格から、今のところはまだそこまでは踏み込んでいないということでございます。
○小川勝也君 それともう一つ気になる点でございます。どんな最新技術でどんなきれいな建物やビルディングを建てていただいても、建築中に出る廃材や解体の建築廃材を山に捨てる業者がいるんです。これは飛行機の上から見ていましても涙が出る思いでございます。これは建てる人がいるからごみを捨てる人がいるわけでありまして、大もとであります建設省ではどういう取り組みをしていて、こういう不法投棄をなくすためにどんな配慮をしていくのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(五十嵐健之君) 産業廃棄物の中で、先生おっしゃいますように建設廃棄物のウエートは非常に多いものでございます。最終処分量で四割、それからその手前の排出量では二割ということであります。
 基本的には、この不法投棄につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づきましてもちろん不法投棄は禁止、それから私どもに関係いたします建設業者の場合には、そういった人たちに、つまり許可を得ていない人に委託してはならない、こういうような格好になっています。
 現実には、この不法投棄の状況が多いというのは実際にあるわけであります。御案内のように昨年でありますけれども、この廃棄物の処理及び清掃に関する法律が改正されまして、罰則が五十万から一千万に上がったとか、それから御案内のマニフェスト制度、伝票で確実にやっていくというやつを廃棄物一般に及ぼしたというような制度、あるいはこれは近々ということになると思いますけれども、都道府県知事の行います不法投棄の原状回復に協力を行う場合の基金制度が創設される等々の措置が講じられたところでございます。
 私ども、建設業者みずからがそういったことをやれば問題外になりますけれども、そういった人たちを使ったというようなこともあわせて必要に応じて監督処分等の対象にしたいと思っています。
 ただ、そういう取り締まりで自動的にやっていくというのが基本ではあろうかと思うわけでありますが、昨年、建設省で九七建設リサイクル推進計画というのをつくったのであります。これは建設現場で、先生今御指摘がありましたようにまず解体する、それから途中で、工事中にも廃材は出るんです。このすべての段階からできるだけ廃棄物を出さないようにする。
 基本的には、今の廃棄物の法体系は建設業者の責任ということになるわけでありますけれども、一番最初に計画いたします発注の段階から、つまり計画の段階、あるいは発注者同士でそこから出ます廃材あるいは建設残土、そういったようなものを使える現場があるならばそっちへ持っていけばいいわけですから、まず発注者段階から考えよう。それから、建設業者については、最初から計画をちゃんとつくってもらってそれを発注者の方としてもチェックさせてもらうというような段階、それから今回の廃棄物の処理及び清掃に関する法律の強化がされているわけでありますので、こういったものをセットにしてこの問題に取り組んでいきたいと考えております。
○小川勝也君 今の件も含めて、住宅局長にお伝えしていないことをちょっとお伺いしたいんです。
 詳しくありませんけれども、設計監理という概念があると同じように工事監理という概念があると思います。そして、先ほどの完了検査が三五%だということにも関連していると思いますけれども、名前だけ貸していいかげんな資格者がいる。そういうことも関係しまして、例えば医師法などというのは最終的処分としては資格剥奪というのがあると思います。建築士や建築主事の中にもそのような、例えば工事監理をきちっとして、廃材を不法投棄するような監理を行った者は資格をなくするよぐらいの厳しい罰則なんか設けられないものなんでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) 罰則を設けるというよりは、相当程度運用の問題だと思います。建築士法あるいは建築基準法に違反した場合、違反の形態、程度に応じて処罰といいますか行政上の処分の規定はございます。したがいまして、その辺の運用の基準を今後どう再編成していくのかという問題ではないかと思います。
○小川勝也君 もう時間もなくなってまいりました。
 私は、少し前に質問主意書を出させていただきました。それは、建築設備士の方々の地位向上に関する問題であります。今回の建築基準法の中にも技術革新に対応するためという部分がございます。私も専門家ではありませんから詳しいことはわかりませんけれども、建物を建てる上でいわゆる設備部分のウエートが非常に高くなっております。そして、技術革新もすばらしいものがあると思います。例えば、今建っておりますインテリジェントビルというのは床下にいわゆるOAが全部できているわけです。あるいは空調、冷暖房、それからあとは下水の問題、さまざまな分野で技術の進歩や新しい概念が出ておりまして建築設備のウエートが高まっていると思います。実際、それをあらわす分野といたしましては、工事発注額の数%は設備の部分に行くんだというのがございます。
 建築基準法の改正にそのことが余り盛り込まれていないように思いますが、建築分野においての設備の大切さ、そして設備を中心に携わる方々の地位の向上、どのようにお考えがお伺いをしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) お尋ねの点は、社会的実態として建築という分野に占める建築設備の重みといいますか、ウエートといいますか、これが高まってきているということは御指摘のとおりだと思います。
 ただ、制度として申し上げた場合には、恐らく建築基準法そのものというよりは建築士法とのかかわりで建築設備士というのをどういうふうに位置づけるのかという問題に最後は集約するのかなという感じがいたします。昨年でございましたが建築士法の一部改正が議員提案でございました。ここで業務内容を書面により交付するという規定とか情報開示とか幾つかの改正強化が行われております。
 そういう中で、今までは例えば大規模な空調あるいはその他の建築設備を伴うような設計であっても、発注者に対しては建築設備を担当したのは一体だれであるのかというのは実はわからないままだったわけですが、恐らくこれからはきちっと発注者にも建築設備を担当した設備士はどなたであるのかということを文書できちっと発注者にも明示するという体制にしたいと思います。
 その意味では、やはり発注者にも、単なる設計者がだれだということだけではなくて設備を担当したのはだれだということが明示される、それを通じて社会的地位というと語弊がございますが、責任体系が今よりは一段と重くなってくる、明らかになってくるということじゃないかと思います。
○小川勝也君 今後引き続きその分野を勉強していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に大臣にお伺いいたします。
 冒頭申し上げましたように、私は建設省にあくまでも協力的でございますので賛成をさせていただきますが、問題がたくさんあることも御承知おきいただけたと思っております。後日、参考人の方々からもお話を伺って最終的な議論もさせていただきますが、申し上げましたように法律が通ったからもうこっちのものだというんじゃなくて、通った後もさまざまな人たちから御意見を吸収して、すばらしい血の通った建築基準法にしていただきたいと思います。
 大臣の御所見をお伺いして終わります。
○国務大臣(瓦力君) ただいま小川委員の多方面にわたる質疑をちょうだいいたしまして、大変ありがとうございました。また、ただいまは御注意もちょうだいしたわけでございます。
 この法律が通りましてもいろいろ取り組まなければならない課題がありますことも十分承知をいたしておりますし、また急がなければならない研究課題も持っております。それらにつきましても、住宅局長以下さらなる努力をいたしまして、大きな転機でございますのでそれにこたえたいと思っております。
 ただ、一点、バリアフリーとかいろいろなことについてもお触れいただきましたが、委員の質問の中で、やはり日本のたくみといいますか技術が今日なお生きておる。私も先般大阪城へ参りましたら、あの組手というんですか、パズルを解くような、どうやって組み立てるのかわからぬような大きな柱を見まして実は驚き入ったわけでございます。そうした我が国固有の技術でありますとか、我が国が他の国と比してまた風土、環境が違いますので、その中で培われてきたものを大切にしながら、国民それぞれがいい住まいが持てるような時代をつくらなければならぬ。門戸を開放された今日でありますので、委員の御注文等をまたお聞かせいただきたいと思います。
 どうもありがとうございます。
○緒方靖夫君 本法案の改正点であります建築物の確認検査の充実、そのための民間の力の活用、単体規定の性能基準化の方向、これは大局的に言って肯定できるものだと、そういうふうに考えております。しかし、改正点では、建築物の安全性の問題とかあるいは良好な町づくり、そういうところに問題が多々ある、そのことを改めて痛感するわけです。
 現在の建築基準法の法体系を項目で挙げますと、建築士による設計、建築主事による建築確認、施工業者による施工監理、建築士による工事監理、建築主事による完了検査、建築物の所有者による維持保全、特定行政庁への定期報告、違反建築物に対する是正措置命令など、こういうものから成っていると思うんです。建築物の適正な状態を確保する仕組み、そういうものがあるわけです、法体系として。これが有効に機能していれば、理論的には確認検査制度について今回の改正は必要ないというふうになるわけです。
 そうすると、単体規定そしてまた集団規定に適合していない状態、それがどういう状況になっているのか、それについての認識、それを最初にお聞きしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 若干数字にわたるお答えで恐縮でございますが、年間百十万件の確認がございます。その中で、平成八年度のデータでございますが、約一万六千件、一万六千棟といいますか、建物の数にして一万六千くらい違反が確認されております。ただ、一つの建物で二つ、三つと違反条項がございますので、それを全部シラミつぶしに挙げますと、三万一千件の違反事項がございます。
 それで、三万一千件の違反事項を若干分類いたしますと、圧倒的に多いのは形式犯と言うと語弊がございますが、確認手続違反というのが約九千件ばかりございます。それを除きますと実態関係の違反ということでございますが、一番多いのは集団規定違反でございまして、約二万件が集団規定違反でございまして、そのうちに圧倒的に多いのは六千五百件が建ぺい率違反でございます。続いて四千五百件くらい、容積率違反というのが五千件ばかりございます。容積率、建ぺい率、それから若干斜線とか高さ違反というのもございます。この三つで集団規定関係の違反の大半を占めている。
 数字を見て案外少ないなと思いましたのは単体規定、構造安全という点でかぎを握っているのはいわゆる単体規定でございますが、単体規定の違反とはっきり行政庁で確認したのは千七百件くらいということでございまして、これを多いと見るか少ないと見るかはいろいろあろうかと思いますが、私個人は思ったよりは少ないなという感じで受けとめております。
○緒方靖夫君 私も思ったより少ないなと思って数字は大変興味深く伺わせていただいたんですけれども、この調査の方法は どういう方法ですか。
○政府委員(小川忠男君) 基本的にはパトロールないしは、言い方は語弊がございますが、あそこの建物はおかしいのと違うかという話が実は頻々と行政に飛び込んできます。そういうことを契機にして行政が確認した件数ということでございます。
○緒方靖夫君 私の実感なんですけれども、もっと実際は多いんじゃないかと思うんです。やはり建ぺい率、容積率の違反等々、これはもう町の中を歩いているとたくさんある。ですから、今のこの数字は非常に興味深いんです。そしてまた、こういう数字を出されているということは非常に評価したいと思うんです。しかし同時に、実態はこんなものかなという疑問が残る、その点は申し上げておきたいと思うんです。
 それで、建築主からすれば、建築物がきちんとつくれるかどうか、もうこれは本当に重要な問題です。後悔の許されない買い物、そういうCMもあります。しかし、実際には欠陥住宅の問題が後を絶たない。この問題で泣かされる人もたくさんいるわけです。
 建築確認はそれなりに機能をしている。それなら現場段階の不良施工の問題ということになってくる。そうすると一義的な責任というのは施工業者と工事監理者にあるということになるわけです。欠陥住宅問題が後を絶たないということは、結局工事監理が十分に機能していない、そういうことになるのかなと思うんですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(小川忠男君) いわゆる施工不良でございますが、制度上の観点からすれば、第一義的には請け負っている業者が手抜きをした、あるいは違反をしたということかと思います。
 もう一つの観点は、やはり建築士法上きちっと工事監理を行うべき立場にある建築士というふうなものについての今後の取り扱い、大きな問題を残していると思います。
○緒方靖夫君 確かに業者、建築士の問題というのは大きいと思うんです。
 それで、一般的に言うと長年地域に密着して仕事をしている業者の方々、そういうところではやっぱり信用の問題がありますから、そこでの欠陥住宅問題は非常に少ない。それは経験的にも恐らく統計的にもそういうことになってくると思うんです。これは道理だと思うんです。
 ところが、施主が最終ユーザーでない建て売り住宅とかあるいは全国展開しているハウスメーカーがつくる住宅、それがしかも単価で受注して売りさばく住宅、そういう場合にそういう問題は非常に多くなると思うんです。そういう住宅の場合には確かにチェックが非常にしにくくなる現実もあると思うんです。
 その点で、そういう場合に独立したチェックが非常に重要になると私は思います。建築士による工事監理で必ずしも独立したチェックが十分できない場合、こういうことがあると思うんですけれども、そういう場合があるならばその問題をまず解決する、そこに力を注ぐということがこの欠陥住宅問題を解決していく非常に重要なポイントになると思うんですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(小川忠男君) 基本的認識は恐らく同じだろうと思います。地縁、血縁で支えられているような伝統的な工務店等々について言えば、比較的欠陥住宅問題というのは歴史的にもなかったと思います。マスプロダクションの過程でいわゆる建て売りという形が一般化する中で、やはりこういう問題が量的には発生しているんだろうと思います。
 その意味では、中間検査制度というものを今回つくりますが、一方で従来とは違った建築士による工事監理というものの体制立て直しを強力にやりたいと思います。その一方で、抜き打ち検査と言うと語弊がございますが、行政による検査の重点というものは、やはり御指摘のような分野に全力を注ぐという行政分業のありようになるのかなという感じでおります。
○緒方靖夫君 法制的には、建築士の責任や権限にかかわる問題、これは制度は確立していると思うんです。そうすると、その確立した制度のもとで建築士がどうしてうまく仕事ができないのか。その点で言うと、雇用関係とかあるいは工事監理の仕事の確保など、そういう経済的な関係で建築士の独立性がきちっと保障されていない、そういう問題が現実にあると思うんです。これがうまく機能していないために起こる問題。したがって、こうした状況について有効な対策がないならば民間の検査機関についても同様な事態が起こる、そういうおそれが十分予想されるわけです。それで、これを防止するためには民間指定機関による確認検査について行政のチェックがきちんとなされる、これがやっぱり不可欠になると思います。
 改正案では、指定機関の確認したものが基準に適合していない場合、建築主事が確認取り消しをできるということになっているわけですけれども、検査にはそうした道がない。確認についても、指定検査機関から建築主事に報告はあるけれども、必ずそれを建築主事がチェックすることにはなっていないわけです。そうすると事実上民間任せになってしまう、そういうおそれがあるんじゃないかと思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(小川忠男君) これは、実は当たり前過ぎて制度改正では余り御説明もしませんし案外無視されているんですが、行政がすべてのことについて、建築主事が基準法の運用関係について監督権限、監督責任を持っているというのは、これはある意味では当然の話でございます。
 したがって、例えば中間検査ということを新しい制度で設けますが、中間検査とは別に行政が行政の権限として本来的に抜き打ち検査を随時行うということは、これは当然のこととして今もあり得るし、これからもあり得ることでございますので、新しい制度との絡みで言えば、民間確認検査機関にできるならば業務の大方をお願いして、行政は民間確認検査機関の業務のありようを監督するとか、あるいは随時パトロールを行って現場での抜き打ち検査等々違反摘発ということに重点を今まで以上に移す体制をできればとりたいというのが、改正をお願いしているのと並行して実は今後の運用のありようとしてはイメージしているということでございます。
○緒方靖夫君 その当たり前過ぎることが十分に説明されていないということから、こういう質問をして私は確認させていただいたんですけれども、今のような運用、それからまたパトロール等、あるいは行政のチェック、それは非常に大事だと思うんです。私は、民間の力をかりるということを全面的に否定するものじゃないし、それはそういう流れになると思うんです。その中での行政の必要なチェック、それを今やられるということ、またその運用をされるということを言われたので、その点はやはり非常に重要な点だということを確認しておきたいと思います。
 先ほど岩井先生の方から上九一色村の話が出て、その中で建築基準法ではどうにもならないという問題が出されました。少なくとも建築基準法には大きな限界があるという点で私も同じことを感じていまして、その点では共通の問題意識がなと思いながら興味深くお話を伺ったんです。先ほども出ておりますけれども、町づくりもこの点では大きな関係があると私は思っております。
 建築基準法行政だけでは解決できない問題は当然あります。先ほど車の両輪だと局長も言われた。建築基準法と条例と両方でやるんだと言われたけれども、多くの自治体で紛争予防条例などをわざわざつくって、それで建築確認行政と連携して建築計画の調整などを苦労してやっているわけです。
 私は手元に、東京都の都市計画局がつくった「建築基準法改正法案に対する質問等」という数十ページにわたる非常に詳しい、各区の建築主事等々が思っている疑問、これを集めたものを持っているんです。局長は読まれていますか。――読まれていませんか。ぜひ読んでいただきたいと思うんですが、これを読むと、町づくりと建築基準法の今回の改正についていろいろな心配、不安が出されているわけです。
 その中で紹介したいわけですけれども、一つはこういう意見があります。民間による確認は法令のみの審査となり、近隣紛争等の現実的な対応を怠りがちになりかねず、安全で快適な町づくりが行えないのではないか、あるいは指定確認機関は必ずしも申請地に事務所を構えていなくても確認処分が行えるとなると、地域に根差した建築行政が不十分となり、住民サービスの低下になる。先ほどの札幌と旭川のお話になるわけです。
 こういう問題、こういうおそれがないかということがいろんなところから出されているわけです。これに対してはどうお答えになりますか。
○政府委員(小川忠男君) 若干御質問の真意とは逆のお答えをする結果になるかと思いますが、私どもは建築確認という業務自体はもう少しドライにビジネスライクにやるべきだろうと思います。要するに、建築関係の法令に合致しているのかいないのか、これはだれが見ても白は白、黒は黒というのが建築確認の本来の姿だと思います。
 したがいまして、建築確認を民間にお願いするというふうに踏み切ったのも、専門家であればわかるから公平性さえ担保されるならば行政である必要はないだろうということから、民間の確認検査機関に開放するというふうに踏み切ったわけでございます。あえて明快な形で極言するとすれば、法令に基づく明快な基準以外のものについては考慮すべきではないと思います。民間確認検査機関は白は白、黒は黒と。それ以外に行政上の需要がもしあるならば、先ほど来るる申し上げておりますのは、それは条例という形で町づくりの制度をつくるならばそれも結構です。
 ただ、いずれにせよ、従来のように根拠、手続、基準がいま一つはっきりしないまま何となく行政指導でということではなくて、これは世の中の赴くところ、根拠、手続、基準がいま一つ明快になることを恐らく世の中から求められるような事態になるんでしょうということを申し上げ、もしそういう体制であるならば建設省としても全力を挙げて、根拠がはっきりしており手続が明快であり基準がはっきりしているような体制でいろいろな行政展開をされる場合には建設省としても総力を挙げて応援する立場にございますと、実はこういうことを申し上げたわけでございます。
○緒方靖夫君 答弁は大変明快であると同時にドライだと思うんです。しかし同時に、もっと過ぎたものを求めているという現実があるわけです。私はその現実の部分を逆の点から述べた。確かに裏腹の関係があると思うんです。
 それで、私は実例を出してみたいんです。例えば、東京都には中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例というのがあるんです。その第五条にはこういうのがあるんです。近隣関係住民に建築計画の周知を図るために標識を設置しなければならないとされているわけです。設置期間については条例施行規則で、延べ面積一千平米、高さ十五メートルを超える建築物については建築確認申請の少なくとも三十日前から設置しなければならないとされている。この標識により周辺住民は建築計画を知って説明会の開催要求や知事へのあっせん要請を行うことができて、それで知事による調整が行われる、これが条例の仕組みです。
 もちろんこれは強制措置ではありませんから、標識を設置しないで出された確認申請の受理を拒否することはできない。そうだとしても、申請した段階で条例の趣旨を説明して、任意で三十日商標識を掲示するんですよと、そういうことを言って建築確認申請を出すようになるわけです。その間に適切な調整が行われる。これが条例とその機能です。これが機能しているわけです。
 ところが、指定機関による確認の場合、これは今言われたように建築基準法以外の条例については関知しない、ドライに対応するというふうになった場合どうなるかというと、行政側にとっても確認後に報告が特定行政庁に来るだけで、いつどのような確認申請が出されているか把握できない、建築計画について条例の遵守を円滑に指導できなくなる、こういう問題が起こるわけです。
 そうすると、建築基準法の八十九条にある工事現場における確認の表示について、周辺住民はその表示があるまで、すなわち工事に着手する段階まで建築計画を知る機会がなくなる、事前の調整ができなくなる、着工後に紛争が大きくなり、そしてまた良好な町づくりに支障を来す、そういうことになる。こういうことを非常に考えるわけです。
 ですから、今局長が言われたようにドライに対応された場合、白黒ということで事務的にやるんだと言われたんだけれども、こういうことがこれから起こってくるだろう。これは容易に想像できるわけです、東京都の場合たくさんこれが起こるだろうと。
 そういう問題についてどういう対策というか対応をされる、どんなことを考えられておるか、お伺いします。
○政府委員(小川忠男君) 仮にその条例がリーズナブルなものであるとするならば、私は基本はこれからも変わらないと思います。建築確認は民間確認検査機関で粛々と進みます。したがって、イエスというものはイエスと言いノーというものはノーと言うというふうな事務処理が行われると思います。それと並行して、今おっしゃいましたように確認申請の一週間前に標識を設置してかぐかくしかじかのという条例があるならば、その条例に基づいて確認とは別の手続を並行して進めるということだろうと思います。
 ただ、一つ今後出てくるとするならば、確認と条例による行政指導が、どちらかということを明快にしないままごちゃごちゃにということは峻別すべきであるという点だけは違ってくると思います。確認はオーケーだけれどもなおかつほかの観点があるからいろいろ問題があるんだというならば、先ほど私が申し上げたのは、それはどういう問題があるのか根拠をはっきりした上で行政展開すべき時代になるんじゃないでしょうかと申し上げたわけでして、その一点は違ってくると思います。
 ただ手続は、いずれにせよ確認申請の期をとらえてワンパッケージでやっていたのは、確認手続は確認手続、ただそれと並行して条例で確認手続の前に標識を設置しなさいとか、あるいは住民にとかいろんな話があるならばその条例の手続に従って物事は進めばいいわけでして、それが別の事案がたまたま確認と条例に基づく手続が並行して進んでいるという意味においては今までと変わらないと思います。
○緒方靖夫君 建築基準法というのは非常に技術的な法令ですからそういうことになってくるのかもしれませんけれども、私が痛感するのは、基準法に適合しているからということで地域の実情、それに合わない形でいろんな建築物ができてくる、あるいは強行されるということがとどめられないということも現実としてあるわけです。
 局長が先ほどから言われているように、根拠がはっきりしているものについては自治体の町づくりに全面的に協力すると言われているけれども、しかし現実はそうならないというところに非常にデリケートな問題があって、これは局長も現実の問題を頭に浮かべられればすぐ思いつく、そういう形で合すぱすぱと答弁されているけれども、現実はそうはいかないということは心に描かれていると思うんです。私はその問題を提起しているわけで、これは非常に難しい問題であると思いますけれども、しかし正面から取り組まなければいけない問題だと思うんです。
 私は、その点で、さっきの問題に戻るんだけれども、改めて地域のそういう人たちの願いとかそういうことにそぐわない形で粛々と法律だということで進んでしまう。しかも、先ほどのお話じゃないけれども条例よりも法律が上にあるということでそれが進んでしまうという問題、そこにやはり今建築基準法が持っている法体制としてはかくかくしっかりしたものがあるんだけれども大きな限界があるということを、今回改めていろんな方々の御意見を聞きながら、あるいは地域の実情とか建築主事の話を聞きながら私は痛感したんです。
 そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、今議論してきたような、それから先ほど岩井先生が言われたような建築基準法の限界、これはどうしようもなくあると思うんです、現在の問題として。その限界があるということについては大臣もお認めになると思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(瓦力君) 緒方委員と局長の質疑をお聞きいたしておりまして、相当理解をいただき、恐らく御党におきましても相当御協調がいただけるような環境かな、こう存じながら拝聴いたしておりました。
 確かにいろいろな問題がございます。しかしながら、ルールとして門戸を開放する時代でございますし、これからきめ細やかな問題につきましても検討をしながらやってまいるわけでございますので、一つの時代の大きな改革としてとらえていただきまして、ぜひ御理解をいただき御協力を賜りたいものと、こう思っておるわけでございます。
 ありがとうございます。
○緒方靖夫君 最後の質問になります。
 そこで局長にお伺いしたいんだけれども、こういう問題をどうクリアしていくのかどう乗り越えていくのかというそこのところが非常に大きな問題で結局限界がある。そうすると、確かにヨーロッパ等と比べても日本の独特の特徴があると思うんです。これを乗り越える上での法体系の問題が私はあると思うんです。
 ですから、これは局長として、自分の所掌から離れる大きな問題になってしまうかもしれないんだけれども、きょうずっと話を聞いていると非常に明快な答弁をされているので、局長のその辺を乗り越えていく展望というかお考えを伺っておきたい。
○政府委員(小川忠男君) 今回の基準法の改正というのは、性能規定化にしましても民間開放にしましても、かなり思い切ったことをやります。その際の基本というのは、やはり日本の行政も、若干口幅ったいのでございますが、もう少し足元はきちっと、いわゆる不透明な行政指導ということではなくて権限と責任を持って、相手が外国企業であってもあるいは裁判に訴えられてもきちっと行政として理論展開ができるということに軸足は移すべきだと思います。
 したがいまして、いろんな意味でああもしたいこうもしたいという思いが行政側にあるのは私も事実だと思います。それは公共団体だけじゃなくて私ども自身にもございます。だけれども、ああしたいこうしたいという思いだけでそれを貫徹するというわけには私はいかないと思います。そこはきちっとした手続と手順を踏んで、はっきりとした体系で、裁判になろうが外国企業であろうがきちっと説明がつくような形で粛々とやるべきだと思います。
 したがいまして、町づくり、都市計画、いろいろ難しい問題があるのは立場上私どもも十二分に承知しております。ただ、そういう問題についても、やはりもう少し明快な形で行政展開を、そろそろ責任を持って明快な形で対応する。責任を持ってというのは極言すれば、くどいようでございますが裁判でも十二分に持ちこたえられるということであり、相手が外国企業であっても同じ論理で同じようなことを主張するというスタンスであり、そういうことはやはり行政にも基本的にはこれから今まで以上に求められてくるだろうと私は思います。
○奥村展三君 まさしく画期的な法改正ということで私も幾つか質問を出しておりましたが、もう既にお聞きになって質疑をしていただいておりますので、一点だけに絞らさせていただきたいと思います。
 先ほど大臣の答弁の中に石川県あるいは富山県、非常にスペースの大きいおうちがあるようでありますが、私のふるさともやはり人生一代において母屋普請をする、これぞ男冥利に尽きるというようなことを先輩やあるいはまたいろんな人から聞いてまいりました。めぐり合わせということもあろうと思いますけれども、私も地方議員をやらせていただいておりましたとき、県庁なんかへ行きますと、ちょうど偶然にも私の友達が建築主事をしておりまして、書類の後ろに人がいるような感じでたくさん積んでおり、なかなか顔が見えない。
 滋賀県じゅうの書類を集めて、早く処理をしなければならないのに一体どうなっておるのやと言ったら、いや、これだけあるんやということで、まさしく全国で千八百人しかおられないそのうちの一人だったと思うんです。そして、やはり今日言われている経済対策だとかいろんな意味において、日本の活力を求める意味でも迅速にこういうことが行われることが非常に大事ではないかなというように思います。
 そうした中で、今回この法改正の中に中間検査の導入というのがあるわけでありますが、これは特定行政庁、いろいろ流れの中で規模だとかあるいは建物の構造だとか用途だとかあって、そして中間検査を施工中にするという特定工程の必要云々ということがあるわけですけれども、実際考えてみますと、それぞれの行政庁間のところで異なった指定ということになるおそれがあります。ですから、最低的な何か基準をつくっていかれるのかどうかその点についてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 法制の建前からしますと、それぞれの特定行政庁が状況をにらみながら御判断するということでございますが、恐らく率直に申し上げて、全国の特定行政庁は条文をつらつら眺めて戸惑いを感じていると思います、どうすればいいんだろうかと。
 したがいまして、施行までの間にお互いいろんな意味での情報交換をしまして、やはりある程度最小限の物の考え方というのは歩調を合わせて対応したい。その意味では、最小限ここだけはやろうとかマニュアルというと語弊がございますが、やはり基本的な足並みをそろえる努力はしたいと思います。
○奥村展三君 ぜひ最低基準的な内容等今おっしゃったような通達といいますかきちっとしたベースをおつくりいただきたいというように思います。
 朝からいろいろ先生方もおっしゃっていましたように、ぜひこの法が改正されてスムーズに施行なされるように要望しておきたいと同時に、またこれは民間に移っていくわけでありますが、文字どおり今改正をされて、公正中立な機関として進めようとされることを基本に置いてお進めいただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○山崎力君 最後になります。午前中からずっと各立場あるいはいろいろな視点からの質問がありまして、質問通告させていただいた部分が大多数、虫食い的にと言うと語弊があるのですけれども、そのままではないのですが各方面から入ってきたというところで、若干質問の内容はそこを抜ける形になりますので、ずれる部分もあるかと思うことをお許し願いたいと思います。
 まず一点、最初にお伺いしたいというか、私の考え方も含めて申せば、建築基準法とは何ぞやというところからいくと、本来の問題からいけば自己責任で規制緩和であるんだからほっておけと。どんな建物をやって、それこそトラックの振動でつぶれる家も自分のあれでいいじゃないかという部分があります。ところが、人間社会ですから、それで他人に迷惑をかけちゃいかぬという部分があります。そういった中で、国として建物を建てる以上このくらいのことは守ってほしいというのが建築基準法のスタートであろうと思うんですが、このくらいのことを守ってほしいというのが規制の形でございます。
 これは、建物自体だけではなくて、周りに迷惑をかけないという極めて抽象的な、安全性を除いた意味で、これは町づくりをどうするかという観点からきている建ぺい率あるいは容積率なんというのはその典型だと思うわけです。ということは住宅を中心とした建物に住む人間、家中サイドからしますと二つの矛盾する要点がある。一つは、安全な建物にいたい。これはだれでも思うわけです。もう一つは、できるだけコストを下げたいという部分があります。
 そういった二つの矛盾する点をどうするか。それで法律で規制させている。狭い土地に住んでいればやはり人間空間を欲しいとなれば、先ほどの違反の問題で出てくるように建ぺい率と容積率を何とか目をつぶってちょうだいということになるわけです。それは建ぺい率がけしからぬといっても、あくまでもこれは地域規制の問題で、一〇〇%のところも現実にあるわけです、商業地域その他で。そこで、あそこで一〇〇%なのにちょっと離れたこの住宅地ではそれが五〇だ六〇だ、それだったら八〇くらい目をつむってと。こういうふうなことに関して、論理的にそれを非難することは非常に難しいわけです。
 そうすると、何をもってその人たちに我慢してもらうかといえば、法律で決まっているのだからというのでない以上は、それに合理的なこの地域はこうした背景を持ってやっているのだと、そういったことに対しての全体的な考え方を示した上でなければ、お上からの、上からの法律ではない、自分たちが決めた法律であるということをそこに住む人たちになかなか理解してもらえない、この問題があろうかと思うわけでございます。
 そういった意味で、今回の改正が一種の規制緩和の方向に行っているということは評価しますし、あるいはそれと逆に自己責任の部分も出てくるかなという部分もあるのですけれども、そういった中でまずこの辺のところ、全体的な実効性の担保というものをどのように考えているのかという点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 非常に基本的な御指摘でございまして、なかなか一言でお答えしづらいのでございますが、基本的には建築物がきちっとした形になるということのアプローチというのは幾つかあると思います。
 一つは、規制という形で、行政がチェックをするという形で担保するというやり方がございます。それからもう一つは、例えばフランスのように確認という行為、概念そのものは基本的にはない。では何で担保されているのかといったら、民間が保険を付保するときにきちっとしたものでないと保険会社も相手にしない。要はマーケットが相手にしないからというふうなことで、マーケットのメカニズムに任せてあるという制度もございます。したがって、物の考え方として、行政がきちっとチェックをする体系、あるいは民間のマーケットに任せる体系、この二つが原理論としてはあろうかと思います。
 そういう前提条件のもとで、では実効性をどうやってやるのかというときに、これから事務的になりますが、幾つかの柱を立てております。
 一つは、外部チェックについてい行政だけが五十年間頑張ったわけですが、やはり千八百人ではいかんともしがたいという現実の壁がございます。世の中も大きく変わろうとしているということから、民間機関に確認検査業務をお任せして、結果として行政と民間を合わせた全体としての執行体制を強化するというのが基本的に一つございます。
 それから、制度としては中間検査制度みたいな新しい概念も導入しております。ただ問題は、中間検査制度という制度をつくったということだけではなくて、その裏側にある建築士による工事監理というものが現在いろんな御批判をいただいております。いただいておりますが、百万戸、百数十万件という建築行為をきちっとやるためには外部からの検査だけでは限界がある。やはり内部的な監査できちっとした自己メカニズムが働くような体制が不可欠であるということから、建築士による工事監理というものをもう一回たかを締め直す、体制を再編成するということを全力を挙げてやりたいと思います。
 それからもう一つは、五十年もつ、百年間使われるというふうな建築物について、基本的な属性が余りにも情報が不足しているという点がございます。これからはきちっとした台帳の整備を公共団体に義務づけたいと思います。台帳の整備というのは、設計の概要はもちろんでございますが、確認検査はいつ、担当者はだれだれで、いつ確認が行われた、あるいは中間検査は何月何日に民間の○○確認検査機関が確認検査を行ってあるということなども建築物の履歴としてきちっとした形で台帳に整備したいと思います。
 したがって、それの意味するところは、五年後であれ十年後であれ、万一何らかの事故が発生したときに一体どこに原因があったのか、設計なのか施工なのか施工監理なのか、あるいは確認にミスがあったのか、そういうものはきちっと固有名詞と一緒に責任追及が可能になる体系ができると思います。その意味で、台帳整備というのは非常に事務的ではございますが、物の考え方についてかなり強烈なインパクトを与えると思います。
 そういうふうなことで、少し話が冗長で恐縮でございますが、幾つかの柱で建築基準法の実効性というものについてアプローチさせていただいております。
○山崎力君 確かにいい方向に行っていると私も思います。ただ、そこで申し上げたいのは、一言で言えば今回の民間導入というのは、最終的には国ですけれども、本来なされるべき仕事を物理的にできなかったという制度が本当にいいのかどうか。
 本来、建築確認をしなきゃいかぬのです。それが三分の一しかできておらぬわけです。何をするかといったら、行政需要が多いんだから人数をふやして予算をふやしてやらにゃいかぬのを今までやってこなかった。建設省はそれをきつい言葉で言えば黙認していた。この現実は否定できないと思うんです。それで、やれなくなった、予算はない、だったら民間の人たちを導入して何とかその辺のところをやっていかなくちゃいかぬ。そういう意味からいけば、現状の中では法律で求められた義務を果たすことができない、それをギブアップしたことによって今回の改正作業が行われたという点だけは、申しわけない言い方ですけれども建設省として本当に反省していただかないと、今おっしゃったようなことを今後しっかり実効性あるものとしてやっていくために信用できるかという問題があるわけです。
 予算面の獲得の問題にしてもしかり、人員の広い意味での教育、それから実施状況、これもしかも建設省からすれば、まさに自分たちの人員を動員するというのではなくて、ピンからキリまでと言うと非常に語弊があるんですけれども、能力的にも規模的にも、あるいはそういった習性といいますか気質的にも、千差万別の全国自治体を指導していかなきゃいかぬ。でき得ればというか、法の望むところは、少なくても最低限度のところは全国の建物についての検査状況を一律なものにしていかなければならないという義務があるわけです。
 それを間接的に指導監督するという、直接的じゃないだけに非常に難しいところがあるということを御理解していただけていると思うんですが、現状が今までこうだったという反省がなければ、そこのところは、今までこうだったんだから次も適当にというふうな形に人間社会はなりがちでございますので、組織としてその辺のところの徹底方をお願いしたいと思います。
 それから、具体的な問題で小川先生初め鈴木委員、連檐建築物設計制度の問題点を指摘されておりました。まさにそのとおりでございまして、できたときはいいでしょう。その後の所有権の変化、すなわち不動産という概念が我が国においては土地だけではなくて建物にも相当して、投機もそれなりの不動産投機がなされる。そういったときに相続の問題、あるいは会社が破産等で変わってしまった、所有権者が法人の場合も含めて極めて難しい法的手続が出てくる可能性がございます。
 そして、先ほど法律に訴えるということもと言いましたけれども、それを裁判所自体が恐らく判例のないところで、新たな対応策として裁判所の判事が結論を山さにゃいかぬ。これは簡単に言えばどうなるかわからぬということで、もっとこういうところではふさわしくない言葉で言えば、建設省がこれからのいろいろな方針、あるいは地元自治体の具体的な対応がどうなのかということが調べた判事の頭の中で組み立てられていかざるを得ない。それを当てにして我々は裁判に訴えることができるだろうかということも、若干疑念を禁じ得ないという部分がございます。
 そういった意味で、一運の中で連檐の問題も含めてですけれども、先ほどおっしゃられたように土地と建物を含めた不動産の、これは法務省の担当になるかもしれませんけれども、この地域はこういった指定地域であって、なおかつ権利関係はこうなっていて、それで先ほどのような連檐建造物、これはどういう形になされるか、法的に民法上の契約の形になるのかどうか、その辺のところの問題があるわけでございます。そういったところをはっきりとわかるような形で、しかもでき得れば一件書類のような形で省庁を超えた制度がないと、先ほども出てきた繰り返しになりますけれども、トラブルを防ぐのはなかなか難しいんではないかというふうな気がしておりますが、その点についていかがでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) まず、前段の実効性の問題でございますが、それなりの努力をしてきたつもりではございますが、結果としていろんな意味で至らない点が現実にあったというのは率直に認めざるを得ないと思います。したがいまして、今回私どもの気持ちは、千載一遇という言葉を今使うのはいいかどうか若干議論もあろうかと思いますが、言うなれば千載一遇のチャンスとして体制をもう一回きちっと再編成したいと思っております。全力を挙げて取り組ませていただきたいと思います。
 それから、連檐設計の話でございますが、おっしゃいますように私どもも最終的な手続として何らかの形で不動産登記と連動することができれば恐らく究極の姿として完成すると思います。中身は詳細には無理でも、少なくともこの建物にはこういう基準法上の制限があるんだということだけでも不動産登記でわかれば、かなり事態は違うと思います。
 ただ、何回か民事局とは御相談をさせていただきましたが、現段階ではやはり不動産登記と基準法体系が一対一の対応関係でというのはちょっと難しいということでございます。そうは言ってもいろいろ行政実態も変わるわけでしょうから、しばらくの間は建築基準法体系の中で、誤解といいますか混乱が起きないような万全の構え、努力はさせていただきたいと思います。並行して、時間をかけても法務省とはいろんな御相談をさせていただきたいというふうに思っております。
○山崎力君 一点、事務的なといいますか技術的なことでお伺いしておきたいんです。
 今回、一般の方々に、民間の方々に建築確認作業等をしていただくといった場合、公務員としての守秘義務的なものと民間人との立場の違いによる責任のとり方の違いとかあるいはそういった面での効力の違いというものは全くないと考えでいいのかどうか。一種のみなし公務員的なものなのかなという気も若干しているんですけれども、その辺がほかの先生方どなたからも出なかったものですから確認させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) 御指摘のとおりでございます。
 御指摘のとおりという意味は、法律の条文で民間確認検査員に対しては守秘義務がかかります。取り扱いもみなし公務員というふうな形で法制上位置づけてございます。建築主事と全く変わらない立場ということでございます。
○山崎力君 それは本当の確認の質問でさせていただきましたけれども、そういった流れの中でこれからどういうふうにこの作業を進めていくかということになりますと、まさに先ほども言いましたように本当の均一というのは、言葉の表現ですけれども、そういった能力の人たちが全国に散らばってその数をふやして、それで作業をしていくということがあるわけです。
 もう一つ重要な問題は、先ほどの連携建物の中でも、ふと今思いついたんで恐縮なんですが、いろんな絡みが出てくるなと。例えばほかのところに移した建物、これは建ぺい率等ある程度制限がつくわけです。自分のところではその分の建物は建てられない。そういったときに、土地税制上これは優遇措置をすることができるんだろうか。同じような条件のところで、いわゆる連檐建造物じゃない土地と、ある土地と同じ面積あった。そのときに、こっちはいざ建てようとすれば十階建ての建物が建てられる土地ですよ、こっちはほかに貸しているというかそれで三階か四階しか建てられませんと。
 そうすると、同じ不動産でも、そういったことを税制上勘案できるのかできないのかということも、これは大蔵省の判断に当然なるわけでしょうけれども、そうするとどうなるのか。それは、ほかのところの売買から相続から、あるいは地価公示の場合のそういったところの基礎的なデータからすべて違ってきちゃうなと。そうかといってそこのところを明示しないで同じ土地を負担していていいんだろうか。その分連結のところからお金をもらっているんだから、それはそれでいいのかなというようなことを考えております。
 その辺が、もし検討済みであればお答え願います。
○政府委員(小川忠男君) 申しわけございませんが、今初めて問題意識が私自身にも芽生えましたので、持ち帰って体系的に研究させていただきたいと思います。
○山崎力君 私も今立ちながらふと気づいたもので申しわけございませんが、そういうふうな疑問も出てくるということで御理解願いたいと思います。
 それから、先ほど局長は、建築確認は根拠、基準、手続というものをドライに割り切ってやっていきたいとおっしゃいました。ところが、なかなか日本社会というのはこれで割り切ることに対して国民性がいまだついておらないというのが実情でございます。裁判に訴えてということになりましても、日本の裁判、特にこういった民事上のものになりますと、特に行政絡みの部分が出てきますと、非常に微妙な問題は特に裁判所というのは判断をいたしませんで和解に持っていく、拒否した方に不利な判決を持っていくということがありまして、これが法治国家かというような気もするような裁判制度が現実としてございます。
 ですから、その例でいけば、日照権というわけのわからないというか非常にわかりやすい、法律的にはわけがわからないんだけれども現実の問題としては極めてわかりやすい、この問題をどうするのか。行政の方も半分投げてしまって、地元と話し合ってください、法律上は十階なんだけれども住民側は日が当たらなくなるから五階にしろ、それで話し合いの結果、間をとって七階か八階くらいでちょっと斜めに切って建てることにする、こういうのはよく聞く話で、それが今度の場合、そういうふうに局長のように割り切った場合どうなるのか。
 逆に言えば、そこまでもう認めるんだ。今まで日当たりのいい一戸建てに住んでいたけれどもあなたの住んでいるところは十階建てのマンションを建ててもいいところなんです、そこの陰になってもいたし方ないところなんです、だからそこのところは申しわけないけれども日陰になっても甘受してください、これが全体の都市計画の中の割り当てなんですというふうにそこまで建設省として割り切ってこれからの建設行政をなされるおつもりなのかどうかお伺いしたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 右なのか左なのかと問い詰められますと非常に厳しい問題だと思います。思いますが、私どもとしては、もしそうであるならば根拠、手続は今よりはもう少し明確にした方がよろしいんではないかという感じがいたします。現状が余りにも、公共団体がということではなくて、行政と市民が、行政と国民がという観点に立ったときには、多少行政にブラックボックスが多過ぎるという点は否定できないと思います。そこはやはり現状よりはもう少し、根拠も手続も基準も今よりはもっと明確にする努力を払うべきだろうと思います。
 ただ、現実、ぎりぎりのところでおっしゃるような問題が今なお残っているであろうということは、私どももそれはそれとしてわかります。したがって、その場合に本当はどうするんだと言われたら、そこでも私は確認は確認であるという筋だけは堅持すべきであると思います。確認はおりたんだけれども、けれどもというところで世の中で何が行われるかという問題があるわけですから、そこは右から左へ一気にというのはなかなか難しいというのは現実の問題としてはあろうかと思います。
○山崎力君 そういった中で、この問題の極めて根本的な問題としてあるのは、まさに先ほどから何回も出てくる言葉で言えば条例という問題だと思います。地方自治体の自主的判断をどこまで尊重するか。それが法律に基づいた合理的なものであるのか、憲法の財産権を侵害しない程度のものであるのか、地域の特性をどこまでそういった一般法的なものとの絡みで認めるのか、そういったことがますます重大な要素として今後出てくると思います。
 一言で言えば、別の法律ですけれども、用途地域の見直し、それをこれから自治体がやっていって町づくりをするんだといったときに、そのときに建設省として土地の利用法も含めた建築基準というか、建物の方も含めた基本的なコンセプトがどこにあるのかということが今まで、これは私の個人的な感想ですけれども、どうしても独裁者がいなければいい町はできないという言葉があるようになかなか日本のところではうまくいかなかったという部分で、それを地方に任せていていいのかという部分と、国がどこまで関与できるのか。もっとありていに言えば、これは大臣に最後でお伺いしたいんですが、日本の町づくり、家づくりはかくあるべしというものが国として建設省として地方公共団体に示せるのか。
 前にも言いましたけれども、二戸建ての家だったら最低限これだけのスペースがなければ普通の二戸建ての住宅は建てられないんじゃないか。例えば二十坪でも三十坪でも五十坪でもいいです。それが地域によってはこの間までいいところが相続のために更地にされて分割されてやっていく。いい町づくりというかいい町を残すのは相続税を、逆に言えば百坪以下の家は二戸だけだったらそれはもう相続税の対象にしないというくらいの税制があった方がよっぽどいい町が残ると私は思っているんです。
 そういった点を含めて、政治家として、建設大臣として役所と違った形で、日本の町づくり、家づくりはかくあるべし、こういった形で役所を指導していきたいという考えをお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(瓦力君) 山崎委員から大変な御質問でございます。本日最後でございますので、一巡もいたしましたし、多少お答えをさせていただく前に、本改正案につきましては、中間検査の導入を初めとする建築規制の実効性の確保のための措置の充実を図っているところでございますが、確認検査業務の民間開放を行い、限られた体制の中で行政として町づくりの施策に一層力を振り向け得る環境を整えたところでございます。
 いずれにいたしましても、この法案の大改正につきまして、これからそれぞれがどういう住まいを考えていき、またどういう町づくりを目指していくのかという委員の今の御質問でございますが、今までの我が国の住宅環境は国際化の中で、先ほど局長の答弁にありましたように百万戸を超える大市場でございますからいろんな形で入ってくるわけでございます。また、国民もそれぞれがその必要に応じて工夫も凝らしてまいるわけでございますし、確かなものにするために中間検査というようなことにも取り組むということでございますので、私はそれぞれの住まいが変わってくると思うんです。
 小川委員から話がありましたが、大体がわらの載っているのは青森まで行きません、岩手ぐらいでございまして、青森や北海道になりますと屋根がわらではなくてトタンの方になっていくわけでございます。地域地域に性能、仕様、いろいろあるわけでございますが、たたずまいが変わり、そしてまた家族構成の中で今までの大家族から、いろんな工夫も凝らしていくわけでございますが、ミニマム、約束事はつくっておこうと。
 それから、町づくりについては、条例というものを踏まえながら社会を構成していくわけでございますから、自律した特性のある町づくりをしようという自治意識というのは私はどんどんこれから出てくると思うわけでございます。
 もう戦後五十年、今まで考え得なかった地域社会なり個人のたたずまいというものが出てくるわけでございますので、私はどれを目指すかということになりますとちょっと想像を超える問題でございますが、そのことの方が楽しみがありまして、また国民の意欲を方々に見ることができるわけでございますので、着せがましいような方向づけは私はできないわけでございますので、大変難しい質問で答えにならないことを申し上げて失礼いたします。
 ありがとうございました。
○委員長(関根則之君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は来る六月二日午前九時から開会することとし、これにて散会いたします。
   午後四時二十分散会
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