第143回国会 本会議 第8号
平成十年九月九日(水曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第八号
  平成十年九月九日
   午前十時開議
 第一 深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(
  特にアフリカの国)において砂漠化に対処す
  るための国際連合条約の締結について承認を
  求めるの件(第百四十二回国会内閣提出、第
  百四十三回国会衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
 一、議員永田良雄君逝去につき哀悼の件
 一、地球温暖化対策の推進に関する法律案(趣
  旨説明)
 以下 議事日程のとおり

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○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 議員永田良雄君は、去る八月二十二日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 同君に対しましては、議長は、既に弔詞をささげました。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院はわが国民主政治発展のため力を尽くされさきに農林水産委員長建設委員長の重任にあたられました議員正四位勲二等永田良雄君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
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○議長(斎藤十朗君) 角田義一君から発言を求められております。この際、発言を許します。角田義一君。
   〔角田義一君登壇〕
○角田義一君 本院議員永田良雄先生は、去る八月二十二日、昭和大学藤が丘病院で脳梗塞のため逝去されました。
 先生は、さきの厳しい参議院議員選挙に勝ち抜かれ、引き続く政変の中で、小渕自由民主党総裁実現のため、犬馬の労をとられました。また、厳しい国会運営に余人をもってかえがたいと国会対策委員長に推挙され、活躍される一方、衆議院議員富山県補欠選挙では、その陣頭指揮をとられるなど、泣き言を言われたことのない先生でございましたが、心労が重なっておられたのでございましょう、不帰の人となられましたことは、まことに痛惜哀悼の念にたえません。
 私は、ここに同僚議員各位の御同意を得て、議員一同を代表し、正四位勲二等故永田良雄先生のみたまに謹んで哀悼の言葉をささげたいと存じます。
 先生は、昭和六年に富山県新湊市にお生まれになり、旧制射水中学、旧制富山高校を経て、東京大学法学部に入学されました。十九歳で初めて上京されたときの印象を、東京というのは言葉がきれいで、きれいな女性がたくさんいると、いかにも先生らしく、率直に語っておられました。学生時代は、碁に熱中する一方で、司法試験に在学中に合格、並々ならぬ学才を示されました。
 卒業後、建設省に入省されましたが、官界を志望された理由について、門閥とか家柄に関係なく、自分の実力で昇進していける世界だと思っていたのでとある雑誌の対談でお答えになっておられました。入省後は、役人としては外回りが極めて多いんですよと語っておられたように、熊本県に三年間、日本道路公団に四年間、茨城県には、開発部長、総合開発部長、企画部長を歴任して五年間おられました。
 その間、鹿島臨海工業地帯の建設では、企業誘致に、霞ケ浦総合開発事業の推進では、霞ケ浦の漁業に携わる方々との非常に難しい漁業補償の全面的妥結を図るなど多大な功績を上げられる一方、よく部下の面倒も見られ、ゴルフなどの趣味も豊富で、先輩、同僚から厚い信望を得ておられました。「永田スマイル」と言われただれにでも慕われる態度、相手の懐に飛び込んでの交渉ということも、天性もさることながら、このような経験から培われたものと思われます。
 その後、建設省計画局長時代においては、建設業の育成、入札制度の合理化対策等に取り組まれるなど、多くの功績を残されました。
 次いで、国土庁に移られ、土地局長、官房長を経て国土事務次官に就任されました。その間、四全総の作成に携われ、高速交通体系の整備を基本に置き、特に一万四千キロの高規格幹線道路の具体的な路線配備を盛り込むことでは、泥まみれの努力をされたと伺っております。
 そして昭和六十一年、急遽、富山県選挙区の沖外夫議員の後継者として、国土庁を退官して立候補、二十六日間で議員に変身した男として一躍有名になられました。当時、御本人は、政治家になることは夢にも思っておられなかったようでありますが、先生のような魅力のある人物を周囲がほうっておくわけがなく、いざ戦いとなるやあの大きな声で真情を吐露され、その雄たけびで支持者の魂を揺さぶり、最初は冗談に立候補したら離婚するとおっしゃられた奥様の内助の功もあって、圧倒的な得票を得て初勝利の栄誉をかち取られました。
 以来、平成四年再選、本年七月に自民党逆風の中、見事三選を果たされました。この連続三期、十二年余の間に、平成三年には農林水産委員長、平成七年には建設委員長に就任され、数多くの法案の成立に御尽力されました。本会議での歯切れのよい委員長報告をなされる一方、予算委員会等においても真の政策通として、だれにでも理解できる易しい言葉で、しかも「永田節」と言われる名調子で、庶民の立場に立ち、論陣を張っておられましたことが強く印象に残っております。
 また、郷土富山県のためにも誠心誠意尽力され、北陸新幹線の建設促進に尽力されるなど、さまざまな問題を親身になってお世話なさるとともに、県ヨット連盟会長、県剣道連盟会長など、富山県のスポーツ振興にも尽くされてきたところであります。政治家としてさらに大いに活躍が期待できる人物を失ったことは、先生のふるさと富山県にとっての損失ははかり知れないものがありましょう。
 一方、建設、国土関係の豊かな経験を生かし、自由民主党の政策ブレーンとしても活躍され、国土総合開発促進審議会長として、新しい全国総合開発計画の策定に尽くされるなど、将来を見据えたスケールの大きな仕事を行ってこられました。中でも、我が国経済再生にとって重要な土地政策を推進していく上で、最も精通しておられた先生を失ったことは、単に自由民主党にとってだけではなく、日本の将来にとって大きな痛手であります。
 「一期一会」を座右の銘とされ、人との出会いを大切にする先生は、平成十年度総予算を審議する予算委員会の場で、国家国民のために、参議院らしい審議方法を編み出し、予算の早期成立のために理事として尽力されました。予算審議が緊張を秘めながらも円滑に進んだのは、先生が、相手との信頼関係を大切にし、豪快にして緻密、あるときは自会派内を説得し、また、あるときはみずからの責任において事を処するという、決断力と判断力を兼ね備えた有徳の士であったからこそであります。その先生と私が肝胆相照らす間柄とさせていただきましたことは、私は心から感謝の気持ちでいっぱいであります。
 対決の衆議院に対して、合意形成の参議院を目指し、真に良識の府としての本院が、この難しい日本の現状の中で、今こそその真価を発揮すべきときであります。そう思うとき、本院のみならず、日本のこれからの政治にとってかけがえのない不世出の政治家永田先生を失ったことは、返す返すも残念な思いでいっぱいであります。
 御本人も、これからが政治家としての志を全うできる時期であり、その御心中を思うとき、さぞ御無念であったでありましょう。また、大変な家族思いであった先生が、愛妻とお二人のまな娘、三人のかわいいお孫さんを残されてのよみ路への旅立ちは、さぞお心残りだったろうと思います。御遺族のお気持ちも察するに余りあるものがあります。
 演歌が得意な永田先生が興に乗り、ある歌手の、「帰りたい、帰れない」と熱唱する姿を見て、心に去来するものは一体何であったのでありましょう。
 思うに、万葉の歌人大伴家持が越中守として赴任中に詠んだ、あの「立山に降り置ける雪を常夏に見れども飽かず神からならし」と、神の山にふさわしいとたたえた、雪をいただく立山連峰に連なるふるさと富山への思いだったのでしょうか。
 ここに謹んで、故永田先生のお人柄と御業績をしのび、院を代表して心からの御冥福を申し上げ、哀悼の言葉といたします。
     ─────・─────
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 地球温暖化対策の推進に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。真鍋国務大臣。
   〔国務大臣真鍋賢二君登壇、拍手〕
○国務大臣(真鍋賢二君) 地球温暖化対策の推進に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 昨年十二月、地球温暖化防止京都会議において、法的拘束力のある温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書が採択されました。一方、我が国の現状を見ますと、二酸化炭素排出量はここ数年増加基調にあり、実施可能な対策を現段階から講じていかなければなりません。
 このような状況の中で、地球温暖化対策の推進を図るため、今般、この法律案を提案した次第であります。
 次に、法律案の主要事項の概略を御説明申し上げます。
 第一に、国、地方公共団体、事業者及び国民それぞれが地球温暖化防止のために取り組みを行う責務を定めることとしております。
 第二に、政府は、国、地方公共団体、事業者及び国民が講ずべき措置に関する基本的事項、みずからの事務及び事業に関して実行すべき措置について定める計画に関する事項等について、基本方針を策定することとしております。
 第三に、地方公共団体は、みずからの事務及び事業に関して実行すべき措置について計画を定め、その公表等を行うこととしております。
 第四に、温室効果ガスの総排出量が相当程度多い事業者は、単独にまたは共同して、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画を策定し、その公表等に努めなければならないこととしております。
 第五に、国民が行う温室効果ガスの排出の抑制等に関し、都道府県知事は、地球温暖化防止活動推進員を委嘱すること、国及び都道府県は地球温暖化防止活動推進センターを指定することができることとしております。
 以上が地球温暖化対策の推進に関する法律案の趣旨でございます。
 なお、地球温暖化対策の推進に関する法律案は、衆議院において一部修正されておりますが、その概要は次のとおりでございます。
 第一に、法案の目的規定に「気候変動に関する国際連合枠組条約及び気候変動に関する国際連合枠組条約第三回締約国会議の経過を踏まえ、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ地球温暖化を防止すること」及び「すべての者が自主的かつ積極的にこの課題に取り組むことが重要であること」を追加するものとすること。
 第二に、市町村も、都道府県と同じく、その事務及び事業に関し、実行計画を策定するものとすること。
 以上でございます。(拍手)
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○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。岡崎トミ子君。
   〔岡崎トミ子君登壇、拍手〕
○岡崎トミ子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま趣旨説明をされた地球温暖化対策推進法案について、総理、環境庁長官及び建設大臣に質問いたします。
 先月末、東日本や北日本は記録的な豪雨に見舞われました。年間の平均降水量の三分の二の雨量を六日間で記録した地域もあります。この豪雨による死者、行方不明者は二十二名で、建物の全壊、流失、浸水など、およそ一万二千戸の被害がもたらされました。家を失った多くの方々が今も避難所生活を続けておられます。御家族を亡くされた方々や生活を立て直すために御苦労されている皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 こうした異常気象が最近世界じゅうで報告されており、特に中国の大洪水など、豪雨については地球温暖化との関係を指摘する専門家も多いようです。温暖化が招く異常気象がどのようなものになるのかを見せつけられている気がします。
 一九九五年の十二月に発表されたIPCC、気候変動に関する政府間パネルの第二次評価報告書は、地球温暖化を原因とする異常気象による災害の危険性について警告しております。小渕総理は、外務大臣として昨年の京都会議にも参加されておりますが、昨今の異常気象についての現状認識をお伺いいたします。
 京都会議の成果については評価が分かれますが、法的拘束力のある目標値の設定ができたことは重要な意義を持ち、その目標を確実に達成することは、温暖化防止の第一歩として重要だろうと思います。
 法的拘束力ある目標値の設定ができたのは、世界の、そして日本のNGOの努力によるところが大きいと思いますが、政府は内外のNGOの活躍をどう評価されているでしょうか。
 また、十一月にアルゼンチンで行われるCOP4、気候変動枠組条約第四回締約国会議の際には、NGOと国民の代表である国会議員を政府の代表団に加えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。もし、政府の代表団に加えることができないというのが現段階での政府の考え方であるならば、なぜそれができないのか、明確にお答えください。小渕総理にお尋ねいたします。
 政府は、一九九〇年に地球温暖化防止行動計画を策定しました。この行動計画は、二〇〇〇年に二酸化炭素の排出を一九九〇年レベルで安定させることを目標としております。ところが、ことしまでに一九九〇年と比較した二酸化炭素の排出量は一割ほど増加しています。目標の達成は事実上困難だと思いますが、なぜ目標が達成できないのか、見解をお伺いいたします。原因の分析なくして今後の有効な対策はあり得ません。
 以下、地球温暖化対策推進法案についてお尋ねいたします。
 衆議院の審議で野党が強く主張し、与党が受け入れて、温暖化を防ぐことができるレベルで大気中の温暖化効果物質の濃度を安定化させることが、法律の目的として明記されたことは大変評価されることです。この法案はわずか十六条でありますが、その法案に対して、衆議院では十一項目の附帯決議がつけられました。これは、この法案に対する市民の関心がいかに高いかを示しています。市民の関心が高く、期待や熱意に比べて政府提出の原案が不満足なもので、それに対して、何とか国会がこたえようとした成果がこの十一項目という附帯決議の数になったのだと思います。
 今後の温暖化防止対策の策定、推進に当たっては、情報公開に基づく市民の参加が欠かせませんが、この法案はその観点から見て不十分な点も多いようです。法案の第七条で、政府が温暖化に関する基本方針と実行計画等を作成することが定められていますが、市民参加の仕組みについては明記されていません。
 政府も、基本方針を策定する段階で市民の意見を聞く必要性を認めておりますが、どういう形で意見を聞くのか、具体的にお答えください。基本方針を受けて計画を策定する際にも、やはり市民の声を反映させる必要がありますが、その点もお伺いいたします。
 市民参加という点から法案の第十一条と第十二条に規定されている地球温暖化防止活動推進センターも重要です。このセンターは、運営の仕方、関係者の取り組み次第では大変な効果が望まれるものと考えます。このセンターの運営に当たって、市民やNGOがどのような形で参加することが想定されているでしょうか。
 センターは、各種の情報や資料を収集し、発信する拠点になるべきものだと理解しております。自治体や市民にとって、有効で使いやすい道具としてこのセンターが育っていくためには、行政情報についても提供できる必要があります。政府機関ではない民法三十四条の法人、つまり民間団体であるこのセンターが行政情報にアクセスを確保する方法はあるのでしょうか。
 次に、国の実行計画の内容について伺います。
 実行計画を策定する際には、先ほど伺った地球温暖化防止行動計画についての反省はどのように生かされるのでしょうか。また、この実行計画はどの程度踏み込んだものになるのでしょうか。両面コピーを使うとか、電気自動車をふやすといったことも大切です。しかし、国の施策によって排出される温暖化効果ガスの量を抑えることも視野に入れるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 例えば、公共事業で箱物をつくるにしても、建築廃材をリサイクルした建材を使用する研究を進め実行していく等の必要があると思いますが、公共事業におけるリサイクルの研究の現状と今後の対策についてお聞かせください。建設大臣にお尋ねいたします。
 附則第二条の見直し条項について伺います。
 この法律が施行されてから五年以内に見直すとされています。この「五年以内」という規定を三年を目途としてと修正すべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、見直しの内容についても、削減目標を数値で明記することと、今回の法案では一定規模以上の事業者の努力義務とされている事項を義務化することを検討する必要があります。これらは京都議定書を批准し、その内容を実行するために欠かせない措置だからです。この点についてもお答え願います。
 次に、地球温暖化問題の解決のための手段として提案されている環境税の導入について伺います。
 環境税は必ずしも家計や経済に新たな負担をかけるものではありません。環境に悪影響を与える行動を抑える一方で、徴収された税を環境産業や情報産業などに集中的に投資することで、環境保護と経済の活性化の両方を実現する道具になり得るものです。こうした政策の活用についてどのようにお考えでしょうか。
 地球温暖化を抑えていくためにも、市民一人一人が自分の行動を見詰め直すことから社会を変えていく、そのきっかけとしての環境教育がとても重要だと思います。自然の美しさを感じ取る敏感さ、地球環境に関する十分な知識、そうした知識を個々人の日常生活と結びつけて考えることができる想像力、行動する力を持つ個人を育てる環境教育を創造していく必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。
 最後に申し上げたいことが二つあります。
 この法案でも、第十四条で関係行政機関の協力についての規定をしております。従来の縦割り行政の弊害をそのままに有効な温暖化対策はあり得ず、他の省庁と連携をしながらの環境行政の進め方についてぜひ十分に検討をし、今後の省庁再編論議、特に環境省そのほかの設置法案づくりに生かしていただきたいと思います。
 また、COP4以降の締約国会議では、ぜひ日本が積極的に指導的な役割を果たし、排出権取引や吸収源の規定が抜け穴とならないよう努力をするよう強く求めます。
 参議院での充実した議論の端緒となるような、政治家としての積極的な答弁を各大臣に期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
○国務大臣(小渕恵三君) 岡崎トミ子議員にお答え申し上げます。
 まず、地球温暖化と最近の世界の異常気象の現状認識についてのお尋ねでございました。
 個々の異常気象や災害と温暖化との科学的因果関係は、残念ながらいまだ立証されておりませんが、地球温暖化が自然の生態系及び人類に悪影響を及ぼすおそれがあることにかんがみまして、現段階から温暖化対策を進める必要があると考えております。
 次に、京都議定書とNGOの関係についてのお尋ねがございました。
 京都会議の成果は、各国の政府関係者のみならず、NGOや一般市民、企業、プレス、その他多くの関係者の努力によるものと認識いたしておりまして、おのおのの努力が高く評価されるべきであると考えます。なお、私自身も京都会議に出席いたしました際に、環境問題に熱心に取り組んでおられるこれらNGOの方々にもお会いをいたしまして、大変意を強くし、その日ごろの御努力に敬意を表させていただいたところでございます。
 COP4の代表団についてお尋ねがありましたが、COP4の際には、オブザーバーによる傍聴が許される会合のほかに、各国代表団のみによる意見交換を目的とした非公式な会合も開催されます。各国代表団はこれらすべての会合に出席できることになりますが、これらの会合の性格等を十分に勘案した上で、我が国の代表団の構成につきましては、今後慎重に検討していく考えでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣真鍋賢二君登壇、拍手〕
○国務大臣(真鍋賢二君) 岡崎トミ子議員にお答えいたします。先生からの御質問は九問かと存じます。順次お答えをさせていただきたいと存じます。
 地球温暖化防止行動計画についてのお尋ねでございますが、この計画は、政府としての地球温暖化対策の方針、広範な施策等を明らかにしたもので、これに基づき温暖化防止に資する多くの事業が実施されることとなっております。また、国の施策が既存施策の運用の改善の範囲にとどまっていたこと、事業者等の取り組みについての方針が示されず、自発的な取り組みが進展しなかったことなどの問題があると考えております。このため、本法案により、国、地方公共団体、事業者及び国民が地球温暖化防止に向けた取り組みを進める枠組みを定め、対策の推進を図ってまいりたいと存じます。
 次に、基本方針の策定に関して、情報公開、市民参加のための仕組みを法律に明記すべきであるとのお尋ねでございます。
 基本方針は、政府が責任をもって策定すべきものと考えております。基本方針の策定に当たっては、中央環境審議会の意見を聞くこととし、その際、同審議会が国民の意見を適切に聴取、反映するなど、透明性の確保に努めてまいりたいと思います。
 次に、実行計画の情報公開や市民参加についての御質問ですが、実行計画は基本方針とは性格を異にし、市民に直接のかかわりの少ない政府みずからの事務及び事業から、直接排出する温室効果ガスの排出の抑制等のために講ずる措置を定めたものであります。
 情報公開については、本法案の施行に当たり、実行計画の実施状況について広く国民に公表することで、透明性の高い形で政府みずからの取り組みを進めていくことといたしております。
 地球温暖化防止活動推進センターへの市民やNGOの参加についてのお尋ねでございます。
 ただいま総理からも御答弁がございましたように、センターは市民の地球温暖化防止活動の支援、促進することをその目的としています。市民やNGOの意見、提案を適切に反映して、市民が実際に対策等を行いやすくするようなセンターの活動にしていきたいと考えております。このため、センターの運営については、市民、NGO等の参画が得られるようにしていきたいと考えておるところでございます。
 次に、センターの行政情報へのアクセスについてのお尋ねでございますが、国民による地球温暖化防止の取り組みを促進するためには、行政情報も当然必要となってまいります。環境庁としては、センターに対し、さまざまな行政情報を積極的に提供してまいりたいと考えております。
 国の実行計画の内容についてのお尋ねでありますが、実行計画には、国みずからが直接行う行政事務や現業的な活動に関し、温室効果ガスの排出量の少ない自動車の導入比率を定めるなど、極力達成すべきレベルを数量化するとともに、省エネ型の庁舎やOA機器の導入から夏の軽装の実施に至るまで、具体的な取り組みの計画が盛り込まれておると考えています。また、これらの取り組みに関し、実施状況やその結果としての排出量の推移等を公表してまいりたいと思っております。
 次に、検討条項についてのお尋ねでございますが、これについては、我が国の温室効果ガスの総排出量の推移や排出量取引などについての国際的な協議の進展を踏まえ、適時適切に対応していきたいと考えています。
 環境税についてのお尋ねでございます。
 環境基本法及び環境基本計画では、今日の環境問題を解決していくための一つの手法として、環境税を初めとする経済的措置について明記されています。地球温暖化問題に対応する炭素税等の環境税の導入の是非につきましては、昨年、中央環境審議会において議論がなされ、引き続き検討が必要とされているところであります。
 今後は、これまでの議論を踏まえながら、さまざまな立場から御意見等をいただき、国民的な議論のもとでさらに環境税について検討を深めてまいりたいと思います。
 最後に、環境教育の推進についての御質問でございますが、今日の環境問題は国民一人一人の生活と深くかかわっており、環境教育の推進によってライフスタイルを環境に優しいものとしていくことが極めて重要であります。環境基本法などにおいても環境教育の重要性が述べられており、環境庁では従来から環境教育に力を注いできたところです。
 また、政府において本年六月十九日に策定した地球温暖化対策推進大綱でも、ライフスタイルの見直しのために環境教育の充実を図る必要があるとされています。今後、これらの施策の充実強化に取り組んでまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣関谷勝嗣君登壇、拍手〕
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生は積極的な答弁をしろということでございました。前向きの真剣な答弁をさせていただきます。
 まず、建設廃棄物は、全産業廃棄物の中の割合は二割でございますが、それが最終処分の割合はどうかといいますと、四割に上がってまいります。ということは、最終処分までリサイクルされないものがあるということでございますから、建設材はどうしてもそういうものが多い。
 それで、リサイクル率を高めようと努力をしておるわけでございますが、数値的に見ますと、アスファルトとかあるいはコンクリートにつきましては、平成十二年度の目標が九〇%ということになっておりますから、大部分がリサイクルはできるわけでございます。
 ところが、建設混合廃棄物、建物がございますと、例えばガラスであるとかコンクリートであるとか床であるとか、その木材を分けて解体すればいいのでございますが、それはどうしても費用がかかるというようなことでございまして、混合解体、頭から壊してしまうわけでございます。
 そういうようなことがございまして、混合廃棄物におきますと、平成二年度の実績値が三一%でございましたが、平成七年度の実績値は一一%に下がっておるわけでございます。こういうようなことは、リサイクルあるいは環境保全に逆行しておるわけでございますから、せめて公共事業においては、この部分は法律的に縛っていかなければなかなか解決はできないと私は思っております。
 ですから、先生もそういうようなところをお考えであろうと思うのでございますが、やはり公共事業を中心としたリサイクルの法案というものを私は考えていきたいなと思っております。ただ、現時点では民間の工事におきまして、そこまで法律で縛ることが可能であるかどうかということはございますが、これはまた鋭意今後検討をしてまいりたいと思っております。
 ただ、建設廃棄物全体のリサイクルの率は、平成二年に比べますと、平成二年が四二%でございましたが、平成七年が五八%となってきておりますから、やはり先生の御指摘等々によってこのように前向きに進んでおります。
 今後とも努力をいたしますので、よろしくお願いいたします。(拍手)
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○議長(斎藤十朗君) 加藤修一君。
   〔加藤修一君登壇、拍手〕
○加藤修一君 私は、公明を代表して、小渕総理並びに関係大臣に質問いたします。
 我々をはぐくむ地球は、四千六百万年ぶりの生物種の大幅な減少、毎年記録を更新中のオゾンホールの拡大、汚染物質が深海に至るまで拡散していること、さらに環境ホルモンなど有害化学物質の脅威など、それぞれが複雑に絡み合って地球的問題群の様相を顕著に示し始めております。
 青き地球、その実態は、苦悩が刻み込まれた惑星でもありますが、地球環境の再生の仕組みを取り入れた人類の新しいステージへの動きが見られ始めてもおります。すなわち、自然環境との共生に基づく人類益、地球益を基調とする新世紀、言いかえれば、物、物質至上の世紀から生命を軸にした世紀への兆候でありましょう。そのために、人類の英知を結集したラストチャンスの総力戦が求められているところでもあります。
 この意味でも、京都会議の開催は人類の新ステージに向けて重要なシグナルを発する絶好の機会でありました。
 しかし、合意した削減目標値は、IPCCが警告しているレベルと比較するならばささやかな一歩にすぎません。この一歩にとどまってしまったことは、人類の将来にとって大変厳しい瀬戸際のシグナルとなってしまったと言えましょう。その一歩の中身でさえ、我が国の責任を果たす上で、本法律案によって実効性を十分発揮できるか大変心配されるところであります。
 ところで、我が国の温室効果ガスの排出量は、種々の広範な対策を考えたにもかかわらず、一九九五年は九〇年比で八・六%とさらに増加しました。一刻も早く温室効果ガスが増加から削減へと大転換する対策をとらなければ、削減目標年が迫るに従ってドラスチックな削減行動をせざるを得なくなります。これまでの政府の取り組みがいかに実効性を欠いていたか、真剣味に欠けていたかを認識すべきであります。小渕総理に強く反省を求めるものであります。いかなる御見解をお持ちでしょうか。
 我が国の温暖化防止については、長期的な視点からの理念というものが見えてきません。京都会議の開催直前に至っても国民的議論が反映されず、霞が関の一角で環境庁と通産省などが密室協議して、やっと二・五%の削減目標が日の目を見るや否や、京都会議の国際交渉の場で翻弄されて六%削減となり、日本政府の当初のもくろみが破綻してしまったわけであります。
 しかしながら、その後、六%という数字に帳じりを合わせるかのように、森林による二酸化炭素削減という、国際的にもいまだ結論の出ていない森林吸収源方式で三・七%の削減を見込むシナリオをつくり上げておりますが、権威あるIGBPの最近の報告書は、陸上の吸収源は来世紀中に排出源に変わると予測しているわけであります。しかしながら、国内対策の努力目標は変えずに、さきのとおりであります。このような対応で果たして六%削減ができるのでありましょうか。小渕総理の御見解をお伺いいたします。
 また、追加されたHFC、PFC、SF6の三種類のガスの排出量が二%増加を見込まれていますが、PFCは分解するのに数万年もかかるというとんでもない寿命を持っております。現在、このガスで直接的な被害を受けていないように思えても、かつての特定フロンのように将来取り返しのつかないことになる可能性があります。これらのガスの排出を禁止すべきと思いますが、小渕総理、いかがでありましょうか。
 さて、環境とエネルギーとの関係は言うまでもなく緊密であります。そこで次に、政府策定の長期エネルギー需給見通しについてお伺いいたします。
 政府は見通しと言っておりますが、これは単なる予測ではなく、日本のエネルギー政策の骨格になるものであります。このような重要な内容を国会を経ないで決めることは、まさに国会軽視ではありませんか。両院の審議にかけ、承認を得るべき重要案件であります。小渕総理の御見解をお伺いいたします。
 また、エネルギー起源のCO2排出量を二〇一〇年に九〇年比〇%削減は極めて不十分な目標値であり、しかもこの前提条件となっているのは、第一に、立地紛争などから実現不可能な原発二十基相当の増設を考えていること、第二に、CO2削減に逆行する石炭火力発電などIPPの大量増設も想定していることであります。一方、クリーンエネルギーに当たる新エネルギーについては、二〇一〇年においてでさえ、たかだか三%程度の低い目標値にとどまっております。これは社会経済構造の改革姿勢が欠如した内容でもあります。
 以上の指摘について、与謝野通産大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、本法律案の第十四条において、環境庁長官が他省庁の長に対して温暖化対策の推進について協力を求めることになっておりますが、しかしこれだけでは不十分であります。政策の立案、実施を含めて、温暖化対策の観点から政策アセスメントを行うべきではないでしょうか。真鍋環境庁長官の御見解をお伺いいたします。
 次に、事業者の削減計画と実施状況の公表が努力目標になっておりますが、産業部門のエネルギー消費量は日本全体の五割程度を占め、その温暖化対策が極めて重要であります。そこで、削減計画と実施状況の公表については、当初環境庁が考えていたとおり義務にすべきであります。また、計画内容や実施状況が十分でない場合は、国が勧告・命令を行うことが必要ではないでしょうか。真鍋環境庁長官のお考えをお伺いいたします。
 ところで、我が国は地球温暖化防止行動計画を策定しておりますが、平成九年度の予算執行額を見ますと、全体で十一兆七千億円にもなります。そのうち、実に七二%に当たる八兆四千億円が道路関連整備費になっております。温暖化防止と道路整備、奇妙な予算措置であります。これだけの費用にもかかわらず、CO2排出量が効果的に削減できたというふうな話は聞いておりません。一体、対策費がどのように使われているか。そもそも、費用対効果などを明示した対策は、全体二百三十三件の中でたったの八件であります。実効性を上げる重要な手続は、費用対効果を明確にすることであると考えますが、小渕総理の御答弁を求めます。
 次に、地球温暖化対策推進大綱についてお伺いいたします。
 この大綱はどのように決定されたのでしょうか。そのプロセスが不透明であり、既存の省庁の対策メニューが縦割りに単に並べてあるだけで、六%削減を必死に達成しようという積極的な意欲が見えてきません。
 政府は、広く市民、NGOの意見を聞き、国民的議論の中で大綱の再検討を行い、国会審議、承認を経て、総合的かつ実効性のある温暖化対策推進大綱をつくるべきであります。小渕総理の御見解をお伺いいたします。
 また、地球温暖化防止行動計画と地球温暖化対策推進大綱、そして本法律案の相互関係はいかなる位置づけになるのでしょうか。小渕総理の御見解をお伺いいたします。
 次に、地球温暖化対策の推進を実効あらしめるためには、政府の率先実行計画が重要であります。省庁の率先実行計画の取り組みは目標の何%まで実行されているのでしょうか。また、今後の取り組みについて小渕総理の決意をお伺いいたします。
 ところで、京都会議において先進国が五%削減に合意しましたが、しかし、その後の削減強化がうまくいったかどうか、それはこれからの行動次第であります。日本は、議長国としてリーダーシップを発揮して、京都議定書の内容を早期に確定して、一刻も早く世界に先駆けて京都議定書の批准をすべきであります。いつまでに批准するお考えでありましょうか、小渕総理の御決意をお伺いいたします。
 また、早急な対応が求められている環境問題は、ダイオキシン汚染問題についても同様であります。ダイオキシン濃度の基準は排出ガスのみであり、飛灰、焼却灰は濃度が高いにもかかわらずダイオキシンを特定した規制がなく、さらに土壌、水質などは基準なしの状態であります。早急にこれらの基準を設けて総量規制を図るべきでありますが、真鍋環境庁長官はいかがでありましょうか。
 最後に、二十一世紀には環境がキーワードになることは言うまでもありません。京都会議を通じて環境外交が一層定着しましたが、ブラント報告書が述べているように、国家指導者が地球規模の責任感を持たなければならない必要が差し迫っていることを考えますと、環境外交は国際的交渉の場でますます重要なことになってきております。小渕総理は、みずからの政治理念に環境外交をどのように位置づけているのでしょうか。小渕恵三内閣総理大臣に御見解をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
○国務大臣(小渕恵三君) 加藤修一議員にお答え申し上げます。
 まず、温室効果ガスの排出の実態と地球温暖化防止の取り組みについて御指摘がございました。
 我が国の温室効果ガスの排出量は、各種の排出抑制の努力にもかかわりませず、近年増加基調にございます。このため、京都議定書を踏まえ、本法案に基づく取り組み、地球温暖化対策推進大綱に盛り込まれた各種の地球温暖化対策を強力に推進してまいりたいと存じます。
 六%削減について、専門的かつ貴重なお尋ねでございましたが、本問題につきましては、吸収源の取り扱い等のルールに関する国際交渉の進展を踏まえつつ、国内対策及び国際的協調のもとでの取り組みの推進を通じまして、六%削減の達成のため万全を期してまいりたいと思っております。
 HFCなど三種類のガスを排出禁止すべきとの御指摘がございました。
 これらのガスの代替物質が開発されていないという現状を踏まえまして、政府といたしましては、地球温暖化対策推進大綱に基づき、第一に、産業界におけるこれらのガスの計画的使用効率化、回収、再利用、破壊等の取り組みの促進、第二に、新規代替物質の開発等の二本を柱に排出の抑制を進めてまいる方針でございます。
 長期エネルギー需給見通しに国会承認が必要との御指摘がございました。
 この見通しを策定した総合エネルギー調査会は、総合エネルギー調査会設置法に基づきましてエネルギーに関する重要事項を調査、審議することとされておりまして、国会での御議論その他国民各層の御意見を踏まえまして、本見通しを作成いたしてまいるものでございます。
 施策の費用対効果に関するお尋ねでございましたが、実効ある地球温暖化対策を推進していくためには、対策推進の効果についてできる限り客観的に評価することが重要であり、具体的な評価手法について検討していくとともに、地球温暖化対策の推進状況について定期的にフォローアップを行ってまいりたいと考えております。
 地球温暖化対策推進大綱に関するお尋ねでありました。
 大綱は、内閣の地球温暖化対策推進本部におきまして、国会の御議論も踏まえ、温室効果ガス六%削減目標の達成に向けた方針、あらゆる政策手段を動員した具体的かつ実効ある対策を政府として策定したものでございます。
 今後とも、国会での御議論や国民的議論等を通じまして、地球温暖化対策を強力に推進してまいりたいと思います。
 本法案と地球温暖化防止行動計画、地球温暖化対策推進大綱との相互関係につきましてお尋ねがございました。
 本法案は、国、地方公共団体、事業者、国民の各主体の温暖化対策への取り組みの枠組みを定めるものでございまして、こうした取り組みによりまして、地球温暖化防止行動計画や地球温暖化対策推進大綱に盛り込まれた各般の施策が有機的に組み合わされ、着実に推進されるものと考えております。
 率先実行計画につきましてお尋ねがありました。
 この計画につきましては、平成七年六月の閣議決定以来、各省庁の連携のもと鋭意推進しておりまして、全体としてはほぼ着実に前進しております。例えば、用紙類の使用量等につきましては既に目標を達成いたしておるところでございますが、なお低公害車の導入等につきましては特段の努力が必要となっており、努力してまいりたいと思っております。
 今後とも、計画目標の確実な達成に向けまして、政府一体となって積極的に取り組みを推進してまいります。
 次に、京都議定書の批准についてのお尋ねがありましたが、本議定書は、将来における地球温暖化の防止のために極めて有意義であると考えております。現時点では、締結の具体的時期を申し上げることは困難でございますが、加藤議員御指摘のとおり、我が国は京都会議の議長国でもあり、政府一体となりまして、議定書上細則を詰めることとされておる事項や各種国内実施措置を十分検討の上、また、主要先進国の検討状況等を踏まえつつ、可能な限り早期に締結できるよう努めてまいりたいと思っております。
 最後に、環境外交についてお尋ねがございました。
 我が国は、人類の安全保障と将来の世代に対する責任との観点から、気候変動を初めとする地球環境問題への取り組みを、従来より我が国の国際貢献の最重要分野の一つと位置づけてきております。
 今後とも、引き続き二国間や国連等の多国間の枠組みを通じまして、積極的に環境外交の推進に取り組んでまいりたいと思います。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣真鍋賢二君登壇、拍手〕
○国務大臣(真鍋賢二君) 加藤修一先生にお答え申し上げますが、先生にはかねてより、環境問題に大変御熱心に、高い御見識をちょうだいいたしておるところであります。
 先ほど来、温暖化対策の観点から政策アセスメントについてお尋ねがございましたが、温暖化対策を推進していく上では、温室効果ガスの排出の抑制に資する各種の施策を適切に実施していくことが効果的です。このため、本法律案では、環境庁長官が関係行政機関に必要な協力を求めていくことといたしております。
 なお、政策や計画に対するアセスメントについては、その方法等について課題が多く残されており、国際的動向や我が国での現状を踏まえて具体的な検討を進めてまいる必要がございます。そのために、環境庁では諸外国の状況について調査を行っておるところであります。
 次に、事業者への取り組みの義務づけについてのお尋ねでございますが、事業者の温室効果ガスの排出抑制等のための対策は緒についたばかりでございます。現段階ではこれを義務づけることは困難であるため、本法案においては努力義務としたところであります。本法の施行に当たっては、事業者の自主的な取り組みを促していくため、政府としても技術的情報の提供等の支援を図ってまいります。
 次に、ダイオキシンに汚染された飛灰、焼却灰、土壌、水質について基準を設定し、規制を図るべきとのお尋ねがありました。
 この点につきましては、本年度から全国的な調査を実施し、その結果を踏まえ、順次必要な対策の検討を進めることとしております。このうち、土壌中のダイオキシンにつきましては、専門家の御意見を聞きながら、対策の推進に必要な指針の設定を含めて検討を進めておるところであります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕
○国務大臣(与謝野馨君) CO2削減目標と社会経済構造の改革姿勢についての御指摘ですが、長期エネルギー需給見通し、これにおいては、COP3の目標と二%程度の経済成長とを両立すべく、省エネルギー対策の推進、原子力、新エネルギーを初めとする非化石エネルギーの導入等、経済社会全般にわたる対策を最大限に講ずることとされており、これによりまして二〇一〇年度のCO2の一九九〇年度比安定化を図る所存でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(斎藤十朗君) 岩佐恵美君。
   〔岩佐恵美君登壇、拍手〕
○岩佐恵美君 私は、日本共産党を代表して、地球温暖化対策の推進に関する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 気候変動に関する政府間パネル、IPCCは、産業革命以降人為的影響による地球温暖化が既に起こりつつあることを認めました。そして大気中の炭酸ガス濃度が二倍になると、森林破壊による大量の炭酸ガスの発生、熱帯、亜熱帯などの飢饉の増大、高潮被害の倍増、広大な土地の水没、マラリアやコレラの増加など、地球に深刻な影響を及ぼすと警告しています。日本でも、水害や渇水の危険の増加、稲作や果樹栽培への影響、高潮災害の増大、高齢者の死亡の増加など、大変な事態が予測されています。
 IPCCは、地球温暖化の進行をとめるためには、炭酸ガス等の排出量を一九九〇年レベルから直ちに五〇ないし七〇%削減する必要があると強調しています。地球温暖化問題は、まさに人類の生存基盤にかかわる最も重要な環境問題であり、待ったなしの課題です。政府にはこのような認識があるのでしょうか。政府の温暖化防止対策は、いずれも実効性の薄い、形ばかりのものです。一体、政府は温室効果ガスの削減を本気で推進しようとしているのですか。まず、この点について政府の基本姿勢を伺います。
 第二に、日本の国際的に果たす役割についてです。
 世界の炭酸ガスの六割を先進工業国が占めています。一方、炭酸ガス排出はわずかなのに陸地が大幅に水没していっている小さな島国の人々は、このまま地球の温暖化が進めば、愛する島は生き残れないと悲痛な声を上げています。日本の炭酸ガス排出量は、南アメリカ、アフリカ諸国全体よりずっと多く、世界で四番目の大量排出国です。だからこそ、日本は、温暖化対策を確実に遂行しなければならない国際的責任があります。
 我が国は、九〇年に地球温暖化防止行動計画を閣議決定しました。ところが、炭酸ガスの排出量は減るどころか、九六年には九〇年よりも九%以上もふえているではありませんか。これでは、日本は、温暖化問題に真剣に取り組んでいないと言われても仕方がありません。国立環境研究所は、日本では八%の削減が可能だと試算しています。京都で決められた日本の六%削減は、国際的責任からも、また、気候変動枠組条約第三回締約国会議、いわゆるCOP3の議長国という立場からも全く不十分です。日本の国際的な責任に照らして、排出削減目標をさらに引き上げるべきではありませんか。答弁を求めます。
 第三に、六%削減目標でさえ、排出権取引などに頼っているということです。
 政府の地球温暖化対策は、炭酸ガス排出量で二・五%の削減、森林等の吸収で〇・三%の削減、代替フロン等は逆に二%の増加となっており、結局、国内の排出量の削減目標は差し引きわずか〇・八%にしかすぎません。不足分は、森林吸収分の上乗せや、他国からの排出権の買い取りなどで賄おうというものです。もともと低過ぎる六%目標さえも、数字上のつじつま合わせで達成しようというものではありませんか。
 これは、とりもなおさず、自国の排出量を削減する努力を放棄して、排出量の少ない国を当てにして達成を図ろうとするものです。これでは、炭酸ガスを多く出している国が温暖化防止対策に真剣に取り組まなくてもよいということになるではありませんか。
 政府は、このような抜け穴に頼るのではなく、自力で真剣に温室効果ガスの排出削減に努めるべきです。同時に、十一月にアルゼンチンで開かれるCOP4などで、各国にもそのような方向を働きかけるべきではありませんか。明確な答弁を求めます。
 第四に、本法案で国内での炭酸ガスの排出を本当に削減できるかという問題です。
 日本の温室効果ガスの排出は、産業部門と運輸部門だけで八割以上に上ります。ところが、本法案には、排出源の産業界に対する直接的な規制、排出抑制計画の作成、公表の義務は盛り込まれませんでした。環境庁の三月段階の原案では、事業者に炭酸ガスなどの排出量と抑制計画を知事に報告することを義務づけ、それを公表する、抑制計画が不的確な場合には知事が勧告するなど、事業者への義務規定がありました。それが抜けてしまったのは、通産省の省エネルギー法と二重規制になるからだと言われています。
 しかし、省エネルギー法は炭酸ガスを減らす温暖化対策そのものではありません。温暖化は、放置すれば地球環境の破壊及び生命の危機にかかわる重大問題です。温暖化の原因をつくっている事業者への規制を強化してこそ、本当に実効ある温暖化対策になるのではありませんか。事業者への義務規定をきちんと明記しないで一体目標を達成できるのですか。はっきりお答えください。
 第五に、実効ある地球温暖化対策を進めるために、公共事業やエネルギー政策などを抜本的に転換することです。
 政府は、ダムや大規模林道、河口堰など、むだな公共事業を改めようとしていません。しかも、政府の地球温暖化防止行動計画に関する予算は、十一兆七千億円のうち道路整備費用が八兆四千億円というとんでもないものです。自動車の走行量をふやしてどうして温暖化対策と言えるのですか。かえって炭酸ガスの排出量がふえるばかりではありませんか。
 さらに、原子力発電は、安全性や使用済み核燃料の処理問題等があり、デンマークやオーストリアは原発を持たず、ドイツは削減しています。温暖化対策と称し原発を大量に増設することは、世界の流れに逆行しています。ヨーロッパのように、太陽光、風力、バイオマスなどの新エネルギーに切りかえていくことこそ大切なのではありませんか。お答えください。
 第六に、環境NGOを初めとする国民参加の問題です。
 温暖化対策をきちんと実行するためには、国民の参加と情報の公開が欠かせません。温暖化対策の基本方針の作成を初め、地球温暖化防止活動推進員や、都道府県推進センターへの環境NGOや広範な国民の参加を保障すべきだと考えますが、いかがですか。
 最後に、温暖化防止対策に抵抗している業界からの企業献金の問題です。
 鉄鋼、石油、自動車、セメント、化学などの自民党への政治献金は、九四年からCOP2の九六年にかけて、二億四千六百万円から四億六千三百万円と倍近くにふえています。京都議定書の約束をきちんと果たしていくためには、産業界からの圧力に屈しない体制をつくることが不可欠です。そのためにも、企業からの政治献金は直ちに禁止すべきではありませんか。見解を求めます。
 地球温暖化への対応は、中央環境審議会でも指摘しているように、対応がおくれればおくれるほど短期間で大幅な達成をしなければならなくなり、より厳しい対策を講じざるを得なくなります。後世代に重荷を負わせないためにも、直ちに真剣に取り組むべきです。日本共産党は、衆議院で事業者規制を明確にした修正案を提出しましたが、本院でもよりよいものにしていくために努力することを表明して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
○国務大臣(小渕恵三君) 岩佐恵美議員にお答え申し上げます。
 まず、地球温暖化問題に対する基本姿勢についてお尋ねでございましたが、御指摘のとおり、地球温暖化問題は人類の生存基盤にかかわる重要な問題であり、その究極的な解決に向け英知を結集しなければならないと認識をいたしておりまして、政府一体となって総合的に対策を推進してまいりたいと考えております。
 温暖化防止対策の推進についての御質問でありましたが、京都議定書を踏まえ、本法案に基づく取り組み、地球温暖化対策推進大綱に盛り込まれた各種の地球温暖化対策を強力に推進してまいりたいと思います。
 削減目標の達成の方法についてお尋ねがございましたが、京都議定書では、排出量取引などは削減目標の達成に向けた国内的な行動を補足するものとされていることを踏まえ、我が国としても、あらゆる政策手段を動員して削減目標の達成を図ってまいりたいと考えております。我が国としては、このような考え方に基づき国際交渉に臨んでおるところでございます。
 道路整備に伴う二酸化炭素の排出量についてお尋ねでありましたが、交通の分野におきまして、低燃費車の開発普及、物流の合理化、公共交通機関の利用促進、渋滞の緩和等によりまして、二酸化炭素の排出量を抑制することといたしてまいりたいと考えております。
 新エネルギーに切りかえていくべきではないかとのお尋ねでありました。
 原子力発電及び太陽光、風力発電等の新エネルギーはともに非化石エネルギーでありまして、その導入に最大限努めていくことが地球温暖化対策上も不可欠であると考えております。
 なお、新エネルギーにつきましては、当面、経済性、量的な制約、出力の安定性等の課題があるものの、二〇一〇年に向け、現状の三倍程度の導入を図るべく最大限の努力をすることといたしております。
 京都議定書の約束と企業献金の禁止についてお尋ねがありました。
 本来、献金というものは自発的なものでありますし、これによって政治や行政の公正さが損なわれてはならないのは当然であります。
 企業、労働組合等の団体献金につきましては、平成六年の政治資金規正法の改正法附則によりまして、施行後五年を経過した場合には、団体献金のうち資金管理団体に対するものについては禁止する措置を講ずるとともに、政党及び政治資金団体に対するものにつきましては、政治資金の個人による拠出の状況を踏まえ、政党財政の状況等を勘案してそのあり方の見直しを行うとされておるところでございます。
 この問題につきましては、各党各会派で十分御議論いただきたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣真鍋賢二君登壇、拍手〕
○国務大臣(真鍋賢二君) 岩佐恵美議員にお答え申し上げます。
 地球温暖化問題についての認識及び基本姿勢でございますが、先ほど来、小渕総理の方から御答弁をいただきましたけれども、環境庁としての姿勢を、重複するかも存じませんけれども、お答えさせていただきたいと存じます。
 地球温暖化問題は、人類の生存基盤に深刻な影響を及ぼすおそれのある重大な問題であり、これに対し、実効ある政策を実施していくことは現下の最重要課題の一つと認識をしております。
 議長国である我が国の基本姿勢は、昨年十二月に採択された京都議定書を踏まえ、地球温暖化対策を率先して推進していくことであります。
 このため、本法案により、議定書の締結やその履行確保に備えた今後の対策の土台を築くとともに、直ちに着手すべき各般の対策を強力かつ着実に推進してまいります。
 お尋ねの削減目標を引き上げるべきではないかという点でございますが、京都会議の準備段階では幾つかの試算が出されましたが、京都会議における厳しい交渉の末、政府としてぎりぎり達成可能な数値として六%削減に合意したところでございます。これを実現するため、環境庁としては、まず本法案の枠組みのもと、地球温暖化対策推進大綱に盛り込まれた対策を初め、各般の対策を強力かつ着実に推進していくことといたしております。
 削減目標の達成の方法についてのお尋ねでございますが、京都議定書においては、排出量取引等は国内対策を補足するものとされており、我が国としてもこのような考え方を基本として対策の推進を図るべきと考えています。
 本法律案は、今日の段階から取り組むべき対策を講ずることにより、京都議定書の締結やその履行確保に備えた今後の対策の土台を築こうとするものであります。この枠組みの中で国内対策の強力な推進を図っていく所存であります。また、専ら温暖化防止を目的とした法律を我が国が制定することにより、各国の取り組みを促進するものと考えております。
 事業者の炭酸ガスの排出削減についてのお尋ねでございますが、事業者の温室効果ガスの排出抑制のための対策は、まさに緒についたばかりであります。現段階でこれを義務づけることは困難であるため、本法案においては努力義務といたしたところであります。
 なお、本法の施行に当たっては、事業者の自主的な取り組みを促していくため、政府としても技術的情報の提供等の支援を図ることといたしております。
 最後に、基本方針の作成等に当たっての国民の参加の確保についてのお尋ねでございますが、基本方針の策定に当たっては、中央環境審議会の御意見をいただくこととし、その際、同審議会が国民の意見を広く聞くことを考えています。
 また、地球温暖化防止活動推進員及び地球温暖化防止活動推進センターは、国民の地球温暖化防止活動を支援、促進することをその目的としており、その運営等にNGOや国民が適切に参加していただくよう努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。(拍手)
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(特にアフリカの国)において砂漠化に対処するための国際連合条約の締結について承認を求めるの件(第百四十二回国会内閣提出、第百四十三回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交・防衛委員長河本英典君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔河本英典君登壇、拍手〕
○河本英典君 ただいま議題となりました砂漠化に対処するための国連条約につきまして、外交・防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この条約は、一九九二年六月に開催された地球サミットの要請に基づき、一九九四年六月にパリで作成されたものでありまして、深刻な干ばつまたは砂漠化に直面する国、特にアフリカの国が砂漠化に対処するために国家行動計画を作成し実施すること、そのような取り組みを先進締約国、国際機関等が支援すること等について規定したものであります。
 委員会におきましては、地球的規模の砂漠化問題に本条約が果たす役割、砂漠化関連援助におけるNGOとの連携、地球環境基金の成果と我が国の協力、砂漠化問題と食糧生産等の問題について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一
  賛成           二百二十一
  反対               〇
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十七分散会
     ─────・─────