第143回国会 地方行政・警察委員会 第3号
平成十年十月八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 九月二十二日
    辞任         補欠選任
     阿南 一成君     山崎 正昭君
 九月二十四日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     阿南 一成君
     谷林 正昭君     前川 忠夫君
 九月二十五日
    辞任         補欠選任
     前川 忠夫君     谷林 正昭君
 十月五日
    辞任         補欠選任
     谷林 正昭君     小宮山洋子君
 十月六日
    辞任         補欠選任
     小宮山洋子君     谷林 正昭君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小山 峰男君
    理 事
                釜本 邦茂君
                松村 龍二君
                輿石  東君
                山下八洲夫君
                富樫 練三君
     委 員
                阿南 一成君
                鎌田 要人君
                木村  仁君
                久世 公堯君
                谷川 秀善君
                高嶋 良充君
                谷林 正昭君
                藤井 俊男君
                魚住裕一郎君
                白浜 一良君
                八田ひろ子君
                照屋 寛徳君
                高橋 令則君
                岩瀬 良三君
       発  議  者  松村 龍二君
       発  議  者  輿石  東君
       発  議  者  魚住裕一郎君
       発  議  者  照屋 寛徳君
       発  議  者  高橋 令則君
       発  議  者  岩瀬 良三君
       発  議  者  木村  仁君
   国務大臣
       自 治 大 臣  西田  司君
   政府委員
       自治大臣官房長  嶋津  昭君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
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  本日の会議に付した案件
○当せん金付証票法の一部を改正する法律案(松
 村龍二君外六名発議)
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○委員長(小山峰男君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 当せん金付証票法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者輿石東君から趣旨説明を聴取いたします。輿石東君。
○輿石東君 ただいま議題となりました当せん金付証票法の一部を改正する法律案につきまして、発議者を代表して、その提案理由と要旨について御説明申し上げます。
 この法律案は、当せん金つき証票に係る委託業務に関し、競争の確保を図り、透明性の向上に資するため、受託金融機関の範囲の拡大、地方公共団体が行う検査の拡充等を図るとともに、当せん金つき証票を取り巻く厳しい環境を踏まえ、当せん金つき証票の発売方策の改善を行うほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は、受託金融機関の範囲の拡大及び委託事務の再委託の透明性の確保に関する事項であります。
 まず、都道府県知事または特定市の市長は、当せん金つき証票の発売等について、銀行その他政令で定める金融機関にその事務を委託して取り扱わせることとしております。次に、当せん金つき証票の発売等の事務の委託を受けた銀行等は、都道府県知事または特定市の市長の承認を得て、当該委託を受けた事務の一部を再委託することができることを明確にするとともに、都道府県知事または特定市の市長は、承認基準を作成し、公表しなければならないこととしております。
 第二は、受託金融機関に対する都道府県知事または特定市の市長が行う検査の拡充に関する事項であります。
 まず、都道府県知事または特定市の市長は、職員をして、その委託業務に関し、少なくとも年三回、受託銀行等の営業所または事務所に立ち入り、帳簿その他の関係書類を検査させることとしております。
 次に、都道府県知事または特定市の市長は、特に必要があると認めるときは、委託業務に関し、当該職員以外の者で監査に関する実務に精通している者に検査させることができることとしております。
 第三は、販売方策の改善に関する事項であります。
 まず、加算型当せん金つき証票の発売のため、所要の規定の整備を行うこととしております。
 次に、当せん金の最高金額の倍率の制限を、原則として証票金額の二十万倍以内とし、自治大臣が世論の動向等を勘案して指定する当せん金つき証票について、証票金額の百万倍以内とすることとし、そのうち、加算金のある加算型当せん金つき証票については、その二倍の二百万倍以内とすることとしております。
 最後に、郵政省の任務として受託銀行等から再委託された当せん金つき証票の売りさばき及び当せん金品の支払いまたは交付に関する業務を加える等、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が当せん金付証票法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(小山峰男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山下八洲夫君 ただいま議員発議で提案されましたいわゆる宝くじ法案につきまして、私はどちらかと申し上げますと賛成でございますが、その上に立ちまして、どうも気になる点、あるいはまた要望等を含めまして若干質問させていただきたいと思います。
 質問に入る前に、例のサッカーくじが成立をしておりまして、またこれもスタートをするわけでございますが、私はこのサッカーくじにつきましてはずっと反対の立場で、今も反対の立場でございます。だが、今回のこの宝くじ法案につきましては賛成ということでございます。
 どこが違うかというのが私は一番大きな問題だと思うんです。特にサッカーくじの場合は、御案内のとおり、選手、いわゆる人間が試合を行う。そういう中で、それに対しまして、このサッカーくじで何とか当てたいとやっぱり購入される、あるいはまたサポーターの皆さんも自分のひいき選手を応援する。いろいろなことがあるわけでございまして、この場合で言いますと、仮に購入者が、もう少しで当たるというところで、絶好のシュートチャンスのところで選手が失敗をしたというようなときなんかに、一つ間違うとサッカー自身を曲げてしまう、こういうことも起きるんではないかなというような危惧をいたしております。これはいまだにいたしております。ですから、私はなかなかこのサッカーくじについては納得できないわけでございます。
 その点、宝くじにつきましては、今日まで歴史も随分古いわけでございますし、私も、余りたくさんは買っていませんけれども、年末ジャンボなんかは数回買った経験もございます。そういう中で、国民の皆さんにある意味では夢も随分今日主で与えてきて、できれば一等が当たりたい、こういう夢を見ながら、特に年末ジャンボなんかはそういう国民の皆さんが多いのではないか、こういう気がしております。そういう中で私はこの法案をある意味では一つの理由として支持をしているわけです。
 二つ目は、何といっても道路やあるいは教育、福祉、いろんな面の施策に対して貢献をしてきておりますし、また、これからも貢献していただかなくてはいけない。特に自治体や地方に対しましては大変な貢献をいたしておりますので、そういう観点から、私は、この宝くじ法案につきましてはできる限り育成もしていきたいというふうに考えております。
 そこで、発議者にぜひお伺いしておきたいんですが、私が一番危惧いたしておりますことは、何といっても、今回、郵便局でも販売することが可能になってくるという点でございます。
 なぜかと申しますと、今日、銀行不祥事その他で、ある意味では、郵政省バッシングといいますか郵便局バッシングといいますか、これは静まっておりますが、それこそ、特にバブル時代を中心にしまして金融界の景気のいいころは、郵便局が例えば貯金や保険やそういうことをやらぬでもいいではないか、あるいは宅急便を含めたあの郵便配達についてもいろいろなバッシングが起きたりしたわけでございます。今こういうふうで、銀行がとにかく国民の信頼を失っている関係か知りませんけれども、そのバッシングも随分静かになったなというような気はいたしておりますが、いずれにいたしましても、今回、郵便局で発売できるということについては、現在、全国で千二百八十七市町村がとにかく宝くじを発売する空白地になっている、そこを何とか郵便局でお助けいただきたいという趣旨のようでございます。
 その趣旨の考え方としては私は受け入れるわけでございますけれども、特に、もしそういうところで郵便局にお願いをするんであれば、私の気持ちとしては、公示期間を例えば三カ月あるいは六カ月ぐらい、その地域においては徹底的にしていく。その間、できれば啓蒙活動といいますか、あるいは、ぜひ宝くじを販売したい、そういう民間の方がいらっしゃいましたら民間の方に優先をきせていく、このようなことを行う、このことが主ず大事ではないか。そのことを行った上で郵便局に委託をしていく、こういうふうに私は考えるわけですが、発議者の方はどのようなお考えか、その辺について確認をとっておきたいと思います。
○松村龍二君 山下先生、宝くじに大変御理解いただいておりまして、庶民に夢を与える宝くじということで御賛同いただく、この改正についても基本的に御賛同いただいておるということを感謝申し上げる次第でございます。
 ただいまの、宝くじの売りさばき場所として郵便局に道を開くということについての御懸念があったわけでございますが、現在、宝くじを主に第一勧銀が扱っておりますが、その再委託先は約九千五百カ所ございます。その場所は、駅売店、写真店、たばこ店、酒店、スーパー、デパート、コンビニ、専業、いわゆる宝くじ売り場ですね、それから金融機関……
○山下八洲夫君 言わなくてもいいです、時間がないです。
○松村龍二君 ということで、約九千カ所あるわけでございます。
 現在、御指摘のように宝くじの売りさばき場所のない市町村、空白市町村は千三百団体と承知いたしております。今回の法改正において、郵便局に売りさばき事務を再委託できる地域につきましては、あくまでも郵便局は民間事業者による売りさばきを補完するという考え方に立って売り場空白市町村に限ることといたしております。
 委員御指摘のように、法律上は郵便局が再委託できる地域は売り場空白市町村に限る旨は明記されてはおりませんが、この点については売りさばき場の再委託に係る発売庁の承認基準、法律に基づいて、郵便局が再委託できる地域は売り場空白市町村に限る旨を明示することによりまして地域の限定を担保したいと考えております。
 また、具体的には、承認基準を公表後、一定の期間経過後に民間事業者による事業着手希望がないことを確認した上で郵便局に売りさばきの委託をさせたいと考えております。
○山下八洲夫君 理解いたしましたが、一定の期間をできる限り期間を長くとっていただきまして、その間民間業者をなるべくそこに加えていただく、その努力をぜひお願いしたいと思います。
 次に、今回、普通くじ、それから新しくロトくじ、これが誕生するわけですが、普通くじにつきましては最高二十万倍、これが百万倍になるということで、年末ジャンボのようなもので単純に申し上げますと最高で三億円になってくるということで、今日的に考えますと、私は、一億円の前後賞を含めていろいろと今日まで自治省も知恵を絞ってこられたようですが、東京あたりはもう一億円ではちょっとした家も買えませんし、夢もしぼんできておりましたので、この夢も三億円ぐらいになれば一定の夢かなというような判断もいたしております。
 そういう意味で、特にロトでございますけれども、これにつきましてはキャリーオーバーが出た場合に一回は繰り越しをすると。だから、その倍のところまで行くんでしょうけれども、これも三億円のロトが組めるのかどうかなかなか難しいこともあろうかと思いますが、キャリーオーバーというのは、このくじの組み方によって、数字の組み方によってかなり当たる確率というのは変わってきます。できればもう少しキャリーオーバーをふやした方がいいなというふうに思いましたけれども、残念だけれどももう法律でこのようになっておりますから、これは要望としてまた検討もしていただきたいというふうに思います。
 それにつきましてはもう特に御答弁は要りません。
 特に自治省の方にお願い申し上げたいと思いますが、この法律案が成立をしましていよいよロトに入るということになりましたら、これから事務的な作業が進んでいくわけでございますが、一回目の発売日というのは大体どれぐらい時間がかかるのか。
 ただ、サッカーくじと違いまして宝くじの場合
 はかなりのもう売りさばきルートはしっかりと持っておりますので、かなり速やかに進むんではないかなという気がいたしておりますが、場合によれば、サッカーくじとぶつけてやるのもある意味では楽しいなと思ったりもしておりますので、考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 今、御案内のように、宝くじの発売額は二年連続して対前年度マイナスという状況でございますので、発売庁といたしましてはこういう法律をお認めいただければできるだけ早くというふうに考えておると思いますが、新しいシステムの開発でありますとか機器の導入とかの準備が必要となります。発売庁である都道府県とも私ども協議してまいりたいと思いますが、早ければ平成十二年度中にはロトの発売をできるのではないかというふうに考えております。
○山下八洲夫君 十二年度ですか。
○政府委員(二橋正弘君) 平成十二年度中にはできるんではないかというふうに考えております。
○山下八洲夫君 せっかく西田大臣にお越しいただきましたので、三日お願いを申し上げさせていただきたいと思います。
 先ほども申し上げましたが、宝くじというのは、国民にも大変信頼されておりますし、そしていろいろな社会にその売り上げの中から貢献をしている、こういうことも大切にしなくてはいけないと思っております。今回こうやってある意味では最高金額がかなり大きくなってまいりますので、そういう意味ではまた社会からたたかれるという、そういう心配も、一部私は危惧している点も率直に言ってございます。
 これが新しく法律が改正されますと、また新たに生まれ変わってロトも入ってスタートしていくわけでございますので、せっかくかち得たその信頼を崩してはいけないと。特にこれは議員立法でございますので我々にも大きな責任はございますけれども、今日まで自治省も大変な努力をなさってここまで宝くじをお育ていただいた。だが今回このようにまた新しく生まれ変わって再スタートをしていく、こうなりましたら、また今まで以上の自治省の御努力も必要になってくると思います。
 その点から、この新しい宝くじがスタートをする、生まれ変わった宝くじがスタートをする、そういうことにつきまして大臣のお考えや所見をぜひお聞かせいただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(西田司君) 今回の法改正により、受託業務の競争、それから透明性の確保、不正の未然防止の徹底など、受託業務の一層の改善につながるものと考えております。
 また、現在、宝くじ発売額は財政局長からもさきにお話しいたしましたように二年連続して対前年度マイナスという厳しい環境下にあるわけでございます。最高限度額の引き上げや新種宝くじの導入、さらには売り場空白市町村の解消が図られることは、国民の多様な要望にこたえ、宝くじの魅力増大を通じ地方財源の確保に資するものと考えております。
 今回の法改正の趣旨、内容を十分に踏まえまして、同法を所管する省庁として、今後とも、国民世論の動向等に配慮しつつ、宝くじのより一層の健全な発展を図るため適切な制度の運用に努めてまいりたいと考えております。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 発議者並びに自治省に幾つか伺っておきたいと思います。
 そもそも宝くじは、本来ならば刑法の第百八十七条で禁止されております富くじ、これを当せん金付証票法で売り上げの四〇%を公共事業の財源に充てる、こういうことで都道府県や指定市、政令指定都市に認められているものでありますけれども、先ほども答弁ありましたけれども、宝くじの売り上げが二年連続で減少している、こういう状況にあると思うんです。
 ただ、これは不況の問題もありますし、そういう意味では単純に賞金を引き上げれば売り上げがふえるというものでもないだろうというふうに思うんですけれども、今この時点でこの賭博性を高める、一等の賞金をふやす、こうやって売り上げをふやそうという、こういう緊急性というか社会的な必要性というか、こういう点については、発議者はもちろんでありますけれども自治省としては、大臣はどういうふうに考えているのか、この点まず基本的な考え方を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。
 御指摘のように、昭和二十九年二月の閣議におきましては……。
 申しわけありません。
○政府委員(二橋正弘君) 今回の法改正の必要性ということについてのお話でございますので、私の方からとりあえず御説明させていただきます。
 改正を早期に行う必要があると考えましたのは、御案内のように昨年の第一勧銀の金融不正問題の発生に関連をいたしまして、宝くじの受託銀行が事実上第一勧銀に独占されているということを背景にして、宝くじの委託業務についてできるだけ早く委託の際の公正な競争とか透明性の確保を図るということが強く求められたということが一つございます。
 それから、先ほど申しましたように宝くじの収益金が二年連続して対前年度マイナスということで、地方にとって非常に貴重な財源がそういう形でマイナスの状況になっているということがございまして、昨今の非常に厳しい地方財政の状況も踏まえますと、宝くじの魅力の拡大などの制度的な改善を図ることで地方団体の収益を確保するということが急務になっているということ、そういうことが二つ目にございます。
 また、そういうことに関連して、新しいくじを開発していこうということになりますと、これも先ほど申しましたように準備にやはり一年以上かかるというふうなこともございまして、これは今回法律改正が行われましてもそれまでやっぱり相当の準備期間が必要であるといったようなことを踏まえまして、今回その法改正をお願いできればというところを私どもなりに考えたということでございます。
○富樫練三君 宝くじの事業そのものを拡大するということになるんだろうと思うんですけれども、一番最初に言いました第一勧銀の不正問題、これとは直接かかわりはないんじゃないのかというふうに私は思うんですけれども、その点はそれとして指摘をしておきたいと思います。
 全体として収益金を引き上げるために魅力を拡大する、新しいくじを導入する、こういうことのようなんですけれども、先ほど大臣がちょっと触れようとしましたけれども、昭和二十九年二月の閣議決定があります。これは宝くじの発売について、戦後の経済の実情に即応して決めたものなんだけれども、特別の措置なんだと、こういうふうに閣議で確認をしているんですね。暫定的にこれを実施することとしたものであって、その性質上、経済の正常化に伴いなるべく早い機会に廃止せられるべきものである、こういうふうに言っているんですね。よって、宝くじの発売について従来からとってきた縮減の方針をこの際さらに徹底し、昭和二十九年度以降においてはまず政府による宝くじの発売を取りやめるものとする、なお地方宝くじの発売は地方財政の現状その他の事情にかんがみ当分の間これを継続するが、今回の政府宝くじ廃止の趣旨にのっとり、将来適当な機会においてなるべく早く全廃することを目途として運営すべきものと、こういう閣議決定があるんですね。
 この閣議決定は昭和二十九年なんですけれども、この方向から見た場合に今回の事業の拡大というのは一体どういう位置づけになるのか。これほど明確に確認されているわけで、この点については大臣の考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(西田司君) 前後いたしまして申しわけございませんでした。
 お話がありましたように、昭和二十九年二月の閣議においては、地方宝くじの発売について、将来適当な機会においてなるべく早く廃止することを目途としつつも、地方財政の状況等にかんがみ当分の間発売を継続することと決定されておることは御承知のとおりであります。しかし、昭和六十年の法改正の際の閣議において、地方財政の現状及び国民世論の動向等を勘案して、引き続き国民世論の動向等に配慮しつつ健全な宝くじの運営を進める旨の自治大臣発言を閣議で了解しておるところであります。昭和二十九年の閣議決定の趣旨は変更されたものと理解をしているところでございます。
 なお、今回の改正もその改正内容は地方財政の厳しい現状及び国民世論の動向等を勘案して行われるものであり、健全な宝くじの運営に資するものであることから、これまでの政府の方針とも矛盾するものではないと考えております。
○富樫練三君 昭和六十年の大臣発言を閣議で確認したので二十九年の閣議決定については改正された、こういう見解を今述べられましたけれども、基本方向は変わっていないと思うんですね。ですから、その点については改めて指摘をさせていただきたいと思います。
 そこで、宝くじの中身に少し入りたいと思うんですけれども、今回、最高金額を高くする、こういうふうになっているわけですけれども、宝くじ協会の資料によれば、これは宝くじファンの希望するもの、当せん金額が大きいという要望もあるんだけれども、同時に当せん確率が高いということ、こういう希望をしているのが三三%ぐらいですから約三分の一の方々がいるわけなんですね。
 当せん金額が大きくなるということよりもむしろ当たる確率を高くしてほしいというのは、例えばこの間の十月一日の毎日新聞の投書の中にこういうのがあるんですね。
 一等賞金を今の六千万円から三億円にという案が検討されているというけれども、かなわぬ夢を見続けてきた宝くじファンの一人としては、三億円一本より一千万円を三十本、百万円を三百本というように喜びを広く、身近にしてもらいたいとさえ思う、こういう御意見も出されていることは確かだと思うんですね。
 一方、こういうのが出回っているわけですね。皆さんもごらんになったことあるだろうと思うんですけれども、これはオーストリアのくじなんですね。(資料を示す)こういうことで郵送で出すことができるわけですけれども、この一番の売りの文句が、ここにこういうふうにちょんまげの頭の上にリンゴが乗っかっている。この矢は外れているわけですね。ところが、こちらの方のウィリアム・テルのこのリンゴにはちゃんと命中している。これに文章が書いてあるんです。「日本ではハズしるのが普通ですが、オーストリアでは当たるのが普通です。」、こういうふうに書いてあるんですね。宝くじというのは当たらないものだというのが日本の常識だけれども、向こうではそうじゃないんだと。この中を見ますと、当せん確率は六六・九二%なんですね。それで二十万本のうち十八万七千三百七十六本が当たりますよ、くじの組み合わせによっては当せん確率を九九・八%にまで引き上げることもできますというふうになっているわけなんですね。
 日本の中でこれが配られているわけですから、そういう意味では、宝くじファンの方、二人に一人はいるだろうというふうに統計上言われていますけれども、こういうことについての改善の方がむしろ必要なんだろうというふうに思うんです。むやみに一等の賞金だけを引き上げるということは実態に余り即していないんではないかというふうに思うんですけれども、発議者の方でどなたか答弁いただければ。
○木村仁君 宝くじは長年にわたって国民の夢を育ててきたくじでございます。余り当たらないというのもメリットの一つで、今のオーストリアの六〇%も当たるというと、私も競馬をやった経験がございますが、当たりがいいとどんどんお金を使うようになっていく、こういうことがございます。ですから、宝くじはナンバーズとかスピードで当たりくじの高いのもあるわけでございますから、その方がやっぱり健全な姿ではないかと思っております。むしろ、やっぱり夢、夢、今国民の夢は三億、世界で二百億トトカルチョに当たったなんという情報がどんどん来ますから、やっぱり六千万じゃなという気持ちがございます。それで今、だから人々は前後賞を入れて一億五千万にしようと思って買うわけですから。私は上司が一等に当たったことがありますので、その部下が一等に当たるということはまず一生涯ないだろうと思って余り買いませんけれども、やっぱり三億円というのが魅力じゃないかなというふうに考えております。
○富樫練三君 当たった人は金額が多い方がいいに決まっていますね。ただ、圧倒的に当たらない。先ほどのオーストリアの、こういうふうに日本では当たらないのが常識なんだと、これが宣伝文句に使われるようになったのではこれはやっぱりちょっと違うのではないかと。
 例えば、これはアメリカの例なんですけれども、一等の賞金は非常に大きいんですね。大きい結果、当たった人にも悪夢の結末がという記事があるんですね、これは。この新聞、これは日経なんですけれども、こういうわけなんですね。一等はトラブルの始まりである、タイムズ紙の記事なんですけれども、この記者はこういう記事を出しているんですね。
 アメリカの場合は、まず国が税金として二〇%を召し上げると。その後、テレビにラッキーな人として出演したばかりに脅迫状におびえ、昔の恋人が慰謝料の未払い分を取り立てに来る。そればかりでなく各種慈善団体の丁重なお手紙攻勢や出身校からの寄附の催促と、うんざりしたところに親類縁者が地の果てからはせ参じそれぞれ理由をつけて借用していく。子供は学校でいじめられたり、この人だけは何があっても友人と信じていた人に逆恨みされたりと、つくづく幸せは金では買えないと実感したときには手元にあるのは請求書の山ばかりだ、こういう記事なんですね。
 これは、射幸心をあおって一等の賞金をぐんぐん上げることによってこういう事態になるというわけなんですね。
 ですから、アンケートというか調査の結果にもあるように、なるべく庶民の夢を確実にかなえていく、こういう方向が一つの方向としてあるだろうというふうに思いますので、この点、指摘をしておきたいと思います。
 時間が余りありませんので最後の質問なんですけれども、実は宝くじによってさまざまな財団法人もつくられております。
 日本宝くじ協会、自治総合センター、全国市町村振興協会、地域活性化センター、地域医療振興協会、自治体国際化協会、地域総合整備財団、自治体衛星通信機構、地域創造などの団体がたくさんつくられているわけなんですけれども、ここに自治省からいわゆる天下りという形でどういう人間がどのぐらい行っているのか、その実態がわかりましたら教えていただきたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) 今、委員がお挙げになりました法人で、宝くじの交付金を受けております公益法人に在職いたしております自治省の出身者といいますかの常勤役員について申し上げたいと思いますが、地域医療振興協会に一名、地域活性化センターに二名、自治体国際化協会に二名、地域総合整備財団に二名、自治体衛星通信機構に一名、地域創造に二名でございます。それから、宝くじのいわゆる普及宣伝を行っております宝くじ協会に二名、自治総合センターに二名、全国市町村振興協会に三名というふうになっております。
○富樫練三君 合計しますと十七名ということになりますね。これは、宝くじの事業をどんどん拡大しながら、こういう法人、財団法人やなんかをつくって、そこに自治省の幹部の皆さんが天下りをする、こういう仕掛けというふうに言っても過言ではないだろうというふうに思うんですね。今の天下りのことは、この分野だけではなく政治全体の問題として大変大きな問題になっているわけですけれども、こういう点もやはり改善をしていかなきゃならない、そういう側面だと思うんですね。
 ですから、今度の法改正というのは事業の拡大をして一等の賞金をふやすということが中心になっているわけなんですけれども、こういう点については全く触れないで、拡大一方ということで国民の射幸心をあおっていく、こういうやり方は本来のあり方ではないだろうというふうに思うんですね。
 ですから、本当に宝くじファンが求めていることにきちんとこたえる、庶民の楽しみになる、こういうものにしていくこと、同時に地方財政にも貢献するというふうに改善をしていく必要があるだろうというふうに思うんですね。
 そういう点から見て、今度の改正の中身、そして緊急にこれをやらなければならない、こういう事態ではないのではないかというふうに私は思うんですけれども、最後に大臣の所見を伺って、私の質問を終わります。
○国務大臣(西田司君) いろいろな御意見を伺いましたが、お互いに今後の運営、管理、そういう問題に対して反省をしなければいけないことは十分反省をしていく。それから、今回の改正による法の趣旨を十分踏まえて、ちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、私、少し世の中暗過ぎると思うんです。ですから、もう少し国民の人が何かに夢を持って明るい世の中をつくるためにも、ひとつ御理解をいただいて、この問題をぜひ成功させたい、このように考えております。
○富樫練三君 終わります。
○委員長(小山峰男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、当せん金付証票法改正案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、宝くじの当せん金最高額を現行の五ないし十倍に引き上げてまで宝くじ事業を拡大しなければならない社会的必要性が現在特に認められないことが先ほどの質疑の中でも明らかになったと思います。
 宝くじ事業は、道路整備など地方自治体の公共事業の財源に充てるために行われておりますが、一九八五年度には三千三百五十二億円だった売り上げが、一九九五年度には八千二百八十四億円に達するなど急増をし、自治体への納付金も、八五年度には一千三百五十九億円だったものが、九五年度には三千三百億円に達して、九七年度も三千億円台を維持している。十年前の二倍以上の金額となっています。現在の売り上げ低下の局面はバブル崩壊と消費不況の深刻化によるものであり、近年の公共事業のむだ削減などの動きを考慮すれば、特に法改正してまで事業拡大を図る必要は認められないものであります。
 反対の第二の理由は、当せん金額の引き上げは宝くじの賭博性を一層高めるものであり、同時に当せん確率の低下につながり、宝くじを愛好する国民の要求にも合致しないからであります。
 先ほど、大臣は明るい夢とおっしゃいましたが、日本に比べ賭博性の強い宝くじが行われておりますアメリカでは、宝くじの弊害もあらわれています。米・宝くじ中毒の悲劇という新聞報道によりますと、一獲千金を夢見てあり金をはたいてしまう重症の宝くじ患者、ロッタリーアディクションと呼ばれるそうですけれども、こういう人々が急増していて、ニュージャージー州の衝動的ギャンブル患者の救援センターでは二人に一人が宝くじで人生を狂わせてしまった人々だと紹介されています。
 宝くじの売り上げが多少落ちている原因は、ほかの賭博事業と同様に不況の反映であり、現行の当せん最高金額が低いからというものではありません。調査結果でも、庶民の希望は当せん金額よりも当せん確率の高さを求めていることがはっきりと示されているのです。一等賞金の希望額について、一億円以上と答えた方三〇・一%とともに、一千万円と答えた方が一五・五%と二番目になっております。人気のありますナンバーズの特徴に対する興味についての調査では、当せん確率が高いもの、こういうふうに答えた方が二三・四%ですが、当せん金額が高いもの、こういうふうに答えた方は九・八%となっています。
 また、宝くじの払い戻し率は、日本が四六・二%ですが、先ほど質疑にありましたオーストリアでは六〇%以上、スペインでは七〇%とされており、日本の宝くじがなぜ払い戻し率が低いのか、庶民の不満も高まっているのに、この問題には手をつけず最高額の引き上げで賭博性を高めることは認められません。
 庶民のささやかな夢としての宝くじの健全な運営のためには賭博性をいたずらに高めることはやめるべきであると申し上げ、私の反対討論を終わります。
○委員長(小山峰男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 当せん金付証票法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(小山峰男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小山峰男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十三分散会
     ―――――・―――――