第143回国会 日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員会 第4号
平成十年十月十三日(火曜日)
   午前九時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月十三日
    辞任         補欠選任
     藤井 俊男君     小川 勝也君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中曽根弘文君
    理 事
                加藤 紀文君
                鈴木 正孝君
                成瀬 守重君
                川橋 幸子君
                寺崎 昭久君
                魚住裕一郎君
                宮本 岳志君
    委 員
                市川 一朗君
                岸  宏一君
                国井 正幸君
                佐藤 昭郎君
                斉藤 滋宣君
                清水嘉与子君
                常田 享詳君
                仲道 俊哉君
                馳   浩君
                依田 智治君
                若林 正俊君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                藤井 俊男君
                山下八洲夫君
                和田 洋子君
                荒木 清寛君
                日笠 勝之君
                弘友 和夫君
                須藤美也子君
                富樫 練三君
                渕上 貞雄君
                村沢  牧君
                戸田 邦司君
                渡辺 秀央君
                西川きよし君
   衆議院議員
       修正案提出者  衛藤 晟一君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  宮澤 喜一君
       農林水産大臣   中川 昭一君
       運 輸 大 臣  川崎 二郎君
       郵 政 大 臣  野田 聖子君
   政府委員
       大蔵大臣官房審
       議官       福田  進君
       大蔵省主計局次
       長        寺澤 辰麿君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       林野庁長官    山本  徹君
       運輸大臣官房長  梅崎  壽君
       運輸省鉄道局長  小幡 政人君
       郵政省貯金局長  松井  浩君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
       常任委員会専門
       員        鈴木 威男君
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第五局長   小川 光吉君
   参考人
       千葉商科大学学
       長        加藤  寛君
       日本学士院会員
       東京大学名誉教
       授        大内  力君
       毎日新聞社編集
       局特別委員兼論
       説委員      玉置 和宏君
       日本大学商学部
       教授       桜井  徹君
       全林野労働組合
       中央執行委員長  吾妻  實君
       名古屋大学法学
       部教授      加藤 雅信君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事長  西村 康雄君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   西川 由朗君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   桑原 彌介君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   佐野  實君
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  本日の会議に付した案件
○日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関す
 る法律案(第百四十二回国会内閣提出、第百四
 十三回国会衆議院送付)
○国有林野事業の改革のための特別措置法案(第
 百四十二回国会内閣提出、第百四十三回国会衆
 議院送付)
○国有林野事業の改革のための関係法律の整備に
 関する法律案(第百四十二回国会内閣提出、第
 百四十三回国会衆議院送付)
○森林法等の一部を改正する法律案(第百四十二
 回国会内閣提出、第百四十三回国会衆議院送
 付)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、東北森林管理局及び関東森林管理局の設置
 に関し承認を求めるの件(第百四十二回国会内
 閣提出、第百四十三回国会衆議院送付)
○一般会計における債務の承継等に伴い必要な財
 源の確保に係る特別措置に関する法律案(第百
 四十二回国会内閣提出、第百四十三回国会衆議
 院送付)
○参考人の出席要求に関する件
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○委員長(中曽根弘文君) ただいまから日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員会を開会いたします。
 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案、国有林野事業の改革のための特別措置法案、国有林野事業の改革のための関係法律の整備に関する法律案、森林法等の一部を改正する法律案、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、東北森林管理局及び関東森林管理局の設置に関し承認を求めるの件及び一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律案の六案件を一括して議題といたします。
 本日は、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案外五案件の審査のため、千葉商科大学学長加藤寛君、日本学士院会員・東京大学名誉教授大内力君、毎日新聞社編集局特別委員兼論説委員玉置和宏君、日本大学商学部教授桜井徹君、全林野労働組合中央執行委員長吾妻實君及び名古屋大学法学部教授加藤雅信君の六名の参考人の出席をいただき、御意見を聴取し、質疑を行います。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。参考人の方々から忌憚のない御意見を承りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方でございますが、まず加藤寛参考人、大内力参考人、玉置和宏参考人、桜井徹参考人、吾妻實参考人、加藤雅信参考人の順序でお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えを願いたいと存じます。
 なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきいただきたいと思います。
 それでは、まず加藤寛参考人からお願いいたします。加藤寛参考人。
○参考人(加藤寛君) それでは、時間が限られておりますので、簡単に私の考えていることを申し上げます。
 第一に、国鉄の長期債務問題は、日本経済の安定化のためにこれは早期に解決しなければならない問題であるというふうに認識しております。
 これを解決するに当たりまして、私はかねてから債務のさらなる増加をもたらすようなそういう、新雪と私は呼んでいるんですが、雪に例えまして、根雪と新雪とございますけれども、その新雪がどんどんふえることをまずとめなきゃいけない。これをとめることによって次には、今度は長期的な問題として根雪について元本などの借りかえを進めながら処理を考えていくべきである、こういうふうに私は考えております。このような考え方でいるのでございますけれども、その点、今回の法案がそういうふうに新雪と根雪とを区別して順々に解決しようとしている点について、私は同感でございます。
 さらに、しかしその場合、もう少し財源としては、単に国鉄の財源だけを考えるのではなくて、例えば道路財源といったものを見直すとか、あるいは新幹線の凍結なども考えるとか、こういうことも私の主張の中にあったのでございますけれども、しかし議論がいろいろ進む中でもって、私の主張はかなり現実的には無理なものがいろいろあるということがわかってまいりました。したがって、今回このような形でもってまとめられたということは、これは異論がいろいろある中で、とにかく解決しなきゃならないというやむを得ない状況を考えた中でセカンドベストの案であろうと私は考えております。
 そこで、論争点が幾つか出てまいりました。
 その論争点の一つは年金の追加負担の問題でございます。これはJRが民間企業であるから追加負担の押しつけはおかしいということがよく言われますが、JRが完全なる民間企業であれば年金の負担は当然であると考えられます。しかし、私はJRはまだ本格的に完全な意味で民営化しているとは考えておりません。依然として株式の放出は残されておりますし、また特殊会社としての制約もございます。したがって、JRは年金負担を引き受けるから、そのかわり完全な民営化を早くしてくれというふうにむしろ要求すべきであろうと私は考えています。
 しかし、さらにそこから出てくる問題は、今度は九六年の閣議決定でございますが、ここでもって決着済みということがよく言われます。私の理解するところでは、国において処理するという、非常にはっきりしないというかあいまいというか誤解を招くような表現があったことがまずかったかというふうに思っております。
 しかし、最初にまず国鉄改革のときに私どもが考えました国において処理するというのは、いろいろな土地を売るあるいは株を売る、いろいろやりまして、それでもなお残るものについては国において処理するという表現になっておりますので、これは国が負担するという意味ではなくて、国がその処理をどのようにするかということを考えてほしいということを私どもは考えたのであります。その意味で、国が負担するというような表現では、私は九六年の閣議決定についても考えていないのでございます。
 そこで、今度は移換金というものを処理するには、JRが負担するのか、それとも一般国民が負担するか、どちらかになります。そこで、JR社員のための年金の原資を全く社員でない国民にすべて負担させるには無理があると考えられます。しかし、今後のJR運営の負担を思いますと、完全民営化を目指すのでございますから、JRにそれができるような配慮をしていかなければなりません。
 その意味で、今回、この負担金、移換金につきましてJR負担を二分の一にするという案が出たわけでございますが、これは一つの問題を早期に解決するということになりますと、どちらにもそれぞれの理屈があります。したがって、その理屈をいろいろと調整しておりますと早期解決にはだんだん遠ざかりますので、この場合は私は一つの妥協点としての二分の一ということがあり得ると思います。
 しかし、その二分の一ということは決して意味のないことではありませんで、それは事業主負担というものが常に二分の一ということを一つの原則としておりますので、その意味からもこういう考え方が出てくるかと思います。同時に、二分の一にすることによって国鉄が負担する部分は、国鉄の範囲内において十分にやっていくことのできる、あるいはJRが民営化を目指すという意味においてこれは可能な負担であろうと私は考えています。
 こういう意味で、私はこの今回の法案につきまして、原則的にこの方向は早期解決のためにやむを得ざる方向として認めることが望ましい、こういうふうに考えております。
 以上でございます。
○委員長(中曽根弘文君) ありがとうございました。
 次に、大内力参考人にお願いいたします。大内力参考人。
○参考人(大内力君) 大内でございます。
 十分間という大変短い時間でございまして、申し上げたいことはたくさんございますが、とても尽くせませんので、ごく簡単に重要と考えることだけを申し上げて、あと御質問がございましたら補わさせていただきたいと思います。
 今回主として申し上げますのは国有林野事業改革のための特別措置法に関してでございますが、この改革案を拝見いたしまして、特に二つの点で大変前進があった、国有林の改革の一歩を踏み出したという感じがいたします。
 その一つの点は、国有林の経営管理の方針を林産物の供給に重点を置いたものから公益的機能の維持増進を旨とするものへ転換させるという点でございます。これは御承知のとおり、特に財政上の理由があったわけでございますが、近年、奥山の乱伐、過伐が非常に進んでおりまして、それが国有林の荒廃を招くだけではなくて、環境に大変悪影響を及ぼしているということが言われていたわけでございますので、今回それを改めて森林の持つ公益的な機能を重視して施業を行う、こういうふうに基本的な方針を変更なさったことは大いに評価できることかと思います。
 それからもう一つの点は、御承知の累積債務の処理でございますが、三兆八千億という累積債務のうち二兆八千億を一般会計で負担するという形にする。この点は後で申し上げますが、残りの一兆円は問題を残したと思いますけれども、今まで国有林野の運営が累積債務のために足をとられておりまして、いわば借金の利払いをするために木を切っている、それでも追いつかないからまた借金をする、こういう状態であったのを、ともかく解決に一歩近づいたという意味で評価したいと思うわけでございます。
 しかし、その他の点につきましてはいろいろ疑問がございまして、たくさん申し上げたい点はございますが、特に重要と思われます四つのことだけを御指摘申し上げまして御考慮を煩わせたいわけでございます。
 その一つは、どうも今回の改革の方向を見ておりますと、国有林全体としてだんだんと施業を薄くする、放棄とまでは申しませんけれども、森林の手入れその他を薄くするという方向が選ばれているのではないかという感じがいたします。
 これは後で申し上げます人員削減一つを考えましてもそうでございますが、しかしそこに基本的な問題があるわけでございます。もちろん、例えば秋田、青森の県界の白神山地のように貴重な原生林が残されていると言われているところはできるだけ手を加えないで自然状態を維持して生物の多様性等を図る、こういうことは賛成でございます。しかし、そういう限られたところを除きますと、日本の山林というのはもう何千年来人手が加わっておりまして、人工的に整備されてきたものでございまして、本来の意味における原始林とかいうものは日本にはないと言われております。
 この人工林はもちろんでございますが、いわゆる天然林と言われるところにおきましてもやはり人が手を加えまして、除伐、間伐、下刈り、枝打ち、あるいは伐採、植栽というような手入れをきちんとやってまいりませんと山が荒れるわけでございまして、今日、日本の山が荒れ果てているというのは、要するにそういうきちんとした手入れが行われていないですべての森林が活力を失ってしまっている、こういう状態になっていることに由来しているわけでございます。
 したがって、林産物を採取することを主としないということはそれとして、しかしだから手入れをしないでいいということではございませんで、まずますきちんと手入れをして森林を整備いたしませんと、日本の森林を維持することができないだろうと思います。
 これは御承知のとおり、特に今、世界的に大問題になっております温暖化ガスの問題一つを考えましても、空気を浄化いたしまして炭酸ガスの固定を図るという森林の機能は比較的壮年期の活力ある森林だからできることでございまして、森林が高齢化いたしまして古木がふえますとそういう能力は非常に減ってくるわけでございますから、ぜひきちんとした施業を遂行することによって森林の活力を維持していくというふうに考える必要があるのではないかと思います。
 それから二番目には、主な事業を民間に委託する、こういうことがうたわれておりますが、これはやや言葉が過ぎるかもしれませんが、我々実情を知っている者から言わせますと、ほとんどナンセンスと言うしかないわけでございます。
 と申しますのは、御承知のとおり、民間と申しますと主として言えば森林組合を中心とした作業班でございましょうが、ここはもう高齢化が進み、人口も減りまして、ほとんど機能麻痺に陥っているところが大部分でございます。そのために民有林がほとんど施業放棄の状態になっておりまして、ある意味では国有林以上に荒廃をしている、こういう状態になっております。
 ですから、受け皿のないところに民営化を進めるというようなことを言ってみましてもこれは全く空疎でございまして、結果におきましては国有林も施業をしないでますます山を荒らしてしまう、こういう結果になるのではないかということを恐れるわけでございます。
 それから三番目に、このことに関連いたしまして、国有林の職員を大幅に削減することによって経営の合理化を図る、こういう思想が、これはもうここ二十年ぐらい国有林改革のところでずっとやってこられたことでございます。
 その結果として、かつて九万人近くおりました国有林の職員が今一万五千足らずになっておりまして、しかも伝えられるところによりますと、近く五千人にそれを削るということを林野庁は計画されていると聞いております。五千人なんという人数では、要するに机の前で事務的な処理をする人だけが残りまして、現場で山の世話をする人はほとんどゼロに近くなるということでございまして、ここには決定的な問題があって、国有林を荒らしてしまう以外にはないだろうと思います。今でさえ国有林はもう手不足でほとんど施業ができないというような状態になっているところがたくさんございます。
 しかも、これは大変大きな問題を持っておりまして、国有林はただ山の手入れをするだけではなくて、日本の森林経営についての技術、技能を長年にわたって蓄積してきております大きな技能集団でございます。この職員が持っております技能というものを伝承して将来に残していくということなしには将来の林業は成り立たないわけでございまして、そういう意味でも国有林が人減らしをするということは大変大きな問題があると思います。
 我々は、むしろ逆に国有林の職員をできるだけ充実して技能を高くすると同時に、先ほど申し上げましたように、民有林の人手不足が非常に著しいわけでございますから、むしろ国有、民有というような垣根を取り外しまして、地域の民有林も含めまして、国有林が相当の責任を持って日本の森林全体の活性化を図る、こういう基本方針を立てるべきではないだろうかというふうに思うわけでございます。
 それから最後には、先ほど触れました財務の問題でございます。一般会計で相当の部分を負担されるということは大変結構でございますが、残る一兆円ぐらいをまだ国有林に残しましてそれをだんだんと返していく、こういう形で解決するという案でございます。将来、経済情勢が非常に変わればわかりませんが、少なくとも現状で申します限りは、国有林だけでなく民有林も森林経営というのは今全然赤字でございまして、利益が上がるなんということは望めない状態でございます。
 国有林といえども、いかに合理化をしましても、将来とも赤字経営にならざるを得ないということは覚悟しておく必要があると思います。そこへまたその借金の負担を負わせまして、それを年賦で償還していくというようなことになりますと、結局今までと同じことが繰り返される。つまり、その債務の負担に足をとられまして国有林の機能を十分に発揮させることができなくなり、山を荒らしてしまい、しかもまた累積債務が先ほどの加藤さんのお話のような新雪として降り積もっていく、こういう形になって、結局同じことが繰り返されることになるのではないか。
 以上の四つの点を大変基本的な疑問と思いましたので、率直に申し上げまして、御参考にしていただきたいと思います。
 以上でございます。
○委員長(中曽根弘文君) ありがとうございました。
 次に、玉置和宏参考人にお願いいたします。玉置和宏参考人。
○参考人(玉置和宏君) 御紹介いただきました毎日新聞の玉置和宏でございます。
 私は一新聞記者でありますから、本来はメディアを通じて自己の主張をするのが筋でありますが、本日こうした機会を与えていただきましたので、率直に忌憚のない意見を述べさせていただきたいと存じます。
   〔委員長退席、理事成瀬守重君着席〕
 私は、国鉄分割・民営化よりも十年ほど前になりますか、国鉄六分割・民営化へという記事を書いて各方面に大変話題を振りまいたのであります。以来二十年余り、この国鉄の問題あるいはJRの問題にかかわってまいりまして、ずっとこれを見てまいりました。今率直に私は、銀行の不良債権と同じように、銀行の経営者が銀行の不良債権を処理しない、それと同じように、国鉄の債務の問題について政府がずっと目をつぶってきて先送りしてきたなという感じを強くいたします。
 しかし、今般、この委員会で真剣にこの問題を何とか今世紀のうちに解決しなければいけないのだという議員の皆様の真剣な議論、これを伺っておりまして、そういう意味で私も心から敬意を表したいと思っております。
 私は、財政制度審議会という審議会の末席に連なって日本の財政に関心を払っている一人として、国鉄の債務問題というのは実は日本の財政に大変大きな影響を与える重大な問題である、こういうふうに考えております。単に国鉄の民営化問題にとどまらないことだと考えております。その点からも、この一連の審議は極めて重要な意味を持っている、多くの点で私は先生方と考えを同じゅうしているというふうに考えております。
 しかし、今回の清算事業団債務処理法案、これについては私は納得のできない部分がある。これまで衆参両議院の特別委員会で議論されてまいりましたJRの追加負担は私は全く納得できない、こういうふうに考えておるわけであります。この点につきましては、私は新聞のコラム等で私の意見を署名入りで書いてございますが、本日はここで改めてこの点に絞って私の考えを述べさせていただきたい、こういうふうに思います。
 私は日本の経済社会にとって今最も重要なことは自己責任、世界に通用するルールにのっとった企業経営であると考えておりますし、その世界の基準というのは何かというと、それは自己責任の原則であろうかというふうに感ずるわけでございます。
 先週の末にNHK教育テレビの「金曜フォーラム」で、本格化した日本のビッグバンというシンポジウムがございましたが、私はそこでコーディネーターを務めました。このビッグバンのシンポジウムのキーワードは実は自己責任の原則をいかに貫徹していくか、これから生活者も消費者も、もちろん政府も企業もすべて自己責任の原則を貫かなければいけないんだということが結論でございました。私もそのとおりだと思います。
 しかし、この自己責任というのは、どうも海外では原則以前の言葉であるというのが常識でありますが、私はこういう話を聞いたことがあるんです。政府の皆さん、国会の皆さんがここ数年、ワシントンに出かけていってスピーチをなさる、そのときにやたら自己責任という言葉を連発される、こう言うんです。これは向こうの通訳の方がそういうふうにおっしゃっている。ところが、実は英語には自己責任という言葉がない、非常に通訳は困惑しているという半分笑い話のようなことなんですが、どうもこれは事実のようであります。
 つまり、頭の中では自己責任という言葉はそれこそ本当に刻み込まれているわけでありますが、ところがそれが実際の行動に伴っていないのじゃないか、私はどうもそういう気がしてしようがないわけであります。日本ではまだ言葉の上っ面だけが横行しているのではないか、本当に身についているのだろうか。政府みずからが経済の基本的なルールである自己責任の原則を無視し、筋の通らないことをもしやっているとしたら、これは本当に国際社会の笑い話になってしまうのではないかというふうに思うわけでございます。
 かつて、今は亡き金丸信自民党副総裁が、足して二で割るのが政治だという名文句を残されました。その時代から政治は少しも動いていない、少しも変わっていないではないか、自分の責任を他人に押しつけるのではないか。私はこのJR負担の本質的問題はここにあるように考えざるを得ません。
 さて、このJRの追加負担については、昭和六十二年四月で政府から離れ、独立した民間会社になったというふうに、これはもう私が認識するまでもなく周知の事実であります。JR本州三社は株式をワールドワイドに上場しているわけであります。世界の投資家が十数%この株を持っているわけであります。世界のマーケットで売買されているわけであります。
 かつて、このJRの負担について後藤田正晴元副総理がこういうふうに新聞のインタビューでお答えになっておるわけです。政府の負担強制は株主に対する財産権侵害として憲法問題になりはしないか、こういうふうにおっしゃっておりますが、私も全く同感でございます。
 また、今回のJR負担につきましては、JR社員の年金だという理由によると言われておるわけでありますが、これもそもそも昭和六十二年四月に清算事業団とJRで明確に仕分けしておるわけでありますから、これをこの十一年間、政府は問題を先送り先送りして一向に処理しようとしなかった。私は、この問題をいろんなところで書き、いろんなところで申し上げてきたにもかかわらず、今日まで一向にこの処理がなされていない。十一年間処理を先送りして、今またJRとの一種の契約をみずから破棄して、政府の責任が十分に問われない。これは金融問題と同じように私はモラルハザードに陥っているとさえ感じるわけでございます。
 政府あるいはこの法案を提案された皆様方は、玉置は何か誤解しておるのではないか、そういう見方はごく一部ではないかというふうにおっしゃる方があるいはおられるかもしれません。しかし、これは私だけではございませんで、一つの証拠として、私どもの新聞、私の知る限りすべての新聞の社説は、会社の意見を社論として主張している社説を見る限り、このJR負担についてすべてこれはおかしいという主張をしているところであります。もし私だけの主張であれば、そういうことはあり得ないでありましょう。
 日本の新聞だけではございません。御承知のウォール・ストリート・ジャーナルあるいはニューヨーク・タイムズ等、世界でも著名な新聞において、このJR負担は非常におかしい、日本の政府がこういうことを提案しているのはおかしいということを明確に主張しているわけであります。
 私は、こういう世論といいますか主張を全く無視されて、しかも足して二で割って、それで修正案としてもしこれが国会を通るのであれば、恐らく国際的な経済社会から非常な非難を受けるのではないか、日本は本当に法治国家なのかということが改めて問われるのではないかと、こういうふうに考えております。これが本格的処理である、あるいはこれがやむを得ない処理である、こういうふうに主張されるのは筋が違う。これこそ日本が国際社会にも通用するような法律をきちっとつくってもらいたい、それが私の希望でありますので、JRへの追加負担を撤回するという勇断をこの席でお願いしたいわけでございます。
 私は、戦後最大の行政改革、これは国鉄改革だということで、この二十年間ずっと見てまいりました。今はその最後の段階であります。最後の段階でこういう処理をするというのは本当に国際社会からの信用の失墜になる、そういうふうに考えておりますので、ひとつ先生の皆様方にはよろしくお願いをしたいと思います。
 いろいろ僭越なことを申し上げたかもしれませんが、失礼をおわびして、私の意見にかえさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○理事(成瀬守重君) ありがとうございました。
 次に、桜井徹参考人にお願いいたします。桜井徹参考人。
○参考人(桜井徹君) 日本大学商学部の桜井です。
 私の専門分野は安企業論という学問でありまして、ここ数年は日本とドイツにおける国鉄改革の比較研究に従事してきました。その立場から、今回提出されました法案のうち、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案と一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律案を中心に意見を述べさせていただきます。.まず、今回の法案で国鉄清算事業団の債務を国の一般会計に承継するということが提案されておりますが、これまでの土地売却と株式売却の動向を待って清算事業団のいわゆる国民負担分の処理を決定するという、国鉄改革当時から一昨年ころまでの考え方からすれば前進である。清算事業団の債務は国の債務であるということを明確にされたという意味で、私は大いに評価したいと思っております。
 しかしながら、債務が承継されたことによって生ずる一般会計の負担増を郵便貯金特別会計からの特別繰り入れやたばこ特別税の創設を財源として対処されようとしていることに関しては、次の二点において疑問を持っております。
 まず第一は、国鉄清算事業団の債務を郵便貯金特別会計やたばこ特別税で処理するということについては、私にはその二つの間には論理的な関連性あるいは必然性があるとは思われません。
 第二に、仮にそういう枠組みを認めたとしましても、郵便貯金特別会計特別繰り入れというのは、法案によりますと五年間ということになっておりまして、限定的であります。しかも、それはいずれも主に利子支払いに充当されるにすぎないということでありますので、元本の償還財源についてはほとんど手当てされていないのではないかということで限定的であります。それでは、約二十七・八兆円に膨張いたしました国鉄清算事業団の累積債務の処理財源についてはどう考えるべきだろうかということで、私は三点について述べていきたいと思います。
 第一に、国鉄改革前における国鉄の長期債務発生の責任の所在、第二に国鉄改革、すなわち国鉄分割・民営化時における国鉄長期債務等の配分方法の問題、第三に国鉄清算事業団債務が累積した過程に即して考えていく必要があると思っております。
 時間の関係上、非常にはしょりますが、まず国鉄の長期債務発生の原因については多様でありますが、いわゆる経営欠損の原因の一つが道路整備への重点投資によりモータリゼーションが進んだことを考慮すれば、総合交通行政を前提として、ドイツの国鉄改革で実施されたように揮発油税を引き上げて債務償還の財源にするか、もしくは加藤先生が言われましたように道路財源を圧縮してそれを転用するということが考えられます。
 第二に、国鉄分割・民営化時における国鉄長期債務等の配分方法についてでありますが、今日のJR本州三社の経営成績から見まして、JRが承継した長期債務等が過小ではなかったかという点であります。過小でなかったかどうかについての詳細は省略いたしますが、国鉄長期債務等の配分にかかわって、次の二点はぜひとも述べておいた方がよいと思います。
 一つは、国鉄清算事業団が継承いたしました長期債務等は資金運用部が主に引き受ける、あるいは資金運用部からの借入金がほとんどでありまして、それに対してJR各社が承継いたしました長期債務等は民間借入金がほとんどでありました。バブル経済下における金利低下等でJR各社は低利借りかえが行われた、それに対して国鉄清算事業団は低利借りかえを行えなかった、あるいは行うことができなかったということであります。
 二つ目は、国鉄清算事業団が継承いたしました鉄道債券には、論争があるところでありますが、JR各社による債務保証が設定されていたように思われます。もちろん、今日その多くは借りかえによって国鉄清算事業団債券に置きかえられておりますけれども、そうした債務保証がかつて設定されていたということも考えなければいけません。
 なお、JR各社が、特に本州三社は一部株式上場をしたとはいえ、依然として特別の法律によって設立されている特殊会社であるということもJRへの追加負担を考える際の論拠となるということもつけ加えておきたいと思います。
 最後に、国鉄清算事業団における債務が累積した過程との関連でありますが、累積した最大の要因は、国鉄再建監理委員会の試算では、国民負担分とされた十四・七兆円を三十年で返済するには毎年約一・三兆円の政府助成金が必要とされたのでありますが、その政府助成金が極めて低水準であった、そして財投資金による債務の借りかえが行われたということにあるわけです。
 同時に、額としては少しなのでありますけれども、ぜひとも指摘したいことは、一九九〇年に既設新幹線が九・二兆円で本州三社に譲渡されたわけでありますが、その際生じた譲渡収入が整備新幹線整備費などに充当されて国鉄清算事業団の債務償還には充当されなかった、この点を今日も見直すべきではないだろうかと思っております。
 以上で私の意見を終わりますけれども、最後に、債務処理に直接は関連いたしませんが、先ほど述べました道路財源との関連で述べておきたいことがあります。特に、揮発油税などの自動車関係税を鉄道投資等の公共交通の整備に充当することは、アメリカ、フランス、ドイツあるいはスウェーデンなど多くの国々で実施されております。特にヨーロッパ諸国では、社会的費用の負担の適正化という観点からも、自動車交通を抑制するためにもそういうことが正当化されているということを申し添えて、私の意見を終わります。
○理事(成瀬守重君) ありがとうございました。
 次に、吾妻實参考人にお願いいたします。吾妻實参考人。
○参考人(吾妻實君) 日ごろ国有林問題について御高配を賜っていることに対しまして、心から御礼を申し上げたいと思います。
 私のきょうの発言は、現場に勤務している方々を代表しまして意見を申し上げたいと思っております。
 私たちは、一九七八年以来、二十年後のバラ色の国有林ということを夢見ながら、よりよい直営、厳格かつ効率的な民間実行の推進に向け、当時は労使対決の時代でありましたけれども、その後、労使協調、労使一体の路線でこの改革の推進に全力を挙げてまいりました。この間、私たちにとっては大変厳しく、また苦しい体験の連続でございましたけれども、その中から私はこの改革案に、一律全面民間実行という問題に対しまして意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 先生方には資料として御配付をいただいているものと思いますが、別紙一のとおり、五十三年の出発当時に林業事業体の育成・整備方針が抜粋で提示をされてありますので、この内容は省略をいたします。
 しかし、その結果、林業、林産業全般の不況あるいは不振が続くと同時に、林業事業体における労働力や処遇改善問題は遅々として進みませんでした。そのことは、資料二の数値でおわかりのとおり、毎年毎年定型的に就労者が減少し、昭和三十年代の数値から見ますと既に四分の一に削減をされ、五十歳以上が七一%にまで達しているという実情にあります。事業体側も機械化や近代化など高性能機械の導入を進められてきまして、その結果、事業は計画的に資料三のとおりの実績を示しております。
 しかし、この中で私は二つの問題について申し述べたいと思っております。
 その第一の問題は何かといいますと、事業体の事業規模は他の産業の事業規模に比較しまして非常に零細であり、中小レベルの企業が非常に多うございまして、災害の発生は群を抜いております。国有林と比較しましても二ないし三倍、あるいは民間の中小レベルの企業と比較した場合には度数率では五倍から七倍という実績を示し、資料四のとおり、賃金に至っては、建設産業から昭和五十九年に逆転をされて以降、今日までその幅は縮小されておらないというのが第一の問題意識でございます。
 二つ目の問題点は何かというと、いわゆる民間実行による森林施業管理がとかく効率性あるいは能率性優先で行われるがためにたまたま森林の荒廃がついて回るという事例が、地元住民から幾つかそういう問題を提起されていることでありまして、いわゆるその責任施行、責任のある山づくりに対して私どもは心を痛めざるを得ないというのが実情であります。
 このように、二十年経過してみても、別紙一のいわゆる改善方針にはまだほど遠いという現状からしますと、このままの状態で、この反省もないまますべてを一括全面民間実行だというのは余りにも度がひどいのではないかということであり、国民の理解は得られにくいのではないかというのが私の率直な気持ちであります。
 まして今日、公益性や自然環境保全が重要視される時代からしますと、自然条件を無視し、他の産業同様な考え方の効率性の尺度で論ずるのには無理があります。経営の長期性に即し、技術に裏づけされた事業実行、官と民の役割分担は避けることはできないものであろうというふうに考えております。
 したがいまして、私は今さら現場の作業をすべて直営でやれなどということを申し上げるつもりもありませんし、そうした考えは持っておりませんが、民間実行く移すということであれば少なくとも流域管理システムに留意をされて、地域の労務事情、事業体の育成・整備状況、年度ごとの責任ある実行のあり方、問題などをその都度検証し、実態に即して経営の柔軟性、判断の余地をぜひ残していただくようにお願いをしておきたいと考えております。
 二つ目の問題は何かといいますと、いわゆる大規模な要員削減を中心とした一大リストラ計画が行われたにもかかわらず、債務はそれに反比例をして拡大してきていること、そしてまた森林の荒廃が進んでいることに対しまして、率直に私はやるせない思い、あるいは職場の中には糸車の中のハツカネズミ同然ではないかという批判やあきらめ感が蔓延化しつつあります。
 赤字だから、債務処理のためのリストラだからといって、過去四度にわたって見直しを行い、その中心はすべて要員削減でありました。
   〔理事成瀬守重君退席、委員長着席〕
 この結果、森林の不備とあわせて、先ほど申し上げたように債務は逆に反比例をし、今や国有林の経営は破綻状態、解体直前に追い込まれているという反省を持たないまま現行を改めて、改革案でさらにリストラをやるということには大きな疑念を持っております。
 経営の長期性あるいは自然環境条件、そして今なお公益性を重視すべきだという産業の特異性からして、独立採算制のもとで経済・景気動向を無視し、林産物などの自己収入を確保するためにさらに過伐を強いたり、林野・土地売りに明け暮れてみたり、そしてまた要員を一層削減するために他省庁に追いやり、新規採用は他企業より大幅に抑制するなど、資料五に示したとおりであります。
 資料六の職場の係にいる責任者も併任せざるを得ないというのが恒常的に拡大しているごときは、私は森林の責任ある管理はとうに及ばないものだというふうに考えておりますし、地元自治体や流域管理システムの中での責任ある行為は行い切れなくなっているというのが今の実情だろうというふうに考えております。
 したがいまして、私が最後にお願いしたいことは、森林の適正な保全管理のためには長期の視点に立って林業技術に裏打ちをされた一元、一体的責任のもとで経営を行うことが不可欠であり、これ以上の新規採用の抑制を中心とする職員減らしは限界であるということを訴えておきたいと思います。また、職員の不足に加えまして、予算不足に合わせた山づくりなどは、地域はもちろんのこと、国民の理解は得られないというふうに私は考えております。
 したがいまして、債務処理のための新規採用の抑制や併任を拡大させることのないように、要員の一定規模の安定確保は避けられないし、今のままでいった場合には分収育林の適正な管理自身までもできなくなり、職場の士気、やる気を失わせしめてしまいかねない問題を持っているものだと考えます。
 したがいまして、現場を預かる代表としましてこの際明確にしておきたいことは何かといいますと、私たち自身、国民から預かったこの共有財産である国有林を名実ともに国民に信頼される国有林として育成管理していくことでありまして、そのための熱意は私はいささかなりとも失ってはおりません。
 しかしながら、現場の森林の実態を把握するためには、職員一人にしますと約二十年前後かかります。しかも、その森林管理のためには定員内職員だけではどうしようもなく、少なくとも現場を熟知した技術労働者、いわゆる定員外職員の応援、協力がなければ山は管理できないというのが実態であります。
 しかも、その際に、私が改めてお願いしておきたいのは、森林の場合には、一人作業によってクマの被害に遭ったりハチ刺されに遭って被害をこうむっている事例が全国的にございます。したがいまして、現場の山守的な業務には、森林事務所に定員外磯員の複数配置をぜひともお願いして、安心して責任のある山づくりができるようにしていただきたいということであります。現在、それに向けて労使問で真剣に精力的に交渉を行っております。したがって、このでき上がった労使合意については、この実現を政治的に裏打ちし、森林づくりの魂を入れていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 時間が参りましたが、最後に一言だけお願いしておきたいのです。それは営林署問題です。営林署というのは、皆さん御案内のとおり、山づくりの拠点であり、新流域管理システムの拠点でもあると思います。そして、国有林というのは、地元自治体や地域の住民の理解や協力があって初めて国有林が形成され、適正な管理が行われるものだと思います。今のように突然九十八が一方的に示され、けんか別れの状態でこれでなければならないということになってしまった場合に、私はこの先の国有林の経営に大きな支障をもたらすものだと懸念をしております。
 したがいまして、この営林署問題も、全国に今、国有林が所在をする営林署は百十三ございますが、こういうところや都市の営林署あるいは山村で複数ある営林署などについては恒久的な代替組織などを置かれるように、柔軟な対応で地元自治体と真剣に話し合う機会を保証していただくことを切にお願いして、参考人の意見陳述にかえさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(中曽根弘文君) ありがとうございました。
 次に、加藤雅信参考人にお願いいたします。加藤雅信参考人。
○参考人(加藤雅信君) 御紹介いただきました加藤でございます。
 今回問題となっております国鉄清算事業団の債務処理の問題は、深刻となっている経済不況の問題とも財政再建の問題とも関連する広がりの大きい問題で、波及的に関係するところは極めて広範囲にわたりますが、時間も限られておりますので、ここではJR共済が厚生年金に統合することに伴ってJR各社が厚生年金移換金の一部を負担するのが正当かどうかという点に限定してお話をさせていただきたいと思っております。この問題に詳しい先生方を前にしてこんなことを申し上げるのも恐縮ですが、私はこれは余り複雑な問題ではないと思っております。
 国鉄は昭和六十二年に事実上破産いたしまして、JR各社と国鉄清算事業団とがその事業を引き継ぎました。それに伴って、年金を扱う国鉄共済もJR共済となったわけですが、これも平成九年には破綻を来し、厚生年金に引き取っていただくことになったわけです。
 例え話で恐縮ですが、民間会社に例えて言いますと、国鉄は財政状況が悪化して更生会社になったようなものです。会社更生に伴って旧会社をやめなければいけない者もいたが、新会社に移れた者もいた。今国会に提出されている法案の内容を一言で言えば、新会社に移った者については、JRさん、ちゃんと新会社で年金の面倒を見てくださいね、費用は新会社持ちですよというものです。ところが、JRさんはそれは嫌だとおっしゃる。新会社に来てからの分は自分たちで持つけれども、旧会社時代の分は持たないとおっしゃるわけです。それでは、旧会社時代の分だけこの人たちが年金は少なくなっても仕方がないとおっしゃるならば話は別ですが、そうはおっしゃらないわけですので、その人たちがちゃんとした年金を受け取るためには結局税金で国民が負担するなりなんなりしなければならないということになります。
 しかし、この世の中で会社更生等があったときに、旧会社から新会社へと続いて働いている人たちの昔の年金分を新会社は払わない、よそが払ってくれと言ったら、理屈を考えてもそれはちょっと通らないと思います。年金の拠出を更生会社が怠っていたような場合を考えますと、更生手続開始以後の拠出分は共益債権、その前のは更生債権となると思いますが、いずれにしても更生会社が負担を免れるようなシステムは採用されておりません。それを考えますと、今回の議論についても、JRさん、今の主張はちょっと行き過ぎではないでしょうかと思われてならないのです。
 今回の法案は国鉄清算事業団債務処理法案と呼ばれております。題が一般的な債務処理となっているものですから、国鉄清算事業団の負っている債務をこのごろもうかっているらしいJRに少しは負担させてもよいのではないかという議論ではないかと一部に思われているところがあるようです。もちろん、民間会社がもうかっているからといって、そこに関係ない債務を負担させるなどということは、江戸時代の冥加金でもあるまいし、許されるはずもありません。この部屋にいらっしゃるような専門家の方にはこのような誤解の心配はないと思いますが、大学等で学生等々と話しておりますと、一部にこのような誤解があるようです。
 ですから、今回の法案はJR各社に一般的な債務負担を求めるものではなく、自分たちが雇い続けている従業員の年金負担を求めるものにすぎないことを世の中の人にわかっていただいた上で、世論の動向を見きわめる必要があると思います。現在の案でも、国鉄に勤めていてJRに来なかった人たちの年金分は公的資金による負担、具体的に言いますと、国庫補助金を含む形での鉄建公団負担となっているわけですから。
 次に、今回のJR共済の厚生年金への統合に関しての厚生年金、国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済等の他の機関の負担とJR負担とのバランス論を考えてみたいと思います。
 初歩的な話で申しわけありませんが、年金制度には二つの側面があります。一人の人に即して長い年月を見れば、若いころから掛金の形でせっせと積み立てをし、いわば貯金をしておいて、年をとってからそれを取り崩すという側面があります。また、一定時点で横断的に見れば、若い世代が年をとった世代を支えるという世代間扶養の側面もあります。
 JR共済が立ち行かなくなったので厚生年金に統合するということは、厚生年金に入っている人たちから見れば、自分たちが営々と貯金をしてきて、さあこれから次の世代に扶養してもらおうと思っていたところにJR共済の人たちが割り込んできたという側面があります。言葉は悪いですが、自分たちの預金に基づく年金制度を一部横取りされる側面があることは否定できません。
 今回支援を予定されている幾つもの共済制度にしても、本来なら自分たちの年金に回る部分を削って、関係ないはずのJR共済の人たちを救っていくのです。厚生年金の加入者や他の共済組合の構成員たちは、今回六兆円分自分たちの年金を削って、本来は無関係のJR共済の構成員を救おうとしているのです。国鉄の財政破綻にしても、JR共済の崩壊にしても、赤字路線の建設を押しつけられたり、人員構成の世代間の比率がバランスを崩したことの要因が大きく、国鉄やJRの人々には気の毒な側面が強いのですが、旧国鉄の経営が万全なものだったとも思えません。
 再度比喩となりますが、イソップのアリとキリギリスの話で言えば、厚生年金の加入者や他の共済組合の構成員たちはアリのように働いてためてきたものをJR共済の構成員のために譲って、気の毒な状況にあるキリギリスを救おうと乗り出し始めたわけです。昭和六十二年に国鉄がだめになった段階でJR共済も早晩だめになるであろうことは明らかだったとは思いますが、破産に瀕した人たちを前にして自己責任の原則を正面から言うことを皆は遠慮しました。その段階では、JRがどうなるかも、JR共済の先々の破綻をどのように救済するのかの具体案もだれにもわかりませんでしたから。
 しかし、JR各社のうち、少なくとも三社は黒字になっています。ところが、関係ない他の年金に六兆円の負担を求めながら、JRさんたちは自分たちの社員についての千八百億円の負担を嫌だとおっしゃろうとしているのです。十年前の国鉄崩壊のときには、国民たちは公的負担も我慢しました。国鉄が息も絶え絶えだったからです。
 しかし、新生JR、少なくとも一部の会社が息を吹き返し、満腹になりながら、無関係の他の年金には身を削った負担を求め、自分たちは社員の面倒も見ないというのであれば、他の年金の関係者たちは、JRさん、それはないよ、それじゃキリギリスの居直りだと思うのではないでしょうか。
 私は名古屋に住んでおります。きょうの会にも新幹線で来ました。しょっちゅう新幹線を使います。アメリカやヨーロッパにもよく行きますが、そちらで鉄道に乗るたびに日本のJRの優秀さをとても誇りに思い、JRをこよなく愛している人間の一人のつもりです。また、国家公務員共済の加入者として身を削ってJR共済を助けることになる者の一人ですが、別段それに異を唱えるつもりもありません。それだけに、今回のようなJRの主張を聞くととてもがっかりし、他人に物を頼む前に自分でやるべきことはやってくださいよとお願いしたくなります。もちろん、お願いという穏やかな形で申してはおりますが、心の中ではそれは本来当然のことではないでしょうかとも思っているのです。
 勝手なことばかり申し上げました。失礼の段をお許しいただければ幸いです。
 ありがとうございました。
○委員長(中曽根弘文君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○国井正幸君 自由民主党の国井正幸でございます。
 きょうは先生方、大変にお忙しいところを御出席いただきましてありがとうございます。限られた時間でございますけれども、参考人の皆さんに御意見をお伺いしたいというふうに思います。
 まず最初に、加藤寛先生にお伺いをしたいと思います。
 先生は土光臨調の時代からいわゆる三公社の民営化の問題に参画してこられまして、特に国鉄再建監理委員会においては委員長代理、こういう重責を担っていただいたわけでございまして、いわば今の新生JRでは生みの親のような存在であるというふうに私は考えております。そういう意味で、今般のこの国鉄清算事業団の債務処理についてお伺いをしたい、このように思います。
 国鉄改革時の閣議決定では、土地などの自主財源を充ててもなお残る債務等については「最終的には国において処理するものとするが、」というふうなことで、先ほどもお話がありました。「その本格的な処理のために必要な新たな財源・措置」については、雇用対策、土地の処分等の見通しのおおよそつくと考えられる段階で、歳入・歳出の全般的見直しとあわせて検討、決定する。しと、こういうふうなくだりがあるわけです。
 そこで、今いろいろ議論になっているのが「国において処理する」、この文章、先ほど先生もおっしゃいましたが、極めて包括的な表現であった。ここに来て、いわゆる年金移換金の一部JR負担、こういう部分もありまして、ただいま加藤雅信先生の方からも御主張があったわけでありますが、議論がたくさん出ているのは事実でございます。
 当時からしてこの国鉄年金の厚生年金への移換というのが想定されていたかいなかったかもいろいろあると思いますが、当時の状況から考えて今日的なこの状況をどのようにお思いになるか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(加藤寛君) 今御質問のありました点でございますが、最初の国鉄再建監理委員会で答申を出しましたときに、国鉄の債務は非常に大きいから、これを処理するといたしましても、例えば株を売る、土地を売る、そういうことを通じていろいろな工夫をしてみてなお残るものがどうしてもあるだろう、これは私たちとしてはそれはある程度予想されたことでございますから、そういうふうに考えました。
 そのときに年金問題が入っていたかどうかと申しますと、実は年金について議論はしておりました。しておりましたけれども、この年金を共済年金に移換することができるかどうか、つまりそれは共済年金の方が認めてくれなきゃだめでありますから、それをやってくれるかどうか。それからまた、後には厚年と当然一致させなきゃならぬだろう、統合しなきゃならぬだろうということは思っておりましたけれども、しかしそれをその段階でもって断言することはできないというふうに私どもは考えまして、そのことは国の処理に任せるという表現になったわけでございます。
 したがって、今日そのことが表に出てきたわけでございまして、その意味ではまさに追加負担は私どもからすれば当然残った新たなる負担である、こういうふうに考えているところでございます。
○国井正幸君 続いて、やはり加藤先生にお伺いをしたいと思います。
 この国鉄清算事業団の処理というのは、いわゆる国鉄改革で残された最後の最も大きな重要な課題だというふうに私どもも認識をさせていただいております。
 先生が九月三日に朝日新聞に投稿された「論壇」を私も読ませていただきました。認識は極めて私どもと同じでありまして、一刻の猶予も許されない、早急に解決すべき課題だということでございます。
 おかげさまで分割・民営化後のJRにつきましては、関係者の皆さんの大変な御努力もありましておおむね順調に経営も推移しているわけでありまして、私どもも心から敬意を表したい、このように思っているわけであります。しかしその一方で、JRの方はよくなった、しかし残された清算事業団の方の債務については、当初の二十五兆五千億と言われたものが今や二十七兆八千億と大変に膨らんで、先生のお話じゃありませんが、根雪の上に新雪がどんどんたまって雪だるま式にふえている、早急にこれは解決をしなければならぬ、そういうわけで今回の処理策というものが出たわけでございます。
 ただ、この債務処理の中身を検討していきますと、国鉄については、これは林野にも相通ずるんですが、六十年という非常に長きにわたる期間を要するということが一つ。林野においても五十年ということですね。非常に長い。そして、郵貯特会からの利子補給の二千億というのが、五年間という一つ期限が切られているという問題があります。それ以降の財源は一体どうするんだというのは、これは六十年もの中で五年間は少なくとも見える。しかし、そこから先はどうするんだという問題が一つあります。
 それから、いわゆる元本償還を一般会計の歳出を抑制する中でトータルとして見ていこうと。一部はたばこの税による部分を入れていくということでありますが、これは微々たるものなんです。そういう意味で見ていきますと、この六十年あるいは五十年という非常に長い中で先を見通すというのは非常に困難な様相もあるというふうに思うんです。
 これらについて総じて言うと、今回の処理策、これはやらなくちゃならないということで緊急にやったという点については、私はもうこれしかないというふうに思っておりますが、そういう長期にわたる部分と将来の見通し等について、この処理策に対しての評価と、この処理策を実行していく上で留意すべき点等について御示唆をいただければありがたい、このように思います。
○参考人(加藤寛君) ただいまの御質問の点でございますが、私はかねてから、新雪はとにかくとめなければいけない、そして長期にわたって残るものがあるのでそれは漸次解決していかなければならないという立場をとってまいりましたが、そのときの方策として私の頭の中にありましたのは、当然のことでありますけれども、総合交通的な発想を持たなければなりません。つまり、国鉄だけの問題として処理するのではなくて、道路、航空、そういったものを含めて論ずる必要がある、こういうふうに私は思っております。
 したがって、六十年という長きにわたってやるときに、最初の五年間は何とか財政的にバランスがとれますけれども、それ以後についてはとれないということでございます。根雪の問題についてはまさにそこから議論が始まることである、こういうふうに私は思っております。
 したがって、この議論につきましては、もう一度交通体系を見直すということが当然出てくるわけでございまして、それをやることによりまして、恐らく日本全体の大きな債務と一緒にこの問題も処理することができるというふうに私は考えております。
 その場合、財政の改革が重要でございまして、財政の見直し、特に現在私が思っておりますのは、いろいろな国有財産などがございますけれども、こういうものについても当然民営化することを頭の中に入れておかなければならない。そういうことを詰めていきますと、当然それが解決策の道につながっていく。つまり、小さな政府がそこで実現されてくるということで解決されていくんだというふうに考えております。
○国井正幸君 ありがとうございました。
 続いて、林野問題について吾妻参考人にお伺いをしたいと思います。
 このたび国有林野事業の改革案が示されたわけでありまして、これまでは独立採算制という名のもとに債務が新たな債務を生む。さっきの話じゃないですが、借金地獄というのでしょうか、大変な状況であったわけでございます。これらの原因は、木材の輸入自由化あるいは価格の低迷とか、いろんな事情があったわけでありますけれども、先ほどの吾妻参考人のお話じゃありませんが糸車の中の白ネズミだと、こういうふうに例えられるように大変な状況であったことは私どもも理解できるわけであります。
 今回は、少なくとも森林の持つ公益的機能というものが非常に重視をされて、営林局・署も森林管理局あるいは署というふうなことになってきて、ネーミングも含めて変わってきている。あわせて、この累積債務の三兆八千億についても、二兆八千億円は一般会計、一兆円については一般会計からの繰り入れを前提とした林野特会にしていく、こういうふうなことになったわけでありまして、私としては画期的な改革なのではないか、このように基本的な認識をいたしております。
 ただしかし、こういう新しい再建計画ができても、実際にこれを実行していくのは林野庁の職員の皆さんなんですね。何といったってやっぱり現場できちっとやってもらわなくちゃだめなんですね。仏をつくって魂入れずという言葉がありますけれども、枠組みはここでできます。しかし、現実に実行していただくのは皆さん方なんですね。
 そこで、要員の問題というのも当然出てくるわけでありまして、ピーク時の八万九千人から今一万三千五百人ですか、これは大変な御努力をされてきたというのはよくわかります。私は当局の皆さんにも申し上げておるんですが、労使でよく話し合って、いい労使関係の中でこの改革案をぜひ実行してもらいたい、このように思っておるんです。
 参考人は全林野の中央執行委員長でもあられますので、その辺のお考えについて、もう時間も余りないんですが三分程度でお考えをお聞かせをいただきたい、このように思います。
○参考人(吾妻實君) ただいま先生から御指摘があったとおりだと考えております。まさにこれが最後のチャンスだ、最後の改革だという根性で労使で真剣になって論議をして、早期にまとめて、そして国民の負託にこたえられるようにしたいというふうに考えております。
○国井正幸君 終わります。
○藤井俊男君 民主党・新緑風会の藤井俊男でございます。参考人の先生方、早朝から大変御苦労さまでございます。御礼を申し上げます。
 それでは、順に質問をさせていただきたいと思います。
 まず、林野事業の関係で大内参考人にお聞かせを賜りたいと思っております。
 今回の林野事業三法案につきましては、林政審議会答申等を踏まえまして提案されておるところでありますけれども、国有林野事業が危機的な財政状況であるという中で経営改善が求められているところであります。一方で、私は国有林野事業の実態を踏まえた論議が求められていると思います。すなわち、国有林野の有する公益的機能の維持増進に支障が生ずるのではないかという心配、あるいは森林育成に不可欠な間伐の実施のおくれ、要員問題等の課題を抱えながら国有林野事業の将来にわたってどう適切に管理していくのかという我が国の林野事業におけるビジョンが求められております。
 先ほど大内参考人さんから国有林、民有林の垣根を外してやる必要があるという御意見、基本方針もまた必要だという点が述べられておりますけれども、先生のビジョン、考え方についてお聞かせを賜れればと思います。よろしくお願いします。
○参考人(大内力君) ただいまの御質問でございますが、非常に細かいことは私も十分知っておりませんけれども、御案内のように森林法の改正によりまして地域ごとの森林計画がつくられるということになっております。この森林計画をつくるときに、国有林は一員としては参加しておりませんが、これを変えまして、やはり地域の要求を酌み取りながら、流域ごとといいますか地域ごとにきちんとした森林計画をつくる、その森林計画をつくるときにはできる限り公益的な機能を尊重するという立場をとってつくる。
 その計画に従って施業をしてまいります場合に、先ほど申し上げましたように、民間では労力不足あるいは採算が全然とれないということから、ほとんど実行できないというところが多数生じているわけでございますから、それを国が何らかの形で援助をする必要がある。これは単なる資金的な援助だけではもう問に合いませんで、技術なり技能なり人員なりというものまで援助しなければ、民有林は到底回復することができないだろうというふうに考えております。
 そこで、国有林の持っております人材と技能等を動員いたしまして地域の民有林まで施業の手伝いをする、その費用は森林所有者から何らかの形で年賦なりなんなりで回収する必要があると思いますけれども、そういうことを考えるべきであって、むしろ国有林の事業を縮小するというのでは日本全体の森林が維持できなくなるだろうということを申し上げたわけでございます。
○藤井俊男君 ありがとうございました。
 次に、JRの関係で玉置参考人にお聞かせを賜りたいと思います。
 今回の債務処理に当たりまして、その負担が問題になっているところであります。つまり、JRの三千六百億円の追加負担についてであります。この問題につきましては平成八年に閣議で決定をされております。つまり、この時点でJRと国の負担は決着済みと思っております。そこで、閣議決定に違反しているとか、民営化されたJRに追加負担を課すのは国鉄改革に反するという意見があるわけであります。JRは負担すべきものは全額支払い済みと言っておりますが、参考人の御意見を承りたいと思います。
○参考人(玉置和宏君) 年金の問題については、ただいま先生がお話しなさいましたように、一九九五年の公的年金制度の一元化に関する懇談会で報告書をつくっております。翌年、政府はその報告書に基づいて、JRの負担を二、清算事業団の負担、つまり政府の負担を八というふうに明確に区分して、これを閣議決定したわけであります。私はこれ以上の明確な区分はないと。また、国民も、これがそうではないんだ、実は何かの事情でもし変更があれば別に追加すべきなんだというようなことがあるとすれば、それはそのときの懇談会なり閣議決定の場でそういう議論をすべきでありまして、していないということは国民を今ミスリードしている、こういうふうに私は考えておるんです。
○藤井俊男君 続いて玉置参考人にさらにお聞かせを賜りたいと思います。
 この件につきまして、法律的に強制することは憲法第二十九条の財産権を侵害する疑いがあるとも言われておりますが、この件について御意見をお聞かせ賜りたいと思います。
○参考人(玉置和宏君) 私は法律の専門家ではございませんが、もし一般の企業がこういう形で一つの法律で政府から一定の支出を強制されるということであれば、これは先生が今御指摘のようなことになる疑いがあろうかと思います。もしこの法律が通った場合に、JRがどういう対応をするのか私は存じませんが、あるいは訴訟に踏み切らざるを得ないかもしれません。そうした場合に、これは国際的な大変大きな話に発展する可能性がある、そういうふうに私は考えております。
○藤井俊男君 さらに玉置参考人にお尋ねしたいと思います。
 今回の処理スキームは、肝心の元本処理のための財源については明確にされておらず、その意味で抜本的な処理方法とは言えない代物ではないかと考えるんですが、参考人の御意見を承りたいと思います。
○参考人(玉置和宏君) おっしゃるように、非常に肝心な部分をあいまいにしている点では、全く先送りだとは申しませんが、肝心な部分はやはり具体性に欠ける、そういう法案だと私は思います。
 では、どういうふうにすべきなのかということでありますが、私は既に数年前から、一つの財源対策として、ガソリン税あるいは自動車重量税等自動車関係諸税の一部をもって充てるのが適当ではないかという発言を繰り返してまいりました。
 と申しますのは、これも私は実際に現地に行って取材したわけでありますが、例えばドイツの国鉄の民営化は、やはり旧国鉄は大きな負債を抱えて民営化したわけであります。その負債をどうしたのか。ガソリン税を二〇%上げて、たしか五年間だったと思いますが、これをもって旧債務を処理する、そういうふうに明確に民営化した時点できちっと決めている。
 私は、昭和六十二年の民営化に当たって、先ほど来お話にありましたように、その余については国において処理をするというふうに大変大きな問題を実は先送りしているんではないかな、こういうふうに思います。
 したがいまして、そういう自動車財源の問題、あるいは行財政改革を徹底的に行う、あるいは新幹線財源となっている買い取り代金の七百二十億円の充当等、いろいろ集めていけば私は相当な額になるというふうに考えております。
○藤井俊男君 加藤参考人と玉置参考人にさらにお尋ねをしたいと思います。
 ただいまも玉置参考人から財源の関係でお話ありましたけれども、国鉄長期債務や国有林野累積債務処理のために郵便貯金特別会計やたばこ特別税といった全く無関係のところから、いわば取りやすいところから財源を捻出するということ、この辺について御意見を承りたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(加藤寛君) 今の問題につきましては、財政というのは、言うまでもないのでございますけれども、いろいろな財源を考えながら、それを一つのケースとして入れてまいります。したがって、例えば郵貯特会とかたばこ税を特別に国鉄のために使うということではございません。
 その点につきましては税制調査会でも議論をいたしまして、このお金は決して国鉄の、あるいは長期債務のためにだけ使うのではなくて、国全体の財政のバランスが足りないところを補うものである、こういうふうに私たちは考えておりました。したがって、それは結びつかないというふうな言い方になりますと、具体的に郵便貯金とかたばこがすべて国鉄の債務に回るというふうに解釈するとこれは結びつかない。しかし、財源全体として考えるときにはそうではありません。
 だから、それが認められるからこそ、これから長期債務については行政改革をやり、あるいは道路財源を見直そうとか、そういう財政の組みかえが出てくるのでございまして、財政全体としてはそういう財政の組みかえあるいは見直しをすることによって全体のバランスをとるんだというのが私は財政の基本だと考えております。
○参考人(玉置和宏君) 私は財政制度審議会でこの議論を何度もしてまいったわけでございますが、やはり現実問題としては、広く薄く財源を求めるという考え方に一理あるのかなという感じがいたします。
   〔委員長退席、理事成瀬守重君着席〕
 具体的にそれがたばこがいいのか郵貯特会がいいのか、これはいろいろ議論があるところだと思いますが、私はそれもワン・オブ・ゼムであるというふうに理解しております。
○藤井俊男君 さらに玉置参考人にひとつお聞かせを賜りたいと思うんです。財源の関係で、道路特定財源とされている揮発油税や一般財源である自動車重量税を国鉄の長期債務に充てるための財源、この活用、これについてはどうお感じになっているか、さらに承りたいと思います。
○参考人(玉置和宏君) ヨーロッパもそうでありますし、先ほど申し上げましたように米国でも都市鉄道に自動車関係諸税の財源をもって補助金としております。恐らくその考え方が広く欧米で行き渡り、それが国民の納得を得ているといいますのは、やはり鉄道が持つ省エネルギーあるいは環境に対する影響等が、自動車のいわゆる税から補助金を出すということが一般に受け入れられているんだろうというふうに私は理解しております。
 日本の場合は、御承知のように、どうもこの議論になりますと建設省と運輸省がお互いに自分の縄張りを守るといいますか、そういういわば縦割り行政の弊害というのがここに出てきているというふうに私は思っております。
 一例でございますが、先ほど御紹介したドイツのケースですが、ドイツは御承知のように交通省がこの問題を一括して扱っております。建設省はないわけであります。したがって、そういう議論が、自動車の税を国鉄の債務に充てるという考え方がすんなり受け入れられている背景にあろうか、こういうふうに思います。
○藤井俊男君 最後に、玉置参考人にお聞かせを賜りたいと思うんです。
 これはけさの読売新聞なんですが、社説に大きく「JR追加負担は筋が通らない」ということで論評をいたしております。これを見ますと、どう見ても筋が通らないんだなと。
   〔理事成瀬守重君退席、委員長着席〕いろいろ全国にこの読売新聞が報道されるわけですね、社説ですから。そういう中で、掲載をされている中で、論評ではございますけれども、新聞の代表できょうお越しになっている論説委員さんでございますので、あえてこの関係等について御意見を承ればと思います。よろしくお願いします。
○参考人(玉置和宏君) この問題についてはどういう論説委員が書いてもそういう結果になるのではないかと私は考えております。
○藤井俊男君 大変ありがとうございました。
 以上です。(拍手)
○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。参考人の各先生には朝早くから御苦労さまでございます。
 さて、若干お聞きをしたいと思いますが、まず玉置参考人、もう二十年来このJRの問題について、国鉄の長期債務についてずっと研究し、また論陣を張ってこられておるということでございますし、またニューヨーク・タイムズ等を含めて世界的にも広がりを持つ意見の陳述がございました。非常に感銘深いというか、そう思ったわけでございますけれども、最後の先生の御意見、JRの追加負担はもう即刻撤回すべきであるというお話でございまして、私も全くそのとおりであるというふうに思っているところでございます。
 このJRの追加負担につきましていろんな言い方がございます。JRの社員分の移換金は社員の福利厚生である、だからJRが負担すべきではないか、こういうものまで一般の国民、要するに税金で負担するのはいかがなものかというような意見があり、また政府もこのように答弁してきたわけでございますけれども、これにつきまして玉置参考人のお考えをお示しいただきたいと思います。
○参考人(玉置和宏君) 私は、年金問題というふうに問題を矮小化といいますか、そういうふうに考えるべきではないと思っております。いわゆる国鉄という公営企業が民間企業になる、民間企業になるに際して債務をどう継承するかという点について、これをきちっと区分する、法律で区分する、国会で議論する、こういうわけでありますから、昭和六十二年の区分と先ほど申し上げました平成八年の区分、これをもって債務承継問題はすべて私は終わったと。もしこれで終わらなければ、この国の政府と民間企業との契約というのは一体何なのかということを私は改めてお尋ねしたいぐらいでございます。
○魚住裕一郎君 それから、先ほど自己責任の原則というお話がありました。政府自体がモラルハザードに陥ってしまうんではないかというようなことまでお話しになりましたけれども、自己責任という言葉の中で、逆にJRが自分の社員の年金、これを自分で払うのがまさに自己責任ではないかというような逆手にとった言い方もあろうかと思いますが、これについてコメントをいただきたいと思います。
○参考人(玉置和宏君) 先ほども申し上げましたように、この問題の根幹にある問題はあくまでも清算事業団の債務を責任を持って政府が処理しなかったというところに私はあると。したがって、まず政府の自己責任が先にあるわけでありますから、今JRの自己責任を言うのはそれは詭弁というのではないでしょうか。私はそう考えております。
○魚住裕一郎君 それから、今参議院に送られてきたのは、JRの負担部分について二分の一になった、三千六百億から一千八百億になったと。私もよくこの理由がわからないんです。また、衆議院では半分にするということが余り議論されていないようでございますけれども、半分になったということにつきまして、玉置参考人の御意見がありましたらいただきたいと思います。
○参考人(玉置和宏君) 私もなぜ半分になったのか全くわかりません。また、国民にきちっとした説明も衆議院段階でなされておりません。これは私、本当に国民の一人としても、あるいは長年この問題を担当してきた新聞記者としても非常に不思議かつおかしいというふうに考えております。
 推測するに、私は先ほどちょっと意見陳述の中で申し上げましたけれども、かつて金丸信先生が政治は足して二で割ると。あるいはそういうことを思い出されて足して二で割ったのかなとも思いますが、それは私の推測でございますし、本来、これは足して二で割るとか三分の一にするとか、そういう問題ではないんです。ゼロか一〇〇しかないんです。それが自己責任の原則だと私は考えています。
○魚住裕一郎君 私も全く同感でございまして、もし筋が通るのであればやはり全額負担をすべきでないか、もし一部でもそれは筋が通らないよというのであれば全額なしというのが本当だろうなと思うんですね。
 それで、先ほど加藤寛先生から、要するに年金ですから労使折半ではないのか、それが二分の一の理由ではないかというような意見の開陳もございましたが、これについて玉置参考人はいかが思われますか。
○参考人(玉置和宏君) そういう議論があるとすれば、九五年の公的年金一元化の懇談会の中で議論すべきでありましたでしょうし、それを受けた閣議の議論がここでなされなければいけないわけであります。
 今、急にそういう話が出てくるのは私はおかしい、むしろ本当にその話が正しいとすれば私は改めて年金の懇談会からこの議論をもとに戻して議論するのが筋ではないか、こういうふうに思います。
○魚住裕一郎君 それで、全額撤回する勇断をというお話でございましたけれども、先ほど来財源の問題も出てまいりました。まさにそうだろうと思いますが、かつて国鉄時代、補助金というのがたくさん出ていました。六千億とか言われたけれども、また現在では二千億ぐらいですか税金も払っておる。そうすると、合わせると八千億ぐらい国の方に寄与している。そういうこともやはり考慮すべきではないのかなとかいろいろ私は思うのでございますが、もう一度、このJRが払わなければ国民負担になってしまうよというような論理展開について参考人の御意見を財源論を含めてお聞かせいただければと思います。
○参考人(玉置和宏君) その論理の組み立てば非常におかしいと思います。
 本来、政府が政府の責任において処理すべき債務を処理せずにその部分をJRに押しつけて、JRが負担しないと主張すると、今度はそれは国民の負担になるではないかと、こういう議論ですね。先ほどから申し上げますようにこれは詭弁だろうと、いや、詭弁だと思います。
○魚住裕一郎君 加藤寛先生にお聞きをしたいのでございますけれども、かつて新聞のインタビュー記事、今年三月末ですか、その中では今回のこの法案についてのインタビュー記事が出ておりました。
 先生のお考えは、もう政治的妥協の悪い典型だ、経済的な合理性が全くない、筋が通らない、中でも最悪はJRの追加負担であろうと、こういうようにお述べになっておられました。
 あれから約半年になるわけでございますけれども、先生のお考えが半年で百八十度変わったように聞こえます。この半年間でお考えが大きく変わるような事情があったのでありましょうか。
○参考人(加藤寛君) 今のお尋ねの件でございますけれども、私は前から考えは変わっておりません。
 変わっていない点を申し上げますと、私は今の状況の中でJRが完全なる民間企業であるならばそれは当然受けるべきである、追加負担をすべきである。それをしかし、民間企業でまだ完全なものでないということを前提にした上で、民間企業だから政府のやることは理不尽だと、こういう言い方をするのはおかしい。
 だから、これは先ほど先生がおっしゃったように、両方から言えることなんですね。つまり、民間企業の立場に立って考えると当然だし、それから今度は民間企業でないような状況下でもってそれが理不尽だと言ってもこれは通らないということでございまして、両方にこれは理屈があるわけで、その理屈を今ここで緊急に解決しようとなりますと、これはやはり一つの政治的な妥協というものがここでは当然出てくる。
 そういう意味で、妥協ということがいかにも日本では悪いかのように今言われますけれども、妥協というのはお互いに理屈があるときには認められることであって、その理屈がうまく解消できないという状況でございますから、これはしかし早急に解決するという条件の中では私はこれを認めざるを得ない、こういうふうに申し上げてきたわけでございます。
○魚住裕一郎君 加藤寛先生は衆議院でも参考人として出席され、意見開陳をしておられます。
 その中で、JRの負担につきましてこういう言い方をされています、「これをやはり当事者に納得させていかないと十分な答えを得ることはできないと私は思っています。」と。また、質問にお答えになった段階で、「国とそれからまたJR当事者との了解を必要としている問題であると思っております。」と、このようにお述べになっておられます。
 今、参議院に来た段階では半額という状況にございますけれども、お考えは変わりないでしょうか。
○参考人(加藤寛君) 全くそのとおりでございまして、現在の状況で早急に解決するとなれば目先のことをとにかく解決しなきゃなりませんから、そういう意味ではこれはそういう解決の策になります。ただし、これが今度は長期的な債務を解決ということになりましたらば、もう一度私たちは道路財源も含めた交通体系全体を考えていくことだと思っております。
○魚住裕一郎君 お言葉をお返しいたしますが、要するにJRの納得あるいは了解ということを先生がおっしゃったんですね。どうもJR各社はインタビューとかを見ていますと全然納得していないようなことで、逆に訴訟でも起こすようなお考えを表明されております。
 そうすると、これは法案ですけれども、先生のお考えでもJRが納得しなければこれはだめよと、こういうふうに受け取ってよろしいですか。
○参考人(加藤寛君) 基本的にそうであろうと思っています。しかし、その手続あるいはそれをどういうふうに納得させるかということについては、これはいろいろな条件がございますので、特に、例えば私が申し上げておりますように、民営化というものを積極的に行うんだということがもしここでもって一つの条件に出てくれば、これはかなりJRにとってもわかる一つの理論だと私は思っております。
○魚住裕一郎君 きょうこの段階まで、JRの皆さんが納得した、了解です、今回の枠組みはと、そういうふうに了解しているとは私はちょっと認識しておらないのでございますけれども。
 続いて加藤雅信先生にちょっとお聞きしたいんですが、いろんな比喩を使いながらお話をいただきましたが、江戸時代でもあるまいしというようなお話がございました。ただ、今回もうかっているところに国から負担しなさいよと、冥加金じゃないけれどもというお話でございます。先ほど来出ておりますけれども、今回のこのJRの問題につきましては既に二年前に決着済みだというような認識があります。私もそう思っておりますけれども、まさにこれこそが江戸時代に横行したような形ではないのかと思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(加藤雅信君) 江戸時代の冥加金かどうかということは後にお話しするとして、厚生年金の統合法案のときに清算事業団の負担ということがあったわけです。もともとこれは年金の問題でございますから、旧国鉄が負担すべきものだった。その旧国鉄の後継団体としてJR各社と国鉄清算事業団があった。国鉄清算事業団が負担するという限りにおいては、非常にこれは合理的なわけです。ところが、今回は国鉄清算事業団がなくなるという形になって、それをどうするか、そのときに移換金の負担をどこにするかという問題が起きたわけです。
 平成八年の閣議決定において「国において処理する」という言葉が使われておりまして、非常にあいまいな、そこのところで問題を決着していれば今回のようなごたごたは起きなかったと思うんです。国鉄清算事業団は国鉄の後継体ですけれども、国とは別法人でございます。この「国において処理する」という言葉が、全面的に国民が払う、国が負担するということかどうかということです。そこのところで明快なことが、国において施策をするという形で明示されていれば話は簡単だと思うんですが、そこのところをあいまいなままにやってきたので今回の混乱が起きたと私も認識しております。
 ただ、そこのところで、「国において処理する」という言葉の上で今回合理的な処理を考えた。そのときに国鉄の年金問題の負担をどこがするのが合理的か。国民年金とかほかの共済組合、JR、それから国民負担、いろんなところが考えられるわけですけれども、JRの社員として継続している分についてはJRが負担するのが合理的だと私個人は思っております。そういう意味では、意味がないところに負担をする江戸時代の冥加金とは大分異なっているというのが私の認識でございます。
○魚住裕一郎君 衆議院での審議の最後の部分で、JRの追加負担が二分の一にというふうに修正されました。理由が本当にわからないのでございますけれども、これこそまさに、バナナのたたき売りと言ったら怒られますけれども、江戸時代的な手法ではないのかなというふうに思うんですね。この点はいかがですか、二分の一にしたことについて。
○参考人(加藤雅信君) 私個人としては、この全体の負担というのは、これは全体的にJRが負担すべきであろうと思っております。ただ、そこのところで、私と同じような考え方の方もいらっしゃいますし、それが政治世界の中にもあろうかと思いますけれども、それが通らない状況のもとでどういう話し合いがなされたかという問題だと思います。
 私としては全額負担がベストと個人的には考えておりますけれども、少なくともJRの、年金でございますから、事業者負担が半分、それから被用者負担が半分というのがもともと年金のシステムでございますから、そこでやってきたのがこれがセカンドベストかなと思って、私としてはセカンドベストじゃなくてファーストベストの方を望むわけですけれども、まあセカンドベストかなと思って見ている次第でございます。
○魚住裕一郎君 終わります。(拍手)
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。参考人の皆さんには、大変お忙しいところを本当にありがとうございます。
 私は初めに旧国鉄債務の問題について日本大学の桜井先生にお尋ねをしたいと思います。
 一つは、ドイツでも国鉄の分割・民営化問題、こういうことが行われているそうですけれども、このドイツの場合でも債務の処理のことが問題になっているということで、この点についてドイツではどういう形でこの財源を確保しようとしているのか。先ほどもちょっとお話があったようでありますけれども、この点について桜井先生の見解を伺いたいと思いますが、よろしくお願いします。
○参考人(桜井徹君) ドイツでは、一九九四年一月一日に旧東ドイツ国鉄と旧西ドイツ国鉄が合併する形で、その後合併した連邦鉄道財産という組織が株式会社化されました。そしてドイツ鉄道株式会社になっているわけですが、債務については全額連邦鉄道特別財産という、日本で言えば国鉄清算事業団に当たるところに移換されました。
 それの償還財源でありますけれども、一部は日本の清算事業団に見習いまして土地で償還するということになっております。しかし、日本のように大きな額ではありませんで、全体の一割ぐらいであります。そのほかは、ただいま意見陳述のところでも言いましたし、玉置参考人の方からも言われましたように鉱油税、鉱油税というのは日本で言えばガソリン税とディーゼル税を合わせたものでありますが、それをリッター当たりそれぞれ十六ペニヒと七ペニヒ上げました。それで現在行っているところです。しかし、将来それでも足りないというような事態もあるやに聞いております。その場合には道路利用料金というものを導入しようということになっておりまして、それを全面的に導入することによってその収入の一部を充てることができるのではないかということも計画されております。
 以上でございます。
○富樫練三君 そうしますと、その債務の返済の財源なんですけれども、先ほども何人かの参考人の方から出されておりましたが、自動車関係の税金を鉄道の方に穴埋めするというのは、どうも受益者負担という考え方からいうと違うのではないか、こういう議論が一方にあります。先ほど縦割り行政の問題もちょっと出ましたけれども、そういう形で、壁をぶち破って、総合的な交通体系で債務も負担しながら、かつ特に先ほどの話では長期の部分については根雪の部分になるんでしょうか、利息の部分については当面いろいろあったとしても、長期的な展望に立てばこの部分に手をつけるというか、検討が必要なのかなというふうに思うんです。
 ここのところで、ドイツの場合はそういうことができる条件あるいは国民の世論といいますか、そういうふうになっている根本的な考え方、これがどうかという問題なんですけれども、いわば哲学といいますか物の考え方はドイツの場合はどういうふうになっているのか、桜井先生、御存じでしたら教えていただければと思うんですが。
○参考人(桜井徹君) ドイツの鉱油税が鉄道整備あるいは鉄道関係の財源に使用されるということはそう新しいことではありませんで、私の知る限りでは一九五四年の法律以降そういうようになっております。もちろんそれ以前からもいろいろあるわけですが、ごく簡単に言えば、ドイツのアウトバーンはヒトラーの時代に鉄道の財源から道路投資に回していた、その逆の関係が成り立っているというようなことです。
 しかし、第二次大戦後、ドイツの鉱油税が鉄道関係の費用に使われるという考え方の背景にあるのは、イコールフッティング論ということであります。道路と鉄道とを同じ条件で競争させるべきだという考え方がドイツに強くあります。それが一つ大きな背景であります。
 しかし、特に最近ではもう一つの考え方が出てまいりまして、それは先ほど意見陳述の最後のところでも言いましたが、社会的費用の負担の適正化ということであります。御存じのように、自動車の場合の社会的費用というのは交通事故、騒音、大気汚染、地球温暖化などの、いわゆる経済学の用語では外部費用と言うわけでありますが、そういうことについて、自動車の利用者はそういう外部費用を鉄道の利用者ほどは負担していないのではないか。鉄道は自動車ほど外部費用を出していないので、どうもそこらあたりにアンバランスがある。
 例えば、EUの委員会が一九九五年十二月二十日に発表いたしました「交通の公正でかつ効率的な価格づけに向けて」という委員会のグリーンペーパーがあります。それによりますと、先ほど言いました外部費用において鉄道と道路を対比させれば、鉄道の外部費用は全体を一〇〇とすれば二%でありまして、自動車の方は九八%の費用を国民経済全体に外部費用として負担をかけている。
 あるいはドイツにおいては、ブランコ社という会社が行った控え目な調査でも、交通事故、大気汚染、騒音、土地負担などの外部費用は、自動車の場合四百六十一億ドイツ・マルク、それから鉄道は十四億ドイツ・マルクである。そういうような外部費用を含めまして鉄道と道路の費用負担を適正化する、そういう意味でこういう社会的費用を内部化するという点において鉱油税の引き上げというのは当然ではないか。そして、鉄道の整備が自動車交通量を抑制するということからすれば、鉱油税を鉄道整備に充てるということは当然ではないかという考え方が出てきております。
○富樫練三君 この問題は大事な問題で、私も大変関心を持っているわけなんですけれども、そろそろ日本も総合的な交通行政というか交通体系、財源も含めてそういう体制が必要なのではないかというふうに思っているんです。道路の問題もそうですし、鉄道や港湾あるいは飛行場も含めて総合的な交通体系をつくっていく、そこからの財源は総合的な中で検討を始める、大きな枠の中で検討していくということが必要なのではないかと思うんですけれども、加藤寛先生にこの点についていかがでしょうかと伺いたいと思います。
○参考人(加藤寛君) 総合交通という考え方につきましては、かつて運輸省の中にもそういう議論がありまして、そしてその考え方は少しずつ前進した感じがあるんです。
 実は今回の長期債務問題を議論いたします審議会がございました。その審議会の中でお聞きしておりますと、道路とそれから一方の鉄道との間には大変激しい考え方の違いがございました。特に、揮発油税は目的税として認めてもいいけれども、重量税は目的税ではないのだから、これは一時的に道路に使っているのであるから、この部分だけでも国鉄に回すことができるんじゃないかというような発言を私はいたしましたが、やはり強い反対がございまして、なかなかそれが実行できません。そして、それが実行できない間に時間がだんだんたっているわけでございまして、それが私たちの今非常に差し迫った状況でございます。
 そこで、私は、郵貯が特会として出してくれる五年間ぐらいの間に少なくとも目先の、あるいは現在降り注いできている新雪を早く解決して、そして長期的な視点でもって検討すべきときが来ていると思いますので、ただいま先生がおっしゃったように総合交通的な体系をぜひ考える、そういうことがこれから大きな課題として登場してきていると私は思っております。
○富樫練三君 さて、当面するこの旧国鉄の莫大な債務処理の問題でありますけれども、先ほど桜井先生の方から債務の配分方法について、最初の分割・民営化、国鉄改革のスタートの段階での債務の配分方法に問題があるという指摘もあったわけです。私どももこの点はもう一度原点に立ち返って考えるべきだろうというふうに思っているわけです。
 例えば昭和六十一年の閣議決定で決められたJR各社がそれぞれの営業収入の一%程度の利益を保証する、これは本州三社も北海道、四国、九州も含めて同じ基準であったと思うんですね。本州三社については経営基盤は非常に盤石というか強固な基盤を持っている。ところが、これに対して北海道、四国、九州はスタートの段階から非常にその基盤が弱い。そこで、経営基盤の弱いところについてはお金を出す、それから経営基盤の強いところについては逆に債務を承継していただく、こういう形でスタートして、いずれも一%は保証しようではないか、こういうことだったと思うんですね。
 私どもが試算をしてみましたら、少なくとも本州に関してはかなり利益が上がっている。そもそも一%の保証ということでありましたから、そこからはみ出した部分というか、それ以上の部分というか、こういう点については応分の負担はあるのではないか、これが筋だろうというふうに思っているわけですけれども、試算をしましたら約二兆五千億ほど当初の債務の承継額が少なかったというふうに出ているわけなんですね。
 こういう点から見て、債務の配分方法の問題、もう少し具体的に、例えばその後の債務の借りかえの問題なども含めて桜井先生の御意見を伺いたいと思いますが、よろしくお願いします。
○参考人(桜井徹君) 私は、その前に、JRは現在もなお特別立法によって設置されました特殊会社であるという認識を持っておりますということを言いまして、今の御質問にお答えしたいと思います。
 まず、JRが現在まで利益を上げて、特に本州三社については利益を上げているわけです。皆様の御参考までに、ワールドバンクがディスカッションペーパーを一九九二年に出しておりまして、アクイコウイチロウさんという方が書かれたんですが、それによりますと、一九八七年度から八九年度を対象にしました場合に、JR全体では約二兆八千五百億円の利益増加額が民営化しなかった場合よりは多い、民営化前の状態よりは多いということを言われています。そのうち約二・六%がJRの経営努力によるものだと言われています。そのほかは、債務の軽減、人件費の軽減、あるいはバブル景気による外部環境、マクロ環境の変化というようなことが言われている。そういうような点から見ても、引き継ぎの段階において、国鉄の債務の配分の段階において、若干JR、特に本州三社については非常に優遇されていたのではないかということであります。
 詳しいことは省略いたしますが、その場合に特に述べておきたいのは資本金の設定であります。
 国鉄再建監理委員会が試算したときの資本金はたしか売上高の二〇%、私鉄の平均化比率をとりまして二〇%と決められていたわけです。全額資本金になっていたんですが、実際に引き継がれたときに設定された資本金は国鉄再建監理委員会が決めました資本金額の約六割から五割でありまして、残りは資本準備金というものが設定されました。それは含み益ということになるわけです。そういうようなことを考えますと、やはりJRにとって過小負担ではなかったのかというような気がいたしておるわけです。
 そのほかにも、資産については減額修正というようなことがたくさん設けられまして、そういうことについても今回配慮する必要がある。
 全体的にこの際、国鉄清算事業団の債務処理が行き詰まったということを認めているわけですから、そういう点でも国鉄改革時における債務配分のスキームというものについて再考の余地があるのではないかと考えております。
   〔委員長退席、理事成瀬守重君着席〕
○富樫練三君 次に、林野の関係について伺いたいと思います。
 森林が国民の財産であるということ、これはもうだれもが認めておりますし、そういう点では、環境問題も含めて全地球的な課題、これを守ろうという世論が今大きく広がっていると思うんです。
 そのために全林野の皆さんが日夜奮闘されていることに本当に感謝をしているわけでありますけれども、衆議院での意見陳述も私は読ませていただきました。二十年後の国有林はバラ色になるとの林野庁の言葉を信じてひたすら頑張ってきた、しかし結果は、ざるに水を注ぐがごとく、リストラ効果に逆行し、債務が拡大している。先ほどもお話がありましたけれども、糸車の中のハツカネズミのように走っても走っても目的が達成しないことについて焦りと激しい憤りを禁じざるを得ません、こういうふうに衆議院では陳述されました。
 そこで、全林野の委員長であります吾妻さんに伺います。
 その中で、組織・要員のリストラ問題、これが非常に大きいというふうに私も感じております。一つは営林署の統廃合です。今回のように突然かつ一方的に廃止することは、林野庁への不信を拡大させ、将来的には林野庁そのものの存在価値すら問われかねない危惧を持つと申しておられますけれども、この点をもうちょっと具体的に伺いたい点が一つ。
 もう一つは人員の削減です。改善計画のスタート時点で六万五千人の人員が一万三千人になり、さらに今度はその三分の一にする、こういう計画のようでありますけれども、果たして国有林は一体どういうふうになるのか、この点について率直な御意見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(吾妻實君) 私は、営林署問題がこのたび突然一方的という表現で私らの苦労している姿をあらわしているつもりでありますが、このようなことになるということは、営林署問題というのは山づくりの拠点であると同時に、流域管理システム、平成三年度に森林法を改正してまでいわゆる民国一体で経営をしよう、あるいは上流、下流の人方の協力を得てやろうというところの拠点だと考えておるわけであります。
 そういうものを外していった場合には、一方的に地域の理解を得ないまま外していくということは、国有林の管理維持をする上でも、特に国有林の場合ですと脊梁地帯でありますし、洪水が起きた場合、山崩れが起きた場合あるいは山火事が生じた場合であっても地域の理解というのはなかなか得にくくなってしまいかねないと、私らはその辺を一番気にしております。
   〔理事成瀬守重君退席、委員長着席〕
 やっぱり国民、地域の人に根差した営林署でなければならないというのは、そういう意味で存立をさせてきたことでありますから、私はその辺を大事にしていただきたいという気持ちで考えております。
 それから、三分の一でどうかということでございます。今回の案はいわゆる定員内臓員のみ、定員外は要らないという考え方がこの三分の一構想の内容だと受けとめております。私は、森林を管理するという場合には、経営企画に当たる上位の人方も大変必要でありますけれども、一番大事なのは山元で技術労働で技能を蓄積した地元の人方、その定員外の人方の協力がなければ森林の管理というのは到底不可能であろうというふうに考えております。
 机の上では頭数が減ればあたかも収益が上がるかのようなことを言われておりますが、この二十年間の実績を見れば、要員は六万五千人から一万五千人に減り、人件費率は当時七割段階のものが三割弱に落ち込んですら債務が拡大している。この構造問題を抜きにして、人を三分の一に減らせば山ができる、定員外職員がいなくても山ができるなどというのはちょっと無理ではないかということを私は主張したいのでございます。
○富樫練三君 どうもありがとうございました。
 終わります。(拍手)
○渕上貞雄君 参考人の先生の方々には日ごろ大変御指導いただいておりますことに感謝を申し上げます。きょうお忙しい中を御出席いただきましたこと、あわせていろいろな貴重な御意見を今からお伺いしたいと思います。
 まずは国有林問題について吾妻参考人に御質問いたしたいと思います。
 先ほど参考人からお話のありました国有林野事業の全面民間実行の難しさといいましょうか、今もお話がありましたけれども、難しいというのは民間の実行になじまないということではないか。では、どういうところ、どういう業務がどんなふうにしてなじまないのかというふうに御説明をいただければ、なるほどそういうことはちゃんと国が管理しなければならないのだなということがお話のようにわかると思うのであります。
 やはり国有林の果たすべき役割として、国土・自然環境保全など重要な課題があると思いますし、とりわけ最近は環境問題が重要になつできておりますし、環境に対する国民の関心の高さというものが国有林をどうして守っていくのかということにもなると思うのでありますが、そのときに人的な手当てをしない限り私はなかなか山というのは守れないのではないかというふうに思います。
 九州の雲仙・普賢岳が爆発したときに、山に対する未知のことなどを当時私ども調査に行きましていろいろ聞かせていただきました。そのときは村の古老から聞いたわけでありますけれども、ではどこにお勤めでございましたかと言ったときに、林野庁に勤めておった、そしてここの山の仕事をしておったと。したがって、未知のことなど非常に詳しく御説明をいただきました。
 その後、具体的に災害でそこに土石流が流れてくるというようなことを考えますと、ただ単に民間だけでもいかないなというふうに実はそのとき思いましたので、いわゆる初めにリストラがあってというようなことでは山は守れないのではないかという感じがいたしますが、どのようなお考えなのか、吾妻参考人にお伺いをしたいと思います。
○参考人(吾妻實君) 私は専門家ではありませんので、口幅つたいことを言うつもりはありません。私は、冒頭、意見陳述でも申し上げたとおり、すべて民間実行はだめだなどということや、あるいは直営事業に戻してほしいなどということを言っているつもりではありません。私は、やっぱり民間事業も経営をやっている限りにおいては企業的な運営をせざるを得ないし、あるいは利潤も追求せざるを得ないものだと思っておりますが、ただいま先生からおっしゃられたように、今日、公益性を重視して国土保全分野にシフトをしていく、あるいはそれを重視した管理をしていくということになりますと、それは企業分野ではなかなか実施しにくいものであろうと。そういう山奥の急峻地でしかも小分散しているようなところは、これは採算が合えといったって合いようがないのだと思います。
 したがって、そういうところの民間事業になじまないいわゆる森林の保全管理、あるいは分散的な地域、そういうところは結果として国の責任でやらざるを得ないのではないか、それを放置しておくわけにいかないのではないかというふうに考えているところであります。少なくとも国が行う場合の考え方として、あえて言えば、私は、やっぱり事業が自己完結をして、そしていわゆる牽制機能が全うできるという分野、こういうところについては国営で、またそういうことが困難な場合は民業でやむを得ないものであろうというふうに考えております。
 また、後段で初めにリストラありきという話がございました。これは現場での感触で申し上げて申しわけないんですが、私はこの二十年間を考えてみますと、本当に正直申し上げてやっぱり糸車の中のハツカネズミかなと。走っても走っても到達点にとうに及ばず、そしてみんなが疲れ切ってしまっている。その上にもう一回大リストラだというのであれば、目隠しをして自動車の運転をしろということと同じことではないかという意味で危惧の念を抱いております。そういう意味では、現場には何とかして山守的なものだけでも残していただきたいというのが正直な気持ちであります。
○渕上貞雄君 ちょっと慌てて出てきて自分を紹介するのを忘れておりました。社民党の渕上でございます。申しわけありません。
 今、吾妻参考人が言われたように、目隠しして自動車を運転する、そういうことのないようにひとつ労働組合としてしっかり頑張っていただいて、国民共有の財産である国有財産を守っていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで、国民参加の国有林の経営、それから国民の信頼にこたえる森林管理というのは、口で言うには本当に簡単で易しいのでありますが、さてそれを具体的に実行するということになりますと大変難しいことでございまして、林政審が答申されましたように、民国一体の流域管理システムの定着を図り国民のための国有林管理を行うためには、営林署の大幅削減の中で国有林の最前線で山を守るという役割を果たす。この場合に大変難しいのは、やはり職員と一緒になって働く、単独ではなかなか難しいわけでございます。
 具体的に複数を配置していく、いろんな場所に配置していくということが山を管理していく場合に大変大事なことだと思っておりますが、その点どういうふうにお考えか、お伺いしたいんです。
○参考人(吾妻實君) 申し上げます。
 今の新しい改善計画でいきますと、営林署を二百二十九から九十八にするということでありますから、一署当たりの管理面積が非常に大規模になっていきます。そうなっていきますと、その際にそれを補完するということになれば、ひとえに森林事務所、昔の担当区でございますが、その森林事務所に仕事が非常に過大にかぶさっていく、比重が高まってくるであろうということは想定できると思います。
 森林事務所は、現在は主任が一人、そして現場の基職の人方が数人それにかかわって一体的に仕事を進めておるわけでありますが、この現場の定員外職員をなくしてしまうということになった場合には森林事務所が大きな役割をしなけりゃならない、仕事の比重もかかるということになっていったときには、その機能を失ってしまいかねないということだと思います。
 今まで森林事務所を眺めてみますと、いわゆる主任の方は定員内でございます。この人方は二年前後で異動する方々でございます。そうしますと、その主任がかわったときに、地元の集落のさまざまの組合長さんや代表の方々と話をつないだり、あるいは経過を引き継いだりするということになるときには、やっぱりそこの地元の生え抜きで、定員外ではあるけれども基幹作業職員の人方がそれを補完して業務の一貫性、技術の継承を行ってきているということだと思いますから、そういう意味ではこの現場の人方をなくすということは私はとても無理ではないかと。
 しかも、山奥でございますから、先ほども意見陳述で話したつもりでおりますが、やっぱり安全性は特に重視をしなけりゃならないと思います。無線も通らない、あるいは携帯電話の連絡すらも通らない山奥が一般的でございますから、いわゆるハチ刺され、最近は非常に多くなっておりますがハチ刺されの死亡事故、あるいはクマに襲われるなどということを想定しますと、安全上の立場からもぜひとも複数配置は避けて通れないんではないでしょうか。
 そういうことをしない限りは、森林を的確に管理し巡視するということは不能になってしまいかねないという危険性を持っているものだと思いますから、よろしくお願いしたいと思っております。
○渕上貞雄君 どうもありがとうございました。
 では、引き続き国鉄の債務問題についてお伺いをいたします。
 まず、桜井参考人に御質問を申し上げます。
 先ほどの同僚議員の中で具体的なお話がございました。なるほどと思ってお話を聞いておりました。逆にドイツは日本の今のこの債務問題の失敗に学んで新しいことを考えたのかなという気がいたします。したがって、ドイツのそういう鉄道債務の処理方策と比較検討された場合に、我が国における場合どこがおかしかったのか、同時にあわせてドイツの場合はどこがすぐれておったのか御説明いただければと、こういうふうに思います。
○参考人(桜井徹君) ただいまの御質問に答えます。
 ドイツの場合、先ほど言いましたように、一九九四年一月一日に、ドイツではいわゆる鉄道改革という名前で呼んでいるんですが、民営化といいますか国鉄改革が行われました。その際に、ドイツは例えば当時のデュール会長などが数度となく日本に来まして、日本の分割・民営化、国鉄改革について学びました。先ほど言いました連邦鉄道特別財産、債務を全額引き受けました連邦鉄道財産についても日本の清算事業団のあり方から学んだ、それ自身はドイツの鉄道のデュール会長も言っているところであります。
 しかしながら、同時に日本の悪い点は学ばないようにしたということは明らかでありまして、その一つは今言われました債務処理の問題であります。もう一つの問題はローカル線輸送の問題ですが、それはさておきます。
 ドイツの場合に、なぜその債務処理にガソリン税といいますか、ドイツの言葉では鉱油税を充てることができたか。先ほども質問に答えまして言いましたように、社会的費用の適正化あるいはイコールフッティング論ということもありましたが、より積極的に言いますと、鉱油税というのはドイツの場合は一般財源でありまして、それを使用することについて連邦大蔵省の方から強い圧力が連邦交通省にかかりました。連邦大蔵省としては、EU規模における社会的費用の負担の適正化という観点からも、そして一般会計全体の負担をふやしたくないというような意図もありまして、ガソリン税の導入というものを決めるようになりました。
 そしてもう一つ、ドイツの鉄道改革と我が国の国鉄改革が違う点は、ドイツの場合にはその鉄道改革に先立ちまして、一九九二年なんですが、連邦インフラ計画というものをつくりました。そして、全体を一〇〇とすると、鉄道への整備に割り当てる資金を三九・五%、そして連邦遠距離道路に割り当てる資金を三八・八%というように、ドイツではもともと鉄道が我が国に比べて優遇されておりましたけれども、さらに絶対的な金額でも鉄道への投資をふやすというようにしました。そういうようなインフラ計画を立てた上で民営化を行ったという点が違いました。
 ドイツは、先ほども言われましたように、交通省ということで交通に関するインフラのすべてを管理しているという点でそういうことがしやすかったのかなということであります。
○渕上貞雄君 それでは次に加藤寛参考人にお伺いしたいと思うのでありますが、ちょうど私どもこの国鉄債務問題について議論をしているときでしたが、先生の論文を新聞で見まして、加藤先生が言われるならこれは大変なことになったなという思いをしながら当時決めさせていただいた経過がございまして、きょうのお話を聞いてそうではないと理由がはっきりいたしましたので少し安心いたしました。
 やはりそのとき議論になりましたのは、この問題を先送りすることはできない、そして財政構造改革で一定程度歯どめがある、そういう制約の中で議論をいたしました。そのときに、道路財源の問題とか自動車重量税の問題等々を議論いたしました。先生のお話にもありました、新幹線もこうだ、もう一つどうだというお話もございましたけれども、基本的にどうでございましょうか、これから先の税制全体を考えていく場合に、税制調査会の会長を務められておるし、そうすると、財源の配分問題などについてもお話がございましたが、こういう債務問題を解決していこうとしていく場合の税制のあり方等々についても、どうか税制調査会の中でも十分な御議論をいただきたい。
 そこで、こういう債務問題の返還についての税制のありようについて先生の御意見を例えればと思っています。
○参考人(加藤寛君) 今の御質問に対しまして、これは税制調査会とは関係なくて、関係なくてというよりもその中でも議論しているんですけれども、主たる仕事ではないんですが、行政改革は断行しなきゃいけない、この行政改革をやらなければ財源を生み出すことができないということは私は第一の大きな方向だと思っております。
 それから、二番目に考えなきゃいけないことは、こういう問題を解決いたしますときには、一つの国鉄だけのあるいはJRだけの問題として考えずに、全体の中で財政をどういうふうに見直して組みかえればそれが可能になるかということを考えなければならないと思っておりますが、それは先ほど申し上げました総合交通体系を頭の中に描いていかなければいけないということになるかと思います。
 そしてさらに、第三に私が思いますことは、こういう問題を処理いたすに当たりまして、いかにして多くの理解を得るかということが必要になってまいります。今度、二〇〇一年から省庁再編でもって国土交通省ができるわけであります。これは私はまだ十分に、どこまでいくかよく検討しておりませんけれども、しかし国土交通省ができますと、少なくとも先ほどのドイツが考えていたような交通省になるかもしれない。そうすればこの問題を考える可能性は非常に出てくるというふうに私は思っておりますので、将来に対しては十分に検討する余地がある、こういうふうに理解をしております。
○渕上貞雄君 どうかひとつ税制調査会の中でも行財政問題等についても関心を持っていただいて、誤りなきようどうぞ御指導いただきたいと思います。
 最後になりますけれども、加藤雅信参考人にお伺いをしたいんですが、私たちも苦労して、苦労してといいましょうか、本来求めるべきではないたばこの税、それから郵貯からの財源をいただく、そしてJRからもいただく。本当にそれはもう全体の了解なくしてはできないことで、全体が了解をしていただきたいというのが実は大前提なんですけれども、そこのところがなかなか了解を得られないのでありますが、JR負担ということについてわかりやすく御説明いただければというふうに思っています。
○参考人(加藤雅信君) 基本的に年金の問題は事業者負担が半分、被用者負担が半分という形ですべて進んでいるわけです。そして、年金が普通に回っていく、国鉄共済がきちっと回っていければ、国鉄共済の収入分と支出分がきちっとバランスがとれて、こういう問題は起きなかったわけです。ですから、こういう赤字が起きてしまったということは、原理的に言えば国鉄共済の責任ということになるわけですが、その国鉄共済の責任として、すべて国鉄共済の責めに帰せしめていいかといいますと、気の毒な側面もある。
 といいますのは、国鉄の赤字のときに、国鉄が自主的にやったのではない赤字路線の建設等々もありましたし、そういうことを合理化していく中で人員削減をやらざるを得なかった。その結果、年齢層が上の方が多くなり若年層が少なくなって、年金の持っている世代間扶養ということから見ると、年齢差がいって破綻が来てしまった。この破綻が国鉄共済だけの責任ではないというところから、いわば外部者についての負担を求める理由が出てきたんだと思います。
 そういう意味で、ほかの厚生年金でも共済組合でもこれは本来的には関係ない話でございますし、それからたばこでも郵貯でも関係ない話ですけれども、そういうところから一般的な負担が出てくるというのは、いわば国全体が国鉄に無理を強いていた、そういうところから出てくると私は理解しております。
 ただ、原理的には、働いている人について、その経営者と被用者が負担をやっていくというのは当然のことでございますから、国鉄改革で旧国鉄がJR各社にかわったことに伴って、旧国鉄からJRについてやってきたものについては、国鉄改革で雇用形態なんかすっかり変わったわけですけれども、共済関係で新世代が古い世代を支えるということは、国鉄からJR共済はずっと続いてやってきた。そうであるならば、国鉄からJRに移った人については、それはきちっとJR各社で面倒を見てください、こういう考え方だと私は思っております。
○渕上貞雄君 時間の関係で他の先生方には失礼をいたしました。
 終わります。
○戸田邦司君 自由党の戸田邦司でございます。
 参考人の皆さん、本当に朝早くからお忙しいところをおいでいただきまして、まことにありがとうございました。時間も限られておりますので、幾つかの点について先生方の御意見をお伺いしておきたいと思います。私は国鉄問題をやりますととめどもなくということになると困りますので、最初に国有林野関係の問題についてお伺いしたいと思います。
 先ほど大内先生からお話しいただきました。ペーパーも読ませていただいておりまして、常々非常に貴重な御意見であると思っております。山が荒れているとか雨が降るとすぐ水害になるとかというような問題は、もとをただすと山を単なる木材の生産地と考えて、どうやって生産性を上げるかとか手間暇をかけないで材木をどういうふうに出していくかというようなことに力点が置かれ過ぎたという点があるかと思います。
 私は、森林保護の問題については、現状から考えますと今の日本は失格ではないか、こう思っております。最近の問題としましては、地球温暖化の問題、さらにこれから積極的に考えていきますとCO2のカーボンをどうやって森林に閉じ込めていくか、非常に大事な機能があるわけです。
 そういった点から考えますと、国有林野だけではなくて民有林についても木を切らないで済むような、そういうインセンティブが働くような施策が必要ではないかと思っております。それにはやはり環境面からこの日本全体の森林を見直して管理していくと。そのための予算ということになりますと、私は環境保全関係でもっともっと国が力を入れてそういう面の予算を考えていかなければならないということではないかと思いますが、最初に大内先生にひとつ御意見をお伺いしたいと思っております。
○参考人(大内力君) お答えいたします。
 今の御質問、いろいろな問題が含まれておりまして短い時間では尽くせませんけれども、今のお話とちょっと表現の仕方が違うかもしれませんが、特に民有林の造林地、それから国有林も針葉樹の造林地が随分ございますが、これにつきましては切ることが環境破壊になるというふうには今の日本では言えない。逆に間伐が非常におくれておりまして、もやし林になっている、中からもう枯死している部分も非常にある。これが台風が来たりあるいは大雪が降ったりいたしますと倒木を引き起こす、それが自然破壊になる、こういう面が非常に多いと私は思います。
 今、政府は間伐については民間に対してある程度補助金を出しておりますが、これも非常に不足でございまして、せいぜいのところ切り捨て間伐しかできない。切り捨て間伐というのは山を荒らす一つの大きな原因でございます。そこで切り倒してほうってしまいますから、雨が降りますとそれがまた流れ出して川をふさぐというようなことにもなりますし、間伐されたものが腐りますと逆に炭酸ガスを発生するということになるわけでございますから、ぜひ搬出をきちんとして、間伐材でも木材としては十分利用できるわけでございますから、そういう道を開くべきではないかというふうに思っております。
 ですから、問題は、何でも切らない方がいい、手を入れない方がいいということではございませんで、施業をきちんとやって山をきれいにしておくということが環境保全には非常に重要でございます。ところが、民有林はほとんどそれをやれない状態にある。これは材木価格が非常に低いとか、逆に搬出料が非常に高いわけです。
 この間、奥多摩のある森林所有者の話を聞きましたらば、今六十年生の杉の木を売っても、立木として売ると一本千五百円にしかならないと。学生のアルバイトの二時間分ぐらいのものが六十年生の杉一本、これを下まで持ってまいりますとその三倍も五倍もの値段になるわけでございますが、搬出費用が非常にかかって、したがって立木では千五百円でしか売れない。そんなものを売っても全然赤字になるから、結局山にほうってしまうしかない。
 東京に非常に近いようなところでさえ今そういう状態にあるわけでございまして、こういう状態を改善していって林業がきちんと成り立つ、それは過伐にならない、きちんとした択伐をやって自然環境を保全しながら林業経営が健全に続けられていく、こういう条件をつくっていく必要があると思いますし、国有林も、それから国有林だけではなくて国全体の政策としてそういうことが可能になるような施策を考えていただきたい、こういう趣旨でございます。
○戸田邦司君 ありがとうございました。
 森林の管理につきましては、現状を考えますときちっと管理されていない、どこにどういうような木があって、それがどういうような状態になっているか、これは各営林署ではかなり正確につかんでおられる。ところが、全国レベルでコンピューター管理をするとか、そういうことが必要になっている時代だと思いますが、そういうことを考えますと、管理の能力といいますか、そういう方に相当力を入れていかなければならないのではないかと思っております。それは国有林のみではなくて民有林も含めてすべてそういうことで管理していかないと、ただいま大内先生からお話がありましたような状態での森林の管理、保護が不可能ではないかと思いますが、吾妻参考人、ひとつお願いしたいと思います。
○参考人(吾妻實君) 先生がおっしゃるとおりだと思います。
 民有林の場合は、大内先生がおっしゃったように、これは結果的に大幅におくれざるを得ない経済事情あるいは経済環境にあるんだと思います。したがって、私どもが構想している考え方の中には、国有林の現場にそういう基職の人方、定員外の職員を置いて遊ばせておくのではなくて、国の山の管理もあわせて、また地元で民間の人方が労務がなくて間伐が進まないという場合はそちらの方にも動かせるような、言葉で言ったら森林国土保全班的な考え方でいわゆる流域全体を管理できるようなシステムにしたらいいのではないかというのを組合側の提案として持っております。
○戸田邦司君 ありがとうございました。
 次に、国鉄問題に移らせていただきます。
 一番最初に加藤寛学長にお伺いしたいと思いますが、今回の改革で長期債務の返済の原資がはっきりしていない、元本返済の原資がはっきりしていないというところが一つの欠点ではないかといって取り上げられておりますが、私は、一般会計で引き継ぐということになりますと、国全体の債務の中でそれをどう考えていくかということになるかと思います。
 先ほどドイツの例などもお話がありましたが、ドイツの場合、日本と若干状況が違うというか大いに違うといいますか、ガソリン税、自動車関係からの税収、これを鉄道に相当活用できるところには道路の整備がほとんど終わっているという状況があるのではないかと思います。将来問題としてそういうところからの収入を充てていくということは大いに考えていかなければならない点ではありますが、差し当たっては元本の返済については一般会計の中で全体として扱っていくしかないんじゃないかと思いますが、その辺について加藤学長の御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(加藤寛君) ただいまの御意見に私も全く同感でございまして、日本は今非常な債務を抱えておりますが、この債務を解決するに当たって非常に急ぎ過ぎている。むしろ、長期でございますから、これは順々にやっていかなければほどけない大きな塊でございます。したがって、短期的には新雪をとめておいて、そしてその間に長期の問題に突入していかなきゃならないというふうに私は思っております。
 国鉄債務だけではなくて一般会計全体が大きな赤字なのでございますから、それをどのように処理していったらいいのかということになりますが、それは決して不可能な道ではございませんで、先ほど申し上げました行政改革もその一つでございますが、財政の組みかえ、さらには国有財産をそれに充てるというようなことを考えれば私は十分にやれるというふうに考えております。
 福沢諭吉の言葉を引用して恐縮でございますけれども、福沢諭吉は政府の負債が財政の七倍を超えるような状況になれば危険であると言っております。現在約八十兆といたしまして、その七倍でございますと五百六十兆、ということは、まだ日本は何とか切り抜けるだけの力があるというふうに私は考えております。
○戸田邦司君 御高説まことにありがとうございました。
 次に、今一番問題になっております年金の移換の問題について加藤雅信先生にお伺いしたいと思います。
 私は、今度の問題のそもそもの発端というのは二年前のJR年金から厚生年金への移換の問題、そのときの処理の仕方にあったと思います。だまされたという言葉がありますが、だれがだましたのか。私がだましましたと言う人もいないし、したがってだまされたという言葉も適切ではないかもしれませんが、これについては立法府自身、この問題を審議したときにそういう問題がありますねという指摘をしなかったという点については、私は責任の一端があるかと思っております。
 そこでお伺いしたいと思いますが、鉄道共済、JR共済、さらに厚生年金、こういうふうに移ってきておりまして、JR共済から厚生年金に移換されてきた場合に、それなりに相当大きなメリットがあったはずだと思います。
 一つは、JR自身の企業負担が半減されるというようなメリットがある。それから、年金としては長期的に安定した年金に移れる。今までいろんな年金から鉄道共済にしてもJR共済にしても相当支えてもらってきている。金額にするとたしか一兆円ぐらいあったかと思います。そういったことなしに今度は厚生年金でやっていけるという点があるかと思いますが、それらの点についてお伺いしたい。
 それからもう一つ、これは法的側面になりますが、憲法二十九条の財産権の問題を往々にして議論に上げてこられる方がおられます。
 それからもう‘点になりますが、国鉄は公共企業体であったために国が責任を持たなければならないという点がありますが、公共企業体がああいうような形で清算された場合に、一般企業の会社更生などと比較して、どういう点がどういうふうに違って国はどこまで責任を持つことになるのか、そういう法的な側面についてお伺いしたいと思います。
○参考人(加藤雅信君) 最初に、今回の問題の根源が二年前の処理にあるということはおっしゃるとおりだと思います。
 二年前の閣議決定において「国において処理する」とされましたし、厚生年金移換の法案のときに、この問題について最終的な方向を見せないまでも、あいまいな、そしてJRが負担を免れるかのような印象を与えた措置をとったこと、そのこと自体に非常に問題があった。それによって、原理的にはさっき意見陳述で申しましたような形でJRが負担すべきものだと私個人は考えておりますけれども、そこのところの負担を免れられるかもしれないというような印象を与えてしまった、そこのところが一番の問題だと私は思っております。
 それから、今度の厚生年金への移換についてメリットがあるということは、これはおっしゃるとおりでございまして、JR共済あるいはその関係の方々にとっては非常にメリットがあるわけですが、これは残念ながらある意味ではゼロサムゲームでございまして、JRのメリットはだれかが負担するということなんです。そのだれかが負担するところで、基本的には一般財源で国民一般が負担する部分と、それから他の年金加入者、厚生年金や各種共済の加入者が負担する。
 そのときに、いわばJR共済の側のメリットはほかの部分がデメリットとしてやるわけですから、それなりに負担すべき部分について負担するという姿勢をJRの方にも見せていただかないと、これはデメリットばかりこうむる側、これが国民一般という形で希釈される場合はまだしも、そうじゃないと具体的な形で年金等々を六兆円削られる側の理解はなかなか得られないだろうと思います。そういう意味で、私はやはりJR負担が必要だどいうことを終始一貫申し上げているということでございます。
 それから、憲法二十九条の問題なんですが、憲法二十九条で財産権の不可侵ということがうたわれております。ですから、JRがもうかっているからといって国の債務をJRにつけかえるというようなことはもちろん許されませんし、そういう一般的な債務のつけかえであればこれは憲法二十九条違反そのものになります。
 ただ、問題は、今回そういう一般的な債務のつけかえをしているかどうかということでございまして、基本的に年金の問題で、しかもJR各社にそのまま移ってきた人に限った形でございますから、本来の形で、筋論としてJRが負担すべきか、国民なりほかの共済が負担すべきかといえば、これは当然JRが負担すべき筋合いの問題でございます。
 そうすると、負担すべきところに負担をさせるということですと、これは憲法違反の問題にはならないわけでして、ここのところで、タイトルが国鉄清算事業団の債務負担の処理という形で法案で述べられているわけです。法案の全体のスキームは確かに債務負担の処理でございますから、この法案のタイトル全体が間違っているわけでは決してないんですけれども、その中で年金の問題が論じられてしまったために、あたかも債務負担をもうかり始めたJR各社に負わせるかのごとき誤解、印象を与えてしまった、ここのところに問題の二つ目のねじれがあったと私は思っております。
 最後に、公共企業体の実際的な財政破綻の問題と会社更生の問題とどのように違うか。会社更生の場合には、一般的な法的なスキームが会社更生法によって規定されておりますから、そのスキームに乗るか乗らないかということで非常に話は単純でございます。公共企業体の場合にはもちろんこの会社更生に乗ろうはずがないわけで、ある意味で今回国会で審議されているのもそうですし、この一連のあれでいわば政策的な決定として国鉄の改革がなされてきたわけです。もしこれが会社更生というような形で出ている場合には、これは年金の国民負担とかあるいはほかの厚生年金の負担、こんなものは許されようはずもございません。
 ですから、ここのところで、ある意味で政策決定としてこの財政破綻の問題を解決できないがゆえにいろんな裁量の要素が出てきている。そういう裁量の要素として今のこういう議論がなされているわけですけれども、逆に裁量の要素としてなされているから自由にできるという側面もございますが、それだけに筋が通ったことをするかどうか、これによってメリット、デメリット、ほかのところはいろんな負担をかぶるわけですから、公正な措置が最も求められていると私は理解しております。
○戸田邦司君 ありがとうございました。(拍手)
○西川きよし君 諸先生方、長時間御苦労さまでございます。私で最後でございます。よろしくお願い申し上げます。
 諸先生方がいろんな角度で参考人の皆さん方に御質問申し上げたわけですけれども、私の方からは旧国鉄債務についての納税者のコスト意識と申しましょうか、先生方にぜひお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 私は、初登院以来、政党に属さない無所属といたしまして、もう今回で三期目ということで、初心を失わず、いつも新鮮な気持ちでこちらの方でお仕事をさせていただいているわけですけれども、大きな政党やそしてなかなか行政が取り上げてくれないようなそういう声なき声と申しましょうか、そういうものをしつかり取り上げて、取り組んで、そして国政の場へ届ける、それが自分の役目であるというふうに思っております。そういう意味では、タレント議員であってよかったと思う部分と、一抹の寂しさということを覚えるときもございます。
 例えばお休みのときは、土曜、日曜を利用させていただきまして、放送局でありますとか劇場、そしてまた大阪の事務所、国会の事務所にお便り、ファクスなどをたくさんいただきましてこの場で活用させていただいているわけですけれども、その中で、どうしても机の上では想像ができないような、その立場に立つ人でなければ理解ができないようなさまざまな声をちょうだいするわけです。
 そうした中で、今回のこの旧国鉄債務の問題につきましては、これだけの国民負担をお願いされているにもかかわらず、そのことに対する意見とか不満とかいうものが、一部の方からは多いわけでありますけれども、一部の方を除いた部分では、今までの、消費税のときとかいろいろございましたけれども、大変少のうございます。例えば我が家に帰りましても、私の方から説明はするわけですけれども、父親、母親そしてまた子供たち、家内の方から今回のことは余り出ませんし、お友達の中からも、どないなってんねんというぐらいのことで、余り出てまいりません。
 例えば、現在具体化しつつあります公的年金はどうなるのか、また介護保険は、西川さん、これからはどういうふうな方向性に、中身はどうですか、うちのおじいちゃんやおばあちゃん、お父さん、お母さんは一体どうなるんだろうかというような段階のお話などはよくお伺いするわけです。本当に多くの御意見や御相談をいただくわけです。日常の生活の中でもしばしばこういうことは話題になるわけですけれども、今回のことは余りなりません。
 それはどうしてかなと思うわけですけれども、やはり目に見えた形で負担というものに直面するからこそ疑問も感じるわけで、そのことに対する是非というものも一人一人が意識をするのではないかな、こういうふうに思うわけです。今回これだけ莫大な負担を、それも長期にわたって背負っていかなければならないわけですけれども、一般生活の中にまでなかなか浸透していないというのが私の気持ちでございます。それはやはり負担というものに今回たばこ以外は直接余りつながらないというような考えがあるようでございます。
 今回の債務の問題に対する国民の意識、諸先生方にぜひ僕はお伺いしたい。まず加藤寛参考人、桜井参考人、そして加藤雅信参考人にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○参考人(加藤寛君) 実はこの問題につきまして、私は、国鉄だけではなくて、現在日本で一般的にどうも理解されにくいと思っておりますのは、ここでそれを言うことは少し幅ができてしまうんですけれども、消費税問題でございます。
 私どもといたしましては、消費税は将来の日本の財政体系をつくるためには欠かすことのできないものであるというふうに考えております。そのような考え方に立ちますと、例えば将来、直接税は半減あるいはゼロにする、そしてそのかわり間接税に頼るということは、これは一つの世界的な趨勢としても考えられることでありますけれども、日本ではその理解はほかの国に比べて非常に強い反対があるように私は思っております。これは私の個人的な感触でございますから十分ではありませんけれども、しかし少なくともそういうことについて十分な理解がないという気持ちが私はしております。
 こんなことを申し上げることは、一つの単なる例でございますから大変失礼に当たるんですけれども、しかしあえて言わせていただきますと、私はそれを身をもって体験したので感ずるのでありますが、ある有名なレストランがございまして、そこで私はおそばを食べようと思って入りましたら、そこは昼間であっても二万五千円が最低でございました。私はびっくりいたしまして出ようと思っておりましたら、そこでたくさん食べている方がいらっしゃいまして、そして払うときになって言いますことは、二万五千円にプラス消費税五%と、こう言いましたら、消費税が高いと、こういうふうに言うんです。高いのは二万五千円でございまして、消費税ではございません。
 私はそこのところの理解がどうにもわからない。つまり、日本にとって将来間接税の方がはるかに国民にとっては有利になるということはわかっていると私は思っています。にもかかわらずそれが理解されないということは、私どもの力不足であると同時に、それはまたそのことについて国民が理解できるようにしていかなけりゃいけないと思っております。決してそれを私は非難しているのではなくて、そういうことを前提にして我々は考えなきゃいけないと思っておりますので、今回のこの追加負担もそうでございますけれども、国民がやはり理解をしていくことが必要でございます。
 たばこということが、すぐこれが国鉄の債務解決のために使われるんだというふうに理解されるのではなくて、そうではなくて全体の財政の中でどういうふうにこのお金が使われていくのかということを考えるべきでありまして、その意味で私は国民のまだまだ十分に納得していただけるだけの説明を私たちはしていないという気持ちがございます。したがって、本当に緊急、ここまで追い詰められてしまったものですから、緊急だからやむを得ないのでございますけれども、しかし本当を言いますと、もっともっとこれは理解させることが必要だったわけであります。
 私は先ほどから申し上げてまいりましたが、JR側に立って言いますと、この年金の追加負担は民間企業だからけしからぬと、こう言うんですね。ところが、政府側の考え方を聞けば、民間企業だから当然ではないかとなるんです。つまり、同じことが民間企業だからだめだというのと民間企業だからいいんだという考えと二つ出てくるわけです。
 これは相反する立場でございますけれども、これを解決するためには、何といっても国鉄を早く、JRを早く完全なる民間企業にしなきゃならないということを示しているのでございまして、その点についてまだ十分なる答えがどうも出ていない。これは当然この法案がやむを得ずここでもって通さなきゃならないということになるかもしれませんが、しかしそれでもこれから国鉄をあるいはJRを考えるときの大きな問題としてこれは考えていくことになるだろうというふうに私は思っております。
○参考人(桜井徹君) 大変難しい問題を言われました。
 それで、一つは、まずこういう問題について国民に対して情報開示というものが徹底して行われていないのではないか。実は私も先週、私のゼミナールで、十二月からこの特別税が導入されますと一箱二十円たばこが値上げされるよというようなことを言ったところが、学生は、実際にたばこを多く吸う学生なんですけれども、ほとんど知らないわけですね。そういうことを一つとりましても、やはりこの法案が通りますと国民の負担がどれだけふえるかということについて徹底した情報開示が必要ではないだろうかというようなことを痛切に感じております。
 また同時に、この問題については、特に国鉄債務の処理の問題については、先ほどからも言っておりますように、統一的な総合交通体系のようなものをとるべきである。そういう点で、債務処理の問題は自動車交通の問題、とりわけそこから生ずる環境問題を抜きにしては語り得ない問題であります。若い学生とこれまた話をしてみましても、若い人は環境問題に対して非常に敏感であります。しかし、そういう環境問題に対して敏感な学生が、国鉄債務処理の問題とそれを結びつけられないというところに現在の悲劇が、悲劇という言葉を使っては言い過ぎでしょうけれども、あると思うんです。
 そういう意味で、もう少しそこら辺を情報開示という形でもっと積極的に進めていく必要があるのではないかというように思っております。
○参考人(加藤雅信君) 先ほど西川先生がおっしゃいましたように、国民の一般の生活の中にこの問題が入ってこないというのは先生のおっしゃるとおりだろうと思います。これはやはり目に見える形あるいは現金を払うという形の負担ではない形で問題が処理されていることに基本的な原因があるだろうと思います。
 例えば、今度六兆円の分を厚生年金や各種共済年金に入っている人たちが負担するわけですけれども、現在の年金制度を維持するために、そしてまたJR共済に入っていた方々のあれをするために新たに六兆円余計に払ってくださいと言ったら、恐らく反対運動が起きるだろうと思います。反対の声が相当強くなるだろうと思います。
 ただ、それに対してそういう形ではなくて、六兆円余計に払えという形じゃなくて、払ったのは今までどおりで、先々もらう分が六兆円減りますという形になりますと、ことわざでやぶの中の鳥のことについて、やぶの中の二羽より手の中の一羽という言葉がございますけれども、何せ今もらっているのが減りますよという話じゃございませんから、ああそうかと思って、もちろんうれしいなと思う人は余りいないとは思いますけれども、まあ仕方がないかと思うだろうと思うんです。
 そういう意味で、一般の生活の中に入ってこない問題について、しかしそうかといってこの国鉄の給与や債務の問題を放置しておくことは絶対できませんから、どこかで問題を処理しなければいけない。そういうときに、さっき加藤寛先生や桜井先生がおっしゃったように、国民の理解をもつと求めていかなければいけませんし、情報を開示しなければいけないこともそのとおりだと思いますけれども、そういう努力は一方でするとしても、やはり目の前、現実の痛みをこの場で感じさせるものでないだけに国民の関心というのはどうしても盛り上がりにくいものだろうと思います。
 そういう盛り上がりにくいものだから、ある意味で行政庁にしても立法府にしても比較的フリーハンドで処理しやすい、そしてまた一部利害を非常に強く感じた人の声の大きいところが通りやすいという性質をどうしても宿命的に持ってしまう種類の性質のものだろうと私は理解しております。ただ、そういうときに国民が現実の痛みを目の前で感じてないから、どうしても関心が盛り上がりにくいから、じゃ自由にやっていいかというと、そういうことはないんで、そういうときこそやはり立法府も行政府も姿勢を正して公正な制度設計をしなければならない、そういうぐあいに私は考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 もう一問御質問をさせていただきます。
 これまでの論議の中で、例えば交通利用者全体の負担についてという質問に対しては、政府の答弁では、総合交通税についても、最終的に国民に税負担を求めざるを得ない場合にあっても、国民に受け入れやすい負担として、国民生活上必ずしも強制感を伴わないものとする必要があるという意見が多数を占めたと。これは財政構造改革会議企画委員会での検討の中のことですけれども、この強制感を伴わないものということは、見方を変えますと、余り国民から反発の出そうにもない取りやすいところから取るということもこれは否定ができないんだろうと思うわけです。
 しかし、やはり国民に大きな負担を求めることには変わりはないわけですから、一人一人が負担をするその意識をしっかりと持つ、そしてそのかわりに交通政策というものにも日々の生活でしつかりと注意と意識を持っていただく、これはなかなか難しいことですけれども必要なことではないかなというふうに思います。
 この国民生活上必ずしも強制感を伴わないものとする必要があるという点について、もう一度加藤寛先生、桜井先生、そして加藤雅信先生にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○参考人(加藤寛君) 大変重要な問題でございますが、強制感を持たせないということは、これは国民が納得できることを考えることなんだ。ところが、今やっておりますことの中で国民から見てなかなかわからない、理解しにくいのは、本当に財政が自分たちの生活のために役立っているのかという疑問を持っている人が多くなったということですね。財政についてもちろん努力はいろいろ先生方がなさっているんですけれども、しかしそれが十分に伝わっておりません。
 同時にまた、そういうような気持ちを国民に持たせてしまうということは大変なことでございますので、私はそれは、今下火になっておりますような感じがありますが、行政改革を断行するということ、その行政改革をやるということによって国民は、ああ、政府がそこまで考えるなら我々も身を削ってもいい、こういう気持ちになるわけです。そういう気持ちをつくり出すことが私は非常に大きな強制なきそういう負担を考えていくときの条件だというふうに思っております。
○参考人(桜井徹君) 確かに強制感を伴わないのが一番いいわけですけれども、やはりゼロサムゲームになるような場合には強制感を伴わざるを得ないんですが、その前提として、加藤先生も今言われましたように、多くのむだが財政支出の中にある、そういうことを放置しておいて、他方で今言われましたように取りやすいところから取るというのは問題があるだろうと。
 それからもう一つ、私はドイツの場合で揮発油税の引き上げというようなことを言ったわけですが、これは強制感を伴うわけです。しかしながら、これはカップという社会的費用を発表した論者が言っているんですが、社会的費用について国民的な合意、価値判断というのがそれぞれの段階において発展している。かっては公害を出す町が非常にすばらしい町である、大阪が東洋のマンチェスターと言われましたようにすばらしい町であると。しかし今、公害を出す町はそうではないというように、国民意識が大きく変化してきている。
 そういうところを考えますと、やはり揮発油科の増税など、ある程度強制感を伴うにしても、全体的な国民意識、価値判断の変化、それは日本がけではなくて、ヨーロッパで先進的ではありますけれども、そういうことを考慮すればおのずから答えが出てくるのではないかと思っております。
○参考人(加藤雅信君) 今おっしゃいました強制感を伴わない措置ということは、短期的にこの問題を解決するという意味では非常にスマートなやり方だろうと思います。
 ただ、スマートなやり方というのは必ずコストを伴うわけでございまして、この国鉄問題の改革で、一般財政の形であれほかの形であれ、負担する分だけ当然、一般財政の方でやりますとその分だけ税金が食われるわけです。
 ということは、この国鉄問題がなければできた施策はそれだけできないということになります。行政改革でできるだけコストを切り詰めながら、できるだけ効率のいい政治や行政を行わなきゃいけないことはもちろんのことでございますけれども、そういう努力はするといたしましても、この問題がない分だけいわばあるべき行政、あるべき施策が減るということです。
 ということは、これは長期的に見れば、一般財政で負担することによって財政がそれだけ逼迫し、それはもしこの問題がなければなさなくてよかったであろう増税を先々しなければならないということでもございます。そういう意味では、この問題に伴っての強制感はないわけですけれども、強制感の一般化、先送りという問題はあります。
 そういう意味では、一つ一つの施策をやるときに強制感がないことは必要な施策等を通すことで重要なことでございますから、私はこのやり方そのものに少しも反対しておりませんし結構だと思いますけれども、これは必ず痛みを伴うので、先生のおっしゃる強制感を先送りしているんだという自覚を持ってやらなければいけないと私は考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(中曽根弘文君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 本日は、長時間にわたり、また早朝より御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、大変ありがとうございました。皆様方の御意見を十分参考にして今後の審議を続けたいと思います。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 午後二時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十分開会
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤井俊男君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(中曽根弘文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案外五案件の審査のため、本日の委員会に参考人として日本国有鉄道清算事業団理事長西村康雄君、同理事西川由朗君、同理事桑原彌介君及び同理事佐野實君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(中曽根弘文君) 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案外五案件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○市川一朗君 自由民主党の市川一朗でございます。
 今国会も大詰めになりまして、この委員会におきましては午前中、参考人の先生方にお出ましいただきましていろいろと勉強させていただきました。なお残る幾つかの疑問点もございますので、若干、私の方でもその辺をただしてまいりたいと思う次第でございます。
 まず私がお聞きしたいなと思いますのは、今回の法案の全体の考え方でございます。要するに、長年の懸案でございました国鉄の長期債務の問題、それから国有林野の問題につきましてここで思い切って決着をつけようということで、それぞれにつきましてその大部分を一般会計で承継する、正確に言いますと帰属するとか免除するとか、いろんな言葉といいますか処理の仕方はあるようでございますが、大ざっぱな考え方としては一般会計が承継するということでけりをつけようという考え方になっているわけでございます。
 この辺は、翻って昭和六十二年当時、国鉄改革が行われていわゆる分割・民営化が図られたころ、それからちょうどそのころは、国有林野に関しましても、今思いますと三回目になるようでございますが、経営改善計画の抜本的な見直し等も行われたわけでございます。いろんな議論が行われた時点で、例えばあの時点で今回とるような措置をとったとすればどうだったのかなといったようなことも含めますと、私も一人の関係者としていろいろと感慨を感ずるものがあるわけでございます。
 そういったような観点から、今回提案されました法律案につきまして提案理由その他も少し丁寧に見させていただいたのでございますけれども、まず国鉄の長期債務の問題に関しましては、つまるところ平成十年度で清算事業団が抱えている債務は約二十八兆円に達しています。そして、資産の売却収入等によって毎年の金利及び年金等の負担を賄いつつ債務の償還等を行うという従来の処理スキームはもはや破綻している、そういう考え方で、破綻しているから何とかしなきゃいけないというスタートになっております。
 また、国有林野の問題に関しましても、収入の減少とか債務の累増等によりまして危機的な財務状況に直面しておる、そういう考え方で、何とかしなきゃならない。こういうまず基本的な考え方がありまして、そしてそれを受けた形でございましょう、一般会計の債務の承継等に関する特別措置法では、将来世代に安易に負担を先送りすることは許されません、このために国鉄長期債務及び国有林野累積債務の処理に本格的に取り組みます、そういうことで御提案しますと、こういう考え方で整理されておるわけでございます。
 そういう考え方というのは、長年の懸案の解決法として私は基本的には納得している者の一人でございますけれども、例えばこの一般会計に承継する特別措置法案の提案理由の中にございます将来世代に安易に負担を先送りすることは許されないという考え方でいった場合の今度の処理スキームは、それならば将来世代に安易に負担を先送りすることにはなっていないのだろうかという観点で見ますと、なかなかそうはなっていないんじゃないか。何せ五十年ないし六十年にわたって最終的に処理していくということで、それを一般会計で承継するということはまさに国民全体の負担の中で処理するということでございますから、これはその考え方としてもっときちんとした整理が必要なんじゃないかなという基本的な問題意識を持って今国会に臨みましてこの委員会審議にも加わっているわけでございます。
 私、若干納得しつつありますのは、宮澤大蔵大臣の御答弁の中でいわゆる新雪根雪論の話がございまして、そういう話の方がちょっとわかりやすいなと。つまり、根雪の問題はかなり長期間、次の世代まで残してしまわざるを得ないというのが今回の処理スキームなのじゃないかなと、るるそういうふうに申し上げた次第でございますが、改めて与党の議員の中にもこういった基本的な部分についてしっかりと認識しておきたいという気持ちがあることを十分御認識の上、これはこういう考え方でこういうふうに処理しようとしているんだよということを大蔵大臣及び関係大臣からもお答えいただきたいと思う次第でございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御指摘のような長い経緯のある問題でございますが、清算事業団にとって不幸であった、あるいは努力にもかかわらずお気の毒であったと思いますのは、その持っていた当時としては非常に市場価値のあった不動産を政府の土地・地価政策のために売ることをやめてほしいというふうに国が決断をいたしまして一番大切なポテンシャルな財源が使えなくなったという点、それから株式の売却についても市場への上場基準が満たされなかったとか、いろいろなことがございました。
 それからまた、別途、移換問題というようなこともございまして、考えてみると、清算事業団は非常に一生懸命やられたけれども、御自分たちのコントロールできないような条件によってその努力が実らなかったということがあったと思います。そのことは清算事業団の責任に帰すべき問題では本来ないだろう、やっぱりそれは国の政策の一つの結果であるとも言えることだと、こういうふうに基本的には考えております。
 そこで、昭和六十三年でしたか、閣議決定がございまして、そのときにはまだまだ土地が結構売れるだろう、何かがあれば残りは国がということでございましたから、当時国が見通しておったことも閣議決定も基本的に事態を見通していなかったということになるわけであります。
 しかし、それから後、平成九年ごろにはけりをつけなきゃいけないということが大体のコンセンサスになってきまして、たまたま財政構造改革会議でこれからの少子・高齢化の社会にどのように対処するかという基本の問題を取り上げましたときに、その他の国の長期債務、これなどがそれでございますし、あるいは林野もそうでございますけれども、これもやはりほうっておくわけにまいらないということでいろいろなグループをつくったり御協議がほぼ一年近くございました。やはり大宗はどうしても一般会計が、すなわち国がしょわなければならない、いきさつもそうであったし、今となってはだれにどれだけということをお願いするほど余裕のある政府部門はないわけでございますからそういうことになって、ただたばこは言ってみますれば嗜好品でもあるし、価格の中における税に相当する分は価格が上がりますとだんだん小さくなってまいりますから、その従来のパーセンテージぐらいを維持してもよかろうと。しかし、これはいずれにしても愛煙家に御迷惑をかけることですから、御理解をお願いしてと言うしか申しようがないのですが、それと、郵政に特別会計で御負担をしていただける部分があるというようなこともあわせまして、御迷惑がかかりますが、お願いしますと。それから、国は国で、今までの資金運用部の借り入れの金利を返しまして、そして金利負担分を軽減いたしました。そういう後に、今、国がしょっていく、そういうことにいたしました。
 いたしましたが、それは今御指摘のまさに雪だるまが大きくなる分を防ぐだけのことでありまして、将来の利子負担分が根雪になることだけが防げる、しかし根雪の部分には触れられない。実際、触れるとなりますと、新たな財源を求めなければならないわけでございますけれども、国民経済は今全然そういう状況にございません。ございませんから、将来の総合的な減債計画の中で、これから仮に六十年かかって一般の債務として処理をするしかない。そういう気持ちの中には、日本経済も今が底でございますから、いつまでもこんなみっともないことをやっている経済でもあるまい、そのうちには本来の正常な経済運営ができるであろう、そうであれば、その程度の減債は時間をかければ我々の国民の力をもってすればできると、そう思うしか仕方がない点もございますけれども、そう期待をして、そして根雪の部分だけは残した。
 それがせいぜいのところであったと申し上げるしか方法がないのでございまして、そういう経緯の中であちこちに御負担をかける。たばこの特別税にしても郵貯特会にしましても、あるいは理屈はいろいろあるにしてもないにしても、JRにもいろいろな御主張がある。それらを含めて、とにかく御負担を願えるところにはお願いしますというようなのが今度の総合的な解決案であった。
 余り自慢のできる解決案ではありませんし、またこれで一切は片づくという解決案でもありませんので、その点はいろいろじくじたるものが残りますけれども、この際、利子負担が雪だるまになるのだけは防ぎたい、こういう気持ちであったわけでございます。
○国務大臣(川崎二郎君) 市川委員にお答えを申し上げます。
 基本的な認識として、旧国鉄の経営悪化というものが大前提にあったと思っております。そして、その悪化の理由というものを分析しながら手法を分けた。
 第一番目の手法は、民営・分割によってその七社が独立経営をされる、これが第一であろうと思います。しかしながら、七社が独立をいたしましたときに、すべての借金を背負わせたらこれはとてもやっていけるものではなかろう、したがって当時債務を分けて、国鉄清算事業団に二十五兆円の債務が残った、そして資産というものを同時に国鉄清算事業団が売却をする、こういう方針を決められたところであります。その間、十一年ぐらい経過をいたしたわけであります。
 第一の評価として、七社の独立という問題、この問題につきましては、本州の三社についてはこれから株の売却、すべて株の売却という問題が残っておるだろう。それから、三島につきましては、まさに上場ができるような体制を整えなければならない。それから、貨物につきましては、正直、当初よりも経営が悪化をいたしております。この問題は抜本的な改革を考えなければならないだろうと思っております。
 そして、清算事業団の方は、まさに今日、今ここで御議論をいただいておりまして、当時推定をいたして十四兆円ほどの借金が残るか、こういう形でスタートいたしましたけれども、大蔵大臣から御説明がありましたとおり、当時の新聞を見ますと、運輸省、清算事業団は売りを急いでいると。しかしながら、土地を高騰させてはならぬ、こんな暴挙をさせてはならぬという論調が中心になりまして、政府として大きな決断をされて、土地を売却させない、こういう一つの判断がなされた。そういった中で、一方で金利が金利を呼ぶ。土地の売却が進まない、金利が金利を呼ぶ、こういう体質の中で今日を迎え、この二十八兆円の処理についてもう清算事業団で行うのは不可能であるという中で、今日のスキームを御提案申し上げてお願いをいたしているところでございます。
 同時に、元本の問題、確かに道路整備の目的税を使ったら、新幹線整備を使ったらどうだ等々いろんな御意見をいただいておりますけれども、やはり今日の状況の中でそういう決断には至らないということで、これも大蔵大臣から御説明いただいたように、まさに国の債務としてこれから長期にわたってお考えを賜りたいと、こういうふうな処理スキームを出させていただいているところでございます。
○国務大臣(中川昭一君) 国有林野につきましては、昭和二十二年から今の制度がスタートしましたが、一時期、林野事業は黒字になっている時期も、短期間ではございましたが、ありました。しかし、高度経済成長の中で大変な需要があって、一方では自由化あるいはまた関税の引き下げ等々、非常に外的な要因もございました。それから、金利動向も大きく変化をしたということで経常的な赤字が生じたわけでございます。
 昭和五十三年以降四度にわたる改革をいたしましたけれども、いずれも当初の計画に比べて、見通しに比べて結果がうまくいかないという状況でございました。そういう中で、平成三年の計画、当時は二兆三千億だったと思いますけれども、何とか二十年かけてなくしていこうということでありましたが、三兆八千億に至ったわけでございます。
 しかし、国有林野の場合には、林産物あるいはまた林地あるいはそのほかの土地等の売却、収入源も片方ではございますので、これからぎりぎりの努力をして収益を上げ、そして三兆八千億のらち一兆円についてはぎりぎりの自助努力でもって五十年かけてやっていく。二・八兆についてはどうしても限界があるということで一般会計の方にお願いをしていくということで、自助努力をしながら、せめて一兆円についてみずからの力で返していこうということでこれから臨んでいきたいと思っておる次第でございます。
○市川一朗君 どうもありがとうございました。
 各大臣からそれぞれ御答弁いただいたわけでございますけれども、根雪という言葉を使わせていただきますが、いずれにしても五十年ないし六十年の期間をかけてこれから返していくという問題になりますと、やはり一般会計自体が今赤字でございますので、大蔵大臣の言葉にありましたように、これから日本経済の先行きを考えて期待する部分があるといたしましても、なかなかその財源の確保というのは難しいのではないかと思う一人でございます。
 午前中の参考人の方のお話にも財源論もいろいろございましたが、ドイツの例を引かれたお話もございまして、それをお聞きしていますと、一見ドイツでは今の道路特定財源になっている揮発油税が鉄道の方に回ったような、聞きようによってはそういう印象になるような、先生はそういうふうに言わなかったんですけれども、聞こえるようなやりとりもあったのでございます。
 あれはドイツでも、大蔵大臣は御存じだと思いますが、いわば今回のたばこ特別税みたいなもので道路財源に充てている、俗に鉱油税と言うんですか、あれは全然そのまま手つかずで、残りの一般財源的な部分について、特に鉄道関係でいわゆる増税をしたというところが一つの新しい試みで、そういう意味ではたばこ特別税と基本的な考え方は一緒だと思いますが、やはりどうしてもそういう増税論をとらざるを得ないというような意味では非常に難しい問題がこれからあるわけでございます。
 その辺の考え方は先ほどの御答弁の中で大蔵大臣から既に御披歴があったようにも思いますけれども、午前中そういった財源論を含めたいろいろ突っ込んだ議論もさせていただいた私どもでございますので、改めて、長期的に見て一般会計の中でどういうふうにして処理していくのかなということについて、先ほどの御答弁から、まさにこれからの日本経済の動向といったようなことも踏まえて長期的に取り組んでいかざるを得ないということだと思いますけれども、一方で、何でこんなに債務が、特に清算事業団の分についてうまくいかなかったんだろうかということについては、確かに土地の処分がうまくいかなかった、あるいは株式の売却がいろいろ滞ったといったようなことがあるということはみんな承知の上で、それにしても昭和六十一年とか六十三年ごろに相次いで閣議決定がなされて、言ってみれば土地処分等の自主財源を充ててもなお残る債務等については国において処理するという部分が一つ入った、それがいわば甘えの構造になってしまっていたんじゃないかといったような指摘もあるわけでございます。
 関係者、特に清算事業団で直接取り組んでおられる方にとっては、今のような私の発言を聞きましたら、俗に言う頭に来るんじゃないかなと思います。しかし、何となくそういう指摘の中でずるずると来て、今こうなってみると約二十八兆円まで膨れ上がってしまっているといったような問題、それを一般会計として全部責任を持って処理していくということになってしまっているといったようなことを考えますと、今後の鉄建公団が引き受けることになりました部分はそれに比べますと金額は大分少なくはなっておりますが、そういったような問題も含めまして、やっぱり一般会計で引き受けるということについての負担が、どういう言葉を使ったらよろしいんでしょうか、普遍化するというんでしょうか、余り直接的な痛みを感じない、しかしそれは国民全体にとっては大きな痛みとして受けとめざるを得ない問題でございますので、その辺をどういうふうに考えていくべきかということがこれからの一つの大きなテーマであるというふうに思っておる次第でございます。
 ちょっとくどい質問になって恐縮でございますが、もしその点について何か大蔵大臣の方からお考えがございましたら、一言お答えいただければと思う次第でございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私の立場では、実は時々はこんなふうにも思ってみるのでございます。
 ともかく、かつての国鉄という問題は政治的にも経済的にもある意味で我が国にとって非常な重荷でございました。殊に、政治的にそれがいろんな意味で社会にやっぱり災いしておったというふうに思われる点がございますし、また国民も国鉄というものにある意味で愛想を尽かしておったと思います。それがとにかく民営化されて、今JR各社、三島のこともございますけれども、全体としては比較的好感を持っていると申しますか、昔のことを思うとよくなったということをほとんどの国民は思っておられる。政治的にもかつてのような問題は起きていない。それは非常に大きな変わりようでございます。
 そして、民営としてスタートする以上は堅実な利益がなければ到底やっていけないのは当然でございますから、利益が出ないようなプロジェクトを民営としてスタートさせるわけにはいかないのでございます。そうしますと、やっぱりその分はだれかがしょってやらなければ、みんなこれをJRにしよわせたのでは民業として動けるはずがないという意味でこうやって国民の皆さんにも負担をしていただくということ、それはああいうかつてのいわば大変な、邪魔者と言っては申しわけありませんが、であった国鉄というものが……(「それは失礼な言い方だよ」と呼ぶ者あり)邪魔者という言葉は悪いんですが、ではこう申しましょう。先ほど申しましたような政治的にも非常な、しょっちゅうトラブルがあったし、国民にも親しめない、こう申し上げ……(「あんたらが政治路線を敷いたからだよ」と呼ぶ者あり)今の言葉は悪ければ訂正いたしますが、そういうものが民営になったということを国民は喜んでいるわけです。そういうことを申したいんです。
 ですから、そのコストというものはやっぱり国民がみんなしょわなきゃいけないのかもしれない、こういうようなことを申したいので、かつての国鉄を悪く言おうとするのではなくて、きょうのJRになったことの変化に伴うコストというものはやはり国民がしょうのではないか、そういうふうに考えようとしておるわけであります。
○市川一朗君 今、私も大蔵大臣の御答弁をお聞きしておって、昭和四十八年ですか、四月に交通ゼネストが起きました。当時、私は武蔵小金井に住んでいたんですが、どうしてもこっちに来なきゃいけないというので、車で約四時間かけて四苦八苦して来た記憶があります。そういったようなこともなくなりましたし、本当に今は選挙区へ毎週のように帰っておりますが、新幹線のおかげで非常に快適と言っちゃなんですが、スムーズに政治活動もできておるというようなこと等、私個人としても非常に民営化は大きな意味では成功だったのではないかというふうな実感を持っている次第でございます。
 そういう意味では、今処理している問題はそういった大きな成功へ向けての後始末の問題であるということで、その後始末の問題がもっともっとスムーズにいけば本当によかったのでございますが、なお問題が大きく残ってしまっているというところが非常に国民の皆さんに対しましても申しわけないなと思っている政治家の一人でございます。
 そういった中で、いろいろお聞きしたいと思っておったのでございますが、大蔵大臣にもう一言お聞きします。
 国鉄の、特に清算事業団の問題にしましても、それから国有林野の問題にしましても原因はいっぱいありますが、一つの大きな理由は財投の問題なんですね。非常に高い金利で借りた金をそのまま返していかなきゃいけないと。結局、今の低金利の状況というのは、釈迦に説法で恐縮でございますけれども、まさに高い利潤を生むことができないから借りた金は低い金利でないと返せないというところで、低金利というのが社会経済情勢として出てきているという状況だと思いますので、昔借りた金だから高い金利でも返さざるを得ない。これは理屈としてはもう完全にそのとおりでございますし、今の資金運用部のあり方としては、それをただそのままスルーするだけだからどうしようもないんだという再三の御答弁もありましたわけですから、これもしようがないと。
 だから、この国鉄と国有林野に関しては、今回は一種の破綻処理でございますので、繰り上げ償還を認めるということでこれはこれでいいわけですが、実は国の行政の各般にわたりまして財投の高金利で悩んでいるのはいっぱいあるわけでございます。現に、今回の国有林野の資料を見ましても七%を超える債務が五千億円近くあるわけでございますし、それから国鉄の有利子債務の方も七・九%とか八・七%とかというような財投の金利の問題があって、これはこれで今回で一つの決着を見るわけですが、実はそれ以外にいっぱいあるわけです。
 例えば、住宅金融公庫を一つ例にとりましても、昔は財投のお金を借りて、それに利子補給をして、そして財投金利よりも安い金利で貸して住宅建設を促進するということで住宅金融公庫の基本的な機能があったわけでございますが、現状はとにかく借りている人から操り上げ償還をされて、それは受け入れざるを得ないと。しかし、公庫はそれを財投の方に返せないものですから、結局その部分の負担がたまってきまして、現状では財投金利よりもちょっと高目の金利で貸さざるを得ないというような状況が出ておるわけでございまして、そういったような問題があちこちであるわけでございます。
 これは資金運用部の世界というよりも、言ってみればもう郵貯の世界まで行ってしまう問題だと思いますので、ここでこの問題を議論する時間的余裕はないわけでございますが、やはり何らかの政治決断も含めまして抜本的な解決策を講じないと、いろんな行政の中でこういった破綻現象が生じてきて、破綻した段階でも、先ほどの提案理由にもございましたように、破綻したからしようがないということで、それを国において処理していかなきゃいけないということがこれからいろんな形で出てきてしまうんじゃないかということを懸念するわけでございます。
 これは簡単な問題ではないと思いますけれども、ぜひ実力大臣の間に道筋をつけていただければという願いを込めまして、御質問させていただきます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 委員長、先ほど私は国鉄を邪魔者という言葉を使いましたが、取り消させていただきます。真意ではございません。
 今のお話は、結局、資金運用部が受託金利と貸付金利をマージンを置かずにおりますから、運用部としてはおっしゃるようなことができないという仕組み、その仕組みから出る話でございますが、今度のように、清算事業団にしましてもあるいは林野にしましても、そことの関係ではなくて、全部国がその債務を取ってしまいましたので対象がなくなった、林野にも清算事業団にもなくなってしまいましたから、それでその相手と金利の引き下げをしたんではなくて、国、一般会計とやった、そういう論理に立っておるようでございます。それはそうかもしれない。そうかもしれませんが、市川委員の今おっしゃっているようなことは実際随所に聞きます。
 しかし、国が今度はそこへ補助金を出すとか利子補給をするとかしているじゃありませんかということなんですが、資金運用部のいわゆる財投の問題というのはどうしてもここでだんだん見直さなきゃならない状況にございますから、それと同時に資金運用部のあり方というものもいろいろに一遍考えるときが来るのであろうと思います。今、急に何だと申し上げられませんが、やっぱりここは、資金運用部には資金運用部の建前がございますからといっていつまでもそれで済ませるものなのかどうか。全体を見直さなきゃならないときが来るように思いますので、問題意識としては考えていかなきゃならないことだろうと思っております。
○市川一朗君 どうもありがとうございました。
 それでは、ちょっと運輸大臣にお尋ねしたいんですが、お尋ねという雰囲気ではないんですけれども、例の厚生年金への統合のための移換金問題でございます。
 私も土日、選挙区へ戻りましていろいろ議論をいたしました。大分大議論にあちこちでなりましたけれども、JRの御主張の方が、JR自身もいろいろと主張しておられますし、また新聞論調もそれを支持しているという部分もございまして、非常に町の声は軍配がJR側に高いように思うのでございます。ただ、二時間ぐらい私もじっくり腰を据えてお話をしますと、まあまあお互いがそれぞれの考え方はわかるねといったようなところまで来るということで、実は今回の処理をなぜこういうふうにしたのかということについての政府側の御説明が、こういう国会審議の場では出てくるのでございますが、なかなかよく伝わっていないという意味があるわけでございます。
 そういった意味では、今回の移換金の問題は午前中の参考人の先生方の意見を聞きましても結構意見は割れておりましたので、それぞれ受けとめ方があるんだなというふうには思っている次第でございます。
 率直に言って、特に平成八年三月八日の閣議決定で決着済みなのではないかといった特にJR側の主張は非常にわかりやすいわけでございます。それに対して、いや、そうじゃないんだということをやはりきちっと政府側としてわかりやすく申し上げる必要があるんじゃないかなというふうに思うわけでございますが、再三御答弁はいただいておりますけれども、改めて気合いを込めた御答弁をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) まず国民の皆さん方に御理解をいただかなければならないのは、六十二年の国鉄改革の基本、これはしっかり守らなければならない。この論議の中でも六十二年改革自体を振り返れという政党もございますけれども、私どもはまずこの六十二年改革の基本というものは守っていきたいと考えております。
 そのときに、共済年金から厚生年金へ移換をしていくという問題がそのスキームの中に入っていたかというと、これは明確に入っていない問題でありました。そして、平成八年に共済年金から厚生年金に移換をしていくその経過の中で、これから厚生年金また共済年金の皆さん方に多くの御負担をいただかなければならない中で、厚生年金としてこれからJRの皆さん方また旧国鉄職員の皆さん方に年金が支払われていく、そのときに不足額として移換金という問題が出てまいったわけでございます。
 その当時の議論として、職員の方々の年金問題であるから当然これは事業主が負担すべきだという議論の中で、旧国鉄の身分をそのまま継続いたしております清算事業団とJR七社とに分担をされたというのが平成八年の閣議決定でございます。
 そして、その清算事業団は、六十二年改革のときに明記されている、いっか解散をしていかなければならないそのときにこの問題を改めて議論しなければならないだろう、処理しなければならないだろうという経過の中で、今回、国鉄清算事業団がまず第一に二十八兆円の長期債務の問題をどう処理していくか、そして事業主である清算事業団が解散をするに当たって年金の支払いの問題についてどう考えていくべきか、JR職員の年金を国民負担という形で御処理いただくか、もしくはJR側に御負担をいただくか、改めての議論の中で今日御提案をさせていただいているようなスキームができ上がってきた。それからもう一つは、平成八年までJRの皆さん方が二百二十億円の任意の拠出をしていただいたということも事実でございます。
 そんなことから、私どもは、JR職員の分はJR側にお願いをしたいという形で法案を提出いたしたわけでありますけれども、先ほどの国民が負担をすべきかJRが負担をすべきか、こういう議論の中で、衆議院においては自由党、社民党、そして自由民主党の修正により半々で負担をせい、そしてその負担をする金額は結果として平成八年まで任意で支払い続けてきた二百二十億とほぼ同じではなかろうか、こういう御議論をいただいた、こういうように理解をいたしており、また参議院でもお願いをいたしているところでございます。
○市川一朗君 いずれにいたしましても、JRもかつて四十万人体制だったのが今二十万人で頑張っているわけでありまして、JR七社それぞれの事情もいろいろあるということも先ほど大臣からお話がございましたが、何とか今の運輸大臣の御答弁にあった趣旨をJRの方でも御理解いただいて、それで関係者の納得の上で処理していくということが非常に大事なのではないかなというふうに思っておりますので、法案の成立は法案の成立といたしまして、最終的な処理までのなお関係者の納得に向けた運輸大臣の御努力を特に私はお願いしておきたいと思う次第でございます。
 それから、農水大臣、国有林野の問題でございますけれども、過去四回ぐらい経営改善計画がなされて、先ほど御答弁にもありましたが、黒字になった時期もあるわけです。大体ちょうど神風のように木材高騰の時期が何回か来たといったようなことで、昭和五十年代に入りましてからはそういう神風も吹かなくなったといいますか、木材が自由化されて、この円高でございますし、なかなかこれから先うまくいかないんじゃないかという危惧の念を持っている方が関係者にも一般国民にも非常に多いわけでございます。
 昭和二十二年なんですね、独立採算制をとりましたのは。資料を調べてみますと、当時、財政逼迫だった国の財政を助けるために独立採算制をとるんだというような資料までありまして、やはり今回の思い切った改革の中で公益性を高めていくといいますか、本当にこれから地球温暖化の問題まで含めて考えますと、これまでの災害の問題とか水資源の問題も含めて、なおかつ日本における森林の大事な点というのはますますウエートを増してくると思いますし、私は国民的コンセンサスも得られると思うのでございます。
 そういった中で、一兆円も返せるのかということなんです。しかも、一兆円を返さなきゃならないということでまた無理をする、そのしわ寄せの方が怖いんじゃないか。やっぱりこの際、森林の公益性を高めるという観点で思い切った取り組みをする必要があるんじゃないか。
 私も与党の一員でございますから、今回の法案はある程度ここで決着をつけなきゃいけないなと私自身は思っております。しかし、やはり国有林野の将来のことを考えますと、日本の森林のあり方というものは、国有林野とか独立採算とかそういう次元じゃなくて、もう民有林も含めて森林は大事にしなきゃいけないんだというようなことで、本当にいわゆるギアチェンジをしなきゃならない時期が二十一世紀なのじゃないかなというふうに思っておる次第でございます。
 国土・環境委員会のメンバーでもございますので、なかなか農林大臣にこの点をお聞きする機会がございません。ここでひとつ改めて、いつも長官の御答弁は聞いておりますので、長官せっかくおられますが、きょうは大臣の決意をしっかりとお聞きしておきたいと思う次第でございます。
○国務大臣(中川昭一君) 先生から今御指摘のように、まず今回の抜本的な改革というのは、公益的機能に約八割のウエートを置いて、今までの五五%の生産林としての役割から大きく逆転をさせていくということであります。
 現時点の国有林の置かれている状況というのは、先ほど大蔵大臣からもお話がありましたが、経済的にはボトムでございますし、昭和二十二年に植えた木も五十年たってやっと伐採適期に来ていると。これからまさにずっと二十年代、三十年代に植えた木が、二割の生産林の位置づけではありますけれども、そういう役割を果たしていくという面もあります。
 そういう意味で、国有林野全体が今まさにボトムで、これから抜本的に再スタートを切ろうという時期でございますから、民有林も国有林も含めまして、森林の公益的な位置づけというもののはっきりとした国民的なコンセンサスをいただきながら新たなスタートを切っていかなければならないと思っております。
 一方、民有林にいたしましても国有林にいたしましても、木というのは我々の日本の文化あるいはまた生活に密接に関係のある経済財でもございます。この伝統ある委員会も本当にすばらしい木でずっとでき上がっているわけでもございますし、そういう我々のいい伝統というものも、木の文化というものも引き続き守っていかなければならないということでございますから、我々がこれから土地あるいは生産林の売却等で、五十年という長いタームではございますけれども、一生懸命努力をしていけば一兆円は何としても返していけるというぎりぎりの決意でもって、そのかわりに二兆八千億については一般会計で、いろいろな財源でひとつお任せをさせていただく。しかも、一兆円の、我々の世界の方にも一般会計からの利子補給等のいろいろな御援助もいただきながらではありますけれども、公益的機能と一部生産林としての機能等を果たしながら自主的な収入を上げて、五十年間で一兆円を何とかお返ししながら、しかも日本の伝統文化である木の文化というものを生活の中でも守り続けながらやっていこうという決意でございますので、先生の御理解と御指導をよろしくお願いいたします。
○市川一朗君 基本的に新雪が根雪にならないようにという考え方のスキームの中での国有林野の処理でもございますので、ただいまの大臣の答弁でそれなりに理解を示したいと思いますけれども、五十年間で返すという、この五十年間というのは非常に長い年月でございますから、その間といいますか、できるだけ早い時期に私はもっともっと森林の公益性を高めるという観点からの見直しをしっかりやった方がいいんじゃないかと。
 そういう意味では、私もぜひとも御協力したいという気持ちでおりますので、よろしくお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございます。(拍手)
○佐藤雄平君 民主党・新緑風会の佐藤雄平でございます。
 実はきょうは当選して二回目の質問で、内閣のかなめである宮澤大蔵大臣、またそれぞれの大臣においでいただきまして本当にありがとうございます。
 この委員会に所属をさせていただいてから、この問題についてどういうふうな世の中の状況であるのかなと私自身ひもといてみまして、それぞれの新聞、社説、論説を見させていただきました。
 今までのいろんな法案の中で、賛否両論それぞれあると思うんですけれども、きょうの午前中の参考人質疑の中でも、玉置さんがいわゆるマスコミ代表ということでお出になっていただいたんですが、各紙とも本当にこの処理法案についてはまさに理不尽とか、それから下策とかいうような言葉を使っておられる。
 私は、ことしの七月十二日の参議院選挙のときに、選挙運動で、ローカルな話で恐縮でありますけれども、福島県内を歩いてみると、農家に行くと、せっかく立派な田んぼをつくったにもかかわらず、三年に一回何で休耕しなきゃいけないんですかと。また、工場等に行くと、注文がなくて困ってしまった、いっそ解雇しようにも地域社会の中では親類とか地域社会のいろんな関係があってなかなか解雇するわけにもいかない。また、中小企業、零細企業に行くと、たばこ屋のお父さん、お母さんは、跡取りはいるんだけれども、こんなちつちゃな商店の跡をとらせるわけにもいかない、そんな気がしないと。まさに今の政治についての不満、さらにまた年金問題等について二十一世紀を考えると不安、不満と不安が私が当選した結果になったのかもわかりませんけれども、そういうふうな中で今度の処理法案であります。
 私は、今まさに民意とは何か、それを考えたとき、その民意が反映していないから残念ながら小渕内閣の世論調査、支持率も低い。まさに私は、各社が書いている社説も論説も、ある意味ではこれを見れば本当に民意であるな、これはほとんどの人が理解すると思います。また、先ほどの市川議員の話のとおり、私は今度のマスコミ論調に一点の曇りもないな、そんな思いであります。
 そういう意味で、民意を反映するのが政治である、いわゆる政治不信を払拭するのが政治であるという前提に立った中での、宮澤大蔵大臣、川崎運輸大臣、政治家としてこの問題の処理について、また今のマスコミ論調についてはどのような御見解をお持ちになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) マスコミの御意見もいろいろ読ませていただいたり、またテレビを見させていただいているところでございます。一つはJR負担の問題であろう、それからもう一つは元本の返済の問題であろう、このように思っております、私の立場からは。
 JR負担の問題につきましては、再三述べておりますとおり、六十二年改革で予定されていたものではない、平成八年のまさに共済年金から厚生年金への統合、移換のときに生じた問題である、その負担をJRがすべきか国がすべきか。その間に清算事業団というのが一度ワンクッションになりましたので、いろいろ御批判をいただいていることは承知いたしております。
 ただ、今日、清算事業団が旧国鉄の事業主として負担していたものを、さあだれが負担をすべきであろうかという議論の中で、私どもは、やはりJR職員の安定した年金を支給するための財源でありますからJRに負担をしていただきたい、こういうお話をいたしているところでございます。しかし一方で、その議論はよくわかるけれども、私なりに申せば、それは国民とJRで分かち合ったらどうだと、こういう議論も衆議院で展開されて一つの採決に至ったということでありますので、もう少しこの問題はお話をしていきたいというように思っているところでございます。
 それから第二の問題は、実はこの議論の中でもずっと出ている話でありますけれども、例えば新交通税というものをしいたらどうだろうか、新幹線の財源を返すのに回したらどうだ、また道路財源をそれに回したらどうだと、こういう意見を新聞等でも多少見ます。しかしながら、それは正直言って、私どもさんざん議論いたしましたけれども、総論には至っていない、まさに世論にはなり切っていない、このように思っております。この辺の温度差というものが正直言ってマスコミの御批判になっておるのかなと。
 しかしながら、我々与党内でさんざん議論したものの中に、今新聞、マスコミが取り上げられているような論調に必ずしも一致しなかったということは御理解を賜りたい。今日こうした形ですべての意見がまとめられて一つのスキームとして提出をさせていただいた、こういう次第でございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは今のその移換のところの問題が大変に難しい複雑な問題でございます。私も今度のこの国会で川崎運輸大臣の御説明を何度か横で座って聞いておりますと、ああなるほどそういうことなのかと、何度も何度も聞いて私はわかるわけです。
 ところが、世の中ではこの話はとても難しいこんがらがった話で、それはJRに負担させるのはひどいじゃないかという議論がありますときに、そうでなきゃ今度は国民みんなの負担になるんですね。そこまで考えて返事をしていらっしゃるかどうかが私はその世論というのはわからないと思うんです。
 それでは、JRに負担させるのは気の毒だ、私が納税者として負担しましょうと、こう言ってくださればそれは大変クリアなんですが、答えはそうなるんねです、実際は。一般会計の負担になったりあるいは運輸省に対する補助金をふやしたりするんですから、これは納税者の負担になるんで、そこまでお考えくだすってわかったと言ってくださればいいんですが、どうもそうでもないんですね。そういう難しさがあるんじゃないでしょうか。
○佐藤雄平君 ですから、これは本当に入り口論の話でございまして、確かに新聞に、国民負担にさせるのかJR負担にさせるのかと。あとは、これは国民負担にさせない、JR負担にと、これはもう国民のある意味では総意だと思います。
 そうじゃなくて、六十二年に民営化したわけですね。民営化したというのは私なりに考えても民間になった、国鉄は引きずっていない、引きずっているのは清算事業団である。しかもまた、平成八年三月の閣議決定というのは、私は閣僚になったことがないからわかりませんけれども、本当にどれぐらい重みのあることなのか。閣議決定といったら、やっぱり国民の総意のもとで決定するということが閣議決定という意識で私は受けているわけですけれども、その辺は違うんですかね。ですから、その議論はまず六十二年の民営化、それから八年三月の閣議決定、これを前提としなければならないんです。それが本当に守られるかどうか、それによってからの議論じゃないと、まさに今のように国民の血税で負担するのがいいのか、JRに負担させるのがいいのかというと、これはもうだれしもがJRに負担させろということになります。そうじゃないんです。その前の話なんです。
 ですから、宮澤大蔵大臣、その閣議の重さ、閣議決定というのはどういうふうな位置づけでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは申すまでもなく政府の最高の意思決定でございます。ですから、また後の決定によってそれが変わることはございますけれども、決定された時点においてそれは最高の意思決定です。
○佐藤雄平君 二年に一回そんなふうに変わっていたのではこの国家の先々はまた一つの不安材料になる。朝令暮改という言葉がありますけれども、本当にこれはそのためにあるような言葉なのかなと思うのでありますけれども、しかしその議論はもう十分聞かせていただきました。
 運輸大臣、これは先ほどの市川さんと同じで、私も二日に一回選挙区に帰るときは新幹線に乗って、極めて短い時間でありますけれども、あんな楽しい時間はない。六十二年以前というのは、どうしてもやっぱり国鉄の印象があって、場合によっては売店の人までも何か高圧的な感じを受けたときがあったんですけれども、今になるとJR、いわゆる国鉄改革で民営化されて、本当に快適な旅をさせてもらって、この十一年間の努力というのは私はもう大変立派な努力であったなと。
 しかし、六十二年の民営化のときにJR各社がどれぐらいの思いで新しい会社ということでスタートしたか。十四兆円の負債を持ちながらした。私は、この十一年間のいわゆるJR各社の努力について、ある意味では運輸省は監督官庁なわけですから、以前は糟糠の妻であったかもわかりませんけれども、そういうふうな中で今度のいわゆる三千六百億を強いる話、財政構造改革会議でそれが決まって強いると言ったとき、どんな気持ちでそれをJRの皆さんにお伝えになったか、その辺の気持ちをちょっとお聞かせ願いたいなと思っております、大臣。
○国務大臣(川崎二郎君) 法案を作成したときの大臣ではございませんので、藤井大臣の時代でありましたから私が直接伝えたわけではございません。ただ、私もJRの皆さん方と多少お話をいたします。その中で、やはり今回この清算事業団の問題も含めて後送りをしてはならぬというのはみんなの理解であろうと思っております。
 そして、私どもが申し上げておりますのは、JRの職員の年金をこれから安定的に供給しなきゃならない、その問題をどう考えますかと。それは国が負担すべきだという御議論もある。しかしながら一方で、JR職員の安定した年金支給のためにJRが御負担をいただくという理屈は当然私は通るものと思っております。また、前段にございましたJR七社が大変な努力を今日まで積み重ねてまいったことはお互いの認識が一致するものだと思っております。
 ただ、今置かれている状況の中で、本州三社は極めて順調に推移をいたしております。しかしながら、三島につきましては、経営安定基金から生まれる果実というものが大変少なくなってきておりますから、今厳しい状況にあることは事実であります。それから、貨物につきましては当初はかなり利益が出ておりました。しかしながら、モーダルシフト、いろんな環境の変化の中でどうも自動車交通関係に負けておるな、そこはより一層努力をしてもらわなきゃならないなと。特に、これから環境問題を考えていきますと、JR貨物にかけられた期待というのはある意味では高いものがあると思っておりますので、一層の経営努力を望みたい。一口にJR七社と言いますけれども、それぞれの固有の課題は抱えておるというふうに理解をいたしております。
○佐藤雄平君 一連の行財政改革の中での三千六百億ということであろうかと思うんですけれども、行財政改革そのものが、今の経済状況を考えますと、去年の公共事業のマイナス七%、これはもう本当に風邪を引いた人に水をかけたような状況になっているのかなと。
 それで、一生懸命に今経済対策をそれぞれ大蔵大臣を中心におやりになっていると思うんです。しかしながら、私は去年までの経済政策というのはまさに失政であったなと、そんな感じがします。株価が一万二千円なんというのはとても考えられなかった。もう日本の資産がどんどん毎日のように減っていくことを考えると、まさに行財政改革というのは間違いであった。しかも、その間違いであったことに気づいて、次の年にはそれぞれ減税また公共事業等の十五兆円ぐらいの経済対策をしなきゃいけない。.そういうふうな中で三千六百億のJRに対する負担を考えてきたということであれば、財政構造改革会議そのものが間違った答申というか考え方であったところからの三千六百億というのは本当になかなか納得がいかない。ですから、その三千六百億というのはそもそも財構の中でどういうふうな話の中からお出になってきたのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 財革会議で出たことは事実でありますけれども、基本的に平成八年に清算事業団とJRが負担をする、この清算事業団というのは旧国鉄の性格をそのまま引き継いだものであります。これが解散をするときには国が責任を持って処理をする、こういうことになっておるわけでありますから、その処理をするという文言についてまたこの委員会でいろいろ議論をしておるところでありますけれども、私どもはそれが国が負担をするということを決めたということではないと申し上げているわけであります。
○佐藤雄平君 この解釈はいろいろあると思うんですけれども、国がその責任を持つというのは、これはJR側にすればJRに負担が来るなんて全く思っていないと思うんです。あくまでも一般論として国が責任を持つということであれば、国の責任のもとで、だからそれが要するに六十二年のときに清算事業団に行った。これだけを責任持ちなさいよ、それでJRにはこれだけ責任を持ちなさいよと。そのときに、その後のことについては国が責任を持って処理をするということですから、国が責任を持って処理するということは、もうJRに後になって負担させるなんというふうなことは全く考えられないことだと私は思うんです。
 大臣、国が責任を持ってということは、今になってJRにも負担をさせるというようなことが入っていたかどうかということを冷静にそのときに戻ってもらって考えていただくと、私はそういうふうな理解にならないと思いますけれども、それでも国が責任を持ってというのは、いわゆる分割をした段階で、国が責任を持ってということは将来JRの負担を考えるということも含めた中だったのかどうか、その時点で考えてみると。
○国務大臣(川崎二郎君) まさに財源・措置についてはすべてのものを考えて措置をする、こういうふうに理解をいたしております。
○佐藤雄平君 この話は、もう出てしまった法案の審議ですから、その具体的な金額の話にならざるを得ないというところがあるんですけれども、そういうふうな中で、また不思議なことに三千六百億、それが今度はその修正案の中で千八百億ということになったと。この辺も何か、先ほどの金丸大先生の話じゃないけれども、この辺の根拠というのか、千八百億にというこの辺の根拠についてはどういうふうにお考えなのか聞かせていただきたい。
○国務大臣(川崎二郎君) この根拠は正直申し上げて私が考えた根拠ではございません。衆議院におきましてさまざまな議論が繰り返されました。JR負担をすべきではない、郵貯、またたばこの負担を求めるべきではないという議論もございました。また一方で、もうお聞きになっておるように、負担能力があるんだからJRがもう少しするべきであるという議論もございました。そして、私どもはこの年金の移換金に限ってJR職員分についてはお願いをしますというスキームで提案をしておる。
 その中で、自由党の皆さん方から、国民が負担をすべきかJRが負担すべきか、この議論の中で両者が負担をすべきではなかろうかという提案がなされた。そして同時に、この負担というものは、平成八年までJRが任意で負担をされてきたものと同じではないですかという一つの考え方の中から御提案があったわけであります。
 私は衆議院で審議が始まりましたときから申し上げておりましたが、私どもは一つの筋としてお願いをいたしておりますけれども、参議院選挙の結果を受けながら、各政党のお考えに耳を傾けながら十分勉強してまいりたいと。その中で提案をされたということで、私どもはやむなしという判断をいたしたところでございます。
○佐藤雄平君 次に移りますけれども、私は経済と財政はある意味では鶏論、卵論なのかなと思います。そして、今やっぱり大事なのは、国民負担とJRといろいろ話があります。ただ、私は、もうその入り口論の中での話ですから、国民負担というふうな言葉は使いたくありません。
 そういうふうな中で、私は民間のJRに一千七百億ほど負担をさせるということを考えた際、今せっかく民営になって多少なりともフライトしながら好成績を残しておる、三千三百億ほど毎年税金を払っておる、まさに私はそれが財政につながってくる話なのかなと。
 せっかく立派な鶏ができたにもかかわらず、あえてそこにまた負担をかけるということは、ある意味では今の経済対策に逆行するような感じがするんです。今、一生懸命財政支出をしながらいろいろ経済対策をやっているけれども、なかなかその卵を一生懸命配ってもひなにかえらない状況の中で、せっかく立派な鶏がいるわけですから、その辺、宮澤大蔵大臣、いわゆる経済論からいっても、せっかく立派なJR、そこに水を差すような年金負担分そのものというのは私はもう本当に理解できないんですけれども、いわゆる経済学的にどんなお考えでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどもるる申し上げましたように、これは基本的にはやはり国が、一般会計が負担をしていかなければならない問題だと、基本的にそういう認識がございます。それは普通大蔵省の負担と、こうおつしゃいます。そうには違いないんですが、これは申すまでもなく国民の負担ということになるわけでございますから、その中で直接に御負担をおかけするのはたばこ特別税であり郵貯特会なのでございます。
 そういう中で、昨年の財政改革会議で、大変平らな言葉で申しますと、どこかに財源はないだろうかというふうなことで、愛煙家には申しわけないが御負担ください、それから郵貯にも特会が多少余裕があるからお願いできないかと、JRにはもとより御縁のあることであるからというような、一生懸命皆さんがグループを設けて財源を探されました。それでも大部分は一般会計、つまり国民の現在の負担であるし、六十年にわたっての将来の負担であるというのがいきさつであったんだと。しからざれば、もう全部一般会計、つまり国民がしょうかということの分かれでございますから、何ぼかでもお願いできるところはお願いできないかというのが気持ちだったんだろうと思います。
○佐藤雄平君 JRの負担についてはそれぞれいろんな議論があります。その中でも、民間会社からの負担ということについていろいろ株式の話があると思うんですけれども、その中でも外国人の株主が二〇%あると。今、ビッグバンを初めとして国際化の時代のときに、また日本の信用性というものがいろんな国から問われているときに、仮にそういうふうなことになって、それこそ株主代表訴訟なんというふうなことになった際、国としてはどんな対処をするのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 基本的に、今回、国鉄長期債務の問題に決着をつけるということがまず大事だろうと。この辺は実はJR各社も同じような理解にあると思っております。
 それから、この年金負担、筋論としては私どもが先ほどから再三申し上げているとおりであります。JR三社の経営の根幹を揺るがすような問題であるかということになれば、私は十分負担し得るというように考えております。
 それから、今一番肝心の問題は、まずJR本州三社については一日も早く株の売却を行って完全民営化を実施することであろう、それが最も信頼を得やすいことになるだろうと思っております。それから、三島につきましては上場をいつ果たせるか。十三年ぐらいという一つの目標は立てておりますけれども、これを着実に実行できるかどうか。今、国が全額持っておるわけですから、これをきちっと実行していく、こういうことをやり遂げることが一番大事なんだろう、そこが信頼を得ることに結びつくだろう、このように考えております。
○佐藤雄平君 いずれにしても、運輸省それからJR、それぞれ監督官庁と現場サイド、特にJRの場合というのはもう本当に日本の最大の運輸の基幹でもあるし、ある意味では人の喜びを乗せて、また文化を乗せて、経済的なファクターを乗せながらやっていく本当に大事な交通の中心部であると思います。この法案の成否については別としても、運輸省とJRの二人三脚、いい関係というか、これはもう私は必須条件だと思います。
 最後に、私はこの問題について、運輸省またJRも、新聞で見る限りは極めてけげんなような状況になっているようでありますけれども、安心、安全、これを最優先にして立派な運輸行政を、JRの皆さんを叱咤激励しながらいい行政をやっていただきたいと最後に望んで、私の質問を終わります。(拍手)
○国務大臣(川崎二郎君) 佐藤委員から大変貴重な御指摘をいただきました。ありがとうございます。
○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫です。
 清算事業団はお見えになっていらっしゃいますでしょうか。私自身、十分ぐらいしかございませんので、ちょっと早口で御質問いたしますし、できる限り短い答弁をいただきたいと思います。
 たまたまきょうの朝日新聞の第一面に、「旧国鉄用地入札 情報漏えい」という大変大きな記事が出ていました。社会面でもかなり大きな扱いになっているわけでございますが、これに関連して若干質問をさせていただきたいと思うんです。
 民主党といたしましても、昨日五時少し前に、衆議院におきまして衆議院議長に坂上議員の名前で質問主意書も出させていただきました。十六項目からの質問に対する回答を要求しているわけでございます。きょうまたこの新聞を見られた方もおおよそわかると思うんですが、実は率直に申し上げまして、かなり情報が事前に漏れたんではないか、こういうことを私も危惧いたしまして、きょう質問に立たせていただいた次第でございます。
 と申しますのは、まず清算事業団の資産の処分に関することにつきましては、何といっても旧国鉄の長期借入金及び鉄道債券に係る債務が日本国有鉄道清算事業団法により日本国有鉄道清算事業団に継承され、同事業団において土地、株等の資産の売却によってその減額が図られてきておりますし、今もこの特別委員会で最大の議論をしながらいろいろと努力をしているわけでございます。
 同事業団は、土地の譲渡、貸し付けその他の処分に関する契約を締結しようとする場合に当たっては、同法により一般競争入札の方法に準じた方法その他の運輸省令で定める方法によるものと定められております。公正かつ適切な実施を確保するものとされている。もとより同事業団が所有する土地等の資産は国民共有の財産でありますし、その処分に当たっては国民の前に開かれた公正な手続によって最も効果的に行わなければならない、そのように私は考えております。
 特に近年、入札によって売却が決定した首都圏、近畿圏都心部に所在する大型物件は公共性あるいは利便性の極めて高い土地でございますし、国民の関心も高いわけです。公正かつ適切な実施を確保するとの原則が一層遵守されなければならないと私は思っております。
 私たちの調査によりますと、同事業団による首都圏の土地売却のための入札に関し、同事業団の内部の入札に関連する資料が外にかなり流出をしているんではないか、そのように思えてならないんです。例えば、汐留地区の三カ所、品川駅の東口一地区一カ所、旧国鉄本社一カ所、東京駅八重洲北側一カ所、錦糸町駅南健一カ所、みなとみらい21一カ所の物件がどうも漏れているような感じがしてなりません。
 この物件購入の希望者等につきましては記入されているわけでございますが、資料の流出によって特定の入札参加者の立場を著しく利していた疑いが持たれてもやむを得ない、またそのような状況になっていると言わざるを得ないと私は思うんです。もしこれが事実としますと、これらの土地の入札が公正かつ適切な実施を確保するとの同法の趣旨に著しく反しておりますし、国民共有の財産を処分する方法としては極めて不適切であったと言わざるを得ません。こうした事態はひいては国鉄長期債務の問題に関しましても国民の不信を招くものでございますし、これは国民に新たな負担を求めようとする国鉄長期債務の処理に当たっても重大かつ深刻な問題だと思っております。
 このような事実はなかったのかあったのか、ぜひその辺について事業団の方から御説明をいただきたいと思います。
○参考人(西村康雄君) 今、委員御指摘の点はけさの朝日新聞に掲載された記事に関連してのことだと思います。
 この記事の根拠となりました資料、これについては朝日新聞から私どもの方にも照会がございましたけれども、一部の私どもの部内の資料が記事の基礎になっているかとも思われますが、現在、事実関係については調査しております。
○山下八洲夫君 そういたしますと、例えば同事業団から入札についての内部情報が漏えいした場合は事業団法第十八条に抵触すると思うんですが、この件につきましてはどのようにとらえていらっしゃいますか。
○参考人(西村康雄君) 事業団が入札に関しましていろいろな資料を作成しております。その中で、入札で最も重要なのは入札の価格の決定、これにかかわる部分でございますが、この場合に最も重要なのは入札の予定価格、そして入札の保証金額が事前に他の入札者が知るところになりますと、これはやはり入札を有利にする。もちろん、入札する額そのものもわかれば大変重要なことになりますが、これらはいずれも最も重要な秘匿事項になっております。
 その他実際に入札に関連しまして事業団でつくりますのは、どういう方たちが土地を買いたいかということを部内でいろいろ調査して資料を作成します。あるいは入札説明会、あるいはその前に一般の公募をいたしまして、公募要領についての説明会などをいたします。そういった場合に、参加していらっしゃる方たち、どういう企業の方たちが来ているかというものについて一覧表をつくったりいたします。これらはこれから入札にどう取り組むかという資料なので、これ自身は特に秘匿の問題は生じていませんが、しかし積極的に私どもから外部に対して出すようなことはしておりません。
 それから、もう一つのカテゴリーといたしまして、今申し上げた公募の要領とか、あるいはこれから実際に入札をいたしますよというための公告等のたぐいは積極的に知っていただきたいということで、入札の説明会などをいたしますと、またここでいろんな質問があるので、その質問に対する回答等も積極的に皆さんにお教えして入札を促進する、できるだけ多くの方に応募していただく、そしてまた入札の公平性を期すというような趣旨からそういう資料を出しておりますが、これらは積極的に出しております。
 したがいまして、最初に申し上げた第一のグループに当たるものは事業団法十八条の秘匿にかかわる部分になりますので、秘密の問題が生じてまいります。しかし、そういう秘密に関する事項が今回あったかどうかということだろうと思います。
○山下八洲夫君 もう言いわけなんですが、例えて言います。みなとみらい21二十八街区、これにつきましては建物提案方式、これで入札をなさったんですね。ここには大林組以下五社ぐらい提案者がいらっしゃるんです。
 例えば戸田建設でいいますと、導入事業について物販、飲食を主とした複合商業ビルにする、資金計画は自己資金と一部銀行借入金にする、開発手法は一般設計、床面積は六万六千百、もう読みませんけれども、あるいはまた容対床面積五万二千八百八十七・二平米とか使用容積率八〇〇%とか、それから一平米当たりの単価まで出されているんですよ。そして、地上何階建てにして地下何階建てにする、駐車場は何台つくります、ここまで書かれているんですね。
 こういう資料は相当密度の高い資料だと思うんです。こういうことを専門家が見ますと、これだと大体こういうテナントが入ってこれぐらいの利益を上げないと採算が合わない。そうすると、どれぐらいで土地を買って、どれぐらいの規模をどうするという細かい計算をすれば、専門家だとすぐ出ると思うんです。これが、例えば大林組、鹿島建設や熊谷組や戸田建設、マハリシ・グローバル開発、こういうところのものがみんな今言ったように細かく書いてあるんです。
 これがおたくの方で、事業団の方で大林組とおっしゃったから私もあえて大林組を申し上げますけれども、大林組一社だけになぜこれが行くんですか。まだほかにもいっぱいいろんな関係の資料があります。しかも、これが九八年一月十二日十七時四十三分にファクスで清算事業団の関東支社の開発企画課から出ているんですよ。そして、大部分はいろんなところを大林組が一手に入札を落としているでしょう、その関連会社が。
 そういうことを考えますと、大変な秘密漏えいだと思いますよ。国民の信頼を大変失っているんですよ。大部分の清算事業団の職員の皆さんはどうか買ってくれないかと一生懸命足を棒にしてやっていらっしゃるんですが、ほんの一部の人がこういうことをやっている。大変なことですよ。このことについてどのようにお考えですか。もしあれでしたら、これ、本物かにせものかを含めて見ていただいても結構でございます。
○参考人(西村康雄君) 今お話しの建物提案に関する、これはみなとみらい21地区の建物提案の問題だと承知しておりますが……
○山下八洲夫君 まだほかにもいっぱいありますよ。
○参考人(西村康雄君) この資料につきまして今いろいろと御指示がございましたが、建物提案の場合の建物計画というのは、これは地方公共団体がお示しし、また要望されている土地の利用の確実性をチェックするための資料でございます。
 したがいまして、入札そのものは、土地の価格及び建物提案の場合ですと若干借り入れの問題が、資金を一回私どもは借りる形になっておりますので、その資金の利率の問題等が入札対象になっております。この資料から入札価格を考えるということは、恐らく私どもも私どもの関係者あるいは専門の方たちも、今お話しのような点では入札の価格を想定するようなことは全くできないと考えております。
○山下八洲夫君 そんなことを言ってはだめですよ。例えば床面積が七万百四十七・六平米、容対床面積が六万三千九百八十七・五平米とか、使用容積率が九六七・九%、高さでいいますと二十一階からB二階まで九十九・四メートルの高さをつくる、建物工事費は二百十二億一千九百万円とか、いろいろと書いてあるんですよ、それぞれのに。しかも、これがなぜ一社だけに、先ほど言いましたように一月十二日に送られて、そして三十日に入札があったんじゃないですか、そのタイムラグというのは十八日もあるんですよ。こういうことを、出てもいい資料ならなぜ皆さんに出さないんですか。
○参考人(西村康雄君) 先ほど申し上げました資料自身からはこれから入札の問題を直ちに想定することは大変難しいということは、今後ともまた調査いたしますが、そういうような資料だと私どもは思っております。
 ただ、何かファクスで送った発信者の名前が載っている、それが当事業団の支社の開発企画課というところから出ているという御指摘でございますが、これについては、それがどこへ送られたのか、実は私どももこれから調査いたしますが、つまびらかにしておりません。どういう経緯でどういうふうに出るようになったのか全くわかっておりませんので、この点については十分これから調査させていただきたいと思っております。
○山下八洲夫君 それでは、そういう重大なことでございますので、調査の結果を必ず御報告いだだきたいと思います。
 もう時間がございませんので、大臣に一言御感想をいただきたいと思いますが、このような重要な清算事業団の問題について一生懸命審議をしている。そういう中で、一方では、私は全員とは申しません、多分、清算事業団のほんの一%の人だと思います。あとの九九%の人はまじめに一生懸命働いていらっしゃると私は信じております。そういう中でこのような不祥事が出てくるということは大変遺憾に感じます。
 ですから、大臣もこのことを深刻に受けとめるのでございましたら、ぜひ大臣の職を賭すような気持ちでこの問題についても取り組んでいただきたい、そして解明をしていただきたいというふうに思うことが一点でございます。
 二点目は、これは本当に大先輩の、大変な大政治家の総理まで務められました大蔵大臣が先ほど国鉄を邪魔者扱いしまして、取り消されましたからもう目くじら立てません。
 私の感想から申し上げますが、国鉄というのはまず戦後、満鉄からどんどん雇用の立場で採用した、これが一つあると思います。
 それから、川崎大臣や中川大臣には失礼でございますけれども、先代の先生方が若かりし代議士のころ、あるいはまた宮澤大臣がそれこそ若い代議士のころ、きっと政治路線であそこへ鉄道を敷いてほしい、ここへ敷いてほしい、こういうこともあって、多少はその先輩の政治家の皆さんがかなり政治路線を敷いたのではないかな。岐阜県ではもう有名なのが新幹線岐阜羽島駅、皆さんは喜んでいるようですが、大野伴睦駅というのも言われてございますし、そういうことを考えますと、我々の世代から下の方がだんだんとこの国鉄問題やJRの問題では苦しんでいるんだということを申し上げておきたいと思います。
 ぜひ川崎大臣の答弁をいただいて、終わりたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 私も朝、新聞を見てびっくりいたしたところでございます。実はこの委員会の始まる前に理事長から報告を受けました。途中経過でございます。
 いずれにせよ、国鉄清算事業団をまさに今解散する法律を御審議いただいている。しかしながら、鉄建公団にそのままこの業務は移ってまいります。しかし、清算事業団の調査を待つということではなくて、言われますとおり、運輸省としても、こうした御審議をいただいているところでありますので、責任を持ってその調査に直接当たりたい、このように思っております。
 それから、私のところは正直、八十年ぐらいたちますけれども、相変わらず単線、非電化でございまして、政治力がないといっておしかりいただいているところでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実は私の祖父は鉄道大臣を務めましたし、父も鉄道の政務次官を務めて親近感を持っておりまして、先ほどのことは取り消させていただきます。
○山下八洲夫君 ありがとうございました。(拍手)
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 審議時間も経過をいたしまして、衆議院、参議院でいろいろな議論があったと承知をしております。同じことの繰り返しになるかと思いますけれども、今回の国鉄をめぐる法案、そして林野をめぐる法案、それぞれ納得がいかない点をたくさん抱えております。
 まず、今回この問題はいろんなことが言われておりますけれども、先ほども市川委員の中でございましたように、財投との関係が非常に大きな問題であった、そしてまたその借金が金利を生むという体質を知っていながら放置をした政治の責任、これが非常に大きな問題だと思っております。今、時あたかも金融システムの問題あるいは不良債権処理の問題、長年の懸案を処理する国会となっております。
 振り返ってみますと、今になってよかったなと思う懸案の処理の仕方、それは先ほど来御議論にございましたような国鉄の分割・民営化であったろうというふうに思います。先ほど来、接客の変化とかいろいろございました。
 私はたまたま中川大臣と同じ北海道の出身でございます。北海道もローカル線を涙をのんで廃止し、あるいは大きなビハインドを背負っておると言っても過言ではないと思いますが、北海道という海に囲まれた地域で営業をいたしております。今回も、JRに対して負担を求めるといったときに、当然のことながら本州各社との間に体力、負担能力の差がある、こんなことを考えてしまいました。大きな面積、そしてドル箱路線を抱えていない、あるいは新幹線も走っておらないというような大きなビハインドの中、JR北海道も一生懸命頑張っておる姿が我々乗客にも見えます。
 国民に負担をさせるのか、JR各社にも負担をさせるのか、いろいろ哲学がおありになって議論が分かれることかと思いますが、私は、今回のJR各社すなわちJR北海道にも負担をさせるということは、イコール北海道の地域住民に負担をさせることを決めたと言っても過言ではないというふうに考えています。
 先ほど来、御答弁の中に、金利が低いので基金の果実が出てこないので三島会社も大変だろう、そんなお言葉もございました。このままJR北海道にも負担をさせて、地域住民、北海道民を苦しめていいのか、運輸大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 御指摘いただきましたように、まずJR職員の年金問題でありますので、経営の状況によって御負担をしていただかない、またしていただく、こんな議論は私どもはとっておりません。まさにお願いを申し上げなければならないだろうと。
 しかし一方で、当初スタートいたしましたときに、本州三社は借金をしょいながら、金利を払いながら、一方で一%程度の利益が出るようにという一つの仕組みをつくりながら経営努力を続けられてきた。三島は経営安定基金というものを設けて、この果実によって安定した経営をする、こういう目的でやってきた。しかし、それが出てこないということでありますので、今の経済状況が普通だと考えるならばしてはならないのかもしれません。しかし、今の経済状況は極めて厳しい。しかし、そういったときに努力の成果というものがあらわれなきゃならぬ。したがって、無利子融資とか税制とか財政援助をしていかなきゃならないだろう。その中で、無利子融資はもちろんこの法案が成立するとなればすぐその枠組みをつくってまいることになります。
 それから、私も視察をしたいと思っておりますけれども、北海道固有の問題としては青函トンネルの問題がございます。この問題をすべてJR北海道に任せるということになりますと、これは今後の経営を大きく揺るがすことになってまいります。運輸省として、国として何ができるか、この辺を明確に分けながら支援をしていかなきゃならぬ、このようにも考えているところでございます。
○小川勝也君 JR各社に負担を求めることについては基本的には容認できませんが、もしどうしても負担をということになった暁には、北海道の特殊性を御配慮いただきまして、大量輸送機関をこれからはますます育てていかなければならないんだ、そんな御認識に立っていただければと思います。
 続いて、林野の質問をさせていただきたいと思っております。
 このことについても全く同じでございます。今まで放置をしてきて借金が雪だるまになってしまった。今ここでやっと解決のときを迎えたのに、なぜ一兆円を林野特別会計に残すのか、本当に疑問でなりません。むしろ特別会計は木材が花形産業だったときの名残として一気に廃止をして、一般会計で、国有林を国民の共通財産として国土保全、環境保全、水源の涵養あるいは国民の心のオアシスとして税金で賄っていっていいのではないか。今回の改正の中になぜ特別会計のまま残したのか、一般会計にしなかったのか、農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 全国に広がる国有林、民有林を含めた森林の公益的機能の重要性というものはますます高まっておるわけでございますので、今回の抜本的改革におきましては、今まで半分以上を占めておりました生産財活動から八割を公益的機能に転換をしていくということが大きな柱でございます。
 しかし、国有林の残り二割については、環境等いろいろな配慮をしながらではありますけれども、主に生産林という位置づけで活動していくことができる、それによっていろいろな生産財を販売することができます。また一方、我々ぎりぎりの努力をしていくわけでございますから、林野・土地等を売却する必要もありますし、またいろいろなところからのニーズも考えられるわけでございますから、収益も一方では生むわけでございます。
 したがいまして、三兆八千億を丸々一般会計、つまり国民的なツケの方にお回しをして我々は何もしないということでは、やはり国民的なコンセンサスを幾ら森林の公益的機能とは申しても得られないであろう。ぎりぎりの努力をしていって収入として上がっていって、一部とはいえこの債務を返済していくことも我々の大きな責務であろうと。その中には必要な人員のぎりぎりの最低限の確保という面も一つございますけれども、そういう意味で総合的に努力をしていった結果、三兆八千億のうち一兆円については、五十年という大変長い月日ではございますけれども、かけて努力をしていくことによって、国民に御迷惑をおかけしない、自分たちの努力による一兆円の返済ができるものと考えておる次第でございます。
○小川勝也君 この林野問題で、私も何度も現地に足を運んでいろんな観点から勉強させていただきました。例えば、林野庁の役所の方に対しては、あなたは北海道の国有林を見たことがあるのか、あるいは幾寅営林署から下川営林署まで行ったことがあるのか、こんなことをどなったりもいたしました。
 幸いにして中川大臣は十勝の御選出でございますし、北海道の中でも中選挙区のときには最も広い選挙区で、その中は森林が大多数の面積を占めていたので、山の様子もすべて御認識をいただいていると思います。カラマツもトドマツも思ったような値段で売れない。もし切り出して売ったとしても人件費や輸送コストが出ない、これが今の山の現状でございます。北海道の山ばかりではございませんけれども、全国の国有林野、いろんなお話をお伺いいたしますと、内部からも一兆円の借金は返せない、こんなことも聞いております。
 私は、もしこの一兆円が将来まで放置されて、これは利子が雪だるまになるようなことはないと思いますけれども、また同じ議論をこの場所でしなきゃいけない、なぜその禍根を未来に残すのか、この点についてお伺いをしたいと思います。一兆円を返せるのか返せないのか。もし返せないとするならば将来に禍根を残すだけではないか。御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) まさに将来に禍根を残さないためにこうやって御審議をいただき、そしてこの法案の成立によって抜本的な改革のスタートを切らせていただきたいというふうに思っておるわけであります。
 そのために、造林、間伐、林道等の現業部門は全面的に民間に委託をして、そして国有林ならではといいましょうか、国有林でなければできないというぎりぎりの部門だけを残し、そして全体として、先ほども申し上げたように主に公益的機能を重視した今度の施策ということで、総合的にぎりぎりの努力をすることによりまして、一兆円の五十年にわたる剰余でもって今までの債務の一部をお返しすることができるというふうに考えておる次第であります。
○小川勝也君 現在の木材の価格水準で返済できるとお考えですか。
○国務大臣(中川昭一君) 我々の収支計画では、五十年という長いタームでありますから、五年平均ぐらいで一応の試算をやっておるところであります。その間、五十年の間には好況もあれば不況もある、いろんな状況が考えられますけれども、少なくとも木材の販売価格の基礎となる材価につきましては、過去十年の平均水準を上回らない、つまり低い、現在の景気厳しい状況の中での、先生が今御指摘になった安くて売れないとか、売るにも逆に損になってしまうというような材価を基準にして算定して出した数字でございます。
○小川勝也君 いっか上がるのではないかというふうに、とらぬタヌキの皮算用をしているように聞こえてなりません。
 日本の木材をめぐる情勢というのは輸入材が日本国内を席巻したときに僕は変わってしまったんだと思います。もし木材の国内価格が高くなってたくさんの買い手がつくようになればそれは幸いですけれども、私はその甘い計算のもとに一兆円の債務を林野特別会計に残すことはどうしても容認できないと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 行政改革の一環としてもしこの法改正が行われたとするならば、私は行政改革というのは最大の効率を追求しながら仕事をするということだと思います。今回の人員を含めたさまざまな案を見せていただきますと、御案内のとおり、国有林野の歴史というのは合理化の歴史、人員削減の歴史でもございます。林業白書を丹念に読みますと、いわゆる森林に対する、山に対するケア、つる切りでありますとか間伐であるとか下刈り、これが思うようにできていないというのが、あるいはできなくなってきているというのがはっきりわかるのであります。今よりもっと少ない水準でそれをしろというのは絶対に無理だということを私は断言したいのでございます。経費を節減して合理化して同じ仕事をするのが行政改革であり、人員を減らし予算を減らして仕事を全くしないということであればこれは何なのかということであります。この委員会でもたくさんの御議論があったとお旧り、森林の持つ役割の重要性が日増しに高まっている現状では、その仕事量を減らすわけにはいかないと私は思います。
 今のペースで山をきちっと守れるのかどうなのか、農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(中川昭一君) 現状のままやっていけば当然人員の大幅な縮小ということにはならないと思いますが、先ほど申し上げましたように、現業部門は原則として民間に委託する、そして国の業務は主に森林の保全管理、森林計画の策定等の業務に限定をするということでございますから、国有林事業としてのぎりぎりの仕事を前提として必要最低限の人員を確保するということで御理解をいただきたいと思います。
○小川勝也君 ということは、仕事量を減らすつもりはないということで理解をさせていただきたいわけでございます。
 民間に委託をするというのもいろいろなことの流れでございますので、一概に否定するわけではございません。しかしながら、森林を守る仕事といいましても、いろんな人がいると思います。農林水産省の建物の中の林野庁でお仕事をしている人もその一人かもしれません。あるいは営林局の机に座っておられる方もその一人かもしれません。
 私はこの視察の中で大事なことを学ばせていただきました。民間の方に直接作業をしていただくにしろ、山には、この木は残そうとかこの木は切るとか、順番はこの順番だというのを判断できる森林の技術者が要るわけでございます。この人たちがいないと幾ら業者さんがいても仕事はできない。要は、山守的な、この改革案の中でも定員外というところで位置づけられておりますけれども、この人たちの仕事ぶりが我々の国有林を守れるかどうかを左右していると私は考えております。
 大臣、どうですか、この森林技術者、山を守っていく中で道案内をしていくような大切な人、この人たちは十二分に山々で活躍できるんでしょうか。御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) おっしゃるとおり、山を知っている方が山を守るためには極めて必要でございます。そういう意味で、国有林としてのやるべき仕事にどういう人たちが一体何人ぐらい必要かということが今までも委員会でも議論になっておりますし、まさにこれからの大事な議論だと思っております。
 そういう意味で、デスクワークの人だけであとは全く要らないとか、むしろ必要があれば、法律等にも書いてございますけれども、地域の実情等も十分に勘案しなければいけないという面もございますから、一般論として申し上げますならば、山を知っている人に山を守っていただくということは大事なことだろうというふうに考えております。
○小川勝也君 事務部門も当然のことながら合理化が進むと思います。しかしながら、直接山を守っていくに欠かせない人材がいないと山が荒れていくのは目に見えておりますので、私が今申し上げました定員外の森林技術者の確保に関しては特段の御配慮をお願いしたいと思います。
 最後の質問になるかと思いますが、七月十三日、寝耳に水の発表を伺いました。北海道も御案内のとおりいろんな形でパニックになりました。中川農林水産大臣も御存じの留辺蘂町あたりでは、営林署が新しく建物を建てて残ってくれることを期待して営林署から土地を無理して買ったなどということもございます。北海道に限らず、山の町には山の仕事に携わる人たちがそのコミュニティーを支えているというような町村も少なくないと思います。そのことも勘案し、あるいは特に北海道は物すごい広大な面積の中で山の仕事に携わる、この大きな面積というものを勘案して、七月十三日に発表した内容を見直していただきたいと思います。
 大臣の御答弁をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(中川昭一君) 先生も私も北海道でございまして、大体平均的な面積が倍ぐらいあるわけでありますが、そこには林野行政の専門的ないろいろな判断があって、今回、全国含めて北海道もああいう形になったわけでございます。地元の皆さんにはこれからも十分御理解をいただきながら、法律が成立した後でございますけれども、作業を進めさせていただきたいと思います。
 今、先生が冒頭御指摘になりましたように、営林署と地域とのつながりは非常に深いということは私も十分承知をしております。なくなるということは、これは町にとっても大変つらいことだろうと思いますが、今回の抜本的改正の中で、公益的機能という中には、水源涵養とか国土保全、あるいはまた教育的な側面とか都市と山村との交流とか保健休養、そういう面もございますので、森林の町とそれ以外の地域、あるいはそこの町に住む人との交流という新たな役割というものが一層重要になってくるのではないかと。
 そういう意味で、先生にもいろいろ御指導をいただきながら、森林のある町の活性化のために我々も全力を挙げて努力をしていきたいと思っております。
○小川勝也君 終わります。(拍手)
○日笠勝之君 私は二年間ほど浪人しておりまして、この夏の参議院選挙でこちらに参りました。久しぶりに、三年ぶりでしょうか、各省庁所管の各目明細書、平成十年度でございますが、もう既に予算は通っておりますので去年の暦のようなことを話しますが、まずこの各目細書についてお伺いをいたします。この各目明細書とは一体どういうものでどういう位置づけなのか、大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) またよろしくお願い申し上げます。
 ちょっと私、専門のことで申し上げかねますので、政府委員から答弁をさせます。
○政府委員(寺澤辰麿君) お答え申し上げます。
 御指摘の各目明細書でございますが、これは予算決算及び会計令第十二条の規定に基づきまして、歳出予算の基礎資料として各省各庁の長が、予算が国会に提出されました後、直ちに大蔵大臣に送付することとされているものでございます。
 この各月明細書は、慣例によりまして国会の予算審議の資料として各省各庁から国会に提出をしておりますけれども、法令上の提出義務はございません。
 以上でございます。
○日笠勝之君 いわゆる予算審議の参考にする資料である、国権の最高機関である国会での予算審議の参考にする資料であるということです。
 全省庁やりたかったんですが、きょうは運輸省と農水省所管の法案の審議でありますから、運輸省と農水省の各目明細書の何点かについてお伺いをしたいと思います。
 まず運輸省ですが、この各目明細書を見ますと、これは特別会計でありますけれども、自動車損害賠償責任再保険の業務勘定、大蔵省がちゃんとマニュアルを出してこのように統一して各省庁にお願いしたいということを毎年やっておられますが、この庁費がそのとおりになっていない、ばらばらでございますが、これはどういうことでしょうか。
○政府委員(梅崎壽君) ただいま御指摘がございました庁費の記載の順序が確かに必ずしも統一されておりません。この点につきましては、今後御指摘を踏まえて対処してまいりたいと思っております。
○日笠勝之君 それから、同じく業務勘定の中に自動車損害賠償責任再保険審査会委員手当が二十一万八千円ついております。この自動車損害賠償責任再保険審査会の委員というのは任命されていますか。
○政府委員(梅崎壽君) 恐縮でございます。ただいま調べましてお答え申し上げたいと思います。
○日笠勝之君 では、調べていただいている間に農水省、農水省の方も今回の林野事業に関係がありますが、その前に農水本省、この農水本省の勤勉手当二千八百六十名となっておりますが、これで正しいんですか。
○政府委員(山本徹君) 直ちに調べましてお答え申し上げます。
○日笠勝之君 では、林野庁の林野特会です。まさに今回議論をしようとしているところでございますが、この林野特会の国有林野事業勘定の調整手当七千九百七十九名、これで正しいですか。
○国務大臣(中川昭一君) 林野特会の中の調整手当の支給人員は明細書の中では七千九百七十九名となっておりますが、これは前年度の四月の支給実績を用いて前年度の職員一人当たりの額を算出して本年度の職員定数を乗じていることでございまして、実態は約千八百名というふうになっております。
 最後になりましたけれども、改めてよろしくお願いいたします。
○日笠勝之君 それから、林野特会の森林総合研究所、これわかる人いるの。――いなきやしようがない。通信専用料の積算の内訳が違う、これは言っておきます。
 それから、農水省、中央生乳取引調停審議会と輸出水産業振興審議会、ともに予算がついておりますが、委員がいますか。
○政府委員(山本徹君) 調査の上お答え申し上げます。
○日笠勝之君 通告したつもりなんですけれども、農水省、各目明細で一々皆さん部屋に来られたでしょう。
 いずれにいたしましても、なぜこんなことをやっているかというと、別に重箱の底をつまようじでつつくのが趣味じゃありませんが、私がなぜこういうことをやったかといいますと、まさにこれは国民の血税なんですよ。積算の内訳を見ると千円単位から書いています、千円という小さな金額から。それが集まったのが今の国家予算の七十数兆円。ということは、一生懸命に国民の税金を大事に使わなきゃいけない。
 そして、きょうは有名な「予算制度」という河野一之さんの本を持ってきました。予算はわかりにくいと専門家でも言っている。わかりやすくしなきゃいけないということで統一をして、だれが見てもわかりやすいような予算書にしていかなきゃいけないというふうに思っておるわけでございます。
 何が言いたいかというと、そういうふうな積算で数字が間違ったり、また大蔵省のいわゆる記載例というのがあるわけですが、そのマニュアルどおりやっていないで今回のスキームは本当に大丈夫なのかということなんですよ、本当に。
 農水省、わかった、一名。――わからない。わかったら言ってくださいよ。
 まず、国鉄清算事業団の債務の処理法案は、我々が八月ごろに説明を鉄道局から聞いたときには日切れ法案だと言われた、日切れ法案。これをきちっと十月一日から施行していかなければ清算事業団は支払い不能のデフォルトに陥ると、そう言われたんです。ちゃんとペーパーがありますよ。
 今、デフォルトに陥っているんですか、大臣。
○国務大臣(川崎二郎君) 日切れ法案という法律用語はないと思いますけれども、一般には予定日までに成立しない場合に国政上重大な支障を生じさせるもの、または国民の利害に重大な影響を生じさせるものと。
 私ども、議論の中で日切れ法案、日切れ法案扱い、こういう表現を使うときがございます。まさに関税等はそうした考え方であろうと思っております。
 一方、今回の清算事業団の問題でありますけれども、六カ月間にわたりましては清算事業団に対する債務保証を国がつけております。まさに予算総則で盛られているところでありますけれども、十月過ぎるとそれが盛られていない。したがって、民間からの借り入れ等、資金ショートが九月末から十月にわたって起きてくる。約六千五百億円の資金ショートが出るだろう。その中で、資金運用部資金という異例な形で二カ月、年率〇・八%で資金運用部の資金を借用いたしたところでございます。
 そういった意味では、何とか九月中に成立をお願いしたいということでお願い申し上げ、その話の中で日切れ法案的なお願いをしてきたんだろうと、こういうふうに考えております。
○日笠勝之君 いやいや、わざわざいただいたペーパーに日切れ法案だと、期限までに法案が成立しないとデフォルトに陥ると書いてある。
 こうやってこそくな、何か開き直ったような言い方で、とにかく早く通してくれ、こういう言い方はないでしょうと。ちゃんと予算総則第十一条で限度額を百分の五十までは認めているわけですから、だれが見ても十月まではオーケーなんですよ、その気になれば。そういうことで、日切れ法案じゃないということ、デフォルトに陥っていないということ。こういうこそくなことはやめてもらいたい。
 慎重に時間をかけて審議をしてもらいたい、こう言うべきなんですよ。そうじやありませんか。
○国務大臣(川崎二郎君) 資金運用部資金という従来考えられなかった手法でお願いをしたということであります。そういった意味では、私ども、審議の促進を春の国会からお願いしてきたことは事実でございます。
 ただ、日切れ法案という表現が正しかったかどうかという議論になりますと、先ほどから申し上げていますとおり、日切れ的扱いで何とかお願いしたいという意味で申し上げておったんだろうと思っております。
○日笠勝之君 それでは、次に移りますが、いわゆる債務の返還の通年ベースといいましょうか、こういう資料もいただきまして、どうやってどこから調達して返していくのか、いわゆるスキームですね、これはもう御存じのとおりでございます。
 これを見ていますと、ははあ本当にこれはもうガラス細工、格言で言えば危うきこと累卵のごとしだなと、こう思いますね。例えば土地、株式の売却収入などの自主財源三千百十億円、しかし地価は今動向は非常に厳しいし、株の方も非常に厳しい。こういう三千百十億円程度が毎年毎年、年金などの負担金の返済積み立てというんでしょうか、鉄建公団の方に行くのかなと思います。
 その次の一般会計からの補助金、運輸省予算六百五十億円程度とありますが、この六百五十億円というのは正しいんでしょうか、いわゆる修正をした後のことを考えまして。それから、何年間これは鉄建公団の方に行くんですか。
○国務大臣(川崎二郎君) 運輸省の予算で負っておくということになります。
 それから、蔵出の方は年金の支払いでありますからずっと続いてまいることになります。土地の売却が順調にいけば一たん収入の方が多くなります。しかしながら、それがある程度のところでとまれば今度は歳出の方が多くなってくる、したがって余剰金が出るとき、それからだんだん足りなくなっていくときと、最後は年金の支払いが減っていく、こういう経過があります。
 その中で、それを補うものとして六百五十億をずっと運輸省としては予算計上をしていく。今回、千八百億円がある意味では減額された、JR負担が減額された、それは国民負担がふえたということでありますので、六百五十億円、金利等を考えて、千八百億円ですから三年ぐらいは延長して支払いを続けなければならないだろう、こういう計算をいたしております。
○日笠勝之君 そうすると、この運輸省予算からの補助金、当初計画で六百五十億円は、最短何年、最長何年ぐらいを想定しておられますか。
○国務大臣(川崎二郎君) 御指摘のとおり、これは土地の売却と株式の売却でありますのでかなりの差があるだろうと。御指摘は実は衆議院でもあったわけですけれども、株が高く売れるから負担が要らなくていいんじゃないかという御指摘もございましたので、今正確に申し上げることはできないだろうと。運輸省で大体何年ぐらいで考えておったということならば申し上げたいと思います。
○政府委員(小幡政人君) あくまでも試算でございますけれども、大胆な前提を置きまして試算させていただきますと、特に最高ということですが、本州三社のJR株等につきまして過去の最高値を当てはめまして、それも平成十五年までに売却できるという前提で試算させていただきますと、まず毎年度六百五十億円の国庫補助金を投入すると仮定いたしますと、JR社員分の移換金を負担しない場合には平成十五年まで六年間、それからJR社員分の移換金の二分の一を公団が負担するということで試算いたしますとさらに一千八百億円に相当する分、期間にして三年程度さらに国庫補助金が必要と、こういう試算になります。
○日笠勝之君 最短でいくと六年、一千八百億を入れると九年ということですね。
 そうなると、何かこれを見ている限りのスキームでいくと、ずっとJRの負担が十九年ですから十九年ぐらいおつき合いするのかなと思っていると、いやそうじゃないんですと。条件がありますね、株が高く売れるとか。そういうことで、結局、運輸省予算は最短でいくと六百五十億円、六年で済むんだと、こういうことですか。
○政府委員(小幡政人君) 先ほどの先生お持ちの財政構造改革会議から示されました通年ベースのスキームをごらんいただきますと、六百五十億円につきましては先ほど申しました年金についてのめどがつくまで実は投入させていただきますが、その後につきましては、その資料の下段の注四に書いてございますけれども、「最終的には、年金負担が縮小していくことに伴い確保される財源等により対応。」と、いわゆる元本償還の方に回させていただくということでございまして、運輸省からの鉄建公団に対する補助金六百五十億円は当分の間年金の世界に投入されますが、その後につきましては元本償還の方に充てさせていただく、こういうスキームになっておるわけでございます。
○日笠勝之君 そうすると、元本がゼロになるまで続けるということでいいんですか。
○政府委員(小幡政人君) 企画委員会のスキームとしてはそういうことになってございます。
○日笠勝之君 次の郵貯特会からの特別繰り入れ、毎年二千億、五年で一兆円ですね。
 きょうは野田大臣、御苦労さまでございます。これはなぜこうなったのかということなんですが、と申しますのも、大臣の日経のインタビューによりますと、今議論している債務処理法案が見直されるならば郵貯も仕切り直しをする必要があるとおっしゃっていますね、インタビューで。というのは、これは見直されたわけですよ、今のところは二分の一ということで。ということは、仕切り直しをされるんですか。
○国務大臣(野田聖子君) 今回の衆議院での見直し、JR負担が二分の一になったということでございますけれども、郵貯の負担分に関しましては政府原案どおりということで、そのまま協力させていただくということになっております。
○日笠勝之君 ですから、インタビューには仕切り直しをする必要があるとあるから、どうなんですかと聞いているんです。
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 このインタビューの質問は抜本的な見直しということでございまして、それは郵貯の負担等いろいろなそのスキームを大きく変えるということでございましたけれども、今回の場合はそういうことでございませんので、そのまま御協力させていただくということになっております。
○日笠勝之君 非常に気前がよろしいですね。私だったら半分にしてくれと言いますね、大蔵大臣に。
 と申しますのも、郵貯特会も今は五兆円ぐらいの積立金がある。しかし、来年度の概算要求を今されておりますが、相当のマイナス、赤字になる、再来年も少しなるんではないか。これから日本の人口は高齢化に、まさに高齢社会ですから、一千二百兆円国民金融資産がある、郵貯に今二百四十兆から五十兆ぐらいあるんでしょうか、これがどんどんふえるんじゃなくて減っていくんだろうと思うんですよ、高齢化社会とともに。そうすると、五年間も毎年毎年二千億円も払うだけの余裕が本当にあるんだろうか、これが一つ。
 それからもう一つ、もしそういう余裕があるのならば、今低金利で多くの年金生活者は困っておられます。郵貯の方は、御存じのいわゆる福祉定期貯金ということで非常に金利の高い、一年物で四・一五%、三百万円までの配慮をしていただいておりますね。全国に五百六十一万人の対象者で、今この貯金には百一万件が入っておられる。まだ五分の一以下です。ですから、私が言うのは、この対象者を年金手帳を持っている方全員とかに広げて、この二千億円ぐらいの債務で返還する手伝う分を二千億円分設計をして、そして高齢者、年金生活者の方に配慮した方がよかったんではないかな、これが一つですね。
 それからもう一つは、郵便事業もどうも最近の景気動向から見て非常に厳しい。取扱量もマイナスになっちゃっているし、当然金額も減るでしょう。そうすると、同じ郵政三事業の中の一つの特会の郵貯特会を二千億もぽんと出すのじゃなくて、郵政三事業の中で、同じ局舎で働いているわけですから、私のところは赤字よ、私のところは黒字よというんじゃなくて、ああそうですが、赤字ですか、じゃうちの方から少し差し上げましょう、そのかわり公共料金である郵便料金は当分上げないでよ、こういうふうにやるのが本当の国民のお金を預かっての運用、それは資金運用部でしていただいたんでしょう、果実である五兆円をこの国鉄清算のために、清算事業団の債務をいわゆる清算するために使うというのは異質な感じがしてしょうがないんですね。本当に国民の方がこれを知ってよくやったと言うんでしょうか。
 その今の二つの点、いかがですか。
○国務大臣(野田聖子君) 先生は郵政大臣の先輩でございますので、詳しいことはよく御存じだと思いますけれども、まず初めに、特別繰り入れをするに当たりましては、平成九年度末で累積黒字が約五兆円ございます。特別繰り入れをしても累積損益は黒字であるということで、健全経営が確保できるということを考えた上で御協力申し上げると。
 では、なぜそういうことをしなければならないかというと、やはりこの国鉄長期債務の処理につきましては、国家財政の非常事態である、さらに他の機関も協力するんだと。ですから、国の機関としての郵便局も協力せざるを得ない。これは何度も申し上げますけれども、やむを得ないことであり特例的なことであるということで協力をさせていただいているわけでございます。
 それだけのお金があるんだったら福祉定期に回したらどうだということですけれども、この福祉定期というのは、御承知のとおり民間金融機関とも御一緒にさせていただいているものでございまして、郵便貯金だけが先走って拡大することはできないわけでございます。
 しかしながら、今般、特別繰り入れの措置の実施に当たりましては、郵便局が恩給または援護年金の取り扱いをさせていただいておりますことから、平成十年の三月には福祉定期貯金の恩給や援護年金の障害遺族給付受給者への対象拡大をさせていただいたところでございます。
 そして、郵便事業につきましては、先生御指摘のとおり、今大変厳しい状況にございます。これは一つには今の景気が低迷しているということが大きな要因だと思いますので、国務大臣としましては、諸先輩、閣僚の方たちと力を合わせて、とにかく日本の経済を立て直すために一生懸命頑張るということとあわせて、郵便事業に関しましてはさまざまな合理化、そしてまた営業努力をする中でとにかく値上げをしないよう頑張ってまいりたい、そういうことでございます。御理解いただきたいと思います。
○日笠勝之君 この法案の附則第二条に「検討」というところがありますね。これは「平成十四年度において、郵便貯金事業の経営の健全性の確保の観点から必要と認められる場合には、繰り入れた特別繰入金の総額、同事業を取り巻く経済社会情勢等を踏まえ、同事業の経営の健全性の確保のための適切な措置を検討する。」と、こうあります。郵政大臣は検討して本当に返してもらえると思いますか。
○国務大臣(野田聖子君) 今回の特別繰り入れにつきましては、先ほど申し上げたとおり、繰り入れをしても健全経営が図られるということで御協力させていただいております。
 なお、今後、平成二年から三年度のいわゆる高金利の払い戻しがあるわけですけれども、かえってそれが済むことによりまして平成十二年度以降については支払い利子の負担が減少します。経営上はむしろプラスになるものと考えているわけでございまして、その場合、万が一ということでございますが、こうやってお約束いただいておりますので、私たちは今のところ事業自体が赤字になるとは思っておりませんけれども、仮に万が一そういうことになった場合には必ず検討していただくと信じております。
○日笠勝之君 では、大蔵大臣、これは検討するわけですが、これは平成十四年度と書いてありますね。例えば、平成十四年度にいろいろ検討したけれども、赤字ではない、黒字でまあまあやっているよと。ところが、二、三年後に激変があって赤字になっちゃったというと、それはこの検討の対象になって、今度反対に繰り戻しというのでしょうか、そういうことは考えられるんですか。これは平成十四年に限って検討して、その段階で問題がなければもうこれで終わりよと、繰り戻しはないよと。意味がわかりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、郵政大臣の言われましたように、これは郵政事業から特段の御協力をいただくわけでございますから、この条件は必ず私どもの方で守らなければなりません。そのときになりましていろんな事情で困難だとおっしゃれば、もうそれは信義の問題だと考えざるを得ません。
○日笠勝之君 ちょっと言い方が悪かったかな。
 平成十六年、十七年、十八年とか、例えばそのころ大変厳しくなったと。では少し繰り戻していただけますかといったときにはどうなんですかと言っておるわけです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 恐らく十四年度の時点で……
○日笠勝之君 だから、そうじゃなくて、十七年、十八年のときと。
○国務大臣(宮澤喜一君) いや、十四年度にともかくまたそこで一遍今の話は切れるわけでございますから、今後どうするかということのお話をそのときすることになるんだと思うのでございます。両省間で将来の扱いを決めることになるのではないかと思います。
○日笠勝之君 もう一度言いますよ。平成十四年度においてずっと飛ばしていくと適切な措置を検討するんですよ、この法案は。このときはクリアできたと。私が言っているのは、これが過ぎちゃった、平成十七年、十八年になったら、いや赤字になっちゃった、赤字になりそうだ、健全経営できないと。いわゆる郵政公社になるわけですよ、五年後には。恐らく郵政公社になると、御承知のとおり、独立採算制のもと自立的かつ弾力的な経営が可能となるわけでして、全額自主運用ですからうまくいくかどうかわかりません。
 だから、十四年を過ぎた、このときはよかった。ところが、十七年、十八年、その何年か後厳しくなった。あのときに一兆円出しましたね、返してくださいと言ったときはどうなるんですかということをお聞きしているんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 出していただいたものをお返しするというよりは、もうそういう状況であればお出しいただくことができないという時点を合意するしか仕方がないんじゃないかと思います。
 ある意味で、これは郵政省側の一種の御好意といいますか、そういう性質のものですから、十四年になって、もうこれから先は公社にもなるしいけないとおっしゃるか、あるいは一、二年は大丈夫だがそれだけだとおっしゃるか、そこで決まってくるんじゃございませんでしょうか、恐らく。
○日笠勝之君 ちょっと意味が違うと思うんですが、私の言っていることと御答弁が。
 もう一回言います。平成十四年度に検討するんですよ、いいですか、平成十四年度。そのときに、郵便貯金特会は大丈夫だねとなった。だから、もうこれで終わりです、もういただかなくてよろしい、返さなくてもよろしいと。それから二年、三年たったとき、平成十七年とか十八年、そのときに、いやいや郵政公社でいろいろやったけれども、全額自主運用をやって厳しくなってきました、数年前に一兆円繰り入れたじゃありませんか、それを返してくれますかということはあるんですかということを申し上げているんです。
 これで五分ぐらいかかっていますよ。
○政府委員(寺澤辰麿君) 法案の附則の規定の考え方でございますので、事務的に説明をさせていただきます。
 この郵貯事業からの財源を御協力いただく趣旨は、一般会計に国鉄債務等を承継いたしますことに伴いまして一般会計の利払い費等が増大する、その財源として御協力をいただくわけでございまして、お借りをするといういわゆる隠れ借金的発想でいただくものではございません。
 したがいまして、経営の健全性に問題がないという範囲で法案上二千億の五年間ということを書かせていただき、御協力をいただくことになったわけでございますが、五年後に郵貯事業の経営をもう一度見直して、もし仮にそのときに郵貯事業に問題があるとすれば適切な措置を検討しましょうということを附則に書いているわけでございますので、平成十四年度以降において毎年検討するということではございません。
○日笠勝之君 そういうことなんです。
 ですから、要は一兆円いただきましてありがとう、さようならということなんです。そういうことなんですよ。ですから、気前がいいんですよ、郵政省は。一兆円もお金を差し上げて、運輸大臣の方へ行くんですからね、結論的には。感謝しなければいけませんよ、郵政大臣に。
 さてそこで、もう一つ財源確保でたばこ特別税がありますが、これは千本で八百二十円ということですね、税率は。そうなると、消費税がタックス・オン・タックスでいろいろあるんでしょうけれども、いわゆる一本一円の値上げをして、実際に消費者に売ったときにはすき間が出てきますね、すき間が。一本一円と、タックス・オン・タックスですから八十六銭ぐらいになるんでしょうか、十数銭。この十数銭はどこに行くんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはマージンとタックス・オン・タックスだと思います。どういう申請をしてこられますかにもよりますけれども、一般的に私どもが一円と申しておりますのはマージンプラスそのタックス・オン・タックスの部分と思います。
○日笠勝之君 そうすると、このスキームを見て、たばこ業者だけはこのたばこ特別税でマージンがふえるわけですね、実質。ですから、これは国民に負担をかけないでやろうというんですけれども、一部の方だけはいわゆる焼け太りというんでしょうか、ということになってくるわけですよ。計算すると百五、六十億円ぐらいじゃないかと思いますよ、三千三百億本で。だから、私が言うのは、これをタックス・オン・タックスで一本一円、千本で千円にするならば、ちょうどJR負担が要らなくなるんです。JR負担が要らない、そういうふうにすべきではなかったのかなと。
 国民の皆さんにひとしく負担をしていただくことになる中でたばこ業者だけがマージンがふえる、いかにもそれはないんじゃないかな、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(中川雅治君) たばこの小売店のマージンにつきましては、基本的にはたばこ製造業者等と小売店との間で決定されるものでございまして、たばこ製造業者等の販売戦略上の観点とか、あるいは他の外国たばことのマージン、それをどう競争の中で考えていくのかといったような点を総合勘案して決定されるものと承知いたしております。
 今の御指摘の小売店のマージンでございますが、実際にはほとんどが紙巻きたばこの場合約一〇%ということになっておりまして、今回の増税後のマージンも基本的には一〇%、比率でいいますと変わらないというふうに認識いたしております。そして、外国たばこの中には一〇%を超える小売マージンのものもございますので、恐らくたばこ産業、JTの製品と外国たばことの関係でこの小売マージンの率が下がると競争上JTの方が不利になるといったようなこともいろいろ考えてお決めになる問題だろうというふうに思っております。
○日笠勝之君 お決めになっても、許可をするのは大蔵省じゃないですか。
 時間がありません。先ほど申し上げましたこのスキーム、本当に危うきこと累卵のごとしで、恐らく数年たったらもう一度見直さなきゃいけなくなるんじゃないか。運輸大臣は抜本的なスキームだと先ほど答弁でおっしゃっていましたけれども、私はそうはならないと思います。
 その証拠に、きょうの読売新聞の社説にも、五年後に処理策を見直す条項を追加すべきである、特に郵貯の五年間二千億円の一兆円がなくなった後が問題だと、こういうふうに言っています。私もそう思います。そういう意味では、本当にこれは抜本スキームじゃなくて、恐らく数年後にはもう一度見直さなきゃいけなくなってくるおそれのある危うきこと累卵のことしのスキームであるということを申し上げておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、将来禍根が残らないような解決方法を見出していかなきゃいけません。そういう意味では、私どもも修正案を出すかもしれませんけれども、ぜひその点をひとつ考慮に入れてお願いを申し上げたいわけでございます。
 農水省だけ聞かせてください。農水省の結論を聞きたい。済みません、あと一分ぐらい。農水省の結論。
○政府委員(山本徹君) 各目明細について御質問でございました。
 まず、農林水産本省の勤勉手当でございますが、二千八百六十名と各目明細には記載されておりますけれども、正しくは二千八百六十一名でございまして、これは誤りでございます。十一年度にこれを改めさせていただきたいと思います。
 それから、中央生乳取引調停審議会及び輸出水産業振興審議会につきましては、委員はただいま任命されておりません。
 それから次に、森林総合研究所の通信専用料の御質問でございますが、各目明細には積算内訳として官庁会計データ通信システム通信専用料とございますが、これは平成十一年度から官庁会計事務データ通信システム経費に改めさせていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○日笠勝之君 以上です。(拍手)
○須藤美也子君 日本共産党の須藤美也子でございます。私は国有林野関係法案の問題点について質問したいと思います。
 特に政府の債務返済計画では、営林署の大幅な統廃合と人員の大削減が前提になっています。私どもも北海道を初め全国の国有林を調査してまいりました。営林署の職員の方々からもいろいろな御意見をお聞きしてまいりました。
 その中で、森林事務所を二カ所かけ持ちで広範囲の森林管理ができない、収入を上げるため収穫調査をやれと言われるが進まない、民間委託作業の巡視にも行けない、こういう声が次々と出されました。熱意を持ちながらも十分業務が果たせない悩みが次々と訴えられました。
 そして、きょう午前中の参考人、委員からも人手不足や技術、技能を取得した人が削減されるなら山を守ることは無理だ、こう言われました。現在の人員体制のもとでは、国民の共有財産の管理を負託された営林署の機能が十分発揮されていないのではないかと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 昭和五十四年以来、数回の再建計画といいましょうか、いろいろな努力をしてきたわけでありますが、現時点において要員が一時に比べて大変に少なくなってはおりますけれども、その中で、職員の皆さんが現時点における国有林野事業について全国で一生懸命やっておられるという認識を持っております。
○須藤美也子君 農水大臣、あなたの地元北海道は、先ほどの方も御質問されておりましたが、なぜ北海道かといいますと、森林面積の中で国有林が占める割合は五五%と非常に高い面積を占めております。森林をまず見直すには、そのかなめになるのが国有林であります。
 その地元の帯広市で国有林の無許可伐採の疑いで製材会社が捜索される事件が起きております。立木伐採を請け負った際、周辺のエゾマツ、トドマツなどの天然林三百二十本以上を盗伐し、営林支局もその行為を確認し、行政処分を行いました。
 大臣、営林署の監督体制が今の人員で非常に弱いことがこうした事件を持つ背景になっているのではありませんか。
○国務大臣(中川昭一君) 今回の抜本的改革におきまして、まさに公益的機能の重視とそれから伐採事業等の全面委託等で本来の目的を大きく変化させて、国有林というものの国家的位置づけをきちっと明示していこうということで、それに応じて必要最小限の人員を確保していこうということであります。
 なお、今御指摘のありました帯広営林支局管内における森林法違反の疑いの事案につきましては、検察当局で捜査中でございますので、私からの発言は差し控えさせていただきます。
○須藤美也子君 七月十六日付の北海道林業経済新聞によれば、東北海道木材協会の理事会で会長さんが、立木処分では前もって調査してもらうのが原則だが、森林官の管轄範囲が余りにも広いと、管理上の問題について述べております。盗伐をやった企業は許せないが、同時に国民に管理経営を負託された機関、林野庁、営林局、この管理体制に問題が残る一事となった。現場の管理が十分行き届いていない。人員削減を進めている現在、状況はさらに悪化の方向に向かっていると言ってよいと、こういう指摘をしております。
 これを見ても、営林署の人員削減で作業を十分指導監督できる体制になっていないのが現状ではないのでしょうか。これがさらに減ったら一体どうなるのですか。つまり、北海道では五十八の営林署が二十一の森林管理署と三つの支署になります。そうすると、一営林署当たりの管理面積は五万三千ヘクタールから十二万八千ヘクタールと二・五倍にもなります。この上、人員が三分の一に減る、こういうふうになりますと、これではとても管理できないというのは明らかではありませんか。大臣、どうですか。
○国務大臣(中川昭一君) 今後のことにつきましては、先ほどから申し上げておりますように、国有林野事業のやるべき機能というものが大幅に変わっていくわけでございますから、今の話を前提にしてできるできないということは私は当たらないと思っております。
 現時点において、職員の皆さんが大変一生懸命やっておる、一方ではそういう事件も起こっておるわけでございまして、行政処分を既に科したところでございます。我々としてもこの問題については注目をしていかなければいけない問題ではございますが、今後のあるべき抜本的な改革のスキームにつきましては、本来の事業について必要最小限のきっちりとした職員の確保というものが前提にあるということは毎回申し上げているところでございます。
○須藤美也子君 今後の改革の中で、人員の削減、これは一万五千人から三分の一に減らす、こういうことが衆議院でも議論されているようであります。さらに、民間委託にする、そういう問題も言われております。今回の関連法案の中にはっきり民間委託にすると、こういうことも言われております。
 そういう点で、民間委託について、私は午前中、大内先生のお話を聞いて思ったんですけれども、民有林は国有林以上に荒廃している、機能が麻痺している、その意見はそのとおりだと思います。奥に行けば行くほど山は荒れております。こういう中で、民間委託がふえれば当然指導監督の業務がふえるはずであります。今でも大変と言っている森林官などの管理部門はもっとふやさなければならないと思います。
 山の公益的機能の維持増進というのであれば、債務返済のために組織の縮小あるいは人員の削減、こういうことはやめるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 今回、現業部門を全面的に民間委託するという方針でございますけれども、民有林を含めて、日本に存在する大事な森林資源を守っていくという行政については、国有林事業の大きな柱として今後ますます重要になっていくわけでございますから、そういう意味で、それに必要な人員はきちっと確保して、公益的機能あるいは新たな国土保全の森林というものを守っていくというふうに御理解をいただきたいと思います。
○須藤美也子君 それでは、別の面から少しお聞きしたいと思うんです。先ほどもお話があったと思いますが、その流域に住んでいる地域住民と自治体との関係であります。
 今回の営林署の統廃合計画について、地方自治体あるいは地域住民は極めて強い反対を示しております。それは、先ほどもお話がありましたが、単に過疎、地域経済振興の問題だけでなく、地域の国有林を維持保全し、公益的役割を大いに発揮してほしい、こういう願いがあるからです。今まで中山間地も国土や環境保全のために一生懸命働いてきたわけです。そして、その協力もしてまいりました。
 ここで、例としてお聞きをいたします。大臣の出身の北海道の問題を取り上げて大変申しわけございませんけれども、北海道の北見に枝幸町という町があります。この枝幸町で、営林署の庁舎跡地や苗畑跡地をそれぞれ平成七年に五千二百万円、九年には一億一千四百万円で町に購入してもらいました。そして、新庁舎が平成八年の三月に完成しております。二年前に新庁舎が完成しております。日高の浦河町でも四千百万円で庁舎跡地を購入してもらい、平成四年に新庁舎が完成しております。ところが、この新築したばかりの二つの営林署も廃止の対象になるわけですね、今回の計画からいけば。どうですか。
○国務大臣(中川昭一君) まず、枝幸町の庁舎等につきましては、町の方から取得したいという強い要望がありました。営林署等の林野関係の土地等は、まず地元の皆さんに売却に当たっては真っ先に御意向を確認するということをやらせていただいておるわけでございます。これにつきまして随意契約で売り払いをしたわけでございますが、この時点で老朽化した庁舎も平成七年に移転、新築をしたわけであります。これは現時点での営林署の統廃合、二百二十九から九十八に統合、廃止されるということが予測されていなかった時点での話でございますから新築をしたということでございます。
 また、浦河につきましても、浦河町に打診をしたところでありますけれども、これは浦河沖の地震がございまして、強度の点で問題があったので平成三年に移転、新築を行いましたが、旧庁舎につきまして浦河町からの要望がなかったので、一般競争入札に付したところ、浦河町が応札、落札をしたということでございます。
○須藤美也子君 枝幸町の問題については少し違いがあると思います。これは現地から聞いたことでございますが、枝幸営林署についての報告によれば、枝幸営林署庁舎の新築に当たり、町として財政的協力をしてほしい旨の要請がたびたびあったということです。数回にわたって話し合いがあった。その結果、庁舎の跡地と苗畑跡地を購入することになった。これは大臣の言うことと違います。ここを確認していただきたいと思います。
 七月二十四日の臨時町議会で、行政報告の中で町長はこう言っております。林野庁が発表した営林署の統合それから廃止計画を説明し、町としての協力は一体何だったのか、今後の対応については議会と十分相談していく旨報告があった、こうお聞きをいたしております。
 これほど町にお願いをして買ってもらって新築をした庁舎が今度は二年足らずで廃止される、こんなとんでもない話があっていいでしょうか。今、自治体の財政は大変な状況にあるんです。
   〔委員長退席、理事成瀬守重君着席〕
そういう中でこういうことをお願いしながら今度は廃止、これでは余りにも身勝手ではありませんか。大臣、どうですか。
○国務大臣(中川昭一君) 私どもが聴取したところでは、先ほど申し上げたように、枝幸町から周辺の環境整備のために計画的に取得したいとの強い要望があったとのことであります。したがいまして、随意契約で売り払いを行ったわけでございまして、それに基づきまして新しく庁舎を移転、新築したところであります。この時点では営林署が今回法案が成立することによって廃止されるということは全く予想されていなかったわけであります。
○須藤美也子君 自治体や地域住民の協力を踏みにじって理不尽な今回の計画が地元の皆さんに理解が得られる、こういうふうには思っておりません。考えられないと思います。ですから、大臣も理解が得られる、こういうふうには考えていないと思うんですね。そういう点で、私は無理な統廃合はやめるべきだ、合意のもとにこういうことを進めるべきだと思いますが、再度お願いいたします。
○国務大臣(中川昭一君) 先生御指摘のように、私のところは非常に広い森林面積を抱え、その大半が国有林であり、多くの営林署があり、今回の見直しで多くの営林署が廃止という予定になっておるわけであります。どこの営林署の所在地の町村も町を挙げて残してもらいたいということは私はある意味では先生以上に実感をしておるところでございます。
 しかし、今回のこの長期的な見通しあるいは現状を考えたときに、二百二十九を九十八にせざるを得ないということで今までも地元の御意見をいろいろお聞きいたし、また法律が成立をし政省令等がきちっと決まった後には、特に廃止が予定されている町村に御理解をいただくべく全力を挙げて御説明をさせていただかなければならないと考えております。
○須藤美也子君 このようなやり方で地域住民や自治体の理解が得られるとは考えられません。こういうことを申し上げますと延々と時間がたちますので、これは後で現地からもよく事情を聞いていただきたい、こういうことを要求いたします。
 次に移りたいと思います。
 もう一つ重要な問題は、三・八兆円の累積債務のうち一兆円の債務については企業的に運営し、五十年で返済すること、この件についてはいろいろな議員の方々も心配してお尋ねになっております。私はこれは非常に不確実性があると思っています。
 そういう点でお聞きいたしますが、林野庁の今後の収支計算では林産物収入額を、収穫量が今後五十年で大幅に伸びるとして、これに平成八年度実績の単価をもとに積算をしております。ところが、既に昨年度の単価は素材では三万六千から三万一千四百円、既に一二%下がっております。立木でも単価七千三百円から七千二百円に、さらに間伐単価は二千六百円から二千三百円と低下しております。これはその後の統計でも前年比で下がりぎみです。政府は一兆円のうち、五千億円を林野・土地の売却から、そして一方の五千億円を林産物販売等の収益によってこれを返済すると。
 そこでお聞きをしたいと思います。仮に昨年度の単価で計算すると、つまり単価を一〇%低く計算すると、林産物収入から五千億円の剰余金が生まれますか。
○国務大臣(中川昭一君) 五十年で一兆円の剰余金をもって返済に充てるということは、これはもう我々も、その五十年の間にいろいろな予測の範囲あるいは予測を超える条件が出てくることは否定のできないことだろうと思います。
 そういう中で、我々は平成八年までの過去十年間の平均の単価をとっておるわけであります。先生はたまたま平成九年が約一割減った、それでもって計算すればどうだということですが、それだけで計算すれば当然減るわけでありますけれども、我々は長いタームの平均でもって、しかもその中でも単に数字だけではなくて、若干低目に見込んだ形でやっていくということで、これから五十年間で伐採量を掛けて最終的に五千億の収益が上がっていくということであります。
 これはある意味では、単年度、たまたま平成九年度一年をとるか、あるいは五十年という長いタームでありますから過去十年間をとるか、確率的に言えば私は十年間の方がより正確だろうと考えております。
○須藤美也子君 何度も繰り返しそういう答弁はお聞きをしております。
 そこで計算をいたしました。そちらの方が計算している今後の国有林の収支試算で五十年間林産物収入等を計算したら、これは五十年で売上額が四兆七千億円であります。しかし、今私が心配しているのは、現に今の外材と比べての価格ですけれども、杉の丸太、製材品などは既に外材、米国産のコメツガ材より価格が安くなっているのにさらに下がり続けています。今後ともどんどん外材を輸入していく政府のもとで単価の安定の保証などない、このように言わざるを得ません。
 そういう点で、この五十年間で四兆七千億円の計算を見込んでいます。仮に一〇%これが下がれば五千億円は吹っ飛んでしまうんです。こうなれば、幾ら長期的に見ても上がり下がりはあるわけです。これはだれもそう思います。しかし、そういう保証はないということです。しかも今、日本は森林国、世界最高水準の森林を持っています。それなのに木材の自給率はわずか二〇%、八割は輸入外材に依存しなければやっていけないのが現状です。
 そういう点で、今回の一兆円を安易に、林産物収入から五千億円、しかも土石や山を売って、林野を売って五千億円、合わせて一兆円などという小学生でもできる単純な計算で五十年間これを返済するというようなやり方は、これまで三・八兆円、独立採算制で行ってきた政府の責任を何ら反省していない、こういうふうに言わざるを得ません。
 一兆円をやはり国の責任できちんと返済する対応をとるべきである、こういうことを申し上げて、きょうは緊急に関連質問がございますので、次に移りたいと思います。(拍手)
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志でございます。須藤委員の質問時間をいただきまして関連質問を行いたいと思います。
 御承知のように、本日付の朝日新聞でも国鉄清算事業団が用地の入札に当たって情報漏えいしていたということが大きく取り上げられて、先ほども本委員会で議論になりました。本日は清算事業団からも参考人として御出席をいただいておりますので、私どもも質問をさせていただきたいと思います。
 この問題は、もしこの報道が事実だとすれば実に重大な事件だというふうに考えております。
 昨日、私もこの場で質問いたしましたが、そもそも清算事業団の用地というものは何だったかと。この用地をできるだけ好条件で売却して膨大な債務をできるだけ減らしていく、国民負担を軽減していく、このための用地売却でありますから、これが事前に情報が漏れて、この新聞報道によりますと、二位の会社に一%から二%高い、ぴったりそういう上回った値段である大手ゼネコンが落札をする、大林組ですけれども、落札をするということになっていたと報道されております。そうなりますと、この情報の漏えいがまさに清算事業団用地の売却を、つまり安くといいますか低くといいますか、そういう形で利用されて、一層、長期債務返済に回るべきお金がこういうやり方でも削り取られていったと言わざるを得ないと思うんです。
 我が党は、本委員会でこの問題についても徹底的な審議を要求したい、本当に解明して国民の納得を得る状況をつくっていく必要があると思っております。
 きょうは、私はこの新聞記事でも取り上げられた天下りという指摘についてお聞きしたいと思っております。
 「大林組は、一九九五年に元事業団理事を役員に迎えた。このOBは十人ほどのチームを束ねて他社との競争に臨んだ。」と。これは朝日新聞の記事であります。こういうふうにやりますと、「事業団OBを要所にすえてパイプを太くした大林組には太刀打ちできない。業界では、事業団に話した情報は大林組に伝わる、とささやかれていた」と「ライバルのゼネコン幹部は、半ばあきらめ顔で言う。」と、こう報道されております。実に重大な問題だと思うんです。
 まず、清算事業団の理事長にお答えいただきたいんですが、大体ゼネコンだとか不動産会社に清算事業団から天下っている、事業団の本社、支社合わせて課長以上のリストを公表すべきだと思うんですが、これを公表していただけますか。
○参考人(西村康雄君) 清算事業団から建設業を営んでいる事業体に対して転職して就職している者がいることは事実でございます。これらの事業に転職いたしますのは、当事業団におります技術系の職員は国鉄時代から土木あるいは建築等の専門職をやっておりまして、そういう専門職を活用する場として事業団を転職していっております。
 それで、今回また事業団がいよいよ業務が縮小してまいりますので、一生懸命仕事をすれば事業団は業務を縮小しなきやなりません。そのために転職対策は一番重要になっておりますが、その転職対策の一環としても、現在、建設業関係に対して何十人か参っております。
 その中で、課長職以上の者についてどれだけいるかということでございますが、現在私の手元にございますのは、御指摘の大林組に転職した者、これは課長職以上の者が三名ございます。一人は現在大林組で常務取締役をしております。それから、一人は営業本部の参与をしております。一人は東北支店で参与をしております。
 建設業者全体に対して課長以上の者が何人行っているか、現在のところ承知しておりませんので、後ほど調査いたします。
○宮本岳志君 大林組への転職、天下りのリストについて、私の手元に入手をいたしました。
 今、理事長がおっしゃったように三名の方々、山口良雄さんという方はRC東開発社長を経て、今、大林組の常務をやっておられます。金澤健蔵さんという方は株式会社汐留開発の社長を経て営業本部参与、野神さんという方は東北支社長から東北支店参与、こういう経歴になっております。それ以外にも、課長職以外であれば四人の方、合わせて七人の天下りといいますか、転職のリストがありますけれども、いずれも九州支店の営業課長とか東北支店の営業課長とか、中には本店開発プロジェクトチームの課長とか、大林組ではまさにこういった清算事業団の用地売却に絡む仕事、部署の役職につかれているわけです。
 この問題は実に重大で、本委員会でも事実関係を調査するという御答弁があったようですが、これは当然のことです。やはりこういう疑惑を持たれているわけですから、一層厳しい対応が求められるというように思うんですが、運輸大臣、こういう問題についてどういう対応を考えておられるのか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、国鉄清算事業団を解散する法律を今御審議いただいているところでございます。業務的には鉄建公団に移っていくということもまた事実でありますけれども、こうした御審議をいただいているときでもありますので、この問題については運輸省も直接調査をしてまいりたい、こういうように考えております。
 また、この法律が成立いたしましても、鉄建公団に残ってまいりますので、真相解明はきちっとさせていただきたい、こう思っております。
○宮本岳志君 時間がありませんので終わりますが、これは構造的な問題だというふうに思うんです。決して個々の問題ということではなくて、やはり清算事業団の職員がそういう不動産、ゼネコン業界に行くということは、売る側の職員が買う側に行くわけですから、そういうことを許せば当然こういうことは構造的に起こってくる。このことにしっかりとメスを入れる、これこそこの問題解決の道であるということを主張して、私の質問を終わります。(拍手)
○村沢牧君 国有林問題について若干お伺いいたします。
 まず、森林管理署についてでありますが、現在の営林署は森林の管理だけではなくて地域の活性化に大変大きな役割を果たしております。新しい法律はこの営林署を森林管理署というふうに名前を変えて流域ごとに設置をすることになりますから、計画によれば二百二十九の営林署が九十八の管理署になるわけであります。これは地域にとっても、あるいはまた国有林管理にとっても大変大きな問題であります。
 社民党は閣外協力のときから、森林管理署については地域の実情を踏まえて十分やりなさい、設置箇所については慎重に対応しなければならない、こういうことを要請してまいりました。そこで、林野庁は関係地域と十分話をして決めます、それから法律が成立した後に決めます、こういうことで我が党に対しましても国民に対しても公約しておったんです。
 それが、先ほども意見がありましたように、参議院選挙が終わった七月十三日に突然この箇所を発表したんですね。私はこうした動きを察知しておりましたので、参議院選挙中、当時の林野庁長官や関係者に電話をして、管理署をどこに置くかということは農水省の責任と権限であるけれども、もっと慎重にやりなさいと強く要請をしたんです。ところが、この法律の制定される前に、公約やルールを無視し、政治情勢も考えず、従来の官僚的な手法で国民に不信感を与えてしまった。このことは今後の国有林改革に大きな支障を来すことになるだけではなくて、私としては怒りを感ずるというか、なぜこんなことをしたんだという気持ちにたえないんです。
 大臣、あなたはこのときは大臣でなかった。また、山本長官も長官ではなかった。しかし、やった諸君はみんな大臣をやめたりどこかへ栄転しちゃったんです、やめちゃったんです。大臣、こういうやり方についてどういうふうにお考えになるのか、こんなことでいいのか。
 それから、大臣は衆議院での答弁の中で法律の審議の参考にするために早目に発表したんだと言いましたけれども、こんなことを発表してこの法案の審議に一体役に立ったのか。それから、こういうことは内定だというけれども、一体どういうふうに今後対処するんですか。大臣の見解を聞きたい。
○国務大臣(中川昭一君) この七月十三日に発表した内容というのは、あくまでも先生御指摘のとおり、現在御審議をいただいている幾つかの法案の成立、そしてそれを前提とした政省令の手続をもって正式に決定していくわけでございます。
 先ほども申し上げましたが、私自身も、私の地元を含めて全国から営林署あるいは今度森林管理署になるものについて残してもらいたいと。要らないと言ってきたところは一つもございません。そういう意味で、厳しい政治的な立場に立たされていたわけでございますけれども、これはあくまでも林野庁が専門的立場からいろいろ意見を聞いて出した一つの内々定的な案でございまして、農林水産省としてはベストのものだというふうに考えております。
 衆議院の方で修正をいたしまして、時間を置くということで一月一日が三月一日に延びましたけれども、これから時間をかけて地元の御理解をいただき、国有林野サービス、あるいはまた地域と国有林野とのつながりのますます深くなることを目指して頑張っていきたいというふうに思いますので、何とぞ先生の御理解と御指導をよろしくお願いいたします。
○村沢牧君 時間を置いて検討するとはいっても、この法案がさきの通常国会で成立したならば一月からできるけれども、こんな状態でできないから三月までやったんですよ。決して慎重に検討したわけではない。だから、こういうやり方について、とかく農水省とか林野庁の官僚は何かルールを無視したことをやるんですから、大臣もしっかり監督してください。よろしいですね。
 さて、私どもは国有林の組織について幾つかの重要問題を今日まで論議をし要請してきたものですから、この際、この委員会で確認をしたいというふうに思います。
 一つは、我が国には百五十八の流域があります。このうち百十三の流域には国有林がありますけれども、管理署は九十八に置くということになっています。やっぱり百十三の流域に国有林があるんですから、ここへ置くべきであるがどうか。
 二つ目には、この森林事務所の問題についても、今まで質問があった、要請もあったところでありますが、これは現行の事務所を存続して複数の要員をここに確保してもらいたい。
 三つ目であります。林業技術を推進するために、また民有林、国有林が一体となって林業の推進を図るために技術センターというのがあるんですね。これは存続しなければいけない。
 その次には、国有林の公益的機能を重視するために、あるいは民有林の直轄事業も含めて、必要な地域には治山事務所を設置する。現在もありますが、引き続いて設置をしてもらいたい。
 以上の点について確認をいたしたい。
○国務大臣(中川昭一君) 先生御指摘のとおり、現在、流域全部で百五十八ありますが、百十三の流域に営林署があるわけでございます。これも先ほど申し上げましたように、総合的に判断をして九十八ということになるわけでございますが、森林管理署等が置かれない流域における業務運営につきましては引き続き検討をしていかなければならないというふうに思っております。
 技術センターにつきましては、平成十五年度末までは現在と同じ十四カ所でございますけれども、十六年度以降につきましては、各森林管理局に一カ所、つまり七ということでございますが、を基本といたしまして、今後の業務の運営状況を踏まえて配置する考えでございます。
   〔理事成瀬守重君退席、委員長着席〕
 また、治山事業所六十九及び森林事務所千二百五十六につきましては、現行を基本として、今後の事業量や業務量の推移等を勘案しながら配置してまいる考えであります。
 なお、先生御指摘の森林事務所を複数置くべきだということにつきましては、三党合意等で地域の実情等という一項目もございますので、その辺も十分勘案をしながらどういうふうにしていくか。基本は一人ということになると思いますけれども、必要があればということで検討をさせていただきたいと思います。
○村沢牧君 次に、累積債務の一兆円の負担でありますが、五十年後には一兆四百七十億の剰余金が出るので一兆円は返済できる、こういう試算表を発表しているんですね。私は今までの法律改正や改善計画でいろいろ論議いたしましたが、今までの計画では、十年後には借入金を必要としないようにする、二十年後には収支の均衡を図る、こういうふうに言ってきたんですね。できたことは一回もないんですよ。
 一体、五十年先に、いろいろ説明していますけれども、あんなことを私は本気になって論議しようとは思わない。これは農水大臣の一生懸命やりますという決意であり、あるいはまた努力目標だ、こういうふうに受けとめますが、木材が幾らになるとか土地が幾らで売れるとか、五十年先のことまで含めて言えますか。決意でしょう。
○国務大臣(中川昭一君) 過去の例あるいは現状等を十分考慮いたした上での計画でございますが、先生がおっしゃるとおり、三年先、五年先、十年先、五十年先のことはいろいろな不確定要素があることもこれは否定できないことだろうと思います。こうなるように全力を挙げて頑張ろうと思いますので、格段の御指導をお願いいたしたいと思います。
○村沢牧君 政府が何とかしてこの計画をやっていこうと思ってできるのは、やっぱり一般会計からの繰り入れだと思うんですよ。今までは独立採算だ。今度は会計制度を改めて、一般会計から繰り入れることができる会計に改めるんですね。
 そこで、今までの会計と今度の改正する会計とはどういうふうに違ってくるか。制度を変えることによって一般会計から繰り入れば一体どれだけふえてくるのか、答弁してください。
○国務大臣(中川昭一君) 今後の計画におきましては、利子補給あるいは公益林管理費などについて、法の規定に則して確実に一般会計から繰り入れるということになっております。
 どれぐらい繰り入れるかということでございますが、一般会計からの繰り入れば五十年間で二兆六千億ほどということになっておりまして、これは必要な利子あるいは管理経費でございますから金額が確定するわけでございますので、それについて一般会計からきちっと繰り入れるようにしていくことになっております。
○村沢牧君 そういう答弁ですけれども、林野庁長官、このことは今答弁があったように大蔵省と合意しているんですか。五十年先の何兆円だ、そんなことを私は別に聞くわけじゃないけれども、一体どういう会計になって、これとこれとやりますということで合意しているんですか。
○政府委員(山本徹君) 大臣が御答弁いたしましたような長期の収支の見通しを持ってこれが実行できるように私ども全力を挙げてまいるわけでございます。
 一般会計への繰り入れの件の御質問でございますけれども、ただいま御審議いただいております法案の趣旨に即しまして所要の一般会計の繰り入れが行われるように努力してまいりたいと思っております。
○村沢牧君 大蔵省にお伺いしますが、大臣でなくてもいいですよ、主計局長がおられなければ次長でも。本当にこういうことが、大蔵省とこれとこれと入れましょうという合意ができているんですか。大蔵省に聞きたい。
○政府委員(寺澤辰麿君) お答え申し上げます。
 今回の国有林野事業の改革におきましては、一つは公益的機能重視への転換が図られることに伴います措置といたしまして、公益林管理費の一般会計繰り入れの創設、事業施設費の一般会計繰り入れの拡充等を行うこととしております。もう一つは、国有林野事業特別会計で償還をいたします約一兆円の債務につきまして、利払い費によって国有林野事業特別会計の債務が累増することを防止するために、利払い費に係る一般会計繰り入れを創設したところでございます。
 毎年度の具体的な繰入額につきましては毎年度の予算で定めることとなっておりますので、この制度の創設、拡充の趣旨を踏まえまして、予算編成過程で適切に対処してまいりたいと考えております。
○村沢牧君 毎年の予算によって決まることは当然ですが、大臣、今までそういうことをやって、こういう項目には入ることになっているけれども、なかなか要求するとおりに大蔵省は入れてくれないんですよ。
 ですから、これだけの会計制度を改めるんですから、しっかり、今答弁があったように、何か合意しているのかしていないのかわけのわからぬようなことを言っているけれども、一般会計から繰り入れをぜひこれからやってもらいたいと思います。どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 村沢委員も長いこと国会での御経験を持っておられますので、なかなか今のようなことをお疑いになりますのは無理もないと思いますが、今度は本当に、しかし国も二兆八千億円引き受けまして、そして一兆円は頼むよと。頼むよと言われても独立てはできませんから、国もただいま次長が申しましたようないろいろな繰り入れをいたします、利子補給もいたしますということで、これは余り怠けますと国が自分を縛る、後で自分が困りますから、それは信義誠実をもって実行してまいらなきゃならないと思います。
○村沢牧君 それで、国有林の使命を全うするためには、ただいま大臣からも大蔵省からも話があったけれども、計画を言ったけれども、一体これで本当にうまくいけるのか。どなたかからお話があったように、また借入金をして利子がかさんでくる、こういう結果になっちゃいけないと思うんです。私たちはずっとこれを指摘してきた。
 そこで、改革期間の中間年度においてこの債務状況の検証、見直しを行う、何年間かして検証してみるんだ、そのことをやらないと今までの轍を踏むことになりますので、このことについてどうですか。
○国務大臣(中川昭一君) この後、法律が成立した後、管理経営基本計画等をつくる作業がございまして、毎年度公表するということが条文で義務づけられているということでございますから、いわゆるディスクロージャーという形で皆さんに状況を御報告申し上げるということになっております。
○村沢牧君 あとは渕上先生から。
○渕上貞雄君 引き続きまして、JR関係、国鉄関係の長期債務関係につきまして質問いたします。
 元本償還財源についてお尋ねをいたしたいと思いますが、八六年一月二十八日の閣議決定において、「本格的な処理のために必要な「新たな財源・措置」については、雇用対策、用地売却等の見通しのおおよそつくと考えられる段階で、歳入・歳出の全般的見直しとあわせ、検討、決定する。しとされていました。今回のスキームでは、元本償還財源につきましては、「当面は、一般会計の歳出・歳入両面にわたる努力により対応」とされておりますね。「歳出・歳入両面にわたる努力」というのは一体どういうことなのか、どういう努力をするのか明確なお答えをいただきたい。
 それから、財源確保の本格的処理を先送りしたものであるという批判はしたがって免れないのではないかと思いますけれども、また努力の中身としてどのようなことを考えておられるのか、具体的に示していただきたい。
 いずれにいたしましても、元本償還財源についても密室でないオープンな議論を求めてそれを公開していくということは大事なことではないかと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(寺澤辰麿君) お答え申し上げます。
 「一般会計の歳出・歳入両面にわたる努力により対応する」ということにつきましては、財政当局といたしましては非常に厳しい課題であるというふうに受けとめておりますけれども、各年度の予算編成過程におきまして、私ども、各種制度の見直し、歳出の節減合理化等々歳出面の努力をいたしますとともに、歳入面でも例えば税外収入等の見直し等々によりまして財源の確保に全力を挙げてまいりたいと考えております。
○渕上貞雄君 次に、法第三十一条において施策の実施状況を国会に報告するとなっております。国会への報告の内容は具体的にどういうふうにされるのか。これらの情報については国民が大変関心を持っていることでもありますので、この点の開示の方法については具体的にどのようになされるのか、御報告願いたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) まず、基本は国会への報告であろう、同時に記者会見を通してしっかり開示をしていかなければならないと考えております。一般会計において承継した債務の償還状況、鉄道建設公団による年金等に要する費用の支払い状況及び公団が承継した資産の処分状況等を毎年報告してまいりたい、このように考えております。
○渕上貞雄君 次に、今日の交通を概観したときに、過疎地における公共交通の衰退、それから都市部における交通渋滞並びに交通事故、同時に交通渋滞からくる環境の悪化の増大など、とりわけ交通事故死亡というのは毎年一万人に近いという状況なのでございます。これは本当に社会的に見ても大変なことなんですけれども、そういう交通事故というものに対してどう減らしていくのか。必ずしも良好な発展を遂げているとは思わないわけです。
 したがって、今回の長期債務の処理の議論等を踏まえて、これを機会に公共交通の維持整備のための特定財源、きょうも午前中、参考人の方から特定財源に係る問題についていろいろ御意見をいただきました。なるほどなという御意見もございました。
 したがいまして、新たに国土交通省などができることなどを考えますと、特定財源の創設とあわせて総合的交通体系の確立が必要であると考えますけれども、運輸大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) この債務償還の議論の中で、道路特定財源の話、また新交通税の話等があったことは事実でございます。しかしながら、なかなか与党内で一つの議論としては固まらなかった、御承知のとおりでございます。
 しかし一方で、私は実は昨年は情報交通省をかなり言っていた方でございます。情報交通省は情報交通省で一つの議論であったと思いますけれども、政府・与党で決定をされ、また国会でも御可決をいただいた国土交通省の考え方は、まさに先生が言われております総合的な交通政策というものをしっかり立てる、その中でどのような方策、どのような財源確保をするか、こういう議論であろうと思っております。
 行革で示された一つの理念でございますので、総合交通体系というものをしっかり頭に置きながら運輸省としても努力をしてまいりたい、このように考えております。
○渕上貞雄君 どうぞしっかり頑張っていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、債務問題とあわせて一つの大きな社会問題となっておりますJR不採用問題について、今回がやはり解決の大きなチャンスではないかと思っていますので、ぜひとも運輸省として積極的にその解決のために努力をしていただきたいと思うのでありますが、最後に大臣の見解をお伺いして、質問を終わります。
○国務大臣(川崎二郎君) 昨日も甘利労働大臣からお話があったところでございます。
 五月二十八日に第一審の判決がなされ、そして仮定の話としていただいたわけでありますけれども、JRというものを当事者として今後さまざまな話し合いを続けるか、もしくは清算事業団というものをとらえて御議論をされるか、そんな議論が今出てきておる。また、政党間での話し合い、関係者の努力、その中で運輸省としてなすべきことが出てさましたら、私どもも最大限の努力はお約束をさせていただきたいと思います。
○渕上貞雄君 終わります。
 ありがとうございました。
○渡辺秀央君 どうも御苦労さまでございます。
 いつも最後の方になりまして、もう同僚議員がいろんな質問をされた後でありますから、なかなか各問題について非常に鋭い指摘もありますし、きのう、きょうとずっと聞いておりまして、随分としかし政府もお答えをするのに大変ですなという感じです、本当のことを言いまして。
 これは皮肉でなくて、それほどの問題だと思うんです。与党の中でも、衆議院の本会議で採決するのに欠席者一々ということを言いませんが、やっぱりそういうような問題点をはらんでいる今度のスキームだというふうに思うのですよ。だれしもがあれはすばらしいいい案だと、これはもうだれも問題ないなという案でないことだけは事実であると、これは一つ指摘をさせておいていただきたい。
 私は、基本的にそういう問題点があるので果たしていかがなものかなという感じもしましたが、しかし宮澤大蔵大臣の顔をこうやって見たり浮かんだりしますと、大変御苦労なことですねと思いながら、かつ十年前を思い出したりいたしまして、ちょっとそんな気持ちの中で、やっぱりどう考えても、これは私なんかも若干の責任があるのかもわかりませんが、しかし時間をかけ過ぎたなという感じがしますね。
 ずっとお聞きしておって、川崎大臣のことを言うわけじゃないが、役人が答弁書を書くとそうなるんですけれども、十年前は基本的に共済の年金一元化の問題という問題意識は、これは当時大蔵大臣であられた宮澤現大蔵大臣も中曽根総理も後藤田官房長官も我々もみんなそういう問題意識を持っておったんです。今ここで降ってわいたんじゃないんですね。
 このことは、少なくとも時代のいろんないたずらというか、土地を売ることができなかった。具体的に言うなら、新橋の土地を売ったらみんなぽんと値上がりしちゃって大変だ、だからちょっと待とうじゃないかとか、いろんな問題があったことは事実なんですよ。だから、この問題は、私も病院に入らされて全部リフォームみたいにされちゃいまして今日あるわけですけれども、しかし実際問題として、おととしのあの結論を得たことはやむを得なかったにしても、そこからの進め方というのがやっぱり一番の問題だったように私は思いますね。
 そういう意味では、こういうときにだれかが去年、おととしのあの段階から一生懸命になって、これはもう当時の与党であろうと野党であろうと、あるいは運輸省であろうとJRであろうと、その間を駆けずり回って本当に潤滑油になってやってくれる政治家があれば、こんなにJRと運輸省の間はこじれないで済んだと私は思うんですよ、本当に。政治というのはそういうものなんです。
 今までだって、大先輩がおられる前で恐縮だけれども、多少の経験をしてきた人間として、世の中に百点満点ということはあり得ないんですから。政治は何だと言ったら、妥協なんですから。妥協するにはお互いが理解し合うということが大事なんで、おれの考えでいることは絶対間違いないというのなら、これは独裁者の言うことなんですね。これは民主主義のルールに反する。
 そういう意味で、私はこういう時期に、つい思い出しますが、運輸省のためとJRのために本当に骨身を削ってきた、私が最も敬愛していた、このいわゆる分割・民営のときも一緒になって汗を流して顔色を変えてやった小此木彦三郎という政治家を思い出しますよ。これは本当に涙が出るぐらいだ。そういう意味では、もし小此木先輩があればこんなにこじれたことにはならなかったなと、これは恐らく運輸省もJR側もそう思っていると思う。そういう意味では、私はここまで来たやり方についてはやっぱり運輸省に問題があると。
 それからもう一つは、宮澤大蔵大臣のけておいて悪いけれども、大蔵省に問題がある。運輸省を盾にしながら来たのなら、やっぱり責任は大蔵がしっかりしなきゃいかぬのですよ。そのスキームがこれですというのでは、私はこれ反対しませんよ、自由党は、しょうがない、賛成しますけれども、これはちょっと余りにもちやちじゃないかなということは、私は率直に申し上げますけれども、思います。(「反対してもいいよ」と呼ぶ者あり)そういう意味では政治というのは妥協だとさつきから言っているだろう、そういう意味ではね。
 しかし、問題点の整理だけはしっかりとしておかなきゃならない、こういうときには。政治的な決断、あるいは政治の主導でおととしの行革まがいの中でこの問題も一緒にやったというのならば、やっぱりその時点における問題点は明確にしておいて、そして新しいスキームの中で国民に最小限度の迷惑で済ませる。あるいはまた、いわゆるJR側にするならば、津身の努力をして労使一体になって本当に頑張ってきたわけだ。そして、御存じのとおり、株価も去年からことしにかけては一万円も上がっている、これだけの株式市場の中で。
 そういう意味では、私は何もJR側に加担をして言うのではない。あるいは、私は運輸省に何か悪いことをされたこともない。そういうことでなくて、この当時に多少なりとも関係した一人として、なぜこんなにこじらせたか、このこじらせたことについて少なくとも運輸省は反省をしている、していなきやおかしい。そうでしょう。そういう意味では、運輸省がJRに対してこれから率直に、この法案が通ってもまだかつ問題は残るが、少なくとも、いやどうもやり口がどうだった、まずかったとは言えないかわからぬけれども、しかし話し合いが足りなかったね、申しわけなかったなと。これは何も大臣が言う必要もないですよ。運輸省として、あなたたちが官僚として今まで積み上げてきたその中で、反省として率直にJRに対して、今後ひとつ一緒にやろう、虚心坦懐に話し合おうということが私は大事ではないかと思いますが、大臣はいい、局長の考えをまずひとつ聞きたい。大臣はきのうは謙虚に受けとめたということがあったので、それは後にして、まず局長から。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。
 本件について、いろいろ経緯はございました。その中で、先生お話しのように、残念ながらJRの御理解を現段階においてまでまだいただいていないという事態に至っております。
 我々としては、先生お話しのように、この案件は非常に大事な問題でございますし、関係のJRの方々に御理解いただくことが非常に大事なことだと思っておりますので、最後まで引き続き努力させていただき、ぎりぎり、理解の上でこの制度、スキームが発足することに我々としても努力したいと思っております。
○渡辺秀央君 大臣、後で大臣の感じも聞かせてください。
 私は、今まではあなたたちはこの法案を通すこと、この三十兆円に上るものを引きずっていったんじゃ大変だという気持ちはわかりますよ。だから、とにかくJRはおろか、たばこから郵便貯金から全部振っちゃったわけだから、もうそこに対することで精いっぱいだという、私が言いわけする意味じゃないけれども、それはわかる。しかし、一番肝心なJRとの信頼関係がなくてどうしてできますか、これから先も。そうでしょう。そういう意味では、事務次官以下しっかり反省して、JRに一片のわびを入れてやり直すという気持ちを表明しなさい。
○政府委員(小幡政人君) 我々としては、先ほど申し上げましたように、このスキームを理解いただくべく省を挙げてJRに対して説明し、理解を求め、また我々として至らないところがあれば、それについて反省しながら御理解を求めていきたいと思っております。
○渡辺秀央君 反省じゃなくてわびだ、できるか。
○政府委員(小幡政人君) その意味では、このように御理解いただけないという状態にしてしまったことに対してはおわび申し上げたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 先輩の御助言をいただいたと思って受けとめております。
 実は私の前任者の藤井運輸大臣、そして運輸大臣経験者にも、この春、何回となくJRにも足を運んでいただいたり、会談を持っていただいてきた経過はございます。しかしながら、今の局長からの答弁のとおり、まだJR側の理解を得られていないことは事実でございます。また、法案がもし御可決をいただいた後におきましても私ども最大限の努力は続けてまいりたい、このように思っております。
○渡辺秀央君 ぜひよろしくそのように努力してください。
 国際的にも、日本の鉄道が非常に健全にして堅調に、しかもまた技術の革新をやりながら努力をしている、その評価がいわゆる株式市場においても維持されているわけであります。そういう意味においては、これからなお一層JR側も努力してもらわなきゃならないときに、権力によってこうだというやり方でない、本当にお互いがまさに、交通体系全体を見直すという午前中の参考人の話がありましたが、そういう中でこれからやっていかなきゃならないときですから、期待もしながら、ぜひこれからの皆さんの努力を見詰めてまいりたいというふうに思います。
 そこで、時間がだんだんなくなってまいりまして、あと足りないところはあすに譲りますけれども、もともと日本旅客鉄道株式会社ということにしたわけです、東だ西だ貨物だということで。しかも、本州三会社は今言ったように非常に堅調である。ところが、あとの四つがなかなか大変だというので基金をつくったりいろいろやっている。であるがために、東それから東海、西という今非常に順調にいっているところに対しても運輸省の、政府が株を持っているということと法律的な背景の中で、それは監督官庁としてこうだということではなく、これからの発展と、それから国家にとっても、あるいはまた大蔵省にとっても財源として非常に大事なことでありますから、そういう意味においてはこの問題はできるだけ早く株式を、私は株というのをやらないものですから余り株の上下は知りませんが、一挙に出したらそれは安くなるんでしょうけれども、できるだけ早く完全なる民営化、本格的な民営化を目指すという努力をする。一々運輸省に来てお伺いを立てて、いや、これどうですか、これを決めたいけれどもというようなことでなくて、本当に完全な民営化にしていくために、これはJR側は要望するでしょうし、運輸省側もそれに沿って努力していく。
 さっきあなたたちが約束してくれた、私に約束したんじゃないですよ、参議院のこの委員会で約束したんですよ、JRと仲よくやります、しっかりやりますというのは。そういう意味で、完全民営化に向けて努力していただきたいと思いますが、そのことについて後で大臣から、先に局長から。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。
 完全民営化に向けての我々の歩みというのは先生のおっしゃったとおりでございまして、本州三社はおかげさまで上場させていただいておりますが、引き続いての二次売却については我々はできるだけ早くという気持ちでいっぱいでございます。
 その中で、御案内のように市況がそれを許さない、こういうことに尽きるわけでございますけれども、我々といたしましては、欠けておりました主幹事会社等も清算事業団において選定をいたしまして、市況が回復次第売れる体制に準備をしておる、こういう状況でございます。
○国務大臣(川崎二郎君) まさに御指摘いただいたとおりだろうと思っています。
 前の答弁でも申し上げたんですけれども、基本的に国鉄改革の考え方は、まず七社が独立して経営ができる、健全な経営ができる、もっと欲を言えば一%以上の利益を上げられるような体質をつくり上げる、そして一方、債務については、清算事業団でできるだけの努力をして、残されたものについては国が処理をしていかなきゃならぬ、こういう考え方であったろうと思っております。
 その中で道半ばでありますのは、本州三社についてはまだ株の売却が全部終わっていない、それから三島についてはまだ上場のめどが立っていない、この二つをやはり清算事業団の問題が解散という形で処理された後の運輸省の最大課題というふうにとらえて、一日も早い株の売却に向けて努力してまいりたい、このように思っております。
○渡辺秀央君 新幹線の債務の繰り上げ弁済、この問題について、もう時間もないから私はここで一々言いませんけれども、高い金利をわざわざ払ってやっているわけです、こういう低金利の時期に。JR側の要望を入れてやったらどうですか。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。
 お話しのように、新幹線買い取り債務につきましては平成三年からスタートしているわけであります。長期にわたるということでございますけれども、これから各JRからお返しいただきます資金、財源は、御案内のように、実は整備新幹線、常磐新線等の鉄道建設に使うことが決まり、平成六十年ぐらいまで使うことを前提に現在の事業を進めておるということでございまして、今の繰り上げ償還を認めますとその財源が飛んでしまうということでございますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
○渡辺秀央君 ですから、結局JRに負担をかけているわけですよ、ずっと。実際、私がちょっと調べてみますと、これはさっきの例の土地なんか、これは売る方でしたけれども、今度はJRが分割・民営をやったときに買い取った価格というのは、これはまさに時価との差なんというのは大変な差が出ているんです。
 これは結果的には債務の負担をさせたことになると思うんですが、分割・民営のときにJR三社は社宅の一部を非常に高い値で買っているんです。JR東日本の場合は四番町の社宅用地を坪五千万で買っているんです。また、赤坂乃木坂の社宅用地は坪三千五百万で買っているんです。これを処分するともう四百億くらいの処分損が出るんですね。
 こういう実態、すなわちJR側がそういうことで今まで運輸省あるいは国、政府に言われてきたこと、あるいは期待されてきたことを一生懸命になって努力してきたわけだ。そういう実態をやっぱり事務当局も知っておかなきゃいかぬ。また、JR側ももちろん説明していると思いますけれども、そういう中でこれからのこのスキームを何とか納得してもらって、利用者ですら今度は不安を覚えますから、何かけんかしている乗り物に乗っているみたいなことになったらこれはいい気分じゃないですよね。そういう意味で、ぜひそういう実態を理解してやって、円満なる方向を見出していただきたい、こう思います。
 さて、あと足りないところを若干明日質問させてもらうかもわかりませんが、郵政省の局長、見えていますか。
 郵政省は、さっきもお話が出ましたが、おととしの行革のときに、自民党の族議員の圧力もあったでしょう、あるいはまた、まさにこれは悪いけれどもへおどかしまがいもあったようだ。そういう中で、言うことを聞かなかったら民営化するぞと言われて、やむなくのことではなかったかと私は思っているんです。これは私が勝手に思っているんだから、文句があったら言ってきたらいいんだ。
 今、きのうもそうですが、国家非常時だから協力をするんですと、大臣がこういうけなげな答弁をしておられた。大蔵大臣、答弁要らないですよ。国家が非常時だからこれは今郵政省として貯金としてやらなきゃならないと言ったら、記憶にありませんか、五、六十年ぐらい前、まさに郵便貯金というのはそういうことでやられたんですよ。そうでしょう。それが今日は郵政省になって、そして国民の貯金を集めてそれを利用者、いわゆる国民、その貯金をしてくれている、くれているという表現はいいかどうかわからぬが、貯金をするその人たちに国がやることであるがために還元をしているということが本旨なんですよ。
 これは大蔵大臣がさっき、どこかに財源がないかといっていろいろ探した結果、ちょっとあったねと。大臣は当時は大臣じゃないんですから、それは一つのスキームで出てきたことではあるが、私が懸念するのは、さっきもありましたが、二千億ずつこの低金利の中で本当にやっていけるのか、これからこの五年間。それからもう一つ、これを全国三十万の郵政マンが納得しているのか。実際問題としてそういう問題点があります。そのことについて鋭意努力をしていると。それから、二千億については大変な努力だと思いますよ。そのことについては、サービスを怠らない。それはこれから先のまさに郵政三事業の中でお互いに助け合いをしてもらわなきゃならぬことでしょう。
 そういう意味で責任を果たしていくことだと思いますけれども、しかし国民に対して、利用者に対してサービスを怠りなく、かつより理解してもらえるように努力をしますということがぜひ回答として、答弁としていただければという気持ちであります。
 どうぞ、御答弁がありましたら。
○政府委員(松井浩君) お答え申し上げます。
 今、渡辺先生から本当に胸にしみるようなお言葉をいただいた気持ちでございます。
 これまでの過程でも、郵便貯金は国民の簡易で非常に安心して御利用いただける貯蓄手段としてこれまで何十年と提供させてきていただいたわけでございまして、その信頼の上でこの事業が成り立っていることは申すまでもないことでございます。
 早速今の御質問の、二千億を毎年五年やってどうかということでございますが、経済は生き物でございますので一〇〇%確たることは申し上げられませんが、私どもの計算では、先ほど郵政大臣も答弁させていただきましたが、向こう五年間では累積黒字が維持できるであろうというかなりの蓋然性で自信は持っております。しかしながら、生き物でもございますので、特に金利がどのように動くか、これは五年先のこと、一〇〇%のことはだれも言えない部分もございます。
 そういうこともありますので、どんな状況でありましても、独立採算制のもとでしっかりとお客様にお約束した元本と利子の支払いは全うしなければなりませんので、そういう観点から今回の法律の中では附則で、平成十四年度においてそのときの状況で検討いただくというふうな条項を盛り込んでいただいたわけでございます。
 また、全国の三十万の郵政マンからどういうふうに見ていただいているかというふうな御指摘でございます。私どもも非常にその点は強く感じたところでございます。
 今回の措置に際しまして、もちろん事業に携わる職員もそうでございますが、やはり預金者の方々から御理解いただけるような措置もなければならぬというふうに思いまして、お金ではございませんが、制度でございますが、例えば民間金融機関とのATMの相互利用だとか、あるいは先ほどちょっと話に出ておりましたが、福祉定期貯金を延長し、あるいは一部拡大もさせていただくということも盛り込ませていただきまして、ささやかなことではございますが措置させていただいた次第でございます。
 今後とも今の先生の御指摘を踏まえた事業の運営に当たっていきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
○渡辺秀央君 御苦労さまです。しっかりやってください。
 さっきちょっと言葉が過ぎた面があるかもわかりません。行革まがいのところでの、皆さんの意思がなくて何か圧力でやられたように受けとめたとしたら、私の言葉が過ぎたというふうにどうぞ理解をして、頑張ってください。
 ありがとうございました。(拍手)
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。
 昨日は清算事業団の方々の再就職について主に御質問を申し上げましたが、本日は土地の関係についてお伺いをいたしたいと思います。これまでにもたびたび議論になっておるわけですけれども、私なりにまた理解をしたいと思います。
 土地に高い値段がつきました。しかも、その土地を買いたいという方がいらっしゃるときに土地対策、そして地価対策でその土地が売れなかった。そして、現在こういう状況に陥った最大の原因がこちらにもあるのではないかなというふうに思うわけです、これは改めて言うことでもないわけですけれども。
 しかし、一方の事業団の方々にいたしましたら、あのときにあの土地が売れていれば、ひょっとしたらとか、もしとか、たらとかということが頭をよぎるということが無念だろうと思うわけですけれども、これまでの答弁の中でも、こうした事業団の立場にお立ちになった発言も多々ございました。
 改めて、現在の状況になるまでにこの土地というものがもたらした影響というものを僕なりに大臣にまず冒頭お伺いしたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 土地売却の話でありますけれども、ちょっと社説を読みます。
 「運輸、大蔵両省や事業団は、できるだけ高い価格で売りたいので、公開競争入札で用地の売却を望んでいる。これに対して国土庁や経済企画庁、東京都などが凍結解除に反対、慎重論を唱えている。公開競争入札による安易な用地売却の再開が、再び地価上昇の引き金にならないか、私たちも不安である。もし、この段階で凍結を解除し、公開競争入札で地価高騰に火がついたら、政府の土地対策への国民の不信感は取り返しのつかないことになるだろう。」、これが「旧国鉄用地の売却を焦るな」という社説でございます。
 各社がこうした論調であったということは、当時国会での議論、また世の中の議論というものが土地対策というものを早くやらなければならない、こういう理解の中で、私どもとして売りたい、先輩は売りたいという気持ちを強く持たれておっただろうと思いますけれども、政治の高度な判断で決定をされた、このように理解をいたしております。
○西川きよし君 いろいろ目を通させていただきますと、専門家、有識者という方々の売っておればというようなお話も、いろいろそういう記事も目にいたしますが、私なりにいろいろと資料も拝見させていただきました。
 清算事業団、この清算という言葉について回る後ろ向きのイメージ、抵抗があったという方々も少なくないようでございます、お伺いいたしますと。そうした方々がこの清算という言葉を抵抗なく受け入れられるようになったのは、用地を活用してマンション開発に取り組んだり、また土地の処分だけでなく、町づくりに貢献できることの喜びを味わったそのときからだというようなお話もお伺いいたしました。
 皆さん方が都市対策に配慮しながら、そしてまた工夫をされた中から土地の処分に取り組んでこられたことには理解を示させていただくとともに、これまで取り組まれてきた土地信託方式、そしてまたあるいは建物提案方式によってもたらされた効果というものについていかがであったかということをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 土地信託方式及び建物提案方式、これでございます。
 一つは、土地信託方式は、土地を信託銀行に信託することにより得られた信託受益権を小口に分割し、これは小口で一億円、一般投資家等に売却処分をするもので、これまでに蒲田駅等六カ所の土地の処分、総額で六百億円でございます。
 それから、建物提案方式とは、入札希望者から購入土地の上に建設する建物の計画をあらかじめ提出させ、地方公共団体の求める条件を満たすか否かを確認した上で、最も高い価格を入札した者が落札する方式であり、東京都八重洲南口等三十カ所の土地処分について行いました。総額で一兆四千億円の収入を得ております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 そこで、そうした取り組みにもかかわらず、いまだに処分をされていない土地についての要因、その部分をお伺いしたいと思います。一体どこにあるのか、またどういつだ理由で処分ができないのか、このあたりをお伺いしたいと思うわけです。
 そこで、いろいろといただいた資料を拝見させていただきまして、会計検査院の方でも調査と分析が行われております。その調査、分析によれば、土地処分がおくれていた背景には一体どういう問題があったのか、また事業団に対してはどのような御指摘があったのか、この点についてぜひ会計検査院の方から御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(小川光吉君) お答え申し上げます。
 平成七年度の決算検査報告におきまして、日本国有鉄道清算事業団の保有する土地の処分について特に掲記を要する事項として掲記しております。
 その概要につきましてかいつまんで申し上げますと、日本国有鉄道清算事業団では平成七年度末現在で三千四百九十万平米の土地が未処分となっておりまして、その時価推定額は三兆円と見込まれておったところでございます。そこで、未処分のまま保有している土地のうち重要な資産とされている土地につきまして、その現状及び今後の土地処分の見込み等を調査いたしましたところ、二千三百九十九万平方メートルにつきまして以下の四つの事態が見受けられました。
 一つは、土地区画整理事業による面的整備や土地を更地化する基盤整備事業が進捗していない事態がありまして、これについては地方公共団体等との折衝を重ねて土地の面的整備等の促進を図ること。それから二つ目は、随意契約による購入を希望している地方公共団体の財政事情等から売却に至っていない事態につきましては、購入希望土地について売却の促進を図り、購入希望がある場合でも購入時期が明確となっていない土地については別途の処分方法を検討すること。三つ目といたしまして、第三者に貸し付けられている土地が返還されていないなどの財産整理が遅延している事態につきましては、関係者と積極的に交渉して財産整理の促進を図ること。最後に、土地の面的整備が行われるなどして売却可能な土地につきましては、不動産市況の悪化等から土地処分を見合わせているなどしているため売却に至っていない事態につきましては、売却可能な土地について不動産市況の動向を常に的確に把握して弾力的に処分方法の検討を行うこと。こういうことが緊要であるとして決算検査報告に掲記したものでございます。
○西川きよし君 そこで、運輸省にお伺いいたします。
 ただいま会計検査院の方から御説明いただいたわけですけれども、この御報告をどういうふうに現在受けとめられるかということをお伺いしたいと思います。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。
 検査院の方から、先ほど御説明ございましたように、四点の御指摘をいただいたところでございます。
 運輸省といたしましては、この提言を踏まえまして、清算事業団と一層密接な情報交換を行うとともに、必要に応じまして運輸省みずからが関係者との調整を行うなど、土地の早期処分に向けましてさまざまな取り組みを行ってきたところでございます。その結果、不動産市況の低迷が続いているわけでございますけれども、平成八年度には一兆五百億円、平成九年度には八千億円の売却収入を上げさせていただいております。
 なお、残る事業団用地につきましても、土地の早期処分に向けまして全力で取り組んでまいる所存でございます。
○西川きよし君 続いて、平成十年度当初における清算事業団用地の資産価額は約五千億円というふうにお伺いしておるわけですけれども、この五千億円という金額、これは当然のことですが、もう莫大なお金なんです。ややもいたしますと、二十八兆円とか、金利が年間一兆円、それこそ見たこともないようなお金なんですけれども、こういう大きい額にこの金額が埋没してしまうというんでしょうか、ひょっとすると、たかが五千億円かというような錯覚に陥ってしまうようなこともあるわけです。
 本当に貴重な財産でもありますし、今後国民の負担がふえることを少しでも和らげていく、そういう意味で、これからこの土地を適切に売っていかなければならないと思うわけですけれども、現在残った事業団用地の現状についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。
 平成十年度首に残る土地につきましては、先生御指摘のとおり約千五百ヘクタール、約五千億円となっておるところでございます。
 この土地は、不動産価格の低下等によりまして都市計画事業が予定どおり進捗していない、次に地方公共団体の財政事情の悪化によりまして購入の要望がございますが実際の購入時期が明確でない、三番目に第三者への貸付地等で任意の返還に応じないため訴訟が提起されておりまして解決までに時間を要するもの、それから鉄道林等面積に比べまして著しく資産価値が低いもの等の理由によりまして、これまで売却した用地に比べまして売却のための手間、時間がかかることは事実でございますけれども、売却に向けまして引き続き努力させていただきたいと思っております。
○西川きよし君 ありがとうございます。
 次に、この残った事業団用地について平成十五年末をめどに処分を終えるということでございますけれども、今後の処分の見通しと、早期売却のために今後政府としてはどのような取り組みをしていかれるのか、具体的な部分をお伺いしたいことと、清算事業団が引き継いだこの九千二百ヘクタールの土地のうち残っているのは約千五百ヘクタール、資産価値にいたしまして今五千億円ということで、先ほど来御答弁をいただいておりますけれども、やはりここまで売れなかった、売ることができなかったという背景、相当困難な状況であるとは思うわけです。そこで、具体例に基づいてこれまでの経緯とか今後の対応についてお伺いしたいわけです。
 まず、第三者に貸し付けられていた土地が返還をされていないケースがございます。この中には、これまでにマスコミの紙上等々、大変大きな問題になっておりました東京駅八重洲口北口の国際観光会館の事例がございます。この事例について、昨年の十月に和解が成立しておりますけれども、これまでの経緯と和解の内容をぜひ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(小幡政人君) 御指摘の点でございますが、昭和二十六年以降、旧国鉄が国際観光会館に対しまして土地の使用を承認していたわけでございますけれども、六十二年二月に国鉄改革に伴いまして旧国鉄が国際観光会館に対して契約の解除を申し入れたところ、同会館が応じなかったために、平成六年、事業団が同会館に対しまして建物撤去と土地の明け渡しを求めて訴訟を提起したわけでございます。
 その後、裁判官の指示に基づいて和解手続に移行いたしまして、平成九年十月、清算事業団、同会館及び同会館の筆頭株主でございます三井不動産との間で、三井不動産が同会館の底地を買い取ることで裁判上の和解に達したものでございます。
○西川きよし君 時間が参りましたので、きょうはこの質問で終わりたいと思います。
 この事例ですけれども、我々の立場からいたしますと、昭和六十二年に清算事業団が土地を受け継いだ、その後、平成六年十月に土地の明け渡しの提訴に踏み切った。かなり期間を要したわけですけれども、なぜもっと早く解決ができなかったのかなというふうに素朴に思うわけです。この点はいかがなものでしょうか。
○政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。
 土地の早期処分は長期債務の早期返還の観点から極めて重要なことでございます。しかしながら、裁判に訴えるということは必ずしも土地の早期処分につながるとは限りません。かえって問題を複雑化、長期化させるおそれもございますことから、国際観光会館との間で粘り強く立ち退きにつきまして交渉を実施してきたところでございます。
 本件につきましても、ぎりぎりまで当事者間の話し合いにより解決を見出そうとしたわけでございますけれども、相手方がどうしても土地の明け渡しに応じないため、やむを得ず裁判上の手続に移行いたしまして、先ほど申し上げましたような和解により解決を見たところでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 本日はこれで終わらせていただきます。(拍手)
○委員長(中曽根弘文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後六時四十分散会