第144回国会 労働・社会政策委員会 第1号
平成十年十二月九日(水曜日)
   午後零時二分開会
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   委員氏名
    委員長         吉岡 吉典君
    理 事         田浦  直君
    理 事         溝手 顕正君
    理 事         笹野 貞子君
    理 事         長谷川 清君
                上杉 光弘君
                大島 慶久君
                岡  利定君
                斉藤 滋宣君
                鈴木 政二君
                山崎 正昭君
                今泉  昭君
                小宮山洋子君
                但馬 久美君
                山本  保君
                市田 忠義君
                大脇 雅子君
                鶴保 庸介君
                田名部匡省君
                高橋紀世子君
                友部 達夫君
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   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     岡  利定君     末広まきこ君
     田名部匡省君     谷林 正昭君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         吉岡 吉典君
    理 事
                田浦  直君
                溝手 顕正君
                笹野 貞子君
                長谷川 清君
                高橋紀世子君
    委 員
                大島 慶久君
                斉藤 滋宣君
                鈴木 政二君
                山崎 正昭君
                今泉  昭君
                小宮山洋子君
                谷林 正昭君
                但馬 久美君
                山本  保君
                市田 忠義君
                大脇 雅子君
                鶴保 庸介君
   国務大臣
       労 働 大 臣  甘利  明君
   政府委員
       労働省職業安定
       局長       渡邊  信君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
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   本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○中小企業における労働力の確保のための雇用管
 理の改善の促進に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○労働問題及び社会政策に関する調査
 (派遣委員の報告)
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○委員長(吉岡吉典君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月二十七日、田名部匡省君が委員を辞任され、その補欠として谷林正昭君が選任されました。
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○委員長(吉岡吉典君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に高橋紀世子君を指名いたします。
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○委員長(吉岡吉典君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、労働問題及び社会政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(吉岡吉典君) 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。甘利労働大臣。
○国務大臣(甘利明君) ただいま議題となりました中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 経済活動の国際化や産業構造の転換等が進み、厳しい雇用失業情勢が続く中で、我が国経済の活力を維持しつつ、雇用の安定を図っていくためには、良好な雇用の機会を新たに創出していくことが重要な課題となっております。こうした課題に対応する上で、中小企業、とりわけ新たに事業を開始する中小企業や新たな事業分野に進出する中小企業が、主要な担い手として大きな役割を果たすことが期待されています。
 政府としては、良好な雇用の機会を創出するため、中小企業が行う雇用管理の改善のための取り組みを一層促進することとし、労働省と通商産業省が協力してこのための法律案を作成し、関係審議会にお諮りした上、ここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
 第一に、通商産業大臣及び労働大臣は、中小企業における良好な雇用の機会の創出に資する雇用管理の改善に係る措置に関しましても、基本指針を定めるものとしています。
 第二に、個別の中小企業者は、新分野進出等に伴って実施することにより良好な雇用の機会の創出に資する雇用管理の改善に関する計画を作成し、都道府県知事の認定を受けることができるものとすることとしております。
 第三に、新分野進出等を行う中小企業の雇用管理の改善を促進するため、新分野進出等に伴って労働者を雇い入れ、または教育訓練を行って計画の目標を達成した認定中小企業者に対して雇用保険法に基づく必要な助成及び援助を行うこととしております。
 以上のほか、現下の厳しい雇用失業情勢に照らし、当面の措置として、雇用保険の受給資格者が創業して認定中小企業者となった場合については、特別の助成措置を講ずることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(吉岡吉典君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
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○委員長(吉岡吉典君) 労働問題及び社会政策に関する調査を議題とし、先般当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。溝手顕正君。
○溝手顕正君 委員派遣について御報告申し上げます。
 本委員会の派遣委員は、去る十月二十日から二十二日までの三日間、全国の中でもとりわけ厳しい雇用失業情勢にある北海道においてその現況と雇用対策の実情等を調査してまいりました。
 派遣委員は、吉岡委員長、末広前理事、笹野理事、長谷川理事、高橋理事、斉藤委員、山本委員、大脇委員及び私、溝手の九名でございます。
 今回の派遣におきましては、道庁、労働基準局及び女性少年室から労働行政等の概況説明を聴取するとともに、札幌レディスハローワーク、札幌公共職業安定所、社団法人札幌市シルバー人材センター、北海道職業能力開発短期大学校の各施設のほか、企業として、北海道はまなす食品株式会社、洞爺湖リゾート株式会社トーヤレイクヒルゴルフ倶楽部託児所、株式会社日本製鋼所室蘭製作所、北海道エザキ株式会社の各事業所等を視察いたしました。
 まず、北海道の雇用失業情勢等について御報告申し上げます。
 道内の経済は、昨年十一月の北海道拓殖銀行破綻の影響を受けて、企業の連鎖倒産が相次ぐなど、雇用を取り巻く情勢は極めて厳しい状況にあります。特に、本年八月の有効求人倍率は〇・三七倍となり、十七カ月連続で前年同月を下回っていることや建設業を初め各業種で軒並み新規求人数が減少していること、さらには倒産・リストラなど事業主都合による離職者が大幅に増加していることなど、深刻な状況にあります。
 このため、本年六月から八月までの期間、北海道ブロックにおける失業率は、五・一%と全国比で最悪の状況となっており、道庁は、十一月をもって拓銀が事業廃止されることなどにより、一層事態が深刻になるとの懸念を表明しておりました。
 こうした雇用情勢の中で、道は、金融環境対策特別資金の創設、信用保証制度の拡充などの金融安定化対策を進めるとともに、北海道雇用対策推進本部の設置、緊急中高年齢者雇用開発奨励金の支給など、道独自の雇用対策に全力を注いでいきたいとのことであります。
 また、国の緊急雇用開発プログラムを積極的に進めており、特別求人開拓事業として、約一万九千八百人の求人を確保するなどの成果を上げているとのことでありました。特に、道としては、建設等季節労働者の就業が困難となったことに加え、就業日数が少なくなったことにより、雇用保険の資格が取れないなどの弊害が生じていることなどから、公共事業の追加等を要望しておりました。
 次に、労働時間の短縮についてでありますが、週四十時間労働制の定着に取り組んでおり、十人以上の事業場での達成割合は、本年九月で八三%となっておりますが、なお全国平均を下回っているため、さらに今後も重点課題として取り組んでいきたいとのことであります。
 また、労働災害では、毎年、休業四日以上の死傷者数が九千人程度、うち死亡者数は百三十人から百五十人程度に上っておりまして、業種では、建設業と運輸業のウエートが大きく、また事故の種別では、墜落・転落災害、交通労働災害、じん肺が多いことが特徴となっているとのことであります。
 女性労働に関しましては、女性雇用者のうちパートやアルバイトなどの非正規職員の占める割合が平成九年で四三・四%と高まってきたことなどが特徴として挙げられ、施策としては、育児・介護雇用安定助成金を活用し、事業所内託児施設の設置促進に力を入れているとのことであります。
 次に、本年十二月一日より施行された特定非営利活動促進法についてでありますが、既に道議会において関係条例が可決されたことから、現在手引書の配付、説明会の開催等の準備を進めているとのことでありました。道としても、NPOを行政の対等なパートナーとして位置づけ、今後は、NPO活動を行いやすい環境づくりのため、各種情報の提供やフォーラムの開催など、その援助事業を実施していきたいとのことであります。
 次に、視察先の概要について視察した順に沿って御報告申し上げます。
 まず、北海道はまなす食品株式会社は、重度障害者の雇用促進を目的として、民間と地方自治体とが共同出資者となって、平成五年十二月に設立され、七年四月に操業を開始したとのことであります。その事業内容は、重度障害者多数雇用企業部門と精神薄弱者能力開発部門とに分かれており、両部門をあわせ持つ第三セクター企業としては、全国で二番目となっております。そして、企業部門の従業員数は二十五人、うち障害者は十二人、能力開発部門では、訓練人員十名を受け入れ、これまでの三年間で二十九人の卒業生を送り出しているとのことであります。
 なお、同社は、障害者雇用に関する各種助成金の支給を受けておりますが、昨今の不況のもとで毎年千二百万円の赤字が計上されるなど、株式会社としては苦しい経営環境を強いられており、このため障害者の賃金助成の増額等について要望を受けました。
 次に、札幌レディスハローワークは、平成五年十月に明るいオフィス感覚の女性専門施設として、全国で六番目に設置され、職業紹介、セミナーや講習会の開催、就業希望登録の三事業を実施しているとのことであります。同施設の本年四月から八月までの利用者数は、拓銀破綻等の影響を受けて、前年同期比で四〇・四%と大幅に増加しているとのことでありました。
 また、札幌公共職業安定所は、国の緊急雇用開発プログラムに基づき、求人開拓推進員による雇用情報の収集や助成金制度の活用を積極的に進めておりますが、同安定所独自の取り組みとして、オンライン化やファクスを活用し、企業・求職者に対する情報提供等を重点的に行っているとのことであります。
 次に、札幌市シルバー人材センターは、御承知のように、定年退職者等の高齢者に対して、その希望と能力に応じた就業機会を開拓し提供するため、昭和五十五年八月に設立された公益法人であります。登録している会員数は本年九月末で三千三百五十四人、年間の契約高は約十億円と、これまで事業実績は順調に伸びてまいりましたが、本年度に入って、上半期の受注金額が前年同期を下回るなど、拓銀破綻や道経済不振の影響を受けているとのことでありました。また、財政構造改革法により、運営費についての国庫補助金が減額される見込みとなっていることから、現在、会員向けの新たな就業機会の開拓に力を入れているとのことであります。
 次に、北海道職業能力開発短期大学校には、技術的基礎素養と実技能力をあわせ備えた実践技術者の育成を目的として、生産技術科、情報技術科等七つの二年制の専門課程が置かれておりまして、定員は各科二十人、一学年百四十人となっているとのことであります。
 同校では、今後四年制の応用課程を設置することになっており、より高度な技術を備えた人材の育成が期待されておりますが、一方で、その課程新設には現在の定員枠内で行うという制約があるため、既存の訓練科を一部廃止せざるを得ないとのことでありました。
 なお、同校の女子学生の割合は、本年度入校者で一八%を占めているにすぎず、現在計画中の学生寮改築によって女子学生用宿舎が設置されれば、その割合は高まることが見込まれるとのことでありました。
 次に、洞爺湖リゾート株式会社トーヤレイクヒルゴルフ倶楽部託児所でありますが、同倶楽部の従業員数は、パートを含め九十八人、うち九十人がキャディとなっており、託児所はキャディを確保するため設置されたものであります。同託児所は、育児・介護雇用安定助成金を活用した施設であり、現在園児十一人、保母三人で運営されている託児所があるおかげで、二十代から三十代にかけての女性従業員の定着率が向上しているとのことであります。
 次に、株式会社日本製鋼所室蘭製作所についてでありますが、同社の従業員数は、室蘭製作所全体で九百五十七人、関連会社、協力会社を含めると約二千百人が構内で働いているとのことであります。
 製鋼部門の生産量は、平成六年度から九年度までは順調に推移してきましたが、本年度に入って第二・四半期の受注量が目減りするなど景気悪化の影響が出ており、このため、雇用調整助成金の受給により当面の措置としての操業減に対応できているとのことであります。
 最後に、北海道エザキ株式会社は、主に自動車エンジン関連部品を生産しており、従業員数は二十一人、現地での従業員雇い入れに当たっては地域雇用開発助成金を受給しているとのことであります。
 以上、簡単ではございますが、今般の委員派遣の概要について御報告申し上げました。
 最後に、今回の委員派遣に当たり、格別の御高配を賜りました関係者各位に対し、深く感謝を申し上げたいと存じます。
 以上でございます。
○委員長(吉岡吉典君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十八分散会
     ―――――・―――――