第145回国会 外交・防衛委員会 第4号
平成十一年三月十二日(金曜日)
   午前九時十分開会
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   委員の異動
 三月九日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     田村 秀昭君
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     高橋紀世子君     山崎  力君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         河本 英典君
    理 事
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                柳田  稔君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                岩崎 純三君
                佐々木知子君
                鈴木 正孝君
                村上 正邦君
                森山  裕君
                木俣 佳丈君
                齋藤  勁君
                吉田 之久君
                続  訓弘君
                立木  洋君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
                山崎  力君
   国務大臣
       外務大臣     高村 正彦君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  野呂田芳成君
   政府委員
       内閣官房副長官  上杉 光弘君
       国際平和協力本
       部事務局長    茂田  宏君
       防衛庁長官官房
       長        守屋 武昌君
       防衛庁防衛局長  佐藤  謙君
       防衛庁運用局長  柳澤 協二君
       防衛庁人事教育
       局長       坂野  興君
       防衛施設庁長官  大森 敬治君
       防衛施設庁総務
       部長       山中 昭栄君
       防衛施設庁施設
       部長       宝槻 吉昭君
       外務省総合外交
       政策局長     加藤 良三君
       外務省アジア局
       長        阿南 惟茂君
       外務省北米局長  竹内 行夫君
       外務省経済協力
       局長       大島 賢三君
       外務省条約局長  東郷 和彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
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  本日の会議に付した案件
○平成十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十一年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十一年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(国際平和協力本部、防衛本庁、
 防衛施設庁)及び外務省所管)

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○委員長(河本英典君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る九日、泉信也君が委員を辞任され、その補欠として田村秀昭君が選任されました。
 また、昨日、高橋紀世子君が委員を辞任され、その補欠として山崎力君が選任されました。
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○委員長(河本英典君) 去る三月十日、予算委員会から、三月十二日から十六日正午までの間、平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち国際平和協力本部、防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題とし、順次予算の説明を聴取いたします。
 まず、外務省所管予算について説明を聴取いたします。高村外務大臣。
○国務大臣(高村正彦君) 平成十一年度外務省所管一般会計予算の概要について御説明申し上げます。
 外務省予算の総額は七千五百九十五億二千二百万円であり、これを平成十年度予算と比較しますと百十六億九百万円の増加であり、一・六%の伸びとなっております。
 新しい世紀を迎えようとする中、国際社会における脅威は多様化しており、平和で安定した世界への道のりは決して平たんではありません。また、アジア経済危機とその世界的な波及に見られるように、グローバリゼーションの影の部分への対応も急務となっています。こうした課題を前に、我が国は高まる国際社会の期待にこたえ、その国際的地位、影響力にふさわしい積極的で創造性豊かな役割を果たしていく責任があります。
 このような観点から、我が国外交に課せられた使命は極めて重大であり、平成十一年度においては、厳しい財政事情のもとではありますが、外交実施体制の強化と外交施策の充実強化の二点を重点事項として予算の効率的配分を図っております。
 まず、外交実施体制の強化に関する予算について申し上げます。
 定員の増強につきましては、危機管理・安全体制の強化を中心として本省及び在外公館合計で八十六名の増員を図り、平成十一年度末の外務省予算定員を合計五千二百三十四名といたしております。また、機構面では在アゼルバイジャン大使館及び在モザンビーク大使館の新設、ベルリンへの首都機能移転に伴う在ドイツ大使館の移転等を予定しております。
 さらに、在外公館の機能強化につきましては、在外公館施設等の強化、危機管理体制、海外邦人安全対策の強化、在外選挙実施体制の整備のための経費四百二十五億円を計上しております。
 加えて、外交政策策定の基盤となる情勢判断を的確に行うために不可欠な通信・情報収集等の機能の推進に要する経費として六十五億円を計上しております。
 次に、外交施策の充実強化に関する予算について申し上げます。
 外交施策の充実強化の四つの柱は、二国間援助等の推進、対ロシア政策の推進、平和・安全、軍縮のための協力、そして国際文化交流の推進であります。
 まず、平成十一年度政府開発援助(ODA)につきましては、一般会計予算において政府全体で対前年度比〇・二%の増額を図っておりますが、外務省予算においては対前年度比〇・三%増となっております。これは、微増とはいえ、アジア経済危機、アフリカ諸国支援等の面での我が国の積極的な姿勢を示すものと考えます。
 このうち無償資金協力予算は、対前年度比一・〇%減の二千三百七十九億円を計上しておりますが、その内訳は、経済開発等援助費が千九百九十八億円、食糧増産等援助費が三百八十一億円であります。また、我が国技術協力の中核たる国際協力事業団の事業費として、対前年度比〇・五%増の一千七百七十億円を計上しているほか、国際協力事業団の定員につき一名の純増、機構改革を図る等、援助実施体制の強化に努めております。
 なお、ODAの透明性、効率性という面では、ODA事業の公募のモニター、インターネットを用いたODA情報公開の一層の促進、無償資金協力の実施体制の強化といった新しい工夫を施しております。
 次に、昨今の日ロ関係の進展を踏まえ、新たに外交施策の充実強化の柱の一つとした対ロシア政策の推進につきましては、支援委員会、北方領土関連等に総額十五億円を計上しております。
 また、平和・安全、軍縮のための協力でありますが、我が国の国際的地位に見合った責務を果たすべく、軍縮・不拡散分野における貢献を積極的に行い、また国連の活動に対する支援を一層強化し、さらに地域の安定に向けた取り組み等を行うため総額五十一億円を計上しております。
 最後に、国際文化交流の推進でありますが、異なる文化間の相互交流を促進するために留学生受け入れ数の増大を図るべく、留学交流環境の整備のため、一億円を計上しております。
 以上が外務省所管一般会計予算の概要であります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(河本英典君) 次に、総理府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁の予算について説明を聴取いたします。野呂田防衛庁長官。
○国務大臣(野呂田芳成君) 平成十一年度防衛庁予算について、その概要を御説明いたします。
 平成十一年度防衛関係費については、一昨年十二月に安全保障会議及び閣議で決定された見直し後の中期防衛力整備計画のもと、あらゆる経費について、取得改革の推進を初めとする見直しの努力を行うことにより、引き続き聖域なく経費の縮減を行いつつ、防衛力全体として均衡のとれた態勢の維持、整備を図るとの考え方のもと、編成しているところであります。
 まず、防衛本庁について申し上げます。
 平成十一年度の防衛本庁の歳出予算額は四兆三千三百九十四億八百万円で、前年度の当初予算額に比べますと二百九十七億七千八百万円の減少となっております。
 新規継続費は、平成十一年度甲型警備艦建造費等で一千百十一億二千七百万円となっており、また新規国庫債務負担行為は、武器購入、航空機購入、艦船建造、装備品等整備等で一兆五千六百六十五億一千五百万円となっております。
 なお、平成十一年度予算の歳出化経費につきましては、九百四十五億一千万円を平成十二年度に繰り延べる措置をとっておりますが、これは前年度の当初予算額における繰り延べ額に比べますと四百二億八千三百万円の減額となっております。
 また、平成十一年度における自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数の変更については、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を提出し、別途御審議をお願い申し上げております。
 この予算の内容について申し上げます。
 平成十一年度防衛本庁の予算において、特に重点を置いた事項について申し上げると次のとおりであります。
 第一に、陸上装備、航空機、艦船等の主要装備については、諸外国の技術的水準の動向に対応し得るよう、老朽装備の更新、近代化を基本としてその整備を進めることとし、九〇式戦車、支援戦闘機F2等の調達を行うほか、護衛艦四千六百トン型等の建造に着手することとしております。
 第二に、指揮通信・情報機能については、新たに弾道ミサイルに係る情報機能の強化及び自衛隊における次世代情報通信基盤の構築を図るとともに、引き続き情報本部の機能の充実、新中央指揮システム、固定式三次元レーダー装置等の整備等を進めることとしております。
 第三に、教育訓練については、国際化、装備品の高度化に対応しつつ、主要な部隊訓練等の充実を図り、部隊の練度の維持向上に努めることとしております。
 第四に、隊員施策については、隊舎、宿舎等の生活関連施設等の整備を図るとともに、諸手当の改善、生活勤務環境の改善等きめ細かい配慮を行い、隊員の処遇改善に努めることとしております。
 第五に、技術進歩の趨勢等を勘案し、装備品の研究開発の推進を図るため、新アスロック、将来警戒管制レーダー等の研究開発を実施することとしております。
 第六に、防衛大綱のもと、見直し後の中期防衛力整備計画に従い、基幹部隊の見直しを行うこととし、第七師団の改編に合わせて、即応予備自衛官を導入するなど所要の改編を行うこととしております。
 第七に、安全保障対話の充実等を図るため、日中防衛医療交流セミナー等各種の交流等を実施するとともに、外国人留学生施設を建設することとしております。
 第八に、防衛調達適正化事業については、部外有識者によるチェック体制の整備、監査法人や公認会計士による契約企業の調査の促進、調達実施本部職員に対するシステム監査教育の実施等をすることとしております。
 第九に、弾道ミサイル防衛(BMD)システム関連事業については、海上配備型上層システム(NTWD)を対象とした日米共同技術研究に着手することとしております。
 なお、取得改革については、防衛調達の抜本的改革の基本的方向に沿って、五年間で一〇%低減という従来のコスト低減目標を二年前倒しし、原則として、平成十三年度までの三年間で一〇%低減することとしており、平成十一年度予算においては、このコスト低減目標の反映と仕様の見直しなど具体的な施策により単価を低減しております。
 次に、防衛施設庁について申し上げます。
 平成十一年度の防衛施設庁の歳出予算額は、後述のSACO関係経費を除き五千八百三億七千百万円で、前年度の当初予算額に比べますと二百八億二千百万円の増となっております。
 また、新規国庫債務負担行為は一千九十三億五千六百万円となっております。
 この予算の内容について申し上げます。
 平成十一年度予算において、特に重点を置いた事項は次のとおりであります。
 第一に、基地周辺対策事業につきましては、住宅防音工事の助成など、基地周辺地域の生活環境の整備等を行うこととしております。
 第二に、在日米軍駐留経費負担につきましては、日米安全保障体制の円滑かつ効果的な運用に資するため、提供施設の整備、労務費、光熱水料等及び訓練移転費を負担することとしております。
 また、このほかにSACO関係経費としてSACO最終報告に盛り込まれた措置を的確かつ迅速に実施するため歳出予算に百二十一億三千四百万円を、新規国庫債務負担行為として七十五億八千百万円をそれぞれ計上しております。
 以上申し述べました防衛本庁及び防衛施設庁予算に安全保障会議予算を加えた平成十一年度防衛関係費は、SACO関係経費を除き四兆九千二百億七千三百万円となり、前年度の当初予算額に比べますと八十九億四千八百万円、〇・二%の減となっており、これにSACO関係経費を加えますと四兆九千三百二十二億七百万円となり、前年度の当初予算額に比べますと七十四億六千六百万円、〇・二%の減となっております。
 以上をもちまして、防衛本庁及び防衛施設庁の予算の概要説明を終わります。
○委員長(河本英典君) 次に、総理府所管のうち国際平和協力本部の予算について説明を聴取いたします。上杉内閣官房副長官。
○政府委員(上杉光弘君) 平成十一年度国際平和協力本部歳出予算要求額の概要について御説明申し上げます。
 平成十一年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、国際平和協力本部の歳出予算要求額は五億七千万円であり、これを前年度当初予算額五億七千三百万円と比較いたしますと三百万円の減額となっております。
 次に、その内訳について御説明申し上げます。
 第一に、国際平和協力業務等普及啓発経費及び人道救援物資備蓄経費等の国際平和協力本部に必要な一般事務処理経費として四億六千九百万円、第二に、シリア・アラブ共和国南西部のゴラン高原における国際平和協力業務の実施等経費として一億百万円を計上いたしております。
 以上が平成十一年度国際平和協力本部の歳出予算要求額についての概要であります。
 よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
○委員長(河本英典君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。
 この際、お諮りいたします。
 外務省及び防衛庁関係予算の大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河本英典君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐々木知子君 私は、先ほどの外務大臣の御説明にもございましたODAにつきまして幾つか御質問したいと存じます。
 ODAは一九五四年に我が国ではスタートしたわけですけれども、その後、量質ともに増大いたしまして、ここ十年来、量的には間違いなく世界一の開発援助をしている国と言われるようになりました。もちろん、GNP比とか国民一人当たりと言われればまだ量的に一位というような段階ではございませんけれども、問題はやはりその質ではないかと思われるわけです。
 これも外務大臣の御説明にございましたけれども、昨今、我が国自体が財政的にかなり危機状況に陥っているという点もございまして、それでもなおかつ海外に援助をするということについては、やはりODAの透明性、効率性を高めてより質の高い援助をしていくべきではないかということが叫ばれるようになったのは周知のことでございます。
 その観点から幾つか質問したいわけですけれども、言うまでもなく、お金というのは湯水のようにあるわけではございませんし、それをただ向こうが欲するがままに与えればいいというものではございません。某国では日本の援助したお金を、日本だけに限らないのかもわかりませんけれども、上の層が取り込んでしまって下々の者には渡っていないとか、そういううわさも漏れ聞くことがございます。
 被援助国は本当に何をしてほしいのか、どういう援助をしてほしいのか、本当にその国の発展のためには何をすべきなのかというニーズをまず的確に把握しなければいけないと考えるわけです。そのためにはもちろん在外公館というのが主導的な立場を担ってその国のニーズというのをはかっていかなければいけないと思われるわけです。
 その点、外務省においてはどのようなことをされておられるのか。もし、今までに欠陥というのか欠点というのがあるのであれば、どのような方策を今後考えていかれるのか、そこら辺をお聞かせ願えればと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 援助を行うに際しまして、政策対話や事前の調査等を通じて被援助国の真のニーズを的確に把握することが必要であることは委員がおっしゃるとおりだと、こう思います。その際、途上国の実情、ニーズを最もよく把握している現地大使館や実施機関の現地事務所を積極的に活用し、その機能及び体制の強化に今までも努めてまいりましたが、より一層努めてまいりたいと考えております。
 欠点があるかどうかということでありますが、全体的にはいろいろ問題点は常に反省しながら、そういったニーズに合うように、これからも委員の皆様方の御指導をいただきながら政府としてはやっていきたい、そういうふうに思っております。
○佐々木知子君 そのニーズというのは、もちろんこれは人道的な援助ということが基本にあるわけですから、軍事的なものに使われては絶対にいけないわけでございます。
 それから、よく言われることですけれども、開発途上国においては井戸をつくってもらうこともそれは一つの援助かもわからない、でも、それよりも井戸をつくる方法を教えてほしいと。そういうことによって、これから自助努力というか長期的ビジョンに立った上での自分たちの発展が望めるからということを言われております。
 ODA大綱、これは平成四年に閣議決定になっておりますけれども、それを見ましても「重点事項」でまず人づくりというのが最重要事項であるというふうに言われております。
 まず人づくりをしなければ、その発展途上国にとっては幾らハードだけをもらってもしようがないということで、そのニーズを把握する場合に人づくりというのを最重要視されておられるんでしょうか、別に大した重きを置かれておられないんでしょうか。そこの辺について、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 途上国の持続可能で自立的な発展を可能とする上で人づくりはまさに国づくりの基礎であると思いますし、従来から予算の中でも重点項目としてきているわけであります。政府としても開発途上国の最も重要な援助分野の一つとしてとらえてきております。
 先ほど委員がおっしゃった、井戸をつくってもらうより井戸のつくり方を教えてくれというのは、日本の援助が昔から魚を与えるよりも魚の釣り方を教えろというまさにそういう方針でやってきておりますので、かなりそういう面では日本の援助は委員がおっしゃった方向でやってきていると思いますが、より一層そういうふうにしたい、こういうふうに思います。
○佐々木知子君 日本が出した供出金というのが案件どおりに使われているかどうかということをきっちり評価していかなければいけないと思うわけです。ただお金を渡して、後は勝手に使われる、例えば軍事費に使われるようなことがあってはならないということは今申し上げたとおりです。
 そして、評価の上でそれをフィードバックして、今度のときにはどういうふうな案件を正しく認定していくか、的確な認定をしていくかということについてフィードバックしていかなければいけないわけですけれども、そのような方策について今まで多分万全ではなかったのではないかと思うのですが、過去それからこれからのことも含めてどのように外務省はお考えか、お聞かせ願えればと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 評価のフィードバックにつきましては、評価の結果を外務省等の政策当局、JICA等の援助実施機関及び被援助国がフィードバックすることによって案件の改善や援助の効果的、効率的な実施に役立てているわけであります。また、評価の結果は我が国のODAに対する国民の理解増進の一助とするために経済協力評価報告書として毎年公表しております。
 万全であったかどうかというと、百点満点ということはあり得ないわけでありますから、できるだけ今後ともそういう方向で、本当に役に立ったのかどうか、国民の血税でありますから一生懸命やってまいりたい、こういうふうに思います。
○佐々木知子君 外務省の評価というのは、それは外務省自身が評価されるという方法ですか、それとも、外務省自身の評価では内部ですからおのずから限界があるような気もいたしますし、外部機関等による評価とかそういうようなこともお考えでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 外務省自身ももちろん評価しなければいけない、する責任がある、こう思いますが、外部機関等による評価につきましては評価の客観性を高める上で重要であると思っておりまして、外部の有識者、海外の専門家、シンクタンク、NGO等に評価を依頼しているわけでもあります。
○佐々木知子君 それは、現在実施されておられるんでしょうか。それとも今後やられるおつもりということでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 現在もやっておりますが、今後とも御指摘を踏まえ外部機関等により評価の活動の充実に努めてまいりたいと思います。
○佐々木知子君 その際、専門家に委嘱するとかいうような形もちょっと言われたかと思うんですけれども、それはどのような観点で選ばれておられるんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 最も適切な方ということで、そういう能力のある方、それから客観性のある方ということにしておりますが、より具体的には政府委員から説明をさせます。
○政府委員(大島賢三君) 評価につきましては、ただいま大臣から御説明ございましたように、第三者にお願いしてプロジェクトの評価をしてもらっているケースがございます。
 その際、例えば大学関係者でこういった開発問題について研究をされているとか教育をされているとか、こういった方々が数としては比較的多うございます。それから、民間のいろいろなボランティア団体の人で援助活動を実際になさっている方々にもお願いをすることがあります。シンクタンクも同じような趣旨でございます。
 それから、日本人、国内だけではございませんで、外国の援助機関、例えばカナダあるいはアメリカの援助実施機関の評価の専門家にも日本の評価に参加してもらいまして、そういう意味で第三者的な見地をより深く広く反映していく、こういったさまざまな工夫をして、できるだけ第三者的な目が評価に反映されるように努めております。
○佐々木知子君 透明性をより高めるために、ぜひともそれがうまく機能することを祈っております。
 では、被援助国の国民に、例えば日本がこの施設をつくってくれたのだとか、そういうことを本当にわかってもらっているのかどうかというのが非常に私不安というか、感じるところがあるんですけれども、それについてはどのように外務省としてはとらえておられますか。
○国務大臣(高村正彦君) 政府は、ODAを実施するに当たりまして、その事実や意義が相手国国民に伝わって評価されることが極めて当然だ、そのことが重要である、こう考えているわけであります。
 政府といたしましては、被援助国政府がその国内で我が国のODAによる支援について報道や要人のスピーチ等を通じて積極的に広報を行うように促しております。また、政府としても、大使館を通じて現地プレスへの取材の働きかけや現地プロジェクト視察ツアーを行ったり、我が国の経済協力に関する資料を作成の上、被援助国において広く配付しております。また、ODAロゴマークのシールを作成し、我が国のODAによって供与された施設や物資に貼付して我が国のODA広報に役立てているわけであります。
 私、この間、中東に行ってまいりましたら、エジプトでの病院は、現地の人はみんなジャパン・ホスピタル、ジャパン・ホスピタルと言っていましたし、それからパレスチナでも日本が建てた病院について、アラファト議長御自身から私に、きょうからこの病院の正式名称を日本病院とする、こういうようなことでありまして、そういう意味では非常に現地の人に知ってもらうような、そういう方向でやっております。
○佐々木知子君 私も、ボリビアではやけどが結構あって、それを治すための病院を日本がつくってくれた、ジャパン・ホスピタルというふうに呼ばれているというふうに聞いて、非常に感激したことがございます。
 病院だとか、そういうのは非常にわかりやすいことだと思うんですが、そうじゃない場合において日本の技術協力とかそういうのが本当にわかられているのかなということをちょっと疑問に思うこともございますので、ぜひこの点はこれからも外務省において広報に努めていただきたいと切に願っております。
 それから、被援助国の国民に日本がこれだけ援助しているんだということをわかってもらうことはもちろん大事ですけれども、ODAに年間一兆円を超える額のお金を使っているんだということ、それだけ外国に貢献しているんだということが我が国の国民自身に余りわかられていないような気が非常にするんです。せっかくいいことをやっているのに国民がわかっていないということは非常に残念なことだというふうに考えているんですが、国民の理解と支持を得るために、やはりそれは国民に知ってもらわなければいけないのではないかと。
 このODA大綱を見ましても、その五項に「内外の理解と支持を得る方策」ということで、「情報公開の促進」とか「広報・開発教育の強化」ということが書かれているわけですけれども、これがどの程度実施されているのか、外務省の方ではどのように把握されておられますか。
○国務大臣(高村正彦君) ODAの実施に当たりましては納税者である国民の幅広い理解と支持が必要不可欠であるというのは委員おっしゃるとおりだと思います。
 外務省といたしましては、こういう認識から、ODA白書、年次報告、各種パンフレットの作成、一般国民への情報提供の場としての国際協力プラザの開設、インターネット上の外務省ホームページの活用等を通じて、ODAに関する情報公開に積極的に努めているわけであります。また、義務教育課程用ODA開発教育教材やテレビ番組の制作、国際協力フェスティバルの開催など、開発教育事業にも力を入れているわけであります。
 特に経済協力につきましては、そのほとんどが国民の目に触れにくい海外で実施されているわけで、一般国民にとって身近にその成果を感じることが困難な面がありますので、国民に対する適時適切な情報公開、広報の実施は不可欠であるわけであります。現在、国会で御審議いただいている平成十一年度予算案におきましては、国民一般への情報公開を一層促進するために、ODA情報公開のためのホームページ拡充、ODA事業の公募モニター制度及び地方メディアに対するODA情報提供のための経費が新規に計上されているわけであります。
 また、私いつもマスコミの人に申し上げるんですが、ODAが報道されるときはいつも何かうまくいかなかった案件だけが報道される、これは国民の血税がどう使われているかということは非常に重要なことでありますから、それは非常にそれで結構なことなんですが、ODAがうまくいってそしていろいろ現地の人に喜ばれている状況もたまには報道してくださいよと。だから、森の中の腐った木を見つけてそこに着目するのもいいけれども、森全体の美しい緑を報道するようなこともしてくださいよということは常にマスコミの人に根気よく申し上げているわけであります。きょうもマスコミの人がたくさん来ておられますが、よろしくお願いしたい、こういうふうに思っております。
○佐々木知子君 御説明の中に、ODAの透明性、効率性という面でインターネットを用いたODA情報公開の一層の促進ということがございまして、これはよくわかるんですけれども、今さっきおっしゃいましたが、ODA事業の公募のモニターというのはこれはどういうことでしょうか。ちょっと詳しく説明いただけたらと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 具体的にきっちりした形で政府委員から説明させます。
○政府委員(大島賢三君) 平成十一年度の予算原案におきまして、ODA事業の公募モニター制度というものを要求させていただいて、御審議いただいておるわけでございます。
 これは、国民の皆様方の理解を得ていくという施策の一環であるわけでございますが、具体的には、各都道府県から公募によりまして一般市民のチームを編成して、実際に海外のODA事業現場に行っていただく、そこでみずからの目でいろいろな活動、プロジェクト等を見ていただく、その事業の実態や成果あるいは関係者の苦労等、実情についてぜひ知っていただきたいし、それを持ち帰っていただいて国民の皆様方にも伝えていただきたい。趣旨としてはそういうことで考えておりまして、この制度を予算原案に反映するに当たりましては、諸先生方からも趣旨に御賛同いただきまして後押しをいただいておるわけでございます。
 これから予算案が成立いたしましたら、具体的にこれをどういうふうに進めるか、各県、国際交流団体等の御協力も得ながら公募についての具体的な選定委員会のようなものも必要になると思いますので、具体策を練り上げていきたいと思っておりますが、趣旨はただいま申し上げたようなことでございます。
○佐々木知子君 それは非常にすばらしい方策だというふうに思われますので、ぜひうまく機能させていただきたいと存じます。
 また、記憶に新しいんですけれども、前の湾岸戦争のときに、日本はお金は随分出したんですけれども、人を出さなかったということで全く評価されませんでした。援助というのはお金を出しても直ちにそれがフィードバックされるわけではございませんで、やはり人を出さないと、汗を出さないと、というところがございます。
 その援助にかかわる人材、有益な人材をどうやってふやしていくかというのは、教育の問題にもかかわるかと思いますが、これから重要な事項だというふうに考えているわけですけれども、それについてはどのように外務省はお考えでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 援助にかかわる人材の養成、確保、活用は多様化する開発ニーズに応じた協力の実施のために不可欠であるというふうに認識しております。具体的には、JICAにおける広く国民一般から援助要員を登録公募する制度、あるいは将来の援助要員として期待される人材を養成するための研修等の事業を通じて多様な人材の育成を図っているわけであります。今後とも現行の制度を活用し、必要に応じ見直しつつ、積極的に質の高い人材の養成、確保を進めていく考えであります。
 また、多様化するニーズへのきめ細かな対応、国民参加型協力の推進等の観点から、NGO等非営利団体との連携も重視しております。NGOが個々に実施する事業への支援のほか、十一年度予算案にはJICAが行う事業実施のNGO等への委託のための経費も新たに計上しており、これらを通じてNGOとの連携を一層深めていきたい、そういうことがまさに人に着目した援助につながっていくんだろう、こういうふうに思っております。
○佐々木知子君 JICAは非常にすぐれた機関で、大きな組織でございますが、日本はNGOとか研究機関というのは非常に弱いというふうに世界的にも言われているそうなんですが、今おっしゃったNGOというのは、具体的には例えばどのようなNGOを指しておられるんでしょうか。
○政府委員(大島賢三君) NGOとの関係につきましては、外務省からNGOが行っております事業に対しまして補助金という形で事業の一部についての補助をする形で支援させていただいております。
 そのほかに、NGOの活動が特に草の根レベルでの細かい配慮の行き届くような部分については大変に長所を発揮いたしますので、私どももこれは非常に重要な活動だと思っております。先ほど申しました評価のような活動におきましても、外務省とNGOで共同でプロジェクトを評価するというようなことで、経験を分かち合う、お互いに相手のわかりづらいところをそういう形でより理解を深める、こういう努力もやっております。
 それから、一般的にNGO事業とそれから政府がODAという形でやっております事業との間の理解、あるいは場合によりましては連携を深めるために定期的な意見交換会も行う、こういういろいろな形で近年協力関係を深めるように努力いたしております。
○佐々木知子君 国際交流という場合にはもちろん人の交流が一番大事になるわけですが、できるだけ留学生をふやして我が国と国民にいい感情を抱いて帰国していただいて、その後に両国の友好のかけ橋になっていただくということが私は極めて有効だと思っているんです。
 この点、JICAの研修生あたりは非常に友好感情を抱いて帰っていただけるようなんですけれども、いわゆる普通の留学生につきましては余りいい感情を抱いていただけずに帰られてしまうと。それでは何のためにお金を使って留学してもらって日本に来てもらってという意味が本当にないようなことになってしまうんで、非常に残念だと思うわけですけれども、これについての方策というのは考えておられるでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 外務省は、諸外国との相互理解と友好親善を促進して途上国の将来を担う人材の育成に協力するという観点から、文部省とも協力いたしまして留学生交流を推進、支援してきましたが、日本への留学生受け入れ数が近年伸び悩んでいるわけであります。その原因として、我が国の生活コスト高、英語圏への留学指向が一層強まったこと等が指摘されております。
 外務省は、留学生受け入れは日本の国際化に貢献するものであるとともに途上国の人材養成に対する支援でもあるとの認識から、今後も海外における日本留学希望者を支援するため、在外公館における各種の情報提供の一層の充実に努めるとともに、新たな留学生受け入れ事業を推進し、また対日理解、友好関係の増進に貢献してもらえるよう帰国留学生に対する各種支援事業を継続してまいる考えであります。
 委員がおっしゃるように、例えば私と同じぐらいの年代の日本に留学していたインドネシアの人たちというのは非常に親日的であります。これはなぜかというと、当時、日本から与えられていた奨学金が一般の日本人学生よりも小遣いが多いということがあって、例えばインドネシアの経済調整大臣のギナンジャールさんというのは本当に、あるいはその仲間みんな、来ていた人たちは非常にいい待遇であれば非常に親日的になるし、そうでない反対の状況であれば非常に何かを感じ、それは経済面だけでなくていろんな面でそういうことがあると思います。そういったことも含めていろいろ考えてまいりたい、実施してまいりたい、こういうふうに思います。
○佐々木知子君 ぜひそのように願いたいと思っております。
 それから、近時ベトナムやカンボジア等アジア諸国に対する法整備支援など、新たな形での援助が功を奏しているというふうに聞いております。
 個人的になりますが、ベトナムの法整備支援に関しましては、私が前に法務総合研究所にいますときに、私自身がベトナムに専門員として派遣されましたし、私がベトナム司法省の副大臣以下の研修生の研修を担当したような経緯もございまして、これについては非常に個人的にも関心を抱いているわけですけれども、こういうソフト面での支援というのは非常に功を奏するというふうに思っている者です。
 というのは、また個人的になりますけれども、私はアジア極東犯罪防止研修所という国連の機関に三年間教官として勤めておりました。その折に、イギリス法が根づいている国、つまりイギリスの植民地だった国というのはほとんど全部と言っていいぐらいイギリス法なんですが、彼らが非常にイギリスを尊敬しているのは、一つには法制度というものが根づいていてそれもまた非常に尊重しているということがございます。
 だから、もし日本がアジアの近隣諸国に法制度というものをうまく輸出することができれば、同じような形での真の友好関係というのが築けるというふうに考えておりますので、この形での支援というのをこれからもどんどん進めていただきたいというふうに考えているわけですが、このようなソフト面での支援というのはほかにございますでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 国づくりの基盤となる政策立案にかかわる人材の育成、法制度の確立等に関する政策支援型の援助、これは市場経済移行国等の相手国の開発に対し中長期的にわたる効果をもたらすものであり重要である、これはもう委員が御指摘のとおりであると思います。
 このような観点から、経済社会改革に取り組んでいる途上国に対し政策的助言を行う専門家の派遣及び研修員の受け入れ等を組み合わせた重要政策中枢支援を国際協力事業団、JICAを通じて実施することを初め、途上国政府の政策立案を担当する中枢機関に対する支援を行っているところであります。
 このほか、国際交流基金においてもアジア各国に対して知的支援を行っております。また、高度かつ体系的な知識を習得した優秀な人材を養成するために、JICAで二年間を標準とする長期研修コースの新設を来年度予算に計上する等、政策支援型の援助の一層の充実を図っていきたい、こういうふうに考えております。
○佐々木知子君 ぜひ、その面での支援をもっと発展させていただけるように心から願っております。
 時間がございませんので、次に防衛庁にお伺いいたします。
 防衛庁に関してはただ一点だけです。地域の平和を維持するためには経済援助と、本来であれば安全保障という安全保障面での援助というのが両輪であるべきだというふうに考えているわけですけれども、周知のように日本では憲法の制約もございまして、安全保障的援助という面ではかなり制約されると考えております。
 それは仕方がないんですけれども、聞くところによりますと、防衛庁は防衛大学にアジアの研修生を現在受け入れているというふうに聞いておりまして、そういう形での安全保障的援助をしているのではないかというふうに思うんですが、その実態とか効果、今後もっと広げていきたいとか、そのような抱負とかビジョンがございましたら、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 御案内のとおり、防衛庁は自衛隊法の百条の二の規定によりまして、防衛大学校だけではなくて防衛研究所とか各自衛隊の幹部学校等においても外国人留学生を受け入れて受託教育を実施しております。
 きょう現在で防衛大学校へのアジア諸国からの留学生の受け入れについて申し上げますと、タイ、シンガポール、インドネシア、韓国等から四十二名を受け入れております。これまでの累計ではアジア六カ国から百七十名を受け入れてきたところでございます。
 防衛庁における留学生の受け入れは、留学生との交流を通じ日本人学生の国際的視野を広げる、あるいは自己啓発を促すという教育効果が期待できるだけではなく、我が国の防衛政策や自衛隊の実態等に関する留学生の理解と認識を深めさせ、我が国と留学生派遣国との間の信頼関係の増進などに大変役立つものでございます。今後とも積極的に受け入れてまいりたいと思います。
 ちなみに、平成十一年度の防衛大学校への留学生受け入れについては、既に韓国から三名を受け入れることが決定しているほか、現在タイ、インドネシア、モンゴル、ベトナム等から十四名の受け入れについての希望が寄せられている、こういうことで大変この面の交流は進んでいるものと思っております。
○佐々木知子君 ありがとうございました。以上で終わります。
○森山裕君 初めに、ウィリアム・ペリー北朝鮮政策調整官の来日に関連して伺います。
 ペリー氏は、御承知のとおり、国防長官として活躍された方であります。一たん国防長官を退きスタンフォード大学で研究生活を送っていたペリー氏を、昨年十一月にクリントン大統領は現在のポストに任命されました。このことは一九九四年の米朝基本合意いわゆるジュネーブ核合意を中心に据えたこれまでの対北朝鮮外交について、新たな核疑惑あるいは合意の枠組みに入っていなかったミサイル問題等の情勢の変化により、ジュネーブ合意だけでは対応ができなくなってきたため、抜本的な見直しを図らなければならないということではないかというふうに思料いたします。
 そこで、前国防長官の要職にあられたペリー氏が北朝鮮政策調整官としての任に当たっておられることについて、どのような受けとめをしておられるのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 昨年十一月、米国政府はペリー前国防長官を北朝鮮政策調整官に任命し、以来、同調整官が米国の対北朝鮮政策を見直す作業を行ってきているわけでありますが、これは一つには議会との関係もあると思います。また、米国の政府及び議会のいずれもが北朝鮮をめぐる問題を大変重視していることのあらわれである、こう認識しております。
 北朝鮮政策調整官の役割は、米国の対北朝鮮政策を見直し、核兵器、弾道ミサイル及びその他の安全保障関連問題について北朝鮮と交渉する際の政策方針を検討することなどである、こういうふうな理解をしております。
○森山裕君 ペリー調整官の仕事というのは、我が国にとっても大変大きな関連を持つものだということでは認識を一致できるのではないかと思いますが、今回の来日は、今月末にまとめる大統領への報告書の概要について説明することだったというふうに言われております。
 ペリー政策調整官が二月二十六日に大統領に提出した中間報告では、一つは北朝鮮の核開発を廃止させる。もう一つの柱は、弾道ミサイルの開発及び輸出を停止させることに向けた交渉が進展しないときは米朝合意の維持はできない。もう一つは、弾道ミサイルが再び発射されるようなことがあれば、基本合意は維持することなく、あらゆる経済制裁を継続する。以上三点であったと報じられております。このことは、アメリカ政府が北朝鮮の核開発を廃止させ、弾道ミサイルの開発及び輸出を停止させようという強い姿勢を示しているということではないかと思います。
 ところで、今回の来日を前にペリー政策調整官は韓国を訪問し、韓国政府と意見交換をしておられます。韓国政府は、南北対話の再開と北朝鮮支援といういわゆる太陽政策を強く主張したということが報じられております。韓国の訪問に続いての来日で、総理を初め関係閣僚との会談では、北朝鮮への対応は抑止と対話による包括的アプローチで合意したという報道がなされております。
 そこで、日米韓三国においては、北朝鮮の問題に関していささかも認識の差があってはならないというふうに考えますけれども、まずこのことについて御所見を伺います。また、包括的アプローチというのはどういうことなのか、許される範囲内でお示しをいただければと思います。
○国務大臣(高村正彦君) ペリー調整官の方から、この説明についてはこれから大統領に説明することであるし、議会との関係もあるので外には出さないでほしい、こういうことを言っておられます。ペリー調整官自身が外に対して話したのは包括的アプローチである、こういうことだけで話しているわけで、韓国側もそのことで一切内容については出していないということでありますので、その内容については申し上げられないということはひとつ御理解をいただきたい、こう思います。
 それで、委員が御指摘になったように、対北朝鮮政策、日本、韓国、米国が密接に連携協力することが極めて重要だと考えておりますし、さまざまなレベルでこれら両国と意見交換を行っていますし、これからも行っていくということでございます。ただ、一方で日韓米それぞれ国内事情が異なる、地理的条件も違いますし、いろいろ事情が異なるわけでありまして、全く同じ対北朝鮮政策をとっているわけではありません。また、全く同じ政策をとらなくてはいけないということでもないと思うわけであります。
 私は、このことは金大中大統領と前にお会いしたときに、これは全く同じ政策をとるということは必要ないということについて申し上げて、金大中大統領もそれはそのとおりだと、こういうことを言っておられました。ただ、日韓米が緊密な政策調整を行って、三カ国の対北朝鮮政策が全体として整合性を保ち、効果的なものであるようにする必要がある、こういうふうに考えております。
○森山裕君 今、大臣もお触れくださいましたけれども、それぞれの国の事情が違うというふうに思います。まず、我が国は昨年のテポドンミサイルの発射問題というものも抱えておりますし、またこの問題そのものにとりましても、やはり日本と米韓の間では少し認識の差があるようにも思います。また、我が国にとっては国家主権にかかわる問題であり、人道上も看過できない日本人の拉致問題というものも抱えております。
 今回の会談において、これらのことについて十分な意見調整がなされたのかどうか、そのことについて少しお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 私がペリー調整官と会ってお話ししたのは約一時間でありますが、ペリー調整官から包括的アプローチの説明を受けました。その中で受けた限りにおいては、日本がここは支持できないというのは一切なかった、そういうことで基本的に支持するということを申し上げた。その上で、私の方からミサイルの問題と拉致の問題を申し上げたわけであります。
 ミサイルの問題につきましては、北朝鮮がさらに発射する兆候をつかんだようなときは、日米韓が連携をしてそれを阻止するような強い警告を出すべきである、それにもかかわらず発射があったような場合については、それに対して何をするかということを日米韓であらかじめ調整しておくべきであるということを申し上げ、ペリー調整官もそのとおりだということを言っていたわけであります。
 それから、拉致の問題については、包括的と言う以上、KEDOの問題も含むんでしょうが、日本は拉致の問題を非常に重視しているということを申し上げて、それに対してペリー調整官は日本の立場を全面的に支持する、こういうことを言っておられたわけであります。
 私の方が申し上げたことはまさにそういうことでありますが、ペリー調整官が示した包括的アプローチは、繰り返しになりますが、内容を申し上げることができないことを御理解いただきたいと思います。
○森山裕君 内容についてはいろんな事情がありましょうから、これ以上お聞きしようとは思いませんが、包括的アプローチというのは、国民はどういうイメージだと受け取ればいいんでしょうか。どういうイメージのものなんでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) ペリー調整官との話をちょっと離れて、金大中大統領とお話ししたときに、今アメリカとの間で、例えばミサイル協議とかテロ協議とか核の問題とか、別々に交渉していると。問題はたくさんあるので、そういうことを一つ一つやっていたらもう時間もかかって切りがないと。やっぱり一遍に一つのテーブルにのせてやった方がいいのではないかということを金大中大統領は言っておられました。
 金大中大統領がおっしゃるところの包括的アプローチとペリー調整官がおっしゃるところの包括的アプローチが、その範囲とか何とかですべて一致するとは限りませんけれども、今私が御紹介申し上げました金大中大統領の言葉そのものは、それは包括的アプローチということ全体に当てはまることなのではないかと思っています。
○森山裕君 ところで、今後の問題ですけれども、今後米朝間で核問題について前進があり、米朝合意が妥結したときに我が国として食糧援助の再開という問題が浮上してくるのではないかというふうに思いますが、国民の中には、やはりテポドンミサイルの問題あるいは日本人拉致問題について北朝鮮の誠意ある対応が見られないこと等から非常に複雑な気持ちがあると思うんですけれども、そのことでなかなか理解できない心境というのが国民の中には根強いと思うんです。
 非常に難しい対応を迫られてくるということが予測されるんですが、このことについてはどういう見解をお持ちなんでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) おっしゃるように、我が国は昨年八月の北朝鮮によるミサイル発射を受けて食糧等の支援を当面見合わせることとしているわけであります。現在、秘密核施設疑惑に関する米朝協議が行われており、我が国は韓国とともに米国を支持しつつ、北朝鮮がこの協議を通じて秘密核施設疑惑を払拭するよう求めているわけでありますが、この協議が妥結することは対話により北朝鮮をめぐる問題が一つ決着に向けて動くということでありまして、基本的に歓迎することとは考えております。
 ただ、それにより我が国の対北朝鮮政策をどのように変えるのかあるいは変えないのかということは、米朝協議がどのような形で妥結するのか、妥結時点での日朝関係がどのような状況にあるか等、総合的に考慮して決めるべきものだと思っておりますし、あらかじめこれがこうなればこうなるというきちっとした形でお示しするのは困難だと思います。
 いずれにしましても、我が国としてはミサイル問題や秘密核施設疑惑などの国際的な懸念や拉致疑惑などの日朝間の懸案について北朝鮮に建設的な対応を求めていく考えでありまして、北朝鮮がそのような対応を示すのであれば、我が国として対話の再開を通じ、関係改善の用意があるということは何度も申し上げておるところでございます。
○森山裕君 もう一点伺います。
 KEDOへの十億ドルの資金拠出の問題であります。KEDOの枠組みの大事さというのは大臣の過去の委員会での答弁で理解ができますし、私もそのとおりだろうというふうに理解いたしますが、国民の支持を得られる状況というのはどういう状況が最小限必要なんだというふうに思っておられるのでしょうか。実際、十億ドルの拠出に踏み出す時点というのはどういうことなんでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) KEDOにつきましては、昨年十月二十一日の時点で、当面見合わせるということについてはその時点でやめて、そして協力を再開するという政治的な決定を行っているわけであります。
 今まだ協定文の内容についていろいろ協議しておりますが、この問題は、やはり北朝鮮の核開発を阻止する、今ある現実的なただ一つの手段とも言えるわけでありますから、これに協力しないということでこの枠組みを壊して北朝鮮に核開発を再開する口実を与えるということは、それはもうできない話ですから、今の状況であっても私はこれは基本的に再開すべき話だと、政府としてもそういうふうに考えていると。
 十月二十一日に再開したときに多くのマスコミに書かれたのは、やむを得ないけれども釈然としないとか、釈然としないけれどもやむを得ないと、そういう国民感情として釈然としないというのは、それは多くの国民がそう考えていることだと思いますが、これは日本の安全保障の問題でもありますし、やむを得ないのではないか、こういうふうに考えます。
○森山裕君 大臣、どうなんでしょうか。十億ドルの拠出に国民の理解を得るためには、やっぱり米朝協議というものが進展するということが一つの前提なんじゃないですか。
○国務大臣(高村正彦君) 単に国民の理解というだけでなくて、核開発を阻止するためにKEDOをやっているわけですから、KEDOの枠組みは動いても、ほかで核がどんどん開発されているよというような状況では、国民感情もあるけれども、実質的にもKEDOの枠組みというのは何なんだという問題も出てくるわけであります。それはぜひ解決しなければいけない話だと、こういうふうに思っております。
○森山裕君 次の質問に移らせていただきます。
 危機管理体制については従来からさまざまな指摘がありました。改めて我が国の危機管理体制の不備を思い知らされたのが阪神・淡路大震災であったと思います。さらに、昨年夏の北朝鮮のテポドンミサイルの発射により、有事の場合の対応がなされていないことに国民の不安が高まりました。以来、我が国の防衛のあり方について活発な論議がなされています。
 防衛白書では、「防衛施設は、自衛隊及び在日米軍の各種活動の拠点であり、我が国の防衛力と日米安保体制を支える基盤として必要不可欠なものである。それらの機能を十分に発揮させるためには、その周辺地域との調和を図り、周辺住民の理解と協力を得て、常に安定して使用できる状態に維持することが必要である。」、こう位置づけております。非常に大事なことは、関係自治団体と住民の協力を得て常に安定して利用できる状況にということが一番大事なことなんだろうと思いますけれども、いろんな問題があることもまた事実であります。
 具体的なことについて少し伺いたいと思います。平成十一年度予算のうち基地関係予算についてまず伺いますけれども、基地周辺対策経費としては、障害防止事業、あるいは騒音防止事業、民生安定助成事業、道路改修事業等がありますけれども、これらについて、基地を抱えている地方自治体からその実情を伺いますと、いろんな意見があります。特に、騒音防止事業についての要望というのが非常に大きいようであります。
 そこで伺いますが、防衛施設に隣接いたします騒音防止事業の中で第一種区域、第二種区域、第三種区域というふうに区域を分けているわけですけれども、第一種区域につきまして、加重等価平均感覚騒音基準という基準でもって一つの仕分けがなされているわけでありますが、これが昭和五十六年にW八十であったものが昭和五十九年にはW七十五というふうに改善され前進をしてきたところでありますけれども、それ以降第一種区域についてはずっとW七十五で据え置かれている。住民あるいは関係の自治体からは、どうしてもこれをW七十に引き下げてほしいという要望が強くなされているようであります。
 また、この騒音対策事業の中で一番問題となりますのは、区域の指定前に建っていた家屋についてはその事業の対象になるわけでありますが、区域指定後の新築の家屋やあるいは増築する家屋等については対象となっていない。ゆえに第一種区域に家を建てる場合には自己負担でもって防音の工事をしなきゃいけない等々の問題があります。
 このことについて、防衛庁としてどういうふうに考えておられるのか、まずそのことをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 私どもは、これまで防衛施設の設置、運用に伴う障害の防止等のため、地元の要望を踏まえまして、先ほど委員からお話があったとおり、障害防止事業や騒音防止事業、民生安定事業等の各種施策の拡大充実に努めてきたところでございますけれども、今後とも、基地周辺対策事業の推進に当たっては、地元の要望について積極的に取り入れてまいりたいと思っております。
 今御質問ございました具体的な問題につきましては、政府委員の方から答弁させます。
○政府委員(宝槻吉昭君) ただいま先生から二点、具体的な御質問について、私の方から補足させていただきます。
 まず第一点目は、第一種区域の指定基準がこれまで七十五WECPNLという基準値以上について対象にしてきたわけでございまして、この考え方は、人の静ひつな生活環境基準値として定められている六十W以下の屋内におけるいわゆる静ひつな状態を確保するという考え方で、そのために、住宅防音工事を実施した場合に七十五Wを六十以下に下げられるという考え方で七十五に指定してきているわけでございます。
 確かに今、周辺の自治体あるいは関係住民の方々から、さらに七十まで下げてくれないかという要望があることは承知しております。しかし、まだ七十五W以上の区域についての工事が終わっておりません。
 したがって、騒音の環境基準との関連も踏まえまして、確かにこういった点について将来考慮していく余地はあろうと思いますけれども、現時点では七十五以上の区域にある住宅防音工事を推進してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
 それから、第二点目でございますけれども、これは御指摘のように、区域指定を段階的に行ってきたということで、指定後に建築された住宅について対象とならない部分がございました。
 こういったところについての工事を対象にしていくという施策については、逐次実施してまいりたいというふうに考えております。
○森山裕君 七十五Wでまだ工事が残っているところというのはどれぐらいあって、あとどれぐらいの予算を必要とするんですか。
○政府委員(宝槻吉昭君) 全体的に簡単に申し上げますと、新規の工事については終わっているんですが、追加の工事が残っておるわけでございます。これらについては、全国的に、ほぼ二十数万世帯のうちの約二割以上がまだ残っております。
 今後、これらを実施した場合の全部の予算額については、今ちょっと手元に見積もりがないのでございますけれども、まだ相当かかるというふうに考えております。
○森山裕君 それは、本人から申請がないんですか、申請があるけれども予算がないから抑えているんですか、どっちですか。
○政府委員(宝槻吉昭君) 住宅を改築する防音工事になりますので、私どもは基本的に要望を受けてやる形にしております。もちろん予算全体の制約もあろうかと思いますが、基本的には要望を受けて、逐次地元における工事の能力といいますか、そういったものを勘案しながら進めておるわけでございます。
○森山裕君 終わります。
○柳田稔君 おはようございます。
 きょうの私の質問は、先日の予算委員会の集中審議の続きをやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 先日の集中審議を聞いておりまして、何か不思議なことを外務省初め日本政府はやり始めているのかなという気がいたしました。特に、田先生の御質問がありましたけれども、岸総理のときの政府の見解と今が大分変わっているという内容の質問がありましたが、私は、外務大臣の答弁よりは、どちらかというと田先生の質問の方が筋が通っているのかなという感じを受けました。もう一つ、地方自治体がやっています非核証明書の件も問題になりましたけれども、あれも質問する方の方が筋が通っていて、答弁する政府の方が大分筋を変えてきたのかなという感じがいたしました。
 私がトータルで思ったのは、政府が過去言ったこと、それがまだ今でも生きていますと言いながら、だんだん変わってきている、やっていることが。そのやっていることが悪いとは思わないです、いいことだと思うんですけれども、基本の考えを変えずにだんだんそれから違うことをし出している、それがおかしいのではないかという気がしているんです。
 特に、今回、日米防衛協力の新しい指針、ガイドラインという法案が国会にかかっていますけれども、この審議を始めなきゃならないというのもよくわかるんですが、そのガイドラインの前提になる条件をほとんど日本政府は整えていないのではないか、そこから始めなきゃならないのではないかと僕は思っているんです。
 それで、予算委員会でも有事立法のことをまずやったんです。つくれとは言いませんでしたけれども、私は必要だと思うからわざと有事立法について言ったんです。その次、基本的な考えについてということで、私は集団的自衛権を持ち出したんです。だから、そろそろ日本政府も、国を守る、国民の生命、財産を守るということについて基本的な考えを整える必要がある、それをしていただきたいという趣旨でこの集団的自衛権を持ち出しているんです。
 それで、日米安全保障条約がありますね。事前通告していない問題なんですが、これは集団的自衛権の行使の条約じゃないのかなと思うんですが、外務大臣、どう思いますか。
○国務大臣(高村正彦君) 日米安全保障条約というのは、米国側は集団的自衛権を行使するけれども、日本側はもちろん憲法の範囲内でやるわけでありますから集団的自衛権は行使しないと、そういう条約でございます。
○柳田稔君 そうなんですね。だから、僕が予算委員会で言ったのは、集団的自衛権を日本国も有する、そして行使できる、ただし行使については憲法の制約を受けます、こう言った方が一番素直じゃないのかなと。
 アメリカは集団的自衛権を行使できます、そして実際にやります、それが日米安全保障条約のアメリカの立場です。日本は集団的自衛権を有しますけれども、行使できません。何かおかしな条約だと思いませんか、外務大臣。
 だから、政府が解釈しているよりも、日本政府も行使できる、ただし憲法の制約を受けると言った方が一番すっきりするんじゃないかと思うんですけれども、どう思われますか。
○国務大臣(高村正彦君) 私が頭が悪いから理解できないのかどうかよくわかりませんが、憲法の制約によって集団的自衛権が行使できないというのが政府の考え方でありますが、そこと先生のおっしゃることとどこが違うのかよくわからないということでございます。
○柳田稔君 行使できないというのとできるというのは違いはよくわかりますよね。だから、できるというのとできないというのとはっきり明らかに違いはわかる。できるけれども日本としては憲法の制約があるからここまではやります、ここはできませんと言って、はっきり方針を決めた方がいろんな面ですっきりするんじゃないかと思うんです。だから、行使できるけれども憲法の制限を受けるというのと、最初からできないというのと違いがあると思うんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 憲法の制約で行使できないということを申し上げているんですが、できるけれども憲法の制約がある、制約があった結果、委員はできると考えておられるんでしょうか、できないと考えておられるんでしょうか、私はそこの違いがよくわかりません。
○柳田稔君 それで、一つの課題として多国籍軍があるんです。先日の集中審議で、多国籍軍というのは国連の集団安全保障だと外務大臣は答弁されましたですね。
 そこで思うんですけれども、それは国連としては集団安全保障だとおっしゃるけれども、例えば多国籍軍に参加する国ですね、参加する国に着目したときに、ではその国は国連が集団安全保障だと言うから何でもオーケーだというわけにはいかないと思うんです。多分その国が持っている何かが基本になって参加する、しないとおっしゃるはずなんですね。何かがないとできませんからね。
 その何かというのは、私はその国にとっての集団的自衛権が行使できるというのが論拠になるのではないかと思うんです、その国にとっては。それを活用して範囲を広げていって、ではこの多国籍軍については参加しようというふうにしているのではないのかなと私は思うんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 法律という法的な側面というのはいろんな説明の仕方があるかと思いますから、委員がとらえているような説明の仕方もあるのかもしれませんが、武力行使、戦争が一般的に禁止をされて、そして例外として許される場合が集団的安全保障の場合ですよと。国連憲章に基づく集団的安全保障の場合と、そして自衛権の場合とこの二つに分かれたわけです。その自衛権の中に個別的自衛権と集団的自衛権というものがある。だから戦争を一般的に禁止するけれども、集団的安全保障の場合にいいですよと、こう言っちゃっている中に、わざわざもう一つの範疇の中の集団的自衛権があるから、これができるんだということを持ってきて説明する必要はないのだろうというのが私の考えであり、政府の考えでございます。
○柳田稔君 そうしますと、集団的自衛権は行使できない、これは政府はそう考えていると。国連の言う集団安全保障には参加できるということになるんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 集団的安全保障の中で参加できることとできないことがある、こういうふうに考えております。
○柳田稔君 そうしたならば、国連が言う集団安全保障には参加できることとできないことがあると。では、できることは一体何ですか。
○国務大臣(高村正彦君) 憲法上の話でいえば、武力を行使することあるいは武力行使と一体となることはできないということで、例えば多国籍軍の場合などがそういうふうに整理をしているわけであります。
○柳田稔君 今までの政府のやり方は、物事が起きた、これはできると。そのたびそのたびに判断するんですね。例えば湾岸戦争があったときの掃海艇がそうなんですけれども、あれも大分議論になりました。先ほどの質問の中で大変なお金を出したのに世界からは非難されたという話がありました。
 ちょっとわき道にそれるかもしれませんけれども、あのときなぜ自信を持って日本政府は世界へ向かって言わなかったのかなという疑問もあるんです。我々はこれだけのお金を出したんだ、湾岸戦争をサポートしたんだと言って、誇りを持って言えばいいのに、お金だけ出して済みません、汗をかかずに済みませんでした、こういう言い方をされたわけですね。だから、世界からああいうふうな批判を浴びたんだろうと思うんです。これはちょっとわき道でした。
 戻しますと、要するに政府は、テーマが出て初めてこれについて、さあできるかできないか、の議論をされますね。以前ベルリンの壁が壊れるまではアメリカとソ連の冷戦でした。これは核を持ったもの同士の大国の冷戦ですから、日本がどんな手出しをしようがどうしようもなかったわけですけれども、今時代が変わって地域紛争が中心になっています、いろんな地域紛争が。
 特に、日本の場合は朝鮮半島という非常に不安定な地域を隣に抱えているわけでしょう。そうしたときに何が起こるかわからない、だから周辺事態法を持ってきて、これで少しでも対応していこうというのが政府の考えなのかなと私は思うんです、今回の周辺事態法は。だけれども、これを活用していくうちに、実施していくうちに何が起こるかわからないわけです。そうしたら、出てきた時点でまた一生懸命議論して、国会を無視して、報告ですから、政府の中で議論していって何か対応しようと。
 そうすると、今外務大臣はできるものとできないものがあるとおっしゃったけれども、できるものの範囲というのを政府ははっきり持っていないのじゃないか、持っていない中でいろんなことが起きたときにどんどん対処していく。要するに、なし崩しで、これは必要だからやるんだと、どんどんやっていく、そうなってくるのではないかと私は思うんです。外務大臣、そう思いませんか。どうでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 憲法判断の基準というのは我々はきちっと持っているんです。物差しとしてきちっと持っているんです。それで、そのときそのときに対応するというのは、むしろ政策論として、そのときの現実に起きた状況の中でどう対応しようかというのはむしろ憲法論との関係でいえば当たり前のことなんだろうと思うんです。
 ただ、いろんな問題が起こるたびごとに泥棒を見て縄を編むようなことにならないように、例えば法律の整備をしていく必要がある。そういう中で、まだ見ないうちから縄をつくっておこうという、その一つが周辺事態安全確保法案であります。
 もちろん、憲法解釈についてもある部分についてまだ確定的な答えを政府が出していない部分もありますけれども、全体的にいえば今までの積み重ねで、憲法解釈そのものはある程度の線がきっちり出ているんだというふうに考えております。
○柳田稔君 今回のガイドラインについても、細かい話は抜きにして、基本的にこのガイドラインというのは従来の日本政府が国民に示してきた範囲を少し超えているのではないかと。これは田先生がまたいつかやられるかと思うんですけれども。
 私は、内容が悪いと言っているんじゃないんです。ただ、こういうことが、いろんなことをどんどんやられる、それが怖いんです。どこかにはっきりとしたものを示す必要があるのではないかと。
 では、外務大臣、角度を変えて聞きますけれども、どこまでできてどこまでできないかをはっきり答弁してください。そう言われたら困りませんか。
○国務大臣(高村正彦君) 質問の趣旨がよくわかりませんので、もうちょっと具体性を持って言ってください。
○柳田稔君 それじゃ、もう一回。
 外務大臣が、憲法の解釈でできることとできないことがあるとおっしゃいましたね。そうしたならば、その解釈をはっきり言ってほしいと。これはできてこれはできない、その線をはっきり引くのだったら引いてみてください、そういうお考えがあるのだったら。具体的例ではなくて、考えを言ってみてください。
○国務大臣(高村正彦君) どういう切り口で──、憲法九条にかなうかかなわないかというのは、それはもう武力行使並びに武力行使と一体化するか、それが物差しで、あとは具体的なことにそれを当てはめる問題であります。
○柳田稔君 武力行使に一体化する、しない。ちょっと細かい議論になってしまいましたけれども、武力行使と一体化する、しないという線引きがまた難しいんですね、これは。だから、線は引けないんですよ、はっきり言うと。
 例えば、朝鮮半島の有事があったときに、安全な地域ですから自衛隊が活動できますとよく政府は答弁されますね。安全な地域ですから、自衛隊も日本の領海の外に出ていって公海でも活動できますと。安全な地域ですとおっしゃるけれども、先ほど質問があったように、ノドンが開発されて、次テポドンですね。その次、大陸間弾道ミサイルかなんか知りませんが、何かまたやるらしいんですけれども、もうテポドンを持っているわけです。とすると、テポドンの射程距離というのは日本はもう十分入っているわけですから、安全な地域というとハワイよりも東でやってくれというようなものだと僕は思うんです、安全な地域というのだったら。テポドンが届かない範囲、ハワイの東かなと。日本海は全部ミサイルが届くんです。それをあえて安全な地域とかおっしゃるからまたおかしくなる。
 私は思うんですけれども、周辺事態法は要ると思う、内容の細かい面は別として。ただし、政府がおっしゃっていることと大部分がつじつまが合わなくなってきているわけです。だから、つじつまが合うように基本的な考えも出していく必要があるんじゃないかというのが一つ。
 それから、できる、できないとおっしゃるのだったら、今からその線をはっきり引く必要がある。朝鮮半島で有事が起きた、日本はそれに対応する法案をつくった、周辺事態法で日本もいろいろ参加する。だけれども、戦争ですから何が起こるかわからないわけです。
 あのPKOとか今回の掃海艇というのは、安全だという大前提があるんです。犯罪はありますよ、犯罪は。でも、国が攻撃するとか、そういうものはないと。犯罪は起こるかもしれないけれども平和だという大前提があってPKOは派遣し、そして掃海艇を出したわけです。
 でも、今回の周辺事態法は違うんですよ。何かが起きたからそのために日本の自衛隊を初めいろんな活動をしようということなんです。できるかできないかわからない中で、何が起こるかわからないわけです。とすると、我々にとっては物すごく不安なんです。
 これは日本国民だけではない、近隣諸国もそうだと思う。日本という国は、憲法ではできないと言っておきながらやってきたではないか。何をするかわからない、どこまでするかわからない。私は、日本に近い国の皆さんは多分それが一番不安だと思うんです。何をするかわからない。憲法の枠内としか言わない。その解釈はと聞くと、場当たり的にしか決めない。
 それが一番の基本ではないかと僕は思うので、だから、憲法があるから集団的自衛権は行使できないとおっしゃるんだったら、その憲法で何ができてできないか、日本国としてはっきりすべきではないか、そう思うんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) さっきから申し上げているように、物差しとすれば、武力行使及び武力行使と一体化することはできないと。あとは当てはめで、具体的なすべてのことを列挙するなんというのは、そんなことは不可能な話でありますから。すべての法律について言えることですが、あらゆる場合を列挙することが不可能だから、すべての法律で判例の積み上げをやって、ここは入る入らない、こういう解釈があって、弁護士なんという職業が必要になってきたり法律家なんという職業が必要になってきたりしているわけで、憲法にまつわることだけが、何かすべてのことが明確にだれが見てもこっちだとわかるように決められるというのは、それは不可能なんじゃないでしょうか。
 私たちは一貫して、武力行使そのものと武力行使と一体化することは、個別的自衛権の場合は別ですけれどもそれ以外の場合にはできない、こういうことを申し上げてきているので、我々がそんなにどんどん拡大してきたとかそういうこともない、こういうふうに思っております。
○柳田稔君 今回の周辺事態確保法案、これは僕は思うんです、新しいことを出してきたなと。だけれども、必要だから我々も前向きに考えようとは思うんですけれども、従来の感覚からいくと新しいことを出してきたなと僕は思うんです。
 さっき言いましたように、PKOにしろ掃海艇にしろ、安全だという大前提で自衛隊が出ているわけです。だけれども、今回の周辺事態法というのは、危ないからこそ出すわけでしょう。私はそう思っているんですけれども、そうじゃありませんか。どうでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 日本の平和と安全に重要な影響を与える事態の場合に出すわけです。ですから、そういう日本の平和と安全に重要な影響を及ぼすという意味では、そういう言葉をとらえて日本列島、日本の領土、領海、領空が危ないというふうにとることはそれはあり得ますが、後方地域支援をしているところが特に危ないから出すとか、そういう話ではないんだろうというふうに思います。絶対に安全でなきゃ出さないとか、そういうことを言うつもりはありませんが、危ないから出すという言葉がちょっと、私がさっき言ったみたいに解するのであればそれは結構でありますが、よくわかりません。
○柳田稔君 周辺事態という事態が起きたときに対応する法案ですよね。だから、これはある地域に紛争が起きている、戦争でもいいですけれども、何か起きているときに使う法案ですね。これは間違いない、そう法律に書いてあるんですから。
 例えば、具体的に言うと問題あるのかもしれません、北朝鮮で有事が起きたと。それが日本に影響するから、日本としては日本人の生命、財産を守るために出動しよう、協力できる範囲は協力しようという法案なんですね。だから、僕はPKOと今回の周辺事態法というのは状況がまるっきり違う、それでもやろう、僕はしなければならないと思うから、中身についてとやかく言っているんじゃないんです。そういう新しい考えで行動されるんだったら、基本的な政府の考えも修正されたらどうかと私は思うんです、どうでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 例えば、PKOの場合はまさにこれは国際貢献なんです。周辺事態安全確保法案というのは国際貢献ではないんです。国際貢献ではないと言っちゃうと行き過ぎですが、一義的には日本の平和と安全を守るためなんです。日本の平和と安全に重要な影響を及ぼすような事態の収拾、拡大を阻止するためにやる、そういうことですから、例えば防衛出動なんかの場合には危険だからやりませんなんという発想はないわけでありますから、日本の平和と安全に重要な影響を及ぼす場合に、今までのPKOなどとはちょっと違う要素があったからといって、それは何か新しい特別の決意をしてということなのかと、ちょっとよくわからないところがあります。
○柳田稔君 では、掃海艇を派遣しましたね。その理由は何だったんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 私が、わざわざPKOと言って掃海艇とは言わなかったのは、掃海艇は第一義的に、基本的には日本の船の航路を守るとか、まさにそういったことが理由でございます。
○柳田稔君 そして、派遣したわけですね。だから大臣が先ほど答弁した内容と同じなんです。
 だけれども、状況はまるっきり違うということを認識してほしいわけです。掃海艇の場合は陸上に多国籍軍がいた、結果的にはまた攻撃しましたから。とはいっても、あのときは我々はそこは平和だと思った。紛争が起きることはない、安全だと言って行ってもらいましたよね。非常にいい成果もおさめたと我々も評価しているわけですが、だからといって日本がどうなるかというと、今回だけは有事に対応するわけです。北朝鮮の有事にどう日本が対応していくかという法案なんです、これは。そうすると大前提が変わるわけです。
 私は若造なんで余り偉そうなことは言えないんですけれども、安全な地域、安全な地域とよく外務省はおっしゃいますが、孫子の兵法というのを外務大臣、御存じですか。孫子の兵法、御存じありませんか。
○国務大臣(高村正彦君) 孫子の兵法なんという本が出て何十年か前に本屋で立ち読みしたことがありますが、内容を詳細に知っているわけではありません。
○柳田稔君 内容的には哲学的な意味も含まれているんですけれども、その孫子の兵法には書いてあるんですよ、補給路を討てと。補給するところをたたけとちゃんと書いてあるんです。それと、敵の強いところはたたくな、弱いところをたたけと書いてあるんですよ、勝つ方法として。そうすると、米軍に向かってけんかを仕掛けるよりは、護衛のない補給路を断つ方が孫子の兵法にかなうんですよ、そう書いてありますから。としたら、北朝鮮の皆さんがそんなことを知らないわけがないんです。そうすると、危険な地域でないという考えよりも、私は一番危険な地域だと思っているんです、また行為だとも思っているんです。それが普通の常識ではないのかなと僕は思うんです。
 だから、政府が言っている答弁というのは、私に言わせると、ちょっと言葉がきついんですけれども、ごまかしに近い。もっと事態を把握して、はっきりと物事をおっしゃって、だけれどもやらなきゃならない、基本はこういうことに変えましたと。で、こうしてやらなきゃならない、御理解くださいと言った方が我々としては受けやすいんじゃないかと僕は思うんですけれども。
○国務大臣(高村正彦君) 私が、衆参の予算委員会あるいは外務委員会、外交・防衛委員会等でそういう質問を受けるたびに言っていたことは、例えば後方地域支援を日本がしている場合に、相手が攻撃することについて国際法的正当性は与えませんということがまず第一点。それからもう一つは、できるだけ危険は避けようとしますが、安全性を図ろうとしますが、絶対安全だという保証はありませんと言ったんです。
 そしてもう一つは、ただこういったことをやることによって安保条約の信頼性、ガイドラインの信頼性を高めて、そしてそのことによる抑止力で日本の安全性が高まる方が、そのことによって、攻撃を受けることによる危険性といいますか、そういうことよりもはるかに大きいものだと。そこの比較考量がまさに政治的判断なんで、それはこのガイドライン関連法案だけでなくて安保条約そのものがそうで、長いこと議論されてきたんだと思うんです。
 日本の国内に基地を置くこと自体が巻き込まれるという議論というのが最初からあったわけです。ただ、そのことによる安保条約の抑止力で安全が守られることの方が、基地を置くことによって巻き込まれる危険性よりもはるかに大きいんだというのが政府の、私たちの考え方で、そういうことで今やっているわけで、まさに安保条約そのものにおいてずっと議論が行われてきた。
 安保条約反対の方は、もちろん基地を置くこと自体が戦争に巻き込まれてそれは危険じゃないかということをずっと言ってこられた。だけれども、日米安保条約が一つの抑止力となって、それだけじゃありませんけれども、日本の平和と安全がずっと保たれてきた。そうでないと言う方もおられるかもしれませんが、私は、ある意味で国民の受けとめ方などは一つの勝負がついた問題だ、こういうふうに思っているんですが、そういう出発点の問題提起がこの周辺事態法案でまたされているという状況だ、私はそういうふうに受けとめているわけであります。
○柳田稔君 周辺事態で政府がやっていることを私自身は評価しようと思っているんです。ただ、政府がおっしゃっていたことは、先日の田先生の質問に対する答弁を聞いていますと、自衛隊を日本の領海外に出さないというのが政府の基本的な方針だと。PKOとかああいうのは僕はちょっと違うんじゃないかとは思うんですけれども。逆に危険な地域がある。出て行くと何をされるかわからないわけです。さっきも言ったように、ミサイルもあれば潜水艦も持っているわけですよ、向こうは。出て行って協力すれば、これは補給ですからたたくに決まっているわけです。
 だから、逆に僕は、朝鮮半島で有事があっても日本は絶対に領海から外に出ませんと言うのも一つの方策じゃないかと思うんです。何が起きても日本の領海から外には一切出ません。北朝鮮の有事に対して一番影響を受けるんだったらどうぞその国がおやりなさいと。アメリカと韓国が、それなりの条約があって対応されるということであれば、どうぞおやりください。我が国はまだ危険にさらされていないわけですから、我が国は領海から外に一歩も出ませんと。何が起ころうと協力もしませんと。それは憲法の許された範囲を超えますという解釈だってあるわけです、要するに自国の個別的自衛権ですから。
 侵されないように、日本の領海の中には一歩も入れません、全勢力を使って阻止します、ただし領海外でやられることは我々は関与しませんと。韓国とアメリカで何かあるんだったらどうぞおやりくださいという方策だってあるんです。あると思いませんか、外務大臣、方策としてですよ。
○国務大臣(高村正彦君) あると思うか思わないかという答弁は非常に誤解を招きやすい、答弁したことによって誤解を招きやすいことですからなかなか言いにくいわけでありますが、現実にとるべき方策としてはないというふうに思います。順列組み合わせ的にあらゆることを、これもある、これもあると言えば、それはあるかもしれませんが、私はそして政府は、従前から自衛隊が日本の領海から出ないということを言っているわけではないわけであります。
 先日、田先生が御指摘になった政府答弁でありますが、これは日米安保条約第五条の規定が適用される場合、すなわち日米の共同対処行動が開始される要件は我が国の施政のもとにある領域における日米いずれか一方に対する武力攻撃の発生であり、我が国の施政のもとにある領域の外の区域において武力攻撃が発生する場合には共同対処行動は開始されないという趣旨を述べたものであります。
 我が国の施政のもとにある領域における日米いずれか一方に対する武力攻撃が発生した場合、日本は個別的自衛権の行使として、自衛隊が我が国を防衛するため必要な限度において、我が国の領土、領海、領空のみならず、周辺の公海及びその上空において対処する場合があり得ることは従来より述べてきているところでございます。
○柳田稔君 要するに、日本の領海から一歩も出ません、我が国は自分たちで守りますという道だってあるわけです。その道と今回の周辺事態でアメリカと協力しながらと、どっちがいいかといえばアメリカと協力しながらといった方が国益は守れるだろうと。だから、私は中身については評価しているんです。
 だけれども、そういう方策もあるじゃないかと。我々は日本国を守るために頑張ると。外で何が起ころうが、それは有事だから、危険なところだから参加しないという道もあるんじゃないですかと。要するにそういう精神で多分日本はやってこられたと思うんです。だけれども、今回ここから、この線から一歩出るんじゃないですかと。
 というのは、日米安全保障に基づいて今度のガイドラインが出るとおっしゃっているけれども、朝鮮半島の有事というのはアメリカにとって不利益をこうむるのは確かですね。これは条約があるんでしょうから、アメリカと韓国で。
 日本の近くだからといって日本が日米安全保障に基づいて何かやろうとおっしゃるわけだけれども、しなくても済む方策だってあるなと。でもした方がいいなと。した方がいいけれども、これだったら政府が従来から言っている概念をちょっと超えるのじゃないのかなと。私が特にしつこく言っている、集団的自衛権の行使ができると言ってしまえばいいんじゃないのかなと思っているのは、実はその辺なんです。
 我が国の近隣においてある有事が起きた。それが我が国にも大分影響してくるので、集団的自衛権の行使ができるこれは範囲内だと、自国が場合によっては攻撃されるわけですから。要するに、朝鮮半島で有事が起きれば日本国内でテロが起きる可能性だってあるわけですから、ミサイルが飛んでくる可能性がある。この二つはいつ起きてもしようがないと僕は思っているぐらいなんです。
 そういうことを考えていったときに集団的自衛権を行使できると、これは憲法で許された行為だといって今回の周辺事態法を出した方がすっきりするなという考えを僕は持っていたんです。どうでしょう、評価としては間違っているでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 考え方ですから、どれが間違っている間違っていないという話ではないので、一つの考え方かもしれませんけれども、今政府がそういうことを言ったら、それは間違っていると。
 政府は一貫して憲法の解釈というのがあるわけですから、憲法の解釈を今までの積み重ねを離れて憲法改正手続を経ることなく変えるというのはいかがなものかということもありましょうし、日本そのものが攻撃された場合はまさに個別的自衛権で対応できるわけであります。そして、米軍が攻撃された場合に、それに実力をもって日本が対処するということをやるのであれば集団的自衛権という概念を持ってこざるを得ませんけれども、そういうことはやるつもりはないわけですから、わざわざ今までの積み重ねで定着している憲法解釈を超えてまでそういったことで説明しなければいけないということはないのだろうと、私はそう思います。
○柳田稔君 次に譲りたいと思うんですけれども、最後にちょっと質問させてもらいたいことがあるんです。
 日本国内の米軍基地がありますね。ここが北朝鮮からミサイル攻撃を受けた場合、日本政府はどうされるんですか。これはあくまでも米軍が攻撃を受けたわけですから。どうされますか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 在日米軍基地に対する攻撃がなされた場合の対応については、一般論として申し上げれば、在日米軍基地への攻撃は我が国に対する、我が領土に対する侵害なしにはあり得ないことでございますから、必ず我が国領土の侵害そのものでありますから、この侵害に対し我が国が自衛権を行使することは憲法上可能であると考えます。
 また、こういう場合には、もちろん防衛出動により自衛隊が対処することになると思います。この場合、自衛隊は米軍と密接に協力しつつ我が国を防衛するため、自衛隊法八十八条の武力の行使を含む必要な行動をとることになると思います。
○柳田稔君 攻撃した国が、我々は日本を攻撃したわけじゃない、米軍の基地をたたいただけだと主張したらどうしますか。
 特に、テポドンが飛んできたときに、あれはミサイルではなくて衛星でしたと言われたら態度を変えましたね。だから、我々は日本を攻めたわけじゃない、攻撃したわけじゃない、あくまでも米軍だと言い張ったらどうされますか。
○国務大臣(野呂田芳成君) それは全く詭弁であって、米軍基地は日本の領土そのものでありますから、日本の領土の侵害とみなすべきだと思います。
○柳田稔君 次に譲ります。また機会をとらえていろいろ議論したいと思いますので、よろしくお願いします。
○木俣佳丈君 続きまして、ガイドライン関連法について御質問したいと思っております。
 まず根本的な問題で、このガイドライン関連法、きょう衆議院本会議で趣旨説明があってこれから始まろうとしております。今、柳田議員がおっしゃいましたが、これは九六年の日米共同宣言から新たに出てきたということでよろしいわけでしょうか。事実関係を確認したいと思います。
○政府委員(竹内行夫君) ガイドラインに先立ちますいわゆる旧指針というのがございましたのは先生御承知のとおりで、昭和五十三年でございます。それから二十年近くが経過する間に冷戦構造が終結いたしまして国際情勢は大きく変化いたしましたけれども、依然としてその不安定性、不確実性があるという基本認識が日米両国にございます。
 それで、このような情勢認識のもとで、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える周辺事態に際する対応を含めまして、より効果的な日米防衛協力関係を構築することが一層重要になってきたと。これも日米共通の認識でございました。
 このような認識のもとにおきまして、日米両政府は、先生今御指摘の日米安保共同宣言を平成八年の四月に両首脳間で行いまして、そこで旧指針の見直しを開始するということで意見の一致を見た、それで作業が始まった、こういうことでございます。
○木俣佳丈君 そうしますと、今までは日米安保の範囲というのを極東ということでやっていたと思うんです。思うんじゃなくて、そうだと思うんです。ただ、この共同宣言を見ますと、極東という言葉はございません。ございませんというか、見つけにくくて、アジア太平洋地域という表現が使われておるんですね。ですから、先ほど柳田議員が言われましたように、拡大してきたのかなというふうにとれるわけでございますけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
○政府委員(竹内行夫君) 日米安保条約上は極東という概念が使われていること、それから旧指針においてもそういう概念が使われておりましたけれども、このアジア太平洋共同宣言におきましてアジア太平洋地域という用語が使われておりますのは、日米安保体制というものによりまして、例えば米軍が我が国に駐留しているということが結果といたしましてアジア太平洋地域の平和と安定に寄与している、そういう認識を示したというのが根本でございます。
○木俣佳丈君 またよくわからなくなってくるんですが、もう一度聞きたいと思います。日米安保条約の範囲内で日本は協力するわけですか。
○政府委員(竹内行夫君) もちろん日米安保条約そのもの自体は変わっておりませんので、おっしゃるとおり日米安保条約の枠内での日米間の協力でございます。
 ただ、その結果と申しますか、効果といたしまして、それがアジア太平洋の平和と安定に貢献しているであろうというのが日米間の共通の認識でございます。
○木俣佳丈君 そのあたりが論理のジャンプがあるというか飛躍があるように思えてならないんですね。日米安保の枠内であるということであるならば、同じようにこの共同宣言の中でもまず極東の平和と安全に寄与するんだということが書かれてしかるべきだと思いますけれども、そう書いていないんですね。「二十一世紀に向けてアジア太平洋地域において安定的で繁栄した情勢を維持するための基礎であり続けること」というふうにしか書いていないんですが、外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(高村正彦君) 日米安保条約そのものは、第五条、第六条の日本と極東の平和と安全のためにあるんです。あるんですが、今、北米局長が説明しましたように、そのことがさらに結果としてはアジア太平洋、書いてありませんが、まさに世界のと言ってもいいかもしれないけれども、要するに日米安全保障条約自体は、目的は日本と極東の平和と安全と。それが日米安保条約そのものを広げたとか、そういう話ではないというふうに御理解をいただきたいと思っています。
○木俣佳丈君 先ほど申しましたように、ガイドラインというものが、この共同宣言にのっとった形でガイドラインの改正があって、それに基づく法の修正があったということであるならば、ちょっと今のお話と違うように思えるんですが。
○国務大臣(高村正彦君) 日米安保条約そのものは全く変わっていないわけでありますし、その枠を広げるものでも何でもないわけであります。ただ、日米安保条約が五条と六条によってきっちり規定されていますように、日本と極東の平和と安全、そういったことを目的にしてあるということについては全く変わっていない。まさに日米安保条約、何の改定もしていないわけでありますから、そういうことでございます。
○木俣佳丈君 例えば、二月一日の予算委員会で外務大臣が答弁されたように、ベトナム戦争というのは極東事態ではあるけれども周辺事態ではないというふうに答弁されているんですね。そうすると、これは安保条約上の極東条項との関係からも、これは二つちょっと理解しにくくなっちゃうんですよ。
 フィリピン以北ということで考えた場合に、ベトナムで何かあったときに極東事態ではあるが周辺事態ではないと。これ今回のガイドライン上の周辺事態に入るんではないかというふうに思えるんですが、そういうふうにお答えになっていないというふうに記憶しておるんですが。
○国務大臣(高村正彦君) 私が言ったことが必ずしも厳密な意味で正確かどうかは別にいたしまして、私が申し上げたのは、ベトナム戦争当時の状況との関連を具体的に質問されたわけでありますが、当時の政府が当時のベトナムにおける事態について答弁していることがありまして、その中に、ベトナムにおける事態が極東の平和、安全にとって至大な関係を持っている、またベトナムにおける事態が日本の安全に直接脅威を及ぼすような事態ではない、こういう答弁をしているわけであります。
 その答弁からいくと、過去の生起した時点を今に立ってこれはどうだこうだと言うのは私は必ずしも適当な話ではないと思っているわけでありますが、そのときの日本政府の認識から言えば、ベトナムにおける事態が日本の安全に直接脅威を及ぼすような事態ではないということから言えば、それを今の周辺事態に焼き直してみると日本の平和と安全に重要な影響がないと言っているのに非常に近い話でありますし、また一方で、ベトナムにおける事態が極東の平和、安全にとって至大な関係を持っているということを言えば、極東事態あるいは極東周辺事態と言った方が正確なのかどうかよくわかりませんけれども、そういったことも言えるのではないかなと、そういう観点に立って私は御答弁申し上げました。
○木俣佳丈君 今言われたことがかなり重要かなというふうに思います。つまり、政府の裁量でという言い方でいいと思うんですが、これは周辺事態である、これは極東事態である、周辺事態ではない極東事態であるというふうに分かれるわけですね。
 もちろん、分かれて悪いかどうかというのは、与党は、つまり政府側はそれでいいという考えでしょうし、我々民主党はそんなあいまいなことじゃ困ると。つまり、国民の代表者たる国会の場でもっとしっかり議論をせよとは言わないけれども、そこのところは基本計画と一体となっているのかもしれませんが、やっぱり承認をしなければならないというのが民主党の立場なんです。
 今、御発言がありましたように、例えばベトナム戦争じゃなくてもいいです、ほかのいわゆる極東条項の範囲内で何か戦闘があったときに、多くの国民がこれはまさに周辺事態だと。これは危ないというふうに思っているのにもかかわらず、いやこれは極東事態だと、安全保障会議の中で決定してしまうということがあり得ると思うんですけれども、どうでしょうか。違いますか。
○国務大臣(高村正彦君) 余りに高度な質問で、ちょっと私趣旨がわからないので、御説明いただけるとありがたいのですが。
○木俣佳丈君 つまり、安保条約上の極東条項の範囲の中で何か事が起きたということです。それは、極東事態ではあるけれども周辺事態ではないと。つまり、我が国には特に影響はないというふうに、例えばベトナム戦争と同じようにと言っていいと思うんですが、御判断を例えば内閣の方で、もっと言うと安全保障会議の方でされるわけですね、今の法案のとおりだと。しかしながら、我々が思っているのは、例えば今さっきマスコミという話がありましたけれども、マスコミ報道によって多くの国民が、いやこれは周辺事態だ、まさに極東の中にあるし、そしてまた日本の近海でこういうことがあったら周辺事態だというふうにみんなが思っているのにもかかわらず、内閣側は、安全保障会議ではそう思わない場合があるだろうと。
○国務大臣(高村正彦君) まさに周辺事態ではないけれども極東事態だと思った場合には、内閣がそう思った場合にはこの法案でできる協力ができないわけでありますから、やらないわけでありますから、私はそれでいいんじゃないかなと思うんですが。
○木俣佳丈君 私は、協力をしなきゃいけないと国民が思っているのにもかかわらず協力しないのは大変困るじゃないかということを言っているんです。
○国務大臣(高村正彦君) これは、そういう政府は国民の力でかえてもらう以外にないんだろうと思います。
○木俣佳丈君 おっしゃるとおりでございます。
○国務大臣(高村正彦君) 政府が思わなかったらどんなことでもやらないんですよ。それがだめだというならその政府をかえる以外にない。
○木俣佳丈君 しかし、すぐに解散・総選挙してとか、そういうことを大臣はおっしゃりたいのかわかりませんが、それは事態が発生しているのにそうはいかないと思うんです。つまり、国会の関与というものがもっと明確にされるべきであろうということを申し上げたかったわけなんです。それはいいです、議論になりませんので。
 それで、周辺事態の地理的範囲というのを限定しないわけでございまして、事態の性質ということでありますけれども、ちょっと逆立ちした議論をしたいと思うんですが、地域をそういうふうに地理的範囲ということで限定します差しさわりは何でございましょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 差しさわりというよりも、何度も繰り返して答弁しておりますように、周辺事態とは我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態であり、ある事態が周辺事態に該当するか否かは、その事態の規模、態様等を総合的に勘案して判断するわけでありまして、したがってその生起する地域をあらかじめ地理的に特定することはできない、このような意味で周辺事態は地理的概念ではないと。ですから、周辺事態というものは根本的にそういうことができないものなので、できた場合に──、ある外交的配慮とか何だとかということよりも先に、まず根本的にできないものである、そういうことだということを申し上げているわけであります。
○木俣佳丈君 ただ、あるところでは、ペルシャ湾とかそういうところまでを周辺事態ということは絶対ないんだというようなことを言われているわけですから、ぼんやりとながら、極東の範囲の中でということは思われているわけですね。それをちょっと。
○国務大臣(高村正彦君) ですから、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態が、事実の問題としてペルシャ湾で起こるとは思いませんということを申し上げているわけであります。
 私は、かなり前に比喩を言ったことがあるんですが、比喩ですから必ずしも正確じゃありませんけれども、要するに地震が起きた場合に日本列島の上で震度幾つというのがあると。だけれども、どこかでマグニチュード幾つの地震が起きて震度幾つになるわけですね。そうすると、うんと遠くだったら、そんなでっかいマグニチュードの地震が起こるとは考えられないから、日本に震度があるとは考えられない。だけれども、マグニチュードによってはある程度遠くまで行くかもしれないし、マグニチュードによっては近いところでも震度はあると。だから、結局まさに震度で判断する、マグニチュードじゃなくて震度で。
 だから、日本の平和と安全に影響するかどうかということで判断している。そうすると、やはり地理的に近いか遠いかということも全然関係ないわけではないけれども、最初から一定のところ以上だったら日本の震度はないとか、あるとか、そういう話はできませんと。比喩でありますから必ずしも正確でなくて、これはおかしいんじゃないかという面もあるんだと思いますけれども、そういうような感じのものであります。
○木俣佳丈君 今の御発言なんかを伺っていると、かなり地理的な要素が強いように思えるんです。近くで地震があるから、距離的に近くで地震があるからその地震が移ってくるということだと思うんですけれども。
 先ほど、柳田議員も言われましたように、今ここで、日米安保で規定された極東という範囲を改めて守るという意思表明をすることで、諸外国の方々から安心と信頼をかち得るのではないか。実はその方がずっと、何かいろんな水を差し上げたり弾薬を運んだり、または先ほど委員の方からありましたが、ODAの話があったり、こんなことよりもずっと、言葉で言えば済む話だし、安心感を与えて非常に効果的ではないのかなというふうに思われます。今の話は私の意見でございます。
 そうしますと、周辺有事、周辺事態において戦闘地域という指定はされるわけでしょうか。
○政府委員(佐藤謙君) 周辺事態安全確保法案におきましては、戦闘地域というものを定めるという規定はございません。
○木俣佳丈君 それは例えば、具体的にはなかなかおっしゃれないと思いますが、もうちょっと具体的におっしゃっていただけますか。例えば朝鮮半島、南北朝鮮の国境線上で戦闘があったという場合には、半径何キロぐらいが戦闘区域になりますか。
○政府委員(佐藤謙君) 私ども、周辺事態安全確保法案でいろいろな活動をするに際しまして、後方地域というものはこの定義で置いてございますような、そういうものとして判断をし、その中で実施区域を定めていく、こういう手続は考えております。
 一方、今先生が言及されました戦闘地域というものは、特に私どもこの法案の中で、何かそれを設定するとか認定するとか、そういう規定は特に盛り込んでおりません。もし、実際の戦闘が行われる地域がどうだというお尋ねでございますれば、それはまさにその紛争の状況あるいは戦闘の状況、おのおのの部隊の配置あるいはそれぞれの装備能力とか、そういったものでいろいろ変わってこようかと思います。
○木俣佳丈君 だから全くおかしな話で、後方地域があってというのは、つまりそういう円があって、これ以外は後方地域ですよという概念なはずなんですね。これは絶対にと言っていいと思うんですが、防衛庁の中では検討されているはずだし、されていなかったら後方地域なんということは絶対にこれは言えない話だと思うんです。
 例えば、最近の例でいえば、調べていただきましたけれども、フォークランドの紛争、湾岸戦争がありますが、これは戦闘地域はどのぐらいとお考えでしたか。
○政府委員(佐藤謙君) 今、先生御言及ございましたように、私どもが活動するに当たって、後方地域としては「我が国領域並びに現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる我が国周辺の公海及びその上空の範囲をいう。」ということでございますから、これを判断するに際しまして、この戦闘状況がどうであるとかあるいは紛争の状況がどうだとかということは当然考えた上でこういったものを判断していく、こういうことになろうかと思います。
 それから、今お話しのフォークランド紛争等の場合ですけれども、それは確かに、イギリス側が一定のそういうものを設けたとか、あるいはそれに対応してアルゼンチン側が設けたとか、それぞれ一定のものは承知しておりますけれども、そのものと今の我々の考えているこの法案が直結しているといいましょうか、必ずしもそういう関係にはない、こう思っております。
○木俣佳丈君 これは、思われるじゃなくて、宣言するんですよ。これは新聞にあるんですが、イギリスが半径二百海里、そしてアルゼンチンがやはり同じようにここを中心に二百海里。宣言するものなんですね。だから、思われるとか思われないじゃなくて、宣言しちゃうんですね。
○政府委員(佐藤謙君) 私が申しましたのは、そういった事実があるということを承知している、こういうふうに申し上げたつもりでございます。
○木俣佳丈君 ですから、例えばあえて今の朝鮮半島有事のことで考えたいと思うんです。これは、今例えばどのぐらいというふうに考えられていますかなんと言っても、どうせ答えが返ってきませんのでやめます。
 今、戦術核の時代だと思うんですね。例えばノドンが射程距離千キロとか千五百キロとか言われているわけでしょう。ということは、国境線上でノドンの発射準備がもうできているというような状況というのは、準備ができているだけで戦闘地域とはできませんですよね。だけれども、発射された時点で瞬間的に戦闘地域が日本国全土になりますよね。それはいかがでしょうか。
○政府委員(佐藤謙君) その地域が私どもが考えている、逆に言うと後方地域かどうかという判断をするときに、一定のミサイルの射程範囲に入っているからそれがすべて後方地域から除外される、こういうことにはならないんだろう、こういうふうに思います。
 当然でございますけれども、それはいろいろな装備の能力等も考え、またいろいろな戦闘の仕方と申しましょうか、そういった軍事上の要素も勘案していろいろな行動がとられるわけでございますから、それに対しましてそれに対応する米側の活動というのもあるわけでございますから、そういうものの全体を総合すれば、これまでも大臣から御答弁申し上げていますように、軍事的な常識に基づけば一定の範囲は後方地域として考えていける、そういうふうに判断していける、こういうふうに我々は考えている次第でございます。
○木俣佳丈君 そんなことでは国民は納得しません。絶対に納得しないと思います。
 私は、後ろ向きな議論をして何が何でも後方支援をするのがおかしいなんということは言いたくないというのは前回も質問させていただいたとおりでございます。前向きに、本当に有事というのは何なんだ、我が国有事とは何なんだ、周辺有事とは何なんだということを知りたいと思っているし、いや、知りたいどころじゃなくて本当に知ってもらわなきゃいけないと思っているものですから。そうしますと、今の局長の御答弁というのは前回同様余り、知る権利の定義は今ありませんけれども、それを剥奪するに値するような議論でないのじゃないかなと思うんです。
 例えば、フォークランドはありますが、湾岸のときはどうでしたか。湾岸戦争は戦域というのはありましたか、戦闘区域というのは。
○政府委員(佐藤謙君) 今回の周辺事態に関連するようなそういった意味で私が把握していますのは、フォークランド紛争のときがよく引用される例として私は承知していますということでございます。
○木俣佳丈君 時間ですね。またよろしくお願いします。ありがとうございました。
○委員長(河本英典君) 本審査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十六分散会