第145回国会 国土・環境委員会 第5号
平成十一年三月十五日(月曜日)
   午前十時三分開会
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   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     松崎 俊久君     北澤 俊美君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     北澤 俊美君     久保  亘君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         松谷蒼一郎君
    理 事
                市川 一朗君
                太田 豊秋君
                小川 勝也君
                福本 潤一君
                緒方 靖夫君
    委 員
                上野 公成君
                田村 公平君
                長谷川道郎君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                岡崎トミ子君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                弘友 和夫君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                泉  信也君
                奥村 展三君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  関谷 勝嗣君
   政府委員
       防衛庁参事官   小林 誠一君
       防衛施設庁施設
       部長       宝槻 吉昭君
       環境庁長官官房
       長        太田 義武君
       環境庁企画調整
       局長       岡田 康彦君
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  浜中 裕徳君
       環境庁自然保護
       局長       丸山 晴男君
       国土庁長官官房
       長        久保田勇夫君
       国土庁計画・調
       整局長      小林 勇造君
       国土庁大都市圏
       整備局長
       兼国会等移転審
       議会事務局次長  板倉 英則君
       国土庁地方振興
       局長       中川 浩明君
       国土庁防災局長  林  桂一君
       厚生省年金局長  矢野 朝水君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設大臣官房総
       務審議官     小川 忠男君
       建設省建設経済
       局長       木下 博夫君
       建設省都市局長  山本 正堯君
       建設省河川局長  青山 俊樹君
       建設省道路局長  井上 啓一君
       建設省住宅局長  那珂  正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        八島 秀雄君
   説明員
       文部大臣官房審
       議官       銭谷 眞美君
       農林水産省構造
       改善局建設部長  松浦 良和君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  奥村 裕一君
       運輸省鉄道局審
       議官       石川 裕己君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        望月 薫雄君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
〇平成十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十一年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十一年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(公害等調整委員会、北海道開発
 庁、環境庁、国土庁)、運輸省所管(気象庁、
 港湾整備特別会計)、建設省所管、住宅金融公
 庫及び北海道東北開発公庫)
○奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振
 興開発特別措置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)

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○委員長(松谷蒼一郎君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、松崎俊久君が委員を辞任され、その補欠として北澤俊美君が選任されました。
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○委員長(松谷蒼一郎君) 去る十二日に引き続き、平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会、北海道開発庁、環境庁及び国土庁、運輸省所管のうち気象庁及び港湾整備特別会計、建設省所管、住宅金融公庫、北海道東北開発公庫を議題といたします。
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○委員長(松谷蒼一郎君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日、住宅金融公庫総裁望月薫雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松谷蒼一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松谷蒼一郎君) 建設省、住宅金融公庫及び国土庁の予算の概要について政府から説明を聴取いたします。関谷国務大臣。
○国務大臣(関谷勝嗣君) おはようございます。よろしくお願いいたします。
 建設省関係の平成十一年度予算について、その概要を御説明いたします。
 まず、一般会計予算は六兆五千八億円を計上いたしておりますほか、道路整備特別会計、治水特別会計、都市開発資金融通特別会計、特定国有財産整備特別会計について、それぞれ所要額を計上しております。
 また、財政投融資計画については、当省関係の公庫公団等分として十四兆三百六十七億円を予定いたしております。
 建設省といたしましては、以上の予算によりまして、昨年末に成立した平成十年度第三次補正予算とあわせ、当面の景気回復に全力を尽くすとともに、二十一世紀に向けて、豊かな生活と活力に満ちた経済社会を構築するための基盤となる質の高い住宅・社会資本整備を的確に推進してまいる所存であります。
 特に、平成十一年度におきましては、
 一、都市再構築と居住環境改善のための市街地整備の推進、土地区画整理事業等の推進等による中心市街地の活性化など都市構造の再編と地域の活性化
 二、高規格幹線道路や地域高規格道路の整備、光ファイバー網及びその収容空間の整備など連携、交流を支える幹線道路と情報通信ネットワークの整備
 三、良質な公的住宅の的確な供給、高齢者向け住宅供給の推進、電線類地中化の推進、ふるさと下水道の整備、優良な宅地の適切な供給など少子高齢化社会に対応し、暮らしの質を高める豊かな住宅、生活空間づくり
 四、河川、重要湖沼等における水質を改善するための河川、下水道整備、沿道環境対策の総合的な推進、水と緑のネットワークの整備など環境への負荷の少ない経済社会の実現
 五、激甚な災害に対する再度災害防止対策の充実、慢性的な床上浸水地域の解消、緊急土砂災害防止対策の推進、密集市街地の整備、緊急渇水対策の推進や防災公園等の整備など安全で安心できる国土づくり、地域づくり
など、現下の重要課題に対応した住宅・社会資本整備を戦略的、重点的に推進することといたしております。
 また、費用効果分析等の新規採択時評価に加え、一定期間経過後における事業の再評価を行うこと等により、より一層の事業の効率的、効果的な実施を図ることといたしております。
 次に、事業別の重点施策の概要について御説明申し上げます。
 第一は、住宅宅地対策及び市街地整備であります。
 まず、住宅対策については、公庫住宅、公営住宅及び特定優良賃貸住宅等合計六十六万五千六百戸の供給を図るとともに、特に少子高齢化、地域活性化等の課題に対応した良質な住宅の供給、安全で快適な住宅市街地の整備、住宅の瑕疵保証の充実等を積極的に推進することといたしております。
 また、宅地対策については、大都市地域等において良好な町づくりを通じた優良な宅地供給、定期借地権の活用等を積極的に推進することといたしております。
 さらに、市街地整備については、都市の再構築に向け、都市再構築総合支援事業の推進、中心市街地の活性化等に資する市街地整備等を積極的に推進することといたしております。
 第二は、都市対策であります。
 都市対策については、特に立ちおくれている地方圏の下水道整備及び重要湖沼等における水質を改善するための下水道の整備、水と緑のネットワーク整備など、緑豊かな都市環境の創出等に取り組んでいくことといたしております。
 また、防災公園の整備など安全で安心できる都市づくりを積極的に推進することといたしております。
 第三は、治山治水であります。
 治山治水による安全性の確保は、昨年の東日本に甚大な被害をもたらした八月の豪雨を初めとした近年の災害にかんがみても緊急の課題であり、床上浸水解消対策や緊急土砂災害防止対策、緊急渇水対策など安全な地域づくりのための対策を強力に推進するとともに、深刻な浸水被害が生じた地域において上流、下流の一体的な災害防止対策を集中的、機動的に実施するなど、災害対策の充実強化に努めていくことといたしております。
 第四は、災害復旧であります。
 災害復旧については、制度の拡充等により、被災した河川、道路の早期復旧等を図ることといたしております。
 第五は、道路整備であります。
 道路整備については、新たな経済構造の実現、活力ある地域経済の発展等を支援するため、高規格幹線道路、地域高規格道路の整備や中心市街地の活性化に資する駐車場整備等を推進するほか、高度情報通信社会の進展を図るため、情報ハイウエー構築の支援やノンストップ自動料金収受システム(ETC)のサービス開始などによる高度道路交通システム(ITS)の整備・研究開発等を推進することといたしております。
 また、安全で活力とゆとり、潤いのある生活空間の創造を図るため、渋滞対策や電線類の地中化を推進するほか、交通安全、沿道環境、道路防災・震災対策などを適切に実施することといたしております。
 第六は、官庁営繕であります。
 官庁営繕については、行政ニーズの高度化に対応し、環境に配慮した合同庁舎等の整備や、国民が安心して利用できる施設とするための耐震対策等を推進することといたしております。
 引き続きまして、政府関係機関である住宅金融公庫の平成十一年度予算の概要を御説明いたします。
 住宅金融公庫の収入・支出予算は、収入三兆三千七百三十八億六千二百万円余、支出三兆四千七百九億百万円余を予定し、住宅五十五万戸等について総額十兆九千八百七十七億円の貸付契約を行うことといたしております。
 以上をもちまして、平成十一年度の建設省関係予算及び住宅金融公庫予算の説明を終わらせていただきます。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
 総理府所管のうち、国土庁の平成十一年度予算について、その概要を御説明いたします。
 国土庁の一般会計歳出予算は、六千五百三十億五百万円を計上しております。
 国土庁といたしましては、以上の予算によりまして、二十一世紀の展望を開く国土政策を積極的に推進してまいる所存でございます。
 具体的には、
 一、二十一世紀の国土のグランドデザインの推進等の国土計画の推進
 二、地域戦略プランの推進
 三、土地の有効利用や土地取引の活性化を図るための総合的な土地対策の推進
 四、健全な水循環系の確立を目指した総合的な水資源対策の推進
 五、三大都市圏の新たな基本計画等の策定・推進及び首都機能移転の具体化に向けた検討等大都市圏整備の推進
 六、人口の地方定住を促進し、国土の均衡ある発展と活力ある地域社会の形成を図るための地方振興の推進
 七、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地震、津波、噴火、洪水等の災害から安心して暮らせる安全な国土づくりに向けた総合的な災害対策の推進
に重点を置くことといたしております。
 次に、事業別の重点施策の概要について御説明いたします。
 第一に、国土計画の推進であります。
 来るべき二十一世紀にふさわしい国土づくりの指針となる二十一世紀の国土のグランドデザインを効果的かつ強力に推進することといたしております。
 また、物流効率化による経済構造改革の推進に資するため、物流効率化特別対策事業費により、複数の省庁間にまたがる広域的なプロジェクトについて、その一元的な執行体制を通じて、より緊密な連携及び実効性を確保するとともに、国土総合開発事業調整費により、公共事業の省庁間連携を推進し、公共事業の一層効率的かつ整合的な執行を図ることといたしております。
 第二に、地域戦略プランの推進であります。
 生活空間倍増戦略プランの一環である地域戦略プランに対し、国として国土庁を総合的窓口として、関係省庁が一体となった推進体制のもと、プランに盛り込まれた事業の円滑な推進を図ることといたしております。
 第三に、総合的な土地対策の推進であります。
 土地対策については、低未利用地の有効活用等適正な利用を推進するための土地利用計画の策定、土地情報の開示提供、収益を重視した不動産鑑定評価の推進等に取り組んでいくことといたしております。
 また、第四次国土調査事業十カ年計画に基づき、地籍調査等の国土調査を積極的に推進することといたしております。
 第四に、総合的な水資源対策の推進であります。
 新しい全国総合水資源計画の考え方を踏まえ、健全な水循環系の確立を目指し、水資源の開発保全及び利用に関する総合的な水資源対策を積極的に推進することといたしております。
 また、水資源開発公団については、ダム、用水路の建設事業等を計画的に促進することといたしております。
 第五に、大都市圏整備の推進であります。
 大都市圏の整備と秩序ある発展を図るため、三大都市圏の基本計画等の策定並びに大都市空間の再編整備、業務核都市、大阪湾臨海地域、研究学園都市の育成整備、琵琶湖の総合的な保全、大都市防災対策及び大深度地下利用の制度化に向けた検討等を推進することといたしております。
 また、国政全般の改革と深くかかわる首都機能の移転の具体化に向けた積極的な検討を行うことといたしております。
 第六に、地方振興の推進であります。
 地方振興の推進については、多自然居住地域の創造構想の実現、地方定住の促進に向け積極的に取り組んでいくこととし、特に参加、交流、連携による地域づくりの観点から、広域的な連携、多様な地域間交流、個性的で魅力ある地域づくりを推進するとともに、地方産業の振興・活性化、新しい地方開発促進計画の推進、地方都市圏の振興等の諸施策を総合的に展開することといたしております。
 また、特定地域振興対策については、立地条件に恵まれない過疎、山村、離島等の地域における生活環境や産業基盤の整備等を引き続き推進するとともに、奄美群島及び小笠原諸島については、両振興開発特別措置法の改正を行い引き続きこれらの地域の振興開発を推進することといたしております。
 第七に、災害対策の推進であります。
 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、災害対策充実強化を図るため、震災対策の推進、防災情報収集・伝達システムの充実強化、災害対策の総合調整の推進、防災に関する国際協力の推進等、安心して暮らせる安全な国土づくりに向けた災害対策を総合的に推進することといたしております。
 以上をもちまして、平成十一年度国土庁予算の概要説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○委員長(松谷蒼一郎君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより建設省、住宅金融公庫及び国土庁の予算について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村公平君 おはようございます。田村公平です。よろしくお願いいたします。
 大臣は愛媛県の出身でございますけれども、私は高知県でありますから、ちょっと冒頭わかりやすく話をさせていただきたいと思います。
 高知空港からジェット機に乗りますと松山も高知も大体似たような時間、一時間十分ぐらいで東京に出てくることができます。国道五十六号線をひた走りに走りまして、今ごろツバキが満開になっておりますけれども、足摺岬があります土佐清水市から高知空港の間は大体四時間かかります。キロ数は百キロ少々であります。
 そういう前提を踏まえまして、これは道路広報センターが発行しました「地域高規格道路」という本でありますけれども、ちなみに北海道を開いてみます。黄色いところが整備計画でありますが、ほとんどありません。その次に、余り地元のことばかり言うとあれでございますので、高知も大体似たような、高知は北海道よりもっと悪い。例えば、これは東京でございますが、黄色がいっぱいあります。隣は神奈川県です。確かに、大都市圏は人口が多いからいろいろやらぬといかぬというのもよくわかるんです。もう一つ言いますと、これが大阪、兵庫でございます。圧倒的に黄色とグリーンが多いわけであります。ほとんどないのが、北海道もここは大変大きなポテンシャルのある地域だと思いますし、四国もそういう意味では、日本列島すべて人がそれぞれ住んでおりますからそういう意味で、よく地方の公共事業は不要であるというようなことが言われておりますけれども、このデータ一つを見てもわかります。
 それから、いろいろ資料をいただきましたが、例えば文化の象徴であると言われております下水道の普及率は、全国平均は五六%で三大都市圏の整備率は七二%。ちなみに四国は二三%でありまして、先般の環境庁に対する私の質疑の中でも、いまだに私の実家はくみ取り式のお便所である。その数字が如実にあらわれているのが全国平均五六%、三大都市圏七二%に対して四国は二三%であるという数字だと思います。
 そういうことを踏まえまして、地方の公共事業不要論と言われると非常に地方はせつないものがありますが、建設省の見解を聞きたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) お答えを申し上げます。
 公共事業は、地方部あるいは都市部を問わず国民の豊かさの実現あるいは経済活動の基礎ということでやってきているものでございまして、やはりそれぞれの地域の社会資本の整備状況とそれから地域のニーズと申しますか、御地元の方々の御要望というものを十分踏まえながら対応していくものというふうに思っております。決して、地方部だから公共事業を私ども軽んじているというようなことは一切ございません。
 平成十一年度の建設省関係予算におきましても、地域経済の配慮と同時に国土の均衡ある発展、あるいは整備水準についての地域間の格差の是正という従来からやってまいりました方向にも十分留意をいたしまして、例えば中心市街地の活性化事業でございますとか、あるいは広域行政などの地域連携を支えるネットワークとしてのいろいろな道路整備、あるいは御質問にもございました町村部の下水道事業、こういうものにつきましては通常の予算の対前年度倍率を上回りまして、例えば町村部の下水道整備につきましては国費で一・〇八倍の編成をしているところでございまして、今後とも地方部における適切な事業の実施に努めていきたい、こういうふうに考えております。
○田村公平君 私の真向かいに福島県選出の佐藤雄平議員がおられますが、長いこと実は一緒に秘書仲間でありまして、建設省でしょっちゅう会うのが佐藤議員でありました。
 実は、何でそういうことを言うかといいますと、地方自治法九十九条の第二項に基づいて地方自治体からの要望というのがございます。当然首長さんあるいは議長さん、副議長さんと一緒に、要望書と書きまして、それぞれの執行部と議会の長の御朱印が据わった要望書を持って回りますが、不思議と同じ秘書仲間でも大都市圏の秘書さんや議員さんにお目にかかったことはありません。どうも顔なじみになってしまうのがどういうわけか地方選出の議員の秘書さんとばかり、大体似たような時期に似たような陳情があるものですから、これは一体どういうことかなと思いまして、東京都選出の友人の秘書に聞きますと、何でそんなばかなことをしとるの、うちなんかそんなことをしなくてももう全部終わっていますと。
 そんなことを思いながらふとこの前テレビを見ていましたら、横浜で水道栓が破裂したかなんか知りませんが、二十メーターぐらい水柱が立った。そうすると、あっという間にその水がおさまる。なぜかと言いますと、私の田舎の生命線は土讃線というディーゼルカーが走っておりますけれども、それが去年の九月二十四日に不通になって、やっと開通したのは三カ月後でありまして、そういうことはほとんどニュースになりません。もし山手線が五分とまると、これは大ニュースになります。
 そういうマスコミの対応を含めて、地域格差というものを常々秘書時代から感じておるものですからそういう質問をさせていただいたわけですが、今お話を伺えば、予算をかなり伸ばしていただいておる。どうか地方にも温かい目を向けていただきたいと思います。
 よく言われる、従来型あるいは在来型公共事業を見直して都市部を中心とした新型の、新型、旧型というと私は同じ公共事業にそういう差別化があっていいのかなという気がいたしますが、そういう事業の転換を求める声が我が党の内部を含めて都市部の議員からも出ておりますが、そういうことについて建設省はどのようにお考えでしょうか、お教えいただきたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) お答え申し上げます。
 確かに、田村先生も御指摘のとおり公共事業の中身につきまして従来型あるいは新型あるいは新社会資本といったような概念がいろいろ言われることがあるわけでございます。私どもはいろいろ公共事業をやってまいりましたけれども、いろいろな意味での事業がその時々にニーズによって行われるわけでございますけれども、こうした例えば従来型、新型といったような区分というものは余り意味のない、あるいは逆に従来型、新型と言ってもどうそれを切り分けるのかということが非常に難しい、そういう認識を持っております。
 公共事業を実施する場合に大変重要なことは、豊かな国民生活と経済活動の基礎というものを築くために本当に必要な事業をやるということではないかというふうに思っておりまして、このような考え方から、私どもとしては平成十一年度の建設省関係予算におきましても五つの柱を構築いたしました。
 例えば、都市構造の再編と地域の活性化でございますとか、先ほどもお話をいたしましたけれども、連携、交流を支えるネットワークの整備とか、暮らしの質を高めるための住宅、生活空間づくり、環境への負荷の少ない経済社会の実現を目指した河川事業、下水道事業といったようなものとか、あるいは集中的な緊急防災対策といったような、そういうような五つの重点課題に思い切って重点化をしてやっていこう、こういうことで編成をしたわけでございます。
 従来のような公共事業のやり方についても、従来型とか新型といったようなことではなくて、思い切った重点化、必要な事業をどう的確に進めるかということによって今後の社会資本の整備を進めていきたい、こういうふうに思っているところでございます。
○田村公平君 そういうことをぜひ進めていただきたいと思います。
 これは後で関連しますけれども、実は「道の駅ハンドブック」というのが出ておりまして、道の駅というのは全国で四百七十カ所あります。東北地方はちなみに六十八カ所で、私の四国地方が四十四です。これの分布図を見ますと、どういうわけか都市部にはないんです。
 だから、道の駅という新しい構想というのは全部、都市部じゃなくしていわゆる中山間地域とかその近所にある、大きなガイドブックとかそういうのには、つまり観光バスで移動するクラスがわかる観光のスポットで、地域の人じゃないとわからない、あそこの谷川にはすごくおいしいお水がある、わき水がありますと、そういう地域社会に密接に、非常にタイトに関係した情報やいろんなイベント等を紹介してくれる。そしてあわせて、A地点からB地点まで道路を結んで移動するだけではなくて、休憩であり、トイレ休憩もできる、観光のスポットもある、地域の名産もそこで紹介できるというのが道の駅の立案の思想でありますけれども、そういうのがどういうわけか大都市圏じゃないところにあるというのはそういう施策のあらわれだと思って、これは後でちょっと関連しますので、ぜひそういうことも重点的にやっていただきたいと思います。
 ところで、昨年は本当に災害の多い年でありました。私どもの高知県でも自分の生まれたところのすぐ近所ですが、わずか四十立米の土砂災害で五歳と七歳の子供が居間でテレビを見ておって死にました。福島県の「太陽の国」、現地を見させていただきましたけれども、私の目が間違っていたらあれですが、平均斜度十度か十二度ぐらいで、裏が雑木林というか山ではありません。岩が一部左手の方に出ていまして、ちょっと掘れ込んだ、表土が恐らく一尺もないところで五名の方がお亡くなりになっておりまして、非常にせつないというかつらい思いをいたしたわけであります。そこは、砂防地域とかそういう危険渓流だとか地すべりだとか指定はされておらないところでありました。いろんな指定の仕方があると思いますけれども、全国で土石流や地すべりや急傾斜を含めまして危険箇所というのは十七万七千二百五十七カ所あります。
 これだけの危険箇所があって、もちろん限られた予算で全部の対応をしろというのも無理だと言いたいところですが、それは本来生命、財産のうちの生命というのは、これは福田内閣のときに地球の命よりも重いと言って超法規的と言いまして、多額の金を渡し、パスポートまでいっぱい渡したのが、僕は福田さんのやり方はいかがなものかと思わないわけでもないですが、それほど生命というのは十二分に重いものだと思います。その生命を守るという意味で、現在の危険地域の指定やあるいは防災マップもやっておるように聞いておりますけれども、十分な調査や対策、そして異常気象が続いておる中で避難勧告だとか大変難しい部分があると思います。勧告して避難はさせた、しかし何もなかった、では行政の責任はどうなるんだということもあると思いますけれども、そういう問題も含めまして建設省、どういう対応をなさっているかをお教えいただきたいと思います。
○政府委員(青山俊樹君) 今お話しございましたように、全国の土砂災害の危険箇所は土石流が約八万渓流、地すべりが約一万カ所、がけ崩れが約九万カ所存在しまして、合計十七万カ所余の危険箇所があるわけでございます。また、先生お話しございましたように昨年非常に全国的に大きな災害があったわけでございますが、土砂災害につきましても全国で約千六百件発生しているということで非常に多発しているわけでございます。
 特に悲惨だったのは福島県西郷村での「からまつ荘」でございますが、御指摘のように、これは土石流危険渓流にも入らない非常に傾斜の緩いところの斜面から土石流が発生してあのような悲惨な災害になったわけでございます。また、私ども大きな教訓を学んだのは、あのような緩い斜面でも大雨が降れば土石流が出るんだということ、それから「からまつ荘」のような災害弱者の方々に対する警戒避難体制等も含めた対策が非常に重要であるという二つの教訓を学んだわけでございます。
 その流れといたしまして、ああいった土石流危険渓流と従来目されていなかったところも土石流注意箇所という形での調査をいたしました。また、災害弱者施設がどれぐらいあるかというのも厚生省さんだとか文部省さんだとかと一緒になりまして調査いたしまして、全国で十四万カ所程度もあるという中で、危険区域、注意箇所にあるのが十数%だと思いますが存在するという調査もいたしました。
 そういった現状を踏まえまして、私どもハードの対策はもちろんでございますが、貴重な人命が失われないように避難、警戒等も含めたソフト対策もあわせて土石流対策、地すべり対策、がけ崩れ対策を進めてまいりたい、かように考えております。
○田村公平君 砂防ボランティアの斜面判定士の第一号の番号をもらっておる田村公平といたしましては、二〇〇一年の国土交通省に向けて、僕はそれほど巨大官庁になるとは思いません、公共事業で言えばたった二割ぐらいの予算の増額ですから。
 しかし、その中で砂防とかというのは大体余り人のおらぬところで、道路とか橋、道路というよりも橋とか隧道は非常にいいわけです。いいというのは、大体開通しますと親子三代渡り初めといってマスコミもどんどん取り上げますけれども、山奥で地すべりだ、砂防だなんという仕事をやっている場合は起工式もだれも来なきゃ落成式もだれも来てはくれない、政治家も余り票がないから行かないというところがあるものですから、ぜひそういうところにも目を向けていただいて、災害に強い国土づくりに邁進をしていただきたいと思います。
 それから、先ほどちょっと道の駅に関連して申し上げましたが、平成六年十二月に当時建設省の道路局企画課課長補佐が実名で、普通は役人、官僚が本を書く場合は大体偽名が多いんですけれども、実名で徳山日出男君という人ですが、「マルチメディア・クライシス」という本を書きまして、これは大変有名になりまして知る人ぞ知る名著であります。それはどういうことかというと、道路の概念を変えよう、先ほどもちょっと言いましたけれども、A地点からB地点まで可及的速やかに車、物流を含めて人が動くだけじゃなくして、その中には道の駅もありますけれども、先ほど大臣のお話の中にありましたノンストップで料金を払わないでいい、あるいは道路自体から情報がもらえるITSです。
 最近、政府も景気対策のためだと思いますけれども、(資料を示す)こういう非常ににぎにぎしい、各マスコミにこれは政府広報で、経企庁、郵政省、建設省、運輸省、厚生省共管で「先端電子立国を実現し、安全で安心に暮らせる街づくりを。──二十一世紀先導プロジェクト」、こういうふうに銘打って大宣伝をしておりますけれども、その中にも電線類の地中化、いわゆるミニキャブ含めてのことでしょう。それから、情報ハイウエーあるいは生活密着型情報通信技術の高度化と、いろんなことをうたっております。
 最近、「マルチメディア・クライシス」を受けてその次の本というか構想として建設省がお出しになっているのは、スマートウエー構想というのをやっておられます。これはかなり複数の省庁にまたがる話でありますけれども、その連携状況、またどういうふうに持っていくのか、これはこのシステムが完成度の高いものになったときに我が国がいわゆるグローバルスタンダードをとれば世界に誇る技術になり得る、前に僕も指摘したことがありますけれども、大変重要な施策だと考えておりますけれども、見解をただしたいと思います。
○政府委員(井上啓一君) 自動車交通に伴いますいろんな諸課題、特に交通事故それから交通渋滞は非常に問題がいまだに大きいものでございます。
 例えば、交通事故死者数ですけれども、減少傾向にありますが、年間約一万人というような状況で推移しておりますし、交通事故の件数は六年連続して戦後最悪の記録を更新しておるような状況であります。また、交通渋滞は経済損失年間約十二兆円、渋滞によるむだに消費されている燃料は自動車が消費する燃料の一一%にも上るというような試算もありまして、渋滞の解消、円滑な交通の確保は喫緊の課題だというふうに思っています。
 そういう中でスマートウエー構想でございますが、自動車交通に伴います環境負荷の増大でありますとか交通事故、交通渋滞というような問題を解決する切り札として情報通信技術の発展、こういうような技術を活用することによりまして道路と自動車との連携のもとに道路交通システムとして今のような問題を解決する切り札だというふうに考えております。そういう意味で、そのインフラ部分であります道路についてスマートウエー構想を推進していこうというふうに考えておるところでございます。
 例えば、交通事故の原因でございますが、発見のおくれが五〇%それから操作や判断ミスによる原因が三〇%というようなことで、このようなシステムの高度化を図ることによりまして約八〇%ぐらいが交通事故死を防げるように寄与するのではないかというふうに思っております。また交通渋滞につきましては、料金所周辺の渋滞、ノンストップ自動料金収受システムを活用すれば、約三五%ぐらいそういうところでの渋滞が減るのじゃないかというふうに考えているところであります。
 そういうことで、各種のITSのインフラとなりますスマートウエーの推進は道路施策として極めて重要だと思っておりますし、また昨年十一月に決定されました緊急経済対策におきましても、スマートウエーにつきまして二十一世紀先導プロジェクトとして位置づけられたところであります。
 このスマートウエーですが、道路、通信、自動車、交通といった広い分野にわたるシステムでありますし、そういうようなことで産学官の連携のもとにスマートウエーを推進していく必要があると思っています。また、今言いましたような分野、関係する省庁も警察でありますとか郵政でありますとか、通産、運輸等とも連携していかなければならないというところでありまして、建設省としては精力的に推進していこうと思っています。
 また、今、先生御指摘のように、こういうことで日本の技術の発展等がグローバルスタンダードとして活用されるようになることが日本の発展にも大きく寄与するという観点から、ぜひ積極的に推進していこうということで、十一年度予算につきましても大幅に予算をつけてやっていこうというところでございます。
○田村公平君 道路局長、今、交通事故の話も出ましたけれども、そういう観点で言うのであれば、毎年一万人近い交通事故の死者がある。
 このスマートウエー、ITSがどんどん前を向いて進めば、少子高齢社会の中で、かなり高齢になったお年寄りでもマイカーで好きなところへ行けますと。ここのボタンをこうして押したら一番すいている道を選んで、そして、もしその途中に自損事故なりあるいは相手のある事故があった場合、どこで事故が起きたかというのは今もうベンツがやっていますから、そうすると、それが電波発信されて消防庁の救急ヘリもそこまで来れます、パトカーも来れますとか。それから、高速道路を時速百キロで走っていた場合、車間距離を百メーター以上とらぬといかぬけれども、しかしITSが実現化していけば限りなく車間距離はゼロになる、そうすると騒音や公害や排ガスの問題もクリアされますと。もっと夢とロマンがある答弁をせぬと局長、あかんのです。
 もう少しそういうことも、ただ単年度だけじゃなくて、今、十二次の五計にもう入っていますか、七十八兆円。もっと役所としても国民に向かって、せっかく政府広報の金を使ってこういうことをやっているんだから、建設省の取り組みはこうなんだ、だけれども例えば郵政省がちょっと言うことを聞いてくれぬとか、そういうことについては省庁間の連携やっていますというふうに、僕は夢と希望も。その少子高齢社会の中でITSが進歩するというのは、産業構造が変わるわけです。新しい雇用の芽が出てくる可能性がある。そういう意味で、携帯電話と同じように大きな経済効果が求められている要素がありますので、ぜひそこいらをよろしくお願いいたしたいと思います。
 そして、地方は、地方と言うけれども、これはどこでも同じなんですが、高知県は七千百平方キロの面積のところに人口が八十一万人おります。そして、高知市の人口が三十一万であります。だから、高知県の中においても朝夕の交通渋滞、ラッシュがあります。大都市と同じような状況です。
 だから、それは恐らく隣の徳島県も愛媛県も香川県もみんな県庁所在地に人口が集中していてそれなりに日本列島の縮図みたいな、東京都と同じようなことが、あるいは大阪と同じようなことがそれぞれの地方でも起きているわけで、そこいらをきちっとしていくのはもちろんインフラ整備の中に、情報を使った情報ハイウエーという構想もゴア副大統領がアメリカでやっておりますけれども、そういうこともこれから先の対応として、ソフトを含めて、せっかく光ファイバーをいっぱい道路に張りめぐらしているのに、そういうこともちょっと検討していただきたいと思いますが、そういうことについてどういうふうに建設省はお考えになっていますか。
○政府委員(井上啓一君) 全国の各地域におきまして、今、先生御指摘のように、情報ハイウエーあるいは道路整備等それぞれ発展するようにつくっていくことが必要だというふうに考えております。特に、各県、県庁所在地などの地方中核都市とそれから中小都市とが適切な役割のもとに連携を図って発展していくということが必要だと思っておりますし、そういうようなことに資するような道路整備、情報ハイウエー等の設置が必要だと思っています。
 特に高知県では、東西方向に大変長い県土であります。また、県土の大部分が山地であり、高知市等の中心都市、いずれも臨海部に位置しているために、山間部と中心都市、あるいは中心都市と県都高知市との連携を図ることが重要だというふうに思っていますし、県最西部の宿毛から県最東部の室戸までの直線距離が百五十キロ、また高知県は平地が大変少ないというようなことで可住地面積も一六%という中で、今言いましたようなインフラ活用が十分できるようにしていくということが必要だと思っています。
 連携強化を図る上では、高規格幹線道路、それからこれを補完し物流の効率化等に資します地域高規格道路の整備を進めていく必要があろうと思っています。全国で高規格道路については約七千キロでありますが、高知県内の高規格幹線道路はいまだ全体計画の二五%という状況でありまして大変おくれておりますので、これを積極的に推進する必要があろうかと思っています。
 それから、情報ハイウエーでございますが、これは、全国で計画の整備延長の約半分ぐらいやっておりますが、高知県内はそういう意味では直轄道路について整備を一生懸命進めておりまして、やはり直轄道路の半分ぐらいが、今情報ハイウエー百九十キロでございますが、整備ができたという状況になっております。
 いずれにしても、これから県都高知市と中村市とを結びます四国横断自動車道、あるいは東の方に向かいます高知東部自動車道の高規格道路の整備、あるいは高知・松山自動車道等の地域高規格道路の整備を推進しますとともに、国道三十二号の地域の骨格を形成する路線から先行的に順次情報ハイウエーの整備を推進してまいりたいというふうに考えているところであります。
○田村公平君 ぜひそういうことで、ソフトウエア、情報化が進むということは日本列島がますます小さくなっていくわけですから、よろしくお願いしたいと思います。
 それで、住宅局にお願いします。
 せっかく政府が、大幅減税、住宅取得に関するいろんな施策を講じて、若干住宅の販売といいましょうか契約率も上向いてきたように聞いておりますけれども、私自身の体験で言わせてもらいますと、その間に二社ほど日本を代表する販売会社を当たってみましたけれども、悪徳不動産屋に近いような目に遭ったのが私の体験であります。自分は今一応国会議員であり、長いこと秘書もやっておってある程度は、秘書の仕事というのは何でも屋ですから、かなりの情報を持っている人間でもそういう目に遭うわけです。ごくごく普通の一般のサラリーマンの方が一生に一度の買い物をするときに、せっかく景気浮揚策も兼ねて税金対策もやったのであれば、もっとユーザーに対して親切な、一生に一度の買い物で二千万とか三千万のローンを組むわけですから。
 そういうことを住宅局の方もよく考えてやっていただかないと、秋田の話じゃないですけれども、欠陥住宅買ってローンは残った、再建もままならぬみたいな話が、どんどん景気浮揚策のために税制上の措置を講じたから買え買えという雰囲気であおられて、何か今買わなきゃ損だみたいな感じで、その間に悪徳業者が入り込む要素があるわけで、今度、住宅性能の法律も出すように聞いておりますけれども、そこらをきちっとやっていただきたいということで、ちょっと決意表明をしてください。
○政府委員(木下博夫君) 先生お話しございましたように、昨年はいろんな事情もございまして住宅の建設戸数も百二十万戸を切るぐらいの低水準になっておりますが、日本もこれからいよいよ住宅は量から質へというスローガンを掲げておりまして、当然おっしゃられたようなことで質の問題というのはより一層重視していかなきゃいけないわけでございます。
 我々の方といたしましては、従来より建物の欠陥等に係るトラブルを未然に防止いたしまして購入者の利益を保護するということで、宅地建物取引業法というのがございまして、一つの例で申し上げますと、その購入時におきまして重要な事項の告知を業者に義務づけておるというようなことでございまして、もう二十年ぐらい前のデータと比較いたしますと、最近はトラブルも数としてはかなり減っております。
 ただ、先生御指摘のございましたように、実は建設工事の施工業者のレベルの問題と、それを取り扱います不動産業者あるいはそこを代理販売あるいは仲介するということで、大変関係する業者の主体が多くなっておりますので、時としてはそのお買いになる方々がどこにその苦情を持っていくのがいいのかということもございましょうし、それから非常に簡単ないわば施工上の問題であれば直ちに業者も対応できますでしょうけれども、瑕疵の問題になりますとこれもなかなか責任の問題、原因の問題等も複雑であろうと思います。
 いずれにせよ、この委員会でも御議論ございましたが、中古市場なんか大変問題を抱えておりますから、そういう方からしますと住宅についての履歴も含めていろいろこれからしっかりとしたいい住宅をなお一層供給していかなきゃいけない。業者の対応がいささか足らなかった点についてはまた個別の問題がございますので、我々もしっかり原因を確認させていただきたいと思いますが、多くの建設業者あるいは多くの不動産業者がおりますので、これらの業者に対して今日的ないわば住宅政策の掲げている点をしっかりと理解させ、今おっしゃられたトラブルをより少なくするようなお一層努めてまいりたいと思っております。
○田村公平君 末端の仲介、それから販売代理をやっておるところは要するに工銭だけ稼げばいいという根性があるわけです。今、建設業界も不況なものですからいっぱいいろんなものを抱え込んでおって、だから例えばゼネコンがあって、それの別会社があって、それが土地を手当てしておって、もうこれはしようがないからたたき売ってもいいから現金化しようということで、本来のゼネコンが請け負ったらいいのをライバルのゼネコンがその施工を請け負って、俗に言うたたきででき上がったのをまた違う代理店に販売委託してと迷路のようになっている。
 だから、それぞれがみんな工銭を稼ぎたいから当初の設計と違ってグレードが下がってくるケースがいっぱいあるわけで、身をもって体験したので、これは全国的にこういうことが広がったら幾らいい法律をつくっても無益なので、お願いしておきます。
 それで、実はこれは国土庁にも関係するんですが、十年の災害だけで七千五百八十九億円の被害がありまして、ベストテンを挙げますと、一が栃木県、二が福島県、三が北海道、四が岡山県、五が新潟県、六が高知県、七が岩手県、八が静岡県、九が福井県、十番が群馬県、これだけ平成十年の公共関連の災害が多いんです。
 そこで、よく局激だとか本激だとか言われますけれども、阪神・淡路大震災で本激は指定になりました。農業災害は農業収入でやっておるものですから比較的激甚災の指定になりやすいんですけれども、本激というのは標準税収でやっておるものですから、阪神・淡路大震災クラスの被災がないと公共に関しては指定にならない。そんな指定にならないんだったらやめちゃったらどうかという気もするんですが、そういうことについてどういうふうにお考えになっているのかが第一点。
 それからいわゆる復緊事業、大変僕はいい制度だと、四年間で災害の原因を含めてもう全部やっちゃおうと、この二つについて御所見をお伺いして、あと三分しかありませんので難しいけれども、今、長谷川先生がもっと延ばしてもいいと言っていますけれども、教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○政府委員(林桂一君) 激甚災害の指定基準のお尋ねでございますが、御案内のように激甚災害につきましては、全国的な災害、激甚災害であります全国基準で本激と言っておりますが、その基準、及びさほどでない災害でございますが、地域においては非常に甚大な災害を及ぼしているという意味で局地的な激甚、いわゆる局激というものの二つがございます。
 いずれにしましても、そういった基準につきましては、最終的な災害の事業の負担をする地方公共団体の財政力について支援をするということでございますので、その財政力との関係で基準を決めているということでございます。
 現実の問題といたしましては、そういうような基準が非常に高過ぎて公共事業についての激甚災の指定がほとんどないではないかという御指摘でございます。いわゆる本激につきましては、最近でいきますと阪神・淡路の災害のときにこの指定がございましたが、それ以外についてはここ十年程度指定がないということでございます。ただ一方、局激につきましてはないということではなくて、ことしにつきましてもかなりの町村が指定をされているという実態がございます。
 ただ、先生御指摘のように、本激につきまして災害の指定が極端に少ないということであれば、制度の趣旨が生かされてないのではないかという御指摘などもあるところでございます。
 私どもとしましては、地方公共団体の財政に対する支援ということでございますので、制度創設以来かなり地方公共団体の財政の状況はよくなってまいりまして、例えば税収でございますとこの間約三十五倍の伸びを示していると、一方で公共事業のデフレーターが五倍の伸びということでございますので、実質的には七倍ぐらいに財政力が増しているというような実態もございますので、そういうことも考えれば、地方公共団体の財政を支援するという趣旨からいえば、こういったかなり裕福になっている地方公共団体の財政ということとの関係でいけばこれもこれで一つの姿ではないかなという御意見もあろうかと思いますけれども、一方で、先ほど先生も御指摘になりました、ほかの方々もやはり制度の趣旨から考えてこれはおかしいのではないかというような御指摘も非常に強いところでございます。
 そういうことで、私どもとしましては、今の激甚災害の状況におきます地方公共団体の財政負担の実情とか、あるいは過去の激甚災における各施設の適用状況等につきまして幅広く検討し、関係省庁もいろいろございますので関係省庁にもお願いいたしまして、この基準を含めて激甚災害制度の見直しを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○政府委員(青山俊樹君) 河川災害復旧等関連緊急事業、いわゆる復緊事業の件でございますが、これは上下流一体となった抜本的な治水対策を推進するために、上流部における災害復旧等における流量増に対して下流部において集中的かつ機動的に治水対策を実施するものでございまして、対象区間は上流部における災害復旧事業及び改良復旧事業に伴い下流部での流量増加への対応が必要となる区域でございます。
 おおむね四年間で緊急的にやりたいというふうに考えておりまして、現在平成十一年度の予算案でございますが、そこでは事業費五百八十三億円でもって高知の新川川等を初め全国で直轄四河川、補助七河川で実施する予定でございます。
○田村公平君 復緊の事業は大変いい制度だと思いますけれども、この制度がどんどん使われるようでも困るわけで、そういう意味ではよろしくお願いしたいと思います。
 それから、国土庁の方にお願いしますけれども、ぜひ激甚災の見直しということを今前向きの答弁をいただきまして、そういう方向でよろしくお願いしたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)
○長谷川道郎君 自由民主党の長谷川道郎でございます。
 金曜日の当委員会の質疑で、脇委員から政府答弁への注文といいますか御注意があったわけでありますが、私も一つお願いというか注文をつけさせていただきたいと思うわけでございます。
 今、大臣の所信、予算概要の御説明の資料をいただきました。この建設省の予算概要説明は非常によくまとまっておると思うんですが、この間いただきました某官庁の予算概要説明が非常にわかりづらいというか、どうしてこんな書類を出すのかなという感じがいたしたわけです。
 例えば、国土庁の予算概要説明の一ページの二行目に、「国土庁の一般会計歳出予算は、」というのがありまして、行が変わって金額が書いてあります。もう一つ行が変わって、「を計上いたしております。」というような、小学校の作文にもこんな書き方をしたら恐らく点数はいただけないと思うんです。
 実は、私は民間の会社の出身でありますが、普通、民間会社で会議の資料を出しますときは、これはあくまでも大臣がお読みになりやすい、大臣がお読みになるための原稿でありまして、原稿をそのまま会議に提出するようなことがあれば、担当者は猛烈にしかられます。所信は所信、データはデータとしてきっちりと整理して出すのが当然でありまして、お経読みでだれも聞いていないからということではないと思うんですが、やはり国民に行政の政策、姿勢を理解してもらおうとするならば、わかりやすい資料わかりやすいお話というのが当然大切なことではないかと思うわけでありますので、余計なことでありますが、冒頭申し上げます。
 それでは、本年度の建設省、国土庁関連の予算についてお伺いをいたしますが、建設省から先般いただきました予算概要の資料の一番最初に本年度予算の特色とございます。本年度予算の特色、「一、景気回復に全力を傾注」というヘッドラインでございます。景気回復は当然大切なことでありますが、いつから建設省が経済官庁になったのかなという感じがいたさないわけでもありません。
 世界に百五十八カ国の国連加盟国がありますが、景気回復を最大の政策に挙げる建設省というのは恐らく日本だけだと思うのであります。たまたま今、景気回復対策の追い風でありますのでこういうことになったわけでありましょうが、いいとこ取りではないか。これが財政構造改革路線になったら、建設省は公共事業の圧縮を最大の政策にするかというと、そういうことではないと思うのであります。
 これは言わずもがなのことであると思うのでありますが、本年度予算の特色の第一に景気対策としたことについての意味をお伺いいたします。
○政府委員(小野邦久君) 先生御指摘のとおり、建設省のいわゆる予算の白パンには、第一として「景気回復に全力を傾注」ということを掲げさせていただいたわけでございます。もともと公共事業は、豊かな国民生活とか経済活動をきちっと実現していくための基礎を形づくるということで着実に推進すべきものというふうに私どもは考えております。
 ただ一方で、公共事業は、先生御案内のとおりでございますが、即効性とかあるいは効果の大きさ、他部門への生産波及効果の広さといった点で景気対策としては極めて大きな効果を持っているわけでございます。現在、個人消費あるいは設備投資が非常に低迷している中で、大変厳しい経済状況のもとで景気の下支えの効果を積極的に果たすということがやはり公共事業に求められているのではないかというふうに私どもは考えております。
 現内閣も景気の一刻も早い回復を最重要課題というふうに位置づけておられるわけでございまして、このような内閣の方針を踏まえて、平成十一年度の建設省関係予算におきましては、いわゆる十五カ月予算という考え方のもとに、前年度当初予算に比べましておよそ三割増の予算を確保して景気回復に全力を挙げようということにしたわけでございます。
 こういったような観点におきまして、白パン等におきましても、本来は景気を回復するための事業というものが公共事業というわけではないと思うわけでございますが、いろいろなそういう経済的な意味における公共事業の持つ下支えの役割というものも強調する意味で、あるいは現内閣における最重要課題にマッチする事業という意味でこういうような基準にさせていただいたということでございます。
○長谷川道郎君 申し上げましたように、私の質問というか言わずもがなの話でありまして、当然そういうことであろうと思うのであります。
 今の不況は、後世に平成の大不況と言われるような大不況だと思うのでありますが、この不況は大蔵省や日銀の責任であって、建設省の責任ではないわけであります。本来であれば、本来的な任務としての建設省の事業ではないと思うのであります。
 何でこんなことを申し上げるかといいますと、建設行政の基本というのは、国民によりよい公共サービスをより効果的に提供する、そして国民の安全を保障する、これが建設省の最大の姿勢です。これが第一番に来ない建設省というのは、私はよくはないとは申し上げませんが、当然のことながら今申し上げたことが建設省の政策の一番頭に来なければならない。これは哲学の問題だと思うのでありますが、この哲学をしっかりと国民に理解していただいていないから、公共事業が不要であるというような、そういう議論が起こるわけです。やはり建設省は、建設省の基本的に一番大切なこと、一番基本的な政策を理解していただくという、そういう姿勢が私は必要だと思うんです。
 今、環境庁は日本最強の官庁になりつつありますが、多少無理なことでも体を張って環境庁はやる、多少理屈に合わないことでも自然は体を張って守るという、そういう訴えは行政的にはどうかと思うのでありますが、しかしそれは私は環境庁の一つのビヘービアとして国民に非常によく理解されていると思うんです。これも一つの哲学であります。
 先ほど田村委員からもお話のあったことでありますが、今日本に一番必要なのは、夢とか希望とか理想ということだと思うんです。願わくば、来年度の予算のヘッドラインはもうちょっと格調の高いものにしていただきたいというふうに思うわけであります。
 続きまして、先ほど局長のお話にもございましたが、公共事業の経済効果についてお伺いいたします。
 さっきの私の話とちょっと矛盾するかもわかりませんが、景気対策は建設省の最大の職務ではないわけでありますが、今この時期でございますので、二番目ぐらいには大切なことだと思うんです。そういった意味で、公共事業と経済効果という問題は、これまた重要な問題だと思うのであります。
 先般、私が予算委員会で質問させていただいた際に、宮澤大蔵大臣の御答弁に、最近ケインズを批判する人がいっぱいいますけれども、ケインズを皆さん読んでいませんよねというお話があったんです。私はあのとき反論しようと思ったんですが、時間がなかったのでやめたんですが、確かにケインズを批判する人はケインズを読んでいないかもわかりませんが、逆に私はケインズを読んでいないケインジアンがいっぱいい過ぎると思うんです。
 公共事業をこれから展開するとしたら、一つ大切なことは、いかに経済効果を上げるか、対GDP弾性値をどのように確保するか、乗数効果をどのように確保するか、そういうことであると思うんです。建設省の本年度の公共事業はたくさんありますが、これの対GDP弾性値といいますか乗数効果、これをどのように算定していらっしゃいますか、お伺いいたします。
○政府委員(小川忠男君) 公共事業の経済効果についてのお尋ねでございますが、経済企画庁経済研究所の短期日本経済マクロ計量モデル、これは平成十年に公表されておりますが、これによります乗数効果を見ますと、一年目で一・三一、二年目で一・六五という水準になっております。第五次世界経済モデル、これは五年前の一九九四年に公表されておりますが、これでは一・三二、一・七五という水準でございました。
 したがいまして、若干名目的には落ちているようには見えますが、それほど大きな時系列的変化はないというふうに理解いたしております。
○長谷川道郎君 今の資料というか数値が、民間の調査機関、シンクタンクの中では、もちろんすべての政策の乗数効果は今落ちています。それは後で申し上げますけれども、いろいろな理由でそういうことになっています。それはしようがないと思うのであります。
 今おっしゃった短期日本経済マクロ計量モデル、それからその前にお触れになった世界モデル、こういったモデルというのは世界共通の計算方式といいますか公式があるのかどうか、ちょっとお伺いいたします。
○政府委員(小川忠男君) 申しわけございませんが、専門的、技術的なことは完全に理解しているわけではないと思いますが、ただ経済企画庁がおやりになっておりますモデルも五年ごとくらいに改定されておりますので、やはりいろんな意味で計算式、モデル式の精度を高めつつあるというようでございます。
○長谷川道郎君 申しわけありません。本来であれば、経済企画庁にお伺いしなければいけない質問であります。
 と申しますのは、先ほど申し上げましたように、民間のシンクタンク、研究機関で発表される公共事業の乗数効果と、建設省、経済企画庁が発表される経済効果、公共事業の乗数効果というのはちょっと乖離があります。どちらが正しいのか間違っているのか、私には判断できる能力はありませんが、今なぜ世界的なモデルかという点でお伺いしたんです。マクロの経済計算というのは公式自体も大切なんですが、その公式が本当に正確かどうか、それを証明するもう一つの公式というのが非常に大切なんです。
 ここの委員会の職務ではありませんが、昨年の暮れにアメリカで問題になりましたLTCM、あそこにはブラック・アンド・ショールズという投資の計算方式があるんです。その計算方式でブラックとショールズはノーベル経済賞をとったわけですが、しかしノーベル経済賞をとったのは、ブラック・アンド・ショールズ方式が正確であるという公式の証明をした人が偉かったという話があるんです。これは経済企画庁の問題でもありますが、しかしもちろん建設省の問題でありますので、計量モデルの計算というのはもうちょっと御研究をいただいた方がいいのじゃないかなという感じがいたします。
 先ほどのお話で、乗数効果が低下をしていると。これは、今供給過剰の経済でありますので乗数効果が落ちるのは当然であります。実は、九五年当時は円高不況でありましたが十四兆二千億の経済対策を展開し、この九五年度の十四兆二千億の補正予算で日本は、今だったらちょっと考えられないんですが、九五年のGDPがG7諸国の中で最高だったんです。わずかとは言いませんが十四兆の補正予算でGDPがG7の諸国の中の最高に到達できた。公共事業十四兆といいましたら、真水ではどのぐらいになりますか。七兆か八兆だと思うんですが、公共事業というのは実際に生の金が出るわけでありますので、これはもう一発で効く。しかし、それなのに公共事業の不要論なんというのが起きるというのは、これはマスコミがセンシブルに報道し過ぎるせいかもわかりませんが、例えば五百億円の釣り堀をつくったとか、飛行機が飛ばない飛行場といった、そういうむだが盛んに今喧伝をされているわけです。
 そういうことで、公共事業の評価システムについて次にお伺いいたします。
 経済同友会では、二、三年前に猛烈な公共事業批判を展開されたことがありました。経済同友会というのは、前は不況になるとどんどん補正予算を組みましょう、どんどん公共投資をやりましょうと言った。その団体が、いきなり公共事業批判を展開した。それはどういう理由かわかりませんが、片や建設省さんというか公共事業擁護派は、そこらの平河町あたりの会館で公共事業推進国民大会みたいなのを開く。行ってみますと主催が○○協会。建設省のダミーですね。○○協会が主催をされて、みんなゼネコンのバッジをつけた方がいらっしゃっている。サクラに応援させるようではいささか情けない感じがいたすわけでありますが、実はこの○○協会というのはおまけに選挙運動までやっているんです。だから、この○○協会、いずれ法務委員会で取り上げさせていただきたいと思うのであります。それは余談といたしまして、さっきお話にございましたように、公共事業が今一番必要な時期に公共事業の必要性が理解をされにくいというのは、これは極めて深刻なことであります。
 そこで、公共事業の評価システムについてお伺いいたしますが、費用対効果分析に関する統一的運用指針という何かガイドラインを建設省はお持ちのようでありますが、これについてお伺いいたします。
○政府委員(小野邦久君) 費用対効果分析でございますが、御案内のとおり公共事業をより透明性を持ってやっていくということのためには費用対効果分析をきちっとお示しして、それを公表するということが大変大事だと思っております。既に、平成十年三月に私どもは費用対効果分析あるいは再評価につきましても一つの統一的な指針を定めまして、現在これによって実施をしているところでございます。
○長谷川道郎君 先ほどるる申し上げましたように、評価をきちんとするということが私は国民の皆さんに公共事業の大切さ、重要性を理解していただく一番いい方法だと思うんです。
 会計検査院がありますが、かつて会計検査院は土木検査院なんていう言われ方をしたわけであります。会計検査院の検査というのは費用の検査分析でありまして、費用の検査分析はできるけれども効果の分析は会計検査院にはできない。高速道路をつくって時速百キロで走れるからそれは初めて高速道路になるわけです。例えば、一日五万台も六万台も通行量があったにしても一日中渋滞しているような首都高は、これは高速道路と言わず、あれは自動車置き場と言うんだそうでありますが、この質の評価をどうするか。これは難しい問題です。
 難しい問題でありますが、例えば東京湾横断道路アクアラインという道路があるわけでありますが、一兆四千億の工事費。当初償還計画において想定をいたしました通行量が二万五千台。ところが、三カ月後の平均通行量が一万一千九百台。六カ月後の平均が一万一千四百台。大体当初想定の通行量の二分の一の通行しかない。こういう質の評価というのは建設省ではおできになるかどうか、ちょっと教えてください。
○政府委員(小野邦久君) 一般的にある施設が完成をいたしました後に、その活用の状況とかあるいはその効果でございますけれども、これについて確認をして、施設等の有効利用活用、他の類似事業への反映などを図るということは大変重要なことと考えております。
 このため、今、先生御指摘になりました東京湾アクアラインでございますけれども、既にこれは完成をしているわけでございますが、こういう完成をいたしました事業に対しては事後評価をどうするか。今までは余りこういう点について十分やってまいりませんでしたけれども、平成十一年度、来年度からこれを施行すべく現在基本方針の作成をどうするかということで検討中でございます。
 当面は、このアクアラインにつきましては、去年の十月に日本道路公団におきまして学識経験者より構成をする東京湾アクアライン経営研究委員会というのをつくりまして、開通後の利用状況とか交通量低迷の原因等について詳細に今分析を進めていただいているところでございます。東京湾アクアラインは、御指摘のとおり当初の計画交通量に満たないということでございまして、ほぼ二分の一ということでございますけれども、関連の道路等の整備が進まないとか地域開発の促進がなお十分でないとか、いろんな原因があろうと思いますけれども、私どもといたしましては、この道路公団の分析結果を待って、いろいろな検討をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○長谷川道郎君 大変失礼なことを多々申し上げまして申しわけないわけでありますが、今度は逆にいい話をさせていただきます。
 東京湾横断道路と相前後して明石海峡大橋が開通をいたしました。これは、工事費八千二百億、当初想定通行量は三万台。その後、三カ月、六カ月を経過して大体想定どおりに進んでいるわけです。
 それで、さっきの評価システムに戻りますが、通行量が想定どおりであるから、それはそれでいいということなんですが、実は私は、この間初めて明石海峡大橋に行ってまいりました。確かに通行量は建設省の想定どおりなんですが、洲本の市長さんにお伺いいたしましたら、淡路島のGDPといいますか、島内総生産がこれは大ざっぱに言って約四千億だったんだそうです。ところが、明石海峡大橋ができて何と六千億になった。五〇%アップ、たった一本の橋で島内総生産を五〇%も押し上げた。八千二百億の橋で毎年、毎年続くかどうかわかりませんが、多分数年続くと思うんですが、二千億の生産を上げた。淡路島の市町村長さんにお会いしたんですが、建設省の方には今後一生涯足を向けて寝ないそうであります。
 次に、さっきの公共事業の評価システムということにも関連するんですが、がらっと話は変わりますが、ローマ帝国は滅亡したけれども残ったものが二つある、道路と水道だという話があります。北は北欧から南はイタリア、スペイン、西はイギリスから東はコンスタンチノープルまで、現在のヨーロッパの道路はほとんどローマ帝国時代の路線の上につくった道路だ。国は滅んでも文化は残るという大変すばらしいことであると思うんです。
 そこでお伺いしますが、今建設省のお取り組みの道路だとか住宅、下水、公園といった業務の中で、日本のこれがG7の諸国の中で一番ですよというのが何かありますか。
○政府委員(小川忠男君) 我が国の社会資本の整備状況でございますが、個別の事業あるいはプロジェクトを子細に見れば、例えば先ほどもお話しございましたような明石海峡大橋でございますとか、個々の事業については世界に誇り得るものもあろうかと思います。
 ただ、総じて申し上げますと、やはりそれなりの一応の完成された水準にある欧米諸国と今なお走り続けざるを得ない我が国とでは、それなりの差が存在するというのは率直なところだろうと思います。
 ただ、例えば長大橋の設計・施工技術でございますとか、あるいは火山砂防技術、さらには下水道、地下鉄等々で使われておりますシールド工法等を見ますと、これらは日本で独自に開発した技術でございまして、世界のいろんなプロジェクトで大いに活用されている。この辺のところはやはり誇るに値するものではないだろうかというふうに思います。
○長谷川道郎君 もちろん、長大橋、シールド工法、耐震設計といったものは多分日本は最高の技術を持っていらっしゃると思うのでありますが、先ほども私がお伺いした道路、下水、住宅、公園といったもので、多分G7諸国の中では日本はどちらかといえばボトムに近い位置づけだと思うんです。
 これは別に問題視するつもりはありませんが、冒頭申し上げました一つの哲学の問題なんですが、私が子供のころ河野一郎建設大臣という方がいらっしゃいました。河野大臣は、歩道のない道はつくらない、そういう政策を表明されたんです。私は子供ながらにすごい建設大臣だと思ったんです。今でも私は非常に高い見識だと思うんです。日本の歩道が世界で一番安全だとしたら、私はそれはそれなりに胸を張って誇れることだと思うんです。
 ちょっと話が飛びますが、これは警察の分野でありますが、日本の横断歩道の安全は恐らく世界最高だと思うんです。それはそれなりに一つの見識の蓄積であり、一つの誇り得るべきことであると思うんです。建設省におかれましても、哲学といいますか、それほどの問題ではないかもわかりませんが、一つのビヘービアの問題としてぜひひとつきっちりとわかる表明というか姿勢をおとりいただきたい。
 さっき河野建設大臣の話で申し上げましたが、例えば、今ですから共同溝のない道路はつくらないとか、光ファイバーを通す設備のない高速道路は建設しない。それから、金曜日の委員会審議でありましたが、文化のための一%、これは兵庫県宝塚市で一九六〇年代に非常に脚光を浴びたすばらしい政策だと思うんですが、例えば福祉のための一%。それから、さっき田村委員からもお話のありましたETCで高速道路の渋滞を直ちに解消する。JRはほんの一瞬のうちに改札口を自動化したわけですので、ETCなんかは技術的にはそんなに難しいことじゃないと思うんです。そういったことでお取り組みをいただきたいと思います。
 先ほど御答弁の中で、日本はまだまだインフラがおくれている、したがってまだ相当走り続けなければいけないというお話がございました。しかし、近代国家になってから百年、戦後五十年たってまだ日本のインフラがおくれているというのは、これはどこに問題があるのかわかりませんが、かなりの大きな問題だと思うんです。大臣は実力大臣だというふうなタイトルがついておりますが、ぜひひとつ格調の高い国民に夢と希望を与える政策を今後ともお訴えいただきたいと思うわけです。
 これはちょっと個人的な話でありますが、私が政治家を目指したきっかけは、一九六二年にケネディ第三十五代合衆国大統領が、国家が国民に対して何をしてくれるかではなく、国民が国家に対して何ができるかとか、たいまつに新しい火が引き継がれたというような、非常に理想を掲げられた。あの一つの大きな理想を掲げたのがその後のアメリカの大きな力になったと思うんです。
 ぜひ、建設省、頑張れ頑張れというふうな声援が出るように、私どもも応援させていただきやすいような建設行政を御展開いただきたいと思います。
 次に、河川局関連の質問を四点用意いたしまして、私の持ち時間が十一時四十分までございますが、きょうは十二時から本会議でございます。ここで私の質問を切らせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(松谷蒼一郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時二十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会、北海道開発庁、環境庁及び国土庁、運輸省所管のうち気象庁及び港湾整備特別会計、建設省所管、住宅金融公庫、北海道東北開発公庫を議題とし、建設省、住宅金融公庫及び国土庁の予算について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 膨大な建設省予算の中から、きょうは住宅局関連のシックハウスの問題について質問をしたいと思っております。
 少し調べてみたんですけれども、化学物質の記号が出てきたり、聞いたことのない化学物質があったりして非常に研究、勉強が困難でありました。一般的な考え、あるいは住宅を買い求めるユーザーの側からちょっと私のレベルまで下がって質問させていただこうと思っております。
 いろいろとかねてからこの問題については当委員会でも質疑もございましたし、身近な方々からもいろいろお話を聞いているところでもあります。一番身近な話といたしましては、我々参議院の宿舎の問題がありました。麹町の南館という立派な建物ができまして、それまでの清水谷という狭隘な部屋から喜び勇んで麹町に移られた方がいます。どうも住みなれた清水谷の方がいいと思ったときに、何か部屋のにおいが気になる、こんな話を耳にしたこともございます。あるいはペットの問題なんかもあります。人間は新しい家に行って喜ぶ、しかし飼い猫が喜ばなかったという話も聞いております。犬は人につき猫は家につくなんということがありますけれども、やっぱり住みなれた家がいいというのもあるんでしょうけれども、人間よりも敏感な何かがその化学物質をとらえたのかもしれません。
 まず、シックハウス症候群。私は、例えば壁紙を張るときの接着剤が原因なのか、あるいはどこかに使われていた塗料が原因か、こんなふうに思っておりました。シックハウス症候群の原因となる材料、あるいはどんなところに使われておるのか、説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(那珂正君) お尋ねのいわゆるシックハウス症候群の原因と言われる幾つかの化学物質が住宅を建築する際にどういう部材に含まれているのかという点でございます。
 私ども建設省のほか厚生省、通産省、林野庁、関係省庁とそれから学識経験者やあるいは関連業界団体から成ります健康住宅研究会がありまして、ここにおいて昨年四月に住宅の建材等から発生する化学物質による健康への影響を低減するための方策というものを取りまとめ公表されているところでございます。
 この検討結果におきまして、個々の化学物質が健康への影響についてどのぐらいあるかということは現時点においては必ずしもすべて解明されているわけではございませんが、この検討成果といたしましては、お尋ねの点でございますが、例えば合板、繊維板、パーティクルボードあるいは接着剤などにホルムアルデヒドが含まれている、あるいは塗料やニスや同じく接着剤等にトルエン、キシレンなどの揮発性有機化合物が含まれている、あるいはビニール壁紙に可塑剤が含まれている、木材には防蟻剤や木材保存剤が処理として使われているというような場合が相当一般的でありまして、それぞれ健康への影響の可能性があると指摘されているところでございます。
○小川勝也君 私が勉強したのと大体同じお話をいただけました。
 住宅研究会でまとめた中で、例えばこの物質は余りにも健康に害が大きそうなので使用中止にしよう、あるいはこの物質はこの物質と合わせてこのぐらいの量までにしようという何か基準ができたでありましょうか。
○政府委員(那珂正君) 今ほど申し上げましたように、これらの化学物質の健康への影響につきましては必ずしも十分科学的に解明されているとは言いがたい状況でございます。
 そこで、当研究会におきましては、化学物質、先ほど申し上げましたホルムアルデヒドだとかキシレンだとかトルエンだとかこういうものでございますが、そういう化学物質の放散が少ない建材をなるべく選択するようにしよう、あるいはそういう化学物質を放散する接着剤についてはできる限り最小限の使用をする、あるいは使った後の養生をしっかりするというような施工上の注意、それから住まい方に関することですが、換気、通風などの配慮を十分行うことというような注意喚起がこの報告の中でなされておりまして、特定の物質についてその使用の禁止とか具体に規制を提案はされておりません。
○小川勝也君 大体わかっています。財団法人ビル管理教育センターという初めて聞いた名前なんですけれども、この資料に「室内空気中のホルムアルデヒドの基準」という表がございます。そして、どこどこの国では幾らかという数字が並べてあるわけですけれども、例えばアメリカは州ごとになっています。ウィスコンシン州は基準値〇・二になっております。ドイツは勧告値〇・一とあるんですけれども、日本だけガイドラインと書いてあるんです。この本ではガイドラインというのは基準値より低いんだと、こういうふうに書いてありますけれども、御認識がそれでいいのか、わかっていることを教えていただきたいと思います。
○政府委員(那珂正君) 今、先生御紹介いただいた報告書は厚生省所管の文書でございまして、私はつぶさにまだ拝見していないんですが、基本的には住宅の中の基準といいますか水準とレベル、また一般的なビルの場合の基準と若干異なるのではないかと推察されます。
○小川勝也君 これはビルの基準といっても、私が申し上げたのは、日本で言うのはガイドラインということなので法的拘束力のない弱いものだと、この認識でいいのか、もし住宅あるいは戸建て住宅でこれにかわるものがあればその基準をお知らせください。
○政府委員(那珂正君) 先ほど申し上げましたように、当研究会でいろいろ研究していただいてもまだなお科学的にその因果関係が解明されていないという状況でございますので、我が国におきましては、とりわけ建築基準法等住宅関係の法規制におきましてそういう規制対象となる基準値はございません。
○小川勝也君 今、時あたかも松谷委員長とともにダイオキシン法案を議員立法で出そうかという、これは一ピコグラムがどうのこうのというのと同じだと思っているんです。日本は、住宅におけるホルムアルデヒドの基準をもしつくっても、全部が法律違反になってしまうからできないのじゃないかというふうに思います。
 ここに同じ厚生省所管のところでつくってもらったデータ、都合のいいところだけ読ませていただいて大変恐縮なんですけれども、トルエン、これがどのぐらいの測定例があるかというふうに出ているわけですけれども、例えば欧米の住宅でいうと三十から百五十、こういう数字が出ています。日本の新築住宅ではどういう数字が出ているかというと五十六から一万三千。これは、特にこの委員会で追及しようと思って得た数字ではありません。私がたまたまぺらぺらとめくってきてこういうものなのかなというふうに思いましたので、きょうたまたま発表させていただきました。
 ということはどういうことかというと、まだ科学的に証明されていないのは事実だと思いますし、それを取り締まる基準もないということもまた事実だと思います。しかしながら、ちょっと世論も動いてきましたし、ぐあいが悪いので健康住宅研究会、今御紹介がありましたその組織を平成十年の四月につくって検討していこうということになったわけです。
 ただし、一般論として考えてみますと、どういうことが書いてあるかというと、住宅を建てるときにはこのようなことに気をつけて工務店に言ってくださいということと、家を買ったら少し窓をあけておいて換気してくださいと書いてあるんです。こんな国がどこにあるのかというふうに私は思いました。
 このホルムアルデヒドやトルエンやキシレンがどのぐらい人体に被害を与えるかというのはわかっていないというのはよしといたしましょう。しかしながら、トルエンというのは、この中にも長谷川先生のような不良少年がいたらわかるかと思いますけれども、シンナーという不良少年がやるものですね、あれのことなんです。だから体にいいわけないですし、ホルムアルデヒドというのはホルマリンと同じものです。そんなものが、長年の夢がかなって本来一番落ちつく場所の我が家に帰ってきたときに、そういうものに攻められる。逆に、旅行に行ったときだけ体調がよくなるという人もいるようでございます。
 そんなものをせっかくおつくりいただいて、健康住宅研究会というところが、家を買うときは有機溶剤を少なくしてくださいというふうに言ったらどうですかとか、家を買ったら換気をしましょうとか、こんなことを書くんだったら、そういうものを使わせないようにした方が早いと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(那珂正君) 先ほども申し上げましたように、個々の建築で法的拘束力を持たせて規制するためには、やはり物質と健康の間の科学的な因果関係がある程度証明されないといけないと思うわけです。
 しかるに、現下の状況ではまず住宅に持ち込まれる、あるいは建材として持ち込まれるものの中にどれぐらいそういうものが入っているかといういわゆる成分表示すら十分ではなくて、それを住宅を建てる際の建築主なりあるいは工務店に対してすべて結果責任で規制するというのはまだ時期尚早ではないか、こう思うわけでございます。
 したがって、先生おっしゃったように、この健康住宅研究会も昨年四月に結論を出しましたけれども、発足したのは平成八年七月でございます。そのころからいろいろ問題が出てきているので、基本的にとりあえずはどうしたら一番現実的な対応できるかということと本来の科学的な究明と両方あると思うんですけれども、今申し上げました研究会の昨年四月の報告は、こういう我が国の状況の中でこうした方がいいということをとりあえず内外ユーザーに対してもまた事業者に対してもアピールしていく。事実、これを受けて住宅の生産者の業界団体である住宅生産団体連合会では、内装仕上げ材についてホルムアルデヒド放散量を低減した建材の選定をするというような取り組みをし始めたところでございます。
 そういう具体的な取り組みを幾つか積み重ねて進めていきたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) これは私が御答弁すべきことだろうと思うわけでございまして、局長は筒いっぱいの答弁をしておるように思いますので、御理解をいただきたいと思います。
 私も感じることが多々あるわけでございますが、やはりこういういささか人体に影響があるということが予測されることに対しては私は対処していかなければならないと思うのでございまして、今までのような行政のやり方をしておれば、だれか犠牲者が出ないと法律化されない、制限されないということです。それはやっぱりおかしい話でございまして、ですから後ほど局長にお話ししまして、私はこれは前向きに対処をしていくようにしたいと思っております。
○小川勝也君 前向きな御答弁をいただいて余りねちっこいこと言えなくなったんですけれども、ねちっこいことというのは何かというと、日本住宅新聞社の田部社長という人が書いた本に、建設省は、大量生産、大量販売のために建材メーカーや設備機器メーカーを救うためにずっと使え使えと言ってきたんだと、だから今さらこれを禁止というのなかなかできない、こういうふうに書いてあります。これは本当かどうかというのは聞くつもりはありません。
 そこで、よく考えてみますと、大臣の方がお詳しいと思いますけれども、日本には古来の住宅の工法がありました。当然、科学的な溶剤とか接着剤は使っていなかったわけです。そんなこともあり、どうしても今の接着剤や有機溶剤やホルムアルデヒドをたくさん使った合板やベニヤや建材を使わなくても家が建てられるわけです。これをまず思い返していただきたいと思うんです。
 日本古来の建築工法ということになるとコストがべらぼうに高いと思うんですけれども、住宅局長にお伺いしますが、建設省の住宅関連の研究機関もあると思っております。有機溶剤とかそういう危ない建材を使わないで住宅を建てるということもいろいろ研究されていると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(那珂正君) まず、先ほども申し上げましたように、年間百二、三十万戸にわたる住宅建設が行われているという状況を見ますと、やはり実際に流通している材料、これを少しでも危険性のないようにしていくというのは行政の本来の進め方だろうと思うわけでございます。
 したがって、先ほども申し上げましたけれども、例えば同じ合板でもホルムアルデヒドの放散量が多いもの少ないものというグレードが既にJIS、JAS等で規定されておりますので、そういうきちっとしたグレード分けがされた建材につきましては、当然のことですが、多少は高くなると思いますけれども放散量の少ないグレードのものを使ってもらう、そういうことを実際にユーザーに対してもまた住宅を建設する団体に対しても指導してまいりたいと思います。
○小川勝也君 筒いっぱいの御答弁だと思いますけれども、そういう有害な有機溶剤にかわる、接着剤の部分は無理ですけれども、例えば防蟻剤の部分とかいろいろと新しくて古い技術なんかも開発されているように聞いています。
 例えば木酢液を使うなどというのも一つの手だと思いますし、天然の、日本古来の伝統にもありますようにある特定の樹木の油を使うなどということも聞いておりますけれども、研究所ではそういう研究もなされておりますでしょうか。
○政府委員(那珂正君) 具体的に建設省の研究所でそういうことを研究しているということを確認してはおりませんが、いずれにいたしましても、私も先生がおっしゃることに決して反対を申し上げておるわけではなくて、そういう基礎的な研究開発というのはぜひ必要だと思いますので、やっていなかったらやるように、また官民協力して民間の研究機関とも協力をとって、連携をとって進めたいと思います。
○小川勝也君 先ほどの大臣の御答弁に尽きるわけでありますけれども、人の健康というのは、例えば住宅を建ててその柱が弱かったという問題で済まされないわけです。柱が倒れて人が死ぬという場合はまた別ですけれども、ちょっと腐ってきたという問題とこれはわけが違うわけであります。今、科学的に解明されていないということでありますので、それが蓄積されたらどうか、あるいは生殖にどう影響を与えるかなどということがわからないわけでありますから、そのことは大臣の先ほどの答弁を体してやっていただきたい。
 一言余計なことを言えば、もし何かの研究機関とか格付機関があったとしても、それは建材メーカーのためにあるのではなくて、広くその住宅を買い求めるユーザーのためにあるんだということをここで再確認していただきたいと思います。
 今回のシックハウスの問題というのはどこに帰結するかといいますと、一つは建設廃材の問題につながります。先日来、岡崎委員あるいは田村委員からもお話がありました。結局、ベニヤ合板の隅々にまで有害物質が入っているので燃やしにくいわけです。燃やすと有害ガスが出るわけです。ということで、建設廃材の不法投棄が多いというのも私はこれは事実だと思います。その辺の御認識はいかがでしょうか。
○政府委員(那珂正君) 確かに、先生おっしゃるような向きもあると思います。
 ただ、実際建材等に含まれるそういう化学物質の存在が不法投棄をどれだけふやしているかというふうに言われますと、量的にちょっとお答えしかねるわけでございます。いずれにしても、廃材の処理の過程以前に、住宅で使われるときにそういう健康に対する悪影響があることは定性的には間違いがないことでございますので、それを現実的に規制ないし誘導措置を組み合わせてどういうふうにしていったらいいか、さらに研究、検討を重ねていきたいと思います。
○小川勝也君 廃棄物処理は当委員会の所管でもございますので、御検討をよろしくお願いいたします。
 この問題についてあと二点追加して、アドバイスといいますか御指摘を申し上げたいと思います。
 一つは、このホルムアルデヒドを中心とする化学物質ですが、ある基準をはかるときにはいわゆる定温、常温を基準としております。温度が上がりますとそのVOCが上がりまして空気中に余計発散されるということが挙げられております。そうしますと、冬より夏の方が空気中にその化学物質が出てきやすいということがあるんですけれども、そこで問題となるのは床暖房なんだそうです。床暖房をする、そして床材にその化学物質が含まれている場合、異常な高温になります。そうしますと、基準をはるかに超える空気中の濃度になる。このことがどこにも指摘されておらないということを私は申し上げておきます。
 そして、もう一点は押し入れでございます。押し入れは、今いろんな利用のされ方があるかとも思いますけれども、一つは寝具をしまう場所でございます。例えばホルマリンやホルムアルデヒドがもくもくしている押し入れに布団をしまっておく、そして毎日そこに寝る、これがちょっと心配だ、こういう御意見もあります。子供に隠れんぼうで押し入れに入るのをやめなさいと言うのも一つ大事なことかもしれません。ここは御答弁は要らないので、後で大臣にお話をいただくときに、この辺も検討させますというふうに言っていただくと一番いいんですけれども。
 それでもう一つは何かというと、先ほどお話がありましたように、日本の古い工法にはそういうものを使っていないわけです。それと同時に、そういう接着剤でべたべたくっつけない材料だってできないわけじゃないと思うんです。いわゆる天然材というものであります。あるいは無垢材というふうに言っておられるのかもしれません。
 私は、当委員会で、森のために生きる宣言をいたしました。今回の住宅研究会の中にも林野庁さんが入っておりますのでこのことを強く言っているんだろうと思いますけれども、やっぱり適切に山から木を切ってそれを使ってもらわないといい山ができない。コストの問題だろうと思いますけれども、この問題を解決するには天然材を使うのが一番早いと思うわけでございますけれども、御答弁を短くいただきましょう。
○政府委員(那珂正君) それは、おっしゃるように接着剤を使わなくて済むという点では、無垢材を使う方が接着剤を使うものに比べて放散量は圧倒的に少ないわけでございます。それから、同じ合板系を使うにしても、先ほど申し上げましたように放散量の少ないグレードの合板建材を使う方が圧倒的に悪影響は少ないわけで、問題はコストだと思います。
○小川勝也君 それで、この委員会にまた住宅の品質確保の法律が参ることになっています。さまざまな、例えば風通しがどうだとか強度がどうだとか、そういうものを基準にしてユーザーに知らせましょうという法律であります。
 私は、その中にこの健康の部分あるいは化学物質の部分は入れてもいいんじゃないかなと思うんです。例えば、天然材を使うとコストが高くなるということは、これは御理解をいただけるものだと思います。もし、自分は子供もぜんそくだし、どうしても化学物質の少ない家に入りたいと思った場合はそれを安心して選べる、コストが高いというのは今回の法律の趣旨に合致していると思うわけであります。
 この辺、いかがでしょうか。
○政府委員(那珂正君) 御指摘の点でございますが、確かに私どもも今回御審議をお願いする法案の中で、当該化学物質の影響が少ないことを性能として表示できたらすばらしいことだと思います。
 ただ現実には、先ほど来申し上げておりますように、住宅に使われる建材に含まれる化学物質、それからその放散量というものがなかなか客観的に表現できないといううらみがございます。加えて、住宅の立地場所だとかあるいは施工の仕方だとか、さらには影響の有無は大変個人差がございます。
 そういういろいろ難しい連鎖の中で、性能というある意味ではわかりやすく割り切った簡単な数字でなければいけないわけでございますので、今、先生おっしゃったように全部無垢材でつくっていると、こういう表現だったらそれはそれで可能かと思いますが、具体的な化学物質ごとに、化学物質の空気中ないしその建材に含まれている量をグレード分けするなりして具体的に表示するというのは、現段階ではなお難しいことだと思います。
○小川勝也君 今のは意地悪で言ったんだと思います。一つのグレードが健康に安全です、もう少し安いのになると健康に不安ですと、こんな住宅は売れるわけがないんですね。だから基準に入らなかったんだと思います。
 できること、できないこと、急いでやらなきゃいけないこと、ゆっくりやること、いろいろあると思いますけれども、やっぱり人の健康というのは非常に価値の高いものだと思いますので、最後に大臣の御発言をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) このシックハウスの問題は、私もそうそう研究をしておるわけではございませんが、いささか気になっておった分野でございまして、これは大きな問題を提起していただいたと思っておるわけでございます。
 ですから、コストの問題にも関係はしてまいりましょう。しかし、実際に健康のためによくない、身体のためによくないということがはっきりすれば、自分の生命を縮めてまで家を買うなんという方はいらっしゃらないだろうから、それはそれで進めていくことはできると思いますので、また研究所でもなお一層研究をしていただいて、早期に対処をしていきたいと思っております。
 先ほど述べさせていただきましたように、犠牲者が出てからそういうことをするんだったら何も意味がないわけですから、そういうことが起こる前に、今の時点でそれをやっていきたいと思っております。
○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 大臣の所信の中の二番目の項目に、まさに経済対策ということ、午前中の審議の中でも出ておりました。
 私は私なりに考えますと、景気、経済の中で、例えば経済は鶏かな、そして財政が卵かなと。しかも、財政をいわゆる景気対策のために投入するということであれば、その鶏がひなにかえらなきゃいけない。そんな思いの一つの景気の循環方式と。
 そういう中で、実は土曜日の新聞、これは各紙ともそれぞれ出ていると思うんですけれども、「九八年、マイナス二・八%戦後最悪」、「民需低迷で年率三・二%減」、さらに見ると今度は、スーパー・ダイエーが希望退職者を募っている、さらにまたこの左側に、大手銀行への六兆七千億の融資と。まさに今の時代をこの新聞の一面がすべてあらわしているかに思います。
 そこで、その景気対策、もう大変な予算の投資を建設省がなさっておりますし、その中でもこの新聞の中で、いわゆる一般需要、設備がマイナス、その中で公共投資がプラスになっている、当然のことであります。三次までの補正をつけているわけでありますから。そういう中で、午前中もケインズの話が出ましたけれども、まさに有効需要、いわゆる消費プラス誘発、設備投資。経済対策の中で最も大事なのはそのプラスアルファ、いわゆる相乗効果。まさにその相乗効果が今ない状況の中での建設省予算の執行の意義、これをどのように大臣はお考えになっているか、所見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のように、とにかく公共事業と消費拡大、内需拡大ということで今まで景気がよくなってきておったわけでございますが、今、消費マインドを起こすような状態にないわけでございます。
 若い人は若い人なりに、また年輩の方は年輩の方なりに、年金がどうなるんだろうか。あるいは若い人であれば、これからは終身雇用なんという制度はなくなってまいりましょう。そしてまた、自分が勤めておった企業が自分が定年退職するまでもつかどうかというようなことも非常に不安定な状態になってくるわけですから、総国民が不安感を抱いているのが現在の状態だろうと思います。そういうようなことで、税制改革あるいはいろいろなそういう消費を起こすような方策をとってまいりましても、なかなかそれが思うようにいかない。そういうときにあって、この公共事業を鋭意進めていって景気のイニシアチブをとっていくということは、私は必要なことだろうと思っておるわけでございます。
 ただ、その公共事業の内容ももちろんいろいろ変わってくるわけでございまして、これからは何といいましても生活水準を上げていくといいましょうか、生活に直結した分野の公共事業というものにまた大きく流れが変わってくるんだろうと思います。そういう形態、流れというのは変わってくるでしょうけれども、やはり景気喚起のための公共事業の効果というものは一番大きなものだろうと私は認識をしております。
○佐藤雄平君 まさに費用対効果とか誘発投資、ぜひそういうことも含めて執行をお願いしたい。
 それにどうしても絡んでくるのでありますけれども、地元、地方に行くと、それぞれ道路、河川をつくっております。そのときに、ややもすれば地域によって、道路をつくること、また河川を改修すること、公園をつくることそのものが何か目的になっているようなところも実は否めません。そういうようなことを考えると、やっぱりそこに波及的な効果がないのか。
 そういう意味から、いよいよ地方分権が進んでくるわけでありますけれども、その地方分権を前提にしながらも、何といっても私は霞が関というのは世界最大のシンクタンク、いろんな情報が集まっているところだと思うんです。そういう意味で機能的に、その投資効果をあらわす意味でも、いろんな道路、橋、河川、公園についても、いわゆる霞が関の皆さんがそれぞれいろんな情報を流してあげて一緒に町づくりとか地域づくり、そんなことを含めながら道路それから河川の執行をお願いしたい。
 その件について、今建設省がどのようにお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(小野邦久君) 地方分権の推進の観点からの公共事業の執行のお尋ねでございます。
 建設省と市町村との人事交流でございますけれども、平成十一年一月時点で本省から政令指定都市を含む市町村等に、課長級以上のポストでございますけれども、これに出向している職員の数は三十二名ということになっております。逆に市町村から本省の課長補佐等へ来ていただいている職員の数は二名ということでございます。
 若干アンバラはあるわけでございますが、建設省と市町村は建設行政という点で大変密接な関連もございますし、これは都道府県についても言えることでございます。おのずと市町村の場合には、組織上、定員上制約もございますけれども、公共団体の立場を尊重しつつ適切に交流を進める中で事業の執行はより円滑に進んでいく、あるいはそういう点で大変意味あるものというふうに考えております。
○佐藤雄平君 今の官房長のお話のとおりだと思うんです。
 福島県の中でも、町村から霞が関の方に出向して、それで戻った方がいる。この人たちがなぜ町の中心になってやっておられるかというと、友だちがいい意味でできておるし、単に建設省に出向したからといって、建設省だけじゃなくていろんな官庁の皆さんとお友だちになって、そういうふうな複合的なものを加味しながら町づくりができているという例が幾つかあります。そういう中で、むしろ地方の自治体、町村の皆さんが霞が関に来て、いい意味でいろんな情報を仕入れて勉強していくということについては、ぜひお進め願いたいと思います。
 変わりますが、先般も実は質問をさせていただきました市街地の再開発事業。これは青少年の問題、新聞に毎日出ているいろいろな状況を見と、やっぱり地域社会が崩壊しているのかな、私はそんなことを思うんです。幸いにして、我が福島県また地方は、まだまだ地域社会が崩壊していないところは、おじいちゃん、おばあちゃんとお孫さんが一緒になって遊んでいる姿が見られる。
 今度、建設省で再開発事業、いろいろ大がかりなものをつくっていくと思うんです。いろんなインフラは理解できますけれども、その中で私は、一つの地域に住む人が共同意識を持つ、そしてまたその地域性を感じていく、そしてある意味ではこれまたソフト面になると思うんですけれども、場合によってはそこでせっかくおつくりになった一つの市街地の中でお祭りでもやっていこうか、そんなことをも加味したソフト面でいろいろ考える必要があるのではないかと思いますけれども、その件についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(山本正堯君) ただいま先生から御指摘いただきましたように、町づくりというのは地域住民や地方の公共団体が中心となって進めていくことが重要であるということ、とりわけ地域住民が参加意識を持って主体的に取り組んでいく必要があるということであろうかと思います。特に市街地再開発事業の推進に当たりましては、関係者が自分のふるさと、地域の町をどんな町にしていくのか、町のイメージを具体的に念頭に置きながら検討を深めて計画づくりを行っていくということが極めて重要であるというふうに私どもも考えております。
 こういうふうな考え方に基づきまして、従来から調査設計計画費に対する補助制度等々を行ってきたところでございますけれども、これに加えて新たに平成十年度からは初期段階におきます町づくりの活動支援や計画立案とか調整に係るコーディネート業務への補助制度を創設させていただきまして、こういうふうな計画づくりに対する取り組みの強化を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
 私ども建設省といたしましては、今後とも住民の間での町づくりに対する検討が深められ、住民のさまざまなアイデアが具体的な事業につながっていく、それによって地域の地元の方々が地元でどういう町にしていくかということについていろいろ案を出し、検討していただくということが可能となるように、ソフト面でもしっかりと支援を行っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○佐藤雄平君 建設業に従事する皆さん、これは大体六百五十万ぐらいおられると思うんですけれども、その中で都市部と地方でまたそれぞれあると思いますが、かつて地方では救農土木事業などという事業が実はあって、いわゆる農家が余り景気がよくない、それについて何か土木事業がありました。
 そういう中で、今建設業界の一つのいろんな変遷を考え、また将来的に建設業の仕事はおのずとこれは先細りになってしまうであろうと推測されるわけでありますけれども、その中で建設業の経営改善、さらにはまた特に中小零細、地方における中小零細というのはその地域の雇用の主体でもあったり、ある意味ではまた経済のバロメーターであるところもあるわけです。そういうことを踏まえながら、先の建設就労者対策、この辺についてどのようにお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) 先生御質問の中にございましたが、十年の平均で建設業の労働者は六百五十一万ぐらいでございますから、全産業のおおむね一割強というぐらいの割合であろうと思います。最近は全産業が押しなべてそうでございますけれども、建設就業者数もこの十五カ月、平成九年十一月以降連続して対前年同月比でマイナスになっておりまして、大変建設業も厳しゅうございます。
 もう一つマクロ的に見ますと、バブルのときのピーク時に建設業が他産業から引き受けていた労働者の構造が最近少し様相を異にしておりまして、従来ですと例えば製造業とかサービス業、あるいは農林業から人が来ておりましたけれども、最近は逆にほんのわずかでありますけれども、他産業へも人を出しているような状況でありまして、それだけ建設業の状況は厳しいわけでございます。
 建設業の経営改善はもちろん雇用対策ではございませんが、お話のございましたように建設業の持つ雇用吸収能力も我々十分評価しなきゃいけません。一方、先ほど大臣からお答えいたしましたように、これからの我が国の国土整備あるいは管理のあり方の中で、それぞれ地域の今一番不足している必要な公共事業、あるいはその他の建設投資をこれからどう整備していくかという中で、今お話のございましたように地域経済の活性化にいささかでも建設業が雇用面で貢献できるような、そういう効果ある投資を我々も考えていただきたいし、また建設業の立場からもそうした業体制といいましょうか業の経営改善もやってまいらなきゃいけない、こう思っております。
○佐藤雄平君 建設省の中で、効率化に向けた取り組みということで、各省庁との同じような政策についてはそれぞれ相談していこうということだと思うんです。
 これも我が県の例で恐縮でありますけれども、本当にぱっと見て高規格道路がいつの間にかできたかなと思うとそれが農免農道であったりするところが大分あるんです。そして、確かにこれは一般道、農免農道、さらにはまた林道、地域によってはもう本当に生活道路になっている地域がたくさんありまして、これは私の認識違いかどうかわかりませんけれども、多分つくった後は何かその道路については建設省が維持管理していくというところが大分あるのかと。
 そういう中で、これは警察庁の話になるのかもわかりませんけれども、本当にすばらしい農道を走っていくと標識が全くないんです。ところが、これは昼ならいいんですけれども、本当に夕方の遠近距離がわからなくて事故が起きているというのは、比較的農免農道が多い場合があるんです。その辺の道路行政一つについて、建設省それから農水省、林野庁、これからどのように道路についての整合性というのを持っていきながら、いわゆる利用者、使う人からの利便性をどういうふうに考えていくのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(井上啓一君) 効率的な公共事業というような観点、それからあと農水省の方の所管のお話もございましたが、道路事業としてそれから農道事業というような意味では、効率的にそれぞれ投資が行われるようにということで、平成七年度から建設省と農林水産省との間で連絡調整会議等を設置しまして、両事業に係る連絡調整の充実強化を図って計画的にやろうということでございます。
 そういうことで、整備後の管理ですが、道路法上の道路は円滑な一般交通の確保が図られるように、それから農道の方は農用地の保全または利用上必要な施設としての役割が果たされるようにというようなことで、おのおの目的に応じて適切に管理しているというふうに思っております。
 特に、その中で基幹的な農道につきましては、整備された後に周辺状況の変化に伴いまして相当数の一般交通が利用する場合もあることから、効率的な維持管理が行われるように構造や舗装厚については道路法上の道路に準拠するように設計施工されているというふうに考えておるところでございます。
○佐藤雄平君 農水省。
○説明員(松浦良和君) お答えいたします。
 農道についてでございますけれども、農道の新設並びに改築に当たりましては、従来から交通の安全と円滑さを確保するために、次に申し上げますような事項につきまして事業主体が関係都道府県の公安委員会に協議をし、それから調整を図っております。
 具体的には、一点目が、交差する部分、それから取りつけ部分、さらにその付近におきます安全性の確保等の構造上の安全確保、こういう点が一点目でございます。それから二点目が、ガードレール等の交通安全施設の整備に関すること、三点目が、その他農道の交通の安全と円滑に関することにつきまして協議をして調整を図っております。
 また、既設の農道につきまして交通量の増加等によりまして安全施設等の整備が必要になった場合につきましては、平成十年度に農道環境整備事業というようなものをつくりまして、例えば案内、看板等の設置、それから歩道の設置等につきまして安全対策等も図っております。
 それからさらに、農道におきます交通安全に対する意識の啓発、普及等を図る観点から、毎年定期的な広報啓発活動を国、県等におきまして行っているところでございます。
○佐藤雄平君 そこなんですけれども、農道そのものは揮発油税、特定財源でつくっていますね。
○説明員(松浦良和君) 農免農道等に関する御質問等であろうかと思いますけれども、揮発油税の見合いということで財源を確保しておりますけれども、一般財源の中でございます。
○佐藤雄平君 今、交通安全施設等の話がありましたけれども、本当に一般ユーザーは、農免農道という意識の全くない中で、ほとんど生活道路として使っている状況でございますから、その辺よく建設省とその立場に立って、従来は農免農道というのは耕運機が走って百姓に行くための道路であったと思うんですけれども、それぐらい世の中の価値観が変わっているということを十分御認識いただきたい、そんな気持ちでございます。
 それから大臣、去年の十二月二十五日に国幹審に入れていただいておりまして、国幹審についてはそれぞれ話があるんですけれども、国の高速体系の中で、これはもう本当に国民ひとしく認識しなきゃいけない道路だと私は思うんですけれども、何か聞くところによると、国幹審について将来どうなるのかなと、そんな話も聞いておりますけれども、その点についての所見はいかがでございますか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) この国幹審の問題は、いわゆる行政改革の一環として、こういう審議会には国会議員が入らないようにしようとかいうような流れが今あるのは事実でございます。私は、こういう国の大動脈の問題に関しましては、やはり我々政治家、そしてまたそういう道路の専門の者が、国会議員という役職にあってもやはり何人かは入ってそこで十分に意見を吐露していくということは必要だろうと思っておるわけでございまして、そういうようなことを総務庁長官にも申し上げているのが現状でございます。ですから、私はやっぱりこういうようなことは国の指導でもってしっかりとやっていくということが必要ではないか、そのように思っております。
 それから、委員から御質問はありませんでしたが、先ほどの一般道と農道との問題、本当に私の方から質問したいと思ったぐらいでございますが、農道に標識がないんですか。それは、私は初めて知って勉強になりました。
 しかし、これは先生もこの世界に長い間お住まいでございますから御存じでしょうけれども、建設省の道路予算が十分でなかったもので、そこからだれか優秀な政治家が農道という名前でもって生活道に使えるような方策を打ち出したのが一つの要因ではあるわけでございます。ですから、そういう無理な状態でつくったものですから当然標識もないという無理な状態にあるわけで、そこではまた事故も起こるんではないでしょうか。
 ですから、下水道の問題にしても海岸事業の問題にしても、それから農道と一般道の問題にしても、やはりいろいろな役所に分かれておるというのはおかしいのはおかしいんです、私がそんなことを言うとちょっとまずいんですけれども。そういうのは二〇〇一年からの行政改革の中で、中央省庁再編成の中で集約化していく方向には今行っておりますから、それまではやむを得ないかもしれませんけれども、やはり先生御指摘のように、私も同感でございます。
○佐藤雄平君 ちょっと時間の都合がありまして、用意したのが終わりそうもないので、大事なところ、激甚災なんです。
 先ほどもお話がありましたけれども、まさに福島県は去年未曾有の災害になったんです。先ほどの局長からの答弁もある意味でわかるんですけれども、本当に西郷村があって大信村があって白河があって、それで「からまつ荘」というのは実は西郷村、人がお亡くなりになったのが西郷村なんです。
 しかしながら、激甚災の指定は西郷村は受けていないんです。一般論として客観的に見て、一番被害をこうむったところが激甚災の指定がなくて周りがなっているということになると、いかにも何か不合理なというか、バランスがどうのこうのという話になってくるんです。冷静に見させてもらいましたら、この激甚災というのは昭和三十七年の法律ということで、財政支出等もあると思うんですけれども、いろんな多面的な要素から見直さなきゃいけないんじゃないかという気もいたしております。その件について。
 それから、例の住宅の倒壊、半、全いろいろありますけれども、新しく住宅をつくっている途中で災害に遭ってしまったものについては住宅ローンの金利はそのままになって、新しくつくったもの、要するに倒壊して新しくつくるものは金利は無利子ということで、災害のときも一回話があったと思うんですけれども、この二点についていかがお考えであるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(林桂一君) まず、激甚災害の指定基準と制度の見直しについてでございますが、激甚災の制度創設以降、特に公共土木につきましては制定当時は相当の指定がございましたが、最近になりましてそういった指定が余り多くなく、これはいわゆる本激という全国的な激甚災のことでございますが、阪神以外はないというふうな実績でございます。
 そういったことでありましたので、こういった極端に実績がないということは制度の趣旨から見ても問題ではないかという御指摘を多々いただいているところでございます。そういうこともありますので、そういうことも含めて激甚制度につきまして、これはいろいろな省庁が関係しておりますので、関係省庁とも御相談しながら現在見直しを開始しているというふうな状況でございます。
 ただ、一点申し上げますと、西郷村が指定がなくてその周辺の大信村等については指定があったという先ほどの御指摘でございますが、これにつきましては、この指定の基準が当該市町村の財政、厳密に言えば税収規模を超えた災害であるかということを基準にいたしますものでございますが、全国的に今回の局地激甚、先ほど申しましたが四十九の町村で指定されておりますが、平均的にはその税収規模の一・八倍の被害を受けているといったところでございまして、かなり高い規模の被害を受けたところが指定されておるということでございます。西郷村につきましては、その数字が約三割程度ということでございますので、そこには財政の困窮度合いにかなり差があるのではないかなという感じもいたしているところでございます。
 いずれにしましても、そういう実績等極端に少ない中での見直しをさせていただいておりますので、今御指摘のところにつきましても、いろいろ検討の中で進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
○政府委員(那珂正君) 阪神・淡路大震災の際のいろいろな災害対策として、建築中に被災して、その場合既存のローンを抱えているわけですけれども、その既存の貸し付けについて特例が働くかどうか、こういうお尋ねでございます。
 もちろん、普通のマンションなり一戸建て住宅に住んでおられてその既存ローンの問題が生じた場合には、御案内のとおりその人の罹災の程度に応じて償還期間の延長、据え置き期間の設定、また据え置き期間の長さ、それからその期間の金利の減免措置等の特例措置がございます。
 問題は、今、先生御指摘の建築中の場合はどうなんだ、こういうことでございますが、それも基本的には中間払いが行われていれば既存の貸し付けという扱いにさせていただいていると思います。ただ、建築工事に着工はしたけれども融資として貸し付けを実行していない、資金が全然交付されていないという段階では、なかなか既存の融資の特例というわけにはいかないということで整理させていただいておると思います。
○佐藤雄平君 では、環境庁の方に移らせていただきます。
 きょうは、大臣の方はまた別の委員会というふうなことでもあります。
 当選させていただいて国土・環境委員会に所属をさせていただいて、今まで秘書をしているときは衆議院でしたからまさに建設委員会も環境委員会も別々でありましたが、私は、国土・環境委員会というのは二十一世紀を見据えたすばらしい委員会の名前であるな、そんなふうに実は思っております。
 それは、建設省、国土庁、そして環境庁、北海道開発庁とそれぞれ審議する。かつて、ややもすれば建設省、国土庁と環境庁というのは所を百八十度違えたところにあるようなときもあったのじゃないか。そんなことを思いますと、戦後五十四年の中で大変な日本は経済成長をしました。しかしながら、冷静に考えてみると、経済活動と裏腹に自然環境活動がどうなったか、またある意味では物質文明と精神文明がどうなったかと、いろいろ考えるところでもあります。
 そういういわゆる長い時代の中で、あるときは環境が大事だ、またあるときは経済活動が大事だと、これをきちっと審議するのがこの委員会、委員長以下我々かと。時まさに、私はカラスの鳴かない日はあっても環境問題の出ない日はないぐらいに、天の声がそんな状況であるのかと。
 そういう中で、本当はきょう環境庁長官にお伺いしたかったのですけれども、そういうふうなめり張りのある行政、私は環境問題については、それこそ各省庁との協議ということで、お互いにいい知恵を出してというふうなことでいくとなかなか後退してしまう向き合いもあるような気もするので、ある意味ではもうトップダウンというか思い切った環境政策を進めていかなきゃいけないのじゃないだろうか、そういうふうに感じているわけであります。
 官房長、いかがでございますか。
○政府委員(太田義武君) 委員の御指摘でございますけれども、環境庁は、実は環境庁長官の所信表明でも述べておりますように、二十一世紀におきましても国民が豊かで安心できる暮らしを実現できるように、その基盤となる環境を守って子孫に引き継いでいくということがまず大前提として求められているのだと思います。
 そのためには、大量生産、大量消費、大量廃棄というような経済社会システムあるいは生活慣行の見直し、環境への負荷の少ない持続可能な経済社会の実現という大変大きな課題を背負っております。この点から申し上げますと、今、委員御指摘のように、環境行政には他の行政分野あるいは行政課題との調整の局面が非常に多くなってきておりますし、これからますます多くなっていくのだというふうに認識しております。
 また、そういう問題とともに、いろいろ御議論がありますダイオキシン問題とかあるいは環境ホルモン問題、廃棄物問題、地球温暖化問題等々、近年顕在化してきております多くの問題もございます。これらの問題につきましては手おくれになりませんように、各省庁横断的にかつ速やかに対応をしていかなきゃならない、そういうことになってきておるというふうに深く認識しております。
 そうした観点から、今、大臣のお話が出ましたけれども、真鍋大臣は御就任以来、先ほどのいろいろな問題、温暖化の問題ではいわゆる各国の問題とか、あるいは低公害車の税制の問題とかあるいはダイオキシン問題という数々の場面でいわゆるトップダウンといいますか指導性を発揮してこられたと思っております。私どもは、これらトップがリーダーシップを発揮できるように、全力を挙げてそれを支えられるように力を尽くすというのが我々事務方の役目であろうと思っております。
 委員御承知のように、二〇〇一年には環境省が創設されることが決まっております。そして、国民の方々の間にも環境省に対する期待が高まってくるかと思います。私たちはこうした期待にこたえるように一生懸命環境行政を進めてまいりたい、このように思っております。
○佐藤雄平君 次の時代に本当に環境は大事であるという認識の中で、今の子供がこれから環境についてどう考えていくか。次に環境教育であります。
 お笑いになるかもわかりませんけれども、昔、私どものところに、川におしっこをするなよという話があったんです。その後が、おしっこをすると大事なところが曲がってしまうよという話だった。我々なんかも、見ていると曲がっちゃうのじゃないかなと思うようなときがあるんですけれども、まさに昔の先人というのは偉いことを考えたものだと。川というのはみんなの共同生活の場であって、まさに環境教育、おしっこをしたら大変なことになってしまうということであります。
 その中で、今子供に対して教えるということは余り、子供は逃げちゃうと思うんです。もっとやわらかい感じで、自然の中で、子供が自然環境が大事であると思うような一つの教育というのがうんと大事かと。むしろ、教育の教というよりは育てるというのが大事であるかと。
 そういう中で、環境庁それからまた文部省もそれぞれお考えになっていると思うんです。環境庁のことしの政策の中で、環境学習支援事業、体験学習推進事業、それぞれありますけれども、具体的にどういうふうにやっていって、だれがその環境教育を教えていくのか、その辺についてお伺いしたいと思います。と同時に、文部省にもお答え願いたいと思います。
○政府委員(岡田康彦君) 環境教育に当たりましては何よりもまず実践体験というのが大事だろうと思っております。
 このような考え方に立ちまして、こどもエコクラブだとかあるいはふれあい自然塾というのをこれまでもやってまいりましたが、さらに現在、環境庁におきましては総合環境学習ゾーン・モデル事業を推進中でございまして、体験的な環境学習を行える現場を整備させていただいております。この事業によりまして、全国四つのモデルとなるゾーンにおきまして、リサイクルであるとか自然体験などの合計約七十カ所の学習活動が大いに活性化されるものと考えております。
 それからさらに、今現在取り組んでいるものと申しますと、例えば文部省、建設省と一緒にやっております、先ほどの先生のお話もやや絡みますが、子どもの水辺再発見プロジェクトに取り組んでおりますし、来年度からは子どもパークレンジャー事業というのに取り組もうと思っております。これは、子供たちが国立公園の管理官、私どもの管理官の行う環境保全活動や利用者指導に参加することによりまして自然保護や環境保全の大切さを学んでいこう、こんな企画でございます。
 それから、御指摘の環境学習支援事業、どんなものを考えているんだというお話がございましたが、これは地域の中での体験活動等を通じて環境問題について楽しく学べるような体系的なプログラムをまず開発する。そして、それを環境学習講座等の開催を通じましていわばリーダー養成に使っていく、環境教育の地域のリーダーを養成する、こんなふうに使っていくためのモデルプログラムをつくるべく準備中でございます。
○説明員(銭谷眞美君) 学校教育の場で環境教育の充実を図るということは私ども大きな教育上の課題だと思っております。
 先生お話しのように、単にそれが習うということだけではなくて、子供たちが身近な環境を調べる学習、あるいはよりよい環境を創造するために自分たちは何をしなければならないのかを考えるような学習というものを今後充実していく必要があるだろうというふうに考えております。
 こういった学校の中における問題解決的な学習あるいは作業的な学習、体験的な学習とともに、子供たちが地域社会に出ていきましてさまざまな学習の提供を受けるということもまた重要かと思っております。
 その意味で、ただいま環境庁の方からもお話がございましたけれども、文部省では平成十一年度から全国子どもプランというものを立てまして、各省庁と連携をして子供たちが体験的な活動をする、そういう機会の醸成に努めていこうというふうに考えております。
 この中で、環境問題につきましても、例えば今お話もございましたけれども、子どもパークレンジャー事業でございますとか、これは環境庁と連携してやりますけれども、農水省と連携をいたしまして子ども長期自然体験村事業とか、あるいは建設省などと連携をいたしまして子供の水辺での活動の促進、こういった事業、さらには農水省と連携をいたしましてあぜ道とせせらぎづくりといったような事業などを推進しまして地域における子供のさまざまな体験活動、学習活動を通じまして環境教育をさらに推進していきたい、かように考えている次第でございます。
○佐藤雄平君 時間なんですけれども、最後に、それは自治体がやるんですか。
○説明員(銭谷眞美君) 事業の形態は自治体が行うものもございますし、各省庁の出先機関が行うものに対しまして文部省が協力をするといったような形態もございますし、文部省が持っておりますさまざまな少年自然の家、青年の家といったようなところを活用して行うような事業、いろんなやり方がございます。
○佐藤雄平君 わかりました。ありがとうございました。
 運輸省の人、せっかく来ていただいたんですけれども、時間ですのでこれで質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございますけれども、きょうは委嘱審査でございますので、少し地元のことも含めながら質問をさせていただきたいと思います。
 まず、大臣に国土庁長官としてお尋ねいたしますけれども、昨年の三月三十一日に閣議決定をされました二十一世紀の国土のグランドデザイン、これは三年半にわたる国土審議会等の審議を経て決定をされたんですけれども、これは読めば読むほどというか、それほど読んだわけじゃないんですけれども、ざっと読ませていただきまして今までの全総、新全総、三全総、四全総と比べてよくわからないというか、焦点がわからない。どういうことで、計画が何を目指しているのかというのがよくわからないんです。
 これの基本的な考え方、それから今までの全総との違い、そしてまたこうしたまとめ方をした背景等について、まず長官にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 大変難しい御質問なんですが、第五次にわたります今までの全国総合開発計画、一番最初が昭和三十七年十月五日の閣議決定ということでございまして、その後昭和四十四年、昭和五十二年、昭和六十二年、そして平成十年三月三十一日というふうに参りまして、いわゆるその計画、大体スパンが十年計画でつくられておったわけでございます。
 そのときそのときの背景が違っておるわけでございまして、それを全部言っておりますと時間がかかりますからそれは省くといたしまして、今回の二十一世紀の国土のグランドデザインという新しい第五次をつくりましたその背景には三つのものが書かれておるわけでございまして、一つが地球時代、地球環境問題、それから大競争、アジア諸国との交流、そして二番目が人口の減少、高齢化時代、それから三番目が高度情報化時代というようなものを背景とした時代である、そういう中でつくり上げたわけでございます。
 そういうようなことでございまして、いわゆる人々に多様な暮らしの選択可能性を提供することができる国土の構想というのが基本にあったようでございまして、一極・一軸型国土構造から多軸型国土構造への転換というのが一番の大きな考えた基本でございます。そういうようなことでございまして、今後は参加と連携という方式でもって多自然居住地域の創造、いわゆる自然と共生をするそういう住宅それから大都市のリノベーションまた都市再開発、再構築というものを戦略の中心としておるというふうに伺っております。
○弘友和夫君 背景はその時代その時代あるわけです。ただ、これはちょっとお尋ねしますが、今までは三全総とか四全総と言われていましたけれども、今回これを五全総と言うんですか言わないんですか、後で結構ですけれども。
 要するに、従来は投資の総額というか、そういうことも大体明記されていました。今回はそれを明記しない、そして目標年次も二〇一〇年から二〇一五年の間の五年間があるわけです。だけれども、それは基礎づくりだ、こう言われておるわけです。基礎づくりであれば別に二〇一〇年だろうと一五年だろうと、どこまで進むのかということですから余り変わらないのじゃないか。
 言ってみれば、参加と連携だとかいろいろ地方だとか多極だとか、それはそれで非常に立派なものだと思うのだけれども、要するにもっと勘ぐっていえば、余りお金がなくなったので地方でそれぞれやってください、そういう方向性だけ示しましょうというようなことじゃないかなという気がするんです。
 そこら辺、もう一度御答弁していただいて次に移りたいんですけれども、なぜ五全総と言わないのかということです。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 専門的なことは局長が答弁いたしますが、まず一つ先生が御質問されました二〇一〇年から二〇一五年という目標年次をなぜするのかということは、私が役所に問い合わせた第一番目の質問でございました。
 私もなぜそんな不可思議なことをやっておるのか、それほど自信がないのかというふうに言ったのでございますが、それは二つの理由で弁明いたしておりましたが、何かほかの長期の財政的な計画がそういう年次に延びたからそれで延ばしたんだというようなことが一つでございました。それともう一つは、今までは数値的なものをやっておったけれども、これからは量から質に、内容に変わっていくんだ、それでこういうふうに五年間の余裕を持っておるんだというレクチャーを受けたわけでございます。
 それから、なぜ五全総と言わないのか。これもまた私も全く同じ質問をしたわけでございまして、五全総と言わないというふうに決まっておるわけではありません。ですから、ある方は五全総と言って、それがまた慣習法みたいに通っておるのも事実でございますが、それと私が憶測いたしますのは、二十一世紀の国土のグランドデザインというのは一つのファッションで言ったのじゃないかなと私は思っておるんです。
 その真偽のほどは今、局長から答弁いたしますが、多分そんなところじゃないかなと思っております。
○政府委員(小林勇造君) まず、名称でございますが、先ほど大臣からも御答弁がありましたように、五全総と呼んでも一向に差し支えないわけでございますが、五回目の全総計画の策定に関しまして国土審議会の中の御議論でいろいろな思いがございまして、やはり新しい全総計画はかなり長期の構想のもとに考えるべきじゃないか。そこで、二十一世紀のグランドデザインということで多軸型国土構造、これは御承知のとおり簡単に多軸型になるわけではございませんので、そういう思いを込めた表現というふうに御理解いただければと思います。
○弘友和夫君 今、大臣が言われたまさしくファッションというか、言葉にもガーデンアイランド、庭園列島だとか。量から質へというと、では今までは質が悪い量のものをずっとつくっておったのかということになるわけです。予算の裏づけが余りないので、量から質だとかそういうファッション的なものになってくるのじゃないか。これはこれでまたゆっくり別の機会にやりたいと思うんです。
 それで、きょうは四国の田村先生のお話がありましたけれども、九州地域を見ましたら、今までずっとやってきたこと、またそれの延長線上のことがずっと書かれているわけです。余りにも具体的なものが乏しいという印象があります。
 それはそれとして、一つお尋ねしたいのは、これは何回も私は衆議院の分科会でもやってきたんですけれども、東九州自動車道の問題について。
 西九州軸、東九州軸、大体四十四市町村です、同じぐらいの数がある。西九州軸は高速道路も全部供用を開始している、そしてJRも全部複線化をしている。西九州軸は、本委員会でも松谷委員長とか陣内前委員長、また泉先生がいらっしゃいます、大物の政治家がおられるからそうなったのかもしれませんけれども。国土の均衡ある発展ということであれば、例えばJRは東九州軸を先にやろう、道路は西九州軸をやる、こうなってくればいいのに、全部西九州軸を中心にやっているわけです。
 この間からの論議で、高速道路ができれば、きょうも長谷川先生、田村先生も言っておられましたが、明石海峡は六千億から八千億の経済波及効果がある。高速道路ができたら、この間も五年ぐらい平均寿命が延びるということがありました。確かに、九州でも四十四市町村ずつありまして、これまでは余り差がなかったんです。ところが、西九州軸がきちっとなったことで反対に格差が広がったんです。
 だから、やはりこれは大事なことだなということで、さっきの国土のグランドデザインじゃありませんけれども、端的にお尋ねします。この東九州自動車道は小倉から鹿児島まで、いつになったら完成をするのかということをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(井上啓一君) 東九州自動車道は、今おっしゃられるように北九州から鹿児島まで四百四十キロの路線でありまして、東九州軸の骨格となる道路であり、九州全体として循環型ネットワーク構想を目指しておられますので、そういうような中で非常に重要な路線だというふうに思っております。
 既に四百四十キロのうちの二百六十四キロ、全体の六〇%に当たりますが、施行命令を平成五年以降九年、十年と出しまして整備を推進しているところであります。また、東九州自動車道と並行する一般国道として椎田道路等を既に事業化し、四十八キロが供用中というようなことにもなっております。
 そういうことで、東九州自動車道につきまして、全国総合開発計画でも一万四千キロの高規格幹線道路網を二十一世紀初頭概成を目指し引き続き整備を推進するということになっています。東九州自動車道については、三全総のときからノミネートされて構想を推進するというようなことをうたわれております。非常に重要な路線であり、それからまた地元からの期待も強いということで、できるだけ早期に完成させたいというように考えております。
○弘友和夫君 だから、できるだけというのが三全総からずっと何十年もかかっているわけです。今回はまだ予算がはっきりしないという五全総が出てきておるわけです。それはもういいです。
 お礼も言っておかないといけないんですけれども、平成八年には北九州市から行橋市間に施行命令を出していただきました。行橋―豊津の間も去年ですか、施行命令が出たということです。
 それで、新北九州空港というのが今建設をされております。完成が平成十七年です。これに高規格道路、高速道路。せっかく新北九州空港ができるわけですから、それを結んだアクセス、大分だとか宮崎からもこちらに来られるようになることもあると思います。だから、平常的なアクセスと、それから高速道路のアクセス。それともう一つは、運輸省の方いますか。今地元では鉄道系のアクセスもやろうというふうに計画が出ているみたいですけれども、それについて私は、小倉からというだけじゃなくて、福岡空港と新北九州空港を新幹線で結んで三十分で行けば、役割分担すれば非常にすばらしい空港になると思う。
 とりあえず小倉からのアクセスについて、全部まとめて簡単に答弁してください。
○政府委員(井上啓一君) 道路の方についてお答えさせていただきます。
 今、施行命令が出ましてから供用を開始するまで今までの経験で申しますとおおむね十年ぐらい高速道路の整備にかかっておりますが、今お話しのように北九州空港は平成十二年に供用するということでございまして、既存の九州縦貫道とのネットワークであります苅田―北九州間については十七年に間に合わせたい、ぜひそういうふうにしたいと思っています。
 それからまた、苅田インターチェンジから北九州空港を結びますアクセスにつきましても、現在埋め立てをしているようなところは県で事業をしていただいておりますが、補助事業で海上に至る橋梁の工事でありますとか、あるいは手前の方の苅田インターチェンジから苅田までの区間、そういうふうなものについては現在整備を進めて十七年に間に合わせるようにしていきたいというふうに考えております。
 さらに、南の方への延伸でございますが、大分とあわせて今、環境アセスメントを両県でやっておりまして、都市計画決定に向けての手続を進めているというふうに聞いております。これもできるだけ早くそういうような手続を終了して乗せていきたい。
 それから、高速道路、基本計画区間で都市計画決定ができたところについては新たに用地の先行取得をするような制度も予算でお認めいただいております。そういう中で、できるだけ早くそういうようなことも活用しながら整備が推進できるように努めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○説明員(石川裕己君) 新北九州空港へのアクセス鉄道の件でございますが、今先生がお話しのように、地元でアクセス鉄道のルートあるいは整備手法、整備主体等、基本的な事項について検討されておるところでございます。
 私どもとしては、航空輸送の高速性という観点から見れば、空港と都心部との間のアクセスの整備というものは大事だろうというふうに考えております。
 一方で、大量交通機関としての鉄道の整備という観点で考えますと、そのような大量交通機関としての鉄道の整備というものが事業として成り立つかどうか、それからアクセスとして将来とも活用できるようにする、こういうためには鉄道としての旅客需要の見通し、それから鉄道建設の建設資金の確保の方策、全体の鉄道事業としての収支採算性等の課題、こういうふうな課題が幾つかあるわけでございまして、このような課題がクリアされることが必要であると考えております。
 いずれにしましても、私どもとしては、これらの課題についての地元の検討結果を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
○弘友和夫君 今のはよくわからなかったんだけれども、採算性とかいろいろなことは確かに必要だと思う。要するに、アクセスが悪いと使う人もいなくて採算も悪くなるわけです。だから、現在どういうふうにみんなが使いやすいようにするかということを考えれば、鉄道系も入れる道路もやるということをやっていけば、利用者の目標が五百万ですか、そういうふうになっていくわけです。それはアクセスが悪いと使わないわけですから、採算性というのはそこら辺から考えてもらいたいというふうに思っておりますのでよろしく。時間が余りありませんので、これは終わりたいと思います。
 次に、先日来から御質問させていただきました住宅ローンの問題に移らせていただきたいんですけれども、先ほど長谷川先生が、きょうの予算概要説明の冒頭に、当面の景気回復に全力を尽くすと建設省が書くのはおかしいじゃないかというお話がありまして、私も全くそのとおりと思います。
 というのは、先日も質問させていただいたのは、確かに景気対策で新規の住宅をどんどん百十万戸、百三十万戸ぐらいにしたい、あと二十万戸伸ばしたい。それが税制だとか何とかで一兆二千三百億使うわけです。それはそれで悪いことはない。我々も推進してきたわけですからいいんですけれども、一方、現在ローンの支払いに困っている方に対してどれだけお金を使っているんだといったら二百六十億しか使っていない。今、十万人ぐらいの自己破産の人がいる、二百九十八万人の失業者がいる、どんどんこれはふえていくということで、余りにも新規の住宅を建てさせようということに必死になって、片一方は抜けているのじゃないかとこの間質問させてもらったんです。
 それと同時に、ローンを先に延ばしても、必ずこれはまた破綻が来ますと。今まで右肩上がりの経済のときは土地も上がっていく、また給料も上がっていくということで多少無理をしてもよかったんですけれども、今みたいな状態だったら、今回も金利が安くなったというけれども、ローンを組んでも必ず将来にわたって、また返済困難者はローンを十年延ばしたって、二千万借りたらこれは大体八百万か九百万くらい余分に払わぬといけないわけですから本質的な救済にならないのじゃないか、こういう質問をさせていただきました。
 ここでお尋ねしたいのは、平成五年と六年度にゆとり償還をされたわけです。バブルがはじけてこれはいかぬと、今回と同じです。バブルがはじけて景気が悪くなる、だから新しい住宅を建てさせようということでゆとり償還という制度を設けたわけです。
 何をしたかといったら、今まで住宅金融公庫のローンは五十年だったんですが、五十年で見ていたものを最初の五年分は七十五年で返すんだという計算の仕方をした。ところが、六年目になって、去年からどっとその支払いが倍近くになってきたわけです。それでまた今大変な状態になっているんですけれども、このゆとり償還について、結果を見てどういうふうに今考えられているか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(那珂正君) 住宅金融公庫の返済計画の中でいわゆるゆとり償還でございますが、従来からなるべく初期の数年間の負担を軽減するというような方策のもとにその計算方法を、今、先生御指摘のように例えば返済期間が二十五年だといたしましても、最初の五年間を五十年で計算して残りの二十年で残りを返す、こういうような計算方法をとることによりまして初期負担を軽減するという方策をとっておりました。
 それが平成五年に、今、先生おっしゃったように、もっと極端に七十五年で計算して当初の五年間の初期負担額、返済額でございますが、これを大幅に削減しよう、こう思ったわけでございます。当然の結果として六年目に償還額は相当高くなりまして、期間の設定にもよりますけれども、人によっては七割、八割というふうなふえ方をすることがございました。
 当時としては、右肩上がりの経済の考え方を踏襲して、そのぐらいだったら返せるのではないかというふうに考えたと思いますが、既に御案内のように、昨年の四月にこの方式をやめることにいたしました。やはりこういう右肩上がりの経済が終えんしたという現状においては、初期負担が少ないのはいいとしても、六年目に五割も七割も八割も上がってしまうような返済の仕方はやはり不自然である、無理があるということから、そういう方式はとらないことにいたしまして、過去にそういう方式によって現在六年目を迎えようとされておる方に関しては、先生この間も御指摘のように返済期間をもう一回延ばす、初期の計算だけではなくて実際の返済期間を最長十年延ばすという措置を講ずることとしております。
○弘友和夫君 終わったことは今言ってもあれでしょうけれども、要するにこれは今とられている政策とよく似ているんです。
 というのは、先に延ばすと今言われた。延ばしただけじゃだめですよということをこの間から言っているんですけれども、延ばしただけではいろいろな問題が出てくるわけです。
 では、一つだけ挙げさせていただくと、今回十年延ばしましょうと、そして住宅金融公庫のローンを組む、五十九歳でも三十五年のローンが組める、すると九十五歳まで払っていかないといけないわけです。ところが、民間では払い終わる最後のところを決めているわけです。それを決めなくて、三十五年ローンいいですと。組むときは組むかもしれないけれども、そのときに問題になるのが団体信用生命保険、今、団信が七十歳のままに住宅金融公庫の方はなっているわけです。自分が万一亡くなっても団信で、保険で払ってもらえるから家族には迷惑をかけぬとか、いろいろなことがある。だけれども、七十歳になったらそれはきかなくなるわけです。知らない人も大分いるみたいです。ローンは八十五歳でも九十歳でもずっといいです、だけれども団信は七十歳で切りますということですね。ただ、同じ団信というか、厚生省の年金を使った場合は延ばされたんでしょう。年齢を七十五歳から八十歳にされた。
 これを改定した理由を答弁してください。
○政府委員(矢野朝水君) 年金住宅融資の団体生命保険の年齢制限でございますけれども、これは昭和五十二年に制度ができまして、そのときは七十五歳であったわけです。ただ、高齢期になりましても安心して長期ローンが組めるようにということで、昭和六十年に見直しを行いまして、現在の八十歳にしたということでございます。
○弘友和夫君 同じ政府というか、政府ではないけれども、片一方は七十歳、片一方は八十歳。同じ住宅で年金と住宅金融公庫を使って、七十歳の部分と八十歳の部分があるわけです。どうして建設省の方ではそれを上げられないんですか。今、高年齢化とかそういう状況に応じて八十歳にしたと、こう言われたんですけれども。
○政府委員(那珂正君) お尋ねの住宅金融公庫融資にかかわる団体信用生命保険の期間ですが、これは住宅金融公庫というよりは、財団法人公庫住宅融資保証協会と生命保険会社がある種の契約を結びまして、団体扱いをして個々の融資を受けている方が被保険者となっている制度でございますが、団体扱いにすることによって非常に保険料が安くなっているという制度でございます。
 今、年金住宅融資の場合は八十歳に直っているではないかというお話でございますが、正直申し上げて気がつきませんでした。実際、住宅金融公庫の返済はいろんな方がいらっしゃるんですが、七十歳を超えてお支払いいただいている方が一%強ございます。したがって、決して少ないという人数ではないわけでございますので、今御指摘もありましたので、そういうことについては保証協会あるいはそれを引き受けてくれている生命保険会社等とも協議して検討していきたいと思います。
○弘友和夫君 検討して合わせていかれるということでございますので、これはこれで終わりたいと思います。
 時間が余りなくなったんですけれども、最後に中古住宅の評価制度についてお尋ねしたいんです。
 先日、脇先生の言われた大量生産、大量消費、大量廃棄でしたか、そういう時代じゃないんだと。今一番大事なのは、リサイクルなり資源化していかないといけないということです。今、住宅の建築廃材とか住宅廃材が膨大なものになっているわけでして、日本では中古住宅の流通市場というのは非常におくれている。私がさっき言ったように、百十万戸を百三十万戸にするよりも、今、住宅そのものは総戸数は四千五百八十八万戸、世帯総数は四千百十六万世帯ですから、一一%多い。もう既に世帯よりも住宅の戸数の方が多くなっているわけです、内容はいろいろあるでしょうけれども。だから、どんどん新築を景気対策のためにやるよりも、むしろ新築を多少抑えても、そういう中古住宅にいろいろ増改築をして、どんどん力を入れていくといった方がストックも、また広い住宅にも住めるようになるわけです。
 つくっては壊しつくっては壊ししていたんでは、全くこれは意味がない。昔GNPというのは何なのかということを勉強したときに、日本が家をつくっては壊しつくっては壊ししているときにはGNPはどんどん上がっていく。片一方、デンマークだとかなんとかは、石を拾ってきて家をつくって、それはGNPは上がらないけれども、そこにしっかりとした家があり、幸せな大きな広いところに住んでというような話もありましたけれども。今ので言えば、まさしくこの間脇先生も言われたテトラポッドをどんと沈めてと、全部それがGNPに加算されるということなわけです。
 だから、本当に生活空間倍増というのであれば中古住宅に力を入れるべきだ。時間がありませんので言いますと、とにかく建築物の平均寿命は、日本は三十年、イギリスは百四十一年、アメリカは九十六年、フランスは八十六年、ドイツは七十九年ということです。日本は上物は余り価値がない、土地しか価値がない。アメリカは築後何年とかいうのは余り関係がない。手入れをどんどんして、そして自分の住みやすい、そしてまた世帯構成が違ってきたら新しいところに住むというようなシステムになっているということでございます。
 私は、この部分をぜひ充実させてもらいたい。それには、公認の鑑定人による統一された中古住宅の建物評価基準というものがアメリカなんかはあるみたいですけれども、そういう評価基準制度というものを導入すべきじゃないか、このように思うわけでございますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私もそのように思っておるわけでございまして、建設省では新築の住宅戸数百三十万戸ということを目標にしておるわけでございますが、私はそれは無理だと言っておるわけでございます。
 今後はそういう中古住宅の市場も開発をしていって、新築の住宅戸数の数値を見るばかりではなくして、これからは量よりも質になってくるんだから、経済効果は中古住宅に移ろうが質の方に移ろうが同じことであるから、私はこれからの新築の住宅戸数は年換算で百二十万戸あれば立派なことだというふうに言っておるわけでございますが、そういう考え方のもとで私も中古住宅の市場を開発していかなければならないと思っておるわけでございます。
 そういう中にありまして、やはり住宅の履歴といいましょうか、そういうものはきちっと記録されていなければならないと思うわけでございまして、今国会でお願いいたしますが、住宅の品質確保の促進等に関する法律案というのも出てまいりますから、それにも関連して、私は住宅の性能に関する表示の基準、そしてこれに基づく評価の制度というものはこの機会に設けていくことができると思っております。
○弘友和夫君 大臣のお考えと私の考えは全く今一致いたしましたので、まず中古住宅の評価基準という基本的なものをつくっていく、それと流通市場をきちっとしたものにしていくという部分が必要なのじゃないかと思いますので、これによって景気が落ちるということはありませんので、増改築だとかいろんなものでまたすそ野の広いものになっていくと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 時間が来ましたので、終わりたいと思います。
○緒方靖夫君 町づくりについて質問させていただきます。
 関谷建設大臣には、個別の町づくりの問題について、わざわざ住民代表と会う時間をつくっていただき、またその要望に耳を傾けていただいたという、そういうことがありました。大変感謝している次第ですけれども、そんな経過もありますので、この問題については政府委員はちょっとさておいて、大臣に専ら質問をさせていただきたい、そういうふうに思います。
 実は、大臣の所信表明の中でも豊かな生活環境の実現等を柱に立てて述べられておりますけれども、町づくりをどう進めるかという問題、これはまさに地域とか自治体の特徴を生かす、この点が非常に大事ではないかと思うわけです。都市計画審議会の答申を見ましてもそうした方向を打ち出しております。町づくりは地域の特徴、ニーズを生かして行う、このことは当然だと思うわけですけれども、その点でまず大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 今までいろいろ町づくりもございますし、あるいはいわゆる都市再開発事業というのがなかなか進まないというようなことがいろいろな委員会でも質疑応答されておるわけでございます。
 私は、どうしてそんなに時間がかかるのかということは、やはり反省をするならば、アカウンタビリティーではございませんが、いわゆる説明責任というのがございますが、その事業を行いますときの当初の説明といいましょうか公開、あるいは地権者の方々との話し合いというものが十分でなかった。そこで、そういう事業が進み出してから、その御関係の方がおかしいではないかというようなことになってなかなか進まないということも多々あると思うんです。
 そういうようなことも含めまして、私は、これからの大開発事業というのはその地権者の方々に逆にすべて任せてしまったらどうだと、思い切ってそれを全部任せてしまって、それで困ったことがあればまた建設省が指導をしていくということであってもいいんじゃないかというようなことを言ったわけでございます。そういう考えのもとで、町づくりというものであるならばこれはなおのことでございまして、地元の方々の意思の集約というものがなければ進んでいくことはできないと思います。
 ですから、私はそういう機会を地権者にすべて任すということは、逆に言いますと、地権者の方々もあるいは住民の方々もそれだけ自分で責任を持っていただきたい、責任を持って協力してその事業を進めていただきたい。両々相まって私はきちっとしたものができるのではないかと思うんです。
 個別なことになって恐縮でございますが、きのうのことでございますが、ある講演で浜松市へ参りまして、そこでそこの都市開発のところを見てまいりましたが、それは地方行政、地方公共団体とその地元の方々が実にうまく意思の疎通が図られております。ですから、何の問題もなくして両者が一生懸命やるものですから、どんどんと浜松市の都市再開発が進んでおるということを昨日私は見てきたわけでございます。山下先生にも大変お世話になりましたが、本当にそういうことがありますから、もうこれからはそういう両々が相まって、ですから地権者の方も責任を持ってもらわなければならない、住民の方も責任を持ってもらわなければならない、そういうところでやっていかなければならないと私は考えております。
○緒方靖夫君 地元の方々の意思の集約、この点はやはり非常に大事だと思います。
 昨年、当委員会で建築基準法の改正の審議の際にも述べたことなんですけれども、最低の法定基準を示す建築基準法が、例えば高層建物を規制するというそれぞれの自治体の町づくり条例、それとぶつかって紛争を起こすという事例が各地で生まれて大きな問題になっているということがあると思うんです。
 この問題で東京三鷹市の安田市長から建設大臣に要望書が出されました。手元にありますけれども、この要望書の一部を私は紹介したいと思うんです。大臣は一度読まれているものですけれども、よく聞いていただけたらと思うんです。
 こういうふうに書かれております。
  各市町村は、地域の特性や実情に応じたまちづくりを進めるため、まちづくり条例や指導要綱等によって、建築物の建築に関する手続きや行政指導の基準を定め、良好な生活環境の維持向上を図っているところであります。
  しかしながら、事業者からは、建築基準法に適合する建築計画であることをもって、地域のまちづくりへの理解と協力が得られないこともしばしばあるところです。建築主事を置く特定行政庁としては、建築基準法に基づき建築確認処分を行う建築主事を指揮監督すると同時に、他方で、地方公共団体として、基本構想・基本計画等に基づき、地域のまちづくりに合致する建築計画となるよう事業者を指導するという両面を有しており、その対応に苦慮しております。
 苦慮していると、そういうふうに書かれているわけです。
 大臣、ここで三鷹市長が出されている問題提起、この点について率直にどう考えるか、お伺いいたします。
○国務大臣(関谷勝嗣君) このことは私は陳情もお受けをいたしまして、内容はそれなりに理解をしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど言いましたように、公共団体の方々が主体的に取り組むことが重要であると思っておりますし、また住民の意見がまとまりまして、地方公共団体が地区計画であるとかあるいは建築協定など、都市計画法、建築基準法に基づく制度を積極的にこれは活用をしていただきたいと思うわけでございまして、この問題はお互いが一歩ずつ引き合って話を進めていくということで、ぜひ御理解をいただきたいと考えております。
○緒方靖夫君 建築基準法に基づくと、結局条例で定めているそういう規制を大幅に外れてしまうという、そこに苦悩があるわけです。
 それで、私は、今大問題になっている例を挙げたいんですけれども、東京荒川区の古い町並みが残る明治通り沿いに、そこは木造二階建ての建物がずらりと建ち並ぶ下町の密集地域、そういうよき伝統が残っている地域なんですけれども、その地域に容積率六〇〇%いっぱいの三十一階建て、九十四メートルに上る超高層マンションの建設計画が持ち上がっているわけです。近隣住民がせめて十五階どまりにしてほしいという要求をして、そのための条例をつくろうという、そういう運動も進められている。既にその必要数の五十分の一、これを突破して署名がどんどん集まっているという状況なんです。区当局も、三十一階はひど過ぎる、区としてもできる限り協力をする、そうは住民に対して述べているんですけれども、そしてまた、区議会も建設反対の請願を採択している、そういう状況があるわけですけれども、同時に区当局は、一方で、住民の気持ちはわかるけれども、都や国が決めた線引き以上の制限を区でしていいのかという点で、ここでも悩んでいる。ここにも苦悩があるわけです。
 三鷹市とやはり共通した苦悩だと思うんですけれども、まず大臣、この三ノ輪ですけれども、荒川区の件については聞かれたことありますか、御存じですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) それは伺っておりません。
○緒方靖夫君 この件はマスコミでも大きく取り上げられている件なんですけれども、実は荒川区では地域住民こぞって、また区議会でも、そこで会派を組んでいる自民、公明、自由、共産、一致してこの問題についてはよしとしない、そういう対応をしているわけです。
 ここには詳しい資料がありますけれども、風害の問題、日照権、電波障害、町の景観が乱される、そういう問題がいろんな形で出されている。大体、窓をがらっとあけて上にそびえるようなビルがばっと建っている、そういう町がいいのかという議論になっているわけです。こもごもこういう訴えがあるわけですけれども、実は条例をつくろうという運動をしながら、条例をつくっても法律の前には限界がある、そのことを請求者自身がよく知っているわけです。ですから、これは精神条例になるかもしれない、しかしこういう問題を荒川から全国に、そして国に発信しよう、そういうふうに述べているわけです。
 大臣はこうした発信、それについてどう思われますか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) これは国家というものがあるわけですから、建築基準法というものがその町づくり条例よりは優先するというのは当然のことであるわけでございます。
 法律的にはそういうことでございますが、町づくりは地元の方の御要望がなければ立派なものはできないわけでございますから、極力それを理解し得る範疇で採択をしているということであろうと思います。
○緒方靖夫君 法律の前にそういう条例は歯が立たないという問題提起なわけです。
 それで、そんな下町のいい雰囲気の町並みにいわばペンシルビルが建つ。それは、実は昨年六月の建築基準法の改正で、建築物のセットバックによる前面道路幅認定の緩和とか、あるいは廊下とか階段などの共用部分の容積率を算入しなくてもいいという、いわゆるボーナスをつけた結果、ここでの地域、二割容積率が増したという実態があるわけです、経過が。
 私は、この審議のときに改正には反対した、日本共産党としては反対いたしましたけれども、土地の有効利用をうたう、その結果が緩和でこういう事態をもたらしている、そういうことがあると思うんです。ですから、この法律を審議したときは関谷大臣のときではありませんけれども、しかし建設省としてはこういう事態をつくってきたという、そのことはやはり責任を感じていただきたいと私は率直に思うんです。
 その点で、関谷大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 責任を感ずるということとなりますと、その法律が悪いということでありますから、それは仮にも成立しておるわけですから、それに対して責任を感じたと言うわけにはいかぬのではないかと思います。
○緒方靖夫君 私は、率直に言って、この問題は複雑な面がいろいろあります。例えば、施工はダイア建設、この会社が反対する住民に、会う人片っ端から幾ら欲しいのかと、そう言ってすべて金で片づける、そういう対応をとったことがまた事態を非常に複雑にしているという面もあります。住民を怒らせました。さらに、その容積率は権利なんだから一〇〇%使い切ると一歩も引かない、そういう問題があるわけです。ですから、私はこういう施工業者側の対応の問題、いろいろあると思うんです。
 それから、さらにダイア建設といえば日債銀から九百七十二億円の融資を受けている、そういう大口融資先。そして、昨年三月の決算期では特別損失として三百五億円計上しているという企業なわけです。そこのところがそういう問題を起こしているという点はやはりきちっととらえていただきたいと思うんです。
 その点で私は、この問題は建設省としてきちっと把握していただく、このことが必要ではないかと、またそのことを要望したいと思うんです。このことを荒川区とか東京都任せにしないで、こういう形で大臣と議論をしたわけですので、やはり大臣が実情をつかむ努力をしていただき、解決のために適切な対応をしていただく、このことが求められていると思うんです。忙しい大臣に現地まで行っていただきたいということは申し上げません。しかし、やはり大臣の代理としてどなたかが建設省から現地に出向いて様子をつかむ、そういうことをしてもしかるべきではないかな、そういうことも検討していただけたらなと思いますけれども、その点、大臣のお考えを伺います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) この問題は、一企業がビルを建てるということでございまして、いわゆる建築基準法等々建築に関します法律に抵触するようなことがあるのであるならばもちろんのこと建設省がそれは指導をいたしますけれども、合法的な範疇で進められておるときに果たしてどうするかということになりますと、もう全国あらゆるところへ行かなければなりませんから、そこまでは私はなかなか手が回らないと思います。
○緒方靖夫君 どこにもかしこにも行ってほしいということじゃなくて、この委員会でこういう問題提起をさせていただいて、そしてこういう問題があるということを提起した関連でどうかということを述べているわけで、今の答弁というのは非常に情けない答弁だと私は率直に思います。
 しかし、こうした問題が同時に全国で起きているわけです。一例を挙げれば、金沢の兼六公園の隣に九階建ての高層の建物ができる、そういったことで近隣の住民は反対運動に立ち上がっているという事態もあるわけです。こういう問題について、法律がある、合法だからいいじゃないか、そういうことを言ってしまったら、本当にそれこそ日本の都市の、あるいは日本全土の景観が一体どうなってしまうのか、あるいは住環境はどうなってしまうのか、そういう問題が生まれてくると思うんです。そこに三鷹市長が提起した問題提起があると私は思うんです。
 三鷹市長の要望書は、「市町村が主体性を発揮できるようにする制度の創設が必要であると考えます。」、そう述べて、最後にこういう要望をしているんです。「地方分権推進法の趣旨に則り、地域の特性、実情に応じたまちづくりを推進するため、建築協定や地区計画制度以外に、個別建築物の規制について、市町村が主体性を発揮し、より柔軟に対応することができるように、建築基準法による条例委任等で一定の裁量を市町村に付与する制度を創設すること。」、これが要望の結論ですけれども、こういう要望に対して大臣はどのようにこたえられるか、答弁をお願いいたします。大臣、お願いします。
○国務大臣(関谷勝嗣君) それはそういう陳情書を伺いますが、同じような答弁になりますが、それはその地元の市長さんが逆に指導をすることであって、建設省に困ったことを投げられても、またこちらも困るということでございます。
○緒方靖夫君 自治体が困るようなそういう法律をつくって、そしてそういう問題を知らぬ存ぜぬという態度、私は非常に問題だと思いますし、やはり今の建設大臣の御答弁、私は率直に言って地方自治体や広範な住民を納得させるものではない、そのように思います。
 ですから、その点で今後も町づくりの問題、これは本当に切実な問題で、そしてまた非常に要望の多い問題だと思いますので今後も議論していきたいと思いますけれども、今のような大臣の答弁、私は情けない答弁であるということを申し述べておきたいと思います。
 その次に、私は建築産業をめぐる問題、特に元請倒産時における下請中小業者の労働者保護の充実の問題について質問したいと思います。
 まず、昨年度の建設業の倒産件数、負債総額、また全産業に占める建設業の倒産の割合、負債総額の割合、これについて述べていただきたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) 御質問は年度とおっしゃいましたけれども、まだ三月でございますので暦年でお答えさせていただきます。
 民間情報によりますと、倒産件数は建設業の場合、昨年は五千四百四十件ございまして、その前の年に比べますと、前の年がちなみに四千七百八十五件でございますから一四%増しでございます。それから負債総額は、昨年の場合は二兆一千百四十六億円余でございまして、前年よりは、前年はちなみに二兆三千六百六十七億円でございますから一一%減でございます。くどいのでありますが、これは大型倒産のあった年とない年で若干異なっておりまして、九八年の場合には、そういうことで大きな倒産も一つございましたけれども、その前年につきましては中堅の業者が倒れておりますので負債総額は減っております。
 全産業に占めます割合は、倒産件数でおおむね二八%、それから負債総額は一四・七%となっております。
○緒方靖夫君 どういう数字のとり方をするかは別としても、例えば件数で言えば九一年と比べてみても二・六倍とか、あるいは負債総額でも三・六倍、そうなっていると思うんです。それで、特に中小零細業者の倒産、これが圧倒的多数を占めている、資本金五千万以下の企業が八二%を占めている、こういう現状があると思うんです。
 そういう中で、元請倒産による下請不払いの実態、その数字を建設省はつかまれていますか。
○政府委員(木下博夫君) お話ございましたように、資本金別では確かに五千万未満でございます企業が全体の八割強を占めております。ちょっと余分でございますけれども、その中で一千万から五千万というところが比較的多いというのが我々の持っております数字でも見られます。
 なお、御質問のございました元請の関連の倒産はどうかということでございますが、実はこういうデータはございませんで、むしろ我々としては各建設業者から私どものところあるいは都道府県の建設業を担当しておりますところに問い合わせなりあるいは御相談が参っております数字でしか把握できておりません。個別にはちょっと把握しておりませんが、例えば建設省の建設業課が窓口でございますが、ここのところには年間で約二百件近く御相談事で直接来訪されておりますし、その他電話等のお問い合わせはその何倍かという数字でございます。
○緒方靖夫君 この辺の実態それから数字、これをやはりなるべく把握する努力をぜひ強めていただきたいと思います。これは建設関連の労働組合等々も自分たちのわかる範囲でいろいろ調べておりますし、そういうことをまとめるとかなりの実態が、部分的かもしれませんけれども浮かび上がるのではないかと思います。
 私は、当委員会で、建設委員会の当時ですけれども、九七年十二月に、東京の東久留米の業者が不払い問題で焼身自殺をした、その遺書もここで読み上げて質問いたしました。当時の瓦建設大臣は、御指摘のように痛ましい事件が起こり得ないようにできるだけ努力する、そう答弁されました。
 しかし、その後も依然として建設業の分野では痛ましい自殺が後を絶たない。首都圏の建設組合で集計したところでは、つかみ得た範囲だけで昨年百名を超える自殺者が出ている。東京だけでも一昨年三十三名、昨年五十一名にも上っている、こういう数字です。これは組合がつかんでいる範囲だけの数字ですから限られていると思いますけれども、その多くが元請倒産による不払いに関連している、そういうように言われているわけです。私は、そういう中で、やはりそれならばこの不払いの問題でどのようにした対策が求められるのか、必要になるのか、そういう問題が提起されると思うんです。
 この問題で、私たちは昨年十二月に建設大臣あてに緊急の申し入れを行いました。木下局長とこのときお会いして、倒産、不払いなどの下請業者の置かれた状況、そういうことを伺いました。要請の趣旨は受けて努力していく、そういうふうに言われたと思うんですけれども、現在、建設業への対策の中で元請倒産時の下請企業、労働者保護、そのための十分な対策があるのかどうか、その点どう認識されているのか、お伺いいたします。
○政府委員(木下博夫君) 改めてお答えするまでもないと思いますが、建設業の場合は極めて現地におきましての労働集約型の施工でございますから、その間におきまして、総合組み立て産業と言われております建設業の元下関係は大変多くの例を見ております。
 私はすべてが問題であるとは思いませんが、おっしゃられたように景気全体の厳しい中で、公共の発注も含めてでございますが、例えばとりわけ民間の発注工事などは発注単価に相当のたたき合い等があるという事実も我々は把握しております。先ほど、個別の数字は押さえておらないと申し上げましたけれども、昨年、緊急経済対策を立てましたときに、各種現場におきますいわば元下関係についての実態調査を例年以上にたくさんしております。まだ全部集計は終わっておりません。その際に一つ我々が力を入れましたのは、元請からのヒアリングだけではなく、その反面的な調査として下請に対してもその調査をおろしたりしております。
 ただ、先生おっしゃられたように、労働者保護とかあるいは下請問題ということは、私は今長々と申し上げましたが、建設業のある程度宿命的なところでございます。現在、いわば下請保護という点では、昨年の第三次補正でつけていただきました下請セーフティーネット事業というのがございます。これなどは新しい試みとして全国的に緒についたばかりでございまして、まだなかなか実績は上がっておりませんが、請負代金を発注者の了解を得まして事業協同組合等にいわば債権として譲渡しておきまして、いざとなった場合には元請にかわって下請にその支払い代金の一部でございますがお払いする方法なども今回試みたわけでございます。
 それに先立ち、本来はやはり元下それぞれが自分たちが当事者として契約をしっかりやり、それからこれはなかなか言っても難しいことであるということは承知しておりますが、日ごろの支払い等につきましても元請下請関係において適切に行うように指導していくのがまず基本ではなかろうかと思っております。
○緒方靖夫君 その辺の対策が緒についたというか、実際始まったばかりということだと思います。しかし、本格的にはこれはつくられていない、私はそう思うんです。
 その点で私は常々思っていることがあるんですけれども、現実に企業が倒産した場合、その倒産企業に残された資産については結局国とか自治体が税金、社会保険料、そういう形でまず持っていくわけです。それから銀行も債権回収という形で持っていく。そうすると、結局下請工事代金、これが回収できない、そういう相談がたくさんあるわけです。そのために、下請業者に対する不払いの被害、そして連鎖倒産、それで労働者への賃金未払い、こういう問題がずっと連鎖的に起きている。やはりここをしっかり解決する、この手当てがどうしても必要だと思います。
 その点で、やはりここのところを解決する、そこが必要ではないか、私は率直に言ってそう思うわけですが、その点はいかがですか。
○政府委員(木下博夫君) 法務省では今法制審議会で、御案内かと思いますがいわば日本の倒産法制全般を見直しております。その中でも、建設業に限りませんけれども、全産業に及ぶ問題であろうと思いますが、こうした今、先生おっしゃられたような倒産時における下請問題というものも議論はされております。
 ただ、現行の世界におきましては、例えば倒産時におきまして仮に会社更生法が申請されましてそれが適用されましても、事実上でき合い方については、更生債権といいまして実質的には支払いがなかなか難しいというのが実情でございます。それに対して、副次的かもわかりませんが、連鎖倒産防止ということで、例えば中小企業金融公庫あるいは信用保証協会等で資金的な面は一部お手伝いをしております。
 それから、会社更生法の場合は、これは多少言いわけになりますけれども、当面我々としては、会社更生法を申請いたしました更生会社がその後引き続き適切な工事ができるという認定が得られれば、できるだけ早期にその資格の再認定をする等によりましてそれにかかずらった関係者、それは資材業者等も含めてでございますが、こういうところへの次なるいわば被害の拡大等がないようにしていこうということも今手当てはしております。
 いずれにせよ、先生がおっしゃられたように、現場あるいは下請において相当の影響がないようにしていくように我々もさらに検討する必要があろうかと思っております。
○緒方靖夫君 下請への影響という点ですけれども、長引く不況のもとでこのしわ寄せが本当に下請に行っている、この現状は非常に今重大なものがあると思うんです。
 それで、確かに現状ではなかなか難しい、そういうことはもう何度もこれまで聞いてまいりました。破産法とか会社更生法の関係等々で難しい、これは聞いてきたわけですけれども、私はやはりそこを乗り越える、今その試みが行われつつあるということを局長は言われましたけれども、私はそれを乗り越えていくその解決、これが必要ではないかと思うんです。
 その点で言えば、建設省は法務省やあるいは労働省、そういうところと連携して下請工事代金、まあほとんどが労働者の労働債権、賃金なわけですけれども、それを最優先債権として位置づけるぐらいの、あるいはそれを他の債権と並べて考えるぐらい重要な問題として位置づける、そういう発想の転換が求められていると思うんです。もちろん、これは建設省だけではできないと思います。
 そこで大臣、やはりこういう問題について法務、労働その他の大臣と連携して前向きに解決する、そのことが求められていると思いますけれども、その点、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) いろいろな問題につきまして、各省庁が連携をとり合って対策を講じていくということはいいことだろうとは思います。
○緒方靖夫君 元請倒産時に、特に仕掛かり中の工事があって、発注者から元請への未払い工事代金がある場合、工事を行った分の代金について発注者が直接下請に支払うよう何らかの方途が必要ではないか。
 私はそのことを常日ごろから痛感しているわけですけれども、その点についてはどう考えますか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) それは、建設事業の今までの習慣というものがありますから、元請の方が下請に直ちにという考えのある方であるならばそれはもちろんできるわけでございましょうが、そういう方が少なくて、そういう倒産の憂き目で下請の方が被害をこうむるということでございましょう。
 ですから、先ほどからお伺いしておりますと、法律的にはどうこうできないが、それを超えたことをしろということでございますから、そこにいささか法律論的に言えば無理なことがあるということでございましょう。
○緒方靖夫君 私は別に事業者の御慈悲に沿ってということではなくて、こういう法律が今ある、しかしその法律に従う限り難しい問題がある、解決がなかなか難しい、そういう問題について苦しんでいる中小業者を救うための何らかの対策、それを大臣を初めとする皆さんのイニシアチブでやる必要があるのじゃないか、そういう問題提起をさせていただいているわけで、法律を破れとか法律を乗り越えて超法規的にやれと言っているわけじゃないんです。ですから、その辺の理解が、その程度の答弁が返ってくるという大臣の認識、私はちょっと情けないなと。こういう声を中小業者が聞いたら、建設大臣に対して大変失望するだろうなと、私は率直にそのことを述べておきたいと思うんです。
 特に、下請工事代金の中には現場労働者の賃金が含まれているわけです。元請従業員の労働債権はほかに優先されてしかるべきなんだけれども、下請債権のうち少なくとも下請労働者の賃金は労働債権として認知し、そして優先的に保証されるべきだ、私はそのことを主張しておきたいと思うんです。
 特に、こういう問題というのは、民間の場合はちょっと別にして、公共事業の中でもやはりそういう問題が実際に起きているわけです。具体的な例を挙げたいと思うんです。例えば、私自身も取り組んだ問題なんですけれども、住都公団東京支社が昨年二月に発注した茨城県龍ケ崎市の住宅建設工事の件で、請負総額の六千七百二十万円の工事だったわけですが、元請の三和ホームが昨年七月に倒産した。一次下請の高木建設は、三和ホームから請け負った四棟の住宅工事を完成させたけれども、元請倒産で三千万の不払い額が生まれた。一銭も入らずただ働き、いわばプレゼント、そういう形になったわけです。
 高木建設の方は、発注者の住都公団に、倒産するような三和ホームに発注した、その点で落ち度はないのか、代金を払ってほしい、そういうことを要求したわけです。また、私も話しましたけれども、住都公団の方は直接の契約関係がないと、その点で一切応じないということだったわけです。聞いてみても、もともとこの三和ホームというのは倒産寸前という業界では知れ渡った危ない業者だったわけです。そこに住都公団が発注しているという、そういう重大な落ち度がある。それにもかかわらず、その点で一切法的に関係ない、契約関係にない、それで押し通したという問題があるわけです。
 ですから、そういうことを考えたときに、少なくとも公共事業の工事の場合、その点でやはり何らかの対応が考えられてしかるべきではないか、私はそういうふうに考えるわけですけれども、その点いかがですか。
○政府委員(木下博夫君) 今御披露のございました案件についてコメントするのは若干控えたいと思いますが、先ほど来お話し申し上げておりますように、心情的に労働債権については我々としても現場において大変影響が大きいということは承知しております。
 したがいまして、常々、元下関係につきましての指示も、雇用者に対しての支払い賃金はできるだけ毎月現金で払うようにというような元請の指導もしておりますし、かなりの部分は改善されてきていると思います。ただ、お話がございましたように、例えば発注者が二重払いであっても立てかえてやれというのはなかなか現場としては難しい問題であろうと思います。
 そこで、恐らく先生も御承知かと思いますが、外国におきましても下請の保護ということでのボンド制度等いろいろ工夫したところはございますが、これも各国の建設業のあり方あるいは入札制度によって異なっておりますので、我々も急いで勉強はしておりますが、例えば保険制度あるいは共済制度、そういう仕組みでどこまで取り組めるのか、あるいは強制的にそういうものを加入させることが果たして業界のコンセンサスになるのかというような問題も含んでおりますので、ちょっと私が先走ったお答えをしているかもわかりませんが、そういう勉強もしながらでございますが、できるだけいわば賃金というものについての社会的な大きさということにも十分配慮した対応はこれからも検討していかなきゃいけないかと思います。
 先ほど大臣がお答えいたしましたように、現在の法制度ではどうしてもそこは大変お気の毒な例が多いと思いますが、なかなか現実には難しいことではなかろうかと思います。
○緒方靖夫君 今、局長言われたように、さまざまな形で下請工事の債権の保証体制が外国ではとられている例があるわけです。私もいろいろ勉強してみました。確かに、下請重層という点では日本独特の形があって、下請といっても名前だけがそうで、日本と同じようなものを適用できるわけがないという点もあります。
 しかし、いずれにしても、日本で現に起きている、元請が倒れたときに下請業者を救済する、それが銀行であれあるいは発注者であれ、それを助けるための制度がフランスとか韓国とか、幾つかのそういう国でつくられているわけです。建設省においても、「下請代金支払保証制度検討のための検討体制について」という文書がここにありますけれども、こういう形で実際にそれをやるためにどういうことが可能かということについていろいろ検討された、そういうことを承知しております。
 私は、この研究が非常に大事だと思うんです。やはり元請が倒産したときに下請をどう救うのか、今のところ事実上制度がないわけです。実際上、そのための機能している仕組みがないわけです。したがって、それをどうつくっていくのか、これをやはり焦点にして検討されるべきなんです。その辺の検討をいろいろされてきたと思うんですけれども、結局は下請代金支払保証制度、なぜこれがはっきりと打ち出せないのか、その点について経過を述べていただきたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) 先ほどもちょっとお答えの中に含めましたが、我々、検討は今これをとめたわけではございませんし、あきらめたわけではございません。引き続きやろうかと思っています。
 我々としては、今の段階でできるだけ限定的にでもこの制度を構築できないかと思っております。ただ、そういう場合に、世の中からしますと、そういう制度の限定がかえって社会的に混乱を来す、むしろそれから外れたところが救済できなくて問題を起こすというケースもありますので、限定することによる是非についても実は我々も検討の中に入れております。要は、これは保険制度でどうか共済制度でどうかと先ほど申し上げましたが、逆にそういう制度を入れますと、危なそうな業者だけ入れ、これはなかなか言いにくいわけでございますし、かてて加えて、危ない場合に入ればそれは逆選択的なことで、とても保険制度として成り立たないわけでございます。
 それから、先ほどお話ございましたように、公共事業というのは税金を使って行う事業でありますから、我々は民間とはいささか異なると思いますが、世の中としては大体四割ぐらいが公共で六割ぐらいが民間だというのが現在の建設投資の世界でございます。とりわけ支払い条件、発注者から払われる条件は、私がこう申してはあれですが、むしろ民間の発注工事の方が大変厳しいのが現実でございますから、その際に民間の発注者がこのことについて御協力いただけるのか、あるいは同じ元請が公共と発注者を分けて、公共のみの工事についていわば労働債権を分担することができるのかというような問題も実は今議論しております。
 ちょっとくどくど申し上げましたが、そういうことで課題としては大変私たちは大きな問題として今前向きに取り組んでおりますが、まだ若干お時間をいただければと思っております。
○緒方靖夫君 これで最後にしたいと思うんですけれども、今局長の方から検討過程である、課題としては重視しているという話がありました。
 そこで、大臣、諸外国でも幾つかのところでは公共事業全体をカバーする下請代金支払い保証制度、こういうものがつくられているわけです。日本でもやはりこういう制度を改めて検討して、不払いで困っている業者、そういう方々が救済される、そういう制度をつくっていってしかるべきではないか、そう考えるわけですけれども、その点での大臣のお考え、それをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) また寂しい答弁になるかもしれませんが、検討中だそうです。
○緒方靖夫君 終わります。
○大渕絹子君 きょうは、国土庁にむつ小川原開発株式会社の処理施策についてお伺いをいたします。
 平成九年九月二十四日の閣議決定、あるいはまた平成十年十二月二十五日の閣議決定に基づきまして、今むつ小川原開発株式会社の今後についての協議が鋭意進められていると思いますけれども、その状況について御説明を願いたいと思います。その中で、民間の金融機関の協力等についてはどのようなことになっているのかもお願いをいたします。
○政府委員(中川浩明君) むつ小川原の開発プロジェクトにつきましては、ただいま先生がお触れになりました平成九年九月の「特殊法人等の整理合理化について」の閣議決定におきまして、「新銀行設立までの間に、関係省庁、地方公共団体、民間団体等関係者間において、その取扱いについて協議の上、結論を得る」とされておりまして、昨年の十二月にもこの閣議決定をさらに受けまして、協議における結論を踏まえて適切な対応を行うこととする旨、改めて閣議了解を行ったところでございます。このため、現在むつ小川原開発株式会社、青森県、北東公庫、経団連等関係者と協議を進めているところでございまして、その結論を踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
 国土庁といたしまして、金融機関を含む関係者が最終的に合意ができる案を目指しまして検討してまいりたいと考えております。これまでの協議の場におきまして金融機関からもいろいろな御意見を承っておりますけれども、現在においてはまだ協議を続けている段階である、このような状況でございます。
○大渕絹子君 具体的に国土庁が示された案に、民間の金融機関はノーということで対応しているというふうに報道されているわけですが、そこらを具体的にもう少しお聞かせください。
○政府委員(中川浩明君) 先ほど申し上げましたように、この平成九年の閣議決定を受けまして、昨年来いろいろな協議を続けております。
 基本的には、現在むつ小川原開発株式会社が抱えております債務をどのようにするのかということが一番大きなポイントになるわけでございます。国土庁といたしましては、金融機関の理解も得るべく、昨年その具体的な方向について一定の考え方を示しておりますけれども、現状においてはまだ現在協議を続けている段階でございますので、これ以上のお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○大渕絹子君 責任を一番持たなければならない国土庁が、具体的な案を示して、それに対してどう対応しているのかというところをやっぱり細かく示していくべきだというふうに思います。新聞等ではもう細かく報道されているわけですから、あえてきょう私はあなたに聞く必要はなくわかっていますけれども、聞いているわけですから、そこらはちゃんと言うべきだと思います。
 それでは、苫東会社と一緒に処理をしない理由はどこにあるのですか。北海道と青森との財政の違い、いわゆる財政力の違いが、ここが明らかになることによって苫東会社の処理が危うくなるというようなことも言われているわけですけれども、この件に関してはいかがですか。
○政府委員(中川浩明君) 苫東の開発については北海道開発庁を中心にいろいろな御検討がなされていると聞いておりまして、その抜本的処理策を踏まえた政府としての措置につきまして、昨年の十二月に閣議了解をしたというふうに理解いたしております。
 一方、むつ小川原につきましては、先ほど来申し上げておりますように、現在関係者間においてその取り扱いについて協議を続けている段階でございまして、その結論を得て適切な対応を図ることといたしているところでございます。
 苫東会社とむつ会社につきましては、それぞれの背景、あるいは現在置かれております現状等も異なりますことから、このような対応についての違いが現在生じているものと我々としては認識をいたしているところでございます。
○大渕絹子君 ことしの十月には日本政策投資銀行が発足をするというふうになっておるわけですけれども、そのときまでにそれではむつ小川原開発の損失が確定をしない場合はどういう処理をなさるのですか。
○政府委員(中川浩明君) むつ小川原開発プロジェクトについては新銀行設立までの間に結論を得る、こういう閣議決定を前提として我々は現在協議をし続けている段階でございますので、そのように御理解を賜ればと思います。
○大渕絹子君 苫東会社の分につきましては、北東公庫が開発銀行と統合されるいわゆる日本政策投資銀行が発足をするときに開銀の準備金から差し引くという形の処理がもう決まっていますけれども、それではそれと同じ対応がなされるということでございますか。
○政府委員(中川浩明君) ただいま御指摘の点は、北海道東北開発公庫のむつ会社に対する融資金についての取り扱いということでございますが、それらを含めて現在どのように対応するのか協議を続けているところでございます。
○大渕絹子君 この後の土地などの処理をどうするかという問題がありますけれども、地元では国に土地を買い上げてもらいたいというような声もあるわけですけれども、いわゆる再建計画、青森県でも、それから自民党のプロジェクトでも、いろいろなプロジェクトがあるというようなことで再建計画を立ち上げていますけれども、これらはもう全く先の見えない、本当に実現するかどうかもわからないような再建計画の中で、いつまで国が関与をしていくのか。
 また、この新しい会社を立ち上げて失敗したときは、それではだれが責任を持つのかというような問題、責任をいつも押しつけ合いながら今日まで来て、結局だれも責任をとらないままにずるずると国民の公費によってその負債が補てんをされていくという状況がいつまでも続けられる、こういうことに私たちは黙っているわけにはいかないわけでございます。
 今後、このことにいつまで国が関与していくのか、あるいはその責任を国土庁がどうとっていくのかということをぜひ長官の口からお答えいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) このことは、私も国土庁へ参りましてから、これは大変な問題であると改めて認識をしたところでございまして、先ほど局長が答弁をいたしましたように、我が国土庁、それから北東公庫、青森県、経団連、そしてまた民間金融機関との間で話し合いを進めております。そういうところでございまして、今もうざっくばらんに申し上げまして、すべてがすべて順調にいっておるかというと、なかなか理解の得られない分野、あるいはまた話が合わない分野の問題も正直あるわけでございます。
 いずれにいたしても、十月の新しい銀行ができるまでにはこれは何が何でも解決をしなければなりませんので、国土庁としては国として責任を持って、今、大渕先生から御指摘がありましたように、結果、税金で、税金というのはすなわち国民のお金でございますから、そういうものでカバーするというような方向ではないように、そのことは頭に入れて対処をしていきたいと思っております。
○大渕絹子君 何とぞ、よりよい解決に向けて御努力をいただきたいと思います。
 それでは次に、奥只見・大鳥発電所増設工事についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 一九九五年に政府の電調審で事業決定がされました奥只見・大鳥発電所の増設計画ですが、開発事業者は電源開発ですけれども、調査工事の段階で、特に九四年から九五年に実施した工事では、新潟県、福島県が出した許可場所と全く違う場所で工事が施工されたり、あるいはダムの堤体部分付近を無許可で掘削するなど、法令違反行為が繰り返されてきたところは事実のとおりでございます、御確認をいただいていると思いますけれども。河川法の違反などで告発をされており、その結果がまだ出ない中で、三月四日、建設省の河川局はこの工事について工事の許可を出したというふうに伝えられておりますけれども、ここの事実関係を教えてください。
○政府委員(青山俊樹君) 今、先生お話しございました奥只見発電所それから大鳥発電所につきましては、平成十一年の三月二日に河川法の許可をしたところでございます。
 これは、新潟県それから福島県両県にまたがる区域でございますが、今お話しございました河川法違反とされている件でございますが、これは電源開発株式会社、いわゆる電発が、調査工事の際に設置した仮設橋の撤去を目的とした工事を、仮設橋に関しまして当該河川区間の河川管理者であります福島県知事及び新潟県知事より河川法二十四条及び二十六条の許可を平成十年七月十日付で得て設置したところ、同年九月十六日に台風五号の豪雨による損傷を受けまして、その後も台風の接近が予想されたため、緊急的な措置として河床に鋼板を並べたという概要だったと承知いたしております。
 また、当該行為自体は、災害防除のための緊急避難的な措置としてやむを得ないけれども、河川管理者に連絡しないで行ったことは許可条件に反するものであるということで、両県から文書にて注意を行ったという経緯がございます。
 したがいまして、許可の条件違反ではございますが、もともと許可していたところが流されて、それをまた緊急復旧した、その緊急復旧する際に河川管理者に連絡がなかったということでございまして、河川法そのものといいますよりはむしろ連絡の手続等に不備があったというふうに認識いたしております。
○大渕絹子君 それでは、その調査工事においては、河川法の許可は今までは必要なかったわけでございますね、なくてもやれる工事だったんですね、そういうふうにとらえていいんですね。
○政府委員(青山俊樹君) 調査的な工事でも河川法の許可は必要でございます。
○大渕絹子君 その許可をとって、そのとった場所と違うところを調査してそれが許されるんですか。全く違うところで工事をやっているんですよ。
○政府委員(青山俊樹君) 私どもが承知いたしておりますのは、調査工事の際の仮設の橋が台風豪雨で流されて、その後河川管理者に連絡せずに緊急復旧したという、その手続の方に不備があったというふうに承知しております。
○大渕絹子君 告発をされておって、その告発の結果がまだ明らかにならない段階で工事を許可するということが、私は本当にいいのかどうかということをしっかりと踏まえてもう一度検討し直していただかなければならないと思っています。
 それでは、この河川法の違反だけではなく、自然環境の保全についてもこの工事がいかに違法なものであるかというところも検証していかなければならないというふうに思います。
 八月四日に国定公園工事のための自然公園法の許可が福島県によって出されましたけれども、その後の調査によりましてクマタカの営巣地がこの工事の現場の近くにあることが判明をいたしました。そこで、環境庁にお聞きをいたしますけれども、このクマタカの営巣地があることが発見をされて、なおかつ八月四日以前に出された許可というのはそのまま有効ということになりますでしょうか。
○政府委員(丸山晴男君) 奥只見・大鳥発電所といいますのは、越後三山只見国定公園特別地域内でありまして、発電所の増設、工作物の新改増設に当たりましては都道府県知事の許可を得る必要があるということでございます。その許可は、ただいまお話のようにされておると聞いております。
 クマタカの営巣につきましては、事業者において猛禽類のモニタリングを経年実施しておりましたところ営巣地が発見されたということでございます。
 この奥只見・大鳥発電所の増設に当たりましては、かねてから環境庁といたしましても、希少な猛禽類への影響が生じないように工事工程等に十分な配慮を行うこと、また工事中のモニタリングを実施することといったようなことを電調審の幹事会等においても意見として申し上げておるところでございます。
 今後とも、そのような措置が十分とられることを期待しているところでございます。
○大渕絹子君 猛禽類保護の進め方というのを環境庁が出されておりますけれども、クマタカについては何月まで生息地で保護されなければならないとなっておりますか。
○政府委員(丸山晴男君) 二月から七月程度でございます。
○大渕絹子君 それはイヌワシでしょう。クマタカは違うのじゃありませんか。
○政府委員(丸山晴男君) クマタカでございます。
○大渕絹子君 クマタカの場合は八月末まで生息期間が必要だというふうになっていると思いますよ。イヌワシのみを対象にして七月から工事が始められるということになっていますけれども、このクマタカの生息地の場合は八月末までは工事ができないというふうに私は認識をしますけれども、ここはいかがでございますか。その七月というのは確かでございますか。
○政府委員(丸山晴男君) クマタカの生活サイクルにつきましては、敏感度ということで八月まで含んでおるということでございます。
○大渕絹子君 そういう中で、七月からの工事というのが許可をされて工事をしようとしているわけですから、ここはいわゆる環境庁が進めておる種の保存という方向から見ますと、この工事はまさに違法なものと言わなければならないというふうに思うわけでございます。
 そして、さらに先ほど私が言いましたけれども、ダムがつくられてもう四十年になるんですけれども、大臣、その四十年もたつダムにもう一回違うところに穴をあけようというんです、この工事は。違うところに穴をあけて、そして取水量を確保して、二十八万キロワット発電をしていこうという、こういう事業なんです。
 ですから、これはそのダム本体の強度というところにも物すごくかかわってくると思うんです。もう一度アセスメントのやり直しというのが必要じゃないかと思うんですけれども、それも一切アセスメントも必要なしということで許可が出されているんですけれども、これはいかがでございましょうか。
○政府委員(青山俊樹君) ダムはコンクリートでできているわけでございます。私ども、何十年もたったダムの本体に穴をあけて放流設備を改造するというふうな工事は北上川流域でもやっておりますし、全国各地でやっておりますが、コンクリートそのものは、水に接している部分は黒ずんだりしておりますが、中は穴をあけますと非常にきれいな新鮮なコンクリートが何十年たっても出てきているという状況でございます。
○大渕絹子君 もう一度本当は調査をやり直していただきたいというふうに思うわけでございます。
 それでは、環境庁にもう少しイヌワシの件で聞きたいと思います。
 今、モニタリング調査が行われているとさっきお話がありましたけれども、これは電源開発自身が行っているわけで、イヌワシのモニタリング調査を開発業者そのものがやっているので、本当に正確なデータが出るのかどうかというのも極めてここは疑わしいというふうに思いますし、情報公開もなされていないという問題も指摘をされております。
 それからもう一点。イヌワシの幼鳥が昨年死にましたね。それが見つかったわけですけれども、この原因究明についても教えていただかなければなりません。
 そしてさらに、その四年間、このイヌワシの奥只見ペアというのは毎年卵を産むんです。そして、ひなもかえるんですけれども、そのひなが親鳥の留守にカラスにつつかれたりあるいはまた餓死をするような状況で死んでいってしまったりというような状況が起こっていますけれども、これらの繁殖の失敗の原因について環境庁はどういうふうに調べていらっしゃるのか。
 これらについて三点、ちょっと長いですけれども、よろしくお願いします。
○政府委員(丸山晴男君) まず、モニタリング結果の情報公開の件でございます。
 猛禽類の保護のガイドラインにおきまして、特に営巣地が公表された場合にはさまざまな理由から繁殖が阻害されるおそれがあるということで営巣地を非公開にするように、また営巣中心域を特定されないように各種調査の報告の際にも配慮を求めているところでございます。それ以外につきましては、モニタリング結果の情報公開をどこまで行うかにつきましては基本的には事業者において判断していただいておりますが、本件におきましても、クマタカの営巣を二カ所発見した旨、事業者から発表したということも承知いたしております。
 これらの情報公開につきましては、これまでのところかなりの発表がされているというふうに承知いたしておりますけれども、さらに今後どうするかにおいては事業者における判断をまちたいと思っております。
 それから、イヌワシ幼鳥の死亡でございますが、このイヌワシの保護増殖事業の一環として環境庁から専門家に死亡した個体についての解剖検査を依頼いたしましたところ、そのイヌワシは死後一週間程度と推測をされ、かなりやせておりますものの外傷は認められませんでした。また、死亡原因につきましては、腐敗が進んでいるため特定することは不可能とされているところでございます。
 また、これまでイヌワシの繁殖が長期間成功しておらないということでございますが、この地域の当該つがいのイヌワシの繁殖失敗の原因につきましては、平成九年にはひながカラスに捕食されたということが判明しておりますけれども、それ以外につきましては原因が不明でございます。
○大渕絹子君 イヌワシのひながカラスに食べられたのは、親が見張っていることができない、親がえさを本当はかわりばんこに探しに行くんですけれども、かわりばんこに行ってえさを探すことができない状況にあるということなんです。イヌワシのえさ、あるいはクマタカのえさがその巣のそばではもう捕まえることができない状況。それは、工事によって小動物がどこかに離散をしてしまっていてえさがなくなっているということが指摘をされているわけでございます。そういう状況の中で、非常に貴重なイヌワシやクマタカがもう繁殖できない状況になっていて、トキの二の舞になるのではないかというふうに言われています。
 私は、資源エネルギー庁に対してこの工事計画を直ちにやめていただきたいというふうに思います。先ほどの二十八万キロワットの電力は本当に東京の夏を、一番クーラーを使って重要なときに使うだけの電力なんです。ただそれだけの電力のために、豊かな自然環境を破壊していく開発のあり方というのはもうやめなければならないと思っています。ぜひここはエネ庁に考え直していただかなければならないというふうに思っております。
 どうぞ、きょうはエネ庁の方は、長官にお願いをしたんですけれども来れないということですから、しっかりと責任を持って答えていただきたいと思います。
○委員長(松谷蒼一郎君) 時間がありませんので、簡潔に御答弁願います。
○説明員(奥村裕一君) 先生御指摘の奥只見・大鳥発電所の建設計画の件でございます。これは、先ほども御答弁の中にございましたけれども、私どもとしては平成七年七月の電源開発調整審議会におきまして必要なものということで御了解をいただいて進めさせていただいているものでございます。
 他方で、先生のおっしゃるとおり環境への影響も重要なポイントだというふうに思っておりますので、私どもとしては、この電源開発調整審議会に上程される際に環境庁からいただきました問題指摘につきまして、十分配慮しながら電源開発株式会社に対して指導を行っているところでございます。
○大渕絹子君 終わります。
○泉信也君 今回、海岸法を改正して沖ノ鳥島を直轄で整備をしよう、見守っていこうという計画がなされておりますことは、私は大変いいことだというふうに思っております。
 ところで、今、沖ノ鳥島というのはどんな状況になっているのか。過去一回手入れをしていただいた。それから、いわゆる岩の高さあたりに変化があるのかどうかを御説明いただけますか。
○政府委員(青山俊樹君) 今お話しございました沖ノ鳥島でございますが、日本の最南端に位置しまして、国連海洋法条約第百二十一条による島であるという認識を持っておりますが、我が国の国土面積、これは三十八万平方キロでございますが、これを上回る約四十万平方キロの排他的経済水域が確保される極めて重要な島だという認識をしております。
 この島は厳密には二つの露岩がございまして、長年の侵食により水没のおそれがあったために、その露岩の保全を図るべく建設省といたしまして昭和六十二年度から護岸の設置等の保全工事を実施したわけでございます。工事は具体的には、消波効果を持たせるために二つの露岩周辺に直径約五十メートルの円形状に三・五トンの鉄製の消波ブロックを約一万個消波堤として設けまして、また内部にコンクリートを充てんしたところでございます。
 ただ、施工後約十年間が経過いたしまして、厳しい自然条件のため護岸の破損などの劣化が急速に進行しているわけでございますが、岩の高さ自体は満潮面からプラス五十センチメートルぐらいでございましょうか、変化しておりません。こういった防護工事の効果もあろうかと思いますが、岩そのものは変化しておらないという状況でございます。
○泉信也君 御努力の結果、島が維持されておるということは大変喜ばしいことでありますが、これからどういう手当てをなさる御予定でしょうか。
○政府委員(青山俊樹君) 周辺は非常に波が高くて工事等できる期間が限られているわけでございますが、できるだけ観測を続けて、また手当てが必要な場合には消波ブロック等も補強するということを考えておりますが、今のところ特段集中的に大規模な工事をしなければ危ないという状態ではないというふうに認識いたしております。
○泉信也君 この島を維持することは、今御説明のようにそれだけで大変意味があることではありますけれども、もう少し人間生活というか経済活動に活用する方法はないのか、こういうことを心配しておられるというか提案しておられる方が二、三あるわけであります。
 局長もそういうお話をお聞きになっておると思いますけれども、この国土・環境委員会が佐賀に陣内委員長のときにお邪魔をいたしましたときに、海洋の温度差発電の講義を私ども受けたわけでございます。ほかにまだ適切な場所があるのかどうか私にはよくわかりませんけれども、沖ノ鳥島をそういうものに使っていく、実験施設をつくってみるとかあるいは具体的に活用できるものであれば活用していくというようなことは建設省サイドではお考えになる余地はないんでしょうか。
○政府委員(青山俊樹君) 沖ノ鳥島は、二つの露岩と、その周りにリーフといいまして非常に浅い海域がございますが、そのリーフの上にいろんな観測施設をつくっております。
 その観測施設は、気象だとか海象だとか生物調査だとかいろいろやっているわけでございますが、今お話しございましたような発電といったものが可能になれば、そういった観測施設の電源等にも活用できるわけでございますし、また省エネルギー、クリーンエネルギーという意味でも非常に将来的に夢のある話だろうと思いますので、私どもも勉強してまいりたいというふうに思っております。
○泉信也君 大変前向きな御答弁をいただきましてありがとうございました。せっかくの島でございますので、多面的な活用もぜひこれから御検討いただきたい、このように思います。
 沖ノ鳥島につきましてはこれで終わりまして、次に五カ年計画の問題について少しお尋ねをさせていただきます。
 財政事情が悪いということで、先年、五カ年計画を基本的にはそのまま七カ年に延ばすという施策が行われました。私自身はそのときに、そのようなやり方は反対であるということを申し上げたわけでありますが、十一年度予算の編成に当たって社会資本整備費、公共事業費を大幅に伸ばすというようなことが行われたわけであります。そこで、一たん延ばした七カ年計画というのはそのままでいいのかどうか。私が考えますと、どうもそうはいかないのではないかというふうに思われるわけです。
 建設省からいただきました資料によりますと、例えば下水道計画は平成八年から十四年までということになっておりまして、十一年度の進捗率は、一般公共でございますが、約七五%を超えるところまで来ておるわけです。そういたしますと、もうこれは場合によっては十二年度で一〇〇を超えるかどうかということになるかと思いますが、建設省関連でたくさんの五カ年計画を持っておられる中でどのように対処していかれる御方針でしょうか。
○政府委員(小野邦久君) お答えを申し上げます。
 建設省所管の各五カ年計画でございますが、御案内のとおり例えば下水道整備七カ年計画でございますと、平成八年から十四年の七カ年計画ということで財政再建期間中における期間の延伸を行ったわけでございます。
 御指摘のとおり、平成十一年度の事業費を累計いたしまして推計をいたしますと、進捗率は七五・七%ということになるわけでございます。実際に下水道の普及率もこの七カ年計画終了時には六六%ぐらいに上がるのではないか、こう思うわけでございます。
 そういう財政再建期間における期間の延伸と、それから現在の平成十一年度予算、十五カ月予算という考え方のもとに大幅に今事業費をふやしていただいておりますが、その関係をどう考えるのか、こういう御指摘だろうと思います。現在のところ八本の長期計画がございますが、おおむね順調に進捗をしておりまして、全体の財政再建の中でこれをどう考えていくのか、それぞれの計画に基づいて景気対策と申しますか景気浮揚をどう図るのかという観点から公共事業に大変大きな役割が与えられておりまして、当面は各計画の達成に向けて着実に事業を進めていくということに尽きるというふうに思っております。
○泉信也君 お答えのように、実に進めていただくということは大変有益なことだと思います。
 道路計画などは十年から十四年ということでございますので、しかも進捗率が四〇%程度でございますから、まだまだ余裕があるというかそれなりの投資を続けていくことができると思いますが、ほかの多くのものは相当進んでおるということからしますと、早晩改定をしていただかなきゃならないことになるだろうというふうに思うわけです。ですから、公共事業が非常に世の批判を受ける部分もございますけれども、やらなきゃならないことはどんな時期でもやらなきゃならないわけでありますので、ぜひ早目に新しい五カ年計画を設定するというようなことを検討していただきたい、このように申し上げておきたいと思います。それで五カ年計画の話は終わりでございます。
 次に、こうした公共事業を円滑に進めていく上で重要な手段になってまいっておりますのがいわゆるプロジェクトの評価にかかわることだと思います。各省それぞれ評価の手法を定めて、建設省も実施要領等を既に出しておられるということでございますので、この精度をさらに高めていくということが重要なことだと思います。しかし、なかなかこういう手法だけで本当にプロジェクトのよしあしが判断できるのかということに私は疑問を持っておるものです。
 そこで、まず一つお尋ねいたしますが、経済分析をされるときに便益費用分析、BC分析とでも言っていいかと思いますが、こういうことで取り組んでいただいておると思います。しかし、例えば道路の評価をするとしても、時間短縮効果とかあるいは事故率の減少だとか、そういう便益は割かし計算をしやすいかと思います。それから、コストの方は事業費と維持管理費ということになると思いますが、いわゆる騒音とか振動、あるいは景観といったようなものがなかなか計量化しにくい、貨幣価値に直しにくい、そういう点はどういうふうに取り組んでおられますでしょうか。
○政府委員(小野邦久君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、確かに費用効果分析をやります場合にどういう項目までやるのか、あるいはどういう項目をやることが適当なのかという大変大きな課題があると思います。
 先生御指摘になりました道路事業につきましては、特に走行便益でございますとかあるいは事故率の減少とか直接的な便益というものを中心にやっております。御指摘の景観でございますとか、あるいはマイナスの部分も当然あるわけでございますが、こういったようなものをどう評価していくのかというのは大変難しい課題でございまして、昨年の三月に実施要領を定めまして、統一的な指針というのを六月に定めたわけでございます。それにつきまして、新規採択時、再評価等につきましてもそれぞれ実施をしておりますけれども、具体的な評価基準についてより以上に客観的なデータが得られるような、そういうような努力をこれからもしていかなければいけないというふうに思っております。
 現在は直接便益中心でBバイC、費用効果分析をやっておりますけれども、より以上に客観的な指標としてどういうものがあるのか、そういうものを検討いたしまして、必要に応じて改正していくということが必要ではないかというふうに思っております。
 一般的な公共事業の場合には、それが整備されますと地価に反映をするということで、地価の上昇によってそれを計算できないかといったようなヘドニック法みたいな方法もあるわけでございます。なかなかこういうものだけでまたやっていくというのも難しいわけでございまして、ある意味では評価基準、より具体的、客観的な正確な評価基準をどう見つけ出すかということは試行錯誤の過程にあるというのが率直な考え方でございます。
○泉信也君 省庁再編の後もまた総務庁が一つ一つのプロジェクトにかかわり合いを持つことはないと思いますけれども、評価をやる部署ができるというふうに伺っておりますが、国民に誤解を与えるおそれはないか。何か、分析が進むと自動的にプライオリティーが出てくるというように国民の皆さんが受け取られるとすればやや心配だなというふうに私は思っておるわけです。
 そこで、例えば道路でも河川でもよろしいわけですが、今お答えいただきましたBバイCをそれぞれのプロジェクトで出した場合に、道路なら道路で全国的に見てその数値の高いものから実施する、そういうことまで考えておられるんでしょうか。それとも、それはそれとして、一・五というような数値も示しておられますが、一・五を超えておれば数値の大きい小さいにかかわらず手をつけていく、プロジェクトとして取り上げていく、そういうお考えでしょうか。
○政府委員(小野邦久君) 確かに、費用効果分析の基準として一・五というものを私ども一つの基準として持っているわけでございますが、一般的に一・五でないと新規採択時としてはなかなか採択にのってこないと思いますけれども、一・五を上回って高いものから高順位にやるということではございません。
 公共事業というのは、もちろん費用対効果分析をきちっとやっていくということは必要ではございますけれども、より以上に国土の安全、あるいは住民の方々の命綱の道路というものがあるわけでございますから、こういったようなものも十分視野の中に入れて評価をしていかないときちっとした評価はできないというふうに思っております。
 ちなみに、平成十一年度に新規箇所で採択をいたしました事業について費用効果分析をいたしました。いずれも発表を既に公表しておりますけれども、大きな事業でございます。発表いたしましたのはいずれも一・五を超えてはおりますけれども、高いものから採択をしているというわけじゃございませんで、御地元の方々の要望あるいは全国的なバランスの中で必要な事業として俎上に上ってきた、計画に上ってきたものの費用効果分析をやって、その結果は一・五を上回っている、こういう理解だと思います。
○泉信也君 わかりました。
 そこで、同一セクターの中での考え方は、今一・五以上という一つの基準をもって判断していただいておるというふうに理解をさせていただきます。しかし、別のセクター間のプロジェクトの優劣というのは、これはどういう判断を持たれますでしょうか。例えば、同じ一億の金を使って、道路に行くのか街路に行くのか、これは似たようなところかもしれませんが、あとは河川なのか、そういうセクター間の比較はどのようなお考えでしょうか。
○政府委員(小野邦久君) ただいま先生御指摘のセクター間のBバイCの状況はどうかということでございますが、それぞれの予算款目に計上しておりますそれぞれの事業、その間の優劣をこのBバイCで求めるということは非常に難しいと思います。
 御案内のとおり、公共事業は大変たくさんの大きな事業を抱えておりますし、その中で統一的な基準に基づいてある一定の費用効果分析をし、それによって逆に各事業間の予算額が決まってくるというようなことは、現実にはこれは非常に難しい課題だと。それぞれの事業の中で特徴もございます。また、目的とする事業の範囲あるいは目的自身も大変大きな違いもあるわけでございまして、一概に公共事業だからといって費用効果分析を押しなべて全事業共通に実施していくということはいかがなものかと私は思います。
○泉信也君 先ほどちょっと触れましたけれども、今お答えいただきましたように、数量化できない部分でもっと大きな判断を要する部分があるということを多くの国民の皆さんに知っていただくということも私は大切なことだというふうに思いますので、そういう面の努力もお願いをいたしたいと思います。
 もう一つ、いわゆるBC分析と同時に財務分析というか、そういう事柄もこれからプロジェクトを実施する上においてやらなきゃならぬプロジェクトもあると思うんです。社会資本の整備が全部財務分析になじむというのであれば、それは民間事業にゆだねてもいいようなことになりかねないわけですから、財務分析については特定のものだとは思いますが、このことに関して、PFIを建設省としては取り入れようという御意向をこの資料の中にも書いてあるわけです。
 建設省のPFIに取り組む姿勢は、例えば公共と民間の境界線が仮にあるとしますと、第三セクターというこれまでのものは、どちらかというと本来公共がやるべきところに民間の、金が主体ですが、場合によっては若干の知恵もかりてやってきたのじゃないか。もともと採算性というようなことはほとんど難しいプロジェクトが多かったと私は思っております。しかし、PFIというのは民間と公共の境界線のどちら側にあるか。民間が本来やろうとしておる、財務的にも成立する可能性が高い、そこに公的な支援、例えば税制あるいは土地の使用料を幾らか安くする、そういうことかなというふうに私は思っておるんですが、建設省の基本的なPFIに対する考え方というのはどの辺にあるのでしょうか。
○政府委員(小野邦久君) PFIについてのお尋ねでございますけれども、現在、先生御承知のとおり、国会に議員提案という形でPFI法案が提出をされております。
 当然、いずれいろんな御審議が始まると思うわけでございますけれども、建設省といたしましてはこのPFIにつきまして具体的にどう考えていくのかということでございますが、PFIの一番の典型的なケースというのは、やはり有料道路事業がその行使だと思うわけでございます。高速道路事業にいたしましても、それ以前の、例えば京葉道路といったような、大変道路資本を投資することが難しいときに、ユーザーの方々の御負担によって改修をしていくという有料道路事業というものが私どもやはりPFIの行使ではないかと思うわけでございます。
 そういう点から考えますと、これはイギリス等においてもPFIの議論が盛んになりましたときに、架橋ということについて大変大きな議論があったと聞いておりますし、そういう点から考えますと、それ以外の事業でPFIになじむものがないというわけではないと思いますが、イギリスのような形での御議論というものは、既に日本の場合には有料道路事業等についてかなり従来から実施してきている。その実施の主体が、例えば道路公団でございますとか、それぞれの都市公団というような形になっているわけでございますが、その主体をどうするかという議論は当然あろうかと思います。現実の問題として、事業としてはやはりPFIにつきましては相当の部分を既に実施済みではないか。
 ただ、境界線上というお話がございましたけれども、公的な部門と民間セクターがそれぞれやっていく中で、どうしても公的な部門にお金がなくなってくれば民間の部門の資金を利用するという形でPFIというものを一歩進めるようなことはできないか、こういうことがあろうと思います。
 現在、私どもで既に発表いたしました一つの例でございますけれども、新宿の南口の跨線橋が大変古くなっておりまして、ある程度かけかえの時期というもの、これは当然鉄道側のいろいろな要請もあるわけでございますし、御協力も得なきゃいけないわけでございますが、南口の甲州街道の部分をどうかけかえるのか。大変常時混雑をし、交通が麻痺している状態が多いわけでございます。
 あの道路をかけかえるということは、やはり民間の事業者、例えばJRがビルをつくるというようなことで参加されるという合併施行みたいなもの、公的なセクターと民間セクターの中間の合併施行的なものにこのPFIをファイナンスという点で活用していくということができるのではないか。およそ公共事業でございますから、どちらかというと民間事業になじまないものが大部分でございます。では、砂防事業をPFIでできるのかということになりますとこれは大変難しい課題でございますし、恐らく河川事業等についてもいろいろ知恵を探さなければいけないと思いますが、難しい課題ではないか。
 ただ、合併施行みたいなものに金融の面であるいは共同で事業を実施していく、参加をしていくというようなことはPFIとして私はかなり今後もあり得るし、またそういう検討を十分進めていかなければいけないのではないか、こういうふうに思っております。
○泉信也君 ありがとうございました。
○奥村展三君 琵琶湖の総合保全についてお伺いをいたしたいと思います。
 四半世紀にわたりまして取り組んでいただきました琵琶湖総合開発事業は終えました。その後、琵琶湖の保全につきまして国土庁を中心といたしまして六省庁の連携をとりながら進めてきていただいたわけでございます。特に、県が国に対しまして琵琶湖の総合保全ということで調査をしていただきたい、あるいはまたいろんな皆さんに議論をいただきたいというお願いをしてきた二年間でもありました。九七年から国土庁を中心に進めてきていただいたわけでございますが、先月の下旬だったでしょうか、三つの分野に分かれましていろいろ研究をいただいた学者の先生方やいろんな皆さん方の大体のまとめが出てきたようにお伺いをいたしております。この三分野は、御承知のとおり水質の保全あるいは水源の涵養、そしてまた自然的環境、景観の三つの今後の方向づけをしていこうということでいろいろと議論をいただいているわけでございます。
 国土庁の方がリーダーシップをおとりいただいて、大変すばらしい先生方に御検討なりいろんな御意見の開陳をいただいているようでございますが、特に建設省も今までも大変な御尽力をいただきましたし、今後また国土庁を中心により以上保全に取り組んでいただくということで、現在のところそしてまた今後についてどのように進めていただけるか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) この琵琶湖の総合保全でございますが、これは奥村先生初め国会議員の先生方、そしてまた地元の地方公共団体の知事さん初め皆様方から何度となく御陳情をいただいておるところでございます。そこで私もいろいろお伺いいたしましたが、琵琶湖は近畿圏の約一千四百万人の方々の水資源であるという大変重要な位置を持っておりますし、また世界でも有数の古代湖として国際的にも貴重な存在というふうに伺っておるわけでございます。
 それで、先生御指摘のように、昭和四十七年度から平成八年度までの二十五年間に約一兆九千億円を投じまして総合開発について実施してきたわけでございます。しかし、琵琶湖の水質などはまだ完全な状態にはないということでございまして、引き続き保全に取り組むことが重要であるということで、関係六省庁が共同しまして平成九年、十年度の二カ年で総合保全に関する調査を実施したところでございます。
   〔委員長退席、理事太田豊秋君着席〕
 そこでまとめられましたのは、先ほど述べられましたように三つの問題、水質の保全、それから水源の涵養、そして環境、景観の保全を含む観点からるる対策を講じていくということでございまして、今後積極的にこのことは取り組んでいく所存でございます。
○奥村展三君 いろいろ御尽力をいただきまして本当にありがとうございます。
 今、大臣が申されましたように、この琵琶湖は御案内のとおり近畿一千四百万人の皆さん方の水資源であります。それだけに、琵琶湖総合開発と相まって、環境面からも県民がひとしくかかわりを持ちながら、家庭雑排水だとかあるいは工業排水だとか農業排水等々いろんな問題につきましてもそれぞれの立場で一生懸命取り組んできたわけでございます。より以上この水質保全をしながら、そしてまた環境を守りながら今後も進めていかなければならないと思います。
 今、大臣から御答弁いただきましたように、いろんな方々がすばらしい感覚のもとに意見を出していただいているようでありますが、今後この計画を推し進めていただくということに相なりますと、やはり机上の問題だけではなくて、実際に現実的にそれを進めていただくときにはもちろん県民もその努力をしなければなりません。今まで以上に努力をしていかなければなりません。
 先日来、いろいろ当委員会でもお話をなされておりますように、やはり環境を基本とした形でやっていかなければならない。それはもう当然でありますが、やはりこれは滋賀県だけのものではなくて、近畿下流府県の大きな協力といいますか、お互いにその認識を持ちながら進めていく、それが今後の保全の基本になるのではないかという思いでいっぱいであります。
 今後進めていただくに対しまして、下流府県等に対しましても国土庁のリーダーシップといいますか、いろんな御尽力が必要になってこようと思いますが、この方策につきまして何かお考えのところがあれば、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(板倉英則君) 奥村先生御指摘のとおり、琵琶湖の総合的な保全を着実に推進していくためには、現状の把握とか保全施策の実施に際しまして、まず中央レベルの関係六省庁が互いに緊密な連携をとっていくことが大変重要であると思っている次第でございます。現在、この関係省庁の連携組織の設置に向けまして具体的に鋭意調整を進めておりまして、年度明けにはスタートをさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。
 国土庁といたしましては、今後とも関係省庁と十分な連携を図りつつ、琵琶湖の総合的な保全に取り組んでいきたいということでございます。
○奥村展三君 ありがとうございます。
 現実的に、局長さんも御存じだと思うんですが、ちょうど琵琶湖大橋の南ですか、あそこで大きく段差がありまして、北湖の方にもだんだんと汚染が侵食をしておるというようなことで、安心をしていたのがどんどんもう赤潮が出たり、そういうような状況になりつつございます。ですから、ぜひ一日も早く手当てをしながら水資源を保全していかなければならないというように思いますし、その方向づけでよろしくお願いをいたしたいと思います。
 もう既にいろいろと御答弁をいただいたわけでありますが、大臣もよく御存じだと思うのですが、いろいろと環境面におきましても、琵琶湖条例といいまして、五十四年に制定、実施を進めてきたわけであります。粉石けんを使ったり、あるいは各御家庭の生活排水にも奥様方が非常な御努力をいただいて、ネットをかぶせていろんなことをやっていただいたり、あらゆるところでそういうような手法を使いながら水を守っていこうという意識を啓蒙しながら実践していただいておるわけでございまして、やはり住民参加なくしてはこういう問題は取り組んでいけないということであります。
 今、三分野に分かれていろいろ御討論をいただき、御協議をいただいたことがぜひこれから施策の実施等につきまして円滑に、そしてまた思い思いのそれぞれの立場でお考えいただいたことが着実に実施されるように、ぜひこの際、大臣にも要望を申し上げる次第でございます。
 日本にもたくさんの湖沼があるわけであります。ラムサール条約に加入した湖沼もありますし、今、国土庁さんでやっていただいておるのは琵琶湖だけでございますが、これは環境庁と連携をとりながら、ひとつ水あるいは自然を守っていくということが大切であろうと思います。
 最後に、大臣のこういう湖沼だとかあるいはまた先ほどお述べいただきました琵琶湖に対して感じておられるところがありましたら、お伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 御指摘のとおりでございまして、これは琵琶湖の総合保全であるとか、あるいは先ほどるる出ておりました公共事業の執行にいたしましても、そういう地元の方々の御協力というものをいただいて、また地元の方々もそういう意味での意識を持っていただいての両々相まっての保全ということでなければ進めていくことはできないと思っておりますので、国土庁といたしましては最大の努力をいたしますが、地元の方々のまた各般にわたります御協力もお願いをいたしたいと思います。
○奥村展三君 ありがとうございました。
 きょうの概要説明の中でも、大臣の方からも琵琶湖の総合的な保全ということで、検討、実施ということもあえてここで力強く申していただきましたし、私は以前にも申し上げてまいりましたが、滋賀県だけのものではなくて、先ほど申し上げたように下流府県と一体となって、滋賀の宝であり、近畿の宝であり、日本の宝である、あるいは世界の宝である、それを基本に置いてぜひ今後ともあらゆる施策を実施できるようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○理事(太田豊秋君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○理事(太田豊秋君) 速記を起こしてください。
○島袋宗康君 それでは、防衛施設庁はまだ御出席でないようですので、まず建設省の方からお尋ねいたします。
 沖縄県における陸上交通は専ら道路に依存しております。道路整備は、県民生活や産業活動にとって極めて重要であることは私が申し上げるまでもありません。
 道路の整備水準について見ますと、数年前の一九九五年版の道路統計年報によりますと、保有台数千台当たりの道路延長は十・八キロメートルと、全国平均の十七・五キロメートルの六割程度となっております。都市部での広幅員道路も非常に少のうございます。それで、道路の絶対量が不足しているという状況がまだ続いていると思いますけれども、現在の整備水準はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
○政府委員(小野邦久君) 島袋先生お尋ねの沖縄の道路整備水準でございますけれども、ちょっと数値を申し上げてお答えさせていただきます。
 沖縄県の道路の整備率は六七・八%でございまして、全国の整備率五〇・五%と比べますと若干高いのでございます。その利用の状況でございます平均速度、これで見ますと、一時間当たり二十九・〇キロメーターということでございまして、全国平均が一時間当たり三十四・五キロメーターでございますので、むしろ低い状況となっております。また、人口当たりの道路の実延長で比較をいたしますと、沖縄県が千人当たり五千七百二十七メーターの実延長があるわけでございますが、全国は九千九十五メーターということでございまして、沖縄県は全国の約六割程度の道路延長にすぎない、こういうことが言えるのではないかと思います。
 単純に道路整備の状況というものを数値だけで全国と比較するというのは大変難しい面もございますけれども、沖縄県の場合には主要な交通手段というのはやはりどうしても道路だということだろうと思います。また、那覇市の周辺部に代表される都市部の著しい交通渋滞とか、あるいは地方部における生活道路の確保などの観点から考えますと、今後とも沖縄の振興開発のためには引き続き道路整備を推進していく必要があるというふうに私どもとしては考えているところでございます。
○島袋宗康君 数年前の統計に比べるとやや好転をしていると思いますけれども、那覇市内を中心として、中部一帯はほとんど交通渋滞が激しい状態であります。それで、いろんな道路整備をやっている状況ではありますけれども、何しろ基地内をスムーズに通れないというネックが非常にあります。それで交通渋滞が、遠回りして基地内を避けて通る状況にあるという事情もあるわけですから、もっと基地内を利用させるような方向での検討をいただけないものかどうか。
 その辺は質問事項ではないんですけれども、どうお考えですか。
○政府委員(小野邦久君) 道路整備は、やはり地域開発の基本ということだと思います。沖縄県の場合にも、当然振興のために道路というものは大変重要な役割を負っているというふうに思うわけでございます。
 今、先生の御指摘になりました基地の部分が沖縄県の中にはたくさんあるということでございまして、ある意味では計画面、整備面においても自由にあるいはより弾力性を持ってなかなか整備が進まない、こういう事情があるということはそうだと思うわけでございます。
 今後、鉄道が整備されないことを考えますと、道路の役割というのはますます大きいわけでございますので、特に高速交通基盤の形成、都市部の渋滞緩和、あるいは良好な生活基盤の形成といった観点から、道路をきちっと整備していくということがやはり大変重要ではないか、こう思っております。
○島袋宗康君 平成十一年度の整備方針、重点事業というものはどういうふうに計画をされているのか、お伺いをいたします。
○政府委員(井上啓一君) 具体的には、那覇空港と沖縄自動車道を結ぶ那覇空港自動車道の整備、沖縄都市モノレールの整備、それから那覇新都心土地区画整理事業などを重点的に整備しようと考えております。
○島袋宗康君 那覇の都心部の再開発、これは大体いつごろ終わる予定でございますか。
○政府委員(井上啓一君) 全体計画として二百十四ヘクタールございますが、六十二年から始めておりまして、平成十五年ごろを目途に整備をしていきたいというふうに考えております。
○島袋宗康君 生活水準向上を図るとともに、地域の多様なニーズや高齢化社会等に対応して、沖縄県の気候風土に適した住宅、住環境の整備を推進する必要があると考えておりますけれども、その辺について御所見を伺いたいと思います。
   〔理事太田豊秋君退席、委員長着席〕
○政府委員(那珂正君) 沖縄の住宅事情でございますが、統計的なデータから申し上げますと、例えば平均床面積は七十四・五平米と、全国の九十一平米に比べて大変下回っておりますし、国が定めました居住水準目標、最低居住水準未満の世帯の割合も全国に比べて大きいということで、全体的に統計的にあらわれている数字は必ずしも良好とは言いがたい状況でございます。
 ただ、ただいま先生御指摘になりましたように、沖縄の気候風土に適した住宅というようなお話でございますが、御案内のとおり台風が非常によく来るというようなところでもありますし、大変日差しが強いというようなことで、もともと伝統的には、台風に対して例えば石塀を設けるとかあるいは家屋の高さを低くするとか、そういう工夫を伝統的にされているわけです。
 それが近年は、住宅の構造として木造ではなくて堅固なRCコンクリートづくりが非常に盛んであるとか、土地利用の状況から見て集合住宅の割合がずっと高いとか、そういう考え方によっては非常に積極的にいい取り組みをしているというふうにも思います。
 また、最近では那覇で、個別団地で恐縮ですが、安謝団地という比較的大規模な公営の団地なんですが、これも単に公営住宅を建設するだけではなくて、児童館あるいは特別養護老人ホームとの合築を進めるとか、公営住宅はシルバーハウジング型のタイプを供給するとか、大変きめ細かな、まさに沖縄の風土に合った工夫が随所に見られていると思います。
 私どもとしても、もともと公営住宅に対しては補助率のかさ上げもございますので、こういうかさ上げ等の制度も利用しつつ、沖縄県の方で市町村と一体になって気候風土に合った住宅、住環境の整備が促進されるよう今後とも支援していきたいと思います。
○島袋宗康君 沖縄県内だけじゃないと思いますけれども、公営住宅を建設する場合に、建設省から一定の割り当てが毎年指示をされて、沖縄県にどれぐらい公営住宅を建設するというふうな内容の指示があると思います。
 御承知のように、土地も狭隘でありますし、県でいろいろ各市町村に割り当てしても市町村がなかなかそれを消化し切れない、そういった問題があって公営住宅というものがなかなか進展していないというふうな状況があると思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(那珂正君) 御案内のとおり、沖縄県につきましては予算の特別枠がございますので、消化という表現は悪いんですが、やはり予算で決められた数字を単年度ごとに、沖縄県は沖縄県だけできちっと処理していただくようにしたいと思います。
 もちろん、個別地区の事業の難しさ等で今、先生おっしゃるように計画が少しおくれるとかそういうようなこともあろうかと思いますが、その辺は適宜個別に相談に乗って、私どもも押しつけというようなことではなくて、積極的に整備を支援するという立場で協力していきたいと思います。
○島袋宗康君 それをぜひ努力していただきたいと思います。
 では、国土庁にお伺いします。
 災害は忘れたころにやってくる、また備えあれば憂いなしというようなことがよく言われておりますけれども、大規模地震災害に対する備えという観点から、沖縄県における防災体制の整備の状況がどのようになっているか、また今後の整備方針についてお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(林桂一君) 沖縄県におきましては、過去に、一万二千人の溺死者を生じた一七七一年の八重山地震津波の記憶が残されているほか、明治、昭和期におきましても、死者等の人的被害を伴う地震や地震による津波が数度発生しております。また、昨年五月四日におきましては、幸いにも大きな津波は発生しなかったものの、津波警報が一時発せられるなど地震被害の発生の危険性が認められ、沖縄県における地震防災対策の重要性は強く認識しているところでございます。
 沖縄県におきましては、こうした中で、阪神・淡路大震災後に地域防災計画を改定しておられます。新たに震災対策編を設け、これに関する予防・応急対策、復旧、復興の各段階に応じた対策を充実されているところと承知しております。
 特に、昨年の津波警報が発せられた際におきまして、一部地域におきまして、海岸地帯からの避難の呼びかけに対し住民が必ずしもその趣旨を十分受けとめないで避難活動に支障が生じる事態が生じたという教訓も踏まえまして、住民の防災意識の高揚のため啓発活動を強化されているというふうに伺っております。
 さらに、地震対策といたしましては、地震防災対策特別措置法に基づき、地震防災上緊急に整備すべき施設等について平成八年から五カ年計画を全国で定めることとされておりますが、沖縄県におきましても総額約二千七百六十億円の地震防災緊急事業五カ年計画を定めて、これらに関する事業を推進されているところでございます。
 この計画では、緊急輸送路あるいは港湾、河川等の社会資本の整備あるいは耐震性の強化といった課題、また災害時におきます避難路、避難地、防災施設となる公園等の整備という課題、また被害発生時におきます応急活動の強化を図るための消防防災施設の整備といった課題、こういう課題に取り組まれておりまして、平成九年度までに事業費で約三〇%の進捗を見ているという状況でございます。
 国土庁といたしましては、この五カ年計画に計上された地震防災対策に資する施設の整備等が推進され沖縄県の地震対策が確実に進められますように、関係省庁と連携を図りながらその支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○島袋宗康君 生活空間倍増戦略プランの一環として地域戦略プランを積極的に推進するとされておりますが、この地域戦略プランは具体的にはどのような手順と方策によって推進されるのか、また国土庁と各地域の関係は予算面に限られるのか、ほかにも支援の方策はあるのか、お伺いいたします。
○政府委員(小林勇造君) 生活空間倍増の地域戦略プランのことでございますが、当委員会の質疑でこれまでも明らかにしてきておりますが、このプランは、都市と地方の各地域がみずからテーマを選んで複数の市町村が広域的な連携のもとに関連施策間の連携が図られた総合的なプランを主体的に作成していただくというスキームになってございます。これに対して、国としても国土庁を総合的窓口として、関係省庁が一体となった推進体制のもと、最大限の支援を行っていくつもりでございます。
 現在、全国四百を超える地域でプランを策定中でございまして、沖縄につきましても、北部、中部、南部、宮古、八重山と五圏域からプランの骨子が提出されております。今後このプランの策定につきましては、五月の末までにつくっていただくということで、国土庁としては、全国の地域と御議論を深めたいということで今後全国に出張してこの相談をしていきたいと思っていますが、いずれにいたしましても、趣旨に沿ったよいプランができるように全力を尽くしてまいりたい。
 予算的なことでございますが、国土庁には、一括計上で公共事業費が二千億、非公共の事業費が五十億、十一年度で計上されているところでございます。
○島袋宗康君 国土庁長官に、平成十一年度予算の最大の特徴はどういうことか、お伺いします。
○国務大臣(関谷勝嗣君) これは、国土庁長官とまた建設大臣と両方とオーバーラップしてくると思うわけでございますが、国土庁の方からいいますれば、先ほど小林局長が述べましたように、沖縄開発庁に一括計上にはなっておるわけでございますが、この沖縄県の地域戦略プランにつきまして配分をしていきたいと思っております。
 といいますのは、これは四兆円の予算で五年間でございますが、そういうようなことでございますからどうしても場所が限られるわけでございます。そういう意味におきまして、沖縄の地域戦略プランにつきましては特段の配慮をさせていただきたいと思っておるわけでございます。
 それと、沖縄の問題は、あらゆることに国を挙げて、政府を挙げて強力に取り組んでおるわけでございまして、この後、奄美群島の振興開発特別措置法及び小笠原諸島の振興開発特別措置法の一部改正の提案理由の説明がありますが、この審議を衆議院で行いましたときにも奄美群島の方々が沖縄と余りにも差があり過ぎるじゃないか、沖縄を余り、余りと言ったらおかしいんですが、沖縄は沖縄で、奄美群島も同じ場所で戦争で苦労したのにどうしてこんなに差ができたのかと言われたぐらい、この沖縄の問題は一生懸命やりますので、ひとつ御安心をいただきたいと思います。
○島袋宗康君 相当決意を込めてのお話で、大変感謝申し上げます。沖縄問題はこれからだというふうな気持ちでございますので、ぜひ御尽力いただきたいというふうに私は思います。
 防衛施設庁に、那覇防衛施設局管内の建設工事についてお尋ねいたします。
 まず、平成十一年度予算案の概要を説明願いたいと思います。
○政府委員(小林誠一君) 私の方からまず自衛隊関係、自衛隊の施設整備に係る予算額及び主な整備内容についてお答えいたします。
 那覇防衛施設局管内におきます平成十一年度の自衛隊施設の整備工事につきましては、白川の隊舎及び体育館等あるいは勝連の隊舎並びに那覇の隊舎及び公務員宿舎等で、契約ベースで約三十七億二千六百万円、これは歳出予算額ですと四十四億七千百万円を予算案に計上しているところでございます。
○政府委員(宝槻吉昭君) 所管の違いで、米軍関係施設については施設部長から答弁させていただきます。
 那覇局管内の米軍施設の整備に係る予算額と整備内容ですが、契約ベースで約二百四十七億円、それから歳出予算額につきましては百六十四億二百万円でございます。
 その主な内容でございますが、一つは提供施設整備でございます。これは、隊舎三棟、管理棟及び工場などでございまして、契約ベースで約百四十二億二千百万円、歳出予算額で百五十億三千万円でございます。
 それから第二に、提供施設の移設整備でございますけれども、これはキャンプ桑江など六事案の移設工事でございまして、契約ベースで約四十二億五千七百万円、歳出予算額で約十億六千百万円を計上しております。
 それから三点目でございますが、SACO事案関係として、北部訓練場の一部返還、キャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧の一部返還等に伴う建設等の移設工事でございまして、契約ベースで約六十二億二千二百万円、歳出予算額で三億一千百万円といった内容になっております。
○島袋宗康君 過去五年間の工事額とその予算の推移について御説明願えますか。
○政府委員(宝槻吉昭君) 過去五年間におきますところの建設工事の発注状況でございます。
 これにつきましては、地元の受注率ということでございますか。
○島袋宗康君 では、ちょっと整理して申し上げます。
 過去五年間の地元県内業者とその他の業者の受注割合がどのような比率になっているか。これは重複するかもしれませんが、さっきのものとあわせて御説明願いたいと思います。
○政府委員(宝槻吉昭君) 最初に、過去五年間におきます那覇施設局の発注した建設工事の発注の総額に対する沖縄県内の発注割合について御説明いたします。
 那覇局におきましては、沖縄県におきます那覇局の執行する建設工事の予算の発注に際しましては、できるだけ地元の御理解、御協力を得る必要があるということで、地元発注の機会をできるだけ多く確保するように努めてきております。
 過去五年間について申しますと、九年度実績がございますので九年度からさかのぼって五年間ということで見ますと、平成五年度では件数で七八%、金額で五五%ということでございました。平成六年度につきましては件数で七三%、金額で五〇%、平成七年度は件数で八二%、金額で六二%、平成八年度は件数で九二%、金額で六五%、平成九年度におきましては件数で八四%、金額で六五%といったように逐次地元県内業者の発注割合というものが拡大してきている状況にございます。
○島袋宗康君 年々地元業者に発注をしている状況が数字で示されたわけでありますけれども、今後も、県内の基地に依存している状況というものは非常に強いわけですから、やっぱり県内業者の育成という意味でも優先的に県内業者に発注されるようにできるだけ努力をしていただきたいというふうに思いますけれども、その辺についてはいかがですか。
○政府委員(宝槻吉昭君) 先生御指摘のとおり、本庁及び施設局の方でもいろいろな形で地元発注の機会が確保されるようにということで配慮してございます。
 例えば、本体工事等の附帯工事を分離するとか、工区を区分して分離発注の方式を活用するとか、あるいは地元優良建設業者の上位ランク工事への指名、また経常建設共同企業体といったものを活用するというようなことで、いろいろな措置を今後とも引き続き配慮する形でできるだけ地元発注の機会が確保されるように努力してまいりたいというふうに考えております。
○島袋宗康君 最後に、防衛施設周辺整備事業について、現在どのようになっているか、その状況を説明していただきたいと思います。
○政府委員(宝槻吉昭君) 防衛施設の円滑な運用のためには、やはり周辺自治体のいろいろな基地の運営から生ずる障害防止等のいわゆる基地対策施策を引き続き講じてまいりたいと考えております。
 具体的に、平成十一年度予算におきましては、沖縄関係でそれぞれ申し上げますと、まず住宅防音工事につきましては約七十六億円計上しております。それから、その他の障害防止事業に契約ベースで十九億円、学校防音工事等に約二十八億円、民生安定助成費用に約二十二億円、道路改修等に約八億円、それから周辺整備調整交付金に約二十億円といったことで、契約ベースで百七十六億円、歳出ベースで約百六十九億円の予算を計上しているところでございます。
○島袋宗康君 時間ですので終わります。(拍手)
○委員長(松谷蒼一郎君) 以上をもちまして、平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会、北海道開発庁、環境庁及び国土庁、運輸省所管のうち気象庁及び港湾整備特別会計、建設省所管、住宅金融公庫、北海道東北開発公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松谷蒼一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(松谷蒼一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(松谷蒼一郎君) 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。関谷国土庁長官。
○国務大臣(関谷勝嗣君) ただいま議題となりました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 奄美群島につきましては、昭和二十八年の本土復帰以来、特別措置法のもとで各般の事業を実施し、基礎条件の改善とその振興開発を図ってまいったところであります。しかしながら、奄美群島をめぐる諸条件は依然として厳しく、なお本土との間に格差が存しており、近年では若年層を中心とする人口の流出や高齢化が進み、活力ある地域社会を維持していく上で多くの課題を抱えております。
 今後、これらの課題の解決を図り、特有の農林水産資源、観光資源等を開発及び活用することにより、その特性に応じた振興開発を推進していくため、奄美群島振興開発特別措置法の有効期限を五カ年延長するとともに、振興開発計画を改定し、これに基づく事業を推進する等特別の措置を引き続き講ずる必要があります。
 また、小笠原諸島につきましては、昭和四十三年の本土復帰以来、特別措置法のもとで各般の事業を実施し、その成果を上げてまいったところでありますが、本土から極めて隔絶した外海離島であるという自然的条件等のため、人口の定着、産業の育成等が十分には達成されていない状況にあります。
 今後、引き続き小笠原諸島の基礎条件の改善を図るとともに、その特性と発展可能性を広く活用し、環境と調和した振興開発を推進していくため、小笠原諸島振興開発特別措置法の有効期限を五カ年延長するとともに、新たな振興開発計画を策定し、これに基づく事業を実施する等特別の措置を引き続き講ずる必要があります。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、奄美群島振興開発特別措置法の一部改正につきましては、第一に、この法律の有効期限を平成十六年三月三十一日まで五カ年延長するとともに、現行の奄美群島振興開発計画の計画期間を現行法の五カ年から十カ年に延長することとしております。
 第二に、地方税の課税免除または不均一課税に伴う減収を地方交付税により補てんする措置を講ずることとしております。
 次に、小笠原諸島振興開発特別措置法の一部改正につきましては、この法律の有効期限を平成十六年三月三十一日まで五カ年延長するとともに、新たに平成十一年度を初年度とする五カ年の小笠原諸島振興開発計画を策定することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び主な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(松谷蒼一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は明十六日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時六分散会