第146回国会 国民福祉委員会 第4号
平成十一年十二月二日(木曜日)
   午後一時二分開会
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   委員の異動
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     朝日 俊弘君     柳田  稔君
 十二月一日
    辞任         補欠選任
     今井  澄君     朝日 俊弘君
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     沢 たまき君     山下 栄一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         狩野  安君
    理 事
                田浦  直君
                水島  裕君
                勝木 健司君
                山本  保君
                小池  晃君
    委 員
                久野 恒一君
                常田 享詳君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                朝日 俊弘君
                佐藤 泰介君
                松崎 俊久君
                柳田  稔君
                山下 栄一君
                井上 美代君
                清水 澄子君
                入澤  肇君
                堂本 暁子君
                西川きよし君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
   参考人
       福祉自治体ユニ
       ット代表幹事
       秋田県鷹巣町長  岩川  徹君
       神戸市看護大学
       教授       岡本 祐三君
       全国市長会社会
       文教分科会委員
       長
       大阪府守口市長  喜多 洋三君
       東京都心身障害
       者福祉センター
       技術次長     土肥 徳秀君
       全国町村会長
       福岡県添田町長  山本 文男君
       宮城県知事    浅野 史郎君
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  本日の会議に付した案件
〇参考人の出席要求に関する件
○社会保障等に関する調査
 (介護保険に関する件)

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○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨一日、今井澄君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君が選任されました。
 また、本日、沢たまき君が委員を辞任され、その補欠として山下栄一君が選任されました。
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○委員長(狩野安君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障等に関する調査のため、本日の委員会に、参考人として福祉自治体ユニット代表幹事・秋田県鷹巣町長岩川徹君、神戸市看護大学教授岡本祐三君、全国市長会社会文教分科会委員長・大阪府守口市長喜多洋三君、東京都心身障害者福祉センター技術次長土肥徳秀君、全国町村会長・福岡県添田町長山本文男君及び宮城県知事浅野史郎君の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(狩野安君) 社会保障等に関する調査のうち、介護保険に関する件を議題といたします。
 本日は、本調査のため、参考人の方々から御意見を聴取することといたしております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席いただき、まことにありがとうございます。
 本日は、介護保険につきまして参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からお一人十分で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、意見の陳述、委員の質疑及び参考人の答弁とも発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず岩川参考人から御意見をお述べいただきます。岩川参考人。
○参考人(岩川徹君) 政府が円滑な制度導入を目的としての介護保険に対する特別対策をめぐって、ある新聞社の市区町村長に対するアンケート調査が行われましたが、その結果、八七%の市区町村長が不安を感じているという結果になっております。私は、この不安というのは取り除くことが可能な不安だと考えております。
 次に、けさの新聞報道によりますと臨時特例交付金、これが一部流用可能という政府の考えが報道されております。さらに、ある新聞社は地方の混乱という見出しをつけておりますが、私は決して混乱はしないと確信をしております。むしろ、そういう方向に向かったというのは、私は正しい方向であるというふうに認識をしております。
 理由を申し上げます。
 アンケート結果の「不安」とか見出しの「混乱」というのは実はやり方に問題があるのでありまして、方法論がどうも間違っているというふうに私は考えております。
 例えば、今回の介護保険というのは明らかに自治事務でありまして、これは我々市区町村がみずからの責任において進めていく保険であります。地方自治法には、その第一条に、国の役割として地方自治体の独自性とかあるいは自主性というものを尊重しなくてはならないというふうに明記されております。にもかかわらず、どうも機関委任事務的な発想で今回の見直し案が一方的に地方行政に流されたというのがその混乱のもとだろうと思います。
 むしろ、制度の円滑な導入を図るのであれば、具体策は国と地方自治体が共同作業でこれを進めるべきであるというふうに考えております。私は、今からでも決して遅くはないので、ぜひ国と地方自治体がお互い知恵を出し合ってもう一度考え直すようなことをしていただきたい、そんなふうに考えております。
 ここでちょっと問題を整理したいと思うんですが、介護保険の原点であります。この原点というのは主人公という意味合いを持つんですが、明らかに被保険者、つまり住民だろうと思います。それは二つの面で言えます。
 一つは、法的な面からですが、この介護保険法の第百十七条に、市町村は被保険者である住民の意思を反映させるような措置を講じなくてはならないというのが介護保険の中身であります。ですから、法的に住民が主人公ということがうたわれております。
 さらに、実務的な面でありますが、介護保険の内容、具体的な一つ一つの内容は新ゴールドプランに関連があります。さらに、その新ゴールドプランというのは、平成五年度に全国の市区町村が義務として策定をしたいわゆる老人保健福祉計画、これが原点であります。老人保健福祉計画というのは、住民参加という物の考え方でこの計画がつくられております。したがって、住民の物の考え方が最終的には介護保険に反映されるということになっています。ですから、法的にも実務的にも介護保険の主人公は住民であるということが言えるかと思います。
 そこで、ちょっと資料を皆様にごらんいただきたいんですが、これでございます。
 実は、我が町では、住民がみずから自分たちの町に合った介護保険をつくり上げようという、そういう頑張りをしてくれたわけです。今から一年半ぐらい前になりますか、昨年の夏に、町の皆さん約五十人ほどなんですが、ドイツと北欧に行っております。その目的は介護保険を自分たちの考え方でつくり上げよう、それが目的であります。それから着々と準備を進めてまいりまして、ことしの二月、全員が公募による介護保険事業計画をつくる会というのを発足させております。これがそのときの新聞報道であります。住民がみずから介護保険をつくる行動に打って出たという、そういう報道であります。
 二枚目であります。その結果、ことしの八月の上旬、三千八百八十八円という、ここに「原案」と書かれています。つまり、最終決定ではなくて住民が考えた、それも百人ほどの公募による住民が考えた保険料の原案ということで、この原案を持ち歩いて説明しながら合意形成を図ろう、そういうことを考えたわけであります。
 そして、三枚目が、住民がみずから各地域に入りまして、内容をお伝えして、三千八百八十八円の合意を図ろうという、そういう説明会の報道であります。そして、皆さんは、介護保険の中身というのは具体的にこういうことなんだ、こうして決めたんだという具体的な説明をしたわけであります。ここに書かれてあります見出し、「「つくる会」が説明 異論の声聞かれず」であります。まさに、町に最もふさわしい介護保険の原案がつくられ、それが多くの町民の支持を受けているという、そういう状況にあるということであります。
 最後の報道は、三千八百八十八円、これは法定サービスの費用であります。法定外、いわゆる上乗せ・横出し、これを加えますと四千九百五十一円が我が町の総体としての介護費用ということになります。これを含めて住民が住民に説明をしている記事であります。
 そこで申し上げたいと思うんですが、いい知恵は間違いなく現場にあります。福祉というのは、言葉をかえますと生活という言葉で言いあらわすことができます。したがって、当事者あるいは現場というものを優先させながら考えるべきだろうと思います。したがって、今回の一兆円を超す補正予算、円滑な導入を図るという目的は私も全く異論がありません。ただし、内容について組み替えをひとつお考えいただきたいと思います。
 具体的には、一兆円を超す予算を法定サービスに該当する予算とそれ以外の予算に分けます。さらに、法定サービスの中身に関して、保険料の補てんに当たる部分は、もし自治体が保険料徴収に踏み切った場合、それを枠内で、つまり介護保険の対象という縛りの中で自由に使えるという、そういう裁量をぜひ自治体に与えていただきたいと思っています。最終的な選択権を欲しいということを訴えているわけであります。それによって、国と市区町村の役割は明確になってまいります。お互いに責任を分担し合いながら、フィフティー・フィフティーの責任を持ち合いながら介護保険をいい形でつくる、そしてどうやって住民のためにこれを進めるか、そのための内容の組み替えの要求であります。
 以上が私の主張であります。
○委員長(狩野安君) ありがとうございました。
 次に、岡本参考人にお願いいたします。岡本参考人。
○参考人(岡本祐三君) 私は、今よく取りざたされております要介護度認定というものが一体どういう概念かを簡単に御説明申し上げます。用意してあります資料をごらんください。
 まず、医療保険というよくなじまれた制度との対比でそこに書いておりますが、要介護度認定というのは医療でいえばいわば診断に当たるプロセスというふうにお考えください。このプロセスは、医療の場合ですと、いろんな検査をもとに医師という専門職が最終的に判断しております。検査値というのは大勢の人の血液中のいろんな数値の平均値をとっておりますから、その平均値を個別のクライアント、患者さんに当てはめる作業は医師が経験と知識によっていたします。
 介護保険の場合は、いわばこういう状態の方には大体これぐらいの介護量が必要ではないかという推計値の平均値を示して、それをもってこの制度でその利用者の方がどのくらいの費用を使えるかという、その上限設定をする平均値というふうにお考えください。これはあくまで上限設定であって、基本的には出来高で報酬も払うわけです。この仕組みを介護保険は最終的には専門家五人程度の方の合議制によって経験と知識をもとに最終判定する、これが基本でございます。
 結局、このような手法を実際だれがその正確度を判定するかといいますと、基本的には利用者の方の満足度というものに尽きると思うのでありますが、そういう意味では利用者の方の満足度は要介護度認定の後のサービスの出し方の中身に大きく左右されてまいります。要介護度認定というのは、そういう意味ではこれのみで細部を議論すべきではなくて、その後のケアプランと一体化したものとして市民の方々の納得性、満足性を判断すべきものというふうに考えております。感覚的なものを数値化してその平均をとっておりますから、個別に当てはめれば当然ぶれが出てくるのは当たり前で、それを専門家による合議制によって修正するということが基本でございます。
 その次のページに、大阪府下の南の方の本当にごく平凡な、私ども正直言ってきちんとした審査がどれくらい行われるかちょっと心配しておったようなところでございますけれども、そこで実際にやられている最近の報告でございますが、非常にこの仕組みの意図をよく理解してきちんとした審査が行われていることをお示ししたいと思います。
 そこにございますのは、十一月中に行われた約二十回分の審査会の認定の結果でございます。合計三百六十八件、どんどん習熟してまいりまして、一件当たり約五分で審査を終えております。二次判定の結果でありますが、三百六十八件中、二次判定で変更のあった件数が七十七件、二〇・九%、大体全国平均よりは五%ぐらい高いように思います。その内容ですけれども、グレードが上がったのが九二%、グレードがダウンしたのが八%で、いずれも委員の方々の修正によって変更がなされたものです。
 ここでぜひ御注目願いたいのは、この委員は首長さんが任命いたします。報酬等を払うために特別職公務員として任命されますが、この委員から行政職は排除してあるということが非常に重要であると思います。原則として行政職を入れてはならない。
 つまり、この認定審査会の本質は市民委員会でございます。これは、東大名誉教授の金子先生という地方自治の権威の方も指摘しておられますが、市民委員会が市民委員会として市民自治の立場で判定を下したものを市町村長さんたちはそのまま何ら変更を加えずに追認しなければいけない、国際的に見ても極めて画期的な市民自治と行政処分行為というものを絡ませた新しい仕組みであると。そういう意味では、この市民委員会の専門家たちは極めて中立的な立場で公正な認定を行える立場が確保されているということだと思います。
 もちろん、基本的に利用者の立場に立って判定されるのでありますけれども、もし非常に無責任にグレードアップというような形でルーズな判定が積み重なりますと、それは財政の膨張を招いて三年後に保険料のアップという形で市民に財政負担をさらに要求する責任を担わなければいけないという意味で、これは非常にユニークなシステムですけれども、まさに先ほど岩川参考人がおっしゃったように、これは徹底した市民自治と地方分権の仕組みになっていると思います。
 その次のページでございますが、三ページ。
 いわゆる非該当、自立と判定された方についてもこのようにきちんと状態を調べて、実際これは面接に行かれて、従来どおりに何らかの援助が必要な場合には介護保険の給付外でも何らかの対応をしようというスタンスで現在検討しておられるわけです。決して、俗に言われているようなコンピューター判定による切り捨てというようなことにはなっておらないようで、この辺も大変安心しております。
 そもそも、一度、地方自治体が行政責任において社会サービスを上げますと約束した方に関して、介護保険という新しい制度の給付ができないからといって、一たん約束した行政責任が消えるわけはないので、何らかの代替サービスを提供するのが当然と考えます。
 四ページでございますが、この認定審査会で約四十回認定した結果を踏まえて、認定審査会としてはこういう問題点、要望をしたいと。
 これは非常に私も感心したんですけれども、要望先も調査員の方に対する要望、審査委員に関する要望、厚生省、大阪府、行政に対する要請。この中でずっと見ていただきますと、基本的に一次のソフトに関する重要なクレームというのはないようでございます。現在のところはむしろ調査員とかそういう方に対する注文が非常に多いということです。全体として、私も幾つかの大阪府下の市の審議会の委員をしておりますけれども、認定の仕組みに関して基本的な疑義は今のところ聞いておりません。むしろ、予想以上によくできているという評価を聞いております。
 それから五ページでございますが、これは大阪府下の人口四十万人のH市、それからその下が埼玉県の人口二十万人のT市でございます。それぞれ高齢化率一四%の町でありますが、そこでこれまでの措置制度でサービスを出していたものを介護保険に当てはめてみたと。
 その左の表の下のT市でまいりますが、ここの場合、これまでの制度でサービスを出している方五十人を取り上げて要介護の認定を当てはめてみたと。横軸にずっと自立から支援、要介護度Xと並んでおりますが、グラフの高さは現制度下で出されているサービスの金額でございます。横線は介護保険で提供される給付限度額のいわゆる全国最低基準、例えば要介護度Xですと三十五万で線を引いていますが、現行サービスの給付は介護保険で認められる金額にはるかに及ばないということがよくおわかりだと思います。
 それから、問題は、右の方に行くに従って要介護度が上がっているにもかかわらず、現行制度下ではサービスの給付量は上がっておりません。これは、恣意的な形で判断が出されている、同じ要介護度Wの中でも極めてばらつきが多い、現在の制度に客観的なものは何もないということをよくあらわしていると思います。
 上の方のH市、ここは数年前から在宅二十四時間ホームヘルプを出しておって非常に充実したサービスで有名でございますが、そこでも第一回の委員会では非常に高額の給付が出てまいりました。よく聞いてみると、配食サービスを全部ホームヘルパーがやって、そのホームヘルパーの稼働時間を全部介護時間にカウントして金銭換算が行われていた。現場の担当者の方に、そこは一遍ちょっと見直してよと。見直しを書きますと、右の表に、大体が平成九年モデルでちゃんと現在の給付で当てはまります。
 さらに、これはコンピューター判定のみですから、二次審査会で、この見直し案で右端の金額を超えている方はランクアップすることも可能ですし、要するにケアマネジメントをちゃんとした場合には、よく報道されていますような高額負担のケースも現行の介護保険の給付内で結構おさまるということがもう少し知られないといけない。
 このように、介護保険というのは要介護度とケアプランを一体化して考えていくべきものであるということを御承知いただきたいと思います。
 以上です。
○委員長(狩野安君) ありがとうございました。
 次に、喜多参考人にお願いいたします。喜多参考人。
○参考人(喜多洋三君) 全国市長会社会文教分科会委員長を務めております大阪府守口市長の喜多でございます。本日は、介護保険制度について率直な意見を申し上げさせていただきたいと存じます。
 介護保険法が成立してから約二年経過し、明年四月から施行することとなっておりますが、既に全市町村で十月から認定事務を開始するなど、一部は事実上スタートをいたしております。さらに、保険料など具体的な事項を早急に確定しなければならない段階に至っておるわけでありますが、このようなときに、特に制度の重要な部分について大きな変更が行われようとしております。しかも、このことについて保険者として重大な責任を負うこととされている市町村の意見は、事前には何ら聞かれることもありませんでした。そのため、このような経過について、全国市長会では極めて遺憾であるとの決議を行っております。
 そもそも都市自治体といたしましては、介護保険制度について、市町村が保険者になることは適当でないなどいろんな意見がございました。しかし、法律として成立いたしましたので、制度の円滑な施行のため、職員を督励して、住民の理解を得るよう何度も何度も会合を開くなどして説明し、またコンピューターシステムの設計など広範な準備を進めております。このような時期での大きな変更は、住民への説明や事務処理で大変大きな手戻りを生ずることになります。
 また、今回の特別対策の内容が、現段階では各市町村に十分伝わっていないということを申し上げておきたいと思います。ようやく厚生省は十一月二十九日に都道府県の担当課長会議を開催して説明をいたしました。しかし、これが現場の市町村に行き渡るにはなお時間を要するのでございます。厚生省のホームページにもその内容は掲載されておりません。全国市長会では、とりあえず配付資料を増刷して、本日、各都市に送付したところでありますが、各市では既に十二月議会の対応に追われておるわけであります。一刻も早い市町村への情報伝達、徹底した説明がぜひ必要であると思います。
 次に、特別対策の内容について意見を申し上げたいと思います。その詳細につきましては、十分に検討するいとまがございませんでしたので、当面重要と思われる事項に絞ってお話をさせていただきます。
 第一は、一号保険料の軽減分の交付金についてであります。
 全国市長会では、保険料を徴収しないことに伴う減収分の全額国庫負担を決議いたしております。今回の案では、全額国庫負担により基金を設置するための交付金を、各市町村には第一号保険料として徴収する必要がある費用の見込み額に応じて配分するとしております。そして、システム開発等分を含め、約七千七百五十億円が計上されておるわけであります。
 問題は、この額で現実に全額措置がされるのかどうかという点であります。各市町村とも保険料の計算は厚生省の定めたワークシートに基づきこれから行うのでありますが、私の守口市では、最近、大阪府からの指示に基づいて改めて試算しますと、介護報酬の額の引き上げなどにより、従来の試算よりも約一割高くなってきております。傾向として、試算をするたびに高額になっており、他の市町村においても同様であるとすれば、この七千七百五十億円で完全に補てんされるのかどうか不安でございます。厚生省は交付金が不足することがあっても精算しない方針とのことでありますが、確実に全額が補てんされるという保証が必要であります。
 第二は、特別対策に関連する事務費であります。
 今回の措置は準備事務への莫大な影響をもたらします。コンピューターシステムの組みかえ、市民の代表などと策定を進めてきました介護保険事業計画のやり直し、改めて理解と協力を得るための住民への説明のやり直し等、さまざまな多額の事務的経費がかかってまいります。
 補正予算案では、保険料の軽減等分七千七百五十億円の内数として保険料軽減のシステム開発等に要する経費を含めるとのことでありますが、詳細はわかっておりません。施行準備経費についても補助するとのことでありますが、これらの追加的な経費については国の負担において完全な措置を講じられたいのであります。また、今後、準備段階でのさまざまな実務的な問題が出てくると思いますので、国においては市町村、都道府県と十分な協議を行い、迅速かつ的確な対応をとっていただきたいと思います。
 第三は、低所得者利用者負担対策や家族介護慰労事業についてであります。
 まず、これらの対策に要する経費負担につきましては、国の責任において万全な措置を講じていただく必要があります。また、今回の対策は、法施行時のホームヘルプサービス利用者に限った激変緩和措置であったり、社会福祉法人が利用者負担を減免した場合に限った措置であったりしておりますので、これらの措置の対象とならない低所得者とのバランス論が市町村の現場では必ず出てまいります。市町村単独で、より包括的な低所得者対策を実施せよという声が高まると思います。しかし、もしこれを実施する場合の財源を一号保険料に求めれば、保険料の高額化を招いてしまいます。この点は今後大きな課題となってまいります。
 家族介護慰労金についても、実際にはその対象が極めて限定されており、従来の単独事業の見直し問題を多くの市町村が抱える中で、新たな論議が出てくると思われます。家族介護の問題についてはさらに十分論議を重ねるとのことでありますが、低所得者対策についても今後に向けて実情を踏まえた本格的な議論が必要になると考えます。
 第四は、国民健康保険事業への影響についてであります。
 今回の対策では、老人保健施設や訪問看護費用などが介護保険へ移行することにより医療費が減少すると見込まれておりますが、二号保険料の上乗せにより国保の保険料は増加することになります。国民健康保険は、従来から本来の制度にない繰り出し金として一般会計から多額の税を投入することによってやっと支えられているのが実情でありますが、加えて、昨今の経済の低迷によって失業者の流入が続いており、事業運営の困難が一層増しております。
 このような状況のもとでの二号保険料の徴収でありますので、実は介護保険そのものより国民健康保険の方が大変ではないかというのが多くの市町村長の本音であろうと考えております。医療保険制度の抜本改革が早急に必要ではありますが、いましばらく時間を必要とすれば、国保についての十分な対策が必要であります。
 今回の特別対策案において、収納率の低下を懸念する国民健康保険の保険者の実情を踏まえ、各医療保険者に対し給付金を支給するとのことでありますが、この措置が具体的に各保険者にどのような効果をもたらすのか、具体的な内容はいまだ明らかではありません。十分な措置であるかどうか大きな不安が残っております。早急に具体的内容を明示していただきたいと思います。
 第五に、国民への周知徹底であります。
 今回の特別対策をめぐる議論がなされ始めてから既に一カ月以上が経過いたしております。この間、我々市町村では、住民に対する説明をすることができず、種々の準備も停滞しております。また、改めて住民に対する理解と協力を求めなければなりません。こうした状況を十分御参酌いただき、国の責任において、あらゆる方法を活用し、特別対策の内容を国民に正確に伝えることが必要であります。そうしませんと、国民はいろいろに受けとめ、事実と異なる期待をし、そのため新たな混乱を生ずるおそれがあります。
 以上、今回の特別対策の経緯と内容について意見を申し上げましたが、ここで、より基本的な視点に立ち、介護保険制度の円滑な運営に向けての恒久対策について申し上げます。
 全国市長会は、これまで保険料負担の軽減等を中心に、数次にわたり要望をいたしております。その内容は、調整交付金を二五%の国庫負担とは別枠にしていただくこと、財政安定化基金の財源は国と都道府県の負担とすること、低所得者対策として保険料減免財源を確保すること、サービス利用時の負担を無理のないものとすることなどであります。
 また、私といたしましては、施設サービスの費用が住宅サービスを上回る部分に対し保険とは別枠の措置をすることも、保険料の地域格差是正や負担軽減に有効ではないかと幾度か提案させていただいております。
 私は、まずこれらの措置の実現を図っていただきたいと考えるのでありますが、基本的な問題として最も強く申し上げたい点は、一時的な施策ではなく恒久的な対策をとるべきであるという点であります。
 昨年来、市町村は住民に対して制度への理解と協力を求めて説明を重ねております。負担が増加することや制度が公平なものとなるかなど不満や疑問も表明されますが、正面から高齢少子化、介護需要の増大等を説明し、制度の必要性を訴える中で、住民からは、施行後の一時的な負担軽減というよりも、むしろ無理のない負担、公平な制度運用、サービス基盤の確保といった基本的な事柄が最も大きな関心事となっております。
 住民と向かい合っている市町村の立場からは、今後十年で二・五倍になると言われる介護費用について、これを賄うことになります保険料の恒久的な軽減策や、いまだ大きく不足するサービス基盤整備などの問題があります。引き続く明年度予算に当たりましては、このような観点のもとに、ただいま申し上げました調整交付金の別枠化や基本となる公費負担の的確な措置などについて十分御検討いただき、万全の措置を講じていただきたいと思います。
 以上、種々意見を申し述べましたが、私たち事業を預かる者が最も恐れるのは国民の不信感であります。これから数十年、世界でも類を見ない高齢化社会をいかに支えていくかという重い課題を目の前にして、制度を円滑に運営していくためには、国民の理解、協力、信頼が大切であります。私どもは労はいといません。しかし、介護保険は国が定めた制度であり、詳細な運営方法まで国が定めております。国におかれては、来年四月、国民の信頼のもとにスタートを切ることができるよう、制度を創設した立場としての責任のもとに万全の措置を講じていただきたい、このことを申し上げて私の発言とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(狩野安君) ありがとうございました。
 次に、土肥参考人にお願いいたします。土肥参考人。
○参考人(土肥徳秀君) 今まで三人の参考人の方々がいろいろお話しされましたので、私の方は要介護認定、一次判定の問題につきまして具体的に問題点を指摘させていただきまして、意見を述べさせていただきます。
 私の考えでは、今回の介護保険におきましては、財源の確保と資源の整備、それから公平平等な要介護認定というのは必須の条件だというふうに考えております。
 それでは、お手元に資料がございますので、ごらんいただきたいと思います。A4三枚のものでございますが、要介護認定の一次判定で起きる現象につきまして具体的にお話ししたいと思います。
 ここにA、B、Cというふうに縦に並べてありますが、これは具体的な状態をあらわすデータと介護時間と一次判定におきます要介護度、それを表にしたものでございます。表の調査項目、ここでは両足での立位から毎日の日課まで九つございますが、これ以外はすべて自立あるいは問題なしというケースでございます。
 なお、Bは要介護認定、二次判定で参照資料として設定されております状態像の例の例支―6でございます。要支援の六番目のケースでございます。二次判定につきましては、認定審査会におきましては、状態像の例、六十例の中から最も類似した事例を選択し、それを必ず記載することになっております。そういう意味で非常に重要な例でございます。
 まず、Aをごらんいただきたいと思います。両足での立位ができる、歩行はつかまれば可、立ち上がりはつかまれば可、片足での立位は支えが必要、入浴時に自分の体を洗うことでございますが一部介助が必要、居室の掃除は一部介助、金銭管理は一部介助、聴力はやっと聞こえる、毎日の日課を理解はできるというふうにそれほど専門的ではない項目、九項目はこういう状態でございます。
 この方は、下の直接生活介助から医療関連行為までこのような介護時間になっておりまして、合計三十二分。三十分以上五十分未満。そして、四つ以上の項目が自立でない、見守りや一部介助あるいは問題があるということでございますと、要介護Tというふうになります。
 ところで、この中で一番上の項目でございますが、両足での立位を、支えがなくてもできるという状態が支えが必要になったらどうなるかということでございますが、こうなりますと一次判定では機能訓練関連行為九分が二分、七分減少いたします。それ以外の介護時間につきましては変化はございません。二十五分以上、そして四つ以上の項目が自立以外ですと要支援というふうになります。
 ところで、このようなことがどうして起きるかということを下の図を用いて御説明します。
 Aの場合でございますが、機能訓練関連行為という樹形図がございます。一次判定は九つの樹形図をたどっていきまして、その一番下に書いてある数字、それは介護時間になりますが、これを足すことによって決められております。両足での立位ができるとなりますと、右へ行きまして、その下は歩行という、歩行能力を問う項目になっておりますが、これが支えが必要、要するにつかまって歩く、つえとか手すりとかですね、そういう方は九分というふうになっております。
 Bの場合でございますが、両足での立位が支えが必要となりますと、左側へ分かれまして二分というような介護時間になっております。このように、九分が二分に減少するということで七分減って、状態が重くなるのに要介護Tが要支援になるということでございます。
 これにつきましては、五月ごろから新聞紙上あるいは厚生省の準備室等に直接間接にいろいろ情報を入れてございます。その後の御返事も、問題があるとは認識されていないということでございますが、そういう状態であります。
 次に、BからCに変化したとします。Bの中で居室の掃除が一部介助、これがCになりますと全介助になる、要するに自立度が下がるわけでございます。それから毎日の日課を理解ができる、これができない。例えば在宅の高齢者の方ですと、ホームヘルパーさんが週二日なり三日なりいらっしゃってお世話なさる曜日を覚えていない、理解できていないというふうな状態でございますが、そうなりますと介護時間はトータル二分減りまして、これは医療関連行為というところが五分から三分に減少しまして、要支援から自立になります。こうした説明のつかない逆転、これはいかようにも説明がつきません。そのほかに理不尽な互い違いというものがございます。
 その例を二ページ目で御説明いたします。
 さらに、逆転や互い違いが実はこれだけ特殊だという、ここだけ起こるわけでございませんで、随所に発生しております。
 例えば二ページ目に、字がかなり小さいのでございますが、これは厚生省が配付している資料そのままのサイズでございますけれども、樹形図で四親等以内で十八カ所発見されております。この十八カ所に含まれない逆転の例を下の方で御説明します。
 実は七親等、八親等、十親等の逆転も報告されております。先ほどの両足での立位は三親等の逆転というふうに私は定義しておりますが、上図にも七親等の逆転があります。ピンクのマーカーでマークしてあるところをごらんいただきたいと思います。左の方の三段目に「上衣の着脱」というのがございます。これは、見守りが必要ということでございますと介護時間は八分になります。ところが、これが一部介助というふうになりますと、左側のところに「上衣の着脱」、自立、一部介助、全介助というふうに、上衣の着脱の自立度の順位は自立、見守りが必要、一部介助、全介助でございますが、左側が一番目と三番目と四番目、右側が二番目というふうになっております。これが理不尽な互い違いと私が呼んでいるものでございます。
 そうしますと、一部介助ということになりますと、その下の「移動」というふうになっていきまして、その他はすべて自立しているというふうにいたしますと、一番下へ行きますと、3というところにピンクの丸がしてございますが、介護時間が三分に減少するわけです。要するに五分減るわけです。
 例えば、上の見守りが必要という状態を使いますと、これはこれだけで、すべて自立で実は二十五分でございますから、ここで五分ふえて計三十分になります。合計四つ以上の項目が一部介助、見守りあるいは問題があるというふうになればよろしいことでございますので、歯磨きのときに歯ブラシをもらって、それからつめ切りのときに十本全部自分でつめを切っても、つめ切りをもらえば一部介助になるという定義になっております。洗顔時にそでやすそをぬらしたのを介護者の方がぬれていますよと注意しただけで一部介助と、これは認定調査要項という厚生省の文書に記載してございます。それでもって四項目以上が一部介助あるいは見守りということになりますので、この方は要介護Tになります。
 ところが、先ほどの左の三分でいく方の上衣の着脱の一部介助はどのような定義になっておりますかといいいますと、上着を着せるときにちょっと手で持ってあげるということになりますと一部介助。ですから、まさにパンドラの箱、浦島太郎ではありませんが、触ると転落するわけです。一部介助が要支援等に転落したりするというふうな現象が起きております。
 二ページ目の一番下のところをごらんください。
 状態を軽くして要介護度が上がり、重くして下がる。しかも、厚生省自体も把握していない数親等以上にも及ぶ逆転が随所に発生します。現在、発見されているところでは、九つの樹形図を合わせまして少なくとも八十カ所以上報告されております。
 調査項目のチェックは、調査員によって一人当たり数項目も異なるという非常に迷う項目がございます。すると、状態が軽くて要介護度が上になるように項目をチェックするという行動を皆さんおとりになる傾向があります。こうして、一次判定は状態を軽くしてモラルの低下を引き起こすという意味では前代未聞のモラリティーの低下というふうに言われております。
 三ページをごらんください。
 このような現象が起こる原因の一つは、樹形図をつくる際の初歩的なミスでございます。特に入浴の樹形図が問題ありとされておりますが、入浴の樹形図の最初の枝分かれ、これは左と右というふうにまず上で分かれるわけでございますが、その介護時間の分布がこのようなヒストグラム、いわゆる分布になっております。
 すなわち、三千四百三人のタイムスタディー のうち四割の方がゼロ分だったものをそのまま入れたために、下に富士山のような曲線が書いてございますが、コンピューターのソフトの方は、解析用の道具としてはこのように認識してしまいまして、分けてつくってしまったわけです。したがいまして、入浴の樹形図はすべて意味のないものというふうになっております。
 これ以外にも、機能訓練関連行為、それから医療関連行為、そういった樹形図もほとんど意味がないというふうになっております。
 この問題につきましては、厚生省もやっと認識し始めたようです。せんだって、二十九日の全国課長会議におきまして、先ほどの機能訓練関連行為の樹形図では状態が軽い人が介護時間が長くなるということがあるので留意されたいという文書を出しております。実はほかの樹形図でもすべてそういうことがございますが、それについてはまだ文書を出していらっしゃいません。
 ちょっと時間がオーバーいたしましたが、このことは何を引き起こすかと申しますと、せんだって、十一月十五日に十月末までの要介護度認定結果の統計が発表されました。まだ予測される〇・三%という段階でございますが、これを統計的に検討しました結果、九月の平成十二年度老人保健福祉関係予算概算要求、これでもって在宅の高齢者の要支援から要介護Xまでの比率が出ておりますが、これと全く乖離しております。既に進捗状況は十数%とお聞きしております。十二月中旬あたりにさらに数万人レベルの統計が報告されると思いますが、そのときにはっきりいたすと考えております。
 ありがとうございました。
○委員長(狩野安君) ありがとうございました。
 次に、山本参考人にお願いいたします。山本参考人。
○参考人(山本文男君) 私は、介護保険制度については特別対策の件と恒久対策、それから実施上の課題について御意見を申し上げたいと思います。
 まず最初に、私も保険者、すなわち町村側として今日まで来年四月一日の実施に向けて準備を進めてまいりまして、既に十月一日から先ほどからお話がありますような認定事務に入っております。
 私のところについて話しますと、三万四、五千ぐらいの要介護者がいるだろう、こう予測をしておりますが、その中で今約三分の一ぐらいの調査も終了して、さらにその後三分の一ぐらいが判定事務が終わっているという状況でございます。判定の段階で特別に支障になるようなことはまだ報告を受けておりませんけれども、もろもろの小さな問題点が出てくるかもしれません。しかし、いずれにしましてもある意味では準備を完了しているというところまで行っておりますので、今基本になるようなことを変更しますと、我々現場の町村としては大混乱を起こすことは間違いありません。
 今一番困っておりますのは、特別対策で保険料を一体幾らに制定すればいいのかというのでかなり苦渋をしておるんですが、御存じのように賦課準備というのがございまして、保険料を決めますと少なくとも三カ月ぐらいの準備期間が必要となります。したがって、四月一日から保険料を徴収するということになれば、今月かもしくは一月までぐらいに保険料を制定する条例を決めなければなりません。現在時点では少し無理なような感じがいたします。特別対策を行われることになりますけれども、いずれにしても保険料を決めないと特別対策での基金の授受ができなくなりますので少し時間おくれの感がある、こういうところでございます。
 ですから、保険料だとか認定だとかサービスだとか基本になっておるようなところを変更するということになりますと、我々保険者側の準備ができないということになりますので、ぜひその点についてはあらかじめ御了承いただきますようお願い申し上げたいと思います。
 さて、この特別対策ですけれども、今のところ政府の方で大筋で決められておるようでございます。私どもは最初からこの特別対策には賛成をしておりません。今でもしておりません。それはなぜかと申し上げますと、我々は二年有余をかけて準備を進めてきておりますので、今それを変更するということになりますと、被保険者の皆さんたちにある意味では動揺を与えることになるわけでございます。
 ところが、被保険者の方々は、保険料を徴収しないということになりますと、だれも個人的な利害が伴ってきますから喜ぶだろうと思いますけれども、その後が大変なんです。ゼロ、二分の一の時間が過ぎて、さて本格的に保険料を徴収するということになりますと、いろんなものが出てくるだろうと予測されます。例えば、市町村長が努力をしてもう少しこれが下がるように国側に要望したらどうだ、国だって初めはゼロにしたじゃないか、こういうことを言われる理由をつくることになると思います。これが私どもとしては大変重荷になっておりますので、できればこの特別対策についてはやらない方がいいんではないか、こういうふうに今でも思っております。
 せっかく国側は、市町村が運営がしやすいように、住民の皆さんたちの軽減を図るためという、言うなら温情的な措置でございますので、やるならばこの特別交付金の基金についてはできるだけフリーハンドにすべきである、こういうふうに申し上げてきているところでございます。この点についてはまずぜひひとつ御了解を願いたいと思います。
 この特別対策をやるのは反対というのは、一号保険というのは保険者の専管事項であって、他の人がどうだこうだと言うべき事柄ではないと私は思います。法で定めてありますから、したがって保険者の専管事項を他の人がどうだこうだと言うのは言うならば侵害することになる、こういう意味でございます。しかしながら、それをうまくやるためには基金はできるだけフリーハンドにすべきである、これが国側も保険者側もそれぞれの立場を尊重するという考え方である、こういう意味でございます。
 それからその次でございますけれども、保険料対策だけやればいいというものではございません。保険者というのは準備のためにかなりの経費を必要としてまいりました。ですから、私は少なくともこの立ち上がり資金を特別に交付すべきである、そういうふうに申し上げてきておるところでございまして、この立ち上がり資金は少なくとも一千億ぐらいを交付しなければ、保険者側としては、百億ぐらいですと平均すると三百万ですから一人の人件費にも満たないということになります。
 そういうことを考えていきますと、三千万程度の立ち上がり資金を交付することこそ大事である。なぜならば、事務費の補助が認定事務の二分の一だけ補助をするということになっておりますから、その他の事務経費については一切自弁でございます。もちろん、人件費については交付税で見るといいますけれども、これは全部の地方の自治団体が実施するわけで、国税のたらい回しみたいな格好になるわけですから、特別枠が出てきて、そして人件費を交付税に算入するということであるなら別でございますけれども、どうやらその点についても少し不安がないとは言えません。
 したがって、さっき申し上げたような立ち上がり資金を考えるべきである、これが特別対策である、こういうふうに思っておるところでございます。
 その次に、恒久対策なんですけれども、これは先ほど市長会からも話が出ておりましたように、財政調整交付金は当然外枠として別個に設定することが必要である、こういうふうに申し上げてきております。
 その次に、法で定めております財政安定化基金というのがございますが、これを支援するのは一号保険の徴収などが不十分になったときに、言いかえると財源不足が起こったときに貸し付けと助成をしようというのがこの財政安定化基金でございます。だから、その資金を提供するものは交付する方の側に立つべきでありますから、受ける方がこの基金の資金負担をするというのは不合理じゃないか、こういうふうに思いますので、財政安定化基金については当分の間凍結をして、別途に保険者に対して何らかの財政支援をすべきであるというふうに思っておるところでございます。
 それから次は、低所得者対策ですけれども、これは先ほど話がございましたので省略しますが、介護保険で最も大事なのは低所得者対策です。ですから、これをきちんとやることが必要じゃないかと思っております。
 次は、事務費でございますけれども、さっき申し上げたように二分の一の助成なんですけれども、実質上現在時点で予定をされておりますのは四分の一ぐらい。今度一生懸命に努力をしていただいて、二分の一の約八〇%ぐらいにはできるのではないかと言われておりますけれども、事務費は約束どおりに二分の一の助成をしていただくようお願い申し上げたいと思います。
 それから、さっきお話がございましたように、いろいろ変更になりますものですから、国保の徴収の上に上積みする二号保険もございますが、一号も同じですけれども、これのソフトが変わってしまいます。それで、それの改修をしなきゃなりませんが、これらについての費用も当然負担をしていただくようお願い申し上げたいということでございます。
 さらにもう一つは、実施上の課題でございますけれども、ホームヘルパーのヘルプについてまだまだ甘い見方をしているんじゃないか。だから、七千七百五十億円についても、実際に七千七百五十億円がゼロ、二分の一に充当するだけの金額なのかというのは少し疑問がございます。
 それはなぜかといいますと、厚生省が示しております保険料の額というのは各県から持ち上がってきたところの額の平均値を出したものであると言われております。ところが、各県から出されております価格が正確にとられているかということについては、いささか疑問が私はあると思います。
 例えば一つの例を挙げますと、ホームヘルプ事業というのは二十四時間やらなきゃなりません。現在我々が体験をしておりますのは八時半から五時までなんです。だから、八時半から五時までの間で、しかも休憩時間や通勤時間などを加えてありますから、したがって実質的にホームヘルプ事業を行っている時間というのは三、四時間しかない。それが頭の中に先入観念としてありますから、これからのホームヘルパーの数は大体これぐらいでいいだろうという推定をしていると思います。
 ところが、これから本格的な介護が始まりますと二十四時間やらなきゃいけない。早朝と深夜が起こります。早朝と深夜になりますと、通常考えております介護費用の三倍もしくは場所によっては五倍必要になってくるということでございます。それらが計算されて保険料の平均値を出されているかどうかについては、よその県は存じませんけれども、私は少し疑問がある。したがって、七千七百五十億というのは基礎がそういうふうに少し違っているから、完全にゼロ%、二分の一に充当することが可能かどうかということでございます。ですから、この二十四時間体制について十分配慮をする必要があるということでございます。
 しかも、ヘルプ事業に民間参入ができるようになっておりますから、このためのマニュアルを国が示すべきではないでしょうか。民間の業者に対してこうやらなきゃいけませんよというマニュアルをつくることが必要であると思います。
 それからもう一つは、療養型病床群で医療と介護の比率が、厚生省が示しているのは少し無理があります。だから、私どもは大体六対四、医療が六、介護が四、六対四でいくべきであると。中には七対三だと言う方もおられますけれども、言うなら最高として六対四の比率で療養型病床群というのは面倒を見ていくべきであるというふうに思っているところでございます。
 最後になりますけれども、これだけはお聞き願いたいんですが、家族介護の慰労金です。
 これは該当が極めて少ないと思いますけれども、私に申し上げさせていただくならば、将来の家族介護の大きな火種になるということでございます。したがって、当初は制度外で設けるということにしておりますが、この制度外が制度の中に入ってきて、しかもだんだん家族介護が、重点的に在宅介護が行われていくということになりますと、基礎から介護制度が壊れていく可能性がございます。ですから、ここのあたりについては十分考える必要がある。
 基準を決められておりますけれども、それをごらんになってもおわかりのように、そもそも重度の人たちがある期間介護を受けない、しかも低所得者の人たちに対して慰労金を上げるということは到底考えられないことでございます。しかし、この制度を設けるということは何らかの意図があるような感じもしないではございません。これが将来の火種になってだんだん拡大していき、制度内に入ってきて、家族介護を無資格で、家族ならばどなたが介護してもよろしい、そしてしかも介護費用はこれぐらいだというもののもとづくりをするような感じがします。ここらあたりについては十分ひとつお考えをいただいて、国側としてこれは未来永劫に制度外で、こういう方法で実施していくんだということだけはお守りいただくようお願い申し上げたいと思います。
 そのほかもろもろございますけれども、そういうような特別対策、恒久対策、それから実施上の課題、こういうことをまとめてお願い申し上げました。よろしくお願いいたします。
 終わります。
○委員長(狩野安君) ありがとうございました。
 次に、浅野参考人にお願いいたします。浅野参考人。
○参考人(浅野史郎君) 宮城県知事の浅野史郎でございます。おくれて参りまして申しわけございません。
 私は、今回の特別対策の問題点ということについてのみお話をしたいと思います。今回の特別対策が出た動機なり、それからこういうことをやろうとしたということについては論じないことにします。これは甲論乙駁あるんですが、それなりの理由があるわけですから。タイミングの問題ももちろんございます、こんな時期にというのもありますが、それも論じません。私が論ずるのは二点、そして今この時点においてまだこれなら間に合うということを一点つけ加えさせていただきたいと思います。
 まず一点目は、これだけの見直しを法律改正というまともな手段をとらないでやるということの問題点は極めて大きいと思います。これは、介護保険という問題だけではなくて、大げさに言えば、我が国は法治国家であって、見直しといいますけれども、こんな根幹的なことを堂々と法律改正をこの国会の場においてやらずに別な形でやるということの大きな問題点は、後々禍根を残すと思います。その点をぜひ強調させていただきたいと思います。
 私も保険料を半年間徴収しないということの根拠規定は一体何かとずっと探し求めてまいりましたが、先日の厚生省からの御説明によると、介護保険法施行法の十六条三項だと。じっと読んでみましたけれども、読めないことはないという感じであります。しかし、この施行法の十六条三項をつくったときの立法者は、このような形で徴収しないということを想定してつくったとは到底思えません。つまり、相当無理な解釈をしているわけです。いろんな混乱というのも、これに限らず、本来法律改正でやるべきものを別な形でやったことによってもたらされているというふうに思います。
 いわば、ボクシングで言うと、三分間の正規の十五ラウンドが終わって判定が出た後に、いや、気に入らないということで場外で審判団がいろいろ話をして、こういう判定でもいいんじゃないかというふうにやっているように思えないことはない。やはり、ラウンドで勝負がついたものはもう一回リターンマッチで堂々とリングでやるべきだ、ちょっとわかりにくい比喩ですけれども、そんなふうにも思います。その意味で極めて無理をしています、今回の見直しは。
 しかも、どうも保険方式か税方式かという根幹中の根幹にわたるものも、あわよくば税方式というようなことを、こんな大事なことを法律改正という手段もとらずにやると思っているのではないかというようなおそれもあって、これは大変に大きな議論です。
 そういう意味で、今回は法律改正という手段をとらなかったという、その手段の問題としても大いに問題であるということを最初に御指摘したいと思います。
 二番目の問題は、地方自治に対する侵害であるという観点です。
 きょうも多分いろいろ出たと思いますけれども、介護保険の事務というのは市町村の自治事務です。私もみずから宮城県内では一生懸命介護保険の内容について説明に行脚いたしました。いろんなところで強調したことは、宮城県も七十一の市町村がありますけれども、この制度は国の制度と思ったら間違いですよ、法律をつくったのは国だけれども、国の制度ではありません、県の制度でもありません、七十一の市町村それぞれの制度です、それが証拠に保険料も自分たちで決めるんです、隣の町とこっちの町とでは保険料額が大いに違ってくるということもあり得る、それだけの覚悟を持ってやらなくちゃいけないんですということを言ってきました。自治事務です。上乗せ・横出しのための保険料を取ってもよろしい。もちろん、保険料額というものもまちまちになるということは想定済みです。地方分権ということを実あらしめるためのこれは練習問題ではなくて本番だと言ったんですが、これは記念事業の第一号です。
 そういった事業を我々はいろんな意味で、期待と不安といろんな思いでやっていこうと思った中で特別対策、いわゆる見直しというのがされました。そして、そこで言われたことは、私は動機は最初は少しはいいかなと思いました。つまり、このまま実施をしたら中には保険料を徴収するのが大変困難な市町村もごくわずか出てくるでしょう、離島を抱えていて、その離島にはヘルパーさんゼロ、そういうところで始まっても保険料を取りにくいでしょうと。わからないことはない、まあまあというふうに聞いていたんです。しかし、出てきたものは、保険料を徴収しなくてもいいよどころの話ではなくて、とりようによっては保険料を徴収する市町村は一切許さないというふうにしかとり得ない内容です。
 本来、介護保険法は、来年の四月から保険料をちゃんと取るというのが法律の予定している大原則です。それを例外として取らなくてもいいよというふうに言ったのかと思ったら、例外と原則が逆転をして、そして新しくできた原則、つまり保険料を取らないというものの例外は一切認めないというような、制度上は違いますよ、ただ補正予算の使われ方というものの今までのところの私の理解では、こんなときに保険料を徴収するお人よしの市町村が出るとは決して思えないとなると、実質的には保険料徴収ということをさせないというふうに全体としては理解できるわけです。
 これは、介護保険という制度の根幹である保険料徴収という、まさに自治事務であるこの内容の実質的な侵害以外の何物でもありません。この特別対策というものをつくった人は、ひょっとして介護保険という事務を今までどおりの機関委任事務と思ったんじゃないでしょうか。
 忘れてはならないのは、ことし我々は日本の歴史上画期的な地方分権推進一括法というものの成立を見たわけです。機関委任事務が廃止され、自治事務と法定受託事務に分かれ、そして公的介護保険の事務は自治事務というふうに位置づけられたわけです。その第一号の記念すべきこの事業で、保険料徴収というのは今言ったような形でねじ曲げられ、しかも私が一番気になるのは、右向け右で三千二百五十が全部右を向くと予定しているということなんです。それが当たり前だというふうに思われていることが、地方自治を守る観点から到底容認することはできないというふうに思っております。
 ここでこういったようなことになると、我々がずっと地方分権ということを言い続けてきたことが最初にしてとんざをしてしまう。宮城県知事は、これは市町村の事務なのに余計なことを言うな、市町村に任せておけばいいというふうに言われるかもしれませんが、これは知事という立場からも、分権を進めるという立場からも、今回の特別対策の中に潜むというか分権に対する逆コースという流れ、これを認めるわけにいかないというふうに思っております。
 そこまでは議論ですが、事ここまで来てしまいました。だとすると、まだ戻りようがあると私は思っております。それはきょうも出たと思いますが、補正予算の内容の臨時特例交付金を保険料を徴収するところにも認めるということで、その使途についてはサービス基盤の整備など介護保険の実施という枠組みの中であればどのように使ってもいいというふうにする、そういったような予算の使い方にすれば、むしろこれは考えようによってはより賢い措置かもしれません。保険料徴収という根幹的なことを最初の半年やるかやらないかという裁量の余地をそれぞれの市町村にゆだねる、議会でも条例をつくるときに審議をしてくださいということ、そういったことでむしろその中でもう一回住民も鍛えられるのではないだろうかというふうに思っております。私は、これは災いを転じて福とする余地がわずかに残っておるというふうに思っておりますので、それを今この場ではぜひ御要望をさせていただきたいというふうに思います。
 もう時間ですから、これで私の陳述を終わります。
○委員長(狩野安君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田浦直君 六人の参考人の皆様には、大変日程のお忙しい中をやりくりしていただいて来られたということを聞いております。きょうは本当に貴重な御意見を聞かせていただきまして、厚くお礼を申し上げたいと思っております。
 短い時間ですので、いろいろお尋ねしたいし、また首長の方が四人もおられますので、それぞれの方からいろんな御意見を聞きたいんですが、その時間がないわけでございます。この介護保険はあくまでも地方自治体、市町村が主体で運営するわけでございますから、今、話が出ておりましたように、緊急対策一つとっても市町村とよく打ち合わせをしながら、十分に話をしながらやるということが大変大事なことではないかと。私も同感でございます。そういう意味では、今回の対策は少し問題点があったんではないかということを私からも率直に申し上げさせていただきたいと思います。
 私は、きょうは短い時間ですので、それでできるお話を聞かせてもらおうと思うんです。私も医師でございますから、ちょっと技術的なことになりますけれども、土肥先生に介護保険のお尋ねをしたいと思うんです。
 先生の御意見はいろいろ拝見しておりますが、この一次判定にコンピューターを使っておるわけです。フローチャートを見ても非常に初歩的なミスがあるというようなお話が今あったわけですが、コンピューターを一次判定に使うのは非常に問題だという御意見なのかどうか、あるいは今のコンピューターを一部手直しすべきだ、そうであればそれでできるという御意見なのか、また自分はこういう方法がいいんだというふうな御意見がもしあったら、まずそれからお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(土肥徳秀君) ただいまの御質問でございますが、もともとこれは一分間タイムスタディーという調査研究を行いまして、そのデータを使ってつくられたものでございます。この調査研究は、本来どういうお年寄りの方がどういう介護をどの程度受けていらっしゃるかということを調べるために行いました。一分間ずつ非常に苦労されて、百二十五万分分、三千四百三人の方について集めていただいたわけです。
 これは、例えば入浴、排泄、食事、移動という基本的な介護につきまして、介護の手順を類型化して、それぞれの手順のパターンができますが、それがどの程度の時間の分布になるかということが出せるわけです。その上で、御本人の状態を調べておりますので、どういうお年寄りがどのパターンになる可能性が大きいのか、要するに天気予報のように曇り後晴れとか雨だとかというふうに、何%ずつの可能性でどのパターンになるかということが出るわけでございます。
 したがいまして、それを認定審査会に提出されれば、環境とか家族介護者あるいは介護力の問題等が入っておりませんので、それを加味して総合的に人間の知恵で、しかも各コミュニティーによりまして事情が違いますので、そうした資源の状況も勘案して要介護度を決定していくというふうに、まさに第三の分権化の時代に合った地域あるいは住民主体のそうした判断ができるのではないかというふうに考えております。
 何と申しましても、時間ということは、料理に例えれば、すばらしい食材が全国各地から各種集められたわけです。魚を三枚におろさずに、ひれも取らず、うろこも取らず、そのままミンチにかけて出してしまったと。刺身に切り分けてきれいに盛りつけすれば非常に判断しやすいのに、そうしてしまったというのが問題でございます。
 とにかく、規格分類というのは天気図に例えられます。何ヘクトパスカルの等圧線が走っている、こちらとこちらで天気が違うというようなことでございまして、これはある分類学の大家が、愚かなことである、愚の骨頂であるというふうに言っております。したがいまして、コンピューターによるそうしたものは、認定審査会の非常に総合的な知恵のある判断、判定、認定を支援するということは可能であると思っております。
 以上です。
○田浦直君 そうすると、一次判定をコンピューターでするということ自身には問題はないということなんですか。
○参考人(土肥徳秀君) 実は、今回のシステムはどのようになっているかといいますと、さまざまな資料を参照にはするんですが、最終的には要介護状態区分の変更等の際に勘案しない事項についてというのがございまして、一次判定の結果をどのような情報に基づいて変更していくか、あるいは変更してはいけないのかというふうな文章が出ております。
 ただ、これにつきましては非常に各地で抵抗がございまして、先ほど岡本参考人がおっしゃったように、いろいろ地域において工夫はされておりますが、実際は変更するかしないかということで進みますので、八十数%は一次判定の結果そのままになっておるわけです。先ほどちょっと申し上げませんでしたけれども、実際の三千四百三人のデータに戻してみましたら、三割の方が損をしている、三割の方々が大体合っている、四割の方が実は得をしてしまっているわけでございます。要するに多目に出てしまっている。ですから、そういうような非常に能力が低いものを使っては判定は極めて困難といいますか、不適切、不適当な判定結果になるのではないかと思います。
 結論から申しますと、判定というよりは、そうした判定作業、人間の知恵を支援するシステム、そうしたものにすべきだというふうに考えております。
 以上です。
○田浦直君 一次判定というのは、これはどうしても大量に数が出るし、あるいは地域によって余りバランスが崩れるとまたそれなりの問題が起こってくるということで、コンピューターを使って処理されているのじゃないかと私は思うんですが、その場合にコンピューターに信頼性がないということをおっしゃられると、これはもう介護の判定自身がおかしくなるんじゃないか。
 私はコンピューターはあってもいいのじゃないかと思うんですが、先生の立場からいうと、それをしないで直接二次判定みたいなものから入った方がいいというふうな感じですか。
○参考人(土肥徳秀君) 私もコンピューター大好き人間でございまして、ずっと三十年ほど、もうマイコン時代からつき合っておりますけれども、コンピューターそのものは特に問題はございません。人間の言ったとおりに動きます、もちろん故障すればいけませんけれども。ですから、最近のY2K問題も人の目で見てそれを修正しているという実態をごらんいただいてもわかると思います。したがいまして、そこに組み込まれたソフト、これは人がつくるものでございまして、そこに問題があるわけでございます。その能力が今回の一次判定のものは極めて低いということでございます。
○田浦直君 そうすると、コンピューターそのものは使ってもいいんだ、ただソフトがうまく機能していないのじゃないかという御意見だと思うんです。
 その場合に、確かにそれは恐らく一〇〇%うまくはできないだろうと思うんですが、例えば一部、例えば地方なら地方、問題行動なら問題行動、そこら辺を手直しされれば十分に今の厚生省がつくっているものも使えるのかどうか。その辺の御判断は、先生はどうお考えになられますか。
○参考人(土肥徳秀君) 実は、私の今の職務は地方自治体の管理職でございます。いたずらに混乱させたくございません。円滑に進めたいと思いましていろいろ考えました。これはなるべく早く、言ってみれば問題が大きくならないうち、最大の問題と申しますのは、変に得をしてしまっている方が四割もいて、実際、要介護W、Xの比率が高く出る。七千人段階のものでは既に概算要求の比率の倍以上になっておりますが、やはりそういうことがより拡大する以前に、一カ月ほどかければ修正といいますか、きちっとしたものがつくれるというふうに考えますので、一部手直しではなくて、全面的につくりかえれば四月スタートに私は間に合うというふうに考えております。
○田浦直君 どうもありがとうございました。
 それでは、浅野参考人にちょっとお尋ねをしたいと思うんですが、確かにおっしゃられるような問題がたくさん今度出ていると思うんですね、この緊急対策で。知事がおっしゃられた、法改正をしないのはおかしいんじゃないかとか、あるいは地方自治の侵害をしているんじゃないかというお考えは私も理解できるところがあるんです。
 だけれども、緊急対策を推し進めていく、今推し進めていっているわけです。それについてはどうなんですか。それを考えた上でのことと思ってお答えいただきたいんですが。
○参考人(浅野史郎君) 事がもうここまで来てしまいましたから、先ほど申し上げましたように、おぜんをひっくり返そうとは思いません。今、地方自治体、宮城県内の七十一の市町村も何とかこの制度を来年の四月から円滑に実施したいという思いでいっぱいです。
 ただ、その中で、やはり妥協できないというか、保険料を徴収するかしないかを決めるのは市町村だという、少なくともその形だけは確保しておきたい。結果的に徴収しないというところが大半になるかもしれません。それはこれからの推移ですけれども。
 したがって、私が今この段階でぜひにと申し上げておりますのは、今出されております補正予算案の中の介護保険の対策の分、具体的には臨時特例交付金七千七百五十億円の部分ですね。これは、保険料の徴収をしないという市町村にのみ出されるということなんですが、私にはその本当の理由はよくわかりません、どうしてそれだけに限るのかということについて。
 保険料徴収、もうテンパイしている、いつでも徴収できますというところがむしろ多かったわけです。そういうところは、いざ出かけようと思ったら、徴収しなくていいよ、しないところには金を出すよと言ったときに、むざむざとというか、損を承知で徴収するはずはないというふうに仕組んだのは一体何だという部分があるわけです。
 したがって、私はこれをここまで認めて、そして保険料を徴収するとあえてこの段階でも原則に戻って決断をする、そういうふうに実行する市町村にも臨時特例交付金が同額使えるような道を開いてもらえばいいと。これは、補正予算をがらがら変えることはないんですね、使途だけの問題ですから。そうすれば、大原則に戻って、本当は徴収するしないの自由を与えるというのもいかがかと思いながらも、事ここに至ったということですから。しかし、半年間徴収するもよし、しないもよしというのをちゃんとお金の裏打ちをつけてやれるようになるわけですね。
 したがって、私は、事ここに至ったということを十分に踏まえて、今できることは、補正予算の組み替えとまで言うのかわかりません、使途を少し広げると。交付要綱というのをつくりますね、臨時特例交付金を出すときに。その交付要綱で、余りぎりぎり縛らないで、徴収する市町村にも同額使えるようにさえしてもらえばいいんですということをぜひ主張させていただきたいと思います。
○田浦直君 最後になりますが、喜多参考人、今回、コンピューターを手直ししたり、いろんな事務費がかかったというお話ですが、市長さんのところで大体どのくらいかかるんですか。そのおおよその数字がありますか。
○参考人(喜多洋三君) 具体的な数値は持っておりません。
 ただ、私どもの付近のある政令都市でございますが、ここの概算額を聞きますと約一億程度かかるということでございますから、恐らくそれから考えましても私どもの市でも一千万や二千万はかかるんじゃないか、こう思っております。
○田浦直君 どうもありがとうございました。
 終わります。
○松崎俊久君 私は民主党・新緑風会の松崎でございます。
 一番最初に、岡本参考人にお尋ねいたします。
 土壇場になって、税による負担かあるいは社会保険制かという論議が与党の中から出てきております。岡本参考人は社会保険方式の代表的論客というふうに私は伺っておりますが、時間がないので極めて中心的な問題、今の日本の現状において、税負担による介護の実行よりも社会保険制による負担が正しいと考えておられる一番基本のところを短時間でお聞かせ願えればありがたいのですが。
○参考人(岡本祐三君) 実は、租税方式という形で語られる方がよく認識しておらないのは、世界じゅう、介護を社会システムで提供している国は北欧でも基本は住民税でやっております。国税でやっているところはないわけです。一定の市民の間で負担と給付の関係が明確な地方自治体の中の税を基本にしてやっている。
 そういう意味では、私自身の解釈では、今回の新保険料はある意味で地方目的税だと。実は、その税方式か社会保険方式かという議論は本当の核心をついた議論ではなくて、地方分権を中心にした負担と給付の明確な関係の中で、いわゆる困窮者救済ではなくて、幅広い市民のための新しい社会サービスのシステムをつくる財源方式として地方分権の枠内でやるには、日本では地方税か一種の社会保険方式でやるしかなかったということが基本だと思います。
○松崎俊久君 ありがとうございました。
 次に、岩川参考人に伺います。
 突然、与党の有力一幹部からとんでもない思いつきによって浮上してまいりました、枠外とはいえ家族介護慰労金の問題であります。
 参考人は福祉ユニットの代表幹事でもいらっしゃいますし、福祉が東北の中でも最も代表的に進んだ町というふうに私はかねがねおたくの町を見ておりますが、その中で、そういう説明が五十人の北欧訪問住民によって住民の間に徹底的になされ、かつ住民がそれを納得しという非常に理想的な形態をお進めになったときに、住民がそれを納得している中に突然浮上してきた家族介護慰労金という問題は、町長としての岩川参考人はどのようにお考えか、またそこの住民の間にどのような反響が出ているかについてお伺いしたいと思います。
○参考人(岩川徹君) 基本的に私はこれに関しては反対の立場であります。
 理由を申し上げます。
 今、重要な選択というのは、現金を給付する選択をするのかそうじゃないのかという、そういうことではなくて、一番重要なのはどうやって在宅に向けてのサービスを飛躍的にふやすかという議論だと思うんです。
 今までの日本というのは、在宅サービスが十分に準備されて、かつまたある種の家族介護があって、どっちかを選択したという日本ではないわけです。在宅サービスはほとんど準備されておらない日本なわけです。したがって、介護保険という仕組みをちゃんと準備しながら、在宅に対して徹底したサービスを提供しようということをねらっている法律なわけです。
 ところが、それに逆行するような現金給付という選択わざが出るとすれば、これはむしろサービスを生まない結果につながりかねないので、この際は徹底して在宅サービスをふやす、そういう考え方を優先させるべきだと思っております。
○松崎俊久君 秋田というところは非常に昔から脳卒中の多いところで、それだけ寝たきりの人もかなり多いし、また東北という土地柄から、私は福島県の会津出身でございますので東北の状況には通じているつもりですが、東北という状況の中ではいや応なしに女性に介護の重荷が農村では特にかかっているというふうに思います。こういうものから女性を解放していく、そして同時に核家族化して老人しかいないような家庭が非常にふえている東北農村、これを社会的に介護を担当する、受け持つというのが今度の保険の根本的な理念だと思うんですが、この理念から見て家族介護慰労金というのは根本的にこの理念に挑戦するものだというふうに私は考えておりますが、いかがでございましょうか。
○参考人(岩川徹君) 全くそのとおりだと考えます。
 今御質問の中で、女性を介護から解放するというお話がありましたが、実は我が家に関して言いますと、私も解放されております。というのは、おやじが二年半前に脳卒中で倒れまして、もし我が町に福祉サービスがないとすれば恐らく私はきょうはここに来れないんです。介護のために来れない。私の女房も恐らく仕事につけないと思います。ただ、女房も私もこうして普通に出ています。それはサービスが準備されて、おやじは十分にそのサービスを使っています。したがって、現金給付というのはまさにそれに逆行する考えそのものだろうと思います。
○松崎俊久君 ありがとうございました。
 次に、浅野参考人にお伺いいたします。
 今の岩川参考人に伺った問題点と同じでありますが、宮城県などでは具体的にこの家族介護慰労金に対する各首長さんたちの反響はいかがでございましょうか。
○参考人(浅野史郎君) この委員会のメンバーでありますが、きょうは出席していない櫻井充参議院議員、宮城県でございますけれども、実は偶然にも昨日、櫻井議員が宮城県内の首長さんにあてたアンケート調査の結果をもらいました。これは、七十一の市町村のうち回答は三十四ですので、回収率四七・八%。実は、アンケートを随分早い時期に出して、十月二十九日に発送して十一月五日に回収したと。十一月五日に政府の特別対策の案が示されたのですから、その前の段階で、まだうわさの段階だったんですけれども。
 今の質問は、その中で「介護サービスを受けない家族を支援するため、保険制度とは別に負担軽減策を講じるということについてどう思いますか。」、これはまだ家族慰労金の額も何もわからないときの質問なのでそこはやや問題がありますが、その答えは、賛成が十、二九%です。反対が二十一、六二%です。たまたまこういった形で聞かれた宮城県内のごく限られたサンプル数の中で、十月末の段階での回答でも、各首長さんも家族慰労金というものについては反対という意見を示しておりました。もちろん私も反対であります。聞かれていませんけれども。
 私が非常に問題にしているのは、こういったものを出してきたときの説明に使われた言葉というのが俗耳に入りやすい。つまり、家族が面倒を見るのが日本の美しき伝統だよねというのは、それだけ取り出して言うと、そうだよねとなってしまう。ところが、介護保険というのは、これは全部家族の介護の分をこちらに任せなさいというのでは残念ながらないわけです。むしろ、家族が家族であり続けるために介護の一定部分を社会化するというにすぎないんです。それを論者は、全部受け取ります、家族は何もしなくていいんですというかのごとく言うがために、いや、やっぱりこれは家族が見るのが日本の伝統だよねということで、私はそういう説明のされ方をしたことに大いに疑問を感じますし、言ってみれば憤りまで感じます。
 ですから、聞かれ方によって一般の国民も、今、私が言ったような前文をつけて聞かれたら、ああ、いいんじゃないですか、家族慰労金を出すのはと、そういうふうに流れていきかねないというのが大変に不満で、問題だと思います。
 ですから、これはちゃんと事実をわきまえた上で、今考えられている介護保険はこんなものでありますということも踏まえた上で、例えばこれからいろんなアンケート調査もあるでしょうが、そういうものでなければ私は信じようとする気にもならないんですが、そんな問題も背景にあると思います。
○松崎俊久君 浅野参考人に伺いますが、知事として宮城県全体を、いろいろな町村をごらんになっているわけですが、介護保険を料金の徴収の問題云々なども含めて広域でやる場合と単独の市町村でやる場合との間にいろいろ難しい問題が出てくると思いますが、宮城県の中では広域で行おうとする町村が大部分でしょうか、それとも単独志向の方向に向いていますでしょうか。
○参考人(浅野史郎君) 認定の方は他の県も同じですけれども、むしろ単独でない方が大部分です。限られた市以外はみんな広域的な判定機関を持ってやります。ただ、実施の方は広域でやるのが例外です。むしろ単独、それを選びとっているというよりもそうせざるを得ない。準備の不足なり合意が得られないとかいろいろあるのかもしれませんが、宮城県内の事情としてはむしろ単独での実施の方が主流であります。
○松崎俊久君 ケアマネジャーの件についてちょっと浅野参考人に伺いますが、ケアマネジャーの所属母体がどこかということは、今後、介護保険が公平かつ厳正に実行される場合に非常に重大な問題だと思います。
 それで、宮城県の場合、ケアマネジャーのいわゆる所属母体といいましょうか、そういう問題については何かお考えになっていることはございますでしょうか。
○参考人(浅野史郎君) 大変恐れ入りますが、私ちょっとその実態を持っておりませんので、私が答えると誤解を生むと思いますので、その質問にはお答えを差し控えさせていただきます。
○松崎俊久君 わかりました。
 宮城県は日本でも有数のがん予防に関して進んだ県でありますが、いわゆる介護保険というものが基本的には病気の末あるいは老化の末のお年寄りのお世話をするというものである以上、介護保険の根本的な成功のためには窓口を少なくとも合理的に細くできる方法、すなわち徹底した予防活動が基本だというふうに思います。私は、予防のない介護は必ず町村の過大負担を招いて滅びる、滅亡する方向に向かうだろうと思います。
 厚生省より先んじて恐らく宮城県では寝たきりになる者に対する予防というものをお考えだと思いますが、県として何か現在お考えになっている基本的な点をお聞かせ願えればと思います。
○参考人(浅野史郎君) 今、松崎委員おっしゃるとおりでありまして、この社会保険たる公的介護保険の特異性は、年金とも違う、医療保険とも違うのは、これのベネフィットを受ける可能性があると少なくとも今の時点で思っている人はごく少ないんですね。年金なら年をとったら必ずもらえると思います。つまり、返ってくるという意識があります。医療保険も、風邪引きのたぐいも含め五年ぐらいの間には相当の方が利用しますから、ベネフィットとして返ってきます。介護の場合については、私は介護を受けないで死ぬだろうと思っている人の方が多いわけです。実態もそうです。
 したがって、私は介護保険の導入によって、下手をするといわゆる元気元気老人の不満の声が高まるだろうと。つまり、保険料の払い捨て、掛け捨て、それと今おっしゃった予防というのが何よりも大事、その両方の意味から我が宮城県では来年度、これはモデル的にごく限られた市町村で、仮に元気元気老人と言わせていただければ、その方々に対する健康づくりを少し町を挙げてやってもらおう、それに県単独で補助をしてやっていこうというのを今検討させていただいております。
○松崎俊久君 どうもありがとうございました。
 終わります。
○山本保君 公明党の山本保です。
 参考人の皆様方、本当に予定がなかなか立たないところを御無理申し上げたのではないかと思っております。御存じのように、何か国会が非常にわけのわからない動きになりまして、御迷惑をかけました。
 私は、実は最初にちょっと感想を申し上げますと、国会議員としてこういう行政方針について今ここで先生方に来ていただくというのはどうなんだろうかと。私は、こういうのは厚生省としてきちんとこれからの運営について御意見を伺ったり、もしくは政党人としていろんなプロセスなり、また今後の圧力について伺うというのが基本ではないかということを実は何かで申し上げたわけでございます。きょうお聞きしまして、その思いを強くいたしました。
 しかし、お伺いしましたことを参考にしまして、ぜひ議会からもできることが当然あると思いますので、この介護保険が本当に円滑にいきますように、その御意見を生かさせていただこうというふうに思っております。
 それで、実は最後に浅野参考人にはお聞きしたいわけですが、おっしゃらなかったことをちょっとお聞きしますので。浅野知事は私が厚生省におりますときに、隣の全く敏腕の課長であられまして、特に障害児の問題について私ども実務家がいろんなことを考えておりますのをどんどんと実行される。私は、隣の課で非常にうらやましく思っておりました。知事になられても本当にそのときのままでやられているなということを遠くから拝見させていただいておりました。
 それで、知事には最後に、おっしゃらなかったことでございますが、もう厚生省を離れておられますので、どうしてこの介護保険という社会保険方式を福祉分野に入れなければならなかったのか。はっきり言えば、今回の場合、私は一番の問題点といいますか、それはやはり保険料が高過ぎることだと思っておるんです。保険料が高過ぎるにもかかわらず、こういうものを入れなくちゃならなかった、入れられるべきなんだということについて、忌憚のない、特にまた福祉構造改革ということも言われております、どんな形でどんなお考えをお持ちなのか、最後に聞きたいと思っておりますので、ちょっと整理していただければと思います。
 最初に、岡本参考人にお聞きいたします。
 岡本先生は医療、福祉の専門家でございますし、きょう、認定のことについておっしゃいましたので、ちょっとこれについて私の感想を含めてお聞きしたいんですが、どうしてこんなに細かく分ける必要があるのかという気がするわけです。
 医療であればお医者さんの専門性に任せて行うわけでして、介護の場合、たとえこれまでこういう見方がなかったとしても、ケアマネジャーも設ける、または介護サービス提供者の専門性もあるというときに事細かに分ける。どんな判定をしようが必要のないサービスであれば使われないはずですし、ですから行政的に幾らぐらい目安を立てるためには必要かとは思うんですけれども、六段階にも分けて行わなければならないというのは、片方で介護の専門性を高めようというときに何か矛盾があるのではないかという気もするのでございますけれども、岡本先生、いかがでございましょうか。
○参考人(岡本祐三君) 私の資料で最後にお示ししましたが、これまでの福祉のやり方がまさにそういう担当者、ソーシャルワーカーとかケースワーカーとかが自分の判断で決めていた。それは、先ほどお示ししましたように、もう極めて恣意的に行われておりますから同じような要介護度であってもてんでんばらばらである、これではおっしゃったような行政的な、全社会的なサービスについては財源のめども立ちません。
 二点目は、この介護保険の要介護度というのは報酬に深くかかわっております。この介護保険の報酬制度は、あたかも定額制のように理解されている向きがありますが、実はこれは出来高払い制度を基本にしています。ケアマネジャーと御本人が話し合って、これぐらい必要であるというものをそれぞれのクライアントのためにケアプランをつくって使う。その場合の上限設定、つまりこの介護保険という制度が当該の利用者に、この制度下においてどの程度サービスを利用できるかという権利性の範囲の上限を定めたというのがこの六段階の基本でございます。
 医療におきましても、診断という行為は医療上の医学的なニーズの評価であると同時に、医療保険という制度の中で、その利用者がどの程度診断、治療に費用を払ってもらえるかの権利性を確定する制度上の概念でもあります。ですから、医療機関から診療報酬を請求しますと、保険基金は、これは診断がついていないのにいろんな行為を行っている、これは認められないとばさっと切ってきたり、いろんな査定が行われる。
 要するに、これはそういうケアマネジャーの専門性、御本人の希望とあわせた中のケアプランの上限設定のためには何らかの客観的な範囲設定が必要であるという、これは大きな財政を伴う、特に特定少数の困窮者救済ではなくて、幅広い市民対象の普遍的な社会サービスを行う場合に必須のプロセスであると考えております。
○山本保君 まさに私も同じことを考え、実は前回のこの委員会でそのことを申し上げましたので、ちょっと踏み込んでそれについてもう少しお聞きいたします。
 まさに上限でありまして、個々の点数であらわれているお金についてもそれを上限として保険で支払いする、ほとんどマスコミはそれに注目しておりません。しかし、ここにこれまでの公務員給料型であった福祉制度というのが大きく変わる可能性があると私は思っているんです。
 この前、ある医療関係の方とお話ししましたら、看護婦さんの単価というのは今度の保険でももう少し高く設定はされておりますけれども、しかしそれと比べまして、例えば一時間四千円というようなヘルパーの単価、これは管理費が入るにしても余りにも高過ぎるのではないか。なぜならば、これは公務員給料を割り戻しただけだというのが私の主張ですけれども、これでもっと私は実はこの総費用というのが下がるのではないかというふうに思っておるんですけれども、岡本先生、この辺いかがでございましょうか。
○参考人(岡本祐三君) 確かに、予備的なパイロット調査でも給付の限度額いっぱい使おうという方はそれほどたくさんいらっしゃいません。給付限度額の六割、七割程度で十分だという方も結構いらっしゃるので、そういう意味では黒字基調で初年度等は推移する可能性はあると思います。
 ただ、ヘルパーさんの単価に関しては、これは厚生省の委員会で慎重に検討されて、制度の円滑な実施というものを念頭に置きながら決められた金額であろうと思いますので、それに関する意見は差し控えたいと思いますが、これによって民間の事業者の参入が大いに加速されたという事実は認めなければいけないと思います。
○山本保君 全く私も同感でございまして、そういう極めて行政的な意味のある数字であったと思っております。
 ありがとうございました。もし時間がありましたら、またお聞きしたいことがございますが。
 岩川先生にお聞きしたいのでございますけれども、新聞を拝見いたしまして、率先して実際の介護のシステムについても具体的に当たられたということを大変尊敬いたします。
 ちょっとそれでお聞きしたいのでございますが、三千八百円云々と。私は今の議論とはもう一つ別に、例えばこれまでの施設というのは非常に高いお金で、公務員の給料でございますし、また非常に大きなホテルのようなものをつくります。もっと在宅支援型の、例えば高齢者生活福祉センターなどをもっと今はつくっていいことになっておりますけれども、グループリビングというような新しいものを入れて意識的につくっていけば、こういういわゆる入所費用というのはもっと下がるんじゃないかと思っておるんですけれども、参考人のところではそういうような例えば仮説というか、何かそんなことで将来計画を立てられたということはございませんか。
○参考人(岩川徹君) 三千八百八十八円の中身ですが、確かに施設利用率は全国平均よりは〇・四ないし〇・五ポイントぐらい高いんです。ですが、それが一つの要因となってああいう数字になったのではなくて、あくまでも我が町の場合は在宅サービスが基本になっています。
 先ほど岡本先生がこのグラフをお示しになったんですが、全体として見ますと、要介護T、U、V、W、X、基本的に余り違わないんです。つまり、日本の現在の在宅サービスというのは、どの状態に対しても同じような形で提供されているという傾向にあると思うんです。我が町の場合は、これははっきりしていまして、T、U、V、W、X、ずっと右肩上がりになっています。ですから、かなり在宅に対するサービスが準備されている町ということが言えるかと思います。
 また、将来的にはやっぱり痴呆の問題が重要になってまいりますから、そのためのグループホームを今から準備するとか、施設、在宅というのは本人の自己選択ですから、将来的には自宅あるいは施設という区別はなくなるだろうと思っています。どこでサービスを受けるのか、どういうサービスが提供されるのか、そしてその準備をどうやって自治体が責任を持って調整を図りながら進めるかというのが問題になってくるというふうに私は考えています。
○山本保君 どうもありがとうございました。
 では、浅野参考人、時間が余りありませんけれども、この介護保険に代表されるような新しい福祉改革というもののねらいとか、また知事として現場でごらんになっていて、何かその辺について修正といいますか、こうすべきだという御意見があるのではないかと思うんですが、少し御自由にお話しいただければと思います。
○参考人(浅野史郎君) 先ほど冒頭に申し上げた今回の見直しというものは、さっき言ったようなことで見直しのし過ぎという部分、これはちょっと置いておきます。
 この公的介護保険の制度というのは、私は県内で自分で説明をしておりまして大変に珍しい制度だと、皮肉みたいに聞こえるかもしれませんけれども、幾つか言っておりました。準備がまだ整っていない市町村がたくさんある、そういうときは普通は全部の準備が整うまで待つものですけれども、それでもやってしまう。ある意味で乱暴です。しかし、そうしないとみんないつまでたってもできない。
 もう一つは、制度にも確かに欠陥があります、やっていけば。だけれどもやってしまう。これまた乱暴ですけれども、走りながら考えて走りながら直していこうということを実践する。偉いなと思って見ていました、皮肉ではなくて。
 もう一つは、市町村ごとに制度が違う、まさに保険料の額に象徴されるように。今まではそういうのは許されませんでした。一律、公平、横並びという一言でした。しかし、それもあえてやってしまう。
 そういうような点で極めてユニークな制度で、私はその意味では乱暴だと片づけるのではなくて、逆にそれを期待していました、何かが変わるだろうと。これは単なる福祉という部分だけではなくて、日本の制度、また地方自治は変わるだろうと大いに期待を持って見ていた。そこで、今回の特別対策は、その意味でも大変に期待を裏切るものとして問題にしております。
 先ほどおっしゃった保険方式、税方式についてもちょっと申しますと、その部分で私は税方式というのも十分理論的にはあり得ると思います。ただ、私は二点において、現段階の日本においては社会保険方式で始めた方がいいのではないかと思っています。
 一つは権利制です。保険料を払ったのだから、その見返りとして受けるのは当然。これは今まで福祉にずっとまとわりついてきたスティグマです。後ろめたさというか、そういったものを払拭する最大の効果があるというふうに思っています。その意味でも、これは税方式では全うできないということですので保険方式。
 もう一つは、給付と負担との緊張関係です。必ずこの制度で出てくるのは、サービス水準を上げろ上げろという大合唱が起きます。そのときに、税方式でありますと、税というのはそこのところが薄まきになって自分の金か人の金かわからなくなってしまう。そうしたら何か手品が使えるような気がするんですね、サービス水準を上げる、負担は上げないかのごとく。ここが非常に大きな問題なので、給付を上げるなら負担も上げるということを考えなくちゃいけませんよという緊張関係。これは実は政治課題になるわけです。
 私は、初めて福祉というのが、まさに今も変な形でなっていますけれども、政治課題になるということで、それもまた期待していたんです。これはむしろ社会保険方式で構成した方が政治課題になって、乱闘まではならないけれども、理論と理論のぶつかり合いで、給付と負担をめぐってこれからもずっとそんな議論は起きていくでしょう。これは健全なことだと私は思っておりますので、そういう意味で、今回発足するのは社会保険方式というのがよりよいという感じを持っております。
○山本保君 どうもありがとうございます。
 私はついこの間まで新進党で、何とか下げられないかと言っていて、何か最後にウルトラCは出ないかとも言っていましたらウルトラCが出たものですから、私としてはちょっと最後のところの考えは違うのですが、でもおっしゃったことは全く同感でございます。
 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 参考人の皆さん、大変ありがとうございました。
 基盤整備の問題も財源の問題も大変重要なんですけれども、きょうは私は要介護認定の問題に絞って土肥参考人にお話を伺いたいというふうに思っていますので、失礼をお許しください。
 土肥参考人は、要介護認定の考え方の基礎になった介護業務の調査データ、いわゆるタイムスタディー、これを全国社会福祉協議会の委託を受けて分析をされた、言ってみれば一次判定の考え方の生みの親というふうに言ってよろしいのかと思うんですが、親から見ても非常に誤った、とんでもない育ち方をしているということがお話の中でよくわかったんです。
 最後の方が時間切れでお話しいただけなかった部分をちょっと伺いたいと思うんですが、厚生省は今何と言っているかというと、この一次判定ソフトウエアは現時点では最善のものだというふうに十一月二十九日の担当課長会議でも言っているんです。ところが、今のお話でもこういう理不尽な全く説明のつかない逆転現象というのがいろんなところで見られる。
 先生の表でいうと要介護Tの人、これが立つことができなくて支えが必要になると要支援になる、こうなると施設を出なくちゃいけないわけです。それからさらに、その人が毎日の日課を理解できなくなったり掃除ができなくなったりすると自立になるということで、これは在宅のサービスからも排除されてしまうという大変な事態になるわけですけれども、厚生省にこういう問題を指摘すると、これはまれなケースというような説明をするんです。
 こういう逆転現象、非常におかしな事態というのはまれなことなのか、それとも偶然ではなくて構造的にこういう問題が起こってくるのか、その辺の仕組みをちょっと御説明願えればと思うんです。
○参考人(土肥徳秀君) 現在、基本調査項目としまして七十三項目が使われておりますが、それは私が選び出しました。それから、今タイムスタディーデータを使っていますが、このデータファイルも、そのファイルをつくるときは何百本かプログラムをつくったんですが、私が作成いたしました。それから、平成七年度はモデル事業を実際はやっていないんですが、厚生省はやったと言っておりますけれども、特養の千四百三十八人の高齢者の介護業務を分析しまして十四タイプに分けましたが、これも私が作成いたしました。平成八年度、九年度に使われました、これは公開をされておりませんが、要介護度をモデル事業で分類してやったロジック、条件式三万四千行ございますが、これも私が作成いたしました。
 そういう意味で、今回の実際つくられているロジックを作成した方々より実はいろいろデータを細かく見ておりますので、四月十日の審議会に出まして、審議会の先生方が御理解されないうちに十九日に通過しまして、それを根拠に今適正なものであると厚生省は言っておりますが、四月二十日の全国課長会議に配付されて公開されたわけですが、連休中にその問題点を明らかにしまして、五月中旬には日本医師会のシンクタンクであります日医総研から細かく問題点を指摘してあります。
 といいますのは、平成十年度モデル事業、これが終了した段階で各地からいろいろ逆転現象が起きるということで私の方に分析の依頼がございまして、二つ問題が大きくございました。一つは、意味のない枝葉、これも今回のロジックの中にたくさんございますが、枝葉をつくってしまったこと。それから、そのときは問題行動あり群、それが実はげたを履かせてしまった問題があって適正なあれが出ないということだったわけですが、それを日本医師会と共同で問題を明らかにして、それが御破算になったわけでございますが、その後、要するに苦し紛れで今回のものができたわけでございます。検証しないうちに進んでいるわけですね。
 お手元に二枚の資料がございます。二枚目の方は厚生科学研究所というところから、このロジックを作成したチームの方々が著者になりまして、ある大学の先生が監修された「要介護認定ビジュアル解説」というものが出ております。その中の一ページでございますが、介護の時間が移乗という言葉でもってきっかり山が二つに分けられるというふうに、右上の方にグラフがございますね。私が実際にタイムスタディーのデータについて当たりましたら、グラフが上下に分かれておりますが、実はかなり重なり合っているわけです。そういったことをロジックを作成、担当した方々も実は確認していない。私の方で確認して問題を指摘すると、準備室の担当の方が茫然とされるということであったわけです。
 ただ、五月に延期論が出る、今回見直し論がいろいろ出まして、それはさまざまな駆け引きがあったんでしょうけれども、その中で要介護認定に問題があるとそうした延期論派あるいは見直し論派に益することになるんじゃないかということで、かたく守ってしまったという、その悲劇でございます。そういう意味で、問題点は認識はしていると思います。
 ただ、今変えると円滑に遂行できないということで言っているわけでございますが、先ほどのように、これにつきましては個々人にかなり不公平な問題、特に来年の秋にまた再調査、再認定の作業がある、あるいはそれ以前に、既に来年の予算編成に向けて各地方自治体の予算担当者が、思わぬ分布が出ていますので、それに沿いまして予算編成を組み直しているというふうな事態が発生しております。走りながら考える、既に今考えるときだということでございます。
 以上です。
○小池晃君 おかしな逆転現象が生まれてきている原因として、使われているデータ自体に大変矛盾があるんだということで、この入浴のデータなんかは特に典型で、調べた人の四割が入浴していない、ゼロ分というカウントになって、それがその逆転を生んでいるというような事態も紹介をされているんですけれども、もとのデータの問題で言いますと、私はこの問題は何度か委員会でも質問してきまして、ことしの三月の当委員会で、一次判定のソフトの基礎データが施設入所者だけなんだ、これがいろんな矛盾の原因なんだということを指摘したら、老人保健福祉局長はこう答えているんですね。在宅のデータもあればそれは一番いいわけでございますけれども、十分確度の高い推計値は得られない、こういう現状認識のもとで施設介護のデータを使わせていただいております、こう答弁をしています。
 さらに、先月の十八日の当委員会で私は取り上げたんですけれども、九五年の全国社会福祉協議会の保健医療福祉サービス供給指標調査研究事業報告書、これも土肥参考人が分析委員長をされているわけですが、在宅者のデータがちゃんとこの中にはあるわけですね。これに対して、現在の老人保健福祉局長は、在宅のデータはあるけれども中身を承知していない、そう答弁されたんです、先日。私は、これも加えてつくり直せばかなり問題点も、それで解決するとは言いませんけれども、少しはましなものになるんではないかというふうに思うんですね。ところが、厚生省はこの存在を一貫して否定していたし、そして今の段階でもこれを取り入れてつくるとは言わない。
 そこで、参考人に伺いたいんですけれども、こういう在宅のデータ、土肥参考人もまとめられた張本人なわけですけれども、なぜこれを厚生省はあえて利用しようとしないのか、その辺、先生のお考えをちょっとお聞かせ願いたいんですけれども。
○参考人(土肥徳秀君) 御存じのように、七十三項目プラス特別な医療という項目は、御本人の心身の状態及び問題行動のありなし、それから介護と看護のはざまにあります看護的ケアあるいは医療的ケア、そうしたものを調べておりますが、その中に、いわゆる介護生活環境あるいはその地域性、それから御家族も含めました介護力等が勘案されないような仕組みになっております。
 実は七百二人の在宅の要介護高齢者につきまして、訪問看護二百人、それからホームヘルプサービスを受けていらっしゃる方々五百人をタイムスタディーで調べました、一分間ずつ。一方、家族の方の介護の回数も訪問日、非訪問日も調べました。そうしますと、家族の方はヘルパーさんが訪問される日はかえって介護量がふえるという方がいらっしゃるんです。特にいわゆる寝かせきりの方の場合、洗髪とか入浴とかそうした介護をヘルパーさんを手伝って家族の介護者がなさるわけです。これは現実に現場をよく知っていらっしゃる方は皆さんそうだとおっしゃいます、あるいは一緒になってやると。言ってみれば、かなり厳しい介護環境にあるわけです。
 それから、通称福祉用具法というのがございまして、それに伴いましていろいろ私どもも開発なり使い方、選び方のノウハウを今一生懸命整理して流布しておりますけれども、そうした導入がまだ進んでおりません。そういったことでかなり厳しい介護環境にある、要するにハンディがあるわけです。
 それを時間に換算しますと、実は今回の一次判定では、今いろいろ集めておりますけれども、大体百五十分から百七十分台が最高なんですが、家族の介護者の方がおやりになっている回数をヘルパーさんあるいは訪問看護婦さんがなさったとしてどれぐらいかかるかという推定をいたしました。そうしますと、やはり五時間ぐらいかかるという方がいらっしゃったんです。その調査の報告書を取りまとめる委員会で、先ほどのビジュアル云々かんぬんという解説本の著者でもありますある国立研究所の部長が委員であったわけですが、五時間もかかるということがわかったら大変だというふうにその委員会の席上でおっしゃいました。
 当時は介護保険法案が国会審議中であったわけでございます。それで、国会を通過してからそれが発行されたわけですが、そのとき既に八年度、九年度のモデル事業が進行していたわけです。先ほど私が申しましたように、私が作成しました違う目的のためにつくった三万四千行のロジックを使っていたわけです。使ってはいけないものを使っていたと。そういった事情で、やはり引くに引けなくなってしまいまして、こうした報告書の存在すらも否定された。ただ、本当にされたのかと私は実は先ほどお聞きして疑問に思ったんですが、なかなかそういった内容が流布されていない。ただし、かなり貴重ないろいろなデータがございます。分析もございますので、御一覧いただければと思います。
 以上です。
○小池晃君 この在宅のデータも含めて、もう一回一次判定をつくり直すとかなり延びてしまうと。要介護時間も延びてしまう可能性があるし、在宅ならではの特有の時間がかかる作業、プロの介護者が施設でやるのとは違う部分というのがやはり反映されないんだろうと。そういうこともあってこのデータが生かされていないんじゃないかなと思うんですが、そういうことも含めて、そもそもの判定ソフトのいわゆる逆転現象などを含めて改善をして、基礎になるデータを在宅のデータも含めてつくり直していくということは技術的に可能なのか、そしてもしそれができるとするとどのくらいの時間があればそういうことが可能なのか、先生のお考えはいかがでしょうか。
○参考人(土肥徳秀君) 具体的には、今、日本医師会等とシンクタンクの日医総研と共同で実は進めておりますけれども、私が試算したところでは十人程度のチームでやれば一カ月ほどでできるというふうに思います。
 それは、先ほど意見陳述の際にも申し上げましたように、施設と在宅に分けまして、それぞれの介護、ヘルパーさんなどがなさっている、あるいは特養などで寮母さんなどがなさっている介護業務を重要な分野、入浴、排せつ、食事、移動に分けまして類型化し、それも在宅とホームに類型化しまして、そしてそれぞれのパターンごとにおよその介護時間の分布を出す。それで、お年寄りの状態像はもう既に七十三項目プラス十二項目、八十五項目を集めておりますから、それを使いましてどのパターンになる可能性があるかというのをパーセントで示すことができる。それを認定審査会の方々がごらんになれば、おおよそ四、五分以内で認定が十分可能であるということで考えております。
 以上です。
○小池晃君 厚生省はもう始まっているから直せないんだというようなこともこの間答弁されたんですけれども、そういう集中的な取り組みをやれば今からでも改善の余地はあると。
 そこで、ちょっとお聞きしたいんですけれども、土肥参考人はこの基礎データの取りまとめをされた。その後、厚生省から意見を求められる、厚生省が意見を聞きに来るというようなことはございましたでしょうか。
○参考人(土肥徳秀君) この間、五月十日、ある全国紙の一面と三面に樹形図まで載せまして問題点を指摘しました。六月に入りましてもいたしました。そして、介護関係、それから医家向け、医療従事者向けのそうした何万部と発行されている雑誌にも投稿いたしました。それから、認定作業が始まってからも、十月一日から一斉に始まっておりますから、それからもマスメディアを通じて問題点を指摘させていただいております。また、そういったことを全国民の皆さんに知っていただきたいと思いまして、また百万部を発行している雑誌等にも掲載していただくように今作業をいろいろ進めております。
 その中で、かなり手厳しい言葉を私は使いまして、せんだっては三時間のインタビューを受けていましたら、最後の方でついでたらめというふうに言ってしまったんですが、それでも全く接触はございません。そんなことを言って大丈夫なのか、地方公務員である身でありながら、しかも管理職である身ながら大丈夫なのかというところでございますが、実は我が東京都福祉局の幹部クラスは頑張れというふうに言ってくれておりますが、厚生省からは一切コンタクトはございません。
 以上です。
○小池晃君 終わります。
○清水澄子君 社会民主党の清水澄子でございます。参考人の皆さん、いろいろありがとうございました。
 いろいろおっしゃっている問題は、大体私どもも、今回の特別対策というのは介護保険法、それから財政法、地方分権法等の法律にも反するんじゃないかというふうな議論をしてまいりました。特に、介護保険制度のこの法の理念にまた反しているんじゃないかということとか、それから保険料を徴収する市町村に対しても、もうこの臨時特例交付金の使用は自由に任せるべきだ、私どもはそういう主張をしてきたわけでございます。ですから、きょういろいろ皆さん方の御意見を伺いながら、一致するところが非常に多うございました。
 それで、まず岩川参考人にお伺いしますけれども、けさの新聞では、今、政府は特例交付金の一部流用容認、パソコン等の購入費などにと言っていますが、全体を市町村にゆだねるということにはなっていません。そういう場合でも保険料は四月一日から徴収されますか。
 そして、上乗せ・横出しサービス、さっきのお話を聞きながら、住民が参加をして、そして住民の手によるといいますか、本当に自治の実践が行われていて、介護保険制度が目指していたことを実行しておられる市町村で非常に感心しましたけれども、今度、上乗せ・横出しサービスというのは保険料の中に入れないとだめですよね。その場合、どういうふうになさるおつもりでしょうか、このまま行ったときですよ。
○参考人(岩川徹君) さっきちょっと申し上げたんですが、憲法九十二条にうたわれている地方自治の本旨というのは、国が地方自治体を大いにサポートしようという、これが基本です。これが今度の地方分権一括法で第一条に規定されたわけですから、関係法律、特に介護保険というのは実はこの精神を超えてつくってはならない法律だと思っています。ですから、介護保険こそ国が地方自治体を大事にしながら独自性あるいは主体性というものをしっかりと担保するんだと、そういう法律だと思っています。
 ですから、今度の見直しの内容なんですが、ここまで政府が考えたもの、それはそれでいいと思っています。ただし、それを半分、もう半分はさっき申し上げた介護保険が対象としているものとそれ以外に明確に分けながら、お金をしっかりと分けること、そのお金については自治体が保険料の徴収を含めてやろうとしたらそれを認めようと、そういうふうにすると、国が半分責任を持つ、地方自治体も半分責任を持つ、お互いに責任を持ってこれから介護保険が進められるんだと。ということになると、恐らく住民の合意は得られるものと考えています。
 あと、上乗せ・横出しは、実は我が町の場合は住民と合意したんですが、これは一般財源で充てようということにしています。といいますのは、基本的には上乗せ・横出しは全部第一号被保険者が持つんだと。そうすると、一〇〇%の話になります。法律は全対象の一七%が第一号被保険者ですから、私は上乗せも横出しも一七%という負担割合になったら結構だと。ところが、今はもう全部一〇〇%第一号被保険者が原則ですから、それはちょっと酷だろうと。したがって、町がそれを負担しようということにしています。
 ですから、今回の見直しだと、我が町の場合は一般財源で充てるとむしろ非常に不利になるんです。つまり、頑張っている自治体が不利になるという、そういう現象が起きています。
○清水澄子君 次に、岡本参考人にお伺いします。
 岡本参考人がさっきお示しくださったこの二つの市の実態の統計、グラフですが、これを見ましても、今、岩川参考人がおっしゃったように、何か非常によくやっているところが今度の特別対策によってむしろブレーキがかかってしまう、悪影響が出てくるという実態を示していただいたわけです。これを見ますと給食サービス等が一番影響を受けるという状況ですね。そのことで今何か話すことがあれば言っていただきたいんです。
 それと、ここでおっしゃっている中で、さっきも出ていましたけれども、いずれサービス利用者に福祉の関係とか医療の関係とか、この保険適用がいろいろ複雑に入り組んでいますから、これらについてサービス利用者へのインフォームド・コンセントが必要である、こういうふうにおっしゃっているんですが、これについて、これらはどこでどういう方法でやることが一番いいのかという点についてお示しください。
○参考人(岡本祐三君) 前半の件はもう既に首長さんの方々がおっしゃいましたのでよろしいと思いますが、後の件ですけれども、介護保険の場合はサービスは基本的に御自分で全部好きな事業者を選んで使われても構わないわけです。
 医療と介護の世界の大きな違いは、医療サービスというのはやっぱり専門職の知識、経験というものが非常に重要で、利用者とサービス提供側の情報量、経験が隔絶していまして、従来的には医師が最終的責任を持ってサービスのメニューもすべて決めていく。それでも治らない病気がふえてきますと、やはりインフォームド・コンセントという形で御本人によく相談して同意を得なければならないというふうに変わってはまいりました。
 介護の世界は、利用者側にサービスのよしあし等について判断する能力はより大いにあると思います。それでも、例えば独居の八十八歳の老婦人の場合を考えますと、やっぱり自分では判断できない。そういう場合を含めて、しかもサービスの種類が多様であり、サービス提供事業者が地域内に非常に点在して存在している。そういうサービスを連絡調整する役としてケアマネジャーという新しい職能を設定したわけです。先ほどそのケアマネジャーをどこに配置するかという御質問がございましたけれども、そういうサービスの内容に関してよく利用者に説明して、これでよろしいかという同意を得るプロセスがインフォームド・コンセントであります。
 ケアマネジャーの資質、教育に関して、現状は若干問題があると思います。ですから、もう少しケアマネジャーの質的な面を高めるための教育に各市町村は、これは県の責任になっていますけれども、力を入れていただきたい。現状のままでは、私個人としてはケアマネジャーの能力に問題のある人が多いのではないかと思っております。
○清水澄子君 ありがとうございました。
 それでは、今度は自治体の方にお伺いしたいんですが、低所得者対策の充実ということが非常に言われるんですけれども、それについて、今最もこういうことが必要だとか、こういうことをやるべきだという提案がありましたら、自治体の岩川参考人それから喜多参考人、山本参考人にぜひ、浅野参考人はちょっと県ですから、市町村の方のことでお話しください。
○参考人(岩川徹君) ある程度基礎自治体でかなり工夫はできるようになっています。我が町の場合は、基準保険料に対して広目に幅をとっています。ですから、国が考えている〇・五、一・五ではなくて、我が方は〇・四、一・六五と幅をふやしています。そういう形の低所得者対策を独自にやっております。それでも状況的に大変つらいんです。
 これは提案になるんですが、今の見直しの中で保険料の半年間の延期、さらには向こう一年間が二分の一の軽減だと。そういうすべてにわたって二分の一という物の考え方ではなくて、そのお金をどう地元に向けて使うかという、その裁量権も実は欲しいんです。一律に二分の一ではなくて、状況に応じて自治体の決定がなされるというその幅も認めていただきたい。そうしますと、低所得者対策も十分にこれでやれるような気がしております。
○参考人(喜多洋三君) 低所得者対策ですけれども、先ほど本論のところでも申し上げました。今回の特例措置からいきますと、その分については国の方で財源を見ていただきたいということを主張したわけですけれども、一般的に低所得者と言われているのは一体どの階層かということ、これは実は厚生省の私が属しております審議会でも議論になっておるわけであります。払う人と払えない人といろいろあるわけでありまして、その辺の仕分けがきっちりされていませんと、低所得者対策を何らかの形でやりますと、その費用は一般的には保険料にはね返る。これは、国民健康保険でその弊害というのはもう嫌というほど痛感をいたしておるわけでありまして、そういう意味では、今回の特例措置は国がおっしゃったんだからちゃんとしてくださいよということを市長会としては主張いたしております。
 一般論としては、やはりそういう制度の仕組みを変えない限り、確かに恵まれない人に対して費用は下げてもそれは是認するわけですけれども、その財源をどこに求めるかということが社会的公平からいえば非常に問題があるということを申し上げておきたいと思います。
○参考人(山本文男君) 低所得者対策なんですけれども、今もお話がありましたように、低所得者というのは一体年収がどれくらいまでなのかという定義がまだないわけです。大体二百万以下だとか言われておりますけれども、そこで考えなければならないことは、市の方は私はわかりませんけれども、町村部では七割ぐらいが二百万以下になりますと大体出てくると思います。
 そうしますと、一号保険の方は五段階に分かれて徴収することになっておりますので、低所得者が多いほどその分が一・〇から上の人にかかってくるわけです。全体の費用一七%を確保するためにはそうなってしまいます。したがって、低所得者対策を十分やらないと保険料徴収に大きな障害が出てくるということになりますから、ある程度のところまで、ここらあたりが低所得者であるということを国がきちんと示すことが必要だというふうに思います。
 同時にまた、介護保険を円滑に実施していくためには低所得者対策が骨幹になると思いますから、国側のこれに対する対策が緊要であると、こういうことが言えると思います。
○清水澄子君 もう時間が来ておりますので、最後に一つだけ。
 浅野知事には、ちょっと違うかなと思うんですが、これも法改正をしないでの矛盾なんですが、今度第二号被保険者の保険料徴収で保険者団体への補助をしますね。健保連とか国保にはするけれども政管健保にはやらない、それから国保にも収納率の悪いところだけとか、同じようにお金を使うのに、本当の意味の保険料への問題ではなくて、医療保険の財政への支援という意味で保険者団体にも行くところと行かないところがある。こういう問題についてどのようにお考えになりますか。
○参考人(浅野史郎君) 個別の問題の是非はちょっと横に置いておいて、今回の見直し全体についてそうですけれども、余りにも性急過ぎるのではないか。しかも、基本的なところの議論を十分にしないで結果だけ出したということの矛盾というのがいろんなところに出てきている、その中の一つではないかと思います。個別のそれの正否については、私からはちょっと差し控えます。
○清水澄子君 終わります。ありがとうございました。
○入澤肇君 自由党の入澤でございます。
 きょうは大変ありがとうございます。
 先ほど浅野知事さんが、この制度は準備も不十分だ、制度にも欠陥がある、市町村ごとに保険料の額も違えば、場合によってはサービスのレベルも違う、非常にユニークな制度だというふうにおっしゃられましたけれども、私も全くそのとおりだと思います。
 一方で、皆さん方が自治事務だ自治事務だということを強調すればするほど、事務費についてもっとお金をくれとか、財政調整交付金五%を引き上げてくれだとか、あるいはこういう面についてはもっと国から財源をくれという主張が場合によっては成り立たなくなる。一定の限度ではそういうことは言われてもいいけれども、自治事務を強調すればするほど自分たちの一般財源でやれという話が必ず反論として出てくると私は思います。
 そこで、先ほど岩川さんから横出し・上乗せのことについて、保険料に一般財源で入れるか保険料で取るかということにつきまして、一般財源でやるという話がございましたけれども、横出し・上乗せを町民の皆さん方、住民の皆さん方にはっきりと示すためには、法律に基づく保険料の算定、それから町村が独自でやる上乗せ・横出しのレベルを上乗せして算定した保険料と二本立ての保険料を住民に示す必要はございませんか、ちょっとお聞きしたいんです。
○参考人(岩川徹君) 我々がさっきお話をした三千八百八十八円、その他の部分が千六十三円と決めたのは、行政が一方的に住民に提案したものではなくて、住民の皆さんが昨年からいろんな準備を含めてことしの夏まで一年以上にわたって勉強をし、検討をし、提案をしたものなんです。町の皆さんというのは十分サービスを見ていますから、最も理想的な状況を想定して、それを我々が持つ分の三千八百八十八円と行政にお願いする分。そのお願いする分の理由としては、全額第一号被保険者というものは納得できないということです。私もそう思います。ですから、上も横も全部同じ一七%という割合になった場合は堂々と説明をして御理解いただきますが、現状ではまだ無理だと思っています。
○入澤肇君 いろんな問題があるんでしょうけれども、始まった制度ですから、いかに円滑に実施していくかという視点から、改善の諸方策を探るという意味で幾つか御質問をしたいんです。
 私も休会中かなりの市町村を回りました。担当者に話を聞きました。現在の制度では、年金額が月一万五千円未満の人々からは市町村の職員がとにかく戸別訪問で徴収しなくちゃいけない。例えば、町役場の中で水道料担当の職員、医療保険担当の職員とかそれぞれ部署が分かれているところで、どちらが先に取るかというので競争しているという話も聞きました。
 お三方の市町村長さんたちにお聞きしたいんですけれども、一万五千円未満の人々から保険料を徴収するのにどのくらいの事務量がかかっているかということをちょっとお聞きしたいんです。
○参考人(山本文男君) 一万五千円以下の人たちの徴収ですけれども、これは大変問題だと思います。
 私どものところは、御存じのように七十二の市町村で広域連合を組んでおりまして、これで全部やります。認定だけとかこれだけというものではなくて、介護保険制度全部を七十二の市町村で行う。人口は百十二万人でございます。ですから、この介護保険を広域連合でやるものですから、そういうような徴収ができなかった分をどうするかというのは、広域連合自体の一つの事務上の課題になっております。これを市町村にその分だけ渡して徴収してくださいよというのは、広域連合の性格上それはできない。それじゃどうするかということで、いまだに名案ができておりません。
 ですけれども、この一万五千円以下の皆さんたちの保険料の徴収について、これが私は低所得者対策だと言っているんです。だから、ここらあたりを考えていただかないと、さっきのお話のように、あの人たちが納めないならば自分たちもというつまらぬ連鎖反応が起こる可能性がございますので、これについて何とか考えてほしいというお願いを現在も国側にしておりますし、我々は我々で何らかの方策を考えよう、こういう段階でございます。
○参考人(喜多洋三君) 実は市側も山本会長と同じでございまして、月額一万五千円以下の人から果たして取れるのかどうか。市長さんの中には、市長は悪代官になれというのかということまでおっしゃっている方があるわけでございまして、市議会でも全部年金から天引きするんだったら全部天引きする必要があるということも主張してまいりました。そして、その人が生活できないならば別の方法で対策を講ずる必要があるんじゃないか、こう言っておったんですが、結局は一万五千円以下の分はわずか五%だから保険者が集めに行けということになって、非常に苦慮しているというのが現状でございます。
 もう一つ問題があるのは、その所得調査を一体どうするのか。現行法では、厳密に言いますと税の申告をそのまま国保に使うのもおかしいわけでございます、守秘義務からいきまして。それを介護の所得調査に用いられるのかどうか、これも極めて疑問であります。
 こういうことを考えると、一体事務量がどれだけあるのかやってみないとわからないというのが実情でございます。
○参考人(岩川徹君) 一万五千円という額そのものがむしろ問題だと思うんです。つまり、介護保険に対する支払い者の所得がどうなのかということだけじゃなくて、生活全般をもうちょっと見るべきだと思っています。その程度の年金しかないとか、そういう全体の社会保障制度の中でもっとこの辺を議論すべきだと思っています、そのうちの一部が介護保険ですから。
 とはいっても、では自治体としてどう対応するか。先ほど申し上げた保険料基準額に対する幅を広げて独自の努力をしようと。それでもつらいんです。保険料を納めなければ一年後にはストップしよう、こういう法律ですから。だったら少なくとも納めてくれ、そういうことで町としては独自の基金を準備します。これは保険料も利用料も含めてどんどん使っていただこう、そんな考えを持っています。つまり、独自の基金ということは一般財源ですから、地元の住民がお互いに支え合おう、自治体内におけることは自治体で完結するんだ、ですからもっと自由裁量を与えてくれということを言いたいわけです。
○入澤肇君 次に、知事さんにお伺いしたいんですけれども、仙台という大都市と小さな市町村と両方とも宮城県内にありまして、介護保険制度を実施するに当たって、保険料の格差の問題それからサービスの水準の問題等につきましていろんな不満は出ていないのか、これこそまさに自治事務なんだから格差があったっていいんだということで県としては何の調整にも乗り出さないかどうか、そこら辺についてのお考え方を聞きたい。
○参考人(浅野史郎君) 結論から言えば、県として調整に乗り出しません。
 それは、宮城県内七十一の市町村がそれぞれ保険料の水準も介護の水準も決める。これは住民を巻き込んだ計画策定委員会で十分話してもらってやるという新しい体制もあるわけでありますので、そこは大変つらいでしょうが、それを乗り越えるというのがまさに分権第一号みたいなものですと。私は、随分早くから、二年ぐらい前の時期からこれは大変なことになりますということを市町村長さんの集まりのあるごとに言ってまいりました。県内では、つらそうだ、どうも大変そうだ、しかしやろうというのがこれまでの状況であったというふうに思っております。
○入澤肇君 もう一つ、サービスに関連しまして、民間のサービス会社の参入の問題がございます。
 先ほど単価の問題で、山本さんは山本さん独自の考え方がありましたけれども、例えば仙台市と他の町村との間で、民間のサービス会社の参入状況について現在どのくらい事情を把握されておりますか。準備状況で結構です。
○参考人(浅野史郎君) 正確には把握しておりませんが、民間のサービス供給会社があるのは主として宮城県では仙台市内です。登米郡というところがありますが、これが連合して一つの株式会社を仕立てて、それで広域内のサービス供給に仕立てるというのは例外的にあります。それの結果として、サービスの供給主体が複数ないというのはちょっと問題だと思います。
 民間であるかどうかということよりも、利用者からして、あっちの水が甘くなければこっちの水に変えるよという選択の余地があることによってサービス供給者が競争し、サービスのレベルを高めるということをこの制度も期待しているわけですが、それが現実の場合、宮城県内も、特に郡部においてはそれが非常に達成しにくいというのが今の状況でありますけれども、これから制度が動いていく中で参入者がふえることを期待しております。
○入澤肇君 最後に、三市町村長さんにちょっとお伺いしたいんですけれども、いよいよ認定が始まりました。認定の実施状況といいますか、スムーズに予定どおりいっているのかどうか。この間、厚生省に聞きましたら、四分の一ぐらいが申請して、〇・〇四%ぐらいが認定されたという数字なんです。しかし、計画からいうとそれでいいんだという話なんですけれども、各市町村では要認定資格者がちゃんと計画どおり申請しているのか、それから認定がどのような状況になっているかということについて一言ずつお伺いしたいんです。
○参考人(岩川徹君) 結論は順調にいっているということなんですが、市町村にとって何が重要かというと、この保険制度をめぐってどうやって信頼関係をつくれるかどうか。したがって、訪問調査であっても二次判定であってもいろんな工夫をしています。例えば、二人で訪問調査をするとか、そういう人たちが意見を述べるとか、実際にサービスを提供している方たちの意見書も添えるとか、あるいは痴呆の場合は二回も三回も四回も入るとか、そういう工夫をしながら進めていますから、現時点では極めて作業は順調にいっているというのが状況であります。
○参考人(喜多洋三君) 私どもの方は、単独でやっているんじゃなしに近隣の二市と、三市で実は広域連合を組んでおります。それで、予定件数は大体五千件ぐらい見込んでおるんですが、十月一カ月だけで約八百五十件出ております。予定件数の方が多かったんじゃないかという思いもあるんですが、パーセントでいきますと一七%で、認定事務はスムーズにいっております。
 ただ、即日全部やるのじゃなしに、この一カ月だけで見ますと月末に若干何ぼか残っておるわけですが、一昨日も実は医師会の会長とそういう話もいたしましたけれども、初めはならしでやらないといろいろ問題が出てきますので処理件数は少なかったですけれども、軌道に乗ってきておりますので心配はないということでございます。
○参考人(山本文男君) 私のところは、さっきもお話し申し上げましたように、福岡県で七十二の市町村での広域連合ですが、要介護者が約三万四、五千人ぐらいおります。これは一遍でやれませんので、この広域連合は十四の支部を設けておりまして、支部ごとで調整をするようにしております。
 それで、最初に申し上げましたように、大体今三分の一ぐらいの申請を受け付けておりまして、ほとんど訪問調査が終わっております。あとは、さっきお話が出ておりました一次判定用のコンピューターが不足しておりまして、現在二十四台据えてあるんですが、足らないです、あと十八台。ですから、十八台を急いで設置しないと四月に間に合わないという状況になってまいりました。コンピューターの設置を急がなければならないという状況下になっておりますので、現在のところ、三分の一の調査が終わって、その調査の約半分以下ぐらいのところまで判定が終わっております。私どものところは土、日の二時間ずつ、ですから週に四時間この審査会を行っておりますので、この審査会がうまく流れていくためには、どうしても一次判定が順調に流れなきゃなりません。
 そういう障害が今出てきておりますので、下手をすると四月に間に合わない事態も出てくるかもしれません。しかし、それをしてはなりませんので、無理してでもコンピューターの設置をして四月に間に合わせようと、こういうふうに今進めているところでございます。
○堂本暁子君 きょうはお忙しい中、本当にありがとうございました。
 私は、参議院の会と申しまして無所属の連合体の堂本暁子でございます。
 きのう、私は本会議でも介護保険のことで総理に質問をしたんですが、少し国の方のニュアンスも変わってまいりまして、保険料の徴収をしてもシステムの、コンピューターなどにかかった費用については臨時特例交付金を使ってもいいということで、保険料を徴収した場合でもそういうものを出すというようなことのニュアンスが幾らかあったんですが、やはり四月からの保険料の徴収というのは認めないというのがどうも国の方針のようでした。
 浅野知事から先ほど、保険料を徴収しても臨時特例交付金がそれぞれの市町村に出されて、それをもっと基盤整備と申しますかそういうことに活用する、災いを転じて福にしてはどうかというお話があったんですが、非常に時間がないわけですね。そういった形でこの臨時特例交付金を使う場合に、条例で基金をつくらなければならない手続が多分これからあるんだと思いますが、時間的には各市町村で間に合うのかどうか、その辺のところをお三人に、山本参考人から伺いたいんですが、いかがでしょうか。
○参考人(山本文男君) これ以上時間を延ばすと無理になります。ですから、私が申し上げましたように、少なくとも一月までには条例制定が終わらなければならないと思います。
 それからもう一つ、私どもは保険料を徴収しないということが原則だとは聞いておりません。特別交付金についてはフリーハンドにすべきであるというのは、そういう意味で申し上げたんです。大体保険料に見合う額を特別交付金として交付するけれども、私はここでは言わなかったんですが、前回のときはこれをゼロにする、二分の一にするというのは法律違反じゃないか、だから法律で定めていることをなぜトップダウン方式でやるんだ、こういうことを少し言ったんです。
 それで、とにかくフリーハンドにしてほしい、フリーハンドも一定の基準を決めてフリーハンドにしていただければ、保険者の方の立場も鮮明になるし、国側の援助もきちんとなるじゃないかということをお願い申し上げておりましたところが、私どもの方に返ってきた返事は大体そういう方向で進めていくと。
 ですから、さっきのお話のように、一号の保険料を徴収したらその分については特別交付金をやらないというお話は聞いておりませんから、それはないと思います。いずれにしても平等に上げるんじゃないかな、そういうふうに私は理解しております。そういう意味です。
○参考人(喜多洋三君) 市側では非常に困惑しているというのが意見でございます。
 なぜかといいますと、十二月議会では絶対間に合わないわけであります。国で予算措置もすべて決めていただかないと、いかに自治事務といえども、市町村がえいやっと国の動向を無視して条例をつくってしまうということであればこれは可能ですけれども、なかなかそうはいかないのが現状でございますから、十二月議会が間に合わなければ大部分のところは三月議会、二月の終わりから三月の上旬ということになります。そうすると、四月一日から始まる介護保険制度を市民にPRする時間というものはほとんどなくなるわけでありますから、非常に困っておるというのが現状でございます。
○参考人(岩川徹君) 時間的にはかなり少なくはなってきていますが、まだやれるだけの時間はあると思っています。それと、我々は徴収するのが当たり前ですから、しない方が私はおかしいと思っていますから、するための体制づくりはちゃんと職員の方に指示をしております。
 そのためにも、今まで出した政府案は政府案として、もう半分は自治体が選択できるような自由裁量の部分をぜひ出していただきたい。それによってどっちを選ぶかというのは最終的にこの保険の主人公である住民が決めますから、住民というのはまさに賢い存在だと思っていますから、ぜひそういう御配慮があればなというふうに考えています。
○堂本暁子君 浅野知事に伺いますけれども、災いを転じて福とする場合に、その福の具体的な内容について、どういうイメージを七十一の市町村については持っていらっしゃいますか。
○参考人(浅野史郎君) ただ、まだこれは捕らぬタヌキなんですね。今、山本町長と、えっ、そんなことになったんですかとここでお話ししたようなものなんです。いまだに混乱をしているということ自体も大問題なんですが。
 それに関しまして、その前段として、十一月二十九日に厚生省で説明会がありまして、その資料が今手元にありますが、ちょっとそこのところで理解できない部分が半年分の特別徴収なんですね。つまり、年金から源泉徴収される部分、これは本来の法律の原則、つまり見直し前であれば当然きちんきちんとこれは仮徴収として、額としてはそうですけれども、四月分から取られるわけです、平成十二年の。ですから、それは特別徴収される人の名簿が各市町村に来て、そして今度は市町村から仮徴収の依頼というのを年金保険者の方に出すということになっているわけです。
 ところが、その件に関しての説明をちょっと見ますと、「平成十二年度前半に保険料を徴収する必要はないことから、」「平成十二年一月三十一日までに年金保険者に通知することとされる平成十二年度の特別徴収の仮徴収依頼については、不要となる。」と書いてあるんですよ。これはちょっとぎょっとしたわけですが、これだけ見ますと、厚生省はというか年金保険者は、年金からの源泉徴収を平成十二年度の前半半年はやるつもりがないんですね。これは右向け右という以上のもので、左を向きたいと言っても年金からの源泉徴収はされないんです。ここが余りにもさらっと書いてあるのでちょっと不思議なんですが、「平成十二年度前半に保険料を徴収する必要はないことから、」と書いてあるんです、さらっと。ですから、今、山本町長さんが、いや、保険料を徴収したって出るんだというふうにおっしゃったのですけれども、年金から源泉徴収のしようがないんです、これは。
 ということで、一体どうなっているんだろうかということで、今、堂本委員からの御質問ですが、私は災いを転じて福とするその福はどうなるかというところまで考える体になっていません、まだタヌキを捕っていませんので。捕らぬタヌキです。ただ、仮に私がきょう主張したように補正予算の流用が広く認められるのであれば、事ここに至った時期からすれば、保険料を今度はもう一回徴収という体に戻せということですから、なかなか難しかろうなと思いますけれども。
 県内で一つでも二つでもそういうところが出てくるのかと。これはよくわかりません。そういう意気盛んなところが何かヒーローになっちゃうというのは変なんですね。保険料を徴収するとヒーローになっちゃうといったこの制度は何だったのかと言うんですけれども、まだふたをあけてみないとわからないので、全部仮定の議論でそんなふうに申し上げております。
○堂本暁子君 山本さんにもう一度伺いたいのですけれども、先ほど慰労金のことについて、今制度外になっている、それを絶対制度内のものにしてはならないというふうにおっしゃいました。その理由をもう一回詳しく、なぜ制度内にしたくないのかということを聞かせていただけますか。
○参考人(山本文男君) この慰労金の考え方が、制度内で認定をされて、そして重度の人でサービスを全然受けないでと、こういうことになっておるわけです。しかも、そういう人については家族が介護するということになっているんです。家族が介護すれば何でもいいのか、こういうことにつながっていくわけです。家族介護は二分の一を超えない範囲内でライセンスを取っていただきます、その方がやるならば二分の一の範囲内ならいいです、こうなっているわけです。
 ところが、この目標は、ライセンスなんかそんなものはどうだっていい、家族の愛情を育てていくのだという考えですから、だんだんそれが広がっていって、家族が介護すればライセンスなんか要らない、そして相当額、例えば今在宅で三十五万ですから、三十五万のうちの一割を引いた残りは全部もう家族がやるなら上げましょうというところまで進展する可能性が出てくる。これは耳ざわりのいいことです。
 もう一つは、非常にやりやすいことでございますから、それがずっと広がって、言うならば国民的な議論としてどんどん広がっていきますと、やらざるを得ないようになったときのことを考えると決していいものではない。だから、これは小さなことだけれども大きな火種になりますよというのは、そういう意味で私は申し上げたのです。
○堂本暁子君 私もいいと思っていないんです。全くおっしゃることは同じだと思っていますし、もっと女性の立場から言えばやはり非常に女性にとっては不利なやり方で、そしてショートステイや何かも週に一回とか決まっている。そうすると、必要なときにショートステイが使えないというようなことがあると思うんです。
 市町村の立場で、例えば町長さんのお立場でそれをできるだけ抑止するというか、できるだけそれがそういうふうにならないような方策というものはとれるものでしょうか、現場で。
○参考人(山本文男君) 私は、私のところにはそういう該当はないと思います。慰労金を支給しなきゃならないようなそういうケースはあり得ないと思いますが、もしそういうことが出てきた場合は、これは保険料の選択になっていますから私は実施しない、こういう方針です。
○堂本暁子君 知事のお立場は少し違うと思うんですが、宮城県の中でこの慰労金については今どのような議論になっていますか。
○参考人(浅野史郎君) 先ほどやや不十分なアンケート調査の結果を申し上げました。反対というところが回答した中では六十数%ですから、これに飛びつくというところは今の県内の市町村では少ないというふうに思っております。
 今、山本町長がおっしゃったとおりでありますが、こういったような仕組みで、しかもさっきちょっと申し上げた美しい言葉で説明されてやられるということは、我々からすると大変危険を感じます。介護保険というのは、今はまだ頭の中だけでやっているのですけれども、これから全国一斉に動きますから、そうするとやはりこうやって社会化していってやっていくということのメリットと、そしてもう一つは限界です。つまり、家族介護を代替するものでは残念ながらないという現実も、これはむしろ不満の声として出てくるのです。そういった現実も明らかになりますので、介護保険はそんなにバラ色ではありませんということです。
 ですから、この慰労金の話は私は吹っ飛ぶのじゃないかというふうに思います。今は何か美しい言葉で、これがよさそうだというだけの話だと思いますから、そういったことに乗っていくような市町村というのは余り考えられないというふうに思っております。
○堂本暁子君 喜多参考人や岩川参考人も同じように考えていらっしゃいますか。
○参考人(喜多洋三君) 市長会ではその議論は集約いたしておりませんが、私は個人的にただいまの意見と同じでございます。
○参考人(岩川徹君) これまでは極めて限定的にサービスを提供したわけです、限られた場所で限られた人たちが限られた予算で。それをふやそうというのが介護保険ですから、したがって今一番重要なのは、どうやってサービスの量あるいは質を大幅にふやすか、いいものにするか、これが重要ですから、そのためには現金給付という発想はまさに逆行する発想だと思っています。
○参考人(山本文男君) 恐れ入りますが、先に私帰らせていただきますけれども、大変恐縮ですが、さっきの取っていい、取っていけないというのは限度がございます、常識の範囲がございますから、それをそのまま取ったりというふうに理解しないでください。そうしないと重大な影響を与えますから。
 私は、保険料を徴収するのも一割以内、一〇%以内ぐらいの徴収をしたっていいじゃないかというのが私の意見でございまして、完璧にゼロにするということそのものは、言いかえると保険料の判断の問題である、こういうふうに私は思っているからそういうふうに申し上げたのです。どうぞそういう点、ひとつ御理解いただきたいと思います。
 大変恐縮でございますが、帰らせていただきます。どうもありがとうございました。
○堂本暁子君 ありがとうございました。終わります。
○西川きよし君 本日は御苦労さまでございます。私で最後でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 いろいろなところで我々もお話をお伺いするのですけれども、措置制度から権利を買うという意識へ変えるというのが、なかなかお年寄りの皆さん方は特に難しいようでございます。二十四時間ヘルパーさんにお越しいただくという、いわゆるみんなが寝静まったころ、高齢者の夫婦、そしてまたお一人で生活しておられるような方々は、他人様が入ってくるというようなことで大変心配だというようなお話を聞きます。最近耳にいたしますのはケアマネジャーということでございますけれども、この民間事業者の新規参入という部分で少しお伺いしたいのです。
 民間介護・生活支援サービスに関する研究会というのが先々月から通産省において始まったわけです。まず、岩川参考人にお伺いしたいのですけれども、委員ということでございまして、この生活支援サービスに関する研究会、こちらの方のテーマの一つに、民間事業者の参入を考えた場合、現在のケアマネジャーのあり方には問題が多いのではないかと。いよいよ四月からスタートというときに、こういう会合の記録を見せていただきまして大変自分自身も驚いております。岩川参考人、喜多参考人、そして先ほど岡本参考人からも大変ケアマネジャーに現在問題ありという発言がございましたので、三人さんにお話をぜひお伺いしたいと思います。
 それでは、まず岩川さんの方からお願いいたします。
○参考人(岩川徹君) 問題になっているのはこういうことだろうと思います。ケアマネジャーの資格を持っている方が単独で、その仕事だけで生活ができないということなんです。ですから、最終的にどうしても数をこなさざるを得ない。だとすれば、特定企業対ケアマネという関係が非常に重要になってくるわけです。ですから、基本的にはケアマネジャーの生活保障を、それだけでできるような、そういう報酬体系というものを十分これから考える必要があろうかと思います。
○参考人(岡本祐三君) 要するに、図上演習だけで実戦的なトレーニングなしに四月から仕事をしなければいけない。だから、いわゆる先進的に高齢者福祉をやってきたところでは、事実上ケアマネジャーをやってきた方は結構いるわけです。そういうところはそういう人たちが指導する形でかなえていける。しかし、何しろ新しい世界で新しい仕事をやっていく、現在ない世界をつくっていくわけですから、そこで一種図上演習だけで実際のケアマネジングをやれるかというと、非常に問題がまずあります。
 その上、都道府県レベルでやっているケアマネジャーの研修が、私が見聞する限りでは非常に大ざっぱです。非常に広い会場で数百人集めてやっている。あれでいいのかと。つまり、医者でも看護婦でも対人サービスの人間は、教育を受けて実際現場でトレーニングをして出ていく、そのプロセスがない形でやらざるを得ない事情はあります。やらざるを得ない事情はやむを得ませんけれども、もう少しきめ細かなトレーニングのプロセスが用意できないものかという点でちょっと心配です。
○参考人(喜多洋三君) 具体的なケアマネジャーのことについて何か問題があるという部下からの報告は、私は今持っていないんですが、岡本先生が今おっしゃったように、初めての制度ですし、試験制度も初めてやったわけですから、人間がやることですから、やはり初めは問題は私はたくさんあると思います。
 これは、よその市町村ではどうかわかりませんが、私のところの職員は、資格のあるものは全部試験を受けろということで、去年もことしも受けさせました。つまり、民間のケアマネジャーがどうしているかということを役所側もよく知っていなかったらいけない、福祉担当者はよく知れということで、そういうことも言っております。
 しかし、実際に運営をすればいろいろ問題は出てくると思いますけれども、それはほかのことも含めて最初の三年間はやっさもっさやらなければならないんじゃないか、そういう覚悟はいたしております。
○西川きよし君 今お三人さんのお話をお伺いいたしまして、では四月からスタートするということであれば必ず問題が起こるんだという保証のようなお話に僕は受けとめました。そうすると、サービスを受けるとかケアマネジメントのお仕事をしていただく中で、我が家も三人年寄りが世話にならないといけないんですけれども、今現実にそうしてやっておられる皆さん方がこれはもう絶対心配で、スタートしちゃいかぬというようなお話に聞こえてくるんです。
 では、今から僕はちゃんとしたセキュリティーというものが要ると思うんです。スタートするけれども必ず失敗するんだ、危ないんだというようなことであれば、それこそ二十四時間体制みたいなことは大変不安になってくるんです。そういう意味では、例えばオンブズマン方式だとか、例えば外国にはよくありますね、二つ星だとか三つ星だとか四つ星だとかというような、まずかったら後でお金を返すんだ、補償をするんだというふうなこともある。公務員に準ずるとか、守秘義務とか、いろいろあります。
 そういった意味で、もう一度お三人さんにお伺いしたいんですけれども、ではこういうふうにした方がいいのではないかという、ほかのこともいろいろお聞きしたいと思うんですけれども、最初から物すごい高いハードルのお話になりましたので、岩川さんの方からお願いします。
○参考人(岩川徹君) 基本的には、もう今のやり方では立ち行かなくなった日本ですから、どうやって解決するかというその糸口として導入された介護保険なんです。確かに問題はあります。ですが、これを導入して新しい社会に対する新しい福祉システムとしてこれを根づかせないと、現状は絶対に変わらないわけです。ですから、これを導入してあとは走りながら考えよう、それで私はいいと思っています。
○参考人(岡本祐三君) まず、先ほど来このグラフでお示ししましたように、潤沢な財源が使えるようになった。量的には今より倍以上使えるわけです。これはとてもいいことです。その上で質の問題ですから、私も阿倍野区に八十三歳の母親を一人置いているものですから、来年ぐらいから多分介護保険の要支援ぐらいになると思うんです。
 一つは、子供たちにとって新しいそういういいサービスを使うためのチェック機能というか、協力する義務というのは新しく生まれてくると思います。家族がやる一つは、自分の家族がいいサービスが利用できるかどうかチェックする機能というのは、やっぱりやらなくちゃいけない。
 もう一つは、私自身今参加しているんですけれども、市民オンブズマンの機構と言っていますけれども、新しい市民のコーディネーターですね、告発型とかだれかの非をとがめるんじゃなくて、介護の場というのは、サービスを受ける側、利用する側というのはなかなか常に対等になれませんから、そこで間に入ってそういう不満が爆発しないような形で小まめに御本人のいろんなクレームを代弁するとか、さまざまなタイプの苦情処理機構を工夫しなければいけない。
 その中で、利用者とケアマネジャー、事業側が切磋琢磨していい形の、身内の世話でない、ビジネスとしての形の新しいサービスの世界をつくり上げていく努力というものは十分かなう。なぜならば、まず財源が潤沢にあるからです。その中で、一、二年はかかるでしょうけれども、次第にいいものになっていく、これは間違いないと思います。
○参考人(喜多洋三君) 先ほど私は必ず起こるとは言っていなかったと思います。そのおそれがあるということを申し上げた。結局は、ケアマネジャーになられた方のいわゆる情熱、人間性、そして関係者がみんな介護保険に向けてよりよい方向に行くという努力を重ねられて初めて軌道に乗るものだと思います。
 先ほど申し上げたのは、それは三年ぐらいたたないときっちりレールの上に乗らないという意味で申し上げたので、必ず問題が起こるというふうには申し上げていないので、起こらないように努力をしていきたい、こう思います。
○西川きよし君 ありがとうございます。
 一言だけ浅野知事さんにもお答えいただけませんか、この件について。
○参考人(浅野史郎君) 大丈夫です。しっかりやれると思います。最初はやっぱり大変でしょうけれども、これはその場になったら大丈夫です。大丈夫にしましょう。県も一生懸命やります。今のお三方のお答えを聞いて、ますますそんな感じを持ちました。
○西川きよし君 岡本先生のお答えが不安というように感じたものですから、改めて知事さんにもお伺いをしたかったんです。
 続いて岡本先生に質問したいんですけれども、これからいよいよ介護保険がスタートするに当たりまして、ホームヘルパーさんの医療行為についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
 日ごろ我が家でも日常行われているようなことですけれども、例えば総務庁が厚生省に勧告を出した中で、ガーゼの交換、体温の測定、家族が日常行われているようなことですけれども、できる限り幅広くホームヘルパーが取り扱えるように業務内容を見直す必要がある。家でも体温計だとかガーゼだとかいうようなことはそれこそ日常ですけれども、この指摘についてぜひ先生にお伺いしたいと思います。
○参考人(岡本祐三君) 非常に厄介な質問をしてこられたと思いますが……
○西川きよし君 結構家の中で不安なもので、よく質問されるものですから。
○参考人(岡本祐三君) これははっきり申し上げまして、看護協会といった業界団体の意見がまだ統一されていないんです。そういった行為を医療行為とみなすかどうかもまずは問題です。
 例えば、カナダなんかでやっている方法は、教育を受けた正看護婦がその現場でこの人にならそういった簡単な業務はゆだねてもいい、その判断のプロセスがあるんです。それをやればヘルパーに一定の仕事をゆだねてもいい、そういう工夫をしているんです。だから、日本の場合でも現実に適応した形で一定のヘルパーにそういった業務を移譲するということを真剣に考えなければいけないと私は思っております。
○西川きよし君 あと二分で私もおしまいです。
 喜多参考人に最後にお伺いしたいんですけれども、保険料の計算方法ですけれども、昨年の審議会の議事録も読ませていただきました、御発言なさっているのを。その中で、保険料の負担能力の判定に世帯の考え方を持ち込むべきではないと。先ほど低所得者のお話も出ましたけれども、五段階の保険料の区分のあり方、公平な保険料算定方法、これからの課題を含めて、いろいろと逆転現象等々を含めて、最後にお話をお伺いして終わりたいと思います。
○参考人(喜多洋三君) これは介護保険もそうでございますけれども、医療保険で説明した方がよくおわかりだと思います。
 医療保険は、御案内のように、政府管掌もございますけれども、被用者保険と国民健康保険に分けまして、国民健康保険は世帯割というのがございまして、六十五歳以上のお年寄りもやはり国民健康保険の保険料を払っているわけです。
 ところが、被用者保険の方は、世帯主が勤めてその人の給料によって、世帯員が何人おろうと、高齢者がおろうとそうでなかろうと、これはその人の給料によって一定の率を掛けられて保険料が取られるわけです。つまり、家族の数が何人おろうとも一緒だということになっておるわけですね。その上に今度は二号保険料が全部乗るわけですから、つまりAさんのところは二号保険者が三人いるけれども、Bさんのところは一人しかおらない。にもかかわらず、同じ給料だから保険料は一緒だと。これは極めて不公平なわけです。三人分と一人分と全く同じ額が取られる。これは、もう現実にシミュレーションしたら大変なことになると思います。
 国民健康保険もそうでございまして、今、限度額を国民健康保険の上に介護保険を幾らにするかということはまだ公表されておりませんが、私の方で実は五万円という限度で計算をしました。そうすれば、五万円ですから月額は四千円ぐらいになるんですね。
 もともと国民健康保険の二号保険者は半分は国が持つということになっていますから、その四千円というのは実は八千円ということになるわけです、保険料に直せば。一号保険料は平均三千円と言われていますから、それの第五ランクでも四千五百円です。にもかかわらず、二号保険の方は月額五万円に仮定したら四千円取られるわけです。
 しかも、今度はその五万円がもう少し上がる、実は上がるという話を聞いています。七万円から八万円という話を聞いているんですが、八万円になりましたら、もうとてもじゃないけれども一号保険よりも高い二号保険料を払わなければならない。世帯で取っているからそうなってしまうわけでありまして、何人家族がおろうと、均等割のところでちょっと関与はしているけれども、それは実はその家々で取っているわけであります。
 ついでに申し上げますと、今、国民健康保険は世帯主義になっています。私のところの娘は国民健康保険でございます。私は被用者保険の方に入っておるわけですが、その世帯主は私でございますから、娘の国民健康保険の保険料を納付する義務は私にあるわけです。私はほかの組合に入っているのに、国民健康保険を娘が滞納したら私のところへ督促状を送る、こういう妙なことになるわけであります。
 もう一つ申し上げますと、一号保険料で、五ランクに分かれていますけれども、これも税制度の中で世帯とかいろんな区分を言うておるものですから、生活保護は大体二人で十八万円ぐらい月額あるわけですが、それだけの所得の給与所得者は第四ランクになります。それから、日雇いで十八万円夫婦で稼いでおられる方はこれも第四ランクになる。つまり、第一ランクと第四ランクと同じぐらいの収入が入っておるのにかかわらず、そういう矛盾がきておるわけです。それを今まで私は申し上げておるわけです。
○委員長(狩野安君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十四分散会