第146回国会 農林水産委員会 第3号
平成十一年十一月十八日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     大沢 辰美君     筆坂 秀世君
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     三浦 一水君     中島 啓雄君
     筆坂 秀世君     大沢 辰美君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正俊君
    理 事
                岩永 浩美君
                亀谷 博昭君
                小林  元君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
    委 員
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                中島 啓雄君
                森下 博之君
                郡司  彰君
                羽田雄一郎君
                藤井 俊男君
                峰崎 直樹君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                阿曽田 清君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
   政務次官
       外務政務次官   東  祥三君
       農林水産政務次
       官        谷津 義男君
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 威男君
   政府参考人
       外務省経済局長  大島正太郎君
       文部省生涯学習
       局長       富岡 賢治君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       厚生省生活衛生
       局長       西本  至君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省農産
       園芸局長     樋口 久俊君
       農林水産省食品
       流通局長     福島啓史郎君
       農林水産技術会
       議事務局長    三輪睿太郎君
       食糧庁長官    高木  賢君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (食料・農業・農村基本計画の策定に関する件
 )
 (中山間地域等に対する直接支払いに関する件
 )
 (農業予算と公共事業に関する件)
 (農業基盤整備の推進に関する件)
 (農協系統組織の整備に関する件)
 (遺伝子組換え作物に関する件)
 (WTO次期交渉への対応に関する件)
 (WTO次期交渉に関する決議の件)

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○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十七日、三浦一水君が委員を辞任され、その補欠として中島啓雄君が選任されました。
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○委員長(若林正俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に農林水産省経済局長石原葵君、同構造改善局長渡辺好明君、同農産園芸局長樋口久俊君、同食品流通局長福島啓史郎君、農林水産技術会議事務局長三輪睿太郎君、食糧庁長官高木賢君、外務省経済局長大島正太郎君、文部省生涯学習局長富岡賢治君、同初等中等教育局長御手洗康君及び厚生省生活衛生局長西本至君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(若林正俊君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩永浩美君 おはようございます。自民党の岩永浩美です。
 WTO次期農業交渉に関する集中的な委員会の中で、大臣並びに政務次官、関係政府参考人の皆さん方に質問をしたいと思います。
 まず初めに、玉沢農林大臣は、FAOの年次総会に出席のためイタリアの方に行かれて、今までEU関係国とも会合を持たれて一昨日、帰国されました。お役目とはいえ大変お疲れさまでした。
 そこで、まず大臣からFAOにおけるいろいろな会合についてその所感並びにその内容等をお聞かせ願えれば幸いです。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今回のFAO総会は、二年に一回、加盟国の閣僚レベルの代表が参加して開催される最高の意思決定機関でありますが、特に今次総会は、二十一世紀の農産物貿易ルールを決めるWTO次期交渉の開始を間近に控えた重要な時期に開催をされました。
 私は、十一月十五日、この総会に日本政府代表として出席をし、WTO次期交渉に対する我が国の取り組み方針等について演説を行いました。
 具体的内容といたしましては、世界におきまして約八億人の栄養不足人口の解消に向けて各国がお互いに努力することなど、食料安全保障の重要性、また農業の多面的機能の重要性、さらに林野・水産分野につきましては、人類が資源を持続的に利用すること、またこれを貿易ルールに生かしていくこと、FAOが他の国際機関などとの連携の強化や国際的ルールづくりに重点を置くことなどを訴えてきたところでございます。
 このFAOの総会の最中におきまして、同時にまた我が国と意見を同じくする多面的機能フレンズ国、中核の五カ国があるわけでございますが、その五カ国の方々と懇談会を行いまして、そしてWTOのシアトル閣僚会議に向けましての今後の対応について話し合いをいたした次第であります。
 そういう結果におきましては、できるだけ多くの国々に働きかけを行いまして我々の主張が実現できるように努力しようと、こういう申し合わせをいたしました。その結果、スイスが昨日、各国に呼びかけまして、二十三カ国の参加のもとに多面的機能フレンズ拡大会合が行われまして、大きな成果を挙げつつあると、こういうことも報告を受けたところであります。
○岩永浩美君 そこで、去る七月十二日に参議院の本会議において、食料・農業・農村基本政策に関する決議が全会一致で可決されたことは御案内のとおりです。その中で、「次期WTO農業交渉においては、農業の多面的機能や食料安全保障の重要性などが反映された公正かつ公平な農産物貿易ルールを確立すべく、毅然とした取組が必要である。」と記されております。
 前回のウルグアイ・ラウンドの交渉を振り返ってみると、農業分野が初めて貿易交渉の対象として取り上げられ、市場開放の一層の促進、農業分野における貿易ルールが行われてきたことももう既に御承知のとおりです。特に、日本が関税化の特例措置を受け入れることで決着したわけでありますが、我が国の農村地帯を取り巻くその国土の環境等々を考えると、農業の生産条件の不利地域の大変多い日本では、あのウルグアイ・ラウンドの交渉におけるその一つの結果は、惨たんたる思いをしてきたこともこれまた事実であります。特に、自由貿易の名のもとに農林水産物が鉱工業製品と同列に、世界市場において競争力のある国が弱肉強食の世界と言ってもいいほどそういう感じの市場開放を迫ってきたことは、ぜひともこの際、私どもは見直さなければいけないのではないかという思いを強くいたしております。
 今、大臣は、このシアトルの閣僚会議に向けてFAOにおけるそれぞれの関係諸国ともお話しになりました。そして、今までの交渉の経過についてるるそれぞれの熱い思いも抱いておられると思いますが、そこで私は最初に、ミニマムアクセス米の取り扱いについて伺っておきたいと思います。
 前回のウルグアイ・ラウンドの農業交渉においては、最大の問題は米であったことは言うまでもありません。そのミニマムアクセス米の輸入量の増大が毎年毎年重なることによって日本の米の在庫量がふえ、日本の生産農家の皆さん方に多大な困惑を与えたことはもう言うまでもない事実であります。
 そこで、次期交渉に当たって今までの一つの経過措置並びに関税化へことしの四月から踏み込んできた今、ミニマムアクセス米についての量の輸入そのものについて大臣は今どういう考え方をお持ちなのか、まずそれをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 前回の交渉において決定をしまして、一部自由化という形でミニマムアクセス米を受け入れるということになったわけでございますが、我が国といたしましては、これが国内の生産に影響を与えないようにいろいろな施策を講じてきたところでありまして、今後もこの交渉におきましては、まだ交渉には入っておりませんけれども、できるだけ我が国の米の生産に影響がないように、そういう観点から交渉等におきましても立ち向かっていかなきゃいかぬ、このように思います。
○岩永浩美君 米の関税化を今回決断されました。米を関税化した以上は、ウルグアイ・ラウンドの実施期間中MA米を輸入することは義務であるとしても、次期ラウンドでこのミニマムアクセス米の実行義務が継続されていくということは少し矛盾をしないのか、そういう思いがいたしますが、それはどういうふうに解釈をされますか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農業協定の第二十条におきましては、六年間あるわけですが、例えばいろいろな関税を削減したりそうしたことを行う、そうした実行がどういうような影響を与えたかということも含めて、そういう評価も含めて、そういう点も考慮して交渉を行う、こういうことにもなっておりますし、また長期的な目標を徐々に達成していくという趣旨をうたっておるわけでございます。
 また、この農業の持つ食料の安全保障あるいは非貿易的関心事項あるいは環境、こういうところに配慮した交渉を行うべきである、こういうことも書いてあるわけでございますので、そうした点を十分考えて対処していかなければならぬ、こう思います。
○岩永浩美君 今、大臣からお答えになっているように、六年間に四%から八%までということ、そのことが記されてあります。しかし、高関税という一つの関税化を図るということに一応決めたとするならば、やっぱり輸入量そのものについての制限、縮小を一方において図っていかなければ私はだめだと思うんです。
 だから、六年前のウルグアイ・ラウンドの交渉のときとは今度は趣を異にする関税化という一つの方法をとってきたわけだから、やっぱりミニマムアクセス米の量そのものを削減していく、そのことは絶対に必要なことだと私は思いますが、それについてはどうなんですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 関税化することによりまして、ミニマムアクセス米を入れる量は減っておるわけですね、交渉によってでございますけれども。増加量は減りますね。(「増加量じゃなくて率だよ」と呼ぶ者あり)そういうことです。
 それで、交渉においてどういうふうに行うかということはこれからのことでございますから、よく御意見等を承りましてやっていく必要があるのではないかというふうに思います。
○岩永浩美君 増加率は減っているけれども、量はふえているんですよ。増加率は減っています。しかし、量そのものはふえているんです。その量がふえていることで国内の生産農家にしわ寄せが来ているという現実を考えると、次期ラウンドでは量そのものを削減していくという方法をとらなければいけないのではないかという、私自身はそういう考えを持つわけです。それについてどうお考えになるのかということです。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、御趣旨はよくわかります。しかし、今なさなければならぬことは、WTOの次の交渉の枠組みを決めることにおいてどうするかということによって次の段階が来るわけでありますから、そうした委員の御意見も踏まえてこれからの交渉に当たらなきゃいかぬと思いますが、具体的な交渉にまだ入りませんので、今後、枠組みが決まりまして次の交渉に移っていくという場合におきましては、当然、我が国の米作をどのように進めていったらいいかという観点から交渉を行うべきである、このように思います。
○岩永浩美君 それでは、政府参考人に御説明をいただきたいと思いますが、現在何%ぐらいまで率として上がっていますか。
○政府参考人(高木賢君) 特例措置の関税措置に切りかわったことによりまして、四%から八%という、年々〇・八%の増というのが〇・四%の増ということになったわけでございます。
○岩永浩美君 私はそのことをお尋ねしておるのではなくて、ことしは何%まで上がっていますかということです。
○政府参考人(高木賢君) 〇・四ですから、六・八%ということになります。
○岩永浩美君 一%ふえることによって何万トンの量が輸入されますか。
○政府参考人(高木賢君) ちょっと細かい数字はなんですが、約十万トンでございます。
○岩永浩美君 大体一%で十万トンぐらい量がふえていくと思います。私は、その特例措置としてやっていく四%から八%というのではなくて、少なくとも五%までは最低やっぱり伸ばさなければ、削減をして交渉に当たらなければいけないのではないかという思いがまず一点、そういうふうに思います。
 それと同時に、次期の交渉において、今、大臣からは、その枠組みが決まらないと今の時点ではっきりしたことは申し上げられないと。恐らく、交渉ですからどういう経過の中で推移するかわからない、そういう御答弁は理解できます。ただ、いろいろな選択肢があると思います、交渉の中における。その選択肢の中で、私はやっぱりミニマムアクセス米は削減していくという一つの選択肢があってもいいのではないかという思いをいたしますが、大臣はその件についてはどういう御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 選択肢の一つとして承りました。
○岩永浩美君 では、大臣は今後その交渉をしていかれる過程の中で、ミニマムアクセスの量の輸入については、そういう削減の方向も選択肢の一つとして交渉のテーブルにのせるというふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 広範な議論をしなければならない、こういうことでございまして、今からそのことだけを交渉の中に位置づけるということはどうかと思いますので、ここでそれをそうしますというようなことはまだちょっと時期尚早だと思います。
○岩永浩美君 私は、今ここで結論めいた御意見をということではなく、選択肢の一つとしてそういうことをぜひ頭に入れて交渉に当たっていただきたい、そのことが一点。
 それと、今、国内の生産農家の皆さん方は、今の時点における関税率が非常に高い点で関税化されていることについて、一応満足とはいかなくても理解をしています。しかし、今後の交渉の過程の中で関税率の引き下げが行われるのではないかという危惧の念を抱いている生産農家が数多くおられることも事実です。
 この関税率を今のままで維持できる、そういう一つのお考えか。場合によっては、その関税率の引き下げというようなものもあり得るのか。そこら辺についてはどういう御見解をお持ちになっているのか、お願いいたします。
○政務次官(谷津義男君) 今、岩永先生の御質問は、二次関税がそのように高率であるから、これより引き下げられることもあり得るのではないかという心配だろうと思うんですが、二〇〇一年以降の関税率の取り扱いは、来年から開始される次期農業交渉において決定されるべき事項であります。
 しかしながら、現時点におきましては、今月の末にシアトルの閣僚会議の開催に向けて、交渉の分野あるいは包括交渉とするかどうか、交渉の枠組みについての議論が集中的に行われる段階でありますので、このため、米の関税率をどうするかといった交渉の内容に踏み込んだ主張を現段階で行うのは適当ではないというふうに考えております。
 米の関税率の取り扱いにつきましては、我が国の米の稲作の重要性にかんがみまして、農業の多面的機能等を非貿易的関心事項に十分に反映させる内容でなければならないというふうに考えておるわけでございまして、この点について適切な、効果的なタイミングで我が国の主張をしていきたいというふうに考えているところであります。
 この際には、国民各界各層の意見や国会の御議論も踏まえまして、我が国の国益を守る観点からしっかりと対応していきたいというふうに考えております。
○岩永浩美君 今までの交渉の一つの経過の中で、特にあの時点の中で、ウルグアイ・ラウンドの交渉で市場開放がなされたとき、たまたま私どもが所属する自由民主党は野党でありました。そのときの政府側に対する厳しい我々の声は、交渉に当たって毅然たる態度を持ち、日本の国益を十分に守るべきだと。そのときに外務省等々に対する大変強い意見があったことは事実であります。またぞろ、そういう一つの国民の感情が醸成されることがないように交渉に当たらなければならないことは言うまでもありません。
 そこで、きょうは外務省にもお見えいただいておりますが、過去の、前のウルグアイ・ラウンド交渉時における国民の批判があったことを踏まえて、今後の交渉に向けてどういう御決意で臨まれようとしているのか、今までの交渉の経過も踏まえて御答弁をいただきたいと思います。御説明を願いたい。
○政府参考人(大島正太郎君) お答え申し上げます。
 御承知のとおり、これから行われようとしておりますことは、まず二〇〇〇年から既に合意済みということで交渉することになっております農業及びサービス分野の交渉が行われることになっておりますが、それに加えて政府としましては、よりほかの分野も入れた、あるいはさらにWTOの根幹でもありますルール、これの強化、新たなルールづくり、こういった分野も入れた包括的な交渉とすべきだという立場をとっておりまして、シアトルで行われます閣僚会議においてそのような次期交渉の枠組みが実現するよう最大限の努力を行っているところでございます。
 また、外務省といたしましても、これまでのいろいろなガットあるいはこれからのWTOにおける交渉に臨むに当たりましては、関係省庁とともに政府一体となりまして、次の交渉が我が国の国益に即したもの、それが十分確保されるものとなるように、各国との調整に意を用いまして毅然たる態度で臨んでいきたいと思っております。
○岩永浩美君 ぜひ、外務当局においては二度とそういう批判を受けることがないように、強い姿勢で関係省庁の十分なコンセンサスを得ながら交渉に当たっていただくことを強く要望いたしておきたいと思います。
 次に、農業の多面的機能の取り扱いについて、大臣並びに谷津総括政務次官の方からお話がございました。
 ただ、農業の多面的機能、まさに私たち日本国民は、だれでもが国土の保全の役割をしている中山間地域の農業従事者の皆さん方の意向を酌み、かつまたそのことが環境を整備していく上において大変必要であることは言うまでもないことを十分承知いたしております。
 ただ、ヨーロッパ並びに豪州の国々からはその多面的機能の取り扱いについて御批判もいただき、この多面的機能の取り扱いについて賛同をいただく開発途上国のそれぞれの国の主張は、どういう形で御同意いただくような手続等、その御同意いただくための、連携のための運動をしておられるのか、伺いたいと思います。
○政務次官(谷津義男君) 農業の持つ多面的機能の問題でありますけれども、この件につきましては、今、日本の提案に対しましてEU等もこれに全く同じ考え方を持っております。
 そういった面で、この多面的機能を十分に発揮するための農業の持続的な発展を基盤としながら私どもは今度の主張を続けているところでありますが、特に大臣が過日、訪欧しましたとき、FAOの総会にも出ました。また、たまたまEUの農業・漁業委員でありますフィシュラーの方からも、多面的な機能を持つ国々でフレンズグループというのをつくってやろうではないかという話が私が行ったときもありました。また、大臣との話の中にもありまして、早速、大臣は、そのときFAOの総会の場に出席した国々にも声をかけまして、基幹であります五カ国とその問題についての話し合いをしまして意思の統一をしたところであります。
 また、発展途上国にも声をかけようということで、きょうのニュースとしまして、二十三カ国がこれに参加をしてきたということでございまして、多面的機能に対するフレンズグループの拡大というものが大きく広がってまいりましたので、これから一緒になってこの主張をしていこうということを考えております。
○岩永浩美君 ぜひ、そういう開発途上国の皆さん方の主張を十分に聞き入れていただき、かつまた今まで御努力いただいた、日本を中心とした大臣各位の御努力の成果が上がっていくことを心から期待して、私の質問を終わります。
○佐藤昭郎君 おはようございます。
 岩永委員に引き続きまして、WTOの次期交渉について、そして前回の委員会で大臣が表明されました所信につきまして御質問させていただきたいと思います。
 まず、WTOの次期交渉でございます。
 大臣、本当に御苦労さまでございます。岩永先生から話がありましたけれども、FAOの総会、続いておとといの夜お帰りになり、それから衆議院の農水、きょうと、大変お疲れでございますが、本当に山場に来たという感じがいたします。
 シアトルの閣僚会議が十一月三十日から十二月三日まで開かれる、大変大事な次期交渉の枠組みを決める会議でございます。衆議院、そして先ほどの岩永先生の方からもお話ございましたので、私はちょっと三つほど、私の方からこういうことを大臣にお願いして、そして大臣の閣僚会議に臨む決意表明といったものを伺えればと思います。
 三点でございますが、一点は、いろいろ閣僚宣言文案について本当にもめております。まだ出口が見つからないという状況でございますが、日本政府が大変な努力をいたしまして、この二次事務局長提案に込められました八カ国、EU等と共同した八カ国提案、これは物すごく私はすぐれた提案でございまして、この八カ国提案が最終宣言案に入れられるように頑張るべきである、こういうふうに思います。
 交渉のルールを変えるというのはなかなか大変なことでございまして、細川政権下の前ウルグアイ・ラウンドの、ある意味では一面から見れば不平等条約とは言われておりますけれども、この中の農業協定の二十条の一つの項目を橋頭堡にしてこれからルールを変えていくという大変な次の交渉があるわけでございますが、マスコミ等の報道では、多面的機能という文言を入れなくても同義の意味が入っておればいいというような意見もございますが、そういうのがなされたという話も聞きますけれども、ここはやはり市場アクセスやそのほかのいろんな交渉の基本的なところに関します大事なところでございますので、これを守っていただくように頑張っていただくということが一つでございます。
 それから二つ目は、先ほど岩永先生の方からもお話ございましたけれども、EU以外の国々と並びまして開発途上国との連携がございます。
 我が国は、御案内のようにODAが一兆一千億を超えていると思います。DAC、先進国二十一カ国中の第一位というような大変なODAを行っているわけでございまして、このODAの成果がある面では国益を代表してこのWTOの交渉にまさに反映させなきゃいかぬ、ここの連携をひとつ大いに強めていただきたい。
 それから三番目は、今の共同宣言案の過程でいろいろこれから交渉があると思いますが、我が国も大変つらいのでございますが、相手国もいろんな事情を抱えておるということでございます。政府以外のいろんなチャンネルを活用して、何とか我が国の主張を入れられるように頑張っていただきたい。
 例えば、アメリカの意見ということでいろいろ出てまいりますけれども、御案内のように農産物貿易というのは、カーギル社に代表されます多国籍企業が穀物の場合は八〇%以上持っているとか、それから途上国におきますと、農産物貿易の相当部分をコーヒーやバナナ、これはチキータとかドールとかいう多国籍企業がここの部分を掌握しているわけでございまして、こういった途上国やアメリカの意見といってもいろんな国内にそれぞれの意見がある。それをひとつ我が国の意見と連携を持ちながら構成していくという、多くのチャネルを利用しながらいくのが大事ではないか、以上三つ申し上げました。
 大臣、今までもこの閣僚会議に臨まれるお考えを表明してこられたわけでございますが、もし決意表明といった点がありましたらよろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 次期農業交渉におきましては、二十一世紀の我が国農林水産業を担う方々が明るい展望を持って農林水産業に取り組める交渉結果を獲得する必要があると考えております。閣僚宣言は次期交渉の開始に際して重要な意味を持つものでありまして、我が国の主張の足がかりができるような内容とすることが大事である、こう考えます。
 現在の状況におきましては、農業分野におきましては農産物を他の産物と同じ規律に置くべきと主張しております米国、ケアンズ諸国に対しまして、我が国はEU、韓国などと連携して、農業の多面的機能などの非貿易的関心事項や食料の安全保障に対する配慮の重要性を主張しておるわけであります。また、林野・水産分野におきましては、我が国及び韓国は地球的規模の環境問題や資源の保存、管理等の観点から、他の非農産物とは別の交渉グループで取り扱うことが必要と主張しております。
 このように、現時点での各国の意見には大きな隔たりがありますが、我が国としましては、今後とも閣僚会議までの準備プロセスに積極的に参加するとともに、閣僚宣言に我が国の考え方が反映されるよう最大限の努力を行っていく考えであります。
○佐藤昭郎君 次に、大臣の所信表明に関連します質問を行いたいと思います。
 平成十一年度の第二次補正予算、そして十二年度の予算編成もいよいよ今大事な時期に来ております中で、新農業基本法に掲げられましたいろんな理念を具体化する今大事な時期だと思います。大臣の所信表明の中でこれは重要だと考えられる点について伺いたいと思います。
 一点目は、基本法の第十五条でも掲げられておりますし、自給率そのほかで非常に大事な点でございます食料・農業・農村基本計画、これが今年度末といいますから来年の三月三十一日までに政府は決定するということになっておりますけれども、現在の検討状況とこれからのスケジュールについて伺いたいと思います。
○政務次官(谷津義男君) 食料・農業・農村基本計画につきましては、現在、本年九月に発足をいたしました食料・農業・農村政策審議会において御審議をいただいているところであります。これまで企画部会を三回開催いたしました。そこで、国民の食生活と食料の安全性、品質の確保、国内農業生産の動向、食料自給率の推移、また麦、大豆等の主要作目ごとの取り組み課題、担い手の確保育成、農地の確保及び有効利用、総合的な農村整備の推進、中山間地域の活性化、都市と農村の交流など、食料・農業・農村をめぐる現状と課題につきまして積極的な意見交換を行っていただいているところであります。今後、さらに議論を深めていただくこととしております。
 政府といたしましては、審議会の御議論を踏まえて、先ほどお話がありましたように、本年度中に基本計画を作成いたしまして国会に報告をさせていただきたいと考えております。
○佐藤昭郎君 続きまして、食料の安全保障について伺いたいと思うんです。
 これはWTOの交渉の中でも日本が多面的機能と並んで非常に重要視しておるんですけれども、じゃ日本は一体、食料の安全保障についてどう考えているか。これは有事と不測の事態と二つあると思うのですが、大臣は防衛の方にも大変造詣が深いということでございまして、不測の事態における安全保障について、これは基本法の第二条や第十九条に規定されているわけでございますが、対策を講ずる必要があるんですけれども、今検討はどういうふうに進んでおられるか。
 それと、この一つのファクターであります農地の問題についてもあわせて伺いたいと思うんです。
 今、日本の農地、御案内のように平成十年ではついに四百九十万五千ヘクタール、この内訳をちょっと見てみますと、拡張したのが二千六百ヘクタール、前の年から比べましてね、壊廃が四万六千四百、差し引き四万四千ヘクタール、この一年で減っておるわけですね。農振農用地はこの中で四百三十五万ヘクタール、年々減ってきております。昭和三十五年の六百七万ヘクタールから四百九十万に減ったわけでございますが、この内訳を見ますと、壊廃が二百二十七万ヘクタール、拡張が百七万も造成したわけですね。その差し引きでここにとどまったと。もし農地造成というのがなければ日本の農地は今三百八十万ヘクタールになっている。こういう状況の中で、農地造成といいますと、減反を進める中で何事だというような意見もあるわけでございますが、やはり世界の食料自給、二十一世紀を見てみますと、長期的には農地造成の推進というのも私は大事だと思うんです。
 今の食料安全保障、そしてこの農地の確保について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは極めて重要な問題であると認識いたしております。不測の事態が生じた場合をどうするか、これがこの基本法に掲げられておるわけでございますけれども、不測の事態といいますのは、凶作とかあるいは天候の異変によりましての災害とか、紛争が起きて食料が日本に入ってこないとか、あるいは日本の周辺の海上交通が途絶される、こういうようないろんな場合が考えられるわけでございますが、今後検討しておかなきゃなりませんのは、例えばレベル一という場合は凶作が起きた場合とか、それからレベル二というのは輸入等が大幅に減少するような事態にどう対処するか、あるいはレベル三というのは完全に輸入が途絶した場合、日本が海上交通を封鎖されるとか、そういうようなところまで考えて対策を講じておく必要があるのではないか。こういう観点から、やはり不測の事態のレベルに応じた生産面、価格・流通面での具体的な対応策やその実施手順などについて幅広く検討いたしておるところであります。
 また、農業生産に不可欠な石油の確保、価格・流通面での国民生活二法の適用など関係省庁にまたがる検討課題も多いため、これらの関係省庁とも十分連携をとりながら政府一体となった検討を進めているところでありまして、これらを踏まえ、本年度中に策定される食料・農業・農村基本計画の中に基本的考え方を位置づけていく考えであります。
 同時にまた、食料の安全保障ということにおきましては、基本的には自分の国の生産能力を維持していくということが一番大事なことだと思います。食料自給率を上げるという考えもその一つであるわけでございますけれども、同時に食料の生産能力を確保するという上におきましてはどうしても農地の確保がその基本にならなければならない、こう思います。どんなに技術が発展しましても、生産すべき農地というものが減少していくというような現状では、これはいわゆる不測の事態に対処するということはできないわけでありますから、そういう点から今後、農振法の基本指針を策定しまして、優良農地の確保に関する方向を明示するということが一つであります。
 それからまた、耕作放棄地が増加している状況にかんがみまして、それぞれの地域の実情に応じ、担い手の状況や地元のニーズ等を見きわめながら、環境等にも十分配慮しつつ、農地の整備、造成や耕作放棄地の発生防止、解消のための施策を効率的かつ経済的に実施してまいりたい、このように考えております。
○佐藤昭郎君 世界の耕地が全体で六億五千万ヘクタールぐらいというから、日本の農地というのはわずか一%に満たない。まして、水田というのは連作障害もないすばらしい資産でございますので、これはやはりきっちり守っていく、また農地もしっかり確保していくというのが大事ではないか、こういうふうに思っております。
 次に、農地という点で見ますと、農地の壊廃の相当部分を耕作放棄地が占めているというのは御案内のとおりです。ですから、しっかり生産性の高い優良農地を造成していくというのとあわせまして、一方では主として生産性が悪いために崩壊していく耕作放棄地をどれだけきちんと保有できるかという点が大事だと思うんです。
 この間の新聞等でも、例えば北海道の道庁では農業公社が離農跡地の農地を中期保有しまして新規就農者にこれをあっせんしていくというようなことがあったということでございます。国としても、農地保有合理化法人についての中長期保有についていろんな制度ができておるわけでございますが、やはり思い切ってこの点を充実していく政策が非常に大事だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政務次官(谷津義男君) この農地保有合理化事業につきましては、農地保有合理化法人が離農農家や規模縮小農家から農地を買い上げて、十年間以内の長期間にわたり保有しつつ担い手に貸し付けた後、売り渡す事業を平成九年度に創設したことは委員も御案内のとおりだろうと思うんです。今、北海道の話がありましたが、この事業を活用いたしまして耕作放棄地の発生防止に寄与しているんですが、非常に北海道でよい成績を上げておるというふうに見受けられておるところであります。
 このほか、耕作放棄地対策といたしましては、農地としての有効利用方策等を内容とする市町村における計画の策定、また耕作放棄地の受け手としての担い手の育成及び農地の担い手への利用集積等の取り組みを行うとともに、中山間地域等におきましても、耕作放棄地の発生を防止し、多面的機能を確保する観点から、来年から中山間地域等への直接支払いを行おうとしているところでございます。
 今後とも農地保有合理化事業を含め、関係対策を総合的に推進することによりまして、耕作放棄地の発生防止や有効利用のために努めてまいりたいと思っております。
○佐藤昭郎君 国内の農業生産力の増強という点でもう一点ちょっと大臣に伺いたいんですけれども、水の問題です。
 私も先日、大臣のおひざ元の盛岡の、岩手県の鹿妻穴堰の四百年祭というのにちょっと出させていただいたんですけれども、ここも鎌津田甚六という南部藩士が四百年前に開削した水路、それが脈々と、鹿妻穴堰の改良区が管理して、水管理、そして農業生産に役立てているわけです。
 やはり、我が国は地球規模で今、水資源の減少問題がいろいろ取りざたされている中で比較的恵まれているわけでございます。ただ、今の我が国の水資産が単純に、今までもうまくいったからこれからもきちんと維持管理されていく、あるいは確保されていくという保証はないわけでございまして、大臣御案内のように、地元でいろんな方々が土地改良区や水利組合を中心に大変な努力をしながら維持管理している。これは今非常に厳しい状況になっております。生産調整もございますし、管理費の高騰もございます。
 ここら辺、やはり水利の確保と水利施設の効率的な利用というのも大事な点だと考えます、中長期的に。この点について大臣のお考えを伺いたいと思うんです。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員から御指摘をいただきましたように、私の岩手県の農業土木の四百年祭に御出席をいただきまして本当にありがとうございました。
 私は、日本の農業の特質は、非常に地理的に不利なところを農業土木を通じまして開削しまして、そして農地を拡大して自給をしてきた、こういう歴史だと思うんです。ですから、この先人が行ってきた努力に対して心から感謝し敬意を表しますと同時に、今後ともその事業を受け継いでこれからも努力をしていかなきゃいかぬ、このように考えるものであります。
 したがいまして、農業用水は長い歴史を通じて開発されたものでありまして、現在、我が国の年間水使用量の三分の二、約六百億トンを占めますとともに、河川への還元、下流域での反復利用などにより広域的な水循環を形成しております。このような大切な水資源を安定的、効率的に利用するために、かんがい排水事業等を通じて農業水利施設の計画的な整備、更新や適切な管理を図り、食料の安定供給の確保を図っているところであります。
 また、農業水利施設の整備、更新に当たりましては、生態系の保全、景観の形成、雪の処理や防火のための用水としての利用など、農業用水や農業水利施設の持つ多面的機能の維持増進を図ってまいる所存であります。
○佐藤昭郎君 次に、WTOの多面的機能、そしてまた農業基本法の中におきます持続的農業の点の大事な部分について質問したいと思うんです。
 有機性資源、これは畜産物の排せつ物、食品産業汚泥や集落排水の汚泥等、あるいは生ごみ、こういうものを全部合わせますと我が国では約二億八千万トンほどの有機性資源が排出されておるわけですけれども、これをどのように利用していくか。これはミレニアムのプロジェクトの中にも循環型社会の実現ということで一部入りかけていると伺いますが、非常に大事なポイントでございます。
 さきの国会でも畜産に関する環境三法ということで家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律というのもできまして、事業者や県についてのいろんな責務あるいは計画の立案となってきたわけでございます。これは有機性資源というのは各省庁にまたがっている。建設省は建設廃材もございますし、それから厚生省、これは環境省にこれから移ると思うんですが、生ごみがある。しかし、農水省というのは、家畜排せつ物、そして食品産業または集落排水の汚泥等、排出源でもかなり相当部分を占めているし、またこれを利用する受け手の農地側としても持っておるということで、生物系有機資源の利用については中核になって頑張っていただかなきゃいけない。そういう点についてどう考えていただくか。
 そしてまた、家畜排せつ物の処理については畜産の事業者の方々にも負担をしていただかなきゃいけない、これは非常に難しい問題がございます。この新しい法律に基づくいろんな推進方策はどのように展開されているのか。この二点について伺いたいと思います。
○政務次官(谷津義男君) この点につきましては先生が非常に御熱心に御指導をいただいているということで、感謝を申し上げているところであります。
 食料・農業・農村基本法におきまして自然循環機能の維持増進における農業の持続的発展を基本理念といたしまして、有機性資源の有効利用による地力の増進等の施策を今後、農政の重要課題として位置づけているところでもございます。また、このことは循環型社会の形成に向けて都市の生ごみや食品廃棄物のリサイクルに農業分野から積極的に貢献している上からも非常に重要であるというふうに考えております。
 このため、農水省といたしましては事務局となりまして、十省庁十五団体によります有機性資源循環利用推進協議会を本年八月に設立いたしまして、当面、関係省庁、団体が取り組むべき基本事項を協議しているところでありますが、その成果の基本方針を取りまとめまして、きょう発表することになりました。
 また、小渕総理が提唱しておりますミレニアムプロジェクトにおきましても、関係省庁とともに廃棄物のリサイクル技術の開発、導入に関したプロジェクトを提案しているところであります。関係省庁や民間団体と一層連携を密にいたしまして積極的にこのように図っていきたいというふうに考えているところであります。
 また、もう一つの御質問であります家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律でございますけれども、さきの通常国会におきましてこの法律が成立したところでありまして、本法に基づきまして家畜排せつ物の適切な管理を行うとともに、堆肥化施設等の整備を推進し、その有効利用を促進することといたしたところであります。本法につきましては本年十一月一日に施行し、管理基準や国の基本方針を定め公表したところであります。
 管理基準におきましては、施設の構造について、野積み、素掘り等を解消するため、畜産農家が遵守すべき必要最小限のものを定めており、例えば防水シートの利用等の簡易な方法による対応も可能としたところであります。また、その適用時期については、施設整備に一定の期間が必要であることを踏まえまして、五年間の経過期間を置くこととしております。また、現在、都道府県において国の基本方針に即した施設整備の目標等を内容とする計画等を策定中でありますが、今年度内にこれも策定する方針であります。
 今後はこれらの基本方針や都道府県計画に基づきまして補助事業、補助つきリース事業、融資、税制等の支援措置を講じること等によりまして、施設の計画的な整備を図っていきたいと思っております。
○佐藤昭郎君 次に、平成十二年度の予算でもある意味では重要項目でございます中山間地域等の直接支払いについて伺いたいと思うんです。
 これは我が国農政史上初めての試みということで、対象地域の把握とか、集落における集落協定のつくり方とか、市町村の事務量とすれば、介護保険がこの四月から始まるということで大騒ぎしておられますけれども、僕は、ひょっとすれば介護保険並みの事務量が必要になるんじゃないかと思われるぐらい大変な制度だと思います。
 いろんなことで鋭意取り組んでいただいておられます。平成十二年の予算で三百三十億の国費を要求されておられると聞いておりますけれども、これがスタートするわけでございます。やはり、十二年からスタートするわけですからスムーズにスタートしなきゃいけない。県や市町村段階における取り組み状況、説明状況、そして予算要求におきます特に地方負担ですね、国庫補助の残りを市町村が負担するわけでございますが、この面における地方交付税措置、ここら辺についての折衝状況、これはぜひとっていただきたい。ここら辺の状況についてあわせて伺いたいと思います。
○政務次官(金田勝年君) ただいま委員御指摘の中山間地域等に対する直接支払い制度につきましては、現在なお、ただいまのお話にありましたように、予算要求中ではございます。けれども、全国段階及び各地方ブロックにおきまして地方公共団体等に対する説明会を開催しておりますし、またパンフレットを作成するなど、制度の周知徹底に現在努めているところであります。
 また、平成十二年度から制度が円滑に実施されますように、現在、県、市町村におきまして対象地域の把握あるいは集落協定の前提となるような傾斜地の測定、団地設定などの取り組みがなされているところでございます。
 それから、十二年度予算につきましての折衝の状況でございますが、中山間地域の直接支払いの国庫助成につきましては、事業費が約七百億ということで、これを国と地方公共団体が分担して実施するということになっておるわけでございます。来年度予算の概算要求につきましては所要額として約三百三十億円を盛り込んでいるところでございますが、現在、財政当局とさまざまな観点からこの国庫助成分につきましても議論を重ねているところでありますし、所要額の確保に向けまして万全を期してまいりたい、努力を重ねてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
 また、今御質問のありました地方公共団体の財政負担につきましては、中山間地域等の市町村の厳しい財政事情というものも踏まえ、地方財政措置につきましても現在、自治省と鋭意調整を進めているところでございまして、所要の措置の実現に努めてまいる所存でございます。
○佐藤昭郎君 試験研究機関の独立行政法人化に当たっての技術開発についてお伺いするつもりでしたけれども、時間がないのでこれはスキップさせていただきます。
 今、いろいろと所信表明について伺ったわけでございます。
 やはり、理念を実現するには予算も大事でございます。十二年度の予算、いろんな今難しい状況でございますけれども、ぜひこの理念を実現する予算の確保につきましても頑張っていただきたい、また私どもとしても一生懸命応援させていただくということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。
 私は茨城県出身でございまして、茨城県は、御承知かと思いますが、郡司議員もおりますけれども、また茨城県の出身者は渡辺議員、山形県の選挙区でございますが、茨城県の出身でございます。そしてまた、きょうはおられませんが、海老原議員も茨城県でございます。かなり多いというような状況でございます。
 本県は、全国で北海道、最近は千葉に抜かれてしまいましたが、粗生産額では第三番目の県、これまでは内地で第一だというようなことで頑張ってきたわけでございますが、千葉県の野菜あるいは園芸が大変伸びておりまして、そういう中で第三位の農業県。しかしながら、耕地面積、農家人口、大変多うございまして、我が県にとりまして大変農業問題は重要でございます。
 ところで、玉沢農林水産大臣も岩手県の御出身でございまして、大変立派な政治家であることはもう私が申すまでもございませんが、自民党の農政部会長を歴任されているというようなことで大変な農政通であるということで、地元の人はもちろんだと思いますけれども、農業関係者も大変期待しているのではないか、そのように思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたしたい。
 その岩手県は、農家人口あるいは耕地面積、粗生産額、いわゆる農業指標をただいまも私、見ていたんですが、大概の指標ではベストテンに入っている。五番目から十番目あたりに大体入っているという状況でございまして、そういうことで農業問題に大変力を入れていただけるのではないかと思っております。よろしくお願いいたします。
 所信でもお話がございましたが、農業を取り巻く大変厳しい状況でございます。時間の制約もありまして、所信では当面する課題というようなことをおっしゃいましたと思います。いわゆる決意表明が中心だったと思いますが、日本の政治は大変いろいろ混迷の度合いを深めているというような状況にあるのではないか、我々政治家がもっとしっかりしなきゃいかぬと。
 そして、今までは、二十世紀は欧米に追いつけ追い越せという非常に単純といいますか、わかりやすい目標というものを持って一心不乱に頑張ってまいりました。しかし、頂上に立った途端に目標を見失ったといいますか下り坂、もう上るところがないというような状況になっておりまして、そういうことでやはり将来展望、夢というものを政治家に語ってもらえないかというのが国民の率直な気持ちではないかと思っております。
 そういうことで、農政通の大臣でございますので、いわゆる基本法とか新法ができたばかりで恐縮でありますけれども、大胆に農業の将来展望、二十一世紀の日本の農業はこうなんだ、こういうことにしたいんだと、それはできるかできないかは別でありますが、将来展望といいますか夢といいますか、そういうものを語っていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員からお話がありましたように、確かに我々が近代日本を形成するに当たりましてモデルとしてきた国々の水準に追いついてきた、そして今混迷の時期を迎えているんじゃないか、こういうお話がありました。しかし、モデルとするものがなくなったとしましても、それだけにみずからの努力をもちまして将来展望を切り開いていかなければならない、そういう時期である、このように思います。
 将来展望という観点からいいますならば、今、日本の農業は非常に厳しい状況に直面をしておることは当然のことであります。しかし、現在、世界の全体の流れを見てまいりますと人口は非常に増加していく一方です。その反面、農用地はそれに伴って確保されているか、こういうことを考えてまいりますと、必ず将来備えなければならないのは世界的な食料不足、こういうことだと思うんです。まずそれを念頭に入れまして、やはり自分の国の主要食料品はみずからの手によって確保する、こういう基本的な考え方をまず確立していかなければならぬのではないか、このように思います。
 そういう観点からいいますならば、やはり世界の国々との関係におきまして、来るべきWTO交渉におきましても我々の主張しておりますところの農業の持つ重要性、それからまた食料の安全保障、こういう観点からの主張をやはり貫き通していく必要があるのではないか、このように考えるわけでございます。
 それを実現した上で、日本は極めて地理的にはいろいろ複雑な地形をしておるわけでございますから、それに見合ったような、地理的な状況に対応したような生産基盤の充実を図り、安定した食料供給ができるような体制を図っていく。それは主要農産物等でございますが、そうした形で安心して生産者が生産に取り組んでいくことができるような、意欲を持って取り組めるような、そういう農業政策を展開していくということが大事ではないか、こう考えております。
○小林元君 大変な御決意をいただきましてありがとうございました。どうぞぜひ頑張っていただきたいというふうに思っております。
 基本計画の話でございますが、先ほど佐藤委員からお話がございましたので飛ばさせていただきたいと思います。
 食料自給率の数値目標でございますが、新基本法で大変な議論があったわけでございます。そしてまた、修正というようなことで食料自給率の目標を掲げる、しかもこれは生産を拡大するというような形の中で目標を掲げるということでございますので、今あるものを堅持するとかそういうことではないわけでございます。そして、そういう中で、これは国民の皆さんも、あるいは農協等からも、農業関係者からも五〇%以上にしたらどうかというような意見が大宗であったのではないかというふうに思っております。
 暮れに向かって審議会をやっているさなかではありますけれども、大臣のお考えがありましたらお願いします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食料自給率の設定でございますけれども、例えばカロリーベースでいえば四一%というのが現状であるわけでございます。
 ただ、カロリーベースだけの自給率ということになってまいりますと、例えばカロリーに余り貢献しない野菜等の生産等の自給はどうなるかというようなこと等も考えられますので、やはり品目ごとに自給率を設定していくということも考えていく必要があるのではないか。いろいろな形の自給率を決定する要素というものがあると思うわけでありますが、広範な議論を今展開していただいておるというところでございます、食料・農業・農村政策審議会におきまして。
 それで、やはり自給率を何%という目標を立てる前に現状がどうであるか、それからまた将来に向かって可能性をどのように確保するということができるかどうかとの検討、それからまた例えば国民の皆さんの消費の動向でありますけれども、やはり日本型食生活を今後とも維持していくということでありますならば、これはそんなに変化はないとは思いますけれども、欧米型の食生活に移行していくというようなことを見ますと、例えば畜産物の消費がふえていく。こうなってまいりますと、それを賄うための飼料作物を外国から輸入しますと、輸入量が増大してまいりまして、穀物の自給率が低下していく、こういう現状等があるわけでございます。
 したがいまして、生産、消費両面での課題を明らかにしながら数字を積み上げていくということが大事ではないか。そして、現在におきましては生産、消費両面における課題の整理と、それらの課題が解決された場合の姿を描きながら作業を進めさせていただいておるところでございます。
 いずれにしましても、食料自給率の向上を目指して取り組み、国民に対する食料の安定供給を確保することは極めて重要な課題であると考えております。したがいまして、食料自給率の目標につきましては、できるだけ実行可能な水準というものを目指しつつ、生産、消費両面における課題やその実現可能性を踏まえまして検討してまいる所存であります。
○小林元君 食料自給率目標につきましては、今お話にもありましたが、一ポイント引き上げるということでも非常に大変だというふうに思っておりますし、生産サイドの努力のみではないということも今、大臣がおっしゃったとおりだと思います。また、十年度の農業白書を見ましても、その辺を大分強調し過ぎるんじゃないかというふうに思って読んでおりましたが、実際にこれを達成するということは大変だろうと思います。
 しかし、基本法の理念として目標というものを掲げよう、それで頑張ろうということを決断したわけでございます。そういうことで、五〇%あるいは何%に決めようとも、それを現状維持ならば何とかあれかもしれませんが、一%、二%でも上げるということになりますと大変な課題というか困難といいますか、そういうものは確かにあるのではないかというふうに承知をしているわけでございます。
 そういうことで、やはり五年間というような短いタームではなかなかこれを解決することは難しいとは思います。しかし、その辺も基本計画を策定する中でクリアをしていきたいというふうに考えていると思いますが、その辺について、ちょっとくどいようでございますけれども、大臣から御答弁いただきたい。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 基本計画は、おおむね十年程度をめどにしまして基本理念を実現するための施策を定めるものでありますが、社会情勢の変化に伴う実態からの乖離を防ぐために、情勢の変化や施策の効果に関する評価を踏まえましておおむね五年ごとに見直すことになっておるわけでございます。
 食料自給率の目標達成のためには農業者、食品産業事業者、消費者等の関係者が生産、消費両面の課題に一体となって取り組んでいくことが不可欠であると思います。このため、政府としましては、こうした関係者の取り組みを促進するため、生産面におきましては麦、大豆、飼料作物の本格的生産等に向けまして生産基盤の整備等を通じた単収の向上、技術の開発普及による品質や生産性の向上を推進しますとともに、優良農地の確保、市場原理を重視した価格政策の見直しによる消費者ニーズへの的確な対応、価格政策の見直しに伴う経営安定対策等経営政策の体系化等の施策を進めることといたしております。
 また、消費面では、栄養バランスのとれた健全な食生活の普及や、食べ残し、廃棄の抑制が図られるよう健全な食生活の指針の策定、食料消費の状況、農産物の供給の状況等の積極的な情報提供、国民的な運動の展開等の施策を講じていきたいと考えておるところでございます。
○小林元君 この食料自給率の問題につきましては、やはりこれから行われます、大臣も大変御苦労されると思いますけれども、WTOの農業交渉との関係というものが相当あるのではないか。つまり、次期交渉に向けまして、EU諸国と農業の多面的機能を評価するというようなことで手を組んで頑張っていきたいということのようでございますが、食料安全保障といいますか、自給率拡大というようなことについてはなかなか関係国といいますか、各国の理解が得られないというようなことはありますが、しかし日本が食料安保、自給率の向上というものを主張するのであれば、この基本計画等々きっちりしたものを国内で示すということが必要ではないか。そういう根拠なしにただ食料安保食料安保ということであれば、いや日本は農業問題が大変なんだから輸入は困るんだよと、それだけの話になってしまうわけでございます。
 そういう意味で、やはりみずから強い主張をするということになりますと、その辺に十分確信を持った自給率の目標というものが大切なのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、外国との関係におきましては、WTOの交渉の中におきまして今対立している見解としましては、ケアンズ・グループが主張しておりますように農産物の貿易を他の鉱工業製品と同じようにすべきだ、もしそういう意見が認められるようなことになりましたならば、これは大農経営でやっておる耕作面積の大きいところは競争力が強いわけでありますから、ほかの家族経営を中心としてやっておるような日本とかEUとかアジア各国の国々の農業といいますのはそうしたケアンズ・グループに全部席巻されてしまう、こういう問題があるわけであります。
 したがいまして、あくまでもそういう主張は、農業の持っておる多面的な機能を果たしているという大きな役割をちゃんと見直して、単なる貿易の自由化というだけでは問題は解決しませんということを主張していかなきゃなりませんし、農業協定第二十条にもそういうことがうたわれておるわけでありますから、したがいまして我が国と同じような立場に立っておる国々との連携を深めまして、まずもってこのWTOの交渉に当たってまいらなければならない。
 そして、食料の安全保障と申し上げたわけでありますが、あくまでも不測の事態等にも備える場合におきまして、自分の国の食料生産というものを主体として生産を確保するということが大事ではないかという観点から、食料自給率の問題等についても今後策定に当たって考慮してやってまいりたい、このように考えております。
○小林元君 外国の例を見ますと、一九七〇年代から一九九〇年前後まで、この二十年間でイギリスは、御承知と思いますが、四八%から七三%、旧西ドイツは六六%から九四%、そういう自給率を向上させた国もあるわけでございます。そういう中で、日本は残念ながら諸般の事情で六〇%から四九%、現在は、先ほども大臣からお話がありましたが、四一%というような状況、低落をしてしまっているということでございます。
 しかし、大臣、もう一歩踏み込んでいただいて、十年タームの基本計画、そして五年の実施計画というお話があったわけでございますが、日本としてはこうありたいと。いろいろ先日もにわか勉強をいたしまして、農林省の職員から、英独の食料自給率の向上というのはどういうことがあったのかというようなことを、ほんのわずかでございますが、これからもっともっと勉強したいと思いますが、お聞きしましたが、特段の食料自給率の目標を掲げてやったわけではない、結果として生産力の向上をしたと。もちろん戦争中に、イギリスは日本と同じ島国でございます。ドイツのUボートに輸送船がことごとくやられたという中で、大変困ったという中で、国民の何といいますか目標というものを掲げたわけではありませんが、国民の間にそれは何とかしなくてはいけないという気持ちがあって自給率というものは向上したのではないか、これは推察でございますけれども。そういう意味で、これは二十年、三十年、二十年かかってイギリスもドイツも三〇%ぐらい上がったというわけであります。
 どのぐらいがいいのか、それは一〇〇%がいいのには決まっていますが、当面もうちょっと長いタームで、大臣、日本の食料自給率というのは一体どのぐらいになったらいいのか、こういうことを大胆に言ってもらえれば日本の農業者はもっともっと元気が出るのではないか。やっぱり旗を掲げないと日本は元気が出ないというふうなところもあると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) イギリスの例を挙げられたわけでございますが、イギリスの例と日本の例を対照比較してみますと、いろいろとそこに問題点といいますか、課題があると私は思います。
 私は、安全保障の問題について、防衛庁長官もやりましたので多少の知識はあるつもりでございますが、イギリスがかつて大英帝国の時代は七つの海を完全に大海軍国として支配をしておった。したがって、海上交通の妨げを受けるようなことは絶対ない。こういうことからも、例えばオーストラリア、ニュージーランドから主要農産物を主として入れておった。ところが、御承知のとおりに第二次世界大戦においてはドイツの潜水艦によって海上交通を脅かされた。戦後になりましてからは、要するに大海軍国から中ないしは小海軍国に縮小しまして、そして自分の国の周辺を守るような状況になってまいりまして、そういう中において自給率を向上せしめなければ非常に食料の安全保障上危機を生ずるんじゃないか、こういうことが背景にあると考えております。
 イギリスにおきましては、そういう経過でございますから、国内の農地といいますのは大部分が余り農地として使われない、牧場とかいろいろな形で、遊休地ですね、あえて言えば貴族の牧場とかそういうような形だったんじゃないかなと思うのでありますけれども、そういうものをかなり穀物生産とかそういうところに振り向けてきた、こういうふうに考えます。
 同時に、国内もイギリスの場合は山岳地帯が極めて少ない。私は大体二〇%ぐらいじゃないかと思うわけでございますが、かなり平地が多いということでございまして、そういう中におきまして、一農家当たりの経営面積が拡大をすると同時に、小麦の単収が過去二十年間で一・八倍に増加する、こういうようなことで穀物の自給率が上がってきたというふうに思うわけでございます。
 これに加えまして、我が国の国土の条件を考えてまいりますと、山岳地帯が全面積のうちの七割近いところまであるわけでございまして、農業的な可耕地というものはごく限られておる。したがいまして、私は、農地を確保するためには今後も農地の造成を積極的に進めるという、地理的に不利な場合でも可耕地にするという努力をしていかなければならぬと思いますし、また同時に中山間地域におきましては耕作放棄地を少なくするような努力、こういうことも通じて、まず現状を保って、そしてさらにはまた向上していくための政策をあわせてとっていかなければ食料自給率の向上というところに結びつかない、こう考えておるわけでございます。今のところは何%ということはなかなか言えないわけでありますが、そういういろんな点を検討いたしまして目標の数値を明確にしてまいりたい、このように考えております。
○小林元君 大臣にせっかくお願いしたんですが、大胆な数字はお話しいただけませんでした。私はそれによって責任を追及するとかどうとかこうとかというようなことではなくて、やはりそれは農業者全体が望んでいるのではないか、そういう気持ちでお願いをしたわけでございますので、どうぞよろしくお願いをいたしたい。大胆にお話しいただいた方が元気が出るのではないかと思っております。
 それから次に、農地の問題でございます。
 ただいま大臣の答弁の中でも農地面積を確保していきたい、こういうことでお話がございました。自給率を向上させるということになりますと、必要面積といいますか、そういうものが当然出てくるわけでございます。この点につきましては、当時の高木官房長、今の食糧庁長官でございますか、基本計画において自給率を定める中で農地面積についても品目ごとの面積の指標が必要なのではないか、したがって農地面積の数値というものが明らかになるというようなお考えがあったと思います。
 農振法の改正も行われました。基本法も新しくなったわけでございますが、その辺のいわゆる数値目標というものを出すのか、あるいはそれを確保するための施策というものを盛り込んでいくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 国内の農業生産に必要な農地の面積につきましては、食料自給率の目標と関連していることから、品目ごとの作付面積の積み上げ等を通じまして基本計画の中で明らかにしていく考えでありまして、現在、基本政策審議会で御審議をいただいておるところであります。
 このうち、集団的な農地や基盤整備が実施された農地など優良な農地の面積につきましては農振法に基づく基本指針の中で示すこととしておりまして、これにつきましても審議会の場で御審議いただいているところであります。また、農地の確保のための具体的施策といたしましては、圃場整備事業等の基盤整備事業の実施、担い手への農地の利用集積の促進等を一層推進してまいる考えであります。
○小林元君 わかりました。
 農地を確保するというときに、今も大臣からお話がありましたが、いわゆる優良農地ということがあるわけでございます。おっしゃるように、農振法における農用地区域内の農地、これは優良農地ということになっておりますが、優良な土地といいますか、優良な土地イコール優良農地、これはどうも合わないような場合もあるわけでございます。それで、ただ一般的には関係者の間では優良農地という言葉で言っておるわけでございます。
 先ほど佐藤議員からも、農地の増減といいますか、面積が減少傾向にある、百十八万ヘクタールが失われたということでございます。これまでは旧基本法の立場で規模拡大というようなことで、例えば北海道の、これは午後、峰崎議員からも質問があろうかと思いますけれども、一生懸命規模拡大をやりまして、農林省の旗振りの中で増反といいますか、規模拡大、借金をして大変な状況になっております。あるいは、今問題になっております干拓あるいは開拓、そしてまた畜産団地、これも岩手県の方もあると思いますし、茨城県もたくさんあります。大変成功した農家もありますが、苦しんでいる農家もあるわけでございます。しかし、そういうものはこれからなかなか期待ができない。いわゆる造成というものを確保するためにはそういうものも手段としてどうしても必要なわけでございますが、むしろ中山間地における耕作放棄というような壊廃という方が多いわけでございます。
 そういう意味で、いわゆる優良農地というのは四百九十万ヘクタールの中で三百二十万、三百五十万は行っていないんじゃないかと思いますけれども、ちょっと数値が間違っていたら御訂正いただきたいと思いますが、そういう中で、余り優良農地、農振法の農地ということにこだわりますと、これはやはり本当の必要量というものは確保できないんじゃないかと思いますが、ちょっと細かい質問で恐縮でございますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 優良農地として農振法の農用地区域内に確保されている農地の面積は四百三十五万ヘクタールでございます。全体の農地面積のほぼ九割に該当いたしております。したがって、必要な農地面積を確保するためには、まずこのような優良農地を確保していくことが重要と考えております。
 また、農用地区域外の農地につきましても、現実に一定の農業生産が行われているところであり、農用地区域と同様の強い規制はなじまないものの、農地の流動化などの経営対策や生産対策を着実に推進することによりその確保が図られるようにしてまいりたいと考えております。
○小林元君 私は、このたびの玉沢農林水産大臣の所信を伺いました。その中で、「一億三千万人の国民に、良質で安全な食料を安定的に供給することは、国家存立の基盤であり、国が果たすべき基本的な責務であります。」というふうにお述べになっております。実は、新基本法の第二条に、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給される、こういうふうに規定されているわけでございます。合理的な価格、つまり市場原理といいますか、そういうものを導入する、それが新基本法の考え方であると。
 したがって、先日の米価の議論の中でも、そのような市場価格を二分の一導入するというような算定がなされたわけでございますけれども、国民一般は、価格のことは意識しないと言ったらもちろんうそでございます。安い方がいいという考えも非常に強いわけでございますが、良質で安全な食料を安定的に供給してもらいたい、こういう願いが強い。こういうことに十分耳を傾けて大臣が発言になったのではないか。もちろん、価格を無視してどんな高いものでもいいんだから食べろということにはならないことは十分承知であります。
 そういう意味で、決意表明といいますか、今回の所信を大変評価するものでありますけれども、いずれにしましても生産者、消費者の共存共栄というものが大事だというふうに思っておりますが、大臣の所感がございましたらお願いします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 従来の価格支持政策には消費者のニーズが生産者に的確に伝わらず、結果として国産農産物の需要の減少を招いた面があることから、新基本法では、需給事情や品質評価を適切に反映して形成され、合理的に説明可能な価格、すなわち合理的な価格で食料を供給することを基本理念として掲げているところであります。
 こうした需給事情や品質評価を適切に反映した価格形成によりまして、消費者はみずからのニーズに即した食料を納得できる価格により入手することができ、農業者にとりましては品質向上に向けた努力が報われるようになるとともに、消費者ニーズに即した生産をすることを通じ、国産農産物に対する消費の拡大が期待できることになると考えております。また同時に、新基本法は、こうした価格政策の見直しに伴う著しい価格変動が農業経営に悪影響を与えるおそれがあることを踏まえ、その影響を緩和するための経営安定対策を同時に講ずるということにいたしておるわけであります。
 このように、新基本法に基づく価格政策の見直しは消費者、生産者のいずれにとりましても有益なものとなっていると考えておりまして、先般の私の所信表明におきましても、新基本法に基づく施策の展開を通じ、生産者と消費者との共生を図っていくという考えを申し述べたところであります。
○小林元君 水田農業の再構築ということでこれまでいろいろ努力をされてきたわけでございます。米需給の安定を確保するというようなことで、四十年代半ばから農政の一貫した課題ということで取り組んでまいりました。現在もそれが続けられておるというような状況であるわけでございます。
 しかし、これは農政の怠慢だと言うのは非常に簡単だと思いますが、一概に一方的な責任ということではないと思います。こういう生産調整規模、最大規模になっているというのが現状でございます。
 しかし、先日の米価決定に当たりましても、政府買い入れ価格ではございますけれども、比較的劣位にある小規模稲作農家というものが一度はそういうものを脱却して大規模経営農家に有利にというような配慮もあったと思いますけれども、実際にはそのような傾向というものは全然変わっておりません。むしろ、低米価政策によりまして大規模農家あるいは規模拡大農家が大変苦しんでいると先ほども申し上げましたが、後ほど峰崎議員からも触れられると思いますけれども、このようなジレンマといいますか、大変難しい問題を抱えておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 米の価格低下の悪影響は稲作依存度の大きい大規模経営ほど大きいと思います。大きいので、むしろ大規模経営ほど需給と価格の安定のための生産調整のメリットを受けるものと考えております。この意味で、米の生産調整は大規模経営の経営の安定とは必ずしも矛盾するものではないと考えております。
 今後の方向としましては、水田における水稲の作付に限界がある中で、稲作農家全体にとりましても、また大規模経営にとりましても、需要に応じた米の計画的生産と水田を有効活用した麦、大豆等の本格的生産を推進し、所得の向上と安定した水田農業経営の確立を図ることが重要であると存じます。このため、十二年産から水田を中心とした土地利用型農業活性化対策を講じることとしたところであります。
 さらに、米の需給と価格の安定を図る中で、稲作経営安定対策につきましても、十二年産の補てん基準価格の激変緩和、大規模経営などの担い手への配慮措置等を講ずることとしているほか、十一年産の米に対し特別支払いを実施することといたしておりまして、大規模経営などの担い手の経営安定には十分配慮をしているところであります。
○小林元君 次に、有機栽培米といいますか、そういうことについて御質問したいと思います。
 米の関税化ということに踏み切ったわけでございますが、輸入米との価格競争ということになりますとこれは大変難しい問題でございます。そうはいいましても、我が国の消費者は質あるいは安全性、そういうもので国産米を選択していただいているということで、やはりその辺のニーズというものをこれから追求することが稲作を見出すことになるのではないかというふうに思っております。
 そういう中で、実は十月末に、我が県の下館市というところがあるんですが、これは小貝川、鬼怒川沿岸、海老原議員の出身のところでございますが、そこで有機農業といいますか、有機農業といっても無農薬、無肥料ということではなくて、いわゆる基本法で言うような地力の保全という形でしっかりと土づくりをやる、地力の保全をする。そういう中で、要するに化学肥料あるいは化学薬品のみに頼らずに、しっかりと、在来工法というとまずいんですけれども、有機的な農法、そしておいしい米をつくると。
 お話を聞きますと、やはり単収でいくと二俵ぐらいは違ってきます、しかしこんなうまい米はないので食べてくれということで、その場で握り飯も食べ、お土産にお米をもらってまいりました。皆さんに本当にうまいかと、私だけでは客観的な評価ができませんので、そういうふうに食べていただいたところ、これは大変うまいと。ところで、米についてはどれぐらい高く買ってもらえるんでしょうかと、こう言いましたらば、個人で売ればプラス三千円、これは六十キロ当たり、いわゆる昔の一俵でございますが。だけれども、実際に相対で売るのは手間も大変だし、そんな暇もない。お米屋さんに一括して頼んでいるのでまあ二千円ぐらいですねと。いや、それならもう喜んで買いたい、こう言ってきたのであります。
 これは単収が減る、減らすことが目的だと自給率というものはどうなるのかなといろいろ頭が痛いわけでございますが、そういうようなしっかりした農法といいますか農業、これは野菜に限らずいろいろあると思いますが、その辺をしっかり育てていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員のお話のとおりでございまして、やはりこうして有機米の栽培に努力している農家が報われるような方途をとる必要があるんじゃないか。できるだけ表示その他によりまして、消費者が価格が高くてもこれを購入することができるようにしていくということが大事じゃないか、こう思います。
 現在におきましては、平成八年度以降、化学合成資材を使用しない栽培方法を行う場合には、その減収に相当する面積を生産調整を行ったものとして取り扱っておるところでございます。
 平成十二年度以降の新たな対策におきましても、地域における有機栽培の技術水準の向上や減収の程度等を踏まえ、都道府県段階で客観的な評価基準が設定できるかどうか十分に見きわめつつ、早急に結論を出すこととしたいと考えております。
○小林元君 ちょっと時間がなくなってきましたので簡単に御質問をしたいと思います。
 今回の新たな米政策大綱によりまして、麦、大豆、飼料作物の生産振興が策定をされ実行されるということになったわけでございます。自給率の向上という観点でも極めて重要であります。しかし、従来、転作面積というものは、非常に多いときには、飼料作物十七万ヘクタール、麦が十三万四千ヘクタール、大豆が十万ヘクタール、野菜が十四万ヘクタール、これはピークだけをとって今申し上げました。しかし、現在は残念ながらそれが、例えば大豆では七万六千ヘクタール、麦ですと半分にも満たない、十三万四千ヘクタールが六万四千ヘクタールというような状況になっているわけでございます。
 したがいまして、これは米をつくるかわりに麦、大豆をやってくれということでありますけれども、今回のいわゆる転作奨励金といいますか、そういうものがたくさん、たくさんというか、配分の密度を濃くするというような対応になっているわけでございますけれども、いわゆる金の切れ目が縁の切れ目ということにならないように、これは本格的な生産だということにしていかないと、これで本当にそういう助成金がなくてもやっていける、これがまさに食料自給率の向上につながっていくのではないかと思いますが、その辺について、いわゆる本格生産への道ということについてお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 大綱を決めるに当たりましては、やはり米も重要でありますが、同時に自給率を向上せしめる、こういう観点から麦、大豆、飼料作物の本格的な生産を行うことによりまして自給率の向上にも資する、こういうことから、本格的な生産に取り組めるようなそういう政策を展開するということを決定いたしたわけでございます。
 水田における麦、大豆、飼料作物の本格的生産の定着、拡大を図るためには品質、生産性の向上を図ることが重要であると考えておりまして、新たな助成措置は五年間の安定的な助成システムとするとともに、品質、生産性の向上が図られるよう、団地化等に加え基本的な栽培技術の励行を要件としたところであります。
 また、麦、大豆につきましては、新たな麦政策大綱、新たな大豆政策大綱を踏まえまして、新たな経営安定措置の導入を図りまして、麦、大豆全般につきまして流通・価格政策や生産対策の充実を図っているところでございます。これらの全体の措置によりまして麦、大豆、飼料作物の本格的な生産を着実に推進してまいりたい、こう考えておるところであります。
○小林元君 時間がなくなりました。大臣には大変細かい質問までお答えをいただきましてありがとうございました。まだまだたくさん用意はしたのでございますが、どうもしゃべり方が遅いものですからなかなか進みませんで、大変失礼をいたしました。事務方も御苦労されたんじゃないかと思います。
 最後に、ちょっと申し上げたいと思いますが、実は水田転作の話ではないのでありますけれども、今年度、筑波山ろくの大和村の畑作農家長島義夫さんという方が四十ヘクタールの農地集積をいたしまして、麦と大豆、これは表が大豆で裏が麦というようなことで、今年度の天皇賞をいただきました。本当にありがとうございました。これは転作ということでありませんが、畑作でも価格の問題がいろいろありますけれども、そういうふうに頑張っている農家があるということは本当に記憶に残していただきたいと思います。
 そういう意味で、水田にも本格的生産になっていただきたいし、あるいは畑作でもこういうものをどんどんつくっていく、それが自給率の向上につながるのではないか。
 それからもう一つ、これはきょうも質問に入れようと思っておりましたけれども、技術開発の問題でございます。
 谷津政務次官は政務次官二度目のお務めで、大変な勉強家だそうでございまして、また金田政務次官は大蔵省の御出身でございますし、主計官の御出身であります。そういうことで、農林予算をぜひ確保していただきたいと思っております。
 これから機会があれば技術開発、先ほどイギリスの話をしました。イギリスの麦の単収は現在七百キロを超えているというようなことをお伺いいたしました。日本は三百七十キロぐらいでしょうか、イギリスは七百キロと。それは気候条件、いろいろあるんだろうと思いますが、やはりそういう耕作技術あるいは種子の開発、こういう技術開発というものを相当やったんじゃないか、頑張ったんじゃないか。これは推察でございます。
 せっかく平成七年に科学技術基本法が成立をいたしまして、日本は科学技術立国であるというようなことで頑張ろうといったわけでございます。ところが、農水省の研究開発を見ますと、少し伸びが足りないのではないか。情報通信が注目を浴びておりますけれども、農業面もぜひ頑張っていただくことを御要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(若林正俊君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。
 実は私、北海道の出身でございますが、農林水産委員会に所属したのが初めてでございまして、しかもきょうは初めて質問に立つということで、もう玉沢大臣のように二度も大臣を経験されている農政通の方に、また並みいる皆さん方を見ると、本当にこんな質問をしたら笑われるのではないか、あるいは本当に素人の発言が多々あるかと思いますが、最初だと思って、免じて勘弁をしていただきたいと思います。
 いよいよWTOの交渉が始まろうとしているし、実はもう始まっているんだろうと思います。そこで、私が当選したたしか翌年だったと思いますが、ガット・ウルグアイ・ラウンドを受け入れるということで大変な騒動でございました。私ども北海道の農民連盟の方々を初めとして、本当に農業関係者の皆さんが連日のように陳情や集会を開いたのを覚えておりますが、最終的に受け入れるといいますか、ミニマムアクセス、そしてそのときに実はガット・ウルグアイ・ラウンドの対策費として六兆百億円というお金を費やすということになったわけであります。
 このことによって日本の農業はどうなったのかなということについて、率直に大臣、このガット・ウルグアイ・ラウンドを受け入れて、そのときの「対策の目標」の中にこう書いてあるんです。「本対策は、次に掲げるところにより、農業合意による新たな国際環境に対応し得る農業・農村を構築することを目指すものとする。」と、こう書いてあるんです。この目標は到達できたんでしょうか、まず最初にそのあたりからお願いします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策は現在なお実施期間中でありますが、これまでの実施状況を見ますと、農業生産基盤や農業近代化施設の整備、農地の利用集積等により、担い手の経営規模の拡大、労働時間の短縮、生産コストの低減等の面で着実な成果を上げていると思います。
 具体的に申し上げますと、例えば担い手育成型圃場整備事業等で平成八年度及び九年度に完了した三十七地区につきましては、事業の実施前に比べまして担い手の経営規模が約二倍に拡大しますとともに、水稲の労働時間が約七割短縮いたしております。水稲の生産コストも約六割低減するなどの効果が上がっているところであります。
 また、農業構造改善事業による水稲育苗施設や乾燥調製施設等の農業近代化施設の整備を通じまして、水稲の育苗に係る労働時間の半減、乾燥調製コストの二割削減などの効果が生じているところであります。
 さらに、農地流動化対策では、農地保有合理化法人等による利用集積の促進の結果、平成十一年三月までの四年間で約三十五万ヘクタールの農地が流動化されまして、二百四万ヘクタールが担い手に集積されまして、担い手農家の経営規模の拡大に貢献をしているところと存じております。
○峰崎直樹君 着実に成果が上がっていると、今数字も列挙されました。
 私もあるとき構造改善局に、ガット・ウルグアイ・ラウンドの費用が本当に効果があったのかということを質問しましたら、事例集ですか、農業農村整備緊急特別対策の一集から四集、私もざっと目を通してまいりました。確かにおっしゃられるように、その局所局所、地域地域によってはこんなこともやっているんだなということで生産性が上がっているんです。
 問題は、日本農業をトータルとして考えたときに、今おっしゃられたように事例事例で二〇%生産効率が高まったとか、あるいは担い手に何万ヘクタール移ったとか、こうおっしゃられるんですが、今、日本の農業の置かれている現状はそんなに着実に上がって、今、大臣が胸を張って答えられたような状態になっているんでしょうか。私はそうなっていない、もう大変深刻な問題があるのではないかというふうに思えてならないんです。
 私が先ほど、その農業経営のところ、このウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱、これは平成六年十月二十五日に策定されています。この中身は、当然六年後、いよいよ西暦二〇〇〇年は来年でありますから、来年、交渉に入るんですが、それまでの間に生産性を高めながら国際競争力が持てるような農業にどうやったらいけるかということを基本的に進めていかなきゃいけないんじゃないか。
 それを考えたときに、二〇%や三〇%のいわゆる生産性の向上ぐらいでは追いつかないだけの内外格差があるんじゃないでしょうか。お米でいえばたしか三・五対一ぐらいの割合で、価格ではそうでしょう。そして、第二次産業や第三次産業と匹敵するような農家所得を得ようとすれば、当然それは四倍も五倍もまた上げなきゃいけない。合わせると、恐らく生産性の向上というのは今おっしゃった二〇%じゃなくて二十倍というその率で計算しないと、とても国際競争力を持てるような、しかもある意味では担い手がしっかり、よし、それならおれは二次産業、三次産業に行かない、一次産業に、農業に行くわと、こういうふうになるのではないんでしょうか。
 大臣、どうですか。率直にそこら辺を考えられて、日本農業総体はどうなっているか、そこを見ていただかないと、個々の事例で二〇%上がったとか三〇%上がったとか、あるいは平均すると二割上がったとか、そのレベルで今議論をしていたら、せっかく新しい農業基本法をやりました、新しい農業基本法は市場メカニズムの原理を入れ始めたんですね。そうすると、当然これは国際化の中でWTOの中の、確かに二十条の問題をどう解釈するかという問題はあるけれども、ある意味では国際化の流れの中で、国境措置の問題を含めて当然それにどう対応していくのかという、そういうことを基本に置いておかないと、産業としての農業を成り立たせるのにはそこがしっかりしていないとだめなんじゃないかと思うんです。そのあたりはどのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 外国との比較におきましては、一戸当たりの耕作面積でありますが、農地の集積を図っていくという場合におきましてもある程度の制約がある。しかし、その中でもやっていかなきゃいかぬ。それは六年ぐらいではとてもできるわけではないんですね。
 つまり、例えば福島からアメリカに渡られました香田さんという人が、サクラメントで一戸当たり三千町歩の米作をやっている、これが平均だとは言いませんよ。しかし、日本人の農家としましては能力はあると。しかしながら、日本の耕地面積というのは、御承知のとおり、戦後、農地改革その他によりまして自作農主義をとって、大体一戸当たり一町歩である。そうすると、三千町歩の中に三千戸の農家が存在しておると。
 したがって、それを集積していくという場合におきましても、それぞれ他人の農地を譲っていただくとか規模を拡大していくという場合におきましても、やはり土地に対する執着は農家の方々はそれぞれありますから、目標とするところは今よりも規模を拡大するということでありますけれども、時間的な制約とかいろんな状況があるわけであります。
 しかし、そういう中におきましても、我々としましては、制約をされた中におきましてできるだけの競争条件が図られるように精いっぱいの努力をしておるわけでございます。六年間に六兆円の費用をかけたからといって、すべての条件を満たすようなことを達成できるというわけにはいかないわけでありまして、そういう点を御理解賜ればと思います。
○峰崎直樹君 そのカリフォルニアの話はよく聞くんですよ、一戸で三千町歩だと。何人でそれをやっていますか。
 そういうことを計算していくと、私はきょう資料を配らせていただきましたけれども、そこの資料をごらんになっていただくと、一番最後になりますでしょうか、山形県庄内地方の十四市町村の農業センサス、福島県会津地方、全国、これはちょっとセンサスと農業調査は違うんだろうと思いますが、一番下を見てください。三十歳以下の男子労働者、農業後継者は、山形県庄内地方でもかつて三千七十七人おられたのが、平成七年に何と一割になって三百二十五人。福島県会津地方は千六百三十五人から八十五人、わずか二十分の一になっている。
 これを割り返してください、その耕地面積を。そうすると、百町歩以上の人は、要するに担い手がいなくなって、これだけのものを将来的には農地を集積したり、これは後でまたいろいろ問題になりますが、そういう方向でいや応なく行かざるを得なくなってきている。その際の圃場のつくり方、ことしもウルグアイ・ラウンドの中で圃場のつくり方の例を見て、なるほど、こんなことができるんだなと思ったのは、乾田直まきもそうですし、不耕起乾田直まき栽培というような事例も出ています。そして、一番大きい圃場が、この数字を挙げた中で一番大きかったのがたしか四町歩か五町歩でした。
 大臣、今、日本で一番大きい一枚の田んぼ、スーパー水田と言いますが、どこにあるか御存じですか、大体どのぐらいの規模か。これはちょっと事前に通告しておりませんでしたから、政務次官でもよろしゅうございます。日本で一番大きい一枚の田んぼというのはどのぐらいの大きさなんだろうか。もしわかれば教えてください。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ちょっとこれは私の手元に今ございませんが、後で調べます。
○峰崎直樹君 いいです。
 北海道でも一町歩だとか二町歩だとか大きな水田をつくっています。この事例集に載っています。この事例集の中でも一番大きいものでたしか四町歩かそこら辺です。
 私は、実はこの六月に千葉県佐倉に行ってまいりました。印旛沼だとか土地改良区へ行って、七・六町歩、これは一枚の水田でございました。もちろん、これは乾田直まき方式でやっておりますが、ちょうど京成成田に行く途中に左手に見えます。本当に大きな水田でございました。実は、それは恐らく農林省の構造改善事業の厄介になっていないところだと思うんです。自分たちでやったんです。ですから、価格も非常に安くできたと。
 後で細かい話を、きょうは大臣とのやりとりでありますから多くやりませんが、この中にも、いわゆる規模を拡大したときに、ヘリコプターを使って種をまいていったりしたら、あるいは農薬を散布したらどれだけの労働時間の短縮になるかということが小まめに書いてあります。その耕地を非常に大きくしていく、このためには今の土地を、分散化しているものを統合する、この事例も載っています。
 ですから、大臣、私は六年間でやれとは言わないんですが、これから先何年かかるかわからない、十年かかるかもしれません。そういう平地における市場原理を導入しようとしているわけでありますから、日本農業が本当に国際社会の中で競争力を持てるような農業をつくり上げていくことを基本に置いて、そのためには圃場がどのぐらいの大きさが要るのか、どういう機械技術が求められるのか、どういう品種が要るのか、そういうことに対する一つの明確なビジョンというものをしっかり置いて、そしてこれを実現するためには十年かかるんです。
 例えば、今たしか構造改善事業が四十一兆で十年間かける計画が十二年になっていると思いますが、では、つくったときに一ヘクタール、二ヘクタールの田んぼがばんばん分立するのでは、先ほど私は二十倍と言いましたけれども、ほぼ二十倍であれば、いわゆる諸外国と比較できる生産性以上に、しかも第二次産業、第三次産業に負けない所得を得られる、そういう生産性だと私は思うんです。
 何も生産性を向上するだけが全部だというふうには言わないんですが、農業として将来そこを基本に据えるということを置いておかないと、今度大きい水田をつくりました、三十アールから一町歩につくり直した。しかし、それでも実は国際的にはまだまだ対応できないとなったら、初めからそういう国際競争力が持てるところのレベルにまで引き上げた計画をつくって、そして構造改善事業なりそういうものをつくっていくというんだったら、これは税金を払っている納税者の人たちに、待ってくれ、あと十年すれば日本の農業は米づくりにおいては絶対に負けないと。そのことをしっかりと国民も納得できるし、今、WTOの中でいろいろ言われているときに、日本はこの問題に関しては絶対に我々としては対抗できるんだという自信がつくんじゃないでしょうか。
 この間からずっといろいろ農林省の方のお話も聞いたり、きょうも午前中ちょっと出入りしたりしておりましたけれども、お話を聞いていると、どうも多面的機能ということが言われて、私も多面的機能はあるし、その効用を認めるのもやぶさかじゃないんですけれども、そこだけが強調され過ぎると、日本の農業はどこから崩れていくかというと、土地の集積の問題と、それからさっき言った担い手のところから崩れていっているんじゃないだろうか、そこを私たちはしっかり見なきゃいけないというふうに思っているんです。
 今のような考え方を農林水産大臣としてはどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 重要な御指摘だと思いますが、我々が今、WTOで何をしようとしているかといいますと、農産物の貿易、これは競争力に相当の差があり過ぎる。したがいまして、他の鉱工業製品と同じような貿易ルールを農産物貿易に適用するのは困難である、それはおわかりでしょう。
 とにかく、アメリカとかカナダとか、それからアルゼンチンとかブラジルとかオーストラリアを見てください。我が国が三百年間鎖国政策をとりまして、農業政策は極めて限られた土地の中で自然的、地理的困難なところを開拓しながらやってきたというのが我が国の農業政策だと午前中も申し上げました。だから、四百年間もたって山をうがって水を出して、そして水利をやってきたという、そういう農業なんですよ。
 ところが、この三百年間の歴史の中において、いわゆる帝国主義と言われる国々は広大な面積をはるかに見渡す限りのものを農地にして、そして大農経営を確立したじゃないですか。我々はそういうようなものは一切持っていません。そういう歴史的な経過というものを踏まえた上で、今日の経営規模があって大農経営がある。
 しかし、我々のような家族経営を主体として営々と山を開拓し、水利をやってきた農家というのは家族経営が中心なんですよ。それを一緒に同じレベルで国際競争力を全部同じにするという形で議論をしますとこれは大変飛躍した議論になる。現実を全く無視した議論であると言わざるを得ませんので、我々は生産性を向上させますけれども、一挙にいきなり六年間でアメリカとかオーストラリアの農業と同じレベルの競争力を持つというふうに考えるのは極めて私は短絡的な考え方だ、こう言わざるを得ないです。
○峰崎直樹君 大臣、ゆっくり一度また細かい数字を挙げて生産性の問題だとかどれぐらい上がるのかということで、日本が三十町歩、四十町歩の田んぼで、あるいはその裏作をやっていけばそれがかなり可能性を持っている。さっきの私の二十倍の生産性の問題に関しても、それはまたいつか議論をしたいと思うんです。
 今おっしゃられたことをずっと言っても、どこから崩れているのかというと、今農業をやろうとする担い手の人たちが今おっしゃられたような形で日本は家族農業だ、もちろん家族農業でも三十町歩とかそういう営農がやれる可能性は僕はあると思っているんですが、そのことは別にして、一番崩れてくるのはそういうおっしゃられるようなことで本当に、よし、じゃおれは農業をやるぞ、たくましい農業をやるぞという人たちがどんどん減ってきているんじゃないか。その人たちが二次産業、三次産業に行かないで優秀な農家の人をつくっていこうと思ったときには、私は今直ちに追いつけと言っているんじゃないです、さっき言ったように。
 これからの圃場の整備のあり方をどうするか、目標をどこに置くかというときに、生産性の向上は置くけれども、それに二倍、三倍の生産性はもちろん重要でしょう。そうじゃなくて、堂々と戦えるような条件が今生まれつつあるじゃないか。さっき言ったように、一人当たりに直すと百ヘクタール、百町歩以上の農地がやがて集積せざるを得ない、それを担わざるを得ないとそれこそ食料自給率だって上がっていかないわけでしょう。ですから、そういう意味で、私はその目標の立て方のところにすべて、今申し上げたように、平地における大規模な集積で堂々と国際競争力が持てるようなところをやっぱりつくり上げていかないとまずいのではないかということを申し上げている。
 いや、そんなものははなからできないと言うんじゃなくて、それができるかできないかというのは、一度それはまた細かい議論を僕はした方がいいと思うんです。ただ、畑作地帯をどうするのか、果樹園をどうするのかでいろんな土地、地域によって違ってくると思いますが、特に今一番大きなダメージを受けているのは私は水田農家だと思っていますから、そのことを申し上げたいわけです。
 ちょっとそこから先は恐らくこれ以上大臣は、後で意見があったら申し上げていただきたいんですが、時間が三十七分しか与えられておりませんので、いよいよ北海道における農業経営規模の問題に、負債の問題に移らせていただきたいんです。今お手元にお配りしたのが北海道における農業経営規模の拡大の実態です。本当に専業農家として、新農政を含めてこれまで減反も受け入れたり優等生で私はやってきたと思っております。
 先日も、私ども民主党の調査団で上川の中富良野というところと空知、そして羽田雄一郎さんは当選間もないんですが、道南の檜山地方という米どころに実は出向いたわけです。口々に言われるのは、自分たちは国の農政に従いながら規模拡大に歩んできた。そして、ごらんになったらわかりますけれども、大体その上川、空知方面の北海道を代表するところの米どころでは約二十町歩近い、いや、中には三十町歩を超える大規模な水田の単作経営をやっている方がおられるわけであります。では、その方々はいつごろふやしていったのかと見ると、大体八〇年代の終わりから九〇年代の前半、バブルで非常に土地の値段も上がったけれども、農地の値段も実は十アール当たりなんでしょうか、百二十万で買ったとかという方もおられるわけです。今幾らしているのかというと四十万、四十五万だと、こういうレベルです。そうした規模を借り入れているものですから、借金をして、そして農地を集積していった、こういうことなんです。
 将来的に、土地は自分のものだということよりも、リースするとか、土地をみんなで集めて、そして優良な農家に、やりたいという農家に任せるといったような方法がこれからも私はとられるべきだろうと思いますが、しかし現実に一生懸命農業を主力としてやってきた農家の方々が、そこに負債の金額、細かく申し上げませんが、専門家でしたら見ていただければわかると思うんですが、とてもじゃないけれども借金も払えないような現状になってきている。それは農協なりなんなりが、恐らく全部これは不良債権になっているんだろうと思うんですが、そういう形で実は推移しているんです。
 そうすると、いよいよこれからいわゆるWTO体制のもとで生産性を向上させようとか規模を拡大しようと思っても、とてもじゃないけれども今はもうこの負債整理の問題で手いっぱいだということで、私どものところに実は農業経営再建に対する、国に対する要望として、農家の負債整理をある意味では農業負債整理暫定措置法という格好で緊急な対策を講じて、意欲のある担い手の営農の再建に何とか協力してもらいたいということを、ここ二カ月、三カ月の間に何度も来て、実は私どもでやるんです。
 大臣、いわゆるバブル時代に高騰したときに本当に高い土地を買って、さあやろうと思ったときに、バブル崩壊で土地も下がった、農地も下がってきている、そして借金はかさんでくる。そこへもってきて、将来、六十俵当たり二万円ぐらいだったら大丈夫だと思ったのがどんどん今価格支持によって下がってきているわけです。
 ぜひこのことについての対策を、要望していることに対してはどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、農家負債について見ますと、平成十年末の販売農家の借入金は平均三百二十七万円となっており、地域的には北海道が千四百十六万円、都府県が二百九十三万円となっております。個別事例をとってみますと、現下の農業情勢のもとで経営部門や経営規模により借入金の額がかなりの水準に達している農家が存在するものと認識しております。これらの借入金の原因につきましては、個別事例をとってみますと、委員が御指摘のように、規模拡大に伴う農地や機械施設の取得によるものや基盤整備に伴うものなどがあると伺っております。
 これらの農家に対する負債対策としましては、農協系統からの借入金などにつき、長期低利で一括借りかえを行う農家負担軽減支援特別資金などを設けるとともに、個別の事情に応じた償還期限の延長等の対策を講じているところであります。これらの対策の活用により経営内容が改善の方向に向かうよう期しているところでありますが、同時に、北海道の農家におかれましては借入金が非常に高いことからも現在調査を行っているところでありまして、この結果を踏まえ、さらに対応を考えてまいりたいと考えております。
○峰崎直樹君 私は、冒頭述べたように、これからの将来、農業を本当に腰の強いものに、そして国際競争力が持てるようなものにしていかなきゃいかぬということと私が今申し上げたことは矛盾するように思われるかもしれませんが、日本の農政を、一九六一年の農業基本法制定以来本当に忠実に守ってきたところほど実は一番ダメージが大きくなっているんじゃないかというふうに思えてならないんです。それは農家の方と接すると本当にそう思うわけです。
 農家の人の気持ちを率直に、この間、私も地元に入って聞いたときに、ウルグアイ・ラウンド予算として六兆百億円あったけれども、あれは一体どこに消えたんだろうか、我々の負債整理のために使ってもらえないだろうか、これが実は率直な彼らの要望なんです。一回それが整理されれば、規模の拡大をしながらでも自分たちは歯を食いしばってもまた新しい力強い農業に持っていける、日本の食料基地北海道をつくることもできる、こういうふうに言っているんです。
 ですから、今検討するとおっしゃいました。調査もしているとおっしゃいましたから、そのことに対しては私ども期待をしたいと思いますが、ぜひそのことを、ある意味では何でもありの世の中になっているんです、最近は。一流の大銀行も本当に責任をとらないままに税金が、何兆円というお金が投入されてみたり、本当に我々がどう説明していいかわからないような事例がたくさんあるし、まじめに汗水垂らしてやってきた人たちが負債を前にして真っ暗だという状況になっているわけです。そのことをまず解決するということ。そしてそのことが、ただ単に解決するだけじゃなくて次の展望を、しかもそれは外国にだって負けないぞ、本当にあなたたちがこれからの日本農業の担い手なんだし、そして何よりも若い、これから小学校、中学校、高等学校、よし、じゃお父さん、おれ農業をやりたいよと、こういうような人たちがどんどん生まれるような、そういう農業にしていくためにも、このいわゆるバブル時代あるいは過去の農政のいろんな有為転変があったときのそれをひっかぶっている人たちに対する対策を打つことは、私は決して後ろ向きの政策では絶対ないというふうに思っているわけであります。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 もう時間が少なくなってまいりましたけれども、自給率のことについてお聞きします。自給率、それから自給力。
 自給率は今何%でございましょうか。さらに、自給力は、今政府としては、いざというときに最低限今の国土でどのぐらいのカロリーを国民一人当たりに提供できると思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 自給率についてはカロリーベースで表示されておるわけでありますが、現在四一%でございます。
○峰崎直樹君 何年度ですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 九年度です。
 それから、カロリーベースの食料供給可能量に関しましては、農林水産省におきまして、現状程度の農地面積、農業生産技術などを踏まえた一定の前提を置き、熱量効率を最大化した場合に、輸入が一切なしに国内農業生産だけでどれだけの熱量が供給可能かという試算を行っております。
 これによりますと、一人一日当たり千七百六十キロカロリーの供給が可能という結果になっております。ちなみに、これは戦後間もないころ、昭和二十二年から三年の供給熱量に相当する水準でありますが、これに生産性の高い作付体系や多収穫技術の向上、河川敷などを活用した緊急的な土地利用の拡大の可能性などを考慮すれば、さらなる供給量の増加も見込み得るものと考えております。
○峰崎直樹君 書かれたものを読まれるのはいいんですが、肉声でしゃべっていただければもっと大臣のお話も迫力あるものになると思うんです。
 さてそこで、私は平成八年度の数字しか持っていないんですが、穀物自給率は、正確に言うと二割を切っているのではないかと思うんですが、どうでしょうか。というのは、恐らくカロリーベースでいえばたしか四一%になったのでありますが、二千万トン近い輸入飼料穀物を使っておるわけです。そして、外国から輸入した二百五十四万トンの肉類、三百四十二万トンの牛乳・乳製品、十一万トンの鶏卵、これは穀物換算すると一千四百五十万トンに相当する。そうすると、平成八年の分母に入る国内の消費食料の穀物換算は五千七百六十七万二千トン、そして分子の国内で生産しているのは一千百三十七万トン、割ると一九・七%という数字になっているわけです。どうでしょうか。
 もう一つ言います。大臣、いいですか、もう一つ自給力。今おっしゃられた数字は食料・農業・農村調査会の中で出された数字だと思うんです、千七百六十キロカロリー。九五年の暮れの閣議決定で「農産物の需要と生産の長期見通し」、この中では、四百八十万ヘクタールの農地を使って二千百キロカロリーは出せますと言っています。この差は四百キロカロリーになっている、自給力で、大変大きい。二千百キロカロリーならまあ今の飽食な状態を我慢すれば何とかなるかな、安心だと、国民の皆さん安心してくださいよと。ところが、一昨年の調査会の千七百六十キロカロリーだったら、このままだったら栄養失調になっちゃいますよね。しかし、それでもぎりぎりやればここまで行くという見積もりを出された。
 なぜこんなに三年余りの間に四百キロカロリーも違ってきたのか、その説明もぜひあわせて、いただきたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは非常に興味深い数字であると同時に議論だと思います。
 つまり、私が今申し上げたのは、第二次世界大戦の末期に完全に海外からの供給が断たれた。私は、安全保障というのはそういうところからスタートしなきゃならぬと思いますが、そういう場合におきまして、国内でどれだけの供給熱量を可能にするか。
 これは現在、最初のこの千七百キロカロリーといいますのは、私はこれは現在の農地を対象として計算した場合の数字だと思うんです。それから、二千百キロカロリーという数字はまだ検討はしておりませんけれども、可耕地をできるだけ確保しながら、同時に、多収品種、例えば芋とかサツマイモは反当収量三千キロぐらいとれるわけでしょう。そういうものをつまり供給熱量にかえていけば二千百キロカロリーというものは可能になってくる、こういうことは考えられるわけです。
 ですから、食料の安全保障ということを考えた場合は、レベル一とかレベル二とかレベル三とか、レベル三というのは今みたいに完全に四海波静かではなく、四海ともにこれは海上交通が途絶えた時点ですね、そういうわけです。
 それから、先ほどの自給率の問題ですけれども、ちょっと私は間違いがあると思うんです。それは、要するに日本でも穀物は生産しているんですから、つまり大豆の自給率が三%、麦の自給率が八%、飼料穀物が一〇%、この数字が入っておりません。したがって、全部総括して合わせてまいりますと現在二八%ないし二九%の穀物の自給率である、このように考えております。
○峰崎直樹君 自給率の議論はまた、もう時間がなくなってしまいましたので、あと一問程度許していただきたいんですが、自給力の問題と自給率の問題、これは恐らく安全保障の問題にとっては非常に大きいし、これからも大変重要なのであれしたいと思います。
 もう一つ、実は農地がこの何年かの間に、あるいは一九六一年以降非常に減ってきているんじゃないかというふうに思うんです。しかも、優良な農地が減って、北海道や東北の、東北は語弊があるから、北海道は非常に条件不利地です。どんどん開墾してきました。その開墾したのが合わさって減っているわけですから、一九六〇年から今日までの三十八年間ぐらいの間に恐らく三割ぐらいの農地が減ってきているんじゃないか。今のテンポで四万、五万ヘクタールが減っていくとますます食料自給率が下がる。安全保障にとっては危機的ですね。ですから、私は、やはり今の農地を永久農地としていかなきゃいけないというふうに思うんです。
 もう一つの問題は、しかもこの農地の中に植えているその作物が何でこんなに反当たり収量が低いんだという問題なんです。
 これは、お手元の二枚目のページ、先ほど小林委員からもお話がありました。恐らく、ジャポニカ米とまた長粒種米で違うんだろうと思いますが、小麦、確かに北海道も雨がいつ降るかというのを心配しているんです。穂発芽が起きてもう大ダメージを受けたとかということで、何人もの農家の方から陳情を受けて、何とか品種改良をして、もう一週間、十日早く実る米ができないかな、小麦ができないかな、あるいは稲のように垂れるような麦をつくれぬものかな、こういうようなことも陳情を受けたりしているんです。
 ですから、これは過去、日本で米、小麦、大麦、あるいは大豆、バレイショ、最高とったときの反当たり収量という、これはヘクタール当たり収量ですが、こんなものじゃなかったんじゃないですか。ということは、非常に優秀な農家、篤農家というんでしょうか、この方々が努力をして努力をしたときには、米もこんなものじゃないぞと。日本が瑞穂の国と言われていながら、一ヘクタール当たり六千二百十九キロ、こんなものじゃない、日本人に任せてみろ、優秀な人材、優秀な機械、これはもう日本は絶対負けませんね。
 センサーを使って、あの七・六町歩の田んぼを見たときにびっくりしました。水はどうしているんだ、センサーで管理していますと。水位が一定になります。ある程度の水位以下になったらずっと自動的にあいていく、ある水位になったらとまる。こういうことがコンピューターでできているんです、もうやっているんです。恐らく、将来ロボットで農作業をやるという人も出てくるかもしれません。そういうときに、こういう反当たり収量というのは必ず改革できる。とすれば、なぜそうなっているのかというときに、専業農家、プロの農家でなくて二種兼業、農業収入が四十万しかないような農家が過半数になっておるんじゃないですか。
 その意味で、私はこれからの農政の中には、選択的に、重点的に、貴重なお金ですから、そういうものを先ほど申し上げたように国際競争力を持てる分野、そして選択的、集中的に財源を投入して、何年間かすれば必ず日本農業は若い人たちに魅力のあるものになるんだと、やはりある意味では自信と確信を与えていくような、そんな農政にすることが、本当にWTOにおいて堂々と私は農林水産大臣が国益を代表して主張してこられる最も近道じゃないかというふうに思えてならないわけであります。
 今度のいわゆるWTOにおいては、いろいろ食料安保の問題とか多面的な機能の問題を主張されるだろうと思います。それはそれで大いにやっていただきたいと思うんですが、一本そこの柱をしっかり据えないと、私は、このWTOは過ぎても五年先のWTOで、また十年先のWTOでどうなっていくんだということをしっかり見据えてぜひ進めていただきたいものだ。そのことについて最後に大臣にお伺いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員御指摘のように、例えば小麦を見ますと、これは収量が外国と比べますと半分です。これは日本の立地条件を見なきゃいかぬのでありまして、やはり収穫期に雨が降ってくる、こういうようなことで災害が起きますから、したがって五月のまだ暖かいうちに、つまり雨がまだ降ってこない前に、できるだけ雨季に入る前に収穫できるような品種をつくるとか、それから本格的な生産にこれから踏み切るということで大綱もやったわけでございますので、そういう意欲のある農家が報われるような政策を遂行していく、こういうことが大事である、こう思うわけでございますし、外国に負けない農業といいますのは、収量の面においても技術の面においてもまず負けない農業をつくり上げていくということが基本であるということは当然のことでありますから、そういう趣旨に基づいて頑張っていきたい、このように思います。
○峰崎直樹君 終わります。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 玉沢農林水産大臣の所信表明並びにWTO次期交渉への取り組みに関連しまして質問させていただきたいと思います。
 今の議論の中でも、農業がこれから発展するためにはやはり担い手の問題が非常に大事だということで、まず最初に農業の担い手育成に関して質問させていただきたいと思います。
 きょうは文部省も呼んでおりますので、一緒に聞いていただきたいと思いますけれども、まず、私も母方は農家でありまして、小さいころは農家で遊びながら過ごしたわけですけれども、農業の大事さを理解してもらうためには、やはり小中学校でもきちんと教育の中で農業を教えていくということが大事であるというふうに感じているわけであります。
 そこで、文部省の方にお聞きしたいんですけれども、小中学校の義務教育の中で農業に関する教育の時間というのがどのように推移しているのか、二十年前、十年前、そして現在と、そのことをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(御手洗康君) 小中学校におきます農業に関する教育は、小学校で申し上げますと五年生の我が国の産業と国土の時間。それから、中学校では地理的分野という形で本格的に教えることとしているわけでございますが、全体として、現行におきましては、小学校百五時間、五年生の社会科の授業ございますけれども、この中で教科書のページ数で見ますとおおむね四分の一でございますので、二十時間ないし二十数時間程度年間当てられる。それから、中学校でまいりますと、地理的分野、おおむね百四十時間の中で十数時間、二十時間にはちょっと足りないと思いますけれども、十四、五時間というところで教えるというのが一般的であろうかと思っております。
 なお、農業だけの時間について、二十年前、十年前の比較は持っておりませんが、二十年前は社会科五年生、百四十時間ございまして、これも小学校のページ数で見ますとおおむね四分の一程度でございますので、比率としては変わっていない。現在それが百五時間ということで、学校の五日制等に伴いましてやや時間数が全体縮小しておりますので縮んでいる部分ございますけれども、全体としての比重は変わっておりません。その点は中学校におきましては二十年前、十年前とも、現行では百四十時間ということでございますので、余り大きな変化はないものと理解しているところでございます。
○渡辺孝男君 二十年前、十年前と現在で農業に関するそういう教育時間というのは余り変わりないということであります。推測したのは、少なくなっているんじゃないかという不安がありましてちょっとお聞きしたわけですけれども、ありがとうございます。
 次の質問になるんですけれども、農業については、近年、農業の持つ多面的機能というのが非常に重要になってきている。今回のWTOでも日本はそういう面でも主張するわけでありますけれども、この点に関しての小中学校での教科書の記載というのはどの程度あるんでしょうか。
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘ございましたように、今後の我が国の農業のあり方につきましては、新しい食料・農業・農村基本法案等の趣旨も受けまして、新しい学習指導要領におきましては、特に我が国の農業と自然環境との深いかかわりや食料確保の重要性、さらには品種改良や消費者の需要にこたえるための工夫や努力など、農業の盛んな地域の具体的な事例を取り上げながら学習すると、小学校の学習指導要領に規定をしているわけでございます。
 これを受けまして、例えば小学校の五年生の教科書を見てみますと、日本各地の農村では、昔から米づくりを中心とする農業を行う中で、農村独特の文化や伝統を受け継ぎ、人と人とのつながりも育ててきました。あるいは水田は自然災害から国土を守る役割も果たしてきました。こういう記述がございまして、この記述をもとにいたしまして、授業の中で、農業が持っております国土や環境の保全、さらには良好な景観の形成、地域におきます文化の伝承等、さまざまな多面的な機能にかかわる学習が行われるということにしてあるところでございます。
 具体的には、各学校では、例えば体験農場というような形で、地域の農場を借りて五年生が年間を通じて稲作業に従事するとか、あるいは学校内でございますと、一鉢運動というような形で栽培を小学校一年生から六年生まで年間自分の鉢を持ってやるとか、これは社会科の授業というわけではございませんけれども、そういったさまざまな工夫で取り組んでいるところでございます。
○渡辺孝男君 今回、食料・農業・農村という新しい基本法ができたわけでありますけれども、その中でもやはり多面的機能というものを重視していく方向にありますので、教育の中でも、小中学校の義務教育の中でもきちんと取り上げていただきたい、そのように思うわけであります。
 子供さんが農業の現場で行われていることを体験していくというのは非常に大事なことかなというふうに思いまして、今回、文部省とそれから農林水産省で共同で子供さんに対するそういう体験学習、学習というよりは遊びを取り入れたいろんなプロジェクトが進んでいるということで、その一つにあぜ道とせせらぎづくり推進プロジェクトというものが設けられているということでありますので、この点に関しましてお伺いしたいと思います。
○政務次官(谷津義男君) 先生今御指摘のあぜ道とせせらぎづくりの推進事業ですが、これは子供たちの遊びの場あるいは自然の体験の場として利用可能な農業用水路あるいはまたため池等を利用しまして、その推進を図っているものでありますが、本年の八月から文部省と協力してこれに取り組んでおります。
 なお、休耕田の中に水張り休耕田みたいなところもありますから、そういうところではメダカだとか、あるいはまた、先ほど先生もおっしゃいましたが、子供たちが遊びを入れながらそれを体験していくというのが非常に大事な要素でございまして、そういうものもやっているところであります。
 農林水産省といたしましては、本事業によりまして、農業・農村の理解が深まるとともに地域の活性化にもつながるということで、積極的に推進していきたいと思っております。
○政府参考人(富岡賢治君) 文部省から補足でございますけれども、平成十四年度に完全学校週五日制というときを迎えるわけでございますので、それまでに地域で子供を育てる環境を整備しようということで、全国子どもプランというのを三カ年計画で推進しているわけでございますが、そういうときに、私ども教育関係者だけの力で進めるということではなくて、さまざまな方の御協力をいただこうということで、今もお話がございましたように、農水省さんの大変な御協力をいただきまして文部省と農水省の連絡協議会を設けて、学校内外の農林水産業の体験学習の機会をお互いに整備しようじゃないかということで、昨年からでございますけれども協力しながら進めているわけでございます。
 今御説明がありましたあぜ道とせせらぎづくりというのでは、子供たちの遊び場と自然体験の場として農業用水路等を登録したり、その利用促進や整備等を行うような事業を一緒に進めさせていただきまして、農村に親しむ、農業に対する理解を深めようというふうなことで進めているわけでございまして、八月に文部省から各教育委員会のラインへ、農水省さんからは地方農政局を通じて各都道府県の農政担当部局に対しまして通知等を発出いたしまして、周知徹底を図ったところでございます。
 今お話がございましたような形で、私どもも農水省と協力しながら一生懸命やりたいと思っております。
○渡辺孝男君 ちょっとパンフレットを見せていただいたんですけれども、あぜ道とせせらぎということで、その中に田んぼが入っていなかったものでしたから、休耕田もあるということで、僕らも小さいころは田んぼの中でドジョウをとったりザリガニをとったりとか、そういう遊びもしておって、泥に入るということそのものも余り抵抗がないわけでありますけれども、今の子供さんはやはりアスファルトジャングルの中で過ごしている方も多いので、そういう泥に入るということそのものも抵抗があるような方もいるんじゃないかと心配するわけであります。
 もう一つ、私は山形の米沢におるんですけれども、ハッチョウトンボという小さいトンボがいるんです。それの生息地が非常に大事だということで、休耕田をハッチョウトンボの生息地の池に利用できないかというようなことで自然保護を一生懸命やっている人がおりまして、そういう休耕田を利用して、提供してくださる、あるいは何がしかの公的な費用でもって農家の方から一時貸してもらうとか、そういう形で環境等にも生かしていくような試みも入れてもらって、あぜ道だけじゃない、田んぼも含めてのプロジェクトにしてもらえればなというふうに考えております。
 次に、高等教育についてお伺いしたいと思います。
 農業学校におきまして、最近新しい学問ということでいろいろ教科の方も変わってきているということであります。文部省の方では、平成十年七月の理科教育及び産業教育審議会答申に基づきまして、農業に関しては、生活のゆとりや心の豊かさを求める国民の要望から、安全な食料の供給のみならず、国土環境の保全や余暇空間の提供など多様な機能が期待されていることを踏まえ、平成十一年三月、ことしの三月ですけれども、高等学校の学習指導要領を改訂したということであります。
 その中で、新しい科目としまして、グリーンライフ、生物活用、環境科学基礎、そういう科目を新設した。また、バイオテクノロジーに関しましても、内容を充実しているということであります。これらの新しい科目の教育が現場でどのような授業時間の配分で行われるようになっているのか、文部省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘ございました本年三月に告示をいたしました高等学校学習指導要領、平成十五年から新しい教科書を用いて実施されるということになります。
 御指摘ございました環境科学基礎あるいはグリーンツーリズムなどの進展に対応する観点からの生物活用とグリーンライフ、さらにはバイオテクノロジーを、今まで生物工学基礎と一科目でございましたけれども、植物と動物に分けまして、植物バイオテクノロジーと動物・微生物バイオテクノロジーの二科目に分離するなどの新しい改善を図っているところでございます。
 これらの授業時間数につきましては、実際には各高等学校におきまして全体の農業の科目の専攻分野に応じましてカリキュラムを組んで生徒は選択するということになりますが、文部省といたしまして、学習指導要領上の一つの目安といたしまして環境科学基礎につきましては四単位ないし六単位、これを一年ないし二年ぐらいかけて学ぶことになろうかと思います。したがいまして、時間数にいたしますと全体で百四十時間から二百十時間程度を想定しております。また生物活用、グリーンライフ、植物バイオテクノロジー、それから動物・微生物バイオテクノロジー、いずれも標準的な履修単位としましては四ないし六ということでございますので、百四十ないし二百十時間をその科目を選択した子供は学ぶということになります。これを全部学ぶということになりませんけれども、一つの科目につきましておおよそそういう形で構成されているところでございます。
○渡辺孝男君 これは農業高校でということでございますね。
 私がちょっと心配するのは、そういう新しい科目に対しまして、教える側の教員の方の養成というのは十分対応できるのかどうか、その点に関してお伺いしたいと思います。
○政府参考人(御手洗康君) 教員の指導力でございますけれども、大体最近の若い方々は大学を卒業いたします際にこういった分野をかなり勉強してきているということもございますし、現実にも各学校でこれに類似した指導を先導的に今までもやってきているといったところもございます。
 こういった新しい動きに対応いたしまして、文部省といたしましても全国的な指導を直接やっていくということで、例えばバイオテクノロジー関係につきましては、平成八年度から十一年度まで計画的に毎年三十名ないし四十名ぐらいでございますけれども、全国の指導者を集めまして、そこで研修し、その方々に各都道府県内でのリーダーになっていただくというような形でやってきているところでございます。
 また、バイオテクノロジー関係あるいは環境制御技術関連その他につきましても、平成十二年度以降も毎年少しずつ充実しながら各県のリーダー養成という形で文部省が直接やってまいりたいと思っておりますけれども、実際には各都道府県におきまして教育センター等を中心にこういった方々を利用しながら必要な研修等充実をしていただきますよう、これも指導してまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 それで、今後、農業高校の中でも一生懸命こういう新しい農業、あるいは食品等々、生命科学等々の授業を受けて、これはもうちょっと深めて勉強しようという生徒さんが出てきた場合に、やはり大学あるいは大学院に進学するということになると思うんですけれども、そういう場合に農業高校で大学受験等々でハンディキャップ、受験科目を勉強する時間がなかった等々、そういうハンディキャップが起こらないような状況になっているのかどうか、大学進学、大学院進学に向けて勉強するルートがきちんと確保されているのかどうか、文部省に確認したいと思います。
○政府参考人(御手洗康君) 農業高校を含めまして専門高校からの生徒が大学に進学する場合に、従来からの普通科中心の教科では入学試験の際に相当ハンディがあるという現場の希望等を踏まえまして、文部省といたしましては、こういった専門高校から進学をする可能性のある大学や学部につきましては、その目的や専門分野の特性から見まして、例えば普通教科の一部にかえまして職業教科の専門的な科目を代替して受験できるように、さらには数学、理科というような理工系の普通科目につきましては、これとあわせて職業に関する基礎的な科目、農業の基礎であるとか工業の基礎であるとか、そういった基礎的な科目をこれに加えてどれかを選択して受験することが可能になるというようなことを各大学につきましてずっとお願いしてきているところでございます。
 また一方で、こういった専門高校で学んだ専門的な知識というものをそれなりに積極的に評価していただいて、大学に入学する道を開いていただきたいという観点から、推薦入学等、一般の普通科等からもやっている学校もあるわけでございますけれども、こういった農業高校を含めた専門高校の卒業生を対象とした専門的な学部におきまして、特別の推薦入試等を実施していただきたいとお願いしております。
 ことしの三月に行われました大学入試におきましては、全国の国公私立大学全体の中で百五十六大学の二百六十八学部でこういった推薦入学を行っておりまして、今年度の推薦入学による大学への専門高校全体の入学者数はおよそ六千人弱というところまで来ているところでございまして、絶対的な数が普通科と比べて多いというわけにはまいりませんが、こういった取り組みは毎年着実に進んできていると思っているところでございます。
○渡辺孝男君 そういう農業高校からもきちんと次のいろんな新しいことをまた勉強したい、さらに進学して勉強したいという人がいろんな意味でハンディを負わないようにしていただきたいなと、そのように思います。
 それとは別に、これは農水省の方にお伺いしたいんですけれども、都道府県には農業大学校が設立されておりまして、それで就農者あるいはまた新しく就農希望者等々に勉強の機会を与えているわけであります。私も先日山形の方でそういうお話を聞いておりまして、新規に農業をやりたいという人も受け入れているというようなお話を聞いておったわけですけれども、ちょっとお話を聞いたところが、全国でまだそういう農業大学校が設立されていない都府県があるということをお聞きしたわけであります。それはどういう理由なのか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 道府県農業大学校は、就農希望者を初めとする農業の担い手育成のための実践的な研修教育を行う施設として、現在四十一道府県で設置されております。残りの六都府県では、農業大学校という名称ではありませんが、別途、農業短大等の機関に農業の担い手育成の機能を持たせて運用しているところであります。
 具体的には、北陸三県、富山、石川、福井では県立短大等があります。千葉県及び大阪府では農業指導者の養成機関があります。また、東京都では、都の農業試験場で開設している後継者に対する研修コースがあります。それぞれの地域における担い手育成の機能を果たしているところであります。
 今後とも、担い手の育成は農政の重要な課題であることから、国としましても、農業大学校を初めとする農業者教育の充実について、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
○渡辺孝男君 農業大学校がない都府県ではそれに代替する教育のシステムが整っているということでありましたので、余り都道府県間で格差が起こらないようにやっていただきたい、そのように思います。
 では、次の質問に入らせていただきますけれども、次は遺伝子組みかえの食品に関して質問させていただきたいと思います。
 これは厚生省に最初質問したいと思うんですけれども、厚生大臣の諮問機関であります食品衛生調査会が遺伝子組みかえ食品の安全性確認を法律で義務づける方向で検討していると。現在検討されている考え方では、食品衛生法第七条に基づく食品、添加物等の規格基準、これは厚生大臣告示で行うわけですけれども、これに基づいて法的義務化を行うということも一つの検討肢になっているわけであります。その場合に、輸入食品については輸入業者が責任を持って安全性を確認するということになるわけであります。
 もしこのような形で法的規制を行う場合には、故意に法に違反して輸入する業者もあり得る、あってはならないんでしょうけれども、あり得るということと、それからもう一つ、安全性未確認素材や添加物を含んでいることを知らないで輸入してしまう、そういう国内販売業者もあるんではないか、そのように思いますので、そういう意味では輸入食品の安全性検査が非常に大事になってくるということであります。
 厚生省の方でどのようにそういう輸入食品の安全性を確認していくのか、遺伝子組みかえ食品の検査体制の現状と今後の整備方針についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(西本至君) 遺伝子組みかえ食品につきましては、国際的にも近年急速に普及しておりまして、ただいま先生御指摘がございましたように、我が国の安全性の確認を受けていないものが輸入されているかどうかということを確認できる体制づくり、この整備が非常に重要になってきているのは御指摘のとおりでございます。
 私ども厚生省といたしましては、本年度から農林水産省さんと協力をいたしまして、輸入時のモニタリング検査というものを開始しております。具体的には、挿入された遺伝子を検知するためのPCR法という方法がございますが、これを用いまして、我が国に輸入される大豆あるいはトウモロコシにつきまして、遺伝子組みかえ作物であるかどうかということを推定する検査を実施中でございます。
 今後ともさらに内容を詰めまして、検査体制の整備充実に努めてまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 日本で安全性が確認されているものばかりでないものも入ってくる可能性があるということで、そういう輸入食品を扱う業者の中には自前でそういう検査機器を整備したいというような要望もあると聞いております。
 また、平成十三年度からは遺伝子組みかえ食品の表示が義務化されるということでありまして、国内の加工食品メーカー等も自前でそういう遺伝子組みかえ食品の分析をする機器を整備したいというような希望を持っているところもあるというふうに聞いております。
 農林水産省の方では、民間のそういう分析機器導入に対しまして、今回の第二次補正予算で五億円を要求しているということであります。実際にそういう分析機器を導入しようという需要が民間にどれぐらいあるのか、あると見込んでいるのか、農林水産省担当の方にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(福島啓史郎君) 今、先生御指摘ございましたように、来年四月を目途に遺伝子組みかえ食品の表示の告示を行えるように今作業を進めております。適切な猶予期間、つまり一年間を経まして二〇〇一年四月を目途に実施してまいる予定でございます。
 それで、こうした遺伝子組みかえ食品の表示につきましては、先生御案内のように、IPハンドリングによりまして分別流通管理した非遺伝子組みかえ農産物を主原料としているかどうかという、要するに社会的検証に基づきまして表示を行うようにしているわけでございますが、食品製造業におきましては、これにあわせまして分析機器によりこの遺伝子組みかえ農産物の存在を検査する、要するに科学的な検証をあわせ行いたいという希望もあるわけでございます。これに対応するために、必要な分析機器のリースに対しまして助成を行う補正予算要求をしているところでございます。
 今回、遺伝子組みかえが表示義務化されます豆腐、みそ、納豆等の製造事業者は大体全国で約二万社あるわけでございます。そのうち、整備を希望する者、それから零細な事業者の場合には組合がこうした検査機器をリースするということもあるわけでございまして、その両方によりまして整備を希望する者の要請にこたえられるように補正予算要求をしているところでございます。
○渡辺孝男君 今のところどのくらいニーズがあるかというのはまだよくわからないということでしょうか。
○政府参考人(福島啓史郎君) 個別の事業者の場合ですと、二万社のうちの約四分の一、またこうした団体につきまして各県に二つというようなことを現在考えているところでございます。
○渡辺孝男君 ちなみに、こういう分析機器を設置する場合どれくらいの費用がかかるものなのか、私もわからないものですからちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(福島啓史郎君) こうした検査機器につきましては、清浄環境で食品原材料等から遺伝子の抽出を行うのに必要な無菌箱、それから遠心分離器、それから抽出遺伝子の増幅等を行うのに必要なDNAの増幅器、それからDNAのパターンを確認する装置でございます。これらをワンセットで整備した場合の平均的な価格は約六百万円というふうに見込んでおるところでございます。
○渡辺孝男君 これは業者にとっては必ずしも必要ないというものであって、それを科学的検証のために消費者に向けて、きちんと我が社はやっていますよ、あるいは我が業界はきちんとやっていますよということで、オプション的な希望でもって入れるわけですので、六百万ぐらいだということでやはりかなり大変な負担かなと思うので、政府としても何らかの支援をしていただければなというふうに思うわけであります。補正予算がきちんと通るように我々も応援していきたいというふうに思っております。
 では、次の質問に入らせていただきますけれども、これは農水省の方にお伺いしたいんですけれども、害虫抵抗性あるいは薬剤耐性などの特性を持った遺伝子組みかえ作物は、現在世界でも、安全性の問題それから生態系を乱すのではないかという懸念から、各国が規制を行う、あるいは国際的な批判もあるということで、米国などの生産業者も作付を抑制する機運にあるというようなお話も聞いております。
 農水省としましては、こういうような遺伝子組みかえ作物の作付の抑制の機運といいますか、そういうものを将来どのように見込んでおられるのか、その点に関してお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三輪睿太郎君) 遺伝子組みかえ作物の栽培面積は、一九九六年には世界全体で百七十万ヘクタールだったんですが、三年後の九九年には二十倍以上の四千万ヘクタール近くに達しております。このうち七割がアメリカ、それで五割が先生のお話にありました除草剤耐性大豆というようなことになっております。
 しかし、こういった急増に伴います供給に対しまして、消費者の反応には先生のおっしゃったようなこともございまして、流通・加工メーカーでは組みかえされていないものをというような志向もあります。そういったことで、こういった急増傾向が今後どうなるかについてはいろいろな見方がございます。抑制傾向という報道等も承知しておりますが、率直に申し上げましてこういう急増がこれまでのように続くことはかなり不透明だろうということを申し上げておきます。
○渡辺孝男君 消費者も、非遺伝子組みかえ、除草剤あるいは害虫抵抗性のものでない作物からつくった食品等々を希望する方ももちろんあると思うので、今後どういうふうに作付の方が進むのかちょっとわからないわけです。
 このように、遺伝子組みかえ作物の作付も生産者の側で自主的にどんどん抑制していくということになれば、例えば日本に輸入する大豆、トウモロコシ等の価格にどういう影響を及ぼすのか、生産価格の面ですけれども、これはちょっと難しいんではないかと思うんですが、一般的にはこういうふうに動くんじゃないかというような予想がありましたらお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三輪睿太郎君) 大変御説明が難しい御質問でございますが、主流を占めます除草剤抵抗性大豆あるいは害虫抵抗性トウモロコシ、これらは一方では収量が若干増加すること、それからその目的であります除草剤の使用量あるいは殺虫剤の使用量が減少できるということで、一般的には生産コストが下がっております。それを非組みかえ体に切りかえるということであれば、当たり前のことでございますがそういったメリットが消えるわけで、その分生産コストの低下が鈍化するということだけは言えるんですが、それ以上のことはなかなか難しくて御説明できません。
○渡辺孝男君 やはり消費者との間での市場が絡むものですから、なかなか予測というのは難しいと思うんです。
 今回のWTOの交渉の中においても、我が国の方は遺伝子組みかえ体、GMOの取り扱いについて、この間のモントリオールのときにも、日本がこれを協議のテーマにしましょうということで提案したということでありますけれども、今回のWTOの次期交渉に向けての閣僚会議で我が国がどのような対応をしていくのか、その方針について大臣の方からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 我が国といたしましては、遺伝子組みかえ体にかかわる問題が総合的な検討を必要とするものであるとの考え方に基づきまして、GMOにかかわる問題等新たな課題について多角的に検討する場の設置をWTOに提案したところでございます。
 GMOに関する論議を行うに際しましては、遺伝子組みかえ技術の持つ大きな可能性への正当な評価、環境や健康等に与える影響についての最新の科学的知見に基づく十分な評価の必要性、消費者の関心に対して的確にこたえる必要性の三つの点に考慮が払われることが重要と考えて提案をいたしているところであります。
○渡辺孝男君 日本の消費者の方も、安全性の問題、それから環境に対する影響の問題は非常に関心が高いので、やはり日本としましても、きちんとこういうものを協議する、WTOの中ででもきちんと協議していただくように頑張っていただきたい、そのように思う次第でございます。
 次に、今度WTOに中国が加盟するような可能性が非常に高くなってきた。それは、今月の十五日に米中合意がなされたということであります。
 中国に関しましては、一九九五年ごろに、将来、人口がふえてきた場合に食料不足になって、これが世界にも非常に大きな影響を及ぼすのではないかというような不安が一時ありまして、中国の方はその後、一九九六年でしたか、農業白書というものを初めて著して、二〇三〇年ごろまでは食料の自給は九五%を保っていくんだというようなそういう内容の農業白書を出したということを聞いておったわけです。
 この中国の穀物の需給の近年の状況、それから十年後ぐらいにどういうふうになるのか、農林水産省がどういう予測をされているのか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 中国の穀物生産は、これは芋類も豆類も含んででありますけれども、近年、政府の生産増強策により作付面積が増加したこと、作柄がよかったことなどから増産傾向にあり、昨年は史上最高の五億一千二百万トンとなっております。このため、穀物需給は、近年、全体として緩和傾向で推移していると見られます。
 いずれにしましても、中国の需給動向は世界の穀物需給に影響を与えることも考えられますので、今後ともその動向につきまして十分注意してまいることが必要であると思います。十年後にどのような生産になるかはもうちょっと見ていなければならぬと思いますので、まだちょっと予想しかねるところでございます。
○渡辺孝男君 中国がWTOに加盟して、穀物の輸入国になるのか輸出国になっていくのかわからない面もあるんですけれども、中国は非常に穀物生産の大国でありますので、そういう中国がWTOに加盟して、今後の推移によっては日本の農業に対してもいろんな影響が起きてくるのではないか、そのように推測するわけであります。
 そういう意味で、今回、本年十月には、水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱で、米の作付を行わない水田において麦、大豆、飼料作物等の本格的生産の推進を行うということを日本の農業の方針として明らかにしたわけでありますけれども、そういう大豆、麦あるいはトウモロコシ等々、中国がさらに輸出していくようなことになれば、日本もその方針が少し大変になるのかなという懸念もあるわけですが、その点に関して農林水産省はどういうお考えを持っていらっしゃるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(石原葵君) ただいまの御質問でございますけれども、中国がWTOに加盟するに当たりましては、二国間交渉が残っている部分もございますし、まだ手続等がいろいろございますが、中国がWTOに加盟することによりまして穀物の輸出入がどのように変化するかにつきましては、中国国内の需給動向、国際市場の動向、それから天候による各国の生産量の変化など、不確定な要因が多々ございます。この辺を見きわめる必要があると考えております。特に、短期的な動向につきましては、現段階で見通すことは困難であろうと思っております。
 しかしながら、中長期的に見ますと、中国は人口がふえます、それからまた畜産物の需要がふえるということで飼料用穀物の需要が大幅に伸びるということで、これらの輸入の増加が見込まれますので、今後とも、先ほど大臣が申し上げましたように、中国の動向につきましては十分注視してまいる必要があると思っております。
 それから、我が国の輸入との関係でございますけれども、一つ御注意いただきたいのは、我が国は既に中国に対してはWTO加盟国に対するのと同様の最恵国待遇を与えております。そういうこともございまして、我が国が中国産品に適用しております現行の市場アクセス水準につきましては、中国がWTOへの正式加盟を行いましても変更が必要となるものではございませんので、直接の輸入の増ということはないものと思っております。
○渡辺孝男君 もう時間がなくなってきましたので、大臣、これからWTOの次期交渉で大変御苦労されると思うんですけれども、日本の農業のこれからの発展等々に関しましては、やはり農業の持つ多面的な機能、それから食料安全保障という非常に大事な課題を日本の国民は持っておりますし、またそれを期待しておりますので、日本の国民の要望がきちんと閣僚会議宣言等に生かされるように頑張ってきていただきたい、そのことを申し上げて質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 発言のお許しをいただきまして、恐縮でございますが、先ほどの峰崎議員の大区画水田の質問について、この際、御回答申し上げます。
 我が国の水田で最大の区画は千葉県佐倉市の七・四ヘクタールであります。なお、試験的には岡山県岡山市に十・四八ヘクタールの水田がありまして、直播により稲作を行っております。
 以上です。
○須藤美也子君 須藤美也子です。玉沢大臣に質問するのは初めてでありますので、よろしくお願いいたします。
 先ほど、玉沢大臣のいろいろな穀物自給率等々のお話がありましたけれども、所信の中で二十一世紀論を述べられておりますが、二十一世紀は世界的に食料不足の時代を迎える、そういう中で日本の食料自給率が四〇%を切るのではないだろうか、そういう状況があります。
 そしてまた、先ほどの穀物自給率の問題でいえば、基本的な食料の自給率である穀物自給率が、FAOの資料を見ますと、一九九七年の資料ですが、日本の穀物自給率は二五%で、世界の中で百三十番目であります。世界から見た日本、食料自給率の立場に立つと、いかに最悪の状況になっているか、こう言わなければならないと思います。そういう中で、二十一世紀を迎えるには食料自給率の向上と農業の立て直しは待ったなしの課題である、こういうふうに考えます。そういう立場から、今回、農業予算のあり方についてまず最初に質問をさせていただきたいと思います。
 まず、公共事業の予算が農業予算の五〇%を優に超えております。そのほか、施設費という公共投資を含めるとさらに膨れ上がります。十年度は補正がついて五八・九%、来年度の予算要求も五割を超えております。そして今回の第二次補正予算では、八千九百六十九億円のうち公共が七千三百八十八億円、約八割であります。
 このように、公共事業の予算が毎年毎年ふえているわけですが、最近、この予算が未消化になっている、このことについて表をごらんいただきたいと思います。皆さんにお配りをいたしました。
 この表は、九〇年から見て歳出予算規模は八年間で約二倍から二・三倍になっております。九〇年当初には翌年度繰越金は少々だったんです。九三年、公共事業がうんとふえました。さらに九四年はウルグアイ・ラウンド対策費がつきました。これを見ますと、翌年繰越金額が九三年度から三千億円から約四千億円、こういうふうに膨れ上がっております。比率でいっても十数%から二十数%、こういうような状況になっているわけであります。九七年は橋本内閣の財政改革で若干これは削減をされているようでありますが、それでも千九百六十一億円が繰越金となっております。ウルグアイ・ラウンド対策費を含む公共事業の拡大でその年度内に処理できない予算が急増している。この数字、この結果を大臣はお認めになられるでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、委員のおっしゃられた数字はそのとおりでございます。
 農林水産省の公共事業についての質問でありますが、確かに繰り越しは発生しておりますけれども、これは平成四年度以降、年度後半に経済対策等の補正予算が編成されておりまして、国会で議決された後、都道府県予算での対応に一定の期間を要することと、国と都道府県の予算が成立した後にも、工事を円滑に進めるために関係農家との調整協議が必要であること、また降雪等の気象条件により冬期間の施工が困難な地域のあることなどから一定部分の実施が翌年度に繰り越されているためであります。この場合も、農林水産公共事業に対する地元の要望は強く、翌年度に入って速やかに契約、施行されておりまして、事業の執行に支障は生じておりません。
○須藤美也子君 ちょっとそこまでで、本当は認めるか認めないかでよかったんですけれども、この後まだ続きますので繰り返しになるかもしれませんが。
 表二を見ていただきたいんです。これは九七年度の繰越金の状況であります。これは前年度繰越金三千八百十二億円、当初予算額が一兆二千二百八十一億円、合計が一兆六千九十三億円であります。この中で支出額が一兆五千三百二十九億円で、差し引き七百六十四億円が余っている金なんです。しかし、余っていても補正の追加額一千二百八億円がつきました。この一千二百八億円がそっくりそのまま繰越金となって千九百六十一億円が翌年度に繰り越されているわけです。
 このように当初予算で収入支出、ここではっきり余っているというのがわかってもさらに予算をつける、繰越金が数多く残るという状況、これは慢性的になっているんではないですか。この点はどうでしょうか。過剰気味の状況が慢性的に続いている、こういうふうに私は思うんです。これは農業農村整備事業費の繰り越し状況ですから、ここは全体のあれではありませんので、そこを考えて御返事いただきたいんです。
○政府参考人(渡辺好明君) 済みません、数字にわたることですので私からお答え申し上げます。
 先生の御指摘の中には、多分ウルグアイ・ラウンド農業農村整備事業、これが補正の一番大きな要因になっているわけでございますけれども、御承知のとおり、間断なく事業を行うということで、当初予算と補正予算の両方でウルグアイ・ラウンドの公共事業を行うということになっております。したがって、今御指摘がございました歳出予算、当初予算額一兆二千二百八十一億円の中に既に六百億のウルグアイ・ラウンドの対策費が入っております。それから、補正で追加をいたしましたので、ウルグアイ・ラウンドの農業農村整備事業の予算額は歳出ベースで一千八百億ということになります。
 そして、この支出の欄を見ていただきますと、一千九百六十一億円が翌年繰越額となっておりますけれども、このうちウルグアイ・ラウンド対策費は一千九十六億円でございます。したがって、ウルグアイ・ラウンドの流れで横を見ますと、一千八百億円の計上に対して一千九十六億円を繰り越したと。繰り越しの事由につきましては大臣から御説明申し上げたとおりでありますが、いずれにせよ、間断なく事業を実施する、農業農村整備事業を加速的に推進をするというのが関連対策の根幹でございますので、そういったやり方をしているわけでございます。
○須藤美也子君 補正をつけて悪いと言っているんではないんです。財政法第二十九条補正、この条項では、年度内に必要な緊急を要すべき経費、これが補正ですよね、この財政法の第二十九条によりますと。「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加を行なう場合」と、こういうふうに財政法では定められているんです。ですから、余っていてもさらに補正をつけて、さらに繰越金を多くしているというこれは異常な状況になっているんではないか、こういうふうに思います。
 そこで、具体的な例を申し上げますと、何年間も使われていない、しかも翌年度にどんどん繰越金がふえていく、その上補正がついてさらに繰越金がふえているという状況、この九六年まで。このような予算の使い方は非常に問題がある。
 例えば、北海道の例をたびたび申し上げて大変北海道出身の方には申しわけありませんが、北海道で四カ所の農道空港を建設しました。この当初計画は、農産物を空輸する量が、計画が一千四百六十六トン、しかし実際は、この四カ所の農道空港が使われたのは三・四トン、わずか〇・二%にすぎない。これは大変なことなんですよ。この農道空港をつくった地元の方々の持ち出し、これだけでも年間維持費、北見地区なんかでは数百万円これに使わなければならない、こういう状況になっているわけです。この経費に五十六億円かけているんです。そのうち国が二十五億円であります。ですから、道の持ち出しあるいは地方自治体の持ち出しというのは非常に物すごい負担になっている、今の時期に。こういう問題があります。
 さらに、このウルグアイ・ラウンド対策でつくった農村の施設、委員長は長野県出身ですが、長野県の農村の交流文化センター、南牧村の施設です。これは二十四億円でつくりました。この南牧村というのは人口三千五百人のところです。こういうところで、当初計画から見ると全く採算がとれない、この小さな村で年間五千五百万円の持ち出しをしなければこれが維持していけない、こういう状況が今大きな問題になっているわけです。
 もし本当に皆さんの税金を使い、ウルグアイ・ラウンド対策費を使うのであれば、目的は足腰の強い日本農業をつくると言ってきたでしょう。しかし、足腰が強くなるどころかもうやっていけない、借金が多くなって、足腰が強いどころか腰砕けになって離農しなければならない、こういう状況になっているんです。私は、玉沢大臣は岩手県出身、金田政務次官は秋田県出身、東北の農業については一番よくわかっていると思うんです。東北だってそういうところが各所にいっぱいあります。
 ですから、そういうところで公共事業に余りにも依存して足腰の強い農業をつくる、こういうのではなくて、今農村では何を求めているか。一番強い要求は、何といっても安定的に再生産できる、生産意欲を持って農業をやっていける、その施策として、価格や所得補償をこれまで以前のようにつくってほしい、こういうことが農家、農民の要求であります。そういう中で、この価格、所得補償費は、価格予算はわずか一〇%に満たない。これは逆立ちしていると思いませんか。こういう公共事業に偏った農業予算でなくて、農業を本当に立て直すには価格や所得補償にこの予算を振り向ける、そういう転換を今進めるべきではないでしょうか。
 これは大臣の私は政治姿勢で決まると思います。どうでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 我が国農業・農村の現状を見ますと、諸外国に比べ経営規模が著しく小さいこと、生活環境の整備水準が立ちおくれていることなどの状況にあります。農業関係公共事業は、このような状況を踏まえて、生産性の高い経営体を早急に育成するための基礎的条件である圃場等の生産基盤整備と、これと一体的に行う集落排水等の生活環境整備等を推進しようとする重要な事業でありまして、その着実な推進が必要と考えております。
 また、農業関係予算につきましては、公共事業のほか、米、畜産物等の主要農畜産物の価格や農家の経営安定対策、農産物の生産、加工、流通の合理化等の諸施策を厳しい財政事情の中で総合的、効率的に推進し得るよう、従来から各施策へのニーズも勘案して編成しておるところでございます。
   〔委員長退席、理事亀谷博昭君着席〕
○須藤美也子君 今何と言ったんでしょうかね。しゃかりきになってやるということなんですか。とにかく、公共事業をこのまま邁進していくということなんですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員が言われましたように、確かに目的としたところが達成できなかった事業もあるかとは思いますけれども、日本の農業全体のことを考えてまいりますと、生産基盤の充実であるとか、それから農村の生活環境をよくしていくとか、こういうことについては喫緊の問題が提起されておると思います。
 そういう面においては、やはり公共事業は今後とも必要である、こう考えておるわけでありまして、同時にまた価格の問題等におきましては、今回の大綱でも決定したわけでございますけれども、経営安定対策とかそういうものを設けまして、麦、大豆、飼料作物等も本格的な生産に入るように配慮しているところでありますので、どちらが優先というようなことで強調するつもりはありませんで、どちらも重要である、こういうように認識して政策を進めてまいりたいと考えております。
○須藤美也子君 先ほど、繰越金については大蔵省も認めると、こうおっしゃったわけですね。ですから、注ぎ込んではまた注ぎ込む、そしてその結果それぞれの施設において地域の大きな矛盾を起こしている。こういう状態の例を挙げてお話を申し上げました。そうであれば、ただいま北海道の例、長野県の例を申し上げました。こういうところでもうこの施設をどうしていこうか、こういう状況で道議会でもあるいは村議会でもこれが議論になっているんです。このことに対して、国はどのような責任を持つわけですか。国がつくった施設なんですよ。
○政府参考人(渡辺好明君) 済みません。これもちょっと数字にわたる問題でありますのでお答え申し上げたいんですが、まずちょっと誤解があるといけませんので申し上げておきますが、農道離着陸場、これはウルグアイ・ラウンド対策ではございません。もちろん、いろんないきさつがございまして、事業制度を廃止いたしまして、現在完成したものをどう使うかということについては十分なる検討をいたしております。
   〔理事亀谷博昭君退席、委員長着席〕
 それから、都市農村交流施設。今、長野県の例をお出しになりましたけれども、全体としては地域農産物の販売の拡大、あるいは就業・所得機会の創出、地域全体としての入り込み客の増加という点でかなり顕著な成績を上げております。個別のそうした施設、もちろん申請によってできたわけでありますけれども、それらの今後の改善策といいますか、そういったことにつきましては県や市町村と一緒になりまして考えていきたいと思っております。
○須藤美也子君 申請によってやったとおっしゃいますけれども、このように公共事業が過剰になっていく、こういう中で、国だってそうだと思いますよ、地方だってそうです、申請やらせ主義になっているんじゃないですか。とりわけウルグアイ・ラウンド対策費というのは年末につきます。年末になっていろいろ地域の合意を得るというのはなかなか難しいことだと思うんです。そういう中で、無理やり申請をさせる、申請させる主義になっている、私はこう言わざるを得ないんです。この弊害が出ていると思うんです。
 そういう点で私は、この問題については、繰越金がどんどんどんどんふえていった場合は大変な状況になりますから、今その問題について、大臣を含めてこの問題のあり方について、私は公共事業を否定するのでないんです、公共事業をやるのであれば、その地域にとってためになる公共事業でなければだめだと思うんです。ところが、今その結果は、ためになるどころか逆になっている。
 例えば、もう一つ北海道の例を挙げます。北海道では、公共事業はどんどん進められていますけれども、生産基盤が崩れている。農業の総生産量が減り、農家の生産所得も減っている。こういう点で、先ほど来お話がありましたように、食料自給率の向上に欠くことのできない生産基盤が崩されてきている。さらに、北海道では借金を払えず信用基金協会の代位弁済が史上最高の十三億九千万円に達している。これも皆さん御承知のとおりだと思うんですが、これだけ繰越金も含めてあるのであれば、私はもっと有効な予算の使い方、国民が、農民が理解できるような、みんなでああよかったと言えるような、そういう予算の使い方を進めるべきだと。
 とりわけ、先ほど価格、所得の問題をおっしゃいました。一〇%にも満たないんです。先ほど、私の質問をする前にいろいろ大臣がお話しなさいました。麦とか大豆の価格の問題もお話しなさいましたけれども、この麦、大豆の新しい水田営農対策大綱が出されて、えさ米構想も含めてこの間議論になったわけですが、農水省の中でこの予算はプラスになっているんですか。あっちの制度をこっちに持ってきてこっちの制度をくるくる回しているだけでしょう。総額として、価格やあるいはこの構想に持ってくる、新しい予算をふやす、こういう構想になってないでしょう。この間の谷津政務次官の答弁を聞いても、今までの制度で余っているものを回しているという、こういう状況でしたよ。ですから、それでは今の日本農業はやっていけないということです。やっていけなければ食料自給率も向上しない。
 私はここで、大臣から先ほど来いろいろお話がありましたけれども、EUと日本とでは比べものにならない、月とスッポンですよ、この価格と所得の予算は。さらにアメリカはどうでしょうか。アメリカでは、最近、穀物価格の下落で農家は危機に直面している、我々はこれを支援する義務がある、こういうことで緊急農家救済法をつくったわけです。去年に続いてことし八十七億ドルを出しているわけですよ。直接補償です。こういうことをやっているアメリカがよその国には価格支持や国内のそういう保護政策は削れと言っています。これは不当なことだと思います。しかし、こういうことをせざるを得ないほど農業というのは気候や価格の変動というのはあります。
 そういう点で私は、日本の場合、こういう価格支持や国内の保護政策に対してどのように大臣がお考えになっているのか。アメリカと比べて、あるいは今米価暴落で大変深刻な状況になっている農家に対してどう考えているのか、今時点で。アメリカでは八十七億ドルも低迷している農家に支援をしている。こういう世界的な動きの中で日本はそれではどうするのか。その点はどうでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず米国の問題から申し上げますが、米国におきましては価格政策の見直しに伴う直接支払いが行われておりますが、我が国におきましても、価格政策の見直しに応じ、育成すべき農業経営に対する経営安定対策を講ずることとしており、麦、牛乳・乳製品、大豆等について新たな政策の方向づけを行ったところであります。
 なお、米国における直接支払いは、実際に作付ける作物の種類や生産量とは無関係に支払われるものであり、個別品目の規模拡大、農業構造の改善につながらない面もあることなどから、我が国においてはそのまま適用することには問題があると考えておるわけでございます。
○須藤美也子君 アメリカのやっていることに問題があると言う必要はないと思うんですけれども、先ほどから麦、大豆の価格、いろいろ言っていましたね、そうであるならば、価格対策費あるいは所得対策費、そういうものの予算総額をふやすんですか。価格と所得対策費の予算を総額でふやすんですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 予算をふやしていくということによって解決する部分もあるとは思いますが、まず行っておりますことは、要らない予算を回すとかなんとかということじゃなく、一番有効な政策に必要な予算を確保する、こういう考え方で対処しているということを申し上げたいと思います。
○須藤美也子君 認定農家のアンケート調査を見ますと、計画を変えた方がいいという中に価格の低迷が七六%、第一位です。認定農家でですよ。これほど価格の低迷でもうやる気も起きない、こういう状況になっていますから、先ほど来答弁にもありましたように、価格、所得、そういうものが必要であれば有効的に使う、こういうのであれば、この価格、所得対策費をふやしてほしい、ふやすべきだ、こういうことを強く申し上げたいと思うんです。
 いいですね、来年度予算では一〇%なんというのでなくて、価格保証の対策費をぜひ農民の皆さんが納得できるようにふやしていただきたい。このことはいいですね、要求します。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 要求は要求として承りました。
○須藤美也子君 大臣、価格対策とかあるいは所得補償とか国内支持を余り積極的にやろうとしない、これはWTOの縛りがあるからではありませんか。この枠を基本的には維持しながら交渉すると六月の政府の提案の中でおっしゃいました。ですから、この国内助成の削減、こういう決まりに縛られているから公共事業はふやすけれども価格支持や国内支持はなかなかふやさない、こういうことではないんですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 従来の価格支持政策には、消費者のニーズが生産者に的確に伝わらず、結果として国産農産物の需要の減少を招いた面があることから、新基本法では、需給事情や品質評価を適切に反映して形成され、合理的に説明可能な価格、すなわち合理的な価格で食料を供給することを基本理念として掲げております。
 こうした需給事情や品質評価を適切に反映した価格形成により、消費者はみずからのニーズに即した食料を納得できる価格により入手することができ、農業者にとりましては、品質向上に向けた努力が報われるようになるとともに、消費者ニーズに即した生産をすることを通じ、国産農産物に対する消費の拡大が期待できることになります。
 また同時に、新基本法は、こうした価格政策の見直しに伴う著しい価格変動が農業経営に悪影響を与えるおそれがあることを踏まえ、その影響を緩和するための経営安定対策を講じることとしております。
 このように、新基本法に基づく価格政策の見直しは、消費者、生産者のいずれにとりましても有益なものとなっていると考えており、先般の私の所信表明におきましても、新基本法に基づく施策の展開を通じ、生産者と消費者との共生を図っていくという考えを申し述べたところであります。
○須藤美也子君 これは六月の提案骨子の中で読まれた内容がこれにありますから、基本法のときに十分論議をやりましたから、その点はわかります。
 しからば大臣は、WTO交渉で食料自給率向上のためにその国で必要な政策運営が妨げられないように国内支持削減の見直しをどのようになさるおつもりですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 国内支持の取り扱いにつきましては、ケアンズ・グループなどは青の政策なども含めてすべての貿易歪曲的な国内支持の大幅削減または廃止を主張しております。
 これに対し我が国は、現行のWTO上の国内支持の規律については貿易や生産への影響の度合いに応じて緑、青、黄の三種類に区分されていること、黄の政策の削減が対象産品ごとの削減ではなくトータルでの助成額削減となっており、各国の政策運営の柔軟性が確保されていることから、一定の合理性があると考えております。
 また、現在我が国を初め各国が取り組んでいる農政改革も現行の枠組みを前提に行われているものであり、この枠組みを抜本的に見直すことはかえって各国の農政改革の円滑な実施を阻害するものであると考えております。
 このような観点から、我が国としましては、国内支持につきましては、現行の枠組みを基本的に維持しつつ、現行の緑の政策の要件、範囲について今までの農業協定の実施の経験、すなわち各国の農業に与えた影響などを十分踏まえ見直しを行うべきと考えており、このような考え方を日本提案に盛り込んでいるところであります。
 今後の交渉におきましても、この日本提案に基づき、各国との連携を図りながら主張を行ってまいりたいと考えております。
○須藤美也子君 大変御丁寧な説明がありましたけれども、なかなかかみ合いませんね。初めての質問ですし、これからもう少し地で答弁をお願いしたいと思うんです。
 黄色、青、緑といろいろその辺で調整なさるということなんでしょうけれども、特に黄色の見直しですね、これは禁止でなくて見直しを進めていくということで、ぜひ交渉の面で国内の農業を維持するためにこれは主張していただきたいと思うんです。
 それから、だんだん時間が詰まってきているわけですが、大臣は米の高関税を守るよう全力を挙げる、こういうことを衆議院でもおっしゃっております。その内容は、つまり二〇〇〇年の関税水準三百四十一円をそのまま守ろうとするのか、あるいは六年間で一五%削減というこれまでの削減幅を今後はもっと圧縮しようとすることなのか、この高関税を守るという中身の意味、これを簡単でいいです、時間が迫っておりますので簡潔に答弁をお願いいたします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 趣旨としましては、この交渉を通じまして日本の農業が立ち行く方向というものを明確に交渉によって得るということがポイントでございまして、関税の率をどういうふうにやるかどうかということは今後の交渉でございますから、できるだけ私としましては日本の農業が発展する足がかりをしっかりとつくる、こういう点にポイントを置いて交渉すべきだと考えております。
○須藤美也子君 そうすると、高関税を守っていくということは、あくまでも交渉次第であるということですね、結論は。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、交渉しなければなりませんから、余り今から予見を交えて話をするということは差し控えたいと思います。
○須藤美也子君 次に、輸入国と輸出国の公平なルールとうたっております。この公平なルールということは、一体中身は何ですか。これも簡潔にお願いします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 輸入関税については削減約束が課されている一方、輸出税については何ら約束されていないこと、輸入国に輸入機会の設定義務が課されている一方、輸出国には一定の条件での輸出規制、禁止が認められていることなど、輸出国と輸入国の権利義務のバランスが確保されていない、こう考えておりますので、バランスという観点のみならず、輸入国における食料安全保障の観点からも問題であると考えており、今後、輸出に関する規律の強化について十分な検討が行われるよう主張を行っていく考えであります。
○須藤美也子君 輸出国も、自国が例えば飢饉になった場合は自分の国民をそっちに置いて輸出することはできないと思います。ですから、公平なルールというのであれば、輸出国にもこういう制限があるわけですから輸入国に輸入規制を設定させる、これが対等の貿易ルールではないでしょうか。こういう立場で、日本は輸入国ですから輸入規制を要求する。これで初めて公平なルールになると思うんです。その点、ひとつ大臣、外交というのは対等、平等でなければならないと思いますから、こういう立場でぜひ交渉していただきたい、このように思います。
 そこで最後になるかどうか、大臣の答弁が余り丁寧にしていただいたので、ちょっと私の予定した質問があれなんですが、この貿易ルールの対等のあれはこういう立場でやっていただきたい。
 それから、米についてですが、自由化の対象から日本共産党は一貫して外してほしい、こういう要求をしてまいりました。
 大臣は選挙公報で米の自給を言っておりますね。前回の、これはよく読ませていただいて、私、岩手県で選挙運動をした覚えがありますから。玉沢大臣を応援する選挙演説ではなかったんですけれども、こういう公約をしております。さらに、ウルグアイ・ラウンド、当時の野党のときでしょうか、大臣は本会議でこういう質問をしております。「米は我が国の主食であり、一時もないがしろにできない重要な基本食糧であります。」と。「基本食糧の確保」、「基本食糧」と大臣は言っているんです。これは私はすばらしい言葉だと思うんです。これは変わらないわけでしょう。とすれば──うんと言っておりますから変わらないと思うんですが、この米の自給というのは、先ほど午前中もミニマムアクセス米のことが出されました。ミニマムアクセス米が約八十万トン近く入ってくる。これは加工用とかあるいは一方では主食用にも回される、こういう中で自給と言えるのか、この問題。
 それから、大臣の基本姿勢、こういうものをきちんと維持しながら、米については特別な認識を持っている大臣だと思いますので、この立場で米はしっかり守る、自給率の根幹をなす米はしっかり守るという立場で交渉に臨んでほしいし、そういう立場が今堅持されているのかどうか。この点をお聞きして私の質問を終わりたいと思いますが、結論ですから納得のできる答弁をお願いいたします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員の御指摘のとおり、米は日本の重要基本作物であります。
 したがいまして、次期交渉におきまして米の取り扱いにつきましても、我が国における米や稲作の重要性にかんがみ、農業の多面的機能や食料安全保障等の非貿易的関心事項が十分反映された内容での合意を目指して頑張ります。
○須藤美也子君 最後に一つ。日本の食料主権が守られるように、しっかりWTO農業協定の私は改定を要求していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○谷本巍君 WTO交渉問題について伺います。
 シアトルでの閣僚宣言の調整が難航しておるようであります。第一次案が米国の主張を一方的に述べたものでありまして、いかにもこれはひど過ぎました。
 次期交渉問題でこれまで合意しているのはWTO農業協定の二十条であります。ということは、非貿易的関心事項が全体のバランスを図る上で重要な意味を持っておるのでありますから、当然のこととして、多面的機能の問題等をベースにした起草が出てきてしかるべきであったと私は思います。それなのに、それとはまるで違ったものが出てきた。
 そこで、大臣に伺いたいのは、これまでの姿勢を崩さずに堅持していくのかどうか、これが第一点。二つ目に伺いたいのは、交渉課題は今度はたくさんあるわけでありますから、そういう全体の中での農業問題の位置づけについての大臣の考え方を初めに承りたいんです。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 一昨日、FAOの会議から帰ってまいったわけですが、その際におきまして、従来から我が国と主張を同じくする多面的機能フレンズ国、中核五カ国と言っておりますが、この中でお互いに確認し合ったことは、我々の主張をできるだけ多くの国々に賛同を得るということで活動していこうではないかということがうたわれました。
 それで、東ヨーロッパの国々が一つ、それから開発途上国等にも呼びかけまして、現在二十三カ国がこの多面的機能フレンズ国の、あえて言えば会員といいますか、そういう立場になってきておる。スイスでこの会議をやったという報告が早速ございました。
 そうした立場を我々は大事にしまして、この閣僚会議に出席してやってまいりたいと。閣僚会議に農林水産大臣は出席する必要がないんじゃないかというような意見等もあるやに聞いておるわけでございますが、ここは各党の皆さんにおかれましてもそういうけちな考え方をせずに、堂々と出席をさせていただけるように御配慮を賜りたい、このように思います。
○谷本巍君 大臣、私、二十五分の持ち時間で、これで四分たっちゃったんです。
 私が伺ったのは、これまでの姿勢を崩さずにやっていくんですか、どうなんですかと。それから、交渉全体の中における農業問題の位置づけはどうなんですかということを伺っておるんです。ですから、結論だけ簡潔に答えてくれませんか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 長くしゃべっても短くしゃべっても決意は同じですから、以上です。
○谷本巍君 ですから、変わらないんですね、これまでの姿勢は。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 変わりません。
○谷本巍君 変わりませんね。全体の中での農業問題の位置づけはどうなんですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 全体と言いますが、何が全体でしょうか。
○谷本巍君 包括的交渉でしょう。そして、この後にはまたいろいろな交渉の課題があるわけですから。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 政府としてもその考えは変えておりません。
○谷本巍君 次に、途上国との連携について、これも大臣、簡潔に答えていただきたいのであります。
 今回は、ウルグアイ・ラウンドの場合と違いましてEUとも提携をする、そしてかなりの途上国とも一緒になれるといったような状況が生じてまいりました。特に途上国、とりわけアジアとの連携が重視されなければならぬという声が今強くなってきております。輸出大国のごり押しを阻止するには途上国との連携を重視すべきだが、その点についての大臣の御所見を承りたい。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 途上国の中にもケアンズ・グループにも参加している国もあります。食料輸出国という位置づけだと思います。しかしながら、多くの国々は輸入国も相当あるわけでございますから、そういう途上国につきまして、その置かれた状況、ニーズに応じて協定上の義務の円滑な実施に対する支援や食料安全保障の達成を含め特別な配慮が行われるべきだと、こう考えておりまして、そういう途上国に対しましても呼びかけておるわけです。
○谷本巍君 そこで、外務省の東政務次官おいででございましょうか、ありがとうございます、伺いたいのであります。
 途上国との提携を重視していく上で大事なことの一つは、日本が今力を入れようとしている投資分野の自由化、この問題についてはほとんどの途上国が難色を示しております。そして、かなり最近WTO問題について発言力を増してきている世界の市民団体のほとんどが反対の火の手を上げております。
 なぜそうなのか、そのことは今度のシアトル会議を前にしての途上国の出方にも出ています。途上国は、ウルグアイ・ラウンド合意の適用の猶予など、それから市場参入の拡大が合意されんというと日本などが主張している幅広い分野の交渉には応じられないということを言っているのがその一つでありましょう。
 私が懸念するのは、一つは、投資分野の自由化協議への道を開くために途上国からの一次産品の輸入を行うなど、農業を犠牲にしながら投資分野の自由化についての交渉への道が開かれるということになりはしないか、そこのところが心配の第一なんです。それから二つ目の心配は、投資の自由化問題はこれまで国会論議もほとんどありませんでした。まして国民的合意もありません。したがって、この点については慎重を期すべきだと思うが、いかがでしょうか。
○政務次官(東祥三君) 次期WTO交渉においては、まさに御指摘のとおり、そういった側面も見られます。ただ、御案内のとおり、我が国としては、包括的交渉ということですから、こっちがいいからこっちはだめだとか、そういうスタイルをとっておりません。それがまず前提でございます。
 そして、その上で、今御指摘になりました第二番目の投資の自由化の問題についてでございますが、投資についての国際的なルールの整備というのは安定的な投資の流れを確保して途上国を含む世界経済の発展に有益である、そういう認識があります。その上で、途上国の中にもこの投資ルールの整備を求めている国も存在いたします。そういう観点から、我が国としてはWTO次期交渉において投資ルールの策定を行うべき旨主張しているところでございます。
 また、我が国は、そのルール策定に当たりまして、委員御存じのとおり、さきのOECDでの多数国間投資協定の教訓を踏まえた上で、途上国のニーズにも適切な考慮が払われる必要がある旨主張して、途上国の積極的な参加を働きかけているところでございます。
○谷本巍君 私がこの問題について非常にこだわりを感ずるのは、今、東政務次官も指摘されましたように、OECDの中における多国籍協定づくりで出されたものが余りにもひど過ぎるからであります。これは次官も御記憶でありましょうが、世界じゅうの市民団体が一致して言ったことは何なのか、あらまし三点ありましたね。
 一つの問題は、この協定案が求めている外国資本への投資の絶対的自由の保障というのがある。投資が含まれているんですよ。それから、天然資源なども含まれているんですよ。これはひど過ぎるじゃないかというのが第一の問題指摘でありました。
 それから二つ目の問題指摘は、この提案が求めている徹底した内国民待遇というのは、国内企業の優遇政策をやろうとすれば外国資本への差別政策というぐあいにみなされてこれがやれなくなってくる、こういう問題点が指摘をされておりました。
 そして三つ目の問題は、そうしたルールに、約束事ですね、違反した場合は、進出してきた外国企業は相手国の自治体や政府を相手取って裁判に付する権利を保障するといったような問題等々があったからであります。
 したがって、今、政務次官が言われたように、そうした経緯を踏まえながら、あれほどラジカルじゃないよという話は私どもも耳にしておりますけれども、ここのところは慎重にやっていきませんと、途上国の問題だけじゃなしに日本国の問題にもなってくる。外国へ出ていって商売できるやつはいいんですよ。農業なんというのはそうはいきませんからね。商店だってそうはいきませんよ。そうした地場の人たちを相手にしてやっている中小企業だって、そうはいきませんよ。
 ですから、そういう意味では、国全体を守っていく上で非常に重要な意味合いというのがそこに含まれておるわけであります。それだけに、ひとつその点についてくれぐれも慎重を期していただきたいということをこの際お願い申し上げておきたいんですが、いかがでありましょうか。
○政務次官(東祥三君) まさに委員が今おっしゃられました多数国間投資協定の教訓、一言で言えば先進国だけで交渉が行われていて途上国の立場に十分な配慮が払われていないという点に尽くされるんだろうと思うんですが、その教訓を踏まえた上で途上国のニーズにも適切な考慮を払っていかなくちゃいけない。
 その上で、委員がおっしゃられるとおり、この問題はただ単に発展途上国の問題のみならず我が国の産業界にも波及してくる問題でございます。そういった視点から、引き続き産業界を初め国民レベルで広く意見を聞きつつ、投資ルールの策定に向けてWTOにおける議論に積極的に参画してまいりたい、このように思っております。
○谷本巍君 その点、強くお願いを申し上げておきたいと思っております。
 それから、政務次官、お時間がないことを承知しているんですが、もう一点簡潔に伺いますので、簡潔にお答えいただければと存じます。
 それは、WTOにおける環境、労働、人権等々の扱いについてであります。
 途上国にとっての自由化とは一体何だったのかということについて、その一端をいろいろな形でもって文献が既に出ております。例えば、国連関係機関、開発機関や世界自然保護基金の報告等を見ても明白であります。私が読んだものの中では、小農の厳しさが非常に進んでしまったと。問題はそれだけじゃなくて、雇用の関係、社会保障の関係はおろか、食物さえないような状況というのがかなりふえてきておりますよといったような報告もありました。さらにはまた、環境、資源の管理ができなくなってしまったという地域的なあるいは国的な問題も出ておりますといったようなもの等々を読んでおります。
 時間がないから簡単に申し上げておきたいのでありますが、環境問題を積極的に組み込まなきゃならぬなということは大体もう共通的な課題になりつつあるわけでありますけれども、労働力の使い捨て等々人権問題も多発しておるのでありますから、この種の問題についても何らかの形で論議ができるような道を開いていく必要があるのではないか。
 国連にも他のいろいろな機関があります。そういうこととの整合性問題も含めて、ひとつお考えがありましたら、短い時間で結構です、承りたいのです。
○政務次官(東祥三君) まさに委員が御指摘の諸点、三点だと思うんですが、環境、労働、人権といった問題の重要性は十分認識しているところでありまして、これまでさまざまな場において積極的に取り組んできておるところでございます。
 他方、WTOというのは多角的貿易体制を維持強化するための機関であります。したがって、環境あるいは労働や人権等にかかわる問題については、一義的にはWTOの扱う問題ではなくて、それぞれの問題を取り扱うことを目的とする国際機関等が取り組むべきものだろう、このように私どもは思っております。
 ただ、委員が御指摘のとおり、その一貫性をどうするのかという点においては、WTOにおいて、これら国際機関等において議論される政策内容との一貫性を貿易の観点から確保することが重要だと思っております。
 我が国としては、こうした点を十分留意した上でWTOにおける議論に取り組んでいきたいと思っております。
○谷本巍君 政務次官、ありがとうございました。御退席していただいて結構であります。ありがとうございました。
 次に、大臣に伺いたいと存じます。それは、遺伝子組みかえ作物問題と国内大豆生産の問題についてであります。
 政府が、遺伝子作物などについての検討の場をWTOで提案されたことは先ほども大臣からお話があったとおりであります。現行の実質的同等性の安全評価では不十分という批判が消費者団体や市民団体から強まっております。また、この問題についてEUは、二〇〇二年まで健康そして環境への安全規制を強化する方針であり、それまでは新規の遺伝子作物は認めないというふうにしておるようであります。また、こうした中にあって日本の関係団体は、新規の遺伝子作物については新たな安全評価の国際的規制が策定されるまで凍結すべきではないかといったような問題提起をしておるところであります。
 そうした議論等々が続いていく中で、水田営農対策による大豆生産が消費者や市民団体から非常に歓迎されている。そして、現に国産大豆の需要も伸びております。
 という状況の中で、最近、農家の皆さんから二つの問題の指摘が出始めております。一つの問題は、遺伝子作物、遺伝子作物じゃなくてこの場合大豆です、遺伝子大豆の国内生産を許せば、せっかくの国産大豆自給引き上げのチャンスが失われるのではないのかという問題指摘が一つであります。それからもう一つは、農家が実際に非遺伝子大豆をつくっていたとしても、他方でつくるやつが出てくると見分けがつかない。つまり、そこで起こってくるのは風評被害です。きちっとした国産大豆をつくっている農家にとってはこういったような問題等々が出てきはしないか。
 この点については先ほども渡辺委員から似たような質問があったわけでありますが、私は現在の消費動向を踏まえながら、非遺伝子組みかえ大豆の国産大豆の振興を図っていくべきなのではないのかということでありますが、大臣、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員のおっしゃられるとおりでございまして、現段階では遺伝子組みかえ大豆の生産振興を行うことは考えておりません。消費者や食品産業の求める大豆の生産を推進することにより国産大豆の振興を図ってまいりたいと考えております。
○谷本巍君 大変明快な答えで、ありがとうございました。
 最後に、谷津総括政務次官に伺いたいと存じます。谷津政務次官にはほかにも伺いたいことがたくさんあったのでありますが、時間が限られておりまして、最後の一つだけ伺いたいと思います。
 谷津先生も御存じのように、最近の国際会議や国際交渉というのはNGOとの協力でもって進めるというのが一般的になってまいりました。もう既に政府代表団の中にNGOを含めてやってくるというようなものも、国際交渉といえばいろいろありますけれども、そういったようなものも出てくるというようなことになってきております。
 差し当たりの問題として初めに伺っておきたいと思いますのは、シアトルでの閣僚会議に日本のNGOもかなり参ります。そして現地集会を持つといったような計画等々も持っております。交渉に関する情報の提供をひとつ考えていただきたいし、またNGO自身も独自のいろいろな関係団体や、時によってはよその国の大臣などと会いたいといったようなこと等もあるわけでありますから、そうした点についての便宜提供をひとつ考えていただけないか。ともかくもNGOとの緊密な協力でやっていただきたい。これが第一であります。
 それから、二つ目にお願い申し上げたいのは、日常的な問題としまして一つの例を申し上げますというと、例えば多面的役割論議というのがあるわけでありますが、これの理論づくり、できるならば数字的なものも含めたもの、役所だけでやるのじゃなくて私はNGOと一緒にやってもらいたいんです。共同で作業できるものについてはやっぱり共同で作業をしていくということが私は大事だろうと思うんです。一人の天才が百点満点の答案を書いた答案よりもみんなが寄ってたかって八十点、九十点の書いた答案の方がはるかに値打ちがある。それは力になっていくからであります。
 ともかくも、私どもはウルグアイ・ラウンドでひどい目に遭いましたよ。国論が真っ二つだ、そしてマスコミはアメリカの動きは書いても国内の運動の状況は一切書かないというような状況でありました。ああいう状況にさせてはなりません。そのためには、政府と国民全体が一体なんだという状況をそういう作業等々できちっとつくっていくということが私は大事になってきておると思います。
 政務次官、怖いのはこっちが分断してばらばらになって負けたときですよ。こっちが一体になっていって仮に負けたとしたって、そういう場合は次の戦いが出てくるんです。そういう点でいろいろ御努力をいただきたいが、例えば途上国のNGOなどについても私よりも政務次官の方が詳しい話でありますけれども、行ったり来たり、政府も含めて、そういったようなこと等も考えていただきたいということをお願いしたいのだが、いかがでありましょうか。
○政務次官(谷津義男君) これは谷本先生のおっしゃるとおりでありまして、これは国論を統一して事に当たっていかなきゃいかぬというふうに思っているわけであります。特に、NGOにつきましては、既に農業関係だけでも二十四の団体がもう登録をしております。
 この間、アメリカの環境NGOと会いましたときにも、約二万人を動員するということをはっきり言っておりました。また、EUに行きましたときにEUの関係者も同じことを言っておりましたし、特に議長国でありますフィンランドの農業大臣に会ったときにも、これはNGOが大挙して行くというようなことをはっきり申しておりました。また、日本の全中に当たるEUのCOPAという組織がありますが、この間会長が来られましたが、COPAも大勢の人たちが参加をするということであります。
 大事なことは、NGOに対して情報を提供するということが非常に大事でありまして、我が国もその都度、会議の模様を発表するというかお伝えする、これはEUもフレンドグループとしての責任を持ってそれを公表するということも言っておりますものですから、そういった面はしっかりやっていくことができるかと思うんです。
 それからもう一つ、二番目にお話がありました日常的なNGOとの問題でありますけれども、これは先生のおっしゃるとおりだろうと思うんです。私は一人の百歩よりも百人の一歩の方が大事だと考えておりますので、これからもその辺のところもしっかりやっていきたいと考えております。
○谷本巍君 ありがとうございました。終わります。
○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。
 私は、農協系統の整備につきましてお尋ねをいたしたいと思いますが、合併助成法ができまして、一万五千有余ありました農協がそれぞれ御努力をし、今日では一割をちょっと超える程度まで少なくなってきた。広域合併等がとられてきたという状況の中で、系統二段階というようなのが、いわば広域合併の折に系統二段階になるがゆえに、早く広域合併をしてその体制を築かなきゃいかぬということも一つの合併の理由にしてきたわけでありますが、今、全農あるいは農林中金等々との合併問題はどのようになっておるか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○政府参考人(石原葵君) お答えいたします。
 農協系統は、ただいまお話がございましたように、農協合併それから組織二段に積極的に取り組んでいるところでございます。
 組織二段の問題につきましては、経済事業では、昨年十月に三経済連、具体的には宮城、鳥取、島根でございますけれども、全農と合併いたしております。また、来年四月には三経済連、これは東京、山口、徳島でございますけれども、統合を予定しております。そして十二年度末、二〇〇〇年度までにおおむね三十経済連が統合等により組織二段を完成させる方向で取り組みが進められております。
 それから、共済事業につきましては、来年四月に四十七共済連が一斉に全共連と統合することを予定しておりまして、先日調印式が行われたところでございます。
 最後に、信用事業では、十程度の信連が統合に向けまして、農林中金との間で組織整備検討会を設けまして個別協議を行っているという状況でございます。
○阿曽田清君 問題は、中金と各県の信用事業との合併の県が今十県ほど検討会に入っておるというようなことでありますけれども、平成八年に合併の法律ができて、やがて四年経過をしようとしておるのに一つもその実現を見ていない。そういうのはどこに原因があるか、その点をまず、認識されているところでもいいですから、教えていただきたい。
○政府参考人(石原葵君) 農協系統におきましては、信用事業の組織のあり方につきまして、平成八年に成立いたしました農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、この法律を踏まえました検討を行いまして、組織整備の基本方針となる「信用事業の組織整備の基本的考え方」というものを昨年六月に取りまとめたところでございます。
 この「基本的考え方」を受けまして、農協系統におきまして自主的に組織整備に向けた取り組みを進めているということでございます。信用事業につきましては、統合に際しまして金融システムの一員として混乱が生じることなくやる必要があるということでございまして、円滑な統合を確保するために、他の事業に比べましてより慎重な協議が行われているということで、現在は十程度の信連につきまして協議を行っているという状況であろうかと思います。
○阿曽田清君 もう一つ確認のためにお聞きいたしますが、農林中金の役員の構成はどのようになっておりますか。
○政府参考人(石原葵君) 農林中央金庫の役員は現在二十三名おります。そのうち系統団体を代表して、五名が理事として、一名が監事として、これは具体的には信用農業協同組合連合会等の会長から選出されているところでございます。
○阿曽田清君 そこでお尋ねしたいんですが、なぜ農林中金と信用連との合併がうまくいかないか。慎重を期しておるというだけの話として答えが返ってきたんですが、原因の方が全くまだ私には説明があってないというふうに理解いたしております。
 十年六月に出された「信用事業の組織整備の基本的考え方」、私はこれをきのう飛行機の中で読みながら帰ってきたんです。これにずっと目を通しまして、一言で言うならば、中金が出した基本的な考え方、中身は、合併したくない、そんな思いの極めてハードルの高い合併条件の一つの提案になっているんです。これは御存じですか。
○政府参考人(石原葵君) 承知しております。
○阿曽田清君 というと、合併したくないという中金の思いがあらわれておるものの中で、各県連の十県が検討に入っているといっても、中金がハードルの高い基準をこれならばということで出しても、県信連がとてもじゃないけれどもそのハードルを越え切れませんよというような状況で合併できるはずがない。私は、このような考え方というものはもっと改めるといいますか、この高いハードルを、やっぱり県信連が中金と合併するのに許容できる一つの考え方というものを出すべきだと思いますが、そのように思いませんか。
○政府参考人(石原葵君) 農林中金と信用農業協同組合連合会との合併につきましては、先ほど述べました平成八年のちょっと長い法律名でございますけれども、この法律の中に合併後の農林中金の経営の健全性が確保されることというのが入っております。こういうことも受けまして、農林中金とそれから信連との間でどういう条件が整えば統合するかということを協議しまして、農林中金としてああいうものを取りまとめたということでございます。
 確かに、その条件といたしましては、具体的に申し上げますと、県内JAの合併構想がほぼ実現することとか、それから信用事業担当の学経常勤理事を設置するとか、そういう条件が定められております。ただいま委員がおっしゃいましたように、一面厳しいかというところもございますが、ただ、農林中金が危殆に瀕するということになりますと、系統の金融秩序、信頼、信用が一遍に崩れるということもございます。それからまた、農林中金の利益が末端の方に還元されるということもございまして、農林中金の問題は信連、それから単協にとりましても重要な問題であろうかと思っております。
 そういうこともありますので、最初に申し上げましたように、自主的に系統の中でこの辺がどのように進められるかということを我々は見守ってきたわけでございますけれども、委員御指摘のとおりの面もございますので、我々はこの点につきまして必要な指導は行っていきたいと思っているところでございます。
○阿曽田清君 少々抽象的になっておりましたので具体的に申し上げますと、今、信連がやっておる金融機能というものは全部中金が預かって、補完機能という余り利益を上げることのできない分野、普及とか推進、あるいは電算とかといった部分、補完機能を県段階に持たせる、こういうことでは信連自身の収入そのものがないということと一緒なんですよ。
 それで、その機能だけを県段階に持たせるという案、これは一つの大きな問題であるし、さらに単協にどういうメリットが還元されるかということが一番大事なので、我々単協の立場からすると、単協へのメリットというのは、合併したからといってそのメリットが県信連があった以上に出てくるかというと、そういうのはないわけで、今まで県信連にやっていた分を単協に回すだけだということです。
 そうすると、一番大事なのは、今の県連の職員の皆さん方、共済連にしましても経済連にいたしましても、いわゆる単純合併なら最初はみんな全農なり全共連に入って、その後リストラ等とか事業再編が行われると思うのですが、今回はそうなっていない。職員の方々も、どこに自分たちは行くのか、単協に返されるのか、こういうような不安を持っておる。ですから、少なくともそういう要員の問題も、中金はわずか二、三%ぐらいしか引き取らない、あとはみんな単協で引き取ってもらう、あるいは県段階の補完機能にやってもらうというようなことからすると、半分以上はやめなきゃならぬというような感じになっています。
 さらには、先ほど僕が中金の方々の役員構成をお聞きしましたのは、十八名中、五名が系統代表、十三名がいわゆる系統以外の方々、農水なり大蔵なりあるいはプロパーということです、これは全部常務理事、常勤なんです。系統組織の方々は非常勤の理事で五名です。十三対五、こういうことであります。ですから、私は、少なくともこれは各系統から一つの組織をつくっておる中金であるとするならば、系統代表を常務という立場の常務理事の中にも入れるべきだし、少なくとも議決する過半数の構成を見るのが組織として風通しのいいといいますか、組織の意見を反映できる中金になるんじゃなかろうかな、そういうふうに思ったから、その構成割合を聞いたわけであります。
 ですから、信連にとって、単協にとって、今回の中金と信連の合併問題について何らメリットはない、いい結果は出てこない、この案では。ですから、ここは農水省は行政指導する立場で、中金の出してある案、これは今まで申し上げましたようにハードルが高い、そして各単協へのメリット、さらには県職員の方々の身分、そういうような問題もきちんと見通しの立つような一つの基本的な考え方の指導をどこかやらないと、中金と信連と検討委員会したって通りませんよ全然、そう思います。ですから、いよいよ合併に向けてやろうとしている人たちが、ハードルが高いのだったら自分たちなり単協にはメリットが全然ないなと思ったときに、この検討会から脱落していく、そういうことしか先が見えない。
 ですから、大臣、ここで農林中金と信連との統合、統合できるような推進が、非常に実効性のある形の整備方針を農水省としてひとつ指導していただくことはできないものかどうか、決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 実効性を確保するように、農林中金との統合を志向しておる信連については、統合に向けた取り組みを促すとともに、統合に向けた個別協議が着実に進められるよう農林水産省といたしましても農林中金及び信連を適切に指導してまいりたいと考えております。
○阿曽田清君 ぜひひとつお願いをいたしたいと思います。
 全農も十三年度には三十県が経済連と合併する、共済連は来年の四月から四十七都道府県一斉にスタートする、中金だけはいつまでたってもめどが立たない。これでは系統二段階というものが実現しないわけでございますし、組合に対して我々も説明がつかないという事態になってしまいますので、大臣の今決意を申し上げていただいたことをぜひ具現化していただくようにお願いいたしたいと思います。
 次に、農業者の労災保険についてお尋ねいたしますが、これは私、議員になりまして以来ずっと、大臣がおかわりになるたびごとに質問をいたしてまいりましたし、いわゆる労働委員会の方にも出かけていって、そちらでも労働省に質問をいたしたこともありました。
 この農業者の労働災害保険、これについて拡充をもっとやってくれ、こういう話であります。詳しいことはもういろいろ申し上げません。とにかく絶えず言ってきたことはもう執行部の方々よく御存じだと思いますが、この間、私が言い続けてきたことに対してどこまで進んできたかどうか、それをまず御説明ください。
○政府参考人(樋口久俊君) 御説明を申し上げます。
 農作業中に万一不幸にして事故が発生した場合には、先生お話しのように労災補償がございまして、この充実について農水省ではこれまでもしばしば労働省に対して仕組みの充実を要請してまいってきたところでございますが、最近これをめぐっていろいろと御意見がございましたし、先生からも御指摘をちょうだいしておりまして、そういう状況を踏まえましてことしは特に二つの調査を実施いたしました。
 その一つは、都道府県と農業団体を中心にしまして、労災保険の加入がなかなかいかないのはなぜだろうかとか、どうしたら進むだろうかということが中心でございまして、これにつきまして、結果明らかとなりました労災保険制度の課題とか、それから各県の担当部局、いろんな改善をしてほしい点や御要望がございました。こういうものをまず取りまとめをいたしたところでございます。その後、そういう中身については労働省の担当部局といろいろ実務的なやりとりはございましたけれども、十月二十七日に私どもとしてはその調査の結果を労働省の担当部局に報告いたしております。
 もう一つの調査は八月に実施をいたしておりますが、具体的に事故に遭われた事例でございます。大体、年間四百人ほど農作業の事故でお亡くなりになっているわけでございますが、実際どういう事故があったんだろうかと事故の内容を中心に行いまして、労災の対象になっているものの、何といいますかカバーといいますか、そういう実態を調査をいたしまして、カバーされ得ない事例も一定程度私どもとしては取りまとめたつもりでございます。その結果を本年九月二十二日に労働省の労災担当部局に通知をしまして、かねてからいろんな御意見をちょうだいいたしております労災保険制度の対象の拡大、制度の充実ということについて検討をお願いしたいということで、まさについ先日、そういう意見といいますか要請といいますか、それを提出をしたというところでございます。
○阿曽田清君 やっと何か労働省とかみ合いが来たような感じを受けました。大変ありがたく思います。
 今まで労働省にいって労働省の方に質問いたしますと、農水省から何らデータも情報もいただけない、余り熱心じゃないみたいですよ、こういう話を向こうから聞きます。そして今度、委員会で再三やりますと、大臣は何と答弁されたか、労働省とよく検討して協議を進めてまいりますという返事が出てくる。そのうち出てくるのかなと思ったらなかなか一向に進んでこないというのが、今日まで四年ぐらいかかっておるわけです。
 それでも、農業者の方々がいざけがをしたときに、やっぱり生産が落ちてそれが農家の負債につながっていくということで、労災保険でカバーしてやればその保険の中で生活の手助けを求めることができるということで、私の農協でも八十名、昨年から加入を勧めました。もっと充実した上で加入をしたらどうかということでおりましたけれども、農業者の人たちもそれになる前に、我々も必要だから入るといって八十名入っていただいて、まだふえていくようなんです。
 ですから、内容が充実すればするほど農家の方々は安心して入ってくる。だから、そういう道をどうしてもっと早く開いてやるようなことをしなかったのかと。漁業者とか林業者並みにしていかないのかと。農家だけでしょう、二メーター以上からおっこちた、サイロの中におっこちてけがをした、牛や馬にけられてけがをした、動力機でけがをした、そういうようなことがずっと改善されずに来ているわけですから、少なくとも、二メーター以上なくても一メーターでもおっこちて打ちどころが悪かったら亡くなるわけでありますから、現にそういう方々もいらっしゃいます。
 ですから、いつまでそういうふうな状況が農業だけ取り残された形でいくということじゃなくて、農業者も林業、漁業者と同じように、家から圃場、そして圃場で起きた事故、そしてまた家に帰る、この間ぐらい労災で救ってやるということが私は温かい農政ということになろうかと思います。できればこの十一年度中に一つの方向を出していただくことはできないかどうか、政務次官にお尋ねいたしたいと思います。
○政務次官(谷津義男君) 今、阿曽田先生のお話を聞きまして、実は私も身につまされるものが一つあるんです。私の同級生の奥さんがサイロに落ちましてそれで亡くなったということを目の当たりにしているわけであります。農作業の事故につきましては、各般の農作業事故を防止する、いわゆるその縮減を図るのは当然のことではありますけれども、不幸にしてそういう現実にぶつかった場合には労災保険等により被災者に対する補償を行うことは大事なことだというふうに思っております。
 今、局長の方からもお話がありましたように、具体的に調査いたしました結果をもとに、今後、労災保険につきまして労働省と協議をしていくということでございますが、事務当局を督励するばかりではなくして、私自身が出向きましてそのようなところはしっかりと話をしていきたいと思います。
○阿曽田清君 ありがとうございます。ぜひひとつ答えを早急に出せるようにお願いいたしたいと思います。
 WTO問題についてはまだこれから随分論議していかなきゃならないと思いますが、いろいろ出ておりました。多面的機能あるいは食料安全保障等、さらに輸出入国のアンバランスの問題、こういうような問題が前面に押し出されておりますけれども、私はこのように思います。
 瑞穂の国日本でございますから、基本は、日本民族の稲作は苗代である。ということは日本文化そのものであろうかと思います。ですから、日本民族の維持あるいは日本文化の継承という観点からすれば、西洋文化に侵されることのないような日本をつくっていかなきゃならない。そのためには、稲作というものはきちんと将来にわたって農村の柱となる作物であるということを、やっぱり世界の文化とは違うんだという観点でこれからもひとつ主張していただければ、文化の違いというのはどうしようもないことだろうと私は思います。
 先ほど岩永委員から話がありましたように、ミニマムアクセス米、少なくともこれは関税化を七月一日から実行している。関税化になった以上は、次の交渉の段階ではミニマムアクセスは破棄するんだというような、そういう交渉をぜひ実現していただきますことをお願い申し上げて、終わります。
○委員長(若林正俊君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 この際、便宜私から、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案によるWTO次期交渉に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    WTO次期交渉に関する決議(案)
  WTO次期交渉は、二十一世紀の農林水産物貿易ルールの方向を決定するものであり、我が国はもとより世界各国の食料・農林水産業・農山漁村のあり方に関わる極めて重要な交渉である。
  世界の食料需給は、人口の爆発的な増加が見込まれる中で、中長期的にはひっ迫することが懸念されており、その局面を人類の英知と努力によって克服することが喫緊の課題とされている。
  我が国は、こうした認識に立って、WTO次期交渉に臨むに当たり、食料輸入国と輸出国、先進国と開発途上国のいずれにとっても公平で、かつ、真に公正な貿易ルールの確立を図り、よって立つ基盤を異にする各国の農林水産業が将来にわたって共存できる国際規律とすることを求めている。
  これは、千九百九十六年十一月の世界食料サミットにおける食料安全保障に関するローマ宣言と、その行動計画に沿った各国の努力を担保する上で不可欠の条件である。
  よって本委員会は、農業分野については、農業の有する多面的機能、国内農業生産の増大を基本とする食料安全保障の重要性、輸出入国間における不公平の是正等、林野・水産分野については、再生が可能であり、かつ、有限な天然資源の持続的利用を図る観点がWTO次期交渉に遺憾なく反映されるよう毅然とした取組を強く求めるものである。
  また、我々は、EUを始めとした農業の多面的機能に理解のある諸国やアジアを始め開発途上の国々とも緊密に連携し、世界の食料の安定供給、我が国の食料自給率の向上と農林水産業・農山漁村の維持発展のため、一部の農産物輸出国の主張によって貿易ルールが歪められることのないよう万全を期す決意を表明する。
  右決議する。
 以上であります。
 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、玉沢農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。玉沢農林水産大臣。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ただいまの御決議につきましては、その意を体して、我が国の国益を守るとの観点から、最大限努力してまいる所存でございます。
○委員長(若林正俊君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会