第146回国会 経済・産業委員会 第5号
平成十一年十二月十日(金曜日)
   午後一時二十二分開会
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   委員の異動
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     今泉  昭君     小林  元君
     藁科 滿治君     内藤 正光君
 十二月十日
    辞任         補欠選任
     真鍋 賢二君     山内 俊夫君
     小林  元君     今泉  昭君
     内藤 正光君     藁科 滿治君
     山下 芳生君     畑野 君枝君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         成瀬 守重君
    理 事
                馳   浩君
                畑   恵君
                円 より子君
    委 員
                加納 時男君
                倉田 寛之君
                陣内 孝雄君
                須藤良太郎君
                保坂 三蔵君
                真鍋 賢二君
                山内 俊夫君
                足立 良平君
                今泉  昭君
                木俣 佳丈君
                小林  元君
                内藤 正光君
                藁科 滿治君
                加藤 修一君
                但馬 久美君
                西山登紀子君
                畑野 君枝君
                清水 澄子君
                渡辺 秀央君
                水野 誠一君
   国務大臣
       通商産業大臣   深谷 隆司君
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       中曽根弘文君
   政務次官
       通商産業政務次
       官        細田 博之君
       通商産業政務次
       官        茂木 敏充君
       科学技術政務次
       官        斉藤 鉄夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       原子力安全委員
       会委員長     佐藤 一男君
       科学技術庁原子
       力局長      興  直孝君
       科学技術庁原子
       力安全局長    間宮  馨君
       通商産業省環境
       立地局長     中島 一郎君
       資源エネルギー
       庁長官      河野 博文君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        藤冨 正晴君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○原子力災害対策特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)



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○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、今泉昭君及び藁科滿治君が委員を辞任され、その補欠として小林元君及び内藤正光君が選任されました。
 また、本日、山下芳生君が委員を辞任され、その補欠として畑野君枝君が選任されました。
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○委員長(成瀬守重君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力災害対策特別措置法案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として原子力安全委員会委員長佐藤一男君、科学技術庁原子力局長興直孝君、同原子力安全局長間宮馨君、通商産業省環境立地局長中島一郎君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び同長官官房審議官藤冨正晴君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(成瀬守重君) 原子力災害対策特別措置法案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
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○委員長(成瀬守重君) この際、去る二日の委員会における西山君の質疑に対し、間宮科学技術庁原子力安全局長から発言を求められておりますので、これを許します。間宮原子力安全局長。
○政府参考人(間宮馨君) 去る十二月二日の本委員会における西山登紀子議員の御質問に対する私の答弁の中で、若干の混乱がございました。
 那珂研究所で検出された中性子測定データを原子力安全委員会緊急技術助言組織に報告した時間を午後六時と申し上げましたが、事実関係を確認いたしましたところ、午後八時でございました。修正させていただきます。
 なお、関係の資料を御参考のため、お手元に配付させていただきました。
 以上でございます。
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○委員長(成瀬守重君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。私は、今回の東海村事故の地元でございます茨城県選出の小林でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回の事故、九月三十日に発生をしたわけでございますけれども、事故に対する発表という点で大変難しいということもございますけれども、ただ事故があったというようなことだけではなくて、それに対するいろいろなその後の周辺環境の問題ですとか、あるいは中間報告等々読ませていただきましてもなかなかこれは難しい。専門家としてのレポートであればそれでよろしいわけですが、国民に向けて本当にこういうものであると、しっかりとした発表というものが必要ではないか、過大な影響を与える場合もありますし、知らないだけに非常に不安が多いわけでございます。
 これは地元で茨城県が発行した沈殿槽の写真であります。(資料を示す)これは科技庁の方で発行された。どちらかというと科技庁の広報を見てみますと、茨城県よりは大分切迫感がないというような感じもするわけでございます。茨城県の方はやはりいろいろな被害といいましょうか、風評被害というふうに言われておりますけれども、そういうこともありまして、大変きちんと食品、農産物等のデータまで入れまして、データといいますか、データは入っておりませんけれども、そういうものまで入れて発表をしてございます。
 そういう点で、この際、改めて科技庁長官にお尋ねをしたい。事故の内容あるいは被害の状況、規模等について、簡潔で結構でございますので、国民に向かって本当に理解してもらえるというようなことで御発言といいますか、おまとめをいただければというふうに思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 事故の状況等につきまして、多少長くなるかもしれませんが、できるだけわかりやすく御説明をさせていただきたいと思っております。
 九月三十日事故発生以来、原子力行政の透明性を確保すべく一貫して情報の公開に努めてきたところでございます。また、できる限り事故に関する情報をわかりやすく伝えるべく、今委員が御紹介いただきましたようなニュースレターの発行などの努力を行ってきたところでございます。
 今回の事故は、去る九月三十日、ジェー・シー・オーが設備の使用方法、ウランの投入量等について、国が安全審査で認めた条件を著しく逸脱した違法な作業を行ったことが直接の原因となったものでございます。沈殿槽と呼んでいる容器で多量のウランを溶かし込んでしまい、溶液状のウランが核分裂反応を起こし、当初の激しい核分裂反応の後、翌朝に至る二十時間弱の間、核分裂反応、すなわち臨界状態でございますが、これが継続したものでございます。
 この結果、三名の作業員が核分裂で発生した放射線を浴び、重篤な被曝を受けました。また、核分裂で発生した放射線により他の作業員、さらには近隣の住民等も被曝を受けましたが、これらの方々の被曝につきましては、急性の障害を伴うものでないことを確認いたしております。現在、近隣に居住、勤務されておられる方の被曝量について精査するとともに、長期的な健康管理のあり方について専門家による検討を行っているところでございます。
 なお、事故に伴い、核分裂によって生じた気体状の放射性物質が一部施設外に放出されたと評価されておりますが、これは沃素などでございますが、環境調査の結果、これは住民の健康及び環境に影響を及ぼすものではないことが確認されています。
 いずれにせよ、引き続き原因究明と再発防止対策、住民への対応に万全を期し、国民の原子力安全への信頼の回復に努めていく考えであり、そのためにも透明性の確保、わかりやすい情報の提供に今後も努力をしてまいる所存でございます。
○小林元君 幾ら聞いても、要するに臨界事故の規模というものはどうも明らかといいますか、予算委員会あるいは前の委員会等でももう何度も出てきていると思いますけれども、どれぐらいの量が臨界を起こしたのかという話が出ているわけでございます。
 きのうの斉藤政務次官の御答弁によりますと、一ミリグラム程度であるというふうにおっしゃいました。そういうわかりやすい発表というものが必要なんではないか。ただ、一ミリグラムが一体どういうことなのかということも本当はあわせて知りたかったわけでございます。
 臨界当時、当然、熱量が発生をした、閉鎖系ではありませんでしたので、原爆のような爆発事故には至らなかったわけでございますけれども、その辺のことを私ちょっとお聞きしたんです。一ミリグラムあるいは〇・四ミリグラムとも言われていたんですけれども、大体十リッターの水を蒸発させるぐらいの熱量であるというふうに伺っております。
 チェルノブイリ等ともいろいろ比較されるわけでございますが、百万キロの原子炉ですと八十トンぐらいのウラン燃料が入っている、そういうものがメルトダウンをしたというようなことになるわけでございます。やはり過大、過小でもいけないわけでございますが、的確な発表、そして住民に今回の規模はこのぐらいなんだということを実感できるような発表というものを十分考えていただきたい。
 放射線、放射能というものがなかなか理解しにくいということがございますので、どうぞよろしくお願いしたい。
 それから、原爆等々についても、日本はそれこそ平和利用しかしないわけでございますので、原爆のことをとやかく言うということは不謹慎かもしれませんけれども、臨界に達するという最小量でいえば、これは爆弾の使用量ではありませんけれども、九三%のウラン235であれば大体七百グラム程度で臨界に達する。それぐらい危険な物質であるということだけはPRをしておく必要があるのではないか、そのように思っている次第でございます。
 次に、ジェー・シー・オーの事故の状況と周辺環境への影響という文書を発表されました。これについてお伺いしたいと思います。
 これについても今申し上げたような非常にわかりにくい、二・五の十の十八乗個、一、十、百、千、万と、私ども数えられないわけでございますが、一千兆を超す、兆の上は京でございましょうか、京といってもちょっとよくわかりませんが、そういう個数、個数だけ聞いても物すごい数ですね。
 しかし、先ほど言いましたように、一ミリグラムといえば、この程度といいますか、そんな小さな量であったのかということも、それで安心するということにはならないかもしれませんが、そういうものが、これは研究者の間のであります。その三ページにいろいろ、周辺の住民が被曝をした、従業員も含めて、そういう中で理論値と実際の測定値といいますか線量評価ということで、実際にはかったのは六ないし十五ミリシーベルト、理論値でいくと百ミリシーベルトあってもおかしくはないというようなことが載っているわけでございます。
 そこまではよろしいのでございますが、最後にそれに対するコメントが書いてございます。これは長官、お持ちでございましょうか、安全局長からあるいは答弁していただいても結構でございますけれども、それには、「がんの増加に代表される確率的影響も、一般的には実効線量で約二百ミリシーベルト以上の線量でのみ現れる」、「今回の事故に関連しては、直ちにがんの増加」云々というようなことで、「五十ミリシーベルト以上の線量でも四十年以上の後に」というような文章があるわけです。これはどうも報告書としては極めて不適切な挿入文ではないか。
 つまり、科学技術庁では、一般公衆と言っていますけれども、年間被曝量が一ミリシーベルトが基準である、いわゆる環境基準でしょうか、それから労働省で労働安全衛生基準、五十ミリシーベルト、こういうふうに決めているわけでございます。これは、いずれにしても、相当な安全係数といいますか安全率を考えて五十ミリシーベルトあるいは一ミリシーベルトというふうに決定したんだと思います。にもかかわらず、この解説文で、二百ミリシーベルト以上であらわれるとか、あるいは五十ミリシーベルトでも四十年だと。それは学問的には事実かもしれません。
 だけれども、それは基準を決めたバックのいろいろなデータの話でありまして、決めたからにはやはりそれを超えることは問題だという考えで事に当たっていただかないと、何のために基準というものは決めてあるのか。何か科技庁としてはそれだけの安全係数を掛けて厳しく決めているんだと言いたげな感じも出ておりますし、ないんだ、ないんだということを一生懸命PRしようという気持ちはわかりますけれども、やっぱり基準を決めた以上は、きちんと解説といいますか評価をしていただきたい。
 いろいろ心配があるから健康についてもフォローしてアフターケアをしますというのであればわかりますけれども、そういうデータそのものについてコメントをするということはいかがなものか、不適切ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(間宮馨君) 御説明申し上げます。
 今言及されましたあたりのことでございますけれども、二百ミリ、五十ミリということでございますが、法令に定める放射線業務従事者の線量限度というものは、これは放射線業務従事者が一年間にその値を超えないように管理されるべき値として設定されたものでございまして、今回の被曝による健康影響について直接結びつけて説明するということは必ずしも適切でないものというふうに考えております。
 ICRPの勧告におきましても、線量限度は被曝に伴う健康影響のリスクが容認できるかどうかで決められたもので、安全と危険の境界を示すものではないことに留意することというふうにされてございまして、今回の場合、必ずしも線量限度ということで議論するのが適切ではないということで、二百、五十、あるいはほかの値もいろいろこれまでの研究成果ということで出てきているものでございまして、ここら辺は、現在、原子力安全委員会の中に健康管理検討委員会というのが設けられておりまして、専門の方々でいろいろ検討がなされているところでございます。
○小林元君 それは考え方としてはわかります。限度ではないと言うんですけれども、やっぱりこれは一般人から見れば限度に近い理解しか持っていないと思います。ですから、そういうものを殊さらにこの事故のときに、一般の状態で、平常の状態で環境基準の議論をすると。ダイオキシンについても同じような議論がいろいろあったわけでございます。ですが、やはりそれは安全係数というものをとって、五分の一とか十分の一とか、あるいは一般公衆については五十分の一だというふうに極めて厳しく、シビアに基準というものを設定している。ですから、そういうもので判断といいますか、一般の人たちは物差しは何もないんですから、深いことはわからないわけですから、やはりそういうものをもとに科技庁の方も、国の方も対応していただかないと、非常に不信感を招く結果になってしまうんじゃなかろうか。
 私どもも、危険だ危険だと、そういうことを一生懸命言うつもりはありません。例えば、後でまた出てまいりますけれども、あそこの職員等についても、放射能汚染がされているがごときことでいわゆる風評被害というものが起こっていることがあるわけでございますから、やはりその辺のことを踏まえた対応というものをどうぞお願いしたい。
 それから次に、今回の事故におきましては、三人の従業員が大変重篤な状態であるというふうに聞いておりますが、を初め、周辺住民で被曝された方が六十九人ということで、お見舞いをしたいというふうに思っております。今回の事故というのは、そういう健康の問題も含めて、非常に広範囲に広がっているわけでございます。
 やはり、何といいましても、健康不安といいましょうか、特に被曝者、被曝したという判断をされました六十九人の方はもとよりでございますけれども、それ以外でも大変心配をしているというようなことで、周辺の住民の中には、もちろん県や市町村、そして国も含めて早急な健康診断というものを実施したわけでございますが、それ以前に、もうとにかく不安で不安でたまらないということで、健康診断をしたい、血液検査をしてくれとか、あるいは放射線をはかってくれとかいろいろな、どういう要求をしたかはわかりませんが、とにかく病院に駆け込んだ方がいるわけでございます。こういう人たちにつきまして、ジェー・シー・オーは十月二十五日に、そういうことで診断費を御負担しているというようなことで、早急にジェー・シー・オーとしても負担をしたいというようなことを伝えたそうでございます。
 ところが、原子力損害賠償法の詰めというものが十分できていない段階で、いろんなことを恐れたのかもしれませんけれども、どういうことがあったのか私はわかりません。しかし、一般的には科技庁が、国がジェー・シー・オーに対して、損害保険の詰めができた段階で対応するようにと、つまりストップをかけた。これは本当に大したお金ではないんです。健康診断費に三万円、五万円かかったにしても、千人はいなかったわけです、たかだか百人かそこらなんです、ですから、これは集めても五百万、一千万、もう全然そこに到達しないと思いますけれども。やはり、ほかの損害とはちょっと違うと思うんです、そういうことで、そういう人たちに対して、さすがのジェー・シー・オーもお支払いします、言ってくださいというふうに呼びかけたんですけれども、残念ながら十一月十一日にストップがかかったというふうに、これは新聞記事にもなったわけでございます。
 保険金の確定とそのような補償といいますか経費負担ということは、つながっているかもしれませんけれども、私はつながっている話ではないというふうに考えております。そういうことなんですが、この辺はいかがでございましょうか。
○政府参考人(興直孝君) 御説明させてください。
 ただいま先生がお話しになられました損害賠償の手続でございますけれども、御案内のとおり、この問題につきましては被害者の……
○小林元君 いやいや、損害賠償の手続じゃなくて、今の話ですよ。
○政府参考人(興直孝君) この問題につきましては、被害者の方とジェー・シー・オーとの話し合いを中心に進められているところでございまして、この作業を進めるに当たりまして、科学技術庁の方で損害の認定、損害賠償に知見を有します専門家の方々にお集まりいただきまして原子力損害調査研究会というものをつくって、その損害認定の円滑化、迅速化を図るための検討を進めてきたところでございました。
 その過程で、ただいま先生お話しございましたとおり、賠償全体につきましての考え方を明らかにした上で、早期に賠償に対応する賠償措置が講ぜられますようにというふうな形をお話ししてきたところでございまして、結果として先生が今御指摘になられたような形でジェー・シー・オーの支払いが滞っていたかと考えてございます。
 私ども、ジェー・シー・オー並びに親会社でございます住友に対しまして、本件、この対応は迅速に、しかも御納得いただくような形で対応をとるべきものと、このように考えているところでございまして、今週から地元説明にもう入っておりますけれども、先生御指摘のような問題点が生じないようにお願いをしている次第でございます。
○小林元君 そういう事実関係、私わかりませんが、科技庁がストップをかけたと。これは確かに、トータルの話は後ほどさせていただきますけれども、大変な損害があるというふうに言っておりますけれども、健康問題に関してはもう大変な不安を抱えているわけでございますので、ジェー・シー・オーが最初に言ったように対応をする。そうでないと、何か国がストップをかけている、そういう国に対する不信感。大変な事故を起こしたのはジェー・シー・オーであることは間違いありません。まあ、悪者とは言いませんけれども、第一の原因者はジェー・シー・オーでございます。
 ですから、そこでさえも当然やりますと言っているのに、それにストップをかけるというようなことになれば、国は一体何のためにあるのか、ない方がいいんじゃないかということになってしまうことを非常に心配する次第でございます。どうぞ前向きな対応をお願いしたい。
○国務大臣(中曽根弘文君) 私どもも、住民の方々でみずからの健康を心配されて確認するために健康診断等を行った方々のそういう費用につきましての早急な対応は必要と認識をしておりまして、ジェー・シー・オーに対しましても、賠償全体にわたっての考え方を速やかに明らかにして早期に賠償に対応するよう指導しているところでございまして、今局長からも答弁いたしましたが、対応にストップをかけたという事実はございません。その点を確認させていただきたいと思います。
○小林元君 それで、やはり健康問題でございますが、十一月十九日、二十日両日、いわゆる三百五十メーター圏内の住民三百人に対しまして、先ほどの周辺環境への影響というようなことで、被曝線量の理論値が出てまいりましたので、それを実証するということで行動調査をやったわけでございます。
 ところが、これにつきましても、せっかくおやりになって、結果として国への不信感をあおる、国に対する不信の目が向けられるというのは非常に残念といいますか、やり方がどうもおかしかったのではないか。六十九人以外にも十ミリシーベルトを超えるというような調査もありましたし、あるいはその結果がどうかわかりませんが、いずれにしましても被曝の状況を正確に把握するということでやったのではないか。
 ところが、行動調査で、これも新聞報道でございますが、いろんな人から、せっかくやられても、これは事故時に六十九人の被曝者が出たということにそういうものを追加するものではないと。
 ただ、被曝者というのは、要するに広島あるいは長崎のいわゆる原爆被害者の、例えば被爆者手帳をもらうとか、そういうこととは関連していないわけでございますけれども、被曝者というのは一体どういう支援というか、例えば医療費が賠償対象でアフターケアまでずっと見てもらえる、あるいは国として見てあげますというようなことにつながるのかつながらないのかということを住民はかなり意識しているわけでございます。
 ですから、やっぱりそういうものをやって、あなたの行動からすれば、実際に測定はできないが、いわゆる推量といいますか、推測、推定ができる。そして、例えばその六十九人の被曝者、何ミリシーベルトを被曝したから被曝者に入れたのか、そこは私もしかと調べておりませんけれども、やはり同等にそこは扱っていただいて、その方々がひょっとして、漏れているというのは言い方がおかしいのかもしれませんが、新たに判明した場合には、実測値ではありませんけれども、住民の健康というのは非常に大事であるから、同じように国としてもしっかりフォローしたいということを言っていただきたい、このように思っている次第でございます。
○政府参考人(間宮馨君) 今、先生御指摘の六十九名以外の方についてでございますが、今おっしゃいましたように、当庁と放射線医学総合研究所で行動調査を三百五十メートル内の方々について行っておりまして、九割方もう終わっているわけでございますが、こういうデータをもとにいたしまして個々人の被曝線量の推定を行いまして、その結果に基づきまして、原子力安全委員会健康管理検討委員会におきまして、周辺住民の方々の長期的な健康管理について検討がなされることとなってございます。
 当庁といたしましては、健康管理検討委員会の検討結果を踏まえまして、関係自治体と協力の上、周辺住民の方々の健康管理には万全を期してまいりたいと考えております。
○小林元君 今、局長から答弁がありましたので大変安心しました。
 新聞によると、「補償への波及恐れ隠ぺい」すると、こういうようなひどい見出しになっているわけでございます。こういうことはマスコミが悪いというのではなくて、やはり住民の方がそのような不安を抱いている、それは、健康を守るために国は調査をするということは明確にしていただきたい、このようにお願いをいたします。
 次に、いわゆる風評被害といいますか、大変な事態が起きているわけでございます。
 茨城県が十月末時点でまとめたものを十一月二十四日に発表しております。それは種々さまざまでございまして、食品の加工とか販売業の休業、売り上げ減収、返品、あるいは農作物の被害、出荷停止に遭ったとか値段が下がったとか、あるいは漁業関係も出漁を停止しました。水の中にいる魚が一番安全だと思うんですけれども、それでも買ってもらえないんじゃないかということ等々、長官のお手元にもあると思います。皆さんにもお配りすればよかったんですが、商工業で九十五億円、農畜水産業二十五億円、観光関連、ホテルあるいはゴルフ場等のキャンセルが相次ぎました。そういうことを含めまして、これは県税減収まで、ゴルフ場利用税が入らないというようなことが書いてありますけれども、百五十三億円、そしてまた、県が夜を徹して頑張ったというようなこともあって七億円余がかかった、合わせて百六十億円、こういうことになっております。
 今回、今は県議会が開かれておりますが、十二月補正で八十八億円の予算を組むというような予定になっております。もちろん国の補正予算を受けての経費というものは七十六億円でございます。県単事業で十二億円、融資事業も制度を創設するというようなことでやったわけでございますが、新聞によりますと、科技庁としては早急に補償基準を決めて年内決着を目指したいと、こういうお話を伺っておりますが、その辺はいかがでございましょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほど小林委員御指摘のように、現在県で被害額をまとめていっていただいておりまして、その大体七割程度の把握として、被害総額が現在のところ百五十三億円ということ、我々も承知をいたしております。
 損害賠償の手続につきましては、基本的には通常の民事賠償と同様、被害者とジェー・シー・オーとの話し合いを中心に進められるものでございますが、しかし、科学技術庁といたしましては、原子力損害調査研究会を十月二十二日、迅速化を図るために設置をいたしました。また、同じ日に原子力損害賠償紛争審査会を設置いたしまして、公平かつ公正な被害者救済が迅速に行われるよう最大限努力をしているところでございます。
 先ほど小林委員御指摘の、できるだけ早い時期に、年内というお言葉もございましたけれども、できるだけ迅速に対処していくよう今最大限の努力をしているところでございます。
○小林元君 今もお話がありましたけれども、原子力損害調査研究会を発足させて補償基準を詰めているというようなことでございます。この法律は三十六年に立法され、施行されて以来一度も発動していないというか、保険料を払っているだけというような状況が続いたわけでございます。
 しかし、やはりこれは、原子力関係者は、多重防護だとかフェールセーフだとか、事故は起こらないんですよ、危険性はいろいろあるけれども大丈夫ですよという中で、こういうことがよもや発動する事態が起きるとは。しかし、この制度をつくったときは、やっぱりこういうことがあるかもしれないということでつくったんですね。
 ところが、今、もう四十年にもなって補償基準もできていないと。今になって、泥棒が来て縄をよじるといいますか、そういうまさに泥縄方式ではないか。これはどうも科技庁も、油断大敵といいますか、それ以上に怠慢だったのではないかというふうに思います。
 しかも、この原子力損害調査研究会につきまして原子力産業会議に事務局を委託すると。科技庁はこの事故でてんやわんやでしょう、大変だと思います。しかし、よりによって原子力産業会議というのは、これは原子力産業ですから、どちらかといえば事業者サイドの会議です。その団体が悪いということではありません。しかし、損害を支払うサイドに近いところが事務局をやると。事務局なんかに左右されませんよ、どこでやったって正々堂々と補償基準は決めますと言うかもしれませんが、国民の方から見ると、何をやっているのかと。
 やっぱりそこはきちんと姿勢を正すべきではなかったかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生の方から二点の御照会があったかと思ってございます。
 一点は、これまで科技庁は一体全体このあたりの基準づくりの問題についてどうしていたのか、もう一点は、この損害調査研究会の事務局である原子力産業会議に委託していることについてでございます。
 まず、前者の点でございますけれども、この事故が起こりましてから、私どもといたしましては、これまでもそうでございますが、原子力損害賠償制度につきまして、他の法令との関係や海外の諸制度、こういうものにつきまして継続的に調査研究を行ってきたところでございまして、そういう観点から、賠償措置額の見直しでございますとか、適宜法令の改正などをやってきたところでございました。
 今回、原子力損害の範囲の問題について非常に重要な問題になってございますが、放射線の作用等との間に相当因果関係があるものはすべて原子力損害賠償法における原子力損害に該当するものであると考えてございまして、株式会社ジェー・シー・オー社に対し、この考え方に沿って賠償に当たっていただきたいと、こう考えているところでございます。
 同社におきましては、に加えまして、地元の方との関係でどう配慮したらいいかということも別途御検討のように承ってございます。
 他方、今回、原子力損害調査研究会を発足させまして、これまで起こってきております他の事例を詳細に検討しますとともに、今回の事故処理状況と、社会がこれをどう受けとめてきているのかなどの検討を行いまして、事故の影響の具体的な例を踏まえまして相当の因果関係を検討してきているところでございます。これによりまして、当事者間の損害認定の円滑化、迅速化を図ろうとしているものでございます。
 なお、これらは今回の事案をもとにしなければ検討できないものでございまして、事前に関連情報を解析していたとしても限界があるものであることを御理解いただきたいと思ってございます。
 また、原子力産業会議に委託したとの点でございますけれども、原子力産業会議はこれまで、原子力損害賠償制度に限らず原子力に関する各種の問題につきまして専門家を集めた会議の運営の実績がございますし、さらに、過去にも越境損害に関する調査など、原子力損害賠償制度そのものに関して諸調査を行ってございます。ウィーン条約、パリ条約など、原子力損害賠償に関します国際条約に係る情報等を幅広く収集してございますし、今回の委託はこれまで収集しておりますその成果をもとに法律家の方々など外部の専門家によりまして検討をしているところでございます。
 公正な運営が図られることが重要である、このように考えてございますし、私ども、私自身もそうでございますが、この会議に参加しましてこの研究会の運営事務が適正に行われるように見てきているところでございます。
○小林元君 私は疑っているわけではないんですよ。やっぱり姿勢の問題だと思うんです。だから、原子力損害賠償制度のいろいろ制度研究をする、あるいは補償も含めてすると。これ、きょうの新聞にも出ていますよ。核燃料施設は最高百二十億円にしようじゃないか、今まで十億円だったと。これは今回の事故を踏まえて大変素早い対応ですね。
 ところが、今言ったように、補償基準については何の詰めもしていなかった。ですから、払う方のことは後回し、取る方と言うのはおかしいんですけれども、保険料だけ、あるいは保険の枠だけ大きくしないと危ないと。そういう対応には非常に素早いんですね。そうじゃないと思うんですよ。やっぱり国民が、原子力は大丈夫だ、信頼できますよと、今回の事故が起きたけれども、原子力に依存をしている現実というのは十分承知していますよ。ところが、こういうことをやっていたのでは不信感が募るばかりではないか。だから、しっかりとその辺を考えて、姿勢というものをしっかりとって誤らないような対応をしていただきたい。大臣、いかがですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) まず、原子力損害賠償法についてでございますが、これは委員御案内のとおり、無過失無限の責任を原子力事業者に負わせておりまして、今回の事故につきましても、被害者から損害賠償請求が出され原子力損害として確定されれば、ジェー・シー・オーは基本的にすべての損害について賠償しなければならない、そういうふうになっております。したがいまして、損害額が民間保険でカバーされる上限額の十億円を超える場合は、ジェー・シー・オーはみずから追加の資金を確保して賠償する必要がございます。
 しかしながら、ジェー・シー・オー側の支払い能力に限界がある等、政府が必要と認める場合は、国会の議決により政府に属させられた権限の範囲内で政府が援助することになっており、これによりまして確実な被害者救済が図られることとなっております。科学技術庁といたしましては、被害者救済に遺漏なきよう、この原子力損害賠償制度の適切な運用を図っていく所存でございます。
 また、今お話しありました十億円の額についてでございますけれども、本年五月の原賠法の改正を受けまして、来年の一月一日からの法施行のためにこの政令案が検討されてきたものでございまして、来週火曜日の閣議に提出することを考えております。
 現在、最終的な調整を行っているところでありますが、その内容を現時点で確定的なものとして申し上げることはできませんが、科学技術庁といたしましては、従来十億円、六十億円、三百億円の三区分に規定されております賠償措置額をすべて二倍に引き上げること、それから、濃縮度の高いウランの加工・使用等につきましては、ジェー・シー・オーの臨界事故を踏まえてより高額の賠償措置額区分に変更すること、結果として現行の十億円から百二十億円への引き上げとなるわけでございます。
 それからもう一つは、使用済みの燃料の貯蔵に関する規定等の整備、賠償措置額は百二十億円となるわけでございますが、これらを行う方針でございます。
○小林元君 百二十億円に引き上げるということについて私は御意見を申し上げているわけではございません。
 やはり、現に被害が起きたということであれば、そこに全身全霊、全力を注いでもらいたい。そうでないと、やはり原子力施設の立地している市町村、県の住民が本当に原子力に対して理解を示さなくなってしまう、不信感を抱いてしまうのではないか、そこを恐れるから私は申し上げているわけでございます。時間がありませんのでこれ以上申し上げませんが、よろしくお願いをしたいと思います。
 例えば、今回の予算につきましても、国の予算は事故対策費が十七億円です。それで、今後の事故対策、事故が起きたらどうするか、防護服から始まってモニタリング体制を強化する、いろんなことを含めて千二百二十七億円です。これは来るべきというのは、そんな事故は起きてもらいたくありませんけれども、それが出たときには対応するという予算であります。
 地元から要求があるのは、先ほども言いましたように百六十億円です。これで全部ではないと思いますけれども、それに対する手当てというものをより早くやる、そして次に備えるということが順番ではないか、こういうふうに思うんです。
 そうでなければ、本当にこれは国民に向かっての政治をやっているというようなことは大きな声では言えなくなってしまうんじゃないか。役所が自分の仕事を、極論を言えばこれは便乗予算、焼け太り予算です。自分たちが現地に行くときには防護服を着る、しかし住民の方は防護服なんか支給されません、何にもないんです。そういう人たちが原子力施設の周りにたくさん全国所々方々にいるわけです。一体どうすればいいのか、これは遠くへ逃げるほかない、住んでいられないという状態になってしまうんです。でも、そういうことが起こらないように国も県も市町村も今まで頑張ってきたと思うんです。ですから、その辺を十分お願いしたい。
 それから、科技庁としては、今回の予算にこういう事故の補償関係の問題について何の予算も、何の予算もというといろいろ検討費やら何やらあるかもしれません。しかし、実際に住民の方に何かがあるような予算というのは、残念ながら組まれていないように伺っております。
 もう三年前でしょうか、ナホトカ号の油の流出事故の際には、いわゆる除去対策費というようなことで融資総額九十億円、これは一般会計の予備費を使っています。それから、県、市町村等十府県に対しまして、除去経費の二分の一相当に交付金、補助金といいますか負担金といいますか、そういうものを緊急に制度を創設いたしました。
 やはり、今回の事故についてもそのようなものをつくっていただきたかった。県の今回の予算では、九億五千万円の融資制度を創設するということを今、県議会で審議をしております。
 こうなりますと、科技庁長官、科技庁は国民の力強い味方である、ぜひそういう官庁になってもらいたい。組織改編でばらばらになってしまうかもしれませんが、そういうものを引き継いでもらいたい。
 運輸省はそういう制度をおつくりになりました。そして、配慮をしている。ですが、やはり科技庁もそういう交付金制度、融資制度、中身についてくどくど申し上げませんが、そういうものをつくる気がおありなのか。ぜひつくってもらいたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 科学技術庁といたしましては、今回のジェー・シー・オー事故に関しまして、自治体が住民の健康管理また風評被害等について所要の対策を講じるために、補正予算におきまして合計十二億円の県に対する交付金を計上しているところでございます。
 さらに、電源開発特別会計の今年度予算のうち十億円程度を用いまして、ニュースレターの発行や新聞広告、また観光キャンペーン等の被害対策事業を実施することといたしております。
 今回の事故に関しまして、今後とも関係自治体と十分に協力しながら、所要の対策を講じていきたいと思っております。
○小林元君 それで、補償の要求、各関係団体あるいは市町村等々からいろんな形でいろんなところへ、科技庁にも行っていると思いますけれども、あるいは総理のところへ行ったり、県に行ったり、各先生方のところにもお願いに行っていると思います。
 補償要求については、これは知事さんから聞いた話でもありますから確かだと思いますが、県はできるならば県としてまとめたいと。もちろん、先ほど申し上げましたように、データとしてはまとめてありますけれども、この補償要求について一個人の住民の要求から事業者団体から、大小さまざまであります。
 そういうことで、これは事件を起こしたから仕方がありませんけれども、ジェー・シー・オーも非常に混乱といいますか、それだけでも対応に大変な時間がかかってしまうというようなことになってしまうんではないか。できましたら、私は、県の方に科技庁からまとめてくださいよと。そういう立場にはないかもしれないけれども、今回の重大な事故でございますので。
 ところが、聞くところによりますと、いや、県ではそういうものはやってくれるなと。それで、今になってだんだん大変だということがわかってきて、市町村に、各自治体に科技庁の方からお願いをしているというふうに聞いているんですけれども、これは自治体が、各市町村が力がないという意味じゃありません。それぞれの自治体の判断でやれば、補償基準ではありませんが、まさに各個ばらばらで、なかなか難しいんじゃないか。そして、まとめるとなればまた時間がかかるということになってしまうんではないかと私は思います。そういう意味で、県を窓口にして、あるいは市町村と打ち合わせをする、そういう形でぜひやっていただきたい。
 実は、きのうの県議会の知事の答弁で、県に補償対策室を設置すると。長官、ごらんになっていますか。そういうことがきのうの答弁で、十二名の職員を充てるということで、きょう、市町村の関係課長会議を招集していろいろ説明している。科技庁から要請はなかったのかもしれませんが、県も見るに見かねてそういうことをしようという独自の判断をしたわけでございますので、過去のいきさつ、体面はもう捨てまして、しっかりと国が県と市町村と手を組んでこの問題解決に当たっていただきたいと思います。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほど小林委員から、国として自治体が取りまとめることについて消極的ではなかったのかという御指摘がございましたが、実際は全くそうではございませんで、私たちは、ある意味で被害者の皆さんに密着した地方自治体がそういう被害を取りまとめていただけるというのは迅速な賠償にとって大変有意義である、このように考えてまいりました。原子力局長が県にもそのような御苦労をお願いしてきたところでございます。
 先ほど小林委員がおっしゃいましたように、きょう、茨城県において、賠償請求者に対する必要な支援や関係市町村等との連絡調整を行うための体制を整備する、対策室を置くということでございまして、今後とも私たち科学技術庁は、県や地方自治体と十分な連絡をとりながら、速やかな賠償が実施されるように最大限の努力をこれからも続けてまいります。
○小林元君 どうぞ体制をしっかり整えて、今回の損害補償といいますか、この問題に強力に取り組んで年内解決を図っていただきたい、このように要望する次第でございます。
 通告をいろいろしておりましたけれども、時間がなくなってまいりました。私、月曜日にもチャンスをいただいておりまして、行政監視委員会の方で、日程の関係でどうなるか私はわかりませんが、ということもありますので、あともう少し、途中ちょっと飛ばさせていただきます。
 今回の法律に関連しまして、衆議院の科学技術委員会の公聴会で、東海村の村上達也村長が御意見を述べられたわけでございます。そういう中で、いろいろ問題点といいますか、国に対する要望、これはしっかり聞いていただいていると思います。
 今の原子力安全委員会の問題につきまして、単なるとは申し上げませんが審議機関ということで、ダブルチェックとはいいながら、本当はその内容に具体的に触れようと思ったんですが時間がありませんので後ほどにしたいと思いますが、例えばこれは関係委員の方からも質問があったかもしれませんけれども、私も安全審査の沈殿槽の設置許可書を見せていただきました。
 それを見るとどうも、今回はとんでもない作業ミスというふうに決めつけているわけでございますが、どうしてワンバッチ方式の沈殿槽に七つも八つものバッチが入るような沈殿槽。つまり最初は質量管理をする、秤量する、計量しますというふうになっていますね。それで一バッチの原料の酸化ウランを入れると。
 そういう中で、貯塔か何かありますけれども、それも形状管理というかそういう設計がされているわけですね。ところが、最後に行きますと、沈殿槽に行きますとそうじゃないんですね。七杯か八杯の溶液が入れられた、そういうことになったわけです。
 だから、やっぱりそこも本来はワンバッチ方式ですから、ずっとワンバッチで来ればああいうことはできなかったんです。たらいの中でそれはかき回したかもしれません。でも、まさかそこまでやらなかったんではないか。そういうことができてしまった。ミスを除外する、分断するような装置、システムになっていないということをどうも見逃してしまったんではないか。
 そういう問題はあるんですが、いずれにしましても、審査をした、それで安全ですよと。後はいろいろ検査、立入権はありません。フォローができない。自分たちが許可はしたけれども、見に行けないことはありませんが、いわゆる検査とか調査という形では権限はないというような安全委員会では、本当に自分たちが判断した結果がしっかりやられているかということをフォローできないというような委員会では、どうも頼りないといいますか、安全確保が十分できている、二重チェックだとは言えぬ。ただチェックをしただけなんですね。ただチェックをしただけというと大先生に失礼でございますが、それをしっかりずっとフォローできる。二重権限かもしれません。でもやっぱりそういうような三条機関といいますか、第三条機関にするかどうかという問題はいろいろあると思いますが、その辺が、例えばこれは四十六年に、御承知のようにあの公害騒ぎの中で、杉並のプールで高校生が倒れて大変だということで、ひところも環境会議とかいろいろありました。
 そういう中で、やはり産業との調和の中で公害防止をするという公害基本法を、もう産業との調和ではなくて、国民の健康、財産を守るために公害防止はきちんとやらなきゃいけないということで環境庁をつくったわけです。そして、今環境庁は、全幅の信頼とは言わないにしましても、先ほども前環境庁長官お座りでございましたけれども、国民から信頼をだんだん得られるような役所になってきているわけでございます。
 そういう意味で、既に新聞等で、こういう考えであるというようなことを前倒しでいろいろ考えているというふうに伺っておりますが、国民の信頼を得られるかどうか、つまり安全を本当に確保できるかどうかということがポイントだと思いますが、その辺について長官のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回の事故からいろいろなことを私どもも反省いたしておりまして、いろいろな整備を行わなければいけないということで、また法案の御審議もお願いしているところでございます。
 安全審査につきましても、さらにこれが確実なものとなるよう、今ダブルチェックを行えるようになっておるわけでございますが、さらに万全なものとなるよう今後やっていきたいと、そういうふうに思っておるところでございます。
 そして、国民の皆さんの信頼を回復し、そしてまた原子力行政、新たなスタートができるようにと、そういう気持ちで今取り組んでおるところでございます。
○小林元君 時間がなくなりましたので、私の意見を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 今回の事故で、東海村の村長は大変苦労した、苦渋の決断をしたわけでございます。御承知だと思いますので繰り返しません。しかし、私もそのようなお話は村長自身から聞いておりませんけれども、村長は、住民を避難させるということについて、本当に苦渋の選択といいますか、この問題について間違っていたらばやめるといいますか、職を賭する決断というふうに私は想像をしております。職を賭して頑張ったんじゃないか、なげうって頑張ったんではないか。何のデータもない、根拠もない中で住民を退避させる。その判断の一つは、やはり最前線にいてこの事故の通報を受けて、臨界の可能性ありという一つの知らせの中で、事業所が従業員を退避させた、青い光を見て倒れた、つまり臨界のいわゆるチェレンコフ現象を見たと。この判断をした事業所の職員も十分に臨界状態という現象について認識があったと。
 ところが、科技庁の方々、前長官も大変反省をしておられます。これは何回も所々方々に出ておりますから、長官としてというよりは科学者として、あの臨界という可能性に、確たる手段である中性子線をはかれと、どうしてこう言えなかったのかということについて大変厳しい反省を述べられております。
 やはりそういう意味で、これは今回法律を改正しなくてもちゃんとできるんだよと、従来こう言っていますが、国、県、市町村、こういう体制の中で物事を処理する、その姿勢を崩さない。これだけ地方分権が言われながら、国が出ていく。地方に密着した住民に一番近い市町村長あるいは県知事、そういう方たちに、大事な初動の時間、そういうものについてはやはり権限を与えるといいますか、ぜひお願いしますというぐらいの法改正というものがあってしかるべきだったのではないかと、こういうふうに思っております。
 それからまた、病人が出ましたということで、これは偽りの報告を受けて、消防署の職員がそれを真に受けて、何の防護もせずに、防護しても防げなかったんですけれども、被曝をしたというような事故がございました。
 そういう意味で、レスキュー隊というものは現地の町村からも大変要求が強かったわけでございます。やはりレスキュー隊、救出に向かうことはできないかもしれませんけれども、そういう事態に備えて小林と内藤がレスキュー隊ですよ、ここにいますよ、ヘリコプターでも何でも飛んでいきますよというようなことを決めていただければ、これは別に法律に書かなくたってできるんですから、それでいいんですけれども、そういうことをやっていただきたかったなというふうに、これは要望でございます。
 時間がありませんので、またいずれ機会がありましたらよろしくお願いをしたいと思います。どうぞ、今まで申し上げたことにぜひ全力を挙げて取り組んでいただくことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○内藤正光君 先日に引き続きまして質問をさせていただきます。民主党・新緑風会の内藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めなんですが、先日の質疑でも私取り上げましたが、特措法の第二条、つまりこの対象範囲を定めた部分なんですが、そこに多少不備があることが判明した。つまり、核燃料物質使用者に関して濃縮ウランに関する規定が全くなかったという不備でございます。それに対して、斉藤政務次官の方は、政令を変更して対処されますというふうにお答えになられたわけでございます。
 そこで、改めて長官に確認をさせていただきます。速やかにそごがないよう対応されること、これを確認したいんですが、よろしくお願いします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回のジェー・シー・オーの臨界事故の教訓を踏まえまして、法改正によって原子力事業に係る安全対策、それから防災対策が遺漏なく実施されることが大変重要でございます。
 このため、前回の委員会で総括政務次官が述べましたように、原子炉等規制法施行令第十六条の二でございますが、これを改正いたしまして、臨界の可能性のある核燃料物質の使用者について安全規制を強化するよう見直してまいる所存でございます。したがいまして、そのような使用者も法案第二条に定める原子力事業者の範囲に含むことといたしております。
○内藤正光君 そのように速やかによろしくお願いいたします。
 では引き続きまして、原子力の二法案について幾つか、何点かにわたって質問させていただきたいと思います。
 まず第一点目でございますが、この特別措置法と災害対策基本法との関係について、具体的な事例を交えてお伺いをさせていただきたいと思います。
 ある一つの想定をさせていただきます。地震が起こった、大きな地震だった、この地震が引き金となって原子力施設に影響を与えて原子力災害へと発展していった。その場合、いずれの法律、特措法か、あるいは基本法か、どちらで対応されるんでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 結論から申し上げますと、両方適用されるということでございます。
 まず、原子力事業所から外へ大量の放射性物質が放出されたという事態が起きましたら、これは当然今回の法案、原子力災害対策特別措置法が適用されます。
 そして、原子力発電所でそれだけの事故が起きるという場合はかなり大きな地震でございますので、当然一般的に考えられる家屋の倒壊等地震災害が起きていると思いますけれども、これに対しては現行制度どおり災害対策基本法による対策が講じられる、こういうことでございます。
○内藤正光君 私がなぜこのような特殊な想定をして質問させていただいたかといいますと、御存じのように、原子力災害対策措置法であれば、総理、国が主導権を持っていろいろ指揮命令を下す。一方、基本法では、あくまで地方自治体なわけです。知事が中心となって、あるいは市町村が中心となって進めていく。つまり、長が違うわけなんです。
 一方、今回のジェー・シー・オーの事故を見ても明らかなように、また教訓として一つ残ったように、いかに迅速な初期対応をするかがやっぱり一つの分かれ目になるわけなんですが、そういった点において、指揮命令系統が最初に混乱するということは致命的な欠陥になるわけなんです。そういったことが心配されるから私はこの質問をさせていただいたわけなんですが、この辺、ちょっと整理立てて答弁をしていただきたいと思うんですが、お願いいたします。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 原子力災害は、放射線による災害、非常に特殊でございます。目に見えない、耳に聞こえない、専門的な知見が要求される災害ということで、そういう特殊性があることから、国が果たすべき役割と責任は自然災害と比較して大きいものである、このように認識しております。この理由によりまして、本法案におきましては、原子力災害の固有の対応について国が一歩前に出た対応を地方自治体と連携をとりつつ行うこととしております。
 また、その他の地震災害につきましては、これはある意味でこれまでの災害対策基本法でカバーされてきた災害でございます。したがいまして、大地震に起因して原子力災害が発生した場合においては、災害対策基本法及び本法案に基づき国及び地方自治体が役割と責任を適切に果たすことになるために、初期対応に支障が生ずることはない、このように考えております。
○内藤正光君 いずれにしましても、これは本当に初期の混乱、あってはならないことです。もし初期の混乱があれば、当然初動体制に大幅なおくれを来すということですので、この辺はいま一度明確にして、各地方自治体ともいろいろ意見交換をするなりしていただきたいと思います。
 では、引き続きまして、国と地方自治体のそれぞれの役割という観点に立って一つ質問をさせていただきたいと思います。
 ことしの四月二十八日、原子力安全委員会が「原子力防災対策の実効性向上を目指して」というものをあらわしましたが、その中でこのように言っております。「十分な初動をとるために、現地における体制の強化が重要である。」。そして、今回のジェー・シー・オー事故を踏まえて、同じく原子力安全委員会が十一月五日に緊急提言の中で、「原子力災害に際しては、迅速かつ的確な対応が不可欠である。」というふうに言っております。
 実際に諸外国の防災体制を見回してみますと、例えばアメリカ。アメリカの防災体制がどうなっているかといいますと、まず初期対応は郡の緊急時対応センターが設立されてそこが行う、そしてその後、その一段上の州政府の対応が整った段階でそちらに業務を引き継ぐ。あくまで地方自治体が先導役となって進めている。では、連邦政府、国はどういう役割を担っているかといえば、技術的なあるいは専門的な助言を初めとして、地方政府の活動を積極的に支援するというふうな構図になっているわけなんです。では、フランスはどうかといえば、同じようにあくまで県が主体となって防災体制を進めていく、国としてはあくまで専門的な助言だとか技術的支援を行っていく、要はバックアップ体制を進めていくということなわけなんです。
 つまり、以上の観点から、あるいはまた以上の視点から今回の法案を見てみますと、現地における体制をいかに強化していくかといった観点がかなり希薄ではないかという印象を受けるわけなんですが、まずちょっとその辺を長官、お答えいただければと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほども政務次官の方から御説明申し上げましたけれども、原子力災害による放射線や放射能につきましては、ほかの災害と違いまして五感に感じることなく被害を受ける可能性がある、そういうところから専門的な知見も求められるということでありますし、また国の果たすべき役割も大きいということでございます。
 国が一歩前に出て、地方自治体と連携をとりながら対応することによって原子力災害対策の抜本的強化を図ることとしているところでございますが、今委員御指摘のとおり、海外の原子力防災に係る状況は、確かにアメリカは災害対応は州、地方自治体が実施、連邦は州、地方自治体を支援する、フランスにおきましても災害対応は地方自治体が実施で、国は助言、支援をするということになっておるようでございます。
 私どもも海外の状況は十分に参考にさせていただきました。しかし、今申し上げましたような特殊性から、また今回の事故の反省から、国が一歩前へ出る、前面に出るということが一番適しているという判断をいたしまして、むしろこれらの国よりも一歩進んでいるんだ、そういうような気持ちでこの法案を今つくらせていただいたところでございます。
○内藤正光君 アメリカの放射能もフランスの放射能も日本の放射能も変わりはないわけでして、フランスだとかアメリカでやっていることは何も日本でできないわけじゃないんです。そして、今回のジェー・シー・オーの事故を踏まえると、やはり現地が一番情報が的確に集まるし、そして即行動ができるわけなんです。
 そういった意味で、国に災害対策本部を置いて、現地の状況がほとんどつかめないまま、電話だとかそういったものを通じて一々情報のやりとりをしていたのでは、必要にして十分な情報が集まるなんということは到底考えにくいわけですし、また的確な指揮命令を下すということは私は不可能ではないかと思うんです。それが証拠に、今回、国の対策本部を設立したのが何時間も、かなりおくれたわけです。
 こういった教訓を踏まえたら、国主導というよりも、あくまでその現地にいかに体制を強化できるよう国がバックアップしていくこと、そこに視点を置いて私は法案をつくるべきではなかったかと思うんですが、いかがですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 我々も今の内藤委員の認識と全く変わりません。その災害が起きている現地、現場が一番大事、それを一番よく知っているのは地方自治体でございます。したがいまして、今回私たちがつくりました法律は、地方が一生懸命やるという災害対策基本法をどかして原子力災害対策特別措置法をつくったものではございません。原子力災害対策特別措置法は、災害対策基本法をベースにして、原子力の特殊性というところをつけ加えたものでございます。その原子力の特殊性というのが非常に専門性を要するということ、これに対して国のバックアップが必要だということでございます。
 国のバックアップは全面的にやるわけですけれども、早急にその地域地域で地方自治体が対策本部をつくらなければならない場合、それは災害対策基本法によって早急につくられるわけでございます。そして、そこに国は専門家を派遣する、その専門家の派遣を地方自治体は要請できる、こういうことになっているわけでございまして、しかし、総理を本部長とする緊急対策本部ができてからは、国、地方自治体が一体となってその特殊性を国の専門知識でカバーしながら対応していくというのが今回の法律でございます。
○内藤正光君 長官もそしてまた政務次官も、現地での迅速な初動体制がいかに重要かということは重々認識されているかと思います。
 そこで、ではこれを具体化するために今回どういう措置をとられたか、具体的にお伺いできますか。いかに現地における迅速な初動体制を可能にすべく何か方策をとったか、お答えいただけますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 現地にまず防災専門官が常駐しております。また、この防災専門官がすぐ地方自治体と連携をとりつつどういう対策をとるかということをまずやります。また、地方自治体は、今起こっている事態を見て、これは専門知識が必要だ、国の専門家を派遣してほしい、こういう要請をすぐ出せることになっております。そういう形でまず初期対応をする、こういう今支援体制を考えております。
○内藤正光君 防災専門官の話が出ましたので、ちょっとそれに関連して質問させていただきたいと思います。
 それによく似たものとして運転管理専門官というのがあるかと思いますが、東海村の村長いわく、事故の際、運転管理専門官に何を聞いても、本庁に相談しますとかそういったことばかりを繰り返すだけで、全く頼りなかったというような話をされております。
 そこでお伺いするんですが、この措置法第三十条で常駐すべきと定める原子力防災専門官、その専門官に求められる資質とは何ですか。何か基準があるんですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 原子力に対して十分な知識と経験を有すること。それから、平常時におきまして、自分が担当している原子力施設がどういうものであるかを十分理解できること。要するに、原子力に対して十分な、また防災に対して十分な知識と経験を持っているということが必要なことかと思いますし、また資質ということでいえば、そういう緊急時に対して落ちついて対応できるような人間的な大きさというふうなものもあるのではないかと、これは個人的にですが思います。
○内藤正光君 もっと具体的にお伺いしますと、この防災専門官、原子力の技術者であるかどうか、これは問いますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 技術的なことがわからなければ職務は遂行できないと思います。
○内藤正光君 つまり、単なるその行政に携わっていたとかいう行政官ではなくて、原子力技術者ということ、それが防災専門官になれるかどうかという判断基準の一つだと考えてよろしいわけですね。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 行政に携わっていても原子力の専門家はたくさんおります。ですから、行政官であるから防災専門官になれないということではございません。
○内藤正光君 では、行政官云々という話は取り消しまして、原子力技術者であることが一つの基準かどうか、お伺いします。
○政務次官(斉藤鉄夫君) ですから、原子力技術をよくわかっている、それを原子力技術者というと思いますけれども、そういう人が防災専門官になると思います。
○内藤正光君 先ほど、もし必要があれば、都道府県だとかあるいはまた市町村が国の方に技術者、しかるべき人を要請できるとおっしゃいました。ということは、こういう甘えがあっちゃいけないと思うんですよ、防災専門官はとりあえずの人でやればいいという、そういう甘えがあっちゃいけない。つまり、何度も何度も繰り返して申し上げておりますように、やっぱり迅速な初動体制というのはすごく、もう致命的に大事なわけなんです。だから、その防災専門官が責任を持って的確な初動体制、初期対応をしてもらわなきゃ困るわけなんですよ。それはよろしいですね。
○政務次官(斉藤鉄夫君) もうまさにそのとおりだと思います。
○内藤正光君 今回、東海村村長が嘆いていたように、何を聞いても本庁に確認しますとかいうような頼りない人じゃだめなんですね。やっぱり責任持って対応できる人、それを必ず置いてくれるということで、そういう理解でよろしいですね。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 繰り返しになりますけれども、原子力技術に精通し、そして施設がある地域に常駐して、その地域の実情にも精通をする人が、そういう能力を持った人が防災専門官になるわけでございまして、そういう緊急時には十分その能力を発揮できる、アドバイザーとしての能力を発揮できる人が当然任命されるわけでございます。
○内藤正光君 例えば、客観的に、国家試験とかそういうようなものを考えていらっしゃるんですか。国家試験のようなものを何か考えていらっしゃるんですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 現在のところ、そこまで考えておりません。
○内藤正光君 くどいと思われるかもしれませんが、本当に的確に対応できる、そんな人がこの原子力防災専門官になってもらわなきゃ困るわけですから、これはお願いします。
 ちょっと、大臣、もう一度確認ということでお願いします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今、政務次官からも御説明いたしましたけれども、平時におきましてその地域において原子力事業者に対していろいろな指導とか助言も行うわけでございますし、緊急時には現場において状況を把握する、また情報を収集する、そして関係自治体に専門的な助言を行うわけでありますから、相当の知見も有し、また判断力を持った者が当たるということでございます。
○内藤正光君 いろいろ運転管理専門官だとかは、全く畑違いのところで働いていた人が過去そういった任務につくことがあったなんという話も聞いておりますので、決してそういうことがないように、これはもう何度言ってもくどくはないと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 それで、現地における体制強化という点でもう一つお伺いしたいと思いますが、オフサイトセンターについてお尋ねしたいと思います。
 これは措置法第十二条で規定されているかと思いますが、まずお伺いしたいのは、オフサイトセンターを指定するということになっておりますが、具体的な要件、条件、教えていただけますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) オフサイトセンターの具体的な要件は、まず原子力施設からある一定距離、一定距離といいましょうか、離れている場所、距離が必要だということでございます。実際に事故が起きたときに事故対策本部がそこで会議をいたすわけですけれども、できるだけ近い方がいいわけですけれども、しかし余り近過ぎるとそこに行けないわけでございまして、適当な離隔距離が必要だ。
 それから、当然、県、地方自治体、国の対策本部がそこで会議をする。また、いろいろな原子力機関の人がそこに来る。自衛隊やいろいろな機関の方も来るかもしれない。そういう機関の方々が一緒に会議をするその会議スペースというのも、これも必要でございます。
 また、通信機器、それから放射能影響予測システム機器、それから放射線モニタリングデータの表示装置、事故解析予測システム機器、それから防護服等の放射線防護用資機材等が備えつけられるというのが要件でございます。
○内藤正光君 別に言葉じりをとらえるわけじゃないんですが、先ほど自衛隊も来るかもしれないとか、かもしれないじゃだめなんですよ。やっぱり事前に呼ぶ人はだれなのかというのはしっかりと定めて、それでそういう人をちゃんと呼ばなきゃだめなんです。それは後からちょっとまた別の項で質問させていただきます。
 そこで、そのオフサイトセンター、緊急時と平時それぞれに分けてお伺いしますが、オフサイトセンターの役割、そのイメージが描けるように具体的におっしゃっていただけますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) それでは、緊急時と平時とおっしゃいましたので、まず平時についてのイメージでございますけれども、原子力緊急事態宣言後におきましては、関係省庁、公共団体、原研等関係機関、原子力事業者がオフサイトセンターに集まり、原子力災害現地対策本部長が現地の実質的な指揮権者として関係機関の調整、指示を行うわけでございます。そういう意味で、そういう会議をすぐ起こすように平常時からまずしておかなくてはなりません。したがいまして、緊急時に必要となるプラント情報等の最新情報を常に整備し、また情報機器を活用し関係者の間の情報交換等の促進を図る、この中心者が防災専門官になると思うんです。
 また、法第十三条に基づいて国が定める計画に従って関係者で共同して防災訓練を実施することになっておりますけれども、こういうことにこのオフサイトセンターが活用されるものでございます。
 緊急事態発生時において、関係者の円滑な連携、協力を図ることができるように平常時から準備をしておくというのが平時のイメージでございます。
○内藤正光君 ただ、平時につきましては、例えば別の目的で使われる可能性もあるという理解でよろしいわけですか。
 つまり、常設ではなくて、例えばいろいろな通信施設だとかモニタリング施設があるとはおっしゃいましたが、ふだんはわきへ置いておいて、例えばその広い空間を何かほかの目的で使う、そのようなことがあると聞きましたが、それを確認させてください。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 緊急事態がいつ発生するかわかりませんので、それは緊急事態がいつ発生してもいいようにという条件のもとで、例えばその地方自治体と国等が話し合って別の目的に使うことはあるかもしれません。
○内藤正光君 何度も申し上げますが、現地における体制をいかに強化するかが重要だといろいろなところで言われております。
 また、これ繰り返しになるんですが、緊急提言の中で、「原子力災害に際しては、迅速かつ的確な対応が不可欠」だと。具体的には、情報システムの整備に加えてモニタリングシステムの整備というのを挙げております。
 こういったことをあわせて考えますと、私は、このオフサイトセンターのイメージとして、まずモニタリングシステムを備えて、そして防災専門官が常駐していろいろ監視をする、そういう場としてオフサイトセンターをつくるべきではないかと思うんですが、いかがですか。そして、モニタリングシステムを通じて例えば環境周辺のモニターをする、それで何か異常な数値が出たらその現地から何か異常が発生したのではないかと行動を起こす、そういう場として私はオフサイトセンターをこれから育て上げるというんですか、つくり上げていくべきではないかと思いますが、いかがですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 実質的には、今内藤委員がおっしゃったような使い方になると思います。防災専門官が常駐をして、そこをベースにいろいろな地方自治体との情報交換の会、また防災訓練のやり方等を協議する、そういう場になると思います。しかし、今ここで具体的なその使い方について、例えば防災専門官がそこに常駐しなければならないというようなことを決めることはいかがかと。それは地方自治体等と連携をしながら、その柔軟性は残しておいて、しかし実質的には今内藤委員がおっしゃったような使い方になると思います。
○内藤正光君 ちょっとこの点、もっと深めてみたいんですが、時間もありません。ちょっと私聞きたいことがありますので、次に移らせていただきます。
 措置法の第六条なんですが、連携強化というふうにいろいろなところでうたわれております。しかし、連携強化の必要性がいろいろなところで強調されながらも、政府あるいは国の方から、具体的にどう連携を強化していくという、そういう具体像が見えてこないんです。
 そこでお伺いするんですが、連携を強化すべき対象として国、地方、そして事業者という、当然この三者は挙がるわけなんですが、そのほかにどんなところと連携強化していけばいいのか。そして、具体的にどのように連携強化を図っていくのか、お伺いしたいんです。
 ちなみに、諸外国の例を一つ挙げますと、例えばこんな国があるわけです。年一回、連携を強化すべき全関係者が防災訓練を行うわけなんですが、もう実地さながら、それこそマスコミ対応も含めて防災訓練を行う、それでちゃんと情報の行き来がしっかり行われるか、命令系統がしっかりいくかどうか、そういったことをチェックするんだそうです。
 私は、こういった訓練こそが連携を強化していく一つの手段ではないかと思いますが、この辺に対する考え方も含めて教えてください。
○国務大臣(中曽根弘文君) 連携の強化につきましての御質問でございますが、この法案におきましては、国が定める計画に基づきまして関係者で共同して今お話ありました防災訓練を実施すること、それから原子力防災専門官が平時より現地に駐在いたしまして、緊急時はもとより、日ごろから地方自治体とよく連絡をとりながら活動を行うこと、それから地方自治体の要請に応じまして専門的な知識を有する者を派遣すること、さらに緊急事態が発生した際に、国、都道府県、市町村、原研等関係機関の関係者が一堂に会する原子力災害合同対策協議会をオフサイトセンターに組織して情報の交換や緊急事態応急対策について相互に協力を行うことなど、国と地方自治体が円滑な協力体制を構築し十分な連携をとるということが必要でございますし、今回その措置を講じているところでございます。
 諸外国の例のお話もございましたけれども、日ごろから十分に万が一の際のいろいろな手順等、協力体制等打ち合わせをし、連携をとり、訓練を行うということは非常に大事なことと、そういうふうに思っております。
○内藤正光君 会議を幾ら重ねても、やはり連携強化というのは実質的なものになっていかない、固まっていかない。だから、やはり少なくとも年一回、電話、ファクスは当然のことながら、いろいろな情報通信機器を使って実際に訓練する必要があるかと思いますが、それは年一回必ずやられるというふうに理解してよろしいですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) これは地域の実情によっても違うかとも思います。地方自治体、関係団体、国等入りまして、それぞれの地域に適した防災体制、それから訓練、避難体制等、御相談をこれからしていただくということだと思います。
 また、そのほか、今委員会でも議論にもなっております例えば視聴覚の障害をお持ちの方やそういう弱者の方々に対する緊急時の対策等、あらゆることを想定して十分な連絡をとって、いざというときに備えるということが肝心と思っておりまして、回数につきましては現場で、地元で御相談をいただければいいんじゃないかと思っております。
○内藤正光君 地方の実情に合わせるということではありますが、やはり諸外国の事例も紹介しながら、こういったことに重点を置いてやる、ふだんから備えることが重要だと、こういうことはひとつ御提示というか、国としても研究していただければと思います。
 あと、時間もなくなりました。ここでちょっと科技庁長官と通産大臣にお尋ねしたいと思います。
 今回、炉規法の第六十六条におきまして安全確保改善提案制度というものがこの原子力関係で新たに設けられたわけでございます。私はその趣旨は理解しないわけではないんですが、しかし万々が一、趣旨に反して虚偽の申告があった場合、これが乱発されたような場合、どういうことになるかというと、事業者の不利益は言うに及ばず、やはり周辺住民にも不安を与え、さらにはまた風評被害にまで発展するおそれがあるわけなんです。
 こういった事態を想定して私はちょっとお尋ねしたいんですが、虚偽の申告に対する、特に乱発等に対する措置はどのように考えられているのか、そしてさらにはそういったものに踊らされないための対策は何か考えられているのか、長官そして大臣にお尋ねします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員御指摘のとおり、虚偽の申告等による制度の悪用がないようにするということは、この申告制度の信頼性を高めるという上で大変重要な観点である、そういうふうに認識しております。
 この悪用を防止するために、制度の実際の運用につきましては、今後、他の法律における類似制度の具体的運用も参考にして適切に対処していきたいと思っております。
 そしてまた、この悪用がなされないよう、申告を受けましたときは、申告者からさらなる確認等を行うのみならず、事業者その他の関係者からも情報を収集し、申告内容の真偽を十分に確認することとしたいと考えているところでございます。
 なお、従業者が事業者等に不利益を与える目的で意図的に虚偽の申告をした場合には刑法の対象となると考えられまして、このような申告については関係当局とも十分な連絡をとりつつ適切に対処していきたいと思っております。
○国務大臣(深谷隆司君) 委員御指摘の心配は、なるほどと私も思います。長く政治家をやってまいりますと、制度や法律をつくる場合に二つの側面があって、一つを守ろうとすると片一方の問題が起こるということがございます。
 申告制度というのは、御案内のように、その事業を営んでいるものの内容について問題があったときにその従業員が所管大臣に申告できると。その場合に不利益をこうむらないようにきちっとするというのが六十六条の二の規定でありますけれども、おっしゃるとおり、これを乱用して悪意を持ってやった場合にはとんでもないことになるわけでございます。ですから、それに対しては、今科学技術庁長官が言われたように、本当に申告制度そのものを実効あらしめるためにも、事実をしっかり把握するということは我々としては重大な役割ではないかと思うんです。
 申告を受けたときには、さらなる確認を行うとか、その他関係者からも情報を収集しまして、申告内容が虚偽かどうかをじっくり調べるという作業をしなければなりません。そして、仮にもし不利益を与えるということをもって申告したような事実がわかりました場合には、これは刑法の対象となって、百七十二条とかその他できちっと対応するということになっているわけでございます。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 この間の審議で、私は政府の初動のおくれを問題にしてまいりました。二日の委員会では、ジェー・シー・オーの臨界事故を十時三十七分から克明にとらえていた日本原子力研究所那珂研究所の中性子測定データが当日の事故対応にどうして生かされなかったのか、生かされなかった原因は何なのかということで質問をさせていただきました。大臣も、当日、どういう形でそのデータが議論されたのか、勉強して報告をすると約束をしていただきました。
 きょう、当日の対応の時系列のメモが出されてまいりました。また、局長の方から若干の訂正の御答弁もいただいたわけでございます。しかし、率直に申し上げまして、私はこの当日の科学技術庁の対応について一層疑問を深くしたという思いがいたします。
 そこで、御質問をしたいと思いますが、九月三十日の十三時十八分、このいただきました時系列の「那珂研究所における中性子線測定データ等の入手、取扱いについて」という科学技術庁のメモを見ますと、十三時十八分ごろ「那珂研究所の安全管理課長が、原研本部安全管理室に、九時から十三時頃までの中性子モニタリングポストの測定値のグラフを送付。」となっているわけです。
 ところが、十三時二十二分、「那珂研で中性子が検出」との情報を原研本部企画室から科学技術庁は受けています。受けていて、なぜこのときにすぐデータを送るように指示をしなかったのでしょうか。それをまず局長にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(間宮馨君) 御説明いたします。
   〔委員長退席、理事馳浩君着席〕
 十三時二十二分に原研本部企画室から当庁が受け取った情報は、「那珂研で中性子が検出(未確認)」というだけのものでございまして、測定値グラフ等は添付されていなかったわけでございますし、未確認情報ということでございました。このような情報に基づきまして臨界の継続性を判断するということは、極めて困難であったわけでございます。
○西山登紀子君 十三時二十二分、那珂研で中性子が検出との情報を科学技術庁が受けたわけでございます。そのときの状況というのは、既に十一時十九分に、ジェー・シー・オーからは臨界事故の可能性ありというファクスは科学技術庁に届いていたのではなかったですか。これは十三時二十二分なんですよ。そうしたら、ジェー・シー・オーから臨界事故の可能性ありというファクスが届いている科学技術庁は、どうしてここで、那珂研で中性子検出という情報を得た瞬間に、すぐデータを送ってくれと、こういうふうに指示をしなかったんですか。
○政府参考人(間宮馨君) 未確認情報ということでございましたので、事実関係等について確認するよう担当官が原研の本部企画室に指示を行ったわけでございます。その結果、十四時二十四分「那珂研モニタリングにおいて中性子を検出した件は、ノイズである可能性が高い。」との情報を原研本部企画室から受け取ったわけでございます。
○西山登紀子君 十三時十八分、九時から十三時までの中性子のモニタリングの測定値グラフというのはこれでございます。(資料を示す)これを、十三時二十二分に、すぐ送りなさいと、中性子が検出という情報を得たときに、データがあるでしょう、持っていらっしゃいとなぜ言わなかったかということが一点です。
 もういろいろ御答弁、弁解がありますけれども、私は答弁になっていないと思います。すぐにデータをよこせと言わなきゃいけない。もう情報は、ジェー・シー・オーで事故が起こっているということが入っているわけですよ。しかも、臨界の可能性ありということでファクスをもらっている科学技術庁が、なぜそういうことを指示しないのかというのが一番の問題です。
   〔理事馳浩君退席、委員長着席〕
 また、長官にそのことが伝わったのは二十三時十五分です。先日の質問のときには、いつ長官にそのことを知らせたかと言うと、わからないので調べて御報告しますということだったんです。それで、調べていただいたら、何と二十三時十五分に科学技術庁長官にはこのデータが届いていると。余りにも遅過ぎるのではないでしょうか。すぐにデータをとって、そして長官にこういうグラフが出ておりますということをなぜ言わなかったんですか。
○政府参考人(間宮馨君) 今申し上げましたように、未確認情報ということでございましたので、直ちに情報を送るように我が方からお願いしたわけでございます。それに対して十四時二十四分に来たのは、繰り返しになりますが、「那珂研モニタリングにおいて中性子を検出した件は、ノイズである可能性が高い。」という情報が来たわけでございます。したがいまして、そこら辺につきましては、我々としてはそれ以上確認のしようがないという状況があったわけでございます。
 それと、議論の中でございますが、臨界が起きたという情報と臨界が継続しているという情報は違うわけでございまして、我々としては臨界が起きたであろうということは当初から想定したわけでございまして、その感じは常に持ちながら対応してきたわけでございます。
○西山登紀子君 科学技術庁、そういうことを言っていたのでは私は本当に職責を果たせないと思いますよ。
 那珂研究所にある中性子測定機器というのは非常に優秀な機器であると。そうでしょう。二つあるんですよ。そのことも御存じないんですか。だから、はかっていると。中性子が検出されたということがたとえノイズだとしても、十四時二十四分のことを私は問題にしているんじゃなくて、一時二十二分になぜすぐにデータをよこしなさいということで言わなかったのかということなんですよ、それは。那珂研究所がこういう中性子測定器を持っているのは御存じのことです。ですから、もちろんそういう連絡が来なくても、ジェー・シー・オーで事故が起こったということがわかればすぐに、那珂研究所どうですか、中性子測定しているはずだからデータを送りなさい、こういうことを言って当たり前だと思うんです。どうですか。
○政府参考人(間宮馨君) 何度も申し上げて恐縮でございますが、まさにそのように言ったわけでございます。そのように言った結果が十四時二十四分の回答だったわけでございまして、我々としてはそれ以上のことはできなかったわけでございます。
○西山登紀子君 できないと言えば、それはもうあなた方の管理能力なりそういうのがないということになります。一時間もかかるんですから、データを送らせるのに。一時二十二分に那珂研で中性子が検出という情報が来て、科学技術庁は受けた。それから、データを送れと言ったんですか、言って一時間もかかるんですか、二時二十四分まで。
○政府参考人(間宮馨君) 我々は直ちに追加の情報、データを送るようにと言ったわけでございますが、結果として二時二十四分、十四時二十四分にノイズである可能性が高いという情報が来たわけでございます。
○西山登紀子君 私は本当に理解できません。
 グラフが来たのは四時四十七分でございましょう、この時系列から見れば。四時四十七分に九時から十三時までのこのグラフがようやく来たということです。言った言ったと言うけれども、四時四十七分ですよ。このファクスを送るのにそんなに時間がかかるんですか。それはもう信じられないことです。
 それからまた、十四時二十四分にノイズである可能性が高いと言われて、それでいいんですか。事故が起こったのは十時三十五分、科学技術庁に連絡が来たのは十一時十五分にジェー・シー・オーがファクスを送って臨界の可能性はあると言っているんですから。そういう御答弁を繰り返す以上は、全く統治能力も管理能力も、先ほど来問題になっている科学技術庁の原子力に対する特殊な知識や技術や専門性、これも全く信用することができない、そう私は言わざるを得ないと思うんです。
 次に移りますが、先日の参考人質疑のときに中島参考人にも私はお伺いいたしました。このグラフというのはどういう意味を持っているのかとお聞きしますと、参考人は、ちょっと原子力を知っている人なら瞬間的にわかることなんだということをおっしゃって、どうしてこういう日本で一番感度のいい中性子測定の計器があるのにそれを活用できなかったか非常に不思議なことだというふうに御発言をしていらっしゃるわけです。
 このデータ、九時から十三時までの、ばあんと事故が起こった瞬間、中性子のバーストというのが起こって、そしていつもよりは中性子はずっと高く、ぐんと上がって続いていますよ、これ。続いているということもこれを見たらわかるんじゃないですか。
○政府参考人(間宮馨君) 那珂研の中性子情報につきましては、十三時二十二分に先ほどの未確認情報がまず第一報としてあった後に、十四時二十四分にノイズである可能性が高いというのが来た。ここまでは今お話ししましたが、この段階では当庁職員はノイズであるという認識をしていたわけでございます。
 その後、十五時十一分には、那珂研の二つの中性子モニタリングポストが十時三十七分に最大値を測定した旨の情報が、また十六時四十七分には、十時三十七分のピーク値はノイズではなく有意な値と判断される旨のコメントを添えた那珂研の中性子モニタリングポストの九時から十三時ごろまでの測定値のグラフが送られてきたわけでございます。これらの情報によりまして、当庁職員は十時三十七分のピーク値はジェー・シー・オーの臨界事故によるものであるという認識をいたしたわけでございます。
 しかしながら、送られてきたコメントにはピーク値のことしか言及されていなかったこと、ピーク値の前後における低い値というものは肉眼では差を認めることが困難であったことから、グラフから臨界が継続しているという認識には至らなかったものでございます。
○西山登紀子君 中島参考人は原子力の第一線の科学者でございます。その科学者が、これを見れば瞬時にわかるはずだ、教科書にも書いてあると。しかも、これを見たら一瞬にバーストが上がって後ずっと継続しているということまではっきりわかる。しかも、これは一時までのあれですけれども、那珂研のモニタリングポストは克明に臨界事故が継続しているということをキャッチしてくれています。これをやっぱり生かさなかったというのは、科技庁の責任は非常に重大です。
 東海村の現地では、一時八分に那珂研究所が対策本部を立ち上げているんです。一時十分には東海研究所が対策本部を立ち上げています。この委員会の調査のときに、原研の方にお伺いいたしますと、一時十分に対策本部を立ち上げて五十人が集まって指示を待っていたんだ、住民避難の権限は自分たちにはなかったんだ、こういうことでじりじり待っていたということをおっしゃっているわけです。
 だから、この時系列を見ても、一時二十二分に即刻このデータを取り寄せて、まさにこれはジェー・シー・オーの事故をキャッチしているのであり、その臨界事故は続いているんだ、このグラフからどうのこうのじゃない、逆にこのグラフをジェー・シー・オーで起こっている事態にどう生かすかということが大事なんです。そういう御答弁がないんです、今まで。そしてまた、データをすぐとって、すぐ長官にも報告すべきだったんです。有馬長官はそういう意味の知識もお持ちの方だったわけです。それも十一時過ぎとおくれている。
 大臣にお伺いしますけれども、これがわかれば、住民避難、一分でも早く逃がさなきゃいけないこの住民避難、それから臨界の終息の対応、続いているというのがわかっているわけですから、これを早くしなきゃいけない、そういうことがもっと早くできたんじゃなかったでしょうか。そうすると、被害はもっともっと少なくて済んだんじゃないでしょうか。その点の大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 那珂研究所のこの中性子のモニタリングデータでございますが、これは確かに臨界事故の発生当初から中性子線を直接記録している唯一のデータでありまして、重要なデータである、そういうふうに基本的に考えております。
 しかしながら、局長が御答弁申し上げましたように、当初はノイズである可能性が高い、そういう報告がされていたわけでございまして、またその後、十六時四十七分に送られてまいりました那珂研究所の中性子モニタリングデータのグラフにおきましても、ピーク値が臨界事故によるものであること以外の情報が得られなかったこと、さらに十七時十五分には核燃料サイクル開発機構がジェー・シー・オー敷地境界において測定した中性子線の測定結果が報告され、臨界継続の判断が行われたこと、そういうことから、それ以降はジェー・シー・オー敷地境界の測定結果に基づいて臨界終息のための対応等の検討が進められていったと承知をしております。
○西山登紀子君 私は、その答弁は納得いきません。私が問題にしているのは、一時二十二分に那珂研で中性子が検出されたということについて、すぐデータを送れと、一時十八分には那珂研究所から東京の原研本部にはこのデータが送られてきているんですから、これがすぐに科学技術庁が入手できないはずはありません。それで入手していればもっと早く迅速な初期対応ができたのじゃないか、被害は少なくて済んだのじゃないか、こういう問題を提起しているんですけれども、私納得いく御答弁をいただけません。
 大臣に最後の質問ですが、先日の中島参考人は、例えばこういう事態がアメリカで起こったのであれば、ケメニー委員会なんかでは、一番先にたくさん証人を呼んで宣誓をさせて、なぜこういう判断をしたのか逐一追及をされて、そういう真相を明らかにするんだというふうな示唆を当委員会に与えていただいたわけでございます。
 大臣の責任において、当日どうしてこういう判断をだれがしたのか、それでこういう初動のおくれが起こったのかということについて、きちっと原因と責任を明らかにして納得のいく御報告をしていただきたいと思いますが、お約束していただけますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 繰り返しになって恐縮でございますが、今御説明申し上げました経過がすべてでございまして、それぞれの情報につきましても確認をしているところでございます。御理解いただきたいと思います。
○西山登紀子君 私は、それでは私も納得できないし、国民の皆さんはもちろんだけれども、被害に遭われた方は余計に納得ができないと思います。今の御答弁ですべてだとおっしゃるのであれば、いろいろな国民の批判もまた巻き起こるでしょうし、当委員会でも私は質問を続けていきたいと思っております。
 きょうはこれで終わります。
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。
 きのう十二月九日に、東海村のある茨城県議会で、全会一致で国に対する意見書が採択されました。その中身というのは、「東海村核燃料加工施設臨界事故に係る被害者救済及び原子力安全対策の充実・強化を求める意見書」でございます。
 そこでは、「去る九月三十日、株式会社ジェー・シー・オーの東海事業所において発生した事故は、我が国初の臨界事故となり、周辺住民を危険にさらす事態を引き起こしたもので、これまでに例を見ない最悪の事故である。」、こういうふうに言った上で、「住民への被ばくや健康被害、農畜水産業、商工業など各方面にわたる風評被害を引き起こすなど、広範囲にわたって甚大な被害を招いたことは極めて遺憾である。 今回の事故は、核燃料加工施設の安全管理に対する指導監督に欠陥があったこと、さらには極めて危険な事故だったにもかかわらず、迅速かつ的確に地域住民等に情報伝達がなされなかったことなど、事故に対する国の対応に対しても多くの問題点を提起している。」、こういうふうに言っているんです。そして、この意見書では、全会一致ですよ、「国の責任において住民の健康不安の解消と風評被害等の早急な救済を図るとともに、二度とこのような事故を起こさないよう徹底した対策を実施し、県民が安心して生活できる体制を確立するため、」にということで、十一項目にわたって迅速に具体的な措置を講ずるよう強く要望をしているわけでございます。
 私も東海村、茨城県伺ってまいりました、ジェー・シー・オーにも行ってまいったわけでございますけれども、私まず最初に伺いたいのは、今回の東海村の臨界事故の被害の実態、各委員からも先ほどから質問がございましたが、その点について伺いたいと思います。
 まず、被曝の実態ですけれども、被曝をしたのはどういう方なのか、どのような確認でそういう判断をされたのか、また、それ以外に被曝をされた方はいないのか、この点について伺います。
○政府参考人(間宮馨君) 御説明申し上げます。
 現在、今回の事故において測定値により被曝が明らかになっているのは、事故時、転換試験棟において作業をしていた三名、消防関係者三名、一般住民七名、及びジェー・シー・オーの従業員、この中には関係会社も含んでおりますが、五十六名の、合計六十九名でございまして、また、水抜き作業等に従事した二十四名がございます。これらの方々につきましては、フィルムバッジ及びホール・ボディー・カウンターによる測定等により確認をいたしたものでございます。
 また、周辺住民の被曝につきましては、周辺環境の線量評価に基づきまして、行動調査等を踏まえ、個人の推定被曝線量の把握に努めているところでございます。
○畑野君枝君 今把握できているのは九十三名だということですね。そして、今後も調査をしていくというお話でしたけれども、それでは、現在被曝したと判断された、あるいは今後新たに判断された場合に、長期にわたる健康管理、またその費用はどうされるおつもりか、もちろん前提はプライバシーを保護するということですが、医療など支援の責任を果たすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(間宮馨君) 先ほどと一部重複いたしますが、当庁は線量の実測結果や核分裂数から周辺環境における線量評価を行いまして、十一月四日に原子力安全委員会に報告をしたところでございます。
 当庁及び放射線医学総合研究所は、個人の被曝線量を推定するため、地元自治体の協力を得まして、おおよそ三百五十メートル以内の避難区域に居住または勤務する方々を対象に、十一月十九日から二十二日にかけて行動調査を実施したところでございます。この結果と現在当庁で行っている理論的な推定線量の精度向上に関する検討をあわせまして、個々の住民の方々の線量を推定していくことといたしております。
 このように行動調査をもとに明らかにされた推定被曝線量につきましては、健康管理検討委員会におきまして長期的な健康管理が必要と考えられる方々を把握するためにさらに検討されるということになっておりまして、そのように把握されました方々につきまして、長期にわたる健康管理には十分に意を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○畑野君枝君 禍根を残さないようにしっかりやる必要があると思うんです。
 同時に、判断されなかった場合でも、心配だという方たちにとってもさらに引き続き責任を持った体制を維持していく必要が私はあると思います。ぜひやっていただきたい。
 それから、風評被害の問題です。お話がございました。これに対しては、もう本当に地元は深刻です。実際倒産も出ているわけです。しにせの旅館もこれでばったりキャンセルで客が来なくなってつぶれてしまった。ですから、そういう点での経済的な補償、どうされていくのか伺います。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、現在県におきましてもその被害について取りまとめをされているところでございます。時間的にできるだけ早く、年内にというふうな声もございます。我々、第一義的にはこれはジェー・シー・オーが対応するのが第一義的な責任でございますけれども、国として何ができるのかということを今全力で取り組んでいるところでございますので、どうか御理解をいただきたいと思います。
○畑野君枝君 被害を受けたという点では本当にきちんと補償するというのは当たり前ですから、ぜひそれを進めていただきたいと思います。
 次に伺いたいんですが、今回の事故からやはり徹底した事故防止が私は必要だというふうに思いますし、世界最大規模の事故を起こしたわけですから、この点での責任と問題点を明らかにしていくことが法律策定の大前提だというふうに思います。
 この点で、加工施設等に対する二十カ所の科学技術庁の調査が行われていますが、これは何について調査されたんですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 二十施設何について調査をしたかというところでございますけれども、実際に使用している施設、設備、それから実際の作業、運転方法が許認可で認められているものになっているかどうかを確認したというのが一つでございます。もう一つは、教育訓練が計画的に実施され、保安に必要な事項が従業員に周知されているかどうかという確認をいたしました。
 その結果、いずれも基本的な安全性の確保はなされているということを確認いたしましたけれども、このうち延べ十二事業所に対して、一層の安全確保を図る観点から、作業記録の明確化や教育頻度の向上などについて改善を指示したところでございまして、引き続き適正に改善策が講じられたことを確認しております。
○畑野君枝君 今求められているのは、そのつくられたものに対してどうだったかという、それにとどまらない問題だと思うんです。やはり危険性を十分に認識して臨界事故に備える、この点でどうだったのかということで調べなかったら、生きてこない。
 例えば、一つ目に、人間のミスが重なっても臨界にならない対策がとられているのか。二つ目に、常時監視するための中性子線モニター、これは予兆を発見するために欠かせないわけですから、それがあるのか。三つ目に、万が一臨界になったときに早期に察知するための臨界警報や、臨界を抑制する装置(中性子吸収剤投入など)、こういうのは整っているのか。四つ目に、住民避難対策はどうか。こういう観点で点検をする必要があると思うんですが、いかがですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回の点検は、法律に基づきまして、先ほど申し上げましたように、事業者として守るべき事項について点検をしたものでございます。
 畑野委員おっしゃいましたようなことにつきましても、今後いろいろな新しい制度の中で、運転管理専門官、保安検査官、新しく保安検査官となりますけれども、そういう検査の項目として取り上げていきたいと思っております。
○畑野君枝君 新しい法律をつくる必要になったわけだから、そういうことを含めてきちっとやっていく必要があるというふうに私は思います。
 そういう点ではやはりどうなのかということですが、私たちは今言った四つの観点から、既に日本共産党国会議員団として調査をしてまいりました。茨城、神奈川、大阪、岡山の関連施設についていろいろと聞き取り調査を行ってまいりました。
 共通している第一の特徴は何かといえば、臨界事故は起こらない、こういう安全神話です。うちはジェー・シー・オーとは違います、いろいろやっております、こういうことでした。それから二つ目には、中性子線モニターの常時監視体制、これもほとんど検討をされていない。それから三つ目の、臨界事故がそもそも想定されていないんだから、臨界をとめる手だてもない。四つ目に、塀からいったら五、六メートルのところには民家がある、施設からいったら五、六十メートル、そういう人口密集地のところでも住民の避難対策というのは一切とられていない、考えられていない、こういう状況なんです。
 なぜこんなことになっているのか。これは、私は一つは政府の指針そのものに問題があるというふうに思います。
 これは既に委員会でも審議されましたけれども、指針がございます。核燃料施設に対する基本指針。この中では、この間もお話があったと思いますけれども、指針の十でも指針の十一でも「臨界を防止する対策が講じられていること。」というふうになっております。
 ところが、もう一つ。じゃ、五%以下のウランの加工施設の安全審査指針はどうなっているかというと、基本指針を薄めた中身になっているじゃありませんか。そこではわざわざただし書きもつけながら、その指針の十二の中では、「指針十及び指針十一を満足するかぎり、臨界事故に対する考慮は要しない。」、やらなくていいというふうに言っているわけですから、それはもう各それぞれのところへ行っても、法律どおりやっています、指針どおりやっていますというお答えになるわけでございます。
 じゃ、本当に臨界はこういう五%以下のところは起こらないのかといったら、そうじゃないという抜け道も一方では書いてある。私は本当に不思議だなと思うんですよ。この五%以下の安全審査指針をよくよく読んでみると、臨界の対策をやらなくちゃいけないけれども、やらなくてもいいというふうに言いながら、「起こるとは考えられない独立した二つ以上の異常が、同時に起こらない限り臨界に達しないものであること。」。読んでもよくわからないですね、否定の否定で来るわけですから。つまり、起こるとは考えられない独立した二つ以上の異常が同時に起こったら臨界は起こりますというふうに読み解くことはできるわけです。
 ですから、本当に矛盾した不徹底な中身になっている。そして、臨界対策をしなさいともともと言っている基本の基本指針の方でも、指針の十二では、誤操作等により臨界事故の発生するおそれのあるところについてはやりなさいと。おそれがなければいいんだというふうにもなってくる。
 ですから、いろいろ引用いたしましたけれども、私が申し上げたいのは、こういう基本指針あるいは安全審査指針、こういうものを今回の事故を踏まえてきちっと見直して徹底するということをすべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回の法改正に伴いまして政令も改正をいたします。その中でこの指針類の見直しもさせていただきますので、その中で二度とこういう事故が起こらないような指針にしていきたいと思っております。
○畑野君枝君 もう一つ例を挙げておきますと、加工施設の設計及び工事の方法の技術基準に関する総理府令というのもあるんです。この三条二項のところでも、臨界警報設備の設置など臨界事故の発生を想定した適切な措置が講じられなければならないという中に、わざわざウランの五%以下はいいですという中身まであるんです。ですから、そういうのも含めてやっていただきたいということをつけ加えておきたいというふうに思います。よろしいですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) その点についても検討させていただきます。
○畑野君枝君 次に、申告制度の問題について伺います。
 このような立法例というのは既に鉱山保安法や労働安全衛生法にもございます。私はきょうは一つの例として鉱山保安法の問題について伺いたいというふうに思いますが、資料を用意していただいているというふうに思いますので、一九七〇年以降の事故件数の推移と、それに対して鉱山保安法に基づく申告件数や対応の実態について伺いたいと思います。
○政府参考人(中島一郎君) お答えいたします。
 鉱山保安法の第三十八条に基づきます申告の件数でございますが、昭和五十五年以降におきまして、昭和五十五年に一件、六十三年に一件、平成元年に一件の三件でございます。
 なお、その事故件数ということでございますが、災害の発生回数ということでお答え申し上げますと、これは各年を申し上げますとちょっと長うございますので、例えば今申し上げました昭和五十五年で千六百二十四件でございましたが、平成元年には二百四十件、平成十年には六十件というふうに承知いたしております。
○畑野君枝君 一九八一年の十月に北海道の夕張新鉱でガス事故があった。百名を超す多数の死傷者が出る大惨事が起こりました。事故が起こる前に労働者が、ガスが出ると爆発が起こるということで、そのたびに避難をしなくちゃいけないと作業能率が落ちるということで、そのガスの検知器の基準値をごまかしてなかなか鳴らないようにしているということについて申告したんです。ところが、改善されなかった。会社側は、逆にその労働者を生産妨害者だ、こう言って非難攻撃するだけでなく、何の改善もやらなかったわけです。申告の法律がありながら改善がされなかった。我が党もその実態を知って通産省に改善の要請に行きましたけれども、会社は我が党に対してけしからぬと抗議に来たわけです。そして、間もなく大惨事が起きた。鉱山保安法三十八条のその趣旨が生かされなかった。こういう事実があるわけです。
 ですから、法律の申告により、あるいは匿名の電話であっても、きちっと改善をするということは当然ですし、今度の法律に対して、中曽根科学技術庁長官に伺いたいんですが、西山登紀子議員の質問に小渕総理大臣は、「本制度の運用に当たりましては、他法令の同種の制度を参考にしつつ、適切に対応してまいります。」というふうに答えております。これは本当によく研究して、私は外国の例などもぜひ研究してやっていく必要があると思うんです。
 どんどん言うのはけしからぬなどと言ったら、言う人はいないんですよ。そうじゃなくて、あなた、大いに言いましょう、それが会社のひいては利益にもなる、国民の安全にもなる、こういうふうに、言えるようにしていこうというのがアメリカのホイッスルブロアという法律。これは、報復されるおそれがないということで自由に提起できる雰囲気をつくりましょう、大いに言いましょうということで連邦法を初めつくられているわけですし、オーストラリアでも制裁を加えること自身が犯罪だというふうに言われているわけでございます。
 私、特に今の不況とリストラの中で、言いたくても言えない、こういう事態が起こると思うんですよ。そうしたときに解雇をしてはならない。解雇するといったって、申告したからという理由じゃなくて、別の理由で解雇することだってできるわけですよ。ですから、そういうときの解雇を撤回させるということを大臣先頭におやりになるとか、補償を行うとか、そういうことまで含めた実効のある内容にする必要があると思うんですが、大臣の御決意はいかがですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) この申告制度を委員お話しのように実効あるものとするためには、違反事実を申告する従業者の利益の保護に万全の配慮をすることが大切であるということは、委員と同じ考えでございます。改正法案におきましても、申告を理由とした従業者に対する不利益な取り扱いを禁止するなど申告者の保護に配慮をしているところでございます。
 今後、具体的な仕組みにつきましては、お話にもありましたけれども、ほかの例えば労働基準法とか労働安全衛生法また鉱山保安法等の個別法における運用、実績を参考にしつつ検討していくこととなりますが、安全の確保を目的とする本制度の趣旨が十分に達成されるよう、不利益処分からの申告者の保護を含めて適切な運用に努めてまいりたいと思っております。
○畑野君枝君 大臣がおっしゃったように、労働者の保護、ここを本当に進めていただくことがこうした事故を起こさないということになるというふうに思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 次に私は、こうした事故をなぜ日本で起こしたのか、国際的な観点からも見直していく必要がある問題の一つが、原子力行政の推進と規制を分離するという問題だというふうに思います。
 これは原発を抱えているところもあるいは今回の該当するところも本当に党派を超えて強い要望になってきているというのが、私は本当に新しい動きだというふうに思います。私は全国原子力発電所立地議会サミットというのにも伺いましたけれども、いろいろな違いはある、しかしそれはわきに置いて、本当にこの規制を独立した形でつくってほしい、これが共通要望項目の第一に挙げられているんです。
 それで、私はまず伺いたいというふうに思うんですが、加工施設の許認可の権限はだれが持っているんですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 加工施設の許認可権限は、原子炉等規制法に基づきまして、加工事業の許可、変更許可、設計及び工事の方法の認可、施設検査などは内閣総理大臣が行うこととなっております。ただし、事業許可及び変更許可を除く認可等に係る内閣総理大臣の権限は科学技術庁長官に委任をされております。
○畑野君枝君 それでは、その推進の責任者はだれですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 原子力行政推進の責任者という意味でしょうか。
○畑野君枝君 加工施設というふうに分割しておきましょう、いろいろと紛らわしくなりますから。例えばその加工施設ということで。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 加工の分野を含め原子力行政の責任者は科学技術庁長官でございます。
○畑野君枝君 具体的には科学技術庁長官が規制の責任者であり推進の責任者だということになるわけですから、まさか二重人格というふうには思いませんけれども、本当に分裂したような状況になっている。分離されていなくて統一しているというふうに私は思うんですけれども、これでよろしいんですか。
 国際的な基準としては、過去のスリーマイルやチェルノブイルのああした悲惨な教訓から英知を集めて、何が問題だったかということでつくられてきているそういう国際的な常識、それに照らしてどうだというふうに思いますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 日本の規制行政の原則はダブルチェックでございます。ダブルチェックは、先ほど申し上げましたように、行政がまず行政の責任で認可をする、その認可に対してそれとは独立した諮問委員会である原子力安全委員会が専門家の立場からチェックをする、これがダブルチェックの仕組みでございます。
 したがいまして、規制の責任者は行政でございますので、その規制の責任者として科学技術庁長官がいるということでございまして、ダブルチェックという体制のもとでは何ら矛盾はございません。
○畑野君枝君 チェックになっていないんですよね。つまり、じゃ、原子力安全委員会にそういう権限があるのかといえば、ないわけでしょう、だって諮問機関なんだもの。
 その規制機関というのはどういうものなのかというのを含めて私も条約をよく読ませていただきました。原子力の安全に関する条約の第二条の定義で「「規制機関」とは、」ということで、許可を付与する、それから原子力施設の立地、設計、建設、試運転、運転または廃止措置を規制する法的権限を国によって与えられた機関、こういうふうに言っているんですね。
 ですから、私はこれをきちっとやっていく必要があると。政府としてはすぐにできないかもしれない。だけれども、国民がこれだけ党派を超えて一致して言っている問題、それはまさに今回事故に遭われた方あるいは全国民的な心配にこたえていく政府の責任だし、国際的な信頼を取り戻していくその方向だというふうに思います。
 そういう点で、私はやっぱり独立機関というのを、ああした国際的な事故の中でIAEAの八八年の安全基準が独立した機関を持つということも言っているわけですから、そういう点も含めて大いにじっくり検討をしていただきたいというふうに思うんですが、いかがですか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) まさに規制と推進のあり方についてこの国会でもこれから議論していかなくてはならないという議論が行われておりまして、私もまさしくそのとおりだと思います。
 ただ、独立した規制機関をということでございますが、例えばよく引き合いに出されますアメリカのNRCは、これは行政機関でございますけれども、いわばこのNRCだけのチェック、シングルチェックでございます。日本の場合は、行政機関である科学技術庁が審査をし、それとは独立をした安全委員会がチェックをする、ダブルチェックでございます。そういう意味で、日本の中に適した安全規制というふうに私ども考えております。
 ただ、その原子力安全委員会の独立性が非常に疑問を持たれているわけでございまして、その点につきましては今後努力を重ねていかなければならないと思っております。
○畑野君枝君 意味合いが違うんですよね。つまり、基本的には規制機関というのは分離していなくちゃいけないと。じゃ、科学技術庁で、長官は分離していますと言ったって、それは一体なんだから、独立するということが前提条件としてあって、そして国際条約というふうになっているわけですから、そういう国際的な流れもよく検討していただいて私は進めてもらいたいと思います。
 独立の問題なんですけれども、私は、事故調査委員会も安全委員会から独立して、きちっと公正に安全委員会がどうだったのかということまでチェックできるような、そういう方向に進めていくべきだというのを一言申し上げたいと思います。
 最後に、時間が少なくなりましたので、災害対策の問題について伺いたいと思います。
 住民の安全確保という点では、日常的にはここはこういう危険がありますよという周知と情報公開、それからいざ事故が起きたときには適切な避難などの指示、つまりどっちにしても事故時についての行動を周知徹底することが重要だというふうに思います。
 私の住んでいる神奈川でも加工施設がございますけれども、町内会連合がもう本当にそういう徹底をしてほしいと。例えば企業が周辺の人にパンフレットを配る、あるいは沃素剤の配布についても国も事業者も力を合わせて進めていくということが必要だと思います。それが一点です。
 時間がないのでまとめて伺います。
 二つ目に出ているのは、加工施設の周辺にモニタリングポストをつけてほしい。つまり、企業任せじゃなくて、自治体としても国と一緒になって瞬時につかめる状況が欲しいということですが、その点。
 それから三つ目に、医療体制の問題なんです。例えば横須賀市では、地元の民間病院と協力病院という関係を結んでおります。しかし、そういうところでも専門医はいないんですね。ですから、そういう医療体制をどういうふうに進めていくのか、私はいろいろな専門家の知恵も集めて大いに進めていく必要があると思いますが、その点を伺います。
○政務次官(斉藤鉄夫君) まず第一点目の加工施設周辺の住民への情報公開ということでございますけれども、今回の事故の反省も踏まえまして、今後平常時においてもまた緊急時の対応等についてふだんから話し合いを持つ、情報を共有するということが肝要でございます。今回の災害対策特別措置法におきましても、訓練を行うと。国、地方自治体、地方自治体が主になって行うわけですけれども、事業者も含めた形で訓練を行う。当然地域住民の方にも御協力をいただくことになると思いますので、そういう形で今後情報交換、情報の公開に努めていきたいと思っております。
 それから、二番目の加工施設周辺のモニタリングについても強化すべきではないかということで、今回の補正予算でも対処をいたしました。例えばこの神奈川県の問題につきましては、今後神奈川県と配置場所、配置数等についても協議を進め、ガンマ線、中性子線のモニタリングポストを設置してまいります。ちなみに、今回補正予算で百五十二億円の予算をつけさせていただきました。
 それから、三番目の専門医ということでございます。御指摘のとおり、神奈川県ではこの放射線被曝の緊急時医療体制がございません。今後厚生省とも打ち合わせをしてまいりますけれども、地域防災計画をこれからつくっていかなくてはいけないわけでございまして、その地域防災計画の中に緊急時医療体制の整備が必要となっております。その中で、県や厚生省とも話して対応をさせていただくということになると思います。
 以上でございます。
○畑野君枝君 ぜひ国の責任を明確にして必要な推進を進めていただきたいということを求めて終わります。
○清水澄子君 科学技術庁長官にお伺いいたします。
 今回の東海村の臨界事故では、何回も皆さんからも指摘をされているわけですけれども、政府の対策本部の立ち上げというのは事故から五時間後でありましたし、それから第一回の会合はさらにおくれて事故後十時間半を超えていたわけです。なぜこれほどおくれたのかということをまず反省すべきだと思いますが、その理由は今伺いません、もういろいろ伺いましたから。
 それで、今度の新しい法案になると何時間その立ち上がりが短縮されるのでしょうか。何分かかりますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) この法案におきましては、事業者から通報がありました原子力施設における事態の推移によりまして、あらかじめ定めた状況になりますと、主務大臣は直ちに内閣総理大臣に報告をし、また内閣総理大臣は直ちに原子力緊急事態宣言を発して、政府に原子力災害対策本部が設置される、そういうふうになっているところでございます。
 具体的にどの程度の時間でできるかということにつきましては、原子力災害の発生状況等にもよるものでありまして一概にお答えできるものではございませんが、初動体制の重要性というものにつきましては私どもも十分認識をしており、また今回のいろいろな反省等もございまして、今後具体的な手続の検討を行っていく中で、より迅速に行えるように努めていきたいと思っております。
○清水澄子君 やはり原子力災害では、基礎自治体、すなわち市町村による初動対応というのが私は一番大切なことだと思っております。市町村が速やかに情報を把握して判断を下す、そして住民への情報伝達や避難誘導を行うということを今回東海村がなさったことは、いろいろ問題はあったとしても、これはよかったわけです。
 ところが、今回の法案によりますと、まず政府対策本部を立ち上げて、市町村はその指示に従うように求めているわけです。しかし一方、災害対策基本法は市町村の責務と権限を非常に明確に定めております。そこでは、六十条でも市町村長がいろんな災害があったときは住民に避難の勧告、指示をすることになっているわけですが、この災害対策基本法と今回の法律との関連で、これからは国が指示を出すまでじっと市町村は待っていなきゃいけないのか。それとも市町村長は、これは危ないと思って速やかにこの災害対策基本法に基づいて住民に避難勧告をしたりそういう指導をしたときに、その後に国の方針が来たときには、一体どちらでしょうか、特別法の方が優先することになりますね、法律の性格上。そういう食い違いというものは全く生じない、そこはちゃんと整理できるのだという御確信があるのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) まず結論から申し上げますと、食い違いは生じないものと思っております。
 この法案と災害対策基本法は両者相まって原子力災害対策に機能するものでありまして、地方自治体はこれまでと同様、災害対策基本法に基づいて現地の状況を直接把握できる立場にあると。そういうことから、国の指示を待たずに住民等に対して避難等必要な指示を行うことができるわけでございます。
 また、内閣総理大臣が原子力緊急事態宣言を発出した後におきましては、国と地方自治体は原子力災害合同対策協議会等の場におきまして密接に連携、協力を図りながら住民に対する避難等の対策を実施していくため、国による措置と地方自治体による措置の間でそごが生じることはないと考えております。
 また、市町村の初期対応を阻害しないかということでございますが、国が原子力緊急事態宣言を発出する前の段階におきましても、現場の事業所に駐在しております国の原子力防災専門官が直ちに現場の状況把握のために必要な情報の収集に当たります。それから、地方自治体の要請に応じまして国が専門的な知識を有する者を派遣することとなっておりまして、現場においても迅速な対応がとられるよう措置をしておりまして、これらによって地方自治体も適切な初動体制がとれるものと考えております。
○清水澄子君 じゃ、今回の法律ではそごは起きない、こういうことをここで確認させていただいてよろしいですね。はい。
 それで、次ですけれども、今回新たに設置されますオフサイトセンター、これも事故後の対応になりますね。これは建物がそこにあるということでありまして、事故が起きたならばそこにいろんな人々が集まられるという、そういう場になっていると思います。
 私は、事故というのは、予防といいますか、事故が起きてからの対策だけではなくて、やはりこういうものに速やかに対応するには、常時設置された常時監視機能を持ったそういう施設が、特に私ども社民党は緊急時センターという考え方を持っているわけですけれども、そういう常設のものがあって、そしてそれもさらにまた政府から独立をしている。そして、原子力施設の運転状況を常時監視しながら、異常があればそれが事故へと展開する可能性をチェックして、そして事故に至る可能性を見たら、基礎自治体へ対応行動を勧告するとか、または都道府県や国にも通報する。事故発生時にはデータの提供と技術上の支援を行っていく。そして、事故が非常に広範囲で影響が大きいという予想が出たら、すぐに自治体や都道府県、国の機関の共同で現地対策本部を置いていくと。そういうもっと機動力のある、そして常時そういう対応ができる、そこはやはり日常の業務として原子力運転状況の常時監視とともに周辺環境のモニタリングを行っていく、そして自治体職員の訓練とか、住民への知識の普及、そういうものを行っていくようなセンターがどうしても必要だと私は思うんですけれども、オフサイトセンターというものを今後そういう実質的に常時本当に専門的な機能が発揮できるようなものに検討したい、されていくという意思はございませんでしょうか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) まさに清水委員おっしゃったような機能を持つオフサイトセンターにしていきたい、このように思っております。
 今回の特別措置法におきまして、平常時においても周辺の放射線の数値を常時公表することが義務づけられております。これは今後、リアルタイムで表示するとかいろんな工夫がされてくるかと思いますけれども、そういう表示がこのオフサイトセンターでされる。また、防災専門官が地域に常駐するわけでございますが、その常駐場所として地域の皆さんや地方自治体の皆さんと協議をしていく。また、いざという場合にはどういう形でそのオフサイトセンターを立ち上げるかということについても常々議論をしておく、まさにそういう場所になると考えております。
○清水澄子君 それでは、今度はどの程度の予算が組まれておりますか。
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回、具体的な数字は、第二次補正で組まれておりますが、科技庁分で九十億円、通産省分で二百二十一億円がオフサイトセンターの整備として費用が上げられております。
○清水澄子君 これは内容よりも建物ですね。それで、ぜひ今御答弁いただいたような実質的な機能を持ったそういうものに本当に一日も早くこれを整備していただきたいと思います。
 次に、今度は通産大臣にお伺いしたいんですけれども、高浜四号機用のMOX燃料についてお尋ねをいたします。
 関西電力の高浜原発の三号機そして四号機のプルサーマル用のMOX燃料は、イギリスのBNFL社で加工が行われたわけですけれども、三号機用のMOX燃料に検査データ捏造があったということがことし九月の内部告発で発覚をしたわけです。通産省はこの燃料のつくり直しを指示しました。しかし、四号機用については通産省は問題ないとしてそのまま装荷することを認めようとしておられるわけですけれども、関西の市民グループから、この四号機用のMOX燃料についても抜き取り検査におけるデータ捏造の可能性が高いと、そういう指摘が出されているわけでございますけれども、この指摘について通産大臣は承知されておられるでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) BNFL社におけるMOX燃料に係る測定データの疑義につきましては、十一月一日に関西電力から調査結果の報告を受けて、通産省から原子力安全委員会にも報告をいたしております。
 また、国内では市民グループのグリーン・アクション及び美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会から質問が当省に対して送付されて、十日に担当官が面会して御説明をいたしたと認識しています。
 それから、今委員の御指摘は、きょうの新聞に載った件を含む話でしょうか──そうでないですね。わかりました。
○清水澄子君 では、承知しているということでございますね。
 この指摘によりますと、MOX燃料ペレットの外径に関する全数自動計測データとこの抜き取り検査のデータを比較したところ、やはり三号機用MOX燃料のデータ捏造と同様なものが四号機にもあらわれているという、そういうデータがあるわけです。それを私はきょう皆さん方に資料を送っておきましたけれども、その二つの検査は本当は同じような形になっていなければならないんですが、この二つの形は全く違う。そして、同じ山になっていないわけですね。つまり、このP七八四というロットでは、抜き取り検査のデータが捏造されている可能性があると、これが提起されているわけです。そして、こういうロットが幾つも見つかっていると。通産省は、これでも四号機用の燃料には全く問題はない、不正はないと断言されますでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 本件につきましては、このような検査データに問題があると発見された後に、速やかに関西電力に対して徹底調査を指示するとともに、当省の職員二名をイギリスに派遣いたしまして、そしてBNFL社に対する現地調査を行ったのであります。
 関西電力におけるBNFL社に対する現地調査状況についても確認をしておりまして、十一月一日には関西電力より調査結果と今後の再発防止策について取りまとめた最終報告を受けたところであります。
 関西電力の調査結果といたしましては、高浜三号機向けの燃料については、一部データに不正が確認されたということであります。また、高浜四号機向けの燃料については、別途、工程管理用に全数自動測定されたデータにより外径について問題ないことが確認をされております。過去のデータとの一致数が比較的多い一ロットについても、全数自動測定されたデータとの比較において不自然ではなくて、検査員に対する事情聴取においても不正への関与を否定したことから、不正はなかったと判断したとの報告を受けております。
 また、再発防止対策としては、BNFL社において外径測定検査データの記録の自動化等検査システムの改善や、関西電力等において品質保証体制の改善等を行うとの報告を受けております。
 通産省としては、現地に派遣した当省職員を通じて、関西電力の調査が適切に行われていることを確認して、再発防止対策も含めて同社の調査結果は妥当と考えております。
 なお、四号機向けのMOX燃料体の健全性については、検査方法について発電技術顧問、専門家でありますけれども、これらの意見も聴取した上で、輸入燃料体検査において最終的に判断をすることにいたしております。
○清水澄子君 全部確認された、確認されたというのは、それは関西電力が報告をした、その事業者が提出した書類ですね。それでもって事業者の書類を確認したということだろうと思います。それは、通産省はみずからはそういうデータの実際の検査はやっておられないわけでございますね。
 そうすると、結局、前のジェー・シー・オーもそうだったんですが、書類の審査、そういうことでもってすべて、こういう問題が指摘されていても、通産省も実際にみずからこの検査をされるということはなさらないんですか。それは、検査をするところは事業者であって、国にはその責任はないという考え方でしょうか。通産大臣、お答えください。
○政府参考人(河野博文君) 先ほど大臣がお答え申し上げましたように、私どもも職員を二名現地に派遣いたしまして、関西電力の調査の状況について現地においても確認をしつつ臨んだわけでございます。
 具体的な全数検査と個々の、ロットと言っておりますけれども、個数の抜き取り検査のデータにつきましては関西電力がこれを確認したということでございますけれども、どのようなデータが保存されているか、あるいは全数検査のデータがどのような機械によってなされたかということについては、私どもも現地で確認をしております。
○清水澄子君 自分たちはやっていないし、会社の出したデータを点検したということですね。
○政府参考人(河野博文君) 今申し上げましたように、具体的にどのようなデータがあるか等については私ども確認しておりますが、それが全数検査のデータと抜き取り検査のデータの照合あるいは分析という意味では、関西電力が行ったものでございます。
○清水澄子君 はい、わかりました。事業者がやったものであると。
 そこで、通産省は独自調査もしないで、九月十三日に、この問題についてもう一度検査をすべきだという問題が出たんですね。ところが、九月二十四日にはもう早々と安全宣言を出していらっしゃるわけです。何か早いですよね。ジェー・シー・オーのときも、事故がまだまだ非常に問題があったのに、安全宣言だけはすごく早いんですよね。今回もどうしてこんなに早く安全宣言を出しておられるのか。
 そういう意味でも、やはり私は核燃料というのは国の安全審査の対象であると思うわけです。国として直接データ捏造を調べるということはついになさっていないわけですけれども、やはりこれでは私は国が原子力の安全性を確保しているということは言い切れないだろうと思います。原子力安全委員会もまた、関西電力の報告書を受け取って、それを追認しているにすぎないわけです。そういう意味では、原子力安全委員会の責任も大きい。
 こういうことで、せっかくこういう問題を審議している委員会ですけれども、今回の法律もそういう意味では非常に疑問はあるわけですよね。本当の意味で、これまでの原子力行政なりジェー・シー・オーの事故の問題の中において、政府の責任の所在というのが非常に不明確になっているところが重大な問題だと思っているわけです。
 そこで、今回、少なくともイギリスでは国としての調査をしているわけです。英国の原子力検査機関のこの問題についての内部報告書があるということがきのうのガーディアン新聞に出たわけですけれども、この報告書は四号機のMOX燃料もデータ捏造の可能性を否定できないと書いているわけです。そして、今調査を始めているわけですが、政府はイギリス政府にこの問題の調査をきちんと求めたことがあるのでしょうか。また、この内部報告書の内容を知っておられるかどうか、お尋ねいたします。
 通産大臣、お願いいたします。
○国務大臣(深谷隆司君) まず第一に、ガーディアン新聞というのがございまして、これは後から申し上げますけれども。
 私ども通産省は、かねてから英国原子力施設検査局と連絡をとって情報を交換してまいりました。英国原子力施設検査局としては、基本的に個別の燃料の品質チェックを行う機関ではないとした上で、高浜三号機向け燃料についてはデータの流用があったとしています。
 また、高浜四号機向け燃料については、先ほど述べました過去のデータとの一致数が比較的多いロットを指すと思われますが、統計的な分析によれば疑義のあるデータが一部存在すると指摘しつつも、別途全数自動測定が行われていることから、燃料の健全性には問題がないとの見解を示しております。
○清水澄子君 それでは、イギリス政府の資料を通産省は持っていらっしゃるわけですね。
○政府参考人(河野博文君) 新聞報道等によりますと報告書という記載がございましたけれども、そういう報告書が特別なものがあるというふうに私ども承知をしておりません。これまでの情報交換で情報は得ております。
 それから、日本の一部報道には、年次報告といいますか、四半期ごとの年次報告のようなものにこのデータについての記載があるという報道がありましたので、これはまだ現物を入手しておりませんけれども、入手したいと思っております。
○清水澄子君 やはりここで出ている問題は、きちんとイギリスの核施設検査機関の独立の調査の一環として保健安全執行部の統計学者が英国核燃料会社のサンプル検査のデータについて子細な分析を実施することになっているわけですよね。ですから、その資料をまだ入手していないならば、それをぜひ求めていただきたいと思いますが、求められますか。
○政府参考人(河野博文君) これまでに英国のNIIの見解は情報交換の過程で得ておりますので、それ以上の情報が必要とは思っておりません。
○清水澄子君 思っていないんじゃなくて、調査を始めているということですから、ぜひそれを求めていただきたい。通産大臣、ぜひ資料を求めていただきたい。
○政府参考人(河野博文君) 御指摘がそもそもの、ちょっと細かい話になりますが、これは一ロットをつくるのに三千個のペレットをつくるわけでございますけれども、これについては実は三千個すべての生データがございます。そして、その三千個の中から、全数検査をしているのですけれども、追加的に二百個の抜き取り検査をするという仕組みになっていたわけでございまして、いずれのデータもすべて私ども入手しておりますし、公表もされているということでございます。
○清水澄子君 それでも問題があるということが出ているわけですから、やはりそれはきちんと確認をするということは当然重要なことだと思います。ですから、自分たちは知っているというだけではなくて、その資料をぜひ公開をしていただきたいと思いますが、よろしいですか。
○政府参考人(河野博文君) 今申し上げましたように、基本的なデータはすべて公開をされているわけでございます。したがいまして、それにつきましてどのような分析をしたかという関西電力のデータもまた公開をしているということでございます。
○清水澄子君 いや、生データじゃなくて、イギリス政府が今調査を指示しているわけですね。それをぜひ私は入手してくれということを言っているんです、調査の結果をきちんと入手してくださいと。
○国務大臣(深谷隆司君) 委員は、ガーディアン新聞が発表したことで日本の新聞に記事が出ている、そのことを引用されてのお話ではないかというふうに私は思うんですが、実はこの件については、当省といたしましては、イギリスの政府と連絡を取り合って、そのような報告をしたことはないという言葉が向こうから返ってきているわけであります。
 つまり、ガーディアン新聞というのはどういう新聞か、一応私どもも調べておりますけれども、少なくともこの発表にあるようなものが、NIIの方の規制当局や外交ルートで問い合わせたところ、事実でないと、そのような発表を行っていないということの返事が返ってきておるものでありますから、今あなたのおっしゃった資料はあるいは調査というのは何を指すのかという点でいけば、もともと報告していないと、こういうわけですから、お答えのしようがないというのが実際でございます。今までのデータは公開されているということを担当者は申し上げたわけであります。
○清水澄子君 いえ、それはやはりお互いに資料はないとかあるとか言いますけれども、英国政府が日本に知らせる義務はないんですよね、こちらが求めなければ。
○国務大臣(深谷隆司君) そういうことを言っているんじゃないんです。この新聞に報道されているように、イギリスの政府が記者に発表した、報告したという事実がないということなんです。それは確認しているわけです、こちらは。
○清水澄子君 記者に発表したと言っていません、私は。もともとこの事故だって発表されなかったんです。このガーディアン紙が見つけたんですね、告発者から。現場の告発者から捏造があったということがわかった。ですから、それはそういう公式ではなくて、しかしそのために英国政府は保健安全執行部の統計学者に対してサンプル検査のデータについて分析を実施させているわけですから、そのことが、じゃ、入手をされるように私はもう一度要求をしていただきたいと思います。
○政府参考人(藤冨正晴君) ちょっと委員に御説明させていただきたいと思いますが、当初、この九月十四日に問題がありましたのは、私どもの理解では、BNFLの中でペレットをつくっております。それを、品質管理をチェックする部門がございまして、そのチェックする部門がみずからのやったものをチェックしていたら、どうも抜き取り検査の中で同じデータが来る、おかしいんじゃないかなということが最初わかったわけです。それで、BNFLの中で品質管理部門が内部の調査をしたところ、これは何となく怪しいということで、確証を得た後、日本に通告してきたわけです。
 したがって、九月十四日にこの件が起こりました後、九月の二十日に、当省といたしましては現場に管理職を含む二名を派遣いたしました。先ほど河野長官が御説明しましたように、現場で関西電力がどういう調査をしているか、それを私どもは適正に調査されているかどうかを確認していたわけでございます。
○清水澄子君 それじゃ、ここできちんと確認しておきたいんですが、絶対にそういうものは存在しないということをここで確認させていただいてよろしいですか。そういうものの調査やらそういうものは一切やっていないし、そういうものは存在しないのだと、これからも、というふうに確認させていただきますね。
 もう時間がありませんので、もう一つ、その次に参ります。そういうふうに今までおっしゃったわけです。
 そこで通産大臣、この問題ではやはり安全がはっきりしなければ、関西電力の報告とそれだけで安全ですよと言い切ってしまうのはいささか不安があります。ですから、地元でも県議会でも問題になっているんだと思います。ですから、この問題はやっぱりもう一度はっきりさせていただいて、そしてそれまでは燃料装荷を一時とめて、きちんとこの問題について確認をされることを要望いたしますが、いかがですか。
○国務大臣(深谷隆司君) あらゆる安全性を確認していくということは委員と全く同じ考え方でございます。
 当省といたしましては、例えば先ほど申し上げたように、現地に職員を派遣して綿密な調査等を行ってまいりまして、今までの状況というのは先ほどから申し上げた状況でございます。
 ただ、私どもとしては、さらにその健全性を確認するために現在実施しています輸入燃料体検査、これをやっているわけでありますが、この結果を見て最終的な判断をしたいと考えています。
○清水澄子君 その輸入燃料体検査もすべて事業者がつくったデータでやるわけですから、やはりもっときちんとした確認を、実際に分析をしている英国などではそれを独立したところがやっているわけですから、そういうところのデータを入手していただきたい。そして、入手されたらぜひ私は、委員長、この委員会で私どもにぜひそれを見せていただくように委員長に要望をしておきます。
○委員長(成瀬守重君) 後ほど理事会でお諮りいたします。
○清水澄子君 そこで、きょうは原子力安全委員会の委員長さんにもお出まし願ったんですが、もう時間がなくなりました。
 そこで、最後に通産大臣と安全委員会の委員長さんにお尋ねしたいんですけれども、ジェー・シー・オーでも安全審査はやっぱり書類審査だけだったんです。そして、事業者の報告を追認していたわけであります。ですから、やはりもっと独立したそういう機関が必要だというのは、これはみんなが主張していることでございますけれども、やはり高速増殖炉「もんじゅ」の火災事故も東海村の問題も安全審査が見落としていたところから起こっているわけです。
 ですから、国が検査をして実験をしてその安全性を確かめるという、そういう私はもっと強力な独立した権限を持った安全委員会が必要だと思いますが、これについて通産大臣そして原子力安全委員会の委員長さんのお言葉をいただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 一番大事なことは、ダブルチェックで常に安全性を確保するということでございます。通産省が原子炉等規制法に基づいて厳正な安全規制をこれからも実施していきたいというふうに思います。
 これからは、特に省庁再編後には、経済産業省に新設される原子力安全・保安院にダブルチェックの一次的機能を一元的に集約するとともに、原子力安全委員会は内閣府に置かれてその独立性を一層向上させるとともにスタッフを強化していくつもりでございます。
 いずれにいたしましても、今回の事故を契機としてあらゆる対応を図っていきたいと思いますが、特に来年度早々にも事務局機能を科学技術庁から総理府に移管をして、その人員も大幅に拡充する方向で調整してまいりたいと考えています。
○政府参考人(佐藤一男君) 原子力安全委員会は、これまでもその設立の趣旨というものを踏まえまして、行政とは一線を画し、国民の立場に立って科学技術的な知見をよりどころに総合的判断を下していくということに最善を尽くしてきたつもりでございます。
 さらにまた、今通産大臣からもお答えがございましたように、年が明けますと事務局も科学技術庁から分離する案が検討されているというふうに承っておりますが、形の上でもそういう独立性というのは一層明らかになっていくのではないかというふうに考えてございます。
 それから、ちょっとお言葉もございましたので二、三つけ加えさせていただきますと、私ども、例えばこのBNFLの問題にいたしましても、事業者の報告を直接聞く立場ではございません。これを受けて規制行政庁がどう判断したかということを報告を受けているわけでございます。さらに、その中身につきましても十分詳細に私どもでも検討いたしまして、決してめくら判を押すというようなことではございませんですので、その点はどうぞ御認識をいただきたいというふうに考えます。
    ─────────────
○委員長(成瀬守重君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小林元君、内藤正光君及び真鍋賢二君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君、藁科滿治君及び山内俊夫君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(成瀬守重君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の修正について西山君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。西山登紀子君。
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案について、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
 内閣提出の原子炉等規制法改正案は、去る九月三十日に発生した東海村にある核燃料加工施設で起こった臨界事故を受けて、原子力施設に対する安全規制の強化を目的に提出されたものであります。
 東海村での臨界事故は、日本国民はもちろん、世界にも衝撃を与えました。事故の被害、影響の大きさだけでなく、政府が依然として安全神話から脱却していないこと、原子力の利用推進機関が安全規制の権限を持っているなど、国際的な水準から大きく立ちおくれた日本の原子力行政の根本的な欠陥が浮き彫りになったからであります。
 安全規制のあり方で今日問われているのは、科学的な基準とそれに基づく安全審査の実施、それを実現できる安全規制の体制確立です。アメリカの原子力規制委員会のように、原子力推進機関とは完全に独立した規制機関をつくり、そこに許認可等の権限を持たせることが必要です。この点は、本会議で野党各党が一致して求めたところであります。
 原子力の開発と安全規制の機能と組織を分離すること、規制組織に独立の事務局を置くことは、二十三年前の原子力行政懇談会の「原子力行政体制の改革、強化に関する意見」でも指摘されたことです。
 また、国際原子力機関、IAEAが定めた原子力発電所の基本安全原則が、規制機関は原子力の推進に対して責任を負ってはならないとしているほか、日本も四年前に批准し三年前に発効した原子力の安全に関する条約も、許認可等の権限を持つ原子力規制機関と原子力利用推進機関との分離を求めています。
 国内的に重要な課題であるとともに、条約上の義務でもある原子力の安全規制を推進機関から独立させることを目指して、内閣提出の原子炉等規制法改正案について最小限の修正を行おうとするものであります。
 次に、修正案の要旨でありますが、附則に一条を追加し、政府に対して、原子力の安全規制を実効あるものとするため、本改正案の施行後一年以内に、規制と推進の分離のために、原子力安全委員会等の組織のあり方について検討し、必要な措置を講ずることを義務づけるものです。
 何とぞ御賛同くださるようお願いをいたします。
○委員長(成瀬守重君) これより両案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、原子力災害対策特別措置法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、西山君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 少数と認めます。よって、西山君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、円君から発言を求められておりますので、これを許します。円より子君。
○円より子君 私は、ただいま可決されました原子力災害対策特別措置法案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    原子力災害対策特別措置法案並びに核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、原子力施設の安全性及び原子力防災対策の実効性を確保するため、本二法の施行に当たり、次の諸点につき、適切な措置を講ずべきである。
 一 地方公共団体の防災会議が、原子力災害に関する地域防災計画の策定や関係機関との連携強化のための定期的な活動を行う場合、それらが地域の実情に即したものとなるよう、必要な支援を行うこと。
 二 原子力災害時の初期における応急措置を行う市町村長の役割の重要性にかんがみ、常駐する原子力防災専門官による助言を含め、国、都道府県等の関係機関は、その支援に万全を期すこと。
 三 地域住民の安心と信頼が十分得られるよう、放射線等の監視経過など的確な情報の迅速な開示に努めるとともに、情報の伝達方法及び緊急事態応急対策拠点施設の整備・充実を図ること。
 四 主務大臣に対する申告制度については、虚偽の申告が意図的になされていた事実が明らかとなった場合には、適切な運用を行うこと。
 五 原子力の安全規制の徹底を図るため、原子力安全委員会の独自性の強化及び事務局体制の充実に努めるとともに、臨界に達するおそれのある量の核燃料物質を使用する者は、原子力事業者として原子力災害対策特別措置法等の対象となるよう検討すること。
 六 放射線被ばくによる周辺地域住民の健康については、中長期的に調査を実施し、健康被害への対応も含めて、今後の健康管理対策に万全を期すこと。
 七 ウラン加工施設において臨界事故が発生したことの重大性にかんがみ、原子力開発利用等の政策に係る原子力研究開発利用長期計画等を引き続き検討すること。また、太陽光発電や風力発電等の自然エネルギーの普及・促進のための施策を更に積極的に推進すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(成瀬守重君) ただいま円君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(成瀬守重君) 多数と認めます。よって、円君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中曽根科学技術庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中曽根科学技術庁長官。
○国務大臣(中曽根弘文君) 原子力災害対策特別措置法案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、慎重御審議の上御可決をいただき、まことにありがとうございました。
 また、ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重し、政府として努力してまいる所存でございます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(成瀬守重君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十七分散会