第146回国会 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第7号
平成十一年十二月十三日(月曜日)
   午前十時三十六分開会
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   委員の異動
 十二月十日
    辞任         補欠選任
     益田 洋介君     海野 義孝君
 十二月十三日
    辞任         補欠選任
     田浦  直君     釜本 邦茂君
     畑   恵君     岩城 光英君
     須藤美也子君     林  紀子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 芳男君
    理 事
                大島 慶久君
                谷川 秀善君
                三浦 一水君
                吉村剛太郎君
                佐藤 泰介君
                藤井 俊男君
                森本 晃司君
                富樫 練三君
               日下部禧代子君
    委 員
                阿南 一成君
                岩城 光英君
                岩瀬 良三君
                岩永 浩美君
                海老原義彦君
                大野つや子君
                片山虎之助君
                釜本 邦茂君
                亀井 郁夫君
                亀谷 博昭君
                久野 恒一君
                佐藤 昭郎君
                中島 啓雄君
                水島  裕君
                脇  雅史君
                伊藤 基隆君
                石田 美栄君
                今井  澄君
                江田 五月君
                小川 勝也君
                谷林 正昭君
                内藤 正光君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
                魚住裕一郎君
                海野 義孝君
                林  紀子君
                吉岡 吉典君
                吉川 春子君
                谷本  巍君
                阿曽田 清君
                星野 朋市君
                奥村 展三君
                菅川 健二君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
       建設大臣     中山 正暉君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
   政務次官
       文部政務次官   河村 建夫君
       農林水産政務次
       官        谷津 義男君
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
       建設政務次官   加藤 卓二君
       総務政務次官   持永 和見君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       文部省高等教育
       局長       佐々木正峰君
       文化庁次長    近藤 信司君
       厚生省保健医療
       局国立病院部長  河村 博江君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○中央省庁等改革関係法施行法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○国立公文書館法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人通信総合研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人消防研究所法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人酒類総合研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人国立特殊教育総合研究所法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人大学入試センター法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合
 センター法案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立女性教育会館法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人国立青年の家法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人国立少年自然の家法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人国立国語研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人国立科学博物館法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人物質・材料研究機構法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人防災科学技術研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人航空宇宙技術研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人放射線医学総合研究所法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立美術館法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人国立博物館法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人文化財研究所法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人国立健康・栄養研究所法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人産業安全研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人産業医学総合研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人農林水産消費技術センター法案(
 内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人種苗管理センター法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人家畜改良センター法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人肥飼料検査所法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人農薬検査所法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人農業者大学校法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人林木育種センター法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人さけ・ます資源管理センター法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人水産大学校法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人農業技術研究機構法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人農業生物資源研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人農業環境技術研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人農業工学研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人食品総合研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人国際農林水産業研究センター法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人森林総合研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人水産総合研究センター法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人経済産業研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人工業所有権総合情報館法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○貿易保険法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人産業技術総合研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人製品評価技術基盤機構法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人土木研究所法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人建築研究所法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人交通安全環境研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人海上技術安全研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人港湾空港技術研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人電子航法研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人北海道開発土木研究所法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人海技大学校法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人航海訓練所法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人海員学校法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○独立行政法人航空大学校法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人国立環境研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○自動車検査独立行政法人法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人統計センター法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関
 係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)

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○委員長(吉川芳男君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十日、益田洋介君が委員を辞任され、その補欠として海野義孝君が選任されました。
 また、本日、須藤美也子君が委員を辞任され、その補欠として林紀子君が選任されました。
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○委員長(吉川芳男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日の法案審査のため、文部省高等教育局長佐々木正峰君、文化庁次長近藤信司君及び厚生省保健医療局国立病院部長河村博江君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(吉川芳男君) 中央省庁等改革関係法施行法案、国立公文書館の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係五十九法律案及び独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井俊男君 おはようございます。
 国会の会期も明後日までとなりまして、慌ただしい日々を迎えております。行革税制特別委員会に付託されました独立行政法人の法案もいよいよ本日締めくくり総括ということになりました。
 そこで、独立行政法人制度についてはこれまで衆参においてさまざまな議論がされてきましたが、今でもなぜそれが中央省庁の再編とスリム化のために必要なのかよくわからないというのがほとんどの議員の認識ではないかと私は思います。そこで、そもそも独立行政法人制度とは何なのかという原点に立ち返って、私はまだ議論が不十分な点について質問したいと思います。
 行政改革会議の最終報告では、独立行政法人制度を創設する目的について、次のように述べております。「国民のニーズに即応した効率的な行政サービスの提供等を実現する、という行政改革の基本理念を実現するため、政策の企画立案機能と実施機能とを分離し、事務・事業の内容・性質に応じて最も適切な組織・運営の形態を追求するとともに、実施部門のうち一定の事務・事業について、事務・事業の垂直的減量を推進しつつ、効率性の向上、質の向上及び透明性の確保を図るため、独立の法人格を有する「独立行政法人」を設立する。」となっております。
 まず、独立行政法人制度は、政策の実施部門にある事務事業を国から独立の機関にあわせようとするものですが、この政策の企画立案部門と実施部門の分離という手法はこれまでいろいろな議論を議員さんからもなされてきましたけれども、英国のエージェンシー制度を採用されたということです。
 エージェンシーについては、私どもの特別委員会の調査室のこの大きな資料を見ますと、行政改革会議の活動のさなかに、当時の武藤総務庁長官、続長官の四代前になろうかと思うんですが、実情調査に行っておりますね。
 いわゆる英国病から脱却し、英国に今日の活力ある繁栄をもたらしたことにとりわけエージェンシー制度の導入が貢献している、そういうことや、エージェンシーとはあくまで公務部門の一部であり、組織にかかわる変革ではなく管理に関する変革であったということがここにきちっと六百六十四ページに報告がなされております。
 せっかくこのような調査結果が出ているのに、なぜエージェンシー方式による管理運営の改善ではなく、独立の法人格を持つ機関の創設ということになったのでしょうか。その理由、背景事情について御説明を賜りたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) ただいま藤井議員から行革会議の最終報告に対する意見の集約が述べられました。
 まさにそのとおりであります。行革会議におきましては、この国の行政のありようを根本から変えていこう、そして税金の重みを国民が共有し合って、そしてより活性化されたシステムに変革する必要があると、こういう趣旨でありました。
 そのときに、今お述べになりました英国のエージェンシーも一つの貴重な参考ではございます。同時に、我が国においては特殊法人というのがございます。特殊法人にはまたいろいろな問題点がございました。そういう特殊法人のいろいろな問題点と、そして英国病を脱却するためにでき上がった英国エージェンシーにも我が国に直ちになじむかといえばなじまない面もある。そういう悪いところを切り捨て、そしていいところを取り入れて、そして今回の独立行政法人化をしたわけであります。
 独立法人化するということは、先ほど申し上げましたように、この国の二十一世紀に対するありようを基本から考えていこう。そして、今申し上げたように、税金の重みをみずからが分かち合おう、こんな趣旨で独立法人化されました。独立法人化されました趣旨は、もうここに先ほどお述べになりましたような趣旨であります。
 したがって、これが本当に十全の機能を果たせば、私は国民の期待にこたえられるような独立法人に育てられるものだと確信をしております。そのためにこそ、ここにおいでのお一人お一人が、そしてまた国民の皆様が、監視の目を緩めないでほしい、そして声援を送ってほしい、魂を入れてほしい、これを願うわけであります。
○藤井俊男君 今、大臣が貴重なエージェンシーの関係は参考にしていただくということでございましたけれども、当時の武藤長官、これは一九九七年ですが、続長官の四代前の武藤長官はこれについては高く評価をいたしておりますね。
 どうもいま一つはっきり私はしないのですけれども、所管の続総務庁長官は日が浅いと言っては大変失礼ですけれども、そういう中で、これら日本になじまないものあるいはなじむものとあるだろうということでありますけれども、よいところを選ぶというあれですが、だれがこれ正直言って最終的にお決めになったんですか、独立行政法人のこの五十九については。
○国務大臣(続訓弘君) 英国のエージェンシーは、藤井議員御案内のように、英国の国の一部であります、国の組織であります。そして、例えば私ども独立行政法人が志向しているような透明性というか結果の公表が図られておりません。私どもは評価委員会がございますし、あるいは総務庁におけるダブルチェックがございます。そういうことは英国エージェンシーにはございません。
 さらには、先ほど国の一部だと申し上げました。すべて公務員であります。英国はエージェンシーは公務員であります。そういう意味で、英国エージェンシーも先ほど英国病を脱却する一つの大きな引き金にはなったことの評価は私どもはしておりますけれども、さらにそれを踏み越えて、乗り越えて、よりいい制度として独立行政法人化したわけであります。
○藤井俊男君 そこで、今回の法案で独立行政法人となることが予定されている機関は、試験研究、文教研修、検査・検定という施設等の機関です。しかし、中央省庁再編のための行政組織のスリム化のためなら、府省庁という行政機関の本体にある実施部門に私は手をつけるべきではなかったかなと、こういうふうに思うわけですが、それについてはいかがですか。
○国務大臣(続訓弘君) まさに御指摘のとおりであります。
 そこで、今いみじくも本庁関係にメスを入れるべきだと、こういう御指摘がございました。一府二十二省庁から一府十二省庁に改編、百二十八あります局を九十六、九十八ですか、にスリム化し、かつ課と室が千二百ございます、それを千に圧縮する、そして五年後はさらにそれを九百にする、こういう計画を既に公にしております。
 そういう意味で、今、藤井委員が御指摘ございましたように、スリム化の実践をそこで図るということを申し上げておきます。
○藤井俊男君 どうも、ただいまの答弁は、聞きますと、それなりに中央省庁再編の中で新たにつくられたということで九十八になってきたということは理解をいたすところでございますけれども、イギリスでは社会保険や旅券等を独立化しておりますね、これ見ますと。
 この社会保険の関係等を独立化すること、こういうことはなかったんですか。
○政務次官(持永和見君) 社会保険関係業務は、日本の場合には記録の管理だとか、そのほかに裁定、いわば年金給付の決定というような業務も一緒にあわせてやっております。年金給付の決定自体はまさに公権力の行使そのものであります。
 確かに、現業部門としてコンピューターで処理しておりますから、現業的な処理、記録の保管だとか届け出の処理だとかそういうのがございますけれども、裁定業務、特に年金の裁定業務をあわせてやっておりまして、極めてこれは公権力に近いわけですから、そういう意味でこれは国が直接やる業務というような範疇の中に属され、そういう議論の上で独立行政法人にはしなかったものだというふうに思っております。
○藤井俊男君 次に、公務員型の特定独立行政法人の行為と国の責任の問題について質問させていただきたいと思います。先日、我が党の佐藤泰介理事より質問がございましたけれども、どうも答えが極めて不十分なものでしたから、私は重ねてお聞きしたいと思っております。
 独立行政法人は国とは別の法人格ですから、その行為はあくまでも法人の行為であって、国の行為ではないということになります。ところが、特定独立行政法人は、その役員、職員のすべてが国家公務員ですから、この論理でいくと、国家公務員が職務で行った行為の総体が国の行為ではないという非常におかしな話になっています。
 まず、この点について認識をお聞きしたいと思います。
○政務次官(持永和見君) 今御指摘の点は、国家賠償法上の適用がどうなるか、こういうような御質問であろうと思います。もう御承知のとおり、国家賠償法では、国または公共団体の公権力の行使に当たる公務員がその職務について故意、過失によって他人に損害を与えたときは、国または公共団体がこれを賠償する責に任ずると、こういうように規定してございます。
 判例とか通説とかそういうことでいいますと、この公共団体という範囲は非常に広く解釈されておりまして、単なる地方公共団体だけではなくて、特殊法人も入るんだと、今日までこういうような判例になっておりますから、今回御審議をお願いしております特定独立行政法人も当然この中に入ると思っております。また、公務員という解釈も、今申し上げたような特殊法人の職員が公権力を行使しているような場合には当然この中に読まれるということでありまして、したがって第一義的には、まずは任免権を持っております、使用者責任を持っております特定独立行政法人がその賠償の責に任ずる、公権力の行使があった場合には賠償の責に任ずる、こういうことであろうと思います。
 実は、国家賠償法の第三条に、国または公共団体が賠償の責に任ずる場合には、給与その他の費用を負担する者が異なるときには、その費用を負担する者もまたその損害を賠償する責に任ずるという規定がございます。
 御案内のとおり、特定独立行政法人の中には国から交付金を受けている、人件費の交付金を受けている、こういうような例もあるわけでありますから、そういう意味では、国が人件費を支弁している限りにおいては、公務員が公権力の行使という形でそういった損害賠償の責に任ずるようなことがあった場合には国としても責任が及ぶ。そういったことでの、お互いどこまでが公権力の行使か、あるいはどこまでが国の費用の支弁なのか、こういったことについては個々の裁判所が具体的に判断を下されると思いますけれども、少なくとも今私が申し上げたようなそういった両方の要件、そういった因果関係がはっきりするといった場合には、単なる行政法人だけの責任ではなくて国も賠償の責に任ずる、こういうことが当然あり得るというふうに考えておるところであります。
○藤井俊男君 今、政務次官から具体的に事細かに規定等を踏まえて判断されまして答弁なされましたけれども、大臣は長く都政の方でやられてきたわけですから、この区分等についてはもう十分知り尽くしているということだろうと思うんですが、大臣の認識はどのようですか。
○国務大臣(続訓弘君) 今、持永総括政務次官からお答えをしましたように、もちろん第一義的には独立行政法人が責めを負うべきだと、最終的には国の責任である、こういうふうに考えます。
○藤井俊男君 大臣から最終的には国の責任になるということをお答えいただきましたけれども、この辺の関係は、先ほどの政務次官と関連しますが、その行為が国の行為ではない、例えば別の法人格で、その法人の違法行為によって損害を受けた場合、これはただいまの国の責任という形でよろしいんですか。
○政務次官(持永和見君) 特定独立法人の職員が損害を与えた場合には、第一義的にはその特定独立法人が賠償の責に任じます。ただ、先ほど申し上げたように、その職員に対して費用を支弁しているとか、そういうように国がある程度の責任を負っているというようなことになると、その辺の因果関係について、裁判所の判断でございますけれども、当然国も責任を負うことがあり得るということを申し上げさせていただきます。
○藤井俊男君 特定独立行政法人の場合、具体的な業務執行はすべて国家公務員が担当しているのですから、常識的に考えて国の責任がないとは到底私は言えないと思います。
 その場合、国を直接に訴えることができますか。被害者救済のためにぜひともこの辺については聞いておきたいと思っております。
○政務次官(持永和見君) 国家賠償法は被害者救済という観点をできるだけ幅広くとらえようということで、先ほどお答え申し上げましたように、公共団体というのを割と幅広くとらえる、あるいは公務員といえども、その公務員という特定の身分だけじゃなくて、その特定団体に所属する職員にもこたえるというようなことで、できるだけ被害者救済の観点を広めるということでありますから、被害者の方々が具体的に、当然その人間に対しては国も費用を出しているんだから責任があるなというようなことで御判断なされば、これは訴訟が、訴訟というか訴えることができると思いますし、訴えの結果は、これは裁判所の判断によるんだというふうに思っております。
○藤井俊男君 そこで、仮に国家賠償の損害賠償が発生した場合、これはその場合主務大臣が担当ということになるんですか、細かいことですけれども。
○政務次官(持永和見君) 国に対する訴えの裁判につきましては、もし間違っておりましたら後で訂正させていただきたいと思いますが、国に対するいろんな訴訟がありますけれども、国に対する訴訟は一義的には法務省が所管をする。それに対して、例えば行政の実態だとかそういうようなことは各省庁が担当でありますが、したがって、この特定独立行政法人の場合には、当然主務省がそういった任に当たると思いますけれども、訴えの当事者は、訴えというか訴え自体の手続その他は法務省が行うことになろうかと思っております。
○藤井俊男君 どうも特定独立行政法人の責任について、国との関係ですね、すっきりしないところが気になっております。
 一方で、法人に対する主務大臣の権限について見ますと、独立行政法人通則法の定めるところによれば、法人の長の任命や役員の解任、業務方法書の許可、中期目標の決定、中期計画の認可、中期目標期間終了時の業務の全般的検討、財務諸表の承認、財産の処分の認可等、広範に及んでおります。独立法人といいながら、国の関与が十二分にあるわけでございます。
 こうした主務大臣の広範な権限と国の責任に関する不明確な点、今いろいろお聞きしましたけれども、本当に私は、どうしても法人の管理運営や業務執行の適正さということが気になってしようがないんです。例えば、官僚OBを法人の長や役員に任命をして、実際の管理運営や業務執行では相変わらず主務省の、上に従う、上下の関係ですが、意のままに動くということで、何かの不祥事があると、独立の法人なので行政指導はできないとか、国には直接の責任がないと言ったり、裁判では国に責任が及ばないようにするといったことが起きてこないかということを私は懸念しておりますので、この点についてはどうですか。
○国務大臣(続訓弘君) 藤井委員がいろいろと御心配されております独立行政法人は、まさに先ほど来お答えをしておりますように、国民の期待、ニーズ、それにこたえるための一番最善の方法をということで設立をするわけであります。
 そのためには、今御指摘ございましたように、それでは執行機関をどうするか、執行責任者をどうするか。まさに独立行政法人が目指す運営の妙を発揮できるような、いわば責任者を広く主務大臣が求めて、そして適正な人を任命する。その結果、いろいろ今御心配をされるような懸念のないように運営をしたい、これが主務大臣の責任でもございます。
 そういう意味では、なぜ独立法人化するのかということについては、先ほど来お示しを申し上げました。その独立法人化を本当に国民の皆様の御期待にこたえるように、これから育てていく。そのためにこそ、先ほど来申し上げたように、国権の最高機関である先生方が監視の目を光らせていただいて、同時に国民の皆さんが監視の目を光らせていただく、そして最初の発足から魂を入れていただくということをお願い申し上げたい。私どもも当然やりますけれども、よろしくお願いを申し上げたい。
 それと、先ほどスリム化の問題で、百二十八の局を九十八と申し上げましたが、二つ減りまして九十六でございますので。
○藤井俊男君 ある新聞でも、新たな天下り先の懸念があるということで報道をいたしております。私は、先日も個別の、省別の質問のときに、天下りの関係について心配をきわめまして質問いたしておりますが、公益性が極めて強く、公権力の行使に当たるものもあるという特定独立行政法人の業務の性格や天下りのいろいろなマイナス面なども考えますと、これは特殊法人以上に深刻な問題に発展していく可能性があるのではないかと心配もしております。
 先日も個別のときに大臣にもお聞きしておるんですけれども、先般は農林の関係で聞きましたけれども、天下りの防止ですね、法人の管理運営や業務執行の適正さの確保のために法人に対するコントロールをどのように所管大臣としてやっていくのか、天下り防止策を含めてお聞かせ賜りたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) 藤井議員にあえて申し上げますけれども、天下りが完全に悪では私はないと思います。というのは、私の経験からもそうでありました。やはり長年の間そこに勤めて、そして知識を持っておられる。こう改善すればこういう成果があるという、そういう考え方を持っておられる方々も私はいらっしゃると思います。そういう人たちを含めて、今御指摘のような天下りの温床にならないようにしなければならない、それは主務大臣の当然の務めだと存じます。
 今までにも、二百八十八の上限の役員がおられる、それに対して今、審議官以上が、この前申し上げました九十六だったでしょうか、具体的な数字はちょっと忘れましたけれども、そうだとすれば、たくさんの役員がふえるじゃないかと、こういう御指摘がございました。それに対して私どもは、それは上限ですよと。従来、特殊法人が天下りの温床になった、しかも仕事はちっともしていないという批判があります、その批判にこたえるために独立行政法人化をするんですということを私どもは御説明申し上げました。
 今申し上げましたように、天下りの温床という批判には、これはならないようにすることは当然でございますけれども、同時に、今御心配のような、役人から任命をしてはならぬということじゃなくて、役人も、適正な人があれば、これは任命をさせていただく。そして同時に、批判に当たらないようにこれは心をいたします。これが主務大臣の当然の責任だと存じます。
○藤井俊男君 最後に、これまで私は議論が不十分な点について質問させていただきました。そもそも独立行政法人制度とは何なのか、スリム化のために何が必要なのか、国民の目から見て本当の行政改革こそが求められておるのではないでしょうか。そのことを訴えて、私の質問を終わります。
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。
 本日は、大まかに言いまして二点。一つは独立行政法人一般的なこと、そしてまたもう一つは建設省関連のことについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 まずは総務庁長官に独立行政法人一般についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今回の独立行政法人、その源をたどれば、やはりイギリスのエージェンシーを見習ったものだろうと思います。イギリスのエージェンシーを見てみますと、こうあるんです。その長の任命についてなんですが、首相が特に内部の者を任命しない限りはエージェンシーの長は公募、つまり原則公募という姿勢なわけなんです。
 そこでお伺いさせていただきますが、今回の日本の独立行政法人の理事長並びに監事の具体的な選任方法を教えていただけますか。
○国務大臣(続訓弘君) 先ほども藤井議員にお答えをいたしましたように、広く内外に人材を求める、そして独立法人の妙を発揮していただく、国民の期待にこたえられる、そういう長を任命する、こういうのが主務大臣の責任だと私は思います。
○内藤正光君 広く人材を求めるだとかあるいはまた識見の高い人を求める、これは当然のことでございます。しかし、この理念をじゃいかに具体的な形にするかということを私はお尋ねしたいわけなんです。
 例えばイギリスですと、幅広く公募をする、そしていろいろ応募を募ってくるわけです。それに対して、まず第一次的には書類選考をする、そして書類選考をパスした人に対して今度は中立的な選考委員会による面接という、そういうステップがあるわけです。そして、そこで一人選ぶわけなんですが、それを大臣に推薦する、それで大臣が最終的には決定をするという、その理念を具体的に担保する形があるわけなんですが、そういった形は何かもう既にお考えでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) それぞれの所管の主務大臣がいろいろと今御指摘のようなことも踏まえながら最善の方法を考え出されると思います。
○内藤正光君 行革の責任者、まとめ役としての総務庁長官として何かその辺の具体的なお考えは述べていただけないでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) 私はかつて、これは総務庁長官ではなくて東京都の副知事としてこの独立法人化、国が独立法人化する以前、十数年前に独立法人化いたしました。
 それは、四つの研究所でありました。私が理事長をやっていた老人研究所がしかりであります。これは何回もあるいは御説明したかと存じますけれども、世界で四つしかない研究所でありました。国がつくろうと思ってもできないような研究所でありました。それが美濃部知事時代につくられました。
 しかし、たまたま東京都の組織の中に入っていたものですから、柔軟性、弾力性、そしてまた予算執行上の非常な制約がございました。したがって、せっかくつくった試験研究機関が、しかも四つしかない研究機関が、十全の機能を果たし得ませんでした。
 そこで、それでは研究所長をだれにするか。これは文化功労者であった、しかも大変な見識を持っておられる方に研究所長をお願いいたしました。その結果、ロシアと、当時はソビエトでありますけれども、イギリスとアメリカと日本が連携をして、老人の痴呆症の研究に取りかかりました。結果はどうでしょうか。まさに痴呆症がもう寸前まで解決し得るような状況になりました。これもまた研究所長に人を得たということ。同時に、今回の独立法人化と同じように予算の制約をなくしてしまった。人事の関係は全部所長が任命することになった。各大学から、各民間の研究機関からどんどん研究者を集められる。その結果、今申し上げたような研究の成果が上がってまいりました。それは一つだけではありません、四つの研究機関はすべてそうです。例のがん撲滅のためのインターフェロンは我が研究所から実はできました。これも研究所の妙であります。運営の妙であります。
 そういう意味で、それぞれの任命権者が今のような見識を持ってちゃんと事に当たられれば、私は立派な研究機関に生まれ変わるというふうに思います。
○内藤正光君 私も長官の意見には同感でございます。だからこそ、長の選任に当たってはやはりどこからも何か後ろ指を指されるようなことがあってはならない。ましてや、長官おっしゃるように本当に大臣がちゃんと見識のある方、すばらしい方を選んでいるというのであれば、それだけの自信がおありであるならばなおさらのこと、私は透明度の高いところで選んで、そういうような要らぬ余計な指摘を受けるのは避けるべきではないかと思います。
 さらにまたもう一つ言いますと、今回、非公務員型のエージェンシーが、独立行政法人があるわけです。これは、幅広く人材を登用するためにそういう形態をとったわけでございます。それで、こういった趣旨を照らし合わせてみますと、特にこういった非公務員型のエージェンシーにおいてはなおさら私はこういう民間も含めた幅広い人材公募というものを徹底させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) 全く御趣旨のとおりだと存じます。
○内藤正光君 ただ、私はもうちょっと具体的なことを、ある程度指針のようなものをお伺いできるという期待を持っていたんですが、それは現時点では単に理念しかお答えいただけないということですか。
○国務大臣(続訓弘君) 総務庁がまとめてかくあるべしという方針を今各主務大臣に流す状況にはございません。それぞれの主務大臣がそれぞれ独立行政法人を抱えておられる。したがって、まさに御指摘のような妙を生かすことが実は国民の皆様の御期待にこたえることなわけですから、私は主務大臣が一定の見識を持って必ずおこたえする、またすべきだと存じます。
○内藤正光君 先ほど同僚議員の質問に対して、特殊法人に関する質問なんですが、その質疑の中で出てきたんですが、特殊法人の役員ポストがある意味では天下りの温床となってしまっている、その結果、いろいろな非効率さだとか、問題の根源になっている、これも確かだろうと思います。
 私は、独立行政法人、長官がそういう思いでもって今進められている、だからこそ特殊法人の失敗を繰り返してはならないと思うんです。そのためには、まずその長の選任に当たってはもう厳正の上にも厳正をきわめなければならない、そして当初長官が望まれたような独立行政法人へ、効率化に向けた、スリム化に向けた行政を実現していかなきゃいけないと私は思うんです。
 具体的なことを総務庁長官という立場で今現時点で申し上げることができないというのであれば、少なくとも特殊法人の失敗を繰り返さないという政治姿勢を長官として私は具体的に明確にお示しになるべきだと思いますが、お願いします。
○国務大臣(続訓弘君) 私の所管では統計センターがまさに独立法人化する唯一の事業所であります。
 そこで、具体的にそれではその統計センターの理事長に対してどういう思いを持っているかといえば、統計の専門家である、そして広く内外から信任をされている練達の士である、公平な統計行政ができる、そういう人を内外から私は具体的に任命をしよう、こんなふうに思います。
 したがって、今申し上げたように私のところは統計センターがそうでございますけれども、今お見えの建設大臣、国土庁長官にもたくさんの独立行政法人がございます。それぞれの主務大臣が私と同じような思いを持って、そして国民の期待にこたえられるような長を任命されると思います。
 具体的にそれではだれをどう任命するかはこれからの話でございますので、具体的なお話は申し上げかねます。
○内藤正光君 ありがとうございます。
 では、一般的な話はこのぐらいにさせていただきまして、次は建設省関連についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、古都保存法と明日香村保存法についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 古都保存法は正式には古都における歴史的風土に関する特別措置法、そして明日香村保存法は明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法でございます。そして、今回の行革に伴いまして当然これも影響を受けるわけです。形式的なものもあるでしょう、例えば省庁の名前が変わるからそれを変えるだとか、いろいろあろうかと思います。
 ところが、この二法につきましてはどういう変更が加えられているかといいますと、一例を挙げて申し上げますと、古都保存法の第四条について申し上げます。現行ではどうなっているかといいますと、「内閣総理大臣は、関係地方公共団体及び歴史的風土審議会の意見をきくとともに」云々となっております。これがこの第四条改正によってどうなるかといいますと、内閣総理大臣が国土交通大臣というふうに変わっております、まず。国土交通大臣は、関係地方公共団体及び、議会が歴史的風土審議会から社会資本整備審議会の意見を聞くとともにというように変更されるようになっているわけなんです。
 私は、これは決して形式的な変更ではないというふうに思っております。今、歴史的風土審議会というのは総理府のもとにあるわけなんです。それが今回、国土交通省のもとに新設される社会資本整備審議会に整理統合されるということなんですが、果たしてこれが妥当なものなんだろうか。私は大いに疑問を感ずるわけなんです。
 つまり、社会資本整備審議会というのは、そこには河川審議会等々も入っておりますように、どちらかというと開発のスタンスに立ったところなんです。そうなってきますと、今回の法改正によって本当に歴史保存の観点に立った議論が保証されるのかどうか、私は大いに疑問に感じるところなんですが、大臣、答弁をお願いします。
○国務大臣(中山正暉君) 私も明日香保存の議員連盟の副会長なんかをいたしておりまして、今度の行政改革によりまして国土交通省というふうになる、その中での先生の御懸念でございますが、社会資本整備とこういう古都に関する保存の重要性というのは、特に地方建設局に権限が移譲されましたり、それからまた予算の配分なんかもいたしますものですから、かえって私は機能的に動くのではないかと思います。社会資本整備をしないと、日本はインフラストラクチャーが欧米諸国に比べて非常におくれておるような感じがいたします。
 私、この間ちょっと物を読んでいましたら、英国ではターンパイクという有料道路が一六六八年にもうできている。それから、大石内蔵助が討ち入りしたころにはもうパリでは下水が完備していたなんという、ちょっとうんざりするぐらい格段の差があります。
 しかし、先生の御心配の古都のようなところでは、日本は大変な歴史があるわけでございますから、そういうものは後世の人たちに残す貴重な民族的な資産でございますので、それを社会資本といかに整合性を持たせるかということは、これは古都の保存というものを先行させながら、古都の貴重な資産のある場所を避けていかに適切に調整をしていくかというのはかえってうまくいくように、これは十三年の一月六日からでございますから、まだ存在しないものに対する予測を申し上げて恐縮なんでございますが、それこそ議会の先生方の御監視と私ども行政、そのときにその長にある人たちの認識というものが私は重大ではないかと思っております。
○内藤正光君 大臣もおっしゃるように、こういった古都保存、歴史保存が大事なだけに、私は、異なる観点に立った人たちの議論が大事だと思うんです。例えば、今までは総理がいた。そしてその下に建設大臣と文部大臣がいた。そして、ある意味では総理は建設大臣と文部大臣のそれぞれの立場からの協議を見守っていた。つまり、そこには開発と文化財保護という緊張関係のある議論が繰り広げられていた。
 ところが、今回の法改正によって、国土交通省の大臣は文部大臣と協議する。言ってみれば、文部科学大臣の意見も聞き置くということで、あくまで開発スタンスの色彩が大きく出ているわけなんです。ここには歴史保護とか保存だとかいうもののスタンスと開発というスタンスの緊張関係のある議論が果たして担保されるのかどうか、大いに疑問なんです。私は、まず開発ありきということになってしまうというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中山正暉君) そういう先生の御懸念を、私どもは行政改革というスリム化させた行政で国民の皆さんに能率的な行政をやると同時に、しかし先生のおっしゃるような古都というのは、審議会の中にも鎌倉と京都と奈良の市長さん方、知事さん方が入っていらっしゃるということは、それは現場の知識、知恵、それから古都に関する問題というのは日本じゅうが注目している問題でございますし、私は、あだやおろそかにそういうものに対する開発優先ということにはならないと。
 大深度の問題もありますが、そういう地下化とか、できるだけ遺跡とかそういうものを避けるとか、それは学者の先生方と協議をしながら審議会の先生方で現場で御協議いただく、その面での万遺漏なきを期すような、これから発足するわけでございますので、先生のような御指摘を役所でも十分に慎重に取り扱うように、御意見を尊重したいと思っております。
○内藤正光君 ここで一つ確認をさせていただきたいんですが、やはり外部から見ると、今まで総理府のもとにあった歴史的風土審議会が国土交通省のもとに新設される社会資本整備審議会に統合される、その中で審議されるというのは、外部からどう見てもやっぱり開発優先という懸念が払拭できないわけなんです。
 では、新しく新設される予定の審議会の中に何かそんな仕組みとかあるいはまた部会とか、歴史保存の観点に立った研究会とか何か設けるんですか。そういう方向性を大臣は何かお考えになられますか。
○国務大臣(中山正暉君) 私は、当然そういうものをどう検討するかという組織をつくるべきではないかという思いを持っております。
 特に、一遍損なわれてしまうと復元ができないといいますか、考古学的なものでも文書で残すもの、それから現物を残すものという二つの種類があると思いますが、いずれにしても、どっちの保存をいたしますにいたしましても、そういう日本の復元のできない貴重な国民的、歴史的財産を損なうことがないような組織というのは、先生の御指摘のように大切にしないといけないという思いがいたします。
 それでなくても戦争がありまして、国宝とかそんな貴重なものが失われた、日本にはそういう歴史もありますから、残っているものは大切にしなきゃいけないという気持ちで、そういう先生の御指摘を役所の中にも徹底させたいと思います。
○内藤正光君 では、新しく新設される予定の社会資本整備審議会の中にそういった歴史保護の観点に立った研究会なり部会なりを設けるよう、大臣の考え方としてこれから作業を進めていくという理解でよろしいわけですね。
○国務大臣(中山正暉君) 専門部会でも設けさせていただいたらどうかなという思いをいたしております。
○内藤正光君 あともう一つ、確認なんですが、先ほども私、申し上げましたが、今までは文部大臣、建設大臣、この対等な関係でやりとりをしていた。新しい関係は、どうも国土交通大臣、文教科学大臣、こういう関係で、何か文教科学大臣の関与の仕方が弱まってしまうのじゃないかというような懸念もなきにしもあらずなんですが、こういったものを決定するに際して、文教科学大臣の意見なり考えを厳しく受けとめるような何かプロセス、仕組みが必要だと私は思いますが、それについてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(中山正暉君) 閣僚には政治家がつきますから、私も建設大臣でございますが歴史大好き人間でございまして、そういう判断は文部大臣とか建設大臣とか、建設大臣になったから社会資本を優先するとか、そんなことでは私はないんじゃないか。これは国務大臣としてそういうときには対応しなければいけないのではないかと思いますから、そういうことは世間注目の中心にある問題として私は尊重されるべきであろうと思いますし、御懸念がないように、当然のこと、今申し上げましたような専門部会を設けて各界の意見を尊重しながら、そして世の中の進展に資するような配慮をいたすべきではないかと考えております。
○内藤正光君 では、ちょっとテーマを変えまして、同じく建設省関係ですが、国土交通省の誕生の経緯について、関連した質問を二、三させていただきたいと思います。
 橋本前総理のお考えでは国土開発省と国土保全省をつくるというお考えであられた。ところが、建設省等を初めとして、河川行政と道路・都市行政は一体不可分だという理由でもってこの考えは消されて、結局国土交通省という巨大省庁が誕生するというふうになったわけでございます。
 ここに、私、行革会議の前の事務局長の水野さんのペーパーをお持ちさせていただきました。題は「「建設行政スリム化の考え方」の提案について」というものでございます。
 ちょっと前文だけ読んでみますと、「行革会議の国土開発省、国土保全省(いずれも仮称)構想に対して、河川局の分離反対をとなえる有志から、今の両省に分離する考えより」、そうではなくて、「完全な政策立案と実施部門の分離案が小生の所に寄せられましたので御紹介申し上げます。自民党建設部会有志ではありますが、有力な人々の考え方でありますので、御一読賜りたく存じます。」というふうに書かれております。
 有力な方々がだれだったのかということは、あえて私はここではお伺いするつもりはありませんが、こういったいろいろな圧力があって、結果として橋本総理の考えがつぶされて、結局は国土交通省という巨大な省庁が誕生するに至ったわけなんです。
 私は、そこで、ひとつ大臣としてのお考えをお伺いしたいわけなんですが、ここにそういったいろいろな人たちの意見を踏まえて水野事務局長が一応調整案という形で持ってきたわけでして、幾つか並んでいるわけなんです。その中に、「地方建設局への権限の委譲」というものがあります。これはどういうことかといえば、直轄事業の指導監督や許認可等をできるだけ地方へ移譲するというものなんです。もちろん、今回この地方建設局というのは地方整備局というふうに整理統合されるわけなんですが、その権限の中身が法案を見ても明確に記されていない、結局は省令で定めるということになってしまっているわけなんです。
 つまり、各省庁のさじかげん一つでどうにでもなるというものなんですが、ここで私は、また本当に地方分権、権限移譲が行われるのかどうか疑問に思うわけなんですが、具体的にどういった権限をこの新設される地方整備局へ移管されるお考えなのか、大臣としてのお考えをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) 私は、国土交通省というのは、よくそういう形で落ちついたな、非常に知恵が発揮されたなと思うのは、建設省という名前もそれから運輸省という名前も消えて国土交通省という名前になるというのは、よく両省庁が辛抱したなという実感を持っておりまして、特に道路と交通体系とは余り今まで相談をしてつくったことがないような話を聞いております。
 特に、交通機関とそれから道路という、物を運ぶという一体的なものが国土交通省という形で、それから北海道開発庁も一緒になって国土交通省となりまして、地方港湾局とか地方建設局が地方整備局ということで両方合わせると十三になるものが八つに統合されるわけでございますから、そこに予算とか地方分権の前提になるような配慮がなされて権限が移譲される。特に適正な整備、管理についての責任官庁として、総合的な施策を展開するために大ぐくりをして、いろいろな意味での権限を移譲していくということになっておりますので、私は、平成十三年一月六日から、それが今御審議をいただいております、決着がつきまして御討議をいただいたものを、これからの地方分権に合わせて、できるだけの権限は地方にお任せしていくべきではないかと思っております。
 私は大阪市議会議員をスタートにしておりますが、大阪市内からでも五兆数千億の税金が上がりますが、返ってくるものは七千億ぐらいだというので、東京の石原知事も同じようなことを言っておられます。
 そういう意味で、本当は地方で法定外普通税なんてあって、自治省がなかなか許可してくれませんので、大都市その他には財源が大変不足しております。その中で、今、百七十九兆の地方自治体での公債発行残高ということになっておりますから、そういう意味での地方自治体と地方整備局が相談をして、いろいろな自治体との関連で仕事が進んでいくような、いわゆるお金と権限の配分をするということが大事なことではないかと考えております。
○内藤正光君 時間もありませんのであと一つだけ質問させていただきたいと思います。
 つまり、いろいろ事業の許認可権を下へおろす、地方整備局へおろす、具体的にどういう事業をおろすかとかいう考え方はおありでしょうか。
○国務大臣(中山正暉君) 具体的には、新たに設置される地方整備局について、先ほど申しましたような地方建設局で行ってこなかった都市行政、それから住宅行政、それから補助金等に関する事務等を委任するとともに、公共事業予算についても一括配分をすることによりまして、管轄区域における国土の整備、管理に関する国の事務を主体的かつ一体的に処理させること。それからまた、それらの受け皿にふさわしい組織体制を整備してまいるという関係機関と今鋭意調整中でありますが、そういうふうな、これから議会の御指摘を受けまして、実質的に機動力のある地方整備局の活動が地方で生き生きしたものになっていくような施策をとってまいりたいと思います。
○内藤正光君 これで終わります。
○荒木清寛君 私からは政策評価制度についてお尋ねをいたします。
 昨日も地元の皆さんと懇談をいたしますと、公共事業のあり方についていろいろ意見があるわけです。何も橋を三本もかける必要はないではないかとか、あるいは私の地元の名古屋というのは、年度末における道路の掘り起こしが有名でありまして、いつも同じところをやっているという話なんです。そういう話を聞きますと、私は、これは平成十三年一月の新省庁発足に伴って行政評価制度が機能することになっておって、そういう中で厳密なチェックをするんだというお話をしておるわけなんです。
 通常国会で成立をしました関連法案によりましていわゆる政策評価制度、行政評価制度という方向が打ち出されました。一つには、各省庁における政策評価制度、もう一つには、それをくくって総務省による各省庁に対する政策評価制度が創設をされまして発足をする運びになっておりますが、そういう政策評価制度の創設について、大臣はどういう所見、また意義を感じておられますか。
○国務大臣(続訓弘君) 今、荒木議員御指摘のように、国民の関心といいますか議会の関心も、どちらかといえば予算の獲得あるいは法律の成立、それに大変な関心を持っておられた。結果、例えば執行面がどうであったか、決算がどうであったか、法律の施行に伴ってどういう効果があらわれたのかというチェックは実はないがしろにされているような面がございました。
 そこで専ら、今、国民の関心が大変な高まりを見せております。それはどちらかといえば従来のやり方とは違って、税金を負担する方々の思いといいますか、本当に自分たちの政策を実現してくれているのか、むだな道路はないのか、むだな港湾はないのか、むだな政策はないのかという眼であり、そこで御指摘のように、省庁再編に伴って政策評価をするということの法案はでき上がりました。しかし、それは今、議員からの御指摘のように、まず省庁で政策評価をやる、それでその政策評価を見て初めて次の段階で総務庁が意見を取りまとめる、こういう段階でございました。しかし、それでは遅過ぎる、国民の期待はそうではなくて税金の重みを知れ、そして効率的な行政をという願いがたくさんございます。
 それにこたえるために、実は今七人の委員から、来年の七月をめどに私ども総務庁として具体的に政策評価立案の準備作業に入っております。それにあわせまして、先ほど申し上げたでき上がった法律が施行されるのではなくて、今申し上げた七人の委員の議論と並行して法案化すべく懸命な努力を重ねております。できることならば一日も早く前倒しで政策評価法を立案したい、こんなふうに思います。
○荒木清寛君 総務庁で政策評価法の立案、また前倒しというお話を聞きまして、私も評価するわけですが、各省庁の評価に加えて総務庁で二重のチェックをするというのはどういう意味があるんでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) 各省庁における政策評価も私はこれは一義的であってはならないと思います。やはり先ほど来議論がされておりますように、国民の期待にこたえるような評価制度でなくてはならない。しかし、往々にして、やはり各省庁は自前の評価であれば客観性に欠ける面が私はないわけではないと。そうだとすれば、より客観的により公平にするには、私ども総務庁が一定の物差しを持って客観的な評価をした方がベターである、そしてそれは同時に国民の御期待にこたえられる、こういうことだと存じます。
○荒木清寛君 役所の評価であるからどうしても自己評価という側面を持つ。客観評価をするために総務庁のチェックということですね。私は、ぜひ実効性が確保されるように行政評価法の内容もそのようなものにしていただきたいと思うんです。
 そこで、行政評価法というのはさきの通常国会における衆参両院の附帯決議を受けて取り組んでおられることと思いますし、必要なことであろうかと思います。先ほど前倒しというお話がありましたが、私は事柄の性質にかんがみまして、平成十三年一月に新省庁が発足し、新たなそういう政策評価のシステムが起動するわけですから、そのときまでには基本法とも言うべき仮称行政評価法はできていなければいけないと思うわけなんです。そういうスケジュールでやっていただけますでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) 先ほどお答えいたしましたように、七人の委員の先生方で今大変な議論を重ねていただいております。それができ上がるのが来年の七月でございます。先ほど申し上げたように、でき上がるのと並行して法案化の準備を進めます。
 しかしながら、それでは平成十三年一月六日の発足と同時に法案化できるのかといえば、私は大変恐縮ですが、それよりも若干おくれるのではなかろうか、ここで胸を張って、はいやりますということが残念ながら言えないことをお許しいただきたい。しかし同時に、先ほど申し上げたように可及的速やかに御期待にこたえられるような法案を準備させていただきます。
○荒木清寛君 私はぜひ新省庁発足に間に合わせていただきたいと思うんです。
 冒頭、大臣からも国民の納税という話がありまして、納税の義務というのは憲法で規定されている国民の義務であります。であれば、その国民からお預かりした税金をむだのないようにきちんと使うというのは今度は行政の側の義務でありまして、私は本来この行政評価というのは国民の納税の義務に相対する行政機関の義務として存在しているものだと思うんですね。そうであれば、これは政府部内におけるガイドライン等ではなくて、行政の義務としての政策評価のあり方をきちんと法定しなければいけないというふうに思うんです。
 そこで、七人の委員会で検討中でありますからそれと並行しながらということでございますけれども、大臣としては、その行政評価法にどのようなものを盛り込むというイメージといいますか所見をお持ちなんですか。
○国務大臣(続訓弘君) これは今具体的ないろんな問題点は七人の委員の先生方に知恵を絞っていただいておりますけれども、私自身の考え方を申し述べれば、やはり一つはコスト意識ですね、税金が本当に有効に使われているかどうか。
 例えば、きょうのNHKのニュースで言われておりました一兆四千億かけたあの木更津から川崎までの有料道路、全額を通行料金で賄う予定であったと。にもかかわらず、今わずかに四割しか収益が期待できていない。それはなぜかといえば、一つはそれに接続する道路が完全でなかった。それは最初からわかっていることなんですね。そうだとすれば、なぜそういう道路をつくって一兆四千億の効果が上がるようなことをやらなかったのか。これは大変な政策の失敗である。そしてまた同時に、一兆四千億のこの事業を完成するために、場合によっては架空の交通量を計算して、そして何十年か後にペイをいたします、だからつくります、こういうことでの一兆四千億のプロジェクトであったのではなかろうか。そういう反省をぴしっとして、国民の期待にこたえるようなそういう手法でなくてはならない。
 そのためには、例えば行政には若干なじまないと存じますけれども、複式簿記をどうやって投入を理論化するのかということも私は一つの方法だと存じます。
 いずれにいたしましても、先ほど委員から御指摘がございましたように、国民がなけなしの金、税金を納めておられるわけです。その税金が本当に国民のために有効に使われているかどうかの評価をどんな手法でやれるのかということをまず念頭に置いて、私は考えたいと存じます。
○荒木清寛君 私はそういう意味では、アメリカにあります政府行政評価法、GPRA法というそうですが、これも参考にしていただきたいんです。九三年に成立しましたこの法は、政府が行うすべての業務について、それが顧客である国民にとって具体的にどれだけの成果を生んでいるのかを点検して発表させ、そしてそれを今後の予算編成にリンクさせていく仕組みだと、一言で言うとこんな内容であります。
 要するに、業績評価の実行とその結果の開示、これなくして予算をつけることはあり得ないと。予算編成とのリンクということが内容になっているわけでして、言わずもがなかもしれませんが、そのようなこともぜひこの法案に盛り込んでいただきたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) 私は貴重な評価方法だと存じます、今御指摘のアメリカの評価方法は。したがって、それらも十分参考にさせていただきたい、こんなふうに思います。
○荒木清寛君 終わります。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 独立行政法人の関連について何点か伺いたいと思います。
 続長官は、かつてのみずからの経験も踏まえて、試験研究機関の研究体制や研究内容が独立行政法人になれば充実するんだ、まさにそのために独立行政法人化を行うのだ、こういうふうに先日もおっしゃっていました。法人化すれば予算も人事も組織も柔軟性が期待できるんだということで、東京都の例を、先ほどもちょっとありましたけれども挙げております。
 この関係についてちょっと伺いたいんですけれども、東京都の老人総合研究所の場合、ここ近年予算がどういうふうになっているのか、今後予算がどういうふうになるのか、この点について御存じでしたら、ぜひ明らかにしていただきたいと思うんです。
○国務大臣(続訓弘君) 私は理事長を離れてもう既に十年近くたっておるものですから、具体的な予算がどうなっているのか、その後の運営がどうなっているのかということは実は、大変恐縮ですが、存じません。
○富樫練三君 私の方から申し上げたいと思うんですけれども、予算の総枠でいえば、五年間の間でここが自由にという、そういう意味の柔軟性というのは確かにあるんです。ところが、長い目で見ると、例えば二〇〇〇年度、来年度、平成十二年度は予算は一〇%の削減、こういう予定なんですね。それで、その結果研究費が削減されて人員の不補充、これが行われると。予算削減が続けば、人的資産、いわゆるすぐれた研究者の流出、それから研究のおくれ、こういうことが生まれるということで、現場では大変心配をしているわけなんです。この予算の削減は平成十五年まで続いて、全体では予算三〇%削減をしよう、こういう計画になっているわけなんです。これでは研究の体制が充実するというふうにはならないと思うんです。
 もう一点なんですけれども、ここの研究所の場合、今度の独立行政法人と同じように中期経営計画というのがあるんです。この中期経営計画、私も読ませていただきました、ここにありますけれども。それはあらゆる方法で独自の収入を図ること、これが中心になっているわけなんですね、予算が削減だと。だから、いよいよ財源を生み出さなくちゃいかぬというわけなんです。そのために研究成果を普及しよう、売り込もう、こういうわけなんです。
 これはことしの五月二十九日の朝日新聞です。「売り込め「老人力」データ 企業・医療機関向けに」、こういうことです。これはその東京都の研究所の例なんです。同じくこれは八月の新聞なんですけれども、「データ、企業に有料提供 独自の財源を確保」、こういうわけなんです。
 こうやって何しろ金を稼がなきゃ研究もできないということで、この中期経営計画を見ると大変なことが書いてあるんです。その売り込みに研究者も動員されると。本を出したりテレビの出演、それから異業種交流、研究者とそうじゃない人との交流ということで、研究者にまでセールスの場を持つことが書かれているわけなんです。その中では、そのデータを売り込むためにお客さんに対してビールやおつまみの出し方に至るまで詳しく書いてあるんです、ここに。私、読ませていただきましたけれども、やっぱり売り込むには接待しなくちゃいけない、研究者にそれをやれ、こういう話なんですね。
 そういうことで、しかもその研究の方向というのはこういうわけなんです。企業の需要にこたえるために需要の予測をする、そしてシルバー産業目当ての研究にずっと方針を転換したと。これはこの新聞にも方針を大幅に転換した、こういうふうに書いてあるんです。こういうことで何で中立で公正で充実した研究ができる、これが独立行政法人の一つの見本だと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(続訓弘君) 今、富樫委員の示された新聞等を伺いながら、よくぞここまで育ったなと私は思います。
 ということは、少なくとも研究の象牙の塔にこもるんではなくて、せっかく立った唯一の研究機関なんです、日本における世界に冠たる研究機関。それをひとしく門戸を開放して民間に提供するということは、これは私は当然あってしかるべきじゃないのかなと。ただ、過度に過ぎては困る。過度に過ぎては困るけれども、一定のルールに基づいていわばシルバーといいますか老人のいろんなものに提供するということは、私はむしろ歓迎すべきことじゃないでしょうか。
 ここには委員のお一人として医療専門家の今井先生がおられます。私は、少なくともそういう現場の考え方からすれば、これは大変なことだなというふうに、富樫委員とは逆な立場でここまで育ったな、よくやってくれているなというような感じを持ちました。
○富樫練三君 よくぞ育ったと、こう言っておりますけれども、これが独立行政法人の未来の姿だろうと思うんです。
 この東京都老人総合研究所の中期経営計画について、これは今年の五月出されたものです。経営検討委員会が発行したものですけれども、この中でも、今度の独立行政法人と同じように、評価の問題が出されているわけなんです。
 その評価というのは、第一は研究成果の普及・還元活動、いわゆる売り込みはどうだったのか、これが評価の一つです。それから第二に、研究費の導入実績はどうだったか得点をつけて評価するというふうになっているんです。研究費の導入、要するに売り込んだ結果どれだけの収入があったのか、こういう問題が二つ目ですね。三つ目は、この評価結果は予算、人事、処遇に反映する、こういうふうになっているわけなんです。
 ですから、例えば一般論としては、セールスというのは大事ですよ、どこの会社でもどういうところでもセールスというのはそれはあり得るだろうというふうに思います。しかしながら、どうして老人問題研究にセールスマンが必要なのか。しかも、研究者にまでセールスをやらせる、こうやらなければ研究所自体がもたない、こういうことなんですね。これで本当にいい研究ができるのかという問題なんです。今度の独立行政法人化、これは通則法の三十七条によって原則として企業会計が導入される。そのもとで効率化が追求されればどうなるか、どういう姿になっていくか、この東京都の例が一番よく示していると思うんです。
 こういう点から見て、今回試験研究機関に独立行政法人化を導入する、さっきのは東京都の例ですけれども、これは国として本当に研究をしっかりやっていくという責任を放棄するものなんじゃないのか、私はそういうふうに思いますけれども、大臣はどうですか。
○国務大臣(続訓弘君) まず、前段のお話でございますけれども、東京都の場合は、いわば国からの補助金等は一切受けておりません。みずからの財源でみずからの行政をやる、国の一割、約千二百万の都民のための行政をみずからの力でやる唯一の団体が東京都であります。
 今回、御案内のように、不況のあらしの中で税収が落ち込んでまいりました。そこで、みずからの例えば給料をカットしております。全国で一番高いカット率であります。そういう苦渋の選択をやりながら、なお都民に対する行政サービスはなるべく落とさないようにというのが一つの願いであります。そんな願いの中で、今お話しのように知恵を絞りながら、せっかく研究の成果を世に問おう、広く門戸を開放しよう、そのための何がしかのお金が入るならばそれをあえてやろうというのが私は東京都の姿勢だと存じます。
 そこで、今お話しのようにそういう轍をまさに今回の独立行政法人に求めるんじゃないか、こういうお話でございました。しかし、私は、国の独立行政法人もまさにそういう自分たちの研究を広く門戸を開放するという姿勢はぜひとっていただきたい。しかし同時に、では売り込むとかなんとかというのはこれは後の話だと存じます。
 いずれにしても、今までの親方日の丸的な経営感覚ではなくて、むしろ積極的にいろんな知恵を求めながら、そしてその成果を世に問えるような仕事の実績を上げていただきたい、それが独立法人化の目的でございます。
○富樫練三君 東京都は財政が厳しいからそういうこともあり得るんだということだと思うんですけれども、今回、独立行政法人化を国の段階で導入した場合に、国の方だって大変な借金を抱えているわけで、そういう点では条件はそんなに変わらないと思うんです。そうなれば、独立行政法人化された試験研究機関に、みずから財源を稼ぎなさい、こういうふうに言うのは当然です。効率化を求めれば結局そういうことになります。そうすると、研究者が研究データを企業に売り込んでいくと、企業の求めるような研究内容に当然のことながらなっていくわけなんです。研究内容までゆがんでしまう。長期的な基礎研究は、なかなかそっちの方には時間も割けない、こういう事態になるのはもう東京都の例がはっきり示しているわけなんです。このことをしっかり指摘しておきたいと思います。
 時間もありますので次の問題に移りますけれども、独立行政法人化がされてから中期目標期間、いわゆる三年以上五年以内という問題です。これが終わった時点で評価が下されて、そのときに、そのまま続行するかあるいは廃止するのか、中身を改善していくのかあるいは民営化にしていくのか、こういうことが判断される、こういうことになっています。そういうことになっているんだけれども、通則法の第二条では、独立行政法人の定義として「民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの」、これが独立行政法人化の対象なんだ、こう言っているわけなんです。すなわち民間には任せられない、こういうものであります。
 ここで伺いますけれども、今、国立病院と療養所についての独立行政法人化、二〇〇四年、平成十六年までの間にこれをやろうという方針が既に確定しておりますね。そうすると、この通則法の第二条からいえば、仮に国立病院や療養所が独立行政法人化になってから五年後に評価されたとしても、第二条があるからこれは民間にはならない、民間には任せられないものということですから、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府参考人(河村博江君) 先生の御指摘のように、独立行政法人法の通則法の二条で「公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、」「民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがある」というものを「効率的かつ効果的に行わせることを目的として、」独立行政法人というものが設置されるということで、国として行うべき政策医療の分野、国立病院・療養所が担っている分野というのはまさにそういうものであるということから、平成十六年に独立行政法人に移行するということにいたしておるわけでございます。
 三十五条との関係でございますけれども、政策医療が効果的、効率的に行われているかどうかというものの事後的なチェックというのはもちろん必要でありますし、またその政策医療自体が時代の要請に見合ったものとなっているかどうかということのチェックというのは当然に必要だと思っております。私どもは、政策医療を効率的、効果的に実施できないなら独立行政法人を廃止せよと言われることのないように、政策医療の実を上げることに一層真剣に取り組んでまいりたいというふうに思っています。
○富樫練三君 答弁の場合は私が言ったことを繰り返さなくてもいいです。聞いたことについて答えを出していただければ。
 私が聞いたのは、通則法の第二条では、民間には任せられないもの、任せちゃいけないんだ、こういう規定、これが独立行政法人の一つの定義だ、こうなっています。三十五条では評価の結果によっては民営化もあり得る、こうなっているわけなんです。
 民営化という言葉は条文には出てきません、だけれども政府の決定した方針の中には改廃と民営化というのは明確にそういう言葉も出てきているわけでありますから。これが矛盾しているというのは既に今まで何度も指摘されていることで、同じ法律の中で第二条と三十五条が矛盾しているというのはもう指摘されておりますから私は繰り返しません、そこは。
 問題なのは、国立の病院や療養所が三十五条に基づいて民営化ということもあり得るのかと聞いているんです。あるのかないのかと。ならないように頑張りたいという話を聞いているんじゃないんです。どっちなんですか。
○政府参考人(河村博江君) 政策医療の必要性そのものがなくなるということは私どもはないと思っております。また、そういうことがないようにと申しましたが、そういう効果的、効率的に実施できないなら廃止せよと言われることのないように頑張りたいと思っております。
○富樫練三君 では、改めて長官に。これは通則法の問題ですから一般論にもなるわけなんです、別に国立病院と療養所だけの問題じゃないので。
 第二条では「民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの」、これが独立行政法人ですね。だから、民間には任せちゃいけないんだ、任せられません、こういうことです。三十五条では、独立行政法人になってから中期の目標期間が終わった後で評価されて、その結果に基づいては民営化もあり得る、こう書いてあるわけです。
 それはどういう関係になりますか、民営化はあり得るということですか。
○国務大臣(続訓弘君) 今、厚生省当局からお答えをいたしましたように、民間への移管があり得ないように努力するというお話をしておられました。
 私、実はそのことに対してちょっと私自身の経験を申し上げますと、例えば都立病院は午前中の診療しかやっておりませんでした。それでは都民に対する医療ニーズにこたえられないんじゃないか、午後も診療したらどうですかと申し上げました。そこでやっと午後の診療が始まりました。
 事ほどさように、やはり私は、今御指摘のようなニーズが、実際の実績が本当に国民の期待にこたえられるようなことであれば、ちゃんとした評価ができ、そしてその病院は永続する、永続するような努力をお互いにしなくちゃいかぬ、こんなふうに思います。
○富樫練三君 要するに、民営化にならないように、あるいは独立行政法人が廃止されないように努力をします、頑張れば大丈夫なんだというのが今の長官の話だと思うんですけれども、ということは、法律上は民営化もあり得る、こういうことですね。
 それで、厚生省に伺いますけれども、例えば、現在民間の病院が結核の病床をどんどん減らしていますね。その結果として国立の病院や療養所が結核病床を全体としては四八%支えている、半分近くを支えているわけなんです。こういうところが民営化された場合にきちんとやっていけるのかどうかという問題ですね。今、民間の方はどんどん減らしているわけですよ。これが民営になった場合、できるのかという問題です。
 もう一つ、山間や僻地やあるいは離島など、医療過疎部分、こういう地域で国立の医療が頑張っているわけです。こういうところはもともと不採算なんです。国立だからこそ維持しているというところが民間に移行された場合に果たしてやっていけるのか、その地域での医療は一体どうなるのか、こういう点について厚生省はどういうふうに考えていますか。
○政府参考人(河村博江君) 国立病院・療養所というのは、地方自治体あるいは民間で担うことのできない医療であって、国の医療政策として行うべき医療を引き続き行っていくということでございまして、結核医療につきましてもそういう観点から取り組んでいきたいというふうに思っております。
 ただ、先生おっしゃったような僻地あるいは離島、そういったものにつきましては、その地域において基本的な一般的医療として対応されるべきものではないかというふうに考えております。
○富樫練三君 地域医療、一般的な医療として対応されるべきものということは、国が責任を負わないということですよね。直接は責任を負わないんだ、こういうことだと思うんですね。
 ですから、今度の独立行政法人化の方向というのは、当面三年から五年の間は簡単には状況は変わらないかもしれない、だけれども、五年後の中期目標期間が終わった時点からがまさに大問題になる。廃止されたり民営化されたり、これは国立の病院も療養所の場合も全く同じだと。ですから、採算のとれないようなもの、こういうものは廃止されるか民間に移されていく、こういう方向が待っているということだと思うんですね。これじゃ、国として国民の健康や命に責任を負う体制だというふうには言えないと思うんです。
 もう一点、大学について伺っておきたいと思います。
 九月二十日に文部省は、特例措置という文部省の見解を発表しました。これは、この特例措置を条件にして国立大学を独立行政法人にする、こういう方向なんですね。そこで、端的に伺いますけれども、結論だけ答えてくれればいいです。この特例措置を条件にした国立大学の独立行政法人化が行われた場合、中期目標期間が終了した時点あるいはそれ以後、国立大学の改廃や民営化への方向はこの特例措置によってふさがれたんだと、こういうふうに理解していいのか、それとも、いや、やっぱり民営化や改廃は引き続き残るんだというふうに理解できるのか、そのどちらですか、結論だけ言ってください。
○政府参考人(佐々木正峰君) 文部省といたしましては、民営化につきましては、都市部への集中等の地域的な隔たりや学問分野の隔たりが生ずるなど、我が国の高等教育、学術の発展の点から見てやや懸念があるというふうに考えておるところでございまして、民営化のようなことは現時点では想定していないところでございます。
 なお、統廃合等につきましては、独立行政法人とは別な問題であると認識いたしております。
○富樫練三君 そういうことを聞いているんじゃないんですよ。今度文部省が発表した特例措置、その中身によって通則法で決められている民営化への道はふさがれたのか、それともやっぱりその道は生きているのかどっちなんですか。そこのところイエスかノーかちゃんと言ってくださいよ。考え方を聞いているんじゃないんです。
○政府参考人(佐々木正峰君) 一般論といたしましては、中期目標期間の終了後において、主務大臣は民営化を含む所要の措置を講ずることができることとなっているところでございます。
○富樫練三君 ということは、今度の文部省の特例措置によっても、国立大学が民営になったり私立の大学になったり、あるいは国立大学そのものを廃止するということについてはこれはふさがれてはいない、こういうことですね。
 申し上げますけれども、ことしの二月に経済戦略会議はこういうふうに言っているんです、「国立大学については、独立行政法人化をはじめ将来の民営化も視野に入れて段階的に制度改革を進める。」、経済戦略会議はこう言っているんですね。経済同友会、ことしの六月に「国立大学はエージェンシー化、ひいては民営化を推進する。」という提言を発表しているんですよ。それで、九月に文部省の見解なんですね。
 ですから、この流れを見れば、国立大学に独立行政法人化を導入していく、そのためにああいう特例措置というのを発表したけれども、これは民営化に対して、私学化に対して何の歯どめにもなっていない、こういうことだと思うんです。文部省が民営化に対して賛成か反対かという問題じゃないんです。これが本当に歯どめになるのかどうかという問題だと思うんです。こういう点では、日本の教育のあり方をめぐる重大問題だというふうに私は思うんです。
 今検討中で早急に結論を出そうという動きになっているわけですけれども、これは戦後初めてこういうことが行われようというわけでしょう。ですから、日本の学問研究やあるいは教育や文化、民主主義にとっても重大な問題だと言わなければならないと思うんですね。
 そういう点で、十分に国民の意見を聞く、あるいは大学関係者の意見を十分に聞く、こういうことが必要だと。文部省は大分早く結論を出さなくちゃと言っていますけれども、そうじゃない。むしろ、これはもっともっと慎重に検討する、国民的な議論をやらなくちゃいけない、そういう性格の問題としてとらえていますか。どうですか。
○政府参考人(佐々木正峰君) 文部省といたしましては、御指摘ございましたように九月二十日に国立大学の独立行政法人化の検討を行う場合の基本的な考え方についてお示しをしたところでございます。その後、国立大学長等の意見も聞きながら検討を進めておるところでございまして、国立大学協会等関係者とよく相談をしながら、この問題については考えてまいりたいと思っております。
○富樫練三君 この問題、本当に大事な問題だと思いますので、きょうの短時間ではもちろん議論できないわけで、今後大いに議論したいとは思っているんですけれども、独立行政法人化が大学に持ち込まれた場合、当然のことながら大学の予算や決算については企業会計がそこに持ち込まれる。先ほどの東京都の例じゃないんですけれども、まさに教育研究機関が、先ほどのように効率性を優先した経営、運営が行われた場合、大学そのもの、これがゆがんでしまう、こういう重大な問題なんですね。
 ですから、将来にわたって重要な問題と、こういうことが言えると思いますので、この点指摘をして、次の美術館、博物館の問題に移りたいと思います。
 これは今度、独立行政法人国立美術館法という個別法が、たくさん今回は五十九本出てきているわけなんですけれども、その財産の問題で、例えば美術館の場合は第五条の第二項で、国から承継される権利に係る土地、建物その他の財産は国から国立美術館に出資されたものとするというふうになっております。当然この「その他の財産」の中には、今までの国立美術館が収蔵していた、所蔵していた美術作品も入っているというふうに思うんです。そうなった場合に、これは独立行政法人に所有権が移りますね、国から。今まで国だったのが今度は独立行政法人が所有するということになりますね。
 さてそこで、三年ないし五年の中期目標期間が終わりました。ここで評価が出された。その結果、この美術館はやめようとか、あるいはこの美術館は民営化しようというふうになった場合に、そこにある国宝であるとか歴史的な美術品であるとか、そういうものはどういう扱いになりますか。
○国務大臣(続訓弘君) 今御指摘の収蔵品は、まさに国民共有の財産だと私は存じます。したがいまして、むやみやたらに処分をするということはできません。すべきではない、こんなふうに思います。
○富樫練三君 通則法上は、そういう重要な財産を処分する場合はこれは主務大臣の認可を受ける、こういうふうになっているんです。だから、大臣がオーケーしない限りは、例えば高価な絵画を簡単に売り飛ばすとか処分したりということはできないんです。
 問題なのは、五年間の中期目標期間が終わって民営になったときにそれは一体どういうふうになるのかということですけれども、どうですか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 国立博物館、美術館は国の文化行政において重要な役割を果たしているわけでございまして、今回これを独立行政法人化するわけでございますけれども、まず私どもは民営化をあらかじめ想定をしたものではないわけでございます。そして、そもそも国立博物館は独立採算制になじむものではないわけでありまして民営化は難しいと考えておりますし、そういった形で法人の運営面で自主性、自律性が拡大をするわけでありますから、博物館、美術館が一層活性化をし、民営化になるというようなことがないように最大限努力をしていきたいと思います。
○富樫練三君 さっきから私は何回も言っているんだけれども、そういうことで時間をつぶさないでもらいたいんですよ。聞いていることに対してちゃんと答えてほしい。
 今の答弁では、要するにはっきりしていないということですね。ですから、民営化になった場合に、仮に民間に所有権が移転した場合に、国民全体の大事な財産が勝手に処分されるようなこと、そういう道も今の通則法や個別法の段階ではそういうこともあり得るかもしれないという懸念を持つのは当たり前だと思うんです。この点をまず指摘しておきたいと思うんです。
 最後なんですけれども、続長官に伺います。
 これは、今度、例えば試験研究機関とか検査検定機関であるとか、こういうものは数えてみましたら大体百四十五ぐらいあるんです。その中の幾つかについてまとめて今回五十九本の独立行政法人化と、こういうことなんですけれども、今までの経過からいえば、その百四十幾つの施設、機関、こういうものを独立行政法人とするもの、それから引き続き国の行政機関として存続するもの、それから民営化するもの、それから廃止または統合するもの、または引き続き検討するものと、大体五つぐらいの種類に分けたわけです。
 それで、どうしてこの機関が独立行政法人でどうしてこれは引き続き国の機関なのかということについては、先ほどの通則法の第二条に三つほどの基準がありますね。この基準に基づいて振り分けたということだと思うんですけれども、一つ一つの事務事業について、例えば一番最初に出てくるのは国立公文書館でね。国立公文書館はなぜ国がみずから主体となって直接実施する必要のないものというふうに判断したのか、その判断はどうだったのか、こういう資料が必要ではないかということが実は衆議院の委員会でも問題になったんです。
 そのときに、前の太田長官は、そういう経過、論議がどうあったかという点について資料を出しましょうと、こういうふうに答弁した。その後、大臣がかわられました。それで、先日、続長官は、「私は十月の五日に就任をいたしました。したがって、以前の資料は私の手元にはありません。」「まとまった資料として出せるような状況でないということだけは、私は言えると思います。」と、こういうふうに言っているんです。
 前の長官は出します、今度の長官はそんなものはありませんと。事務の引き継ぎはどういうふうになっているかわからないんですけれども、改めて長官に、少なくとも五十九本の法案が出ているんですから、これについての論議の経過、理由の資料をこの委員会に提出することを求めたいと思います。どうですか。
○国務大臣(続訓弘君) 実は、衆議院の特別委員会で御党の平賀委員から御質問がございました。そこで、お読みいただきましたように、私に唐突な質問でございましたので、そういうお答えを申し上げました。
 帰って調べてみました。本当に太田長官がおっしゃったような資料があるのかと、重ねて事務当局に調査を命じました。確かに、資料としてはございません。ただ、それぞれの省庁で今お示しされましたように三つの要件に該当するものが百四十幾つある、その中で八十九の法人がまずピックアップされ、そして八十六で五十九に集約をしたと。そのそれぞれの段階の議論はございましたけれども、具体的な資料としてはまとまっていないということが重ねて調査の結果明らかになりました。
 御理解を賜りたいと存じます。
○富樫練三君 最後に。
 そういう資料が出てこなければ、法案の審議はなかなかできないわけですよね。ですから、委員長にこれはお願いですけれども、そういう資料をこの委員会にぜひ出してもらうように取り計らっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○委員長(吉川芳男君) 後刻理事会で協議したいと思います。
○富樫練三君 よろしくお願いします。
 終わります。
○委員長(吉川芳男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後零時二十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時十六分開会
○委員長(吉川芳男君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷本巍君 社会民主党の谷本巍であります。
 主として農林水産省関係について伺いたいのでありますが、その前に、きょうの午前中の質問にもありました独立法人への企業会計導入の問題について若干伺いたいのであります。
 この点については、それぞれの独立法人、過去に全く経験がありません。現場の話を聞いてみますというと、ほとんどが戸惑いを感じておる。てんでんばらばらに勉強もしておりますし、中にはやってみたらやり直しということになりはせぬですかといったような声すらあるような状況であります。
 こうした状況を見てみますというと、すべて独立法人任せではなくて、例えば行政改革推進本部とかあるいは総務庁あたりが、ひな形ないしはひな形に準ずるようなものを示してもよいのではないかと思われます。
 もしその点について準備中のことがあったとすれば、その点も含めてひとつお答えをいただきたいのです。
○国務大臣(続訓弘君) ただいまの御指摘につきましては、持永総括政務次官が主宰をした研究会を今発足させておりまして、来年の二月ぐらいに具体的なたたき台ができ上がるんじゃないか、こんなふうに思います。
○谷本巍君 次に、農林水産大臣にお伺いいたします。
 大臣も御存じのように、先般の通常国会で新しい基本法が成立をいたしました。ところが、新しい基本法は、政府が考えておりましたものとかなり違ったものになりました。政府が考えておりましたものは、自給率引き上げの問題についてはあいまいでありました。これに対して国会の意思は、国内生産の増大と自給率引き上げを法律の中に明記をするというようなことで、全会一致で成立をいたしました。これまでは日本の自給率は残念ながら低下の一途でありました。今度の国会が示した意思は、これに対してその流れを逆転させるという発想だと言ってよかろうと存じます。
 ところで、農林水産省の定員の推移を見てみますというと、昭和四十三年当時六十二万一千人であったものが、平成八年には三十六万八千人になっております。二十年足らずで半減に近いという状況であります。同じ期間、国全体の公務員の定数を見てみますというと、五十二万六千人であったものが五十三万四千人と、若干ふえております。全体が増加ないしは横ばいというもとで、農水省の定員大幅削減の歴史が持つ意味は、自給率の甚だしき低下ということとまさしく比例的状況でありました。新しい基本法に示された国会の意思、国内生産増大と農業再建への意思を受け、農林水産省の要員の確保につき、今後大臣はどう対処していかれるかについて初めに伺いたいのであります。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 最初にちょっと数字の問題があると思いますが、今、委員が六十二万と言われましたが、これは六万二千ではないか、十一年は三万五千と、大体そういうふうになっております。
 それで、定員がそういうように少なくなってきたので自給率の低下につながったのではないかという御指摘でございますが、これは社会経済または行政上の変化に伴いまして、例えば食糧事務所の検査官数が半分以上にかなり減っておるということ、統計事務所におきましても半分以下に減ってきている、これは通信手段その他の改革等がありましてそういうものをやっている。同時に、国有林野の会計が非常に苦しい状況にありまして定員を削減してきた。こういうような経過等がございまして今日の数字があるわけでございまして、これと食糧自給率というものを結びつけて論ずるというのはもともと困難なことだと思います。
○谷本巍君 私は、最初からストレートに結びつけてということは言っておりませんよ。そういうふうに要員が減ってきたということと自給率の低下ということはまさしく比例的な状況であったということを申し上げておるんです。そして、今度は自給率を上げるということが国会の意思として出されたわけです。ですから、それについて要員確保について大臣はどう考えるかということを伺っているんです。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この定員削減の実施は農林水産省にとって厳しい問題でありますが、その具体的検討に当たりましては、政府の方針を踏まえつつ、食料・農業・農村基本法の基本理念や新しい設置法に規定されました農林水産省の任務が達成されますよう、必要な定員の確保に努めてまいりたいと考えております。
○谷本巍君 少々それは、農政を御存じの大臣にしてはもっと積極的な答弁を私は聞きたかった。
 例えば、国有林の問題について大臣に見ていただきたいんです。大臣も御存じと思いますけれども、産業廃棄物の不法投棄、暴力団の皆さんはおっしゃっていますよ、県境か国有林が一番やりやすいと。こういう状況が今ふえてきております。それでは営林署の皆さんを責めることができるかというと、そういう状況にはありません。それは、大臣もちょいちょいお訪ねになると思いますけれども、非常に忙しい。何よりも人手不足でやり切れないという状況です。そして、民有林と国有林の境目、これなんかでもそういう実態調査に手が届かないからわからぬような状況になっているところが今ふえております。
 ですから、やっぱり要員を減らさなきゃならない、減らさざるを得ないということでやったものが、現場の中ではそういう状況が出ておるんです。でありますから、そういったような現場等々も踏まえて、ひとつ大臣、もっと積極的にやっていただきたいんだが、いかがでしょう。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 国民の皆さんに対するサービスが低下しないよう、万全の処置をとっていくということが大事だと思います。
○谷本巍君 今申し上げたことは、それはもう国民へのサービスの低下そのものなんです。山村の皆さんはおっしゃっていますよ、このごろはおっかなくて水も容易に飲むことができない場合がありますよという話を。川下の方はたまったものじゃないです。ですから、要員確保については、時間もありませんから実情を余り申し上げませんけれども、そういうふうな状況等々も踏まえてやっていただきたいことを改めて要請申し上げておきます。
 次に、総務庁長官に伺いたいのです。要員確保との関連で高齢再任制度について若干伺いたいのであります。
 高齢再任制度は来年四月からスタートするとお聞きしております。年金とリンクさせることからも大歓迎だという声が多いのであります。ところが、この定員は定数の枠内と聞きます。他方、行革基本法は定数削減一〇%以上を打ち出しております。となりますというと、この一〇%削減と高齢者再任用と新規採用、この関係はどんなふうになっていくのでありましょうか。
 また、高齢者再任用で機械的に新規採用が削減されますというと、例えば農林行政の関係職場でいいますと、大臣も御存じの先ほど申し上げたような例等々があるわけでありますから、どうも機械的にやるのはむちゃくちゃなんではないのかと。この点についての大臣のお考えと、それから先ほど来、私、農林大臣とやりとりしておりましたが、基本法の制定に際して国会が示した意思と定員問題についてどうお考えになっておるか、伺いたいものです。
○国務大臣(続訓弘君) 今、谷本委員が日本の将来の農政に対する深い熱い思いでいろいろ定員の関係について御心配をしておられます。その一環として、六十歳以上の方々の採用の問題についての御心配かと存じます。
 御案内のように、六十歳の定年が施行されまして、それから六十五歳まで最終的には公務員としてのお勤めができるようにというのが今回の法律の改正でございます。したがいまして、フルタイムの任用は御心配のような定数の枠の中に食い込むものですから、なかなか私は採用が難しいのではないかと。しかしそうではなくて、フルタイムでない、非常な能力を持っておられる、そしてそれが農政に対して、農業の研究機関等々に対して非常に必要な方であるとするならば、そのお知恵を拝借させていただくといういわば臨時的な雇用の中で措置をしていただければ、今御心配のような人員の確保はできるんじゃないかというふうに思います。
 したがいまして、できることならばフルタイムではなくて、いわば能力を生かせるような臨時の、一年限りの、あるいは数カ月限りの非常勤という形で採用していただければ大変ありがたいと思います。
○谷本巍君 大臣、もう一つの要員確保の問題はいかがでございましょうか、農林水産大臣とやりとりしておりましたけれども。
○国務大臣(続訓弘君) そこで、今せっかくの御指摘、フルタイムでなくて臨時雇用の関係で能力を生かしていただいて対応させていただければ、御心配の点もあるいは幾らか解決するんじゃないかな、こんなふうに思います。
○谷本巍君 総務庁長官、もう一度申し上げますが、国会が示した自給率を引き上げるという、今までの農政を変えていくという意思表示ですよね。ところが、農林水産省の定員はずっと減りっ放しであると。そういう定員問題についてやはりこれは柔軟な対応を示していかなきゃしようがない時代に来たんじゃないのかというのが私の見解なんです。その辺どう長官、お考えでしょう。
○国務大臣(続訓弘君) 定数の管理は私ども総務庁の所管でもございます。したがいまして、農林水産大臣からお答えがございましたように、確かにぎりぎりの状況で今農林行政を進めていただいていると思います。しかし、お話の趣旨もわかっています。同時に、小渕内閣として、あるいは歴代内閣として行政改革を断行しなければならないということも御理解を賜りたい。そんな中で、今申し上げたように、いろいろな人材の採用のことも考慮しながら適切な管理をやらせていただきたい、こんなふうに思います。
○谷本巍君 それから、総務庁長官、新規採用が著しく圧迫されますというと、先ほど申し上げた営林署の例一つにしても、これは一層サービスが低下してくるというような状況になってまいりますし、それからまた職場が非常に暗くなってくる。営林署の事務所を訪問して、十年前と最近の状況というのは随分変わりましたね。忙しくはなったが、とにかく雰囲気が暗い。ちょうど過疎地と一緒ですよ。過疎地なんかでも、子供が生まれて、そして五月ののぼりが立ったというようなときは、村の古老なんか生き生きしてそれを語ってくれます。まさしく今、林野関係の職場でいいますというと、そういうふうな状況が多いのであります。
 そこで、大臣に伺いたいのは、新規採用削減による職場の活力、これをどうよみがえらせていくのか、その辺についてどうお考えかということと、また継続性ですね、これが阻害されたり支障が起きはしないだろうか。この点いかがでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) 今、林野関係の職員のことについて御質問がございました。確かに、大変な状況であるということの陳情も何回かいただいております。しかし、今申し上げましたように、一つは独立採算制の問題もこれあり、人員の増員が図られない状況にございます。
 そこで、二律背反ではございますけれども、同時に、今の林野行政に対する十全の措置もとらなければならないという要請も理解できます。そういう意味で、今ほど申し上げましたように、定数の枠の外で人員の配置が図られるような制度が現にあるわけですから、そういう制度を利用する以外に私は解決の方法はないのではないかと思います。
 いずれにいたしましても、今の御指摘は重要な問題だと認識しております。
○谷本巍君 そうした問題点があるわけでありますから、重々その点念頭に置いてひとつ対処してくださるようにお願いをいたします。
 次に、技術、品種改良等の研究機関の問題について伺おうと思っていましたが、一つ飛ばさせていただきます。
 新しい基本法の持つ特徴は、自給率引き上げとともに、もう一つは環境保全型農業の建設、これを目指していくというような方向が明らかにされるようになってまいりました。例えば、有機農業で申し上げますというと、化学肥料、農薬漬けの農法に適した現在の品種では、これは使いものになりません。といったような例等々に見るように、農家個人の努力だけでは解決できない問題が非常に多くあります。また、それとともに地域地域で生態系が違うという問題があります。したがいまして、品種・技術問題にしましても、今必要なことは、技術陣と現場の農家、心が一体になった取り組みというのが実は必要になってきているわけであります。
 今回の独立法人化によって、そうした取り組みへの影響は出てこないかどうか、この点いかがでしょうか。
○政務次官(谷津義男君) 先生御指摘のとおり、これは非常に重要な問題であります。我が国の農業は多様な自然条件のもとで営まれていることは先生も御案内のとおりであります。それがために、農業現場のニーズも異なっておりまして、これらにこたえる地域農業試験場における試験研究は極めて重要な役割を担っておるというふうに考えております。
 そこで、農林水産省といたしましては、農業技術研究機構が、これまで地域農業試験場で行ってきた農業現場のニーズに対応した試験研究を地域において継続して行うように適切に中期目標を定めまして、制度の運用に万全を期していきたいというふうに考えております。
○谷本巍君 そうしますと、政務次官、私自身の考えですけれども、環境保全型農業というのは、霞が関は私は筑波にあるんじゃなくて生産の現場にあると思うんですよ。現場の生態系の中にどういう環境型農業がいいかの研究は、これは現場にしかありません。したがいまして、今の政務次官の御答弁は、筑波の中央体制があれば同じようなことを下の方でやる必要はないと、この種の考え方は今までもちょいちょい出てきたんですが、そういうふうな考え方はないということを確認しておきたいんですが、よろしゅうございましょうか。
○政務次官(谷津義男君) そのようなことはございません。
○谷本巍君 時間が参りました。
 ありがとうございました。
○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。
 十分しか時間がありませんので、簡単に質問し、簡単に御答弁いただきたいと思いますが、独立行政法人は、公共性、透明性、自主性を図って、運営の改革やあるいは職員の意識改革等々を図り、効率的な業務を実施してよりよい行政サービスを行う、こういうことになっておるわけでありますが、独立行政法人化をしたことによってどのように今までのいろんな、今回五十九の機関をよみがえらせるといいますか、よみがえらさせる、期待させる、期待しているような方向に果たして持っていけるのかどうか。その自信のあらわれをまず大臣からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) 阿曽田委員はここでずっと我々の答弁を聞いておられました。各党会派の質問に対して、私は独立行政法人こそこれからの行政のあり方だというふうな御答弁を申し上げました。
 仕組みはできた。したがって、これが本当に魂が入ってくれば、国民の御期待にこたえられるような、今御指摘のまさに独立法人化になるわけでございますので、その意味ではぜひひとつ監視をしていただく、そして具体的な提言をしていただく。同時に、国民の皆様も同じような気持ちでこの独立法人を育てていただきたい、このことをこいねがっております。
○阿曽田清君 監視をし、そして御提言をしていっていただきたい、そうすれば目指すものは実現できる、こういうように受けとめました。
 そこで、それでは例にとって農業技術研究機構のことについてでありますが、地域農業研究センター、今まで私、三十年ほど農業関係に携わってきておりますが、本当に恥ずかしい限りでありますが、地元にあります九州農試には一回か二回しか訪れておりません。県の研究機関にはもう頻繁にお邪魔をしているのでありますが、これからは国の研究機関、これはいわゆる生産者の方々のニーズに十分こたえられるようなそういう行政法人としてスタートすることになるわけでしょうね。その点、まず金田政務次官にお尋ねします。
○政務次官(金田勝年君) ただいま委員が御指摘ございました独立行政法人農業技術研究機構におきましては、稲あるいは麦、大豆、果樹、野菜、畜産といったような作目別の試験研究機関と地域別の農業試験場の業務、そういったものを引き継ぎまして、農業生産における現場のニーズに直結した研究に大規模かつ一体的に取り組んでいきたい、このようにしておるところでございます。
 農林水産省といたしましては、農業技術研究機構が全国に地域農業研究の核となります研究拠点を配置いたしまして、都道府県の試験研究機関等と一層連携を図りながら、地域に密着した研究課題に取り組むように、中期目標の設定等、制度の運用に意を用いてまいりたいというふうに考えておる次第であります。
○阿曽田清君 今まで国の研究機関が、余り生産者から支持されていなかったと言ってはなんですが、密接に結びつきがなかったのは、研究成果として上げておられるものは本当にすばらしいことを研究されています。それを評価し、そしてそれを普及し伝達していく、これがスピーディーに行われていなかったというのが大きな評価をされていない理由だと思います。
 と同時に、それの普及を進めていく。例えば改良普及員ですとかあるいは営農指導員とか、そういう方々とのネットワークというのは全然できていない。私は、そういうところから入らないと支持されない、研究費、今までどおりの状態で続いていかせるんだろうかという心配をいたします。この点をぜひひとつ改善していただければ、研究機関が生産者からのニーズにこたえられる、信頼されるというふうに思います。
 一つ心配しますのは、国の研究機関は基礎的あるいは先導的、そういう分野を受け持っており、県の研究機関は実証的あるいは実用的研究機関といったすみ分けをいたしておりました。ところが、今回そういうふうに現場に研究機関がおりていくということになってきますと、いわゆる県の研究機関がやっておるのと国の研究機関でやっている出先でトラブルが起こるようなことが出てきはせぬかという心配も一面するんです。
 これは、この中で考えていただきたいのは、九州ブロック化の中で、国の研究機関の本場は熊本にあるけれども野菜の試験場は福岡にある、あるいは果樹の試験場は長崎にある、そういうようにブロック化した中で、私は県の研究機関とうまく一体化が図れないか、そういうものがスタートする時点で用意されていないと現場ですみ分けとトラブルが起こるんじゃないかと思いますが、その見解を教えていただきたい。
○政務次官(金田勝年君) 委員御指摘ありましたように、農業技術の開発研究、そういうものと普及の流れといいますか、そういうものが十分に図られるように、あるいは生産者等のニーズの流れといいますか、そういうものがよく十分に一体的に図られるように直結した、そういう研究になるように図っていきたい、こういうふうに思っておる次第であります。
○阿曽田清君 政務次官、独立法人化をしたことによって、本当に身近な問題として、そしてこの研究機関が地域から高く評価されるというのは、私はそこのところが大きなネックだろうと思いますので、十分ひとつ責任を持って取り組んでいただきたいと思います。
 要望を一ついたしておきますが、今まで国から研究費の助成が県に来ておりました。あるいは人材派遣もたまにあっておりました。そういうものが、今度は独立法人になったときに金と人が出せるのか、この点ちょっと心配をいたしますので、今お答えは求めませんが、それも今までどおりできるようなシステムというのはきちんとつくっていただきたいと思います。
 次に、国立青年の家、これが非公務員型になっておるわけで、私はこれは非公務員型になったのは何でかな、こう思っているんですが、九州の阿蘇に国立青年の家があるんです。よく利用させていただいております。これが非公務員型になったというのは、将来民営化されるんじゃないかなという心配をいたすわけでありますが、そういうことは一切ないんだよということでしょうか、どうでしょうか。
○政務次官(河村建夫君) 御指摘の青年の家、また自然の家もございますが、これは独立行政法人化の対象、あわせて民営化も検討しろと、こういうことだったのでありますが、民営化は現実的に非常に難しいということで、ここの役割を果たすためにはこれはどうしても独立行政法人化で国も責任を持っていくということでやっていこうということでありますから、民営化は考えておりません。
○阿曽田清君 ありがとうございます。ぜひそういう形でいくべきだと思いますし、教育には金が要ります。
 少年自然の家と青年の家とは全く独立法人が別になっています。私は、むしろ時代からしますとこれは一体化した方がいいと。今までは、いわゆる青年の家は青年の人たちの教育的機関としてきちんとあった、子供は子供としてのそういう自然に触れるというようなことであったけれども、今は横社会になってしまって、縦社会の先輩が後輩を面倒見たり指導したりというのが極めて少なくなった。友だち同士、横の友だちだけの関係だと。しかも青年の家も少年の家も本当にすばらしい環境にある。そして安い。そして、近くにそういうのがあるということが利用を高めていく大きな要因であります。
 そういう意味では、熊本の人が鹿児島の少年自然の家に行かなきゃならぬということじゃなくて、あるいは鹿児島の方が熊本の青年の家に来るんじゃなくて、ともに同じカリキュラム内容を持った形で、縦社会をこれから重要視していかなければ、今みたいないわゆるいじめとか、いろんな遊びごと等は、先輩が後輩を面倒見るというそういう気風というのが今なくなってきているのをこの青年の家や少年の家で養成していくということは大事なことだろうと思うんですが、同一化の件について最後にお尋ねして、質問を終わります。
○政務次官(河村建夫君) 委員の御指摘は非常に大事なところだと思います。
 ただ、少年自然の家は小中高までを主に使えるようにしてありますから、その異学年が一体となって研修等ができるようになっております。それから国立青年の家の方は、どちらかといいますと一般社会人的な対応で、これまで事務も別にやってきておりますので、一応別々の体制をとった形で今回総合的に考えて、それぞれの独立行政法人にすることにした次第でございますが、今の御指摘は重要な指摘だと、こういうふうに思っております。
○阿曽田清君 ぜひひとつ、今まで過去はそれでよかった、これからの問題はこれからの時代に合わせてやっていくべきだと私は思いますので、御提案を申し上げて終わります。
 ありがとうございました。
○菅川健二君 続長官には長時間大変御苦労さまでございました。ラストバッターでございますので、もうしばらくよろしくお願いいたしたいと思います。
 言うまでもないことでございますけれども、独立行政法人の成否というのは、そこで働く役職員が一致協力して業務の目標に向かって邁進するかどうかということにかかっておるのではないかと思うわけでございます。
 そこで、基本的なことではございますけれども、役員に適材を得るということは当然なことでございますが、職員の士気を高めるためにどのようなインセンティブを考えておられるか、それを御説明お願いいたしたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) 職員自身の自覚といいますか、仮に研究所であれば研究所にいて自由に研究ができて、しかも論文も自由に書けて、海外に交流を求められれば海外にも行けるしというような、少なくともそういう研究機関であってほしい。そのためには、ちゃんとした理事長がおられて、そして理事長が今申し上げたような形の独立行政法人としての妙を生かせるような運営をされる理事長に人を得れば、私はそういうことが可能である、こんなふうに思います。
○菅川健二君 具体的なインセンティブにつきまして、私は今までの経験上から考えまして幾つか申し上げますと、これは物的な面でございますけれども、やはり何といいましても給与の問題、それから研修の問題あるいは研究意欲の燃えておる者に対して研究費の問題、それから広く国際的にいろいろな形で交流していくという、そういった視野を広めるための政策とか、あるいは人事交流等々が考えられるのではないかと思うわけでございます。
 そこで、やはり一番大きいのは給与の問題ではないかと思うわけでございまして、公務員型が大半になっておるわけでございます。したがって、国家公務員との水準というのは当然考えられると思うわけでございますが、それですと、やはりある意味じゃ公務員の持つドライブが余りかからぬという、そういったことが出てくるわけでございまして、そのためにはある程度その業績を反映した給与制度というのが要るかと思うわけでございますが、この点、業績の反映というのは大変難しいと思いますが、どの程度の幅でもって考えられるのか、今時点でお考えがございましたら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) 菅川委員はかつての経験者ですから、例えば研究機関で研究員が一番望むのは何かというと、自分の研究が本当に自由に生かされるのかどうなのか、そして社会的評価を得ることができるのかどうなのか。したがって、今御指摘のように、給与の問題は二の次というのが私が経験した研究機関での構成員でありました。
 しかし、同時に今お話しのように、給与も私は一つの関心事ではあると存じます。そこで、給与の具体的な問題にすれば、例えば先ほども富樫委員がおっしゃいましたけれども、それぞれの研究機関でいろんな知恵を出し合って、そして場合によっては民間に採用していただくという場合もあり得ると思います。
 そういう意味では、一般的な三年ないし五年の中期目標に定められた中での予算があるわけでございます。プラスアルファ的なものとして今申し上げたように、みずから努力によって生み出す財源もあると存じます。そんな中で、業績が上がってくれば、私はその業績が上がっただけ期待にこたえて配分するということは可能だと存じます。
 いずれにしても、それは理事長が今お話しのような趣旨を体して適切に考えられてしかるべきことでありまして、国が、要するに主務大臣がそれに対してたがをはめるということはございません。
○菅川健二君 今思い切った発言であったわけでございますが、しかし国家公務員型ということになりますと、おのずから一つの水準、標準というのがあるのではないかなと思うわけでございまして、標準からどの程度の幅を持たせるかということについては、理事長の判断ではないかと思うわけでございます。
 しかしながら、理事長の判断に余りゆだねますと、それぞれ法人間に格差が出てくるということになりますと、それがまたそれなりにいろいろな労働条件の問題で紛争を巻き起こすおそれもあるわけでございます。したがいまして、私は、ある程度標準的な基準というものは、共通の物差しというのはつくった方がいいんではないかと思うわけでございますが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) それには若干考えを異にしますけれども、やはりそれなるがゆえに中期目標があって、そして三年ないし五年の業績評価があるわけですから、確かに一定の線を決めることも必要でしょうけれども、むしろそうでないことも考えてしかるべきではないかな、こんなふうに思いますけれども、むしろこれからの議論だと存じます。
○菅川健二君 大変長官は進歩的でございまして、それがうまく機能するようにひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 それからもう一つは、士気を高めると同時にそれぞれの適材適所ということを考えますと、主務官庁との人事交流ということも要ろうかと思いまして、その辺の主務官庁との関係、そして一方ではスペシャリストを養成するという関係、いろいろ難しい面があろうかと思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) これも私は柔軟に考えてしかるべきテーマだと存じます。
○菅川健二君 確かにこういった面も柔軟に考えるということでございます。
 いずれにいたしましても、独立行政法人に余りたがをはめますと、せっかくの法人というものが角を矯めて牛を殺すという状況になるわけでございまして、そういった面でそれぞれが思い切った業績を上げるような環境を整備するということは大切だろうと思うわけでございます。
 最後に、今申されましたことを踏まえた上でございますけれども、やはり職員が生きがいを持って独立行政法人で働けるような労働環境をぜひつくり上げていただきたいと要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(吉川芳男君) 他に御発言もないようですから、中央省庁等改革関係法施行法案、国立公文書館法の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係五十九法律案及び独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律の整備等に関する法律案の各案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより各案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○佐藤泰介君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました中央省庁等改革関係法施行法案、国立公文書館法の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係五十九法律案並びに独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律の整備等に関する法律案に対し、反対討論を行います。
 前国会において中央省庁等改革関連法が審議され、今般の独立行政法人の流れになったところです。私どもが通常国会における反対討論で指摘したとおり、政府案では実質的な行政改革は全く進まない、十分な審議が必要と懸念されてきました。
 行政機関で続発する不祥事、介護制度の迷走等、国民から行政府に対する立法府のチェック機能のあり方が問われていることを認識するならば、この膨大な法案はもっと時間をかけて慎重に審議すべきであった、それが国民の期待であったことをまず指摘し、反対の論旨を述べます。
 第一に、中央省庁等改革関連法は、政府のあり方を次の時代に向けてトータル的に変えていくという視点がなく、形式優先のそしりを免れません。その流れの中にある今般の独立行政法人化は、制度いじり、疑似特殊法人化との指摘すら聞こえます。
 そもそも行政改革とは、行政をスリム化し、効率化し、現在の危機的な財政状況を改善するためのものであるはずです。この行革のトータルプランが見えないのです。長官の答弁も今後の運用に期待する旨が大半で、法案の審議の時点で確たる独立行政法人化の意義づけや効果が理解できないし、行革の原点に沿った有効な仕組みとなっていません。このままでは国民の期待を欺く見せかけの行革が進んでしまいます。これが反対する第一の理由です。
 第二に、独立行政法人化された五十九法人の選定と基準も不十分なものです。この内容で国民の理解がどれだけ得られるのか。その上、五十九独立行政法人に勤務する人たちの意欲や倫理観に水を差すもので、極めて疑問と言わざるを得ません。
 第三に、定数削減との関係です。独立行政法人の職員はほとんどが国家公務員の身分となっています。しかし、一方では独立行政法人の職員数は、総理みずから掲げた公務員の二五%削減分にカウントする、つまり国家公務員ではないと扱うのです。どこに行政のスリム化があるのか全くわかりません。この独立行政法人制度は行革の実を持たず、単に見せかけの定数削減に寄与する、このような結末になることを恐れるものです。
 以上、疑問の一部を提示し、我々民主党・新緑風会は、まやかしや先送りでない政治のリーダシップによる真の行革を目指すべきとき、それが今だと申し添え、反対討論といたします。(拍手)
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、約千三百本の関係法律の整備等を内容とする中央省庁等改革関係法施行法案及び国立公文書館法の一部を改正する法律案など五十九件の独立行政法人個別法案並びに独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律の整備等に関する法律案、すなわち省庁改革施行関連法案に対する反対討論を行います。
 まず、名称を読み上げるだけでも六、七分もかかる法案の審議を、総括的審議は八時間、また五十九本の独立行政法人個別法はたったの七時間、一法案当たりにするとわずか七分程度しか審議を行っていないのにもかかわらず本日議了しました。国家機構の再編という日本の将来のあり方と、国民生活に重大な影響を与える多数の法案をわずかな審議時間で、国民にもほとんど知らしめないうちに成立させてしまうことは立法機関としての国会の責務を放棄するものではないでしょうか。こうした強引な委員会運営を行った政府・与党に強く抗議します。
 以下、法案の内容に沿って具体的に反対理由を述べます。
 反対の第一の理由は、本法案は昨年成立した中央省庁再編基本法を具体化するものですが、国民が期待した行政改革は、政官財の癒着を断つこと、行政の姿勢を財界中心から国民本位に切りかえること、財政の浪費に根本的にメスを入れること等であります。
 しかし、政府が進めている中央省庁再編は、内閣機能の強化あるいは巨大利権官庁設置、独立行政法人の創設により、行政の責任を投げ捨て、弱肉強食の市場原理や企業の経営手法を行政に取り入れようというものです。これは日本国憲法のもとで国民が営々と築いてきた民主主義的社会制度の切り崩しと言わざるを得ないものです。
 反対の第二の理由は、外交、防衛、治安などの分野以外は政府が行政責任を放棄し、社会保障施設や教育・研究機関、近い将来には国立病院や国立大学までも独立行政法人としてこれらの事務事業を行政から分離し、減量・効率化を進めようとしていることです。
 政府は、独立行政法人について、三年から五年の中期目標や評価で見直し、改廃、組織の形態の変更を行い、減量・効率化を強力に推し進めることで人員と予算を削減できるとしています。その先には統廃合と民間移行が待っているのです。政府は、独法化によっても現在の機能は変わることなく引き続き維持されるなどと答弁していますが、国会での政府答弁のいかんにかかわらず、評価委員会の結論に基づいて計画、評価・見直しの段階において厳しい減量・効率化のもとで切り捨てられることは火を見るより明らかです。
 第三の理由は、公務員の新規採用を極力なくし、また独立行政法人化を行うことによって国家公務員の定数を二五%も削減するとしている点です。
 国立病院の医師、看護婦、労働基準監督官、登記所の職員、国有林野の守り手など、現在でも不足している公務員をなぜ二五%も削減するのか、私の質問に対し政府は根拠を説明できず、初めに削減ありきの態度です。
 日本は諸外国に比べても公務員が圧倒的に少ないのです。国民が求める行政の責任を果たすためにはどうしても人手は必要です。これでは、労働者にはさらなる労働強化と、国民には憲法が保障する健康で文化的な最低限度の生活の保障もできなくなるではありませんか。
 第四の反対理由は、研究所、美術館などに対する国の責任放棄にとどまらず、国立公文書館を独立行政法人にして、政府が国権の発動として行った閣議決定の記録や、国民に公開されない秘密文書など、公文書、歴史資料の保管を独立行政法人にゆだね、行政の足跡を半永久的に保存するという諸国家が行っている当然の国の責務を放棄していることです。
 第二次大戦後、政府は自分の都合の悪い公文書を大量に廃棄、紛失し、戦争責任の証拠を抹殺しました。その結果、日本は従軍慰安婦の政府の関与さえ最近まで認めなかったのです。戦争責任すら認めない品位のない国との印象を諸外国に与えているのです。この轍を再び踏んではなりません。
 第五の反対理由は、不動産、動産を問わず国家財産を独立行政法人に出資として移行してしまうことです。
 不動産は登記して所有権を移転し、動産は政令により法人に移転してしまうということです。独立行政法人から、さらに業績いかんによっては民営化の道も準備されています。国民の財産を理由もなく大量に処分し、民間に譲り渡すことは許されるはずがありません。
 東京、京都、奈良の各国立博物館を初め、名立たる八つの国立博物館、美術館には約十二万件に上る収蔵品があり、例えば奈良国立博物館には時価十億八千万円の国宝、絹本著色十一面観音像、国立西洋美術館にはパオロ・ヴェロネーゼの「聖女カタリナの神秘の結婚」を初め高価な収蔵品が保存されているのです。これらを国からの出資などと称して法人に移管することは国民の納得が得られません。研究所の所有する資産についても同様のことが言えます。このような国家の財産の不当な処分につながる独立行政法人化は絶対に容認できません。
 以上、反対の主な理由を述べ、討論を終わります。(拍手)
○委員長(吉川芳男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
    ─────────────
○委員長(吉川芳男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田浦直君及び畑恵君が委員を辞任され、その補欠として釜本邦茂君及び岩城光英君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(吉川芳男君) それでは、これより順次各案の採決に入ります。
 まず、中央省庁等改革関係法施行法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
○委員長(吉川芳男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、国立公文書館法の一部を改正する法律案、独立行政法人通信総合研究所法案、独立行政法人消防研究所法案、独立行政法人酒類総合研究所法案、独立行政法人国立特殊教育総合研究所法案、独立行政法人大学入試センター法案、独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法案、独立行政法人国立女性教育会館法案、独立行政法人国立青年の家法案、独立行政法人国立少年自然の家法案、独立行政法人国立国語研究所法案、独立行政法人国立科学博物館法案、独立行政法人物質・材料研究機構法案、独立行政法人防災科学技術研究所法案、独立行政法人航空宇宙技術研究所法案、独立行政法人放射線医学総合研究所法案、独立行政法人国立美術館法案、独立行政法人国立博物館法案、独立行政法人文化財研究所法案、独立行政法人国立健康・栄養研究所法案、独立行政法人産業安全研究所法案、独立行政法人産業医学総合研究所法案、独立行政法人農林水産消費技術センター法案、独立行政法人種苗管理センター法案、独立行政法人家畜改良センター法案、独立行政法人肥飼料検査所法案、独立行政法人農薬検査所法案、独立行政法人農業者大学校法案、独立行政法人林木育種センター法案、独立行政法人さけ・ます資源管理センター法案、独立行政法人水産大学校法案、独立行政法人農業技術研究機構法案、独立行政法人農業生物資源研究所法案、独立行政法人農業環境技術研究所法案、独立行政法人農業工学研究所法案、独立行政法人食品総合研究所法案、独立行政法人国際農林水産業研究センター法案、独立行政法人森林総合研究所法案、独立行政法人水産総合研究センター法案、独立行政法人経済産業研究所法案、独立行政法人工業所有権総合情報館法案、貿易保険法の一部を改正する法律案、独立行政法人産業技術総合研究所法案、独立行政法人製品評価技術基盤機構法案、独立行政法人土木研究所法案、独立行政法人建築研究所法案、独立行政法人交通安全環境研究所法案、独立行政法人海上技術安全研究所法案、独立行政法人港湾空港技術研究所法案、独立行政法人電子航法研究所法案、独立行政法人北海道開発土木研究所法案、独立行政法人海技大学校法案、独立行政法人航海訓練所法案、独立行政法人海員学校法案、独立行政法人航空大学校法案、独立行政法人国立環境研究所法案、独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構法案、自動車検査独立行政法人法案及び独立行政法人統計センター法案、以上の各案を一括して採決を行います。
 各案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
○委員長(吉川芳男君) 多数と認めます。よって、各案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律の整備等に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
○委員長(吉川芳男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 日下部禧代子君から発言を求められておりますので、これを許します。日下部禧代子君。
○日下部禧代子君 私は、ただいま可決されました国立公文書館法の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係五十九法律案に対し、自由民主党、公明党、社会民主党・護憲連合、自由党、参議院の会及び二院クラブ・自由連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読させていただきます。
    国立公文書館法の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係五十九法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、右各法律の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 独立行政法人の長の選任においては、自立的、効率的に運営を行うという制度の趣旨を踏まえ、広く内外から適切な人材を得るよう配慮すること。
 一 独立行政法人への移行に当たっては、中央省庁等改革基本法第四十一条の「労働関係への配慮」に基づき、対応すること。
 一 独立行政法人の評価は、客観的かつ公正に行うものとし、また、業務の性格に応じたものとすること。
 一 外部有識者のうちから任命される独立行政法人評価委員会の委員については、民間からの任命を積極的に進め、客観性、中立性を担保できる体制とすること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(吉川芳男君) ただいま日下部君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
○委員長(吉川芳男君) 多数と認めます。よって、日下部君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、続総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。続総務庁長官。
○国務大臣(続訓弘君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえて配慮してまいりたいと存じます。
○委員長(吉川芳男君) なお、各案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十七分散会