第147回国会 農林水産委員会 第2号
平成十二年三月十四日(火曜日)
   午前十時七分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正俊君
    理 事
                岩永 浩美君
                亀谷 博昭君
                小林  元君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
    委 員
                金田 勝年君
                佐藤 昭郎君
                中川 義雄君
                三浦 一水君
                森下 博之君
                郡司  彰君
                羽田雄一郎君
                藤井 俊男君
                鶴岡  洋君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
   政務次官
       農林水産政務次
       官        谷津 義男君
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       国家公務員倫理
       審査会事務局長  石橋 純二君
       環境庁自然保護
       局長       松本 省藏君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       農林水産大臣官
       房長       竹中 美晴君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省農産
       園芸局長     木下 寛之君
       農林水産省畜産
       局長       樋口 久俊君
       農林水産省食品
       流通局長     福島啓史郎君
       農林水産技術会
       議事務局長    三輪睿太郎君
       食糧庁長官    高木  賢君
       林野庁長官    伴  次雄君
       水産庁長官    中須 勇雄君
       自治省財政局長  嶋津  昭君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (平成十二年度の農林水産行政の基本施策に関
 する件)

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○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房長竹中美晴君、農林水産省構造改善局長渡辺好明君、同農産園芸局長木下寛之君、同畜産局長樋口久俊君、同食品流通局長福島啓史郎君、農林水産技術会議事務局長三輪睿太郎君、食糧庁長官高木賢君、林野庁長官伴次雄君、水産庁長官中須勇雄君、国家公務員倫理審査会事務局長石橋純二君、環境庁自然保護局長松本省藏君、文部省初等中等教育局長御手洗康君及び自治省財政局長嶋津昭君を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(若林正俊君) 農林水産に関する調査のうち、平成十二年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題といたします。
 この際、玉沢農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。玉沢農林水産大臣。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 謹んで御報告とおわびを申し上げたいと思います。
 農林水産省の元職員が収賄容疑で逮捕され、当省が家宅捜査されたことにつきましては、公務員の倫理が厳しく問われている中で、まことに遺憾であり、残念に思っております。また、このことにより、国民の皆様から不信を招きましたこと、大変申しわけなく思っております。
 私といたしましては、この事態を重く受けとめ、今後、農業構造改善事業等について、事業執行の透明性の確保など事業実施の適正化に全力を尽くしますとともに、倫理の保持について、倫理研修や倫理管理体制を強化するなど万全を期してまいりたいと考えております。
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○委員長(若林正俊君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩永浩美君 おはようございます。自由民主党の岩永浩美です。
 今、農水大臣から今回の構造改善局の不祥事についての釈明がありました。過日の理事懇の中でも議題として上がりましたが、大臣の所信表明の前に、ぜひ大臣からこのことについて一言あいさつがあってしかるべきではないかという厳しい御指摘もありましたが、今、大臣みずから発言を求め、農林当局の一つの使命を示されたことは、私たちにとってはありがたいことであるというよりも、その反省の言葉を聞き大変意を強くいたします。
 ただ、農林水産省の中におけるそれぞれ徹底した調査を実施してきたという説明を今までお聞きいたしておりましたが、今回の逮捕に見られるように新たな事実が明らかになってまいりました。今まで我々の知る由もなかった問題が次々に出てきたこと、その内部調査が身内に甘くなっていたのではないかという国民の批判があることは事実であります。今まで農林当局の中において内部調査をしてこられた調査方法そのものに何か問題があったのではないかという気がしてなりませんが、大臣はどうお考えになっているのか、まず伺います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この問題は、経過を申し上げますと、まず農業構造改善事業に関する調査委員会が平成十一年一月六日に大臣訓令に基づいて設置されたものでありまして、その調査は農業構造改善事業の執行体制の適正化を目的としたものであります。二月に中間報告がなされましたが、その後、私が十月に農林水産大臣に就任をいたしましてから、いろいろな事例が出てきたこともありまして、調査委員会は続行しておったわけでございますので、できるだけ厳しく幅広く調査するように再び命令をしたところでございます。
 これに基づきまして、調査委員会は、本人の自己申告を基本としまして、強制権限がない中で五年前にさかのぼりまして、関係する百六名の職員を対象に可能な限り網羅的に調査を行いました。その結果を踏まえまして、十八名について職員倫理規程に照らして処分をしたものでありまして、調査は決して甘いものとは考えておらないところであります。
○岩永浩美君 今回の問題の背景には、逮捕された元職員やこれまで処分された職員の個人的な倫理の問題だけではなくて、事業のシステムについて疑惑が抱かれている点がございます。そういう構造的な問題というのはないのかどうか、農林当局ではどういう見解を持っておられるのか伺います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農業構造改善事業が始まりましてから、当初は確かに知見がなかったとかいろいろと初めてのこと等もありまして、事業実施に当たりまして地区認定、事業費配分についての基準が不透明であったこと、担当者の裁量によって行われる余地が存在し得たこと、農業構造改善事業という限定された分野で長期にわたり人事が固定的であったという問題点を指摘されたところであります。こうしたシステム上の問題があった、こう考えるわけでございますが、同時に、やはり個人的な倫理的な問題も当然存在しておる、こう考えるわけでございまして、調査結果を踏まえ、今後は、既に改善措置を実施しているものの徹底に加え、さらに改善すべき点について鋭意改善措置を講じているところであります。
○岩永浩美君 ここのところ役人の不祥事があらゆる点で出てきていることは大変残念でなりません。公共事業等に対する国民の批判等々があるときに、特に農林当局の中における構造改善局は公共事業を中心とした事業を行っているところでありますから、不祥事を二度と起こさないように事業執行手続の透明化の徹底を図ることは言うまでもありません。
 構造改善事業の執行体制について、改善を図っていくというお話を大臣からお聞きしましたが、具体的にはどういうことに留意しながら進めていこうとしておられるのか、それを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 先ほども言いましたように、かなり担当者の裁量によるところが大きかったという点を重視いたしまして、平成十一年度からは第三者委員会を設けまして、第三者委員会におきましては事業の適正かつ効率的な執行を確保するという目的を持ちまして、大学、消費者団体、監査法人、マスコミなどの学識経験者から事業の執行方針や執行状況について意見を聞きましてこれを公表するものであります。
 具体的には、地区認定、事業費配分の基準の設定及び公表、事業実施地区の計画概要の公表、業務委託を予定する市町村の事前公表等につきまして委員会の意見を聞くこととし、担当者の裁量が働かないような仕組みにしているところであります。
 今後は、平成十二年度から新たに開始する経営構造対策及び山村振興事業を含め、通達をもって明確に示すことによりこれらの措置を強化し、これまで以上に厳正な事業執行を確保してまいりたいと考えております。
○岩永浩美君 今後、ぜひ適切な措置をお願いしたいと思います。
 そこで、過日、玉沢農林水産大臣から伺った所信について引き続き何点か質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに伺いたいのはWTO次期農業交渉についてであります。
 この交渉によって、我が国の農業のみならず、世界農業における今後の方向性までも一方に規定されると私は思います。昨年、シアトルの閣僚会議で、農業分野において日本とEUが連携して農業の有する多面的機能を主張する一方、アメリカやオーストラリアなど農産物輸出国が、農産物も鉱工業製品と同等に大幅な自由化を図るべきだと主張し対立しておりました。
 しかし、その後EUは譲歩して、多面的機能の文言を閣僚宣言に盛り込むことにはこだわらず、実質的成果を目指すとの考えを示したと報道されました。そして、アメリカ、欧州との調整の結果をもとに、十二月三日に農業分科会議長が示した閣僚宣言案に事実上の多面的機能に当たる文言が織り込まれたものの、多面的機能の文言自体は消えていたと言われています。
 そこで私が伺いたいのは、多面的機能というその一つの文言を一応支持してきていた日本、EUが関係強化を今までずっと積み重ね、図ってきたのに、なぜあの時点でEUが勝手に譲歩したかということであります。シアトルの閣僚会議に出席をされた玉沢農林大臣自身から、そのときの様子と見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 極めて重要な指摘でございます。
 私どもとEUは多面的機能フレンズ国を形成いたしまして、そしてシアトルの閣僚会議におきましても多面的機能を閣僚宣言案の中に盛り込むべく一緒に努力をいたしたわけでございます。しかしながら、アメリカ等の考え方は非貿易的関心事項という形で多面的機能の部分をかなり織り込んでいるじゃないかと。こういうような形で宣言案というものは形成されました。この中には多面的機能という言葉がございませんので、私は一番最後まで、約七時間にわたりました会合におきまして多面的機能を入れることを主張したわけです。
 ところが、ケアンズ・グループは、多面的機能という言葉は必ずしも国際的に統一概念となっていない。例えば、OECD等におきましては本年その作業に着手するという状況であります。それからまた、FAOにおきましては、総会におきまして二十一カ国が多面的機能を賛成したわけでありますけれども、十一カ国が反対しまして、文言としては入りましたけれどもコンセンサスにはならないという経過があるわけでございます。
 そういう中におきまして、多面的機能について、フレンズ国五カ国はEUも含めまして多面的機能の重要性を最後まで主張しました。ただ、私は若干懸念を持ちましたことは、EUの最大の関心事項は輸出補助金の撤廃、この撤廃という文言をとるためにこれを最優先にした、こういうことでございます。
 したがいまして、会議の一番最終盤になりまして、EUは多面的機能を主張しているけれども、輸出補助金の撤廃を撤廃するということを最優先事項とするのか、多面的機能を最優先事項とするのかどちらか、こういうふうに迫られたときに、EUの代表は、輸出補助金の撤廃を、撤廃の撤廃という言葉をなくするということを優先にしたい、こういうことを言ったわけでございます。その時点におきまして、EUが何を最優先事項としているかということになったわけでございますが、この文言も含めて四つの問題について委員会においては決着がつかなかった。
 同時に私は、休憩に入る直前におきまして、多面的機能というものが文言に入らない以上この宣言案に賛成するわけにはいかない、こういうことになりまして、一応会議は休憩に入ったわけでございます。休憩に入る直前にEUの方から発言がございまして、今までの意見をずっと見てまいりましていろいろと問題点がありますと、加盟国は十五カ国ありますから、この休憩時間の一時間の間に場合によっては結論が得られないかもしれませんが、暫時待っていただきたい、こういうことでEUは帰ったわけであります。
 我々は一時間後の、あれは二時四十五分に会議に出席をいたしましたところ、要するに別な委員会が開かれたわけです。農業委員会を再開する予定だったけれども、EUが暫時待ってくれということでございますから、農業委員会は休憩のままとしまして、ほかの議題に入りますということでほかの委員会に入った。
 ところが、その後聞きますと、EUの加盟国会議をほぼ同じ時期に二時三十分から始めまして、延々と三時間ぐらいやったと思われます。そこでどういう結論を得たかということについては定かではございません。一説によりますと、宣言案そのものに十カ国が反対して五カ国が賛成したという情報もあります。
 いずれにしろ、彼らは会議に出席してこれをまとめるよりは、会議がもう農業委員会さえ七時間もかかっているわけですから、あとの五つの委員会ではとても結論をできないから、今回はこれは凍結ないしは延期になる、こういうことで出てこなかったものと考えられるわけです。私の感触からいいますならば、EUは多面的機能という言葉を決してあきらめたものではございません。
 そこで、私は一月に日本及びEUの定期閣僚会議に出席をいたしまして、このことをEUのフィシュラー農業委員に強く申し入れをいたしまして、EUが輸出補助金の撤廃、彼らの主張は撤廃というよりも徐々に削減をしていきたいと。そうであるならば、これは多面的機能と関連することではございませんかと、したがいまして多面的機能と輸出補助金の徐々の撤廃ということは整合性があるんではありませんかと、したがってどちらも重要事項としてやっていこうじゃないか、こういうような共通の理解を得たところでございまして、一月十一日の日・EU共同ステートメントにおきましてはこう書いてあります。「双方は、農業協定第二十条に基づいて行われる農業交渉において、農業の多面的機能に関し双方に共有される関心事項を追求することに合意した。」、こういうことになっております。
 そして、今後の作業としましては、OECDで既に各国にペーパーを求めております、多面的機能というのはどういう形でやるべきかと。この作業においてEUと共同作業をやって概念規定を明確にしていこう、こういうことでございますので、EUにおいて多面的機能という文言を捨て去るというようなことはないということをここで明言させていただきたいと思います。
○岩永浩美君 大臣が直接お出かけになってその場でいろいろな御議論をなさったこと、その一つの成果が多面的機能についてEU当局も少しは理解をし、かつまたそのことが削除されることはないという力強い御答弁でありますから、今後はぜひそのことを踏まえて、従来からの日本の主張が途絶えることがないようにさらなる努力をお願いしておきたいと思います。
 限られた時間の中で、質問の項目を少し余分に出していてちょっと質問ができないかもしれませんが、二、三少し割愛をしながらお願いしたいと思います。答弁はできるだけ簡潔にお願いを申し上げておきたい。
 次に、遺伝子の組みかえ農産物についてお尋ねをします。
 昨年、新たな基本法案についてこの委員会で質疑が行われた際に、中長期的な世界の食料の需給の見通しについても議論されたことはもう既に皆さん御承知のとおりです。一昨年九月の食料・農業・農村基本問題調査会の答申で、「やがて世界の食料需給がひっ迫する事態も十分考えられる。」と明確に記述されています。
 ところで、遺伝子組みかえ、いわゆる生体移植ではなく、生物の進化の一つの過程における変化だと私は認識をいたしております。将来的に世界の食料需給が飛躍的に拡大することが望めないとするならば、遺伝子組みかえによる農産物生産も有力であると私は考えます。
 しかしながら、遺伝子組みかえの農産物について国民、国民というよりも消費者の皆さん方は認識のずれがやっぱりあるのではないのか、遺伝子組みかえ、すなわちそれは生体移植みたいな形の認識のずれがあるのではないかという強い懸念を私はいたしています。
 遺伝子の組みかえによって、農産物の収穫、そしてまた自給率を上げていくために促進していく一つの手だてが遺伝子組みかえによる農産物の生産だと私は思っていますが、そういう認識のずれをどういう形で国民にPRしていくのか。国民の皆さんの理解を得るための努力を農林当局はまだまだ十分に行っていないのではないかという気がいたしますが、その件についてお示しを願いたい。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まさに委員の言われるとおりでございまして、遺伝子組みかえ食品を開発する努力はやっていかなければならぬと思います。
 例えば、イネゲノムの遺伝子を読み取る点については日本は最先端を行っておるわけでございますが、何億と言われる遺伝子を読み取ってその機能が有効に使われる技術を開発し、それをさらに産業に結びつけていく努力は大事だと思うんです。しかし、一方におきましては遺伝子組みかえ食品に対する消費者や国民の皆さんの不安がある。したがいまして、常にこの遺伝子組みかえ農産物が科学的に見て、客観的に見て安全であるという努力もあわせて行いながら研究開発も進めていかなきゃいかぬ、こういうふうに考えるわけでございます。
 従来から、安全性確認の審査に用いた資料の閲覧、さらに広く一般市民を対象とした研修会やシンポジウムなどの開催、遺伝子組みかえに関する疑問に答えたパンフレットの配布等を実施しているところでございます。さらに平成十二年度からは新たに消費者の要請、提案に対応する公募型の調査研究にも取り組むこととしているところであります。今後とも、こうした取り組みを通じ国民の不安を取り除き、遺伝子組みかえ技術に対する理解が得られるように一生懸命努めてまいりたいと思います。
○岩永浩美君 ぜひ積極的にお願いをしたいと思います。
 次に、農村の振興について、きょうは自治省財政局長にお見えいただいておりますから、二、三お尋ねをしておきたいと思います。
 現行の地域振興立法に基づく地域指定で、特定農山村法に基づく特定農山村地域では十五歳以上の人口に対する農林業従事者数の割合、あるいは山村振興法に基づく山村地域では人口密度、あるいは過疎地域活性化特別措置法による過疎地域では人口の減少率が要件の一つになっています。人口減少に悩む農山村地域では耕作放棄地が大変多く、地域農業の維持も困難になってきていることは御承知のとおりであり、その地域社会自体が崩壊しかねないような極めて厳しい状況にあります。
 こうした市町村を支援する地方交付税制度において、人口、農家数などが測定単位として積算の一つの根拠に挙げられていますが、もともと財政力が極めて脆弱で、さらに市町村の広域化、農家人口の減少、これは専業農家の育成という農林当局の一つの方針等を考えると、交付税制度そのものも少し見方を変えていかないと税収の確保は困難だと私は思います。
 そこで、地方交付税制度の運営を担当される自治省の方では、そういう農村の実態、都市との交流のあり方、農業人口、農村の交流と広域化を図っていく上において、交付税の積算根拠というものを具体的に変えていく、そういう話し合いを農林当局と自治省とで十分な話し合いをなされているのか、どういうふうな考え方で今後進めていこうとされるのか、それをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(嶋津昭君) お答えいたします。
 今、委員御指摘のように農業行政費の交付税の算定におきましては、都道府県分におきましては、経常経費については農家数、それから投資的経費については耕地面積を使っております。それから、市町村分につきましては、投資的経費、経常経費ともに農家数、いずれも農業センサスによる数字を用いているわけでございます。
 委員御指摘のように、農業センサス、五年ごとに発表になりますと、耕地面積、農家人口あるいは農家数ともに大きく減少して、農家数の減少の程度の方が耕地面積よりも大きいという実情は我々も承知しているところでございます。
 したがいまして、農家数をとるのかあるいは耕地面積をとるのかというのはそれぞれ地域によって、いわばどっちをとると経費に対しての相関度はどうなのかということも我々計算しておりますが、現時点においては相対的に農家数をとった方が相関度が高いということでございます。その一方で、御指摘のような、耕地面積が集約化したり、あるいは地域によって農地の中における耕地面積の比重が非常に高いとか、そういう地域がございますので、そういう要素につきましては経費の補正係数として面積的要素を使ってより正確な算定をするというふうに心がけております。
 あるいはまた、農家数がセンサスによりまして減りましても、その減った年におきます単位費用の設定につきまして、その単位費用の額について全体の総額の行政需要がセンサスの後によって急減することはないわけでございますので、それを補正した単位費用を法律上新たに設定するというような考え方をとっているところでございます。
 したがいまして、今後、委員御指摘のように農業をめぐる社会経済情勢が変わってくるわけでございますので、今後とも地方団体の決算状況とか農業関連経費の決算状況とか、あるいは国の予算、ことしにおきます中山間地域における直接支払い制度の創設、このようないろいろな財政需要の状態をなるべく的確に反映するような交付税の算定を農水省とも協議をしながらしてまいりたい、かように考えております。
○岩永浩美君 ぜひ時代の移り変わりの中における農村社会の実態を自治当局の中でも十分御勘案いただいて今後対処いただくことを要望いたしておきます。
 次に、農業教育について、きょうは文部省の初等中等教育局長さんにお見えいただいておりますから、お伺いをいたします。
 少年犯罪が大変急増しています。自分の感情をコントロールできないいわゆる切れる子供たちが多くなっていることは、日本の将来を考えると大変ゆゆしき問題だと私は思っています。この一つの原因は何なのか。学歴偏重主義の弊害、そう言われてもいたし方ない面が一面にあるのではないかというふうに思います。
 このような状況の中で、家庭、地域、学校における作物を育てる、収穫をする喜び、そういう初等中等教育の中における一つの体験活動を通じて、子供たちが生きる力をはぐくむ心の教育の充実が図られることは大切であるということは言うまでもありません。
 既にそういうことで広く文部当局も考えてやっていただいていると思いますが、過日、党の政調部会の中で農林水産省から資料を出されました。農業体験学習の実施状況、回答学校数、小学校千七百五十五校、中学校八百三十九校から回答が来ておりますが、農業体験学習を小学校で実施しているのは約七四%、中学校において実施している学校は三〇・二%になっています。
 もちろん小中学校のいずれのところでも、小学校で七〇%であるとするならば、義務制の中における中学校でも七〇%に限りなく近い体験学習はあってしかるべきだという私は意識を持ちましたが、半分にも満たない体験学習の姿を見ると、果たして教育の一貫性と文部省当局が言われる生きる喜び、収穫の喜び、そして育てる喜びをそこで教育しているというふうにはとられない。体験学習そのものがこれだけ不足している、体験学習の時間がそれだけ割愛されている、そのことはなぜこうなっているのか、その実態を御説明いただきたい。
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘のとおり、小学校段階での体験的な学習の方が中学校段階よりも一般的に多いという傾向でございますけれども、文部省におきましては、従来の知識の詰め込み型の教育から、できるだけ自然体験あるいはボランティア体験、あるいはこういった農業等を含みます職業体験等を通じて、子供たちが具体的に自分で考え、物事を判断して問題を解決できるような、そういった生きる力を重視した教育へ転換していきたいということで取り組んでいることは委員御指摘のとおりでございます。
 特に、農業体験につきましては、主として学校教育におきましては社会科を中心に、農業は我が国の重要な産業であり、とりわけ国民の食料を確保する上で重要な役割を果たしていることなどについて学習をしているところでございますし、また、特別活動等の時間を通じまして児童生徒に学校内の花壇づくり、あるいは小動物の飼育や栽培などの体験的な活動が行われているところでございます。このほか、小学校におきましては、例えば生活科の学習あるいは理科の学習等も通じまして、どちらかというと中学校よりも体験的、具体的な活動を通じて学習するという取り組みが多いということも事実でございます。
 文部省におきましては、今後新たに小中学校を通じまして教科横断的に、そして総合的な課題につきまして子供たちがみずから体験をしながら具体的に問題を解決できるような力を身につけさせるために、新しい学習指導要領におきまして新たに総合的な学習の時間というものを小中学校、高等学校を通じて設けたところでございます。今後、この時間、小学校は三時間、中学校は二時間程度将来ふえてまいりますけれども、こういった時間におきまして積極的に農業体験等の活動がますます行われるように努めてまいりたいと思っております。
 特に、具体的には農水省とも緊密に連携をいたしまして、各都道府県教育委員会と各都道府県における農林水産部局との連携等の働きかけを具体的に強めるために、関係局長あるいは関係課長等の連携も通じながら、今後積極的にこういった指導を行いますよう努めてまいりたいと考えております。
○岩永浩美君 次に、義務教育が終了する中学校の生徒の進路指導が次の一つの担い手育成のためにも大変必要だと私は思う。現在の学校教育法において偏差値が絶対的な権威を持っていることは言うまでもありませんが、そういうふうな指導をしている一つの現場。
 そこで、間もなくそれぞれの地域で高等学校の合格者数が出てきますが、中学の進路指導の中で、高等学校の普通校を行く人を筆頭にして、次に商業高校、工業高校、そして偏差値がどうしても低い生徒を農業高校という序列が世間で幅広く通用していると私は思います。さらに、極論をすれば、その後の人生さえも決まってしまうと思う人たちが多いと私は思います。
 我々は当委員会に所属して農業問題を議論しているということではなくて、農業は食料生産の基盤であるという一つの誇り、自然循環機能を持っている生命産業という認識に立って、農業にいそしむ自負、誇りを持たなければ農業に従事するというようなことは大変難しいと私は思います。
 そこで、私は今、中学校における進路指導のあり方が、先ほど申し上げたように先生方みずからの考え方が偏差値に束縛されて、そのことで指導がなされてしまっている嫌いが多分にありはしないのか、あると言っても言い過ぎではないと思う。我々は、今から、個々の能力を発揮していく生徒指導を十分にしていくためには、それぞれの置かれている立場を十分に理解した教育があってしかるべき。その中学校の進路指導のあり方について、政府当局は二十一世紀に向けた新しい時代に向けてどんな姿勢をもって対処しようとしているのか、今までどおりの偏差値をそのまま推進していく教育なのか、示していただきたい。
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘がございましたように、ともすれば学力テストを重視し、偏差値を偏重した進路指導を行われる、こういう傾向につきましては、文部省といたしましても、大変長い間どうやればこれを改めることができるかということで、教師の意識改革を初めといたしましてさまざまな取り組みをしてまいりました。
 特に、具体的な高等学校の入学試験におきまして、単にペーパーテストによる学力だけで合否を決定するのではなく、生徒の希望等を十分尊重して、かつ学校の調査書あるいは推薦による方式、さらには特別の教科について子供たちの特色を見るたびに特別の点数を加算して子供の希望をかなえる、そういったさまざまな入学試験のあり方につきましても各都道府県で工夫をしながら今日までまいったところでございます。
 御指摘のような学力によります知識偏重型の進路指導というものを今後とも十分払拭していかなければならないわけでございますけれども、文部省といたしましては、このため中学校の教員を対象といたしまして、進路指導のあり方についての研修会や進路指導の教師用の手引の配付等を行っておりますと同時に、特に近年におきましては高等学校への体験入学を事前に経験するというようなことを据えまして、子供たちも、あるいは中学校で進路指導する先生の方も、高等学校の具体的な学習やその先の卒業後の進路等を適切に判断して行えるような取り組みも進めているところでございますので、今後とも子供たちの興味、関心あるいは進路に即した指導が行われますよう文部省といたしましても引き続き努力してまいりたいと考えております。
○岩永浩美君 ぜひ今御答弁いただいたような形の中で推進していただくことをお願いいたしておきます。
 次に、土地改良制度の見直しについてお尋ねをいたします。
 戦後農政の四本柱は、農業基本法、農協法、土地改良法、農地法であると言われています。昨年の農業基本法に引き続いて、今国会で農地法の改正が提案をされております。さらに、土地改良制度の見直し、今後のあり方について政府当局ではいろいろ検討されていると私は伺っております。
 現在、農村地域では混住化が大変進んでいます。農家人口が急激に減少し、土地改良事業の推進に伴い農家負担がふえていることは必至です。そして、土地改良事業自体も他の公共事業と同じように今後は基盤整備から施設の維持管理、更新に比重を移していくことになります。
 昨年制定された新基本法で、基本理念の一つに国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承など、農村の有する多面的機能の発揮が挙げられております。
 そこで、土地改良事業による多面的機能の発揮によって、最終的には農家の人だけが受益することではなく地域全体が受益することになりますから、今後の土地改良の維持管理等々の負担については農家だけが負担するのではなくて、地域全体で費用を負担すべきではないかと私は思います。例えば、農業用水ダムは基盤整備事業をしていくときと現在とではその水の必要量も多分に減ってきています。余った水を工業用水や上水道に売水することによって農家負担を軽減することも可能でありましょう。
 そういうことを踏まえて、事業主体の土地改良区について、新たな基本法の制定、農業の有する多面的機能の発揮という観点を踏まえ、土地改良組合という名称も、維持管理をしていく、シフトを少しそちらに移した名称に変えて、農家の人たちだけが負担するという形ではない、地域全体で自然循環型国土の保全という役割を担っているという名称に変えて全体で負担をしていく、そういう形のものに、土地改良法の一つの見直しの時点で名称も含めて変えていくべきではないかという思いを強くいたしますが、それについて御見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 土地改良制度につきましては、農業農村を取り巻く諸情勢の変化に的確に対応するため、その見直しを行っているところであります。
 まず、土地改良区の役割の問題につきましては、農村の都市化、混住化の進展等に伴い、土地改良事業の実施主体としての役割のほか、地域における農地や土地改良施設の公益的機能の維持に関する役割が重要になっていることを踏まえ、名称の問題も含めそのあり方を検討しておるところであります。
 次に、水利権の売却についてのお考えがありましたけれども、河川法上、河川の流水は公共物でありまして、私権の目的となることはできないこととされており、その売買は行えないこととなっております。
 いずれにしましても、地域における公益的機能を踏まえた土地改良施設の維持管理が今後とも適切に行われるよう、制度全般の見直しの中で検討を行うとともに、合併を通じた土地改良区の事業運営基盤の強化等を総合的に推進してまいりたいと考えております。
○亀谷博昭君 自由民主党の亀谷博昭でございます。引き続きまして大臣所信に対する質疑を続けさせていただきます。
 食料・農業・農村基本法が三十八年ぶりに改正されたわけでありますけれども、それに基づく基本計画が今策定されつつあります。先日、その概要が示されたところでありますが、それにつきまして幾つかお尋ねをさせていただきます。
 まず、食料自給率の目標値でありますが、我が国農政史上初めてと言っていいんだろうと思いますが、食料自給率の目標値が定められた、これはまさに画期的なことだろうと思います。そこで、食料自給率の目標値を設定された意義について、まず大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食料自給率の目標を掲げることは、農業生産及び食料消費の両面にわたりまして、国民参加型の取り組みの指針として重要な意義を有していると思います。また、自給率目標の達成に向けまして、農地等の確保、担い手の育成等を図ることは、我が国の食料供給力を向上させ、食料安全保障の確保につながるものと考えます。
 食料自給率目標を四五%とする考え方は、基本的には五割以上を国内生産で賄うことを目指すことが適当でありますが、平成二十二年度までの計画期間内におきましては、生産、消費の両面にわたる課題が解決された場合に実現可能な水準として四五%を目標とするというものでございます。
 この考え方に対しまして、先週の食料・農業・農村政策審議会企画部会におきましては特に異論がなかったものと承知をいたしておるところであります。
○亀谷博昭君 下がり続ける自給率に歯どめをかけてまさに反転攻勢に転ずる、そういう意味では国を挙げて、今、大臣のお話にもありました国民総参加でこれに取り組んでいかなければいけない課題であろうと思います。
 平成二十二年までの計画期間の自給率、今お話がありましたように、供給カロリーベースで四五%、五〇%を目指すことが適当、こうなっているわけですが、そのためには品目ごとの自給率の向上が不可欠であります。小麦あるいは大豆、飼料作物等の目標を達成することがまさに必要条件でありますし、さらに、生産される方々の所得確保をどう図っていくのか、あるいは水産資源の拡大、増大をどう図っていくのか。また、それらの財源の確保等も必要なことであります。そうした政府としての断固たる取り組みが求められると思いますし、さっき申し上げました国民世論の後押しも不可欠であろうと思います。
 今、大臣のお話で、四五%は二〇一〇年までに生産、消費の両面での課題が解決された場合に実現可能な水準である、こういうことでありますけれども、今後の具体的な取り組み、今申し上げました小麦、大豆、飼料作物あるいは水産資源等の品目別の自給率アップに向けての具体的な取り組みについてお考えをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食料自給率の向上のためには、政府において全力をもってこれに取り組むことといたしておるところでありますが、同時にまた、農業者、食品産業事業者、消費者等の関係者が一体となってそれぞれの課題に取り組んでこれを解決していくということが大事なことであると存じます。
 こういう観点から、自給率の向上に向けまして関係者の取り組みを促進するため、生産面では、麦、大豆、飼料作物の本格的生産等に向けまして優良農地の確保と流動化の促進、生産基盤の整備等を通じた生産性の向上、技術の開発普及による単収や品質の向上、消費者や食品加工業者のニーズに即応した生産の推進などの施策を進めますとともに、消費面では、食生活のあり方が我が国の食料自給率に影響を及ぼすものであることから、食べ残しとか廃棄の減少や適正な栄養バランスの実現など、食生活の見直し、改善に向けた指針を策定し、国民的な運動を展開し、理解を求めていくことが大事であると思っております。
○亀谷博昭君 今、大臣から大まかな今後の施策についての御説明をいただきましたが、大臣所信の中にも、昨年十月末に取りまとめた水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱、その中で、需要に応じて米の計画的生産を推進するとともに、水田における麦、大豆、飼料作物等を積極的に生産することを柱とする総合的施策を講ずる、こうあるわけですけれども、実際に、例えば麦にしろ大豆にしろ飼料作物にしろ、転作とか裏作ではなくて表作としてこれを取り扱っていただく。そのためには、所得保障だけしても、例えば小麦に向いた土地もあるし向かない土地もある、大豆も同じことであります。そしてまた、品種改良もこれからさらに進めないと、高品質のものを多収穫するということが難しい。
 そういう意味では、農業団体等の生産者側がどう取り組むかということが非常に重要な課題になってくるのではないかというふうに思いますが、生産者団体はできれば五〇%ということもある時点では主張しておられたようであります。ただしかし、具体的に可能な数字ということで四五%というものを国として示された。とりあえずこの四五%の達成に向けて農業者団体を含めたいわゆる生産者側がどんなふうに取り組もうとしておられるか、どのように認識をしておられるでしょうか。
○政務次官(金田勝年君) ただいま委員の御指摘に関しまして、先週の食料・農業・農村政策審議会の企画部会におきましては、食料自給率目標の具体的な数値につきまして御議論をいただいておるところであるわけであります。
 その際に、基本的には五割以上を国内生産で賄うことを目指すことが適当であるが、平成二十二年までの計画期間内においては、生産、消費の両面にわたる課題が解決された場合に実現可能な水準として四五%を目標とするという考え方につきましては、農業団体等生産者側を代表する委員の皆様方も含めて特に異論がなかったところであるわけであります。
 私ども農林水産省といたしましては、今後生産者サイドとも十分な情報交換を行いながら、地域段階での生産努力目標の策定の促進などにおいて緊密な連絡を図っていく、そういう考えで対処してまいりたいと考えておる次第であります。
○亀谷博昭君 いずれにしましても、先ほどからお話がありますように、政府としての取り組みは当然でありますけれども、今御答弁いただきました生産者団体の取り組み方、さらにはむだをなくすとかあるいは食生活を改善するとかいうような意味での国民的な取り組み、総合的なものがあって初めて四五%というものがとりあえず目標として掲げられ、それに向けての達成が図られていくんだろうと思いますので、今後とも農林水産省としてのしっかりした取り組みをお願い申し上げておきたいと思います。
 そこで、今示されているものは供給熱量、要するに、簡単に言えば国内に出回っている食べ物すべてを国民の人数で割って総カロリーにすると二千六百キロカロリーですよと。それに対して、今のところ三九とか四〇とかいう自給率の数字が出されているわけであります。それでは、果たして我が国としてまさに不測の事態、外国から一切食料が入ってこないというようなことを考えた場合に、我が国ではどのくらいのカロリーベースで供給力があるのかということも大きな問題であろうかと思います。
 と申しますのは、一般的に、国民の皆様とお話をしておりますと、自給率が四〇%ですよと言いますと、外国から入ってくる物がなくなると今食べている物の四〇%しかない、こう理解する方も中にはいらっしゃるわけですね。そうじゃないんですよ、実際に今不測の事態というか外国から一切物が入ってこないような状況になってもこれだけは我が国にあるんですということをもっと国民の皆様方にお知らせしていく必要があるのではないかというふうに思うわけであります。
 そういう意味で、この食糧供給熱量、いわゆる可能供給量といいますか自給力といいますか、そういうもののはじかれている数字もあるようでありますけれども、今の時点でどのぐらいなら供給が可能だと考えておられるのか。そしてまた同時に、これをもっと国民の皆様方に広く知らせていくということも必要なのではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
○政務次官(金田勝年君) 委員ただいま御指摘の点につきましては、食料・農業・農村基本法の十九条に、凶作あるいは輸入の途絶等の不測の事態に対します対応につきまして、国民が最低限必要とする食料の供給を確保するため必要があるときは、熱量効率の高い作物への生産転換等による食料の増産、流通の制限等の施策を講ずることとされておるわけであります。
 こういう観点から、先週の食料・農業・農村政策審議会企画部会で審議されました基本計画案におきましては、平成二十二年度の農地面積、四百七十万ヘクタールでございますか、農地面積及び単収を前提としました熱量効率を最大化した場合の国内農業生産における供給可能量が示されたところでございます。
 これによりますと、一人一日当たりで千八百九十キロカロリーから二千三十キロカロリーの供給が可能であるということになりまして、これは現状と比べまして供給熱量が減少し、また食生活の内容も変化せざるを得ないという点はありますものの、昭和二十年代の供給熱量とほぼ同水準でございますことから、国民が最低限度必要とします熱量の供給は可能となるものと私どもは考えておる次第であります。
○亀谷博昭君 農林水産省の自給率のベースは供給熱量でありますけれども、厚生省で出しているいわゆる摂取熱量、これはサンプルのとり方が少ないとかいろんな意見はありますけれども、一応厚生省では我が国の摂取熱量は約二千キロカロリーとはじいております。
 そうすると、今、金田政務次官からお話しいただきました、我が国として不測の事態にも約二千ぐらい、好き嫌いをしないでというか余り食べ好みをしないでというような意味ですべてひっくるめれば二千キロカロリーぐらいはありますよと、こういうことですから、厚生省で示している摂取熱量と農林水産省がはじいている供給可能熱量というのはほぼ同じなんですね、約二千キロカロリーなんです。
 だから、私はそういうことをもっと国民に知らせる必要があるのではないかということを申し上げたいわけであります。要するに、自給率はこういうことで四〇なんですけれども、不測の事態でも国民の皆様が今とっておられる摂取熱量分ぐらいはちゃんと供給できますということのPRがもっと必要ではないかということ。
 これは、時間がありませんから御答弁は要りませんが、例えばこんな計算の仕方があるんです。供給熱量二千六百ぐらい、五百から六百、そして摂取熱量約二千、こう計算しますと、供給している中の摂取している量は約八割なんです、八〇%ということになります。簡単に言えば二割がむだになっているということになるんでしょう。
 そこで、例えば魚介類で平成二十二年度に我が国に供給されるものは約八百万トンと試算されています。我が国国内で生産されるものが約五百四十万トンという数字なんですね。要するに、二十二年時点で国内に供給される魚介類は約八百万トン、我が国で生産される食用に回される魚介類は五百四十万トン、こういう数字であります。
 この八百万トンが今申し上げたように約八割が摂取されると、大ざっぱですけれども六百五十万トンになるんですよ。それで、我が国の生産量が五百四十と、摂取されるのが約六百五十で、我が国でとれる食用の魚介類が五百四十と。こうなると、自給率八三%になる。例えばそういう計算もあるということで、これは時間がありませんが、私はもっと摂取熱量、それから供給力、自給力、こういうものもあわせて国民の皆様方に知らせていくということが必要なのではないかと思う。
 国内で生産されたものをむだなく食べていただくということは摂取していただくということですから、その辺のかかわり合いというものもこれから考えていかれたらよろしいのではなかろうか。これは私の意見だけにとどめさせていただきます。
 次に、中山間地域の振興についてお伺いをいたします。
 今回の中央省庁再編の考え方の中で、農林水産省の任務、行政目的というのがあります。ここには、食料の安定供給の確保、農村、中山間地域等の振興、それから森林の保護育成、これが三つの大きな柱で立ててあるわけです。要するに、中山間地域の振興というのもこれからの農林水産省の任務、目的として非常に大きなウエートを占めますよということが中央省庁再編の中でもうたわれている、今後の農林水産省のあり方という意味でうたわれているわけです。
 そこで、まずお伺いをしたいのは、今回、中山間地域振興の一つの手だてとして直接支払い制度というものが設けられました。この中の対象地域、対象農地というのは条件不利地域ということで一応考え方が整理されているわけですが、そもそも中山間地域というのは何なのだということになると、非常に定義が不明確なのではなかろうかという感じがするわけであります。
 現在は、今回の中山間地域のカバーする地域としては、自然的、経済的、社会的条件が不利な地域振興立法の指定地域、いわゆる五法ですね、特定農山村とか過疎とか、それに沖縄、奄美、小笠原の三法を含めた八法が一応対象地域とされているわけでありますけれども、これでもまだ中山間地域というのは何なのかということがどうもいま一つよくわからない。そこで、まず中山間地域というものをどう定義づけようとしているのかということをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食料・農業・農村基本法第三十五条第一項における「中山間地域等」として、山間地及びその周辺の地域である中山間地域に加えて、地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域を中山間地域等として含めているところであります。
 これらの中山間地域等はそれぞれの地域により多様な課題を抱えておりますので、地域の抱える種々の課題に対応した関連諸事業を総合的に推進していく必要があります。そういう観点から、各局横断的な体制を整備することにより、中山間地域に対しまして諸施策を総合的に推進する体制を整えたところであります。
○亀谷博昭君 これは、今回の直接支払いに関する中山間地域の一応の定義づけを役所はしておられるということだと思いますけれども、例えば平成十一年度で、農林水産省の中の各課各室が中山間という名前でどういう予算項目を立てているかということをちょっと調べました。
 十三ぐらいの課と室にまたがるわけです。そして三十以上の項目があります。これは、それぞれの課や室が自分たちなりのイメージで中山間というものをとらえて、うちの課はそこにこれをやります、これをやります、こういうことで予算化をし施策を進めている、こういうことだと思うんです。
 ただ、本当に我が国の地形を考えれば、森林地帯と平野地帯と平野部と、その中間にまさにこの中山間地域というのが存在するわけですけれども、中山間地域というものの定義づけがやっぱりいま一つあいまいなのではないか。だから、今回直接支払いをするときに、どうしても具体的なものを示さなきゃいけないので、条件不利地域、傾斜地幾らということになり、さらにはそれに含まれない場所は特認で認めますみたいな話になってしまうのではないか。
 だから十二も十三もの課が三十以上の項目で予算を要求するというようなことではなくて、中山間地域というものをある程度定義づけた上で、そこを総合的にどう開発するか、どう振興させるか、発展させるかという考え方で施策や予算がつくられていくべきではないか、私はこう考えているわけであります。
 ですから、今回の直接支払い制度というのも中山間地域振興の私は一つの手だてにすぎないと。本当はもっと大きな中山間地域というものの定義づけがあり、そこの振興策をこう図るというものがあって、その中の一つとして直接支払いというものが出てこなければいけないんだろう、こう思うわけであります。
 今後、ぜひ中山間地域の振興というものをもう少し明確に定義づけていただいて、さっき申し上げた、これからの農林水産省の三本柱の一つですから、これをもう少しはっきりと定義づけた上で総合的な振興策を図っていくべきではないか。今回の直接支払いはその一つにすぎない、私はこう思うわけでありますが、もう一回ちょっと御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 確かに中山間地域は地理的にもあるいは地勢的にもいろいろな要素を抱えております。また、南北それぞれ自然状況も違うというところがあるわけでございますが、それだけにたくさんの課で中山間地域の問題を扱う事業があった、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。そこで、各局・庁横断的な体制である新基本法農政推進本部の中に中山間地域等総合振興部会を設置しまして、諸政策を総合的かつ連携をとって推進する体制をとったところであります。
 さらに、中央省庁再編が十三年一月から行われるわけでございますけれども、中山間地域等の振興という任務を扱う部局として農村振興局が設置され、そこで引き継がれる、こういう体制で今後やってまいりたいと思います。
○亀谷博昭君 森林地域は、国有林野の問題、それから民有地の問題がありますけれども、国の関与はできるだけ保存をしていく、そしてまた一般の林野行政というのは民間に大きくゆだねていくという方向が示されました。そしてまた、平野部はほとんど開発の余地がないくらい大体いろいろな形で開発をされてきている。最後に残るのは中間地域でありますから、ぜひこれからこの中山間地域をどう有効に開発し発展させるか、振興させるかということについて、具体的なお取り組みをお願いしたいというふうに思っております。
 次に、水産関係でちょっと伺いますが、先ごろの日中漁業交渉、大臣、大変御苦労いただいて、その前は水産庁長官を初め事務方皆さんの御努力で一応の結末を見ました。今回の日中漁業交渉について、まず直接署名をされてこられた、御苦労をいただいた大臣の所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 新しい日中漁業協定につきましては、署名後二年以上が経過しまして早期発効が強く求められていた中で、北京におきまして私と陳耀邦中国農業部長との間で閣僚協議を行いまして、本年六月一日の発効を図ることで意見の一致を見たところであります。
 今回の合意を受けまして、新日中漁業協定が発効することにより、我が国周辺水域における中国漁船の操業を我が国の管理下に置くこととなり、これにより、新日韓漁業協定と相まって、海洋法時代にふさわしい資源管理体制の基盤を確立し得るものとなり、名実ともに二百海里体制が確立されることとなったと考えております。
 協定署名後なかなか発効が実現しなかったことから、国内におきましては協定の破棄を求める声もありましたが、私としましては、やはり隣国同士でありますから、共通の資源を大事にしていく、こういうことから共存共栄の道を選択するということを向こう側にも話をいたしまして今回の合意に至ったものでございます。今後、六月一日の発効に向けまして、今回合意に至らなかったその他の操業条件等について中国側と協議することといたしておるわけでございます。
 漁業者の間には今回の交渉結果についての御不満もあろうかと存じますが、今後、漁業者の要望も踏まえまして、引き続き最大限の努力を図ってまいる所存であります。
○亀谷博昭君 大変御苦労さまでございました。一つの区切りがついたわけでありますが、今、大臣お話しのように、今後さらに詰めなければいけない部分がたくさんあるわけであります。
 そこで、具体的に少し伺いたいと思いますが、まず今回の合意で中間水域というのが設けられることに、設けられたというか生まれることになったわけでありますが、そもそも予定されていた暫定水域とこの中間水域というのはどのような違いがあると認識したらいいのかというのが第一点であります。
 同時に、この中間水域を含め、日本海あるいは太平洋、あるいはいつかは中川委員から北海道沖の話もありましたけれども、そのほかにもあと東シナ海、さらには今回合意した線の外側とそれぞれの国の許可水域の間の水域、これから詰めなければいけない水域の問題がたくさんあるわけであります。これらについて、六月一日に向けて、あるいはその後も引き続き取り組むことになると思いますが、どんなようなスケジュールで今後操業条件を詰めていかれるのかについて、水産庁長官でも結構です、お願いいたします。
○政府参考人(中須勇雄君) 初めに御指摘のございました、今回大臣間、閣僚間の協議によりまして合意を見た、俗称でございますが、中間水域の性格でございます。
 これは、この水域内ではそれぞれ沿岸国の許可証なしに操業することができるということがこの水域の特徴というか性格でございまして、その意味におきましては、ただいま御指摘ございましたように、協定で書かれております日中の暫定措置水域とそういう面では共通の性格を有しているというふうには言えようかと思います。
 しかしながら、今回の中間水域というのはなぜ設けたかと申しますと、我が国と中国との間の排他的経済水域の境界が画定をしていない、しかもこの水域においては、二国間だけではなくて韓国まで含めた排他的経済水域の境界が定まっていない。そういう現実の状況ということを踏まえて、本来、この水域は沿岸国の許可を受けて操業を行ういわゆる相互入会の水域であるわけでありますが、それについて特別の取り扱いを行うという意味で中間水域が設けられた、こういうふうなことでございます。
 それから二点目の、先ほど大臣からもお話ございましたとおり、操業条件等について残された問題があるわけでございます。
 これにつきましては、大臣間の合意で本年六月一日に発効させるということでございますので、本来そういう問題は日中の漁業共同委員会等で議論をするということでありますが、まだ発効しておりませんので委員会自体が発足をしておりません。いわば共同委員会の準備会合というふうな形で、できるだけ早期に、六月一日までに解決をする、合意を見るということで精力的に進めてまいりたいというふうに思っております。
 具体的なスケジュールについては、現在外交ルートで調整をしている最中でございます。
○亀谷博昭君 もう一度確認をしますが、そうするとその両国の共同管理水域、共同管理委員会というのは日韓の場合は暫定水域においてつくられて協議を進められたということですね。そうすると、今回はいわゆる暫定水域、それから中間水域、その他の水域、全部を共同管理委員会で協議をするということになるんですか。
○政府参考人(中須勇雄君) 御指摘のとおりでございまして、基本的にただいま御指摘のございました暫定措置水域において共同して資源管理措置をとる、それから今回の中間水域におきましても一定のそれぞれの国が資源保護のために必要な措置をとる、そういう問題についても共同委員会で話し合うということになってまいりますし、同時に、ただいま御指摘ありましたそれぞれの排他的経済水域における操業条件の問題、これについても共同委員会で話し合った上でそれぞれの国が決定していく、こういう形で進んでいくというふうに承知しております。
○亀谷博昭君 私は、農林水産政務次官を務めさせていただきました折に、飛行機と船で東シナ海を視察させていただきました。セスナで半日ぐらい、それから現場に行くのに往復船の中で二泊しながら東シナ海に行きまして、実際に中国漁船の操業状況も見てまいりました。
 そんな経験も踏まえて考えますと、暫定水域というのは大変広大であります。そして、それに今度中間水域が生まれました。その他の水域もあります。そして、どうも聞くところによりますと、中国の方の監視体制は必ずしも十分ではないということも伺っておりまして、これから精力的にこの共同管理委員会でいろんなことを詰められる、操業条件が合意に達したという前提で物を考えても、さてそのとおりに操業がなされているかどうかという監視活動というのは大変広範囲にわたり、大変な努力が必要だなと、こう思うわけであります。
 どうも、私の受け取り方は、現在の我が国の巡視船を含めた監視体制ではこの先大変不安が強いのではないかと、こう思いますけれども、今後の監視体制についてはどんなふうにお考えか、お伺いをさせていただきます。
○政府参考人(中須勇雄君) 水産庁におきましては、特に新たな日韓協定の発効、そしてまたことし引き続く日中漁業協定の発効ということで、我が国周辺水域における外国漁船の取り締まりということを実効的に行うため、これまでも特に日韓の漁業協定発効の際には補正予算等を含めまして大変な御支援をいただきまして、取り締まり船の増隻であるとか搭載艇、あるいは放水銃の整備あるいは取り締まり用機材の装備の拡充、こういうことを図ってきたわけであります。
 もちろん、取り締まりというのは、私どもはもちろんでありますが、海上保安庁と密接に連携をとってそれぞれ機能を分担しつつ効果的に進めていきたいというふうに思っておりますが、特に当面の課題としては、六月一日に発効するということになりました場合、その時期に多数の監視船艇あるいは漁業取り締まり船をこの地域、西日本の海域に集中いたしまして、何事も最初が肝心であるという意味において、効果的な取り締まりができるよう努力をしていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○亀谷博昭君 ぜひ我が国の漁船が不安なく操業できるような監視体制をとっていただきたい、御要望を申し上げておきます。
 最後に大臣に、今、水産基本法という名前になるのかどうかわかりませんが、二百海里時代を迎えて新しい水産の基本政策を立案中と伺っております。私も国会に参りましてから約五年、ずっとこのことをいろんなところで主張し続けてきた気持ちもございます。そういう意味で、ぜひ早期に取りまとめていただきたいと思いますが、水産基本法についての現状、それから今後のお考えを最後に伺いたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員も前農林水産政務次官とされまして大変な御努力をいただいてまいったわけでございますが、御承知のとおりに、昨年の十二月に新たな水産基本政策の具体的内容と実施手順を水産基本政策大綱・プログラムとして取りまとめていただきました。今後、国民的な理解を深めるとともに、法制的な整備を進め、平成十三年の通常国会に向けまして水産基本法案を取りまとめることといたしておるところであります。
 水産政策のあり方は国民生活に密着した課題でありますから、現在、漁業関係者はもとより、消費者も対象として全国各地で政策大綱の内容についての説明会を開催しているところであります。水産基本法案の取りまとめを含め、水産政策の改革が国民全体の十分な理解のもとに推進されるよう万全を期す所存でありますので、何とぞ御協力、御指導を賜りますようにお願い申し上げます。
○亀谷博昭君 ありがとうございました。
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。
 先ほど、この委員会の冒頭に、玉沢農林水産大臣から今回の農林水産省構造改善局の不祥事についての言及がございました。私は、大臣が所信を表明する以前に、九日の前にそういうお話があるというふうに思っておりました。この委員会の理事会におきましても、そのようなことがあってしかるべきだというようなことがございまして先ほどの御発言になったわけでございます。
 しかし、これはやはり先ほど大臣の話によりますと、一月に二十二名でしたか、処分を受けた、そういう中で一人の逮捕者が出た。こういう経緯でありますけれども、二十一世紀に向けて新法が施行される、基本計画がつくられるというような新しい農政が展開される。そういう時期に、やはり新しい農政を展開するに当たって農林省、国が信頼をされないということになりますと、どんなに立派なことをやりましても農業者も元気が出ませんし、国民からも信頼されないという大変なことではないか。やはり、こういう時期であるからこそ、不祥事の反省を踏まえて体制を立て直して立派にやっていただきたい、こういう思いで私は期待をしていたわけでございます。
 そういうことで、やはりこの事件というものはまだまだ、どうも大臣の先ほどの話を聞いておりますと、本当に重大に受けとめているのかなと。一人のといいますか、たまたま不心得の職員がいた、そういうことではなくて、先ほども岩永議員の質問にもありましたように、あるいは既にもう予算委員会等々でいろいろ議論をされておりますが、やっぱり構造的な問題があるのではないか、こういうふうに私は考えております。
 調査委員会の中でも、そういう問題について調査報告書が出ておるわけでございます。そういうことで、改めて大臣の御決意というものをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この構造改善事業をめぐる不祥事等におきまして国民の皆様に不信を与えた、この点につきましてまことに申しわけなく思っておる次第でございます。
 食料・農業・農村基本法が本年、初年度として始まるに当たりまして、何としても農林水産省は打って一丸となってこの反省のもとに国民の皆様の信頼を回復し、そして政策の遂行につきましての御理解と御協力をいただきながら我が国の農林水産行政に万全を期していく、こういう決意で臨んでまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○小林元君 私も、農業関係の仕事を県でさせていただきました。その際に、農林省のお役人といいますか幹部の方とも、あるいは一般の職員の方ともいろいろおつき合いをさせていただきました。生きている方の名前を言うといろいろと差しさわりがありますけれども、さきに亡くなりました石川議員、あるいは衆議院の方で亡くなりました松浦議員、大変立派な方でございまして、いろいろ御指導をいただきました。やはり、これまでは大変な農政、厳しい環境の中で何とか頑張ろうということで先輩各位は頑張ってきたと思います。そういうことで、これから頑張っていただきたいという気持ちでいっぱいでございます。
 ところで、この構造的な問題、私はいろんな原因といいますか問題があるのではないかと。今回、いろいろ公益法人といいますか外郭団体といいますか、そういうところをおつくりになった。そういう中で接待あるいは旅行の招待というんでしょうか、そういう問題があったわけでございます。ですから、こういう補助金行政というものにやはり問題があるのではないかなと。
 それからもう一つは、こういう補助金を決める過程にも問題はあるわけでございますけれども、それを今度は逆に吸い上げて、いわゆる調査なるものを公益法人を通してやる、吸い上げるというようなことのシステム自体に問題があるのではないか。やはり、専門的な事項であるというようなお考えはあるようでございますけれども、民間活力というものを生かしていこうというのが私は政府の方針だったのではないか。現在もそうだというふうに私は考えております。
 そしてまた、昨年、地方分権一括推進法なるものが決定をしまして、ことしの四月から施行をされる。そういう中央集権から地方分権へと、もちろん中身にはいろいろ問題はあります。そういうものがきちんと決まったとは思いませんけれども、それにしましても地方分権への第一歩を踏み出した、そういう中での事件でございますから、これはやはりそういう問題が、これからの時代の流れである二十一世紀は、官から民へ、そして中央から地方へと、これが日本を元気にさせるもとではないかというふうに考えております。
 その辺について、大臣のお考えがあればお聞きしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この農業構造改善事業を最初始めた当初は、なかなか関係者間でこの事業に関する十分な理解その他ができなかったという面もございます。そういうことから、ともすれば中央から地方に対して一定のモデルのような形で指し示しまして、中央から地方の方に事業を移していったと。そういう間におきまして、コンサルの事業も公益法人等を使うというような形になりまして、御指摘の点、いろいろな問題点が生じたところがあるかと思うわけでございます。
 これは、平成八年度以前はそういう状況であったわけでありますが、平成九年四月からこの通達を廃止しまして、市町村が委託するか否か、あるいは委託する場合の委託先についてはあくまでも市町村の選択によるものであるという指導を行ってきたところでございます。
 それからまた、平成十二年度から開始する経営構造対策等につきましても、地方分権を推進し、地域の自発性を重視するという観点に立ちまして、地域が自主的に必要な事業のメニューを選択できるようにする、それから各地域において担い手育成に関する数値目標を掲げ、事業の成果を評価することを通じて施策課題に対応すると、こういうことにいたしておるわけでございまして、あくまでも押しつけであるとかあるいは上からの指導であるとかということを排して、地域、地方がそれぞれの自主性に基づきまして事業を選択し、みずからの考えに基づいて計画を推進していく、こういうような体制に変えてまいったところでございます。
○小林元君 廃止の通達が出たということも承知をしております。しかし、そういう中でもこういうことがあったわけでございますから、やっぱりそこは、ただいま大臣がお答えになりましたように、そういう地方分権の流れというものを大切に育てるということにつきまして農林省も十分な配慮をしていただきたい、そういうふうに思う次第でございます。そしてまた、ただいまそういう法人にすべて吸い上げるというようなことはやめるということになったわけでございます。
 したがいまして、そういう公益法人というものが本当に必要なのかどうか。あるいは、どうしても必要だというのであれば、最小限こういうことをやりたいというようなことで大いに見直しをすべきだ、極論を言えば廃止すべきだと。あるいは、どうしてもだめだというのであれば、それなりの存在理由があるということであれば、大きな見直しをするべきであるというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 今御指摘がございましたように、農政全般が改革、再構築の途上にあるわけでございますので、昨年十二月の調査委員会の報告では、五つの法人の組織のあり方について三年ないし五年を目途とした再編を視野に置いて検討するというふうに報告を出しております。ただ、公益法人の組織のあり方につきましては、あくまでも公益法人の自主的な話し合いによるということが基本でございますので、報告が出まして直ちに公益法人間での話し合いの場を設定いたしまして、既に本年に入りまして四回この話し合いを実施いたしております。
 いずれにいたしましても、新しい基本法の政策課題に即した方向での組織再編ということで具体案を早急に取りまとめまして、これを実施していきたいと考えております。
○小林元君 三年―五年というお話がございました。そういう悠長なことではなくて、こういう重大事件が起きたわけでございますから、確かにそれは公益法人自体の問題で、改編するの廃止するのということでそこまで指導権限があるかどうかということは十分承知した上でその見直しについて早めていただきたい、こういうことを要望しておきたいと思います。
 次に、WTOの問題でございます。
 実は、二月二十二日、二十三日に参議院の若林委員長から、国際議員連盟を設立するに当たって超党派で参加しようではないかという大変積極的な御提案もございまして、衆議院の松岡委員長そして参議院の若林委員長を初め衆参十四名、参議院からも五名が超党派議員ということで参加をさせていただきました。そのことにつきましては既に大臣のお耳にも入っているかと思いますけれども、これからのWTO次期交渉につきまして、我々超党派といいますか、そういうことで何とか頑張っていただきたい、そういう思いで参加したことを御理解いただきたいというふうに思っております。
 そこで、シアトルの閣僚会議、決裂といいますかまとまりませんでしたけれども、ケアンズ・グループそしてフレンズ諸国の主張というものがなかなか、先ほど岩永議員からもいろいろお話がありまして、アメリカを初めとするケアンズ・グループは当然その市場性あるいは経済性というものを主張してきたわけでございます。そういう中で農業が全世界的に発展をするというお考えだろうと思いますけれども、我々日本の立場は、大臣既に御主張のように、そうではないと。やっぱり全世界的な食料不足といいますか、そういう事態も予想される中で頑張っていきたいんだということで理解を求めているわけでございます。
 大臣もFAOの総会にも出席をされまして、そういうようなグローバルな農業生産力の維持発展を図りたいということを御主張されたと思いますが、そのことについてお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、委員が指摘をされました韓国ソウルで開催されました国際農林水産業議員連盟の設立総会は、ここにおられる若林委員長を初め超党派の十四名の議員の方々が参加をされまして、大変な成果を上げられたと高く評価するところでございます。
 やはり、党派を超えて農業を振興すると、それからまた国を超えて多くの議員が参加をされまして、共通の問題等につきまして、特にWTOに対しましては、食料の安全保障あるいは農業の持つ多面的機能というものを十分重視してWTOの交渉等にも当たるべしという意見につきましては全く賛成でございまして、今後ともこうした活動を通じまして、WTOの交渉等におきましても御指導、御鞭撻を賜れば大変ありがたいと思っておる次第でございます。御趣旨を踏まえまして一生懸命頑張るつもりであります。
○小林元君 シアトルの場合でも、大臣は、先ほどもお話がありましたが、EUのフィシュラー委員、あるいはスイス、ノルウェー、韓国といったいわゆる主要国といろいろ連携を図っているということでございます。しかし、このWTOの参加国というのは御承知のとおり百三十五カ国あるわけでございまして、アジア、アフリカの途上国も多数参加をしているわけでございます。これは途上国といえども一国は一国であります。そういう意味で、やはり一国でも多い理解と協力といいますか連携というものが求められているわけでございます。
 そういうことにつきまして、いわゆる従来はどうしても対米追従外交だといろいろやゆをされてきたわけでございますが、やはり日本としてはそういう幅広い国際的な支持を得るということで展開をしていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 極めて重要な課題であると思います。
 WTOのシアトル閣僚会議があのような形になったときに、クリントン大統領は今までの交渉は世界の三極によって行われたと。つまり、それはアメリカ、EU、日本、これに四極が加わった。それは、開発途上国という全体の四分の三を占める国々が一つの極として重要な要素としてこの会議に大きな影響を与えた、こういう趣旨であると思うわけでございます。それだけに、加盟国の四分の三を占める開発途上国に対しましての働きかけ、我々の考え方等を理解していただく、こういうことは極めて大事なことだと思うわけでございます。
 途上国の国々の農業担当大臣が日本に参っております。例えば、この前もブルガリアとかあるいはリトアニアとかハンガリーとか、こういう国々の方々にもよくこの点を話をしております。また、この前、中国の漁業交渉に行った際も、中国がもし加入した場合は我々のサイドに立って多面的機能の問題については一緒になってやろう、こういうことも話し合いをいたしたところでございます。
 それから、これからのことでございますけれども、私は、部長・審議官クラスの職員を外国に派遣いたしまして、できるだけ多くの国々の理解を得たいと。今月末から四月にかけて派遣をしまして、インド、エジプト、タイを初め主要途上国十六カ国に派遣をし、理解を求める行動をとる予定であります。この働きかけにつきましては、外務省とも十分連携を図り、今後継続的な取り組みをしていきたいと思っております。
 何せ交渉そのものが一カ月とか二カ月で終わるものじゃございませんで、三年もかかるわけでございますので、じっくりと時間をかけて幅広くやっていこう、こういう考えでございますので、御協力を賜ればありがたいと思います。
○小林元君 ぜひ、そういう幅広い途上国の参加といいますか連携というものを求めていっていただきたいと期待をしております。
 それから、共同コミュニケが決められたわけでございます。その際には、衆議院の松岡委員長そして参議院の若林委員長、大変力を出していただきまして、この共同声明の中に多面的機能あるいは食料の安全保障という問題も当然ながらではありますが入れていただきましたし、また、これはベルギーからの提案だったと思いますけれども、グローバリゼーションというふうな流れというものが、なかなかとめがたいというものではあるけれども、これからは一層透明性のあるものにする必要があるのではないか、あるいは市民の参加というものが必要なのではないかというような提案もあったわけでございますが、これについて何かコメントがありましたらお願いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 共同提案におきまして、今、委員がおっしゃられましたような多面的機能の推進に重点を置いて食料安全保障問題を解決するための国際的な議員組織の必要性を認識する、こういう宣言のもとに三十二カ国の議員が参加されたことは大変な重みがある、こう評価いたしておるところでございます。
 この国の中にはいわゆるケアンズ・グループにも籍を置いている国もあるかとは思うわけでございますが、しかしそういう国の議員であっても我々の、我々のといいますか、この議員連盟に参加されて共同声明に賛成をしているということは非常に意味のあることだと思うわけでございます。
 アメリカにおきましても、それぞれ家族農業を中心とする農業組織は多面的機能を高く評価しまして我々と行動をともにする、こういうこともあるわけでございますので、こういうケアンズ・グループとかアメリカとかいうところを何も我々は拒否するのじゃなくして、むしろ積極的に説得する、こういうことが大事ではないかと思いまして、この声明及び連盟の設立を高く評価するものであります。
○小林元君 私どもも、微力ではございますけれども一生懸命頑張りますので、大臣もどうぞ次期交渉に向けて頑張っていただきたい、こういうことをお願いしたいと思います。
 次に、大臣の所信表明の中で、農林水産業と農山漁村の健全な発展につきまして消費者との共生、こういうことを述べられました。昨年の就任のときも同じようなことを述べたと思いますけれども、これは非常に大事なことだろうというふうに思っております。
 共生というのは、生物学的に言うといろいろあるんでしょうけれども、別な種類の生物が共存をするというようなことでありますが、ヤドカリとイソギンチャクというような例があれでございますけれども、こういう中で農林水産業と消費者の関係、異なるものではないというふうに思っております。しかし、そういう消費者との共生というものを出してきたということには非常に哲学的な深い意味がおありなんじゃないかと思いますが、これについて大臣のお考えを。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 前の基本法におきましては、やはりその時代を反映しているものがあると思います。
 つまり、戦後の一時期、かなりの期間におきましては食料は不足しておったわけでございますから、何としましても食料の増産ということが一番大事な要素の一つであった、こう考えるわけでございます。今日におきましては、食料の生産は同時に消費者の理解、消費者の求めるもの、こうしたところに配慮をしなければ、幾ら食料を増産したとしましても、生産したとしましても、やはり十分な消費といいますか、目的達成には至らないと思うわけでございます。
 共生という言葉を使ったのは、生産者であると同時に消費者でもある、こういうこともあるわけでございまして、消費者であると同時にまた生産者でもあると。また、今、国民の皆様が求めておられる食料といいますのは、安定した食料の供給、また安全な食料、そしてまた良質な食料、こういうものが求められているのではないか、こう考えるわけでございまして、消費者及びユーザーが求めるものを生産することによりまして意欲のある農業生産というものが確保される。意欲を持って取り組めば必ず報われるという体制を整えていくということが大事ではないか、そういう観点から申し上げた次第でございます。
○小林元君 次に、時間がなくなってまいりましたのでちょっと飛ばさせていただきますけれども、自給率の問題、先ほど亀谷委員からも御質問があったわけでございます。
 そういう中で、大臣は先ほど来、できるだけ実行可能な水準を目指しつつ、生産、消費両面における課題やその実現可能性を踏まえて検討するということを再度御答弁をされているわけでございます。
 昨年は具体的な答弁がございませんでしたが、既に四五%、五〇%というようないわゆる自給率の下げどまりをするような自給率が設定をされるというふうに受けとめているわけでございます。ただ、今、これは答申といいますか、そういう報告書の中にも盛られるんでしょうけれども、生産、消費両面での課題が解決された場合に実現可能な水準を目標として設定すると、こういうことなのでありますが、何か決める先から言いわけをしているような、こういう条件が整わないと四五%できないんですよ、五〇%には行けないんですよということは、確かにそれはそのとおりかもしれませんけれども、やはり何か農林省は及び腰なんじゃないかなというふうに受けとめる向きもあるのではないかと私は大変懸念をしているわけです。
 やはり、これは具体的な数字を出せばそれが達成できなかったときに責任を追及されるとかいろんなことがあるんでしょうけれども、そういうものを乗り越えて、やはり農業者は、国民は大胆な政策目標というものを期待しているんだというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ここが大事なところだと思います。
 十年後に農林大臣をやっているのは私ではありません。だから、今から責任を云々ということじゃなくして、やはり目標を掲げた以上はその目標に向かってそれを達成するために全力を尽くすというのが今の責任のあり方だと思います。結果について今からどうだこうだということを言うのは、全くこれは、あえて言えば腰が引けているような話であるわけです。
 ですから、あえて言いますならば、つまり現在何にも政策を展開しないでこのままの推移でいけば、カロリーベースでいった場合でも、消費性向その他から見て、例えば三八%に落ちてきますよと。しかしながら、課題を一つ一つ解決しながら進んでいけば四五%というものは必ずしも達成不可能な目標ではない、こういうふうにお考えを賜ればと思うわけでございまして、例えば消費者の皆さんにもその点は御理解をしていただかなければならぬかと思います。
 ヨーロッパ等におきましては、欧米諸国は百年前から食生活のパターンというものは変わっていない。ところが、日本の場合は、食生活は日本型食生活からともすれば欧米型食生活に移ろうとしているのではないかと。しかし、健康面から考えても、日本の文化を守るという点から考えましても、日本食のすばらしさというものはだれでも認めているところでありまして、そういう点を消費者の皆さんもよく理解していただきまして、やはり米を中心とした日本型食生活を今後とも堅持していただくという点も非常に大事な点ではないか、こう思うわけでございまして、これが第一点。
 それから、例えば食生活におきましてはかなりのむだがあります。そのむだを排していくということと同時に、例えば食品の廃棄物もかなり再生可能な部分があるわけでありますから、つまり再生可能なものを肥料や飼料に再転換していくというようなことによってもこれは自給率を向上せしめるということができるのではないか、こういうリサイクルの体制というようなものも今後つくり上げていくということが大事じゃないかと思うわけでございます。
 さらにはまた、農地を維持していくということ、それから、限られた農地ではありますけれども、その生産性を向上せしめていくということ、あるいは中山間地域や、ともすれば耕作放棄地が多いところになっていくのではないか、こう考えるわけでありますが、そういうところに力を入れまして、むしろこういう中山間地域における特徴を十分生かして生産を向上せしめていく、そういう戦略も進めていくと。いろんな課題があるわけでございまして、そういうことを、一つ一つ課題を乗り越えていくことであるならば、目標達成ということは決して不可能ではない。
 そのために、消費者の皆さんにも生産者の皆さんにも、あるいは加工関係の方々にも理解をしていただいて進んでいくということが目標達成の上におきまして大事なことではないかということを強調したいと思うわけでございます。
○小林元君 ここでの議論としてはわかるんですけれども、一般的に目標を設定するというときには、こういう目標にしますよ、そういうことで、こういう政策をこれからはやるんですというのが普通の言い方だと思うんです。一般の国民もそういうふうに期待をしていると思うんです。その目標数値の前に説明があるというのはどうもいかがなものか。玉沢大臣が全力でやらないなんて言っているつもりはございません。全力でやっていただけるということを期待しておりますけれども、やはりそういう実現可能な水準とか、こういう課題が解決された場合という言い方はどうなのかな、やっぱり腰が引けているというふうにどうしてもとってしまうのでございますが、十分にその辺は、再度の質問はいたしませんけれども、国民にわかりやすい御説明といいますか、強力な政策の展開をしていただきたい、このように思っております。
 それから、ちょっと細かい話なのかもしれませんが、大事な問題であります。
 品目別の生産努力目標というふうなことが出ているわけでございますけれども、その注の中に、これは農業新聞の三月九日に出たものでありますけれども、品目別の生産努力目標のところに注がございまして、「米のうち「主食用」の二〇一〇年度の数値は、ミニマムアクセス米を主食用に振り向ける場合に、それに見合う国産米を主食用以外に振り向け、国産米の生産に影響を与えないことが前提」と、こういうふうに書かれてあるのであります。
 従来の話ですと、ミニマムアクセス米というものは主食用には使わない、加工用に使うんだということだったと思いますけれども、これを何か破るような注があるわけでございまして、これは問題じゃないかと思いますが、どういうお考えでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 外国産米に対する国内の需要動向を把握するため、ミニマムアクセス米の一部についてSBS方式による輸入を実施しております。その結果、現実の需要の実態としまして、平成十年度、十一年度には十二万トンのSBS輸入のうち十万トン、九万トンが主食用に供給されたところであります。
 しかしながら、ミニマムアクセス米が主食用に供給される場合には、それと同量以上の国産米を主食用以外の用途に振り向け、国産米の自給に悪影響を与えないように処置してきております。
○小林元君 そういうことで、ただいまの説明によりますとこの注のとおりである、こういうことでよろしゅうございますか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) あくまでも米のうち主食用の平成二十二年度の数値は、ウルグアイ・ラウンド農業合意によるミニマムアクセスにかかわる米を主食用に振り向ける場合には、それに見合う国産米を主食用以外の用途に振り向けることにより国産米の生産量に影響を与えないようにすることを前提としていると。つまり、今言った処置を平成二十二年度の数値においても用いて影響を与えない、こういうことを言っていることだと思います。
○小林元君 要するに、ミニマムアクセス米は主食用に使わないというふうに従来言ってきたと思いますが、ただいまの話によりますと、主食用に使っているのはあると。つまり、これからも使うということでよろしいんですか。
○政務次官(谷津義男君) この点につきましては、使わないと言っているわけではなくて、加工用に使うということですから、誤解のないようにひとつお願いをいたします。
○小林元君 いや、この注は「主食用に振り向け」と、こう書いてあるんですよ。ですから、加工用じゃないんですね。私は加工用に振り向けるというふうに受けとめていたんですけれども、それは変わるんですか。
○政務次官(谷津義男君) 失礼しました。
 加工用を中心に主食用にも使うというふうになっておりますが、実はこれは外国の方たち等もおりまして、こういうものを食べたいという希望もあります。また、外食産業等でもそういったところで食べたいという人たちもありますものですから、そういうふうに使う。しかし、それに使ったものにつきましては、国産米に影響を与えないようにということで、それは国産米の方から振り向けるというふうになっておるわけです。
○小林元君 ですから、原則としては主食用には使わないと。要するに、本当のごく例外で外人が、外米というのが正しいかどうかわかりませんが、どうしても自分の国の米に似たものを食べたい、こういうときは例外として認める、こういうことでよろしゅうございますか。
○政務次官(谷津義男君) 例外というよりも実際にそういうことがあるということであります。そういうふうに御理解いただきたいと思います。
○小林元君 その点につきましては十分に私の方でも調べてみますけれども、十分に整理をしていただきたいというふうに考えております。
 それから次に、必要な農地の確保ということでございます。
 先ほど来、岩永議員からもいろいろ議論がございました。自給率といいますか、今輸入している状況を見ますと、現在、六百九万ヘクタールが五百万ヘクタールを割るというような事態になっております。そして、輸入している食料を生産するということになれば、三十六年代の倍、千二百万ヘクタールが必要だというようなことになっておりますし、またカロリーベースで一%向上させるということになりますと、例えば小麦につきましては一・七倍、大豆は三倍というようなことで大変な作付面積が必要になるわけでございます。
 前回、大臣にお尋ねしたときには、優良農地を中心に確保していきたいということがございました。そしてまた、さらにそういう優良農地以外でもいわゆる経営対策あるいは生産対策を着実にやって確保を図りたい、こういうふうに答弁したと思っております。
 しかし、実際には、優良農地といえどもいわゆる開発行為の制限等の例外、例外というようなことで壊廃が進んでいるという状況もあるわけでございます。ましてや、それ以外の一般の農地につきましてはそういう規制がかかりませんので、なかなかこれは確保していくというのは法的な担保も薄くなってまいりますので大変じゃないかと思いますが、その辺はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 優良農地の確保のためには、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、こうした担い手へ農地を集積するとともに、その経営の安定を図ることが重要であります。
 そのための具体的な施策といたしましては、市町村ごとの農地流動化目標の設定と農地流動化推進員による農地の貸し手、借り手の結びつけ活動等により、担い手への農地集積を推進するとともに、農産物の価格の著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するため、米、麦に加え、大豆、乳製品、加工原料乳等への経営安定対策の導入を図り、さらには新技術や新品種の導入、実証と担い手を中心とした生産から流通までの一貫した産地体制の構築等を図る農業生産総合対策の実施等、農地流動化、経営安定、生産等の総合的な対策を実施してまいる考えであります。
○小林元君 時間がなくなってきましたので最後の質問になると思いますけれども、基盤整備事業、先ほど岩永議員から土地改良事業の見直しというようなことが指摘をされました。私も全く同じ意見というわけではありませんけれども、今の土地改良事業には相当いろいろと問題があるのではないかというふうに思っております。
 やはり、これは作業の効率化、あるいは生産性の向上、そしてまた耕作条件の不利な地域の農地の保全とか、いろんなことで基盤整備というものは必要な場合も多いのではないか。ただ、総体としてはもうそういう一連の流れというものは大体終息期にあるのかなという感じではあります。
 しかし、そうはいいましても、この土地改良事業をやるにつきまして、現実はいわゆるガイドラインと称するもので、国の補助率というのは大体五〇%でありますけれども、県や町村やそれから受益者である農家の負担というものはどうもいわゆるガイドラインというような怪しげなもので決められている。ほかの公共事業といった場合には、私有権が絡んでいるから大変難しいんだろうと思いますけれども、きちんと国が、例えば主要地方道ですと四分の二とか四分の三が国で、四分の一が県と。そして、昔は市町村が受益者というようなことで何分の一か持つというようなことがありましたが、これは現に地方財政法で禁止されまして、そういうきちんとしたルールといいますか、負担割合で決まっているわけでございます。
 ところが、土地改良につきましては随分その辺が、弾力的といえば聞こえはいいんですけれども、しっかりした理論的基礎の中でそういう負担割合というものを整理すべきではないか。
 例えば、極論を言いますと、一般道路では受益者負担というものは全然ないと思います。ところが、この農免道路、農道というものにつきましては、農家が流通コストの低減につながるというようなことで農家負担があるというようなことになっております。現実は、これは個々具体の例で市町村、県が全部持っているというようなこともあるかもしれません。しかし、このガイドラインによりますと農家負担もあり得べしということになっているわけでございます。
 実際に農道が完成をして通過するのはだれか、これは農業者だけではなくて、一般車両も通行禁止というわけにはいかないわけでございまして、やはりその辺のことにつきまして、土地改良法では条例でいろいろ決めるというようなことになっておりますけれども、そこはきちんと国で決めてもいいのではなかろうかなというような感じもいたします。いや、先ほどおまえは地方分権と言ったじゃないか、それは違うという意見もあるかもしれませんけれども、そういうものはトータルとして十分に協議をされてきちんと決めると。
 やっぱりどうも透明性に欠けるというようなことになっているのかなと思うんですが、これを最後の質問にさせていただきたいと思います。
○政府参考人(渡辺好明君) 私がお答えすべきところを先生がみんなおっしゃられましたので重複するんじゃないかと思いますが、平成三年にガイドラインを設けて以来、長い歴史がございます。検討会の中でこのガイドラインという方式がいいのかどうか、またガイドラインの種目をほかのものに広げたらどうかというふうな議論もございまして、現在、土地改良制度の検討会の中でもそうした地元負担の問題が議論になっております。
 ただ、やはりその場合にどうしても行き着きますのは、農地などが私有財産であるということもありますし、それから地域の実情というものを反映させないと、かえって固定化をしたことによって、今度は上下に負担が大きくなるのではないかというふうな議論もございます。
 先生おっしゃいましたように、ほとんどの市町村はこのガイドラインに沿ったやり方をしておられて、もうごくごくわずか北の方で若干このガイドラインどおりにいっていないのもございますけれども、大体がそういう状況になっているものですから、私はこのガイドライン方式というのはそんなに悪い方式ではないのではないかというふうに思っております。
 それから、農道の場合なんですが、農道の場合も、確かに先生がおっしゃったように、負担をとれるというふうに書いてありますけれども、受益農家のみならず、一般交通の利用が多い基幹農道等については、受益者に負担を課さずに地方公共団体の負担にとどめているケースが大多数です。
 今お話がありました広域農道は受益者負担ゼロでありますし、農免農道で受益者負担をとっておりますのはたった四県というふうな実情でございますので、状況に応じ、地域の実情に応じ、やはりこの問題というのは是々非々の解決をしていくべき問題ではないかなというふうに私は思います。
○小林元君 やはり、実態というものはそういうふうになっているわけです、既に。ですから、このガイドラインからも離れていってしまっている部分もあるわけでございまして、やはりその辺はきちんと決めていくべきではないか。一方的に国が決めるというのではなくて、これは県や市町村と十分協議をして、これが統一的にはいいんじゃないかというのが非常に国民にも理解を得やすいのではないか。そうでないと、地方団体によりましては、農業者が非常に苦しいんだと。例えば、さっきの中山間地ではありませんけれども、こういう中で土地改良なんかやっていられないんだ、負担が重くてそれが収入にはね返らないというような事業もあるわけでございます。
 必要性はあっても、そういうふうに直接のメリットというものを感じないこともあるわけでございますから、やはりその点について十分に議論をしていただいてお決めいただく。そうでないと、力関係で、どこの町村はこっちまで出した、どこの県はこれをやっていいんだというような議論で、大変現場では混乱をしているというのが実態ではないか。そういう実態を踏まえて、十分にこの際検討していただきたいと思います。
 たくさん通告をいたしましたが、時間が参りましたので、残念でございますが、以上で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(若林正俊君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査のうち、平成十二年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。
 ことしは、昨年新しい基本法ができ上がりまして、まさに消費者も含めて新しい農政を積極果敢に行っていくというような期待を持って迎えた年であろうと思っております。しかしながら、逆に国民の農水省あるいは農政に対する不信というものが一連の事件によって起こってきているわけでありまして、私は、これはできるだけ早く払拭をして、本当の意味での農政に取り組んでいただきたい。しかしながら、そのためには今あるうみを完全に出し切っておくことが必要だと思いますので、その観点から一連の質問をさせていただきたいと思っております。
 先ほど大臣の方から開会に先立ちましてのあいさつもございました。この間の経過の中で、昨年一月、大臣訓令によりまして調査委員会が設置をされ、局内の地域振興課あるいは構造改善事業課、この二課の関係につきまして告発文といいますか、いろいろな文書が飛び交ったそうでありますけれども、名前が出ておりました職員の方十名、あるいは業者、団体十四名がその調査によって明らかにされたと。そして、三月一日から三日にかけまして、このうち五名に口頭注意喚起をなさったということでございますけれども、これはこのとおりでよろしゅうございましょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 数字その他についてはそのとおりでございます。厳密に申しますと、注意喚起を行ったということでございます。
○郡司彰君 この際、この報告というのは二月十九日付の文書でありますけれども、どことどこになされたのか。あるいはまた、七月にマスコミ報道によって明らかになったわけでありますけれども、この時点で公表しなかったのはどういう理由によっていたのか。さらに、十三名の配置転換がなされたというふうに聞いておりますけれども、この十三名の配置転換はどういう意図だったんでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) まず、公表の件でありますけれども、二月の報告書は文書の取り扱い上公表扱いというふうにしておりました。したがって、私どもは御要求があれば公表するという取り扱いにしておりました。今になって考えてみますと、ディスクロージャーの点ではさることながら、パブリシティーの点において配慮が足りなかったというふうに思っております。
 それから、やはりこの報告書の中で、人事が偏っているということがございました。一つの中で人事が停滞をして行われるという報告書を私ども出しましたので、この際、他分野との大幅な人事交流ということで、昨年の四月一日をもちまして構造改善事業課の大部分の課長補佐と、それから地域振興課の課長補佐一名の人事交流を行ったところでございます。
○郡司彰君 報告はどこになされたのかということ、それから七月の時点で中川大臣がこれで終わりだというようなことをお述べになって、今後このようなことがあれば徹底的に調べるけれども監督責任は私にあるというような責任ある発言がございました。とりあえず報告はどことどこになされましたか。
○政府参考人(渡辺好明君) 報告のあて先は大臣、政務次官、事務次官、官房長あてでございます。
 それから、大臣発言、中川大臣の発言だと記憶しておりますけれども、先生のおっしゃった意味合いとはちょっと私は違って受けておりまして、改めて新しい事実が出るというふうなことがあれば私が責任を持って調べる、こういうニュアンスであったと思います。といいますのは、調査委員会は継続をするというそういう前提のもとでの御発言であったかと記憶しております。
○郡司彰君 その後、十月にまたマスコミ報道によりまして新たな事実が発覚をしたと。十一月になりまして、玉沢農林大臣の方から再調査を指示したというふうに聞いておりますけれども、その際、過去五年間、係長以上、同じ地域振興課、構造改善事業課の百六名、業者、団体二十一、計百二十七名について調査をしたということであります。
 そして、十二月になりまして十八名の減給などの処分を発表したわけでありますけれども、二課で五年間で百六名のうちの十八名、全省庁に当たりますと同じような比率で出てまいるんでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) ちょっと仮定の話にはお答えしかねます。これは構造改善事業の執行の適正化に関する委員会でございますので、構造改善事業、山振事業に携わった係長以上の過去五カ年、さかのぼればさかのぼれるという範囲での人数でございます。
○郡司彰君 いろんな方とお話をする中で、やっぱり国民は、構造改善局ということが問題なのか、それから農水省全体としても同じようなことがあるのか、私は、全体の職員はそうではないんだろうというふうに思っております。構造改善局の中において百六名のうちの十八名という数字が出てきたんだというふうに思っておりますが、だとすれば、これは大臣の方も、現在に至っては考え方がいろいろ変わってきているようでありますけれども、当時、判断は個人の問題だというような発言がございましたけれども、今の数字も含めて、これは構造改善局そのものの抱えている構造的な問題だと、今そのようにお考えでありましょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず第一には倫理観だと思います。システムがどのようなものがあったとしましても、倫理観が欠ければこれは問題を起こすわけでありますから、そういうことで考えは変わりません。
 ただし、この事業の場合におきましては、残念ながら個人の裁量がかなりきくような執行体制になっておりまして、これがこうした不祥事になったと思うわけでございまして、その点を改善しておるところでございます。
○郡司彰君 一回目、二回目の調査で見ていきますと、業者の方は第一回目が団体を含めまして十四、それから二回目が二十一。これは、十四と二十一というのは、十四から純粋に七ふえたということなんでしょうか。それとも、この十四と二十一というのは違った数になるんでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 基本的にはこの十四の方プラス数名ということでお受け取りいただきたいと思います。ちょっと詳細は、ここに名簿を持っておりませんので、はっきりとは申し上げられませんが、基本的にはそういうことでございます。
○郡司彰君 そうしますと、結局二十一の業者といいますか団体があったと。対応する関係からいきますと、二十一というのが多いか少ないかということはありますけれども、私自身は、この間いろいろなところで質問もありましたし、答えもいただいておりますけれども、通行手形と言われるような、そのような発注の方法、受注の方法というものがかなりあったのではないか。
 今後、これを受けまして業者への対応を、公益法人を含めまして団体への対応をどのように今変えつつあるのか、変えようとしているのか。通行手形と言われるものがなくなるというふうなことで考えてよろしいんでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 午前中の質疑でも申し上げたと思うんですけれども、一つは担当者の裁量が入らないような、裁量の余地がないようなシステムにするということで、システムを大きく変えております。といいますのは、第三者委員会を設けまして、その第三者委員会に基準なり箇所づけなりといったことについてきちんと諮ることにしております。
 それから、もう一つは公益法人の指導の問題であります。
 公益法人、今回特にこの件に大きくかかわっておりますのはコンサルでありますので、コンサルにつきましては通達等を出しまして、市町村みずからやる、あるいは市町村にそのコンサルを選ぶ自由があるということを徹底いたしました。さらに、明年度から実施をされます経営構造対策におきましては、コンサルは基本的に行わないというふうに変えてきております。加えまして、午前中の質疑で申し上げたかと思うのでありますけれども、公益法人の存在自身につきましても、再編を視野に入れまして話し合いを既に開始いたしております。
 新しい基本法のもとで農政も大きく転換をしているわけでございますので、そういう中で経営構造対策に切りかわる団体についても、同じようにそういった新しい農政のもとでの役割を考えて、再編成も視野に入れた検討をするということで、これは既に着手をしているところでございます。
○郡司彰君 しかし、残念ながらその後、年が改まりましてカジノ旅行等がまた発覚をした。さらに二名が追加処分ということで、計二十五名処分を受けたことになっているわけであります。しかしながら、実数は十九名というふうにも聞いておりまして、例えばせんだって逮捕されました上甲氏でありますけれども、この上甲氏に限りますと一回目、二回目、三回目、都合三回処分を受けたということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 広い意味での処分ということであれば三回であろうかと思います。懲戒処分その他、厳格な意味での処分ということであれば十二月と一月、二回ということでございます。
○郡司彰君 先ほど来強制権限がないという話もされておりましたから、そのことは十分に認識しているわけでありますけれども、このように重なりますと、結果として内部の調査というものが甘かったということをお認めになりますでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) この点につきましても再三大臣からも申し上げておりますけれども、個人の申告を前提とし、強制権限のない中でやりましたので、私自身はこの委員会のメンバーはでき得る限りの努力をしたものと思っております。
 ただ、残念ながら、一月の処分に関連して申し上げますと、当事者の間でも事実について申告がなかったと、これは意図的なんだろうと思うんですけれども、申告がなかったということで大変残念に思っている次第であります。
○郡司彰君 この一回目につきましては先ほど報告をした場所を聞きましたが、二回目、三回目については先ほど来の答弁と違う、例えば法務省でありますとかそういったところに報告はなされましたか。
○政府参考人(渡辺好明君) 二回目の調査委員会報告は百六名という網羅的な調査でもございましたので、法務省と警察庁に報告書を送付いたしました。
○郡司彰君 人事院にもおいでをいただいていると思っておりますけれども、平成七、八年の一連の各省庁の不祥事がございまして、その後平成九年の一月十六日、局長通知が出されておりましたけれども、その内容。あるいはさらに、国家公務員倫理法の第三条の二、倫理の保持ということが記載をされておりますけれども、この辺はどういうことを指していらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(石橋純二君) 昨年の八月に倫理法が成立いたしまして、その際に、服務のうち倫理の保持に関する事務については、ただいま先生御指摘のように、国家公務員倫理法第三条の二によりまして国家公務員倫理審査会の所掌事務となったわけでございます。
 倫理の保持に関する事務、これ自体は一般的な規定でございますけれども、倫理審査会としましては、現在、倫理規程の意見の申し出を行って、その政令としての制定を待っているところでございますけれども、倫理法及び倫理規程違反の事柄について、基本的に関与していくということになろうかと思っております。
○郡司彰君 倫理審査会ということでございますから若干違うのかもしれませんが、平成九年一月十六日の局長通知についてもちょっとお知らせいただけますか。
○政府参考人(石橋純二君) 審査会の所管を離れておるわけでございますけれども、平成九年一月十六日に、当時の職員の不祥事に対するものとしまして、人事院職員局長から各省庁に対しまして、「職員の不祥事に対する厳正な対応について」という通知を出しております。
 要請しております事項は幾つかありますけれども、その第一点につきまして「懲戒処分に付すことにつき相当の事由があると思料される職員から辞職願が提出された場合には、一旦辞職願を預かり、事実関係を十分把握した上で、懲戒処分に付す等厳正に対処すること。」等々、関心のおありのところは今のところだと思いますので、そのようなことを各省に通達をしているところでございます。
○郡司彰君 今回の一連の不祥事の調査にかかわって、農水省からの報告はございましたでしょうか。あったとすれば、いつごろ、だれが、そして何回ほどございましたでしょうか。
○政府参考人(石橋純二君) 倫理法はまだ稼働しておりません。四月一日から全面施行になるわけですので、倫理法に基づくものではございませんけれども、先ほど先生の引用されました国家公務員倫理法三条の二、倫理の保持に関する事務の観点から、審査会としては農林水産省の一連の事案につきまして関心をお持ちになりまして、事情を知りたいということでございましたので、審査会としまして担当者から数回にわたり説明を聞きましたほか、平成十一年十二月十六日及び平成十二年一月七日に文書による報告を農林水産省に求めておりまして、それぞれ十一年十二月二十四日とことし一月十一日に報告書を提出していただいておるところでございます。
○郡司彰君 人事院と倫理審査会とちょっと性格が異なるところで恐縮でございますけれども、この問題に関して、人事院あるいは倫理審査会として農水省を呼んだことはございますか。
○政府参考人(石橋純二君) ただいま担当者から数回にわたり説明を聞いたと申し上げましたけれども、そのほか、一月六日に倫理監督官、これは事務次官が就任されておりますけれども、倫理監督官からも審査会が事実関係及び農水省としての考え方について説明を受けているところでございます。
 なお、先ほど文書による報告を求めた件で、十二月十六日と申しましたけれども、十二月十五日でございました。
○郡司彰君 倫理監督官をお呼びになってお話を聞いたということでございますけれども、どのような内容の話であったでしょうか。お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(石橋純二君) これは審査会内部の手続ですので、内容について立ち入った御説明は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、農林水産省の幾つかの事案は構造改善局の非公共事業系の事案のほかに、構造改善局次長さんの件についてもお話を伺っているところでございます。
○郡司彰君 私の方とすれば、そこでどのような内容が話をされ、その後どのように生かされたということでぜひともお聞きしたいと思いますけれども、お話をいただくわけにはまいりませんでしょうか。
○政府参考人(石橋純二君) いただいた報告書についても同じでございますけれども、個別の説明を聞く、あるいは事情聴取については審査会限りということで御理解いただきたいと思います。
○郡司彰君 委員長、私自身は、冒頭申し上げましたように、この問題はもう早くけりをつけるべきだと、うみは出すべきだと。そして、本当に農政の転換にふさわしい事業を行っていただきたいという思いでやっておりますので、できますればこの議事録を提出いただくようにお計らいをいただけませんでしょうか。
○委員長(若林正俊君) 石橋事務局長、議事録の提出はどのような考えですか。
○政府参考人(石橋純二君) 御関心の点はよくわかりますけれども、倫理法をお読みいただきますと、これから倫理審査会は、不祥事、倫理法違反の行為があった場合には、各省庁から端緒報告を受け、調査をさせ、あるいはみずから調査をし、懲戒処分を行う場合に当たりましては審査会の承認を与えるという、大変各省庁の、従来であれば任命権者が行っております懲戒権の行使に関与していくことになるわけであります。
 その倫理法におきまして、第二十七条では任命権者が懲戒処分を行った場合の結果の概要の公表、三十二条では倫理審査会が調査を行った場合の概要の公表という規定がございまして、不祥事につきましての事案の処理については、その二つの条文によりまして結果の概要を公表していくというスキームになっておるわけであります。
 各省庁から今後いろいろ御報告を受けたりしていくわけでありますけれども、この倫理法のスキーム自体がそのような信頼関係の中で行われるものでございますので、重ねてで恐縮でございますけれども、議事録につきましては提出は差し控えさせていただきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
○委員長(若林正俊君) ただいまの郡司君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議いたします。
○郡司彰君 委員長、ありがとうございました。
 実は、私どももいろいろ漏れ伝わってくる言葉があるわけでありまして、例えばその倫理監督官が倫理審査会の方においでになったときに、少し他省庁のこれまでの件と比べて処分そのものが甘いんではないか、妥当を欠いているんではないかというような話があったんではないかということまでちょっと耳にしているものですから、そのようなことを申し上げました。
 そして、倫理審査会の方にお尋ねをしますが、昨年の八月に成立をして四月一日から新しい国家公務員倫理法が施行をされるわけであります。私自身は、昨年の八月に成立をし四月一日に施行という段階での調査でございますから、この新しい倫理法の意を体したような形の調査のやり方というものがあってしかるべきだったんではないかという感じを持っておりますけれども、新しい倫理法のこれまでと違うところ、そして私の考えに対して何かコメントがございましたらばお聞かせいただきたい。
○政府参考人(石橋純二君) 倫理法では不祥事が起きた場合の対応について従来とさま変わりの手続を決めております。
 先ほども若干申し上げましたけれども、従来であれば、不祥事が起きた場合には、基本的にこれは任命権者の責任のもとにおいて調査をし、処分の必要があれば処分をするということでございましたけれども、倫理法のもとでは、調査を任命権者が行うのかあるいは審査会が行うのかあるいは共同で行うのか、こういう選択もございます。任命権者が調査を行っている場合に報告をいただく。報告をいただいて、最終的に任命権者が懲戒処分をするのであれば、事前に倫理審査会の承認が必要となる。審査会が調査をした場合には、審査会が任命権者にかわって懲戒処分を行うことができると、大変強い権限を審査会はお預かりしていると思っております。
 ただ、これらの規定につきましては、本年四月一日に倫理法が全面施行された後の倫理審査会の権限でございます。
 現在、倫理審査会は、二月四日に倫理規程について内閣に対して意見の申し出を行って、政令の制定を待っているところでございまして、この政令が制定されまして、四月一日に至りますと、先生おっしゃるような、御期待かもわかりませんけれども、倫理審査会が具体的に稼働するということでございまして、現時点では、審査会として、先ほど農林水産省から報告を求めたと言いましたけれども、一般的な倫理の保持の観点から御報告をいただいたと、そういう努力をしたところでございます。
○郡司彰君 一月十九日に、民主党のプロジェクトで構造改善局長においでをいただいてこの間の経過についてお聞きをいたしました。
 その際、任意であってもその取り調べを受けている方を御存じかということに関して、局長の方はそれは承知をしていないということでございましたけれども、結果として上甲氏がこのような形になっております。今現在、上甲氏以外で任意の取り調べを受けている方を承知していらっしゃいますか。
○政府参考人(渡辺好明君) 捜査中の案件につきましては、私どもから申し上げる立場にはございません。
○郡司彰君 それでは、森田局次長が勇退をされまして、この関係につきましては一連の不祥事とは無関係であるというような説明をいただきました。しかし、その後のいろいろな報道等も見させていただきますと、事務次官と局長とでお話し合いをして、そのときに、口頭で注意あるいは注意喚起をしたというふうなことが記事になっておりますが、事実でしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 私の方からお答えをいたします。
 平成十一年十一月十日に、農林水産省倫理監督官たる事務次官それから構造改善局の服務管理官である総務課長が、森田前次長から説明を受けております。
 その結果、新聞報道がなされた問題につきましては、前次長と村長との個人的友人関係に基づくものであって、村の公費の支出もないことがわかりました。農林水産省職員倫理規程に照らして問題なしと判断をしたところでございます。
 なお、本件に関しましては、農林水産省職員倫理規程の違反ではございませんが、国民の目線から見て誤解を招きかねない面があったということから、事務次官が前次長を呼んで注意を喚起したということでございます。
○郡司彰君 先ほど倫理審査会のお答えの中で、通知を出したその一項には、処分に当たるような方に対しては一時辞職願を預かれということで、上甲氏については一時預かった後処分をしてから辞職の発令がされたということを聞いておりますが、森田氏に関しては一切そういうことはなかったということなんでしょうか。
 それと、群馬県の新治村との関係がいろいろ取りざたをされておりまして、平成八年の燦々橋の開通式、その式典に森田、当時の建設部長、おいでになっていらっしゃいますが、これは間違いありませんね。
○政府参考人(渡辺好明君) 二つ御質問がございましたので、まず前段の元課長補佐の退職願の件でありますが、逮捕された元課長補佐からは、一月六日に辞職願が提出をされておりました。農林水産省といたしましては、先ほど指摘をされました人事院事務総局職員局長の通知の趣旨を踏まえまして、この辞職願を一たん預かり、事実関係を把握の上で一月十一日付で処分を行い、同日処分後にこの辞職願を受理いたしまして、一月十二日付で辞職を承認したものでございます。
 それから、森田前次長の件は、先ほど御説明申し上げましたように……
○郡司彰君 簡単で結構です。
○政府参考人(渡辺好明君) 個人的、友人的関係ということで、問題なしというふうに判断をいたしましたので、そういった措置はとっておりません。
 それから、平成八年十月四日の出張でありますが、新治村へ公務により出張いたしまして、当日帰京いたしております。旅費は出張旅費が支給をされております。
○郡司彰君 新治村に行ってまいりました。新治村の方では、十月四日は私どもでお招きをしたので、負担については私どもの村で負担をしておりますと、そのような話をしておりました。
 ちょっと時間がありませんので、別に移らせていただきます。
 沖縄の竹富町大富地区の環境影響調査という報告書がございます。この件に関しましてはこれまでも国会の中で幾つか取り上げられてまいりました。簡単に言えば、イリオモテヤマネコの生息地である西表島の農地造成に関しては、結論から言えば農地造成は中止すべきであるというふうにこの報告書はまとめているわけでありますけれども、一たん延期をされまして、代替地を探すという作業がなかなか五キロ以内で見つからない、ことしの三月中には沖縄県でもってその結論を出すというようなことで県議会の中でも議論をされているようでありますけれども、環境庁あるいは農水省、このことにつきましてどのようなお考えでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 御質問のございました西表島の大富地区の県営農地開発事業についてでございますけれども、お話にございましたように、絶滅のおそれのある動物として種の保存法で国内希少種に指定されておりますイリオモテヤマネコの生息地で計画がなされているということでございます。事業者は沖縄県でございますので、沖縄県におきましてイリオモテヤマネコの保護の観点から十分な配慮をしていただきたいというふうに環境庁としては考えているところであります。
 この問題につきましては、これまでの経緯から、自然保護団体を含めた地元関係者の協議によって結論を出すこととなっております。今後さらに地元で議論が十分尽くされて、イリオモテヤマネコの保護に十分な配慮がされることを期待しているところでございます。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 沖縄県の西表島の県営農地開発事業大富地区は、地元農家の申請に基づき沖縄県が事業主体となって実施しているものであります。したがって、事業の実施にかかわる調整は沖縄県が責任を持って行い、地元関係者の合意を得て実施することが基本と考えております。
 このため、イリオモテヤマネコの保護等で問題となっている大富団地西工区につきましても、まず沖縄県が環境団体を含む地元の関係者との話し合いを十分進めていくことが重要であり、国としましては必要に応じて助言、支援をしてまいりたいと考えております。
○郡司彰君 今、それぞれ見解を示していただきましたが、結論から言うと、地元の判断を尊重してそれに沿ってということになるんだろうと思っています。この工事が始まりますと、補助事業でございまして、その八割は国の方が持つ工事になるわけでございます。予算規模が五億円ということでありますから、四億円強を国の方で持つということになりますけれども、実際、地元の方は四者協議の中で、自治体それからいろんな方、四者が出ておりますけれども、なかなか結論を択一的に、やるかやらないか、イリオモテヤマネコか人間かという判断でもって下すということは大変難しいのではないかというふうに考えております。
 例えば、生物多様性国家戦略を日本は批准しているわけでありまして、個体数が一定以下になったときには急激に減るというような、そういう予測もされる絶滅危惧種でございます。希少動物についても四十六種ということでございますから、これは何とかこのままの形で、日本の中にそういうような地域というものがあってもいいのではないかと。
 しかも、西表の関係、竹富町でいきますと、産業のいろいろな伸び率がありますけれども、第三次産業は県全体で二倍以上に伸びているわけです。しかし、観光関連産業、サービス産業でいきますと、この町全体が県の二・一倍を上回る三倍近くに伸びている。そして、日本で最初のエコツーリズム協会というものもでき上がっているということでございますから、何とか県の方の判断によって、国がということではなくて、国がこの地域の生態系を保全するということを大きく認めながら、例えば中山間の問題でもこの島の問題も入ってくるわけでありますし、あるいはほかの国の国立公園におきますレンジャーのような扱いも含めて、あるいは林野庁が環境庁と一緒になってはどうかというふうな議論もありましたけれども、そのような観点を含めて、地元の判断ではなくて、国としての大きな支援策をまとめていただいて、共存ができるようなことをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) そういう視点も踏まえて県の方でいろいろと地元とお話し合いをしている、こう思うわけでございまして、国としましては、ただ強行的にこれをやれとかあるいはやめろとか、こういうことじゃなくして、あくまでも地元の判断を待ちまして我々の態度を決めていく、こういうことにしたいと思っております。
○郡司彰君 日本がこれから世界に向かって発信をする農業の持つ多面的機能、そのことに関しましても、こうした問題にいかに取り組むかは世界の注目を浴びることにもなるかと思っております。よろしくお願いをしまして、質問を終わりにします。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。玉沢農林水産大臣の所信に対する質疑を行いたいと思います。
 まず質疑に入る前に、農水省構造改善局不祥事問題について質問させていただきたいと思います。この件に関しましては、冒頭に大臣の方から遺憾の意と改善の意向を示されたわけでありますので、大臣の発言の方は各党に対してというよりはこの委員会全員に対して、また国民全員に向けての発言と、そのように伺っておりますので、この点に関しましては重複を避けまして、次の追加の質問をさせていただきたいと思います。
 本年三月二日、元構造改善局農政部農業経営課課長補佐が特産品のPR事業に絡んで香川県内の農業協同組合から現金五十万円を受け取ったとして収賄の容疑で逮捕されたわけであります。昨年末から、構造改善局の疑惑を農林水産省みずからが明らかにすべく調査委員会を設置し、真相解明に取り組んできたわけでありますけれども、まことに残念な思いをするわけであります。
 そこで、構造改善局長にお伺いしたいんですけれども、このような構造的な問題を二度と起こさないような是正策が必要である、そのように考えるわけであります。農林水産省は、平成十一年二月十九日に農業構造改善事業に関する調査委員会調査結果中間報告の中で、「改善方向の具体的内容については、平成十年十二月十七日付け構造改善局長通達により設置することとしている事業管理委員会及び第三者委員会において検討されることとなっており、その検討結果を踏まえ、今後、適正かつ円滑な事業の実施に努めるべきである。」と、そのように述べておるわけであります。再発防止の一つの大事な柱がこの第三者委員会であるわけであります。
 そこで、この第三者委員会の設置された日、役割、メンバー、委員会の開催回数、委員の出席状況等について説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(渡辺好明君) 御指摘のございました第三者委員会は、農業構造改善事業の適正かつ効率的な執行を確保するために、担当者の裁量が働かないような仕組みを確保するとの観点に立ちまして、事業の執行方針や執行状況について審議をし意見を述べることを役割とするものでございます。
 平成十一年三月に設置をいたしました。構成メンバーとしては、大学関係者二名、マスコミ関係者一名、消費者団体一名、公認会計士一名の計五名でございます。これまでの開催実績といたしましては、十一年度予算執行前の昨年三月三十日に第一回、ここでは地区採択基準等の実施方針について議論をいただきました。それから、十一年度予算の執行半ばに当たる十月五日に第二回を開催いたしまして、十一年度の事業の実施状況について報告をし、情報公開を行ったところでございます。この二回とも委員は全員出席でございました。
○渡辺孝男君 先ほども改善の大事な柱がこの第三者委員会であろうというふうに私は述べたわけでありますけれども、この委員会が、今お話をお聞きしますと二回しか開かれていないということでありまして、一兆円を超える膨大な構造改善事業の業務を把握し、事業の執行方針や執行状況について意見を述べるということでありますけれども、たった二日間で本当に十分な調査といいますか検討ができるのかどうか心配なわけですけれども、この点はいかがでしょうか、構造改善局長。
○政府参考人(渡辺好明君) 御指摘ではございますけれども、一兆円を超えるのは公共事業の方でございまして、こちらの方は既に入札から始まりまして、入札監視委員会というふうなものもでき上がっております。それから、事業自身は、事前評価、再評価、事後評価とシステムが完成をいたしておりますので、そちらはそちらでまたこの種の第三者委員会がございます。
 今、お話にありましたのは、非公共事業のうち、農業構造改善事業、おおむね三百億の予算の言ってみれば監視を行う委員会でございまして、予算の執行前にその基準であるとか箇所づけであるとか方針であるとか、そういったことについて御意見を伺い、そして予算が滑り出した年度の半ばにその執行状況についてフォローアップをするということでございますので、私どもとしては、この開催回数は使命との関係でいえば回数としては少な過ぎるというものではないというふうに思っております。
○渡辺孝男君 一兆円から三百億円ぐらいの、一兆円以上じゃなくて三百億円というような予算であるので、またその事業を調査するには二日間で大丈夫だろうというようなお話でありますけれども、私は大丈夫なのかなと、ちょっと疑念を抱いているわけであります。
 そのほかに、この委員会には女性の委員が一人おるわけでありますけれども、政府の方針としましては、いろんな審議会等々の中に女性を三割以上入れようというような方針で動いていると思うんです。これが男女共同参画社会の観点からということでありますけれども、やはり女性の意見というのも非常に大切であると思うので、女性の委員をもう少しふやす、あるいは五名から委員全体をふやすというようなおつもりがあるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡辺好明君) 先ほど構成内容のお話をいたしまして、大学関係者二名というお話をいたしました。大学関係者二名のうち、お一人が女性でございます。余り性別のことを考えずに、能力であるとか、やっていただきたいことを中心に選んだものですからこういう形になりましたけれども、今、議員御指摘がございましたようにこれからは男女共同参画の観点というのは非常に大事でございますので、委員における女性割合を高めることにつきましても今後検討させていただきたいと思います。
○渡辺孝男君 次に、これは大臣の方にお伺いしたいんですけれども、今回は構造改善局のOBの公益法人への天下りも一つ問題になっていたわけです。農林水産省が補助金を出している公益法人を渡り歩き、多額の報酬を受け取っていたというような事例も新聞紙上に載っているわけであります。
 公益法人の役員の報酬体系、あるいは幹部職員の農林水産省退職後の勤務先等の公表を行うことを含めまして、農林水産省として公益法人等への天下りの問題についてどのように今後きちんと対処していくのか、大臣の答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 公益法人の役員の退職金等につきましては、収支計算書を法人の事務所または所管官庁において一般の閲覧に供しており、収支計算書の中でその総額を明らかにしているところであります。
 公益法人における国家公務員出身役員の在任の実態等につきましては、衆議院予算委員会における質疑を踏まえ、現在総理府におきまして、当省所管分も含め、公益法人の協力を前提として今月末を目途に取りまとめ作業が進められているところであります。当省といたしましても、引き続きその作業に協力してまいる所存であります。
○渡辺孝男君 この件に関して、現在日本の農業関係者は、昨年の食料・農業・農村基本法の制定を機にしまして、国民全体の理解、協力のもとに国内の農業生産の増大あるいは食料自給率の向上、農業の持っている多面的機能の研究評価等に真剣に取り組んでいるところでありまして、それらを支え推進すべき使命を持っている農林水産省の中に、このような汚職絡みの不祥事が発生したことはゆゆしき大問題であろう、そのように考えているわけであります。
 農林水産大臣には、事の重大性を十分に認識していただいて、国民の信頼を回復すべく、きちんとした対処をしていただけるように再度お願いしたいと思います。
 次の質問に入らせていただきます。食料自給率に関して質問させていただきます。
 農業生産者や我が公明党は、食料自給率をカロリーベースで五〇%以上に向上させることを基本計画の目標にすべきというふうに主張しているわけであります。しかし、三月九日に行われました食料・農業・農村政策審議会企画部会で検討されました基本計画案では、平成二十二年度における望ましい食料消費の姿及び生産努力目標を踏まえた供給熱量総合食料自給率の目標を四五%としておるわけであります。一方、農林水産省では、同企画部会に対して、現状の生産、消費動向を前提にすると、平成二十二年度の供給熱量総合食料自給率は三八%になるとの総合食料自給率の趨勢試算値を示しているわけであります。
 そこで、農林水産大臣に質問したいんですけれども、平成二十二年度の供給熱量総合食料自給率三八%という趨勢試算値の根拠についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 政策的な努力を何もしないで現在の性向から見てまいりますと、趨勢値としましては三八%となる、こういう趣旨でございます。
 例えば、外国の自給率の例を見てまいりますと、欧米の場合におきましては、百年間食事のメニューがほとんど変わっていないと。ところが日本の場合は、例えば米の消費の傾向を見てまいりますと、昭和三十年代におきましては、八十キロも九十キロも一人当たり年間食べておったものが今では六十キロ前後に移ってきたと。その分だけ食事が豊富になったとも思われますし、今後も経済がこれ以上悪くならないということを前提にすれば、やはり食事の傾向は主食である米よりも、米は中心としますけれども、しかし副食の方がふえてくるという傾向にあるのではないか。その中で油脂が、油脂分といいますか、そういうものがふえる可能性があるんじゃないか。例えば、日本型食生活といいますのは、米とお魚と野菜、それに肉がつくわけでございますけれども、仮に肉食がふえてくるというような状況になってまいりますと、これは日本の畜産の場合は飼料作物を相当輸入していますので、そういうようなことの傾向を見ながら一般的な趨勢値として出した場合に三八%と、こういうことでございます。
○渡辺孝男君 先ほど述べました基本計画案の方では十カ年の目標値を四五%というふうにしているわけでありますけれども、この数値に関しまして大臣の御所見をいただければと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、これは各国とも望ましい食生活のガイドラインというものを出しております、健康に一番いい形のものを。そうした場合におきましては、やはり日本型食生活というのは世界の食事の中でも一番望ましいものではないか、こういうふうに私は思うわけでございます。そうしたものを維持していくということがまず第一になければならないのではないか。
 同時に、食料安全保障ということを考えた場合におきましては、自給できるものは米ですから、米を消費していくということは一番大事なことではないか、少しでも米の消費を拡大していくということが自給率の向上にもつながってくる、こういうことでございます。
 それから、さらにまた土地利用型の農業におきましては、農地の面積が極めて限定されるわけでございます。大体五百万町歩をちょっと欠けるぐらいのところで推移をすると、当然これは農地の造成その他もしなきゃなりませんし、耕作放棄地をできるだけ少なくするということも大事であります。その限られた耕地の中でできるだけ生産を高めていく、単当収量を上げていく、こういう努力も必要であると思います。そういう中におきまして、例えば今自給率の低いと思われる大豆であるとか飼料作物あるいは小麦、麦、こうしたものの自給率を上げていく、こういう努力をしていくことも大事であろうと思うわけでございます。
 それから、外国から相当食品を輸入しておるわけでございますが、食生活を見ますとかなりむだが多い、このむだの部分だけでも自給率を下げている部分が相当ある、こう考えるわけでございますので、そういう食品廃棄物となっているようなものをできるだけ減らす努力も必要だと思います。また、食品廃棄物の中から再利用しまして、資源の再利用で飼料とか肥料とか、その他メタンガスとか、そういうようなものにリサイクルしていく。これによってまた自給率を上げることも可能である、こういうふうに考えているわけでございます。
 こうした課題を一つ一つ解決して進んでいきますならば、決して到達不可能な目標ではないということで四五%と考えておるわけでございます。
○渡辺孝男君 私どもは、今回の基本計画、十カ年の計画目標としましてはやはり五〇%という数値を期待していたわけでありますけれども、残念ながらこの基本計画案の中では四五%ということでありまして、大臣も本当は内心じくじたるものがあるのではないか、本当は五〇%としたいところではないかというふうに推しはかるわけでありますけれども、五〇%という目標を立てた場合に、どういう課題が克服できればこの五〇%というところに十カ年で何とか到達できないものかなというふうに私は思うわけですけれども、その点に関してはどうですか、大臣。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員も十分御承知だと思いますけれども、日本の場合は五百万町歩の農地を維持するというのがやっとだと思うんですね。
 ところが、外国からどのぐらいの農産物を輸入しているかといいますと、これは年々ふえている傾向にあるわけでございます。例えば大豆を四百万トン、それからトウモロコシを千六百万トン、さらにまた飼料作物を相当入れ、トウモロコシは似ているわけですから千六百万トンとしまして、コーンスターチその他にも使っておりますけれども、それから小麦を五百万トンぐらい輸入しておる。これを畑に換算すれば千二百万町歩になるんですよ。
 日本が少しでも自給率を上げようと思ったならば、やはり農地を造成しなきゃいかぬと思う。ところが、五百万町歩以上に造成できるところがありますか。仮に、今やっている諫早にしましてもあるいは計画しているところでも、一応諫早の方は今造成していますからあれですけれども、反対が非常に大きいでしょう。新たに干拓しようとすれば、みんな反対反対、環境だと。そういうような状況の中で、これは一千ヘクタールやるためにどんなに苦労するかということを考えれば、千二百万町歩といいいますのは、少なくとも五〇%をやろうと思ったらあと六百万町歩ぐらいはなくちゃいかぬ、カリフォルニア州一州が日本の領土になるのなら別ですけれども。やはり、こういう積み重ねを考えていった場合はそんなに簡単にいかないんじゃないかと思う。
 ぜひ鳥の目で地球を、日本を見ていただくと。虫の目で見ればかなり領土が大きいように見えますが、鳥の目で見れば極めて小さい。日本の国土の七割が山岳地帯であって、五百万町歩のうちの四割が中山間地域である。そういうような地理的に困難なところもあって、いきなり五〇%ということが、これがみんなでわあっと言って五〇%だと、こんなことでは政策じゃないと私は思いますよ。
 やっぱり現実の姿、農地がどれだけあってどれだけ生産できるか、消費者から見ても十分な価格で買っていただけるというようなことも全部整合性を合わせた上で見ていきませんと、先に五〇%ありきで、それを実現できないのはけしからぬと。こっちの方が明らかに無責任だと言わざるを得ない、私はそう思います。
○渡辺孝男君 西ドイツでは一九六一年に、穀物に関してです、食料全体ではありませんけれども、穀物の自給率に関しましては一九六一年に六一%でありました。しかし、いろいろ努力をしまして一九九六年には一一八%に向上している。イギリスでは同様に、一九六一年の五三%から一九九六年の一三〇%に向上しているわけであります。一方、我が国では、一九六一年当時の七六%から逆に一九九六年には二九%に低下しているわけです。
 西ドイツやイギリスと我が国がこのように逆の経過をたどったことの原因について、特に農業政策のあり方が影響しているか否かの観点を中心にしまして、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは、一つは単当収量が拡大しておるというのがあるようです。
 例えば、一九六一年におきましては十アール当たり二百八十九キログラムであったものが九〇年には六百六十二キログラムに、西ドイツの場合には二倍以上にふえておる。イギリスの場合は、一九六一年に三百五十四キログラムであったものが九五年には七百七十キログラムに十アール当たりなっておる。つまり、小麦の単当収量が多いと同時に、過剰なものも国民は食べてきた、こういうことですよね。
 それから同時に、イギリスの場合は、かつてはオーストラリア、ニュージーランドがイギリス、大英帝国の穀物ないし農産物の提供の場でございました。それがECに入って、そして大英帝国の大海軍もなくなりました。七つの海を完全に支配しておったときは輸送路も確保できたと思いますけれども、それが小帝国になりました、小英国に。そうなってまいりますと、自分の国の遊休農地を本格的に生産して変えてきたということが大きな要因になっているんじゃないか、こういうふうに考えます。
 また、ドイツの場合は、これはまたもうちょっと実証しなければわかりませんけれども、日本に比べてかなりの平地がある、それから農家一戸当たりの農地面積も相当恵まれておる、こういうように考えます。例えば、農地の面積が人口一人当たり西ドイツは十九アール、イギリスは二十八アール、こういうことになっておりまして、かなり農地が恵まれておる、こういうふうに言えるんではないかと思います。
○渡辺孝男君 西ドイツ、それからイギリスでは単収が増加した。単収が増加したというのは日本も同じようなことがあるんじゃないかと思うんですけれども、それと同時に国民が小麦を消費したということをおっしゃられておりました。あと、日本よりも農地が大きいとか平地にあるというような状況で日本とは違うということの御説明がありました。
 先ほどの例は、一九六一年から九六年までの三十五年間の経過でこのように一〇〇%以上になったということでありますけれども、日本も今回は十カ年計画で四〇から四五ということでありまして、その先にはやはり何とか食料自給率に関しましては五〇%、穀物の自給率もこれから上げていくということでありますけれども、このように西ドイツとかイギリスでは本当に努力して自給率が上がってきたというそういう例がありますので、そういうものを参考にしながら、何とか日本も穀物、食料の自給率を上げていただきたい、そのように考えるわけであります。
 次に、林業に関してお伺いしたいと思います。
 植林の樹木の保全、保育や間伐の未実施森林の面積が多くなっているというふうに言われておりますけれども、その現状、それから伐採跡地に植林が行われず放置されている元森林の面積もふえているというようなお話を聞いているわけでありますけれども、現状についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、これはなかなか林業が厳しいことにもよるわけでございますが、林業家が本来ならば自分で植えて、そして育てて伐採する、こういう循環が今滞っておる、木材が安いために。このために、戦後植林しました一千万町歩の植林面積のうち、若齢林が四百万町歩残っておる。この中で、直ちに今間伐をしなければなりませんのが百五十万町歩、こう聞いております。
 したがいまして、この百五十万町歩を、緊急に五カ年計画を立てまして、緊急間伐五カ年計画で、今まで二十万町歩ずつ政府で予算を組み立てておったものを十二年度から三十万町歩に枠を拡大しまして、そして一挙にやっていこうと、こういうことで進めておるわけでございます。この三年間で十万五千ヘクタールが伐採をされまして、そしてその中で植栽も、つまり育林も育樹も、植林ですね、なされておるというふうに数字はなっておるわけでございます。しかし、伐採跡地の中でいまだ五千ヘクタールは新植が行われていないと、こういう報告を受けております。
○渡辺孝男君 大変な林業の状況があるということでありますけれども、森林の果たしている地球環境保全の機能を近年では評価して、社会全体で森林を守り育てることがより重要というように理解されてきているように思います。地域住民や都市住民によるこのような観点からの運動は日本でも大分盛り上がってきたのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 森林の状況が今日の状況でありますけれども、しかし森林に対する国民の寄せる期待はますます高まってきておると思います。環境の面におきましては、きれいな空気を、炭酸ガスを吸って酸素を出す、それからまた水を蓄えてきれいな水を出す、これが人間生活の源になっておるわけでございます。そういう観点から森林を守り育てるという活動が高まってきておりまして、森林づくりボランティアの団体が現在二百八十団体全国に数えられておるわけでございます。
 例えば、神奈川県内の国有林におきまして、特定非営利活動法人が緑の募金を活用して、杉、ヒノキ、コナラなどの植栽から下刈りなど保育までの森林づくり活動を行うものや、宮城県のカキ、ホタテ等の養殖業者による上流の岩手県における広葉樹の植樹活動、こういう活動をやっておるわけでございます。
 こうしたボランティア団体の主体性を尊重しつつ、活動情報の提供、林業技術の研修などを通じてその取り組みを支援するとともに、平成十一年度補正予算でボランティア活動経費の一部を支援しているところでございまして、今後ともこの推進を図っていきたいと考えております。
○渡辺孝男君 また、森林の別な利用の観点ということで、最近、森林資源を生きた燃料、すなわちバイオマスとして自然エネルギー生産に利用していこう、そのような動きが欧米を中心に起こっているわけであります。この木質バイオマスの日本での研究とか試しにやってみるというような事業はどの程度進んでいるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(伴次雄君) 地球温暖化の視点から非常にバイオの問題は重要だと思っております。そういう意味で、研究開発につきましては、一点目は、まず先進地である諸外国の実態調査というようなものを中心にしまして、いかに効率的に使っていくかという利用方法の研究をしております。もう一点は、エネルギーとして有効な利用方法、それと、やはり今のままの姿でなくて、液体化するとか、それからいわゆるガス化するとかというような技術開発を進めております。
 なお、従来型のいわゆる製材工場等の残滓を燃すというような方法は今既にあって、全国では大体百七十数カ所の乾燥施設とか、うち発電を行っているのは十カ所あります。これはいずれにしても製材工場なり集成材工場での小さなものでありまして、今後とも大きなものを考える意味で研究開発を進めていきたいと思っております。
○渡辺孝男君 欧米等ではやはり木質バイオマスを利用しての再生可能な自然エネルギーとしてこの木質バイオマスに非常に注目しているということでありますので、風力とか太陽光と同様に研究を進めていただきたい、そのように思います。
 それから、森林に関しましては、世界的に持続可能な森林経営を推進する運動が展開されてきているということでありまして、平成十年のバーミンガム・サミットで採択されました森林に関する行動プログラムに関して、本年の沖縄サミットでその進捗状況の評価を行うことになっているわけであります。日本でのこの行動プログラムの進捗状況についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 本年七月に開催されます九州・沖縄サミットにおきましては、平成十年五月のG8外相会議で発表されましたG8森林に関する行動プログラムの取り組み状況を報告することとされておりまして、現在鋭意各国間で報告書の作成作業が進められているところでございます。
 具体的には、我が国の取り組みといたしましては、平成十一年度から国内で森林資源モニタリング調査、これは一万五千七百点ございますが、それに着手したことや、東南アジアにおける森林火災対策の効果向上に貢献する国際会議を開催したこと、中国における民間による植林協力を推進するための日中民間緑化協力委員会を設置したことなどの事例を報告する方向で検討しているところであります。
○渡辺孝男君 森林は経済的な面だけではなくて、環境面その他大事な役割をしておりますので、世界的にもこれを守っていこう、あるいは育てていこうというような気運でありますので、日本も積極的にこれからも頑張っていただきたいというふうに思います。
 先ほど小林委員の方からも紹介がありましたけれども、WTOに関係してちょっと最後に大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、本年二月の国際農水産業議員連盟の設立総会に私も個人の立場ではありますけれども参加させていただいたわけであります。そのときに、当初の参加国の予想を上回りまして、九オブザーバー国を含めまして四十一カ国がその会議に参加したわけであります。その中で、やはり世界の食料安保の重要性を再確認し、また農業の持つ多面的な機能についても、予想以上に多くの国が参加したということで、世界各国の理解が非常に深まっているのではないか、そのように実感してきたわけであります。
 これからWTO次期交渉に臨みまして、農業、農産物の分野においてはこのような観点を重要視した形で交渉がまとまることを私も望んでいるわけでありますけれども、日本としても農林水産大臣をリーダーとして頑張っていただきたい、そのように思うわけであります。
 このシアトル会議の後のこれからのWTO次期交渉に向けて、農林水産省としてどのように対応していくのか、今後の取り組みに関して、また大臣の、先ほども決意の一端はお聞きしたわけでありますけれども、もう一度その点、決意のほどをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 昨年のシアトル閣僚会議の後を受けまして、全体会議としましてはこれからいつ立ち上げるかということで協議をしておるところでありますけれども、農業交渉だけは協定の二十条に従いまして三月二十三、二十四日と開かれることになったわけでありまして、今後約三年間この交渉に期間を要するものと思われるわけでございます。
 やはり何としましても、我々が主張しておる農業貿易におきましては、農業の持っておる多面的機能を十分活用するといいますか、十分それに配慮した貿易ルールをつくらなければならぬ。そのためには、やはり各国ともに農業の特質を相互に理解し尊重していくということが大事ではないか。
 また、農業は鉱工業製品とは違うんだ、別のルールをつくるべきである、輸出国にも輸入国にも公平なルールとすべきではないか、これが我が国の主張でありますし、同時に多面的機能フレンズ国の主張でもあります。今、五カ国が核となっておるわけでございますが、これをできるだけ多くの国々に拡大していくということが大事であると。特に開発途上国の国々に理解をしていただくということが大事だ、こういうふうに考えているわけです。
 そこで、議員も参加されました国際議員連盟でございますけれども、こうしたことも議員を通じまして理解を深めていくという上におきましては極めて大事なことだと思っております。さらに農業団体等も、例えば日本では全中があるわけでありますが、ヨーロッパには同じようなCOPAという組織があるようでございます。アメリカにも家族経営を主体とするファーマーズ・ユニオンというのがありまして、こうしたところは全く同じ考え方で、国際連帯をしていこうという考えがあるわけでございます。
 したがいまして、政府は政府で多くの国々に呼びかけてやっていきます、議員の先生方もそれぞれ国際的連帯を深めていく、それから農業団体も同じような形で主張していく、こういうそれぞれのところで全体として各国に呼びかけをしながら、できるだけ多くの理解を得られるということが我々の主張を貫く基盤になるのではないか、こう考えるわけでございますので、委員の御協力もお願いしながら、我々も一生懸命頑張るということを申し上げたいと思います。
○渡辺孝男君 行ったときに、参加していた韓国の農業生産者の団体の方の御意見を聞いたんですけれども、自国の農業を守るためだけではなくて、世界の八億人の食料不足に悩んでいる人たちに貢献したいというそういう熱い思いも聞いてまいりましたので、我が国と同じだなというふうに思いました。今後とも頑張っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。先日の大臣の所信を受けて、大きく食料自給率の問題、そして中山間地の問題についてお尋ねしたいと思います。
 まず最初に食料自給率の問題なんですけれども、私たち日本共産党は昨年の食料・農業・農村基本法の論議の際には、基本法には食料自給率引き上げを基本理念として掲げて、目標数値も明示すること、そして国の責任を明確にするべきであると提起をしてまいりました。九日の食料・農業・農村政策審議会企画部会で基本計画案が示されましたけれども、全体的な論議は正式に提案された際に行いたいと思いますが、今回の質問は目標数値の問題についてお聞きしたいと思います。
 この中で、食料自給率について農業者団体が強く要望してきた五〇%について、目指すことが適当としながら、二〇一〇年までの目標数値については実現可能な水準としてカロリーベース四五%としております。五割以上を国内生産で賄うことを目指すというのは政府の責任で達成すべき目標なのか、そうであるとすればいつまでに達成する数字として提案されたのか、まずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 基本的には五割以上を国内生産で賄うことを目指すことが適当であるが、平成二十二年までの計画期間内においては、生産、消費の両面にわたる課題が解決された場合に実現可能な水準として四五%を目標とする、こうなっておるわけでございます。
 それで、まず第一に十年間に達成すべき目標として四五%、望ましい方向としましては五割という形なんですが、五割をいつまでにという御質問でございますけれども、五割をやるためにはさらにまた努力が必要だと考えるわけでございまして、いつまでに五割を達成するということについては、今回はその点については明確にしていないところでございます。
○大沢辰美君 では、二〇一〇年までに目標数値としてはカロリーベース四五%という数字を提起したという今の御答弁ですし、基本計画案には書かれているわけですが、この中に、関係者が取り組むべき食料消費及び農業生産における課題を明らかにしてと、そういう答弁ですね、計画期間内においてこれらの課題が解決された場合に実現可能な水準を食料自給率目標としていると。
 この自給率目標の達成について、私はだれが責任をとるのか、こういうふうに思いました。だから、四五%という目標は国がその達成について責任を持つという数字なんですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食料自給率の目標につきましては、生産、消費の両面での課題を明らかにし、それらの課題に向けて関係者が一体となって取り進むいわば国民参加型の指針として位置づけ策定するものであります。
 当然、政府が先頭に立って頑張らなければならぬことでありますけれども、具体的には、例えば農業者サイドにおきましては、耕作放棄地の解消や耕地利用率の向上、コストの低減と消費者ニーズに適応した生産。食品産業事業者サイドにおきましては、農業サイドとの連携による販路開拓や新製品開発の取り組みを通じた結びつきの強化、また消費者の適切な商品選択のための原産地表示等の徹底。さらにまた、消費者サイドにおきましては、我が国の農業や食料供給事情についての理解、さらに栄養バランスの改善や食べ残し廃棄の減少等、食生活の見直しなどの課題に主体的、積極的に関係者が取り組むことにより食料自給率の目標の実現を図っていく必要がある、こういうことになっております。
○大沢辰美君 関係者の努力ということは何度も今までの質問の中にも出されていますが、結局政府の責任という言葉が出てこないわけですけれども、それについてもう一度重ねて聞きたいと思います。
 この自給率目標の性格は、食料自給率向上のための取り組みの課題、今、大臣がおっしゃった生産者や消費者に課して、その課題を生産者、消費者の関係者が達成すれば到達できる水準だ、これが目標数値というものになっています。
 これでは、二〇一〇年に四五%に達しなかった場合、結局、あなたたちは、生産者が生産コストを下げ品質を向上させて消費者に選ばれる農産物をつくれず生産努力目標を達成できなかったからだ、また消費者の食生活の見直しが進まぬから望ましい食料消費の課題が達成できなかった、こういうふうになるんじゃないかと思うんです。
 だから、達成できなかった場合の政府の責任はどうなるのか。私は達成するための政府の責任を明らかにしていただきたいとお聞きしているんです。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まだ何にも実行しないうちに十年後の責任についてまず論議するということ自体が無理だと私は思います。
 それよりも何よりも、まず四五%を実行するために政府がどのような責任を持って取り組むか、取り組むことが大事でございます。それで、現在の趨勢からいきますならば、何にもしないでそのまま進みますならば自給率は三八%に落ち込む可能性がある。したがって、政策を遂行し、課題を一つ一つ解決することによりまして四五%を達成できるという見通しを明らかにし、それに向かって全力を挙げて取り組んでいく。それは、政府のみならずやはり国民全体の皆さんの理解を得ながら、それぞれのところでの御努力をいただきながら達成する目標である、このように考えております。
○大沢辰美君 今の大臣の答弁だったら政府要らないですよ。政府の答弁になっていないと思うんです。
 私は先ほどから聞いておりまして、先頭に立って頑張る、全力を尽くす、十年後については大臣でないかもしれない、こういう答弁が繰り返されたことにとても無責任な御答弁じゃないかと思っているんです。結局、目標が実現するかどうかは、先ほども言いましたけれども、生産者や農家と消費者の課題達成の努力にかかっているということで転嫁していると思うんです。
 だから、私たち昨年の食料・農業・農村基本法の論議の際に何回も申し上げました。そのときに中川農水大臣、皆さんも御記憶だと思うんですが、野党各党が政府の責任があいまいだということで追及いたしました。そこで、「この法律に基づいてつくられます基本計画において定められた自給率について、その達成については政府の責任であります。」と昨年の五月十三日、日本共産党の藤田議員の質問に対して明確に答弁をされています。
 今、玉沢大臣が一生懸命答弁はしていただきましたけれども、政府の責任、私たちは玉沢大臣個人にお聞きしているんじゃなくて政府の責任として明確に答弁いただきたい。ですから、昨年よりこれじゃ後退していると思うんです。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 政治形態から余り論議はしたくないのでありますが、先生の考え方は国家あるいは政府というのが全然別なところにあって、そこから命令、指導して、そしてそこが責任を持たなければ何にもできないというような感じに受け取れるんです。しかし、我々の政府といいますのは、選挙によって国民の皆さんの御参加によって支持されて、その国会議員が多数を占めればそれによって政府が構成される、こういうことでございますから、民主的な政府なんです。だから、国民の皆さんの理解と協力を得て政策の場合でも進めていくという趣旨なんです。
 例えば、かつてあったソビエトの一党独裁でやっておる政府は、あるいはかつて独裁であったところの国家が何か弾圧の機関であって、国家機関というものが絶大な権限を持っておってすべてを決していく。こういうようなことであれば、政府というものが、あるいは国家というものがすべての責任を持つかのように受けられるだろうと思うんですが、我々は民主政治、民主政府であります。
 したがって、国民の皆さんの理解と協力を得られなければ我々の政策というのは遂行できないわけですから、そこに責任も明確にしていく、こういうことであります。
○大沢辰美君 大臣、私そんなこと聞いていないですよ。私たちは議会の民主主義をきちっと守って国会の運営をし、そして今は政府が自民党、自由党、公明党が選ばれているわけですけれども、その中で推進することは当然のことです。だけれども、今あなたがおっしゃっているのは何かソ連の問題を取り出してそういう政治じゃだめなんだという、私たちもだめだと思っています。
 ですから、日本共産党が提案をしている農業政策をあなたは一ページでもお読みになったことがありますか。日本共産党は、本当に家族経営を大事にして、そして価格保証をきちっとやって、農業を本当にやりたい人がやれるような農業政策をやっていきたいと。そしてそのために、国内の農業を守るためにもWTOの農業協定を見直していかなかったら大変なことになると一つ一つ具体的に農業政策を出して頑張ってきています。そして、国会の中でもこういう形で民主的に論議をして農業政策を提案しているじゃありませんか。
 だから、私たちはこの自給率をしっかりと打ち立てていきたい、責任を持って頑張りたいと思っています。だけれども政府が、今の大臣の答弁だったら、政府の責任という言葉が一言も出てこないんです。ですから、そのことを今私は明確に答弁をしてくださいと。昨年の中川農水大臣のときはきちっと政府の責任でありますと述べましたよ、それより後退することはあってはならないと。ぜひ前進する立場で、この食料自給率の数字を私はここで言っているんじゃなくて、責任の態度を明らかにしてほしいと言っているんです。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 非常に立派な大沢先生に反論するのは大変恐縮でございますけれども、要するに話の最初が、十年後に達成されない場合にだれが責任をとるかと、ここから始まっておりますので、十年後に自由民主党が政権をとっているとは限らないですよ、そのときに共産党さんが政権をとっているかもしれません。(「それは正確だ」と呼ぶ者あり)いやいや、そうなればもっとめちゃくちゃなことになりますよ。いいですか。それが責任の所在じゃないでしょうと私は言っているんですよ。十年後にだれが政権をとっているかわからないし、十年後にその結果だれがどういうふうな形で責任をとるかということはわからない、そこからスタートするんであれば責任論というのは明確じゃありませんよと。
 しかし、今私どもが言っておるのは、四五%というものを企画部会で各界各層を代表する方々にちゃんと諮問しまして、そして御相談をしまして、これは十年で目標とする数字は四五%ということで大体の合意ができまして、いかがでしょうかという形になるときにおきまして、政府としましても、しかしながらこれを現実的なものとしまして十年後には達成できるという場合、その場合にこうしたところを一つ一つ解決していきながらこの四五%を何としても達成しようじゃないかと、その達成しようという施策の推進というものが私は明確なる政府の責任だと、こう言っているわけですよ。
○大沢辰美君 私は、今政権論を論じているのではありません。政府としての責任を、消費者の皆さんや生産者の皆さん、頑張ると、政府も責任持ってやりますと、そこを答弁していただきたかったわけです。だけれども、そのことは一言も今、政府の責任という言葉は聞けませんでした。ですから、もう何回も繰り返しませんけれども、少なくとも昨年の農基法の論議のときに中川大臣が明確な答弁をされたことを私は政府の責任として引き続いて受け継いでいただきたいということを念を押しておきたいと思います。
 次に、国内生産を増大するために国が責任を持って実現する手だてというのはもちろん今不十分なわけですけれども、それによって自給率が非常に下がっていったと。だから、その結果、さながら農業者だ、国民だと責任を転嫁してきたわけですけれども、これでは自給率の引き上げの道筋は見えてきません。今、少なくとも自給率引き上げには、生産意欲のわく農産物の価格保証と安い輸入農産物により国内産が打撃を受けることを防ぐという明確さがなければならないと思います。
 それで、大臣は今までもこういうふうに言っていましたね。厳しい輸入管理と基本的に他の産業の労働者と同一の賃金水準の農業所得を確保していきたい、価格支持も自給率を引き上げるためには役に立つ、そういうことも認めておられたと思うんです。だけれども、財政負担を理由にそれらの施策をとることを今まではしていません。
 この二十年間の国の予算を見まして、一般会計に占める農林水産の予算というのは割合が非常に、七・四から四・〇に半分強ぐらいに下がってしまっているわけですけれども、その農業予算の中でもやはり公共事業が五割以上を占めて、価格・所得対策は一割程度という農業予算のあり方になっています。だから、食料自給率を農政の中心課題に位置づけるなら、私はこれを見直して、実現可能な大きな一歩を進んでいただきたいと。これはもう御答弁は結構です。
 次に、ちょっと具体的なことでお聞きしたいと思うんです。
 食料自給率の中で、やはり飼料作物の増産というのが大きな役割を果たすと思うんですね。飼料自給率の引き上げが自給率向上の非常に大きな要素をなすということの中で、今飼料というのは低価格の輸入粗飼料が増加していますし、濃厚飼料の多給型に傾いている状況で、やはり飼料作物の作付面積また収穫量とも横ばいか減少傾向にあると思うんですね。
 ですから、基本計画を見ましたら、飼料作物の生産努力目標は、九八年が基準になっていますけれども、十年後には生産量は三割増し、飼料自給率は三五%にしていきたい、それで飼料を含む穀物自給率は三〇%に引き上げようとしているわけですけれども、このためにはどのような施策をとられるのか、まずお聞きします。
○政府参考人(樋口久俊君) 私の方からお答えを申し上げたいと思います。
 お話ございましたように、飼料自給率の向上を通じまして我が国の食料自給率を上げる、こういう観点からはもちろんでございますが、畜産では、生産コストの低減と経営の安定化、あるいは家畜ふん尿を草地等へ適切に還元する、そういう観点からも非常に自給飼料の生産を拡大するということは重要な課題であると認識をしておりまして、その点、おっしゃるとおりだと思います。
 このため、近々のうちに策定をされることになります食料・農業・農村基本計画を踏まえまして、作付面積等の具体的な数値の目標や地域の実情に応じました飼料増産のための効果的な推進方策等を定めます飼料増産推進計画というものを年度内に策定することを考えておりますが、この場合に、計画にとどまらないで、実現へ向けまして農業団体あるいは行政の各機関、研究機関、それから普及組織等々、関係者一体となりまして飼料増産運動を推進していくこととしております。
 なお、その中で幾つか課題はあるわけでございますが、対策ということで若干の御紹介を申し上げますと、まずは耕地を有効に利用するという観点が大事でございまして、転作田等の既耕地や耕作放棄地等を活用するというようなことで飼料作物の作付拡大の促進を図る。それから、飼料の生産につきまして、やはり質のよいものを効率的に生産するということが重要でございますので、共同化や受託組織の育成を進めるということで組織化、外部化等を促進する。
 その次に、例えば中山間地等で棚田などがございまして、我が国独特の土地条件や自然条件のもとでそこに芝草等を植えまして日本型の放牧を進める、こういうものの定着を図っていく。あるいは飼料作物の生産の実態を見ますと、個別の経営の中で単収等について相当な格差がございます。それを縮めていく、引き上げる、単収の向上を図るということで、土地利用の高度化を進める等々の技術、営農実証を促進する、これらに支援をしていきたいということでございます。
 いろいろあるわけでございますが、これらに加えまして、水田での飼料作物の本格的生産を推進するということで、水田農業経営確立対策というようなものも中でも力を入れていきたいと思っております。こういうことで飼料作物の生産拡大に努めてまいりたいと思っておるところでございます。
○大沢辰美君 提案されています一つの具体的なことで、飼料用の稲の開発です。そして、飼料用に適した米の品種開発などがやはりおくれていると思いますから、その点は特に強調したい。飼料用稲の生産を拡大することは我が国の自然条件にはとても合っていると思うんですね。だから、栽培地域を選ばなくても水田を利用することができる。非常に飼料用作物としてもすぐれたものだと思うんですよ。農水省は、食料自給率引き上げを目指すとして新たな水田の営農対策の中でも飼料作物の増産を位置づけていますね。麦、大豆と違い、湿田でも生産がすぐ可能だということで期待している地域もたくさんあるんです。
 ですけれども、私、先日地元の大規模農家の方と懇談をさせていただいたんですけれども、飼料用稲をつくっても、これは何かホールクロップサイレージというんですか、これをやらないと経営確立助成は飼料用作物として取り扱ってもらえないんだ、だから最高額の七万三千円は受けられないという訴えを聞きました。
 湿田では、このホールクロップサイレージにするには専用の機械の購入がなかったらやりにくいと言っていました。だから、採算面を考えたら、一定の規模のまとまりがなかったらできないし、飼料用作物の増産を目指すというんだったら、やはりすぐにでも取り組める飼料用稲も経営確立助成で飼料用作物として位置づけるという措置が必要じゃないかと思うんですが、その点について。
○政府参考人(木下寛之君) 飼料用に向けられる稲といたしまして、ホールクロップサイレージのほか、青刈り稲あるいは飼料用米がございます。いずれも湿田地帯のように畑作物への転換が困難な地域等におきまして、水田の有効利用を図る観点から、本年度から始めております水田農業経営確立対策におきまして、一定の助成対象としているところでございます。
 今お尋ねの助成の点でございますけれども、ホールクロップサイレージ用稲につきましては、穂や茎あるいは葉全体を利用することから、青刈り稲あるいは飼料用米と比較いたしまして、まず第一点といたしまして十アール当たりのTDN収量が多く、また生産費の一層の削減も可能であるということで、飼料効率あるいは生産コストの面からも水田農業経営における定着が期待されること。
 それから第二点といたしまして、栽培技術の面でも、ホールクロップサイレージ用稲は、通常の稲作の栽培技術に加えましてサイレージ化のための収穫あるいは調製技術が必要であること等々から、青刈り稲あるいは飼料用米に比べまして一段と高い、麦、大豆と同様の助成水準としているところでございます。
 いずれにいたしましても、飼料用稲の一層の活用を図るということは重要であるというふうに考えておるところでございまして、畜産農家と耕種農家との連携あるいは試験研究等を進めることが必要だというふうに考えておるところでございます。
○大沢辰美君 飼料用作物の増産という、つくり上げるためには有効な手だてをいろいろととっていただきたいと思うんです。そのことの見直しも求めて次の質問に移りたいと思います。
 次は、中山間地に対する直接支払い制度について質問したいと思います。
 直接支払いの導入は、私たち日本共産党も本当にこの制度を要求し続けてきた、そういう内容のものですからとても期待を持っています。そして農家の皆さんも、また関係者の皆さんも大きな期待を抱いているというのは、私も実際に現場に入りまして思いました。だけど、その具体的な支給条件が明らかになるにつれて、関係者の間では失望が広がっているんです。要件が厳し過ぎて適用が難しい、助成を受けられるのは限定された者にならざるを得ないことがはっきりしてまいりました。
 私は、兵庫県の担当者だとか町の担当者、また集落の農家の皆さんに話を聞かせていただいて、その中の町の担当者は、一ヘクタール以上という面積要件の問題は大きい、難しい制度だという指摘が多い。町の、農山村法の指定を全部されているわけですけれども、申請は耕地面積五百三十ヘクタール中二百ヘクタールしかない。三八%なんです。高齢化した集落では、五年先まで見通せない中で五年間継続管理を義務づける集落協定を結ばなければならない、これが最大のネックとなるという声も聞きました。助成金全額返還の規定があるために、申請者には耕作放棄にならないことが確実なところだけに絞らなければならないという指摘もありました。このような実態、つかんでおりますか。
○政府参考人(渡辺好明君) 今御指摘がありましたように、直接支払いは全く新しい制度ですから、この一月から精力的に各地域を回りまして、制度の仕組みについての浸透を図っているところでございます。
 悲観的というか、御心配が大きなものとしては二つ、それから非常にいい制度だというのが二つぐらいございました。
 その御心配の向きは、今先生御指摘になったように、一つは高齢化の中で五カ年間きちんと農地を守れるか、こういうことなんだろうと思います。
 もう一つは、集落協定を結べるだろうかということなんだろうと思うんですが、ここはやはり説明会の中でも、集落というのは現存する集落のことを指しているわけではなくて、保全であるとか生産活動であるとか、そういう活動が可能な集落の範囲ということをよくよく説明しております。つまり、現存する集落の区画ではなくて、この仕事をするに必要な大きさの集落ということを申し上げております。
 それから二つ目の、五カ年間耕作放棄を出さずに済むのだろうかという点なんですけれども、これはかなりこの制度の基本問題とぶつかります。耕作放棄を出さない、それによって多面的機能をきちんと維持発揮をするというのがこの制度の根幹でありますので、この五カ年という点はなかなか譲れないところでございます。
 これは、耕作という言葉にとらわれて、耕作を必ずしていかなければならないのではないかというふうにとらえておられる向きもございますけれども、農地の維持管理でもそれは構わないわけでございます。それから、みずからやらなくても、例えば第三セクターであるとか他の農業者の方々に頼んでもいいわけでございます。
 それから、やむにやまれぬ不可抗力の場合には補助金返還ということにはならないわけでございまして、制度はかなり柔軟にできておりますので、そこのところをきちんとキャッチしたところからは、何といいましょうか、国民や納税者の理解を得るために農地を将来ともに適正に維持管理をして耕作放棄を起こさないということは当然だ、この直接支払いによって農地を守る元気が出てきた、あるいはこの直接支払いを契機にして、まとまったお金で共同利用の機械の購入費に充てる、集落営農の復活が可能になってきたというふうな御意見もあるわけでして、私どもとしては、この柔軟性ある制度をうまく使っていただきたいというふうに考えている次第でございます。
○大沢辰美君 私たちも、新しい制度だから最初から完全なものということを言っているわけではないんです。柔軟にとおっしゃるけれども、今いいことばかりの実態をおっしゃったけれども、本当に現場では高齢化が進んでいる。ある町では、私の行ったところでは高齢化率が六四%と言っておりました。だから、五年ということで言われたらもう契約はできない。
 だから、今数字で言ったように、兵庫県では五十八の自治体のうち四十九自治体、九自治体は見送らざるを得ない、こういうふうに言っているわけです。一つの町では二十六の集落があるけれども、直接支払いを申請しようというのは十六集落しかない。九つについてはもうやらんでおこう、こういうふうな状態が出てきています。これは長野県の例ですけれども、私たちの方にも意見書が上がっていますが、木曽郡の十一町村中八自治体が見送った、これは二七%の申請になっているわけです。
 全国まだ実態を把握されていないんだと思いますけれども、本当に厳しい条件がついているために申請ができないというのが今の実態だということをつかんでいただきたいと思います。
 そして次に、この制度自体新しい制度だからということで、完全なものにはならないということでありますけれども、このことがこの二〇〇〇年度の予算の中にもあらわれていると思うんです。
 対象面積は九十万ヘクタールです。そして中山間地の農地面積は二百五万ヘクタールですから、結局四四%にしか予算が組まれていないわけです。ですから、この実施要綱の考え方で示された要件がいかに助成の対象から振り落とすかという発想からつくられているんじゃないかと私は思ったんです。それでは本当にこの手だてが必要か、条件の厳しいところには役立たない、本来の目的の半分以下しかこの制度は役に立たないということになるではありませんか。
 こういう消極的な対応でこの大切な新しい中山間地の直接支払い制度が出発しようとしているわけですけれども、私は、この点についてもう一度お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは委員の御心配の点についてはいろいろと今後柔軟性を持って対応したい、こう思うわけでございます。
 対象面積が四〇%はけしからぬというお話がありましたが、しかしこれは地理的に困難な場所、こういうことである一定の仕分けをしておるわけでございますけれども、EUの場合は大体三〇%が対象になっております。ですから、我が国が大体四〇%を超えているということは、EUと比べましてもはるかに対象面積が多いということをぜひ御認識いただきまして、四〇%だから狭い狭いというような考えをとらないように、もっとひとつ大きなところで見て御理解をいただければありがたいと思います。
○大沢辰美君 大臣が今EUの例を出されましたけれども、この四四%というのは中山間地の対象の四四%なんですね。
 私はEUの中でもちょっとオーストリアの制度を調べてみたんですが、オーストリアの場合、EU加盟の前の数字なんですけれども、全体の四割の条件不利地域へ助成をやっているわけです、助成の対象。その中でも、非常に困難なところにこそたくさんを支給しているように書いてありますね。その結果、全体の農地の減りぐあいは、全体は一三・四%農地は減っているけれども、この厳しいところは七・八%しか減っていないという、そういう結果も出ているわけなんです。ですから、この中山間地の制度、本当に始まったところだけれども、やはりそういう厳しいところに、こういう四四%じゃなくて全部の人たちが支給対象になるような条件、柔軟な姿勢というけれども、これじゃ柔軟にならないと思うんですね。そのことを指摘しておきたいと思います。
 私は、時間の関係で実際の要綱の内容に入らせていただきたいと思いますが、集落説明会が今始まっています。その中で最大の問題は、今も言いましたけれども、集落協定で五年以上継続して農業生産を続けることが義務づけられて、一部農地について耕作放棄が生じ、これを引き受ける者が存在せず協定に違反した場合には、協定参加者に対して協定農地すべてについて過去の年度にさかのぼって直接支払いの返還を求めるものとするという規定がありますね。
 これは、これだけ読んだらもうびっくりしまして、もうやっぱりあかんわということで申請できへんなということを、私がちょうど行ったら役員会を開いておりましたので、言っておられました。
 中山間地は当然高齢化率が高いわけで、今も言いましたけれども、自分は五年先どうなるかわからない、見通しがない。途中で自分の責任で耕作放棄が出たら過去の分まで集落全体が助成金の返還を求められる、つらいと。病気等の場合でも集落全体がこれは支払い停止になると書いていますね。農業公社等の受託組織でも条件の悪い地域には来てくれない、こういうふうに言っていました。
 ですから、本当にこの規定が脅威になって、集落がまとまらないというのが実態なんです。だから、協定をあきらめなければならない事態が生まれている。ですから今、この中山間地の実態から見ると余りにも酷なものだと思うが、これで柔軟な対応ができますか。ぜひやっていただきたいんですが。
○政府参考人(渡辺好明君) 一番基礎中の基礎である耕作放棄の防止というところで、EUでもそうなんですけれども、五カ年間継続して活動を行うということなんですが、さて五カ年たたずに耕作放棄が生じる可能性があるところにお金をつぎ込むことについて国民的理解が得られるかどうかということなんです。
 私どもはこの要綱をかなり綿密につくったんですけれども、三つ。一つは、耕作をしなくても、農地の管理だけを行っていても、それはこの要綱に該当すると。それからもう一つは、先生が先ほど集落の数を出されて、うちじゃ自信がないからという話がありましたけれども、そういう自信がない集落は隣の集落なり下の集落が一緒に広く集落境を超えて一つのグループをつくるということだって可能なわけです。そしてその上で、さらに病気とか死亡とかやむを得ざる不可抗力があればそれは交付金返還ということにはならないというふうに考えておりまして、余りほかの補助金のようにかたくかたく考えずに、どうしたらこの地域の耕作放棄が出ないようになるかという観点から逆に考えていただいたら物事はスムーズにいくのではないか。もちろん、私どもも相談にはあずかりたいと思っております。
○大沢辰美君 私は、実態を知っていただいているんですかということを最初に聞いたのは、そういうところなんですよね。一集落でも大変なんですよ。だから、下の集落と一緒にやるというのはもう一つ大変な事態があるということも私はそのお話を聞いてわかりました。
 だから、いろんな理由で途中で一部の農地で耕作の継続ができなかったとしても、例え一年でも二年でもその人たちは厳しい条件の中で農地を守り耕作放棄を出さないように努力をしてきたんですから、それを私は評価をして、そして残りの大部分の農地の管理を継続していることを評価しないというのはやっぱりおかしいと思うんです。ここはやっぱり見直していただきたい。
 今、EUの返還規定が手本だということもちょっと言われましたけれども、その制度もちょっと調べてみました。フランスの場合は、ペナルティーを科しているのは、申請の内容をチェックするための行政のコントロールを拒否した場合、支払請求における家畜頭数と実際の頭数に差があった場合、支払いの拒否または全額返還の原因となるという規定になっています。ただし、自然死、緊急の必要に基づく屠殺によって頭数が減少した場合にはこうした措置の対象にはならない。また、頭数の差が五%を超えなければ二〇%の減額になる。不可抗力の場合は全額維持。
 他の国でも、故意に虚偽の報告をしたなど悪質な場合であり、我が国の全額返還、または死亡、病気などによって一部の耕作放棄が出た場合に集落全体が支払い停止というのは余りにも私はやはり過酷だと思うんです。
 ですから、不可抗力で耕作放棄等が起きた場合、その農地面積に限り支払いを停止すればいいわけで、初めに全額返還ありきのこの規定は、やはり時期を改めていただきたいと思うんですが、重ねて質問します。
○政府参考人(渡辺好明君) この直接支払いを日本型と言っておりますのは、日本の農業構造がEU、とりわけフランスなどとは大きく違っておりまして、個別の農家が個別に対応するということで、例えばその後継者が一定部分をまた引き受けてやるとかいうふうな仕組みではなくて、どうしても一農家当たりの耕作面積が小さいものですから、そして水田農業が中心なものですからやはり集落全体でカバーしなければ耕作放棄と多面的機能の維持はできないというところに特徴があるわけです。
 そうなりますと、やはり初めから破られるような集落協定というのを前提にした仕組みでは、これはやはり基本法で言っているところの多面的機能の発揮というのが不可能なわけです。ですから、それらについては柔軟な対応と不可抗力による免責ということで対応が可能ではないかと。むしろ、そういうことを通じて集落の再編成などに持っていく方がこれからの中山間地域の農業振興にとっても望ましい、そういうふうに私どもは考えております。
○大沢辰美君 最後に大臣にお尋ねしたいと思うんですが、これまで述べてまいりましたけれども、この中山間地の直接支払い制度については柔軟な対応と言いますけれども、現地では大変厳しい条件だということをまず知っていただいて、説明会の段階で既にこういう問題がたくさん出されています。
 ですから、実施要綱の考え方、要綱では五年後に、中山間地農業をめぐる諸情勢の変化がある等、協定による目標達成に向けての取り組みを反映した農地の維持管理の全体的な実施状況などを踏まえて制度全体の見直しを行うとなっていますね。必要があれば三年後に所要の見直しも行うともしています。
 だから、本当に全く新しい制度ですし、だけれども他の国では経験している。私たちも期待していると。農家の皆さんも関係者も期待が大きいだけに、よいものをつくり上げていきたいという立場から私は申し上げているわけですから、自治体、集落での取り組みや集落協定締結状況、申請の状況を見つつ、運用上実態に合わない点については三年を待たずに、実施しながら見直しをするということを大臣に答弁をいただきたい。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 日本でも初めての制度を導入するわけでございますから、できるだけ実態に即したやり方でやっていくということが大事だと思います。
 制度導入後におきましても、実施状況を公表するとともに、中立公正な第三者機関を設置し、実行状況の点検、政策の効果の評価などを定期的に行い、五年以前におきましても必要に応じ見直しを行っていきたいと考えているところであります。
○大沢辰美君 以内ですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 五年以前におきましても。よろしいですか。
○大沢辰美君 それ以前、三年までちゃんと出ているんですから……
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 五年以前も三年以前も、全部入っています。
○谷本巍君 基本計画づくりの作業が進んでおるようであります。近く国会に報告があると思いますが、本日は細かいことはさておきまして、基本的な姿勢を中心にして伺いたいと存じます。
 初めに伺いたいのは、自給率引き上げの責任主体についてであります。
 基本計画は、自給率の目標を掲げることの意義について、国民参加型の取り組みの指針として重要な意義を持つと述べております。これはそれなりに私はわかるのでありますが、その達成責任になると政府はまるでらち外にあるかのような表現が随所に出てまいります。例えば、平成二十二年までの期間でいいますと、関係者の努力により自給率低下に歯どめをかけ、着実な向上を図っていく期間と位置づけると、こう言っているんです。責任の主体は関係者であります。その努力いかんでもって決まると、こう言っているんです。
 それに、もう一つ例を挙げておきましょう。「農業生産の努力目標」の項でも、品目ごとに品質の向上、生産性の向上等の面で、農業者その他の関係者が取り組むべき課題を明確化し、それらの課題が解決された場合に、平成二十二年度において到達可能な努力目標を提示すると、こう述べているんです。この項では、農業者その他の関係者が推進主体だと、こう言っている。
 政府の責任の所在はどうなんでしょうか、大臣。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 決して政府の責任がないということを言っているわけじゃないんです。やはり、国民参加型でございますから、まず課題としましては、生産者、消費者あるいは流通・加工業者それぞれが果たす役割があると思うわけでございます。そういう点をお互いに理解し合って、相談し合って、そして政策の方向を決めまして、その方向に皆さんの御努力と御協力をいただきながら達成していくべきものである、こういうふうに考えます。
○谷本巍君 国内生産の増大と食べ方を変えるということの両面で自給率を引き上げると、こう言っているわけであります。そして、これを国民参加型でやろうというのであれば、私はまず政府責任を明確にすべきであろうと思うんです。政府はこうする、だから皆さんよ協力してくれ、なぜそう言わないんでしょうか。みんなでやろうというのは、これは手法上の問題なんです、方法上の問題なんです。これがイコール責任主体というものであってはならないんです。
 ですから、大臣、繰り返しますけれども、政府はこうする、だからみんな協力してくれ、一緒になってやろうじゃないかと、なぜそういうふうに言わないんでしょうか。私はそれを言ってほしいんです。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まだこれは審議会の企画部会の中に出た案でございまして、張り切っておっしゃることもわからないわけではございませんが、これからさらにこれが答申として出てまいりまして、政府の方でこれを受けとめまして、内閣総理大臣を中心として、つまり体制を整えて国民の皆さんにしゃべるわけですから、それを今から責任はだれがとる、全くおどかしみたいな話じゃないですか。
 しかも、年後の責任はだれがとる、それはだれがとるんですか、そんなもの。政府は確かにとるべきだと思いますが、そのときに、一党独裁であれば、さっきも言ったように、同じ政権が続きますよ。しかし、自由民主党が十年後に同じ政権が続いていると思うんですか。そういうところから少し話をしてくださいよ。
 だから、それはお互いにわかっていることですから、その点についてはもっと柔軟なお話し合いができるのじゃないかと私は思います。
 以上です。
○谷本巍君 大臣、十年先の責任をどうとるなんて私は言ってやしないんです。こういうぐあいにやりましょうというのであれば、政府はこうするから国民の皆さん一緒になってやりましょう、なぜそれが言えないんですかと、そのことを言っているんですよ。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いや、だから、現在は審議している最中でございますから、だからこれからそれを受けてやる場合におきましては、ぜひこうやりましょう、お願いします、こういうことになります。
○谷本巍君 わかりました。
 そうすると、政府はこうする、国民の皆さん一緒になってやりましょうという考え方が大臣の考え方だというぐあいに理解しておいていいですね。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いいですよ。
○谷本巍君 はい、わかりました。
 次に、飼料の自給率引き上げ問題について伺いたいと存じます。
 この点については既に大沢さんの方から指摘があったところでありますが、私が重ねて申し上げたいのは、土地利用型農業活性化対策が前面に出たという関係なのでしょうか、畜産の方はどうもかすみがちで、現場の状況にしましても、麦、大豆、これへの取り組みについてはかなり関心が出てきているのでありますが、どうもえさの方は二番手になってしまっているというのが実態であります。
 改めてここで伺いたいと思いますのは、食料・農業・農村基本計画における飼料作物対策の位置づけであります。なぜそれを言うのかと申し上げますというと、自給率を引き上げていこう、食料安全保障体制を築いていきましょうという意味合いからしますと、えさ問題というのは、麦、大豆以上に飼料自給率引き上げは重大かつ現実的な意味を持っているからであります。現実的意味と申し上げますのは、小麦、大豆、これは日本の気候のもとではなかなか大変ですよ、現場は。しかし、みんながやろうというふうな話になってきている。
 確かに、飼料作物の場合も克服すべき課題は多いです。多いですけれども、とにかく自給率引き下げの最大の要因というのがえさ問題でありますし、それにまた飼料の国内生産と結びつかない畜産がどんなに窒素過多とそれから日本列島の水質汚濁、それは貢献という言葉じゃなくて、マイナス貢献ですね、しているかというのはこれは紛れもない事実なんです。
 さらに、もう一つ申し上げておきますというと、飼料自給率引き上げの柱の一つとなって注目されていくであろうことは飼料用稲の問題であります。飼料用稲は、これはえさという問題もありましょうけれども、食料安全保障という意味ではまたとない政策手段になってくるはずなんです。そういう点等々が実はほとんど強調されていない。
 ですから、飼料作物引き上げについては、その持つ意義についてどう考えているか、初めにその点をしかと伺いたいと存じます。
○政府参考人(樋口久俊君) お話ございましたように、自給率を引き上げる一つの手法といいますか、その前提として自給飼料の生産を拡大していく、これは大変重要な課題である、これは先生おっしゃるとおりだと思っております。
 そのために、先ほどもお答え申し上げたわけでございますが、単に計画だけではなくて、私どもとしては具体的な数値なり地域の実情に応じた計画を年度内に策定しまして、それこそ政府が策定した計画を本当に実現するということで、関係者一体となって増産運動を推進していく、そういう一つの旗印を定めるということで考えているわけでございます。
 その中で幾つか課題がございますが、先生お話ございましたように、前提だけということであれば別途、具体的内容は省略させていただきますが、そういう考え方のもとに対応していきたいと思っております。
○谷本巍君 どうももっと積極的な回答を聞きたかったのでありますが、時間もありませんので。
 もう一つ伺いたいのは、飼料生産拡大の具体策、これはどうなのかということであります。
 確かに、基本計画における生産努力目標では、先ほども指摘がありましたように、自給率現在二五%、一〇%を上積みしていくというんですから、何というかこれはかなり積極的にやらなきゃならぬなというような感じがいたします。
 ところが、いかなる飼料をどういう形で生産するかという話は出てこないです。現在示されておりますものは、自給飼料増産推進検討委員会の中間報告でしかありません。耕種農業と畜産農業を分離し、輸入飼料依存の加工型畜産ともいうべきいびつな日本農業のあり方を是正していく意味合いからも非常に重要な意味を持つわけでありますから、やっぱりもっと積極的に具体策を最初から出していくというぐらいのことがあってよかったんじゃないかと思うんだが、そこはどうなんですか。
○政府参考人(樋口久俊君) 今お話を申し上げました計画の中身を詳細に申し上げるには時間がございませんが、初めてつくる計画なものですから、私どもとしては相当思い切って数値を入れ込んで御提案をしようかと思っております。
 事例を御案内しますと、例えば寒冷地とか温暖地、暖地等々地域に分けて具体的にどういう機械体系でいくか、あるいは作付をする作物はどういう牧草でいくのか、あるいはどういうトラクターを導入するかとか、どのくらいの労働時間であれば大丈夫だろうかとか、かなり踏み込んだ数値を入れ込んだ計画で今検討しているところでございます。
 なお、この前提になります基本計画自身がまだ検討中でございますので、恐縮でございますが、数値自身はお示しできないということについては御理解をいただきたいと思います。
○谷本巍君 そうすると、今言われていたこと、これはいつごろになりますか、出てくるのは。
○政府参考人(樋口久俊君) 基本計画が策定されて順次手続を踏んでいきますと、私どもの腹づもりといたしましては年度内にお示しができればと思っております。
○谷本巍君 次に、基本計画はどんな営農形態を描こうとしているかということについて伺いたいと存じます。
 主業農家、これは作物別に出ておりますけれども、稲作主業農家で見てみますというと、三・七ヘクタール平均のものを平成二十二年には十二ヘクタール、三倍にしていくという見込みが立てられております。
 こうした例等々からしますというと、従来、農政が描いてきた未来像というのと今度の基本計画が描く未来像というのは基本的には変わるのか変わらないのか、私はそこのところを疑問に思うわけです。今求められておりますのは単作・専作型の規模拡大ではなくて、環境保全型、複合型、そしてより生産性の高いものということが私は今の時代求められているんじゃないかと思うんです。その点はどうなんでしょうか。
○政府参考人(竹中美晴君) 今後の農業構造の展望に関する御質問でございますが、新しい基本法では効率的かつ安定的な農業経営を広範に育てていこうということを目指しております。基本計画を決定いたします際には、こういった農業構造の姿を具体的に示すものといたしまして、いわゆる構造展望というものをお示しすることにいたしております。
 昨年、水田大綱を決定いたしまして、水田での麦や大豆等の本格的な生産を図ることにしておるわけでございますが、今回のこの構造展望では、こういった施策も踏まえた農業経営の今後十年程度の展開方向といたしまして水田作の土地利用型農業を中心に、全体としましておっしゃられましたような単作・専作化ではなくて、むしろ複合化がより今後進んでいくであろう、そういう見通しなりといいますか見込みを立てているところでございます。
 また、効率的、安定的な農業経営は、定義といたしましては、主たる農業従事者が他産業と同等の年間の労働時間で、地域における他産業と遜色のない生涯所得を確保し得る農業経営と、そういうふうに観念しているわけでございますが、こうした所得を農業だけで実現いたしますためには、効率的かつ安定的な農業経営に対しまして農作業の受委託等も含めました一層の農地の利用集積を推進することによりまして一定の経営規模を確保していくことはもちろん課題であり、必要であるというふうに考えております。
○谷本巍君 単作・専作型というのと複合型というのとはこれは全然違うんです、性格が。今の御答弁ですと、むしろ複合型化と言っておられましたけれども、そうすると基本は複合型追求というふうに考えていると、こう伺っておいてよろしいんですか。
○政府参考人(竹中美晴君) これまた農業の部門ごとにも違うわけでございますが、特にお話のございましたように、水田における農業経営ということを考えました場合に、大ざっぱに割り切って申し上げれば、稲作単作型から麦とか大豆とかを組み合わせたような複合型への展開が進んでいくであろうという見込みでございます。
○谷本巍君 どうもいま一つすかっとしない答弁でありますけれども、先に進みます。
 次に伺いたいのは、自給率の目標設定と目指すべき営農のあり方問題であります。
 自給率目標の設定は、品目ごとの生産努力目標として示されております。だからといって、生産努力も縦割り型、単品型を基本とするということではないんでしょうね。ここはどうなんでしょうか、簡潔にお答えいただきたい。
○政務次官(金田勝年君) 食料自給率の目標におきます生産努力目標につきましては、消費者あるいは実需者によりまして国内産の農産物が選択されますように、品目ごとに生産性の向上や品質の向上等の課題が解決された場合に実現可能な全国レベルの水準として掲げるものであります。
 この場合に、各地域におきましてそれぞれの実情や特性に応じた多様な営農類型の複合経営が展開されるなど、生産努力目標の達成に向けた自主的な地域の取り組みが行われることが極めて重要であるというふうに考えておるわけでありまして、御指摘のような単品専作生産でございますか、これに誘導することを意図するものではないと考えております。
○谷本巍君 極めてすっきりした御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 では、次に進みます。
 これは総括政務次官にお答えをいただきたいのでありますけれども、総括政務次官、地域農業の再建と生産の拡大を行うにはどうすればいいか。これは私の考えでありますけれども、地域の人と資源とそして技術、この三つをどう生かしどう結びつけていくか、私はこれが極めて大事だろうと思うのです。そういう発想に立ちますと、米の転作にしましても従来のような画一型転作、押しつけられ型転作、それとは違ったもっと主体的な取り組みが出てくるはずなんです。これまでも転作を逆手にとって地域農業再建を成功させたという例が、少数ですが、あります。あるところは、共通してみますというと、今申し上げたような発想で取り組んでいるということであります。そういう発想の中からやっぱり地域資源をどう生かすか、そして地域が全体として取り組むのにどうすればいいかという創意工夫が生まれるということであります。
 また、もう一つの特徴は、これまでのような原料生産にとどまってしまって、加工、流通などの付加価値はほとんど都市の方に下げていくというのとは違った発想が生まれてくるということであります。
 現にそういう事例が出ています。大豆生産でいいますというと、これは総括政務次官の地元の前橋で私が伺った話でありますけれども、地場に根づく加工技術との結合で委託加工をやった、それで豆腐をつくった。そうしましたところ、一俵六十キロ当たりの加工費を払った後の手取りが政府売り渡し価格に比較しますというと六割増しだったという話を伺いました。また、この地域では、転作の野菜であるとか納豆だとかみそだとか、特に地粉ですね、群馬の場合は。そして地粉を使った加工品、これなどを売る触れ合い直売市なんかをやっていますという話を伺いました。ここまで来ますとやっぱり地域の活力が生まれてきます。特に、規模拡大をこの場でやってきましたから。そういう中で、何といいましても残念なのは認定農家が地域から孤立しちゃっているということです。ところが、今申し上げたような動きが出てきたところでは地域全体が動いていくようになってきますから、認定農家を支える力が出てくるんです。
 ここのところが私は大事ではないかと思うんです。つまり、加工や地域流通というのが地域の人と人と農業とを結びつける、そういう役割を果たすということであります。集落崩壊が早くから進んだ西日本を見てみますというと、生き残ったところは大体そういうことをやってくることによって生き残っているという例が多いんです。こういう動きというのを、総括政務次官、どのように評価されておられるでしょうか。
 それから、もう一つ伺いたいのは、自給率向上には地域的条件を生かした、今申し上げたような自給の積み上げ、これが私は不可欠的に重要な意味を持つと思うが、その点いかがお考えでありましょうか。
○政務次官(谷津義男君) 先生御指摘のとおり、地域によりまして特産というのがあるんです。気候、土壌あるいは高低等によりまして、例えば昼夜の温度差があるところにはソバをつくるといいソバができるとか、そういうのもありますし、土壌によりまして生産品というのはかなり変わってきていいものができる。こういうものをやはり助長させていくことが非常に大事ではなかろうかと思うんです。ですから、減反しました跡地に一律的にこれをつくりなさいということも、これは麦とか大豆とか、こういう非常に不足しているものについては全国的にそういうことが大事ではあるけれども、やはり地域地域によって非常に大事だろうと思うんです。特に、今、農水省が各県の普及所に対しまして、その地域の土壌とか何かを全部分析して、何がそこが適地であるかというのを、そういう地図を全部もう配ってあるんです。そういうものを生かしながらつくっていくというのは非常に大事です。
 それから、もう一つ大事なことは、そこで加工するあるいは直売をする、これを地域でやっていくということはこれはまた非常に大事だろうと思うんです。そういうことで付加価値をつけて販売するというのは地域の活性化のためにも大きな役目を果たすのではないかと思いまして、先生の御指摘のとおりでありますので、これを農水省としては支援していきたい、かように考えております。
○谷本巍君 終わります。
○石井一二君 二院クラブ・自由連合の石井一二でございます。ラストバッターでございますので、大臣初め同僚議員、お疲れとは思いますが、ひとつよろしくお願いをいたします。
 私は、きょう、以下の五つのテーマについて通告をいたしております。一つは今後のWTO交渉、二つ目が中山間地域に関する件、三つ目が食料自給率の向上、四つ目が農水省構造改善局に関する件、そして最後が農地にかかる固定資産税についてでございます。こういった問題について聞こうと思っていたことが実はほとんど出尽くしておりまして、その間隙を縫ってできるだけダブらないように聞いていきたい、そう思いますので、簡潔、明快な答弁を期待いたしたいと思います。
 まず最初に、固定資産税でございます。
 御案内のごとく、農地には一般農地と市街化区域の農地があり、その中には一般市街化区域の農地と三大都市圏の特定市の市街化区域の農地がございますが、私が今懸念しておりますのは、この一般市街化区域の農地の固定資産税というものが徐々に徐々に高くなっていきつつあるのではないか。また、そういった現地では小作をお願いしたり委託農業に頼ったりするという中において、だんだんこの固定資産税の重さというがゆえに農業経営というものが苦しくなっていきつつあるのではないかというような懸念を持っておるわけでありますが、このことについて御所見があればまずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡辺好明君) 今御指摘のありましたように、農地に対する固定資産税は三つのグループに分けられております。一つは、先生がおっしゃられたような一般農地、それから三大都市圏の特定市の市街化区域内農地、その他の市街化区域農地と非常に大きな差がございます。千円から二十万円まであるというふうな状況でございます。
 先生が御指摘になられた固定資産税がじりじり上がってくるというのは、多分、昭和三十八年まで固定されていたものが五十年以降、農地価格の上昇に伴って一定の猶予措置をとった、それをだんだんに近づけていくという傾向の中で、最近の農地価格が下がっているにもかかわらず固定資産税が上がる、こういうことじゃないかと思うんですが、計算をいたしますと、通常の価格に、通常の税額に追いつくまでに二十年ぐらいかかる計算になります。
 やはり、この種のものというのは影響を緩和しながら、極力影響を避けながら正常な形に持っていくということが必要ではないかなというふうに思っておりますし、もし仮に市街化区域内においてこういった高い固定資産税を避けようとすれば生産緑地の指定を受けるということになって、これは三大都市圏の中の農地の約四〇%が生産緑地の指定を受けておりまして、こうなれば一般農地並みになるわけでございます。
 現状程度であれば農業経営に及ぶ影響はさほどではないというふうに思っておりますが、これから先、小作料の取り扱いも今の農地法の中で定額金納制というふうなものも御審議いただきまして、どのような形態での支払いも可とするというふうにさせていただきたいと思っておりますので、柔軟性は出るような方向を目指したいと思います。
○石井一二君 今、構造改善局長から極めて明快な、自信に満ちた御答弁をいただきましたが、本来ならばこれは私は自治省からいただくべき答弁であろうかと思うんです、地方税ですから。
 実は、三月八日の建設委員会において辻議員が同じような質問を衆議院においていたしております。そのとき、自治省は実にかたい答弁をいたしております。固定資産税は資産の価値に着目して課税する財産税だと、したがって払うのは当然という意味でしょう。また、周辺の住宅地区との課税の公平の観点からも当然だというような見解なんです。
 では、今、構造改善局長がいみじくも申された生産緑地の指定を受けたらいいではないか、確かに節税にはなろうかと思いますが、ではそれが近隣の他の土地と比べて公平かということになりますと、御承知のように大都市圏の農地で生産緑地の指定を受けて、例えば果物か何かを植えておって全然収穫もしなくて、ちりが落ちて腐っておろうが一応セーフだという判断に現実にはなっておると思うんです。そういう面から見ればこれは抜け道であって、必ずしも近隣との公平感が保たれていない。
 政治は生き物ですからそういった面もあろうかと思いますが、要は、私が懸念いたしますのは、そういった地方の市街化区域の農家というものの経営が苦しくならないように、あなたは二十年かかるから大丈夫だと言われましたけれども、ひとつそういうことを頭の中に置いていただいて今後農政に励んでいただきたい、そのような要望をしておきます。
 続きまして、第二番目に、私は麦について若干質問をいたしたいと思います。
 きょうは大臣の御答弁の中で、自給率を上げるために麦とか大豆の生産もどんどんやるんだというような答弁もございましたし、また平成二十二年をめどにして四五%というような口角泡を飛ばした論議もこの委員会において行われたわけでございます。
 昔、池田勇人内閣総理大臣が、貧乏人は麦を食えということでいろいろ物議を醸しましたし、先般、テレビを見ておりますと、今農地で、田んぼにおいてゴルフをするのがはやっているということが紹介されておりまして、乾田になっておるから、そこで打ってバケツぐらいの大きさのホールへ入れる。農家の人が冬の間楽しんでおられるわけであります。
 私は、なぜ二毛作をもっともっと推奨して、乾田を利用して麦をつくらないのかなと絶えず思っておったわけであります。私自身も小さいころ田舎に疎開しておりまして麦をつくったことがございますが、麦踏み程度と最初植えるとき程度ですが、これはばあっと溝にまいていけばいいわけですから非常に手間がかからない。
 それで、過去を見ておりますと、例えばかつて昭和二十七年、池田さんがそういうことを言ったころには約四百万トン生産しておりましたが、今は七百万トンを超える輸入をしておる。幸か不幸か、この輸入した麦がもうかるために食管会計の上では麦は輸入した方がいいんだということで、必ずしも麦の国産化を進めていくということに対して大蔵省や食糧庁は私は賛成ではないのじゃないかなという気がするわけです。
 最近のいろんな記録等を見ておりますと、平成十二年よりいよいよ麦を本格的につくるということで七万円余の補助金というものも十アール当たり出すというようなことも出ておりますが、このことについて、今後のしかとしたターゲット、方向づけについて農水省のお考えを聞いておきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、麦については、畑作営農あるいは水田営農の確立を図る上で、また自給率の向上を図る上でも非常に重要な作物であるというふうに考えているところでございます。
 こういう観点から、担い手による生産体制の整備、あるいは実需者のニーズに対応した生産、また品質、種類の向上、安定化等々を進めまして、畑作あるいは水田裏作、また転作といった麦の生産形態に応じまして、麦生産の定着、拡大を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○石井一二君 官房長、私は今、大蔵省とかあるいは食糧庁あたりは余りハッピーじゃないのではないかと申しましたが、あなたの御推測でもいいんですが、他の省庁のそういったお考えについてどのような御所見をお持ちでしょうか、増産をしていくということについて。
○政府参考人(竹中美晴君) 麦の増産ということにつきましては、ただいま農産園芸局長からも話がありましたとおり、今後の水田農業の振興を図っていく上で大変重要な作物である、このことにつきましては、政府内において異論といいますか、意見の食い違いはないのではないかというふうに考えております。
○石井一二君 わかりました。
 では、そういうことでどんどん麦も増産していただく、自給率も上げていく、そういう面で我々は今後発言をし、またいろんな意味で審議をしてまいりたい、そのように思うわけであります。
 次に、渡辺さんお待ちかねの農水省構造改善局絡みの不祥事でございますが、これは質疑をしておって余り愉快な話でもございませんので、ヒートアップせずに冷静にひとつまたお願いしたいし、また私もそういう観点で若干今まで同僚が聞かなかったことを拾い上げてみたいと思うわけであります。
 そもそも、渡辺局長が大臣の訓令を受けて調査委員長におなりになった、そういうところから一連のストーリーが始まるわけであります、もちろん事件そのものはその以前にあったわけでありますが。それで、私は思うのでありますが、調査委員会というのは当初から第三者が、例えば官房長みたいな方がやられるべきであって、自分の局内のことをまず局長である自分が調べるということ自体に問題があったんじゃないか。最初お引き受けになるときに局長、ちょっとこれはまずいよ、自分の仕事じゃないよというような気がされなかったですか。その辺いかがですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 私は、別な意味で自分が引き受けるべき仕事だと思っておりました。
 といいますのは、構造改善事業の執行体制の適正化に関する委員会なわけでございます。よくほかの方々に、なぜ公共事業一般をやらないのかとか、構造改善局の中にあるからどうだとかというお話をされるんですが、倫理は厳然とした倫理規程がございます。ただ、構造改善事業、つまり非公共事業については執行体制が必ずしも透明性を持った客観的なものでなかったというところに根源がございますので、やはりこれを正してきちんとした姿にするのが私の責任であろうというふうに考えました。
 したがいまして、倫理と構造改善事業の執行の適正化、両方を実現するために、この調査委員会の調査主任たちは官房から六人、構造改善局の構造改善事業課それから地域振興課を除く課から五名という形で選んだわけでございます。
○石井一二君 そういって発足した割には、二回、三回と追加の処分者が出まして、あれあれと思って見ておったわけであります。
 きょう同僚議員が公共部門と非公共部門についてお伺いした中で、非公共部門はたかだか三百億程度だというような御発言もございました。構造改善局は、農林水産省の予算三兆四千億のうちの約四割を超える一兆三千八百八十億円、その八割が公共部門。今、公共部門については非常に自信を持っておる、うまくいっているんだというような感じの御発言ですが、今後またぼろぼろとそういった面で何か出てくるというような御懸念を全然お持ちじゃないんですか。その辺いかがですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 自信とかうまくいっているとかではなくて、システムの問題として、農業農村整備事業に関しては事前評価、再評価、事後評価、それから入札の仕組み、そして入札監視委員会というシステムがきちんとできております。それに対して非公共はそのシステムができていなかったということを申し上げた次第であって、たかだか三百億円ということを申し上げたわけじゃないんです。
 それから、先ほどの構造改善局長が引き受けたということの中に、もう一つ三点目のお話をしておいた方がいいと思いますが、やはり対象になりました課が、課といいますか事象が、構造改善事業課と地域振興課の言ってみると対策室、ここに限定をされておりましたので、やはり構造改善局において責任を持って調査をするのがふさわしいというふうに思ったわけでございます。
○石井一二君 きょうの同僚議員の質疑の中で郡司委員が、たしか九六年の十月八日に森田前局次長が橋の竣工式に出席したというようなお話があったかと思います。その費用をどっちが出したかということでちょっと答弁と食い違っておりましたが、それはちょっと置いておいて。
 その橋の中央にある記念碑に森田局次長の名前が彫られていた。この事実について、こういうことは一般的な慣例なのかどうか。自分が予算取りして一生懸命やった、そこへ自分の名前を入れていくという、役人さんの、その辺の局長の御所見、もしあればお伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡辺好明君) 極めて異例中の異例で、現役の国家公務員としてそういうことはなすべきでないと私は考えます。
 ただ、この事象は、森田君が望んで、あるいは賛同をして名前を入れたのではなく、村長がみずからの御判断で入れたということで、それはそういったものにふさわしくないということで後から削られたというふうに聞いております。森田君が名前を入れることを頼んだものでもなく、また了承したものでもないと本人から聞いております。
○石井一二君 今、現役の公務員という現役のというところに力が入っておったように私は聞いたんですが、ではOBの方であればいいと、そういうことですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 言葉が足らず失礼いたしました。
 例えば、現役をおやめになって、元国家公務員で村長に立候補し村長になる、その村長の名前を彫るというふうなことはあり得ることでありまして、およそ国家公務員の立場として、過去に世話になったからとかそういうふうなこと、あるいは現在世話になっているからとかいうふうなことで名前が掲げられるということは、私はこれはあってはならないことであると思っております。
○石井一二君 元現役で卒業されて、こういった分野に絶大な影響力のあるお立場で名前に入っているという碑が少なくとも十六ぐらい私の知っている範囲であるんです。
 そういった中で、では局長、興味本位というとおしかりを受けますが、何十か何ぼか知りませんが、一回調査していただいて、もしあれば、こっそりでも結構ですから、数をお教えいただきたい、そのように思いますが、一遍調査をしてみてもいいとおっしゃいますか、いやそんな必要はない、そんなものはないとおっしゃるか、いかがですか。
○政府参考人(渡辺好明君) むしろ、先生から資料をちょうだいしまして、どんなものか自分の目でも見てみたいと思います。
 恐らく、ここから先は推測の世界ですけれども、何らかの肩書があって民間人として名前を彫られていることと思います。
○石井一二君 この一連の事件が間もなく終息することを期待しておりますが、一人、構造改善局のOBで検察庁に呼ばれて事情を聞かれた方がある、そのように私は聞いておりますし、また「選択」とか「週刊宝石」とかに具体的な記事も載っておるわけでありますが、あなたはそういった検察庁に招致されて事情聴取を受けたというようなことのお話をお聞きになったことはございますか、いかがですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 私自身はそのような事実を聞いたことはございません。
○石井一二君 どちらかの政務次官、お聞きになったことはございませんか。
○政務次官(谷津義男君) 私も聞いておりません。
○石井一二君 恐れながら大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 聞いておりません。
○石井一二君 その明くる年に、その直後にこの方が自分のところのマンションの屋上から飛びおり自殺をした、その結果、事件が終息したのではないかというようなことが報じられておるわけでありまして、私はそういった意味でこれだけいろんな雑誌とか記事とかある中で、御多忙な大臣、政務次官がお聞きになっていないということもいたし方ないかと思いますが、こういった問題は非常に重要なことでございますので、また後でコピーをお届けいたしますので、一度御一読を賜りたいと思います。
 では、以上で本日の質問を終わります。
○委員長(若林正俊君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二分散会