第147回国会 交通・情報通信委員会 第15号
平成十二年五月九日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     吉田 之久君     直嶋 正行君
     大沢 辰美君     筆坂 秀世君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     吉田 之久君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     筆坂 秀世君     大沢 辰美君
     宮本 岳志君     笠井  亮君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     笠井  亮君     宮本 岳志君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         齋藤  勁君
    理 事
                景山俊太郎君
                釜本 邦茂君
                簗瀬  進君
                弘友 和夫君
                渕上 貞雄君
    委 員
                岩城 光英君
                加藤 紀文君
                鹿熊 安正君
                鈴木 政二君
                田中 直紀君
                野沢 太三君
                山内 俊夫君
                谷林 正昭君
                内藤 正光君
                吉田 之久君
                日笠 勝之君
                大沢 辰美君
                笠井  亮君
                宮本 岳志君
                岩本 荘太君
                戸田 邦司君
   国務大臣
       運輸大臣     二階 俊博君
       郵政大臣     八代 英太君
   政務次官
       運輸政務次官   鈴木 政二君
       郵政政務次官   小坂 憲次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       警察庁刑事局長  林  則清君
       警察庁交通局長  坂東 自朗君
       法務大臣官房審
       議官       渡邉 一弘君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       文部省学術国際
       局長       工藤 智規君
       厚生大臣官房障
       害保健福祉部長  今田 寛陸君
       厚生省老人保健
       福祉局長     大塚 義治君
       運輸省運輸政策
       局長       羽生 次郎君
       運輸省鉄道局長  安富 正文君
       運輸省自動車交
       通局長      縄野 克彦君
       運輸省海上交通
       局長       高橋 朋敬君
       運輸省海上技術
       安全局長     谷野龍一郎君
       運輸省航空局長  岩村  敬君
       建設大臣官房審
       議官       山本繁太郎君
       建設省道路局長  大石 久和君
       自治大臣官房長  香山 充弘君
       自治省行政局選
       挙部長      片木  淳君
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  本日の会議に付した案件
○運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査
 (西日本鉄道バスジャック事件に関する件)
○政府参考人の出席要求に関する件
○高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用し
 た移動の円滑化の促進に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○電気通信事業法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)

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○委員長(齋藤勁君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨八日、宮本岳志君及び筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として笠井亮君及び大沢辰美君が選任されました。
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○委員長(齋藤勁君) 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査のうち、西日本鉄道バスジャック事件に関する件を議題といたします。
 去る三日、発生をしました西日本鉄道バスジャック事件により乗客に多数の死傷者が出ましたことはまことに哀悼痛惜にたえません。
 お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、負傷された方々の一日も早い御回復をここに委員会を代表いたしましてお祈り申し上げます。
 それでは、政府から報告を聴取いたします。二階運輸大臣。
○国務大臣(二階俊博君) 去る五月三日に、西日本鉄道株式会社の佐賀発福岡行きの高速バスにおいてバスジャック事件が発生しました。
 常軌を逸した犯人の行為により、とうとい人命が失われるとともに、多数の乗客の方々が長時間人質として拘束されるような事態となったことは極めて遺憾であります。
 運輸省としては、今回の事件を十分分析し、バス業界及び関係行政機関とともに今後のバスジャック事件への対応のあり方を検討する必要があると考えています。
 このため、昨日、日本バス協会に対し、自動車交通局長より、バスジャックが発生した場合における統一的な対応マニュアルの策定や迅速な連絡通報手段の整備を中心に早急に検討を行うよう通達を発出しました。
 これを受けて、日本バス協会においては、バスジャック対策検討会議を設置することとしておりますが、運輸省としても同協会とともにバスジャック事件に対する適切な対応のあり方を検討してまいる所存であります。
○委員長(齋藤勁君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。
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○委員長(齋藤勁君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁刑事局長林則清君、同交通局長坂東自朗君、法務大臣官房審議官渡邉一弘君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、同学術国際局長工藤智規君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省老人保健福祉局長大塚義治君、運輸省運輸政策局長羽生次郎君、同鉄道局長安富正文君、同自動車交通局長縄野克彦君、同海上交通局長高橋朋敬君、同海上技術安全局長谷野龍一郎君、同航空局長岩村敬君、建設大臣官房審議官山本繁太郎君、建設省道路局長大石久和君、自治大臣官房長香山充弘君、自治省行政局選挙部長片木淳君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(齋藤勁君) 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○野沢太三君 自由民主党の野沢太三でございます。
 思いがけないバス乗っ取り事件が発生いたしたために、冒頭に乗っ取り関連の質問を行いまして、その後にバリアフリー法案にかかわる質問に入りたいと思います。
 バスは、私どもにとりまして最も身近な公共交通機関でありまして、利用者にとりましても、家庭や隣組のつき合いの延長ということで利用されている方が多いのではないかと思います。
 今回のような事件は全く想像を超えるものでございますけれども、過去にさかのぼって調べてみると、幾つかやはり事例があるわけでございます。また、諸外国等では相当厳しい事件も発生をしているような状況にございまして、これに対してしっかりした対応、対策をこれからの時代は考えていかなきゃいかぬのじゃないかと思うわけでございます。
 亡くなられました方には本当にお気の毒でございましたが、心から御冥福をお祈りし、また、けがをなさった方の一日も早い回復をお祈りすると同時に、私どもとしては再発防止に向けて全力を尽くす必要があると考えますが、大臣のお考えを改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 先ほども当委員会の委員長から、お亡くなりになりました犠牲者の方に対する御冥福をお祈りされるお言葉がございました。私もまた、心から哀悼の意を表したいと存じます。
 まことに常軌を逸した本当に心ない犯人の行為によりましてとうとい人命が失われたわけであります。多数の乗客の方々が長時間人質として拘束されるような事態となったことは極めて遺憾であります。
 私も、当日運輸省に参りまして、ほどなく事務次官、官房長、自動車交通局幹部等集まりまして、いかような対応をとるかということにつきましても、最初は九州運輸局長と連絡をとったりいろいろ対応いたしておりましたが、だんだんとその範囲が拡大をしてまいる。青木内閣総理大臣臨時代理とも連絡をとりながら、官邸の最終的な御判断は、現地の警察の対応にお任せをしてしばらくこの様子を見守るということでございましたが、未明に至り、皆様も既に御承知のとおりのような経過で、警察当局の大変勇敢な適切な行動によって犯人を取り押さえることができましたことはせめてものことでございますが、まことに残念であり、悔やんでも悔やみ切れない思いでございます。
 また、まだ小学校一年生というようなああいう小さなお嬢さんが長い時間にわたって恐怖の中にずっと我慢をしておったその様子、またその背後にある御父兄や御親戚の皆さん等、すべてのバスに乗っておられる方々の背景におられた皆さんや、西鉄もまた被害者の一人でもあるわけでありまして、関係者の皆さんの大変な御苦心に対しまして心から御同情を申し上げるとともに、こういうことが二度と起きることのないように未然に再発防止するために何をなさなくてはならないか、極めて難しい課題であることは当然でありますが、運輸省としては、今回の事件を十分分析し、バス業界及び関係行政機関とともに今後のバスジャック事件への対応のあり方を検討する必要がある、こう判断しまして、このため、バスジャックに関する事業者、行政の関係者等における統一的な対応マニュアルの策定等の検討を行うよう、日本バス協会に対し、昨日、自動車交通局長から通達を発したところであります。
 また、昨日、西鉄の社長も上京してまいりましたので、今後の対応等について、特にその後のいろんな調査、詳細にわたってのいろんな事件に対する反省等も含めて、日本バス協会とそして運輸省と一緒になって対応しよう、そしてまた警察当局等のいろんな適切な御指導、アドバイス等をいただきながら、ともに対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○野沢太三君 今回、休日中でもございまして、私も報道を逐一拝見したんですが、現場における警察官の対応、それから報道のあり方、そしてまた官邸における危機管理の取り組み、さらには外遊中の総理の指示までいただきながら対応できたという点については、これ以上の取り組みはなかったかと思いますが、残念ながら人質にとられた方が一人お亡くなりになり、多数の方がけがをされたということは大変悔やまれるわけでございます。
 この点につきまして、何とか犯人の説得とあわせて、警察官が実力行使で突入をしまして最初にとまりました奥屋パーキングの段階で救出を図ることができなかったかどうか、これについて警察庁のお考えを聞きたいと思います。
○政府参考人(林則清君) 御指摘のように、一刻も早く人質を救出するということは、被害者はもとより国民の願いであるとともに、当然の警察の使命であると強く認識しておりました。
 若干経過を申させてもらいますと、本件は、五月三日の午後一時三十分過ぎに発生したものでありますが、警察が認知したのは午後三時ごろでありました。
 警察では、直ちに関係県警察が連携しまして、バスの運行状況を見きわめつつ、犯人を刺激せずに安全に停車させるための措置、まずこれに全力を尽くしまして、午後五時五十分ごろ、その準備が整った奥屋パーキングエリアに停車をさせることに成功したわけであります。
 奥屋パーキングエリアにおきましては、御指摘にもありましたように、広島県警察では直ちに犯人の説得を開始するとともに、車内の状況確認に努めたわけであります。このとき、実は犯人は人質の少女を抱えて刃物を突きつけたままの状態が非常に多く、非常に興奮した状態でありまして、次々要求を出すなど、全くすきを見せないというような状況でございました。また、車内には負傷者もいる模様でありました。このために、説得に当たった捜査員は、まず犯人を落ちつかせるために意思の交流といいますか、人間関係の形成に努めて、要求に応じて飲み物等を差し入れ、午後六時四十分ごろから七時三十分ごろにかけて、負傷している人質三名の解放が可能になったわけであります。
 広島県警察では、当初から突入による人質救出も念頭に置いてその機をうかがっておったわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、犯人が肉体的にも精神的にも疲れた様子がない、そして少女を抱えた状態のまま全くすきを見せなかったことから、犯人との駆け引きを繰り返しながら説得を続けざるを得なかったものであります。
 このような状態が続いて、午後九時三十分ごろに至り犯人がいら立ちを大変強めまして、さらに東の方へ行くようにバスの移動を強く要求しまして、これに応じなければ危険があると認められましたことから、約二十キロメートル先の小谷サービスエリアにバスを移動させて、午後十時ごろからさらに継続して説得を重ね、翌日四日に至りまして、零時三十分ごろまでに二名の人質を解放させております。
 広島県警では、それと並行しまして、説得を継続しておる間に把握できました車内の状況あるいはバスの車体構造を研究しまして、突入に向けて捜査員の配置を検討するとともに入念な訓練を実施して突入の機をうかがっておったわけでありますが、午前五時ごろになりまして、説得を継続しておりました捜査員の報告に基づき、犯人が疲労の色を見せ始めた反面、それだけにこれ以上放置すると焦燥に駆られて人質に具体的に危害を加えかねない状況が認められたということと、一面、犯人が疲労による気の緩みから人質の少女から少し離れたところに位置しまして安全な救出の可能性といいますかチャンスが生じたということから、この機をとらえまして突入を決断し、人質の無事全員救出、当時残っておられた人質の救出が図られたわけであります。
 お尋ねのように、警察では奥屋パーキングエリアでの突入の可能性、これを一番我々としてもねらったわけでありますが、今申し上げましたように、人質、特に犯人が傍らに置いておりました少女の安全の見地から、奥屋パーキングエリアでは残念ながらその突入を図ることができない状況にあったというのが現状でございます。
○野沢太三君 大変努力をしていただき、またこの結果も私は最善の結果ではなかったかと思いますが、いずれにいたしましても事件としては大変悔やみが残りますが、その中で特に時間との勝負というのが一つあろうかと思います。
 今回は、乗っ取り発生後一時間以上経過した後に、トイレに出た女性からの電話でまず第一報が入りまして、ただいまもお話がありましたように警察として認知していただいたのは三時だと、こういうことになりますが、それまでの間、結局この犯人はバスの中でひとり天下ということになったわけでございます。
 何とかひとつバスジャックされたことを犯人に気づかれずにバスの外部に通報する手段というものが開発できるんじゃないかと思いますが、これについて運輸省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(縄野克彦君) お答え申し上げます。
 今回のバスジャックの対象となりました西日本鉄道における対応マニュアルにおきましても、事情が許せば、例えば外部に非常事件の発生を知らせるため方向指示灯の非常点滅を行うとか、連絡可能な場合は電話で一一〇番をするとかいうことの対処方針というものを乗務員に徹底したところでございますけれども、現実には犯人との関係でそのようなことは不可能であったということでございます。
 御指摘のように、迅速に警察を初め外部に対して犯人との関係を念頭に置いて連絡をすることが極めて重要であるというふうに思っております。このような手段について、どのようなことが最もいいのかということについて、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、関係行政機関、専門家の意見もよくお聞きしまして、具体的な結論を出すべく検討したいと思っております。
○野沢太三君 最近は家庭でも、例えば玄関にどんなお客様が来たかということが屋内から姿形、声を含めて確認してからドアをあける、こういう装置が既に開発されて、私のうちでもつけているんですが、ごく簡単なこれは費用でできる。それから、マンションのエレベーターなんかの中でやはり密室ということで問題が出ることがあったために、今私どもの住んでいるマンションでも、エレベーターの中をカメラで写したのを管理人の部屋で全部大きなモニターテレビに映している。
 こういうことを既にやっておるわけでありますが、バスの内部に車内が見渡せるような監視カメラなんかを置きまして、この映像が外部からモニターできるというような方法も考えられないか、こう思うわけでございます。高速道路もITSの技術を使いましていろいろと今ハイテク化している事情でございますから、せめてこのような保安手段を考えていただくことも今後の検討課題に加えていただきたいと思いますが、所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(縄野克彦君) 先ほど御説明申し上げましたように、具体的な防止策につきましては、今御指摘のことも含めて検討をして具体的な結論を得たいと思っております。
 その際に、通常の状態での利用客の心理、そういうことと、こういう非常事態における安全の確保ということについてどのようなバランスをとって考えるかということが一つの問題であろうかと思いますので、御指摘の点も含めてよく検討をしたいというふうに思っております。
○野沢太三君 高速バスの内部が密室性ということで、飛行機の中とある程度似たような状況が生まれているということで、犯人が異常心理に陥ると、こういったこともあったのではないかと拝察をされます。ぜひひとつその点につきましてもなるべく早く、こういうものはやってもむだなんだと、全部ほかの人に知られているんだということが一つの抑止効果にもなるんじゃないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そういう中で、十七歳という年齢ということを改めて考えるわけでございますが、さきに、通りがかりに民家に押し入りまして、人を殺す経験をしてみたかった、こういう人もいる。あるいは五千万の恐喝を繰り返す。いずれも十七歳前後の少年であるということからいたしましても、ただいま国会に既に提出されておりますが、少年法をできるだけ早く審議いたしまして、これについて実効あらしめることが何よりも今緊急に国会に課せられた課題ではないかと私は思うわけでございます。
 既に与党としてもそのような方向で取り組みを始めておりますが、法務省の御見解をこれについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡邉一弘君) お答えいたします。
 御指摘のように、最近少年による社会の耳目を引く凶悪事犯が相次いでいることはまことに憂慮すべき事態であると考えております。
 このような社会的関心の高い事案を含めまして、適正な少年審判の実現のためには、その基礎となる事実認定が的確に行われることが前提となりますところ、近時種々の事件を契機に少年審判における事実認定の手続のあり方が問われるに至っておりまして、法務省におきましては、委員御指摘のように昨年の三月、少年法の一部を改正する法律案を国会に提出させていただいているところであります。この法整備の重要性、緊急性にかんがみまして、国会において十分御審議をいただき、皆様の御理解を得て、一日も早く成立させていただきたいと思います。
 なお、これと並行しまして、少年法の改正に関しましては、自由民主党の少年法に関する小委員会におかれましても、少年審判における事実認定手続の適正化のための法改正を早急に行うべきであるとされたほか、少年法における刑事処分可能年齢である十六歳を刑法における刑事責任年齢である十四歳に引き下げることなどについての改正作業を進めるとともに、各党の理解を得ながら法案の提出、成立を目指していくなどとされているところであると承知しております。
 法務省といたしましても、このような御議論、御意見を踏まえながら、引き続き検討をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○野沢太三君 いずれにしても、この問題は国会の責任にかかると私は思いますので、これから関係各党とも十分な御協議を繰り返しまして、できるだけ早く結果を得たいと思うわけでございます。
 それでは、本題に入るようにいたしたいんですが、その前にもう二点ほど、前回の日比谷線の脱線事故に関して重要な勉強が進んだようでございますので、お伺いをいたしたいと思います。
 私、前回のこの委員会における質問の中でも指摘を申し上げましたが、大変難しいこれは現象であると。すべての構成要素、線路、車あるいは速度、そういったものがいずれも許容の範囲に入っておる中で発生した脱線事故であるということからして、この原因究明には徹底的な取り組みが必要だということを御指摘したつもりでございます。
 そして、その一つとして再現試験というのも大いにこれは効果があるということでお願いをしたわけですが、先月末に四日間にわたっての再現試験をしていただいた結果がある程度まとまったようでございますが、これについての御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) お答えいたします。
 営団日比谷線中目黒駅の脱線衝突事故の原因究明のために、先生御指摘のように現地試験を四月三十日未明まで延べ四日間のスケジュールで終わったところでございます。
 この試験では、レールの塗油の有無、あるいは車輪の輪重差の大きさといった設定条件を幾つか変えながら、あるいは惰行運転、力行運転など、そういう条件を変えて八つの走行パターンで測定を行いまして、合計で六十一回の試験走行を実施いたしました。
 この現地試験の結果、車両のいわゆる左右の輪重差や車輪とレールの間の摩擦係数が大きいという場合には脱線係数が大きくなるということが確認されております。また、一部の走行において、脱線箇所付近で車輪がややレールから浮き上がるという状態も確認されております。
 こういう状態が直ちに脱線につながるかどうかということはまだこの時点で判断できませんけれども、今後、事故調査検討会において今回得られました多くのデータの詳細な解析を行いまして、あるいはシミュレーションを行いまして、脱線に至るメカニズムの解明に努めていきたいというふうに考えております。
○野沢太三君 計六十一回にわたります通過試験の中で、数回にわたって車輪が浮き上がったというようなビデオの写真も私も拝見をいたしました。これは直ちに脱線につながるものではないとは申すものの、とにかく起こった事実はこれは重いわけでございます。
 まだまだ解明すべき点が多いと思いますので、引き続きの御努力をお願いするといたしまして、毎日ここには何百両もの車両が通過し、何十万人ものお客さんが乗っている線路そのものでございますから、これに対する安全の担保というものがどうしても必要だということで、脱線防止ガードをつけていただくよう、これは既に手配をしていただいていると思いますが、その進捗状況についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のように、この事故の再発防止のため運輸省としまして、全鉄道事業者に対して当面の緊急措置として、半径二百メートル以下の曲線部のうち、出口側の緩和曲線部につきましては可及的速やかに、またそのほかの区間についてはできるだけ早期に脱線防止ガードを設置するように通達で指導したところでございます。
 ただ、これに先立ちまして営団の方では、今回の事故発生箇所につきましては、事故が発生した三月八日当日に、出口側の緩和曲線部、延長で約六十メーターにわたって脱線防止ガードを設置しております。
 先ほど申しました通達を受けまして、現在営団の方では実施計画を策定いたしまして四月十七日に提出しているところですが、その実施計画によりますと、半径百四十から二百メートル以下の曲線百五十六カ所、うち日比谷線では三十六カ所ございますが、について全路線の設置完了は六月中旬に、日比谷線の設置完了は五月下旬に行うこととして、現在設置工事中でございます。
 五月八日現在の進捗状況でございますが、少なくとも曲線半径百六十メートル以下の区間については全路線すべて完了しております。また、半径百六十から二百メートルの曲線部のうち出口側の緩和曲線部につきましては全路線で約八割が完了しておりまして、日比谷線ではすべて完了しているというふうに報告を受けているところでございます。
○野沢太三君 鉄道は、大変安全な乗り物という評価をいただいて、また実績もあるわけでございますけれども、まだまだわからないものがある。相当経験的なこれ工学でもございますから、今回の事故に関しては引き続きの解明努力をぜひ継続していただきまして、安心して乗れる地下鉄、安全な鉄道と、こういった評価をますますひとつ固めていただきたいと思うわけでございます。
 それでは、時間も経過いたしましたので、バリアフリー法案の御質問を申し上げたいと思います。
 この法案は、私、先回は時間がなくて一問しかできませんでしたので、残りの質問に加えまして現場視察の結果等も加味しながらお話を進めたいと思います。
 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案と大変長い名前でございますので、バリアフリー法案と略称させていただくことにいたしますが、この法案を立案する経過の中で大変各方面の御協力をいただき、久しぶりに運輸省としてはいい法案を出してくれたなと思うわけでございます。
 一輸送というよりも社会のあり方そのものにかかわるこれは問題であり、かつ地方の皆様にも当事者能力と責任感を持たせていただいた、お金もしかし出していただきますと、こういう仕組みになっておりまして、このような法案がどんどん出せるようになると政府の評価も上がっていくんじゃないかな、こう思うわけでございますので、しっかりひとつこれからもこれを実効あらしめるよう努力をしていかなきゃいかぬかなと思っておるところでございます。
 それで、今回の法案を見てまいりますと、その意味で既に建設省で出していただいておりますハートビル法というのがありまして、公共的な人の集まる建物について、このバリアフリーの考え方が大幅に取り入れられた町づくりを進めようということになっておるわけでございます。また、現在進行中の中心市街地活性化のプロジェクトのうち約八割くらいが鉄道の駅を中心に、あるいはそれと関連して町づくりを進めよう、こういう話になっていると認識しておりますが、ぜひひとつその意味で、基本方針を立てる場合、さらには市町村で基本構想を策定する場合に、十分にこのバリアフリーという考え方あるいはノーマライゼーションという考え方、そして利用者全体につながる設計、これをしっかり考えて進めていただきたいと思うわけでございまして、これに関する建設、自治省それぞれのお考えを聞きたいと思いますが、最初に建設省、お願いします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 中心市街地活性化法に基づきます市町村の基本計画の大部分が駅を中心とした市街地を課題地域として取り上げていることは御指摘のとおりであります。
 これらの基本計画におきましては、歩行者の快適な歩行環境を整備する、あるいは町をバリアフリー化するということを課題として取り上げておりまして、そういう意味で、今回のこの法律によりまして、すぐれて実効性のある政策手段が適用されるといいますか強化されるという認識であります。
 その意味で、市町村において策定し実施する中心市街地の活性化に係る基本計画とこの法律に基づく基本構想が、現場において一体的に実施されるということが非常に大事だと思っておりまして、その観点から、建設省としましてもいろいろな制度を駆使しまして積極的に応援していきたいというふうに考えております。
○政府参考人(香山充弘君) お答え申し上げます。
 御指摘の活性化計画の方は中心市街地の活性化を目的とするものでありますけれども、その手段といたしましてもバリアフリー化というのは極めて重要な要素であると考えられます。現実に、これまで基本計画がかなり策定されておりますけれども、その中でも、町並みの景観整備でありますとか公園等憩いの場の整備等と並びましてバリアフリー化というものを掲げているものが数多く見られます。
 活性化基本計画の方もバリアフリー法案の方も、いずれも良好な町づくりという目的のもとに市町村が作成するものでありますから、十分両者の連携がとられながら進められていくものと考えております。
 自治省といたしましても、そのような市町村の総合的な取り組みについてできるだけの支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
○野沢太三君 再三申し上げますが、市町村が自分が主人公になって仕事を進めるということに大きな私意義を見出しているわけでございます。既に地方分権法が通っておりますけれども、あの分権法をまさに一つずつ裏づけていく、具体化していく、そして財源もくっつけていくということが非常に重要でございますが、今回ちょうどその意味で、国が三分の一、地方三分の一、あるいは事業者が三分の一と、それぞれ三位一体協力し合ってやるというところに大きな意義があると見ておるわけでございます。
 ただ、国も地方も相当苦しい、特に地方では火の車の自治体も多々あるという私ども認識をしておりますけれども、この辺の財源措置その他を含めましてどのような裏づけをしていくか、お答えをいただきたいと思いますが、まず国の方からひとつ。国は最初、これ補正予算から入ったんですね。今回は当初予算の位置づけをいただいたようですが、その意味も含めてどの程度の裏づけを考えているか、お願いします。
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のように、国の方の財源、予算といたしましては、当初、平成十年度の補正予算において約八十億ほどの補正予算を確保してこの推進を図ってきたところでございますが、補正予算ですと短期的な形にしか対応できないということで、平成十二年度の予算におきまして、我々として鉄道駅におけるバリアフリー化に関しましては約八十億円を確保したところでございます。
 具体的には、交通施設バリアフリー化設備整備事業ということで約三十三億円、それから鉄道駅移動円滑化施設整備事業費として十四億円、それから地下高速鉄道整備事業の内数としてバリアフリー化関連で三十一億円、計約八十億円でございますが、運輸省としましては、この平成十二年度予算の確保状況をこれから我々としても継続していくということで、今後とも所要の予算の確保に努めてバリアフリー化の促進に寄与していきたいというふうに考えております。
○政府参考人(香山充弘君) お答え申し上げます。
 交通施設バリアフリー化事業のための補助金、これは三分の一という補助率になっておりますけれども、これは、事業促進という観点と、国、地方団体、民間の適切な役割分担という考え方を勘案して定められたものでございますけれども、この事業、実績も上がっておりますし、また三分の一の地方負担に対しましては特別交付税による財源措置を講じまして、すべての地方団体におきまして円滑に事業実施ができるように私ども期しておるところでございます。
 なお、御指摘にありました地方分権ということに相なりますと、地方団体が地域の実情に応じて自主的多様な取り組みをすることが大切になってまいります。このためには、補助事業のほかにも地方単独事業というのが重要な意味を持ってまいります。
 自治省の方では、そのため、バリアフリー化のための単独事業に対しまして後年度元利償還費を交付税で措置するという地域総合整備事業債によって支援をすることにいたしておりまして、現在四百億円の規模の起債枠を用意しております。また、今回の法案に際しまして、新たに民間の交通事業者に対しまして地方団体が補助を行う場合には、その経費に対しまして新たに地方債を発行できるような措置を講じております。
 これらの措置を今後活用いたしまして、地方団体が積極的にバリアフリー化に取り組んでいただけるよう応援してまいる所存でございます。
○野沢太三君 そこで、もう少し今度は具体的な話に入りたいと思うんですが、市町村のつくる基本構想の中で駅前広場はやはり大きな項目として大事な課題であろうかと思いますが、これを実際に進めてみると、そこへ乗り入れてくる自転車が放置されて大変歩行の障害になる。自転車そのものはエコロジーの時代に大変適した乗り物でもあり、私どもはこれに関してはしっかりした市民権を与えていかなきゃいかぬ。例えば自転車専用道路あるいは広い歩道、それから駐輪場等々いろいろあるわけでございますけれども、この放置自転車が今のままありますと、せっかく車いすで来た方々にも大変不自由をおかけしているんじゃないか、こういう指摘が既に先般の参考人質疑の中でも障害者団体の皆様からも強い意見として提出されている状況にございます。
 これに対する取り組みにつきまして各省の御意見を伺いたいんですが、まず警察本庁の方で取り締まりの状況どうなっているのか、お願いしたいと思います。
○政府参考人(坂東自朗君) 委員御指摘のように、駅前広場の歩道等に放置されております自転車につきましては、高齢者あるいは身体障害者の方々の安全な歩行の障害となっているものというように私どもも認識しているところでございます。
 このために、こうした放置自転車問題につきましては、警察といたしましても、従来から誘導・警告ブロック上に放置されている迷惑性の高い自転車などに対しましては現場で指導、警告等を積極的に行ってきたところでございますし、あるいはまた市町村等の関係機関とも連携して各種の放置自転車対策というものを講じてきているところでございます。
 今後ともこれらの諸対策を積極的に推進するとともに、特にこの法案に規定されております重点整備地区につきましては、高齢者あるいは身体障害者の方々の移動の円滑化の妨げともなります放置自転車、こういうものを防止するための諸対策というものを関係機関とも連携いたしまして重点的に行い、いわゆるバリアフリー化による効果が十分に上がるように取り組んでまいる所存でございます。
○野沢太三君 やっぱり自分で乗っていくとついその辺へ置いてという気持ちが出てしまいがちでありますけれども、これはやっぱりもちろん警察当局だけでなく町全体がそういうことでみんなで協力をする、例えば商店街の御主人さんたちにも、うちの前には自転車を置かないでくれと、こう言えるようなそういう雰囲気を醸成していかないと真の意味のバリアフリーができていかない。それをみんなで黙認していたんじゃだめだということでありますので、ボランティアの御協力もいただきながら、その辺のまず心のバリアも取っていかなきゃいかぬかなと、こう思うわけでございます。
 さはさりながら、具体的にどこへおさめたらいいか、どこへ集めたらいいかということで、駐輪場の整備がかねてから課題になってきております。これについては随分取り組みがありますけれども、依然としてやはり解決できていないところも多いわけでございますが、建設省の方での駐輪場対策についてどのような状況になっているか、取り組みをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山本繁太郎君) 駅周辺の放置自転車問題の解決のためには、取り締まりとか放置自転車の撤去とあわせまして、より抜本的には御指摘のように駐輪場の整備を進めるということが極めて大事であるというふうに認識しております。
 建設省としましては、地方公共団体が設置されます駐輪場につきましては道路整備特別会計からの補助金、それから民間などの事業者が駐輪場を整備されます場合には道路開発資金からの融資あるいは税制上の優遇措置といったような施策を講じましてこれらを支援しているところであります。
 この法律に基づきまして市町村が基本構想をつくられて、その中で駅周辺で駐輪場を整備したいというふうに位置づけられた場合には、これらの施策を重点的に駆使して支援してまいりたいと考えております。
○野沢太三君 市町村がやはりその気になっていただかないとなかなかうまくいかない。その意味で、やはりこれも地方自治体の取り組みが大変大事だと思いますが、自治省としてはこれにどのように対応しておられましょうか。
○政府参考人(香山充弘君) お答え申し上げます。
 放置自転車の問題は地域にとっては極めて深刻な問題となっておりまして、既に、全国の地方団体を見ますと、自転車放置防止条例を制定しておるような地方団体、これは四百二十一団体ほどございます。そのほかに、放置禁止区域を設定するとか、あるいは放置自転車を強制的に撤去する、そのような取り組みをしておる地方団体も数多くございます。
 また、その一方で駐輪場の整備に取り組んでおる自治体も数多くございまして、自治省といたしましてはこういう駐輪場の整備等に対しましては、地方団体による整備ということになりますので、地方交付税及び地方債により支援をしてまいったところでございます。
 駐輪場の整備につきましては交通事業者の協力が欠かせないという面がございます。今回のバリアフリー法案によりまして交通事業者との協議の上で基本構想を作成するというスキームができましたので、これによって地方団体による駐輪場の整備の促進にもつながるのではなかろうかと私どもも期待をいたしておるところでございます。
○野沢太三君 ぜひとも国、地方、交通事業者が協力をしまして、そして遊休土地の活用等、また駅前等については土地が非常に厳しいですから、立体的な利用等々まだまだ工夫の余地が十分あると考えられますので、この点については引き続きの御努力をお願い申し上げるわけでございます。
 そこで、具体的に今度は、鉄道駅のエレベーター及びエスカレーターの整備指針でございますけれども、これは既に平成の初めからのお取り組みの中で、既設駅は五メーター以上の段差で一日当たりの利用者が五千人以上という駅を対象にしているということでございますが、五メーター、五千人で切った場合に、乗客のレベルで何%ぐらいのお客様がこれで救われるのか、そしてまた平成十二年度予算、先ほど八十億程度と伺いましたが、これで何年ぐらいで達成できるのか、これについて運輸省のお考えを聞きたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) お答えいたします。
 平成十年度末現在で、一日の乗降客数が五千人以上の駅の乗降客数は全乗降客数の約九四%を占めております。また、先ほど御指摘ありました段差が五メートル以上で一日の乗降客数が五千人以上の駅の乗降客数について見ても約八五%を占めておりまして、いわゆる対象駅の乗降客数、おおむね全体の九割を占めているという現状でございます。
 政府においては、さきに生活空間倍増戦略プランを策定いたしまして、段差が五メートル以上かつ一日の乗降客数が五千人以上の鉄道駅について、原則として二〇一〇年までに所要のエレベーター、エスカレーターを整備することを目標にバリアフリー化を推進しているところでございます。
 このため、先ほども申し上げましたように、平成十年度補正予算あるいは平成十二年度予算におきまして約八十億円の予算を確保しておりまして、この所要の予算の確保に向けて、我々としてもこれを継続することによって当初申しました二〇一〇年までの所要のエレベーター、エスカレーターの整備が推進されるというふうに考えているところでございます。
○野沢太三君 所によっては五千人未満でも障害者施設があったり老人施設があったり、あるいは熱心なお取り組みをされる地方自治体があったりと、こういうケースが出てこようかと思いますが、そういった場合にはどのように対応されますか。
○政府参考人(安富正文君) 一日の乗降客数が五千人未満の駅につきましても、特定のいろんな身障者施設等がある場合というのがございますので、この法案の中でも、特定旅客施設の要件について、今後どういう形でこの施設の要件をつくっていくかということはパブリックコメント手続を活用して広く国民の意見を聞いた上で定めることとしております。
 したがって、現段階では確定的に申し上げることは適切ではございませんが、一応一日の乗降客数五千人以上の駅ということは一つの考えでございますが、ただ五千人以下の駅につきましても、当該駅の周辺に病院や福祉施設等、あるいは高齢者、身体障害者等の利用が多い施設がある場合、こういった場合には相当数の高齢者等が当該駅を利用していると認められるわけでございますので、これらを特定旅客施設として含めていくということも今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○野沢太三君 実際に駅で障害者の方々がバリアフリーの施設を利用したいというときにどうなさっているのかということを聞いてみますと、まず駅に問い合わせをする、それから、乗った駅がよくてもおりる駅がどうかと、これもやはり問い合わせをし、確認をとらないといけない。それをあらかじめ情報としていただく手段が今のところまことに乏しいわけでございます。その意味ではまだまだ情報の面のバリアが非常にきついんじゃないかと思うわけでございますので、この情報提供のあり方が今後大変改善を要する事柄と思います。
 特に、整備がだんだん進むにつれまして、刻一刻といいますか、年ごとに変わっていくわけでございますから、それをできるだけ広範囲にあまねく一般の方々に周知していただくような手段がどうしても要るんじゃないかなと思うわけでございますが、これに関してどのようにお考えか、運輸省のお考えを聞きたいと思います。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 ただいま先生が御指摘のとおり、高齢者、身体障害者等の方々が移動する場合、これは一つの公共交通機関だけでなくて当然複数を使うことになると思いますし、そういった場合、仮に個々の事業者が自分の施設については広報、宣伝等をしても、そのすべての経路について統一的にはなされないわけでございます。すなわち、どういう経路を選択すればこういった高齢者、身障者等の方が支障なく公共交通機関を利用できるかという情報の提供が必要でございますし、これがなければなかなか利用が困難となるというのは御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、この法案では、交通事業者によるバリアフリー化の状況に関する情報を特定の指定法人が収集、整理、そしてまた高齢者、身障者等が利用しやすい形に加工した上でこれらの方々に提供する、こういった事業を一つの法人、公益法人にやっていただきたいと考えております。この法人も当然営利を目的としてはならないわけでございまして、無償ないし実費提供でこういった情報を出す必要がございますので、そういった意味では既存の公益法人で手を挙げてくれる方、申請していただく方にこういったことをやっていただければと考えております。
 そのような観点から、この法律の中で、各交通事業者に一たび運輸大臣が指定した法人に対しては情報の提供を義務づけて、その情報を受けて、今申し上げたような情報を収集、整理、加工して提供するシステムを考えているところでございます。
○野沢太三君 私は、交通公社やJRが発行しています時刻表、毎月出ていますけれども、大変あれが好きで毎月買っては眺めておるのでございますが、あの中に地図がございます。その地図の中に、各駅にエスカレーターがあるかエレベーターがあるかぐらいのことが仮にごく簡単な記号で毎月記されていたならば随分参考になるんじゃないかと思うわけです。
 それから、時々車で外へ出かけますと、このごろナビゲーションが非常に発達してまいりまして、行き先をインプットしておりますと、曲がり角曲がり角全部音声で案内をしてくれる、こういうところまで技術が来たわけでありますから、どうかひとつその意味でも工夫していただきまして、バリアフリーのナビゲーションというようなこともあってもおかしくないかなと、こう思うわけでございます。
 どうかひとつ新しくつくられるという法人あるいは団体等にもできる限り知恵を絞っていただきまして、自宅にいる段階で旅行が既にある程度完成できる、できるだけ大勢の協力が要りますけれども、一人で旅ができるということが真の意味のやはりバリアフリーではないかと思いますから、その点の御工夫をよろしくお願いしたいと思います。
 それから、具体的に今度は、エスカレーターとエレベーターと両方あるんですけれども、それぞれ機能に特徴がございます。エレベーターについては上下双方向で輸送が完成されている。エスカレーターは、輸送力が大きい、便利である、しかし場合によると片方しか通用しない、あるいは狭い場合には車いすで利用できないといういろんな問題点があろうかと思いますが、この機能の特徴を考えてどういう適用基準を考えているのか、この点について、これは運輸省ですね、よろしくお願いしたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 先生が今御指摘いただいたように、エレベーターとエスカレーター、それぞれ機能的に若干違いがございます。エレベーターにつきましては、車いす利用者等が自力で移動することが可能だという意味で、車いす利用者にとっては非常に便利かと思いますが、一方またエスカレーターは、輸送力が高くて、車いすの利用者に限らず高齢者等も含めた多くの利用者の利便に資するという利点も有しております。
 そういう特徴をそれぞれ勘案しながら、具体的な駅でどのように整備していくかということを考えていく必要があるかと思いますが、我々としては、現在の駅のエレベーターの整備指針等でもできるだけ車いす利用者にとってはエレベーターの方がより望ましいものだというふうには考えておるわけですが、一方では、駅のエレベーターの整備を行う際には、特に既設駅等では、混雑している等の駅の利用状況や駅の構造の観点から必ずしもエレベーターが設置できない場所がある、あるいは円滑な旅客動線の確保といったようなことを考慮してみますとなかなかエレベーターが設置できないというようなこともございまして、ここら辺のエレベーター、エスカレーターをどういうような形で整備していくかということについては、鉄道事業者が当該駅の利用状況、駅構造を考えながら総合的に判断していくべきものではないかというふうに考えております。
 運輸省としては、今回の法案に基づく市町村における基本構想の策定、あるいは先ほどから申しております助成制度、こういうものを活用して、今後それぞれの駅の利用状況等に応じたエスカレーター、エレベーターの整備についてバリアフリー化が促進されるように今後とも鉄道事業者を指導してまいりたいというふうに考えております。
○野沢太三君 現地を皆さんと御一緒に視察をしてみると、駅によってはエレベーターがどこにあるかわからない、非常にまたわかりにくいという駅もございました。一方また、大変大きな表示で、後ほどまた写真で見ていただきますが、大変丁寧な御案内をしている駅もありまして、これが大変まちまちでございます。
 ぜひその面で、先ほどの情報化の一環としましても、エレベーター、エスカレーターがわかりやすい位置にある、特にエレベーターについてはその必要があろうかと思います。行ってみたらかぎがかかっておった、そしてやっぱりこれは駅員さんに頼まにゃだめだというんで、そこで大変な手間がかかっているという、こういう話も多々伺うわけでございます。
 荷物と人とが一緒というのは、これはやむを得ないこともあろうかと思いますが、昨今建設省の方で基準を緩和していただきまして、入り口が一カ所あるいは二カ所程度というのが撤去されましてその基準がなくなりまして、九十度右側でも左側でもいいと、こんな構造基準も採用していただきまして、これが六月から発効するということでございますので、どうかひとつ狭い場所でも工夫すれば利用しやすいエレベーターができる、それがまた皆様に周知徹底されるということが極めて大事と思います。この点をよろしくお願いしたいと思います。
 それから、上りのエスカレーターをまずつけるんですけれども、あわせて下りをつけるということがもちろん望ましいわけでございます。これはもう費用の面とか空間の制約等がありましてなかなか思うようにもいかないわけでございますけれども、これもやはり工夫次第で何とかなるんじゃないかということでございます。
 その場合には、エスカレーターの設備もさることながら、それを装置するための設備周辺の工事費とか、またそれにかかわる維持管理費等が極めて大きくなるわけでございますので、この工事費並びに維持管理費に関する助成措置というものはどういうふうに考えているのか、それから更新時の経費についてはどうするのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 御指摘のとおり、上りとあわせて下りのエスカレーターが整備されるということが非常に望ましいということで、運輸省としても、従来から整備指針の中において、原則として上りのみならず下りも整備するよう指導してきたところでございます。
 ただ、一方で駅のエスカレーター等の整備につきましては、駅の利用状況あるいは構造で必ずしも下りまでつけることができないというようなところもございまして、そこら辺鉄道事業者が全体として総合的に判断すべきものと考えております。
 そういう意味で、御指摘のようにエスカレーターを整備する場合に、今の駅施設ではなかなか難しいといった場合に、そのエスカレーターの設備の周辺の工事まで要する、駅の構造等を多少変えるというようなこともございますので、そういう場合には多額の費用を要する場合が最近では多く見られます。
 このため、運輸省では、平成十二年度予算において、いわゆる公共事業として、鉄道駅の移動円滑化施設整備事業という助成制度を新たに創設いたしまして、エスカレーター等の設備周辺の工事費も含めて、バリアフリー化のための駅構造の改良を行うような事業につきまして、国、自治体、事業者が三分の一ずつ負担していくという仕組みを設けたところでございます。
 それからもう一つ、維持管理費でございますが、これにつきましては事業者から維持管理費に対する助成についての要望があることは承知しておりますけれども、しかしながら、基本的に鉄道事業者が所有する施設の維持運営については本来鉄道事業者が負担するべきものではないかというふうに考えております。
 現状においては、限られた予算でございますので、こういう新たに創設された整備助成制度を活用しまして、できるだけ可能な限り多くの駅に早急にエレベーター、エスカレーター等の整備を初めとするバリアフリー化を促進してまいるということに重点を置いていきたいというふうに考えております。
○野沢太三君 当面拡張に重点があるというのはよくわかりますが、やはりこれからの時代を考えますと、あすは我が身ということでありますので、下りということが高齢者、障害者の方には大きなバリアだということをひとつ銘記の上、手当てをしていただきたいと思うわけでございます。
 なお、維持管理については当面は自前でそれぞれの事業者がやるといたしまして、取りかえのときには改めて御相談をさせていただくような、十年か二十年先になるかと思いますが、そういったことで、これについてはひとつ問題を先に送らせていただきたいと思うわけでございます。
 具体的に駅を利用してみると確かにいろいろなところに問題がありますが、一つには、切符を買うという一番大事なまず第一歩が実は大変厄介だということに気がつくわけでございます。券売機の問題は後ほど申し上げるといたしまして、最近切符を持たなくても、プリペイド切符、イオカードとかいうのがありますね、これであるとか、あるいは非接触型の定期券等でちょっとかざすだけで通り抜けができるというものも開発中であると伺っておりますが、これの開発動向、見通しについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 御指摘のとおり、プリペイドカードあるいは非接触方式の改札システムにつきましては、これが普及することによってバリアフリー化という観点のみならず、利用者全体の利便向上に資するということで非常に有益だと考えております。
 現在、プリペイドカードについては、JR東日本のイオカードあるいは営団のSFメトロカードといったような形で既に多くの鉄道事業者で導入されて普及しておりますけれども、今後関東地区の約二十の民鉄事業者で、本年の十月からいわゆる共通乗車カードシステム、すべての参加する事業者のいずれの路線でも切符を買わずに乗りおりできるシステム、これはストアードフェア方式でございますが、これを導入する予定にしております。さらに、非接触式のICカードを用いる改札システムにつきましては、JR東日本が平成十三年中の使用開始を目指して今現在開発しているところでございます。
 こうした取り組みについて、運輸省としましても、こういう利便性の高い改札システムの導入、普及を図ることによって、バリアフリーのみならず利用者利便の向上を促進するということでございますので、今後積極的に鉄道事業者によるこうした取り組みを支援してまいりたいというふうに考えております。
○野沢太三君 イオカードは便利で私も時々利用するんですが、ただ、あれもまだ十分なシステムになっておりませんで、入ったはいいがその駅では出てこれない、要するに入場券対応ができないんですね。これはやっぱりまだ工夫を要するところではないかなと。
 今おっしゃるとおり、それが各私鉄にもあるいは地下鉄にも共通で使えるとなれば大変これまた便利ではないかと思います。昨今では、スキー場などに行きましても、いろんな会社がリフトを経営しておりますが、全部これ共通に運営をしておりまして、一々窓口で切符を買い直すという手間が要らなくなっているという、そこまで既に進んでおるわけでございますから、毎日利用し、毎日仕事で使うところをもっと便利にするということが、今やまさにこういった利用面でのバリアフリー、ソフトの面でのバリアフリーにつながるのではないかと思いますので、御工夫をいただきたいと思います。
 そこで、その券売機でございます。券売機があるのはもう当たり前になりまして、どの駅に行っても置いてあるわけでございますけれども、皆さんもお使いになってみると、意外にこれが、さてどうしたらいいかなという場面が多いわけでございます。
 過日の参考人質疑のときにも随分券売機に対する御意見がたくさんございまして、例えば全老連の調査では、二千六百四十四人の方が御回答いただいている中で、どうも不自由で困ると、こう言っておられるわけでございます。例えば、行き先の料金表示と実際にどれだけお金を入れたらいいかというそのつながりが非常にわかりにくいんですね。これがまず第一番の苦情でございました。それから、先ほど申しましたように、JR、私鉄、地下鉄などでみんなそれぞれ使い方が違うという、この統一の問題が、これが二番目に多い苦情でございます。そして、どの券売機で切符を買ったらいいかわからぬということが三番目の問題点。それから、お金を入れるところが非常に窮屈で、時々チャリンチャリンと落っことしてしまって追っかけなきゃいかぬというそんな場面があるわけでありまして、これなども改善すべきところではないかなと。
 最近は非常に改善された券売機も相当配備をされてまいりまして、車いすで利用しやすい傾斜式の低位置操作といったのは、後ほどまた写真でこれをごらんいただこうと用意してございますが、そういった方向にだんだん切りかえていただく、そして基準を統一していただく、こういうことが大事ではないかと思っておりますが、この券売機についての今後の促進、普及方についていかが取り組んでおられるか、これは運輸省にお願いしたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 高齢者あるいは身体障害者に使いやすい自動券売機について、従来から点字運賃表を設置する、あるいは金銭投入口を低くする、あるいは車いす利用者が接近しやすいようにカウンター下部にスペースを設けるといったようなことを、公共交通機関の施設設備のガイドラインに基づきまして、新たに自動券売機を導入する際にはこうしたガイドラインに基づいて配慮した、高齢者、身体障害者に使いやすい自動券売機を設置するよう指導してきたところでございます。
 ただ、一方では、こうした券売機について、操作盤が高い、あるいは高さ、傾きがまだ十分でない、あるいは切り込みの深さなど、それぞれ仕様に関するニーズが高齢者あるいは身体障害者の中でもなおさまざまな意見があるところでございます。そういう意味で、標準化された仕様が確立していないのが実情ではないかというふうに考えております。
 したがいまして、今後、使いやすい自動券売機について、高齢者、身体障害者の方の幅広い御意見を把握しながら、鉄道事業者とともに引き続き、どういった形の券売機がいいのか、我々としても検討してまいりたいというふうに考えております。
○野沢太三君 便利な新しいものをつくるとそれがまた一つの特例、異例になってしまってまたお客様が迷う、こういう追っかけっこになるわけでございますけれども、今後は、もうこの方向というものは一つの流れでございますから、できる限り便利なものを、しかも統一的な姿でできないかなと欲張った希望が出てくるわけでございます。ひとつ一層の御工夫をお願いいたしたいわけでございます。
 それから、障害のある方、特に視覚障害のある方にとってはホームというものはまさにこれは地獄であると、こういう御意見がございます。欄干のない橋だ、がけっ縁を歩いているようなものだと。障害者の方の体験を伺いますと、およそ三分の二の方が一度あるいは二度、三度とホームから転落をされた御経験を持っているという大変そら恐ろしい実態があるわけでございます。そしてまた、毎年何人かの方がそのことでお亡くなりになっている。
 この事態は何としても改善をしなきゃならぬなと思うんですが、なかなか妙案がないんですけれども、一つの解決策として、新設あるいは大改良のときにはホームドアあるいはホームフェンスをつくるということがまさに抜本的なこれは解決策になる。バリアフリーでなくて、むしろこれはバリアセーフティーという意味で安全な対応策として推奨できるわけでございます。
 既に東京の中では、「ゆりかもめ」の駅がみんなやっていますし、最近開業しております地下鉄南北線がこのホームドアをつけていただきまして、全くこれは安心でございます。現場で伺ってみますと、一遍も事故なく円滑に実行している。そして、そのことによりましてワンマン運転が可能になるということで、地下鉄事業者にとっても十分な経営魅力が、インセンティブがあるわけでございますから、何とか工夫してこれに取り組んでいただきたいと思うわけでございます。
 また、JRなんかでは例えば熱海の駅に、御存じと思いますが、百七十キロ程度の高速運転でホームを通過していく列車がある中で、ホームドアがあることによって、あるいはホームフェンスがあることによって安心してホームを歩ける、こういう状況がございます。
 そこで、新設はできるとしても、じゃ改良はどうかということで、今まで無理だろうと言われておったんですが、昨今、南北線と都営地下鉄三田線とが合流して一緒に運行するということになりますと、これはシステムとして全部ないとぐあいが悪いということでホームフェンスをつけていただく、高島平から目黒に至るルートについて既設線にこれをつけるということも現在既に取り組んでおられるわけでございます。
 どうかひとつその面で、既設線に関しても一工夫二工夫あってしかるべきかと思いますが、このホームドア、ホームフェンスにつきまして、新設線では義務づける、それから在来線についてもできるところからやるというようなことが言えないかどうか、これについてお考えを。
○政府参考人(安富正文君) 可動式のホームさくあるいはホームドアにつきましては、ワンマン運転あるいは無人運転の新交通システムあるいは地下鉄の一部でホーム上の安全確保の補助的手段として幾つか採用された例があることは事実でございます。
 これは極めて線路側への転落防止という点では有効な方策の一つとなり得るわけでございますが、一つには、新設駅を含め扉の開閉に一定の時間を要するため通勤客が非常に多い混雑した路線には必ずしも適切ではない、あるいは既設の駅に設置する際にプラットホームの大規模な工事が必要となるということで、その工事期間の問題、あるいは混雑しているところですと利用者に多大な影響を及ぼすといったような課題が幾つかございます。
 また、固定式のホームさくにつきましても、我が方で財団法人の鉄道総研等で調査研究した調査結果がございますが、一定の転落防止効果は期待できるものの、逆に今度は開口部からの転落、あるいは列車発車時に車掌による安全確認の影響とか、あるいは旅客流動上の問題といったような幾つかの課題が指摘されているところでございます。
 ただ、こういうホームさく、ホームドアについて、新設あるいは大規模改良のときに義務づけすべきではないかという御指摘でございますけれども、さきに述べましたように幾つかの課題がございますので、必ずしも一律に義務づけることが妥当かどうかというのは我々としても今後検討していく必要があると思いますが、やはりこの問題は、駅の構造あるいは利用状況等個別に勘案して、個別のそういう有効な方策であるかどうかということを含めて検討していくべき問題ではないかというふうに認識しているところでございます。
○野沢太三君 私も鉄道の建設等について経験を持っている者でございますが、こういうものが必要だということになればそれを前提としたホームの構造、幅員等を前提にした設計に初めからするわけでありますから、今後はそういったものが望ましいんだということを明確に打ち出していただくことが事態の改善につながっていくんじゃないかと思うわけでございます。これはひとつしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、バスの問題に入りたいと思いますが、ノンステップの低床バスというのがバリアフリーの生活にとっては欠かせないということになっておりまして大分普及が進んでおりますが、このほど東京と七政令都市が仕様統一を図ってコストの削減に踏み切っておりますが、もっと量産をするとさらに安くなる。今のままですと、大体四台に一台くらいしかノンステップバスが来ないという状況のようですが、それではやっぱり不自由でございますから、せめて二台に一台、半分くらいはノンステップバスにならないものかと思うわけでございます。
 したがいまして、こういった規格統一というようなことを全国へ拡大してできるだけ安価な形でできないかと思いますが、この辺のお取り組みはいかがでございましょうか。
○政府参考人(縄野克彦君) 御指摘のように、ノンステップバスの普及を進めるためには価格の低減ということが必要でございます。そのために、仕様や構造の標準化を図っていくということが重要であると私どもも考えておるところでございます。
 今お話しございましたように、既に昨年九月に公営事業者が中心となりまして内部仕様などの統一に向けた報告書をとりまとめ、標準化を進めようとしておるところでございます。
 加えまして、私どもとしましては、民営事業者もこれに加えまして、その意見を反映しながらより抜本的な仕様や構造の標準化を図るために、近々学識経験者、バスのユーザー、バスのメーカー、関係省庁から成る検討会において検討を開始する予定としております。
○野沢太三君 ノンステップバスにつきましては、後ほどまた横浜での見学の実態について御紹介ができると思いますので、そのとき再度お話を申し上げたいと思います。
 次に、空港の利用につきまして、特に羽田でございますが、今はまだ工事中ということで不自由でございますけれども、バスに乗って案内をしていただく、これが大変なまたバリアではないかと思うわけでございます。
 地方空港の方は比較的整備が進みまして悠々とボーディングブリッジで乗り込めるわけですが、羽田に着いた途端に片隅からバスで延々と移動する、その乗りおりが大変不自由である、こういう状況がございますが、この整備状況の見通しはいかがでございましょうか。
○政府参考人(岩村敬君) 今先生から御指摘のとおり、羽田空港におきましては、ボーディングブリッジ、すなわち搭乗橋を使いましてターミナルビルから直接航空機に乗降できる国内便、一日当たり四百六回でございます。全体の六四%ということで、その他のお客様はバスを利用して航空機にお乗りいただくことになっております。
 なお、ボーディングブリッジを利用できないお客様の利便を図るという趣旨から、エスカレーターそして冷暖房設備をあわせ持ちます固定式のタラップ、ボーディングステーションと呼んでおりますが、これを六基設置しておりますほか、特に車いすを御利用される皆様については、昇降装置つきのバスを用いることによりましてその乗降にできるだけ御不便をおかけしないように努めているところでございます。
 ただ、今後さらに増便が予定されておるわけでございまして、平成十四年七月には現在の六百四十回から七百五十四回に一日当たりの国内便が増加いたします。そういたしますと、今申し上げました六四%の利用がさらに五四%という形で低下する見込みでございます。
 これに抜本的に対応するためには、新しく旅客ターミナルビルを整備してボーディングブリッジの整備をすることが肝要でございます。現在、平成十五年度末の供用開始を目指しまして東側旅客ターミナルビルを鋭意整備いたしておるところでございます。このターミナルビルが完成いたしますと、東西の旅客ターミナルを合わせましてボーディングブリッジを通じまして旅客ビルから直接航空機に乗降できる便の割合というものは九割に高まる、そういうふうに考えているところでございます。
○野沢太三君 大変待ち遠しいわけですけれども、ひとつこれもよろしくお願いを申し上げます。
 それから、交通のシームレス化ということがバリアフリーと並んで大変大事な問題であると指摘をされ、運輸省もしっかり取り組んでいただいているわけでありますが、特に昨今、地下鉄と民鉄あるいはJRとの相互乗り入れによりまして乗りかえターミナルの負荷が非常に減ってきた、そして全体として混雑率も低下する傾向に来ております。大変これは結構なことでございます。
 一方、新幹線の直通運転というのが、既にこれまで山形、秋田等、ミニ新幹線ということで新幹線から在来線に直通するということによって大変成果を上げております。昨年末に開通した山形から新庄の延伸のケースについては、あのような地方線区でありながら旅客が倍増するという実績も見られるわけでございます。やはりこれは乗りかえ抵抗というものが今までいかに大きかったか、時間短縮とあわせましてこれは注目すべき問題と考えております。
 その一つの決め手になる新技術としてフリーゲージトレーンの開発が進んでいるわけでございますが、過日、私も大臣のお供をいたしましてアメリカのコロラド州デンバーの実験線を見てまいったんですが、まだ始まったばかりでありましたので実績としては余り上がっておりませんでしたが、その後順調に進んでいると伺っておりますが、今この開発状況についてはどのようになっているか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) フリーゲージトレーンの技術開発につきましては、平成九年度から本格的に進めてきておりますが、平成十年十月に高速走行可能な本格的試験車両を完成しまして、平成十一年一月下旬に山陰線の米子―安来間において時速百キロメートル程度までの在来線での走行試験を実施したところでございます。
 引き続きまして十一年四月から、先ほど先生おっしゃいましたように、米国のプエブロの試験線で新幹線と同じ軌間での走行試験を行っております。先月中旬までで現在のところ累積走行距離が約三十万キロメートルを達成したところでございますし、最高速度としては、二百四十三キロメートルの最高速度を記録しているところでございます。また、三月末にプエブロ試験線において地上変換装置を新たに敷設しておりまして、今後この変換装置を使った変換試験等を行う予定としております。
 また、走行試験につきましても、車両を二両から三両への編成がえを行いまして、本年度内に累積走行キロを六十万キロ達成ということで現在進めておるところでございます。また、この三両目の車両につきましては、駆動方式が従来の二両とは異なる駆動方式の台車を装備しておりまして、こういった駆動方式についても従来車との比較検討を行う予定としております。
 さらに、一方新下関保守基地において今年度中に軌間可変の地上設備の工事を行いまして、平成十三年度以降にプエブロで行っております試験車両を国内に持ち帰りまして、国内走行試験を行っていく予定としております。
 こういった形で、運輸省としてはフリーゲージトレーンの実用化に向け、当該技術開発に全力を尽くして進めているところでございます。
○野沢太三君 この電車が実用可能になりますと、恐らく今まで新幹線はとても無理だと思っていたところが新幹線経由で直通乗り入れができるということで、既に幾つかの線区を調査対象として挙げていただいておるわけでございます。
 この電車、今試験電車としては測定器の塊みたいなものですけれども、できればこれにお客様を乗せるような姿に直して、営業を前提とした試験実験車をもう一編成くらいつくって、リニアの実験線では既に子供たちまで乗せた試乗までやっているわけですから、そういった意味での実用上の編成をさらに一つ加えて検討していただいたらどうかと思うわけでございます。
 これは御要望だけ申し上げまして、現在やっております可能対象線区の調査というのはどの程度進んだのか、いつまでに結論が出るのか御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) フリーゲージトレーンの適用可能線区の調査でございますが、山形新幹線等の新幹線と在来線との直通運転化による効果あるいはフリーゲージトレーンの技術開発の状況を踏まえまして、平成十一年度から二カ年間の予定で、全国七路線について将来の新幹線直通運転化の事業化の可能性について調査を行っているところでございます。
 現在、新幹線直通運転化事業調査委員会におきまして、各路線ごとに、新幹線から在来線への乗り入れ地点、具体的にどういう地点が考えられるか、あるいは在来線の高速化の方策としてどういうことを考えていったらいいのか、あるいは既設の新幹線への与える影響というのはどういうものがあるかといったようなことについて検討が進められているところでございます。
 今後、これらの検討内容についてより詳細な検討を行うとともに、直通運転化した場合の需要あるいは収支採算性、費用対効果、経済波及効果といったような点についても広範にわたって調査を進めまして、十二年度中に各調査路線ごとに実現に当たっての各種課題等も含めた将来の事業化の可能性について報告を取りまとめるという予定でいるところでございます。
○野沢太三君 これまで新幹線はもう夢のまた夢と言われていたような四国であるとかあるいは山陰地区、さらには大臣お地元の紀勢線、あるいは日本海沿線の羽越線とか東九州の日豊本線のあたり、このあたりは大変期待をいたしておるわけでございます。何としてもこれ具体化し、実用化をしていただきまして、リニアと違って全く技術的にはわかり切ったことを組み合わせてやるわけでございますから、大変有望な私技術ではないかと見ておるわけでございます。ひとつしっかり調べまして、なるべく早く夢を現実のものにしていただきたいと思うわけであります。
 そこで、地下鉄についてもう一言お願いをしたいんですが、先ごろ運政審の答申が出まして、例えば東京圏では二百キロ余りの新しい線区あるいは在来線の改良を含めた答申が出ております。しかしながら、これを整備するための財源をどうするかということについてまだ言及がございません。議論はしていただいているように伺っておりますが、事業者の話等を伺いますと、現行の資金の枠組みでいきますと既に限界である、相当な輸送量が見込まれるにもかかわらず、キロ当たり三百億近い建設費がかかるということで、そのための資本費用の負担を現行の補助方式ではとてもお客様に転嫁して利用者負担とすることでやるわけにいかなくなってしまって、赤字がどうしても出るとすると手が挙がらないという嘆きが聞こえるわけでございます。
 これを解決するために、私ども自民党としましても今勉強会をやっておるわけでございますが、一つの方策として上下分離方式というものを導入したらどうかと。線路あるいは構造物等のインフラについては公共の負担でこれを建設しまして、それを利用する事業者は受益の範囲の使用料だけをいただく、こういうことにいたしますと、今後、今回答申になりました二百キロはすべて建設可能ではないかと私は見ておるわけでございます。
 こういった抜本的な整備方式の工夫等を考えていくことが今後非常に重要であると思うわけでございますが、これについてお考えはどうでしょうか。
 これはちょっと大臣にお願いしましょうか。
○国務大臣(二階俊博君) ただいま野沢委員から御指摘のように、本年一月の東京圏高速鉄道網整備計画に関する運政審の答申でございますが、今後十五年間の計画路線は四百二十六キロ、投資規模は七兆二千億円と見込まれております。この中には計画期間内の着手路線が半数強含まれておりますので、現在の都市鉄道予算七百億円程度の確保によりまして東京圏の鉄道整備は関係者の御要望に十分こたえられる程度まで進捗すると考えております。運輸省としては、今後とも予算の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
 今後の鉄道整備を進めるに当たっては、整備の必要性が高いにもかかわらず、少子高齢化等社会情勢の変化により整備が円滑に進まないことが課題であります。このため、中長期的な鉄道整備の進め方につきまして、現在運政審の鉄道部会で上下分離方式も含めて御審議をいただいておるところであります。
 上下分離方式については、鉄道事業者の資本費負担を軽減するなどの利点があるものの、鉄道事業者負担を伴わないため効率的な投資が損なわれる危険性を制度的に内包しており、また、国、自治体に相当の財源が安定的に確保されないままでは鉄道整備の全体的な進捗がおくれるなどの課題があり、その解決が必要となっております。
 運輸省としましては、地下鉄等都市鉄道の整備は引き続き重要と考えておりまして、社会経済情勢の変化に対応できるように今後の地下鉄整備の推進を図ってまいりたいと考えております。
○野沢太三君 国土交通省もできることでありますから、地下鉄の建設は同時に道路交通の緩和にもつながる、極めて上下を含めて一体的に考えてもいい内容ではないか。法律的にも、軌道法でやっているということからしてもそういった性格もあり、新しいこれは行革の一つの成果、あるいは目標として大いに期待をするわけであります。
 それから、諸外国の例を見ましても、ヨーロッパ、EUの鉄道政策を見ますと、各国の列車がそれぞれの国にどんどん進入してくる、これを自由に通過させるということで、やはりインターオペラティブということを大変大事に考えておりまして、さまざまな列車がさまざまな方向に向かって自由に走れる。そのためにインフラの方は各国が責任を持って整備するにしても、通過する方はどうぞいらっしゃいと言える形に既に十年この方取り組んで実現をしておるわけでございますから、日本の場合にも、民鉄、地下鉄、JR、それから貨物列車もあればローカル列車もある、いろんな列車が入ってこれるようにできるだけ参入を自由化していくということがこれからの方向ではないかと思いますので、その点につきましてぜひひとつ運政審の議論を、そういった財源も含めた、また運行の自由化も含めたところまで高めていただければ幸いでございます。
 そして、御質問として最後にお伺いしたいのは、在来線をもう少しリニューアルする。特に高速化ということと貨物列車等に対する輸送力の増強等の課題があるわけでございますが、これにつきましても、もともと国でつくってきたという国鉄時代の実績もあるわけでありますから、全部民営化したからもうおまえら自分でやれと言ったのでは全く進まないというのが実態でありまして、ここ十年の改革の中でも、国や自治体からの御支援をいただいて高速化しあるいは輸送力の増強をしたという実績もたくさん上がっておるように伺っておるわけでございます。その意味で、これから在来線の高速化あるいは輸送力の増強について、国、自治体等の支援をいただきながら成果を上げるということが望まれるわけでございますが、運輸省はどういうふうに取り組んでまいりますか。
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のように、在来線の高速化につきましては、先ほど来話がありますミニ新幹線あるいはフリーゲージトレーンの導入といったような点からもわかりますように、鉄道需要を喚起するといったことがあるとともに、国土の均衡ある発展と沿線地域の活性化に大きく寄与するものと我々自身も考えております。
 このような観点から、従来から国としても幹線鉄道等活性化補助制度を活用してこの支援を行ってきたところでありますが、今後さらに幹線鉄道ネットワークの質の向上を図るという観点から、在来線の高速化が重要な課題であるというふうに我々も認識しております。そういう意味で、幹線鉄道等活性化補助制度、これを最大限に活用あるいは工夫して、今後運輸省としても在来線の高速化につきまして積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
○野沢太三君 在来線の活性化という点、技術的には、速度でいうと現実に百三十キロまでは実現をしておりますし、一部の高速線区では百六十キロまで既に可能であると。運輸技術審議会等の答申の中では、理論的には二百五十キロまでは在来のゲージでも走れるんだということが言われておるわけでございます。
 そのためには、カーブを直さにゃいかぬ、あるいは停車場のポイントを、一線スルーということで直線側は速度制限のないポイントに切りかえていくということも必要になります。もちろん、レールや架線も強化をせねばならない、踏切があったんではやっぱりスピードが出せないということでございますので、実は実際やってみると相当お金がかかるわけでありまして、山形新幹線の新庄延伸は、直接的なゲージ拡大のためには三百五十億程度の予算でよかったわけですけれども、踏切の解消とそれから駅前広場等の整備、合わせますと約一千億近いプロジェクトになっているわけでございます。
 しかし、これは必ず元が取れるということで、山形県の大きな決断と英断で実現できたと拝察をいたしておりますので、どうかひとつ、これは鉄道事業者だけで小さなそろばんをはじかないで、国、自治体を含め全体で元の取れるプロジェクトとして取り組んでいただきたいと御要望申し上げるわけでございます。
 そこで、バリアフリー法案に関する議論を補完する意味で、先般、委員会として横浜地区、その前に羽田へ行ってきたんですが、そこでいろいろ昨今行われております新しい取り組みあるいはその問題点について私どもも勉強をしてまいりました。その一端を御披露しながらお話を申し上げたいと思います。
 ちょっと遠くの方が見にくいかと思いますが、どうぞこちらにお出ましいただいて、近くへ寄っていただければと思いますが。(OHP映写)
 PICSと、こう書いてありますが、日本語で言うと歩行者等支援情報通信システムと大変長い名前になりますが、目の不自由な方が受信装置を持って歩いてまいりますと、発信機がありまして、ここで受け答えが出てきてお話が聞かれる。歩道が近いですよ、あるいはこれは歩道を渡っています、信号は緑ですと、こういうのをここでいただける。この方の持っているのは、これは情報画像装置だと思います。後ほどまたこれも出てまいります。
 これは、今度はよりそれをわかりやすくしたものでございますが、歩行者等支援情報通信システム、PICS、こういうことでございます。この方はここの発信機と応答をしておりまして、歩道をもう渡り切るところでありますが、この方の持っているこの装置、これは画像装置でございます。ここの発信機と応答をしていまして、今どこにいるんだ、どこへ行きたいんだということについて経路をここで示していただける、こういった仕掛けでございまして、これは私どもが見に行きました磯子の駅前の風景と非常によく似たところであります。
 ちょっと小さくなりますから、見えるかどうか。
 音声で情報を提供するというところが非常にみそでありまして、首にかけた音声発信機をちょっとかざしてまいりますと、例えばこの方は、信号が青になりました、これは交差点に向かって、区役所の方向に向かっていますよということの案内があります。スーパーに行きますとここはスーパーです、銀行ですというのがここから、発信機から来る。あるいはバスの乗り場では、バスの乗り場は階段のおり口のところですよと、そんなことがここで案内があります。それから、券売機はここです、改札口がありますねと、こういったことがここで表示をされるわけでございます。音声で、大変このシステムは私はいいシステムだなと感心をいたしまして、ぜひ普及をさせていただきたいと思います。
 もう一つは、今度はこれが画像情報システムということで、同じ仕掛けを今度はこういった形のモバイルを持っていきますと、例えばここでもってボタンを押しますと、エレベーターのあるこのルートでホームに行かれますねということがわかる。あるいは交差点へ行きますと、青信号を延長して渡ろうと、信号の間隔がちょっと車いすでは心もとないというときには、ボタンを押すと青信号の時間が延びるという仕掛けができているということであります。デパートまで行くにはこのルートかなと。
 ところが、これはやはり相当この装置になれておらないと、パソコンくらいはいじれる方でないと、ちょっとやっぱりお年寄りでは無理かなと、こういう気がいたします。また後ほどこれは写真の方で出てまいります。
 これが私どもの見学した現場でございます。
 こちらが磯子の区役所前の信号機です。ここを渡ったり、この辺を歩きまして現物を拝見したわけでございますが、ここの自動車交通量というのは大変なものでございました。ここですね。この自動車交通量は大変なんですけれども、この装置があれば相当不自由な方でも何とか区役所までは用が足せるかねと、こんなイメージを受けたわけでございます。これが陸橋ですね。
 それから、あわせまして、今度は上大岡の駅へ参りまして、ノンステップバスの現物を見てきたんです。
 これは解説でございますけれども、ノンステップバスの大事なところは低床であるということ、普通三十センチくらいですが、ニーリングということで空気ばねの空気を抜くことによって二十センチ程度に縮まる。それから、出入り口にスロープ板というのがついておりまして、これは電動と書いてありますが、私どもの見せていただいたのは手で引っ張り出すという格好になっておりまして、運転手さんがおりてきてやらないといかぬ。それから、乗った場合の車いすを収納する装置、これは相当広いんですけれども、実際に走っているのでは余りここの余裕がなかったように思います。ここでスロープで乗り込んでいく。
 ということで、横浜では市営バスをノンステップ化することについて大変積極的に取り組んでいただいているということであります。
 これが横浜駅の自由通路でございまして、横浜駅は御承知のとおり物すごい朝晩のラッシュで、ここを障害のある方あるいはお年寄りがうまく利用するということは大変実は不自由なんですが、このたび建設省の支援と横浜市の積極的な取り組みで、中央、南部、北部、三カ所に自由通路をつくることによって大きな横浜駅というバリアをつなぎまして、この西口、東口が自由に通行できるようにしよう、こういう取り組みをしていただいております。これは一番ですが、実にこの中央通路だけで百二十九億、エスカレーター十六基、エレベーター三基、ちょっと時間がかかりますけれども、これができ上がりますということでございます。
 そして、南通路になりますと、さらにそれに加えて南も北も同程度のレベルでの通路が確保できる。大変使いやすい駅になるんじゃないかなと期待をいたしております。ただ、余りにも人の通過が多いものですから、この人の通過と不自由な方々の通過というものについてどうやって共存していくかというのが一つの課題ではないかなと、私は現場で承ってきたわけでございます。
 例えば、この通路を出た後大きな階段がありますけれども、それを利用するエレベーターというのはちょっとこの奥の方へ入ったところにありまして、なかなか表示としてはわかりにくいという問題がございました。さまざまな課題はあろうかと思いますが、大変これは前向きにしっかり取り組んでいる事例かと拝見をいたした次第でございます。
 それでは、ここまでで一応現地の案内はやめまして、今度は写真で今お話ししました点についてお話を申し上げてまいりたいと思います。(スライド映写)
 これが先ほど最初に御説明しましたPICSの画像の方の発信装置でございまして、これにちょっと機械をかざすと案内が出てくる、こういうものでございます。適当なところにこれが間隔を置いて設置されているということでございます。
 モバイルが大変得意な簗瀬理事さんではございますが、やっぱり扱いについては解説を相当していただかないと難しい。私なんかは、もうちょっとこれは手に負えぬなということでございましたが、もう少し簡略な姿ができないものかなということをちょっとイメージとして受けました。まだまだこれから工夫の余地のある装置であろうかと思っております。
 これは、ここに発信装置がついているんですね。首にかけました装置で尋ねると、先ほど言ったように、信号が赤です、青です、歩道ですといった音声案内が出てまいります。
 委員長御自身で体験中でございまして、率先垂範、にわか身障者というわけでございますが、大変貴重な体験をさせていただきました。
 これは、上大岡の駅におりたところでございまして、京浜急行のホームでございます。
 これがホームと電車の段差をなくすための仕掛け板でございまして、ラクープと言うんだそうですが、これが大変車いす利用を楽にしていただいております。
 これは谷林さんですか、御立派に経験をされておりまして、大変これは結構なんですが、ここでちょっと御注目いただきたいのが、車掌さんが後ろについていますね。ここにいますが、車掌さんのすぐわきで、コントロールできるところで一番最後と一番前頭にこれがついている。そのことで御案内がしやすい、目が届きやすいといういい点はあるんですけれども、実はそれが不満の方もお客様にはいるということでございまして、どこでも乗れるように携帯式の仕掛け板というのも用意をいたしていただいている。後ほどこれは出てまいります。
 これは、ちょうど電車にこういうことで段差がほとんどなくなっている状況を示しております。
 これは、階段で弱視の方がわかりやすいようにということでここに印がついておりまして、これが大変上から見てもわかりやすい。そして、手すりのこの部分ですが、点字ですべて案内がここに記されているそうであります。さわってみて、私は点字がわかりませんので難しかったんですが、これをさわりながら案内に従って歩いておりていただく、こういう仕組みで、手すりと階段を少しでも楽にしたい、こんな装置でございます。
 これは下から同じものを見たわけでございまして、やはりこういったものがあるかないかからして御案内しなきゃならぬかなと思っておるわけであります。この部分が点字ですね。
 これは、今度はトイレでございます。トイレは前回の参考人質疑のときにも大変問題になったところでございまして、ここは階段があるんですが、ここがいわゆるバリアフリーになっております。
 この右のところがバリアフリーで、左はこうやった階段がありまして、なかなかうまくいかない。特にこれは地下鉄の駅ですけれども、新幹線なんかでこういうのが非常に多い、感心せんトイレと、こう言うのだそうですが。そういう思いがけない、五メーターはないけれども二、三段で困っているというところが意外にこういうふうにやってみると多いんです。
 これは、普通の電話機ですけれども、障害のある方が利用しやすいということで、低い位置にあって、斜めのああいう操作ボタンということになっております。
 これは券売機で、割合利用しやすいですね。ここのけ込みが余りありませんけれども、それでもここに少しのスペースがあること、それから現金の投入口が受け皿になっていて、その底に穴があいておりますから、硬貨がこぼれて落ちるという心配が大変これで解消されていきます。
 これは逆にストレート型で、在来型ですね。チャリンチャリンと百円玉なんか飛んでしまうと、つい追っかけたくなりますので能率が落ちるということで、今後は、できるだけこっちにありますような斜め型に取りかえの時期が来たときにかえていってもらったらどうかな、こう思うわけであります。
 これはバスターミナルの中の一部です。タクシー乗り場ですが、これがやはりバリアフリーでありまして、この段差がほとんどございません。委員長様が今御利用なさらんとしておる直前でございます。こんなことで、上大岡の駅というのは非常に工夫されておるなということであります。
 これは、今度は音の出るタイルということで、このつえを持ってこのタイルをたどってまいりますと、ここがちょうど音が出てくる案内があるわけですね。改札口が目の前ですとか左ですとか右ですとかということで、音声の補助をいただきながら歩けるタイルと。大分この辺も普及に努めていただいております。もう開発段階から実用段階へ来たかな、こう思っております。
 これは、今度はノンステップバスでございます。このノンステップバスは、そもそもこの差しかけ板というのがバスの中に収納されているのを、これは手で引き出した形でこういうぐあいに差し出して利用していただく。
 谷林先生御利用中でございます。
 ところが、ちょっと中へ入ってみると、実はこのような状況で、二台入るともう満杯ということでありますから、ラッシュ時にはちょっとこれは御利用は無理だなということで、相当その意味でも時間的な面、お客様の込みぐあい等を見計らって行かないと利用が難しいかなというイメージでありました。
 それで、上にこういうふうに大きな字が書いてあります。ノンステップバスが来たねということがこれでわかるわけでございますが、まだ台数が少ないものですから、何台も待たないと来ない。そこで、私先ほど質問の中で申し上げましたように、できるだけ台数をふやして、せめて二台に一台ぐらいはこういうものがやってくるような形にできればいいがな、こう願っておるところでございます。
 これは券売機で、よくできている方のケースですが、この部分が点字でできております料金表でございまして、これをさわってみて、ここでまたタッチパネルでやるということでございますが、この場合にキーがさわれる形になっているのはいいんですけれども、画像処理で出てくるのがどうも困るという話もございます。最新式にしたつもりがかえって不便になったという問題点もあって、なかなかこういうところは規格として難しいものだなと思いますが、これはよくできている例と私は拝見をいたしました。
 これは、水飲み場がこれまた非常に深いへこみになっていまして、何とかここで車いすで寄りつける、こういうケースでございます。
 これは全体の姿でありまして、こんなデザインも非常に近代的であり、姿も美しく利用もしやすいということであります。
 これは、今度は、先ほど申しましたように、一般の乗りおり口でこれだけ段差があると車いすで通過ができない。そこで工夫したのが、持ち運び可能な差しかけ板。これに従って出入りをすることによって駅員さんがこれを持って飛んで歩くということでありますから、やっぱりまだ手数はどうしてもかかるかな、こう思います。
 それから、これは先ほどのエレベーターの位置がわかりにくいという逆な例で、非常にこれはわかりやすく表示が出ておりまして、こういった表示を各所にきちっとつけることによって利用しやすいエレベーター、エスカレーターになっていくんじゃないかと思います。
 これは、逆に今度は、建物の中に入ってしまった途端にこういった人込みと、それから案内をしてくれるタイルがここで消えてなくなっているわけです。さあどうしたらいいかなということでありまして、幸い私どもは案内の方の後を追いかけていけばいいわけですけれども、人込みが逆にバリアになっているという例とごらんいただければ幸いです。
 これがJRの「ふれあいリフト」ということで、これは自由に使える形で出ておりますが、一日に数十人の方がやっぱり利用しているようですね。
 三人乗ると大体いっぱいになってしまう。車いすに介添えの方が一人でもう満杯ですが、一人でも利用できるという点では大変便利なものと思います。
 これは、やはり斜め方式にしました新しいタイプのカード発売機で、割合利用がうまくいっているケースと思います。
 これもやはり点字パネルがついておりますケースですね。お金の投入口が大きく広くできていましていいんですが、このタッチパネルが実は視覚障害のある方には難物だということであります。
 これは、ホームにエスカレーターをつけるのはどうも大変だけれども、こういった個別対応で車いすの方を上げ下げするリフトでございます。
 こんな形で、一人どうしても付き添わなければならない。それから、乗りおりにもやはり介添えが少し必要だという形ではあります。
 ただ、これは要らないときは折り畳みましてこのような形でくっつけておくとほとんど邪魔にならないということもありますから、差し当たりエスカレーターがつくまでの間はこういったもので対応することも一つの方法かと思います。
 これは、ちょっと場所が違いまして、私の住んでおります北千住の駅なんですけれども、昔は実はこれ一つしかなかったんですけれども、どうしてもやっぱり上り下り欲しいということで、この外側の工事を含めて地元がこれはやってくれました。自由通路ですから地元が全部やったんですけれども、大変なこれは工事費がかかっておりまして、その意味でも、こういった外構工事も含めての助成対象、あるいは物によっては起債の対象等に加えていただくといいかなと思っております。
 これはちょっと見にくいんですが、こういうところに印がついていまして、三メーター置きくらいに全部ボタンがついているんですね。もし何かあったときには途中でもとめられるという仕掛けになっております。
 これは、自由通路と階段が併存した地下道ですが、タイルがちょっと実は邪魔になるものですからここはちょっと見えませんが、ここに電球が埋まっているんですね。蛍のようにちかちか光ってくれますので大変案内としては便利になっております。
 これが例の放置自転車であります。歩道が半分近く埋められまして、実は何でこんなにあるのかなと思ったら、この辺が実はパチンコ屋さんなんですね。ですから、これはどうもちょっと公共的なと言うにはやや問題がありますけれども、これは少し何とかせにゃいかぬかなと。
 こういうことで、まだこの日はおとなしい方でございましたが、ふだんはもうほとんど通れないくらいになります。
 この例は、駅がまだ実はバリアフリーになっていないものですから、駅ビルの方で実はその補助をしているという例でありまして、ここにあります上り下りのエスカレーターのおかげで、北千住駅は今実はこんな階段でがっちりとバリアになっておるのがこの駅ビルで実は助かっていると、こんな仕掛けになっております。
 ところが、東武とJRの連絡通路の真ん中に四段ほどのバリアがあります。ここまでお母さん来たんですが、ちょっと困ったねということで一呼吸、これはだれか手伝ってくれる人がいればというイメージで待っておりますが、こういったバリアが至るところにまだ残っているということでありまして、この辺はしかし工夫次第で何とかなるかなと。常磐新線が来たときにはきれいに直してもらえるんだということで今期待をしております。
 これは建物の中にちょっと簡単な斜路をつけてバリアを解消した例であります。
 これは、時刻表の位置なんですけれども、この位置。これも時刻表なんですけれども、これはちょっと高いんですけれども、この位置は非常に実はわかりやすいんですね。やはり低い位置に時刻表があるということも一つのこれは考えかと思っております。
 これは、新旧の券売機を並べてごらんいただいておりますが、やはりここに点字によります料金表がついておりまして、配慮はできるだけやっていることはやっておるわけです。
 これでおしまいであります。
 以上、大変時間をおとりいたしましたが、いずれにいたしましても、この法案が成立をいたしました暁には、できる限りこの趣旨に沿いまして住みやすい町、暮らしやすい町というものをつくりまして、一障害者あるいは高齢者のみならず、すべての国民にとって使いやすい町づくり、駅づくり、ユニバーサルデザインと言われておりますけれども、そういった時代をつくっていきたいものだと思っておりますが、関係の皆様方の一層のひとつ御努力をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(齋藤勁君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(齋藤勁君) ただいまから交通・情報通信委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、笠井亮君が委員を辞任され、その補欠として宮本岳志君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(齋藤勁君) 休憩前に引き続き、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷林正昭君 民主党・新緑風会の谷林正昭でございます。
 午前中に、西日本鉄道株式会社のバスジャック事件の報告がございました。先輩議員から、今後の対策、あるいは大臣の今後の心構えなどなど御質問があり、真摯に御答弁され、私も聞かせていただきました。まことに残念でありますけれども、二度とこのような事件が繰り返されないように、やはり行政といたしましてもしっかり対策をとっていくべきだというふうに思います。重複は避けますけれども、改めてその心構えといいますか、再発防止に対するお気持ちをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(二階俊博君) まず、バスジャックの問題につきまして、委員各位にも大変御心配をいただきました。このたびの西鉄バスのバスジャックの問題、何と申しましてもとうとい人命が奪われたということに対しまして、本当に怒りを込めて、このような事犯が再び起こることのないように対応してまいらなくてはならない、運輸省としてなし得ることは全力を尽くして頑張っていかなくてはならない。事件の当時からもそう思っておりましたが、今またお亡くなりになりました方々の御葬儀であるとか、あるいはまた御家族の談話等を新聞、テレビ等で拝聴するに及んで、改めてその感を深くいたしておるところでございます。
 今度の事件につきましては、私たち反省をしなければならない点はたくさんあると思います。少年法の改正の問題をめぐっても議論が及んでおりますが、私もこの点につきましても十分対応していかなくてはならない。同時にまた、あのような事件が起こったときに、当然人質になっておる方々の人命を大事にする、何よりも大切にするということで、犯人に対して慎重でなくてはならぬことはこれは言うまでもありませんが、我が国のそうしたハイジャック、バスジャック等に対する対応に対して、これは政治として改めて議論をしておく必要があるのではないか。警察に期待をする期待をすると言っても、どの範囲まで期待をしておるのか、そこもやはりこうした事故が起こったときにだけ慌てるのではなくて、日ごろからお互いにそうしたことに対して時間をかけてでも議論をしておく必要があるのではないかと思う次第であります。
 とにかく、バスジャックに関しまして、不意をつかれたというような点もございます。タクシーならば当然、タクシーがああいう状況に仮になったとした場合に、これは委員も御承知のとおり、車中の状況を外に知らせてSOSを発する方法があるわけでありますが、残念ながらあのバスには何らそういう対応がなされていない。
 昨日も西鉄バスの社長に、私は素人でありますが申し上げたんです。その程度の防止の器具を据えつけるのには一台当たりに一万円もあったらできるのではないかということを申し上げました。私は何も調査をした上で申し上げたわけではありません。しかし、その程度のことでできることもあるわけであります。これらをすべて整えることが、やはり再発防止に対して、あるいはまた抑止力にもつながるわけでございます。
 そうしたことなども勘案し、けさほど来御意見のありましたことなども参考にしながら、我々は、今当面は日本バス協会及び当事者であります西鉄、運輸省、三者一体になりまして今後の再発防止について可能な限りの努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○谷林正昭君 ぜひよろしくお願いいたします。
 あわせまして、これは答弁は必要ございませんが、あの事件に遭遇された乗客の皆さん、被害に遭われた、けがをされた方、そして一番心配なのはお子さんであります、心のケアというのが大事じゃないかなというふうに思います。もしよろしかったら、大臣みずからお手紙なども書かれて励まされたらどうかなというふうに思いますので、これは答弁は要りませんけれども、私の考えで老婆心ながら申し上げさせていただきました。何か所感がございましたら。
○国務大臣(二階俊博君) 前後いたしますが、まず、西鉄バスの社長が見えましたときに、ふと私は思いだしたことがございました。
 それは、カンボジアの問題。カンボジアの平和を呼び起こすそのきっかけ、またそれからの経過の中で、当時公明党の石田委員長がカンボジアを訪問されるに当たって、いろんな方々が協議の結果、バスをプレゼントしようということになりました。どうしてバスを集めるかということで、三日間ぐらいの間で集めなきゃいかぬことになりまして、私もさんざん苦労しまして自分の郷里のバス会社、それから今はもう亡くなられましたが、佐賀県出身の愛野興一郎代議士はバス会社でございましたから、この方にもお願いしました。
 そして、当時の運輸省もいろいろ働いてくれたんだろうと思いますが、その西鉄バスから五台のバスを出していただきました。送料は別でございますが、それをまた四苦八苦しまして、送料ともに添えまして、石田委員長以下、神戸の港からバスを送ったときの様子は当時の公明新聞やいろんなのにも報道されてございましたが、そのときお世話になったことを今思い出したということで、私は一言お礼申し上げたんです。
 そこで、そんなことを書いたものがありましたので、きのうそれで手紙を書きまして、運転手さんにくれぐれもよろしく言ってくださいということをしたんです。
 それで、今たまたま谷林委員がおっしゃったそのお子さんに、小学生だというから全部平仮名で書かなきゃいけないかな、だけれども何かお手紙を差し上げる、しかし、運輸大臣だからといって、小学生の方に、まだお目にもかからずにお手紙を差し上げるのはどうかなと思いながら、きょうもう一遍この審議が終わってから考えようと、こういうことになっておりましたが、今、谷林議員に励まされて、皆さんのお気持ちを全部合わせたものをお手紙として、御父兄やまたおばあちゃんもお読みになるでしょうから、思いを込めて差し上げて、そしてこの少女のこれからの生涯にこういうことの心の傷が残らないように、これまた社会全体で盛り立てていくようにしたいと思います。
 またそのほか、おけがをなさった方々、けがはされなかったが、今度はおろされた男性方、これまたあちこちからいろんな御意見が出ているわけです。男性だけなぜおりてきたかと、こう言われるわけでありますが、これはまあそういう場面に遭遇した者でなければ私は批判をすべきことではないと思うんですが、そうしたことも含めて、全部住所も何もわかっておりますから、それなりの対応を委員各位の御了解を得た上でさせていただきたいと思います。
○谷林正昭君 大変きめの細かい御配慮、思いやり、すごく感銘いたしました。
 それでは、そういう気持ちを持ちながら次のバリアフリー法案の審議に、議論に入らさせていただきます。
 私も先ほど野沢先生のあの写真にも出させていただきましたが、その身になってつくづく思ったのは、勇気が要るなと思いました。車いすで外へ出るということは非常に勇気が要るな、こういうふうに思いました。それは、危険な場所を通るということ、あわせまして、人の視線を感じながら自分の気持ちで自由に動きたいというそういう心の葛藤があるのではないかな、そういうふうな思いを持ちながら、実は二日間視察に行かせていただきましてああいう体験もさせていただきました。そういう思いも一緒に含みながら少し御議論させていただきたいなというふうに思います。
 まさに二十一世紀は高齢社会、あるいはいろいろな方々が社会参加をして、そして住みよい町づくりやよりよい社会、こういうものをつくり上げるというのがこれからの課題だというふうに思いますし、ハードだけではなくてやはり心の時代というふうに言われております。
 そういう意味では、とりわけこの法案はまさに画期的な法案だと私も思いますし、これからの時代にあっては絶対に必要な法律だというふうに思っております。いつでも、だれでも、どこへでも自由に移動できる、こういう観点で私たちもこれから大いに取り組んでいかなければならないのではないかな、それが政治の仕事、政治家の仕事ではないかなというふうに思いながら今質問に立たせていただいております。
 先日、参考人質疑がございまして、参考人の先生方、ほとんどの方々はこの法律を高く評価をされております。それは、運輸省単独で出したのではなくて、他の省庁も含めてそれをお出しになった、これが一つの大きな評価だというふうにおっしゃっておいでになります。そういう意味では、運輸省だけとの議論ではなくて、他の省庁との議論もこれは大事だというふうに思いますので、若干時間をとらせていただきますが、少し他の省庁の皆さん方にもお忙しい中来ていただきました。
 そこでまず最初に、民主党といたしましても、実は民主党案というものをつくるということで、一つの素案を示しましてパブリックコメントを求めました。そうしましたら、短期間の間に百十八件のコメントをいただきました。それをもとにして民主党案を作成をして、衆議院の方で提案をさせていただきながら、そして議論をさせていただいたという経緯が実はございます。
 そこでその中で、重複は避けますが、運輸大臣の答弁の中に、民主党は移動の権利を求めているわけでございますが、その権利という関係に対して、基本的な理念、これは障害者基本法や高齢社会対策基本法において既に規定されておる、本法案はこれらの理念を踏まえて具体的な措置を講ずるものであると考えている、こういうふうに答弁されております。まさに私ども、大臣の答弁をよく繰り返し読ませていただくならば、そういうふうにとれるわけでございます。
 それでは、理念の問題についてはきょうは触れません、一遍議論させていただきましたので重複は避けますが、障害者基本法や高齢社会対策基本法、この理念、それを追求し実現するというのがやっぱり二十一世紀の大きな時代の役割だ、政治の役割だというふうに思いますけれども、その実現に向けて、移動という分野でのこの法律は第一歩だというふうに認識をさせていただきます。また、大臣も、多くの議論の中で、この法律が成立したならば、それは終結ではなくてあくまでも第一歩だと、こういうふうに真摯におっしゃっておられます。
 そこでお尋ねいたしますのは、障害者基本法や高齢社会対策基本法、この理念とそして本法案とのかかわりといいますか、第一歩という位置づけでの御所見を各省庁に、運輸省、大臣、建設省、警察庁、自治省、法律提出省庁に対してお聞きをいたしますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(二階俊博君) 既に谷林委員からも御説明がございましたが、私も、本会議その他におきましても、本法案は障害者基本法及び高齢社会対策基本法における基本的理念等に関する規定に基づいて交通のバリアフリー化を推進するための具体的な措置を講ずるものでありますということを、仰せのとおりそう述べてまいりましたし、今もそのように考えております。
 また、移動の権利につきましては、これまた本会議でも申し上げてまいりましたが、憲法上明示されているものではなくて、学説、判例においてもいまだ確定されたものではないというふうに承知をいたしておりますので、いかなる交通サービス水準の提供を受けることが権利であるかについて社会的合意が形成されておりませんので、その内容が明確になっていないわけであります。
 そこで、かつて参考人質疑におきましても、権利を規定しても財政基盤と一体的でないとうまく作動しないことや、緩やかな精神規定で民間企業を活用し、市場原理で進める方が日本には適している旨の意見等が述べられております。御承知のとおりであります。
 このように、移動の権利については国民に定着していないことから、移動の権利を本法案に規定するということには出発点では及ばない、このように判断をした次第であります。
 なお、移動の権利についてさらに検討を進めていくべきとの御指摘でありますが、私は、世論や学説の動向、さらに国会でのたび重なる御審議の中からいろんな意見を拝聴したことをあわせて今後十分な対応をしていきたいというふうに考えております。
 今、谷林議員からも改めて御指摘がございましたが、私は今回のこの法律案、政府が出しておるその骨子といいますか基本的なスタンスよりも、さらに各党の皆様が、もっと前に、もっと広く、もっと大きくこのバリアフリーの問題を取り上げて進めという、毎日毎日各地域からも激励をちょうだいしておるものでございます。
 財政その他の問題、そしてこれが最初の取っかかりであるということなどを考えて、何もかもこれに一挙に積み込んでしまって、背負い切れないといいますか前に進めないではこれは意味がありませんので、とりあえずこの原案で今国会を通させていただきまして、その後は五年間の後の見直し、あるいは十年の努力目標、そうしたことを十分念頭に入れて、それぞれの各党の御意見等を十分参考にさせていただいて、これは何も争いをして決める問題ではなくて、多くの皆さんが心の温かい気持ちを持って交通バリアフリーの時代を築こうと。
 しかし、残念ながら今がこれ最初のスタートでございます。アメリカにおくれること十年であります。運動なさってこられた方々にとってはまことに残念な日々が多かったかと思いますが、しかし八代英太議員を初めいろんな方々の御意見をまた私が聞きますと、長年の努力が実って本当に喜んでおると。けさも、閣議で別れる際に、きょうもバリアフリーの御審議だそうですね、頑張ってくださいと。
 そして私は、八代英太郵政大臣が車いすの生活をなさっているからということで申し上げたわけではないんですが、郵政省に、できるだけ多くの皆さんにこの問題にも御理解をいただくために絵はがきをつくってもらいたいということを申し上げておりました。そして、ようやくこの十二日に発売日が来ることになりました。発売されましたら、委員の皆さんに見本としてぜひお届けしてごらんをいただきたいと思います。
 そのようにして国民全体からバリアフリーの問題を推進する。地方の議会、あるいは地方のいわゆる自治体にいろんなことをお任せする形になっておりますが、その背後に国民の皆さんがついていらっしゃるわけですから、その推進のテンポが遅ければ、もっと早くもっとしっかりやれという声が国民の間からも出てくる。我々は、それに負けないように、それに呼応して運輸省としてもしっかり頑張らなきゃいけないと決意いたしておるところでございます。
○政府参考人(山本繁太郎君) 両基本法の理念を踏まえて本法に基づく施策を具体的に進めるべきであるとのお話、御指摘のとおりであると受けとめております。
 建設省の取り組みでありますけれども、バリアフリーの生活空間をつくり上げるという観点から、例えば、駅の周辺などの歩行者の多い地域において幅の広い歩道の整備などを行う歩行空間ネットワーク総合整備事業、あるいは駅など交通結節点において駅前広場、通路、駐車場などを整備する交通結節点改善事業などを一生懸命進めているところでございます。
 これらの仕事は、いずれも多くの事業主体、それから経済主体にかかわる仕事でございまして、そういう意味でこれらの制度を生かして、特に関係省庁と連携を図りながら、基本法の理念を踏まえてこの法律に基づく旅客施設それからその周辺の一体的バリアフリー化を積極的に進めてまいる所存であります。
○政府参考人(坂東自朗君) 既に運輸大臣あるいは建設省の方から御答弁があったところでございますが、私ども警察庁におきましても、この法案は、委員御指摘のとおり、高齢者あるいは身体障害者の移動の利便性及び安全性の向上の観点から、委員が御指摘のあった両法の理念の具体的実現を図ろうとするものでございます。
 警察といたしましても、この法案で規定されております重点整備地域におきましては、関係機関あるいは関係者ともよく連携を図りながら、高齢者あるいは身体障害者の方々が道路を安全であるいは円滑に移動できますような信号機、あるいは道路標識、道路標示の整備を図りますとともに、違法駐輪等の取り締まりの強化やあるいはその防止についての広報啓発活動というものを推進いたしまして、障害者基本法あるいは高齢社会対策基本法の理念がより具体的に実現されますように、高齢者、身体障害者等の移動の円滑化の向上に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○政府参考人(香山充弘君) お答え申し上げます。
 基本法の理念といいますと、やはり個人の尊厳を重んずるということと、社会の一員としてあらゆる分野での活動に参加することを保障するというところにあろうと思います。これを地域の面から見ますと、あくまでも地域連帯というのが基本になることでありますし、社会参加が進むということは地域の活性化につながるわけでありまして、地域社会にとっても大変重要なことだと思っております。
 このような身障者の方々の社会参加あるいは個人の尊厳を重んずるための重要な手段の一つが移動の自由を保障することでありまして、その具体的措置を地域の主導によって進めていく、そういうことがこのバリアフリー法案にとっての最も重要な意味であろうと私ども考えております。そのような意味で、地域が地域の主体性のもとにバリアフリー化を積極的に推進していくということに意義があると考えておりまして、私どもも財政措置等を通じまして地方団体の取り組みを強く支援してまいりたいと考えておる次第でございます。
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 まさにこの二法の理念を追求するその一助であるというふうに認識を私もしております。ぜひきょうはよりよい法律に仕上げるための議論にしていきたいというふうに思います。
 今せっかくこういうふうに世論が盛り上がってきています。新聞を開けば、バリアフリー法案というのはどこかの新聞に出ているというようなこともございます。
 そしてまた、私は、そういう歴史というのは一体どういうふうにあるのかなと。いろんな方々が運動されてこられました。しかし一方では、よりわかりやすく、某テレビ局、日本テレビ系列でございますが、「二十四時間テレビ 愛は地球を救う」、こういうのが実はございます。それがどれぐらいの効果といいますか運動になっているのかなと、実はきのう日本テレビの方へ伺いました。そうしますと、一九七八年からその運動が始まりまして、多くの方々の御寄附、カンパ、こういうものがございまして、既にリフトつきバスだとか入浴車だとか電動車いすだとか、こういうものが六千二百八十八台もそういう関係団体に寄附がされている、こういうような状況もお伺いしました。
 そういうことを考えますと、まさにこの法案をよりよいものにしながら成立をさせるということが、今この四省庁で出している内容を国民に理解していただき、そして関係団体の皆さん方からも喜んでもらえる法律になるのではないかなというふうに思っております。
 そこで、具体的な質問に入らせていただきますけれども、基本方針の策定方法についてお伺いいたします。
 基本方針を作成するに当たってはパブリックコメントを募集する、こういうふうにお聞きしておりますけれども、その中で、これまでの行政の手法は審議会方式というのが非常に多かった。しかし、今回の場合は、審議会方式になれば関係団体の皆さんも、あるいは市民の皆さんも入れるのかなというふうに思っておりましたが、どうもそうではない。連絡協議会方式かなというふうに思い、省庁の連絡協議会方式になるのかどうかわかりませんけれども、その基本方針策定に当たってのシステムについてお聞かせいただきたいと思います。運輸省。
○国務大臣(二階俊博君) 本法案に基づく措置の基本的な考え方を定める基本方針の策定に当たりまして、先ほどから谷林委員からも御指摘がありましたように、今度は関係する四省庁が緊密な連絡をしながら作成する、これが私は大変意義が深いことだと思っております。
 今まででございますと、例えば鉄道の方で一生懸命やっても、表に出てまいりましたときに、道路とか公園とかに行くときにはさっぱり車いすが動けないというふうな状況であっては、これは何にもならないわけでございまして、そうした面を建設省と今度は一体になってやらせていただくことができる。そして、地方自治体に対して自治省からもいろいろ支援をしていただく。さらにまた、交通信号等につきましても警察が直ちに、基本計画の段階から御相談をさせていただいておりますので、普通のことを行うよりも極めてスムーズに事が運ぶのではないかと思っております。
 また、これは衆議院の委員会のときでございましたが、建設省と運輸省が一緒になるということはこれは巨大官庁ができるのではないか、こう言われましたが、今度は巨大官庁が優しい気持ちを持ってバリアフリーに全力を尽くすということがあれば大変大きな成果を生むのではないか、これは今度の省庁の合併の中で一番大きなヒットではないかと。バリアフリーの問題を進めるのには、建設省と運輸省が一緒になるということはこれは一つの運命でして、大変すばらしいことが期待できるのではないか、こう思っておるわけでございます。
 また、基本方針の原案の作成に当たりまして、当事者に対して、四省庁が集まったからといって四省庁が独善的な考えでやるのではなくて、それぞれ御意見のある方々からいわゆるパブリックコメント手続をとることにいたしておりますので、御意見をちょうだいする。その御意見のちょうだいの仕方でありますが、普通、原案が全部でき上がってしまって、それを提示してこれでいかがかと、こういうふうにして迫られた場合は、なかなか一般の方々がそれに対して一々反論をするということは難しいことが多いと思います。それよりも、もっと最初の段階から、御意見があればどんな小さなことでも御意見をお寄せください、そしてできることは採用させていただきます、できないことはかくかくしかじかで難しくてできません、もう少し時間をかしてください、将来の問題とさせてくださいというふうなことをきちっと区分して、当事者の意見が十分反映されるように通常のパブリックコメント以上の手続を考えていきたいと思っております。
 先ほど来、谷林委員がいい法案に仕上げるための議論だと、まさにそのとおりでございます。民主党のこうしたパンフレットもちょうだいをいたしておりますが、傾聴に値する御意見がたくさん詰まっておりますので、このことに関しましても今後十分配慮をしてまいりたいと考えております。
○谷林正昭君 非常に前向きな御答弁をいただいて感謝をしております。
 先日まではパブリックコメントを受けるということだけが表に出てきておりましたけれども、今大臣の答弁では、その前段から声を聞きたい、声を聞くというようなことも、パブリックコメントで声を聞くということになりましたので、多くの方々がいろんな意見が寄せられるというふうに思いますので、ぜひ参考にしていただきたいというふうに思います。
 そこで、その方針をつくるに当たりまして、やはり計画というのが大事だというふうに思っております。
 そこで、とりあえずは二〇一〇年という完成目標といいますか到達目標を持ってこの法案が提案をされておりますけれども、やはり中期、長期、短期、いろんな計画というものが必要になるんではないかと私は思うんですけれども、そういう計画を立てたとしたら、中期を考えておいでになるのか短期を考えておいでになるのか、あるいは長期を考えておいでになるのか、そこらあたりをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 率直に申し上げまして、我々はアメリカにおくれること十年でスタートするわけですが、やがて追いつき追い越したい、そういう基本的な気持ちを持っております。したがいまして、短期といえば短期、中期といえば中期、長期といえば長期、あらゆる戦略を考えて対応してまいりたいと思っております。
 十年程度を目標とすることを一つの目安としまして申し上げましたが、国会の審議の中で五年で見直してはどうかという御提案がございました。我々は率直に申し上げて、そうした御意見に対して賛同し、同時にそうした国会の御指導に基づいて今後対応しようということでありますが、五年後の見直しの規定が盛り込まれたことから、五年後のバリアフリー化の進捗状況を見ながら、さらに世論の動向、また五年の間に国会においても常にこの問題について積極的な建設的な御議論がなされるであろうと思いますので、そうしたことを十分拝聴しながら対応していきたいと思っております。
○谷林正昭君 そうなっていきますと、当然そこには予算というのがついてまいると思いますし、いわゆるこのバリアフリー法案にはお金がかかるという人もおいでになります。また、かけなかったらだめだという方もおいでになります。
 そういう意味では、民主党は十年で六千五百億ぐらいをかけたらどうかという試算もさせていただいたんですが、政府予算は、先ほど午前中の議論の中では、まず私の計算では八十億掛ける単純に十年ということになれば八百億かなというふうに思ったんですけれども、それはまた横に置いておきまして、当初、十三年度予算からはどれぐらいを目標に頑張られるのか、少し予算のめどなどもお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 私も国務大臣の端におりますから、余り予算の先々までのことをこの席で申し上げるわけにはまいりませんが、私の気持ちは谷林委員に負けず劣らず、もう少し多い目のことを考えておることを申し上げておきます。
 我が国は御承知のとおり単年度の予算制度をとっておりますために、今後の予算の見込みについて確実なことを、私は申し上げてもいいかわかりませんが、事務当局も大変困ってしまいますから。しかし、バリアフリー化の実施に当たって予算の確保が重要であるということはもう申すまでもありません。
 しかし、私は、衆議院の予算委員会あるいは参議院の予算委員会におきましても、この問題について各委員の皆さんから大変積極的な御意見をちょうだいいたしました。その際に、私もその御意見に対して御答弁申し上げる際に、ちょうど宮澤大蔵大臣の前を通っていかなきゃいけない、後ろでどんなお顔をしておられるかわからないんですが、よく閣議の後などでいろいろお話を申し上げておりますが、大変閣内におきましても御理解をいただいておりますし、前から御承知のとおり関係閣僚会議などもできてございますので、政府一体になってこの問題に取り組んでいきたいと思います。同時にまた、各党の皆さんがこれを御支援くださっておりますので、私は与野党の壁を乗り越えて、まさに全党一致でこの問題を御推進いただいておることを思えば、予算でございますが、本年度の予算におきましてはかつてなかなか思いも及ばなかったほどの予算総額百億円を獲得したわけでございますが、私はこんなことではバリアフリー化の完全実現はなかなかほど遠いわけでありまして、それは十分承知をいたしておるつもりであります。
 これから各委員の皆さん等の御支援をちょうだいしながら進めていきたいと思いますが、まずバリアフリー化の予算で一番大きな部分を占めるのは鉄道の駅でございます。個々に構造や必要な措置が、内容が異なるわけでありますから、幾つ駅があるから一つ大体どれくらいの予算で総額どういうふうになるということを申し上げるのは少し乱暴かと思いますが、一日の乗降客が五千人以上の駅や周辺に高齢者、身体障害者が利用する施設がある場合には、あるいはまた段差を解消することなどが必要とされる場合、これは標準の大体一億円ぐらいだろうと言われているのからもう少し上回った額になるのではないかというふうに思うわけでありますが、そうしたことに対しましても今後いわゆる三者で、事業者とそして運輸省と同時に地元の地方自治体と御一緒になって考えながら対応していきたいと思っております。
 ノンステップバスにつきましても、今は普通のバスで御承知のとおり千五百万円ぐらいのものが、ノンステップバスにしますと二千三百万円ぐらいかかるかな、こう言われておるんですが、これは今の少数走っておりますバスからしますとその程度の値段がするかもしれませんが、今後これが大量にどんどんとノンステップバスになっていけば私はもっともっと安くなっていくであろうというふうに思っておりますので、今後ノンステップバスにつきましてもいろいろと工夫を凝らして対応していきたいと思っております。
 私は、押しなべて今各委員の皆さんがみんなおっしゃって、そして直ちにやれ、早くやれとおっしゃっていただいていることをそのままやりますと約一兆円ぐらいかかるかなと思っております。しかし、一兆円かかれば、一兆円投資すればまた別の経済効果もあるわけですから、何も一兆円が全部そういうことに費やされたままだというんではなくて、改めて新しい需要も喚起できるわけでありますから、これは当然私どもとして今後十分対応を考えていかなくてはならない大きな課題だと思っております。
○谷林正昭君 大変心強い御答弁ありがとうございました。
 衆議院の議論の議事録を読ませていただきましたら、経済効果の方も数千億から一兆円になるんではないかというような見通しを立てて御答弁されております。そういうことなども今後の目安にしながらの予算編成にぜひ御尽力いただきたいなというふうに思います。
 次に、基本方針と基本構想のつながりといいますか、それよりも今ある制度、こういうものとのつながりというものを少しお尋ねしてみたいというふうに思います。
 例えば国道、県道、こういうものを基本構想ではどういうふうに取り扱われていくのか、あるいは国が今定めております公共交通ターミナルにおける高齢者、障害者のための施設整備ガイドラインというようなものもございますし、その他に幾つもこういうバリアフリーの関係あるいは高齢者、障害者の皆さんの対応、こういうものがたくさん制度があるというふうに思っております。
 そういうものとのかかわりというものを少しお聞かせいただきたいなというふうに思います。
○国務大臣(二階俊博君) この法案におきましては、主務大臣が移動円滑化の促進に関する基本方針を定めることといたしておりますが、この趣旨は、国がバリアフリー化の意義や目標等を示し、関係者の目的意識を一にしてバリアフリー化を総合的に推進することにあります。
 この基本方針の中で市町村が定める基本構想の指針となるべき事項を定めることといたしております。具体的には、重点整備地区の定め方に関する基本的事項や、さらに市町村が基本構想を定める際に高齢者、身体障害者などの意見を聞くことなどを定めるが、市町村の独自性を損なうことのないように、具体的な内容を定めることは今のところ考えていないわけであります。まさに地方分権の時代にふさわしく、自立を促す方向でこのことに関しては対応していきたいと考えております。
 市町村は独自に、したがって実情に応じて基本構想を定めるものでありまして、独自性というものに対しましても強い御意見がしばしばもたらされておりますが、私の方としましては、十二分にそれを尊重することができる仕組みになっておる、このように考えておる次第であります。
 なお、従来の条例やガイドライン等について、そのまま維持するのかあるいは改正を行うのか、まさに地方の自主的な選択によることであると私どもは考えております。
 したがいまして、どこまでも市町村長のリーダーシップ、あるいはその議会、あるいはその議会を取り巻く地域住民の皆さんの熱意、そうしたことによってこのことは十分運輸省としては、あるいは政府の四省庁としては柔軟に対応していく幅を持っておるということを御理解いただきたいと思います。
○谷林正昭君 よくわかりました。私も、画一的あるいは枠にはめるというようなことだけはしてほしくないというふうに思っております。
 次に、より具体的な中身に入っていきたいと思いますが、この法律が通りましていよいよ具体化に進むといったときに、自治体、業者、そういうところの努力が必要になってくると思いますし、施策を進めるということが出てまいります。ところが、そこには努力義務だとかあるいは二〇一〇年という一つの区切りもございますが、何年までどこまでやれというようなものは今のところないというふうに認識をしております。
 そこで、その進捗状況を把握する、そういう機関が私は必要ではないか。そして、絶えず把握をするというそういうものが必要ではないかというふうに思いますので、そういうのはどこでやるのかお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 既存の施設のバリアフリー化の進捗度あるいはまた達成度については、この法案に基づく報告聴取や各事業法に基づく報告聴取制度を活用して随時実情把握に努めてまいる所存でございます。同時に、これらの方法によって状況を把握した結果、もろもろの事情を考慮しながらも事業者の側になおバリアフリー化のための努力が不足していると判断した場合には、当該交通事業者に対しまして改善するために必要な指導を適切に行うことにより、既設の駅等についてもバリアフリー化が進むよう万全を期する気持ちを持っております。
 同時にこれまた、先般、鉄道の安全を再確認するという意味で、全国の鉄道事業者二百社の事業の中心になっていただいている方々を運輸省に招きまして、そして鉄道の安全についてもう一度決意を新たにしてもらいたい、運輸省もこういう決意で臨むということをお話し合いさせていただいた際には、このバリアフリー化の問題につきまして国会で今御審議をいただいておりますが、今後この法案が成立の上はぜひともそれぞれの鉄道事業者において協力を願いたい、その旨申し上げております。
 今度、法律が成立させていただいた後は、鉄道事業者のみならずあらゆる交通事業者に対して、運輸省は出先の運輸局を活用してそれぞれの皆さんに対して、これは法律で押しつけてやっていただくというのではなくて、鉄道事業者といえども運輸省が先頭に立って、やっぱり頭を下げて御協力を願う、御一緒にやりましょう、そして地元の市町村なんかの意見を十分聞いてくださいよということをこちらから働きかけていく、その努力が法律にどんな強い文言を書くよりも私は大事なことだと。これは私の責任において指導してまいりたいと思っております。
○谷林正昭君 大分大臣の気迫に私も押されぎみになってまいりましたけれども、私も少し負けないで質問させていただきます。それがいい法律をつくる議論だというふうに思っておりますので。
 そこで、これがスタートだというふうになれば、当然あらゆる駅といいますか公共交通機関、とりあえずは公共交通機関、こういうところにこの法律を適用する時代が来るというふうに私は思います。もし大臣の頭の中にそういう計画がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 大変交通問題に御熱心な谷林委員にだんだんつり込まれて、私もかなり積極的に答弁をさせていただいたわけでございますが、やはりすべての駅についてバリアフリー化を推進することが理想的である、私はもう全くそのことに対して異論を挟む余地はないと思っております。これは各党の皆さんがそうおっしゃいます。しかしそれは、国、地方公共団体あるいは鉄道事業者にはそれぞれ投資余力あるいは財源というものがありますから、今私の立場からみんな並んで一挙にやれということを申し上げるわけにはまいらない、そこが私どものつらいところでございます。
 しかし、皆さんがこう熱心に御議論いただき、そして御推進を図っていただくということは、運輸省のみならず他の三省庁あわせまして大変心強く思っております。そして、予算もそんなにたやすい予算ではないわけでありますが、しかし、全部やったとて一兆円で済むことです。ですから、本気になってやればこれは全然できないことではないという私たちは基本的な考えは持っております。
 しかし、先ほどからも既に谷林委員からも御指摘がありましたように、今が出発でございますから、出発はやはり、小さく産んで大きく育てろという言葉もありますから、私たちは、ここは何とか大方の皆さんの御理解、財政当局の御理解も得ながら進めていくというのにはここが限界かな、一応の目安かな、こういう思いで出発いたしますが、私たちの心の中には、アメリカに追いつき追い越そう、こういう理想を持っておることをぜひ御理解いただきたいと思います。
○谷林正昭君 この委員会で後ほど採決されるというふうに思いますけれども、ぜひそういう気持ちをお互いに持ちながらやらなきゃならぬのではないかなというふうに私は思います。
 そこで、そうなってきますと、やはり当事者の皆さん、高齢者の皆さんや障害者の皆さんがいかに使いやすい設備にするか、あるいは設備した後使いにくいか使いやすいかというそういう評価というものも大事になってくるというふうに思いますし、その評価の前には、やはり監視といいますか、どういう設備になったか、そしてそれを修正したりあるいは直したりというそういうことも出てくるというふうに思います。
 したがって、そういう監視をするシステムが私は必要だというふうに思いますが、そういう監視をするシステムを設置するお気持ちがあるのかないのか。私は必要だと思いますが、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 先ほども申し上げましたように、私は、ここで法律でどんな厳しいことを書くよりも、できるだけ多くの皆さんの御協力、御理解を得られるようなことの努力をするべきだということをしばしば役所の中でも話をしておるところでありますが、交通機関のバリアフリー化は、国、地方公共団体、交通事業者、交通事業の従事者、そして利用者などの関係者の協力と協調によって初めて促進されるものだというふうに基本的には考えております。
 したがいまして、規制や監視を中心にして進めていくべきものではないのではないかというふうな思いを持っております。すなわち、規制等は一定限度にとどめて、社会的連帯、みんなで協力し合おうというそういう熱い思いの中からバリアフリー化を進めてまいりたいという考えでございます。
 したがいまして、監視機関を設けて水も漏らさぬ監視を行うということ、そういうやり方ではなくて、むしろ利用者も含めた委員会等によって交通施設の評価を行うことによって当事者の自覚を促し、バリアフリー化を促進することが効果的であると考えておるわけでございます。
 この考え方から、先ほども野沢委員からも御視察の様子等についてつぶさに御報告をお伺いさせていただいたわけでございますが、やはりこれは交通事業者にとってみましても、あるいは地方自治団体にしましても、社長であるとか市長であるとかという人がやろうやろうと言うだけではこれは進みません。やっぱりみんながそういう気持ちになっていただくことが大事であります。
 したがいまして、運輸省としましては、バリアフリー化の進捗状況の評価を行う仕組みを、最近設けたものはいわゆるやさしさ評価委員会、やさしさ指標、そうしたことで、注意をする場合も頭からしかりつけるのではなくて、みんなで何となくその方向へ行くことの方が交通機関も利用者からも社会からも拍手を受け、祝福を受け、そしてみんなから評価を受けるんだということをわかっていただくように進めていきたい。
 昨年の四月、御承知のとおり学識経験者や高齢者、身体障害者から成る委員会を発足させ、駅のバリアフリー基準であるやさしさ指標を昨年の末に作成しまして、これまで十駅の評価を行ったところであります。
 今後は、先ほども申し上げましたが、監視機関ではなくて、こうした第三者による評価を広めることによりバリアフリー化の進捗を図ってまいりたい、そういう思いから、周りにといいますか周囲といいますか、国民の皆さんの間にバリアフリー化を進めていこうという強い決意とそして御熱意をぜひお願いしたい。そんなことから、先ほどもちょっとごらんに入れました絵はがきなどもつくらせていただいた。これはほんの一例にすぎませんが、これはお金も何もかからないでみんなで協力し合えることですからこれをお願いしたわけでございますが、今後いろんな意味で、また間もなく選挙も始まりますから、各党の皆さんが恐らく公約にバリアフリー化の問題の推進についてもっともっといろんな考えを披瀝いただけるものと期待をいたしております。
○谷林正昭君 よくわかりました。
 要は、いろんな人たちの声を自主的に聞きながら、そして自主的によりよいものをつくり上げていくという考えだというふうに思います。規制や監視でやっていないところにはしかりつけてやらせるというようなことでなくて、自覚を待ちながら、そしてよりよいものをつくっていく、そういうような指導をされるというふうなことだと受けとめさせていただきました。
 そしてまた、そこにやさしさ評価委員会というのがありまして、私もそれ少し勉強させていただきました。先日、羽田の方へ視察に行ったときに早速それを配っていただいて、交通エコロジー・モビリティ財団というのがマスコミ対応をしながら、そして今評価をしていると。一番やさしいのは羽田駅、営団渋谷駅は車いすに不親切と、こういうふうにずばりマスコミに出ますから、これはその駅長さんは大変だなというふうに思いますけれども、しかしそれは大事なことだと私は思います。ぜひこういうふうな評価をしながら、そして自主的なものを促す、これが大事な政策ではないかなというふうに私は思います。
 そこについて出てくるのが、より具体的な苦情だというふうに私は思います。問題は、その苦情をいかにして処理するか、その処理する前に受け付けるか、ここがポイントだというふうに思いますので、これは国と地方というふうにこれを分けて受付場所をつくった方がいいんじゃないかなというふうに私は思います。
 この苦情申し立て機関の設置、これをどうされるのか。これは運輸省と自治省にお尋ねいたします。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 ただいま先生がおっしゃった苦情処理でございますが、確かにいろいろな面での苦情処理、国、市町村それから事業者がそれぞれ対応しなければならない問題だと考えております。
 運輸省の場合でございますと、基本的な問題につきましては私ども運輸政策局消費者行政課が、それから地方の問題につきましては地方運輸局の企画部がそれぞれ対応しております。
 それから、事業者の方でございますが、これは経営の規模に大小ございますので一概にどこの部どこの課とは申し上げませんが、これは必ず対応するようなところを設けるよう、またこの法案ができたのを契機に一層徹底するようにしてまいりたいと思っております。
 それから、市町村についてでございますが、市町村は、我々国からここでやれというようなのはちょっと地方分権の観点から問題がございますが、市町村の性格上、当然こういうものは設けられているものだと考えております。
○政府参考人(香山充弘君) 苦情についてのお尋ねでございますけれども、一般論をあえて申し上げますと、事業者に対する苦情は事業者、施設に対する苦情は施設の管理者に対してなされるものということでありまして、何でもかんでも市町村に言ってきていただければいいというわけには率直に申し上げてまいらないと思いますけれども、地域の総合的な行政の窓口としていろんな手段で地方公共団体は苦情をお受けするような組織、機構を持っておりますし、現にいろんな苦情を受けております。それについて行政的な対応が必要なものについてはそのような対応をしていく、そういうことになろうかと考えております。
○谷林正昭君 苦情というのは次のステップにつながるというふうに私は思います。そういう意味で、ぜひ苦情というのはありがたいものだというふうに受けとめて対策、対応をとっていただきたいというふうに思います。
 ちょっと関連しまして、今自治体でバリアフリーに関する条例、ほとんどの自治体がつくっているというふうに思いますが、都道府県ではまだ五つぐらいできていないというふうに伺っております。あるいは市町村では二百ぐらいあるというふうに伺っております。基本構想をつくるに当たりまして、各自治体でつくっているこの条例との兼ね合い、もしありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(香山充弘君) お答え申し上げます。
 最近、条例を制定いたしましてバリアフリー化に総合的な取り組みをするという地方団体がふえてまいりました。その数は、四十二都道府県、二十七の市町村に上っております。また、条例制定には至っておりませんけれども、要綱あるいは指針というような形で総合的な取り組み方向を示しておる地方団体というのは、残りの五県、また市町村では二百を超える団体というふうになっております。
 この御審議いただいておりますバリアフリー法案に基づく基本構想というのは、いわゆる公共交通機関を中心テーマといたしておりまして、一方で、先行いたしております条例というのは町づくりの基本的な方向を定めたもの、あるいは公共建物、建設物一般を対象としているもの、あるいは交通関係でも、この法案が必ずしもカバーしているとは言えません既設駅の整備、こういったものに幅広く触れておるものがありまして、その内容はまちまちでありますけれども、一般的には条例がカバーしている範囲の方が今回のバリアフリー法案よりも広いと考えております。
 しかしながら、いずれにいたしましても、この法律が目指す方向とそれから従来地方団体が制定いたしております条例等が目指す方向というのは全く同じものでありまして、また相互に効力を否定するような性格のものではございませんので、両者相まって地域の実情に応じたバリアフリー化が促進されていくものというふうに私ども考えております。
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 次に、パブリックコメントについて、基本方針のパブリックコメントについては先ほど大臣の方から御答弁いただきましたので、ぜひそのように。私も突っ込んで質問しようかなと思っていたんですけれども、先ほど逆に突っ込んで御答弁いただきましたので、これは飛ばさせていただきます。
 次に、指定法人の役割について、午前中も御議論ありました。まさに公共交通機関を利用する方々にとりましてはこの指定法人というのがよりどころになるというふうに私は思います。
 したがいまして、その役割と設置の基準といいますか、だれにでも許可といいますか指定するのか、あるいはより安全に利用していただくために一定の基準を設けるのか、そういうことなども含めて、利用しやすい安全なそういう指定にするべきだというふうな観点から御質問をいたします。
○国務大臣(二階俊博君) 指定法人のまず業務について申し上げます。
 バリアフリー化の実施状況に関する情報の提供、そして交通事業者に対するバリアフリー化のために必要な助言、指導等を行う、またバリアフリー化のための事業に関する調査及び研究等が指定法人の業務であります。
 指定法人は、その業務を無償ないし実費により行うものであることから、指定に当たっての考え方といたしまして次のようなことを考えております。
 それは、業務を円滑に行う財政基盤を持っていること、バリアフリーに関する専門知識、ノウハウが集積された組織であること、全国的に情報を収集、提供できる人員及び体制が整っておることなどを満たすことが必要であると考えております。また、これを実施する機関として新たに法人を設立することは考えてはおりません。
 そういうわけでありますから、私は指定法人というものにつきまして、これはそういう無償ででもできる、あるいは実費等の程度のことでもできるという相当ボランティアの精神を持った、そして訓練された組織であることが望ましいというふうに考えております。
○谷林正昭君 私は、今大臣がおっしゃいましたように、相当利用者の方がふえてくると思いますし、先ほどありましたように乗り継ぎだとかあるいは乗りかえだとかいうようなことが、それを頼りにされる方が出てくるというふうに思いますので、より安全で親切なそういう法人を指定するべきだというふうに考えております。今ほど財政面、専門知識あるいは人員配置、そういうものが必要だというふうにおっしゃいましたので、ぜひ私も安全ということを大事にしていただきたいというふうに思います。
 次に、大臣は先般からの議論の中で、基本構想策定に当たっては市民の声をよく聞く、あるいは市民参加ということを御答弁されたりおっしゃったりされております。私もそのとおりぜひやっていただきたいというふうに思いますが、もう一歩進んで、この法律の中にはそれが明記されておりません。したがいまして、この市民参加ということを確固として担保するという、そういう御答弁をぜひいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(二階俊博君) たびたび申し上げておりますように、地方分権の時代に市町村が中心になって作成する基本構想については、作成主体である市町村が住民福祉の観点から地域住民の皆さんの御意見を拝聴することは、これは当然のことでございまして、これを構想の中に反映していくこと、それは地方自治体として十分このことに関しては私どもは担保できるというふうに考えておりますので、あえて法律上規定はしていないところであります。
 しかしながら、必要であれば、市町村の策定する基本構想について、国が定める基本方針の中で高齢者あるいは身体障害者の御意見を聞くべきことを規定することも私どもは考えの中に、視野に入れておるということも申し上げておきたいと思います。
○谷林正昭君 突っ込んだ御答弁ありがとうございました。
 同じ質問を自治省にお尋ねいたします。
○政府参考人(香山充弘君) お答え申し上げます。
 バリアフリー化の分野はかねてより地方団体が積極的に推進してきた分野でありますけれども、具体的に取り組みをいたしております地方団体を見ますと、高齢者でありますとか障害のある方々も含めまして住民の御意見を広くお聞きし、それを反映しながら進められてきておる状況でございます。
 今回の基本構想の作成に当たりましても、当然そのような手順を踏んで実施されていくものと考えておりますけれども、今大臣から御答弁ありましたように、国が定める基本方針におきまして、市町村が基本構想を作成するに際しまして高齢者や障害者の方々の意見を把握するための適切な措置を講ずる旨規定するというようなことを運輸省と相談させていただいている状況でございます。
○谷林正昭君 ぜひそのような取り扱いをお願いしたいというふうに思います。
 次に、教育訓練並びに学校での教育について少し御議論させていただきたいというふうに思います。
 先ほど言いましたように、視察に行かせていただきまして、車いすに乗せていただいて、その視点から周りを見渡しました。そのときに、大変私も恥ずかしい思いをしたわけでありますが、自分の心の狭さに恥ずかしい思いをしたわけでございます。やはり人の見る目線といいますか、何か痛く感じました。それは私の心の狭さもあったというふうに思います。
 そういうことを考えますと、やっぱり業者の皆さんの教育訓練も非常に大事になってくるというふうに思いますし、一方では一般市民の方々、健常者の方々、そういう方々が小さいときから、これからはこれが当たり前なんだというような社会にしていかなきゃならない、そういうふうに私は思うわけでございますが、運輸省としまして、学校教育ということの中で文部省との連携について考えがございましたら少しお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(二階俊博君) 交通バリアフリー化を促進するためには、ハードの面の措置だけじゃなくて、つまり心のバリアフリーが重要であるということを再々申し上げてまいりましたが、まさに国民の協力と理解が必要不可欠なものであります。
 したがいまして、本法案におきまして、国が広報活動等を通じて国民の理解をちょうだいできるように努めることにいたしておりますが、さらに「国民は、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した円滑な移動を確保するために協力するよう努めなければならない。」こととしております。
 先般、四月十四日でございましたが、衆議院の運輸委員会におきまして、本法案の審議の場におきまして文部省が出席をいたしておりまして、学校教育における対応としての委員の質問に対して、道徳等の教科において思いやりの心、公共心、奉仕の精神を育てることをその内容とすること、学習指導要領においてボランティア、社会体験活動を重視した活動を実施することを各教科等においてこれを促進してまいりたい、これらを通じて子供たちが高齢者、障害者に対する思いやりの心や具体的な介護方法などを身につけるように今後とも努力をすること、大変立派な答弁をいただきました。
 私は、けさ、閣議の始まる前に中曽根文部大臣にお会いをしまして、文部省はかくかくしかじかの答弁をしておるが、大臣においても間違いないですねということを念を押してまいりました。大臣も全くそのとおりでございますと力強く決意を述べておられました。
 御一緒にこうした問題に対応していきたいと思っておりますが、一つ一つ最近の社会に起こってまいります事犯等を考えておりましても、こうしたことで思いやりの心を持って身体障害者の方の車いすを引っ張るお手伝いをしたり、お年寄りの皆さんに何か階段の上りおりに手をかしてさしあげるようなことを子供のときからしておれば、大きくなって凶悪犯になんかになるわけがない。そういうことをやっぱり学校は教えなきゃならない、家庭もまた教えなきゃならない。
 私は、交通バリアフリーの問題を、おくればせのスタートではありますが、この出発に際しまして、多くの国民の皆さんはもとより、関係省庁、単に四省庁だけではなくてすべての省庁、したがいまして私たちは八代郵政大臣の提案によりまして閣内におきまして関係閣僚会議というものをつくりました。御案内のように関係閣僚会議というのは幾つもございます。しかし、私はこの問題については徹底的に今後も議論をし、協力、協調を呼びかけてまいりたいと考えております。
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 次に、具体的な質問をさせていただきますけれども、第四条にある移動円滑化基準の策定、新しい設備をつくるときに基準をつくりたい、こういう提案がされております。くどい話で恐縮でございますが、この基準策定に当たって、いつ、どこで、だれが行うのか。私の言いたいのは、そこにまた当事者あるいは市民の皆さんの御意見をぜひ反映させられるようなシステムをつくっていただきたい、これが私の考えでございますが、御所見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) もとより、このバリアフリーの問題につきまして、だれのためのバリアフリーであるかということを考えれば、当然高齢者の皆さんや身体障害者、さらに妊産婦の皆さんに少しでも喜んでいただけるような、公共交通機関をスムーズに活用できるなどを考えてお互いにこうした議論を交わしておるわけでありますから、一応パブリックコメントの手続を実施するということを先ほどからも繰り返し申し上げてございますが、できるだけ高齢者、身体障害者等の意見が十分反映されるように努力をしてまいることを運輸省及び建設省ではその作成に当たって配慮してまいりたいと考えております。
○谷林正昭君 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、研究開発についてお尋ねいたします。
 ノンステップバス、先ほど千五百万のものが今は二千三百万かかるというふうにおっしゃいましたし、逆にそれが主体になってくればもっと値が下がるだろう、こうおっしゃいました。私もそのとおりだというふうに思いますが、そこに至る研究開発、これが今求められている。一つの大きなステップするに当たって求められているのではないかなというふうに思っておりますので、運輸省といたしまして、こういうバリアフリーに向けての器具機材、こういうものについて共同研究開発、どういうふうに参画をしていくのか、あるいは民間とどう力を合わせていくのか、御所見がありましたら少しお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) だれでもが使えるような新しい運輸技術の開発は、交通バリアフリーを実現するために、今、谷林委員御指摘のとおり非常に重要な課題だというふうに認識を持っております。
 運輸省としては、ノンステップバスの仕様の標準化を検討することとしておりますほか、スペシャル・トランスポート・サービスにつきましても促進方策などの検討を進めていくことにしております。
 また、JR東日本が鉄道駅用に小型のエレベーターの導入を予定するなど、事業者もそれぞれ研究を進めていただいております。しかも、エレベーターなども海外から輸入することによって相当安くなるということで、安くした分をまた他の駅にもこのエレベーターを設置していくことができるんだということを駅長さんがうれしそうにお話をいただいたことを私も非常に印象深く覚えておるわけでありますが、こうしたことを聞くにつけて、国内のエレベーターのメーカーも黙って指をくわえておるわけではありません。
 したがいまして、交通バリアフリーの関係だけでもこれから経済効果はどれくらいあるかということを言われたときに、私は約一兆円程度あるだろうということを申し上げたのは、こういうところにしっかりした企業が、あるいはまたベンチャー企業も含めてどんどんと親切な心を持って、ただお金になるぞというだけでは困りますが、親切な気持ちを持って、温かいお心を持って交通バリアフリーの世界に参画をしていただくということは大いに歓迎すべきことだと思っております。
○谷林正昭君 今ほど大臣の方からSTSという言葉が出てまいりました。
 そこで、法律とは若干離れますけれども、将来に向けてこのSTSというのはやはり研究が必要だというふうに思いますし、実施に向けての努力といいますかあるいは熱意といいますか、こういうものが必要だというふうに思います。
 そこで、運輸省にお尋ねいたしますけれども、このSTSに対する研究を今されているのかどうか、そして将来にわたって研究を続けられるのかどうか、少しお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(縄野克彦君) お答え申し上げます。
 運輸省としましては、平成九年度それから十年度にわたりまして東京都三鷹市あるいは北海道栗山町におきまして定時定路線型とドア・ツー・ドア型の二種類のSTS、スペシャル・トランスポート・サービスにつきまして実証実験事業を実施したところでございます。
 今後の推進方策などにつきましても報告書をまとめたところでございますが、私どもとしましては、このようなサービスをどういう責任と負担で提供していくのかという問題、それから、特に運輸事業者でございますと、道路運送法におきまして免許を受けた運送事業者に課せられております安全の確保あるいは利用者保護のための措置、こういうものについてどのように確保していくのかという問題点、これらにつきまして継続的に議論を必要とするのではないかというふうに考えているところでございます。
○谷林正昭君 私は、これからの時代はこのSTSをぜひ研究させ、そして熱意を持って発展させるべきだというふうに考えております。そういう意味では具体的にやっぱり法律化に向けての展望というものはいつかの時点で考えなければならないのではないかというふうに思います。
 その展望について、これは運輸省、そして厚生省が不可欠だというふうに思いますので、厚生省の考えをお聞かせいただきたいと思いますし、それからまた自治省におかれましては、STSを行っている、今は二つの都市が挙げられましたけれども、自治体は全国であるのかないのか、これを聞かせていただきたいというふうに思います。あるいは、STSまで行かないけれども町で福祉型コミュニティーバスを出しているよ、やっているよ、あるいは補助している、あるいは福祉タクシーをやっているよ、こういうようないわゆるSTSに準ずるあるいはSTSそのものの取り組みをしている自治体、そういう制度があればそれぞれ、これは厚生省さんもかかわらなければならない問題だというふうに思っておりますので、運輸省、自治省、厚生省の方からお聞かせいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(縄野克彦君) STSにつきましては、私どもから見ますと、民間運送事業者による福祉タクシーなどから、あるいは地方公共団体が主体となって福祉行政の一環として提供する輸送サービスまで、幅広いいろいろな取り組みが行われているものと思っております。
 運輸省としましては、今後とも、特に民間運送事業者による福祉タクシーなどのサービスを充実することにつきまして必要な支援が行われるべきものというふうに考えておりますし、あわせて関係省庁とも連携をいたしまして地方公共団体の御認識を深めてもらう、それから先ほど申し上げましたように責任、負担、あるいは安全の確保、それから利用者の利便の確保、そういうものについての必要な措置について関係者と検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○政府参考人(今田寛睦君) 厚生省におきましては、障害者あるいは高齢者が必要な福祉サービスを受けるためにどうしても移動手段の確保が必要だということから、従来から市町村が行う事業に対して補助を行っております。
 その一つは、福祉サービスを受けるために移動を支援する必要のある障害者に対しましてリフトつきの乗用車の運行あるいはリフトつき福祉バスの運行に対する事業、それから高齢者に対しましては、寝たきりあるいは車いすを利用していらっしゃる方々に対してリフトつき車両等による送迎事業、こういったものに対しまして補助事業を行っているところであります。
 厚生省といたしましては、こういった障害者あるいは高齢者が必要な福祉サービスなどを受けられるに当たって移動手段の確保が図られるという視点から、この事業がさらに市町村に積極的に取り組んでいただけるよう支援をしていきたい、このように考えているわけであります。
 本法案によりましてさらに広く活動範囲が確保できるという点も相まって、私どもも一層のこういった施策の充実に努める必要があるのではないか、このように考えております。
○政府参考人(香山充弘君) お答え申し上げます。
 地方団体におけるSTSへの取り組み状況でございますが、自治省として悉皆調査をしたわけでございませんので全貌の把握というのはできておりませんけれども、さまざまな先導的取り組みが見られるようになっております。
 幾つかの事例を申し上げますと、社会福祉協議会に委託をいたしましてドア・ツー・ドア・サービスを提供している団体、あるいは公共施設を巡回するバスの運行を民間交通事業者に委託している団体、あるいは定時路線でありますけれども停留所の間隔を短くして身障者の方々なんかの歩行距離を短くしよう、そういったバス運行をしておる自治体、そういったようなさまざまな取り組みが見られるところでございます。
 ごく最近では、北海道のある町村から相談がありまして、公共施設等を巡回するいわゆる福祉バスの運行に取り組みたいというような御相談がございまして、この際は、バスの購入費に対しまして地方債及び交付税によって支援をいたしたところでございます。
 今後、STSの行政としての位置づけ、一般的に地方団体がどのような役割を担うべきかといった問題につきましては、地域の実情あるいは官民の役割分担をどのように考えていくべきか、検討されるべき課題はございますけれども、先導的な取り組み団体からいろいろ御相談がありましたら、できるだけ私ども支援をしてまいりたいと考えている次第でございます。
 以上でございます。
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 私はやっぱりこのSTSというのがこれからの時代の要望だというふうに思いますし、ぜひ法律化に向けての研究、これが大事だというふうに思います。
 大臣に、大変僣越でございますけれども、今一歩を踏み出したこの法律、そして将来的には大きく育てる、こういう観点も御披露されました。そういう意味では、ぜひこのSTSの実現に向けて、あるいは法律化に向けて御努力いただきたいと思いますが、御所見があったらお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 運輸省としては、当然のことでありますが、今後関係省庁とよく連携をし、STSの意義等についてさらに地方公共団体にも認識を高めていただくとともに、どのようなサービスをだれの責任と負担によって提供することができるか等の問題を十分検討して対処してまいりたいと思っております。
○谷林正昭君 最後の質問になりました。私の持ち時間は三十一分まででございますが、大変長時間にわたりまして御質問させていただきました。
 最後の質問になりますけれども、今外国ではタウンモビリティーという考え方が出てまいっております。そのためには、私の考えでは、電動車いすの普及だとか、あるいは、あれは何と言うものかわかりませんけれども、電動の小さい三輪車、お年寄りがよく乗って町をすっと行き来されております、そういうようなものがこれから多く出てくるんではないかなと。そのときに車との、マイカー、トラック、バス、こういうところとの共存ができるのかどうかということも大事な問題になってくるというふうに思います。
 一つは、警察庁にお尋ねいたしますけれども、例えば電動式で動くものが道交法上どう取り扱われるのかどうか、これを少しお聞かせいただきたいというふうに思いますし、将来にわたりましてそういうものが普及するというふうに私は考えるわけでございますけれども、運輸省としてあるいは自治省として、厚生省として、そういう電動式の移動機具といいますか、こういうものが高齢者、障害者の皆さん方に非常に普及するということがいいことなのか悪いことなのか。私はいいことだなというふうに思いますけれども、そういったときにどういう心配があるかということもまた当然出てくるわけでございます。
 あるいは、その電動式の機具が今の手動式の手で押す車いすと同じ位置づけで乗り物に乗れるのかどうか、乗せるようにした方がいいのか、交通機関を利用できるようにした方がいいのか、これは非常に難しい問題だと思います。
 これから研究が大事だというふうに思いますけれども、ここのあたりをせっかくの機会でありますので少し議論をしてみたいと思いますので、ぜひ御所見がありましたら各省庁の方からお願いいたします。
○政府参考人(坂東自朗君) 電動式の車いすにつきましては、一定の要件を満たす場合におきましては、これを通行させている者は道路交通法上は歩行者として取り扱われるということになっております。
 そこで、その一定の要件でございますが、一つが車体の大きさでございまして、長さ百二十センチメートル、幅七十センチメートル、高さ百九センチメートルを超えないものであること、これが一つでございます。
 それから、もう一つの要件が車体の構造でございまして、原動機としては電動機を用いているもの。それから、スピードでございますけれども、六キロメートル毎時を超えないこと。
 それから、その他二つほどの要件がございますが、いずれにいたしましてもこういった要件を満たす場合におきましては歩行者として道交法上は取り扱われるということでございます。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘になりました電動車いすでございますが、恐らく二通りあると考えております。電動車いす、四輪の場合と、いわゆる電動スクーターと称しまして三輪の問題がございます。
 三輪の方は、これはメーカー自身が断っておりますように、そもそもこれを公共交通機関に乗せることを前提としていないと思われます。
 なぜかと申しますと、重量が大体九十一キログラムぐらいございまして、バス車両等の通常の固定装置では固定できないと考えております。さらに、人間が持ち上げる構造になっていないため、垂直移動設備がない場合に職員等が介護、介助して運ぶことができませんという問題がございます。それから、サイズが標準的な車いすを上回っておりまして空間制約上の問題がある、このように考えております。これは電動スクーターの場合でございまして、電動車いすの場合はこれよりも利用範囲が広いと思っております。
 ちなみに車いすの場合、自走型と介助型とございますが、自分でこぐ方、この場合の方が若干重量がございまして十四キロくらい、それから幅が六十三センチ、長さ百五センチ程度でございます。それに比べまして、今申し上げました電動車いすの場合ですと、幅、長さはほぼ同じでございますが、重量が八十一キログラムぐらいと、大体自走型の車いすの五、六倍ございます。
 それから、電動スクーターになりますと、幅が九十一センチ、長さ百十七でございますから、これはなかなか現在の公共交通機関の空間的な問題はクリアできないのではないかと考えております。
 ただ、確かに便利なことも事実でございますから、これは安全性を担保しながら今の公共交通機関の中でどう利用できるか。特に電動車いすの場合、我々としてもこれをこれから研究課題であると考えておりますが、今までのところこれだというものがまだ出ておりませんが、できるだけ前向きに解決していきたい問題であると考えております。
○政府参考人(香山充弘君) タウンモビリティーについてのお尋ねでございますが、私ども自治省といたしましては、地域としての取り組みというのを対象に考えさせていただいておるわけでございますけれども、ここ数年、例えば金沢市のように、商店街で高齢者や身体障害者の方々のために電動スクーターを貸し出しをして買い物が自由にできるような、そういうふうな手助けをするような事業が行われておるとか、そのような実験的な取り組みが見られるようになりました。
 そういうことで、自治省におきましても、地方団体がこの目的実現のために例えば電動スクーター等を購入する、そういった場合には地域総合整備事業債の対象にするということにいたして、そのような仕組みも持っております。
 残念ながら現在まで具体的な相談はいただいていないような状況でございますけれども、この問題、率直に申し上げまして急にまだ普及するという段階ではございませんで、まだ実験段階であろうかと思っておりますけれども、今後地方団体におきまして多様なアイデア、取り組みが見られると思いますので、施設整備あるいは車両購入、こういった地方債の対象になるような事業の御相談がございますれば、前向きに支援してまいりたいと考えておる次第でございます。
○政府参考人(今田寛睦君) 利用という視点から、厚生省の取り組みについて御説明を申し上げます。
 重度の歩行困難者で手動式の車いすを操作することができない方々に対しましては、従来から電動車いすを補装具給付事業ということで給付いたしております。それから、高齢者に対しましても、現在介護保険制度によりまして電動車いす等の貸与を行っているという状況にございます。
 電動車いすが障害者あるいは高齢者の移動手段として重要な役割があるという観点から、必要な給付、貸与がこれからも十分に行われるように実施に努めていきたいと考えております。
○谷林正昭君 どうもありがとうございました。時間が来ました。
 私は、これからの社会は、健常者も障害者も、そして高齢者もまさに一緒に暮らせる社会、あるいは長生きしてよかったという社会、それが二十一世紀だというふうに思います。きょうは大臣の方からすべて御答弁いただきまして、ありがとうございました。
 終わります。
○弘友和夫君 公明党・改革クラブの弘友和夫でございます。
 この交通バリアフリー法案につきましては、私も先日、本会議において質問もさせていただきました。この法案、本当に長年にわたって関係各位の皆様が努力をされ、私どももこの法案ができるまで努力させていただいたわけでございますけれども、まさに今運輸省を初め四省庁の共管だということで、省庁間のバリアも取られたというようなそういう法案でもございますし、また地方分権を本当に大きく進める法案でもございます。
 本当に十年おくれたこの交通バリアフリーというか、そういうものがまさに今から、先ほど大臣も御答弁ありましたけれども、その第一歩を踏み出した、きょうそれがまさに成立しようという、そういう認識のもとで質問をさせていただきたいと思います。我が党の持ち時間は四十分でございますので、私が二十五分やりまして、あと十五分を日笠委員にバトンタッチいたします。
 時間が余りございませんので端的にお尋ねしたいと思いますけれども、私は、今この法案が成立しましたらそういう施設整備についてはどんどん進んでいく、こういうふうに思いますけれども、その施設整備と相まって大事なことは、幾ら施設がどんどんできても、先ほどのお話のようにやっぱり人的サポートというかボランティアの活用、そうしたものが私は大事になってくる、このように思います。
 この法案でも、国民に対して高齢者や障害者等の公共交通機関を利用した円滑な移動への協力を求めているわけでございますけれども、そういう意味において先日の参考人質疑の中でも全老連の方にもお伺いしまして、全老連の方も、我々はいつでもそうしたボランティアの要請に対してもこたえていく用意があるというようなお話もございました。
 私は、政府としてそういうボランティアの活用に積極的に取り組む必要があるんではないかと思いますけれども、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) まず、弘友委員もお述べになりましたとおり、公明党の皆さんが今日までバリアフリーの問題につきましてずっと以前から積極的に対応していただいておりましたことに深く感謝を申し上げる次第であります。
 社会のバリアフリー化の推進に当たりましては、人々が、高齢者や身体障害者等のニーズといいますか、その心をどう理解するか、そして温かくサポートしていくかということが極めて重要でありまして、むしろある意味では施設整備以上に心の人的なサポートが重要であることは申すまでもありません。本法案では、国民の皆さんに対し、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した円滑な移動への協力を求めておりますが、今後国民の理解が深まり、ボランティア活動が国民の間に定着していくことを期待しておるわけであります。
 私は、交通事故防止のために緑のおばさんといいますか、ああいう方々がいつも子供たちや幼稚園の園児等の交通の安全を期して、東京でも地方でも信号機の前に立っていつも朝からそうした活動をしていただいておりますことを常々感謝の気持ちを持って眺めておるわけでありますが、私は、今後この法律が成立した後に、各党の議員の皆様にも御相談申し上げ、私たち各省庁でも連携をとって、バリアフリーのボランティア活動をどう積極的に誘導していくか、またお願いをしていくかということについて十分検討してまいりたいと思っております。
 今後、ボランティアの方々の御活躍、これを期待するわけでありますが、ただ期待するだけではなくて、政府としてあるいは国会としてどういうことができるかなども考え合わせながら対応してまいりたいと思います。
 お時間のないところ、ちょっと余談になりますが、前に私は海部内閣総理大臣のお供をしてアメリカに参りましたときに、アメリカの大統領の奥さんを含め著名な奥さんばかりでお昼、お茶の会があったようであります。海部元総理の奥さんがお帰りになってから、どうだったといって私がその様子を伺いましたら、ボランティアについての話だったと。私はこういうボランティアをしている、海部総理の奥様はどういうボランティアをしておりますか、そういうお話がずっと出て、私は井戸端会議をやっておりますと言うわけにもいかず、困りましたよというお話をなさいました。
 私はそのときにこういうことを申し上げたんです。総理の奥さん、その困りましたよということを何か機会あるごとにずっと言ってくださいよと、そして、私たち日本の人たちもみんな食べるにもう心配のないようになったわけでありますし、少しずつ時間のゆとりも出てきたわけでありますから、そうしたことをボランティアにささげる、そういう気持ちをやはりこれからつくっていかなくてはならないのではないか。
 そういう意味で、また弘友委員初め関係の皆さんの御協力をむしろ私の方からお願い申し上げておきたいと思います。
○弘友和夫君 今大臣から緑のおばさんのお話もございましたけれども、私はやはり国民の皆さんが本当にボランティアというかNPOといったそういう心を持つ教育も大事だと思いますけれども、この交通ボランティアに対して具体的に運輸省として積極的な働きかけが必要だと思います。
 例えば施設、私、障害者の方にお聞きしたんですが、障害者用のエスカレーターが設置されている、だけれども、ある人はそれは非常に怖くて乗れないと。やっぱりそこに人的サポートというのがあればいいと思いますけれども、緑がいいのか黄色がいいのかわかりませんけれども、そういう制服でも着て、そういうもう全部の駅ぐらいに配置できるような、そういう予算措置も含めて具体的な措置を何か考えておられるかどうか、ちょっとお尋ねします。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 ただいま先生がおっしゃったとおり、この人的サポートというのがバリアフリー化を進める上でまことに最も重要な問題になってくると考えております。そういった意味で、具体的な施策ということでございますが、私どもは三つの点からこのボランティアの方々の活動を支えていかなければならないと考えております。
 まず第一に、交通ボランティアに参加しようという方々の育成、それから発掘でございます。発掘と言うと失礼なんですが、育成でございまして、これもやはり駅なりホームなりというところへ出るわけでございますから、そういった交通ボランティアの方々に一定の研修なりそういうものを受けていただいて、そしてそういった人たちを登録していくというシステムが必要であると考えております。また、必要な研修費等というものは、これはいろいろ考えていかなければならない問題であると考えております。
 次に、交通ボランティアの方々がそういうぐあいにちゃんと研修ができても、これを受け入れる場がなければいけないわけでございまして、こういった資格を持った交通ボランティアの方々を交通事業者の方で積極的に受け入れるということが重要でございます。ボランティア制度の導入に伴いまして、交通事業者への指導または情報提供、そして交通事業者の側での受け入れでございます。
 第三番目には、こういったボランティアに対する社会的評価というものがやはり高まらなければならないし、そういったものが社会の中に定着していくことが必要でございます。したがいまして、そういったボランティア活動をされる方々の顕彰制度とか社会的評価の確立、それから地方公共団体と教育機関との連携による啓蒙活動、こういったものが大事だと考えております。
 結論的に申し上げれば、まず交通ボランティアの方々の研修等による育成、次にその活動の場をつくっていくこと、さらにこれを評価するシステムをつくること、この三つを早急につくる必要があるんだと考えております。
○弘友和夫君 来年は、二〇〇一年は国際ボランティア年ということで、時間がありませんのでちょっとまとめてみんなお聞きしたいと思うんですが、文部省が大学教育におけるボランティア活動の推進について調査研究の報告書を出しております。大学教育において授業科目にボランティア活動をサービスラーニングとして取り入れている、そういう大学は百四ということに聞いております。
 ただ、今までは介護だとか福祉だとかいうそういう施設に行ってボランティアをやる、受け入れる方もどんどん来られるものですからなかなか受け入れが大変だと、こういうような話もある。ですから、交通ボランティアであれば幾らでも受け入れられるというか、まさしく何万人いたっていいぐらいなことですから、そういうメニューというか、そういうのに交通ボランティアも入れるべきじゃないかというふうに思いますけれども、文部省、いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) なかなか御示唆に富んだ御意見だと思いますが、御指摘のとおり、各大学では、それぞれの地域社会あるいは学生のニーズを踏まえまして、各種のボランティア活動を授業科目としてあるいは授業外のいろいろな活動の奨励として行っている状況でございまして、年々ふえてございます。今し方、百四大学とおっしゃいましたけれども、九年度が百四でございまして、十年度になりますと百十三の大学にまで広がってございます。
 いずれにしても、いろいろなボランティア活動あるいは実社会での必要な実務経験というのも必要なことでございまして、今さら申すまでもなく、各大学がそれぞれの判断で行うことではございますけれども、私どもとしても各大学の特色ある取り組みが積極的になされることを期待しているところでございます。
○弘友和夫君 それと、バリアフリー化が進むことによって、障害者、高齢者の方が町に出る機会が多くなる。それはすばらしいことなんですけれども、事故もまたこれによってふえてくる可能性があるんじゃないかということで、ドライバーのモラル向上ということで、免許の取得時等に、車いすの方がこう行かれている、そういうものに対する教育だとか交通弱者に対する教育がドライバーの方に対して必要だと思います。その際、だから教則本だとか副読本等にそういう交通弱者に対する理解というか、そういうものも入れていくべきじゃないかと、このように思うのが一つ、これは警察庁ですね。
 もう一つは学校教育。今、例えば小学校一年生には「よいこのこうつうあんぜん」というのを配っておりますけれども、この中には全然車いすだとか点字ブロック云々とかいうようなこともない。点字ブロック、これは何なのかというぐらいは教えていくとか、そこら辺からこの教育も必要なんじゃないかなと、こういうふうに思いますけれども、両方あわせてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(坂東自朗君) 委員から御指摘がありましたように、身体の不自由な方々あるいは高齢者の方々に対するドライバーの対応につきましては、国家公安委員会が作成しております交通の方法に関する教則というものにも織り込まれているところでございまして、これまでもこの教則を踏まえまして自動車教習所において必要な教育等を行ってきたところでございます。
 また、更新時講習などにおきましても「交通の教則」と題します教材、これを活用いたしまして講習を行ってきているところでございますが、ことしは、この「交通の教則」というものの中にトピックスというページがございますけれども、そこで電動車いすを取り上げたところでございます。
 今後ともこうした教材の中で、いわゆる交通弱者に対してドライバーが配慮すべき事項でどういうものがあるか、あるいはどういうものを取り上げるべきかということをさらに検討してまいりたいと、このように考えております。
○政府参考人(御手洗康君) 学校教育におきましては、社会科あるいは生活科、家庭科などの教科や特別活動におきまして、小中高等学校の各段階を通じまして高齢者や障害者に対する正しい理解を深め、高齢者や障害のある方々と直接触れ合うボランティアの体験、こういったことを行うようにいたしておるところでございます。また、道徳の指導の時間におきましては、高齢者に温かい心で接し親切にすること、あるいはだれに対しても思いやりの心を持って相手の立場に立って親切にすることなどの指導を行っているところでございます。
 具体的に教科書の中におきましても、町の発見ということで車いすに乗って地域に出る体験を小学校一年生の生活科の中でやっていくとか、あるいは六年生の社会科になりますと、身体の不自由な方々がだれでも入りやすい設備をつくる、そういった福祉の町づくりを進める自治体の事例とか、そういったことを通じまして、具体的に子供たちに対しまして高齢者や障害者の方々に対する直接的な働きかけを行うことができるような実践的な教育に今後とも努めていきたいと思っております。
 特に、新しい学習指導要領におきましては総合的な学習の時間ということを設けまして、各教科横断的に、総合的に、自分で課題を見つけまして、福祉の問題などについて実際に町に出たりあるいは障害者や高齢者の方々と交流し合う活動をより充実するという形で新しい学習指導要領を実施してまいるつもりでございます。
○弘友和夫君 次に、投票所のバリアフリーについてですけれども、いよいよ六月の二十五日、衆議院総選挙間違いないという話です。全国五万三千四百十七投票所があるわけです。
 私が行く投票所は坂がありまして、行き着いたところはスロープになっておりますけれども、その坂を上がるのが普通の車いす等ではまず難しいというようなことで、まあ皆さんに行っていただいたらうちに票が入るかどうかわかりませんけれども、ぜひ投票所のバリアフリー化というのはもうこれは徹底していただきたい。
 もう時間がありませんので、端的に自治省、答えていただきたい。
○政府参考人(片木淳君) 投票所の設置につきましては、従来から選挙民の方々の便宜を考慮させていただきまして、投票区の中でも最も適切な施設を選定すること、またエレベーター等昇降設備のない二階以上の場所に設けることは避けること、さらに段差がございます場合にはスロープを設置するなど適切な措置を講ずるように各選挙管理委員会に私どもの方からお願いをしているところでございます。
 高齢者や障害者の方々が投票しやすいよう投票所のバリアフリー化を進めますことは極めて重要なことであると認識しております。自治省としても、今後とも引き続き適切な対応をとっていただけるように各選挙管理委員会にお願いをしてまいる所存でございます。
○弘友和夫君 行くまでと、行ってそれぞれの箱があって書く、普通の高さなわけですね。車いすの方が書けるようなものをそろえていないわけですよ。やっぱりそういう意味においてもぜひ徹底をしていただきたい。これは要望しておきます。
 時間がございません。最後に、これは本法案とは直接的には関係ございませんけれども、留学生の方、就学生の方、それから外国人の皆さん、日本に来て、そういう交通の問題もたくさんございます。たくさんございますけれども、時間がございませんので一つに絞って聞きたいと思います。
 先日、五月三日でしたか、ドキュメントの「小さな留学生」というのをやっておりました。私はこれを見て本当に感動したわけですけれども、大臣ちょっとお忙しいので見られていないと思うけれども、ぜひ。それは、一中国の方が留学生として来て、就職もしたんですけれども、その方がずっと撮って、そのうちの一本が「小さな留学生」ということで、中国本土ではもう何億人の方がこれを見て、本当に日本の素顔というか、今まで思っていた日本とは全然違うということで、一変してあれを変えているわけです。それは、その学校の先生とか校長先生、友達の親切、それから予告編でありましたけれども、駅の駅員さんが一生懸命その方を、留学生というか就学生の方を連れて親切にしているわけです。そういうところからずっと入っているんですけれども、これぜひ見ていただきたい。
 そういうことで、外国人の、特に就学生なんですけれども、これは日本に今二万一千人いらっしゃる、日本語学校に学んでいる方が。ところが、これが留学生になったら通学定期券の学割というのがきくんですけれども、就学生の段階では学割がきかないということなんですね。一番大事な、日本に来てまだ間がない、日本語も余りよくわからないという一番不安なそういう状態のときに、私は本当に日本として、留学生であろうと就学生であろうと日本語だとか日本そのものを学ぶということに変わりはないわけですから、そういう段階のときに本当に手を差し伸べることが大事なんじゃないかなと、このように思うわけでございます。
 なぜ通学定期券、学割がきかないのか、それをぜひやってもらいたい、このように思うんですけれども、まず運輸省からお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 先生御指摘の政策的な割引というのは大変いろいろ難しい問題がございます。現在のところ、通勤通学割引というのは交通事業者が自主的に自分の財源で行っているわけでございます。したがいまして、現在のところは学校教育法一条の学校及び先生がおっしゃいましたように学校教育法の専修学校、各種学校まででございまして、いわゆる就学生の場合、これに該当していないわけでございます。
 私ども、別にこれは、もし交通事業者の方が自主的に判断してこの人たちを割り引きしていただくようになるということは、これは当然いいことであるとは考えているわけでございますが、現在の鉄道事業者の経営状況等を考えまして、これは非常にいいことだから割り引いてやってくれということをなかなか言いにくい状態でございます。もちろん、これが非常に好景気でいろいろ鉄道事業者がお金が十分潤沢の場合でございましたらともかく、少子高齢化を控えまして需要減になっているところでございまして、頭打ちという需要の状態でなかなかこれ以上割引制度をというのは難しい状態でございます。むしろ、現在割引制度というのを少しずつ通常へ戻したいという意向があるくらいでございます。
 その中でも、確かに先生のおっしゃった外国との関係、非常によいことでございますので、考えていただければよいと思うので、これを我々として事業者の方に考えてくださいとまでは申し上げることができるんですが、これをやれと言うことはなかなか今の法制上それから経営上ちょっと難しいところがあるかと、このように考えております。
○弘友和夫君 だから、文部省の方でそういう指定学校に指定すれば自動的になれるわけですよね。文部省は何でこれに就学生の部分を入れていないのかと、日本語学校の部分というのを。
○政府参考人(工藤智規君) 若干先ほどの答弁に補足しながらお答え申し上げますと、別に文部省が指定すると通学定期が出るという仕組みではございませんで、日本語学校の中には、専修学校あるいは各種学校として運営されているもののほかに株式会社立あるいは個人立で運営されているものがございます。先ほど答弁ありましたように、正規の学校あるいは専修学校、各種学校の場合は通学定期の対象になっているわけでございますが、株式会社立、個人立等については対象になっていないという状況でございます。
 私ども、留学生、就学生とも外国からのお客様としてできるだけの御支援をしたいというつもりでございますけれども、何分旧国鉄が民営化されたことに伴いましてそれぞれの交通事業者の自主的判断にゆだねられる状況になっておりまして、私どもも要望はしているのでございますけれども、なかなか見通しが立っていない状況でございます。
 他方、私ども、せっかく日本へおいでになった就学生の方々が物価の高い日本での生活は大変でございますので、しかも就学生の方々のほとんどが留学生として正規の学校に進学される希望を持っておられます。したがいまして、今年度からでございますけれども、私ども、留学生と同様の学習奨励費、月々五万二千円ほどの奨学金でございますけれども、これを留学生だけじゃなくて就学生にも対象を広げて援助しようということにしてございます。
○弘友和夫君 それはよく知っているんですけれども、就学生にとっては、それが専修学校、各種学校なのか株式会社なのかと、そういうことは別に区別がないわけですよ。日本に来て、特に日本語学校の先生方が一生懸命、まず住むところから、家賃の安いところでは遠くなる、遠くなると交通費が反対に高くなるとか、いろいろな中で手とり足とりというか、本当に日本の習慣から教えていっているわけです。だからそういう意味においては、この二万一千人いらっしゃる就学生の方に対しては、本当に私は少なくとも通学定期ぐらいはするべきじゃないか、このように思います。
 運輸省と文部省は、運輸省に聞いたら、文部省がこうしてくれればいいとか、文部省に聞いたら、いや運輸省がそれを頼んでくれればいいじゃないかとか、いろいろ省庁間のバリアがあるわけでございまして、大臣、最後に、ぜひこれは文部大臣とも話し合っていただいて、これは本当に日本の外交的な、日本がどうなるかという一番の大きなこれは問題だと思うんですけれども、大臣の決意をお聞かせいただきまして、終わりたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 日本に何らかの形で来ておられる子供たちにしろ学生にしろ、やはり日本で温かくしてもらったという気持ちを持ってそれぞれの国に帰って、やがてまたその人がクリントンになるかもしれないし、そうでなくても一般社会で活躍されるわけでありますから、日本という国はこうだったということをその子供たちに語ってもらうためには、やっぱりそれなりのことを我々もしていかなきゃいけない。
 政府としてどう対応するかということに対して若干いろんな今お話しのようなバリアがあるようでございますが、先般、臼井法務大臣からもこのことに対して、何とかならぬのだろうかというお話がございました。早速事務的に検討するように言ってあるわけでございますが、事務的にお任せしておくのではちょっと検討が遅いようでありますから、今、弘友委員御指摘のようなことで私としても一層努力をしてみたいと思っております。
○弘友和夫君 よろしくお願いします。
○日笠勝之君 私もいわゆる交通バリアフリー法案二巡目でございまして、時間は非常に短うございますけれども、野球でいえば三分の一イニングスぐらいの登板かもしれませんけれども、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 この参議院当委員会におきましても、法案の根幹になるような件につきましてはもう同僚議員の皆さんが熱心に議論されましたので、私は枝ぶりを、採決も近いようでございますからもう少し枝ぶりを整えればいいのかなというふうな観点について何点か御質問したいと思います。
 なお、きのうでしたか二十項目ぐらい通告しておりましたけれども、同僚議員の皆さんが相当前半戦でやられましたので、重複を避けまして割愛いたしますことをお許しいただきたいと思います。
 まず、このバリアフリー法案は非常に世間の耳目を集めておる法案だというふうに思います。なぜかならば、最近の新聞の投書欄にも、いろんな意味でこの交通バリアフリー法案に関しての、またその周辺に関するような投書が出ておるわけでございます。投書というのは私はパブリックコメントの一種だろうと思っておりますので、きょうはその投書の中で、ぜひこの際、大臣ないしは関係の責任ある皆様方に何点かお伺いを国民のかわりにしてみたいな、こう思っておるところでございます。
 まず第一は、非常に細かいお話でございますが、これは投書にも出ておりましたけれども、要は駅のホームとか階段の手すりなんです。手すりについては交通施設バリアフリー化設備整備費補助金交付要綱の中の別表にも、「旅客移動の円滑化」の中の「設備項目」に「手すり」と、こうあるんです。手すりを設置することはバリアフリーに資するわけなんですが、手すりというだけで中身の材質については言っていないわけです。
 この投書欄を見ますと、金属製の手すりは冬は非常に冷たいということで木製にしてもらいたいと、こういう細かい配慮をすべきではないか、思いやりが大切ではないか、同じ手すりをするのでもと、こういうふうな投書が出ておったわけでございますが、こういうことの細かい指針、例示は、この基本方針とか基本構想などなどで検討されるのでしょうか。それとも、ただの手すり、材質は問わない、こういうことになるんでしょうか。補助要綱にもあるわけでございますので、御答弁いただければと思います。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 基準につきましては、この法律の四条にございますバリアフリーに関しての整備基準、この中で検討されることとなりまして、これを検討するに当たりましては、先ほどからお答え申し上げているとおり、いろいろな方面の御意見を原案を作成する段階からお伺いいたしますので、その中で非常にそういう御意見が強いということであれば我々も考えていかねばならないと考えております。ただ、またこれをつくる方の側の事業者の方の意見というのもまた聞きながら、その中で解決方向を見出す問題であると考えております。
 材質等についても、例えば床の場合ですと、材質は滑らぬものというようなことがございます。手すりでも、やはり金属より滑らぬもの、握った場合滑らないようにというのが中心ではないかと思いますが、冬のときに寒いというような御指摘もあるかと思います。その辺についてはまたこれから御意見を伺いながら検討したいと思いますが、材質の問題も含めて基準の中で検討することになると思われます。
○日笠勝之君 なぜこんな小さいことを言うかといいますと、このバリアフリーはハード、ソフト両面の対応ということになるんだろうと思います。
 三月十七日の「バリアフリーに関する関係閣僚会議の開催について」という閣議口頭了解がございます。それを見ましても、「高齢者、障害者を含むすべての人が安全で快適な社会生活を送れるよう、ハード面、ソフト面を含めた社会全体のバリアフリー化を効果的かつ総合的に推進するため、「バリアフリーに関する関係閣僚会議」を随時開催する。」と。こういうことでハード面、ソフト面なんですが、今巷間いろいろ学者の皆さんなんかにも聞きますと、ハード、ソフトの前にハート面が要る、ハート、心。先ほど大臣に絵はがきを見せていただきましたね、あれにも「心のバリアフリー」とちゃんと書いていますね。
 そういう意味で、私がなぜこんな細かいことを言っているかというと、ハード、ソフト、これがそろえばいいんじゃなくて、ハート面が非常に大切だと。その一つが、先ほどから言っているような、同じ手すりをつくるのでも、冬の寒いときにぱっと手でつかめば冷たいなと、高齢者の方は。木製ならもっと温かいとか、じゃ手袋をすればいいじゃないかといったって手袋をすれば滑りやすいとかそういうようなことがありますから、せっかくやるなら事細かなハート面でのバリアフリーをお願いしたい、こういうことで例示的に申し上げていることをぜひ御理解いただきたいと思うわけでございます。
 それからもう一点は、前回にも私申し上げました、とにかく今の学生さんの車内のマナーがいかに悪いかということ。
 私が質問した後、五月三日の毎日新聞に「電車内マナー向上にパトロールを」という投書が出ておりました。もう本当に今の学生の通学用列車、まさに校庭さながら大声で談笑するわ、つり革で体操めいたことをするわ、携帯電話はかけるわ、全然マナーがなっていない。もう少し車内パトロールをやったらどうかと。
 安富局長も徹底的にやりたいとおっしゃっていましたけれども、ぜひひとつ、そういう声は私だけじゃなくて多くの皆さんが、今の少年問題じゃありませんけれども、やはりマナーと。こういうことは、鉄道警察隊もあるわけでございますし、交通ボランティアの方々にも御協力をいただきながらしっかりとした車内パトロールをして、清潔だということがバリアフリーの一つでもある、こういう参考人の御意見もあったわけでございますので、ぜひその点も再度御確認を、答弁は要りません、時間がありませんから、お願いをしておきたいと思うわけでございます。
 その次の投書は運賃割引で、先ほど羽生局長のお話を聞いていると全然だめみたいなお話でございますが、これは障害者の方の社会参加ということで、JRの特急料金、「ひかり」、「のぞみ」、これは割引になっていないんですね。急行まででございます。乗車運賃、これは百キロ以上が半額と、それから急行料金もそうでございますが、いわゆる特急料金、これは割引がない。しかし考えてみれば、これだけ広域化になった中で社会参加ということを考えれば、新幹線の特急料金の割引もぜひ検討してもらいたい、せっかくの法案を絵にかいたもちに終わらせないためにも考えてもらいたいという投書が四月二十六日の朝日新聞に出ておりました。
 どうでしょうか、先ほどの就学生の通学定期もありますけれども、先ほども申し上げました、これもパブリックコメントの一種だと思って、どういうお考えかをお聞きしたいと思います。簡潔で結構です。
○国務大臣(二階俊博君) 基本的には、先ほど羽生局長も申しておりましたが、鉄道事業者の経営上の判断にかかわるということはこれは当然でありますが、私は、先ほど弘友委員にお答えした問題とも、今、日笠委員がおっしゃるようにある意味では似ているわけでございますから、この件に関しまして直接鉄道事業者に対して、本日委員会でこういう御意見があった、既に投書もあったというようなことで検討をお願いしたい、今後とも事業者に理解と協力を要請し続けていきたい、こう思っております。
○日笠勝之君 きょうはせっかく文部省と厚生省にも来ていただきました。先ほど申し上げました十六省庁だと思いますが、バリアフリーに関する関係閣僚会議もございまして、その中でもぜひひとつ御議論いただきたいと思いますのは、先日の参考人質疑で、養護学校とか社会福祉法人とか医療法人などの皆さん方が所有しておられます送迎用のバスを活用すれば、低床バス、ノンステップとかワンステップとかリフトとかいろいろありますけれども、これを何とか活用できれば、今すぐ大量に整備しなくても少しずつ入れかえ入れかえしながらやっていけばいいんじゃないか、こういうふうな示唆に富んだお話がございました。
 いろいろ調べていただきますと、養護学校におけるスクールバスも全国で八百八十台近くあるようでございますし、それから医療法人とか社会福祉法人が持っておられるのも、これももう数限りない、六千台とか七千台ぐらいあるようでございます。
 どうでしょうか、これを関係閣僚会議の前の幹事会というのがございますね、このあたりで、もちろん補助金の目的外使用だとかいろいろございますけれども、いわゆる養護学校とか社会福祉法人の持っておられるバスでバリアフリーで使えるバスは何らか活用できないのかなと。送迎が終わったらもう何か車庫にずっとあるのも何となくもったいないような気もいたしますが、御検討いただけるんでしょうか、それとももうこれは使用目的が限られておるからだめと、こう言うんでしょうか。その点、文部省それから厚生省、それぞれお答えいただければと思います。
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘ございましたように、今全国の養護学校で所有するスクールバス、およそ八百七十八台ございます。このうち、ノンステップであるとか低床であるとかリフトつきであるという台数もかなりあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、こういうバスを他の一般公共用にどういう形で使うかというのは、そちらの方の需要がどう考えていくか、そちらの担当部局の方で、まず各自治体で御検討いただくということがあろうかと思います。その上で教育委員会に具体的な御相談があれば、地域の実情を踏まえて御判断するということになろうかと存じます。
 ただ、養護学校のスクールバス、一般的に朝の送迎とそれから午後はもう一時ぐらいから見送りの送迎が始まるということで、あいている時間が非常に限られているという部分がございます。それから、特別に肢体不自由児等のための座席保持シート等を使うバスの場合には、それぞれの一人一人の子供に即した形で特別の設備をしているということもございますので、そういった形で他の一般の障害者の利用が必ずしもバスによってはうまくいかないということもございます。個々の状況を見ながら御判断をいただくということになろうかと存じます。
○政府参考人(大塚義治君) お話ございましたように高齢者関係の事業、例えば老人のデイサービスでありますとかショートステイといった事業には送迎用のバスが使われておりまして、これには従来国庫補助もいたしております。したがいまして、正確な数字は私どももつかんでおらないんですが、お話しございましたように、七千台とかそれ以上とかというようなオーダーでの恐らく台数がある。そういう意味では貴重な資源だろうと思います。
 国庫補助という点を考えますと、本来の事業を大きく逸脱するということになりますと補助事業としての議論も出てまいりますけれども、本来の事業に支障のない範囲でこれを有効に活用する、特に福祉の実施主体でございます市町村を中心に手際よく一種のアレンジメントなどが自分でできますならば、これは一つの方法だろうと思っております。
 現にそうした試みがないわけではございませんが、これも現実だけ一言だけ申し上げますと、デイサービスにいたしましてもショートステイにいたしましても、結構臨時の送迎というのが多いんだそうでございます。そういたしますと、そうしたバスを本来の事業体がどうしてもキープする時間が長くなるということもあって、試みたケースが必ずしも全部うまくいっているということではございませんけれども、その辺のうまい工夫なり関係者の適切な調整ということがあるのでございますれば、当然それは関係者の適切な判断にゆだねてしかるべきというふうに考えております。
○日笠勝之君 いずれにいたしましても、せっかくの補助金などなどでのバリアフリーのバスでございますから、前向きにひとつ御検討いただくことを要請いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 前回は、この法律の目的、理念問題、そして障害者や高齢者等、利用等の参加にかかわる問題を取り上げました。きょうは、実効性を確保する上で具体的な問題についてお聞きしたいと思います。
 第一に、新設の施設設備、車両の義務についてお尋ねしたいと思います。
 これは、鉄道、バスターミナル、空港、旅客船ターミナルを新設する場合にはバリアフリー化の義務を生じるわけですが、そのバリアフリーの内容についてどのように対応策を考えておられますか。まず、局長さん、お尋ねします。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 お尋ねは、新設、大改良時のバリアフリー施設を旅客施設等で整備する場合、その基準についてだと思われます。
 この基準といいますのは、先ほどから申し上げているとおり、関係者の御意見を伺った上で決定するということなので、今ここで申し上げるのは一つのイメージとして申し上げたいと思うわけでございますが、旅客施設についてもかなりきめ細かい指摘が要るのではないかと思っております。
 例えば、エレベーター、エスカレーターの場合でも、エレベーターの場合でしたら、出入り口の幅員とかかごの奥行き、それから中で車いすが回転できること、車いすが回転できない場合は両側開きになっていること等を規定する必要があるのかなと考えております。また、エスカレーターについては、ステップは滑りにくい材料でできていること、幅員を決めること、それから乗降口のステップの水平部分は三枚以上あることというような内容が一つの考え方かと思われます。
 また、スロープについても、勾配の角度、十二分の一というのが通例でございますが、そういったものを決めていく必要があるかとも思います。
 さらに、ほかにも、音声による案内だとか情報提供表示器の設置、あるいは障害者対応型のトイレの設置、手すりをつけるというようなトイレ、こういったものを決めるとともに、バス車両等については、これはやはり乗降口の幅であるとか、それから通路の幅、床の表面の材料等というものも一応の基準をつけていった方がよろしいのではないかと思います。
 いずれにいたしましても、高齢者、障害者の皆様方の御意見を伺って決めるということなので、これが今申し上げたとおりになるかどうかは別として、そのようなかなりきめの細かいものを決めていく必要があるのではないかと考えております。
○大沢辰美君 その中でも車両についてお聞きしたいと思いますけれども、新しい鉄道の車両の場合どのように義務化するのかということになりますが、当然車いすで乗車できること、また聴覚障害者の対策としてはドアごとに次の駅名が表示されるなど、障害者ごとの対応が求められると思うんです。
 今具体的に局長さんが述べられたわけですけれども、車両の場合は車いすどめだとか、それから車いす用トイレが設置されるとか、今言われましたように駅名を聴覚障害者の皆さんのために表示するとか、そして視覚障害者の方のいわゆる転落防止のための車両連結部のカバー対策だとか、車両とホームの段差の解消をするとか、こういう形で具体的になると思いますが、そういうことを車両の場合は義務化するということですね。
○政府参考人(羽生次郎君) 今先生がおっしゃったものすべてが義務化できるかというのはちょっと何とも申し上げられません。
 例えば車両の場合、トイレを用意することは、バス車両の場合は恐らく難しいと思います。それから、ホームとの間の段差の問題でございますが、これは解消というのではなくて、何か先生御視察になったときごらんになったような装置なのか、その点についてもいろいろな工夫が要ると思いますので、今先生のおっしゃったようなことすべてが入るかどうか、これはまたこれから関係者とお話ししながら決めていく問題だと思います。
 いずれにいたしましても、例えばバスの場合でございますと、路面から床面までの高さであるとか、それから一定の高さがある場合はスロープをつけるとか、そういったことが必要でございますし、視覚情報を提供するための装置、こういったものも必要であると考えております。
○大沢辰美君 じゃ、バスについてお伺いしたいと思うんですが、バスへの義務化については、これもやはり新車両すべて義務化するとなると思うんですが、移動制約者の乗降をより容易にするための施策として、歩道と段差がなく乗降を可能にするノンステップバスがやはり強く求められていると思うんです。
 ノンステップバスは費用が高くつくことは私も承知しておりますが、標準化を図ることで大量化することになって、コストの低減化を図ることができる、そういうことになると思います。だから、既に低減化されてきていると思うんです。当初やはり一台三千万から四千万かかっていたと言われていたけれども、現在では、先ほど言われましたように二千三百万円となってきている。ですから、半分近く安くなっているわけですから、やはりノンステップバスをどんどん導入することがさらにコストを下げていくことにつながると思うんですね。そのための努力を図っていただきたいと思うんです。
 もう一点は、今までの答弁で、十年から十五年で低床バスにかえていくということも答弁されていますが、そのうちノンステップバスは二五%ですね、そういうふうにも述べていますけれども、やはり私はこうした傾向を考慮して、これを上回るさらなる推進を図っていただきたいと思います。
 そのためにもう一点、やはりこのことをやるためには、ノンステップバスに対する補助、この補助が、通常のバスを上回る分については国と自治体が二分の一ずつ補助して事業者は実質的に新たな負担がかからないことになるということになるわけですが、そこで、ノンステップバスを推進する上で予算額のアップも図るべきだと思いますが、この二点について大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(二階俊博君) ノンステップバスにつきましては、大沢委員御指摘のとおり最初の段階ではもっともっと高いものであったと思います。今、だんだんそれぞれのバス生産事業者も相当工夫を凝らしてまいりまして、だんだん安くなっていく方向に進んでおりますが、これは法律ができて、そして各バス事業者がこのことに積極的に対応することになれば、私は十年から十五年ということを申しておりますが、もっと速いテンポで進んでいくであろうということを思っております。
 将来的には、車両の仕様や構造の標準化、これを積極的に推進しまして価格の低減を図ること、これを第一に考えてまいりたいと思っております。可能な限り導入割合をふやしてまいる方向で、運輸省としても積極的に業界の協力を求めてまいりたいと思っております。
 なお、補助率等につきまして御指摘がございましたが、これらの点につきましても、ノンステップバスの導入の目標がどのように進んでいくかということをよくにらみ合わせながら、運輸省としてはそれなりに対応を考えてまいりたいと思っております。
○大沢辰美君 では、今述べられましたノンステップバスについての比率の向上という点では特に要望いたしまして、次に、国の基本方針、整備計画の目標についてお伺いしたいと思います。
 これは、乗降客五千人以上の施設整備について、国がつくることになっている基本方針の中でバリアフリー化の整備計画の目標を定めることになっていますね。目標を持つことは計画的に進めていくことで、実際にやっぱりその確保に当たって私は大変重要なことだと思います。既に大臣は答弁で、乗降客が五千人以上の駅等は二〇一〇年までに整備すると述べておられますね。つまり、一日の乗降客が五千人以上の駅等の施設を対象に十年間で整備ということとなると思いますが、駅等という等にはバスターミナルや空港などすべての五千人以上の施設が含まれていると思いますが、間違いありませんか。これは簡単に。
○政府参考人(羽生次郎君) 二〇一〇年までの目標ということもこれから手続を経て決めるということになりますが、一応二〇一〇年までといたしますと、鉄道駅のみならず、五千人以上の利用者が存在するバスターミナル、旅客船ターミナル、航空旅客ターミナルが含まれるものと考えております。
○大沢辰美君 そうしたら、五千人以上のすべての旅客施設、この中には大規模改良を要する駅も含まれていると思うのですが、これらを含めて十年計画で整備するということですね。もう一度確認したいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 当然五千人以上の鉄道駅の中には大規模改良をしないとバリアフリー化ができないというものもあるかと思います。これまでも各鉄道事業者は、なかなかバリアフリーのために物理的な制約がある場合に、高架化とか複線化といったような大規模改良の際にバリアフリー化を進めてきたところでございます。
 今回、その大規模改良についても二〇一〇年までにできるかどうか、これは具体的な施設の大規模改良の時期がどういう形になるかということとも関係してまいりますけれども、基本的な考え方としては、一日乗降客五千人以上の鉄道駅について基本構想が策定される対象となっておる場合には、そういう大規模改良の際にあわせてこのバリアフリー化をしていくということを考えていきたいというふうに考えております。
○大沢辰美君 やはりこれまでも大規模の改良を要する駅が先送りになっていた傾向がありますから、これは今、さらに念を押したいと思いますが、やはり十年間で整備するという目標に、計画の中に入れていただくことをお願いしたい。大臣、一言で結構ですが。
○国務大臣(二階俊博君) 五千人以上乗降客を擁する鉄道駅及びその他の公共交通施設におきましてこのことを実行することによって、約九二%ぐらいバリアフリー化の達成ができるであろうということを目標に置いておりますので、御指摘のとおり、私どもは全力を挙げてその目的が達成できるように今から諸準備を整えたいと思っております。
○大沢辰美君 このバリアフリー法の根幹をなす鉄道のエレベーター、エスカレーターについて少し突っ込んでお聞きしたいと思います。
 十年計画の中で五千人以上の駅にエレベーター、エスカレーターを設置するのですが、五千人以上の駅は何駅あって、現在段差が解消されている駅数と解消されていない駅数はどうなっていますか。局長、お願いします。
○政府参考人(安富正文君) 現在、JR、大手民鉄あるいは地下鉄についての状況でございますが、設置状況を一日の乗降客数が五千人以上の駅について見ますと、今申しましたJR、大手民鉄、営団、公営地下鉄で全体で二千四百九十九駅ございます。このうち、エレベーターが六百二十九駅、エスカレーターが千百三十六駅に設置されているところでありまして、また、このうち五百三十九駅ではエレベーター、エスカレーター両方が設置されているという状況でございます。
○大沢辰美君 今答弁ありましたように、五千人以上のバリアフリー化がされていない駅は千五百二十九駅あるわけですね。その整備を十年計画で行うことになるわけですけれども、本当にこれを実行せしめるためには、もっと細部の私は計画がかぎを握ってくると思うんです。
 大臣、十年でやり遂げるためにも、各年度ごとの実施の目標、ことしはこれだけやろうという方向を明らかにしていくことでそれを効果的に実行できると思うんですが、ぜひそのことを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(二階俊博君) この法案におきましては、たびたび申し上げておりますように、地方分権の観点から地域の実情に応じたバリアフリー化を実施する。したがいまして、市町村が、関係者、つまり鉄道事業者等と調整の上で基本構想を作成する制度を設けております。したがいまして、あくまでも地方の自主性、しかも地方分権のスタートの時点でたまたまこの法律が出発をさせていただくとすれば、私はあくまでも地方の自主性を尊重してまいりたいと思っております。
 したがいまして、これに対して一々目標を定めて事業を実施させるというやり方よりも、地域住民の皆さんの御理解や当該市町村の決意によりましてバリアフリーが一層推進していくように図っていく。また、地域住民の皆さんも、この法律を理解するたびに、うちの駅はどうだ、うちの交通施設はどうだということでみんながそういう方向に関心が向いてくるわけでありますから、私は、地域住民の皆さんの総力を結集していただいて、国民的合意のもとにこのことを進めていきたいというふうに考えておる次第であります。
○大沢辰美君 もちろん地方自治体が整備計画をつくっていくわけですが、自主性を尊重するということは大事なことなんですけれども、国で今この法律をつくって、基本方針をつくって、地方自治体が整備計画をつくっていくわけですから、そして実際には全国で千五百余りの駅がまだ未整備だという実態は国側が握っているわけですから、それを今、大臣が十年間でやることを目標にしたいということを何回も答弁で言われているわけですが、やはりその基本方針を年次ごとに、完全にできないかもしれません、順番があるかもしれない、だけどやっぱり年次ごとに十年間でこれだけはやろうという基本方針というのは、大臣、計画として出していただきたいと思うし、つくることがより積極的な効果を上げると思うんです。今までガイドラインでやられたときもやはりできなかったという教訓があるじゃありませんか。だから、それはやっぱり目標をつくってやることが効果的な制度として、法律として実行できると思いますので、もう一度。
○国務大臣(二階俊博君) 大沢委員も御理解をいただいていると思いますが、二〇一〇年を目標にすることは一つの考え方でありまして、今後基本方針を策定する段階で関係者と協議をして定めることとなっております。また、鉄道やバス等の車両については一定期間の経過後に順次更新が行われ、その更新後の車両についてはバリアフリー化を義務づけられることになっておるわけであります。
 いずれにしましても、本法律施行後における市町村と交通事業者等との協議過程を踏まえまして、私ども一定の年次で目標が達成できるようにさらなる努力をしてまいりたいと思っております。
○大沢辰美君 ぜひ、一定の年次で結構だと思いますが、建設的な対策、計画をお願いしたいと思います。
 次に、今局長から九百七十駅というのが一応バリアフリー化されているという答弁があったわけですが、私はその中にも非常に多くの課題が残されていると思うんです。
 それは何かというと、設置はされているけれども、つまり運輸省で設置済みとなっている駅ではあるけれども、ホームが幾つもあるのにエスカレーターやエレベーターが一つしかないと。これでは、一つのホーム以外はバリアフリー化になっていないというところもあるわけですね。また、エスカレーターはあるけれどもエレベーターがないとか、そういう逆のコースがずっと私は調べてみてあったわけです。
 そこで私は、地元の兵庫県内の五千人以上の設置駅を調べてみました。JR西日本、今絵はがきが来ましたけれども、「人にやさしい交通を」という絵はがきを出してくださるそうですが、このJR西日本は兵庫県内に五千人以上の駅は三十七駅あります。エレベーター設置駅は運輸省の報告では十三駅あることになっています。
 その中で、私は例えば神戸駅に行ってきたんですけれども、設置駅となっているんですけれども、これは国鉄時代の貨物のための業務用のもので、ずっと改札口から私の足で六十メーターぐらい歩かないといけないかなというところに、倉庫の中にありました。通常はかぎがかけられているんですね。だから、使用目的が違うことから、利用が本当に困難というより全く不十分だというところです。
 隣の三ノ宮駅に移動いたしました。ここは大震災でエレベーターはつぶれたままなんです。エスカレーターは確かに上下あるんですが、車いすでおろしていただこうと思ったら、一般客はちょっとストップしてくださいと。こういう形で、非常に皆さんに迷惑をかけながら自分はおりないといけないということでとってもつらいという報告がありました。
 ですから、本当にエレベーターはこういう状態、エスカレーターも確かに兵庫県内の設置駅は九つあるんですけれども、そのうちの七つは下りは全くないという実態なんです。ですから、どの分野を見ても完全にできているところはまだ少ないというのがこの数字からもうかがえると思うんです。このように、設置済みとなっている駅ではあるけれども、今述べましたように、本当のバリアフリー化となっていないと言わざるを得ません。
 そこで大臣、こうした設置されていると言われている駅に対しても、九百七十駅設置されているんですが、これに対しても十年目標の中にこの不十分な駅を位置づけなければいけないと思うんですが、それについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(二階俊博君) 先ほども答弁で申し上げたわけでございますが、私は、この法律が委員各位の御協力をいただいて成立が図られた後には、地方運輸局を通じましてそれぞれの所管の駅等のバリアフリー化がどのように進んでおるかということを運輸省におきまして十分調査してスタートをしたいというふうに考えております。
 そして、バリアフリーの問題につきましてたくさんのもろもろの御意見をちょうだいしてまいりました。私どもはこれを一つ一つ、反論するんではなくて、御意見を御意見として謙虚に受けとめて、その中から、これは直ちに実行できます、これは今後必ずやらせていただきます、これは少し長期検討課題にしていただきたいということを整理いたしまして、私は衆参両院でいただきました御意見をしっかりと受けとめて、この法案をよりすばらしいものに仕上げて、そしていよいよこの四省庁が協調の中でスタートをさせていただきたいと思っております。
 したがいまして、今までのバリアフリーの感覚でいきますとこれは十分できておるというふうな判断をしておった場合でも、これからのお互いに進んだバリアフリーの感覚からいうとまだまだこれはできておる中には入らないなというのも私は当然出てくるだろうと思うんです。
 そして、それは地域住民の皆さんやそれぞれの議会あるいはまた地方自治体の長の皆さんがそれぞれ他の地域の駅等のことも勉強されますから、お互いに、私は再々申し上げてまいりましたように今回これはスタートでございますので、そこを御理解いただいて御協力をちょうだいしたいというふうに思っております。
○大沢辰美君 ぜひ十分な調査をして基本方針で定めていただくという方向をお願いいたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、五千人以下の駅の整備についてですけれども、これは私たちもある程度優先順位を決めてやることはやむを得ないと承知をしております。
 でも、五千人以下でも段差が大きい駅もあるんですね。例えば改札口とホームとその段差が約十メートルもあるところが私の近くにあるんですけれども、障害者、高齢者は大変な御苦労をしています。こうした駅が計画から外されることはこれから大きな問題となると思います。また、障害者や高齢者は全国各地におられるわけですから、特に五千人以下の駅がほとんどの地方の人たちにとっては深刻な問題と言えます。
 私は先日、兵庫県の農村地方に住んでおられる障害者団体の役員の方がおっしゃっていたことがとても胸に痛んだんですけれども、この法律は都市のための法律ではないでしょうかと、地方の我々も病院にも施設にも行きます、このことをぜひ大臣に訴えていただきたいということを言われたんです。
 大臣、五千人以下の駅でも整備のための目標、方向を持つよう積極的な対応をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(二階俊博君) 私は一応の目標として五千人以上ということでお願いをいたしておりますが、この五千人以上の駅が目的を達することによりまして約九二%程度のバリアフリー化が実現できるわけでありますが、今、大沢委員がお述べになりましたように、五千人以下の駅がたくさんあるわけでございます。
 地方の駅ということを言われましたが、私自身もほとんど五千人以下ばかりでございます。私の選挙区などは三十三市町村抱えておりまして、日本有数の小さい田舎でございます。その田舎の者がこうして一生懸命お願いを申し上げているのは、五千人以上ばかりの駅を考えているのではないということを御理解いただきたいと思います。
 なお、小さい町の町長さん、これは私の県だけじゃなくていろんな町長さんがお見えになります。バリアフリー化の問題についてのお話、大体このごろ新聞や何かでお聞きになっているでしょう、よく聞いております、期待しております、それじゃあなたの駅おやりになりますかと言うと、三分の一なら私は出させていただきます、議会も理解してくれるはずですと。
 バリアフリーの声はおかげさまで全国津々浦々に広がりつつあることは、本当に党派を超えて皆様が御理解をいただき、御支援をいただいていることと感謝をいたしております。必ず期待にこたえるように努力をします。自治省に参加をいただいておりますのもそういうことからであります。
○大沢辰美君 積極的に対応するという答弁、ぜひこのことをお願いしたいと思います。
 さて、こうした計画を整備していく上で、何といっても公共交通事業者の役割は重大であります。とりわけJRや大手私鉄等の社会的責務は殊さら重大であります。なぜなら、鉄道では利用者の、今大臣が言われた九八%をJRと大手私鉄、地下鉄が占めているからです。特に、整備のおくれているJR、大手私鉄で九〇%を占めている。だから、バリアフリー化が進むかどうかはこれら大手の事業者にかかっていると言っても私は言い過ぎではないと思うんです。
 それだけに重大な社会的責務があると思いますが、この事業者に対する責務ですか役割というんですか、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(二階俊博君) これは、当然民営化を図っております今日におきまして、各JRにも国が命令ができるという状況ではありませんが、積極的に御理解、御協力を求めてまいりたいと思っております。既に各JRの皆さんはこのことを理解して、随分積極的に対応をし、また対応しようと努力をされておると私は判断をいたしております。
 かつて私は、あるJRの社長にこういうことを聞いたことがあります。それは、国鉄という名のときにはもうからないで赤字ばかり出して、これは差しさわりあったらお許しをいただきたいと思います、御関係がありますれば、しかしJRというふうになったら何らかの利益を上げるようになってきた、これは一体どういうことなんですか、何が一番大きかったですかということを申し上げたら、トイレをきれいにしました、トイレをきれいにすることに努力をしましたということであります。
 時間がございませんからこれ以上申し上げませんが、私は、バリアフリー化に努力をしたからうちの鉄道事業、バス事業はしっかり住民の皆さんの御理解、協賛を得てこうして立派な会社になりましたと言われる日が必ず来るだろうと、こう思っております。
○大沢辰美君 ということは、バリアフリーの成否はJR、大手にかかっていると言っても言い過ぎじゃないという考え方ですね。そのことを確認させていただいて、次に自治体の事業者への補助にかかわってお聞きしたいと思います。
 問題は、国が補助を出していない場合、要するに自治体が単独で補助をしているとき、国の自治体に対する支援措置が全く欠落していることです。
 私も調べてみました。これもJR西日本の場合ですけれども、例えば先ほど指摘しました兵庫県のエスカレーター、エレベーターの設置駅を調べてみますと、エレベーターでは十駅に二十四基設置されていますが、整備費用は合計十一億三千万円でした。ところで、JRの負担金は二億七千九百万円、二五%の負担です。あとの残りの七五%は自治体が負担しているんです。これが実態なんです。
 JRのこうした姿勢はあちこちで見られるわけですが、自治体に三分の一どころか過重な負担がかかっているのが実態なんです。とにかく自治体からお金を引き出すことを考えているんじゃないかという感じを今までは持っていたんですが、自治体の方はこのように言っているんです。JRはみずから整備していくという姿勢に欠けていると、こういうふうにはっきり言っています。だから、私は、自治体が負担するならやるというJRの姿勢を正さないといけないし、こういうJRの姿勢ではバリアフリー化に大きな支障を来すことになると思うんです。
 JRや大手私鉄はみずからも進んで整備していくことが求められていくと思いますが、同時に、自治体が単独でこのように補助をした場合、七〇%も八〇%も、これは本当に論外だと思うんですが、単独で補助をした場合、国の支援措置を私はやはり検討すべきじゃないかと思いますが、これは自治省と大臣にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(香山充弘君) 地方団体の負担に対する財政措置についてお答えをいたします。
 地方負担に対する財政措置として自治省で行っておりますのは大きく分けて四通りございまして、一つは交通施設バリアフリー化設備整備補助金、これは国、民間、地方が三分の一ずつ持つ場合の地方負担でありますけれども、またこれは国の補助がなくて単独で地方団体が実施する場合もございますが、その場合も含めて特別交付税で財政措置をするようにいたしております。
 また、地方公共団体が公共施設等をバリアフリー化する場合に、公共施設ですが、それをバリアフリー化する場合には地域総合整備事業債によって補助をするというふうにいたしております。
 また、今回の法律の制定に伴いまして、民間の交通事業者に対して助成をする経費について新たに地方債を発行することができるような特例規定も設けることにいたしました。
 また、従前からやっております施策といたしまして公営交通そのもののバリアフリー化、これはみずからの事業ということになりますが、これを整備する場合にもまた、一般会計からの繰り入れという仕組みを通しますけれども、それに対して特別交付税措置を行うようにいたしておりまして、これらの措置の活用によりまして地方団体の取り組みを支援していくつもりにいたしております。
 今御指摘がありましたけれども、JR等との関係でございますけれども、今回の法律の大きなポイントは、国、地方公共団体、民間が協調してバリアフリー化を進めるということでありまして、地方団体に過大な負担を求めるための駆け引きとして事業者が基本構想の作成に当たり非協力的な態度をとるというようなことがあってはこれは断じてならないことでありまして、運輸省とも協力いたしまして事業者に対して適切な対応を求めていくというふうに考えていきたいと思っております。
 また、相手がJRの場合には、地方財政再建法の趣旨にかんがみまして、地方団体がJRに補助する場合には自治大臣に協議があるという仕組みになっておりますので、この仕組みの適切な運用を通じまして事実上地方団体が大きな負担を押しつけられることがないよう対処していきたいと考えておる次第でございます。
○大沢辰美君 答弁はありましたから、大臣は結構でございます。
 特別交付税で措置がされるということですが、新たな法律ができた段階で自治体に負担がこれ以上かからないような対策を国の責任で行っていただきたいということを強調して、次の質問に移りたいと思います。
 次は、視覚障害者の問題、特に転落防止ですけれども、移動に当たって安全確保は最も重視しなければならない課題です。ところが、視覚障害者の転落は後を絶ちません。視覚障害者のバリアフリー化の基準はどうなっているか。点字ブロックをもってバリアフリー化と言えるのか。これだけでは解決にならないことは明確です。
 これらの対策として、運輸省の調査によると、鉄道駅における視覚障害者に配慮した誘導方策等の検討に関する調査報告書というのが出されていますね。ここで指摘している。それは、「ホーム柵等物理的な防護方策をとることが有効と考えられる。」と述べているんです。また、さらに重要な指摘もされています。それは、「白杖と点字ブロックのみの対策では、防止効果に限界のあることが指摘された。」と書かれています。
 こうしたことが明確にされてきているわけですが、ホームさく等計画目標を持つよう検討すべきだと思います。少なくとも五年後の見直しということも書かれているわけですが、そのような検討をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(安富正文君) 先生今御指摘の、いわゆる固定式ホームさくについての我が方のいろんな調査研究について述べられましたけれども、ホームからの転落防止として、誘導・警告ブロックだけではなくてそういうホーム固定式のホームさく、あるいは可動式のホームさく、場合によってはホームドアといったものが非常に有効だということは我々自身も十分認識しているところでございます。ただ、その調査報告等でも述べられておりますように、固定式のホームさくにつきましては、例えば開口部からの転落とか列車発車時の車掌の安全確認の影響といったような幾つかの課題がございます。
 また、それから現実問題として、既設の駅に設置する場合にやはりプラットホームの大規模な工事が必要であるとか、あるいは工事の期間中プラットホームを使用できないとか、あるいは混雑している駅では利用者に非常に影響があるといったような幾つかの課題もございます。
 こういったことを我々としても十分今後検討していく必要があるというふうに考えておりまして、ホームさく等の設置の義務づけについて、今後以上述べました幾つかの課題について我々としても検討して、単に一律に義務づけるということについては必ずしも適切ではないんじゃないか、各駅のそれぞれの構造あるいは利用状況等を個別に勘案して具体的に検討していく問題ではないかというふうに考えているところでございます。
○大沢辰美君 立派な調査、検討をされているわけですから、ぜひその方向づけを急いでいただきたいと思います。
 次は、こういうふうにバリアフリー化されても移動困難な人のための代替輸送の確保、いわゆるSTSについてお伺いしたいと思います。
 運輸省も先駆けて九七年と九八年に調査を実施しています。その調査報告を読ませていただいたわけですけれども、なかなか多様な調査をされているように、私も強くいい調査をされているなと思ったんです。
 課題もちゃんと挙げられていますが、結論的にはこう書かれています。「STSの導入にあたっての課題整理を行った。」、「一つの方向性、結論を提示するまでにいきつかなかった。」として、「今後はそれぞれにふさわしい議論の場を設けて継続的に議論をする必要が指摘されている。いつでもどこでも行くことができるサービスの提供が、どの程度の期間で導入・普及できるのか、費用負担はどうするのか等、二十一世紀に向けて地域社会だけの問題にとどめず、国民全体の問題として、STSの具体的な導入推進体制を検討し構築する組織・機関が必要であろう。」と結ばれているんですね。
 だから、大臣、せっかくこうした調査を二年もかけて実施されたわけです。「STSの具体的な導入推進体制を検討し構築する組織・機関が必要であろう。」、こういうふうにも書かれています。だから、そのためにも、それぞれにふさわしい議論の場を設けて私は継続的に議論する必要があると思うんです。
 これは昨年の三月に出されているわけで、ですからもう既に一年以上経過しているわけですから、この結論にあるように、直ちにこの議論の場を立ち上げていただいて、一日も早くこのSTSの導入を図っていただきたいと思うんですが、大臣の強い決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 運輸省としましては、今後とも、まず民間の運送事業者による福祉タクシー等のサービスの充実を推進してまいりたいと思っております。同時に、この法律が成立の後には、特に関係省庁と連携し、STSの意義等について地方公共団体の認識を高めていただくように努力するとともに、どのようなサービスをだれの責任と負担で提供するのかなどの問題につきまして、ただいま委員御指摘のような今日までの調査も踏まえてさらに検討を深めてまいりたいと思っております。
 いずれにしましても、STS導入等の重要性につきまして、今後ますますその需要が高まってくるわけでありますから、それに対する対応を十分考えてまいりたいと思っております。
○大沢辰美君 一言だけ。時間が参りました。
 このSTSについて、調査ももうされているから協議を重ねていきたいとおっしゃったんですが、私はすぐ立ち上げていただきたいと思いますけれども、それができなければ、調査をして一年過ぎているわけですから、今後一年ぐらいで立ち上がることができるのか、二年、三年かかるのか、その辺の見通しを一点お聞かせいただけませんか。
○国務大臣(二階俊博君) ただいまタクシー業法の問題につきましても御審議をいただいておりますし、同時にこのようなバリアフリーの問題等につきましてもいろんな御議論をちょうだいしておりますので、議論はまさに煮詰まってまいった、このように思っております。
 したがいまして、今までの調査も十分それを土台にしまして、今後、全国各地にこのような芽生えが今出てきつつあるわけでありますから、それに対応できるように、それをさらに促進していくように運輸省として努力をしてまいりたいと思っております。
○渕上貞雄君 まず、本日の委員会冒頭に、運輸省の方から、去る五月三日に発生をいたしました西日本鉄道のバスジャック事件につきまして報告がございました。同時に、委員長の方から深甚なるお言葉をいただきました。
 卑劣なる犯人の行為によりましてとうとい人命が亡くなることになりました。同時に、乗客の方々が、ある人は傷つき長時間拘束されることになりました。不幸にして亡くなられた方にはお悔やみを申し上げますと同時に、負傷された方は一日も早い回復をお祈りする次第でございます。
 さて、その事件の当日、休日を返上して指揮に当たられた二階運輸大臣以下運輸省の方々、内閣として危機管理に当たられた内閣官房、同時に事件解決のために四県にわたる複雑な状況の中で犯人逮捕に組織の全力を挙げられた警察の方々に、私も西鉄に勤めておりましたものですから、関係者の一人として本事件が解決しましたことについて感謝を申し上げ、お礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
 同時に、今後は、犯人に対する抑止力の対策それから再発防止等について、同僚議員からも御質問がございましたし、大臣からも答弁がございました。一刻も早く、こういうようなことが再度起きないような努力も私どもも一生懸命やっていきたいということを申し上げておきたいと思います。ありがとうございました。
 引き続きまして、交通運輸バリアフリーの問題について御質問をいたします。
 まず、安全確保のための車内設備基準の定めについて御質問を申し上げます。
 私は、本法案が成立することを心から歓迎するものでございまして、これによりまして公共交通機関がさらに利用しやすくなるし、高齢者の皆さんや障害者の皆さんのみならず多くの利用者の方々がより安全に、そしてより快適に公共交通機関を利用できるようになると思うのでありまして、私ども社民党としても交通政策と合致するものであるというふうに考えておる次第でございます。
 このような趣旨に立ちまして、幾つかの点についてお尋ねをしたいと思います。
 交通機関の利用が拡大されることによって、どうしても避けて通れない問題として事故の問題がございます。これまでの報告においても明らかなように、ホームからの転落事故を初め車両接触や転倒、さらには落下事故や車内事故が発生をしています。これらの事故の原因には施設の不備や現場職員のふなれなどもありますけれども、不可抗力によって発生する事故というものもあります。しかし、そのような場合であっても、やはり設備を改善することによって事故の発生を防いだり被害を小さくすることはできると思います。
 本法案では、特定事業のほかに、低床バスや鉄道車両の車いすスペースの確保、それから鉄道車両の視覚案内情報などの設置、幾つかの基準適合義務がありますけれども、車内の設備について言及されておりません。したがいまして、握り棒やつり革、座席などの開発を初めこれらの設置個所の研究を進めるとともに、車内の情報提供について行う必要があると思います。したがいまして、車両構造基準等に定めることがあわせ必要ではないかと思います。その見解についてお伺いをいたします。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 交通のバリアフリー化を進めるに当たりましては、先生の御指摘のとおり安全性の確保というのが大前提であると考えておりまして、本法案もその目的のところで、公共交通機関を利用する高齢者、身体障害者等の移動に係る身体の負担を軽減することにより、その移動の利便性及び安全性の向上することをこの施策の対象としているところでございます。
 したがいまして、本法案では、交通事業者が新規に導入する車両についてもバリアフリー基準への適合を義務づけておりまして、またバリアフリーというものの内容が先ほど申し上げましたように利便性のみならず安全性にもかかわるところでございますから、その基準の中でこういった方々の安全性を確保するものを規定していくのは当然かと考えております。
 私どもも、先生今御指摘のつり革のところまでまだ考えておりませんでしたが、例えば床の表面は滑りにくい材料にするといったようなところは当然含めるものと考えておりましたが、御指摘の点を踏まえて、これから高齢者、身障者等の関係者、事業者の皆さん等の御意見を踏まえ、必要な規定を整備してまいりたいと考えております。
○渕上貞雄君 次に、啓蒙活動について御質問をいたします。
 本法の第二十条五項において、「国民は、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した円滑な移動を確保するために協力するよう努めなければならない。」と明記されています。国民利用者の協力は非常に大切でございますし、やはり私どもも積極的に情報を提供することも一つではないかというふうに思っています。同僚議員であります野沢先生の方からもこれらの問題についても提起がございました。
 例えば、ホテルでは、盲導犬を使ってよろしいという盲導犬が利用できるホテルのマーク、例えは悪いかもしれませんけれども、例えば消防署から出されておるホテルにおける適マークですね、そういうようなものを積極的に活用していくようなことも私は必要ではないかというふうに思いますし、より国民の理解を深めることになるのではないか。私は、時刻表に書くというのは、これは野沢先生はやはり専門家だなと、こういうふうに思いまして、なるほどというふうに感心をしたところでございまして、国としてはどのような啓蒙活動をされようとしておるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(二階俊博君) 御承知のとおり、本法案の目的とするバリアフリーの施設を整備することは当然重要なことでありますが、本当の意味での交通バリアフリー化を進めていく上におきましては、さらに社会のバリアフリー化と申しますか、突き詰めていえば心のバリアフリー化が必要なわけであります。したがいまして、今後国民の一人一人に対し広報活動を積極的に対応してまいらなくてはなりませんし、また同時に、これらの皆さんに対しては、国がどうだ法律がどうだという前に、みずからがバリアフリーの心を持って御協力をいただけるような、そういう環境を誘導してまいらなくてはならないと思っております。
 今、盲導犬のお話がございましたが、このごろホテルなどでも、気をつけて見ておりますと盲導犬はオーケーですよという意味のステッカーが張られております。とても上手なステッカーでございまして、私は、見るからにこれは盲導犬がオーケーだということが一目でわかるステッカーだというふうにいつもそれを眺めて感心をしておるわけでございますが、それがもっともっとあらゆる地域にバリアフリーの象徴としてステッカーが張られることを期待するわけであります。
 先ほどからも再々申し上げてまいりましたように、バリアフリー関係閣僚会議、五月の半ばをめどに取りまとめを行おうとしているわけでありますから、いよいよ法案もこのように御審議を進めていただいておるわけでありますから、私の立場からも、四省庁の閣僚とともに力を合わせて最大の努力をしてまいりたいと考えております。
○渕上貞雄君 次に、善意の協力者への傷害補償についてでありますが、今後、施設の整備とともに人的サポートとしての交通ボランティアの制度や国民の理解と協力のもとにその促進が図られると思います。
 人の介在によりまして、どうしても予見しておかなければならない問題として、ボランティアまたは協力者の事故の問題があります。腰痛や捻挫、それから足を踏まれるなど、ちょっと考えただけでも幾つかの事故が予測されます。
 そこで提案なのでありますけれども、これらの善意に対して何らかの傷害補償を考えるべきだと私は思うのでありますが、その際、例えば交通アメニティ財団において補償するとか車いす等に保険をつけて協力者の傷害について対象とするなど、ぜひ制度として考えるべきではないか。
 事故が発生をする、それは本人持ちですよというようなことになれば、せっかく善意で物事をやろうとする、その結果として不幸にして事故が起きた場合、される側、する側、双方とも安心してそういう活動ができるような条件整備というものは制度として考えていくことも大事なことではないかと思うのでありますが、その点いかがでしょうか、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 高齢者や身体障害者等の方の円滑な移動を確保するため、善意で協力している方が事故等に遭った場合と。先生のお気持ちは大変よくわかるわけでございまして、確かに軽い捻挫、打ち身等までの補償というのでは、まあこれは別といたしまして、大事故に遭われたときどうなるんだという御指摘でございます。ただ、これは国が補償するというような性格ではないので、確かに保険の活用であるとか、それからボランティアを支えていく活動の一環としてそういうことを考えなければいけないとは思われます。
 ただ、まず一番重要なことは負傷しないようにすることでございますから、協力の仕方をよくPRいたしまして、障害者の方等に伺うんですが、それほど危険なものではないと皆さんおっしゃるので、よくPRして、危なくない方向でやるようなことをまずボランティアの方にわかっていただいて、その上でどうしてもやむを得ないことが起きた場合、これを何らかの形で、補償ではなく保険等を掛けて損害を何とか防ぐということは今後検討しなければならない課題だと思われます。
○渕上貞雄君 そういう制度についてひとつどうか真摯な御検討をいただきたいと思います。
 次に、水平移動のための動く歩道は補助対象となるかならないかということについて御質問申し上げます。
 本法案の第二十一条では、移動円滑化のための事業であって主務省令で定めるものを実施する公共事業者等に対し補助金を交付することになっていますが、今言われていますところの移動円滑化のための施設は上下移動を中心にして考えられております。しかし、やはり高齢者それから障害者の皆さんにとっては平行移動も困難な場合があります。
 建設省は、駅周辺だけでなく商店街の地域、それから公共施設等が多く立地している地域などの道路についてバリアフリーの歩行空間のネットワークの形成を推進されていますが、特に駅施設へのアプローチのための平行移動手段である動く歩道について補助対象とする考えはあるかどうか。特に、市町村が作成をし、基本構想に盛り込まれた場合、その対象とすべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 大勢の方が御利用になります駅の周辺において動く歩道を設けることは、高齢者の方の円滑な移動を助けるという意味で町のバリアフリー化のために大変有意義であると認識しております。
 そういう考え方に立ちまして、建設省では、地方公共団体が幅の広い歩道とか通路などを整備する、歩行空間を整備する一環として動く歩道を設置される場合には、これを街路事業などの補助対象として応援してきているところであります。
 本法に基づく市町村の基本構想の中で動く歩道が位置づけられました場合には、これを重点的に応援してまいる所存であります。
○渕上貞雄君 今後、やはり都市計画等でそういうことだとか駅の立体化等に伴ってそういう条件が私は生まれてくると思います。ひとつ積極的に指導していただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 建設省の方、ありがとうございました。
 次に、エレベーター、エスカレーターのメンテナンスの費用についてお伺いをいたします。
 これは参考人の方々の中にもこういう御意見があったわけでございますけれども、エレベーター、エスカレーターの設置については一定程度の助成と税制上の支援措置がなされていますが、エスカレーター、エレベーターの場合は年間を通じて法定の点検費用等の維持費がかかります。
 関東の大手私鉄を見ますと、エスカレーターの場合、一基百二万円、エレベーターですと一基平均百八十六万円の維持費が必要となっております。これに設置台数を掛ければ相当な金額的負担となることが容易に理解できると思います。すなわち、設置台数がふえればふえるほど負担がふえるということになりますし、鉄道関係者からは、先ほども申し上げましたようにメンテナンスの費用負担の軽減を求める声が出てきているところでございまして、バリアフリーの促進のためにも、設置助成や税制上の措置だけでなく、設置後のメンテナンス費用についても補助対象として措置することも今後考えていかなければならないと思いますが、御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(安富正文君) 今御指摘のありましたように、エレベーター、エスカレーター、年間百万以上のメンテナンス費用がかかるということで、鉄道事業者からそういう維持費に対する助成について要望があるということは我々も十分承知しているところでございます。
 ただ、しかしながら、鉄道事業者が所有する施設の維持、運営につきまして、これに国の方から当該事業者に対して助成するということは現状ではなかなか非常に難しい問題であるというふうに考えております。
 特に、現状、限られた予算の中で今回この法案の成立等をまってエレベーター、エスカレーターをなるべくたくさんの駅に整備していこうというところでございますので、現在のところ、こういう新しくできましたエスカレーター、エレベーターのバリアフリー化の助成制度で可能な限り多くの駅に早急にエレベーター、エスカレーターをつくってバリアフリー化を推進していくということに重点を置いてやっていきたいというふうに考えておりまして、この維持、整備については今後の検討課題として考えていきたいと思っております。
○渕上貞雄君 検討してできなかったということではなくて、検討したらできるようにひとつ御努力をいただきたいと思っています。
 次に、交通事業者の施設管理責任と安全配慮義務の範囲についてお伺いをしたいと思います。
 交通事業者の施設管理責任は各事業者によって異なると思いますが、鉄道、それから乗り合いバス、タクシーで考えた場合、それぞれの施設管理責任はどこまであるのか、お伺いをしたいと思います。
 同時に、商法の第五百九十条、旅客の損害の賠償責任で言う事業者として安全に配慮しなければならないいわゆる安全配慮義務はどこまであるとお考えなのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 一般論で申し上げますと、御指摘の施設管理の責任は交通事業者がみずから管理権限を行使できる範囲の施設について有しているものと考えられます。また、この安全配慮の義務というのも、基本的には交通事業者が旅客を目的地まで運送し、運送契約が終えんしたところで終わるわけでございます。
 ただ、これは一般論でございまして、例えばタクシーでございますと、通常、旅客が目的地で車両からおりればそれで安全配慮義務は終了したと思われるのでございますが、例えばおろした場所が非常に交通のふくそうする交差点の真ん中であったりするとこれはそうとも言えないということで、これはまさにケース・バイ・ケースではないか。一般論としては今申し上げたようなところではないかと思うわけでございますが、具体的にはやはりちょっとケース・バイ・ケースで見てみないと、なかなか一律に申し上げるのは困難かと考えます。
○渕上貞雄君 ここでこのことでやりとりをやろうとは思いませんけれども、ここのところは非常に最近このバリアフリーの発想と、同時にあわせて高齢者の場合それから障害者の場合、健常者の場合、それぞれ目的地まで着いた後どうするかという処置の問題について、事故が起きた場合の処置です、言われるようにケース・バイ・ケースであることはわかっています。
 したがって、これらの問題、もう少し私どもも研究をいたしまして、どういうことが必要なのか私どもとしても検討したいと思いますが、運輸省の方でも幾つかの事例あると思いますので、今後検討していただきたいと思うんです。それが裁判上の争いになって、それは司法に任せればいいという発想ならそれでもよろしいし、ただ、それだけでいいのかというと、具体的な運転をする側として問題が残りますから、十分な検討をひとつお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、過疎地域における移動制約者のための施設について御質問を申し上げます。
 先ほども同僚議員の方から質問があっておりましたけれども、やはりこの法案によって都市や都会のバリアフリーの進展は期待が持てると思います。もう大臣も何回も言われておりましたからわかっておると思いますが、地方はますます取り残されるのではないかという印象を持ちますね。ですから、五割程度のバリアフリー化ではないかという不安の声がございます。
 もちろん、利用者の九〇%ぐらいは五千人以上であれば掌握できるということも報告があったとおりでございますけれども、やはり地方に住む高齢者にとりましても障害者にとりましても、一体私たちは取り残されるのではないかという印象を持つのではないかというふうに思うんです。
 例えば、ローカル線の気動車に車内ステップがついており、しかもホームの段差は電車の区間により大きくなっております。予算の関係があることも私たちは理解するわけでございますけれども、むしろローカル線にこそバリアフリー化を進めて、車いすや電動三輪車が楽に乗り込めることができるようになれば、高齢者、障害者の観光や買い物のニーズには十分こたえられるし、事業者にとってもローカル線の乗客をふやすことになると思うのであります。したがいまして、バリアフリー化の費用を、事業者、行政とともに、単なるコスト、費用というだけではなく将来の需要拡大につながるような投資と考えるべきだと私は思います。
 そこで、ローカル線であっても、新設、改造があればバリアフリー化の工事が行われるように支援すべきではないかと思いますが、地方のバリアフリー化の要望についてどのようにお考えか、お尋ねをしておきたいと思います。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 まず、先生最後の方におっしゃいました新設、改良の場合、これはバリアフリー化の基準がかかってまいりますので、それに基づいて改良が行われることになると思います。
 それから、五千人以上の旅客ターミナルを目標とするという、これは一つの考え方として申し上げておりますが、何遍も大臣の方から御答弁ございますように、これにとどまらず、駅周辺に高齢者、身体障害者等の利用の多い施設がある場合、また地方公共団体の熱意がある場合、これにも十分配慮した上で特定旅客施設を決めてまいりたいということでございますので、御指摘の地方についても十分これから配慮を加えて、都市と地方においてバリアフリー化施設に差ができないように努力してまいりたいと考えております。
○渕上貞雄君 逐次されることはわかりますが、ローカル線の方にも御配慮いただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、電動三輪車はバリアフリーの対象となっているのかどうかという問題でございまして、先ほども御質問があっておったようでございますが、点から点までの移動と点から点の先の移動ということを考えた場合に電動三輪車というのは非常に便利なものではないかというふうに思っているんですが、この法案で言う高齢者、障害者でなくて高齢者が利用している電動三輪車について、やはりこれも認めるべきではないかというふうに思うんです。
 先ほどはいろんな条件等によってできないような御答弁でございましたけれども、いわゆるこれから先、高齢者で足腰の弱い人たちが移動していく保障ということを考えると、法案の名前にも「高齢者」とついているわけだから、高齢者が利用するそういう電動三輪車については認めていく方向で検討すべきではないか。もちろん、電動三輪車の改造や改良というものを通じて利用しやすいようにしていかなきゃならないというふうに思うんですが、駅周辺のバリアフリーが進めば進むほどそういう利用者というのは多くなるのではないかと思います。
 そのときに、私どもはやはりこの電動三輪車で公共交通機関を利用できる条件というものを今後整備していく必要に迫られてくると思うのでありますけれども、いかがでございましょうか。できないという答弁だけではなしに、どうしたらできるかという答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 先生も御指摘のように、三輪の電動車いす、いわゆる電動スクーターについては、確かに足腰が弱くなった高齢者の方たちが道路上の移動手段として利用しているケースが多々あることは承知しております。そして、これがまた先生おっしゃるようにふえていくであろうということ、これもおっしゃるとおりかと考えております。
 ただ、これは先生も御認識いただいているように、現在のものでは、これは製造メーカー自体が認識しているように公共交通機関には確かに使うことはなかなか難しい面が三点ほどございます。先ほど申し上げましたように、重量の問題、人間が持ち上げる構造となっていないこと、サイズが違うことがございます。
 したがいまして、技術開発等によりましてこれをもっと軽量化し、今申し上げたようなものを克服していくこと、こういうようなことを努力することになれば当然公共交通機関に利用することが可能になるものだと考えておりますし、そういうものは克服する方向で我々もいろいろ協力することは協力してやっていかなければならないと考えております。
 私が先ほど申し上げた現在の電動車いす、スクーターはちょっと無理があると申し上げたわけでございますが、先生のおっしゃるように、これから改善が進む、また進まなければならないと思いますが、そうすればこれは公共交通機関の利用対象とするということを課題として検討していかなければいけない問題だと思っております。
○渕上貞雄君 よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、水上、海上交通のバリアフリー化の現状と今後の対策についてでありますけれども、今回のこの法律では、「公共交通事業者等」に海上旅客運送事業者が含まれていると思いますし、また旅客船ターミナル、それから「車両等」にも私は船舶が含まれていると思うんですが、一番この部分というのがおくれているのではないかというふうに思います。
 しかし、水上、海上交通のバリアフリー化は陸と違った面がやはりあると思いますが、水上、海上交通のバリアフリー化の現状と今後どのように進めていこうとしているのか、お伺いをしたい。
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 まず、現状の方でございますけれども、一般旅客定期航路事業に使用されている旅客船に関するバリアフリー化の状況についてまず申し上げますと、エレベーター等の昇降施設の整備率でございますが、平成十年三月現在におきまして二十トン以上の船舶、小型を除くという意味でございますが、一〇・七%、それから身体障害者用トイレの整備率は同じく一四・五%ということになっております。
 先生御案内のように、船の場合には海難防止の観点とか構造上いろんな制約がございまして、陸上のようにスペースがなかなかないということがございまして、確かに取り組みについてはおくれているというような現状はあろうかと思います。
 旅客船のバリアフリー化につきましては、今回の法案における基本方針の中で、船舶の大きさなどに対応した形で、昇降施設の設置等の段差解消措置だとか、それから身体障害者用トイレの設置を行うべきことなどが記載されることになると思います。
 この基本方針につきましては、今後パブリックコメント手続を活用することによりまして、高齢者、身体障害者などだけではなく、広く国民の意見を聞いて決めたいと思っております。
 それから、ターミナルの関係でございますが、これも一日当たりの乗降客数五千人ということでもって線を引いていまして、その旅客ターミナルに関する状況について申し上げますと、エレベーター、エスカレーター等の設置により段差が解消されているものの割合は七七%、それから身体障害者用個室トイレの整備率は八五%、それから誘導・警告ブロックの整備率は七〇%といったような状況でございます。
 これにつきましても、今後基本方針の中で旅客船の場合と同様に基本方針を決めてまいりますが、パブリックコメントの手続などを活用することによりまして、広く意見を聞いて定めてまいりたいと、こう考えております。
○渕上貞雄君 交通基本法の制定と交通権の確立問題について大臣にお伺いします。
 やはり二十一世紀の新しい権利問題として移動の自由をどう保障していくかというのは非常に大切な人権であろうというふうに思います。もちろん、環境権の問題等も出てきていますし、今日のように高齢化社会が到来をしてきた場合に移動の自由を具体的にどう保障していくかというのは衣食住に次いで最も重要な権利であろうと思いますが、その見解について大臣にお伺いをして、質問を終わります。
○国務大臣(二階俊博君) お尋ねは、すべての人を対象にした権利についてどうあるべきかということだと思いますが、御指摘の交通権につきましては、参議院の本会議でもお答えを申し上げましたように、憲法上の明示がいまだなされておりませんし、学説、判例においても確定していないという判断をいたしているところであります。
 これらに関する新たな立法措置を講ずることについては、どのような水準の交通サービスを受けることが権利と言えるのか、いまだ社会的合意が形成されていないという私どもの判断でありまして、今後この内容をいかに明確にしていくか等、検討課題だと思っております。法律上権利として規定するということには、現段階では残念ながらこれを推進することはまだ困難であると考えておる次第でありまして、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
○戸田邦司君 大分長い議論がありまして、いろんな問題について大臣の御所見もお伺いしてきておりますので、なるべく簡潔にしたいと思っております。
 バリアフリーの今度の法案ですが、私は運輸省でこういった施策が非常に重要であるという認識が始まって以来、約十年ぐらいたっているのではないかと思っております。そういう意味では、なかなか予算を獲得して実施していくということが難しい中で、やはり今まで関係者が非常に努力してこられておりますし、また運輸大臣、今回は相当これ力を入れていただいて、またこの審議の途中でもいろいろお約束いただけたと、非常に大きな進歩ではなかったかと思っております。
 本来、ノーマライゼーションという言葉がありますが、これはいろいろな障害者が健常者にまじってそれぞれの能力に応じて社会活動を進めていくということになるわけですが、今回のバリアフリー法案、これが国会で成立することによって、このノーマライゼーションという考え方も今までのように口だけで言っているということではなくて現実の問題として相当の進歩をしていく、抽象的なとらえ方ではなくなってきているという私は認識をしております。
 そこで、審議の途上で、障害者にもいろいろございます、視覚障害者、聴覚障害者、運動障害者、それに知的障害者と、そういった人たちをどう扱っていくかというような問題もございました。これは障害の種類によって一様に議論できないところが大変難しい問題ではないかと思っておりますが、いずれにしましても、このノーマライゼーションというこれからの社会で非常に重要な課題を考えた場合に今回のバリアフリー法案は非常に重要な役割を果たすわけですが、五年後の見直しということもあるわけですので、今回の法案の位置づけといいますかノーマライゼーションの中の機能といいますか、そういった点について、まず最初に大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 戸田委員は長く運輸省にお勤めになりまして、この問題につきましても大所高所から御議論に御参加をされてこられたと思います。そうしたお立場からただいまの御指摘をいただいたわけでございますが、ノーマライゼーションの理念は高齢者や身体障害者が健常者とともに暮らし活動する社会を目指すものである、私は認識におきまして戸田委員と全く同じくするわけでございます。この理念の実現は、まさに交通分野でのバリアフリー化だけでできるものではありませんで、社会全体の取り組みが必要であるのは御指摘のとおりであります。
 しかしながら、高齢者、身体障害者等が社会、経済、文化、その他あらゆる分野の活動に参加する機会を得る上で、公共交通機関を利用した移動の果たす役割は極めて大きいというふうに認識をいたしております。このため、本法案による交通のバリアフリー化を進めるために必要な各種具体的な措置を関係省庁の御協力のもとに講ずることとしたものであります。すなわち、交通分野においてノーマライゼーションの理念の実現に向け、私は大きな第一歩を踏み出したものと考えております。
 今後、本年三月に設置されましたバリアフリーに関する関係閣僚会議への積極的な参画等を通じて、私はさらに社会全体のノーマライゼーションの理念の実現に積極的に努めてまいりたいと考えておるものでございます。
○戸田邦司君 二階大臣には、非常に閣内でもお力を持っておられるということですので、またいろいろ御指導いただきながら、そういった面、実現方よろしくお願いしたいと思います。
 次に、二点ばかりお願い事なんですが、一つは、これは非常に具体的な問題ではありますが、非常に大事だと思っておりますのは、車いすの方のためのエレベーターとかそういうことではないんですが、通常のお年寄りあるいは軽度の障害者、こういった人たちが駅の階段などで、駅の階段といいましても高さがばらばらなんですね、それからステップの幅というのがこれは非常に重要でありまして、あるいは手すりがあるかないか、そういったことを十分に気をつけてこれから整備を進めていただきたい。お願いであります、答弁は要りません。
 それからもう一点ですが、これは、わざわざ建設省道路局長おいでいただいて申しわけありませんでしたが、ぜひ御検討いただきたいという点は、今回の法案のカバーする範囲じゃないんですが、通常の道路で歩道橋というのがありますね。これがまた私はそういう障害者から見ますと非常に非人間的、不親切な代物ではないかと常日ごろから思っております。
 なぜそんなことを申し上げるかといいますと、私は北欧に住んでいたことがありまして、私が住んでいたところの目の前に歩道橋がありました。これは相当幅の広い道路にかかっている歩道橋ですが、これが非常におもしろいのは、乳母車を押した人も、それからつえをついた御老人も、それから自転車も、それから冬になるとその歩道橋をスキーを履いたまま走っていくんですね。そういうようなことで、障害者だけじゃなくて普通の人にとっても非常に親切にできている。
 そこまで日本でやるかどうかというのはまた御議論いただきたいところではありますが、そういった歩道橋を身障者が利用しやすくするという点については、これは通常の行政ベースで可能な点でありますから、ひとつその辺をお願いしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(大石久和君) 横断歩道橋または地下横断歩道の昇降装置についてお尋ねでございます。
 これにつきましては、立体横断施設技術基準というものを定めておりまして、これに基づき、主として階段を設置いたしております。しかしながら、特に自転車、乳母車、車いす等の通行を考慮する場合には斜路を設置するという考え方でやってきておるところでございます。
 これに加えまして、最近では、高齢者や身体障害者が横断歩道橋を渡る場合には大変な身体的困難を伴うということにかんがみまして、これらの方々が自力で移動できるよう、必要に応じてより緩やかな斜路やエレベーター、エスカレーター等の設置に努めているところであります。
 例えば、直轄国道で申しますと、現在までにエレベーターの設置数が五十九基、エスカレーターの設置数が十四基、これはストックの量でございますが、になってございますし、平成十二年の予算におきましても交通安全の補助でエレベーターを十八基こういった立体横断施設に設置する、あるいは街路事業におきましては、エレベーターを十四基、エスカレーターを十三基、これは平成十二年、単年度でございますが、設置することといたしておりまして、こういった方々の移動に不便ならしめないように努めているところでございます。
 今後は、これらの横断歩道橋等の構造を本法律の成立も踏まえまして見直していくことといたしまして、だれもが円滑に移動できる歩道空間をネットワークとして整備できるよう再構築を図ってまいりたいと考えております。
○戸田邦司君 先ほど大臣からアメリカのADAのお話もお伺いし、また今後の取り組みの姿勢についても十分お話をお伺いしました。
 私、最後に、これもお願いでありますが、恐らく七月になりますと、選挙がどうなるかというのはありますが、来年度の予算の概算要求の基本方針というのを与党政策で決定していくということに相なるかと思いますが、二階大臣、ぜひ、先ほど来予算の議論もございましたから、強力にこういったことを重点事項として加えていただいて、できるだけ早くこのバリアフリーの体制が確立できるように御努力をお願いしたいということを申し上げて、私は質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(二階俊博君) 戸田委員は与党の政策の責任者の一人でございましたので、一日も早くまたその方へ復帰をいただきまして、ぜひ御協力をいただきたいと思います。
 なお、私はこの際一言、戸田委員の御質問のお時間をかりて申し上げたいことがございます。
 実は、皆さんも既に御承知の方でございますが、星野富弘さんという大変有名な芸術家といいますか、画家あるいはまた詩人がございます。群馬大学の教育学部を御卒業の後に高崎の市立中学校に赴任して二カ月足らず、若い体操の先生はクラブ活動の指導中に首の骨を折ったといいますか、そういう重傷を負われて首から下の運動機能を失う、そういう大変などん底に陥ったわけでございますが、この先生は口に筆をくわえて詩を書き、絵を描くということで今大変有名になっておられます。
 私もこの絵を見るたびに何か心に感ずるものがあるわけでございますが、この先生は、今ふるさとの群馬県勢多郡の東村、草木ダムのほとりに村立で富弘美術館というのが建設されて、この作品が常設されておるということでありますから、私もぜひ一度足を伸ばしたい、そしてお目にかかりたいとも思っておるわけでございます。
 この間その先生が、その若き日にそういうおけがをなさったときの闘病生活を書いておる本がございました。「愛、深き淵より。」と、こういうタイトルでございました。時間がございませんので、ごく二、三行だけ紹介させていただくことをお許しいただきたいと思います。
 これは、病院でもう全く動くことのできない状態で何年か過ごしている中で、こういうことが書かれております。
  高いお金を出して車椅子を買っても、はたしてのれるようになれるか自信はなかったが、婦長さんが、
 「あなたに合う車椅子を先生がたが探していてくださっていますから楽しみにしていなさいよ」
  と言ってくれた。私は体の血の量が倍ぐらいふえたのではないかと思えるほど、うれしさで体がほてるような感じがした。
  そして、どこからか力がわいてくるような気がした。
ちょっと略をいたします。
 そして、車いすが手に入ったわけであります。この車いすが手に入ったために、
  私はうれしくて、会う人、会う人、みんなに声をかけたかった。
 「こんにちわあ、オレ車椅子に乗れるようになったんです。あのう、すみません、ちょっとこの車椅子みてください。きょう初めて乗ったんです。」
 私と母は病院の廊下を何回も行ったり来たりした。
  入院して四年、こんなうれしい気分になったのは初めてだった。
そして、
  車椅子に乗れたことが、外に出られたことが、こんなにもこんなにもうれしいというのに。初めて自転車に乗れた時のような、スキーをはいて初めて曲がれたときのような、初めて泳げた時のような、女の子から初めて手紙をもらった時のような……。
このようにこの方は車いすに乗れたことを喜んでおられます。
 私どもの交通バリアフリーの問題は、この車いすに乗られた方がこれからどう公共交通機関で支障なく行動、活動ができるかということをきょうまで議論をしてまいりました。しかし、きょう、この席にもおいでになっておられますが、車いすの生活者の皆さんは車いすに乗られるまでにどれほどの努力をしてこられたか、どれほどの苦難の道、苦難の心、その中から今日の車いすの生活のところまでたどり着いたか、私たちはそこからのことをこれから政治の場でやっていかなくてはならない、行政の場でやっていかなくてはならない。したがいまして、今、戸田委員から御指摘のアメリカのADA法の問題につきましても我々十分念頭に入れております。
 ごく最近、この連休中でございましたが、アメリカで科学技術の問題での討論会がございまして、政府からは中曽根科学技術庁長官がおいでになりました際に、交通バリアフリーの問題等についても必ずアメリカから議論が出てくる、そして、いつかこの場でも申し上げましたマイケル・ウィンターが向こうの代表で出てくる、運輸省からももしよければ参加してくれませんでしょうかということを出張の前の日ぐらいにお話がありました。
 私は直ちに、やはり運輸省として人を出してそして意見交換をしようということで、この間派遣をいたしましたところ、マイケル・ウィンターから重ねて、この日本の法案が四省庁一緒になってやっているというところ、これは必ず伸びてくるだろう、そして自分は八月にもう一度日本を訪ねたい、そのときにはこの法案が成立しているだろうな、こう言っておられたということを聞きまして、ぜひ皆さんの御協力をいただいてこの法律を成立させるとともに、ただ成立させただけではなくて、このことが本当に交通バリアフリーとして車いすの生活者の皆さんに喜んでいただけると同時に、日本が文化国家として世界に誇れるために私たちは何をなさなければならないか、そのことに重点を置いて今後努力をしてまいりたいと思います。
 これをもちまして戸田議員に対する答弁にかえさせていただきます。
○委員長(齋藤勁君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について宮本岳志君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮本岳志君。
○宮本岳志君 私は、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案に対して、日本共産党を代表しまして、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明いたします。
 高齢者、障害者等が社会参加をしていく上で移動の自由と安全を確保することは不可欠であり、基本的権利です。ところが、長年の自民党政府による大企業本位の町づくりのゆがみが吹き出ている状況のもとで、交通バリアフリー化の整備は極めて不十分なものです。こうした中で、今国会にようやく交通バリアフリー法案が提出されたことは前進であると評価しています。これは障害者団体や高齢者団体などの粘り強い運動の成果です。我が党も六年前から法制定を図るべきと政府に提案をしてまいりました。
 しかし、交通バリアフリー法案には幾つかの改善すべき点があります。
 一つは、移動の自由と安全確保が基本的権利であり社会参加の絶対条件であるにもかかわらず、目的、理念の中にこのことが明記されておりません。また、対象範囲も身体障害者等と限定しており、すべての障害者が法案の対象になっていないことも大きな問題です。
 二つは、バリアフリー化の適合基準が新設の施設等に限定されており、既存施設等は事業者任せの単なる努力義務となっています。バリアフリー化の成否は既存施設の整備にかかっており、これでは実効性を担保することにはなりません。また、整備の実施計画目標も乗降客五千人以上の施設だけを対象にしており、五千人以下の施設は計画さえ持たないことになっています。しかも、整備内容もエレベーター、エスカレーターの設置を中心とするもので、極めて限られたものになっています。
 三つは、公共交通事業者の果たすべき責務が極めて不十分です。また、国、地方公共団体の役割もあいまいです。特に、住みなれた地域で障害者等が参加した町づくりを進めていく上で地方自治体の計画作成が極めて重要です。しかし、政府案ではこの視点が抜けています。
 四つは、この法律の重大な弱点として、国の基本方針、各種計画、整備基準等の決定に当たって、障害者等利用者の参画できる制度が明確に位置づけられておりません。
 日本共産党の修正案は、こうした主要な問題点を解決することを内容とするもので、以下御説明いたします。
 第一に、目的、理念に移動の自由と安全は基本的権利と明記する。
 第二に、国の基本方針ですべての施設等を対象に整備計画と目標を明確にする。
 第三に、地方公共団体もバリアフリー化対策の計画を策定することにする。
 第四に、交通事業者が講ずべき責務を明確にする。
 第五に、利用者、障害者等の積極的参加を保障するための制度化を図る。
 第六に、バリアフリー化されても移動困難な人のための代替輸送の確保をする、などを内容とするものです。
 以上がこの修正案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたしまして、趣旨説明を終わります。
○委員長(齋藤勁君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、宮本君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(齋藤勁君) 少数と認めます。よって、宮本君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(齋藤勁君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、簗瀬君から発言を求められておりますので、これを許します。簗瀬進君。
○簗瀬進君 私は、ただいま可決されました高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び参議院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に向け万全を期すべきである。
 一、高齢者、身体障害者等が自由に移動できる環境の整備に向け、公共交通事業者等が高齢者、身体障害者等に対して適切なサービスを提供するよう必要な指導等を行うとともに、本法の趣旨等について広く国民に理解と協力を求めるよう努めること。
 二、移動円滑化の促進に関する基本方針等の策定に当たっては、関係省庁の連携を密にし、その統合機能の強化を図るとともに、高齢者、身体障害者等をはじめ関係者の意見を幅広く聴取する等により、それらが十分に反映されるよう努めること。
 三、公共交通機関等のバリアフリー化を進めるためには計画的な施設整備が必要となるため、その進展を図る適切な支援措置を講ずること。
 四、鉄道駅におけるバリアフリー化の重要性にかんがみ、相当数以上の乗降客が見込まれる駅に加え、高齢者、身体障害者等の利用が多いと見込まれる駅等についても、人的サポートを含め必要な措置を講ずるよう努めること。
 五、ノーマライゼーション社会の実現に向け、政府調達に際しては、ユニバーサルデザインに十分配慮するよう努めること。
 六、福祉機器の研究開発、交通ボランティアの活用、バリアフリーマップ等の作成等により、高齢者、身体障害者等が安全かつ快適な社会生活を送れるよう、ハード面、ソフト面にわたる諸施策の充実に努めること。その際、オストメイト等の人工臓器保有者、その他内部障害者への配慮を図るとともに、盲導犬等を伴った身体障害者等への対応の充実に努めること。
 七、高齢者、身体障害者等を個別に又はこれに近い形で輸送するサービスの充実を図るため、そのニーズの調査、現状把握等を行い、タクシー等を活用したいわゆるSTS(スペシャル・トランスポート・サービス)の導入に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
○委員長(齋藤勁君) ただいま簗瀬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(齋藤勁君) 全会一致と認めます。よって、簗瀬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、二階運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。二階運輸大臣。
○国務大臣(二階俊博君) ただいま、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案につきまして、慎重御審議の結果御可決をいただき、まことにありがとうございました。
 また、附帯決議につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして十分に配意してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
○委員長(齋藤勁君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(齋藤勁君) 次に、電気通信事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。八代郵政大臣。
○国務大臣(八代英太君) 電気通信事業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国の電気通信分野においては、情報通信技術の進展や規制改革の進展に伴い、数多くの電気通信事業者が参入するとともに、市場の急速な拡大が進んでいるところであります。また、電気通信分野は、政治、経済、文化、生活などの社会経済の基盤として、経済発展の原動力であり、我が国の経済構造改革の推進に大きな役割を果たすことが期待されているところであります。
 今後、電気通信市場を一層活性化させるためには、電気通信事業者間における公正な競争の一層の促進を図っていくことが不可欠であります。そこで、この法律案は、このような目的の実現を目指すため、接続料の原価算定方法として、いわゆる長期増分費用方式を導入することにより、接続料の低廉化を図ろうとするものであります。
 次に、この法律案の概要について申し上げます。
 郵政大臣が指定する電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が、当該電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続約款により定める接続料のうち、高度な新技術の導入によって効率化が図られる機能に係る接続料について、より適正な原価の算定のため、電気通信設備の接続によって増加する効率的な費用を客観的に評価する方法により、原価を算定しなければならないこととしております。
 その他所要の規定の整備をすることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲において政令で定める日から施行することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(齋藤勁君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会