第147回国会 国土・環境委員会 第19号
平成十二年五月二十五日(木曜日)
   午前九時一分開会
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   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任   
     羽田雄一郎君     福山 哲郎君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任   
     本田 良一君     北澤 俊美君
     水野 誠一君     奥村 展三君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任   
     上野 公成君     亀井 郁夫君
     坂野 重信君     中島 啓雄君
     北澤 俊美君     藁科 滿治君
     佐藤 雄平君     海野  徹君
     奥村 展三君     平野 貞夫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         石渡 清元君
    理 事
                市川 一朗君
                田村 公平君
                岡崎トミ子君
                高野 博師君
                緒方 靖夫君
    委 員
                上野 公成君
                太田 豊秋君
                亀井 郁夫君
                末広まきこ君
                月原 茂皓君
                中島 啓雄君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                海野  徹君
                佐藤 雄平君
                福山 哲郎君
                藁科 滿治君
                森本 晃司君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                奥村 展三君
                平野 貞夫君
   国務大臣
       厚生大臣     丹羽 雄哉君
       国務大臣
       (環境庁長官)  清水嘉与子君
   政務次官
       厚生政務次官   大野由利子君
       通商産業政務次
       官        細田 博之君
       環境政務次官   柳本 卓治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  浜中 裕徳君
       環境庁水質保全
       局長       遠藤 保雄君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  岡澤 和好君
       農林水産省食品
       流通局長     福島啓史郎君
       通商産業省環境
       立地局長     中島 一郎君
       建設省建設経済
       局長       風岡 典之君
   参考人
       福岡大学法学部
       教授       浅野 直人君
       弁護士
       ダイオキシン・
       環境ホルモン対
       策国民会議事務
       局長       中下 裕子君
       社団法人日本廃
       棄物コンサルタ
       ント協会初代会
       長
       循環社会推進国
       民会議幹事    青山 俊介君
       東京農工大学名
       誉教授      本谷  勲君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○循環型社会形成推進基本法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃
 棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)

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○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十三日、羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として福山哲郎君が選任されました。
 また、昨日、本田良一君及び水野誠一君が委員を辞任され、その補欠として北澤俊美君及び奥村展三君が選任されました。
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○委員長(石渡清元君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び循環型社会形成推進基本法案の審査のため、本日の委員会に、環境庁企画調整局地球環境部長浜中裕徳君、環境庁水質保全局長遠藤保雄君、厚生省生活衛生局水道環境部長岡澤和好君、農林水産省食品流通局長福島啓史郎君、通商産業省環境立地局長中島一郎君及び建設省建設経済局長風岡典之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(石渡清元君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 循環型社会形成推進基本法案の審査のため、本日の委員会に、福岡大学法学部教授浅野直人君、弁護士・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議事務局長中下裕子君、社団法人日本廃棄物コンサルタント協会初代会長・循環社会推進国民会議幹事青山俊介君及び東京農工大学名誉教授本谷勲君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(石渡清元君) 循環型社会形成推進基本法案を議題といたします。
 まず、参考人から意見を聴取いたします。
 この際、参考人の皆様方に一言ごあいさつを申し上げます。
 先生方には、大変お忙しいところを本委員会のためにお差し繰りをいただきまして、本当にありがとうございます。ぜひとも忌憚のない意見を御披瀝いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の会議の進め方について御説明いたします。
 まず、お一人十五分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人の方々の意見陳述は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず浅野直人参考人にお願いをいたします。浅野参考人。
○参考人(浅野直人君) 福岡大学法学部長をしております浅野直人でございます。
 私は、循環型社会形成推進基本法案に賛成をする立場から意見を述べさせていただきます。
 これまで我が国では、環境基本法及びこれに基づく環境基本計画によって環境政策の大綱が定められてまいりました。この中では、循環を基調とする経済社会システム構築が我が国環境政策の長期的な目標であることが明らかにされております。そして、この環境基本法制定に前後いたしまして、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正によりまして廃棄物処理の規制強化が図られます一方、再生資源の利用の促進に関する法律あるいは容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律、特定家庭用機器再商品化法などの制定によりましてリサイクル促進が図られてまいりました。
 しかし、個別法の相互の関連は必ずしも体系的に整理されてきたわけではございませんし、また循環型社会を目指すシナリオが十分に明らかになってきたとは申せません。廃棄物処理施設、とりわけ最終処分場が逼迫しているとか、あるいは廃棄物処理に伴って非意図的に生成される化学物質の被害への関心など、さまざまな要因が重なってまいりまして、中央環境審議会、生活環境審議会あるいは産業構造審議会といった審議会から相次いで答申が出されまして、廃棄物処理やリサイクルの循環型形成に関するこれまでの制度の根本的な見直しが必要であると指摘されてきているところでございます。
 資源の浪費を避け、資源循環型の社会を形成するということは、こういう足元に迫っております緊急の課題解決に資するということだけではございませんで、地球規模での気候変動の原因とされる温室効果ガスの排出抑制にもつながる、こういったようなことを認識いたしまして、この課題は二十一世紀の環境政策の最重要課題を解くものとして取り扱われる必要があるということも強調しておきたいと存じます。
 ところで、基本法という名前でつくられる政策法の意義について改めて意見を申し上げます。
 国の政策は、閣議や各省庁の決定あるいは予算措置、いろんな形で決定されるわけでありまして、これらが告示や各種の行政文書の形で国民の前に明らかにされてまいります。しかし、例えば予算を挙げますと、これは原則として単年度で終わりますし、また行政府が行った政策決定というものもその永続性が保障されているというものではございません。
 これに比べますと、法律の形式で政策を明らかにするということは、国民の意思を代表する国会でお決めになったという重みがありますとともに、その政策の変更に当たっても法律改正手続を要するという点では政策の永続性が担保されております。また、国民のだれの目にも決定された政策内容が明らかにされるという点では、他の政策決定の形式にまさるものと言えるわけでございます。国民の具体的な権利義務を定めるということには必ずしも結びつかない傾向がありますので、基本法という形の法律の価値を評価しない者もありますけれども、私は決してそうではないと考えておりまして、このことは本院の委員会で環境基本法の制定に際しても申し上げたことでございます。
 さて、循環型社会形成推進基本法案は、個別分野での法令が順次整備されつつあります現段階でありますから、なおさら大きな意義を有しているものと考えます。
 この法案では、まず、従来から法的な概念としての射程距離にはどうも問題があるとされてまいりました廃棄物の概念に加えまして、廃棄物等という拡大された概念を基礎といたしまして、循環資源という概念を導入いたしますとともに、第五条から第七条までの間で排出抑制、循環利用、処分という取り扱いの順序を明らかにするとともに、循環資源の利用、処分の基本原則を明らかにしております。これは環境基本計画の指摘している点をさらに整理したものでございまして、まことに適切な取り扱いではないかと存じます。
 さらにまた、第七条本文の後段では、この原則が機械的に適用されることなく、この原則によらないことがかえって環境負荷低減に有効である場合にはこれによらないことを考慮すべきであるとしていることは重要な指摘であると考えております。個別のものごとにどのように取り扱うか、どうすることが環境負荷を最小化できるかということになりますと、これは違いがございます。ですから、あらゆるものを画一的に扱うということはかえって非効率であります。
 第九条から第十二条までの各関係主体の責務の規定のうちに、いわゆる拡大された生産者の責務として、生産者が引き取りを含めた責務を負うということを明文で明らかにした点も有意義ではないかと存じます。
 これは、諸外国でもEPRという形で呼ばれている考え方を取り入れたものと存じますけれども、このEPRというのは、エクステンデッド・プロデューサー・レスポンシビリティー。最後のRというのが、レスポンシビリティーという言葉が使われておりまして、ライアビリティーというのとは違うわけです、生産物責任、生産者責任、製造物責任と。
 ライアビリティーという言葉を使う場合には、これは損害賠償などと結びつく概念でありますけれども、このEPRは必ずしもそうではないということでございまして、最終的には、価格転嫁という形で社会的な費用が各主体の間で公平に分担されるということを大前提といたしまして、少なくとも廃棄物処理の費用や再資源化の費用を公共負担の形で外部化することをしないで内部化を図るための政策原則だと、このように言われているわけでございます。
 具体的なものごとにどう取り扱うかということについては、個別性を考えなければならないということとあわせて、この拡大された生産者の責務に関する制度も今後適切に構築されていくことを期待いたしております。
 法案の十五条以下では、循環型社会形成推進基本計画について規定されております。この計画の策定に中央環境審議会が関与することになっておりまして、それによって国民各層、各主体の意向が反映されるようにされておりますとともに、また、この計画策定に当たりましては環境大臣と関係各省大臣との協議を行うことが明定されております。これを通じまして関係各省庁の政策・施策の間の調整を実現できる仕組みが用意されているということにも大きな期待を抱いております。
 また、法案十六条は、この循環型社会形成推進基本計画が環境基本計画を基本として策定されるべきことを明示しておりますけれども、これは国の環境政策の体系的な整合性を図るという点で極めて大事なことではないかと思います。
 従来は、新しい政策課題があらわれますと、どうしてもその新しい課題を解決するということだけに注目が集まってしまいまして、これまで関連する施策・政策が積み重ねられてきたということとの整合性を欠いてしまうような施策・政策がなされることがないわけでもなかったわけでございますが、こういうことに比べますと、今回の法案は大きな進歩を示していると評価いたします。
 同様のことは、法案の第八条で、施策が有機的な連携を持ったものとして行われるように配慮せよと条文が定められておりますけれども、環境政策一般の中での整合性を求めるこの八条の条文もまことに適切な条文ではないかと考えております。
 法案の十七条から三十二条までは、国及び地方公共団体の施策に関する条文でございます。基本法というものがある分野の政策・施策の体系を鳥瞰的に示すものという性格を持っております以上、例えば法案二十七条の教育、学習の振興、第二十九条の調査の実施、あるいは三十条の科学技術の振興といったような規定がございまして、このような規定の中でこの法案が考えております対象領域に特に求められる課題を明らかにした上で、大筋では環境基本法と類似の条項が登場してくるということはやむを得ないことではないかと考えられるところでございます。
 ただし、環境教育や学習ということを取り上げますと、今日では、こういったような環境教育、学習を担う主体やそのような学習が行われる場所というものが地域社会、企業などに広く拡大してきておりまして、決して学校教育の場だけを問題にすべきではないということに留意される必要があろうかと思います。
 また、法案二十三条には経済的措置に関して条文が置かれております。この条文の第二項を見ますと、七年前の環境基本法制定当時の論議の結果として環境基本法に取り入れられました表現がほぼそのままに出てくる部分がございます。しかしながら、循環型社会形成のために、廃棄物等の排出抑制あるいは循環資源の適正、円滑な利用、処分を促進させるために経済的負担を課すという措置を考えてまいりますと、これは環境基本法制定当時に想定されておりました経済的負担を課す措置とは異なった性格を有するものが多いのではないかと思われますので、ここら辺のところは表現にもう一つ工夫を加えることはできなかったかなという思いもしないわけではございません。
 また、さらに法案には、国の施策に関して、「規制その他の必要な措置」という表現が多く出てまいります。しかし、循環型社会形成の推進のためには、在来型の規制行政で実現できるということが少のうございまして、各主体の自主的な取り組みをいかに効果的に呼び起こすかということが問われているわけでございます。したがって、今後、具体的な施策の検討に当たりましては、規制行政にばかり傾斜することがないよう、バランスのとれた政策手法が最適組み合わせの形で実現されるように希望いたしたいと存じます。
 しかし、いずれにいたしましても、循環資源活用の個別法がそれぞれの領域で整備されましても、その全体の調整を図る法システムが存在いたしませんときには、縦割り行政の弊害が生じまして、目標とすべき循環型社会形成の実現に余計な回り道をするということになりかねません。本法案は、その意味で極めて重要な役割を果たすものと考えられます。ぜひ、速やかに可決されまして、体系的なバランスの確保された循環型社会形成推進の施策の展開が図られますように願うものでございます。
 以上で私の意見を終わります。ありがとうございました。
○委員長(石渡清元君) 次に、中下裕子参考人にお願いをいたします。中下参考人。
○参考人(中下裕子君) ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議の事務局長をしております弁護士の中下裕子でございます。本日は、このような発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議は、一九九八年九月、百五十八名の女性弁護士の呼びかけによりまして、科学者、医者、作家など五十名の学際的専門家の発起人の方々とともに設立されましたNGOでございます。元高知大学学長で我が国の環境化学のパイオニアであります立川涼が代表を務めております。
 ダイオキシン・環境ホルモン汚染の危機を回避して、子供たちや野生生物が安心して生まれ育つことができる環境を一日も早く取り戻すために、具体的な政策を提言するとともに、その実現を目指してさまざまな活動をしております。
 これまで、特に我が国の対策の立ちおくれが懸念されておりましたダイオキシン対策につきまして、三次にわたりまして緊急提言を行いました。
 ダイオキシン対策につきましては、排出規制の強化はもちろん必要でございますけれども、それにも増して重要なのが上流対策であると思います。安全面からも経済面からもダイオキシンの発生原因物質、例えば塩ビ製品等でございますが、そういったものの使用規制の方が焼却施設の大型化よりもはるかに優位性があるというふうに私どもは思っております。そこで、私たちはそのような素材対策に関する提言を第三次提言として提言いたしました。
 さらに、ダイオキシンの主要な発生源の一つがごみ焼却過程でございます。そういうことを考えますと、ごみゼロを目指す循環型社会の実現抜きにはダイオキシン問題の抜本的解決は図れません。
 そこで、私たちは循環型社会基本法に関する立法提言を本年三月に作成、提案いたしました。本日は、その提言で提示いたしました私たちの考え方から見まして、今回御審議なされております循環型社会形成推進基本法案について意見を申し上げたいと思います。
 まず、大量生産・大量消費・大量廃棄型社会というのはもはや限界で、早期に循環型社会を構築しなければならないということは、今やだれも異論はないことだと思います。問題は、それをいかにして実現するか、言いかえますと、循環型社会実現のために何が必要なのかということが問われているんだろうと思います。
 抽象的な理念を示しただけでは到底実現できないということは、既に環境基本法において「環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築」ということが定められておりまして、さらに環境基本計画におきまして廃棄物・リサイクル対策が具体的に記載されているといった状況にもかかわらず、我が国の物質収支を見ておりますと、依然として大量生産・大量消費・大量廃棄型社会というものから一歩も出ていない、こういう現実が何よりもそのことをよく物語っていると私は思っております。
 循環型社会の実現に何よりも必要なことは、生産活動から社会、家庭生活に至るまで私たち人間のライフスタイルを持続可能なものに抜本的に転換するということであります。そのためには、もちろんそれぞれの意識の変革も大切ですけれども、それよりもむしろ意識の変革を促し、このような転換を円滑に進めるようなシステムを整備するということ、これが重要だと思います。それこそがまさに政策にほかならないと思います。
 その際に重要なことは、現状維持的あるいは現状追認的な施策ではなく、新しい技術革新や新しい市場の内発的創出を積極的に誘導するような政策が求められているということです。内発的な創出のためには、市場原理を活用するということが必要です。例えば、幾ら補助金を出してリサイクル施設を整備しても、リサイクル品の市場が育成されていなければ循環型社会というのはできないわけです。
 市場原理が有効であるといっても、市場原理だけに任せていてはだめだと。これは皆さんも御承知のとおり、市場経済というのは一般に資源の効率的な配分を実現するものだと、こういうふうに言われておりますけれども、事環境資源に関します限り、市場経済はその配分を最適化するようなメカニズムは持ち合わせていないわけであります。また、廃棄物の発生を抑制し循環型社会の構築を実現する、そういったようなメカニズムも市場原理の中には組み込まれておりません。したがって、資源を大量に投入して大量に廃棄するという、こういうワンウエー型の現在の経済システムというものができ上がってしまったわけです。明らかにこれは市場の欠陥であります。したがって、その欠陥を補う政策、外部経済の内部化と言われているものでありますが、それを積極的に講じる必要があるということが言えるかと思います。
 また、市場原理という点では、静脈経済と動脈経済とでは異なる側面を持っております。御承知のように、動脈経済においてはほっておいても市場原理というのは働いてまいります。一方、静脈経済では規制や制約を加えないとなかなか市場原理は働かない。
 例えば、廃棄物を環境に放出することについて制約が少ない、こういった場合には、静脈技術というのは発達せずに安価な焼却・埋立主義というものが横行するわけです。それが我が国の現状ではなかったでしょうか。つまり、静脈経済における技術は規制や制約によって初めて顕在化して発展できる、ここが動脈経済の論理と違っているところであります。
 その意味で、新たな技術革新を内発的に進めるというためには、積極的にむしろ規制が必要なわけです。規制強化が長い目で見ると経済成長にとってマイナスではないということは、自動車の排ガス規制強化に対しまして我が国の自動車産業がなし遂げてきたことを思い浮かべていただければ御納得いただけるものだと思います。
 このような静脈経済への規制強化あるいは外部経済の内部化といったものを実現するためには、法制度が果たす役割は極めて重要であります。しかし、我が国の法制度の現状は不十分と言わざるを得ません。御承知のように、廃掃法、再生資源利用促進法、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法が制定されておりますけれども、廃棄物・リサイクルを一元的にとらえたものではありませんし、また、必ずしも統一した基本理念というものに基づいてつくられたものでもございません。
 そこで、廃棄物・リサイクルを一元的にとらえるとともに、循環型社会を本当に実現するための基本理念と基本施策を定めて、個別法の基本的な内容に対して縛りをかけるような、そういう基本法が求められていると思います。
 ところが、今回の基本法でありますけれども、いずれも不十分であるというふうに考えます。
 幾つか問題点を指摘させていただきます。
 まず第一は、有害物質の回避策が不十分であるということであります。
 御承知のように、循環型社会の構築に当たりましては、有害物質をその循環の輪から排除しておくということが非常に大切であります。なぜならば、循環のたびに有害物質が環境中に排出され拡散されかねないからであります。殊にリサイクルをしますと品質は劣化します。そうしますと、余計にそのリスクが高まるということが言えるわけであります。したがって、そういった有害物質回避施策というものが非常に重要だと思いますが、今回の基本法はこの点は極めて不十分であります。
 二番目に、費用の内部化であります。
 市場原理を活用するためには、費用を内部化することが必要だということは先ほど申し上げたとおりです。そのためには、拡大生産者責任を原則としてすべての製品に課すということが必要であると思います。ところが、今回の基本法は、極めて例外的な場合にしか拡大生産者責任、特に回収、引き取り、リサイクル義務でありますけれども、そういったものを課しておりません。原則と例外が逆転しているのではないかというふうに思います。
 三つ目は、優先順位を確保するための実現策が不十分であるということです。
 リデュース、リユース、リサイクルという優先順位が書き込まれたということは私も評価いたしますが、その実現のための施策が具体的に書き込まれてはいない。そのことが実は個別法にもあらわれておりまして、現在この国会で審議されております再生資源利用促進法、建設リサイクル法、食品リサイクル法といったリサイクル法におきまして、優先順位に関する明確な規定を欠いておりますし、さらにそれを実現する施策はどこにも見当たりません。特に、発生抑制に関しては施策がほとんど具体化されていないというのが実情でございます。これは、基本法の欠陥があらわれていると言っても過言ではないと思います。
 四つ目は、環境税あるいはデポジット制といった経済的手法の導入が明確に定められていないということであります。
 循環型社会の実現のためには、拡大生産者責任だけでは不十分であるということは実はドイツの経験からも指摘されているところでございます。環境税あるいはデポジット制といった経済的手法が有効である、必要であるということは明らかになってきていると思います。そのことをやはり基本法である限り明記すべきであると考えます。
 五つ目は、個別法への縛りが不十分であるということであります。
 これは先ほど申し上げたとおりでありまして、優先順位の定めとその実現のための施策というものが各個別法にほとんどないということは、この基本法のある意味での個別法に対する無力を物語っているというふうに思います。
 六つ目は、市民参加の規定がないということであります。
 循環型社会の構築のためには、国民自身がライフスタイルを転換するということが求められておりまして、その義務と責任を持つものであります。そうすると、国民自身が主体的にこの循環型社会の構築に当たって参画していくというシステムが不可欠でありますが、この規定がこの基本法の中にはありません。こういった点が不十分な内容だというふうに私どもは考えております。
 このような点からしますと、今回の基本法というのは極めて不十分で、これでは到底循環型社会の実現は望めない。
 ステップ・バイ・ステップで実現すればよいとの考えもあるようですけれども、従来のシステムを抜本的に変革する、そしてそのために市場原理を修正する、こういった場合にステップ・バイ・ステップでは混乱を招きかねないわけであります。全体像を視野に入れて、国民的な合意形成を図りつつ、明確に何をどう変革するのかということの基本理念とそしてそれを実現するための基本施策といったものを明らかにしておく必要があると思います。
 変革に痛みが伴うのは当然です。ましてや、このように抜本的変革となれば相当の痛みがあるでしょう。しかし、だからといって、抜本的変革を先送りにするならば、それは集団自殺への道です。そうであるならば、今、国政を預かっておられる議員の先生方に求められていることは、早期変革の必要性と、その有利性を繰り返し繰り返し説いて、変革の痛みを最小化しつつ、できるだけ円滑に転換を進める、そういった施策を立案するということではないでしょうか。そのためには、国民的な議論を喚起して広く英知を結集する必要があります。
 既に、御承知のように、ドイツでは、拡大生産者責任を明確にした循環経済・廃棄物法というのを制定し、循環型社会の構築に精力的に取り組んでいます。これによってごみが減って、二〇二〇年には最終処分場を廃止する、こういった目標を掲げるに至っております。ドイツ環境省の担当官は、私たちの前で、私たちはもうこれ以上地球の土と水を汚染しないことに決めたと語りました。
 こういったドイツの姿勢に比べて我が国はどうでしょうか。恥ずかしながら、何歩もおくれていると言わざるを得ない。そのおくれのツケは必ず私たちの子や孫に及びます。今こそ我が国は抜本的な反省に立って、世界の国々に先駆けた政策を実施して循環型社会の構築を目指すべきではないでしょうか。残された時間は決して長くはありません。私たちを含めて一人一人が真剣に今、持続可能な社会を子供たちに引き継ぐために何が求められているのかということを考えるべきときではないでしょうか。
 この基本法で実現できると考える方は、どうかその言動に責任を持って持続可能な社会を実現していただきたいと思います。もし不十分だとお考えになる方は、もう一度抜本的な修正を実現して、世界に冠たる基本法を制定していただきたいと願っております。
 以上をもちまして、私の意見とさせていただきます。
○委員長(石渡清元君) 次に、青山俊介参考人にお願いをいたします。青山参考人。
○参考人(青山俊介君) 青山と申します。
 私は、きょうは廃棄物コンサルタント協会会長とか循環社会推進国民会議の幹事という名前で出ておりますけれども、ちょうど環境庁ができたときに環境コンサルタントの会社を始めまして、ことしで三十年になります。その間、環境についていろいろと対応してきたことを踏まえながらお話しさせていただきたいと思います。
 きょうは、資料をお配りしておりますので、この線でお話しさせていただきたいと思います。
 まず、「法制定の背景として踏まえるべき基本認識」というのを挙げていますけれども、三ページのところによく私が出すのがあります。
 世界の人口とかそういうことはよく言われる話ですけれども、自分に照らしてみますと、私は一九四五年の生まれです。ちょうど終戦時、このときは世界の人口は二十億です。私が八十歳までもつとすると二〇二五年、そのときの人口は約八十億、要は人類が百億と言われているうちの六十億が私が生まれて死ぬまでにふえてしまうという、非常に人類史上驚異的な時代を今経験しているということです。ですから、先ほどから出ておりますように、循環社会をつくることが必然だということがもう皆さんの共通の課題ということはこういうところからも明らかなわけです。
 もう一点、日本的な特徴というのがございます。
 日本の戦後の五十年間、特に四十年間で約五千万人の人口がふえました。この間、私たちの父親の代、そして私たちの代が都市に住んで人口をふやし、その受け皿としての国土、都市をつくってまいりました。このときに世界史上類を見ないような洪水的な資源投入をやってきたわけでございます。短期にこれだけの投入をしたわけですから、次の時代、必ず建物そのほかのものとしてこれから数十年の間にすべてが出てくるということを経験します。この点は、世界的な資源循環の中では非常に日本的な特徴だというふうに私自身は思っております。日本はほかの先進国以上に循環社会というものを実現しなければいけないということでございます。
 もう一点、私自身が考えている基本は、これは法律の根本にもかかわると思うんですけれども、日本の資源循環を規定しているのはだれかといえば、それは国民ということがよく出てきますけれども、私自身は産業活動というものが非常に大きいというふうに思っております。物をつくり、流通し、あるいは他の建物をつくり、壊し、運搬する、すべてその物流産業、建設産業、素材産業、製品産業というものが担っております。それを買うのは国民であり、利用するのは国民であるということはありますけれども、少なくとも国民の価値観との対応で産業界がそういうことをやってきた、あるいは産業界が誘導してきたというふうなことです。一義的な責任は明らかに産業界にあるというふうに私自身は思っております。
 ただ、この点について、今の全体の状況がどうなっているかということで私自身の仕事の関係から見ますと、産業界は明らかに今循環社会経済に向けての産業構造の転換を図ろうとしています。実は、図らなければ生きていけないということは産業界自体が既にはっきりと認知しております。
 例えば鉄鋼でいいますと、現在既に十数億トンの鉄が日本の中にあります。日本の粗鋼生産というのは九千万トンから一億トンですから、十五、六年分が既に滞留しているわけです。そのうちの十億トンが建物等の中の土木構造物の中に入っています。これがこれから出てくるわけですから、当然素材循環、鉄の循環の中で鉄鋼をどういうふうにくず鉄を使いながら回していくのかということがあります。
 約二百億トンの骨材とセメントが投入されました。この骨材とセメントもこれから数十年に出てきます。従来、クラッシャランというふうな形で道路の埋設とかに使われていたものでどうして足りるのでしょうか。これからはそういった出てくるものを使わざるを得ないわけです。セメントは原料輸入をして地方に随分立地しましたけれども、大都市にセメントを供給してきています。これからはセメント原料は大都市から出てきます。それを循環するという産業構造に変えざるを得ないわけです。
 物流産業について見ますと、物流は、従来は原料を調達し製品を消費者に届けるという、どちらかというと表物流で動いてきました。これからはAさんの家から出るテレビやいろいろな物を実際に生産工場へ戻すという逆物流が出てきます。これは当然高耐久とか長期寿命というふうなことを考えるわけですから、生産的な資材とか製品の流通は減る一方で逆物流がどんどんふえていきます。そういうものをきちんと組み込まない物流産業はこれからは競争力を失ってまいります。
 そういうことを含めて、実際の産業界は、欧米での拡大生産者責任を含めまして、それの動向を踏まえながら、五年、十年先の自分らの産業活動のあり方というのを今真剣に考え始めていると思います。真剣に考え始めているということのもう一方には、自分の企業がどう生き残るかということが前提にあるわけですから、今お話がありましたように、すぐに循環社会対応に変えようというふうなことで動いているとは思いません。ただ、五年、十年先に自分が生き残るためにそういう対応の構造にせざるを得ないというふうなことになっているということは確かだというふうに思っています。この辺が私の基本的な認識です。
 その上で、今回の基本法案に対する意見を言わせていただきます。
 今回の法制度、非常に不十分なものということは私自身も考えています。ただ、私自身は今のこの法案は進めるべきだというふうに考えております。
 二点目で基本的な評価の側面を挙げています。理念、計画を軸に据えた法構成、しかもこの基本計画は他の国の計画の上位計画として位置づけられているといった形の規定もございます。
 私は、地方自治体あるいは市町村というところでも循環型の基本計画はつくるべきだというふうに思っております。法案の中では非常にあいまいな表現になっていますけれども、少なくともその余地は残されているというふうに思っております。
 これは、むしろ自治体とか市町村がそういうふうな方向での流れをつくっていくということが今は非常に大事で、循環社会というのは、実は国家的な命題であると同時に、実際にやっていくのは地域に根差したその地域での循環社会、あるいは地域の産業構造を変えていくというふうな形の積み上げの中で初めて出てくるものだということでいえば、計画が非常に重要な位置を占めております。しかも、その計画についてのフォローがあって、あるいは、産業界あるいは各地域での計画の実現というものがきちっと評価され公開されるというふうなことがあって初めて物事が動いていくように思います。
 さて、この循環法というものを統合的な法律にすべきかあるいは個別法でいくべきかということについては、私自身は、今回の基本法に加えて、廃棄物処理法あるいはPRTR法、そのほか水質汚濁防止法、こういった規制法を順次強めてきて、まだまだ足りない部分がありますけれども、数十年前、八〇年代に比べましたらこの九〇年代の規制の強化というのはスピード感として非常にすばらしいものだというふうに、このトレンドでいけば二〇〇五年、一〇年には基本的な規制というものがきちっとできるだろうと。
 規制と循環とはやはりなかなか一致しません。逆に言えば、規制法というのはきちっと規制法として強めていくべきだというのが私の視点です。
 個別法についてもそうです。最終的には個別法ではなく循環法ということに統一すべきです。例えば建設資材の循環、これは二百億トンと言われるような資源をこれから循環しなければいけません。主要なものは、瓦れきあるいはコンクリートがら、具体的に言うとセメントとか石こうボードとか木材というものです。それから耐久消費財があります。容器包装材があります。有機的な食品廃棄物があります。これを同一の法律あるいは仕組みで縛るということは基本的にはできません。
 今の日本の実情からいいますと、まず個別的に今挙げている対象物で大体日本の少なくとも廃棄的な資源の七、八割は占めるわけでございますけれども、これにまずきちんと対応するということを少なくとも数年間私はやった方がいいのではないかというふうに思っています。統合的な法律をつくるというのは、多分二〇〇五年から若干おくれるぐらいの段階で、今の個別法の限界あるいは問題点というのをきちっとさらった上で統合的な法律にすべきだと思います。最初から統合的な法律というのは、私自身は現状では反対の立場でございます。
 二ページ目の方でございますけれども、既に計画の地方展開、計画の実効性を話しました。その上にあります先ほど言いました有害物質の希釈、拡散。リサイクルというのは、一つは有害物質の希釈、拡散ということの危険性を非常にはらんでいます。そのほか、環境汚染を招来するというふうなことの防止には、再生資源の品質基準あるいはリサイクル施設の構造・維持管理基準、これは当然廃棄物と同じようなことをやるわけですから、規定上は構造・維持管理基準は廃棄物と同じような基準を設けるべきだと。これは立地規制とかそういうこと以上に、こういった構造基準とか維持管理基準というものの統合が非常に重要だし、厳格化していく必要があるというふうに思っております。
 それと、拡大生産者責任に関して若干危惧を持っておられるようなんですけれども、私自身は、むしろ生産者自体がこういった産業構造、みずからの構造を変えようということで、今はこういった拡大生産者責任をできるだけ速やかにやることが産業振興の非常に大きいウエートを占めることになると思います。
 今、例えばセメント産業は太平洋セメント、三菱マテリアル、宇部興産というふうな非常に全国的な体制になっています。これはこれからもう一度再編の時期になりますけれども、再編されるときには必ず、従来の大量生産で大都市に供給した話から循環型のセメント生産の工場体制に変わっていくわけです。そういうものをきちっととらえた上で産業立地あるいは再編ということを進めていく。非常に貴重な日本の沿岸域をつぶしてまでつくった巨大な素材産業、あるいは大都市の臨海工業地域というものを次の時代にちゃんと生かしていく、そういうふうなものを含めてこういった拡大生産者責任ということを積極的にとらえる必要があると思っています。
 ただ、その責任のとられ方でございますけれども、先ほど言いましたように、物事に基本的には生産者が最終的な責任を負う、少なくとも物理的に負う。それを集荷し、あるいはその処理をする、循環するということに対する責任を負うというのはかなり基本的なポイントだと思っています。
 ただ、費用負担のあり方ということについては、生産者が一次的費用を全部負担して製品に転嫁するということは今の段階では難しいというふうにとらえています。当面は、建物がこれから壊されてきます。これは解体に伴う循環的な費用をだれが負担するかということになります。耐久消費財については、今家電リサイクル法でやられているような方法、あるいは自動車のイニシアチブでやられているような方法があります。そのほか容リ法での方法があります。一番最初にやられた容リ法は私自身もかなり問題があったというふうに今思っています。これはやはりごみの有料化を含めて、実際に非常に見えづらいお金がその循環の過程の中に入ってくるということは、市場原理上非常にまずい話が入っているわけです。
 今ごみ処理は、ごった煮で捨てる人ほどただで捨てられるというふうな状況が現にあります。有価物をきちんとやるとすればお金がかかり、ただで持ち出せばただで引き取っていただける。東京都の一般ごみは今五十円です。粗大ごみはキロ当たり二百円かかっています。これをテレビに直すと一台一万円を実際には自治体が払っているわけです。
 そういう費用を見えない形のまま負担しているような形で動くことこそ問題であって、これを顕在化させて、当面は私は外形料金といいますか、消費者が負担するということでもいいと思います。
 私自身の経験でいえば、家電リサイクルのお金の議論なんかもよくやりますけれども、実際に全部のコストに含めるよりも引き取るときにお金を取られるという、このことの方が実は非常にメーカーあるいは販売店にとってはきつい話になっています。むしろ、外形的にやるとこれだけのお金を取られる、なぜこれだけ取られるのかということについて非常に厳しい評価が出てくるという側面もあると思っています。これは一面的かもわからないんですけれども、ぜひそういう点も含めながら、日本での負担の原則というものをどういうふうにとらえていくのかということを御協議いただきたいと思います。
 私自身は、今の九〇年代の法整備はこれで一巡したと。悪く言えばざる法の部分はあります。六〇年代の公害規制と同じように、当初段階のざる法の部分というのはそれぞれの個別法には入っているわけです。ただ、このフレームに従っていけば、例えばグリーン調達が、最初はどうなるかわかりませんけれども、最終的には建設資材の調達の何割かを再生資材でやれというふうな、そういった可能性のある法律としてほとんどの枠組みがなっているように思っております。
 こういうものを基本的に生かしながら、当面四、五年こういう形で動かした上で、ぜひ二〇〇五年から一〇年の間で抜本的な統合法ができることが一番重要なのではないかというふうに私自身は思っています。
 以上で意見陳述を終えさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(石渡清元君) 次に、本谷勲参考人にお願いをいたします。本谷参考人。
○参考人(本谷勲君) 本谷でございます。
 私は、生態学を学生時代から勉強してきておりまして、今でもそれは続けております。御承知のように、生態学というのは自然が対象でありまして、人間社会は視野に入っておりません。私が学生を終えて社会人になるころからこの問題に疑問を持ちまして、社会、人間をどう生態学的に考えるかということに強い関心を持ってまいりました。現在では、野生生物の保護であるとか、あるいは廃棄物処理の全体像ということに力を入れております。
 レジュメをお配りしていますので、それに沿って申し上げたいと思います。
 この循環型社会形成推進基本法案というのは、一般の規制法とか保護法あるいは保全法などに比べて、現在の時点では規定がなくても循環型社会の形成ということに不可欠であれば、将来その内容を取り込まざるを得ない性格を持っているというふうに考えます。そういう意味では、将来発展的な法律ではないかと、私は法律のことは全く素人ですけれども、そういうふうに期待しております。
 したがいまして、私ども環境問題NGOとしましては、この法律の施行後は基本法の規定とか基本法の精神の具体化に注目いたしまして、監視を強めるとともに、この循環型社会形成推進基本法そのものの充実強化に努力しなければいけないというふうに現在は考えております。
 その場合に、じゃ何が注目点として挙げられるかといいますと、いろいろあるかと思いますが、私は二つ申し上げたいと思っております。
 既にこの委員会でも論議されたと思いますが、それから参考人の先生方も言及されておりますけれども、生産、流通、消費、それをめぐる資源循環がこれまで以上に一層強化されなければならないということが非常に重要なことであることはもちろんなんですが、私が申し上げたいのは、生産以前の、日本の場合はほとんどあらゆる資源を輸入に頼っていますから、その資源の輸入にまで視野を拡大しなければ本当の意味での資源循環型社会というものは形成されないということを強調したいと思います。
 例を食糧にとってみますと、よく言われることですが、江戸時代、江戸市民の野菜というのは近郊の農村から供給されておりました。農民は、江戸に野菜を運ぶと同時に、その戻り車で江戸市民の排出物を農村に持ち帰りまして、これを肥料の一部にしていたという有名な話があります。し尿のうちの大便の部分は大家の所有ですからお金を払って農民は買っていく。ただし、尿の部分というのはたな子の所有ということになっていまして、これに関しては野菜と引きかえに尿をもらっていくというような話を聞いたことがありますが、このような話は資源循環の例として有名でよく引用されております。
 現在、我が国の食糧の大半は外国からの輸入に依存しております。食糧ですから、これはかなりの短期間に人間あるいは家畜がそれを栄養として取り入れて、排出物、ふん尿を出しております。これは、現在では見方によってはかなり有効な形で処理されておりまして、処理されたものは大気、水などで環境に出されております。この際、分解されるのは主に有機物でありまして、すべての物質がゼロに還元されるわけではありません。
 いろいろありますが、窒素や燐を代表として見ますと、窒素、燐などを総称して無機塩類というふうに呼ばれておりますけれども、これがゼロにはならずに排水に含まれて、窒素の場合には無機化されて窒素ガスになることもありますけれども、窒素の化合物として、やはり無機塩類として日本の国土の土壌であるとか河川であるとか、あるいは湖沼であるとか沿岸地域に毎日のように出されるわけですから、これが年々蓄積していくわけであります。
 これは生態学的には富栄養化と呼ばれておりますけれども、結果は既にもう何年も前からあらわれておりまして、三十年、四十年前には日本の一部の地域でしたけれども、現在では日本全国の、例えば沿海で夏季に赤潮とか、湖沼ではアオコの大発生を見ております。諏訪湖であるとか琵琶湖のような従来は透明さを誇っていた湖沼、しかも我々人間社会の水道の水源であるそういった湖沼の水質が夏になりますと微生物の発生で汚れていて、その除去に大変苦労しているわけですが、これがますます激化する方向にあると思われます。
 松枯れは松くい虫のせいであるということが行政の判断ではありますけれども、研究者の間では、虫の害というのはむしろ松が弱った結果であって、それ以前に松そのものの体質が弱っているということが指摘されておりまして、一つはそれが大気汚染に基づくという指摘もありますが、同時に土壌の富栄養化が松の体質を弱らせているという指摘もあります。
 御承知のように、松というのは非常にやせた尾根筋の岩石の多い土によく生育する植物でありますけれども、これが富栄養化のためにかえってほかの植物あるいは下草との競争で敗れるということが指摘されているわけであります。
 したがいまして、食糧に含まれている窒素、燐などの無機塩類を産出国に還元するという、そういう方策をいろいろ考える必要があろうかと思います。
 これは、産出国から見ますと、産出国の国土の土壌に含まれているそういう無機塩類、もちろん人間が肥料を与える場合もありますが、そういったものが産出国からはなくなるということで、これはこれで大問題であるわけですけれども、私たち日本人としては、国土の富栄養化をこれ以上悪化させないという意味で、これを特に発展途上国の食糧の産出国に還元する方策を真剣に考える必要があるというふうに思います。技術的なことは見通しがありますが、問題はこれを実現するシステムであろうと思います。
 次に移りますが、これはこの委員会の先生方には釈迦に説法で恐縮なんですが、私たちが生活している地域社会というのは、これを取り巻いている日本の国土という自然の中にあるわけでして、地域社会の内部がいかに合理的に運営されていても、取り巻いている自然との間の調和がうまくいかないことには、長い間にはその地域社会は崩壊する。これは、よく言われるのは、千年というようなオーダーで昔たびたび都を遷都する、移すというようなことは、もちろん社会内部の矛盾もあると思いますが、地域の自然との間の矛盾でそれ以上そこで都市を続けられなかったということが指摘されております。そういう都会というような部分的なところではそういう問題がありましたけれども、日本全体としましては、長いこと日本人の営んでいる地域社会は日本の国土と一定の調和を保ってこれまで発展してきたというふうに考えられます。
 ところが、現代、現代をいつからとるかは問題ですが、いろいろ明治以降の近代化もそうですし、特に私は太平洋戦争の敗戦後の経済発展が大きな内容をなしていると思いますけれども、言葉は悪いですけれども、現代の日本社会というのはやや肥満症ぎみでありまして、それぞれの地域の自然を著しく圧迫しておりますし、強い負荷を自然に与えているというふうに考えられます。先ほどの富栄養化ももちろんその一つのあらわれでありますが、もう一つ大事な点は、日本の中で野生動植物が次々と消滅していくということが起きていますけれども、これも日本の現代社会の肥満症的な発展と無縁ではないというふうに考えられます。
 本当の意味の循環型社会というのは、社会と自然の間にも調和のとれた循環がなければいけないわけであります。現在、社会が地域の自然に与えている負荷の中でやはり特筆すべきは、しかも年々その負荷の度合いが増大しているのが廃棄物の問題でありまして、中でも廃棄物の焼却と廃棄物の灰あるいは不燃物を含めた埋め立てであろうと思いますが、これについては既に三人の参考人の先生方が十分指摘されているところであります。
 現在、厚生省は大規模の焼却炉による廃棄物焼却を進めておりますけれども、これは一歩下がって、私はそうは思わないんですけれども、ダイオキシンの低減に有効かもしれないんですけれども、国土への負荷の増大という点で見ては問題が残るかと思います。高温の連続処理によって重金属類の中に気化して煙から出ていくものが増大することが指摘されております。したがって、この大規模の高温処理というのは早急に改善すべき処理法であるというふうに考えております。
 ダイオキシンの低減は、先ほど中下参考人からも指摘されたように、方法は高温処理によらなくてもほかにあるわけでして、技術的には可能であると言われております。さらに、大規模の高温、しかもダイオキシンの発生を憂えて連続運転ということになっていますが、高温連続焼却というのは、その炉の性能を発揮するためにいつも原料の廃棄物がそろっていなければいけないということになりますから廃棄物の減量にはつながらない、むしろ増大につながるというふうに考えております。
 この法案がこういった問題を解決する第一歩になることを期待して、私の陳述を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(石渡清元君) ありがとうございました。
 以上で参考人の皆様からの意見聴取は終わりました。
 それでは、これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
 きょうは、四人の先生方、早朝から、多分急な話だったんじゃないかと思うんですが、いいお話を聞かせていただきましてありがとうございました。
 お話を伺いながら、それぞれに若干のニュアンスの差はあるものの、この日本という国をよりよい格好で子供や孫の世代に伝えたいという熱い意欲を感じ取ったわけであります。
 非常に国民の生活全般にわたる大事な問題で、この種の問題については国会でもしっかりとした審議をしていきたいなというふうに思うわけでありますが、そういう意味では、理事の皆さんには申しわけないんですが、少しばたばたしているような気がいたしまして、十分な審議の時間があるのかどうか不安でありますが、それはそれとして。
 皆さん方のお話の中で循環型社会ということが随分言葉として使われているわけであります。それぞれに循環型社会のイメージというのは、私自身も持っているわけですけれども、少し形が違う部分があるのかなと、あるいは一緒なのかどうか。
 試しに法の二条を読んでみますと、おもしろいと言ってはおかしいんですが、適正にとか、適正な処分をしろとか、できる限り低減するとか、要するに方向は見えるんですけれども、こういう社会にするんですよということがきちっとイメージされていない。法律でそこまで書き切れないのはある意味では当然なんで、こういう場の審議とか、あるいはさまざまな場所を通じて、我が国が目指すべき社会、五年後にはこんな社会にしたい、十年後にはこんな社会にしたいという各個別のテーマについて示さないと、国民も頑張れと言われてもどこを目がけて頑張っていいのかわからないものですから、具体的な行動にならないということがあるんですね。
 例えば、テレビ一つ、なるたけ長く使えと。少しぐらい壊れても買わないで十年、十五年我慢する人もいれば、もう三年も我慢したからいいだろうと買いかえる人もいるかもしれませんし、また最近のIT関連の品物でいえば、次から次と新しいものが出ますから、どんどんかえていかなければいけないんです。
 最近の世の中の動きは、まさにそういう意味では循環型社会に逆行している部分もあるわけで、一体我々は具体的に何を目指しているんだ、それをこの法案を審議している過程で国民の皆さんにある程度姿を見せないとどうにもならないと思うわけで、実はこのお話は皆さんにお聞きをしたいのであります。
 代表にはならないでしょう。それぞれ違う意見があると思うんですが、時間が余りないもんですから、後々皆さんの質疑の中でも出てくるかもしれませんので、まず浅野先生に、浅野先生が目指すもの、ある程度具体的なイメージがありましたらお教えいただきたいんですが。
○参考人(浅野直人君) なかなか今の脇先生の御質問、難しい御質問でございます。イメージということでいえば、人それぞれいろんなイメージがあると思うわけでありますが、法案の中の第二条で、「もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会」と言っておりますことが一つの答えではないかと思うわけです。
 我が国の物質フローについては毎年環境庁がデータをとっておりまして、どれだけのものがどこからどれだけ入ってきてどこへ出ていくのかというフローがあるわけですが、やはりこのフローが途切れのない輪になっていくということが必要になるわけですけれども、完全に輪をつくってしまうということはもうおよそ不可能でありますから、限りなく輪に近づけていくということになるのではないか。
 非常に抽象的な言い方ではございますけれども、何かの物を代表にして、例えばこういうものはこのぐらい使うんだよと言われればよくわかるわけですが、それはすべてを代表することはできませんので、やはりイメージを示すとすれば、今環境庁が出しております物質フローのような絵を大きく拡大して、それをお見せする。毎年毎年その輪がどう変わっていったかというその変化をみんなが注目しながら追っかけていって、ああこれだけ輪が広がったなということがわかるというようなことが一つの手だてではないかと今のところは考えております。
○脇雅史君 私は、「できる限り低減される」、「できる限り」とは何だということを言わないと多分だめなんだろうと思うんですね。
 今おっしゃるように、多分、今決めたら未来永劫それでいくんではなくて、しょっちゅう繰り返し議論をしながら目標を変えながら、みんなでやっていく。ここにおられる方々全員、ここにおられない方もひっくるめてみんなでやらなければいけない。確かに、ニュアンスの差があったり、手段に差があったり、意見の分かれるところはあるにしても、そういうことでの国民的な合意がなければうまく進まないんだろうと。その国民的合意をどうやってつくっていくか、それは極めて基本法においては大事な定めるべきことなのではないかなと。
 その基本計画というのは、循環型社会というのを目指すための手段を書くような格好に条文上書かれていまして、まさに循環型社会というのは二条でしか書いていないんで、これを読む限りではその姿はわからない。
 私は、そういう意味では、この基本法に書くべきことは何かというときに、一つ大きなものがないんじゃないかと。何かというと、これは長い年月かけて同じ方向を向いてみんなで努力しなければいけないという話ですから、国民の間でそういう合意を得る手段、それを必要とするわけですね。それは何かというと、多分私は教育だと思うんです。
 ですから、循環型社会というものを目指すべき教育をきちんとやるんだと。調査も大事、何とかも大事、いろいろ書いてあるんですが、やはり教育ということをきちっとここで位置づけるべきではないかなと、基本法と言うからには。これはちょっと欠陥があるのかどうか知りませんが、また直せばいいんでしょうが。そういう意味では、少し書き足りないかなと。
 まさに基本法ということで、定めるべき中身にそういったことは入るんじゃないだろうか。個別に、これをやらなければいけない、あれをやらなければいけないというのは各具体法に落とせばいいわけですから、そういう意味では、全部ここで決める必要はないんで、その具体法も将来は統合した方がいいという青山先生の御意見がございましたけれども、国民の森羅万象にわたる生活のあらゆる部分においてそれが必要になってくるわけですから、統合的な法律というのは私はなかなかできにくいんじゃないかなという気が個人的にはいたしております。
 青山先生は、各法が五年後ぐらいに合体していくべきではないかというお話をされましたので、その辺のイメージをちょっとお聞きできればと思うんですが。
○参考人(青山俊介君) 今の目標に非常に似通った点だと思うんですけれども、私は、日本の循環を規定しているのは、一つは都市の構造、そこでの経済活動と生活様式があると思います。そこに供給するのは、ほとんどが産業。農業活動を含めて、あるいは外国からの飼料、食糧の輸入を含めて動いているフローがあります。
 基本的には、都市は今、日本の中では私は物すごく大量消費型の都市になっていると。構造的には、戦後非常に多くの建物をつくってきたわけですけれども、ここでは、水、エネルギー、廃棄物というものが簡単に供給され、処理されるものとして建物の側はつくったわけです。供給する側は、必ず過不足なくやるということで電力を供給し、水を供給し、廃棄物を処理してきました。ですから、大量消費、大量廃棄ということを前提にしてお互いに頑張ってきたという都市になっています。
 これをどう次の時代、建物を変えるというのは非常に時間がかかる話ですから、次の都市をつくる数十年の間にどう変えるか。これは非常に長期のビジョンを持って、自分らが住む国土というものが次の数十年後にどういう循環型の都市、国土になっていなくちゃいけないか。既に九千万人の人が都市に住んでいるわけですから、確かに三千数百万人の人がまだ農村部、地域というところにございますけれども、やはり都市の生活が一番大きいエネルギーとか資源の循環のもとでございますので、ここをきちっと提示するというのが非常に大事だと思います。
 先ほど言いました統合というのは、アンチ的に言ったテーマでございますけれども、五年ぐらいから十年かかるのかなと。今のリサイクル法が実際に施行され、かなり世の中に定着するという流れの中で五年から十年かかっています。ただ、私自身は、産業界の動きは非常に早い、多分この十年間で構造転換しなければ国際競争力には少なくてもついていけなくなるというふうに思っています。そのぐらいの危機感は多分産業側も既に持っていて、今の合理化とか、これはある面でいえば非常な産業の転換ですから労働問題、いろいろなところにもかかわりますけれども、少なくとも産業転換を五年から十年でやらざるを得ないというのは、建設業においてもそうですし、素材産業、製品産業、すべてそうなっていると思います。ですから、その意味では、かなり早い段階で今の個別法が具体的にむしろ民間側で動き始めると。
 僕自身は法律の方が後追いしているというふうに実は思っておりまして、ただ、民間の動きというのはお金をかけるところでの競争力の問題がありますから、いつからやるかということを考えているだけで、やることについてはもう決めているという流れがあります。その意味では、かなり早い段階で具体的なものが出てきたところで統合的な法律にしていくということ、それが一本の法律になるのか数本になるのかは別ですけれども、そういう流れになる方が一番ベターかなというふうに思っております。
○脇雅史君 ありがとうございました。
 青山先生のお話で、もう一つ、非常に大きく感じたことなんですけれども、やっぱり地域でやるんだと。私もこれからの問題というのは、国で、東京で、国会で決めて全国一律にやれという話は減っていくんであって、まさに理念的なことをお示しして、国民的な目標という意味では議論をするんですが、それを実行に移す段階では、今言われた産業界であるとか、それぞれの地域がみずからやる。石原知事じゃありませんが、随分乱暴でもいいと思うんですね。地域で差があってもいい。うちの地域はこうする、環境はこうだ、みんなで住民一緒にやっていこうということで切磋琢磨をしながら日本全体がよくなっていく。その調整を中央政府が図っていくということが要るんでしょうけれども、まさにそういう動き、国民一人一人がやっていく話ですから、そういう自発的な動きをつくっていかないと、上から言われたということだけではだめだろうと思うんですね。そういう意味で青山先生の地域の話というのは非常に感銘を受けたわけであります。
 中下先生にお尋ねをするんですが、産業に任せちゃだめだ、あいつら金もうけだと。私もそう思っていますし、多分余りうまくいかないんじゃないかと思うんで、まさに規制ということが大事だと思うんです。地域の問題と規制をどこまで強化するか。強引に国で決めて全部やっちゃえばいいんだ、痛みが伴うのは当たり前で国民的合意を得ながらみんなで我慢して一気に進んじゃおうという行き方も非常にわかりやすいとは思うんですけれども、それだけでもちょっとどうかなという気がありまして、その辺の地域の問題とか規制のあり方についてもう少しお話を伺いたいと思います。
○参考人(中下裕子君) お答えいたします。
 何も私も国の規制で全部どんどん進めろというふうに言ったつもりではございませんで、もう一度申し上げますと、その静脈経済に関しましては規制を設けないことには実際には市場原理が働いていかない、だから自発性を待っていては自発性が芽生えてこない。つまり、規制を加えることによって自発性が芽生えてくる。その規制のあり方は、ナショナルミニマムは決める必要があるかもしれませんが、あとはやはり地域の独自性で、産業育成もあるでしょうし、それは各地域にお任せした方がいいと思っております。
○脇雅史君 確かに、私は動脈の方も少し規制をしないとだめかなというふうに思っていまして、それがいろんな意味でさまざまな議論がなされながら地域の特性、産業の特性等いろいろ生かしてやったらいいと思います。余り中央でばちっと一発で決めるというのはどうかなという感じが私もいたしております。
 それから、エコロジー的なセンスというのがやはり循環型社会には極めて大事だと思うんで、生態系、さまざまに滅びたり、種の変化といいましょうか、変化していくわけでありますが、日本で伝統的な松という非常にすぐれた美しい植物があったわけですが、どんどん松くい虫にやられてこんなことになってしまった。特に理事の市川さんのところの松島、松島の松がなくなったらただの島になっちゃうんで、これは建設大臣の受け売りじゃありませんが、非常にお困りになっていると思うんです。
 そういう生態系の変化の中で、特に松がこんなになってしまったのはどんなことが考えられるのか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(本谷勲君) 松の衰退というのはいろいろな原因が考えられます。
 一つは、松自体が日本の国土に多過ぎると。これは、日本人が桜とともに松を愛好しているために、植えてみたり、松並木をつくったりしましたから、そういう意味のこともありますし、あるいは松材が非常に腐朽しにくいので植林にも使うというようなことがある。その点を指摘する人もおります。確かにその点はあろうかと思いまして、いろんな国土における樹種の分布をプロットしますと、松はアカマツとクロマツですみ分けていますけれども、非常に密度が高いということがあります。それが一つ基本的にあろうかと思います。
 それから、大気汚染の指摘は非常によく言われることでして、最近では、松がいかに大気とのガス交換をやっているかの証拠にダイオキシンの測定を松の葉でやるというようなことまで行われて、その有効性を発揮しております。
 それから、私が強調しましたのは土壌の問題であります。これは、先ほどは他の植物との競争ということだけを触れましたけれども、実は松というのは、ほかにも例がありますけれども、根とカビのような微生物が共生しているんです。その一種が私たちが好むマツタケであります。マツタケだけではありません。松の種が地上におりて根が広がっていくためにはマツタケとは別のカビが根に取りついて根に栄養を供給するということがやられているんですが、これが土壌の富栄養化に伴いまして微生物の方が参ってしまうということが指摘されております。
 ですから、どうしたらいいかという御質問なんですが、私は今のような条件を、つまり一つで効くという処方はないと思います。松の身になってどうしたらいいかを総合的に考えるということが今一番大事じゃないかというふうに考えております、お答えにならないかもしれませんが。
○脇雅史君 どうも、急な変な質問で失礼いたしました。
 いろいろな循環型社会を目指して政策がされる、国民的にもいろんなことを工夫してやる、その中で、それを総合的なチェックをしていく意味でエコロジー的なセンスというのは極めて大事になっていくんだろうというふうに思っていまして、そういう面でも今後いろいろ教えていただければと思っております。
 きょうはありがとうございました。
○岡崎トミ子君 本日は、参考人の皆様方、ありがとうございました。十分な時間をとって審議をしていきたい、そしてできるなれば多くの皆さんの御意見を聞いて、これまで廃棄物の問題、リサイクルの問題、地域の中で活動されてこられた方々の御意見などをきちんと反映する形で法律を成立させていかなければいけない、そんな思いをいたしておりました。急なお呼びかけにもかかわらずおいでくださいましたことに感謝を申し上げます。
 最初に、浅野参考人にお伺いしたいと思います。
 中央環境審議会の廃棄物部会が昨年三月に「総合的体系的な廃棄物・リサイクル対策の基本的考え方に関するとりまとめ」を発表されましたけれども、その当時は循環型社会形成推進基本法案がスケジュールには上っていなかったので、かえって当時の廃棄物部会の皆様方の考え方というものが非常に反映されていたというふうに私は思います。
 この取りまとめの中では、有害化学物質に関する考え方、それから市場原理を活用した制度についても盛り込んでおりましたし、デポジット制度、これについても取り上げられておりましたけれども、今回のこの法案の中ではこういうような中身が明確に盛り込まれておりません。
 盛り込まれるに至らなかった背景、つまりどういう点が障害になって盛り込まれなかったのか、今後の課題といった点について、まずお伺いしたいと思います。
○参考人(浅野直人君) お答えいたします。
 中央環境審議会が答申を出しましたときは、先生御指摘のとおり、必ずしもこのような基本法案を意識していたわけではございませんが、審議会は具体的な法律を、こういうものをつくってほしいという形の答申をすることもあれば、諸法の中でそれをどう実現するかはそれは政府にお任せするから、ともかく考え方をしかるべく実現してほしいという形で提案をする場合もございます。廃棄物部会の答申は、どちらかというとそういう性格のものでございました。
 デポジットについて御質問でございます。
 私は、デポジット制度というものはもちろん非常に有用な制度であるということはかたく信じております。ただし、どの場面でどのものにそれを使うことが効率性が高いかということに関してはやはり個別に検討する必要がございます。
 例えば、しばしば空き缶デポジットということが言われますけれども、これは、例えば経済の先生と御議論をいたしましても、アドミニストレーションコストを考えるとかなり非効率だということも言われております。特にメーカーが限定されておりませんので、集めたお金とそれを返すときの仕組みのつながりが非常に悪いので、どうしても第三セクターのようなものを置くということになるとそのコストが高くついてしまうというようなことも言われておりまして、むしろもっと大きいもので寡占状態にあるような品物の場合の方がより有効ではないかという指摘もございます。
 ですから、一律にこれを導入するという言い方をするよりも、個別のものについてこれはこうなんだという形で議論をする方がいいとしますと、必ずしも基本法の中にデポジットを入れろと書くかどうかは別問題でありまして、それらはむしろ個別の品目ごとに、こういうものには適しているということは計画レベルのところで考えるとか、あるいはそれを材料にしてさらに個別法をつくるといったような道もあるかと思いますので、お答えにはならないかもしれませんが、私の先生の今のデポジットということに関してのお尋ねについてはそのような考えを持っております。
○岡崎トミ子君 それから、ドイツの循環経済・廃棄物処理法なんですけれども、これは日本の議論の中でもモデルの一つとしてずっと取り上げられてきておりました。
 この経済法ですけれども、この中では拡大排出者責任の問題と廃棄物法とリサイクル法との統合と実体法であるということ、これが大変注目に値するところだというふうに思うんですけれども、こういうモデルと比較して今回の法案の評価をお願いいたします。
○参考人(浅野直人君) ドイツ法は、しばしば指摘されますように、大変すぐれた法であるということは私も理解をしております。
 ただ、現実には、先に原則を立てておいて、個別の問題についてはその後個々の政令にゆだねて、協議ができたものは次々政令で片づけていくというやり方もございますけれども、我が国はむしろ先に個別法の世界がありまして、それでいろいろな取り組みをしているものを最後のところで統合していく、青山さんもおっしゃいましたけれども、どちらかというとそういう発想法でこれまでは進んできたと思います。
 ただ、個別法が余りにも多くでき過ぎますと個々の間の整合性が問題になってまいりますので、そういう意味では、いち早くとりあえず大きな傘をかぶせておくという意味での今回の法案のような考え方が確かにあり得るのではないかと思っております。
 一般的な法規として書けることは結局のところ限界がございまして、ドイツのような形もいいんですけれども、それはそれぞれの国情を反映している面もございます。そして、一般的な法規が個別のものにそのまま全部当てはまる場合であれば大きな法規ですべて片づくんですけれども、廃棄物循環の問題というのは、結構その個別性を大事にしなければならないということもございますから、その点では我が国は我が国の行き方があってもよろしいのではないかと思います。
 ただ、長期的に申しますと、先生もお考えだと思いますけれども、現在の廃棄物処理法はもう明治以来の歴史を引きずり過ぎておりまして、今日の新しい循環型社会をつくっていくというための根本法規としてはやや限界が来ているかなと。
 ですから、これは、産業構造審議会であれ、あるいは中央環境審議会であれ、生活環境審議会であれ、いずれの審議会も意識をしておりまして、いずれもっと別の大きな形の法律に変えていく必要があるということを考えて提言をしておりますが、一挙にそこに行くためには時間がかかることですから、当面は今回の法案のような形で大きな傘をかぶせ、個別法をぶら下げるやり方で行きながら、いずれ経験を積んでいったところで根本的に大きな廃掃法も含めた法令改正というところに行くというのが手順ではないかと考えております。
○岡崎トミ子君 次に、中下参考人にお伺いいたします。
 環境行政を冠する、くくる法律として環境基本法があって、そして環境基本法に基づく環境基本計画をつくって今行っているわけなんですけれども、今回新たにつくったこの循環型社会形成推進基本法案、これについてはいろいろな批判がございます。そして、基本法としての意味があるとすれば、きちんと理念を決めて、その理念によって個別法というものについての性格づけをして、そしてその理念の実現を担保する形でやはり個別法を再整備しなければいけない。今、浅野参考人にお伺いした手法とは私は反対になっていくのかなというふうに思うんです。
 今回の法案を見ますと、他の省庁が提出している個別法の関係を見ますと、廃棄物の定義を全く変更しなかったり、この法案で掲げている三つのR、リデュース、リユース、リサイクルの優先順位の遵守をきちんと個別法で担保する形にはなっていない。この点は非常に大きな問題だと思っているんですが、この点についてどうお考えでしょうか。
○参考人(中下裕子君) 御指摘のとおりでございまして、先ほど私が発言しましたとおり、個別法に対する縛りという意味が大変基本法にとっては重要だというふうに思いますけれども、その点について極めて不十分で、三つのリサイクル法を見ましても、特に発生抑制に関しては施策が全然ないんです。
 先ほど脇先生からの御質問の中で、循環型社会はどんなイメージかということをおっしゃられましたけれども、私のイメージをちょっと申し上げますと、ただ単にぐるぐる輪が回るというだけではだめで、それだと大量生産、大量消費、大量リサイクルということになりかねないですから、やっぱり輪を小さく細くしていくという、これは結局発生抑制、それが極めて重要であると思うんです。
 それについて、基本法には確かに順位が一番だと書いてありますが、その一番を担保するための施策が個別法の中にない、これは基本法としてもやっぱり問題なんじゃないだろうかと。基本法の中に担保する施策が書いていないがために個別法の中に実現されていないということではないかなと思います。
 ちなみに、食品リサイクル法ですが、今食品廃棄物として出されているのが年間二千万トンという数字が挙げられておりますけれども、今我が国が輸入している食糧が三千万トンです。三千万トン輸入して二千万トン捨てているんです。食べ残しです。この事態自体をやっぱりどうしていくのかということが基本的な観点でないと、循環型社会といっても、大量に飽食をして、先ほど言われた富栄養化というのもそのことが原因で起こってくるわけですから、そういったことをやっぱり見直していく必要がある。その意味では基本法は不十分なんじゃないかと私は思っております。
○岡崎トミ子君 次に、青山参考人に伺います。
 法文の二十三条は経済的措置に関する条文なんですが、この条文は、環境基本法二十二条の経済的措置とほとんど変わりがありません。環境基本法ができましてから七年間たっているわけなんですが、この七年間の経過の中での議論の積み重ねというものが反映されていないように思います。
 経済的措置の果たすべき役割といった観点から、参考人のお考えを伺いたいと思います。
○参考人(青山俊介君) 先ほども申し上げましたとおり、資源というのは大きく言うと、建設資源、先ほどの食糧資源、あるいはエネルギー資源、分けていくと幾つかの資源に分けられます。最終的には製品という形で資源のアセンブルしたものが世の中へ出て、それが不要物となって廃棄物となっているわけでございますけれども、そのそれぞれについて、資源を循環するときにいい負担原理というのは私はあるというふうに思っております。
 例えば、建物というものを考えたときに、今の建物というのは大体九割が一九五〇年以降の建物です。もう九割を超えていると思います。これからあと数十年の間にすべて壊されていきます。これは解体リサイクル費用というのを多分これから取られる時代が来ると思います。これをだれが負担するのかといいますと、発注者である居住者であったり、マンションを建てかえる人であったり、あるいはビルをつくった人というふうなことになってくるのではないかなと、当面の間は。
 ただ、その間で、こんなものを取られるのかという話が、かなり大きいお金が取られるようになりますと、次の時代に建てたときにまたそんなことをやられるのかということになれば、当然次に建てるマンションとかそういうものについてそういう負担をどういう形で組み込むのかという議論が出てくると思います。
 実は、私自身は、当然全部のものをそういう一つの統合的な考え方で入れるという理念性を強めるのはいいと思うんですけれども、余りに個別の実情を把握していないのが今の実態だと思います。確かに、環境基本法でそういうことを定めたというふうなことはあるわけですけれども、実態的な資源のリサイクルあるいは産業がどういう構造をとってきているのかということについて、今までの行政あるいは実態というものをきちっととらえ直していないということのもとに費用の話だけをそこでやるというのはかなり難しいかなというふうに思います。
 私自身は、建設系の資材、それから生産活動で出る産業廃棄物は当然、PPPの原則ということがあるわけでございますけれども、一たん消費者とか、財産区分が変わったものについては、建設系は当面やはり財産として持った人ということにならざるを得ないんじゃないかと。耐久消費財は、今回の家電リサイクル法、これをやっていく上で問題が多分出ると思います。ただ、一度ここ一、二年やってみるということの中で、ああいう耐久消費財に対する費用負担のあり方というのがすぐに議論されることになると思います。
 やはり容器包装材については、明らかにその法のフレームが問題だったというふうに私自身は思っています。ああいうふうに、その費用のかなりの部分が税金というふうな形で、見えにくい形で生産者責任が消えていってしまう。ああいう、いろんなボトラーさんあるいは容器製造というふうなことで、非常に利便性の高いものですけれども、それに対する費用負担というのが余りに排出者、生産者に行っていない構造というのが問題だということで、それぞれやはり個々にもう少し議論していただいた上でその負担原理ということを決めていくべきじゃないかというふうに思っております。
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
 あと一分ありますので、済みません、中下参考人に。
 市民の方もいらっしゃっておりますので、市民参加の意義、循環型社会をつくっていく上での、先ほどライフスタイルのことについても触れられましたが、一言お願いいたします。
○参考人(中下裕子君) 先ほどやはり脇議員が、国民的な合意を得る手段として教育が大事だということをおっしゃっておられましたけれども、教育といいましても、具体的なイメージとかがなくて何を教育していくのかと思うんです。結局、それは国民的な合意をいかに形成していくかということだと思うんです。
 そうすると、その合意形成に我々国民が加わるようなシステム、そのことを通じて我々一人一人が成熟する、これが参加型民主主義の要請だと思いますし、そのことが国家全体の成熟につながってくると思いますので、ぜひそういう市民参加を積極的に取り入れていただきたいと思っています。
○岡崎トミ子君 本谷参考人、ありがとうございました。済みません。
○高野博師君 四人の参考人の先生方、貴重な御意見を大変ありがとうございます。
 環境問題については、マクロ的に見れば地球の温暖化、これが急速に進んでいる。ミクロ的に見ると、ダイオキシンとか環境ホルモンとか、これも非常に深刻化している。その他さまざまな環境問題というのがあると思うんですが、いずれも人類の生存を脅かすような問題になりつつある。
 その原因は、やはり人間社会が欲望拡大型の文明をつくってきたということで、いわゆる大量生産、大量消費、大量廃棄の経済社会システムをつくってきたということにあると思うんです。これを欲望抑制型の持続可能な循環型社会にするという、これはもう本当に壮大な文明の転換とも言うべき努力をする必要があるんだろうと思うんです。
 我々公明党としても、この循環型社会形成の必要性というのはかなり前から強く認識して、早急な法案の成立ということを主張してまいりました。連立与党としては、平成十二年を循環型社会元年という位置づけをしまして、そういう中で、今回の法律というのはその元年を画する重要な意義があるものだと私は思っております。
 そこで、まず最初に青山参考人に、基本的な枠組みとなるこの法律の意義というか原則的な考え方について、先ほどお話がありましたが、改めてどのような評価をされているか、お伺いいたします。
○参考人(青山俊介君) 私は、この法律が確かに理念をあいまいにしている部分は若干あるというふうに思います。それと計画、これも一応国の他の計画の上位として位置づけるというふうな計画として策定されているというこの一番大きい構成部分、この部分は非常に重要でありますし、むしろ私は、当面でいえば、こういう法律の構成でつくった方が現実的だし有効に働くと思っています。先ほど市民参加というふうにも言われましたけれども、この中で重要なのはやはり計画だと思います。
 実は、私は、こういう法律を非常に詳しくというか、慎重に議論するとかというお話がありますけれども、国の法律レベルでの議論というのは、例えば私らが参考人に来る、あるいは市民団体で私らが議論してそれを上げる、それがどう本当に採用されるのかというのは余りわからないような形で実際はできてきていると思います。それに対して、循環計画というのをもしも県とか市町村がつくる。自分らの県、市町村と隣の市町村で何でこんなに違う計画ができてくるのか、あるいは同じ中でそれぞれの企業が違うことをこんなにやっているのは何でかと、そういうのがやはり見えてきて初めて実態的なことができるんじゃないかと思います。
 だから、その意味では計画を重視していただきたいですし、もう少しぼやかした部分、何となく原案には自治体の計画というのが入っていたのが、今はそういう読み方も確かにできると思うんですけれども、そういう部分が抜けた部分に関しては若干後退しているのかなというふうに思いますけれども、基本的な法律の体系としては、私はむしろ今はここにとどめた方がいいと。住民参加やなんかをした上での各地域の循環計画ができていったときに初めて、農村型の循環計画とか大都市型の話とか地方都市の話とかいろいろなものが出てきたところで初めて統合していった方が、しょせん私は国会で幾ら議論していただいても、なかなか実態をくみ上げるという法律にはならないんじゃないかなというふうに思っています。
○高野博師君 ありがとうございます。
 それでは、浅野参考人にお伺いいたします。
 循環型社会形成推進の基本計画について、この基本計画はこれからこの基本的な方向に沿って策定、実施されるんですが、この計画制度の実効性についてどのように評価されているのか、その計画にはどのようなことを盛り込んだらいいのか、お伺いいたします。
○参考人(浅野直人君) お答えいたします。
 ほかの参考人からも御発言がございましたが、法律に書かれたことは基本的なことでございまして、特に循環型社会形成の目標なりその具体的な取り組みの課題というものは刻々変化をしてまいりますから、そういうものについては法律の中に書き込むというよりも、むしろ計画の中で具体化していくということの方が合理的ではないかと思います。
 この法案では、初めてだと思いますけれども、計画の年限を限って見直し規定を設けている、これは非常に大きなことだと思います。環境基本法は環境基本計画について規定を設けておりますけれども、見直しはあくまでも計画策定の段階で、みずから計画の中で五年ごとのローリングということを定めたにすぎません。今回は法規で初めからそのことを明らかにしておられる。これは、まさに先ほど申しましたようなこの計画の果たすべき役割という点から見ても非常に大きいと思います。
 計画の中に盛り込むべき事項はこれから議論をしていくことになるんだろうと思いますけれども、これまでも既に政府がダイオキシン対策等で数値目標を挙げておられる、あるいは政府の率先計画などでも数値目標が挙がっておりまして、こういうものを今度は法律の根拠に基づいた計画の中ではっきりと確認していく、それからさらに各セクター別の目標のようなものも掲げていく、こういうようなことも今後は必要ではないかと思います。
 それから、私はとりわけ大事だと思っておりますのは、現在までの個別分野での取り組みを見てまいりますと、それぞれリサイクルでいろんなことを言われるわけですけれども、口の悪い言い方をしますと、最後はこれは堆肥にしていこうと、ずっとそれぞれのセクターでみんな堆肥堆肥と言っていますから、日本が農業国でもないのに何でこんなに堆肥ばかりつくるんだろうかとか、あるいは最後は、これは全部どうにもならないからセメント工場に持っていってセメントで焼いてしまえと、こういう話になりますと、セメントをそれだけ使えるのかとか、あるいはどうにもならないから路盤材だと、じゃ日本じゅうをさらに道路で埋め尽くすのかねと、こういうような感じになってしまうことがあるわけです。
 ですから、一体どこでどれだけのものがどう出てくるのかということをそれぞれ出し合って、どこかできちっと一覧表にしてみると、案外これはむだだ、こんなものをつくっても使い道がないじゃないかとか、これはここではしようがないから別の方法を考えなきゃいけないという筋道が出てくると思います。
 ですから、個別法だけでは対応できない世界をこの計画がうまくカバーしていって、それぞれのところでの上手な流れをつくるということのためにもこの計画は機能すると思いますので、大いに期待をしております。
○高野博師君 それでは、中下参考人にお伺いいたします。
 非常に厳しい御意見だったものですから、この法律も欠陥だらけだということで、欠陥というか十分でないということは我々も十分認識しておりますが、これは非常に重要な第一歩の法律だという私は認識をしているんです。
 その中で、大量リサイクルになってはいけない、循環の輪を小さくするということなんですが、これはそのとおりだと思うんですが、小さくするというと一体どこまで小さくしたらいいのかと。これは経済がやはり持続可能な、発展できる社会でなくてはいけないわけで、そうすると、やはり僕は最適生産あるいは最適消費、そして最少廃棄という、こういう考え方が非常に重要ではないかと思うんですが、その点についてどうお考えか。
 それから、ステップ・バイ・ステップだと混乱すると先ほどおっしゃいましたけれども、まさにステップ・バイ・ステップでないとかえって混乱するのではないかと思うんですが、その辺はなぜなのか、ちょっとお伺いいたします。
○参考人(中下裕子君) まず、最初の点についてお答えいたします。
 生産と消費ということの概念自体も変わってこざるを得ないんじゃないかと私は思っております。
 それは、例えば物をつくって、それを私たちは買って、つまり所有権を取得する、それで自分のものになったから捨てる、こういう構造に今なっておりますが、そうではなくて、今EUとかで進められておりますのはリースの考え方です。だから、所有権は生産者にとどまって、我々はリースする、それで修繕しながら、リペアしながらずっと使っていく、そして最後になると、それは所有者ですからリース物件については生産者が責任を持って回収する。そうすると、生産者はリサイクルに自分のところでもう一遍使いやすいような設計を初めから考える。
 こういうようなことになれば、大量生産じゃなくて、もう少し生産は少なく、そして、どちらかというと、物を買うというんじゃなくてサービスを買うということですね。ですから、経済自体が物の生産に偏っていないでサービス化していくというように中身を転換していかなければだめだというふうに思っています。
 それから、二つ目の点でありますけれども、ステップ・バイ・ステップで混乱すると申し上げましたのは、市場の内部化が必要だと私は思っている。つまり、必要なシステムというのは、いかに市場原理を活用した市場を整備していくかということなんです。そういうことを考えると、片一方のところは違った原理、片一方のところは違った原理、これは混乱します。容器包装リサイクル法と家電リサイクル法が違ってきただけでもやはり問題はいっぱい出てきているわけです。
 ということで、どういうものが必要なのかという、もう少しいろんな領域のことももちろん調べなくちゃいけませんけれども、それを含めて議論して、基本的な考え方は統一して、もちろんそのバリエーションはあると思いますけれども、ここは統一してやっていこうというのを決めていかないと混乱するんじゃないかというふうに思っています。
○高野博師君 それでは、本谷参考人にお伺いしますが、この循環型社会を構築する上で自然エネルギーあるいはクリーンエネルギーというものの利用というのをどういうふうに位置づけたらいいのか、お考えがあればお伺いいたします。
○参考人(本谷勲君) 現在は、例えば北欧のデンマークなどに比べて日本ではそう熱心ではないというふうに私は、特に政府の方ですが、感じておりますけれども、もっともっと充実すべきであろうと。一般には、日本には、例えば風力にしましても、そういう資源が安定的に供給されないということで否定的な見解が強いと思うんですが、日本の国土に見合った自然エネルギーの開発が大事だろうと。
 在野の研究者ですが、今、有珠山が大問題を起こしていますけれども、あのマグマの地熱を利用する、単なる表層の地熱ではなくてもっと深いところの地熱を利用するというような研究を発表している人もあるんですが、これが全然顧みられないというようなことで、まとめて申し上げますと、日本の国土にふさわしい自然エネルギー全体について目を配るということが大事ではないかというふうに私は考えております。
○高野博師君 それでは、最後に青山参考人と中下参考人にお伺いします。
 お二方は、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議あるいは循環社会推進国民会議の事務局長と幹事をされているんですが、この循環型社会は、日本がこれから推進して進んでいく、あるいはドイツもできていく。先進国で進んでいっても地球全体としてちぐはぐであっては、やはり地球全体が循環型地球というか循環型社会にならなくてはならないと思うんです。
 そういう中では、こういうNGOが世界的にネットワークをきちんとつくって、国民会議ではなくて世界会議ぐらいのものをつくっていって、それで循環型社会をつくっていく運動も必要ではないかな、こう思っているんですが、その辺の何かお考えがあったら教えてください。
○参考人(青山俊介君) 資源というのは非常に多層な構造だと思います。一番身近では自分の家庭、それから地域、それが最終的には、資源ですから、鉄は鉄鋼工場に流れ、非鉄は非鉄に行き、セメントは窯業のセメント会社に行かないとなかなか実際に回すということはできません。非常に全国的なネットになります。
 一方、原料の調達、あるいは食糧、飼料をこれだけ輸入している国が、先ほど本谷さんがおっしゃったように、今の中国等での土壌劣化やなんかに対して日本は富栄養化してしまう。これを持っていくときには、どうしてもNPOというふうな有機系の資源を持っていかなくちゃいけない。一方、CHはエネルギーに使えるわけですから、その辺をうまく組み合わせるというふうなこと等で基本的には国際的な循環が必要です。
 我々がやっているやつでも、例えば分析機器の中古を一生懸命集めてそれのメンテをただで引き受けて中国へ持っていく運動とか、新潟の栄とかでは、農業機器とか生産技術機器、あるいは輸送機器の古いもの、途上国で今の発展段階で一番必要なもの、そんな日本の倍ぐらいの値段で買えるわけないわけですから、そういうものをうまく回していくということを含めて、やはり国際的な循環というのをきちっとやっていく。そのときにはバーゼルというふうなきちっとした汚染規制の話が動かなくちゃいけないんですけれども、そういうことの必要性は物すごく大きい。特に世界的な資源消費大国ですから、当然国際的にそういうものを循環する責任は日本は非常にあると思います。
 御指摘のとおり、そういう話をぜひ動かしていけるように、我々の方でも次のテーマでまた世の中に提言できればというふうに思います。
○参考人(中下裕子君) 御指摘のとおりでございまして、先ほど議員はダイオキシン問題はミクロな問題とおっしゃいましたけれども、実はミクロではございません。ダイオキシン汚染というのは日本だけではございませんで、日本が出したダイオキシンが、御案内かと思いますが、食物連鎖を通じて地球規模で汚染しております。
 今、北極のイヌイットの人たちが我々の体内に蓄積されているよりもダイオキシン濃度が高いんです。それは、貝をたくさん食べて、しかも北極の海にたまりやすい構造になっているんです、そういう有害化学物質が。ダイオキシンだけではありませんで、PCB、DDTその他そういうものであります。そのために国際的な規制が必要だということで、有害物質につきまして、御案内かと思いますが、POPsという、歌の話ではございませんで、残留性有機化学汚染物質を国際的に禁止しようという今条約づくりがUNEP主導で行われておりまして、つい先日もボンに行ってまいりました。
 私どもは日本の国民会議でございますが、IPENというインターナショナルネットワークの中に参加いたしまして、そういう国際会議の場でもNGOとしてロビー活動で他の国際的なNGOと連帯してやっておりますので、ぜひ議員もそちらの方の問題につきましても御協力をお願いしたいと思います。
○高野博師君 済みません、終わりますが、私がミクロと言う意味は、極小の世界、あの世界のことの意味で使ったわけです。
 終わります。
○岩佐恵美君 日本共産党の岩佐恵美でございます。
 本日は、四人の参考人の皆様、急にもかかわらず、また朝早くから御協力をいただきまして本当にありがとうございます。
 今度の基本法というのは、発生抑制、排出抑制ということが第一に掲げられているということで大変期待が強い部分もあるんですけれども、私たちは一方で、これでうまくいくのかなという大変懸念を持っているわけであります。
 例えば、先ほどから出ているドイツでは、容器包装政令の実施後三年で、五千万トンあった家庭ごみを七百万トン減らして四千三百万トンにしているということで、かなりの発生抑制の減量効果を上げているわけです。
 果たしてこの基本法でそのような効果を上げることができるのかどうか、まず浅野参考人と青山参考人にその点お伺いしたいと思います。
○参考人(浅野直人君) この基本法は少なくとも個別の施策を直接に定めたものではございませんので、この基本法ができたから容器包装がこれだけ減るというようなことを直ちに期待することは無理かもしれません。しかし少なくとも個別法の調整を図るということが十分にできていくだろうと思いますし、計画の書きぶりの問題はありますけれども、日本の場合、やはりある数値目標を掲げるという場合には十分にデータを積み上げて目標をつくるというのが普通で、全くやみくもに目標をぽんと掲げてというようなことはやりませんから、その計画づくりの目標を掲げるというプロセスの中でかなりのデータが集まると思います。そこで具体の可能性というのははっきり見えてまいりますので、それをあとは、うまくできない場合はどうするかという、うまく計画の実施についてのチェックとフィードバックをかけることさえできれば相当の効果を上げることを期待することはできると思っております。
○参考人(青山俊介君) 私も計画の運用の仕方が非常に重要だと思います。法律としては多分このぐらいの枠組みだと思うんですけれども、あとは内実をどうやって植え込むかということだと思います。
 ちなみに、昨日、私は東京都の廃棄物審議会に出ていたんです。東京都の次の五カ年計画をつくるという話です。産廃の処分量がこの五カ年で約四、五割減っています。実は目標としては二割ということだったんですけれども、現実的には四割ぐらい減ったということになっています。次の五カ年計画ではさらにどこまで減らすかという計画で、実態的に減らす内容をはっきり、ターゲットも建廃とかいろいろなものに絞りまして、それぞれ事業者の工夫で減らしていくというふうな、そういう実体性のあるものにする。逆に言えば、従来の計画というのは、何となくその辺の実体保証が廃棄物の場合には非常に少ない形で、言葉としての減量化とかでしたけれども、そういうものをきちっとこれからの計画で組み込んでいき、それの評価をし、公表していただくということも含めてやっていくということがあれば十分機能できるのではないかというふうに思います。
 ただ、生活排水と同じように、容リ法というのは消費者の非常に多くの不特定の方が出すものという形でやっておりますから、計画というものが単純になかなか反映しづらいものだと思います。ですから、あちらのように、基本的にメーカー責任という形に容リ法についてはやったということは一つの見識だったのかもわからないんですけれども、そういう意味で、一つ一つのものについてこれから目標をつくっていくというのは非常に大事です。
 ただ、日本の場合には、もう一つ大事なのは構造転換の目標をはっきりするということ。数値目標というのは、どういうフローとか体系にしようかということのもとなんですけれども、今の減量化というのは、どちらかというと廃棄物としての減量だけであって、実際にどこをどう構造的に五年間で変えるのかというふうな話が目標に入っていないというところがもう一つ大きい点で、それを入れていただければかなりいい、実効性のある削減の法律につながるんではないかというふうに思っております。
○岩佐恵美君 中下参考人にお伺いをしたいと思うんです。
 外部経済の内部化の問題です。これを通産大臣に本会議で質問したところ、「すべての製品について一律にリサイクル費用を製品価格に内部化させる制度を導入すべきとの議論は適切ではない」なんというふうに答えられてしまいました。
 先ほどちょっと出ていました容器リサイクル法ですが、これはかなり期待が高かったわけです。ペットボトルについて言えば、九五年に法律ができて、九七年からこれが動き出したわけですけれども、その間に生産量がどんどんふえて、確かに再生商品化量というのもふえてはいるんですけれども、ごみになる量が倍ぐらいについになってしまった。つまり、大量リサイクルでなくて大量廃棄物製造法みたいな、そういう結果になってしまったわけです。
 これは、もうこの法律そのものを、今の基本法と個別法の関係で、個別法がうまく働いて基本法をよいものにしていくという相関関係からいうと、どうも放置できないような感じがするんですけれども、その点いかがでしょうか。
○参考人(中下裕子君) 議員御指摘のとおりだと思います。
 発生抑制に全くつながっていないということは、費用の内部化がやはりきちっとできていない。先ほど両参考人からも御指摘のありましたように自治体の回収という形になっていますので、完全に費用が内部化できていないわけです。ですから、減量に一つもつながらない。
 それで、ドイツの場合は、さらにリターナブル率とかの最低限を決めておりまして、それに未達の場合にはデポジット制に移行するとか、採用しなきゃいけないとかいろいろ縛りがかかっております。ああいう形をとっていかないとやはりできてこないんだろうと思うんです。
 だから、容器包装リサイクル法は拡大生産者責任が一応基本法の中に入ったと、こういうような御説明ですので、ぜひその観点から抜本的に改正していただきたいというふうに思います。
○岩佐恵美君 本谷参考人に伺いたいんですけれども、ごみというのはいろんなものが雑多に入っている。特に家庭系ごみの場合には、それこそ家電製品も入ることもあるし、殺虫剤だとか塗料だとか私たちが日常的に使う化粧品のたぐいに至るまでとにかくいろんなものが入ってくるわけです。それで、そういうものをダイオキシンを出さないために大型焼却炉で焼却すればいいというふうに言われるんですけれども、大型焼却炉だってそんなにいつも機嫌よく稼働しているわけではなくて、結構事故が起こったりいろんなトラブルが発生している。こういう施設に頼るやり方というのはどうもよくないなというふうに思っているんです。
 それで、最近焼却炉で起こっていることで、これは大変お行儀の悪い焼却施設の周辺で起こっていることなんですけれども、和歌山県の橋本市で、恐らく産廃の野焼きに近い焼却炉だったと思うんですけれども、これに措置命令がかけられて撤去させられるということになりました。周辺の住民の皆さんの苦しみというのは大変なものなんです。煙だとかにおいだとか、そういうことで苦しんでいる。その中で、新しく化学物質過敏症という、そういう症状が出てきている。ところが、行政はなかなかこれについてきちっと認めないということで、相当現地では苦しんでおられるわけです。
 それからもう一つ、焼却炉から発生する問題もあるんですけれども、杉並区にある東京都の中間処理施設、つまり焼かないんだけれども不燃ごみを持ってきて圧縮するという、ただそういう装置なんです。ここでもやはり杉並病という奇病が発生して、これも化学物質過敏症ということが疑われているわけです。
 人間にとってもこれは本当に重大な問題なんですけれども、例えば杉並の施設の周辺では植物も相当枯れたり成長がおかしくなったりとかというようなこともあるようです。
 このような廃棄物の処理にかかわってかなり環境が汚染される、あるいは人間にとって奇病とも言えるようなそういう新たな事態が発生している。そういうことについてどういうふうにお考えでしょうか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(本谷勲君) 今おっしゃったように、家庭系の廃棄物が非常に雑多で多種多様なものがあるということが主な原因だと思うんです。焼却にせよ埋め立てにせよ、あるいは先ほど御指摘の杉並のあれは不燃物の圧縮中継所ですけれども、そういった割と力を加えるだけで化学変化などは考えられないような状況でも周辺の住民に明らかにいろいろな症状が出ているという状況が生まれてきております。
 これは、日本では今から始まるといいますか、最近気がついて、気がついてみると、例えば杉並病の場合には、圧縮だけではなくてこれから広がります容器包装リサイクル法に基づくプラスチックの圧縮の場合にも懸念されるということがあります。
 それから、私は、東京の区部以外の最終処分場として西多摩郡の日の出がよく話題に上っておりますけれども、あそこの住民の方から頼まれまして、処分場というのは谷ですが、その周りの尾根筋の植物がおかしいというので見て回りました。確かに植物の葉に、例えばアオキのような平べったくて厚みのある葉っぱが縮んでいるとか、あるいは枯れもあるといったさまざまな症状が見られておりまして、日の出で気づいて今度は東京の焼却場の周辺を見ますとやはりそういう症状が見られるということで、焼却というのは衛生上よかったんですけれども、これで万事解決ではなくて、我々が行っている焼却、埋め立てという処分全体の中で、設計といいますか、予定している以外のことが自然界では起きているということが明らかになってきております。
 したがいまして、我々NGOとしては、地域の環境全体を、人間の健康ももちろんですが、それを初めとして、例えば犬、猫のような愛玩動物から自然の動植物にまで目を配って、日本の社会で、廃棄物処理に伴ってどういう環境上の従来にない異常が起きているのかということを総合的に調べなければいけないということを痛感しております。
○岩佐恵美君 どうもありがとうございました。
 終わります。
○大渕絹子君 社民党の大渕絹子でございます。
 四人の参考人の皆さんには、本当にありがとうございました。皆さんの貴重な御意見を聞いている最中にも理事会などが開催されて、退席をしなければならないという大変失礼をいたしまして申しわけなく思っております。聞けなかった部分につきましては、資料等を後で読ませていただきまして、また参考にさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、浅野参考人にお伺いをいたします。
 清水環境庁長官の本会議場での答弁なんですけれども、中環審をこれから第三者機関として位置づけて、より広く国民の皆さんの意見を集約できる機関になっていただきたいというようなことを言っているわけです。
 そうした中環審の位置づけを変えていこうとする動きに対してこたえていただける準備はできているんだろうと思いますけれども、第三者機関としての中環審のありようというようなものをお聞かせいただければと思います。
○参考人(浅野直人君) お答えいたします。
 今度の来年以降の改革で審議会の委員の人数が大幅に削減されてしまいますので、役割は大きくなる、委員は減る、多少危惧の念を抱いてはおります。
 ただ、従来から中央環境審議会にかかわっております者の立場で申し上げますと、他の審議会はよく存じませんが、中央環境審議会に限って申しますと、余り事務局の言うことを聞かない審議会でございます。場合によっては、事務局の出した案など全く無視してしまうとか、根本的にひっくり返すということを平気でやる審議会でございまして、比較的その点、扱っている事柄の性質もありますけれども、皆さん率直に意見を述べる。それから、あらかじめ用意された原案ではなくて、私どもが考えて案をつくってそれを事務局に整理していただくという、そういう運営の仕方になれてはきております。
 それから、環境基本計画をつくりましたときにも、恐らく一番最初にやったんだと思いますけれども、広く国民から御意見をお聞きして、そのお聞きした御意見の約八割は計画の中に盛り込むことができた。こういうことがきっかけになりまして、その後、各審議会でも同様の手法をとられているということがございますから、比較的今の動きを先取りしてきたと思いますので、長官が本会議でおっしゃった内容は詳しく私も直接伺ったわけではございませんけれども、十分に長官が期待しておられるような方向に歩むことは可能だと思っております。
○大渕絹子君 中下参考人にお伺いいたします。
 日ごろから大変環境問題に対しまして御提言をいただいておりまして、今回の法案につきましても御意見として集約されて、わかりやすく私たち国会議員に御提示いただいておりますことを感謝申し上げ、当委員会の質疑にも使わせていただいておりますことをまず御報告しておきたいと思います。
 環境行政に対しまして大変厳しい視点で御指摘を続けていただいておりますけれども、今度、省庁再編成の中で環境庁が環境省に昇格するということがございまして、私たちそのことを叫び続けてきた者といたしましては非常に喜んでいるわけですけれども、今の環境庁の体制そのままで環境省になったとしても私は大きな成果を上げ得ないのではないかというふうに思いまして、厳しくそのことを国会でも言っているわけです。
 中下参考人が期待される、国民に期待される環境省になっていくためには、今の環境庁をどういう形にもっと補強していかなきゃならないかというようなお考えがありましたら教えていただきたいと思います。
○参考人(中下裕子君) どうも、いろいろと提言の方を参考にしていただきまして、ありがとうございます。
 その提言の中にも書いてございますけれども、私たちも廃棄物・リサイクルに関しては環境庁が環境省になって一元的に管轄すべきだ、所管すべきだというふうに考えております。
 これだけではございませんで、今包括的な化学物質の管理ということにも私どもとしては取り組んでおります。化学物質も通産、農水、厚生、いろんなところにばらばらに分かれて管理されているという状態ですので、こういったものを我々の安全を保障するという観点から環境省に一元的に管理していただきたい、つまり権限を強化する。
 それから、もちろん権限を強化しただけで今の人数と変わらなければまともな仕事ができないというのは当然のことでありまして、少なくとも倍増という人数で強化に取り組んでいただけたらというふうに思っています。
○大渕絹子君 ありがとうございました。
 もう一つ中下参考人にお伺いしたいと思います。
 国民的合意を図っていくシステムづくりというのが大変求められていますけれども、中環審を第三者機関として活用されていくという方向は私は一つあっていいと思いますけれども、そのほかにも国民合意というようなものを取りつけていく仕組みというようなものを考えておられますでしょうか。
○参考人(中下裕子君) 例えば、基本計画の策定に当たりまして意見を表明したり、今はパブリックコメント制度がございまして、私どももそういう中で意見を表明しておるんですけれども、このコメント制度自体は確かにいいことだと思うんですが、どういう意見がどういう基準で採用されたのかとかいうことについては不透明なんです。そこをもっと徹底して透明化していただいて、その意見集約が、きちっと我々が申し上げた意見が反映されるんだという仕組みをぜひつくっていただきたいというふうに思います。
○大渕絹子君 青山参考人にお伺いをいたします。
 きのうから、新聞等々でも日の出町の産業廃棄物の強制執行についての問題が出ておりますけれども、この強制執行の要請に対して東京都がどうお答えを出すのかというのは極めて難しいでしょうけれども、こうした形で一廃の用地を収用しなければならないような事態というのは大変な問題だと思います。
 循環社会推進国民会議の幹事さんとして、あるいはまた日本廃棄物コンサルタント協会の会長さんとして、こうした用地問題等々についてどのようなお考えを持っていらっしゃいますでしょうか。話し合っていくというか、解決の糸口みたいなものはありますでしょうか。
○参考人(青山俊介君) それぞれの処分場、基本的にはやはり上流対策。そこにつくる必然性と、なぜそういうものをつくらなければいけないだけのものが出てくるのか、あるいはどういう質のものが上流できちんと管理されないままここに入ってきてしまうのかという、基本的な今の処分場に入ってくるものの管理とか、処分場の管理についての危惧ははっきりあります。
 現実の処分場で私が知っているうちでも、そういう意味で十分理解が得られる水準にあるなというものは、自治体も含めても、むしろ自治体の方が少ないかもわからないんですけれども、非常に低いレベルにとどまっていると思います。それが基本的にあるものですから、すべてにおいてそういう不信感が出てしまう。
 まして日の出の場合には、最初の段階での情報開示とか、いろいろな意味での実情の開示というものがあれだけまずかったわけですから、当然今度のようなフリクションといいますか、ああいう状況になるというのは結果からいえば一つの至極当然な流れだと思うんです。
 ただ、一方で言うと、結局廃棄物というのは、0先ほど言いましたように、それぞれの人が出していて、現実的に三多摩は多分数年後には困ってしまう、すべてとまるというふうなことになる。私は一回すべてとめてみればいいじゃないかというような勝手な意見を昔からよく言っているんですけれども、とまってみればわかると。そうしたら、とまることによる弊害を含めて、どのぐらいの負担をしてでもこういうものをきちっとやらなくちゃいけないということがわかるんですけれども、行政というのはやっぱりそういうフリクションというのを起こしちゃいけないというふうなことに必ず戻ってきてしまうものですから、今回の話も多分そういう力学の中で収用ということになっているんだと思います。
 ただ、こういう形で物事が動いていくということは、結果論でいえば非常に不幸なことで、またさらに先のことに対しては非常に不幸なことになるわけですけれども、三多摩だけについて見ると、多分あれをしないと非常に行き詰まるというふうな行政側の非常に危機感があってああいう形で動いているんだと思います。
 いずれにしても、結果でいえばああいうことをやるということは非常に不幸なことで、ああいう結果につなげてしまったプロセスが非常に問題だと思うのです。
 あと一点は、やはりもう本当に情報開示して、すべてオープンな形で処分場の議論はせざるを得ないと思います。それでいいんだと思うんです。現実に私たちコンサルをやっていても、もうそういうものじゃないと逆にいえば対応できなくなってきていて、そうしますと、かなりある部分で問題点が集約されてくる。現実的には今の上流対策の議論ができないと非常に難しいんですけれども、個々の議論でいえば、それなりの協定とかいろんなことで、公害防止協定もありましたし、今の地域協定という形でできる部分もあるわけですけれども、それが一点。
 あと、計画プロセスをどこで開示できるか、これがまた非常に難しい実情にあるんです。実際に処分場計画をつくっていくということで、ある程度のところまでにならないと技術的な体系が出てこない。その前にいろんな話を出してしまうと、一般論として反対という議論をされてしまうというふうなことで、現実的には、そういうことを踏まえながらも、やはりきちっとした処分場というのをつくっていくということについての方法論があるのかどうかは探らざるを得ないというふうに思っています。
○大渕絹子君 大変難しい問題だと思います。ありがとうございました。
 もう一点、経済的措置で環境税導入というようなことが国会でも取りざたをされていますけれども、青山参考人は、その点、経済的措置の観点からの効力について、少し短目に、どうでしょうか。
○参考人(青山俊介君) 環境税を何を対象にやるかということでいえば、エネルギー分野は僕は環境税の対象と十分なり得ると思うんです。ただ、廃棄物の観点でいうと、環境税というのは、要はみんなが何か負担しなくちゃならないものの財源を手当てしようということですけれども、廃棄物の循環、資源循環というのは、実は産業界の負担で十分できる。それは当然それを利用する人も消費者も負担しなくちゃいけないんですけれども、むしろ環境税というふうなものよりも個別にきちっとした負担体系をつくる方がまともだと思います。
 ただ、エネルギーの場合にはかなり環境税というのは有効だし、自然的な保護とかそういうことに関してはそういうものの財源が必要かなというふうに思っています。
○大渕絹子君 本谷参考人にお伺いをいたします。
 きょうの参考人の意見を聞いておりまして大変納得をしたわけですけれども、食糧に含まれる窒素や燐などの無機塩類を産出国や地域に還流する方法を真剣に考えなければならないということをおっしゃってくださいました。
 参考人の考えておられる仕組みというようなものがあるのでしたらお教えをいただきたいなというふうに思っております。
○参考人(本谷勲君) まだ漠然としておりますけれども、私は、いわゆる農産物廃棄物といいますか、生ごみ、それの分別をやっぱり進めなきゃいけないと。ただ業務用の、例えばスーパーの賞味期限切れとか大型の食堂などはもう既にそれに近いことをやっておりますけれども、問題は家庭系のゴミが全部一緒になっていることが問題だろうと思います。しかし、分別を進めますと、それぞれに資源化の道が従来の技術でもあり得るというふうに考えております。
 問題は心理的な抵抗なんです。実は紙の分別をやるころにも、分別を言い出しますと、要らなくなったものをなぜ分別するのかと目をむいて怒る識者もいたくらいでして、やはり時代の動きとともにだんだん廃棄物に対する分別の必要性は浸透しているものと私は見ております。
 分別さえすれば、それぞれのものの有効利用の道は、時間が短いから具体的には申し上げられませんけれども、あるというふうに考えております。
○大渕絹子君 大変ありがとうございました。
 これからの審議に役立てていきたいと思っております。どうもありがとうございました。
○委員長(石渡清元君) 以上で参考人に対する質疑は終わりました。
 参考人の方々に一言御礼申し上げます。
 本日は、大変お忙しいところ、長時間にわたりまして有益な御意見を開陳いただきまして、本当にありがとうございました。委員会を代表して一言御礼を申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(石渡清元君) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎でございます。
 国民福祉委員会の方も審議がなされるということで、かけ持ちのような形になってしまいまして、本当にお忙しいところ、ありがとうございました。最初に、廃棄物の定義ということでお聞きしたいと思います。
 この廃棄物処理法は、廃棄物の適正処理を具体的に実施するための基本となる法律でございまして、各種リサイクル法との間で、谷間がなくて、漏れ落ち、不適正処理を招くことがないようにしなければならないというふうに思います。ついては、廃棄物の定義、一般廃棄物と産業廃棄物との区分の見直しを行うべきだというふうに考えます。
 といいますのも、例えば産業廃棄物、豊島の問題です。これなどは、自称有価物ということで随分廃タイヤが山積みされた。多分六十トンぐらいその量があるのではないかというふうに思いますけれども、こういう問題についても全然だめですし、あるいはまたパチンコ台、これが一般廃棄物というふうになっているんですけれども、それらの問題につきましてもなかなか進まないというような問題もございました。
 ぜひともこの定義について見直しを行うべきだというふうに考えております。この点に関してお伺いしたいと思います。
○政務次官(大野由利子君) 環境問題に大変熱心に取り組んでこられました岡崎委員に敬意を表しているのでございます。今御指摘の廃棄物の定義についてもいろいろ御議論があるところでございます。
 現在の廃棄物処理法では、廃棄物を汚物または不要物、このように定義づけまして、占有者が有償で売却できるかどうかということを基準にして各種の規制措置を講じておりますし、また廃棄物に該当するか否かは占有者の意思、その性状等を総合的に勘案いたしまして実態に即して判断をする、このようにしているところでございます。
 廃棄物の定義や区分について、例えばリサイクルできるかできないかとか、またリサイクルすべきものとそれ以外の廃棄物、こういうふうに分けるべきではないかとか、また廃棄物をその有害性に応じて区分すべきじゃないかとか、さまざまな御議論があるところでございます。
 ただ、リサイクルをすると称して不法投棄をするというようなこともなかなか避けられないというような難しい問題があるということもございますし、リサイクルをしっかりと推進する一方で廃棄物の適正処理の確保も必要なことでございますので、さまざまな御意見を踏まえながらこの定義の問題については今後しっかり検討を進めてまいりたい、このように思っております。
 また、有価物と称した自動車の廃タイヤに関しましては、廃棄物処理法上の廃棄物に該当するかどうかにつきまして適用が不明確だ、こういう御意見もございますので、その適用を明確にするために早急にしっかりその判断基準を取りまとめてまいりたい、このように思っております。
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
 先ほどの参考人の御意見の中にも上流対策をしっかりしなければいけないという話もございましたが、廃棄物の処理に当たりまして、物をつくる段階、製造、そして輸入、流通の段階でも規制が重要だというふうに思います。廃棄物処理法において、この点についてはどのように取り組むおつもりでしょうか。
 それから、廃棄物処理法では排出抑制、再使用、再利用、適正処理という優先順位が明記されておりませんが、厚生省として優先順位についてはどういう認識でいらっしゃいますでしょうか、これは厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 廃棄物に対します取り組みといたしましては、廃棄物の減量化と適正処理をあわせて進めていくということが必要なことであることは言うまでもありません。このため、委員御指摘のような製造、流通段階におきます事業者の取り組みが大変重要である、このように考えておる次第でございます。
 今回の廃棄物処理法の改正案におきましては、国の基本方針など、廃棄物の減量化などをまず計画的に進めるための仕組みとして盛り込んだところでございますが、さらに製造過程におきます減量化の推進を目的とする再生資源利用促進法などのほかのリサイクル関連法案とも相まって効果的な施策の推進を図ってまいりたい、こう考えている次第でございます。
 廃棄物処理法には、今委員御指摘のように、排出抑制、再使用、再利用、適正処理についての優先順位を法律上明記してございませんけれども、この優先順位に従いまして、まず廃棄物の減量化を進めるということとしながらも、私どもといたしましては、現に処理をしなければならない廃棄物について適正に処理する体制を充実していかなければならない、このように考えている次第でございます。
○岡崎トミ子君 再使用というのを優先させるためにもデポジット制度、これをぜひ積極的に活用していただきたいというふうに考えております。
 まず、容器包装リサイクル法でデポジット制度、これは否定しておりません。ワンウエーの容器であればその回収は自治体が行いますから、これはコスト面でリターナブル瓶が非常に不利になるという問題が指摘されておりますけれども、この容器包装リサイクル法は画期的な法律だったというふうに思うんです。しかし、ペットボトルとのミスマッチなどの問題も生じております。ペットボトルは山積みにされておりますので、この点については消費者の皆さん、NGOの皆さんはぜひこれをやってほしいんだということで言っておりますし、社会的合意という意味でも私は必要な対応ではないかというふうに思っております。
 この機会にこの点の問題点を整理するつもりがないか。今だというふうに思うんです。あと五年変わらないというのでは非常に困ると思いますので、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○政務次官(大野由利子君) デポジット制度の導入とかリターナブル瓶の拡大は、御指摘のとおり、再使用を進めていく上で、ごみの減量化の上で大変大切な取り組みである、このように考えております。また、ペットボトルのミスマッチ、なかなかリサイクルが追いついていないという、こういう現状がございますが、こうした事態が解消できるようにというような意味での万全の対応をしっかりとっていくことが必要である、このように認識しております。
 一方、こうしたデポジットとかリターナブル瓶の拡大というのは、小売業者とか、また製造メーカー、飲料メーカーの関係者、それからさらには消費者の理解と協力が不可欠である、そういう意味での皆さんの御協力を得られるような世論の盛り上がり、こういうものも必要であろう、このように思っております。
 平成九年から施行されました容器包装リサイクル法は今年度から完全施行されておりますが、自治体の実施状況についてしっかり検証するとともに、検討すべき課題についてはしっかり検討し、整理し、今後とも、社会的な合意形成を図りながら、委員が御指摘のようにリサイクルが社会に定着したシステムになるようにしっかり取り組んでまいりたい、このように思っております。
○岡崎トミ子君 次に、改正されなかった事項の中で有害物質対策の不徹底というのがあります。PRTR法も制定されまして有害物質対策が進められようとしておりますけれども、特別管理廃棄物の指定が進んでいないんです。今後どのように追加していくのか、それからバーゼル条約との整合性の意味でもぜひ確保すべきだというふうに思いますけれども、この点についていかがでしょうか。
○政務次官(大野由利子君) 特別管理廃棄物の指定につきましては、平成七年にジクロロメタン、四塩化炭素等の化学物質を基準を超えて含みます汚泥とか廃酸とか廃アルカリ等を追加したところでございます。また、ことし一月には、ダイオキシン類対策特別措置法が施行されたのに伴いまして、廃棄物焼却施設から排出されます焼却灰とかばいじんのうち一定量以上のダイオキシン類を含むものを特別管理廃棄物に追加したところでございます。今後とも、勧告基準の策定状況、また化学物質の使用、排出の実態を踏まえながら、特別管理廃棄物の追加について積極的に検討をしてまいります。
 また、バーゼル条約との関係性について御質問がございましたけれども、バーゼル条約は国境を越えて移動する廃棄物について規制をしているものでございますので、我が国におきましては、このバーゼル条約に対応するものとしてバーゼル法、正式には特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律によって担保しているところでございます。廃棄物処理法の特別管理廃棄物の追加の検討を行う場合は、バーゼル条約に基づく有害廃棄物の範囲をしっかり考慮しながら検討してまいりたい、このように思います。
○岡崎トミ子君 山のような注射針も入った、薬も入った、病院からいろいろ出されたものも入った、それを海外に持っていったということで大きな問題にもなっておりましたし、そのバーゼル条約とのことに関しては、ぜひとも整合性を確保する意味でもきちんと進めていただかなければならないというふうに思っております。そういう批判も高まっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それで、もう少し心配なのは、ごくわずかなPCB、これも非常に危険でありますし、本当に少しずつ私たち人間にも害を与えるものだという、それをどんどん捨てておりますね。それから、医療廃棄物の問題などでも注射針というのが出ている。一般のごみの中に万が一そういうことがあってはならないし、医療現場で働いていらっしゃる方々にとっては、注射針というのは、労働の安全性の問題でも大変だというふうに思っておりまして、医療系廃棄物の規制の強化というものも、今回は入っていないんですけれども、ぜひしていかなければならない問題だというふうに思いますけれども、ぜひとも大野政務次官の御意見をお聞かせいただきたいというふうに思うんです。
○政務次官(大野由利子君) 委員の御指摘を踏まえながら、しっかりまた取り組んでまいりたいと思います。
○岡崎トミ子君 次に、廃棄物処理センター、情報公開等についてお伺いしたいと思います。
 今回の廃棄物処理法の改正で公的関与がよりやりやすくなりました。公的関与の処理施設であっても住民の不信感というか不安感というものがあるんです。このところ警察の不祥事というものがずっと続いたりなんかもいたしましたけれども、そういうところで、公がやっても信用がない状況、信頼を失っているというものもあります。したがって、それででも立地が進まないと私は考えるんですけれども、住民の不信感を解消するためには徹底した情報公開が求められると思います。
 この廃棄物処理法では、制度改正のことについてぜひとも進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。廃棄物処理施設というのは全部オープンにする、情報公開をしていくんだという点についてお伺いしたいと思います。
○政務次官(大野由利子君) 廃棄物処理に関します情報公開につきましては、委員が御指摘のように、住民の皆さんの理解を得るためには大変重要な要素である、このように認識をしております。
 そして、平成九年の廃棄物処理法の改正によりまして、生活環境影響調査、アセスの実施、それから申請書等の周辺住民への告示、縦覧等によりまして廃棄物処理施設の設置手続を透明化するとともに、焼却施設等の維持管理状況の記録閲覧制度を創設したところでございまして、この情報開示の制度は今既に整っている、こういう状況でございます。
 しかし、一方、大変悪質な不法投棄が増加しておりまして、廃棄物処理に関する住民の皆さんの不安感も大変高まっている、こういう状況です。民間によります産業廃棄物処理施設の設置が大変困難になっているという状況もあって、今回の改正法案におきまして公共関与によります処理施設の設置促進を図ることとしています。また、これら公共関与による処理施設設置に当たりまして、住民の信頼を得ながら設置し管理していくことが求められるものでございますので、廃棄物処理法に基づく情報開示制度だけではなくて、さらに排ガスや排水のデータを積極的に住民に公表するなど、情報公開をしっかり進めるように、努めるように指導を強化してまいりたいと思います。
○岡崎トミ子君 その情報公開と同時に住民参加を強化するということが大事だと思います。そのときの地域住民の皆さんとの間でのきちんとした有効な手法として、例えば環境保全協定のようなもの、これをぜひ締結させることを検討していただきたい。これは非常に効果的ではないかというふうに思うんです。
 これは、都道府県や市町村が厚生省をバックアップしていく、個別の事情に対しては個別の対応をきちんとしていくというような意味でも、地域の中での環境保全協定をぜひとも厚生省でお考えいただきたいというふうに思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政務次官(大野由利子君) 廃棄物処理施設にかかわります周辺住民と施設の設置者との間で生活環境の保全に係る協定を締結するようなきめの細かい情報公開や住民参加を促進するということは、委員が御指摘のように大変重要な問題でございますし、廃棄物の適正な処理の推進に役立つだけではなくて、住民の皆さんの不安を解消する上でもぜひこれは進めていく問題であろう、このように思っております。
 厚生省としても、今後の廃棄物処理施設の整備に当たりまして、このような設置者によります自主的かつ積極的な取り組みが進められることを期待して進めてまいりたい、このように思っております。
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。ぜひ進めていただきたいと思います。地域住民の不信感、不安感を取り除く意味で大変すばらしい効果を発揮するだろうというふうに思います。
   〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
 次に、不法投棄、マニフェストについてお伺いしたいと思います。
 このマニフェストを最終処分まで広げたことは評価をいたしております。この不適正なマニフェストの使用が残念ながら横行しているというところが問題だというふうに思います。偽造に対する罰則というのはありますけれども、この点どのような取り締まりを行うおつもりか。私は、警察との連携がしっかりしていないと不適正なマニフェスト使用というのは取り締まることができないのではないかというふうに思いますが、ぜひこの点についてお答えをいただきたいと思います。
○政務次官(大野由利子君) 今回の改正におきまして、処理業者によります虚偽の記載に対しまして罰則を創設する等、マニフェストの違反行為に対する措置命令や罰則を大幅に強化したところでございます。
 これによりまして不適正なマニフェストの防止は大きく前進するものと考えておりますし、厚生省といたしましても、警察庁などの関係省庁と密接な連携を図ることによりましてさらに実効が上がるよう努めてまいりたい、このように思います。
○岡崎トミ子君 次に、マニフェストの適正化のために電子化、これは努力義務だったわけなんですけれども、これをさらに進める必要があると考えますけれども、この電子化の進捗状況は今どうなっておりますでしょうか。
○政務次官(大野由利子君) このマニフェストの電子化の利用状況についてでございますが、平成十一年十一月末時点で、排出事業者及び産業廃棄物処理業者を合わせた登録事業者数は六百十三でございます。電子マニフェストを利用することによる利点として、事務手続の簡素化とか廃棄物の管理の徹底が図られることになりますので、今後とも電子マニフェストの普及啓発にはしっかり努めてまいりたい。
 ただ、いろいろ設備投資等々もございますので、廃棄物処理業者なり排出事業者の全業者に直ちにというのはなかなか難しいものもございますので、これからこの普及啓発にはしっかり努力をしてまいりたい、このように思っております。
○岡崎トミ子君 それから、マニフェストを利用した廃棄物の情報公開、これは非常に大事だというふうに思います。
 これまでも処分場のことに関しては、市民の皆さんたちの監視に助けられた部分、市民の皆さんたちが本当にいろんな意味で摘発を行ってきた部分というのがありますけれども、この市民の皆さんによる監視を強化するということも不法投棄対策になるというふうに考えます。
 マニフェストの情報公開について具体的に検討していただく、一般的監視体制を充実させる、立入検査というのも有効だろうと思いますし、監視員を充実させる、こういうこともすごく重要になってきますけれども、この点についてはどうでしょうか。
 市民団体、これまで経験された皆さん方のお話でも、やはりこの点については不法投棄対策として大変重要なんじゃないかということでございますので、ぜひともお願いいたします。見張られること、これは結構有効だと思いますので、よろしくお願いいたします。
○政務次官(大野由利子君) 御指摘のとおりだと思います。
 マニフェストは、事業者の営業のある面では情報のすべてが入っているものですから、そのまますべてを公開できるということはなかなか難しい面もあろうかと思うんです。しかし、どういうことが公開できるかというふうなことを含めまして今後の課題として検討をしてまいりたい、このように思っております。
 それから、市民による監視につきましては、大変重要なことでもございますし、本年度予算においても都道府県とか保健所設置市がボランティアを活用いたしました不法投棄連絡監視員の設置を行ったり、また不法投棄一一〇番の保健所等への設置を行ったりすること等の事業に対しまして補助を行うようにしているところです。
 今後とも、都道府県によります不法投棄の監視体制を強化するため、万全を期してまいりたいと思っております。
○岡崎トミ子君 私ども民主党の中でも、省資源及び廃棄物管理法案ということで政策大綱を出しまして、今パブリックコメントにかけて市民の皆さんたちの御意見をいただいているんですが、その政策の一つでもありますのが埋立税なんです。
 従量税の焼却税、それから埋立税というのを検討して導入すべきだということを行っているわけなんですけれども、埋立税導入の動き、実は三重県と鳥取県では既にこの導入の動きがございます。ヨーロッパ各国でも埋立税を導入して、殊にドイツでは埋めないようにする、リサイクルしましょうよということを進めているわけなんですけれども、最終処分量を経済的手法によって削減しようとするためにはこれが大事だというふうに思います。
 三重県の例ですと、環境に負荷を与える産業廃棄物の埋め立てに対して課税する、その税収をリサイクルの推進とごみの減量化の推進、そして環境対策に使っていくということ、それから企業の経済活動を廃棄物発生抑制とリサイクルに向かわせる、そのインセンティブとして大変重要だということで、この概要というものが発表されているわけです。
 ぜひともこの点に関しまして厚生省での御検討をいただきたいというふうに思いますけれども、この埋立税について、まず評価をどんなふうにしていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) 廃棄物埋立税についてのお話でございますけれども、本年四月一日に施行されました改正地方税法によりまして、法定外目的税という枠組みが新設されたわけでございます。この法定外目的税といたしまして、廃棄物の減量化、リサイクルを進めるための努力の一つとして、今御指摘のように三重県などにおいて導入に向けた研究が行われているというふうに聞いております。
 これは、地方税ということではございますけれども、厚生省としても、廃棄物のリサイクルを進めて、また最終処分量を削減することは極めて重要な課題というふうに認識しておるところでございまして、廃棄物の減量化、リサイクルを推進するとともに、中長期的な課題ということになるかと思いますが、このような廃棄物埋立税も含めた経済的手法による最終処分量の削減につきまして必要な研究を進めてまいりたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 研究課題としてぜひお進めいただきたいと思います。
 次に、多量排出事業者の責任ということでお伺いしたいと思いますが、今回の改正では多量排出事業者が計画を策定することになっております。一方で、都道府県が廃棄物処理計画を策定するということになっているんですが、この三つの関係について、多量排出事業者の計画、市町村の一般廃棄物処理計画、それに都道府県の廃棄物処理計画、この計画がどういうふうに整理されていくのかが私には全然わかりません。
 例えば、都道府県の方が全体の廃棄物を千トンというふうに示したときに、多量排出事業者の方が千二百トンとなった場合に、この二百トンの量を減らすということが大変かぎになってくると思うので、ここの対策というのは大変必要な問題ではないかというふうに思います。
 ぜひとも、都道府県の廃棄物処理計画と多量排出事業者の計画との間でそごが生じた場合にはどういうような調整がなされるのか、整合性がなければならないと思いますので、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 廃棄物の適正処理を確保した上でいわゆる循環型社会というものを実現していくためには、これは言うまでもないことですけれども、国、都道府県、排出事業者、市町村等の関係者が一致協力して廃棄物の減量化に計画的に取り組むということが必要なわけでございます。
 このために、今回の法改正では、国が基本方針を策定いたしまして、この国の基本方針に基づき都道府県が都道府県全体の廃棄物の減量等に関する計画を策定するというふうにしておりますし、また、都道府県の計画を実現するという観点から、産業廃棄物の多量排出事業者に対しまして、みずからが排出する産業廃棄物の減量等に関する計画の策定を義務づけ、またその計画及び実施状況について公表するというふうにしているところでございます。
   〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
 多量排出事業者の処理計画と都道府県の廃棄物処理計画とがどういう関係になっているかということでございますけれども、事業者の処理計画の策定と公表ということによりまして事業者による自主的な減量等の取り組みが促進されることを期待しているわけでございます。都道府県がまた事業者の取り組みを踏まえまして廃棄物処理計画を策定することにより、双方の計画に基づく取り組みが相まって産業廃棄物の減量化あるいは適正処理が推進されるというふうなことを期待しているわけでございます。
 また、実際に事業者の処理計画の数字と都道府県の数字とが違う、整合性が必ずしもとれない場合というふうなお尋ねがございました。
 厚生省としては、基本的に整合性がとれた計画になることが望ましいのは言うまでもないことでございますけれども、事業者の取り組みについて数字が公表されますので、その取り組み状況について都道府県が適切に指導して減量化をさらに一層進めさせるというふうな指導ができるという余地を与えることになると思います。そういう都道府県から事業者への働きかけということを通じて事業者の計画がより適正なものになるようにできればというふうに考えているわけでございます。
 それから、市町村の一般廃棄物処理計画と都道府県の廃棄物処理計画との関係でございますけれども、一般廃棄物の減量等に関しましても、都道府県の廃棄物処理計画の中に位置づけることによりまして、一般廃棄物処理計画に基づく各市町村の減量等の取り組みと相まって一般廃棄物の減量の適正処理が推進されるというふうに考えてこのような枠組みを設けたものでございます。
○岡崎トミ子君 わかりました。
 次に、荏原製作所藤沢工場のダイオキシン流出問題についてお伺いしたいと思います。
 五月十二日の第三回引地川水系ダイオキシン汚染事件対策連絡調整会議の資料において、汚染原因は廃棄物処理施設のスクラバー排水というふうにされました。しかし、廃棄物処理施設の運転がとめられた後でも幹線流入部のダイオキシン濃度は二百十ピコグラムありまして、環境基準の二百十倍という高い数字が検出されました。
 スクラバー排水以外の原因も考えられるというふうに思いますけれども、この点について厚生省、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) ただいま御指摘のように、第三回の引地川水系ダイオキシン汚染事件対策連絡調整会議の資料によりますと、廃棄物焼却施設の運転がとめられた後の三月三十一日のサンプリングでございますけれども、そのサンプリングデータから稲荷雨水幹線流入部の排水の中から二百十ピコグラム・パー・リッターのダイオキシンが検出されたということでございます。
 神奈川県によりますと、この原因につきましては、主に雨水幹線のダイオキシン堆積物、土砂等でございますけれども、こうしたものが雨水により流出してこのような値が出たというふうに推測しているということでございますけれども、同時に、スクラバー排水以外にも化学分析棟であるとか総合研究所であるとか、あるいはガス化溶融炉等が汚染源となっている可能性もあるというふうに言っているところでございます。ただ、量的には雨水流出というふうなことが主な原因ではないかというふうに指摘しているところでございます。
 また、この後、四月十四日から五月六日にかけまして、工場内と雨水幹線の洗浄が実施されたわけでございまして、洗浄後の調査をすれば今の推計を確認できるわけでございますが、その確認のための調査を現在県において計画中であるというふうに聞いております。
○岡崎トミ子君 スクラバー排水はバグフィルターを通った後、そこの排気に対してかけられた水なんですね。そうすると、バグフィルターの性能自体に問題はなかったのかなというふうに思います。ぐるぐる回って濃縮されていくというのがダイオキシンでありますから、ぜひこの辺は厚生省で今後とも調べていってほしいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。この性能自体に問題はなかったんでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) スクラバー排水から御指摘のように高い濃度のダイオキシン類が検出されたわけでございますけれども、この原因につきましては、一つの可能性としてはスクラバーの機能とかいうこともあるかと思います。あるいは、その使い方というような条件の問題もあるかと思いますが、いずれにしても現在、バグフィルターの能力も含めて、施設全体に関しまして神奈川県で調査を行っているところでございまして、この調査につきましては厚生省も密接に連絡をとって必要な助言等をしてまいりたいと思います。
○岡崎トミ子君 その点、よろしくお願いをいたします。
 次に、今回の法案は、不法投棄や意図的な不適正な処理への対策強化が盛り込んでありますけれども、実効性を発揮するということを私は期待したいというふうに思っております。
 現場での対策としまして、住民が不適正な処理をしている業者、あるいは不法投棄の現場を見つけて何とかしたいというふうに考えた場合、その思いが通じる仕組みづくりも必要だというふうに思っておりますが、現状では、せっかくそういう住民が現場を見つけて行政に相談に行きましてもなかなかこたえてくれないということの声を聞いております。そうしたことでは不信が募るだけというふうに思いますので、許可の取り消しあるいは原状回復請求、これを直接行えるような法整備を行うべきではないかというふうに考えてまいりました。
 提案もあるようですけれども、この許可の取り消しあるいは原状回復請求もできるんだというような、こういう問題については厚生省の中でのお考えは現時点ではどうでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) 今回の法改正におきましては、廃棄物の適正処理体制の整備、排出事業者責任の徹底のための規制強化などを盛り込んでいるところでございます。
 しかし、こうした規制措置というものを実効あらしめるためには、御指摘のように、何よりも実際にそれを監督いたします都道府県がしっかり対応するということが必要でございます。
 不法投棄等が起きた場合のまず対応でございますけれども、これは現時点では、残念ながら都道府県、政令市で行政機構が違いますので多少仕組みも違うということでございますけれども、基本的には保健所等の都道府県の出先機関あるいは警察が住民等の通報を受ける窓口になっておりまして、こういうところに話を持っていけば必要な措置を求めることができるというふうに考えております。
 また、地域住民にとってみますと、廃棄物の不法投棄が行われた場合に、その対応が行政機関によって迅速に行われることが望ましいということは言うまでもないことでございまして、厚生省といたしましても、今年度予算におきまして、都道府県や保健所設置市がボランティアを活用した不法投棄連絡監視員の設置を行ったり、あるいは不法投棄一一〇番の保健所等への設置を行ったりすることにつきまして補助による支援を行うようにしたところでございます。
○岡崎トミ子君 民主党では、廃棄物処理法と再生資源利用促進法を統合しました管理法案を準備して、先ほどもパブリックコメントにかけているというお話をいたしましたけれども、現在多くの反応を得ているところなんですが、現行法の産業廃棄物と事業系の一般廃棄物を一くくりにした事業系廃棄物について無過失責任を措置することを盛り込んでいるわけなんです。
 例えば、不法投棄については排出者に無過失責任を課すという考え方についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 不法投棄対策としては、平成九年の法改正など、これまでの廃棄物処理法の何回かにわたる改正によりまして規制強化を行ってきたわけでございますが、残念ながら悪質な不法投棄が後を絶たない状況でございまして大変御批判を浴びている状況だというふうに認識しております。
 現行法におきまして、排出事業者は産業廃棄物を適正に処理する責任を今一般的には有しているというふうにしておりますけれども、中間処理後に不法投棄が行われた場合には、その事業者が措置命令の対象とされることがなく、最終的には公費負担によって原状回復を行わざるを得ないというふうな状況になっているわけでございまして、事業者の責任のあり方が問われている、同時に、その地域住民が産廃処理に対する不信感、不安感を抱く一つの原因になっているというふうに認識しております。
 今先生から御指摘がありましたように、排出事業者責任の強化というのは言うまでもなくしなければいけないというふうに考えておりますけれども、過失の有無にかかわらず排出事業者にすべての責任をかけるということにつきましては、予見不可能な責任という面もございますし、事業者の経済活動が著しくこれによって不当に制約されるというようなこともありますので、今の時点でこうした無過失の場合でも排出事業者に責任をかけるということを適当というふうには考えてはおりません。
 ただ、従来ですと排出事業者の責任というのはかなり限定的であったわけですけれども、今回の改正によりまして排出事業者責任を拡大してより明確にするというふうな措置をしておりまして、具体的には、事業者が産業廃棄物の発生から最終処分に至るまでの一連の過程において処理が適切に行われるために必要な措置を講じるというふうな注意義務を設けて、その注意義務に違反した場合で中間処理後に不法投棄が行われた場合では事業者を措置命令の対象にするというふうなところで、従来の事業者の責任という範囲に比べますとかなり大幅に事業者責任を拡大して強化したというふうに考えております。
 こういう形で、一つの時代の状況というようなことも背景にあるかと思いますけれども、今の段階ではこうした形まで持ってこられたということでございまして、さらに関係者間の合意が進めばもう少し事業者責任を強化するということは可能かもしれませんが、いずれにしても、法律上ここまでの責任というふうに決めたところを事業者にはっきりさせるということが必要だと思いますので、そういう考え方によってここまではやらなきゃならないというものを事業者責任としてきっちり定めていきたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 次に、住民参加のあり方についてお伺いしたいと思います。
 循環型社会をつくるためにも日本に住んでいる国民の皆さんは、日々の生活の中でいろんなことをライフスタイルの中で変革していかなければいけない、住民参加というのは不可欠だというふうに思いますが、この住民参加、市民参加のあり方については行政分野でも議論されております。基本的な考え方についてまずお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 平成九年の法改正におきましても、廃棄物処理施設の設置の状況あるいは運転の状況につきまして資料を整えてそれを閲覧できるような措置を講じたわけでございます。
 いずれにしても、現在社会的にいろいろ批判を浴びています産廃処理というのは、秘密裏に行われているというような批判が特に多いわけでございまして、やはりガラス張りにして、どういう施設でどういう処理をしているか、どういうものを受け入れているかということを公開していくことがやっぱり住民の理解、支援を受けるためには必要なことだというふうに考えております。
 法律上はここまでというふうに、これもすべてをということではないんですが、できるだけ事業者がそうした住民の意向にこたえられるような情報が提供できるように、これは都道府県を通じて強く指導していきたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 それでは、市民の皆さんたちが蓄積されてきましたさまざまな試み、経験をぜひとも事例の収集、こんなふうになっているということをしていただいて、そして公表して、それがまた国民の中で市民参加、住民参加という形でできるような、そういうふうな情報をいただいて、さらに公表を行っていくというようなことに関してはいかがでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) 九年の改正におきまして、廃棄物処理施設の設置に当たっては住民を含めた利害関係者の意見を聴取するというふうな規定が設けられているわけでございまして、意見を聴取するためには、その前提として当然その情報が知らしめられていなければいけないわけでございます。
 そういう意味では、まず情報の公開というものが必要不可欠でございまして、その情報に基づきまして関係者が意見を申し述べ、その関係者間で意見の調整をする、あるいは行政機関が専門家の意見を聞いてそれを調整するというふうなメカニズムが一応用意されているわけでございます。
 そうした機能、まだ時間が必ずしも経過しておりませんので成果が必ずしもあらわれているというふうには言えないのかもしれませんけれども、そうした枠組みがございますので、その枠組みを積極的に活用いたしまして、住民の意思の反映、関係者の意思の反映というものをできるようにしてまいりたいと思います。
○岡崎トミ子君 このごろ行政は、市民の皆さんの御意見をというふうになりますと、パブリックコメントをかけておりますのでというふうに簡単なことで答えが出てしまう傾向がありましたけれども、ぜひとも、その御意見を伺う、そして直接またそれを具体的に生かしていくという意味でも、市民に返していただくという意味でも、情報をさらに公表して活用していくということは大事だろうというふうに思います。
 それでは最後に、廃棄物に関する統計という問題で、これは改正されなかった事項なんですけれども、データというふうになりますと統計、これは大体三年おくれぐらいで出てくることが非常に多いんですね。そして、廃棄物の統計とリサイクルの統計とでは全然違っているというような面などもございますので、それはもう本当にすぐの問題として、統計が非常に不十分なのではないかということに対して、改正されなかった事項として、前向きのお考えがおありになるかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 廃棄物の統計自体、先生よくイメージしていただけるとおわかりだと思うんですが、ごちゃごちゃのいろんなものが出てまいりまして、どういうものが正確に何トン出てきているというのがなかなかわかりにくい状況になっております。実際にいろんな形で推計したデータとか実測したデータを含めて統計をとっているものですから、かなりその集計には時間がかかりまして、御指摘のように、今の時点ですと、三年前ぐらいの年度のものが最新データだというふうな状況になっています。
 しかし、行政を行う上でも新しい情報に基づいてしっかりと施策を検討していかなきゃならないというふうに考えておりますし、これは私どもだけが頑張って早くできるわけではないんですが、都道府県とか事業者の協力も得まして、今私どもとして大体一年半ぐらいをめどに、従来から見れば半分近く短縮するということでございますけれども、できるだけ早くデータを集めて整理をして公表したいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 最後に、大臣にもう一度お伺いしたいと思います。
 今回は、この法改正によりまして国の基本方針、都道府県の計画をつくることが決まった、都道府県が行う産業廃棄物の処理についても公的な関係を拡大することがみずからできるようになった、多量排出事業者の処理計画が策定される、廃棄物処理センター制度の見直しができる、廃棄物の適正処理のための規制が強化された、廃棄物の焼却の抑制とか罰則の強化とかいろいろと充実した私は法律になったのではないかというふうに思いますけれども、大臣の御決意を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の法改正を通じまして、廃棄物の適正な処理体制というものをまず整備しなければならない。そして同時に、先ほどから御指摘がございましたような排出事業者責任の徹底のための規制強化、こういうものを盛り込んでおるところでございます。要は、やはりそれぞれの都道府県において今回の趣旨というものを十分に御理解いただいて、そしてそれに即して適切な制度の運用を図るということが何よりも大切なことではないか、こう考えている次第でございます。
 厚生省といたしましては、こうした改正の内容というものが十分に徹底されますように、都道府県に対しまして指導監督をすることは言うまでもありませんけれども、本年度の予算におきまして不法投棄一一〇番であるとか不法投棄連絡監視員の設置につきまして補助を行う、こういうことを行っておるわけでございます。こういうことを通じまして、いずれにいたしましても住民の皆さん方の不安や不満というものを解消するように努めていきたい、このように考えている次第でございます。
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
○岩佐恵美君 今度の法改正では、廃棄物処理センターの指定要件の緩和などによって公共関与による産業廃棄物の処理施設の建設を進めるということになるわけですが、私は、本来、産業廃棄物というのは排出者が責任を負うべきものだと思います。
 なぜ税金を使って産業廃棄物の処理施設を整備しなければいけないのか、その点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の法改正におきましては、御案内のように最終処分場を初めとする産業廃棄物処理施設の大変深刻な不足の問題が起きておるわけでございまして、不法投棄の増加にも対応しなければならない、生活環境を保全するために緊急に対策を措置しなければならない、こういうことでございます。
 これまで民間責任を原則にいたしておりました。そういう中で、必ずしも地方公共団体といった公共の関与というものが十分と言えない結果が出ておるわけでございます。
 この廃棄物センターにいたしましても、これが法改正でスタートしたのは平成三年でございますけれども、実際問題として稼働しておりますのは岩手県などごく限られた地域であるわけでございまして、なかなかこれが使いでが悪いということでございます。不法投棄などの不適正処理が防止できない、そういうことで、先ほど申し上げたような処理センターが進まない、こういうような御指摘が現にあったわけでございます。
 今回の法改正では、こういうことを踏まえまして、都道府県など公共関与によります安心で信頼できる産業廃棄物処理の整備促進を進めていきたい、こう考えているわけでございます。
 委員が御指摘のように、産業廃棄物の処理につきましては排出事業者責任があくまでも原則であるということは変わりありません。公共の関与の施設につきましても、適正な処理費用を排出事業者に負担させるということになっておるわけでございますし、これによりまして排出事業者の責任という原則が変わるというものではないということを御理解賜りたいと思います。
○岩佐恵美君 今お話がありました、いわてクリーンセンターの問題、私は去年の五月にこの委員会で実態を少し議論をいたしましたけれども、いわてクリーンセンターというのは建設費に八十三億円かかっています。産廃は当初目標の半分しか集まらないということで、処理料金の値下げまでしてごみ集めを一生懸命したわけですけれども、なかなか集まらない。全く使用していない繊維製品なども燃やしていた。
 私は、明らかにこれはもう資源循環に反する事態ですねと言ったら、当局の方も、本当にそうなんです、胸が痛みますという話でした。
 しかも、その多額な設備投資がかかっているので事業収入だけでは元利償還金を賄えないんです。年度末に借り入れをして翌日返済するということで決算の帳じりを合わせなければいけないという状況でした。その額が、九六年度では二億円、九七年度では五億円に達して、年々増加している。九七年度では実質三億円の赤字だったんです。年間数千万円の人件費、これはもちろん自治体持ちなんです。
 私は、いずれこういうやり方は破綻するんじゃないかと。自治体に大量のごみを集めさせたり、あるいは資源循環、ごみ減量に逆行する、過大な財政負担を強いる、こういう事態をこの上また全国に広げるというのはやるべきじゃないんじゃないかと。
 産廃というのは事業者の責任で処理すべきというのは、今大臣もそう言われましたけれども、今産廃が全国各地で大変な状況になっているから公共関与で何とかしなければいけないという事態になってしまったその根本原因は何なのか、そう考えざるを得なくなった根本原因は何なのかというと、行政がきちっとそういうお行儀の悪い事態に適切に対応してこなかった、そういうところにあるんです。
 ですから、私は民間の産廃処理施設に対して厳格な指導をやる、これが行政の役割だと思うんです。全部税金でやって、料金は取るけれども、とにかく安心して私たちに処理は任せなさい、そんな体制はとるべきではないのではないか、そういうやり方を広げていくべきではないというふうに思うのですけれども、大臣いかがですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 理想としては委員のおっしゃることも理解できないわけではございませんけれども、現実に各地区におきまして、いわゆる産廃業者の進出をめぐりまして地域住民との間で大変なトラブルが起きておるわけでございます。率直に申し上げて、いわゆる迷惑施設ということでありまして、要するに自分たちのごみはよそのところで処理してほしいとか、こういうようなことがありまして、どちらかというと、適当な言葉かどうかわかりませんけれども、押しつけ合い的なところがあります。それに対して行政というものが、どちらかというと余り積極的に業者と住民との間に立って何か解決策等を見出すということが、ややもするとそういうような姿勢が欠如していたのではないかと。
 そういう中で、この産業廃棄物というものにつきましては、委員の御指摘はあくまでも民間は民間のものでやれ、こういうような御主張のようでございますが、現実にそれがもう既に通用しなくなってきている。そういう中においてさまざまな問題が出てきている、豊島の問題もそうですけれども。こういった問題を行政としても放置できない状態において、今申し上げた岩手なんかの問題につきましてはいわゆるセンターの使いでが非常にやりにくいんだというような話も聞いておるわけでございますし、これをそれぞれの都道府県においてきちんと処理することは、それはもう廃棄物は出さない方がいいに決まっていますけれども、現に廃棄物が出ておるわけでございますので、こういったものを処理するということがまさに私どもの責任であって、これは逃げて通ることができない、こう考えております。
○岩佐恵美君 私が言っていることは理想というふうに言われましたけれども、理想に向かって現実的にどういうふうに対応していくのかということが今とても大事な局面だというふうに思っています。
 それで、豊島の例を言われましたけれども、厚生省はあの問題について、有価物であるということで手がつけられないとずっと放置してきたんですね。それがあのような結果を招いているわけです。
 この間、当委員会で悪臭防止法をめぐりまして、コンクリートの型枠、これを有価物と称して炭をつくっている、そういうことで地域住民が非常に苦しんでいる。何とかならないんですかと問題提起したら、有価物として通用しているので何とも手出しができませんというのが厚生省の態度で、とにかく建設省に対して、建築廃材ですから、これは今度法律もできるわけですからきちっと基準を決めてやってくださいということで、建設省はそういうふうなことで検討するということになりました。
 いずれにしても、やるべきことをやってこないで、それがもとで何とか有害なものを減らしていかなきゃいけない。住民が納得するやり方をどうしていくのかということをなおざりにして、出たものをどうしようかどうしようかということで来ているところに私は最大の今問題があると思うんです。厚生省も、出ちゃったものをどうしようか、廃棄物ならどうしようかということで考えるけれども、有価物と称した場合にはどうしようもできないということで放置されてきているわけですね。そういう問題をしっかりと認識していただきたいというふうに思います。
 それからもう一つ、民間の処分業者という方がいらっしゃるんです。お行儀の悪い人たちがいるために、そっちは安くてどんどん受けるものですから、民間のまじめにやっている人たちも迷惑を受けている、あるいは民間でちゃんとやろうと思っても仕事が来ないというようなこともあるわけです。
 だから、全部が公的関与でやらないと成り立たないという状況ではないんだということもよく見ていただいて、出たものを公共関与でやらなきゃどうしようもない、だから厚生省が乗り出すんだということで済むんだろうかと。私は、出たものを処理するということでまた何か施設をどんどんつくっていくという方向に流れるということを危惧しているわけです。これは私の意見として大臣に申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、改正案というのは、廃棄物処理基準に従わない廃棄物の焼却、いわゆる野焼きを禁止する、刑事罰を科しているわけです。これはようやく直罰になったわけです。来年の四月一日から施行ということになって期待されているわけです。
 私はあちこちの最終処分場を皆さんに言われて回ってきているんですけれども、本当にいいかげんな施設で産廃を焼却している。それも、上手に法の網をくぐって、あるいは保健所が何も言わないような時間を使って、夜中にやったり土日にやったり、とにかくお行儀が悪いんです。
 ですから、廃掃法で改善命令をかけて、従わなければ刑事罰をかけるというふうに今だってやれるわけですから、一時的にやめたり、あるいは改善計画を出す、そういう規制逃れで見逃すということがないように、とにかく今回法改正をするわけですから、今すぐにそういうものを適用していくということが期待されるんじゃないんでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の法改正におきましては、野焼きあるいは野外で廃棄物を焼却した場合につきましては、特定の場合、例えば地域での風俗であるとかを除きまして、委員御案内のようにこれを禁止する、これに違反した場合には三年以下の懲役または三百万円以下の罰金を科すということでございます。
 こういうような新たな罰則を設けるに当たりましては、これはこの問題だけではないわけでございますけれども、その内容を十分に国民の皆さん方に周知徹底するために当然のことながらその期間が必要である、こういうことでございますし、現に今委員が御指摘になったような明らかに逸脱しているような問題とはまた区別して考えるべきであって、そういうものについては今後とも、要するにこの周知期間とは別に、当然明らかに逸脱しているようなものについては私どもが指導していきたい、こう考えておるような次第であります。
○岩佐恵美君 法律改正されるということが決まると周知徹底が図られ、今のうちならやれるよというのでかなり駆け込み的なこともあるわけですから、そういうのは行政指導できっちりとやっていくよう強く要望しておきたいと思います。
 それから、本会議で、政府の大型焼却炉建設路線じゃなくて徹底した減量計画に沿った施設整備計画に改めるべきだというふうに私は質問をいたしました。大臣は、自治体のごみ減量化の取り組みを踏まえた施設整備を指導、支援するというふうに答えられました。百トン未満の中小施設に対する国庫補助、これもやれるようになったのでというお答えでしたけれども、実はこれは広域化計画をきっちりと持っているというところに限る、そういう限定つきなんです。広域化計画をやりたいんだけれども、いろんな事情があってできないという場合があるんです。あるいは、単独ででも一生懸命やろうと思っているんだけれども、やむを得ず単独でやらざるを得ない、そういういろんな事情があります。
 私はそういうことについて柔軟に対応すべきだというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 市町村のごみの焼却施設の整備につきましては、御案内のように、平成十二年度から原則として一日当たり処理能力が百万トン未満の中小の規模の施設につきましても国庫補助の対象にいたしたところでございます。
 そこで、委員がおっしゃっているのは、さまざまな条件があるじゃないか、こういうことでございますが、当然のことながら各市町村の実情というものを十分に私どもは把握しながら、そういう中で対応していきたい、このように考えている次第であります。
○岩佐恵美君 百トン未満にようやく拡大されたというのは、とても私もよかったというふうに思っています、私たちも随分そのことを言ってきましたから。ただ、百トン以上、三百トンという話というのは、その方針がずっと徹底しているんですね。市町村では結構大型炉をつくるということで、もう既に計画が始まってしまっているというような状況があります。
 これは徳島県のある地域ですけれども、十町村が集まって百トンの焼却炉計画を持っているんです。現在この地域では四つの焼却施設で処理しているわけですけれども、ダイオキシン対策、あるいは自治体単独では補助金が出ないということで、百億はかかると言われているそういう炉をつくるということになっているんです。
 私、どのぐらいの排出量なのかと思って計算してみたら、一日五十八トンにしかならないんです。よくよく見てみると、人口一万二千人程度のある町では、九六年には一日千百七十四トンだった可燃ごみが、二〇一八年には二千五百三十四トンと二倍以上に膨れ上がる、そういう想定になっているんです。計画人口の方はほとんど変わらないんです。ところが、計画の前提となるごみの予測量が大幅にふえていく、そういうことになっているんです。
 ごみの排出抑制ということが言われ、基本法が今国会で審議をされていますけれども、そういう流れの中で、一方では巨額の資金あるいはランニングコストがかかる大型施設建設を進める。私はこれはやっぱり時代に逆行しているんじゃないだろうかと。
 そこで、全国的に今施設整備計画が上がってきていると思います。そういうものについて、一つ一つこれは一体本当に適正なのかどうかということを洗い直していく、施設整備計画が過大ではないかどうかということを洗い直していく、そういう地道な作業が必要だというふうに思いますけれども、その点いかがですか。
○政府参考人(岡澤和好君) 焼却炉の大型化あるいは広域化というのは、御指摘のようにダイオキシン対策を行う上で燃焼管理がしやすい、そういう炉を建設する方が適切であるという観点から一度進めたものでございます。しかし、ダイオキシン対策技術というものもかなり進んでまいりまして小さな焼却炉でも適応ができるようになってきたということから、小さな焼却炉であってもダイオキシン対策をちゃんとやれるのであれば補助対象にしようということをしております。
 御指摘のように、一方では廃棄物の減量化、リサイクルの推進ということを指導しているわけでございまして、当然ごみの焼却炉の能力を算定するに当たってもそうしたリサイクルの計画、減量化の計画というものを織り込んで施設整備をするように一般的な指導はしております。
 具体的に申し上げますと、市町村のごみ焼却施設に対する国庫補助に当たりましては、適正なごみ焼却施設の整備規模の算定を標準的な方法として示しております。計画目標年次におけるごみの発生量と処理量については、その排出抑制とか集団回収等の実施ということを織り込んだ上でごみの排出量というものを正確に予測して、それに対応した規模の施設を建設しなさいと。これは当然焼却施設を過大にするのは国費のむだ遣いという面もありますので戒めなきゃいけないですし、一方で我々の行政施策としても、廃棄物の減量化、リサイクルを推進するという上からも、できるだけ規模の小さなものにしていきたいというふうに考えているわけでございます。
 ただ、現実問題として、そこまでチェックが十分行き渡っていないのではないかというふうな御指摘であろうかと思いますので、件数が非常に多くて国で直接ということはなかなか難しいんですが、例えば県でスクリーニングするときにもう少しそういう観点を強めるとか、そういうようなことも含めまして、施設規模の算定につきましてはもう少し丁寧にやっていきたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 大臣、私は全国を回っている中で、例えば三十トンしかごみが出ないけれども立派な百トン炉、当時ですから百トン以上ということだったんでしょう、百トン炉をつくったという、そういう、島でしたけれども、現場に行きました。
 そこは、本当に最新鋭の立派な焼却炉で、もうダイオキシン対策はばっちりです、八百度以上で連続運転ですと言うんです。私も、そうですかと、コントロールルームに入ってちょっと温度を見せてくださいと言って、当然八百度をずっと超えているんだろうと思って見たら、針が六百度に下がっているんです。それで、あら、六百度じゃないですかと言ったら、説明する方が、いや、ちょっと何か変ですね、どうなっているんだとかなんとか言って、ちょっと下がっていますね、ちょっとお待ちください、すぐに上がりますと。すぐに八百度に戻りました、多分よく燃えるものを入れたか油を入れたかだと思うんですけれども。
 事ほどさように、どこでも同じなんです。一日二十四時間稼働している中で、生ごみが多ければ温度は下がっちゃうんです。それは、火力のあるものが入れば上がる。変化するんですよ。だから、私は、八百度以上で二十四時間連続運転だから大丈夫ですという、こういうのは、原発じゃありませんけれども、安全神話だなというふうに思えて仕方がないんです。
 この間も私、別の委員会でも言ったんですけれども、藤沢の荏原製作所、これは焼却炉をつくっているメーカーです。このメーカーが大変高濃度のダイオキシン汚染の水を垂れ流していたという、そういうことで、しかも最新鋭のガス化溶融炉、これからダイオキシンが出ていたということで非常に大きな衝撃が今全国に走っているんです。
 例えば、スラグの水から十五ピコグラム、それから飛灰系排水から九十八ピコグラムのダイオキシンがたまたまはかったときに検出された。それは、たまたま高かったのか、あるいはたまたま低かったのか、よくわかりません。とにかく最終で環境庁がはかった水の調査では三万八千ピコグラムというデータも出ているわけです、もちろん汚水の配管と雨水の配管と取り違えたという部分も含めてあるんですけれども。でも、取り違えた分では一万ですから、三万八千というのはどこからどう流れているのかよくわからないんです。
 いずれにしても、非常になぞの多い、まだ未解明の事件ではありますが、私はこういうガス化溶融炉の安全神話というのはとるべきじゃない、ガス化溶融炉だけじゃありませんけれども、焼却炉に頼ればいいんだというのはとるべきじゃないというふうに思うんですけれども、大臣にちょっと政治的にその考え方を伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 委員の一つの御見解といいますか、御見識と申しますか、そういう考えをお聞かせいただいたわけでございますが、今後、いずれにいたしましても、そういった問題が現に発生しておるようなことがございますならば十分に検討に値することだと、このように考えております。
○岩佐恵美君 それで、厚生省として、荏原製作所のああいう事故があって、どうも排水におけるダイオキシン対策というのが余り念頭になかったというような話もありますので、最新鋭と言われているそういう焼却炉についてもきちっと排水などのチェックをするということをやっていくべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(岡澤和好君) 焼却施設からの排水につきましては、ダイオキシン類対策特別措置法によりまして排出基準が定められておりますので、それによって相当出口は規制されますので、私どもの方としても、焼却施設の運転状況、維持管理の問題等につきましては、そうした基準をクリアできるような構造の施設あるいは維持管理方法というものを指導していきたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 それで、焼却炉で燃せば大丈夫というのが私は安全神話ではないかというふうに思っているんですけれども、もともと有害なものを燃せば有害なガスが出てくるということです。
 実は、東京都が九七年度から九九年度にかけて家庭用焼却炉からのダイオキシン類の排出状況調査をやっています。焼却炉の内容積が八十リットル、火格子面積〇・一三平米、炉内温度が四百から六百度、材木に塩化ビニールを〇・一から五%まぜて焼却した場合、排ガス中のダイオキシン濃度は塩ビの混入率が大きくなるにつれて増加して、一%の混入で二百ナノグラム・パー立米、五%で千ナノグラムと非常に高い値となっているわけです。
 塩ビの焼却がダイオキシン発生のもととなっていることは私はこの東京都の調査から明確だと思うのですが、いかがですか。
○政府参考人(岡澤和好君) 今、東京都の調査結果についてのお話がありましたけれども、塩ビの燃焼がダイオキシンの発生と強い関係があるということについては、これは一つの事実だというふうに思います。
 ただ、一方で、廃棄物中の塩化ビニールとダイオキシンの発生の関係につきましては、ほかのさまざまな調査研究の結果もありまして、例えば厚生省の調査研究でも、廃棄物処理法の構造・維持管理基準に適合した焼却施設において適切な燃焼管理を行った場合に、塩化ビニールを含む廃棄物であってもダイオキシン類の発生を低く抑えられるというふうな結果も出ている。あるいは、適正な燃焼管理が困難な小型焼却炉等において、塩化ビニール以外にも生ごみ中の食塩等によりダイオキシン濃度が高くなるというようなこともございます。
 塩化ビニールがダイオキシン発生の一つの原因であるということはまず間違いないと思いますけれども、それだけではないということも一方ではありますものですから、ダイオキシン対策を考える上で塩ビだけのことを考えるという話にはなかなかならないのかなというふうに考えております。
○岩佐恵美君 大臣、今部長が答弁したように、塩ビについて厚生省はきっちりした態度をとらないんですね。
 この東京都の調査では、焼却物一グラム当たりのダイオキシン発生量を計算すると、他の焼却物に比べて塩化ビニールが圧倒的に高い、一グラム当たり百四十ナノグラムだったというんです。ちなみに、では紙はどうだったかというと〇・〇一七ナノグラムなんです。材木は〇・〇〇一九ナノグラムなんです。だから、塩ビのダイオキシン発生率がいかに高いかということなんです。さらに、紙、枯れ葉などに食塩を〇・二%まぜた場合と食塩を入れない場合、これを比較したところ、どちらも二十から四十ナノグラムで変わらなかったというわけです。こういうデータをはっきり出しているわけです。
 私は、さきに言ったように、安全神話ではいけませんよと。焼却炉というのは、温度が幾ら八百度以上といったって上げ下げあるんです。だから、そういう状況の中で、ダイオキシンのもとと疑われるようなそういう塩ビについては燃やさないというのが一番いいんです。危険を回避するというのがもう原則だというふうに思います。
 それで、塩ビ製品については、農業用ビニールシートは回収、再生利用のルートがつくられて、今、完全ではないんですけれども半分くらいが回収されているそうです。回収量に見合った生産量にしていって、回収率一〇〇%にすればこういう問題は起こらないんですね。それから、建設資材の問題では、昨日の論議で塩ビについて対策をとるというふうに言っています。
 私は、家庭系のものについても、塩ビ製品についてはちゃんと表示をさせる、分別をして無害化処理する、そういうルートを確立し、そうでなかったら焼却炉で何でもかんでも燃やすというようなことは大変なんですということを厚生省としても塩ビの問題についてきちんと対応していかなければいけないというふうに思うんです。大臣、その点についてどうお考えか、政治姿勢について伺いたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ダイオキシン対策のために塩ビの使用を禁止すべきだと、こういうような御主張だと思いますが、今委員も御質問の中で御指摘になっておりますけれども、例えば生ごみなどに含まれます食塩によってもダイオキシンが発生する、こういうようなことも指摘されておるわけでございます。ダイオキシンの発生源というものが必ずしも塩化ビニールだけというわけに、私どものこれまでの研究結果によって出ておらないわけでございますので、直ちに規制に踏み切るということは現実的ではない、こう考えておるわけでございますけれども、今委員の御指摘は、疑わしいものはすべてやめてしまえ、こういうふうなことにもなりかねないわけでございます。その辺のところを当然科学的に十分に立証した上でしかるべき措置をとるのが本来の筋ではないか、このように考えております。
○岩佐恵美君 今、私が東京都の例で言いましたように、食塩をまぜても変わらないというデータもあるんです。これはもう議論になっているわけですよ、現場で。ですから、私が言うのは、全部やめてしまえと言っているわけじゃないんです。ちゃんとしたルールをつくりましょうと。つまり、表示をさせる、分別して、燃やさない方がいいというものについては燃やさなきゃいいんです、別の処理をすればいいわけですから。何も極端なことを言っているわけじゃないんです。
 今、消費者は胸を痛めているわけです。自分たちが出すものがダイオキシンという有害なものになって返ってくるということ、そういう悪循環、悪魔のサイクルに恐怖を持っているわけです。だから、そこをどう断ち切ろうかと。じゃ私たちが有害なものを使わなければいいのよね、あるいはそういうものを燃やさないような、そういう何らかの形がないかしらということを模索しているわけです。
 それをよくしっかり踏まえて厚生省として、従来型の、もう何年やっているんですか、塩ビの焼却でダイオキシンが出る出ないというその研究を。東京都のと同じぐらいのあれでやっていると思うんですけれども、まだ結論が出ない、国としては。それをずるずるずるずる引っ張っているんです。もう本当に簡単な話なんです。
 時間がなくなってしまいますので、あともう一問ありますので、進みたいと思います。
 静岡県浜北市の灰木地区というところで、市が一般廃棄物の最終処分場を建設しようとする計画があります。五ヘクタールほどの管理型処分場を建設して、十五年間で六万立米を埋め立てる、そういう計画です。
 現地には地下水がわき出る沼があるんです。木々が生い茂る自然豊かなところです。予定地に隣接して灰木川があって、処分場予定地の沼から豊富なわき水が流れ込んでいます。この灰木川の下流、都田川に三市六町、三十万人の水道水の取水口があります。処分場予定地は昔は砂の採集場だった厚い砂れき層で、地質学者は水を通しやすくもろい地盤、地すべりや崩落地形が発達しているところだと言います。
 市は、遮水シートを三重にするから大丈夫、汚染の心配はないと言っているそうですけれども、遮水シートのゴムが劣化するというのは常識です。近隣住民や下流域の住民から市に対して千数百通の建設反対の意見書が出されています。浜北市は東海地震で震度六が想定されている地域でもあります。さらに、水源地に最終処分場をつくる、そういうことはもう本当に許されないことだと思うんです。
 私は、二つの問題を求めたいと思うんです。一つは、現地をよく見て調査をしてほしいということ、それからもう一つは、こういう水源地に最終処分場をつくる、しかも地盤のやわらかいところにつくるというのは、これはもう常識では考えられないんです。町村の皆さんもそういうことだけはやめてほしいということで、この間、厚生省にも陳情に御嵩町長を先頭に行かれたと思うんですけれども、とにかくそういうことはやらないという、こういうルールというのは必要だというふうに思うのですけれども、これについていかがでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) 特に水源地として利用されている地域の下流に施設を設けるというような場合だと思いますけれども、こうした水源地の近傍に最終処分場の施設を設けることについて一律に禁止しているわけではございませんけれども、いろんな施設の劣化とか、あるいは事故、災害というようなこともございますので、できれば避けた方がいいということについては言うまでもないことだと思います。
 ただ、地域の実情を踏まえて、生活環境の保全に適正に配慮されたものでなければ設置が認められないということの原則で対応しているわけでございます。
 特に平成九年の改正におきまして、最終処分場の設置に当たりましては、周辺の生活環境の影響を調査させるほか、地域住民や利水者も含めて生活環境保全上の観点から意見を聴取して、専門家の意見も踏まえて審査するということになっておりますので、最終処分場の水源地周辺への立地につきましては、こういう仕組みによって十分な配慮がなされる枠組みができているというふうに考えております。
○岩佐恵美君 済みません、大臣、水源地に最終処分場をつくる、最終処分場にはダイオキシンを含んだ飛灰まで入っているわけですね。それから何が入っているかわからないわけですね、今のところ。それで、何重にゴムシートをしてもゴムは劣化するんです。シートは劣化するんです。厚生省の有識者懇談会で随分昔に、こういう水源地に最終処分場だとかいろんな汚染のもとになるようなそういう施設はつくるべきでないという、そういう提言などもしているんです。
 私、厚生省としてこの問題を本当に真剣に考えていってほしいというふうに思うのですけれども、最後にお聞かせください。
○国務大臣(丹羽雄哉君) この最終処分場の設置の許可というのは、御案内のように都道府県知事がやるわけでございますけれども、委員が御指摘のように、地域の住民の皆さん方に大変な御心配なり御不安を与えるようなところにそういったものをつくるということは私は好ましいことではない、このように考えておるような次第であります。
○岩佐恵美君 終わります。
○委員長(石渡清元君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤雄平君、坂野重信君及び北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として海野徹君、藁科滿治君及び中島啓雄君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(石渡清元君) 休憩前に引き続き、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大渕絹子君 それでは、お尋ねいたします。
 市町村の廃棄物の処理負担が大変増大しているということが伝えられております。特に、リサイクルが進むことによって、再商品化計画量の超過分については保管費用まで市町村が負担をしなければならないという状況が起こっております。財政負担が増大をしているということになります。また、処理困難物や有害廃棄物が一般廃棄物の中に大量に含まれることによって処理費用の増大を招いています。
 一般廃棄物の法律上の責任を果たすことさえ困難な事態になっていることを、厚生省はどう認識されていますか。
○政府参考人(岡澤和好君) いわゆる大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会ということに伴いまして、廃棄物の排出量が年々増大し、またその種類の多様化も進んできているということでございます。また、近年では、ダイオキシン対策等に伴って高度な処理施設の整備が必要となり、このための施設整備費がかかるとか、あるいはリサイクルの枠組みが導入されまして、そのために施設整備だとか処理の費用がかかるというようなこともございます。特に、こうしたいろんな要素がございますけれども、近年、廃棄物処理に関する地方自治体の技術的、財政的負担が増大しているということは御指摘のとおりだというふうに認識しております。
 具体的な費用についてだけ見ますと、昭和六十一年には市町村の廃棄物処理に、一般廃棄物の処理でございますけれども、要した費用は一兆四千億円でございましたが、十年後の平成八年にはこれが二兆七千億円ということで、ほぼ倍増しているという状況になっております。
○大渕絹子君 そういうことですから、大変自治体の負担を減らしていかなければいけないということなんですけれども、今回の法改正によっては、それがそういう方向になっていないということが極めて憂慮されることかなというふうに思っているんです。
 事業系一般廃棄物についても地方自治体の責任を軽減すべきでありますけれども、今回の改正は、公共関与や削減計画実施などについて、さらに市町村の責任を強化することのみが盛り込まれてしまっているのではないですか。
○政府参考人(岡澤和好君) 拡大生産者責任というお話がございましたけれども、廃棄物の適正処理あるいは市町村の負担軽減という観点から、廃棄物行政をあずかる立場から見て大変有効な考え方だろうというふうには考えております。
 現行の廃棄物処理法でも、製造事業者の責務といたしまして、例えば処理が困難とならない製品や容器を開発するとか、あるいは廃棄物となった場合の処理が困難とならないようにしなければならないというふうな一般的な義務規定がございます。
 こうした製造者責任の考え方に基づいて施策を講じているわけでございますけれども、この拡大生産者責任という考え方をすべての事業者に一律に課すということは、事業者の規模が非常に千差万別であるとか、排出される廃棄物が異なってその処理のやり方も違う、リサイクルも難しかったり易しかったりするというふうなことがございまして、そうしたことを考慮しながら、適用できる分野からこれを適用していくということが現実的な方法ではないかというふうに考えているわけでございます。
 このためには、一般規定としては廃棄物処理法に既に盛り込んであって、今回の廃棄物処理法では、これを具体的にどういうふうに盛り込むかということについては入れておりませんけれども、別途の法律で、容器包装リサイクル法だとか家電リサイクル法というものをもう既に施行しておりますけれども、廃棄後の製品のリサイクルに関しまして、製造事業者が一定の役割分担、責任を負って、市町村の負担を軽減させるための法制度をこういう形で整備して、これを順次拡大していくということが適切ではないかというふうに考えておるところでございます。
○大渕絹子君 処理困難物や有害廃棄物の減量対策として、あるいはまた自治体の負担を軽減するためには、拡大生産者責任というのを明文化することはそれは大変望ましいことでございまして、今回の全般の法改正の中で、それぞれ個別法の中では触れられている部分もあるし、過去の法律においても生産者責任を問うているところもあるということは承知いたしておりますけれども、ごみ全体を束ねますこの廃棄物法におきまして、やはり拡大生産者責任という理念というか概念といいますか、そういうものがきちんと入り込まないと、日本のごみ行政そのものが統合的に管理できないというふうに思うのですね。
 ですから、今度のこの次の改正のときになるのでしょうか、この拡大生産者責任というような文言あるいは概念というものもきちんと挿入されなければならないと思いますけれども、それとあわせて、先ほど私は自治体の負担増について今回の改正はさらに増大をしているという質問をしていたのでございますので、その点もあわせて答えていただければと思います。
○政務次官(大野由利子君) 今まで一般廃棄物の処理責任は地方自治体、市町村にあるということで税金で処理をされてまいりまして、これでは廃棄物の減量化へのインセンティブが働かないんじゃないかという委員の御指摘はまさにそのとおりであろうと、このように思っております。
 それで、廃棄物の減量化を進める上におきましても拡大生産者責任という概念が非常に大切であるということで、廃棄物になりにくい製品、またリサイクルしやすい製品、安全な処理がしやすい製品づくりに大変この拡大生産者責任というものが効率的に働くと。こういうことで、廃棄物を減らし循環型社会を構築する上においてはこの考え方は大変重要な考え方であろうと、このように思っております。
 先ほど参考人の答弁にもございましたけれども、容器包装リサイクル法とか家電リサイクル法などでこうした拡大生産者責任というものが入れられまして、そして市町村の負担を軽減するための法制度が整備されたわけでございますが、こうした考え方を積極的に取り入れまして、この拡大生産者責任というものをさらに進める方向で今後の廃棄物行政についてはしっかり取り組んでまいりたい、このように思っております。
○大渕絹子君 次の法改正に盛り込むということをお約束いただけますか。
○政務次官(大野由利子君) 御存じのように、今国会で循環型社会形成推進基本法案が検討されておりますし、あわせて今国会でもリサイクルを進めるための六つの法案が検討されているわけでございます。この法案が成立したことを受けて、総合的に全体をまた見直しながら、手直しすべきところはきちっと手直しをしていくということは、これは当然委員の御指摘の方向になると思います。
○大渕絹子君 自治体の取り組みも大変期待されているんですけれども、条例制定権の限界というようなことがあって、例えば東京などではペットボトルの回収について、行政が関与せず、事業者の負担と責任でこれを行ういわゆる東京ルールなどをつくりたい、あるいは京都市では、空き缶のデポジット条例を制定しようとしましたけれども実現しなかったというようなことが伝えられておるわけです。
 地方自治体が廃棄物の発生抑制や再利用、リサイクルのための独自の政策を決定し、条例を制定する権限を有することを保障すべきではありませんか。そのことをお答えいただきたいと思います。
○政務次官(大野由利子君) 今リサイクルの義務が生産者に、この容器包装リサイクル法とか家電リサイクル法では義務づけられまして、回収等々につきましてはまだ従来どおりということで、これでは不十分じゃないかという委員の御指摘かと思います。
 リサイクルをさらに進めていく上で、委員の御指摘も踏まえまして、さらに前向きに積極的に検討をしてまいりたい、このように思います。
○大渕絹子君 それでは次に、廃棄物の定義のことでお尋ねをしたいと思います。
 衆議院の委員会におきましても、この不要物という定義につきまして、昭和四十六年の通知では客観的定義の考え方が示されておりましたのに、五十二年三月に通達が出されたときにはこの客観的な視点から大分後退をしたといいますか、その時代に合わせたと言えばいいでしょうか、当時大変廃棄物のリサイクルが重要であるという観点が国じゅうに持ち上がっていた時代だというふうに思いますが、そこをとらえて廃棄物の定義を客観的なとらえ方から、持っていらっしゃる人たち、占有者の価値観というようなものも取り入れるように総合的に勘案する、占有者の意思、その性状等を総合的に勘案するという文言が入りまして、有価物としてその人が主張した場合はそれは廃棄物でないという定義が確立をしてまいりました。
 ところが、近年になりますと、そのことを盾にしながら不法投棄をしているタイヤの山が、これは有価物であるというような主張が起こったり、あるいは豊島ではああいう騒動が起こったりという事例が大変多く出てくるようになりました。
 私は、現代の起こっているさまざまな状況を見るときに、この五十二年に出された通達、これは環境衛生局衛生整備課長通知ですか、この通知を変える必要があるというふうに思うのですけれども、今の廃棄物の状況に合わせてこの廃棄物の不要物というところの定義の改善を図っていただきたいというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) 廃棄物の定義の問題でございますけれども、御指摘のように現行の廃棄物処理法では廃棄物を「汚物又は不要物」というふうに定義いたしまして、その解釈として主として占有者が有償で売却できるか否かを基準に各種規制措置を講じているわけでございます。廃棄物に該当するか否かについては、今お話がありましたように占有者の意思、その性状等を総合的に勘案して実態に即して判断するというふうにしておりまして、この解釈によって現在の廃棄物処理法の運用を図っているということでございます。
 ただ、このことによって廃棄物に該当するのか有価物として廃棄物から外れてしまうのかという判断が非常に難しく、主観的な部分が入ってまいりますので非常にあいまいになっているのではないかという御指摘がございます。そのことがまた不法投棄とか有価物と称して規制逃れをするということにつながっているのではないかというような御意見もございまして、そういうことがないとも言えないということについて私どもも認識しているところでございます。
 解釈そのものについては、先ほど先生のお話にもありましたけれども、リサイクルの推進という立場と廃棄物としての規制の立場をどうバランスをとっていくかということでございます。今直ちに解釈を変えるということが適当かどうか、適当ではないというふうに考えておりますけれども、あいまいさが残る部分についてはそのあいまいな、客観的に廃棄物か廃棄物でないかを認識できるようなものをこちらの方で判断基準といいますかできるだけ早い時期に示しまして、特に問題となっておりますような廃タイヤだとか廃自動車だとか、午前中の審議ではパチンコ台というのがございましたけれども、そういうようなものも含めて、どういう状況であれば廃棄物として認定して廃棄物の規制をかけるかというようなことをはっきりさせていきたいというふうに考えております。
○大渕絹子君 具体的な手続についてお聞きをしたかったわけですけれども、この通知の撤回なり出し直しなりあるいはガイドラインを決定した後に行政にどういう形で通知をして、前段の五十二年のこの通知を効果のないものにするかというところをちょっと聞かせていただけませんか。
   〔委員長退席、理事田村公平君着席〕
○政府参考人(岡澤和好君) この御指摘の通知は、廃棄物処理法の廃棄物の定義について解釈を示しているわけでございまして、今の段階でこの定義を、解釈自体を撤回するということまで考えているわけではございません。
 リサイクルを推進する上から有償売却される有価物というふうなものであれば、それは廃棄物の規制をかけないということは従来の解釈どおりに考えておりますけれども、そこのところのあいまいさがやっぱり問題なので、あいまいさの部分についてはそのあいまいさを排除する方向できっちりさせていきたいというふうに考えておるところでございます。
 定義そのものをどうするかにつきましては、特に産廃、一廃の区分等も含めましていろんな御意見がかねてからあるわけでございまして、どういう形で廃棄物の適正な処理を確保していくのかというふうな観点も含めて、どういう定義で区分けすれば一番、廃棄物の適正処理にも資するしまたリサイクルの観点からも望ましいかというようなことをもう少し広い意味で時間をかけて考えていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○大渕絹子君 矛盾していますよね。四十六年の通知のときには客観的な定義として廃棄物が定義づけられて、それでずっと日本の行政が行われてきたんです。
   〔理事田村公平君退席、委員長着席〕
 そして、その時代の背景の中で変えざるを得なかったとするならば、今度出された通知が逆手にとられて、今度は有価物だという主張の中でなかなか処分ができない、廃掃法の規制で罰せられないということになっているわけでしょう。それだったら、五十二年のときに改正したのと同じように、しっかりと通知で変えることができるんだったらやるべきじゃないですか、おかしいですよ。
○政府参考人(岡澤和好君) ちょっと説明が悪かったのかもしれませんけれども、今申し上げました判断基準というのは五十二年の通知とあわせて、補完するようなものでございまして、セットで、形としては五十二年を廃止して新たに出すのかあるいは五十二年通知を生かしてそのまたさらに補完的なものとして位置づけるのかというような技術的な問題はあるかと思いますけれども、いずれにしても五十二年通知を事実上、もうちょっと解釈を加えて明らかにするという性格のもので、行政措置としては、形はちょっとわかりませんけれども、新たに通知という形で周知させるということになると思います。
○大渕絹子君 それでは、きちんと通知が出されるということを確認させていただきまして、不法投棄の対策に移りたいと思います。
 住民による原状回復請求権や違法業者の許可取り消しなど、直接行う法律上の権利を書き込む必要があるという主張がございますけれども、このことについてはどのように考えておられますか。
○政府参考人(岡澤和好君) 現在の法律、平成九年に改正しておりますけれども、その中で新しく施設を設置する許可を与える場合には関係者の意見を聴取するというふうな枠組みがあるわけでございます。
 ただ、そうした意見だけで適否というものを判断しますと、いわゆる地域エゴみたいなものも生じる可能性もございますし、またその地域として広く見れば必要な施設であっても自分の隣では嫌だというような例のNIMBY症候群のようなこともございまして、そこはもうちょっと広い観点から全体的に判断するということも、枠組みも必要だというふうに考えております。
 ですから、住民の意見は聞く、そういうことは必要だと思いますけれども、住民の意見で物を決めるというところまでは今の廃棄物処理施設の許可等についてそういう形でとるのが適切というふうには考えておりません。
○大渕絹子君 行政が細かいところまで目が行き届かないというのがあるんですね。当然、不法投棄を直接目にするのはそこの周辺の住民たちでございまして、その住民たちがそれを見ても、直接に話を持ってどこに行ったらちゃんと対応してくれるのかというのがまことにわかりづらい状況になっておりますね。ここらをちゃんと整理する必要があると思いますので、これからの課題にしていただきたいというふうに思います。
 また、住民は市町村が実施する廃棄物や収集法に対してそれに準じなければならないというふうになっておりまして、住民の中には、もっともっと一般廃棄物の減量とかリサイクルに有効な手だてや規制があるのにそれを手段として持つことができないということが矛盾として挙げられておりまして、市民の側からも多くの御意見が寄せられています。
 このことに対して、なかなか難しいと思うんです。地方分権あるいはその自治体の取り組みの姿勢といっても、確かにまちまちですけれども、そういたしますと一定程度最低のガイドラインというようなものを厚生省が全国に発しているとするならば、その最低のところをもう少し上げていただく以外にはないのかなというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) リサイクルの取り組みというのは、PTAだとかそういう非常に小さな地域での取り組みというのも一つあるわけですけれども、物資が全国レベルで流通していて、生産工程にそうしたリサイクル物を反映させるようなことを考えますと、やはり相当規模が大きな形でリサイクルを回す必要が出てくるわけでございます。
 実際には、現実問題として考えますと市町村単位でどこまでやるかということになると思いますが、市町村の中でもいろんな人たちがおりますし、積極的に取り組みたいという方もおられれば非協力的な方もおられるということで、実際、市町村がどこまでのレベルでリサイクルを進めるかについては非常に苦慮しているというふうなことも聞いております。一方では、市民団体の方からはやりたいのに市町村が受けてくれないというふうな不満も聞いております。
 その辺のところは、我々としては、当然地域住民の合意を前向きに形成していって、できるだけ高いレベルのリサイクルをしてほしいと思うわけですけれども、そうしたことに対して直接私どもが市町村に対してここまでやりなさいとかいうような権限は持っておりませんが、少なくともこういう地域でこういうリサイクルの事例があってそれが成功しているとか、市町村の取り組みの中でこういうふうなやり方をすればうまくいくとか、そういうふうな事例の紹介だとか情報の提供というものには努めておりますし、これからもそういうことを積極的に努めて、市町村が取り組みをさらに進めていくのを促していきたいというふうに考えております。
○大渕絹子君 最後に大臣に、通告していませんけれども、環境省に移っていく中でこの法律はそっくり体系ごと環境省に移っていくというふうになっているわけですが、この改正が終わった後、できるだけ使い勝手のいい条件整理をして、そして移行させていただく御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 来年一月の省庁再編におきまして統廃合が行われていく中において、環境庁が環境省に昇格をするということは、国民生活においてこの環境問題というものがいかに重要なものであるか、こういったような認識の上に立ちましていわゆる庁から省への昇格を決めたものと、このように位置づけておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、国民生活にとって今やこの環境問題というのは大変大きな問題でございますし、環境省発足を契機に、さらにただいま提案をさせていただいておりますさまざまな法案がより実効的に、そして国民の皆さん方が環境問題に関心を持って安心して生活ができるような環境づくりのために、私どもは全力でお手伝いをさせていただく決意でございます。
○大渕絹子君 終わります。
○委員長(石渡清元君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですので、これより直ちに採決に入ります。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石渡清元君) 全会一致と認めます。よって、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 岡崎トミ子君から発言を求められておりますので、これを許します。岡崎トミ子君。
○岡崎トミ子君 私は、ただいま可決されました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、社会民主党・護憲連合及び参議院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、「循環型社会」の実現に向けて、環境省のリーダーシップの下、関係省庁間の十分な連携を図り、廃棄物・リサイクル関係諸法の有機的かつ整合的な運用を行うとともに、今後とも諸外国の先進事例も踏まえつつ、望ましい法体系のあり方につき検討すること。
 二、廃棄物の定義及び一般廃棄物・産業廃棄物の区分のあり方、廃棄物処理に関する使用済み製品に係る生産者等の役割のあり方などについて、処理責任との関係、適正かつ効率的な処理の推進、排出抑制やリサイクルの推進などの観点から、根本的な見直しを含めて検討すること。
 三、産業廃棄物の不法投棄の根絶に向けて、実態把握を十分に行った上で、本法の厳格な運用、取り締まりの強化など毅然たる対応を図っていくこと。また、不法投棄の未然防止のため排出事業者等に対する指導の徹底、効果的な監視システムの確立を図ること。
 四、基本方針の策定に当たっては、国民各層の広範な意見を反映させるとともに、廃棄物の発生抑制を第一とする処理に係る優先順位の明示、廃棄物の減量化に関する数値目標の設定を行うこと。
 五、公共関与による産業廃棄物処理施設の整備の促進は、事業者処理の原則に十分留意して進めること。
 六、安定型処分場に搬入される廃棄物については、分別を徹底し、環境を汚染するおそれのある廃棄物を混入させないよう監視を強化し、措置を徹底すること。
 七、首都圏の廃棄物については、域内で処理が行われるよう必要な処理施設の整備を推進すること。
 八、有害化学物質を含む製品の製造段階から廃棄後の回収・無害化処理までの一貫した対策を強化するとともに、有害廃棄物の無害化処理技術等の開発研究に官民挙げて取り組むこと。また、PCBの処理体制を早期に整備すること。
 九、廃棄物の発生抑制やリサイクルを推進する観点から、デポジット制度等の経済的手法について積極的に検討すること。
 十、国又は地方公共団体は、多量排出事業者が処理計画を容易に作成することができるよう、情報提供やガイドラインの作成等により支援を図ること。
 十一、既に廃止されたものを含め、焼却施設や最終処分場周辺の土壌及び地下水に係る汚染の実態を把握し、結果を公開するとともに、土壌汚染の防止と回復措置のあり方について法制化を含め検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ御賛同くださいますようにお願いを申し上げます。
○委員長(石渡清元君) ただいま岡崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石渡清元君) 全会一致と認めます。よって、岡崎君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、丹羽厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。丹羽厚生大臣。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたします。
○委員長(石渡清元君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後二時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時三十九分休憩
     ─────・─────
   午後二時三十一分開会
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 循環型社会形成推進基本法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○福山哲郎君 お疲れさまでございます。
 民主党・新緑風会の福山でございます。
 きょうは、参考人、廃掃法、循環社会基本法と盛りだくさんでございまして、どうかよろしくお願い申し上げます。
 この間、本会議で長官に質問させていただきましたけれども、きょうも多少その関連も含めて、よろしくお願いいたします。
 まず、本会議の私の質問で、循環型社会の構築に向けて、今後ふえ続けていく有害化学物質をコントロールしていくことが重要ではないかと、そう私が清水長官にお尋ねをしましたところ、長官は、「廃棄物の処理やリサイクルに伴う有害化学物質の環境中への排出を抑制する、それは循環型社会を構築する上での極めて重要な原則の一つだと考えております。」「本法案では第二十一条におきまして、廃棄物の処理やリサイクルに伴う環境の保全上の支障を防止するため、公害の原因となる物質の排出の規制等の措置を明確に位置づけております。」と御答弁をいただきました。
 そこをもう少し詳しくお伺いしたいんですが、この二十一条におきます排出の規制等の措置というのは具体的にどのようなものなのか、御答弁をいただけますでしょうか。
○政務次官(柳本卓治君) 廃棄物の処理やリサイクルに伴います有害物質の排出につきましては、第二十一条におきまして、廃棄物処理やリサイクルの際に生じる環境の保全上の支障を防止するため、公害の原因となる物質の排出の規制等の措置を位置づけているところでございます。
 今先生御指摘の本規定に基づく具体的な措置といたしましては、第一に基準に従った廃棄物の処理の義務づけ、廃棄物処理法第六条の二、第十二条及び第十二条の二、そして第二に廃棄物処理施設の設置に対する許可制度、これは廃棄物処理法第八条及び十五条でございます。そして、ばい煙の発生、汚水の排出、化学物質の製造等に関する規制等が挙げられるところでございます。
○福山哲郎君 そういう御説明をいただいたわけですが、それでは一つ事例を挙げてお尋ねしたいと思います。
 先ほど、我が党の岡崎委員からも御質問させていただきました、例の神奈川県の藤沢市で起こりました荏原製作所のダイオキシン汚染の件についてなんです。
 私ごとなんですが、私は松下政経塾というところで学んでまいりまして、政経塾は茅ヶ崎にありまして、毎朝そこをランニングしようという話がありまして、毎朝毎朝その茅ヶ崎の海岸でランニングをしていました。そこのすぐ近くに江の島がありまして、私にとっては大変思い出深いところなんです。
 その藤沢の地元の皆さんが今ダイオキシンの汚染について大変苦慮されていて、サーファーの皆さんとか、それからそこの商店街の皆さんや海水浴場で御商売をされている方々が今大変不安な状況に陥っているということで、きょうは基本法案についての審議なんですが、基本的には循環型基本法案というのは環境に対する、先ほど申し上げましたように化学物質の問題も大変重要だということですし、国会も大分終盤を迎えておりますので、少し事例についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 もうこれは皆様も御存じだと思いますが、藤沢にある荏原製作所の工場内にある廃棄物の焼却施設からダイオキシンで汚染された大量の排水が引地川に流れ込み、水質のダイオキシン濃度の環境基準というのは一リットル当たり一ピコグラムと定められているんですが、ことし一月から二月にかけて、この荏原製作所の排水が川に流れ出る排水口の付近で何と三千二百ピコグラム、それから八千百ピコグラムという汚染が検出をされています。
 人体への影響は御案内のようにすぐにはあらわれないわけですが、河口に近い相模湾では魚介類の売り上げが激減したり、鵠沼海岸への観光客の足が遠ざかったり、既に多大な風評被害というか、実質的に被害が発生しております。
 先ほど申し上げましたように、地元の方々は大変御苦労をされているということで、このダイオキシン流出事故、荏原製作所藤沢工場の流出事故について、環境庁としてはどの程度の原因究明が進んでいるのか、まずは御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(清水嘉与子君) 今先生御指摘の引地川の水系で高濃度のダイオキシン類が認められたということがわかって以来、直ちに環境庁は神奈川県、藤沢市、三者によりまして引地川水系ダイオキシン汚染事件対策連絡調整会議というのを設置いたしまして、原因究明でありますとか周辺の環境調査等を進めておりまして、また、今後の汚染防止対策についての検討を行っているところでございます。
 この間、神奈川県、藤沢市が、ダイオキシン類対策特別措置法その他の関係法令によりましてこれまでに九回、荏原製作所藤沢工場に立入検査を実施しているところでございます。また、環境庁、神奈川県、藤沢市、それぞれ同工場に対しまして汚染原因の解明等に必要な事項の報告を求めてきているところでございます。
 こうした一連の作業、今作業中でございまして、それをできるだけ早く終えまして原因の全貌解明と事業者に対します行政措置の方針を固めてまいりたい、今こういう段階でございます。
○福山哲郎君 早速いろいろ動いていただいていることは大変感謝申し上げますが、今の長官の御答弁ですと、立入検査を九回した、連絡調整会議をつくった、環境調査も行っているということで一生懸命やっている、中途だということですが、現状わかっている範囲での原因はどういったことなのでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 高濃度の汚染原因、直接的な原因は、やはりスクラバー排水の排水管が雨水管に誤って接続していたということが主たる原因であるというふうに考えております。
○福山哲郎君 雨水管の配管とダイオキシンに汚染された汚水の配管を間違えてつなげてしまったと、大変初歩的なミスなわけですが、それが何と七年間も気づかれずに放置されていて、排水口からダイオキシンに大変高濃度に汚染された水が流れ込んでいってしまった。
 この会社は実は環境推進企業として大変有名なところでございまして、私などもよく存じ上げていて、ISO14000も取得をされているということで、大変ショックというか、どうしてなのかなというのがまず最初に疑問に出るんですが、それにしても、七年間も放置をしていた、間違いに気づかなかったというのはなかなか納得できない。
 一つ気になるのは、三月二十三日、工場の廃棄物焼却施設が閉鎖をされました。閉鎖をされた処置というのは大変よかったと思うんですが、二十三日に閉鎖をされて三十一日の検査でもまだ百二十ピコグラム汚染されている。二週間たった四月六日でも三十八ピコとか二十六ピコとか検出されている。確かに冒頭申し上げました三千二百ピコグラムから見ればそれは減っているとは思うんですが、環境基準が一ピコグラムなわけですから、それでも三十八倍、二十六倍も基準を超えている。
 操業停止をしてきっちりその焼却場は停止しているにもかかわらず、一週間、二週間たってもなかなかその排水の、排水というかダイオキシン濃度についての汚染が減らないというのは、これはどういった理由なんでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 私ども行政当局といたしましては、廃棄物焼却施設の稼働を停止しました後の四月四日から七日にかけまして連続調査を実施いたしました。
 それによりますと、稲荷雨水幹線、これは引地川に入る直前の幹線でございますけれども、その水質においては一・六から二百八十ピコグラムのダイオキシンが検出されました。その原因といたしましては、高濃度のダイオキシン類を含むスクラバー排水が流れておりました工場内の雨水管あるいは稲荷雨水幹線の中に残存していたダイオキシン類が流出したもの、こういうふうに考えております。特に四月五日には高い値が検出されておりますけれども、これは降雨がありまして、そしてダイオキシン類の流量が増大したんじゃないか、こう考えております。
 いずれにしても、その後、県、市が指示をいたしまして、四月十四日から五月六日にかけましてこの雨水管と稲荷雨水幹線について清掃を実施しております。
○福山哲郎君 ということは、多少残量というか残っていたものがあって流れ出たというふうに承ります。先ほどから言われておりますスクラバー排水が汚染をされているところなんですが、スクラバー排水になる前に実はバグフィルターを経由しているわけですね。バグフィルターを経由して洗浄塔に入ってスクラバー排水として出ていくわけですね。バグフィルターというのは、私が理解をしているところによりますとダイオキシンの除去装置だというふうに思っておりまして、今回の汚染というのは、バグフィルターを通ってそして洗浄塔へ行ったものがスクラバー排水として出ていっている。
 バグフィルターを通過して本来ならダイオキシンが除去されているはずだった水が、確かに雨水管と汚水管を間違えたということはよくわかるんですが、なぜこんなに高濃度に汚染をされていたのかということを御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) この廃棄物焼却施設の排ガス処理方法でございますが、先生御指摘のようにバグフィルターを通って、そして通った煙等が要するに湿式処理いわゆるスクラバー排水を吹きかけまして、それでそのスクラバー排水の中に高濃度のダイオキシンを閉鎖的に入れてその水を循環利用する、こういう構造になっております。
 それで、本来的にそのバグフィルターでかなり汚染物質はとるようにしておりますけれども、やはり非常に微量なものにつきましてはフィルターを通しまして抜けてまいりますので、それをスクラバー排水でもって洗浄する、こういうことでございます。
 それで、こういうスクラバー内の濃度でございますけれども、これまで環境庁が行った全国調査では数十万から二百万ピコぐらいにも及ぶというふうな結果が出ております。今回の廃棄物処理施設のスクラバー排水中の濃度は九万八千ピコでございまして全国調査の範囲内でございましたので、こういうことはあり得ないものではない、こういうふうに見ております。
○福山哲郎君 今局長がおっしゃられたことで一つ気になったのは、洗浄塔というのはこれは基本的にダイオキシンを除去する目的でつくられているものではありませんね。
 基本的には、私の理解で言うと、酸性のものを中性にして洗浄排水として流すというものであって、あくまでもダイオキシンの除去はバグフィルターの中であるわけですが、そのバグフィルターを通したもののスクラバー排水自身が、今まさに正直におっしゃられたように九万八千ピコグラムだったと。これが汚水管と雨水管を間違えたから流れ出たということで、確かにそこが直接的な原因なのかもしれませんが、現実問題の本質的な話としては、バグフィルターを通ったものが九万八千ピコグラムだったということ自身が実は本質的には問題なのではないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 今御指摘のありました点なんかも含めまして現在調査中でございますので、その過程において種々専門家の意見を聞きながら、検討結果を今後発表していきたいと思っております。
○福山哲郎君 いや、そこが実は大変問題なんですよ。
 雨水管と汚水官と間違えたから問題だとよくおっしゃるんですが、そうじゃなくて、バグフィルターを通ったものがそもそも九万八千ピコグラムだったこと自体が問題で、先ほどもっと大きい濃度のものが九万八千になっている、全国的に見ればそれはそんなに図抜けて大きいものではないという話ですが、ではなおさら九万八千ピコグラムのものを洗浄塔へ通して、洗浄塔へ通したものをそのまま、例えばこれは雨水管と間違えたのではなくて汚水管に行ったとしたって、それが汚水管に行っていること自身が大変問題なのではないかと思うんですが、そこはどうですか。
○政府参考人(遠藤保雄君) ダイオキシン類の発生量でございますけれども、これは焼却条件とかあるいは焼却された廃棄物の種類によって変化するのでございます。したがいまして、仮にバグフィルターを通過後であったとしてもどういう数字になるか、これはなかなか一概に申し上げられるものではございません。
 したがいまして、今回原因究明のため一連の調査をやっておりますので、御指摘の点につきまして留意して原因解明、問題解明に努めていきたい、こう思っております。
○福山哲郎君 もう一つ申し上げます。
 ここに荏原製作所の広報室が出している「引地川ダイオキシン汚染の疑い濃厚であること判明の件」というところの「対応策」というのがあります。この「対応策」の「藤沢工場焼却炉設備の改善。」というところで、三項目目の一番目、「現施設のバグフィルタ入口側に」、入口側ですよ、バグフィルターに入る手前の入口側に、「活性炭噴霧設備を設置し、乾式にてダイオキシンを除外します。」と書いてあるわけです。これは対策としてそうしたということです。
 もともとバグフィルターというのはダイオキシンを除去するためのものにもかかわらず、対策をするときに、荏原製作所自身が現施設のバグフィルターの入口に乾式のダイオキシンを除外するものを置きますと言っているわけです。ということは、これはイコールこのバグフィルター自身が、これまで七年間確かに間違いがあったのかもしれないけれども、ある意味でいうと機能を果たしてこなかったということ自身は荏原製作所も認めているのではないか。
 もしこういうものが全国の施設にあちこちであって、先ほど言われたみたいに平均的にはこんなものだとかいう話は実は大変危険な問題だというふうに思っているんですが、そこはいかがですか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 先生御指摘のバグフィルターの使い方でございますけれども、御指摘のように乾式で排ガスを処理する方法として一般的に使われているということでございます。それに並びまして電気集じん機などがございます。
 それで、今先生から御指摘のありましたような点につきましては、私どもやはり今各方面から、各角度からいろいろ点検を行っておりまして、その中でいろいろ考え方を整理してまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 調査もわかりますし、なかなか今御答弁しにくい事情も理解はします。理解はしますが、これは実は本当に大問題で、例えばバグフィルター自身の機能に問題があったとしたら、これは雨水とか汚水管につながったという話は二次的な話なわけです。
 では、例えばこれが汚水管にきっちりとそのまま接続されていたとしたら適正に処理されていたかどうかも実は非常にあいまいなんですね。これが例えば今このまま雨水管と汚水管がきちっとまともに接続をされていたとしたら、この七年間のダイオキシンの汚染については、きっちりと被害が避けられたというふうにはお考えですか。そう言えますでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 雨水管でなく、きちんと汚水管に接続されていた場合には、先生御指摘のように当然のことながら汚水管を通りましてこの排水は総合排水処理施設で処理される、こういうことになると思います。
 それで、ここで一つデータがございますけれども、この当工場においては、この廃棄物焼却施設以外に化学分析棟とか総合研究所、あるいはガス化溶融炉といった施設の排水も行われておりまして、それは汚水管を通じて総合排水処理施設で処理されておるのでございますけれども、この排水が入る前の濃度は十八から九十八ピコでございますが、処理後は六・七から八・六ピコ、こういうデータを私どもは得ております。したがいまして、仮にスクラバー排水がこういう形で総合排水処理施設で処理されていればこういった処理がなされていたのじゃないかということは一つの参考になるのじゃないかと思います。
○福山哲郎君 とにかく、余り汚水管と雨水管を接続をミスしたということで原因を片づけることなく、このバグフィルターの能力の話も含めてしっかりと調査をして、これは発表を早く情報公開としてしていただきたいと思いますので、ぜひそこはお願いをしたいんですが、それはいかがでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 御指摘の点も含めまして、種々問題の解明に努めてまいりたいと思います。
○福山哲郎君 次に、厚生省さんにちょっとお伺いをします。
 これは、非常に高濃度に汚染された汚泥をこの会社は自社内に埋めているんですね。自己処理の原則ですから自社内の土地に埋めるのはそれは合法的だと思うんですが、こういう高濃度に汚染をされた汚泥を埋め立ててしまうと、私はここはちょっと技術的なことなのでなかなか理解できないんですが、例えば土壌汚染が広がるとか、ダイオキシンというのはもともと土壌への吸着率が高いというふうに私どもは承っておりまして、そう簡単には、この汚染が確定をしてしまうというような気がしますし、さらにはこれは七年間にわたってこういう状態で高濃度の土壌の、土壌というか汚泥が埋め立てられているということなのですが、このことについては何か対策なり対応なり調査なりということは厚生省さんは行っているのかどうか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) 神奈川県が現地に立入検査をしておりますけれども、その結果によりますと、荏原製作所は過去に自社の排水処理施設から発生する汚泥を自社敷地内に埋め立て処分していたという事実がございます。これは、今高濃度に汚染されたというふうな先生の御指摘でございますけれども、排水処理施設からの汚泥でございまして、高濃度かどうかはちょっとその時点でわからないということでございます。
 そのために、神奈川県は荏原製作所に対しまして、生活環境保全上の支障がないかどうかというふうな観点から、埋め立てられた汚泥に有害な重金属やダイオキシン類が含まれていないかどうか、つまり有害な汚泥であったかどうか、あるいはその結果、地下水への影響がないかどうかについて調査をさせているところでございます。これまでボーリング調査と地下水調査の結果が大半が出ているわけですけれども、その結果では、埋め立てられた汚泥の溶出試験結果及び地下水水質の水質結果ともに環境基準以下ということで、そのときに埋め立てられた汚泥に特に大きな有害物質が入っていたということでもなさそうだし、あるいはそれによって地下水汚染を行っているというわけでもないというふうな状況だというふうに聞いております。
 ただし、地下水のダイオキシン類関係の調査結果についてはまだ分析が完全に終わっておりませんので、間もなく、六月中旬ぐらいだと聞いておりますが、に結果が出るというふうになっておりますので、その結果を見まして、厚生省として、荏原製作所が何らかの措置をとる必要があれば、これは厳正にとらせるように県を指導したいと思っております。
○福山哲郎君 わかりました。ぜひ早く調査結果を公開していただくようによろしくお願いいたします。
 次に、別の観点から質問させていただきます。
 今回の事故で、川が流れ込む相模湾では魚介類が汚染をされたりして、大変市民が不安な状況になっているわけですが、実際に相模湾でとれた魚や貝などが売り上げが激減をしている。この魚介類の汚染については測定をされているのか、また測定をされているとすれば結果はどうなっているのか、安全性についてはどうなのか、この点についてお答えをいただけますでしょうか。
○政務次官(柳本卓治君) お答えいたします。
 神奈川県の調査によりますと、引地川の魚介類からは、一グラム当たり一・一から三十ピコグラム、平均値で十ピコグラムのダイオキシン類が検出されているところであります。この水域では漁業の実態はございませんけれども、念のため釣り等で捕獲した魚は食べるのを控えるよう藤沢市が広報等により呼びかけまして、万全を期しているところでございます。
 一方、引地川河口周辺の相模湾の魚介類につきましては、一グラム当たり〇・二〇から八・一ピコグラム、平均値で一・六ピコグラムが検出されております。これは、平成十年度環境庁調査の全国平均値二・一ピコグラムを下回っております。かつ、バランスのとれた食事をとれば特に問題ないという厚生省の見解の前提となりました平成十年度食品中のダイオキシン汚染実態調査の魚介類濃度の範囲内、すなわち最小〇・〇〇三、最大二十五・七二ピコグラム内でございまして、これらのことを踏まえまして、相模湾の魚に関しては冷静な対応をお願いいたしたいと考えているところでございます。
○福山哲郎君 申しわけありません。私が聞き漏らしたかもしれないんですが、それはいつの調査でしょうか。
○政務次官(柳本卓治君) 本年の四月でございます。
○福山哲郎君 それは、この事故における問題意識の中で行われた調査なのか、例年行われる環境庁の全国一斉調査の結果なのか、どちらですか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 今回、高濃度汚染が発見されまして以降、県、市と連携いたしましてこの調査を実施いたしました。その結果についての今御報告でございます。
○福山哲郎君 私のいただいている資料にも、例えば江の島沖ですと、タチウオで八・一ピコ、ナガラミでいうと辻堂先で二・一ピコ等の数字が出ておりまして、平成十年度の環境庁の緊急全国一斉調査でいうと、大体平均が二・八五でございまして、物によっては八・一とか二・一、物によっては〇・四四ということで結構ばらつきがあるわけですが、これはダイオキシンの特性上、ばらつきが出てくるのもいたし方ないと思っているんですが、こういう状態の中で今のところはということは、環境庁は安全だというふうな認識を持っているということでいいわけでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 今回の調査結果ですと、引地川河口周辺の相模湾の魚介類でございますけれども、平均値が一・六ピコでございました。それで、それは平成十年度の環境庁全国調査の平均値二・一ピコグラムを下回っている。そういうことから考えまして、冷静な対応を安全面でお願いしたいと、こういうふうに考えておるということでございます。
○福山哲郎君 例えば、これは引地川水系でいいますと、コイ六・三ピコ、フナ十二、富士見橋でいうと、コイ十三、フナ三十、ボラ五・八というような数字が出ていますし、藤沢市の広報紙でいうと、これは数値としては少ないんですが、「相模湾のシラスは、一グラムあたり〇・四ピコグラムと極めて低く、その他の魚も相模湾の水質のダイオキシン濃度が十分に低いので問題はないと考えておりますが、念のため調査を行っています。」と書かれています。
 ところが、シラス一グラム当たり〇・四ということは、すぐがっと百グラムぐらい食べちゃうと四十ピコグラムになってしまいますし、この間もある方が来られて言っていたんですが、シラスはこうやってがっと食ってしまう、一匹について〇・四というのは実はすごく大きいんじゃないかと。食べた後に、これはどこのシラスだといったら相模湾でとれたものだといって、うわ、僕は何十倍も食べてしまったという人がいたというような話も伺っているんです。
 これはどうなんでしょう、安全なんでしょうか。僕も技術的なこととかはわからないんですけれども、シラス一匹当たりというと、すぐ百グラムぐらい食べちゃうと思うんですが、これで安全だと言えるのかどうか、ちょっとお知らせいただくのと、あとフナ十二、コイ六・三とかが出ているので。
○政府参考人(遠藤保雄君) 私どもで調査いたしましたのは三月二十八日から四月三日にかけてでございますが、そのデータといたしまして、先生御指摘のように藤沢市沖、あるいは鵠沼の地先なんかで〇・五六ないし〇・七ピコの値が出ておりますが、これは可食部分一グラム当たりのピコグラムでございまして、可食部分一グラムに対しまして〇・五六ピコないしは〇・七ピコということでございます。そして、魚というものにつきましては、一日で百グラム弱食べておりますので、そういう中のシェア等なんかを考えてみた場合に、冷静な対応をお願いしたい。
 さらにまた、魚の全国平均のダイオキシン含有量を調査したものがございますけれども、これですと約二ピコ前後でございます。このシラスにつきましてはそれを下回っているということ、これも私どもこの問題が発生した直後にデータとして解析結果が出ておりますので公表して、皆様に冷静な対応をお願いしているというところでございます。
○福山哲郎君 一日八十グラムなんでしたか、平均が。
○政府参考人(遠藤保雄君) 百グラム弱です。
○福山哲郎君 百グラム弱ですね。ということは、これは〇・四、シラスだけ百グラム食べると四十ピコになる。その数字を言われた後局長が、そういう事実ですが、安全だともおっしゃらないで冷静に対応いただきたいという意味は、表現しにくいのはよくわかるんですが、聞いていてさっぱりわからない。
 その冷静に対応願いたいという意味はどういう意味なのか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 今先生、まず二点ございます。
 一つは冷静な対応の問題、あともう一つ、先生がおっしゃった四十ピコの件でございますけれども、これにつきましては、私どもはTDI等比較する場合には体重五十キログラム、人によって違いますけれどもこういうふうに考えております。したがいまして、五十で割り戻して得られた数字で御判断願いたいと思います。四十ピコそのものじゃございません。
 それで、冷静な対応といいますのは、魚は全国平均で二ピコ前後のダイオキシンを含有している。それを反復継続的に私どもは食べておるわけでございますけれども、そこで食生活上大きな問題は今まで出ていないという今までの知見に照らしまして、冷静な対応ということでございます。
 ここで私どもがなぜそういうことを言うかといいますと、一つの価値判断を加えますとまたいろんな形で報道されますので、こういう表現を使わせていただいているということでございます。恐縮でございます。
○福山哲郎君 済みません。意地悪を言うわけではないんですが、同じ問題を聞かれたときに衆議院では、汚染された魚の数値は基準値以下であり、安全だと答弁されている。今は冷静な対応をお願いしたいと答弁されている。
 そうすると、逆に、ああやっぱりちょっと安全だとは言いにくい状況なんだなということでうがった見方をせざるを得なくなってしまうんですが、そこは何で衆議院の答弁と変わったのかも含めてお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 今御指摘ございましたように、私ども今のデータに照らしてみれば安全性というものは十分あると考えております。
○福山哲郎君 私は、別にこれでかえってパニックを起こしたりとか不安を駆り立てたりというつもりは全然ないんです。
 要は、こういう問題が起こるたびにこの議論が出て、いつもいつも水かけ論みたいな話になって、住民だけがどこかへ置いてきぼりになって、そして調査をしております調査をしておりますという話が繰り返される。これではやっぱり本質的な解決にならないのではないかなというふうに思っているのでお伺いをしたわけです。
 もう一つ、これは私もかかわらせていただきましたので何とも申し上げにくいんですが、ダイオキシン類対策特別措置法というのがこの一月から施行されています。この措置法について、附則の二条三項、これは公明党さんも一緒に御検討いただいて、この附則を何とか入れようというふうに議論させていただいたところなんですが、ダイオキシン法の附則二条三項に、「ダイオキシン類に係る健康被害の状況及び食品への蓄積の状況を勘案して、その対策については、科学的知見に基づき検討が加えられ、その結果に基づき、必要な措置が講ぜられるものとする。」というのが加えられました。
 実際にこういう事故が起こってしまっているわけですが、この附則も含めてどのような運用をされる予定があるのか、お聞かせ願えますでしょうか。
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生方の御努力によりましてできたダイオキシン類対策特別措置法でございますが、この一月にその施行に伴いまして、環境の基準、排出基準等の各種の基準が定められたところでございます。これらの基準の定め方にいたしましても、やはり法施行時点において得られております最新の科学的知見に基づいて設定されたというふうに理解しております。
 これらの基準につきましては、今先生御指摘の附則の第二条第三項、第二条そのものが「検討」という項目になっているわけでございますけれども、こうした基準を設定された後でも科学的知見に基づいて検討が加えられるべきであるというふうに理解しておりまして、今後とも最新の科学的知見の集積に努めまして、そして基準の妥当性について不断に検討を進めていきたい、こういう趣旨でございます。
○福山哲郎君 検討も結構なんですが、現実にはもう事故が起こっているわけです、長官。確かに法が一月ですから、そんなにすぐにできるわけではないのはわかるんですが、やはり今回の循環型社会基本法の経済的措置についても、国民から調査をし意見を聞きと言いつつ、本会議でも申し上げましたように環境基本法で言われてから七年間、具体的な問題はないわけです。現実には事故が起こっていて、食品に関しては先ほど僕がやりとりをさせていただいたような問題がいつも起こるわけです。
 逆に言うと、ここに行政に対する不信感なりが国民の中には根づいている部分があって、せっかく附則二条三項で「その結果に基づき、必要な措置が講ぜられるものとする。」という話がありますので、ぜひガイドライン、明確な基準なりというものを一刻も早くつくっていただいて、ダイオキシンに対する不安というのは全然消えていないわけで、法律ができたからといってダイオキシンがすぱっと消えれば問題ないですが、いかに法律を現実の状況に合わせて運用していくかというのが行政の責任だというふうに思いますので、そこは何とかお願いをしたいというふうに思います。
 そんな中で、これは神奈川新聞なんですが、「濃度の最大値 今なお基準の二百八十倍」、水質調査速報というのがありまして、「「影響分からない」」というふうに荏原製作所の工場長らが会見をしているんですが、相模湾自身には問題ないということで、神奈川県が今月末にも安全宣言を出すというような記事が出ています。
 この安全宣言を出すという記事について、今調査中だとか今検討中だとか数値を見てというふうに、環境庁さんから先ほどの私の質疑の中で何回も何回も出ているにもかかわらず、神奈川県は安全宣言を出そうというような話をされている。
 別に安全宣言が悪いと言っているわけではないのですが、現実問題として安全宣言をしてしまっていいのか、まだ調査中のことはいっぱいあるではないかという気もしておりまして、環境庁としてはこの点についてどのようにお考えなのか、御答弁をいただけますでしょうか。
○政務次官(柳本卓治君) 福山委員御指摘のように、住民不安の解消とか行政に対する信頼というものを取り戻す意味においても、きちっとした形の数値等の公表というものが待たれるところであろうと思いますが、これまで環境庁、神奈川県及び藤沢市により実施されました各種の周辺環境調査につきましては、これまで速報値として一部の結果を公表したところでございまして、現在その取りまとめを急いでいるところでございます。これらの調査結果について、専門家の意見をも十分に聴取した上で、連絡調整会議の場において周辺環境の安全性について入念かつ迅速に評価する予定であります。
 環境庁といたしましては、引き続きまして神奈川県、藤沢市と密接な連携を図りつつ、間もなくでございますけれども今月末をめどに最終的な取りまとめを行いまして、その結果を公表すべく努めてまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 安全にこしたことはありませんが、その会なりその取りまとめが、あえて安全宣言を出すための会ではないことを本当にお願いいたします。そこは冷静かつ客観的に御判断をいただかないと、例えば今安全だと言って、目先はいいのかもしれないけれども、地域の住民の方が僕がこうやって国会で取り上げることを逆に望まれたというのは、その方たちも自分の地域の観光客やいろんな問題が起きてくるのは百も承知の上でいろいろ言われてきたということも含めて、そこは長い将来のことですし、冷静に客観的に御判断をいただきたいというふうに思います。
 そしてもう一つ、この事故によって流出したダイオキシンというのは、当然引地川や鵠沼海岸の底には汚泥となって堆積をしていっていると思うんですね。その底質についての汚染状況、それから底質の除去の必要性については、環境庁としては今どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(清水嘉与子君) この底質につきましては、神奈川県の調査によりますと、引地川の底質は検出範囲の中では一グラム当たり二・六から二十一ピコグラム、平均八・二ピコグラムというふうになっております。環境庁が平成十年に全国調査をいたしましたときは、検出範囲で〇・一〇から二百六十ピコグラムというふうに幅がございます。そして、全国平均では八・三ピコグラムというふうなことでございまして、そういう平均からすれば同程度であるというふうに判断しております。
 また、鵠沼海岸を含みます相模湾沿岸の底質でございますけれども、これが一・一から四・六ピコグラム、平均いたしますと二・四ピコグラムということで、全国平均を今下回っているところでございます。
 したがいまして、現在得られているデータからは特に問題はないというふうに考えているわけでございます。ただ、引地川につきましては、地元自治体がさらにこれから調査を実施するということでございまして、その結果も踏まえまして今後の対応を判断してまいりたいというふうに思っております。
 したがいまして、先生おっしゃいました除去するという必要はまだないんじゃないかというふうに考えております。
○福山哲郎君 汚染状況は今承りました。ただ、藤沢市がつくっている広報紙のQアンドAとかでは、「引地川で遊んでも大丈夫か。」という質問に対して、「念のため、川から出た後は水道水で体を洗い流してください。」となっている。
 また、引地川が相模湾に流れ込む地点では、例えば鵠沼海岸のある鵠沼橋では三月二十三日、サンプルで二十一ピコグラムが検出されているわけです。その後、これは再検査ということになっているんですね。
 今、除去の必要がないと長官がおっしゃられたんですが、底質に対する環境基準は実はまだないんですね。底質に対する環境基準がないということは、危険かどうかも判断できないし、除去の必要についても対策を講ずるべきかどうかの客観的な今基準が設けられていないわけです。
 これは、実はダイオキシン法の中で、底質についての環境基準をつくるようになっているわけですが、今まだ検討中ということで、まだできていない。できていないにもかかわらず、今の状況ですと除去する必要はないと。その判断の根拠というのを、ではどういう根拠になるのかも含めてお答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(清水嘉与子君) おっしゃるように、今はまだ底質の環境基準ができていない、今検討しているところだというふうに申し上げるしかないわけでございます。
 しかし、これまで得られています調査の結果、先ほども御紹介申し上げましたけれども、今回の引地川の底質の状態が、環境庁が十年に調べましたときと同程度ということもありまして、そういう意味では平均的なレベルの底質濃度の地域でございますから、特に今、底質の除去は必要ではないんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
 しかし、先ほども申しましたように、この引地川に関しましてはまたさらに調査をするとなっておりますので、もう少し判断については留保したいというふうに思いますけれども、今後さらに検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 先ほどの食品もそうですし、今の底質もそうですし、まだ基準がないと。ですから調査を進めるという話で、でも現状は安全だろうという話でございまして、もう全部その繰り返しになるわけですので、もう少し、もう一歩前へ出ていっていただけるようなことを早急に望みたいと思います。
 次に、少し僕はわからないのでお伺いしたいんですが、このダイオキシン法の第五章に「土壌に係る措置」についての指定があります。二十九条によると、土壌の汚染に対して除去をするための対策地域を指定して計画をつくるという状況になっているんですが、この「土壌」という表現と川の底の「底質」という表現は、これは別扱いなんですね、局長。
○政府参考人(遠藤保雄君) 土壌と底質の問題でございますけれども、私ども土壌につきましてこのダイオキシン汚染で一番懸念いたしますのは、土壌を私どもは口から吸うなり皮膚接触しまして体に吸収すると、こういう問題でございます。
 それに対しまして底質の場合は、人間が接する機会というのは頻度として非常に低うございます。それで、一番問題となりますのは、やはりそこに住んでおる魚でございます。特に底を魚がつっつきまして、要するに底質から魚に移行するというような問題も考えられますので、そこの相関関係をいかに把握して、それで魚を介して食物連鎖で人の健康にどういうふうな形で影響が出てくるかという観点からアプローチしなきゃいかぬと、こういう問題でございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 今回の場合には工場からの排水の汚染が原因なわけですから、当然川の下の底質に汚染をされている可能性がある。そこについて、例えばこの法律の「土壌に係る措置」によると、いろんな形で指定に対して住民が申し入れをするということも出てくるんですが、底質に対して、例えば具体的に調査なり検査をすることに対して指定をするということを住民の方が都道府県知事に申し出をするというようなことは可能なんでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 底質につきましては、今回、水質の環境基準を設定するに際しまして底質についても設定できないか、最先端の専門家の方々の知見を総結集して検討したわけでございますけれども、残念ながらデータの制約性、さらには底質と水との間のダイオキシン汚染の相関関係、さらには底質と魚との間の汚染の相関関係、ここのデータが得られませんでした。したがいまして、今後検討課題と、こうなっております。
 したがいまして、そういう形でまだ基準がございませんので、非常に今のような問題についてはなかなか対応しにくい現状にはございます。
 ただ、私ども調査をいたしまして、全国的なレベルよりも極端に高濃度で汚染されているとかそういう問題に直面するならば、これはきちんと個別的な問題といたしまして対応していかなければいかぬ、こういうふうには考えております。
○福山哲郎君 この藤沢の場合には、個別的な問題として対応していただける可能性はあるんでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) データ的にちょっと申させていただきたいと思います。
 引地川本川でございますけれども、今回調査いたしましたところ底質は八・二ピコでございました、平均値でございますが。それで全国平均値が八・三でございますので、全国平均とそう大きな変化がない。その次に相模湾、これは一つは引地川河口周辺でございますが、底質は二・四、それで全国は八・三でございます。あと、海水浴場で辻堂海岸、あるいは片瀬西浜、これが恐らく鵠沼海岸に該当するものと考えますけれども、片瀬東浜、これにつきましては底質が〇・六八でございました。
 したがいまして、私どもといたしましては、この底質の汚染状況でございまするならば今大きな問題にはならないんじゃないか、こう判断しております。
 なお、一点申し忘れましたけれども、神奈川県でこれからいろいろダイオキシンにつきまして調査測定を実施するというような際には、住民からいろいろその際に御意見が出ましたならば、調査測定の仕方あるいは地点なんかにつきまして内容を検討し、採用が可能なものにつきましては住民の方々の意見を取り入れていきたい、こういう方針でございます。
○福山哲郎君 ぜひそこはよろしくお願いします。
 それと、あと今の御答弁に関連するんですが、ダイオキシン法の二十七条は、都道府県知事は調査測定をするという規定がありまして、恐らくことしの四月からスタートしてもう予算もついていると思うんですが、これは事故が起こったからとにかく調査をするということではなくて、毎年毎年これは調査をするという状況の中で、このような問題のある地域を含めて重点地域に指定して、きっちりと都道府県がする調査を、このような地域を、もう一度言いますが重点地域に指定して調査してくださいということを住民が申し出ることも可能なわけですか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 神奈川県といたしましては、調査測定内容を検討する段階におきまして、住民から意見が出された場合には、その内容を検討して採用可能なものは取り入れていきたい、こう言っております。
 したがいまして、その中で対応していけるものと考えます。
○福山哲郎君 例えばその住民の申し出ですが、具体的にはどういう形で申し出をすればいいんでしょうか。
○政府参考人(遠藤保雄君) ダイオキシン法二十七条にはそういう規定はございません。
 したがいまして、今回、これはこのケースに限りましての神奈川県の運用方針でございますので、その点につきましては、私ども神奈川県とも連携をとりながら、十分に対応できるようなことにつきまして意を用いたいと思います。
○福山哲郎君 議員立法に携わった者の立場で言うと、具体的にこういう問題が起こって法案を見ると、足りない点とか、逆にああこれがあってよかったなと思う点とか、非常に何というか身につまされて感じまして、もうぜひ、余りいい表現ではありませんが、一月に施行されているこの法律をもとにして、ぜひこの藤沢の皆さんの不安を取り除いていただきますようにお願いを申し上げます。
 もう大分時間が経過をしてしまいまして、若干だけ基本法について質問します。
 まず、長官と政務次官にお伺いをします。
 お二人の循環型社会というのは一体どういうイメージなのかを、お二人のお言葉でお聞かせいただけると非常にありがたいというふうに思いますので、お願いします。
○国務大臣(清水嘉与子君) 一言で言うのはなかなか難しいかもしれませんけれども、私ども本当に資源のない日本で、特に戦後の生活を考えてみますと、何もなかったところから物だけはあふれかえるというくらいにあると思います。よその国からたくさん持ってきた資源を利用して、そして豊かにはなりましたけれども、それを大量につくり大量に使い大量に捨てるということを繰り返してまいったわけでございますけれども、そのことについてこれでいいんだろうかという反省を多くの人たちが持っていると思いますし、私自身もそういうふうに思います。
 この社会をこのままではやはりいけないのではないか。資源を何とか循環させるような社会をつくる、そのことを、ちょうど新しい世紀を迎えるこの年に、環境庁が環境省になるというときに、このことを立ち上げようということに対して、私は大変意味があることだというふうに思っているわけでございますけれども、日本のやっぱり今までの社会のシステム、経済システムを大きく変える転機になるんじゃないかというふうに思っているところでございます。
○政務次官(柳本卓治君) 私は、二十一世紀に残す最大のものは、美しい自然と美しい環境、心である。そのために二十一世紀は環境の時代である。終戦後の高度成長過程の時代は既に終わり、新しい時代の息吹が今動こうとしている中において、足りるを知る、自然を残す、そういう新しい世紀の胎動が循環型社会の構築であると、そういうような認識を持って考えております。
○福山哲郎君 もうこれ以上は申し上げませんが、それぞれのイメージがあると思いますし、循環型社会というのはそんなに単純な話でもないと思いますが、やはりきょうの参考人の午前中の質疑でも、なかなかこの法案の不備な点というか足らない点、確かに一歩一歩階段を上がっていくことは必要だとは思うんですけれども、ではどれほどの実効性を伴ってこの法案が二十一世紀にひとり立ちしていくのかということに関して言うと、大変疑問の声も出ています。
 特に重要なのは、やっぱり十五条の基本計画の中身という話なんですが、この基本計画について一体どの程度の実効性が担保されるのかというのが重要なことになっているんですが、もう一度お手数ですが、長官、この基本計画について実効性をいかに担保されていくおつもりなのか、お答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(清水嘉与子君) 確かに、基本法の中で一番重要な点だというふうに思っております十五条の基本計画でございますけれども、これは環境大臣が、中央環境審議会が意見を述べる指針に即してかつ審議会の意見を聞いて基本計画の案を策定し、閣議決定を求めるというふうになっているわけでございますから、計画の具体的な内容についてこうと言うことはなかなか、審議会の御意見を待つ必要があるということを前に置いた上でお話を申し上げたいわけですが、今環境庁として考えているというレベルでは三つのことを申し上げられると思います。
 一つには、循環型社会の形成に関する施策の基本方針について。それについては、まず我が国が目指す循環型社会のイメージ、さっきも御質問がございましたがそういうイメージ、そして関係個別法及び個別施策との総合的、有機的な連携の基本的な方向、循環資源の発生、循環的な利用及び処分の目標量というのをやはり基本方針の中に含めたい。
 そしてさらに、循環型社会の形成に関しまして政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策につきましては、国、地方公共団体、事業者、国民が果たすべきそれぞれの役割について、また主要な循環資源ごとの個別の施策、施設整備の基本的な方針、国が率先して実行しようとする行動、こういったものが挙げられると思います。
 三つ目には、その他循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための必要事項についてということで、計画のフォローアップ等のあり方、あるいは関連施策との有機的な連携の確保のための留意事項、こういったものが計画の中に盛り込めればというふうに今私ども考えておるわけでございまして、では実際に計画の実効性をどう担保するのかという肝心の御質問でございます。
 これは、まずこの計画が閣議決定によって策定されることになっているわけでございまして、政府が一丸となった取り組みを確保するという仕組みがとられている。そして、さらに他の計画はこの計画を基本としてつくらなきゃならないということになっているわけでございます。
 それから、計画がおおむね五年ごとに見直されるということ、そして毎年年次報告によりましてフォローアップされるというようなこと、そういうことからこれらの際に施策の効果でありますとか、問題点の分析が行われるのであろう。さらに、本法案と一体的に整備されます個別法におきましては、環境大臣が主務大臣等としてその位置づけを確保しているということも大きいことではないかというふうに思います。
 さらに、計画の策定あるいは年次報告によりますフォローアップというのは国会に御報告することになっているわけでございまして、その際には当然必要な御審議がいただけるということでございますから、こういった点から計画の実効性を担保する仕組みが幾重にも準備されているというふうに理解しているところでございます。
○福山哲郎君 大変御丁寧にお答えいただきましてありがとうございます。そこまで準備をされている目標、基本計画ですが、私たちは大変そこに疑問を持っています。それはなぜかというと、地球温暖化の問題について言うと、行動計画というのがもともとありまして、それに沿っていくという話だったのですが、なかなかそのとおりにいっていないという実態がございます。
 例えば、去年、CO2の排出量の速報値が発表されましたが、約三億九百万トンということで、実は九八年に比べて一・八%もふえている。これだけ温暖化でCO2を削減しなければいけないという中で、去年もふえてしまった。ふえてしまったというこの数値について長官はどのようにお考えで、またなぜこんなに大きく増加してしまったのか。これは、いわゆる行動計画をもとにやってきたはずなのに、目標値もあったはずなのに、こういう実態になっているということも含めてお答えをいただければと思います。
○国務大臣(清水嘉与子君) 一九九九年のエネルギー起源の二酸化炭素量というのが、これは民間の機関が発表されたデータだと思いますけれども、発表されたことを承知しているところでございます。
 環境庁といたしましては、環境庁としてのデータもきちんと把握したいと思っているわけでございますけれども、今先生がおっしゃったこのデータを拝見いたしますと、やはり産業部門におけるエネルギー消費の伸びがほかの部門に比べて特に多いわけでございます。そういうわけで、この産業部門において排出量が増大した原因についてはよく分析しなきゃならないというふうに認識しているところでございます。確かに、今後とも二酸化炭素排出量の動向をきちんと把握しながら、京都議定書の目標の達成に向けて長期的、継続的な排出削減を進めることを目指さなきゃいけないわけでございまして、地球温暖化対策をより一層推進してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
 何はともあれ、この産業部門の排出量の増大要因について、もう少し分析をしながらチェックしていきたいというふうに思っているところでございます。
○福山哲郎君 私は、この十五条にある基本計画にしても今回の温暖化の行動計画にしても、行動計画自身が悪いと言っているわけではありません。しかし、目標があってやろうと思っていたら結果として増加をしてしまった。そうしたら、原因を見たらこうこうこうだった。今は産業部門だと言われた。産業部門だと言われてこうだった。そうしたら、なぜそうなったのかまた分析しなければいけない。それで、結果としては京都議定書の目標に対してやっぱり頑張っていかなければいけないと言われる。
 それは頑張らなきゃいけないのは当たり前でございますし、それをお題目のように目標値がありますからと言っても、結果として事実が出てきたらそれは全くその目標値とは違った結果になる、そうしたらそれをまた分析して頑張らなければいけない、そんなイタチごっこみたいなことをしていて本当に間に合うのか。この循環社会基本法の話にしても、基本計画をつくること自体を否定しているわけではないのですが、この温暖化防止の行動計画とやっぱり同じ轍を二度踏むのではないかという懸念が我々にはあるわけです。
 では、現実にはその行動計画のどこが足りなくて、どこが不十分で、その行動計画をつくるときに一体何が足りなかったのかということを分析することが実は問題で、出てきた結果を見て、そこで分析しまして頑張りますと言ったって現実には全然前へ進んでいないという実態があります。その点については、では温暖化防止行動計画の一体どこが足りなかったのか、そして循環社会基本法の基本計画でも二の舞になることについてどのようにそれを回避するお考えなのか、その辺の決意のほどを長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(清水嘉与子君) 地球温暖化防止行動計画というのは、政府として地球温暖化対策の方針あるいは広範な施策等を明らかにしたものでございまして、これに基づきまして温暖化対策に対する多くの取り組みが実施されているわけでございます。行動計画の目標の内容につきましては、一九九〇年レベルで二〇〇〇年以降おおむね安定させるという方向が出されているわけでございます。
 これが達成できなかった、実際一九九九年のデータから見て達成できなかったではないかという御指摘なのでございますけれども、やはり私どもとしては、まず二〇〇〇年の排出量が推定された時点で総合的に評価をしたいと考えるわけでございます。そして、確かにいろいろ難しい点はございますけれども、今後の対応のあり方でございますが、今環境庁におきまして環境基本計画の見直しが行われているわけでございまして、中央環境審議会に今諮問いたしまして御審議いただいているわけでございますが、その一環といたしまして、地球温暖化対策のあり方について精力的に御検討いただいているところでございます。
 検討に当たりましては、各種の温暖化対策の実施による効果を確実に担保する措置といたしまして、規制的な手法、税だとか排出量取引などの経済的な手法、あるいは自主的な取り組みをどのように活用することが適切かといったことについて議論を深めているところでございます。こうした議論あるいはCOP6等の国際交渉の進展も踏まえながら日本は六%削減をしなきゃいけないわけで、六%削減の目標に向かってそれを確実に担保する総合的な国内制度を確立したいと、こういうふうに考えているところでございます。
○福山哲郎君 この法案については拡大生産者責任の件、経済的措置に対する件、そして各省庁間でそれぞれがまた動いて一元化をはっきりと明確にしていない点、多々不備な点があるというふうに思っております。
 確かに第一歩なのかもしれませんが、今長官が言われたように、検討して検討していつの間にかよくわからないうちに環境が悪くなってしまう。いつになったらやるのか、いつやってどこでどのような決断でやるのかというのはこれから環境省になられます環境庁のやっぱり大きな役割だと思いますので、いつも最後の締めは私は同じようなことで終わっているんですが、ぜひ頑張っていただきますように御期待して私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○岩佐恵美君 日本のごみは、周知のように年間四億八千万トンに達しています。そして、その埋め立てる量がつい数年前まで一億トン近く、現在でも毎年毎年七千万トンを超えるごみがこの日本列島のどこかに埋め立てられる。そして埋立地ももうあとわずかしかない、そういう深刻な状況になっています。また、日本ではごみを焼却して減量する、そういう方式をとってきていて、家庭系ごみについては今七七%程度焼却をしている、そういう状況にあります。ですから、ダイオキシンの汚染列島というふうに言われるようになってしまったわけです。
 私は、その原因というのは、ごみ出し放題のやり方、これを野放しにしてきたことにあると思います。それがもう今破綻してしまっているから今度のような廃棄物等の発生抑制を最優先にする法律がつくられる、そういうことになったと考えております。
 長官は本会議で、この法律の第十一条三項、十八条三項に拡大生産者責任を明確に位置づけているから、それを踏まえて容器包装リサイクル法などによって事業者による使用済み製品の回収、リサイクルを推進する、そう答弁されました。本当に容器リサイクル法でごみの発生抑制ができるというふうに長官はお考えでしょうか。その点、まず最初に伺いたいと思います。
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生の御指摘でございますけれども、この基本法ができ、そして各個別法との一体となった成果によりまして、まずリデュースが図られ、そしてリサイクルが図られといったこと、そして最終的には廃棄という循環を促すということを考えているわけでございます。
 特に先生がおっしゃいました拡大生産者責任、十一条三項でありますとか十八条三項におきましてそのことについて明確に書いてあるということを申し上げたところについて御質問でございます。ペットボトル等容器包装リサイクル法で具体的に廃棄物の発生抑制ができるかというふうな御質問に対しましては、容器包装廃棄物の排出の抑制に努める責務を排出事業者でありますとか消費者にこの容器包装リサイクル法はかけているわけでございます。そして、容器包装廃棄物の発生の抑制を視野に入れた法律になっているわけでございまして、私どもといたしましても、こういった趣旨を踏まえまして環境教育の充実等努めてきたわけでございます。
   〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
 特に、この容器包装リサイクル法というのは、容器包装の製造事業者、利用事業者等に容器包装廃棄物の再商品化の義務づけをしたことによりまして、事業者ひいては消費者に対する発生抑制のインセンティブとして働き得るものというふうに私どもとしては認識しているところでございます。
○岩佐恵美君 そこで、厚生省に伺いたいんですが、九六年以降のペットボトルの生産量、回収量、これはそれぞれ幾らでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) まず、ペットボトルの生産量でございますけれども、平成八年、九六年が十七万三千トン、平成九年、九七年でございますけれども二十一万九千トン、平成十年が二十八万二千トン、平成十一年が三十三万二千トンというふうに増加しております。
 また、回収量でございますけれども、平成八年が五千トン、それから容器包装リサイクル法が開始されました平成九年が二万一千トン、平成十年が四万八千トン、それから平成十一年には七万八千トンというふうに見込んでおります。
○岩佐恵美君 今説明があったように、ペットボトルの生産量は、法施行前の九六年が十七万三千トン、それが九七年には容リ法が施行されたわけですが二十一万九千トンに急増して、ことしは三十六万トンになる、そう予想されております。一方、再資源化のための回収量、これも五千トンからことしの七万トンへふえてはきているわけですけれども、ただ問題は、生産量から再資源化量、再商品化量を引いた、ごみとなる量がふえていることなんです。
 きょう理事会の御了解を得て、ちょっとこの資料を提示させていただきたいと思いますけれども、このピンクで塗ってあるところが差し引きごみとなっている部分なんです。(資料を示す)これを見ていただくとわかるように、九五年から見ればもう倍以上にごみ量がふえているという実態になっているわけですね。そもそもごみの減量を目的としたこの容リ法です。それなのに逆にごみが急増してしまう。これは何でこんなことになってしまったんだろうか。そのことについて、厚生省いかがですか。
○政府参考人(岡澤和好君) ペットボトルにつきましては、本格的なリサイクルが始まってから三年余りということで、一方でリサイクルシステムの構築を進めておりますけれども、まだ完全にでき上がっていないという状況の中で、生産・消費量というのが急増しているということが見かけの原因だと思います。
 なぜそういうことになったかということですけれども、ペットボトルはふたができるとか、軽量であるとか、他の容器に比べて利便性が高いという使い勝手のよさということがあって、これが一つの背景にあると思います。
 それからまた、リサイクル法の施行と直接関係があるとは思いませんけれども、ペットボトルの利用業界がかつて自主規制をしておりましたのを、そうしたペットボトルのリサイクルが進むことによって解除して、それによって生産量がふえたというふうな背景があるものというふうに理解しております。
○岩佐恵美君 結局、生産量が急増したのは、大量生産で再商品化コストを引き下げる、そのためじゃないかと思うんですね。私が業界関係者と話をしたら、その点はそうだと認めていました。
 容リ法の事業者負担は再商品化義務量についてだけでいい、そういうふうになっています。この再商品化義務量は生産量や回収量とは無関係で、再商品化施設の能力で決まります。ペットボトルについて言えば、生産量の二割分について容器リサイクル協会に委託費を払えばあとはどれだけ多くの廃棄物が出ようが構わない、そういう仕組みになっているんですね。これでは、大量生産をした方が一本当たりの負担は安くつくということになります。
 発生抑制の決まりがない、そういう容リ法では大量生産に歯どめがかからない。それどころか、大量生産促進法になってしまうというふうに私は思いますけれども、環境庁、いかがですか。
○政務次官(柳本卓治君) お答えいたします。
 近年、ペットボトルに代表されるように容器包装の消費量及び生産量が増加しておりますが、これは消費者が利便性を求める傾向にあることに対応したものと考えられまして、容器包装リサイクル法自体がそのような傾向を助長しているということは必ずしも言えないと考えております。
 容器包装リサイクル法は、むしろ事業者及び消費者に対しまして、繰り返し使用可能な容器包装の利用や容器包装の過剰な使用の抑制等によりまして、容器包装廃棄物の排出の抑制に努める責務を課しまして、また主務大臣が定める基本方針において、容器包装廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項を定めることを求めること等によりまして、先ほど長官から御答弁申し上げましたとおり、容器包装廃棄物の発生抑制を視野に入れた法制度であると考えております。
 特に、同法に基づく容器包装の製造事業者、利用事業者等に容器包装廃棄物の再商品化義務を課すことは、事業者に対しては容器包装の薄肉化や簡易包装化を進めようというインセンティブを与え、また再商品化に要する費用が飲料等の商品価格に適正に反映されることによって消費者の商品の選択に影響を与えることにより、大量生産、大量消費を抑制するインセンティブとして働き得るものと認識をしているところでございます。
○岩佐恵美君 この基本法を担当する環境庁、私はもっと現場をちゃんと踏まえて分析して、どうすればいいかということを自分の頭で、そう言ったら失礼かもしれないけれども本当にしっかり考えていただきたいんです、現実を踏まえて。
 さっき厚生省が説明したように、ペットボトルというのは容リ法で再資源化するということになった。これはいいわけです。ところが、そういうことになったということで今まで自主規制していた五百ミリリットルのペットボトルの生産を解除したんです。それは消費者が買うからという、そういうこともあるかもしれない。とにかく再商品化の義務量をはるかに超える生産量にして、それで再商品化のコストを何とか賄ってさらに利益を出すという体制になったところに問題があるわけです。ペットボトルの再商品化量は生産量にもう全然追いついていない。
 自治体が回収したペットボトルの引き取りを容器リサイクル協会が拒否して、自治体にペットボトルが大量にたまってしまうという事態が起きています。私は、ことしの一月に小平市の実情を少し調べました。自治体が回収したペットボトルを容器リサイクル協会に引き取ってもらうには、一立米くらいに圧縮こん包する。決まった場所に保管しなければならない。一個が約二百キロになる。ところが、二〇〇〇年度の収集計画三百三トンに対して、協会の引き取り量は一四%カット、しかも自治体の実際の回収量は三百六十トンくらいになる。三百三トンの計画だけれども三百六十トン、それに収集のカットが言われてきている。しかも、そうなると百トン、五百個が引き取ってもらえない。市にたまることが予想される。保管庫をつくるにはお金がかかる。シートをかぶせて屋外に積んでいるけれども火災が心配。こういうことではせっかく容リ法をつくっても自治体が分別回収に積極的になれないという事態になっているんです。
 これはもう本当に情けない事態だと思うんですけれども、厚生省、いかがですか。
○政府参考人(岡澤和好君) 容器包装リサイクル法のリサイクルのメカニズムというのは、いろんな議論はあろうかと思いますけれども、消費者が分別排出して、市町村が分別収集し、それから事業者が再商品化の責任を負う、そういう責任分担と費用分担とでこういう仕組みをつくり上げる一つの合意が形成されたわけでございます。そういう意味で、市町村の役割をこの中に位置づけておりますので、ぜひ市町村の御理解、御協力がなければこの仕組みは進まない。しかも、この仕組みへの参加は市町村単位で参加するということになりますので、特に市町村の中での対応というのは重要になると思います。
 しかし、今先生がおっしゃったように分別収集のためには相当な費用がかかる。従来ですとこれだけ分けてやるということはなかったですから、わざわざリサイクルのために、このためにストックヤードをつくらなければならないとか、あるいはこのために車が要るとか、そういういろんなもろもろの問題が出てまいります。
 しかし、ペットだけではありません。容器包装のリサイクルを進めるということは必要なことですし、そのために一たん一つの仕組みを合意したわけでございますので、ぜひ市町村の方にはやる気を起こしていただきたいというふうに考えております。私どももストックヤードとか選別施設など市町村の施設整備にはできるだけ補助する、あるいはなかなかソフトの部分でうまくいかないというようなところもございますので、それは先行している市町村がどういう形でそれをこなしているかというふうな情報を集めて提供するというような形で、技術的、財政的にもできるだけの支援をして市町村の取り組みを促していきたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 人手とお金がかかる分別回収、圧縮こん包、これが自治体負担。小平市の話ではペットボトルの分別収集費用がキロ当たり約十円、指定どおりに圧縮こん包するための費用も同じぐらいかかる。これでは分別回収を進めると費用負担がどんどんかさむということになるんです。
 実際に容リ法によるペットのリサイクルに進んでいる自治体は、今年度の計画でも千七百六十二市町村です。全体の五四・五%です。自治体が税金を使って分別回収しなければ製造事業者は負担を免れる、その上、回収量があらかじめ決められていて、それ以上自治体が集めても再商品化されない、そういう仕組み自体がおかしいんですね。
 丹羽厚生大臣は、循環法について私の本会議質問で、「リサイクル工場の新増設の前倒しをお願いすることによりまして、再商品化能力の増強を図っておるところでございます。」と答弁しておられます。これで、生産量に対してどれだけ再商品化できるというのでしょうか。ごみとなる量をどれだけ減らせるというのでしょうか。厚生省、いかがですか。
○政府参考人(岡澤和好君) いわゆる生産量の中で、それは排出されますけれども、排出量の中で市町村が分別収集する部分の割合あるいはその再資源化の割合ということですけれども、今の仕組みでは必ずしも乖離することを前提にしているわけではございませんで、当然国が再商品化施設の整備の状況とか設備投資の計画等をもとに再商品化計画を策定いたしまして、これを勘案して市町村が分別収集計画を策定し、全体としては分別収集と再商品化の量のバランスをとるということになっているわけでございまして、それがうまくいくはずだということで組んでいたわけでございます。
 ところが、結果的には、昨年度に再商品化能力に対しまして市町村の分別収集が多く集まり過ぎたということで御指摘のような事態が生じたわけです。これは、短期的には確かに市町村が集めたペットボトルにつきましてはこれを再商品化するだけの能力を備えさせるということが必要ですが、私どもとしてはとにかく市町村が、これからどんどん市町村の参加もふやしていただきたいと思いますし、できるだけのペットボトルを回収してもらいたいと思いますが、できるだけ回収するペットボトルをふやし、その回収されたペットボトルについては必ず全量を資源化するということに持っていくのが私どもの目標でございます。
 過渡的には、確かにおっしゃるようなちょっとバランスを欠いたような事態が生じたわけですけれども、これから関係省庁との間でこの仕組みの運用に当たりましてそうした私どもの主張を的確に通して、できるだけ多くのペットボトルを回収し、それがすべて再資源化し得るような仕組みを目指して頑張りたいと思います。
○岩佐恵美君 ちょっとバランスを欠いたなどという程度じゃないんです。ことしの回収率だって二割程度にしかすぎません。生産量の増加を野放しにして再商品化能力の増強を図ったって、とても追いつかないんですね。
 本会議質問で私が指摘したように、ビール業界も新たにペットボトルの販売に乗り出すということを検討しています。何か歩きながら飲めるとかという。私はビールというのは歩きながら飲むものじゃないというふうに思っているんですけれども、そういうキャッチフレーズで売り込むそうです。結局、生産・使用量を再商品化計画に見合ったものに抑制しない限りごみ量はふえ続けるんです。厚生大臣は、「生産・使用量そのものを規制するということは市場経済において現実的ではない、」と本会議で答弁され、きょうも午前中そういう論議がありましたけれども、では一体、ペットボトルの廃棄物の発生抑制に本当にどういう解決策があるとお考えなのか。
○政府参考人(岡澤和好君) 容器包装リサイクル法の目的でございますけれども、従来は市町村が処理費用を負担して、大半は埋め立てとか焼却とかというふうにしていたわけですけれども、これにつきまして、少なくとも再資源化費用については事業者に負担をさせ、その負担させた費用については商品価格に転嫁させて、消費者の選択にゆだねて、マーケットのメカニズムの中で、より環境に優しいといいますか環境負荷の少ない製品を消費者が選択するというふうな方向で、逆に環境に負荷を与えるような製品を駆逐していこうということが目標なわけでございます。
 ただ、現実問題として、費用については市町村が収集費用を負担しておりますので、リサイクルにかかる費用のすべてを製品コストに転嫁できない状況になっております。しかし、再商品化率を高くすることによって、生産者側から見れば生産した量に対する再資源化しなきゃならない量がふえてまいりますから、製品に転嫁をしようとすると当然その分だけ単位当たりでもたくさんの費用をコストとして製品に転嫁しなきゃならないことになります。コストのメカニズムを利用して環境に負荷の少ない製品、容器を普及させていくということについては、まず回収率を高くするということが一番ポイントだというふうに考えております。
○岩佐恵美君 私は、もうこれは数年間、厚生省、通産省と議論をしているところなんです。だから、きょうはこの表をつくってきたんです。
 回収率を高めて一体何が起こったか。廃棄物がふえたじゃないですか。今まで市町村が燃やしていたごみを再資源化、再商品化するということでできた法律なのに、そうではない事態、今まで燃やしていた量よりももっと多い量が燃やされる事態になっているじゃないですか。この表が、数字が明確にそのことを物語っているじゃないですか。
   〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
 今の部長の答弁も、従来型の答弁を繰り返されて、御本人は納得されているんでしょうか。私は、恐らく変だなと、矛盾に満ちて答弁されているのじゃないかというふうに思います。
 私は別に、午前中の論議でも言いましたが、生産を禁止しろとか、そんなことを言っているんじゃないんです。どうやって発生が抑制されるようにするかというルールをちゃんとしていくことが必要なんじゃないですかと。今の仕組みでは、ペットボトルの再商品化についての事業者負担、これは回収量一キログラム当たり約六十円です。ところが、生産量に当てはめると一キログラム当たりでわずか九円なんです。
 つまり、事業者負担を生産量、販売量に応じたものにして、大量生産すればコストがふえる、そういう仕組みにしない限り生産量がふえ続けるんです。ごみ量がふえ続けるんです。そういう状態がずっと放置されるんです。それでいいんですか。消費者が買うから悪いんだとか、そういうことだけで済まされる問題じゃないんです。
 私は本当に真剣に、きょうこの場で答えることができないのなら、やっぱりよくこの数字自体を分析して考えてほしい、そういうふうに思うんですけれども、厚生省、いかがですか。
○政府参考人(岡澤和好君) 生産量、消費量が伸び続ける中で、今私が言ったように再資源化率を高めるというのはなかなか説得力がないといいますか、わかりにくい話かもしれませんけれども、基本的にはやはりペットボトルは使い捨て容器になっておりまして、特にペットボトルの回収したものが現時点ではペットボトルとして再生できないということがペットボトルの再利用上のネックになっておるわけでございます。
 技術的にはさまざまな研究がなされて、ペットボトルをリターナブルな形で使用する方法もありますし、あるいはそれを可能にさせるような技術開発ということもあると思いますので、そうしたことを私どもも業界と連携をとりながら進めてまいりたいと思いますが、ペットボトルを単にワンウエーの形で生産、消費してそれをリサイクルするような形から、できるだけペットボトルを中で回転させるというふうな形を組み合わせていくことも必要ではないかというふうに考えておりまして、その点については今後検討させていただきたいと思います。
○岩佐恵美君 環境庁、厚生省と私はこういうやりとりをもう本当にずっとやっているんです。私たちは、容器リサイクル法を国会で審議し、その点を心配しながらも、とにかく一歩一歩進めていきましょうということでこの法律には賛成しました。私もその審議に衆議院のときに加わった者なんです。だからこそ、余計責任があると思っているんです。だから、後もずっとウオッチしているんです。本当によくないと思っているんです。
 環境庁、実情を見ないでアバウトに、容リ法を進めれば何とかなりますよなんということで済まさないでいただきたいんです。せっかくこういう基本法で何とかしようということで期待があるときにそういう答弁を聞くと、その期待は消えちゃうんですね。こんなので大丈夫かしらという思いが、本会議のやりとりだとかきょうのやりとりでもだんだん募ってくるんです。一体この法律は何なのかしら、本当に環境庁はやってくれるのかしらという不安がありますので、いかがですか。
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生の今のやりとりは、もう何度も先生はこの点について御指摘でございますので、よく理解できますし、こういった法律ができることによりまして、容器包装リサイクル法にも影響を与えられれば大変いいというふうに考えます。
 ただ、先生御指摘のように、ある一定の生産量だとか消費量についての規制がある程度できれば一番いいのかもしれませんけれども、容器包装リサイクル法がこの四月に完全施行されたということでございますから、やはりもう少しこの効果を見なければいけないのではないかというふうに思います。
 そしてまた、私どもが今御提案申し上げております法案に基づきます基本計画の策定、あるいは見直し、その他の実施状況のフォローアップの際に、個別の廃棄物・リサイクルの施行の効果、そして問題点の分析を行うこととしておりますので、御指摘の容器包装リサイクル法につきましても、このような機会に関係省庁と密接な連携を図りつつ、見直しの必要性についてもぜひ適切に判断してまいりたいというふうに思います。
○岩佐恵美君 それで、通産省に伺いたいんですけれども、ペットボトルのはんらんというのはリターナブル瓶の減少につながっているんですね。私も現場に行って、改めて数字というのはすごいんだなということで驚きました。
 東京都の国立市では、生き瓶の回収量が九六年までは年々増加していたんですけれども、容リ法の施行を契機に、ペットの回収量増加に反比例して九七年度は一五%減る、九八年度はさらに一〇%減る。ですから、容リ法の施行でペットボトルがふえて、環境負荷軽減の優等生であると言われている繰り返し利用するリターナブル瓶が駆逐されていってしまうというような状況に今置かれているんです。私は、こういう事態というのは本末転倒だというふうに思います。
 消費者はどう考えるかというと、ペットボトルを使っても、今みたいに再資源化、再商品化されるという認識がありますから、私も環境に優しいものを使っているんだという思いがあるんですね。だけれども、実態はそうではなくて、ごみがふえていて自治体関係者なんかは非常に困っているんだけれども、消費者の部分ではその理解が行き届いていませんので、結局ペットボトルを使ってしまうということで、そちらにシフトしていってしまう。
 結果的には、今度の基本法の発生抑制、再使用、それからリサイクルという順序からいっても、二番目に位置づけられているリユースということが後背に押しやられていくことになってしまうんです。通産省として、この点いかがお考えですか。
○政務次官(細田博之君) 先ほど来御議論ございますけれども、ペットボトルの需要、生産の増加は今の経済実態から見ると異常なほど高いわけでございまして、例えば平成八年から平成十二年で倍増をしております。
 倍増ということは、その間の経済成長率はほとんどゼロに若干プラスした程度でございますのに、そして国民の一人一人が飲まれる量は胃袋の大きさその他でほとんど変わらないはずでございますのに倍増しておるということは、いわば流行の変化といいますか落としても割れないとか持ち運びが軽いとかいろんなことで、あるいは商品開発がいろいろ行われるということでとりあえずは急増したものだと思いますけれども、あるところで必ずまたとまったり、それから今は逆戻り現象もいろいろ起こっておりますので、安定期に入るものだと考えております。ペットの先ほどの議論で言いますと、そのための処理施設とかその他のことは今後とも一生懸命通産省としても所管の面では努力をしてまいりますが、そういった背景があるということ。
 そして、先生が今おっしゃいましたリターナブル瓶にまさるものはないではないかというその認識は、私どももそのとおりだと思っておりまして、これにつきましては私どももこれからも大いに推進していかなきゃならない。
 その中で、しかし大きな問題は、例えばビール瓶でも企業によって形がどうしても違う、我が社はこれでなきゃいけないというからあるビール会社の瓶はある一つのビール会社しか使えないわけですし、それからドリンク剤などはみんな宣伝をしていろんな形をつくるわけでございますし、牛乳会社は少しまた瓶に復活させようという動きもございますし、いろいろでございますけれども、企業のそれぞれの商品企画、販売を促進するための自由と、それから市民社会におけるリターンをできるだけ促進することによって環境負荷を少なくするという、やや二律背反的でありますが、どこで調和をとっていくかという問題でございますが、必ずやはりリターナブル瓶についての見直しという動きは今後大きくなるはずですし、またそういうふうな方向に持っていかなければならない、それは基本であると思っております。
○岩佐恵美君 私も十数年ぐらい前からビール瓶について規格を統一するというか、別に難しい話じゃなくて、それぞれのビール、Aビール、何とかビール、Sビールとかというのは刻印されていたんです。その刻印を取るだけで非常にリユースしやすい、そういう状況になるということで、瓶商の皆さん、回収業の皆さんと一緒に私たちも取り組んで、メーカーと話し合いして、その刻印を取ってスムーズにいっているんです。だから、一つ一つ丁寧にやっていけばそんなに難しい話ではないというふうに思います。
 発生抑制とかリユースということを考えていくと、やはりそういう方向に行かざるを得ないし、規格の統一というと何かがちっと全部統一していっちゃいけないとか、そういう問題じゃないんです。そうじゃなくて、自主的にやったりいろいろ創意工夫を凝らして、とにかく環境に負荷を与えないということでみんなが共通認識を持てばそういう施策は進んでいくだろうというふうに思うんです。
 実は、この間新聞に紹介されていたので私は関心があって取り寄せたんですけれども、東京大学の生産技術研究所の安井教授が中心になって容器の種類別に環境への負荷の比較研究をしています。比較をしたのは、ペットボトル、ワンウエー瓶、アルミ缶、スチール缶、紙容器。これらについて、資源採取の段階から素材製造、容器製造、充てん、流通、リサイクル、廃棄、埋め立てまでのライフサイクル全体を通じて資源やエネルギーの使用量、大気汚染物質や水質汚濁物質の排出量、廃棄物の排出量、これらを比較検討している研究です。
 この報告書によると、大気汚染でもエネルギー消費でも、ビール瓶のように何度も使うリターナブル瓶がペットボトルより環境への負荷が小さいという結果が出ています。リターナブル瓶の炭酸ガスあるいは硫黄酸化物、窒素酸化物のいずれも排出量はペットの半分以下なんです。
 特に、よく見てみると、二十回リターナブル瓶、これは環境に最もよいという結果が出ているんです。エネルギー消費量はもちろん四分の一ですし、水消費量は一割以下。固形廃棄物は同じぐらいですけれども、液体廃棄物も含めるとペットが二十倍くらい多いということです。水質汚濁物質はわずかにペットより多いということですが、それ以外はどれをとってもペットがリターナブル瓶に比べてはるかに環境負荷量が多いという調査です。
 容器による環境への負荷、これを総合的に減らすためには、私はペットボトルを減らしてリターナブル瓶に転換を進めていくということが非常に大事だということがこの調査によってよくわかるような気がするんです。こういう研究は非常に重要です。ですから、環境庁としてこういう大学の研究をよく取り入れるとか、あるいは別途またそういう研究をするとかということで研究、検討をすべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政務次官(柳本卓治君) 今、岩佐先生御指摘の東京大学の安井教授の研究結果の件、私も資料を読ませていただきましたが、御指摘の報告書は、ペットボトル、ワンウエー瓶、リターナブル瓶、アルミ缶、スチール缶及び紙容器について、製造から利用、廃棄に至るまでに発生するそれぞれの環境負荷を比較検討したものでございまして、東京大学の生産技術研究所教授の安井さんをリーダーとして、瓶メーカーや酒造会社、大学等のメンバー十人で成る容器間比較研究会がこの五月に第一次最終結果として取りまとめたものと承知をいたしております。
 この報告書では、例えば廃棄物の排出量について単純に重量で比較したために、廃棄物の処分場の土地利用や安全性の視点で比較できないなど今後の課題とした部分もありますけれども、客観的に容器間の環境負荷を比較しようとする試みとして評価できるものでございます。
 そして、リターナブル瓶の利用を促進すべきというようなお考えですけれども、どの容器が環境への負荷を低減する観点から望ましいかは一概に確定することはできませんけれども、一般にリターナブル瓶の利用というものは望ましいと考えております。本法案におきましても対策の優先順位を定めておりまして、再使用が再生利用に優先するわけであります。
 今後とも、環境への負荷の少ないリターナブル容器の利用の促進に努めてまいりたいと考えております。
○岩佐恵美君 いや、私は環境庁が、大学が手間暇かけてすばらしい研究をやった、自分たちが本来やらなきゃいけない研究をやってくれたと、これから学んで自分たちの施策、リターナブル瓶がいいんだと言っているわけですから、そういうことで進めていかなきゃいけない。基本法をせっかく論議しているときに、言ってみれば基本法を応援するようなそういう資料じゃないんですか、調査じゃないんですか。
 今の話を伺っていると、何やらいろいろけちをつけて、だけれども中にはいいところもあるんでそれに沿ってやっていこうかみたいな、これは委員の皆さんだってそう思われたんじゃないでしょうか。ちょっともう少ししっかりしていただけませんか。
○政務次官(柳本卓治君) 非常に有用な研究結果と思っておりますし、私どもも参考に、協力していきたいと思っております。
○岩佐恵美君 最初からそう言っていただければよろしかったんですけれども、ついつい私もちょっとかっかきているものですから、済みません。
 それで、ペットボトルの再資源化施設でありますヨノペットボトルというところにも行って実情を聞いてまいりました。
 ペットボトルを処理したペレットあるいはフレークを売却しているんですけれども、売上収入では経費の三分の一くらいしか賄えないというんです。あと容器リサイクル協会からの加工委託費を入れてようやく成り立っている、そういう状況だというんです。年間三十万トン余り使われていますけれども、再生することによって粘度をあらわすIV値が下がってしまうため、用途は限られてくるということでした。とてもペットボトル一〇〇%分を再生利用するという見通しがないのではないか、そう思いました。
 お金とエネルギーをかけて見通しのない再生利用を追求していくということ、技術に頼るとか施設に頼るとかということで進めていくよりも、昔からやられているリターナブルのいいところ、そういうところに学んで取り入れていくということが私は必要だと思うんです。
 私は、先ほど厚生省からも答弁があったけれども、容器リサイクル法が進むにつれて、何なのこれという思いがするものですから、あちこちに行っていろいろ言われるものだから、私も自分で見て考えたいということで調査をしてきているわけです。本当にそういうところをきちっと踏まえてこれから作業を進めていっていただきたいというふうに思うんですけれども、環境庁、いかがですか。
○国務大臣(清水嘉与子君) 今先生の御指摘のとおりであろうと思います。この問題についてはたくさんございますけれども、環境庁といたしましても今問題意識をきちんと持ちながら前向きに進めていきたいというふうに思っております。
 特に、先生が最後の方でいろいろおっしゃってくださいましたことにつきましては共通の問題意識であろうと思いますけれども、ぜひ十分に前向きに進めたいと思います。
○岩佐恵美君 午前中の廃掃法で議論をしましたけれども、ダイオキシン発生の原因となる塩ビ製品について、特に家庭系の対応策がもうほとんどありません。消費者が買うとき、あるいは廃棄物として処分をするとき、あるいは自治体、処理業者が処理をするとき、選別しやすいようにせめて製品へのわかりやすい表示、これは不可欠だと思います。
 表示への対応策を含めて積極的に取り組むべきだと思いますけれども、厚生省、もう一度、午前中の答弁では不満足でございましたので、もうちょっときちっと答えていただきたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) ダイオキシンと塩ビの関係についてはちょっと見解が違うところもございますので、もうそこはパスさせていただきますが、いずれにしても、埋め立てても腐らないとか、それから燃やしたときに塩化水素等を出すとか、ダイオキシンの一つの原因になるとか、扱いが厄介な物質であることは間違いがございませんで、市町村においても塩ビが焼却炉に入ってくるのは余り好ましいこととは言えないわけでございます。
 今、産業廃棄物については塩化ビニールのリサイクルのルートが少しずつでき上がってきているわけですけれども、残念ながら家庭から出てくる一般廃棄物についてはほとんどリサイクルに回っている状態にはございません。これは、家庭で使われているものが非常に小さなものだったり、ほかのものと合わされて使われたりしてリサイクルしにくいということもあるんですが、塩化ビニールが焼却施設に混入したりすることをできるだけ避けるという観点からは、今ラベリングの話もありましたけれども、どういうものならリサイクルに回せるのか、あるいはそのための回収ルートはどういうふうにつくるのか、それから再生品、その場合にどういうふうな形でそれを利用できるのかというようなことを、今までも研究してまいりましたけれども、場合によったら事業者団体とも協力して、具体的なそうした取り組みを進める準備をしたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 環境庁にちょっと検討していただきたいと思うんですけれども、今、塩ビ製品については、燃やすとダイオキシンという問題だけではなくて、塩ビ製品に使われている可塑剤、これが環境ホルモン物質なのではないかとかそういう指摘もあったりして、とにかく使っているのか使っていないのか、消費者も買うときにやっぱり判断、判別したい、選別したいという思いがあるわけです。そして、今言ったように燃やすという作業に従事している自治体の方々、焼却炉にかかわる方々は、やっぱり分別できるような指標というか表示が欲しいんだということを言っております。
 私は、通産省にも表示をしてほしいということを委員会で何回も言っていて、そのたびに検討しますとかという答弁はあるんだけれども、ちっとも進んでいないわけです。通産省、環境庁、その点についてそれぞれいかがでしょうか。
○政務次官(細田博之君) 通産省から申しますと、おっしゃいますような消費者にわかりやすいリサイクルのための表示ということで、紙容器包装につきまして、これは段ボールやアルミを使用していない飲料用紙パックを除いておりますけれども、これについては紙と書いてリサイクルするマーク、それからプラスチック性容器包装について、これは飲料やしょうゆ用ペットボトルは除くわけでございますが、プラと書いてリサイクルのマークをつけまして、このマークデザインによって表示をしていこうという準備を進めております。
○岩佐恵美君 それは、プラというのは、PSもあるしPEもあるし、PVCだけじゃないですね。塩ビだけじゃないです、ポリエチレンとかポリスチレンだとかいろいろあるわけですね。私が言っているのは、塩ビということを言っているんですけれども。
○政務次官(細田博之君) 材質につきましては、今の段階では各製造業者あるいは販売業者、詰めて販売する人たちに自主的につけていただくというところでとどまっております。
 おっしゃるように、私も政務次官に着任して通産省の中で言っていることは、塩ビだとかいろんなトレーとか、あらゆる材質のものがありますから、本当は消費者にとってみるとこれはどういう材質であるかがすべてわからなきゃいけないんじゃないかと、ごみの袋にしても何でも。だから、それを二十四色ぐらいに分けて、だいだい色のものは燃やしてもいいんだとか、白いものは燃やしちゃいけないとか、白はいけませんが黒とか黄色とか、そういうことはできないのかと言ったんですが、これは流通メーカーとか中小企業に相当なコストを強いるということと、それがついているからそれじゃどうしたらいいのかということがまだ消費者の扱いとしてわからない。高温ならば燃やしていいが、普通であればダイオキシンが出るかもしれないという、今模索段階でございます。
 これをさらにさらに細かくしていくには、消費者自身の教育の問題もありますし、ごみ捨て場へ行ってみると全部一緒に捨てる消費者もたくさんいるわけですから、あるいは店の人、レストランとかそういうところでもありますので、その両方が相まってだんだん進んでいくべきものだと考えております。
○岩佐恵美君 政務次官がそういうふうに言われるというのは非常にいいことだと思います。私も別に事業者だけが全面的に責任を負っているというふうには思いません。でも、消費者が今分別を望んでいるわけです。なかなか塩ビについてはガードがかたいんですね。もう大分前から言って、通産省もやるやると言っていたんだけれどもなかなかうまくいかない。私は、すべての材質というよりも、とにかく塩ビについて今関心が高いわけですから、そこだけでもやっていただきたいということで言っているわけです。もう声がかれてしまうほど言っているんですが、ぜひ政務次官、頑張っていただきたいと思います。
 環境庁、最後にその点いかがでしょうか。
○国務大臣(清水嘉与子君) この問題につきましては、この法案によりましても、拡大生産者責任の問題としても表示の問題というのは非常に大きな問題であろうというふうに思っております。よく通産省とも御相談しながら可能性を探っていきたいというふうに思っております。
○岩佐恵美君 通産省と御相談されるのは大事なことだと思いますけれども、環境庁がやっぱり本当に環境を守る、あるいは命を守る官庁なんだと、そういう姿勢でしっかりと頑張っていただきたいというふうに思うんです。
 そこのところはいかがですか。環境庁として本当にこの法律を、国民がいい法律ができたなというふうに思うようなものにしていくんだという決意というのはどうなんですか。
○国務大臣(清水嘉与子君) ただいま申し上げましたけれども、国民に情報公開をしていくこの表示の問題というのは非常に大きな問題だというふうに理解しておりますので、これからの施策の中で具体的にどういうふうにしていくのかということを十分前向きに検討していきたいというふうに思っております。
 また、有害化学物質につきましては、PRTR法の中でも消費者への情報公開のあたりできちんとできるようにしていきたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 デポジットと、あと処理コストの内部化、これは残ってしまいましたけれども、一応終わらせていただきたいと思います。
○大渕絹子君 最後になりましたが、よろしくお願いを申し上げます。
 本基本法は、環境省になっていくためにごみ関連の法案を統括する、束ねていくために必要な法案という位置づけでつくられてきたというふうに思っておるわけでございますけれども、環境大臣がリーダーシップを発揮してこの基本法と個別法で定められた廃棄物・リサイクル対策を一元的に運用していくことが大変重要であると考えます。大臣のお考えをまずお聞きいたします。
○国務大臣(清水嘉与子君) 廃棄物・リサイクル対策につきましては、これまでは個別法の制定によりまして拡充整備が図られてきたところでございますけれども、循環型社会形成のためにこれを総合的かつ計画的に推進することが不可欠となっているわけでございまして、まさにこの法案はそのための基盤を確立するものでございます。
 すなわち本法案は、まず第一に、関係個別法に横断的に適用されます基本原則、具体的には廃棄物等の発生抑制、循環資源のリサイクル利用と適正処分という対策の優先順位、また排出者責任の明確化と拡大生産者責任の一般原則化等を定めますし、また第二には、廃棄物・リサイクル対策全般を視野に入れました循環型社会形成推進基本計画につきまして、環境大臣が原案を作成いたしまして、そして閣議決定をいたしまして政府全体で取り組む。そしてまた、国の他の計画はこの基本計画を基本として策定すること等を規定しているわけでございます。これらの規定を通じまして、廃棄物・リサイクル対策を一体的に推進する仕組みが整備されるというふうに考えているところでございます。
 加えまして、来年の環境省発足に当たりまして、廃棄物行政を一元的に所管いたしまして、またリサイクル行政につきましても共管の形で所管することになるわけでございます。こうした措置を踏まえまして、本法案の成立ができました後には、ぜひ環境大臣としては循環型社会の形成に向けて基本法をベースに廃棄物・リサイクル対策の総合的、計画的な推進につきましてリーダーシップを発揮していきたい、こんなふうに考えているところでございます。
○大渕絹子君 環境庁長官の強い決意を伺いました。
 それでは、個別法を担当していらっしゃる各省庁、厚生省、通産省、農水省、建設省、それぞれ担当者にきょうはおいでをいただきました。この法案ができたときには、それぞれが所管されている個別法を本当に一元的に運用できる体制づくりというのがこれからの各省庁横断の協議会などで具体的に詰められていって、国民がこの法案ではこうだがこっちではこうだというようなことで右往左往するようなことがないような体制がしっかりとつくられなければならないと思いますけれども、各省庁の決意のほどを聞かせていただきたいと思います。
 まず、厚生省から。
○政府参考人(岡澤和好君) 大量生産、大量消費、大量廃棄という我が国の社会のあり方を見直し、廃棄物の排出抑制とリサイクルの促進を図る循環型社会の構築を図るためには、廃棄物・リサイクル対策の整合性のある取り組みが重要であることは御指摘のとおりでございます。
 厚生省としては、廃棄物処理法を所管する立場から、廃棄物について適正な処理体制を整備し、不適正な処分を防止する観点から、廃棄物処理法において必要な制度の見直しを行うとともに、今回たくさんのリサイクル関係の法律が出ておりますけれども、それぞれについて厚生省が部分的に関与しておるところでございますので、そうしたリサイクルの推進につきましても、関係省庁とも連携を密にして、新たな制度の構築も含めて対策を推進していきたいと考えております。
 いずれにしても、廃棄物・リサイクル対策は、関係省庁間で政策の整合性をとることでより効果的な対策が講じられるというふうに考えておりますので、御指摘のように関係省庁間の連携を十分に図ってまいりたいと思います。
○政府参考人(中島一郎君) お答え申し上げます。
 循環型社会形成推進基本法案では、御承知のように循環型社会の基本原則を定めるとともに、環境大臣が中心となってまとめられます循環型社会形成推進基本計画のもとで、廃棄物・リサイクル対策を総合的かつ計画的に進めることとなっておると承知しております。
 当省といたしましても、この枠組みのもとで、改正の御審議をいただいております再生資源利用促進法や容器包装リサイクル法、家電リサイクル法の適切な運用を図るなど、関係省庁と密接な連携を図りつつ、廃棄物・リサイクル対策の一層の推進に努めてまいります。
○政府参考人(福島啓史郎君) お答えいたします。
 天然資源の消費を抑制して環境への負荷ができる限り低減される循環型社会の形成を図るためには、廃棄物・リサイクル対策を総合的かつ計画的に推進することが重要であると認識しているわけでございます。
 農林水産省といたしましては、先日御審議いただきました食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律により、食品廃棄物について、環境省を初め関係省庁と連携をとりつつ、その再生利用と発生の抑制減量の一体的な推進を図ることとしているわけでございます。
 今後とも、関係省庁との連携を密にしつつ、循環型社会の形成に向けて政府全体として施策の一体的推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(風岡典之君) 建設省といたしましても、循環型社会の形成を図っていく、そのためには廃棄物・リサイクル対策を総合的、計画的に実施していくということが重要であると考えております。
 このような基本的な考え方に基づきまして、先般御審議をいただきました建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律につきましても、基本法の理念や内容を十分踏まえまして関係六大臣によって基本方針の策定を行いたいと考えております。
 また、分別解体、再資源化等の具体的な義務づけにつきましても、この基準については関係省庁で共同して作成をする、こういうようなことを行っていきたいと考えております。特に基本方針の策定に当たりましては、連絡会議を設けるなど、関係省庁間の密接な連携というものを特に図っていきたい、このように考えております。
○大渕絹子君 私は、一元的運用という質問の仕方をしたんですけれども、各省庁そろいまして総合的、計画的というふうにお答えになっていらっしゃいます。農水省だけが一体的と答えてくれました。
 計画的と一元的というのは省庁言葉ではどういうふうに違うのか、教えていただきたいと思います。だれか代表してでも結構でございます。環境庁に聞きましょうか。一元的というのと計画的というのはどう違うのか、対策においてどう違うのか。
○政府参考人(遠藤保雄君) 今回、行政改革によりまして廃棄物行政は環境省に一元化されることになりました。これは権限が環境省の中に一本化されるということでございます。
 それに対しまして、リサイクル行政につきましては、環境省が主管すると同時に、関係各省においても施策が展開される、こういうことでございます。
 こういう施策、一元化されているもの、あるいは共管されているものにつきまして、整合のとれた形で施策を展開していくということ、これが計画的、総合的という形で御理解を賜れればと思います。
○大渕絹子君 代表者の言葉と、いいですね、皆さん共通の認識でございますね。
 今度の循環型社会推進基本法というのは、廃棄物対策だけではなくて循環をさせていくという、いわゆるリサイクルをどうしていくかということが極めて重要だということでつくられてきた法案なんですね。ですから、その法案を環境庁が環境省になっていくためにきちっとつくった中で、そうした問題を全部一元的に見張れる体制をつくらなければ、日本の環境にとって極めて重大だというふうに私たちは認識しているんですね。
 だから、環境省と事業官庁の役割というのは全然違うんですね。そういうことがきちんとわかっておられれば、環境省にそこの見張りの部分は権限が一元化されて当たり前だと思うのですけれども、これは違っているんでしょうか。
 だから、計画的ということの言葉であらわそうとすることに無理があるというふうに思うんですけれども、いかがですか。それでは、厚生省に代表して答えていただきましょうね。
○政府参考人(遠藤保雄君) 行政改革によりまして、要するに先ほど御説明しましたように行政権限の配分というのはもう決められました。それで、その中で、あともう一つ歴史的に見まして、廃棄物行政とリサイクル行政というものが歴史的な違いを持ちまして展開されてきた、こういうこともございます。そこでいろいろな問題が生じてきた、したがってそれを整合性のあるものとして展開していかなきゃいかぬ。そこを横断的に物を見ていくというものはやっぱり環境省としての主要な役割だと思います。
 この法案の作成過程におきましても、関係省庁連絡会議をつくりまして、それできょう御出席の部局長と緊密な連携をとって対応してまいりました。そういうふうな現実的な整合的な対応を今後図っていくという意味で、私は先ほど答弁させていただいたわけでございます。
○大渕絹子君 環境庁としては精いっぱいの御答弁なんだと思いますね。だから、各事業省庁と環境省の力関係というようなものが法案の策定の過程にあらわれることは、国民は決して好ましいことではないというふうに思っているわけでございまして、環境省の役割というのは事業省庁が行うことを一段上の観点から見守らなければならないというこの位置関係にあるということだけはきちんと認めていただかなければならないと思うんです。
 そういう中で法案が一元的に運用されない限り、このリサイクルあるいは廃棄物の問題というのは解決していかないというふうに思っておりまして、欧米諸国はもうこの位置関係というのは明快に法律体系ができておるわけですから、これはこの次の機会になると思いますけれども、この計画的、一元的で、修正できるかできないかということで大変御努力をしていらっしゃる方たちもおられたわけでございますけれども、ここはもう一歩踏み込んだ形で、やっぱり環境省は強い決意で臨まないと強い事業省庁を総合的に抑えていけることにはならないというふうに思いますので、ぜひぜひここはお願いをしておきたいと思います。
 大臣、御答弁をよろしくお願いします。
○国務大臣(清水嘉与子君) いろいろと御心配のようでございますけれども、この基本法によりまして、きちんとした基本計画をつくり、そのときにもその考え方が必ず各個別法はそれに準じて、準じてといいましょうか、その考え方に基づいてつくられる仕組みになっておりますし、そして基本法の考え方がすべての個別法の考え方と整合性のとれたものでなければいけないということになっておりますので、その辺についてはぜひ御信頼いただきたいというふうに思っているところでございます。
○大渕絹子君 それでは次に、基本計画の策定に際して、中央環境審議会の第三者機関としての独立性を保っていくということを本会議でも長官に答弁をいただきました。私は期待をしております。きょう、参考人質疑の中に中央環境審議会委員のメンバーの方が来られておりまして、このことも私は聞きましたら、自分たちもその役割を担っていきたいという力強い御意見が述べられたところでございます。
 さらに、きょう、今ここでまたもう一度、第三者機関として独立性をどうしたら高められるのかということを具体的にお聞きしたいというふうに思っています。
○国務大臣(清水嘉与子君) この法案が成立いたしますと、第三者機関としての中央環境審議会の役割が非常に大きいというふうに思うわけでございます。
 この中央環境審議会が、基本計画の作成のための具体的な指針及び計画案につきまして意見を述べるということが規定されているわけでございます。当然のことでございますけれども、学識経験に裏打ちされた国民各層の意見を積極的に御提言いただくような第三者機関としての役割が位置づけられているわけでございまして、その御指摘の中央環境審議会の独立性をどうやって確保するかということでございますけれども、まずこの任務に適切に当たっていただけるような組織だとか人選の面で十分配慮していかなきゃいけないというふうに思います。また、国民生活あるいは社会活動面への影響の重要性にかんがみまして、恐らくこれは特別の部会を設置するというような形で御検討いただくような組織を考えなければいけないだろうというふうに思っております。
 また、委員の人選につきましては、廃棄物・リサイクル問題に関連する施策のあり方等につきまして、生活者の視点、あるいは環境保全の視点等を含めまして、国民各層の意見が適切に反映されるように、日ごろ見識をお持ちの方を選ばせていただきたい、こんなふうに考えているわけでございまして、ぜひ私どもといたしましても、この審議会の意見を十分反映させていただくような形でいきたいというふうに思っております。
○大渕絹子君 今、国民の意見の反映もということを言われましたけれども、その国民の意見の反映をどのように担保していかれますか。
○政務次官(柳本卓治君) 循環型社会の形成を推進していくためには、市民団体や一般国民等の御意見を聞くことは重要なことと考えております。
 このため、本法案におきましては、循環型社会形成推進基本計画の策定に当たりまして、計画策定のための指針及び計画案につきまして、学界、産業界、市民団体等、各界の有識者から成るただいまお話しのございました中央環境審議会でございますが、この意見を最大限に尊重し、聴取することとなっております。その際、多方面の関係者の意見が反映されるよう、特に意を用いてまいりたいと考えております。
 このほか、審議会における市民団体や一般国民等からのヒアリング、閣議決定により定められておりますパブリックコメント等を活用いたしまして、国民各界の御意見を一層幅広く反映することができるように努めてまいりたいと考えております。
○大渕絹子君 ほかの省庁の皆さん、御苦労さまでした。どうぞ退席なさって結構でございます。
 このような計画制度においては、まず国として目指すべき目標を定め、目指すべき姿を国民の前に明らかにすることが必要です。また、この目標を国民にわかりやすくすることも、大変達成度合いを把握するという観点からも必要だというふうに思いますけれども、数値目標を設定することについてどのようにお考えでございましょうか。
○政務次官(柳本卓治君) 大渕先生御指摘のお気持ちというのは私も全く同じでございますが、基本計画の具体的な内容につきましては、中央環境審議会の意見を待つ必要があることから確定的なことは申し上げられませんけれども、環境庁といたしましては、計画に定めるべき事項であります循環型社会の形成に関する施策の基本方針におきまして、循環資源の発生、循環的な利用及び処分の目標値を明らかにしたいと考えております。
○大渕絹子君 生産者責任の問題がもう随分とここの場所でも話し合われました。個別法においては拡大生産者責任に近いものを盛り込んでいる法案もございますけれども、本法案では、大臣は盛り込んであると言われて答弁なさっているんですけれども、明快には見えてこないわけです。
 この法案の中に、拡大生産者責任ということについてどのような形で盛り込まれてきたのでしょうか。あるいはまた、この法案ではこうだけれども個別法ではこうなっているというようなことがありましたら、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(遠藤保雄君) お答え申し上げます。
 拡大生産者責任につきましての本法案での規定でございますが、第一に、十一条二項とか二十条一項でございますが、物品の耐久性の向上やリサイクルの容易化などのための製品の設計工夫、これが第一でございます。第二は、十一条三項ないしは十八条三項でございますが、使用済み製品などの引き取り、引き渡しルートの整備及びリサイクルの実施でございます。第三は、十一条二項、二十条二項でございますが、材質、成分の表示などの物品に関する情報の提供という行為規定でございます。
 では、個別法でどういうふうにこれに対応した規定が設けられているかということでございますけれども、第一の製品の設計、材質の工夫を求める措置といたしましては、再生資源利用促進法に基づきましての自動車、エアコン、テレビ等の構造、材質の工夫、さらに改正法、同法の改正案でございますが、その中で自動車、大型家具、ガス・石油機器などの原材料等の使用の合理化措置、これが導入される。
 その次に、使用済み製品の回収、リサイクルを求める措置といたしましては、容リ法とか家電リサイクル法、これが講じられていることに加えまして、今回の再生資源利用促進法の改正によりまして、パソコン、ニッカド電池等の回収、再資源化措置、これの導入がございます。
 さらに、物品等の情報提供を求める措置といたしましては、再生資源利用促進法に基づいてのスチール缶、アルミ缶、ペットボトル等の分別回収のための識別表示措置、これがございます。
○大渕絹子君 それでは国民の意識についてお尋ねいたします。
 本法案は循環型社会をどのくらいの時間的なタームで形成していくのか、その具体的な手順及び時間的な目途が条文上明記されたことで、国民の目にも明らかにされたことは国民自身の意識を高める上でも効果的であると考えております。また、国民の活動を支援する規定も設けられました。
 環境庁としては、今後国民の意識の高揚にどのように努力されていくのか、お答えください。
○政府参考人(遠藤保雄君) 本法案での廃棄物・リサイクル対策に関する非常に重要なメッセージ、これはごみは出さない、出されたごみは資源利用するということであると思います。この点につきましては、国民のライフスタイルと密接にかかわるものでございますので、国民一人一人の取り組みが重要であると考えております。
 このため、本法案で、第一に製品の長期使用、再生品の使用、分別回収への協力を通じました国民の役割としての明示、これは第十二条でございます。第二に、国として循環型社会の形成に関する教育あるいは学習の振興、広報活動の充実、これは二十七条でございます。国民の自発的な活動の促進のための措置、二十八条でございます。こういうことを講じていくことを定めております。
 今後、この法案の趣旨に沿いまして、まず廃棄物・リサイクル対策に対する教育、学習の一層の充実強化、第二に国民に対する適切な情報の提供、第三番目に地球環境基金による助成措置、こういうものを講じてまいりたいと思っております。
○大渕絹子君 最後に。
 この基本法が実効あるものになるには、基本計画に従って、または基本計画策定作業と並行して個別の法律をつくり、あるいは容リ法など既に矛盾があらわれている既存の法律を改正していかなければなりません。
 そのためには、環境大臣がみずから新しい法律の策定を検討したり関係大臣に改正を要請したりすることが必要です。環境庁長官に、このように循環基本法を実効あるものにしていく決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(清水嘉与子君) これは、最初の先生の御質問にもお答え申し上げたところでございますけれども、本法案のねらいというのは循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みとなります法律を制定することによりまして、廃棄物・リサイクル対策を総合的にまた計画的にあるいは一体的に推進するための基盤を確立する、そしてそれとともに個別の廃棄物・リサイクル関係法律の整備と相まってこの循環型社会の形成に向けた取り組みを実効あるものにするためでございます。
 このため、この法案によりますと、循環型社会の形成推進を図る計画制度を導入いたしまして、基本計画の策定とか見直し、あるいは年次報告によります実施状況のフォローアップの規定を定めることによりまして、個別の廃棄物・リサイクル施策の効果と問題点の分析を行うことにしているわけでございます。
 このような機会に、個別法の制定だとかあるいは見直しについても、これは関係省庁ともよく連絡しながらその必要性について判断していくということになると思います。
 いずれにいたしましても、私といたしましては、この循環型社会の形成は喫緊の重要課題であるというふうに認識しておりますので、その実現に向けて実効ある取り組みを推進するべく全力を尽くしてまいりたいと存じております。
○大渕絹子君 容器リサイクル法とかあるいは家電リサイクル法などが現実的に、家電は来年からですけれども施行されてその法案の矛盾というのが今もう明らかに出てきていますね。きょうの質疑の中でも随分と指摘がされました。そういう矛盾に対して法改正をしない限りやっぱりうまく回っていかないわけですから、それを環境大臣として主張し続けていただけるかという質問だったわけなんですけれども、一番最初のところと同じ答弁だったように思うのです。
 例えば廃掃法なども、きょうの審議の中で拡大生産者責任の理念、概念について廃掃法にまだうたい込まれていないので次の改正には盛り込みますという政務次官の答弁があったわけですけれども、そうした形で具体的にやっぱり一つ一つ矛盾が出たところで法案を直していくというその姿勢というのは、私はこれからの環境省には最も求められるところ。そうしなかったら法案の総合的、一元的な所管ということにはなかなかなっていかない、そう思っておりますので、ぜひ積極的に、体は小さいけれども声は大きくということでやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(清水嘉与子君) 大変強いお励ましをちょうだいしましたけれども、その決意で、きょうはペットボトルの話なんかがたくさん出ましたけれども、この法案そのものがことしから本格実施になったということもありますし、家電も来年からということもありますので、ぜひフォローするとき、チェックするときに必ず十分協議をしてまいりたいと思いますし、問題があればどんどん私どもも問題提起をしていきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○大渕絹子君 ありがとうございました。
 終わります。
○委員長(石渡清元君) 暫時休憩いたします。
   午後四時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後五時十六分開会
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、上野公成君及び奥村展三君が委員を辞任され、その補欠として亀井郁夫君及び平野貞夫君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(石渡清元君) 休憩前に引き続き、循環型社会形成推進基本法案を議題といたします。
 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について岩佐恵美君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岩佐恵美君。
○岩佐恵美君 私は、日本共産党を代表して、議題となっております循環型社会形成推進基本法案に対し、修正の動議を提出いたします。
 本法案は、焼却中心のやり方を改め、廃棄物等の発生抑制を最優先する社会への転換を目指すものですが、その実効性を高めるため、製造・流通事業者に製品の廃棄後の処理までの責任を明確にする仕組みとするため等の修正案を提出します。
 修正案は、第一に、発生抑制を一層明確にしています。基本原則として、廃棄物の発生抑制が最も優先されなければならないこと、環境の保全に支障となる有害物質を含む製品の製造、販売が行われないようにすることを明記しています。
 第二は、事業者の責務規定の強化です。事業者の責務として、製品の製造、使用、廃棄に伴う環境への負荷を低減すること、環境の保全に支障となる物質を含む製品等を製造、販売しないこと、循環利用促進のため規格を統一すること、デポジットによる製品の回収を促進すること、環境保全に支障が生じた場合には原状回復措置を講ずることを定めるとともに、拡大生産者責任を狭める規定を削除しています。国の措置についても、これらの事業者責務規定の強化にあわせて修正しています。
 第三は、循環型社会形成推進基本方針の拡充です。基本方針で、廃棄物の発生抑制策、循環的な利用の確保策、循環利用の目標と達成時期を定めることとし、その決定を二〇〇一年四月一日に早めることにします。
 第四は、都道府県循環型社会形成推進計画の新設です。都道府県が、循環型社会形成推進委員会の意見を聞いて計画を策定し、廃棄物発生抑制の施策、適正な循環利用や処分を確保する施策、循環利用の目標と達成時期などを定めることとしています。
 第五は、情報の公開と住民参加の拡充です。循環型社会形成推進基本方針の策定に当たって国民の意見を反映する手続を新設するとともに、循環型社会形成推進委員会の構成に住民団体や環境保全団体の代表の参加を明記しています。また、都道府県による情報提供を義務づけています。
 以上、委員各位の御賛同をお願いして、修正案の趣旨説明を終わります。
○委員長(石渡清元君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○岡崎トミ子君 私は、ただいま議題となりました循環型社会形成推進基本法案に反対の討論を行います。
 本法案は、二〇〇〇年を循環型社会元年と称して、持続可能な循環型社会を目指す政府の目玉として閣議決定されたものであります。しかし、その内容は、精神的、訓示的な規定に終始し、環境基本法、環境基本計画の域を全く出ていないばかりか、縦割り行政を追認するだけであり、現在の廃棄物・リサイクルに関する問題点に正面からこたえることなく問題を先送りするなど、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会からの脱却を真剣に目指している法律案とは到底思えません。
 私たち民主党は、このような基本的枠組みを定める法律案を別途設けるのではなく、ドイツの循環経済法のように廃棄物処理法と再生資源利用促進法を統合した資源循環・廃棄物管理法をつくるべきであるとの立場から政策提言を発表し、現在パブリックコメントを行っています。
 私たちは、少なくとも豊島事件のような悲惨な事件を二度と起こさないように、現在の廃棄物・リサイクルに対して各種の問題を解決しなければならず、そのためには廃棄物の定義の変更、産業廃棄物と一般廃棄物の区分の見直し、リサイクル施設にも廃棄物処理施設と同等の環境関連規制、排出者責任の徹底、製造者の責任の具体的な提示が必要であるとの認識に立って政策提言を行っています。
 また、有害物質回避の理念も欠落しています。有害物質を規制して循環の輪から排除しておかないと、危険な物質が何度も循環したり、循環のために有害物質が発生することにもなりかねません。
 このような具体的な問題点に対して、この基本法案はどの程度の解決能力を持っているのでしょうか。各地での廃棄物をめぐる紛争を解決できるような、そんな法案になっているでしょうか。答えは残念ながらノーです。廃棄物の定義はそのまま、拡大生産者責任は骨抜き、経済的措置は先送り、一体何が前進したのでしょうか。
 さらに、この法案の核心とも言える基本計画が国会の関与もないまま決められ、循環型社会のあり方を決定づける基本計画が行政主導で決められていくなど、本当に循環型社会への転換を国全体として目指すつもりがないと言わざるを得ないような計画策定手続となっています。
 国民が求めているものは、廃棄物とリサイクルを一体化したドイツの循環経済法のような実体的な法律であって、精神的、理念的な枠組み法ではありません。各省庁縦割りを許し、環境庁の権限内で法案をつくってしまった与党の責任は大きいと言わざるを得ません。民主党政権が実現した場合には、市民と一緒になって廃棄物・リサイクルを一体化した資源循環・廃棄物管理法を制定して、持続可能な循環型社会を市民参加でつくり上げることをお誓い申し上げて、私の反対討論とさせていただきます。
○委員長(石渡清元君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより循環型社会形成推進基本法案について採決に入ります。
 まず、岩佐君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石渡清元君) 少数と認めます。よって、岩佐君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石渡清元君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は来る三十日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十四分散会