第147回国会 予算委員会 第14号
平成十二年四月二十五日(火曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     岡  利定君
     木村  仁君     釜本 邦茂君
     脇  雅史君     野間  赳君
 三月二十一日
    辞任         補欠選任
     江田 五月君     櫻井  充君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     入澤  肇君     平野 貞夫君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     松岡滿壽男君     水野 誠一君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     平野 貞夫君     星野 朋市君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     岸  宏一君     依田 智治君
     星野 朋市君     入澤  肇君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     依田 智治君     岸  宏一君
     竹村 泰子君     岡崎トミ子君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     竹村 泰子君
     須藤美也子君     岩佐 恵美君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     岩佐 恵美君     須藤美也子君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     入澤  肇君     星野 朋市君
     野間  赳君     片山虎之助君
     山本  保君     木庭健太郎君
     宮本 岳志君     畑野 君枝君
     高橋 令則君     田名部匡省君
     水野 誠一君     平野 貞夫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                竹山  裕君
                長谷川道郎君
                保坂 三蔵君
                溝手 顕正君
                伊藤 基隆君
                峰崎 直樹君
                荒木 清寛君
                笠井  亮君
                照屋 寛徳君
    委 員
                市川 一朗君
                大野つや子君
                片山虎之助君
                釜本 邦茂君
                北岡 秀二君
                久野 恒一君
                国井 正幸君
                小山 孝雄君
                鴻池 祥肇君
                斉藤 滋宣君
                谷川 秀善君
                中島 眞人君
                星野 朋市君
                浅尾慶一郎君
                木俣 佳丈君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                竹村 泰子君
                直嶋 正行君
                堀  利和君
                本田 良一君
                魚住裕一郎君
                木庭健太郎君
                松 あきら君
                小池  晃君
                須藤美也子君
                畑野 君枝君
                清水 澄子君
                三重野栄子君
                奥村 展三君
                田名部匡省君
                平野 貞夫君
                西川きよし君
   国務大臣
       内閣総理大臣   森  喜朗君
       法務大臣     臼井日出男君
       外務大臣     河野 洋平君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       中曽根弘文君
       厚生大臣     丹羽 雄哉君
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
       通商産業大臣   深谷 隆司君
       運輸大臣
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)      二階 俊博君
       郵政大臣     八代 英太君
       労働大臣     牧野 隆守君
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  中山 正暉君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    保利 耕輔君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       青木 幹雄君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    谷垣 禎一君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  瓦   力君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
       国務大臣
       (環境庁長官)  清水嘉与子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松谷蒼一郎君
   政務次官
       大蔵政務次官   林  芳正君
       文部政務次官   河村 建夫君
       厚生政務次官   大野由利子君
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
       運輸政務次官   鈴木 政二君
       郵政政務次官   小坂 憲次君
       建設政務次官   加藤 卓二君
       自治政務次官   橘 康太郎君
       総理府政務次官  長峯  基君
       総務政務次官   持永 和見君
       防衛政務次官   依田 智治君
       防衛政務次官   西川太一郎君
       経済企画政務次
       官        小池百合子君
       科学技術政務次
       官        斉藤 鉄夫君
       環境政務次官   柳本 卓治君
       沖縄開発政務次
       官        白保 台一君
       国土政務次官   増田 敏男君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  津野  修君
       公正取引委員会
       委員長      根來 泰周君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宍戸  洋君
   政府参考人
       警察庁長官    田中 節夫君
       厚生省老人保健
       福祉局長     大塚 義治君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査

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○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日の質疑は総括質疑方式とし、質疑の割り当て時間は百五十分とすること、各会派への割り当て時間は、自由民主党・保守党五十一分、民主党・新緑風会四十分、公明党・改革クラブ十三分、日本共産党十六分、社会民主党・護憲連合十三分、参議院クラブ十三分、二院クラブ・自由連合四分とすること、質疑順位はお手元に配付いたしておりますとおりでございます。
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○委員長(倉田寛之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(倉田寛之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(倉田寛之君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、これより質疑を行います。伊藤基隆君。
○伊藤基隆君 私は民主党・新緑風会の伊藤基隆でございます。おはようございます。
 まず、森総理にお伺いします。
 森総理は小渕前総理の入院を知ったのはいつ、何時でございますか。
○国務大臣(森喜朗君) 四月二日、日曜日の朝早くでございました。官房長官からお電話をいただきました。
○伊藤基隆君 引き続き総理大臣にお伺いしますが、森総理は当時、幹事長でありましたが、四月二日、羽田空港でNHKのテレビの生中継に出演した後、飛行機に乗る予定を変更して都内に戻って、正午過ぎからホテルで青木官房長官、野中幹事長、当時は幹事長代理でございますが、亀井政調会長、村上参議院議員会長と会談したと伝えられております。
 この段階では小渕前総理の病状をどのように把握されていましたか。
○国務大臣(森喜朗君) 今ほど申し上げましたように、官房長官から、小渕総理が少し気分がすぐれないということで大事をとって病院に入られたという、そういう報告を朝、受けました。
 私はこの日、テレビ局が二つございまして、実はその前の日に例の連立与党が一応解消されたということを聞いて、これはこの後の対応をしなければならぬなと、そう思いまして、その日、私は選挙区に帰る予定をしておりましたけれども、夜のうちにこれはやめた方がいいなと、そう思いました。なぜ羽田に行ったかといいますと、羽田の方で既にセットしてありますから、それを急に変えるということはNHKさんにも大変御迷惑をかけると思いましたし、その前はフジテレビでございましたので、お台場ですからそのまま羽田へ行って、そこで羽田で時間どおりのテレビに出て、それから都心に帰ったと、こういうことでございます。
○伊藤基隆君 森総理にお伺いします。
 小渕前総理が昏睡状態に陥ったことは、どこで、いつごろ連絡がありましたか。
○国務大臣(森喜朗君) 病院との連絡あるいは御家族とのこともありますので、その対応はすべて官房長官に政府部内のことでもありますのでお願いを申し上げ、私は別の案件の方でいろいろな方にお会いしておりました。たしかその夜であったような気がします。御容体が少し悪いので精密な検査をされるようになったというふうに官房長官から伺いました。
○伊藤基隆君 今日までの答弁の中で、四月二日午後十一時半の記者会見後、総理が十一時半ごろ昏睡状態になられた旨の連絡により判明したという答弁をされております。
 さて、宮澤大蔵大臣にお伺いします。
 宮澤大蔵大臣は、何時ごろ小渕総理の入院を知らされたのでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 正確ではございませんが、日曜日の晩方、少し遅い晩方であったと記憶します。
○伊藤基隆君 宮澤大蔵大臣にお伺いします。
 大蔵大臣は、青木官房長官より臨時首相代理に就任してほしい旨の要請あるいは相談というようなものがありましたか。
○国務大臣(宮澤喜一君) その電話におきまして、青木官房長官から、小渕総理大臣の容体が容易ならざる事態である、総理大臣臨時代理は私がお引き受けをいたしますと、こういうお話がございました。それで私は、それはどうぞよろしくお願い申し上げます、御苦労さまですということをお答えいたしております。
 私は、その背後の事情はもちろん存じませんでしたけれども、実は小渕内閣に一昨年の夏に入閣いたしますときに、恐らく小渕首相として臨時代理ということは当然旅行もされるからお考えになるであろう、そうすると、私は一番年かさでございますから私に御指名があるかもしれない。しかし、それは多分適当なことでないと思いましたので、古川官房副長官にあらかじめ総理大臣臨時代理のことはやはり官房長官がされるのがいいのではないかということを申し上げました。それは御遠慮があってはいかぬという気がありましたので、それで野中さんがなられました。
 それで、内閣改造がございましたときにやはり私は同じことを考えましたので、多分古川さんにもう一度同じことを申し上げたかと思いますが、官房副長官はそれをよく御存じでございまして、青木さんが臨時代理に、総理外遊のとき、第一回か何かかと思いますが、なられていまして、私は、それは自分も多少経験があることでございますから、総理大臣と官房長官の関係というものはそういうものであろうと思っておりましたこともありまして、そういう話が青木さんから電話でございましたときに、それは御苦労さまでございますがよろしくお願い申し上げますと申し上げた気持ちの中に、それは当然そういうことであろうなということを考えましたことを覚えております。
○伊藤基隆君 官房長官にお尋ねしますが、ただいまの大蔵大臣の答弁の中に、あらかじめ臨時代理を置くときには官房長官がよかろうと小渕総理に申し上げていたと。そのことについて、事前にというか第二次小渕内閣発足時以降の中で小渕総理から伝えられたことはありますか。
○国務大臣(青木幹雄君) 宮澤大蔵大臣がおっしゃったとおりでございまして、たしか小渕内閣が成立いたしまして、野中さんの後、私が官房長官になったときに、外遊等のときの臨時代理はだれにするがいいかという話がありまして、そのときに宮澤大蔵大臣が、それは総理もいろいろあるだろうけれども、やはり官房長官ですよとおっしゃったことは私も覚えておりまして、それ以後、総理の外遊のたびに私が臨時代理を今日まで務めてまいったという経過がございます。
○伊藤基隆君 それでは、何でこのたび臨時代理に就任のときにその経過が公表されなかったんでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 当然そういう経過の中で私は今回も臨時代理に就任をしたと、そう考えておりますし、また総理自身の気持ちも終始そうであったと私は理解をいたしております。
○伊藤基隆君 私は、官房長官の方の、一方的というのはちょっと失礼かと思いますけれども、官房長官自身の判断でそのように思われていたというふうに今の答弁ではお伺いするしかないと思います。
 さて、他の閣僚の方にもちょっとお伺いしておきたいと思うんですが、瓦防衛庁長官にお伺いします。
 防衛庁長官は、いつごろ小渕総理の入院情報が届いたのでしょうか。また、病状が思わしくなくて昏睡状態に陥られたという連絡はどの時点で入ったんでしょうか。
○国務大臣(瓦力君) 私に対する質問でございますが、私がその報を受けましたのは四月三日、月曜日でございますが、臨時閣議の場におきまして官房長官から小渕首相の病状等について報告がなされたわけでございまして、このことでございます。
 なお、入院につきましては、その前日、四月二日でございますが、十一時半過ぎだと思いますが、そういう知らせを聞きました。
○伊藤基隆君 昏睡状態に陥られたとの連絡は防衛庁の方から入ったんでしょうか。
○国務大臣(瓦力君) そのような情報は私は得ておりません。小渕総理が体調を崩しておられるということの情報でございまして、これは個人的な情報でございました。
○伊藤基隆君 防衛庁からは連絡は入っていないんですか。
○国務大臣(瓦力君) 防衛庁につきましてはそのような情報は得ておりません。
○伊藤基隆君 今の答弁は大変重要だと思いますので、後にまた触れます。
 さて、内閣法制局長官に聞きますが、内閣総理大臣臨時代理の職務権限についてお伺いします。
 例えば、閣僚を罷免することができるか、予算編成はできるか、内閣の総辞職はできるか、衆議院の解散はできるのか、防衛出動を命ずることはできるのか。
○政府特別補佐人(津野修君) ちょっと正確を期しますが、三つお聞きになられました。
 それで、まず最初に、内閣総理大臣の臨時代理に国務大臣の任免権はあるかということでございますが、この点につきましては、内閣法九条に基づいて臨時代理が内閣総理大臣の職務を行う場合に、一般論としては臨時代理は内閣総理大臣のすべての職務を行うことになりますが、国会において指名された内閣総理大臣の地位に基づく一身専属的な職務権限については臨時代理が行使することができないものと考えております。
 国務大臣の任免権につきましては、直接内閣の構成に係るものでありますので、国会において指名された内閣総理大臣の地位に基づく一身専属的な職務権限の一つであることから、臨時代理はこれを行使することができないものというふうに考えております。
 それから、内閣総理大臣の臨時代理に国会の解散権はあるかというようなこととか、あるいは内閣総理大臣の臨時代理が総辞職をすることができるかというような御質問がございましたけれども、これらについても内閣総理大臣の一身専属的な権能に属するものと考えられますので、臨時代理が主宰する内閣において行うことはできないというふうに基本的に考えられております。
 それから、予算編成権の分は、これはできるというふうに考えております。
○伊藤基隆君 ちょっと答弁が長いですね。
 お聞きしまして、国務大臣の任免、内閣の総辞職、衆議院の解散、この三つは内閣総理大臣の一身専属的な権限であって臨時代理にはできない。したがって、予算編成、条約または防衛出動については臨時代理ができると。大変大きな権限を持った臨時代理であるということが改めて知らされたわけでございます。
 私もさまざま調べましたが、臨時代理任命の場合、総理大臣に事故があったときということに今回の場合なろうかと思うんですけれども、内閣総理大臣の職務代行者となるその指定は本人にその旨伝えるだけでよくて、また閣議にかける必要もないというふうにされておりまして、このことは国会の討論の中で盛んに今まで言われてきたことだというふうに私も認識しております。
 さて、官房長官にお伺いしますが、ただ実務的にはそれだけでは大変困ることになるのではないか。それは明らかだと思うんです。まさか臨時代理の指定を受けたという大臣が二人出てくるということはないでしょうけれども、総理大臣の巨大な権限がいざというときに引き継がれるのでありますから、総理と臨時代理の指定を口頭で受けた二人だけの秘密ということでは幾ら何でもおかしいことになるでしょう。総理に指定を受けたということが間違いなく第三者に知らされなくてはならないと思うのであります。
 そこで、官房長官にお伺いするわけですが、小渕前総理から総理大臣臨時代理の応急的指定を受けたときの状況を、具体的に何と言われたのか、御答弁願います。
○国務大臣(青木幹雄君) お答えいたします。
 私が小渕総理とお会いをしたのは二日の午後七時ごろでございます。病室においてでございます。総理からは、有珠山の問題等もあり、いろいろ後はよろしくお願いをしますということでございました。
 しかし、議員おっしゃいますように、総理はそのとき病床に伏しておりまして、私がいわゆる一対一でお話をしたわけでございます。私は、総理と官房長官というのは一心同体でありまして、総理と官房長官が話したことは、たとえ証人がいなくても総理の意を受けて私が十分行動できる、そういうものであると考えておりますし、病床に寝ている総理を前にして、証人はどうしましょうか、あなたに万一のことがあったときはこれでいいですかと、そういうようなものは、私は官房長官ということではなくて一人間としてもそういうことは病床で聞くべきことではありませんので、私は私の責任において、万一のときには臨時総理大臣に就任せよという意思と、私が私の責任においてそういうふうに受け取ったわけでございます。
○伊藤基隆君 私は、万事よろしくという言葉について、青木官房長官がそう聞いたわけですからそう受けとめたとしても、これは一般的な依頼なんじゃないか。内閣法九条の「予め指定する」ということに当たらないんじゃないかと。
 私はごく自然に考えて、青木官房長官は自民党幹部に相談したと見るのが自然ではないかと。それが四月二日の昼の、当時の幹事長、森総理が羽田から引き返してくるほど重要な会議が持たれておりますが、そこから相談が始まったんじゃないかと見るのがごく自然というふうに私も思うし、多くの人がそう思っているんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(青木幹雄君) 二日の昼の会談は私も参加をいたしましたが、私がそこで申し上げたことは、総理が疲労のために入院をしましたということでございまして、総理の病状が後になってこういう状態になるとは全然当時は考えておりませんでした。
 会談の内容につきましては、先ほど総理がお答えいたしましたように、その前日、事実上の自自公が解体をしたわけでありますから、その対策について話し合いが行われておりまして、臨時代理とか後の問題とか、そういうふうな話題は一切その時点で出ておりません。
 また、議員今おっしゃいましたが、総理と官房長官の間でございますので、総理が病床にあって後をよろしく頼むということは、すべての場合を想定して官房長官任すという、そういうことであると私は理解いたしておりまして、法的にも何ら私は問題ない、そういうふうに考えております。
○伊藤基隆君 今回の場合でいえば、青木官房長官の記者会見の内容や答弁書によれば、二日午後七時の時点で青木官房長官は病院で小渕前総理を見舞われ、その時点でよろしく頼むと言われたようでございますが、青木長官が病院を離れられた午後八時ごろ集中治療室に前総理は入られた。青木長官の最初の記者会見が二日午後十一時ごろ行われましたが、小渕前総理入院の事実がそこで発表されるわけですが、その直後の午後十一時半ごろ小渕前総理は昏睡状態になられたということであります。
 青木長官は、小渕前総理が昏睡状態になられたことは、いつごろ、どこで、どなたからお聞きになったんでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 私が七時に小渕前総理とお会いした後、私は真っすぐホテルへ帰りました。ちょうどホテルへ帰ったとき、私は時間を覚えておりますのは、私が帰ったときテレビがちょうどNHKの大河ドラマが始まったところでありましたので、八時ちょっと過ぎに私はホテルへ着きましたので、そういうふうによく覚えております。その後で、私が帰った後で事態が急変をしたという連絡を受けまして、私はそれをもとにして、これなら記者会見をせざるを得ないだろうなという気持ちで記者会見をいたしました。
 ただ、当時の私の気持ちとしては、総理と官房長官という間でありますので、たとえ総理が入院されても、何日かたてばもとの体に回復されて、政権の座に返られて、沖縄のサミットもおやりになってと、そういうふうに考えて、私はそれまでできるだけ静かに対応しよう、余り人に広がらないように対応していこうと、そういう対応をいたしたわけでございまして、その連絡を受けた時点からは、やはりこれはこのままいわゆる静かな対応だけではいけないという考え方に立って記者会見を行ったような次第でございます。
○伊藤基隆君 ただいまの官房長官の小渕前総理に対する思いというものは私にもひしひしと伝わってきまして、そのことは大変重要なことだとも思っています。私も小渕前総理とは三十年来のおつき合いをさせていただいておりますから、心配もしております。しかし、今は国の危機管理という視点でお伺いしているわけでして、そのことをもってあるいは冷たい聞き方をしているというふうにとられるかもしれませんけれども、そうでないことをぜひ受けとめていただきたいと思うんです。
 そこで、四月二日の午後七時に小渕総理から万事よろしく頼むと言われたと。四月二日午後十一時半直前、宮澤大蔵大臣に青木官房長官は臨時代理を務めさせていただくということを電話で連絡されたと。しかし、四月二十四日の衆議院予算委員会で、森総理は、青木氏は固辞したということを言いまして、会合で話し合われたことをこのことは意味しているんじゃないかというふうに私は思います。七時に言われて即受けたというのが青木官房長官の従来からの、総理と官房長官の間柄であるし、当然にそうだということとちょっと矛盾するんじゃないかと思います。
 普通なら、自民党首脳間との了解をとり、あらかじめ了解をとって、与党公明党にも話し、十一時半の記者会見でそのことを明らかにするというのが普通行われてくるスタイルだと思いますが、その辺についてはいかがなんですか。
○国務大臣(青木幹雄君) 先ほど私が申し上げましたように、私はあくまでも小渕総理が全快をされ、今のままで政務につかれることを強く望んでおりましたので、どなたにも臨時代理等のことは一切相談いたしておりません。ただ、十一時の記者会見の前に私が電話をしたのは宮澤大蔵大臣一人でございます。それは、総理をやられていた大先輩であり、やはり私が十一時半の記者会見で臨時代理を受けるということになれば一言ごあいさつをしなきゃいかぬと、そう考えたからでございます。
○伊藤基隆君 小渕前総理が昏睡状態に入られた十一時半ごろ、私はこの時点で総理大臣の臨時代理の職務が開始されるべきだったというふうに考えますが、いかがですか。
○国務大臣(青木幹雄君) 小渕総理の病状が今日こういうふうに続いているという現実の中ではそういう対応も必要だったと思いますけれども、そのときはまだ明日小渕総理がもとの体に返る可能性さえ私の感覚の中にあったわけでございまして、その場で私が臨時代理に就任するということは、全国にこの情報は乱れ飛びます、国内だけじゃないと思います。そのときには、小渕総理が何日かたって回復されたときに、一体このまま、総理としてそのまま続けることができるのか、またサミットの議長としてそういうことを努めることが許されるのか、そういうふうな判断もございまして、私は就任をできるだけ延ばしたいという気持ちがございました。
 しかしながら、明日になりまして、小渕総理のいわゆる容体がそのまま二、三日で回復する見込みがないということで、私としては、非常に厳しい、非常につらい選択をしたと、そういうふうに考えております。
○伊藤基隆君 瓦防衛庁長官にお尋ねします。通告していないのにたびたびで申しわけありません。
 防衛庁長官は青木官房長官が総理大臣臨時代理としての職務を開始されたことをいつ知りましたか。(発言する者あり)
○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。
○国務大臣(瓦力君) 官房長官が記者会見でその旨申されたときに承知をいたしました。
○伊藤基隆君 記者会見で言われて知ったということは、四月三日の午前九時から代理の職務が開始されるということを四月三日十一時の記者会見で言っておりますので、その時点ということですね。
 それでは、また防衛庁長官にお伺いしますが、万一日本が外部からの武力攻撃に際しては、またそのおそれのある場合には、自衛隊法七十六条の規定で自衛隊が防衛出動をすることになっていると思いますが、だれが出動命令を命ずることになりますか。
○国務大臣(瓦力君) 総理大臣でございます。
○伊藤基隆君 保利国家公安委員長にお伺いします。
 警察法には緊急事態の特別措置というのが第七十一条、七十二条で規定されていますが、どのような内容でしょうか。
○国務大臣(保利耕輔君) 七十一条は、「内閣総理大臣は、大規模な災害又は騒乱その他の緊急事態に際して、治安の維持のため特に必要があると認めるときは、国家公安委員会の勧告に基き、全国又は一部の区域について緊急事態の布告を発することができる。」、「前項の布告には、その区域、事態の概要及び布告の効力を発する日時を記載しなければならない。」、こういう旨が七十一条に記載をされております。
○伊藤基隆君 青木官房長官にお尋ねします。
 青木官房長官は、今回の臨時代理の職務を開始した時間とも関係しますけれども、小渕前総理が昏睡状態に陥られた二日午後十一時半から三日午前九時までの間に自衛隊法七十六条の防衛出動や警察法七十一条に規定する事態が起こった場合には、だれが出動命令するんですか。
○国務大臣(青木幹雄君) お答えいたします。
 私が十一時の記者会見で、その日の朝の九時に臨時代理に就任したということを申し上げました。しかし、前夜、小渕総理が昏睡状態に陥った時点で、私は七時に小渕総理から受けたいろいろ後のことは頼むという言葉を今まで申し上げたような受け方をしておりますので、万一の場合には私は明日の九時を待たずに緊急の事態に対応する覚悟は十分いたしておりましたので、その間、二十数時間空白であったという議論は成り立たないと思います。
 ただ、そういう騒ぎを夜中に起こしたくないから私は十一時の記者会見で九時に就任しましたということを申し上げたわけでありまして、その間、何ら国に対する損害は与えていないと、私はそういうふうに考えております。
○伊藤基隆君 臨時代理の指名は一対一で可能なんだ、有効であるということでございますけれども、一対一で指名されたことが直ちに公表されなければだれも知り得ません。そのことをひそかに秘しておいて、いざというときは防衛出動さえ命令するということは、防衛出動の事の重みからして、簡単に起こることじゃございませんけれども、今、国の危機管理のことを申し上げておるわけで、その重要性にかんがみて、公表もされていない臨時代理が命令を下して果たして実務的に動くのでしょうか、自衛隊は。
○国務大臣(青木幹雄君) 誤解がないようにお願いしたいと思いますが、十一時の記者会見で私は九時に就任しましたということを発表いたしました。緊急事態が起きれば、当然そのままの状態で緊急事態に対応するべきでないということは十分承知いたしておりまして、その時点で直ちに私は就任を宣言して対処をする考えであったことは間違いありません。
○伊藤基隆君 午前九時から就任したということを公表されたわけですから、前日の昏睡状態になられたと言われる午後十一時半からの空白についてはお認めになるわけですね。
○国務大臣(青木幹雄君) 正式に就任したのが三日の九時でございますので、その間に万一のことがあれば、私は今申し上げたように就任の宣言をして直ちに対処をする考えでありましたので、私から見ればその間が空白だとは考えられませんが、いろいろなとり方はそれは仕方がない問題だと、そういうふうに考えております。
○伊藤基隆君 防衛庁長官にお伺いします。
 直ちにいきなり防衛出動の命令というのはまさに考えにくいというのが現実だと思いますが、実際に発動されたことがある自衛隊法第八十二条の海上における警備行動について御説明ください。
○国務大臣(瓦力君) 海上警備行動につきましては、総理に防衛庁長官がその指示を仰ぎ実施したと、かように承知をいたしております。
○伊藤基隆君 官房長官がお出になるというので、もう一問だけお伺いします。あとは総理にお伺いすることになろうかと思います。
 内閣法九条とともに憲法七十条の規定についてお伺いしますが、総理大臣が欠けたときについて、今回の場合はだれが見ても意思を伝えられない状態が続き、当面回復することができないと判断されたため、総理大臣が欠けたために該当し内閣が総辞職したことだと思います。
 当然、専門家である医師の診断に基づいたものだと思いますが、総理大臣が欠けたものとの判断は、いつの時点で、どなたによるものでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 憲法七十条の問題であろうと思います。
 私は、当日の午後二時半ごろ、この問題がありますので病院へ参りました。そして、医師団と話をいたしました。
 議員今おっしゃったように、欠けたときというその定義がどうかということでございますけれども、私の判断では、欠けたときというのは、本人が自分の意思を相手に伝えることができない、また相手が伝えようとすることを本人が理解することができない、そういう状態を欠けたときと解釈いたしておりまして、医師団の皆さんに、ここ当分の間そういう欠けたときという解釈をしてもいいですかということをしっかりと念を押しました。医師団の皆さんは、ここ当分そういう状態が続くと思いますということをはっきりおっしゃいました。現実に今もそういう状態が続いております。
 それが私は欠けたときという判断でありまして、その判断に何ら間違いがないと考えております。ほかの判断は恐らくないと思っております。
○伊藤基隆君 私は、青木官房長官の人間性については確かなものがあるというふうに思っておりますけれども、そういう人間性の発露のような答弁、対応だけでは御し切れないことが国には起こるわけで、そのときはかなり厳しく事実に即してきちんと対応しなければならないと思うんですよね。
 臨時代理が、事が起こったときには直ちに就任を表明し命令を下す、自衛隊に対して防衛出動を命ずるとおっしゃいましたけれども、自衛隊が防衛出動をするというのは国内だけに限りません。先ほどの海上警備行動にしても対外的な問題の中で起こるわけであります。国際的にどのようにそのことが認知されるのか。日本の防衛出動、海上警備行動の命令が果たして日本国内法に照らして正当なものとして出されたものかどうかということは、国際的な問題ともなり得る危険がございます。そういうことをあえてなさったわけです。
 総理が回復されることを信じた、それは当然の心だと思います。何とか戻ってこられるだろうと思っていた、それも当然だと思います。しかし、国はそうはいきません。そこがつらいところなんではないでしょうか。
 だから私は、昏睡状態になられたという二日の十一時半から次ぐ日の午前九時までの間は、日本は危機管理上空白状態にあったというふうに言われても仕方がないんじゃないでしょうか。そういうことに置いたという責任は、かなり官房長官、責任として重たいと思いますよ。どうなんでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) いろいろなこれはとり方があると思います。
 私は、今申し上げたように、やろうと思えば前夜のうちに代理に就任することができました。しかしながら、病状がいまだ定かでない時点で私が真夜中にそういう行動をとりますと、小渕総理が二、三日して回復されたときに、皆さん方も世界じゅうの皆さんも、この病状の中で果たしてサミットの議長が務まるだろうか、日本の国政がきっちり担当できるだろうかと、そういう議論が恐らく起きたと思います。私はそういうことも考えまして、できるだけ静かに、しかもできるだけ遅く対応すべきだと考えたわけであります。
 ただ、それ以前に問題が起きたときにどのような対応をしたかというのは議論の分かれるところだと思っておりまして、私自身は、万一国難に遭遇した場合は直ちに記者会見をし、臨時代理に就任し対処する、そういう覚悟をいたしておりましたので、その間におけるものが空白とは私は認めるわけにはいかない、私の立場はそういう立場であるということを申し上げたわけでございます。
○伊藤基隆君 森総理にお伺いします。
 一たん緩急あるときには直ちに就任を公表し命令を下す──官房長官、よろしゅうございます、済みません。一たん緩急あるときには公表して命令を下すということでございます。恐らくそうするでしょう、そういうことが起こったときには。しかし、その出動命令の正しさは問われるんじゃないか。国際紛争上それが後々後を引く問題にもなるおそれも出てくるんじゃないか、直前にそういうことをやって。
 それと、内閣の組織とかまたは防衛庁または自衛隊、そういうものはいつそのことが知らされて、いつ命令が下されるのか。今就任した人が出動しろと言ったから出動するということにあの膨大な大きな組織がなり得るんでしょうか。
 私は、直ちに就任をし、公表し、命令を下すということを恐らくするだろうと思っています。だから空白がなかったんだということは言えない。そういうことをやるという覚悟があったにしても、その間日本に重要なことを、解散とかその三つの権力を除いて、全部できる臨時代理がいなかったということはまごう方なき事実なのでありまして、そのことだけは認識されて今後の内閣の危機管理に当たらなきゃならないと思うわけです。国の危機管理というのはそういうものだと思います。
 そのことについて総理大臣の考え方をお伺いいたします。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどから官房長官が、病状の状況等を病院とも打ち合わせをしながら、その間の対応についてのお話がありました。
 青木官房長官からお話しのとおり、あの事態でもしものことがあればということも十分青木官房長官としては判断をなさって、総理大臣が欠けた場合、後ほど法制局長官からそのお話をしていただきますが、欠けた場合、それは御自分の意思で物が言えないあるいはそれを聞き取れないという事態で内閣総理大臣が欠けた場合というふうに規定できるわけでありますから、そういうことも十分考えながら青木さんは自分がその場合は臨時代理をやろうというそういう決意をした、こういうことでございまして、そのことを直ちにその場で宣言をするというのも一つのこれは方法かもしれません。しかし、これも官房長官おっしゃいましたように、病状がどんどん変化もしていて、そして当初は気分がすぐれないということでお入りになったわけでありますから、もしそういうことを宣言して、もしお元気になられたらどうなるのかなということも、当然これは臨時代理としても考えなければならぬことだと思います。
 したがいまして、そういう中で、もしものことがあれば官房長官として自分はその任に当たろうという気持ちに決意をしたということでありまして、私どもにはその後、そのときはふくそうしておりましたから、いろいろな方から連絡がございまして、とにかく記者会見してこの事態だけは明らかにしておきたいということでございましたから、それでよろしいのではないかというふうに党側としては判断をいたしたところでございます。
 なお、この後、私は内閣を組織いたしましてから、より一層の危機管理の徹底を図るという観点から、内閣法第九条に基づきまして、内閣総理大臣が事故あるときまたは内閣総理大臣が欠けたときの対応としてあらかじめ内閣総理大臣の臨時代理を指定いたしたというのがその後の経緯でございます。
○伊藤基隆君 今の御答弁をお伺いしても、実際上九時間半の空白というのは埋められないと思います。
 それでは、防衛庁長官にお伺いしますが、海上警備行動の必要があったと判断したら、今回の場合、内閣総理大臣の承認をどうやってとられたと考えますか。そのときになって、実は総理が昏睡状態に陥られ、公表はしていないのだが官房長官が臨時代理につくから臨時代理の指示に従ってほしいということでは混乱するのではありませんか。
 先ほど防衛庁長官の御答弁の中で、総理が昏睡状態に陥られたということについて防衛庁が承知をしていなかったということが答弁されました。そういう防衛庁が、急に総理がこういう状況で臨時代理が指名された、臨時代理が命令を出したんだから従えということで実際上は動くのでありますか。
 そのことについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(瓦力君) 防衛庁長官は、海上警備行動につきましては総理の指示を得るわけでございますから、海上警備行動に移る事態が生ずれば、また総理とさようなことの連絡はとって行動に移すわけであります。
 今、官房長官が総理の代理をお務めになるという事態であれば、海警行動につきましては、私は、総理代理の官房長官と連絡をとるという形に相なるわけでございます。
○伊藤基隆君 一たん緩急ある事態というのを一番最初に察知するのは第一線の自衛隊の部隊ではないでしょうか。政府の機構としては、防衛庁にその通知が来る。その防衛庁が総理が入院されていることも昏睡状態になっておられることも知らないのであります。そうすれば、一般的通例として、防衛庁長官は総理の行方を捜すのではありませんか。そういうことが実際上は起こるんです。そのときに、臨時代理のところには重大な事態の報告はまだ届いていないんです。臨時代理、すなわち官房長官に先に伝えるわけにはいかぬでしょう。そうすると、そこにそごが起こってくるということがあるから、だから空白だということにもなるんです。
○国務大臣(瓦力君) 先ほどの官房長官の答弁にありますとおり、総理から有珠山の問題もこれあり、万々が一のときは頼むぞというような話を総理と官房長官の中にはなされておった、それは一体であるから、官房長官はその任をあえて自分は受ける覚悟をしながらいたという答弁がございました。
 よって、こういう事態が生ずれば、内閣全般として総理及び官房長官、その事態を相談するわけでございますから、私はその総理の病状、事態を承知し得なくとも、まずは官房長官にその調整窓口として電話をすることに相なると思うわけでございまして、でありますから、そこで官房長官と相談が起こり得るということでございます。
○伊藤基隆君 よしんば、有珠山の問題であったにしても、防衛庁長官は前総理の症状についても、また臨時代理が官房長官に指名されたということについても不知の状況です。知らない者には連絡のとりようもないし、相談もしようもないというのが私の主張であります。
 私は、防衛出動なんということが起こってはならないし、またそんなことは簡単に起こるものでもありませんし、非常の事態を想定して物を申し上げているわけで、ごく一般的には普通で済んでしまうということなのかと思います。しかし、日本が置かれた状況等を考えたときに、私はそのことについて危機管理システムがきちんとできていないということが非常に大きな問題になっているわけで、問題にすべきで、私は官房長官が臨時代理に就任されている経過の中で、何か進んでやったような印象を受けてはならないというようなおもんぱかりがあったやに聞いておりますけれども、そんなことはない。どんどんそういうときはやらなくちゃならない。そういうシビアな問題なんです。シビアな問題を官房長官の人間性で緩めたというのが実態であります。緩めてはならない立場にいる人が緩めれば、日本の問題は大変な危機的な状況に置かれるというおそれがなくはないわけです。そのことを指摘申し上げているわけであります。
 ただ、今回の臨時代理の問題につきましても、自民党内から、いつ相談したとか、または固辞されたとか、さまざまな言葉が出てまいります。私は、官房長官が臨時代理になって物事を処置した以上は、官房長官の言っていることが唯一の内閣の見解であって、それ以外の見解が自民党幹部とか政府関係者の中から、国会の答弁、記者会見、後援会等で出てくることは非常に問題があろうかと思います。それこそ危機管理ができていない。危機管理というのは、対内国的な問題もあるでしょうが、対外的な問題の中であるわけでありまして、それが唯一の公表をする責任を持っている人の口以外から出るということがしばしば起こっている。
 昨日の衆議院の予算委員会でも、総理みずからが官房長官をかばおうとして固辞したと言いました。それは官房長官が就任の経過を説明してきて、大蔵大臣に記者会見の前に相談をしたということまで大蔵大臣が確認をした経過にもとる、そういう発言でありまして、そういうことが出てくることを私は問題だというふうに思っているわけでございます。
 総理の御見解をここでお伺いするのが礼儀だと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 青木官房長官は、二日から恐らく大変な心労と、どういう的確な判断をしていくかということでお悩みになっておられたことは、伊藤議員もお認めいただいて、青木さんのお人柄というものをよく承知しておられての御発言を受けました。
 私どもは党の立場でございますから、しかも日曜日でもございましたし、こうした問題が外に流布されたり、あるいは大きな事態になっていくということを極力私どもとしては、やはりある意味での危機管理の面からも、これは党としてはでき得る限りの、注意深く見守っていくべきだと判断をいたしました。
 たまたま、いわゆる自自公の連立が解消した翌日でもございまして、これからの対応をどうするかということの緊急事態のことで私は党の役員の皆様との連絡をとり合っておりまして、そういう事態の中で、また青木さんとは夜お会いして、これから会見をする、そういうことになったという、今の臨時代理をお引き受けになったという話をそのとき伺いました。政府部内、政府のことでありますから誤りなきようにやってくださいということを申し上げました。当然その事態になれば党の方がどうなるのかなということを考えなければならぬわけでございまして、翌日、緊急の党の、党則にのっとって執行部の会議、あるいは総務会等も開いたというのが経緯でございます。
 ただ、その後、私が内閣総理大臣を受けまして、私は小渕前総理の後を受けて責任を負っていかなきゃならぬということでございましたので、閣僚の皆さんも政務次官の皆さんも全部そのままにしてほしいということから、青木さんにも官房長官を引き続きお願いをしたいということをお願いいたしました。なかなか、青木さんが非常にかたく固辞されまして、総理がこういう立場で病状にもあられるし、私は適当ではないということも再三おっしゃいました。私は、青木官房長官にそのまま御就任をいただきたいということを御説得申し上げるまでにかなりの時間を要しました。そのことが私の頭の中にずっと残っておりました。
 したがいまして、昨日、伊藤議員とは逆に、衆議院では青木さんのお人柄についてかなり踏み込んだような御質問があったり、歴史上の中での人物と対比をされたりということで、青木さんをかなり酷評されたそういう御発言もございましたので、私は、青木さんとの政治家としてのおつき合いもございますし、学生時代からずっと私は一年下で後輩でございましただけに、青木さんのお人柄も全部承知をしておりますし、あの日のことの御苦労のこともよくわかっておりますので、青木さんは私がお願いをした官房長官を固辞されたんですよということを申し上げたくて、その場で私は青木さんを擁護といいましょうか、青木さんを、ある意味ではお人柄というものを、テレビはみんな全国の方が見ておられるわけでありますから、あえて私はそのように申し上げたわけでございまして、そこのところが臨時代理を固辞されたということと誤解を受けるような私は発言をしたことは、私の大変な、発言について、そのときは非常にそういう状況の中で発言をいたしたものでございまして、官房長官を固辞されたということを私は申し上げたかったわけでございます。(「言ってないよ、そんなこと言ってないじゃないの、だめだよ、話にならないよ、冗談じゃないよ、一国の総理の言うことじゃないよ」「それはだめですよ」と呼ぶ者あり)
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
○伊藤基隆君 森総理にお尋ね申し上げます。
 委員長のサジェスチョンもあったのでありますが、我が院の問題にするために、昨日の衆議院予算委員会での森総理の答弁ときょうの答弁は違うかどうか、きちんとここで確認したいというふうに思います。
○国務大臣(森喜朗君) 私が申し上げたかったのは、私が総理に就任した際に官房長官に留任することをお願いいたしました、官房長官はそのことを固辞されました、そういう官房長官であったと。
 御自分で仕組んで臨時代理になったというような、そういう趣旨の質問が衆議院の予算委員会でございました。そういう方ではないということを私は申し上げたかったわけでございまして、そういう意味で、官房長官の御就任も固辞されたような方でありますという、そういうお人柄であることを申し上げたかったわけであります。(「だめだめ、だめだよ」「違う違う」「答弁になってない」「とめて」「それはだめだ」「何で理事がやらなきゃいけないんだよ」「休憩休憩」「何で理事がやるんだよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○委員長(倉田寛之君) 彼が挙手しているから、ひとつ発言させましょう。伊藤基隆君。(「何質問するんだ、質問やめろ」と呼ぶ者あり)
○伊藤基隆君 お静かに願います。
○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。
○伊藤基隆君 私、官房長官が率先して臨時代理になるということは、それはまずいことではなくて、そういうときは当然やるべき立場にあると思うんです。宮澤大蔵大臣が事前にそのことを小渕総理にも言った、私に来るんじゃなくて官房長官にと。それも私は非常に判断として正しいというふうにはお聞きして思いました。
 ならば、二日の午後七時に臨時代理になってくれよ、よろしく頼むと言われたんなら、十一時半までの時間帯で、政府関係者、閣僚、防衛庁長官含めて、ないしは党の幹事長とか、こういうふうになっているということをきちんと話して、十一時半の記者会見で言えばよかった、そういうことなんです。そのことをそうなんだと国会でも言えばいいんです。そのことを、いや違うんだとか、おもんぱかってとかという人情の発露で説明をするからわからなくなっちゃう。
 そうじゃなかった。私はいろいろこの間の動きを官房長官は自分で考えて固めたと思いますよ、政府内、党で。固めざるを得なかったんでしょう。そのことがぽろぽろ漏れることも問題だし、そのことを貫き通せない事態がいろいろ出てくることが問題なんで、もっと単純に引き受けて公表すればよかった、引き受けて相談して公表すればよかった、そういうことなんです。
 森総理が、組閣のときに官房長官を固辞されたことと誤解をしたとおっしゃいました。しかし、現職の総理が昏睡状態に陥られた、そのことについて相談する、その日本の一番長い日と言われるような日の出来事を、あなたはその後、自分の内閣を組閣するときと間違うことがあるんですか、そういうことが。そういうことは答弁を聞いておりましてあり得ないことだと思います。総理たるものがそういうことでは困るということを申し上げて、あとは峰崎委員に関連の質問をお願いします。
 どうも失礼しました。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。峰崎直樹君。
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎です。
 まず冒頭、今、病に伏しておられる小渕首相とも三月一日の予算委員会で論議をいたしまして、大変ある意味では一刻も早く快癒していただきたいものだ、そのことを冒頭申し上げたいと思います。ただ、森総理と今から論戦する前に、私はどうしても納得できないのは、今、官房長官おられませんから、官房長官がるる説明されたことに対して明らかに今答弁されたことは違います。いや、実は勘違いだったということをおっしゃいました。
 今、森総理に対して伊藤基隆理事も質問されましたけれども、私は大変重大な問題で、内閣の正統性にかかわる問題だということについてどうしても納得できないので、改めて森総理のその見解をもう一度お願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 青木官房長官がもちろん大変な思いでこの収拾に当たっておられたことは伊藤議員も峰崎議員も御理解をいただけると思います。
 私どもとしては、こういうことについては、これは官房長官が直接御家族やあるいは医師団と連絡をとりながらやっていらっしゃることですから、党としてはできるだけ青木さんとお話をしたり相談するということは避けなければならないと、私もそう考えておりました。ですから、そのときの青木さんの動き、青木さんの御判断、そういうもの対しては全幅の私は御信頼をいたしておりましたし、また的確なる私は措置であったというふうに、私どもその後から伺ってもそういうふうに考えております。
 これは私の混乱をしたところでまことに申しわけないことでございますが、昨日、青木さんに対して、余りにも人間性をとがめるようなそういう御質問があったものですから、私は、青木さんの人柄というもの、人間性というものを御説明申し上げるために、私の官房長官のことをお願いしたときもかたく固辞されたんですよということを申し上げたわけでありまして、そこの私の取り違えた発言に大変御迷惑をおかけをしたと思っておりますが、それだけのことでございます。
○峰崎直樹君 私の取り違えた発言と、こうおっしゃったんですが、私はこれは大変重大なやはり取り違えだと思うんですね。
 その意味で私はそのこと、取り違えた発言をされた青木官房長官は今帰ってこられませんから、この取り扱いについて、私はこのまま、内閣の正統性を疑っているときに、これから経済政策の問題やあるいは不祥事問題を今から議論しようと思っていますが、なかなかこれは議論を先に進めることができないんですが、この問題について、委員長、私、提案がございます。
 この点についての内閣のある意味では意見を、官房長官が帰られた段階で結構ですから、改めて統一していただきたいと思うんです。そして、誤りがあったのなら誤りがあった、それはだれに対して陳謝をするのか、その責任のとり方を明示していただきたいと思うんです。
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
○峰崎直樹君 それでは、官房長官がお帰りになるまで少し留保しますが、十二分間ですから、それまで少なくとも二分ぐらい残してあとの質問をして、少し留保させていただきたい、お願いいたします。
 それでは、経済問題にちょっと触れたいと思います。
 冒頭、森首相に、最近の経済、景気をどのように認識されているのか。
○国務大臣(森喜朗君) 我が国経済は、全体として需要の回復が弱く厳しい状況をまだ脱していない、このように見ております。しかし、各種の政策効果あるいはアジア経済などの回復の影響から景気は緩やかに改善が続いておる、このように見ております。企業の活動にも積極性が見られておりますし、自律的回復に向けた動きが徐々にあらわれてきていると思います。
 こうした中で、個人消費も収入が低迷していることから改善傾向の定着には至っておりませんけれども、年末に比べればかなり持ち直した状況が続いている、このように判断をいたしております。
○峰崎直樹君 そうすると、小渕前総理の出されたときの公約、すなわち九九年度実質〇・六、名目もマイナス〇・四ですか、それから今年度は一・〇%は引き続き公約として自分も掲げる、こういうことでよろしいんですか。
○国務大臣(森喜朗君) ただいま申し上げましたように、おおむね政府経済見通しで描いた回復過程をたどっております。平成十一年度はおおむね実績の見込み程度の成長の実現を期待いたしております。
 経済の先行きにつきましては、設備投資の先行指標が持ち直しているなど明るい動きが見られるということも今ほど申し上げたとおりでございまして、今年度後半には民需中心の本格的な回復軌道に乗って平成十二年度の実質成長率は一%程度になるものと見通しておる次第でございます。
 今後とも経済運営に万全を期してまいりたい、こう考えております。
○峰崎直樹君 ちょっと日銀総裁お見えになっていると思いますので、日銀総裁は最近の景気状況を、きのう支店長会議があったようですが、どのように認識をされておりますか。
○参考人(速水優君) 私ども、日本の景気がここへ来て持ち直しの動きが明確化しているというふうな考え方を持っております。
 民間需要面でも、設備投資が緩やかながら増加に転じておりますし、一部に回復の動きが見られ始めております。もっとも、民間需要のもう一つの柱であります個人消費につきましては、なお回復感に乏しい状態が続いておるわけでございます。
 今おっしゃいましたように、昨日支店長会議をいたしまして、全国から支店長が集まりまして、それぞれの地方の景気情勢について聞いたわけでございますが、特に私注目いたしましたのは、情報通信関連分野の設備投資が活発化してきたということを各地で申しておることを、これは新しい動きだなというふうに思った次第でございます。その一方で、個人消費につきましては、なお一進一退の状況にあるという報告が多く聞かれたところでございます。
 したがいまして、当面、企業部門の回復が家計部門の方にどのように波及していくかということを注目して見ておるわけでございまして、この点にはっきりした動きが出てくれば次の手が打てるかというふうに思っております。
○峰崎直樹君 では、同じことをやはり経済企画庁長官にも聞きましょう。
○国務大臣(堺屋太一君) 経済の全体の動きとしては、今、総理大臣がお答えになりましたように、緩やかな改善が続いており、企業の動きにも積極性が見られるようになってきたということでございます。
 特に個人消費の点でございますけれども、昨年の十―十二月、特に十二月におきましてはボーナスの支給額が非常に低かったものですから大きく落ち込みました。その後、一月、二月は順調に回復しておりますが、この三月の状況、まだはっきりと答えは出ておりませんけれども、二十日前後かなり寒かったというようなこともございまして、今わかっております百貨店あるいはチェーンストア等はやや低迷したというような形になっております。
 そういう意味で、日銀総裁がおっしゃったように一進一退というところもございますが、全体の傾向としては個人消費も緩やかにわずかながら上昇してきているということで、かなり今後回復に期待が持てるのではないかと思っております。
 そして、小渕内閣のときに見通しました九九年度の〇・六%程度、それから二〇〇〇年度の一%程度、これは特に公約というのではなしに経済運営の見通しの前提でございますが、この〇・六%程度というのは、どんぴしゃで当たるというのは非常に難しいことでございますが、その近辺ぐらいは行きそうな感じだなというような感触を持っております。
○峰崎直樹君 時間もありませんから、今度は大蔵大臣にお聞きしますが、ずっと今お聞きしていて、だんだんやっぱりよくなってきておりますね。それはお認めになられると思います。
 ところが、昨日、亀井政調会長の質問で、この間政調会長はいろんなところでいろんな発言をされています。株価の暴落のときにPKOをやれとかと言っておられますが、実は追加的需要策として補正予算だとかあるいは公共事業の予備費発動だとか、そういったことについて発言されていますが、この点について、かつて大蔵大臣は、私どもに対しては、いや、その発動はことしはもうそういう必要性ないよと。
 今、景気がどんどんよくなってきているというときに、昨日の答弁を聞いていますと、そういったことも考えなきゃいけませんねと言っていますが、これは何ですか。景気がだんだんよくなっていっているというのに、かつてはそういう財政政策は発動ありません、今回は考えなきゃいけません、これはどういう背景ですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 全体としてよくなっているということは、今やもうほとんど疑いのないところでございますが、それが家計消費というところにどういうふうに結びつくか、リストラの段階でもあるからそれをみんなが一様に心配しているということは、峰崎委員は御専門でございますから、前にも何度もかなり長いことこれについては討論をさせていただいたのでおわかりいただいておると思います。
 したがいまして、私は、今我が国の今年度に大きな補正予算が要るか要らないかということになれば、私は要らないで済ませたいということを思っているし、うまく民需にバトンタッチができればそれでいけるのではないかと思っております。
 きのう、亀井政調会長の御質問は、党における政調会長のお立場でもございますから、国民に向かって話をされるというお気持ちもあって、その中では補正のことは言われませんでしたが、公共事業予備費についてどう考えるかという話があって、前提として国会が審議をしていらっしゃる間は予備費は使えないということは、これは明瞭でございますから、そのことは政調会長も御存じであります。
 ただ、予備費の対象として考えられております幾つかの項目がございまして、特に新幹線などはその一つでございますけれども、そのような仕事について今から準備をしておきたいということを思っておられるお立場の方がおられまして、それは私は準備をしていただくことは一向に差し支えない。
 そうなりますれば、ほかの問題、きのうは政調会長は贈与税について触れられました。これは、昨年からの積み残しの問題とは別に年間の贈与の幅等というものをどうするかという問題は前からございますが、そういうことについても議論したいとおっしゃいましたので、私はそれも結構でございますというふうに申し上げてございますが、総括いたしまして、補正ということを今考えておりませんし、また公共事業予備費については、これはおのずから発動できる時期、できないときというものがございますので、そのことはもとより動かすということはできない。それを前提でいろいろお話をしております。
○峰崎直樹君 どうも聞いていまして、選挙が近くなる、そうなると、何か一斉にそういう財政出動であるとかあるいは減税であるとか、国民にとって耳当たりのいいことばかり出てくる。あるいは介護保険の先送りだとかペイオフの先送りだとか、もうこれはずっとこの間議論してきたことです。
 そこで、総理にまたお聞きします。
 六百四十五兆円の借金というのがあります。これをどのように考え、そしてこれはどう解消されるのでありましょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 財政構造改革法が成立をいたしました平成九年の秋前後からは、我が国経済はいろんな局面に立ち向かったわけでありまして、そのときにはやはりアジアの通貨と金融市場の混乱、それから金融機関の経営破綻という大変大きな問題がふくそうしておりました。そういう内外の悪条件が一斉に重なったということから長期の低迷状況に陥ったというふうに我々は認識をいたしております。
 こうした状況の中で、まずは景気回復に全力を尽くすため、財政構造改革法については、財政構造改革を推進するという基本的な考え方に立ちながら、これを凍結するということにいたしたわけでございます。
 一方、我が国財政は、平成十二年末の国及び地方の長期債務残高、今、峰崎議員から御指摘のとおり六百四十五兆円、ますます厳しさを増している、このこと自体は我々は常に頭の中には承知をいたしておることでございます。
 したがって、財政構造改革は必ず実現しなきゃならぬということについては、これはもう極めて重要な課題であるという認識をいたしておりますが、せっかくここまで来た我が国経済、この経済がやはり本格的な回復軌道に乗り、ただいま大蔵大臣やあるいは経済企画庁長官もお話しのように公需から民需に切りかわっていく、そうしたことを、しっかり軌道に乗ったということを見きわめてから速やかに取りかからなければならぬ、そういう課題であるというふうに承知をいたしております。
 前総理の思いもここにあったというふうに思いますし、私はそれを受けて、その内閣の責任を負ってまずは景気回復を本物にしたい、こういう気持ちでございます。
○峰崎直樹君 それでは、大蔵大臣、中期財政計画の見通しを出されましたですね、ことしも。そして、三・五%でしたかと一・七五と二つ見通しを出されて、これから幾ら経済が順調に上がってもプライマリーバランスは回復しませんねと、こういう話でございました。
 もし安定軌道が二%だとした場合、これから金利というのは一体どうなっていくんだろうか。そして、租税弾性値からするとそれは一体どのぐらいの増収になって、これから先、今のままの財政支出で行ったらどうなるのかという展望を出されましたけれども、もう一度改めてそれをお伺いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 中期財政展望は、峰崎委員もよく御承知のとおり、幾つかの仮定数値を置きまして一種のプロジェクションをしたものでございますから、現在の状況における基本的なプロジェクションでございます。
 それによりますと、基本的に、仮に成長率が高くなってもその結果金利が上がるので、それは恐らく国債の金利を非常に高めるであろうし、その結果の割には税収の増というものは大きくない。仮に三%の名目成長があっても、弾性値が一・一であるとしますと、今の五十兆絡みでございましたら二兆はないわけでございますから、案外そこは大きくない。金利の方が上がっていって、国債の負担の方が大きくなる。それは、現状のプロジェクションではそうであるが、さらにその上に今の社会保障制度等々の状況を考えると、いわゆるそういうための費用は上がっていくと考えることの方がむしろ合理的であるから、したがって成長率が多少上がっても財政状況は楽になるとは限らないということを言っておるわけでございます。
 それに対しまして、それは恐らくそのとおりである。それは、現状をそのままにしておけばそういう状況をなかなか脱却できないということであって、財政改革というものはあらゆる改革を巻き込んでまいりますから、巻き込まざるを得ないと思いますので、したがって社会保障まで含めて財政が、経済が軌道に乗りましたら根本的に考え直さないと現状の将来に向かっての改善というものは難しいというふうに、あれをお互い、峰崎委員もそう読んでいらっしゃいますが、そう読んでいただくのが正しいだろう、そこが財政改革の問題だというふうに思っております。
○峰崎直樹君 実は、ゼロ金利の話も本当は聞かなきゃいけないと思っているんですが、ゼロ金利も。もう余り時間がないんで、お手元に資料をお渡ししました。(資料を示す)これは、よく言われているマーシャルのkというものです。余り難しいお話をくどくどするつもりはないんですが、過去大変なインフレーション、ハイパーインフレーションに近い状態をもたらしたことが何度かございます。一九七〇年代の前半、それから御存じの八〇年代のバブル、いずれもこのマーシャルのkがGDPよりも上へわあっと上がっちゃうんです。過剰流動性をもたらしているわけです。今は、これを見ると、これも同じようにマーシャルのkがぐっと上がっちゃっているんです。
 先日、日本経済新聞の「やさしい経済学」というところで神戸大学の先生がこういう資料を出しまして、この黄色いところ、ちょっと見えにくいところですが、もう今や完全にマーシャルのk、入っていますよと、こういうことで、実は最初のときは非常に消費者物価、卸売物価ともに上がりました。次のときには、これはバブルで資産価格が上がりました。今いわゆる過剰流動性という形で日銀がどんどん支出しているけれども、そのお金は一体どういう形でどうなっていったんでしょうか。
 まず、これは日銀総裁からお聞きしましょう。
○参考人(速水優君) 潤沢に資金を出している割には金融緩和効果が出ていないではないかという御質問かと思います。
 ゼロ金利政策は、さまざまな経路を通じて金融環境の改善とか金融取引の活発化に非常に大きな力を発揮しておると私どもは見ております。具体的な経路としましては、金融市場における流動性懸念が払拭されているということ、それから長期金利が安定しているということ、株価が上昇しているということ、金融機関や機関投資家のリスクテーク姿勢の積極化というようなこと、あるいは社債、CP市場などの直接金融市場における企業の資金調達環境が好転しているといったようなこと、企業の資金調達のそういうことがとりあえず指摘することができると思います。
 以上のような金融環境の改善などは、企業の金融の円滑化とか、企業、家計のコンフィデンスの改善というような形で実体経済活動にも好影響を与えていると私どもは見ております。
○峰崎直樹君 かみ合っていない。日銀総裁、そんなことを聞いたんじゃないんです。要するに、ゼロ金利の功罪についてはまた後で聞きますが、それでは、金融再生委員長に聞きます。
 今、銀行部門に国債をどのぐらい持っていますか。そして、長期金利が一%上がるとどのぐらいのこれはマイナスになりますか、いわゆる総資産の。
○国務大臣(谷垣禎一君) 都市銀行の資産構成ということですが、平成六年度から十年度までの五年間で、都銀の総資産に占める主要資産の比率を見てみますと、おおむね貸出金が六二%から六五%、それから有価証券が一二%から一五%、それから現金預け金あるいはコールローンなどが五%から一三%の間なんですが、有価証券のうち国債の占める比率はおおむね一五%から二一%になっております。
 それで、金利が上がっていったとき、それがどういうふうに銀行経営に影響を与えていくかという点ですが、各銀行では国債の先物取引によってヘッジ取引を活用していくとか、あるいはできるだけ残存期間の短い債券へ入れかえていくというような手法を使って国債の価格変動リスクあるいは金利変動リスクを軽減化しているというふうに見ておりまして、そこで現状では長期金利の上昇が銀行経営に重大な影響を与えるというふうには考えておりません。
○峰崎直樹君 金融再生委員長、これはある証券会社の調査のあれですが、全銀ベースで今債権残高六十・五兆円あるそうです。これが長期金利一%の金利上昇で三・五兆円程度の含み損を発生させる。金利が一・四%上昇すると業務純益がゼロになる。
 そこで、改めてまた日銀総裁に聞きますが、これ今ゼロ金利をずっと進めています。これが二%台の経済成長ぐらいに巡航速度で上った場合に、長期金利は大体どういうふうに予測されていますか。
○参考人(速水優君) 長期金利というのは、基本的には先行きの景気や物価についての市場の見方を反映して決まっていくものだというふうに思います。したがいまして、経済の巡航速度が持続的な成長経路といいますか、こういうものに復していった際には、長期金利というのは、ならしてみればそのときに実現する趨勢的な実質成長率、それと物価の上昇率を加えたものに近くなっていくのではないかというふうに考えております。
 したがいまして、景気がよくなれば金利は多少上がることは自然であるというふうに考えております。今の一・七%というような実質成長率がそれぐらいであるとすれば、これもそれぐらいのことなのかなという感じがする次第でございまして、問題は、これから経済成長がどれぐらいのスピードでどれぐらいの上昇率を示していくかということにかかっているように思っております。
○峰崎直樹君 要するに、今長期金利は一・七ですが、ゼロ成長で、これはいわゆる経済成長率が二%程度上がれば、二%上がって三・七ぐらいになるということですか。そこら辺はどういうふうに見ていらっしゃいますか。
○参考人(速水優君) 具体的な数字を申すわけにはいかないと思いますが、具体的に産業構造の変革とか規制緩和などを通じまして、日本経済の成長力がどの程度高くなっていくかというようなことに依存しておるわけでございます。
 日本銀行としては、この期待感が不安定化して長期金利が上がっていくというのは、これは何としてでも防いでいきたいと思いますけれども、成長が進んでいって金利が自然に上がっていくというのは自然な流れだというふうに思います。
○峰崎直樹君 要するに六百四十五兆の借金、GDPを超えたことは、これは大変な意味を持っているんじゃないのかということを、実は総理、考えていただきたいと思うんです。
 ということは、経済成長になれば当然今おっしゃったように金利が上昇してくる、国債のいわゆる長期金利が上がってくる、それによってまた不良債権が発生する、こういうことになっていくわけですね。その意味で、これは相当思い切った財政再建を急がないことにはだめだというふうに思うので、いつまでもぬるぬる、いや財政再建は社会保障制度が変わったりいろんなことを考えながらやっていくという、そういう悠長なことで本当に大丈夫なんだろうかというふうに私は今思って、それで冒頭お聞きしたわけです。
 改めて、財政再建というものをやはり早急に進めていかなきゃいかぬよと、総理、もう一回ぜひお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、峰崎委員と長いことお話をしているテーマでございます。
 先ほど総理が言われましたようなことが私は正解だと思いますのは、我が国は大変大きな債務をしょっていますから、これは容易ならぬ事態でありますが、それは外国から借りているわけではございません。したがいまして、これを返すためには我々は外国から金を借りて返すつもりはありませんので、自分の金で返すしかないということはそれだけの成長を我々が稼がなければならないということがやはりどうしても基本だと思います。
 それから、しかしそれだけで済みませんので、大変いろんなことが必要でございますが、まず成長軌道に乗りたい、こういうことはよくおわかりのとおりのことであります。
○峰崎直樹君 総理への質問は、では最後にまたお願いしますが、実はさっきから私は経済の問題、大変重要な局面に今あるんだと思っているんですよ。それでさっきから何度もマーシャルのkだとかいろんなことを言っている。ということは、過剰流動性が今どこに行っているかということで、金融再生委員長、銀行の方に行っているんですよと、いわゆる債券を買って。かつては、あのバブルのときは土地、株式に行きましたよね。今はどこに行っているのかなといったら、一番有利でリスクフリーだということで国債に行っているんじゃないですか。これがやがて大きな問題になり、経済が少しでも成長の軌道に乗れば大変なやはり含み損になっていくんじゃないですか。そこに大きな問題があるんじゃないかということを実は私は今提起しているんです。
 その意味で、経済政策のかじ取り、金融政策と財政政策は今どうあったらいいのかというときに、最近の大蔵大臣の言動、それから日銀総裁の言っておられることがどうもちぐはぐになっていやしないかなと。選挙を前にして、何かこちらの財政政策の方がどうもおかしくなっているんじゃないのかなということも実は私は感じているわけでして、改めてその点についての、こういう大きな矛盾を抱えている、しかもゼロ金利をこんなに異常に長くさせることが大きな問題をもたらしているんじゃないんでしょうか。
 まず日銀総裁、そのいわゆる異常状態を長くしていることについての総裁の見解と、それから総理に対する総括質問をお願いしておきたいと思います。
○参考人(速水優君) ゼロ金利を続けております、もう十四カ月になります。確かに長いといえば長いわけでございますけれども、私どもはデフレ懸念を払拭する展望ができるまではこれを続けていきたいというふうに思っております。
 先ほどから申しておりますように、設備投資、民間需要はかなり芽を吹いてきておりますけれども、それが家計にまで回って消費がふえていくというところまではっきりした展望ができませんので、もうしばらく今の状態で続けてまいりたいというふうに思っております。
○国務大臣(森喜朗君) 峰崎議員の種々の御指摘はよく我々も承知をいたしますし、理解をするところもございます。しかし、先ほど申し上げましたように、やはりまずは本格的な景気回復をするということが最重要だと思います。
 経済は、御専門でありますからよくおわかりのとおり、極めて心理的なものも多いわけでありますから、まだこれからもう一つというときにそちらの方に踏み切っていくということになれば、やはり大きく経済に影響を受けてくる、景気にも影響を受けてくる。私どもは、過去の反省の中からも最終的にはやはりまずは景気回復を本格的にさせるということで、全力を挙げてそうした措置をとっているということでございます。
○峰崎直樹君 もうこれ以上、ちょっと時間がありませんのでやめますが、もうゼロ金利が長く続いていることに伴って、本当に高齢者の方で細々と金利で生活されている方からのいろんな、今どうしてこんなになっているんだという話をよく聞きますので、この点について引き続き、いろんな意味で早くもとに戻れるように、正常な金利が保障できるように、私たちとしてはお願いを申し上げたいと思います。
 さてそこで、官房長官、お帰りになりました。先ほど実は質問を留保していたわけでありますが、昨日記者会見で、前日のいわゆる森総理の話をされたことを否定されましたですね。そのことは、我々からすると閣内で不一致じゃないかなというふうに思うんですが、その点について官房長官の見解をお願いします。
○国務大臣(青木幹雄君) 昨日、衆議院の予算委員会におきましていろんな質疑が出ました。その中で、私が臨時代理に就任したことが、これは自分がなりたくてなったんじゃないか、人をだましてまで臨時代理になったんじゃないか、昔でいえば天一坊と同じじゃないかというような質問がありましたので、恐らくそのことを総理が聞くにたえなくて、そんなことはありませんよ、官房長官に就任するときにも再三自分が就任を頼んだけれどもいろいろ固辞した、そういう人が自分からそんなことまでして臨時代理になることは考えられませんよという、私に対する非常に善意でされた発言でありますので、私はそういうふうに受け取っております。
○峰崎直樹君 いずれにしても、私どもは納得できないんです。納得できないというのは、そういう人情をおもんぱかってお話をなさったことについては、なるほど我々もそういう気持ちはわかる。しかし、公的な国会という場で一国を代表する総理大臣が実は間違ったことを言っていましたということをおっしゃっているわけですから、この点についての責任問題あるいは釈明なり、そういった点について内閣として実は私は考え方を整理して出していただきたいと思います。その点を要望しておきたいと思います、委員長。
○委員長(倉田寛之君) 本件の取り扱いにつきましては、後刻理事会で協議することといたします。
○峰崎直樹君 実はもっとお願いをしておきたいことがあるわけですけれども、きのうからずっと聞いていて、衆議院の方ではどうだかわかりませんが、参議院としても、やはり医師の診断書がないという問題。それから、医師とは話を直接いたしましたということで、私どもは青木官房長官とは話ができるんです。とはいえ、医師団の正式なコメントというのは一回もないわけですから、衆議院では、私どもの要望もあったんでしょう、病院に行って医師の事情を聞くことを提起しておりますが、私ども参議院としても、ぜひこれも提起をしたいと思いますし、また医師団がここの場で正式に参考人として出て、参考人として意見を求めたいということもあわせて提案をしたいと思います。
○委員長(倉田寛之君) 峰崎直樹君の要求につきましては、後刻理事会においてその件につき協議いたします。
○峰崎直樹君 もう時間がなくなります。
 農水省の問題について。農水省は、このところ随分不祥事を起こしているわけです。警察庁と公取を呼んでおりますが、警察庁長官から、農水省のいわゆる疑惑事件、これについての報告、それから公正取引委員会は、談合疑惑がいろいろ出ているようでありますから、それらの件について状況をお話し願いたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) お尋ねの農水省関連の事件でございますが、平成十二年になって検挙いたしました贈収賄事件は二件ございます。
 その第一は、元同省構造改善局農政部課長補佐が、現職当時、財団法人ふるさと情報センターが運営管理するふるさとプラザ東京への出店に際して有利、便宜な取り計らいをした謝礼として、香川県の農協組合長らから平成九年二月ごろ現金数十万円の供与を受けたという収賄容疑で、本年三月二日、警視庁が当該課長補佐を逮捕したものでございます。
 その第二は、北海道農政部次長が、同省農産園芸局総務課調査官をしていた当時、同じ香川県の農協組合長らから、米貯蔵庫の建設事業に関して国庫補助金の交付を受けるに際し、有利、便宜な取り計らいをした謝礼として、自己が飲食店において飲食し、支払うべき代金合計約百九十万円を平成九年七月ごろから十一年十月ごろまでの間、前後二十数回にわたり支払いを受けたという収賄容疑で、本年三月二十七日、警視庁が当該農政部次長を逮捕したものと承知しております。
○政府特別補佐人(根來泰周君) お尋ねの件は、新聞にも報道されておりますので、そういう前提で申し上げますけれども、農林省関係では水産庁の問題とか、あるいは北海道の農水関係の工事について私どもは調査中でございますが、これはあくまでも事業者が対象でございますので、役所は今のところ対象と、念頭に置いているわけではございません。
○峰崎直樹君 農水大臣、どう責任をとられますか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産省に在籍した職員二人が収賄容疑で逮捕、起訴されたことにつきましては、公務員の倫理が厳しく問われている中でまことに遺憾であり、不信を招くような事態に至ったことに対しまして、国民の皆様に大変申しわけないと考えております。
 今後、農林水産省の仕事のあり方全体を見直し、事業実施の適正化を図るとともに、職員一人一人に公務員としての自覚を促し、国民の信頼を回復すべく全力を尽くすことが私に課せられた責務であると考えておりまして、これに向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○峰崎直樹君 何回も調査をやり、そしてこれで終わりです、また出てくる。その責任、森総理大臣、どう思われますか、農水大臣の責任について。
○国務大臣(森喜朗君) 農林水産省の一連の不祥事につきましては、公務員倫理が非常に厳しく問われておりますこの中でまことに遺憾でありますし、そしてまた残念に思っております。
 今、農林水産大臣からもお話ございましたように、現在、仕事のあり方全体を見直して、地区認定や事業費決定の基準の透明化等、事業実施の適正化を図る取り組みを進めているところでありますので、大臣が先頭に立ってこうしたことに対する対処策をぜひ講じていただきたい、そう思っております。
○峰崎直樹君 総理大臣あるいは農水大臣、先ほどの収賄事件というのは補助事業ですよね。
 それで、最近、農水省が、事務次官が、要するに陳情に来るなというようなお話をなさっているようですが、その点どうですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは、陳情に来るなと、こういうことは申しておりません。あくまでも基本法の趣旨に従いますと政府も自治団体もともに対等でございますから、陳情と、こういうことよりも建設的な提案をしていただきたい、ともどもにそうした中におきまして課題の解決を図っていきたい、こういう趣旨でございますので、その点については不正確な点があると、こう思います。
○峰崎直樹君 時間が来たので最後にこれは私、申し上げますが、逆じゃないかと思っているんです。要するに、農水省の補助事業を、それはみんな地方自治体は財源難ですから陳情に行きます、これをよこせ、何とかやってもらいたいと。そうして、そこで温床で不祥事が起きた、もう来るなと。そうじゃなくて、やはりこれはもう財源を分権化していって、地方自治体に農政を基本的に任せますと、こういうふうにいくのが私は筋じゃないかというふうに思います。
 そして、森総理に、北海道を代表して、有珠山の今ちょうど大変な状態でございますので、改めて万全な対応をしていただきたいということをお願い申し上げまして、最後に農政の分権化の問題について質問して、終わりたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 議員も御承知だと思いますが、これから食糧自給率を向上せしめていく、こういう点が大きな課題でございます。そういう観点からいいますならば、全国的にこの政策を進めていかなければならない。そういう点におきましては、分権をする、こういうことも大事かもしれませんが、地方自治団体と一緒になって進めていく、こういうことが大事だと思います。
○峰崎直樹君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で伊藤基隆君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 自由民主党の片山虎之助でございます。どうかよろしくお願いいたします。
 きのうから始まりました衆参の予算委員会、森新総理の初登場、デビューでございまして、国民の皆さん、一生懸命テレビを見ておると思いますので、私は毎回申し上げておりますが、できるだけわかりやすい質問をさせていただきますので、わかりやすい簡潔、明快な答弁を、特に参議院は片道でございますから答弁が長くても時間が同じでございますので、どうかひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 まず、小渕総理が激務の中で病に倒れられました。小渕総理のお人柄あるいは国会での答弁のしぶり、お仕事、今さらのように私も思い出しているわけでありまして、一日も早い御回復、御快癒を心からお祈り申し上げたい、こう思います。
 小渕前総理が倒れられて後どうするか、こういうことになりまして、森新総理・総裁の誕生になったわけでありますが、これについて若干の議論がございました。ただ、自民党では、この緊急事態に当時の森幹事長以外には余人をもってかえがたい、小渕政権を一年八カ月支え、苦楽をともにし、その志や思いを一番承知しているのは森幹事長でございますので、森幹事長しかいないという党内のコンセンサスは、途中経過はいろんなことがございましたが、党大会にかわる両院議員総会で満場一致で選ばれたわけでありますし、引き続いて両院の首班指名でも堂々たる数字で指名を獲得された。参議院は時々変わったことをやりまして衆議院と一緒じゃないことがあるんですけれども、今度は全く一致いたしたわけでありますから、そういう意味で正統性云々というのは全くない、自信を持ってぜひ私は頑張っていただきたいと思います。
 また、きのうもきょうも青木官房長官の総理臨時代理の問題、いろいろ言われております。野党の皆さん、熱心なことはよくわかりますけれども、やや重箱の隅を裏から表からつついているような議論があるので、前総理と官房長官の御関係、会話あるいは官房長官のお人柄、あのときのいろんな突発的な難しい状況を考えたら私はああするしかなかったと思いますし、また、官房長官は大変な心配りをされて最善の対応をされたと思います。したがって、あの一連のことが何らの政治空白もなくスムーズに円満に収束、収拾された、これは私、官房長官の本当に大きな功績だと思います。
 今の二件につきまして森総理の御感想、御所見があればお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) まずもって、今、片山議員からのお話、自分の心境を本来吐露したい気持ちですが、それには片道ですから時間をできるだけ節約しろということでございます。
 図らずもこういう立場になりましたこと、本当に大きな責任を感じております。ただ、お話しのとおり、小渕前総理を支える、私はある意味ではキャッチャーの役をずっと務めてまいりましたので、小渕前総理が果たし得なかったこと、これからまだやりたいと思っておられたこと、そのことを全閣僚の皆さん、また与党の皆様方の御協力をいただきながら、何とかしてそれらのことを一つでも解決できるように、実現できるように最善の努力をしていきたいと、こう思っています。
 ここのところいろんな行事がございます。土曜日、日曜日、いわゆる太平洋諸島の島嶼国の大統領や首相との会合に出ました。そこでいろいろ、私が議長役をいたしておりましたけれども、ここに本当は小渕さんがいたんだな、小渕さんの気持ちがこういうところに随所にあらわれている、各国の大統領、首相の方が最初に必ず小渕さんの話をされる、小渕さんの人柄というものを慕って大勢の各国の、各島の首脳がお集まりになったということ、そしてここに自分が座っているということに対する物すごいある意味での責任と同時に、小渕さんをここに座らせてあげたかったなという思いはそのときもずっと続いておりました。そういう意味で、一生懸命、こうした予測しがたい状況の中でこういう事態になったことに対して謙虚に受けとめて、そして小渕前総理のお考えを私はさらに一層推進していく、そういう責任を負っていきたいと考えています。
 なお、お尋ねの官房長官につきましては、本当にこういう厳しい状況の中でよくおやりになったと思います。与党の連立解消という新しい事態、そのこともまた小渕前総理のお気持ちに大変大きな影響を与えたことも事実でございましょう。そういう中でどうして次の連立体制というものを維持していけるのかということに私たちは奔走いたしておりましただけに、その間、官房長官が本当によくこの善後策、収拾策を果たされたということに対して、本当に心から私は感謝と敬意を表している次第でございます。
○片山虎之助君 森総理は、総理になられた後の御感想で、自分が小渕前総理の後継になったのは天命だ、小渕さんの思いを果たすことが天命だ、こう言われました。どうかぜひ天命を全うしていただきたい、こういうふうに思います。
 最近の森内閣及び自民党の支持率は比較的高うございます。読売新聞の支持率の調査では四二%、日経が三六%でしょうか、いずれも不支持率をかなり上回っている。
 それは、私はいろんな要因があると思います。森総理誕生の新鮮さ、あるいは小渕総理が病床にあることに対する同情、あるいは景気がお話がありましたようになだらかに回復しておりますから、そういうことがあると思いますけれども、やっぱり国民はこの内閣に何かを期待している、私はそういうふうに思います。
 そこで、何を期待しているんだと、こういうことになるんですが、これは読売新聞のあれから見ますと、一番大きいのが景気なんですね。二番目が福祉、医療、それから三番目が税制、四番目が教育、五番目が金融安定化、六番目が財政再建なんですね。そういうことを国民の皆さんは取り組んでほしいということでこの内閣に言われている。
 そこで、一番支持率の大きな理由は、何かやってくれそうだというんですよ。これが一番大きい。二番目が安定感がある。総理は本当に安定感がありますよね、重量感も。それから三番目が自公保連立政権だからと。これが支持する理由なんです。
 ところが、不支持の理由も、何かやってくれそうだというのが一番多いんですけれども、やれそうにないというのが反対の理由になったり、ちょうど裏表になっておりますが、こういう世論調査の結果を森総理はどういうふうに受けとめられ、どういう決意でこれからこの内閣を運営されていくお考えでございましょうか。
○国務大臣(森喜朗君) いわゆる支持率につきましては世論の動きを示す一つの指標として受けとめておりまして、それなりに注目し、また参考にすべきものと考えております。
 ただし、国政に当たりましては、支持率の動きに一喜一憂することではなくて、国家国民のことを第一に考え内政、外政に取り組むことが必要であると考えております。先ほど申し上げましたように、小渕前総理のお気持ちを常に体しながら、そうしたことをしっかりとやり遂げることであろうと。私は、所信表明で申し上げましたように、国民とともに歩み、国民から信頼される政府、これを信条として、国民とともに痛みを分かち合いながら手を携えていきたい、このように考えております。
 特に、今支持率についてのいろいろその要因もお話をいただきました。先ほど峰崎議員の御質問にもございましたように、まずは国民の皆さんが景気の明るさを取り戻してほしい、そういうことを大変期待しておられるということもよく理解をいたしておるつもりでございます。そうした国民の声におこたえをしながら、謙虚にそして着実にそうした公約の政策の実行を果たしていきたいと、このように考えております。
○片山虎之助君 森総理は、幹事長時代、去年の一月に自自連立ということをおやりになり、それから秋の臨時国会から自自公連立、それから、今回は自由党の皆さんが離脱されましたが、保守党という形で多くの方に残っていただいて自公保の連立になりました。
 私は、平成五年の、あれは細川内閣でしょうか、あれから我が国は本格的な連立時代に入ったと思います。途中、平成十年六月の自社さの連立解消から年末までが、自自連立までが単独でございましたが、私は、参議院で単独過半数を第一党の自民党が持っていない以上、連立は当たり前の話だと思います。連立は不可欠であります、政権の維持にとっても、思い切った政策の遂行にとっても。
 そういう意味で、自民党、公明党、保守党の連立はぜひ大事にしてしっかり手を組んでやっていかなければなりませんが、連立維持のためには絶えざる政策調整、政策合意とお互いの信頼関係を高めることが必要だと思います。今、三党は一生懸命努力しております。
 これについての御感想と、参議院は解散がありません、三年ごとの半数改選ですから、そういう意味で、この連立はどのくらい続くというのか続けなければならないというのか、その辺についてのお考えをぜひ総理からお聞かせいただきたい、こう思います。
○国務大臣(森喜朗君) 私は、不思議な運命だなと思っているんです。細川内閣ができまして野党に転じましたそのときにもたまたま幹事長をいたしておりました。その後、村山内閣、これは自由民主党が当時の村山社会党委員長を支えていくという意味での内閣をつくりまして、今、奥村議員もいらっしゃいますけれども、当時さきがけの武村さんにも大変な御協力をいただいて、菅さんも鳩山さんもいらっしゃいました。そういう中で一つの連立の時代に入ったなという、そんな感じを私は持ちました。
 恐らく、今の衆議院の、私のこれは持論なんですけれども、比例並立制というこの形をとっている限りなかなか過半数をとるということは難しい。そこへもってきて今御指摘の参議院のこういうバランスを考えますと、これはやはり各政党がお互いに自分の持っているものを大事にしながら切磋琢磨し、そして政策の合意を求めていくという、これが連立の時代であって、それぞれいろんな思いはあったけれども、各党ともこの小選挙区比例並立制に踏み切ったということは、こういう連立という時代にどう対応していくかということを各政党がやっぱり判断していく時代になったと思うんです。
 もう一つは、かつてはやっぱりイデオロギーの対決がございました。そういう意味からいいますと、まずまずイデオロギーの大きな隔たりというものはないということであれば、やはり第一党を、国民から支持された政党は責任を持って政権を維持していくことをどうやって進めるかということを考えなきゃならないし、あるいは中間の政党にある方々は反対をしていく立場になるのか、それとも与党と協調して自分たちのまた持っている政策を具体的に実現していくということが政党のありようというふうにお考えになるか、それぞれ政党の私は考え方だろうと思うんです。
 ただ、大事なことは、片山議員が一番やっぱり御存じでありますが、あの小渕内閣がスタートしたときの国会はどうであったか。あの金融破綻というものを国民だけじゃなくて世界じゅうの人たちがどんな思いで日本の国会を見ていたのか。全く遅々として進まない混乱状態になり、そして今世紀最後に世界の恐慌を日本が発信するんではないかと世界じゅうの皆さんが日本の国会の機能というものを見ておられたときに、あのときに公明党の皆さん、当時野党でいらっしゃいました。大変大きな私はお力添えをいただいたと、こう思う。
 本当に国のため、国家国民のために政党は何をなすべきかという判断であの金融二法について建設的な御協力をいただき、その後、三党がお互いに、自由党との連立そして公明党の協力、そういうものを得ながら多くの課題を、今時間がございませんからすべて申し上げなくても皆さんがおわかりのとおりでありまして、多くの懸案の処理ができ得た。それは、やはりそうした連立というものがお互いの政党の理解の上に立って政権の基盤を強化したことが、国民の皆さんが安心をなさったということでありますし、とりわけ参議院で非常に不安定な状況になっておりました。
 衆議院側だけ見ると、当時、自自公のことを巨大政党、巨大勢力、こう言われましたけれども、参議院を見ればわずか過半数を超えているにすぎなかった。どうも国民の皆さんは参議院をややもすると見ないで物をおっしゃるという傾向がなきにしもあらずでございますけれども、そういう意味で、こうして安定した政策、政権を持てる、政治基盤を持てるということは、着実にこうした果敢な政策を遂行していけるということになる。
 今後とも、そういう意味で、連立を組んだそれぞれの政党と十分な御協力をし、御相談を申し上げながら、自由民主党として謙虚な姿勢でこれから国民の期待にこたえていくべきだ、このように考えております。また、小渕前総理もそういうお気持ちであったから、私はそれをお支え申し上げてきた立場で小渕前総理のお気持ちを体していきたいと、こう考えているわけでございます。
○片山虎之助君 森総理の言われたように、連立は本当に参議院の状況から私は生まれたものだと思います。ぜひ我々は三党連立を大切にしながら、より国民の理解を深めていく努力を森総理の御指導のもとやってまいりたい、こういうふうに思います。
 そこで、所信を読ませていただきました。所信を聞かせていただきました。その中で森総理は、我が内閣は日本新生内閣だ、日本新生だということを言われている。小渕前総理は、経済新生と言われたんです。経済新生の前は経済再生だったんです。経済再生が、途中からということもないんですが一番近い国会から経済新生になって、今度は森総理は日本新生と言われるんですが、これは同じことなんでしょうか、違うんでしょうか。
 そこで、所信を見ますと、最後に、日本新生とは日本経済の新生と大胆な構造改革への挑戦だったと思いますが、そういうふうに所信にはありますが、その辺の御関係を御説明賜れれば幸いだと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどからたびたび申し上げておりますように、小渕前総理が残された課題をしっかり受けとめてそれを継続していく、そしてさらには発展をさせていくことが今の私どもの内閣の大きな役割だと、このように私自身が決意をいたしておるわけです。
 そういう中で、小渕前総理はたまたま経済の再生から新生へということを内閣としてお述べになりました。そういう事態を受けて、今本当に経済の景気の回復と新たな日本の経済の新生策をつくらなきゃならぬ、そのための構造の改革に大変皆苦しんでいらっしゃるわけでありまして、そういう意味からいうと、新しい経済を打ち立てていく、その中でまたそれを補てんしていくべき日本の経済の新たなる力をつけていく、そのためにはやっぱり思い切った規制の緩和をするなど、新しい経済の場をつくる。
 もう少し砕けて言えば、雇用の場をもう少し創出をしていくということが内閣にとっては大事なことだと。こういうことをすべて総称して、新しいそういう政策を打ち立てていかなければならないという意味で、小渕前総理がおっしゃっておられた経済の新生を内閣全体に当てはめさせていただいて、日本の新生ということを一つの目標としてこの内閣は努力していくべきだと、このように判断をしたわけでございます。
○片山虎之助君 わかりました、大体。経済新生が核なんだけれども、もう少し小渕前総理が言われたよりは広いというふうな受け取りをしてよろしゅうございましょうか。ここは言葉の定義をやるようなところではありませんが、森総理の御感触は理解できました。
 そこで、森総理の好きな言葉、座右の銘は滅私奉公だそうですね、お父上が大変総理に教えられて。今の日本は滅公奉私なんですよ、公はどうでもいい、私だけがいい、私に尽くすのが滅公奉私。そういう意味で、滅私奉公というのは戦時中の言葉で、ちょっと聞くと昔のイメージを思い出すんですが、私はトップリーダーとしてはあるべき姿だと思います、滅私奉公は。
 今の世の中で一番問題なのは公なんです。公は私と別のものだと思っているんです。公と私は対立するものだと思っている。公というのは私の集合体なんです。私が全部集まって公になるので、公がよくなることは私もよくなることなんですね。みんながよくなることなんです。自民党の党歌のとおりなんです。一人の幸福みんなの幸福なんです。一人の幸せみんなの幸せなんです。いやいや本当に。そこのところが、公と私は対立していると思っている。これを私は直す必要がどうしてもあると思うんですが、ただ滅私奉公だと私がありませんよね。昔はもうおまえは全部公に尽くせと、こういうことだったので、今は滅公奉私で、私は真ん中がいいと思うんです。
 そこで、背私向公と言っているんですけれども、いかがでしょうか。私に背いて公を向く。背と私、公に向く。私は公と私はバランスをとれたのが最もいいと思うんですね。
 何か妙な論争を挑むようで恐縮でございますが、総理の御感触をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 滅私奉公というのは何か古いとよく言われるんですけれども、小学校一年生のとき母親を亡くしまして、そして父親が昭和二十年に終戦の後にトラック島から引き揚げてまいりました。その先年に母が戦争の終結も知らないで死んでいきました。小さな、当時まだ私は二年生でございましたので、弟もおりましたし一つ上の姉もおりました。父が帰ってまいりまして、当然自分が生きて帰ると思っていなかったわけですから、その自分の妻が子供たちをしっかり教育してくれていると思っていたら、その妻がいなかったということで大変大きなショックだったのだと思います。
 しばらく仏壇の前に手を合わせておりました後に私が呼ばれまして、そして父から、こうして自分は満州、牡丹江、トラック島と戦線を回って、そしてこうして生き恥をさらして帰ってきたようなものだ、多くの部下たちも亡くした、だからこれからはひとつ私はこの地域の人たちのために頑張って、そして一緒に戦ってきてくれた、そして命を失った人たちの御家庭のために御家族のために働いて頑張りたいと思うので、喜朗、もう父親だと思うなよと。今にわかると思うけれども、滅私奉公という言葉があると言われて、そのときはちっともわかりませんでした、正直申し上げて。
 そのことを自分なりに大事に大事にしていくうちに、ちょっと恐縮ですが、私はラグビーをやっておりまして、ラグビーというのはタックルをしたりセービングしたりという大変つらいことをやるわけですが、それは結局みんなのために自分を殺してボールを生かすということなんです。そういうことから、一人はみんなのため、みんなは一人のためというのはラグビーの精神なんです。そのことを、父がラグビーというものを私に教えてくれたわけですから、後から考えるとやっぱり滅私奉公なんだなと思いまして、そのことを大事に大事にしていこうと、こう思いました。
 しかし、後に古いということをよく言われて、私は座右銘を書けというと必ずそう書くものだから、もうちょっと新しい言葉で書いたらどうかと、こう言われるものですから、たまたま、当選しましたときがちょうど坂田道太文部大臣でありまして、その坂田先生とお話をしている中でその話を申し上げたら、人は先に、私は後にという言葉が森君あるよということでありまして、ああこれはとてもいい言葉だなと思って、そのことも大事にして、本当はこれを座右銘にすればよかったんですが、坂田先生のをとるような気がしたものですから、やっぱり滅私奉公、滅私奉公としてずっと自分の信条にしてきたことでございます。
 今、片山議員が御指摘のとおり、自分を大事にし、自分が幸せになるために公がやっぱり大事であるべきだということはよく理解ができます。そういう意味で、個人が創造性豊かにその能力を発揮することが可能であると同時に、思いやりの心や奉仕の精神などが尊重されるという、そういう公という、公と私というそのバランスが大変私は大事だというふうに思っております。
 長くなって恐縮でございますが、土曜日にいわゆる太平洋島嶼国の皆さんとお話しになって、グローバル化の話、ITの話をされて、そうした島々の皆さんはそうしたことに対して非常に懸念を持っておられる。そして、日本がいろんな施策を講ずることも御提案申し上げる、あるいはオーストラリア、ニュージーランドの大きな国もいろんな施策を講じられると、何かそういう国にのみ込まれるのではないかという、そんな思いを皆さんの方がなさっておられました。私はそのときに、一人はみんなのため、みんなは一人のためですよというそのお話をしたら、非常によく皆さんが理解をしてくださったと思っています。
 そういう意味で、私どもは、国家国民のために一生懸命身を挺して、そしてこの国の繁栄と国民の幸せを願っていくという、そういう精神を今後とも大事にしていきたい、こう思っているところでございます。
○片山虎之助君 大変、今、総理のいろんなお考え、よくわかりました。
 滅私奉公は言葉が悪いんじゃないんですね。戦争、戦前使った人が悪いんですよ、あれ、あの当時の。そのイメージが皆さんにあるので、ぜひ新しいニュー滅私奉公でこれは頑張っていただきたい、こういうふうに思います。
 そこで、小渕前総理は、国家理念というんでしょうか、国家像というんでしょうか、富国有徳ということを言われました。昔は富国強兵、これからは富国有徳と、こういうことなんでしょうが、森総理のそういう意味での、来年から二十一世紀でございますけれども、二十一世紀に向かう我が国の国家像、国家イメージというのは富国有徳の継承なんでしょうか、あるいはまた別の何かお考えがおありでしょうか、それをお願いします。
○国務大臣(森喜朗君) 小渕前総理は、まず国が安定をして、皆さんのそういう幸せ感というものを実現できたら、次は、やはりそれぞれの国民が多くの徳を有する、そういう人間性を持たなきゃならぬ、それはある意味では最後にやり遂げたいという思いを持っておられた教育改革がその一つの具体的な方策であったんだろうなと、そういうふうに私は受けとめておりますし、それから、前総理が総理時代に何回となくお話を申し上げるときにもそのような趣旨のお話をされておりました。
 そういう意味で、我が国は、明治維新以来、まさに先人の血のにじむような努力で近代国家としての基礎を築いて、そして一時的に不幸な時期があり、そういう第二次世界大戦後焦土と化した荒廃の中から、日本はこれだけの経済復興もし、国としての体制を整えてきたわけであります。
 しかし、その経済的な利益追求重視の社会風潮が広がって、そして、思いやりの心であるとか奉仕の精神であるとか文化や伝統の尊重をしようという、そういうそれぞれの国の皆さんが持っておられる、また日本人としても日本のことを思う、そういう心を持つ豊かな心とか倫理観とか道徳心というのが、ややもすればどうもそのことに十分意を払ってこなかったという反省がやっぱり我々にはあるわけであります。
 そういう意味で、この二十一世紀を迎えようとする現在、金や物、金銭や物の豊かさを重視する社会という中から、本当に人間らしい心の豊かさを大切にする健全な社会、健全な国家、健全な個人、そういうことが私は大事だと、こう考えましたから、当然富国有徳というその小渕前総理のお考えを一つに具体的にあらわしている目標として、所信表明演説の中で、安心して暮らせる国家、心の豊かな国家、世界から信頼される国家として具体的な国家像をお示しさせていただいたわけでございまして、小渕前総理の富国有徳と当然これは関連をしてくるものだというふうに考えております。
○片山虎之助君 富国有徳を三つに分けてわかりやすくしたと、こういうふうに理解すればよろしいかと思います。
 そこで次に、景気の方に質問を移らせていただきたいと思います。
 私は去年の通常国会の予算委員会の質問で、二月の終わりごろだったと思いますけれども、景気回復を打線に例えると、一番バッターが公共投資、二番バッターが住宅建設、三番バッターが個人消費、四番バッターが設備投資、五番が輸出だと、こういう話をいたしました。一年二カ月前であります。そのころは、一番二番は財政主導ですから、公共投資や住宅建設は、住宅建設は税制も大幅にローン減税なんかやりましたから、これはよく頑張っているけれども、財政主導型の方は、一番二番はよく打って塁に出るけれども三番の強打者がさっぱり打たない、四番も打たないと。一番二番が幾ら出ても三番四番が打たないと点が入らない、どこかのプロ野球のチームと同じだと。トレードできればいいですけれども、できませんからね、なかなかこっちの方は。こういうことを申し上げました。
 経企庁長官を中心にいろんな御答弁をいただきましたけれども、一年二カ月後、この打線の現在の状況はいかがでございましょうか、経企庁長官。
○国務大臣(堺屋太一君) 現在の経済状況は徐々に改善しているということは前にも申し上げましたとおりでございます。特に、この年末やや消費の停滞が見られましたけれども、ことしに入りましてから、一月、二月、消費の動向も改善してまいりました。
 委員先ほどから御質問の件でございますけれども、小渕内閣では、まず最初に景気の下支えということで緊急経済対策をやりました。そして、その次に経済の新生政策をやりました。そして、今度の森内閣ではさらに生活面の改善も含めた日本新生政策ということで、徐々にこれを広げていこうということで新しい日本の新たな発展をつくり出そうと考えております。
 現在、設備投資がかなり広く出てまいりましたので、恐らくことしの後半にはかなり景気の回復も自律化するのではないかという期待を持っております。
○片山虎之助君 ちょっと質問を全部正確にお聞きになっていないからあれでございますが、一番二番は今くたびれているんでしょう、公共投資、住宅建設はちょっと。それで、四番の設備投資が動き出して、これはゼロ金利もありますね、先ほど議論があった、あるいはセーフティーネットという形で破産しても助けてやるような法制もできたし。四番は動き出している、ただばらつきがありますね、業種や企業や地域や。だから、このばらつきがないようにしていただかなきゃいけませんが、問題は三番なんですね、個人消費、強打者、これが打たない。だから、今度は百六兆円も郵貯の定額貯金が満期になりますし、あれが消費に回ってくれるか、この辺はよくわかりませんよ、郵政大臣もおられますけれども。
 やっぱり私は、雇用不安、老後不安を解消して総合的なあれで個人消費を、いろいろ御議論ありました、先ほども。それをぜひやっていただかなきゃ、なかなか本格的な民間主導というんでしょうか、打線のつながりが持てないんではないか、こう思いますが、再度御答弁を。
○国務大臣(堺屋太一君) 申しわけございません。
 最初、一昨年予想したときには、まず公共投資、それから減税効果で住宅、そういう順で、次に消費が出るかという期待感がございました。
 ところが、消費はやはり所得の関数でございまして、日本の場合には、その所得が前年度の企業経営で決められるボーナスに引っ張られるところが非常にございます。先ほどもちょっと申しましたけれども、去年の十二月の消費が低かったというのは、去年の三月期に決算されたものでボーナスが決定されたものですから、その結果、去年の十二月のボーナスが低かった、これがかなり影響いたしました。
 それに比べて、予想より早く出てきたのが輸出と投資でございます。アジア経済の回復で輸出がかなりよくなってまいりました。去年はアメリカからの航空機の輸入や、むしろ輸入の方が先行する形でございましたが、ことしの一―三月になりまして輸出がかなり伸びてきている、これは一つのいい傾向でございます。
 それからもう一つは、やはりITを中心とした投資が伸びてまいりまして、これが雇用にもいい影響を与えるだろうと思われています。
 二月、三月、これは新卒がございますので完全失業率が高くなりまして、このことが不安を呼んでおりますが、一方では、派遣労働でありますとか、あるいは残業手当、それから求人倍率、さらには求人広告数などがふえてきておりますから雇用の面でも先行的な指標は改善されております。常用雇用の失業率というのは遅行指数でございますので、まだ改善しておりませんが、これも今が最悪の時期というように考えております。
 したがって、消費の増加というのも間もなく期待できるんではないだろうかと思っております。
○片山虎之助君 それでは、郵政大臣に。
○国務大臣(八代英太君) お答えいたします。
 十年前にお預けいただきました定額の郵便貯金百六兆円、その中で、とにかく一千万当時お預けいただいた方は一千七百万円になっております。
 しかし、一千万以上はおろしていただかなければなりません。それが消費に回っていただきますと、まさに清原が出て、三振じゃなくてホームランを打つようなそういう経済効果になるであろう、そういう思いで、私どもはいろいろITも含めましたパソコン教室等々も郵便局で実施するなどいたしまして、できるだけ地域でそのお金が再び、株に回るのも結構、いろいろな消費があると思いますが、地域で例えば孫のためにリフォームするとかそういう消費の方に方向転換していただくことを祈るような思いで見詰めているところでございます。
○片山虎之助君 今、経企庁長官から雇用の話が出ましたが、景気はなだらかに回復の軌道に入りつつある。しかし、雇用はよくないんですね、お話がありましたように。有効求人数や残業時間はふえていると聞きますけれども、二月の完全失業率は四・九ですね。〇・二ふえている。三百二十七万人ですね。景気はよくなるけれども、雇用が悪くなる。
 アメリカがかつてジョブレスリカバリーと言われた時代がありましたね。日本もやはりああいうことになるのかどうか。
 景気の回復と雇用の回復はタイムラグがあるということでしょう。そのタイムラグがどのくらいになるのか、そのタイムラグの間をどうつなぐのか。そのミスマッチ対策なんかを今労働省は一生懸命職業訓練や何とか助成金、奨励金でやっておりますけれども、この辺はどういうふうに考えればいいのか、お二人どうぞ。
○国務大臣(牧野隆守君) 先生が今御指摘のジョブレスリカバリーの件でございますが、私ども調査いたしましたら、九〇年から九七年までのまだ古い統計ですが、日本で情報化投資による雇用代替効果、これは百九十四万人要らなくなりました。片方で、情報化投資による雇用創出効果、百七十二万人雇用することができるようになったということで、残念ながら二十二万人実はその関係で減ったということになっております。
 ところが、片方、アメリカのデータを見ますと、同じ期間の中で、人が要らなくなった数が二百四十八万人、それで新たに創出された数が五百八十八万人、トータルで三百四十万人増加されまして、全体といたしまして、九三年から九九年までで何とアメリカでは千八百万人の雇用増加がなされたわけであります。
 それで、日本の現状はどうかとアメリカの状況と比較して検討してみますと、まず有効求人倍率ですが、この二十八日に再度正式に発表されますが、今事前に聞いているところによりますと、先月の〇・五二が〇・五三に上昇していると。ですから、ことしに入りましてから五〇%をオーバーして、徐々でありますが、求人倍率が伸びているということ。
 それからもう一つ非常に気になっておりますのは、やはり設備投資で合理化投資が行われているわけですが、我が国のITを中心とする設備投資の増加率が去年はアメリカより二年おくれという状況です。おととしは三年おくれ、三年前は五年アメリカと比べておくれている。そういう形で、投資が急激にアメリカの状況に近づいているということでございまして、私どもは大きな期待を、それだけ民間の設備投資をなさる経営者がやはり絶対こういう関係の投資をしなきゃならないんだという確信をお持ちになってそのような現象になってきていると、こう考えております。
 したがって、私ども労働省が行う雇用政策というのは、そのミスマッチをどうやってなくすかと。先生おっしゃった技能・教育訓練、特に非自発的失業者のためには、そのために全力を尽くす。片方で、中小企業は非常に健全に潜在的な雇用需要があるものですから、これが顕在化するように中堅企業に対して人件費補助その他で頑張っていただくと。それで、その効果がはっきりあらわれてきていると、こういうように見ております。
○国務大臣(堺屋太一君) 今、委員御指摘になりましたジョブレスリカバリーという現象でございますが、これは特に九〇年代に景気がよくなったときにアメリカに顕著でございました。
 大体、景気がよくなってから雇用が増加するまで、完全失業者の減少が起こるまでどれぐらいのタイムラグがあるかということを見ますと、五〇年代、六〇年代、七〇年代ぐらいまでは大体二、三カ月でございました。八〇年代はほとんどゼロでございました。ところが、九〇年代の、九一年三月が景気の谷でございましたが、そこから失業が減るまでに十五カ月かかったんです。一年と三カ月かかりました。これはまさにITとか金融とか新しいジョブが出てきたので、だからそれに合わせたトレーニングをしなければならないというような時期があったんですね。
 今、労働大臣が御説明されましたように、今まさにそういう時期でございまして、技能転換という能力開発を伴わないとなかなか出てこない、その部分が残業手当なんかにちょっと増加しているとか、あるいは派遣で補っているとか、そういうことでございますので、労働対策にとっては能力開発が大変重要になってきているのではないかと考えております。
○片山虎之助君 今、両大臣からもお話がありましたように、今言われるように技能転換の時期で、今後一年から一年半の過渡期で効果が出てくると、こういうことなんですが、基本的にはやっぱり雇用機会の増大というんでしょうか、中小企業は相当多くの人を雇うわけでありますから、中小企業に対するてこ入れなり、あるいはベンチャー企業、新産業、そういうものの育成を、IT投資を初めとするというお話がありましたが、今後どっとやっていく、こういうことが雇用対策にも大きな成果を上げるんだろうと、私はこう思います。
 通産大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 一昨年の緊急雇用対策のときに、我が省に雇用のニーズを調査しろというそういう指示がありまして、三十三万社、百七通勤圏で調べましたら、やはりかなりの面でミスマッチが多かったということがございました。一万ページに及ぶこれらの資料は労働省に届けまして、労働省とともにミスマッチ解消に全力を挙げたいと思いますが、今、片山委員が言われましたように、基本的には雇用を創出するような産業の育成、とりわけ圧倒的な多数を占める中小企業が活力を増して雇用を増大していくということが非常に大事なことだと思います。
 昨年、おかげさまで中小企業基本法を変えまして、それと同時に、多面的な中小企業に着目をして、税制とか予算とか仕組みその他もろもろ変えさせていただきました。
 特にその中で、創業・ベンチャー企業の育成ということにも力を入れまして、そのために、例えば融資の面でいけば担保力の乏しいところに無担保の融資という新たな制度をつくったり、あるいは税制面でいうとエンジェル税制といったような民間の資金がベンチャー企業に回ってくるような仕組みを考えたり、あるいはSBIR、技術革新のための体制を整えたり、あるいはストックオプションといったような人材確保の制度なども拡充しました。あわせて、全国の支援センター、都道府県センター、ナショナルセンター等で、ソフトの面でも徹底した中小企業の育成を図ろうということで全力を挙げております。
 現在、一年間に日本の企業の創業数というのは十四万件です。アメリカは八十四万件だそうであります。かつて、五十年代は日本も三十万社ぐらい生まれておったわけでありますから、これらに着目をして、創業、ベンチャーであと五年間で十万社ぐらいふやそう、二十四万社創業できるような体制をつくると約百万人の雇用が生まれると。そんな目標で今通産省全力を挙げていきたいと考えているところであります。
○片山虎之助君 そこで、労働大臣、長期的な労働力の需給見通しなんですが、少子化でやっぱり労働力全体は私は減ってくると思うので、高齢者なり女性の方なんということになるんでしょうけれども、外国人労働者については労働省は余り入れたくないというような前からお考えと聞いておりますが、間違いかもしれませんが、その辺、長期的な労働力の確保についてはいかがでございますか。今は失業ですけれども。
○国務大臣(牧野隆守君) 中長期的には、議員御指摘のとおり、労働人口が二〇〇五年に実はピークになります。それから減少に入るわけでありますが、二〇一〇年には特に対策を講じなければピーク時から百二十万人減少する、このように見込まれているわけです。したがって、これに対してどう対処するか。
 御承知のとおり、高年齢者がふえるわけですから、高年齢者にぜひ社会に再度入ってきていただきたい、労働市場に入ってきていただきたい。それから、一番大切なことが女性の社会参加でございますが、これは非常にすばらしいことでございまして、またそのように希望をいたしておりますから、女性が社会に働くために出てこられるような条件整備、これをぜひしなきゃいけない。こういうことで、例えば育児休業手当を四割に上げるとかいろんな措置を講じているわけでありますが、いずれにしましても、高齢者、女性等が活躍できるように雇用関係の整備、省力化、効率化、雇用管理の改善等をぜひ推進しなければいけない。
 先ほど申しました中長期的な労働力の低下ということを考えますと、何とか二〇一〇年までは、今、外人労務者の件が出てまいりましたけれども、特に期待しなくても国内で政策的に皆さんが活躍できるような対策をまず講ずべきだと、労働省としてはそういう考え方を基本に置きまして雇用政策を一つ一つただいま積み上げているところでございます。
○片山虎之助君 よろしくお願いいたします。
 それでは、景気絡みで、株価、先般のアメリカ市場に端を発しました株価の乱高下について若干お尋ねいたしたいと思います。
 結果としては株価は返ったわけでありまして、日本も完全に返っていないかもしれませんが返りつつある、こういうふうに思います。あの際に、与党三党は、先週の月曜日でございましたか、政府に申し入れをいたしました。公共事業の前倒しだとか公共事業の予備費の執行だとか、一兆円を念頭に指定単の活用だとか、為替相場の変動は阻止するとか、何かそういうことだったと思いますけれども、中身については御議論があったと思います、いろいろと。御批判もありました。しかし、私は、あのときに大変迅速にそれに強い関心を持ってそれなりの対応を発表したということはあるいはよかったのかなと、こう思いますが、その辺はいかがでございましょうか。さらに、今後こういうことが起こった場合にはどういうふうに対処することがベターだとお考えなのか。
 さらに、時間がありませんから重ねて質問いたしますが、今の日本の株価の水準、これは向こう一年ぐらいでダウ一万九千円から二万三千円ぐらいまで行くんだという説がありますが、これは政府の責任者がなかなか言えないと思いますけれども、抽象的で結構でございますけれども、やっぱり資産デフレ対策というのが景気回復には大変必要でございますので、その辺についてのお見通し、お考え、御感想があったらお願いいたします。大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かにニューヨークで一遍暴落がございました、ちょうど私、IMFの会議で行っておりましたが。しかし、長い間警告されていた事態ではありましたが、比較的その後なだらかに回復しつつあるということであろうと思います。
 先週の日本の株価の動きは、それを受けたにしては多少、各国が比較的早く回復いたしましたのに回復が遅い。先週いっぱいのところはダウはほとんど落ち続けました。しかし、TOPIXは上がり続けたというちょっと異常な状況がございまして、いろいろ御承知のようなことでございましたから、ああいうふうに党の方が直ちに反応されましたことは、投資家にとってはいい材料であったというか安心の材料であったろう。殊に、基本的にはTOPIXは下がっておりませんでしたので、よかったのかと思います。
 今後のことはもとより何も申し上げることができませんが、我が国経済は確かにもう順調に回復を始めておることでございます。殊に、企業関係は比較的堅調に回復して、片山委員の言われますとおり、問題は消費、家計というところでございますが、これもだんだん連携をしてまいる、リストラは時間がかかるにいたしましても。長期的にはそういうふうに見られますので、自然に国力が二十一世紀に向かって対応する、それに従って株式も、いわゆる二十一世紀の日本の企業のあり方等、サービス業も含めまして、ITはもとよりですが、反映して、どちらかといえば楽観的に考えることが自然ではないかというふうに思います。
○片山虎之助君 大蔵大臣、ありがとうございました。経済が順調に二十一世紀に向かって回復していく、それの反映でございますから、株式の方も似たような上昇過程をたどるんではなかろうかという一般論のお答えでございました。ありがとうございました。
 そこで、財政に話を移しますが、一匹のウサギ、二匹のウサギ論争がかなり前から盛んに議論されております、国会でも。景気をしっかり回復してから財政再建だと、こういうのが現在の政府・与党の立場でございますけれども、これについては、総理、前の小渕総理もそういうお考えでございましたが、やっぱり二兎を追う者は一兎をも得ずという路線であることを、そういうお考えであればそれを御表明賜りたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 今、大蔵大臣からもお話がございましたように、景気がよい方向に動いているという、そういう胎動感があることはこれはもう御承知のとおりでございます。そういう明るさというものに対して、本当に、公需から民需に移っていく、本格的に国民の皆さんも、また経済を営む皆さんもいい方向に来たなということを肌で感ずるということはやっぱり大事だろうと思います。
 そういう意味で、先ほどの株価のお話の指摘にもございましたように、財政構造というものを再建して改革しなきゃならぬということは、これは言うまでもない政治の大きな命題でありますけれども、その方向のことは、やはり本格的な景気の回復を待って、そしてそれに着手していくものだというふうに私は考えておりまして、それはまた小渕前総理のお考えであったと、そう思っております。
○片山虎之助君 世の中には誤解がございまして、一兎路線というのは、もう景気回復のためには何でもやるんだけれども財政構造改革は横に置いているんだと、一切考えてないと。いや、それは間違いなんです、それは間違いである。今の景気回復を懸命にやりながら、財政構造改革も視野に入れて、既に財政当局がいろいろおやりになっているんですよ。
 例えば、公共事業について、ばらまき、ばらまきと与党の方は言われますけれども、やっぱり質的な……(「野党」と呼ぶ者あり)野党の方は言われております。いや、言い間違いはあるんですよ、だれでも、言い間違いは。先ほども議論があったでしょう。野党の方は言われております。野党の方は言われておりますが、公共事業の質的な再編成や総点検をもうやっているんですよ。それからまた、例えば補助金でも零細補助金は次第にやめていって総合補助金化を図っているし、それから地方分権のお話がありましたが、地方分権推進法も施行になりまして、例えば二級河川や市町村道の個別補助金はやまっているんですよ。もうやめている。
 私は、そういうことでは今の予算編成、財政執行も予算執行も、財政構造改革を視野に入れていると。(発言する者あり)うん、野党の皆さんが、すぐ挑発に乗るからいけませんが、それはどこまでやるかという議論はもちろんありますけれども、基本は景気回復でありますから、その辺、財政構造改革を視野に入れてやっているということについての御所見を大蔵大臣、お願いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは予算委員会のときにも申し上げましたが、殊に公共事業のあり方について大変厳しい御指摘が与野党ともございまして、これは私ども何年か反省をしてまいりまして、現実にこの十二年度の予算では、昨年からいわゆる新生対策というものを中心に公共事業を絞りまして、構造改革、少子高齢化あるいは環境、そしてインフォメーションテクノロジー、その四つで総理枠を設けまして新しい方向を開拓しております。全体で公共事業九兆余りのところをほぼ二兆円余りがこの方へ入ってまいっておりまして、これを今後とも推進いたします。
 それから、別途に、これは公共ではございません、非公共ですが、ミレニアムでは八分野で、単年度でなく恐らく五年ぐらいの長年度で、これも内政審議室が中心になりまして各省庁のプロジェクトチームが八つの分野で新しい仕事を始めました。これもそういう趣旨で、これは将来伸びていくと思いますので、いろいろ反省をしながらやっております。
 まだまだ費用対効果の分析なども進めてまいりたいと考えておりまして、新しい分野、景気対策ではありますけれども、後ろ向きでなく、二十一世紀に向けた対策を心がけておるところは、御専門でございますからよく御承知のとおりでございます。
○片山虎之助君 だから、今、大蔵大臣のお話のように、今度景気回復が進んでくると、だんだん財政構造改革のウエートを高くしていく、景気回復のためにいろんな諸措置、諸施策を少しずつ落としていく、こういうバランスの中に私は財政構造改革がさらに進んでいくんだろうと思います。
 そこで、きょう、先ほども御議論がありましたけれども、本年度のこれから、今四月ですから先は大変長くございますけれども、年度途中の財政出動があるのかないのか。先のことはわかるかと言われるとまさにそうでございますけれども、その辺は公共事業等の予備費もちゃんと五千億もありますし、その辺についてはお伺いしましたけれども、もう一度、先ほどの質問は野党でございましたので、今度は与党の方にひとつよろしく。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどから申し上げましたし、御指摘にもありましたが、やはり今のところは少しずつ民需、殊に設備投資が起こったりしていますが、これが家計に消費にどうつながるかというところは非常に大事なところでございます。背景にリストラがございますから、余り手放しで安心はできない。やっぱりリストラはしなければなりませんだけに、家計や消費に火がつくのにはなかなかそう簡単でないということも考えておかなきゃなりませんから、財政は常にそれに対応しなきゃならないということは心がけております。
 それで、公共事業予備費を認めていただいておりますが、これは国会の閉会になりました段階で予期していない事態に対応する性格のものでございます。したがいまして、これが現実に経済の状況から発動する必要があって発動するというのはその時期になりますけれども、ただ、既に国内でいろいろ新しい仕事についての御議論がございます。例えば、新幹線などはその一つでございますが、与党の中で既にそれについての御討議が始まっておる点もございます。
 そういう、あっちこっちにそういうものがある場合に、それはいざ出動をさせていただくのはまだ先の時期でございますけれども、それについての御議論というものは、政府としても当然そういう御議論を伺って考えていかなければならないことでございますし、また衆議院でも贈与税につきましての、これは税制の根本改正というほどでなくてもいろいろ御議論がございますから、そういうものにつきましては、景気がこういう微妙な情勢でございますから、常に注意してまいらなければならないという心構えでおります。
○片山虎之助君 そこで、来年度の予算編成、大分先の話になりますが、総理は所信の中で、私みずからの主導で二十一世紀のスタートにふさわしい予算編成を行いたい、こういうふうに言われております。
 そこで、恐らく昨年度の経済成長は、先ほどの経済企画庁長官のお話のように、プラスになるのは間違いない、プラス〇・六なのかその周りなのかそれは定かでありませんが。それから、本年度もプラス、政府は一・〇でありますが、民間は全部一・〇以上です。平均すれば一・二か三か、こう思いますが、そういうことを踏まえて、来年度、総理みずからの主導で二十一世紀にふさわしい予算編成をやる、それはどういう御思想ですか。
 各省庁が今度は再編されます、来年の一月から。そういうことも先取りされるということになるんでしょう。セクショナリズムを打破するということになるんだと思いますけれども、その上にやはり予算としては、この経済の状況を見て、中立型というお考えがあるのかどうか。その辺を含めて、所信で言われた総理のお考えをお伺いいたしたい。
○国務大臣(森喜朗君) 十三年度の予算案等につきましては、もちろんまだ政府部内で協議をしている、そういう段階ではございません。
 先般の所信表明演説の中で、省庁ごとの縦割りを優先する予算配分がもたらしている財政の硬直化を打破したい、平成十三年度予算編成に際しては、来年一月六日からでございますが、中央省庁が再編されるわけでありますから、その理念を踏まえて、経済財政諮問会議で経済財政政策の総合調整を図るという考え方、これを先取りいたしまして、私みずからの主導で二十一世紀のスタートにふさわしい予算編成を行いたい、こういう考えを述べたところであります。
 具体的な意味で申し上げれば、まず基本的な認識としては、財政構造改革が我が国経済が本格的な回復軌道に乗ることを見きわめた上で速やかに取りかからなければならない課題のある中で、財政を考えるに当たりましては、幅広い視野を持って、歳出の構造にまで踏み込んだ質的な側面からの取り組みが重要ではないかと、このように考えております。
 そこで、十三年度予算編成に際しまして私みずからの主導と、こういうふうに申し上げておりますが、従来の予算配分の考え方にとらわれない、中央省庁が再編をされて新たなる行政改革がいよいよ実動するわけでございますから、予算がそのまま従来の、旧の役所のままで、それがそのまま重なり合っていくということであっては新しい整々としたそういう、先ほどから内閣の考え方で申し上げれば新生な日本にならないということにもなるわけでありますから、そういう意味で、二十一世紀の我が国の経済社会の発展に真に必要となる施策に重点的にまた効率的な予算配分が行われるように全力を尽くすと、そういう気持ちを込めたものでございます。
○片山虎之助君 総理の言われることはわかりますが、来年度の予算編成は、やっぱり八月末までに各省庁に大蔵省に概算要求させて十二月、年末までに予算編成をされるお考えなら、やり方としては去年までと同じですよ。そこでどういう工夫を入れられるのか。経済財政諮問会議はまだできてないことになるのかな、来年度から。その辺についてはいかがでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこらをこれから総理から具体的な御指示を受けまして私どもが具体的に考えてまいらなきゃならないところでございますが、基本的には所信表明に出ておりますので、概算要求までは、これはじきでございますから、それにこれは準備でございますのでやっておきまして、そのあたりからいわゆる予算編成方針というのを、通例は暮れになって、予算案と御承知のように一緒のようなことをしておりますが、あの辺から変えていかないといけないだろうと思います。
 つまり、大蔵省が予算の査定に入ります前に、予算編成方針なり、まだ財政改革ということでないかもしれませんが、全般の問題について、まだ諮問会議は民間人がお入りになる、そういうわけにまいりませんから民間人がお入りになるわけにまいりませんが、それにかえてどういうことを総理中心に会議体として基本方針を議論していただくかという、お時間でございますので、そういうことを私どもはこれから考えなきゃならない、早く考えたいと思います。
○委員長(倉田寛之君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二分開会
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 神奈川県で発生しました誘拐事件が無事解決したということが、けさテレビで盛んに報道されておりました。
 この事件の特徴の一つに、プリペイド方式の携帯電話で、どこそこの銀行に金入れろと執拗にその指示があったようであります。この電話は身元を明らかにすることなく使えるということが特色でありまして、携帯電話を使った犯罪がふえていると聞きますが、特にこのプリペイド方式の携帯電話はそれにかなり利用されている、こういうことでございますけれども、国家公安委員長にお尋ねしますが、この種の犯罪どのくらい現況おありか、わかれば御説明賜りたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 事件の件数その他についての具体の数字を今ちょっと持ち合わせがございませんが、この神奈川におきます誘拐事件、四月二十日に発生をいたしましてから、逐次警察庁から報告が私のところに来ておりました。早く解決してくれればいいがなと私も念じておったわけでありますが、けさほどといいますか、今暁逮捕し、また子供さんを無事保護することができまして、私も本当にほっといたしておるところでございます。
 なお、この誘拐事件には御指摘のとおりプリペイド方式の携帯電話が使われておりまして、こうしたことが起きやすいこういう道具というのがいろいろ問題を含んでいるということにつきましては、昨年の十二月に起こりました大阪におきます誘拐事件にもこれが使われているということにかんがみまして、今回の神奈川の事案以前に既にいろいろ関係方面、つまり電気通信事業者協会でありますとか、メーカーあるいは郵政省にお願いをいたしまして、プリペイドカード販売時にはぜひ身分確認をするような方策を考えてほしいと。
 つまり、電話番号がわかりましてもだれが持っているのかわからないというのがこのプリペイドカード方式の特徴でございますので、場合によりましては不法滞在外国人が使いやすいような状態になっている。こういうものが麻薬の販売等に使われる、しかし捜査としては非常にやりにくいということにかんがみまして、今申し上げましたような各方面に要請を出して、これについていろいろ御検討いただくようにお願いをいたしておるところでございます。
 私としては、こういう問題を各方面からいろいろ御研究をいただいて犯罪に利用されないような方途を考えていただくということを期待申し上げておりますし、私どもも重大な関心を持ってこれを見詰めてまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 公安委員長のお話のように、実態を警察としてもよく把握していただいて、郵政省その他と御協議を賜りたいと思います。
 そこで、郵政大臣、犯罪を助長するために携帯電話があるわけじゃないんですけれども、結果としてはそれがうまく使われるというと、何らかの規制、場合によっては禁止、そういうことをお考えになる余地はありませんか。
○国務大臣(八代英太君) 今、プリペイド方式の携帯電話は全国で三十九万人の方が利用されております。それは、例えば子供が塾へ行く、そういうときに親御さんが二千円のカードで、言ってみれば本人確認をしなくてもいい形なものですから、非常にそういう意味ではむだを廃するという親心、あるいは単身赴任あるいはまた事業活動、いろんな点で利用されているという状況にあるわけでございます。
 今、保利公安委員長の方からお話がありましたように、昨年十二月の誘拐犯それからまた今回の神奈川の事案におきましてもプリペイドの使い捨て携帯電話が悪用されたということになってきますと、これはゆゆしき社会問題というとらえ方をいたしておりまして、使い捨て的ではございますので、プライバシーの問題等々を踏まえまして、私どもは電気通信事業者協会にこの辺をどうすべきかということで緊急の今対応を協議させているところでございます。
 そういう意味では、麻薬の密売、あるいはまたいろんな問題にこれが悪用されていくという大きな社会問題も惹起されますので、私たちも速やかにこの対応につきましては検討してまいりたい、こんな思いで今いるところでございます。
○片山虎之助君 よろしくお願いいたします。
 そこで、教育改革に入りますが、教育改革につきましては小渕前総理も大変御熱心でございましたが、特に、今度の森新総理は大体文教族でございまして、文教族のドンでございまして、文部大臣もおやりになっている。そういうことでこれから教育改革は一気に進むのではないか、こう考えておりますが、私は、戦後の歴史を見るときに、国づくりは人づくりと言われるんですけれども、我が国はこれに成功しなかったと思いますよ。衣食足りて犯罪がふえているんですよ、本当に。誘拐事件もそうです、神奈川県の。
 日本は敗戦の後、終戦の後、もう一度戦争に負けたんじゃないかと言われている。道徳心も倫理観も思いやりの心もだんだんなくミーイズム、自分だけよければいい。あるいは、午前中言いましたが、滅公奉私ですね。昔の日本人のよさというのが大変私は失われてきていると思いますけれども、これは教育だけの責任じゃない。教育にもかなりな責任はありますが、世の中全体が物、金の豊かさだけを求めて心を置いてきたからなんですね。
 そういう意味では、私は、政治もマスコミも、教育はもとよりですけれども、企業もいろんな団体も一億総ざんげをする必要が今あると思いますが、総理はどういう御感想でございましょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 教育の目標といたしましては、個性や能力を伸ばしていけるような環境の整備をするということが第一でございますが、今、片山議員がおっしゃいましたように、今日の社会的な病理現象みたいなものも考えてみたり、今せっかく科学技術で便利な世の中、快適な世の中ということで、今のような電話ができましてもそれはすぐ犯罪に使われる。恐らく、携帯電話が犯罪の道具に使われたり、青少年がまたいろんな意味で広範囲にこれを使って悪用しているというようなことも、これは科学技術がせっかくいい物をつくっても世の中が逆にそれによっておかしくなってしまう。
 要は、基本は、そういう時代であるということ、そうした便利な物を大事に使う心ということが失われているというところから来るのではないかというふうに思いますので、やはり教育の一番大事なところは、人間としての全人教育ということが一番大事なんではないかというふうに私は考えています。
 目指すべき教育改革の方向としては、私は、第一に平等の行き過ぎ、あるいは自由や権利の無秩序な主張の是正がやっぱり必要だと思いますし、日本人として持つべき豊かな心、倫理観、あるいは道徳心をはぐくむ教育への転換、思いやりの心、奉仕の精神、そうした日本の文化や伝統を大事に守っていこうという気持ち、そういうものを育てることをもう一度やはり教育の中心に据えていかなければならぬのではないか、このように考えているところでございます。
○片山虎之助君 そこで、教育改革国民会議というのができておりまして、ここで今いろんな御検討をされておりますが、夏ごろまでに中間報告を出させて、その後国民の意見を幅広く聞いて、その後に国民的運動を展開していくということを総理が所信で言われておりますけれども、具体的なプラン、スケジュールはどういうふうにお考えでしょうか。それから、総理自身のお考えはどの段階でお入れになりますか。
○国務大臣(森喜朗君) 各界の皆さんから幅広く御議論をいただくということで、前総理が多くの皆さんに手紙を、教育に関する御意見を求められた。大変膨大なものだそうでございまして、それをまたもとにいろんな立場の方々にお願いをして今議論が始まっている。きょうの夕方も官邸で行われるというふうに聞いております。
 そういう皆様方の御意見に対して、政府、特に私なども、前もってこういう方向がどうかということを示唆していくということは、やはりできるだけ避けることも大事だというふうに思っています。
 とはいいますものの、私が中曽根内閣のときに教育改革をやれということで文部大臣をさせていただきましたときには、逆に臨時教育審議会という法律を国会で御審議いただいて、二カ月ほどかかったと思いますが、各議員の御意見をいただきながらスタートをさせたわけです。そのためにまたいろんなやはり議会で制約がたくさんつきました。
 もちろん国会での議論の条件もございましたし、我が党の中にもかなりの議論ができました。今、あそこにお座りでいらっしゃいますが、久保亘先生は当時の社会党のお立場でやはり法律をお出しになって、内閣委員会で二人が答弁に立って並行審議をしたことを思い出すわけでありますが、いろんな方々の御意見がたくさんありました。
 その中に、例えば教育委員会制度には触れてはいけないとか、それから教育基本法についても触れてはいけないとか、そういうようないろんな制約がついて、そしてスタートをしたという経緯がございまして、今度はできるだけそうした制約なしに、本当に白地の中でみんなが思い切った議論を交わして意見を取りまとめていただければ、こう思っております。
 時間もかなり経過をすることでありますし、小渕総理は一年ぐらいをめどにまとめていただきたいという、そういう方針を示されておりますので、できれば夏ぐらいまでには一次、中間的な方向づけでも示していただいて、そして多くの国民の皆さんにそれをまた議論していただくということが大事かな、こう思っておりますので、私といたしましては、そうした中間的な取りまとめをさせていただいた、そういう中で私なりのまた考え方もお示しをしたい、こんなふうに考えているところであります。
○片山虎之助君 私、かつて予算委員会で申し上げたことがあるんですが、教育のエデュケートという言葉は、英語でもラテン語でも引き出す、引き出して養い育てるという意味なんだそうですね。ところが、今の教育は押しつけているわけで、福沢諭吉は教育という言葉はだめだ、発育にしろと言ったそうです、「文明論之概略」か何かで。
 そういう意味で、私は今の教育の基本的な物の考え方を変えなければいけないと思いますが、そこで、今総理の言われた教育基本法なんです。これは今の日本国憲法に連動して、あれは昭和二十二年の三月か何かにできておりますが、当時の物の考え方を反映して、悪口を言うとプレーンソーダみたいな人格者をつくる、国際人をつくる法律なんです。
 やっぱり、血の通った日本人ですよ、歴史を愛し、文化を愛し、伝統を重んじ、地縁、血縁をそれなりに尊重するような、そういう日本人をつくるという視点があの当時の世相では私は欠けておったと思うんです。宇宙人をつくるような、いわば。
 そういう意味で、ぜひ教育基本法の見直しを、日本国憲法も今憲法調査会で議論を始めているわけですから、あわせて教育基本法についてもそういう観点からぜひ私は見直しをする必要があると思いますが、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 教育基本法をどういうふうにするかということについては、できればそうした国民会議の中で大いに議論もしていただきたいと思っております。
 ただ、当時、二十二年、二十三年、ちょうど私たちが小学校の時代でございました。敗戦の中で大変混乱していた状況だと思っております。事実、私どもの教科書が突然ここを読んではいけないとかここを墨で黒々塗れとか、こういう指示を受けて、柔道だとか剣道なんというのもみんな軍国主義にかかわるものだ、だめだと言われて、たしか書道から珠算までとめられたような記憶があるんです。今から思うと本当に大変な混乱の状況だったんだろうと思います。
 そういうときに、例えば私は教育勅語をもとに戻せ、そんなことは一遍も言ったことはないんですが、何かマスコミはそういうふうに書いていますけれども、そうじゃなくて、あの中の超大国的な主義、超国家的主義、こういうものは私は排除しなきゃなりませんけれども、祖国愛であるとか夫婦相和することとか兄弟が仲よくするということは、どんな歴史を超えても大事な私はこれは哲理、哲学だろうと思いますが、こういうことが結局国会で完全に何の議論もなしに排除されてしまった。
 それから、教育基本法を制定するときの記録によれば、伝統を尊重するというところは排除しなさい。恐らく軍国主義に戻してはいけないということだったんでしょうけれども、日本の伝統を大事にしなさいということを何で排除してしまうのかなというようなことなどを考えてみると、当時やはりそういう状況の中で議論をしたということであるならば、やはりもう少し、今落ちついたこういう時代でありますから、日本の国がもう一遍超国家主義になったりそれから軍国主義に戻るなんということはあり得ないわけですから、もう少し冷静にこうした問題もしっかりとらまえた議論をしてみる必要があるのではないかなと。せっかくの教育改革でありますから、思い切って終戦直後のことからずっとやっぱりよく見直してみるということが大事なのではないかというふうに私は考えております。
○片山虎之助君 そこで、文部大臣にお尋ねしますが、教育基本法の中のもう一つの問題点は、生涯学習、生涯教育の発想がないんです。あの当時だから私はしようがないと思います。
 その点についてのお答えと、二十一世紀の日本構想懇が英語を第二公用語にしろ、こういうことを提案されていますね、検討を始めなさいと。これについてはいかがお考えですか。
 私は、それはそれとして、その前に国語教育をやってもらわなきゃいけません。今の青少年の国語力というのは極めて低い。あわせて文部大臣の御見解を。
○国務大臣(中曽根弘文君) 最初に、生涯学習についてのお話がございました。
 終戦直後、昭和二十二年三月にこの教育基本法を制定したときには、もう戦後の荒廃した時期でありますし、とにかく教育水準においても欧米に追いつき追い越せということで基本法もでき、また立派な日本人をつくろうということであったと思います。その後、世界的でありますが、人生のいつでもどこでも学びたいときに学びたい勉強ができる、そういう生涯学習の理念、概念というものが広まってまいりました。
 そういうところから見ますと、この教育基本法には生涯学習についても触れられていません。さまざまな方がこういう点も基本法に含めるべきだという御意見がありまして、私も同様に思っております。
 また、お尋ねありました「二十一世紀日本の構想」懇談会、これの報告でございますが、長期的には英語を第二公用語とすることについて国民的議論を行う必要がある、そういう御提言でございます。
 この英語を第二公用語化するということについては直接私の所管ではございませんけれども、私といたしましては、今の日本の状況からすれば、これを直ちに国民の皆さんの御理解をいただくとかあるいは近い未来に御理解いただいて第二公用語化するということは、これは非常に難しいことではないかと思っております。
 しかし、英語は非常に重要でございますし、インターネット等による情報化の時代、あるいは国際交流が進展するわけでありまして、青少年がもっともっと英語を習得するということが必要だと思っております。
 このため、いろいろな方法で英語教育を行っておりますけれども、委員がおっしゃいますように、まず日本語を、しっかりとした正しい日本語を学ぶということ、使うということが大事でございますが、英語につきましては学校の教育の場面でも改善しておりまして、例えば公立高等学校の入試におきましても今全部の都道府県でリスニング等についての試験も行って、改善が図られているところでございます。
 それから、委員十分御承知のことですが、ネーティブのスピーカーの先生方、JETプログラムで海外から六千人の方に来ていただいて、ALTといいますが、そのうちの五千五百人ぐらいの方に学校で生きた英語を教えてもらっております。そういうようなやり方でコミュニケーションの手段としての英語を、学校で勉強すればある程度話ができるというぐらいまではできるだけ早く持っていきたいと思っているところでございます。
○片山虎之助君 英語の力をつけるには入学試験に英会話を入れたらいいんですよ。おやりになったらいかがですか、英会話の入学試験。
○国務大臣(中曽根弘文君) 英語につきましては、今度新しい学習指導要領等も改訂して、二年後には総合的な学習の時間も正式にできます。そういう時間の中で英会話を小学校でやってもいいということになりますけれども、私は、私の経験からいいまして、中学から大学まで英語を勉強しましたけれども、人前で自信を持って話せるまでなっていません。ですから、英語というものは時間をかければいいということでもないと思いますし、低学年化すればいいというものでもない。要は、しっかりとした指導、効果的な英語の勉強方法は何かということをきっちりとコンセンサスを得た上でいろいろな学校で教えることが大事だと思いまして、今、大臣の私的懇談会でそういう点を勉強していただいております。同時に、英語の教師の研修方法、また今、委員がおっしゃいましたような入試における英語はどういうふうにやったらいいかということも検討しておるわけでございます。
○片山虎之助君 時間がなくなってまいりましたので、外交のことにちょっと触れたいと思いますが、総理は所信で、外交の基本的な考え方を創造的外交、今は亡き安倍晋太郎外務大臣の言われた創造的外交に言及をされております。この四月末から五月の連休でサミットの参加国を全部お回りになるようでございまして、大変な強行軍と聞いておりますが、お体をぜひ大切にしていただきたいと思いますが、各国首脳とどういう視点で、またこの創造的外交をどういうふうに具体化するというお心づもりでお回りになるのでしょうか、総理。
○国務大臣(森喜朗君) 個人的に安倍晋太郎外務大臣のそばによくいたものでありますから、創造的外交というのを唱えられて、我が国の国益を守るためには創意を持って能動的に外交に取り組むべきだということをよくおっしゃっておられた、その精神をあらわしたものでございまして、例えば、今でこそこうして日ロの関係になっていますが、当時のソビエトというのは国際社会の中に参加をするということがやはり世界にとって、また我が国にとっても大事なことだということを、当時、安倍大臣は常に言っておられました。
 そして、ゴルバチョフ当時の大統領といろいろと協議をされながら、そしてソビエト連邦共和国が今日に至る過程をたどってこられたわけでありますが、そうしたことに日本政府としても大きな役割を果たしておられたというようなことも私は記憶に残っているわけであります。
 今回、九州・沖縄サミット、これは何といいましても小渕前総理がセッティングをなさったことでありまして、二十一世紀がよりすばらしい時代になるという、そういう希望を世界の人々が抱けるような、そういう明るい、力強いメッセージを発信したい。そういう意味で、議長国としての積極的なイニシアチブを発揮して創造的外交を展開していきたいと、このように考えているところです。
 今週末からお許しをいただきましてG8各国を訪問することになりましたが、就任をいたしました早々でございましたが、前小渕総理の命を受けて我が党の鈴木総務局長がロシアへ参りまして、非公式に小渕・プーチン会談のお話に行かれました。ちょうどその真っ最中といいましょうか、その時期に小渕前総理の入院ということになりまして、そして私が後継になったということを受けて現地で鈴木総務局長がそのお話をプーチン氏にされた。プーチン氏からは、ぜひ、それじゃ次に森と会いたいと、そういうお話もありまして、またプーチン氏からもそのうちお電話がございまして、二十九日は自分のホームタウンにいるので、ぜひそちらに来ないかという、そんなお話もいただきましたので、大変ありがたいお招きであったと思いましたのでお伺いしたわけです。
 相次いで、クリントン大統領を初めとして、お電話をいただいたり、こちらからお電話を申し上げて、すべて小渕前総理のことを大変御心配したお電話が多かったわけですが、そういうお話をしておりましたら、サミットの前にぜひ会えたら会いたいなというようなお話になったものですから、私としても、就任をいたしまして小渕前総理にかわって議長をやらせていただく以上はぜひとも皆様のまた御協力をお願いしたい、これは個人ということよりも日本国政府として大事なことではないかというふうに考えて、このちょうど連休でございますが幸い日程がとれましたので、多少は過酷な日程ですが、体のことはこういう大きな体でございますので少しスリムになってなおいいのかなと思っているわけでございます。
 特にロシアについては、エリツィン大統領と同様にプーチン次期大統領との間でも首脳レベルの信頼関係をぜひ、小渕前総理や橋本元総理のように個人的に信頼感が持てるように、そうすることでやはりこれからの日ロの二国間の問題が解決の方向に向かうのではないかというふうに考えて、そうした信頼関係をぜひつくりたい、こう思って訪ロする予定でございます。
○片山虎之助君 ぜひ、橋本、小渕両総理がエリツィン大統領と結ばれましたお互いの信頼関係をさらにプーチン大統領と発展させていただきたい、こういうふうに思います。
 そこで、今お話しの九州・沖縄サミットでございますが、サミットが始まって二十五年目だそうです。しかも、二十世紀と二十一世紀のちょうど真ん中の年のサミット。しかし、サミット二十五年の間に日本の総理は十五人変わっているんですね。まあ、それはあれでございますけれども。しかも、沖縄もアジアの、真ん中じゃありませんけれども、そういうところにある沖縄でサミットが初めて開かれる。私は、この九州・沖縄サミットを沖縄で開かれる特色を出す、そういうサミットにぜひしていただきたい。沖縄からアジアの声を、あるいは日本外交の方向を発信するようなサミットにぜひしていただきたい。
 その辺についての総理の御決意をお伺いいたしたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(森喜朗君) 片山議員のお話のとおり、七年ぶりのアジアのサミットでもございますし、また二十五年たったという意味では大変意味が大きい。特にこの二〇〇〇年、世紀の最後の年ということになりますので、そういう意味ではこれから国際社会が二十一世紀に向けて何をすべきかという大きなテーマにしなければならないと思っております。
 お話のとおり、アジア諸国の皆さんの御関心をやっぱり踏まえていくということが大事だと。これは小渕前総理が非常にそのことを強くお考えになっておられまして、これまで小渕前総理の東南アジア歴訪等というものも十分このことのためにいろんな御意見を聴取してこられたと思っておりますし、また河野外務大臣も相次いでアジアを中心にお回りをいただいておりますのも、そうしたアジアの諸国の関心事について、じっくり我が国としてもそれを取りまとめてお話の議題にしてまいりたいと思っております。
 また、この土曜、日曜日、先週でございますが、いわゆる太平洋島嶼国の十六のそれぞれの国の首相や大統領がお集まりくださった。その皆様方も、先ほどの峰崎さんのお話のときだったか、ちょっと私申し上げたような気がいたしますが、本当にこのグローバル化、ITという問題は避けて通れないことだけれども、そうした国々にとっては大変またある意味では深刻な問題を呈しておるわけでありまして、そういう皆さんのお話もこの会議でよく承って、そしてG8の皆さんによくお話をしてほしいということも依頼を受けております。
 いずれにいたしましても、二十一世紀がすべての人々にとってよりすばらしい時代となるような、そういう希望を世界の人々が抱けるように、そういう明るいメッセージを出したい、特にこの機会に沖縄の声を反映させて沖縄から世界へ発信するということに極めて意義があるんではないか、このように考えております。
○片山虎之助君 三月十八日に台湾の総統選挙がありまして、民進党の陳水扁氏が総統に当選されました。いろんな経緯がありますが、選挙後は大変両者とも現実的な対応をしていると、こう聞いておりますが、外務大臣、我が国として中台関係の平和と安定のために何ができますか。
○国務大臣(河野洋平君) かねてからアメリカといろいろ話をいたしておりますときに、私はアメリカに対して、我々はお互いに米中というものが平和裏に話し合ってお互いが持っている問題を解決してもらわなければ困るねと、アメリカも全くそのとおりだというような話し合いをいたしました。
 それで、私は、中国に対してはいたずらに挑発をするというようなことはするべきでない、避けてもらいたいという気持ちを持っていますということをアメリカにも申し上げ、アメリカもまた、自分たちも全くそのとおりだと。アメリカは我が国よりも台湾との関係がいろいろありますから、アメリカはアメリカで台湾に対して、自分たちは台湾の独立を望んでいないよ、支持しないよということを言っているわけですから、アメリカには、そのこともまた言うべきときにははっきり言ってくださいというようなことを言ったことがございます。
 いずれにいたしましても、私どもは、この問題はお互いの話し合いによって平和裏に問題をクリアしてもらいたいというふうに考えております。
 中国には累次にわたって、我々は日中共同声明の精神を体しているということを述べると同時に、それだけにこの問題についてはできる限り平和的な話し合いで問題を処理してほしいということを言っております。
○片山虎之助君 四月初めに滋賀県の大津でG8の環境大臣会合が開かれまして、環境庁長官お出になりまして、ことしの十一月にオランダのハーグでCOP6が開かれる、それを成功させよう、京都議定書の早期発効に努力しようと、こういうことをお決めになったわけですが、あの取り決めを具体化する、現実にやっていくことにすると、そろそろ経済的な負担を課するというようなことを私は考えざるを得ないんではないか。
 関係の省庁でも研究を一部始めているようですけれども、環境税、炭素税でありますけれども、よその国でもうやっているところもあるし検討しているところもある。環境庁長官のお考え、見通しはいかがでございますか。
○国務大臣(清水嘉与子君) 環境税でございますけれども、従来のような規制的な措置になじまないような不特定多数の排出源からの環境負荷を効率よく抑制するという意味ではより可能な政策手段だというふうに思っておりますし、これは環境基本法でありますとか環境基本計画におきましてもその有効性が期待されておるところでございます。
 十年ほど前から、フィンランド、ノルウェー等北欧諸国及びオランダで早くから温暖化対策の観点から入れられておりまして、近年ではドイツ、イタリーにおきましても導入されたところでございます。また、今イギリス、フランスにおきましても導入が計画されておりまして、導入済みまたは導入予定を合わせまして今九カ国というふうに伺っております。
 環境庁では、平成十年三月に環境政策における経済的手法活用検討会というのを設置いたしまして検討を始めまして、現在、その議論の整理を行っているところでございます。
 昨年、自民党の税制改正大綱の中でありますとか、あるいは政府税調におきましてもこの問題が取り上げられまして、地球温暖化対策全体の中で税の役割といったことが検討されていくことが必要だというふうに言われたところでございます。
 環境庁といたしましても、政府税調における検討状況でありますとか、あるいは欧州での環境税導入の動きも勘案しながら、環境税の導入については積極的に検討を進めていきたいというふうに思っておりますし、また、先生御指摘の京都議定書の締結に必要となります国内担保制度の確立に全力で取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○片山虎之助君 どうも、総理初め各閣僚の適切な御答弁ありがとうございました。
 関連質問に譲ります。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。長谷川道郎君。
○長谷川道郎君 自由民主党の長谷川道郎でございます。
 総理、一点お伺いしたいと思うわけでございますが、昨年、ガイドラインの審議の際に、国内法制に手をつけないままにそれ以上もっと難しいガイドラインをやるのは順序が逆ではないか、そういう議論がございました。私もそのとおりだと思うんです。
 今回、たまたま施政方針演説の中で総理は有事法制の問題についてお触れになりました。ぜひひとつお考えを承りたいと存じます。
○国務大臣(森喜朗君) 有事法制に関しましては、これも小渕前総理が、我が国への武力攻撃などに際して自衛隊が文民統制のもとで適切に対処し、国民の生命、財産を守るために必要であり、平時においてこそ備えておくべきものであるとの認識を示されておられるのは御承知のとおりだと思います。
 私といたしましても、この有事法制は自衛隊が文民統制のもとで国家国民の安全を確保するためにはやはりぜひとも必要な法制だというふうに考えております。かかる考え方から、歴代総理といたしまして初めてでございましたが、所信表明演説においてこの有事法制に言及をさせていただいた次第でございます。
 本件につきましては、法制化を目指した検討を開始するように政府に要請するとの先般の与党の考え方をも十分に受けとめながら、今後政府としての対応を考えてまいりたい、こう考えております。
○長谷川道郎君 よく言われる話でありますが、自衛隊があるとき有事に出動した、戦車が出動した、戦車が赤信号でとまらなければならないというような話がよくあります。しかし、実際戦車は道路を走れないんですよ。なぜ走れないかというと、サイドミラーがついていないから走れない。そういうまことに国内の法制の不備という点では大変な問題があると思うんです。
 今、総理は文民統制にお触れになりましたが、いざとなったら超法規でやればいいやということではこれはもちろん相済まない。
 防衛庁ではその法制度の整備について御検討されていらっしゃいますし、既にその中間報告、状況報告が十五年ないし十七、八年前に出ておりますが、そもそも有事法制というか国内法制の問題についてどういうふうにお考えなのか、そして今の状況はどういう状況であるのか、御説明をお願い申し上げます。
○国務大臣(瓦力君) 委員御指摘のように、有事法制研究につきましては、これまた御案内のとおりでございますが、昭和五十二年八月、福田内閣総理大臣のもとで三原防衛庁長官の指示によって開始されたわけでございます。
 その後、いろいろ展開されてまいりましたが、前総理並びに現森総理におかれましても、これらの問題につきまして、シビリアンコントロールのもと国家国民の安全を確保するためぜひとも必要な法制であると考えている、かような発言をされておられるわけでございまして、有事法制は、委員御案内のとおり我が国に対する武力攻撃から国民の生命、財産を守るという自衛隊の任務遂行を全うするという観点、また防衛体制を整備することが我が国に対する武力攻撃の抑止力に資するという観点から必須のものであって、研究にとどまることなしにその結果に基づき法制が整備されることが望ましい。これはたびたび申し上げてきたところでございます。
 ところで、防衛庁以外の省庁の法令等につきましてもこの際若干申し述べろということでございますので、申し述べさせていただきたいと思います。
 一つは、第二分類につきましては、昭和五十九年十月に、道路法でありますとか建築基準法等の幾つかの法令にかかわる特別措置の必要性等の問題点を取りまとめまして公表したところでございます。また、与党の考え方を受けとめながら適切に今後対応してまいらなければならない、このように考えております。
 所管の省庁が明確でない事項にかかわる法令、つまり第三分類でございますが、これにつきましても、今後の取り扱いにつきまして内閣安全保障・危機管理室が種々の調整を行っているわけでございますが、防衛庁といたしましても所要の研究成果が速やかに得られるよう必要な協力を続けてまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、有事法制、概括的には法制はでき上がっておると言いながら、今申し上げているようなこれらの法制につきましての準備はまだ不十分なものもございます。これらにつきましては、研究はいたしておりますが、与党各党の申し入れも踏まえながらこれからさらに取り組んでまいりたい、かように考えておるものでございます。
○長谷川道郎君 有事法制の研究の状況報告があってから既に二十年近く経過をいたしているわけであります。この二十年間放置をされたということであれば非常に問題だと思うんです。
 今、長官のお言葉にもございましたが、有事法制と言うとおどろおどろしいような感じがいたすわけでありますが、まさに抑止力。抑止力のためにはやはり国内法制を整える、これは当然のことであると思うわけでございますが、早急に整備が整うように御尽力をお願い申し上げたいと思います。
 経済企画庁長官、景気についてお伺いいたします。
 前回の私の本委員会の質疑で、経企庁や日銀の経済観測と国民の受け方、実感が非常に離れている、政府や日銀は景気はやや好転をしたというようなニュアンスの発表をされるが、国民の皆さんは、いやそんなことはないというふうにお考えになっているという世論調査の結果が出ています。七〇%の方がそうお答えになっている。前回の長官のお答えでは、調査と先行指数の間でタイムラグがあるというお話でございました。どうも私は、これはちょっと長官らしくないお答えで、いささか納得ができないというふうな感じがいたしております。
 私は、堺屋長官の小説の大ファンでございます。全部読ませていただいています。論評の中で、政府は回復を言い続けているが景気の実感は決してよくない、政府は景気は穏やかに回復していると言い続けているが、ちまたの実感としては景気がよくなったと考えている人は少ないというような論評も何回かお書きになっている。
 いま一度お伺いいたしますが、単なるタイミングだけの問題で国民が景気がよくなったということを実感していないのかどうか、ちょっとお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 我が国の経済は全体としてまだ厳しい状況にありますが、政策効果あるいはアジアの景気の回復などで徐々によくなっている。特に、最近になりまして、この二月、三月になりまして企業の活動にも積極性が出てきて明るい自律的な回復の動きが広がっている。これが私たちの見方でございます。
 それに対しまして、委員今御指摘になりました七〇%の人がよくなっていないという世論調査はたしか読売新聞の調査でございまして、それが出ておりますのは去年の十月九日版だったと思うんです。この調査は一昨年の九月と去年の九月と比べております。去年の九月の段階で政府の方は緩やかながら回復しているという表現をしておりました。景気の動きを見ますと、一昨年の九月から一昨年の暮れにかけてあるいは去年の初めにかけて相当落ち込みました。それから徐々に上がってきていますから、こう比べられると厳しくなっているというのが実感だったろうと思います。
 その点に関しまして、実感との差が大きいということにかんがみまして、ことしの初めから景気ウオッチャーという制度をつくりまして、全国で今六百人でございますが、各地で消費の前線に当たっておられるような方々に実感を訴えてもらう、書き出してもらうというような実感の調査の方も進めております。
 この統計数字に出てくるものと人々の実感との間を何とかつなごうといろいろ今努力しているところでございます。
○長谷川道郎君 景気ウオッチャーについては後ほどまたお伺いしたいと思うのであります。
 今、物価が下落、ゼロもしくはマイナスの状況にあるわけです。こういった状況というのは一般的に、これは一般論で結構ですが、一般的に家計にどういう影響を及ぼすのか、これについてお伺いいたします。
○国務大臣(堺屋太一君) 従来、日本では、為替の影響等もございまして卸売物価はかなり下がるが、消費者物価はサービス部門、人件費部門が多いから下がらないと言っていたのでございますけれども、最近は消費者物価も前年に比べて〇・二ないし〇・四%ぐらい、地域によってちょっと違いますが、〇・三%ぐらいを中央にして下がっております。
 この下がり方についていろんな種類がございまして、一つは外国からの輸入品が下がる、あるいは円高の影響で下がるというものもございます。それからもう一つは、競争が激しくなって下がるというのもあります。それから、生産が効率的になった、流通が効率的になったというので下がるというのもございます。それから、家計の実感としてみますと、高級品から低級品といいますかディスカウントの方にシフトする。この場合は統計は同じところでとっておりますから下がりませんが、生活の実感では非常に下がっている、そういう影響がございます。
 概して言えば、給与が一定といたしますと物価が下がるのは好影響がありますが、歩合で仕事をしておられる方あるいは小売店の経営をしておられる方などにはやはり収入の面で厳しい影響も出てくるかと思います。
○長谷川道郎君 今、長官のお話の実感としては下がるという、私はそこの部分だけは賛成というか同意をさせていただきますが、物価が下がると自動的に可処分所得がふえるわけです。しかし、所得が下がっていながらそれ以上に物価が下がるから可処分所得がふえる、だから幸せかと言われれば、それはなかなかそういう感じがいたさない。先ほどの我々国民がなかなか景気がよくなっていることを実感できないというのは、私はここに問題点があるというふうに思うわけであります。
 引き続き、先ほどちょっと長官お触れになりましたが、景気ウオッチャー調査の件でありますが、経企庁の調査と実態、実感とのすき間を埋めるための調査というふうなことをちょっとさっきもおっしゃいましたが、景気ウオッチャー調査の考え方についてまずお伺いいたします。
○国務大臣(堺屋太一君) 従来、経済はほとんど統計でとっておりました。したがいまして、委員御指摘の物価でございますと、一番安定した同じような売り方のところで同じ商品をとる。例えば百貨店でありますとかスーパーマーケットでありますとか、そういう安定したところでとるので、大売り出しとかディスカウントとかいうのは余りとらないというようなこともございまして、そこに差があるんじゃないか。それから、実際現場で働いておられる方は、客は多くとも売り上げが少ないとか、忙しい割にもうからないと、いろいろそういう実感がございます。
 そのことを考えまして、現在のところ、北海道、東北、関東、近畿、九州、東海地方と六地域に各百人ずつございますが、小売店のマネジャーをしておられる方とか、あるいはホテルのフロントの方とか中小企業の経営者の方々、それからタクシーの運転手さんとか労働関係のあっせんをしておられる方とか、いろんな業種の方、一番景気に敏感であろうと思われるいろんな業種の方にお願いいたしまして、各地域に百人ずつお願いいたしました。
 その報告を、二つございまして、景気が三カ月前に比べて悪くなっているかというのと、それからこれから二、三カ月先に悪くなるかよくなるかというのと、現状と将来の見通しと二つやるわけでございますが、それで悪くなっているというのは零点、やや悪くなっているを〇・二五、変わらずを〇・五、ややよくなっているを〇・七五、よくなっているを一といたしまして全部足します。そうすると、百人でございますから五〇になると真ん中ということになるのでございますが、そういう方式で三カ月前に比べて悪くなっているか、二、三カ月後に今よりよくなっているものか、そういうのを皆さんに提出していただきまして、地域別、業種別に統計をとらせていただいております。
○長谷川道郎君 そもそも今までの調査が実態を反映していなかったということで、こういう新しい調査を始められて大変結構なことだと思うのであります。
 二十一日でございますか二十二日でございますか、今回のウオッチャー調査の結果が発表されたと思うのでありますが、これについて御説明をお願い申し上げます。
○国務大臣(堺屋太一君) これを始めましたのは一月からでございまして、二月、三月と今回三回目の発表をいたしました。
 それによりますと、一月の下旬ぐらいに調査いたしましたときに、現状についていいというのが、合計点でいいますと、五〇が真ん中のときに四五・三でございました。だから、三カ月前よりやや悪くなっているという人が一月時点では多かったのでございますが、三月時点では五五・二でございまして、ややよくなっているという答えになっております。それから、地域別で見ますと、やはり東海地方あたりが比較的いいというような感じでございます。
 それでまた、将来の方、将来これからどうなるかというのを見ますとかなり明るい数字が並んでおりまして、一月時点では五一・一でございましたが、三月では五四・九とややよくなるという感じが強くなっています。ここでも東海地方が比較的よく、あと九州なども急速に悪かったのがよくなってきている。そんな結果が出ております。
○長谷川道郎君 ありがとうございました。
 さっき、今までの調査が実態をなかなか反映できなかったというお話を申し上げたわけですが、今のこの景気ウオッチャーの調査は、これは一定のトレンドを正確に反映するものになるでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 私も最近この三週間ほどの間に名古屋、大阪、東京と回りまして、政務次官にも九州へ行ってもらいまして、その人たちと直接の話もいたしました。非常に極端ではなしに、上手にといいますか、本当の実感をよく書いていただいている。
 それから、同じ数字でも内容が変化している。例えば、スナックの経営者の方に聞きますと、昔は会社にツケ回しが多かったけれども最近現金扱いが四割ぐらいになってきたとか、タクシーの運転手さんでございますと、チケットでの遠乗りがなくなって売り上げはこうだけれども短い距離が非常にふえているとか、そういうことを知らせていただけますので、非常に経済の実態を机で見ている以上によくわかる、そういう効果があると思います。
○長谷川道郎君 ありがとうございました。
 それでは、さっき物価の問題にちょっとお触れをいただいたんですが、これは長官、一般論としてお伺いいたしたいのでありますが、今物価が下落ないしゼロの状況で、この間も申し上げましたが、物価が五%下がれば自動的にGDPは五%上がるという、そういうことになるわけです。物価が下がれば経済が成長するというおかしな状況というか、不思議な状況の中にあるわけでありますが、前回インフレターゲット論にはくみしないというお話がございました。インフレターゲット論について申し上げるつもりはないんですが、やはり私は川の流れと同じように、一定のインフレとは申し上げませんが、若干の適正な物価の上昇というのは私は経済にとって一つの川の流れ、川が流れると水に、川に酸素を供給し栄養を供給するのと同じように、やはり経済の流れにとっては必要なことではないかと思うのでありますが、もちろんごく一般論でありますが、適正な物価水準もしくはインフレ率というのがあるとお考えになりますかどうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 物価にもいい値下がりと悪い値下がりがあるだろうと思うんです。いい値下がりというのは、例えば生産性が大いに向上して安くできる、昔数万円しました電卓が今五百円で売っているとか、そういうのは非常にいい値下がりだろうと思うんです。それに比べて、景気が悪くなって、赤字でも売らなきゃいけない、あるいは賃金を引き下げても売らなきゃいけないというのは、これは悪い値下がりだろうと思うんですね。だから、一概にどれがどの程度ということは言えません。
 今やはり情報関係の価格はかなり器具にしても電話料金にしても低下傾向にあって、これはいい値下がりだろうと思っております。
 全体として、賃金に当たる部分はやはり少しずつ上がっている方が暮らしもいいし気分もいい、お仕事もしやすい。技術の進む部分で大いに下がっていただいて物価が安定的に推移しているというような形が適切だと思います。
 そのほかに、為替の問題と、最近は原油の価格の問題が非常に大きく影響いたしまして、これもよく注意していかなきゃいけないところだと思っております。
○長谷川道郎君 今、長官もおっしゃいましたけれども、家庭にとっても一定の定期昇給ですとかベースアップというのは必要なことだと思うんです。インフレ論はもうこれ以上申し上げませんが、私は、前回申し上げましたように、しかし研究してみる価値のあることではないかというふうに考えるわけです。後ほどまた長官にお伺いいたしたいと存じますが。
 日銀総裁、ありがとうございました。
 先ほど峰崎委員からの御質問にもございましたが、ゼロ金利政策、日銀は薄氷を踏むような思いでゼロ金利政策に踏み切った。しかし、これは極めて異常な状況であるという御認識であることはお変わりないと思うのでありますが、ゼロ金利というか、全般的な金利政策が今やなかなかきかなくなっている。ちょうど伸び切ったゴムと同じで、これ以上引っ張れば切れてしまう。かといって縮みようがない。金利政策が機能不全に陥っているのではないかというふうに思うわけです。
 四月十二日の記者会見で、日銀総裁はゼロ金利解除もあるかのような、これはあくまでも報道でありますが、報道ではそういう報道でございました。私はもちろん日銀政策会合でそういう決定がされていないというのは十分承知をいたしておりますので、いわば誤報であったわけではございますが、これが先般の十五日のG7の共同声明に、ゼロ金利政策を継続し十分な流動性を供給するということが共同声明に盛られたわけでございますが、この間の事情についてお伺いいたします。
○参考人(速水優君) お答え申し上げます。
 当面の金融政策の運営につきましては、四月十日の政策決定会合におきましてゼロ金利政策の継続を決定いたしました。その翌々日に定例の記者会見がございまして、この決定を受けて景気調整や金融政策運営の考え方について以下のように申し述べたつもりでございます。
 すなわち、第一には、日本経済の持ち直しが明確化してきておる、民需の一部にも回復の動きが見られるということ、それから第二には、こうした傾向が続けばいずれゼロ金利解除の条件が整うものと見られること、第三に、ただし現在はゼロ金利政策のもとで民間需要の回復力を見きわめるべき段階にあるということ、この三つが主要点だったと思います。
 今御指摘のG7のコミュニケにおきましては、この四月十日の金融政策決定会合で決めましたことを、ゼロ金利政策の継続を決定したと、ディサイディド・ツー・コンティニューという言葉で事実を述べたものでございまして、将来のことを言ったわけではございません。約束をさせられたわけでもございませんし、約束をしたわけでもございません。したがいまして、記者会見とG7のコミュニケに食い違いがあるということはございません。
○長谷川道郎君 次に、政策会合でもゼロ金利の悪影響ということが議題になっております。しかし、ゼロ金利の悪影響、当然今いろんな問題、ゼロ金利というかゼロ金利に従って発生する低金利の悪影響というのはもう非常に問題になっている。しかし、ここでゼロ金利を解除するとまたその上にさらに悪影響、多分ゼロ金利を解除し市中金利が上昇すれば不動産ですとか建設会社がばたばたいくなんというおそれもあります。
 それについて、ゼロ金利の解除に伴う悪影響というのをどういうふうに御判断なさっていらっしゃいますか。
○参考人(速水優君) ゼロ金利の解除ということでございますけれども、解除した後どうするのかというところまでは、そういう事態にまだなっておりませんので考えておらないわけでございますが、私どもがいつもゼロ金利を続けることによって副作用の方の効果も、マイナス効果が出てくるということを申しておりますのは、三つぐらいのことを気にしておるわけでございます。
 一つは、長引く低金利のもとで家計等の金利収入が減少している、特に年金生活者などがお困りであると。ただし、先ほどからお話ししていますように、物価が上がっておりませんので、元本というか千三百六十兆持っておられる日本の家計の金融資産、四百兆ぐらいはそのうちお金を借りておられるわけですけれども、元本が目減りしていないということは申し上げられると思います。ただ、運用利回りがいかにも低いということが一つ。それから第二には、コール市場という、金融資本市場の核ともいうべき金融市場のインターバンクのコールが少し小さくなってきているということ。それから三つ目は、市場参加者の間でモラルハザード、低金利ということで気持ちが少し安易になって経済の構造調整をおくらせる可能性などが指摘されるわけでございます。
 そこから先のことはまだ考えておりませんが、今のところはやはりゼロ金利政策で金融面あるいは経済の実体面でもかなりよい効果が出てきているというふうに考えております。
○長谷川道郎君 ゼロ金利政策実施後一年を経過したわけでありますが、ところが数字を調べてみますと、このゼロ金利政策以降、コール市場が逆に収縮をしているんですよ。日銀の資料でも発表になっていますが、昨年一年間でコール市場の月末残高、平残が逐月ごとに三〇%ずつ減っております。ことしの一月の平残でも、昨年比、二十四兆円が十二兆円も減っております。これは三〇%の金融収縮になっている。
 ゼロ金利政策を適用しながらコール市場が収縮をしているというのはちょっと私には理解できないんですが、この点について御説明をお願い申し上げます。
○参考人(速水優君) ゼロ金利政策によりまして、金融面でも金融取引の活発化は非常に大きな力を発揮いたしております。
 午前にもちょっと御説明させていただきましたけれども、例えば具体的には、金融市場における流動性懸念が払拭されたとか、長期金利が国債金利を含めて安定しているとか、株価が上昇しているとか、金融機関の機関投資家のリスクテークの姿勢が積極化しているとか、社債やコマーシャルペーパーの市場などが直接金融市場における企業の資金調達環境の好転を示しているといったようなことはございます。
 こういうことで、企業や家計のコンフィデンスが改善して実体経済にもいい影響を与えているわけですが、御指摘のコール市場の残高が減ったではないかとおっしゃることは、確かに数字の上で、コールは昨年の二月がコール市場の残高が三十四兆、これがことしの四月二十一日が二十一兆、まあ四割近く減少しております。
 これは、翌日物の無担保コールというのをゼロにしたわけですから、この取引が減っていくのは、これは当然のことだと思います。しかし、その資金がどこに流れたかというのは、やはりどこかに流れておるわけでございまして、資金の運用の調達、預金の市場へ行ったり期間の長目の市場にシフトしていっているわけでございまして、こうした状態がいつまでも続くということには問題があるかもしれませんが、目下のところは、金融市場全体として見ますれば、取引や資金決済に支障が生じているとは思えません。
○長谷川道郎君 おっしゃることはよくわかるんですが、史上空前の金融緩和をやっていながら金融が収縮をしているということは、これは極めて異常な事態だと思うんです。
 日銀総裁は日本銀行以外の銀行においでになったことがあるかどうかわかりませんが、銀行の窓口に行きますと、米国債、ドイツ連銀債、あとヨーロッパ各国の外貨預金、物すごいですよ。日本の銀行に〇・一五%で預金をしようなんというポスターは一枚も張ってありません。今、総裁のおっしゃった資金がどこかに流れている、それはどの程度のボリュームかわかりませんが、少なくとも外国に相当流出し、日本の金融市場が空洞化しているということも、ボリュームはわかりませんが、一端の事実であると思うんです。
 時間がございませんので、金融問題についてはこれくらいにさせていただきますが、同じく日銀政策会合で、物価の安定について検討するということが二月十日の政策会合で決定いたしておりますが、これもインフレターゲットを念頭に置いたことではないと思うのでありますが、この物価の安定について検討するということはどういう意味であるのか、御説明をお願いします。
○参考人(速水優君) 新しい日銀法の二条でございますけれども、日本銀行の目的として、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」ということが書かれております。
 物価の安定といえば、ああ、ああいうことかというふうにお考えかもしれませんけれども、実際問題としてこれは非常に難しい。どうやって判断するかというのは難しいことだと思います。国民経済にとって望ましい物価の安定とはどういう状態なのか。そういったことはかなり難しい問題であると思いますし、余り詳しく書かれたものもないというふうに思います。最近の我が国では、技術革新とか流通革命といったようなものを背景にして、物価をめぐる環境が非常に大きく変わりつつあることは御承知のとおりでございます。
 こうした問題につきましては、これまでも政策委員会におきまして極めて活発に議論をしてまいりました。その過程でほぼ論点が出そろったと思われますので、私から提案をしまして、中長期的な観点から物価の安定の考え方について総括的に検討を深めていきたいということを提案して決めたわけですが、当面、具体的な検討内容としては四つのことを討議していきたいと思っております。
 一つは物価の安定の基本的な考え方。物価の計測、物価指数、これをめぐる諸問題。三つ目は最近の我が国の物価動向。四つ目は物価の安定の数値化、計数化することをめぐる諸問題。これらのことを夏ごろまでには何らかの成果は出せるように努力したいと考えておりますが、非常に情勢が変わりつつあるときでありますだけに、こういうことを少し時間をかけてよく調べたいと思っております。
○長谷川道郎君 日銀総裁、ありがとうございました。以上でございますので、お引き取りいただいて結構でございます。
 先ほど金利の問題について、低金利という問題については触れさせていただきましたが、今の長期にわたる低金利は、本来国民に帰属すべき十五兆、二十兆、二十五兆ぐらいですか、本来国民に分配さるべき富が分配をされていないという非常にまずい事態であると思うんです。利上げをするというのは今の状況で非常に難しいと思うのでありますが、これはしかし真剣にお考えをいただかなければならない問題であるなと思うわけであります。
 最後に、済みません、時間がなくなりましたので、宮澤大臣、円の国際化についてお伺いさせていただきます。
 円の国際化ということが叫ばれてもう久しいわけでありますが、日本の輸出入の決済の中に占める円の割合が非常に低い。二〇%ないし三〇%であるというようなことが言われております。
 先般、ある漁業会社が、日本の漁船がタイで魚をとって、それをタイの日本の子会社に陸揚げして加工して、それをさらに日本に輸入したんだそうです。その決済が全部ドルだった。タイの銀行が、どうして日本人同士が貿易するのに円を使わないんですかと言って笑ったという笑い話、笑い話かどうかわかりませんが、そういう話があったという話でありますが、円の国際化について、宮澤蔵相、以前からいろいろお述べでございますが、これについての基本的なお考え。
 また、あわせて宮澤構想。今、東南アジア諸国の経済が復旧いたしてまいりました。かなりのスピードで外債を発行するような状況になってきた。今この日本の低金利の状況で円建て債をもしも発行するようなことがあれば非常に有利ではないか、絶好のチャンスだと思うのでありますが、含めてお伺いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 以前にもお尋ねがございましたが、今ちなみにお話がありました日本の輸出入における建て値通貨別内訳、九八年三月、我が国は輸出が三六%、輸入が二一・八と、通産省の調べでございますから、長谷川委員の言われましたようなことでございます。
 戦後長いことになりますが、円の国際化ということについて我が国がいろんな理由から余り積極的でなかったということがあると思います。
 一つは、日本の発展過程で、それだけ大きなエリアに通貨の責任、日本の経済の運営の責任を問われるような状況というのに消極的であったということや、あるいは敗戦に至りますまでのそれらの国々との関係、いろんなことがありましたと思います。
 最近になりまして、ようやくそういう一種の遠慮と申しますか、タブーのようなものがだんだん抜けてまいりまして、本来、円をお持ちなさいといえば、あるいは円をおとりなさいといえばその円を運用するマーケットがなければならないわけでございましたが、東京にそういうマーケットがございませんでしたから、円を持ってもどうしようもないという感じを持たれていた。余り歓迎されていないのかなというふうにすら思われておりまして、ようやくFBが自由になりましたといったようなことから、円の短期の運用ということもようやく道が開けたというのがつい昨今でございますので、そういう我々の気持ちの上の態度はだんだんわかってもらえておると思います。
 それで、お話の今度の通貨危機以来、宮澤構想と言われるもので三百億ドルぐらいの金が出まして、それで皆さん円に少し親しむ気持ちを持っておられる。並びに、九七年の為替危機でドルだけにヘッジしておったことの危険がある。あれこれのことから少し円に皆さんの気持ちも向いてきたりしますけれども、まあここは私どもは割に注意した方がいいと思いますのは、皆さんが円を持たれて、実は日本と各国との間のスワップとかリパーチェーシングとか、そういう関係も大きくしようと思っておりますし、各国もそういう熱意がおありですけれども、そんなことからだんだんに円というものに親近感を持ってもらう、今は気持ちとしては積極的、前と違いますが、態度はできるだけ注意深くやりたいと、お時間がありますので長く申しませんが、そんなことでございます。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。星野朋市君。
○星野朋市君 保守党の星野でございます。
 まず、総理にお尋ねをいたします。
 先ほどの片山委員の質問と多少ダブる点があるかもしれませんが、お許しください。
 総理は二十八日から欧米七カ国にお出かけになる。この御旅行の決意と、森総理として沖縄のサミットをどう位置づけておられるのか、これについてお伺いをいたしたいと思います。
 私は、小渕前総理がサミットの会場を沖縄の地に選んであの名護の岬の先端に会場を設けた、非常に深い感慨を持って設定されたと思うんですが、森総理にとってはこの沖縄サミットの意義というものをどういうふうにお考えになられているか、重ねてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほども片山議員の御質問に対して申し上げましたが、九州・沖縄サミットはまさに万感の思いを込めましてその開催を決定された小渕前総理の基本的なお考えと熱意をしっかり踏襲してまいりたい、こう考えております。
 本会議のときにも私は申し上げたような気がするんですが、小渕前総理とたまたま私と学生時代一緒でございまして、同じクラブでありましたので、その当時はまだもちろん本土復帰前でございました。それから飛行機も頻繁に飛んでいなかったような気もいたします。小渕前総理は、学生時代皆さんの募金を集めて、学生数人と語らって、そして沖縄に何度も訪問をしておられました。そのころから、沖縄の本土復帰、そして沖縄と日本との歴史的な関係、そういうものに大変興味と関心を持って努力しておられた感じがいたします。
 私はその当時からの小渕前総理のお気持ちをよく知っておりました。いよいよサミットの会場をお決めになるということで、内々党の方の私どもにも御相談がございまして、そして沖縄を決定したいというお話をいただいたときに、私は本当に何かこう胸が詰まるような思いがして、僕は小渕前総理のことを学生時代から恵ちゃん恵ちゃんと言っていましたので、つい、恵ちゃんついにやったなと、そのときそう言いました。わかってくれるかと言うから、本当にいい判断ですよと、こう申し上げたわけでありまして、そういう思いをしっかり私は大事にしてさしあげなきゃいけないな、こう思っているんです。
 二十一世紀が本当にすべての人にとってよりすばらしい時代となるように、この百年を振り返ってみると、まさに戦争が前半続いていた、世界全体がそうだったと思いますし、後半は科学技術がどんどん発達をして経済が豊かになっていく。そういう百年を振り返ってみて、そして本当に新しい次の百年は全世界の皆さんが幸せに生き続けるんだという、そういう明るい力強い希望がわくような、そういうメッセージを発信したいなと、こう思っているところでございます。
 また、今申し上げました小渕前総理の決定のそういう経緯、また前総理の思い、そういうものを考えますと、この沖縄の皆さんの声を反映させて、そして沖縄を世界に発信するとともに、さまざまな形でこれからの沖縄の発展につながる機会にぜひいたしたいものだ、こう考えているわけでございます。
 政府といたしましては、G8各国参加国の皆さんに何といっても御協力をいただかなければならぬことでございますし、また沖縄県の各自治体とも緊密な連絡をとりながら、サミットの成功のために私は万全を期してまいりたい、こう考えております。
 そういう観点から、今週末から、駆け足になりますけれどもG8各国をすべて訪問いたしたいと思っておりますし、まだ決定はいたしておりませんが、私がヨーロッパに参ることが耳に入ったのでしょうか、EUの代表からもぜひこの際お会いをしたいというお話もありまして、大変ありがたいことで、過密な日程でございますが、どこかの機会でお目にかかってまたこの沖縄サミットの御協力をお願いしたい、こう考えているところでございます。
○星野朋市君 ぜひ沖縄サミットを成功させていただきたいと願っております。
 総理のヨーロッパ訪問に関しまして宮澤大蔵大臣にお尋ねをいたしますけれども、前回の予算委員会でも私ちょっと触れましたけれども、ユーロというものは発足時日本円換算で百三十五円であった。現在、ほぼ百円。この下落というものは相当大幅なものでございますけれども、ヨーロッパ各国の経済状態は必ずしも悪くはないんですね。
 そこで、どうしてユーロがこんなに安くなるのか。大蔵大臣は、当局がこれを容認しているという御発言をなさっておられますが、もし御見解がありましたらお聞かせ願いたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) きょうの昼にユーロは九十八円八十銭、〇・九三でございますから、おっしゃいますようにかなり安い。これはお尋ねのようなことは、私自身も実はずっと疑問に思っております。
 殊にお尋ねがございますので、この間もまたそういう話をしてみるわけですが、ドイセンベルク中央銀行議長は、自分はユーロというのは何も強くなくてもいいんだ、物価の安定が一番大事なんだということをもう自説として述べておりまして、介入というようなことについてほとんど関心を示しておりません。しかるところ、その他の国、幾つかの重立った国は、ユーロのあり方について明らかに個人的にはやや懸念を持っていて、もっと高くてもいいんではないか、現に個人的にはそういう意見を言っております。私はどうも思うのでございますが、景気は確かにいいわけでございます。景気は確かにいいわけですから、やはりドイセンベルク議長としては、景気はいいんだから特に何かしなくてもこれで経済全体が少しずつプラスになっていけば結果としてはいいんではないかと。
 どうも推論してもなかなかそこは一つの統一した私の見方にぶち当たりませんで、今度の会議なんかでも、円が議論になりましたときにユーロも議論になっておるわけですが、ユーロのことは余りいろいろ言ってもらう必要はないやというようなそういう感じ、どうも従来申し上げていることと同じ感じを持っております。
○星野朋市君 それでは、今度は大蔵政務次官にあえてお聞きをいたしますけれども、今財政再建か景気かという論議が巻き起こっておりますけれども、財政再建論者の一様に言っていることは、国と地方債、両方合わせて六百四十五兆だ、これをどうするんだというような議論なんですね。国と地方がどのぐらいなのかということも余り論議されていない。それから、国債の中には、かつては建設国債とそれから赤字国債という区分けをちゃんとしておったわけです。ところが、今はそれも一緒くた。そういう中で論議されても私はちょっとこれは無理だと思うんですね。
 それで、今、日本の国債の残高というのはきょう現在でどうかというと、約三百六十兆、それから社会保険の預り金というのが約百三十兆、それから郵便貯金のものが約二百五十兆、それから簡易保険が百十兆、それから公務員の退職金が約十兆、政府短期証券が四十兆、これを合計すると約九百兆になるんですね。
 これに見合う、じゃ資産というのはどうなのか。お金があり、有価証券があり、土地があり、それから財投その他でもってつくったいろいろ固定資産がある。それから、その他の資産がある。こういうものを一回出してみて、それでそのうちのどこをどうするべきか。これが財政再建というまずもとになるべきことだと思うんですが、政務次官、どういうふうにお考えになっているか。
○政務次官(林芳正君) お答えを申し上げます。
 委員におかれましては民間企業の御経験もあり、そういう御感覚があって財政・金融委員会でもこの御議論をいただいておったところでございまして、そのとき私が答弁に立った関係で御指名があったと思いますが、いわゆる企業ではバランスシートとともにPL、両方相まってその状況を把握をしておるわけでございまして、今の御議論も予算、特に一般会計は、PLといいますか、大福帳というと言葉は悪いですが、そういう性格を持っておりますので、もう少しストックをあらわすバランスシートをつくってみてはいかがかと、こういう御指摘だと思います。
 そこで、せっかく御質問でありましたから、調べてみまして、委員が御指摘のありました年金につきましては、厚生保険の特別会計年金勘定の繰越利益というところで、御指摘のように百二十七兆円という数字が公表されておりますし、郵貯におきましても、郵貯特別会計で郵便貯金の合計は二百五十三兆円と、おっしゃるとおりの数字でございます。
 このように、それぞれの数字はすべてそれぞれの特会やそれぞれの役所におきましてディスクロがされておるわけでございますが、ただ、委員がおっしゃるように、これを一つのところにまとめて国全体としてじゃ幾らになるのかということが今までなかったわけでございまして、これは今までの長期債務残高というのは、将来税金で返すことになるものというものを入れて、それ以外のものは委員が今おっしゃったようにいろんな見合いの資産がございますので別建てにしておったということでございますけれども、やはりいろんな議論をする上でこのバランスシートというものが必要になってくるだろうということになりましたので、大蔵省におきましても、実は主計局の次長のもとで私的な勉強会ということで、今鋭意頑張っておるところでございます。
 委員がおっしゃったように、資産の方で例えば港湾をどうするかとか、もともとあった国土、自然財産でございますが、こういうものをどう見るのか、大変難しいところがございまして四苦八苦しておりますが、できればことしの夏ごろまでに試作品をつくりたいということで鋭意頑張っておるところでございます。
○星野朋市君 ぜひそれはお願いをいたします。
 引き続きまして、経済企画庁については、堺屋長官しばしば御答弁に立たれておりますので、これも政務次官の小池政務次官にお答えを願いたいんですが、問題になっております消費の問題については、月例経済報告だと、百貨店の売り上げだとかチェーンストアだとか、それからスーパーだとか住宅とか、それから家電であるとか、そういうものの計数なんですね。今、じゃ実際にどんなものが売れているかということになると、巨大なディスカウントストア、これらの売り上げというのは、実は業界団体がございませんから毎月の統計には入ってきていません。それからかなり発達した通信販売、これらも同じく入っていない。こういうそごがあるわけですよ。それから若者たちが盛んに携帯電話でやり合っている通信なんかも、今までの統計にはなかなか入ってきてないんですね。ここら辺が消費の問題で多少実態と違うんじゃないかというようなことを私申し上げました。
 それから、政務次官が統計の方法についていろいろ改善するというお話がございましたけれども、その後どう変わっているのか。まして、来年一月六日から省庁の再編が行われますと、統計が各省で同じようなものをやっておったのがかなり整理されると思うんですが、この点について御感想をお願いいたします。
○政務次官(小池百合子君) 今御質問ございました特に個人消費に関連しての統計調査のことでございますけれども、経済情勢、そして景気動向を見きわめる上で統計調査のスピード感、そして正確さ、そういったものは非常に重要でございますし、また最近の産業構造、社会構造の変化、ライフスタイルの変化に合わせて消費の動向もかなりシフトしてきているということで、機動性が重要だというふうに認識をいたしております。
 また、先ほど大臣の方からもお答えさせていただきました景気ウオッチャーという制度ですけれども、いわゆるいろんな統計は数字であるのに比べて、景気ウオッチャー、これは実際に経済の息遣いが直接伝わるような、定量ではなくて質が伝わるような制度であるということから、これを今後とも肉づけし、また発展させていきたいと思っております。
 それから、前回、別の委員会の方で委員の方から御質問いただいて、そこで私、これからどんどん改善、検討していきたいというふうに申し上げました。それから若干時間がたちまして、幾つかの進行状況がございますので、御報告をさせていただきます。
 まず一点でございますけれども、個人消費動向でございます。経企庁と総務庁と共同で個人消費動向把握手法改善のための研究会、ちょっと長い名前ですけれども、これを設置しまして、実は今月中にも第一回の会合を開くことになっております。そして、新たな手法によりまして個人消費動向の把握の改善ということを現実に進めていっているところでございます。
 第二点といたしましては、GDPの速報値の検討委員会、これは四月七日に発足をさせております。
 第三に、先ほどのディスカウントの問題でございますけれども、新しい通信手段が今どんどん発達いたしておりますので、そうした十分これまでカバーされていない企業などのヒアリングを開始すべく準備を行って、テスト作業も実施しているということを御報告させていただきます。
 最後に、こういう質の問題は、仁徳天皇ではございませんけれども、民のかまどはにぎわいにけり、これを正確に把握することこそ最も重要なことだと認識いたしております。
○星野朋市君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、木庭健太郎君の質疑を行います。木庭健太郎君。
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。
 まずは、参議院公明党・改革クラブを代表し、景気回復の道半ばで倒れられた小渕前総理の本当に御健康の回復、これを何よりお祈り申し上げるとともに、難局に立ち向かう森総理、御健闘を私たちも期待しているところでございます。
 森内閣の最大の課題は何か、当然、景気回復を第一に進めなければならない、そういった関係の問題については私たち与党の仲間である自民党の皆さんからもさまざまの質問がございました。
 そこで、私は、雇用、景気について、細かい問題ですけれども二点ほどお尋ねをしておきたい。
 第一点は、労働省の行っております緊急雇用創出特別奨励金及び新規・成長分野雇用創出特別奨励金、これについて制度の趣旨とその現状をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(牧野隆守君) 御指摘の緊急雇用創出特別奨励金は、雇用失業情勢が悪化したときにセーフティーネット、そういう考え方から発動しまして、現下の厳しい雇用失業情勢のもと、特に厳しい状況にある中高年の非自発的失業者、この方々に限定して雇用を促進するものであります。これまで南関東ブロック、近畿ブロック及び沖縄県について発動され、本年四月十四日現在で、支給申請二千二百六十六人、支給決定千四百九人、支給決定金額約四億二千万円となっております。
 また、新規・成長分野雇用創出特別奨励金も、特に厳しい状況にある中高年齢者の非自発的失業者の雇用機会の創出を図る観点から、今後雇用の拡大が期待できる新規・成長分野における雇い入れを促進するものであります。この実施状況は、本年四月十四日現在で、支給申請件数千六百六十五件、支給申請人数二千二百九十五人となっておりまして、このうち審査を終え支給済みのものは千二百七十人分で約八億円となっております。
○木庭健太郎君 この基金は、それぞれ総額は幾ら抱えているんですか、労働大臣。
○国務大臣(牧野隆守君) ただいま御返事申しましたとおり、緊急雇用創出特別奨励金制度につきましては四億二千万円。
○木庭健太郎君 もとの基金の枠。
○国務大臣(牧野隆守君) 予算ですか。──新規・成長分野雇用創出特別奨励金につきましては、昨年の八月より実施いたしておりまして、二年半、平成十三年度までの予定で一般会計から九百億円の予算をいただいております。
 また、緊急雇用創出特別奨励金につきましては、平成十一年一月から平成十四年三月まで実施することにいたしておりまして、先ほど申しましたとおり、平成十二年三月三十一日現在の支給決定額は三億七千八百万円、千二百六十人分でございまして、この予算は六百億円を予定いたしております。
○木庭健太郎君 なぜ利用が少ないんでしょうか。
○国務大臣(牧野隆守君) 緊急雇用創出特別奨励金と申しますのは、特定求職者雇用開発助成金、これは四十五歳以上の非自発的失業者に対しまして一年間に賃金の三分の一または四分の一を助成する、こういう制度でございまして、これが約六百億円支給されております。そしてこの上に、こういう方々に今申したセーフティーネットということで、特定求職者雇用開発助成金をいただいている方々に対して地域的に緊急にあれを補助しなきゃいけない、その条件が実は非常に難しいわけでございまして、全国において連続する三カ月の各月における完全失業率が五・二%を超える場合、それから地域につきましては、連続する二四半期の完全失業率の平均が五・四%を超える場合、こういうことで実は失業率に一応枠をはめているものですから、一般的な非自発的失業者に対しての制度は一応お金は流れておりますが、こういう特別の事態のときのセーフティーネットということで、そうなった場合にはきちっとやりますよということでございますが、そこまで上がっていないという状況で使用されていない、こういうことでございます。
○木庭健太郎君 新規の方、新規。
○国務大臣(牧野隆守君) それから、新規分野につきましては十五分野を予定いたしておりますが、これにつきましては、事業主が雇い入れ計画を事前に作成しなさい、そしてこの計画によって三十歳以上六十歳未満の非自発的離職者を雇い入れる事業主ということで、実はこの雇い入れ計画を事前に作成する等々の面で制度的に非常に難しいというのが私どもの実際の調査でわかってまいりました。
○木庭健太郎君 要するに、何を言いたいかというと、せっかく政府でこの制度をつくった。現実、やろうとしたら、今、大臣おっしゃったとおり、いろんな問題点がある。いろんな問題点があったらどうすればいいか。それは、今これだけ雇用が厳しい中で我々何を考えればいいか。使いやすいようにどう変えるか。それをやるのが私は、官僚ではなかなかできない、大臣がここはどうすりゃいいんだというのをある意味では考えながら、官僚の頭をひっぱたいて、変えていって本当に使いやすい制度にすることが一番大事なんですよ。
 せっかくの制度が使われていない。この辺がある意味じゃ国民のいらいらとか不信感を与党とか政府に投げてくる理由なんです。どう改善しますか、これ。やってください、これ。
○国務大臣(牧野隆守君) こういう状況にございますので、私から事務当局に、おととしにできた制度であるものですから、実際に稼働していない、至急検討しろと、こういうことで、この非自発的失業者だけに限定するかどうか、新卒者を対象にするかどうか、それから職業訓練を受けた人をミスマッチを排除するために積極的に雇い入れてくださいと、こういう形で条件変更をただいま検討いたして事態に備えたい、こう考えているわけでございます。
 これは、新規・成長分野についても雇用創出特別奨励金、両制度について条件を緩和しよう、それから三カ月とか五・四%という失業率が果たしていいのかどうなのか、恐らく五%を上限として決めなければいけないんじゃないかと、今早急に事務局に検討を命じている次第でございます。
○木庭健太郎君 私も与党ですから、余りけんかしてもしようがないので、ぜひ本当に使いやすいように変えていただきたい。
 雇用が厳しい状況の中でこういうお金が余って、余ってどうなっているんだというのは国民のこれは不信ですよ、やっぱり。こういうものがきちんと使えるように変えていく、これがまさに私は大臣の一番大事な仕事だと思いますので、今おっしゃった点でぜひやっていただきたいと思っております。
 逆に、政府がつくった制度の中で非常に使われている制度がある。通産大臣、いわゆる中小企業の金融安定化特別保証制度、これはかなり使われている。現状、貸し出し状況及びその返済状況について御答弁いただきたい。
○国務大臣(深谷隆司君) 貸し渋りのあらしが吹いた一昨年、中小企業の皆さん方を守ろうということで、御党も含めて御相談の上、十月の一日から保証制度というのを開始したわけでございます。
 二十兆という枠でありましたが、私が通産大臣になりましてから、去年のことですが、これでは恐らく来年の三月まではもたないのではないかというので御相談申し上げて、十兆円足しまして一年延長ということをさせていただきました。
 最初の二十兆は本年の二月いっぱいをもってすべて貸し出しが完了いたしましたから、あのとき十兆足したので助かったなと思っておりますが、現在の貸し出し状況というのは二十一兆一千億円でございます。
 それから返済状況でございますが、御案内のように一年後に返す方もいらっしゃいますが、大体翌月から、一年後に返済する方は全体の一割でございまして、大体八割近くは翌月から返していただいておりますが、中小企業の皆さんが非常に一生懸命頑張って、現在、代位弁済率、いわば事故率に当たりますが、それは一%で、政府系金融機関の貸し出しとしては極めて順調にいっていると思われます。
○木庭健太郎君 大臣、ちょっと心配しているのは、ことしの三月になって、この制度を利用しているんだけれども残念ながら倒産した企業というのがいろんな機関の調査を見ますと三百件以上という、それまでは百件か二百件なんですよ、ちょっと数字が急増しています。この辺をやや私たちも心配しております。どんなふうに大臣は分析をされているか、お聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) おっしゃるとおり、平成十二年三月の倒産件数というのは、中小企業の倒産件数でいくと千七百四件でございます。そして、それは前年同月の倒産件数と比べますと四一%の増加ということになります。ただ、一昨年の一、二、三月というのは不況時の中でも非常に倒産が少なかったときでありますから、それと比べると極めて大きい感じがいたします。
 全体を通して、昨年と本年の三月までを比較いたします。一昨年、十年度の時期と、十一年度のつまり三月までの時期を比較いたしますと、これは三・一%減少している。しかし、いずれにしても増加の傾向にあることは間違いがありませんから、あらゆる融資条件その他を考えながらしっかり対応しなきゃならぬと思います。
 ただ、資金繰りを理由にしての倒産というのは極めて変化しておりまして、平成十年前半の二〇%前後の水準からいきますと、一二%ぐらいでございますから、少なくとも資金繰りに関してはまずまずかなというふうに思います。
 それから、三月の三百件という中小企業の倒産件数、多うございますけれども、ただいま申し上げたように代位弁済率が一%でございますから、借りている方々の中の倒産件数というのはそんなに驚くような状況ではないと判断しています。
○木庭健太郎君 この問題について私ども中小企業の公明党として調査をしたときに一番多い声が何だったかと申しますと、やはりこの問題についてもう少しきめ細かな返済のあり方、例えば返済期間の問題、返済条件の問題、もちろんモラルハザードを起こしてはいけません、しかし現実にそういった問題に対応する時期が来ているような気もします。
 我々は総理にも申し入れましたけれども、この点について、通産大臣はどうお考えか、御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 委員が御指摘のように、御党の調査の中でもいろんな要望というのが示されております。現実に私どもの方にも、例えば既往債務者が返済猶予等について考えてくれという声もございます。それから、条件等についての緩和はどうだろうかということであります。
 そこで、一応私どもといたしましては、個々の借り手の状況を十分に判断して適切な対応をしなければならないということを指示いたしておりまして、昨年の十二月には全国の五十二の信用保証協会の会長にも私から直接その旨を申し上げました。
 いずれにしても、中小企業の皆さん方がせっかく頑張っておられるんですから、親切、迅速な窓口の対応を通して御期待にこたえていかなければならぬと考えます。
○木庭健太郎君 さて、総理、総理は所信表明の中で循環型社会の問題を取り上げていただきました。私ども公明党は、二十一世紀の社会の一つの改革というか、社会の一つのあり方がこの循環型社会だと、こう思っております。ことしが政府として元年というとらえ方もしております。
 ぜひ、総理から国民にわかりやすく、循環型社会、この元年というのはどういう意義があるのか、また政府としてどう取り組む決意でいらっしゃるのか、これをわかりやすく御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 廃棄物リサイクル対策の推進は、これは我が国におきます喫緊の今課題であるということはよく認識をいたしております。
 また、私も幹事長をいたしておりましたときにも、自由党、公明党との連立の際、また新たな連立の際、すべて貴党におかれましてはこの循環型社会というものを強く打ち出していらっしゃいまして、我々の党としてもこのことにしっかりおこたえをしていかなければならぬ、このように申し上げてきたところでございます。
 この課題に対応してまいりますためには、やはり大量生産、大量消費、大量廃棄というそうした我が国の社会のあり方、これをまず見直して、生産、流通、消費、廃棄といった社会経済活動の全段階を通じて、物資の循環を基調とした環境への負荷の少ない環境型社会を構築する、これが重要である、こう考えております。
 このため、政府といたしましても、今年度を先ほど御指摘ございましたように循環型社会元年というふうに位置づけて、今国会に循環型社会の構築に関する基本的な枠組みになる法案を提出いたしておるところでもございます。循環型社会元年を画するこの法案の速やかな成立をぜひお願いしたいと考えておりまして、循環型社会の形成に向けて政府としても総力を挙げて取り組んでまいりたい、このように考えております。
○木庭健太郎君 今、総理に国民にわかりやすくと申し上げたのは、この循環型社会の基本法を今出しているんですけれども、実際に市民運動に取り組んでいる皆さんからすると、何か形だけつくって肝心の魂がどうなんだとか実効性がどうなんだとおっしゃる方が実はいろいろいらっしゃるんです。特に、デポジットあたりに取り組んでいる皆さんにとってみれば、今回の基本法でこれがもう完全につぶされてしまったような誤った認識をお持ちになっている方がいらっしゃったりするんです。
 ですから、ここは環境庁長官が担当ですから、私は、環境庁は、例えばこのデポジットを含む経済的負担について、措置をどう考えるのか、これをお聞きしたいし、ともかく基本計画を今からつくり上げる三年間が一番大事だと私は思っていますから、これにどう本当に環境庁として取り組んでいくのか、環境庁長官からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(清水嘉与子君) 今、先生が御指摘のように、デポジット制度を含みます経済的な負担措置というのは環境政策上非常に重要な政策課題だというふうに思っております。
 しかし、こうしたデポジット制度を導入するということに対しましては、やはり国民の皆様方に具体的に御負担を求めるわけでございますので、その効果あるいは経済に与える影響、こうしたものを適切に調査研究する必要があると思いますし、またそれを導入するときには国民の皆様方にも御理解いただかなきゃいけないし、御協力を得ることも大事だというふうに認識しているわけでございます。
 そこで、このような考え方は今御審議いただいております循環型社会形成推進基本法案の第二十三条第二項におきまして規定をしておりまして、経済的な負担措置の導入に向けての道筋を明らかにできたというふうに考えているところでございます。
 今後、本年度の予算でもお願いしているわけなんですけれども、本規定の趣旨を踏まえまして、この問題につきまして制度の効果等に関する調査研究を進めることにしておりまして、こういったものをベースにしながら国民の皆様の御理解と御協力を求めてまいりたいというふうに思っております。
 また、先生御指摘のように、これからの三年間ということが大事だという御指摘がございました。実は、循環型社会を推進するために平成十五年の十月一日までに環境大臣が循環型社会形成推進基本計画をつくるということになっておりまして、この間に、そうはなっておりますけれども、できるだけ早く計画を策定したいというふうに考えておりますけれども、まず計画の策定に必要な循環資源にかかわる実態調査、実態把握、そして調査分析を進めるということも必要でございますし、またこの計画案をつくりますときに、一般の国民の皆様方あるいはNPOの皆様方、多くの皆様方の御意見も反映させなきゃいけないというふうに思っておりますので、中央環境審議会におきますヒアリングでありますとかあるいはパブリックコメント、こういったものの手続をいたしまして皆様方にたくさん御意見をちょうだいし、そして廃棄物リサイクル対策を総合的に進める、そうした内容にしたいということで十五年までの間しっかりと頑張ってまいりたいというふうに思っているところでございます。
○木庭健太郎君 私は、この循環型社会とともにもう一つ大事な視点、それは二十一世紀へ向けたバリアフリーの社会の構築だと思っております。法案を運輸省を中心に出していただきましたが、今、関係閣僚会議ができているとお聞きしております。
 官房長官、このバリアフリー関係閣僚会議、どういう現状になっているか、御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) お答えをいたします。
 すべての人が安全で快適な社会生活を送ることができるよう社会全体のバリアフリー化を効果的かつ総合的に推進することは、政府として非常に重要な問題であろうと認識をいたしております。
 こういう認識に基づきまして、バリアフリー化を政府一体として取り組むことといたしまして、ハード面、ソフト面を含めた社会全体のバリアフリー化を推進するため関係閣僚会議を開催することにいたしました。第一回会合を三月二十一日に開いたところであります。
 第一回の会合においては、関係閣僚から各省庁における考え方や取り組みについて御説明をいただきましたが、今後とも、バリアフリー化をさらに推進するために機会をとらえて関係閣僚会議をたびたび開催し、そしてそういう問題に備えていきたい、内閣としてはそのように考えております。
○木庭健太郎君 この会議を提唱したのは郵政大臣とお聞きしております。
 郵政大臣、今の社会がバリアフリー化に対してどうなのかという現状認識は御自身独自にお持ちだと思います。それも聞かせてもらいたい。
 さらに、これからもう一つ大事になってくるのは、情報のバリアフリー化の問題も大事な問題だ。これに関して郵政大臣、御自分の担当ですから、どう取り組むつもりかもあわせて御答弁をいただきたい。
○国務大臣(八代英太君) お答えいたします。
 参議院時代、厚生委員会では木庭委員と障害者基本法等々も含めて議員立法をさせていただきまして、大変深い御理解をいただいていることをいつも感謝をしております、コバったときはコバ頼み、こんなような思いでございまして。
 実は今、高齢化時代を迎えておりまして、私も含めて障害を持つ人々の問題、また障害者だけでなくて、介護保険制度もスタートいたしましたが、これも高齢者が障害を持つがゆえだと思うんですね。そういう意味では、社会全体でバリアフリー化ということは大切でございます。
 昨年十月五日、小渕総理から郵政大臣を拝命いたしました。首相官邸は大変古い建物でございましたが、あそこは階段を私の車いすを上げてもらっておりました。しかし、小渕総理がそれを見られて、これはいけない、この古い建物の官邸にも車いすで自力で上がれるようにしようじゃないかということで、実は昇降機を総理の温かい気配りでつくっていただきました。
 そんな折に、折しも二階運輸大臣が交通バリアフリーに対して大変強いリーダーシップを発揮されて、そしてこの法律が上程されました。今、参議院で御議論いただいていると伺っておるわけですが、しかし、移動、交通だけではなくて、建物の問題、町づくりの問題となりますと、中山建設大臣も大変積極的に取り組んでいただいておりますし、この機会にそれではバリアフリー閣僚懇というものをつくっていただきたいと青木官房長官にお願いしました。青木官房長官に音頭をとっていただきまして閣僚懇がスタートしたわけでございます。
 私もみずからが車いすではございますけれども、障害者にとって優しい町また便利な町は高齢者にとっても優しい町である。しかも、これから高齢化時代を迎えるとするならば、そうした皆さんの、高齢者特有の障害予防のためにも、車いすでも気楽に、あの祭りに、この町に出かけられるような、そういう町づくりが、みんなで考えていく時代がやってきたんじゃないか。まさにバリアフリーの風が日本も吹き始めている、こういう思いに立ちまして、できるだけ早く閣僚懇の全体の意見をおまとめいただいて、むしろ国民の皆さんも、今こういう時代でございますから、万人のための二十一世紀を迎えるためという思いでございます。
 そこで、私ども情報通信時代を迎えますと、情報格差もこれも大変ございます。インターネットができる人できない人ということでなくて、特に障害を持った人たちのためにもそういう情報バリアフリーということも我々郵政省としても積極的に取り組んでいきたい所存でございます。
 また引き続き御指導をよろしくお願い申し上げます。
○木庭健太郎君 今、郵政大臣からお話がありましたように、総理、私はこのバリアフリー社会の構築というのは、一つは例えば公共事業の質のあり方も変えていきますし、もう一つ言うならば、二十一世紀、日本が本当に人権国家であるというふうに言えるとするのは、その基盤はまさに、こういうバリアフリーができている、まさに人権国家日本と言える基盤はこういうものにあるのではなかろうかと思っております。
 私たち公明党としてもぜひ二十一世紀の社会をそういったものにしたいと思っていますし、私自身もそう決意をしていますが、総理からバリアフリー社会構築へ向けた決意を伺って、関連質問に移りたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 高齢者や障害者等を含めすべての人が安心をして日常生活を営み、積極的に社会参加ができ生き生き暮らすことができるバリアフリーの社会の実現は極めて重要な課題であるということを私も認識いたしております。
 特に町づくりの分野におきましても、今、木庭議員と郵政大臣のお話のやりとりもございました。また、多くの人々もそういう関心を持ってくださるようにもなりました。そういう意味で、さらにこれを、公共のいろんな建築物の整備や、さらにまた鉄道駅の旅客施設や、その周辺の道路、駅前広場等のバリアフリー化をさらに重点的、一体的に推進することを目的として、今、国会においてもそうした法案の御審議もいただいているわけでありまして、国を挙げて新しい二十一世紀はこういう優しい国づくり、優しい町づくりなんだよということを、国民すべてがそういう方向で努力していくことは極めて重要であるというふうに考え、政府としても積極的に取り組んでまいりますことを表明いたしたいと思います。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。松あきら君。
○松あきら君 公明党・改革クラブの松あきらでございます。
 冒頭に、先ほど片山先生からもお話が出ましたけれども、私の地元の横浜市で、小学校二年生の男子が誘拐されるという事件が起きました。本日未明に無事に保護をされました。本当にうれしく、安心をいたしました。関係者の皆様に心から御礼を申し上げたいというふうに思います。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 森総理は、長らく御自身の政治信条といたしまして教育問題を掲げられてこられました。また、総理はラガーマンでもいらっしゃいます。
 午前中の質疑の中で、島サミットでも基調演説の中で、一人はみんなのために、みんなは一人のために、これを掲げられて盛り込まれたと伺いました。私、こういう精神は本当にすばらしいというふうに思うわけでございます。
 しかし、残念なことに、今、社会全体でこういった姿勢が見当たらなくなったというふうに思います。私も母といたしまして、私自身の体験から当選以来一貫してさまざまな角度から教育問題に取り組んでまいりました。今、子供たちは心身ともに病んでいるというふうに思います。子供たちのひとみ輝く二十一世紀にするために、私どもは一丸となって取り組まなくてはいけないというふうに思います。
 総理の教育に対する基本的な御所見を伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(森喜朗君) 私はたびたび、この五十年たって、日本のいろいろな仕組みは日本の成長のためにも発展のためにも大変大きな役割を果たしてきたけれども、やはり時代に少し合わなくなってきている面がありますねということを申し上げてきました。
 例えば、こんなに高学歴社会になるとはだれも予想していませんでした。私たちのころは、大学に行くというのはせいぜい一けた台でございました。今は恐らく高等教育機関は、いわゆる各種学校、専門学校などを含めますと六〇%以上、七〇%近くではないかなという感じがいたします。高等学校への進学率もこういう数字になって、ほとんどすべての皆さんが望めばということになるわけでありますし、そういうことも新たに考えていかなきゃなりません。
 また昔のことを申し上げて恐縮ですが、教育改革をやりますと仕組みのことにすぐ目が行ってしまいまして、そこの中で必ず権益を守るということになるんです。
 私自身も文部大臣をやっておりまして、いろんなことをさまざまに問いかけてきましても必ず、例えば幼稚園と保育所の問題は文部省と厚生省との権益がある、あるいは同じ学校の中にも、幼稚園までは大体幼児教育は私立学校が負担をしている、高等教育機関も逆に言えば八割ぐらいが私立学校だと、義務教育諸学校がほぼ公教育ということになる。そういう中でお互いの役割分担みたいなものに対しても、そこを思い切って広げて、そして自由闊達な選択をしていけるような仕組みにしようと思いましても、なかなか今までの既存の方々の枠を乗り越えられないという面がございます。
 今、松議員、お母様だというお話をされましたが、幼児教育の問題でも一体何歳から教育を身につけたらいいのか。逆に言えば、就学年齢というのをどう一遍考えてみるのか。保育園と幼稚園とのそこの差もございますし、幼稚園の中にも三歳児入園もありますし、四歳児もあるわけでありますし、もう少しそういう根底の問題をみんなで考えてみていただきたいなと、こういうふうには思っております。
 それから、その仕組みだけではなくて、先ほどからの御質問の中にもありますけれども、私は今のこの社会、きょう、先生のお地元の方の誘拐事件が無事解決して本当によかったし、学校の校長先生が本当に躍るようにして喜んでいらっしゃったのが印象的でございました。お父様、お母様がどんなに喜んでいらっしゃるだろうかと、そう思います。
 そういう中で、今の学級崩壊だとか不登校だとかという、学校にある現場のそういう現象というものは子供たちの本当に責任なんだろうか。むしろ、そういう子供を育ててきた私どもも含めた大人社会にあったのではないか。それは何だったんだろうか。何が子供の教育に足りなかったんだろうかということを、やはり私はこの際すべての皆さんが反省してみる必要がある。
 教育の成果というのはやっぱり私は五十年かかるだろう、こういうふうに思っております。二十一世紀、本当に世界から尊敬され得るそういう国家社会にしていくためにも、ここは、教育の諸制度、仕組みもありますし、同時に人づくりの基本というのは何なのかということをみんなで真剣に考えていく。そういうことが教育改革にとって極めて重要なことだ、こういうふうに考えております。
○松あきら君 ありがとうございます。
 やはり既存の枠を乗り越える、大人社会に何か原因があるのではないか、これは私も全く同じ意見、考えでございます。
 しかしまた、国際競争の中で個性のある人材、また能力のある人材をますます社会は求めている、これも事実だと思うんですね。そしてまた、それに塾が大きな役割をある意味では果たしている。やはり能力、個性というのはそれぞれ違いますから、それを伸ばしていく。公立の学校がその役割を果たせなくなっている、こういう現実もあるという、こういう中でますます受験戦争は激しくなっておりますし、またそれに関連して、教育費は重く家計にのしかかっている。
 こういう構造の中で、個性ある教育あるいは能力ある教育、こういうものを伸ばす、こういうことに関しては、総理、どのようにお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 文部大臣からお答えいただくことが適切かなと思っていますが、もう既に、大学に受験をする、高等教育のいわゆる定員割れはほとんどの大学の現象になってきていると思います。もちろん少子化という問題もあると思います。
 それから、なぜいい大学へ行きたいのかといえば、いい会社に行きたい。そのいい会社というのは何だろうといったら、よく私も言われたことで、選挙区の方の就職の相談に乗りますと、そんな会社は嫌だと。どうしてと言うと、テレビのコマーシャルになっていないような会社はだめだと言うんですけれども、今やテレビのコマーシャルはもっともっと大衆化しているような感じがいたします。
 いい大学に行って、いいところのいい上場企業に入るという時代はもう私は数年で終わるんじゃないか。むしろ個性的ないい人間を、いい若者を企業が求めていくという時代、そして逆に言えば、終身雇用制というのはやはり自然とこれは変化をしていく、そして本当に企業が必要な人材を求めていくという、そういう時代に入れば、やっぱり人間教育が中心だろうと思うし、それからもう一つは、今、先生御指摘のように、能力をどんどん伸ばして、そして科学技術その他含めてリーダーシップをとっていけるような人も伸ばしていかなきゃならない。
 私は、平等の悪平等というようなこともちょっと先ほど申し上げたように思うんですけれども、やはり個性を伸ばしていくことに対してみんなのやっかみがあるということであってはならないのであって、能力というものをしっかり指導者が認めて、そして積極的に伸ばしてあげる、その能力に応じた教育の中でみんなが楽しく学ぶことができるという、そういう教育現場というものをやはりつくるように努力していくということが大事じゃないかなと思っております。
○松あきら君 ぜひそのようによろしくお願いしたいというふうに思います。
 少子化問題にも少し触れたいというふうに思います。
 女性が働きながら子供を産み育てる、こういう環境づくりの大切さ、これも報告をされているわけでございますけれども、先ほど総理からも保育園、幼稚園のお話が出ました。しかし、実際はなかなか女性が働きながら産み育てるということは難しい今の状況なんですね。
 例えば二人お子さんがいる場合、一人は一歳だと保育園、四歳だと幼稚園、こういうことになりまして、実際にあっちの幼稚園、こっちの保育園へ行かなきゃならない。こういった本当に若いお父さん、お母さんの苦労という話もいろいろ聞くわけでございます。
 やはり私は、一貫してゼロ歳から六歳まで安心して預けられるように、例えば文部省と厚生省と所管が違うなんてそういうことを言っている場合じゃないと思うんです。時代はそういう時代じゃない。そういった意味では、幼保の一元化を含めて整備をし直す時期が来ているのではないかというふうに思いますけれども、これは文部大臣、厚生大臣にお伺いした方がよろしいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 幼稚園と保育所は異なる目的、役割を持つ施設であるわけでありますけれども、また一方、両方の施設とも就学前の児童を預かるという、そういう意味では同じような機能を求められているわけでございます。
 そういうところから、今、委員がおっしゃいましたように、私どもは厚生省とも十分な連携をとりまして、いろいろな面で連携を強化するように努力をしているところでございます。施設を共用化するとか、あるいは教育内容や保育内容の整合性を確保するとか、幼稚園教諭と保育士の合同研修を行うとか、また子育て支援事業の提携実施などの取り組みを行っているところでございますが、今後も、幼稚園と保育所のあり方に関する検討会というものを両省で行っておりますので、これらを通じてさらに幼稚園と保育所が連携を深め、子供さんたちがスムーズな保育が受けられるように努力をしていきたいと思っております。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私は、厚生大臣に就任する前に自自公の与党三党の少子化検討会の座長をしておりまして、そういう観点からこの問題、今、委員が御指摘のような幼保の連携ということが大変重要であると。地域によっては幼稚園がある、地域によっては保育園しかないとか、さまざま偏在の問題というものも指摘されておるわけでございます。
 文部大臣からお話がございましたけれども、そういうことで一昨年来、厚生省と文部省はこの問題につきまして協力いたしまして、一つは施設の共用化、具体的に申しますと例えば事務室であるとかそれから園庭、こういうようなことを図っていく。それから、一番大きなことは、これまで例えば保育園の場合には社会福祉法人が設置要件であったわけでございますけれども、これに今度は学校法人も認めるというようなことでございまして、いわゆる設置主体の制限の撤廃、こういうようなことを図っておるような次第でございます。
 単に少子化対策のみならず、やはりあくまでも住民のニーズにこたえまして、今後とも両省間で十分に連携を図りながら、幼保のいわゆる連携のために協力をしていきたい、このような決意でございます。
○松あきら君 ぜひこれは二歩も三歩も進めていただきたいというふうに要望申し上げます。
 私ども公明党は、児童虐待防止策の強化を初め七つの署名活動を行いまして、二千五百四十七万人の署名が集まりました。特に女性委員会を中心にしましてアレルギー疾患対策、これは千四百六十四万人もの署名が集まったわけで、森総理にもお渡しをさせていただきました。
 国民の約四人に一人が何らかのアレルギーに悩んでいる。かく言う私もアレルギーなのでございますけれども、やっと私の地元の神奈川県に国立相模原病院、ことしからこの取りまとめ役になりまして、それぞれの研究成果を共有するネットワークを構築することになりました。
 アレルギーの原因が多様に関連しているので、政府はアレルギー対策関係省庁連絡会、これを一つつくっているんです。もう一つは、基準づくりを中心としたシックハウス対策関係省庁連絡会議、こういうのがあるんですけれども、しかし、一時的な連絡会議ではなくて、やはり常設の機能的な統括した機関にぜひこれはしていただきたい、そして研究費なども思い切ってつけていただいて、総力を挙げて取り組んでいただきたいと要望いたします。
 総理の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) かねてから御党がこのアレルギーの問題につきまして大変熱心に取り組んでいらっしゃいますことに対しまして、まず敬意を表したいと思います。
 厚生省といたしましては、平成九年度から厚生省、環境庁、文部省などから成ります連携会議を設置いたしまして、関係省庁と十分に連絡をとりながら、免疫さらにアレルギー研究の効果的な推進に努めてきたところでございます。また、今御指摘の居住環境におきます化学物質などによります汚染によりまして健康被害、いわゆるシックハウスの問題の取り組みにつきましては、一層効果のあるものにするために、厚生省、建設省など関係五省から成りますシックハウス対策関係省庁連絡会議というものを今月設置したところでございます。
 今後とも、これらの会議を定期的に開催いたしまして、充実させて機能的な運営を図りまして、大変このアレルギーというのが深刻な問題でございますが、なかなか原因がつかみにくい問題でございますけれども、厚生省といたしましては、アレルギー研究をより積極的に推進するために、平成十二年度におきましてはアレルギー研究に関する予算を三十八億円から一気に百一億円に増額したわけでございます。
 いずれにいたしましても、大変大きな社会問題でございますので、この問題に積極的に取り組んでいく決意でございます。
○松あきら君 ぜひ大臣、よろしくお願いをいたします。
 私どもは臍帯血移植も推進をしてまいりました。そして、たくさんの署名をいただきまして臍帯血バンクもできたわけでございます。そして、そのバンクができたおかげで東海村の臨界事故にも間に合いました。本当にこれはうれしく思っております。
 しかし、昨日、ある新聞報道によりますと、臍帯血移植の保険適用が見送られ、費用の一部が患者負担になると報じられました。これは事実ですか。
○政務次官(大野由利子君) 委員が御指摘のように、臍帯血、赤ちゃんを出産したときのへその緒とか胎盤に造血幹細胞が多く含まれて、白血病等の難病に大変効果がある、提供者の負担もないということで最近大変注目を浴びております。
 臍帯血移植につきましては、ことしの四月、診療報酬改定におきまして、新たに臍帯血移植に必要な検査、HLA検査とか組織適合性検査、このように呼ばれておりますが、これらの検査費用の一部に医療保険が適用されまして、技術料に包括して評価することとして、これに伴い、臍帯血移植の点数が二万一千点から二万六千六百点へ引き上げを行ったところでございます。
 また、臍帯血バンクに対する国庫補助につきましては、臍帯血移植推進のための体制整備を図る観点から、採取とか検査とか保存等を行う臍帯血バンクに対して補助を行っており、平成十二年度においては四億円から五億七千万円へと約一億七千万円の増額を行ったところでございます。
 なお、厚生省からさい帯血バンクネットワークに確認したところ、患者の一部負担を求めるという、こういう提案や決定はしていないという報告を受けたところでございます。一部誤解を招くような報道がなされたことを大変遺憾に思っております。
○松あきら君 やはり事実でないことをあたかも事実のように載せるということは、私はもうこれは断固許せないというふうに思います。しかし、こういう記事が出るのは、やはりこれは医療機関にこういったことの趣旨が徹底されていないからではないかというような気もいたすわけでございます。
 この辺に関しまして、厚生大臣にちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) どういう経緯であのような報道がなされたかにつきましては私は承知いたしておりませんけれども、この臍帯血移植というのは、御案内のように、私の地元でございますが、東海村のいわゆる放射能のときの移植の問題、このときにも、この臍帯血によりまして命が助かりまして大変注目されたわけでございます。白血病等の治療法の一つとして極めて重要な役割を果たしておる、こういうふうに考えておるわけでございます。
 そこで、厚生省といたしましては、平成十一年度において新たに臍帯血バンクに対しましておよそ四億円の国庫補助を行うとともに、平成十二年度におきましてはさらに五億七千万円の予算を計上いたしておるような次第でございます。
 委員御承知のように、現在、移植手術につきましては保険適用にされておるわけでございますけれども、臍帯血そのものの利用料につきましては、バンクごとに患者負担というものに、その取り扱いにちょっと差があるのが現実でございます。
 私ども厚生省といたしましては、このバンクの運営であるとか、それから患者さんの給付と負担のバランスを踏まえる必要がある、こう考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、患者間の公平の確保を図るという観点から、利用者負担に著しい不均衡が生じないように努めるということがまず第一点。それから、委員の御指摘のような負担をできるだけ今後軽減できるような方向で、いずれにいたしましても、大変御熱心に取り組んでいらっしゃるわけでございますけれども、この臍帯血移植を推進する方向でひとつ取り組んでいく決意でございます。
○松あきら君 今まで捨てていたもので人の命が救える、すばらしいこの制度をどうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、次に、今、日本は第三次覚せい剤乱用期という非常に深刻な状況にあるというふうに思います。覚せい剤事犯の検挙者数は平成七年度以降急激に増加して、一年間の押収量も約二トンという史上最高量となっているわけでございます。ここ数年、麻薬や覚せい剤の乱用の危険性に対する認識が薄れる中で、やはり青少年の間にも麻薬、覚せい剤の乱用が広がっていることは極めて憂慮すべきで、家庭に悲惨な結果をもたらしているわけでございます。
 堂々と密輸を許してしまう警備体制、どうなっているのかなと、この辺にも憤りを覚えるわけでございますけれども、私もホームページで薬物乱用防止キャラバンカーの巡回利用を推進してまいりましたけれども、日本の国を守り、若者を守るためにも総力を挙げた対策が必要と思います。
 総理の御所見を伺って、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(森喜朗君) 大変大事な問題でございますので、自治大臣の方、国家公安委員長としてもお話ししたいことがあるそうでございますので。
○国務大臣(保利耕輔君) 簡潔に御答弁申し上げたいと思いますが、御指摘のとおり、第三次覚せい剤乱用期になっております。委員がいろいろ御努力をいただいていることに対しては感謝を申し上げたいと思います。
 なお、このような状況に対処いたしますために、平成十年の五月に薬物乱用対策推進本部におきまして薬物乱用防止五カ年戦略を策定いたしておりまして、その中で、青少年の薬物乱用傾向の阻止、密売組織取り締まりの徹底、密輸の水際対策及び国際協力、それから再乱用防止の四つの目標を掲げて努力をしておるところでございます。
 国家公安委員会としてもこの件につきましては非常に重視をいたしておりまして、昨年の押収量が二トン弱でございますが、これを注射の回数に換算いたしてみますと、実に六千五百万回の注射が可能な量を押収いたしておるわけであります。しかし、市中の麻薬の販売価格はそう高騰をいたしておりませんで、これは陰にかなり密輸があるというふうに私は認識をいたしておりまして、警察庁を督励して、どのぐらいのものが入っているのか想定をし、それの対策を十分立てるように今指導をいたしておるところでございます。
 さらに、水際での取り締まりをきちんといたしますために、警察庁を中心にいたしまして関係する諸省庁、つまり税関を管轄します大蔵省でありますとか、厚生省あるいは港湾当局、こういうところとの連絡を密にしながらこの水際対策に万全を期してまいる、こういうことで警察庁を督励しております。
○松あきら君 ありがとうございました。
○木庭健太郎君 どうもありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で木庭健太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 私は、切実な声が寄せられている介護保険の問題についてお聞きしたいというふうに思います。
 私たちの調査では、介護を受けている人の一五・三%が利用料の負担などの経済的な理由で介護サービスを低下させている、こういうことがわかりました。なぜこんなことが起こったのか。今まで八割の人が無料で受けていたヘルパーの訪問介護、これは一時間で約四百円になるんです。それから、今まで一回二百五十円の負担で受けていた訪問看護、これは一時間で約八百三十円になります。一月にすると大変な負担増であります。こうした負担が払えないから必要な介護も断る人が出ているんじゃないでしょうか。
 総理にお伺いしたい。介護のために介護保険をつくったわけですね。ところが、介護保険ができたために介護が受けられなくなっている。こんなことがあってはおかしいと思うんです。一割の利用料の軽減を図ること、これは緊急の課題じゃないかと思うんですが、どうでしょうか。──総理に聞いているんです。
○委員長(倉田寛之君) 実務的なことでしょう。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、この四月からスタートいたしまして私どもが一番懸念をいたしましたのは、これまでサービスを受けていた方のサービスが途切れるんじゃないか、こういうことでございまして、私ども厚生省といたしましてはケアプランの作成、こういうことに大変な力を注いでまいりました。おかげさまで、市町村の御努力にもよりまして八三%近くの方々がケアプランをつくっていただきまして、とにもかくにも大きな混乱なくスタートをいたしておるわけでございます。
 そこで、委員の御指摘の点は価格、価格といいますか利用料の問題に関連してくる問題だと思っております。
 私どもは、低所得者に対しましては当然のことながら上限、限度額というものを設けておるわけでございます。しかも、一般の方に比べましてよりきめ細かくということで、限度額を二段階に分けておるわけでございます。また、例えばホームヘルプサービスなどは、これまでどちらかというと比較的低所得者の方に利用を受けている方が非常に多かったわけでございますので、こういった観点から激変緩和に立ちまして、経過的に一割の負担を三%に軽減する、こういうような措置を行っておるような次第でございます。
 それから、低所得者の方に関しましては、今申し上げましたように一般より低く設定をいたしておるほか、利用者負担が困難な方に対しましては生活福祉資金貸付制度、委員も御案内だと思うのでございますが、こういうことの拡充などの措置を講じまして、そのようなことがないようにやっております。現に、介護保険を導入する前と導入した後を比較しました場合、サービスを利用する方が二三%ふえておるわけでございます。
 それから、全般的な傾向といたしましては、認定度が重い方がサービスの給付がふえる傾向になっておるわけでございます。さまざまな問題がございます。私もドイツへ行ってまいりまして、ドイツでは五年たってもまだ試行錯誤でございますけれども、おかげさまでまずまず順調にスタートしておる、このような認識に立つものでございます。
○小池晃君 新しい保険制度が始まったんですから、サービス量がふえるのは当然なんですよ。
 今いろいろおっしゃいましたけれども、一つは上限があるんだと。ところが、高額介護サービス費、これ上限を設けたというんですが、上限は三万七千二百円です。在宅サービスは、最高の要介護度五で限度いっぱいフルに使っても自己負担三万六千五百円ですから、上限の意味ないんですよ、これ。それから、低所得者に対して特別対策をやったと言いますが、これは訪問介護に限って、しかも従来からヘルパーサービスを受けていた人に限って、もう二重三重のただし書きつきだと、これでは全く不十分だと私は思うんです。
 きのう、政府はホームヘルプサービスは低所得者が多いから、そのほかに軽減を拡大するのは適当でないというふうに御答弁、衆議院でありました。ヘルパーを受けている人というのは決してヘルパーだけじゃないんです。ほかの訪問看護あるいはデイケアを受けていたりデイサービスを受けていたりする。だから、ヘルパーだけ軽減しても低所得者対策にならないんじゃないですか。
 そもそも、私たちは一割の利用料を住民税非課税の方から取るべきでないということをずっと主張してまいりました。もしそれができないというのであれば、せめて特別対策で訪問介護に設けた今おっしゃった特別措置、特別対策、これをほかのすべてのサービスに拡大すべきじゃないか。そういうふうに拡大する、あるいは新たな利用者にも拡大する、そうしなければ低所得者対策としても私は不十分じゃないかと思うんですよ。そこのところをぜひお答えいただきたい。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ホームヘルプサービスにつきましては、今私は答弁の中で、どちらかというと低所得者で無料といいますかそういう方が非常に多かった、こういうことで激変緩和をとらせていただきましたと、こういうことを申し上げました。
 もう一つ、今、委員が御指摘になりました、例えばデイサービスであるとかそれから訪問介護サービス、こういうものは、これは介護保険導入以前から利用者全員から一律の負担を求めていたわけでございますので、これと一緒にするということはいかがかなと、こう思っておるような次第でございます。
 当然、私どもは、保険料であるとか、今、委員が御指摘になりましたような上限におきましても、きめの細かな措置を講じておるわけでございますが、これは介護保険に限らず、社会保障というのはやはり今後の、将来の少子高齢化社会を見据えて安定的な制度というものを築いていかなければならない、いわゆる負担と給付というものをどういうふうに考えるのか、いわゆるばらまき福祉であってはならない、こういうことも十分に考えていかなければならないと思います。
 私は、デンマークへ行ってまいりました。デンマークでは医療無料です。一部の特養は有料をとっております。ちょっとばらばらでございましたけれども、消費税は二五%でございます。これに対して国民の皆さん方に御理解をしていただいておると、こういうふうに聞いたわけでございますけれども、果たして我が国においてこのような高額な消費税というものが受け入れられるかどうか。今五%の問題でもさまざまな御意見があるわけでございますので、やはり財源問題を含めてこういった問題というのは御議論をさせていただくことが本筋ではないか、このように考えるような次第でございます。
○小池晃君 税や社会保険料負担の七〇%から八〇%が社会保障給付として返ってきている北欧諸国と四〇%台しか返ってこない日本とを同列に比較するのは全くおかしい議論だと私は思います。
 さらに言えば、ホームヘルプサービスは無料だから激変緩和したと言うけれども、デイサービスは五百円から千五百円、訪問看護だって二百五十円から八百三十円、これだって激変なんですよ、受けている人にとってみれば。だから、何でここに広げないのかと私は申し上げている。
 厚生省にお聞きをしたいと思うんですが、ホームヘルパーだけじゃなくて、在宅の介護サービスすべてに全体の自己負担額を一〇%から三%に下げる、こういうふうにした場合に必要な費用は大体幾らになるか、計算をお示しいただきたいと思うんです。
○政府参考人(大塚義治君) お尋ねの計数を正確に算出することはなかなか困難でございますけれども、一定の前提を置き、かつ粗い概数で機械的に計算をいたしますと、平成十二年度におきまして在宅サービスの給付費見込み、これが約一兆四千億円と私ども見込んでおります。これをベースにいたしまして、これに見合う原則一割に相当いたします利用者負担、細かいところは省略をいたしまして利用者負担が約一千五百億円と見込んでおります。したがいまして、ただいまのお尋ねがこれの七%相当だというお尋ねの趣旨でございますれば、この一千五百億円に七割を掛けまして約一千億と、こういう計数でございます。
○小池晃君 一千億円だと。これは所得階層にかかわらず、すべての利用料を軽減した場合です。ですから、住民税を払っていない方に軽減の対象を限定すれば、多く見積もっても八割、大体八百億円程度、これだけあれば低所得者の在宅サービス全体の利用料を三%に引き下げることができるわけであります。
 総理、ここではぜひお答えいただきたいんですが、この現場の切実な声に私はこたえるべきだと。利用料の負担というのは、これは手厚い介護が必要な人ほど重くのしかかるわけであります。だから本当に切実なんですね。やはり緊急に、八百億円程度でできるのであれば利用料負担の軽減、これに足を踏み出すべきだと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) この特別対策につきましては、昨年来いわゆる自自公三党の間でいろいろな議論をしてまいりました。その結果、半年間は保険料を免除することにしました。これにつきましても、いや、保険料を取るべきだという声もかなりあったことも事実でございます。しかし、実際にふたをあけてみますと保険料を取っている市町村はどこもありません。すべてが保険料免除でございました。
 私どもは、そういう観点から見ましてもわかりますように、とにかく世紀の大事業でございますし、先ほども申し上げましたけれども、ドイツは五年たってもまだ試行錯誤をしておりますし、基盤整備におきましても認定におきましてもすべての面でドイツよりもはるかにすぐれておる、私はこう確信を持っておるわけでございます。
 そういう中において、さまざまな問題がこれから起こり得ることも十分に想像はできますけれども、私どもはあくまでもこの介護保険というものをみんなで育てていくんだと。今、寝たきりのお年寄りというのは全国で二百六十万から二百七十万人になる。これが将来は五百二十万人になる。大変切実な問題、人間の尊厳にかかわる問題でありまして、私どもは、基本的にこれを利用者の声を聞きながら柔軟に正すべき点は正しながら直していきたい、こういう観点に立っておるわけでございます。
○小池晃君 世紀の大事業だということであれば、だからこそ私は言っているんです。正すべきところを正すのであれば、今まさにそういう切実な声が上げられているんだからこたえるべきじゃないですかと申し上げているんです。
 総理、ぜひ答えてください。
○国務大臣(森喜朗君) 大変大きな関心を持ち、今、厚生大臣からもお話しのとおり、まさに世紀の大事業だろうと思います。そして、多くの皆さんの英知を集めてこの制度が四月一日からスタートしたわけです。これだけの大きなテーマでありますから、さまざまな問題が出てくることは当然だろうと思います。しかし、現実は、今極めて安定した形でそれぞれ市町村の皆さんや関係者の皆さんによってまずはスムーズにスタートしている、私どもはそういう判断をいたしております。
 今、委員がおっしゃいますように、細かな問題をいろいろ挙げてくれば、それは多くの問題が出てくることは十分承知はできるわけでありますけれども、しかし、それぞれの国においてもそれぞれいろんな試行錯誤を繰り返しながら続けている。今、厚生大臣のお話のように、ドイツも五年たってもまだなかなか定着をしない。あるいは、北欧などは、すぐれているとはいいますが、それだけ税の負担が大変多い。それだけ還元された国と比較するのはおかしいと先ほど委員はおっしゃいましたけれども、やっぱりそれだけの負担を求めて、そういう財源というものをしっかりその国民が理解をしているということからスムーズに進んでいる面もあるわけでありますから、まずはこうして今四月からスタートした点をみんなでしっかり守り育てていくという努力をしていかなきゃならない。
 もちろん、政府としては、委員もおっしゃいましたように、いろんなさまざまな意見は謙虚に耳を傾けて今後の参考にしていくということは当然であろうというふうに考えております。
○小池晃君 決してスムーズに進んでいないから私は申し上げているんです。
 この利用料負担というのは、決して小さい問題じゃないですよ。新聞の世論調査を見ても、介護保険で一番心配なこと、筆頭は利用料と保険料の負担ですよ。これは重大な問題なんです。
 さらに、別の問題も指摘をしたいと思います。
 介護保険には、要介護度別に利用限度額というのがあるんです。これも大問題なんですね。この限度額を超えた部分というのは丸ごと全部自己負担になる。今まで一生懸命苦労してようやく在宅の生活を支えてきたような方に大変な被害が今起こっている。
 幾つか紹介しましょう。例えば、奈良の九十一歳の女性の例です。この方は、毎日の滞在型ヘルパーと週三回の訪問看護、これに加えて一日二回の巡回ヘルパー、これでようやくひとり暮らしをしていた。介護保険になると限度額を超えてしまうということで、巡回ヘルパーがとめられた。状態が悪くなって緊急入院されたそうであります。
 鹿児島の八十歳の御夫婦。この方は週三回のデイケアの入浴で清潔を保っていた。おうちにおふろがないのでデイケアに行っておふろに入っていた。限度額を超えるためにデイケアを週一回に減らした。疥癬という皮膚病にかかってしまった。こういう報告があります。
 利用限度額を超えた分が払えずに必要な介護が受けられない。一割の利用料が払えないという例もあるし、利用限度額を超えた部分が払えない、そういう面もあるんです。これはどうされるんですか。これも解決する必要があるんじゃないですか。これもやむなしと言うんですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、委員、この介護保険制度というのは、ある意味におきまして地方分権の試金石であるのです。ですから、これまでもこの介護の問題に対して非常に積極的に取り組んでいるところと、率直に申し上げて、離島などを抱えましてこういう問題に対して非常に認識の希薄なところがありまして、非常に温度差があるわけでございます。
 個々の問題につきましてはさまざまあると思いますけれども、先ほども私が申し上げましたけれども、まず全体的に介護保険の導入前とそれから介護保険を導入した後では利用者の数が二三%もふえているんだということは、これは紛れもない事実でございますし、それからこれは具体的に名前を挙げてもよろしいのでございますけれども、滋賀県のある町では、要介護度が重度の方の場合を中心にしてサービス利用が非常にふえている、こういうことがあります。
 確かに一つ一つとらえればそういう問題が出てくるかもしれませんけれども、全体的に底上げをする、そしてこれから先はそれぞれの市町村がどういう姿勢で町づくりを進めていくのか。これまでは、まあさまざまあるでしょう。あるAという町が例えば学校をつくればBという町も学校をつくる、そしてAという町が図書館をつくればBという町も図書館をつくる。こういうような、どちらかというと日本の町というのは画一的な金太郎あめのようなことを言われていた。しかし、いわゆる先進的な地域においてはこういう問題に積極的に取り組んでいる。こういう地域がこういう問題を引っ張っている。私どもは、この介護保険というのは、介護というものは人間の尊厳にかかわる問題で、これまでは一家庭の問題でありましたけれども、社会全体で支えていく、こういう観点に立って、どうかひとつ委員もこれを大きく育てていく、こういう観点から御協力を賜れれば幸いだと思っています。
○小池晃君 私は介護保険制度をよくするために提案をしているんですよ。それに対してまともに一切答えていないじゃないですか。
 さらに聞きますよ。利用限度額を超えた場合、そういうケースの場合、これは二十四時間のホームヘルパーなんかを受けていて大変なぎりぎりの努力をしているケースが多いんですよ。これを超えた部分は保険の範囲ではないわけですから、やはり福祉の制度で、政府の責任で福祉的な措置を講ずるべきではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ですから、私どもは、先ほども申し上げましたように、あくまでもこれは地方分権でございまして、それぞれの地方がそれぞれ独自に、例えば乳幼児医療の場合、この問題もさまざま意見があります。しかし、長期的、安定的、そしてひとしく利用する方と利用されない方を考えれば、私は現在の方法は正しいと思っておるわけでございますので、これはそれぞれの姿勢の問題であり、まさに力量の問題であり情熱の問題である、このように考えているような次第でございます。これをすべて国で賄うというには、当然のことながら委員の方から、じゃどういうようなことでやっていくのかということを、当然負担と給付の問題ということもお挙げいただかなければ、この問題というのは、今後ますます少子高齢化社会というのは深刻になっていくわけでございます。
 私どもはこれまでは、話は変わりますけれども、例えばお年寄りにおいても、所得のある方も所得のない方も七十歳以上の方は一律に五百三十円の負担をいただいてきた。しかし、これからそういうことで日本の皆保険制度が維持できるか、これと同じようなことでございまして、介護保険制度を将来とも伸ばしていくためには、さまざまな形で私ども国が実際問題として基準を示して、公的な範囲の中でどこまでするのか、そしてそれぞれの市町村のニーズに応じて自分たちの住民というものはどういうものを求めていくか、そういう観点からこういう問題というものはおのずと決まっていくものではないか、このように考えるものでございまして、決して私どもはこれによって低所得者を切り捨てるとか、そういう考え方に立つものではございません。
○小池晃君 一〇%の利用料を取るという問題も、利用限度額を超えた部分は全部、大体利用限度額というのを設定することも、利用限度額を超えた部分は全部自己負担にするということも、全部国が決めた仕組みなんですよ。それを押しつけたから地方でこれだけ矛盾が生まれているんじゃないですか。それを解決するのは地方の責任に回す、全く無責任なやり方だと。こういう形を押しつけるからこそ大変な矛盾が今現場で生まれているわけで、それに対して、もうこれだけの矛盾があるんだったら、穴ぼこだらけになっているんだから一生懸命それを埋めるようにしようと、それが政治の姿勢じゃないですか。そのことを申し上げているんです。
 介護保険で保険料まで払うようになるんだと。大抵の人は、これ、今よりはいい制度になるだろうというふうに思っていたと思うんです。しかし、逆に必要な看護とかリハビリが受けられなくなる、あるいはヘルパー派遣を断って、家族が仕事をやめて家族介護に戻っちゃった、こんな例があるわけです。介護保険が始まったことで今まで受けていた介護の水準が低下する、介護の社会化といいながら家族介護に逆戻りをする、こんなことは私は決してあっちゃいけないと思うんです。
 こういうことがあっていいと思うのか、こういうことは制度の始まりだからやむを得ないんだというふうにおっしゃるのか、これ、ぜひお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほどから私が申し上げておりますように、日本という国は確かに豊かな国になりました。しかし、今、老老介護と言われる中において、大変介護に疲れて、例えばお年寄りの夫婦が同時に命を絶つなんという悲惨な事件があるわけでございます。そういうことをなくすように、これまでは一家庭の私的な問題であったわけでございますが、今後は社会全体で支え合っていこうと、こういうような発想で要するにこの介護保険構想というのはなされたわけでございます。
 そういう観点に立ちまして、私どもは、あくまでも、これまでどちらかというと介護の問題というのは社会の片隅に放置されていた嫌いがなきにしもあらずでございますが、この介護保険の導入を契機に、いわゆる要介護のお年寄りだけでなく、お年寄り全体のあり方、そして地域システムの変革まで、今大きく変わろうといたしておるわけでございますので、どうかひとつ委員におかれましてもその点を十分に御理解をいただいて、私どもとともに力を合わせてこの介護保険というものをよりよい介護保険の方に育てていく方向でひとつ御協力を賜りますようお願いを申し上げる次第であります。
○小池晃君 あなたの今言われたことと現場で起こっていることはこんなに違うんですよ。そのことを一番よく知っているのは介護の現場で介護を受けている方たちなんです。その声を私は申し上げているんです。そういう声に耳を傾けなければ私はいけないと思いますよ。
 介護の利用者には重い負担が押しつけられております。その一方で、介護の現場、働く現場はどうなっているか。きのうの衆議院の予算委員会で、政府は、ホームヘルパーの需要は大変ふえており、着々と手を打っているというふうに答弁されました。しかし、実態はどうだろうか。
 厚生省にお伺いしたいんですが、大阪市が社会福祉協議会に委託してきたホームヘルプ事業から撤退することになったそうであります。その経過について説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) 大阪市を通じて承知をしている範囲でお答えを申し上げます。
 大阪市及び市の社会福祉協議会におきましては、介護保険制度の導入に伴いまして民間事業者の進出状況も見込まれるといったような状況を勘案いたしまして、この四月から従来の方式を変えたわけでございますけれども、簡単に申しますと、当協議会のホームヘルプサービス事業を縮小する方向で市と社会福祉協議会と、また職員団体などとも昨年来協議を進めてこられたというふうに聞いております。
 具体的な内容でございますが、三点ほどございまして、一つは、これまで九百名のヘルパーが従事をしておりましたけれども、平成十二年度、十三年度の二年間で三百五十名程度、就労のあっせんの努力をしつつ早期の退職勧告を行うという点が一点。二点目は、残りの、約五百五十名になるわけですけれども、そのうちの百五十名は障害者の担当ヘルパーとして継続して雇用をする。三点目は、その他の四百名程度の職員につきましては新たな事業開拓を行うということで引き続き雇用の確保を図る、こういった内容だとお聞きをいたしております。
○小池晃君 ヘルパーの需要が高まっているんだと、介護保険が始まって、大切なヘルパーだと。まさに逆を行く事態ですよ。九百人減らしてしまうと。事務職に転任をさせられてせっかくのヘルパーの資格が生かせない人も出ております。さらに、民間に行くからというお話がありましたが、受け皿の民間の求人を調べてみました。これはほとんどがパートタイムの登録ヘルパーであります。
 労働大臣にお伺いしたいんですが、常勤のヘルパーと登録ヘルパーの労働条件の違い、労働省としてどのように把握されているでしょうか。
○国務大臣(牧野隆守君) 日本労働研究機構、この機構が平成九年に行った調査によりますと、一日六時間以上、週五日以上勤務している非正規職員である常勤ヘルパー、この方々については月収二十万円未満の者の割合が八三・七%となっております。また、常勤ヘルパー以外の非正規職員である週三十時間以下のパートヘルパーにつきましては、月収十万円未満の者の割合が九一・四%と、こういうようになっております。
○小池晃君 これが現実なんです。常勤ヘルパーそのものも決して労働条件がいいとは言えない。八割の人が月収二十万円未満だ。ところが、パートになると月収十万円未満が九〇%を超えてしまう。
 常勤からパートになって、これでは低賃金で生活もできないからヘルパーの仕事は続けられないという声もこの大阪の事態では上がっております。労働条件が悪化するということは、これは介護の水準の低下に直結をするわけですね。お年寄りからこんな声が出ている。何で介護保険になった途端に今までのヘルパーさんが来てくれへんようになるんや、こういう声が出ているそうであります。
 これは決して大阪だけの話ではありません。公的なヘルパー事業の撤退は、東京二十三区のうち二十区、川崎市、名古屋市、こういう大都市で軒並み各地で起こっているんですね。これは決して在宅介護の現場だけじゃなくて、施設介護の現場でも同様の傾向があります。
 総理、これはお聞きしたいんですが、ホームヘルパー不足だと、一生懸命ふやさなきゃいけない時期だと、介護保険まさに始まったんだと、そのときに逆に公的事業が撤退していく。これはまさにあべこべの事態じゃないだろうか。これを放置していいんですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) このホームヘルパーの需要というものがここに参りまして大変急激にふえておるわけでございます。そこで、それぞれの地方自治体の事業計画に基づきまして私どもは新たにゴールドプラン21、こういうものを策定したところでございます。ホームヘルパーにつきましては、十七万人であったものが三十五万人に引き上げを見込むわけでございますし、毎年八万人規模でふえ続けておるわけでございます。
 それから、委員が先ほどから御指摘のいわゆる公的な主体によって行うのか、それから民間事業にゆだねるかについては、これはあくまでもそれぞれの利用者の判断であり、それからそれぞれの地域の実情を踏まえた各市町村の判断でございますけれども、私はやはりいろいろな競争の中からより質のよい、そして確実な給付サービスをしてくれるところが生き残っていける、それがまさに介護保険の導入の最大のねらいだと。
 これまでどちらかというと、いわゆるサービスというものは行政の方から措置ということで、要するに利用者の方にサービスは与えられたものでございますけれども、今後はいわゆる利用者と事業者が対等な立場に立って契約をしていく、そういう中において質のよいよりよい給付サービスが受けられるものと、このように確信をいたしているような次第でございます。
○小池晃君 あなたのおっしゃっていることは、介護保険の最大のねらいというのは、そういう競争を起こさせて、こういう大阪のように公的事業が撤退して、民間のヘルパーにどんどん移っていって労働条件が悪くなる、そういうことが結果として生まれるということですよ。それでいいんですか。
 こういうことで介護の量も質も低下をしているじゃないか、穴がいろいろあいているじゃないかと。介護保険は国が始めた制度なんですよ。だから、国にやはり責任があるんです。至るところで穴があいているのであれば、自治体と国が一体となって努力をしてこういう問題点を解決していく、それこそ求められているんじゃないですか。
 それを逆に、介護保険というのはこういうものなんだ、仕方がないのだということで許されるんですか。私はこれは重大な問題だと思うんです。あなた方の言うことは、利用料負担が重くて介護を受けられない人が出ても、あるいは公的事業の撤退で介護の水準が下がっても、何でも仕方がない、介護保険で支えられる側も支える側もどうなってもいいということじゃないですか。
 そもそも介護保険というのは何のためにつくったのか。
 厚生省は介護保険でサービスが選択できるようになると言いました。しかし、実際はサービスの不足で選択などとてもできない。在宅を重視する制度だ、そういうふうにも宣伝をされました。ところがどうですか。実際は在宅の介護の維持が困難になって施設にどんどん入るという例も生まれている。介護の社会化がうたわれた。しかし、実際は家族介護への回帰が起こっているじゃないですか。これでは何のための介護保険かという声が上がっても私は仕方がないと思うんです。
 地方議会の意見書はどれだけになっているか。三月末で、厚生省の調べで千三百四十九地方議会から意見書が上げられています。こうした声にやはり耳を傾けるべきだというふうに考えるわけです。
 その他にも介護保険の問題ではいっぱい課題があります。時間がないので、きょうはもう触れられませんが、サービス不足の解消のため、特におくれている訪問看護やデイサービス、ショートステイなどの整備を集中的に進めることも必要だと思います。さらに、現行の認定制度。これはとりわけ痴呆の方に低く出る傾向が各地から報告をされています。高齢者の生活実態や痴呆の実態も反映できるように改善することも急務だというふうに思います。
 私は、残った時間、こうした責任を果たすための財源がないのかという問題を取り上げたい。介護には実に冷たい一方で税金投入の蛇口が開きっ放しという部門があります。銀行支援であります。この問題をお聞きしたい。
 三月末の時点で銀行のために使った公的資金、この総額は幾らになりますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員のお尋ねの公的資金、二種類、二つのものがございまして、一つは預金保険機構が政府保証で借り入れた借入金でございますが、この残高が十二年三月末時点で十五兆五千三百二十一億円であります。それから、いわゆる交付国債を償還した使用額が四兆七千九百一億円となっております。
 この政府保証による借入金の十五兆五千三百二十一億は、その中にいろんな性格のものがございます。長銀の保有していた株を買い取ったものやら不良債権を買い取ったもの、あるいはいわゆる資本注入で資本の増強をしたもの、いろんなものがございまして、これは最後に締めてみなければわかりませんが、おおむねこれは原則として返ってくるものでございます。
 それから、四兆七千九百一億円の交付国債の方は、いわゆる預貯金等の全額保護という前提からロス埋めに使われたものでございます。
○小池晃君 返ってくる、こないという話をしているんじゃないんです。政府保証のついている公的資金の総額は二十兆円ということですね、今の二つを合わせて。そして、銀行に投入された公的資金の中には、今議論があった、もう返ってこないということが明白なものもあるはずです。
 日債銀も含めた破綻処理で返ってこない公的資金、幾らになっていますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) まだ処理の過程でございますから、現時点では何とも申し上げようがないんですが、今申し上げた四兆七千九百一億円の方には長銀等の処理の費用が含まれているわけでございます。
 それから、今、委員のおっしゃった日債銀等につきましては、去年九月期の債務超過相当額が約三・二兆円となっておりますが、今後の処理でどのようになってくるか、現時点では申し上げようがないんですが、あえて数字を挙げれば、変動要因をアルファとしますと三・二兆円プラスアルファということが日債銀でございます。
 ですから、それを、あと全部で幾らになるかということはちょっと現時点では申し上げにくいと思います。
○小池晃君 今のを足してください。交付国債と足して言ってください。
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、ちょっと私、計算能力がございませんので……
○委員長(倉田寛之君) 大臣、お待ちください。一問一答はいけません。
○小池晃君 今のは足し算ですよ。八兆円プラスアルファという御答弁のはずです。
 八兆円プラスアルファというのは、これは極めて控え目な数字ですよ。地方銀行の破綻処理などの分も含めれば、もはや返ってこない公的資金は九兆円に達していることは、これは明白であります。既に投入した二十兆円の半分近くが失われたことになるんです。
 それだけではありません。銀行の統合の動きが進んでおります。企業統合の際の登録免許税の大幅な減税が出てきております。銀行業界で見ると、みずほグループ、三和・あさひ・東海、東京三菱・三菱信託、こういう三グループの統合があります。
 大蔵省にお聞きしますが、みずほグループの統合が産業再生法で言う事業再構築と認定された場合、登録免許税は本則と比べてどれだけ軽減されることになるでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは調べてメモをもらってまいりました。
 産業活力再生特別措置法の規定により、認定を受けて株式会社の設立または資本の増加の登記に対する登録免許税については、税率を千分の一・五に軽減する特例が設けられております。それは十二年度の改正でございます。
 この法律は、事業再構築計画等の認定を受けることができるものについて適用することができまして、金融機関に限っておりません。
 ただいま御指摘の金融機関がこの認定を受けるか受けないか、ただいまのところ未定でございます。したがって、お答えは未定でございますが、課税標準はその会社の資本金とされておりますから、大きい会社が適用を受けますと減税額も大きくなります。これはどの業種でも同じで、金融機関に限りません。
 なお、御指摘の金融機関の持ち株会社設立のケースについては、具体的な内容が確定しておりませんので現時点でお答えを申し上げることができません。一つは、どの範囲について認定を受けるなら受けるか、それから資本金額のうちどの程度の額を資本繰り入れにするかということにつきましてもはっきりいたしておりません。
 なお、今年度こういう改正をいたしましたのは、会社組織形態の変更を伴う産業活力再生に向けた事業再構築の動きが、いわゆる先年御議論いただきました法人のリストラなんかと関係いたしまして、今後に向かってこういう動きが大きくなると考えましたので、軽減税率の引き下げをお認めいただいたものであります。
○小池晃君 今のを資本金に当てはめると幾らになるか。富士、第一勧銀、日本興業銀行の三行で百四十億円。それから、東海、三和、あさひで百二十億円。東京三菱、三菱信託で六十億円の減税です。これ、こういうふうに当てはめれば、機械的に当てはめればそうなることは間違いないですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと私、計算さえ間違っていなければそういうことになると思います。
○小池晃君 これをごらんいただきたい。今議論した中身であります。(図表掲示)
 銀行への公的資金の投入の枠が七十兆円。これまでに使った額は二十兆円だと。そして、もう返ってこない額、ほぼ確定しているのが九兆円だと。そのほかに、中でも長銀、日債銀には六兆円を超える公的資金が投入されて、八千百億円の持参金までつけられたわけです。そして、おまけに今の話にあったように、大銀行が統合する際には三百二十億円も減税をする。
 一方で、介護保険にはあれだけ冷たい介護で、お年寄りには冷たい介護、そして銀行にはこれだけの手厚い介護、これどう考えても税金の使い方が間違っているというふうに思うのは当然じゃないですか。総理、お答えください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今のは金融機関だけの特例ではございませんで、リストラに伴う措置であることは申し上げたとおりです。
 それから、銀行に対して確かに金融システム安定のためにいろんな措置をいたしておりますこともそうでございますが、それをみんな銀行にただで上げるというようなことではもちろんございませんで、おのおのの目的を持って国会のお許しを得ておる。それと介護のこととは別段関係がございませんので、それについてはお答えができません。
○小池晃君 介護が必要なお年寄りに比べて銀行というのはもはや要介護でも要支援でもない、もう自立だと。そういうところにこれだけあの手この手で税金投入するやり方は断じて認めることはできないということを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳です。
 冒頭、今なお病魔と闘っておられる小渕前総理と御家族に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い御回復をお祈り申し上げます。
 また、有珠山の噴火で被災に遭った方々や不便な避難生活を余儀なくされている皆様方にお見舞いを申し上げます。社会民主党も、過日、土井党首を先頭に被災地の視察と被災者の激励、お見舞いを申し上げたところであります。
 そこで、有珠山の被災者支援対策の現状と今後の課題について国土庁長官にお伺いいたします。
○国務大臣(中山正暉君) 御承知のように、三月三十一日の午後一時十分、衆議院の本会議のさなかでございましたが、噴火の通知がありまして、その際すぐに現地に私も行ってまいりまして、総理に翌日報告をいたしました。その直後に総理がお倒れになったわけで、大変心配をされておられたのでございますが、先生からも今現地の皆さんにお見舞いをおっしゃっていただき、また各党の皆様方に現地に慰安訪問をしていただいておりますことを大変心から感謝申し上げたいと思います。
 噴火前に増田総括政務次官に現地の対策本部にお入りをいただいておりましたし、噴火前にすべての方に避難をしていただいたというのは世界で初めての対応となりましたが、いまだにまだ約八千人の方々が不自由な避難を続けておられまして、このテレビも見ていてくださるものだと思いますが、心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
 政府といたしましては、避難されている方々のニーズにきめ細かく対応してまいりたいと。そこで、避難所の生活環境の改善、保健医療対策の実施、それから応急仮設住宅、五百戸ぐらいのことになると思いますが、五月の上旬に完成をする予定でございますが、緊急整備、それから生活・生業支援のための資金の手当て、それから被災者生活再建支援金制度の適用、これは虻田のことでございますが、各般の施策を講じているところでございます。
 これらの施策に加えて、火山観測体制の一層の強化、それから雇用対策の実施、避難指示を一時解除した地区につきましても緊急避難計画の策定など、当面のこれが課題であると考えておりますが、引き続き地元自治体と十分連携をとりながら万全を期したいと。きのうも壮瞥の町長さん以下皆さん方が二百三十号の道路のつけかえをいたしましたり、それから郵政大臣にもお願いいたしまして情報を伝達するための電話を設けていただくということで、これで二十八日の日にそれを立ち上げようと、かようなことでございます。
 答弁は短くということでございますので、以上でございます。
○照屋寛徳君 私は現行の被災者生活再建支援法、これは必ずしも十分だとは思っておりません。ともあれ、一部適用されましたが、この被災者生活再建支援法の適用あるいは激甚災害法を早期に適用することなど含めて、行政も政治も、そして政治的にも道義的にも法律的にも、あらゆる手段を導入して被災者支援に当たるべきだと思いますが、総理の御決意と国土庁長官の決意を伺います。
○国務大臣(中山正暉君) お答えを申し上げます。
 先般の激甚災害に対するパーセンテージを見直しをしていただきまして、そのためにでき得る限り、これまだ噴火をしている最中でございますのでその中へ立ち入りができません、なかなか調査がしにくいわけでございますが、でき得る限り、無人のヘリコプターを飛ばしましたりそれからまた無人のショベルカーを入れましたりしてこの災害に対する対応を考えておりますが、そういう無人の探査機などを使いましてできるだけ早く査定をいたしたい、かように考えております。
 万全を期したいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 私も、与党三党党首そろいまして現地をお見舞いかたがた視察をさせていただきました。
 皆さんのお話を承って、今、中山大臣からもお話ございましたように、早く避難ができたということ、そして本当に犠牲者を出さずにこれだけの大きな災害に対してみんなが協力しておられるということ、本当に私どもとして敬意を表してきたわけであります。皆さんもそれぞれ苦しい、つらい中にも明るくみんなで協力し合っているという、そういう姿に触れまして、大変感激もいたしました。
 しかし、生業の面、お仕事の面、融資の面、あるいはせっかく建てた住宅に住めなくなり、逆にローンが迫っているなどなど、実に細やかなお話がございました。それをすべてそれぞれの政府の各官庁にも御連絡申し上げてございまして、適宜適切な各大臣が手当てをされておられるというふうに思っています。先般、保利自治大臣もおいでになりまして、それぞれの市町村に対する交付税もきちんと補足しておられるということも伺っております。
 まだまだ、時間的に長くなるわけでありますから、そういう面での、いつどういう形で自分の家に帰れるかということの方向といいましょうか期限がなかなかわからないところが皆さんのお悩みであるということでございますので、そういう面ではいわゆる住宅面の対応も今着手をいたしておるということでございます。
 さらに十分、お困りの皆さん、苦しんでいらっしゃる皆様のお立場を考えて、道そして自治体、皆さんと協力しながら、適切にそしてまた迅速な対応をしてまいりたい、こう考えております。
○照屋寛徳君 次に、総理の政治献金問題をお伺いいたします。
 総理は、石川県公安委員の米谷半平、木地一郎、加納實、そしてそれらの者が代表を務めております北国銀行、小松ウオール工業株式会社を知っておりますか。
○国務大臣(森喜朗君) いずれも石川県を代表される企業でございまして、長い古いおつき合いでございます。
○照屋寛徳君 御三名の公安委員も御存じですね。
○国務大臣(森喜朗君) お一人、何て言われましたか。
○照屋寛徳君 加納實。
○国務大臣(森喜朗君) いや、もう一人。
○照屋寛徳君 米谷半平。
○国務大臣(森喜朗君) もう一人。
○照屋寛徳君 これ、もう一人、モクジですかね、キジですかね。
○国務大臣(森喜朗君) お名前は全部、お三方ともよく承知しております。
○照屋寛徳君 公安委員の皆さんもしくは公安委員が代表者を務める企業から総理への政治献金を受けたことはありますか。
○国務大臣(森喜朗君) 直接私がこうした資金団体を扱っているわけではありませんけれども、それぞれの立場の者が取り扱いをしていると思いますが、恐らくすべての、三人すべてだということは明確でありませんけれども、長いおつき合いでございますし、御支持をいただいている方々でございますので、政治献金を政治資金規正法の枠の中でちょうだいをしているんだろうと思います。
○照屋寛徳君 それでは自治大臣にお伺いをいたしますが、石川県の公安委員が代表を務める企業から総理の政治資金管理団体への政治献金の有無を詳細お教えください。
○国務大臣(保利耕輔君) 石川県の公安委員は、加納さんと米谷さんと木地さんでございます。この御三方の総理の資金管理団体であります春風会に対しての個人の献金は、平成八年から十年分の収支報告書には記載されておりません、個人名はございません。
 ただ、団体名といたしましては、加納さんが代表者であります小松ウオール工業というのがございまして、平成八年に二十四万円、平成九年に二十四万円、平成十年に二十四万円、それぞれ寄附をしておられます。また、もう一つ、北国銀行、これは代表者が米谷さんでいらっしゃいますが、平成九年のみ十二万円の寄附がございます。
 なお、加納さんは委員に就任されましたのは平成十年十月九日でございまして、それ以降の献金は六万円でございます。
○照屋寛徳君 私、前小渕総理にもこのことをただしたのではありますが、警察を管理する公安委員から、あるいはまた政治的な中立を保つべき公安委員から政治献金を受けることについての政治的な道義的責任について、総理はどうお思いになっておられましたのですか。
○国務大臣(森喜朗君) 今、自治大臣からもございましたように、いずれも直近のところに公安委員に御選任になっておられると思います。
 私とそういう皆さんのおつき合いはもう何十年でございまして、それが政治資金を受けるとか受けないということは別としまして、長いおつき合いをさせていただいて、また加納さんは私の後援会長も引き受けてくださっている方でございます。したがいまして、そういう中で、そういう皆さんのお気持ちの中で寄附を受けたということであろうと思いますし、政治資金規正法においては、公安委員であることをもって政治活動に関する寄附が制限されるということはなく、この寄附は同氏の判断、お考えで、正規の手続にのっとってなされた寄附であるというふうに考えております。
 なお、そうした問題、公安委員におなりになられた以後は、後援会長をおやめいただいたり、あるいはそうした寄附は恐らく中止をされているというふうに私は聞いております。
○照屋寛徳君 私は、合法違法の問題じゃないと思うんです。政治資金管理についての所管を行っております自治大臣、国家公安委員長、どうですか、公安委員が政治献金をするということは好ましいことだと思いますか。
○国務大臣(保利耕輔君) これは法的な解釈の問題になろうかと思いますが、公安委員であるがゆえをもって政治資金を寄附するということが許されないということはないと思っております。同時に、それがまた公安委員が関係いたします会社が政治的な寄附をするということも、これは法律上は許されていることと考えております。
 公安委員というお立場ですからそれぞれ御注意はなさっているだろうと思いますけれども、法には触れていない。私どもはそのように解釈しております。
○照屋寛徳君 私は、もらっていいから、だれからでも、どの企業からももらっちゃえという考えがおかしいと思うんです。
 それでは、橘自治政務次官にお伺いいたします。
 けさの東京新聞に、「森派九団体に「脱法」献金」、「自治政務次官、分散して四〇〇〇万円」、こういうでかでかとした記事が載っておりますが、これは事実でしょうか。(資料を示す)
○政務次官(橘康太郎君) お答え申し上げます。
 報道されております九つの政治団体に対しまして、政治資金規正法に定める量的制限の範囲内でそれぞれ寄附をさせていただいたものでございます。
 なお、これらの寄附につきましては、政治資金規正法に基づきまして、それぞれの政治団体から提出されている収支報告書に記載されておるものと承知をいたしております。
○照屋寛徳君 政務次官、あなたは年間一千万、四年間にわたって四千万の寄附行為をしているわけでありますが、これは合法行為だと、あるいは違法行為だと、どちらの認識でしたか。
○政務次官(橘康太郎君) お答え申し上げます。
 それぞれの政治団体に対する寄附は、政治資金規正法に定める量的制限の範囲内で行ったものでございまして、同法に違反するものではない、そのように考えております。
○照屋寛徳君 あなたが献金をした九団体は、電話番号が全く一緒、所在地も都内の同一ホテル、会計責任者も同じ。こういう御認識は持っておられましたか、あるいはまた新たにしましたか。
○政務次官(橘康太郎君) お答えいたします。
 承知をいたしております。
○照屋寛徳君 承知しているんだ。
○政務次官(橘康太郎君) はい、承知いたしております。
○照屋寛徳君 これはもう大変な発言ですよ。承知をしておって四年間にわたって年間一千万献金を続けておった。これでは幾ら合法性を装っても、まさに合法性を装った脱法行為そのものじゃありませんか。どうですか。
○政務次官(橘康太郎君) お答えいたします。
 政治資金規正法上、個人が法に定められた量的制限の範囲内で政治団体に対して寄附をすることは認められておるところでございます。
 私といたしましては、それぞれの政治団体の活動を支援しようという趣旨でそれぞれの政治団体に対しまして法に定められた範囲内の寄附をさせていただいたものでございます。これらの政治団体は、それぞれ政治資金規正法に基づきまして設立届けをされ、毎年収支報告をされているところでございます。
 また、政治資金規正法上、政治団体の事務所の設置場所、代表者等の役員の選任要件や資格につきましては制限する規定はないものと承知をいたしております。
○照屋寛徳君 これは恐らく森派という派閥への上納金でしょうね。とてもとても、今の説明を聞いて国民がなるほどと納得したのは、私はだれ一人おらぬだろうと思いますよ。
 今、本当に政治家と金の問題が、政治家に対する国民の信頼が厳しく問われているときに、しかも私たちは歳費は二千百万ぐらいですよ、あなたはもっともっとほかの収入あるかもしれませんが、一年間に一千万も派閥に献金をする。私は、こういうのは国民の目から見たらとてもとても納得できないものだと思います。
 森総理、自治大臣にお伺いいたしますが、私は、政治資金を所管する自治省の政務次官としては適格性を欠いていると思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(保利耕輔君) 橘政務次官、今は政務次官でありますが、当時、橘議員が法律にのっとって寄附をしたということでございますので、それ以上のコメントは私からはできません。ただ、政治家というのは常に襟を正して政治に対処しなければならないというのは私自身強く思っております。
○国務大臣(森喜朗君) 政治資金規正法に定めます量的制限の範囲の中で個人が政治団体に寄附するということは同法に違反するものではないということを承知いたしております。橘議員が橘議員のお気持ちの中で、私どもが所属しております政策グループに政策研究費としていろんな形で御援助をいただいていたものだと承知をいたしております。
○照屋寛徳君 それでは、総理にお伺いいたしますが、総理は幹事長であられたころ、三月二十日、石川県加賀市で講演をなさいました。その際に、沖縄教職員組合や琉球新報、沖縄タイムスは共産党に支配をされているという趣旨の発言をされました。この共産党が支配をしているという根拠はどういうことでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 私は長らく、もう三十年になりますが、前半十五年近くは文教委員をしたり教育担当の仕事をいたしておりまして、そしていろんな意味で全国各地の教育状況などもよくつまびらかにしておるつもりでございます。
 そういう中で、沖縄の皆様方が当時まだ国からのそうした方針が定まらないうちは国旗・国歌などということについての対応が鈍いという、そういう報告もいただいておりまして、願わくばそうしたことが全国的に国旗や国歌をしっかりと身につけてほしいという、そういう希望の中から申し上げたものでございます。
○照屋寛徳君 私は、共産党が支配しているという根拠をお示しくださいと言っているんです。
○国務大臣(森喜朗君) 言葉の節々を、その場におられたのか、お聞きになった記者さんがその部分的なところを取り上げられたんだと思いますが、共産党に支配されるというようなことは言っておりません。
○照屋寛徳君 言っていないんですか。あなたの発言要旨が大々的に報道されているんですよ。
○国務大臣(森喜朗君) 共産党が支配をしている新聞、機関だというような、そういう発言は私はいたしておりません。
○照屋寛徳君 それから、三月二十二日、地元紙を含むあなたの釈明会見で、私が知っているのは、本土復帰前までは日の丸を立て、復帰後は逆に排斥運動が強かったと聞いている、こう言っているんですよね。私は五十四年沖縄に住んで、沖縄で日の丸の排斥運動があったということはつゆ知りませんけれども、どういう根拠でそんなことをおっしゃっているんですか。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほど申し上げましたように、長い私の政治経験の中で、体験の中でそうした報告を党のいろんな機関の中でお聞きしたりしたということを申し上げているわけでありまして、ただ、平成三年春の卒業式、入学式以降現在に至るまでは一〇〇%実施されているというふうにその後報告を聞いております。先日そうしたことを発言申し上げたのも、学校における国旗・国歌の指導に万全を期していただきたいなという、そういう私の願いを申し上げたわけでございます。
○照屋寛徳君 同じ釈明の記者会見の中で、あなたは、沖縄のマスコミは反権力で政府や自民党のことが率直に正しく伝わらなかったことが数々あった、こう言っているんですね。反権力というのはどういうことですか。
○国務大臣(森喜朗君) これも私の創作でそういうことを申し上げているわけではございませんで、そういういろんな党の機関の中で、いろんな報告の中からそういうふうに聴取をしているわけであります。
 ですから、これは御迷惑をかけますからお名前申し上げられませんけれども、その取材に来られた記者さんの皆さんにも、皆さんは学校で国歌を歌われましたかということを聞きましたら、全く歌っておりませんとお答えになっておられました。
○照屋寛徳君 国歌を歌わないのが反権力なんですか。あなたが言う反権力というのは、政府や自民党の言いなりにならないから、こういうことじゃないんですか。
○国務大臣(森喜朗君) 言いなりになるとかならないということではなくて、やはり国にはそうした国旗あるいは国歌というものがあって、それぞれの国の国民はそれを大事にしているということだと思います。
 私の記憶でございますけれども、本土復帰までは非常に日の丸を大事にされておられたというふうに、私はそういう報告を受けておりますが、本土へ復帰されてから以後は、やはり国旗というものは余り大事にされていないというような、そういう報告も当時受けておりました。
○照屋寛徳君 私は、歴代の公党の幹事長がこれほど沖縄の人たち、沖縄の歴史を侮べつした発言はなかったと思いますよ。小渕前総理が倒れられる直前に沖縄を訪問して、森発言に触れて率直に県民にあなたにかわって謝ったんです。あなたはちっとも謝ろうとしませんね。発言を撤回したり県民に謝る気持ちはないんですか。
○国務大臣(森喜朗君) あなたが今一つ一つお聞きになるからそれについてお答えをしたわけでありまして、それじゃ、私のその加賀市におきます発言といいますか、私はスピーチを約一時間ほどいたしておりますが、それを全部お聞きになっているわけじゃないでしょう。
○照屋寛徳君 説明してください。
○国務大臣(森喜朗君) 私はそれを今から一時間かけてやるんでしょうか。
 私は、沖縄でサミットが行われるようになったことの意義、それから小渕総理が、これは国会でたびたび申し上げたし先ほども申し上げましたが、小渕総理が学生時代から私どもと一緒に沖縄に対する思いというものをかけていらっしゃったこと、そのことを非常にとうとい大事なことだと。そして、小渕さんが私にその話をしたときも涙ぐんでおられたということ。あるいは三党首で、当時小沢さんあるいは神崎さんとお話をされたときに、私そばにおりましたが、沖縄に決めたんだよということの話、そしてぜひ成功させたいんだよという話をされておられました。
 かつて、シドニーでしたでしょうか、ニュージーランドへ行ったときに大田中将さんのお嬢様にお会いになったというお話、そういうお話を本当に小渕さんは情熱を込めて話しておられましたことなどを私は私の選挙区の後援者の婦人部の皆さんにそのことをずっとすべて申し上げて、そして長い間沖縄の皆さんが御苦労されてきたこと、そういうことをるる申し上げて、本当によかったと。そしてこのサミットを契機にますます沖縄の皆さんのための振興策に努力していかなきゃならぬのですよという、そういうお話を主として申し上げたわけでございます。
 そういう中に、一つの例として、先ほど御指摘があったようなことは、その部分部分で申し上げたかもしれませんが、沖縄の皆さんに対して批判をしたり、沖縄の皆さんを軽べつしたり、そんな形で私は申し上げたわけではございません。
 先生は、大変御無礼でございますが、私の話を聞いておられなかった。新聞のその一部のところの引用だけをとられて、それだけで御批判をされるということだと思うんです。そのときのその一部分をとられた沖縄の地元の記事も、それをとられて、そしてやはり学者の方の意見を求めて大きく取り上げておられましたけれども、その後私はこういう話をしたんですよということを両方の新聞社の記者さん、お二人ずつお見えになっていましたので、私は篤とお話を申し上げて、もちろん理解を得られたかどうかわかりませんが、そういう経緯でしたと。
 そして沖縄の皆さんに、そのことに誤解を受けたとしたなら本当に申しわけなかったと思っているということは、私はしばしばいろんなところで申し上げているわけでございます。
○照屋寛徳君 小渕前総理は、率直にあなたにかわって謝ったんですよ、森発言は不適切であった、沖縄県民の心を傷つけたと。あなたはそうお思いにならないんですか。
○国務大臣(森喜朗君) ですから私は、しばしばいろんなところで、不適切な誤解を受けたということであったらまことに申しわけない、ただ私は、沖縄が大事、そして沖縄の県民の皆さんに対して、私は真心を込めて政治家としても沖縄の振興のためにも努力してきたつもりでありますし、そんなつもりで私は、沖縄のこの小渕前総理がお考えになったことを何としても成功させたいという、そういう思いがあるということを常々いろんな場面でも申し上げているつもりでございます。
○照屋寛徳君 小渕前総理の御認識とは随分落差がありますね。
 そうであれば、では総理御自身の、あの五十四年前の二十数万名のとうとい命を奪った沖縄戦、その後に続くアメリカの二十七年に及ぶ軍事支配、そういう沖縄の戦後史についてはどのような御認識を持っておられるんですか。
○国務大臣(森喜朗君) 私の選挙区の講演会でもそのことを私は申し上げたんです。
 長い間、琉球王朝時代からの日本との歴史、そういうことも私なりに、浅薄な知識しか持ちませんけれども、そういう昔のお話を申し上げて、そして、どの地域にもなかった本土決戦というものの中の経験をされて、とうとい、特に非戦闘員の方々の、女性の方とかお年寄りの方々やお子様方が亡くなられたということ、そして日本が平和を取り戻してもまだ沖縄はアメリカの施政権の中にあったということ、そして本土に返ってきてもアメリカの基地の中に生活をしているというような状態であったこと、そういうことを私はるる全部申し上げて、そういう中で小渕総理は今この沖縄サミットというものを決定したという、その意義を私はそのとき申し上げたわけでございます。
 同時に、学生時代からのおつき合いの中で、私も当時、学生時代のときは大浜信泉先生が総長であって、そして沖縄御出身であり、沖縄御出身の多くの学生たちとも私ども交遊をいたしておりましたから、そういう面で、このサミットを機に沖縄には本当に喜んでいただけるような、そういうことをこれからもしっかりやっていかなければならぬ。
 そういう趣旨を全体を通して私はお話を申し上げたのでありまして、決して沖縄県民を侮べつしたり、御指摘があったようなことを申し上げているわけではありませんが、そういう中で、その一部分だけ取り上げられて、そして大きく報道されて、それが沖縄の皆さんに大変御迷惑をかけたということであれば心からおわびをしなければならぬと思っておりますし、私も、近々欧米から帰りましてできるだけ早い時期に現地にも飛びたいということも申し上げているわけでございます。
 小渕総理がおいでになりましてあなたが言わなかったことをわびたとおっしゃいますが、私はそのとき、総理がおいでになるときにもそのときのことをよく申し上げて、どうぞ誤解をいただいた点があればよくおわびをしておいてほしいということも総理に申し上げたわけでございます。
○照屋寛徳君 私は、もっと率直におわびをすべきだと思います。あなたがどういう弁解をなさろうが、あなたの講演会の講演要旨、釈明記者会見の内容、報道された限りでは、やっぱり沖縄県民のごくごく常識的な、政治的な立場を超えて、私はウチナーウマンチュの人たちの心を傷つけておると思います。
 政治家の言葉は重たいと思いますよ、私は。そのことをよく肝に銘じていただきたいと思います。
 その上で、沖縄の基地問題と政府の責任で行うべき沖縄の振興策、どのように考えておられるか、総理の基本的な姿勢をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) これもたびたび申し上げておりますように、閣議で決定をされましたことを大事に守ってこれから沖縄の振興策に全身を傾けて努力していきたい、こう考えております。
○照屋寛徳君 それでは、日米地位協定とPCB問題についてお伺いいたします。
 パナマ船籍のワンヘ号がPCBを積んでカナダ、アメリカで荷揚げを拒否されてそのまま漂流状態で、また日本に来て荷揚げをした。この問題については、社会民主党の相模原の金子豊貴男市会議員がずっと調査をして、そのことが国際問題にまで発展をしたという経緯がございます。
 政府は、在日米軍基地に保管されているPCBなど有害物質や廃棄物の保管状況や保管量等について現状を掌握しておられるかどうか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 在日米軍に対しましてこれまで廃棄物処理法は適用されておりません。したがいまして、基地内の廃棄物の状況については把握しておりません。
   〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
 在日米軍の基地内におきます環境問題について協議する必要が生じた場合には、日米合同委員会のもとに設置されております日米環境分科委員会で、環境庁、外務省、防衛施設庁など関係省庁と連絡を密にしながら、いずれにいたしましても今回の米軍のPCBの廃棄物につきましては、これ外務大臣からお答えがあるかもしれませんけれども、既に外務省から米軍に対しまして日本国外で処理をするように要請をいたしまして、米軍もこれを了承している、こういうことでございます。
 いずれにいたしましても、保管処理は環境保全を十分に配慮して処理することを私どもは求めているものでございます。
○照屋寛徳君 外務大臣、地位協定でもって在日米軍基地の中の有害物質や廃棄物に国内法は適用されないんですね。
 外務省としては、国民の命や健康にかかわるPCBなどの有害物質、これが在日米軍でどのような取り扱いになっているか、そこら辺について米軍に情報公開を求めるとかきちんと掌握をするとか、そういう最善の努力を尽くすべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 環境問題とりわけ有害物質の保管に当たりましては、適切な保管をするということでなければならないと思います。そのことはしばしばこちらからも米軍に言っておりますし、今、厚生大臣からお話がございましたが、今回もまた、米側に対しまして現状その他についての報告を要請中でございますが、今、議員がお話しになりましたように、地位協定によってはこれについて我が方から特別義務を課すということにはなっておりません。
 したがいまして、私どもといたしましては、地位協定の運用の改善を考えて、この環境問題についてはでき得る限り米側が我が日本側に対しまして情報を提供する、あるいはその他適切な方法でこうした問題について市民の不安を取り除く、そうした努力をするように申し入れいたしておりますと同時に、ルールも、そうしたルールをつくっていかなければいけないだろう、こう考えて目下検討中でございます。
○照屋寛徳君 相模原の補給廠には現在どれだけの量のPCBが保管されているんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 相模補給廠につきましては、百二十トンのPCBを含みます有害物質があるという情報を受けております。
 そして、その百二十トンのうちの百トンが、今、議員がお話しになりましたように船に積まれて日本から持ち出されたということになっておりますが、その船は、今お話しのとおり一たん横浜に戻りまして、現在横浜で、その百トンにつきましても一カ月以内に持ち出すということを私どもに約束をした上で適切な保管がなされているということでございまして、それ以上の情報は残念ながらまだ我が方は入手しておりません。
○照屋寛徳君 外務大臣、相模原の補給廠には在沖米軍基地から運び込まれた五三万ppmという超高濃度の物質も残されておる、こういう情報もあるんですが、そのことは確認しておられるでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 政府といたしましては、これまでのところ、相模総合補給廠に御指摘のようなPCB油が保管されているとの情報には接しておりません。
 いずれにしても、政府としては、相模総合補給廠に保管されているPCBを含む廃棄物に関し、現在さらに米側に情報提供を求めている段階でございます。
○照屋寛徳君 私は、在日米軍基地の有害物質の問題というのは、これは国民の命と健康にかかわる重大な問題だという認識を持っております。同時に、現行の地位協定では不十分である。したがって、今回の事件を契機にして日米合同委員会でより具体的に協議をする。場合によっては地位協定の運用の見直しや改正を提案する。
 このことについての大臣の御決意をお聞かせください。
○国務大臣(河野洋平君) 私も、議員が今御指摘になりましたように、この問題は大変な不安を市民に与えていると思います。そして、それはただ単に不安にとどまらないかもしれないということがあればこれは大変なことでございますから、できるだけ早く日米合同委員会その他の枠組みの中で日米地位協定の運用の改善等を考えまして、今御指摘のような方法を米側にも提示して双方で協議をいたしたい、こう考えております。
 今、議員がおっしゃいましたように、日米地位協定の運用の改善の中でこうした問題が処理できるのではないかというふうに私は考えておりまして、目下事務当局をして作業をさせているところでございます。
○照屋寛徳君 沖縄の米軍基地では、嘉手納基地から重油が漏れ出してその周辺の井戸が燃え出す、こういう事件などもありました。では、復帰後、嘉手納空軍基地から県民の水がめ、水源地である比謝川に流出をした油の量、事件数、これをお教えください。
○国務大臣(瓦力君) 嘉手納飛行場から比謝川への油の流出でございますが、当庁が承知している件数は昭和五十年から同六十三年にかけての七件でございます。流出量は、米軍が公表した三件について約十ガロン、三十八リットルないし三十ガロン、百十四リットルであることを承知しておりますが、米軍公表以外の四件につきましては承知いたしておりません。
 以上です。
○照屋寛徳君 それでは、先に進んで、教育問題で一点だけお伺いをいたします。
 森総理は文教族のドンだとかおっしゃる人もおりましたけれども、やっぱり子供たちの豊かな個性と限りない可能性を伸ばしていく教育、これが私は新しい時代の教育の姿だろうと思います。同時に、教育効果を高めるためにも三十人以下学級の早期実現が図られるべきだと、こういうふうに考えておりますが、文部大臣の所信をお伺いいたします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 教職員配置の今後のあり方につきましては、現在、協力者会議において検討中でございますけれども、まだ一定の結論を得るには至っておりません。
 お話しのいわゆる三十人学級につきましては、学級の規模とそれから教育効果の関連というものがいまだこれも明確になっていないところでございます。
 教育指導を効果的に行うには、学年やそれから教科等に応じまして少人数による学習指導、学習集団を編制するというきめの細かい工夫を行うことが必要でありまして、以上のようなことから、教育効果の上で必ずしも三十人学級というものが望ましい方法とはまだ言えないと思っているところでございます。
 それから、一律に三十人学級を実施するとすれば、国、地方を通じまして相当の財政的な負担がございます。一兆円、国の負担が五千億円ということでございまして、そういう点も考慮して慎重にこれは検討しなければならないものと思っております。
 これらの点を含めまして、協力者会議における検討の結果もまた考慮をしながら、平成十三年度から新たな施策に着手できるように準備を進めていきたい、そういうふうに思っているところでございます。
○照屋寛徳君 失業率と雇用対策の問題についてお伺いいたしますが、労働大臣、極めて深刻な雇用失業状況でございます。社会民主党はこれらの事態を打開するために雇用創出について積極的な政策展開をすべきだ、こういう考えですが、労働大臣の決意をお伺いいたします。
○国務大臣(牧野隆守君) 現在、四・九%という失業でございますが、この中身を見ますと、一・三%が普通の需要不足、あとの三・六%が構造変動に伴う実は失業者、こういうことになっているわけです。
 したがいまして、新規の雇用情勢も出てきておりますが、このミスマッチをどうするかということは、第一点は、実は技術研修でございます。政府の機関及び民間の職業学校等あれしまして、最低二十万円の研修費用を失業者の方には出してぜひ技能を習得してくださいと、これが基本的な第一であります。
 第二番目は、非自発的失業の方々をぜひ雇っていただきたい。この場合には給与の三分の一だとか、あるいはお一人に対して四十万円から七十万円の雇用費用を援助させていただきますと、こういう形で現在安定所を中心にして一緒になって雇っていただきたい。この代表的な例が実は中小企業労働確保法でございまして、これは一年間に二分の一給与の補てんをいたしましょうということで、具体的に既に十万人近い方々が雇用されております。
 その他、いろんな助成措置はございますが、新規の産業関係等々に対して助成措置を講じておりますが、基本はそういう形で暫定的には一年間給与を補てんしますよ、片方で技術研修をしていただいてミスマッチをなくしてください、それに全力投球させていただいております。
○照屋寛徳君 外務大臣に通告しておりましたので、厚木基地周辺の住民が強く望んでおりますアクロバット飛行の禁止と夜間離発着訓練の硫黄島への完全移行について大臣のお考えをお示しください。
○国務大臣(河野洋平君) 厚木基地で行われておりましたNLP、夜間の飛行訓練でございますが、これは議員御承知のとおり、硫黄島に練習場をつくりましてそちらで練習をやってもらうということでございました。
 現在は、以前に比べますと八〇%前後の練習が硫黄島に移っているという数字が出ております。しかし、残念ながらまだ硫黄島に行かれない、つまり天気が非常に悪い、荒天の時期でございますとか、その他若干の理由があって硫黄島に行けずに厚木で行うという場合がございます。このことによりまして、厚木基地周辺の方々には相当な騒音がまだ出ているという御負担をおかけしている部分がございます。しかし、そういう場合でも、とりわけ学校の試験を前にした時期その他はでき得る限りそうした事情を勘案するように米側には要請をいたしております。
 また、アクロバット飛行につきましては、地元からは、航空ショーにおきますアクロバット飛行について大変不安がある、これは米軍に申し入れをして取りやめるべきだという御要請がございます。しかし一方で、航空ショーにおきまして、その航空ショーを見に来られる、参加される人の数も相当多いということも実情でございまして、航空ショーをどういうふうにするか、航空ショーは行うけれどもアクロバット飛行だけはやめるというような方法がとれるかどうか、こうしたことにつきましても米側と話し合うということを考えております。
○照屋寛徳君 森総理、沖縄には百三十二万人の県民が住んでおります。沖縄は琉球王朝の時代から強く平和を志向する、平和を求める民族、人たちでございました。そのことをしっかり私は肝に銘じていただいて、沖縄県民が強く望んでおります、これはまた日本国民全体の課題でもあると思いますが、沖縄の米軍基地の整理、縮小を徹底的に図って、そして沖縄県民が求めておる平和で豊かな沖縄県をつくる、そのために森総理が全力を挙げていただく、そういう御決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 私も常に沖縄を思う気持ちは議員の今御発言どおりでございまして、私がたまたま当選をさせていただきましたのは昭和四十四年でございました。そして、その後、沖縄復帰のお話になりまして、そして沖縄返還に対する法律の促進をしていくために、当時私も一年生議員でございましたけれども、沖縄にも渡りました。後、私どもの党からいえば、西銘議員であるとか國場議員が御当選をなさって、したがって私どもと同期生ということになりまして、ずっと続けて沖縄の問題をいろいろと勉強させていただきました。幹事長になりましてからも、いわゆる我が党におきます沖縄振興の私はその委員長として、対策本部長として、沖縄の振興のための努力もしてきたつもりでございます。
 今、議員の御指摘のとおり、沖縄の県民の皆さんの気持ちも私は私なりに一番よく理解をし、そして沖縄のために努力していこう、こう決意を改めて申し上げる次第でございます。
○国務大臣(河野洋平君) 照屋議員の質問の答弁が一カ所、私の勘違いで間違えておりました。
 アクロバット飛行につきましては、既にこれは中止しております。あと、展示飛行というショーがございますが、これについて協議をいたしているところでございます。
○照屋寛徳君 終わります。
○理事(竹山裕君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○理事(竹山裕君) 次に、奥村展三君の質疑を行います。奥村展三君。
○奥村展三君 今なお病床におつきになっておられます小渕前総理大臣、また御家族、関係の皆さんに心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 同時に、有珠山で避難を余儀なくされております皆さん方にもお見舞いを申し上げるものであります。
 私は、三月二日の当予算委員会でも、この場で当時の小渕総理にお伺いをいたしたわけでありますが、このような事態になって森総理が誕生いたしました。やはりきのう衆議院でも議論をなされ、きょうも先生方もいろいろと議論をなされているわけでありますが、景気対策、それに財政をどんどんとつぎ込んでいく、当然のことであろうと思いますが、しかし、前回も申し上げました、三世代においてこの借金を返していかなければならない、やはり財政の健全化ということについてしっかりと方向づけを、あるいはまたプログラムを確立されるべきであるというように思うものであります。
 その点について、森総理のお考えをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) たびたびこの委員会でも申し上げてまいりましたけれども、極めて厳しい我が国の財政の現状を見ますと、財政改革というのは必ずこれは実現しなければならない重要な課題であるということ、我が国経済が本格的な回復軌道に乗ることを見きわめた上で速やかに取りかからなければならない、このように承知をいたしております。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
 大蔵大臣や経企庁長官からもお話がございましたけれども、緩やかな改善を今続けているこの経済を本格的な回復軌道に乗せることが、これからの財政改革を進めていく上で、まず本体である日本の経済が安定をして、そしてより成長に転じていくということを見ることがやっぱり一番重要ではないかな、こういうふうに考えているところでございます。
○奥村展三君 よくわかるんですが、森総理も長い政治生活をなされております。政治家として夢をお持ちになってこられたと思います。ビジョンもあったと思います。しかし、小渕前総理がこのような形になったわけでありますが、自分が総理になったときにはこういうビジョンを持ってこういう方向づけで日本の国の形をつくり上げていきたいという私はビジョンがおありだったと思うんです。
 しかし、今の答弁なり、ずっときょうの議論を聞いていますと、確かに、こういう財政状況であり経済状況でありますから、それは、踏襲されるということはわかるんですが、やはり森総理のカラー、独自性というものを私は出していただきたい、そういうように思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 御承知のような緊急事態の中で私は内閣の責任を負ったわけです。これもしばしば申し上げておりますように、私は自由民主党の幹事長をいたしておりまして、連立与党の責任ある立場でございましたから、これまで御審議をいただき成立をいたしております十二年度予算にいたしましても、またこれらの関連法案にいたしましても、これは皆小渕前総理を中心として、そして当時の自由党また公明党の皆さんの協力を仰いで、そしてこれらの政策をつくり上げたわけであります。それを支えたのは私どもでございますから、こういう事態の中で小渕前総理の後を受けて責任を負う以上は、やはり小渕前総理の思う気持ちをまず実現するということが私は大事だというふうに考えております。
 私も自分の政治生活の中でいろんなポジションも務めてまいりましたけれども、やはりこの景気の問題は、今から振り返ってみますと、宮澤内閣当時、私は政調会長をいたしておりましたけれども、その当時からずっと本格的な景気回復ということに対して、やはり若干はある程度のところへ参りますとちゅうちょした面もある、財政のことも考えた、そして財政改革に入ったということもございました。しかし、それはまた日本の外のいろんな経済的要因があって、日本の経済がはかばかしくなかったという歴史的経過もあると思います。
 だから、そういう長い間の経緯、そうした経験も私ども踏まえながら、ここはやっぱり先ほど申し上げたように本当に本格的にいわゆる公需から民需に移ったということが明白にわかってくるというまではしっかりと今の景気回復をまず最優先に考えることが内閣の果たすべき大事な役目だというふうに私は考えているんです。
○奥村展三君 ぜひ財政の健全化のために一日も早く構造改革プログラムをお出しになることを強く要望しておきたいと思います。
 ずっとお聞きをいたしましても、総理は教育問題に大変力を入れてこられたというお話がたびたび出てまいりまして、特に中教審が「少子化と教育について」という報告を最近文部大臣になされたようでありますが、これだけの状況が続きますと、日本の未来の教育、社会構造に大きな私は激変が起こってくると思います。
 教育全体について、総理は今日まで教育に力を入れてこられたわけでありますが、こういう少子化と教育についてどのようにお考えになっているか、お伺いをいたします。
○国務大臣(森喜朗君) 私は、そんなに教育に対して権威者だとは思っていないんです。たまたまそういう担当をしてきたということと、もう一つは、中曽根内閣のときに教育改革をやれという、そういう御下命を受けて、私は臨時教育審議会設置のための当時の文部大臣であったということ、そしてその教育改革について幾ばくかの役割を果たしてきたという、そういう過去の反省の中から今、小渕前総理がぜひ教育改革をやりたいというお話があったので、私はもう本当にもろ手を挙げて賛成をいたしたという立場でございます。
 詳細、少子化の問題等については、これは文部大臣からお話を申し上げることが適切かというふうに思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 少子化の進行というのは、福祉の面とかそれから雇用の面、労働力の面とか社会全体に大変大きな影響を与えますけれども、同時に教育の面でも大変マイナスな影響もあるわけでございます。
 こういうような状況を踏まえて、中央教育審議会におきましては、社会全体で子供を育てていく、そういう視点に立って、先日、この少子化問題に対する対応方法などをおまとめいただいたところでございます。
 政府におきましても、少子化対策推進基本方針に基づきまして、少子化問題に対して各種施策を推進しているところでございますけれども、今回の報告を踏まえまして、一つは少子化が教育に及ぼす影響を最小限にする、それからもう一つは少子化のもとで可能な限り教育条件を整えていくということ、そして三点目は少子化の解消に向けての環境整備、大きく分けてこの三点を中心に今後少子化対策を行っていきたい、そういうふうに思っているところでございます。
○奥村展三君 子供は社会の宝だと私は思います。社会全体が子供そのものを受け入れていく、懐の深さのある社会形成が必要だということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、先ほども議論がございましたが、幼保連携等のお話がございました。三つ子の魂百までと言われることを先人から承ってきましたが、こうしたことを考えますと、確かに少子化の問題もあるんですが、今日の六三三制の流れを考えましても、やはり私は就学前教育、義務教育までの教育というのを大切に思うんですが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員は幼稚園等の経営にも携わられているというようなことも伺いまして、大変な御専門家でいらっしゃるわけでありますけれども、幼児期における教育というものはその将来における幼児の人間形成の基礎というものを培う上で非常に重要なものでございますし、また小学校以降の学校生活とか学習、これにつなげていく上でも大事なものでございまして、今私どもはそういう観点から幼稚園におけるしつけとか道徳の問題にも重点を置いて取り組んでいるところでございます。
 ことしの四月から実施されます新しい幼稚園の教育要領におきましては、しつけなど道徳性の芽生えの重視、それから幼児の活動に応じた教師の役割の重視、さらに小学校教員との連携など、指導内容の充実を図ったところでございます。
 幼稚園が家庭とかそれから地域社会の教育力に貢献できますように、預かり保育とかあるいは子育て支援など各種の支援を講じているわけでありまして、私どもとしても幼稚園教育の充実に力を入れていきたい、そういうふうに思っております。
 それから、今、委員おっしゃいましたけれども、就学前の教育というのは、三つ子の魂百までと申しますけれども、本当に一番大事だと思っております。いろいろ児童生徒の不祥事もありますけれども、家庭教育、中でも幼児の時代の家庭のしつけ、教育というものが大変大事だと思っておりまして、幼稚園における教育のみならず、家庭における教育についても私ども努力をしていきたいと思っております。
○奥村展三君 やはり初めて保育所におきましても幼稚園におきましても集団生活に入るわけであります。そういうときからルールをしっかりと守っていく、あるいは命を大切にしていく、そういうしつけあるいはそういうことをしっかりと就学前に私はしておくべきだというように思います。
 今後も、先ほどの幼保連携の中にもありましたように、宝だと思って、そういうものにもっと国としても力を入れていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 最後になりましたが、環境庁長官にお伺いをいたしたいと思います。
 四月の七日、八日、九日、環境こだわり県でございます私の地元の滋賀県で立派にG8環境会議を成功なされました。心から感謝を申し上げる次第であります。
 二年前のCOP3の京都議定書、こういう問題を踏まえて、ことしの秋には、先ほどもお話が出ておりましたようにオランダのハーグでCOP6が行われる。こういうことを踏まえますと、この成果を沖縄サミットでどのように位置づけて、どのように進めていかれるか、このことにつきまして、環境庁長官にお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(清水嘉与子君) 本年のG8環境大臣会合は、新たな千年紀を目前にいたしまして国際社会が直面する環境問題、G8各国の環境大臣が本当に率直にまた真剣に意見交換を行いまして、そしてその結果をコミュニケにまとめたところでございます。
 まず、気候変動につきましては、本年十一月のCOP6を成功させ、できるだけ早く京都議定書を発効させるため、G8各国の環境大臣が政治的なリーダーシップを発揮すること、そして二つ目には、京都議定書の発効時期でございますけれども、できるだけ早く京都議定書の批准、発効を促進することを確保するというコミットメントを確認する、ほとんどの国々にとってこれは遅くとも二〇〇二年までにということを意味する内容で合意を得たこと、そしてまた三つ目には、これまでの経済発展パターンを改めまして、二十一世紀において持続可能な開発を達成するため、G8各国の環境大臣が地球社会の模範となるような政治的リーダーシップを発揮して持続可能な開発の達成を先導すること、こういったようなことに共通の認識が得られましてこういった成果が得られたわけでございます。
 また、地元滋賀県が非常に熱心に取り組んでおられます水の問題、これは各国大臣からもその重要性について繰り返し発言が行われまして、水資源及び生態系の保全あるいは国際的な淡水資源アセスメントの推進等がコミュニケに盛り込まれたところでございます。
 本会合の成果につきましては、会合の翌日に私は森総理のところに伺いまして成果を御報告申し上げまして、七月の九州・沖縄サミットの成功に大きく貢献するものであるということを申し上げまして、それを反映させていただくようにお願いしたところでございます。
○奥村展三君 総理、いかがですか、今成果を御報告いただきましたが。
○国務大臣(森喜朗君) 環境庁長官からお話をされましたように、私も終了後、清水大臣、また参加をされました各国の担当の大臣にもお目にかかりました。大変精力的にいいまとめをしていただいたものだと考えております。
 これをG8、いわゆる沖縄サミットのときにどういうふうに取り上げていくかということにつきましては、これから私、各国も回るわけでございますので、そういう趣旨のお話もある程度してまいりたいと思っております。
 これもけさほど申し上げたと思いますが、土、日に行われました宮崎でのいわゆる太平洋の島嶼国会議、この中でも、地球温暖化現象によって島そのものが海面の水位よりも下がるという事態をやはり大変深刻に考えておられる国々もございました。そういう皆様方もこの環境大臣会合の成果というものに大変関心を持っておられまして、ぜひ沖縄サミットでそうした島々の心配もあることも十分に反映してほしいと、そういうふうにもお話を承っておりますので、極めて大事なテーマでございます。私もG8のそれぞれの首脳に率直にこうしたお話も申し上げてまいりたい、こう考えております。
○奥村展三君 ありがとうございました。
 関連質問をお許しいただきたいと思います。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。田名部匡省君。
○田名部匡省君 この委員会をずっと衆議院も参議院も見てまいりましたが、景気回復がどうしても最優先というお話が多いんですけれども、私は景気回復をしてほしくないという考えは持っておりませんが、一つ条件があると思うんです。
 私は、選挙区でいろんな話を聞くと、まず公務員の不祥事、それから普通、家庭ならば、企業でもそうですけれども、苦しいときはむだなものに使わない、節約をする、いろいろ努力しているわけです。しかし、今の国を見ると、どうも節約はしていない、むだ遣いはしている。そういうことと赤字の特殊法人、こういうものがマスコミを通じて出るものですから、私は、基本的に特殊法人なんかでも第三セクターでもそうですけれども、赤字でも給料もらって、ボーナスもらって、退職金もらう、こういう感覚が国民から見たらまことにわかりにくいんです。
 そういう気持ちがあるものですから、中小企業や失業を余儀なくされている方々から見たら、しかもいいところと悪いところがありますから、今そういう感情で景気景気と言われても、景気もやって結構ですが、そういうこともやりながら国の姿勢というものを見せることが大事ではないのかなという感じを持つんですが、総理、まず御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 相次いで発覚しておりますそうした公務員の不祥事等については、これは極めて残念なことであります。厳格にそれぞれの役所の立場でも処分をしなければならぬということだろうと、そう思います。また、大いにそうしたことによって反省もし、何が問題であるのかということを大臣を先頭にそうした対処策をとっていただくということも当然なことで、何としても、やっぱり私が所信表明にも申し上げておりますように、国民から信頼をされる政府にしなければならぬ、そう思っているわけでございます。
 田名部議員が、だからといって、ほかのところを抑えてしまえということも理屈としてはわからないわけではないけれども、角を矯めて牛を殺すということもあるわけでありますし、何といってもやはり景気を回復してほしいというそのお気持ちは、そうはおっしゃっても全国の産業を営む、あるいは御商売を営んでおられる皆さんの痛切な感じではないかな、そういう希望ではないかなと、私はそう思っております。
 そのこととまさに比較対照してやるべきことのテーマではないんですけれども、厳しくすべきことは厳しくしていく、そしてやはり景気対策に対してはしっかりとその姿勢を貫いていくということ、そして新たな経済新生を生み出していくということに対してすべての対応をしっかりやっていくということではないかなというふうに思います。
○田名部匡省君 いずれにしても、国民側から見て景気は大事でありますけれども、今度は野中幹事長、特殊法人に三年で相当やるという決意ですから、こういう両方をやらないと、何か片方だけ、ツケ回しだけは国民に来るということだけはやっぱり避けるべきだ、こう思います。
 三分しかないのでこればかりやっていられませんが、むつ小川原の問題でちょっとお伺いしたいんですが、二千三百億からの借金をしちゃったと。この参考メモを私お上げしているんですね、中山大臣。これは私が県会議員のときからなんですよ。もう三十年たって、これから二十何年たって今度は解決しようというんですから半世紀かかるんです、これ。責任はどこにあったとお考えですか、このメモを見て。
○国務大臣(中山正暉君) 先生お話しのように、今、財政再建、行政改革という中でどうなんだということでございますが、むつ小川原の開発プロジェクトというのは「特殊法人等の整理合理化について」という平成九年九月二十四日、苫東、苫小牧東部開発とそれからむつ小川原開発、この二つのプロジェクトをどうするかという、いわゆる行政改革で、三十年前の今のお話のような後始末の話だと私は思います。総理と私も同期、昭和四十四年当選なのでございますが、そのとき佐藤内閣、それから田中角栄幹事長、日本列島改造、東北の方がそのまま山林原野で残っている、ここを有効に活用しようというのがあのときの動きであったと思います。
 私は、戦後の十五年というのはわだつみの時代、戦争反省の時代、その次が経済発展の時代、それから五十年から六十四年までがいわゆる伝統見直しの時代だという話を聞いたことがありますが、ちょうどその経済繁栄に乗ったときにこの話が始まって、そしてそれから中東問題で石油の問題、それからまた産業構造の変化、そんなもので、二千四百億円の赤字に至る経緯というのは、それは土地が売れなかったという、四一%しか売れておりません。ですから、むつ会社というのは当初から資本金額と比べて極めて大きな資金の需要を抱えていたことから、分譲収入の確保が思うように進まない、有利子借入金に大幅に依存したというのが間違いの原因ではないかと思います。
 木村知事と私も昨年の十一月二十三日に現地に入りまして、私は現地を見て惨たんたる場所かなと思ったら、何となく土地の霊力を感じたという感じがいたしまして、私はこれはしっかり立て直せばまだ希望の土地だなという感じがいたしましたのでございます。
 その土地を使ってこれからどうするかという、その意味で、先生も昭和五十四年から御当選になられていろいろ地元のことにはお詳しいわけでございますので、何かと今後、これから新会社設立ということで二百九十四億円、ことし政府も予算を組んでおります。
 そんなことで、これからの問題だと思っております。
○田名部匡省君 閣議口頭了解したのが四十七年です。私は県会議員でした。四十七年の十二月に土地の買収がどんどん始まっちゃったんです。そのときに、下河辺さんが経済企画庁の調査官で、あれは候補地であって、やろうと書いてありませんと、総合開発計画に、新全総の中に。だから、やるのであればもっと調査が必要だと言っているのに、どんどん買収が始まっちゃった。それでだんだんおかしくなってきたんです。
 私がなぜこのことを言うかというと、地元の金融機関には何の相談もない。だれに責任があったかというと、やっぱり国、北東金融公庫もそうかもしれません。責任に応じて放棄せいと言うならわかりますけれども、何にも関係ないところに六九%の放棄をさせる。一年間の利益分ぐらいです。そういうように不公平なことをやったら、これからだれも、地方に国との大きなものをやろうというときに金を出す人ありませんよ、これが先例になるわけですから。
 まだまだ新幹線の話も在来線の話もあります。青森県だけがなぜ北海道から鹿児島まで行っている鉄道の一部分を負担しなきゃならぬのか。よく総理言ったですね、ウナギとドジョウとウナギだと。全く北海道はウナギで、青森から盛岡までの間はドジョウで、盛岡から先はウナギなんですよ。そういうことを私は言っているんで、もう時間ですから、終わります。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。平野貞夫君。
○平野貞夫君 参議院クラブに所属しております自由党の平野貞夫でございます。
 小渕総理大臣の総辞職から新政権についての問題を取り上げます。
 小渕総理から青木臨時代理に職務権限が移行した時点は何日の何時ですか、法制局長官。
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。
 青木官房長官が臨時代理を指定されましたのはたしか四月二日の七時であったと思います。そして、現実にその指定に基づきまして内閣総理大臣の職務を開始したのは翌日の午前九時というふうに承知しております。
○平野貞夫君 そうすると、職務権限が移行したのが四月三日の午前九時ということでよろしゅうございますか。
○政府特別補佐人(津野修君) 現実に職務を開始されましたのが午前九時でございましたので、その時点で職務権限が移行したものでございます。
○平野貞夫君 そのことは「予め指定する」という内閣法九条の根拠なのか、あるいは他の方法があったんですか。
○政府特別補佐人(津野修君) 先ほど御答弁いたしましたが、前日の午後の七時ごろだと存じますけれども、青木官房長官が小渕前総理にお会いになられたときにその指定を受けておられますので、その時点に臨時代理の指定が行われたというふうに考えております。
○平野貞夫君 万事頼むと言われたことが指定だと、このように理解してよろしいですか。
○政府特別補佐人(津野修君) これは意思表示の解釈の一般的な問題になりますけれども、当事者間で、当時の言動、それから当事者間の関係、それから諸般の、当時におけるもろもろの状況から判断して、青木官房長官がその指定を当然含んだものであるというふうに受けとめられ、小渕前総理においてもそういう意識が十分にあったであろうというようなことを考えられて、それが臨時代理の指定として有効な行為として成立しているということでございます。
○平野貞夫君 わかりました。
 意見はありますが、時間がありません、重大な問題だという指摘だけしておきます。
 青木官房長官、あなたはきのう、きょうの国会答弁で、憲法七十条の「内閣総理大臣が欠けたとき」の解釈は自分がしたと、このように発言されていますが、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(青木幹雄君) 最終的な判断、決定は私がしたことに間違いがありませんが、その判断、決定をする前に、憲法七十条でいわゆる「内閣総理大臣が欠けたとき」という条項がございますので、それはどういうことを意味するかということでございますので、私は二時半過ぎに病院に参りまして医師団とお話をいたしました。医師団とお話をした内容は、本人が自分の意思を他人に伝えることができない状態、それから他人の考え方を本人が理解することのできない状態、そういう状態が当分の間、今の病状で続きますかということを私は医師団に確認をいたしました。医師団は、当分の間そういう状態にお返りになることはないと思いますという判断でございましたので、私がその時点でこれはいわゆる憲法七十条による本人が欠けたときという判断をせざるを得ないと、そういう判断を私がしたわけでございます。
○平野貞夫君 法制局長官、臨時代理の方が重大な憲法解釈をする権限はございますか。
○政府特別補佐人(津野修君) これはちょっと御説明いたしますと、憲法七十条の「内閣総理大臣が欠けたとき」の政府の従来の解釈がございまして、従来からいろいろな解釈を言っているわけでございますけれども、今回の場合、我々政府としての見解を出しておりまして、それに従いまして内閣総理大臣臨時代理である青木官房長官がまず最初にいろいろな医師団との関係でその病状等について御説明を受けた、それに基づいて内閣総理大臣が欠けたことに当たるかどうかということについての判断を、その点で青木内閣総理大臣臨時代理の判断としてまずされて、それをたしか四月四日だったですか、臨時閣議におきまして了解をその判断につきまして得まして、それで総辞職をしたというふうに承知しております。
○平野貞夫君 闘病中の総理を、医師団自身の公式発表もなく欠けたと臨時代理一人で解釈することは、憲法運用の乱用ですよ。小渕総理の人間としての尊厳を冒涜していますよ。私はそう思います。
 それから、法制局長官、ちょっと混乱しているようですけれども、私が法制局長官だったら、七十条の解釈、運用については、まず閣議の了解、そして何よりも首班指名権を持つ国会への連絡、協議が前提ですよ。議院内閣制をどう思っているんですか、答えてください。
○国務大臣(青木幹雄君) 閣議が必要だということは当然でありまして、私も、最終的に私がそういう判断をし、私が医師団とお会いした上で、こういう今申し上げましたような経過を経て私が判断しましたが、閣僚の皆さん、これでよろしゅうございますかということで閣議の了解を最終的に得て総辞職をしたわけでございます。
○政府特別補佐人(津野修君) 今、官房長官から御答弁のあったとおりでございますけれども、先ほど私が説明しましたように、四月四日の午後七時の臨時閣議におきまして、内閣総理大臣が欠けたということとともに内閣の総辞職をしたということでございましたので、閣議においてその判断についての了解は得ております。最終的に内閣の判断として欠けたという判断をしたわけでございます。
○平野貞夫君 私は、この七十条の解釈の拡大について、国会への連絡、協議はどうしても必要な要件だと思うんですが、その点についてはどうですか。
○政府特別補佐人(津野修君) これは、憲法七十条の「内閣総理大臣が欠けたとき」の解釈でございます。
 少し解釈を敷衍させていただきますと、憲法七十条の「欠けたとき」といいますのは、典型的には内閣総理大臣が死亡した場合とかあるいは国会議員たる地位を失った場合とか、そういったような将来にわたって内閣総理大臣として執務することができない、そういった状態になったときを言うわけであります。病気の場合でございますけれども、これは通常、一時的な故障というふうに考えられるわけでございまして、通常の場合は「内閣総理大臣が欠けたとき」には病気は当たらないことがあるわけでございます。
 しかし、内閣総理大臣が国会で指名されまして、その存立が国会の信任によっている行政の最高責任者であるということにかんがみますと、例えば内閣総理大臣が行方不明であるとか意識不明であるとかいうような場合に、臨時代理が内閣総理大臣の職務を行っている内閣が内閣総理大臣の復帰のめどもないままに続いていくというようなことは憲法が予定するところであるとは解されないわけでございまして、今回のように内閣総理大臣が意識不明で近い将来に回復の見込みがないような場合には、憲法第七十条に言う「内閣総理大臣が欠けたとき」に当たると解するのが相当であるというふうに考えております。
○平野貞夫君 答えていません。国会への協議、報告が必要ではなかったかどうか、答えてください。
○政府特別補佐人(津野修君) 国会に対する通知はこれは国会法で定まっておりまして、辞職したことについての通知をいたしているはずでございます。
○平野貞夫君 時間がありませんから、もう私の考え方だけにしますが、まず医師団自身による公式発表による病状を客観的に国民の前に明らかにすること、これが憲法解釈の成立する前提ですよ。それは青木臨時代理は立派ですが、一人が医師団から聞いたと称して、これは世間では通用しませんよ。それをもって憲法判断する、こんなことは民主主義国家ではあり得ないことですよ。
 それから、森首相、青木官房長官、そのほかの方たちがやった実態を総括すれば、マスコミは、総理が急病となり、医師団の公式発表も行わず、五人組の誘導で職務遂行不能とし、やぶの中で憲法七十条の拡大解釈を行わさせ、臨時代理をつくり、後継の総裁・総理を固め、小渕内閣を総辞職させ、その上で森内閣をつくった、こういうふうに多くのマスコミは報道していますが、私もそう思います。
━━━━━━━━━━これは──まじめに聞いてください、まじめに。我が国は憲法政治が行われているんですよ。
 これが我が国の民主主義の根っこの腐敗したところなんですよ。表の何票をとって、参議院で百何票、衆議院で何票とったといって、正統性があるない、正統性の論議の前段の問題ですよ。
 私は、実に深刻な問題が今日の日本においてあるということを申し上げて、終わります。
○国務大臣(青木幹雄君) まじめにやれ、まじめにとおっしゃいますが、まじめにはっきり物を言ってください。━━━━━━━━━━
○委員長(倉田寛之君) 以上で奥村展三君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、西川きよし君の質疑を行います。西川きよし君。
○西川きよし君 私で最後になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず冒頭、小渕前総理にお見舞いを申し上げます。一日も早く元気になっていただきたいと思います。西川君、元気にしてたかというような、そんな再会ができたらと願っております。
 そしてまた、森総理大臣におかれましては、これからはお体に本当に気をつけて、この激務、この重責をお務めいただきたいと思います。
 そして、国民の一人一人が自分自身の健康に対しては自己管理を徹底しなくてはならない、改めてそういった意識を皆さん強く持たれたんではないでしょうか。そういうふうに私は思います。
 その意味で、国民の心と体の健康を守るという点につきまして、日本のリーダー、総理大臣といたしまして、国民の健康政策、改めてこれからどうやっていかれるのかということをまず冒頭にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 小渕前総理に対する思いやり、そしてまたお見舞い、それから私に対する祝意というより健康のことを気遣ってくださって、大変ありがたく思います。
 おかげさまで体の方は元気でございますが、責任の重さを思いますと、本当に体を大事にしながら内閣の運営、国政の任に当たってまいりたいと、こう考えております。
 今、御指摘いただきました健康政策についてどう取り組んでいくかということになりますが、我が国におきましては、この疾病全体に占めるがんでありますとか糖尿病等の生活習慣病の割合が増加をしているということだと思いますし、いわゆる心の健康に問題を抱える方々も多数おられるということも承知をいたしております。いずれにしても、西川議員はこの御専門でございますから、むしろいろいろとこれから御指導もいただきたいと、こう思っております。
 このような生活習慣病の予防でありますとか心の健康の保持のためには、日々の生活の中の生活習慣病等の原因因子となる生活習慣の改善あるいはストレスの解消等に努めることが必要であろうというふうに考えております。私自身もできるだけストレスをためないようにと思って努力をいたしているところでございますが、国民的な健康づくりということの運動をぜひ推進してまいりたいと、こう考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 このところ、不況、リストラ、そして中小企業を経営されている方々あるいは毎日の生活のために一生懸命働く方々にとりましては大変厳しい状況が続くわけですけれども、その中で残念なことに過労死、さらには過労自殺という事態に陥る方もたくさんいらっしゃいますし、報道もたくさんされておられるわけですけれども、こうした状況、総理大臣の立場、そして一人の人間森喜朗として、ぜひこのことに対してお話をお伺いしたいなと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 担当の労働大臣あるいは厚生大臣からお話をいただくことが適切かと思いますが、今お話しございましたように、こうした昨今の厳しい経済情勢の中で労働者が過労死される、あるいは過労自殺をという事態に陥るということは本当に痛ましいことであるというふうに思います。そうした防止を図るということもまた重要な行政の課題であるというふうに認識いたしております。
 政府といたしましては、従前から、健康診断の確実な実施、職場におきます心身両面にわたる健康づくりの推進、長時間残業の抑制等により労働者の過労死や過労自殺などの予防に努めているところでありまして、今後ともこうしたことに対して適切な施策を推進してまいりたい、このように考えております。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。
 こういう質問は私自身も寂しいんですが、一昨年の自殺者は三万二千八百六十三人、その前年よりも三五%ふえております。また、残念ながら、三万人を上回っているということですけれども、その中でも四十代、五十代の働き盛りと言われる世代の自殺者が大変多くなっております。
 総理は、先日の演説の中で、安心して夢を持って暮らせる国家を目指すと。ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。こうした苦しみを持つ方々に夢を持っていただく、そういう政府をつくっていただきたい。
 例えば、今お話をさせていただきましたが、不況にあえぐ中小零細企業の経営者に対して、通産大臣に今度は御答弁をいただきたいと思います。これもまた一人の人間として、通産大臣の立場をひとつお考えの上、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(深谷隆司君) 西川委員が福祉問題で全力を挙げ、また中小企業問題で深い配慮をなさっておられることに敬意を表します。
 各般の政策の中でようやく経済は明るみが見えてきたとはいうものの、中小企業、とりわけ小規模企業者にとってはまだまだ苦しい状態が続いておりまして、私ども大変胸を痛めているところでございます。
 ただ、このような小規模な企業者というのは、例えば個人の創造性を発揮するとか積極的な事業展開ということで前進できる可能性を持っておられるわけであります。
 そこで、一体何が一番御不自由かといえば、資金の調達、人の調達、それからさまざまな問題についてのノウハウだと思うんです。私どもは、これらの問題を自力ではなかなか解決できないそういう小規模の方々に対しては政治や行政で積極的に応援をしていかなければならぬ、こう考えています。
 資金について申し上げれば、本日も話が出ました二十兆プラス十兆、合計三十兆の保証協会による貸し渋り対策、これは中小企業の五人に一人以上の方が既に活用なさっているわけでありまして、このほかにも政府系の金融制度、例えばマル経などは五百五十万までですが、このような時期ですから一千万にふやして、これは無担保、無保証でございますが、この期限を一年延長させて活用していただくといったようなさまざまな手だてを講じています。
 人については、例えば事業承継税制で二代目、三代目でつぶれることのないような制度を今度つくってまいりましたし、ものづくりの職人を大事にするという新たな、ものづくり懇談会を通してのさまざまな施策を講じていこうとしているところであります。
 最後のノウハウについては、これは地域支援センターというので、全国三百にセンターを置きます。ここには、どういう場合でも飛び込んできていただきますと、ワンストップサービスで、その場所でお答えを出せるような、そんな仕組みを今構築している最中でございます。ナショナルセンターとか都道府県センターという三通りのセンターをインターネットで結んで、コーディネーターがいて、ボタン一つで質問に答えていけるような、パソコンに画面が映るような、そんな仕組みも今どんどんつくっている最中でございます。
 例えば、洗濯屋さんが店の内装を変えたいとか、ラーメン屋さんが内装を変えたいというと、ボタン一つ押すと設備資金として無利子で貸し出せる制度が出てくるとか、いろんな角度からのノウハウをそのセンターで答えていきたい。
 いずれにしても、御苦労なさっている皆さん方があすに希望が持てるような体制を、通産省及び他の省庁とも連絡をいたしまして、積極的に果敢に努力を続けていきたいと考えています。
○西川きよし君 深谷大臣の御答弁、いつも答弁いただきますと本当に安心するんですけれども、なかなか現場の方々には喜ばれぬ。西川さん、ああでもない、こうでもない、きよしさん、こうだ、ああだというお話を、特に中小零細企業が多い大阪ではよくお話を聞きますので、切にお願いを申し上げます。そしてまた、選挙区の方もそういう地域ということで本当に頑張っていただきたいと思います。
 次に、労働大臣に御質問したいと思います。
 きょうは健康も含めてお伺いしたいんですが、労働安全衛生面について、健康対策をさらに充実してもらいたい。例えば、サラリーマンの方々は年に一回定期的な健康診断を受けられるわけですけれども、そこであなたは問題がありますよと、こうなりますと精密検査が当然必要になるわけですけれども、結果がそういうふうに出ましてもなかなか二次検査を受けられません。その背景には、時間のこと、費用負担のこと、いろいろございます。そういった面の、今のお話も含めてですけれども、支援策というものを労働大臣はこれからどういうふうにやっていかれるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(牧野隆守君) 今御指摘のとおり、一年に一回、二回の定期診断、これは事業主が責任を持ってやらなきゃならないわけですが、そこで問題があるよといわゆるお医者さんが診断した場合に、再診断に行きなさいということは義務づけてはおりません。しかし、現実の過労、働き過ぎという労働条件の片方で問題もあるんですが、特に健康そのものについては、労災保険制度でぜひ再診ができるように考えなきゃいけないなと。特に過労死、この発生だけはどうしても防がなきゃいけない。そうしますと、定期健康診断の結果、脳それから心臓疾患に関する一定の項目について異常の所見があると再診断で認められたときには、お医者さんと相談するのは当然でありますが、これらを新たな保険給付の対象にする、そういう制度をつくると、こういう前提で現在検討を進めております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、文部大臣にお伺いをいたします。
 こうした状況の中で、多くの自殺をされた方の子供さんが残された家族とともに懸命に頑張っていらっしゃいます。この土曜日ですが、あしなが募金に協力をさせていただいております。春と秋ですけれども、子供たちは大変頑張っておられます。僕も十歳のころからずっとアルバイトをやっておるわけですけれども、十代の子供、二十歳以前というのはもう本当に不安です。本当に不安です。こういう子供たちの修学の問題、心のケアの問題、どのようにこれから文部大臣として考えてやっていかれるのか。ひとつこの答弁を聞いて全国の方々が、親が、子供がほっとする、希望が持てる、よし、中曽根文部大臣がこう言っているんだからちょっと辛抱して頑張ってみようではないかというぐらいの、ほっとするような御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 深谷大臣からも御発言がございましたけれども、私は西川議員と初当選が御一緒ですが、初当選以来、福祉の問題や、それから弱い立場の方々の問題に本当に真剣に取り組んでおられることに私は心から敬意を表します。
 遺児に対します奨学金の御質問がございましたけれども、日本育英会では、保護者の方が失職や倒産した場合のほかにも、不幸にも自殺などで亡くなられたことによりまして家計が急変をして、そして学生さんが学業の継続が困難となった、そういうような場合に対応するために、年間を通じまして随時無利子で貸与を行う緊急採用奨学金制度を実施しているところでございます。この奨学金につきましては、生徒、学生の在学する各学校を通じましていつでも受け付けを行っているところであり、申請に応じて適切に対応してまいりたいと、そういうふうに思います。
 それから、学校における心のケアについての御質問もございました。
 文部省といたしましては、自殺した方の遺児など、そういう児童生徒の心の問題につきましては、学校におきまして養護教諭や学級担任、それから学校医、スクールカウンセラーなどの関係者が連携協力をしつつ、当該児童生徒の個々の実情に応じまして適切に対応するよう指導しているところでございます。
 さらに、このような指導の一層の充実を図るため、養護教諭などの教員を対象とした各種研修事業の実施、それから心の健康問題に関する参考資料を作成して配布いたしております。
 さらに、スクールカウンセラーの配置などの施策を講じているところでございまして、今後もこれらの施策を通じまして児童生徒の心の問題に適切に対応していきたいと思っております。
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で西川きよし君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(倉田寛之君) 先ほどの平野貞夫君の発言に不穏当と認められる言辞があったように思われますので、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な措置をとることといたします。
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○委員長(倉田寛之君) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十一分散会