第147回国会 行政監視委員会 第4号
平成十二年三月二十七日(月曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     魚住裕一郎君     益田 洋介君
     池田 幹幸君     岩佐 恵美君
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     木村  仁君     釜本 邦茂君
     山内 俊夫君     斉藤 滋宣君
     脇  雅史君     市川 一朗君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     市川 一朗君     脇  雅史君
     釜本 邦茂君     木村  仁君
     斉藤 滋宣君     山内 俊夫君
     富樫 練三君     小池  晃君
     石井 一二君     島袋 宗康君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     木村  仁君     釜本 邦茂君
     脇  雅史君     野間  赳君
     角田 義一君     櫻井  充君
     小池  晃君     富樫 練三君
     島袋 宗康君     石井 一二君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     釜本 邦茂君     木村  仁君
     野間  赳君     脇  雅史君
     江田 五月君     角田 義一君
     阿曽田 清君     平野 貞夫君
 三月二十一日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     江田 五月君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         浜田卓二郎君
    理 事
                岩井 國臣君
                田中 直紀君
                江田 五月君
                岩佐 恵美君
                渡辺 秀央君
    委 員
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                岩瀬 良三君
                海老原義彦君
                木村  仁君
                武見 敬三君
                山内 俊夫君
                脇  雅史君
                岡崎トミ子君
                小林  元君
                小宮山洋子君
                角田 義一君
                長谷川 清君
                松前 達郎君
                加藤 修一君
                益田 洋介君
                小泉 親司君
                富樫 練三君
                梶原 敬義君
                平野 貞夫君
                田名部匡省君
                石井 一二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 久雄君
   参考人
       作家       猪瀬 直樹君
       東洋大学経済学
       部教授      松原  聡君
       野村総合研究所
       研究理事     富田 俊基君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
〇会計検査の要請に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (財政投融資対象機関の点検に関する件)
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○委員長(浜田卓二郎君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月十三日、魚住裕一郎君及び池田幹幸君が委員を辞任され、その補欠として益田洋介君及び岩佐恵美君が選任されました。
 また、去る同月十七日、阿曽田清君が委員を辞任され、その補欠として平野貞夫君が選任されました。
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○委員長(浜田卓二郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田卓二郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に江田五月君及び岩佐恵美君を指名いたします。
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○委員長(浜田卓二郎君) 次に、会計検査の要請に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、会計検査院に対し、外務省、国際協力銀行及び国際協力事業団に関し、本委員会が第百四十五回国会において行った政府開発援助に関する決議のうち、被援助国の実情に即した国別援助計画の作成、事業の重点化と事業間の連携強化、評価制度の充実、ODAの不正防止及び重債務貧困国に対する債務救済の各事項に関する実施状況について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう議長を経由して要請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田卓二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(浜田卓二郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に作家猪瀬直樹君、東洋大学経済学部教授松原聡君及び野村総合研究所研究理事富田俊基君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田卓二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(浜田卓二郎君) 次に、行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 財政投融資対象機関の点検に関する件について参考人の方々から意見を聴取いたします。
 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人の皆様から財政投融資対象機関の点検に関する件について忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 議事の進め方でございますが、まず参考人の方々からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。
 それでは、まず猪瀬参考人からお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。猪瀬参考人。
○参考人(猪瀬直樹君) それでは意見を述べさせていただきます。
 「日本国の研究」という本を書きまして、文芸春秋に九六年の秋から冬にかけて連載しまして、九七年に本にしました。今は文庫になっております。その後「続・日本国の研究」というのを九九年の三月に、一年前に出しました。
 「日本国の研究」というタイトルにあえてしましたのは、これは単に特殊法人の問題だけではなくて、ここに現在の日本の危機的な状況が集中的にあらわれているというふうに思った次第であります。
 司馬遼太郎さんが「この国のかたち」という本を書いておりますけれども、昭和五年、六年ごろから敗戦までの十数年間の日本は別国の観があり、自国を滅ぼしたばかりか他国にも迷惑をかけた、こういう言い方がありますけれども、基本的に一つの体制が制度疲労を起こすのは大体五十年ぐらいからそれ以降ではないかというふうに思います。実際に、昭和に入ったころには明治維新から六十年ぐらいたっていますけれども、まるで別の国のようであるというふうに司馬遼太郎さんがお書きになりました。
 戦後また五十年ぐらいたって、もちろん既に五十年たつ前からいろいろ問題が出てきていたわけですけれども、現在の日本の、これはもう新聞やテレビでもよく言われるようになりましたのでだれでも知っているようになりましたけれども、小渕政権になってから特にふえましたが、日本国の財政赤字というのは六百四十五兆円に上っている、これは国内総生産五百兆円を上回っている、まるであたかも日本列島の中に見えない姿でかつての中国大陸が存在して、無数の不良債権が実感しにくい形で蓄積しているというふうに考えられるんじゃないかと。まさに今、日本はあの輝かしい戦後復興や高度経済成長を過ぎて、一生懸命頑張ってきたわけですけれども、まさに別国の観があるというふうに思わないではいられません。
 そういうことで「日本国の研究」という本を書きました。きょうの参考資料として一部コピーして、回っていると思いますけれども、ぜひ最初から終わりまで、これは抜粋ですから、読んでいただければ問題点は一目瞭然ではないかというふうに思います。
 僕が「日本国の研究」を書いて思ったのは、財政投融資の現場、つまり郵政民営化論というのがありますけれども、これは財政投融資の入り口でありますが、財政投融資の出口である特殊法人を含めた公益法人の財団法人、社団法人、もう少し言い直しますと、特殊法人、認可法人、社団法人、財団法人、こういった直接霞が関の建物の中にある役所ではなくほかのところに散らばっている、そういう役所に準ずる世界、国営企業だと思いますけれども、そうした国営企業並びに国営企業に準ずる会社が物すごい形でたくさんの税金のむだ遣いをしている、そういうことが明らかになってまいりました。
 僕は、そういう財政投融資の現場を見ながらつぶさにいろいろと資料を請求し、そしてそれに対してさらにその資料の裏づけをとったり、あるいはまたそれについて質問したりということを繰り返して「日本国の研究」ができたわけですけれども、これほどひどくなっているとは思わなかったですね。
 日本道路公団の問題は、既に皆さんも御承知だと思いますけれども、「日本国の研究」が書かれた後、新聞やテレビにも載りましたが、日本道路公団の下に七十近い子会社がある、これが全部株式会社である、この社長が全部道路公団の出身者である、こういう構造があって、これは日本道路公団の例を一つ挙げれば大体ほかのところもみんな同じパターンになっているのでわかりやすいかと思いますから説明しますが、日本道路公団の中に厚生会という互助会、冠婚葬祭のときにいろいろと金一封とか、入院したときにはお見舞金とか渡すような互助会がありますけれども、そういう互助会が出資して財団法人道路施設協会をつくっている、その財団法人道路施設協会の下に七十近い株式会社がある、こういう構図でありますが、そうすると日本道路公団と七十近い株式会社は直接の関係がないという建前になっています。これが非常に奇妙でありました。
 この道路施設協会が全国のサービスエリア、パーキングエリアを全部持っている。つまり、道路公団本体から特別に借りて大家さんになって、そして民間企業に、例えばレストランならレストランが、あるいは売店が、あるいはガソリンスタンドがそのパーキングエリア、サービスエリアに入るときに大家さんになって一定の売り上げからお金を取る、つまり料率、例えばレストランだったら売り上げの二〇%を取るというふうな形で道路施設協会に自動的にお金が転がり込む、こういうシステムになっている。こういうシステムになっている道路施設協会が、僕の調べた当時では七十億円程度のお金を日本道路公団に支払い、売り上げが七百億円近くあった。利益が百億円ぐらいある。それで、道路公団の総裁が任期が終わると道路施設協会の理事長に天下る、こういう構造になっていた。
 全国のサービスエリア、パーキングエリアというのはもう膨大な数でありまして、コーヒーカップのマークがあればパーキングエリアであり、フォークとナイフのマークがあればサービスエリアでありますけれども、十五キロごとにあるわけですから大変な利権になっている。
 この道路施設協会が、先ほど申し上げましたように、出資して七十近い株式会社をつくっている。この株式会社、切符切りのおじさんから道路の清掃の会社から各地域のメンテナンスの会社からあらゆる会社を持っているわけです。そして、その七十近い株式会社と道路施設協会の総売り上げが僕の調査した当時では五千五百億円もあった。道路公団は二十二兆円の累積赤字を抱えながら我々利用者にその借金のツケを回す、あるいは財政投融資から借りたお金で四苦八苦して、財投のお金が二兆何千億円あって実際に道路工事に使うお金は一兆何千億円しかない、あとは返却していく、借りては返していく、こういうふうな非常に生産性の上がらない財務体質になったまま、しかしながら子会社やその他は大もうけしていて連結決算にもしていない。会計検査院が例えばチェックするとしたら、民間の七十近い株式会社は会計検査院が入っていく権利がありませんからそういうものはチェックされないということであります。
 それで、いろいろとこの本に書いたり発言しておりましたが、その後日本道路公団と道路施設協会側では改善策を講じたいというふうなことを言っておりまして、結局どうなったかといいますと、道路施設協会は一つでは競争力がないので分割する、分割して二つになりましたと。九八年の秋から財団法人ハイウェイ交流センターというのが一つできた、それからもう一つは道路サービス機構だと。二つに分かれたのでこれで健全な競争をする、こういうふうなことを言っています。さらに、七十近い子会社は道路施設協会が直接出資するのではなく、都銀とか地銀とか生保とか損保とかゼネコンなどに株を渡すと。
 ところが、一応そういう建前的な改革はしたけれども、実際には日本道路公団が特にこの七十近い子会社に仕事を与える場合に九〇%以上は随意契約であると、こういうことで一応建前上はあたかも競争するように見せながら、実質は全く変わっていない、こういうことが現実であります。つまり、一応問題点を指摘して、そして違うじゃないか、こんなことをやっていたらおかしいじゃないかということを言うと、とりあえずは形を変えて、じゃ直しましたよと形ばかり直してそれで終わってしまう、こういうことが言えるんじゃないかと思います。
 住都公団というのがあります。今は都市基盤整備公団に名前は変わりましたけれども、この住都公団に当時資料を請求しましたら、財務諸表その他たくさんの数字を並べたデータをくれました。その数字を幾ら見ていてもよくわからない。どうも僕は頭がおかしいんじゃないかと思って公認会計士の人にこれを見てくれと言ったけれども、やっぱりわからないと。そういうわからない数字を出してくるということであります。
 それで、何がわからなかったかというと、空き室、つまりどのくらいその分譲住宅が売れたか売れないか、そういう一番基本的な問題ですけれども、空き室率を算定したいとこちらは思ったわけですが、その空き室率がどうしてもわからない。たくさんの財務諸表を含めた数字をこちらに渡してくれるんですが、幾ら読んでも空き室率が実態とどうしても違ってくる。我々が見ている感覚と違う数字しか出てこない。おかしいじゃないかと。これはしようがないからケーススタディーをとって、現場でいろいろ調べてみた。数えてみたりした。夜になると電気が消えますから、電気が消えたところへ行って郵便受けを一戸一戸調べてこのマンションにどのぐらい入っているかと世帯数をチェックする、そういう例えば現象的なところでとりあえずチェックしながら実際の数字と照らし合わせてみる、そういうケーススタディーをとってやってみる。
 そうすると、夜ですから電気がついているところ、消えているところというのはよくわかります。ずっとあるところで歩いていくと、真っ暗なビルが建っている。ビル丸ごと真っ暗で、つまりこれはでき上がっているのにもかかわらず売っていないわけです。それで数字の違いの意味がわかってきた。つまり、空き室率というのは、例えばマンションが百戸あって二十戸しか入っていなかったら空き室率は八〇%だと。ところが、横に真っ暗な全然売り出していないマンションがあった。そうすると、それは空き室率一〇〇%のはずですが、そこで当局の数字がおかしいのがわかったんです。
 それで、住都公団に行って確認してみたら、その真っ暗な、つまり売り出していない空き室率一〇〇%のはずの建物というのはこれは空き室じゃない、こう言うわけです。なぜならば、空き室とは募集したものに対してどのくらい入ったかが空き室である、こう言うわけです。そうすると、それは一〇〇%空き室なのにもかかわらず建設中という建前になるわけです。そういうふうに当局の出してくる数字が合っているかどうかと一々チェックしていかないと信用できない。だから、そこのところが一番問題だと。
 それでわかったので、おかしいじゃないかということで資金運用部、大蔵省理財局の方に僕は言いました。どうもおかしいということがいろいろあって、その後紆余曲折して住都公団の分譲は廃止になりました。都市基盤整備公団になっていくわけですけれども、あと賃貸でやっていくということになるわけです。
 要するに、今、道路公団とか住都公団の例を挙げただけでもう既に十分にいろんな問題点がおわかりだと思いますが、つまり当局の出している数字だけではわからない。これはきちんと、もちろん会計検査院や総務庁の行政監察局とかいろいろありますけれども、これをきちっとチェックしていかないと、そういうチェックだけではわからない。あるいはいろいろなメディアがある、新聞社があってテレビ局があって、そういうメディアがあるけれども、そういうメディアもきちんと調べていない、そういうことになる。
 したがって、この財政投融資の現場というものを今たまたま挙げただけですけれども、ほかにもたくさんあります。もう氷山の一角であります。こういう形でお金がどんどん我々の郵便貯金やいろんなものがそこへ融資されていくんだけれども、それが本当に返ってくるのかどうか、これが非常に怪しいですね。そのお金が返ってこなければ郵便貯金に税金を投入することになるわけでありまして、ほとんどもう危機的状況に来ていたんですね。そういう危機的状況に来ていたということを僕自身もこのときに初めて気がついた。こんなにひどい状況になっているとは思わなかった。それで、国民に警鐘を鳴らすためにこういう本を書いた。それでも、警鐘を鳴らしたとしても、それほど浸透しなかったですね、残念ながら。
 小泉純一郎さんが郵政三事業民営化と、こうおっしゃいました。僕はそれは正しいと思う。正しいと思うけれども、どうしても話が入り口の方へ行っちゃった。僕は虎ノ門と言ったんですね。つまり、霞が関、永田町があります。皆さんは永田町にいて、霞が関に役所があります。もう一つ、虎ノ門があるぞと。つまり、特殊法人、認可法人、社団法人、財団法人がある虎ノ門。霞が関、永田町、虎ノ門、この三つで考えないと、虎ノ門という見えない地下茎のようなものがあって、そこの部分に光を当てていかない限りはこの問題は解決しないと。
 僕は虎ノ門ということで一生懸命主張したんですけれども、郵政三事業民営化という話の方が郵便局が近所にあるものだからわかりやすくて、郵便局へ行けない、こういうふうなところで話が全部終わっちゃった。郵便局へ行けないんだけれども、それだけじゃないよと。入り口よりも出口が大事ですよと、入り口と同時に出口が一番大事ですよということを強調して、改めて強調してとりあえず最初の僕の意見にさせていただきたいと思います。
 以上です。
○委員長(浜田卓二郎君) どうもありがとうございました。
 次に、松原参考人にお願いいたします。松原参考人。
○参考人(松原聡君) 松原です。
 お配りしたレジュメに沿ってお話ししていきたいと思うんですが、まず財投機関というよりは財投のシステム自体について私がどう考えても不思議でしようがないところから話に入っていきたいと思います。
 そもそも、財投機関というものがあって郵貯、年金等のお金が流れているわけですけれども、では何でそういう機関があるのかということを考えていきますと、理屈としては公共性が高い、しかし市場で、マーケットで資金調達するのが困難あるいは調達しようとすると非常に高い金利がついちゃうと。しかし、ここは税金とは違うところで、一般道と高速道路の違いでありまして、税金を投入しておしまいかというとそうではなくて、そこから料金を徴収して貸したお金が返ってくる、返済可能だということであります。
 しかし、よく考えてみますとこれは非常に不思議なことでありまして、例えば返済が可能であるのであればマーケットで最初から資金調達すればいいと。一番いい例が電力会社でありまして、三十年という社債も出せているんですね。ですから、マーケットだと本当に短い、不利なお金しか調達できないかというとそうではなくて、非常に公共性が高い電力会社が全額マーケットで資金調達できていると。
 では、何で財投機関ができないのだという問題が当然出てくるわけです。そうしますと、どうも返せないんじゃないかという疑問が出てくるわけでありまして、残念ながら財投制度の中で財投機関二つが実際返せないということで国鉄清算事業団と国有林野事業は事実上のデフォルトになったわけであります。
 それから、もう一点の疑問は資金の配分でありまして、毎年毎年四十兆、五十兆というお金を五十前後の財投機関に配分しているわけですけれども、これを資金運用審議会、人がやっているわけであります。
 ここがまた税金と違うところでありまして、税金であれば予算配分というのは各省庁がやって使っていけばいいわけですけれども、この財投というのは公的な金融ですから返ってくるところに貸さない限りは困るわけでありまして、そのことを資金運用審議会が本当にその能力があるのかと、二十年、三十年という形でお金を貸して本当に返ってくるかどうかのチェックができているのかと。しかし、返すべきお金は郵貯などの有償資金でありますから、いつかはどこかで必ず返さなきゃいけない。そのときに、ではだれが責任をとるのかというと、残念ながら配分した資金運用審議会ではなくて我々国民が責任をとるというのが国鉄清算事業団が破綻した際に我々のたばこ等から何十年にわたってお金を取っていくという形になったわけであります。
 そういうふうに見ていきますと、どうも財投機関というものがお金が返ってくるものとして、しかし市場では調達できないから回しているわけですけれども、そもそも返ってくるという保証があるのか、そこに郵貯などの返さなきゃいけないお金をつぎ込むことのきっちりとした根拠があるのか、あるいはお金を貸すときに、渡すときに、もしデフォルトになったときにそれを一体どうやって担保するのか、民間金融機関では当たり前である土地を担保にとるとかいうことが一切なしに、事実上政府の信用みたいなものでお金を貸しちゃっていると。そのあたりの無理が非常に出ているのではないかと思うわけであります。
 具体的に二点だけ御説明いたしますと、例えば四十兆、五十兆円のお金を毎年毎年五十前後の財投機関に配分していきます。平成七年度は十兆円使い残し、不用額として戻ってきています。要するに、一生懸命配分して、これは資金運用審議会で一生懸命やったんでしょうけれども、現実には一年たって四十兆、五十兆のうち十兆円が使えないで完全に不用額となっていると。
 ちなみに、平成十年度も六兆円が不用額であります。その中で一番悪かったのは住宅金融公庫でありまして、十兆円配分してもらって六兆円ぐらいしか使わない、四兆円戻しているんですね。お金のうちの四割を使い残しちゃうようなところに十兆円そもそもつぎ込んだことに積極的な意義があったのかというのが一点目の具体例であります。
 二点目の具体例の問題としては、本当に返せるところに貸しているのか、そのチェックがきっちりきいているのかという問題提起であります。
 これは国鉄清算事業団でありまして、まず返せないだろうなというのが明確になった段階以降も毎年毎年一兆円以上のお金を貸し続けていきまして、例えば平成六年は一兆六千億円、破綻の直前でも一兆円ぐらいのお金をそこに貸し付けているわけでありまして、ピークには十五兆円ものお金がそこにつぎ込まれているけれども、事実上返ってこないという状態になっちゃうと。
 問題なのはここでありまして、だれが見ても返ってこないというところに一兆円を超すお金を毎年毎年継続的につぎ込めちゃうという事実と、もう一つは、実はお金がそこに入っている限りは返済もされているわけですから、いわば追い貸しのような状態ですから一般の民間の金融機関で言うところの不良債権にはならないんですね、返済が滞っていないわけですから。返済のお金はどんどん追い貸しして貸しているからそういう問題が表に出ないままきている、こういうことでありまして、このことを考えますと、今も、現在もなおかつ返せないところにお金が行っている可能性が高くて、しかしその実情はなかなか表に出てこなくて、しかしかつての国鉄清算事業団のように、あるとき突然国民の目の前に何十兆円という借金が出てくると、そのうちの十兆円ぐらいは財投のお金だったと、でも郵貯に返さなきゃいけない、どうするんだという問題が突然出てくるんですね。そのあたりのチェックが全くきかないままお金は貸せちゃうようなシステムなんだというのを国鉄清算事業団の例で御説明しました。
 次に二番目でありまして、そういう財投機関がやはり返すべきお金をつぎ込んでいるわけですから返せないと困るわけでありまして、そのあたりのチェックが本当に可能なのかという議論に進んでいかざるを得ないわけです。これは長い財投システムの検討の議論の中で、要するに人が配るとかいうのではなくてマーケットにある程度任せる必要があるだろうというところで議論が煮詰まってきまして、その切り札として出てきたのが財投機関債であります。
 例えば、これは住宅金融公庫が十兆円必要だというときに、資金運用審議会が十兆円配分するのではなくて住宅金融公庫が住宅金融公庫債という債券を出して自分でそのお金を調達しなさい、こういうように変えていこうという、そういう方向性が決まったわけであります。こうなれば住宅金融公庫は六兆円しか貸せないときに十兆円引き受ける必要がないわけですから、六兆円をぴったり自分で調達すればいいと。まさにマーケットに乗るわけですけれども、現実には、ここが非常に厳しくてこれから先の問題になりますけれども、現実には個別の財投機関が今言ったような民間で言うところの社債、財投機関債を出すのが非常に難しい。それは、要するにマーケットが判断すると返ってこない、まともな金利では貸せないと。極端な話、ジャンクボンドになっちゃうような可能性が高くて、ほとんど個別に財投機関債を出せる財投機関が残念ながらなかったんですね。
 ここまでようやく、要するにマーケットに乗せようと、個別の財投機関は自分で資金を調達しなさいというところまで来たんですが、現実には財投改革が本格化するときに個別の財投機関債を出せる財投機関は極めて少数だろう、まずないんじゃないかというような状況でありまして、約五十ある財投機関の大半は自分では資金調達ができない、こういう状態であります。
 それでどうするかというと、かわりに財投債という国債のようなものを出すことにしました。財投債と財投機関債はこれは雲泥の差でありまして、財投機関債は自分で調達するんですが、財投債は政府の信用で何十兆円か集めてくれて、これをただ配分するだけでありますから、残念ながら財投債に頼る限りは今まで長い間かけてきた財投改革の議論は全く無意味になってしまう。現実には今その方向に非常に強く進んでいる、こういうことになります。そうなりますと、先ほど言いました本当に返せるところに貸せているのかという問題は財投債ではクリアできないわけでありますから、今まで議論してきたところは残念ながら今の財投改革には生かされない、その可能性が非常に高いということです。
 それならということでありまして、個別の財投機関、平成十二年度ですと四十八ありますが、それが本当に返せるかどうかということをやはり国民の目あるいは国会の場でチェックしなければいけないということになっていくわけであります。ちょうど今、情報公開法は既に成立しましたけれども、その第二弾といたしまして特殊法人の情報公開法が行革本部の下で、特殊法人情報公開検討委員会というところで議論が進められております。私、今そこで参与としてその議論に参加している最中でありまして、ちょうど今週の水曜日ですからあさってにどういう特殊法人、認可法人を対象にするかということが中間的にまとまりまして、パブリックコメントにこれからかかっていきます。
 それで、私が問題提起したかったのがレジュメでいうところの三番目でありまして、もちろん特殊法人その他ですから財投機関じゃない特殊法人もたくさんあります。しかし、財投機関の中で幾つかが今のままでいきますと特殊法人の情報公開の対象外になる可能性が非常に高くなっております。それをこの三のところの表で私まとめました。ここでは平成十一年度計画となっておりますが、十二年度に関しても全く同じです。
 表でいうと上から三つ目の関西空港、これはまだ検討中です。先週の議論でちょっと入る方に傾きましたので、まだちょっと予断を許さないんですけれども、入るかもしれません。次の中部国際空港、これは指定法人になるんですが、これは検討しておりません。これは入らない可能性が高くなっております。それから、下から二つ目の民間都市開発推進機構、これも未検討。それから、最後の電源開発株式会社、これはもう対象外ということが決まっております。
 その意味で、まず第一番目に問題提起したいのは、四十八の財投機関のうち、せっかく今やっている特殊法人等情報公開法の対象外になってしまうと。この特殊法人等情報公開法は、単に情報をオープンにしようというのではなくて国民の開示請求に対してこたえるという制度でありますから、これがきっちりできれば、先ほど猪瀬さんがお話しになった道路公団なんかも今までとは違って正式な国民の権利としてこの情報公開法に基づいていろいろな資料請求ができるんです。そのことである程度財投機関の情報公開は進む、本当に返せるかどうかのチェックも可能になると思うんですが、まず第一に相当大きな財投を受けている機関のうちの幾つかがここに書きましたように対象外になってしまう心配が非常に高まっているということが一点であります。
 それからもう一点は、ぜひこれは私としては強調したいところなんですが、財投機関というのは平成十二年度は四十八です。その前は五十幾つありまして、もっと、六十ぐらいあったときもあります。そのときそのときによって資金運用審議会がチェックしていきますし、特殊法人が統廃合されましたらそれに従って財投機関の数も変わってくるんですが、我々がチェックしなければいけないのはその年その年の最新の財投機関だけではなくて、今は財投機関ではなくてもかつて財投のお金が入っていたような機関、これはだんだん見えなくなっちゃうんですけれども、実はこれも非常に問題が大きいわけです。
 例えば、この表の一番最初に載せました東京湾横断道路株式会社、これは既に道路ができましたから財投のお金はもう入っていませんから財投機関四十八の中には入っていないんですね。しかし、この表にありますように四千八百六十六億円の財投が既にそこにつぎ込まれておりまして、なおかつ予定の半分しか通行量がないと。このお金が返ってこない可能性が非常に高まっているわけです。
 そのような意味で、新たに財投のお金を受ける機関だけではなくて、既に財投のお金を受けていて今は財投の対象になっていない機関もきっちりと我々は監視する必要がある、こういうことであります。
 それから、情報公開に即しましてもう一点、私がどうしても不思議でならない点をお話ししたいのは、財投というのは毎年五十兆とかいうお金が入りまして、平成十年末で四百兆円の貸し出し残があるわけです。しかし、これは本当に何でかわからないんですけれども、財投白書というものが世の中に存在していないんですね。
 きょう持ってまいりましたのは、かつて「図説 財政投融資」というのがありました。これは東洋経済から出ているんですけれども、大蔵省の理財局が出しております。これはいわゆる普通の白書に相当するものでありまして、二百何十ページあります。これが平成四年でなくなりまして、次は大蔵省理財局編で「財政投融資ハンドブック」というのが出まして、これも財投白書に相当していたものなんですけれども、これもなくなっちゃいまして、かわりに出てきましたのがこういう財投リポートという四、五十ページのリポートであります。まず大きな問題は、白書であれば本屋さんに行って注文すればすぐ手に入るんですけれども、この財投リポートというのはただなんですけれども、ただというのは逆に言うと非常に入手が困難になりました。
 これだけ国民の関心が高くて、かつ国家予算に匹敵する、年度によっては国家予算よりも多い金額が配分されて、残が四百兆円もあって、場合によってはいつ破綻するかわからないような、そういう財投のシステムについての白書が存在しないというのは極めておかしな事態で、それはとてもこのような財投リポートで代替できるような話ではないだろうと、こういうことです。
 ちなみに一点だけ最後にお話しさせていただきたいのは、例えば、先ほど住宅金融公庫が十兆円の予算を受けて六兆円しか使わなくて四兆円残しちゃったと、それは大蔵省の財政金融統計月報の七月号、これは毎年毎年出ておりまして、これにはそういうデータが詳しく出ているんですね。我々はそういうところで使い残しの不用額ということで金額はわかるんですが、ここがずるいなと思いましたのは、「財政投融資リポート」でしたら予算十兆円と実行額六兆円というところまでしか出ていなくて、不用額四兆円という欄がないんですね。小さくなっちゃった分それを外したのかもしれませんけれども、しかし普通の我々が見るときに、十兆円と六兆円という数字が並んだだけであるとどういう意味を持っているのかわからないんですね。やはりそれは、国民の知る権利に対応するためには、四兆円使い残しましたと、全部の財投機関を足し算したら六兆円使い残しましたというのがはっきりわかる形に出すべきなのに、残念ながらこの財投リポートはそこまで出ていないと。
 そのような意味で、私自身は財投機関というのは基本的にはマーケットでお金を調達すべきだ、調達できないようなところに郵貯などの返さなきゃいけないお金をつぎ込むのがおかしいと。調達できないところがあって、本当にそれが国民にとって必要なものであれば、むしろ税金で担保すべきですね、最初から。あたかも返せるという前提でお金を貸しちゃって突然返せなくなりましたというよりは、最初から税金で対応する方がよっぽどましだろうと。逆に、返せるところはどんどん自分で資金調達すればいい、こういう考えになっております。しかし、残念ながらそういう方向ではなくて、せっかく財投改革の議論が進みましたけれども、現実には財投債で対応する可能性が非常に高い。
 そうなると、残された手は個別の財投機関に対する情報の開示請求みたいなところで本当に返せるかどうかをきっちり聞いていかなきゃいけない。そのためには、まず財投白書がないこと自体が非常におかしいということ、それから第二に今ちょうど議論している特殊法人等情報公開法の中で幾つかの財投機関がそこから落ちる可能性が非常に高い、これも非常におかしいんじゃないか、私自身は委員会の中で一生懸命頑張っているんですけれども、ちょっと旗色が悪くて今のままですと落ちちゃう可能性が非常に高い、こういうところであります。
 以上です。
○委員長(浜田卓二郎君) どうもありがとうございました。
 次に、富田参考人にお願いいたします。富田参考人。
○参考人(富田俊基君) 御指名をいただきました野村総合研究所の富田俊基と申します。
 財政投融資対象機関の点検と題しまして意見を申し述べさせていただきます。お手元の資料も御参照ください。
 アダム・スミスが「神の見えざる手」と名づけ、またハイエクが「遠隔通信システム」と呼んだように、市場、マーケットは、それが存在する限り、効率的な資源配分をもたらします。中でも、金融資本市場は時間を超えて現在と将来との間で効率的な資源配分を決定する中核的な市場であります。
 しかし、金融資本市場においても市場が不完全であったり、市場が存在しない場合があります。例えば、貸し出しに際して審査の費用が巨額にかかり、借り手が効率的な市場へのアクセスを制約されることがあるからです。また、企業が事業を行おうとしても、完成するまでに長い期間を要し、民間企業には負い切れないリスクが発生する場合や、インフラ事業のように利益が社会に広く拡散し、企業がコストを回収できない場合もあります。
 このように、民間では供給できない、あるいは供給できたとしてもそれが過小となる分野が存在します。こうした市場の失敗を是正して社会的目標を実現するために、政府が高い信用力を利用して低い金利で長期資金を調達し、財投機関を通じて政策的に資源配分を行う、これが財投です。つまり、財投とは長期金融の手法を用いて社会的目標を実現するための政策的手段であります。このため、財投に類似した仕組みは、我が国だけではなく、欧米にも存在するのです。
 一ページの表にごらんいただきますように、欧米主要国の財投の主な対象分野は住宅、中小企業、社会資本整備などであります。フランスは住宅に、またイギリスでは起債統制が行われているので地方自治体向けの融資に特化しております。アメリカとドイツでは、我が国と同様に、財投の対象は広範囲にわたっております。
 このように財投が存在する理由は市場の失敗にあります。しかし、それを是正しようとする政治も失敗する可能性があります。社会目標の実現を重視する余り、政府による介入が過大となり、経済効率が犠牲になるという政府の失敗、政治の失敗が生じ得るのであります。
 こうした政治の失敗の背景には三つの要因があると考えられます。
 第一は、市場にわからないことについて政治が確実にわかるという保証がないことであります。神の見えざる手が導くことができないことについて、政府が完全な情報を持っているという保証はありません。
 第二は、政策を実施する財投機関に親方日の丸と言われる非効率が発生する懸念であります。民間企業がROEなどの指標によって管理されるべきであるのに対しまして、財投機関は政治が目標を与えます。この目標は民間企業に比べ多様で複雑であります。このため、特殊法人は廃止につながるような極端な非効率も、また民営化につながるような徹底的な効率の追求も避けようとします。このため、そこそこの効率性を維持することになってしまいかねません。
 第三は、政治のありようにかかわる問題であります。財投機関が利用できるとほぼ十年国債の金利で長期間にわたって融資を受けることができます。国債の金利がベースであるので民間金利に比べて長期低利であります。個人や企業は政治家を利用して財投資金の配分をふやそうとします。また、政治家も財投機関を利用して特定のグループに利益を誘導することで得票をふやそうとするでありましょう。このため、財投による長期低利資金の供給が過大に傾き、民業を圧迫するという問題も指摘されております。
 以上、三つの理由から政府の介入も過剰となり、市場経済を攪乱する可能性があります。そこで二〇〇一年度に財政投融資改革が行われるものと理解しております。
 我が国の財投は、入り口の郵貯、公的年金と出口の政府系金融機関、公団、事業団などの財投機関とを中間の資金運用部がつなぐ仕組みをとってきました。この仕組みのもとでは入り口に資金が集まると出口の財投機関が肥大化し、非効率な財投機関も生き残ってしまうという政治の失敗が生じるのではないかと指摘されてきました。
 そこで、今回の改革で入り口と出口を分断し、古い財投を解体することが決まりました。
 二ページをごらんください。
 二〇〇一年四月から郵貯と公的年金は中間の資金運用部への預託を廃止し、それぞれの省が市場で資金を運用することになります。民間金融機関であればこうした自主運用は当然のことでありますが、引き続き官のまま、しかも縦割りで市場運用することになります。しかし、市場運用にはリスクがつきものです。もし運用に失敗すればだれが責任をとるのか。損失は国民の負担となってはね返ってこざるを得ないのです。
 郵貯、年金の自主運用が始まると財投機関は文字どおりの兵糧攻めに遭うことになります。今回の改革では、個々の財投機関は民間企業のようにみずからの力で財投機関債を発行して市場から資金を調達することが求められています。市場の評価にさらすことによって財投機関に運営効率化へのインセンティブが働くことが期待されているようです。
 しかし、市場は財投機関の効率性を評価できるでしょうか。国営だから債務超過であっても倒産することはない、財務内容が悪いほど民営化されることはないと考える投資家もいるかもしれません。他方、これだけ国債が累増しているのだから財投機関への補助金が削減されたり民営化されたり、あるいは廃止されるかもしれないと予想する投資家もいるでしょう。
 このように、財投機関はステータスがあいまいでありますので、財務内容がいかにディスクローズされたところで民間企業の社債のように財務内容に応じて投資家の信用評価が一定の期待値に落ちつくことはありません。市場は、財投機関の行う政策だけではなく、効率性も評価できない、つまり市場は財投機関を点検できないのです。
 こうしたあいまいな財投機関債が市場の評価を得るためには二つの方法があります。
 第一は、財投機関の発行する債券に政府保証をつけることです。しかし、政府保証をつけると幾ら非効率な機関であっても国民の負担で存在が保証されることになり、改革は進みません。政府保証債の発行は徹底して抑制するべきであります。
 市場の混乱を避けるための第二の方法は、財投機関というあいまいなステータスから隔離された債券、つまり財投事業に裏打ちされた資産担保証券、ABSを発行することです。これをつくり出して高い格付を取得するためには、個々の財投事業について契約の明確化、事業の標準化、キャッシュフローの確実性などが不可欠となります。したがって、ABS、資産担保証券を発行する過程で財投機関の運営効率化が促進されることになります。
 しかし、資産担保証券によっては十分な資金調達が困難であったり、政策遂行が困難なほど高い金利を市場から求められる場合には、その事業が政治の決定で必要とされる限り、資金を安定的に供給するという責務が政府に生じます。このため、各財投機関が必要とする資金を国の信用で一括して調達する財投債が発行されねばなりません。
 市場から見ると財投債は国債と同じです。ただし、国債の担保が将来の税収であるのに対して、財投債は財投機関の貸付金の回収や料金収入を担保としております。そこで、財投機関を点検し、財投債の償還確実性を精査し、償還確実性を高める手法が必要です。それが政策コスト分析であります。
 財投は金融的手法を用いる政策手段です。予算とは異なって長期の融資です。返済には長期間を要します。このため、財投計画の策定に当たっては、確実に返済されるかどうか、返済までにどれほどの国民負担が発生するのかを推計し、判断の材料にする必要があります。これが政策コスト分析と呼ばれるものです。
 資料の三ページにごらんのように、政策コスト分析は財投機関が融資や事業を行うことによって将来にわたって発生する補助金などのすべての国民負担を現時点で推計し明らかにする仕組みであります。
 具体的には、個別財投機関の各プロジェクトごとに将来の受取利子や料金収入などのキャッシュインフローと借入金利子の支払いなどのキャッシュアウトフローを推計し、毎年の差額を国債利子で割り引いて現在価値を求めるのであります。融資機関の場合には、将来のデフォルトや返済遅延、そして繰り上げ償還などが推計されねばなりません。また、事業実施機関の場合は、将来の施設利用を見通し、そして料金収入が推計されます。
 政策コスト分析の導入によって、当座は税負担が発生しないので財投を拡大してもよいという財政錯覚を取り除き、政治の失敗を抑制し、財投機関の効率化、スリム化に役立ちます。
 四ページにごらんいただきますように、昨年、五つの財投機関の政策コストが発表されました。この分析結果が財投計画に反映されねばなりません。さらに、この分析をすべての財投機関、さらには政府が保証を行っているすべての政府事業に導入する必要があります。また、経済環境の変化とともに政策コストも変動いたしますので政策コスト分析を毎年繰り返し行うことが必要です。
 資料の五ページにありますように、アメリカでは一九九〇年に連邦信用計画の改革、日本でいいます財投の改革を行い、九二年から政策コスト分析を導入しております。一九九九年末二千三百四十億ドルの直接融資の政策コストは五百億ドル、融資保証残高九千七百六十億ドルの政策コストは二百九十億ドルと推計されております。この政策コスト分析を毎年積み重ねていく過程で、アメリカでは奨学金の直接融資制度に比べて国民負担が大きい融資保証を縮小し、学生金融公庫、サリーメイと呼ばれておりますけれども、その民営化を九六年に決定いたしました。
 我が国も政策コスト分析を武器に財投機関を不断に精査し、非効率な財投機関や民業を圧迫する財投機関があればそれを政治の決定で切り離していくことが必要であります。単に財投機関債を発行して、これだけで財投改革をやろうというのは政治のなすべきことを市場にゆだねようという倒錯した発想と言わねばなりません。私は、政策コスト分析が財投機関の点検、そして財投改革の中心になるべきものと考えております。そして、政策コスト分析を軸として政策評価法の活用、外部監査の導入、情報公開の促進など財投機関に多面的な規律づけが必要と考えます。
 御清聴ありがとうございました。
○委員長(浜田卓二郎君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑形式ですが、総質疑時間は二時間程度、おおむね午後四時までとし、大会派順に各会派十五分質疑を行います。
 会派内における質疑者はあらかじめ特定いたしませんので、質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言されますようお願いいたします。
 なお、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、自由民主党・自由国民会議所属委員で質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○山内俊夫君 立っていた方がやりやすいので、立たせてやらせていただきます。
 ただいま御指名いただきました自民党の山内俊夫と申します。
 きょうは三先生方、大変お忙しい中、ありがとうございました。時間が十五分ということでございますので限られておりますから、私から各先生方に一つずつ質問させていただきたいと思います。
 共通質問は、今回の財政投融資対象機関の点検に関する題名に関して、財投の最大課題は何かということがまず一つでございます。
 それでは、まず猪瀬先生に少し御質問させていただきたいと思いますが、郵政民営化ということが、これは先生のPHP研究所のレポートの中に、既に私は見させていただいたんですが、郵政のこれは入り口論でしかあり得ないということを言っております。
 私、個人的には小泉純一郎さんがおっしゃっているように入り口・出口一体廃止論じゃないんです。賛成論者なんですけれども、実は特殊法人に対する先生の持論の中に、「日本国の研究」という本の中に、先ほど私が言いましたように、小泉純一郎さんの入り口・出口一体廃止論なんだけれども、そうじゃないと、もっと大切なことがあると。先ほども話がありましたように、大蔵省の資金運用部、この中間が実は大変おかしくなっているんだという議論だったと思うんです。私も、財投の資金であります郵政から集まっているほぼ二百五十兆及び簡易保険の百兆円という、この三百五、六十兆のお金というのはもっと有効に運用されるべきであると考えております。
 そういったところで、先生からきょう初めて私は聞かせていただいたんですが、入り口と中間と出口論、一つだけこのあたりを先生にもう少し詳しくお聞きしたいんですが、その出口論のところは私も大変大切なことだろうと思いますので、そこを少し詳しくお話しいただけたらと思います。
○参考人(猪瀬直樹君) 今、国会に財政投融資改革三法案というのが出ているはずなんで、財政投融資が大蔵省資金運用部を経由してというか、郵便貯金その他が大蔵省資金運用部から特殊法人等に貸し付けられるわけですけれども、それは一部郵政省と厚生省で自主運用というのをやっておりましたが、今度は全額自主運用という形になっていくということであります。
 いずれにしろ、先ほど松原さん、富田さんがそれぞれ言われたことに僕も基本的に、若干ニュアンスは違うところあるんですけれども、政策コスト分析しなきゃいけないということ、つまり特殊法人のお金がどういうふうに、どのぐらいどうやってやったらいいかという政策コスト分析をしなければいけないということ、それから基本的に情報公開ですね。特殊法人の情報公開は、前に情報公開法ができたときに特殊法人は除く、今後いずれやるというふうなことだったんですが、それが今回議論されているわけです。特殊法人の情報公開についてきちんとできたらかなりの部分、つまり出口の部分がかなり改善されるだろう。
 それからもう一つは財投機関債、つまり財投機関が自分で債券を発行する。これはわずかなものですけれども、とりあえず財投機関債はないよりはましだろうと。ある程度財務内容が明らかにならないと債券は発行できませんので、隠していたらだれも債券を買ってくれない。
 こういうことになりますので、財投機関債、そして情報公開ということによって出口の問題がある程度見えるようになってくれば多少の改善は進むだろうということであります。だから、入り口というのは本来は問題なんですけれども、分けて考えて、出口は出口でどうするかということをまず考えて、最後に入り口、出口一体でなくすというか、そういう方向に持っていくわけであります。まず、出口は出口できちんと個別に今のような問題を検討していかないとだめなんです。
 以上です。
○山内俊夫君 ありがとうございました。
 先生が今この特殊法人、すなわち出口のスリム化に失敗したらもう永遠に行革はできなくなるということもおっしゃっておりまして、私も確かにそのとおりだと思います。
 特に、一般会計八十五兆円ぐらいことしなんかも組んでおりますけれども、それについてはほぼこういう議会、予算委員会等々でかなりチェックされるんですが、特殊法人になり、そこからまただんだん政府から遠くなればなるほどチェックができなくなる、甘くなるという、そういうような話がありまして、特に松原先生がそのあたりを少し述べておられまして、先ほど言いました財投の最大の課題というのをまず一つお答えいただけたらと思いますのと、二百四十にも上る野放し認可法人というのがあると、こう聞いております。
 その野放しの認可法人ですね、これは「ジス・イズ読売」で「財政伏魔殿を洗う 特殊法人 利権に潜む野放し二百四十法人」、このようなレポートも書かれております。そういったところで、認可法人というのはいろいろあって六種類ぐらいあると聞いておりますが、我々はもうほとんどわからないような状況が一つあります。
 例えば、日本ガス機器検査協会、これは指定法人なんですね。ところが、高圧ガス保安協会というのは民間法人化された特殊法人とか、私立学校教職員共済組合は特殊法人、それで公立学校共済組合は認可法人、これは非常に使い分けをされておりますので、なかなか我々一般的にこういったことを言われてもわからないのが実態であります。
 でも、先ほどのお話を聞いておりますと、基本的にはやはり情報公開があれば、政府から遠くなればなったでもチェックはかなりできるんだと、これができなければこの財政改革、財投改革はできないだろうと言われておりますが、そのあたりを少し詳しく御説明いただきたいと思います。
○参考人(松原聡君) 御質問にお答えいたします。
 まず、後ろの方の御質問からお答えいたしますと、二百四十一といいますのは、独立行政法人が五十九今度新たにできまして、それに特殊法人七十八、認可法人が八十五ですか、それから民間法人化された特殊法人、認可法人というのを足し算していきますと二百四十一になりまして、私は、それは似通っているということで政府系法人、丸ごと特殊法人を情報公開の網にかぶせるべきだと言っているんですが、残念ながら現段階ですと二百四十一のうちの百五十弱しか網にかぶらないで、残りの九十以上が外れちゃう可能性が高いんです。
 本日の議論に即してお話しいたしますと、財投機関の中にも国の特別会計がもちろんありますし、それから特殊法人がありますし、それから認可法人がありますし、実は認可法人でも特殊法人でもないのも入っているんです。
 少しだけお話しいたしますと、特殊法人以外のをちょっと言いますと、生物系特定産業技術研究推進機構というのは認可法人であります。財投を受けているんです。それから情報処理振興事業協会、基盤技術研究促進センター、そういうところが財投機関の中での特殊法人ではない認可法人です。それから、両方入らないというのがありまして、中部国際空港株式会社、これは指定法人ですから政府設立法人じゃないんですね。しかし、財投のお金が入っております。民間都市開発推進機構なども同様であります。
 したがいまして、特殊法人全体、二百四十一全部に網をかぶせるべきだという議論と、ここでの議論に即しましたときに、財投機関四十八で、その枠から外れちゃうというのはもっと問題が大きいです、それは公的なお金が入っているわけですから。入っているのに外れちゃうところが、先ほどの表でお話ししましたように、電源開発とかそういうようなところが出てくるのが問題だと思います。
 それから、一点だけ、一番大きな問題が何かというときに、参考人の中でも議論が分かれましたのであえてもう一度言いますと、私は政策評価は必要だと思うんですが、それは財投債としてやるとなると、すべての四十八の財投機関を一つ一つチェックしても、結局最後はまとめるんですね。そうすると、もうごちゃごちゃになってよくわからないんじゃないかと。
 例えば、道路公団は国幹審、国土幹線自動車道の審議会で決まるわけですから、それに従って自分ではただ粛々と道路をつくるしかないのが道路公団でありますし、そういうところと例えば日本育英会とかをそれぞれ政策チェックしても、しょせん財投債にしたらそれをまとめちゃうわけですから、財投債にすると、恐らく幾ら政策チェックをかけても、しょせん最後はまとめちゃって配分するだけの話になりますからチェックがかからない。どちらかというと、私は、個別の機関について財投機関債できっちりチェックしていって、それでジャンクボンドみたいな八とか九みたいな金利がつかないと出ない、でも必要だとなればその分を政府が担保するとかというやり方もあり得ると思うんです。
 少なくとも、私は財投改革に関しては、財投債は幾ら政策チェックをかけても最後まとめちゃったら同じだと、こういう立場に立っております。
 以上です。
○山内俊夫君 ありがとうございました。
 今、話がありましたように、我々に比較的目に触れない部分、いわば総務庁の調査機関に入らない法人というのは物すごくありますね。このあたりも野放しにしておけば本当に垂れ流しという状況になってくるということで、確かにこの財投の入り口だけじゃなくて本当は中身、出口をきっちりと押さえるということを、我々もきょう大変貴重な意見をいただいたんですが、時間が大分迫ってまいりましたので富田先生にも先ほどと同じようなこの最大の課題点と、それと先生が先ほどアメリカの例を挙げておられましたが、アメリカが財投債というものを発行していく場合、国営のまま自主運用を行うということに対して非常に矛盾を持っているということもレポートでお聞きをいたしております。
 その矛盾点は何かというところなんですが、例えばアメリカのクリントンが一九九九年一月の一般教書の中でアメリカも政府的な資金をやっていこうと言い始めるとFRBのグリーンスパンがだめだ、そうなってくると大変なことになるよということで結果的にはトーンダウンをしたということを聞いておりますが、そのあたりをちょっと詳しく御説明いただけたらと思うんです。
○参考人(富田俊基君) 私は、今回の財投の問題の最大の課題と申しますか、混同してはならないことがあると思うんです。
 それは、政治がなすべきことと市場が行うことを混同してしまっては、やはり我が国の根幹が揺らいでしまう。先ほど、どなたか参考人は財投計画は資金運用審議会が決めるなんておっしゃっていましたけれども、これは国会でそれぞれの財投機関の政府関係機関予算として決まっているわけでありまして、これは政治が決めること、また財投機関の整理合理化、民営化もこれは政治が決めることであります。それがゆえに、サッチャーはイギリスの財投機関を随分どんどん民営化できるところを民営化して、財投の縮小ということを行ったわけであります。市場というのは、この政策が望ましいとか、あるいはこの財投機関が必要だというふうなことを決める力は全くありません。もしできるのであれば、それは民間企業として企業が行うことのできる事業なわけです。
 そういう意味で、政治と市場の基本的な役割は何かということをやはり肝に銘じておく必要があるというふうに私は思います。これが最大の課題であります。
 それから二番目の御質問でありますけれども、昨年、クリントン大統領がアメリカの公的年金基金の一部を株式運用するという提案を予算教書でいたしました。しかし、このレジュメの二ページに御紹介しておりますとおり、クリントンが予算教書で発表した翌日にFRB、連銀議長のグリーンスパンが即座に反論されております。
 三段論法風になっておりまして、政府が運用するとなると運用において政治的な思惑が働くことを排除できない、そしてまた、これまでアメリカは公的年金のお金で国債を買っていた、国債で運用していた、非市場性国債で運用していたと。これを減らして株式を購入するとなりますと、マーケットにそれだけ国債が供給されて金利上昇要因になるということで、株式を幾ら買っても、金利が上がるとなると本当に株が上がるかどうかは疑問であると。そういうことから、三段論法の最後には、アメリカ経済の効率を阻害して国民の生活水準を低下させかねないというふうな指摘をなさいまして、これをもう何回もやって、クリントン大統領も去年の八月にこの提案は、つまり株式による公的年金の自主運用ということについては提案を引き下げております。したがって、引き続きこの社会保障年金基金につきましては非市場性国債で運用すると。
 非市場性ということは、官がやるわけですから、マーケットに影響を与えないための方法でもあるわけです。一度購入したものはずっと保有し続ける。市場で金利が変動いたしましても持っている国債の値段が下がることはない、上がったり下がったりすることはないという形で、まさに国が行うべき運用としてはやはりこの非市場性国債しかないというのが私は一つの結論だろうというふうに存じます。
○山内俊夫君 最後にお礼だけ申し上げます。
 富田先生に私は実は資産担保の証券化、ABS、これもちょっとお聞きしたかったんですが、これはまた次の機会に譲ることにいたしまして、三先生方、本当にありがとうございました。
 終わります。
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、民主党・新緑風会所属委員で質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○岡崎トミ子君 きょうは参考人の皆様、ありがとうございました。
 お話を伺いまして、財投資金の流れ全体の透明性を高めることと政策評価を充実させて出先機関、その存在意義を含めてチェックをすることが大変急務である、それを今は具体化していく段階だということを再認識いたしました。
 私自身は財投については、特に環境破壊と財政危機の一因となっております公共事業とのかかわり、それともう一つは全国の資金を一たん中央に集めて極めて中央集権的に地方に再配分している構図、このようなことに関してどのように分権型に持っていくのかということ、この二つの点に関心を持ってまいりました。
 参考人の皆様には財投機関の点検の視点と国会の役割を中心にお尋ねしてまいりたいと思います。
 最初に猪瀬先生ですが、この「日本国の研究」、大変大きな反響を呼びました。九七年にまとめて出版されまして、その後財投機関の改革への機運が高まったと私も思っております。今月七日に財投関連三法案が国会に提出されましたが、この間に特殊法人改革の一環としてこれまでに幾つかの財投機関の統廃合がされております。
 そこで、「日本国の研究」の後の一連の改革への取り組みと財投機関の現状をどう評価されておりますでしょうか。これが一つです。
 もう一つは、郵貯と年金の自主運用に伴って開始されることが想定されております財投機関債の発行について、少なくともやらないよりはいいんだというふうに評価されていらっしゃるようなんですけれども、財投債の発行についてその実効性を疑う専門家の方もいらっしゃると思います。
 この財投機関債の発行が始まって、やらないよりはよかったと言えるようにするためには、財投対象機関の何がどのように変わる必要があるのか、私たち国会議員はどこに注目をして点検していくべきだとお考えでしょうか、まずお願いします。
○参考人(猪瀬直樹君) 後ろの方から言いますと、財投債と財投機関債は別なのでちょっとこんがらないようにしてほしいんですけれども、財投機関債はあっていいだろうと。あっていいだろうというか、財投機関債を発行するというか、市場で財投機関債が買われるかどうかというのはその企業の透明性が問われるということになるわけで、透明性が問われるというのは、つまり情報公開度がより高いかどうかということが財投機関債によって問われてくるわけですね。
 もっとも、過度な期待はしているわけじゃないんですけれども、とりあえずそうでないと。こう言っては中国の人に悪いけれども、中国の会社みたいなんですね。わけわからない、中身が見えない、そういうことになっちゃうので、はっきり言って、今はアメリカから見れば日本の特殊法人は中国だと思われていますから、中国の人に申しわけないけれども、わけわからない、見えない、何をやっているかさっぱりわからない、そういうことで財投機関債を買うわけがない。
 だから、透明性を高めていくしかない。透明性を高めていけばおのずから問題点が出てくる。おのずから問題点が出てくれば改善せざるを得ない、売れなければしようがないわけですから。とはいいつつも、基本的には財投機関債は余り売れないと思うんですね。でも、一応そういうものを発行するというと意識が変わってきますから、とりあえずコスト意識が多少出てくる。そういう非常に絶望的な状況の中での話をとりあえずしているわけですね。
 それからもう一つ、最初の方の質問になりますけれども、問題は、特殊法人というものが認可法人その他含めていっぱいあってわけわからなくなっているということで、実はこれは総務庁とかそういうところに統計はありますけれども、だれもわからなくなっちゃっているんですね。つまり、日本人がだれもわからなくなっちゃっている。どこで何をやっているかわからないということが起きているのが一番怖いですね。だから、そういう一応統計を出したりいろんな数字を出した人もわからない。つまり、ある意味では日本の国家の中枢、中枢というかそういうところがきちんと何かシステム、きちんと自分たちが何をやっているかということを把握するような状況になっていないということだと思いますね。
 行政監察局とか会計検査院とかいろいろやっていますけれども、とりあえずはデータを集めたりしているけれども、本当にその実態を把握しているわけじゃないということですね。そこが一番怖いんですね。だから、出先機関が勝手に何かやっていても本社がよくわかっていない構造ができているんだというふうに思えばいいと思うんです。
 いずれにしろ、日本で公共事業というものが、多分戦後復興は、高度経済成長まではそういう官僚の役割というのは非常に大きかったと思うんですね。それも積極的な、前向きな役割があったはずなんですが、戦後の復興と高度成長を達成した後に何が目標かというと、国家的目標がなくなったんです。なくなった後にとりあえずインフラの整備ということになったんですね。田中角栄の日本列島改造以降、ほぼインフラの整備というのは国家目標にかわる議員先生方と役所の一つの暗黙の目標だったんですね。したがって、公共事業というのはどんどんふえていく、ふえていくということでどんどん肥大化していったんですね。
 だから、今、五十万社六百万人の雇用が土建業界であるわけですが、これがずっと公共事業と財投のいろいろなお金が入り込んで、予算と財投が、税金と財投が入り込んで、そこでブロイラーみたいにできちゃってもう身動きがとれなくなっちゃった。これがだから産業構造の転換を邪魔しているわけです。そういう日本の最大の問題になっていることが一番問題だということなんですね。
○岡崎トミ子君 猪瀬先生のお書きになられましたこの「日本国の研究」の第一章は朝日連峰の大規模林道についてでございまして、私もこの大規模林道の大崩落のときに先生と御一緒に視察をしたことを思い出しておりますけれども、この御著書のおかげで私はこの大規模林道が注目を集めてとまるに至ったというふうに思っております。私も、もちろん山形県庁に足を運びまして、高橋知事に直接談判をしたこともございました。しかし、大規模林道でとまりましたのはこの事業が初めてで唯一なわけなんですね。政府が胸を張ります公共事業の再評価でも、見直しの対象となりました事業はわずか二%でありまして、中止、休止になっておりません。わずか二%しかなっていないと。
 この朝日連峰で大規模林道をとめた成果を一般化するためには何が必要とお考えでしょうか。
○参考人(猪瀬直樹君) これは非常に難しい問題ですけれども、大規模林道も全国で十三カ所やっていて、既に一兆円使われていて、そして進捗率四割なんですね。このままほっておくとまたどんどん行ってどのくらい金を使うかわからない。たまたま僕が見に行って調べたところだけ中止になりましたけれども、あとはやっているわけですからね。山の上に何もないところに道路をつくっているわけです。車が一台も走っていない。当たり前なんだ、起点と終点がないんだから。そして、毎年雪が解けて崩れる、崩れるとそこでまた工事をやる。さいの河原の石積みみたいなことをやっているわけです、毎年毎年。それで地元の土建業者を食わせるという、そういう構造でしょう。だから、そういう考え方とか思想とかがある限りはどうしようもないんですよね、これは。
 だから、もうそれに尽きるわけですけれども、そういう一つ一つの事実をとりあえず積み重ねていって一個一個チェックしていくのが本当は地方議会とかあるいは国会の仕事なんですけれども、地方議会はそういうのは余りやらないんですね。それで、国会はもうちょっと頑張ってほしいけれども、今の状態では展望は薄いと思っています。
○岡崎トミ子君 次に、松原先生にお伺いしたいと思いますが、先生は財投対象機関の点検をどういう視点で行って点検の結果をどう反映させるかという問いに明快な答えを出していらっしゃいますが、それはその点検の基準ですね、供給を受けた有償資金を返済可能であるかどうか、それから事業内容に公共性があるかどうかということで、その基準で行った点検の結果によって次の処理ですけれども、一つは完全民営化、そして二つ目に政府系法人のまま個別財投機関債で存続するか、それから三つ目に税金投入で存続するか、四番目に廃止と。
 こういう処理を行うということなんですけれども、ところが多くの財投対象機関についてむちゃくちゃな運用実態が明らかになっているわけなんですが、余りに運用がでたらめだという場合、でたらめをそのままにしてその機関の本来の政策的な費用と便益を評価することは非常に困難だというふうに思うんですね。かといって、この機関には本来はこういう意義があるんだ、存続させて運用さえ正せばいいんだという結論を出しては今までと何ら変わりがないというふうに思いますので、むちゃくちゃな運用をしている機関の潜在的な返済可能性とか公共性の判断、その後の処理についてだれがどのように行うべきというふうにお考えでしょうか。
○参考人(松原聡君) 私は、政治のチェックか市場でのチェックかという議論があると思います。
 それで、政治のチェックに関しては、例えば現在の予算と同じだけの時間を財投関連の予算の審議にかける、さらに、これは最初にお話ししましたように、政府予算よりもっと厳しいのは、公共性があるかどうかに加えて、本当に返ってくるかどうかまでチェックしなきゃいけないわけで、本来であれば政府予算の倍ぐらいの時間をかけなきゃいけないところを何十分の一の時間で済ませている。逆にそこに物すごい時間をかければ個別の財投機関のチェック、公共性がきっちりできるかというと、私はちょっと難しいのじゃないか、こういう考えに立っております。
 では、どうすればいいかというときに、やはりマーケットは大事でありまして、財投機関債を出すということになればいろいろな格付機関によるチェック、外部監査等が出てまいります。それからIR、普通の企業がやっているインベスターリレーションズ、IRをやらざるを得なくなってくる。当然その中で情報もオープンにしなければいけない。さらに、それをやることによって連結決算がこれからどんどん進みますから、今まで不透明だった、猪瀬さんが一生懸命あぶり出そうとしてきたことが連結決算の中で自動的に出てくる可能性も高いわけです。
 例えば、総務庁が調べまして、当時八十五あった特殊法人の子会社が千あったんですね。しかし、さっき猪瀬さんがおっしゃった道路公団が七十幾つ持っていたよというのは、実は四つしかその千の中に入っていないんですね。そのもう一つ先ですから、道路施設協会のまた子会社になっていると実は千の中に入ってこなかったわけです。しかし、それが連結決算をとられることになれば自動的にあぶり出されてくる。
 こういうのを考えますと、私は、やはり一生懸命国会で審査して時間をかけろということよりは、財投機関債を出して、そこでマーケットにチェックしてもらって、自分たちもインベスターリレーションズやりなさい、連結決算をやりなさいと。その結果オーケーであればもう民間でもやっていけるし、全然だめだ、とんでもないジャンクボンドでだれも買わないということになったときに、そこで初めて国会が、政治が本当にそれが必要なのか、必要だったら税金でやりましょう、要らなければもう断固として廃止する、その判断をすればいいと思う。その前提が私はやっぱりマーケットでの最初のふるい分けじゃないか、こう考えているんです。
○岡崎トミ子君 富田参考人にお伺いいたします。
 先生のお書きになりました「国債累増のつけを誰が払うのか」という、これは財政改革法を棚上げにして国債を乱発するというやり方はもう限界に達したということについて冷静な議論で告発されていらっしゃいますけれども、つまり歳出ルールについてちょっとお伺いしたいのです。
 原資の運用の一環として政府機関等に資金を出す場合、あるいは政府保証債の発行に当たってその出し方に制限をかける方法と財投対象機関に対して歳出ルールをかけてやる方法があるかと思いますけれども、この歳出ルールについてその必要性と必要である場合のあり方について教えていただきたいというふうに思います。
○参考人(富田俊基君) 御質問は直接財投機関の点検とは関係がないように思うんですけれども、接点があるといたしますれば、やはり将来国民負担をどれだけ発生させるのだろうか、きちんと財投機関は借りたお金を返済するのだろうかということを精査する手段としての政策コスト分析というのが今先生御質問の国民負担との関係で非常に密接であるというふうに私位置づけておりまして、将来、例えば貸したお金が不良債権になって返ってこない確率はどれぐらいあるのだろうか、あるいは住宅ローンを貸したものがきちんと返済されるのだろうかというふうなことをあらかじめこの政策を行ったら幾ら国民負担がかかるんだということを明らかにした上でその政策を実行するかどうかを決めるということで、お手元の四ページにあります政策コスト分析、これはインターネットでとったものをちょっと要約したものなんですけれども、例えば住宅金融公庫ですと十一年度の財投計画十兆円の融資に対して政策コスト、将来にわたるコストが一兆二千かかるんだと。単年度だけで見ますと、十一年度だけで見ますと四千三百五十億円ということでして、これが多いか少ないかというのも当然国会で議論すべき課題でもありますし、さらには将来にわたって返済されるかどうかということをきちんと見る上ではこの一兆二千の数字はやはり議論すべきであろうというふうに思います。
 この歳出のキャップということで見ますと、例えば住宅金融公庫の補助金四千三百五十億というのは財政構造改革法で言うキャップの対象の中に入ってくるという形に財政構造改革法ではなっております。
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、公明党・改革クラブ所属委員で質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○加藤修一君 きょうは三人の参考人の方、どうも大変ありがとうございます。
 私も、特殊法人等を含めて財投に対しては関心を持って進めてきた一人なんですけれども、昨年の「日経ビジネス」の中には「特殊法人破綻度ランキング」というのがございまして、事業キャッシュフローで見ますと赤字額が合計五十二法人で三兆七千四百五十億円、税金の投入については全法人合計で六兆五千九百四十三億円、こういう調査があるわけですけれども、「キャッシュフローで見る官の商法の限界」、こういう副タイトルが書いてあるんです。
 先ほどからいろいろな議論の中で財政に関する改革三法案の話が出てまいりましたけれども、その中身をちょっと検討していきますと、特殊法人等に入るさまざまな資金といいますか、それは四点ほどに集約されるように思うんですね。
 一つは財政投融資機関債、それから政府保証債、それから資金運用部特別会計からもたらされる融資、それから産業投資特別会計からもたらされる投資ということで四つの入ってくるものがあるわけですけれども、先ほどからの議論を聞いていますと財投機関債というのは極めて難しい部分があるように印象を受けております。
 これは党内でもこういった法案についてはかなり議論して問題になった部分もございまして、この四つの入ってくる方向のお金の話ですね、こういったことを含めて今回出されている法案の中身というか、こういったことを通して本当に財投の改革ができるかできないか、この辺についてちょっと感想的な面でよろしいですのでお話しいただければと思います。
 三人の方、それぞれで済みません。
○参考人(猪瀬直樹君) とりあえず郵貯、年金等が自主運用になったということで、まず第一は金融市場ができたということですね。
 それまでは直接郵貯、年金等が資金運用部資金として特殊法人に貸し付けると。これはただ川上から川下にお金が流れていくだけで、洪水になったらなお押し込んじゃうというふうな、特殊法人はお金を使いたくないのにもっと使えと、こういうふうに来ちゃうわけですね。そういう形で、簡単に言えばお役所だと、それは。とにかく郵便貯金を無理やり貸し付けて、無理やり非効率の組織をつくっていった。多少よくなったのは、とりあえず金融市場ができた、郵貯のお金をどうぞ御自由にお使いくださいと。自主運用という、御自由にお使いください、そういう金融市場で特殊法人が財投機関債を発行して買ってくださいよということができるようになった、とりあえず。
 ただし、情報公開がきちっとできていないとだれも買わないし、企業会計に準じた会計をきちっとやらないとだれもそんな化け物みたいな、手を突っ込んだら何が出てくるかわからないような会社にだれもお金はつぎ込まないですよ。そういうことであります、基本的には。
 だから、情報公開と政策コスト分析をきちんとやって企業会計、だれが見てもわかるような数字を出してくれないと財投機関債は売れませんと、これが試されるんじゃないですか。
○参考人(松原聡君) 私は、今回の三法案が実施されたときの一番のリトマス試験紙は、平成十二年度で財投機関が四十八ある、今後減るかもしれませんが、その四十八のうち一体幾つが財投機関債を出せるかということだと思うんですね。
 私の今の非常に大ざっぱな予想からしますと、一けたの下の方じゃないかと思うんですね。そうしますと、せっかく財投機関債を出して個別にマーケットでその財投機関の存在意義を精査しようという試みは四十八のうちのほんの一けただけになってしまって、残りの大半は財投機関債が出せないということになると財投債で政府がまとめて集めたお金を今までのように配分してもらうしかないという形にならざるを得ないと思っています。
 そのときに、ではどうなるかというと、事実上郵貯の資金などがそのまま財投債に流れる可能性が私は結果的に高いと思うんですね。そうなりますと、せっかく郵貯をオープンにして財投機関、出口の方もオープンにして、偶然出会えば郵貯資金が住宅金融公庫債に流れるというのではなくて、結局今までに資金運用部に流れたと同じような形で郵貯資金が財投債に流れちゃって、集まった何十兆かの財投債で得た資金を政治が分けていくという形になっていくと、これは改革の成果がないということだと思うんですね。
 ですから、リトマス試験紙は、四十幾つある財投機関のうちの幾つが財投機関債を出せるか、これが一けたの下の方であったら本当に何のための改革であったのかということになっちゃうと思うんですね。
○参考人(富田俊基君) 財投機関のスリム化、合理化あるいは民営化といういわゆる財投機関の点検という観点から今回の財投改革の法案を見た場合に、私は、それは余りにファイナンスのお金の面にだけ着目していて他の規律づけというのが不十分、コスト分析だけにとどまっているという点だと思うんです。つまり、そのお金の流れだけで果たして民主主義的な統制を受けるべき財投機関がきちんとした規律づけを得られるかといえば、それだけでは不十分であるというふうに私は存じます。
 これも先ほどの繰り返しで恐縮なんですけれども、やはり市場が失敗した部分を是正するというのが、その政策手段の一つが財投機関であって、それが余りに過大なのか非効率なのかということを政治が厳密にチェックすることが必要だということが基本だと思います。
 その場合のチェックと申しますのは、入り口部分においては先ほど来お話しさせていただきました政策コスト分析が入り口にあって、出口の部分には決算、そして行政監視委員会がきちんと国会審議の中でチェックを、点検をしていくということがやはり大きな役割だろうというふうに思いますし、また会計検査院による検査あるいは行政内部では行政監察といったものも積極的に活用されるべきだと。そしてまた、外部監査ということであろうかと思います。
 御質問の中に四つのファイナンスの方法があって財投機関債は難しいのではないかという御指摘がございました。このとき、財投機関債については一応二種類に分けて考える必要があろうかと思います。一つの種類は、何々公庫あるいは何々公団、事業団といった名前のもとに資金調達をするというコーポレート型の財投機関債でございます。もう一種類は、そうした機関のステータスとは離れた資産担保証券として財投機関債を出すという二種類でございます。
 前者の場合でありますと、これだけ巨額の国債が、先ほど御質問がございましたように、累増しているという中で、これから財政の健全化というのは当然不可欠であります。そういう中で、ある財投機関に対する補助金が削減されるということになりますと、コーポレート型の財投機関債の場合、投資家は将来の不確実性ということを考えてやはり投資しないかもしれない、あるいは他の投資家は国が後ろについているんだから大丈夫だと思うかもしれない。そういたしますと、この改革のねらいとされておりますコーポレート型の財投機関債で市場の評価を仰ぐということ自体が非常に難しくなってくる。
 そういう意味で、財投機関債はコーポレート型よりもむしろABS型という、財投機関のステータス、補助金がいつなくなるかもわからない、あるいはいつ民営化されるかもわからないというものとは独立になった資産担保証券というのが財投機関債としてふさわしいだろうというふうに考えるわけでございます。
○加藤修一君 手短にあと一問質問させていただきたいと思います。
 松原参考人の方から先ほど四十八の財投機関が財投機関債によって生き残れるかといったら恐らく一けたの下の方だという話がございました。
 財投機関債によって市場の評価に任せて淘汰させるという考え方が一つあると思うんですけれども、要するに暗黙の政府保証がないという前提のもとで財投機関債を発行して、そして金融市場から調達できるのが一けた台だという話ですけれども、その一けた台の機関を民営化とか、そういった可能性があるかないか、その辺のことについてはどういうふうに判断したらいいですか、調達できるということについて。
○参考人(松原聡君) 私は、調達できるようなところは民営化の可能性が非常に高い、こう考えてよろしいと思っています。
○益田洋介君 最初に、公共事業に名をかりてさまざまな形で税金のむだ遣いがなされているという御指摘が多々ございましたが、猪瀬先生に伺いたいんです。
 「日本国の研究」という御本の百五十一ページでございますが、そこに子会社がぼろもうけの構造ができていると。御指摘のとおり、日本総合住生活、これはJSと呼ばれていますが、この企業が特に駐車場について大変な利益を上げていると。駐車場料金が、例えば恵比寿のガーデンプレイスの場合には原価計算をして六千円強の利益が黙っていても子会社に転がり込むような仕組みになっているんだという御指摘がございました。
 ただ、私が気になりましたのは、さらに百五十五ページの後ろから三行目にありますが、公平な入札が行われていないところに原因があるんだ、親会社と子会社の間の随意契約となっていると。私は、この契約方法というのは非常に問題が含まれているというふうに考えるわけでございます。
 昨年、ある委員会で指名競争入札にすべきであるという指摘をいたしまして、特に道路公団関係の会社が指名競争入札という形態をとりながら実質がこういうことになっていないという点について私は疑問を抱き続けておりますが、先生はこの点についてどのようにお考えかということに加えて、さらにもう一問。
 今度は「続・日本国の研究」の中にございます「「虎ノ門」の闇」、先ほど御指摘がございました。その中に「「社団法人ゴルフ場」に公益性はあるか」と。私はその公共性の判断というのは非常に特殊法人をめぐって今後議論がなされていくべき一つのテーマであるというふうに考えるわけでございますが、この公共性を妥当化するための査定基準というのはどういうふうにお考えかという点。
 さらに、百三十八ページにあります「省庁再編は金の「出口」をマークせよ」という点がございます。これは当然、公共性というものを第一義的に考えなきゃいけない事業であるならば公共の利便との相互関係がございまして、多少の損失はやはり見込まなきゃいけないという考え方も一方では成り立ってくると思います。この相互関係についてお伺いさせていただきたいと思います。
 それから、松原先生につきましては、随分いろいろな議論がなされたわけでございますが……
○委員長(浜田卓二郎君) 益田君、時間があれですから簡潔にお願いします。
○益田洋介君 わかりました。
 では同様に、いただきました資料の四ページに「財投機関のチェック」の中で財投機関の存在理由、それは公共性の検討が必要だと。これについて先生の御所見をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○参考人(猪瀬直樹君) 手短に言いますけれども、最初の住都公団の問題だけには限らないですけれども、入札の問題はほとんど随意契約のものが多いのが現状だと思いますね。だから、これは競争入札にしない限りはコストは下がっていかないと。これは国会議員の方々もちょっと指定して、国政調査権があるんですからやっていただきたい、逆に。そういうことがいいと思います。幾らでもありますから、これは。
 それから、あと何でしたっけ、その次の言われていたのは。
○益田洋介君 公共性と、それから金の出口を省庁再編に対しては見なさいと。それで、公共性を希求する場合には多少の損失はその公共性の尊重から必要になってくるという考え方も一方では成り立つのではないかと。したがって、その相互関係についてのお考えを伺いたいというような質問でございます。
○参考人(猪瀬直樹君) 簡単に言えば、要するになくてもいいような特殊法人がいっぱいあるということですね。だから、財投機関債を発行できないような特殊法人がいっぱいあって、では実際にそれがつまり公益を代表しているかというと、全然逆に民間企業の活力を阻害しているような、そういう特殊法人の方が多かったりすることが多々あるので、ない方がいいものは早くつぶしてもらいたい。それは本当は政治の力ですから、つぶすのは。一応お役所の人にどれとどれをつぶした方がいいですかと言って出すと、結局名前をくっつけてくるだけですから。ドイツ語みたいにどんどん長くなっていっちゃうだけですから、名前が。そういうことじゃしようがないので、やっぱり具体的に政治がこれとこれは要りませんと決めれば僕は決まると思うんですね。
 だって、この間の橋本行革でも名前で省庁をあれだけ決めたわけですから。とりあえずは名前だけで、ようかんの長さを切り方変えただけだとは言うけれども、それでもやっぱり一応は名前は減ったんですからね。やっぱり特殊法人、決めてもらわないと、これとこれとは要りませんと。要らないで、かえって逆にあるから害をもたらしている、公益に反している方が多いところがあるんですね。それをつぶしてもらうのは政治の力ですから。
 以上、よろしくお願いします、逆に。
○参考人(松原聡君) 御質問は非常に悩ましいところでありまして、公共性とは一体何なんだと、こういう話になるわけです。
 それで、ちょっとずれますけれども、特殊法人情報公開検討委員会で二百四十一の特殊法人等を政府か政府じゃないかみたいに分けていくときに、それぞれの法人は一つ設立根拠法を持っていまして、設立根拠法の一条か二条が大体目的になっていまして、そこに公共性規定があるんですね。それを見る限り、それはきっちりとした作文になっていますから、すべてに関して公共性があるといえばあるということになっちゃうんですね。逆に、それを一つ一つの事業に関してチェックしていって、これはあるないと判断していくのは、理念的には可能ですけれども、結果的には非常に難しいですね。特殊法人情報公開検討委員会ではどうしたかというと、もう非常にラフにしまして、理事長が任命だとか政府出資があるかみたいな、そういう外形的な標準でチェックせざるを得なかったわけです。
 私が、いろいろ考えてきてどういう結論に今立っているかといいますと、一つ一つの法人について個別に設立根拠法を見て公共性があるかないかと判断するのは非常に難しくて、特殊法人等に関しましては、かつてある政党が案を出しましたようにサンセット法案みたいにしまして、五年ぐらいで一たんもう全部廃止と。それで、改めてつくるかどうかのところで公共性をチェックしていくという形をとらないと、どうも今あるのは、全部あるといえば公共性はある、全部天下りが行っていて、利権があるといえばあるということになっちゃうので非常にそれは難しいと。
 それを超えるには、私は、サンセット的にすべてのものに関して五年とかで一たんやめて必要かどうかのところをもう一度政治が国会で議論するということにしないと、何か一たんつくったらほとんどそれはスクラップできないというのが今までの行政改革の歴史だったんじゃないかと思っております。
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、日本共産党所属議員で質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○小泉親司君 参考人の方は大変お疲れさまでございます。日本共産党の小泉親司でございます。
 まず、お三方に二つの質問をそれぞれさせていただきたいと思います。
 猪瀬参考人の「日本国の研究」、私も大変興味深く勉強させていただきました。道路公団のお話もありましたが、特に住都公団のいわゆるJS、日本総合住生活株式会社の問題、昔の団地サービスでありますが、私も十五年近く団地生活をやりまして、この団地サービスの実態というのは本当にひどいというか、私も管理組合の役員などやりまして、住民的にはひどい中身だなということを日々痛感したときにこういうものが発表されまして、非常に勉強をさせられたわけであります。
 冒頭に猪瀬参考人もこの特殊法人の問題というのはやっぱり日本の国の問題だ、国の危機的状況だというふうにおっしゃいましたけれども、松原参考人も同じように「ジス・イズ読売」の中ではこれからの日本の公的なあり方を見直さなくちゃいかぬということを指摘されておられるわけですね。私どもも、今の財政のあり方、平たく言えば国民の税金の使い方、これをまず基本的に改めていかないと、やはり今の特殊法人の問題というのはなかなか解決できないのじゃないかなということを非常に強く感じております。
 一般的に私どもが言っているのは、先ほども日本の借金状態を出されておりましたけれども、事実上、日本の場合だと九十六兆円の国、地方を合わせて収入があるんですが、実質使えるのは五十九兆円。しかし、百十兆円近い予算を組んでいるわけで、これには大きくは公共事業の費用が充てられている。こういうものの財政を見直さないと今の財政的な改革というのはなかなか難しいんじゃないかと。
 猪瀬参考人の言葉をかりると、入り口、中間、出口という、その包括的ないわば考え方といいますか哲学といいますか、その辺をやっぱり見直す必要があるんじゃないかなというふうに思いますが、その点一つお伺いしたい。
 二つ目は、主に富田参考人からも政策コストの分析というお話が出ました。それぞれ皆さん、チェック機関の問題とかいろいろ出ましたが、いわゆるどういう主体でこれをやるかというのが非常にこれからの課題としては大事なんじゃないかと思うんですね。やっぱり国会が当然きちんと政治の責任でやるべきだというふうには思います。
 それから、当委員会でも、この前の総務庁の行政監察でも、例えば関西国際空港の二期工事の問題についていろんな問題点が指摘されましたけれども、政府の方はこれを進める方向をとっておる。実際、今の総務庁を中心とするそういった行政監察が十分なのかどうなのか、こういう点もあわせながら、そのチェック機能の主体をどういうところに具体的に求めるべきなのか、その対象の問題。例えば松原参考人ですと、特殊法人だけにとどまらず、認可法人、指定法人全域に広げてきちんとチェック体制をとると、おっしゃることはごもっともだと思うんだけれども、大変なエネルギーと大変な体制が必要だと思うんですね。
 こういう問題をどういうふうにお考えなのか、まず初めにお三方にそれぞれお尋ねをさせていただきたいと思います。
○参考人(猪瀬直樹君) 国の財政の危機という話は、地方債も百八十七兆円今年度出ることになっていますけれども、せっかく共産党の方だから、地方の役所の人間を減らすなんというときには共産党の人がもう少し頑張ってもらわないと、逆にふやしたりすることがあるのでぜひその辺は考えていただきたいと思っております。
 それはおきまして、こういういろんなお金をチェックするのをどうしたらいいかというのは、一応国の機関としては総務庁行政監察局があるわけですからちゃんとやってもらいたいということですが、会計検査院もあるわけです。
 会計検査院はこの間もたしか二百億円か三百億円ぐらいしかむだ遣いを指摘しなかった。会計検査院の年度予算が大体そのくらいなんですね。つまり、自分の食いぶちしか働いていないので売り上げがないんですね。例えば普通の会社だったら、二百億円だったら売り上げ二千億円ぐらいないといけないわけですね、給料払えないわけですから。会計検査院に自分のところの予算の十倍を稼げと、こういうノルマを国会で議決してもらえばいいと思うんですね、一つは。ちゃんと自分のところの給料を出せませんよと。とにかく予算分しか指摘しないんだからこれは非常に問題ですね。
 それはもちろん、政治家の皆さん方がいろんな圧力をかけてつぶしたりすることもあるんですよ、これは。そういうのも直してもらわないと困るんですけれども、各省庁がいろんな、会計検査院がせっかく見つけたのをつぶしたりとか、こういうことがあるわけですね。そういうことを政治家が会計検査院や総務庁の行政監察局の側に立って応援してあげるということが必要で、そういう意味では会計検査院を議会にくっつけるとか、そういう考え方があっていいと思いますね。議会の手足となって働いてもらう。行政の側にあるとこれはだめですね。
 そういうことはもう少し、たしか民主党でそういうことを言っていたと思いますけれども、ほかの政党でも言っていいんじゃないかなと。これはつまり、自民党だ共産党だという問題じゃなくて、政治家対官僚の問題ですから、会計検査院を皆さん方が議会にくっつけて自分たちの味方にしてチェックするというふうに考えていただければというふうに思います。
○参考人(松原聡君) 議論がちょっと難しいのは、財政全体のお話と特殊法人全体のお話、それから財政投融資の問題というのが錯綜する面があるわけです。
 それで、まず一点目の御質問からで、特殊法人全体でいきますと、繰り返しになりますけれども、二百何十ありまして、これをチェックしていくというのは非常に大変な作業で、特殊法人改革が繰り返しとんざしてきたのは事実なんですね。今回の財投改革三法というのが、少なくとも背景に二百四十一の特殊法人のうちの四十幾つがそこに入るわけで、それに関しては兵糧攻めできるぞという意識は非常に強くあったんですね。
 兵糧攻めできるというのはどういうことかというと、要するに財投機関債を発行しなさい、それで資金調達できないようなところはあなたたちの存在意義が問われますよと、こういうチェックを果たそうとしていたわけです。その意味で、特殊法人全部をどうするかという問題よりは比較的財投機関の方が話はシンプルだったはずで、そこは兵糧攻めで何とかチェックしようという意図はあったはずなんですけれども、残念ながらそれがちょっと厳しくなっちゃっているなというのが一点目であります。
 それから二点目で、政策評価とか政策チェックの問題でありますが、これは私はもしかしたら二つに分けた方がいいと思っておりまして、特殊法人とか政府から離れたものに関してはマーケットによるチェックが相当部分可能だと思うんですね。ですから、一たんふるいにかけてマーケットのチェックでうまくいくのはそれでいい、そこでとんでもないというデータが出てきちゃったものに関してチェックしていけばいいと思うわけです。
 政策評価に関してもう一つ非常に大きなポイントは、むしろそういう財投絡みではなくて一般の政策、一般道をつくると、そこに人が通るか通らないかという評価をやらなければいけないという議論になってきていますから、私は政府から離れたところに関しては本当にマーケットのチェックがかけやすいと。だから、そこはむしろ第一義的に政策でどうするかという問題じゃなくて政策のチェックの一番大事なところは税金の方じゃないかと。それは今、大分いろんなところで議論が進んできていますね。
 じゃ具体的にどうするかというのが非常に難しいポイントですが、総務庁の中で、私も今仕事をしておりまして、行政監察局というのがあって、そのいろいろ設置を見ますと、もしかしたらすべての官庁の上に立つぐらいの強い権限があるはずなのに現実には全然だめですね。
 ですから、官僚機構の中に行政監察局があるということ自体がおかしいなというのを最近思い始めてきましたから、やはり会計検査院などとともに政府の外に、国会に置くというような形の思い切った手を打たない限り、行政監察は幾らやってもほかの省庁の顔色をうかがいながらの範囲でしかできていない、それは超えられないんじゃないかと思いました。少なくとも、国会に置きなさい、行政の外に出せというのがそのチェックの際の私の提言です。
○参考人(富田俊基君) 財政の見直しという観点なんですけれども、先ほど政策コスト分析を表でごらんいただいたわけですけれども、財投機関あるいは財投と言われるものは国民が求めるものを実施するための手段でありまして、政策として例えば国民の住宅をこのように充足するとかあるいは中小企業に対しての融資を行うとか、そうした政策目標というものをきちんと立てない限りにおいて、幾らここは非効率だどうのこうのと言っても、やはり目的に照らして手段がどうかという議論が私は重要だと思います。
 その際に、同じ目的を達成するために、例えば財投機関を使うのと税制を使うのと補助金を使うのとではどれが一番効率的かというときに、やはり政策コスト分析というのがそういうときにも力を発揮するものであると思うんです。
 そういう意味において、私はやはり政策として何が目的であるかということを、個々の予算全体あるいは財投の個別機関の個別の事業について目的ということから議論を始めませんと、いやここは肥大化しているんじゃないかというふうな議論に終始してしまうと思うんですね。やはり評価すべきは目標に対してコストがどれだけかかるんだということで、そういう議論が私は必要だと存じます。
○小泉親司君 まだもう少し時間があるようですので松原参考人にお尋ねしたいんですが、先ほど財投機関の情報公開のところで、東京湾横断道路株式会社、関西国際空港株式会社、中部国際空港株式会社、それから民間都市開発推進機構がいわゆる情報が公開されない可能性が検討されておるというふうな御報告がありました。
 これは、特に東京湾横断道路も、先ほどお話があったように、残高としても非常に高い残高を持っておりますし、関西国際空港や中部国際空港もやっぱり非常に大規模な公共事業のプロジェクトなわけですね。これはなぜそういうふうな公開対象外になろうとしているのか、その辺がちょっとよく見えないものですからその辺を引き続きちょっとお話しいただけたらと思います。
○参考人(松原聡君) 先ほど御紹介しました表の中で十の機関を出しましたけれども、この中で情報公開の対象になりそうなのは関西国際空港株式会社一つだけで、九はほぼ間違いなく外れる、こう思います。ですから、東京湾横断道路も電源開発も民間都市開発機構も全部情報公開の対象外になりそうだということです。
 それで、この理由は、実は中で大変厳しい議論になりまして短い時間で御説明するのは難しいんですが、要点を申し上げますと、総務庁、総理府等の事務局サイドの発想は、政府の情報公開だから二百四十一あるいろいろな機関の中で政府とみなせるものは情報公開しよう、政府と言えないものは情報公開の対象外にしよう、こういう発想だったわけです。私なんかはそうじゃなくて、政府がつくったものは情報公開の責任でしょうと言い続けてきたんですが、だめでした。それで、政府か政府じゃないかの区別のところで、理事長を任命しているかとか政府出資があるかということでチェックしていた。
 もう一点は、株式会社はもう存在としては民間だろうというのが非常に強く意見としてありまして、原則外す、ごく一部を救うという形になりました。それで結果的にNHKも外れました、NTTも外れて、ここにある十のうち九が外れて、唯一関西国際空港だけがピックアップされそうだと。
 その基準は政府か政府じゃないかと特殊法人を分けたんですね。それはおかしいと思うんですけれども、分けたわけです。政府とみなせるものは対象、政府とみなせない特殊法人は対象外、こういう基準でした。
○小泉親司君 どうもありがとうございました。
 終わります。
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、社会民主党・護憲連合所属議員で質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○梶原敬義君 三人の参考人の先生方には貴重なお話を聞かせていただきまして、大変参考になりました。質問する側からしますと、私なんかは頭が整理できていないままの質問になるかと思います。
 ただ、財政投融資の話をする場合に、今、市場金利が非常に低いですね。しかし、市場金利はこういう状況じゃない、やっぱり五%を超えていくことは想定できると思うんですが、そのときになればそのときのまた変わった物の言い方もあるんではないかなと、このように私は思っております。
 そこで、ちょっと違った観点で三人の先生方にそれぞれ一つずつお伺いしますが、猪瀬参考人、先生の本の「日本国の研究」の百三十一ページのところに書いてあるんですが、高速道路の道路公団の運賃のプール制ですね。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
これは確かに矛盾があるといえばあるんです。私は九州の出身です。大分県です。それで、大分、宮崎、鹿児島というのは高速道路がないんですね。えらい時間がかかるんです。これはもう相当、鹿児島から大分に来るのは六時間ちょっと超すのかな、飛行機で行きますと東京を往復するような時間なんです。今、高速道路をぽつぽつつくっていっているんですが、非常に時間がかかっておりまして、早くやってくれという地域の人の要望が強いんです。
 そのためには、都市は大変でしょうが、東名も名神も安いときにつくって、しかも地方の人が出ていって都会を支えております。そういう意味ではもうちょっと我々とすれば運賃プール制を続けて、あまねく国土の均衡発展のためにこれは何とか国民合意ができないかと、このように思っております。そして、やがて地域の基盤が整備をされれば大都会、大都市で人が住みにくくなったときには地方に国民が分散して生活できるような状況が必ず二十一世紀には来るだろう、このように考えておりますが、プール制のことについて御意見をまたいただきたいと思います。
 それから、松原参考人、国会で確かに一般会計予算については我々非常にシビアになって議論するんですが、財政投融資のところになるとたあっと行くんです。これは我々に責任はあるので、私も国会に来て長いんですが、それで行政監視委員会でも取り上げてやるけれども、行政監視委員会というのは全体にかかわるものですから、今御意見を聞いておりまして、参議院というのは非常に長期的なテーマに向かって研究調査をやっていく調査会とか特別委員会を持っているんです。特殊法人についての調査会あたりを常設して、そこで詰めてやっていったらどうかなと、このように先ほど先生のお話を聞いておりまして思ったのでありますが、御意見を承りたいと思います。
 それから、富田参考人、これから財投債を発行する、郵貯や簡易保険、これはもうやっぱり財投債の方に大分回るのはあると思うんですが、いずれにしても自主運営の規模が将来どんどん拡大していきますね。郵貯、それから年金、これらの運用責任者というのは毎日株が何ぼ上がるか下がるかで大変はらはらしているような状況なんですよね。これはやっぱり市場に与える影響というのは、果たして郵貯や年金やあるいは簡易保険、そういうお金が市場に影響する、あるいはアメリカかどこかでがたっと大不況が来たときに打撃を受けるかもしれない。これは非常に私はあり方の問題として何か直感的に矛盾があるのではないか、このように考えているんですが、お聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
○参考人(猪瀬直樹君) 大分県は福岡までは高速で速いでしょう。
○梶原敬義君 ない。
○参考人(猪瀬直樹君) 道はよくなっておりましたね。
○梶原敬義君 はい。
○参考人(猪瀬直樹君) それで、この「日本国の研究」で書きましたけれども、日田郡の森林組合の問題があって、やたらに林道をいっぱいつくっているんですけれども、それでその林道をつくっているものについてのスキャンダルについて書きましたのでこれを読んでいただければいいと思うんですけれども、要するに農道とか林道とかいろんなものを一本にすれば道はすぐ一個いいのができますよ、そういう発想を持つということと、さらに申し上げますと、僕は道が当然必要だと思う。その場合に、起点と終点をはっきりさせればいいんですね。例えば、東京湾横断道路はどれだけ赤字でいかにしようがないかということは数字で出ているわけです、起点と終点がはっきりしていますから。じゃ、通行料を五千円にしたら通行量は幾らで幾らのあれになって何年たって返済する、四千円にしたら幾らになってと。だったら、大分から鹿児島までの路線をつくるのであれば、そこの部分をきちんとプール制じゃなくて別にした方がいいですね。そうすると、これだけの通行量に対してとても賄い切れない、じゃそこに対して税金を幾ら入れると、つまりここは税金で負担する分と通行料、利用料で負担する分とはっきりコストが見えてきますから。
 だから、今のプール制というのはもう全国に全部つながっちゃっていますから、ここからここまでは赤字だけれども国民のために、地域の人のためにつくる、だったら幾ら税金を負担します、ここからここまではもうかりそうだから何年たったら、償還したらただにします、こういうふうに分けて考えていくことが大事です。そうしたら大分県でいい道ができます。
 以上です。
○参考人(松原聡君) 政治の中に、参議院の中で常設のをつくったらいかがかということでありまして、私は基本的に大賛成です。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
 問題は、そういうときに国政調査権をきっちり担保するような事務局機能が不可欠ですね。今、日本の場合には行革行革一辺倒ですけれども、例えばアメリカが金融監督的な作業に何千人という人をつぎ込んでいる。要するに、公正な競争を確保するためには場合によっては人がふえてもいいんだと。こういうようなところを考えれば、ただ単に委員会というのは、今まで見ています限り、なかなか調査権がなくて動きづらいというのを見ていましたから、そこにきっちりとした事務局機能みたいなものをつけるような、極端に言えば新総務省の中の監督部分を本当にそこに引き込んじゃうぐらいのがあれば私は非常に高い実効性は期待できるんじゃないかと。
 非常にいい御意見で、私も今後勉強させていただきます。
○参考人(富田俊基君) 財投債とその自主運用の拡大ということで御質問いただいたわけですが、この財投債は政策を遂行する上で必要なお金を国債という形で資金調達するということで国債として発行されるわけですけれども、これまで郵便貯金、年金は期間七年で財投の資金を貸していたわけでして、現在その残高は九八年度末で郵貯が二百五十兆、年金が百三十兆ということで三百八十兆円もありますので、これが七年で戻ってくるといたしますと毎年五十兆ぐらい戻らなきゃいかぬ。その一方で、財投機関から運用部に返ってくるのは三十兆ですので、結局は郵貯、年金が回収する額の方が多くなってしまって、財投機関はこれまでの活動も維持できないというか、無理やり回収しなきゃ返せないということですので、どうしても経過措置が必要になってまいるわけでして、これまでの財投機関の活動を維持するということでそういう一定の経過措置が必要であろうというふうに思います。
 それと、自主運用のそもそもの問題点、こうした経過措置の後はすべて自主運用ということですので、あたかも民間の運用会社のようなことになるわけです。もちろん、そこにいろんな安全性を高めるという工夫もなされるわけですけれども、市場というのはやはりリスクはつきものでして、高い運用成果を上げることもできれば反対の場合もある。
 じゃ、反対の場合にどういうことが起こるのか。つまり、損が出た場合にどうするかということになりますと、例えば郵便貯金ですと元利は政府保証ということをうたっていますので、そのための国民負担が生じないとも限らない。また、年金につきましては、年金保険料というのは強制徴収ですので将来世代がそのために保険料の引き上げにならないとも限らないということですので、私は、自主運用といえども、やはり極めて安全な資産であり、かつ価格変動リスクがないというのが理想であって、アメリカの年金が行っておりますような非市場性の国債の運用というのが基本であろうというふうに存じます。
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、自由党所属委員で質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○渡辺秀央君 きょうはどうも大変御苦労さまでございます。
 いろいろ参考人各位から御意見を承りまして、大変勉強になりましたし、また示唆に富んだ御意見、大いにこれから参考にさせていただこうと思っております。まずもって御礼を申し上げて、若干の私の考えを申し上げながら御質問させていただきたいと思います。
 まず、今の梶原さんの質問の中で若干触れられるかと思ったんですが、今この委員会が始まる冒頭に、本委員会として、実は国会法百五条による会計検査院のODAに関しての会計検査を国会として要請をするということを、参議院として初めて百五条の発動というか決議を今ちょうどお三人がおられるところで瞬間やったわけであります。これはまさしく歴史的なことでありまして、当行政監視委員会として、せっかく参議院の委員会改革の中で設置されましたこの委員会が与党も野党もなく国民の負託にどうこたえるかと。
 今までもろもろお話がありましたが、会計検査院にチェック能力がないとか、総務庁の行政監察局に余りそういうチェック能力がないようなお話も、あるいはまたレジュメでも若干の御意見がありましたけれども、しかし考えてみますとこれは実際なかなか容易ではない。もうそれはお三人の皆さんよく御存じでおっしゃっていることだと思うんですけれども、一朝一夕にして、言うならば百年間やってきたようなシステムですから、そこを改革するというのはまさに政治の問題であるわけなんですね。
 同時に、もう一つはやっぱり国民の問題でもあるんですね。そこはぜひ行政だけの問題としてとらえないで、国民に対する啓蒙あるいはまた国民の意識ということが私はやっぱり改革していく上においては極めて大事な要素であろうというふうに思うんです。政治家がどんなに立派なことを言っても、国会議員のバッジを外しちゃったら政治家でなくなっちゃうんです。私も若干経験した一人なんです、そのことは。
 だから、そういう意味では国民の意識ということが、我が国の独特な、長い物に巻かれろ主義、あるいはまた惰性、そういうものがありまして、なかなか言うにやすく、しかし行いがたしであるということは、これは認識をお持ちでしょうけれども、我々としてはそういう中で何がまずできるのかということでやっているわけでして、この会計検査院、行政監察局のチェックに対しては、私は実はこれから大いに期待をしていきたい。それはなぜかというと、我々国会議員が大いにそれを督励すればいい、こういうことだろうと思うんですね。その点についてもし御意見があったら一点承りたいと思います。
 それから、さっきのお話の中で、松原参考人ですか、大変恐縮でしたが、特殊法人などの情報公開検討委員会でレジュメに出されたこれがそれぞれ検討議題になったとさっき御説明も若干されましたが、どうもわかったようでわからないんですね。一体この委員会というのは多数決で決められているんでしょうか。あるいはまた、満場一致でやられるのであるとすれば、松原参考人一人でも反対すればこれは通らない話でありますから。
 私は、実はそういった政府の審議会、そういうものについて年じゅう同じ人間が同じ土壌から選ばれるのはよくないということをもうずっと言ってきた人間なんです、自民党にいたときから。だけれども、今日なおかつその傾向にあって、しかしせっかくこれも選ばれた委員の皆さんがそれだけの責任を果たしてもらわないとこれは何にもならぬことだと、要するにカムフラージュで終わってしまうと。公安委員会そのものもある意味においてはそういうことも言えるわけです。
 そういったことで、私は、大変恐縮ですが、今までの皆さんの質問と違う角度から、やっぱりそういう委員に選ばれた、あるいは財投審議委員会というのもありますね、その委員に選ばれた人たちの自覚と勇気というか、そういうものが極めて必要だと。何か役所に選ばれて役所に義理があるみたいに全部言うことを聞かなきゃならないというような傾向があることが日本の行政あるいはまたある意味における行政の執行というものを非常に阻害している、あるいはまた国民から見てわかりにくいものにしている、そういう感じがしてならぬのです。
 そういった意味で、せっかく委員になられた松原参考人にお一人だけここに来ていただいているので、もうちょっとこの委員会の状態を、今、大分お話しになりましたから、遠慮なくお聞かせいただければありがたい。
 三点目は、調査室の方からいただいた猪瀬参考人の資料の中で、私はこれは非常におもしろいと。フランスなんかではジスカールデスタンもシラクも会計検査院の出身だと。なるほどなと思いますね。やっぱり政治家は行政、特に大統領というのは行政ですから、強大な権限を持ってやっていく人が、国というのは自分の会社みたいなものですな、それの実態をつかむ大事なポイントをしっかり経験して行政に入ってくると。これは私は我が国においても国会議員の中で行政を経験した人たちがたくさんおられて非常に結構なことだと思うんです。
 そういう意味においては、我が国のそういうシステムができていないところが非常に残念だし、これはもう何ぼ先生が広域農道の問題を指摘されたり、あるいはまたここですばらしいいろんな意見を述べられていても、実際問題としてそれらの壁を破るのは、専門家がいてここをチェックだと、こういうことでないとなかなかしんどい話じゃないのかなという意味で、これはこれから政治家になっていく人は、会計検査院にそれだけの権限と権能があるんですから、それを与えていくという政治の土壌、行政の土壌がまず大事だと思うんですが、会計検査院の人たちにも大いに自信を持ってしっかりやってもらいたいなという感じがいたしましたことを、敬意を表しながら、ちょっと私の雑感ですが、申し上げてみたいと思いました。
 それから、四点目は財投機関債、財投債、この二つは私は実は大蔵省の方からこの法律案が出たときに指摘をしたんです。
 郵便貯金の問題等もありまして、郵便貯金は少し皆さんと考えが違うので、時間がないのできょうはやめますけれども、私は政治というのは国民にどう安心感を与えるかということが一つ大事な要素としてあることを忘れてはいかぬと思うんです。国民が一般の町の金融業者に金を持っていく、そのことよりも国に預けた方が安心だと、これは当たり前のことでありまして、しかもまたこれが極めて理想的に資金が集まっているということを何も、農村と都会の生活の格差をつくるというのは、政治は公平を期さぬといかぬわけですから、それはできぬという意味では、郵便貯金のやり方がまずいのではないので、要するにこれも資金の運用の仕方の問題なんだというふうに思いますね。きょうはもう議論は避けます。
 そういう意味では、この財投債、いわゆる財投の資金の背景としては私はこれは正しいと思っているんですが、財投債と財投機関債、なるほど財投機関債をしっかり発行できるところ、例えばある程度のランクを決めて五年なら五年以内にやりなさいというぐらいの期限を切らないと、これはとても行政マターではできない話なんですね。だから、これは政治の問題だろうという感じがしました。
 そういう意味では、一つの示唆をいただいたかなという気がいたしまして、財投債、財投機関債を、せっかく財投に対してのことを政府がやるのに、どうもそういう感じがしましたから、乱暴な言い方ですけれども、いかがお考えでしょうか。
 富田さんなどは証券関係を背景に持っておられますけれども、私はそれぐらいのことを、猪瀬さんもおっしゃいましたが、その評価はきちんとして、特殊法人も公団も公社もすべて悪いというんじゃなくて、大変な効果と国家に対して貢献、国民に対して貢献をしてきたというようなことから考えるとそんな感じが実はいたすわけであります。
 そういう意味で、五年ぐらいとか、あるいは任期が二年であるとするならば六年、三期ぐらいを経過して思い切って財投機関債が発行できるような、そんなものに期限を切ってみたらどうかなと、乱暴な話でしょうか、ちょっと承っておきたいと思うんです。
 以上であります。
○参考人(猪瀬直樹君) フランスではシラク大統領もジスカールデスタン大統領も会計検査院出身であるという、そういういわば国の経営者であると。国の経営者は、日本の場合は大蔵省主計局の方が出世するという、ちょっと逆ですね。予算をいっぱい配ってばらまいていく方が出世する、向こうは締める方が出世する、こういうところがやっぱり違うなということです。同じような官僚機構が日本とフランスはあるわけですけれども、あるいは議会中心のアメリカでは、先ほど言いましたように、行政を監視する会計検査院等は議会の方にくっついている、こういうシステム。だから、今まで日本のシステムに欠陥があったということは改めて認識した方がいいだろうということ。
 もう一つ、国民が問題であるということをおっしゃいましたが、そのとおりであると思うんです。国民の側に税金を払っている意識がないというか、納税者の意識が、七〇%サラリーマンですから、サラリーマンというのは給料が天引きされて、そして振り込まれるので、大体サラリーマンの奥さんというのは手取り額しか知らない。給与明細表を御主人がまた見せなかったりするので大体わからない。それで税金を幾ら払っているか知らない。サラリーマン自身も税金は会社が払っていると思っている。つまり、そういう源泉徴収制度というものがある限りは納税意識は余りないんですね。
 源泉徴収をしている国もほかにありますけれども、年末調整までやる国は日本だけしかありません、先進国で。年末調整と源泉徴収を一緒にやって納税意識がなければ、国の税金がどう使われたかなんという関心は全く持たない。だから、消費税が上がると慌ててびっくりする。だから、本当は消費税に切りかえていった方がいいと思うんです。ただ、そういうふうに言うと所得税も取り消費税も取り、ただ重税になるだけの可能性もあるので余り言いたくないということになりますが、いずれにしろ大正時代に普通選挙法というのができたときに、それまでは税金を幾ら以上払った人に選挙権があるというふうに言っていたんですね。普通選挙法になってから国が悪くなっていったんですね。つまり、普通選挙法というのは民主主義の進歩みたいに思われているけれども、普通選挙法になってからどんどんひどくなっていった。こういうことは歴史の逆説でありますけれども、そこのところをもう少し考えた方がいいので、要するに選挙権の意味というのは納税者にのみ選挙権があるというふうな、そういう考え方をしていかないと、国民の監視という国民の意識のレベル、投票率は非常に低いわけですけれども、納税幾ら以上のみ選挙権を与えるというふうな、あえてそういう言い方をしたいぐらいの気持ちでおります。
 以上です。
○参考人(松原聡君) まず、国民の側という御意見で、かつて政官財なんという言い方がありまして、細川内閣あたりから政官業だと。私は政官民という言葉を使ったことがありまして、それは労働組合を含めてそういう既得権のネットワークの中に間違いなく国民は入っているんだ、こう思うんです。ただ、中核は、失礼ですが言いますけれども、政と官で、これはもう間違いないと思うんですが、そこに国民の側が入っているのも一方で間違いなくて、私はそういう既得権が、例えば金融ビッグバン、イギリスが一九八六年です。でも、日本が二〇〇一年。これまた延びそう。NTT改革は九九年分割ですけれども、アメリカは八四年にやっているんです。
 そういう既得権が十五年ぐらい本来やるべき改革をずらしてきていて、そのことが既得権を持っている人たちだけが楽をしているのではなくて国全体の足を引っ張っているんじゃないかという認識に私は立っていまして、だから政官だけではなくて我々も既得権を見直さないと我々自身が首を絞めているんだよということは一生懸命言っている最中です。
 きょうは勉強になりました。ありがとうございました。
 それから、審議会に関してでありまして、隠れみのというのももっともだと思います。現在の状況は満場一致ではありませんので、比較的というか、私の方は少数意見ですけれども、中間報告とかパブリックコメントに出る原案になるべく少数意見、違う意見があったことを盛り込んでくれと、そこで最後の抵抗をしている最中です。
 ただ、大分日本の政策決定プロセスがオープンになってきましたのは、まずパブリックコメントにかかりますから、そこで一カ月電子メール、ファクスその他でとりますので、その中で圧倒的に国民の意見と違ったときには今まではほとんど無視されているんですね、パブリックコメントの意見は。ただ、無視せざるを得ないような状況も出てくるんじゃないか、その後にそういうある程度少数意見を含めた報告が国会に行ったときには、国会で法律を決めるときにぜひそれをベースにしていただきたい、私はそのためにA4十何枚の意見書をつくりましたので、もし必要であればいつでもお配りしたいと思います。
○参考人(富田俊基君) 財投機関債を五年以内に発行するようにということを政治で決めるべきだというお話と承りました。
 私は、その財投機関債が資産担保証券、つまり財投機関のステータスから離れた財投機関債であればその意義はあるというふうに存じます。しかしながら、財投機関という政府機関のステータスのまま発行する場合には、これは非常に投資家が困ってしまうのではないかと。つまり、政治も政府も一丸となって財投機関債を発行せよということになりまして、それで発行できるわけでしょうけれども、ではその後財投機関の整理合理化で補助金の削減とか民営化した場合に、その債券はどうなるんでしょうか。つまり、その債券は暴落するかもしれません。そういたしますと、今度はコーポレート型の財投機関債を持っている投資家の方、これは郵貯、年金等公的資金も含めてでありますけれども、財投機関の改革に反対するかもしれない。それは値段が下がるからであります。
 やはり私は、政治がなすべきことは財投機関の改革そのものであって、五年以内に例えば何々を整理合理化するというのは政治のなすべきことだと思いますけれども、ABSでない形の財投機関債を出すということについてはこれは非常に疑問であって、やはり政治のなすべきことを市場に行わせようということでは私は問題があろうというふうに存じます。
○渡辺秀央君 どうもありがとうございました。
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、参議院の会所属委員で質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○田名部匡省君 私は二つの名前を持っていまして、無所属の会というのが党名で、参議院の方では参議院の会、こういう二つの名前を持った田名部と申します。
 先ほども理事会で、前から私は申し上げているんですが、この行政監視委員会というのは国会の中で唯一参議院の独自性を発揮する委員会だ、したがってスタッフももっと充実して調査する予算も必要だと前から言っていて、きょうもまたそれを申し上げたんです。
 松原参考人にお伺いしたいんですが、御意見の中に政治が決めると。これは議院内閣制ですから当然のことなんですね。ところが、決められないものですからいろんな委員会をつくったり調査会、審議会と。そこで決まったらそれを実施するかというと、国会で賛否を問うときには、答申を受けていながらなかなか賛成と反対がある。だから、先生方が出したものも必ずしも通るというわけではないんですね、国会の判断ですから。
 ですから、そういうところに、私はやっぱり情報公開を委員会も審議会もどんどんやっていただきたい、我々もその責任の一端はありますから。その情報を聞いて国民が判断する。猪瀬参考人も国民の意識を変えることが大事だと、私は本当にそう思うんです。
 この間も宮澤さんにバランスシートでやってごらんなさいと。もうやられた先生方が九百兆円も国債残高があるというのは、どういう調査をやられたか、わかったわけですね。そういうことを国民に理解させないと意識は変わりませんよ、こういうことを言ったんですけれども、政治が決めるべきだという、私は国民の税金とかあるいは財投を使うものは一切入れるんだというこの基本をしっかりしないといかぬ、こう思いますが、いかがでしょう。松原参考人、ひとつ。
○参考人(松原聡君) 要するに、政治が決めるといったときに二つ問題がありまして、例えば財投をどう配分するかというのを政治が決めるという面と、そもそもそういう制度がきっちりチェックできるか、チェックする体制をつくれるかというのも政治が決めることでありまして、私は前者の方に関しては、繰り返しになりますけれども、政治が出ていくと余りいい結果が出なかったんじゃないかと。例えば住宅金融公庫に十兆円やるよと決めたのは政治ですから、しかし一年間で四兆円使い残したというのが結果ですから、そこのところの政治がどうかかわるかというのは、民間に任せられるところはなるべく任せなさいと。これは既に行政改革委員会が答申を出して閣議決定されているところであります。
 問題はそういうのをどうやってうまくそのことを含めて機能させるかという政治の役割でありまして、これは全く御指摘のとおりだと思いますので、いろいろな手だてを使って行政に対する本当の意味でのチェック機能を果たせるようにしていただきたい。
 逆に言うと、繰り返し何回も先生方もお話しになりましたように、これだけ、四百兆の残がある財投に関してほとんど国会で審議しないで素通りにしているということ自体が実は政治のチェックが果たせていないところですが、そういうところを含めて、あと決算に関してもほとんど今までフリーパスでしたね。ようやくその決算に関してもチェックが入るようになりましたけれども、そういうことを、今の制度を生かすやり方も一つあるし、それからもう一つ、こういう委員会に強力なスタッフとお金と調査権限をつけるというのももう一つの方法だと思いますので、いずれにしてもそちらの方を私は非常に大事だし促進していただきたいと思っています。
○田名部匡省君 外部監察機関、これは今までもずっと見ておって、この間の新潟県警の問題にしても警察の監察局にしても、内部にいろいろなのがありますね。郵政省にも監察局がある。内部監察というのはもう機能しないなと。第三者の本当に独立した、先ほどもお話がありましたけれども、そういうことをやらないと政治に期待してもだめ、内部監察もだめ、行政監察局もだめ、こうなると全く外にやっぱり独立したものが必要なのかなと。警察を取り締まるために警察を今度は取り締まる何かをつくらなきゃならぬ、こういうことになっちゃうんだろうと思うんですが、猪瀬さんにどういうふうにつくったらいいのかなと、私は民間組織で何か権限を持たせてやったらもっと機能するのかなといろいろ考えているんですけれども、どう思いますか。
○参考人(猪瀬直樹君) 国家公安委員会の議事録を公開したことはありますか、今まで。ないですね。ここで請求したらどうなんですか。決めたらいいんじゃないんですか、それ。
○田名部匡省君 やっているんです、理事会でも。
○参考人(猪瀬直樹君) やっているんですか。それで出ないんですか。
○田名部匡省君 プライベートな問題ですのでと、こういうことでなかなか。
○参考人(猪瀬直樹君) 大体、国家公安委員会は官僚OBと、それから財界人と学者と法律業界の人と、そして新聞社ですね。こういう持ち回りで指定席になっている。ほかの審議会もそうなんですけれども、そういうことがいっぱいあって、そういうなれ合い空間ができているという、まず国会の周辺からいろいろと整理していただきたいと思っております。
 それから、先ほどちょっと出ました話で、決算委員会というのは数年前までは、「日本国の研究」を書くころにはたった数日間やっただけなんですね。今は行政監視委員会、こういう立派なものができて、つまりそういう意識はなかったんですよ、我々はとにかく、政治家も官僚も。だから、つい最近気づいて始めた。こういう危機的な状況になっているという認識が政治家の皆さんに多少は芽生えているんでしょうけれども、国民の中にはほとんどまだ芽生えていない。先ほど言いましたけれども、一番大きい問題はさっきの国家公安委員会の中でそういう指定席になっているそれぞれの業界の人がそういう役割を果たしていないということですよね。新聞社のOBがいるということが大体おかしいので、いるのなら自分でその新聞社に聞けばいいんだよね。だから、そういうこともできていない。いろいろそれは皆さんと同じで、しゃべっていると腹立たしくなってくるのでやめます。
○田名部匡省君 財投機関債のことで富田参考人にお伺いしたいんですが、市場が判断する。悪い事業ではだめなんですね、機関債を発行しても。そうすると、やっぱりいい事業だという評価を受けなきゃならない。いいのだと民間を圧迫しちゃって、そんないいものなら民間がやればいい。結局、私は財投、運用先がちゃんとしたのがあれば基本的には特殊法人原則廃止、小沢一郎さんと一緒になってやった方ですから、という考えがあるんですね。やめるべきだと、これは。運用先がきちっとしているのがあればそっちでやればいいのであって、私はこの国はおかしいことをおかしいと思わないからおかしくなったと、こういつも言っているんです。一つは、地元でいつもこれはわかってもらいたいと思って、皆さんの郵便貯金とか簡保の金が財投に行って、それが石油財団に貸した一兆三千億だ、本四架橋をやっては何千億という赤字を出して、それを一般会計から五兆円も補てんしていると、おかしいと思いませんかと言うんだ。こっちで利息を少しもらって、こっちに税金をどんと納めて、それでそっちに五兆円も補助金を出している、そういうことがやっぱり国民はわからぬものですから。話を聞くと、いやそれはおかしいと言うんですね。
 ですから、きょうは余り時間がないので、いろいろとお話を伺いたいことももっとたくさんあるんですが、いずれにしても私は特殊法人は原則廃止だと、民間にどんどんやれるものはやらせた方がもっともっと立派にやるし、民間の活力を引き出すことができる、こう思っているんです。
 富田参考人にひとつお願いします。
○参考人(富田俊基君) やはり、この政策が必要かどうかということが第一に議論されるべきであって、一律に特殊法人廃止といっても、ではそれでどういう政策がなくなるのかということについての議論が欠けてしまうと思うんですね。
 したがって、いつまでもこの特殊法人整理合理化の議論ばかりを続けねばならなくなってしまって、例えば、きょうはよく例を出してあれなんですけれども、住宅政策だとどうなのか、必要かどうか、中小企業対策は必要かどうかというところから入りませんと、単に政策手段、遂行手段である財投機関の全廃といっても、ちょっと議論が私は逆にわかりにくくなってしまうと。
 また、その政策が必要かどうかという議論から入って、ではどういう政策手段を使ったら一番国民の負担が少なくて済むのか、効率的にできるのかというのが二番目に検討されるべき点というふうに存じます。
○田名部匡省君 私もそう思うんですけれども、この国は無責任国家なんですよ。自分の金を使っているという意識はないし、あるいは自分の借金でもないと。一人何百万ありますよと言ってもぴんとこない。
 住専のときも私は経営責任を問いなさいと、法的に五年さかのぼってやれるんだからというので野田毅さんと一緒に勉強会をやって提言してやったけれども、あいまいにしたでしょう。その後、金融機関ですよ。これも経営責任を問わない。三兆五千億も長銀に国民の税金を投入して、六億の退職金をもらうなどということをやってのけるこの無責任さが、なかなか難しいなと思うものですから、何年か残すべきものもあるし、もうやめた方がいいのもあるから原則特殊法人廃止と、こう申し上げたんですね。
 猪瀬参考人のあれを見て、私もそう思った。行ってみたいと思いましたよ、参考人が行かれたところに。ですから、この行政監視委員会というのは、やっぱり足を運んで調査するスタッフを持って、みんながそれぞれ関心のあるところへ行って見てきてやると、より国民に税の負担を求めない努力を先にして、後でかかるものは率直にお願いする、これが今の少子高齢化、そして国の財政がこんな破綻状態というときにやる行動ではないかと思うんです。
 私は昔、アイスホッケーの選手をやっていまして、オリンピックのときにカナダに行きました。そうしたら、学校を見に行ったら、昼、夜使っているんですよ。それで、定時制かと言ったら、そうじゃないと、もう一つ学校をつくれば幾ら税の負担があるから賛成か反対かと言って反対と言ったから夜、昼使っているんだと。
 要するに、向こうの人はあれをつくる、これをつくると言ったら選挙に落ちるんです、あんなむだなのを私はやめさせました、こう言ったら当選するんですと言われて、あの時代に、選手のころは若いころですから、いや何と日本と違うなと思って帰ってきたんですよ。
 そういう意味で、これから私どももやっぱり国民全体のためにどうあるべきかということを真剣に議論していきたい、こう思います。
 最後に、猪瀬参考人のこの本を私は読んで思ったことですけれども、国会議員の果たす役割、これ難しいですよ、先ほど渡辺先生言ったように。選挙には当選したい、いろんな絡みがあってなかなかそこから抜け切れない、こういうことをどう断ち切っていくかという問題があると思うものですから参考人のお話があればお伺いしたいと思います。
○参考人(猪瀬直樹君) 新聞社、放送局も含めて、国会議員の話は余り聞いてもらっていないですね。行政官庁に記者クラブがある。国会にも記者クラブがありますけれども、国会議員の方々ももう少しメディアにできるだけアピールできるような材料を持って、そして載せてもらえるような話をできるだけつくっていくべきだと思いますね。
 新聞社余り来てないよね、取材に。アピールしたの、ちゃんと。例えば、きょうはこういうのが来ますよとか、そういうことをしきりに宣伝しないと、それで宣伝して重大なことが発表されるかもしれませんよぐらいのことを言わないと。つまり、そういうメディアを国会議員の方々はもっと上手にいろいろお使いになった方がよろしいかと思いますね。
 日本の新聞は基本的にはプラウダですから、行政情報を末端まで運んでいくだけですから。つまり、本来だったら国民の代理としてメディアが行政を監視しなければいけない、第四の権力ですから。ところが、行政の情報を国民の隅々まで運ぶ旧ソ連のプラウダと同じような役割しか果たしていなかったということがある。だから、そういう意味でやっぱり僕は今一番問題なのはメディアも問題なんだと。本当はメディアも問題なんだ。だから、国会議員とメディアはもう少し頑張っていかないと、行政だけが非常に大きくて自律運動起こしていくわけですから、そこのところをもう少し頑張って。
 それから、国会議員の方々も、国会議員の秘書は政策秘書とあと第一秘書ですか。一人で五人ぐらい秘書を抱えていいと思うんです、国家が金を出して。そして、ちゃんと調査して、何かお巡りさんの交通切符だけやるような秘書がいたら困りますけれども、ちゃんとした政策秘書を一人の国会議員が五人ぐらい抱えられるぐらい、僕はそうするとどうもほかのことをしちゃうんじゃないかと信用できないところがあるんですけれども、とりあえず五人ぐらい政策秘書を抱えるぐらいのシステムになっていていいと思いますよ。そこのところは割と新聞社の人も国民も理解していないんじゃないかと思うんですね。スタッフがいないと絶対仕事できませんよ。それはすごくよくわかるので、そういうところをもっと訴えたらいかがでしょうかね。
 以上です。
○田名部匡省君 ありがとうございました。
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、二院クラブ・自由連合所属委員で質疑のある方は、挙手をお願いいたします。
○石井一二君 ラストバッターであります。二院クラブ・自由連合の石井でございます。
 三先生方、本日は御苦労さまでございます。長い質疑が終わりかかってほっとしておられると思いますが、港の口で船終わるという言葉もございますので、最後までよろしく御指導をお願いしたい、そう思います。
 私は、猪瀬参考人に一問、松原参考人に一問、それから富田参考人に二問お伺いしたいと思います。別に二問だから富田さんだけいじめようという気持ちはございませんので念のため申し上げておきたいと思います。
 まず、猪瀬先生の御指摘はすべてごもっともでございまして、私は「日本国の研究」という本を読ませていただいて、これは非常にいい労作だなということで、早速買おうと思っております。
 それはさておきまして、財投機関の特殊法人等が非常な赤字でお金がどんどん行くと。だがしかし、その下にある各会社というのは非常に大もうけをしておるという例もございますし、これはそのとおりであると思います。私は、こういった問題が非難されるべきだし、やり方についていろいろ変えるべきだと思います。
 もう一つ、我々が論ずべき問題として、幸いなことに我々は高齢化時代を迎えて元気だと、また役人の諸君もなかなか優秀だし、頭もいいのでしょう、過去生涯を通じて勉強もしてきたと。こういった中で定年になって、じゃあしたから家でぶらぶらしとってください、退職金があるでしょうということだけでは本人も寂しいでしょうし、また社会としてももったいないというような中から、関係の会社でもつくって、特殊法人をつくって、そういう中で、今度そこは二年ぐらいおって、定年かなんかでやめなきゃならなくなってもさらに働く場所が欲しいというようなことで関連会社をつくってというような問題がある。また、年金支給開始年齢等の延長論もございますが、こういったことも、では年金がいつから当たるのか、それまでどうしたらいいのかと。もう今肩たたかれているんだということから今のような流れが出てくるんじゃないかと思うんです。
 こういった面について猪瀬先生の御所見をまずちょっとお伺いしたいということが一点。
 松原参考人にお伺いしたいのは、関西国際空港株式会社だけが何とか特殊法人等の情報公開の対象として残りそうだと、自分も頑張っているんだけれどもしんどいんだというようなお言葉がございました。
 それで、政府関係、行政関係、中央、地方を問わず、数多くの審議会とかいろんな委員会とかあって専門の方をお呼びして意見を聞くと。ところが、こういったものが俗に行政の隠れみのだと言われることが多うございまして、御用学者ばかりがそういうところへ出て専らいわゆる行政がやりやすいような発言をする、それに対してアゲンストなことを言う人は次から外す、再選はしないし、またほかの審議会にも入れないと。こういう中で、先生のような優秀な方が今回頑張り過ぎてすべて政府関係のそういったところから外されてもまた困ると私は思うんですね。そこらが非常に難しいところで、学者によっては、原稿料が上がるとか権威がつくとか情報が入りやすいとか、もっともな理由をつけて御用学者の方が居心地がいいという方も多いんですが、実際やってみられてそういう観点から何らかの御所見があろうかと思いますので、お伺いをいたします。
 それから、富田参考人に対する二問ですが、一つは財投の原資です。
 一つは郵貯、これは任意的な貯蓄ですよね。それから公的年金ということになって、厚生・国民年金というのは皆が天引きされたりなんかしてやや強制的に集まったものだと。それから、その他の簡易生命保険の資金の財投協力分とか産業投資特別会計とか政府保証債というのは割と金額が小さいですが、こういった中で行ったお金が、例えば年金福祉事業団の自主運用のように大きな赤字を出すと。だがしかし、その責任ということになれば、人事の中で担当者が若干左遷されるとかそういうことはあるかもわかりませんが、懲罰的なものは非常に弱い。それで最終的にはまた財投機関へ上から金が落ちてくるという、だからそういう面で頑張らなきゃならないんだという使命感、責任感が薄いようなシステムになっているんじゃないかと思うんですが、その辺について御意見があればお伺いをいたしたいと思います。
 それともう一つ、先生の御所見で、財投債の発行をした場合に、その返済は貸付金とか料金収入とか政策コストの分析ということに基づいて選別していけばいいということですが、政策コスト分析というものが先生の資料の四ページにも出ておりますけれども、こういった作文をまことしやかに上手にうまく書くのは役人がまたうまいんですよね。それで、じゃこれだけ見ておたくは大丈夫だからといって、必ずしもそれが信頼に足るものが出てくるかどうかという私は中身に一つの疑問を感じるわけなんです。それと、何年間か継続的に非常に細かくこれは評価しないと、いわゆる本来の果たすべき使命を果たさないと思うんですけれども、その辺について御意見があればお伺いしたいと思います。
 以上、三先生よろしくお願いします。
○参考人(猪瀬直樹君) お答えします。
 石井委員が「日本国の研究」を読んでいないというのでちょっと驚きましたけれども、行政監視委員の中でこの本を読んでいないというのはちょっとまずいんじゃないかな、いや僕の本だから言うというのじゃなくて、やっぱりこれは問題点が全部出ているわけですから、それを読まないで仕事していちゃしようがないんじゃないかな。
○石井一二君 読んでいますよ。読んでいるから聞いているんじゃないか。借りて読んでいるんだよ、国会図書館の本を。だからそれを買うと言っているんだよ、新たに。よく聞いて言ってください。
○参考人(猪瀬直樹君) まあいいですけれども、それは。
 官僚機構というのが制度疲労を起こしている。最初に申し上げましたけれども、百五十年ぐらいのこの日本の近代化の過程で、明治の貧しいときに乏しいお金を集めて効率的に配分して、八幡製鉄所とかそういうものをつくりながら何とか近代化に、日清戦争、日露戦争とか、そういう過程を経ながら近代化してきた。そういうときは非常によかったんです。だんだん制度疲労が起きてきて、五十年ぐらいたってだめになった、おかしくなっていったんですね。また、戦後貧しい焼け跡のところから復興して、わずかな乏しい金を、非常につめに火をともすような郵便貯金を少しずつ分けて何とか復興してきた。
 そういう大きな流れの中で、現在、先ほど一番最初に申し上げましたけれども、司馬遼太郎さんの言葉を引きましたけれども、別の国の観があると。日本人はもう日本という国じゃない別の世界にいるんだというふうな、そのぐらいひどくなっている、こういうことをつくづく感じるわけで、細かいところをいろいろ手直ししていくだけという問題ではなくて、この間の警察官の不祥事を含めて、日本という国は本当におかしくなっている。
 それはやっぱり、例えばキャリアシステムでもそうですけれども、一つの閉ざされた世界でそれぞれが一生懸命、一生懸命かどうかはともかく、仕事をしていく、全体が横に動いていく、そういう横断的な労働市場が形成されなかった。もし役人が何年勤めたら今度はどこどこの民間企業へ移って、そこからまた学者になってまた役人になるとかというふうな横断的な労働市場とか、そういうものをつくっていくような形で考えない限りは、個々のいろんな問題を指摘しても、恐らくだめじゃないかなと、こういうふうにかなり深刻に、今の六百四十五兆円を含めて、このまま行くと多分またお金のごまかしごまかしというか、東京湾横断道路でも絶対返せないような構造になっているのにもかかわらずやっているんですね。ちょっと話はそれますけれども、四千円であれをやって、二万五千台通行すると言って八千台から一万台ぐらいしか走っていないんですね。そのままやっているんですね。これはだれがツケを払うか。何十年先ですね。
 そういう無責任な状態でいるとこの国は本当におかしくなるというふうに非常に失望しながら今どうしたらいいか考えているわけで、国会議員の皆さんにぜひ頑張っていただきたい、こう思っております。
○参考人(松原聡君) 政策決定プロセスの中で大体最初の一歩が審議会になるわけでありまして、この特殊法人情報公開検討委員会というのは、ちょっとその反省を踏まえて、いわゆる審議会という形をとらないで政府の行革推進本部の下について、総理府と総務庁が何か共管みたいな形になったんですが、ただ実態は普通の審議会、委員会と同じような感じだと思います。隠れみのかというと、恐らく率直に申し上げまして隠れみのだと思います。
 例えば、私は一番の専門は、特殊法人もそうですけれども、郵政事業の専門家なんですけれども、これはもう絶対、郵政省のありとあらゆる委員にどこにも引っかからないですね。最初から排除でありまして、逆に郵政省が選ぶ委員は、おっしゃるように御都合がいいことを必ず言ってくださる人を集めて、かつ審議会の手当というのは国家公安委員のように何千万もありませんで、一回二万円ぐらいでありますけれども、大事な先生にはちゃんとそれは郵政省は別のところで研究費を出しますから、それは相当の、ただ単に名誉だけではないですね。実態的なメリットもあって、やはりそこの中で審議会というのが今形骸化しているというのは全くおっしゃるとおりだと思います。次に総務庁がもう一度僕を呼ぶか呼ばないかはわからないですけれども、今は大分嫌われたなという感じは得ております。
 それから委員の方も、これは総務庁の委員会だけではなくてほかもそうですけれども、これは官僚もよくわかっているんですが、我々委員として出てもわかるんですが、前の日どの業界と飲んだなというのが確実にわかる人というのがもう何人もおりまして、その人たちは官僚の側のブラックリストであると同時に、使いやすいということでのプラスのリストにもなっているんですね。そういうような状況は実際幾つかの審議会に出ましてよくわかっています。
 それで、もしそこで改革案があるとしたら、その審議会というのを、国民の声を聞いてということになっているわけですから、所管省が審議会の委員を選ぶことがおかしいんですね。ですから、それは国会の場とかほかの場で選ばなければいけないわけで、例えば郵政省の審議会の委員は絶対郵政省が選んじゃいけないんですね。逆に、その原則さえしっかり立てれば、それはいろんな人がそこに入ってきていろんな議論を闘わせる、こういうことになると思うんです。
 今の状態ですと、ただ単に二万円の手当だけじゃなくて、海外調査とか百万円の何らかが出たりとかいうことを含めて、なることに相当メリットがあって、あと業界の人と一杯やれたりとかいうので大分形骸化しているのは間違いない事実で、その根源はその主管省が審議会のメンバーを選んじゃっている、ここは相当大きなところで、そこさえ外せば大分機能するんじゃないかという感じは持っています。
 どうもありがとうございました。
○参考人(富田俊基君) 先生から二つ御質問いただきまして、最初のは年福事業団を例に挙げられまして、頑張るべき使命感が薄い組織になっているんじゃないかということでございました。
 私は役人ではないのでその気持ちになって考えることは非常に難しいんですけれども、例えば国民のために役人として福祉の業務をやって国民に尽くすんだという気持ちで例えば厚生省に入ったら証券会社あるいは投資顧問会社のように運用をさせられるということになるとその人はどういう気持ちなのかなということを想像するしかできないと思うんです。
 お答えがうまくできたかどうかあれなんですけれども、やはり官が行うべきこと、民が行うべきことということについての明確な区分けということがこの分野においても重要になってくるのではないかというふうに存じます。
 それから、二番目の先生の御質問は政策コスト分析は作文じゃないかということなんですが、これは数字でございまして、これもアメリカのまねで我が国のオリジナルじゃないところが恥ずかしいんですけれども、それ以外はきちんとしたステップを踏んでつくっておるというふうに私は見ております。
 また、こういう数字を役人が、行政が出しますと、例えば来年度も出すとなりますと、この数字が去年とえらい違うじゃないかというふうに政治側が詰めるといたしますとますます出てきにくくなる。むしろ申し上げたい点は、やはり作文じゃなしに、こういう数字が出てくるということをもっと推奨すべきであるというふうに思うわけです。この数字は、融資したものがきちんと返ってくるかどうか、返ってこないものはどれぐらいあるんだということで、その部分が国民の負担として計算されている極めて国民にとっては重要な情報公開、ディスクローズだというふうに私は見ております。
○石井一二君 委員長、一言だけ。
○委員長(浜田卓二郎君) 時間が過ぎておりますから簡潔に。
○石井一二君 もう答弁は要りません。
 猪瀬参考人が先ほどマスコミが少ない、連絡がついてないとか何かおっしゃいましたが、昨今マスコミは皆記者クラブでテレビを見ておりまして、それでいい質問をしたら、もう部屋へ帰ったら記者は皆来ていますから、そういう意味でちゃんとそういうことは連絡がとってあるし、彼らも注意をしていろんな論議を見ておる、そういうことを御認識いただきたいと思います。
 以上で終わります。
○委員長(浜田卓二郎君) 予定の時間が参りましたので、以上で参考人に対する質疑は終了いたしたいと存じます。
 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、また、質疑に対して御懇切なお答えをいただきまして、まことにありがとうございました。
 ただいまお述べいただきました御意見につきましては、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じます。
 本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。
   午後四時十分散会