第149回国会 決算委員会 第2号
平成十二年八月三十日(水曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 八月二十九日
    辞任         補欠選任
     亀谷 博昭君     中島 眞人君
 八月三十日
    辞任         補欠選任
     中島 眞人君     亀谷 博昭君
     円 より子君     郡司  彰君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鎌田 要人君
    理 事
                鹿熊 安正君
                月原 茂皓君
                南野知惠子君
                川橋 幸子君
                佐藤 雄平君
                高嶋 良充君
    委 員
                岩城 光英君
                佐々木知子君
                佐藤 昭郎君
                田浦  直君
                中島 啓雄君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                松田 岩夫君
                朝日 俊弘君
                郡司  彰君
                佐藤 泰介君
                菅川 健二君
                海野 義孝君
                大森 礼子君
                福本 潤一君
                阿部 幸代君
                緒方 靖夫君
                八田ひろ子君
                田  英夫君
                福島 瑞穂君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       法務大臣     保岡 興治君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       大島 理森君
       厚生大臣     津島 雄二君
       通商産業大臣   平沼 赳夫君
       運輸大臣     森田  一君
       郵政大臣     平林 鴻三君
       自治大臣     西田  司君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 中川 秀直君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  虎島 和夫君
       国務大臣
       (環境庁長官)  川口 順子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   政務次官
       外務政務次官   荒木 清寛君
       大蔵政務次官   七条  明君
       通商産業政務次
       官        伊藤 達也君
       郵政政務次官   佐田玄一郎君
       建設政務次官   田村 公平君
       自治政務次官   荒井 広幸君
       防衛政務次官   仲村 正治君
       防衛政務次官   鈴木 正孝君
       経済企画政務次
       官        小野 晋也君
        ─────
       会計検査院長   金子  晃君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        島原  勉君
   政府参考人
       公正取引委員会
       委員長      根來 泰周君
       警察庁刑事局長  五十嵐忠行君
       科学技術庁原子
       力局長      中澤 佐市君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       法務省人権擁護
       局長       横山 匡輝君
       外務省経済協力
       局長事務代理   西ケ廣 渉君
       国税庁徴収部長  井野 拓磨君
       厚生省保健医療
       局長       篠崎 英夫君
       厚生省老人保健
       福祉局長     大塚 義治君
       厚生省保険局長  近藤純五郎君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        杉山 秀二君
       運輸省鉄道局長  安富 正文君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     小川 光吉君
       会計検査院事務
       総局第一局長   増田 裕夫君
       会計検査院事務
       総局第二局長   関本 匡邦君
       会計検査院事務
       総局第三局長   白石 博之君
       会計検査院事務
       総局第四局長   渡辺 孝至君
       会計検査院事務
       総局第五局長   諸田 敏朗君
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  本日の会議に付した案件
○平成十年度一般会計歳入歳出決算、平成十年度
 特別会計歳入歳出決算、平成十年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成十年度政府関係機関
 決算書(第百四十七回国会内閣提出)(継続案
 件)
○平成十年度国有財産増減及び現在額総計算書(
 第百四十七回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 百四十七回国会内閣提出)(継続案件)
○理事の辞任及び補欠選任の件

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○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十九日、亀谷博昭君が委員を辞任され、その補欠として中島眞人君が選任されました。
 また、本日、円より子君が委員を辞任され、その補欠として郡司彰君が選任されました。
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○委員長(鎌田要人君) 平成十年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き、全般的質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田浦直君 おはようございます。自由民主党の田浦直でございます。
 東京も非常に暑いんですけれども、長崎の八月というのは特に暑いときでございます。それは、原爆が落ちて五十五年を今迎えようとしておるところでございます。
 この前の八月九日のこの長崎の原爆記念日に、国民福祉委員会が参議院で開かれました。そのときに多くの委員の方々から被爆地域拡大についての質問が出されたわけでございます。私も質問させていただいたわけですけれども、厚生大臣の御答弁の中で、長崎の県、市、それから被爆者の方々とお会いしようというふうな非常にありがたいお言葉をいただきました。八月二十四日にそれが実現をしたということでございます。それから、八月九日は森首相が長崎の方に行かれまして、記者会見の場で、この地域拡大について大変前向きの御発言をいただいたということもあるわけでございます。
 そんなことで、きょうはまず冒頭に津島厚生大臣に、この前の首相の発言、あるいは地元の住民の代表と会われまして、その結果の率直なただいまの御意見というところを初めに聞かしていただければというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 八月になりますと長崎、広島の原爆を忘れることはできないわけでございますが、そういう中で、委員御指摘のとおり、当院の国民福祉委員会におきまして大変熱心な御議論をちょうだいいたしました。また、御指摘のとおり、森総理が長崎の行事に参加をしたときに多くの方に御意見を賜り、これまでの原爆援護対策において地域的に問題が残されているんじゃないか、こういう御指摘でございました。
 私も、委員会の審議におきまして、最近までにまとめられました被爆者の体験報告というもの、そしてまた総理の長崎における御発言も踏まえまして、地元の住民の方々に直接お会いをして御意見を聞くことにしたいと申し上げましたが、八月二十四日に先生方のお力添えもございまして実現することができたわけでございます。
 これまでに取りまとめられました長崎の被爆者の証言調査報告書によりますと、健康に対する問題の中でこれまで十分に取り上げられなかった健康に対する心的外傷後ストレス障害という、いわゆるPTSDという最近の医学の知見に基づく問題点が取り上げられていることについても私どもは関心を持ってございまして、大変貴重な資料であると認識をしておるわけであります。
 これまでもしばしば申し上げておりますが、被爆地域の指定につきましては科学的、合理的な根拠がある場合に限定して行うべきであるという基本的な方針を私どもいただいておるわけでありますけれども、最近までのいろいろな事情というものも念頭に置きまして、特にこの証言調査報告書についても専門家の意見を伺うなどして十分に精査、研究をしなければならないなというふうに今感じておるところでございます。
 これが直接住民の方にお会いして私が強く感じたところでございます。
○田浦直君 今、大臣から話がございましたように、心のケアという問題を今回は取り上げて、八十五名の方からの証言集というものをまとめて、厚生省にも提出をさせていただいたということでございますけれども、実はその証言集の裏には三百十二人の方々の証言がございます。それから、そもそもその原本になるものには七千二十五人の証言集というものを長崎市では保管をしておるというふうなことで、この抜粋ということでございますので、この問題についてはもう本当に長崎市をまとめてといいますか、懸命にさせていただいたというその努力をぜひ買っていただきたいというふうに思っておるところでございます。
 それで今、科学的、合理的という話がございましたけれども、実は平成三年に長崎原爆残留放射能プルトニウム調査というものをやっているわけでございます。この調査が、検討結果が三年六カ月の年月を経ているわけなんです。
 我々が心配しますのは、対象住民という方々が被爆後五十五年になっているわけですからもう年々高齢化をしておりまして、時間がないという側面があるんですね。
 三年とか四年とか時間をかけられると、また大変その間に亡くなられる方々もおられるというふうに思いますので、ぜひ早急に結論を出していただきたいなと思っておるところでございますけれども、その面談会の中で津島厚生大臣の御発言は、二十世紀最大の悲劇を二十一世紀に残したくないという考え方は共有しておるというふうな御発言もありますので、私どもは非常に希望を持っているわけですが、この問題に関してはどのくらいの時間をお考えなのか、その辺についてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 私も、おいでになりました被爆者の方々に、二十世紀の最大の悲劇の後遺症を次の世紀に残したくないと申し上げたことはそのとおりでございます。
 問題は、今回の証言調査報告書で取り上げられております健康に対する不安やPTSDなどの新しい要素というものを科学的にしっかりした根拠に基づいてどのように受けとめるかということでございますから、それなりの検討は必要で、また適切に行わなければならない。また、多方面の専門家の意見を伺うことも必要でございますので当然一定の期間が必要でございますが、一年を超えることのないよう、できるだけ早期に結論を出したいなというのが私の今の気持ちでございます。
○田浦直君 ただいま一年ということで期限を切っていただいて、これは大変ありがたいと思っております。
 ただ、欲を言いますと、今世紀中にということで、ことしいっぱいぐらいに何とか結論を出されないのかなというのが我々の切なる希望なんですけれども、もう一度御検討いただけませんでしょうか。その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(津島雄二君) 先ほど御答弁申し上げましたように、やはりそれなりのきちっとした対応をいたしませんと国民の理解は得られないという面もございますので、最大限の努力を、一年を超えることのないようにいたしますので、御容赦をいただきたいと思います。
○田浦直君 一年以内ということで、できるだけ早くということで理解をさせていただきたいというふうに思っております。
 厚生省ではこの問題について検討会を設置されるというようなことで進められているようですけれども、その場合に検討会の構成ですね、メンバー、あるいは今話がありました検討会の結論の時期といったようなものについて、これは局長からでも結構ですから、おおよその今のところの状況を説明していただければと思っております。
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま大臣の方から御答弁申し上げましたが、この証言調査報告書の検討に当たりましては科学的な専門家による検討が必要というふうに考えております。特に、身体的影響ばかりではなく精神的影響などについても評価をしていただける分野の学識経験者にお願いをしたいというふうに考えておるところでございます。
○田浦直君 私どもの希望としましては、この前東京で被爆地域あるいは被爆の今話がありました後障害、心的な後障害についてのシンポジウムをさせてもらったんですけれども、非常に長崎でも熱心にこの問題に取り組んでいる学者の方々もおられるんですね。この前の基本懇のときには地元の方がたしか入っていなかったと思うんですけれども、この検討会にはぜひ地元からも、そういう学者でも結構ですけれども、メンバーとして加えていただきたいなというふうに思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(津島雄二君) 今回の検討に当たりましては、今お話が出ておりますような新しい要素も評価していただくわけでありますから、それにふさわしい各分野の学識経験者にお願いしたいと考えております。
 ただ、その際に、被爆地域にかかわりのある方で専門的な知識を持っておられる方にも参加していただくことがいいのではないかというふうに考えておりますので、地元の御要望も参考にしつつ具体的な人選を進めたいと思っております。
○田浦直君 大変ありがとうございました。
 この被爆者といいますか、未指定地区の被爆者、本当に五十五年間心待ちに待っておるところでございますので、今、大臣からも話がありましたように、この問題については一年以内、そして我々の希望としては今世紀以内に結論づけていただきたいというふうに思っております。
 原爆については、これで質問は終わらせていただきたいと思います。
 私は、次に、医療制度の抜本案づくりということについてお尋ねをさせていただきたいと思っております。
 医療の抜本案というのは、実は、二〇〇〇年までにつくり上げるということを私も厚生委員会とか国民福祉委員会で何回も質問したときに、大臣が責任を持って答弁をされたのを記憶しているんです。それが二〇〇〇年間近になりましたら、するっと二〇〇二年までだということになっているわけなんですね。私は、大臣があれだけ答弁したんだからそれなりのやっぱり責任があるんじゃないかな、あるいは、大臣はかわられておる、今の大臣ではないわけですけれども、厚生省としても何らかの責任があるんじゃないかなというふうな気持ちを持っているわけでございます。
 しかし、二〇〇二年までにということでございますから、今後これをまた延ばすというふうなことは、これは絶対あってはならぬことだと思うんです。もう二〇〇〇年も六カ月、二分の一年は過ぎておりますし、なかなか私の耳には具体的に取り組んでいるようなそういうものが聞こえてこないんです。本当に二〇〇二年に間に合うのかなという気がしておるわけなんですけれども、その問題について、大臣の御決意をお尋ねしたいというふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 御指摘のとおり、今後の急速な高齢化による医療費の増加を考えますときに、医療保険制度の抜本的な改革を行い、持続性のある制度を構築するということは社会保障制度のあり方として基本的な今課題であると思っておりますし、また、委員御指摘のとおり、もはや猶予を許さない段階に来ている、ここが決まらないと二十一世紀の日本の経済社会の形が決まらないとさえ私は言えると思っておりますので、決意という意味ではできるだけ早くそういう方向を打ち出したいと私は思っているわけでございます。
 幸い、今、社会保障制度のあり方についての有識者会議というものもございますので、厚生省の枠にとどまらず、より広く全体としての政策の整合性を図りながらこの問題について方向性を打ち出していきたいというふうに思っておるわけであります。
 さはさりながら、平成十四年、二〇〇二年まで一応先延ばしされた中でこれを放置しておくわけにはいきませんので、前国会に提出をいたしましたけれども廃案になった経緯もございます医療保険制度の改革案、これをぜひとも臨時国会で御議論をいただきたいと思っております。
 薬価差の縮小とあわせて、医療の質の向上を図る観点から診療報酬や薬価の見直しということを予定しておるわけでございますが、この健康保険法改正案は、その貴重な第一歩としてぜひとも早期の実現を図らせていただきたいと思います。
 さらに、基本的な問題としては、高齢者医療制度をどうするか、ここがやはり一番大きい問題点になると思いますけれども、これまで平成十二年度に抜本改革の方向を決めると言っておってできなかったのは、まさにこの点について意見集約ができなかったわけでございますが、医療保険制度全体のあり方も視野に入れながら、先ほど申し上げました有識者会議等の議論も得て、ぜひとも国民及び関係者の理解を得ながら方向性を、そして基本的な考え方を打ち出してまいりたいと思っております。
○田浦直君 これまで厚生省が進めてこられた抜本案づくりというのは大体四つの大きな柱で、薬価の問題、診療報酬の問題、医療提供体制、それから今、大臣がおっしゃられた高齢者医療制度をどうするかということだろうと思うんですね。
 高齢者医療制度については、今、大臣がおっしゃられたように、これが一番の私も大きな問題だろうというふうに思うんですが、その他の三つについて、この十二年度までの改革の総括、それからこれからの課題、そういったものについて厚生省のお考えをお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(近藤純五郎君) 先生御指摘のとおり、医療制度の抜本改革につきましては、診療報酬体系、薬価の問題、高齢者への医療制度、それから医療提供体制、この四つの主要課題について検討を進めてきたところでございまして、平成十二年度におきましては、薬価差の縮小にあわせまして、高齢者の慢性期医療につきまして包括化を推進する、こういったこととか、あるいは小児医療が非常に危機に陥っておりますし、それから救急医療、こういったものについて診療報酬を重点的に充てるとか、こういったことで薬価と診療報酬の改定を実施したところでございます。
 それから、これは高齢者医療とも若干関係するわけでございますけれども、老人の定率の一部負担、これを上限、月額の上限つきではございますけれども、導入するといった案を提案したわけでございますし、それから医療提供体制の関係では病床区分の見直しなどを内容といたします医療法の改正法案を提出したわけでございまして、両法案とも廃案になりましたので、次の国会でぜひとも成立を図りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 残された課題というのは、はっきり申し上げてたくさんあるわけでございますので、重立ったものを申し上げたいと存じますけれども、まず薬価の関係でございますけれども、R幅方式というものを廃止したいということで、必要最小限の二%ということに下げたわけでございますが、このR幅方式にかわります薬価算定ルールをつくっていくこと。それから、先発品、後発品、これを公平な競争条件のもとで競争をしていただく、こういった条件整備をする必要がございますし、それから、画期的な医薬品、こういったものについての新たな算定ルールをつくらなきゃいかぬというのが薬の関係でございます。
 それから、診療報酬の関係でございますけれども、これは中医協でたくさんの宿題をいただいているわけでございます。時代の変化に応じまして医療の質の向上と効率化を図る、こういう観点から、これは改定のたびごとに逐次改正していく必要があるものと、こういうふうに考えているわけでございます。
 それから、医療提供体制の見直しの関係では、今回も一部入っているわけでございますが、病院と診療所の機能分担の連携、こういったものをさらに促進する必要がある。医療の問題、いろいろ課題を抱えておりますので関係者の理解を得ながら逐次進めていく必要がある、こういうふうに考えているわけでございます。
 高齢者医療制度については、先ほど大臣からお話ししたとおりでございます。
○田浦直君 ただいまの報告はそのとおりだと私も思うんですね。
 ただ、薬価差を今度はなくしたということで、これは画期的なことだったかもしれませんけれども、薬価差というのは、これまでは診療報酬に次ぐ、診療報酬が低いために第二の診療報酬というようなことで暗黙の了解に立って薬価差というのがあったわけなんですね。だけれども、薬価差というのはこれは悪だというふうな風潮がありまして、これは医師会の方もなくそうということで今おっしゃったように薬価差がなくなった。
 そのかわりに、薬価差で成り立っておったような病院、主として大きな病院は非常に経営に今度は苦しむということになっておるんですね。これはもう国立もそうだし、国公立病院みんな赤字、みんなとは言いませんけれども、大多数の病院は赤字病院になっているというふうなことで、私としては、本来の姿に、技術料を上げる、技術料で病院、診療所は経営できるというふうな方向にぜひ進めていただきたい。薬価差をなくすだけだというのではこれは本当に多くの病院が倒産するんじゃないかなと私は危惧をしておりますので、その辺も配慮をしながらこの問題については御検討をしていただきたいというふうに思っております。
 それから、今、大臣もおっしゃられましたように、一番の問題は高齢者医療を一体どうするのかということにもう尽きるのではないかなと思うわけでございます。
 この高齢者医療につきましては、これまでもいろんな案が出ておりますね。例えば、七十五歳以上の後期高齢者の方々はそこのところだけで独立した保険制度をつくってはどうかというふうな案ですね。あるいは、一たん健康保険組合に入ったらこれはもうOBとなっても、現役を卒業してでもその保険でずっと見る方がいいんじゃないかと、これは吹き抜け案といいますか、その他いろいろ案が出ておるんですね。
 私もそれをいろいろ検討しているんですけれども、それなりに確かに一長一短はあると思うんですが、それぞれの案を厚生省としてはどのように評価し、厚生省としてはどういうふうにまとめていかれようと考えておられるのか、その点についてお考えをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) ただいま委員御指摘になりましたように、高齢者医療制度のあり方につきましてこれまで各方面からさまざまな考え方が示され、これが昨年八月の医療保険福祉審議会の意見書で四つの考え方に集約してあるわけで、今、大体委員がお触れになったわけでございますけれども。
 それぞれについていろいろ問題がございまして、かいつまんで申しますと、いわゆる独立保険方式、これは高齢者を既存の医療保険制度からその部分だけ分離して、それでより多くの公費を財源として給付を賄うという考え方でございますけれども、当然のことながらその部分は大きな税財源を投入する必要が出てくる。その財源をどうするか、それから保険者はだれがいいのかという課題がございます。
 それから次に、いわゆる突き抜け方式と言っておりますけれども、健保組合、それから国民健康保険等々を基本とする現在の医療保険制度を変更することなく、被用者保険グループと国民健康保険グループとでそれぞれグループ内でずっと突き抜け方式で高齢者を支えるという考え方でありますが、当然、構造的に高齢者の加入率が著しく変わってくる。特に、国民健康保険の場合には負担が増嵩するという問題がこれはもう指摘されているとおりであります。
 このほか、年齢やリスクの構造的な問題を調整していったらどうかという考え方がございますけれども、これはもう現行の拠出金制度がおおむねそういう考え方に沿っているわけでありますから、これをさらに拡大する結果として今の問題の解決にはならないとおっしゃる批判がございます。それから、逆に今度は全部一本にしてやるとなると、これは保険者間で大きな変化が起こってくる。こういうふうに、どの方式についても問題点があって、これを集約できる段階になっていないということがございます。
 それからさらに、最近だんだんと出てまいりました議論として、医療保険全体にかかわる議論でありますけれども、日進月歩の医療技術の進歩を考えた場合に、医療の中に公的保険でカバーできる部分と、それから、より多くの民間活力を生かす部分があるんじゃないかというような考え方も最近は出てきていると承っております。
 こういうもろもろの議論を参考にしながら、委員御指摘のとおり、できるだけ早く実現可能な具体的な制度案をつくりたいなということで、今、鋭意検討させていただいております。
○田浦直君 私は、今行っている老人医療の制度というのは、大半は老人医療拠出金に賄われているというところが強いと思うんです。ところが、老人医療拠出金は、制度発足当時は、組合の方からいうと一五%ぐらいの負担だったということで、当初は悪くなかったんですが、現在はもう三〇%を超える数字になっているんですね。
 私も長崎の健保組合からいろいろ陳情を受けるんですが、その中を見ますと、もう四〇、五〇台の組合も結構あるんですね。これは、高齢化がどんどん進んできたということでそのようにならざるを得ぬということになるんですが、これは発足当時から見ますと随分社会的に情勢が変わってきたなというふうに判断をして、この老人医療拠出金についてもやっぱり何か改革しなければならぬという時期に来ているんじゃないかなというふうに思うんですね。
 私は、この老人医療拠出金が、先ほど大臣がおっしゃった老人医療費についての一つの大きな問題の中のまた核になる問題ではないかなというふうに思っておりますので、この拠出制度について厚生省は今どんなふうにお考えなのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(近藤純五郎君) 老人保健制度は昭和五十八年に発足したわけでございまして、もう十七年を経過しているわけでございます。その間、高齢化が大変な勢いで進んでいるわけでございまして、それと同時に老人医療というのも非常な勢いでふえている、こういうことでございます。それから、一方では、経済が低迷をいたしまして保険料収入の伸びというのは非常に厳しくなっている、こういう状況にあるわけでございます。
 そうした関係から、老人医療費の拠出金、これは財源が保険料であるわけでございまして、一部は国費で出しておりますけれども、大部分が保険料という財源でございますので、各医療保険者の財政というのは非常に圧迫されている、はっきり言って悲鳴を上げている、こういう状況であるわけでございます。このほかに退職者医療の拠出金もございますので、いろいろ合わせますと大変な負担になっている、こういうことでございます。
 先生の御指摘のとおり、この老人の医療費の拠出金をどうするのかというのがこれからの最大のポイントだというふうに思っております。
 医療保険を支える財源といたしましては、保険料とそれから公費、税でございますが、これと患者負担、この三つの財源になるわけでございますが、これをどういうふうに今の時代に組み合わせるのが国民の御納得を受けるか、こういうことを我々として中心的なテーマとして検討している、こういうことでございます。
○田浦直君 拠出金制度、これは、私が感じますのは、保険者というのが存在しないんですね。したがって、これはどこがその責任を持っているのかということ、それがあいまいだということになるんですね。それで、負担と給付の関係というのが、これが複雑なものですからぴんとこないんですよ。そんなことがあってなかなか理解が得られないというふうな気がするんですね。
 今、答弁の中では、公費と保険料と自己負担ということで成り立っているんだという話でしたけれども、私は大体、老人医療の公費の負担は三割、おおよそ三割ですね、拠出金の方が五割ぐらいということになっているんじゃないかと思うんですが、例えば介護保険なんかはこれは公費が五〇%なんですね。それから、基礎年金も今は三分の一ですが、これも五〇%にしようということで進められておるんですね。
 この拠出金を出すために、本来の保険組合が非常に窮迫をしているということを救うためには、私は、今のそのほかの保険制度から見て、この老人医療費も三〇%の公費の負担を五〇%にするべきだ。そうすると、保険者もそれなりに拠出金が減ってくるわけで、この問題はかなり解決するんじゃないかなというふうに思うんです。
 根本的にはこれだけではだめだけれども、とりあえずそういうことができないものかどうかというふうに私は思っているんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(津島雄二君) 高齢者医療制度をどう見直していくか、本当に大きい問題でございます。
 ずっと申し上げておりますように、まだ意見を集約するに至っておりませんが、去る三月二日に厚生省に高齢者医療制度等改革推進本部を設置いたしまして、省を挙げて取り組む体制を整えたところでございます。高齢者にとってふさわしい医療のあり方を含めて、医療保険制度全体のあり方も視野に入れながら、改革のための具体的措置について、遅いと言われるかもしれませんが、平成十四年度を目途に精力的に検討を進めて方向性を見出したいと考えておるわけでありますが、それじゃどうするかと。
 今の委員の御指摘は、私は率直に申しますと一つの考え方かなというふうに思っております。ほかの考え方もいろいろございましょうし、例えば今のような改正をしていく場合に一体何歳から上をやったらいいかとか、いろいろ問題はございますけれども、私個人としては今申されたようなのは一つの参考になるお考えだと思っております。
○田浦直君 先ほどから述べていますように、拠出金のおかげで本来の保険組合が非常に困っているということなんですね。もう四〇%も五〇%もただ拠出金を拠出するだけだというふうなことになると、これはその中の組合員に対する給付という面からいうと大変困った問題だなというふうに思うんです。
 ただ、私はこの老人医療費をどう見るのかと。今話がありましたけれども、例えば患者の負担をふやすというのも一つの方法だと思うんですけれども、これは今はもうほとんど限界に来ているんじゃないか。これを幾らかふやしてもこの問題が解決するということには恐らくならないんじゃないかなというふうな気がするんです。
 それから、例えば今よく言われている消費目的税をつくって財源を見つけたらどうかと。これはこれなりにいい考えではないかと私は思うんですけれども、これはいろんな税制の問題もあるでしょうから、検討はしていただくということでいいと思うんですけれども、早急の例えば二〇〇二年までに片がつくかどうかという問題になると少し疑問があるわけなんです。
 私は、先ほど述べましたように、公費を導入するというのも一つの方法だと思いますし、もう一つは健保間の財政を調整する。確かに今保険料が組合によっては最高の千分の九十五ぐらいまで出しているところもあるんですね。だけれども、また千分の六十で済んでいるところもあるんですよ。そういった組合間の財政の調整をすることによってこの財源が出てくるということも考えていいんじゃないかなと私は思っているんですけれども、その健保間の財政調整ということはどのようにお考えなのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(近藤純五郎君) 健保組合をどういうふうに見るかということになるかと思うわけでございますけれども、健保組合というのは自主独立して財政運営を行うと、こういうのが基本であるわけでございまして、各健保組合もその意識というのは非常に強いというのが実態でございます。
 ただ、ある程度は共同体と、こういうことで現在の老人保健事業そのものも各保険者の共同事業という構成をとっているわけでございますけれども、老人保健制度をやってその負担がふえる、こういう事態になってございますので健保組合の内部で事業運営が非常に困難になっていると。こういう健保組合に対しまして、健保組合の中で保険料をプールいたしまして、非常に少額ではございますけれども、その財源をもって財窮健保組合に対して助成をいたしております。これに国の補助金も加えまして非常に経営が苦しい健保組合の負担の軽減を図っている、こういうことであるわけでございます。
 この問題は、先ほど来申し上げておりますように、老人の医療費が非常に重くなっている、こういう事態が問題の本質であるわけでございますので、こういう伸びの著しい老人医療費というのをいかに効率化を図っていくかというのも考えながらこの問題も考えていく必要があるのかな、こんなように感じております。
○田浦直君 今、一部プールしているところもあるという話でしたけれども、そういうことができるわけですから。今の大体三・五兆円ぐらい財産があるというふうに聞いておるんですね。したがいまして、私は、財政調整をすることによって老人医療そして拠出金の問題、結構荷が軽くなるというふうな気もするんです。その辺をぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 いずれにしろ、大臣もおっしゃられましたように、この高齢者医療というものが抜本案の中で一番の問題になるということでございます。この問題に厚生省ではどのような給付体制で取り組んでいくのか、また今後の段取りについてお聞かせをいただきたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(津島雄二君) 高齢者医療制度につきましては、先ほど申し上げましたように、高齢者医療制度等改革推進本部を設置して省を挙げて取り組んでいるわけでございまして、平成十四年といいましても来年中には議論してこの大きい問題に方向性を決めなきゃいけないというわけでございますから、これは大作業になると思いますが、どうか本院におかれてもこの議論に御参加いただきまして、私どもの方針を決めていくのに力をかしていただきたいと思う次第であります。
 何をおきましても財源がやはり問題になると思います、先ほどちょっと委員が御指摘になりましたような独立した高齢者の制度をつくるにしても。そうなりますと、これは公費をやはり今以上に導入しなきゃいかぬと。その財源をどうするかということもあわせてぜひとも御議論いただきたい。
 これまでに社会保障制度でとかく問題があったとしますと、給付の方はみんなすぐ話がつくんです、いい話であれば。ところが、負担の話になると批判ばかり聞こえてくる。私は、これは本当に今度は避けたい。もう両方あわせてぜひとも活発な御議論を本院においても展開していただきたいとお願い申し上げる次第であります。
○田浦直君 では、ひとつ抜本案づくりにつきましては厚生省を挙げて二〇〇二年に向かって進んでいただきたいなというふうに申し上げておきたいと思います。
 それから、介護保険の問題を二、三ちょっとお尋ねをしたいと思いますけれども、介護保険が実施されてから今五カ月ぐらいになるんですね。その介護保険の給付実績は今どのようになっておるのか。それから、第一号被保険者の保険料の徴収を凍結しておりますね。どの程度の国庫支出がそのことで生じておるのかをお尋ねしたいと思うんです。
 来年度の予算編成は今もやっているわけでしょうけれども、今後の介護保険制度の運営の適正化を図るためには正確な数値の把握と公表が不可欠だというふうに思っておるわけでございます。厚生省としては、給付実績を迅速かつ正確に把握するシステム、そういうものが必要ではないかなと思うんですが、そういうものが確立しておるのかどうかについてお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) 何点かのお尋ねがございましたが、まず一号保険料の凍結等に関する国庫支出の計数でございますけれども、これは昨年秋に御議論がございました特別対策に基づきまして、昨年の補正予算で既に措置をされている数字でございますけれども、当初の半年間、高齢者の保険料、一号保険料につきましては、これを徴収しないで済むようにする、その後の一年間二分の一相当を軽減するというのを含めまして、またこれに伴う若干のシステム改修費など事務的な経費もございました。それら一連の経費といたしまして総額で七千八百五十億円を当時措置をして、既に各市町村の基金に振り込まれている、こういう状況でございます。
 順序が逆になりましたけれども、施行後の給付の状況でございますけれども、これも医療保険と同様でございますが、サービスが行われますとその月の翌月にサービス提供事業者はその費用を請求し、その審査を経て翌々月に支払われる、これは医療保険と同様のシステムでございます。こうした実績につきましては各市町村から給付が行われた月の三カ月後の末までに国に御報告をいただくという、こういうシステムといいましょうかルールになっておりますので、私どもとしてはその数字をきちんととらまえて分析、また必要に応じて公表する、こういう段取りが組まれております。
 ただ、今般の法施行四月一日の時点から一カ月、二カ月の間、率直に申しまして、事業者からの請求あるいは審査、支払い事務に多少の混乱が生じました。お互いなれないという面もございましたので、やむを得ない面があるわけでございますけれども、そうしたことを踏まえて一部概算払いのような処理も行われております。
 こうした経過がございますので、今年度施行当初の実数につきましては、現在市町村から御報告を一応いただいておりますけれども、それぞれの事情がございますので、都道府県や市町村の御協力も得て今精査の作業を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、こうした計数をきちっと把握して、それをベースに制度の運営、施行をしていくということが極めて重要であることは御指摘のとおりでございまして、私どももそれを認識して今後対応してまいりたいと考えております。
○田浦直君 導入直後ということでいろいろ厚生省として考えもあったんだろうと思うんですけれども、やはり数字を出すのがやや時間的におくれている。そのことによりまして請求する側もそれに対応できないというふうなことで、今おっしゃったような概算的な処理をされるという場面が生じてきているんじゃないかなと思うんですね。そのような意味から、迅速かつ正確に把握するようなシステムを確立していただきたい、それからその数字の把握と公表をぜひ的確にしていただきたい、このように希望を申し上げておきたいと思います。
 それから、在宅それから施設の各サービスごとの基盤整備状況、これと需要バランスの現状をどのように把握しておられますか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) 介護関連のサービスの基盤整備につきましては、御案内のとおりでございますけれども、これまでいわゆる新ゴールドプランに基づきましてその拡充整備に努めてきたわけでございますけれども、この新ゴールドプランも各市町村におきますそれぞれの見通しをベースに、これを積み上げたものを基礎にしておりますから、そういう意味では各市町村の一応の需要見込み、これに対応できるような整備ということで進めてまいってきたわけでございます。
 現時点と申しましても、正確な数字という意味では平成十年度末の数字が最直近ということになるわけでございますが、例えば特別養護老人ホームにつきましては、目標値、当時の目標値でございますけれども、十一年度末で二十九万人分、これが十年度末で約二十八万人分でございました。その後の整備も合わせますと既にその目標は達しておるというふうに考えておりますし、同様にホームヘルパーにつきましても、新ゴールドプランの目標値、十一年度末で十七万人でございますが、十年度末段階で約十六万人弱に達しておりますので、これも現実には目標を達しておる。こういった主要なサービス基盤につきましてはおおむね順調に整備が図られてきていると思っております。
 個別に見ますと、サービスの種類あるいは地域によりまして相当の差があるという面も否定はできません。それぞれの地域の御努力も必要でございますし、私どももそうした地域に対する支援に力を入れてまいりたいと思っておりますけれども、全体といたしましてはまずまず順調に整備が進められてきたと思っております。
 なお、今後の話でございますが、新ゴールドプランをいわば発展的に見直しましてゴールドプラン21というのが今年度から始まります。これにつきましても、各地方公共団体が見込んでおります需要の見通し、これをベースに積み上げたものでございますので、この計画が順調に進みますように私どもも努力をしてまいりたいと考えております。
○田浦直君 それから、新聞にも時々載っておりますけれども、民間企業による営利優先の事業展開というのが見受けられるんですね。これは利用者の切り捨てとかあるいは従業員の切り捨てというふうなことであらわれているところがございます。
 それから、私の聞いたところでは、認定された額いっぱいできるだけ事業者は使わせようとする、今度この認定された方の方は一割の負担があるわけですから、できるだけ使わないで家事、介護などを要求するというふうなことで、事業をやる中で営利が目的になっているんじゃないかというふうなところも見受けられるんですね。
 こういうことについて、事業規制等の対応策を具体的に考えておられるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) 介護保険制度におきまして、特に在宅サービスでございますが、いわゆる民間企業の参入も求めて、一つにはサービスの基盤を広げると同時に、考え方といたしましては、質あるいは量、コストと申しましょうか、そうした面での適正な競争が行われることによって質も高まるしコストも抑えられるということをねらっているわけでございます。
 施行当初でございますのでいろんな事例が生じておりまして、事業者の方にもあるいは利用者の方にもふなれな面、戸惑いがある点は全くないかと申しますと、私どもの耳にもいろいろ入ってまいりますので、私どもといたしましては、例えばさまざまな事例集、事業者に対する情報提供、あるいは利用者に対しましても、例えばインターネットを使いまして事業者を選択する際の参考情報をお届けするといったような工夫もしておりますが、私は、やはりそれぞれがいわば自立をした判断のもとに相対でよく御相談をいただいて、より適切なサービスを提供し、また受けるという一種のなれの期間がしばらく要るのだろうと思っております。
 事業者に対しましては、当然のことですが、最低基準に当たります運営基準のようなものを定めておりますので、これに反するような事例につきましては当然厳しく指導してまいるわけでございますけれども、基本的にはそれぞれの民間活力というのを十分にいい意味で生かしていただきまして、介護保険制度の重要な部分を担う主体として御参加をいただきたいと考えておるわけでございます。
○田浦直君 時間が参りましたから、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○中島眞人君 中島眞人でございます。
 私は、JR関係のことについてお尋ねをいたしたいと思います。
 JR関係につきまして、特に国や都道府県は鉄道と立体交差部等で事業を行うと、そういう事業に対しまして、十年、十一年、十二年、大体約二千百億円くらいの事業費で予算を計上し、それを充てているわけであります。
 ところが、私が調べてみますと、踏切内のことですからこれはJRに工事を委託する。委託をした際にJRがどういう形でその工事を執行しているのかということを調べてみますと、現在、公共工事の透明性等々が言われている中に余りにもショッキングな実態に驚いたのは、入札を行わずに随意契約でほとんど行われている、随契です。それも、私はオールジャパンのJR各社について質問しますと、実はいろんな形で焦点がぼけますから私が在住しておりますJR東日本関係を見ますと、見積書提出方法の手順という形で入札の一字もないんです。全部見積もりなんです。それが協力会社という形にほとんど流れている。
 この協力会社というのはどういうことかといいますと、JR東日本が出資をしている東鉄工業あるいはビルテック、ユニオン建設あるいは鉄建建設、こういう会社にほとんど随契で発注されている。地元、地方でそういう能力のある会社がありながらも外されている。なぜかと聞くと、保安、高度な技術、安全性からこういう会社にやるんだと。
 しかし実態は、今度は例えば東鉄工業という会社がそれを受注しますと、随契でしますと、これを今度は地方の会社に二〇%引きくらいで下請に出している、こういう驚くべき実態を私は見たわけでありますけれども、これについて運輸大臣並びに田村政務次官がお見えになっておりますので、それぞれ両省の御認識はいかがか、まずお尋ねをいたしたい。
○国務大臣(森田一君) 私の方からは総括的にお話し申し上げまして、細部にわたりましては鉄道局長の方からお答え申し上げます。
 JRの鉄道関係の工事に係る事業者の選定につきましては、工事が列車が走行する状態で行われておりますので、安全確保が特に重要であると考えております。また、手続の公平性の観点から、原則として技術、能力を有する事業者の中から指名競争入札の手続により行われると聞いております。
 いずれにしても、具体的な事業者の選定については基本的にJRの責任で行われるものでありますが、JRが国、県の公共事業を受託するような場合には、先生がおっしゃいますように施工業者の選定は公平かつ透明に行われなきゃいかぬというふうに私は考えております。
○政務次官(田村公平君) 中島先生、大変鋭い御指摘をいただきました。
 私、秘書の時代でありましたけれども、これは当時まだ国鉄でありました。非常に不信感というか不快感を持ったことを覚えております。
 それはどういうことかといいますと、線路ですから、私の場合は当時の国鉄の土讃線でありますが、農水省の構造改善局の補助事業で圃場整備をある業者さんが請け負いました。鉄道に田んぼですから隣接しております。その事業を請け負ったんですが、固有名詞は申し上げませんけれども、いわゆる国鉄一家と言われておる企業、建設会社の許可といいましょうか、名義を借りるというんでしょうか、実際の圃場整備は地元の請け負った業者さんがやっておりますが、全く関係のない方が線路に隣接しておるというだけで実際上仕事ができないということを私は秘書時代に経験して、大変不愉快な思いをしたことがあります。
 ただ、私、建設省の政務次官という立場で先生の今の御質問をお伺いしておりまして、本当に透明性が高くなければならない公共事業でありますから、民間の仕事ではありません、国なり国民の皆さん方の税金を使っての仕事に対してはきちっとした透明性の確保を維持するように、建設省といたしましても毎年そういう意味では各関係機関に透明性を高めるように、間違っても談合だとかそういうことがないように常に強く指導しておるところであります。
 具体的なお答えにならなくて申しわけございませんが、建設省としての立場はそういう立場をとっております。
 また、建設省が道路特定財源等を使いまして、JRだけではありませんが、民間の鉄道会社、私鉄もそうでございますが、そういう事業をする場合に、道路と踏切、これは切っても切れない関係でございますので、そのような場合には先生の御指摘があったようなことのないようにきちっとした対応を、これから国土交通省になるわけですから、させていただきたいと思っております。
○中島眞人君 大臣並びに政務次官から、やっぱり透明性を図る、国の金なんですから、公費なんですから、JRに委託をしてあってもそれは透明性のある工事執行をしていくべきだという方針をお聞きしましたので、そういう方向でやっていただくように指導をしていただきたいと思います。
 そこで、先ほど大臣から、専門性のある高度の技術を持っておるから、これがいわゆるJR側の従来の考え方だったんですね。しかし、実際には協力会社と呼ばれる出資会社が随契で受託をすると、これを地元の地場の業者が二〇%引きぐらいで受注を受けておる。
 その際に、例えば東鉄工業と言われるような会社では出向を百四十一名も受けておる。ということは工事をとり過ぎちゃって、鉄道工事をやる場合には軌道工事管理者、工事管理者、線路閉鎖責任者、列車見張り員というのを置かなきゃならない。しかし、工事を余りにもそういう形で集中して、一部協力会社ということで集中しちゃっているものですから、こういう資格のある人がいないものですから、それぞれ地元にいる昔から鉄道事業に参画をした会社に軌道工事管理者、工事管理者、線路閉鎖責任者、列車見張り員というのを出向させるんです。東鉄工業なら東鉄工業、あるいは鉄建建設なら鉄建建設へ出向させる。そして、その方は東鉄工業なり鉄建建設なりの社員になって、実際やっている会社の下請、仕事をしているという実態もあるんです。
 さらにもっとひどいのは、全部が全部ではないんですけれども、この出向している社員の給与はだれが持つ。当然受けた側の東鉄工業が持つべき、あるいは鉄建建設が持つべきなのに、出向をさせている会社が給与から何から社員の負担をしているという実態もあるんですよ。鉄道局長、その辺について御認識ございますか。
○政府参考人(安富正文君) 先生おっしゃいますように、例えば東鉄工業において工事量の波動あるいは安全レベルの向上教育訓練といったようなことから下請から出向を受けているという事実はございます。
 ただ、東鉄工業は技術部門だけで七百五十人の社員を有しておりまして、そういう十分な人材を確保しておりますけれども、どうしても工事量自体が波動があるというようなことでそういう出向を受け入れているということを認識しております。
○中島眞人君 さらに積雪地帯に行きますと、雪が降ってきます、早急に旅客の安全を図るために除雪なんかについても出動を要請する。それは地元の業者しかありませんわね、雪が降っているところは。ところが、その除雪の工事すら、例えば東鉄工業というような会社が元請になって、その地元の実際にやる会社がいわゆる下請になっているという実態もあるんです。
 さらに私は、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律、昭和六十一年に制定をされた第十条、「中小企業者への配慮」という項目をどのくらいJRが遵守しているかという問題についてお尋ねしたいと思うんですけれども、例えばこれは山梨県のJR勝沼―酒折間の鉄塔移設工事です。これは大体総額五百万円ぐらい、元請業者が日本電設工業株式会社、下請が進和工業株式会社。しかし、下請業者でも重機とかいろいろございますから、山梨県の地元の業者にこれを孫請させた。孫請させた金額が四百二十一万三千九百十二円。ところが、この下請になった進和工業が途中で倒産しちゃったんです。工事は完了したんです、地元の業者が。そして手付金百万円もらっただけで、あとの三百二十一万三千九百十二円というのは、約束手形が倒産ですから不渡りになっちゃった。
 こういう問題が起こっている現実というものをJRはどのように認識をしているか、JRがいないからわかりませんけれども。そういう問題に対して、鉄道局長、どういう御指示をなさいますか。下請業者と地元の業者と。私は、もっと端的に言えば、この問題は五百万円の工事、地元で重機や何かを持っている会社が本来的にはできるものを、これを何で東京の日本電設工業という会社にやって、その次にまた東京の進和工業という会社に下請させて、そして実際やる会社は、五百万円相当ですから地元ですよ。これは、JRがはっきり言ってその地域の中で効率を図っていけばそれでいいんじゃないか。こういう事態があるということについての御認識はいかがですか。
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方からお話しありました、山梨県内の電気関係工事で下請会社の倒産により孫請会社が代金未収となっているという事実があるのは十分認識しております。
 これについては、基本的にはやはり元請、下請の関係にはなるわけでございますが、今後、下請事業者の選定に当たって、そういう倒産といったようなことがないような健全な会社を選定するなど十分注意するよう、我々としてもJR東の方に指導していきたいというふうに考えております。
○中島眞人君 十分指導するようにと言うけれども、結局、JRの仕事だといって東京の会社、東京の下請、そして実際にやる仕事は地元のいわゆる事業会社にそれをやって、それが倒産。泣き寝入りですか、これは。こういうことについて、旅客法第十条の観点から、中小企業等に対して事業活動を不当に妨げ、または利益を不当に侵害することのないようにと、これは一例、私はいわゆるJRが遵守をしていかなければならない一つのおきてだと、こういうふうに思うんですよ。この点についての御答弁もいただきたい。
 さらに、例えば各県、国の土木工事等の入札率、落札率ですか、大体九七%ですよ、平均が。そうすると、二千億だというと六十億というのは不執行になって国の中へ返ってくるんです。ところが、二千億の金をJRに委託して、返ってくる金は幾らあるんですか。建設省、お答えできますか。局長来ていますか。
○政府参考人(安富正文君) 先生の今御指摘がありました二千億の中で具体的にJR東の方にどういうふうな形で落ちているかという話でございますが、ちょっと数字を我々持ち合わせておりませんので、御答弁は御容赦願いたいと思います。
○中島眞人君 入札をしますと、地方自治体でも国でもそうですけれども、落札率というのは大体平均九七%です。そうすると、二千億の工事だとすれば約六十億が言うなればいわゆる落札差益で返ってくるわけです。返ってくるというか、いわゆる財源がまた留保されるわけですね。ところが、このJRの委託事業のちゃんと協定書を見ますと精算方式というふうになっております。入札でないから、ほとんど精算方式でやっていますと、精算方式がゼロというわけにはいかないから、各県の協定を結んだ協定書の中で出てくる精算というのは、さっき田村政務次官がそちらの方でひとり言でゼロだよと言いましたけれども、ゼロに近い五万、十万の単位しか精算されていないんですよ。
 こういう点もやっぱり運輸省鉄道局は、あるいは建設省はJRに対して強いひとつ要請を、私はいたしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(安富正文君) 先生の今御指摘の点も踏まえまして、健全ないわゆる下請事業のあり方、あるいは下請の契約のあり方、そういうものについて、我々としてもJR東の方に、先ほど会社法の十条の話もございますので、そういう点を含めましてJR東の方に要請していきたいというふうに考えております。
○中島眞人君 私は与党という立場でいるわけですから、とは言いながらも、今我が党が与党三党で、ともかく公共工事の見直しという点で本当に苦しい選択をしながら、そしてあるべき道を進もうとしているときに、少なくとも公共的な性格を持ち、そして立体交差等の事業はほとんど国費あるいは県の公費で行われているこの実態を、少なくとも右へ倣えでやってほしいという切なる願いから私は要望をいたしているわけでございますので、この点についてはきょう大臣並びに政務次官から、やっぱりあるべき姿に向かって指導していくんだと、こういう決意をお聞きしましたので、その点については了とし、そして今後を見守りたい、こんなふうに思うわけでございます。
 さてそこで、非常に強い質問をした後、今度はちょっと鉄道局長にお伺いしますけれども、今、世界に比べましても整備新幹線の問題等、日本の大きな社会資本整備あるいは日本列島の中での整備新幹線の一つの必要性というのは問われているわけです。その中で、整備新幹線ではない在来線のいわゆるスピードアップということについて、やっぱりこれも同じような両輪で取り組んでいかなければいけないと私は思うんです。
 特に、私は山梨県甲府市の出身でございますから、例えば東京を起点として同じ距離にある水戸あるいは甲府間というのは、同じ距離くらいなんだけれども大体三十分ぐらい東京―甲府間というのはおくれている。首都圏と呼ばれていろんな施策が展開されているわけですけれども、この六十分を切るというのが私はやっぱり首都圏としていろんな形で必要になってくる、こんなふうに思うのでありますけれども、この辺について鉄道局、運輸省の見解というのを局長からお聞かせをいただきたい。
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘の中央線の高速化でございますが、施設改良等によりまして新宿―甲府間で昭和六十一年に比べて約十分ほどの短縮を実現してきております。そうはいいましても、まだ現在では新宿―甲府間が一時間二十五分となっている状況でございます。
 ただ、新宿―甲府間の六十分運転化につきましては、JR東日本によりますと現在線の改良だけでは非常に難しいと。具体的には一部短絡新線、いわゆるトンネルを掘るというようなことをやっていかないと難しいということがございまして、さらには当該高尾―塩山間、山岳区間である高尾―塩山間を最高速度二百キロで走行するような短絡新線を建設していく必要があるということを申しております。さらに、この建設には約二千億円以上の多額の事業費を要するということもございますし、さらには新たな車両開発あるいは現在線の沿線開発投資等の問題もございますので、これはかなり長期的な課題ではないかというふうに認識しております。
○中島眞人君 例えば高尾―塩山間、これを新しいトンネルをつくるという、これに大体二千億くらいのいわゆる事業費を必要とする。そうすると六十分を切るということができる。高尾―新宿間はどうなんですか。
○政府参考人(安富正文君) 高尾―新宿間につきましては、特に三鷹―立川の部分の連続立体交差事業をやっております。あの部分についての複線化事業というのがこれからの課題になってまいります。
 これは輸送力増強という意味でやっておるわけですが、この複線化部分についての工事を実施しますと、複線化部分についても約二千億円ぐらい工事費がかかりますが、ただ時間短縮としてはこれは五分程度の効果しかございませんので、やはり一番大きな効果は短絡新線をつくるというところになるかと思います。
○中島眞人君 もう既に立川―三鷹間は高架計画が出ておりますけれども、これを高架にしても五分ぐらいの時間短縮しかならない、一番の要点は高尾―塩山間のトンネル新設だ、それには約二千億くらいかかると。どうですか局長、これはやっぱり高速化すべきと思いますか。時間、財源等々いろいろ問題あろうかと思いますけれども、これはやっていくべき仕事であるとお思いになりますかどうかは、それは局長よりは大臣にお聞きしたい。
○国務大臣(森田一君) ただいまの鉄道の高速化の問題というのは、確かに非常に重要な問題でございまして、ただ財源の問題がありますし、またJRが主体になって考えるべき問題でありますので、検討してまいりたいと考えております。
○中島眞人君 鉄道局長、JRとの窓口になるのは大臣よりは鉄道局長ですから、そういう問題についても積極的に取り組んでいただくように、また次の機会には、そういう話もJRといたしましたよと、悪いことだけをただすのでなくて、いいことをもひとつ進めていただくように、ぜひ鉄道局長から当該のJRに対して強い要望をし、次の機会には第一読会は済みましたぐらいな御報告をお聞かせいただきたい、こんなふうに思います。
 次に、先国会で金融商品の販売等に関する法律というのが成立をいたしたわけでありますけれども、私は、その中で取り残されております先物商品の問題について通産省にお聞きをしたいと思うんです。
 実は、私は、資料を見ていただければということで、一応私なりにその本人が書いた記述と、そして関係した日本ユニコム株式会社の関係を用意したのでありますけれども、委員長の御配慮で、個人にかかわるものが多々見られるのでそういうことは先例にすべきではないという御判断をいただきました。御無理ごもっともだという形で、大変しかし難しい取引ですから説明をするのに非常に理解するかどうかわかりませんけれども。
 この方が初めて商品先物取引を昨年の三月に行ったんです。そして、ある程度の資産がある方でありますけれども、三千万円のお金があいていると。じゃ、やりましょうという形でやりましたところが金先物相場なんです、金先物相場。それを一枚六万円、一枚といいますと、皆さん方もよくおわかりになられると思いますけれども、一枚の単位というのは千グラムなんです、金が千グラム。金は一グラム当たり千円とか九百円とか千二百円で相場が成り立っている。一枚六万円の証拠金を入れて、そして五百枚の取引をしたんです。すなわち幾らかと言いますと、五百キロの金を三千万円の証拠金、保証金で取引へ乗っかった。そうしたら、追い証、追い証拠金というものがついてついてつきまくって、五カ月の間に一億五千万円のいわゆる追い証という損失をこうむったという事例なんです。
 そこで、私は、こういう先物取引というのは、よく調べてみると、本来的には会社が、企業が在庫商品の調整をするためにやった企業対企業の一つの在庫調整、そして、収益性を維持するという形でやったものを、個人にこの取引の中へ参入をさせていくという形。この中でいきますから、ある面ではハイリターンでもありますけれども、想像もしないハイリスクを受けているという実態が、私も驚くような状況の中で動いているわけであります。
 さて、そこで私は通産省にお聞きをしたいと思うのですけれども、商品取引所法第百三十六条の十七というのはどういう内容の拘束力を持つ法律なんですか。政府参考人で結構です。
○政府参考人(杉山秀二君) ただいま先生お尋ねがございました商品取引所法百三十六条の十七でございますが、これは商品取引に対しまして、顧客に対する誠実かつ公正な業務の遂行を義務づけている、そういう規定でございます。
○中島眞人君 これはこういうことでしょう。「商品取引員並びにその役員及び使用人は、顧客に対して誠実かつ公正に、その業務を遂行しなければならない。」ということは、顧客に対しても同等のいわゆる責任を持つという法律の意味を持っている項目というふうに理解してよろしいですか。
○政府参考人(杉山秀二君) この十七でございますが、ただいま先生おっしゃられましたように、商品取引というのは非常にリスクの大きい取引でございます。したがいまして、取引の開始をする前あるいは取引の途中におきまして、商品取引員がお客様と十分意思疎通をよくし、あるいはリスクがあることを十分お客様に御理解をいただいて、あるいは説明を十分して、あるいは必要な書類を十分交付をして、そういった格好で誠実に業務を進めなければいけないという意味でこの十七ができているというふうに理解しております。
○中島眞人君 そこで、先国会で成立した金融商品の販売等に関する法律、これには非常にいわゆる消費者保護が強く出ているんですね。しかし、現在これを、この中でいくと、顧客保護、言うなれば委託者保護という点について非常に私、抜け道があるのではないか、あいまいさがあるのではないかという感じが実はするんです。
 例えば、お客、顧客に対しては十分の説明をしなさい、そして説得をしなさいというんですけれども、会社側の営業の方は説明をしましたといっても、受ける方は十分理解していませんでしたという、言うなれば考え方のいわゆるすれ違いが起こってくる。これが言うなれば一つの紛争の原因になってくるわけですね。ですから、ある程度金融商品販売法のような形で、私はなぜ大蔵が出した金融商品販売法に商品先物も一緒に入れておかなかったのかということを、私は金融委員会の理事をやっているわけですから、今になってみると、あのときに金融先物も一緒にまとめてやったらよかったのではなかろうかなというふうに思うんですけれども。
 そういう点で、量的制限、一例を言いますよ、さっき言ったように、初めてやる人が、一枚が六万円ですよというようなことですけれども、そういうふうな取引は、通産当局としては、初心者は何枚くらいが、どのくらいの取引が妥当だと思っていますか。
○政府参考人(杉山秀二君) 一概に初心者の方がどのくらいの量が適当なのかというのは判断しかねるところでございますが、例えば、多くの会社におきまして予定の取引をお客様と相談をするという際に二つの選択をするようにというようなことをやっているようでございまして、それは取引の予定額、これは委託の証拠金でございますが、これが五百万円未満の取引を選択するかあるいはその枠を超えない取引を選択するか、どちらかの選択をしてもらうというようなことで実際運用されているというふうに承知をしております。
○中島眞人君 今くしくも五百万円未満の取引、初心者の場合には。そうすると、枚数で言うと何枚くらいになりますか。
○政府参考人(杉山秀二君) 金の価格にもよりますが、ちょっと今暗算をいたしますと、証拠金五百万円ぐらいで計算をしますと八十枚とか百枚とか、そのくらいになるんじゃないかというのが、ちょっと今暗算でございますが、暗算で申しわけありません。
○中島眞人君 ということがいわゆる初心者の取引のスタートとしては妥当であろうと、五百万円未満くらいの取引が。
 しかし、実際問題、お客、顧客に対しての説明員は、例えば追い証拠金なんというような説明は、することになっていますけれども、例えば商品を勧誘に行って、これをやりますとハイリターン、大変利益が出ますよと。しかし、ハイリスクもありますよ、あった場合は少なくとも追い証拠金も入れなきゃなりませんよという、追い証の証拠をいわゆる利益があるのと同じように説明をするなんというのは、人間だれでも、勧誘員が一番悪いときの追い証がこういうふうにかかってきますよなんというようなことは、私は、説明はしろと言っても、私が勧誘員であってもやらないと思います。そういう問題が起こってくる中でトラブルが出てきた。そうすると、説明はしました、いや説明は十分理解していませんと、水かけ論ですよ。
 ですから、私はやっぱりこの先物取引というのは、本来的には企業がやるべきものを個人個人の一つの取引の中に入れていくというならば、個人を保護するあるいは顧客を保護するという立場から、量的制限というものを持ち込んだらどうだろうかと。今言った五百万円あるいは百枚くらいというようなものを基準の中へはっきり出して、ガイドラインとして出していくことが私は必要ではなかろうかと。
 今回、私が質問をする動機になったこの方は、飯塚さんという方ですけれども、株はやっておったようです。しかし、この方が、さっきも言いました金相場一枚六万円で、そして五百枚買わされているんです。買わされたと言うと、今度は会社側は本人が同意しましたからという形で、これは水かけ論になると思いますけれども、こういうハイリスクのものが知らず知らずに展開していくようなことを防いでいく方法という形で、先物商品販売法というふうなものを新たに検討する考え方はございませんか。
○政府参考人(杉山秀二君) ただいま先生から御指摘がありましたように、商品取引が健全な発展をしていくというためには、一般投資家、お客様を保護するということが大変重要であるということは御指摘のとおりでございます。
 そういった観点から、商品取引所法で、例えば御指摘がございましたように書面の交付義務だとかあるいは説明義務がかかっておりますし、あるいは法律に基づきます自主規制機関におきましてもいろいろな説明義務やリスクについて十分了知をしていただくというようなことをするような義務づけを課しております。
 さらに、商品取引所が受託契約準則というのを決めておりまして、その中で、お客様が先物取引の危険性を了知した上でもって取引を行うということを承諾した、そういう書類の差し入れがなければ取引の委託を受けてはいけないというような規制もございます。あるいは自主規制機関のガイドラインといったようなものの中で、契約時の説明と確認についてきちっと、例えば先生から御指摘ありましたが、記録の整備、そういうのも含めてちゃんとやらなければいけないというようなことがガイドラインに示されております。
 私どもといたしましては、お客様の保護という観点から、こういったいろんなルールについてこれをきちっと守るように、遵守するように商品取引員とかあるいは商品先物協会を指導してまいりましたが、御指摘も踏まえまして、そういったルールが形骸化しないように、真に実効が上がるようなルールの運用ができるようにそういった指導をまず徹底をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○中島眞人君 答弁者に重ねて申し上げますけれども、新聞にも時折、例えばこれは平成十二年六月二日に、先物取引も顧客保護対象にしてくれと、こういう投書も新聞の中にあるんですね。
 今おっしゃっている中では、よりその説明を顧客に対して十分にするようにしなさいと。しかし、トラブルが起こってくると、やりました、一生懸命顧客に説明したんですと。こっちの方は、いわゆるハイリスクを負った方はそんなことはよく聞いてなかったと。これは人間だれしもその立場になってみれば、そういう行き違いというものが出てくるわけです。
 ですから、私の言うのは、いわゆるどういう形であろうとも、その最初の取引は今言ったように五百万円未満、あるいは例えば何万円未満、以下にしなさい、こういう形でやらないと、私も商品取引所法を読みましたけれども、これは具体的な形が実感としてわいてきません。そして、目で見るのは、もうかるなということの方しか目が向いていかない。結果的にはいわゆるハイリターンの裏側には大きなハイリスクというのがあるわけですから、私は重ねて申し上げますけれども、量的基準等を協会なんかとも御相談なさって、そういうものを導入するように強く私は要望しますけれども、この辺について再度ひとつ御答弁をいただきたい。
○政府参考人(杉山秀二君) 初心者の量的制限という御指摘でございました。
 私は、こういった量的制限を強制法規的に制限を課すのがいいのかどうか、そこにつきましてちょっとにわかに判断をしかねるところでございますが、今実際に取引をする際に、一般投資家の取引の意思でありますとか、あるいは判断力でありますとか、あるいは資金力、こういったいろいろないわば適格性の中身をよく審査した上でもって勧誘なり取引を始めるというルールがございます。各社におきましては、実際に顧客の方のお年がどうだとか、あるいは年収がどうだとか経験があるかとか、あるいはそういった経済取引についての知識がどのくらいあるかとかいったようなことについて、そういうことを要素に照らしまして適格性を審査することになっておりますけれども、こういったことが形骸化してはいけないと思います。
 したがって、まずこういった取引の適正性、適格性を審査することについて商品取引員等がきちっとこれを実効あるようにするということを徹底させたいというふうにまず考えております。
○中島眞人君 もう時間が参りましたけれども、この取引は大変苦しんでいる方もあるわけでありますから、ただ一概によく説明をしなさい、よく理解をさせるようにしなさいだけでは私はやはり堂々めぐりである。例えば、取引をしていくときに第三者に立ち会ってもらうことを義務づけるとか、そういう形を自己責任という形の中でも、無知のままに自己責任を背負っていくという傾向もなきにしもあらずでございますから、この辺については十分ひとつ検討なさらんことをお願いし、先物商品の販売等に関する問題については改めてまた検討をしていくことの提議を申し上げたい、こんなふうに思います。
 終わります。ありがとうございました。
○月原茂皓君 保守党の月原です。
 防衛庁の関係について質問いたします。
 冒頭、防衛医科大学校附属病院の関係についてであります。大蔵大臣、質問の通知はしておりませんけれども、このお話をひとつよく聞いていただいて、後で御意見というか感触を述べていただいたらありがたいと思っております。
 まずお尋ねいたしますが、防衛医科大学校の附属病院の保険料収入というものは、過去五年間でも結構ですが、どのようになっているか、お答え願いたいと思います。
○政務次官(鈴木正孝君) お答えいたします。
 防衛医科大学校の歳入決算額、防衛庁病院収入ということになりますが、平成七年度百十億八千二百万、平成八年度が百八億五千二百万、九年度が百十四億六千百万、十年度が百十七億一千六百万、十一年度が百十七億四千八百万、このような数字になっております。
○月原茂皓君 防衛医科大学校の予算はどのような仕組みになっておるんでしょうか。防衛関係費の中に防衛医科大学校、同附属病院というふうな予算で組み立てられておりますが、収入はどこに入っていくんでしょうか。その点についてお答え願いたいと思います。
○政務次官(鈴木正孝君) 防衛費一般の中に、一般会計の中に組み入れられておりまして、歳入につきましても、先ほど防衛庁病院収入ということで一般会計の歳入に含まれる、こういうことになっております。
○月原茂皓君 ということは防衛庁自身は、私もかつて防衛庁で働いたことがあるわけでありますが、御厄介になったことがあるわけですが、ほかに各自衛隊に地区病院というようなものもあります。そういうものはそう大きな金額ではないと思いますが、とにかく保険料収入というものが、大蔵省にというか国の収入に入っておることになっております。
 それで、例えば一般の大学の病院収入について考えてみれば国立学校特別会計というものがある。そして歳入は、その特別会計において学校の授業料ももちろん入ってくるでしょう、それから病院の収入ももちろん入ってくるだろう。そして、そういう計画を立てて、それで足らないというものは一般会計からほうり込む、こういうような仕組みになっていることはもう御承知のとおりであります。
 そこで私がお尋ねしたいのは、防衛医科大学校についても私はそういうふうな、というのは防衛費というものは、普通の予算と違ってその枠というものについて非常に世界的にも関心があるし国民的にも関心がある。そのほかのことについても後で述べますが、そういうような観点から防衛医科大学校の毎年入ってくる百億円を超える歳入、これが防衛費にカウントされておる。しかも、その地域の住民、それは国民のためにとっていいことですが、埼玉県のみではないと思いますが、その周辺の住民の医療をすることそのものが防衛費にカウントされておる、それは国民はだれも知らないわけであります。そして、受けておる人にとっては、何もちゃんと金出しておるんだから、防衛であろうが何であろうが関係ない。
 そういうふうに考えていくと、果たして防衛費としてカウントしていいものだろうか、この百億を。むしろ、何か百億は、例えば特別会計方式にすればその不足分は、もちろん必要な経費がありますから、学校特別会計のように不足分は一般会計からほうり込むと。そういうふうにすれば、防衛費そのものは百億円、金額そのものは少なくて済む、金額的に見ればですよ、そういうふうな考え方もあり得ると私は思っているわけであります。
 そういうことについて、現在、防衛庁ではどのように考えられておるか、お答え願いたいと思います。
○政務次官(鈴木正孝君) お答えをいたします。
 もう委員、防衛医科大学校の予算のシステムにつきましては大変お詳しいわけでございまして、日ごろから関心をいただきまして本当にありがたく思っているところでもございますが、もともと、御案内のとおり防衛医科大学校そのものは医師である幹部自衛官、これを養成することを目的として設立をされ、設置をされているというようなことでございます。また、あわせまして医学に関する高度な理論あるいは応用についての知識、そういうものを臨床教育の場を通じてということで病院が設置されているというような、そういう事情にございます。
 したがいまして、同病院自身で行っております教育訓練含めまして、防衛庁みずからがその任務を達成する必要性に基づいて養成しているというような、そういう本来的な事情がございますものですから、先般来、委員から特別会計化につきましていろいろと御提言等していただいておりまして、私ども防衛庁の中でも従来からいろいろと勉強は真剣にさせていただいているところでもございますけれども、会計制度にそもそもかかわるようなお話でもございますし、幅広くいろんな問題点を整理しながら、よりよいあり方についてさらに検討を深めていきたい、このように現在思っているところでございます。
○月原茂皓君 鈴木政務次官も防衛庁に勤務されておって大変詳しい方であるだけに、政治家として防衛庁に今回責任ある立場としてポストにつかれたわけでありますから、政治家として防衛費というものを国際的な感覚とか、そういうものから真剣に検討していただきたい。
 あえて私が今の時期に申し上げるのは、これは今後内閣で決まることでありますが、次期五カ年計画ができるかできないか知りませんが、仮に五カ年計画ができるとするならば、来年度から五カ年計画が始まるだけに、単にカウントすると百億ずつ、五カ年だと五百億の金が全く空で積まれていくというようなことになるわけであります。
 私もかつて国連の軍縮会議にも出たことがあるんですが、防衛費の枠の議論があって、その何%を後進国に援助したらどうだというようなことでジュネーブで一週間ばかり議論したことがあります。そういうふうに、この枠自身がまたかつては一%を超えるか否かというようなこと、そういう大きな議論が国内でも起きたことがあります。
 そういうふうなことを考えてみれば、こういうふうな全く防衛と、今、鈴木政務次官は、幹部教育のための反射的効果として一般診療の収入が年百億余り入ってきておるんだということでありますが、百億という金は、かつては二十億ぐらいの議論もありましたが、そのころは別として、この百億を超えた、もう五年間ずっと百億を超えておるというようなときに、真剣に防衛費という、本当に必要な防衛費は何なんだ。防衛費というのは、本当にみんなは防衛のために使っておると思っている。ところが、周辺の医療のために、かつてあちらの方で某産婦人科が大きな事件を起こしたときに、どっと防衛医大の産婦人科に押し寄せてきた、押し寄せてきたというか、患者さんが来たという話もある。もちろん、国民のためにいいことでありますけれども、それが防衛費で行われておるというようなことは国民はだれも知らないわけであります。
 私は、そういう意味で、真の防衛費は積まなければならないけれども、このような問題はむしろちゃんとした整理をしておく必要があるんじゃないか。しかも、繰り返しますが、来年度から新たな計画に入る可能性があるだけに、今の時期にちゃんとした考え方で検討を進めていただきたい。今、政務次官はそういう検討をしたいということでありますが、大蔵大臣、こういうことについてひとつ御理解をしていただきたい、このように思います。御意見をお願いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御質問を受けて啓蒙されました。そういうこと存じませんでしたが、今御質疑あるいは答弁の中に含まれておりませんことも幾つかありそうでございますから、ちょっとそれも私、勉強させていただきたいと思います。
○月原茂皓君 大蔵大臣も財政の総括の責任者として、また今後国際的な日米関係も含めてのときに防衛費というものが議論になる。そのときに、こういうものをちゃんと整理していただきたい。それで、大蔵大臣もよく検討していただけるということでよろしくお願いして、私はこのテーマについての質問は終わります。
 次に、新聞等でもいろいろ報道された問題ですが、自衛隊の艦船の修理について、会計検査院の方から改善事項というか改善の要望が出ておりましたが、それについて防衛庁は会計検査院と話し合って、その修理についての一つの結論というか、方向づけを得たようでありますが、その点の要点について御説明願いたいと思います。
○政務次官(鈴木正孝君) お答えをいたします。
 経緯につきましては、自衛艦の修理契約につきまして指名競争入札を行うため複数の造船所を指名しておったわけですが、指名通知の後、入札までに一社を除いてすべての指名造船所が辞退し、残りの一社と随意契約を行うというような、そういう状況ということがございました。
 昨年の十一月に、会計検査院の方から、指名競争入札における競争性が確保されていないのではないかというようなことで改善措置を求める旨の御指摘をいただきました。
 防衛庁は、その指摘の趣旨を踏まえた上で鋭意昨年検討いたしまして、本年の一月、指名造船所の辞退理由などの修理契約事務の実態について調査いたしまして、最適の契約方式のあり方について検討をいたし、改善措置を取りまとめまして公表させていただいたという、そういう経緯でございます。
 改善措置の概要につきまして御説明をいたしますと、まず、指名競争入札を行う上での条件の整備等について改善すべき諸課題がございましたので、造船所の技術的な能力評価に基づく指名基準の策定等、指名競争入札制度の機能を発揮させるための所要の措置を講ずることといたしました。さらに、自衛艦の修理は母港近傍の造船所、言ってみますと、同じ警備区内の造船所において実施することが最も適切であるという従来からの修理の基本的な考え方、そういうもの、そしてまた指名造船所の辞退理由等の調査結果を踏まえまして契約方式のあり方について検討いたしました。
 その結果、一言で申し上げますと、警備区内に修理可能な造船所が一カ所しか存在しない大湊あるいは舞鶴地方総監部在籍の自衛艦、そしてまたDDG、これはイージス艦とかターター艦とかミサイル艦でございますけれども、こういうようなもの、そしてまた非常に技術的な専門性の高い潜水艦、こういうものにつきましては、当初から随意契約ということで契約方式の整理をさせていただきました。
 どちらにしましても、この改善措置を的確に実施することによりまして、より一層の透明性、公平・公正性を確保していくこと、これはもう当然のことでございますので、鋭意その方向で努力を今しているということでございます。
○月原茂皓君 今御説明がありましたが、この点については、会計検査院の方も一応防衛庁のそういうふうな方向について御理解を示されておるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(関本匡邦君) お答え申し上げます。
 自衛艦の修理に係りまして検査院といたしまして指摘申し上げましたのは、防衛庁において競争入札に付して契約することとしておったわけでございますが、実態を見ますと競争性が確保されていない事態というものが見受けられたわけでございまして、このため改善措置を要求したところでございます。
 それで、今防衛庁の方から御説明ございましたが、その後、防衛庁の方で改善方法を検討されましてそれなりの措置をとられたということでございますが、検査院といたしましては、こうした改善の中身につきまして精査いたしましてその妥当性について検討いたしたいと考えております。
○月原茂皓君 時間が限られておるので、またの機会にもお話を伺いたいと思いますけれども、防衛というものについて、いかにも防衛予算というのは非常に多いようでありますが、人件費とか糧食費が非常に多いだけに、私も防衛の予算を担当した経験もありますが、そういうところからいいますと、研究開発なんかでも複数のものの研究開発の予算をつけることができない。本当言ったら競争して、AがいいかBがいいか、そしてAがいいとした場合に、Bが完全にその研究した経費を支払うことが国ができるならば、競争させてより安い、あるいは性能のいいものというふうな方法を講ずることができるんですが、そこまで行っていないんですね。そういうような背景もあります。会計検査院もそういうことは十分私は御承知だと思うんです。
 そして、片やうたい文句はいつも、緊急のときにはいつでも取得できるように、こういうふうに言っているが、備蓄もほとんどない。そうすると、企業にある程度備蓄の体制というもの、備蓄そのものではないけれども、緊急にそういうつくるものを維持しておいてもらわなければならない。そのときにすぐ契約できるわけではない。だから、ある程度技能を持った企業というものを維持しておかないといけない。何もそこに補助金を打つわけではないけれども、技能のすぐれたものについてはそういうふうなものを置いておかなければならない。そういういろいろな背景があります。
 今、鈴木政務次官が結論を、修理についてのお話がありまして、随意契約の必要性についてはちゃんとしたことを検査院と話し合っていくんだと、そして今、検査院の方からもそのことについて検討すると、こういうふうに言われておりますが、ただ単に艦船修理ということではなくて、防衛の装備そのものについて、国の予算の背景、もろもろのことから考えて、やはり随契で必要なものは随契として認めると、こういう姿勢をとる私は必要があると思っております。
 かつてマクナマラ国防長官のころにいろいろ洗い直しがありました。私はそのころマクナマラさんの本を読んで防衛の予算を洗い直したことがあります。非常にコストダウンをしなければならない、それは常に考えなければならない問題でありますが、しかし限られた予算で防衛を維持するためにはどうしても必要なことがあります。そういう意味では、私は、この結論を私は非常にいい結論だと、こう思っておるだけに、検査院の方も防衛庁と十分話し合って、必要なものは随契で認める、そういうふうなことをオープンに、もう競争ということがすべてだというふうにして、外向きが格好いいからということだったら、形式だけでたくさんの人を、おもちゃ屋さんまでちゃんと、おもちゃ屋さんをばかにするわけではありませんが、おもちゃ屋さんまでが競争入札に入ってくる。
 そういうふうなことでは、今まで一生懸命やっておったところはもうばからしくて研究開発もしない。いざとなったら、注文、お願いしたってそういう体制はもう持っておりませんと、こういうふうになるだけに、真剣に国防の観点からも検討していただきたい。コストダウンは国民の願望であります。そこのぐあい、バランスをどう考えるかということを真剣に考えていただきたい。そのことをお願いするんですが、検査院からの答弁をお聞きして、私の質問を終わります。
○説明員(関本匡邦君) お答え申し上げます。
 ただいまお話にありました、防衛庁の契約には必ずしも競争になじまないものがあるんじゃないか、そうした場合にどういった契約方式がいいのか検討すべきじゃないかというお話でございますが、検査院といたしまして、今後、先生の御指摘も踏まえまして、検査に当たりまして十分配慮してまいりたいと思っております。
○月原茂皓君 ありがとうございました。
○委員長(鎌田要人君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十年度決算外二件を議題とし、全般的質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤泰介君 民主党の佐藤泰介でございます。
 きのう、きょうと大変暑い中、答弁される方も大変御苦労さまでございます、私どもも大変でございますけれども。委員長にもいろいろお話をさせていただいておりますけれども、何とかこういう状況でないところで決算委員会が開かれるようにお互いに委員として努力をしていきたい、鎌田委員長にもそんなことを、日ごろ私自身も御指導いただいておりまして全く同感でございますが、残念ながら今回のこの委員会もこういう時期になったことを、やむを得ないとは思いますが、これからお互いに与野党含めて十分な時間がとれて、こういう無理な状況でないところで開かれるように私どもも努力をしていきたいと思っておりますので、委員長にもさらに努力をしていただきたいということを申し上げながら、早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。
 まず、会計検査院にお尋ねをしますが、金子院長が昨年就任されて、昨日から始まったこの委員会が初めて本格的な決算報告の場となっていると思いますけれども、前院長のもとでつくられた平成十年度決算報告書ですが、金子院長、この報告についての感想と、検査報告書の今後のあり方、各省庁の政策評価等もこれから考えられていくわけですけれども、そういった点も含めながら、これからこの検査報告書そのもの自体、私は大分最近変わってきているとは思っておりますけれども、今までどおりではやっぱりまずかろうなというふうに思います。
 したがって、これからこの報告書自体、金子院長としてどのように考えておられるのか、どう改善を図っていかれるというようなお考え、御所見がございましたら、まず伺いたいというふうに思います。
○会計検査院長(金子晃君) 平成十年度決算検査報告につきましては、私も検査官として関与をいたしました。
 会計検査に当たりまして、検査院では、社会経済等の変化に即した検査、二番目に国民の関心の強い事項についての検査、三番目に有効性の観点から事業評価を指向した検査をするという方針を立てまして検査に当たりました。その結果、多様な案件を平成十年度決算検査報告に掲記をいたしました。
 また、検査実施上のアカウンタビリティーを果たすということで検査状況を可能な限り検査報告の中に記述していこうということで、こういう努力もいたしました。
 次に、検査報告のあり方に関してでございますけれども、検査報告が国民による国等の行財政の評価に資するとともに会計検査院の検査活動の評価の材料ともなるものであるということから、検査の結果につきまして、指摘事項の掲記はもとより、広く問題提起、さらには情報提供という機能を充実させるように努めるとともに、会計検査院の検査活動ができるだけ明らかになるようにしてまいりたいというふうに思っております。
 こうした方向をさらに一層充実させていきたいというのが私の考え方でございます。
○佐藤泰介君 大変ありがとうございます。全く私も同感でございます。
 税金が適正に使われているかという従来の観点以外に、事業の評価、あるいは有効性、問題提起、情報公開等々のお話が今ございました。多少、昨日来検査官の問題が話題にはなりましたけれども、そういった点の反省も昨日伺いながら、今、院長が言われたような方向で決算報告書等あるいはさまざまな指摘がされていくことを言われたと思いますので、そんな方向を大変これから期待していきたい。決算委員会に二年ぐらい私も身を置きましたので、そんなところからそうした方向での一層の御努力を期待したいというふうに思います。
 次に、私、これまでの委員会において各省庁が物資等の購入に当たっての随意契約についての問題点を指摘させていただきました。午前中にも若干そんな、鉄道の問題での指摘があったというふうに思いますけれども、院長、この随意契約についての問題点等、こんな考え、こんな御所見というものがございましたらお聞きしたいというふうに思います。
○会計検査院長(金子晃君) 委員御承知のとおり、会計法におきましては、公共調達において競争入札が大原則ということになっているわけでございます。その上で、競争入札ができない場合に例外的に随意契約によるということになっているわけです。
 随意契約の場合には、競争によるいわゆる市場のコントロールを受けないということになるわけですけれども、随意契約においても、公正な手続により契約の相手方が決定され、また経済性が確保されるように発注の際に努力していくということが必要であろうというふうに考えております。また、それと同時に、契約の相手方の決定のプロセス及び契約の内容を可能な限り公表していくということも非常に重要なことだというふうに考えております。
 そう申しますのは、先ほど申し上げましたように、随意契約の場合には市場のコントロールを受けていないわけですので、随意契約も市場のコントロールは受けないけれども国民の監視下に置かれるということが大切だろう、その意味では、相手方決定のプロセス、契約内容を可能な限り明らかにして国民の監視下に置いていくということが必要であろう、そういうことを通じて、こういうプロセスでこういう内容が締結されたのかということで、それが妥当であるということを国民が納得するということは、これは非常に大切なことではないかというふうに考えております。
○佐藤泰介君 大変難しいことではあろうと思いますけれども、院長としての基本的な姿勢、私は全くそのとおりだというふうに思います。
 しかし、なかなかそこのところが院長の言われた基本どおりにいかないからゆえにいろんな問題が起きていることも事実ではないかというふうに思う次第でございますが、最後に言われたプロセスの公表、国民の監視下に置くということが徹底をされていけば、かなり随意契約についての問題点は解消していくんではないかというふうに私自身も思っております。
 そんな観点から毎年検査院が検査をされるわけで、それでもやっぱり問題点が生じてきた場合に指摘事項が掲載されていくわけでございます、報告書の中に。そうした場合に、今、院長が言われた観点と異なって問題をどうしても指摘しなければならないというようなことが生じたときに、その指摘事項等を掲載するには一体どういうシステムを経て、経過を経て指摘事項が掲載されるというのか。会計検査院内でのシステム的なことを御説明いただければというふうに思います。
○説明員(小川光吉君) お答え申し上げます。
 会計検査院では、検査において把握いたしました事態を、まず最初に検査対象機関の責任者に対して担当局長の書面をもって質問いたします。その後、各局に設けられました局検査報告委員会、あるいは事務総長官房に設けられました検査報告調整委員会でもろもろの観点から審議いたします。調整委員会の審議を終えた事項につきまして、事務総長が検査報告に掲記するに値すると判断した事態につきまして検査院の意思決定機関でございます検査官会議に提案し、検査官会議において最終的に検査報告に掲記すべきと判断された事案が検査報告として掲記されるということになっております。
○佐藤泰介君 ありがとうございます。
 今御説明があったように、決算報告書に取り上げるためには、そうした各種の検討が加えられ、そうした上で報告書に掲載されていくということでございますけれども、ちょっとここで具体的な問題でお聞きしたいんですけれども、郵政省の郵便物トラック輸送についてでございます。決算報告書に掲載するかどうか院内でかなり論議をされ、掲載を見送ったという報道を目にしたわけでございますけれども、今回の十年度報告についてそれは事実でございましょうか。
○説明員(渡辺孝至君) お答え申し上げます。
 郵便事業につきましては、従来から、事業が経済的かつ効率的に運営されているかなどの観点で検査を行ってきております。昨年の検査におきましては、専用自動車便による郵便物の運送委託契約につきまして、この契約が随意契約により行われておりますが、運送事業における規制緩和が進んできておりますことから、より競争性を高め、一層の効率化を図ることができないかという観点から検査を行ったところでございます。
 この検査を行いました結果、一点目といたしまして、運輸省におきまして、規制緩和推進三カ年計画に基づきまして貨物運送分野における規制緩和の推進に向けた検討が行われておりますが、郵政省におきましても、この検討の結果、貨物運送の料金が現行の事前届け出制から事後届け出制あるいはその他のより自由な運賃・料金規制に変更された場合には、郵便物の運送委託契約のあり方の見直しについて適切に対処する考えであるということ。また、二点目といたしましては、検査院の検査に先行いたしまして、郵政省におきまして競争の導入に備えて既に改善に着手している点もあるということが確認されたわけでございます。
 したがいまして、これらのことを踏まえまして、検査院といたしましては、今後の規制緩和の推移及び郵政省の規制緩和への対応について引き続き注視するということにいたしたものでございます。
 なお、本件につきましては現在も関心を持って見守っているという状況でございます。
○佐藤泰介君 そうすると、現在は随意契約になっているけれども、これからその改善を加えていくという感触を得たというような御答弁だったかと思うわけです。
 調査の観点は、やはり随意契約が果たして妥当なのかどうか、そして競争入札、競争契約への移行というような点で検査をされたというふうに理解をしてもいいですね、これは。
 としますと、ここで郵政大臣にお伺いしますけれども、この郵便物のトラック輸送、検討はされているようでございますけれども、競争契約ではなくて随意契約にしている理由ですね、現時点で。なぜ随意契約にしているのか。先ほど会計検査院長も競争契約、競争入札が原則であるというふうに答弁の中で言われたわけでございますけれども、現在随意契約になっているわけですけれども、その理由について御説明をいただければと思います。
○国務大臣(平林鴻三君) 郵便物の運送につきましては、利用者の皆さんが差し出された大事な郵便物を全国あまねく公平に、原則として翌日または翌々日までに確実に配達しなければならないという郵便業務の特殊性を反映させるために、一般の運送に比べても二十四時間体制で体制を整えておかなきゃいかぬ。したがって、分単位に定められた厳格なダイヤに沿った定時運行を遵守してもらわなきゃいかぬ。あるいは、夕刻にたくさん差し出された郵便物を夜間に処理しなければならない。したがって、運送便を深夜、早朝に集中して出さなきゃいかぬというようなこともございます。また、郵便物が臨時大量ににわかに差し出された場合の臨時便への迅速な対応も必要だというようなところが郵便物の輸送について求められるわけでございます。
 したがいまして、こうした条件を満たした質の高いサービスを行うことが可能な事業者に対して安定的に委託をするということが必要でありまして、一般の運送とは異なった運賃・料金でこれを委託しておるということでございます。
 郵便物の運送委託法では競争契約が原則であることは私どもも確かに認識をいたしておりますが、この委託法におきまして、例えば競争に応ずる者がないとき、あるいは競落者が契約を結ばないとき、また運送料金が行政官庁の処分により確定額をもって定められているときというような場合には随意契約を行うことができることとされております。
 特に、郵便物のトラック運送の運賃・料金につきましては運輸大臣の処分によって確定額をもって決定をされており、運賃・料金面での競争に付する意味がなく、委託法に基づいて随意契約を実施いたしておるという実情でございます。
 なお、郵便物のトラック輸送とは異なって、郵便物の取り集め、取集と言っておりますが、軽四輪の自動車による郵便物の取集や鉄道コンテナ便に関しては既に競争入札、競争契約でやっております。
 ただいま検査院から話がありましたように、できるだけ安定した輸送ということを確保しながら、経費を安く上げるということにも努力を引き続きしてまいりたいと考えております。
○佐藤泰介君 今、三、四点の理由を言われましたけれども、その中でちょっと私が問題にしたいのは、随意契約の中の四条一項の四号、「運送事業を営む者の運営する運送施設を利用する場合であつてその運送料金が法令若しくはこれに基く行政官庁の処分により確定額をもつて定められているとき。」ということも今御答弁があったわけでございますけれども、この「行政官庁の処分により確定額をもつて」というのは、これは運輸省を指しているんでしょうか。
○国務大臣(平林鴻三君) 仰せのとおりでございます。
○佐藤泰介君 そうしますと、運送料金についてですが、この運送料金を決定するのは運輸省が決定するんでしょうか、処分額というのは。
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 貨物自動車運送事業者は、貨物自動車運送事業法の規定に基づき、運賃及び料金を定めて、あらかじめ運輸大臣に届けなければならないとされているところでございます。
 郵便物運送の運賃につきましては、事業法上は確定額で届けなければならないという規定はありませんが、これまで事業者からは確定額による届け出がなされている状況にございます。これは、運送の対象が郵便物であり、輸送形態も定型であるということから、確定額で届けられているものと理解をしております。しかし、どのような形で届け出を行うかは事業者の主体的な判断によるべきだと考えております。
○佐藤泰介君 運輸省と私の理解が間違っているのか、郵政省と若干食い違いがあるように私は今理解をさせていただきましたが、運輸省の場合は、運送料金は事前の届け出さえすれば、異常なダンピング料金でない限り、今御答弁になったように、当事者間同士の契約をすることでできるというような運輸省の立場を答弁されたというふうに思うわけですけれども、重ねて伺いますけれども、郵便物もそういう理解でいいんでしょうか。
○国務大臣(森田一君) 郵便物につきましても同様でございます。
○佐藤泰介君 そうすると、さっきの確定額というのがちょっとわからなくなるんですけれども、とはいいながら、「一般貨物自動車運送事業等の運賃・料金の届出及び変更命令の処理方針について」という通達を読ませていただきましたが、この中で特殊運賃、郵政省が言われている時間帯その他特殊運賃の項で、「消費者保護及び利用者の利便を図るうえで確定額とすることが適切であると考えられる霊柩運送その他の運賃については、幅運賃は認めないものとする。」というような通達が出ていると思いますし、また運輸省から出された業者向けパンフレットの特殊運賃との関係のところで、郵便物の運送にかかわる運賃・料金もその特殊料金の中に記載されているわけでございますけれども、これによって運賃が決定されているのか、先ほど運輸大臣が答えられたように当事者間で決めればいいものなのか、この通達と、それから後半で申し上げたのは業者向けパンフレットですのでどれぐらい拘束力を持つものなのかどうかはわかりませんけれども、それとの関係をちょっと説明していただけませんか。
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 特殊な構造を有する車両を使う運送その他の特殊貨物の運送につきましては、特殊運賃として届け出を行うことができますが、どのような形で届け出を行うかは各事業者の主体的な判断によるものと考えております。
○佐藤泰介君 もう一度、くどいようですが運輸大臣に確認をさせていただきますが、運賃を決定する場合は契約者間で決定すればいいと、そういうことですね、今の御答弁は。
○国務大臣(森田一君) 特殊運賃として届け出る場合につきましても、確定額でなければならないということはないわけでございます。
○佐藤泰介君 そうすると、当初、郵便物の輸送料金を郵便物運送委託法四条一項四号の行政官庁の処分により確定額をもって定められているときは随意契約にするということを郵政大臣はお答えになったわけですが、若干線引きがそこで食い違いませんか。
○国務大臣(平林鴻三君) 私ども別に運輸省の見解と異にするわけではございませんで、若干説明をさせていただきますと、運輸大臣に対しまして運賃を事前に届け出る、そこで変更命令を運輸大臣が行うかどうかという審査が行われる。そのような経過を経て運賃や料金が決定されておりますので、この一連の行政手続は、さきに申し上げました委託法によります行政処分に該当するものと郵政省では考えております。運輸省においても同様の考え方がとられておるものと承知をいたしております。
 また、このような運輸大臣の行政処分によって運賃・料金が確定額でもって決定されておる。運輸省との間に別に見解の相違というようなものはございません。
○佐藤泰介君 よく理解ができない。私自身はよく理解ができないんですが、やっぱり時代の流れとして規制緩和の流れの中でもう少しきっちりとわかりやすいような方向への御検討を、この問題、まだあとの質問もありますので、もう少しきっちりと説明できるような方向をとは私自身は今思っております。
 そこで、私自身こんな考えを持っているわけですが、ことしの三月三十一日に閣議決定された規制緩和推進三カ年計画、トラック事業等に関するものがありますね。これによれば、これまでの事前料金届け出制が事後届け出制に改正される、さらに検討をされてそうなるのかどうかわかりませんけれども、そんな方向が出されていると思います。そうした方向が進んでいけば、今御答弁があったように、郵政省がこれまで持たれていた懸念はなくなり、随意契約ではなく競争契約への方向を考えることができるのではないかということを私は思うわけですけれども、郵政大臣、この点について、できれば前向きな御答弁がいただければというふうに思います。
○国務大臣(平林鴻三君) ただいまお答えをいたしましたように、現行制度におきましては、随意契約で行うのが郵便の運送を安定的に行うためには適切であろうかと思います。
 けれども、今後のことにつきましては、やはり郵便物運送の安定的な運行の確保を最重点にしながら、いろんな制度が改まった場合にはそれに対応して適切な方法を考えていかなければいかぬ、そう思っております。
○佐藤泰介君 私も今の答弁を否定するつもりはございません。国民が安定的に郵便事業ができるような方向でこれからも御努力をいただきたいというふうに思います。
 私も、競争契約がすべてよくて、随意契約がすべて悪であるというふうには思っておりません。例えば、競争契約となった軽四の契約でも、非常に低い価格で入札になったため、業者の業務遂行能力に郵便局の職員が不安を感じ、対策委員会を設置してその仕事の支障が出ないような監視や補助をしていることなどの報告も私は聞いております。
 逆に、随意契約では、現場の課長さんが郵便物の増減の目測を誤り、契約業者に緊急に定期便以外の臨時便を依頼した後その臨時便が不要となったことが判明すると、そのトラックが現場に到着した段階でキャンセルし、キャンセル料すら支払われないなど、郵政当局が十分に現場での管理実態を把握していないための契約上の不備が多いことを現場の作業をしている職員の皆さんや業者の皆さんからも聞いております、そうした実態を。
 したがって、今後、こうした問題を解決していくためにも、二〇〇三年の公社化を目指しているわけですから、この随意契約、競争契約の議論を含めて今後の郵政事業のあり方について国民的な議論のきっかけになればということで、きょうあえて前段の随意契約の質問をさせていただいたわけで、あくまでも国民の皆さんが安定的な郵便事業が遂行されることが私は第一だろうと。そして、そこでかかわる方々がきっちりと仕事ができるということが第一だというふうに思っておりますので、検査院も見送った理由の中に、努力中である、そして公社化まで言われたかどうかわかりませんけれども、公社化に向けてのさまざまな課題をこれから郵政省としても解決していかなければならぬだろうというふうに思っての質問でございますので、あえて嫌みを言ったり指摘をしたつもりはございません。その材料として今申し上げたわけで、これからそうした意味での大臣の決意を伺ってこの質問は終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(平林鴻三君) 大変貴重な御意見をちょうだいいたしまして、まことにありがとうございました。
 委員が御指摘のように、平成十五年、二〇〇三年には国営の新たな公社が発足をするということになっておりまして、公社化に合わせて郵便事業への民間参入も予定されておるわけでございます。
 しかしながら、公社化以降も不採算地域を含めて全国あまねく公平にサービスを提供するという郵政事業本来の使命というものは不変である、変わりがないと私は思っております。
 したがって、公社化以降も経費の一層の効率的使用を推進するなど事業財政の健全化を確保しながら、全国の郵便局ネットワークを通じまして、郵便事業を初め郵政事業の使命が果たせますように引き続き努力をしたいと存じております。
○佐藤泰介君 一層の努力を郵政省初め政府にお願いして、ちょっと私、時間がなくなってきましたので、次の人権の問題を官房副長官にお尋ねしたいというふうに思いますが、四問ほどお聞きしたいんですけれども、ちょっと時間がなくなりましたので一問省かせていただくことをまずお許しいただきたいというふうに思います。
 人権問題、特に人権教育・啓発に関連してお伺いをいたしますけれども、政府は推進本部を設置し国内行動計画を作成したということは私は大変評価をしているものでございますけれども、その内実の取り組みの状況はどうかとなると、まだまだ不十分だと私は言わざるを得ないというふうに考えております。
 まず、事務局体制では兼務職員が二名しかおらず、その原因は、人権教育十年推進のための独自の予算措置がとられていないからではないかというふうに思っております。
 また、各省庁の予算措置においても、この人権教育十年関連予算がほとんど一般的な研修関係の中に組み込まれ、取り組みの実態が目に見えて私どもに把握できない。ここにあってここにあってという説明は受けるんですけれども、これだけの予算がこう関係予算としてあるんだよというようなことが私の目からはなかなか把握できないという状況もあるわけでございます。
 ことしはこの人権教育十年の中間年ということもあり、改めて政府がもっと積極的に取り組む必要がある。これは、これまでに警察官の問題、あるいは裁判官のタクシーにかかわる問題、あるいは入管職員にかかわる暴力の問題、本来的には人権というものを積極的に身につけていかなければならない人たちの人権感覚の希薄化等を考えればもっともっと積極的に取り組む必要があるというふうに思いますけれども、副官房長官、このことについての御所見をお伺いしたいと思います。
○内閣官房副長官(上野公成君) 今、委員から御紹介ありましたように、人権教育のための国連十年の趣旨を踏まえまして、平成七年の十二月に内閣総理大臣を本部長とします人権教育のための国連十年推進本部が閣議決定によって決まったところであります。そこで、平成九年の七月に、今お話しのありました人権教育のための国連十年に関する国内行動計画を決定、公表したわけでございます。
 実は、当時、連立与党、自社さでございまして、そのプロジェクトチームがございまして、私もずっとプロジェクトチームの一員としてこれに関与してきたわけでございますけれども、この決定によりまして今お話しのように中間年ということでございます。
 体制についてでございますけれども、人権は非常に各省庁にわたりますので、特に法務省が一番中心であります。それから、外務省、文部省、総務庁、いろいろにわたっているわけでございますけれども、その協力を得て庶務を内閣官房において掌理をしているということでございます。
 この体制が不十分じゃないかというようなお話でございますけれども、人権問題、これは年を追うごとに重要な問題になってくるという認識は私も委員と同じでございます。
 国内行動計画十年というものはそこまでで既に決まって中間年まで来たわけでございますので、その体制も現状を基礎としながら、まだ今御指摘のように警察官だとか裁判官だとか入国管理局の問題でいろんな問題も出ておりますので充実をしていかなきゃいけないと思いますし、予算につきましても、充実をしていくために必要な予算でありますれば確保するように努めてまいりたいというふうに思っております。
○佐藤泰介君 大変前向きな答弁をありがとうございます。
 民主党としても、この人権教育十年の取り組みなどを踏まえて本格的な人権教育を推進していくために、今、人権教育・啓発推進法という法案を準備しているところでございます。与党においても、各与党の国対委員長メンバーによって人権問題懇談会が設置され、同様の内容で法律大綱が確認されていると聞いております。
 官房副長官も座長を務めておられた経緯もあるようですが、それぞれの党が人権教育・啓発ということで法案作成に向けて努力しているわけですから、よりよい内容で法案が実現するようお互いに知恵を出していくことも重要ではないかというふうに考えております。
 そんな点で、官房副長官、御所見があったら、簡単で結構ですからお答えをいただきたいと思います。
○内閣官房副長官(上野公成君) この問題にも経緯がございまして、実は政府の方の方針としては、行財政措置でいいという審議会の答申がございまして、その答申を受けて行財政措置で人権教育・啓発の充実をしていこうと、こういうのが政府の方針でございました。
 しかし、今御指摘がありましたように、与党といたしましては、やはりこれだけでは十分ではないんじゃないかというような意見が大変多くありまして、ここから先はですから官房副長官というより座長をしていた者としてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、与党三党で、今度は自公保の三党で人権問題に関する懇話会というのを設置いたしました。そこで、私が座長として運動団体の責任者といいますか、委員長でありますとか会長、それから都道府県知事の代表の方、それから市町の代表の方、さまざまな方から御意見を伺った上で、人権教育・啓発の推進に関する法律大綱というのをまとめております。たしか五月だったと思います。そして、これを法案としてやる準備を進めていたところでありますけれども、御承知のように選挙があっておりますので、そのままになったわけでございます。
 私は内閣の方に入ってしまいましたけれども、懇話会の方は続いておりまして、また近く会合も開いて今後どうしたらいいかということを協議することになっているというふうにも聞いております。
 それを受けて、今後につきましては国会で御審議をいただきたいと思いますけれども、野党の案も出てきているというふうに私も承知しております。違いもわかっておりますけれども、しかしこれは国会での審議の中においていい方向を皆さんで見つけていただければいいんじゃないかなというふうに思っております。
○佐藤泰介君 私、大変今うれしく思っております。
 官房副長官をあえて指名させていただいたのは、多分前向きな御答弁がいただけるだろうということで、これまでの経緯の中で大変積極的な御答弁をいただいて感謝をまず申し上げたいと思いますが、後段の部分で国会でということがございました。それも十分に承知をしながら、やはりよりよいものをつくっていくということになれば、与野党一緒になって人権教育・啓発が一層推進していけるような法案が作成できればというふうに思っておりますので、日程的には臨時国会前後ぐらいから一緒に討議させていただく機会を、ぜひ与党の皆さんにも政府の皆さんにもお願いしておきたいというふうに思います。そして、そのことはもう御答弁要りませんので、お願いしたいというふうに要望を申し上げておきます。
 この項目の最後でございますけれども、法務省に伺います。
 差別を受けた、あるいは人権侵害を受けた場合の問題について、現在、人権擁護推進審議会で議論がされているようですが、先般、論点整理ということで議論されている内容が公表されています。改めて審議状況とこの論点整理のポイントを伺うとともに、この先の日程も含めて簡単に御説明をいただくと同時に、いずれこの審議会の答申がまとまると思いますけれども、その際、さまざまな方法、例えば地方公聴会、パブリックコメントの募集等々、幅広い国民の意見を集約し反映されることをこれは要望をつけ加えさせていただいて、日程とポイントだけ、もう私の時間が過ぎておりますので、簡単に御説明いただきたいというふうに思います。
○政府参考人(横山匡輝君) お答え申し上げます。
 人権擁護推進審議会におきましては、昨年九月から人権救済制度のあり方に関して本格的な調査、審議を行っておりまして、先月二十八日に、今後論議すべき論点の整理を終え、これを公表したところであります。
 本論点整理におきましては、実効的な人権救済制度を確立するとの観点から、救済の理念と対象、救済の措置、調査手続・権限、救済機関の組織体制の四つの柱のもとに、九月以降論議すべきさまざまな論点が取り上げられております。
 この論点整理に基づきまして、来る九月五日に開催される第四十八回会議からは、各論点について本格的な審議が進められていくものと承知しております。
 また、今後のスケジュールでございますけれども、人権救済制度充実のための基本的な考え方を年内に取りまとめて公表し、広く国民の皆様の御意見を伺う予定である、このように承知しております。
 以上でございます。
○佐藤泰介君 どうもありがとうございました。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋でございます。
 私は、まず財政健全化の問題について、きのうもかなり発言をされていますから、二、三点にわたって質問を申し上げたいというふうに思います。
 まず、バブル経済の後始末に費やした歳月というのを失われた十年というふうに言われているわけですが、とりわけこの十年間は、元気をなくした民間にかわって、公共部門といいますか政府なり地方自治体が財政出動して経済を支えてきたという、そういうことなんですけれども、ただそのことが昨日の大蔵大臣の答弁のように大きな借金を背負わなければならなくなったという、そういう状況になったわけですから、もはやこの方式というのはもう限界に来ているのではないか、私はそう思っているんです。
 そういう観点で、まず経済企画庁にお尋ねをしたいんですけれども、ことし七月に出されました経済白書で、日本の財政赤字については持続可能とは言えないというふうに指摘をされていますけれども、これは、もうこのままほうっておけば、このままの道を進めば日本は財政破綻を来すと、こういうことだろうというふうに思うんです。その辺の認識を含めて御説明いただけませんか。
○政務次官(小野晋也君) ただいま委員から御指摘がございましたとおり、平成十二年度経済白書におきましては、我が国財政の持続可能性についての検討を行っております。その中で三つの観点からの指摘をさせていただいているわけでございます。
 まず第一につきましては、公債残高の対名目GDP比というものが発散過程にあるか否かという点についての検討でございます。近年の状況を御報告申し上げますと、税収等だけでは公債費を除いた歳出を賄い切れない、そして公債残高が累増する状況となっているという意味におきまして、財政というものが持続可能であるということは言えないと、こういうことを語っております。
 それから、第二の点といいますのが、現役世代と将来世代の負担の格差というものが果たして妥当であるか否かという問題でございます。最近の研究におきまして、今後予想される人口の高齢化を背景として、我が国が先進国中最も世代間負担の格差の大きい国の一つであるということが実は指摘されているところでございまして、この意味でも財政の持続可能性を保てないということになるわけでございます。
 それから、第三の基準というものが、財政赤字のマクロ経済への影響が耐え得るものであるか否かという点でございます。これまでのところ、財政赤字が長期金利の上昇などの形でマクロ経済に悪影響を及ぼすところには至っていない状況ではございますけれども、仮に今後大幅な財政赤字が継続したり国内の貯蓄超過幅が縮小してくるといったような事態が起こってまいりました場合には長期金利が上昇してくる可能性があるということでございまして、この点にも大きな問題が起こり得るということでございます。
 以上によりまして、我が国の巨額の財政赤字というものはこれまでのところは経済に悪影響を与えるという事態には至っていないということでございますけれども、それが将来にわたって持続可能であるということは言えないというのが現在の認識でございます。
 そのために、中長期的にはその財政の赤字を削減していく必要があるということでございますが、しかし財政再建を行うにはまず経済の再生ということが必要である、この本格的な回復をまず追い求めるべきであるというのが経済企画庁の考え方でございます。
○高嶋良充君 今、三つの基準を言われました。今のところはまだそう大きな影響はと、こういうことですけれども、しかし将来にわたっての課題もございました。私はこの際、財政構造改革に踏み出すべきではないかなというふうに思っているんですが、そこで次に大蔵大臣にお伺いをします。
 昨日の大蔵大臣の答弁を聞いていますと、財政健全化に進まれようとされているという姿勢はうかがえるんですけれども、どうも明快なメッセージというかインパクト、財政再建にこれから踏み出すんだというそういうメッセージが伝わってこないんですね。
 昨日の答弁で、景気刺激型予算はもうやめたい、こういうことを言われました。それと、国債の発行額は減らしたい、こういうことも言われました。これはきのうの概算要求でもそういう方向性というのはやや見えているかなというふうに、その辺は評価をするんですけれども、ただ三百五十兆円の国の借金残高のうちの六割を占めると言われる建設国債、とりわけ公共事業の関係ですけれども、これらについては横ばい、従来のままだと、こういう状況ですから、その辺のやっぱりインパクトが弱いのかなというふうに思っているんです。
 そこで大蔵大臣、小渕前首相の直属の経済戦略会議が、二〇〇〇年までは景気対策を、そして二〇〇一年からは財政改革に乗り出すべきだというふうに九九年に答申をされておりますけれども、来年から財政構造改革のスタートを切ろうというおつもりはございませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 戦略会議がそういう議論をいろいろしていらしたときのことを私も伺っております。私が別に違う考えを持っておるという意味で申し上げているわけではありませんで、一般に考えまして、とにかく不況の脱出のめどがつくということがなければなかなかまいらないということでありますが、非常に簡単に申しますと、財政再建と申しましても、昨日も申し上げましたが、それは財政ばかりでなく、税制、中央、地方の関係、社会保障、いろんなものを含むとは思いますが、その中心になる財政そのものについても、どのぐらいな租税収入があるかということの見当が全くつかなければ再建の計画の立てようがないということでございますね。それはつまり、成長に引き直してプラスの成長になりませんと税収は減るということでございますから、プラスの成長に、どのぐらいのステディーに循環過程に入るかという、それはいつからであろうかということに結局一番関係するだろうと思います。
 それで、戦略会議も二〇〇一年と言われましたのは、多分その辺からプラスの成長過程がほぼ定着して、ある程度仮に二%とか何とかいうことが定着をして、したがって税収の見通しが立つようになると。何しろこれがありませんとその財政再建計画というのは立てようがありませんので、そういうことをああいうふうに言われたんだろうと思います。
 それは、今で申しますと二〇〇一年というのはちょっと早いかもしれませんと思いますが、しかし、そもそも財政再建計画というものは、先ほども申しましたようにいろんなものを同時的に含まなきゃなりませんから、これは政府が決めたわけではありませんが、やはり何かマクロモデルのようなものでもつくりませんと、そういう幾つかの要因を同時に満足させるという答えは出てこないという性格を持っておりますので、そういう準備なんかをいたしますともうすぐに一年近くかかりますので、そういう意味では私は、新しい省庁再編がちょうどまたそのころにできることになりますので、そこらでやっぱりそういう準備を始めることが大事ではないだろうかということを私見としては持っておるわけでございますけれども、まだ省庁再編もできませんので、一応ただいまとしては将来の問題ということでございます。
○高嶋良充君 宮澤大蔵大臣が以前から言われているマクロモデルの関係については、後で地方財政のところとも関連をしますので、そこでまた詳しくお伺いをしたいと思います。
 しかし、いずれにしても、財政再建に取り組んでも大丈夫な経済状況というのは、多分経済成長率二%ぐらいを想定されておるんではないかなというふうに思うんですが、昨年が〇・五%ですか、ことしは多分宮澤大蔵大臣も一%ぐらいの成長は可能だろうというふうに見込まれているということを報道でもお聞かせいただきましたけれども、そういう意味では徐々に上昇気流に乗ってきているのかなというふうに思っていますので、やっぱり来年度ぐらいから、もうことしから準備をして来年度できるような状況というのをこのマクロモデルの関係も含めて御要望しておきたいというふうに思っております。
 時間の関係がございますから、あと二点ほど大蔵大臣にお尋ねをする部分もありましたけれども、この部分は先に進ませていただきます。
 次に、外形標準課税の関係についてお伺いをしたいと思いますが、まず自治大臣、東京都と大阪府でいわゆる銀行税、銀行税の条例が成立しているんですけれども、これについて政府としてどういう考え方を持っておられるのかということと、それから私も、銀行税だけということになると税制や経済活動に与える影響はやっぱり大きいかなというふうに、影響というよりも弊害があるかなというふうに思うんですけれども、それでも首都東京と第二の都市の大阪で導入されたというこの実績というのもこれまた重く受けとめなければなりませんから、その辺の自治体の意図をどういうふうに理解されておるのかということと、それに対して善後策をどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。
 東京都と大阪府の銀行業等に対する外形標準課税については、委員御指摘のような状況でございます。しかし、極めて厳しい地方財政の現状等を背景とした地方分権という観点から一つの試みであると私は考えております。去る二月二十二日の閣議口頭了解にあるように幾つかの問題を持っておりますけれども、しかし、このことは大変当面の重要な課題だと、こう考えております。
 そこで、自治省といたしましては、全国知事会からの御要望もあり、あくまでも政府税制調査会においてこれまで論議された方向に沿って、都道府県において幅広い業種を対象にいたしまして、そして税の基本である広く薄く公平にやっていくという観点から負担を求めるということになってくると、この問題についても、外形標準課税の早期導入について具体的な検討を進めていかなければいけない、このように考えております。
○高嶋良充君 外形標準課税の検討を進める、こういうことです。
 これは確かに二都市が導入したというのは、やっぱり国が長年外形標準課税の導入を先送りしてきたということに対する抗議の意味も込められているのではないかなというふうに思うんですけれども。
 そこで、外形標準課税の導入時期の問題について伺いたいと思うんですが、七月十四日に政府税調が中期答申をされています。そこでは、一律導入の時期は景気の状況を踏まえつつ早期に導入を図る、こういうふうに答申をされているわけですね。これは先ほどの財政再建の時期の問題とも絡む考え方だろうというふうに思うんですけれども。しかし、具体的な時期はそういう意味ですから示されていない、こういうことなんですけれども。
 しかし、このような銀行税のようないわばいびつなる外形標準課税がこれ以上広がるとやっぱり税制的にも大変な問題が起こるんではないかというふうに私は危惧をしておりまして、そういう意味では、早期といってもやっぱり二〇〇一年の四月から外形標準課税を導入すべきではないかというふうに思うんですが、自治省のお考え方はどうでしょうか。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。
 法人事業税への外形標準課税の導入につきましては、御指摘のとおり、地方分権を支える安定的な地方税源の確保に資するものであるとともに、応益課税としての税の性格の明確化、税負担の公平性の確保、経済の活性化、経済構造改革の促進等の重要な意義を有する改革であります。地方団体にとってもその早期導入が緊要な課題となっております。
 外形標準課税につきましては早期に導入を図ることが望ましいと私は考えておりますが、具体的な時期については景気の状況等も踏まえつつ総合的に判断するものと考えております。
○高嶋良充君 通産省にお伺いしたいんですけれども、通産省は外形標準課税の導入に反対とは言われていないんですが、非常に消極的というふうに聞いておるんですが、通産省の考え方をお聞かせいただけませんか。
○政務次官(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
 地方の財政問題については、国と地方の税財政全般にわたる見直しを行う中で地方の自主財源を充実させていかなければいけないというふうに考えておりますが、外形標準課税の問題につきましては、中小関係の諸団体あるいは経済関係の団体あるいは税理士会から、この外形標準課税を導入することによって、そのことが雇用あるいは投資に極めて悪影響を与えてしまうということで強い反対の要望が寄せられているところであります。世界の潮流を見ても今の状況ではこれに逆行する流れになるというところもございますので、通産省といたしましては極めて慎重にこの問題には対応をしていきたいというふうに思っております。
 特に、通産省としましては、やはり景気を民需主導で本格的に回復して、そして多くの法人に納税をしていただく、その環境をしっかり整備をしていくことだというふうに思っておりますので、その環境整備のために全力を挙げていきたいというふうに考えております。
○高嶋良充君 自治省では具体的な外形標準課税の検討に入られたということも報道でされていたんですけれども、課税基準や税率という問題と同時に、今通産省からも問題点等も指摘されていますけれども、とりわけ全国知事会も要望していますが、スムーズな導入を図るためにも赤字法人や中小企業などの負担の軽減策あるいは激変緩和措置というのも要望していますけれども、それらも含めて検討を具体的にどのようにされているのか、御説明いただけませんか。
○国務大臣(西田司君) 現在、自治省におきましては、法人事業税への外形標準課税の早期導入に向けて、さきの政府税制調査会の中期答申で示された諸課題、すなわち税負担変動への配慮、それから中小法人、ベンチャー企業の取り扱い、それから雇用への配慮等につきまして具体的な検討を進めておるところでございます。
 特に、委員からもお話がございましたが、赤字法人や中小企業などにつきましては、応益原則に基づいた薄く広い税負担の実現という観点を踏まえつつ、その担税力にも配慮した組み立てをすることが非常に大切で適当であろう、こう考えております。
○高嶋良充君 この問題の最後に大蔵大臣にぜひお願いして考え方をお聞きしたいんですが、これは御承知のように、一九四九年のシャウプ勧告以来の地方自治体の東京側にとっては非常に切望している課題なんですけれども、都道府県財政が非常に空前の危機に立っているということと同時に、先ほども出ていましたけれども、公共サービスを安定的に供給するという、景気に左右されないでという観点からすれば、この方式がやっぱり必要だというふうに思うんですけれども、政府としてこの実現に全力を傾けていただきたいなというふうに思っているんですが、大蔵大臣の考え方はいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) まことに地方税、地方財政の現状というのは非常に国と同じぐらい難しいことになっておりますので、自治大臣と私と予算編成のときにいつでも特別に御協議を毎年ここでいたしてまいりましたし、もう国とか地方とか言っていられないというようなお互いに差し迫った事情にございます。
 少し先の問題としては、どうしてもこれは財政再建のときに中央、地方の行財政の全部の見直しをいたさなければならないというのがもうすぐそこの問題だと思っておりますので、ここは一年でも二年でも、それまでの間のつなぎを一生懸命お互いにやっていくというふうなことで、今自治大臣と私とでしておるわけでございます。
 それで、それとの関連におきまして、今の外形標準の話は自治大臣も答弁されましたし、通産政務次官も答弁されまして、非常に端的な問題は、従来の所得課税でございますと所得のないところには課税がないわけでございますので、法人の半分以上はこれを納めていないわけでございますから、それを他の基準で課税をするとなれば、とにかくゼロの負担から何がしかの負担にふえるということだけは間違いないものですから、仮に地方の商工会議所のメンバーなんかからいえば、もう半分以上が反対、賛成の方はいらっしゃるかもしれないが、自分は得になることは何もないわけですから積極的に賛成とおっしゃる方もいないというその状況をどうするのかということで、言ってみれば、従来所得課税をしておりましたが、なかなかそうばかりもいかないなということに、ある程度は所得以外の課税標準をつくるということに納税者に賛成をしていただくということから始めねばならないのではないだろうか。
 東京やなんかでああいうことがございましたのは、ある意味ではそれに向かってのいい刺激に、殊に自治体の側からすればお気持ちになりましょうから、それが促進に役に立てばいいなというのが、私は、自分の国税でないものでございますから多少、何と申しますか、だから心配していないという意味ではなくて、自分の所管でないという遠慮がございますけれども、そんなふうに思っております。
○高嶋良充君 ぜひよろしくお願いしておきたいというふうに思います。
 次に、これに関連して地方財政の健全化について伺いたいというふうに思いますが、平成十年度の地方自治体の決算報告書では、もう地方自治体の財政というのは深刻な状況になっているというふうに思うんですが、どのように認識されているのか、説明いただけますか。
○国務大臣(西田司君) 先ほど大蔵大臣も、国も地方も極めて財政的には厳しい状況にあると御指摘ございましたが、特に現下の地方財政は、我が国の厳しい経済状況を反映いたしまして、年々残念なことに悪化をしております。
 そこで御質問の、状況はどうかということでございますが、平成十年度決算における実質収支が赤字の団体は、四都府県、それから二十八市町村等の三十二団体で、九年度に比べ十九団体ふえておるわけでございます。さらに、平成十二年度末には、地方の借入残高は御案内のように百八十四兆円を超える見込みでございます。また、地方公共団体の平成十年度の経常収支比率を見ますというと、八九・四%、前年度から二・〇%上昇するなど、さらに硬直化が進む状況にあると、こう見ておるわけでございます。
 このように地方財政はマクロ的にもミクロ的にも極めて厳しい状況にありますので、そのことにどう対処、対応をしていくかということは、国としてあるいは自治省としての重要な課題であると考えております。
○高嶋良充君 非常に深刻な状況になっているんですけれども、やっぱりこの原因は何といっても、先ほどからも出ていますけれども、不況による法人関連の税収の落ち込みというのと、もう一つは国の政策としての景気対策に地方自治体も動員をされた、その二つが原因ではないかというふうに思うんですが、そういう原因も踏まえて、自治大臣、地方財政の再建策について伺いたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 失礼しました。
 厳しい地方財政の状況に対応する当面の財政運営といたしましては、まずは景気を民需中心の本格的な回復軌道に乗せていく、これに全力を投球すべきであると考えております。また、歳入面においても地方一般財源の収入増を図るとともに、歳出面において行財政改革を推進することにより歳入歳出のギャップを抑制することが、これはもう避けて通ることのできない必要なことだと考えております。
 また、景気の状況を見きわめつつ、国と地方の税財源配分の見直し、国庫補助負担金の整理合理化等、地方財政の諸課題について幅広くしっかりとした検討を行いまして、地方財政の健全化、地方団体がより自主的、主体的な行財政運営を行えるように財政基盤の充実強化を図っていくことが非常に重要である、こう考えております。
○高嶋良充君 地方財政の再建策について、一つは景気が回復をして税収増になればという、こういうことが言われます。ただ、これは私もいつも委員会でも言わせていただいているんですが、今までの地方財政危機は戦後三回ほどありましたけれども、これはすべてその後の高度成長で税収が回復をして、基本的にはそれでしのいできたんですけれども、ただもう二十一世紀に向けて低成長の時代と言われている中で、そのことで解決するというのは若干やっぱり甘いのではないかなというのが一つです。
 それから、地方自治体の歳出削減の努力、これもやっぱり必要でしょう。ただ、景気対策で歳出拡大をしてきたという、景気のために国と自治体が二人三脚でやってきた部分を、またそれだけに押しつけるというのも、これはまた一つ問題点を指摘せざるを得ないというふうに思うんですね。そういう観点からいうと、自治大臣が最後に言われたように、国と地方の税財源のあり方の問題を、これをやっぱり抜本的にやるべきではないかなというふうに思っているんです。
 私は、地方税充実の二つの回路は、今申し上げました国と地方の税財源の配分というのは一つ大きな課題としてあるでしょう。もう一つは課税自主権を拡充する、こういうことなんですけれども、ただ、課税自主権を拡充すると言ってもこれはそうたやすいものではありませんので、そういう観点から言っていくと、まずやらなければならないのは国と地方の税源配分、これの見直しだというふうに思っているんです。
 四月に地方分権法が施行されました。このことによって仕事は分権されたんですけれども、お金の分権はされていないわけですね。これはもう大蔵大臣の方で握っておられるわけですけれども。
 そこで、大蔵大臣にお伺いしますけれども、昨年六月十四日の参議院本会議で大蔵大臣は、我が国の経済が仮に年率二%ぐらいの成長軌道に乗ったと判断するとき、国と地方の行財政の再配分を検討していく、こういう答弁をされています。
 先ほども若干申し上げましたけれども、一般的には景気は回復軌道に乗ってきているのか、〇・五からことし一、来年さらにと、こういう状況になりつつあるというふうに私どもは思うんですけれども、そういう中では早急に税財源の移譲を行うための検討機関ですか、そういうもので早期に見直しを図っていただきたいなというふうに思うんですが、それをどのような場でどのようなプロセスで見直しをしていかれようとしているのか、大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 自治大臣にもお考えがおありと思いますので、さしずめ私というお尋ねと承ります。
 冒頭に申し上げましたように、私は財政再建という問題とこの問題はどうしても切り離せないと考えておりまして、財政再建の時期がさっきから言われますようになるべく早くということですが、そのときにはもう即地方と中央との、私は、今、委員は財政のことをお話しされましたが、すぐにやっぱり行政のことがそれにくっついてくると思いますので、地方分権もそうでございますが、行財政の再配分というものに取り組まざるを得ないのであろう。それは財政再建の一環であり、また最も大きな部分にならざるを得ないかと思っております。
 このことは戦後何度も何度も言われまして、その都度余り手術をせずに参りましたけれども、今度ばかりはもう中央も地方も財政的にどうしようもなくなりまして、この二、三年、西田さんと私で継ぎはぎ継ぎはぎでやってきましたけれども、もう何年もこれはできないことが明らかになっておりますので、自治省も大蔵省もそういう見地からもこの問題に一番早い機会に取り組まざるを得ない状況になっておると判断しております。
○高嶋良充君 そこで、ちょっと時期の問題もあるんですが、大蔵大臣、先ほどマクロモデルという言葉を、きのうからも使っておられますが、「閣僚に聞く」という部分でもそういうことを言っておられるんですが、中央と地方の関係、税制、財政含めて、それらも含めてマクロモデルをつくって国民に選択肢を示したい、こういう表現をされています。
 このマクロモデルをつくるのは、諮問会議か何かを置かれてやられようとしているのか、それともそのモデルをいつからつくられるということにされているのか、その辺ちょっと具体的に。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは先ほども私が個人として思っていることだと申し上げましても半年以上前から申し上げておるわけですが、恐らく省庁再編成ができましたときに、総理大臣の手元にそういう財政何とか会議とかいろんなものが今の経済企画庁等と一緒になってできるわけでございますね。それで、従来でございますとこういうマクロモデルは経済企画庁がつくっておりました。それはある意味で経済企画庁の研究所でやっておったわけでございますけれども、今度の新しい組織になりますと、中央に総理大臣を中心にそういう機能が民間人も入られる諮問会議もできたりしてつくられるわけでございますね。
 そこの一番最初の仕事というのは、それはまた二十一世紀における日本の経済社会のあり方ということになると思いますが、財政とか税制とか、中央、地方の関係とか社会福祉政策全般、それをどうしてもせざるを得ないと私は思うわけでございますが、その場合にはやっぱり中央にみんなが集まってマクロモデルをつくる作業をせざるを得ないのではないだろうか。
 マクロモデルができたからといって答えが御承知のように出るわけではございませんけれども、この時代におのおのの役所が自分のところだけで計算をしておってもこういう大きな仕事はできないし、またそういうプロセスを経ないと国民的な合意が生まれないだろう。やっても生まれない心配がありますけれども、そうでなければなお生まれないと思いますので、きっとそういうふうになるのではないか。ただ、それは、そういう新しい中央の再編成ができましたときに総理大臣が方針として相談の上、示されることにならざるを得ないだろう。ただ、そういうモデルをつくる技術は経済研究所は既に持っておりますし、各省庁も持っておられるかもしれません。ですから、それを一緒になって作業をするということになるのであろうかなと。
 ただ、その作業の手続なりモデルのつくり方なりというのは、もう半年はすぐたちますので、なるべく早く着手すればいいんじゃないかなと私はかねて個人として申し上げておりまして、新しい再編成ができました後でそういう御議論になっていけばいいがなというふうに自分としては期待をしておるということでございます。
○高嶋良充君 時間の関係もありますので、自治大臣には最後に決意をお伺いさせていただくということで、次に、もう一つの回路の課税自主権の関係なんですけれども、今各地方自治体では環境税的なものに関連する自治体独自の課税を検討されておるとか、この間テレビを見ていましたら、河口湖に関係する町村が魚釣り税を取るんだとか、いろいろ創意工夫を凝らされているようですけれども、そういう自治体がみずからの知恵と責任で増収を図る道も広がるということは、課税自主権あるいは財政の自治からというのは私は評価をするわけですが、それを自治体がやっていくための体制づくりというのはこれはやっぱり急務だというふうに思っています。
 そういう観点を含めて、自治省の方では、地方における環境関連税制を検討するための研究会とか地方税財政基本問題懇話会なる研究会も設置されておるというふうに聞いておるんですが、その目的と検討内容についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) もう時間がなくなりましたけれども、ちょっと触れさせていただきますと、たびたび繰り返しておりますように、地方財政は国と同様、容易ならない状態になっておると思います。いろいろな税の配分問題等はございますが、今、委員が御指摘になりましたように、自主的に地方がやれるものはできるだけやっていかなければいけない、こう考えております。
 その中に、一つはやっぱり地方行革を思い切ってやって経費削減をしていく。そして、新たな問題は、今環境税の問題をお話しになりましたけれども、そういうことに取り組んで、何としてでもこれからの地方財政というものを安定、充実させていかなければいけないということで、現在、自治省で特に重点を置いて研究、検討しておるところでございます。
○政務次官(荒井広幸君) 大臣から総括的なお話がございましたけれども、いわゆる課税自主権につきましては、地方分権一括推進法の中で例えば法定外目的税等を創設したところでございますが、今ほどのお話にありましたように、地方における環境税制に対する勉強、取り組み、こういったもののまだ具体的な条例等では相談がございませんが、各種の取り組みがあると聞いております。
 そういうことも含めまして、自治省におきましては、地方における環境関連税制のあり方に関する研究会、そしてまた地方税財政基本問題懇話会、こういったものをつくりまして、幅広く各界各層の専門家や有識者の広い御意見、御論議を参考といたしまして、地方分権を支える地方税体系の構築に対応していきたいと思いますし、また各地方自治団体にとりましても、地域のまさに実情に即してこれらが参考になるということを期待しているところでございます。
○高嶋良充君 課税自主権という観点からは、体制づくりのためにいろんな手だてを自治省が寄与されるということについては私は評価をしておきたいと思います。
 ただ、どう創意工夫を凝らしても、今の地方財政百八十四兆円の借金残高を二〇〇〇年度末には抱える、こういうことなんですけれども、焼け石に水であることは事実なんですね。
 だから、制度的にそういう形で自主的にやれるということについては評価しますけれども、法定外普通税や法定外目的税を幾らかき集めても焼け石に水だというそういう状況もありますから、まずやっぱり第一に必要なのは地方税制を含めた構造改革、それから当面は外形標準課税あるいは地方六団体が要望していますけれども、地方消費税の比率をふやしてほしいというふうなことも言われていますけれども、そういうことをまず当面早急に見直しを図っていただいて、次に宮澤大蔵大臣が言われているように、国と地方の制度改革に具体的に検討に着手をしていただいて、それを実現していただく。
 そういうやっぱりプロセスをきちっとして、地方財政の危機を何とか国、地方挙げて乗り切っていただくように、これはもう答弁要りませんので御要望として申し上げて、時間が参りましたので終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○海野義孝君 公明党の海野でございます。
 本日は、青年海外協力隊の問題につきまして、ただ一点だけで外務省に対して御質問をしたいと思います。
 この問題認識につきましては、一つは本年が海外経済協力隊創設三十五周年であるということ、それからもう一点は、先般国際会議で海外出張した際に青年海外協力隊の方々と懇談する機会があって、いろいろな問題をお聞きしましたので、この機会に政府当局にいろいろとお伺いしたいということでございます。
 時間がごく限られておりますので早速本論に入りたいと思いますが、ただいま外務大臣はたしか中国へ出張されている。きょうは答弁に立っていただくのは総括政務次官の荒木先生と思いますけれども、つい先般、先週はたしかドミニカを初めとして中南米の方を駆け回ってこられたということで、大変お疲れのところ御苦労さまでございました。
 外務省、大変御多忙ですから、この際そういった質問をするのもいささかどうかとも思いましたけれども、私の所属している委員会ではなかなかお話しする機会がありませんので、この際申し上げたいと思うわけでございます。
 青年海外協力隊ということでございますが、若干その前言葉として申し上げるならば、我が国のいわゆる政府開発援助、ODAの援助形態の中に贈与と借款とありまして、その贈与の中でいわゆる無償資金協力と技術協力があるということでございます。技術協力については画一的な定義というのはないようでありますけれども、我が国のODAにおける技術協力という点はどういうふうに言っているかといいますと、国づくりの基礎となる人づくり、これは相手の国のことですけれども、を目的とする言うなればソフトウエア中心の援助形態である、我が国のODAにおける技術協力についてはそういうように言っているわけでございます。
 そういった中で青年海外協力隊、これはいわゆるJICA、国際協力事業団、この団の法律の中におきましては明確な定義はされていないわけでありますけれども、しかしJICAの技術協力事業というのは大きく言いまして七つあるということでございまして、その中の一つとしてこの青年海外協力隊というのが位置づけられているというように理解できるわけでございます。
 そこで、まず青年海外協力隊について、ごく簡単にこれまでの歴史とか、どういう分野に派遣されているのであるとか、あるいはどのぐらいの人たちがこれまでに派遣されたとか、あるいは現在はどのぐらいの人がどのぐらいの国に何人ぐらい行っているかとか、あるいは協力派遣関係のそういう事業の予算というのはどのぐらいであるかとか、まずそういうあらましを最初にちょっとお聞きした上で私のお聞きしたい本論に入りたいと思うんですが、よろしくお願いします。
○政府参考人(西ケ廣渉君) お答えさせていただきます。
 青年海外協力隊の事業は、昭和四十年にラオスに派遣した件が最初でございました。ことしで三十五年目を迎えております。
 協力隊の事業は、一貫して我が国の青年が海外での協力活動を促進するという観点から行っておりまして、技術技能を持っている二十歳から三十九歳の青年男女を開発途上国に派遣して地域の住民と生活をともにしつつこれら諸国の経済社会の発展に協力することを目的としております。
 現在、六十二カ国に約二千七百名を派遣中でございます。今までの累計で申しますと、六十九カ国に対して二万人以上の派遣を行ってまいりました。
 派遣の分野は、教育文化、農林水産、保健衛生、多岐にわたっております。現在の活動の職種は百四十種類でございます。
○海野義孝君 JICA全体の予算、それから派遣事業、これについては年間どのぐらいの予算、あるいは人数予算というのはどのぐらいになっているかはいかがでございましょうか。
○政府参考人(西ケ廣渉君) ちょっと今手持ちの資料がございませんので、調べてすぐにお答えをさせていただきます。
○海野義孝君 ちょっときょう私の御質問もいろいろと考えまして変わってきましたので、多少御答弁に御迷惑をかけている点はお許しいただきたいと思いますが、そこでまず政務次官にちょっと教えていただきたいのでありますけれども、私が海外へ、先月ルーマニアに欧州安全保障協力機構の議員会議というのがございまして、それに自民党の方と二人で参りました。その時間の合間を縫いましてルーマニア在住の青年海外協力隊の方々、現在十八名いらっしゃるそうですけれども、その中で九名の方が集まっていただきまして、昼食をともにしながらいろいろとお話をしました。
 その中には、もう帰っておられるわけですが、来週日本に帰りますという、現在は何か二年に変わったそうですけれども、三年の勤務を終えて帰られるという方もいらっしゃいましたけれども、その中には五百キロぐらい離れたところから一日かけてバスで乗り継いできたという方もいましたし、ブカレストの市内の病院に勤めているという看護婦さんもいらっしゃいましたし、あるいはスポーツのコーチの方であるとか、あるいはプログラマー関係、そういったことの指導であるとか、さまざまな方がいらっしゃったわけでございます。
 そこでのお話で、一番深刻に私には聞こえたのは、そういった方々が二年間の海外派遣の勤務を終えて帰国されるということでございますけれども、その場合の我が国での帰国した方々の支援体制というのがどうなっているかという点、特に日本へ帰ってから、つまり仕事にありつけるかどうかという点で大変心配をされていたということなんです。
 私もちょっと資料を見てみましたら、日本に帰ってこられた方々、いろいろなところに就職される、復職される、いろいろいるんでしょうけれども、四分の一ぐらいの方はなかなか職につけないというような深刻な話があるやに理解したんです。
 そんなこともありまして、皆さん方のおっしゃる点はやっぱりそうかなというように感じたわけでございまして、そういう点で、大変前言葉が長くなりましたけれども、やはり現地での活動の問題よりも帰国後の進路の問題ということでございます。要するに、せっかく技術を持って海外で貴重な経験をされるわけですけれども、それを生かす場が帰ってからなかなか見つからないという不安感があるということですので、そういった点で帰国隊員の進路の相談とかいろいろな面、求人情報の問題であるとかいろいろなことがあろうかと思うんです。
 年々国内においてもJICAを初めとして力を入れていらっしゃるように聞くんですが、その点、具体的に今どういったようなことを帰国したそういった方々に対しては手だてというかされているかということと、それから帰国後の進路については万全な体制及び現状はどうなのか、大変厳しいのか年々よくなっているのか、いろいろそういった点について、総論的で結構ですけれども、まずお願いします。
○政務次官(荒木清寛君) 従来から、御質問のありました青年海外協力隊の帰国後の就職対策につきましては、協力隊員派遣事業の拡充と表裏一体をなす重要な課題の一つであると認識をしております。
 現在、非常に厳しい経済情勢の中ではありますが、進路カウンセラー、企業懇談会等を通じた民間企業への働きかけを初めとしまして、官民双方の協力を得られますよう種々の対策を講じてきております。例えば進路相談カウンセラーにつきましても、平成十年は十五名でしたが、十一年度は十八名に増員をいたしまして、充実をした対策を努力しております。
 帰国隊員は、隊員として得られた経験を生かしましてさまざまな職業についておられます。例えば平成十年度に帰国をした隊員の進路につきましては、復職をした者を除けば、民間企業、中央官庁、地方公共団体等が挙げられます。
 先ほど申し上げましたように、大変今厳しいそういう全体の経済情勢の中ではありますが、今後とも帰国隊員の就職問題に対する支援の充実を図りつつ協力隊事業を発展させていく決意であります。
○海野義孝君 あらまし現状については把握できるわけでありますけれども、もうちょっとその点少し突っ込んでお聞きしたいんですけれども、今のお話でもやはりそういったカウンセラーの方々を増員したと、これは予算を伴うということでございますけれども、具体的にその支援体制については、そういうカウンセラーだけでなくして、例えばJICAにおきましても支援体制についての人員とか予算の整備充実であるとか、そういったことが必要だと思われますけれども、そういった点での人員とか予算の措置、こういった点では十分に対応されているかどうか。例えば年々そういった分野につきましては予算がふえているかどうかとか、そういった点はいかがでございましょうか。
○政府参考人(西ケ廣渉君) ただいまの御質問でございますが、その前に、資料を見つけましたので、国際協力事業団の全般の予算でございますが、平成十二年は一千七百九十二億円となっております。そのうち青年海外協力隊に関する事業につきまして二百十五億円を支出しております。これは平成十二年度でございます。
 そのうち、就職関係でございますけれども、就職関係につきましては、帰国後の隊員の手当てでございますが、進路のカウンセリング、それから民間企業への働きかけ、また隊員への就職情報の提供等を行っておるわけですけれども、こういうことにかかわる費用といたしまして平成十二年度につきましては二億二千万円を計上しておりました。これは、趨勢といたしましては微増でございますがふえつつある項目でございます。
○海野義孝君 私、知らないようなことでございましたけれども、大変詳しく説明いただきましてありがとうございました。
 今の協力隊派遣関連の二百十五億、御答弁は要りませんけれども、かなり伸びているという感じがいたします。私が調べた前年と比較すると相当伸びてきているということで、そういった面では、帰国される方々に対しての今おっしゃったような点でも大変な手だてをされるように努力されているということについては大変敬意を表したい、このように思います。
 次に、これは今我が国におきましても大変話題といいますか、産業、日本の新生においての中核となっているIT絡みの問題でございますけれども、今デジタルディバイドという問題が国内におきましても、言うなれば大変深刻というか、これから深刻になっていくのではないかと、そういういわゆる理解度等の格差の問題ということでございます。
 これは、海外に派遣されているそういった方々にとりましても、私が行きましたときにも、やはりそういったプログラマー関係であるとか、そういうソフト分野のコンピューター絡みについて指導されているような方もいらっしゃったわけですが、要するに、行っている間に世界的にこういったIT分野等の技術は長足な進化をしているという中で、そういった人たちが技術的な面で相当な努力はされていると思いますけれども、やはりそういった、そう言っては失礼ですけれども、発展途上の国々に行って指導されている中では、自分たちが先端の分野からはやや置き去りになっていくというか、おくれをとるんじゃないかというような点での心配をするわけでございますけれども、そういうような現職の、現在現地に派遣されている方々の支援体制についての強化、例えばこういう今申し上げたようなこと等について、これは現地の方々からもそういうような意見がありました。
 この点、例えば派遣期間中及び帰国後のフォローアップ体制、そういったものをやはり早急に整備強化する必要があるんじゃないか、このように思いますけれども、現状と今後の対応についてはいかがでございましょうか。
○政府参考人(西ケ廣渉君) 今、先生御指摘のITの分野での変化でございますが、非常に長足な進歩を遂げておりまして、日々変化しております。
 海外派遣中の青年海外協力隊の隊員につきましては、派遣中におきましてはJOCV、協力隊のニュースというのを定期的に送っておりますけれども、そういうような中、あるいは技術情報の雑誌を送るとか、あるいは技術的な面でのカウンセリングを定期的に行っておりますけれども、そういう場においてデジタル分野での進展におくれないように配慮してきております。また、帰国に当たりまして、帰国後の研修を行っております。そこの研修の中でもこういうコンピューター関連の情報技術の分野を含めております。
 御指摘の点でもございます。さらに今後一層この分野に対する熱意と教育、研修を強化してまいりたいと思います。
○海野義孝君 最後に、政務次官にもう一問お願いしたいと思います。
 技術協力の一層の推進ということについての御意見あるいは御決意をお聞きしたいというわけでございますけれども、先般ルーマニアに参った際の協力隊員の方々との話の中でも、あるいは病院等の施設も視察いたしましたけれども、大変感謝をされているわけでございまして、日の丸印の入った医療機器等が病院の中にも設置されているのを見て、そこでまた日本から派遣されている看護婦さんたちが働いているということで、そしてまた向こうの病院長あるいは看護婦長の方々も大変感謝して時間を割いて私ともう一人の議員の方に対して大変詳しくいろいろお話がありました。
 それは、もう一つは、もっともっと今後いろいろな人的な面あるいは機械とか、そういう面でも協力をお願いしたいと、こういうような切なるお話ではなかったかと思いました。
 向こうで感じたことは、ソフト面、衛生面とか医療技術、こういった面での水準がやっぱりおくれているなということを感じたわけでございまして、そういった面では、我が国からのそういう技術協力というのは大変重要な役割を担っていると、こういうふうに思うわけでございます。
 そういった点で、この青年海外協力隊員の方々というのは、技術協力のいわゆるマンパワーとしての大きな働きを行っているわけでして、派遣が終わってからもさらに技術を磨いて経験を生かし、将来においても貴重な戦力となる可能性を持っている、こういうことでございます。
 そういう点で、こうした青年の方々が国際社会に対する我が国の貢献の貴重な財産となって、また閉鎖的とも言える日本の社会全体に刺激を与えていくということにもなると思われます。そういう意味でも、こういう技術支援の分野だけでなくして、教育の現場とか地方団体、企業、NGO、NPO等とのネットワークを強めて、外交や国際貢献にとどまらず、足腰の強い日本社会を築き上げるための制度として充実を図っていく必要があると、このように思う次第でございます。
 ちょうどことし西暦二〇〇〇年は協力隊創設三十五周年という年に当たるわけでございまして、こういった意味からも、今申し上げたようなことを踏まえて、政務次官、技術協力の一層の推進、あるいはまた青年海外協力隊の充実、あるいは今後の方向、あるいは問題等に対しての対応、こういったことを含めての御意見あるいはまた御所見をひとつお伺いしたいと思います。
○政務次官(荒木清寛君) 委員はルーマニアに行かれました御経験をもとにきょうは御質問いただきましたが、私も先般ドミニカ共和国、メキシコ、コロンビアの各地域におきまして、教育、医療といった分野での青年海外協力隊の皆さんと親しく懇談をしてきました。そういう中で、本当に使命感に燃えて、しかもかの国の発展のために着実に貢献をされている姿をしかと見まして、大変感動した次第でございます。
 青年海外協力隊事業は、我が国の顔の見える援助として、国民参加型ODAの典型でありますとともに、開発途上国の人々と同じ目線で草の根レベルで行う協力として相手国から高い評価を受けておりまして、政府としても重要であると考えております。
 委員御指摘の点も含めまして、政府としましては今後ともこの事業を積極的に進めていきたい、こう考えております。
○海野義孝君 どうも大変ありがとうございました。
 大森議員とかわります。
○大森礼子君 公明党の大森礼子です。
 質問の順番を変えまして、まず最初に総務庁長官に行政評価制度についてお尋ねしたいと思います。
 きのう同僚議員の福本委員も質問したのですけれども、八月一日の参議院本会議の代表質問で、公明党の浜四津議員が行政評価法の早期制定について総務庁にお尋ねいたしました。長官からは、森総理から早期提出について直接指示があったこと、総務庁として法制化についての検討を一層加速していく、このために早急に万全の検討体制を整備することを事務当局に指示した旨、答弁されたわけであります。また、きのう福本委員が法制化の進捗状況等について質問しましたところ、八月十日に、これは正式な名称が政策評価制度法制化担当室というのでしょうか、これを設置した、それから次の通常国会で法案を提出するつもりである、この旨答弁されました。
 それから、総務庁の研究会であります政策評価の手法等に関する研究会が平成十二年六月に「政策評価の導入に向けた中間まとめ」という、こういう資料といいますか、をつくっていただきました。ざっと目を通させていただきました。
 いずれにしましても、法制度化へ向けまして長官の強い決意がうかがえるところであります。
 行政評価制度というものは来年一月から実施されて、政府は政策評価の標準的ガイドライン案を公表しまして、これが十二月に最終案ができる、こういう準備で進んでいるわけであります。そこで、行政評価制度の導入といった場合に、それは必ずしも法形式である法律という形をとらなくてもいいわけであります。現時点でも国家行政組織法第二条二項で「国の行政機関は、内閣の統轄の下に、その政策について、自ら評価し、企画及び立案を行い、」という一応の根拠規定はあるわけですから、この範囲でしようと思えばできると。
 そこで質問なのですけれども、ガイドラインにとどまらずさらにこれは法形式としての法律という形でこの行政評価法を制定しようという、なぜガイドラインではだめなのかといいますか、そこのところを続長官の法制度化へ向けての意欲とともにお話しいただければと思います。
○国務大臣(続訓弘君) お答えいたします。
 今私には、ガイドラインにとどまらずなぜ法制化するのかという御質問でございますけれども、政策評価に関する標準的ガイドラインは、来年一月から導入される政策評価制度の基本的な枠組みを明らかにするものであり、政府全体として政策評価を的確に実施していくための指針となるものでございます。
 今御質問にもございましたように、去る七月三十一日にはその案を取りまとめて公表し、そして、今御指摘がございましたように最終的には本年十二月に案をまとめて公表する、確定していく、こういう手順で、九月からは国民の皆様方に広く御意見を拝聴させていただく、こういうふうに思っております。
 一方、法制化につきましては、御案内のように衆参両院の特別委員会において附帯決議がございました。その附帯決議にはこんなふうに書いてございました。行政評価の実効性を高めるために法制化が必要だと、こんなふうに附帯決議がございました。
 そこで、政策評価制度の法制化によりまして、政策評価の行政システムにおける位置づけが明確になるほか、評価制度に対する国民の信頼が向上し得るものと考えております、法制化することによって。したがって、法制化をするということになるわけでございます。
○大森礼子君 行政への信頼を高める、それから、もっとストレートな言い方をすれば、やはり税金のむだ遣いをチェックするということにもなるのかなと私は思います。
 実は参議院の方で、参議院行財政機構及び行政監察に関する調査会、平成七年八月四日に設置されましたけれども、三年目の活動で政策等の評価制度について一年間調査いたしました。
 そのときに、政策評価、行政評価についていろいろ参考人の方からも意見を聞いたわけですけれども、これはなかなか大変難しい問題で、何を対象とするのか、測定、市場の交換価値があるものは非常にその測定がしやすいのですが、そうではない分野について測定すること自体、基準をどうするか、手法をどうするか、非常に難しい問題があると思いました。問題があると思いましたけれども、しかしここをしっかりしていかなくてはいけないと、このように思った次第であります。
 この行政評価制度が的確に導入されて実行されますならば、税金がどのように使われているか、価値的に行政が動いているかどうか、これを国民が知ることができるわけであります。
 行政評価の実施主体は各府省と総務省と二つ、各府省でもやりますし、中央省庁再編で総務省もやるわけですが、そして総務省の評価というのは、各府省とは異なる評価専担、専門に担うということでしょうか、専担組織の立場から各府省の政策について評価する仕組みとなっております。
 そこで、各府省が独自でやる行政評価とそれから総務省の方がやる評価でどのような違いが出るのか、これはまた屋上屋を重ねることにならないのか。あるいは、総務省の方の評価、各府省についての評価というものが何か強いやっぱり権限を持つような形になるのか、この点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(続訓弘君) 今、大森委員も御指摘をされましたけれども、実は法制化につきましては与党三党の行財政改革推進会議の中でも議題となりましたし、さらには二百三十三項目にわたる先日発表されました公共事業の見直しの中でも法制化の検討を求めると、こういうことがございました。
 先ほども申し上げましたように、したがいまして、附帯決議の重い趣旨、そしてまた今御指摘がございましたように、透明性を一層高めて法律にこれを規定していくということが国民の御期待にこたえるんじゃないかという意味で法制化をさせていただくと、こういうことでございます。
 そしてまた、一方、総務省が行う評価と各府省が行う評価の違いいかんという御質問でございましたけれども、今般導入されます政策評価制度において、各府省は、政策を企画立案し遂行する立場から、その政策についてみずから評価を実施することになっております。これに対して総務省は、政策を所管する各府省とは異なる評価専担組織の立場から、一つ、全政府的見地からの府省横断的な評価、二番目に、複数の府省にまたがる政策の総合的推進のための評価、三番目に、府省の評価状況を踏まえた厳格な客観性を担保するための評価等を実施することとしております。
 このように、各府省と総務省が適切な役割分担のもとに評価を行うことによりまして、政府全体として効率的かつ的確に政策評価を推進し得る体制を確立することができると存じます。
○大森礼子君 最後にもう一問お尋ねします。
 行政評価制度をつくるその目的、手段というものがございます。それで、この評価をまずいかに使うか。その一つの内容として、例えば予算編成のときに評価の結果というものを何らかの形で連動させるという、こういう考え方についてはどのようにお考えになりますか。
 アメリカでは、GPRAと省略されていますが、ガバメント・パフォーマンス・アンド・リザルツ・アクトという、政府業績成果法と訳されていますが、一九九三年にこのような法律ができて行政評価のシステムがつくられたとされておりますが、この法律の中では、過去の年度の資金の使用状況とかそれから施策の効率性など業績測定の結果を次年度予算に連動させる、こういう内容を持っております。
 一度にこういうシステムに移行できるかどうか、いろんな法律と予算の形もアメリカとは違いますので全く同じに考えることはできないのですけれども、一つの考え方として、この評価の結果を何らかの形で、多少覊束的にといいますか、予算に反映させるとか、こういう考え方もあっていいと思うんですが、これについてどのようにお考えになるか。アメリカの行政評価システムへの見解も含めて、最後にもう一度、続長官にお尋ねします。
○国務大臣(続訓弘君) 政策評価の結果につきましては、御指摘のとおり、予算への反映を初め、政策の企画立案やこれに基づく政策の実施に適時的確に反映することが極めて重要でございます。特に、政策評価結果の予算への反映のあり方につきましては、去る七月に策定しました政策評価に関する標準的ガイドラインの案におきまして、各府省が評価結果を踏まえた政策の改善や見直しに関する検討を行い、その結果を予算要求の段階で適切に反映するよう努めるとともに、財政当局が予算編成の過程において評価結果の適切な活用を図るよう努めることを明確にしているところでございます。
 また、御指摘のアメリカのGPRA、政府業績成果法の業績評価の仕組みにつきましては、我が国における政策評価制度の仕組みの検討に当たりまして大いに参考にさせていただきました。
 また、アメリカの今のGPRAの運用につきましては、実は、御案内のように、二〇〇一年三月三十一日に初めて大統領や議会に報告するということになってございますので、それらの状況も踏まえながら大いに参考にさせていただきたい、このように考えております。
○大森礼子君 どうもありがとうございました。
 この行政評価制度の導入、また行政評価法の中身、これが大いによい評価を得られるよう強く希望しますし、我々も一生懸命考えていきたいと思います。
 次に、消費税の滞納と回収対策についてお尋ねしたいと思います。
 昨日、自民党の鹿熊委員が租税の滞納状況及びその対策についてということで、租税全般について滞納状況について御質問になりました。その中で消費税の滞納問題についても少し触れられたのですけれども、もう少し詳しくお伺いしたいというふうに思います。
 まず、平成十年度における消費税の新規滞納額は七千二百四十九億円に達しております。そこで、この消費税の滞納額、回収状況について、これまでの推移というものを簡単に国税庁の方に教えていただきたいと思います。
 それから、あわせてお尋ねしますけれども、滞納されたものについては回収努力がなされるわけですけれども、それでもなお回収できなかった場合、どのように処理されるのかどうか、この点もあわせてお尋ねいたします。
○政府参考人(井野拓磨君) それでは、お答えいたします。
 消費税の新規発生滞納額でございますが、平成元年度から五年度にかけては増加しております。六年度から八年度にかけましては減少または横ばいの傾向となっております。九年度、十年度におきましては、景気低迷とか税率引き上げ等を主な原因といたしまして、二五%を超える大幅な伸びとなっております。
 発生した滞納に対しましては整理の促進に努めてまいりましたが、整理済み額が発生額に追いつかなかったことから、滞納整理中のものの額が毎年増加してきたところでございます。このような状況を踏まえまして、国税当局といたしましては、組織を挙げて滞納の未然防止及びその整理促進に努めてまいったところでございます。
 このような取り組みもございまして、十一年度は滞納発生額は六千二百九十二億円と対前年比約一三%減と大幅に減少するとともに、整理済み額は六千百十五億円と前年度の高い水準を維持し、その結果、滞納整理中のものの額は六千三百二十三億円と対前年比二・九%増と若干増加したものの、消費税導入以来最も低い伸びにとどまっております。
 それから、二つ目の御質問でございますが、国税当局といたしましては、徹底した財産調査を行い、財産の差し押さえ、差し押さえ財産の公売、取り立て等あらゆる手段を講じているところでございますが、これ以上徴収できないと判断せざるを得なくなった場合には、法律の定めるところによりまして滞納処分の停止ということを行っております。そうしまして、原則として滞納処分の停止が三年間継続したときは国税の納税義務が消滅することになります。
 平成十年度における消費税の徴収不能額、納税義務が消滅した額のことでございますが、この額は百六十七億円となっております。また、元年度から十年度までの間で見ますと、徴収不能額の累計は合計で約四百億円でございます。この十年間に納付されるべき消費税額の総額七十四兆円でございますが、総額七十四兆円に対する比率は〇・〇五%となっております。
 一方で、この十年間で既に九九・一%が徴収済みとなっておりまして、発生した滞納の大部分は徴収されて国庫に収納済みとなっているところでございます。
○大森礼子君 〇・〇五%というのが徴収として非常に優秀なのかそれともどうかという評価はあると思いますけれども、実は平成九年一月二十四日、参議院本会議で、平成六年度決算に関する警告決議というのがなされておりまして、参議院の議決ですが、この中で、消費税の納付について、新規発生滞納額が近年多額で推移しておりと、問題指摘してあります。「滞納の未然防止及び滞納整理の促進に一層努力すべきである。」と。このときに挙げられたものが平成六年度末滞納額三千三百五十九億円であります。それから、平成十年末が六千百四十六億円であります。それから、徴収決定済み額というのが、平成六年、七兆四千五百二十四、十年度が十兆五千二百二十八億円と、こちらは決して倍になっていないのに、滞納残高といいますか、これが倍になっているということで、やはりこれは問題なのだろうと思います。
 そこで、時間がなくなりましたので最後に大蔵大臣に一言お尋ねするのですけれども、やはり消費税というのは預かり金的性格と言われまして、我々消費者がお店に払う、お店がかわって税金を納めてくれるというわけで、このお金を流用しちゃったりほかの運用資金に回しちゃったら、これは刑法的に言うと横領みたいになるわけでありますし、我々もきちっと納めてくれるから払うというところがございます。
 そこで、やはりここの滞納への対応というものをきちんとしないと税金に対する信頼も失われると思うわけです。これについて、やはりこれから行政評価制度で税金のむだ遣いをなくそうとか、あるいはあっせん利得罪で政治献金でさえも利得としてはいけないとか非常に大きな改革をしておりますので、また徴収する場合も厳しくするのであるならば、それなりのきちっとした対応をとらなきゃいけないだろうと思っております。
 最後に、この消費税の滞納問題についての大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日も鹿熊委員から、今日また大森委員から滞納のことにつきましてお尋ねがありまして、決算委員会におかれて関心をお持ちいただいていることにお礼を申し上げます。
 ただいま政府参考人から申し上げましたように、いっとき非常な危機的な状況になりまして、国税庁でも思いを新たにしてこの整理にかかりまして、多少事態が好転しつつあるというところでございますけれども、おっしゃいますように消費税そのものは預かっている金でございますので、またしかしそれだけに使いやすいということでもあろうかと思います。
 従来からいろいろ、入札等の資格付与の場合の条件にするとか、いろいろ苦労もしてまいりましたし、またできるだけ消費税の納付回数も少しずつふやせば、最初は年二回でございましたが今四回にしております。税制調査会なんかでも回数をふやすということはやっぱり一つの方向だという、そういう勧告はあるわけでございますが、また零細なビジネスの人からいいますと、まじめに納める人は年四回というのは相当なことだということもございますから、どの辺がいいところなのか、それもしかしこの滞納問題全体との関連でも考えていかなければならない。
 私どもも、これはまことに申しわけないことであると同時に、精を出せばそれだけ歳入がふえるということでございますので、せっかくいろいろな方向から工夫をいたしまして努力をいたしたいと思います。
○大森礼子君 終わります。
 ありがとうございました。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 まず、緊迫する三宅島の災害対策について政府の基本的な立場を官房長官にお伺いしたいと思います。
 私はこの二十五日にも三宅島を訪ねましたけれども、十八日の大噴火を境に以前と村民の気持ちが大きく変わっていた、このことを改めて感じました。島からは離れたくない、これが非常に強かったわけですけれども、今は命を守るためには避難は避けられない、こうなっておりました。十八日以降、三宅村議会の全員協議会は全員一致で全島避難を繰り返し要請してまいりました。
 二十五日、私は長谷川村長、それから梅田村会議長と懇談いたしましたけれども、そろって、住民の生命を守ることが先決、国と東京都は島民全員の避難を含め安全を守るためにあらゆる手だてをとってほしい、このように訴えておりました。しかし、東京都はきょうの昼の時点でも全島避難を考えていない、このように述べて村の要請を拒否している状況です。
 また、その考えを伝えるビラ、ここにありますけれども、「村民の皆様へ」という形でこれをまいている。村民の感情を逆なでしているわけですね。住民の方々は、我々は海底に沈んだロシア原潜クルスクの乗組員だ、石原知事はプーチンだ、こんなふうに言っております。
 きのうも大噴火があって火砕流が流れ、事態は非常に切迫しているわけですけれども、こうした事態に至っても政府として全島避難を検討されないのかどうか、端的にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中川秀直君) 三宅島噴火及び新島・神津島近海地震に対しまして、危機管理という立場からも政府は常に最大の関心を払い、そして何よりも迅速な対応が必要であるということで、発生以来、国土政務次官を直ちに派遣しましたり、国土庁長官あるいはまた建設大臣である扇大臣が現地に入られましたり、私がお願いをいたしまして七月の中旬には関係省庁局長会議も開催をいたしまして、東京都と連絡をとりながら今懸命な対応に当たっている次第であります。昨日は、二十八日の噴火を受けまして、この政府の会議を非常災害対策本部にいたしまして第一回の会合を設け、これから政府の現地対応チームを現地に派遣しますし、いずれは総理御自身も現地をお訪ねになる、そんなお考えでおるわけでございます。
 今、委員お尋ねの全島避難ということでございますが、確かに御指摘のとおり、二十八日の噴火等々で、どうも特に三宅島の噴火・地震活動はこれまでの火山活動の歴史から見ても例が余り多くない。つまり、一方でマグマが西に移動し、一方で三宅島ではマグマが下がって逆に山頂部がカルデラ型に陥没する、そういうような状況でございまして、結果として、この山頂部の陥没や噴火の発生が当初の予想を裏切って生じたということのようでございます。
 こういうことに対しては、まず政府がとり得ることは観測体制を徹底的に強化することだということで、従来神津島や何やらに置いていた傾斜計のみならず、三宅島自身に空振計、幾つかあったわけでありますけれども、それをさらに増強するということで、噴火の有無だとか規模だとかが即これだと予知できる、前兆の段階から把握できるということでございますので、そういうものを直ちに強化して噴火に関する情報あるいは気象情報を即座に発表して、住民の安全確保に全力を尽くしているというのが今政府の対応でございます。
 全島避難については、一義的にはこれはやはり自治体の、三宅村、東京都の判断というものを政府の立場では優先せざるを得ないわけでありまして、どういう判断がございましょうとも即応態勢がとれるように、海上保安庁あるいは海上自衛隊の艦船を三宅島周辺近海域で今もう現に待機態勢に入って待機中でございますが、最大限の支援を行う、あるいは静岡県清水にある高速フェリー艇というものもいつでもまた派遣していただけるような態勢をとっております。
 けさの十時の段階で二千三十八人の方々が島外に避難をされているということで、今後の避難については東京都、三宅村で御検討がなされていくのではないか、この判断を見守りたいと思っているところであります。
○緒方靖夫君 東京都の責任が極めて重大だということを私は先ほど述べました。やはり今、政府の責任が問われていると思うんですね。
 予知連は、噴火によって島の全域に噴石が放出されるおそれも否定できない、火山弾といって、ロケット弾ですよ、火山の、それが飛びまくる、そういうことを言っているわけですね。そうしたときに、予知連は行政の判断を仰ぎたいと述べているわけで、そのときに、すべての情報を把握している、大局的な判断ができる政府、それが判断を示す、そのことが重要じゃありませんか。私は、現時点で一番大事なことは、一人の犠牲者も出さない、命最優先のそういう政治を政府のイニシアチブで貫く、そういうことだと思うんですよ。
 再度、その点で、政府の責任を考えた上での答弁をお願いいたします。全島避難についてです。
○国務大臣(中川秀直君) お答えいたします。
 確かに、予知連で三宅島の噴火の可能性がだんだん少なくなってきているのではないかというような、結果としてそういう発表を一たんして、しかし、その山頂部の陥没その他で新たなまた噴火が発生したということについては、先ほどもちょっと申し上げましたが、マグマの動き、単純に火山と直下の、これならわかるんですけれども、そうではなかったということで……
○緒方靖夫君 端的に答えてください。
○国務大臣(中川秀直君) 失礼しました。
 今の火山活動は歴史から見ても例に見ないそういうものであったということでございます。
 今お尋ねの点は、結局のところ、人命第一に、もちろん我々も住民の安全第一で考えておるわけでありまして、火砕流もあったのではないかとかいろんなことも全部調べております。温度が三十度ぐらいで、なおかつ勢いが弱いから、噴石が一番心配されるわけですけれども、直ちに噴火しても落ちてくるわけじゃない、リードタイムが少しございますので。即座にこういう噴火情報あるいはさまざまな避難の勧告や指示というものをいたしますれば、ちょっと固い建物に入れば大丈夫だと、時間が四十分とか三十分とかございますので。そういうことで、今、住民の安全には全力を尽くして、結果的には被害は生じていない、そういう状況にあるわけでございます。
○緒方靖夫君 官房長官、ひどい御答弁ですよ、それは。時間があるからと。
 いいですか、新聞の社説にも出ていますけれども、こういう災害に当たっては、危機管理に当たっては最悪の場合に備える、それが政治じゃありませんか。今、島民の人たちの叫びを聞いてくださいよ。こういうところに住んでいたら危ない。生徒たちが、高齢者が避難するのは命が危ないからでしょう、すべての人にとって危ないからですよ。それに対して、四十分時間があるから大丈夫だと、ひどい話じゃありませんか。それが今の政府の見解でしたら、私は東京都のひどい対応と五十歩百歩だと思います。
 私は、その点で、やはり何といっても輸送とか、いいですか、避難のための輸送とか住まいとか生活保障などを含めたそういう対策を直ちに具体化して島民に示して、島民が安心できる、ああこういう選択もあるんだなと、それが政治というものじゃありませんか。もう一回答弁してください。
○国務大臣(中川秀直君) ひどいという御印象を委員は持たれたようでございますけれども、これは現実の問題として、島民の方々が、まだこの状況なら自分は島内に残りたいと、私数字までは知りませんけれども、こういう方々もいらっしゃることも事実でございます。そしてそれは、今四十分とか三十分とかいうことで御判断を単純にしていただきたくないのでございますけれども、避難計画をしっかり立て、そして即座に、噴いた途端に情報を流し、そして家へ入っていてくださいよと、噴石が全然飛んでこないはるか前から御避難をいただいておる、こういうことを申し上げたわけでありまして、それだからいいというふうな言い方をしておるわけではございません。
 ただ、全島避難に関しては三宅村、そして東京都が住民の方々の御意向も踏まえながらいろいろな検討をなさっておる、それを政府としては優先して判断をしていかなければならぬというのがいろいろな地方自治等の観点からの、また今日までの状況でございますから、政府が勝手に自衛隊を派遣するなどということがあってはならないわけでございますし、やっぱり東京都の派遣要請やその他があるということは委員も十分御承知でございましょう。
 そういうことを踏まえて、我々は絶対に人命を守るという決意でやっていることだけは御理解を賜りたいと存じます。
○緒方靖夫君 官房長官に申し上げておきたいんですが、やはりこういう場合には、島民の人たちの気持ちは離れたくないんです、彼らは島から、住んでいるところから。しかし、もうそれしかないという判断を十八日以降、村議会で全会一致で表明しているわけですよ、繰り返し。そういうことをちゃんと踏まえてやっていただきたい。私はそうした点で、今の長官が述べられた話というのは、犠牲者は一人も出さないと言いながら、結局は犠牲者を出す、あるいは出しかねない、そういう対応をしている、そういうふうにしか思えない、このことを指摘しておきたいと思います。
 次に、東京都が九月三日に計画している総合防災訓練、ビッグレスキュー二〇〇〇について質問いたします。
 この訓練で政府は、森首相が緊急災害対策本部長として参加して、防衛庁の中央指揮所で関係閣僚会議を開催する。また、訓練では陸海空の自衛隊から史上最大七千百人が動員されるなど、警察三千人、消防二千人と比べても前例のない大規模なものであります。そして、自衛隊における初の統合実動防災演習となっております。
 今回の防災訓練は、陸海空の三自衛隊が定める南関東地域震災災害派遣計画に基づいて実施されるという説明を防衛庁から受けておりますけれども、これは間違いありませんね。
○国務大臣(虎島和夫君) お答え申し上げます。
 九月三日の東京都との合同防災訓練におきましては、大規模な災害に効果的に対処するには自衛隊を含む関係行政機関と地方公共団体とが緊密に連携して訓練を行うことが必要であるという判断のもとに、東京都の要請に応じて防衛庁としても対応しているところであります。
○緒方靖夫君 答弁になっていませんよ。この南関東の災害派遣計画に基づいて行われるかと聞いているんです。
○国務大臣(虎島和夫君) 南関東の訓練計画につきましては……
○緒方靖夫君 単純な質問ですよ。
○国務大臣(虎島和夫君) 失礼しました。
 南関東地域震災災害派遣計画も下敷きにしながらやっておるところであります。
○緒方靖夫君 この東京都の演習というのは、この南関東の災害派遣計画、これを下敷きにしているということで御答弁ありました。
 この派遣計画というのは全文で三百ページあると防衛庁から説明を受けましたけれども、この間、繰り返し私はその資料を出してほしいと求めてまいりましたけれども、防衛庁は提出を拒否しております。提出したのはわずかに、ここにありますけれども、二ページの概要、それのみであります。私、これは問題じゃないかと思うんです。軍事機密ならともかく、大規模災害、その演習、その実施にかかわるものであって、しかも今回の防災訓練のベース、下敷きと言われました。それを公表しない、これおかしくありませんか。
○国務大臣(虎島和夫君) お説のようにお尋ねがありまして、担当としては、大変内容も複雑多岐であったので、要綱を作成して御説明申し上げたというようなことでありましたから、それで御納得いただいたかなという理解を私はいたしておったわけであります。
 なお、その間のいきさつについては、政務次官も対応しておるので、必要があれば政務次官からも答えさせたいと思っております。
○緒方靖夫君 長官、全く納得いきませんよ。
 複雑だと言われましたけれども、私にとってはちっとも複雑じゃないんです。見ればよく理解できると思います。いいですか。
 そういうものというのは、じゃお聞きしますけれども、この概要によっても、陸海空の自衛隊は、派遣計画の基本方針として、各部隊の救援活動を、部外関係機関と緊密に連携しつつ災害派遣を実施するとここに書かれてあります。とすると、今回の防災訓練に当たって、防衛庁は東京都に対してこの派遣計画三百ページのものを示しておられるんですか。
○政務次官(鈴木正孝君) お答えをいたします。
 先生から資料の提出をというお話がございましたけれども、いろいろと実動訓練の内容がわかるような御説明をさせていただいたわけでございますけれども、もちろん東京都とよく連携をする、そういう意味で、訓練の実効性を高めるためにも十分すり合わせ、打ち合わせをしているところでございます。
○緒方靖夫君 これを見せているかと言っているんです。三百ページの文書を渡しているか。
○委員長(鎌田要人君) ちょっと、ちょっと個人間の質問はやめてください。
○緒方靖夫君 今の質問。
○政務次官(鈴木正孝君) 当然、訓練の実効性を高めるために打ち合わせをよくやり、すり合わせをしているわけでございますから、東京都もその内容については承知をしております。
○緒方靖夫君 今すり合わせをして承知していると言われましたけれども、私の質問は、その三百ページの文書を出しているのかと聞いているんですよ。はっきりしてください。
○委員長(鎌田要人君) はっきり答えてください。
○政務次官(鈴木正孝君) 東京都からその資料そのものを求められれば、当然ながら一緒にやっているわけでございますからお見せをするということはあり得ると思います。
○緒方靖夫君 それでは私にも見せていただけますね。
○委員長(鎌田要人君) 緒方君に見せてやれるかということを聞いておるんです。
○政務次官(鈴木正孝君) 先般来、いろいろとお話をいただいておりますので、十分検討させていただきまして可能な限り対応したい、このように思います。
○緒方靖夫君 可能な限り対応じゃなくて、あなた責任があるわけですから、私に見せてくださいますかと聞いているんです。
○政務次官(鈴木正孝君) 御要望に沿いたいと思います。
○緒方靖夫君 私は、この問題について東京都にいろいろ伺いました。
 東京都はこの問題について、こうした文書について、派遣計画ですね、これは一切見たことがない、都知事も見ていない、そのように述べておりました。それからまた、どういう活動をするのか、この訓練に当たって、自衛隊の動き、集結、移動、航空機、車両、艦船などの移動、自衛隊が把握する航空交通情報、そういうものが東京都にリアルタイムで来るのかどうか、それについても問い合わせました。自衛隊、どうですか。
○政務次官(仲村正治君) お尋ねの件につきましては、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえれば、大規模な災害に効果的に対処するには平素から自衛隊を含む関係行政機関と地方公共団体とが緊密に連携して訓練を行うことが必要であると考えております。
 このようなことから、今回の東京都の防災訓練においても、自衛隊が実施する訓練の状況と自衛隊が本訓練に関し有する情報については、各訓練会場において自衛隊の指揮所から東京都が設置する現地本部に対し適宜提供することにいたしております。
○緒方靖夫君 東京都はそうした情報についてそもそも知らされるシステムになっていないと断言しているんです、私は確かめましたけれども。
 そのようにしていただくということは結構でありますけれども、私は、今回の防災訓練について非常に大きな疑義を持っております。それは、先ほどの自衛隊が下敷きにするという派遣計画についてもこれまで東京都にも示したことがない。あるいはまた、どういう活動をするかということについて、訓練中のことについて東京都に示す、そうしたシステムにもともとなっていない。このことが東京都の見解なんです。ですから、今、示すと言われた、私に見せると言われたこと、そのことはきちっと私はテークノートいたしましたけれども、そういうものなわけですよ。
 ですから、そもそもこの問題については、私は災害にとって一番大事なのは各級行政機関の連携、市民の参加と協力、そして情報公開だと思うんです。その情報公開がこの訓練の直前になっても行われていない、このことが重大な問題だと思います。そして、これが本当にやられるかどうか、私はこれを見たいと思いますけれども、そういう重大な問題がある、これがビッグレスキュー二〇〇〇の問題だと思います。
 ですから、私はその点で、最後になりますけれども、石原知事自身がこの問題に対して、北朝鮮とか中国に対するある意味での威圧になる、せめて実戦に近い演習にしたい、こう述べております。これは「ボイス」の八月号。あるいは、治安維持も遂行していきたい、陸海空三軍が参加する防災訓練で軍隊の意味を国民、都民に示していきたい、このようにも述べているわけです。これは自衛隊への訓示です。
 ですから、私はそういったときに、この演習、これは本当に防災訓練になるのか、そういうものなのかどうか、その点で非常に大きな問題点がある、そのことを指摘して、質問を終わります。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 私は、二〇〇五年国際博覧会、愛知万博にかかわって、通産大臣それから環境庁長官に質問をいたします。
 この博覧会、「自然の叡智」というテーマで環境万博と言われておりますが、このオオタカの出現で大変有名になりました。(図表掲示)きょうは、大臣と長官がまだ現地においでいただいていないものですからパネルを持ってまいりましたけれども、まず最初に環境庁長官に伺います。
 ことし六月に愛知県は、この国際博覧会の会場周辺においてオオタカの新たな営巣を発見した。オオタカ検討会、国際博会場関連オオタカ調査検討会ですけれども、ここも七月に記者会見をしまして、三羽のひなが順調に育っている、発見されたのは新しいのですが、二、三年たっている大きい巣であると発表されました。
   〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕
 こうしたオオタカの保護策に当たっては環境庁もマニュアルをつくっておいでになりますが、二営巣期の調査を踏まえて保護対策をつくることが必要だと認識をしておりますが、それで間違いないでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) お答えいたします。
 委員おっしゃられましたように、環境庁では「猛禽類保護の進め方」というものをつくりまして、オオタカをどのように保護していくかということをその中で言っております。
 それで、期間でございますけれども、その「猛禽類保護の進め方」の中では、オオタカの行動を明らかにし保護対策を検討するには、少なくとも繁殖が成功した一シーズンを含む二営巣期の生態調査が望ましいというふうにいたしております。
 それから、具体的な調査期間を含む調査方法につきましては、それぞれの地域の特性がございますので、それに応じて検討をする必要がございます。それで、猛禽類の専門家の御指導を得て調査を実施するということが肝要だというふうに存じております。
○八田ひろ子君 そうですね。実際に私、この営巣をしている森も見てまいりまして、近くの農家でも話を聞いていまして、冬にナシ畑で剪定していますとオオタカのつがいが見れると。これは求愛ディスプレーなら営巣中心域だということになるんです。
   〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕
 この万博の計画地なんですけれども、ここにパネルを持ってきたんですが、(図表掲示)この青少年公園が会場になるわけなんですけれども、この青少年公園のこの地域ですね、ちょっと見えませんですか、この地域なんですけれども、この地域に万博の交通アクセスになるというリニアモーターカーの車両基地五ヘクタールを建設されるというのがあるわけです。ところが、このオオタカが、イメージとして見ていただいて、オオタカが出たのでこれを百メートルぐらい短くする、こういうことが言われております。
 まだことし見つかったばかりで二営巣期の調査もできていないのに、これでオオタカ保護策になるのか、こういうことがあっていいのかをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) お答えを申し上げます。
 愛知万博のアセスでございますけれども、これはいわゆるアセス法、環境影響評価法……
○八田ひろ子君 アセスじゃなくてオオタカ保護策です。
○国務大臣(川口順子君) オオタカ保護策につきましては、この件につきましては、愛知万博はいわゆるアセス法の対象ではないということでございまして、通産省が作成しました要領に基づいて行われるということでございますので、私ども環境庁といたしましては、実は通産省のつくられた要領に基づいて環境庁の意見というのを申し上げる、そういう立場でございます。
○八田ひろ子君 環境庁の要綱ですら、オオタカ保護に関しては先ほど御答弁があったようにマニュアルに従って保護策をとっていただくというふうに私は思っているわけです。また、そういうふうに今進んでおりますが、それにしても、それは海上の森の方で、この青少年公園でそういうふうに新たにオオタカの営巣が近くに見つかったということで、きちんとすべきだと思うわけなんですね。
 ですから、そこをこれから質問したいんですけれども、もう一つ長官に伺いたいんですが、もう一度これ、パネルを持ってまいりましたが、上の方にありますのが海上の森です。下の方にありますのが青少年公園。ちょっと遠いから見にくいですかね。
 これ、万博のアセスの実施計画が始まりましたのが、九八年四月に公告されて準備書は九九年二月です。両方ともこちらだけが会場の予定でした。ところが昨年五月に、今まではオオタカは会場の外にしかいないというふうに言われていたんですけれども、会場の中に出ました。そこで、環境影響評価の手続はやり直されませんでした、この両方になったときでも。そのまま九九年十月に評価書が出されたんですが、これも二〇〇〇年六月の申請に間に合わせるからだということだったんですが、BIE、博覧会国際事務局から、二十世紀型の開発至上主義だと、ここのところが。それで批判をされて、ことしの四月にとうとうこの中の開発計画がやめになりました。ことしの八月は、ここが全部、上半分です、赤く書いてあるところ以外が全部なくなったわけです。つまり、ここだけになったわけです。
 こうなりますと、長官に伺いたいんですけれども、これは瀬戸です。これは長久手町なんですが、今のアセス法で言いますと、自治体をまたいで変わった場合はアセスのやり直しというふうにアセス法にはなっていると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) お答えいたします。
 今のアセス法におきましては、委員おっしゃられるような形になっております。
○八田ひろ子君 そこで、通産大臣に伺いたいんです。
 今のアセス法では無論そうなっているんですが、この通産省要領でもそれは必要だというふうに私は読み取っていますが、青少年公園については環境影響評価を再実施しないで追跡調査だけで対応しようとしている、これが私は問題だと思うんです。
 もう一度このパネルをごらんいただきますと、青少年公園というのは森続きだというのがおわかりいただけると思うんです。これは海上の森にまさるとも劣らない豊かな自然環境があります。
 きょう、これ、写真を大きくしたのを持ってきましたが、(図表掲示)これはギフチョウですけれども、この絶滅危惧種のギフチョウも生育をして、その幼虫の食べ物になるスズカカンアオイ、これもあります。また、最も小さいと言われる絶滅危惧種のハッチョウトンボ、これも青少年公園の小さな池でもある池では百五十匹ぐらい飛んでいるというのがあれです。
 また、この青少年公園そのものは青少年の健全育成を目的としておりまして、現在でも年間三百万人の利用があります。この中にアイススケート場もありまして、設備、規模も公式大会ができるトップレベルで、世界大会やオリンピックを目指している選手もこれを利用している。無論、学校授業の一環としても利用されているんですけれどもね。ここが万博の準備と期間中に使えなくなるわけです。
 そこで、通産大臣、海上の森でのオオタカの保護策として、道路事業とかいわゆる連携している、重なっている事業、これでも配慮が払われてきましたけれども、青少年公園のオオタカも当然適切な保護策、保全策がされるべきだと私は思います。現行のアセス法でも、事業計画で市町村の区域が変わった場合は、さっき長官に答えていただいたんですけれども、環境影響評価をやり直すことになりますね。
 七月二日の第六回の愛知万博検討会議におきましても、新しい会場計画に基づいて、会場計画が全然変わりましたので、自治体も変わりましたけれども、場所が全く変わりましたので、改めて環境アセスを行うということが言われておりますが、アセス法を先取りする新しいモデルだということで要綱がつくられておりますので、青少年公園における環境評価をやり直すように指導すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
 まず、私、この九月四日に現地に行かせていただく、こういう予定を立てさせていただきました。
 まず、青少年公園のオオタカの問題でございますけれども、昨年十月に博覧会協会から提出された環境影響評価書に対し、本年一月、当省から、御承知だと思いますけれども、大臣意見として申し述べさせていただきました。オオタカにつきましては、その中で、いわゆるオオタカ調査検討会における検討内容を確実に反映した適切な保護対策を具体的に明らかにして繁殖等に支障が生じることのないように対処すること、そしてまた愛知県青少年公園においてもさらにオオタカの追跡調査を行うこと、また事業実施に当たっては追跡調査を行い、その結果を踏まえて長期的に地域個体群を保護するという観点から適切な対応を行ってほしい、こういう意見を述べたところであります。
 博覧会協会においては、こういった大臣意見を十分に勘案して、青少年公園周辺において確認された営巣の保護を含め、オオタカへの配慮を事業の実施に適切に反映していくように、私ども通産省としても引き続き適切に指導をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
 また、環境アセスのやり直しをすべきではないかと、こういう御指摘でございますけれども、昨年十月、博覧会協会は青少年公園地区等も含めて活用する会場計画についてまとめた環境影響評価書を通産大臣に提出いたしたところです。これに対して、当省から本年一月に、青少年公園地区についても追跡調査を十分適切に実施すること及び長久手町町民等に対して十分に意見を求めること等を旨とする大臣意見を申し述べたところでもあります。現在、博覧会協会においてこの大臣意見を勘案して環境影響評価書の見直しを行っているところです。その一環として、長久手町町民への説明会等を実施すると承っております。
 また、博覧会協会は、八月十日に環境影響評価書に係る大臣意見の対応状況等に関する環境影響評価の進捗状況報告書を当省に提出したところです。
 これについて、当省に設置された委員会、御承知かと思うんですけれども、座長は森島名古屋大学名誉教授、において専門的な検討が行われ、その結果、去る八月二十五日に、環境影響評価の手続をやり直す必要はない、現会場計画に基づいて登録申請を行って差し支えないけれども、引き続き評価書の修正に際し博覧会協会においてさらなる環境負荷の低減が図られるように努力をするとともに、地元に理解が得られるように説明会等をきちんと行うことが大切である、座長よりこういう取りまとめがなされたところであります。
 これを踏まえて、通産省といたしましては、博覧会協会において環境への配慮を適切に事業に反映していくよう引き続き指導をしていくとともに、登録申請に向けて関係者一丸となって全力でやっていきたい、このように思っております。
 それが今までの経過でございます。
○八田ひろ子君 今の大臣のお答えでは追跡調査だけですから、きちんとしたアセス、通産省要綱に基づくアセスにもなっていない。それは、実施計画や準備書の段階できちんと公告をして住民の意見を聞くというのは、アセス法でもそうですし、通産省のアセスの要綱でもそういうふうになっているんです。
 ところが、今あなたがおっしゃった去年十月にできた評価書、これは、さっき私説明しましたけれども、準備書の段階でも実施計画の段階でもこの上のところだけだったんです。(資料を示す)それはもう紛れもない事実なんです。瀬戸市だけだったんです。ところが、ことしの八月にここだけになったわけです。ここの赤いところとここだけになったわけです。それなのに、こちらが全体になるというのは、去年の九月九日で、私は九月九日にもこの決算委員会で質問をしました。しかし、住民に対する説明はありません。
 環境万博だといいながら不十分と言われている現行アセス法の水準にも届かないやり方というのはとんでもないことであります。それぞれのアセスの手続として、瀬戸や豊田の市民の意見を聞いたように長久手の住民の意見も聞いて、そして修正評価書にそれは反映させなくちゃいけないんです。あなたがおっしゃったこれには評価したとは書いていないですね。ここに異例の言葉がついておりますけれども、「検証の結果等について取りまとめたものである。」と。だって、環境の調査というのはできていなくて、今一年間かけてやっているところなものですから。
 だから、オオタカを頂点とする豊かな自然のあるこの海上の森を破壊しての万博はいかぬ、会場はやめてくれという、こういう声が環境保護団体や県民から厳しく求められて、国の内外から批判の声が上がりました。結局、この海上の森は、さっきもお示ししたように、ここはもう会場でなくなっちゃったわけなんです。でも、海上の森だけ今まできちんと調べてきたからいいというのじゃなくて、こちらもやらなくちゃいけないというのは当然のことだというふうに私は思います。この一年間全く何もしてこなかったじゃないですか、長久手の町民に対して。
 私、時間がもうなくなりましたので、環境影響評価というのは情報公開と住民合意なんです。だけど、それができていない。それはなぜかといえば、昨年はBIEへ六月登録だから時間がない、ことしになったら十二月登録だから時間がない。急ぐばかりなんです。それで、現行計画案をきちんとした手続なしで押し通そうという。アセスメントの本質というのは、説明責任、それから柔軟性、何よりも予測の不確実性というふうに言われています。それをきちんと行わなかったので、オオタカの発見と会場計画の二転三転が起こった。ボタンのかけ違いがあったんです。これを強行すれば、国際的にも取り返しのつかないダメージになりかねません。
 時間がないので通産大臣に御質問できませんでしたが……
○委員長(鎌田要人君) 時間一分超過。
○八田ひろ子君 はい。最後に私申し上げたいのは、これは税金を使って行われる公共事業、国家事業です。ですから、環境影響評価の再実施、財政計画の公表、県民、国民の意見をよく聞いて、二〇〇五年日本国際博覧会の抜本的な見直しを、政府のイニシアチブを……
○委員長(鎌田要人君) 時間超過ですよ。
○八田ひろ子君 ぜひ求めることを申し上げまして、私の質問を終わります。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 まず、保岡法務大臣にお聞きします。
 統一協会の信者で、統一協会の合同結婚式に出席していると写真入りで報道された山下さんは法務大臣の秘書官ということで間違いないでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 間違いございません。
○福島瑞穂君 統一協会の信者で合同結婚式に出席したということは事実でしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) そのことは、私自身はよく承知しておりません。
○福島瑞穂君 報道された後、調査をされましたか。
○国務大臣(保岡興治君) 法務省の職責が重大であるという立場から、この山下秘書官が何か不適切な対応をしていた事実があるかないかだけは一応確認する必要があると思いましたので確認いたしましたけれども、一切そういうことはございません。
○福島瑞穂君 統一協会の信者で合同結婚式に出席したという事実は調査をされましたでしょうか。
 というのは、もちろん個人には信教の自由、内心の自由がもちろんあります。ただし、霊感商法は最高裁判所で違法であるということが確定をしております。また、秘書官という立場という問題もあります。
 ですので、この点について調査をされたかどうか、その結果はどうだったか、端的にお答えください。
○国務大臣(保岡興治君) 私も承知していなかったんですが、写真入りで報道されたことなどから、確認をいたしました。その結果、若いころにそういうこともあったかに聞きました。しかし、随分昔のことでございます。
 今、委員御指摘のようないろんな問題については、法務省として、私自身も今までもそうでありますし、これからもそうでありますが、法にもとること等ありましたら、それは不偏不党の立場から厳正公正に対処するという方針でおります。
○福島瑞穂君 統一協会の信者で合同結婚式に出席したことがあるということで、ところで統一協会は脱退されたのでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 山下秘書官は、十五年ほど前、お父様が奄美の方で、お知り合いと、ぜひうちで働かせてもらえないか、仕事を探しているというお話で、私の法律事務所で雇用したことがございます。非常に優秀なスタッフで、その後政策秘書として私のもとに仕えておりますが、一切不都合なことは今までないと承知しております。
○福島瑞穂君 合同結婚式に当時出席するということはかなりの活動家です。今お聞きしているのは、脱退をしたかどうかについて法務大臣は確認をされたのでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 私の事務所に来るときに、お父さんから、かつて勝共活動とか反共活動とか、あるいは若いころは民青とかいろんな活動をいろんなことの角度からやった、したがっていい仕事についていないので、私のところに仕事の相談の依頼があったという経緯でございまして、そのときに、今はどうかと聞いたら関係はないということで、その後も関係ないということを確認いたしております。
○福島瑞穂君 彼は、例えば統一協会の派遣という形で、ある団体の派遣という形で働いていたんでしょうか。それとも、保岡先生自身が給与を払うという形だったんでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) はっきり申し上げますが、お父さんから相談を受けて就職先を探してくれということでうちに働くようになりまして、私のところで、事務所で初めからずっと給与を払っております。
○福島瑞穂君 私はこの報道を見て非常に驚いたんです。というのは、法務大臣の秘書官というのは極めて重要なポストで、霊感商法で非常に問題となっている統一協会の合同結婚式にかつて出席したということが報道されましたので、非常にびっくりしました。
 統一協会の教祖である文鮮明氏は日本に入ることが原則としてできません。アメリカで実刑判決を受けておりますので入国できません。唯一彼が日本に入ることができるのは、法務大臣の特別許可が、御存じのとおり、ある場合だけです。聞きますところ、日本で資金集めの合同結婚式を主催するために入国したいという意向が極めて強いというふうにも聞いております。
 つまり、秘書官が今疑惑を持たれているわけですけれども、そういう方が秘書官で法務大臣と非常に近い関係にあるということについていかがでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 本来ならば、先生も御指摘のように、これは本人のプライバシーの問題にかかわることなんですね。しかし、先ほど申し上げたように、法務省のいろいろ重大な責任もありますから、一応確認したり、今ここである事実をお答えしているところでございますが、今言われたようなことについては、先ほどもお答えしたように、法務大臣としては不偏不党で、厳正公正に、法に基づいて適切に対処してまいりますので、いささかも御懸念の点はないと思います。
○福島瑞穂君 では今後も、済みませんが注視をさせていただきます。
 では次に、官房機密費についてお聞きをいたします。
 官房機密費を具体的に配った人から、どの人たちに具体的に幾ら払ったかという詳細なメモをいただきました。
 そこで、お聞きをいたします。
 サミット随行員、今まで行われたサミットの随行員に対して、つまり公務員に対して四十万円などを個別に払っているという詳細な、名前も入ったメモもいただいたんですが、そういうサミットに随行した公務員に官房機密費を支払ったことがかつてありますか。
○国務大臣(中川秀直君) お答え申し上げます。
 内閣官房の報償費は、国が国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するために、その状況に応じて最も適当と考えられる方法によって機動的に使用する経費でございます。
 今お尋ねのサミット等国際会議において随行した者に払ったことがあるかということでございますが、この事柄、その報償費の性格にかんがみまして、その具体的な使途は公開しないことになっておりまして、個々の事案については答弁を差し控えたいと存じます。
○福島瑞穂君 個別に幾ら払ったかということを聞いているのではありません。一覧表がありまして、それぞれ幾ら払ったかと。
 私はやはり非常に驚いたのは、例えば公務員はきちっと給料をもらっているわけです。特に例えば局長クラスになれば相当の給与をもらっていらっしゃると思います。サミットに随行したということで国民の税金がこのような形で使われていることは重大な問題だと思います。
 では次に、これを見ますと、例えば自民党の職員、幹事長室などに払っているというメモがあります。かつてこういうことはあったのでしょうか。
○国務大臣(中川秀直君) 先ほど申し上げましたような目的で、それぞれの状況に応じて最も適当と考えられる方法により機動的に使用する経費が報償費でございまして、一般的にその支出目的にかなうと考えられる場合に使用しているところでございます。
 具体的な使途については答弁を差し控えたいと存じます。
○福島瑞穂君 自民党の選対に払っているという具体的なメモがありますが、これについてはいかがですか。
○国務大臣(中川秀直君) それにつきましても同じ答弁を申し上げるしかないと存じます。
○福島瑞穂君 自民党の国対に対して支払ったというのはどうですか、かつてありますか。
○国務大臣(中川秀直君) 国が国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するために、その状況に応じて最も適当と考えられる方法によって機動的に使用する報償費でございまして、例えば一国の総理として内政、外交の円滑な推進を図る上で、これに関し功労あるいは協力、努力のあった者に対して、その御労苦に報い、さらにその寄与を奨励することが望ましい、そういうふうなことが思われる場合において、その状況に応じて最も適当な方法で支出している経費でございます。
 したがいまして、その具体的な使途を公開することは行政の円滑な遂行に重大な支障を生じると判断しておりますので、個々の事案については答弁を差し控えるということにいたしておるところでございます。
○福島瑞穂君 同じ答弁が続くので、次についてはイエスかノーかだけで結構です。
 政治評論家に対して、個別の名前、それぞれの金額が書いてあるメモをいただいているんですが、政治評論家に対して払ったということはありますか。
○国務大臣(中川秀直君) そういうメモについては承知いたしておりませんし、報償費の具体的な使途については答弁を差し控えるということにいたしております。
○福島瑞穂君 政治家に対して支払った、あるいは個別の名前もありますので、公務員の各人に対して実は確認することはできると思います。
 きょう申し上げたいのは、今の答弁の中で一切何も明らかにされないということです。御存じ、官房機密費がこういうふうにフリーハンドで、国民の税金がフリーハンドで、全く国会、国民のチェックなく、用途すら明らかにされずに使われているということは非常におかしい問題だと思っております。
 きょう、官房機密費の個別について何ら回答がなかったと。今後、ぜひこの点については、会計検査院も含め前向きに、個別は結構ですから、せめて大枠でも、項目でも明らかにしてくださるように強く要求します。今後ともこの点については追及していきます。
 では次に、盗聴法についてお聞きします。
 二〇〇〇年八月十三日の朝日新聞で、「通信傍受費 ドコモに要請」「警察庁 携帯電話用ソフト開発」ということがあります。こういうことはあったのでしょうか。警察庁に。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 端的に申し上げまして、警察庁からNTTドコモに対して百億円を上回るソフト開発の費用負担を求めたという事実はございません。
 警察庁におきましては、携帯電話の傍受に伴う技術的課題を克服するために、本年三月から四月にかけて携帯電話事業者に対して適切な通信傍受を可能にするための機能整備について任意の協力依頼を実施したところでございます。
 警察庁といたしましては、この協力依頼に当たりましては、通信傍受法第十一条に規定されている協力義務ではなくて、あくまでも任意で対応をお願いする旨を明確に伝えておりますし、また協力依頼に当たりましては、具体的にどのようなソフトを開発するかとか、あるいはその費用負担がどれくらいになるか、額がどれくらいになるかということについては意見交換の対象とはしてございません。
○福島瑞穂君 ひどい話だと思うんですね。NTTドコモ側とすれば、一体幾らぐらいかかるのかということがわからないわけですよ。そうしたら、NTTドコモ側はこんなのは協力しないと言うことは可能なのでしょうか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 先ほど申し上げましたように、これは通信傍受法の十一条に言う協力義務ではございません。あくまでも任意のものですから、どうしてもそれは払えないということであれば、それを強制する手段はございません。
○福島瑞穂君 よくわからないのは、じゃ何の費用について任意でお願いをされたんでしょうか。そこをもう一度お願いします。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 協力依頼の具体的内容なんですが、あるいはまた各通信事業者の対応の状況等につきましては、やはり捜査上の支障、どういう技術が可能かとか、どこまでできてどこまでできないのかということで、できないことについて可能にするために依頼しているわけでありますので、それがわかるということは逆に裏をかかれるという問題にもなるわけでございます。また、この技術の問題につきましては、それぞれ事業者の方で事業上の秘密といいますか、そういうのもございますので、ここで答弁することは差し控えさせていただきます。
○福島瑞穂君 意味がわからないんですが、では携帯電話用ソフト開発ということで協力を任意で依頼したということはあるんでしょうか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 先ほど申し上げましたように、ソフト開発ということで百億云々とか、それについてはそういう形では依頼したことはございません。
○福島瑞穂君 金額は言えないということであれば、NTTドコモ側はどれぐらいになるかわかりにくいと思うんですね。
 警察庁側としては、任意の依頼についてどれぐらいの額になると試算をされていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) どれくらいかかるかというのは事業者によって使っているシステム等も違いますし、また技術もいろいろ異なってまいります。一概に幾らというのは私の方では把握できませんし、お答えするわけにはいかないというふうに思います。
○福島瑞穂君 ですから、逆にこの記事によりますと、ドコモ側がさまざまな試算をした結果、最大で百億円になるのではないかと。つまり、警察庁側は金額は言わずにこういうことで協力してほしいと。ドコモ側としては計算をしたら最大百億円だったということだと思うんですね。
 審議の過程の中で、例えば一九九九年七月二十九日の答弁などでも、「コストにつきましては当然ほとんど国が負担するということになろうと思います」、あるいは「過度な負担あるいは過度な技術の開発を要求する」ことはありませんと。つまり、民間に対して技術開発費あるいは負担を求めないということが法案の審議の中で繰り返し答弁をされていたんですが、ここで任意であれ費用の負担を求めるということは理解ができません。いかがでしょうか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 研究開発費につきましては、法務省におきまして平成十二年度予算において携帯電話の通信傍受に関する開発研究費を計上しておりまして、所要の研究を行っているものと承知しておりますが、その内容については詳細に答弁する立場にないことを御理解いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、警察庁といたしましては、法務省の研究状況を勘案しつつ、なお通信事業者の任意の措置を必要とすることから、適切な傍受のために協力依頼を行っているということでございます。
 また、先ほどの件でございますけれども、平成十一年七月二十三日の衆議院法務委員会におきまして郵政省の天野政府委員から、
 法案第十一条の協力義務を超える協力が必要となった場合には、捜査機関等が通信事業者等に対しまして任意の協力を求めることはあり得ると考えますが、通信事業者への過度の負担を伴い、電気通信役務の円滑な提供が阻害されるおそれがあるような場合には、必ずしも協力の要請に応じることにはならない
との答弁もあったものと承知しております。
○福島瑞穂君 NTTドコモは立会人を拒否したというふうに報道されております。立会人二十四時間を十日間、場合によっては、令状をずんずんとり直せば無限大にできるわけです。事業者の側の立会人の負担というものは事業者が負担することになるということでよろしいですか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) NTTドコモの関係でございますけれども、ちょっと敷衍させていただきますと、立ち会いの関係でございますが、立ち会いにつきましては警察といたしましては、ちょっと長くなりますけれども……
○福島瑞穂君 短くお願いします。ごめんなさい。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 初めですのでちょっと詳し目に説明させてください。
 通信傍受法第十二条が、「傍受の実施をするときは、通信手段の傍受の実施をする部分を管理する者又はこれに代わるべき者を立ち会わせなければならない。」ということを規定しておりますし、「これらの者を立ち会わせることができないときは、地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。」と規定していること、また、この規定の趣旨につきましては通信事業者の監督官庁である郵政省が国会で、通信事業者におきましても立ち会いを求められた場合は必要に応じて協力していくのがまず基本ではないかとの答弁をしていることなどから、法第十二条の規定による立ち会いは通信事業者にお願いするのが原則というふうに考えております。
 こうしたことから、携帯電話最大手のNTTドコモを含む通信事業者に対しまして、警察から立ち会いをお願いした場合においては協力してくださいということでお願いしておるわけであります。
 これに対して、NTTドコモからは、法第十一条に基づく協力依頼にも応じる必要があるし、また立ち会いもということになると負担が大きいためなかなか難しい面があると。ただし、全面的に立ち会いを拒否するということではなくて、要請のあったときには個別の事案ごとに検討したい旨の話があったところであります。
 警察といたしましては、ただいま申し上げましたとおり、通信事業者の立ち会いをお願いするのが原則であるとの立場からNTTドコモに対して立ち会いをお願いしていくことになりますが、個別の事案ごとに事前によく説明、相談するなどして、その理解と協力が得られるように努めてまいりたいというふうに考えています。立ち会いにつきましては、あくまでもこれは任意でございますので、その任意の了解を得たいということでお願いしてまいりたいというふうに考えております。
○福島瑞穂君 盗聴法に関しては、予算が今後どうなるのか、あるいは民間の負担がどうなるのか、かなり不透明な部分もあります。民間企業がそれを果たして拒否できるのか、拒否した場合にどうなるのかという点について今後もまた質問をさせていただきます。
 次に、外務省にお聞きをいたします。
 日本から初めて日本製の原子力発電が台湾に輸出されるということが言われております。私も、先日八月十六日から台湾に行き、現地を視察してきました。
 NPT条約のことが問題になると思います。核不拡散条約ですが、日本と台湾の間には国交がありません。したがって、これが非常に問題で、核の技術移転に関しては、被害が大きい軍事転用があり得るということで、二国間協定が必要というふうに考えられます。台湾と日本の間には何ら協定、合意書はありません。NPT条約違反だと考えますが、いかがですか。
○政務次官(荒木清寛君) お答えをいたします。
 核兵器不拡散条約は、同条約の締約国が核物質の使用等のために特に設計をされたいわゆる原子力資機材等を非核兵器国へ移転するに当たっては、その移転先において当該核物質に国際原子力機関、いわゆるIAEAの保障措置が適用されることを条件としております。
 台湾は、米国及びIAEAとの三者間保障措置協定を締結しております。この協定に基づきまして、台湾にあるすべての核物質に対してIAEAによる保障措置が適用されています。
 また、本件原子力設備を輸出する我が国の事業者は米国の事業者の下請であり、本件原子力設備は米国と台湾との関係においては米国から輸出されたものとして取り扱われます。
 米国政府は、以上の点を踏まえ、我が国に対し、台湾当局が管理する地域にあるすべての核物質に対するIAEAによる保障措置の適用を確保する旨を口上書により公式に表明しております。
 したがいまして、御指摘の台湾への原子力資機材等の移転が核兵器不拡散条約に反するものとは考えておりません。
○福島瑞穂君 それは違うと思います。日本と中華人民共和国の間で、日本のある企業が格納容器を輸出するということがありました。そのときは、日本と中華人民共和国との間で、きちんと両方の政府が軍事転用を絶対にさせないという細かな規定をきっちり設けております。
 米国と台湾の間の口上書は、万が一問題があったときにアメリカは日本と話し合いをするという中身で、アメリカはそのことについて責任を負うという中身に一切なっておりません。ですから、この口上書を持ち出すのは違うと思います。
 それから、NPT条約は積み出し国となっております。中華人民共和国と昭和六十一年に締結したときは、これは格納容器、原子炉ではありません、格納容器のみを輸出するときにこういう厳密にやって、今度原子炉本体を初めて日本の企業が輸出すると。積み出し国です。にもかかわらず、NPT条約が一切働いていないと。
 御存じ、カナダから輸出された原子炉CANDU炉をもとにパキスタンは核武装をしました。森総理の広島での発言でもありますけれども、日本は唯一の核被爆国で、軍事転用させないということは日本の基本目標です。
 もう一度お聞きします。
 きちっとした合意書がない。口上書は署名も一切ありません。責任ある者の署名もありませんし、合意書でもありません。単なる連絡事項でしかありません。合意書ではない面でどうしてこれでNPT条約をクリアできるんでしょうか。台湾は、李登輝さんも含めて一度は核武装すると宣言をしております。研究所が一度爆発を起こしたということもあります。もし日本が原子炉を輸出して万が一台湾が核武装したら、外務省はどういう責任をとられるんでしょうか。
○政務次官(荒木清寛君) 口上書では不十分ではないかというお話でありますけれども、しかし政府レベルでの意図表明を口上書により行うことは国際的にも一般的に認められておることであります。
 しかも、この内容でありますが、本件につきましては、核不拡散に対し厳格な立場をとる米国政府が保障措置の適用等に関して責任を持つことを政府レベルで表明したものでありますから、十分な保障であると考えております。
○福島瑞穂君 口上書の具体的な文言は一切そうなっておりません。アメリカ政府は責任を負うという形には一切なっておりません。日本政府と相談をするという形になっております。こういうことがあった場合、日本の要求により日本政府と相談をする、それだけの中身に合意書はなっております。これをきちっとした核不拡散条約に基づく二国間協定というふうには言えませんし、日本と台湾の間には合意書そのものはないわけです。米国の口上書では不十分、かつ米国の口上書の中身は責任を負うという形になっておりません。
 では、今後もこの点について引き続き追及をしていきたいと思います。
 最後に、日米安保密約の問題について外務省にお聞きをいたします。
 けさの朝日新聞に、核寄港は事前協議対象外と出ております。御存じ、事前協議の中身に関して秘密合意は、まず第一に核兵器を積んだ米艦船が日本に寄港した場合、それから朝鮮半島有事で米軍が日本国内の基地から出撃する場合には、事前協議は不要という密約があったという旨報道されております。これは事実でしょうか。
○政務次官(荒木清寛君) きょうの報道は拝見をしておりますが、この御指摘の文書につきましては、政府としてはコメントする立場にありません。歴代の総理、外務大臣が繰り返し明確に述べておりますように、安保条約のもとにおける事前協議に関しましては、いかなる密約も存在しないところでございます。
○福島瑞穂君 では、お聞きします。
 核寄港の場合と朝鮮半島有事で米軍が日本国内の基地から出撃する場合、事前協議は必要なのでしょうか。
○政務次官(荒木清寛君) 御指摘のとおりでございます。
○福島瑞穂君 それでしたら、この密約の米軍の立場と違うかもしれませんので、日本政府は事前協議が必要であるという回答ですので、この点については引き続きこちらも調査したいと思います。
 では、最後に大蔵大臣にお聞きをいたします。
 電源開発促進対策特別会計なんですが、これは大部分原子力発電所の立地対策などに使われてきました。しかし、現在、電源開発に目的が特化された財源で、この存在自体も電力自由化の流れの中で陳腐化する傾向にあります。この税制及び特別会計のあり方を見直してはいかがでしょうか。あるいは、自然エネルギーなどに振りかえるなどのシステムはいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは通産大臣のお答えをされることかもしれませんが、特別会計においては発電用施設の周辺地域への交付金の計上、電源立地勘定のほかに石油代替エネルギーによる発電量促進等のため電源多様化勘定を設けて、風力発電、太陽光発電など新エネルギーの開発利用促進のための予算を計上しております。
 今、その支払いがおくれているそうでございますが、それは電源立地の進捗状況が遅いということで、この余裕金を他の施策に支出するということは、これは立地対策の財源でございますから目的に外れておるというふうに考えています。
○福島瑞穂君 ぜひ見直しをよろしく検討していただきたいと思います。
 質問を終わります。
○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。二日間の全体的質疑、最後でございますが、よろしくお願いをいたしたいと思っております。
 私、いよいよことしも来年度予算の概算要求の時期が来たということで、また前から財政問題についていろいろ大臣に質問させていただいておりますので、その観点からの質問を準備させていただきましたが、財政問題については昨日も菅川委員、本日も高嶋委員その他の委員の方々が御質問されまして、大臣からも大変前向きなと私は感じているんですが、そういうお話があったと思っております。
 私、実は心配いたしましたのは、いわゆる赤字国債の発行というのが、私が考えましてもそれ自体が悪いわけじゃない、どんどん累積していく、これが本当に大丈夫なのかなという心配をしたわけでございますが、それに対して、今まで私いろんな方に御質問させていただいたんですけれども、景気がよくなってから、民需が伸びてきてからというようなお話で何か食い違いがあった。このままこの問題が風化しちゃうんじゃないかなというような心配さえしたわけでございますが、きょうの大臣のお話で大分前向きだなというような感じがいたしまして、そういう面では評価させていただいております。
 それと同時に、大臣、いろいろと民主主義の原則にのっとって、あるいはほかの人の御意見も伺ってというような確かにそういう面もございますでしょうけれども、大臣御自身はもうこれの当事者で、大臣が先頭に立ってやっていただかないと財政改革といいますか、そういうものはできない、積極的にやっていただきたいなと、これは御要望する次第でございます。
 それで、この財政問題、私なりに考えますと、先ほど言いましたように、借金が悪くはないけれども、ではどの辺がいいのか、どの辺でどういうふうにいったらいいのかという、これは非常にファジーな感じ、だれにもわかる問題ではないかもしれませんけれども、その辺の認識が、どうみんなで分かち合っているかなというところが一つ大きいのであろうと思いまして、昨年、実はこの決算委員会のやはり最後の総括質疑で、私は小会派ですので質問時間が大変短かったものですから、小渕総理、時の総理大臣に、端的に言って、今の財政状態というものを異常と思っておられるかどうか質問させていただきました。
 その御答弁、私はこういう立場でお聞きしていたら、異常だと思っておられるというふうにお受けしたんですが、その後議事録を見ましたら、よく読みましたら、借金というのは異常だと、したがって異常だけれども景気のためにやらなきゃいかぬということで、何か今読むとすれ違いの答弁を受けたような感じがしてならないわけでございますけれども、先ほど来の大蔵大臣のお話を伺っていますと、そうではない、きちっとその辺御整理されて、異常と思っておられると思っておるんですが、その辺の御見解をまず大臣からお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 行政の経験をお持ちの岩本委員、昨日のまた菅川委員も同じお立場からの御質問でありまして、明らかに今の我が国の負債は異常でございます。問題なく異常でございます。
 これからどうするかということでございますけれども、毎年毎年どんどんどんどん国債が、しかも発行額がふえて全体が累増していくということは、これはどうしてもやめなければならないという問題が一つ。しかし、そうしましても今までの累積があるわけでございますから、財政への負担というものはやっぱりなかなか減りません。私は、我が国の国民の資質からいえば、時間をかければこの負債というのはどうにもならぬというものではないと思いますけれども、しかし、そのためにはそれなりの経済成長をしまして、そしてその累積していくものをだんだん減らしていくという努力、大変長いことかかると思いますけれども、それはどうしても不可欠である、大変長くかかりますけれども、ほっておいていいというふうに私は思いません。
 それで、どの辺ならまあ我慢できるかということは、お答えは難しゅうございますが、今、毎年の御審議いただきます一般会計の中で国債費、それは利払いと償還でございますが、これが二〇%に達しております。大蔵大臣として国民からいただく税金の、歳入の二〇%をそういうことに使わなければならないということは、これは甚だ財政をやりにくくしております。ですから、そこらあたりがやっぱり一つのめどでなければならないのに、だれもそういう議論はなさった方はいらっしゃらないように思いますけれども、実務的な経験からはそういうふうに感じております。
○岩本荘太君 ありがとうございます。
 ただいまの御答弁で、これからの赤字国債を減らしたいというようなふうに私はお受けしたんですが、実はその辺が私は非常に心配でして、今まで財政問題を御質問させていただくときに、いつも大蔵省が予算案を出したときに中期財政試算ですか、前はそう呼んでおりましたけれども、今般取り寄せましたら中期財政展望と言葉が変わって、どうしてこう変わったのかわからないんですが、それを参考にさせていただいて、これは、たしかことしの予算のときは十五年度までのものを試算していると思うんですけれども、たしか見かけの成長が三・五%として試算されておられる。予算も現状の制度なり施策をそのまま続ければというふうな前提でやっておられますけれども、それを見ますと、十五年ぐらいまでやっぱり三十兆円ぐらいの赤字国債を出さないとやっていけないという数字が出ているわけですね。
 これをどうなんだということをいつもお聞きするんですけれども、これは前提が多過ぎて当てにならないというようなふうにおっしゃるんですが、財政のしっかりした考え方を持っておられる大蔵省が今考えられる一番確かな、政策的に新しい方式に変えるということは言わなくても、今一番予想できる方法でやっているのがこれだろうと思うんですね。何らかのほかの対応を考えない限りはこのままいくんじゃないかというような気が私はしてならないわけで、そういう面でいろいろ質問させていただいているわけです。
 それでいきますと、今申しましたように、ずっと十五年まで三十兆円前後。だから、これを本当はもっと長く延ばして計算して国民に示したらどうか、異常だという状態を示したらどうかというようなことを申し上げたこともあるんですが、これはやっぱり仮定が多くてそういうわけにいかない、恐らく半永久的にあれだと三十兆円が続くんじゃないのかなというような気がしてならないわけです。そんなことで、今度の予算編成もされる。その中期展望にその年度の予算編成は影響されない、影響も受けないというふうなことは注釈で書かれておりますけれども、そのとおり動いていく。私は国会議員になって二年ですけれども、この間を見てきただけでもそのとおり動いているわけですね。
 これであっては幾ら変える変えると言っても現実は変わっていかない、そしてたまった借金がどうしようかという以前にもっともっとたまっていくんじゃないかという心配が持たれてならないわけでございまして、その辺、これから来年度の予算編成にかかると思いますけれども、この中期展望ですか、この見通しに対してどういう点で何か明るい材料が見えるのか。まだ先の話かと思いますが、大蔵大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 以前にも一部申し上げましたけれども、あの中期展望は、たしか昭和五十年代であったと思いますが、国会の予算委員会の御要望によりまして提出いたしました。そのころにはそのころ的な意味があったと思いますが、ごらんのように、あれはもう一切今やっている政府のリストラのようなことはなしに、今やっていることをプロジェクションで延ばしていくという想定でございますとああいうことになると。成長すればそれならいいかというと、金利が上がりますから国債費が上がって、それではまだだめだと。
 つまり、ある意味で非常に静態的な投影をした資料としての意味しかないわけでございますけれども、それがもうこうやって二十何年たちまして、時々ごらんになって御批判を受けたり、あるいは御叱責があったり、中にはそういうものはもうやめた方がいい、ミスリードするだけだという御指摘もありますのですが、どうも私どもも、ある日突然これでやめさせていただきますというわけにもいかないし、そうかといって、こういう見通しでございますという現実的な見通しの表がつくれるわけでございません。
 そういう実は困ったものだと思っておりますが、一つだけ申し上げられることは、今のままならばこうなると言っておりますことの中で一番これから困りますと思いますのは、国債費はもうある程度出しておりますから減らすわけには急にまいらないと思いますが、社会保障の負担というものが急増するということがどうしても人口等々の事情から不可避になる。この制度改善がございませんと、いろいろ申してみてもやっぱりああいうものが先に控えておるというふうな感じがございまして、したがって毎度申しますように、この問題につきましては平成十六年と言わず何とかならぬといかぬと思っておりますが、そもそも中期展望そのものにつきまして何とか工夫ができるものなら私どももいたしたいというふうに実は思っておりますものの、いろいろあれに基づいて政府だめじゃないかとおっしゃる方からいえば実際だめなものですから、それをすっと今度お出ししないというのは何だかフェアじゃないなと、そこらで困っておるわけでございます。
○岩本荘太君 大臣が困ると私も困るわけでございまして、ただこの財政再建というのは私はもう国民の方々にも相当痛みが伴うんじゃないかという気がするわけでございますから、そういう意味では国民の方々にやっぱりしっかりと理解をされなければならない。
 したがって、中期展望というものがあいまいなものであって、それはなくしたいと言われるかもしれませんが、そうしますと何もわからなくなってくるわけですね、将来が。大臣が言われますように、それにかわる何かがなければならないというような気がいたしますので、その辺はぜひとも、今、大臣は何かおつくりになりたいというようなお話でございますので、しっかりとその辺をお考えいただきたいな、こう思う次第です。
 それともう一つだけ、国民の理解が大切だということで、大変単純で素朴な質問かもしれないのですが、よく地元の方々と話しておりまして、この財政問題、財政の危機、こういう問題を話しておりますと、そういう借金体質の中で何で海外援助をやるのかと。あれは金をくれてあげるというような認識を持っている人が多いと思うのです。そういう質問を受けまして、私は私なりにいろいろ御説明するんですけれども、なかなか納得されない面がございまして、私、個人的なことを申し上げれば、先ほど海野委員がJOCVのお話をされましたけれども、あのときにJOCV、JICAとかございましたが、私もJICAに勤務したことがございますし、在外公館で経済担当をやったこともございますので知らないわけではない。私なりの考え、ある一つの見解は持っていると思います。
 あれはある意味では人道的な面、これは正義の味方といいますか、そういう面もございますでしょうし、単に相手の国のためだけになっているというような面もございますし、相手の経済が潤わないと日本の経済も潤わないというような面もございますし、いろいろな面もあると思うんですけれども、そういう面を説明してもなかなか理解していただけない。私ごとき者が言うのではなかなか理解してもらえないわけですけれども、世の中にそういう声がだんだん広がってきたとすれば、これはやっぱり政府の説明責任といいますか、そういうものを怠っているんじゃないのかなと。
 本来、大蔵大臣じゃなくて外務大臣にお聞きすることかもしれませんが、外務大臣にしてみればやるべしということでありましょうし、全体の財政の問題から見ればやはり大蔵大臣がしっかりとその辺の御説明をしていただきたいな、こんな気持ちで実は御質問させていただくわけですけれども、これは私にお答えいただくというよりも、むしろ一般の国民の方にこういうものだということで御説明いただけたらなと思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては、ここにおいでになります政治家諸賢皆様が、おのおのに御説明を持っておられると思います。
 私も個人として、今所管でございませんから、長いこと自分が戦後間もなくから思ってまいっておりますのは、我が国は軍備をもって世界平和に貢献することができませんので、それにかわってこういう形で寄与をしていると思っておりまして、だんだん我が国が裕福になりましたので、その貢献できないということに対する批判は相当強い、したがってこういう形で軍備にかわる貢献をしていると私自身が実は自分に言い聞かせておりますが、所管大臣でございませんので私見でございます。
○岩本荘太君 どうもありがとうございました。
 ほかにも質問はございますが、重複する部分が多いものでございますので、大体御答弁を推定できると考えておりまして、時間は余しましたが、これで私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(鎌田要人君) 以上で平成十年度決算外二件の全般的質疑は終了いたしました。
    ─────────────
○委員長(鎌田要人君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 高嶋良充君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に川橋幸子君及び佐藤雄平君を指名いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十三分散会