第149回国会 決算委員会 第5号
平成十二年九月十九日(火曜日)
   午前十一時開会
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   委員の異動
 九月六日
    辞任         補欠選任
     郡司  彰君     櫻井  充君
     佐藤 泰介君     松崎 俊久君
     菅川 健二君     海野  徹君
     高嶋 良充君     今井  澄君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鎌田 要人君
    理 事
                鹿熊 安正君
                月原 茂皓君
                川橋 幸子君
    委 員
                岩城 光英君
                加納 時男君
                亀谷 博昭君
                佐藤 昭郎君
                世耕 弘成君
                中島 啓雄君
                中原  爽君
                松田 岩夫君
                朝日 俊弘君
                今井  澄君
                海野  徹君
                櫻井  充君
                松崎 俊久君
                海野 義孝君
                大森 礼子君
                阿部 幸代君
                緒方 靖夫君
                八田ひろ子君
                福島 瑞穂君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       農林水産大臣   谷  洋一君
       運輸大臣
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)      森田  一君
   政務次官
       大蔵政務次官   七条  明君
       農林水産政務次
       官        三浦 一水君
       運輸政務次官   実川 幸夫君
       金融再生政務次
       官        宮本 一三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        島原  勉君
   政府参考人
       金融再生委員会
       事務局長     森  昭治君
       金融庁監督部長  高木 祥吉君
       北海道開発庁総
       務監理官     林  延泰君
       防衛庁人事教育
       局長       柳澤 協二君
       環境庁企画調整
       局長       太田 義武君
       大蔵省主計局次
       長        丹呉 泰健君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       農林水産大臣官
       房長       竹中 美晴君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省経済
       局統計情報部長  田家 邦明君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省農産
       園芸局長     木下 寛之君
       農林水産省畜産
       局長       樋口 久俊君
       農林水産省食品
       流通局長     西藤 久三君
       農林水産技術会
       議事務局長    小林 新一君
       食糧庁長官    高木  賢君
       林野庁長官    伴  次雄君
       運輸省運輸政策
       局長       岩村  敬君
       運輸省鉄道局長  安富 正文君
       運輸省自動車交
       通局長      縄野 克彦君
       運輸省海上技術
       安全局長     谷野龍一郎君
       運輸省航空局長  深谷 憲一君
       運輸省航空事故
       調査委員会事務
       局長       中島 憲司君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第三局長   白石 博之君
       会計検査院事務
       総局第四局長   渡辺 孝至君
       会計検査院事務
       総局第五局長   諸田 敏朗君
   参考人
       農林漁業金融公
       庫総裁      鶴岡 俊彦君
       日本政策投資銀
       行総裁      小粥 正巳君
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  本日の会議に付した案件
○平成十年度一般会計歳入歳出決算、平成十年度
 特別会計歳入歳出決算、平成十年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成十年度政府関係機関
 決算書(第百四十七回国会内閣提出)(継続案
 件)
○平成十年度国有財産増減及び現在額総計算書(
 第百四十七回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 百四十七回国会内閣提出)(継続案件)

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○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六日、高嶋良充君、佐藤泰介君、菅川健二君及び郡司彰君が委員を辞任され、その補欠として今井澄君、松崎俊久君、海野徹君及び櫻井充君が選任されました。
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○委員長(鎌田要人君) 平成十年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、農林水産省、運輸省、北海道開発庁、農林漁業金融公庫及び北海道東北開発公庫の決算について審査を行います。
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○委員長(鎌田要人君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鎌田要人君) 速記を起こしてください。
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○委員長(鎌田要人君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○中島啓雄君 おはようございます。自由民主党の中島啓雄でございます。
 本日は、休会中にもかかわらず、運輸大臣、農林水産大臣初め関係の皆様に御出席をいただいてありがとうございます。スケジュールの関係で十一時からということになりましたので、私は運輸省関係について御質問をさせていただきますので、御了承をいただきたいと思います。
 谷農林水産大臣には、御出席いただきまして大変恐縮でございます。
 最初に、運輸部門の環境対策について御質問をさせていただきたいと思います。
 九七年の十二月に、京都におきまして第三回気候変動枠組み条約締約国会議、いわゆるCOP3が開催されました。そこで締約国全体の対象ガスの排出量を二〇一二年までに原則として一九九〇年を基準として五%削減する、我が国については六%削減するということが採択をされまして、二〇〇二年までに発効することが求められております。大変厳しい目標かと思いますが、人類の未来のためにはぜひ我が国の公約を達成させる必要があると思っております。
 ところで、CO2だけとりましても総排出量のうち運輸部門が二〇%強を占めておる。産業部門が約四〇%でございますが、産業部門についてはその伸びがとまりつつあるというか比較的緩やかになっておるという現状でございますが、運輸部門は逐年自動車を中心に伸びておるというのが現状かと思います。
 そういう意味で、国際公約を守るためには運輸部門の削減対策が大きなかぎになると思いますが、どのような対策を考えておられるのか。昨年の税制改正の案でも運輸省の方から自動車のグリーン税制というようなことを提案されましたが、これも一つの重要な手段と思いますが、今後どういうふうに具体化されていくお考えか、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 ただいま先生がお話しになりましたように、運輸部門からの二酸化炭素の排出量というのは我が国全体の約二割を占めております。したがって、その削減対策ということは極めて大切な問題でございます。そして、その際、我が国の運輸部門からの二酸化炭素排出量の約九割が自動車から排出されていることを考えれば、先生御指摘のとおり、自動車を重視していかなきゃいかぬということは確かでございます。
 すなわち、このCOP3の公約を守るためには、環境に優しい自動車社会の構築、すなわち自動車交通グリーン化が最重要の課題であるというふうに認識をいたしております。そして、お話がありましたように、昨年はグリーン税制を提起したが関係者の納得が得られませんでした。ことしはグリーン税制ということだけではなくて、全般にグリーン化を図るということでいろんな対策も考え、その中にグリーン税制を位置づけておるところでございます。
 そういうような観点から、現在、運輸省では自動車交通のグリーン化に向けて取り組んでおりますが、一つとして、二酸化炭素や窒素化合物の排出の少ない環境自動車の開発普及を図ることが第一点でございます。第二点は、交通需要管理と申しますか、いわゆるTDMという施策を推進してまいりたいと思っております。それから三番目は、自動車グリーン税制の実施でございます。ここだけが去年取り出されて強調されたわけでございますが、ことしも後に述べるような要求をいたしております。それから四番目は、踏切の立体交差化等の渋滞対策の推進でございます。そして五番目は、自動車NOx法の改正によるNOx対策や浮遊粒子状物質、いわゆるPMでございますが、PM対策の強化等、こういうふうな総合的な対策に取り組もうとしておるわけであります。
 そして、御指摘の自動車グリーン税制については、重要性については認識されたものの、具体的な税制内容について与党、関係省庁を初めとする関係者の御賛同が得られませんでした。このために、十三年度要望に当たってはあらかじめ関係者と十分協議をいたしております。そして、今までのところ、その協議は順調に進んでおります。
 そして、この税制自体はぜひとも実現したいというふうに思っておるわけでございますが、例えばこの要望は運輸省、通産省、環境庁の共同要望として提出するというようなことにしておりまして、関係者の御賛同が得られる内容となっております。
 グリーン税制の実現による環境自動車の普及促進はCOP3の公約を守るために重要な課題でございまして、ただいま御指摘いただきました中島先生の御支援を得ながら力いっぱいやってまいりたい、このように思っております。
○中島啓雄君 五つの重点化対策を初め大変詳しい御説明をいただきまして、ありがとうございました。
 今、NOxのお話もございましたが、NOxあるいは粒子状物質、PMについてはディーゼル車への対策が重要かと思いますが、東京都で石原知事主導のもとにディーゼル車の微粒子除去装置の義務づけといったような提案もございまして、地方によってはいろいろな構想が出ているようでございますが、そういった関連も含めてディーゼル車対策について若干御説明をいただければと思います。
○政府参考人(縄野克彦君) 御説明申し上げます。
 ディーゼル車の環境対策につきましては、自動車単体からの排出ガスの規制を順次厳しくしてきております。
 そのほかに、今お話ございました自動車NOx法に基づきまして排出量が一定以上のディーゼル車の使用制限などを実施することの措置を講ずるとともに、物流効率化対策の全体的な、総合的な対策の推進などに取り組んでいるところでございます。
 今お話ございましたディーゼル車にかかわる粒子状物質、PMの削減対策につきましては、昨年来、都から提案が行われているところでございますけれども、運輸省としましてもこのような情勢を踏まえまして、関係省庁と連携をしまして技術評価検討会を設置しまして、NOx、粒子状物質双方を低減するために、現在使用中の古いディーゼル車については最新規制の適合車に代替を進める、これを基本としまして、その上で条件を満たす一部の車種にDPF、ディーゼル微粒子除去装置の装着を促進させる施策も有効であると、こういう中間的な取りまとめを七月末に行ったところでございます。これを受けまして、関係省庁とともに十三年度の予算・税制要求の中で、最新規制適合車など低公害な自動車への代替促進施策を中心といたしまして、あわせてDPF装着補助も要望しておるところでございます。
 今後とも、自動車NOx法の見直しを検討しております中央環境審議会における審議などを踏まえまして、積極的にこの対策に取り組んでまいりたい、このように思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 環境対策への対処の方法として、一つは、環境負荷のより小さい輸送手段へシフトさせるということで、モーダルシフトという対策がございます。平成九年四月の総合物流施策大綱とか十年九月の運輸省の物流施策アクション・プラン等において、海運及び鉄道の活用による自動車輸送からの転換というようなことを促進するという方針が出されておりますが、現時点における推進状況、今後の推進の仕方などをお聞かせいただければと思います。
 例えば鉄道貨物について申しますと、貨物ターミナルというのはコンテナとの積みかえの設備としていわば道路と鉄道の接点の役割を果たしておるという意味から、やっぱり公共的な設備として道路と鉄道の中間ということで積極的な助成策を講ずべきではないかというような考えもあると思いますが、運輸省のお考えを聞かせていただければと思います。
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方からお話ありましたように、近年、地球温暖化等の環境問題、それから道路混雑等、物流を取り巻く制約要因が非常に深刻化しております。
 こういう制約要因の克服という観点から、いわゆるモーダルシフトという形で我々運輸省も推進してきておるわけでございますが、鉄道関係で申しますと、特に長距離貨物輸送については、トラック輸送から、いわゆる大量輸送に非常に適している、あるいは環境に非常に優しい輸送機関という観点から、鉄道へのモーダルシフトを推進するということでいろいろな施策を講じてきております。
 この中で、特に先ほど先生からもお話ありましたけれども、一つの財政上の支援措置として、現在JR貨物が整備しております門司貨物拠点整備事業、これは具体的には約三割の補助金を出してこの整備を図っていくというものでございますが、こういう整備を進めると同時に、税制上の支援措置として、国鉄から承継した資産及び高性能機関車に係る特例措置等の軽減措置をあわせて実施しております。
 これから運輸省としましては、モーダルシフトに向けて、JR貨物とも連携をとりながら必要な諸施策を進めていきたいというふうに考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 貨物ターミナルの問題、十二年度予算では物流効率化枠千五百億円のうち五億程度ということでわずかな額でございますが、将来に向かってぜひその辺の増額を含めて御検討いただければと思います。
 次に、バリアフリーあるいはシームレス化についてお尋ねをいたしたいと思います。
 さきの通常国会でいわゆるバリアフリー法が成立をいたしまして、十二年度予算でも約八十億円というようなことでかなり思い切った予算措置がなされておりますので、その御努力に敬意を表する次第でございますが、公共交通機関をもっと使いやすく便利なものにするためには、バリアフリーということで、今ある設備を改造するという考え方だけでなくて、最初から健常者を含めてだれにも利用しやすい設備にする、ユニバーサルデザインというような考え方で設計をすべきでありましょうし、また交通機関相互の乗り継ぎを極力便利にする、同一平面でできるようにするとか、そういった駅舎改良といいますか駅設備の改良、あるいは直通運転、そういったシームレス化、それから駅前広場、駐輪場、駐車場の整備など都市施設と一体となった交通ターミナルの整備といったように、バリアフリーを契機に今後いろいろ都市側とも一体になった整備というのが望まれると思いますが、今後の構想などについてお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(岩村敬君) 高齢化社会が急速に到来しつつあるということで、単に身体障害者だけではなくて健常者にとりましても公共交通機関が使いやすくシームレスであるということが重要であるという御指摘、そのとおりでございます。さらに、高齢社会が急速に到来します。また、国民の価値観も高度化、多様化しております。こういったことを考えますと、交通機関相互の乗り継ぎでのいわゆる継ぎ目をなくすこと、シームレス化をすることによって出発地から目的地まで移動を全体として円滑にすることが重要であるという点、先生の御指摘のとおりだと我々は思っておるところでございます。
 その際に、一つは鉄道同士の相互直通運転化というのもございますが、御指摘のとおり、鉄道駅等の交通ターミナルとその周辺の一体的な整備が有効であるというふうに考えております。このため、今御指摘がありました交通バリアフリー法に基づく整備というものもございますが、それにあわせまして、建設省と連携をいたしまして、全国六駅におきまして、町づくりと連携した駅の総合的な機能改善というものを進めていこうというふうに考えているところでございます。
 来年一月には国土交通省が発足いたします。それに向けて今後ともこの建設省との統合のメリットを生かす施策、こういったものを強力に推進していく、そういう方針でやっていきたいと思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。ぜひ積極的な施策を展開していただければと思います。
 次に、政策評価の問題について伺いたいと思います。
 十三年一月から国土交通省になるということで、中央省庁改革全体の構想として政策評価を制度として実施するということになっておりまして、政策評価法を制定しようというようなことも検討されておるようでございますが、これは国民に対して行政のアカウンタビリティーというか、説明責任を果たす、それから国民本位で効率的な質の高い行政を実現する、そして国民の納付した税金がちゃんと効果的に使われているのかどうかという情報を公開するという意味で大変重要なことだと思っております。
 プラン・ドゥー・シーというような、民間でも行われているようなサイクルを行政で実現する意味でも、国土交通省の発足を控えていろいろ御検討中と聞いておりますが、その辺のところについて伺えればと思います。
○政務次官(実川幸夫君) 今、先生から御指摘がありました政策評価制度でございますけれども、まさにこれはこれから始まります中央省庁改革の実施に合わせまして、政府を挙げてその政策評価制度を導入しまして、評価結果を通じましてこれからの政策の見直し、また改善を進め、あわせて行政の公正、透明を図っていくものでございます。
 さらに、運輸省では、先生からも御指摘ありましたように、国土交通省への再編に合わせまして、政策評価制度を導入していくため、北海道開発庁、そしてまた国土庁、建設省の三省庁とともに、国土交通省における政策評価のあり方に関する懇談会、これを開催しまして、この検討結果を踏まえまして、ことしの七月末に国土交通省政策評価実施要領骨子案を取りまとめまして、現在国民各層からパブリックコメントを募集しているところでもございます。
 現在、総務庁におきましても、政策評価に関する標準的ガイドラインにつきましても最終案の年内確定を目指しまして検討が進められているところでもございます。運輸省としましても、この標準的ガイドライン、今申し上げましたパブリックコメントを踏まえまして、国土交通省政策評価実施要領の最終案を年内に確定し、政策評価制度をスムーズに導入し、効率的な質の高い国土交通行政を展開していきたい、このように考えておるところでございます。
○中島啓雄君 大変積極的なお答えをありがとうございました。
 政策評価の中身について若干希望を申させていただきたいと思いますが、今度の政策評価については各省がそれぞれ実施要領を策定するということで、まず自省の中から始める、こういうことでございますけれども、特に公共事業等については、やはり各省庁横並びで相互に客観的に評価できるようなシステムが望ましいと思います。
 異種事業間においても公共事業が有効であるということを開示して、効果の高いものから優先的に実施するという仕組みが必要だろうと思いますので、特に公共事業についてはいろいろな御批判もありますし、財政制約もございますので、費用便益分析といったような客観的な、極力定量的な評価手法を用いて横並びで評価できるようにする、それから評価基準についてもできるだけ統一をする。例えば時間便益効果の金額評価といったようなことはやはり横並びでなるべく統一をしていただいて、相互に事業ごとに比較が可能なようにするということが大事ではないかと思っておりますが、その辺について御見解を伺えればと思います。
○政府参考人(岩村敬君) 運輸省におきましては、公共事業の効率性そして透明性の向上の観点から、平成十年度より港湾、空港、鉄道等所管するすべての分野での新規採択事業及び再評価対象事業につきまして費用対効果分析を基本といたします事業評価を本格的に導入したところでございます。そして、その評価結果を尊重した事業の実施に努めているところでございます。それからまた、その結果はすべて公表をいたしているところでございます。
 今、先生御指摘の評価基準の統一の問題でございますが、ベースは事業便益を貨幣価値に換算する、これが原則でございますが、例えば分析の対象期間の考え方、それから現在価値化のための社会的割引率の統一、こういったことはやっておるわけでございますが、ただ残念ながら、事業ごとに時間短縮効果の計測、守られる人命、財産の価値、また特定の公共事業でやっております地域経済開発効果の計測等、これはそれぞれ事業の特性に応じましてそういった適切な手法で便益を計算しているということになります。したがいまして、現段階では各事業の評価指標を完全に横並びに比較するというのはできていない状況でございます。
 なお、運輸省といたしましては、さらに合理的な予算配分を進める上で事後評価、時間管理概念の導入をやろうとしておりますが、加えて、今の費用対効果の分析手法につきましても改善を進めること、これは非常に大事なことだというふうに考えているところでございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 まだ取りかかったばかりでございましょうからいろいろ問題もあろうと思いますし、特に金額換算というのは難しいことでございますが、やはりこれからの御検討の中でできるだけ横並びで評価できるように御研究をいただければありがたいと思います。
 次に、整備新幹線についてお尋ねをいたしたいと思います。
 整備新幹線については、十一年度、十二年度と三千億円を上回る事業費が確保されてきたというようなことで、整備五線のうちの主要区間は十年ないし十数年で完成させるという目標に近づきつつありますので、大臣の御努力に敬意を表したいと思っております。
 十三年の概算要求では公共事業費だけで千五百億円というようなことで、十二年度の四倍強の要求をしておられます。都市間交通を極めて便利にする、時速二百キロで結べるような高速機関を整備するという意味では大変積極的な御姿勢でございますが、財源確保の見通しについてはどのようにお考えなのか。
 昨日の新聞には、道路財源を鉄道整備にも共用したらとか、あるいは運政審で炭素税の検討というふうなことも出ておりましたが、その辺等を含めて大臣のお考えをお伺いさせていただければと思います。
○国務大臣(森田一君) 整備新幹線に関する各地方からの関係者の要望というのは大変熱烈なものがありまして、私も心打たれる思いでこれらの要望を聞いております。
 そこで、来年度の整備新幹線事業費の概算要求におきましては、昨年十二月の与党三党協議会の取りまとめを踏まえて要求したものでございます。すなわち、十三年度予算の概算要求基準におきましては、生活関連等公共事業重点化枠について要望額に上限が取り払われました。この点に着目してこれを活用して、先ほど先生が御指摘になられました公共事業関係費千五百億円、事業費約三千四百億円を要求し、これをぜひとも確保したいと思っておるわけでございます。
 そして、整備新幹線の推進につきましては、今年四月に設置されました政府・与党整備新幹線検討委員会というのが設けられておりまして、ここで財源も含めた検討がなされることになっております。運輸省としましては、この検討を踏まえ、整備新幹線の整備の着実な推進を図ってまいりたいと、このように思っておるところでございます。
 そして、けさの新聞に道路財源の鉄道等への利用ということについて記事が出ましたが、この点につきましては、建設省の方からもどこからもまだ何ら相談があるものではございません。これにつきまして、大いに歓迎するとか、あるいは党の方からも相談はございません。大いに歓迎するとか、あるいは道路財源を死守しなきゃいかぬとか、こういうようなことをただいま直ちに申し上げる立場にございませんことを御理解いただきたいと思います。
 それから、炭素税につきましても運輸省内でも話題にはなっておりますが、まだこれについて運輸省としての態度を明らかにするというような段階には至っておらないことを、これまた御理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。財源問題はなかなか利害調整が難しいところだと思いますが、ぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。
 整備新幹線の事業費が年間三千億強といいましても、実は道路整備事業費は年間約十五兆円ということで、その二%程度にすぎないわけでありまして、整備五線全体で今計画中の路線は千五百キロほどございますが、これの総事業費が今九兆円余りというふうに試算をされているかと思います。ということで、道路事業費の一年分で全部できてしまうという程度の規模でございます。
 しかしながら、予算の季節になると、何かむだな公共事業の代表のように言われてマスコミから非常にたたかれているという状況でございますが、長野新幹線、正式には北陸新幹線高崎―長野間でございましょうが、あるいは山形新幹線の新庄延伸といったようなのが最近できましたけれども、非常に輸送量も伸びておって大きな効果があるということが実証されておると思います。
 二十一世紀の快適な市民生活にはやはり時速二百キロクラスの都市間鉄道が不可欠と思いますが、先ほど議論させていただいた費用便益分析の結果なども含めて、新幹線の投資効果といったものをもっともっとPRして、その必要性について国民に理解をしてもらう必要があるのではないかと思いますが、その辺のお考えについて聞かせていただければと思います。
○政府参考人(安富正文君) 整備新幹線が経済社会に与える効果としましては、一つは直接的な効果として、利用者が時間短縮あるいは定時性、フリークエンシーの向上といった形で便益を受けるというものがございますが、さらに新幹線については、特に地域の人々の交流あるいは行動圏が拡大するということに伴いまして、沿線地域企業の生産、雇用の拡大あるいは企業の新規立地増加による沿線地域の所得増加といったような効果がございます。いわゆるこういう地域開発効果も含めますと、我々としては非常に新幹線は効果がある、経済効果として大きいというふうに認識しております。
 このような整備新幹線に係る効果につきましては、従来から一九九八年に新規着工しました三線三区間につきましての、いわゆる地域経済効果の額につきましてこれを算出しまして公表しているところでございますし、先ほど先生からお話がございました北陸新幹線の高崎―長野間の開業については、利用者からのアンケートあるいは地域の活性化状況といったようなことを調査いたしまして、その開業効果をパンフレット等にまとめてPRしているところでございます。
 ただ、こういう整備新幹線の整備につきましては、さらに我々として具体的な形で地域あるいは利用者に対する経済効果について積極的に今後とも公表、PRしていきたいというふうに考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。ぜひ積極的にお願いをいたしたいと思います。
 整備新幹線の建設に伴って在来線の経営をどうするかという問題があるわけですが、具体的に現在進めております東北新幹線盛岡―八戸間の建設に伴って当然在来線は経営分離をされると。そうすると、そこをどう経営するかということと同時に、在来線を走る貨物列車がございます。JR貨物が、岩手、青森両県の県営鉄道化、第三セクター化、その鉄道の上を通る、こういうことになるわけですが、それに伴って線路使用料を払うということになっております。
 それで、岩手、青森県側は、貨物の運行に伴う適正な対価ということでいわばフルコストに近い額を貨物会社に払ってもらいたいという御意向でありますし、JR貨物の方は、従来どおり、JR旅客に対して貨物が通ることによって追加的に発生する経費、すなわちアボイダブルコストを払ってきたということなんでこの方式は続けてほしい、新幹線ができたことによって別にJR貨物に受益があるわけではないのでコストが増加することは納得できないというようなことで、双方の主張が平行線をたどっているというふうに聞いております。
 それぞれごもっともな主張ということもあるので、ますます解決が難しいということかと思いますが、やはりここは国の責任において解決をすべきであるという意見も出されているようでありますし、運輸省が御調整に乗り出していただいて早急に解決をしていただければと思いますが、その辺のお考えを聞かせていただければありがたいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 今、先生御指摘のように、鉄道貨物輸送につきましては、平成八年の政府・与党合意において、並行在来線で分離後においても適切な輸送経路それから線路使用料を確保することということで、関係者間でその間についての調整を図るようにということが指摘されております。
 これを受けまして、具体的に、東北新幹線につきまして青森県、岩手県とJR貨物が現在調整を図っておるわけでございますが、先生御指摘のように、双方の言い分がございます。当然のことながら、並行在来線を経営する第三セクターとしてはより高く線路使用料を取りたい、一方、JR貨物はアボイダブルコストという形で、従来どおりの線路使用料という形でやってほしいということで、そういう意見の隔たりはございますが、現在、関係者間で非常に努力して調整を図っていただいております。
 我々としては、この調整状況を見守りながら、先生おっしゃいますように、運輸省としてもこの両者の調整を図って適切な線路使用料の設定がなされるように努力していきたいというふうに考えております。
○中島啓雄君 ぜひよろしくお願いをいたします。
 それでは、都市交通あるいは地域交通の問題について少しお尋ねをいたしたいと思います。
 大都市の通勤通学の混雑というのは、多少緩和されてきたとはいえ、とても快適通勤とは言えない、まだ二〇〇%を超えるような区間もかなりあるという状況でございますが、八月に出された運輸政策審議会の十九号答申では、三大都市圏の鉄道の混雑率を一五〇%以内にするというような考え方が出されて、さらに線路設備、いわゆるインフラの整備には公的資金を投入する上下分離方式も検討すべきであるというようなことが打ち出されております。これは画期的なこととして評価させていただきたいと思います。
 しかしながら、地下鉄についてはかなり厚い助成がなされておりますが、民鉄は、あるいはJRも含めてかもしれませんが、まだまだ助成が少ない。しかしながら、都市交通においても、大手私鉄の輸送人員は八年連続で減少しておるとかJRも同様な状況にございますので、企業努力で輸送需要を伸ばし、もろもろの輸送力増強投資あるいは快適化投資とか、先ほど申し上げた駅設備の改良とかそういうのを企業採算だけでやれというとなかなかペイしない段階にあると思います。
 したがって、地下鉄のみならず、私鉄についても公的助成の積極的な拡充が望まれると思いますが、その辺の財源対策を含めてお考えを聞かせていただければと思います。
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のように、先般、八月一日に運政審の答申をいただきまして、この中で新たな整備支援の方策として上下分離方式というのが提言されているところでございます。
 上下分離方式は、御承知のように、鉄道施設の整備主体と運行主体が異なる、上下を分離するということで、その整備主体に公的主体が関与するということを目指しておるわけでございますが、従来の民鉄事業者に任せていたのではなかなか整備が進まないという場合に、この方式ですとインフラ部分について公的主体が関与するということで過重な資本費負担から事業者が免れる。運行は従来どおり事業者がそのまま走るということが可能になるわけで、今後の鉄道整備を進める上で真剣に検討すべき方式の一つというふうに考えております。
 したがいまして、運輸省としては、この答申を受けまして、十三年度予算においていわゆる第三セクターが鉄道施設を整備して、その上を鉄道事業者が走るという形態、いわゆる償還型の上下分離方式による都市鉄道の整備という概念を設けまして、これを地下鉄並みの補助でできないかということで現在予算要求をしているところでございます。
 具体的には、京阪中之島線あるいは阪神西大阪線といった線区をとりまして具体的な要求をしておるところでございますが、今後個々の路線について、路線の特性とか事業規模、無償資金比率等の観点からどのような方式が適切か、さらに検討していきたいというふうに考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 積極的な対策に乗り出していただいたということで、評価をさせていただきたいと思います。しかし、なかなか鉄道の整備というのは金がかかりますので、今後財源対策を含めてよろしくお願いをしたいと思います。
 それから、地方交通といいますか、その辺の問題については先ほどの運政審答申では余り触れられておりませんでしたが、地方交通の現状はもっと深刻ではないか。マイカーの発達に伴ってどんどん輸送量が減っておる。JRから、JRといいますか国鉄から分離しました第三セクター鉄道三十八社のうち三十三社は赤字である。あるいは、長野新幹線の並行在来線として経営分離されたしなの鉄道は、現在年間十億円ぐらいの損失を計上しておるというような状況で、なかなか大変な状況にある。路線バスについても同様な状況でありますし、JRのローカル線も同じような問題を抱えておると。
 しかしながら、赤字だといってその路線を簡単に廃止するわけにはいかないわけでありまして、高齢者、身障者あるいは児童生徒など、要するにマイカーを運転できない人の足をどうやって確保するのかというのは、これはやはり一国の交通政策の問題ではないかと思います。
 そこで、やはり国と自治体で一緒になってこのローカル交通、地域交通の対策というのはかなり抜本的に考えていかなければならない時期に来ておるのではないかと思っております。
 ドイツの例を申しますと、一九九四年に国鉄が民営化されたわけでございますけれども、その国鉄改革の一環として、一九九六年から地域交通の責任と権限をすべて州政府に移管する、リージョナリゼーション、こう言っておりますけれども、そのための財源として鉱油税を値上げすると。鉱油税というのは日本でいえばガソリン税なり軽油税と、こういうことになると思いますが、ガソリン一リットルについて十六ペニヒといいますから八円ぐらいの値上げをして、その中の財源から年間八千億円ぐらいを連邦から州に交付するというような仕組みをつくって、地域の公共交通を積極的に維持しようというような政策をやり始めまして、地域の交通が非常に活性化しておるというような話も聞いております。
 そういった意味からも、今後大きな検討課題であると思いますが、その辺のお考えについて聞かせていただければと思います。
○政府参考人(岩村敬君) 地域におきます通勤、通学、通院、そして買い物といった住民の日常生活に真に必要不可欠ないわゆる生活交通につきましては、政策的に今後とも確保していくという必要性、先生の御指摘のとおりであると思います。
 特に、最近需給調整規制を廃止するということで議会の方でもいろいろ御議論をいただいておりますが、その中でも、そういう需給調整規制を廃止した後においても政策的にこういった足を確保する、そういう手段をとれという御指摘も受けているところでございます。
 こういったことを受けまして、一つは、どのような形で地域におきます生活の足を最低限確保していくか現地で協議をする、そういう仕組みをつくっているところでございます。鉄道でいくのかバスでいくのか、さらにバスとしてもどういう形のバスを運行していくのか、そういった協議をする仕組みをつくっております。それから他方、国と地方公共団体が適切に分担そして共同しながら、財政上また税制上の公的支援措置を講じているところでございます。
 今、先生から御指摘のあったドイツのような仕組みについてでございますが、道路整備の水準の違い、彼我の違いなどを考えますと、我が国にドイツの仕組みをそのまま取り入れることにつきましてはいろいろ議論があるというふうに思いますが、いずれにいたしましても、地域の生活交通の確保について国としての役割を果たすのに必要な十分な予算措置、これについては今後とも確保するように全力を挙げていきたいというふうに思っております。
○中島啓雄君 今後ともぜひ積極的な御検討をお願いいたしたいと思います。
 次に、JRの完全民営化の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 平成十年に国鉄関係の債務処理法案が成立をいたしまして、債務処理問題は一通り片がついたということでございまして、運輸大臣初め関係の方々の御努力に深く敬意を表したいと思います。そこで、残された問題がJRの株式完全売却と、それに伴う完全民営化ということであります。
 六十年十月の閣議決定にもありますように、「経営基盤の確立等諸条件が整い次第、逐次株式を処分し、できる限り早期に純民間会社とすることとする。」というふうに述べられておりますが、現時点における大臣の基本的な考え方をお聞かせいただければと思います。
 昨日、新聞情報によれば、本州三社のJR社長からいろいろヒアリングをされたようでございますが、その辺も含めてお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(森田一君) JRの中で、特にJR東日本、JR西日本、JR東海三社について注目してみますと、これらの三社は、一九八七年すなわち昭和六十二年の国鉄改革以降、非常に努力をしてまいりました。すなわち、各社がサービス水準の向上や事業運営の改善等に努めてこられまして、経営も順調に推移しておるものと評価をいたしております。
 運輸省としては、できるだけ早期に完全民営化をすることが大方針であります。これはたびたびいろんな場所において確認されておるところでございます。したがいまして、このような方針に従いまして、二階前大臣以来、鋭意環境の整備に努めてきたところでございます。そして、ただいま先生からもお話がありましたように、昨日も本州三社の社長においでいただきまして、長時間お伺いいたしました。
 ただ、本州三社のうち、JR東日本、JR西日本、JR東海の完全民営化への道筋の考え方、すなわち完全民営化ということについては三社共通しておるのでございますが、その道筋について考え方に差があることは改めて明らかになってきたところであります。
 確かに、完全民営化に当たりましては留意すべき点として、例えば鉄道ネットワークの維持をどうしていくかということや、JR会社の地域社会に及ぼす影響をどう考えるかということや、安全性をどうやって確保していくかということなど検討すべきであるということは十分に承知をしております。そして、これらの問題を十分に考えながら引き続き環境整備に努めてまいる所存でございます。
 そして、三社同時に完全民営化の手続を進めるのか、あるいは中島先生のお考えだと聞いております別々に進めるのか、環境が整ったところからやっていくかということにつきましても、これから検討を重ねてまいる所存でございます。
○中島啓雄君 極めて明快な御答弁をありがとうございました。
 昨日の三社の意見というので道筋が若干異なるというお話がございました。そういう意味では、三社間の意見調整あるいは広い意味で今おっしゃられたような各種の問題点の詰めを含めて環境整備ということを、いろいろ御苦労もあろうかと思いますが、ぜひ大臣のお力で進めていただきたいと思います。
 早期民営化を希望している会社もあるわけでございますので、今後の進め方などについてお考えがございましたら、差し支えない範囲でお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(森田一君) この問題につきましては、私は運輸大臣経験者あるいは与党三党の皆様方の話を間接的に局長等からお伺いをいたしております。しかし、私自身の考え方、完全民営化するという点でははっきりしておるわけでございますが、まだ考え方が決まっておるわけではございません。
 先ほど考え方が違うと申し上げましたのは、JR東海は三社とももっと民営化の前にやることがあるんじゃないかというような意見でございますし、JR東日本、JR西日本は早期にできるだけ早く民営化してほしいというようなことで意見が違っておるわけでございますが、昨日の意見も踏まえてこれから考えたいと思っておるわけでございます。
 ただいま私が事務当局の方に指示しておりますのは、できるだけ早く省内でまず一遍、事務次官、官房長を含めて関係者の会議を行って、まずこの点についていろいろ考え方を聞かせてほしい、このようなことを申し上げておる段階でございます。私自身につきましては、そのような考え方も聞きまして、どのようにしていくかということを考えたいと思っておるところでございます。
○中島啓雄君 大変いろいろ御配慮の行き届いた御答弁をありがとうございました。
 では、次に国内観光の振興の問題について若干お尋ねをさせていただきたいと思います。
 国内観光といっても、外客の誘致の問題と日本人自身の国内観光の問題と二つあるわけでございますが、外客誘致について見てみますと、日本人の海外旅行者は年間千六百万人という大変な数でございますが、訪日の外客数は四百万人ということで四分の一にすぎない、世界で三十二番目ということで、例として適当かどうかわかりませんが、香港の先のマカオよりも少ないというような実情でございます。国際化の時代を迎えて世界の人々に日本を理解してもらう、そういう国際的なプレゼンスを高めるという意味でももう少し効果的な外客誘致がないかなという感じでございます。
 特に外国の人は、欧米の人は特にそうなんでしょうが、ひとり歩きしたい、団体で旗を持って歩くんじゃなくてというような要望が強いと思いますので、アルファベットがついた案内標示であるとか、あるいはピクトグラムとか、それから車に乗ってもなかなか英文のついた道路地図がないとか、いろんな問題があると思いますが、国際観光振興全体を把握しておられる運輸省としてどんなふうにお考えなのか。
 それから国内観光についても、これはやっぱり景気対策という意味でも非常に意味があると思うんですが、残念ながら海外は伸びているけれども国内はなかなか伸びない、あるいはマイナスであるということで、何か主要ホテルの六一%、旅館の五一%が赤字だというような話もあるようでございます。観光宿泊施設が、以前は団体旅行型だったのが、個性化、個別化しつつある需要に合っていないというような面もあろうかと思いますが、そういった設備投資への支援といったことも含めて、国内観光振興対策についてお考えを聞かせていただければと思います。
○政府参考人(岩村敬君) 観光についてのお尋ねでございますが、最初に訪日外客の方の点でございます。
 先生御指摘のとおり、出て行かれる方は千六百万人でございますが、訪日される外国人の旅行者は四百四十万人ということで非常にアンバランスになっております。相互理解のためにこの四百四十万人を八百万人に倍増させようということで、目標年次二〇〇七年をめどに新ウェルカムプラン21というものを立てて外客誘致を積極的に推進いたしているところでございます。
 特に、御指摘の外国人がひとり歩きできる環境の整備、これは非常に重要なことであろうと認識をしておりまして、具体的には国際観光振興会を通じて総合観光案内所での情報提供、それからトラベルフォンと呼んでいますが、外国人の旅行者が全国どこからでも通話料無料で電話により観光案内、また通訳が受けられるサービス、こういったものの提供、それからインターネットを通じた情報提供など、外国人旅行者をサポートするサービスの提供に努めているところでございます。
 それから案内標示につきましては、地方公共団体におきまして英語だけではなくて多言語によります案内標示板、サインシステムと呼んでいますが、この整備を進めているところでございますが、これに対しまして国として補助をいたしておりまして、全体の三分の一を補助ということで、国費四億円の計上を十一年度でしているところでございます。
 それから、外国人の観光客に加えまして、我が国内の方の観光でございますが、御指摘のとおり、観光産業は旅行業、宿泊業にとどまらず、飲食業、さらには土産物業等々非常に広範多岐にわたっている産業でございます。特に地域の特色のある地場産業の振興にも寄与するということで、資料によりますと、国内旅行の関連総消費額は十九兆三千億という非常に大きなものになっております。そういう意味で、国内観光の振興というのを図ることは景気対策としても重要であるという点、先生の御指摘のとおりでございます。
 このため、個性ある観光資源の開発、さらには観光基盤施設の整備を着実に推進する必要がございまして、運輸省としても、一つは観光振興に関する専門家などを各地方公共団体に派遣をいたします観光まちづくりアドバイザー派遣事業を実施いたしたり、また自動車旅行の利便増進のための広域観光案内板等を整備する広域観光テーマルート整備事業に対する補助等、ソフト、ハード両面からの対策を総合的に推進しているところでございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 それでは次に、交通運輸部門の情報化の問題について若干お聞きをいたしたいと思います。
 来年度予算に向けてIT戦略というのが森内閣の政策の目玉になっておるわけでございますが、運輸部門というのは環境・エネルギー対策としても安全対策としても非常に重要な位置を占める、そういうことで運輸部門のIT技術とそういった環境・エネルギー対策、効率化対策を結びつけていくというのは非常に重要な要素だと思いますが、現在考えておられる政策等についてお聞かせをいただければと思います。
○政府参考人(岩村敬君) 運輸分野におきますIT技術の活用は、今御指摘のとおり、環境問題の解決策、さらには安全性の向上、また交通の効率化等諸課題を解決するために極めて重要であるというふうに考えています。
 このため運輸省では、現在、自動車の安全性の飛躍的向上等に資する先進安全自動車、ASVと呼んでおりますが、この技術の研究開発、さらには都市交通の円滑化等を目的といたしました総合交通情報提供システムの開発、運輸多目的衛星を活用いたしました次世代航空保安システムの整備等々、ITを活用いたしました交通システムの高度化のための施策に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 今後とも、陸海空にわたる運輸分野のIT化を積極的に推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 それでは最後に、大臣にお尋ねさせていただきたいと思いますが、来年一月から、御承知のとおり、北海道開発庁、国土庁、運輸省、建設省の四省庁が統合されて国土交通省になる。ただいまその準備で大臣初め皆様いろいろ御苦労をされておられると思います。
 国土交通省については、一部に巨大公共事業官庁になるのではないかといったような御批判もございますけれども、交通行政という面から考えますと、従来、道路なり都市計画は建設省、鉄道、海運、航空は運輸省と分かれておったのが一つになるということで一体となった施策が可能となると思いますし、現にそういった総合施策を考えておられると思います。
 快適な市民生活のために、ぜひ総合施策を打ち出されて積極的に進めていただきたいと思いますが、現時点におけるお考え、そして国土交通省発足に向けての御決意を承ればと思います。
○国務大臣(森田一君) ただいまお話がありましたように、二〇〇一年一月六日から運輸省、建設省、国土庁、北海道開発庁は統合されまして国土交通省になるわけでございます。
 そこで、これまでたびたび総合交通体系とかあるいは総合交通のための特別会計を設けたらいいんじゃないかと、そういうような御提案もあったところでございますが、これからは国土交通省において、ただいま中島先生がおっしゃられたように、道路、鉄道、航空、海上というような陸海空の総合的な取り組みができるようになるわけでございます。
 しかし、それまで手をこまねいておるわけにはまいりませんので、統合四省庁の政策担当局長をメンバーとする国土交通政策会議というのを設けたわけでございます。そして、昨年九月から四回の会議を行っております。そしてまた、その下に横断的なワーキンググループを置きまして、総合的な施策をどうやってやっていくかということを検討してきたところでございます。これを踏まえまして、来年度予算、十三年度予算の国土交通省の概算要求につきましては、日本新生プランの重要問題であります都市基盤、環境、高齢化、そしてITというような四分野の重要問題につきまして四省庁が連携して重点的な施策を行っていくことを考えておるわけでございます。
 具体的に申しますと、建設省、国土庁、北海道開発庁と連携しつつ取り組むべき問題が幾つかございまして、例えば、一つには都市新生の拠点となる鉄道駅とその周辺の総合的改善という問題や、あるいは次には、大都市居住者の通勤時間短縮と快適化、これをどうやっていくかというような問題や、あるいはさらに、空港や港湾、鉄道、道路の連携をどうやって強化していくかというような具体的な施策について十三年度予算要求に盛り込んで要求をしておるところでございます。これらの予算要求につきましてはぜひとも実現したい、私ども力いっぱい頑張ってまいりたいと、このように思っておるわけでございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。ぜひ統合のメリットを発揮していただきたいと思います。
 終わります。
○月原茂皓君 保守党の月原です。
 きょうは、主として農水省にお尋ねしたいと思います。
 この決算の概要説明にも第一番に取り上げているのは、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の見直しと推進についての事業概要でありますと、こういうふうに非常に重視されているわけで、我が国自身も、振り返ってみれば、平成五年十二月のウルグアイ・ラウンドの合意、そして、平成六年十月、総理大臣を本部長とする緊急農業対策本部、それによってウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱というものができ上がった。そして、六年間の事業ベースで六兆百億円、地方の方では一兆二千億円程度の単独事業、こういうふうな計画を立てて日本のこれに対する対策を確立しようと努力されているところでありますが、平成九年に、補正予算以降、要するに財政構造改革の推進というその時期にその当初の計画というものを見直して計画をつくられたわけでありますが、その考え方の中に、農業農村整備事業とその他の事業との事業費の比率がおおむね五対五となるように見直したと、こういうふうに書かれてありますが、どういう考えによって五対五というふうになったのか、その点についてまず政務次官に冒頭お尋ねしたいと思います。
○政務次官(三浦一水君) ウルグアイ・ラウンドの農業合意関連の対策につきましては、六年間の対策期間のちょうど半分が経過いたしました平成九年に今お話しいただきましたように見直しをしたところでございます。その内容は、財政構造改革会議におきます御指摘、御議論も踏まえたものでありまして、それまでの実績の検証を行いながら、より効果的な事業内容となりますようにしたところでございます。
 見直しに当たりましては、現場のニーズを踏まえて即効性のある事業を充実することといたしました。具体的には、ライスセンター等の生産・流通高度化施設の整備について地元のニーズが高いことを踏まえた見直しとし、また、農業農村整備事業につきましては、公共事業の抑制という財政構造改革の基本的考え方を踏まえたものといたしました。このような趣旨から、農業農村整備事業とその他の事業のウエートが同程度、五対五となるよう事業費の比率を決めたところでございました。
○月原茂皓君 即効性、そしてそれまでの反省というものに基づいてそのような考え方に立たれたわけでありますが、その後、考えてみれば財政構造改革の推進ということについては一応一時凍結ということで進んでいるわけでありますが、今までの経験に基づいた、実績に基づいて、そしてまたニーズに応じてつくり直されたのでそのまま進まれているのだろうと思います。
 そこで、その具体的な内容を、大きく変わった点を金額的に見ると、農業構造改善事業が八千九百億から一兆二千五十億に、また融資事業等が六千億から六千六百億円になっているわけであります。このように、中で項目として大きく変わった点について、今の考え方に基づいてでありましょうが、より具体的にどのような点を考えてそのようになったのか、御説明願いたいと思います。
○政府参考人(渡辺好明君) 今御指摘がございました農業構造改善事業などということでございますけれども、これは具体的には農業構造改善事業、それから山村振興対策事業、農業生産体制強化総合推進対策事業、畜産再編総合対策事業、この非公共の四事業でございます。政務次官からもお話し申し上げましたように、それまでの実績の検証を行いながらより効果的な事業内容になるようにということで、現場のニーズとそれからその即効性と、この二つの面で見直しを行ったわけでございます。
 現場のニーズという点を申し上げますと、例えば平成十年なり十一年度の要望というものを見ますと、農業構造改善事業一つとりましても一・四倍あるいは一・三倍というふうに非常に需要が多いわけでございます。生産、流通の高度化に資する施設の整備ということでございますので、こういった施設を整備することによって効果がより早くあらわれるということを考えまして増額をいたしました。
○政府参考人(石原葵君) 融資関係につきましてお答え申し上げます。
 先生から御指摘ございましたように、平成十年度に農家負担軽減支援特別対策、その融資枠を六千億円から六千六百億円に増額しております。これはウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の見直しの一環として行ったものでございますが、これまで農協系統資金を活用した農家の負担軽減の資金はなかったということでございまして、利用できるものはとにかく利用しようという考えのもとに、農協系統資金を活用いたしまして経営体の育成強化を図ろうとしたものでございまして、具体的には認定農業者が農業近代化資金を借り入れる場合に特利を適用する認定農業者育成推進資金というものを創設したものでございます。これによりまして、平成十年度以降三年間の融資枠として六百億円を追加したということでございます。
 このような農家負担の軽減のいろいろな対策、これによりまして平成十一年度までに五千四百七十八億円の融資が行われておりまして、農家の利用の調査によりますと、年の償還額が四分の一程度に軽減されております。平均の七百七十万円が百九十万円ということで四分の一程度に軽減されておりますし、借入金利が平均で約三%強低下したということでございまして、これらによりまして農家経済の改善に大きく寄与したものと考えておるところでございます。
○月原茂皓君 そこで、今具体的にお話がありましたが、特に借款、融資についてさらにお尋ねしたいと思います。
 これは希望者がおるのは当たり前であります。金利の高いのを低いのに切りかえてくれるのに反対する人間はおらない、当たり前の話。そこで、それはどういうものを対象にしたのか。特定のところだけが得するようなことであってはいけない、当たり前の話です。だから、どういうものを対象にしたのか。そして、それが今のところ進捗状況は非常によく行っておりますが、問題点というのはどういうところに、問題点がないならばいいんですが、例えば融資しているところから見れば、単純に言えば、金利を高く貸しておるのに今度それがパアになって安いのを貸さぬといかぬとか、自分の契約しておるのがだめになって、よその方が金利の安いので商売を始めたというようなことで、やっぱり損害を受けるところがあるわけですね。
 そうすると、そういうところから借りておるところはなかなか渋りますよ、契約を外すのに。だから、そういう点から、私はいい制度だと思っているんですが、そこのところの公平という観点からどういうものを対象にしておるのだと、それで今まで借りている先は大体どういう機関だったんだと、それについては今後も円滑にそういう契約が進むことができるのか、そういう点についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(石原葵君) この農家負担軽減支援特別対策の対象とする農業者でございますけれども、これはあくまでもウルグアイ・ラウンド農業合意後も経営改善に積極的に取り組む意欲と能力を有するかどうか、それからまた、約定償還金の返済の一部、これはすべて返済ができないということでは対象にいたしませんで、あくまでも返済の一部について支障がある方に限っているということで、このような要件を厳しく審査した上でこの融資の対象としているところでございます。
 それからまた、この具体的な内容でございますが、中身としては二つございます。一つは、農協系統からの営農負債につきまして資金を融通するもの、それから農林公庫資金を初めとする制度資金に対しまして融通するもの、これの償還のお金、これが手当てできないという場合に償還円滑化資金というものを融資するということでございまして、営農負債全般を対象に農家負担の軽減を図っているものでございます。
 それから、先ほど先生の方から問題点はあり得るかという御指摘がございました。先生のお話の中にもございましたように、これによりまして農協にとりましては金利の収入は減るという大きな問題がございます。表面上は貸付金利が低下するということで問題があるわけでございますけれども、我々といたしましては、これはあくまでも既に延滞し、または延滞のおそれのある営農負債を対象として融通するものでございますので、延滞の可能性のあった人に対しまして負担を軽減いたしまして、償還の再開、それから円滑化を図るということでございますので、農協にとってもメリットがあるのではないかと考えております。
 また、保証保険制度というのがございます。これも同時に適用するということでございますので、農協にとりましては的確な債権保全措置が講じられるということで、この点につきましても農協等の融資機関にとってメリットがあるのではないかと考えているところでございまして、一見、その貸付金利の低下という問題はありますが、今申し上げましたような金融機関にとりましてのメリット措置を講じているところでございますので、これらによりましてこの資金の融通につきましては大きな問題はないものと考えているところでございます。
○月原茂皓君 今の答弁でよくわかりますが、非常に農家にとってはいい制度であるけれども、他の国民から見れば、新しい事業に対してどうこうじゃなくて、今までの借金というようなものについて切りかえることでありますから、その公平性というものが大変大切だと思います。そしてまた、今お話しのように、例えば農協という立場から考えても、短絡的に考えたらどうもマイナスが多いと。しかし、今、局長のお話のようなことからいえば、より大きなことで協力が得られるものと。今後ともこれを進めていただきたい、しかし公平性という観点、そういう点は十分心得ていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 時間が限られておりますので、質問を少し飛ばしますが、よろしくお願いいたします。
 そこで、この中に、地域の農業生産の高度化のための諸施設というのがこの中間評価の中に出てくるわけでありますが、これは有名な温泉施設がようけあるというふうなこと、農水省の方も反省されて、そういうものはもうやめたんだというふうに言われておるわけでありますが、こういうのを、それなりの意義があったと思うんですが、当初こういうことを認めるについてはどういう考え方でこれはいいなと、こう思われたんですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 今御指摘がございました温泉施設等でございますけれども、基本的なコンセプトとしては私は二つあろうかと思います。一つは、温泉という地域資源の有効活用という点であります。それから二つ目には、都市と農村の交流、それの手段としてこういったものが非常に効果があるのではないかというふうに考えたわけでございます。
 非常に農村地域が困難な状況にございましたので、農村の活性化を図るという観点から、そうしたものも地域の自主的な判断によって一部取り込めることができるというふうなことを考えました。結果的に、都市から農村への訪問客の増大を通じまして、地域農産物の販売の拡大なり、それから地域農業者の就業・所得機会の創出ということが図られまして、この温泉施設を含まない交流施設よりは温泉施設を含む交流施設の方が効果が高い地域も間々あるわけでございます。
 ただ、いろいろと批判がございまして、観光を目的としているのではないかとか、あるいは設備が過剰だとか、さらにはこの運営に問題があるというふうなこともございましたので、新しい経営構造対策におきましてはこれを対象としないということにさせていただいたわけでございます。
○月原茂皓君 今の局長のお話だと、当初の計画はなかなか立派なものだとするならば、世の中の批判なんかは吹き飛ばしてでもやるのが本当じゃないですか。やはりそこのところは、自分たちは当初誤っておったと思うんだとか、そういうことをはっきり言わないと。
 例えば、それじゃ水族館つくっておったらどうだ、周りに新しい動物園でもつくっておったら交流になるんじゃないかと。そういう批判に対してでも、私は当初の考え方、全く誤ったとは言いません。しかし、あくまでも突っぱねるのならば、それならば今後もやるんだと。何も世論恐ろしくないわけですよ。よくなることなら、やらぬといかぬので。
 そういうふうなことからいって、少しの反省はあるからこうやったんだと思うんですけれども、まあその程度にしておきますけれども、本当に苦しい、急に計画をつくれと言われたら、いろいろな案が出てくるし地元の要望もある。それは苦しい中だったろうけれども、私は、こういうことについて決断されたことは、自分たちの考え方が世の中のものと、これ国民の税金を使ってきているわけですから、ただ、普通、何かつくりたいからよっしゃという話じゃないんですよ。六兆百億円、大変な金額であります。そして、当時は別として、今においては大変厳しい環境の中においてでもこれは着々と国民の理解を得ながら進めていかなければならない事業だけに、このウルグアイ対策事業というのは。二年間延長されましたから、だから、それだけに反省も含めてやっていただきたい。
 そして、先ほど申し上げましたが、政務次官にも申し上げましたけれども、事情が、財政改革がストップしておるわけですから、だから、より正しいものがあればこれからさらに進めていかなきゃいかぬと私は思っておるわけであります。
 もう時間がありませんので、最後にまた政務次官にお伺いいたしますが、農林省としては異例の中間評価の報告をまとめられた、これは私は大変立派な姿勢だと思います。それだけに、今私が申し上げたことも含めて政務次官が判断されて、この中間報告の結果を踏まえてでもさらに反省して、反省というかより効果的なことを、まだ残された時間があるわけですから進めていかなきゃいかぬと思いますが、その残存期間で何をなそうとされるのか。その点の決意を、また項目なりがあれば御説明願って、私の質問を終わりたいと思います。
○政務次官(三浦一水君) 今回のUR農業合意関連対策の中間評価につきましては、今後その結果を踏まえまして、中間評価の過程で得られました知識や情報を、食料・農業・農村基本計画に基づく施策の企画立案のプロセスにきちっとフィードバックいたしまして、施策の見直し、充実に取り組んでいくこととしております。
 例えば、農業構造改善事業につきましては経営構造対策事業というものがございますが、真に地域農業の変革に結びつくように、目標プログラムの策定、費用対効果分析の導入等を行うとともに、第三者委員会を開催いたしまして外部評価を取り入れることによりまして、より適正かつ透明な事業の執行に努めているところでございます。
 このように、残されました対策期間内に本対策を一層効果的に推進するよう全力を尽くす考えでございます。
○月原茂皓君 以上をもって終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(鎌田要人君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十四分開会
○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十年度決算外二件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充でございます。
 今回、決算に当たりまして宮城県内でちょっと農家の状況を調べてまいりました。そうしますと、これは後で農水省にお伺いいたしますけれども、稲作農家十アール当たりの、その十アール当たりから得られてくる米の所得でございますが、平成六年が八万三千五百二十五円でしたけれども、その五年後、平成十一年には三万九千六百四十六円と、このように激減しております。そんな状況の中で農家の方々も御苦労されて、金利の高い商工ローンの方に手を出して破綻しているというような話も聞こえてまいりました。
 そこで、まず最初、金融庁にお尋ねしたいんですけれども、商工ローン業者が高利で農家に貸し付けて、その結果農家が自己破産するという、そういうようなことが現状起こっているのかどうか、まずその点について教えていただきたいと思います。
○政務次官(宮本一三君) 今の御質問にお答えしたいと思いますが、商工ローン業者の農家向けの融資についてのお尋ねでございますけれども、貸金業法におきましては、主として借り手の保護という観点から、貸金業者に対して書面の交付義務であるとかあるいは取り立て行為の規制、こういった行為規制を課しているわけでございますが、当局といたしましては、そういった観点から貸金業者に関する監督は行ってはおりますけれども、御指摘のような債務者の状況については把握をいたしておりませんということでございます。
○櫻井充君 それでは、一時期問題になりましたけれども、銀行が貸し渋りを続けて、そして商工ローン業者に融資をするというようなことがございましたけれども、商工ローン業者の農協からの、農協系のバンクからの、銀行からの資金調達額はどの程度なのか教えていただきたいと思います。
○政務次官(宮本一三君) お答え申し上げます。
 商工ローン全体のピクチャーはわかりにくい点はありますが、商工ローンの大手三社につきましては有価証券報告書が出ておりますので、そういった点から把握いたしますと、株式会社日栄につきましては、平成十二年三月末現在で日栄の総借入額が二千五十一億円ですが、その中で農協系統といいますか農林系統金融機関からの調達、借り入れが二百六十三億円でございます。
 また、商工ファンドにつきましては、二千六百八十二億円のうちの二百五十八億円、これは平成十一年七月末現在の数字でございます。
 それから、シンキ株式会社、これにつきましては、平成十二年三月末の総借入額一千四百二十四億円のうち百十一億円、これが農林系統金融機関からの調達ということでございます。
○櫻井充君 いまだにその被害が出ているわけであって、大体全体の一〇%程度こういう農協系の金融機関からの貸し出しといいますか、そういうのがございますけれども、この辺の現状について、このままでよろしいと御認識でございましょうか。
○政務次官(宮本一三君) 確かに御指摘のような点はございますが、県信連等農協系の金融機関につきましては、主として会員に金を貸し、または調達するという状況でございますが、貸し出しの状況を見ておりますと、やはり一定の枠内でやってもらわなきゃいかぬということで、全体として二〇%以内という規制がございますが、そういった観点からの数字は把握し、またその規制内で行われているというふうに了解いたしております。
○櫻井充君 ありがとうございました。
 もう一つ、新生銀行のことについてちょっとお伺いしたいんですけれども、今回、熊谷組が債権放棄を要求しております。新生銀行に対して当座一千九百億円の債権放棄の要請を行いまして、それに応じることになりました。ここで問題なのは熊谷組の引当金ですけれども、これを幾ら国が積んであげたのか、この点について教えていただければと思います。
○政務次官(宮本一三君) 新生銀行が所有しております熊谷組向けの債権、これに係る引当金は幾らかという御質問でございますけれども、個別の民間同士間の債権債務の問題でございますので、この問題については、申しわけございませんが、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○櫻井充君 それでは、新生銀行が一千億は債権放棄に応じるということになっているようですが、そして残りの九百億はどうするかといいますと、メーンバンクの住友銀行にその不良債権を買い取ってくれと、今そういう要求をしております。
 このことについて金融庁はどうお考えでございましょうか。
○政務次官(宮本一三君) 新生銀行に対して債権放棄の要求がなされているということは承知しておりますし、また、それについての申し入れを今、新生銀行としては真剣に検討いたしておるというふうに理解いたしております。
 ただ、そのあとの残高の問題とか、あるいはまた申請をそのまま受け入れることになるのか、その辺については、我々としてはまだ、新生銀行としては非常に真剣に検討しているということ以上の段階にはまだ至っていないと理解しております。
 そういうことでございますので、残りの部分についての住友銀行へのというふうな解釈につきまして、我々の方からは今の段階では申し上げる段階にないと思います。あくまでも、これはしかし民間金融機関あるいは民間同士の間の話し合いの話でございますので、その辺はあくまでも合理的な判断で話が進んでいるというふうに理解をいたしております。
○櫻井充君 しかし、民間金融といっても、政府は自己資本率を八%以上にしなければいけないという目標を出しているわけであって、そういう意味では金融機関に対して指導監督しているんだろうと思います。そして、不良債権をなるたけ減らすようにという方向で進めなさいという指導もしているわけであって、不良債権を買い取らなければいけないということは金融庁の指導と逆行するのではないかというふうに思いますけれども、その点についていかがでございましょうか。
○政務次官(宮本一三君) お答え申し上げますが、金融庁としては金融機関に対しまして、健全な経営という観点から、今、先生御指摘の八%ルールといいますか、それ以上に維持するようなことをもちろん強く要請し、またそれを実現するように努力をしてもらっております。
 ただ、住友銀行がどういう対応に最終的になるのか、これはまだ今我々としてはどちらとも言えませんけれども、いずれにしても、銀行としては非常に合理的な判断といいますか、あくまでも経済合理性ということを主軸に置きまして、銀行の健全な経営、そういった観点をあくまでも基本に置きながら判断していくものと存じております。
 いずれにいたしましても、残存債権の回収をより確実にする合理性があるというふうなこと等、いろんな基準を踏まえて行動しているというふうに理解しております。
○櫻井充君 新生銀行にとっては非常に合理的だと思います。しかし、瑕疵担保特約を今使いにくくなった状況から考えれば、新生銀行はいかに損をしないで済むのかということを多分検討しているんだろうと思うんですね。そうしますと、これから先、引当金を積んでいる分に関しては債権放棄に応じる、そうでないものはどこかの銀行に買い取らせるという方式がまかり通ってしまうんではないかと思います。
 そうなってきますと、今申しましたとおり、不良債権がまたふえていくことになれば、おのずと自己資本率は低くなっていくわけでございまして、そうなりますとまた公的資金を都市銀行に注入しなければいけないという可能性も出てくる、そういう心配をしているわけです。
 そしてもう一つ、そういうことがもし起こるとすれば、瑕疵担保特約で税金で補てんしますということが直接的に行われるのではなくて、市中銀行を介して迂回的に結果的には税金投入になってしまうんじゃないか、結局は同じことを繰り返しているんではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政務次官(宮本一三君) 確かに先生御指摘のような心配、ごもっともだと思うんですけれども、最終的に住友銀行さんがどういう態度になるかは別といたしましても、将来、そうした住友の判断が住友銀行としての健全な運営というものに支障になるというようなことはないと、そういった判断が当然なければ行動しないと思いますし、またそうした判断の結果として公的資金の増強を再度要請するような事態になるというふうには考えておりません。
 御承知だと思いますけれども、銀行の早期健全化法、これは平成十三年の三月三十一日、もう半年先でございますが、そこまでが申請可能な時期でございますし、そういったことも考えまして、この話がどういう決着になるかは別といたしましても、再びそうした公的な資金増強を要請するような事態になるというふうには考えておりません。
○櫻井充君 また財政・金融委員会で質問させていただきたいと思います。
 あと最後に、ちょっと事実の確認だけお伺いさせていただきたいと思います。
 これは九月二日付の共同通信配信の朝刊に、宮本政務次官が、所得税法違反容疑で強制捜査を受けた元会社役員側から回避できないかと相談されて、査察部長に直接電話をかけて手心を加えるように働きかけていたという記事がございますけれども、この件に関して、この報道が事実なのかどうか、そのことだけ教えていただきたいと思います。
○政務次官(宮本一三君) 査察部長にそういった電話をかけたことはございません。
 以上でございます。
○櫻井充君 そうしますと、この新聞機関といいますか、マスコミを訴えるとか、そういう御予定はございますでしょうか。
○政務次官(宮本一三君) 今具体的に弁護士と相談をいたしておるところでございます。
○櫻井充君 どうもありがとうございました。金融庁に対しての質問はこれで終わりでございます。御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
 それでは次に、大蔵省にちょっとお伺いしたいんですけれども、今回、この決算書を読みました。読んで非常にわかりにくかったのは、予算を要求するところとそれからその予算を執行する部署が違っていた。そうすると、例えばあるプロジェクトで予算を請求、請求というんでしょうか要求して、しかしそのプロジェクトが失敗したような場合にその責任の所在が非常にあいまいになってしまうような気がいたします。
 それともう一つは、基本的には、予算というのは恐らく決算書を見た上で来年度の予算をつけていくというのが当然のことなんじゃないんだろうかと思いますけれども、現行のシステムで本当にいいとお考えかどうか。その点について、大蔵省の考えを教えていただきたいと思います。
○政務次官(七条明君) 今、先生から御指摘のありました件、予算の執行そのものの責任の所在というものにつきましては各省庁の長がその責任を負うこととなっておりますし、当然、予算の編成で国会の議決を得る際には執行の責任の所在が明らかにされる等の観点から部局等の組織の別に区分することとなっておるわけでありまして、そういう手続は踏んでおると思います。
 他方で、恐らく先生のきょうの話の中で出ております件に関しましては、例えば科学技術会議の方針に沿って実施される科学技術の振興に必要な重要研究業務を行うための科学技術振興調整費のように、予算編成の際には経費区分を確定し得ないようなもの、それぞれの開発計画に基づいて行われる事業の総合性を確保する必要がある。
 例えば、北海道開発庁あるいは沖縄開発庁等と言われるような地域の公共事業関係費などのように、個別の経費の性質上、所管別あるいは組織別に区分をしないで特定の所管の組織に一括計上をしておき、予算の執行に当たって具体的に確定した上で、それをその実施に当たる関係省庁、例えば農林省のようなところへ、組織に移してその用途、使用を予定していくというケースもあるわけであります。したがいまして、そういうような観点につきましては、その所管は当然農林省あるいはその所管の長のところで責任を負担をしていくということになろうと思っております。
○櫻井充君 しかし、今北海道開発庁の話が出ましたけれども、その北海道開発庁で要求はもちろんしていますけれども、結果的には、最初に農水省と随分話し合いをした上で、どの程度の予算の要求をしてくれという話をするんだと、そうお伺いしております。そうだとすると、もともと農水省としてこのぐらいのプロジェクトをやりたいんだということを決めているんであったとすれば、何もわざわざそこでまた北海道開発庁と果たして話をしなきゃいけないのかどうか。
 もう一つ、あわせてお伺いしたいんですけれども、果たして北海道を今特別視して、北海道開発庁自体が必要なのかどうか、その観点だって必要なんだろうと思うんですね。いつまでも今までどおりのやり方だと、結果的には予算の硬直化を招くというふうに言われているわけであって、やはり使うべきところが予算を要求するというのが当然のシステムじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○政務次官(七条明君) 今、北海道開発庁が必要かどうかということについて私の方から論をするわけにはいきませんけれども、北海道開発庁のように北海道だけ、あるいは沖縄開発庁のように沖縄だけに限定をして、その地域の総合性あるいは事業の一元化というようなことをできるだけやっていこう、そういう観点に立って北海道開発庁ができ得ているものではないかと思うわけであります。
 当然、農水省の方での予算、それらを必要に応じて一元化したり、あるいは総合的に物を考えていく観点に立って科学技術の問題につきましてもやっていく、あるいはそれを最終的には農林省で踏まえていくということもやっていかなければならない、総合性の中で考えていかなければならないことがあり得るものだと私たちは認識をいたしておるところでございます。
○櫻井充君 ただ、そういう縦割りにしていったときに果たしていいのかどうかという議論がまた出てくると思います。
 例えば海岸事業費というのがございまして、この海岸事業費は農水省の本省でももちろん要求していますし、水産庁でも要求しています。それだけではなくて建設省でも、それから運輸省でもこの海岸事業費というのを要求している。もちろん北海道は北海道で別建てで海岸事業、これは沖縄もそうですけれども、別建てで要求してきています。
 しかし、この海岸事業費が使われている目的というのは一体何かとお伺いしたところ、海岸線の保護であって、今は侵食されていて、何ヘクタールだったかちょっと忘れましたが、一万何千ヘクタール毎年毎年削られていっている。そこのところの保護をしていかなければいけない目的は全く同じであるということではございました。
 そうしますと、例えば今申しましたように、農林水産省本省は農業関係のところの海岸線をやるとか、水産庁は港になるのかどうかはちょっとわかりませんが、そういう海岸線をやっていくとか、そういうことになるのではなくて、侵食の度合いが激しいところから順番にやっていくということの方が本来は効果的ではないかと思うわけです。
 そういう意味で、今のも一例ですけれども、そういう縦割り、縦割りで決めてくることが果たしていいのかどうか。その点について、いかがでございましょうか。
○政務次官(七条明君) 縦割り的な物の考え方というのがいいかどうかということもあるわけでありますけれども、総合的に、北海道開発庁のようなものはそれを縦割りでやることではなくして総合的にやろうと。当然その中でむだのないように、あるいは各省庁の事業が適切に行われるようにという形の中で、北海道に関して、あるいは沖縄に関しては開発庁があるものだと認識をしておるわけでありますから、その点については、縦割りでやるのではなくて、総合的に何かを考えていこうとされるケースではないかと思うわけであります。
 具体的な、どのような経費がそれに当たるかということについて今お話がありましたけれども、毎年度の予算総則に規定をして国会の決議を経たところに従って実施している、そういう観点に立って考えていきますと、計上された省庁では、設置法上、該当経費に当たる事務の権限等が与えられているところから、一般的には関係省庁との調整の上で予算要求等の事務を行っている。よって、予算のつけかえ、いわゆるつけかえについては、予算に計上された個別の経費の性質に応じて予算の形で国会の議決を得た上で行われているものというふうに御理解を賜ればと思っております。
○櫻井充君 要するに、もう一つは、要求した省庁と使うところが本当は一致しているのであれば余り問題はないとは思っているんです。ただし、要求しても使わないケースもあったわけです。
 今回、ちょっと話が飛びますけれども、運輸省の方で交通施設バリアフリー化設備整備費補助金というのを五十億円要求しました。しかしながら、これは一円も使われることなく翌年度に繰り越されましたし、不用額として何がしかのお金が計上されているわけであって、あくまでこうやって予算だけを分捕ればいいんだというような姿勢がここに見えないわけではないんですけれども、こういうことも起こってくるのではないか。
 そういう意味で、何のために使われて、それがきちんと評価された上で予算が要求されてくるというのが当然のことではないかと思います。この点について大蔵省はどうお考えか。
 もう一つは、なぜこのように今年度、予算要求しておきながら一円も使わなかったのか、その点について運輸省から説明を願います。
○政務次官(七条明君) 今お尋ねの件でありますけれども、平成十年度決算の中で、運輸省の交通施設バリアフリーの設備に関する補助金五十億円の予算がと、こういうことであったと理解をいたしておりますけれども、予算に計上された経費については年度内に執行すること、これが一応基本になっておることは御理解をいただいておるとおりでありますけれども、運輸省からの御答弁があったかと思いますけれども、この案件につきましては、緊急性にかんがみ年度内の執行を予定しておりましたけれども、施設設備の内容について身体障害者、特に身体障害者の団体との協議等に日数がかかった経過上、十一年度に繰り越しをされた。当然のことながら、繰越明許の手続をとりましてされたものではないかと。
 私が考えますときに、こういうバリアフリーのようなものにつきましては、当然、予算がつけられた後、地元の団体、あるいはそれの受け皿となります、この場合につきましては身体障害者団体のような方々が、できるだけ駅の構内の中で、あるいは自分たちが使い便利のいいようにしていきたいという形で設計を変更する、あるいは設計に伴って使い便利のいいように工夫をしていただく、それが予算の執行上、住民施設に、特に住民の福祉に対して有効だと認識をされたがゆえにこういう形になったものではないかと。
 しかしながら、今後につきましては、私たち大蔵省につきましても、財政当局としては予算の執行状況等を踏まえて適切な予算計上に努めていかなければならない、こういう観点ではありますが、そういう観点に立ってバリアフリーのものがなされたのではないかというふうに考えておるところでございます。
○櫻井充君 運輸省から。
○政府参考人(岩村敬君) ただいま大蔵省の政務次官の方から御答弁ありましたが、交通施設のバリアフリー化補助金、平成十年度第三次補正予算で九十駅を対象に五十億円の予算措置をいただいたわけでございます。
 そして、その補助金につきましては、今御答弁ありましたが、施設整備の内容につきまして実際の工事の着手に当たって関係の方面といろいろ協議をいたすわけですが、とりわけ初めてのケースということで身体障害者団体との協議等に予想以上の日数を要してしまったと。結果的に工事の着工がおくれてしまって十一年度への繰り越しとなったものでございます。
 なお、十一年度中に当初予定しておりましたすべての工事は完了いたしているところでございまして、鉄道駅のバリアフリー化の設備の整備に大きく寄与できたものというふうに考えておるところでございます。
○櫻井充君 誤解のないように申し上げておきますけれども、バリアフリー対策をやるなと言っているわけではございません。そういうことではなくて、本来であれば今のような話し合いをきちんとした上で予算請求するのが当然のことではないんでしょうか。つまり、どういう部分にお金を使いますということをきちんと決めた上で予算要求するというのが当然じゃないでしょうか。
 私、幼稚園の役員もやっているんですが、そのときに言われたのは、子育て支援でお金がついたと。何万円だったかちょっと額は忘れましたけれども、何に使ってもいいそうだから何に使おうか、皆さん、お母さんたち、知恵を下さいと。これも確かに一つなんだと思います。現場に任せますということも一つかもしれませんけれども、何とか支援といって割と受けのいいものを予算で要求して、ただばらまいてくるというような印象がそのときはございました。
 そういう意味で、今お金が、予算が本当に限られている状況の中で、本当に何のためにお金を使っていかなきゃいけないかということをきちんと割り出してから要求するのが当然じゃないでしょうか。いかがでしょう。
○政府参考人(岩村敬君) この五十億円の中身でございますが、鉄道駅におきます身体障害者対応型のエレベーター、それとエスカレーターの整備でございます。そういう意味で対象の施設等も決まっておったわけでございますが、その具体的な整備の仕様等々につきまして、実際に御利用される身体障害者の団体から具体的ないろいろ御注文があり、そこでいろいろ協議をした上で最終的な設備の整備の内容が固まったと。それに時間を大変要してしまったという状況でございます。
○櫻井充君 それではお伺いしたいんですけれども、たしか平成十一年度はほとんど予算を要求されなかったと思います。平成十二年度が三十億程度だったでしょうか、予算要求が。そういうことだったんじゃなかったかと思いますけれども、済みません、通告しておりませんで申しわけございませんが、この辺のところで予算の計上が少し減ってきているということについて、今のお話でしたら、テストケースでまずやったんだと。テストケースでやって、どこが悪くて、そのために、それから本来であれば、今の社会でいえば、もっともっとこういうところにお金を投資すべきなんだろうと思いますが、そこの予算が減額されていると。その辺についての理由を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(岩村敬君) 交通施設のバリアフリーの施設整備につきましては、実は若干試行錯誤もあるわけでございますが、十年度の補正予算の際、制度の助成の中身が充実してきたということもございます。と申しますのは、それまでの補助制度ですと、やはり鉄道事業者、なかなか整備に手が出ない面もございました。そういう意味で、関係の方面からの非常な要請もありまして、制度の充実等を図ったわけでございます。
 いよいよ具体的に実際の整備をする際に、仕様等々でやはり一番利用される方の意見というものが反映されない施設ではいけないということで、十分協議をしているうちに時間がたってしまったという、そういう経緯でございます。
○櫻井充君 そういうことを聞いているんじゃなくて、平成十二年度の予算要求は減っていますよね。本来であればこういういいことはもっと、効果があったとなればもっと予算を要求してもいいことではないんですか。それがたしか三十億程度だったんじゃないでしょうか。ちょっとこれは私の間違いかもしれませんが。
○政府参考人(岩村敬君) 十二年度の予算額は三十三億円でございます。そういう意味では減っておりますが、いろいろ財政事情等々もございまして、当該年度、十二年度におきましては三十三億円をお認めいただいたところでございます。
○櫻井充君 もう一つ、これは、十三年度は幾らぐらい要求されるおつもりですか。
○政府参考人(岩村敬君) 十三年度は五十億円を今要求いたしているところでございます。
○櫻井充君 済みません、ありがとうございました。
 それでは、農水省に今度はお伺いしたいんですけれども、先ほども申しましたとおり、宮城県の稲作農家の所得がここ五年で半減しております。これは宮城県だけなのか、もしくは全国的にこういう傾向があるのか、その点について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(田家邦明君) お答えいたします。
 私どもが実施いたしておりますお米の生産費調査の全国の十アール当たりの所得、先ほど宮城県の例でございました平成六年から平成十一年産について申し上げますと、平成六年産が八万一千二百七円、直近年の十一年産は四万四千七百三十二円ということになっております。なお、この間、作柄や自主流通米価格の変動もございまして、この間の年次におきましては七万円台から五万円台で推移しているという状況になっております。
○櫻井充君 これに伴いまして、農家の平均所得というのは一体どのぐらいになっているのでございましょうか。平成六年と平成十一年度で教えていただきたいんですが。
○政府参考人(田家邦明君) お答えいたします。
 私どもの農業経営動向調査というものがございまして、それによりますと、販売農家以上のものをとらえているんですけれども、平成六年の一戸当たりの農業所得は百五十九万円でございまして、平成十一年は百十四万円ということになっております。
○櫻井充君 これだけの収入ではとても専業農家ではやっていけないんだろうと思います。いや、こんなに低いとは思っておりませんでした。このことに関して、政府はどのような対策をとろうとお考えなのでございましょうか。
○政府参考人(竹中美晴君) お答えを申し上げます。
 農家の所得の問題につきましては、農政にとりましても大変大きな課題でございます。狭い意味での価格政策を初めといたしまして、基盤整備あるいはもろもろの生産振興対策あるいは災害の場合の共済制度の問題、また低利の政策金融等々、各般の施策を講じまして農家の所得の確保に努めているところでございます。
 価格政策につきましては、狭い意味での農産物の価格を一定の固定的な価格で支持するというような従来型の価格制度につきましては、それがともすれば需要と生産のミスマッチを招く、そのことを通じて国内農産物に対する需要の減退を招くというような弊害もございまして、主要な農産物の価格政策につきまして、新しい基本法のもとで見直しを進めてきておるところでもございますが、一方で価格の過度な変動が農家の経営に与える急激な影響も避けなければいけないということで、同時に経営安定対策を講じまして農家経営の安定に努めているところでございます。
○櫻井充君 きょう、数字を教えていただいたんですけれども、しかし、これで経営が安定も何もないんじゃないですか。この五年間で百五十九万円から百十四万円に減っているんですよ。これ、対策をやっている意味が果たしてあるんですか。今まで何兆円農業関係にお金をつぎ込んだかわかりませんけれども、こんなんだったら最初から農家の方々にお金を配った方がよっぽど効果があるようなものじゃないですか。
○政府参考人(竹中美晴君) 先ほど申しましたように、農家の経営対策といたしましては、単に狭義の価格所得対策だけじゃなしに、広い意味での各般の施策を講じて、農家の経営の安定に努めているところでございます。
○櫻井充君 では、その施策は成功したとお思いですか。
○委員長(鎌田要人君) 自信を持って答えなさい。
○政府参考人(竹中美晴君) 施策につきましては、全体としてどういうふうな効果が上がっているか、短い言葉で申し上げるのは大変難しゅうございますが、効果の上がっている面もあれば、あるいはいろいろ問題を抱えている面もあろうかと思います。そういった問題につきましては、一つ一つ解決するなり、あるいは必要な手段を講ずることによって対応していきたいと考えております。
○櫻井充君 では、具体的に一つ、それだけ挙げるのが大変だということであれば、一つで結構でございます。まずどれが一番まずかったとお思いか、それからどれが一番効果があったとお思いか、その二点についてお答え願いたいと思います。
○政府参考人(竹中美晴君) 農政の各般の施策、大変広範多岐にわたりますので、どれか一つ挙げて申し上げるのは難しい面がございますが、例えば大変先ほどからもお話がございましたお米の関係で申し上げますと、最近、御指摘もありましたように、需給の不均衡といったようなところが基本にございまして価格が下落しているわけでございますが、米につきましては、経営の安定対策ということで稲作経営安定対策を講じております。
 例えば、十一年産の米の生産費調査結果等で見てみますと、この稲作経営安定対策に加入している農家につきましては、この対策によります補てん金を加味して考えますと、稲作の粗収益なり所得の減少幅はそうでない場合に比べて大幅に緩和されているというようなことで、この稲作経営安定対策が相当大きな効果を発揮しているというふうに考えております。
○櫻井充君 済みません、具体的にどのぐらい効果があったのか、教えてください。
○政府参考人(竹中美晴君) ただいま申し上げました十一年産の米の生産費調査結果で申し上げますと、稲作経営安定対策による補てん金がなかった場合の十アール当たりの所得でありますが、全農家で見てみますと、前年に比べまして一六%減少いたしております。これに対しまして、稲作経営安定対策による補てん金を加味して考えますと、前年比三・七%の減少にとどまっているという状況でございます。
○櫻井充君 しかし、どちらにしろその下落には歯どめがかかっていないんじゃないでしょうか。
 そしてもう一つは、安定対策のために、今回、十年度の決算で結構でございますが、何兆円になるんでしょうか、何億円なんでしょうか、使われたんでしょうか。
○政府参考人(竹中美晴君) お答えを申し上げます。
 稲作経営安定対策でありますが、平成十一年度で九百二十六億円余でございます。
○櫻井充君 済みません、ちょっと決算書の何ページに書いてあるか教えていただけないですか。
○委員長(鎌田要人君) 今答えられないなら答えられない旨、答えなさい。
○政府参考人(竹中美晴君) ただいまちょっと手元に数字がございませんので、後ほどお答え申し上げます。
○櫻井充君 そのお金が効果があったとするのであれば、この予算は当然のことながら平成十三年度はふえるということになるんでしょうか。
 そしてもう一つは、効果が一体何がなかったのかどうか、むだなとは言わないですけれども、もう少しこちら側から減らして別なものにお金を使った方がいいのではないかとか、そういうような対策がございましたらぜひ教えていただきたいんですけれども。
○政府参考人(竹中美晴君) 個々の施策につきましては、毎年度、概算要求に向けまして全面的な見直しをしながら次の年度の予算を要求していく作業をしているところでございます。
 そういう中で、効果が既に実現した、遂げられたというようなものにつきましてはまた新しい政策分野のニーズに振り向けてまいりますし、効果が不十分な施策につきましてはその都度また見直しながら次の年度の予算を要求しているところでございます。
○櫻井充君 それでは、農家の所得の安定といいますか、そのために圃場整備というのはこれは役に立っているものなのでございましょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 圃場整備、水田の整備率ですが、四十年には三%、現在は十年の数字で五六%になっております。
 この過程で、大型の農業機械を導入した生産性の高い稲作経営が進展をしておりまして、一例を申し上げますならば、十アール当たりの労働時間ですが、百四十一時間、これが昭和四十年です、それが平成十年では三十六時間、つまり四分の一に低下をしているわけでございます。コストがそれに伴いまして低下をし、さらにその時間をもって規模拡大を可能にするという状況にございます。コストが下がれば、需給均衡している状況の中でいえば、農家の所得はそれだけ取り分がふえるということでございます。
 なお、近年の状況では、この圃場整備と担い手への農地の集積をあわせて行っておりまして、担い手の経営規模が平成八年から十年、ウルグアイ・ラウンド対策で行いました九十八地区の事例では約二・五倍、七ヘクタール余に拡大をいたしておりますし、稲作についての労働時間も六四%短縮、生産コストの低減という状況になっております。
○櫻井充君 確かに労働時間が短縮されたのはわかりました。しかし、こうやって圃場整備を行った上でなおかつ一方で三割減反を行うわけです。農地をかえたとしても一方でそれを休ませなきゃいけないということになれば、ある意味でいったらお金のむだ遣いということにならないでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 今、私は圃場整備の目的なり効果の一つにコストの引き下げということを申し上げましたけれども、現在私どもが行っております圃場整備の目的というのは二つ大きくございまして、もう一つは排水条件を整備する、いわば水田を汎用化してあらゆる畑作物の生産が可能になるようにするということが大きな目的でございます。
 水田の汎用化を図りますと、麦、大豆、飼料作物、そういった作物の生産が可能になります。これはそれぞれ所要の政策がとられておりまして、米と遜色がない所得を上げるような政策も打たれております。この水田が汎用化されることによりまして、地域によっては一年二作あるいは二年三作という作付体系が可能になります。耕地利用率も向上いたしますし、ひいては自給率が上がっていくという効果を持っているものでございます。
○櫻井充君 今、畑作もやれるということで二期作、三期作でございましたか、そういうお話がございましたけれども、そういうことをやっている農家の収入というのは年平均幾らぐらいなんですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 具体的な数字はまた改めて先生に御報告申し上げていいと思いますけれども、当然のことながら、表で米をつくり裏で大麦なり小麦をつくるということで、機械効率は二倍になりますし、労働力もそれなりに使われるわけでございます。また、裏作の麦作というのはかなり大規模化が可能でありますので、粗収入は上昇いたしますし、所得率も高まるということになっております。
○櫻井充君 その数字を後で教えていただきたいと思います。
 もう一つは、今、農地のこういう整備を行っておりますけれども、将来に向けては大体その農地をどのぐらい確保しなければいけないのか。その数字をお持ちでございましょうか。
○委員長(鎌田要人君) 谷大臣、答えられますか。
○国務大臣(谷洋一君) はい。
 ただいま議論をしていただいておりますことは、日本の農政に関する基本的な問題をお話ししていただいておると思っております。余りにも農村の実情がわかっていないと私は思うんです。
 私のふるさとというのは、八割近い林野率を持つ山村で生まれましたけれども、現在まで大変な苦労に苦労を重ねて生活してきたと思うんです。その実態は、土地改良事業をやったからといって所得はどんどんふえておるわけじゃありません。しかしながら、馬を使い、牛を使った時代から考えてみると、機械化せざるを得ないというのが今の農村の現状ではないかと思うんです。所得はふえなくても馬や牛を使って農耕をやることが今の近代日本としては本当にいいだろうかと思うと、やはりそのことも農村に農林省の立場からいえばせざるを得ないというのが現状だと思います。
 所得の水準は上がっておりません。つまり、圃場整備をやって、機械化をして三反区画になる、あるいは一町二反の区画になって、その大区画のもとに農地がふえていくならよろしゅうございますけれども、農地は相変わらず五反百姓であり、一町百姓であるということを、昔ながらの言葉を使えばそういう現状でございます。そういうことから考えると、投資したにもかかわらず成果が上がっていないじゃないかとおっしゃれば、そのままであります。
 しかし、今の日本の現状は食料自給率四〇%というところまで落ち込んでおります。我々は戦争中に、また戦後においてあれだけの食糧難で苦しめられてきたものであります。そのことを考えると、この四〇%に落ち込んで、日本は平和憲法があるから大丈夫だとは言っておれません。何といっても、外国が戦争をすれば我々には食料が入ってこない。この現状を考えてみると、四五%に伸ばし、さらに五〇%、六〇%と、せめて私は六〇%以上、七〇%に近いのでなかったら独立国でないとさえ思うぐらいでございます。
 そういうことを考えると、日本のように七割が山林であるというこの日本の現状、そして狭い、本当に額のようなところで百姓をするという言葉が私の田舎ではよく言われますけれども、そういう現状から考えてみると、都市で働いていらっしゃる方々の所得と農村の所得が本当に差がついておる、そして山村、農村が過疎になるということもうなずけるわけであります。しかし、それをほっておくわけにいかないというのが独立国日本の立場ではないかと私は思っております。
 そういうことを考えると、先ほど官房長が苦しい答弁かもしれませんけれども、それが実態を込めた答弁だと思っております。また、構造改善局長にいたしましても、構造改善の実態を説明申し上げました。また詳しいことをお聞きくださいまして、そして、今農林省がやっておるものがむだ金じゃない、やっぱり独立国日本としては四〇%の自給率ではだめだ、五〇%、六〇%に持っていって、どんなに歯を食いしばっても消費者の喚起を促して、やはり目で食をするのでなくて味で食事をするということをもっと、古来からの日本の農村の姿、いや、日本の姿を考えていただいたら、そういう方向が真の日本の姿でなければならない、こう思っております。
 そういうことでございますので、今の直接の御答弁にはなりませんけれども、御答弁の趣旨そのものから考えまして私は私の考えを申し上げまして、参考にしていただきたいと存じます。
○櫻井充君 ちなみに申しておきますが、私の父の実家は仙台の近郊で農家をやっております。うちは専業農家でやっておりますけれども、周りの農家の方々がもう農地を手放したというか耕さなくなりましたので、うちの親戚がその農地も耕しているというような状況で、うちは専業農家でやっております。そういう農家の実情も知った上で、そして私は農家の親戚から苦しいと言われておりましたけれども、これほど所得が低いと思っていなかったんです。ですから、やはり何とかしなきゃいけないんじゃないだろうか。それから、自給率を上げなきゃいけないというのは、これはまさしく私は大臣と同じ考えでございます。
 ですから、そういう意味で、ことしもいろいろ言われておりました構造改善局のいろんな問題があって、本当にお金が有効に使われているのかどうか。午前中もございましたけれども、そのウルグアイ・ラウンド費が果たして農家の所得アップのために本当につながっているのかどうか。そしてもう一つ、これだけ都市部のサラリーマンとの所得の差が起きれば農家を継ぐ人がいなくなるんじゃないか、そういう心配をしているからこそここで議論をさせていただいているわけです。
 将来に向けてのもう少し明確な展望がなければ、農地はどのぐらい確保するんだ、そしてそこに農民がどのぐらい必要なんだ、そして所得はどのぐらいになりますよと、そういうことがなかったら後継者が出ないじゃないですか。うちの親戚も、男の孫が生まれて、よかった、これで後継ぎができたと喜んでおります。しかしながら、果たしてその孫が本当に農業をやろうと思うでしょうか、この所得で。だから私はこうやって聞いているんですよ。
 将来に向けての展望をもう一度きちんとした数字をもって示していただきたいと思います。
○政府参考人(渡辺好明君) 今、先生が農地とそれから農家の将来展望について御質問になりました。
 実はこれは基本法を定めました後、国会にも御報告いたしておりますけれども、食料・農業・農村基本計画、この三月に閣議決定をいたしまして、議会にも報告をいたしました。
 その中で、平成二十二年における自給率と関連をいたしまして、必要な農地の総量、それからそこにおける農家、とりわけ効率的かつ安定的な農家の数、そういったものを明示いたしております。ちなみに、農地面積で申し上げますと、平成二十二年時点で確保される農地面積は四百七十万ヘクタールであります。それから、農業構造の展望の中で、平成二十二年には総農家数は二百三十万ないし二百七十万でありますが、効率的かつ安定的な農業経営として、家族農業経営で三十三万ないし三十七万戸、それから法人、生産組織で三万ないし四万ということで基本計画に明示をいたしまして、国民一般にも議会にも御報告を申し上げているところでございます。
○櫻井充君 このときの所得は幾らになるんでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) これは基本的にはそれぞれの地域における非農業者の方々と遜色のない所得水準ということでございます。もちろん、生涯所得においてということでございます。
○櫻井充君 ぜひ日本の農業を守っていただけるように頑張っていただきたいと、本当にそう思っております。
 その中で、前は構造改善局の話ばかりが出たんですけれども、補助金について若干教えていただきたいことがございます。
 農業生産体制強化対策事業費補助金というのがかなり高額ついておりますけれども、この補助金の内訳といいますか、例えばある農家の方々が三人ぐらい集まりますとたしか農機具などを補助金をつけて買うことができるということをお伺いしておりますけれども、この補助金の補助の申請の仕方、それから補助金がどういう形で生産者の方に渡っていくのか、この経路について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) お答えいたします。
 農業生産体制強化総合推進事業でございますけれども、交付要項に基づきまして、農業用機械あるいは施設の導入等を図る農協等からの補助金交付申請がございますと、それをまず市町村それから都道府県を経由して地方農政局に申請をしていただくことになっております。このような申請がありました補助金につきましては、地方農政局におきまして補助事業の目的また内容が適正であるかどうかにつきまして審査を行い、補助金を交付すべきと認めた場合には地方農政局から都道府県、市町村を経由して農業用機械、施設の導入等を図ります農協等に交付されるというような流れになっております。
○櫻井充君 ここの中で、業者の方は、農機具メーカーの方はどこと交渉することになりますか。今の経路の中で生産者の方と直接交渉はできないはずなんですよ。どこと交渉することになっていますか。
○政府参考人(木下寛之君) 先ほど申し上げましたように、補助金の流れは、こういうような補助事業を実施したいというような農協等から申請がありましたら、それに基づいて審査をするという運びになるわけでございますけれども、私ども行政庁といたしましては、具体的に個々の農業機械会社と交渉するわけではございません。あくまでも、補助金を導入したいというような農協等からの事業計画に基づきまして、それが補助事業の目的あるいは内容が適正であるかどうかという点につきまして審査を行うところでございます。
○櫻井充君 そこの中で、宮城県の場合ですけれども、宮城県の農業公社というところと農機具メーカーの方は交渉をするんだそうです。そこの間に全国農業協同組合連合会が入りまして、もう一つ単位農協が入ってまいります。ここの中で、補助金が今申しました団体の中に入ってまいって、実際、ここについている補助金の全額が農家のために有効に使われていないという指摘もございます。この点について、いかがでございましょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 補助金の流れにつきまして先ほど御説明いたしましたけれども、私ども、補助金の申請につきまして、その内容、目的等が適正であるというふうに認めた場合には、地方農政局から都道府県、それから市町村を通じまして具体的な事業を行います事業主体に交付されるというのが補助金の流れでございます。したがいまして、事業主体でない各団体を経由して補助金が流れるということは考えられないというふうに考えております。
○櫻井充君 しかし、私はこれは宮城県のある方にこういうふうにお伺いしたんです。それが違うのかもしれないので、また調べて後日質問させていただきたい、そう思います。
 それでは、済みません、時間が押してまいりましたので、運輸省に関西空港のことについてちょっとお伺いしたいんですが、与党の方でも二期工事を見直すべきではないかという声がございますけれども、現時点で、関西空港二期工事の抜本的な見直しは行わない、そういう予定は全くないのでございましょうか。
○国務大臣(森田一君) 今、櫻井先生の方から与党でもというお話がありましたが、確かに読売新聞に大きく報道されたわけでございます。これが政調会長ということで報道されたわけでございますが、ほかの各社が確かめたところ、そういうことは一切言っていない、むしろ早くやれと言ったんだということでございます。
 関空会社は、開港後間もないため、いわゆる創業赤字の状態にありますが、営業損益で見ると開港以来黒字となっております。今後は航空需要の増大や関空会社の経費の節減、増収努力と相まって、長期的には経常損益についても好転し、累積損失は解消されるものと考えております。また、関西空港への一日当たりの乗り入れ便数につきましては、一九九四年九月四日の開港時点で百十五便であったものが、本年八月には百七十二便と過去最高の就航便数になっておるわけでございます。
 関西圏は二千五百万近くの人口を抱えて、経済規模におきましても約百兆円とスペインやカナダを上回る規模でございまして、今後とも変動はあるものの航空需要は順調に伸びてまいると、このように思っております。
 二十一世紀初頭には、現状の一本の滑走路の処理能力の限界である年間離発着回数十六万回に達すると見られておるわけでございます。現状におきましても、一時間当たりの発着回数がほぼ発着枠の限界に達しておる時間帯、そういう時間帯が発生しておるところでございます。
 したがって、関空二期事業につきましては、関西圏の今後の航空需要の増大に対応するために極めて重要でございまして、二〇〇七年の平行滑走路供用開始に向けて今後とも着実な整備を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
○櫻井充君 今、大臣の答弁の中で、国際線の需要が伸びるんだというお話がございました。しかし、果たしてそうでございましょうか。まずその伸びるという根拠を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(森田一君) 国際線につきましても、先ほど内訳は申し上げませんでしたが、一九九四年九月四日の開港時点で国際線は四十八便ありましたものが、本年八月では国際線は九十三便となっております。
 そして、先ほど申し上げましたように、二千五百万近くの人口を抱えておりまして航空需要が大きいものでありますから、これからも伸びていくものと考えております。
○櫻井充君 しかし、まず一つ、成田に二〇〇二年に暫定滑走路ができます。今、成田がいっぱいだから仕方なく関空に行っているという方々が数多くいらっしゃるというふうに私は聞いております。そしてもう一つ、二〇〇一年に今度は韓国のソウル付近に新しい国際空港ができることになっております。また、このままいけばですけれども、中部国際空港もできますし神戸の空港もできるということになっておれば、関西空港の需要が伸びるという要素は極めて低いのではないかと思いますけれども、それでも伸びるとおっしゃる根拠をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(森田一君) 神戸空港につきましては地域的な需要に対応するものでございまして、関西国際空港は国内航空及び国際航空両面の需要に対応するものでございます。確かに中部空港もできますが、航空需要全体がこれから伸びるという見通しになっておりまして、関西国際空港につきましてもその需要はこれからも伸びていくものと考えております。
○櫻井充君 別な観点からお伺いしたいんですけれども、借金をしてつくることになります。この借金の償還期間は何年だというふうにお考えですか。
○国務大臣(森田一君) ちょっと事務当局の方から答弁させます。
○政府参考人(深谷憲一君) お答え申し上げます。
 関西空港の株式会社が空港を設置、管理いたしておりますが、これの資金構成、いろいろございますけれども、その中の借り入れ財投の長期につきましてはおおむね三十年程度の長期の資金を手当てして、それで回しております。
○櫻井充君 今、三十年という御答弁がございましたけれども、ちなみにジェット飛行機のエネルギーというのはあと何年ぐらいもつとお考えですか。
○政府参考人(深谷憲一君) 御質問につきまして私の知見では十分な知識を持ち合わせておりませんので、世間で何十年とか言われておりますけれども、私自身におきましてはちょっと自信がございません。
○櫻井充君 きのうレク取りに来た方と話をしたら、三十年と言われていますねという話になっておりました。今、大体三十年程度ではないだろうかと。もちろん、掘っていくのをどのぐらい使っていくかということにもよるのかもしれません。しかし、現時点でジェット機を飛ばせる代替エネルギーがない中で、これも開発していかなければ飛行場そのもの自体がむだになってしまう可能性もあるわけです。
 ましてや、三十年で償還しますというお話でございましたが、大変申しわけないんですが、そういうその償還が決まって、きちんと三十年なら三十年で払い終わったのを私はまだ見たことがございません。そういう意味も含めて、本当にきちんとした計画がされて、二期工事を行わなければいけないのかどうか。
 そしてもう一つは、これは新聞等の報道なので果たしてどうなのかわかりませんが、地盤沈下が激しい、そして二期工事のところはさらに地盤沈下が激しい場所なのでということも聞いております。それでもなおかつ二期工事は行わなきゃいけないのでございましょうか。
○国務大臣(森田一君) 関空一期島で地盤沈下が発生していることは事実でございます。関西国際空港の建設海域は沖合五キロ、水深約十八メートルの大深水で、さらに地盤が軟弱であるというような厳しい自然条件のもとでの埋立工事になっております。
 そこで、全体的に相当量の沈下が発生するであろうことは当初から見込まれておったところでございます。埋め立て当初から、開港五十年後までの沈下量は島内平均で約十一・五メートルと関空会社においては予測しておりました。現在までの沈下量はおおむねこの範囲内にあるものと承知をいたしております。
 また、これらの問題に対しまして、関西国際空港におきましては当初から不等沈下が起きるということが予想されておりましたので、これに対応するために旅客ターミナルビル等において油圧ジャッキシステムにより上下調節が可能なような構造になっております。これは私が一昨日現地で見てまいったところでございます。
○櫻井充君 しかし今後、これは新聞報道で大変申しわけないんですけれども、高潮被害を防ぐために護岸のかさ上げなどの対応策が迫られているということが記事になっているんですけれども、これも予定どおりということ、予想される範囲内ということなんでしょうか。
○国務大臣(森田一君) これは予想しておりませんでした。
 今回、旅客ターミナルビル周辺地区及び給油タンク地区において局所的な沈下が発生しました。また、予想以上に透水性が高い、すなわち水を非常に通すわけでございまして、潮の満ち引きによりまして水が出てくるということになりました。そこで、両地区周辺を止水壁で囲みまして、ポンプで地下水をくみ出しまして地下水位を低下させるための対策を講じたところでございます。この地下水対策事業の実施によりまして、関空一期島において高潮時にも地下水位の問題を解消できるものと、このように考えております。
○櫻井充君 この一期工事に、こういうものも含めて大体たしか一兆五千億円でしたでしょうか、そのぐらい工事費がかかっていたんじゃないかと思いますが、これは当初の予定よりどのぐらいオーバーしたんですか。
○国務大臣(森田一君) 一兆五千億は確かに当初の予定よりはふえております。
 具体的な数字につきましては、事務当局の方からお答え申し上げます。
○政府参考人(深谷憲一君) おおむね一千百億円程度、ビル関係でございます。
○櫻井充君 一兆一千億。
○政府参考人(深谷憲一君) 現在御指摘のとおり、一期島につきましては総事業費一兆五千億でございますけれども、そのうちのビル関係で今申し上げた数字でございます。
○櫻井充君 そうじゃなくて。
○委員長(鎌田要人君) 正確に答えてください。
○政府参考人(深谷憲一君) 補足して正確に数字を申し上げますと、関西国際空港の一期の建設事業費、これは当初一兆円ということでございましたけれども、その後、昭和六十二年度の予算編成の際に事業費の精査をいたしました。
 その見直しの結果、一兆六百七十六億円ということになりましたが、平成三年度の予算編成におきましてさらに事業費を見直しまして、開港までに必要な施設の整備事業費全体ということで一兆四千三百億円ということになってございます。
 なお、先ほどの先生の御質問の御指摘、報道で護岸のかさ上げが必要になるというふうな御指摘がございましたけれども、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、護岸のかさ上げの必要性については我々認識しておりませんで、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、旅客ターミナルビルあるいは給油タンク地区の地下水対策ということでございますので、補足させていただきます。
○櫻井充君 しかし、やはり見直し見直しとおっしゃっていますけれども、当初の予定よりはかなり高くなっていることは確かなんだと思うんです。今回が一兆五千億円をちょっと超えるぐらいだったかと思いますけれども、これの予定で三十年ぐらいで償還できるということであれば、もっと借金がかさめば、当然のことながら借金を返すまでの償還年数も当然のことながらふえてまいるということであって、本当にここまで、くどいんですけれども、借金を重ねてつくらなければいけないものなんでございましょうか。
○政府参考人(深谷憲一君) 先ほど大臣からも御答弁ございましたように、関空につきましては、関西圏の経済規模、人口規模、それから将来の我が国の経済見通し、あるいは関西地域における経済見通し等々、総合的に勘案いたしますと、あの地域に国際規格の滑走路がもう一本必要だということで、平行滑走路の二期事業、これは将来を見据えれば必要だというふうに認識をしております。
○櫻井充君 もう一つ、関西国際空港株式会社ですけれども、株式会社として二期工事をやった方が利益は上がるとお考えですか。
○政府参考人(深谷憲一君) はい。関西国際空港につきましては関西空港株式会社が設置、管理をいたしておりまして、一期事業については既に供用開始をしているわけですが、二期事業につきましては、上下分離方式を導入いたしまして、関空会社全体として将来の関西国際空港の経営に十分資するような仕組みを導入いたしまして二期事業を推進しておりますので、二期事業の滑走路と一期事業の滑走路と相まってあの地域における国際、国内の基幹空港として将来役割を果たしていけるものと、かように思っております。
○櫻井充君 しかし、今対策をとおっしゃいましたけれども、かなり多額の税金を投入しなければいけないとか、それから成田と一緒に合わせて決算しなきゃいけないような、そういう対策ではないかと思うんですが、本当に株式会社としてやっていけるんでしょうか。
 もう一点お伺いしたいんですけれども、来年度から資金を調達する際に財投機関債を発行されるんでしょうか。
○政府参考人(深谷憲一君) 関空会社の経営につきましては、先ほど大臣からも最初に御答弁がございましたように、現時点では創業赤字の状態でございますけれども、営業段階、償却前段階、いずれにしましても黒字を出しておりまして、将来的には十分経営として成り立っていけるものというふうに考えております。
 なお、財投機関債につきましては、現在はその予定をいたしておりません。
○櫻井充君 いや、ちょっと聞こえなかった。
○政府参考人(深谷憲一君) 現時点では十三年度概算要求ベースで財投機関債を発行させてもらえるというふうなことでは考えておりませんけれども、将来、その先々につきましては今後の問題だと考えております。
○委員長(鎌田要人君) 櫻井君、申し上げますが、質問者と答弁者と直接の問答はやめてください。私を通してください。
○櫻井充君 はい、わかりました。済みません。申しわけございません。
 もう一度、くどいんですけれども、つまり将来の資金調達は、じゃ財投機関債を発行して資金調達は行うということですか。来年は行えないけれども、将来は行うということですか。
○政府参考人(深谷憲一君) 将来の問題としていろんなことを考えていくというふうな必要はあろうかと思っています。
○櫻井充君 大蔵省にお伺いしたいんですけれども、この問題については財政・金融委員会で宮澤大蔵大臣と随分やりとりをさせていただきました。つまりは、資金運用部資金法の改正によってお金の流れが変わることによって、市場原理が働いてむだな特殊法人が統廃合、整理されていくんだという大蔵大臣の御答弁でございましたけれども、今のように、財投機関債を発行する意思がない、もしくは将来に向けてこれから検討しますということであれば、この間大蔵省が言っていた答弁と全く違うんじゃないか。
 きょうは幾つか特殊法人が来られておりますけれども、その特殊法人の方々にもきのう若干お伺いしましたけれども、今まで補助金を受けているところなどは、結果的にはもともと財投からの資金を受けて運用しているわけではないので財投機関債を発行しませんということになっておりました。
 つまり、そうだとすると、大蔵省がこの法案に関して言っていた、資金の流れが変わる、市場原理が働くからむだな特殊法人が整理されるんだということが、当然のことながら実現できないんじゃないかというふうに思います。いかがでございましょうか。
○政務次官(七条明君) 今、先生のお話がありましたように、財投改革後の特殊法人等の資金調達についてということでありますけれども、財投機関債の公募発行により市場の評価を受けることを通じて運営効率化へのインセンティブが高まっていくこと、特に特殊法人等はまずその資金を財投機関債の発行によって自己調達する、そしてそのために最大限の努力と検討をしていく、そういうふうに周知徹底をさせたところでありますけれども、今、先生から御紹介がありましたように、特殊法人によっては非常に資金の調達力がない、あるいは発行する気持ちがないというところもあるわけでありますけれども、三つの観点に立ってこれからは整理をしていかなければならないと考えております。
 一つは、その業務が民業補完のために実際に必要なものかどうか。二つ目が、将来の国民負担を推計した政策のコストの分析ができているかどうか。三つ目が、償還確実性等を精査して当該法人等の業務そのものについてゼロベースから徹底した見直しを行っていくことができるかどうか。その上に立って政策的にあるいは必要と判断をされた場合には、部門において財投債により調達した資金の貸し付けをしていくことも考えなければならない。その手順の中でやっていくことができないかと。
 しかしながら、今、調達をしていけない、あるいは困難だと言われるような法人につきましては、そういう経過をたどった後、先ほども申し上げましたように、政策的に必要と判断をされた場合については、財投債を調達して資金を貸し付けるようなことができないかというふうに考えておるところでございます。
○櫻井充君 結局、特殊法人の統廃合というのは政策決定することが大事だということではないんですか。つまり、今の話を聞いても、市場原理とかいうことではなくて、今の条件を満たせばこういうものは必要なんだ、そうであれば財投債を発行して援助するというお話でございましたから、結果的には、市場原理を働かせてどうするという議論ではなくて、政策的に判断するということになるんじゃないでしょうか。
○政務次官(七条明君) 運営の効率化のためにインセンティブが高まっていることから、特殊法人がまずその資金を財投機関債の発行により自己調達する、そのために最大限の努力をしていただくことから始まっていこうと、先ほど申し上げたとおりでございます。
 いずれにいたしましても、今後の財投編成の過程で、財投改革の趣旨を踏まえた上で、各機関及び各省庁において財投機関債の発行やその発行額についてさらに検討していただくような必要性を感じているところであります。
○櫻井充君 それでは、緑資源公団に質問したいんですけれども、ここも特殊法人でございます。緑資源公団が政策的に必要だというお考えの理由について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(伴次雄君) 緑資源公団につきましては、同公団法が平成十一年の六月に成立しまして、同年十月に発足したものでありまして、主な事業でございますけれども、水源林造成事業、大規模林道事業及び特定中山間保全整備事業を行っておるところでございまして、これらの推進を含めまして、農林業の振興と森林及び農用地の有する公益的な維持機能に資することに貢献していると思っているところでございます。
 このうち、水源林造成であるわけでございますが、これは水源涵養等公益上重要であるわけでございますが、森林所有者等の力では造林が困難な非常に山奥の水源林をつくるというような事業でありまして、現在も非常に重要性というものが大きいと思っております。
 また、山村地域の動脈ともいえますような大規模林道であるわけでございますが、現在非常に木材の市況が低迷しておりまして、山村の老齢化、それから過疎化というものが非常に進捗しておりまして、林業というもの、そして山村生活というものにあって非常に必要な事業ということでございまして、本事業につきましても環境面との調和を図って進めていきたいと思っております。
 さらには、平成十一年度から始まります特定中山間保全整備事業でありますけれども、これは中山間における農林業の振興と森林と農用地の持つ公益性の増進ということから、森林整備とそれから農用地整備を一体的に効率的に行うというような事業でありまして、こういうものを進めていく必要があると思っております。
 いずれにしましても、今後の活力ある農山村の発展を図っていくためには、本事業はいずれも必要だというふうに考えているところでございます。
○櫻井充君 しかし、大規模林道自体ですけれども、これが自然環境を破壊しているんじゃないか、そういう指摘もありまして、一区間だったか二区間か忘れましたけれども、中止になったりもしているわけです。本当にこういう大規模林道が必要なのかどうか。そしてもう一つは、これだけのお金をかけて林道をつくったのはいいけれども、本当に林業に貢献できるのかどうかということが疑問なんだと思います。
 それからもう一点ですけれども、医者の立場で言わせていただきますけれども、要するにどういう樹木を今植えているかといいますと、杉の木が三八・五%でございまして、ヒノキが三五・一%です。このおかげで杉の花粉症の患者さんは物すごい勢いでふえております。日本国の方々で大体今一〇%の有病率でございまして、その医療費が平成十年度で二千九百十五億円です。これだけ杉の花粉症だけで医療費がかかっているわけでございまして、花粉が飛ばない時期は患者さんが減るわけですから、当然のことながらこういう杉だけ植えているということ自体、本当に大きな問題なんだと思うんです。
 なぜ杉だけをこれだけ植えていかなければいけないのか。水源の事業だとすれば、本来であれば広葉樹林の方がよかったわけであって、それをあえてなぜ杉だけを植えてきたのでございましょうか。
○政府参考人(伴次雄君) 一点目の問題であるわけでございますが、大規模林道につきましては平成七年から環境アセスということの導入を図っておるところでございまして、そのほかは自主的にも環境アセスというものを調査しまして小動物の保護等のいろいろな工法をしておるところでございます。今後も、やはりこの点につきましては十分配意をしていきたいと思っている次第でございます。
 それから、造林の樹種の問題であるわけでございますが、基本的には、気候なり土壌なり自然条件に合った適地適木というものを植えていくというのが森林造成の基本でありまして、公団造林におきましては、そのほかに契約者との一応協議をして植えるというような状況にあります。
 それと同時に、水源涵養機能を高めるということから、今の育林の技術からはっきり確立されている樹種を選ぶということが必要であるということでございまして、やはりそういう面ではヒノキなり杉なりの針葉樹が造林技術的にもはっきりしておりますし、森林としてのうっ閉といいますか、森林状態に到達する年限も早いわけでございます。
 なお、杉の花粉の問題でございますけれども、今大きな問題というふうに認識しておりまして、杉林につきましては間伐なり枝打ちなりをして施業をきちっとしていくほか、今後、公団造林におきましては、広葉樹の導入等を図り、針葉樹一辺倒から針広混交林のような森林も造成していきたいと考えておるところでございます。
○櫻井充君 済みません、あと幾つか通告していたんですけれども、最後に大蔵省にもう一点お伺いしたいことがございます。
 きょうの新聞にも補正予算十兆円規模と報道されておりました。景気は回復しつつあると経済企画庁も申しているわけであって、果たして十兆円規模の補正予算を組まなければいけないと大蔵省自体お考えなのかどうか、まずそれを教えていただきたいと思います。
○政務次官(七条明君) 今、補正予算についての御質問がございましたけれども、今、予算編成作業を行っている途中でございますし、予算概算要求を各省庁から八月末までに出していただいて、その中からも必要なもの、特に緊急性のあるようなもの、あるいは即効性があって効果のあるようなものについては何らかの形で景気に反映するということを前提に考えていかなければならないというふうに考えております。
 当面、今、我が国経済の状況について十一日に発表されました四月―六月のQEを見ましても、あるいは一―三月からの、引き続きまして前年比でプラスの成長が出てきたと。しかしながら、民間消費の動向にはいまだ強い力が感じられない。景気は緩やかな改善が続いているとはいえどもいまだ万全とは言えない状況にあるわけでありまして、景気を本格的な回復軌道に乗せるため何らかの対応が必要であろうという観点に立っておるところでございます。
 なお、先ほども申し上げましたように、日本新生枠、四つの項目に分けまして、その中から、先ほど来申し上げましたような形で、補正に緊急性あるいは即効性のあるものを今作業として探しているところでございます。
○櫻井充君 ゼロ金利が解除されて、その直後、株価が一万六千円台から一万七千円ぐらいまで上がったかと思いました。長期金利は、まあその直後だったからかもしれませんが、上昇いたしませんでした。しかし、補正予算の話が出たからかどうかわかりませんけれども、株価がまた一万六千円前後になりましたし、長期金利が今一・八七だったと思いますけれども、長期金利もじわじわと上がってきている状況にございます。
 長期金利が上がるとどうなるか。もちろん国の借金の利払いがふえるだけではなくて、今その国債を保有している市中銀行の債権が、また国債の価値が下がりますから不良債権化してしまうという可能性もあるのではないかというふうに思います。
 今、財政構造改革を望む声が圧倒的に多い中で、果たして本当に十兆円規模の補正予算を組まなければいけないのかどうか、ぜひ御検討願いたい。
 そして、平成十年度の決算、本来はこういう決算がもっと早くにされて、それを受けた上で予算編成を行っていくべき中で、なかなか決算を受けての予算編成になっていない今のシステムも変えていかなければいけないんじゃないだろうかというふうに思っています。
 時間が参りましたので、あと最後に一言だけ申し上げさせていただきたいんですが、IT革命ということでITのインフラ整備を行うことに関して、私はもちろん基本的に賛成です。しかし、アメリカの今のやり方を見ておりますと、NTTの接続料を下げ、そして日本の税金でITのインフラ整備を行い、そこの中に今度はアメリカ企業が日本のそれだけ準備を整えたところに入ってこようとしているんじゃないだろうかと。私は新生銀行のことを悪く言うわけではありませんけれども、日本企業を乗っ取るために非常にうまく企業を倒産させて、そして安く買いたたかせる、そういう作業もしておりまして、そういう意味で日本の国益ということを考えた上での政策をぜひ実行していただきたいと思っております。
○政務次官(七条明君) 今、先生の方からの御趣旨も十分踏まえながら、特に補正予算につきましては以前から宮澤大臣からも申し上げましたとおり、財政面から大きな景気刺激を講じなければならないような必要性は今はもうなくなったと。補正の財源につきましても、国債を増発することばかりを考えることではなくして、これからはやはり財政再建を考えながら、特に国債を増発してしまった結果かえって景気を悪くしてしまうことのないように、できるだけ増発を控える方向で物を考えていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、補正予算につきましては、先ほども述べましたように財政首脳会議での御論議を踏まえて総理から具体的な御指示がやがて、あす財政首脳会議がありますけれども、いただけるものではないかと、それを踏まえて今後検討をしていきたいと思っておるところでございます。
○櫻井充君 終わります。
○海野義孝君 公明党の海野でございます。
 最初に、いわゆる公共事業の見直しにかかわる国と地方の負担のあり方という問題につきましてお聞きしたいと思います。
 先般、八月二十八日でございましたか、与党三党におきまして公共事業につきましての見直しを行った与党としての結論が出たようでございます。二百三十三事業について中止ないしは見直しを行うというように承知しておりますけれども、本来であればこの事業を継続することによって必要である費用が兆単位で一応軽減されると、こういうようなことでございましたけれども、ここで具体的な問題としてお聞きしたいのは例の中海の国営の土地改良事業の問題でございます。
 この事業は、昭和三十八年に始まって以来、五工区のうちで平成四年までに四工区が完成をしたということのようでございますけれども、本庄工区につきまして、宍道湖それから中海の淡水化とともにこれが昭和六十三年以降休止の状態になっていたということでありますけれども、この本庄工区にかかわっては国の国庫負担金がこれまで二百六十八億円投じられたというように私理解しております。
 そこで問題は、この中海の本庄工区の干拓事業の問題につきまして一応与党三党でこれは中止すべきであるという結論が出まして、これを受けて九月には農水大臣も御当地の知事との間で、お会いになって基本的にはこの事業の中止の意向を示された、こういうように聞いているわけでございますけれども、これによりましてこれまでに投じられたお金、特に地元の負担金についての負担の問題とか、あるいは地元の自治体に対する地域振興等という問題が課題になってくると思いますけれども、長期にわたって相当額の国費を投入したこの事業が中止に至ったことを踏まえて、地元の負担金等の問題に対しましての大臣の御所見というかお考え、御方針、こういったことについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷洋一君) お答えをいたします。
 ただいまの問題につきましては、島根県知事から二回にわたってお話を聞かせていただきました。当初お話を聞きましたときには、県知事としては中止をしないという前提に立ってのお話でございました。そういうことでお話を聞いたんですが、その後、自民党の政調会長も島根県の現地を見てこられる、そして三党でお話をされるということで、今お話しのようにそれを総理に御報告になりました。
 私もそのときに立ち会わせていただきましたが、これはもう従前の経緯から考えてみて、そして現在の状況を踏まえてみると、とてもこれを成功させることは不可能に近い、不可能だということから中止という結論を出されました。そして、その後に知事とのお話をしましたが、知事はもう党の方針も与党の方針も決められたので、我々としてはやむを得ないけれども中止の方向に向かって進む以外ない、こういうことをはっきりと明言されたわけでございます。
 そこで、私といたしましては、ただいまお話のございました従前の工事によって七十七億円の島根県に対する負担分がある、それについての問題にはでき得る限りひとつ善処していただきたいというお話でございましたし、またこれはそれぞれの与党の皆さん方にもお願いしてあるということでございましたので、今後お話し合いをさせていただこうということを申し上げました。
 それから次の問題は、道路等の問題、堤防を道路に使用しておる等々の問題がございまして、それらの問題については年内に県としての結論を出すので、県としての結論に従って善処していただきたいということでございましたので、これにつきましても農林水産省としては十分皆さんの意見を聞いて結論を出したいと思う、こういう返答をさせていただきました。
 以上でございます。
○海野義孝君 ありがとうございました。
 こうした公共事業の見直し等という問題、大変これは大きな問題でございまして、そういったことに伴っての国と地方との、そういったこれまでの費用の分担、負担の問題をどうするかというようなことが今後もやはり出てくるかと思います。そうした点につきましても、今、大臣から御答弁ありましたけれども、大変重要な問題でございますので、今後ともその辺よろしくお願いしたいと思います。
 これとは直接関係ありませんけれども、次に午前中もちょっと御質問がありました例のウルグアイ・ラウンドの農業に関しての合意、これの関連対策の問題について少しくお聞きしたい、こう思うんです。
 ことしの七月でございましたか、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の中間評価について農水省で御発表になった。これは平成十一年度末時点での各事業の効果についての中間的な評価を実施した、このように私は受けとめているわけでございますけれども、これについて、まず中間評価の結果について具体的に、全体まとめてわかりやすくその辺御説明いただきたいと思うんですが。
○政府参考人(竹中美晴君) ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の中間評価でございますが、この対策の開始から五年を経過いたしまして、今後最終的な段階に入るという時点をとらえまして中間評価を実施したわけでございます。
 具体的には、各事業につきましてできる限り定量的な目標を評価の基準として定めまして、発生した効果なり目標の達成度合い等を判定、分析したところでございます。
 各事業につきまして全体としての到達目標なり事業実施地区の目標の達成度合い等を見ました結果、一部には事業の執行水準が低いものや情勢変化により目標達成が十分でない点はございますが、全体として見ると一定の効果は上げられているというふうに評価をいたしております。
 具体的に申し上げますと、例えば担い手育成型圃場整備事業というのがございますが、平成十年度までに完了いたしました九十八地区について見ますと、事業の実施前に比べまして担い手の経営規模が約二・五倍に拡大しておりますし、また、担い手の稲作の労働時間は約六割短縮いたしております。また、農業構造改善事業では、水稲の乾燥調製貯蔵施設を整備しました六十八地区で見ますと、乾燥調製コストの一〇%削減という目標が目標どおりに実現されておるというような結果が出ております。
 その一方で、例えば農用地利用集積特別対策では、担い手に農地の過半を集積するための集積目標七十六万ヘクタールに対しまして、平成十年度末までで四六%の達成度合いというふうにやや低い水準の達成度合いとなっております。
 今後、この中間評価の結果を踏まえまして、残期間におきます対策の一層効果的な推進を図りますとともに、この中間評価で得られました知見を踏まえまして今後におきます政策評価の的確な実施等に生かしていきたいというふうに考えております。
○海野義孝君 どうもありがとうございました。
 今の御説明ですと、農用地利用集積特別対策関係は目標に比べて四六%というような達成状況だというお話でございました。中山間農地の保全対策事業についても何か達成状況は低いというように承知しているんですけれども、今、両方含めましてこういう達成率の低い事業につきましてその原因といいますか、この点についてはどのような御認識をお持ちか、御説明いただきたい。
○政府参考人(竹中美晴君) 目標の達成度合いが低い、その理由なり原因の分析でございますが、いろんな要因があろうかと思いますが、例えば農用地利用集積特別対策につきましては、農産物の近年におきます需要の低下とか価格変動、あるいはまた将来的な農業情勢の不安といったことから、担い手の規模拡大意欲がやや抑制されたといったようなことが影響しているんではないかというふうに考えております。
○海野義孝君 どうもありがとうございました。
 先ほど櫻井議員からもいろいろと御質問ありましたけれども、今回のウルグアイ・ラウンド対策としての事業規模六兆円余と、地元の単独事業も入れますと相当な規模のものになるわけでありますけれども、これは要するに米の自由化に絡みまして、いわゆるそういう農家の経営を何とか改善させていくというためにこういった費用が投じられるということだと思いますんですが、これによって具体的にそういう農家の、先ほどのいろいろな面で大変効果が出ているというお話がありましたけれども、数字の面で、農家の収入の面とかそういった面での効果というのは具体的にどういったものが出ているかということは教えていただけますか。そういった数字はありませんですか。
○政府参考人(竹中美晴君) ウルグアイ・ラウンド関連対策の実施により農家の経営なり収入なりにどういう効果が出たかというお尋ねでございますが、農家の経営とか収入の状況というのは、もちろんこれは統計的に追跡することはできるわけでありますけれども、それが具体的にウルグアイ・ラウンド対策の効果であるのか、それともその他の一般的な施策の効果であるのか、そのあたりを、因果関係といいますか、関連づけて分析するということはなかなか難しい面がございまして、そういった面での分析はできておりません。
○海野義孝君 実は、七月に中間評価を御発表になったそのレポート、大変分厚なものでありますし、私も十分には読み切れなかったんですけれども、そこの中に、ウルグアイ・ラウンド対策費を導入する際に、言うなれば的確な達成目標値を設定しなかった、そのために評価の作業には大変な困難があったというようなことを述べておられたように思うんですけれども、最近でこそ行政評価だとか政策評価だとかいろいろなことが言われますが、この大きな対策に取り組まれた段階におきましては、そういう政策評価といいますか費用対効果といいますか、そういったことについては基本的にどういったお考えで取り組まれたかという点についてはいかがでございましょうか。
○政府参考人(竹中美晴君) ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策につきましては、その開始に当たりまして対策大綱というものを閣議決定して開始したわけでございますが、もちろん大綱にはそれぞれの事業につきまして定性的な目標は述べているわけでございますが、当時の考え方としまして、事業の目標を定量的に設定して、それに対する達成度合いによって事後的に評価するというような考え方はなかったものでございますので、事前に評価の基準になるような定量的な目標というのは余り設定されていなかったというのが実情でございます。
 そこで、今回の中間評価に当たりましては、大綱におきます定性的な目標等を勘案いたしまして、事後的にできる限り客観的、合理的な数値を定量的な目標として設定をいたしまして、目標の達成度合い等を測定あるいは分析したところでございます。事後的に定量的な目標を定めるという、そういった面で一定の制約があったことは否めないと考えております。
 こういったことを踏まえまして、本年度から農林水産省として実施することにしております政策評価におきましては、事前に各施策等の成果といった観点からの定量的な目標値を明確に設定することにしているところでございます。
○海野義孝君 中間評価を踏まえられてかなり前向きに、大変困難な作業ではあるかと思いますけれども、具体的な評価制度といったものに踏み込んでいらっしゃるということでございます。
 もしお聞かせいただけるならば、一つ二つ、具体的にどういった点をこういうふうに変えたというような点が何かございましたら教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 公共事業では、事業を始める前に費用対効果比一・〇以上というのを使うのが常識でありますけれども、非公共事業の場合には、結果としてこれがこれだけよくなったという事業がこれまで主流でありました。そこを、事業を始める前に地域の合意と同時に費用対効果がきちんと測定できるようにすること、それから同時に具体的な目標を掲げるということで、経営構造対策でいいますと、その地域に認定農業者を何人育成するんだ、何年間で育成するんだ、その認定農業者に対して農地をどれだけ集積するんだ、それからコストをどれだけ下げるんだというふうな具体的な数字を掲げまして事業を開始していただくということになっております。
 また、その数字自身につきましては、第三者委員会の審議を経まして、これが架空のものでなく実効あり実現可能だということをきちんと検証していただいてスタートさせる、それからその事業の実施の期中にもう一度それをおさらいするというふうなシステムを非公共事業の代表であります農業構造改善事業にかわる経営構造対策で採用させているところでございます。
○海野義孝君 大変詳しくありがとうございました。
 この問題に関して最後の御質問でありますけれども、来年一月に農水省組織再編後の政策評価についての体制整備といったことを、これは各省庁取り組んでいらっしゃいますけれども、今おっしゃった中間評価を踏まえての政策評価、かなり前向きに今取り組んでいらっしゃるということでございますけれども、そういった政策評価の体制整備とそれからウルグアイ・ラウンド関連対策の効果的な推進ということについて、最後にもう一言お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(竹中美晴君) 来年一月の組織再編の後の政策評価でございますが、私ども農林水産省におきましては、七十九に分類をいたしました政策分野を主管する政策分野主管課が政策の目標の設定なり目標を見据えた政策の実施、あるいは達成状況の把握、またその要因分析等をまず行います。これを踏まえまして、各局庁の政策評価担当課は、設定された目標等につきまして妥当かどうか審査を行いますとともに、政策分野主管課の作成した達成状況についての報告が妥当であるかどうか審査した上で評価を実施するという段取りになります。その後、大臣官房に設置されました政策評価担当総括組織、これは具体的に私どもの場合ですと企画評価課ということになりますが、企画評価課では、設定された目標などが農林水産業等に対する効果を具体的にあらわしているか等につきまして審査を行いますとともに、政策評価の担当課が行った評価結果につきましてその客観性なり妥当性について審査した上で意見書を作成し、政策評価の結果を公表するというような段取りになります。
 それで、ウルグアイ・ラウンド合意関連対策につきましても、このような体制をもとにしながら、残された対策期間におきまして中間評価の結果も十分に踏まえた一層効果的な推進が図られるよう努めていきたいというふうに考えております。
○海野義孝君 御期待申し上げますので、せっかく頑張っていただきたいと思います。
 次に、林野庁の方に御質問を申し上げたいと思います。
   〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕
 現在、森林・林業、木材産業の基本政策の見直しが行われているわけでございますけれども、我が国の林野政策は、一昨年ですか、国有林の抜本的な改革が行われまして、さらに民有林に関しましても、これまでの木材生産を主な目的としたものから地球温暖化防止や水源の涵養等森林の持つ多様な機能を持続的に発揮させることを目的としたものに転換する方向で検討されているように承知しております。
 森林の持つ多様な機能の中で公益的な機能を持続的に発揮させるために適正な森林整備が必要でありますし、または循環型社会の構築のためには環境に負荷の少ない木材の有効利用を推進していくということが重要であろうかと思います。
 今後、森林の持つ多様な機能を持続的に発揮させるために、次の点について御見解を明らかにお示しいただきたいと思います。
   〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕
 第一点でございますけれども、今月の初めに林野庁が森林の持つ公益的機能の試算を御発表になりました。過去、直近ではたしか平成三年、その前は昭和の終わりの方だったと思いますけれども、発表なさいまして、今回の御発表によると、貨幣価値換算で約七十五兆円の公益的な機能があるという試算を御発表になったわけですけれども、この試算のこういう目的とか具体的な手法、そして主な項目別のその価値、こういったことについて御発表いただきたいと同時に、この試算を今後林野政策にどのように活用していくか、そういった点についての御見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(伴次雄君) 森林の公益的な機能につきましては、今、先生から指摘があったとおりでありまして、先般発表した次第でございます。
 これにつきましては、森林の果たす公益的な機能というものが幾らぐらいあるのかということを一般の人々にも非常にわかりやすくしたいということが大きな目的でありまして、そういうものを通じまして森林の整備の必要性なりそういうものにつきまして理解をちょうだいしたいというのがこの公益的な評価を発表している考え方といいますか目的といいますか、そういうものであります。
 それで、今回発表いたしました七十五兆円であるわけでございますが、今般は森林に対するいろいろな要請というものが大きく変わってまいりまして、二酸化炭素の吸収機能やら、水につきましては水質浄化機能というものを新たに因子として加えた次第でございます。
 評価方法なんですけれども、これは森林の持つ公益的な機能をほかの施設や手段で置きかえた場合にコストが幾らぐらいに相当するのかというような、代替法と言っていますが、そのような方法で試算をしております。
 一つの例でありますが、森林は炭酸ガスを吸収して酸素を排出するような機能があるわけでございますが、酸素の例でいいますと、排出する酸素の量を把握しまして、それをいわゆる製造業の方の化学的な製造法でつくる場合のコストに置きかえるというような、一つの例でありますけれども、そのような方法で計算しておるわけでございます。
 この公益的な評価につきましては、今、林政の問題、森林・林業含めて基本政策を詰めておる次第であるわけでございますけれども、いずれにしても森林というものは国民の皆様の支えというものがどうしても必要でありまして、そういう意味で、本評価額を広く普及することによって今後の森林・林業政策というものを円滑に進めてまいりたいと思っておるところでございます。
○海野義孝君 大変御丁寧にありがとうございました。またいろいろと資料等を拝見して勉強させていただきたいと思います。
 時間が限られていますから申し上げませんけれども、何か平成三年当時と今回では、新たな大気保全的なそういった項目なんかも追加なさったということでありますけれども、たしか当時は四十兆円弱だったのが今回はもう七十五兆円ぐらいということで、膨大にふえているというあたりは大変興味もあるし、どうしてかなということはまた別途、別の機会に教えていただきたいと思います。
 では次に、これは私が昨年の秋ごろでしたか質問主意書でお願いした件についての御回答がありましたけれども、その後の状況というのが、私は林野庁長官を初めとしまして大変前向きに取り組んでいらっしゃるように感じているものですから、ちょっと御答弁をお聞きしたいと思うんです。
 一つは、こういうことを私は去年の秋ごろに質問主意書でお聞きしたんです。森林の保全に取り組む者に対していわゆる直接支払いを行うことについての見解をお聞きしたんですが、政府としましては、直接支払いの「その必要性も含め、総合的な観点から検討していく必要がある」、こういう御答弁があったんですが、その後の検討の状況というのがどうであるか。何かこのことについても大変前向きに、こういう林業等に対しましてもいわゆる中山間農家のように直接支払いというような制度を導入するということをちょっとそれとなく聞いているんですが、御答弁できる範囲でお聞きしたいと思います。
○政府参考人(伴次雄君) 農業分野では本年度から中山間地における支払い制度というものが導入された次第でございますけれども、まず森林なんですけれども、森林・林業分野というものの政策のほとんどが中山間地域で行われておりまして、いわゆる森林の整備とか林道とか治山とか林産物の加工施設等の整備をやっております。
 また、もう一方、造林なり間伐等の林業生産の森林育成への行為でありますけれども、これにつきましては、森林の公益性があるということで、その支援の措置が直接森林所有者個人に行われているという珍しい公共事業ということであります。そういう意味では、現在は造林事業につきましては個人に支払われているというような状況にあるわけでございます。そうはいいましても、現在、森林・林業、大変きつい状況にあるわけでございまして、目下、検討しております森林・林業、それから木材産業の基本政策の見直しの中でこの問題も検討してまいりたいと思っておるところでございます。
○海野義孝君 もう一点でありますけれども、これも昨年、質問主意書で御答弁をお願いしたものでありましたけれども、いわゆる山林に対する相続税評価の見直しについて、政府の御答弁はそのとき、既に「財産の適正な評価を行うとともに、立木の特殊性を考慮して、従来から課税面及び納付面において特段の配慮を行っている」と御答弁がありました。
 今般、十三年度の税制改正に関する要望事項等におきまして、林野庁におかれては、「林業経営の円滑な承継のための山林に係る相続税負担等の軽減措置を創設すること。」の項目を新設されているわけでございますけれども、先般取りまとめられた林家の相続税課税実態調査結果も含めて、山林に対する相続税評価の見直しについて長官の御見解を明らかにしていただきたい。
 私は大変前向きに、これは税制問題ですから大蔵省に対する要望ということかと思いますけれども、いろいろと財政多端な折から難しい面もあるかと思いますが、現在のこの国有林の問題は、先般解決というか、一応しまして、進行中でありますけれども、一般林家の問題についても大変深刻な問題がありまして、これについて今回こういった軽減措置について新たに税制改正の中に新設をされたということ、大変私は多とするものでありますが、これについての長官の御所見なりお考えをちょっとお願いします。
○政府参考人(伴次雄君) 今、先生からお話がありましたように、山林の相続税につきましては、立木の生育期が非常に長いというようなこともありまして、立木の評価を一五%引いたり、また延納制度というようなものもあるわけでございますけれども、現在、非常に林業情勢が厳しいというような状況にありまして、今後の林業の経営の円滑な承継をするためには、やはり相続税の負担の軽減は必要だというふうに考えておるところでございまして、十三年度の税制要望に相続税の軽減負担ということを要望している次第であります。
 今後、要望の背景となるその基本政策の検討、そして関係者との調整等、状況を十分踏まえながら、評価額の軽減などその方法につきましてさらに詰めてまいりたいと思っておるところでございます
○海野義孝君 長官、どうもありがとうございました。
 まさに公益的な機能という問題、大変な七十五兆円というような額でございまして、そういった面について、林家の方々も大変な御努力をされているということに対しては、これまで国としましてもいろいろな助成をされてきたわけですが、今後ともにさらに前向きにお取り組みいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 時間がなくなりましたので、最後に森田大臣にまとめてちょっと質問を申し上げますので、御回答お願いします。
 これは、自賠責の保険の見直しの問題についてでありますけれども、御案内のとおりで、この自賠責保険における政府再保険制度の廃止ということが自賠責審議会等で論議されているわけであります。
 もし、この政府の再保険が廃止された場合に、現在、再保険の運用益を活用して行っている政府の交通安全対策、特に交通事故被害者救済対策等の政策支出のあり方が問題となるわけでありまして、この点で被害者救済等に係る政府の施策が後退することがあってはならない、こういうふうに考えるわけでありますけれども、この点について、政策支出のあり方、財源の問題も含めてひとつ御所見を伺いたいというのが第一点。
 もう一点は、この自賠責の保険金の支払いについては再保険の支払いを通じて行政によるチェックが行われているわけでありますけれども、再保険が廃止されたならば、保険金支払いに対する政府の関与は減少していくことになるわけであります。保険金の適正な支払いを確保するために中立的な審査機関を設置する必要があるんじゃないかというような指摘もあるし、私もそのように考えるんですけれども、この点につきましても大臣の御所見を伺いたい。
 以上、二点お願いします。
○国務大臣(森田一君) 海野先生御指摘のとおり、政府はこれまで自賠責保険に係る政府再保険の運用益の一部を活用して事業を行ってまいりました。すなわち交通事故被害者に対する被害者救済対策や交通事故防止対策がそれであります。そして、重度後遺症害者の数がここ十年で倍増するなど、交通事故被害の深刻な状況にかんがみまして、こうした事業の継続は必要不可欠と考えております。
 政府再保険の取り扱いについてまとめた本年三月の閣議決定におきましても、政府再保険廃止の際の五条件が設定されております。そのうちの一つに、被害者保護の充実がございます。それからもう一つは、政府再保険の運用益を活用した政策のうち必要な事業の継続が掲げられております。再保険の廃止に当たりましては、これらの事業をぜひともやらなきゃいかぬということが閣議決定で決められておるわけでございます。
 このため、運輸省では政府再保険の廃止によって被害者保護に遺漏が生じることのないように、必要な仕組みの財源確保の方策も含めてただいま鋭意検討中でございます。
 それから、政府再保険の運用を通じて、御指摘のとおり運輸省は自賠責保険の適正な支払いについての審査を行っております。これによって保険金の過少払いを是正するというようなことができております。
 政府再保険の廃止によってこうした運輸省の関与がなくなることによりまして、適正な支払いの確保などの被害者の保護に支障が生じることのないようにしなければいかぬというふうに考えております。
 御指摘のように、自賠責保険の当事者ではない中立的な第三者紛争機関は、自賠責保険の適正な支払いを図る上におきまして、どうしても必要なものと認識をいたしております。今後、政府再保険の廃止についての検討を進めるに当たりましては、海野先生の御意見も十分に踏まえまして、交通事故の被害者の保護に万全を期するようにやってまいりたい、このように考えております。
○海野義孝君 大変ありがとうございました。
 時間がなくなりましたので、もう一問ありましたけれども、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○福島瑞穂君 社会民主党の福島瑞穂です。
 きょうは農水省にまず遺伝子組みかえ食品についてお聞きをいたします。
 まず、冷凍ポテト、ポテトチップス、マッシュポテトの粉などの製品には表示義務はありませんが、これらの組みかえDNAの検知は現在の日本の検知技術で可能ではないでしょうか。
○政府参考人(西藤久三君) お答えいたします。
 先生御案内のとおり、遺伝子組みかえ食品の表示問題につきましては、私ども二年間にわたって研究会を開催して、組みかえDNAまたはこれによって生じたたんぱく質が存在するものについて表示をお願いするという形で、その中で対象品目をどうするかということで、当省で多数の食品、大豆製品なりトウモロコシ製品なりをDNA分析しまして、その分析結果を科学者を構成員とする小委員会で御検討いただいて、それで品目を選んだという経緯でございます。
 それで、今、先生御指摘の品目につきましては、このようなDNA分析の結果、実は二十四検体分析いたしておりますが、いずれも検出されなかったと、そういうことで義務表示の対象にしていないという実情でございます。
○福島瑞穂君 今の技術では難しいということですか。あるいは、今後もし検知が可能であれば冷凍ポテトやマッシュポテトなども対象になり得るということでしょうか。
○政府参考人(西藤久三君) 今後新たな遺伝子組みかえ品目が出てきたり、あるいは先生今御指摘のとおり検出方法の進歩等が当然あり得るわけでございまして、私どもそういう新たな知見が出てくることも想定しながら毎年この対象品目等の見直しは実施していくつもりでございますが、現時点でどういう形になるかということを先取りして申し上げる状況にはございません。
○福島瑞穂君 EU規則で非組みかえ表示のできる許容混入率は何%でしょうか。
○政府参考人(西藤久三君) 遺伝子組みかえが行われました農産物につきまして、分別生産流通管理が適切に行われた場合でも、大豆なりトウモロコシはバルクで流通する形でございますので、意図せざる混入、まぜようと思うわけではないんですが、流通の過程の中で混入することが避けられないという状況にございます。
 EU規則におきましては、先生今お尋ねの許容水準として、大豆、トウモロコシについて一%という設定をいたしております。ただ、しかしながら、同じEU規則において、分別生産流通管理を実際どのようにしていくのかということは現状においても示されていないという状況にあると承知しております。
○福島瑞穂君 では、日本の目安は何%でしょうか。大豆は何%でしょうか。
○政府参考人(西藤久三君) 現在、大豆で行われております分別生産流通管理では、遺伝子組みかえのもので最大で大豆で五%混入する可能性があるということは否定できないということで、我が国では分別生産流通管理マニュアルの中で、この大豆の場合、混入率五%以下という目安を示しております。
 この水準自体は、我が国で消費される大豆の現実の取引、これは年間約五百万トンの大豆を国内で消費いたしておりますが、その大部分を輸入に依存しているという状況の中で、そういう実態を踏まえた、かつ分別流通の実態を踏まえた現実的かつ対応可能なものであるというふうに思っております。
○福島瑞穂君 では、トウモロコシの目安は何%ですか。
○政府参考人(西藤久三君) トウモロコシにつきましてもそういう分別生産流通管理を求めるということをいたしておりますが、トウモロコシにつきましては、風で花粉が飛ぶという作物の特性上、農場で他の品種との交雑が見られるというようなことなどから、現時点でなかなか定量的な分析ができない状況にございます。
 そういうことから、大豆以上に現在そういう目安を示すということができておりませんが、私どもサンプル等の実態把握に努めて、今後その整理をしていきたいというふうに思っております。
○福島瑞穂君 ということは恐ろしいことで、結局、非遺伝子組みかえの表示ができるできないは、混入している目安がなければ、例えばトウモロコシ、何%まざっていれば非遺伝子組みかえと言えるのかという目安が今の段階で農水省にないんですか。
○政府参考人(西藤久三君) そこは、先ほど来申しております分別生産流通管理の中で、トウモロコシについても大豆と同様の分別管理をしたものを条件にいたしておりますので、先生御指摘のように、パーセントという数字で現時点でその上限を示せないのはそのとおりですけれども、そういう社会的認証の仕組みは、大豆、トウモロコシ、いずれも同じやり方で対応していくということにいたしております。
○福島瑞穂君 遺伝子組みかえ食品が入っているかどうかは、何%あれば科学的に知見可能なんですか。
○政府参考人(西藤久三君) 分析手法として現在PCR法というのが一番確立している手法かと思いますが、現状では一%混入していれば分析可能であるというふうに思っております。
○福島瑞穂君 それだったら、一%混入していればそれは非遺伝子組みかえ食品ではないと、EU規則並みに行うべきではないですか。
○政府参考人(西藤久三君) 遺伝子組みかえ食品の表示問題をどのような形で、かつ社会的コストを安く現実にしていくかという状況の中で、こういう分別生産流通管理という手法の中で担保措置をしているわけでして、先生御指摘のとおり一つ一つの検体について検査をしていくということになると、大変なコストがかかるという状況にあることも御理解いただきたいというふうに思います。
○福島瑞穂君 安全面というか、消費者の知る権利を侵害してもコストを優先させるのでしょうか。
 EUは、さっきおっしゃるように、大豆、トウモロコシ、農水省が言うには一%。日本では大豆は五%が目安だが、トウモロコシは目安はないと。とにかく一%あれば検出はできるが、コストの問題があるので表示しないのであれば、アメリカがヨーロッパに輸出、例えば遺伝子組みかえ食品が五%入っていれば、もうヨーロッパではこれは非遺伝子組みかえ食品ではないとなってしまうわけです。しかし、日本ではトウモロコシの目安が何%かおっしゃらないわけですから、これは非遺伝子組みかえ食品であるという表示はできないわけですよね。
○政府参考人(西藤久三君) 冒頭申し上げるべきだったかと思いますが、私どもJAS法に基づく品質表示をやっている前提は、遺伝子組みかえ食品の安全性問題をこの表示問題で処理をしているということではございませんで、当然のことながら食品として安全なものを消費者の選択に資するという観点から表示を実施している実態にございます。
 それと、トウモロコシの関係は、まさに先ほど申しましたような品目特性の中で、他の花粉が飛んできてどうだというような実態を踏まえて、現在どの程度のものが可能かというところを我々検証しようとしているところでございます。
 先ほど私一%あればと申しましたが、もう少し下の数字でも現在の技術では検証可能ですが、ただ、定量的に入っている入っていないは検査できるんですが、じゃどの程度入っているんだということは現在の技術ではなかなか難しいというふうに聞いております。
○福島瑞穂君 ということは、混入率について、遺伝子組みかえ食品なのか非遺伝子組みかえ食品なのか、混入している場合があるわけですよね。今のお話を聞いても、非遺伝子組みかえ食品と思って喜んでトウモロコシを食べたら混入している、今うんうんとうなずいていらっしゃいますが、ということもあるわけですよね。今、食品の安全の問題というより、農水省として表示義務をきちっとすべきであると。
 EUが一%と言っていて、なぜ日本はきちっと表示ができないのかという点については、改めてどうですか。
○政府参考人(西藤久三君) 私ども安全な食品であるという前提の上で、かつ実効的には世界に先駆けて表示の枠組みをつくり、来年四月から実行していただくということで整理をしているというふうに思っております。
○福島瑞穂君 五%とかさらにそれ以上でないと担保ができないような輸入作物は、基本的には非組みかえの表示を認めるべきではない。それは日本の国民の多くを欺くことだと思います。
 ところで、大臣にお聞きをいたします。
 遺伝子組みかえ食品に対する農水省のスタンスは、一、可能性はきちんと評価、二、安全性もきちんと評価、三、消費者の関心もきちんと評価という三点だと聞いております。
 日本の消費者は遺伝子組みかえ食品を望んでいないことは、既に認可された遺伝子組みかえ大豆が栽培されていないことからも明らかです。日本の消費者は組みかえされた輸入品より非組みかえの国産品を選択しております。日本の食料自給率は大変低いですけれども、むしろ日本の国民は、国産農業、国産品であれば安全であるとして買っているわけです。そうしますと、国産農業の振興を行うチャンスではないか。国内では遺伝子組みかえ作物の栽培を認めないという態度を農水省が示すならば、農業振興と食物自給率の向上も果たせるというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。大臣にお願いします。
○国務大臣(谷洋一君) お答えいたします。
 私どもは、この遺伝子の組みかえ問題に関しましての基本的な考え方は、やはり国民が安全な食料を食べていただくというところに根本的に問題があるわけでございますから、その点に立脚して農林水産省としての考え方をまとめておるということでございます。そういうことでございますから、輸入品であるからどうだ、国産品であるからどうかというふうな区別なく我々はその問題について真剣に取り組んでおるということを御理解いただきたいと思います。
○福島瑞穂君 ちょっと質問に答えていただいてないと思うのですが。
 国内の農業自給率を高める、国内の作物に対する国民の信頼感を高めるためには、むしろ遺伝子組みかえ食品を国内産では認めないということをされたらいかがか。これは日本の農業が振興される非常にチャンスだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷洋一君) ただいま御指摘の関係は確かにうなずける話だとは思いますけれども、しかし、この遺伝子組みかえという新しい技術、方式に対しまして我々は後ろ向きであってはならぬと思う気持ちもございます。そこで、安全ということを十分把握してやりたい。ですから、事件が起きてからこれを取りやめにするということでなくて、疑わしきは罰せずといいますけれども、私は、疑わしい場合は徹底的にこれを究明するというところに我々の姿勢があるということを御理解いただきたいと思います。
○福島瑞穂君 疑わしきは被告人の利益には刑事訴訟法の原則で、この場合は、消費者が現在において遺伝子組みかえ食品を選択していないということは確かです。私は、ぜひ農水省が遺伝子組みかえ、例えばお米をばんばん認めるとか、振興策をとるということをされないように強く要望したいと思います。
 では、川辺川ダムについてお聞きをいたします。
 川辺川利水事業は対象農家が約四千人です。だが、事業反対を主張して二千名以上の農家が裁判原告となりました。また、裁判とは別に、約六百名の対象農家が事業辞退届を農水省に提出しております。農家のための事業であるはずなので、当の農家が多数反対している現実を大臣はどう認識していらっしゃるでしょうか。
○委員長(鎌田要人君) まず事務的に渡辺構造改善局長。
○政府参考人(渡辺好明君) 一般的に行政をつかさどる者の立場から見ますと、農民の声にきちんと常に耳を傾けるというのは当然のことであります。翻って、私ども行政機関としてはやはり法令に基づいて事業を執行しているわけでありますので、その立場もございます。
 この事業は、土地改良法の規定に基づきまして、昭和五十八年度に農業者の申請と同意のもとに開始をされました。また、平成六年度には計画変更に当たりまして所定の手続を経たわけでございます。その手続の有効性について先般訴訟がございましたけれども、基本的に国の立場を全面的に支持する判決がございました。
 また、土地改良事業というのは、これは先生御承知だと思いますけれども、多くの農業者が介在をする中で、水を上から下に落とす、それから農地を、専門用語で言いますと分散錯圃と言いますけれども、そういう状態でなくして生産性を高めるということでございますので、そうであるがゆえに、土地改良事業の特徴として土地改良法に基づいて三分の二の申請、同意ということで事業が開始をされるということであります。そういうプロセスの中で個別具体的に農業者の方々一つ一つのお話をそこに反映させていくというのは制度の実行上なかなか難しい面がございます。
 それと同時に、現実問題といたしまして、私どものところには大変多くの方々、県、市町村、それからそれぞれの議会、そして女性の方々、若い農家の方々、一日も早く水が欲しい、そしていい農業をやっていきたいという要請があるわけでございますので、私どもといたしましては、土地改良法の規定にのっとって事業を着実に進めたいというふうに考えております。
○福島瑞穂君 法律は三分の二の同意ですが、判決ではそれを形式的には満たしていると認定しましたが、多くの反対がある、もう水は要らないという農家の声を真剣に聞く必要があるのではないか、そのために対象農家へのアンケートなどをするべきではないかと思います。
 ところで、国営事業では幹線整備がほとんどで、実際に農地へ水を引く県営、団体営の同意取得はこれからです。原告団など対象農家の過半数が絶対に同意しないと明言しており、県営、団体営では三分の二の同意が必要ですけれども、この同意を得られる見通しはあるのでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 支線水路の整備なりあるいは区画整理等を行う県営、団体営事業につきましては、国営事業の進度に合わせて、また地元の合意形成の状況を踏まえながら順次実施をしているという状況にございます。
 平成十二年度当初予算までの進捗率でありますが、関連事業全体で事業費ベースの二八%が進んでおりまして、また実施地区ごとの同意率は九一%から一〇〇%というふうに承知をいたしております。
 今後とも、残されました関連事業が適切に実施をされますように県等事業実施主体を指導していきたいと思っております。
○福島瑞穂君 同意を得られる見通しはあるのでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 事業が全体として画竜点睛を欠くという形にならないように県をしっかり指導いたしまして、農家の方々の御理解を得たいというふうに考えております。
○福島瑞穂君 同意を現在とっていない段階で先行して国営事業をやるのはおかしいのではないですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 事業というのはそれぞれ形式的には独立をいたしておりますけれども、国営事業を始めます際に、全体としてはこういう構想になるということをお話し申し上げて、そのもとで大体これであればいけるなということを関係の県や市町村とお話をした上でスタートいたしております。
 事業はすべて最後の最後まで一人残らず全部という形でやるのでは、どのような事業も着工ができません。土地改良法はそういった特徴に基づきまして一定の手続を定めているわけでございます。
○福島瑞穂君 一人残らずとは申しませんが、この川辺川利水事業は、対象農家は約四千人で、事業反対を主張して二千名以上の農家が裁判原告となっている。その事実を農水省は重く受けとめ、見直しをすべきだというふうに考えます。
 では、次に交通行政と安全についてお聞きをいたします。
 タクシーの台数がどんどんふえておりますが、東京地区では、例えば一九九七年度は三千両の増車可能枠が公示され、そして一九九八年には九百両の増車可能枠が公示され、どんどん増車が進められております。
 私たちも空車でずらりと並ぶタクシーをよく見るわけですけれども、タクシー運転手さんの年間収入の推計は九九年度の時点で三百四十四万円、これは九一年度の四百三十万円から八十万円を超える減少です。全国の中でも二百万円台の県が十四県、三百万円台の県が二十九県、四百万円台の県はたった四県です。明らかに供給が過剰ではないかというふうに考えます。
 現にタクシーの輸送人員は、昭和四十五年度は四十二億八千九百万人がピークですが、だんだん減っておりまして、平成九年度は二十六億一千五百万人と減っております。タクシーに乗る人がどんどん減っている中で台数をどんどんふやしていれば、一台当たり、一人の運転手さん当たりの収入は必ず減ります。
 それに伴うように事業用自動車の交通事故件数はふえております。平成二年度は一万六千六百九件なのが平成十一年度は二万三千四十二件、規制緩和をして労働条件が悪化することで交通事故がふえている。この現状をどう考えられるでしょうか。
○国務大臣(森田一君) 私の方から総括的に答えさせていただきます。あと、縄野自動車交通局長の方から答えさせていただきます。
 実は、需給調整の緩和が進められておるわけでございますが、この問題と安全の問題につきましては非常に難しい点がございます。しかし、需給規制の廃止後におきましても安全の確保というのは極めて重要な事項であると認識をしております。
 このために、一つは事業参入時に輸送安全確保等に係る資格要件を厳正に審査することや、第二番目に、参入後においても法令違反等の問題がある場合には指導、取り締まりに十分に意を用いていくということになっております。また、著しい供給過剰でありますと事故の多発とか経営の悪化等の問題が生じる場合がありますので、新規参入、増車を停止する等の緊急措置というようなことができるということになっておるわけでございます。
 したがって、運輸省としては、需給調整規制の廃止後における輸送の安全の確保につきまして引き続き力いっぱい努めてまいる所存でございます。
 あとは縄野自動車交通局長の方からお答え申し上げます。
○福島瑞穂君 道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律八条で調整措置ができるという規定があります。
 私自身は、現状において既にもう著しい供給過剰状態ではないかというふうに考えておりますけれども、具体的に実車率、実働率がどの段階になれば著しい供給過剰状態だと運輸省は考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(縄野克彦君) 緊急調整措置の発動につきましては、今、先生お話ございましたように、実車率、実働率、それから先ほどお話がございましたことに関係ありますけれども、一日一車両当たりの売り上げ、収入、そういう営業効率と、それからもう一つは法律のときにも御説明申し上げたのですが、その著しい供給過剰になったことによって具体的なトラブル、事故でありますとか利用者からのクレーム、そういうものがどのように推移をしているかということを見きわめて指標をつくる必要があると思っております。
 お尋ねのように、それぞれの地域によってそれぞれの指標が、現状あるいは推移が違います。今、一生懸命その基準をつくるべく全国各地においてそれぞれの数値を調査中でございます。
 もう一点、今の状況では既に過剰ではないかという御指摘でございますけれども、例えば東京の駅前とかあるいは羽田には確かにたくさんの車が並んでおりますが、東京都区内すべてでお客さんがこの状態ではとても車が過剰だという状態であるのかどうかということについて、やはり地区全体、住宅地やなんかも含めまして、これ以上タクシーは要らないというような状態であるかどうかということも含めてよく判断をしなければならないというふうに考えております。
○福島瑞穂君 ちなみに東京では、どれほどの実車率、実働率だと著しい供給過剰状態だと考えられるんでしょうか。
○政府参考人(縄野克彦君) 東京の現在の実車率とこれまでの実車率の推移、それから実車率以外の先ほどの運行効率についての指標、それからクレームあるいは事故発生状況の増減状況、そういうものを合わせて考えなければならないというふうに思っておりまして、実車率が例えば四〇を切ったら、直ちにそれだけで緊急調整措置を発動するというふうには考えておらないところでございます。
○福島瑞穂君 来年度、タクシーの規制緩和がされます。私自身は今も供給過剰だというふうに思っておりまして、これからどんどんどんどん増車をしていくと、個人のタクシーの運転手さんの労働条件がやっぱり悪化し、無理な運転をすれば事故もふえます。それによって結局は不利益をこうむるのは利用者であり、歩いている人だというふうに思います。
 運輸省としては、例えばどれぐらいの増車を最終的には認めるというふうにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(縄野克彦君) 今回の規制緩和の趣旨は、先ほど大臣から申し上げましたように、需要に見合って供給台数、新規参入をどのような経営規模で行うかということの判断は、従来のように行政が行うのではなくて経営者の個々人が御判断いただくというふうに、普通の産業並みに改めたということでございます。
 ただ、タクシーの固有の事情、これまで規制をやってきたという事情によって著しい供給過剰になって、具体的なトラブルが発生する場合にはそれをとめるということでございます。
 私の方で考えておりますのは、基本的にはタクシーの供給過剰が続いていけば、参入あるいは経営規模の拡大というもの、それから運転手さんの実入りがそれによって少なくなっていけば、タクシーの乗務員に対する志向、そういうものが今までどおり需給調整を続けてきたと同じように無限に続いていくのかどうかということについても十分に今見きわめたいと思っております。
○福島瑞穂君 ほとんどの県でタクシーの運転手さんの給料が、年収が下がっております。今の話を具体的に働く人が聞いたらどうなんだろうかと思います。今後もこの点については追及をさせてください。
 ところで運輸省は、新聞報道によりますと、ナンバープレートにICチップを入れてそれを読み取り、高速料金を自動引き落としをするなどのことを考慮中だというふうに聞きます。こういうことはどの国もやっておりませんし、プライバシーの観点からも極めて問題があると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(縄野克彦君) ICチップを埋め込んだナンバープレート。私どもとしましては、これはIT技術を活用しまして自動車の登録あるいは車検に内包されております情報を識別しまして、例えば交通流の制御をかなり的確に行うことができるということで、安全や環境問題の解決に役立つものということで勉強しているところでございます。例えば道路と自動車の通信がより簡単になっていくということで、交通管理が非常に効率的になるのではないかという具体的な事例を今勉強中でございます。
 ただ、今、先生がおっしゃいましたように、ナンバープレートの情報そのものがプライバシーの保護ということと相入れないのではないかという御指摘は、この問題を検討している懇談会におきましても強く指摘をされたところでございまして、私どもは前向きの目的で検討しているわけでございますが、それが利用者の方、国民の方が不安を抱くことのないようにすることが必要であるということは十分私ども認識しましてこれから検討してまいりたいと思っております。
○福島瑞穂君 ちょっと話が戻りますが、トラック産業でも同じように、一九九〇年の規制緩和で業界全体、働いている運転手さんたちの労働条件は悪くなっております。
 例えば、陸上自衛隊は、一九九九年の秋に北海道トラック協会が発行している広報誌に即応予備自衛官制度を紹介し、運送会社に対してこの制度を積極的に採用するよう呼びかけております。この制度をとると企業にも給付金が出るということなんですが、即応予備自衛官は一九九九年末には三千三百八十五人、二〇〇〇年末には四千四百人になる予定と聞いております。毎年千人ずつ増員されておりますが、最終的には何人になるのでしょうか。
○政府参考人(柳澤協二君) 手短に御説明申し上げますが、即応予備自衛官制度というのは、平成七年の防衛計画大綱の新大綱を閣議決定いたします際に、陸上防衛力全体をダウンサイジングする一環といたしまして、それまで陸上自衛官の定数十八万人ございましたけれども、これを十六万人に減らします。さらに、その中で一万五千人を今御指摘の即応予備自衛官という形で、したがって常備自衛官の数は十八万から十四万五千に減らされる、その一環として取り入れた制度でございます。したがいまして、最終的には一万五千人の即応予備自衛官を採用したいと思っております。
○福島瑞穂君 時間ですので、以上で終わります。
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。
 先日、全国農協中央会並びに全国農業者農政運動組織協議会の方から、来年度の農業政策、特に米と野菜に関する価格対策についての要請を受けて懇談をいたしました。きょうは時間の関係で、この要請と、私の地元埼玉県の深谷市、深谷ネギの産地で有名ですが、この深谷市の実態も踏まえて、生鮮野菜の輸入の実態と一般セーフガードの発動について質問をしたいと思います。
 初めに、農水省に念のために伺いたいのですが、生鮮野菜の急激な増加ぶりについて認識していますよね。念のために伺います。
○政府参考人(西藤久三君) 生鮮野菜の輸入は、国内産の豊作あるいは為替の動向等から、最近の動向を見ますと、平成七年をピークとしまして、平成八年、九年と減少傾向で推移いたしておりましたが、平成十年に天候不順で国内産の不作等から価格が高騰しまして再び輸入が増加に転じたところでございます。また、昨年は、その十年の価格高騰の影響に加えて一部夏場に高温多湿による不作の影響等があったこと、為替がかつての円安から円高に振れたことから、昨年も前年比約二〇%の生鮮野菜の増加になっております。
 本年の輸入状況について申し上げますと、五月までは昨年の、特に北海道産タマネギの不作からタマネギを中心に輸入量が増加いたしましたが、六月以降、都府県産の豊作によりまして輸入量全体は昨年を下回る状況になってきております。このような状況から生鮮野菜全体を見ますと、今年に入りまして一―七月、七月まで数字が確定いたしておりますけれども、一―七月の輸入は対前年に比べて九%の増加というふうになっております。ただ、先ほど申しましたような事情があるタマネギを除きますと、ほぼ前年並みの輸入という状況になっているかと思っております。
○阿部幸代君 生鮮野菜の輸入量は、野菜安定基金の資料によりますと、十年前には約二十六万トンであったものが九九年には約九十二万トンにふえて、三・五倍もの急増になっています。
 ネギの輸入量について見てみますと、大蔵省の貿易統計によりますと、九〇年に六千トンであったものが九九年には二万九千トンになり、十年間で四・八三倍もの急増となっています。十年間に三・五倍とか四・八三倍とか、こういうふえ方を急激な増加と私は言うと思うんです。
 また、ことしの一月から七月の間も、大蔵省の日本貿易月報によりますと、昨年と比べて、トマトで二・三七倍、ネギで一・六七倍、タマネギで一・四八倍、レタスで一・二倍、こういうぐあいにふえています。
 こういうのは急激な増加と言うんじゃないんでしょうか。
○政府参考人(西藤久三君) 今、先生、ネギについての具体的な御指摘、その他品目ございました。
 ネギの状況、輸入量等、先生おっしゃられた状況にあるわけですけれども、この状況も見てみますと、平成九年あるいは平成十年の国内のネギの価格は、気象条件が恵まれなかったというようなこともあって平年に比べてかなり高い水準で推移をいたしました。
○阿部幸代君 価格を言っているんじゃないんですよ。
○政府参考人(西藤久三君) その結果、輸入がふえてくるという状況で、その状況が先ほど来の数字でございますが、ただ、ネギ全体を見ますと、現状でも国内での総供給量のうち輸入の割合が五%程度という状況にございます。
 私ども、いずれにせよ、ネギを含め野菜の月々の輸入動向、価格動向についてはその把握に努めておりますが、今後もそれを継続していきたいというふうに思っております。
○阿部幸代君 野菜が十年間に三・五倍、それからネギが四・八三倍、こういうふえ方をしている、こういうふえ方は急激な増加と言うんじゃないかと私は聞きました。
 ことしの一月から七月の間も、大蔵省の統計によれば、トマトで二・三七倍、ネギで一・六七倍、タマネギで一・四八倍、レタスで一・二倍、こういうのを急激な増加と言うんじゃないですかと聞いています。
 急激な増加と見ないんですか。
○政府参考人(西藤久三君) 先生、トマトの例で申されましたが、トマトの輸入量、確かに前年に比べてかなりの高水準の輸入になっておりますが、その絶対量自体は一―七月で見まして八千トンでございます。一方、国内でのトマトの年間の供給量というのは、正確な数字、ちょっと手元にあれですが、七、八十万トンあったと思いますので、ほぼ一%程度の水準。その水準の変動の幅だけで全体の需給を論議することはいかがかなというふうに思っております。
○阿部幸代君 私は、需給とか価格とかを言っているんじゃないんです。外からどれだけ入ってきているかと、このことを単純に聞いているんです。私、ここが重大な問題だと思うんですね。
 野菜供給安定基金広報誌ビーナスレポート八月号によりますと、ことし四月から五月に生鮮野菜の輸入量は「一九・八%の増加と引き続き大幅な増加となっている。」、こういう認識を示しています。これが農業関係者の常識なんです。この常識に立てないという非常識は、本当に農政を預かるあなたたちに私怒りを覚えます。
 深谷市を訪れて、農業関係者の間からこの輸入急増の背景にある開発輸入の実態がよくわかりました。昨年の輸入ネギ二万九千トンのうち九八%は中国からの輸入ですが、農家の人たちやあるいは地方自治体の農政担当者は中国まで行くんですね、今、心配で心配で。山東省青島で現地視察をしているんです。
 山東省では、作付が日本の四倍に上るそうです。もちろん、それが全部日本に来るわけではありませんが、ここの種もそれから資材も技術者も日本から行ったもので、日本の商社が中国の食品加工企業と契約して産地生産者に生産させるケースと、日本の商社が中国の集団農場と直接契約して生産させるケースの二通りがあるんだそうです。日本の商社が深谷市内の種屋さんに買い付けに来て六十トンの種を中国に送った話とか、深谷市内の農家の出身者がネギづくりの普及員として中国に行っていた話など、具体的に聞くことができました。
 念のために、深谷のネギづくりが中国で生かされるということ自体はいいんです。中国でも一世帯平均十キログラム毎週ネギを食べるそうですから、深谷のネギの技術が普及されること自体はいいんだそうですが、問題はそれが洪水のように日本に来てしまうというこのことなんです。機械化が進めば中国の生産力はもっと進むだろう、こういうことを指摘していました。
 次の質問も念のために聞きますが、農水省はこうした開発輸入の実態を具体的に掌握していますね。
○政府参考人(西藤久三君) 農林水産省としましては、輸入野菜の生産や流通の実態、国外における野菜産地の現地調査を行う。今、先生引用されたものも、私どもと協力しながら野菜基金が行っているものでございまして、そういう海外実態の状況かつ情報を提供し国内の生産者にも情報提供していく、こういう状況にあるので、それを踏まえた生産対応ということをお願いするという意味で、海外のそういう現地調査とその情報の提供、それと流通に携わる者等からどういう状況であるかということについての情報把握はいたしております。
○阿部幸代君 開発輸入というのはこういうことなんです。なぜ心配かというと、日本の野菜の生産が気候の変動などで乏しいときに消費者のために輸入をするということはあり得ると思うんですけれども、開発輸入というのはそうではなくて、先ほどおっしゃいましたけれども、日本で価格がうまい値段がつくと、それを当て込んで輸出したり、あるいはもうとにかく洪水のようにのべつ幕なく輸出してくるわけですよ。そこが問題なんです。
 九九年の二万九千トンのネギ輸入のほとんどが中国産ですけれども、この輸入量というのは調べてみますと、これは下仁田ネギで有名な群馬県の年間産出量より多いんです。多いんですよ。中国産の輸入ネギがふえれば新しい産地がもう一つふえることを意味するんですよ。これが価格に多大な影響を及ぼすから問題にしているわけです。
 輸入野菜の急増が野菜価格の低落、この春の暴落の原因になっているという認識は、これも念のために聞くのですが、ありますか。
○政府参考人(西藤久三君) 先生、輸入の状況についていろいろ今ございましたが、一方で需要者側のニーズにこたえた対応であるという側面も否定できないことも我々十分認識していかなければいけないと思っております。
 それと、お尋ねの価格動向、冒頭申し上げましたように、本年の価格の動向、確かに三月と八月、一時平年近くに価格推移しましたが、総じて言えば平年に比べると二割前後価格が低水準で、だから平年に比べれば八割ぐらいの水準で価格が推移しているという状況にございます。これはもちろんタマネギ等を中心とした輸入の増加の要因、全く否定するつもりはございませんが、しかし野菜の供給の八五%は現状においても国内生産の野菜で供給されております。
 そういう需給環境の中で価格動向を見ますと、やはり総じて国内野菜の生産が非常に天候に恵まれて生育が順調だったというところが価格低下の一番大きな要因だというふうに思っております。
 九月に入りまして、皆様方御案内のとおり、天候が非常に先週まで不安定に推移いたしました。高温あるいは集中豪雨等の状況がございました。そういうような状況の中で価格も九月の中旬に入りまして以降、大体平年並みの水準でここ一週間ほど推移しているという状況にございます。
 いずれにせよ、輸入の動向を我々今後も注視いたしていきますけれども、過去にも、先ほどちょっとくどく申しましたが、平成七年に一つの輸入のピークを画しましたが、八年、九年と生鮮品を含め輸入は減少したという経緯もございます。
 我々、海外の状況も提供しながら、そういういわば十分競争できるような体制強化も図っていくことが必要だろうというふうに思っております。
○阿部幸代君 国内産の供給が潤沢であるから価格が下がっているかのような言い方というのは論外だと思うんですね。国内産が潤沢だというのは結構なことじゃないですか。午前中からずっと食料の自給率の向上を言っていたでしょう。加工品を含めて生鮮野菜、野菜の供給というのは国内産が八五%ぐらいになるんだそうですね。結構なことですよ。豊作であることは結構なことです。問題は、なぜその中国の輸入野菜をどんどん洪水のように入れちゃうかということなんです。
 日本と中国の賃金格差を見ると、ILOの一九九八年の国際労働経済統計年鑑によりますと、中国は日本の百分の三だそうですね。これが安いコストの中国産ネギを可能にしているわけです。
 野菜供給安定基金、二〇〇〇年四月号のビーナスレポートによりますと、中国ネギの生産コストは日本の一一%、十分の一です。これが日本の生鮮野菜の価格に影響を与えるのは当然ですね。
○政府参考人(西藤久三君) 先生御指摘のとおり、農産物が安定的に供給されるということは非常に私どもも望ましいことだと思っております。ただ、野菜のように、日本国の需要全体を見ますと一人当たりの消費量もほぼ飽和状態、大体年間百キロぐらいの消費量でございます。そういう状況でほぼ横ばいに推移しております。
 そういう状況の中で、価格が低落したからといって需要が拡大してくれれば、先生おっしゃるとおり、大変、非常に自給率の向上にも寄与しますし、生産者も消費者もともにあれなわけですけれども、需要が固定的な中で豊作の状況になりますと、どうしても価格が低落すると。私ども今何で苦労しているかと申し上げれば、こういう天候に恵まれて豊作の状況の中で、できるだけ計画生産に近い形で供給をどう調節するか、そのことによっていわば安定的な生産を中長期にわたって維持するかというところで苦労をしているわけでございます。
 また、輸入問題につきましても、私ども昨年ですがJAS法を改正させていただきまして、生鮮食料品についての原産地表示をお願いしておりまして、この七月からそれを実施いたしております。いわば消費者にそういうことを情報提供することによって、消費者への選択、それともちろん生産サイドにおいてはそういう労賃格差、そのもの自体を何か埋めるということは非常にあれですけれども、機械化の推進あるいは品質の向上というようなことを通じて、国内産の野菜が消費者に選択されるという形をつくっていくことが重要だというふうに認識をいたしております。
○阿部幸代君 どうも私の質問と農水省の答弁には根本的な違いがあって、農水省は生鮮野菜の輸入は当然という、もうこれからふえても当然という、そこは崩さない、そういう立場で私の質問に対応なさっていますね。ですから、答えがすっきりしないんですよ。生産コストが日本の十分の一の中国産ネギ、それらが日本の野菜の価格に影響を与えるのは当然でしょうと聞いたんです。はっきり答えてください。
○政府参考人(西藤久三君) 繰り返しになりますが、個々の品目につきましてはいろいろございますけれども、総じて見たときに年間約一千六百万トン強の野菜が国内で消費されております。うち国内生産が千四百万トン、輸入が二百五十万トン程度という状況にございます。
 そういう中で、基本的にやはり価格に影響を及ぼすのは、私どもその全体の需給が、いわば需要に対して供給がどの程度のポジションにあるかということが現実に価格に影響を及ぼすと。それと、輸入問題につきましても、現在の貿易体制の中でこれを一方的に制限する等の措置というのは現実的には大変難しゅうございます。
 そういう中で、私ども生産者の方にもそういう海外の情報も的確に提供しながら、あるいは生産コスト引き下げのためのいろんな支援策も講じながら、できるだけ、もちろん私ども国内の需要は国内生産で賄っていくという方向で努力をしているつもりでございます。
○阿部幸代君 ネギの輸入量の推移とJA深谷市におけるネギの販売額の推移を見てみますと、輸入量の方は先ほど述べましたようにこの十年間で四・八三倍ふえていますね。JA深谷市のネギの販売額は九四年に一キログラム六百八円であったものが、昨年、九九年には一キログラム当たり二百五十四円、九四年のときの四二%、実に半分以下になっています。
 二万九千トンもの輸入量に上った昨年を前年と比べると特に深刻で、そのために深谷市全体でネギの販売高が約十二億円も減少しています。町を挙げて対策を立てざるを得なくなっています。生産コストの安い中国産の輸入ネギが国内のネギの価格の低落に影響を及ぼしているというのが市長や農業従事者の共通認識です。
 ちなみに、日経新聞の八月八日付でもことし一月から六月の生鮮野菜の輸入の急増による価格安を報道していますが、特にネギは昨年より六七%増と急増していて、五キログラム当たり五百円前後で取引されている、こう言っています。輸入の急増が価格の低落を招いているというのが、これが常識なのです。どうも日本の農政は農業者の立場に立っていない。
 大臣にお聞きしたいのですが、農家の人たちはばか値をつけてほしいと言っているんじゃないんですね。採算がとれ、経営が安定すればいいと言っているんです。五キログラム当たり千円ないし千五百円でないと採算がとれない。また、気候の変動とか国内の産地の動向による価格変動は覚悟しているんですよね、農家の人たちは。本当に経営努力をしているんです。その経営努力が無にならないためにも、外から洪水のように生産コストの安い生鮮野菜が輸入されるのを何とかしてほしいと言っています。
 深谷市では市の予算三千万円を投入して深谷ネギのPRに乗り出します。市長は、ネギの生産地を守れるかどうかは時間との勝負だ、崩壊はわけない、こう言っています。危機感を募らせているんです。一般セーフガードの発動を強く要望しています。一般セーフガードの発動の要件は、輸入の急増により国内産業に重大な損害またはそのおそれがあるときであって、ネギについて見ると、輸入の急増の事実も、また価格の低落による農家の損害ももう明らかです。
 ネギに焦点を当てて述べてきましたが、セーフガードの発動に着手するべきではありませんか。大臣、お願いします。
○政府参考人(西藤久三君) 前段、答えさせてください。
 私どもも、ネギも指定野菜ということで、野菜の中で十四品目、消費が多い品目について価格安定制度を持っております。ネギも当然その対象になっております。
 ところが、先生御指摘の深谷のネギ、これは大変な産地でございますが、残念ながら産地要件を欠くという状況でその価格安定制度の契約の対象になっておりません。これは私ども、いわば制度としてはそういう価格の変動に対して価格が低落したときにその分を補てんすると、それは国と県と生産者の……
○阿部幸代君 不十分な価格安定政策よりセーフガードのことを言っています。
○政府参考人(西藤久三君) そういうことを、我々枠組みを準備している中で、深谷市においては残念ながら指定産地の要件を欠くということでその価格安定制度の対象にもなっていないという状況にあるということだけ、だから我々はそういう枠組みを準備しているんだということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(谷洋一君) ただいま御熱心な御論議をいただきましたが、私、聞いておりまして、農林水産省の方ももう一歩何か物足りないところがあるように思うんです。
 それは、私も中国に参りまして、中国の方々からお聞きしますと、我々がこうして生産をして日本に輸出するのはすべて日本の商社が指導しておるんだと、こういうことを聞かされました。それ以来、日本の商社、つまり日本の巨大商社のことじゃありません、零細商社の方々が、中国にはこういう野菜をつくれ、こういう果物もどこにつくれとか、こういう指導をされて、もう本当に肥料まで指定をして、化学肥料を指定してやっておるという実態を私は聞きました。また、こちらに帰って聞いてみると、それは聞いてみるというのは、何も私に一々その小さい商社が教えてくれるわけじゃありませんが、幸いにして、その小さい商社の社員の方が私の同郷の出身者でございましたのでお話を聞いてみると、やはり中国の方がおっしゃったとおりに指導していらっしゃる。そこにも我々は、何も日本人だから日本のものを食べろというだけを指導することはないと思うんです。
 しかし、それにしても、やはり余り極端なことをしていただくと日本の農家が非常に苦しい立場に追い込まれるということは事実でございます。そういうことを考えてみると、やはり日本の商社もほどほどにしてもらいたい、もうかったら何でもやるんだという考え方はおかしいじゃないかと思っております。ましてや、日本の食料自給率が四割になっておるということは、このままほっておけば三割八分になり、三割五分になるかもしれない。
 そういうことを考えてみると、日本の平和憲法があるから戦争をしないんだといったって、ほかの国が戦争をしたらこれはどうしようもない事態になることは、我々が戦争中に苦しい食糧事情であったこと、戦後の食糧事情であったことを考えてみると、ああいうことも人ごとでなくて、本当に身につまされて我々は感じておるんです。そのために自給率を向上しようと言っておるわけでございますから、私自身から考えますと、やはりお互いに冷静な判断をして、そしてこの食料問題、特に今御指摘のような野菜問題については検討していただきたい。
○阿部幸代君 セーフガードを。
○国務大臣(谷洋一君) それから、今、深谷のネギの問題について輸入を規制するということの話が出ましたが、もしそういう事態がますます深くなって、傷が深くなってくるということになるとそういうことをしなきゃならぬかもしれませんが、今、局長が答弁いたしました、今小さい声で聞こえましたのはこれは話が違うとおっしゃいましたけれども、やっぱり指定をしていただくことと、それはやはりそこに重点的に我が町はこういう野菜をつくっておるんだということになるわけでございますから、やはり積極的に政府の施策にも支援をしていただく、そしてその上で、こういう事態が発生しておるからこういうふうにしてもらいたいということがあってしかるべきだと思います。
 そういうことでございますが、今のところ、今御指摘をいただいたから今直ちに出動するということは考えておりません。
○阿部幸代君 時間ですので、どうもありがとうございました。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 中部国際空港等建設について質問いたします。
 まず、環境庁に伺います。
 中部国際空港などの埋立計画による環境の影響というのはさらなる検討が必要である、六月二十三日にも環境庁長官の意見が出されましたが、早期段階でのレビューを行い、その結果を踏まえて埋立面積の変更も含め対策を講じることが求められる、私もそのとおりで、この常滑沖は伊勢湾における最も良好な藻場があります。伊勢湾で赤潮や苦潮が発生するとき、この常滑の沖だけは貧酸素にならない、魚も含めて生物が本当にはぐくまれる、そういった場所でありますので、この保全の重要性というのは大きなものであると考えるものであります。
 ところが、この環境庁長官の意見について、工事途中の早期段階というのは護岸が全部終わっちゃってからだと、こういう見解もあると聞いておりますが、それでは環境影響評価を再検討しても埋立面積等を見直すということはできないと思いますが、長官意見の真意をまず御説明ください。
○政府参考人(太田義武君) ただいま委員のお話の空港対岸部の地域開発用地、これは前島というところでございますけれども、これにつきましては水質や底質、生態系等への影響を十分把握いたしますために、工事途中の早期の段階におけるレビューの実施を環境庁長官意見では求めたところでございます。
 そのレビューの真意といいますのは、そのレビューの時期はどうかと、こういう意味だと思います。これについては二つの要素がありまして、一つは環境監視結果を踏まえまして、空港島本体における影響が観測できる段階が一つあると思います。
 それと同時に、もう一つは対岸部開発用地、いわゆる前島の面積とか護岸とか防波堤等の形状の変更の検討が可能となる工事途中の早期の段階、この段階でレビューが行われる必要があるということを私どもは考えまして環境庁長官意見を述べたものでございます。
○八田ひろ子君 そうですね、工事途中の早期段階でのレビューというのは護岸等変更が可能なときと。ですから、当然前島の護岸工事などがすべて終わってからでないということは明らかです。
 そこで、運輸大臣に伺いますが、運輸大臣も同じ御見解でしょうか。
○国務大臣(森田一君) 環境影響につきましては非常に重大な問題であると認識しております。したがって、埋立免許の認可の際に、工事途中の早期段階において環境影響等の検討結果についてレビューを行うように事業者を指導しているところであります。
 その時期でありますが、今問題になっておる時期でありますが、調査結果に応じて埋立面積や、あるいはただいま環境庁の方からお話がありましたように、防波堤の形状等の変更も含めて、環境保全上適切な対策を講じることができるように、空港島や対岸部の工事の進捗に応じて適時、随時調査を行い、その影響を検討していくことが適当であると考えております。
○八田ひろ子君 運輸大臣も、変更ができる時期に適時ということですから、前島の護岸工事がすべて終わってからではないという認識では環境庁長官の意見と一致をしているというふうに承りました。
 この前島、きのう工事着工が強行されて、いろいろなところからこの前島では需要がないというような意見も大変ありまして、きのうも名古屋弁護士会も前島埋め立ての見直しを求める声明を発表されたところであります。私どもは、この前島計画というのはすぐに中止をされるべきだと、先ほども関空の話などもありましたけれども、そういう失敗を重ねるべきではないというふうに思いますが、きょうは時間がございませんので次に移りたいと思います。
 この中部国際空港に関しては、これまで幾度も談合情報が寄せられ、そのとおりに落札をした。例えば、昨年の空港会社の護岸工事等四件、ことしの八月九日入札の愛知県企業庁の空港島地域開発用地と前島の護岸工事等四件、八月三十日入札の空港会社の造成工事等三件と、こういうふうに三回にわたって十一件ですね。その都度、空港会社や愛知県の企業庁は事業者から事情聴取などを行って、事実は確認できなかったといって誓約書をとるわけですね。ところが、談合情報どおりの落札が実際には行われ続けてきた。
 これに対して、運輸大臣はどうお思いになりますか。
○国務大臣(森田一君) 中部国際空港の談合の報道につきましては大きく言って二つあります。一つは護岸等築造工事に関するものでございまして、もう一つは空港島造成工事に関する件でございます。
 最初の件、護岸等築造工事につきましては、契約後に談合が行われたんじゃないかというような報道がありましたことは先生御指摘のとおりでございます。そこで中部会社は調査をいたしましたが、しかし談合が行われたというような確証が得られなかったということから、現在も工事を進めておるところであります。
 第二点の空港島造成工事につきましては、契約前の段階で談合が行われたのではないかと一部新聞報道がありましたので、現在、中部国際空港株式会社において事実関係を調査を行うとともに、今後の対応策を検討中でございます。
○八田ひろ子君 この談合の問題では、運輸省が許可をした財団法人港湾空港建設技術サービスセンター、略称SCOPEと言われますけれども、ここは港湾局長などが天下りをしているところですが、こういうところが談合の温床になっている、こういうふうにも報道されておりますが、運輸省としては、大臣、調査は進んでおりますでしょうか。
○国務大臣(森田一君) ただいま御質問のSCOPEは、港湾とか海岸とか空港とかの建設や維持管理事業の発注、施工に係る技術やシステムに関する調査研究の推進及び事業実施の支援等を行うために設立された財団法人でございます。これは、港湾や海岸や空港の建設、維持管理事業のより一層の円滑な執行を図ることが目的となっております。それで、港湾整備、空港整備の推進と我が国経済の発展に寄与することを目的とされて設立した公益法人でございますが、平成六年に設立されて以来、港湾・空港事業の円滑な推進に貢献しておる組織であるというふうに認識をいたしております。
 そして、SCOPEが業務を実施するに当たりましては、契約者等において守秘義務が課されておるわけでございます。そのようなことで、情報が漏えいすることのないようにやっていきたいと考えております。
○八田ひろ子君 このSCOPEというのは一九九四年五月の設立ですが、こんな早くから中部新空港建設のためにということで設立されたという御説明もありますが、このSCOPEについてはまた、きょうは時間がございませんので、後日大臣と論争したいというふうに思いますが、入札の二カ月半も前にこの企業が落札するんだ、これは談合疑惑じゃないかと報道をされて、実際に二カ月半たったらその談合情報どおりに会社が落札をする。
 それがさっきも言いましたように毎回続いているわけですよね。空港会社が二回で、それで護岸の愛知県の企業庁が一回四件ということでありますけれども、新聞はそれぞれ、どうせわからないからしらを切り通せと。一紙ではないです、いろんな新聞がそういうふうに報道しておりまして、その中には、「「再入札はない」と、二〇〇五年開港に向け焦る発注者側の足元を見透かし、たかをくくる姿勢が見え隠れする。」と。業者の言葉として、「どうせ談合は分かるわけがないし、お座なりのことをやって「談合は確認できませんでした」としておしまい」になってしまうんだと、こういうことが公然と言われているわけであります。時間がないからといって、焦っている、談合どおりの落札があっても強行突破をしていると。
 そして、最初に私時間がないので簡単に御質問しましたけれども、お魚の揺りかごだと言われている豊かな海の環境アセスの再評価、これもきちんとできるだろうかという心配があるので先ほども最初に伺ったわけでありますけれども、一刻も早く工事を終了したい、こういう姿勢が見え見えであります。
 運輸省は口を開けば、この中部国際空港、第一種の空港でありますが、地元の要望が強いんだ、二〇〇五年の愛知万博までに開港なんだ、そういうふうにおっしゃいますが、万博計画そのものが、これも国家事業でありますが、地元住民への情報公開や合意もない、環境アセスもいいかげんで自然破壊の開発事業だとして、国の内外から批判を浴びて二転三転をしている流動的なものなんですね。
 そもそも、私はどうしても運輸大臣に言いたいことなんですけれども、第一種の国際空港だと言うんでしたら、二十一世紀の日本全体の航空需要、航空ネットワークの長期見通しを持って、この地域にはこの規模の空港が必要なんだと運輸省が責任を持って進めるべきです。ところが、そういう説明はない。地元の要望だ。その一方で、財政負担は今度は大きくなりますが、地元には運輸省は責任あるビジョンを示さないんです。
 それどころか、例えば総選挙で愛知入りした二階前運輸大臣、その当時は運輸大臣でございましたが、名古屋空港の国内線を残すとか、新空港の開港後共存を示唆する、そういう発言をされるんです。運輸省に確かめましたら、これは二港の併用では採算がとれないんだから、この名古屋空港の定期便はすべて移転する、その方針は変わっていないと。一体、選挙目当ての無責任な発言を運輸省を代表してされるというのはどういうことかと私は思うんです。
 今、この地域はとりわけ東海豪雨の被害が大きくて、命も財産も仕事も危機にさらされて、もう万博とか新しい空港よりも、そういうお金があったら住民の命や安全を守ってほしいという声が満ち満ちています。政府が本当にむだな公共事業を見直すというふうにおっしゃるんでしたら、大型プロジェクトのための大型プロジェクトの様相を示していますこの中部国際空港の計画こそ見直していただきたい。強く要望して、私の質問を終わります。
○委員長(鎌田要人君) 要望ですね。
 何か御発言がありますか。何もないですね。
○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。
 本日は森田運輸大臣がお見えでございますが、私は交通・情報通信委員会に所属しておりますので質問の機会はたくさんございますので、きょうは農林大臣お見えですので、農林省に何点か質問をさせていただきたいと思っております。
   〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕
 まず、米の問題でございますけれども、ことしは御存じのとおり大変災害の多い年でございました。災害が多いと農産物の被害というのは非常に多いわけですけれども、ことしはどういうわけか地震とか火山の爆発とか、そういう災害が非常に多いようで、天候の方はどちらかというと恵まれたと。それによって米も全国的に大変豊作が予想されるというふうに伺っているわけでございます。
 米の豊作ということになれば、これは農家の方の努力が報われたわけですから農家の方々も大変喜ばれる、我々自身も、稲作国家でございますので、国民全体としても大いに喜ぶべきことであると私は思うのでありますが、しかし現実を見ますと、本当のところを見ますと、農家の気持ちを察するに非常に不安を感じているというのが正直なところではないのかな。ということは、豊作になれば米が余る。今まで米が余って困ったことが随分あるわけですよね。その米余りに対してどういう解決策が講じられるのか、どうなるのかというその先行きの不安があるのが実は正直なところだと思います。政府が恐らく過剰米処理で何かいい方策を見つけてくれるのではないのかなというような期待もございますし、一方では、生産調整がさらに強化されるのではないのかなという不安もあるわけでございます。
   〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕
 農家の所得、先ほどの質問もございましたけれども、例えば米に見ましても、入札制度がとられた当初、北陸の私の方の米も一俵当たり二万三千円ぐらいに張りついたことがございます。それが今現実には一万六千円ですか、その程度になっているわけで、その差額といえば七千円なんですね。したがって、千俵生産している農家を見ますと七百万円の減額になるわけです。千俵といえば、これは一反歩十俵とるということになれば十ヘクタールの農家ですね、十ヘクタール経営の農家。これはかなり大規模かもしれませんけれども、極端に大規模な農家ではない。大型の農家であるというふうに受け取れるわけですけれども、そういう人たちがこれだけの収入減になっている。また、この先、さらに今までの経緯を見ますと、米の価格がどんどんどんどん減っていっちゃう。保証価格というんですか、三年間の平均をとって保証するような制度があるようでございますけれども、それもどんどん下がっていってしまう。そういう不安が非常にあるわけでございまして、米の需給対策というのは大変重要な問題ではないのかなと私思うわけです。
 それと、先ほどの質問で、ちょっと余談になりますけれども、私もかつて地方行政で農業を担当したことがございますので、先ほどの議論の中で農家所得についていろいろ御議論がございました。平均値で一戸当たり百何十万とかという数字が御議論ございまして、あれもあれで大変大事かと思いますけれども、例えば一戸当たりの水田面積が一町歩だ、一ヘクタールだということをよく言われるわけですけれども、これは全体を農家で割ればそうなりますけれども、現実を見ますと、そういう農家というのは余りないんですよね。要するに、両極端に広がっているわけです。もっと少ない農家か、あるいはもう少し大きい農家かというふうに両極端に分かれているものですから。要するに正規分布していないんですね。正規分布していないものを平均値で議論すると、これは架空の議論になってしまうと私は思いますので、その辺は農林省の方も十分おわかりだと思いますけれども、対策を講じられているときはその辺の多様性というものを十分認識していただきたいなというふうに思っております。
 と同時に、そういう状態ですから、兼業農家もおりますしそうでない農家もおる、専業農家もおります。そういう方々を、専業農家は農業経済の面からやればいいんでしょうけれども、いわゆる兼業農家というのは、これは農業所得だけ見ていたら本当にささいなものでありますけれども、ある意味では農業を通して国土保全なり貢献しているわけで、それであってそういう人たちが生活している、兼業で生活しているというのはほかのことをやっているわけですけれども、農家という単位で農林省はとらえていただきたいな、こういう希望を持っております。
 そういうことで私も一度調べたことがあるんですけれども、最近はちょっとわかりませんが、農林省の統計で農家単位でとった統計というのは、数年前だったですけれども、ほとんどないんですね。そういう面で、これはそのときに私は農林省に御要望したことがありますけれども、そういう面のとらえ方をぜひしていただきたいな、そんな思いでございます。これは余談なんですけれども。
 先ほど来、農業は外国の攻勢が非常に強い、したがってだんだん農業が下向きになるという面もございますけれども、若い後継者の中には非常にやる気のある人もおるんですよ。そういう人に対して農林省も余り後手後手にならずに実態をしっかりと提示していただいて、農家の中から、自分自身で何かやり出す、自分自身で動き出す、そういう面を引き出していただきたいなと思う次第でございます。
 そこで質問をいたしますが、まず米についてです。
 これは大体私もわかっているつもりですけれども、ことしの米作の作柄の見通しと、それと同時に、先ほど言いました米余りの問題になる期末在庫量、これのことしの見通しというものをまずちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(田家邦明君) 統計情報部長でございます。米の作柄について。
 今、委員がお尋ねの本年産の作柄でございますけれども、ことしの場合、作期が早いということもございまして、九月一日現在の調査をいたしました。その結果を九月十一日に発表いたしましたが、それによりますと、作況指数一〇三の「やや良」という見込みになっております。
○岩本荘太君 作況指数。
○政府参考人(田家邦明君) 作況指数でございますが、一〇三でございます。
○岩本荘太君 後段。
○政府参考人(高木賢君) 米の期末在庫量の見通しでございます。
 今米穀年度、具体的に申し上げますと十月末の在庫量の見通しでございますが、これは自主流通米につきましては、需給計画上の持ち越し在庫十六万トンというふうに見通しておりましたが、それを上回る二十万トン強の在庫見込みでございます。
 それから、政府米につきましては、自主流通米等の協調販売というのをやっておりまして、この結果もありまして需給計画上の持ち越し在庫二百三万トンを五十五万トン程度上回る二百六十万トン程度。合計いたしますと、本年十月末の持ち越し在庫は二百八十万トン程度になるということが見込まれます。
○岩本荘太君 そのように私も大体お聞きしているんです。
 そこで、今、分類してお答えいただきましたけれども、要するに基本フレームといいますか、当初は大体二百二十万トンだったですね。それが今のお話で二百八十万トンと。六十万トンの増加があったわけでございますけれども、先ほどの御答弁で、作柄一〇三といえば、生産の増加量は大体三十万トンですよね。その三十万トンは理解できるんですけれども、残りの三十万トンというのはどういう要素からふえたんでしょうか。
○政府参考人(高木賢君) 十月末の持ち越し在庫が計画を約六十万トン上回るということになったわけでございますが、その理由は、端的に言いますと、景気の低迷とか、あるいは先々米が安くなるという先安感ということから、卸、小売、外食、そういった流通段階の各段階におきまして大幅な在庫縮減という対応をとったということによるものと分析をいたしております。
○岩本荘太君 卸が持っていたものを出したと。ただ、生産調整、私どもの理解では、今、日本の国にどれだけの米があって、それが来年これだけつくれば大体備蓄がどうなるだろう、備蓄というか期末在庫がどうなるだろう、一つの大きな国家的な枠の中で出てくるはず、決めたはずだと思うんですけれども、こういう不安定な要素があるというのは非常に何か余計不安を招くような感じがするんですよ。これだったら、じゃもっと価格が上がるとすれば、もっと期末在庫が少なくなっちゃうのか、そんなうろうろしている中で、農家の人はそんなことよくわからないんですよね。
 私は、これは質問通告していなかったんですけれども、今ちょっとお話を聞いてその辺非常に疑問を感じるんですけれども、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(高木賢君) 今までいわゆる流通在庫ではそんなに大きな変動がなかったのが実態でした。そういうことから、我々が需給計画をつくるときには、流通在庫はいわばプラマイゼロということで特に勘案をしないで来たのが実情でございます。
 ただ、昨今のように景気の低迷でありますと、やはり経営者としてもできるだけ手持ち在庫を持たない方が経営上のリスクが小さいということの判断、それから先安感による持っていた場合の差損の発生の回避、それから今の情報化社会の進展によりまして電話一本で物があちこちへ届き得る、こういったこともありまして、手持ち在庫を極端に圧縮するビヘービアに出てきているということでございます。その点が残念ながらちょっと読み込めなかったということでございます。
○岩本荘太君 であれば、今後は当然これを見込んで計算もしなきゃいけないということになろうと思いますけれども、そういうふうに理解してよろしいわけですね。
○政府参考人(高木賢君) 具体的にどう見るかという問題はございますが、考えとしましてはそういった要素を勘案しなければいけないと思います。
 ただ、具体的に、今はその六十万トンの流通在庫がほとんど払底した状況になってきているとは思っております。したがって、当面はその点は、今後もし米の流通が円滑化していくということであれば、これ以上流通在庫が減るというよりはむしろ、まあ余り期待できませんけれども、多少その辺はゆとりがあるのではないかと思っております。
○岩本荘太君 減る減らないじゃなくて、要するにぶれる要素になるということは確かだろうと思うんですよね。だから、それで農家の方はつくりたい米もできずに、転作したって外国産に負けちゃう転作作物しかできない、そういう状況の中で一生懸命やっている。それが流通業界だけの思惑でぶれちゃうということは非常に農家にとっては不安要素になる。この辺をよろしく御認識いただきたい。もう結構です、まだたくさん質問がございますので。
 そこで、今、米の流通に関していろいろと農林省はおわかりなんでしょうけれども、農家の立場に立ちますといろいろわからない面がございますので、二、三ちょっとお尋ねしたいんですが、まず需給の大きな要素というのは、要するに消費者がどれだけ米を食うか、どれだけ消費するかということであるわけですよね。それがずっと減ってきていた、それに対して消費拡大運動をしてきた、その辺の今の現状、それからこれからの見通しというのはどうなんでしょうか。
○政府参考人(高木賢君) 食生活が多様化する中で米の消費量が減少傾向で推移してきたというのがまず事実でございます。
 具体的数字で申し上げますと、九年度が九百八十万トンの見通し、それから十年度が九百六十五万トン、十一年度は九百五十五万トンという見通しでございました。特に、大体九、十ぐらいは見通しと大して違わなかったんですが、十一米穀年度は九百五十五万トンの見通しに対しまして、まさに景気の低迷とか、先ほど言いました家計消費もぎりぎり節約をするというようなこともありまして、九百五十五万トンの見通しが九百三十万トンというふうに大幅に落ちたわけでございます。ただ、それは十一、十二という事情は基本的に変わっておりませんので、十二米穀年度は大体九百三十万トン程度で推移している、そういう傾向ではないかというふうに思います。
 それから、今後の見通しですが、今の段階で確たることを申し上げるのは困難でありますけれども、新しい食料・農業・農村基本法に基づきます基本計画におきましては、十年後の数字として一人当たりの米の消費量をほぼ横ばいというふうに見ております。それから、食生活指針の策定もいたしまして食生活改善の取り組みも強化していくということから、現時点では十三米穀年度も十二米穀年度と同程度で推移していくのではないかというふうに見通しております。
○岩本荘太君 同じように見通されるのは一番楽なというか、そういうことになるんでしょうけれども、今までもうずっと米離れを戻そうということで努力されてきているわけですが、その結果がこの過去三年のこういうあれですので、必ずしも長官が言われるようになるかどうか、これは今後を見なきゃいかぬと思います。
 ただ、これは余談といいますか、今ちょっと思いついたんですけれども、こういうふうに減ってきて転作面積ばかりどんどんふえてきたら、そこでまた生産調整とかなんとか言わずに、思い切って何か国土保全のための農林省の施策とか、そういう考え方をしないと、どんどんこれで三〇%になった、四〇%になったというと、その数だけで驚いちゃうわけですよ、農家の人は。水田というか、そういうものはいわゆる国土保全の役割をすると、これは私もそう思います。そういう意味の切りかえというのも今後私は必要じゃないかなと思っております。
 それともう一つ、いわゆるWTO関係でミニマムアクセス、今八十万トン弱ですか、責任輸入量が。それで一方、関税型に今度変わったですね。変わったとはいえ、次期交渉が今まだ先の見通しが立たないという状況ですが、今の輸入量、例えば関税型に変われば、大体関税によってやるわけですから、それほど割り当て量というのはないわけですよね。片やアクセスをやって片や関税型を認めていると。
 今の状況が大体、政府の責任量があるのかないのか。そして、これから交渉によって全く関税化になればもう責任輸入量というのはないのか、その辺ちょっと教えてください。
○政府参考人(高木賢君) 昨年の四月に関税化を実施いたしました。その内容は、今御指摘のとおり二次税率といいますか、ミニマムアクセスを超える分については二次税率を払えば輸入できるということでございますが、現実にはかなり高い関税であるためにほとんどございません。その国の米が欲しいという外国人の方の要請などが主たるものですから、微々たるものでございます。
 それから、ミニマムアクセスの数量は、そのときの農業協定の規定によりまして、関税化して以後の毎年のミニマムアクセス量の増加量が半減をいたしております。その結果、十二年度、二〇〇〇年度におきましては、そのまま輸入数量制限を続けておりますと八十五万トンでありましたが、七十七万玄米トンということに数量としてはなっております。
 それから、もう一つの関税化の内容としましては、米の輸入については引き続き国家貿易制度を維持する、こういうことでございます。
 それで、今のお話でこれからどうなるのかということでございますが、一応二〇〇〇年度が七十七万トン、正確に言うと七十六万七千トンですけれども、これが農業協定によって次の交渉における合意が改まるということがない状態におきましてはその数量が続く、こういう協定内容になっております。
○岩本荘太君 新しい協定になれば完全関税型になる、そういうことじゃないんですか。
○政府参考人(高木賢君) 新しい協定でどういう内容に合意されるかということは今予断を持って申し上げられないわけですが、例外なき関税化というのがガット・ウルグアイ・ラウンドの基本的な考え方でまいりましたので、この関税化という措置はこれは継続をするということになるのではないかと思います。
○岩本荘太君 その場合は七十六万七千トンというのは白紙状態になる、こういうことですか。
○政府参考人(高木賢君) それは先ほど申し上げましたように、現行農業協定上はその数量が維持されるということになります。ですから、もちろんそれは永劫に維持されるという意味じゃありませんで、新たな交渉においてどういう合意ができるかということでありまして、それは可能性としてはプラスの場合とマイナスの場合とそのままという場合と、形式論理的に言えば三通りの可能性が考えられるわけでございます。
○岩本荘太君 よくわからないんですけれども、時間もありませんので、もう一点だけ。
 大分質問を残しちゃいましたけれども、もう一つ、需給ですね。これは、ほかの用途をたくさん探せばいいということだけじゃないと思うんです。要するに、米の増減をどう調整していくか、その調整の受け皿になるほかの需要、これを見つけ出すというのが一番大事なことだと思うんです。
 今、そういう面でODAに使うとか、えさ米とかあるいは加工米とか、こんなものがあるわけですけれども、そういうものをこの調整要素、調整をする一つの機能として使う。さらにはそのほかにもあるのか、その辺の見通しについて、長官、ひとつお願いします。
○政府参考人(高木賢君) 主食用以外の用途としてありますのは、まず加工用という需要がございます。ただ、この加工原料用は、御案内のようにあられとかせんべいとか、そういう原料です。このあられとかせんべいをつくる方も、原料供給の安定ということがございますから、ある年ふやしてある年減らすというのはなかなか難しくて、やはりある程度固定した安定的供給ということが必要になると思います。そういう意味で、加工用の需要というのも、そんなに変動をといいますか増加を見込むということが難しい性質のものであろうと思います。
 それから、海外への援助というのがございます。これはこれまでもKRの食糧援助とか、インドネシアへの緊急支援とか、あるいは北朝鮮への食糧支援という形でやってまいりました。ただ、この食糧支援は、率直に言っていろいろな国際事情、その国の食糧事情というものがありますから、こちら側からこの程度にどうかと、こういう性質のものでないところに難しさがあるというふうに思っております。
 そういうことで、なかなか安定した販路ということになりますとやはり主食用の世界ということになりますけれども、その主食用の方が、先ほどから御質問ありましたけれども、右肩下がり傾向にあるということから、農業者の方には大変心苦しいわけでありますけれども、生産調整で需給調整を基本的に行っているというのが今日までの姿であろうというふうに思っております。
○岩本荘太君 時間がなくなりました。お話を聞いていると、どうも余り明るい姿が見えてこないんですけれども、その辺やっぱり先ほど言いましたように、やる気のある人はいっぱいいるんですよ。そういう人たちにもっと前向きな気持ちを与えるように、ぜひとも施策を講じていただきたい。
 実は、もう一つ大きな問題があったんですけれども、大臣まで行き着かずに時間が参りました。私、農水委員じゃないんで、質問の機会また一年後になるかもしれませんけれども、これで質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(鎌田要人君) 他に御発言もないようですから、農林水産省、運輸省、北海道開発庁、農林漁業金融公庫及び北海道東北開発公庫の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回の委員会は明二十日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十分散会