第150回国会 予算委員会 第1号
平成十二年九月二十九日(金曜日)
   午前九時三十一分開会
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   委員氏名
    委員長         倉田 寛之君
    理 事         竹山  裕君
    理 事         長谷川道郎君
    理 事         保坂 三蔵君
    理 事         溝手 顕正君
    理 事         峰崎 直樹君
    理 事         弘友 和夫君
    理 事         笠井  亮君
    理 事         照屋 寛徳君
                市川 一朗君
                入澤  肇君
                大野つや子君
                岡  利定君
                釜本 邦茂君
                岸  宏一君
                北岡 秀二君
                久野 恒一君
                国井 正幸君
                小山 孝雄君
                鴻池 祥肇君
                斉藤 滋宣君
                谷川 秀善君
                中島 眞人君
                野間  赳君
                足立 良平君
                江田 五月君
                木俣 佳丈君
                高嶋 良充君
                千葉 景子君
                羽田雄一郎君
                堀  利和君
                前川 忠夫君
                円 より子君
                簗瀬  進君
                魚住裕一郎君
                松 あきら君
                山本  保君
                小池  晃君
                須藤美也子君
                宮本 岳志君
                清水 澄子君
                三重野栄子君
                岩本 荘太君
                堂本 暁子君
                佐藤 道夫君
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   委員長の異動
 九月二十一日倉田寛之君委員長辞任につき、そ
 の補欠として岡野裕君を議院において委員長に
 選任した。
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   委員の異動
 九月二十一日
    辞任         補欠選任
     市川 一朗君     尾辻 秀久君
     釜本 邦茂君     吉村剛太郎君
     鴻池 祥肇君     加藤 紀文君
     竹山  裕君     田中 直紀君
     谷川 秀善君     岡野  裕君
     長谷川道郎君     水島  裕君
     保坂 三蔵君     太田 豊秋君
     溝手 顕正君     陣内 孝雄君
     岩本 荘太君     水野 誠一君
 九月二十二日
    辞任         補欠選任
     太田 豊秋君     保坂 三蔵君
     倉田 寛之君     松谷蒼一郎君
     田中 直紀君     竹山  裕君
     中島 眞人君     岩城 光英君
     野間  赳君     鴻池 祥肇君
     水島  裕君     長谷川道郎君
 九月二十七日
    辞任         補欠選任
     岡  利定君     南野知惠子君
     加藤 紀文君     田中 直紀君
     北岡 秀二君     金田 勝年君
     小山 孝雄君     依田 智治君
     佐藤 道夫君     石井 一二君
 九月二十八日
    辞任         補欠選任
     入澤  肇君     鶴保 庸介君
     山本  保君     木庭健太郎君
     須藤美也子君     富樫 練三君
 九月二十九日
    辞任         補欠選任
     宮本 岳志君     八田ひろ子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岡野  裕君
    理 事
                岩城 光英君
                尾辻 秀久君
                陣内 孝雄君
                吉村剛太郎君
                足立 良平君
                高嶋 良充君
                弘友 和夫君
                笠井  亮君
                照屋 寛徳君
    委 員
                大野つや子君
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                久野 恒一君
                国井 正幸君
                鴻池 祥肇君
                斉藤 滋宣君
                田中 直紀君
                竹山  裕君
                鶴保 庸介君
                南野知惠子君
                長谷川道郎君
                保坂 三蔵君
                松谷蒼一郎君
                依田 智治君
                江田 五月君
                木俣 佳丈君
                千葉 景子君
                羽田雄一郎君
                堀  利和君
                前川 忠夫君
                円 より子君
                峰崎 直樹君
                簗瀬  進君
                魚住裕一郎君
                木庭健太郎君
                松 あきら君
                小池  晃君
                富樫 練三君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                清水 澄子君
                三重野栄子君
                堂本 暁子君
                水野 誠一君
                石井 一二君
   国務大臣
       内閣総理大臣   森  喜朗君
       法務大臣     保岡 興治君
       外務大臣     河野 洋平君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       大島 理森君
       厚生大臣     津島 雄二君
       農林水産大臣   谷  洋一君
       通商産業大臣   平沼 赳夫君
       運輸大臣
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)      森田  一君
       郵政大臣     平林 鴻三君
       労働大臣     吉川 芳男君
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  扇  千景君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    西田  司君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       中川 秀直君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    相沢 英之君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  虎島 和夫君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
       国務大臣
       (環境庁長官)  川口 順子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   政務次官
       外務政務次官   荒木 清寛君
       大蔵政務次官   七条  明君
       文部政務次官   鈴木 恒夫君
       厚生政務次官   福島  豊君
       農林水産政務次
       官        石破  茂君
       農林水産政務次
       官        三浦 一水君
       通商産業政務次
       官        坂本 剛二君
       運輸政務次官   泉  信也君
       郵政政務次官   常田 享詳君
       労働政務次官   釜本 邦茂君
       建設政務次官   田村 公平君
       自治政務次官   荒井 広幸君
       総理府政務次官  中原  爽君
       金融再生政務次
       官        宮本 一三君
       総務政務次官   海老原義彦君
       北海道開発政務
       次官       橋本 聖子君
       防衛政務次官   仲村 正治君
       防衛政務次官   鈴木 正孝君
       経済企画政務次
       官        小野 晋也君
       科学技術政務次
       官        渡海紀三朗君
       環境政務次官   河合 正智君
       沖縄開発政務次
       官        白保 台一君
       国土政務次官   蓮実  進君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宍戸  洋君
   政府参考人
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       警察庁刑事局長  五十嵐忠行君
       厚生省健康政策
       局長       伊藤 雅治君
       厚生省老人保健
       福祉局長     大塚 義治君
       自治省行政局選
       挙部長      片木  淳君
       消防庁長官    鈴木 正明君
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  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査

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○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。
 私は、去る九月二十一日の本会議におきまして、皆様方の御推挙により予算委員長の重責を担うことと相なりました岡野裕と申します。
 当委員会の運営につきましては、公正中立を旨といたしまして円滑にこれを進めてまいりたいと存じております。
 何とぞ、皆様方の御指導、御協力、これを賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
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○委員長(岡野裕君) まず、理事の辞任についてお諮りをいたします。
 峰崎直樹君から、文書をもって、都合により理事を辞任いたしたい旨申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 引き続き、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 委員の異動等に伴い現在理事六名が欠員と相なっています。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 御異議ない、かように認めます。
 それでは、理事には陣内孝雄君、尾辻秀久君、吉村剛太郎君、岩城光英君、足立良平君及び高嶋良充君を指名いたします。
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 国政調査に関する件についてお諮りをいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じます。御異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件、これについてお諮りをいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(岡野裕君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告をいたします。
 きょうの質疑は総括質疑方式とし、質疑の割り当て時間は百二十六分とすること、各会派への割り当て時間は、自由民主党・保守党四十六分、民主党・新緑風会三十七分、公明党十一分、日本共産党十三分、社会民主党・護憲連合十分、無所属の会六分、二院クラブ・自由連合三分とすること、質疑順位につきましてはお手元御配付いたしておりますとおりであります。
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、これより質疑を行います。江田五月君。
○江田五月君 おはようございます。
 重要な臨時国会が始まりました。森総理、お風邪だと伺いましたが、先ほどちょっと伺うと、もう大体本復されたと。健康第一ですから、どうぞ気をつけて。論戦もなかなか体力使いますので、気をつけてください。
 質問に入る前に、まず一つお願いをしたいんですが、きのう衆議院の予算委員会で、我が党の菅直人幹事長とのやりとりの中で、どうも不適切な発言があったということですね。私生児という言葉を使っておられたと。衆議院の方では議事録削除ということになったようですが、テレビでの発言ですので、発言訂正のチャンスを与えますので、まずその点、御訂正ください。
○国務大臣(森喜朗君) 昨日の衆議院予算委員会で、私の自民党総裁選出に当たる過程のことでいささかちょっと興奮を私もいたしまして、御指摘の部分につきましては適切でない表現がありましたので、取り消したいと思います。こういう機会を与えていただきましてありがとうございました。
○江田五月君 私生児という言葉が不適切だと、これはよくおわかりですよね、なぜ不適切か。
○国務大臣(森喜朗君) あえて私どもの時代、そしてまた今の時代、いろんな言葉の使い分けというもの、十分慎重にしなければならないということを改めて認識をいたしました。重ねて取り消しを申し上げておきます。
○江田五月君 ここで余りそのことを詰めてもしようがありませんが、本当に森総理の発言は不適切な部分が多いというふうに言われていますので、これは私ども野党にとっては攻めるチャンスですけれども、いいわけじゃないですから、国民にとっても、あるいは国際的にもいいわけじゃないので、よく注意をしていただきたいと思います。
 質問に入ります。
 まず、有珠山とか三宅島とかその他、ことしは本当に災害が続いておりまして、全国の被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思います。特に、最近では東海水害の被災者の皆さん、大変だったと思いますね。
 私たち民主党も災害復旧や生活再建のために力を尽くしていきたいと思っておりますし、九月二十日でしたかね、羽田孜元総理が本部長、佐藤泰介参議院議員が事務局長となって現地に赴きました。子細に状況を教えていただいて、これをもとに対策に力を入れたいと思っておるんですが、まず東海水害について質問します。
 民主党の方からも強く要請をいたしました激甚災害の指定、この見通しはこれはどうなっていますか、内容も含めて、国土庁長官。
○国務大臣(扇千景君) おはようございます。
 私どももすぐ現地に参りまして、御存じのとおり視察をさせていただきまして、御存じのとおりの状況で、これは今、名古屋だけの激甚災害にという御質問かあるいは愛知県のという御質問かちょっと範囲がわからないんですけれども、冒頭から有珠山のともおっしゃいましたけれども、私どもはこの際、皆さん方、本年は今、委員がおっしゃいましたように有珠山、そして伊豆、そして伊豆でも特に伊豆諸島ということで、私どもは三島も二度視察いたしましたけれども、特に名古屋の場合はあっという間の出来事で、本当に皆さん方苦しんでいらっしゃいましたし、私も、この激甚災害というお話ございましたけれども、江田委員が御存じのとおり、激甚災害の要件というのがございまして、今、現地の地方自治体、県、市、町、村から皆さん方どの程度かというのがまだ把握し切れておりませんので、それが上がってくるのを待って最大限に政府としては対策を講じたいというふうに考えております。
○江田五月君 東海水害、もちろん愛知県全体のことですが、現地から上がってくるのを待っていると言うんです。私が聞いたのは見通しでして、待っているだけじゃなくてどういう見通しをお持ちなのか、国土庁長官。
○国務大臣(扇千景君) おわかりだと思いますけれども、私どもはやっぱり現地の人たちが、今、自分の置かれている場所はどこにあるかという御確認をいただくことが一番大事なことなんで、あえて私は江田先生にも御理解いただいて御協力賜りたいと思って持ってまいりましたけれども。(図表掲示)
 要するに、新川と庄内川でございますけれども、新川は県の管轄でございます。庄内は国の管轄でございますけれども、この新川と庄内川に挟まれておりますところがあっという間に、これ五百ミリに対応することとして、当面は私ども五百ミリに対応できる堤防ということをしておりました。けれども、少なくとも全体の事業費が約五十ミリに対応する、時間雨量でございますよ、時間雨量五十ミリに対応するということで整備をしておりましたけれども、平成十七年末までに全体の事業費の約千五百億円、これを対応して、五五%まで完成しておりました。
 けれども、これは、少なくとも庄内川につきましても長期的には、これ二百年に一度ということでございまして、私どもはそれに対しては少なくとも、堤防が完成したところは二四%にまだとどまっておりましたので、それも含めて全国の河川というもののあり方というものをここの教訓を生かして私は万全を期していきたいと。
 余り長くなってはいけません、もっと全国のを申し上げたいですけれども、とりあえずは、自分たちが新川と庄内川の間にいたということ自体もぜひ御確認いただいて、私たちは即対応をしておりますし、建設省としましても全国から二十台のポンプ車を夜を徹して走らせましてここに行って水を、地元の皆さんは二日間は水が引かないとおっしゃったんですけれども、そのポンプ車によって一日で水を排除できたということも一つ私は大きな経験をさせていただいたと思っております。
○江田五月君 随分長い御答弁をいただいたんですが、私が聞いたのは激甚指定の見通しを聞いたんです。もう一度お答えください。
○国務大臣(扇千景君) 今、現段階で見通しが立たないということを申し上げたのは、これは地方自治体から被害状況の把握がまだできていないということを冒頭に申し上げました。少なくとも私どもは、激甚災害の指定にすれば、例えば公共事業、土木工事に関しましては、市町村が実施することとなる復旧事業の査定額がその市町村の基準収入の五割を超えるというのが激甚指定の、これはもう江田先生御存じのとおりでございます。ですから、その収入の五〇%に達する被害が出たかどうかという判断は、市町村から上がってこなければ、国が頭からするということではないというのはもう江田先生御存じのとおりでございます。
 けれども、私どもは、少なくとも現在建設省としては、被害を受けた愛知県や稲武町を初めとする地方公共団体からの指定の前提となる被害の報告を待っているというのが状況でございまして、頭からあなたたちは五〇%を超えていますよということではないというのはもう江田先生百も御承知のことで、私どもが何もしていないということでございませんで、私たちはできる限りのことをしているということを申し上げておきます。
○江田五月君 見通しが立たないと冒頭おっしゃいましたね。地域の住民の皆さんの気持ちを逆なでするんじゃありませんか。地方から上がってくる、それはもちろん待たなきゃいけませんよ。だけど、これだけの災害、これは大体どういう規模のものであるかというのは、それは名古屋市の場合もあるし、愛知県全体でそれぞれの町村いろいろあります。ある程度の見通しをお持ちになったらどうなんですか。
○国務大臣(扇千景君) 私たちは、少なくとも皆さんのよりも、一番早く予備費を使っても災害を優先するということを総理はきちんと国会で御答弁なさっておりますし、全閣僚こぞって、予備費も使い、そして今度の補正にも必ず災害対策を入れようということを全閣僚で誓い合っているし、皆さんにも御報告しております。
○江田五月君 そのやりとりばかりで時間費やしてもいけませんが、総理のおっしゃったことに言及されましたので、総理、御決意いかがですか。大きな打撃を受けた中小企業支援策やあるいは大問題、今も後ろで声がありましたごみの問題など含めて、具体的な細かなお話じゃなくて総理の決意を聞かせてください。
○国務大臣(森喜朗君) 担当大臣は、でき得る限り広範囲に、またきめの細かい対策、そしてまた復旧事業に対する国としての姿勢、そういうものを示そうという、そういう意思のもとに先ほどから御発言をいただいているものだというふうにぜひ御理解をいただきたいと思います。
 当然、国費そして国民の税金でありますから、やはり一応は法律にのっとって、地域から数値もきちっと出していただいて、そしてできる限りそれにこたえていくということは当然だろうと思いますが、基本的にはやり得ることは全部やろうというのが内閣の姿勢であります。
○江田五月君 担当大臣のこととかあるいは地方の要請とかということ、もちろんそれはあるけれども、総理自身の決意ですからしっかりひとつお願いをしたい。
 名古屋市から河川改修の要望はもう再三にわたって上げられてきたんですね。なぜこれまで対応できていなかったんですか。
○国務大臣(扇千景君) 先ほど御答弁申しましたように、雨量をどの程度に計算するかというのは先ほど申しましたとおりでございます。
 例えば、もっと堤防を高くしてしまって自然破壊のような形にしてしまえというと、またその方からもありますけれども、少なくとも日本じゅうの河川というものは、国土庁におきましても建設省におきましても、山から海まできちんと計算をして、そして工事をしようというのが、国民の皆さん方の生活と安全のためにあるというのが公共事業の一つでございますから、それは欠くべからざる公共事業であるということで推進しておりまして、これは公共事業の大事な役目だということを私は申し上げておりますので、推進しております。
○江田五月君 十年たなざらしだったんじゃないですか。
 そこはそれで、今、全国のことをおっしゃいましたが、全国にどのくらいこういう危険のある都市河川があるんですか。
○国務大臣(扇千景君) 全国の国土の河川の危ないところというもの、全部ございますけれども、あるいはこれは皆さん方に言うと必ずうちは危ないんじゃないかという一種の恐怖感を与えることにもなりますけれども、私は、少なくとも私が担当である以上はむだなところを減らして、欠くべからざるところは必ずするというのが私の姿勢でございます。
 ですから、この数字を申し上げておりますとまた長くなって怒られますから、もしも御入り用でしたら、後で御請求いただいたら全国の資料をお出しいたします。
○江田五月君 後で教えてください。
 河川の決壊がなくても、同規模の集中豪雨で排水量を上回る流入、あるいは降雨があって水害を起こす、そういうところがたくさんあると思うんですね。江戸時代以降、日本じゅうが干拓されて新田になりました。その新田が都市化で水をたたえる田から住宅地に変わってしまった。これは雨が降るとどうにもならない。実は私の住んでいるところなんかもそういう地域の一つなんですが、こういうところが全国にどのくらいありますか、これは。
○国務大臣(扇千景君) これは残念ながら、少なくとも人口の五〇%が浸水するであろうというところ、洪水のはんらん区域というのは今全国で一〇%に及んでおります。ですから、河川と湖も含めまして、これは三%の黄色でございます、はんらん区域に居住している人たちは、人口が五〇%危険地帯に住んでいらっしゃるという数字も出ております。
 ですから、これを公共事業としてきちんとやっていこうというのが建設省としての役目ではございますけれども、住民の皆さん方の御賛同を得られずまだ進捗状態が進行していないというところもございますけれども、こういうことがあったときに初めて私は地元の皆さんの御了解が得られて、国民の生命、財産を守る有意義な公共事業にしていきたいと思っております。
○江田五月君 公共事業も本当に必要なものとそうでないものもあるんですよ。その必要なものが、今、住民の理解が得られないとおっしゃったけれども、住民の方が本当に要望しているのに十年もたなざらしとか、そういうことじゃ困るんです。それではいけません。これは今後また十分、別の委員会などで詰めていきたいと思います。
 個別の問題を四点ほど質問します。
 まず、夫婦別姓。
 森総理、あなたは、男女共同参画審議会の九月二十六日答申に対して、これは新聞報道ですけれども、「個人としては、従来の方が日本にはなじむと思う」と、こういうことを言われたと。こう言われましたか。
○国務大臣(森喜朗君) 選択的夫婦別氏制度につきましては、婚姻制度や家族のあり方とも関連する重要な問題として、国民や関係各方面の意見が分かれている、そういう状況にございます。国民や関係各方面の各層の御意見を幅広く聞き、また各方面におきます議論の推移を踏まえながら適切に対処していく必要がある、このように考えております。
 なお、私が今御指摘いただきましたことは、正式な会見とかそういうことじゃなくて、俗に言うぶら下がりという、歩きながら記者さんと話したときにどう思いますかと言うから、あくまでも個人ですよと、私は個人として私の気持ちを述べただけでありまして、もとより人にそういうことを、価値観を押しつけるとかそういう意味で申し上げたわけではございません。私は、日本人として私はそういう気持ちだと言ったこと、個人として言ったということです。
○江田五月君 これもやはり新聞の報道がそのとおりかどうかよくわからないんですが、個人として、一日本人として自分は夫婦同姓の方がなじむと言うのは、それはいいんです、選択制ですから。だけれども、やはり自分が独身時代に使ってきた姓を今後も使いたい、そのことを変える、それを結婚ということによって変えることを強制されるのは嫌だと、そういう人もいるんです。ですから、これは多様な生き方を認めるか認めないかという問題なんです。
 森総理、日本には同姓の方がなじむと言うと、これは総理大臣ですから、日本はこうだということを言っているわけでしょう。ですから、そうじゃなくて、自分は愛する女房と同じ姓でいたい、うちの奥さんもそう言っていると、それはいいですよ。だけれども、日本人全部がそうならなきゃならぬというお考えではありませんね。多様性をお認めになりますね。どうなんですか。
○国務大臣(森喜朗君) もちろん多様性を認めますし、だから私は一緒に歩いている記者さんに小さな声で、私は個人としてやっぱり一個の方がなじむけれどもなと、私の家内もそれでいいと言ってくれていると、こう言ったんです。
○江田五月君 やはり気をつけて言っていただかないと、「日本にはなじむ」ではいけないんです。
 保岡法務大臣、この別姓、選択的別姓でいかがですか。
○国務大臣(保岡興治君) お答えいたします。
 今、総理が言われましたとおり、この問題については国民の中で非常に議論が分かれておりますし、また国民生活あるいは家庭生活において根幹にかかわる重要な問題でございますので、やはりそういった国民の考え方の動向を踏まえて政府としては対応していくべきだと、そう考えておるところでございます。
○江田五月君 担当大臣はおられないんですね、記者会見。
 NPO税制、NPO法が施行されて二年近くになりますが、施行三年の見直し規定もあって、民主党は、NPOに対する寄附の所得からの控除とかあるいは事業税の減免などのNPO活動促進税制を実現すべきだと考えておりますが、宮澤大臣、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) NPOが社会の活性化に貢献をしてきている、今後もますますそうであろうというふうに考えますので、基本的には今おっしゃいましたような行政に入らなければならないと考えていまして、実はつい先日、事務当局に対して、来年の税制改正及び税務行政の問題としてこのNPOの寄附金減免税を実現に入ろうという指示をいたしました。
 御存じのように、しかし調べてみますと、同好会のようなものから大変に大きな社会活動に及ぶものも、千差万別でありますので、こういう団体は政府が余りあれこれ言うのを嫌われると思うのですが、ただ、国税の寄附金減免というようなことをいたしますと、やはり一つの基準をどうも設けざるを得ない、それからそういう公益性にマッチした処理をしてくれる事務能力も先方に必要であるというふうに思いますので、経済企画庁、各省庁、大蔵省、国税庁一緒になりまして、適当と思われるところから、それに対する寄附金の法人、個人の減免税について来年から行政に入りたいと考えております。
○江田五月君 公益性の判断というのはなかなか難しい。難しいんですが、だれが判断するかというようなこともあるんですよね。
 例えば、私が長くかかわってきたアムネスティ・インターナショナルという運動があるんですが、このアムネスティ・インターナショナル日本支部というのを法人にしてくださいよという、ところがアムネスティ・インターナショナルは死刑廃止運動をやっているんですね。これは政府の方針と違う、したがって公益性がないというようなことで随分議論になりました。
 しかし、保岡さん、法務省、それから河野さん、外務省、これ共管でということで、死刑廃止の議論は政府の方針と違う、中身は、しかし議論をすること自体は、これは社会、公共のあり方、国のあり方として公益性があるじゃないかというので、そういう議論をすることは別に公益に反するわけではないというので、両省の理解を得て、これは社団法人、スタートしたわけですよ。やっぱりそこはひとつ広くおおらかに見ていただきたいと思います。
 NPOという活動について、総理はどういう認識をお持ちですか。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほど大蔵大臣もお述べになりましたように、我が国におきましては、行政でも営利企業でもない、いわゆる第三のセクターとしての、国民の多様化したニーズに効果的かつ機動的にこたえるとともに、個々人の自己実現の意欲を生かすということができる仕組みとして、二十一世紀に向けましてますます重要な役割を果たしていくものであろうと、このように考えております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどあえて社会の活性化というふうに申しましたのはそういう意味もございまして、政府に都合のいいものだけが公益にかなうという考え方はいたしません。
○江田五月君 そのお言葉、大切にしていきたいと思います。
 NPO活動、これは、担当大臣は堺屋経済企画庁長官。法人税、こっちの方は堺屋さんの担当ではないと思いますが、NPO全体について、今のようなことでひとつ税制に関するお考えをお聞かせください。
○国務大臣(堺屋太一君) このNPOの制度、NPO法というのは議員立法でつくっていただきまして、その附帯決議といたしまして、二年目を過ぎたら見直すということで、私どもの方でも国民生活審議会におきます総合企画部会において六月二十一日に中間報告をいただきました。これからの世の中でこのNPO、ボランティア、そういうものの広い活動が大変重要になってくるという認識は強く持っております。
 したがいまして、大蔵省の方にも税制の面でぜひお願いしたいと政府ベースとして要求しているところでございますけれども、大蔵大臣も申されましたように、どういう基準でこの公益性を判断していくか。非常に多様なものを、役人が選ばないでまずNPOに認めるということが第一段階でございまして、それでこの税制というものをつけていくときに、その基準を、例えばソーシャルサポートの方法とかいろいろございますけれども、どうしていくか。これから鋭意大蔵省とも打ち合わせして検討していって、これが次のやはり日本の社会を支える一つの柱になっていくようにしていきたいと考えております。
○江田五月君 ぜひお願いします。
 これは、税のことについて言えば控除の問題と減免の問題とがあるわけで、公益性の判断については、上から見るんじゃなくて、今、堺屋さんがちょっとおっしゃったソーシャルサポート、どれだけ社会によって支えられているか、これで見ていけばというような見方もあると思います。
 次に、地域総合整備事業債というのがあるんですね。なかなかややこしいことなんでパネルでお示ししますが、地域総合整備事業債、自治大臣、これはどういうものか御説明ください。
○国務大臣(西田司君) 御承知のように、地方単独事業は、地方団体が地域の実情に即して自主的、主体的に住民に身近な社会資本の整備を行うものであります。また、地域経済を下支えする事業としても重要な役割を持っておると考えております。
 地域単独事業を推進するための財源措置といたしまして、御指摘の地域総合整備事業債等は、その元利償還金の一部を地方交付税の基準財政需要額に算入することとし、地方団体が自主的、主体的に行う地方単独事業の財源として活用をしているところであります。
 各地方団体は、後年度の財政負担なども踏まえた上で、みずからの判断に基づいて必要な事業を選択し、議会の議決も経て計画的な事業実施を行っておるものと承知をいたしております。
○江田五月君 今おっしゃるとおりが、まあ建前。地方の単独事業、これをしっかり財政的に支えていく、国は細かなことを言わないということなんですが、しかし、この建前と実態とがかなり違うんじゃないか。この地総債が景気対策のために自治体に不必要な借金をさせる制度になっているんではないか、こういう指摘があるんですね。
 今、景気対策、なかなかどうもやってもらえない、特に地方の方で。それはそうです、地方も金がありませんから、そう国が景気対策をやれやれと言ったって、ないそでは振れない。そこで、この地総債というもので、後ほど交付税でちゃんと手当てをするからやってくださいよ、地方単独でと。こう言って、後で交付税がちゃんと来るからというので地方は飛びつく。飛びつくんですが、しかし、どうもそれが本当に後々役に立つものであるかどうかわからずに飛びついている。
 実は私、地元のことなんですが、広大な旧国鉄操車場跡地、この公園用地に突然観客席が五百あるいは千のミニドーム球場をつくる話が持ち上がっていますが、五百以上のものでコンペを入れる、何か計画を出せとかいうんですから、どうも地域総合整備事業債のために自治省から建物を建てるように強く言われて、必要性があるかどうかの議論を抜きにまず建てるという感じ。
 自治大臣、こんなことでよろしいんですか。
○国務大臣(西田司君) 今、御指摘がございました個別問題については、残念ながら私は承知をいたしておりません。
 しかし、その事業の選択というのは地方自治体に任せておることでございまして、そこでどのように財源、財政措置の支援をしていくかということは、これは国としての私は役目だと、こう考えておるわけでございます。しかし、今の状態でございますから、よく今後吟味をしていきたい、こう考えております。
○江田五月君 もちろん、地方自治体もしっかりしなきゃいけないんです。本当に真剣に吟味をして必要なものというものを絞っていかなきゃいけないんですが、どうも現実は国が考えているようになかなかなっていないというところがありまして、そこはひとつみんなで努力をしていかなきゃならぬ。
 もう一つ自治大臣、最近の報道では、この地総債に限らずですが、交付税というものが第二補助金になっているんではないか、こういう指摘があるんですが、これは自治大臣、どう思われますか。
○国務大臣(西田司君) 国庫補助を受けずに地方単独事業で実施をしていきます地方総合整備事業債、ただいま御指摘になったところでございますけれども、各団体の現実の財政負担の代償を的確に反映させていくため、その地方債の元利償還金を基準財政需要額に算入しておるところでございます。
 基準財政需要額は地方団体におけるあるべき財政需要額を保障することを目的としておりまして、各地方団体における地方税と地方交付税の収入に対応するものである、したがって需要額に算入することが第二の補助金というようなことでは私はないのじゃないのか、こう考えております。
 なお、つけ加えますけれども、私は、地方交付税、それはもちろん見直しも必要でございますけれども、この必要性は強く感じております。
○江田五月君 ないのじゃないのかというんですが、どうもないのじゃないのじゃないのかというような感じでして、本当に気をつけていかなきゃいかぬと思います。
 四つ目。農業の中山間地域直接支払い制度、これも耳なれない言葉なのでパネルを用意しましたが、農水大臣、どういう制度か御説明ください。
○国務大臣(谷洋一君) 我が国の国土は林野面積が極めて多く、その林野が非常に急峻なところが多うございます。ですから、山合いの国土はほとんどが急傾斜地域としての水田をつくっておる、あるいは畑地をつくっておる、まあ水田が多うございますが。そういうところに対しまして、中山間地域の指定条件を付しまして指定をして、そこで中山間地域の方々に対する支払いをしておるという制度をつくりました。
 これは、やはり何といいましても、中山間地域は先ほど申し上げましたとおりに非常に農業の適地とは言えない不遇な地域が多うございますので、それは国土保全という立場から、特に最近における山地崩壊等々の問題を考えますと、そういう中山間地域の振興のためにもそういう制度をつくることがいいという考えのもとにつくっておるわけでございます。
○江田五月君 この制度の根拠法、これは何ですか。あるいはこの制度について国会で議論されたことはありますか。
○国務大臣(谷洋一君) これは、総理の御指定をいただきまして審議会をつくり、その審議会には各層の方々が入っていただきまして審議会で議論をしていただいたこともございます。そして、現地も踏査もしていただきました。
 また、衆参の農林委員会で相当熱心に、また現地を見ていただくところもございましたが、そういうふうな関係で相当な議論を高めまして、この問題をつくったわけでございます。
○江田五月君 私は、この制度は評価をしておるんです。しかし、どうも直接の根拠法がないと。どうも国民にも、その地域の皆さんにはもちろん説明がある、しかしまだ十分に理解されているとも言えないところもあるみたい。
 そういう中で、初年度国費三百三十億円、事業費七百億円の制度が始まった。その制度自体は評価しますが、もっとやり方をうまくしなきゃ、ガット・ウルグアイ・ラウンドの議論を経てWTOでも認められた農業の支援制度として、これは民主党でも国民合意のもとに、特に都市住民の皆さんの合意もしっかり得て、中山間地域直接支払い制度を充実改善していきたいと思っております。
 本当に山合いで、行ってごらんになると、もう総理もよく御存じだと思いますが、もう棄農といいますか、完全に崩壊してしまったようなそういう水田がたくさんあって、地域社会自体がうまく動いていかない。そこを地域との契約で、協定で、地域の皆さんの共同の努力で守っていこうということですから、国土の保全のために大変大切と。
 さらにまた、WTOではそのほかにも認められた農業支援があるわけで、有機農業、これに対して環境直接支払い制度というものが認められているけれども、まだ日本ではこれは議論の最中。あるいは環境保全型農業の直接所得補償制度、こういうようなこと、これは民主党の農業・農村政策あるいは中山間地域の地域振興政策の重要な柱の一つとして確立をしていきたいと思っております。
 さて、がらりと角度を変えまして、もう一枚大きなパネルを用意いたしました。臨時国会、大変重要な国会になると思います。この臨時国会での課題、これを私流にまとめますと大体こんなことになるかと。ちょっとごらんいただけるでしょうか。(図表掲示)
 「森政権を信任できない五つの理由」、ちょっと厳しいですけれども、「臨時国会の課題」は、一つ、「嘘と疑惑・適格性のない政権」だと。成立疑惑、これは冒頭ちょっと申しましたが、きょうは議論しません。そして、森首相の犯歴疑惑、後から議論します。官房長官、お戻りになりましたか、官房長官の不祥事問題。一です。
 二、「ごまかし・まやかしの政権」。公共事業の見直しはどうも古いばらまきと新しいばらまきの利権争いじゃないのか。参議院選挙制度の改悪、久世問題のすりかえですね。あっせん利得処罰法は森総理かざる総理かなどと言われる。警察法改正もどうも公安委員会の監察も拒否するんですかと。
 三つ目、「言葉だけで中味なしの政権」。後で簗瀬さんから質問してもらいますがIT革命、あるいは教育基本法議論は笛吹けど踊らずと。
 四つ目、「見当違い・理念混乱の政権」。少年法問題、これは私たちも少年法改正には前向きに取り組んでまいります。まいりますが、しかし大切なのは何なのか。厳罰なのか更生なのか、家裁が今どれほど干からびておるか、こういう問題がある。あるいは永住外国人参政権法案の問題、過去志向なのか未来志向なのか。
 そして五つ目、「構造改革先送りの政権」。補正予算はどうも旧来型公共事業、あるいは退場すべき企業や法人を温存する。医療保険制度、年金制度抜本改革はもう待ったなしなのに。地方分権は本当に補助金一括して地方財源へとやらなきゃだめだと。あるいは財政再建、きのうも衆議院で菅議員と議論がありましたが、総理は準備と言いながらどうも準備はなくて、心構えでしたっけ、それだけの話と。
 こういう信任できない五つの理由、これを個別に全部きょうはもちろんやることはできません。この重要課題、これから衆参のあらゆる審議の中で論議をしてまいります。IT革命は後で簗瀬さん。
 私は、まずこの中で、二の参議院選挙制度改悪問題、これを取り上げていきたい。
 森総理、あなたは昨日の衆議院の予算委員会で、我が党石井一議員が再三質問しました。再三、どうもまともに答弁しておられなかったというような気がしますが、きちんと答えてください。
 民主主義の基本的なルールである選挙制度を与党だけで勝手にすべての野党の反対を押し切って変えていいとあなたは思われますか、どうですか。
○国務大臣(森喜朗君) 選挙制度であれ、いろんな諸改革というのは、当然政治が求めていくものとしてあってしかるべきだと思います。
 この問題に関して言えば、参議院の皆様方の中でいろいろと議論があったというふうに我々承知をいたしております。与党は与党なりに与党の責任としてやり、まずみずからこういう考え方でということで国会にお出しをし、そして国会の中で議論をさせていただきたい、こういう考えで法案の提出をお願いしている、このように私は承知しております。
○江田五月君 きのうの衆議院での議論がちょっとはっきりしないんですが、森総理は参議院の方でいろいろな意見の経過の中から今回の法案の取りまとめになったというふうに聞いておると、つまり参議院でのいわゆる議長のもとでの協議会、ここの議論の延長線でこういう取りまとめになった、こういう認識でおられるんですか。
○国務大臣(森喜朗君) 私は、議院協議会のもとでそういう結論が出たとか、そういうことを申し上げているわけではございません。参議院選挙制度改革に関する協議会におきましては、昨年の六月から各党会派によって参議院議員の選挙制度改革について熱心な議論が行われてきている、このように承知をしております。
 本年二月に取りまとめられました報告書におきましては、参議院のあるべき役割に適合した選挙制度の改革の検討が必要であるというのが一致した意見であった、こういうふうに私は伺っております。当面の改革についての検討の中では、現行の拘束名簿式と非拘束名簿式のおのおのについて長所と短所が指摘されており、非拘束名簿式そのものが否定されているわけではない、このように聞いております。
 なお、協議会の報告では、現行の拘束名簿式の仕組みそのものを改める抜本改革の実現は容易ではないことから、当面は現行の拘束名簿式を維持することを前提として議論を進めるとしているのにすぎず、その後協議会は開催されておりませんが、今般の与党の取り組みは、国民に対し責任を負うべき与党として、来年の通常選挙を控えまして参議院選挙制度の改革をこれ以上先延ばしはせずにこれに正面から取り組まなければならない、そのように判断されたものと承知をいたしております。
○江田五月君 協議会報告書は、一に「参議院の役割と在り方」、二に「当面の改革」、そして「一、拘束名簿式比例代表制と選挙区制について」で、現行の拘束名簿式比例代表制と選挙区制については、時間的な制約等もあり、現行制度を前提として議論を進めることとなったと、こうはっきり書いてあるんですね。ところが、きのうの総理の答弁では、参議院の方でいろいろな意見の経過の中から今回の法案の取りまとめになったと。
 参議院の方で今回の法案の取りまとめになったんじゃないんですよ。与党の方が勝手にそういうものを出してきたというだけで、しかもこれは協議会の最終結論二月二十五日に反するんですよ。そのことはおわかりいただいておるんですか。
○国務大臣(森喜朗君) 議院協議会で取りまとめになったということを申し上げているわけでありません。与党としてそういう取りまとめの判断をされたものというふうに私は聞いておりますと、こう申し上げているわけで、先ほど申し上げたとおりでございます。
○江田五月君 参議院の方でとここで言われている、これは速記録の速報ですが、参議院じゃありませんよ、与党が勝手に取りまとめるだけですよ。それは間違えないようにしてください。参議院というのは与党のことだと、そういう議論はいけませんよ。参議院というのは与党も野党もあるんですからね。野党の存在を忘れてもらっちゃ困ります。
○国務大臣(森喜朗君) 私は、参議院の与党の皆さんがそういう判断をされたものと承知しておりますと、こう申し上げているわけです。
○江田五月君 このことはさらに議論を続けますが、これは、来年の選挙制度は現行制度で行うことで決着ついていた。ところが、この夏になって久世公堯議員の問題が出てきた。そして、にわかに比例代表選挙の問題点が出てきて、与党内でこういう議論になった。悪質なすりかえと言わざるを得ません。しかも、金のかからない政治を目指してこの十年以上進めてきた政治改革の流れに逆行している。
 この非拘束方式でどのくらい公費助成ですね、公費負担、選挙運動についての公費負担ふえますか、自治大臣。
○国務大臣(西田司君) ちょっとお待ちください、数字でございますから。
 お答えをいたします。
 今般の参議院制度の改革に関する、あえて与党と申しますけれども、与党プロジェクトチームの合意においては、比例代表選挙を非拘束名簿式に改め、名簿登載者個人の選挙運動を認めるとともに、その費用を国費により負担をすることとしておると承知をいたしております。
 この点に関し、公職選挙法は、金のかからない選挙を実現するとともに、候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段として選挙の公営制度を採用しているところであります。プロジェクトチームの合意もこのような考え方に基づいておるものと思います。
 いずれにせよ、参議院制度改革については、議会政治の根幹にかかわる問題であり、各党各会派の間で精力的に議論をしていただきたいと思います。(「委員長、全然違うじゃないの、それ、答弁が。何しゃべっているんだよ」と呼ぶ者あり)今お答えをしようと思っております。
 費用の問題についてお触れになりましたが、私のところでは約五十億円くらいの公費支出が要るものだと、こう想定はいたしております。
○江田五月君 今の五十億円ですよ。非拘束名簿にして、そして各候補者、比例区、この皆さんが個人の選挙運動をする。その選挙運動を公費で負担する。五十億円負担増になるということなんですね。これは議員立法ですからちゃんとそういう予算関連、予算も必要ですから、そういう試算をされているということなんですよ。それでは、これは何か前の一人一人の候補者も全国区、残酷区、そして銭酷区、そういうことになる。しかも、公費負担五十億円。全く大変な改悪だと言わざるを得ないと思いますが、事の発端は久世問題の事実解明から始めなきゃなりません。
 委員長、私は、久世公堯参議院議員、この一億円、名簿は霊友会から出してもらって、お金はどこかマンション業者から出してもらったという、いや、そのお金は党費じゃなくて云々と、いろいろこうあるわけですが、この問題をはっきりさせないといけない。
 本委員会に久世議員を証人または参考人として招致をしていただきたいことを求めます。
○委員長(岡野裕君) 江田五月君の提案につきましては、後刻理事会において協議をすることといたします。
○江田五月君 この選挙制度の問題はもっともっと議論をしなきゃいけませんが、次の問題に移ります。
 中川官房長官、先ほどお留守でしたんですが、中川長官の問題。
 建設大臣、お仕事中済みませんが、あなたは、この週刊誌に報道された中川長官のいわゆる愛人問題について、男は元気な方がいいというような発言を閣議後の会見でされたということなんですが、どういうことを言われたんですか。
○国務大臣(扇千景君) 私は、週刊誌は拝見していません。
 それは、閣議が始まります前に皆さんお話ございまして、今回のオリンピックで女性の方が大変メダルをたくさんとって、私は男が元気な方がいいと。そして、宮澤大蔵大臣が中川長官に、いやいや、もう余り気にしないで仕事頑張ってくださいとおっしゃったから、ええ、もう男は元気が一番いい、私の主人もいろいろ元気があるからおかげさまで今日があるというふうに申し上げました。
○江田五月君 上手に逃げましたね。女性も元気な方がいいんですが、しかし、女性もこの中川さんの問題のような元気のよさでいいと思われますかね。まあ余り、こんなことはやめましょうね。
 しかし、中川さん、あなたはきのうの衆議院予算委員会で、天地神明に誓って事実無根である、こう言われたんですね。これはあれですか、滑川さんとかいう人の内容証明、ここに書かれていること、これは愛人問題のほかに覚せい剤問題、それもその女性の覚せい剤だけじゃなくて、あなた自身の覚せい剤のことも書かれているので、これについて事実無根ということなのか。さらに、もっと広げて、週刊誌に書かれている女性の問題も事実無根だということなんですか。どちらですか。
○国務大臣(中川秀直君) 結論から申しますと、その内容証明で送られてまいりました、その中の記載の中で薬物の話まで書かれているということについて、それはもう全く事実無根である、こう申し上げました。
 それからまた、正直、数年前の過去の私事についての報道でございますので、江田委員も御承知だろうと存じますが、国会法で百十九条というものがございまして、こういう場でそういうことについてコメントすることは、回答することは差し控えたい、こう申し上げておるわけでございます。
○江田五月君 覚せい剤の問題については事実無根だと。しかし、もう一つの方は、週刊誌の内容によれば、どうも大人の援助交際風の感じですが、いずれにしても、男女共同参画担当大臣ですから、これはやはりそこのあたりはひとつしっかりと事実を明らかにしていただきたいと思います。
 さて、それはそれとして、森総理の問題に移らざるを得ません。
 きのうの菅幹事長の中で、我が党にも昔逮捕されたことがある議員がおるというようなことがありまして、その一人は私でございまして、自民党の総裁室に入ったということなんですが、まことにお恥ずかしいことであります。ただ、自民党本部に行ったら、何かこちらへと言って大きな会議室に入れられて、案内されて、外からかぎをかけられて一網打尽というので、本当に恥ずかしいことでありますが、若いときにいろんなことはある。それはそれで、それがどうというのではないんですが、森総理はそれをないとおっしゃるから、そこでこれは今の森総理の資格問題になってしまうということなんだと思います。
 今、森総理は月刊誌に対して損害賠償一千万円、謝罪広告を求めている、民事訴訟ですね。そして、被告のこの雑誌の側から警視庁に対して犯歴データの調査嘱託があって、裁判所がこれを認めて調査嘱託の手続をとった。警視庁は裁判所に対して、犯罪経歴は犯罪捜査のために収集、保管しているものでありますので調査に応じかねますという拒否回答、これが現在までです。
 きょうは、政府参考人で警察庁長官をお呼びしたんですが、所用で来られていないと。警察庁の刑事局長さんはお見えですね。
 事前に文書で回答をもらっているんですが、調査嘱託への回答の決裁、これは警視総監が行ったと、そうですか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 警視総監が決裁しております。そのとおりでございます。
○江田五月君 警視庁の方に照会したということもありますが、犯歴データはコンピューターで警察庁で一元的に管理されているので、都道府県警察が窓口とすれば、決裁は警察庁長官がした方がいいんじゃないんですか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 犯歴データの管理は警察庁の方で一元的にやっております。
 今回のは、犯歴データの調査に応じるかどうかということの照会が東京地方裁判所の方からございましたが、犯歴データを部外に提供するということにつきましては非常に知り得る限り先例のないことでありますし、そういった意味で慎重に検討する必要があるということ等がございまして、総監決裁事項ということで行ったものでございます。これは提出するのについて、回答するのについて総監決裁を行ったと、こういうことでございます。
○江田五月君 警察庁がおつくりになった私への調査に応じられない理由という文書では、警視庁の裁判所への文書と違うんですね。警察庁の文書では、「犯罪経歴に関する情報は、犯罪捜査等の警察任務遂行のために警察が収集、保有しているもので、このような目的以外での開示は原則として行わないものである。」と、こういう回答になっているんですが、警察庁、お答えいただきたいんですが、原則として行わない、例外はあるんですか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 再度繰り返しになりますけれども、犯罪経歴は個人のプライバシーにも非常に深くかかわる、あるいは公務員法上の秘密に当たるとともに、これを開示すれば自後の警察活動に支障を来すものでございます。したがって、犯罪経歴に関する情報をその収集、保有の目的以外で開示することは特に慎重な判断を要するものでありまして、原則としてできないということでございます。
 なお、例外的にこれを開示しようとする場合には、開示することにより得られる利益と開示しないことで守られる利益とを個々の事案ごとに比較考量した上でその決定がなされるべきものと考えております。
○江田五月君 比較考量ですね。よく聞いておきます。
 五月十二日の衆議院法務委員会、林警察庁刑事局長は、「一般論として申し上げますと、犯罪経歴というのは個人のプライバシーに最も深くかかわるものでありまして、公務員法上の秘密に当たるとともに、これを開示いたしますと自後の警察活動に支障を来すものであるだけに、特に慎重な判断を要するものであり、」云々と答えております。
 個人のプライバシーあるいは警察活動への支障、こう前は答えていた。今回、目的以外の開示はしないと、こういう答え。理由が違うんですよ。プライバシーならプライバシー、情報公開なら情報公開、目的以外はだめならだめ。それぞれによっていろんな対応があるわけで、しかも、目的以外の開示を行わないというのはひどいですよね、情報公開、それでは全くもう趣旨没却されてしまうわけです。
 さて、そこで森総理、森総理は良心に従って自分の名誉のために民事訴訟で闘っているとおっしゃる。しかし、一方で、もし総理にはそういう犯歴は御自身としてはなくても、データとしてそういうものが残っているということだってあり得るわけですよね。ですから今、民事訴訟でやっていらっしゃる。総理はない、真実はないのかもしれない。しかし、あるというデータが残っている、こうなったらこれは民事訴訟でどうなると思われますか。
○国務大臣(森喜朗君) 私は私の名誉に関して今裁判に訴えているわけでありますね。したがいまして、これは一切すべて弁護士に一任をいたしておりまして、そのことに関してこうした場所で私が個人的に申し上げるということは差し控えなければならぬと思っています。
 ただ、これは江田さん、ぜひ、私も黙って伺っておりますが、私は昨日衆議院でも申し上げましたけれども、私の良心にかけて、自分の名誉が毀損されているから私は闘っているんです。それは政治家としても社会人としてもいろんなケースがあるだろうと思う。そして、多くの事柄を書き立てられて、そのために家族がどんな思いをしているか。私はそういう思いを皆かけて今闘っているんです。
 その裁判の結果を待つまで私はここで発言をするということは控えなきゃならないんじゃないですか。それぐらいのことは武士の情けとしてわかっていただきたいと思う。
 そして、もう一言申し上げておきますが、そんなに重要な問題ですか。そして、そんなに私の言うことが信頼できませんか。だったら、あなたもそのおかしな雑誌と一緒になって調査されたらどうですか。
○江田五月君 武士の情けとおっしゃいますが、今、総理大臣ですから。そして、そういうことが疑惑になっているんですから。だから、もし犯歴データが間違って残っていたら、それは正さなきゃいけないですよ、直さなきゃいけないですよ。
 もうこれで質問を次に、簗瀬議員に。
○国務大臣(森喜朗君) 疑惑として残っている、だから私はそのことに対して今名誉をかけて法廷で闘っているんでしょう。あなたは勝手に疑惑、疑惑と、あるようにおっしゃっていますけれども、もしなかったらあなたはどうするんですか、それじゃ。
○江田五月君 警察庁の方ではこの犯歴データ、出すか出さないかは利益衡量だと言っているんですよ。利益衡量だと言っているんですから、あなたがそういう……(発言する者あり)
○委員長(岡野裕君) 委員長から発言を求めます。
 皆さんの声によって発言者の発言が委員長に聞こえません。御静粛に願います。
○江田五月君 利益衡量だと警察庁も言っているわけですから、総理の犯歴データがもしあって、それが真実に異なっていたらそれは直さなきゃいけない、それは総理ならできる話なんでやってくださいと言っているんで、しかし時間が参りました。
 質問、次に簗瀬議員に移ります。
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。簗瀬進君。
○簗瀬進君 私は、IT革命を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 総理は今度の所信表明演説で、数えますと二十二回もITという言葉を連発なさった。もはやITをイットと読み間違えることはまさかないだろうと思って安心をいたしましたけれども、事が専門的、技術的な言葉が随分出てまいりますので、国民の皆さんにわかりやすいように総理御自身の口からまず基本ワードであるITという言葉の意味を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 情報技術ということでしょう。
 それから、衆議院でも議論をしたんですが、国会の用語として、また政府の用語として、こういう日本語でない文字を使うことがいいかどうかということは非常に私どもも悩んでいます。
 かつて我が党でもこうした議論をしてまいるときには必ず高度技術だとか情報通信技術だとかいろんな表現をしておりますけれども、この言葉そのものがやはり多いわけでありますから、そういう意味では簡略化するということと、また国民の皆さんにもITというものをなじんでいただく、言葉からまずなじんでいただく方がいいだろうということであえてみんなで協議した結果、ITという言葉を使ったわけですが、これから出るIT基本法などの法律用語はそうした言葉は使えないだろう、やはり日本語を使わなきゃいかぬだろうということも我々は今協議をいたしているところでございます。
 それから、冗談でおっしゃったんだと思いますが、イットとは何をおっしゃったのか知りませんが、間違った新聞だとか間違った週刊誌だとか、そういうものを盾に、ジョークとはいえそういうことは大変失礼な言い方だと思いますから、どうぞお控えをいただきたいと思います。
○簗瀬進君 もう一つ、難しい言葉でリテラシーというお言葉を総理御自身もお使いになっております。コンピューターリテラシー等のリテラシーというのは一体どんな意味でしょうか。
○国務大臣(中川秀直君) 情報リテラシーというのは、いわばそれにアクセスしていく能力、あるいはまたこなしていく能力全体のことを指していると理解します。
○簗瀬進君 もう一つ、専門用語で恐縮なんですが、通信速度が非常に問題になってくるときに、bpsという、そういう単位が出てまいります。これも御説明いただければと思います。
○国務大臣(中川秀直君) 御質問なさっている委員は御存じでお尋ねになっておられるだろうと思いますが、ビット数ということをよく言われますが、そういう単位の言い方ではないかと、このように理解しております。
○簗瀬進君 いずれにしても、大変技術的で国民の皆さんからわかりづらい、そういうIT戦略にこれからどうしても取り組んでいく必要があると。その点での認識は私どもももちろん共有をいたしているわけでありますけれども、私は、総理の所信表明演説あるいはIT戦略と言われている言葉を聞きますと、それは一種の情報を高度化していくという意味で情報化ということで大半が済まされてしまう内容なのではないのかなと。それをあえてIT革命と、革命という言葉をお使いになって強調なさっている。
 じゃ、革命と、そこまでの強烈なお言葉を使う意味というようなものを総理はどのように認識しているのか、お尋ねをさせてください。
○国務大臣(森喜朗君) IT革命というのは私が使っている言葉でありませんで、世間一般でマスコミ等の中においてもIT革命というようなお話が出ておりますから、そうしたことを我々としては参考にさせていただくわけですし、専門家の皆様方はやっぱりそういう言葉を使っていらっしゃいます。
 私は、IT革命というのは余り好きじゃないです、正直言いまして。むしろIT社会なんだろうと、私はそう思っているんです。IT社会をどう実現していくかということがむしろ私は正しいのではないかと思っていますが、あえてそういう御質問でございますから。
 世界的な規模で、インターネットや携帯電話等の爆発的な普及によりまして、これまで想定し得なかったスピードで経済や社会の諸分野におきましてネットワーク化が進んでいるわけですね。このネットワーク化の急速な進展が従来の、情報化が社会経済システムそのものをまた大きく変えるものではなかったかというふうに考えます。今日の経済社会にある意味では産業革命の、そういう当時と比肩すべきぐらいの大きなインパクトがやっぱりあるんじゃないかというふうに私は思います。
 私は、余りあなたのように専門的な知識は持っておりませんけれども、インターネットというもの、あるいはパソコンというものと、かつてやっぱり世界を大きく変えた自動車というものをいつも数字で並べて見ているんです。自動車がこれだけ普及するのにどれだけかかったという、半世紀かかっているんですね。六十年以上かかっています、一千万台近く超えるには。しかし、逆に言えば、電話がどれぐらいの年限で家庭に固定化されてきたか。そして携帯電話の普及を見ると、本当に四、五年なんですね。
 だから、そういうものを考えますと、やはり自動車社会ができることによる社会投資が高速道路を初めとして信号、いろいろございましたね。ということを考えていきますと、このインターネット化というものはやっぱりいろんな意味で社会を大きく変革させていく。それに対してこれは政府としてしっかり取り組みをした、いわゆるそういう環境の整備といいましょうか、インフラの整備といいましょうか、そういうものに対してもやっぱり積極的に対応しておかなければならぬのではないか。
 そういうことを考えますと、まさにIT革命ということにもなるのかもしれませんし、先ほど申し上げたように、IT社会への対応を急がなければならぬ、着実にしていかなければならぬ、こういう意味のことを私は考えているわけでございます。
 いずれにしても、こういうIT革命というんでしょうか、IT社会というんでしょうか、こういう歴史的な機会に我々としては正面から取り組んでいかなければならないだろうと、このように考えているところです。
○簗瀬進君 私は今のお言葉を聞いていますと、IT革命というのは御自身で所信表明演説の中で六回もお使いになっているんですよ。それで、「IT革命を本格的に推進するために必要な法律案の策定作業を急ぎます。」と、こうまで断言なさっているのに、IT革命という言葉は私は好きじゃないんだと。これは一体どういうことなんですか。
○国務大臣(森喜朗君) IT革命というのは、私がつくり上げたり、私の内閣でつくった言葉ではないという意味のことを申し上げているんです。社会全体や専門家の皆様方がIT革命という言葉を使っておられる。ただ私は、自分の、個人の気持ちとしては、IT革命という言葉が本当にいいのかなという思いはあるということを申し上げ、率直にそういう正直なことを申し上げたわけです。
 しかし、世間ではやはりIT革命にということが、専門家の皆様の中からもそういうお言葉がありますから、これは私どもとしては、政府としてもIT革命という形を進めていかなければならぬという、そういう判断をいたしたわけです。
○簗瀬進君 私はやっぱり納得できませんね。好きじゃない政策を、革命というそこまでの大変な変革を国民生活にもたらそうと総理はなさっている。こういうふうな好きじゃない政策を国民に押しつけようとしているんだったら、それは納得いかないじゃないですか。
○国務大臣(森喜朗君) 言葉のことじゃないんでしょうか。私は、嫌だからやるとかやらないとかということじゃないんでしょう、世界全体がそういう流れにあるし、我が国もそういう流れにありますねと。ただ、IT革命という言葉を幾つも使っておられますねということを簗瀬さん、あなたはおっしゃるから、私は、個人としては余りIT革命という言葉はどうも好まないんだけれども、むしろIT社会というふうに言った方がいいのかなという個人の気持ちを言っただけであります。
○簗瀬進君 どうもやっぱり革命の本質がわかっていないような感じがいたしますね、率直に、今のお言葉を聞いていますと。
 そこで、あえて聞くんですが、この政策を推し進めていこうとするときに、どこが一番変わるのかと。国民はやっぱりその部分が一番ある意味では聞きたいし、またある意味では不安に思っているんですよ。革命の本質をどこに総理はお感じになっているのか、その認識をもう一回聞かせてください。それがすべての政策の出発点なんです。
○国務大臣(中川秀直君) IT革命という言葉はそんなに新しい言葉ではございません。私の記憶では、この言葉が世界的に広がったのはことしの一月の末にございましたダボス会議からではなかったかと、このように理解をいたします。
 しかし、情報技術、いわゆるインフォメーションテクノロジーという言葉は随分昔からございまして、コンピューターがこの世にあらわれた一九四〇年ぐらいからそういう分野は広がってきたわけでございます。
 何がレボリューションかといいますと、いわばデジタル革新といいましょうか、すべての情報が、金融情報もそうですし、あるいはまたさまざまな、経済情報のみならず文学でも何でも、あるいは動画でも、すべての情報が数値化されデジタル化されて、そしてそれが極めて高速に、この端末と端末を結びますウエブと言っておりますけれども、そのクモの巣の中で伝わっていく、極めて速いスピードで大量に伝わっていく、これがデジタル革命、IT革命と、こういう本質だろうと思います。
 したがいまして、じゃIT革命というのはこれからどういうものをイメージされていくのかといいますと、今は電話回線による音声での伝播ということと、あるいはまた映像による放送の分野と、こうございまして、しかし、その間にたくさんの産業分野やあるいは生活やいろんなものがございますが、それがITと言うよりもインターネットと言った方がいいのかもしれませんが、これが結ばれることによって、すべての分野がインターネットを通じて伝播をしていく、こういう方向へこれから向かおうとしている。ある意味ではインターネット革命と言ってもいいぐらいのそういう本質を持っているのではないか、このように理解をいたします。
 最後に、光ばかりではなくて影もございまして、工業社会の中で環境が悪化したように、またIT社会の中でプライバシーが侵されるさまざまな問題がございます。そういうことについては、政府としても、今私のもとにIT担当室を設けておりますけれども、影の部分、個人情報保護あるいはまたサイバーテロやあるいはセキュリティーといったような分野にも、五十六人のうち二十名ぐらいはそちらにかからせていろいろな法制化の準備をしている、常にその両様をにらんでやっていかなければならぬ仕事だと、このように理解をいたしております。
○簗瀬進君 一部私どもの認識と重なっている部分もありますが、実は我々民主党も随分前からこの問題についてしっかりと取り組みをさせていただきました。昨年、「人間中心の情報化社会をめざして」と、こういうふうな政策を取りまとめさせていただきました。
 その中で、情報通信技術を代表するインターネットは、一個人に世界に向けての情報発信能力を与えたと、この部分が私はある意味では革命の本質なのではないのかなと思います。
 今まで情報というのは、どちらかというと金のある者、あるいは力のある者、あるいは大きな組織、こういう人たちが事実上独占をしてきた。しかし、それを打ち破ったのが私は今のこのコンピューターの革命的な意味であろうと。
 こういうふうに考えますと、IT革命を進めていくということはどういうことかといえば、まさにそれは一個人がどんどん情報を自由に発信できるようなそういう社会をつくること、まさに情報革命はだれのためにあるのかといえば、それは市民のためにあるんだと、こういう観点をきっちりと出していくということが必要なのではないのかなと思っておりますけれども、こういうふうに考えてみますと、どうも自由な市民のこういう大変相互の情報交流による、あるいは市民中心型の社会、こういうのが、多様性を認めたみずみずしい社会ということがこの革命の目的として我々はきっちりと設定をすべきなのではないのかなと、このように考えております。
 ただ、そう考えてみますと、どうも以前から森総理のお話しになっている神の国発言とか、あるいは鎮守の森を中心にした社会と、こういうのと、この我々が目指す情報社会というのはかなり違和感を感ずるのでありますけれども、総理御自身はその辺の違和感はお感じになっていないんでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 私は、そんな違和感を持っておりません。
 簗瀬さんには、今の私の、ここから伺ってはいけないんでしょうけれども、鎮守の森というのはやっぱりお使いになるでしょうし、あなたの選挙区にもあるわけでしょう。私は、今あなたが非常に御専門であることも承知しておりますから、あなたとそういう形で議論しようと思っておりませんが、しかし、個人がそれぞれの情報が発信でき得る、そしてそういうデジタル社会というものをすべての人に恩恵があずかるようにしていこう、そういう社会のために政府は最大の努力をしていこうということなんですね。
 ある意味では、孤の世界へ入っていくわけですよ。私がやっぱり今一番恐れますのは、子供たちがテレビゲームに熱中している。大人たちはパソコンに入っちゃっている。人間の触れ合いというのはだんだんなくなってくるということをよほど考えておかないといけない、私はそう思うんです。
 そして、このIT社会といいますかIT革命が進めば、まさに国境というのは希薄化しちゃうわけでしょう。そして、すべてが飛び越えて話していくということになれば、世界の多くの国々の文化や歴史というものをやはり理解してあげなきゃならぬ。同時に、日本の文化や日本の歴史やそれぞれの持っている考え方や思想というものもやっぱり大事にしていかなきゃならぬ。
 そういう意味からいえば、ITというのはあくまでもこれは手段なんであって、そういうIT革命を推進することと、逆に言えば我が国の文化や伝統、さらには人間の心、人と人の触れ合い、家族の関係、そういうことをもっともっと大事にしなきゃいけない、一方では。
 そのことを両立させていく、そういう政策がやはり大事だと思っていますし、教育改革国民会議の皆さんにも私は何度かそのことを申し上げております。そういうIT社会になったときの学校というのはどうあるべきなのか、どういう教育が必要なのかということもぜひ御検討くださいということを申し上げているわけで、ちょっと私がそういう発言をして、非常に古色蒼然的な発言をするので、一方ではITなんて言うのでちょっとそぐわないとあなたは思っておられるかもしれませんが、そういうことだけで人間を余り判断なさらない方がいいと思いますよ。
○簗瀬進君 古色蒼然と御自身でお認めになっていただいたので、これ以上この問題にこだわることはやめにさせていただきまして、もう一つ、私は政府のIT戦略に大変重要な観点が欠けていると思うんですね。
 それは、アメリカの一九八〇年代、これは、日本の集中豪雨的な輸出攻勢に遭って、アメリカの製造業というのはもう自分たちのあすはないとまで思った時代です。あの時代に彼らは何をやったか。一つは、コンピューターを中心にした経済をいかに打ち立てていくのかということをこちらでやった。もう一つは、コンピューターがつくり出す大変新しいいろんな知的生成物があります。新しいソフトウエアにしても新しい特許にしても、それを守っていき、またそれを戦略的に育てていくという、そういう観点を持った。まさに、知的財産権の戦略がこちらであって、IT戦略がこちらであって、これが車の両輪のごとく動いてアメリカの現在に至るまでの反転攻勢ができているんですよ。
 この点、私は、今の日本の政府は、IT戦略はつくっているけれども、もう一つあるコンピューターがつくり出す新しい生成物をどう守り育てていくのかという、こういう大変重要な戦略視点が非常に欠落をしているんではないのかな、こういうふうな懸念を抱いております。
 今お配りいたしました、これは秋葉原で白昼堂々と配られていた実は海賊版CDの宣伝のコピーです。手元にあるこれが海賊版のCDですよ。(資料を示す)これは秋葉原で結構売られています。これは日本テレビのニュースで取り上げられていました。その中で、ごらんになっていただいた方もいらっしゃるようでありますけれども、このお手元にあるビラの商品番号二枚セット(7)というのがそこで取り上げられていまして、ここに挙がっているソフトを一つ一つ単品で買っていきますと、何と三百四十万円するんです。その三百四十万円が何と三千円で売られているんですよ。
 こういう実態があるということを警察庁は御存じでしょうか。そして、それに対してどういうふうな対応をとっていらっしゃるのか、聞かせていただきたい。
○政府参考人(黒澤正和君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のございましたコンピューターソフト等を違法にCD―ROMに複製いたしました海賊版が出回っておることは承知をいたしております。大変重大な問題であると認識をいたしておるところでございます。
 警察といたしましては、知的財産権全般にわたりましてそうでございますが、今指摘がございましたようなインターネットあるいはコンピューターを利用した著作権侵害事犯等に的確に対応するためのハイテク犯罪捜査力の強化等の対策も講じておるところでございまして、強力な取り締まりを行っておるところでございます。そしてまた、この種事犯の検挙もいたしておるところでございます。また、こういった問題につきましてはやはり関係機関が連携をとりまして意識啓発を図るということも大変重要だと考えておりまして、そういった面にも力を入れて対応をいたしておるところでございます。
 今後とも、体制等も整備充実をいたしまして適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○簗瀬進君 いずれにしても、これはソフトウエアの問題ですから、文化庁、文部省の関連になります。著作権ですね。しかし、今ビジネス特許の問題ということになりますと、同じソフトでもこれは通産省の問題になってくる。
 私は、そういう意味では、知的財産権をしっかり守るという意味ではもうそろそろ文化庁、特許庁に分かれているようなこういうようなものはやめて、知的財産権を統合的に運営していくというそういう戦略を立てていくという意味でも、知的財産権庁といいますか知財庁、こういうような本当に根本的な行政改革をやっていく必要があるんではないのかなと思っていますが、それぞれ通産大臣、文部大臣の御所見を聞かせていただきたい。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
 知的財産権という問題に関しまして、やはりこれが保護をされなければならない、これがこれからの一番重要な問題だという御指摘、そのとおりだと思っております。また、御党が既に発表されましたITに対する基本的な御認識も私なりに勉強をさせていただいております。知的財産権を憲法にまで規定してそれを保護すべきだと、こういう御主張もあるわけであります。
 それほど重要な問題であるという認識は持っておりますけれども、知恵の時代とも呼ばれている今日において、知的財産権というのはいわば国富の源泉として一層重要性を増していると我々は認識しています。その保護の充実を図ることは言うまでもないことだと思っています。そのために、立法、行政、司法の各機関がそれぞれの立場から、時代に即した知的財産法制の整備、知的財産制度の適切な運用、知的財産権侵害の抑止、さらには紛争の迅速かつ的確な解決などの諸課題に積極的に取り組んでいくことが必要なことは言うまでもないと思っています。
 その意味で、民主党さんの御提案というのも私は一考に値するものだと思っておりますけれども、憲法の改正というような問題も含まれておりまして、今の段階でその御提言の可能性あるいは妥当性についてはもう少し吟味が必要じゃないか、こう思っています。今後とも、やはり今御指摘の重要な問題でございますので、我々、立法、行政、司法それぞれの機関が密接な連携と協力のもとにやっていかなきゃいけない。
 そしてまた、我々が管轄しております特許庁と文化庁、これを統合せよ、こういうお話でありますけれども、今諸外国の例を見ましても、アメリカやフランスはやはり別々に機能させて、そして協調の中でそれをやっておりますので、当面、我々はそういう方向で本当に遺漏なきを期すように一生懸命に頑張ってまいりたい、こう思っております。
○国務大臣(大島理森君) 知的財産権の重要性は十分認識しておりますが、統合する考えはありません。
○簗瀬進君 質問時間、もう本当に少なくなってまいりました。最後に、法務大臣と、そして締めの総理大臣への御質問をさせていただきたいなと思っております。
 先ほど提案をさせていただきました知的財産権を守るということについて、我々はこのような「はばたけ 知的冒険者たち」と、こういう総合戦略を既に立てさせていただきました。
 その中で、例えば特許紛争が非常に重要になってくるけれども、特許紛争が今、会社がもう日本の裁判所だとのろくてだめだ、それから非常に専門的な知識を持っている人がいないということで、どんどん特許紛争が日本の企業であったってアメリカの方に逃げているんですね。ある意味では、日本はそういう意味で知的財産権を守る国としてはもう非常にバツ印がつきかかっている国なんですよ。
 私は、そういう意味では、もう裁判所も、今東京地裁と大阪地裁に特許部というものがありますけれども、これを統合して、場合によっては特許裁判所的なものをつくっていく、そこまでの抜本的な改革をしていくべき必要があるのではないのかなと思います。
 そして、最後に総理の見解を聞かせていただきたいのは、先ほど申し上げたように、IT戦略が一方であるとするならば、インテレクチュアル・プロパティー、知的財産権のことをそう言います。インテレクチュアル・プロパティーのIとPをとれば、私はIT戦略とIP戦略の両方があって初めて本当の意味での日本経済の再生やあるいは日本社会の新しい未来というのが開かれてくるのではないのかなと思いますので、その件についての総理のお考えあるいは決意を聞かせていただきまして、私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。
○国務大臣(保岡興治君) 簗瀬委員御指摘のように、知財権というか特に特許、そういったIT革命等から派生してくるいろいろなそういう価値を最大限に生かす、そして豊かな国民生活あるいは日本の企業の競争力というものをつけていくということは非常に重要なテーマで、その点についてはおっしゃるように司法的な対応というものが極めて重要でございます。
 そういうことで、御指摘のような特許の侵害訴訟、こういった知財権の紛争解決ということについては今、司法改革審議会でも鋭意検討をされているところでありまして、おっしゃる東京地裁、それから大阪地裁における専門部の増強を初め、政府としても、裁判所としてもできる限りの努力を尽くしており、法務省といたしましては、司法制度改革審議会の結論、そこでの意見等を踏まえて適切に対応してまいりたい、そういうふうに思っておるところでございます。
○国務大臣(森喜朗君) 知恵の時代とも呼ばれている今日であります。知的財産権というのは、いわばこれは国の富であり、そしてこれを源泉として一層大事にしていかなきゃならぬ、こう思っております。そういう点については簗瀬議員と同じ考えを持っております。
 そして、その保護の充実をどういうふうに図っていくのかということは極めて大事でありまして、先ほど官房長官、担当大臣からも申し上げましたように、まさに光と影の部分、そのことを一体としてIT戦略会議、またIT戦略本部でしっかりとこれを受けとめていきたい、そう思っています。
 今、それぞれ大臣からもお話がございましたように、立法、行政、司法それぞれの機関が密接な連携と協力のもとに、国際的な制度、それと調和を図っていかなければなりませんし、我が国の知的財産政策が強力に推進できますように政府として懸命な努力をしていきたい、こう考えております。
○簗瀬進君 終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で江田五月君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、陣内孝雄君の質疑を行います。陣内孝雄君。
○陣内孝雄君 自由民主党の陣内孝雄でございます。
 初めに、有珠山、三宅島火山の噴火及びそれに伴う地震災害、それから名古屋を中心とする東海地方の秋雨前線の活動による豪雨水害において犠牲になられた方々、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 災害復旧や復興、生活支援等について政府及び関係の皆さんの特段の御尽力をお願いいたしますとともに、被災者の皆さんにも頑張っていただきまして、一日も早い立ち直りをお祈り申し上げたいと思います。
 質問に入ります。
 総理は、今国会の開会における所信表明演説で、「平和と幸せに満ちた二十一世紀は、偶然に来るものではありません。私たち二十世紀を生きてきた者が、今も日一日、新世紀に向け努力することによってもたらされるものであります。私たちには、二十世紀から二十一世紀へにじのかけ橋をかけていく責任と役割があります。」、こう述べられました。
 総理の内政、外交における着々と上げておられる成果、これはまさにこの決意に基づくものだと思って、心から敬意を表しながら拝聴した次第でございます。
 総理はまた、よく古きを温め新しきを知るということもおっしゃいます。私も二十世紀最後の国会における予算委員会の総括質問に当たり同じ思いを強くしているわけでございますが、私自身もしたがってこれを振り返りながらいろいろ総理に二十一世紀の我が国のありようについてお伺いしたいと思っておりましたけれども、時間的な都合もございます。
 ただ、一言だけ申し上げたいことは、我が国では工業社会の進展や経済の高度成長により生活や福祉の水準は向上いたしました。しかし、その一方で物質主義、物質至上主義といいますか、あるいはバブルの風潮が蔓延いたしまして私たちは大切な精神的なものを失ってしまった、このように思うわけでございます。
 青少年の凶悪犯罪、教育の荒廃、家庭の崩壊、企業や政治、行政の不祥事の続発と、多くの問題に直面しております。これらは、知育偏重あるいは徳育軽視の教育、中曽根元総理のお言葉をかりれば背骨や魂のない教育基本法、もっと大もとをただしていけば、我が国の伝統文化に根差さぬ憲法にその原因があるのではないかとさえ思うわけでございます。
 総理といたされましては、これからの二十一世紀、国際化やIT化が進んでいき、国境という感覚がだんだん薄らいでいくというときに差しかかるわけでございますが、この二十一世紀を迎えるに当たりまして、我が国の歴史、風土、文化に根差し、しかも国際化、情報化等の世界の潮流も視野に入れて、我が国の形と心、すなわち国づくりの基本方向をどのように考えておられるのか、まずもって基本的なお考えを承らせていただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 戦後、日本は高度成長をなし遂げたわけでありますが、バブルが崩壊をいたしまして、その後の厳しい経済状況の中でまさに経済構造改革が今急務となっていると思います。一方、御指摘がありましたように、物質的な豊かさを達成する過程で、命の尊厳でありますとか他人への思いやりでありますとか、また地域の文化や伝統など、いわば心の大切さを見失いがちであったというふうにも思えます。
 私は、二十一世紀には、経済の活力を高めながら、同時に、物質一辺倒ではなくて、家庭や地域社会の中で培われていた心の豊かさについていま一度よく考えてみることが必要である、このように考えておるわけであります。
 先ほどからも議論がございましたけれども、IT化の進展によりましてますます国境の意味が希薄になってまいりますし、各種情報の伝播のスピードはもう格段に上昇しているわけであります。そうした時代においてこそ、先ほども申し上げましたけれども、我が国は世界に開かれた国であると同時に、日本や日本人らしさ、これを大切にする、そういう社会でなければならない、私はそう思っています。
 お互いに信頼される国際人として多くの世界の人々とおつき合いをしていく中で、自分たちの持っている国の伝統あるいはその国の文化、そのことを最も大事にしていく、そのことが、その人々の中からほうはいとしてわき出るような人格がやはり世界の多くの国々の皆さんから信頼を受けるのではないか、私はこのように信じております。
 私は、そういう思いを抱きながら、内閣をつくらせていただきましたときから、安心して夢を持って暮らせる国家、心豊かな美しい国家、そして世界から信頼される国家というものを、目指すべき日本の姿というものを私はお示しをしてきたと思っております。
 その際、グローバル化、IT革命、少子高齢化など大きく時代が変化している中で、新しい社会にふさわしい新しい仕組みをつくる、そういう新生という発想が必要であると、こう考えまして、その具体的な戦略として日本新生プラン、このように御提示を申し上げている次第でございます。
○陣内孝雄君 ありがとうございました。
 それでは、政治の問題、あっせん利得処罰法案についてお尋ねしていきたいと思います。
 この国会最重要の課題の一つ、これは議員立法で提出しているあっせん利得処罰法案でございまして、これの早期成立が大事だと考えております。政治への信頼を回復するために、与党三党は共同して提出しております。
 与党案は、政治に携わる公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性や政治に対する国民の信頼の確保という要請とそれから正当な政治活動を萎縮させないという要請との両者の調和を図りつつ、三党で十分検討の上、まさに練りに練って作成したものであり、高く評価すべきものだと私は考えております。
 与党案は、処罰の対象範囲を従前の野党案より広げまして、国会議員のみならず地方公共団体の議会の議員及び長や公設秘書も対象としております。これは政治に対する国民の信頼を一層確保するため、従前の野党案を大きく進めたものであります。
 このたび野党は、与党案提出後、従前の案を改め、地方公共団体の議会の議員及び長や秘書を処罰対象に含める法案を提出されたと聞いておりますが、与党案のすぐれた考え方を見習われたものじゃないかと思っております。
 なお、与党案の処罰対象につきましては、私設秘書が含まれていない点について一部の御批判もあるやに伺っております。私設秘書が国会議員本人の指示のもとにあっせん行為を行い、国会議員がその報酬として財産上の利益を収受した場合には、これは国会議員のみならず私設秘書も共犯として処罰されるのでございます。単に形式的に私設秘書が規定されていないことをもってこれを抜け穴と批判するのは、本法案の内容をいまだ十分に理解していただいていないということで、大変残念に考えております。
 また、与党案が請託を要件としている点についても一部から批判があるようでございますが、これは刑法のわいろ罪においても請託を要件としている例が多くございます。それで立件されている例もまた少なくない。そういうこともあって、あっせん行為は請託を伴うのが普通の形態である、こういうことを考慮したわけでございます。そのことがいわゆるざる法との批判につながるものではない、これもそう考えております。
 このように、与党三党が提出しておりますあっせん利得処罰法案というのは、当初述べたように、政治に携わる公務員の政治活動の廉潔性や政治に対する国民の信頼の確保という要請と正当な政治活動を萎縮させないという要請との両者の調和を図った最善のものであると私どもは考えております。
 総理はこの法案の意義についてどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(森喜朗君) 政治倫理の一層の確立のために、与党三党間においてあっせん利得罪の法制化に向けて大変御熱心に御議論をいただきまして、そして与党案として取りまとめをいただきましたことに敬意を表します。
 私も、先国会で御質問がありましたときに、ぜひ与党間で早急にお取りまとめをいただき、できれば次の国会にでも結論を出したいということを申し上げてまいりましただけに、今回見事におまとめいただきましたことに対して本当に感謝を申し上げたいと思っています。
 法制化に当たりまして、私は、構成要件を明確にし、かつ国民の要望を幅広く行政に反映させるという政治の役割にも配慮する必要があるということを繰り返し申し上げてまいりました。与党案においては、今、陣内議員御説明のとおり、こうした論点を十分に踏まえて構成要件や対象行為等を明確に定め、実効性の確保に努められたものと、こういうふうに承知をいたしております。
 政治倫理の一層の確立のためには、まず何よりも政治家一人一人の自覚が大切であると考えるところでありますが、政治資金にまつわる事件が発生し、遺憾ながら国民の政治への不信が深まっているということが現実でありますから、こうした中、真摯な議論を重ねて法案をまとめ上げられたことに対しまして重ねて敬意を表したいと思っています。
 野党も共同して法案を提出されているわけでありますから、政治に対する国民の信頼を高める上におきましても、十分に国会におきまして御議論をいただきまして、ぜひこの国会で成立をしていただきますように御努力いただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
○陣内孝雄君 次に、参議院の選挙制度の改革問題について述べ、総理の御所見をその後お伺いしたいと思います。
 参議院選挙のあり方につきましては、昭和六十三年十一月に参議院制度研究会から意見書が出され、それ以来長年にわたりこの改革について参議院内や我が党を初め各政党間、各会派間で検討が続けられてきたのでございます。
 現行の拘束名簿式比例代表制につきましては、幾つかの問題点があると指摘されております。それは、参議院の政党化の促進、候補者の顔の見えない選挙、候補者名簿の順位決定の不透明さ等でございます。そこで、こうした問題点を踏まえまして、今回、与党三党の議員立法により、現行の拘束名簿式比例代表制を改め、いわゆる顔の見える選挙が可能となる非拘束名簿式比例代表制を導入するということにしたものでございます。
 このメリットというのは、現行の拘束名簿式と異なりまして、非拘束名簿式では個人名または政党名の選択投票方式をとっているため候補者個人の選挙活動が行えることになりまして、個人名投票が選択でき、いわゆる顔の見える選挙ができるという点でございます。また、選択投票ということで、多様な有権者の意思を国政に反映することができるというメリットもございます。
 次に、当選順位が個人名の票の獲得順位によって決定されますので、有権者、候補者双方にとって非常にわかりやすくなるということでございます。
 三番目が、政党の名簿登載者に順位をつけないため、参議院の過度の政党化が抑制され、参議院のあり方にふさわしい制度となるのではないかと期待されるわけでございます。
 最後に、当選者は全国の有権者と結びつきが強くなるので、それを踏まえた議員活動が可能となり、参議院の独自性が発揮できる、こういった幾つかのメリットがあります。
 また、心配されておることでございますが、候補者個人の選挙活動が旧全国区のように過重にならないように必要最小限のものに抑制し、党営選挙と組み合わせ過度にならないよう工夫されているということも大事な改正点だと思います。
 以上、述べてきましたとおり、この制度改革の問題はこれまでに十分論議が行われており、二十一世紀に向け民意をよりよく反映する選挙制度に改革しようというものでございまして、国民に責任を負う与党としては今をおいてこの改革の機会はないものと判断しております。
 今国会に法案を提出することといたしておりますが、この参議院の制度を非拘束名簿式比例代表制に改めること及び定数削減、この定数削減は前通常国会からの懸案でございます、この点につきまして総理の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 参議院の選挙制度につきましては、昭和五十七年に現行の拘束名簿式比例代表選挙が導入されました以降、制度改革についてはさまざまな議論があったというふうに私も承知しています。
 選挙制度には一長一短あるわけでありまして、現行の拘束名簿方式は政党主体の選挙というものを目指すものである一方では、今御指摘がありましたように、有権者がどの候補者を当選させたいのかという意思表示ができない、候補者の顔が見えない、そういうことから選挙に対する関心が高まりにくいという問題点が指摘されているわけであります。これにつきましては、平成二年七月の第八次選挙制度審議会の答申の中にもこうしたことを具体的に問題点として指摘されているわけでございます。
 もう一つは、二院制におきまして参議院に期待されている役割は、衆議院と異なる選挙制度によって国民の多元的な意思をよりよく国会に反映させるということがあるわけでありまして、衆議院は今、比例代表制が導入をされまして、これも定着しつつあるわけでありまして、その意味からいいますと、その役割が参議院と同じ形になりますと参議院としての役割が果たされていないという、そういう指摘もあるわけでございます。
 定数削減につきましては、衆議院議員の定数の削減を私どもとして進めましたときから、その前から参議院ではこれが議論になっていたというふうに私も聞いております。公務員を思い切って定数を削減する、あるいは地方議会の定数の削減にも大変皆努力しておられる、民間企業の経営の効率化努力などということの動向を見ますと、いわゆる逆転区の解消ということなどもあって、国民の視点に立って検討するということが大切であるし、また結論をお出しになるということも私は時期が来ているのではないかというふうに思っています。
 今般の与党の皆さんのお取り組みは、そういう国民に対して責任を負うべき与党として、来年の通常選挙を控えまして、参議院制度の改革をこれ以上先延ばしせずに、これに正面から取り組んで国会で議論をして結論を出そうということであろうというふうに私は承知をいたしております。極めて大事な選挙制度でございますので、また議会政治の根幹にかかわることでもございます。各党会派の間でぜひ精力的に御議論をしていただきたいというふうに私は希望いたしております。
○陣内孝雄君 外交問題に移ります。
 北朝鮮の外交姿勢の変化と今後の我が国の外交方針をお伺いしたいと思います。
 本年六月に行われました南北朝鮮首脳会談以降も、北朝鮮は非常に積極的な外交を展開しております。すなわち、南北首脳会談を受け、離散家族訪問団の交換、板門店の南北連絡事務所の再開を初め、南北間の鉄道、京義線の連結、在日朝鮮人総連合会所属の在日朝鮮人の韓国への故郷訪問などで合意しております。さらに、南北朝鮮間の問題だけでなく、我が国との間でも、八月下旬に東京において開かれた日朝国交正常化交渉を踏まえ、日本人配偶者の里帰りも九月には再開されています。
 他方、北朝鮮は七月末にバンコクで開かれたASEAN地域フォーラムに初めて正式参加し、その際、韓国のほか、日本、米国とも外相会談を行っております。また、八月三十日付ワシントン・ポスト紙は、金大中韓国大統領の言として、六月の南北首脳会談の際、北朝鮮の金正日総書記が朝鮮半島統一後の在韓米軍駐留継続について望ましいと述べたという報道もあります。このように、北朝鮮は積極的な外交を展開しております。
 我が国は従来から事北朝鮮に関してはその行動等慎重の上にも慎重に判断してきているところでございますが、以上のような北朝鮮の最近の活発な動きを見るとき、外交姿勢の転換が図られたと受けとめることができるのではないか、こういうふうにも思うわけでございますが、しかし我が国との間では拉致問題やミサイル問題があり、目に見える進展は今日までございません。
 そういう中で、人道問題とはいえ米支援のことも浮かび上がっているわけですが、我が国として厳しい態度でこれらに臨んでいくべきであると思いますけれども、外務大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、朝鮮民主主義人民共和国、いわゆる北朝鮮は昨年あたりから大変積極的な外交政策を展開しているように私どもには思えます。ヨーロッパの各国あるいはアジアの各国にも積極的にアプローチをしておりまして、幾つかの国と新たな関係を修復あるいは結びつつございます。
 そうした中で、今、議員お話しのように、南北首脳会談が行われました。七月には日朝の外相会談、八月には東京で日朝国交正常化交渉、九月には里帰りが行われるというふうに、かなり急速にといいますか積極的に現在日朝間は動きつつございます。
 しかし一方で、今、議員これまたお話しのとおり、安全保障問題でございますとか人道問題でございますとかいった問題は我々にとって極めて重要な問題でございますから、こうした問題にも我々は十分解決のための努力をしていかなければならないものと考えておるわけでございます。
 これから国際的な潮流といいますか動きというものもよく見ながら、このモメンタムを失わないように我々としても国交正常化へ向けての努力が必要だと思います。第二次世界大戦後の国交が不正常になっている状況をやはり正常にしておくということは必要なことだろうと思います。そのためには、アメリカ、韓国、日本、三カ国で十分な政策調整を行いながら、慎重に、しかしこうした動きの中で正常化に向けて私どもとしての考え方を進めていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 議員が御指摘の食糧支援の問題につきましても、今お話しのようなさまざまな問題がございます。総合的な判断が必要かと存じます。WFPのアピールもございますし、さらに先般の日韓首脳会談におきます韓国首脳からのいろいろなお話もございます。それやこれやを総合的に判断しなければなりません。今日の状況を考えますと、人道的な問題というだけにとどまらず、さまざまな視点を持って判断することもまた必要であろうかと思っております。
○陣内孝雄君 次に、経済対策についてお尋ねしたいと思います。
 まず第一点は、先ほど出されました九月の月例経済報告についてでございます。
 景気は厳しい状況をなお脱出し切れないでおるということ、しかし緩やかな改善傾向が続いているというようなことだと思いますが、地方、特に中小企業ではまだまだ厳しさが残っているということをよく耳にするわけでございます。これについての長官の認識並びに今後の見通しをお聞かせくださいませ。
○国務大臣(堺屋太一君) 日本経済の現状を見ますと、全体としては景気は緩やかな改善を続けていると言えますが、いい面と厳しい面と非常に二面性が目立ってきているという感じがいたします。
 さきに発表いたしましたQEを見ますと、一―三月、そして四―六月、高い伸びを示したのでございますが、まずよい方でいいますと、生産、とりわけ鉱工業生産は大変堅調でございまして、八月の数値もいい値が出ております。過去最高と言っていいぐらいなところへ参りました。
 それを映しまして、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが続いておりまして、設備投資、それからその設備投資の先行指数とされております機械受注なども、出たり入ったりはございますが、基調的には上がっていっているというような状態です。
 しかし、その反面、雇用でございますが、これは、きょうも発表があったんですが、幾分か改善したとはいえ依然厳しい状況が続いております。
 また、個人消費も上がったり下がったりしながらおおむね横ばいということで、余り出ておりません。さらに、委員御指摘のように、倒産件数などは千五百件を毎月超えるようなことになりまして、負債金額もかなり高い水準になっています。
 このため、全体として言うと、まだ一押し二押ししなければ自律的回復と言えないのではないかという気がします。
 加えまして、アメリカの景気がずっとよかったんですが、ここのところちょっと減速してきている。将来の不透明感がふえております。それから、アジアの経済も急速に回復してきましたが、ちょっと一服感が出てまいりました。そこへ最近、原油の上昇が世界経済にどういう影響を与えるかというような問題も注目すべき事項となっておりますし、これまでやってまいりました公共事業など、景気の下支え要因も減衰いたしております。また、地価の下落、それからきょうも発表ございましたけれども、物価一般もやや下落ぎみに来ている。特に、地価の下落が不良債権の処理問題にどういう影響を与えるか、やはり注目していかねばならない問題だと思います。
 そういうことを全体として申しますと、総理も申しておられますように、景気回復は七合目まで来たけれども、そこから上はかなり険しい絶壁が立っているようなところもございまして、政府といたしましては、新たな経済政策を近く取りまとめて十二年度の補正予算を編成し、引き続き景気に軸足を置いた政策をとりながら未来の発展に視野を置いて経済運営をやっていかねばならないと考えております。
○陣内孝雄君 中小企業は景気がよくなるという前提で一生懸命信用保証協会の特別保証を借りながら頑張ってきておりますが、ちょっとこのところその足取りが鈍いというようなことから、大変このままでは、誠実に返済していきたいけれども、それもかなわぬじゃないかという声も出ているように伺っております。
 大変この特別保証制度で助けられたこと、これはもう感謝しておりますけれども、さらにこの段階でそういう誠実に返済しようと思って努力する中小企業に対しても温かい特別の配慮をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 特別保証制度に関しましては、一年間延長して来年の三月まで、その枠も三十兆の特別保証と、こういうことでやってまいりました。そして、今、先生御指摘のように、保証承諾で代位弁済に至ったものは、八月末で集計をいたしてみますと一・五七%であります。本制度はもともと事故率一〇%を想定して高いリスクを許容する、こういう考え方でやってきたわけでありますけれども、そこから見ると、やはり苦しい中でも中小企業の皆様方が本当に一生懸命頑張って返済に努力されている、こういうことは言えると思います。
 しかし、中小企業の経営というのは、融資の実行時点のときに比べますと、さまざまな事情の変化によっていろいろ厳しい面も出てまいります。したがいまして、私どもとしては、日本の経済の基盤を支えていただいている中小企業に対しましては、例えば月々の返済金額を減額する、あるいは返済期限や据え置き期間の延長もオーケーである、そしてこれら二つを組み合わせて弾力的に対応すべきではないか、こういったことで各信用保証協会に指示をしているところでございます。
 現在、特別保証制度に係る条件変更は、本年六月末現在の統計でありますけれども、約三万二千件、これは全保証承諾件数の二・四五%になっているわけであります。また、もう一つ、特別保証制度を利用した既往債務、これがございますけれども、ここについても、今申し上げたように弾力的に対処をしていきたい。また、委員御承知かと思いますけれども、この補正予算でも、一応特別保証制度が三月でその期限が参りますから、さらに力強い私どもは政策を進めていこう、こういうふうに思って、万々遺漏なきを期して頑張ってまいりたい、こういうふうに思っております。
○陣内孝雄君 ぜひよろしくお願いしておきたいと思います。
 それから、経企庁長官にお尋ねしたいんですが、原油高が今大変注目されております。こういうのがこれからの景気回復にどのような影響を与えるのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 原油の価格は、八月から上昇に入りまして、九月になると三十ドルを上回っております。最近、消費国の結束や米国の備蓄の放出などの情報がございまして値下がりしたというものの、なお三十ドル以上という高い水準を保っております。これから欧米諸国が冬に入りまして需要期を迎えるという前にこの状況でございますので、ことしの年末から来年にかけて予断を許さない状況だと考えております。
 一般に、原油が値上がりいたしますと、景気に与える影響といたしましては、原油が高くなる分だけ購買力は低下する、これを通じて消費が減少し景気が悪くなる、また企業収益も落ちますので設備投資が減少する、それから石油製品やそれを原料あるいは燃料といたしました諸物価が上昇する、そういうような影響が考えられます。また、原油が上がりますと世界経済が同じような影響を受けますので、その需要減衰によって我が国の経済にも反射的に輸出が減る、そういう状況が生まれてまいります。
 これらの影響がどの程度のものかというのは、さまざまな要素を総合的に勘案する必要がありますので、簡単に確たることは申し上げられません。しかし、日本経済はこれまで産業構造がかなり省エネルギー化してきたということで、我が国の石油輸入量のGDPに対します比率、これが一九八〇年、第二次石油危機のころに比べますと大体六分の一程度に低下しております。したがって、それが上がったときの物価の値上がり率はかなり当時に比べれば少ない。したがって、影響は限定的だと思われますけれども、何しろ景気の段階が微妙な段階でございますので、やはり今後とも注目していく必要があると考えております。
○陣内孝雄君 引き続いてお尋ねしたいと思いますが、我が国の経済の国際競争力が低下しているという、こういう世界経済フォーラムの報告がございます。これは、最近の産業の空洞化に対して、外国企業の参入が少なくなっているとか、あるいは外国人労働者を受け入れることができないとか、いろんなこともあろうかと思いますが、こういう問題について競争力を向上させるためにどういうふうなことをやっていったらいいのか、長官のお考えをひとつお聞かせくださいませんか。
○国務大臣(堺屋太一君) 日本は明治以来ずっと殖産興業を旗印として、規格大量生産の近代工業国家をつくろうとしてまいりました。そのために、産業経済政策はもちろんのこと、教育から地域構造まですべてを動員して規格大量生産に向いた社会をつくろうとしたわけで、この結果、一九八〇年代には恐らく人類史上最高の規格大量生産型の近代工業社会をつくり上げたと言えると思います。この時期は物すごく国際競争力が強くて、輸出もどんどん伸びましたし、生産量も多かったわけです。しかしながら、その反面、規格大量生産以外のサービス業であるとか金融業であるとか、そういうところには非効率な部分が残っておりました。
 ところが、日本がこの規格大量生産の工業社会で頂点に達したころ、世界の文明は、規格化、大量化、大型化といった方向から、多様化、ソフト化、情報化の方に流れが、全体が変わってきたと。そして、九〇年代に入りますと、そういう変化で日本の産業経済の体質と人類文明の流れとが沿わなくなってきたという、このことが、今ITを中心とする新しい産業と社会の構造が生まれてきて、日本が立ちおくれているんじゃないかという根本的な問題があるわけです。
 しかし、日本には一方で長い伝統を持ちます人間文化あるいは物づくり文化の組織、技術がございまして、これらは従来型の製品の規格大量生産で一段と向上したものをつくっておりますので、今も大きな黒字が出る、貿易黒字が出る特有の強さを持っています。さらに、最近はモバイルと液晶というような面で日本独特の情報技術が生まれつつありまして、これが大きく発展して、日本型IT社会といいますか日本型知価社会というようなものが形成できる可能性も出てまいりました。
 要するに、日本には国際的に見て著しくすぐれた部分と競争力が非常に低かった分野とがあったんでございますけれども、徐々にソフトの分野が広がってくると日本の不得手なところの比重が大きくなってきて、全体として国際競争力が衰えている、新しいものが生まれにくいという評価が出てきたのではないかと思います。
 そこで、日本の国際競争力の低下というものに歯どめをかけて日本全体を世界の最先端を行く国にするためには、まず日本の市場を、透明で公正な市場システムをつくって、競争をやっぱり激しくしてどんどんと淘汰していくことが必要だと思います。
 また、企業が国を選ぶ、昔は日本の国から企業を育てるという感じでしたが、今や企業と資本が国を選ぶという状態になってまいりましたので、日本の諸制度、慣習等も国際的に見て透明で魅力的なものにしていかねばならないと考えております。
 これからの日本は国際ルールをつくるのに多角的な力を発揮いたしまして、日本から提案のできるようなそんな国になっていかなきゃいけない。今、IT革命というのを盛んに言われておりますのも、そういった日本の経済社会の構造全体を変えるということだと思っております。
○陣内孝雄君 景気はこれから確実に回復していくというふうに今一連のお話を伺いながら感じたわけでございますが、しかしこの世紀に起こった今の不況、これはやっぱりこの世紀のうちにきちっと回復の足取りを固めていただかなきゃいかぬ。そういう意味で補正予算が必要だと思いますが、この問題について総理並びに大蔵大臣の御所見をひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども経企庁長官からお話がございましたが、四月―六月期のQEというのは決して悪くはなかったわけでございますけれども、私どもがこの時期に、いわゆる官需と申しますか、から民需にその転換を期待しておることの中で、企業関連はほとんど問題がないともう見ておりますが、リストラがありましたりいろいろなことで、消費関連、雇用の方がどうももう一つ十分でないという感じがしておりまして、したがって来年、今年度の年度末ぐらい、来年の初めからしばらくの間、少し展望しますと、今、財政の補強をしておいた方がいいという判断を政府としてはいたしました。
 それで、総理のもとに補正を編成するという指示がございまして、それもしかしいろいろ公共事業についてもいろんな反省もありいたしますし、総理の言っておられますいわゆる四つの新しい新生の施策についても、今から将来の準備をしておくということも大変大事なことでございますから、そういうことをできるだけ盛り込んだ形の補正をつくるべきだろうということが一つ。
 したがいまして、大きさとしては、従来に比べますとかなり小さなものになることができるだろうと思いますが、しかしどうしても補正をするということは、不況打開が優先するということはまだまだそう申さなければならない。
 同時に、しかし将来のことも展望いたしますと、昨年度で多少の剰余金を出しておりますので、それらも使う。あるいは、できましたら、今年度の経済の展開が企業関係はかなり順調でございますから、少し時期は早うございますけれども、内輪で多少の自然増を見込めるかもしれないと。あれこれそれに節約を加えまして、できるだけそういうことで賄いまして、足りないところはもうやむを得ません、国債を出させていただきますが、それもかなり小さい形で賄っていくことができるんではないかと、こういうことで今補正の各省庁の意見を聞いておるところでございます。
○国務大臣(森喜朗君) 今、大蔵大臣からお話があったとおりでございまして、先ほど経企庁長官のお話もありましたように、もう一押しが必要な状況だろうと、こういう判断で補正予算を編成することにいたしました。
 今その作業をいたしておるところでございまして、先ほども触れておりますように、日本新生プランの重要四分野に合わせまして、与党の皆さんから御要望がございました生活基盤の充実策、それから教育、青少年健全育成対策、そうしたことなどにつきましても十分事業として取り上げるようにいたしまして、今鋭意その努力をいたしておるところでございます。
○委員長(岡野裕君) 残余の質疑は午後に譲ることといたしたいと存じます。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。陣内孝雄君。
○陣内孝雄君 よろしくお願いいたします。
 残り時間が少なくなってきましたので簡単に質問をいたしますが、どうか意をお酌みいただいて御答弁をお願いしたいと思います。
 まず、補正予算に関連いたしまして、地方自治体における財政負担の問題、大変財政事情が逼迫しておりますので、これに対する自治省としての御支援のお考えをお示しいただければと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(西田司君) 国の補正予算により追加される公共事業等の地方負担に対しましては、地方団体において円滑な事業実施が行われるよう万全の地方財政措置を講ずる旨、先ほどの財政首脳会議で決定したところでございます。
 措置の具体的内容については、補正予算の内容や国の財源構成等も踏まえて判断することとなろうと思いますが、平成十一年度の地方交付税精算分や地方債等を活用して地方団体の財政運営に支障がないよう適切に対処してまいりたい、このように考えております。
○陣内孝雄君 よろしくお願いいたします。
 次に、財政問題に入ってみたいと思います。
 来年度は二十一世紀が始まるその予算編成となるわけでございます。また、省庁再編に伴い省庁の縦割り行政の弊害が除去できるところでもございます。従来批判の多かった公共事業についても大幅な見直しが行われた。こういう中での財政再建、森総理主導によります日本新生プランに基づく十三年度予算編成を期待しております。その点について御決意をお願いいたします。
○国務大臣(森喜朗君) 十三年度予算編成につきましては、概算要求作業をいたしておりましたときにも申し上げておるわけですが、新しい世紀のスタートにふさわしいものにいたしたい。御指摘のとおり、我が国の将来の発展に向けた予算とするべく、今後とも私みずから主導によって発足させました政府・与党の首脳による財政首脳会議での議論を踏まえて行ってまいりたい、こう考えております。
 具体的には、まず総額七千億円の日本新生特別枠を創設いたしまして、私みずから優先度の仕分けを行いまして、IT革命の推進、環境問題への対応、高齢化対応、そして都市基盤の整備のこの四分野を軸といたしまして、日本新生プランを初めとして新たな産業が育っていくような基盤をつくることなど、我が国の新生に資するもの、そういうものに重点化を図っていきたいと、こう考えております。こうした新たな施策のみならず、既存の施策につきましても大胆な見直しを行っていきたい、効率化を進めた予算としたいと、こう思っています。
 特に公共事業につきましては、先般の与党三党の合意を踏まえまして、計画・既着工事業の抜本的な見直しなど根本的な見直しにも取り組むことといたしております。
 また、十三年度は、中央省庁等の改革による新省庁体制発足後の初の通年度のベースの予算でございますので、従来にも増して施策内容を点検した上で、省庁統合等によります施策の融合化と効率化の効果を予算面でも十分反映できる、そういう好機でもあると、このように考えております。
 このような考え方のもとで、真に国民に必要な事業、施策への重点化、効率化を高めて新世紀のスタートにふさわしい予算にまとめ上げたいと、このように考えております。
○陣内孝雄君 今は景気回復が最優先でございます。しかし、立派なリーダーでいらっしゃいます。財政再建についてもしっかりとした御見識をお持ちでございます。中期的な問題として、このことにもひとつお触れいただければありがたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど陣内委員が御指摘になられましたような省庁再編成であるとか、あるいは公共事業の問題であるとか、そのように、今回は長年お話のございましたバランスシートというものもつくってみて試作品をごらんに入れたいと思っていますが、そういうことの中で、総理が予算編成に当たって七千億の中から今おっしゃいましたような問題について決定をしていただくということでございますが、同時に、おっしゃいますように、まだ財政再建を申す時期ではございません。ございませんが、しかしできるだけ、ここまで参りましたら、入り用な経費は租税収入あるいは節約、やむを得ないときは公債でございますが、それもなるべく新規発行は控えていこうというような気持ちでこの補正予算もやらせていただきたいと思いますし、十三年度予算も、まだ何とも申し上げられませんが、財政が多少好調に、好調といいますか税収が多少ふえぎみになっておるということもございますし、十二年度にかなり、一遍限りの対策を御承知のように、閣僚でいらっしゃいましたから、御存じのようなものがございますので、これらはかなり落とすことができると見ておりますので、十三年度予算においては十二年度よりは少なくとも歳入補てん、国債の発行額というものは減額するようなことでなければ到底、将来財政再建を議論するだけのこれっぽっちの要素もないということになってしまいますので、そういうことの中で、決してこの景気回復を二の次にするつもりはございません。
 しかしながら、将来に向かってやがて財政再建をしなければならないという、この心構えは何とか示していきたいと考えております。
○陣内孝雄君 公共事業というのは財政に大変大きな役割を示しております。
 建設大臣に若干お尋ねしたいと思いますが、建設大臣が大変御活躍いただいて、この公共事業をわかりやすく国民の皆さんにPRしていただいている。敬意を表しながら若干伺わせていただきたいと思います。
 まず第一点は、日本は、先ほどの東海地方の豪雨に見られるように、大変自然災害に対してもろく弱い国土から成り立っておりますし、また、経済大国とはいいながら、やっぱり将来の発展基盤をまだまだこれから強めていかなければならないということでございます。そういう意味で、社会資本の整備というのはこれからも私は大事だと思いますが、その点についての計画的な取り組みについて大臣の御見識をお聞かせください。
○国務大臣(扇千景君) 今、陣内先生がおっしゃいましたように、日本の国債と言えるものが、果たして何が二十一世紀に残るかということに対しては、大変大きな問題があろうと思いますけれども、私どもは、建設省としましても、少なくとも都市の骨格を形成します幹線道路網の整備、これは大変大きなインパクトをするであろうと思っています。
 特に、御存じのとおり、東京、大変国際都市と言うにはふさわしくない冠をいただいておりまして、何の冠かといいますと渋滞という、大変、高速道路が低速道路という、そういうことが言われておりまして、首都圏の高速道路の渋滞あるいは通常の高速道路のスピードが果たして今どれくらいになるかということも大きな問題であろうと思いますけれども、少なくとも今都内が十七キロしか走れていません、平均時速が。それが少なくとも三十キロ近い時速で走れますと一年間に四兆九千億の経済効果があると専門家が言っておりますけれども、それと同じように、全体の日本の道路網というものを整備することによって大きな経済効果があるということだけはわかっていますので、推進してまいりたいと思っております。
○陣内孝雄君 引き続いてお尋ねいたしますが、都市の整備というのは大変重要でございます。また一方、都市というのは地方との共生によって成り立っている面もございます。そういう点では、都市と地方を結ぶ道路というのは今おっしゃったように大変大事なことだと思いますが、これについては整備の財源が要るわけでございますが、今、アメリカと同様に日本には道路特定財源というのがあります。アメリカはこれを強化している時代でございますので、日本はその点についてどういうふうに取り組んでいかれるのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも全国いろんな場所から一時間以内で高速道路に乗れるような整備をしなければいけない、そして格差をなくしていこうということなんですけれども、まずその高速道路の整備ということも含めまして、今のほとんどの渋滞している原因というのは、高速道路だけではなくて一般のボトルネック、要するに踏切の渋滞とかあるいは高速道路の料金所の渋滞とか、なぜ渋滞するかということが大体わかっているわけでございますね。ですから、もっとお金がかかって、四車線を六車線にしようという、外国のようにというのはほとんど今不可能でございますので、今の範囲でできるものはすべからくしていこうと。
 それは、料金所のあの混雑が、少なくとも道路の渋滞というのが三割を、渋滞が料金所なんですね。ですから、その料金所もETCの導入によって料金を払わないで渋滞をしないで通れるようにしようということとか、東京におきましても圏央道というもので完全に渋滞をなくしますと、経済効果は、これは完成しますと、これだけでもう年四兆円の経済効果があるということも言われておりますし、あらゆることで私どもは日本の物流、それが経済の根幹であろうと思いますので、世界に伍していけるような物流のコストを下げるということ自体も、私はこの道路というものを完成さすことが大きな要因の一つであろうと思っていますので、特定の道路財源というのを言われておりますけれども、まだまだ完成していない。
 そして、もしもこれができ上がったというときには、御存じのとおり、一番最初に高速道路ができたときはやがてただになると言ったんです。ですから、もしもそれが完成した暁には、道路財源にゆとりがあるのであれば、道路整備だけではなくて、少なくとも利用者の国民の皆さんに還元できる料金の、高速道路料金の値下げということも含めて私は考えていくべきだろうと思っています。
○陣内孝雄君 水害対策についてお尋ねいたします。
 これは治水というのは、いつどこでどんな雨が降るかわからない、どんな洪水が起こるかわからない。となりますと、すべてのところで少しずつ安全度を上げていくというのが哲学だと思います。地震はある程度周期性がありますから、ことし起こったらもう何十年後というふうに予測がつきますが、それができないのがこの治水の悩ましいところでございます。今度の名古屋の水害なんかもそんな中で起こっているんじゃないかなと思いますが、ちょっとお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(扇千景君) 先ほども同僚委員からの御質問にお答えしたんですけれども、本当に今回は、消防庁によりましても、愛知県全体で死者が六名お出になったということで、また浸水家屋が五万八千軒ということで、心から私もお見舞いを申し上げたいと思いますし、私も即視察に参りましてあの浸水状況を見ましたときに一番困ったのは、なぜなんだという皆さんの素直な御質問でございました。
 けれども、私どもはこの新川、庄内川等々ふだんから整備に当たっておりますし、また河川に関しましてはもう陣内先生が御専門で、私がお答えするより先生にお答えしてもらった方がふさわしいんじゃないかと思うくらいの日本の河川については御専門家でいらっしゃいますので、今まで全然努力していなかったということではなくて、最大限の努力をしたけれども余りにもあっという間に、四百何十ミリというような雨を予想でき得なかったということも大きな災害の一つですので、御指導いただきながらも、また御示唆いただきながらも、日本じゅうの河川の整備に当たって国民の安心と安全を私たちは確保できる公共事業をしていきたいと思っています。
○陣内孝雄君 国民の信頼のもとに公共事業を進めていくということが大変重要でございます。そのためには公共工事の入札・契約手続の透明化、こういったものについて取り組む必要がありますが、大臣は既に大変精力的に取り組んでおられるということでございますので、御説明願えればと思います。
○国務大臣(扇千景君) 時間がございませんので、簡単に申し上げるのは一番これが早うございますので。(図表掲示)
 今、御説明ございまして、いかに公共事業の透明性をするかということにはこれが一番早いので表を使わせていただきますけれども、御存じのとおり、私が大臣になりまして、皆さん方にむだ遣いだ、ばらまきの公共事業と言われましたけれども、外国を調べまして、諸外国には公共工事の基本法があるのに日本に今まで全然なかったということを初めて私も知りまして、それを何とか国民のためになる公共事業をするための法制化をさせていただきたいと思いまして、透明性の確保、そして公正な競争の促進、そして適正な施工の確保、不正行為の発生の防止、この四つの基本線を考えながら法案を作成したいということで今鋭意努力しているところでございますけれども、御存じのとおり、今まではこのすべての中に丸投げとか談合とか、きのうも情けない報道も一つございましたけれども、そういうものをすべてこれでできる限りのカバーをしたいということで、国と地方も含めたこれは法案でございます。
 そういう意味で、私は、ぜひ専門家の先生のお知恵もかりながら、よりこれが二十一世紀の日本の公共事業の基本になれるような法案にさせていただいて、そして森総理の御下命のもとに全省庁一緒になってこの法案の促進に努力し、また来月、今国会中にも、十月の中ごろまでに法案を出させていただきたいと思いますので、ぜひ専門家の御意見なり御論議なりをいただきながら、二十一世紀の公共事業の基本的なあり方をぜひ、与党とか野党ではなくて、私は子孫に示し得たいというふうに考えていますので、ぜひ御指導も賜りたいと存じます。
○陣内孝雄君 ここで森総理のIT革命についての御見識なり熱意というのを承って、もうお聞きすることはないんでございますが、ただ一つだけ、所信の中で五カ年間に最先端国家をつくるということをおっしゃいました。私は五カ年でつくるというのは大変な総理の英断であろうかと思います。ただ、三年でどうかとかいう話もありますが、私は無理だと思いますけれども、ぜひその辺についてのプログラムをひとつ教えていただければと思います。
○国務大臣(中川秀直君) 時間の関係もございますので簡単に申し上げさせていただきます。
 アメリカでは今日のIT社会をつくるのにおおむね二十年ぐらいかかったと言われております。我々はそれを五年間で追いかけて追いつこうということでは実はないのでございまして、それを上回ります世界にも大変大きく貢献ができるような、そういう日本になりたいと、これがこれから戦略会議で練ろうとされている国家戦略のイメージではないか、このように思います。
 簡単に申しますならば、文字だとか音だとか映像だとか経済情報だとかすべてデジタル情報になりまして、そしてそれが本当に広範に知識、情報として共有され、交換される。こういうインターネットを通じた新しい社会がやってきつつあるわけでありますが、現在使われている技術が、交換機とかあるいはまたそのソフトとかいうものが、やや技術的なんですけれども、四十三億の、アドレスと言っておりますが、いわば住民票しかとれません。世界の人口がますます爆発的にふえていく中で、しかもセキュリティーやあるいはすべての端末がつながっていかなければなりませんので、そうすると、このアドレスといういわゆる住所が、情報の行く、交換される住所が枯渇をするという問題が実はもう想定をされておるわけでありまして、実はその分野で日本が一番主導的な技術を開発してきたのがバージョン6と言われまして、一兆掛ける一兆掛ける一兆、いわゆる無限の数のアドレスがとれると。
 そういう技術を中心にこれから日本が大いに進めてまいりまして、アメリカを上回るこういった情報通信あるいはそういった最先端国家にして目指していこうではないかと、そんなおおむねイメージでございます。
○陣内孝雄君 最後に、農林大臣にお伺いしたいと思います。
 今、大変な米余りで稲作農家が困っておりますが、しかしこれは日本の食糧の安全保障という点で大きな問題をはらんでおると私は思います。
 自民党の農林部会では緊急総合米対策というものを昨日決定いたしまして、七十五万トンという政府の持ち越し在庫を援助用の特別枠として市場から隔離していきたい、こういうことを打ち上げておりますけれども、農林大臣のこれに対するお取り組みのお考えをお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(谷洋一君) 我が国の食糧自給率が四二%というふうに三年前は言っておりましたけれども、現在では四〇%に落ち込んでおるという現状でございます。しかしながら、米は、米の消費が昭和三十年代に比べますと現在は半分に落ち込んでおります。そういうことから、三割ないしは五割の減反をお願いしておる。にもかかわらず、外国から六十万トン、七十万トンの米を輸入しておるということで、農家の方々は非常に不信を持っていらっしゃるというのが今の農村の実情でございます。
 しかしながら、これはもう既に輸入しておることでございますので、これをWTOでやはり日本の主張を十二分にしたいというふうなことから、農林省におきましても、本年も局長、部長、課長、それぞれ手配をいたしまして各国に赴きまして、向こうに駐在しております大使と一緒になってこの主張を、日本の主張を十分理解してもらう努力をしております。
 また、私も八月の十六日から二十日にかけましてフィリピン、タイに参りまして、今申し上げたとおりの主張をすると同時に、二人の政務次官もともどもに海外に派遣いたしまして、その強い主張をしてまいりました。
 そして、八月の二十八日から九月の二日にかけましては横浜におきましてアジア太平洋食糧に関する会議が開かれまして、三十二カ国が集まりまして十八カ国の農林大臣がそろいました。そこで、私ども、この十八カ国の農林大臣に対しましてはそれぞれ十二分に一時間ないし一時間半の時間をとって、そして全員の方にお会いをして日本の十分な主張を、日本の農業の実態についてのお話をさせていただきました。
 こういうことを重ねると同時に、食糧自給率を上げたいというので、平成十二年からは小麦あるいは大豆あるいは飼料作物につきましては米作をすると同様な所得水準になるようなことを考えまして現在努力しておるわけでございます。
 ことしの米作につきましては一〇三という作況でございますので、また大量の米が余るというふうなことにもなるわけでございますが、先ほどお話ございましたように、自民党の総合農政調査会の小委員会におきましても徹底的な論議を十数日にわたりまして開きまして、そして十二分の論議を尽くした。そこで農協を中心とする団体の皆さん方の意見も十二分に聞いて結論を出したというのが実態でございます。
 そういうことでございますので、先ほどお話のございました七十五万トンのものは、これはどこの外国の援助に持っていくかということはまだ決定しておりませんけれども、やはり日本としての、本年度の作況にかんがみまして七十五万トンの備蓄をして、そして海外援助をやるということが日本の使命ではなかろうか、こう考えまして、いろいろと施策はやってまいりましたけれども、それも今申し上げた七十五万トンの対外援助ということも大きな視点でございますので、そういう決定をして、本日、実は私、昼に米価審議会が開かれておりまして、そこに参ってごあいさつをさせていただきましたが、きょう米審の答申をいただくことになっておるわけでございますので、米審の皆さん方の御意見も聞きながら決定させていただきたい、こういうように思っておるのが今の現状でございまして、米の問題のみならず、先ほど申し上げました小麦、大豆、飼料作物以外にもっとこれを拡大して、そして米にかわるものをつくっていただくという努力をお願いしたいと思っております。
 私は、先般も福島県で全国育樹祭が開かれましたが、そのときにも放棄田がたくさんあるのを見まして、本当に残念に思ったわけでございます。そうして拡大することにおいて、放棄田をなくすることに努力したい、こう思っております。
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。尾辻秀久君。
○尾辻秀久君 新聞、テレビで見るだけで大変凶悪な少年犯罪が頻発しております。その実態と少年法の改正が言われておりますので、考え方をお聞かせください。
○国務大臣(保岡興治君) 近年、少年による凶悪重大事件が非常に相次いでいるということは極めて憂慮すべきことで、国民の中からこれに対して適切な対応を求められているところだと思います。
 さきの国会の衆議院の法務委員会においても、年齢問題とか少年に対する処遇のあり方などを含めて、立法措置を含む幅広い視野から真剣な検討をしなさいということで少年非行対策に対する決議がされているところでございます。
 このような中にあって、与党において、種々の観点から精力的に御議論を交わされて改正案を取りまとめられたと伺っております。さきの通常国会で廃案になりました政府の提案の内容も適切に取り入れていただいて、さらに被害者に対して、その心情や意見を審判において述べる機会を確保していただく措置や、あるいは一定の場合に記録の閲覧、謄写をできるようにするなどの新たな措置を加えていただくなど、適切な対応をしていただいて、さらに年齢問題については刑事処罰の可能な十六歳の年齢制限というものを廃止していただいて、重大凶悪な、人をあやめるような案件については処罰のできるような可能性を整えていただくと同時に、保護処分が適切な場合にはそれに対応できる余地をしっかり確保していただく、こういう内容の取りまとめをしていただいたと伺っております。
 近く国会にこれが提出されると伺っておりますので、私たちとしては、法務省としては、この少年法の改正案が成立することを期待し、また国会の御議論を踏まえて適宜適切に対応したいと思っております。
○尾辻秀久君 細かな議論はいたしません。私たちは全力を挙げて日本の青少年を健全に育てなければならない、このことだけを申し上げておきます。
 教育問題についてお尋ねをいたします。
 総理は、先日の所信表明演説で思い切った教育改革を断行するという強い決意を示されました。その前提にはこれまでの教育、戦後教育というんでしょうか、それに対する総括がなければならないと考えます。
 我が党の代表質問において、鴻池議員は、戦後、我が国は、戦前の教育の行き過ぎた反省から、戦前はすべて悪、戦後はすべて善との間違った思いからでしょうか、精神的価値よりも物質的価値、社会的責任より個人の権利が優先するという風潮が蔓延して、親や教師や地域社会の子供たちへの影響力が著しく低下しましたと述べられました。私も全く同感であります。
 そこで、文部大臣に戦後五十年の教育の総括をどのように評価されるか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(大島理森君) 私自身、戦後生まれでございますので、ある意味ではみずからの総括であるのかもしれません。
 第一点、果たしてきたよい点を申し上げます。
 それは、やはり教育の機会均等ということがこれほど日本国民の知識というものを広め、そしてまた非常にあらゆる人が自由に学校に行けるということは大変な評価であると思います。
 第二点目、自由と民主主義ということをやはり先生方はもう冒頭から私どもに教え込んだような気がします。そのために民主主義というものが、そこの評価はいろいろあるにしろ、そういうことが定着したことを私は評価したいと思います。そのことが戦後の日本の経済発展に大変な大きな貢献があったと思います。
 一方、反省しなければならない点を数点私自身申し上げたいと思います。
 それは、第一点は、やはり機会均等ということが非常に中心になったがゆえに知識の詰め込みということがあったのではないか、あるいはまたその結果として自分で考えるということが少なくなったのではないかというのが大きな一つでございます。
 第二点目として、やはりそういうふうなことの結果として、地域社会あるいは家庭での教育という力が弱くなってきたということが挙げられるのではないか、このように思います。
 そういう状況の中で、私は特に申し上げたいのは、あの戦争が終わった後に、いわゆる国家主義という言葉が非常に言うこと自体否定され、そのことに対して議論することが非常に少なくなった。つまり、国家というものに対して言葉がタブー視されてきた一面が昭和二十年、三十年あるいは四十年、私自身の教育された中であったのではないか。したがって、社会を語るということが私は少なかった、私自身の経験でも少なかったのではないか。
 そういうことから、必然的に我々自身の歴史というものの、歴史というのは必然でありますから、そういう歴史に対して客観的に我々が学ぶということが少なかったような気がします。歴史というものを学ぶときは、千何年に何があったという事実を覚え込むという歴史教育をされたような気がしますが、そういう点も足りなかったのではないか。
 そして最後に、やはり公というものに対してみずからとの関係をどういうふうに考えていくか、そういう点も足りなかったのではないか。
 そういう大変すぐれた戦後教育の評価すべき評価の点と、我々が今冷静に考えてそのところはしっかりと皆さんと議論して正していかなければならないものと、そういうものが、総理がこの間から、あるいはまた所信からお話しされているように、国民会議にも具体的な提言がありますし、総理から私に対して直ちに勉強を始めなさい、そういうふうなことにつながっているものだと、私自身はこのように思っております。
○尾辻秀久君 戦後教育の問題点の一つだと思いますので、お尋ねをいたします。
 今、日本はオリンピックで大変盛り上がっております。勝った選手が日の丸を手にウイニングランをする、表彰台で君が代を聞いて涙する、国民はそれを見て、テレビで見て感動する。まさしく素朴な国民感情だと思うんですが、これが学校現場に行くと急に変わってしまって、日の丸や君が代をめぐって混乱する、よくわからないところでもあります。
 いずれにいたしましても、戦後、私たちが子供たちに国や愛国心、国旗とか国歌とかそういったものをきちっと教えてこなかったのではないかなと反省をいたしております。
 そこで、国旗・国歌法が成立して一年になりますので、このところの学校現場、現状をお尋ねいたします。
○国務大臣(大島理森君) お答え申し上げます。
 平成十一年度の卒業式での国旗掲揚、国歌斉唱の実施状況を具体的な数字で申し上げたいと思います。
 小学校におきましては国旗掲揚率が九九・七%、国歌斉唱率では九五・四%と、こうなっております。中学校では九九・三%で、国歌斉唱率が九三・六%、高等学校では九九・七%が国旗の掲揚率、それから国歌の斉唱率が九六・二%と、こうなっておるんですが、地域的に非常にアンバランスがございます。具体的に申し上げますと、北海道、これは国旗の掲揚率は九七・七%ですが、国歌の斉唱率が六九・〇%、これは小学校の例でございます。
 いずれにしても、国旗・国歌法が成立して、大変そういう意味では各学校あるいは各教育委員会が努力して、そういうふうなことに努力していただいておりますが、私どもはなお今後とも指導要領にのっとった適切な指導に取り組んで、そして国民の皆さんあるいは学校の現場でこの数字がさらに上がっていくように努力していかなければならぬ、このように思っております。
○尾辻秀久君 子供たちが自然に日本を愛する、そんな国にしていかなきゃいかぬなと思います。総理の言われる心の豊かな美しい国家をつくらなければいけないんだ、こういうふうに思います。
 鴻池委員はこうも述べられました。今も昔も子供は親の背を見て育ちます。大人社会の反省の上に立って二十一世紀の教育のあるべき姿を示さなくてはならない。私も大人の一人として反省もしたいと思います。
 そこで、今、総理は、思い切って教育を変えようと言っておられる。その今変える理由、そして思い切って変える方向性といいましょうか理念といいましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 今、改革しようというのはなぜかという視点かと思いますが、改革は常にどなたもやはり持っておられたと思います。現に、中曽根内閣のときにも教育改革という大きなテーマに取りかかったわけであります。
 やはり、今ちょうど新しい世紀にいよいよ入ろうとしている。そういう中で、振り返っていろんな諸制度を改革していこうというのは、経済も社会福祉も財政も皆やはり新しい時代に即応したものにしていこうということになろうかと思います。そういう並びからいえば、絶えてずっと議論をしてきた教育もやはりこの機会にしっかり見直そうという一つのいい機会ではないかというふうに思います。
 それからもう一つは、今の御質問の最初にお話しになりましたように、社会の現象というものを見ておりますと、やはり本当にごくわずかな数字だろうと思います。本当に多くの方々は、新しい時代で意欲的にいい教育を受けている人たちが社会の構成員になっていらっしゃるわけですけれども、しかしほんのわずかでありますが、我々は全く予想もしがたいことが現実に起きている、特に子供たちの社会に。そして、不登校の問題もそうでしょうし学校が混乱していることもそうでしょうし、我々の時代は古い時代ですけれども、先生に殴りかかるなんていうことはあり得なかったわけですが、今は先生の方が逃げ歩いているということであるのは、これはもうまさに世の中が逆転しているわけですから、そういう社会というものを、やはりこの際、どこに原因があるかといえば、子供たちにだけ原因を私は押しつけちゃいけないんであって、物事に対するやっぱり価値観の問題だろうと思うんです。
 その価値観はどういうところで出てきたかといえば、家庭、社会、学校ということじゃないんでしょうか。そうであれば、やはり家庭から社会、学校、すべてのそういう教育について一度思い切って見直すと、こういうことからいえば今が一つの絶好のチャンスであるということが、今の時期ということに対するお答えになろうかなと思います。
 答えが長くなって恐縮ですが、そして、じゃ思い切って何をしようかということになれば、やはり戦後の経済というものをまず追求した中で、大学さえ行けば、いわゆる学歴社会といいますか、そういうことに、まず大人がそう思い込んでいるから子供たちをそういうラインに流そうとする。恐らくどなたにお聞きになってもまず確かだと思いますが、なぜこの大学に来てなぜこの学問をしているのかということに自信を持って答える生徒さんはいないですし、学生もいないですよ。親が行けと言ったとか学校の先生が行けと言ったとかという理由が多いんですね。
 ですから、そういういわゆる学問というものに偏重した教育が、先ほど言ったような社会というものができたとするならば、これからの教育はやはりもう少し人格形成にシフトしていかなきゃならぬのではないだろうか。特に、国際社会の中に生きていかなきゃならぬ日本人は、単なる知能やそして経済力だけ持っているということは誇りではないんであって、やっぱり人格というものが世界の中で大いに評価されていくことが大事だというふうに私は思います。
 もう一点は、先ほど江田議員のときにも申し上げたような記憶がありますが、IT社会という時代に入っていく、そういう時代の中で、やはりロボット社会というようなものになってはいけないわけであって、ますます電子化が進む、いわゆるIT化が進むということであれば、ますます心を大事に養うということに教育のウエートをかけるということが私は今すべての皆さんが、恐らく日本じゅうの国民の皆さんが私はそのことを求めておられるのではないかと、こんなふうに感じております。
○尾辻秀久君 教育基本法についてお尋ねをいたします。
 私は、教育基本法というのは教育の憲法のようなものというふうに考えておりますけれども、文部大臣はどのような認識をお持ちなのか、これが一点であります。
 それからまた、教育改革国民会議は、これは小渕内閣のときに発足をして、以来今日まで随分いろんな議論をされてきたということもお聞きをいたしております。そして、去る九月二十二日に中間報告をまとめられ、十七の提言もなされたところでありますけれども、この教育基本法の見直しについて一体どのように教育改革国民会議が述べておられるのか、この二点をお尋ねいたします。
○国務大臣(大島理森君) 教育基本法は教育政策の憲法的基本法であると、このように認識しておりますし、今後とも必要であると思っております。
 国民会議におきましてどういう指摘があったかということの質問であったと思いますが、そのことにつきましては、例えば第一条、基本法の第一条でございますね、国家や郷土、伝統、文化、家庭、自然の尊重などが抜け落ちているのではないか、第一条に。さらに、生涯学習の理念というものをもっと明確にすべきではないのか。あるいは、家庭の役割をもう少し明記するべきではないのか。そういうふうな議論があったということが事実でございます。
 それでよろしいですか。
○尾辻秀久君 ありがとうございました。
 総理は、教育基本法の見直しについて、かねて教育改革国民会議での見直しの議論も視野に入れて考えたい、こう言ってこられました。ただいまのお考えでは、会議も必要に応じて改正されてしかるべきであろうと、こういうことを言っておられるわけでありますが、そこまで参りまして、総理は教育基本法の見直しについてどういうふうに今お考えなのか、また、もし見直しをするとおっしゃるならばどういう観点から見直しをしようとお考えなのか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(森喜朗君) 今、大島大臣からお話がありました我が国の文化とか伝統を尊重する気持ちを養う観点、それから生涯学習の観点、家庭や地域社会が果たすべき役割といった観点、こうしたことを教育の基本方針の中にしっかり意味をあらわすということは、私は大事ではないかと思っています。
 中間答申をいただいていますので、これから教育改革国民会議は約四カ所、日本じゅうの場所を選びまして多くの国民の皆さんから御意見を伺う、そういう機会をつくる予定であります。そして、恐らくその中には多くの国民の方、教育者の方々、いろいろ御参加をいただくと思いますので、そういう皆様の御意見を集約して年末までに最終答申をまとめたいと、こういうことでございます。
 私どもとしては、その意見をまとめながら、さらに広く国民の議論を踏まえて教育改革を、新たにつくり変えるという、つくり直すということは、私はやはり大事だというふうに思っております。
○尾辻秀久君 総理は所信表明演説で、教育改革の具体的な内容として、「小人数授業等の実施、十分な適性を有しない教員への対策、授業妨害やいじめへの対応、家庭教育の充実、奉仕活動や体験活動の促進、教育委員会の活性化など」、こういうことを挙げられました。
 一つずつお聞きをいたしますと時間がありません。そしてまた、「十分な適性を有しない教員への対策」などという言葉を聞きますとちょっと心配にもなりますけれども、きょうは二点、すなわち小人数授業と奉仕活動についてお尋ねをいたします。
 まず、小人数授業についてであります。
 私は、先ほど来、舌をかみそうになりながら小人数授業と言っておるわけでありますが、実は総理も本会議で盛んに小人数授業と言われるので、あれは少人数授業ではないかなと思っておりました。ところが、文部省に聞きますと、文部省では小人数と少人数は違うんだそうであります。少人数というと、その後ろには授業ではなくて学級がつくことになっていて少人数学級になって、すなわち、言うならば三十人学級などを指すと、だから後ろに授業をつけるときには小人数と言わなきゃいけないんだと。こういうふうに言われましたから、私も文部省の顔を立てて小人数授業と言っておりますが、本音を言いますとどっちでもいいのにとか、まあ少々荒っぽく言うとばかばかしい話だなと思ったりもいたしております。
 それはそれといたしまして、そこで文部省が言われるところの小人数授業というのは一体どういうことを言っておられるおつもりなのか、お聞かせください。
○国務大臣(大島理森君) 総理が小人数学級と、こう言うのは、つまり比較ではなくて、その数そのものを、初めからこのぐらいの規模ということをおっしゃるときに、だから総理はわざと小人数学級ということをおっしゃっているわけです。少人数学級というのは、何から何が少なくなったかという比較のときにこの少人数を使うというふうにして。
 ですから、総理が所信でもあえて小人数学級と言うことは、つまり四十人というそこのところはベースにしても、来年度から五カ年かけて要するに二十人程度のまさに小人数学級のそこのところをつくって、総合学習でございますとか、そういうふうなものをやっていく定員の改革に入りたい、これが総理のおっしゃる小人数学級をこれからやっていきますよと。これには、実は予算も法律も、定員法という法律も大変重要な意味合いがございます。そういう意味で、小人数学級という総理のおっしゃるのはそういうふうなことをおっしゃっておられるわけですし、そういうことを文部大臣としても総理からの命を受けて今やっておる、こういうことです。
○尾辻秀久君 後ろからもいろんな御意見が聞こえております。私もいろいろ意見を申し上げたり、お聞きしてみたりもしたいと思いますが、きょうのところは時間がありませんので、とりあえずお聞きをしましたということにいたします。
 そこで、次の奉仕活動について質問をいたします。
 今日、都市化や少子化、核家族化などが進展しまして、子供たちというのは大変体験が不足していると言われております。これまでであれば、子供たちは自然にさまざまな経験をいたします。そしてその中で、他人とのコミュニケーションのとり方や行動のルールなど、言うところの社会性を身につけてきました。今、これが不足しておるわけでありますから、子供たちに活動の機会を与えてやることには私も賛成であります。
 教育改革国民会議の中間報告では、「小・中学校では二週間、高等学校では一か月間、共同生活などによる奉仕活動を行う。」という提言がなされております。委員の一人である曾野綾子さんは、「そこで初めて青年達は、自分を知るだろう。力と健康と忍耐する心を有していることに満足し、受けるだけではなく、与えることが可能になった大人の自分を発見する。」、その意義を述べておられるところであります。
 私も申し上げたように賛成なんですが、しかし一方では、奉仕活動といえばそんなに強制するものではないだろうというような御意見もあります。いろんな御意見があるわけであります。
 昨日、ある先輩に、我が党のある先輩でありますけれども、この話をしていましたら、それは奉仕活動というからそういう意見も出てくるのであって、社会活動と言えばそれでいいんじゃないのというお話もございまして、言われてみればなるほどなと思ったりもいたしました。文部大臣に改めてお尋ねいたしますが、どうぞ御見解をお聞かせください。
○国務大臣(大島理森君) 現在の指導要領及び新しい指導要領におきまして、体験活動というのを今実際にやっているわけです。体験活動というのは、尾辻委員がおっしゃるその社会活動といいますと、ある意味じゃ非常に広い概念になるであろう。そこで、国民会議等の御議論を伺っていますと、逆に奉仕ということなんだから非常に価値があるんだという議論もされておられました。社会活動というと、もちろん社会活動で他のためにするということ以外の活動は私はないんだろうと思うんです、ある意味ではみんな人のためにやるのが社会活動でございますから。
 いずれにしても、奉仕活動そのものに反対をするという人は与野党含めて余りいないんだと思うんです。要は、そのことを充実させていくということが最も大事なことだと私どもは思っております。
 総理から、中間報告を総理がいただかれましてすぐに私を呼びまして、すぐに勉強に入りなさいと。そういう中で、この奉仕活動のところも含めての対応をどうするのか、今日までもかなりの実践をしていった先例がございますし、そういうことを踏まえながら、一層の充実のありようというものをこれから鋭意研究し、そしてそのために、先ほど申し上げたいわば小人数学級のあり方等々も含めながら、来年の通常国会に向けてこういうふうな形で一層進めてまいりたいというものを提案あるいはまた御議論をするように努力してまいりたいと、このように思っております。
○尾辻秀久君 次に、クローンに関してお尋ねをいたします。
 新聞の報道によりますと、ある海外の宗教団体がクローン人間をつくることを発表したそうであります。
 また、先日、ある人に聞いていましたら、今オリンピックのさなかでありますけれども、馬の筋肉を持った人間をつくることもできるよと。その人は冗談まじりに、そうなったら百メートルの世界記録が五秒ぐらいになるのかななどと言っておりましたけれども、まことに恐ろしい話であります。
 そこで、日本はこれらに対する法規制が全くありません。こういう団体などからねらい撃ちされたらどうするんだろうな、ついつい思うものですから質問するわけでありますけれども、一体どのように考えておられるのか。私は法規制すべきだろうと思っておりますが、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(大島理森君) 尾辻委員御心配になりますように、実はインターネットを通じましても、あるいはそのことを受けて読売新聞でございました、九月二十二日に、「クローン人間作り 信者使い米で開始」、こういうふうな記事が載せられました。
 科学技術の発展というのは、それを使う人類の倫理と知恵がしっかりしていないと大変なものだと。これはクローンだけではございません。ましてや生物科学、ライフサイエンスという問題は、ITの次の激しい競争の科学技術であるというときに、大変な進歩を今競争と同時にされております。その中で、クローン技術というものがどんどん進化していることもそうでございまして、実はこの私どもの選挙のある前の通常国会でクローン法の倫理法を出した、規制法を出したのでございますが、廃案になりました。
 このクローンの規制法をしっかりしておきませんと、ライフサイエンス、特にクローンにかかわる技術に対する信頼が得られない、強い危機感と心配を私どももしておりまして、今、与党の皆様方と相談しながら、前の法案よりも罰則規定をもう少し強化しろと。前は五年間、五年ぐらいでございます、最高刑、これを十年近くにしろというふうな強い御要請もあり、現在そういう方向性で与党の皆様方と相談し、まとめて、この国会で提案をさせていただき、ぜひ国会の先生方の御理解等いただき成立をさせたい、こういう思いでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと、こう思っております。
○尾辻秀久君 次に、社会保障についてお尋ねをいたします。
 今、我が国は人類史上経験したことがないような少子高齢社会を迎えようとしております。そして、国民の最大関心事は社会保障制度がどうなるかということであります。不安もそこにあります。国民の不安を解消するためには、一刻も早く年金、医療、介護など社会保障全体を総合的に再構築する必要があります。言いかえれば、国民の皆さんに政府が安心して老後を暮らしていただけることをきっちりと示すことであろう、こういうふうに思います。
 社会保障構造の在り方について考える有識者会議、こんなものがあって議論をしておることも承知をしておりますけれども、私は悠長な時間はもうないと思います。そして、いずれにしても政府がこれは責任を持ってやらなきゃいかぬわけであります。一体どんな社会保障改革のスケジュールを考えておられるのか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(津島雄二君) お答え申し上げます。
 社会保障制度は、言うまでもなく国民の生活の安定に不可欠な社会のセーフティーネットであり、今、委員が御指摘のような状況にあると思います。すなわち、国民お一人お一人の健康と安定にかかわっているにもかかわらず、将来どうなってしまうのであろうかという不安が広く広がっていることも事実でございます。それは、今後の少子高齢化の進展に伴って社会保障に要する費用が大きくなるよということをみんなわかっておられて不安を感じておられるんだろうと思います。
 一つだけ数字を申しますと、社会保障給付金というこの関係で国民にお払いをしている金額が今年度六十九兆、恐らく七十兆ぐらいになりますし、来年度予算で八十兆になる。膨大なものになる。そして、これが二十一世紀の高齢化、少子化が進んでいく中でさらに膨れていくということはみんな感じておられるわけであります。
 このために、国会の、立法府の御協力を得まして、私ども、まず年金制度につきましては、安定し、信頼いただけるものとするためにさきの国会において年金制度の改正をお認めいただいたわけでありまして、これによりまして一定の姿で安定した年金制度の運営ができることを期待しておるわけでありますが、しかし基礎年金自体をどうするかという、与党の中でも公費負担をふやさなければならないという議論が出ているような大きな問題点が残っております。
 それから、介護保険制度につきましては、関係者の方々の並々ならぬ御努力のたまものとしてこの四月からスタートいたしまして、今営々と進められているわけでありますが、これについても早くしっかりと根づかせていかなければならない。
 そして、医療制度でございますけれども、抜本改革に向けた第一歩として前国会に提案をいたしました健保法改正案及び医療法改正案が残念ながら成立いたしませんでしたので、今国会においてぜひともまずこれを成立させていただきますとともに、引き続き平成十四年度を目途に高齢者医療制度の見直しについて精力的に検討を進めるということになっておるわけでありますが、しかし今御指摘のとおり、これまでの議論がとかく年金とか医療保険とか縦割りに行われているけれども、トータルとしてどうなるんだろう。そして、その全体として少子高齢化がさらに深まっていくときにでもたえられる制度になるかどうかの検証は早くしなきゃならない、新しい二十一世紀が来る今こそしなければならないということで、総理のもとに先ほどおっしゃった社会保障構造の在り方について考える有識者会議をおつくりになり、二十一世紀の社会保障を構築していく基本的な考えについて御議論をいただいているところでございます。
 私は、この有識者会議において、これは総理からの御指示もございましてお願いしているのは、骨太の選択肢を国民にぜひ示していただきたい。社会保障というのはやはり国の形を決める基本的な制度でございますから、国民の皆様方がどういう形を二十一世紀に選ばれるかということを積極的に議論して結論を出せるようなものを何とか出していただきたいということで取り組んでいるところでございますので、ひとつ本院におきましても積極的な御議論をいただきたいと思います。
○尾辻秀久君 今の御答弁のお言葉をかりますと、その縦割りと言われた個々のもの、これすらもおくれておるわけであります。医療保険の抜本改革のおくれについては午前中も厳しい御指摘もございました。一つずつもおくれているわけでありますが、とにかく全体をまとめてどうするんだということでありまして、これはもうそれがどんなに急ぐことかというのはだれよりもよく御存じの厚生大臣でありますから、これ以上は申し上げません。とにかく急いでくださいということだけを申し上げておきたいと思います。
 今日までは我が国の社会保障制度というのはまあまあのところでは来ておったと私は思います。国際的にも誇るべき水準にあった、こういうふうにも考えるわけであります。しかし、申し上げたように、いよいよ少子高齢社会を迎えて財源をどうするか、そんな問題が生じてきました。とにかく、この財源の問題というのは社会保障改革を考えるときの最大の論点であります。
 ひところ、その負担の話でありますけれども、国民負担率五〇%を超えないようにするという言い方がありました。政府もそう言っていたように思います。しかし、今後どうなるのかなというふうに思うわけでありまして、きょうは率直に、専門家の厚生大臣でありますから、今後の国民負担、限界はどのぐらいだと思っておられるか。そしてまた、その中身について、よくいうところの税か保険かという議論もありまして、総理は先日、言うならば保険方式だと、こういうふうに言われたと私は理解しておりますけれども、そうしたところをお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、将来の社会保障制度の帰趨を決するのは、負担にたえられるかどうか、負担にたえながら安定した国民のセーフティーネットを提供し続けるかどうかということに尽きるわけでありますが、年金、医療、介護など、既に今でも七十兆、恐らく来年度は八十兆という社会保障給付金が必要になる。それを賄うために一般歳出に占める社会保障関係費の割合は既に三五%に達しているわけでございます。
 一方、それでは国民の皆様方がどのくらい今負担しておられるかと申しますと、丸めて言えば、いわゆる租税負担とそれから保険料の負担で大体四〇%には行かない、三四、五であるというふうに考えて、三六・九とことしは言われておりますけれども。それで、この推移を見ておりますと、税負担の方は、例えば昭和四十五年ぐらいの段階では一九ぐらいでございましたね。それが二二・五と本年度は推計をされております。これに対しまして、社会保障負担は当時は五・四であったやつが一四・四になった。つまり、二四ちょっとであったのが今三七近く。一三ふえたうちの九は社会保険の負担になっている。
 でございますから、今私どもの中にある問題は、一つは負担水準全体、つまり国民負担を全体としてどうするかということと、それからもう一つは、その中で租税負担と保険料負担とをどう組み合わせたらいいかという二つの問題があると思います。
 前の問題についての御質問でありますから私なりの考え方を申しますと、私がちょうど厚生政務次官をやっておりましたときに、当時の政府として、政府の審議会から、おおむね負担は五〇%を超えないところを目標としてこれから運営していけというあれがございまして、一貫してそういう考え方で来ておられる。私は、この考え方はやっぱり尊重していくのが至当ではなかろうか、かように思っております。
 後のそれぞれのあり方、租税負担と社会保険料のあり方については、これから大いに議論をし、しかもそれも分野別にいろいろございますから、保険料負担といっても、そういう議論に入っていかなければならないというふうに思っております。
○尾辻秀久君 負担の話をすると給付の話もしなければなりません。どうぞ後で、もう細かなことは結構でありますから、テレビをごらんの国民の皆さんもおられると思いますので、給付だけはきっちりやりますと、厚生大臣、責任持って答えておいていただければと、そのことだけを申し上げておきます。
 今まで少子高齢社会を前提にした議論をしました。しかし、それだけでは足りませんで、やっぱり少子化の歯どめを何とかしなきゃいけないということもあるわけであります。これはとにかく歯どめがかかりません。たしか出生率が、女性の平均して産む子供の数、これが一・五七になったときに一・五七ショックと言ったと思います。ところが、今や一・五七ショックどころか一・三四までになったという、これはもう本当に一体どうなるんだろうというふうに思います。
 だれがどういう計算をしたのか知りませんけれども、ある人が、西暦三五〇〇年になると、このまま行くと日本人が一人になるんだという勘定をしてみせてくれたこともありますが、そんな先の話はおいておいて、とにかく当面やっぱりこれは国家の一大事だと思うわけであります。
 私ももちろん、エンゼルプランができたり新エンゼルプランができたり、あるいは国民会議が議論なさったり、まさしく有識者会議がいろいろ考えられたり、いろんなことをなさったことは知っておるわけでありますが、しかし歯どめがかからないという事実があります。
 ちょっと酷な質問になるのかなと思いつつですが、厚生大臣、何かありませんか、お尋ねをします。
○国務大臣(津島雄二君) お答えに先立ちまして、御注意がありましたのでつけ加えさせていただきますが、私どもが苦労しているのは、負担をどうするかということもございますが、やっぱりここまで育ててきた立派な日本の社会保障制度、年金や医療保険を国民の皆様方が安心していていただけるようにさらに守り育てていくことだと、まずこれを申し上げさせていただきます。
 そういう中で、だんだんと難しくなってきた原因がやっぱり大きく言って二つございます。一つが少子化でございました。今の一・五七というのは、私が前に厚生大臣をやっておりましたときでございます。なぜ一・五七が問題になったかといいますと、その前にひのえうまというのがありまして、これが一・五八だった、あのひのえうまの異常な年を下回ったということで非常にあれが有名になった。それが今一・三七まで来ちゃったわけであります。
 この少子化のもう一つの原因は、高齢化というか長寿がここまで行っていただくとは実は思わなかったので、そこは大変ありがたいことなのでありますが、この少子化の主たる原因は、専門家はやっぱり未婚率の上昇が一番大きくきいていると。
 それは、昔は、女性の側で言わせていただきますと、やっぱり二十代の前半に一子をもうける方が多かったわけでありますけれども、今は平均の初婚年齢がもう二十七から二十八にだんだん来ておるというようなことでございますが、この背景は、結婚に対する意識が変わってきたということ、それからとかく日本では男女の固定的な役割分担を前提とした職場優先の企業風土があって、働きながら家庭を持っていただくのに障害が幾らかあるんじゃないだろうか、それから核家族化や都市化の進行、したがって子育てがなかなか負担になってきた。あるいは経済的な理由もあるかと思います。
 そこで、政府といたしましては、こうした原因や背景に対して対策を打つべく少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランに沿った総合的な少子化対策を、これは総理大臣のもとに閣僚懇談会等を設けていただいて進めておるわけでございますが、私どもの分野で申しますと、具体的には、保育所における低年齢児受け入れの枠を拡大したり、それから延長保育と申しまして、お働きのお母様方の負担を軽減するために時間を延長して保育をしていただくとか、多様なニーズにこたえるための保育サービスの整備を進めておるところでございますし、また雇用関係の施策におきましては、育児休暇制度の充実などの仕事と子育ての両立のための環境整備、それからお働きになる場合の固定的な役割分業、男性、女性の役割分業というものをやはりよりいいものにして、男女共同参加の形に持っていって、企業風土もそこで是正をしていくというようなことを推進しておるところでございます。
 今、総理のもとに労使の代表者や有識者により構成される少子化への対応を推進する国民会議を設置されまして、本年四月に、少子化への対応についての社会的な機運の醸成、それから仕事と子育てが両立しやすい職場環境の整備などを含めた国民的な広がりのある取り組みが取りまとめられ、現在これに基づいて、これは民間の団体にいろいろ御協力をお願いしておるところでございます。
 来年一月から厚生労働省が発足いたしますから、私どもの福祉施策とそれから雇用関係の施策を一体的に編成をいたしまして、より効果的な少子化対策を進めることができますように全力を挙げてやってまいりたいと思っております。
○尾辻秀久君 お触れになりましたので、ちょっとそのことだけは申し上げておきたいと思います。
 少子化対策イコール保育の充実みたいなところがこのところずっとありまして、保育の充実を考えていただくのはそれでいいわけでありますけれども、何となく日本に子供が生まれない責任が保育所に負わされるということがないわけでもない、何か保育所が悪者になっているところがないわけでもない、私はちょっとそのことを考えますので。申し上げるだけにしておきます。
 だんだん時間もありませんので、細かくお聞きしてみたいとは思っておりましたけれども、一番きょうお聞きしたいことの一つであります、総理が所信表明演説で言われました七十歳まで働くことを選べる社会の構築、これは私は大賛成でありますので、そのことについてお尋ねをいたしたいと思います。
 実は、私もあと何日かすると、本当にあと何日かで六十歳なのであります。同級生がみんなどんどん定年退職をしていきます。元気をもてあましているんですね。先日も一人に会いましたら、とにかく給料は半分ぐらいになってもいいから働けるものなら働きたいなと言っていましたが、まあその辺が本音なんだろうなというふうに思うわけであります。
 今の厚生大臣の御答弁の中でもありましたけれども、そうした数字もちょっと詳しくお聞きしてみたいとも実は思っておりましたけれども、申し上げると、今の仕組みをつくったときの日本人の平均寿命と今日の平均寿命が大体十五歳ぐらい違うんじゃないかなと思います。その後いろんな制度の改革やっていますから、その十五歳の差が全部そっくりそのまま金の不足につながっているという粗っぽい言い方はしませんけれども、やっぱりその辺のところに一つの今日の根本の理由はあるわけでありますから、やっぱり働きたい人はどんどん働けばいいというふうに思っておりまして、この社会構築へぜひ頑張っていただきたいと思いますので、総理の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 九月十五日敬老の日に、たしか読売新聞の社説を読んでおりましたら、「村の渡しの 船頭さんは ことし六十のおじいさん 年はとっても お船をこぐ時は 元気いっぱい 櫓がしなる」、これは私、子供のとき歌っていたんです。六十ですと、あと数日であなたおじいちゃんになると。どう見たって六十歳はおじいちゃんではないわけですが、あの歌ができたときが、たしか昭和十六年とその新聞に書いてありましたから、そのときには六十はおじいちゃんと言われても全然不思議じゃなかったんでしょうね。今考えると、やっぱり八十過ぎないとおじいちゃんという印象を私は持てない。相沢金融再生委員長を見て、おじいちゃんなんてどう見たって思えないわけです。
 そういう意味で、大きく時代が変化をした、環境も変わったということは、これはやはりみんなでそういう努力をした成果だろうと、私はそう思います。ですから、これを否定してはいけないんだろうと思います。そういう考え方からいえば、こういう高齢化が進展する我が国において、活力に満ちた経済社会を築いていくためには、豊かな知識そして経験を有する高齢者が意欲と能力に応じて働くことができる社会を実現するということが極めて私は重要な政策課題だと、こう思っております。
 このため、まず高齢者が安心して自立した生活を送ることができるように、要介護の原因になるいわゆる疾病などの予防、治療成績の向上を図るいわゆるメディカルフロンティア戦略、今厚生省が進めています。こういうものを推進して、健康寿命の伸長を図っていくということが重要だと考えております。
 さらに、きょうもずっと議論出ておりますようないわゆるIT革命を推進するということによって、高齢者の社会参加のできる環境が私はできてくると思います。同じ九月十五日に私は三鷹に行きまして、高齢者の皆さんが本当に喜んでパソコンを打っていらっしゃった。そして、そういうサラリーマン時代に少しなれておられたので指導者になっていらっしゃった、そういう人たちに大いに参加をしていただいて、多くの国民にそういうものを元気に社会に出て教えていただく、そういう役割も私はあるのではないか。そういう六十歳以降の雇用確保に向けた企業の取り組みをやっぱり支援をしていくということも、これはぜひ進めていかなければならぬことだと思います。
 そういう意味で、七十歳まで働くことを選べる社会の実現というふうに申し上げて、将来やっぱり七十五、八十になるまでは働くんだという、そういう環境をつくることが私は大事な政治課題だというふうに考えております。
○尾辻秀久君 私の持ち時間があと二分でありますから、思うことを述べさせていただきたいと思います。
 戦没者遺族の心情であります。
 私の父もさきの大戦で散っていきました。国は、お国のためだ死んでくれと言ったんです。そして、死んだら靖国神社にお祭りをして国の手でお守りしてやる、こう言ったわけでありますから、だから私たちは靖国神社にこだわっておるだけであります。ほかの理由は何にもありません。
 もし今生きている人たちの都合があるというならば、事情があるんだというならば、残された私たちには、それなら死んでいった人たちの約束をもう一回生き返らせてもらってし直してくださいよと言わざるを得ないわけであります。それができないというならば、ぜひやっぱり総理にもお参りしてもらいたいな、そう思っているのが私たちの極めて素朴な心情であります。
 昔話をしてもしようがありませんけれども、父親がなくて戦後本当に我々は食うや食わずで生き抜きました。行きたい学校に満足に行けませんでした。学校に行けた行けなかっただけじゃなくて、ここにおられる方々で覚えておられる方はもうたくさんおられないかもしれないけれども、就職しようとしたら片親の子はだめだといって就職させてくれなかった。
 そんな中で生きてきたわけでありますから、平和が何よりも大事だとも思っておるわけであります。決して、総理に仰々しくお参りしてくださいなどと言っているつもりもありません。通りがかりで手を合わせていただければそれで心が安らぐ、そんな思いでありますことをあえて最後に申し上げたいと思います。
 そして一点、遺骨収集急げという御指示していただいたということでありますので、これは本当に感謝を申し上げます。
 戦後五十五年、まだ国のために散っていった人の遺骨収集する国というのはやっぱり恥ずかしい国家だというふうにも思っております。
 しかも、一点ぜひ総理に承知しておいていただきたいことは、我々がおやじの骨を拾いに行くんです。おやじの骨を野にさらすわけにいかぬから拾いに行くんです。国は三分の一自分の金払えと言うんですね。国のために死んでいった人の骨を拾いに行くのに、しかも、おやじの骨を置いておくわけにいかぬからといって拾いに行けば、その三分の一は自分で持てと言われる国というのは私はないんじゃないかと思います。これは実は実態なのであります。
 どうぞ総理、御承知おきくださいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。鶴保庸介君。
○鶴保庸介君 保守党の鶴保庸介です。
 今国会には永住外国人の参政権の問題が提出をされておりますが、具体論はこれからの委員会の審議に譲るといたしましても、これまでの議論をいろいろと見ておりますと、残念ながら、私個人の感想でありますが、感情論が先に立ち、あるいはそれぞれの立場からの反対論、賛成論、いろいろあるわけでありますが、それぞれの立場からの誤解あるいは偏見といったものが散見されるような状況であると言わざるを得ないというふうに思います。国家の命運を左右するこういう問題について、私たち議員一人一人が党派を超え、あるいは選挙区の事情を超えて、真摯に虚心坦懐に今こそ議論をしなければならない、私はそういうふうに思うんです。
 こうした観点から、委員会の審議には先立っておりますが、特に基本的な問題について確認をさせていただきたいと思います。
 まず、続長官、そもそも今回の法案において、地方の選挙権のみを与え国政の選挙権を与えなかった理由、永住外国人に対して与えなかった理由、そしてまた、選挙権だけで被選挙権を与えない理由、言わずもがなのことでありますが、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) お答えいたします。
 国政レベルの選挙権付与は憲法の認めるものでないことは異論のないところでございます。しかし、地方選挙権の付与に関しては、平成七年二月二十八日、最高裁判所は、法律をもって地方公共団体の長、その他の議会の議員に対する選挙権を付与する措置を講ずることは憲法上禁止されるものではないと述べ、永住外国人に地方参政権を与えても憲法違反とならない、立法政策の問題という判断を下しております。私としては、今世紀中の決着を図るため、今国会でぜひとも成立を図るべきと考えております。
 なお、被選挙権を付与の対象から除外したことは、被選挙権の付与が許されないという理論的結論を前提に立案したものではなく、本法の早期成立を優先させ、その付与は将来の議論にゆだねようとする政策判断に基づくものであるとの考えであります。
 以上です。
○鶴保庸介君 おっしゃられるとおりであります。国家の将来を左右するものであるということでございます。
 したがって、私は今のお話を聞いておりまして、こう理解をさせていただきたい。地方参政権というのはそれ独自に意味のあるものであるということは当然でありますが、まず、国家の根幹にかかわる問題であるとするならば、それはまだ認められるものではない、憲法にもかかわってくる、抵触してくるであろうということであります。地方参政権だからこそ限定的に認められるというような趣旨であろうというふうに私は理解をいたします。それでは、果たして地方参政権が国政に直接かかわり合いのない、直接というか、間接的にかかわり合いがあるとしてもかかわり合いがないと考えていいのかという大きな論点があろうと思います。
 このことについて、例えば国家の専権事項であります安全保障について、周辺事態安全確保法九条二項など等を見ておりますと、地方自治体が適切な協力を怠ればその趣旨を全うすることができないのではないかというような議論もあります。
 防衛庁長官にお伺いいたします。
 こういう安全保障の問題と、そしてまた地方分権、地方政治の独自性といったようなことの調和をどのように考えるか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(虎島和夫君) お答えを申し上げます。
 お説のように、私ども防衛庁は、国家の存亡にかかわる重大な事態に当たり、国民の生命と財産を守る、このことを最大の使命として運用いたしておるわけであります。これはまさに国家の基本的機能であり、防衛庁設置法で必要な権限を規定しておることはお説のとおりであります。
 他方、自衛隊法では、防衛出動等における自衛隊と地方公共団体等との連絡、協力を規定いたしておるわけであります。つまり、自衛隊の活動は、地方公共団体、住民の理解、広く国民の協力を得ることが必要にして不可欠であるという認識を持っておるわけであります。したがって、このような関係が円満にスムーズにいくということは、防衛庁のあるいは自衛隊の職務執行上緊急不可欠であるという認識を持っておることをお伝えします。
○鶴保庸介君 追加で質問をさせていただきたいぐらいのお答え、非常に微妙なお答えであったと思います。
 有事の際にはこうした地方自治体が国の要請を拒否できる場合があるのかといったことは、必ず議論をしておかなければならないと私は考えます。タブー視するのではなく、逃げるのではなく、私たち、この法案において、法案の審議の過程において、必ずその態度を表明しておかなければいけないんではないかというような気がいたします。
 また、そのほかにも憲法問題、憲法九十三条に言います「住民」というものが日本国民であるということを前提としているかということについては、最高裁の判例も出ておりますが、公職選挙法等と照らし合わせて一体どうなのかというようなことも、国家の根幹にかかわる重要問題、論点としてあろうと思います。
 しかし、こうした議論を踏まえて、最終的に、反対をする立場から結論をじゃどうするんだという話をいたしますと、多くの方は帰化をしてもらえばいいじゃないか、参政権をするには帰化をしてもらえばいいじゃないかと簡単におっしゃるわけですね。
 ところが、私自身も感じたことでありますが、こうした帰化要件あるいは帰化の現状、そしてまた本当にその帰化を許すに当たってどういうふうに緩和をしていけばいいかというようなことについては全く議論もなされておられないし、私自身も余りよく知らない。国民の皆さんも真剣に考えるにその材料がないというようなことでございます。
 最後に、国籍付与の手続が現状どうなっておるのか。そしてまた、これまで、またこれから帰化について特別永住者と言われる方々に対して特段の配慮、そういったものがあるのか、また差別的な行為がなかったかどうか。こうしたことも含めて、法務省として説明をしていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(保岡興治君) お答えいたします。
 特別永住者として外国人登録をしている方の数は、平成十一年十二月末現在で五十二万二千六百七十七人と把握しております。これを国籍、出身地別に見ますと、韓国または朝鮮が五十一万七千七百八十七人と、九割以上を占めておられます。次が中国の四千二百五十二人となっておりますが、最近の特別永住者の数の推移を見ますと、平成四年十二月末現在は五十九万百九十三人であったところ、その後毎年約一万人程度の減少を続けておりまして現在に至っておりますが、そのほとんどは帰化をされて減っているという状況でございます。
 それから、お尋ねの日本国籍を付与するに当たっての配慮でございますが、特別永住者の方については、そのような方が我が国で生活するようになった歴史的な経緯、それから日本で生まれ、日本の教育を受け、日本の社会に定着して、日本に生活の基盤を持っているといった事情を十分に考慮いたしまして、その帰化申請があった場合にはできるだけ速やかに手続を進めて、国籍法の定める帰化条件を満たしている限りこれを許可するという方針で臨んでおりまして、最近においては特別永住者の方の不許可率は申請に対して一%というようなことになっております。
○鶴保庸介君 ありがとうございました。
 いずれにしても、絶対にこの問題についてはタブー視をすることなく、党利党略あるいは個人の選挙区の事情に左右されることのない、真摯な議論を進めなければならない問題であるということを申し添えて、委員会での審議に期待をしたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(岡野裕君) 以上で陣内孝雄君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、木庭健太郎君の質疑を行います。木庭健太郎君。
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。
 きょうは災害対策について集中的にお聞きしたいと思っております。
 ともかく、ことしは災害が多発をしております。被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げたい。
 まず東海集中豪雨の件について、早速現場に行かれていました扇国土庁長官に、どう感じ、どう対策をとろうとしているのか、総括的にまずお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、木庭委員からお話ございましたように、今回の東海地方の集中的豪雨、驚異的と言われるような豪雨によって多くの皆さんが被害に遭われました。また、死者まで出ましたことを、午前中も申し上げましたけれども、皆さんとともに心からお悔やみ申し上げたいと思います。
 また、今回の対策につきましても、私は、あれほどの大きな豪雨があったということも、目の前にしてびっくりしたんですけれども、新川と庄内川のあの流域の浸水状況、少なくとも二万八千戸、こういう床上浸水、そして御存じのとおり、多くの皆さんが避難されましたところに対しても船で、ゴムボートで食料を運ぶというような現状も見てまいりました。それに関しまして、私は本当に恐ろしいことだなと思いましたけれども、役所としてあるいは県として、一緒になって今後対策を講じていかなければ、河川というものの恐ろしさ、あるいは浸水したときの対応というものを、予知できないと言いながらも、ふだんの状況を把握し、公共事業の確実な実行をしていかなければならないと思っておりますので、心からこれからも御協力を賜りたい。また、皆さんに心からお見舞い申し上げるという気持ちでいっぱいでございます。
○木庭健太郎君 午前中も論議があっておりましたけれども、激甚災害の指定の問題は、これからの被害調査という問題があると思っております。ただ、私は、特に被災の著しかった新川、天白川、この流域につきましては、河川の激甚災害対策緊急事業というのがございます。この採択はできると思っておりますし、また午前中も議論になりましたが、直接河川のさらなる整備の問題。そして、もう一つ問題になったのは、直接河川と地方河川というのが基準が違う、整備について。この問題が生じていると思っておりますので、この現状の見直しについて建設大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 先生、今おっしゃいましたように、新川、そして庄内川、これは河川の責任が、庄内川におきましては一級河川で国の直轄でございます。新川に関しましては愛知県でございます。御存じのとおりでございます。
 けれども、少なくとも、今おっしゃいました新川と天白川というお名前が出てまいりました。天白川のはんらんによっても多くの被害が出ておりますけれども、河川の激甚災害の対策特別緊急事業、これに採択の基準であります要するに浸水家屋が二千戸以上という規定がございます。今現在では二千戸以上になるであろうと報道ではされておりますけれども、今、現状では少なくとも五万八千戸が浸水したという記事も既に出ております。
 ですから、私たちはこの対応を愛知県、そして御存じのとおり、県からは二千戸以上の浸水家屋の申請があれば、建設省としては河川の激甚災害の特別緊急事業として五カ年の集中投資をしてこれを工事してまいろうと思っておりますので、今、愛知県からの御連絡を待ちながら、準備はおさおさ怠りなくいたしております。
○木庭健太郎君 通産大臣、今、東海の集中豪雨の話をしております。今、中小企業の皆さん、工場や店舗が本当に水浸しになっております。この皆さんにとって今一番必要なのは何かというと、復旧のための資金の調達なんです。ただ、いろんな資金の問題というのは、今まで既に借りている問題とか、いろんな問題が起きている。ですから、ぜひ政府としてこれは、政府系金融機関や信用保証協会、ぜひともこの弾力的運用が必要と思っておりますが、通産大臣の見解を伺います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
 今回の東海豪雨により被害を受けた中小企業の方々に対しましては、政府系中小企業金融三機関の各支店及び各信用保証協会に特別の窓口を設置をさせていただきました。そして、きめ細かに御相談に応じております。また、政府系中小企業金融三機関の融資を別枠で行う災害復旧貸し付けの適用を既に開始をいたしました。
 さらに、政府系中小企業金融三機関及び信用保証協会に対しては、中小企業の事業活動に重大な支障が生じないように返済の猶予あるいは既往債務、その条件変更並びに担保徴求の弾力化につき十分実情に応じて対応するように指示しているところであります。
 また、当然のことながら、売り上げ減少等で大変な被害をこうむっておられる中小企業者に対しましては、中小企業信用保険の限度額を拡大する等の措置を決定し、本日官報告示を行ったところであります。なお、この措置は災害救助法が適用された九月十一日までさかのぼって適用することにいたしております。
 今後とも、被災中小企業者に対する資金供給の円滑化には万全を期してまいるつもりでございます。
○木庭健太郎君 こういう大災害が起こった後、何が残っているかというと、巨大なごみが残っています。水没した家具とかいろんなものがいわゆる災害廃棄物になります。これ処理しようと思ったら、この処理する施設も水浸しになって破損しているんです。できない状況で今ごみ山積み、これが現状です。
 ぜひ厚生大臣、施設の問題について、復旧について申請があった場合、国庫補助を初めこれも弾力的運用が必要と思いますが、見解を伺います。
○国務大臣(津島雄二君) 委員御指摘のとおり、私も東海集中豪雨の後の惨状を見まして、水も大変であったけれども、あの廃棄物の散乱の状態はまことに驚くべきものだと思っておりました。厚生省としても、事態が重大であることを十分認識をいたしまして、先般、担当職員を現地に派遣して状況の把握に努めてまいりました。
 御承知のとおり、災害廃棄物の処理の問題と、それから今おっしゃった廃棄物処理施設自身がやられたということについて、従来から国庫補助を行っておりますが、さらに詳細な被災状況の把握に努め、できる限りの支援を行いたいと思っております。
○木庭健太郎君 今回の最大の教訓というのは、やっぱりその備えが十分であったかどうかだと思っているんです。ケースとして、災害対策本部になるべき町役場が水浸しになって機能を果たさなかったというケースも出ております。その意味では、やはり地域防災計画の見直しがこれから必要になってくると思っておりますが、これも自治大臣に見解をとっておきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 御指摘のように、自然災害に対しては、常日ごろの備えと緊急な対応というものが最も大切だと、こう私も考えております。
 災害対策基本法では、地域防災計画については毎年点検を加えてまいりまして、必要な場合は修正することとされております。
 自治省といたしましては、かねてから各地方公共団体に対し、地域防災計画を自然的、社会的条件を十分に勘案して地域の実情に即したものとするとともに、具体的かつ実践的なものに見直すよう要請しているところであります。その際、災害危険箇所の点検と地域住民への周知徹底、災害時における地方公共団体の行政機能の確保等を特に留意すべき事項として示しておるところでございます。
 また、先般、これらの点につきましては、ちょうど六月でございますけれども、風水害対策を特に推進するため都道府県と政令指定都市の防災責任者を招集して会議を開催いたしまして、消防庁長官から強く要請をしておるところでございます。
 自治省といたしましては、今回の東海地方を中心とする豪雨災害の教訓を重く踏まえ、地域防災計画がより地域の実情等に即した実践的なものになるよう、地域住民の方々の安全というものを守っていくことに万全で取り組んでいきたいと考えております。
○木庭健太郎君 さてもう一方、全島避難という深刻な状況を迎えておるのが三宅島でございます。
 これは総理が実際に行かれました。テレビでは何か変なことを報道していた部分もありますよ。総理が懐かしがっていたとか、三宅島は久しぶり、若いとき行ってとか、学生時代に行った話なんかはテレビでやっている。私は、本当に総理は行かれてきちんと見てこられていると思う。したがって、三宅島で何を実感されたか、そしてそこから今後どう対策をしようとしているのか、しっかり国民にお話をしていただきたい。
○国務大臣(森喜朗君) 日程の都合もございましたし、天候も余りよくありませんで延期しようかと思いましたけれども、せっかくの機会だろうと思いまして三島、わずかな時間でございましたけれども、神津島、新島、三宅島を視察してまいりました。
 今、指摘されました点はちょっと何かの間違いだろうと思いますが、私は学生時代に新島に行っていたんです。そのときに撮った写真を村長さんが持ってこられたということでありまして、三宅島ではございません。
 三宅島の災害は、いつ解決するというなかなかめどがない中に大変な御苦労をしておられるということを目の当たりに見てまいりました。特に、全島民が避難されて、村長さんと本当に生活ラインに必要とされる役場の職員のみが残られて、あとは東京都の職員の方あるいは消防庁、自衛隊の皆さんが応援態勢をとっておられました。
 何が問題かということを幾つか伺ってまいりました。しかし、皆さんが、今は少し変わりましたけれども、当時はもちろん島で夜は村長さん初めお休みになれないということで、停泊しております東海汽船の中で夜は泊まって、朝はまた島へ出て作業を続けるということでした。沖合の方に自衛隊の船と海上保安庁の船がずっと待機しておりました。もし一たん何かがあればすぐ船で避難をさせるという、安心してくださいという、そういう意味もありますが、何とも言えない気持ちでした、もしものことがあったらどういう事態になるんだろうと思って。
 村長さんとお別れをするときに、飛行場でしっかり握手をして、頑張ってくださいと。決してお若いとは言えない村長さんがひげをいっぱい生やしながら涙をいっぱい目に浮かべて、そしていつ子供たちが帰っても、いつ島の諸君が帰ってきてもすぐに仕事ができるように、すぐに道路が使えるようにと思って毎日毎日道路の掃除をしていますと、こうおっしゃって、本当に私も涙がいっぱい出てきました。でき得るものならば早く、本当にこれ以上島の、何というんでしょうか、おさめてもらえないものだろうか、山に向かって私は本当に手を合わせて祈りたい、そういう気持ちでございました。
 翌日、今度は秋川高校へ行きまして、避難されている子供たちのお見舞いと激励に行ってきました。半分ぐらいはお休みの日でしたのでいらっしゃいませんでしたけれども、みんな元気でしたけれども、島にいつ帰れるんだろうかという言葉だけでした。でも、子供たちは明るくて、初めてお父さんやお母さんがそばにいない生活をすることが、いかに家族というものは大事かということを実感しましたという子供たちのそんな発言も聞いて、君たちの苦しいこういう体験は将来必ず私はそれはむだではないことだよと、しっかり頑張ろうねということも言って励ましてきたわけです。そんな中で子供たちが本当に元気に明るく振る舞っておられたことに大変強い感銘を受けた次第です。
 被災者の方々は長期にわたって厳しい避難生活を強いられている。その御苦労や御負担が少しでも軽減されますように、我々といたしましては、ちょうど東京都の方もあるいは東京都議会の皆さんも一緒に来ておりましたので、ぜひ力を合わせてどのようなことでもできることはすべてやろうと、こういうことを我々も誓い合い、また扇担当大臣にもそのことを命じ、全閣僚にもそのことを指示したところでございます。
○木庭健太郎君 私は、そうやってやっぱり現地に行かれることが一番こういう対策を考える大事なことだと思っているんです。
 今、総理がたまたま何でもやろうとおっしゃいましたので、ひとつ、阪神・淡路大震災を機に制定された被災者生活再建支援法というのがあります、これはどうですか、三宅島の被災者に適用するお考えはありませんか。
○国務大臣(森喜朗君) 被災者生活再建支援法の三宅村への適用につきましては、現時点ではまだ噴火等によりまして被害の実態が実際には調査できない状況です、現実にこういう毎日毎日が変化をしているわけですから。被害状況を把握する方法についての今検討をしているところです。今後、支援法の適用条件を満たすということになった場合には、法の趣旨に沿ってできるだけ速やかに対処していきたい、こう考えています。
 また、島外に避難されている三宅島の被災者の生活支援等の課題について、東京都、三宅村を初めとする関係者の皆さんとも連絡を十分とりながら、今後とも一層緊密な連携をとりつつ万全の対応を期していきたい、このように閣僚にも指示をいたしております。
○木庭健太郎君 今、総理がおっしゃったように、これは状況を掌握しないとどうしようもないんです。それはぜひ国土庁には急いでいただきたいし、もう一つは、法を厳格に適用するのじゃなくて、この問題はぜひ、どう考えるかというのをしっかりして、どうすれば適用できるか、その視点でやっていただきたいと思いますがいかがですか。
○国務大臣(扇千景君) 今、総理がお答えになったとおりでございますけれども、補足させていただいて私から。
 今まで森内閣としては多くの適用事項をしてまいりました。それは、御存じのとおり、予備費の使用ということで優先的に三宅島、新島、神津島に、まず九月の十二日に十四億円の観察監視体制の設備をいたしました。また、九月の十九日の閣議におきましても、三宅島、神津島、新島、三島に対しましても九十六億円というお金を予備費から出したわけでございます。
 さらに、今、総理がお答えになりました上に、私どもは、今、木庭議員がおっしゃいましたように、どうすれば早く適用できるのかということにかんがえまして、東京都の石原都知事と綿密な連携をとりまして私も対処しているところでございますけれども、少なくとも一日も早く島民の皆さん方が島に帰れるようにということで、私ども今、島外の避難がおおむね六カ月以上長期にわたるというような観測がされておりまして心を痛めておりますけれども、もし六カ月以上という避難が見込まれるということになりましたら、必ず支援法の対象になるということで対処していきたいと思っております。
 以上です。
○木庭健太郎君 この支援法ですね、今、一生懸命適用を考えていただいている。実際にやろうとすると、私も議員立法でつくった一人なんです、それは適用基準が厳しいんです、いろんな問題があるんですよ。何とかこれ、政府で見直し、検討というのはおやりになられませんか、総理。
○国務大臣(森喜朗君) 今、木庭議員がおっしゃいましたように、同法が阪神・淡路の教訓を受けて皆さんで御苦労されてつくられた法案で、六党の共同提案によって成立をしましたし、昨年の四月から実は運用を開始したところでありますから、現行制度を円滑かつ適切に運用して、まず実績を積み重ねる。こんなもの実績を積み重ねるというのは余りいいことではないんですけれども、そういう現状に照らし合わせて、何が足りずに何がよかったかということをまずよく見きわめることが大事だろうと思います。その上で、問題点をまたみんなで出し合っていただいて御議論をいただきたいというふうに思っています。
 政府としては、今、建設大臣からもありましたように、まず、島外に避難されている三宅島の被災者の生活支援等の課題についてどうするか、東京都、三宅村を初めとする関係者の皆さんと十分に連絡をとりながら、石原都知事も大変心を痛めておられまして、随時連絡をとりながら万全の対応をとっていきたいと、このようにお話し合いを進めているところであります。
○木庭健太郎君 しつこいようで恐縮でございますけれども、行政を統括する総理としては、例えば法の改正の問題については、法を一生懸命執行するのが行政ですから、総理としての答弁というのはなかなか難しいだろうと思うんですけれども、私どもの党もこの法律改正、この支援法についてはぜひ検討を始めるべきだと思ってやるつもりです。これは総理という立場と総裁という立場がございます。ぜひ自民党の中でもこういう問題の検討を始めてもらいたい。指示されるかどうか、それだけ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 我が党の皆さんも聞いていらっしゃいますから、党としても、どのようなところが矛盾があったとか、現実にそぐわなかったというのはやっぱりわかるわけですし、保坂議員も東京都選出でありますから、三島のことをよく見ていらっしゃいますので、一度よく研究を始めてもらいたいなと思います。
 政府としては、だめですよだめですよと言うんじゃないんで、扇担当大臣が言っておられますように、どうしたらこの法を活用できるかという姿勢で臨むのは当然なことだろうというふうに思います。
○木庭健太郎君 二十世紀に残された課題というのはいっぱいあります。その一つは、被爆地から外されたために、戦後五十五年たってもまだ認定されていない被爆者の問題があるんです。これは長崎の被爆地拡大という問題なんです。
 この問題について、総理はことし八月九日、長崎の原爆忌に行かれた。そこで発言された。その発言がきっかけとなってようやく、動かなかったこの問題が今動こうとしている。私は、総理、すばらしいと思っています、本当に。
 どんなことを言われて、その後どう対応されようとしたのか、ぜひお聞かせを願いたい。
○国務大臣(森喜朗君) 八月九日に、長崎平和祈念式典終了後、皆さんのお話を聞く機会がございました。私から、今般長崎市が中心になって取りまとめておられます証言調査報告書につきまして、専門家の意見を聞くなど、十分精査研究するように厚生省に対し指示をしたところです。
 要は、地域の指定を、余り専門的なことを申し上げても意味がありません、余りにもしゃくし定規にお考えになり過ぎているということであって、ここまで来て大変な御苦労をされた皆さんが、縦に見るか横に見るかということなんであって、先ほど申し上げたように、もう少し拡大して広く考えてみられたらどうでしょうかということを厚生省に対して私から、よく地元と相談をして調査をさらに進められたらどうかということを申し上げたわけです。
 その後、厚生省からは、報告書の内容を科学的、合理的に精査研究するための専門家による検討会を来月のいよいよ初旬に開催するという報告を受けておりますので、この検討会において十分な検討が円滑に進められるだろうと、そういうふうに私は期待をいたしておるところであります。
○国務大臣(津島雄二君) ただいま総理から御答弁ございましたように、御指示を受けまして、八月二十四日に地元住民の方に直接お会いいたしまして、そこから私どもとしては真剣にこれに取り組むことを決定いたしました。
 証言調査報告書を科学的に詳細に検討させていただいて、特にPTSD、心的外傷後ストレス障害という新しい医療上の知見もございますから、それに照らして検討するということで、今総理がおっしゃった、近くというのは、十月五日にこの検討会を立ち上げて一回目の検討をいたします。
 そして、私も本院の別の委員会でお答えいたしましたが、一定の期間の検討は必要ですけれども、一年を超えることのないように、できるだけその中でまとめていただきたいとお願いを申し上げております。
○木庭健太郎君 私は、ぜひ二十世紀中に一つのめどをこの問題はつけていただきたい。そして、ぜひ専門家会議を開く際に現地へ行って生の声を聞いてもらいたい。
 私も聞いてみてびっくりした。一つの集落で、川を挟んで、右岸に被爆した後上がったら認定、左岸に行ってしまった、反対側に行ったら認定されていない、こんな矛盾もあるんですよ。ぜひ専門家会議に現地の意見を聞いてもらいたいと思いますが、厚生大臣。
○国務大臣(津島雄二君) そのとおりでございまして、私も現地でなくて、お話を伺っただけで大変に感銘を受けた点がございました。
 そこで、今度の検討会は、この証言調査報告書に掲げられている心理的影響に関する面談調査及び健康状態、世帯の状況等に関する調査の結果などを科学的に評価することは基本ではございますが、御指摘の現地での聞き取り調査などについては、検討会メンバーでも相談をしながら対応していただけると思っております。
○木庭健太郎君 二十世紀に残されたもう一つの課題は、私は先ほどから議論になっている永住外国人の地方参政権付与問題だと思っています。
 私どもの党は、やはり歴史的経過から見ても、ぜひこの問題は速やかに成立をすべきだという考えは変わりません。
 総理、これについてどう考えられますか。
○国務大臣(森喜朗君) この問題につきましては、たびたび申し上げておりますように、今、七月五日、公明党・保守党案と民主党案の二法案が国会に出されているわけでございます。
 我が国の制度のまさに根幹にかかわる重要な問題でもありますし、賛成論、反対論、さまざまな意見がございまして、今まさに、特に我が党にとりましても真剣な議論が行われておるところでございますので、私としては各党各会派における国会等での御議論をぜひ進めていただきたいと、私自身はこのように考えております。
○木庭健太郎君 状況もよく私も掌握しているつもりです。ただ、三党合意の問題とか外交問題はどうなるのか、そんな問題を一番よく御存じなのは総理なんです、この問題では。今、もうある意味では緊迫した場面になっている。この事態打開へ向けて総理としてもぜひ汗を流してもらいたい、この問題では。そう考えますが、決意だけ伺って関連質疑に移ります。
○国務大臣(森喜朗君) 先日、本会議でもそうでございましたが、繰り返し本件に関しまして私自身の姿勢を問われているということを私もよく承知をいたしております。
 私としても、自分自身、自由民主党の幹事長をいたしておりました昨年の十月にこの三党合意にかかわった経緯もございますし、また私も責任ある立場でこの三党合意に対して直接の指示もしたという立場でもございます。
 そういう中で、さまざまな立場から真剣に議論が行われている現状の状況では、いましばらく党と緊密な連携をとりながら、その議論の行方に注意を払ってまいりたい、こう思っておりますが、いわゆる三党合意をいたしましたとき廃案になりました当時の旧自由党そして公明党との法案の提出のときも、当時、自由民主党の幹事長として同意をしたという、私はそういう責任があるというふうに思っております。
○委員長(岡野裕君) 関連質疑について、これを許します。松あきら君。
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
 国の借金が本年六月末で五百兆円を超えました。国債発行残高もこの一年間で約四十五兆円増加をしております。利子の支払いだけでも一日当たり約三百億円もするわけでございます。
 公共工事の見直しなど、財政の立て直しのための政府の積極的姿勢は大変評価をしておりますけれども、教育はすべての原点であると思っております私にとりましては、今後このような財政状況のもとで柔軟かつ革新的な教育改革ができるのか、すなわちこれらに回せる財源は十分に確保できるのか、大変懸念をいたしております。
 これからの情報社会、国際社会の流れの中において、教育に関する財源論をもっともっと活発に議論すべきだと考えます。財源には限りがあり、必要とすべきところは多いとは思いますけれども、教育を最重要課題であるとされている総理のこの点についての御所見と、また大蔵大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のような財政の状態でありますけれども、おっしゃいますように、教育というのはやっぱりすべてのもとだということは私も私なりに思っておりますし、また総理大臣からかねてそういう御方針は承っておりますので、そのことは大切に考えなければならないと思っております。
○国務大臣(森喜朗君) 大蔵大臣の今のお話で私は十分ではないかと、こう思っております。
 松委員におきましては、平素から教育問題に対して大変熱心に取り組んでいただいておりまして、敬意を表する次第です。また今、子供ゆめ基金などについても御提案もいただいておりまして、子供の体験活動、読書活動、さらには子供用のソフト制作など、そういう事業を進めていこうという、そういう子供たちに対する夢、大変貴重な御提案だというふうに私は受けとめております。
 教育はまさに国家百年の大計でありまして、我が国が二十一世紀に向けて心豊かな美しい国家を実現するためにも思い切った教育改革を断行していくことが極めて重要だろうと、こう思っております。
 教育改革国民会議におきまして、財政面も含めてあらゆる制約なく教育改革について御議論をいただいておりました。このたび中間報告がまとめられましたので、文部省に対しましても、この報告を十分に踏まえて教育改革の準備を直ちに始めるように、そう指示をいたしたところであります。
 今後、予定されております最終報告を受けまして、所信表明でも申し上げましたように、幅広く教育改革を実行していきたい、そのためには大蔵大臣とも十分、また文部大臣とも十分御相談申し上げながら、必要な予算についてはこれを確保していきたい、このように考えております。
○松あきら君 公共事業はぜひ人にかけていただきたいというふうに申し上げたいと思います。
 総理は、子供ゆめ基金に対しましても非常に心を砕いてくださっていらっしゃる。本当にありがたいというふうに思いますけれども、午前中の質疑の中で総理は、ITはあくまで手段であって人と人との触れ合いが大事である、こういうふうにおっしゃったと思います。私もこの点全く同感だというふうに思います。二十一世紀を子供のひとみ輝く世紀にするためには、私たち大人が常に自省する心がなくてはならないというふうに思っております。
 先ほどからたびたび出ております教育改革国民会議の審議、これも進んでおりまして、二十二日には中間報告も出されたわけでございますけれども、実はこういった会議にほとんど現場の先生がいらっしゃらない。現場の問題点が反映されていないという指摘がございます。今回もたくさん有名な先生方がお名前を連ねているわけでございますけれども、河上さんという中学校の先生がたったお一人入られているわけでございます。小学校、高等学校の代表は参加をされておりません。二十一世紀の日本を担う人材をいかに育てるか、こういう発言が相次いで、それ自体はもちろんとても大切で大事なことなんですけれども、実は現場はそれどころではない。そういう状況、現場の状況がほとんど省みられない印象を持った、ショックを受けたという感想も述べられているわけでございます。
 小渕元総理からこの会議を引き継がれたわけでございますけれども、もっともっと現場の意見を反映できるような構成にするとか、そういったところを手直しするお考えはおありでしょうか。総理にお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 確かに、御指摘がございましたように、教育現場の中の方々がごく少数といえば少数だと思います。
 ですが、私、かつて臨時教育審議会のときには、できるだけ現場の声をということでお選びをいただいた、当時中曽根総理がお選びになったわけですが、そういたしますと、義務教育諸学校の方、あるいは高等学校の方、大学、高等学校、大学の中にも短大と四年制がございます、各種学校、専修学校もあります、地方と中央とありますということになりますと、それぞれ自分たちの権益をどうしても主張することになって、余りいい進み方にはならない面があるんです。すべてじゃありませんよ。そういうケースがあります。
 今度、これは小渕前総理がお選びになった方々でいらっしゃいますが、かえって余り教育の中にいらっしゃらない方の、外から見た方がかえって新しい発想でいろんな御意見を受けられるんじゃないだろうか。しかし、全く経験のない方ばかりで議論をしてもいけませんから、中にはやはり学校関係者も一人、二人いらっしゃるということはとても大事だというふうに私思いますので、物の見方なんだろうと思います。
 しかし、先ほども私が御答弁の中に申し上げたように、四回、東京や大阪やあるいは新潟でしたでしょうか、それから九州でしょうか、そうした地方でこれから幅広く多くの皆さんのお声を聞くことになっていますから、そういうときには教育関係者の皆さんにも大勢御参加をいただいて、そして答申についても御意見もお聞かせいただくし、また先生方が持っていらっしゃいます現場の声もちょうだいをして、そしてそれを参考にして改めて最終答申にまでまとめ上げていくということも一つの私は取りまとめの仕方ではないかな、こんなふうに思いますので、確かに御注意をいただいた点も、確かにそのようなことも感じられますけれども、また逆転の発想みたいなようなことも考えてもいいのではないかなというふうに思います。
○松あきら君 ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 私も、横浜のある中学校を視察いたしまして、現場の声というのが非常に大事であるなというふうに感じました。
 先ほど、財源ということもお話しいたしましたけれども、大上段ではなくて、例えば、荒れている中学校を改善しようと思って音楽を取り入れた。ブラスバンドのように楽器を与えた。子供たちが、とてもそれによって荒れているクラスがよくなった。だけれども、音楽の授業で窓をあけると外からうるさいといって苦情が来る、訴えると言われる。じゃ、窓を閉め切って音楽の授業をしよう、楽器を鳴らそうと思うと、三十七、八度になってしまう。例えばそういうことでも冷房一つつけられない、こういうのが実際の現状でございます。現場の意見もいろいろ伺いながら、総合的にどうぞよろしくお願いをいたします。
 時間がございませんので次に行きたいと思います。もう少しやりたいんですけれども、残念でございます。
 前回の予算委員会で、出産育児一時金の質問をいたしましたところ、大反響がございました。そこで、再度確認の意味で質問をさせていただきたいと思います。
 私は、少子化を何とかとめたいという気持ちと、働く女性が安心して子供を産み、そして育てられるように努力を続けたいと思っております。
 法律では、出産について一時金三十万円が出産後に支払われることになっております。しかし、退院までにとにかく出産費用を全額病院に支払わなきゃならないんです。この前もこれを読み上げましたけれども、この病院では、当病院の分娩費は約四十五万と書いてあるんですけれども、もうここから上がりまして今五十万だそうです。そして、妊娠二十八週になったら一部として三十万円を先に支払いなさい、こういうことになっているんです。幾ら後から三十万円健康保険組合から返ってくるといっても、申請して半年、七カ月、八カ月待たされる例が多々ある。
 こういうことを顧みましても、本当に若い御夫妻は出産費用を捻出するのに大変苦労しているわけでございます。また、おじいちゃま、おばあちゃまにしても、お孫さんの費用負担で悩んでいる、こういうケースもあります。政府として、少子化対策としても、これらの経済的に大変な若い年代の人たちの負担感をぜひ取り除いてあげることが大切だと思うわけでございます。
 津島厚生大臣は前回、私のこの質問に対しまして、出産費用を無利子で貸し付けるなど前向きに検討すると、とてもすばらしい御答弁をいただいたんですけれども、いつからどのような形で実行されるのか、ぜひお伺いしたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 少子化対策が大事な中で、こういう地味ではあるけれども大事な問題を取り上げていただいておること、私どもは大変感銘を受けております。
 出産育児一時金はその性格上分娩後の支給となる、御指摘のとおりでございまして、医療機関等への費用の支払いに支障を来す若い方も当然おありになると思います。こうしたケースに対し何らかの対応策が必要でないかと、こういう御指摘、私も全く同感でございまして、前回、議員の御質問に対して、高額療養費に無利子の貸付制度もあるから、同様の貸付制度の導入を含め検討するとお答えをいたしました。
 現在、議員の御指摘を体しまして、鋭意検討と折衝をしております。もちろん、これお払いになるのは保険者でございますから、厚生省の方が一方的に決めることはやはり一定の難しさがあるわけでありまして、そういう関係する保険者との調整を急いだ上、対応策をまとめ、来年度からでも実施できるように最大限の努力をいたします。
○松あきら君 もう、それで十分でございます。ぜひ来年度からよろしくお願いをいたします。
 質問を終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で木庭健太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、富樫練三君の質疑を行います。富樫練三君。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 私は、まず参議院の比例代表選挙の非拘束名簿式導入の問題について伺います。
 参議院では、御承知のように、選挙制度改革に関する協議会で選挙制度全般にわたって協議してまいりました。その結果、次回の選挙では非拘束名簿式は導入しないということが自民党を含む全会派の合意となりました。これは参議院全体の意思であります。
 まず、総理に伺いますけれども、総理はこの事実を否定するんですか、どうですか。
○国務大臣(森喜朗君) 私は、我が党の参議院の皆様から報告を受けておりますことを先ほどからたびたびの御質問に対して申し上げてきたわけです。
 そういう意味で、そういう議論を踏まえて、拘束、非拘束の問題については議論の結論は出なかったけれどもこれからも議論をしていこうという、そういう結果であったというふうに聞いております。非拘束については否定をしたというものではなかったという報告も受けております。
 そして、このことについての結論が出なかったので、与党としてぜひ、明年の参議院選挙の前でもありますので、むしろこの議論を国会の場に出して、そして議論を進めていきたい、与党の責任としてこういう考え方の改革をしたいと、こういうふうに判断をされたというふうに私は承知をいたしております。
○富樫練三君 総理は、午前中の答弁の中で、次回の選挙では非拘束名簿式は導入しないということについて、これを前提としているということについては、前提にすぎない、こういうふうに答弁しております。
 これは全くのねじ曲げだというふうに言わなければならないと思うんです。参議院の与野党一致の結論は、次回の選挙では非拘束は導入しないということであります。この結論というのは、協議会の報告書で、当面は現行の拘束名簿式を維持する、こういうふうにはっきり明記されております。
 今度の選挙制度の問題で、将来の選挙制度一般について結論を出したわけではないんです。問題は、次の選挙でどういうふうにやるかと、ここが一番の問題になってきたわけです。これを党利党略で軽視してねじ曲げること、これは議会のルール違反、これも甚だしいと言わなけりゃなりません。
 総理は今まで、改革を国民が求めているとか、あるいは有権者が候補者を選べるなどと言っておりますけれども、本音は全然違うんじゃないですか。
 自民党の比例代表の得票、これはどんどん下がって、八〇年代の全国区当時四二・七%であったものが、前回の九八年には二五・一%まで落ち込んでおります。
 野中幹事長は、現行制度ではだんだん党の組織は細っていく、こう言い、そして青木参議院幹事長は、前回の衆議院選挙でも候補者名の小選挙区よりも政党名の比例代表の得票が八百万票も少なかった、こう言っております。
 要するに、自民党の看板では選挙を戦えない、だから都合のいいように選挙制度を変える、こういうものであります。
 この非拘束名簿式は、例えば仮にAさんが三百万票とったとすると、それが全部自民党の票に読みかえられ、そして当選に必要な票以外は他の候補者に振りかえられて、BさんやCさんがたとえ得票がゼロであっても当選してしまう、こういう奇妙なことが起こる制度であります。
 有権者が候補者を選べるといいますけれども、選べるどころか全く別の人が当選してしまう、得票の横流しが制度化されるものであります。主権者である国民の意思が著しくゆがめられて、ここにこの制度のまさに根本的な欠陥があります。国民主権とは相入れないものであると考えますが、どうですか。
○国務大臣(森喜朗君) いろいろ富樫議員の御意見は御意見として今承りました。しかし、我が党にとって不利だとか有利だとかという議論ではないと私は承知しています。仕組みとしては同じことが、各党の皆さんにも同じ、自民党だけがこれを受けるわけじゃないわけでありまして、各党がこの同じシステムに乗るわけです。
 それからもう一つは、何か急にこの意見が出てきたというふうにおっしゃいましたけれども、五十七年に現行のこの拘束名簿式比例代表選挙が導入されて以降、この選挙についてさまざまな意見が実は出されているわけでありまして、平成二年の第八次選挙制度審議会もこの方式については問題ありということで、やはりそういう意見が出されているわけでありますから、選挙制度というのは一長一短あるわけでありますから、いろんな形でいろんな議論があって、そしてもう一点大事なことは、二院制における参議院に期待されている役割というのは、やっぱり衆議院と異なる選挙制度ということが私は重要だろうと思います。それはやっぱり国民の多元的な意思をよりよく国会に反映するということがあると思われます。
 衆議院も、いろんな経緯はありましたけれども、今の比例代表制が導入されて、そしてこれが二回行われて定着しつつあるわけでありますから、そういう意味からいえば、参議院の皆様方が今の制度を変えようというお気持ちになられるということも一つのやはり改革の考え方として妥当なものではないかなというふうに、私はそう承知をいたしております。
 いずれにしても、大変大事な問題でございますので、どうぞ国会で大いに御議論をしていただきたいというのが私の率直な気持ちでございます。
○富樫練三君 総理、いろいろ言いましたけれども、要するに自民党はこの間ずっと後退していることは間違いないんです。そういう中で、顔の見える選挙、先ほどもありましたけれども、そういうふうに言っております。
 しかし、現在、比例非拘束名簿式の先進の、それを推進する先頭に立っております自民党の村上正邦氏、以前の八一年、旧全国区から現行の拘束式に制度を改変するときに、参議院の特別委員会で次のように発言しております。
 有権者にとりましても、現行制度、すなわち当時の全国区でありますけれども、これは候補者をよく知りその意見を、政見を十分に聞くこともできないまま百人を超える候補者の中から一人を選択しなければならないということ、まことにわかりにくい選挙となっておりますことも大きな問題であります、こう発言をしております。いかに顔の見えない選挙であるかを強調しているわけです。
 そこで、自治大臣に伺いますけれども、午前中の答弁で、大臣は非拘束によって五十億円の公費負担がふえると言いましたけれども、これは比例の候補者を何人と想定したものか、この点についていかがですか。
○国務大臣(西田司君) ちょっと質問の……(「端的に答えて、質問に」と呼ぶ者あり)そうですか、それじゃ端的にお答えをいたしましょう。
 与党プロジェクトチームの試算の根拠については、新たに認められる選挙運動の内容に応じて試算をされたものと考えております。
 その総数は三百五十九人と想定されておる、こう考えております。
○富樫練三君 百人でも顔が見えないというのに、三百五十九人でどうして顔が見えるんですか、総理。どうして顔が見えるんですか。
○国務大臣(森喜朗君) 有権者はそれぞれの視点、基準でいろんな御判断をされるんだろうと思います。まず御自分の好きな、また支持をされる、そういう人物を見られるケースもあるでしょうし、逆に言えば、また政党の、好きな政党という、その政党のランクの枠の中から名簿を見るケースもあるだろうし、要は、先ほど御指摘がございましたが、いろんな見方がありますが、政党に入れる投票と、そして選挙区から選ばれる議員との票数の違いがあるというのも、逆に言えば、比例の自分の入れたいという議員の顔が見えないということも、やっぱりそういうことになっていくんじゃないでしょうか。
 そういう意味で、やはり自分の投票したいという人の、議員に対して自分が投票したいというのがやっぱり選挙としての本旨ではないかなというふうに私は思います。
○富樫練三君 それは、先ほど言いましたように、自分が入れたい人に入れた票が、それが必要なだけの分は入るけれども、それ以外は横流しされる、こういう制度だということについて、総理、もう一度しっかりと考えていただきたいと思うんです。
 大体、この制度というのは、落ち目の自民党が政党名では国民の支持が得られない、有名人の投票で自民党の票をふやそう、その票を横流しして議席を得ようと、こういうものであります。これこそ党利党略そのものではありませんか。議会制民主主義のルール破りと票の横流し、この非拘束名簿式は、この提案は直ちにやめるべきであることを主張して、次の質問に移りたいと思います。
 久世問題を初めとして、今、自民党の金権体質が国民の批判の的になっております。ここで改めて政治と金の問題について伺います。
 まず、自治大臣に伺いますが、国からの補助金、交付金などを受けている企業や法人、これは補助金の交付決定から一年間は政治献金をできないこと、こういうふうになっていると思いますけれども、どうですか。
○国務大臣(西田司君) 政治資金規正法第二十二条の三第一項におきましては、国からの補助金等の交付の決定を受けた会社その他の法人は、交付の決定の通知を受けた日から一年を経過する日までの間、政治活動に関する寄附をしてはならない、こういうことになっております。
○富樫練三君 要するに、補助金を受けている団体は政治献金を厳しく禁止されているということ、処罰までされるということであります。
 再び自治大臣に伺いますけれども、なぜそうなっているんですか、その理由をお聞かせください。
○国務大臣(西田司君) 政治資金規正法第二十二条の三第一項の規定は、国から補助金等の交付を受ける会社その他の法人との政治資金の授受は、補助金等の決定をめぐり不明朗な関係を生じさせる危険性があること等にかんがみ、このような会社その他の法人が行う政治活動に関する寄附について規制をしようとするものだと思います。
○富樫練三君 私はこの規定は当然のことだと思うんです。補助金をもらっている団体が政治献金を出すということはいわば税金の横流し、こういうことにもつながるわけでありますから。
 そこで、厚生省に伺います。
 一九九九年の三月から二〇〇〇年の三月までの間に石川県内の法人、和楽仁という法人、それから慈豊会という法人の加賀温泉病院、さらに、同じく茲豊会と読みますけれども、漢字が若干違いますけれども、久藤病院、さらに篤豊会、この四つの医療法人、福祉法人でありますけれども、ここに厚生省から補助金を出していると思いますけれども、その出した補助金の交付決定日と金額を明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤雅治君) お答えいたします。
 医療法人和楽仁会につきましては、辰口芳珠記念病院に関しまして、医療施設近代化施設整備事業補助金といたしまして、石川県に対しまして、平成十一年三月十一日付で一億七千二十万四千円、平成十一年十月十二日付で七千四万九千円の交付決定を行っております。
 また、医療法人慈豊会につきましては、加賀温泉病院及び久藤病院に関しまして、患者サービス改善設備整備事業補助金といたしまして、それぞれ平成十一年三月二十六日付で二十三万三千円の交付決定を行っているところでございます。
○富樫練三君 そうしますと、この四法人合わせて約二億九千万ほどの補助金が出ているということになります。
 そこで、自治省に伺いますけれども、平成十一年に森総理の資金管理団体であります春風会は、この和楽仁という、これは辰口町にありますけれども、さらに慈豊会、字の違う茲豊会、篤豊会、この四つの医療社会福祉法人から幾ら政治献金を受けていますか。
○政府参考人(片木淳君) 総理の資金管理団体である春風会の平成十一年の収支報告書を確認いたしましたところ、和楽仁(辰口町)から十二万円、慈豊会加賀温泉病院から六万円、慈豊会久藤病院(代表者安宅義博)から六万円、茲豊会久藤病院(代表者久藤豊治)から六万円、社会福祉法人篤豊会から十二万円の寄附を受けた旨の記載がございます。
○富樫練三君 合計すると四十二万ほどになると思うんですけれども、このうち補助金の交付決定から一年間の間に受けた献金が三十三万円、これは補助団体からの一年以内のものであります。これは明らかに違法な献金じゃありませんか。重大な問題だと思うんです。明らかにこれは政治資金規正法に違反する献金であります。
 そこで、農水省に伺いますけれども、九五年から九九年までの間に能美郡農協、それから牧農協、寺井町農協、小松市農協、小松市板津農協、粟津農協、川北町農協など七農協への補助金の交付決定日と金額はどうなっていますか。
○政務次官(石破茂君) お答えを申し上げます。
 微に入り細にわたりますが、御下命でございますので御説明をさせていただきたいと思います。
 一九九五年度から一九九九年度までの補助金等の交付状況でございます。
 九五年五月二十九日、九五年十二月十三日、この二つに分けまして農業構造改善事業費補助金といたしまして一億一千八百五十万円。九五年五月二十六日、農蚕園芸振興事業推進費補助金といたしまして五十五万円。九六年六月十七日、九七年一月七日、二つに分けまして農産園芸振興事業推進費補助金といたしまして八百四十九万三千円。九七年一月七日、九七年三月四日、農業生産体制強化対策事業費補助金といたしまして三千二百七十万七千円。九七年六月六日、九七年十一月七日、九八年二月二十三日、三回に分けまして農産園芸振興事業推進費補助金といたしまして六百七万二千円。九七年十一月七日、九八年二月二十三日、二回に分けまして農業生産体制強化対策事業費補助金といたしまして三千二百三十三万円。九八年六月五日、九八年九月三十日、九九年二月十日、三回に分けまして農産園芸振興地方公共団体事業推進費補助金といたしまして六十五万円。九八年十一月二十日、農業生産体制強化対策事業費補助金といたしまして二千九百四十万円。九九年六月三日、九九年十一月十八日、農産園芸振興地方公共団体事業推進費補助金といたしまして百十五万円。九九年六月三日、九九年十一月十八日、そしてことしの二月二十五日、農業生産体制強化対策事業費補助金といたしまして一億一千五百九十万二千円。九九年七月十二日、九九年十一月十八日、水田麦・大豆等生産振興緊急対策事業費補助金といたしまして五十万円。九九年六月三日、五十万円。これが能美農協でございます。
 そのような御質問でございますので、詳細にお答えさせていただくということに相なります。
 川北町農協につきましては、九七年十一月七日、五万円。九七年十一月七日、六百三十万円。九九年二月十日、五万円。九八年十一月二十日、九九年三月一日、一千百三十五万四千円ということに相なります。
 寺井町農協につきましては、九六年六月十七日、九七年一月七日、二回に分けまして三十五万円。九七年一月七日、千二百三十万円。九七年十一月七日、九百三十四万五千円。九八年二月二十三日、二百十六万五千円。九八年六月五日、三十万円。このようになっております。
 牧農協についてのお尋ねでございます。
 九五年七月二十四日、六百七十万円。九五年四月二十一日、百二十五万円。九六年四月十五日、百二十五万円。九七年一月七日、五万円。九七年一月七日、二百四十五万四千円。九七年五月二日、二百二十万円。九七年十一月七日、五万。九七年十一月七日、九十一万六千円。九八年四月二十八日、二百二十万。このように相なっております。
 小松市板津農協について申し上げます。
 九五年十一月一日、二百三万。九八年二月二十六日、九千万。このようになっております。
 粟津農協、九七年五月二十八日、二億五百六十万。九七年五月二日、百四十五万。九八年四月二十八日、同じく百四十五万。九八年六月五日、九九年二月十日、二回に分けまして四十五万。九八年六月五日、四百五十七万二千円。このようになっております。
 小松市農協について申し上げます。
 九九年十二月十七日、二十九万八千円。九九年四月十五日、一千二百五十七万五千円。九九年六月三日、九十五万円。九九年七月十二日、九九年十一月十八日、二回に分けまして二百四十万九千円。
 詳細に申し上げれば以上のとおりでございます。
○富樫練三君 それぞれの農協にかなりの補助金が出ているということがわかりました。
 そこで、再び自治省に伺います。
 総理の資金管理団体である春風会、ここは一九九六年に能美農協の一月から十二月まで、さらに寺井町農協、十二月、牧農協、一月から十二月、小松市板津農協、一月から十月、この四農協から五十八万円。九七年には、能美農協、一月から十二月、牧農協、一月から十二月、粟津農協、五月から十二月の三農協から合計四十四万円。九八年には、能美農協、一月から十二月、牧農協、一月から十二月、小松市板津農協、二月から十二月、粟津農協、一月から十二月の四農協合計五十九万円。九九年には、川北町農協、一月、小松市農協、一月から十二月、能美農協、一月から十二月、この三農協から、その中から小松市農協の三月二十九日の寄附一万円を除いた合計七十七万円。合計しますと、二百三十八万円の政治献金をこの春風会は受けていると思うが、いかがですか。
○政府参考人(片木淳君) お答えいたします。
 総理の資金管理団体でございます春風会の平成八年の収支報告書の要旨に係る官報告示及び平成九年から平成十一年の収支報告書を確認いたしましたところ、平成八年には、年間寄附額といたしまして、能美郡農業協から二十四万円、寺井町農業協から十二万円、牧農業協から十二万円、小松市板津農業協から十二万円の寄附を受けた旨の記載があるところであり、四つの農業協同組合の寄附の合計は六十万円となります。
 なお、平成八年は収支報告書の要旨に係る官報告示でございまして、寄附日等は告示されておりませんので、小松市板津農業協からの一月から十月までの寄附の額は確認できません。
 次に、平成九年には、委員御指摘の期間につきまして、能美郡農業協同組合から二十四万円、牧農業協同組合から十二万円、粟津農業協同組合から八万円の寄附を受けた旨の記載があるところであり、三つの農業協同組合の寄附の合計は四十四万円となるところでございます。
 次に、平成十年には、委員御指摘の期間について、能美郡農業協同組合から二十四万円、牧農業協同組合から十二万円、小松市板津農業協同組合から十一万円、粟津農業協同組合から十二万円の寄附を受けた旨の記載があるところであり、四つの農業協同組合の寄附の合計は五十九万円となるところでございます。
 次に、平成十一年には、委員御指摘の期間につきまして、川北町農業協同組合から十二万円、小松市農業協同組合牧支店から十万円、小松市農業協同組合板津支店から九万円、小松市農業協同組合から二十二万円、能美郡農業協同組合から二十四万円の寄附を受けた旨の記載があるところであり、五つの農業協同組合の寄附の合計は七十七万円となるところでございます。
 なお、先ほど自治大臣から政治資金規正法二十二条の三第一項の規定について御説明を申し上げておりますが、国からの交付の決定を受けた場合と申しますのは、国から直接補助金等の交付の決定を受けた場合を言いまして、例えば国が県に補助金等を交付いたしまして県がそれを財源として法人に交付の決定を行う場合のように、国から直接に交付の決定を受けていない場合には本条の適用はない点に御留意をいただきたいと存じます。
○富樫練三君 私が言った数字は正確だったわけですね。
 国が決定するものであっても直接決定するものでなければこれは違うという、今、自治省の説明がありましたけれども、そんなことはありません。これは国が決定するんです、補助金は。そして、県の方に出すと、県を通じて団体に支給されると。こういう方法がたくさんあります。しかし、国が決定する補助金であります。
 今申し上げましたように、福祉団体やあるいは農協、ここに出した補助金は総額で約十二億円、この期間の間で。それらの団体から集めた違法な献金、これが二百七十一万円ぐらいになるわけであります。
 総理、違反の献金です、これは。政治資金規正法に違反する献金です。このような違法な献金集めができる。これはどうしてこういうことができるのか。補助金の決定に当たってあなたが口をきいた、こういうことが考えられませんか。私は当然だと思うんです。この点について、この違法献金について、総理、どうですか。
○国務大臣(森喜朗君) 今、私も伺っておりまして、共産党さんがどういう、資金がどういうふうになるのか私もわかりませんけれども、私どもは皆さんが、こぞって地方の皆さんが支持してくださるわけです。その中には、お医者さんもあれば農協の組合長さんもおられれば、いろんなお仕事の方々がおられて、今指摘されましたこれらの組合や、あるいはこの病院や医療機関は、その機関というよりも、むしろそこの組合長さんや理事さんや、あるいは医師、理事長などはもう昔からの長いおつき合いでありまして、それだけに私の選挙に対する後援会のいろんな役割をしていただいている方々でありまして、私にとりましては大変ありがたい存在であるわけです。そういう皆さんが私に対して縦横無尽に政治活動をやれということで恐らく浄財を会費の形で払ってくださっているんだと思います。集めた集めたとあなたはおっしゃいますけれども、我々はそんな自分で集めるということはまずいたしません。そういう皆様方がこぞって呼びかけられて、そして浄財をどなたかが中心になってお集めになってくださったんだろうと、私はそう思って、大変ありがたいことだと思っております。
 しかし、御指摘のように、今のこの医療法人等は確かに調査をいたしますと補助金の決定を受けていたということが明確にわかりましたので、これは平成十一年に受けた寄附をそれぞれ団体に直ちに返却をいたしました。
 私としては、これらの団体が国からの補助金の交付決定を受けているということを承知いたしておりませんでした。医療機関というよりも、むしろそこにおられる理事長や先生、お医者さんとの、個人的な親しい方でございますし、私のそういう後援会というのはすべてそういう皆さん方がわずかながらの浄財を会費としてお払いをいただいている、そういう仕組みになっております。
 ただ、それを届け出ないということは、これはまた法に触れることになりますから、管理団体が一つしかありませんので、この春風会という会にそれぞれきちんとした手続をされたという、そういうのが今いろいろ指摘された点でございまして、国から直接そういう補助を受けたものにつきましては、私も細かく見ておりませんでしたから、直ちにこのことについては返却申し上げたということでございます。
○富樫練三君 総理は浄財だと言います。しかし、これは浄財ではありません。法律に違反する献金であります。
 総理は自分では集めていないと言いますけれども、それはそうでしょう。総理みずから集めるということはないでしょう。しかし、あなたが代表者になっている春風会が集めているということは、これは当然のことであります。集めなきゃお金は集まりません。
 あなたの地元に行けば、あなたがどういうことをやっているかということについていろいろな話を聞くこともできます。それを裏づけることがたくさんあります。例えば現地でちょっと調べただけでも、補助金が決まったときにあなたの地元の事務所からその団体に必ず電話がかかってくる。これはもう地元では有名な話になっている。しかも、献金をしているある農協では、総選挙のときにはその敷地内の建物に森事務所の看板がかかって事務所として使用されている。この建物も国の補助事業によるもの。各農協にはあなたの看板がかかっていたり、その密着ぶりはまさに異常であります。これはあっせん利得そのものではありませんか。
 与党案では契約と行政処分だけが対象になっているので、あなたのようなことをしても犯罪にはならない。全くのざる法であります。野党の共同提案ではあっせん利得罪になるものであります。総理自身の政治資金集めを見ても、あっせん利得罪法案は与党案のざる法ではなく野党共同案でなければ実効性がないということを強く主張して、私の質問を終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で富樫練三君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。
 質問に入ります前に、東海地方の集中豪雨でお亡くなりになりました方々にお悔やみを申し上げ、甚大な被害を受けた皆様方に心からのお見舞いを申し上げます。
 社会民主党も本日現地に調査団を派遣し、現地調査、懇談、激励行動を行っておるところであります。速やかな激甚災害の指定と復旧事業の推進を図ることが大切かと思われます。
 そこで、建設大臣に、今度の激甚被害をもたらした原因をどのようにお考えになっているか、お聞きをいたします。
○国務大臣(扇千景君) 今回の秋雨前線によります集中豪雨、名古屋地方の気象観測始まって以来という豪雨でございました。本当に私ども心を痛めておりますし、まして消防庁によりますと今回の秋雨前線では全国で九名の死者と。心から、今、照屋先生おっしゃいましたように、私もお見舞いとお悔やみを申し上げたいと思います。
 ただ、少なくとも私は名古屋市の、先生、きょうも党でおいでになったそうでございますけれども、かつて昭和四十年代から農地でございましたところを急激に都市化したという、そういう地形でございまして、ちょっと簡単にごらんいただくとわかりますけれども、四十年がこれだけ農地が少なくなって、そのかわりこの赤いところが全部住宅でございます。(資料を示す)
 このように、農地が少なくなって、既に陥没している地域でございまして、そこへこれだけの住宅が建ったと。農地が減って住宅に変わったという、急な都市化によって災害に至ったということも大きな一つの原因であろうと思いますけれども、これに対して私どもは、都市化が急激に進んだということではなくて、人口やまして資産が集中したということも含めて万全の対策をとらなければいけないということをつくづく現地に行って感じてまいりました。
○照屋寛徳君 今、大臣もおっしゃったように、今度の災害は都市が招いた災害ではないかということ、あるいは自治体の本当に危機管理の体制が十分であったかどうか、いろいろ問題はあろうと思います。
 そこで、今度の被災を教訓にして今後どのような具体的な対策をとろうとお考えなのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも、私も見てまいりましたけれども、新川と庄内川、先生もきょう党でおいでになったのでよくおわかりだと思いますけれども、今まで名古屋市の要望がございまして、そして私どもはその要望を踏まえまして、上流部の青木川放水路を促進したりあるいは一部供用しております。ましてやまた、般若、青木第一、第二の調節池が完成しているんです。そして、中部では、中江川の水門及び排水機場が平成十二年完成予定でございます。そして、下流部では、下之一色の川幅を広げる用地買収を促進しております。私はヘリコプターで見てまいりまして、特に国道一号の一色大橋の下流右岸、これは平成十二年が完成予定でございます。
 そのように、名古屋市からの要望で多くの公共事業をしてまいりましたけれども、今回の災害を見てまいりまして特に私が感じましたことは、やはり破堤をする、堤防が破れるということを事前に予測できなかった。しかも、百メートルにわたって堤防が破堤をし、そして浸水が起こり、なおかつその町で用意した防災用のものがすべて水につかって何も使えなかった。しかも、食料も倉庫に入れてあったけれども、それも浸水して役に立たなかった。
 多くの現地の皆さん方の要望と現状を聞いてまいりましたので、私たちは今後そのようなことのないように、まして今申しました下部の一色の大橋、この第一級の河川の大きな工事も、あるいは川幅を広げるということも、用地も買収しなきゃいけません。用地の収用も皆さん方にお願いしなきゃいけませんので、それも御協力いただいて、今後再びあのようなことがないようにぜひ協力をして、公共事業の有効性を高めてまいりたいと思っております。
○照屋寛徳君 私は、今度の激甚被害が百年に一度の集中豪雨だったからやむを得なかったんだ、どうしようもなかったんだということでは政治の責任は果たされたことにならないと思うんです。そのことをよくお踏まえいただきたいということと、総理にお伺いいたしますが、これだけの激甚被害を現にこうむっておられる被災者の皆さん方に対する国としての支援の方策をお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) これは午前中のこの委員会等でもたびたび扇担当大臣からもお話がございますが、このたびの集中豪雨の被害を踏まえまして、治水治山の推進はもとより、雨水の貯留、浸透のための施設設置、あるいは安全な土地利用への誘導、危険箇所の周知徹底、情報伝達及び警戒避難態勢の整備などによって災害の予防に万全を期すことが必要であるというふうな認識をいたしております。
 被災者支援につきましては、これから資料等十分に掌握をし、地元の自治体とも十分に協議をしながら、災害救助法の適用、被災者生活再建支援法の適用、住宅金融公庫の災害復旧貸し付け、政府系中小企業金融機関におきます災害復旧貸し付け等の対策を直ちに実施いたしておるところでございます。
 今後とも、豪雨災害の被害の軽減を図るために各種施策の推進に努めてまいりたい、このように考えておりますし、また担当大臣、それぞれ先頭に立ちましてこれらの対策に今大変な努力をいたしておるところでございます。
○照屋寛徳君 社会民主党としても、きょうの調査結果を踏まえて、関係自治体や関係要路、そして政府に対してさまざまな支援策の具体的な要望を行っていきたいというふうに考えております。
 それでは次に、安全保障と基地問題についてお伺いいたしますが、外務大臣、過日の2プラス2で沖縄の基地問題についてはどのような協議と合意が得られたのか、御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 先般、国連総会の折を利用いたしまして、ニューヨークにおきまして2プラス2の会合を開催いたしました。その席上ではさまざまな問題、例えば国際情勢全般について話し合いもいたしましたし、それから、とりわけ議員今お尋ねの沖縄の問題についても話し合いをさせていただきました。
 沖縄の問題につきましては、私から、今後ともSACO最終報告の着実な実施を図っていきたいと思います、普天間飛行場の移設につきましては、日本では地元地方公共団体との間で代替施設の基本計画作成に向けた協議機関が設置をされました、今後、普天間実施委員会を早期に再開して、米軍の運用所要等具体的検討の事項につき日米で協議をしてまいりたいということを申しましたのに対しまして、先方、国務長官と国防長官、二人出ておりましたけれども、コーエン国防長官からは、SACOの着実な実施に向けての協力はぜひ進めたい、また普天間実施委員会の再開についてはアメリカとしても賛同いたしますとの応答がございました。
○照屋寛徳君 防衛庁長官、2プラス2についてどういう協議に加わりましたでしょうか。
○国務大臣(虎島和夫君) 2プラス2はもう御承知のように我が方からは外務大臣と私とが出席するわけでございます。私の方からは、沖縄県民の負担を軽減するため、今後とも日米協力してSACO最終報告を着実に実施していきたい、私が就任以来二カ月のうちに二度にわたって沖縄を訪問した、そしてSACO関連の全施設を視察する等全力で取り組んでいるところである、普天間については代替施設に関する協議会の初会合が開催されたということ等を説明したわけであります。その作業が円滑に進むように最大限努力をしたい。
 なお、代替施設の使用期限については、今、外務大臣からもお話がありましたけれども、これまでにも、また我が国としては閣議決定を昨年末したところであるし、その後、私の前任防衛庁長官からも期限についての提言をいたしておるところであると。これらを踏まえて、私としても閣議決定路線に従って適切に対応していきたいということを申し上げておるところであります。
 なお、地元市町村から解決を要請されている基地問題については、さらに日米で共同して目に見える形で解決に努力する、これは極めて重要であると私は認識しておる、したがって過程における米側の努力、これは米国に対する県民の信頼感を増すものであるという認識をしておるから、そしてまたこのことが普天間飛行場の移設をより円滑に進めることにつながるのであるという認識、これらについて意見を申し上げたところであります。
 以上であります。
○照屋寛徳君 外務大臣にお伺いいたしますが、例の十五年使用期限問題については2プラス2では話し合われたんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 使用期限問題につきましては、日本政府の立場はこれまで説明してきたとおりであり、沖縄県知事及び名護市長から御要請があったことについて、七月の日米首脳会談を含め米国政府との話し合いの中でこれまでも取り上げてきたところであり、今後、国際情勢の変化に対応して、同飛行場の代替施設を含め、在沖縄米軍の兵力構成などの軍事態勢につきまして米国政府と協議していくこととしたいと考えております、我が国としては国際情勢の肯定的変化のための外交努力を積み重ねていく考えであります、これにつきましてもアメリカと協力をしてまいりたいということを述べましたところ、国防長官から、在沖縄米軍を含む在日米軍の兵力構成などの軍事態勢については一九九六年の日米安保共同宣言を踏まえ日本側と緊密に協議をしていきたい、国際情勢の肯定的変化のために外交努力が引き続き行われることが重要である旨の応答があったところでございます。
○照屋寛徳君 きのうの衆議院の予算委員会の中でも、民主党の菅直人議員の質問に対して、森総理が、十五年使用期限問題についてはSACOの最終報告に盛られているんだと、こういうことを言って、直ちに間違っておったということで取り消されたようですけれども、外務大臣、本当にこれまでの日米交渉の中で具体的に十五年の使用期限問題が話し合われたんですか。もう一度。
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返して申し上げますが、地元の知事あるいは市長の要望というものは政府として重く受けとめる、これは当然のことだと思いますが、この地元の市長、知事の御要望というものを受けて私どもは日米間の主要な会談の席で取り上げてきております。
○照屋寛徳君 総理にお伺いをいたします、関連して。
 昨日の衆議院の予算委員会での菅直人議員との総理のやりとりを聞いて県民は失望いたしております。本当に総理はSACOの最終報告を御理解しておられるんだろうか、本当に知っておられるんだろうかというふうにショックを受けておるわけですが、改めてSACOの最終報告、十五年使用期限問題について総理のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(森喜朗君) 昨日は私ちょっと踏み外しまして訂正をいたしましたけれども、沖縄の日米首脳会談のときは、照屋議員も御地元でいらっしゃいますのでよくおわかりのとおり、時間的には三十分ほどしかございませんでしたので、基地の問題に集中して議論をするということはできませんでした。
 ただ、包括的なお話をし、沖縄に来ていただきましたことについて、そして沖縄の皆さんのいろんな声を聞いていただきたいというようなことをお話し申し上げたわけでございまして、そういう意味では直接的に十五年の使用期限云々については申し上げておりませんが、地元の知事さんを初めとして地元の要望については十分耳を傾けていただきたいということと、そして基地の皆さんが本当にいい隣人としておつき合いをいただくということについて、そうしたことについてのお話し合いをいたしました。
 なお、私は連休の際に、五月にアメリカに参りました際には、これまでの日米間の政府のお互いの話し合いの積み重ね、さらにはSACOの中身の問題、そして地元の知事や名護市長から出されております使用期限の問題、そういう問題については十二分に御判断をいただきたいということは連休の際には申し上げてきております。
○委員長(岡野裕君) 防衛庁長官、まだお話がございますか。──よろしい。
○照屋寛徳君 総理は所信表明の中でSACOの最終報告を確実に実施していく、こういうことをおっしゃっておりますね。SACOの最終報告で言うと、本当にこの普天間飛行場の移設というのは最終報告どおり実現できるんでしょうかね。
○国務大臣(河野洋平君) SACOの最終報告の中では、普天間の移転ということは書いてございますが、当時はまだ海上移転ということがございまして、その点では当時の、一九九六年のSACO最終報告の中身と普天間の移転の計画につきましては現在変わってきているということはもう議員よく御承知のとおりでございます。
 最終報告の着実な実施につきましては、総理からしばしば外務省、防衛庁には御指示がございまして、このSACOの最終報告の実施はきちっとやらなければいかぬということをしばしば御指示をいただいておりまして、私どもとしてもそのための努力をしております。防衛庁長官もそうしたことも踏まえて沖縄に行かれて、SACOの最終報告にかかわる地域の御視察などもされたと私は承知しております。
○照屋寛徳君 外務大臣、SACOの最終報告では五年ないし七年以内に普天間飛行場を返還すると、こう書いてあるわけですよね。このことはどうなんですか。もう実現不可能じゃありませんか。
○国務大臣(河野洋平君) SACOの最終報告の中で、先ほど申しましたように、普天間飛行場の移転ということについては書かれているわけでございまして、その移転の方法と申しますか、そうした問題についてはその後も議論が続いているわけでございます。
 一九九八年に大田知事が、海上ヘリポート建設についてはこれを拒否する旨の御発言があったりいたしまして、その後キャンプ・シュワブ水域内の名護市辺野古沿岸地域を移設先ということで稲嶺知事さんからお話があり、そうしたことが一つの議論となって今いろいろな作業が行われる、つまり意見を聞くとかそうした作業が行われている。その中で十五年という使用期限問題が知事さん、市長さんからそれぞれ提起をされたということでございます。
○照屋寛徳君 私は、この2プラス2の協議結果を踏まえて、多くの県民はもう十五年使用期限問題は棚上げにされちゃったんじゃないか、とてもとてもアメリカがそれを認めるような状況にはない、こういうふうに率直に受けとめておると思うんですね。もちろん私は、もうあの過密な沖縄に、県内に新たな基地をつくるなんというのはとてもできない、またつくっちゃいけない、こういう立場であります。
 ところで、外務大臣、2プラス2で普天間実施委員会を改めて立ち上げるということが決まりました。この十五年使用期限問題というのはこの普天間実施委員会で決めるんでしょうか、それとも代替施設協議会で決めるんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 使用期限問題というものはこれは極めて重要な問題でございます。もちろん、その地元の皆さんにとっても重要でございますと同時に、日米安保条約を踏まえた日本の平和と安全ということを考えましても、米軍の兵力あるいは軍事態勢その他につきましても十分議論をしなければならない問題でございますから、今、議員がおっしゃるような実施委員会で決めるということに直ちになるということではございません。
○照屋寛徳君 代替施設協議会に決定する権限はありますか。
○国務大臣(河野洋平君) 今申し上げましたように、この問題は日米で基本的な認識の協議というものが必要であろうというふうに考えております。
○照屋寛徳君 私は代替施設協議会にそういう権限があるかと聞いているんです。
○国務大臣(河野洋平君) 今申し上げましたように、日米で協議をするということが重要でございまして、先般も官房長官から御発言があったと承知をいたしておりますが、議員の御指摘の委員会でこれを扱うということにはなっていないと承知しております。
○照屋寛徳君 それでは、総理、この十五年使用期限問題というのはどこでだれが決めるんですか。率直にお答えください。
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返してまことに恐縮でございますが、この十五年使用期限問題につきましては、私ども、日米の首脳会談でもそうでございますし、2プラス2あるいはその他ハイレベルにおきます日米間の話し合いでしばしば取り上げてこれまでまいりました。そういう状況の中でこれは議論がなされなければならないというふうに思っております。
○照屋寛徳君 既に立ち上げてある代替施設協議会の結論とそれから普天間実施委員会の結論が異なった場合に、どこの決定が優先されるんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと御質問の意味が正確に受け取れませんが、それぞれの委員会はそれぞれの役割がございますから、最終的に十五年の使用期限問題に限定してのお尋ねであるとすれば、それは先ほどから申し上げておりますように、日米間の話し合いということであろうかと思います。
○照屋寛徳君 防衛庁長官、代替施設の工法、位置、規模について、代替施設協議会と普天間実施委員会の結論が異なった場合にはどうなるんでしょうか。
○国務大臣(虎島和夫君) 今、四つの委員会が立ち上がったところであります。それぞれ会合を開いたものもあるし、そうでないものもまだあると思いますけれども、その中で権限の優先順位その他については、意見を交わした私については経験はありません。
 御趣旨を体して必要な議論は進めなきゃならぬなというように質疑を、やりとりを聞きながら考えておったところであります。
○照屋寛徳君 よくわかりませんよ、長官。
 その代替施設の工法、規模、位置、結論が違った場合にはどこが優先されるんですか。
 あなた、2プラス2、出たんでしょうが。
○国務大臣(虎島和夫君) それは、2プラス2あるいは防衛首脳会談、あるいは今申し上げておる四つの委員会は、これは国内の問題でありますから、ですからそれらがいろいろ論議を進める中で、必要があれば上級レベルのもので持っていくこともあるだろうし、あるいはそうでなければ実務者におろして協議することもあるでしょうし、それは今から協議が進んでいくわけでありますから、それらの中で最も効果的、最も適切な判断をして処理さるべきものというふうに私は考えておるわけであります。
○照屋寛徳君 異なったときにどこが優先されるかと聞いているんですよ。答えなさいよ。
○国務大臣(虎島和夫君) それは主管は私じゃないんですよ。
○照屋寛徳君 だれですか。
○国務大臣(虎島和夫君) 主管は、いや、それはそれぞれの委員会に責任者がおってやるわけです。
○照屋寛徳君 では、主管の人を決めてくださいよ。主管の人が答弁してくださいよ。(発言する者あり)
 どこが主管ですか。あっちだ、こっちだと言っている。──主管はどこですか。その主管の人が答えてください。
○委員長(岡野裕君) 答弁はどちらでありましょう。
○照屋寛徳君 では、総理、答えてくださいよ、それ。
○国務大臣(虎島和夫君) 私はメンバーであります。したがって、出席をしながら今までの、繰り返し申しますように、沖縄の皆さん方の御意見、御主張等々をこの中で適時適切に表現をして結論を得るように努力するというのが私の職務であります。
○照屋寛徳君 委員長、主管はどこですかと聞いているんです。(発言する者あり)こんな大事なことを、あなた、どういうことですか。
○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
 委員長から発言をいたします。
 照屋寛徳君の質問についての答弁権限者は内閣官房長官中川君であります。目下、記者会見で当委員会場におりませんが、間もなく戻る予定であります。中川官房長官が戻り次第、中川官房長官から答弁をせしめます。
 以上であります。
 照屋寛徳君、質問を続けてください。(発言する者あり)
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岡野裕君) それでは、速記を起こしてください。
○国務大臣(中川秀直君) 定例の記者会見で失礼をいたしました。
 代替施設協議会は、もちろん政府のみならず、沖縄県、地元市町村、合同でやっているわけでありますけれども、その主宰は政府の中では沖縄担当である官房長官ということになっております。
 それから、FIGとの関係ですが、これは閣議決定がございまして、米側とも十分協議を、緊密な協議をしていくというふうにされておりまして、FIGとはもちろん閣議決定は書いてございませんけれども、その一つの具体的な場としてこのFIGで米側とは協議をすると。この直接の御担当ということになれば、これは外務大臣それから防衛庁長官ということになろうと存じます。(発言する者あり)
 いずれにいたしましても、代替施設協議会は私の主宰ということになりますが、これはすべて使用期限の問題は昨年の閣議決定に基づいて政府が取り上げていくわけでございますから、代替施設協議会とFIGで万一意見が違うということになれば、関係閣僚で協議をして政府全体でこれは取り組んでいくと、こういうことに相なります。
○照屋寛徳君 官房長官、結局こういうことですか。代替施設協議会の構成メンバーと普天間実施委員会の構成メンバーは違うわけですよね。それで、それぞれの両機関で工法や位置や規模を協議を尽くすわけです。結論が違ったら閣議を開いて最終的には総理が決めると、こういうことなんですか。
○国務大臣(中川秀直君) 当然、構成メンバーは、もう先生御案内のとおり、FIGはFIGでございますし、代替施設協議会は代替施設協議会でございまして、メンバーが同じではございません。他方、FIGについては、先ほど申し上げましたとおり、担当ということになると、これは外交の問題でもございますし、安全保障の問題でございますから、外務大臣、防衛庁長官、これは当然関係閣僚になるわけでございます。
 そしてまた、何度も申し上げますが、この使用期限の問題は昨年十二月の閣議決定に基づいて政府全体として取り組んでいることでございますから、そのことについては関係閣僚でよく協議をして事を進めていく、そして必要とあらば総理の御判断も仰ぎながらその関係閣僚で十二分に協議をしながら対処していく、こういうことでございます。
○照屋寛徳君 答弁を聞いておっても、私は、この十五年使用期限問題もさることながら、代替施設の規模や工法や位置について一体どういう手順でどういう責任で決められていくのか、どうも県民には納得できない、こういうところがいっぱいあるということを指摘せざるを得ません。
 官房長官、岸本市長が十五年使用期限問題とそれから代替施設協議会での工法と同時決着でなければもう代替施設協議会には参加をしないと表明されていることは御存じでしょうか。
○国務大臣(中川秀直君) そのような報道がなされていることは承知をいたしております。しかし、政府として直接市長からそういう意向であるということを御連絡いただいた、あるいは伺ったということはございません。承知をしておりません。
○照屋寛徳君 市長がそういう意向であるということを直接伝えたらどういう対応をされるんでしょうか。(発言する者あり)大事なことですよ。明らかにして、議会で。
○国務大臣(中川秀直君) 仮定の問題でございますのでいささか答弁しにくうございますが、いずれにしてもこの基本計画というものを代替施設についてつくっていく、そういう過程の中で、政府、沖縄県、岸本市長さん、ほかにもメンバーいらっしゃいますが、そういう方々で十分な協議をするというための協議会でございまして、その岸本市長、昨年末のこの代替施設受け入れ表明においては代替施設の使用協定の締結と七つの受け入れ条件を提示されまして、それらの着実な履行を求められていらっしゃいます。市長のお気持ちというものは、代替施設協議会の協議課題以外の使用協定等の課題についても一日も早い解決を図りたいというそのお気持ちのあらわれであるとは受けとめさせていただくべきかなと、直接御連絡はいただいておりませんけれども、そのように思っております。
 しかし、その上で、政府は、昨年末の閣議決定がございますので、その閣議決定に従いまして懸命な努力を今続けておるところでございますから、そのことについても市長と十二分にお話をさせていただいて適切に対処していく、こういうことであろうと思っております。
○照屋寛徳君 それでは、次の問題に進みます。
 総理は、沖縄県が要望しております地位協定の改正要請、これをどのように受けとめておられますか。
○国務大臣(河野洋平君) 沖縄県から地位協定の改正についての要請があることは承知をいたしております。しかし、私どもといたしましては、これまでも沖縄県の御意見を踏まえましてSACOの最終報告に九項目の地位協定の運用の改善措置を盛り込んで、その後これらはすべて実現をしているわけでございます。
 私どもといたしましては、日米地位協定の運用の改善ということで真摯に取り組み、一日も早く沖縄県民の御希望に近い結果を生むように努力をしてきたところでございまして、現状ではSACOの最終報告に書かれておりますものについてはすべてこれを実施したというところでございます。
 またさらに、地位協定につきましては環境の問題というものが基地周辺の方々の大変大きな関心事でございますが、これは先ほど来お話を申し上げておりますように、先般の2プラス2の会合におきまして環境原則に関する共同発表というものをいたしまして、これも環境問題につきまして運用の改善努力を進めているところでございます。
○照屋寛徳君 総理、私は、日米地位協定というのは、独立国家、主権国家として余りにもアメリカに特権・免除を与え過ぎている、したがって人権と環境という視点で抜本的に見直すということは当然だというふうに思っております。そして、そのことが、もう運用の改善ではだめなんだ、だから日米地位協定を抜本的に改正すべしというのが沖縄県の要望であり、県議会の全会一致の決議であり、私は県民の総意だろうと思います。
 改めてこのことについての総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) ただいま外務大臣からも申し上げましたとおり、政府としての方針は昨年末に行いました閣議決定にあるとおりでございまして、地位協定の運用改善について誠意を持って取り組み、必要な改善に努めていくというものでございます。
 将来の可能性につき申し上げるということは困難でございますけれども、いずれにせよ政府としては地位協定については適切に対応していきたいと、このように考えております。
○照屋寛徳君 ちょっと準備した質問がたくさんあるものですから、前に進みたいと思います。
 防衛庁長官にお伺いいたしますが、夜間の離発着訓練、NLPの問題です。
 これはもう、三沢基地の空母艦載機のNLPをめぐって鈴木市長がアメリカ海軍との友好関係の中断を発表する。厚木基地でもこういう問題が起こっていますね。鈴木市長は、日本はこれじゃ植民地扱いされているんじゃないかと怒っているんです。このNHKのテレビ放映も見られなかったというんですから、すさまじい爆音で。
 このNLPの夜間離発着訓練をやめさせるというアメリカ政府への要求はできないんですか。
○国務大臣(虎島和夫君) 三沢の市長さんがそのような意向を持っておられるということは承知いたしました。私ども、早速米軍の方にもこのことを申し入れております。
 ただ、米軍としては、艦載機パイロットの練度維持、日米安保条約の効果的運用にとって必要不可欠であるという見解を持っておるわけであります。ただ、今回は台風の接近等々、異常天候の急迫等々もありまして、従来と違ったような運用もなされておるようでありますけれども、いずれにしても、これは三沢あるいは厚木等の騒音対策、夜間訓練については同様の考えを持っておりますので、引き続き米軍の方の善処を求めながら対応していきたい、このように思っておるわけであります。
○照屋寛徳君 総理、ここに珍しいものを持ってまいりました。爆音缶詰であります。
 昨日、五千五百四十二名の嘉手納周辺六市町村の住民が原告になって、夜間、早朝の飛行差しとめと、過去から未来にわたる損害賠償を求めて裁判がございました。嘉手納の爆音というのはすさまじいんです。そして、旧裁判では、これはもう受忍限度を超えて違法状態だと、こう言っているんですね。
 この爆音訴訟について総理はどのように受けとめておられますか。
○国務大臣(河野洋平君) 嘉手納飛行場におきます航空機騒音問題につきましては、周辺の地域住民にとって大変深刻な問題であるということを政府としても認識をいたしております。
 今般の嘉手納基地騒音訴訟におきまして、従前の訴訟に比べて、今、議員お話しのとおり、幅広い年齢層にわたって多くの方々、たしか六千人近い方々だと承知しておりますが、こうした方々が原告団になっているということは大変重く受けとめなければならないと思っております。
 政府といたしましては、嘉手納飛行場について、日米合同委員会におきまして飛行時間の規制などを内容とする航空機騒音規制措置について合意をいたしておりまして、この厳格な履行をアメリカ側に求めていくと同時に、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律等に基づく各種周辺対策を通して飛行場周辺住民の負担軽減を図るよう、なお一層の努力をしていかなければならない、こう考えております。
○照屋寛徳君 総理。
○国務大臣(森喜朗君) ただいま外務大臣から申し上げたとおりでございます。
○照屋寛徳君 ちょっとそっけないと思うんですね。爆音被害で苦しんでいる人たちの思いをどういうふうに受けとめていらっしゃるんですか。
○国務大臣(森喜朗君) そうしたお気持ちがあることも含めて、今、外務大臣からお話しのとおりでございます。
 私も実は、全くそれは沖縄と比較はできませんけれども、私も小松基地のすぐ近くでございますから、騒音というものはいかにひどいかということをよく私も承知をいたしております。お互いに努力をし合いながら、そうした苦しみを持っておられる方にどうしてそれが解決できるか、これをまた外務省、防衛庁、十分協議をしながら、それらのことに対してできる限りのお話し合いを米側とも進めていくということは極めて大事なことだと思っております。
○照屋寛徳君 防衛庁長官にもお伺いいたします。
 これは音源対策が大事なんです、違法だと言われているんですから。含めて、この防音工事の区域拡大についても長官のお考えをお教えください。
○国務大臣(虎島和夫君) 訴訟は四次にわたって行われております。そして、お説のように原告が今度は大変にふえてまいったということで、我々も心を痛めておるところであります。
 ただ、裁判は、離着陸の差しとめ、過去分の損害賠償、将来分の損害賠償と、こう分かれておるわけであります。離着陸の差しとめ等については、これは棄却であります。裁判は、訴えは棄却されております。それは国の支配の及ばない第三者の行為を請求するものであるから主張自体が採用できない、米軍機の離発着の差しとめは。そういうことであります。過去分の損害賠償については、これは損害賠償の一部を容認して賠償額を払っておるわけであります。それから、将来分の損害賠償については、これは却下であります。これは、将来のことは今現時点では予測できないという理由によるものであります。
 いずれにしても、これらの裁判が起こり、そして裁判の一部が裁判所に認められる、訴えの一部が認められるという事態は、やはり沖縄としての特殊な被害であり、苦しみであるという認識を私は持っております。したがって、技術的、予算的にやはりできるだけの措置をとりながら、総理の指導もいただいて現状を少しでも和らげるようなそういう措置、つまり損害賠償等もあるわけでありますから、そのような措置等も勘案しながら対応に万全を期するようにしていきたい、こう思っております。
 以上であります。
○照屋寛徳君 最後に、尼崎公害訴訟で、控訴審で裁判長が口頭弁論を終結といたしました。そして、年内に判決を言い渡すということであります。国は裁判所の和解勧告になかなか従わないようでありますが、原告団のうち三分の一の百三十六人がもう既にお亡くなりになっております。
 法務大臣、どうしてかたくなに解決を先延ばしにして和解に応じない、こういう態度をとり続けるんでしょうか。私は、やっぱり一刻も早い被害救済と、孫たちに青い空ときれいな空気を残してあげたいというこの原告団の思いを受けて国は和解のテーブルに着くべきだと思いますが、最後にお伺いして、終わります。
○国務大臣(保岡興治君) 先生も御承知のとおり、控訴審において本件については全く審理を今されていない状況でございます。国としては一審判決に不服があって控訴いたしましたので、やはり控訴審で国が主張しているところに従って主張を立証したいと。それも、立証計画としては来年の三月までで終了する予定でお願いを申し上げるということになっております。そういったことで、控訴審において主張立証を認めていただいて、その上でまた状況を見て判断してまいりたいと思います。
○照屋寛徳君 終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、堂本暁子君の質疑を行います。堂本暁子君。
○堂本暁子君 総理、交通事故が実に今や死傷者はおよそ百万人、もう過去最悪の状況になっています。第二次交通戦争とすら言われています。
 そこで、法務大臣に伺いますが、ことしの四月、神奈川県の座間市で二人の大学生が車にはねられました。即死なさいましたが、加害者は常習犯の無免許、飲酒、そして無車検という悪質なケースでした。しかし、業務上過失致死罪を適用した判決は懲役五年六カ月でした。去年の十一月には、東名高速でやはり酔っぱらい運転で三歳と一歳のお嬢ちゃんが亡くなった。この事件の場合は四年の実刑判決。東京地検は、量刑不当の理由で、異例のことですけれども控訴を行いました。いずれも単なる過失ではなく、未必の故意に相当すると考えられます。
 このグラフを見ていただきたいのですけれども、(図表掲示)交通事故がだんだん増加してきた一九八七年に、検察庁は交通事故の処理を見直すということで非刑罰化方針を出しました。そのために、ここで見ていただければわかるんですが、起訴猶予の比率が急激にふえたわけです。わずか一四%になった。道交法違反ですと九五%が起訴された。これだけ大きな違いがあるわけです。飲酒とかひき逃げ、再犯などの悪質な事件でも執行猶予がついたり不起訴になったりしています。
 こうした交通犯罪を予防するためにも業務上過失致死の量刑を重くするべきではないかということが大きな今世論になっております。軽微な違反を起訴しなければという方針を打ち出すのであれば、こういった悪質なものに対しては今後やはり厳罰に処していくという方針を出すべきだと考えますが、法務大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(保岡興治君) 一般論として、罪に対する刑がどのようなものであるべきかということについては、その罪の罪質、他の罪の刑とのバランス、その犯罪によって起きる被害の内容や程度など種々の観点を総合的に考慮した上で定められているもので、御指摘のように業務上過失致死傷の罪の法定刑のあり方については、その科刑状況なども踏まえながら種々の観点から慎重に検討する必要があると思っております。
 世の中もいろいろこう変化していることですし、日本の社会経済生活も、国際化も非常に進んでおります。こういったことを踏まえて、法務省としても二十一世紀の刑政のあり方、いろんな罪の法定刑あるいはその刑の執行状況、量刑、そういったいろいろな刑政の問題点を整理するために、ことしはアメリカ、そして来年はヨーロッパの状況を調査しようといたしております。
 そういう調査も踏まえて、また国会やいろんな方面の御議論を踏まえて、法務省としては刑政の正しいあり方について答えを求めてまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 今の事件に関して総理の御感想というよりも感慨、御遺族の方に対してどういうふうに総理ならおっしゃるのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 今、堂本さんから御紹介ございましたこの事件につきましては、私も先日テレビを見ておりまして、たしかそのお母さんがテレビでの取材に対してお話をされておりましたのを見て、本当に胸が詰まるような思いでございました。
 いずれの事故も飲酒運転等の悪質な交通違反による大変悲惨な交通事故だというように思います。被害者及び御遺族の皆様にはまことにお気の毒であり、またお気の毒なんていうそんな言葉でお慰めができるものとは思っておりませんが、亡くなられた方の御冥福を心からお祈りを申し上げる次第でございます。
 幾つかの方策を考えなければなりませんが、このような悲惨な交通事故を一件でも減少させる、そのためには政府、そして各警察等も真剣な努力をしておるわけでありまして、そういう意味では引き続き交通事故、死亡事故の抑止にはさらに万全な取り組みを行っていかなければならぬと思っています。
 ただ、こうした事故を起こされた方のその量刑の問題については、今、法務大臣がお話しになりました。我々が感情論になってしまえばしまうほど、こういう法関係者は逆にまた冷静な考え方をしていくという面があって、何となく私どもとしても隔靴掻痒の感は正直申し上げてないわけじゃありません。
 しかし、確かに、こうした法体系が制定されたような時期、そして今日的な状況というのはどうなのか、そしてその量刑が低いから事故を起こすということではないと思うけれども、いずれも既に前の事件で免許を取り上げられておって、そしてその上に飲酒をやっているということになれば、これはもはや弁護の余地はないし、そういう人たちに対して何か抑止、抑制するといいましょうか、とめるということができないものだろうかなというようなことを、先ほど堂本さんからそうした御質問をきょうするというお話を伺って、先ほどからいろいろ考えていた次第でございます。
 たまたますぐ取り寄せまして、この事故に遭われました鈴木さん、神奈川県の座間のお母さんの新聞の投書欄を拝見いたしまして、本当に涙が出る、胸が迫られる思いでございます。
 それぞれの部門で、まずそうした交通事故をなくするということも大事だし、それから今、保岡大臣が申し上げましたようなことも重要でございますが、すべてお互いによく連絡をし合って、こういう問題について大いにやはり議論をしていくということは極めて重要なことだというふうに私は思いました。
○堂本暁子君 真摯にお答えいただけたと思うんですけれども、問題は速さだと思います。
 今、法務大臣は、これからアメリカを研究して、ヨーロッパを研究してと、もう三年後四年後。その間にこれだけ、百万件の事故が起きているわけですから、しかも五十人以上の方が亡くなっている。そういう中で、やはり私は急ぐべきだと思います。二十一世紀に車なしでは生きていけないわけですから。
 判決も、無免許とかこういった運転は故意犯で、走る凶器になぞらえるしかないと判決文が言っているわけです。ですから、法務省は法務省で役所レベルでなさるかもしれない。でも私は、座間のお母さんの代弁をさせていただければ、こういう事故が二度と繰り返されないように、総理に一刻も早くそういった手を打っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) こうした悲しいことが起きないことを、できるだけ万全の備えをするということも、亡くなられた方に対する、そうしたとうとい犠牲に対してのお報いをする一つのあらわし方かと思います。どういうやり方ができるか、今、法務大臣のお話も承りましたが、先ほど申し上げたように大いに議論を闘わせて、少しでも早くそうしたことに対する万全の措置ができるように政府としても取り組んでみたい、そういうふうに思っています。
○堂本暁子君 では、次の質問に移らせていただきます。
 今、大問題が年金です。本当に広く不安とか不信が年金に向かっている。その最大の原因は、やはり余りにも複雑になってしまった日本の年金のありようだと私は思っております。私自身も、自分の年金でさえわからないことがありました。その中の一つで、国民年金の第三号被保険者、つまり妻の保険が相当に複雑さに拍車をかけているというふうに私は思っております。
 一九八五年の改正でこの第三号というのは導入されたわけですけれども、今問題のことは、そういったサラリーマンの妻。短期的に厚生年金に加入した夫が例えばリストラで失業する、そうすると一号になるわけですね。今度また再就職を一年後か一カ月後にした場合に、その三号であることをまた妻は登録しなきゃならないんです。ところが、それをやり忘れる。何しろ妻は一銭も保険料を払わないんですから。払っていれば、また払い続けなければとか思いますが、払っていない。登録だけを市役所へ行ってやる。そのために、無年金者が出てきてしまったり、空白の期間ができてきたりという今おそれがあります。
 そこでやはり、もう終わってしまった三号未届けの期間を、また再開して特例措置を行うべきではないかと思いますが、これは厚生大臣に御答弁いただきます。
○国務大臣(津島雄二君) 現行の年金制度がいささか、精緻にできてはいるけれども難しい、私も率直に言ってそういう感じを、長年やってまいりましたが、持っております。
 そういう中で、最近主婦の方が、余裕ができたら働く、そしていろいろな事情があってまた戻られるときに、第三号被保険者、つまり専業主婦にお戻りになるときの届け出がなかったと、それで不利な扱いを受けるという御指摘は私はやっぱりあり得るんじゃないかと思うんですね。
 ただ、これはもともとは、専業主婦の方にも年金権をきちっと差し上げるということで導入をし、そのときの一つの、専業主婦すなわち第三号被保険者をきちっと基礎年金計算の中に組み入れるためにこの届け出制度というものを一緒に入れたわけで、そこはきちっとできているんですけれども、必ずしもこの制度が十分周知されていなかったということから、これに対する過去の届け出漏れについて特別に後で届け出を行うという特例措置を平成六年の改正で一回限りの措置としてやった、そのことを言っておられるのでございますが、この措置は全く特例でございますし、ほかにも影響するところがございまして、今、現時点でこれを行うということは私はちゅうちょせざるを得ないのでございます。
 ただ、先般の制度改正におきまして、平成十四年度から本人が市町村に、専業主婦にお変わりになった方が市町村長に届け出なきゃならないかわりに、そうでなくてだんなさんとか配偶者の方が、これはお勤めになっていますから事業主との間の雇用関係もある、そういう方が事業主を経由して届けるということにいたしましたので、その点は第三号被保険者の負担が軽減され、届け出漏れの解消に寄与するということを期待しているところでございます。
 いずれにしても、悩ましいところではございます。
○堂本暁子君 悩ましい厚生大臣にちょっと追い打ちをかけたいんですが、その結果、十四年の調査をした結果、何十万、何百万という無年金の方がもしあらわれたらどうなさいますか。
○国務大臣(津島雄二君) まだそこまで実態を確かめておりませんので、今の仮定の御質問にお答えするのもちゅうちょさせていただきます。
○堂本暁子君 総理、厚生大臣も悩まれるし、それから年金官僚という方たちも、もし公的な日本の年金制度が破壊する、破綻するとしたら、それはこの複雑さゆえだというふうに指摘されています。
 ですから、そういった制度はもっとシンプルにして、税制とか年金というのは私たち一人一人の足元を固めている制度なんですね。それがどのぐらい保険料を納めて、一体どういうふうな結果があるのかわからないというのは非常に不親切です。不安と不信を増幅するだけのことになってしまいますので、私は、総理がここはきちっと、女性の社会参加を促進するためにも、そして多様なライフスタイルに忠実となるようなやはり抜本的な見直しをしていただくべきだというふうに思っています。
 八五年の三号被保険者の改正のときには、妻は一銭も保険料を納めなくていいというような、そのかわり皆年金という、年金権を妻にも全部持ってということで始めた制度ではありますけれども、今のような矛盾が出てきていることは間違いございません。マイナスの結果が出てきています。ですから、ここは、私は年金を複雑にするのではなくて、抜本的な改正をして包括的に単純になさるべきだというふうに思います。さもないと、女性の間の不均等、それから男女の間の不均等、いろいろございます。これでは年金というのは公平であるべきものなのに公平にならなくなってしまう。
 そこで、総理の御英断をぜひ伺いたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) いわゆる今御指摘あった第三号被保険者、昭和六十年のこのときは本当にサラリーマンの妻が払わなくても年金を受給できるということは皆さんの悲願でもあったわけですから、そういう仕組みをつくり上げてもう十数年たてばまた大きく変化をしてしまう。それだけこの年金制度は複雑でありますし、また先ほど厚生大臣が言いましたように悩ましい問題なのかもしれません。
 厚生大臣も悩んでいらっしゃいますから、よくよく相談をいたしまして、もう少しわかりやすいそういう年金制度をしっかりと確立しなければならぬということを改めて痛感をいたしました。
○堂本暁子君 終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で堂本暁子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岡野裕君) 次に、石井一二君の質疑を行います。石井一二君。
○石井一二君 自由連合の石井一二でございます。会派二院クラブ・自由連合を代表して質問をいたします。
 最後の質問者ではございますが、昔から百里の道も九十九里をもって相半ばとするという言葉がございますが、今までと同じぐらいの時間がかかるかもわかりませんので、ひとつ最後までよろしくお願いをしたいと思います。
 総理は、日韓首脳会談を終えられましたけれども、どんな項目について話をされたか、題目だけお願いいたします。
○国務大臣(森喜朗君) 熱海で行われました日韓首脳会談では、日韓関係、対北朝鮮政策、国際情勢につきまして率直な意見の交換を行いました。
 日韓関係につきましては、経済分野での協力、それから文化・国民交流、そして在日韓国人の地方参政権問題についてお話をいたしました。
 国際情勢に関しましては、十月末にソウルで開催予定をされておりますASEMの第三回首脳会議等についてお話し合いをいたしました。
○石井一二君 清水の次郎長に出てくる森の石松じゃありませんが、一つ肝心なことを忘れておられるんじゃないかと私は思うんです。
 それは、なぜあなたが竹島について発言をされないか。日本固有の国土が武力でもって実質上押さえられておると。領海権、漁業権、大変な迷惑をこうむっております。
 このことについてあなたは全然御意見もない、ビジョンもない、日本として発言する必要がない、そのようなお考えでしょうか、御所見を賜ります。
○国務大臣(森喜朗君) お互いにこの会談は気楽な、本来はノーネクタイで話し合うというのが従来からの流れになっておるようでございますが、もっとも、私どもはきちっとネクタイをしてお話をいたしましたけれども、この話の中にはそうしたお話し合いをするという機会はございません。むしろ両国にとってどういう、双方向性でいい話し合いができ得るかということが中心でございました。
○石井一二君 そういう話し合いがなかったというよりも、あなたが出せばいいんですよ。ハングル語の話とかそういうことよりも私は大事だと思いますので、この次の機会にはぜひこういった問題をテーマにしていただいて、日本の主張をはっきりとしていただきたいと思います。私は、国民は怒っておる、そのように思います。
 国民が怒っている問題が昨今非常に多いわけでありますが、一つは、六兆九千五百億円もかけた旧長銀をたった十億円で海外の銀行に売ってしまったと、これについても国民の中ではいろいろと意見がございます。
 最近も、ウエッジという雑誌では、米国のハゲタカ金融が植民地日本でやり放題とか、新生銀行、鼻つまみ者の行く末とか、いろいろ言われておるわけでありますが、政府はこの会社の株主ですか、新生銀行の。
○国務大臣(相沢英之君) 株主でございます。
○石井一二君 何株ぐらい持っておりますか。議決権はありますか。
○国務大臣(相沢英之君) 今、新生銀行の発行済み株式のうち、優先株式六億七千四百五十二万八千株を所有しております。
○石井一二君 議決権について今答弁なかったでしょう。
○国務大臣(相沢英之君) 失礼いたしました。
 優先株でありますから、現在は議決権を持っておりません。
 ただ、転換権つきの優先株でありますから、将来転換をしたときには、当然普通株としての議決権を持ちます。
○石井一二君 あなたは、商法第二百四十二条第一項のただし書きを読まれたことがありますか。今読んでください。議決権はあります。
○国務大臣(相沢英之君) 失礼いたしました。
 優先株主としての議決権はありますけれども、普通株主総会としての議決権は持っておりません。
○石井一二君 優先株主としての議決権があれば、最初からあると言えばいいのであります。
 それから、こういう立場は理論的に株主代表訴訟ができる立場ですか、いかがですか。──時間の関係もありますので、その問題は後でお聞きしますが、私は、日本の富がどんどん減っていく、株主としての立場でこの問題は株主代表訴訟に値すると思うんです。こういったことについてぜひ御検討をいただきたいと思います。
 それから、このお二人の外国人が非常に大きな顧問料を自分の所有する会社に持っていかれたと。これは非常に大きな問題がございまして、例えば銀行法第十二条、第十三条の二に定めるアームズ・レングス・ルールだとか、早期健全化法の趣旨に反するとか、利益相反とかいろんな理由がございます。十一項目ございますが、時間がありませんので、理事に私はその理由書を提出いたしますが、コリンズ氏とフラワーズ氏の両名を参考人招致をしていただきたいことを要求いたします。
○委員長(岡野裕君) ただいま石井一二君から求められました参考人につきましては、別途理事会で協議をいたします。
○石井一二君 次に、永住外国人に対する地方参政権ですが、これは選挙権以外にどんな権利を与えようとしているのでしょうか。
○国務大臣(西田司君) 現在、衆議院に公明党、保守党からと民主党から、それぞれ議員立法として、永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案が提出されているものと承知をいたしております。
 これらの法案では、原則として年齢満二十年以上の一般永住者及び特別永住者で、永住外国人選挙人名簿への登録を申請し、登録を受けた者に対して、一つは、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権が付与されるほか、二つ目として、条例の改廃あるいは制定請求、議会の解散及び主要公務員の解職の請求等の各種の直接請求権、さらに民生委員、投票立会人等、地方選挙権が要件とされている職への就任資格などが付与されることとされているものと承知をいたしております。
○石井一二君 国民は非常な関心を持っておりますので、各閣僚、一議員の立場で御意見を聞きたい。賛成か反対か、まだ決めていないか。扇さんと、それから続さんと総理は要りません、それから議決権のない二人の閣僚も要りません。一人ずつお願いします。
○委員長(岡野裕君) 石井一二君に申し上げます。時間はゼロゼロ分に相なっております。
○石井一二君 答弁の時間は入らないんだから、まだマイナスでもこれだけお願いします。
○委員長(岡野裕君) 石井君、順序はどういたしますか。
○国務大臣(中川秀直君) 永住外国人に対する地方参政権付与の問題については、去る七月五日、公明党・保守党案と民主党案の二法案が国会に提出されているところでございますが、政府としましては、我が国の制度の根幹にかかわる重要な問題であり、また賛成論から反対論まで真剣に議論が今行われているところでございますから、国会における各党各会派の議論を進めていただきたいと考えておるところでございます。
 したがいまして、個人の意見を言えという石井委員の御質問でございますけれども、とは申しましても、この予算委員会で御答弁するというのは、閣僚でございますのでこの議論の内容について意見を申し上げるべきではない、こう考えておりますので、今後とも国会等での議論の行方に十分な注意を払っていきたい、一同閣僚を代表して御答弁申し上げます。
○委員長(岡野裕君) 以上で石井一二君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後五時十六分散会