第151回国会 本会議 第8号
平成十三年三月九日(金曜日)
   午後零時一分開議
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○議事日程 第八号
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  平成十三年三月九日
   正午 本会議
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 第一 平成十三年度における公債の発行の特例
  に関する法律案、法人税法等の一部を改正す
  る法律案及び租税特別措置法等の一部を改正
  する法律案(趣旨説明)
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○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
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○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 日程第一 平成十三年度における公債の発行の特例に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 三案について、提出者の趣旨説明を求めます。宮澤財務大臣。
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました平成十三年度における公債の発行の特例に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、平成十三年度における公債の発行の特例に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 平成十三年度予算につきましては、二十一世紀の新たな発展基盤を構築しつつ、我が国経済を自律的回復軌道に乗せるとの観点に立って編成したところであり、あわせて、厳しさを増している財政状況にかんがみ、財政の効率化と質的改善を図ることといたしました。
 こうした中で、公債発行額につきましては、一方で、金融破綻への備えのための国債償還費の手当てを行う必要がなくなったという減要因があり、他方で、地方財政対策において新たに特例地方債を発行し、あわせて交付税及び譲与税配付金特別会計への繰入額を増額する等の制度改正を行うことに伴う増要因がありますが、このような状況のもと、可能な限りの縮減を図ることといたしました。
 これらの結果、平成十三年度の公債発行額は前年度当初予算より四兆二千九百二十億円減額しましたが、なお、財政法の規定により発行する公債のほか、十九兆五千五百八十億円に上る多額の特例公債を発行せざるを得ない状況にあります。
 本法律案は、こうした厳しい財政事情のもと、平成十三年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債の発行の特例に関する措置を定めるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、平成十三年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書きの規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができることとしております。
 第二に、租税収入等の実績に応じて、特例公債の発行額をできる限り縮減するため、平成十四年六月三十日まで特例公債の発行を行うことができることとし、あわせて、同年四月一日以後発行される特例公債に係る収入は平成十三年度所属の歳入とすること等としております。
 次に、法人税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、商法改正による会社分割制度の創設に伴い、合併、分割等の企業の組織再編成に係る税制の整備等を行うものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、組織再編成により資産等を移転する法人について、企業グループ内の組織再編成や共同事業を行うための組織再編成の場合には、一定の要件のもとで、移転資産の譲渡損益の課税を繰り延べる措置を講ずるとともに、組織再編成を行う法人の株式を保有する株主について、株主が分割承継法人等の株式のみの交付を受けた場合には、株式の譲渡損益の課税を繰り延べる措置等を講ずることとしております。
 第二に、引当金等の引き継ぎについて、組織再編成の形態に応じて所要の措置を講ずるなどの改正を行うとともに、会社分割に係る商業登記に対する登録免許税の税率を定めるなど関係税目につき必要な措置を講じ、あわせて、国税通則法等の整備を図るなどの改正を行うこととしております。
 次に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、最近の経済情勢等を踏まえ、住宅投資及び中小企業の設備投資の促進を図るとともに、社会経済情勢の変化に対応するなどの観点から所要の措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、住宅投資及び中小企業の設備投資の促進を図るため、新たな住宅ローン減税の実施、中小企業投資促進税制の適用期限の延長等を行うこととしております。
 第二に、金融関係税制について、上場株式等に係る譲渡所得等の源泉分離選択課税を存続する経過措置の延長等を行うこととしております。
 第三に、社会経済情勢の変化に対応するため、認定特定非営利活動法人に対する寄附に係る特例及び贈与税の基礎控除の特例の創設、個人の土地等に係る長期譲渡所得に対する税率軽減の特例の延長等の土地税制の改正、合併、分割等の企業の組織再編成に対応するための各種特別措置の整備等を行うこととしております。
 その他、既存の特別措置の整理合理化を行うとともに、住宅用家屋に係る所有権の保存登記等に対する登録免許税の特例等、期限の到来する特別措置についてその適用期限を延長するなど、所要の措置を講ずることとしております。
 以上、平成十三年度における公債の発行の特例に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を申し上げた次第であります。(拍手)
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○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。櫻井充君。
   〔櫻井充君登壇、拍手〕
○櫻井充君 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました来年度の歳入関連三法案について、財務大臣及び関係大臣に質問いたします。
 森総理やめろコールが国民の皆さん、そして野党の議員だけでなく与党の中からも強くなっています。そんな中、私たち野党は、三月五日に内閣不信任案を提出いたしました。与党の反対多数で否決されました。しかし、与党の中にも欠席や棄権される方もおり、必ずしも意見の一致を見ているわけではございません。
 一昨年、国旗・国歌法の対応をめぐって与党は、民主党内の意見が一致していないのだから政党の体をなしていないとおっしゃっておりました。今回の内閣不信任案に対する対応だけでなく、昨年の十一月二十日の対応も党内一致しているわけではなく、与党の皆さんの考え方に立てば、自民党は政党の体をなしていないということになるかと思います。
 本来は自民党の総裁である総理に質問させていただきたいところですが、出席されておりませんので、総理の側近でいらっしゃる官房長官と、そして総理経験者でいらっしゃる宮澤財務大臣の見解をお伺いいたします。
 あわせて、内閣を形成される大臣として、与党の議員の中に内閣不信任案を否決しなかった方がいらっしゃることに関していかがお考えか、あわせてお伺いさせていただきたいと思います。
 平成十年、私の当選直後、小渕内閣が誕生いたしました。小渕総理は所信表明演説の中で、財政出動を行い一両年中に景気回復を図ると述べておられました。そのため、多額の国債が発行され、あっという間に国と地方の借金が六百六十六兆円に膨れ上がりました。二兎を追う者は一兎をも得ずと言いながら、結局のところ、その一兎も得られなかったのではないでしょうか。平均株価しかり、個人消費しかり、そして雇用情勢しかりであります。
 このように景気回復が遅々として進まない原因は何であると考えられているのか、またその責任はだれにあるとお考えか、宮澤財務大臣の御所見をお伺いいたします。
 また、金融システムの安定化の名のもとに、銀行を中心とした金融業界に多額の公的資金が注入されました。
 平成十一年二月四日の衆議院本会議で、柳澤金融大臣は、「不良債権処理の早期完了を図りますとともに、」「二〇〇一年三月末までに、預金者やマーケット等関係者から信頼される金融機関、金融システムを実現すべく万全を期してまいりたい、このように考えております。」と述べられております。
 銀行の株価は低迷し、マーケットから見放されているばかりではなくて、G7蔵相会議での各国の発言でもわかるように、世界の国々からも日本の金融機関が信頼されるという状況からはほど遠い状態にあります。この現状に対して、歴代の金融再生委員長の責任が問われて当然と思いますが、柳澤金融大臣はどのようにお考えでしょうか。また、早急に預金者やマーケットからの信頼を得るためにはどのような施策が必要か、お答えください。
 多額な税金を使いながら、結果的には景気回復も金融システムも安定しているわけではありません。それもこれも、政府・与党が我が国の経済構造改革や財政構造改革を先送りし続け、一時的な景気浮揚効果さえも怪しくなった公共事業中心のばらまき景気対策を繰り返してきたからにほかなりません。
 また、外交機密費やものつくり大学への補助金でもわかるように、税金をあたかも自分たちの金のように使い、そのしりぬぐいを私たち国民に押しつけるというやり方はもはや許されるものではありません。
 さらに、あろうことか、政府の経済統計は、高目の成長率を速報値として発表しておきながら、後で低目に修正するというごまかしを繰り返しております。
 財務省の「財政の中期展望」は、このまま政策を継続すれば公債発行額、公債依存度は十四年度以降再び急激に増加し、もはや手のつけようのない発散状態に至ることを財務省みずから認めていると言えます。
 八日の参議院の予算委員会の中でも、宮澤財務大臣は日本の財政は破局に近いという答弁をされておりましたが、その責任はどこにあって、このような答弁をされた根拠はどういうものなのか、お示しいただきたいと思います。
 宮澤財務大臣は、私は多額の借金をつくった大蔵大臣として後世に名を残すのでしょうなあと、まるで他人事のようにおっしゃっています。確かに、借金を返すのは我々の世代であり、大変申しわけございませんが、宮澤財務大臣には関係のないことかもしれません。これだけ多額の借金をつくった御本人は、我々世代はどうやってこの借金を返していけるとお考えでしょうか。また、最近増税の必要を説いておられますが、一両年中に増税される意思がおありか、お答えください。
 次に、税制改正二法案についてお尋ねいたします。
 企業再編税制を盛り込んだ法人税法改正案につきましては、租税回避的な悪用には十分留意が必要であるものの、基本的には経済構造改革に資するものと考えております。
 他方、年度税制改正を中心とする租税特別措置法等改正案につきましては、多々疑問を抱かざるを得ない内容であると考えます。
 なぜならば、これらは総じて何の改革理念も財政健全化への道筋も示さず、無責任な減税や朝令暮改、改革先送りを寄せ集めただけのものだからです。また、このような政府・与党の姿勢は、放漫な財政支出と相まって、近い将来の大増税を不可避にするものと言わざるを得ません。
 以下、具体的に質問いたします。
 第一に、株式譲渡益課税問題についてですが、改正案は、経過措置として二年間存続が認められた源泉分離選択課税制度をさらに二年間延長しようというものです。
 この制度は、その時々の損益に応じて有利な方式を選択できること、実際の利益とは無関係に譲渡代金の五%を利益とするみなし課税であること、超過累進税率の適用されない分離課税であることの三重の意味で主要国に類を見ない不公平税制であり、不公平是正の観点からその廃止が決定されたものだったはずです。
 今回の改正案はまさしく改革先送りの典型であり、これでは政府が信用されないのも当然です。確かに申告分離課税一本化の株価への影響を懸念する意見もあります。しかし、私は、小手先の方法では株価が回復する状況にはないと考えています。
 先日、宮澤財務大臣は、株価の低迷に対して、これは日本企業の力を正確に反映したものではないとおっしゃっておりました。私もそのとおりだと思います。それでは、この株価の低迷の原因は何であるとお考えなのでしょうか。先日、公明党の神崎代表が森総理はおやめになるべきだという趣旨の発言をした途端、株価が三百円上昇したこともありました。このことから見ても、株価の低迷は現政権に対しての不信感をあらわしたものと考えられますが、宮澤財務大臣の御所見をお伺いいたします。
 個人投資家をはぐくみ、我が国企業の資金調達を直接金融にシフトさせるという証券市場改革は重要であり、そのためには、むしろ安定的な税制の確立こそが必要と考えます。その意味でも、民主党は、納税者番号制度を早急に整備し、株式譲渡益等を他の所得と合算し総合課税する方向での抜本改革こそが重要であると考えます。また、総合課税化までの間は、多様な金融商品間のばらつきを考えれば、申告分離課税とした上で利子配当と同じ二〇%の税率で課税することが適当と考えますが、この点につき宮澤財務大臣の御所見をお伺いいたします。
 第二に、新住宅ローン減税制度についてお尋ねいたします。
 景気対策のため二年前に導入された大型ローン減税の期限が到来することから、控除期間を若干短縮するなどした上でさらに二年半継続するというものです。この大型ローン減税導入後は一時的に住宅投資は伸びました。しかし、その後は住宅投資は減少しているのですから、景気対策としてはもはや期待できないと思います。そもそも景気対策としての効果が期待できるのは期限を限ってこそであり、このような拡充措置をずるずると継続することはモラルハザードを生むと言わざるを得ません。
 また、持ち家取得政策のために長期にわたって毎年の所得税をゼロにするような税制上の優遇措置は、他の時期に住宅を取得した者や民間賃貸住宅居住者等との間で負担の公平という点から見ても問題があります。
 これらの点につき、宮澤財務大臣の御所見をお聞かせください。
 第三に、相続税、贈与税についてお尋ねいたします。
 与党内には税率引き下げ等の議論もあったものの、結局、税率構造等の抜本的見直しには至らず、法案には相続税の小規模宅地等の特例の拡充、贈与税の基礎控除の引き上げ、住宅取得資金贈与の非課税限度額の拡充等が盛り込まれました。この十年間、我が国の税制において消費課税が導入され、所得税のフラット化が進んだ結果、フローの再配分機能は低下しています。そこで、ストックでの再配分機能を担う相続税は大切にしなければなりません。また、相続税と贈与税は、一方を緩和すれば他方を厳しくするなど、一体として考えなければいけないわけであり、これらの視点に立つと今回の改正では再配分機能を低下させ、不公平を助長するように思えますが、宮澤財務大臣の御所見をお聞かせください。
 第四に、NPO支援税制についてお尋ねいたします。
 価値観が多様化し、複雑化した現在の社会においてNPOの役割は重要であり、平成十年にはNPO、特定非営利活動促進法が施行されました。しかし、財政支援策がないため法人運営は苦しく、また法人数も思ったほど増加していません。今回、NPO税制案が提出されましたが、ほとんどのNPO法人がその認定を受けることができないような案となっております。
 外見上はアメリカの制度をまねしたように装いながら、アメリカのようにほとんどのNPOが税制支援措置を受けられるようにはなっていないのです。政府・与党のNPOに対する理解不足、認識の乏しさが明らかになっていると言わざるを得ません。特に、パブリックサポートテストと言われる部分はアメリカの式と異なり、極めて条件をクリアしにくくなっております。政府・与党は、NPO活動とは無償のボランティア活動であり、財政的に自立する必要もないという認識であるとのメッセージが税制優遇策の中に明らかに見てとれるのです。
 また、今回の政府提案では、認定の要件の中に政治活動の禁止が盛り込まれています。自分たちを応援してくれるKSD等公益法人の政治活動は制限せず、自民党型政官業癒着選挙を続けようとしています。NPO法人の政治活動を禁止するのであれば、実質公益法人が行っている政治活動を制限するべきではないでしょうか。官房長官の御見解をお伺いいたします。
 私たち民主党は、NPOとは多様な市民公益を実現する自立した組織であるとの認識から、税制支援措置を組み立て、対案を衆議院にも提出いたしました。今からでも遅くはありません。NPO法人に対する税制支援措置、とりわけ認定NPO法人の要件を見直すつもりはございませんでしょうか。宮澤財務大臣の御見解をお伺いいたします。
 最後に、宮澤財務大臣は、G7に出発される前、公定歩合も引き下げたし、与党が株価対策も打ち出したこともあって、日本はよくやっているとのお褒めの言葉をいただけるのではないかとお話しされておりました。しかし、G7の各国から、日本の財政に対する不安や、遅々として進まない不良債権問題等に対して厳しい注文がつけられ、帰国されました。
 以前は財政等にすばらしい見識をお持ちだったとお伺いしております。しかし、今回のG7の例を見るまでもなく、現在の変化の早い社会における政治状況の中で、判断ができなくなっているのではないかという不安を感じているのは私一人ではないと思います。自民党の中にも若く優秀な方もいらっしゃいます。後進に道を譲るということも非常に大事なことと思いますが、宮澤財務大臣のお考えをお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) たくさんお尋ねがございましたので、なるべく簡潔にお答えを申し上げます。
 先般、内閣の不信任案に対しまして党内で欠席をした者がいる、これはどういうことかというお話でございまして、確かにこれは普通のときには余り起こることではございませんが、ただ、私ども自由民主党は古い伝統を持っておりまして、全体としてはリベラルな雰囲気を持っている政党でございますので、党内にもなかなかいろんな意見がございます。そういうことについては比較的寛容でございます。
 今度の不信任案に欠席をしたという方々がどういう意見でもってそうされたのか、私は伺う機会がなかったものでございますから、そのこと自身については批評を遠慮させていただきたいということでお願いを申し上げたいと思います。
 それから次に、景気の回復が進まない。これはもうよく御承知のとおりでございますが、昨年の秋ごろには企業活動も家計もまず回復してくるであろう。まず企業から、次に家計へという、従来のパターンでと考えておりましたが、企業活動はまさに十分回復してまいりましたが、それもしかし非製造、中小というところはおくれておりますけれども、どうも個人消費がおおむね横ばいであって、失業率も改善されていない、家計への改善ができていないということは、従来のパターンと違っておりまして、これは私自身が自分でそこを読み違ったと、これははっきり自分でそう思っておるわけですが、なぜかということは、恐らく我が国経済社会がこのITという革命に対して、雇用慣行を含めましたいろんな構造変化に時間をかけておる。まあアメリカならばレイオフをやってしまうという、そういう問題に関係があるだろう。
 したがって、これの対応は、やはり政府としては、補正予算あるいはこの予算を通していただきましたらこれを着実に執行していくということが、しょせんは時間の問題だと思っておりますので、そういうことだというふうに私は判断をいたしております。
 それから、多額の借金のことでございますが、平成十年七月の小渕内閣発足後、いろんな状況の中で随分金を確かに使ってまいりました。効果もあって経済はぼつぼつ緩やかな改善が続いていますが、その反面で財政が厳しい状況に陥ったことは事実であります。
 ただ、この財政出動というのはやはりほうっておけば景気のスパイラル的な悪化を起こす、あるいは世界の中の日本経済でございますから世界的ないろいろな影響を与えたということは恐らく事実であったろうと考えております。したがいまして、こういう借金に対して、まず自律的回復軌道に経済を乗せまして、その上で財政構造改革をいたしたい。
 財政構造改革と申しましても、かねて申し上げておりますとおり、財政ばかりでありませんで、税制もあり、中央、地方の関連もございます。ましてや社会保障のいろんな問題がございますので、それらを一義的に国民の選択としてシミュレーションをして答えを出すとすれば、やはりマクロモデルが必要だということで、先般、経済財政諮問会議でマクロモデルを開発することを決定いたしました。恐らく、これからやってみることですが、半年ぐらいモデルの構築にかかるというふうに専門家は言っておられますので、その上でシミュレーションをしていきまして、今度は言葉だけでは済みません、きちんとした数字の上でのいわば給付と負担との選択といったようなことになるわけですけれども、国民的な選択をお願いいたしたいと考えております。
 なお、最近、おまえは増税の話をしているんだがそれはどうなのかということで、ただいまのような財政再建を議論していきます中で、やっぱり歳入歳出全般にわたってシミュレーションをしてまいります際に聖域を設けるというわけにはいかないと思います。公的サービスの水準をどの程度にするか、あるいは国民負担はどうかといったようなことは国民の選択に任せていきたい。一つ一つの税金と申しますよりは、聖域は設けないでそういうシミュレーションをしなければならないだろうというふうに考えておるわけでございます。
 株価でございますが、今の低迷の原因をいろいろ分析的に申し上げることは難しいことでございますけれども、市場関係者が言っておりますそこは、我が国の景気の回復が予想のテンポより遅い、それは消費の回復がおくれているということでございますけれども、その上に、外的に見ますればアメリカ経済が減速の傾向を始めている、殊にナスダックがああいう状況で、どうも写真相場のようなことになっているということがあるかもしれません。あるいは、もちろん国内景気、企業業績の不安等々を反映していると思います。あるいは持ち合い、その解消の売りというようなものがあるというふうにも言われておるわけでございます。
 それらが考えられます要因でございますけれども、全体としては、しかし我が国の経済は、消費がおくれておりますが、緩やかな回復のテンポに乗っておりますことは、大変に緩やかでございますけれども、言えることでございましょうから、やがてそれらが株価にも反映するものと考えております。
 それから、株式の譲渡益課税についてでございますが、おっしゃいますように、今回平成十五年三月末まで適用の延期をお願いいたしておるわけでございます。それは、やはりこういう状況の中で、この際一応もう一度延ばさせていただいたらという気持ちでございますけれども、ただ、将来の問題として総合課税にするかどうかということは、櫻井議員が言われましたように、そのためには納税者番号制度を整備しなければならないだろうと。私もやるとすればどうもそういうことだと思っておりますが、この納税者番号につきましてはやはりいろんな御議論があって、この二、三十年の間にそれもいろいろの御議論の焦点が変わってまいっておりまして、今これについての国民の理解が十分であるとは申しにくいような判断をいたしておりますので、そういう意味ではなかなか総合課税、納税者番号ということにちょっと踏み切れる状況ではないように私は思っておるわけでございます。
 もう一つのお話は、それにしてもこの課税は利子なんかと同じでいいのではないかということでございました。
 それは、確かにそういう議論もあるわけでございますけれども、利子は言ってみれば恒常的にいわば入ってくる所得でございますけれども、株式は譲渡の時期を自由に選択ができます。そして、短期間で高い利益を得ることもできるといったようなことがございますし、預貯金は大抵の人が持っていますが、株式は六百万とか七百万とかいうことを言われますので、その点も比較的高所得階層に多いということでございますから、利子の課税負担と株式の負担とは同じであるかどうかということは、私どもはそれは異ならしめることが適当だというふうに判断をいたしておるわけでございます。
 それから、住宅ローンは、これは下手をするとマンネリズムになるぞとおっしゃいますことは私どもも心配しておりまして、十分注意いたします。二年間に限定して思い切った拡充をいたしましたが、それはやや平常化すべきときだというふうに考えて改めたわけでございます。
 それから、相続税は不十分だとおっしゃいますことは、相続税をいわば社会的機能ということから非常に強く考えますと、今回の改正は抜本的でない、手直し程度でございます。それは、相続税だけは抜本的な改正をいたしておりませんので、やがてそれが必要になる、そういうときには再配分機能等もいろいろ議論になるところであろうと思います。
 それから、もう一つはNPOでございますが、おっしゃいますことは、せっかく踏み切るんだから本当にNPOに親切にひとつ税制を考えろと、こういうことは、おっしゃることはごもっともでございます。
 殊にNPOというのは、何となく政府というのはどうもうさん臭いと思っている方々が多いので無理もない話ですから、(発言する者あり)それと、こう政府とのいろいろ、政府とのやりとりというのは非常に難しゅうございますよね。つまり、政府の方は、これは租税によって減免をするのですから、一体どのぐらいの仕事をしていらっしゃるのか、組織はどうかとか、あるいは一般的なサポートがあるかとかいうことをいろいろ伺わなきゃならない。それはぜひNPOにおかれてもそういう開示をしていただきたい。
 私は、NPOというのはこれからの活動の波だと思っていますので、できるだけそういう意味でお役に立つことはしたいし、それが一般的に社会的な機能を果たしておられる限りにおいて納税者の負担において行われることは、それでいいんだと思っていますけれども、そういうことがございますので、NPOの側におかれても十分それはお願いいたしたい。
 なお、さっきうさん臭い云々と申し上げてお気にさわりましたら、これは撤回をいたします。私の申しましたのは、いろんな意味での免税をお願いするときの条件について御提示を願いたいという、そういうことは、納税者の租税でございますので、御理解をいただきたいということであります。
 最後にありましたのは、要するにおまえももうやめたらどうだと、そういうお話でございます。
 それで、私は、三年近く前に小渕首相の御要請がありまして、もう年寄りの出る幕ではないと思いながらきょうまで仕事をさせていただきましたが、いつでも要らないときにはお暇を下さいということは小渕さんにも申し上げてございますし森首相にも申し上げておりますので、そういう心境でございます。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田康夫君) 櫻井議員にお答えいたします。
 まず、今回の内閣不信任案への自民党の対応、また否決しなかった与党議員がいることについて御質問がございました。
 去る三月五日、野党から提出された内閣不信任案が与党三党の結束により否決されたことは、内外に課題が山積し、政治にひとときの停滞も許されない中で国会において、国家国民のことを第一に考えた適切な判断がなされ、現内閣を信任していただいたものと受けとめております。
 もとより、現内閣に対し厳しい御批判があることは私も承知いたしております。今後、反省すべきところは反省し、さらに気を引き締めて国政に当たってまいる所存でございます。
 次に、公益法人の政治活動についてのお尋ねでありますが、公益法人については、公益法人であること自体により政治活動が禁止されているものではないことから、公益法人の政治活動を制限することについては、団体の政治活動の自由との関連を十分考慮する必要があると考えます。
 この問題については、種々議論があることは承知しております。いずれにせよ、公益法人の業務運営に当たっては、設立目的に沿った適正な運営がなされるべきものと考えます。
 なお、NPO法人についても、「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするもの」でなければ、設立の要件に合致するものであり、すべての政治活動が禁止されるというものではなく、また、今回のNPO法人に係る税制上の措置においても、支援の対象としてふさわしい法人の要件を規定したものであって、NPO法人の政治活動の禁止を目的としたものではありません。(拍手)
   〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融システムの安定化、信頼回復について御質問をいただきました。
 平成十年十月発効した金融再生法、早期健全化法等の運用によりまして資本注入等を実施させていただきました結果、我が国の金融システムは、平成十一年夏ごろにはかなりの程度安定を取り戻し、国内外の資金市場や資本市場からの信頼も相当回復をいたしました。
 しかし、昨十二年十一月ごろ以降、経済全体の改善の動きが緩やかになる中で株価が急激、大幅に低下し、その結果として現在、金融機関の資本勘定及び損益勘定へのマイナスの影響が取りざたされていることは、私の立場におきましてもよく承知をいたしているところであります。
 我が国金融機関に対する預金者や市場からの信頼を揺るぎないものとするためには、金融機関の抱える不良債権を間接処理にとどまらず、これをできる限りオフバランス化することによって、金融機関の収益力を増強することが必要であり、また同時に、貸出先企業の不稼働部門を除去することにより、産業の再生ひいては日本経済全体の再活性化に資することが重要であると考えているところです。(拍手)
○議長(井上裕君) ただいま理事が協議中でございます。しばらくお待ちください。
 櫻井君から再質疑の申し出があります。これを許します。櫻井充君。
   〔櫻井充君登壇、拍手〕
○櫻井充君 まず第一点は、参議院の予算委員会において財政破局が近いという発言をされました。その根拠をお示しいただきたい。その発言内容についてどうお考えなのか、どういう根拠でその発言をされたのかということを今回質問させていただきまして、その答弁がございません。
 それから、取り消しはされましたけれども、NPOに対して政府の方でうさん臭いと思っている方がいらっしゃると。ちょっとこれはNPO法人で一生懸命頑張っている方に対しては許されない私は発言じゃないかというふうに思う。そういうその発言の根拠になったことがあるのであれば、それについてまずきちんとさせていただきたいと、そう思います。
 それからもう一点でございますが、この間の内閣の不信任案に対して、与党の方の中でも否決されなかった方がいらっしゃる。その方々に関してどうお考えかということに関して、官房長官からも、宮澤さんはコメントを控えたいということでございましたけれども、答弁がございませんでしたので、再質問させていただきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日の当院の予算委員会の御質問の中に、財政について非常に大変だというお尋ねがございまして、その再建についてのお答えをいたしますときに、破局的というようなことを申しましたのは、これはちょっと言葉が不十分でございます。そういう非常に大変警戒すべき事態であるのは、もう申し上げることもない、申し上げるまでもありませんが、破局的ということは使うべきでなかったと思いますので、御了承をお願い申し上げます。
 それから次は、これは恐らく、私の申し上げようとしましたのは、NPOというのは政府から自由でありたいという、大体基本的にそういう方々の志向の団体ですから、政府のところへ届け出をするとかなんとかいうことは本来お嫌だろうと、そういうことを言おうとしたんで、この反対にちょっとそれをお聞きになったかしれません。それは真意じゃございません。
 それから、欠席のことは、これはどうもお一人お一人のことでございますので、私からはあれ以上申し上げかねるということでございます。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇〕
○国務大臣(福田康夫君) 繰り返しになるかもしれませんけれども、現内閣に対して厳しい御批判があるということ、これは野党の御批判のみならず、御案内のとおり、与党の一部にもあるということでございます。そういうことは私も十分承知しております。今後、反省すべきところは反省し、さらに気を引き締めて国政に当たりたい、こういうことを申し上げたわけでございます。(拍手)
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○議長(井上裕君) 大門実紀史君。
   〔大門実紀史君登壇、拍手〕
○大門実紀史君 私は、日本共産党を代表して、歳入関連三法案について質問をいたします。
 最初に、財政再建について質問します。
 先ほど若干の訂正をされましたが、宮澤大臣、あなたは昨日の予算委員会の中で、我が国の財政は非常なやや破局に近い状況であると発言されたことは事実であります。
 福田官房長官は昨日の夕方の記者会見で、それは十年、二十年、今のままで放置すればということだと、あなたの発言の打ち消しに躍起になっていますが、国、地方で六百六十六兆円もの借金となっているのですから、あなたの認識そのものは当然であります。
 しかし、そもそも今日の財政破綻を招いた責任はあなた自身にもあるのではありませんか。ウナギ登りの累積債務の拡大は、九二年の宮澤内閣が景気対策と称して進めた公共事業のばらまきから始まったものであります。
 さらに、あなたは、小渕、森内閣の大蔵大臣として、二兎を追う者は一兎をも得ずなどと言って、ひたすら公共事業を積み重ね、財政再建を先送りにして、この二年半だけで百二十二兆円もの借金をふやした当事者ではございませんか。
 財政を破局に導いたあなた自身の責任についてどう考えているのか、大臣の答弁を求めます。
 失政の責任を明らかにし、今までの誤りを正すことなしにまともな財政再建などできるわけがありません。
 あなたは、二月の衆議院予算委員会で、財政再建のためには消費税引き上げの公算が強いと発言し、昨日の予算委員会では、給付と負担の面において国民に厳しい選択を迫らざるを得なくなると発言されています。
 自分たちが借金をふやしたことに対する反省が一かけらもないから、すぐ消費税増税の発言をしたり、国民にツケを回そうという態度になるのだと言わざるを得ません。今までの反省の上に立って、消費税増税や社会保障負担の引き上げなど国民の負担をふやすのではなく、公共事業のむだを削る、不要不急の支出を削減する、そういう財政再建策を国民の前に明らかにすべきではありませんか。大臣の答弁を求めます。
 次に、租税特別措置法の一部改正案について二点質問いたします。
 一点は、NPOへの支援税制です。
 政府の案では、実際にNPOが税制の優遇を受けるためには、総収入の三分の一を寄附金によって調達しなければならないなど、適用についての厳しい要件がつけられています。これでは、せっかく優遇税制ができても大半のNPOは対象外になってしまうではありませんか。
 衆議院における我が党の質問に対し宮澤大臣は、対象となる法人にはそれにふさわしい公益性が必要であると答弁しています。しかし、宮澤大臣、認識の転換が必要ではありませんか。
 そもそも、NPO活動を支援する必要性があるのは、NPOの活動自体が行政の手の届かない分野の活動など、従来の公益性の基準だけでは判断できない新しい公共性、社会的役割を持っているからです。多くの善意のNPOが優遇措置を受け活発な活動ができるように、思い切って対象となるNPOの要件を緩和すべきであります。大臣の見解を求めます。
 我が党は、適用要件を緩和するとともに、みなし寄附金制度の適用、介護など福祉事業に対する非課税、認定機関として第三者機関を設立することなどを内容とするNPO優遇税制法案を提出し、成立を目指しています。政府案もこうした方向に修正すべきであります。
 二点目は、株式譲渡益課税の問題です。
 改正案は、既に決まっている四月からの申告分離課税への一本化を放棄し、源泉分離課税をさらに二年間延長する。要するに、株でもうけた所得には引き続き税金をおまけしてあげましょうというものであります。汗水流して働いた勤労所得よりキャピタルゲイン、すなわち不労所得の方が税金が著しく安くなる不公平税制の最たるものであり、そもそもそういう観点から廃止が決まっていたものです。
 宮澤大臣は今回の改正について、株式市場の状況を配慮して延長するとその理由を説明されています。しかし、株価のためなら税制で最も求められる公平の原則をゆがめてもいいと考えること自体、税制を預かる大臣として極めて無責任な姿勢ではありませんか。明確な説明を求めます。
 次に、法人税法の一部改正案について質問いたします。
 今回の法人税改正は、企業が分割、合併などの企業再編を行う際にその資産の譲渡について課税の繰り延べを行おうというものです。特に、この改正は、統合や合併を予定している大銀行がこの間強く要求していたものであります。我が党の試算では、四大グループの一つであるみずほフィナンシャルグループは、今回の改正によって、少なくとも一千億円以上の税の軽減を受けることになります。
 そこで、宮澤大臣にお聞きします。
 この間、銀行支援のために七十兆円もの公的資金の投入枠をつくってきました。この上、あなたはこうした大銀行グループの統合を税制面から支援するおつもりですか。こんなことは到底許されるべきものではありません。一体この措置でどれだけの税金が軽減されるのか。少なくとも、統合、再編の期日が具体化している四大銀行グループに対する税の軽減額を直ちに明らかにすべきであります。大臣の答弁を求めます。
 その上、政府は今回の法人税改正を銀行における不良債権の直接償却とセットで進めようとしています。企業の不採算部門を分割し、たとえ債権放棄という形をとったとしても、下請中小企業の倒産、リストラによる失業がさらに増加するのは避けられません。日経連や日本商工会議所などからも、倒産、失業の増大を懸念する声が出されているではありませんか。既に企業の倒産も失業率も過去最悪となっている中、政府はどういう倒産、失業の防止策を立てているのか、柳澤金融担当大臣、平沼経済産業大臣並びに坂口厚生労働大臣の答弁を求めます。
 経済学の大御所であるガルブレイスは、最近出版された「世界の知性が語る二十一世紀」の中で、次のように述べています。現在の経済システムでは、真っ先に救済の対象となるのは、経済危機をもたらした張本人である銀行家や実業家であり、不況の被害をまともに受ける人々の救済は後回しにされてしまうのです。そして、ガルブレイスは、こういう現代資本主義のやり方を批判し、罰すべきは労働者でなく銀行であると明確に指摘をしています。
 大銀行や大企業にだけ手厚く、国民に苦しみをばらまくような経済運営はもうやめるべきです。こんなことを続けていたら、銀行や一部の企業は栄えても、日本経済全体が沈没してしまうではありませんか。
 日本共産党は、リストラを規制し雇用を守る、社会保障の改悪をやめて国民の将来不安を取り除く、そういう国民の暮らしを直接応援する経済の運営へ切りかえることこそ、不況を打開し、日本の経済を大もとから立て直す道だと考えるものであります。
 経済の再生や株価対策を言うのであれば、既に国民の信任を失っている森自公保内閣の即時退陣こそがそれを実行する最も確かな道であることを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成十年以来、この経済危機に対処しまして、あるいは公共事業等の財政措置あるいは減税、金融機関に対する救済措置、いろいろいたしてまいりまして、ともかくも現在のところに参ったわけで、まだ十分脱出したと申せないのは残念であります。その間、非常に大きな債務を負いまして、これはもう何としても後代へ債務を残すわけですから、私ども責任をもちろん感ぜざるを得ません。
 ただ、むだ遣いをしたつもりはございませんで、これだけのことをして、ともかく国際的にも、日本という国がやはりこれだけの重みを持っておりますので、迷惑を余りかけずにここまで回復してきた、もう一息というふうに感じておりますが、決して債務の大きさを過小化して考えているつもりはございません。
 それで、財政再建等ということをいろいろ真剣に考えておりますのですが、その際には、歳出を切ること、あるいは歳入を考えること、いわば聖域というものは私はなしに考えなければならないだろうと。もとより、消費税の増税ということを私は具体的に言ったことはございませんけれども、聖域というものはやはりなしに考えなければならない。消費税率を含む将来の税制をどうするかは、やはり少子高齢化の社会あるいは経済社会の変化など、国民的な議論によって、殊に負担と給付との関連で将来議論をしていただくべき課題であろうというふうに考えております。
 なお、公共事業等はむだであったとおっしゃったのではないかもしれませんが、それに近いことをおっしゃったと思いますが、しかし、やはりこういう不況のときに、公共事業というのは、これはどうしても考えなければならない手法であって、もとより、おっしゃいますように、不況が克服されましたら、こういう景気刺激的な余分の部分はそれは正常化しなければいけないというふうに考えております。
 それから、NPOで申し上げましたことは、これはやはり私はその将来に期待しておりますが、とにかく納税者の金を用いて減免税をするわけでございますから、そういう意味ではやはり事業活動について一定の情報公開が欲しい。また、資金について広く一般からも支援があるといったようなことは大事であろう。何分にも納税者の金を使うことでありますから、みんなに免税してしまえばいいというわけにはすぐにはまいらないということは御理解をいただきたいと思います。
 それから、源泉課税、分離課税を二年延長したことについては、御批判もあるかと思いますけれども、今の経済情勢あるいは株式状況などを見ながら判断をいたしました。
 なお、最後に、法人税改正の問題について御質問がありましたんですが、このたびの改正は、我が国の企業の環境が変化いたしまして、企業活力が十分発揮できるように商法等の改正がございました。それによって企業の組織再編成を可能にするということでございますから、これに税法が、商法の改正に従って税法改正をいたしたということでありまして、何か特定の業種の再編成を税制から支援するというものではございません。
 したがいまして、四大銀行グループの税の軽減というのは、ちょっと私ども計算をする資料がございませんので十分にお答えができませんことを御了承いただきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の直接償却についてお尋ねがございました。
 私ども金融庁といたしましては、直接償却等によって不良債権のオフバランス化を進めることは、産業、企業の再生と表裏一体のものとして行われるべきであると考えておりまして、こうした観点からどういった取り組みが可能か、金融機関からヒアリングを行うとともに、関係の経済産業省、国土交通省とも意見を交換しつつ検討を行っているところでございます。
 現時点では具体的な施策の中身を申し上げられる段階には至っておらず、したがってその影響等についても申し上げられないわけでございます。企業倒産や雇用といった観点も踏まえて、今後十分検討を進めてまいりたいと、このように考えている次第です。(拍手)
   〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(平沼赳夫君) 銀行の不良債権の直接償却の進展が中小企業に与える影響についてのお尋ねでありますけれども、一般には大企業の事業制限、倒産等をもたらし、ひいては関連中小企業者の経営に悪影響が生じる懸念をはらんでいると認識をいたしております。
 経済産業省といたしましては、このような事態に対応するため、倒産企業に売り掛け債権等を有する中小企業への連鎖倒産防止対策として、政府系金融機関や信用保証協会を通じ融資限度額の拡大等の特例措置を講ずるとともに、中小企業倒産防止共済制度を実施いたしております。
 また、事業活動の制限により影響を受ける取引先中小企業や周辺地域の中小企業に対しても保証限度額の引き上げ等の措置を講じており、今後ともこれらの措置を通じ適切な対応に努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
○国務大臣(坂口力君) 不良債権の直接償却等に伴う雇用問題についてお尋ねでございますが、雇用を預かります厚生労働省としましては、離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職を促進することが重要な政策課題であると考えております。
 本年四月からは、改正雇用保険法が施行されますが、そこでは、倒産、解雇等により離職する方について従来よりも手厚い給付日数を措置することにより、離職した方の生活の安定に配慮することとしております。
 また、産業構造の変化等、経済社会の変化が進みます中で、離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職を促進するため、雇用対策法等の改正法案を今国会に提出しているところでございます。
 こうした取り組みにあわせまして、再就職の受け皿となる新たな雇用機会の創出支援が重要であると考えております。十三年度予算案におきましても、中小企業や新規・成長分野における新たな雇用機会の創出への支援策を種々盛り込んでいるところでございますが、今後とも、成長が期待される第三次産業を中心に新たな雇用機会の創出を重視して、雇用対策についても積極的に推進してまいりたいと考えております。(拍手)
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○議長(井上裕君) 大渕絹子君。
   〔大渕絹子君登壇、拍手〕
○大渕絹子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、ただいま議題になりました三法案について質問いたします。
 本院議員であった小山孝雄、村上正邦両名が受託収賄の容疑で逮捕されたKSD事件は、自民党丸ごと汚染の実態を明らかにし、国民に深い絶望を与えております。逮捕された人々の取り調べ結果によっては、あと何人の逮捕者が出るかわかりません。どのような事態になろうとも真相究明を徹底してやる決意を法務大臣に求めます。
 えひめ丸沈没事故をめぐる米海軍の査問会議は、予定がずれ込んだためにワドル前艦長らが蛇行や急浮上の実演を急いだこと、えひめ丸と見られる船体をとらえた音波探知情報が前艦長に伝わっていなかったこと、グリーンビルの出港目的は民間人を体験航海させるためだったこと、乗組員の半数が乗っていなかったこと、また、当初このツアーには緊急浮上の予定さえなかったというようなことが明らかになっています。米側のこれまでの説明と大きな食い違いが報道されていますが、日本政府に対してどのような報告がなされているのか、外務大臣にお尋ねいたします。
 また、改めて、この事故について本院における中間報告を行うように強く求めるものであります。
 日銀は、昨年八月、デフレ懸念は払拭されたとしてゼロ金利政策を転換しました。わずか十カ月で方針を変更し、半月余りの間に二度という異例の連続利下げへ踏み切りましたが、株式市場は全く反応せず、さらに安値を更新しました。速水総裁は、会見でデフレ懸念を口にし追加的な金融緩和の可能性をもにじませました。ゼロ金利政策解除の判断は間違いであったのか、財務大臣にお尋ねいたします。
 景気や金融、株式市場の動向も見きわめられないようでは中央銀行の総裁は務まりません。同意を与えた参衆両院の責任もありますが、任命した内閣の責任は非常に重いと思います。日銀の判断ミスで日本経済は今まで以上に危機に陥ることもあり得ます。体制の入れかえが必要ではないのですか。
 国債発行残高は、平成十三年度末見込みで、建設国債は二百十一兆円、特例国債は百七十七兆円になります。ムーディーズに引き続き、スタンダード・アンド・プアーズも日本国債をスリーAからツーAプラスへ格下げしました。これを受けて宮澤大臣は格下げは間違っていると発言いたしましたが、ちまたに流れている国債発行未達の要因など全くないと言い切れますか。十三年度の国債依存度は三四・三%、今後どのくらいまで発行可能なのか、明快に答えてください。
 法人税法等改正案は、法の適格要件として八割以上の労働者が引き続き業務に従事することを挙げていますが、切り捨てられる二割の労働者への手厚い保護策なくして認めることはできません。完全失業率は四・九%という中で、さらにリストラを進めることは景気を冷え込ませることは必至です。厳しい中で雇用を守る努力を続けている企業こそ優遇すべきであります。
 株式譲渡益の源泉分離課税の存続延長は朝令暮改のそしりを受けていますが、どう反論しますか。
 また、消費不況のさなかに、消費税増税もあり得るとの大臣発言は、撤回を求めます。
 新世紀を迎えたのに、国じゅうが深い閉塞感に包まれています。住みよい社会を求めて必死に働き続けてきた日本人が稼ぎ出した利益は、一体どこへ蓄積されているのでしょうか。
 九八年末、アメリカの対外債務は一兆五千三百七十億ドルと世界最大の債務国です。これに対して、我が日本の保有する対外純資産の総額は九八年末で一兆一千百億ドルと世界最大の債権国です。こんな状態にもかかわらず、アメリカは好景気に沸き、日本は不況のどん底にあります。どうしてこのようなことになったのか、財務大臣の答弁を求めます。
 七〇年代からバブル崩壊まで、我が国は高度経済成長を続け、貿易収支は巨大な黒字を積み上げてきました。国民は貯蓄に励み、将来不安へ備えてきました。郵便局や銀行、生命保険、証券会社等に集められた資金は、間接金融の名のもとに、大蔵省の指導により、当時危機的な状況にあったアメリカの財政を救済するために向けられました。当時、為替レートは二百五十円前後で推移し、ドル高円安の相場の中で、日本の利益はドル建てでアメリカへどんどんとつぎ込まれていきました。アメリカは、財務債権だけでなく、不動産までも買収されるに至り、ついに八五年、プラザ合意でドル安政策に切りかえました。瞬く間にドル建ての債権や資産は二分の一、三分の一の価値へと下落し、膨大な為替差損が生じました。そんなアメリカの戦略を知らず、そのドル下落を食いとめようと、さらに日本の対米資本注入は大蔵省主導で続けられたのです。
 九三年、クリントン大統領は、就任早々に日本経済や国民が生み出す利益をアメリカへ還流させるための戦略プロジェクトをつくり、超円高政策を断行し、ドル建て債権を市場で売ることを阻止し、日米間の金利差を拡大させてジャパン・マネーを吸い上げました。流入した資金は経常赤字を補てんし、余剰資金は海外に投資され、ドルの覇権を強めていきました。さらに、日米構造協議で、内需拡大と称して六百三十兆円の公共投資を日本に約束させたのです。アメリカの言うがままに金融・財政政策をとり続け、ついにマネー敗戦に陥ってしまったのが今日の日本です。
 この間、大蔵大臣として、首相として日本の金融、経済のかじ取りをしてきたのが、宮澤財務大臣、あなたではありませんか。本来なら、世界一の債権国として、円基軸の世界経済を築き、アジアの発展に貢献できたかもしれないのに、アメリカの戦略に屈服し、日本経済を危機的状況に至らしめた責任は重大です。この件に関しましては、森首相よりももっと罪が重いと思います。そんな大臣が小渕内閣の大蔵大臣として再登場したときは大変な驚きでした。責任を感ずるからこそ、今も財務大臣にとどまって立て直しを図るとおっしゃるのでしょうか。
 アメリカのドル覇権を嫌って、ユーロ統一に踏み切ったEUの勇気に今さらながら気づきます。マルクもフランも、自国通貨の誇りを捨ててもユーロ統一に踏み切った背景が、円の完全なる敗北によって明らかになりました。世界の基軸通貨がドルからユーロに移っていくのか、ドルの支配がまだしばらく続くのか、明らかではありませんが、日本はドルとユーロのはざまで円をどう確立していくのか、明快な道筋を示していただきたい。
 塩漬けになっているアメリカの財務債権の扱いをどうなさるおつもりですか。ブッシュ大統領は、二兆ドルの国債買い取り計画を発表しましたが、八〇年代に購入した三十年債の償還は二〇一〇年から始まります。マネー敗戦の後処理を間違えると、また大きな損失をこうむることになると思います。どのように対応するのか、明快に答えてください。
 アメリカ追従の政権にこの国の再建はできません。もはや政権交代以外に日本の未来はありません。今までのしがらみを捨てて、世界経済のダイナミックな動きに柔軟に対応できる政権の出現を待っているのは、宮澤大臣も一緒ではないのですか。自民党政権を崩壊させる以外にこの国を救えないと痛切に考えているのは、宮澤大臣、あなた御自身ではないのでしょうか。すべてのことを理解なさっている大臣の本心をお尋ねし、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、日本銀行のことについてお尋ねがございました。
 昨年の八月に、いっとき、政府と日本銀行の見解を異にしたことは確かにございましたけれども、それは過去のことでございまして、日本銀行は今日、物価の安定を図ることを通じて経済の発展に資するよう、今後とも経済の状況や市場の動向などを注意しつつ、機動的に適切な金融政策運営を行っており、また行っていくものと信じております。
 日銀総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命をいたしますが、現在の速水総裁の識見には私は十分に信頼を寄せておることを申し上げておきます。
 次に、スタンダード・アンド・プアーズ等々による日本の国債の格下げということについてお尋ねがございました。
 確かに、大量の国債を発行しておりますので、その発行の方法、時期あるいは内容等については十分注意をして発行いたさなければならない、いたしておりますが、最近、発行状況は非常に円滑でございまして、クーポンレートは非常に下がってまいっております。それは、民間の資金需要がないということの裏返しでもございますから余り喜んでいいことばかりではございませんけれども、国債そのものの信用は決して落ちていない、むしろ価格は上昇しておるというようなことでございます。
 もちろん、この多量の国債を発行する財政というのは決してよろしいものではございませんので、一刻も早く財政改善はいたしたいと思っておりますことは変わりがございません。ただ、国債そのものの発行は、そういう格付の問題がございますけれども、少しも今心配のある状況ではないことは申し上げることができると思います。
 それから、法人税法の改正でございますけれども、これは、御承知のように、商法等におきまして柔軟な企業組織再編成を可能にするために、これは一種のグローバライゼーションでございますけれども、商法改正が四月から施行されることになりますと、税制もそれについていかなきゃならないという部分がございまして、企業組織再編成に係る税制の整備をいたしまして、移転資産の譲渡損益等を繰り延べるというようなことをいたしました。
 これは、企業に何かリストラの手段を与えるというような性格のものではございませんし、一種のそのような国際化の時代で企業が再編成をしていく中で、これは円滑にいきますことが雇用の安定と改善に私は寄与するものと考えておりまして、それが何か企業側に非常にひいきをするといったような性格のものではないことを御理解いただきたいと思います。
 それから、株式の譲渡益の源泉分離課税の存続については御批評、御批判がございまして、そういう御批判も一方でございましょうと思いますけれども、ただいまの状況から判断いたしまして、税制調査会等の意見もございまして延期をお願いいたそうとしておるわけでございます。
 それから、消費税の問題でございますが、これから財政再建をいたしていきますときに、歳出のカットあるいは歳入についてのいろいろの工夫、いわゆる聖域はないという前提で仕事をいたさなければならない、そういうふうに思っておりまして、消費税そのものだけについて申せば、将来の税制のあり方について、今後の少子高齢化の社会あるいは財政状況等を踏まえて、国民の負担と給付という意味で国民的な議論によって検討せられるべき時代が、ときが来ると思っておりますけれども、今何もそれについて一つの固定意見を持っておるわけではございません。
 それから、アメリカの債権についてお尋ねがございまして、これは確かにいろいろ意味合いの深いお尋ねだと思いますけれども、アメリカのような債務を持っている国が現在のような状況であって、我が国のような債権を持っている国がなぜちゃんといかないのかなというのは、確かにいろいろに考えなきゃならない問題でございます。
 結局、それだけの資産を持っていながら、我々がそれを国民経済のために十分利用できていないではないかということの御指摘に尽きると思いますので、これは確かに鋭い御指摘ですから十分にいろいろ考えていかなきゃなりませんが、いわばそれだけの財産を持っていながらそれの運用ができないということについてのことは十分我々が考えなければならない問題を御指摘になっていると思います。
 ただ、我が国の金融財政がアメリカのリードに乗ってこういうことになってしまったという感じは私にはございませんで、プラザ合意後のバブルの形成、崩壊、それからずっと今日までの状況の中で、とにかくこの三年来のピンチをともかく大きな破局にならずにここまで来たということではある、しかし十分これで不況を脱出したとまではまだ行っていないというのが現在の問題であると思っておるわけです。
 そして、しかし経済が正常な回復軌道に乗りましたときには、これだけの負債というものはやはり根本的な財政再建をしなければなりませんが、それは国の財政ばかりでなく、中央、地方の行財政、あるいは税制はもちろんですが、いわゆる社会保障の諸施策について、これから十年あるいは十五年どのような負担と給付をするかという国民的な選択をやがてしていただかなければならない、そういう問題であるというふうに認識をいたしております。
 それから、ドルとユーロのお話がございまして、確かにユーロというものができ上がったことはもう驚くべき出来事だったと思っております。それは学ぶべきことですが、しかしやはりそこにはそれだけの蓄積なり歴史的なその国々の間の関係があった。
 アジアにおいて同じことを望むべくもございませんが、しかしそのアジアの経済の中でのいろいろな連帯については、チェンマイ・イニシアチブにもごらんになりますように、我が国もその役割を、果たすべき役割を果たしまして、かなりのそういうお互いの間の関係が緊密になりつつあるということは、これは申し上げることができると思います。
 それから、最後にお尋ねになりましたことは、ちょっと私が十分おっしゃったことを理解していないかもしれませんが、今、我が国の米国財務省証券の保有残高は、アメリカの統計によりますと三千三百五十八億ドルということになっております。それは、米国財務省証券等々を含めました金融資産の運用については、各投資家のそれぞれの判断によって行われていることでございます。
 もちろん、どういう場合にも為替リスクというものは常に存在いたしますし、そのヘッジもおのおのがしていることでございます。何かの大きな意向で、為替が非常に将来一方的に人為的な事情で動かされるということは、このグローバライゼーションの時代には私は考えなくていいことであるし、各投資家は十分またそれについてヘッジをしておられるものというふうに考えております。(拍手)
   〔国務大臣高村正彦君登壇、拍手〕
○国務大臣(高村正彦君) KSD事件の真相究明についてお尋ねがございました。
 検察当局は、厳正公平、不偏不党の立場から、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき、適切に対処してきたものと承知しております。
 お尋ねの財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団をめぐる事件に関しては、東京地方検察庁において、三月一日、村上正邦前参議院議員らを受託収賄罪の疑いで逮捕し、現在捜査中であり、今後、所要の捜査を遂げて厳正に対処するものと承知をしております。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
○国務大臣(河野洋平君) えひめ丸事故に関する米側からの報告についてのお尋ねがございました。
 政府としては、今回のような事故が再び繰り返されないためには、まず事故原因を徹底的に究明する必要があると考えており、米側に対しまして、本件につき、さまざまなチャネルを通じて情報提供を求めてきたところであります。
 具体的に申し上げれば、事故発生当時の状況として、これまで米側より、現場は海軍が通常使用している海域だが、民間船舶にも開かれていること、グリーンビルは浮上動作中であり、その方式は緊急用の方式であったこと、事故当時、民間人が浮上動作に限定的な形で参加する機会を得ていたこと、ソナー手が事故前にソナーの反応をとらえていたことなどにつき、情報の提供を受けてきたところであります。
 政府としては、今後、海軍が、その最高レベルの調査機関であり、公式の審問の場である審問委員会における審議を通じて事故の原因などを明らかにしていくとしていることを踏まえまして、審問委員会における審議の経過を注視していくとともに、引き続き情報収集に努めていく所存であります。(拍手)
○議長(井上裕君) 答弁の補足があります。宮澤財務大臣。
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 政権交代を望んでいるのではないかというお尋ねにお答えをしなかったということでございますが、こういう経済状況で、もうちょっとのところで我が国は立ち直れるというふうに考えておりますものですから、こうやって予算も御審議いただいておりますし、また法案も今日御審議いただいておりまして、どうぞこういうことについてできるだけひとつ御支援をいただきたいと考えておりまして、そのためには、政府としても十分責任を持って国会のそういう御審議に御協力をしてまいらなければならないと考えておりますので、おっしゃいますような気持ちを私としては持っておりません。(拍手)
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十七分散会
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