第151回国会 予算委員会 第5号
平成十三年三月七日(水曜日)
   午前九時一分開会
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   委員の異動
 三月六日
    辞任         補欠選任
     野沢 太三君     陣内 孝雄君
     松村 龍二君     有馬 朗人君
     北澤 俊美君     小川 敏夫君
     大森 礼子君     白浜 一良君
     浜田卓二郎君     加藤 修一君
 三月七日
    辞任         補欠選任
     宮本 岳志君     筆坂 秀世君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岡野  裕君
    理 事
                岩城 光英君
                木村  仁君
                須藤良太郎君
                吉村剛太郎君
                高嶋 良充君
                円 より子君
                弘友 和夫君
                小池  晃君
                照屋 寛徳君
    委 員
                有馬 朗人君
                石渡 清元君
                入澤  肇君
                鎌田 要人君
                岸  宏一君
                佐々木知子君
                佐藤 昭郎君
                斉藤 滋宣君
                清水嘉与子君
                陣内 孝雄君
                常田 享詳君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                保坂 三蔵君
                松谷蒼一郎君
                三浦 一水君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                木俣 佳丈君
                櫻井  充君
                内藤 正光君
                堀  利和君
                峰崎 直樹君
                簗瀬  進君
                柳田  稔君
                加藤 修一君
                白浜 一良君
                益田 洋介君
                大沢 辰美君
                西山登紀子君
                筆坂 秀世君
                宮本 岳志君
                清水 澄子君
                堂本 暁子君
                戸田 邦司君
                石井 一二君
   国務大臣
       内閣総理大臣   森  喜朗君
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     高村 正彦君
       外務大臣     河野 洋平君
       財務大臣     宮澤 喜一君
       文部科学大臣   町村 信孝君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   谷津 義男君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国土交通大臣   扇  千景君
       環境大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (防災担当大臣) 伊吹 文明君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  斉藤斗志二君
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)  橋本龍太郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    麻生 太郎君
       国務大臣
       (科学技術政策
       担当大臣)    笹川  堯君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   坂井 隆憲君
       内閣府副大臣   仲村 正治君
       総務副大臣    遠藤 和良君
       法務副大臣    長勢 甚遠君
       外務副大臣    衛藤征士郎君
       外務副大臣    荒木 清寛君
       財務副大臣    若林 正俊君
       厚生労働副大臣  増田 敏男君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       農林水産副大臣  田中 直紀君
       経済産業副大臣  松田 岩夫君
       国土交通副大臣  高橋 一郎君
       国土交通副大臣  泉  信也君
       環境副大臣    沓掛 哲男君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        西川 公也君
       内閣府大臣政務
       官        山崎  力君
       防衛庁長官政務
       官        岩屋  毅君
       環境大臣政務官  熊谷 市雄君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       警察庁刑事局長  五十嵐忠行君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       外務大臣官房長  飯村  豊君
       環境省総合環境
       政策局長     中川 雅治君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       岩尾總一郎君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
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  本日の会議に付した案件
○平成十三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

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○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算、平成十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、質疑を行います。三浦一水君。
○三浦一水君 おはようございます。自由民主党の三浦でございます。
 昨日に引き続きまして、清水嘉与子先生の関連質疑を続けさせていただきたいと思います。
 まず、農林水産大臣に有明海のノリ問題と有明海の再生についてお尋ねをしたいと思います。
 昨年十二月からの赤潮によりますノリの大不作が発生をいたしました。今、三月の終漁期を迎えるまで、不作のままで漁期を終わろうとしておりますことはまことに残念でございます。私自身も一月と二月の二回現地を視察し、漁民と地元行政の関係の方々の話を聞きました。その後、当面の対策として特例融資制度によります迅速な対応が実施されまして、しかしながら、現在も漁民の最大の関心は、ノリの種をつけるこの秋までに今回の赤潮の原因が解明されて例年どおりの種つけができるということでないかと思っております。それでなければ、せっかくの特例融資も意味をなさなくなってしまう。
 原因としては、異常気象、海温の上昇あるいは諫早干拓の影響等々、さまざまなものが指摘をされております。が、とにかく重要なことは、できるだけ早く予断なく徹底的な原因究明を行って、漁民の方々の期待にこたえることではなかろうかと思っております。
 そこで、ノリの不作につきましては今年中に緊急調査を行って、この秋口までは原因究明について結論を出すべく関係省庁において現在全力で取り組んでいることと思いますが、現在の状況と今後の対策について、まず農林水産大臣にお尋ねをいたします。
○国務大臣(谷津義男君) おはようございます。
 ただいま三浦先生の御質問でございますけれども、先生御指摘のとおり、一月の二十三日からこれは緊急調査を陽光丸という船を使いましてやっております。それから、二月の二十三日から潮流、潮の流れの調査等もやっております。これはまた環境省においてもやっていただいているところでもございます。
 そして、第三者委員会をつくらせていただきまして、実は三月の三日の日に第一回の会議を開かせていただいたわけであります。そして、九月の月末までには中間報告を取りまとめて発表したい。しかし、できるだけ早くそれもやりたいというふうに思っております。と申しますのは、十月に網入れがありますけれども、準備はその前から進められるわけでありますから、そういうことを考えますと、それよりも早く何とか中間取りまとめの発表ができるようにしたいというふうに思います。
 ただ、その間、調査をしている段階におきましてもその都度公表していきたいと思いますし、また一方では、この第三者委員会も公開でさせてもらっているところでもございます。
 そういうことから、この過日の第三者委員会の中で、調整池の中の水質をもっと資料を出してほしいという話がございました。そういうことから、今まで工事中の、あそこの水質は一週間ごとにはかっておりましてその資料はあるのでありますが、工事をしなかったとき、いわゆる中断をさせていただきまして、そのときの資料というのが実はないものでありますから、早急にこれを調査したいというふうに考えておりまして、一日も早くこの調査結果を出させていただきまして、そして何といっても有明海をよみがえらせたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
○三浦一水君 有明海沿岸の福岡、長崎、佐賀、熊本、四県の知事が有明海再生計画の策定を連名で農林水産省、国土交通省、環境省に要望をされているようであります。
 閉鎖海域という特性を有する有明海であります。かつての宝の海としてこれをよみがえらせていくためには、海域の環境に関するあらゆる要因について総合的な対策を打つ必要があると考えますが、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(谷津義男君) これは先生が御指摘のとおり、私はやっぱり有明海をよみがえらせるということが一番大事なことだろうというふうに思っておるわけであります。それにはいろいろな、今日までのこの有明海に対する環境を損なってきたといいましょうか、そういう面にはいろんな要因があるだろうというふうに思っているわけであります。ですから、この調査は総合的に徹底的に調査してもらうことが必要であるというふうに考えておるところです。
○三浦一水君 次に、不知火海の漁業環境問題につきまして、扇国土交通大臣、谷津農林水産大臣にお尋ねをします。
 先日、二月二十八日に川辺川ダムの建設に伴う漁業補償の受け入れを球磨川漁協が否決をいたしました。その背景に、今回の有明海のノリ問題があると言われております。不知火海におきましては昨夏、赤潮の大発生で養殖漁業が熊本県だけで四十億円程度の被害に遭っておりました。壊滅的な打撃でありました。諫早湾干拓事業が有明海ノリ問題の原因として否定できないことと同様に、川辺川ダムが不知火海に何の影響も与えないとは断言できないのではないかという状況であります。
 漁業者の営みと生活に根差した不安感から、不知火海沿岸の漁業者から川辺川ダム建設反対の声が上がり、川辺川ダム事業の与える影響についての調査の実施などについて要望がなされております。かつて私も籍を置きました熊本県議会では、不知火海沿岸の漁協の要望を踏まえて、三月五日に不知火海現況についての総合的な緊急調査及び追跡調査、水産振興等を国に対して求める決議を行っております。
 川辺川ダムの推進を図っていく上で、県内の賛成派と反対派による無用の対立と混乱はできる限り避けるべきであると考えております。不知火海沿岸漁民が事業に対して抱いている不安を取り除くためにも、まず川辺川ダム建設により不知火海にどのくらい影響を与えるのか、現況調査をもう一度行う必要があると私は考えておりますが、国土交通大臣の御見解を求めたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がお話しになりました川辺川ダム建設による不知火海への影響ということは、大変私たちも注目しておりますし、何とかいい方法がないだろうかと。そして、漁民の皆さん、あるいは反対、賛成両方あるものですから、私たちも心を痛めて見守っておりますところでございます。
 まず、私の担当しております国土交通省といたしましても、球磨川地域ではこれまでも過去三十年間に九回の大水害が起こりまして、多くの災害が出ております。そういう意味からおきましても、私たちは少なくとも川辺川ダムの建設事業、それを成功させることによって治水対策が完全に行われて、皆さんが安心していただけるであろうと、そういうふうに思って工事を今までやってきたわけでございます。
 ダムの完成後でありましても、少なくとも水の年間の海流への流出量は総量としては変化がない、一応そういう研究者の研究も結果が出ております。そういう意味で、川辺川から海域への栄養の塩類の水という、それは塩類は全部水に溶けてしまう、こういう御判断が出ておりますので、先生ももうそのことは一番よく御存じでいらっしゃいますけれども、その供給につきましても変化がないという結果が出ておりますので、現段階では私もその結果を尊重しているというのが現状でございます。
 ただ、これは一般的には新しいダム湖が設置されれば河川の水質の変化が予想されるということを言われておりますけれども、川辺川ダムでもダム設置以前の河川の水質、それを保持するための対策として選択取水設置、これは先生御存じの清水のバイパスをつけておりますので、このバイパスを設置することによって、最大級の水質への配慮を行っているというのが今私どもの最大限とり得る施策として行っております。
 このように、私どもは川辺川ダムの建設が八代海への漁業に与える影響はないものと今の段階では考えておりますけれども、これからも、私どもは熊本県や地元関係者からも八代海の環境調査の実施というものについて要望を受けておりますので、私たちは水質等の調査に早期に取り組んでいくべきだと考えておりますし、この調査はダムの着工後も引き続き行っていきたいと、そして皆さん方に安心していただけるような工事の成果が得られるというふうに努力していきたいと思っております。
○国務大臣(谷津義男君) 不知火海におきます今期のノリの生産状況は、あそこもノリをやっておりますが、二月末現在で前年同期に比べまして枚数で八〇%、それから金額では、ちょっと価格が上がったものですから一二〇%になっているところでありますけれども、不知火海における漁場環境の改善につきましては、地元の要望を踏まえまして、水産生物にとって良好な漁場づくりといいましょうか、そういう環境づくりをしっかりと進めていきたいというふうに考えております。
○三浦一水君 扇大臣からは速やかに調査に入ると明確なお答えをいただきました。ありがとうございました。可及的速やかに調査に入っていただければと御要望申し上げておきたいと思います。
 さらに、私は、そのダムが着工されますとして、着工後もしっかりと海域の環境を総合的かつ客観的にチェックをしていくシステムを関係省庁連携のもとにつくっていくべきであろうと考えております。この点について国土交通大臣の御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、私どもも真剣にこの事態に取り組んでおりますけれども、国土交通省といたしましても、少なくとも今、先生がおっしゃいましたダムを建設後もきちんと、私どもは、球磨川や、それに関連します八代海の計画的な、あるいは経年的なと言いますか、言葉で言えば永続的と言った方がいいと思いますけれども、そのような環境変化を監視していくことは重要なことであると認識しておりますし、またダムの建設着工後におきましても、水産庁と関係の機関あるいは熊本県、連携をとって私どもは調査を実施してまいりたいと、そう思っておりますので、先生にもぜひ今後も御協力賜りたいと思います。
 なお、調査に当たりましても、河川局のみならず、このたびの省庁再編で私どもの国土交通省といたしましては海上保安庁、そして気象庁、港湾局など海域に関係いたします我が省の各機関が協力してこれを行えるというメリットが今度出てまいりましたので、国土交通省といたしましても、省庁の統合のメリットの第一号というふうに位置づけてでも私たちは今後も努力していきたいと、そのように思っておりますので、今後も河川局等々で、この海域の調査は今まで単独では河川局だけで海域の調査をしていましたけれども、国土交通省になったからできるという調査結果というものも重視していきたいと思いますし、なお継続して協力を得て、海上保安庁とも今度は協力を得られるということではよく地元の皆さん方にも御理解が得られるところであると思いますので、国土交通省でなければできない調査というものを行っていきたいと思っています。
○三浦一水君 ありがとうございました。
 もう一回、農林水産大臣にお尋ねをします。
 不知火海と有明海はともに閉鎖海域という特色をもともと持っております。しかも二つの海は内海で接してつながっております。つまり、有明海の抜本的な再生計画をつくって総合的な施策を実施するにしても、それが有効性を持つためには、同じように海域の環境について問題が指摘されております不知火海についても同時に抜本的な対策を打つ必要があると考えております。
 有明海への対処にあわせて、特色ある閉鎖海域であります不知火海についても、先ほど一部お答えいただいたような気がするわけでありますが、関係省庁連携し合って、抜本的な海域の環境対策、水産振興対策を総合的に講じるべきであると考えております。お考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(谷津義男君) 今、先生御指摘のとおり、不知火海も有明海も一体であるというふうに私どもは考えておるところであります。そういうことから、この有明海、不知火海の水質等の問題もありますし、またいろいろと長い間にあるいは環境が破壊といいましょうか、そういうものが起こってきているであろうというふうなことも予測をされるわけであります。
 ただ、その原因というのがただいまよくわかっていないわけでありますから、それがために、私どもはこれを徹底的に調査をさせていただきまして、この両海の再生といいましょうか、宝の海と言われているところでありますから、再生を図っていきたいというふうに思うわけであります。
 それがためには、第三者委員会を立ち上げて今その調査に入っているところでございますけれども、そういう中で、いろいろな先生方が、すばらしい先生方が委員として入られております。底生生物、あるいはまたノリの研究をなされている方、あるいは赤潮の研究をなされている先生、いろいろございますが、その先生方が、第一回目の私はその委員会を聞いておりまして、本当によくあそこの点を既に調査をされておるという実感を持ったわけでございまして、そういう先生方の英知というものが私はこの再生に大きくつながっていくというふうに思っておるわけであります。
 ですから、私どもは、その調査にはもう全力を挙げ、そしてまたあらゆる面に総合的に調査をさせていただきまして、そして一日も早く有明海が再生できるように、あるいは不知火海が本当にもとに戻るようなそういう対策を打っていきたいというふうに考えているところであります。
○三浦一水君 再度確認をしますが、不知火海も十分な調査をする対象に加えるということでございますか。
○国務大臣(谷津義男君) 当然それも入れてやるべきだと考えております。
○三浦一水君 引き続き農林水産大臣に、現在、我が国が初めてセーフガードの政府調査に入っております。現在、ナガネギ、畳表、生シイタケ、三品目について調査が進められていると伺っておりますが、暫定措置の発動の見通しがあるのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(谷津義男君) 現在、セーフガードに関する政府調査に入っているところであります。
 先生御案内かと思いますけれども、暫定処置につきましては、セーフガードの協定上、遅延すれば回復が難しい損害を与えられるような危機的な事態が存在する、そういう場合に、輸入の増加が重大な損害を与えていること等について明白な証拠があるという仮の決定に基づいて行うことができるものというふうになっているわけであります。
 現在、その調査を続けているところでありますが、いろんな資料が今集まってきておるわけであります。そういう中で、もう確実にこれは、何と言ったらいいんでしょうかね、危機的な状態の損害が与えられているという証拠が出てきた場合は、それは暫定でセーフガードをかけることができるわけでありますけれども、そういう状態が見えた場合には私はかけていくというふうに思っているところであります。
○三浦一水君 今国会は、農林水産関係は林業基本法、そして水産基本法さらには農業者年金の改正法と非常に重要な農林水産行政の根幹をなす法案がメジロ押しでございます。その中で、土地改良法についての改正も検討されていると伺っておりますが、私は、その中身は別として、土地改良は本当に現在もう自分たちが建設費を負担して、あるいは維持管理費を負担してできる状態じゃないという声を各地から伺います。
 本当に国が自給率を定めてナショナルミニマムとしての考え方をとり、そしてそれを総合安全保障につなげるという明確な考え方があるのであれば、私はこれは国がやっていくべき基本的な事業じゃないかと考えております。その点、谷津大臣はどのようなお考えをお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(谷津義男君) 土地改良事業につきましては、農家の私有財産である農地等を受益地とした直接その個々の農家の利益につながる事業であるという性格上、利益を受ける範囲内において受益者たる農家の方に一定の負担を求めている仕組みとなっていることは、先生も御案内のとおりであります。
 その一方で、御指摘のような食糧自給率の向上や食糧安全保障の確保などに資する観点から、土地改良施設の建設費については、国、地方を通じまして必要な助成を行っているところでありまして、また地方負担のガイドラインの設定を通しまして農家負担の軽減を図っているところでもございます。
 さらに、維持管理費についても、特に公共性の高い一定の施設につきましては、従来から国による管理や地方公共団体等の管理に対する助成のほかに、土地改良区等が管理する施設につきましても、施設の整備、補修に対する助成等を行ってきているところでございます。
○三浦一水君 坂口厚生労働大臣に少子化対策についてお尋ねをします。
 働く女性にとって保育所による子育ての支援は欠かせないものであります。入所待機、この状態を一日も早く解消する必要があります。保育時間の延長が私は一方でまた大事かと考えております。今後どのように保育時間の延長をし、延長保育の充実を図っていかれるのか、坂口厚生労働大臣にお尋ねをします。
○国務大臣(坂口力君) 御質問をいただきましたとおり、保育所のあり方、その延長、あるいはまた低児童の受け入れ、そうしたことにつきましては非常に大きな問題になっているところでございます。
 少子化がこれだけ進んでまいりまして、それを乗り切りますためには、やはりお母さん方に育児とそして雇用、その両方を両立していただけるような体制にしなければならないというふうに思っているわけでございます。
 そういう意味で、国におきましては、経済情勢などを勘案いたしまして、基本的に平成十年度から保育料を据え置いてまいりましたし、平成十三年度予算案におきましての保育費用に対する保育料の割合は四六・二%というふうになっておりまして、前年度に比べまして〇・三%減少したところでございます。また、お二人保育所に行かれる場合にはその第二子の分は十分の五、そして三人保育所に行かれるというような場合にはその三番目のお子さんは十分の九、それぞれ軽減するというような措置をとったりもしているところでございます。
 いずれにいたしましても、保育料等で余り負担にならないようにしなければならないというふうに思っておりまして、そうしたことも十分勘案しながらやりたいというふうに思っておりますが、その中でやはり低年齢児の問題がございまして、低年齢児をどうしても受け入れやすいそういう環境を一つはつくっていかなければならない。
 それから、お母さん方の雇用も多様化してまいりまして、朝早くからお勤めになる方、あるいは夜遅くお勤めになる方等もございますので、この保育時間の延長ということにつきましてもできる限りそれを拡大していくということに努めておりまして、そうした予算もこの十三年度に計上させていただいたところでございます。
 まだまだしかし十分だというふうには思っておりませんで、これからさらにこれらの点を進めていきたいと思っております。
○三浦一水君 中小零細企業の承継問題について、宮澤大臣と平沼経済産業大臣にお尋ねをいたします。
 事業所数の九九%、雇用数で七〇%を占めます中小企業は日本経済の活力の源泉であります。中小企業が元気を出すことが日本の元気につながります。しかしながら、中小零細企業の事業承継が円滑にできない現状というものは深刻なものがございます。すなわち、親から子に事業承継をする場合、親名義の事業用不動産や預金等々が贈与税の対象となるため、速やかかつ円滑な事業承継の障害となっております。
 ことしの税制改正で、相続税または遺贈により取得をする財産、すなわち特定事業用宅地等々に係る特例対象面積を三百三十平方メートルから四百平方メートルに拡大したことは評価をするところであります。その効果はいかがなものか、両大臣にお尋ねを申し上げます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のような措置を今回も改善をすることにお願いしておるわけでございますけれども、この問題がお互いの注目を浴びましたのは、殊に都市部における土地が高騰いたしましたために、中小企業が持っております土地、事業用の土地でございますが、これが相続税のたびに非常な高い評価を受けて、それによって事業の承継が難しくなるという、そういう問題であったわけでございます。
 そのことは既に過去の問題になりかかっておりますが、評価を毎年ずっと小さくしてまいりまして、ただいまおっしゃいました四百平方メートルということになりますと恐らく八割ぐらいの減価になる、二割だけが課税の対象になるということまでまいりました。したがいまして、土地が原因で都市部の中小企業の承継が脅かされるという問題はかなり実質的に解消されてまいっていると見ますけれども、実は問題だと思いますのは、農業につきましては、もう相続する人間がばらばらにならずに業として相続することが事実上慣習になってまいりましたが、中小企業の場合には、相続人がたくさんいますときに一人だけが相続するということは事実上困難である場合がある。殊に土地等の財産がかなりのものでございますので、長子ばかりでなく、それ以外の家族が事業の承継をしないにしても相続財産を分け取りたいという、当然のことでございますけれども、そういう家族内の問題がございまして、農地と違って財産が一括して事業として相続されるということが非常に難しいという事情が現実にございます。
 これは現実の問題であって、そうしてはいけないというわけにはまいりませんし、しかしみんなでばらばらにすれば企業の相続が難しいということでございますから、その辺も考えました上で、もう一度土地の評価を下げて、そして何とかしてその事業の承継が可能になるようにというふうに、税法上でも工夫しておりますし、相続税でもそれは配慮をいたしておるところでございますが、やはり農業と違ってそういうところに一つの問題があるということを痛感いたしております。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、財務大臣からお話があったとおりだと思っています。
 しかし、今、日本には企業の数が約五百万ございまして、先生が御指摘のとおり、中小零細企業というのが九九・七%を占めています。そして、江戸時代あたりから続いてきた、私どもの地元、恐らく先生の地元もそうだと思いますけれども、商店街なんかは象徴的ですけれども、シャッター通りになってしまっている。それが、承継が非常に困難になっている、こういうことであります。
 そこで、今、財務大臣からお話しになりましたように、いわゆる土地に関しての面積を拡大する、それから贈与税を昭和五十年から二十五年ぶりに六十万円から百十万円まで引き上げる、こういうことをやってきましたけれども、これだけではまだ、効果はあると思いますけれども、十分じゃないと思っています。そういう意味で、今後とも引き続き、税制面等で財務省ともいろいろお話をしながら、私どもは中小企業のために努力をしていきたいと、このように思っています。
○三浦一水君 また、相続または贈与にかかわる税負担のため、事業資金が不足をし、経営危機に陥るといったようなことにならないような対策が必要であると考えております。さらに、事業承継した子が企業としての信用力をつけるまでは、少なくとも期間がかかります。その間の信用保証制度等々の仕組みが私は一方で必要ではないかと考えております。
 そこで、事業承継に伴う融資制度や保証制度を創設するお考えはないか、再度、平沼経済産業大臣に見解を求めます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 当然そういう必要はあると私ども感じております。
 中小企業に対しましては、なかなか今貸し渋りと、そういう形で非常に厳しい状況になっておりまして、こういった問題が非常に中小零細企業の皆様方にとって大問題になっております。ですから、今先生御指摘のように、そういった形でこれからも力強く検討していかなければならない。
 今、特別保証制度というものをつくったりしまして、またこの四月からは一般保証で枠を拡大してやると、こういうことで対処しておりますけれども、承継に関してもやはりもう少しきめ細かい配慮は私は必要だと、こういうふうに思っています。
○三浦一水君 ありがとうございました。
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。入澤肇君。
○入澤肇君 保守党の入澤でございます。
 清水議員の関連質問をさせていただきます。
 最初に、えひめ丸の事件の犠牲者及び御親族、また関係者に対して心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 きょう私は景気対策と構造問題に焦点を絞って政府の見解をただしたいと思います。
 まず、麻生大臣に、きのうの閣議後の記者会見で大臣は戦後初めて物価が値下がりする中での不況になっていると述べまして、前回の月例経済報告で景気は回復過程の踊り場にあるというふうに説明をされましたけれども、大きくこの説明を変更する会見を行っております。
 翻ってみますと、九八年に金融不安がありましたときにマイナス成長と物価下落が同時に進行いたしました。このときに政府は、デフレじゃないかというふうな質問に対しまして、物価の下落を伴った景気低迷がいわゆるデフレなんであって、その段階においてはデフレではないというふうに言っておりました。特に堺屋太一経済企画庁長官、当時は、デフレスパイラルの入り口にあるというふうな表現をしておりました。
 きょうの読売新聞を見ますと、大臣は景気低迷と、不況だと言ったにもかかわらず、事務方は、景気のトレンドが下向きになったわけではない、不況という言葉はより厳しい状況にあることを表現しただけだと言って事実上否定したと、大臣の発言を否定したというふうな報道がされております。
 今、与党三党でかなり抜本的なというか、厳しい景気対策を打ち出そうと連日議論をしております。私もその一員で会議に参加しておりますけれども、具体的な政策を出す場合に政府の景気認識がどうなのかということがやっぱり基本でございまして、これにつきまして改めて麻生大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) デフレ、デフレーションという言葉の定義というのは、これは学者でもいろいろ意見の分かれるところでありまして、単に物価が値上がりをすればインフレというのであれば物価が値下がったんだからデフレだということも言えるんでして、言葉の言い方にはいろいろ諸説ありますのでなかなか申し上げにくいところで、政府見解と従来申し上げてきておりますように、今の状況というのはデフレと一概に言えるかといえば、デフレ状態にはないと言えるのも、これはそれなりの言い方なんだと思っております。
 ただ、感じとしては、今先進国の中で物価が、消費者物価、卸売物価、特に値下がりがずっと続いております国というのは日本以外にありませんので、そういった状況では日本の状態というのはかなり、戦後ではこのような状態になったことはありませんので、そういった意味では極めて厳しい状態、珍しい、今までにはなかった状態ということの中で景気感というのはなかなか出てこないという状況になってきておりますので、デフレ状況という言葉がだんだんだんだん定着してきているのかなとは思っております。
 そういった状況にありますので、このデフレという言葉、デフレーションというのは英語なんですけれども、デフレというのは多分日本語なんだと思いますが、そのデフレという言葉は、どういう表現、定義につきましてはこれは検討を開始したところでありますので、今月行われます三月十六日の月例経済報告の閣僚会議までにはこの定義を含めましてこの言葉の定義を統一したい、検討したいと思っております。三月十六日の閣僚会議までに終わって、その他の資料が三月八日、十二日、いろいろな数字が出ますので、その上で今申し上げたようなことはきちんとした対応を統一してお答えしたいと思っております。
○入澤肇君 定義はともかくとして、経済が相当厳しい状況にある、不況であるということは事実として認めなくちゃいけないと私は思います。
 そこで、余計なことなんですけれども、政府の月例経済報告をいつも読んでいますと、一体これだれに向かって書いているんだかわからないんですね。ディーラーとかあるいはファンドマネジャーとか、こういう人たちはもうこんなことよりも多くの情報を得て業務を行っていますし、一体だれに向かって書いているのか。各省の実務家に向かって発するのであれば、私はもう少し丁寧な書き方があっていいんじゃないかと思うんです。特に、物価とか設備投資だとかあるいは機械受注等先行指標につきましては、伸びている業種、横ばいの業種、あるいは下がっている業種、そのくらいの解説が附属資料としてあってもいいんじゃないかと思うんです。
 この間も月例経済報告の内容を聞きまして、さっぱりわからない。ボーナスが下がっているから景気が悪くなった、消費が減ったなんて言うけれども、ボーナスがじゃどのくらい減ったんですかと言っても、担当官はなかなか答えられない。そういう状況ですので、ぜひ月例経済報告の改善について一考を煩わしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘の点、もっともだと思っております。
 月例経済報告というのは、御存じかと思いますが、これは一九五四年、吉田内閣、第五次吉田内閣のときにこの月例経済報告というのは始めたんだそうですが、これ今度新しくなった、今月からこのような形に変わって、役所にしては珍しく随分読みやすくなったなと、前に比較しての話ですよ、比較すればなったなと思って、それなりの評価はできるところだと思っておりますので、先月と今月と比べていただきますと随分変わってきてはおるんですが、内容を見ても、今御指摘の点もありますので、もう一つわかりやすくという点につきましては、私ども御意見を理解できるところでありますので、さらに努力をいたしたいと思います。
○入澤肇君 そこで、具体的な経済政策について若干提案型の御質問をしたいと思います。
 私は、衣食住のレベルが一定の水準まで達したという今日、新しく環境問題、NOxの問題とか、あるいは介護保険制度が発足しまして、社会保障費の経費を削減するためにどうしても在宅介護を進めなくちゃいけない。ところが、高齢者がいる住宅、住む部屋がない。それから、ITの問題もございます。新しい状況に応じまして、この千三百八十兆ですか、千四百兆ぐらいある個人資産を背景にいたしまして、ストックベースで質の高い国づくりを目指すべきじゃないかと私は思っているんです。
 特に、今たくさんのマンションや住宅ができていますけれども、三、四十年すると果たしてこのマンションもつのかな、維持管理できるかなと。また壊してしまうのかなというふうな感じもするようなマンションも多うございます。欧米各国に行きますと、それぞれ百年も二百年もたっている家の内装を、あるいは中の調度品を変えることによって快適な生活を営んでいる。我が国の場合には木の文化の国ですから必ずしもそういかない面もありますけれども、私はこの不景気を絶好の機会として質的なレベルを高めるための対策を講ずべきじゃないかと思うんです。
 それにしましては、今度の予算を見ていましても、公共事業のシェアの配分一つを見ましても、なかなか従来型のシェアの配分が是正されていない。新しく情報通信関係の基盤整備につきまして、旧郵政省関係の予算が公共事業の仲間入りをすることができましたけれども、なかなか大胆な改革ができないような状況でございます。
 今一番大事なことは、私は、従来型の発想を大きく乗り越えて、戦後我が国経済が復興の過程で傾斜生産方式というのをとりました。石炭産業に資金を重点的に投資をして鉄鋼産業を興し、よい循環システムの中で経済の復興を図ったと。もちろん途中におきまして朝鮮戦争特需問題もございましたけれども、傾斜生産方式、要するにばらまきをやめて投資効果を早期に発現する、そういうふうな姿勢を私は改めて打ち出すことが必要じゃないかと思うのであります。
 具体的に申し上げますと、私は中でも都市の再開発を重点に置いて国家的な視点からプロジェクトを組み直すべきじゃないかと思っております。このことは予算委員会におきまして私、二、三回質問いたしました。しかし、最近になりまして亀井政調会長が、都市の再開発が必要であると、特に石原東京都知事と話し合いをしまして、東京都二十三区の中、三区だけですか、公務員住宅の超高層化を図るんだというふうなことで、具体的な提言がされるようになっております。
 しかし、私は、何も公務員住宅じゃなくて、二十三区内で二十四万戸にも及ぶ公的狭小老齢住宅、これは何度も言っていますが、二十四万戸もあります。これは建設経済研究所のデータでございます。公的というのは、住宅公団、住宅公社あるいは公務員住宅あるいは厚生年金還元融資住宅等々が入っておりますが、狭小というのはひどいんですね。この時点においてまだ三十平米ぐらいの住宅がたくさんあるわけであります。老齢、築四十年を超えている。
 こういうのを例えば五年とか十年の間に周辺の同じような狭小の住宅とあわせて再開発するというプロジェクトを大々的に打ち出すと、これが要するに一番景気対策としていいんじゃないかと思うんですが、国土交通大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、入澤先生がおっしゃいますように、住宅建設というものがいかに経済効果をもたらすかということは、皆さん今までの戦後の日本を見ても、今日の経済効果の、こういう大国になったという原点にも、我が家を持ちたい、マイホーム志向というものは日本人の少なからぬ願望であり、生涯かけて一軒という時代が続いてまいりましたけれども、特に今、入澤先生がおっしゃいましたような公的な狭小老朽住宅というもの、これ数字で私調べてみましたけれども、公共賃貸住宅、約三百万戸あるわけですね。そのうちの、建ててから、建設後三十五年以上経過した住宅が四十万戸ございます。
 ですから、私たちは、今おっしゃったように、今日の状況では居住水準を上げる。要するに、余りにも狭くて、端的な言い方させていただきますと、最初の公団住宅というのは、先生御存じでしょうと思いますけれども、おふろは畳半畳なんですね。畳半畳のこういう昔の筒形みたいなおふろで、赤ちゃん一人抱いて母親が入ったらもう満杯という、こういうところでは環境としてはまことにふさわしくないという、そういう状況が続いておりますので、これからはその四十万戸の建てかえ事業、その建てかえ事業のときには総合的に、建築の事業費としては約七兆円、それから波及効果を加味すれば約十三兆円になるという、こういう計算ができておりますので、内需の拡大にも資するものであると思っていますけれども、じゃどういうふうに建て直すのだということで、私は三つのとりあえず要件を考えております。
 その三つの要件と申しますのは、毎年三万戸程度実施しているんですけれども、まず、今おっしゃいました余りにも狭過ぎる住宅を何とかゆとりある平米にしたいということが一つ。それから、今や老齢社会でございますので、介護のためのバリアフリー、例えば廊下とか階段とかに手すりをつけるとかあるいは入浴のところに手すりをつけるとか、そういうバリアフリー化をした住宅にしたいというのが二つ目でございます。三つ目は、少なくとも社会福祉の設備、そういう施設と連携がとれる賃貸住宅にしていきたい。
 そういう三つの要件を兼ねて今度建て直していきたい、そういうことに費用をつけていきたいと思っておりますけれども、少なくともこの四十万戸に対してのそういう二十一世紀型の公共の住宅というものをしていきたいと思っております。
 公的だ。ごめんなさい、公共ではなくて。
○入澤肇君 今、大臣の御答弁にもありましたように、住宅産業、特に都市の再開発を念頭に置いた住宅産業の振興というのは非常に経済への波及効果が多いわけであります。これをぜひ政策の基本に据えてやっていただきたい。何も四十万戸じゃなくて、各都道府県の県庁所在地等に行きましても同じような小さな建物がたくさんあるわけでございますから、全国では三百万世帯以上がそういうところに住んでいるという数字もございます。ぜひそれをお願いしたいと思います。
 同時に、きのう大臣は記者会見で、都市整備公団による賃貸住宅団地のIT化を進めるということを言われましたけれども、その構想につきましてここで改めて御説明願いたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 私は、昨年森内閣に入れていただきましてから、森総理がIT革命あるいはIT社会、IT戦略等々あらゆる手を打ってこられましたけれども、一般の国民の皆さんにITでは私の生活がどう変わるのかという実感がないんですね。
 そこで、私はそれを何とか実感していただこうということで、御存じのとおり、インターネットという一言で言いましても、インターネットは今や普及率というのは世界で日本は十三位に転落しているわけでございます、ちなみに十二位は台湾ですけれども。それくらい世界で十三位にインターネットの普及率が下がっておりますけれども、そのインターネットの中で、じゃ日本が世界の中でどれがいいかといいますと、光ファイバーは世界の第二位なんです。世界の二位ということはアジアで一位です。だったら、何とかこの光ファイバーを今のうちに日本の、総理が日ごろからおっしゃっています全部のあれにというIT戦略でITの講習はしましても、講習を受けた人が、じゃうちの中でそれをどう使えるかというその基本が足りないんです。
 NTTの、御存じのように、電柱のそこまではもう光ファイバーも来ている。けれども、おうちまでこれがつながらない。これをラストワンマイルと言われておりますけれども、このラストワンマイルを公共工事でできないかと私は宮澤前大蔵大臣の時代にも陳情いたしましたけれども、公共工事は認められないというお話でございました。
 けれども、私はそこを何とかできないかということで、これまであらゆる手を打ってまいりまして、今回は少なくとも公共工事で何とかこのラストワンマイルを使う地域、できる地域が何かできないか、こういう知恵を絞りまして、私がお願いしましたことは、何としても私どもがそのラストワンマイルのモデル地区をつくりたいと。
 そして、モデル地区でこのラストワンマイルの光ファイバーをつないだら家庭の中のテレビもどのように変わってくるかといいますと、少なくとも私どもこれ考えて調べてみましたけれども、御存じのとおり、光ファイバーというものにかえますと、先生も音楽御存じでしょうけれども、CD一枚をインターネットでパソコンに落としますので、普通の電話回線ですとこれ二十三時間かかるんです。けれども、光ファイバーを通してこれでファイバー・ツー・ザ・ホームが完成しますと、二十三時間かかるのが一分でできるんですね。
 これは若い人たちにとっても大変な魅力でございますので、何とかということで、私はこれを都市基盤整備公団に言いまして、公団である以上は何かしなさいということでお願いをしまして、公団を、特に私は、悪い評判ばかりですから、今までの公団が悪いと言われていることではなくて、都市基盤整備公団がつくるときに何かサービスができないかと、家賃を上げないで。家賃を上げないでそれだけのができないかということで、返事が参りまして、今までの四十万戸、さっき申し上げましたけれども、その中で特に超高速のインターネット、新築のところは全部超高速を入れます。けれども、既存のところで一年間に大体六千戸建て直ししていますので、それを全部入れようということで、端的に計算をいたしました。
 直接の都市基盤整備公団は四百三十億円で全部やりますと、あるいは通常の事業者による投資、民間ですね、それがわっと参りますし、利用の家庭の投資も、今後月々、利用者は少なくともパソコン購入あるいは買いかえ、モデムの購入等々で利益が上がりまして、これが四百三十億円。試算でございます。それから、利用者の家庭の皆さん方、あるいは全国の民間の借家の皆さん方も啓蒙するということになって、少なくともすべての生産の誘発効果というものは二千五百二十億円にはすぐになるということで、私はこれをモデル地区をつくってやろうと思いまして、これも指定していただきました。超高速のインターネットの環境整備モデルプロジェクト地区、これを恵比寿のビュータワーをモデルにして、これが建ててから既に六年、平成六年に竣工しておりますけれども、まずこの五百二十戸をモデルにしてこれを推進していくと。これがやっぱり家庭の中でITというものを実感できる私は大事な点であろうと思いますので、この波及効果が今の経済に刺激になればと思ってやっていただきたいと思って頑張ってまいります。
○入澤肇君 非常によくわかりました。鋭意進行していただきたいと思います。
 そこで、傾斜生産方式をまねて傾斜配分政策とでも申しましょうか、そういうことをやった場合、あと一、二点やっぱり留意しなくちゃいけない。
 現在の予算書を見ますと、各省それぞれ意欲的にいろんなプロジェクトを持っておりますけれども、最も受益効果の早期発現が期待される事業を各省ともそれぞれ三つか五つ選んで、そこをまず第一に予算が成立すると同時に集中的にやる、こういうふうな考え方がとられていいんじゃないかと思うんです。
 もう一つは、地域別の産業連関表をぜひつくっていただいて、これは北海道、東北と関東ではかなりリーディング産業の状態が違います。私、昔やったことがあるんですけれども、地域別の産業連関表をきちんとつくって、地域の実情に応じて一番有効需要の創出効果が高い業種を振興するということも政策の中に入れたらいいんじゃないか。
 そうやって都市の再開発、各省の重点的なプロジェクト、それから地域産業連関表を念頭に置いた地域の重点的な振興対策、こういうことをきちんと踏まえた上で、場合によっては十年間の緊急経済再生特別措置法みたいなものをつくってやることが必要だと思うんですけれども、これについてはぜひ総理大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 入澤議員の大変予算の、いわゆる新たな発想で編成をしたらどうかという、総じて言えばそういうお考えだろうと思います。
 私も国会議員になりまして三十二年になりますが、予算編成を自分なりに与党の立場でやってきまして、やっぱりかなり私は矛盾があるなと思っているんです。どうしてもこのシェアというものを大事にする。これはもう、例えば公共事業一つとってもそうだと思うんですね。農業、土地改良を中心にしたもの、港湾。旧の建設省でいえば、道路、住宅、都市公園、下水。それぞれシェアがあって、結局はそのシェアを同じように伸ばしていくか、同じように減じていくかということになる。そうすれば配分もまた同じことになって、もう少し効率的に集中的に公共事業等を進めていくことの方がより経済効果がある、あるいは採算効果があるというふうに私はやっぱり考えます。
 ですから、そういうことの一つの最初の試みとして、この十三年度予算案、今御審議をいただいているこの予算については日本新生枠というものにさせていただいて、今いろいろ御指摘ございましたように、IT関連、都市基盤あるいは高齢化対応、そして環境というものについてはアクセントをつけたわけです。完全とは言えませんけれども、一つの予算の新しい試みとして考えてみました。
 我が党の政調会長を中心にし、与党三党で随分御議論をいただきました。公共事業等についてもどうあるべきかといろいろ議論をし、また第三者の私的な審議機関のようなものも設けられて、そして御議論もいただいたことも承知をしておりますが、結果的にはなかなかこの枠組みは超えられないという、これは政治家全体が考えなければならぬことだろうと思います。ここにも各省御出身の大変力強い方々もたくさんいらっしゃいますから、それなりのいろんな思いもおありだということも、よく私は自分の経験からいってもあるわけであります。
 そこで、経済財政諮問会議というのが今度できました。これを今、麻生経済担当大臣あるいは宮澤財務大臣、あるいは片山総務大臣、政府側はそうした形で、さらに経済界からは実務的な経済をおやりになっている方、さらには学者の方、日銀総裁なども入れて議論が今まさに渦中に入っているわけでありますが、そろそろ予算編成のあり方というものについてやっぱり議論してみようという、そのことにいよいよ、その入り口のところに今立っているということでございます。
 ですから、私、我田引鉄なんて言ってよくしかられましたけれども、鉄道整備なんというのはなぜ公共でできないんだとか、もっと効率的に進めればずっと採算性があるはずなのに、あるいは空港も、関空のやり方あるいは中部国際空港というこのやり方、これはやっぱり本来いえば国のインフラとして国がやるべきことであるのかもしれない。新しい試みを関空でやってみましたけれども、やはり採算面からいっても非常に難しい面があるということも数字としては出てきていると思うんです。
 ですから、そういう意味で、新しいそういう、今、扇大臣もいろいろおっしゃっていましたけれども、思い切った都市基盤の充実を図っていくための住宅の問題にいたしましても、それからやっぱり今一番問題になっているこの資産デフレ的な傾向を、これを何とかしてよみがえらせていくということになれば、土地をどうやって生かしていくかということだろうと思う。そういう意味で、金融機関等で整理をしつつあるそうした土地というものを、ある意味では虫食い状態になっているところも随分ある、そういうものをどう整理して生かしていくのか、こういうことも政府がやはりしっかり取り組んでいかなければならぬ、そういう命題だろうと、こう思っております。
 いろいろ御批判もあろうし、いろいろ御意見もあろうと思いますけれども、やはり十四年度の予算編成からは新しい思い切った予算編成のあり方、やり方というもの、こういうものにはやっぱり思い切って取り組んでいく必要があるし、そういう意味で与党の皆さんも、新しい時代が来たぞと、二十一世紀なんですよということで、これからの百年の計、そのまさに百年の計は私はこの十年にあると、こう施政方針でも申し上げたとおりでありまして、与党の議員の皆様方もやっぱり思い切ってそういう新しい予算の編成の仕組みに取り組むという私は心構えも必要だろうと思うし、従来のしがらみや枠組みの中に縛られては思い切った政治の転換というのはできないんじゃないかなというふうに考えておりまして、今、議員の御指摘ありました点などは大変参考になる御意見でして、またこれからいろいろと議論を進めてまいりたいと、このように考えております。
○入澤肇君 ぜひ成長のための牽引車、成長のためのエンジン、これを特定して、従来の惰性にとらわれることなく、何を捨てるかということを念頭に置いて政策体系を築いて、強力なリーダーシップを発揮してやっていただきたいと私は思います。
 その次に、景気の足を引っ張っている幾つかの項目につきまして若干御意見をお聞きしたいと思います。
 最初に、金融機関の不良債権の問題でございますけれども、これは柳澤大臣からお聞きしたいと思います。
 事実の数字が合っているかどうか、間違ったら御指摘いただきたいんですけれども、この間、事務当局からお聞きしましたところ、我が国の不良債権比率、要するに総貸付高に占める問題債権の比率、これは大手行だけで六%ぐらいあるんじゃないかと、信金、信組入れると一二%ぐらいかなという数字がございました。ただ、これは突然の質問で、そのときに資料をめくって答えられたものですから、これが正しい数字かどうかわかりません。ただ、アメリカの今日における不良債権比率というのは〇・五八%だという。バブルが崩壊する直前の不良債権比率はどのくらいかなということも重ねて質問しましたら、我が国の場合、三%前後だったんじゃないかというふうなことを言っておりました。
 今、不良債権の処理の問題が大きな政策課題になっております。特に柳澤大臣は直接処理をするんだということで柳澤大臣らしい非常に切れ味のいい政策を提案しておりますけれども、私は、まず現在の不良債権比率をバブル前の不良債権比率まで持っていくということを第一ステップとして、目標をきちんと設定して不良債権の処理に取り組むことが必要じゃないか。その目標設定を各金融機関がやれない場合に、相当強力な指導あるいは行政上の措置をとるということも念頭に置いていいんではないか。その場合に、一つの手段として、実行過程において不良債権の買い取りという問題も出てくると思います。
 これにつきましては、共同債権買取機構、これの強化拡充が議論になっておりますけれども、公的資金の出資を改めてやるのかどうかということを含めまして、柳澤大臣の不良債権の処理に取り組む基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権問題は今御議論がいろいろの方面で行われておりますけれども、このデフレ傾向のあるときに不良債権なぞの処理に当たればそれをますます加速してしまうのではないかという話が一方ある中で、いや、不良債権こそ今の日本の経済情勢の中で経済の活力、活性化に向けていわば足かせ、おもしになっているんじゃないか、だからこれを除くことこそ日本経済の再生の捷径であると、こういうようなことでいろいろな論議が行われているわけであります。
 私は、その両面がある意味で真実だろうというふうに考えておるわけですけれども、しかし、どちらがといえば、やっぱり不良債権をオフバランス化するということは何といっても金融機関の収益を上げますし、それから収益が上がってくればそれだけリスクを取るということができますから、いわゆる金融機関の本来の使命である金融仲介機能、あるいは必要なところに資金を供給するということができるようになってくる。こういうような意味で、私は、不良債権のオフバランス化をやはりもうちょっと重視していく、そういう考え方が必要なのではないかと、こういうことで今金融機関に呼びかけさせていただいているわけであります。
 そういう中で、今、入澤委員から、ある意味で当然の考えなんですが、バブル以前のレベルにまでひとつ戻したらどうかと。まあ何と申しますか、理論的にはそういうことを考えたいところなんですけれども、あえて言ってしまいますと、バブル以前の日本の不良債権の比率というのはわからないわけであると言っていいかと思うんです。
 というのは、当時のディスクロージャーのレベルというものが実は非常に低いレベルにあったということは認めざるを得ないわけで、我々、思い出していただいてもおわかりいただけると思うんですけれども、バブルが崩壊した後、日本の金融機関が不良債権を持っているということが話題になったとき、まずディスクロージャーさせようと。そのディスクロージャーは一体どの程度させたらいいだろうか、余り正直に一遍に出したら金融機関に不信が投げかけられて大変存在そのものが危殆に瀕するんじゃないかみたいな話も現実にありまして、ある意味で微調整的にディスクロージャーのレベルを上げてきたということも事実としてあったわけでございます。
 そういうことでございまして、ちょっと今のこの段階で、あのときの不良債権比率というのはどのくらいだかというのは私は不詳である、不明である、不分明であると言わざるを得ないと思うんです。
 ちなみに、じゃこのバブルの崩壊後におきまして一体どのくらいのテンポで不良債権の処理が行われるに至ったかというのでちょっと申し上げますと、アメリカの場合は、九〇年の初頭にバブルみたいなものがあって一遍に崩壊した後、不良債権の比率が上がったんですが、FDICの、つまりアメリカの貯蓄保険機関ですが、これに加盟する商業銀行全体で見ますと、九一年が五・四七であったわけです。先ほど大手行について言われたのと余り変わらないねと、大手行についてはむしろこれよりもいいぐらいだねという感じがあるわけですが、そういう非常に高いレベルの不良債権を抱えたこともあった。ところが、それが二〇〇〇年のときにはどのぐらいになっているかというと、先ほどちょっと零コンマとおっしゃったんですが、我々そこまでではないと思っておりまして、一・一五程度に下がっている。こういう状況、推移がアメリカの実情だと言っていいかと思うんです。
 それに対して我が日本の主要行のレベルはどうかというと、九七年に六・〇一であったものが二〇〇〇年、同じ九月末に六・一二ということで、微増というような状況にあるということなのでございます。
 そういうことで、これはアメリカの好景気を反映した不良債権比率の低下というものもあったに違いないけれども、やはりそこにはいろいろなインフラがあって、債権の流動化、先ほど先生がおっしゃられたようなことが盛んに行われた結果、こういうふうに際立って不良債権比率が減少するということがあったんではないか、このように考えておりまして、私といたしましては、今、先生がおっしゃったようなことを含めて、流動化のためのインフラ整備というものを含めて何とかオフバランス化、不良債権比率の低下と申しますか、それを何とか実現してまいる、そのことが日本経済の再活性化のために大きな力になるんではないか、このように考えて、今その方針を呼びかけさせていただいておると、こういうことでございます。
○入澤肇君 もう一つ大きな問題は地価の下落の問題でございます。
 地価を決めるものというのはいろんな説がありまして、地域あるいは状況によってかなり変わるんですけれども、一つは需給実勢が決める。これは非常に需要が大きかったときには需給実勢で決められていますけれども、ある程度密度が濃くなっていって、生産活動が過密になってくると今度は収益還元価格で決める。マクロで見ますと、預金利子に地価の上昇率は収れんするという説もあるわけですね。
 ところが、現在の地価の状況を見ますと、これはいずれでもなくて、収益還元価格に規定されるかなという面もありますけれども、かなり景気が後退しているという心理的な面があり過ぎるんじゃないかというふうに私は思うんです。
 具体的に開発計画を持って土地を取得して、そしてこれから銀行から、金融機関からお金を借りて事業を始めようとしたら、周辺の地価がどんどん下がって、あわせて開発予定地の地価も下がって担保能力がなくなっちゃった、したがって資金繰りがつかなくなって開発が途中でやめられるというところが各地にはございます。
 国土利用計画法では、地価が上がるときにゾーニングをして地価の凍結をやって、そして開発がスムーズにいくような緊急避難的な措置がなされておりますけれども、これからもし地価が連続して大幅に下がるような状況でなりますと、これからいろんなことをやろうとしたときにこれは最大の問題になりますので、場合によっては、取得価格を二〇%以上上回るような地価の下落があった場合に、逆地価凍結ですね、地価が下がるのを凍結するというふうな政策も考えるといいんじゃないかと思うんですが、ひとつ検討ぐらいはするお気持ちがあるかどうか、国土交通大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 大変難しいことでございまして、どちらが効果があるか、またそれができるかできないか、それによる逆効果もありということで、私は大変難しい問題だろうと思いますけれども、昨今の地価の下落の際、本当に地価の凍結をできるということになったら、はてどうだろうと。
 そうしますと、地価の下落を凍結するというようにしますと、土地の取引すべてを逆に許可制にしなければこれはまたできないということになりますので、これは強力な規制を行うということは今の状況に反するということで、果たしてこれでいいだろうかと。また、現実的にそれをした場合に、土地市場でそのような規制を行うということになると、逆に収益力が低下するのではないかと。その逆の影響も、その下落地価凍結によってまた起こってくるという、その辺のところが難しいところで、逆にそうなりますと買い手もまたつかなくなるであろうと。
 そういう難しい問題を抱えてはおりますけれども、土地取引の活性化を図って、私どもは少なくとも土地の有効利用を促進しようということに関しましては私たちは努力していきたいと思いますし、少なくとも今の実需要の喚起というものは当然私どもに与えられた大きな問題でございますし、日本じゅうの今、飛び地でいっぱい空き地があるよと私にもよくおっしゃいますし、私も歩いてみてもそういう実感がございますので、バブル崩壊後の後遺症というものはいまだに土地に関しては完全に修復されていない。また、当時のバブルの崩壊後そのままが今持続しているというのが、私、今の現状であろうと思っております。
 けれども、少なくとも私たちは、国土交通省として、不動産の証券化の促進あるいは不動産の鑑定評価制度の充実、これをしていきたいと。少なくとも、証券化をしますと小口の投資家がふえるものですから、資金が土地の市場に流れてくると。こういうことも私は逆に土地の実需要に、今、先生がおっしゃったことになるというふうには考えておりますけれども、少なくともそういうことをしていきたい。
 また、土地市場の整備を進める。これは大事なことでございまして、今申しましたように、都市基盤の整備、あるいは低利用あるいは未利用の土地、まだ使っていない空き地であるとか、そういうものを有効活用すると。その有効活用にはどうしたらいいかということで、土地を高度に利用できるような、あるいは土地の収益率が上がるような、私たちは、実需要と今、先生はおっしゃいましたけれども、実質に活性化する、また土地に元気が出てくると。今は土地自体が死んで、あるいは死なないまでも重体のまま寝ているという土地がいっぱいあるものですから、それを喚起することが大きな今の日本の問題で、国際社会も私はそれを見ていると思うんです。
 先生も御存じのように、けれどもそろそろ底値に来たなという実感があるのはお気づきだろうと思います。銀座通りをお通りになっても、あるいは表参道、骨董通り、あらゆる欧米の商社が今出てきております。それは、日本の土地が、未利用地を今自分たちが利用すれば経済効果が上がるという、そういうきちんとしたリサーチをした上で私は出てきていると思いますので、今おっしゃったような地価を低目に凍結するということに関しては一概に、御参考までに意見としては伺いますけれども、今私が申しましたような両面の効果がありますので、これも検討させていただきたいと思います。
○入澤肇君 この土地の問題は非常に難しくて、そう簡単に解答が出ないことはわかっています。
 しかし、市原市以遠の土地はどんどん下がって、土地の価格が下がっている。市原よりも内側、都心に近い方は上がっている。そういうふうな状況が発表された後、また都心に向かって地価が下がり始めたというふうな状況下で何らかの、一番経済を活性化すればいいんですけれども、地価に直接影響を及ぼすような対応策も私は緊急避難的に考えておくべきじゃないかなというふうに思っているんです。需給だけで地価は決まるものじゃないということを前提にしての議論でございます。
 そこで、景気対策でもう一つ、不安を除去するためにはどうしても社会保障制度の改革が必要だということは、これはもう言うまでもないわけであります。その中の、特に私は医療費の増嵩の問題が一番指摘されなくちゃいけない。
 税金で応能課税とそれから応益課税とあって、所得再配分機能を税金は果たしているわけでございますけれども、応益課税の中心である消費税等はまさに応益課税であるがゆえに逆進的な効果があって、富める人も貧しい人もみんな同じように税金を取られてしまう。その部分は社会保障の財源に優先的に使うんだということで、前国会、今国会におきましても、介護、基礎年金、高齢者医療には消費税を優先的に使うんだということが予算総則等で書かれているわけでございますけれども、そういうふうな応益負担で、応益課税の部分は社会保障に優先的に使うんだということを明示して国民の不安感をまず除去するということが前提で、その上で医療費の抑制を私は考えるべきじゃないかと思うんです。
 医療費三十兆円というのは、ここ一、二年は二%ぐらいの伸び率だったですけれども、過去十年ぐらいを見ますと四、五%の伸び率で伸びております。その中で、これは事務当局から聞いた話でございますけれども、十五兆円、半分が人件費、半分が物財費と、こういうふうになっている。公務員給与を初めとして賃金がどんどん抑制されている中で、少なくとも医療費関係の人件費は抑制されていいんじゃないかというふうに思っているんですけれども、その基本的な考え方をまずお聞きしたい。
 ただ、その場合にはぜひ、私も国民福祉委員会で何回か質問して勉強させてもらいましたところ、診療報酬体系がありますね、我が国の。これが非常に不明確、不透明なんです。なぜかというと、病院経営にどのくらい金がかかっているのか、それから医療技術だとか何かについてどのくらいかかっているかということの区別がないまま診療報酬体系が決められているような気がしてならないんです。
 役所にいまして、米価だとか価格政策なんかを少しかじった経験によりますと、かなり詳細な生産費調査、コスト調査をやった上で、具体的にことしの価格はどうしようかというふうに農産物価格は決まっているわけですね。
 診療報酬体系も、私は、基礎的なコスト調査があって、その上で技術料が適切であるかどうかということが決められるべきじゃないかと思うんです、技術料だけじゃなくて薬剤費もそうだと思いますけれども。そういうふうに基礎的な調査の方法を見直すことを前提として、医療費を抑制することについて、特に人件費の抑制については公務員並みに抑制すべきじゃないかという考え方を持っているんですけれども、坂口厚生大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今お尋ねいただきました医療に関する問題、大きく分けて二つあるというふうに思いますが、前段の人件費の問題でございます。
 御指摘いただきましたとおり、三十兆円の中のその半分は人件費というお話がございましたが、大まかに申しますと大体そういう割り振りだろうというふうに思います。人件費五二、三%ぐらいではないかというふうに思います。
 それで、この人件費を、人件費と申しますか、医療の中で医療費を抑制するということをどうするかという問題がございますが、しかし一方におきまして、医療の質を落としてはならない、サービスを落としてはならないという問題が一方であるわけでありまして、一方におきましては医療費をこれ以上上げてはならないという話があるわけでございまして、そこの調整というものが非常に難しいわけでございますが、そこで人件費を、この人件費に割り振る割合をどうするかという問題がそこで出てくるだろうというふうに思います。
 これからの雇用情勢等を考えていきましたときに、医療でありますとか介護でありますとかというところは非常に雇用の受け皿として大事なところにあることも間違いがないわけでございますが、したがってここにはできるだけ多くの人に働いていただきながら、全体としては質的なサービスを落とさずに、そして全体の医療費を抑制していくという難しい橋渡しをしなきゃならない。そのところは、例えば開業される皆さん方が大変大きな資産を投入して立派な診療所をおつくりになって、立派な機械器具を全部が全部お整えになってといったようなことがあるわけで、そしてその開業なさった皆さんはそれを返済するのに四苦八苦をしていかれるというような状況が続いておりますから、私は、質を落とさずに、そしてその経費を抑制するためには、もっと簡単にと言うと言葉は悪いですけれども、もっと簡単な、本当に一室で機械器具もそんなに使わずに開業をしていただいて、そのかわりにその皆さん方が共同でお使いになるようなところをつくっていくというような方向にもっと行けるようにこれはしていかないといけないのではないかというふうに思っている次第でございます。
 時間があれでございますから、また機会を見まして申し述べたいと思いますが、大枠ではそういう考え方を持っているところでございます。
 それから、もう一点の方、何でございましたかね。
○入澤肇君 ホスピタルフィーとドクターフィー。
○国務大臣(坂口力君) ここもなかなか難しいところでございますが、今のところ、年金にしろ医療にしろ、介護にいたしましても、とにかく国庫負担というものをまず二分の一にということを今言っているわけでございます。先生が今までこの点は税で、とりわけ消費税でという御提言をなさっていることは十分に存じ上げておるところでございますが、全体を考えましたときに、とにもかくにもまず二分の一というところまで行くということが大事ではないか。
 しかし、それにいたしましても、年金を今三分の一の国庫負担を二分の一にするにいたしましても、二兆四千億からの財源が必要でございますから、どうするかという問題が起こるわけでございますけれども。
 そうした問題を医療につきましても介護につきましても考えていきますときには、やはりそれなりに負担がかかるわけでございますので、それだけの分を計算いたしましても、例えば消費税なら消費税にいたしましてもこれはかなりな額になりますし、あるいはほかの税でということになりましても、これもそれなりに難しい面もあるということでございます。
 全体としての方向性として私は先生とそんなに考え方を異にしているわけではございませんが、とにかく今のところは二分の一までと、そこまでまずたどり着くという、その踊り場に一遍出るということが大事ではないかというのが今の考え方でございます。
○入澤肇君 私もすぐ、基礎年金について言えば、その三分の一を二分の一にして、さらに全額にしろというのは難しいと思います。その前提条件として、いろんな行政改革を進めなくちゃいけませんし、千円保険料を徴収するのに百円もコストがかかるようなこういう行政も直していかなくちゃいけない、前提条件を整備した上で、新しい方向を見出すことが重要じゃないかというふうに思っております。
 本当は構造改革で橋本大臣に御見解をお聞きしたかったのですけれども、時間が来ましたのでまたの機会にさせてさせていただきます。
 大変ありがとうございました。
○委員長(岡野裕君) 以上で清水嘉与子君及びその関連質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、白浜一良君の質疑を行います。白浜一良君。
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。
 まず冒頭に総理にお伺いしたいわけですが、けさ起きまして朝刊を見ましたら、複数の新聞に辞意固めるとか、そういう趣旨の報道をされておりましたが、この報道に関しまして所感がございましたらお述べいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(森喜朗君) この予算委員会の冒頭にも申し上げましたように、十三年度予算案はでき得れば年度内一日でも早く、準備等もございますし、参議院で成立をしていただきたいと、こういうふうに申し上げました。その予算案、そしてまた関連法、さらにまた多くの課題をこの国会にお願いを申し上げております。その私は内閣の責任者でございます。幸い、野党から出ました不信任案につきまして、衆議院で連立与党の御協力を得て否決をしていただきました。私自身に対する、あるいはまた一連の不祥事に対する御批判、これはこれとして率直に反省もし、また同時に国民の皆さんにもおわびを申し上げてきたところでございますし、そういった意味で多くの課題を抱えて、私はまさにリーダーシップを持ってこの国会を乗り切らなければならぬと、このように考えております。
 けさといいますか、私も最近余り新聞を見ないようにいたしておりますが、どうも疲れるんですね。新聞によって何か動かされているような感じもしないわけではない。日本の新聞というのは優秀なんでしょうけれども、まあできるだけ先駆けていいニュースを書きたいという、いいか悪いかは別としましてね、そういう記者さんたちの思いもあるんだろうと思いますが、えてして、特定の新聞は政局そのものをつくり上げていこう、リードしていこうという傾向が私はなきにしもあらずだというふうに考えております。
 ですから、そういう意味で、けさの新聞は見なかったけれども、いろんな方から、あるいは番の記者からの御質問もございましたから、書いた新聞社に聞いてみたらどうですかと申し上げておきましたけれども、私はそういう考えは全く今持っていない、参議院の皆様方に対しても大変御無礼だと、こう思って一生懸命努力したいと考えております。
○白浜一良君 総理、ことしから二十一世紀、新しい世紀になったわけでございまして、私、地元は大阪でございますが、新しい世紀に新しい日本と、本当に新しい国づくりをしていかにゃいかぬということをお訴えしているわけでございますが、そのためにはやっぱり国民の皆さんの信頼がなければ国づくりはできないわけでございます。その国民の信頼をどうかち取るかということで、総理のお考えを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 施政方針演説でも申し上げましたように、二十一世紀のちょうど幕あけの年にもなったわけであります。私の考え、また内閣の考え、そしてまた与党三党として国民の皆さんにこういう国づくりにしていきたいということは施政方針演説で申し上げたとおりでございます。
 ただ、確かに国民の皆さんの信頼がなければそうした政治が動かないこともまたこれ事実でございまして、そうした意味で、一連の不祥事があったということについては本当に残念なことだと思っておりますが、そうしたことも含め皆さんにもおわびを申し上げますと同時に、これを一つの反省の材料とし、さらにこれを転機として、さらに我が党としても国民の信頼を得るために党の改革も進めていかなければなりませんし、そうした不祥事に対してはしっかりと反省とともに取り組んでいかなければならぬと思っておりますし、同時に、今の時代はもう連立の時代に入っているわけでありますから、御協力いただいております公明党さんあるいは保守党さんの皆さんにも大変御迷惑、御心配もおかけしておるわけでありますから、そうした連立を組んでいる友党の皆様方に対してもまず信頼をいただけるように、我々自民党としても、また党の総裁としても努力していかなければならぬと、このように考えております。
○白浜一良君 総理が述べられたとおりだと思うんですけれども、起きてしまった事故は事故として、事件は事件として、その後のいわゆる対応に対してもう一つ信頼がないというか、不信感を増長してしまったと、こういう経緯もこれはあると思うんです。ですから、KSDの問題にしても機密費の問題にしても、その後の対応というのが国民の皆さんの信頼をかち取る面ではいかがなものかという、そういう不信感があるわけでございまして、基本的にそういう姿勢でそれぞれの事件の解明とか今後の再発防止とか対応に対してしていくべきじゃないかと、このように思うわけでございますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 白浜議員の御指摘のとおりだと思いますが、KSDにいたしましても機密費にいたしましても、今捜査当局が既に着手をしているわけでありますから、そこの捜査当局の解明というものをまず優先させなければならないだろうというふうに私も思っております。
 KSDにかかわることは、我が党にも大変大きな組織でありますとか党員でありますとか、そうしたことにかかわってきていることでございますので、でき得る調査は今いたしておりますし、さらに我が党の中にそうした倫理を検討する委員会も今準備をいたしておりますし、今すぐ、これまでやってまいりましたことでこうした点で反省しなければならぬ、例えばいわゆる比例区の議員の基準というものは、何もこれは党員名簿だけではないんです、それが糧になっているだけじゃなくて幾つもあるわけですけれども、その中でやっぱり御批判があり、改めなければならぬということについてはもう直ちにこれは廃止、取りやめるとか、いろいろなことを今取り組んでおります。
 議員のおっしゃるとおり、できるだけ早くわかりやすくやるということは当然なことだと思いますが、一方では、捜査の解明をしておる司法あるいは捜査当局についてそこのところを、政党が介入をしたりその捜査の妨げになってはやっぱりいけないのであって、むしろ党としては積極的にこの捜査に対しては協力をしていくということでなければならぬというふうに思っております。
○白浜一良君 それは当然で、司法の手は司法の手でそれぞれ解明されていくわけでございますが、政党としての自浄能力というのはやっぱり大事でございまして、そういう観点でちょっと前提といたしまして具体論をお聞きしたいと思うんです。
 まず、KSDの問題は、私、大きな問題が三つあると思うんです。
 一つは要するに幽霊党員。言葉は悪いですが、架空党員というんですか、どちらでもいいんですが、要するに本人が自覚もないのに党員になっていたと、そういうことが報道されておりますが、これは総理は何回も党内で調査させていると、こういうこともおっしゃっておりますが、どういう状況になっておりますか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) この委員会でもたびたび、昨日も御質問がございますが、何度も申し上げてきたことで御無礼になるかもしれませんけれども、党員を集めていただいて、それがその組織支部あるいは県連の地方市町村支部、いろいろございますが、そこから県連にまとめられて、そして県連でそれを取りまとめ本部へ出すと、こういう仕組みになっていますので、どういう形で、このKSDあるいは豊明会というのはどういう形で集められたかということは、まだなかなか私どもにはわからないところが多いわけでございます。
 そういう意味で、一人一人の党員を調べればいいではないかということもよく御指摘がありますし、きのうもコンピューターの時代じゃないかと、こういうふうなやじがございましたけれども、何十万いらっしゃる党員に対して、それはこちらから手紙を出したり、そのことは今までも党の通信はやっているわけです。それは容易なわけですが、それを一人一人確認するということはそう簡単なことではないわけでありまして、どういう形でお集めになったかということからまず始めなければならぬというふうに考えておりますので、今鋭意その努力をいたしておりますので、しばらく、その点については今すぐここで御返事は申し上げられませんけれども、誠心誠意やってくださっている方々も多いわけでありまして、ですから、そういうふうに功を焦って確認もせずに単に名前だけ集めてというような、そういうお世話をされた方もあるのかもしれませんし、そこからまず一つ一つ解明をしていかなければなりませんので、その努力を今一生懸命やっておりますということで、今の白浜議員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。
○白浜一良君 調査されているということなので、その調査の結果を見たいと思いますが。
 総理、私よく言うんですが、比例区の党員、後援会づくりということで、私、今お聞きしていますと、自民党としてもサンプリングして抜き打ちで党員調査されていると、そういう、過去も、それは伺っているんですが、そういうチェックをされていてもそういう幽霊党員みたいな実態があるということが問題なわけでね。
 ですから、どうでしょうか、自民党のことで僣越なんですが、要するに新しい党員づくりの指針なんというようなものを総理が党に指示されてきちっと範を示すというか、そういうことをされることが私、大事じゃないかと。実態の解明というのはまだ時間かかるのかもわかりません。しかし、そういういろんな疑惑があるわけでございますから、そういうことをきちっと指示されるということは私、大変大事なことじゃないかと、このように思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 今の仕組みは絶対だと私は思っておりませんし、現にこの仕組みについてこうした問題ができてきたことについては反省をしなければならぬと思っております。
 我が党は、議員は御承知かもしれませんけれども、地方の県連、そして市町村支部に至りますまで非常に組織が広うございます。そういう党員の集めといいますか、党員の協力の形もございますし、いわゆる団体等に分かれましたいわゆる組織的な、そういう職域的な支部というのもございます。
 また、衆議院の選挙制度が変わりまして、それぞれ議員は皆政党で支部を持つということにもなりました。また、地方議員も支部を持つような形になってまいりました。ですから、その支部のあり方というのは非常にそれぞれ変化が、変化といいますか違いがあるわけでありまして、一つに全部同じような形にするというのは非常に難しい面もあるわけでございます。これまでも試行錯誤で我が党も、長い歴史の中で、党員集めといいましょうか党員募集といいましょうか、そういうことについてはいろんなやり方をやってまいりましたし、いろいろと試行錯誤も繰り返してきたと思っています。
 御指摘のとおり、今の問題については、こうした問題が起きた、ただし、これはすべてではないんだということだけはぜひ御理解をいただきたいので、全国のそれぞれの議員、あるいは市町村の支部の皆さん、あるいは職域の皆さん、みんな心から我が党を信頼し、我が党を激励してやろうということで入党してくださっている方の方が圧倒的に多いわけでありまして、たまたま今回がこういうことになったということで、この仕組み全体がいけないんだということでも、私は、そういう判断をしてしまってもいけない。しかし、そうした問題が起きないようにするためにはどうするのかということについて、やはりしっかりとこれは取り組まなければならぬという意味で、今、党に対してそれぞれ検討を始めろということで、既に議論を始めていると私は承知をいたしております。
 しかし、先ほど申し上げたように、すぐやれることは何だと。すぐやれることは、二万人というのは一つの党員基準でありましたから、それはもうやめようねと。そういうことをするのでまた競争意識が出たのかもしれないということ。ただし、それだけが、順序を決めるというふうによく野党の皆さんからも衆議院で質問を受けましたけれども、それだけで順序を決めているんじゃないんだということも、ぜひ今後とも御理解もいただきたいというふうに思っています。
 しかし、大変我が党に対する温かい、あるいはまた厳しくも御忠告をいただいたということを私としても率直に受けとめさせていただいて、党の中で党員のありよう、あり方というものについては十分検討してまいりたいと、このように考えております。
○白浜一良君 もう一つこの幽霊党員問題でお聞きしたいんですが、そういうふうに自分の意思でない党員があらわれれば、その党費は返すと衆議院の質疑でそのようにおっしゃっておりますが、仮に、要するにKSDがそういう架空党員を団体として恣意的にやっていたということで、仮の話でございますが、それをKSDの側から返還してくださいというふうに要請があれば、これは対応どうされますか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 党員は、一人一人が党に入党していただくことで個人の党員ということになるわけでありますから、先ほどから申し上げておりますように、どういう形でKSDの方々あるいは豊明会の方々がお集めになったかというのは、なかなかそこが、すべてが同じ一律の考え方ではない面がございます。したがって、党員の皆さんから、私は入っていなかった、返してくださいというふうにあれば、これはお返しすることは当然だと思っています。
 問題は、今御指摘ありましたように、豊明会なりKSD全体がそういうことであるということであれば、それは私はやっぱり検討しなければならぬだろうと思っております。
○白浜一良君 そういう事態になるかどうかわかりませんが、今のお話を前提にしておきたいと思います。
 二つ目の問題は、このKSDの問題でわかったことは、いわゆる私設秘書、事務所費、これが丸抱えであったと。その事務所全体の一部でございましょうが。企業とか団体が秘書、事務所経費を丸抱えするということに対して、正規に言うとこれは寄附行為なんで届け出せなあかんわけでございます。そういうことが本院の自民党の幹部の中にあったということが私は大事だと思うんですよ。
 そういうことに対して私は厳しく、党の最高責任者ですから、私は何らかの規律と通達をきちっとリーダーシップとして出すべきだと。これは自民党のことで僣越でございますが、それの方がわかりやすいと、国民から見れば。そういうことをされないからわかりづらいんだと率直に思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 率直に正直に申し上げて、こういうことをまだやっておられた議員がいたというんで、実は私はがっかりしているんです。また唖然としているというのが正直なところなんです。
 政治資金規正法が改正をされましたり、こうしたことがいわゆる金銭にまつわる政治家との問題でいろいろ議論が出てきておりましたその過程の中で、今御指摘がありましたように、親しい会社が秘書の給与を持とうとか、あるいは車を出しましょうということは、これは寄附ですよと、したがってこれは届け出なければいけないんですよということになったのは数年前だったと思っています。それで、恐らく皆さんも全部その対応に私は追われたと思います。これは与党も野党もあると思いますよ。
 ですから、議員は、公設の秘書、今政策秘書も入れて三名が国から支給をされていますが、実質的には、選挙区の活動も入れて、そんな数でなかなか議員活動、政党、党活動はできないだろうというふうに、だれもが皆苦労しておるんだろうと思います。あるいは、そういう意味で団体からお手伝いをしてもらっているような、そういう政党もあるというふうにも聞いていますし、それから家族の名義で秘書にして、その給与を何人かに分けるというようなことも随分昔はあったようでありますし、事実、この間も野党の幹部の秘書さん、ずっと議員になられてからですけれども、有罪判決を受けておられますし、それはもう与野党問わず、いろいろ苦労を皆さんはしておられるわけだと思います。
 しかし、今、議員がございましたように、もう事務所を出していただいて借りたり、あるいは秘書を出してもらったりということは、これはやってはならぬし、あれば届け出しなきゃならぬということはもう数年前みんな徹底をしたはずだと実は私も思っておりました。また、私設秘書であって、事務所もやはり企業という、雇用という関係をしっかり秘書とも結んで、そして保険等のこともきちっとしなきゃならぬ、社会的な負担も議員として、事務所として負担をしていかなきゃならぬということなども、これは徹底して指導しているんです。しかし、まだ時たま新しく当選された方などはどうもそこの認識がなかったりする方もあるんだろうと思いますから、もう少しそのことは注意をしなきゃならなかったなというふうに私は思います。おっしゃるとおり、改めてこれは、我が党の場合はしっかりとこれは通達をしなければならぬというふうに思っています。
 特に、我が党の議員のみならず、野党にもあるだろう、他党にもあるだろうと思いますが、事業を経営しておられるような議員さんもいらっしゃる。そういう方がついつい自分の会社の職員を、社員を使うというようなケースもやっぱりあるけれども、これもやはり私は慎まなければならぬ、そこは公私のけじめをきちっとしなければならぬということも言うまでもないことだと思いますから、こうした問題が起きたことを一つの契機に、なお一層そうしたことに対しては我が党としても周知徹底をしたいというふうに私は考えておりますし、そういうことも今事務当局に通達等、そういう指導をするように指示をいたしております。
○白浜一良君 三つ目の問題は、要するにKSD、公益法人でございますので、この公益法人としてのあり方の問題をこれはちょっと議論せなあかんわけでございます。
 厚生労働大臣、所管でございますので伺いますが、古関前理事長が大変な大金を流用した経緯があるわけでございますが、これは理事会、KSDの理事会はどの程度関与していたんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) KSDの問題に対しまして、労働省のその管理監督の問題が今問われているわけでございますが、その前に、今御指摘になりましたように、KSDそのものが古関理事長の乱脈経営と申しますか独走があったことは事実でございますが、それにいたしましてもその理事会が一体何をしていたのかということも問われるわけでございますが、正直に申し上げまして、そこのところは甚だ不明確でございます。現在おります者の状況をいろいろ聞いておりますけれども、それでは判明いたしません。書類は全部今捜査当局に行っているわけでございまして、それを実証することができないというのが現状でございますけれども、いずれにいたしましても理事全体のこれは大きな責任であるというふうに私たちは考えているわけでございます。
 したがいまして、ここは明確にしなければならないというふうに思います。
 労働省全体に対するこの問題は、やはりその管理監督をなぜもう少しきっちりとできなかったのか、立入検査等につきましても、もっと早くなぜできなかったのか、なぜおくれたのか、それともおくらせたのか、そこが厳しく問われているものと思っておりまして、そこを私たちは明確にしなければならないと思っているところでございます。
○白浜一良君 理事の責任ということを大臣、明言されたわけでございますが、私、なぜこのことを言うかというと、法人なんですから、前理事長が一人でたとえやったとしても、そういう財務の決算とか全部やっているわけですから、理事は全部責任があるわけですね。知らなかったとは言えない立場なんです。
 私が言いたいのは、ことしの一月三十一日にこの法人を改組されたときに、この理事のうち七名が常勤の相談役になられている。それも給与をそのまま持ってなられていると。そういうことが国民から見ればどうなっておるのだと、こういうことになるわけですよ。その辺のけじめをきちっとつけなければいけないと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) KSDの役員人事についてでございますが、一月三十一日に理事七名が辞任をいたしまして、そして新たに五名が就任をしたというふうに聞いております。
 それで、今御指摘をいただきましたように、私も聞いてびっくりしたわけでございますが、常勤の職員である相談役についたということでございます。よく聞いてみますと、五名の中で、二名は既に退職をいたしておりますし、一名は非常勤の顧問ぐらいになっておりますが、四名はそのままに横滑りになっている。
 なぜかということを私たちも、厚生労働省としてもここを問うているところでございますが、現在、古関前理事長は司直の手にある、そして副理事長が今やっているわけでございますけれども、なかなかそこが、運営自体も混乱をしているということで、まず、七月までには新しい新理事長を決めたい、一日も早く新理事長を決めたい。その新理事長を決めますまでのつなぎをやっていかなきゃならない。新しい理事五名を選びましたけれども、それは今までのこのKSDの内部の人を昇級させて一応理事におさめた。しかしもう一度、この新しい新理事長が決まりましたら、理事につきましても全部もう一度検討をし直してもらわなければならない。
 そういう今状況になっていて、一時つなぎと申しますか、そこで一時このKSDの職員という形で残したということのようでございますが、我々といたしましては、一つの公益法人でございますから、役所が出かけていって全部やるわけにはまいりませんので、そこは自主的に早く、一日も早くこの新理事長を決めてもらって、そしてその責任体制を明らかにしてもらいたいと今言っているところでございます。
○白浜一良君 新しい体制をつくるのに今時間がかかるからと、私はそのことを言っているんじゃなしに、連帯責任があるその理事が、理事を責任とってやめるという形態をとりながら、常勤相談役で有給でやっていらっしゃると。そういうところは国民から見れば何か皆ぐるかと、こういう判断になってしまうということに対して、毅然たるやっぱり指針を示すべきだと、指導性を持つべきだということを私は言っているわけでございます。
○国務大臣(坂口力君) そこは御指摘のとおりでございまして、毅然としてそこはやります、やらせていただきます。
○白浜一良君 二つ目の事件といいますか、懸案でございます外交機密費の問題で外務大臣にお伺いしたいんですが、きょうの新聞によりますと、いろんな報道があるんだ、きょうはまた新しく、一九九三年、オーストラリアでの公金流用事件が報道されていましたが、この件は事実でございますか。
○国務大臣(河野洋平君) 実は、私もけさ新聞を見て少なからずびっくりしたわけでございます。
 しかし、こうした、かねてから私は、新聞その他が具体的に指摘してくだされば、その具体的な指摘については私は必ずそれはきちっと調査をしたい、こう申し上げておりますので、今回のこの記事につきましては、関係者を至急集めまして、在外にいる者も本日直ちに呼び返すというぐらいのことをして、実態を必ず解明するつもりでおります。
 ただ、問題は、十年近く前の問題だということがございますが、しかし、そうしたことはありましても、組織内の問題でございますから、私は事実はきちっと解明をしたい。そして、でき得べくんばその解明された事実によってするべきことはきちっとしたいと思っております。
○白浜一良君 では、当委員会にも報告していただくということでお願いしたいと思いますが、要するに、全体、この松尾事件以来、全体が疑惑を持たれているんですね。例えば何か、報償費が残ると何かフランスから高級ワインを買って使っているとか、報道ですよ、これは。それとか、在外大使館で勤務すれば財産が残るとか、そういう報道をされているんですが、全体的に疑惑を持たれていることは仕方がないんですが、私は大臣、こういうことは明確に大臣の立場からされるべきだと思うんですが、この点はどうなんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 報償費という性格上、一定の何といいますか条件がつくのはお許しをいただかなければならぬと思いますが、それだけにこの報償費の使途その他について疑惑を持たれるようなことがあっては断じてならぬというふうに私は思っております。
 したがいまして、報償費の使途については厳正にチェックをする、そしてまた事後のチェックも厳正にされるということでなければならないと思っておりまして、私は私自身の責任において、今お話がございましたような幾つかの、私はルーモアだと思っておりますけれども、もしそういうことが事実としてあるならば、先ほど申し上げたようにこれは断じて処分をしなければならぬ、またそういうことが繰り返されてはならぬというふうに思っているわけでございます。
 いろいろとメディアが報道をされますけれども、その報道の中にはどうも雲をつかむようなものもあって、あるいはまた伝聞のまた伝聞というものもあって、全部調べるということになかなかならないものもございますけれども、先ほど申し上げましたように、具体性のある指摘であれば、私はこれはきちっと調査をしたいというふうに考えまして、この報償費のあるべき姿というものは、疑惑を持たれない、そういう支出のあり方というものをしていかなければならぬというふうに思っております。
○白浜一良君 今いろいろ検討委員会、検討会議をされているのはそれはそれといたしまして、じゃ、今まで外務省のいわゆる報償費、じゃ、こういうことに使いましょうというプランがあったら、それはだれがそれを決裁したのか。いわゆる行為の決裁、予算の執行というのは必ずそういうことがあるはずなんですよ。
 それで、使ったと。あとその事後の精算をチェックされる、そういう予算の執行というのは必ずそういうあるべきものですよね。別に機密費だからといって、そういうもの、何のルールもないというのはそんなことはないわけで、外務省の場合はそれはどういうふうになっているんですか。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと細かい話で恐縮でございますけれども、外務省の報償費を支出する際には、本省におきましては、取扱責任者、これは局長とか部長とかでございますが、取扱責任者、それから会計課長、官房長の決裁を経るということになっているわけでございます。また、在外公館の場合には、会計担当官、それから出納官吏、これは次席でございますけれども、及び取扱責任者でございます公館長の決裁を経て支払いをすると。
 つまり、支出につきましては、起案をし、それをチェックをし、決裁をするという幾つかの段階でチェックがされているということになっているわけでございます。また、その後の処理に関しましては、これは会計法令に基づきまして、本省、在外ともに、他の予算科目と同様に領収書などの証拠書類を整備して適正に処理しておかなければならないというのは当然のことでございます。
 報償費につきましても、領収書を取得することが原則でありますが、例外的に相手方によりまして領収書の取得が困難である場合もございますが、そういう場合でも、事前の承認をこの場合は経る、と同時に、取扱責任者、失礼、事前の承認を経て、これにかわる取扱責任者の支払い証明書、領収書にかわる証明書を整備しなければならぬと、こういう規定になっております。
○白浜一良君 そういう決まりであるとしたら、もしそういう公金横領が明確になれば、これは管理監督責任、上司に出ますね、これは。
○国務大臣(河野洋平君) ございます。
○白浜一良君 では、官邸の機密費の行為の決裁、事後の処理はどうなっていますか。
○国務大臣(福田康夫君) 内閣官房の報償費の全責任は官房長官が負っております。
 具体的に申し上げますと、この支出の手続、これは取扱責任者である内閣官房長官、そして内閣官房長官から内閣府の会計課に対して支出の請求を行い、これを受けて、他の予算科目と同様にして支出の負担行為、支出の決定などの会計手続を経て内閣府会計課から内閣官房長官に対して支出をする、こういう流れになっております。その先を申し上げますと、支出を受けました内閣官房長官は取扱責任者として報償費の目的に沿ってその都度の判断によって最も適当と認められる方法により執行している、そういうことになります。なお、そのさらに先になりますけれども、このチェックは毎年度の会計検査院による検査を受けている、こういうことになっております。
○白浜一良君 ここは大変難しいですね。
 国民から見れば、要するに億とつくようなお金が外務省の一職員が流用できたということ自身が不思議でならないわけですね。それは、別に報償費、機密費といえどもそれは当たり前なわけで、この松尾事件全体が解明されなければ事実関係を通してのことは官房長官もおっしゃれないでしょうが。
 そこでお伺いしたいんですが、これ、外務省が告発されてもう一月以上たつんですが、この事件はどうなっているんですか、警察庁。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 警視庁は、去る一月二十五日、約五千四百万円の業務上横領事実で外務省からの告発を受理いたしまして、これを極めて重要なことと受けとめ、証拠に基づいた事案の解明を可能な限り速やかに行うために鋭意捜査を推進中でございますが、事案の解明には御案内のように一つ一つの証拠の積み重ねが必要でありまして、このため関係者からの事情聴取や関係資料の収集等を行っているところでございます。
 現在捜査中の事案について、捜査の具体的状況や捜査機関としての判断を申し上げることは、今後の捜査に支障を生じるおそれがありますので答弁を差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、警察は、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき厳正に対処する所存でございます。
○白浜一良君 大体毎回そういう答弁ですわな。要するに、大詰めに来ていますか。そのぐらい言えるでしょう。
○政府参考人(五十嵐忠行君) それはさらに難しい問題でございまして、鋭意捜査を進めているということで御理解をいただきたいと思います。
○白浜一良君 これは押し問答になるからやめますが、早期にそういう告訴を受理されて、明確になることを望みます。
 それで、ちょっと具体的な外務省の調査でお聞きしたいんですが、これも報道に基づいて恐縮なんですが、いわゆる松尾元室長が通訳業務を委託するのに、何か坊さんを使ってそこにリベートを業者から集めたというような報道をされておりましたが、これは調査されていますか。どういう状況になっていますか。
○副大臣(荒木清寛君) 私は今回の公金横領事件の内部調査の委員長を引き継いでおりまして、この件も調査をしております。
 関係者からの説明によれば、松尾元室長は、関係業界への説明会の際、これは通訳に関する説明会の際、当該僧侶を排除して、関係業者の代表者のみを別室に呼び、一律三十万円程度の支援をこの僧侶に対して行うよう要請したということであります。
 これを受けまして、関係業者から当該の僧侶に対しまして、二〇〇〇年十月末ごろから本年一月にかけまして払い込みが行われ、二月には同人僧侶より関係業者に対して返金が行われたということであります。ただし、一部報道にあるように、リベートとの用語が松尾元室長により使われたことはなく、当該僧侶に対する支払いは通訳手配にかかわるコンサルタント料のようなものだと認識していたというのが関係業者の一致した発言でありました。
 いずれにしましても、かかる金銭の動きを含めた本件に関する調査結果を法的にどのように評価すべきかは必ずしも明確ではなく、報道にかかわる疑惑、疑問点を外務省として解消または解明するには残念ながら至っておりません。
 かかる状況も踏まえ、内部調査において得られた情報を捜査当局に対して提供することにした次第でございます。
○白浜一良君 調査されたということですから、どこまで言えるかわかりませんが、この僧侶という方はどういう素性の方で、言えるところまで言ってください。
○副大臣(荒木清寛君) 今申し上げましたように、僧侶の素性とか担当事務につきましては本人が法律に違反することを行っていたという証拠があるわけではないという状況でありますから、名前等を明らかにすることは控えるべきだとも考えますが、ただ国会での質疑でありますので報告をさせていただきます。
 平成十一年九月から平成十二年七月三十一日まで外務省の非常勤職員として九州・沖縄サミット準備事務局に勤務し、通訳の手配を行っていたのは、住職の肩書を有する瀧田光久氏であります。
○白浜一良君 ちょっとだけ言ってもらいましたが、捜査の関係がございますので、それはよくわかりますが、私はできるだけ丁寧に国民に説明すべきだと、事件の内容から見てそう思うわけでございます。
 それで外務大臣、これ調査の実態、いわゆる法的な立場は立場といたしまして、司直は司直といたしまして、外務省は外務省でされていると。万一その調査結果が明らかになって、要するに不用なそういう報償費というのがあったと、そういうことが明らかになると、今は平成十三年度の予算を審議しているわけでございますが、平成十三年度の予算といえども、そういう不用であったと、こういう部分はと明確になれば、その部分だけでも執行停止するというようなことを言わなければ国民の疑惑は晴れないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 報償費はその使用目的には幾つかございます。例えば情報収集でございますとか、国際会議を円滑にかつ有利に進めるというような目的もあるわけでございます。そういう目的を持つ報償費が、一定の限度、予算でいただきます一定限度の中で優先順位をつけて、私どもはこれはこれに使う、これはこれに充当できるかなということを我々としては考えて使っているわけでございます。
 もちろん、予算は四半期ごとに区切りをつけて、この第一・四半期ではどのくらいのものを支出するかというようなことも、これはほかの予算と同じことでございますが、そうしたことも考えながらやっているわけでございまして、私ども今、議員からお話しになりましたお気持ちはよくわかりますけれども、事実関係、実際問題を言いますと、今いろいろ言われております問題あるいは松尾元室長に絡む問題はもう既に数年前のことであって、例えば去年こうだったじゃないか、去年これだけ本来なら要らなかったはずじゃないか、だからことしは削れと、こういう話と。
 それはそうではないのでありまして、昨年は昨年で、大変こういう言い方をするとけしからぬとおしかりをいただくかもわかりませんが、昨年いただいた報償費につきましては私どもは有効かつ効果的に使わせていただいているわけで、私どもとしては、こうした近代的な国際状況の中で情報の価値というものは極めて高いということはもう議員よく御承知いただいていることでございますから、ぜひこの報償費につきましては、今回お願いをいたしております、要求をいたしております額面をぜひお認めをいただきたいというふうに思っているわけでございます。
○白浜一良君 私は、予算案そのものは要らないというようなことを言っていないんです。先ほど言いましたように、いろんな調査されていると。高級ワインを残った金で買ったとか、そういういろんな報道あるでしょう。今調査されているとおっしゃったから、いろんな調査をされた結果、不要だと。どういう部分かわかりません。そういうことがあると、そういうものには使いませんよというぐらいは言ってくださいと言っているんです。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど御答弁を申し上げました。今の議員の御指摘はよく私理解ができます。
 私といたしましては、報償費がその目的に正しく使用されるということについて厳正に判断をし、もしそうでないものがあれば私の責任で使わないということもあり得るということだけは申し上げておきます。
○白浜一良君 三点目がえひめ丸の問題で、もう時間大分食いましたので簡略にしたいと思いますが。
 大変遭難された方々の御家族の皆様には心からお見舞い申し上げる次第でございますが、五日からアメリカで査問会議が始まりまして、種々いろいろ報道されておりますが、柳井駐米大使の発言、これ外務大臣、御存じでしょうか。これは示し合わせてというか、連携とってこういう発言をされたんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 柳井駐米大使は三月五日の朝、CBSの「アーリー・ショウ」というところにインタビューを受けるということで出演をしたわけでございます。そのときの柳井大使の発言は、十分に本省におきます私の発言、もちろん総理のこれまでのさまざまな御指示、そういったものを受けて発言をしておられるというふうに承知しております。
○白浜一良君 柳井大使がおっしゃるのもいいんですが、極めてこれは国民も関心が高いし、むしろ外務大臣が基本的なお考えをきちっとおっしゃるべきじゃないかと。駐米大使がアメリカのマスコミにつかまってコメントしているような問題かなと私、率直に思うんですが、要するに、ここでおっしゃったことを踏まえて、当然ですが、事故の責任を負うべき者は適切に処罰されるべきだという発言をされたと伺っておりますが、そういう内容も含めて、外務大臣として御発言いただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 御質問の意味はわかりました。
 柳井大使がテレビのインタビューに答えておりますのは、先方から今回の事故が日米関係に与えている影響は深刻かという質問に対して深刻だと、本件が適切に扱われること、それはすなわち徹底的な調査、責任者の処分、沈没船の引き揚げ、それに補償の問題、こういったことが適切に行われなければ大変深刻になるということを柳井大使は言っておられるわけでございます。
 このことは、実は私どももこれまで数回、数次にわたって、総理から例えばブッシュ大統領にもこうした趣旨の御発言がございました。私は、直接パウエル長官にもこの趣旨を申し上げました。そうした総理の御発言や私どもの発言を受けて柳井大使は言っているわけですが、今の議員のお話は、こうしたことを例えばアメリカのメディアなどに外務大臣が発信をすることによってアメリカ国民にもちゃんと伝えるべきだと、こういう御趣旨だというふうに理解をいたしました。
 私は、それはそのとおりだと申し上げざるを得ません。ただ、たまたまちょっと衆議院の予算委員会の最中でもございまして、なかなかこうしたところまで手が回りかねたということがございますのと同時に、今申し上げましたように大統領にあるいは国務長官に、あるいは防衛庁長官は国防長官に、それぞれのレベルでそれぞれ言っておりまして、そのことは我々が大統領なり国務長官に言ったというだけではなくて、そのことはアメリカのマスコミにも知らされておりますし、また在米大でもそうしたことをその都度発表いたしておりますので、肉声で伝えなかったと、肉声で伝えた方がインパクトが強かったという御指摘であればそれはおっしゃるとおりかと思いますが、私どもの考え方、主張というものは伝わったということだけは御理解をいただきたいと思います。
○白浜一良君 もう一点、外務大臣、衆議院の議論の中で今後の問題として、アメリカが主としていろいろな対策を練っているんですが、外務省としてもサポート体制をいろいろとっていきたいと、こういうふうに発言されておりますが、何か具体的に決まっていることはございますか。
○国務大臣(河野洋平君) 現在、ハワイにおきましては審問会議が開かれておりまして、それからワシントンにおきまして技術的にこの引き揚げについての議論が行われております。これらについて日本から知識を持った人間がワシントンに既に行って、そうした協議に対応をいたしております。それから、審問会議におきましても、日本側から関係者、御家族の皆さんが行っていらっしゃる。これに対する対応はそれはそれでいたしておりますが、要は、これからは一番大きな問題は、引き揚げと同時に補償の問題になるだろうというふうに思います。
 この補償の問題につきましては、私どもからアメリカ政府に対しまして、適切な補償を、適切なといいますか、きちんと補償はやってくれということはもう既に言っておりまして、これが個々具体の話になりますと、恐らく個人対アメリカ政府のようなことになるんだろうと思います。それはとても個人ではなかなか大変だと思いますので、そうしたときには政府としては、もちろんこれはまた政府が前面に出るわけにもまいりませんけれども、できる限りのサポートをするということは私どもとして考えなきゃならぬと思っております。
○白浜一良君 それでは、ちょっと景気の関連で、話題を変えまして何点かお伺いしたいと思いますが、日銀総裁──来ていただいておる。
 去年の八月に、いわゆるゼロ金利政策を解除されたわけでございます。当時も、政府側の要望としては、まだ早いんじゃないかということを言っていたわけですね。だけれども、日銀は日銀の御判断で当然そう判断されたのでしょう。しかし、その後の経緯の中で、ことしに入りまして二度にわたって公定歩合を下げられたというこの事態をどういうふうに受けとめていらっしゃるんですか。
○参考人(速水優君) 白浜先生の御質問は、八月にゼロ金利解除をやって、ことしになって二回金融緩和をやった、その背景について説明してほしいという御質問かと思います。
 この点につきましては、昨年、ゼロ金利を解除いたしました背景には、輸出と設備投資の回復を背景にして生産が増勢をたどってきておりました。企業収益が改善しまして、雇用も所得環境も改善に向かっておりました。こういうことで、景気は緩やかな回復傾向に向かっていたと思います。九九年の二月に、ジャパン・プレミアムとかデフレスパイラルとか、大銀行の破綻とか、法律関係もまだしっかりまとまっておりませんで、公的な資金投入もまだできていないといったようなときに、このままほっておいたらえらいことだということでゼロ金利という、普通では考えられない、資本主義経済のもとではあり得ないようなことをやったわけでございます。
 それが一年半たって、ほぼ今申し上げたように景気が上向いて緩やかな回復をしてきたということで、正常化していかなきゃいけない、市場は市場で生かしていかなきゃいけないということでございましたので、ゼロ金利を解除したわけでございます。解除した後の資本市場の動向を見ますと、非常に、一カ月にわたって株価は上昇しておりました。市場はその措置を冷静に受けとめてくれたと思いますし、為替も若干円高になって、日本への外からの信用がふえていくといったようなことであったと思います。
 ところが、昨年末以降、景気の回復テンポが鈍化し始めまして、これはゼロ金利政策の解除がマイナスに作用したんではなくて、やはり米国経済が大方の予想を上回って急激にスローダウンしてきた、これが大きく影響したものと思います。連銀も、昨年の十一月まではFOMC、我々の政策委員会に当たるところで、金融引き締めのバイアスと言っておりますが、サインを出しておりましたけれども、十二月になって急速に金融緩和というバイアスをつくり出し始めて、御承知のように一月の三日に緊急のFOMCを開きまして金利の引き下げを決定し、一月の末にもう一度引き下げを行うということが起こったわけです。これはかなりやっぱりアメリカの景気の動向が、年間五%も成長すると言っていたのがそういうふうにはいかない、いきそうにないと。特にことし前半は非常に成長率が低いんじゃないかといったようなことがはっきりしてきて、ああいう思い切った政策をとったんだと思います。
 それに呼応してといいますか、その影響を受けて、アメリカとの経済関係の深いところほど大きな打撃といいますか、冷たい風が吹いてきたわけで、御承知のように、日本もそうですけれども、英国とか欧州とかカナダとかみんな金利を引き下げております、一月、二月。私どもも、経済・物価情勢を注意深く点検しながら、その時々で最も適当な金融政策、対応政策を機動的、弾力的にとっていく必要があるというふうに思っております。
 二月の九日に新しい貸出制度をつくりまして、それと同時に公定歩合を引き下げまして、それによって市中金利が公定歩合の〇・三五を超えないようにということで新しい制度をつくったり、短期証券買い切りオペを積極的に行ったりするようなことを始めまして、その効果は既に出始めております。
 二月の二十八日になりまして、二月の二回目の決定会合におきまして、その後の情勢を見てもう一段金利を下げる必要があるということで、政策金利になっておりますオーバーナイトの無担保金利を〇・二五から〇・一五に下げまして、それと同時に公定歩合も〇・三五から〇・二五に引き下げるということをやったわけでございます。
 こういうふうに、グローバルなマーケットの中では外での影響が非常に強く響いてまいりますし、特に株価はごらんのように非常に日本でも低迷していると、それが企業やあるいは消費者のマインドに響いてくるといったようなことが心配され始めたので、私どもとしても情勢を判断してこういった金融の緩和の措置をとった次第でございます。
○白浜一良君 長々と説明されましたけれども、おっしゃっていることは、要するに八月の判断は間違っていなかったんだと、後半になってアメリカ経済が落ち込んだから日本に影響して、それで金利を下げたんだと、要約したらそういうことですよね、長々とおっしゃいましたが。
 だけれども、私が聞きたいのは、通常もう、いわゆる金融対策という面ではそれはいいですよ。しかし一方では、日本はデフレスパイラルの危機があったわけですよ。そこに対する判断は、そういう日銀としてなかったのかということを私は聞きたいわけですよ。
○参考人(速水優君) 物価の問題につきましても、御承知のように各種の物価指数が弱含みで進んでおります。景気の回復が緩やかに止まっているという需要サイドの要因に加えまして、技術革新とか流通合理化とか規制緩和といったような供給サイドの要因も寄与していると思いますけれども、いずれにしましても各種の物価指数が全般的にやや弱含みの動きをしておるわけです。
 こういった状況につきまして、現段階では物価の低下が企業収益や家計所得を圧迫して景気と物価の悪循環をもたらすいわゆるデフレスパイラルに至っているというふうには考えておりません。ただ、ここに来まして景気回復テンポが一段と鈍化して、今後、需要の弱さを反映した物価低下が起こってくるといったような懸念もありますだけに、物価動向につきましてはこれまで以上に入念に点検してまいりたいと考えております。今がデフレ懸念への、デフレスパイラルへの状況に入りつつあるというようなことではございません。
○白浜一良君 デフレスパイラルにはなっていないというのは、それはそれでいいんですが、危惧があるということを言っているんですよ。そういう危惧されているような面がいっぱいあるということを言っているんですよ。
 株価も低迷しているので、今、与党間でもいろんな経済対策の協議をされておりますけれども、要するにいわゆる量的緩和をもっとすべきだと、そういう物価水準から見てという要望も当然出てきているわけでございますが、そういうことに対しての所見はいかがですか。
○参考人(速水優君) 日本銀行の政策委員会におきまして、金融政策運営上さまざまな選択肢につきまして真剣に検討をいたしております。
 これまで得られております結論を申し上げますと、例えばゼロ金利政策にもう一回返ったらどうかとか国債買いオペの増額をしたらどうかといったような政策につきましては、その効果や副作用について十分慎重な検討が必要であるということと、そうした政策に踏み込むべきかどうかということはもう少し経済や物価の情勢判断がどういうふうに展開していくかということを見た上で決めたいということでございます。日本銀行としましては、その時々の経済・金融情勢を踏まえて、中央銀行としてとり得るさまざまな選択肢の中から最も適切な政策運営を行っていくということを進めてまいりたいと思っております。
 ただ、日本経済の持続的な回復を確実なものにしてまいりますためには、金融システム面や経済産業面での構造改革が不可欠な条件だと思います。日本銀行としては、各方面における構造改革に向けた取り組みが一層速やかに進展することを強く期待している次第でございます。
○白浜一良君 別に、日銀の金融政策だけに全部責任をおっかぶせる、そこが原因だと、私はそういう意味で言っているんじゃないんですよ。おっしゃっていることは当然なことでございます。
 結構でございます。退席されて結構でございます。
○委員長(岡野裕君) 速水参考人、お疲れでございました。どうぞお帰りをいただいて結構であります。
○白浜一良君 それから、不良債権処理の問題で金融担当大臣に聞きたいんですが、きのうの新聞でございましたか、週内に最終処理を促進するための対策本部をつくろうと、こういう報道がされておりましたが、この辺はそうなっておるんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の処理問題は、大変我々として重要な問題であるということで、取り組みの体制としては全庁挙げての関係部局の担当間の打ち合わせの、協議のもとで進めておりますが、とりたてて新聞報道にありましたような何々本部というようなものを設置したというような事実は全くございません。
○白浜一良君 この点でちょっと私、確認しておきたいと思うんですが、経済産業省もいろいろ全国中小企業に聞き取り調査をされていると、年度末を控えますし、これをしっかりせなあかんということで。どういう状況になっているんですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、平成十年のいわゆる異常な信用収縮のころに比べて、中小企業の方々のマインドとしては、貸し渋りに関しては十年の十月ぐらいは大体三五%の方々が厳しい状況だと。それが直近のこの二月では一五%までそこは落ちてきたと、こういうことであります。
 そこで、先生が御指摘くださいましたように、まだまだ厳しい状況の中で年度末を控えますので、この一月十九日から三月二日にかけまして、これは今まで行ったことはなかったことでございますけれども、中小企業庁の幹部職員が全国の二十七道府県に参りまして、そして出先の日銀を初めとして、都銀、地銀、第二地銀、それから信用金庫、信用組合、政府系金融機関、ここをずっと綿密に回らせていただきました。そして状況を把握してまいりまして、その結果、三つのことにまとめて御報告をさせていただきたい。
 一つは景気動向でございますけれども、公共工事の落ち込みが厳しい、資金需要は非常に弱い、そのほとんどは資金需要は運転資金である、設備資金はキャッシュフローの範囲内にとどまっている、こういうことがわかりました。そして、景気動向の中で半導体とIT関連が牽引役を果たして、商店街、繊維、建設業界が非常に厳しい状況にある、こういうことであります。
 それから、民間金融機関の融資動向、これも把握をいたしまして、金融機関においては、優良先には積極的に貸し付けている。しかし、悪い先から回収する選別融資が進行しておりまして、大手行の合併、銀行の体力差や金融検査の結果などが融資形態に影響を与えている、こういうことが判明をいたしました。
 それから、信用保証制度等の利用状況、これは中小企業庁に関することでございますから調査をいたしましたら、昨年講じました信用保証制度に係る対策が有効に機能している、こういうことがわかり、特別保証の借りかえに一般無担保保証の限度額引き上げで対応をし出しております。それから、特別保証に係る既往債務の条件変更には、策定された我々がつくったガイドラインが非常に有効に寄与しています。
 そういうことで、融資態度に二極化が出ているということは、やっぱりこれから政府系金融機関等で積極的に対応しなければならない問題だと、このように把握しております。
○白浜一良君 金融担当大臣、要するに中小の金融機関が、信組、信金というのは中小企業の皆さんはよく使っている。そこがいわゆる不良債権処理なんかでがっと厳しく管理監督に入るとぐっと貸し渋りになってしまう。そうすると、いわゆる今、中小企業の実態、経済産業省で調べてもらいましたが、非常に必要な資金需要にこたえられないと。ここをうまくやってもらわないと、この年度末は大変厳しいと思うんですよ。そこはどう認識されますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 二つ申し上げたいと思うんですけれども、今、経済産業大臣の方から、私どもの金融機関、特に中小の金融機関、信金、信組あるいは第二地銀も入るかもと思いますけれども、金融検査の結果に影響を受けてというようなお話がちらっとあったわけでございます。
 これは、金融検査マニュアルによって信金、信組というところまで、ことごとくすべてという意味の悉皆と言わせていただきますが、悉皆的な検査がこの三月末に終わるという日程で進行しているわけでございます。その金融検査の検査態度、こういうようなものに影響を受けてというようなことを含意されているのかとも思いまして、私、注意深く聞いておったわけでございますけれども、もちろん信用組合というのは、これまでの都道府県レベルの検査を受けてきた状況からして、やはり本格的な検査というものに初めて相まみえたというようなことで、その印象は強かったかと思うんですけれども、私どもの方としてはこの検査マニュアルに従ってやっておりまして、その中には、画一的、機械的な検査をしてはならない、それからまたもう一つは、非常に明確な明文でもって記させていただいているわけですけれども、この金融検査マニュアルを引用しての貸し渋りなどが起こっていないかということ自体を金融検査のチェック項目にしている。こういうような、手の込んだと言っては恐縮かもしれませんが、十分周到な配慮をした検査をしておるということでございまして、このあたりのことはいま少し実態というものを調べて私どもの方もしっかり対処したい、このように思います。
 そういうことの一環として、私、きのう閣僚懇談会で報告をさせていただきましたが、私どもの方から先般、この年度末を迎えての特に中小金融の疎通と円滑化ということに十分意を配してもらいたいということの通牒を、私、金融の調整担当大臣としての立場からですけれども、発出させていただいております。
 我々自体といたしましても、年度末金融の円滑化に関する意見交換会というものをこの十三日に予定しておりまして、これには民間金融機関、あらゆるレベルの、信金、信組を含めて大手の都市銀行に至るまでの金融機関の組織の長、それから政府関係金融機関の組織の長、こういう者を全部一堂に集合させましてこの趣旨の徹底を図りたいということで、遺漏なきを期してまいりたいなと、このように考えている次第であります。
○白浜一良君 経済産業大臣、要するに、今、金融担当大臣からお話ございましたが、そういう配慮をされているということで、中小企業も実態的には大丈夫でしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、金融担当大臣お話しになられましたけれども、確かに金融庁としてはそういうマニュアルでぴしっとやっておられる、このことは私どもも理解しています。ただ、中小金融機関がそのことを理由に中小零細企業に対する融資を非常に絞り込む、こういう事態はあると思っています。
 それから、これもきのうの閣議で金融担当大臣と私、経済産業大臣も、年度末を控えてさらに中小企業の皆様方の金融に対して特別な配慮をしよう、こういう形で我々の体制を組ませていただきました。そういう意味で、大変中小零細企業の皆様方が厳しい状況に置かれておりますので、金融庁と協力をしながらその辺はきめ細かく対処していきたい、このように思っています。
○白浜一良君 日本の経済を支えている中小企業でございますので、その両面からよろしくお願いしたいと思います。
 話題を変えまして、生活関連で何点かお伺いしたいんですが、厚生労働大臣にお伺いします。
 介護保険制度を導入いたしまして、まだまだ問題を抱えております。しかし、この制度を定着させることが私も大事だと思うんですね。まだまだ時間がかかる。ところが、一方でことしの十月から保険料が全額徴収になるわけでございます。まだまだ定着していない段階で、そういうのは大変厳しさを持っているな、特に余裕のある方はいいですが、いわゆる低額所得の方は大変だろうなと、こういうふうに考えるんですが、何かお考えはございますか。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘いただきましたように、ことしの十月から正規の状況になるわけでございまして、保険料は現在の倍額になるわけでございます。そのときに皆さん方がそれにたえ得るかどうかということがまた大きな問題となるだろうというふうに思います。
 今もお話ございましたように、高額の所得のあります方はこれはよろしいんでしょうが、しかし低額所得の方、その方に対してどうするかということがいろいろと各市町村におきましても検討をされているところでございます。
 我々といたしましても、介護保険というのは地方分権のモデルみたいな事業でございますから、できる限りそれぞれの地方でいろいろの知恵を絞っていただきながらやっていくということが大事でありますけれども、しかしこれは保険制度なものでございますから、そこの保険制度を崩すような形はぐあいが悪うございますので、保険制度というものを崩さない範囲でお考えをいただきたいと。しかし、その中はいろいろ柔軟な考え方があっていいんだろうというふうに私は考えているところでございます。
 時間があるようでございましたらもう少しお話をさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○白浜一良君 それぞれ自治体で工夫されることはいいと、要約するとそういう話だと思います。保険制度というそういう制度の維持は当然としてですね。
 そういう意味で、ちまたに言われておりますが、神戸方式というものがございまして、全体の保険制度の中で、段階をふやして、非常に各所得階層別にもう一段配慮した制度があるわけですね。そういうものは厚生労働省としてどのように認識されておりますか。
○国務大臣(坂口力君) 神戸方式の、承っております。大変よく考えていただいているというふうに思っております。
 軽減措置というものを行っておみえになりますが、全額免除ということではない、そういう形になっておりますし、申請に基づくものでありまして、収入のみならず資産のことも考慮に入れていただいているということもございます。それからもう一つは、保険料財源によりトータルで考えていただいているというようなこともございまして、そうした全体をお考えいただいていろいろ工夫をしていただいていることに大変敬意を表したいと思います。
 こうした保険料に関する基本的な原則に反しない範囲での地域の実情に応じました取り組みであるというふうに考えておりまして、大変参考にさせていただく一つの案ではないかというふうに思っております。
○白浜一良君 それから、小児医療の体制で、また話題変わりますが、これは新エンゼルプランでいろいろ目標を設定されているんですが、大事な子供たちの健康をつかさどる、そういう小児医療体制がなかなか計画どおりいかないんですね。その辺の実態は承知されておりますか。
○国務大臣(坂口力君) 小児医療の問題につきましてもいろいろと報告を受けているところでございます。
 厚生労働省としましても、小児医療、いわゆる緊急小児医療というものをぜひもっと安定させていかなければならないというのでいろいろの手を打っているんですが、しかし現実問題といたしましては、我々が考えておりますように十分にそれが機能していない、そこまで行っていないということでございます。
 いろいろ理由はあるというふうに思います。小児科の先生が高齢化をしてまいりましたとか、地域によりましては少なくなってきたということもございますし、あるいはまた小児救急医療の採算がなかなかとれにくいというようなこともあるというふうにお聞きをいたしております。
 これらの問題、しかし、こういうことだからというので捨てておくわけにいきません。お子さんを一人でも立派に育ててもらわなければならないわけでありますから、そういう御病気になられて行き先がないというようなことではいけませんので、ここを打開していかなければなりませんので、我々も今一生懸命にその打開策を検討しているところでございます。
 地域の開業医の先生方にお願いをするというだけではなくて、やはり大きい病院の先生方も、国公立あるいは自治体の病院の皆さん方もひとつ御参加をいただいて、総合的に進めていくということをしなければここは乗り切れないのではないかというのが私の考え方でございまして、ぜひそうした国公立も御参加をいただいてここはやっていきたいというふうに思っているところでございます。
○委員長(岡野裕君) 残余の質疑は午後にこれを譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩をいたします。
   午前十一時五十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十三年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。白浜一良君。
○白浜一良君 話題を変えまして外務大臣にお伺いしたいと思いますが、私、日本という国は世界の国から見てどう思われているか、どういうイメージをお持ちかということが非常に大事だと思うんですね。
 そういう意味では、私は、日本は平和と文化を最も尊重する国だと、こういうイメージ、そういう外交をされた方がいいと思うわけでございますが、そういう意味で、最近話題になっておりますアフガニスタンで歴史的な仏像史跡が破壊されているということがございまして、このことに関しましては、外務省として何らかのアピールなりコメントなりをされておりますか。
○国務大臣(河野洋平君) 外務省といたしましても、ああした問題、ああした事件と申しますか、ああした行為については一日も早くやめてもらわなければ困るという旨のアピールをいたしておりますし、それから、ユネスコがこの問題、非常に深く関心を持っておられます。そのユネスコに対しましても、外務省としては主張を支持するということを言っております。さらに、国際社会がこの問題にきちんと対応をするべきだというふうに私どもも思っておりまして、国際社会へもこれから我々として何がしかのアピールをしたいというふうに思っております。
 そうした中で、与党三党の方々が急遽アフガニスタンを訪問されるということでございますので、私としては、外務大臣として、アフガニスタンのある部分を、何といいますか、コントロールしていると言われるタリバンの国際問題を担当している人に対して、与党三党の代表団の意見をよく聞いてほしいということを述べると同時に、我々の懸念を書簡をもって伝えているところでございます。
 私としては、イスラムの考え方が極限まで行くとああいうことに、ああいう行為に到達するというふうにおっしゃる方もありますけれども、しかし、それはこの近代社会でそうしたことがあってはならぬことでございますから、イスラムの関係の方々にもこうしたことの自制を求めるということを我々として働きかけたいというふうに思っております。
○白浜一良君 いろいろ新聞報道をされているんですけれども、私は、やっぱりこういう大事なことなんで、そういう文化を大事にする国だと、日本のそういうイメージを定着させるためには、だから、直接的な実効支配しているタリバンとは外交関係がないわけでございますが、パキスタンなりサウジアラビアなりいろいろ関係は持っているわけでございますから、私は多方面から外務省としてそういうアピールをされるべきだと、このように思うわけでございます。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、一月に中東のイスラムの国を回りまして、イスラムとの間の文化面における対話を深めたいということを言ってまいりました。そうしたことも踏まえて、イスラム圏の人たちに、こうしたタリバンの行為というものに自制を求める作業をやってほしいということを書簡で本日中にでも出したいと思っております。
○白浜一良君 引き続いて御努力をお願いしたいと思います。
 それで総理、文化庁の予算がふえまして、いろいろそういう文化事業に対する重点施策をとられている、去年の補正予算で五十五億円つきまして、本年度も百億ぐらい増額されている。それは、私も大阪のことで言いますと、大阪には文楽をずっと守っている人たちがいます。随分待遇改善もされてきましたし、そういう面では喜ばしいことなんですが、文化というのは文化庁に任していいわけじゃないわけで、どういうふうに日本の文化全体を世界的に通用するようなレベルに押し上げていくかということが大事なので、これはやっぱり総理が主導権をとってそういう関連の会議なんかを開かれて推進されるべきだ、そういう内容のものだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 白浜議員が今、タリバンの問題も含めて文化に対するそうした大変な注意喚起を受けましたこと、政府としても大事に受けとめたいと思っております。
 皆さんの御協力を得てユネスコの大使も日本の松浦氏が就任をした。こういうときこそ松浦さんが先頭に立って先ほどお話があったようなタリバンに連絡をとり得る、そうしたところに松浦さんも先頭を切って動くべきだと、こう思っています。
 実は、私はユネスコ議連の会長というのをやっておりまして、大変心配をいたしております。私なりにもいろんな関係者にはそのことを伝えて注意を促していきたいと、こう思っております。
 我が国は、こうして世界からいろんな意味で期待もされ尊敬もされているのは、経済の面もございますけれども、同時にまた平和に徹するこの戦後からの歩みというものに対しても世界の国々はそういう意味でもまた日本の国に非常に注目をしているということもあるし、こうした千年紀と、こう言われた千年前を振り返ってみてもこれだけ歴史的に、ちょうど千年前には源氏物語ができたのですから、そういうことを考えてみると、本当に一つの国としてこれだけの歴史や文化財を持っている国というのはまた希有な存在だろうと思います。こうしたことを大事にしていくということは当然なことだと思っております。
 若干、予算も今度思い切って、三党の皆さんの申し入れもあって思い切って文化関係には、伝統文化の継承をさせること、あるいは芸術文化を振興させること、また地域にいろんな文化活動がございますね、お祭りだとか、そうしたものも大事に守っていこうというようなことでかなり思い切った措置を今回はいたしまして、前年度に比べまして約百億円近い伸びをして九百九億円ということになっております。
 本来言えば、これから努力しなきゃならぬと思いますが、日本の国の予算の一%ぐらいは文化につぎ込むという、そういう気構えを持って本来やっていかなきゃならぬことだと、こう思っております。
○白浜一良君 それはわかった話で申し上げたんです。
 要するに、文化というものをもっとやっぱり国民もそのことを楽しみ、世界の人々もそういう日本の文化、海外の文化もそうでございますが、そういうことをいわゆる円熟した社会として開花を見るべきだという意味で私は言っているわけで、そういう面で文化庁の予算だけじゃなしに全般的な施策としてやるべきだ。例えば、文化を産業として成り立たすべきなんだと、こういう御意見もあるんですね。あの音楽家の三枝さんの御意見を我が党で新年聞いたわけでございますが、そういう面で特段の措置というのはすべきなんです。
 ちょっと財務大臣、申しわけございませんが、そういう文化を育てるための投資なんかにそういう減税措置とかいろんな幅広い措置をすべきだという御意見もあるんですが、お考えがございましたら。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国として落ちついてまいりますと、そういう観点は私はおのずから出てくるだろうと思っています。
○白浜一良君 最後に、我が党も今いろいろ作業をしているんですが、そういう文化を大切にするという意味で文化、芸術の基本法をつくってはどうかということで我が党もいろいろ準備をしているわけでございますが、このことに関しまして最後に総理の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 今、基本法のお話をいただきました。かねてより先生の公明党でそういう御検討の具体化を進めておられるということも私どもよく承知をしております。
 今度、文化審議会というのが文部科学省の中にできまして、今まで個別の文化関係の審議会はあったんですが、総合的な審議会というのは今までなかったんです。今度、その文化審議会で、今幅広くメンバーを御参加をいただいて、これからの日本の文化のあり方、あるいは文化の振興のあり方について幅広く御議論をいただこうかなと。そういう中で、今御指摘のあったことなども含めて検討をしてまいりたいというふうに思っておりますので、ひとつ今後ともよろしくお願いいたします。
○白浜一良君 総理、御意見はありますか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 町村担当大臣が申し上げたとおり、私もこよなくこの文化、伝統、芸術というものを大事にいたしたいと、こう考えておりますので、そうした基本法も含めて、どういうあり方がいいか、どういう振興策があり得るか、これから幅広く識者の声も聞きながら検討を進めていきたい。またいろいろと御指導いただければと思います。
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。加藤修一君。
○加藤修一君 私は、ちょっと時間が短いですので、エネルギー問題と環境ホルモンに限定して質問をしたいと思います。
 まず最初に、自然エネルギーについてでございますが、やはり地球温暖化問題等を含めて、極めてこういった面については深刻な状態に私はなってきていると思います。環境対策あるいは安全で安定したエネルギー資源、それをいかに確保するかということは極めて重要な問題で、そういった観点から、やはり自然エネルギーにいかに十分に対応するかということも環境の世紀としては差し迫った問題ではないかと思います。
 それで、公明党といたしましても、二十一世紀の政治を築く大胆な政策としましてビッグ7チャレンジ、こういう提言をいたしまして、その中の一つが、我が党は二〇二五年を目指して化石燃料や原子力にかわるクリーンなエネルギーを二〇%までに大幅に拡充しようと、そういう考え方でいるわけでございますが、総理、以前に、二月七日でございますが、木庭議員がこの件に関しまして質問した答弁につきましては、最大限の努力をするという約束でございますが、しかしながらなかなかこれは極めて難しい状態であると思います。
 そこで、総理に、自然エネルギー促進のための法制化あるいは導入制度の拡充、こういった面について前向きに早急に取り組むべきではないかと思いますが、この辺についての御見解を示していただきたいと思います。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 太陽光発電あるいはまた風力発電など今御指摘ございました新エネルギーにつきましては、エネルギーの安定供給の確保、また地球環境問題への対応を図る観点から、その開発と導入を積極的に推進することは御指摘のとおり極めて重要であるというふうに考えております。
 新エネルギーにつきましては、二〇一〇年度におきまして一次エネルギー総供給の約三%にするという目標を政府としては設定をいたしておりまして、これは現在の導入量の約三倍となる高い目標でございます。
 現時点では経済性、安定性などの難しい課題も伴っておりますけれども、今後とも引き続き技術開発の強化、さらに導入支援策の拡充、こうしたことを通じながら新エネルギーの開発と導入に向けて最大限の努力を行ってまいる、このように考えております。
○加藤修一君 総理の答弁はちょっとわかりにくいんですけれども、もう少し国民の皆さんに向かって具体的に、最大限の努力の中身が少しわかりにくいんですね。ここをもう少し積極的な、もっと具体的な、私は法制化も含めてという話を申し上げたわけでありますけれども、この点を含めて、もう一度御答弁をお願いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) それでは、加藤先生に担当の私から御説明をさせていただきます。
 もう加藤先生はこの問題、大変御造詣が深いわけでございまして、新エネルギーというのは、二十一世紀は環境の時代と言われておりますから、いかに環境を克服して、そしてエネルギー政策も進めていかなきゃいかぬと。こういうことで、今、総理おっしゃいましたように、二〇一〇年には一次エネルギーの三%と、こういう形になっておりますけれども、これはまだまだ私どもは低い数値だと思っております。
 例えば、風力発電一つとっても、ドイツは既に五百万キロワットを達成している国でございまして、我が国としてもこれからの展開次第ではそういった形でそこのところを大きく伸ばすことは決して不可能ではないと、こういうふうに思っています。
 そういう意味で、やはり今の段階ではいろいろな面で、例えばイニシアルコストがかかるとか、あるいはまた気候に左右されると、そういう問題がありますけれども、こういう問題もこれからの技術開発でありますとか政府のいろいろな補助を講じていくことによって私は克服できると思います。そういうことで、今総合資源エネルギー調査会において、この春から夏ぐらいの結論をめどに、新エネルギーに対して今一生懸命に研究をいたしております。
 そういう中で、今御指摘の法制化も含めて、我々としては、二十一世紀、安定的に、そしてクリーンなエネルギーを確保するということはやっぱり一つの大きなナショナルゴールとなると思いますから、そういう形で法制化を含めて我々としては前向きに検討していきたいと、こういうふうに思っています。
○加藤修一君 積極的な答弁、ありがとうございます。
 風力発電に関してでありますが、現在の政府見通しは二〇一〇年で三十万キロワットの達成を目途にしているわけですけれども、これは上方修正が私は必要だと思いますけれども、どのぐらいの程度を考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えいたします。
 今、先生御指摘のとおり、二〇〇〇年の十二月末現在十二・一万キロワット、これを二〇一〇年度においては三十万キロワットと、こういうことで設定されておりますけれども、最近、電力会社より発表されておる電力購入の見通しや風力発電事業者の取り組み状況によれば、大規模な事業用風力発電を中心に今後も相当程度導入が進みまして、現行の目標値を超える可能性は極めて高い、このように思っておりまして、今の段階で具体的に三十万が五十万になるとか六十万になるということは申せませんけれども、相当高い程度で目標値を上回ることは確実だと、こういうことは申し上げることができます。
○加藤修一君 報道なんかを見てまいりますと、三百万キロワットとかあるいは五百万キロワット、あるいは海上発電、洋上発電を加えますと一千万キロワットという話も出ておりますけれども、こういったことについてはどのような見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、加藤委員から三百万キロワットという具体的な数字が出ました。これは、委員御承知のように、この風力発電三百万キロワットについては審議の過程の中で二〇一〇年度における導入目標量の検討のための試算値として提示をしたものでございます。
 今後の新たな政策のあり方や必要となるコストを検討の上、今審議をしていただいていると思いますけれども、先ほど私が申し上げましたように、既に西ドイツでは五百万キロワットを達成しておりますし、アメリカ等も二百万キロワットを超えています。そういう中で、私どもはこの三百万キロワット達成ということもこれからの取り組み次第では不可能ではないと、こういうふうに思っておりますので、目標を高目に設定しながら努力をしていきたいと、こういうふうに思います。
○加藤修一君 海上、洋上発電を含めて一千万キロワットぐらいの能力が十分私はあり得ると思っておりますので、ぜひ積極的な検討をお願いしたいと思います。
 それでは、国土交通大臣にお願いしたいんですけれども、今、海上、洋上発電を推進するということも非常に大事だという話をいたしましたけれども、風車の設置のために港湾区域あるいは防波堤、こういった施設にそれを開放することも一つの考え方ではないかと思いますけれども、この辺についての御答弁をお願いします。
○国務大臣(扇千景君) 今、加藤先生からお話がございましたけれども、加藤先生は地球環境、特に自然エネルギーに対しての造詣の深い方でありますから、私どもも大いに先生の御意見を聞きながら二十一世紀のエネルギーのあり方というものを勉強させていただきたいと思っております。
 けれども、今現実的にお話のございました港湾、あるいはそれらの海上、洋上に対しての風力発電はどうかということでございましたけれども、実質的に港湾は、現在のところでは、陸上よりも海上の方が風が強いというのは当然のことでございまして、現段階では今まで私どものところでできております、導入した事例だけは、時間がありませんけれども、例えば北海道の室蘭港、静岡県の御前崎港、そして計画中が一件ございまして、静岡県の、千葉港、この三つの港で導入の事例がございます。そして、今構想しておりますところが、北海道の瀬棚港、それから山形県の酒田、千葉県の千葉港、東京の東京港、この四つが構想の段階に入っております。
 そして、今先生が千キロワットとおっしゃいましたけれども、ちなみに風車一台当たり、これで年間の発電量を試算いたしましたところ、先生が今おっしゃいました風車一台で千キロワット級の風車を年間動かしていきますと、一基だけで一般的な家庭の千百八十五世帯の電気容量を賄うことができる、こういう計算に立っておりますので、今、経済産業大臣からのお話がございましたことに関しましては私はそのとおりだと思いますけれども、今後少なくとも港湾で立地、今申しましたように海上より港湾の方がと申しましたので、港湾の立地目標として予定しておりますところは、これは千葉県の、鹿島港、新潟県の新潟港、愛知県の名古屋港、この三つで、港湾での風力発電を実施していく研究をしたいということになっております。
 けれども、この防波堤への風力の発電地に関しましては安定性を検討しなければならない。まして、港湾への立地に当たりましてはきちんと港湾管理者に対して、これは自治体が管理しておりますので、自治体との検討が必要になってくるというのは御承知のとおりでございますので、これらの多くの港湾への立地に関しましては、リストアップをして自治体等々と検討しながら、よりクリーンなエネルギーの確保というものに、二十一世紀型にしていくことに対しては私どもも最大限の努力をしていきたいと思っております。
○加藤修一君 わかりました。
 ただ、全国に相当数の港湾があるわけでありますから、その余地があるかどうか含めて、実態調査、そういったものをぜひやっていただきたいと思います。どうでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 今おっしゃいましたように、我々は少なくとも自然エネルギーに回帰していかなければいけない、またそれを促進しなければ二十一世紀の日本も世界に伍していけないという大きな原点でございますので、今後努力してまいりたいと存じます。
○加藤修一君 自然エネルギーの中でバイオマスエネルギーも、これも極めて重要なエネルギーだと思います。牛のふん尿を含めて、あるいは木質のバイオマス関係を含めて、やはり相当数の可能性があると思いますけれども、この辺については経済産業大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
 生物、植物や動物を起源とするバイオマスエネルギーというのは大変将来性のあるエネルギーだと、こういうふうに認識しております。したがいまして、太陽発電や風力発電とともに再生可能のエネルギーの一つとして、エネルギーの安定供給の確保や地球環境問題への対応を図る観点から、積極的に導入を推進することが私どもとしては重要だと考えております。
 また、欧米諸国においても、こういった再生可能のエネルギーについても高い導入目標を先生御承知のとおり掲げている中で、バイオマスエネルギーの導入拡大に大きく期待をして欧米諸国は積極的に取り組んでおります。
 これまで我が国におきましては、製紙工程の廃液である黒液、あるいは製材工程からの廃材を熱利用や発電などに用いる廃棄物・副産物系バイオマスを中心に導入が進展されており、現在の新エネルギー導入量全体でいえば七割を占めているわけでございまして、今後また大きな発展が期待できるわけであります。先ほどちょっとお触れになりました食品や畜ふん等の廃棄物から発生するメタンガスを利用する方法や、植物を燃料用アルコールに転換して利用する植物系については、現時点では製造コストや回収コストが高いなどの課題があって、低コスト化等のための技術開発や実証試験を推進していく必要があると認識しております。
 現在、これも総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会の場を通じて今後の新エネルギーの政策のあり方について検討を進めているところでございますけれども、バイオマスエネルギーの利用促進のあり方については今重要な論点の一つとしてこれを論議をしていただいているところでございます。経済産業省といたしましても、引き続きバイオマスエネルギーの開発導入には今申した観点から積極的に取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○加藤修一君 自然エネルギーでもまたちょっと別の観点でありますけれども、雪氷エネルギーですね、雪と氷のエネルギー。これも最近極めて脚光を浴びているエネルギーでございまして、雪一トン当たり灯油十三リッターに匹敵する、冷ますというか冷やす、そういう冷熱源というそういうエネルギーがあるということなわけでありますけれども、これは非常に最近地域の社会の中に導入されてきておりまして、例えば新潟では安塚町庁舎や特別養護老人ホーム、こういったところの冷房にも使われている。あるいは野菜の貯蔵とかあるいは備蓄等々を含めて、あるいはそれから民間のマンションの冷房等を含めて使われているわけでありまして、非常に省エネルギー効果も高い。あるいは雇用効果を含めて利雪産業につながっていく可能性も極めて大きいわけでありますので、私も注目しているわけでありますけれども、現在、新潟の方で署名運動をやりまして、約三十万千六百六十五人の方にこういう署名をいただいたわけでございます。
 やはりこの方式を進めるにしても、エネルギーを進めるにしても、なかなか制度的に充実していない、そういった観点からやはり新エネルギー利用促進法でしょうか、その特別措置法の中に新しいエネルギーとしてこの雪氷エネルギー、こういったものも認定すべきではないか、そのように思いますけれども、この辺についての御見解をお示ししていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えいたします。
 特に新潟県や北海道等の豪雪地帯では、地方自治体が中心となりまして自然エネルギーの活用を図る観点から、今御指摘の食料の貯蔵庫や公共施設における冷房用の冷熱源として雪氷冷熱をエネルギー源として積極的に活用する取り組みが進展してきているところであります。
 北海道なんかでは、例えば沼田町は低温倉庫、これは千五百トンの雪を貯蔵いたしまして、その冷気を利用して夏季でも五度C以下に保冷する大規模な低温のもみ貯蔵施設ができておりますし、また今御指摘のマンションの夏場の冷房も既に現実のものとなっております。
 こういう一つの現実を踏まえまして、確かに初期コストがかかる、こういうようなことがあるわけですけれども、しかしこれはランニングコストは非常に安いわけです。自然の雪を貯蔵しておいて、そしてそれを冷気を解かしながら利用して、そしてそれを利用するということでランニングコストが非常に安いわけですから、トータルで考えますと、御指摘のように非常に将来にとって有用なエネルギーに相なると思います。
 そういう意味で、これも今この春から夏ぐらいにかけて総合資源エネルギー調査会で検討を進めておりますけれども、その審議の内容の中では、この問題については非常に前向きな意見が相次いでおります。ですから、そういったことを踏まえまして、法律の問題を含めて前向きに検討をさせていただきたいと、このように思っています。
○加藤修一君 地球温暖化にかかわる対策の一環としても十分効果がありますので、ぜひ今の答弁のとおりに積極的に進めていただきたいと、このように思います。
 以上で質問を終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で白浜一良君及びその関連質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、筆坂秀世君の質疑を行います。筆坂秀世君。
○筆坂秀世君 最初に、まずKSD汚職について聞きたいと思います。
 村上、小山両前議員が受託収賄容疑で逮捕されました。逮捕容疑というのは、KSDがやっているアイム・ジャパンという海外の研修生受け入れ事業あるいはものつくり大学、このために有利に取り計らうというので請託を受け、二人合わせて約一億円のわいろを受け取ったというのがその容疑であります。しかし、KSDが村上、小山両議員のために行った働きというのは、この逮捕容疑のわいろ一億円というものだけではありません。その中心というのは幽霊後援会員集めあるいは幽霊党員集め、そしてその党費立てかえ、これこそがいわば中心であります。
 総理は、幽霊党員や立てかえ党費の実態を調べる、あるいは調べているということを繰り返し述べてこられましたけれども、今一体どこまでわかったのか、それを報告していただきたい。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 既に衆議院予算委員会等でも、また本委員会でも昨日も申し上げましたが、KSDによります党費立てかえ疑惑につきましては、KSD豊明会、そしてKSD側がどのような形で党員を取りまとめていたかというのは私どもとしては承知していないわけであります。しかし、今回の問題に関連いたしまして、本人の意思の確認がないままに入党申込書が提出された方々も含まれているのではないかという御指摘、これに対しまして自民党としても道義的な観点から適切な対処が必要という、こういう認識で、現在、今御指摘がありましたように調査を行っているところでございます。
 豊明支部を通じまして登録されました党員すべてについてその入党の意思の確認をするということにつきましては、なかなか難しい面もございますが、今、事務局でそれを鋭意進めております。個々の党員に対しまして電話調査も行っているというふうに先ほど事務局側の報告を受けておりますが、電話をいたしましてもなかなか、何十万という数でございますから、一人一人がなかなかうまく詳細がつかみ得ないというのもこれも、直接今私がやっているわけではありませんが、事務局の説明によれば私も理解できるところはあるわけです。
 現在の進捗状況について報告しろという、そういう御質問でありますが、具体的な報告を実は得るにはまだ至っておりませんが、調査を急ぐようにきょう先ほどお昼にも指示をいたしました。これにはKSD側の実は協力も必要なんですね、自民党本部が直接やっているわけじゃありませんから。ですから、KSD側の資料とかそういうものも現在なかなかつかみ得にくいのではないかというふうに想像もしているんですが、そういう党費に関する実際の状況について今把握を急がせていると、このような状況でございます。
 今後、その結果を踏まえまして、そして適切な対処をしなければならぬと、このように考えております。
○筆坂秀世君 我が党の志位委員長が衆議院の予算委員会で指摘したのは二月九日です。もう一カ月たっているんですよ。まだそれが報告するだけの調査が進んでいないと。
 私、じゃ具体的に聞きますが、あのときに四つの豊明支部、この支部代表者というのが、我々が調査したところ、支部代表者になった覚えはないとか、自民党に入党した覚えすらないという回答をする方もいらっしゃった。
 四人に当たるのは、一日、二日あればすぐできることですよ。ちゃんと当たったんでしょうか、この四人に。共産党の志位委員長がこう言ったけれども、本当にそうだったんですかと。これは支部そのものが幽霊だったといういわば証明になるわけですから、それやられたんですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 共産党さんは一、二日あればいいということで、どういう資料をもとにおやりになったのかわかりませんが、我が方の……(「本人に電話すればいいじゃないですか」と呼ぶ者あり)いや、ですから、我々も電話をしているものもございますが、何十万なんですよ、正直申し上げて。どなたか……(「代表者四人」と呼ぶ者あり)ですから、その方々も含め、党員全体を私どもは持っているわけでありますから、来ているわけですから、これを全部なかなか、何といいますか、仕分けをするというのも非常に難しいところがございます。他の……(発言する者あり)御存じないから、我が党のことを。そこまで御存じなんですか。そういう無責任なこと言わないでください。いろんな組織が全部一緒になって党本部へ入っているんです。
 ですから、一人ずつ調べましても、いわゆる衆議院のそうした組織を通じて入った方もあるし、例えば東京都であれば都連の都会議員とか区会議員を通じて入っている方もあるんです。これは全部一緒になっていますから仕分けはできないんです。
 ですから、お尋ねをすれば、入っていますと言う人もありますし、私は入った覚えがないという方ももちろんあるでしょう。今そういうことを一つずつやるにしても、何しろ数が多いわけですから、どうぞその辺は、そう三、四日でと簡単に、一、二日とおっしゃいましたか、そんな簡単にはできないということです。(「四人」と呼ぶ者あり)我々はその四人……
○委員長(岡野裕君) 総理答弁中であります。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 四人というふうに限定はできないんです。我々としては、党本部に入ってきたものが、それぞれの支部を通じてまとめて入ってきたものが、入った手続に問題がなければ全部それを受け入れてあるわけですから。
 これを今詳細にやっておるという、党の事務局がそういう報告を私にしてきているわけですから、直接私が今できる状況じゃないわけだということもぜひ理解をしていただきたいんです。
○筆坂秀世君 国会で指摘されたことでしょう。東京、埼玉、千葉、神奈川の豊明支部の代表者が、聞いたら、私なった覚えがない、自民党にだって入った覚えないと。まず、この四人に直接聞くのは当たり前でしょう。
 私、きょう、一人電話しました、千葉の代表者に登録されている方に。二月九日から一度だって自民党から問い合わせがあったことはないと。何にもやっていないんですよ。
 それは、何十万という党員を一人一人調査するのは時間がかかるのはわかります。しかし、まず国会であった四人に、これぐらいはすぐ当たると。午前中で私一人当たったんですから、午前午後一人ずつ当たったって二日で済みますよ、こんなものは。それもやっていない。
 あなた、今、KSD関係者に聞かないとわからないと。私もそれはそのとおりだと思うんです、KSD丸抱えだったんですから。自民党豊明支部といったって、豊明支部、豊政連、KSDの三十年史を見ると、職員名簿に出てきますよ。自民党豊明支部、勤務先。豊政連、勤務先。KSD職員名簿に入っている。丸抱え。だから、KSDに聞くしかないんです。
 かぎ握る人物、二人いる。一人は現在の小山副理事長です。この方、私、会議録持っていますけれども、豊明会と豊政連の合同会議で、古関理事長当時と一緒に、どうやって幽霊党員集めるか、党員集めるか、会員集めるかと相談していますよ。この会議録に載っている。この人逮捕されていないんだから、これ直ちに聞くことができる。
 もう一人、かぎ握る人物がいる。それはKSD豊明会の経理部長をやっている方、河野道明という人です。この人、KSD豊明会の経理部長をやっているだけじゃないんです。豊政連の会計事務もやっているんです。四つの豊明支部全部の会計事務をやっているんです。一人で出し入れ全部やっているんですよ。金の流れに最も詳しいと。
 この二人には聞きましたか、じゃ。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 直接私がしているわけではございませんが、事務局からはそうした報告は受けておりません。
○筆坂秀世君 ですから、結局、四人の代表者にもいまだに当たっていない、KSDに聞かなきゃわからないから大変だと、KSDで一番詳しい二人にだって当たりましたという報告がないと。つまり、あなた、調査中だということを盛んにおっしゃるんだけれども、肝心なところを何も調査していない。一体何を調査しているんだろうと。
 我々が取り上げて一カ月、マスコミが取り上げてからだったら一カ月以上この問題というのはたっているわけですから、私は何でそこに行かないのかと。まともな調査をやれば幽霊党員の実態が浮かび上がってくるからですよ。村上正邦前議員、私の尋問に、自民党にはもみ殻党員というのがいるだとか、後援会員全部足せば人口よりも超えるとかということをおっしゃったけれども、まさにその実態が浮かび上がるから結局何も調べていない、そう言わざるを得ません。
 それで、政治資金収支報告を見ますと、千葉、埼玉、神奈川は九一年から豊明支部をつくっている。東京だけは、九一年、九二年、九三年は豊政連、九四年から豊明支部になっています。これ全部調べますと、九一年から九九年の九年間で、豊政連と自民党豊明支部が集めた党員の総計は五十三万九千六百三十三人になります。仮に年間党費四千円とすると、総額二十一億五千八百五十三万二千円が自民党本部、自民党都連、県連あるいは支部というところに入ったことになる。小山、村上両前議員が受け取ったわいろ、容疑ですけれども、今一億円ですよ。二十一倍の金が自民党に入ったということです。
 私、一番責任問われるべきは、もちろん二人の前議員も厳しく問われるべき。しかし、その二十一倍の金を受け取った、さっき一番最初に森総理いみじくもおっしゃった、党員集めをやったのはKSD、KSD豊明会だと、そこに聞かなきゃいけないということをおっしゃった。つまり、中小業者の掛金だということを総理も認識されている。それが二十一億円以上入ったんですよ。私は何でこんな重大問題をいつまでもそういうことを言うのかと。数十万、これは時間かかったってしようがないです。しかし、やれるところは直ちにやるべきじゃありませんか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 御指摘のとおり、KSDの資金そのものであるということであれば、これは我々としても大変ゆゆしき問題だというふうに認識をいたしております。ですからこそ、ここは慎重によく調査をしなければならぬと、こう思っております。
 しかし、そうした関係の書類も捜査上のことで恐らく残っていない、今のところは事務局にはないのかなというふうに思いますし、お話しのとおり、豊明会支部というのがKSDそのものだということであれば、そういう事態も予想されるわけでありまして、共産党さんはそうした形で調査機能を持っておられるようでありますが、我々も我々で事務局がそれなりの調査をいろいろやっているわけでありますから、それは我が党の調査でありますので、それ以上筆坂議員から責められても、その責めは一応私は受けますけれども、何もやっていないとか、やっていないということだけはおっしゃれないんじゃないでしょうか。我々としてもきちんと事務局でやっていると私に報告を今してくれておりますので、その成果を、結果を私も待っているということであります。
○筆坂秀世君 調査をやっているという報告しかないんですよ。中身何にもないですよ。
 私、委員長にお願いしたいと思うんです。私、さっき言いましたKSD小山副理事長、そして河野道明KSD豊明会経理部長、それから豊政連の経理もやっている、豊明支部の経理もやっている、本当にかぎを握る人物なんです。当委員会に証人として喚問していただきたい、このことをお願いします。
○委員長(岡野裕君) ただいま筆坂秀世君から要求のありました証人喚問の件につきましては、後刻理事会協議のことといたします。
○筆坂秀世君 次に、官房機密費、内閣報償費あるいは外務省報償費の問題について伺いたいと思うんです。
 まず、官房長官にお伺いします。
 松尾元外務省要人外国訪問支援室長に、彼が室長在任中に支払われた内閣報償費の総額は幾らで、それはまた何のための支払いだったのか、改めてちょっと確認しておきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 申し上げます。
 これは従来から答弁しているのと同じでございますけれども、まず今回の犯罪容疑の対象となったものは宿泊費ですね。内閣官房職員の規定分の宿泊費と、内閣官房職員、外務省職員及び他省庁職員の宿泊費差額を松尾元室長に渡しました。
 金額は、内閣官房職員の規定分の宿泊費は平成七年から十一年度分で約二千八百万円、それから宿泊費差額は内閣官房の報償費から支出されておりまして九億六千五百万円でございます。
○筆坂秀世君 次に、外務大臣にお伺いいたします。
 外務省が把握している限りで、松尾元室長が横領したという金額は幾らで、その使途は一体何だったのか。
○国務大臣(河野洋平君) 松尾元室長が横領をしたと、私どもの調査でその疑惑がございますのは五千四百万でございます。その使途は競走馬の購入と承知しております。
○筆坂秀世君 外務省の松尾室長に対する調査報告を拝見しましたが、あるいはその後の答弁を見ますと、第一勧業銀行に普通預金と定期預金の二つの口座があったと。で、この口座が公金、つまり内閣報償費、内閣官房機密費から受け取ったお金を入金する口座になっていた、そしてそこに不正蓄財を松尾元室長は行っていたということは間違いないですか。
○国務大臣(河野洋平君) 第一勧業銀行に二つの口座を持っておりまして、松尾室長によりますと、そこに公金を入れたというふうに本人が言っているということでございます。
○筆坂秀世君 我々が入手しました松尾元室長名義の第一勧業銀行の口座残高について、(資料を示す)これを見ますと、平成九年十月一日、競走馬購入直前というのが普通預金で約千二百五十万円、定期預金で約一千四百十万円、合計一億三千万円。平成十一年八月十六日、室長離任時が普通預金口座三千五百三十万円、定期預金が一億九千三百十万円、合計二億三千万円。そして、平成十二年十月三十日、これが普通預金口座三千三百三十万円、定期口座が約一億三千二百二十万円、合わせて約一億七千万円。平成十二年十二月二十七日は普通預金口座の残高しか確認されていない、四千三百七十万円ということになっています。
 私、外務省に伺いたいんですけれども、この平成十二年十月三十日ですね、約一億三千二百二十万円の定期預金がありますけれども、これは一口なのか、何口なのか、それぞれ幾らで入っているのかというのを報告していただきたい。
○国務大臣(河野洋平君) 今、議員が提示をされました金額は、議員がどこでどういうふうにお調べになったか、私にはよくわかりません。
 この数字は、そもそも三月一日に衆議院の予算委員会におきまして、民主党の議員、平岡議員から、松尾さんが離任したときの預金口座の残高とそして平成十二年十二月の時点における口座の残高を提示しろと、こういう質問がございまして、私どもは、この平岡委員の質問に対しまして、これらの数字は捜査上の問題もあると思うし、なおかつ本人のプライバシーの問題があるので御提示は御勘弁願いたいと、こういう御答弁をさせていただいたわけでございます。
 その後、予算委員長から、私どもに対しまして、予算委員会の理事会にだけ理事会限りでいいから見せろと、こういう御指示がございまして、私ども理事会に提出をさせていただいたものがその数字というふうに認識をいたします。
 この数字は、予算委員長に提出をいたしました折に、予算委員会の理事会において、本人のプライバシーの関係もあるので予算委員会理事会限りの扱いということにするというふうに私どもは聞いておりまして、したがいましてその数字が今こうして公表されるということは大変戸惑いを感じざるを得ません。
 この数字がどうしてそこにあるのかよく存じませんけれども、私どもはそうした数字をこうして公表をされてその数字についてコメントを求められても、このコメントは、今申し上げましたように、プライバシーの問題もございますし捜査上の問題もあろうかと考えて、コメントは控えさせていただきたいと思います。
○筆坂秀世君 これはとんでもないと思うんです。この平成九年十月一日、合計一億三千万円、これについてあなた方の調査報告書で何と言っていますか。
○国務大臣(河野洋平君) 今そこに提示された数字、ちょっと見せていただきたいと思いますけれども。
○筆坂秀世君 どうぞ。(資料を示す)
○国務大臣(河野洋平君) その中で公表されているのはその一億三千万以外にはないと私は思いますが。
○筆坂秀世君 だからどうなんですか。私が聞いているのはそうじゃないんです。
○国務大臣(河野洋平君) 違います。ですから、それ以外の数字は私どもは提示したこともございませんし、仮にその数字は予算委員会の理事会に提示をしたときに理事の合意で理事会限りという合意で提示をしたと。それは本人のプライバシーにもかかわるし、私どもが考えますのに、捜査上の問題もあるというふうに思ったからでございまして、それは理事会の合意だと伺っております。
○筆坂秀世君 何を言っているんですか。一億三千万円というのは外務省の調査報告で、それまでの入出金の経緯に照らしてすべて公金の蓄積であることが判明したと、こういうふうにおっしゃっているんですよ。全部公金でしょう。だったら、この中身、答えなさい。ましてや、これは税金の使い道の問題でしょう。内閣報償費を一外務省官僚が横領していたという問題じゃありませんか。ましてや、新聞にだって報道されてますよ。(発言する者多し)
○委員長(岡野裕君) ただいま質疑者質疑中であります。
○筆坂秀世君 新聞にだってちゃんと報道されている。何を言っているんですか。(発言する者多し)
○国務大臣(河野洋平君) もう一度申し上げますが、一億三千万という数字は既に公表をされた数字でございます。これは私ども犯罪容疑に絡む数字ということで私どもは公表しているものでございます。(「犯罪だからプライバシーじゃないじゃないか」と呼ぶ者あり)だから出したんじゃないか、一億三千万。(発言する者多し)
○委員長(岡野裕君) 閣僚諸兄は静かにしてください。
○筆坂秀世君 じゃ、伺いましょう。
 一億三千万円の、一億三千万円は全部公金だとあなた方おっしゃるんだから、じゃ一億三千万のうち定期預金は幾らで、その定期預金の口数幾らだったのか、これ答えてもらいましょう。
○国務大臣(河野洋平君) これらの問題については、現在、捜査当局が捜査中でございますから、私はここで申し上げることは控えさせていただきます。
○筆坂秀世君 何言っているんですか。残高示して、その口座口数が幾らで、それが幾らの定期預金だったのかと。それじゃ、あなた方、国会じゃ全然この問題真相究明できないということじゃありませんか。
 だめです、委員長、こんなもの。この程度のこと、残高出して何で内訳言えないんですか。しかも、全部公金だと言っているんですよ。公金の使い道何で我々が知ることできないんですか。何で国会が知ることできないんですか。こんなばかな話がありますか。
○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
○筆坂秀世君 それじゃ、さっき言いましたこのすべて公金だと認定された一億三千万ですね、これについて、幾らの口数でそれぞれ幾らの金額で、定期預金があるわけですから、特に定期預金について、何口で幾らの金額なのか、満期はどうなっているのか、これについて報告をしていただきたい。
○国務大臣(河野洋平君) 同様の御質問が衆議院でございまして、私どもとしては、本人のプライバシーの問題もあり、捜査当局のお考えもあるだろうというふうに考えまして、これをお答えすることを控えさせていただきましたところ、予算委員長から理事会に提出をすることでどうだというお話がございまして、私ども、予算委員長に提出をして、これはぜひ理事会限りにお願いしたいということを申し上げたところ、予算委員会では理事会限りということで提示をされたというふうに伺っております。
 この問題は、議員もよくおわかりのとおり、プライバシーの問題というものはやはりあると思うんです。そして、本人からそのプライバシーが本人の意思と関係なく公表されたということで訴訟をするということはあり得ることでございますから、私どもとしてはこの数字はお示しするわけにはまいりません。
○筆坂秀世君 ですから、一億三千万は全部公金だと認定されているんですよ。何でそれがプライバシーの問題になるんですか。一億三千万は全部公金なんですよ。国民の税金がそういう松尾個人の口座に入っていたんですよ。何でその中身を国会が知ることできないんですか。そんなばかな話はありませんよ。これじゃ国会はこの問題を真相究明できないということじゃありませんか。我々は何も刑事事件としてこの問題を究明しようというんじゃないんです。外交機密費、内閣官房機密費、これがどう使われているか、これが今大問題になっているんでしょう。これについて一切中身言えない、公金であっても中身言えないと、そんなばかな話はないでしょう。
○国務大臣(河野洋平君) 私は横領の容疑をかけられた人間をかばうつもりはございません。しかし、法律は法律でございます。法律は法律であって、本人が了承しないままに銀行の預金口座その他を公表するということはあり得ないことだということでございます。
○筆坂秀世君 これは本当に国民の血税が一体どこに行ったのか。それで、どういう格好で横領されていたのか、どういう格好で不正蓄財されていたのかという問題でしょう。それを何で我々が知ることできないのか、そんなばかな話ありませんよ。
 委員長、これは私、絶対納得できない。
○国務大臣(河野洋平君) 今申し上げたように、プライバシーの問題もございますし、さらにかてて加えて捜査上の問題もあるということで、衆議院では御理解をいただいて衆議院のお約束ということになっておりまして、それを参議院で幾ら筆坂先生の御主張であっても、私どもはその衆議院のこれまでの経過を考えればここで提示することはできないということはぜひ御理解をいただきたいと思います。
○筆坂秀世君 私、全く納得できませんけれども、じゃ質問の角度を変えます。
 さっき私、確認したように、少なくとも外務省としては松尾元室長が競走馬購入で五千四百万円横領したというふうにつかんでいるというふうにおっしゃった。それで、ここに入っている公金というのは一体何かといえば、さっき官房長官言われたように、首相が外国訪問されたときの宿泊費の差額が入っていると。宿泊費の差額というのは一年も二年も置くものじゃないでしょう。何でそれが定期預金になっているんですか。そんなばかな話ないでしょう。
 私、元銀行員なんですよ。今、短いものは一カ月もあります。長いものは十年もありますよ。定期預金というのは原則として満期が来るまで解約しないというものですよ。その定期預金が一億円単位で残っていると、しかもそれは公金だというんでしょう。そんなばかな話ないじゃありませんか。私、何で競走馬だけが横領なんだと。定期預金やってごらんなさい。普通、これ横領と認定するのが当たり前でしょうが。
○国務大臣(河野洋平君) いや、議員が銀行にお勤めだったということをおっしゃられたので、私は銀行員がこうした守秘義務というものを十分御理解いただけるというふうに思います。
 それはそれとして、それはそれといたしまして、定期預金になぜ預けたかと。普通預金と定期預金があれば、本来普通預金に預けただろうというふうにお思いになるのは、私も同じようにそう思います。これは、議員はあるいはお笑いになるかもしれませんが、私どももそうしたことに疑問を持ったんです。疑問を持ったんです。そうして確認を本人にしましたところ、定期預金の方がそのとき預けやすかったからだということを本人は言っているんです。(発言する者あり)いや、これは何とおっしゃられても、この場合は本人がそう言っているということを申し上げているだけであって、そのことが正しいか正しくないかということを私はあれこれ言うつもりはございません。本人に任意で事情を聞いております中で、本人はそう申していたということをここで申し上げているだけでございます。
○筆坂秀世君 ちょっとお話にならないと思うんですよ。定期預金の方が預けやすかった、ああそうだったのかと。そんなばかな話ありますか。普通は普通預金の方が預けやすいんですよ。
 じゃ、私、聞きますけれども、その定期預金の中に五年物とか十年満期のものはなかったんですか。これぐらい言えるでしょう。
○国務大臣(河野洋平君) まことに申しわけありませんが、専門家の前で申しわけありませんが、それはお答えを控えさせていただきます。
○筆坂秀世君 何で何年満期かということが答えられないんですか。
 五年満期とか十年満期はないんですね。それはどうなんですか。
○国務大臣(河野洋平君) お答えられないということは、今の御質問にもお答えすることができません。
 もう少し申し上げれば、松尾元室長が口座に、公金のすべてではございません、ある部分を入れた理由は、これを預金で金利を稼ごうとかなんとかということではなくて、口座にまず入れて、クレジットカードを使用したいということであったというふうに私どもはやりとりの中から推測をいたしているわけでございます。
○筆坂秀世君 これはもう全然答弁になっていないでしょう。だって、定期預金というのは、外務大臣だって不思議に思ったと、疑問に思ったというふうにおっしゃっているわけでしょう。ところが、理由は何ですか、定期預金が預けやすかっただけと。そんなばかな弁明でこれは横領と認定しないと。信じられないですよ。もし、五年物、十年物あってごらんなさい。まさか、五年後や十年後の首相の外交日程の金まで渡しているわけないでしょうが。横領と認定するのが当たり前じゃありませんか。それは結局、横領とも認定しない、認定したのは競走馬五千四百万円だけ。
 委員長、幾ら何だってこれすら言わないというんだったら、この問題は国会では審議するなと言っているのと一緒じゃありませんか。これは絶対納得できない。幾ら何だって侮辱していますよ。あんな答弁、許されますか、幾ら何だって。
○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
○筆坂秀世君 今、もう一回質問したらもう一遍答えられないという答弁があるということなんで、もう私は聞きません、同じ答弁を聞いても仕方ありませんから。
 ただ、定期預金というのは、五年、十年満期がこの中にもしあったとすれば、私、普通ならこれこそまさに不正蓄財の証拠だと、これこそ横領していると。これは何よりの証拠ですよ。だって直ちに支払う旅費でしょうが、言ってみたら宿泊費等は。宿泊費でしょう。そんなものを五年も十年もため込んでから払う、そんなばかな話はありませんよ。
 ところが、外務省は競走馬の五千四百万は認定したけれども、結局これは認定しないと。これは、これまで言われてきた外務省の報償費、機密費が内閣官房に上納される。そして、きょうの新聞を見たらまさにそうでしょう。水増し請求を彼がやる、そしてその一部を、その残りか一部か全部か大部分かどうか知りません、それを定期預金にしている。それを外務省自身が横領とも認めない。これは外務省が組織ぐるみでやっていると言われたって仕方がないでしょう。そうじゃないと言うんだったら、みんな明るみに出すべきです。
 あなた方に幾ら言ったって何にも証拠出せないんだから、あなたが幾ら弁明したってだめですよ。これは外務省の組織ぐるみだというふうに思わざるを得ないじゃありませんか。
○国務大臣(河野洋平君) 定期預金が即イコール横領というふうに認定をなさるのは少し議員も心が痛むのではないかと思います。この部分はまさに捜査上の非常に大事な部分だというふうに私どもは見ております。したがって、この部分については捜査の結果を待つということが適当だと考えてこうした報告書になったということを御理解いただきたい。
○筆坂秀世君 何も定期預金即なんて言っていないです。公金が定期預金になっている、それも宿泊費の差額がなっている、それはどう考えたっておかしいと思うのが普通だと。何でそこを外務省が、幾ら任意の調査か知らないけれども、ちゃんとやらなかったんだということを言っているんです。
 だから、それじゃ外務省も組織ぐるみだというふうに私は言わざるを得ない。国民の皆さんテレビ見たらみんなそう思っていますよ。当たり前でしょう。何も中身言わずにそうじゃありませんと言ったって、だれが信用しますか。もういいですよ。言いたかったらどうぞ、いいですよ。じゃ、どうぞ。
○国務大臣(河野洋平君) そこまでおっしゃられて、それでもういいよというのはちょっといささかと思います。
 私どもが、五千四百万競走馬を買った、これは公金の横領だというふうに認定をしたのは、五千四百万円分の競走馬の所有権が松尾何がしという個人の所有になっていて、これは明らかに私的なものを彼がそれで手にしたということが明らかになったからそういうことを言っているんだということはぜひ御理解をいただきたい。(発言する者あり)十年物か何年物か、まだわからないんじゃないか。そんなことを言っちゃいかぬよ。だめだよ、そんなことを言っちゃ。
○委員長(岡野裕君) 不規則発言はお慎みください。
○国務大臣(河野洋平君) そこはぜひ御理解をいただきたいと。(発言する者あり)
○筆坂秀世君 今、後ろからありましたね。松尾克俊名義の口座でしょうが。だったら、定期預金だって松尾克俊の所有物になっているんですよ、今は。(発言する者あり)何を言っているんですか。何で競走馬だけなんですか。そんなばかな理屈はありません。
 ともかく、いや、いいですよ、もう。わかりました、はい。そんな説明、全く通用しないでしょう、どう考えたって。もう余りこの問題ばっかりやっているわけにいきませんので、次へ移ります。
 もう一つ機密費の問題で、衆議院の予算委員会で志位委員長が「報償費について」という文書を明らかにしました。これは、外務省の報償費、機密費が官房に上納されていた、つまり財政法違反の行為があったということ、もう一つは国会が消費税導入やリクルート事件で揺れているときに国会対策として使われたということを示す、そういう重大な疑惑を示す文書であります。
 これはその後、マスコミなどでも筆跡鑑定を行って、そして、古川貞二郎現内閣官房副長官、当時内閣官房首席参事官の筆によるものだということが指摘されてきました。ところが、福田官房長官は怪文書扱いする。新聞報道を見ると、古川現官房副長官は、非礼だと。私、どっちが非礼だと。私、非礼と言うなら、きょうもここに古川官房副長官出席しなさいと出席要求しました。しかし、出てこない。
 私、本当に自分の書いたものじゃないんだというのであれば、何も出てきちゃいけないことないんですから、何で堂々と出てきてそのことを説明しないのか。これは官房長官に聞きたい。
○委員長(岡野裕君) 筆坂君に申し上げます。
 古川官房副長官がここに出てまいりませんのは、予算委員会理事会で決定をしたがゆえに私は出席を求めませんでした。
○筆坂秀世君 野党の皆さんは賛成されたけれども、与党の皆さんが反対されたというのでそれが実らなかったということは私も伺っています。
 ちょっと資料を配付していただけますか。よろしいですか、資料。
○委員長(岡野裕君) はい。
   〔資料配付〕
○筆坂秀世君 あなた方が古川さんが書いたものじゃないということを盛んにおっしゃるので、私自身が専門の鑑定士さんに筆跡鑑定をお願いしました。この方は、筆跡鑑定三十年の経験を持って、裁判などでもたびたび鑑定書を提出されている天野瑞明さんという方です。
 そこにお配りした資料の中にもありますが、「報償費について」という文書と、そして古川官房副長官の直筆の文書、これを鑑定していただきました。全部で十四文字について鑑定していただきましたが、きょうはそのうちの五文字についてパネルにしてきました。(図表掲示)
 このピンクの方が内閣官房の文書、グレーの方が古川氏の直筆の方です。「格」という字と「略」、「え」、「沿」という字と決定の「決」と御無沙汰の「沙」ですね。そして「す」と「た」、この五文字であります。この五文字についてどういうふうになっているかと。
 非常に長いものですから簡単に言いますと、例えば「格」と「略」について言いますと、第一画が明確でない、第二画が右肩上がりぎみである、第三画では筆送りの方向、長さかげんなどが共通している。例えば「す」で言いますと、第一筆目は長さかげん、右肩上がりであるという点が共通している、第二筆は完全な姿の旋回をしない、「す」のこの部分ですね、これが完全な旋回をしない、第三筆は比較的穏やかな状態で左斜め下に向かうなどが共通していると。これは鑑定文はもっと詳しく書いています。ごくごく大ざっぱなところで今言いましたけれども、そういう特徴があると。
 これが鑑定書の全文、本文ですけれども、これを見ますと、二十七項目にわたって比較検討がされています。そのうち二十六項目はすべて同じである、同じ特徴を持っていると。唯一、二十七項目のうち違うのは、内閣官房文書の方、「報償費について」という方は比較的ゆっくり書かれた、直筆の方はさっさと書かれたと。この程度の違い、これ一項目しかないんです。あとの二十六項目はこれは全部共通の特徴を持っているということです。
 それで、結論として次のように述べています。文字の形態や送筆画のそれぞれの流れの状況、また執筆時における筆先に加えられました筆圧の状態、さらには接画交差や折木状態などの現象や文字間隔、あるいはまた漢字の扁部と旁部で構成されます気宇の間隔の表現状態など、ほとんどの分析事項におきまして甲氏の筆跡と、こちらを甲、こちらを乙としているわけですが、乙氏の筆跡が共通する状態での表現となっております。「「鑑定に係る資料に基づき分析する限りでは、甲氏筆跡と乙氏筆跡は極めて同一人にちかい筆跡である。」との結論に到達する」というふうに結論づけているんです。
 あなた方、官房長官は、内閣官房のものじゃない、古川氏が書いたものじゃないというふうに否定されてきました。しかし、これは私が鑑定をお願いして、そしてこれは文字どおり同一人物だということがこの鑑定書は物語っているわけです。そうでないと言うなら、あなたの方で間違っているということを逆に証明する責任が生まれたんです。ちゃんと証明しなさい、それを。
○国務大臣(福田康夫君) あの筆跡鑑定書、分厚いのをいただきましたけれども、後でゆっくり拝見させていただきます。
 このもとの文書です、ここにございますけれども、コピーでございますね。共産党の方で独自に調査を、入手されたということで、衆議院の方でもそういうお話を伺いましたけれども、そのときもお尋ねしたのは、これは一体どこから入手されたかというその根拠ですね。それを私どももぜひ知りたいということをお願いしたんですけれども、ついにお答えいただかなかったと、こういう経緯がございます。
 それから、きょうもう一つ、その信書、手紙の文字ですね、ここにございますけれども、これも一体この文書をどこから入手されたものか、またこれ現物をお持ちなのかどうかですね。筆跡鑑定するにおいてもコピーのコピーのコピーみたいな文書でできるかどうか。その辺のことを私どももぜひ知りたいと、こういうように思っておりますので、御協力いただきたいと思います。
○筆坂秀世君 全然尋ねたことに答えていないじゃないですか。どこから入手しようと、そんなことは関係ないでしょう。あなた方は、示されたら、それが本物なのかにせものなのか、それをあなた方が証明する責任あるんですよ。どこから入手しようと関係ないでしょう。本物は本物なんですよ、どこから出したって。何を言っているんですか。全然答弁になっていないじゃないですか。否定するんですか、じゃ。否定する。しかも、あなた、コピーかどうかと。鑑定人がちゃんと鑑定しているじゃないですか。何を言っているんですか。
○国務大臣(福田康夫君) お示しくだすった資料がどれだけ信憑性があるかということが問題だと思うんですね。両方とも何だかどこから出てきたのかわからないものなんですね。
 ですから、私どもは、それはやっぱりきちんとお示しいただいて、いいかげんかどうかは知りませんけれども、そういう資料に基づいてこちらの方でやれということもちょっと言い過ぎなんではなかろうかと私は思っています。
○筆坂秀世君 何を言っているんですか。
 だったら言いますよ。あなたのところには古川さんの筆跡いっぱいあるじゃありませんか。山ほどあるでしょう、今だって。だったら、やりなさい、そこまで言うんだったら。だったら、本人の筆跡でやりなさい。当たり前じゃありませんか。こちらはちゃんとやっているんですよ。官邸には幾らでもあるでしょうが、現官房副長官なんですから。では、筆跡鑑定やりなさいよ。そして、筆坂の鑑定はおかしいと、あなたが持ってきたのはおかしいんだと言うんだったらそう言いなさいよ。何でそれやらないんですか。それやってから言いなさい。冗談じゃないですよ。幾らだってあなた方はできるじゃありませんか。何がいいかげんですか。だめだ、そんなことじゃ。ひど過ぎますよ。
○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
○筆坂秀世君 ですから、私が言っているのは、「報償費について」という文書、そして古川貞二郎氏の直筆の文書、この二つを専門の筆跡鑑定の方に鑑定してもらったら、これは同一人物だという鑑定結果が出た。何も官房長官に筆跡鑑定してくれと言っているんじゃないんです。そして、官邸には古川さんの筆跡いっぱいあるでしょう。いっぱいあるわけですよ。ですから、官邸で古川さんの筆跡とこの二つの文書と三つを専門の鑑定人の方に鑑定してもらえばいいじゃないですか。そうすれば、これは本当に古川氏の筆跡の文書なのかそうでないのかはっきりするじゃありませんか。これだけ問題になっているんだから。どこから出てきたか。どこから出ようと本物は本物だし、どこから出ようとにせものはにせものなんですから。だから、それをちゃんとやればいいじゃないですか。それを私は言っているんです。
○国務大臣(福田康夫君) 私、先ほど信憑性という言葉を使いました。その信憑性の中身を申し上げますと、まずこの文書、これは衆議院の予算委員会でも出た文書と同じというように理解いたしておりますけれども、ここに一枚ついておりますが、そのことも含めて、本人は明確に自分で書いたものでないと、こういうことを言って否定をいたしております。
 それからもう一つ、内容的にこういう文書の内容を裏づけるようなものは、私ども調べましたけれども、ございませんでした。報償費はそもそも官房長官の責任と判断で執行するものでございまして、当該文書に記載されているような詳細な内容を知り得る立場にある者は首席内閣参事官も含め官邸には存在いたしてないと、こういうことであります。
 ですから、もう一つ大事なところでございますけれども、そういうことを前提にして考えた場合に、私どもにそういうことを調べるそういう責任はないというように考えております。
○筆坂秀世君 これは竹下内閣から宇野内閣の引き継ぎのときに書かれた文書なんです。だから、こういう詳細なことが書いてあるんです。その理由はちゃんとあるんです。違うんだったら違うことをだから証明しなさいと言っているんです。何で鑑定やらないんですか、国会でここまで指摘されたんですから。
 私、委員長にお願いしたいと思うんです。私、何で筆跡鑑定ぐらいやらないんだと。やれば、ばれるからだというふうに思わざるを得ないですよ。
 かつて、一九七九年、ダグラス・グラマン疑獄というのがありました。国会でもこれ随分取り上げました。
 このときに、日商岩井の当時副社長だった海部八郎氏の書いたものではないかという海部メモというのが随分問題になったんです。これは本当に海部八郎氏が書いたものなのかどうなのか。
 当時、これは衆議院予算委員会で筆跡鑑定をやっているんです。三人の鑑定士に依頼をして、そして筆跡鑑定をやり、これが間違いないという鑑定結果も出ているんです。
 ですから、私は、この参議院予算委員会として、内閣官房に対して、古川氏の筆跡を提出してもらう、そしてこの委員会として専門の鑑定士に鑑定してもらう。事は内閣報償費、税金の使い道にかかわる大問題ですから、私は、参議院の権威にかけてもぜひこのことを委員長に真剣に御検討いただきたい、こう思います。
○委員長(岡野裕君) 筆坂君の要請に係る資料の提出及びそれに伴う行為につきましては、後刻委員会理事会に諮ることといたします。
○筆坂秀世君 これまで、内閣報償費、官房機密費については、野坂浩賢元官房長官だとか塩川元官房長官だとか、当事者から大変生々しい発言が行われてきました。国会対策に使っただとか、あるいはせんべつに使っただとかいう発言が出てきました。
 きょうの毎日新聞を見ますと、九八年十一月の沖縄知事選挙で、稲嶺惠一知事陣営に官房機密費が一億円以上使われたと、東京から那覇まで現ナマで運ばれたという重大な報道があるんです。
 私、これは本当に内閣官房機密費というのが、国の事務なんて言っているけれども、実は国会対策だ、せんべつだ、選挙対策まで使われていると。これはもう全く目的外の税金流用の何物でもないと。
 これ、一切明らかにしないようでは、自公保政権は本当に私は国民から愛想を尽かされてもしようがないということを、時間が参りましたから、指摘をして、私の質問を終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で筆坂秀世君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳です。
 私は、森総理に単刀直入にお伺いをいたします。
 一昨日の衆議院における森内閣不信任決議の否決で、森内閣は信任を得られた、信任をされたとお思いでしょうか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 昨日も、またけさも同趣旨の御質問がございましたので、申し上げます。繰り返すようで大変恐縮でございますが、御質問でございますので。
 月曜日では、連立三党によりまして、野党から提出されました不信任案を否決していただきました。これは、今景気回復を初めとして多くの課題を国会で御議論いただいておる大事なときでもございます。そういう意味で、いっときも政治的な空白をつくってはならぬということでそうした賢明な御判断をいただいたものであるということで、私は適切な結論を出していただいたと思って感謝を申し上げております。
 ただ、今いろいろ御議論がございますKSDを初めとして、一連の不祥事に対しまして国民の皆様方からのお怒りがあるということも十分受けとめておりますし、私個人に対する御批判も十分承知をいたしております。しかし、議会におきまして内閣が信任をされたということ、私はそのように不信任が否決されたということは内閣が信任されたというふうに理解をいたしておりまして、今、参議院でこうして予算を初めとして関連法案、さらに多くの諸案件も衆議院から送付されてくることになろうと思います。それぞれ内閣の責任者として責任を持ってこれをぜひ解決ができるように努力をしてまいりたいと、こう考えております。
○照屋寛徳君 各種世論調査によりますと、森総理あるいは森内閣に対する支持率はもう一けた台なんですね。そうすると、国民はもうとっくに森内閣を見放しておる、こういうふうにはお思いになりませんか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) これも、私の内閣、私個人かもしれませんが、低支持率であるということは十分承知をいたしておりまして、十分このことについては謙虚に受けとめなければならぬと考えております。
 ただ、そのことと、また果たすべき責任というものもございますから、それらのことについてぜひ御協力いただきますように、連立与党を中心としてそれらの具体的な施策をぜひ実現させていきたい、また野党の皆さんからも御協力を賜りたい、このように考え、こうした国会にも臨んでいるわけであります。
○照屋寛徳君 私は、国民は不信任だと思うんですね。国民は不信任、しかし国会は信任という、この民意との著しい乖離、これについては総理はどうお思いなんでしょうか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 支持率というのは、世論調査というのはある意味ではいろんな世論をお聞きするということであろうと思いますが、今、照屋先生、国会の中と民意と違うのはおかしいというような趣旨だったと思いますけれども、だとすると、国会はやはり国民の代表として選ばれてこられたその皆さん方で一つの結論を出されたということになるんじゃないでしょうか。
○照屋寛徳君 総理、現実問題として私は民意と国会の意思、森内閣不信任決議案の否決という、そこには大きな溝があり乖離があるというのは国民が思っていらっしゃると思うんですね。
 そうすると、森総理は、この不信任案の否決でもう森おろしなんてないんだ、森総理やめてほしい、退陣してほしいという声は今や党内でも国民の間でもなくなった、こういうふうな御認識ですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) それぞれ我が党の中にも、また連立与党の中にも、野党の中にもさまざまな意見があることは私は十分承知をしております。そうしたいわゆる政党の関係者の声と民意との間の乖離だということに、そういう御指摘かもしれませんが、これは正直申し上げて、私の家にも随分電話がございまして大変なんです、実は家内も頭が痛くなるほど。呼び出し音が鳴るだけでこれが正しい電話かどうかというのはわかりませんので一応出なきゃなりませんし、できるだけそういうことで留守電のテープもとっておるんですけれども、比率からいうと非難する電話は余りないんですよ。頑張れ頑張れという電話は随分多いんです。
 それからお手紙も、きょうも公邸へ私の家から届いてきましたが、ほとんど激励の手紙です。これもまた民意なんじゃないでしょうか。(「石川県からじゃないの」と呼ぶ者あり)石川県は一通もございません。余計なことをおっしゃらぬでください。ほとんど全国から参りますが、本当に頑張れよ頑張れよという激励の声が非常に、お手紙が多いようです。これもまた民意じゃないでしょうか。
○照屋寛徳君 総理の御自宅に届いた声が民意で頑張れというなら、頑張ってくださいよ。
 ところが、けさの新聞だと「森首相、辞意固める」と、そして自民首脳に伝えたと、側近にも伝えたと、こういうことでしょう。そうすると、どっちが総理の本心だろう。これは筆跡鑑定どころか総理の心理鑑定が必要になってきますな。真意はどうなんですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) これもけさほど申し上げましたように、新聞というのはいろんなこともお書きになる。それだけよく調査をされてお書きになったとは思いますけれども、私の側近とか私の周囲というのはどなたのことを言うのか。官房長官は側近なんでしょうね。後で官房長官にお聞きになっていただければいいと思いますが。
 まあ、その新聞は最初から、私が就任したときから私を批判していますから。ですから、そういう方向に持っていきたいという、そういう願望でお書きになったんじゃないでしょうか。
○照屋寛徳君 それでは、側近中の側近である官房長官、どうですか。辞意の表明の御相談はありませんでしたか。聞きましょう。
○国務大臣(福田康夫君) ひとつこれからも頑張ろうという、そういう不信任案後のお話は伺いました。
○照屋寛徳君 総理から政治空白のお話がありましたが、私は、この森内閣が続くこと自体が今や外交を含めて政治の空白を生ぜしめていると思いますよ。
 お伺いをいたしますけれども、もし新聞報道のとおり、近々にでも辞意表明されるということになりますと、参議院に対する、予算委員会に対する私は冒涜だと思うんですよ。本当に、ではやめないんですね。続けるんですね。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 誠心誠意、今この予算委員会に臨んでおるということを申し上げているわけです。
○照屋寛徳君 誠心誠意、臨むのは当たり前なんですよ。途中で投げ出したら、これは参議院を軽視したことになりますよ。どうですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 衆議院でもそうした国会としての御意思が出たわけですから、参議院でもぜひ御支援を賜りたいというふうにお願い申し上げておきます。
○照屋寛徳君 それでは、保守党から入閣をしておる扇党首、それから公明党から入閣しておられる坂口労働大臣にお伺いいたしますが、これからも異論なく森内閣を支えていかれるんでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 大変いろんな新聞をお出しになって、お話を伺っておりまして、私どもはどの新聞にもどのマスコミにも影響されないで、衆参の先生方にお選びいただき、また国民を代表する皆さん方に私どもは森内閣の信任を一昨日いただいたわけでございますから、少なくとも二百七十四票と百九十二票と比べればどっちがどうかということを見れば歴然でございまして、私たちはきちんと衆議院の中で信任されたと思い、森内閣が信任されて、私たち保守党は連立内閣の保守党としてはきちんと連立を守っていく。
 また、私個人としては、国土交通大臣は森総理に任命されましたので、私はきょうも朝から国土交通大臣としてきちんと皆さん方に誠実にお答えしております。
○国務大臣(坂口力君) 私は、森総理に任命をされた一閣僚でありますから、最後の最後まで森総理と懸命に努力をするというのが私に課せられた任務であると思っております。
○照屋寛徳君 扇大臣が大きな声で答弁してもむなしくしか聞こえませんな。あなたは、もうとっくに後継総理のことまで言及しておられるんでしょう。それでそんな答弁じゃ国民は納得しませんよ。
 では、次にえひめ丸のことをお伺いいたしましょう。
 冒頭、私は、えひめ丸の関係各位に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 そこで、二月九日のえひめ丸事件後、政府がとった対応、対策についてお伺いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) 政府といたしましては、あの悲劇的な事故以来、一貫してアメリカに対しまして、この事故によりますえひめ丸の乗組員の方々に対する責任というものをアメリカ側に伝えておりまして、アメリカ側からは、大統領を初めそれぞれのチャネルで、まことに遺憾であったとおわびの言葉が私どもの方に届いております。
 私どもとしては、繰り返して申し上げるようでございますが、これまでの間、アメリカ側に対しましては、乗組員の捜索、それから船体の引き揚げ、さらには事故原因の徹底究明、そして補償に至るまでアメリカ側の誠意ある行動というものを求めてきたわけでございます。
○照屋寛徳君 昨日から査問会議が始まりました。ニュースを聞いておりますと、本当に腹立たしい思いであります。グリーンビルの緊急浮上訓練が、まるで見せ物、そのために重大な事件に、事故に発展をした。行方不明者の家族を含めて、私は本当にこれはもう耐えられないなと、胸が張り裂ける思いであります。
 えひめ丸の早期の引き揚げを含めて、総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 先ほど外務大臣も申し上げましたように、今その査問委員会というんでしょうか、審問委員会というものも伺いながら、我々もやはり胸が痛む思いもいたしておりますし、事故が起きましたその日に、政府としましては、桜田外務政務官を私は直ちに河野大臣と相談をして現地に赴かせました。
 その理由は、政府側としての、日本側の強い抗議、またその強い意思を伝えなきゃならぬということと同時に、向こうにおられる、ホノルルにおられる御家族の方々、その日の夜のうちに行かれるという報道でございましたから、あるいはまた救出された方々もおられるわけですから、桜田外務政務官には、どうぞその人の立場に立ってアメリカ側とその責任者として交渉するようにという指示をして、それ以来ずっと今日までそういう姿勢を絶えずとってまいりました。望月外務政務官を行かせたのもそれでありますし、途中で衛藤副大臣を赴かせたのもそうでございます。できれば河野外務大臣にも行っていただこうと思いましたが、御承知のように、ちょうど大事な予算委員会を控え、衆議院でその審議をいたしておりましたので、そういった意味では大臣を行かせるということはできませんでしたが、政府としてはあらゆるチャネルでそのことを伝えてまいりました。
 そういう意味で、この深海に沈没しておりますえひめ丸を救出するということについても、むしろ日本側の強い意思、政府の強い意思によってアメリカ側も動いたというふうに私は判断をいたしております。
 それは、桜田政務官が現地から翌日、翌々、十一日でした、十二日でしたね、朝早く私の家に、日本時間で早く電話をかけてくれまして、そして御父兄の皆さんは、もちろん沿岸警備艇によって救出、そして捜索は続けてほしいが、同時に沈んだ船についてぜひそれを見てほしいと、そのときはまだ引き揚げるとかいうことじゃなかったですけれども、とにかく船の様子をよく見てほしいというのが御家族の皆さんの気持ちですと、そういうふうに桜田さんから電話がございまして、直ちに私は町村文部科学大臣に指示をいたしまして、アメリカにはそういう技術はあるかないかわからぬが、日本には深海を探査できる船があるはずだから、それを直ちに送るように現地に言えということも指示をいたしました。
 そうした、一つ一つ、先手先手という言葉がいいかわかりませんけれども、日本側のそういう政府の強い意思をアメリカ側に絶えず続けてまいりました。そうしたことが、沈没船をどういうふうな形で引き揚げられ得るかということの調査にも入ったと思っておりますし、この間は海軍大将もお見えになりましたときにももう既に、また既にブッシュ大統領からお電話がありましたときからも、その補償の問題、そうした問題にもしっかり取り組むように、こうしたことも強く政府側に申し入れてまいりまして、こうした事件について、本当に遺憾なことではございますし、胸も痛むことも多いわけでありますが、政府としてはできるだけ早目早目にそうした問題に手を打ち、絶え間なくアメリカ側政府に対していわゆる注意を喚起しながら交渉を進めてきたということをぜひ御承知おきをいただきたいと思います。
○照屋寛徳君 このえひめ丸の事故では総理の対応が随分衆議院でも話題になりました。論議もありました。私も、事故報告を受けて直ちに官邸に戻らないでゴルフを続けておったという総理の行為は許しがたいというふうに思っておりますが、きょうはこの問題に絡んで、ゴルフを続行した問題に絡んで、ゴルフ会員権の問題が明らかになりました。
 総理は、今でもこのゴルフ会員権問題、合法的でかつ適法である、適正であったと、こういうふうにお思いですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) ゴルフ会員権は私のものではございません。
 もう十六年ほど前でございまして、我々、一緒にゴルフを誘ってくださる仲間たちがいて、その中の一人が、自分の会社に二つ持っておるので、一つはいつでもお使いになって結構ですからそのようにしておきましょうということですから、そういう、私もまあ健康上の理由から、そうしたことを配慮してくださった御好意に甘えました。しかし、このことが誤解あってはいけないし、そんなことをしながら会員権を自分のものにしてしまったと思われても、たとえ親しい友人であってもいけないわけですから、その二人の中には、そういう約定書をきちんと書いておきましょうと、届けておきましょうと、双方持っていましょうということにいたしました。そして、会社側も、それは会社の資産ですという届け出もきちっといたしております。
 当然、そのプレー代でありますとか毎年毎年の会費がございますから、それも当然私が支払っておりまして、そういった意味では、いわゆる確定申告等するときにも、あるいは政治資金の報告をするときも、一応私は税理士には必ず相談をいたしておりますが、問題はないというふうに指導を受けてまいりました。
 ただ、総理になってそのことを忘れておりまして、それを持っておったということについては確かに御批判があるかもしれませんので、こうしたことでもございましたので、今お返しをし、お返しをするといいますか、使用ができ得るその権利をお返しをするように今手続をするようにいたしております。
○照屋寛徳君 名義書きかえ料は総理がお支払いになったんですね。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 当然支払いました、私が。
○照屋寛徳君 宮澤大臣にお伺いをいたします。
 私は一般論じゃなくして具体論として、名義書きかえ料を支払い、正会員として登録され、そして正会員の料金でプレーをする。そういう実態を踏まえて、この場合でも別途、覚書があるから贈与税その他の税金を払わぬでもいいと、こういうことになるんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一般論は御存じでございますから、申し上げません。
 それで、資産の取得の経緯、あるいはその後の管理の状況から贈与の事実がないということが確認されれば、それは課税は起こらないということであります。
○照屋寛徳君 私は一般論をお伺いしているんじゃないです。総理の具体的なケース、今、私が申し上げた要件を満たしている状態ではどうなんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 個人の具体的な課税の問題はこれはプライバシーの問題でございますから、申し上げません。
○照屋寛徳君 これをプライバシーの問題だとして答えられぬということになりますと、これはえらい問題ですよ。これだけ明るみに報道されて、こういうことで私は税金を免れるのであれば税金を払う人はいなくなっちゃいますよ。
 さて、続けますが、KSD疑獄事件と自民党についてお伺いをいたします。
 前参議院自民党幹事長であり同会長であった村上正邦前議員が受託収賄容疑で逮捕されました。まさに、天網恢々疎にして漏らさずであります。村上前議員は森政権の生みの親ともいうべきお一人であります。総理はどういうふうに受けとめておられますか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) たびたびこの件につきましても御質問がございますので申し上げておりますが、今回のKSD事件に関連をいたしまして我が党所属議員から二人もの逮捕者を出したことにつきましては私としても大変遺憾でありまして、極めて深刻に受けとめております。
 また、党の重要な役職を担っておられた方でもございますので、党としてもその責任を重く受けとめておりまして、私も党の現総裁として国民の皆さんにも、また皆様方にも心からおわびを申し上げている次第でございます。今後は、司法当局で捜査によって今徹底的に真相究明が行われているわけでございます。国民の前に真相が明らかにされていくべきものであると、こう考えております。
 しかし、真相究明というものも、また一方ではそうした司法では進められていくわけでございますが、党としても今回の事件というものを教訓にしながら、党内の仕組み、また見直しも含めて思い切った党改革をやらなければならぬということで、幹事長を初め今、事務当局にはそう指示をいたしておるところでございます。
 私といたしましても、改めて政治倫理の確立、政治信頼の回復、このために全力を挙げてこの問題に取り組んでいかなければならない、このように考えております。
○照屋寛徳君 私は、このKSD疑獄事件というのは、単に小山前議員、村上前議員の問題だけじゃないと思うんですね。これは議論されている幽霊党員の問題を含めて自民党の責任は大きいというふうに言わざるを得ません。
 そこでお伺いいたしますが、KSDから小山、村上前議員の分として約六十三万人分の党費十五億六千万円が渡ったのではないか、こういうことが言われておりますが、この問題については自民党の総裁としてどのような対応をしておられますか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) これも先ほど筆坂議員からの御質問もございましたし、各党の皆様方からもこれに対する御質問がございます。
 今、六十五万人の党員があって、それがすべて何か不正なものであるように、そういうようなお感じで御質疑がございましたけれども、私どもとしても今その調査をいたしておりますけれども、それぞれの支部、これはそうした職域的な団体の支部もございますし、あるいはそれぞれ都道府県あるいはまた地方、市町村に分けた支部もございます。そして、これがまた、衆議院の方も新しい選挙制度によりまして、衆議院の議員あるいは候補者、我が党の所属公認候補者はすべてこれは支部を持つということになっております。
 したがいまして、かなり下部といいましょうか、現場ではふくそうしているケースが非常に多うございます。KSD議員だというふうに承知をして電話をいたしましても、そうではなくて、その地区の都会議員であるとか、東京都の場合ですよ、区会議員の党員として入っているという意識を持った方もおられるわけです。ですから、六十万と、こうおっしゃいましたけれども、正直申し上げて何百万でございますので、そういう電話を今すべて早くやれといってもなかなか難しゅうございますが、鋭意事務局ではそうしたことを今進めておるわけでございまして、その結果を待って私としても対処しなければならぬと、こう思っております。
 ただ、そうはいうものの、そういう調査を待たなくてもやり得ることはたくさんございますから、例えばいわゆる比例代表にノミネートといいましょうか、登載される条件が例えばございました。そういうものはもうこれでやめた方がいいだろうということで直ちに廃止をすることに、これは党内のことでございますからいたしましたり、あるいは、これを調査をしていくために党内に政治倫理審査会というものをつくろうということで、既にございましたけれども、このことを正式に昨日スタートをさせたというふうに党の事務局からも報告を受けておりまして、今後とも、こうしたことについて国民の皆さんからおしかりをいただいているということを十分に受けとめながら党の改革に全力をもって当たっていきたいと、このように考えているところでございます。
○照屋寛徳君 ここに自由民主党の入党申込書を持ってまいりました。私は、この申込書で、今指摘をされている幽霊党員の問題、村上前議員がいみじくももみ殻党員と言った、そういう架空というか実体のない入党手続については、今、総理はやっておるんだと言いますけれども、どこまで具体的に進んでいるのか、本気にやっておられるのか、どうも納得しがたいんですね。
 どうして、こういうものがあるのに、そんなに遅いんですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 党の事務局また幹事長を初め、この問題をできるだけ早く調査をしなきゃならぬということで誠心誠意やっております。
 先生から、議員から、なぜ遅いのかとか、なぜ早くやらぬのかと、こう言われましても、これは我が党の問題でございますから、我が党で確実に調査をいたしておるということでございます。
○照屋寛徳君 我が党の問題だ、口出しするなとおっしゃりたいんでしょうけれども、それでとても国民が納得すると思いませんよ。
 KSDの疑獄事件というのは、まさに今不景気が長引いて苦しんでいる、その中小企業者の皆さん方がせっせと積み立てた共済掛金なんです。そのことを総理はぜひ、しかと受けとめていただきたいと申し上げておきたいと思います。
 ところで、警察庁にお伺いいたしますが、この入党申込書、幽霊党員の問題、これはいろいろ国会で議論されておるんですが、具体的な告訴、告発がなくても、警察庁として捜査の端緒を得たと、こういうことで具体的な捜査を進めておられるんでしょうか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 私の方ではKSDの関係、直接捜査ということで関与しておりませんので、答弁は差し控えさせていただきます。
○照屋寛徳君 それじゃ法務大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 具体的な捜査機関の捜査活動の内容についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○照屋寛徳君 このKSDの問題、幽霊党員の問題に絡んで、ある市民から土井党首にあてた手紙の写しを、私は党首と御本人の了解を得て持ってまいりました。
 広告会社を経営している人でありますが、これは直接村上代議士から依頼をされて、この自民党の入党申込書七千人分を請け負って偽造した、あるいはその書きかえをした。こういうひどいことをやって、自分は今良心がとがめておるんだという方がおるんですね。
 だから、私は、この問題はぜひ一刻も早く自民党として責任を持って解明されるように強く求めておきたいと思います。
 それで、総理、財団法人国民政治協会と自民党はどういう関係にあるんでしょうか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 自由民主党が指定をいたしております、いわゆる政治資金規正法によります我が党への政治資金を処理いたします団体で、指定団体であります。
○照屋寛徳君 この自由民主党唯一指定の政治資金管理団体であります国民政治協会に、一九九八年、古関さんから五千万円の献金があったかどうか、総務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(片山虎之助君) 平成十年の財団法人国民政治協会の収支報告の中には、古関さんの名前はありません。
○照屋寛徳君 総務大臣、政治資金規正法では、原則として個人からの寄附五万円以上は、これは住所、氏名をもって報告する、そういう仕組みになっていますね。
○国務大臣(片山虎之助君) 御指摘のとおりであります。
○照屋寛徳君 総理、国民政治協会に献金されたお金は、ほとんど丸ごと自民党に渡るんではありませんか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) もちろん、自由民主党の資金管理団体でございますから、厳密に言えばそういうことになるかもしれませんが、国民政治協会もまた運営をするという経費もあるわけですから、すべてが、全部丸ごと自民党に入るということではございません。
○照屋寛徳君 この国民政治協会のパンフレットによりますと、自民党を支援していただくために国民政治協会に入ってくださいと、これ自民党を支えておるんですと、こういうふうなことを言っているんですね。いずれ明らかになるんでしょうけれども、国民政治協会に古関さんが五千万円寄附をした、それが自民党に渡ったということが明らかになったら、どのような処置をとられるんでしょうか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 本件につきましては、新聞等にも報道がございましたので、党といたしましては調査をいたしております。
 国民政治協会は、今申し上げましたように、政治資金規正法に基づく自民党の政治資金団体ということで指定をされている財団法人であるということでございます。したがって、広く一般から会費を集めまして、人件費等の経常経費も賄っているというふうに承知をいたしております。
 今、御質問がございました、御指摘がございました五千万円の件につきましては、党において国民政治協会に照会を、問いただしたということですね、調査をした、照会をいたしましたところ、平成十年に古関氏から個人会費として五千万円を受領し、領収書も発行いたしたということでございます。しかしながら、平成十年の同協会の収支報告書におきまして、事務処理上の手違いによりまして個人からの会費収入を寄附の項目に合算をして記載してしまったと、このような報告を受けております。
 したがいまして、その後のことにつきましてお聞きをいたしましたら、同協会は、今回の事件で古関氏が背任横領容疑で逮捕されたということで、そういう事態を重要視いたしまして、当該会費を既に自主的に法務局に供託をしてあると、このような報告を受けております。
○照屋寛徳君 私は、その五千万をうっかりという国民政治協会の弁明もこれはにわかに信じがたいのでありますが、いずれにしろ法務局に供託をしたと、こういうことでありますが、そうすると、古関さんは国民政治協会の会員だったんでしょうか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) それは私は承知をいたしておりません。そこまで調べておりません。
○照屋寛徳君 そのことは、国民政治協会が自由民主党唯一の政治資金管理団体でありますから、大事なことでありますから調査をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 国民政治協会は、大変長い、古くから我が党のためにそうした浄財を集めてくださる大変私どもにとりましてありがたい資金団体でございまして、大変な御努力をいただいているわけでございます。ですから、私どもとしては、党として協会にいろんなことを問い合わせるということしかございません。
 直接私どもはお調べをするということはできないわけでありますが、今御指摘がございました古関さんが会員であったかどうかということは調べておきたいと思います。
○照屋寛徳君 それでは、報償費、いわゆる機密費のことについてお伺いいたします。
 まず、官房長官、外務大臣、平成十二年度と十三年度の内閣官房と外務省の報償費、いわゆる機密費の予算についてお教えいただければ。
○国務大臣(福田康夫君) 平成十二年度当初予算において、十六億二千四百五万八千円を計上いたしております。
 現在御審議をお願いいたしております平成十三年度政府予算案、昨年度と同額の十六億二千四百五万八千円を計上いたしております。
○国務大臣(河野洋平君) 外務省の報償費は、十三年度の予算、お願いをいたしております予算で五十五億七千万円をお願いいたしております。
○照屋寛徳君 官房長官、この松尾元室長に渡ったとされる九三年八月から約六年間の内閣官房機密費の額と支出内訳をお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) これは七年から十一年ですね、内閣官房職員の規定分の宿泊費、約二千八百万円、これは平成七年から十一年でございます。それから、宿泊費差額は、九億六千五百万円の内閣官房報償費が宿泊費差額として支出をされております。これは年数は平成五年から十一年でございます。
 内訳は、対象は先ほど申しました内閣官房職員の規定分の宿泊費、そして内閣官房職員、外務省職員及び他省庁職員の宿泊費差額と、こういうことになっております。
○照屋寛徳君 外務大臣にお伺いをいたしましょう。
 松尾元室長を業務上横領で告発をしたということでありますが、まずその告発事実をお教えください。
○国務大臣(河野洋平君) 松尾元室長は、内閣官房から総理大臣の外国訪問のために必要な金額を受け取りまして、それをその目的に使わなかったという疑いがございまして、私ども調査をいたしましたところ、同人が公金を預けたとする第一勧業銀行の口座がございまして、その口座を集中的に調査をいたしました結果、少なくとも五千四百万円の業務上横領の事実を特定し得たと判断をして告発をいたした次第でございます。
○照屋寛徳君 そうすると、外務省の認識としては現段階でいわば被害額は五千四百万だと、こういうことなんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 外務省の捜査、調査の能力からいたしまして、なおかつできるだけ早急にこれを告発して捜査当局によって全貌を解明していただきたいという気持ちから、調査可能な口座に絞って調査をした結果、ただいま申し上げました五千四百万円という金額を特定したわけでございますが、私どもが持ちます感触といたしまして、この金額はこれでとどまるというふうには思っておりません、さらに大きな額になる可能性があるのではないかという感触を持っております。
○照屋寛徳君 それで、被害額の件は今よくわかりました。
 その被害を受けたのはだれなんですか、どこなんですか。外務省ですか、内閣官房ですか。
○国務大臣(河野洋平君) 横領された金額は内閣官房の金額でございますから、被害は内閣官房の報償費がその被害に遭ったというふうに私どもは承知をしております。
○照屋寛徳君 この件について、官房長官、内閣官房として告発をしなかった理由はどういうことなんですか。
○国務大臣(福田康夫君) 外務省から被害届を出したわけであります。それで、外務大臣から、総理外国訪問に関し内閣官房において支出した経費について外務省職員による業務上の横領があったという調査報告ですね、そしてこれに基づき告発を行ったと、こういう報告を受けたわけでございます。その外務省の調査報告のとおりであれば、内閣官房の資金に被害が生じているおそれがあるということでございまして、その旨の届けを、我々の方はこの被害届を警察に出したと、こういうことになっております。
○照屋寛徳君 告発しなかった理由を聞いている。
○国務大臣(福田康夫君) それは、告発をするべき犯罪事実が内閣官房では把握できないと、こういう事情があったからでございます。
○照屋寛徳君 外務省が告発をして、被害届は内閣官房が出す、どういうことなんですか、これは。官房長官。
○国務大臣(河野洋平君) 実は、十二月の二十日過ぎ、二十日前後だったと思いますが、外務省の元要人外国訪問支援室長でございました松尾某が、捜査当局から事情聴取を受けているということを本人が申告をいたしまして、そこで私どもも、外務省としてその調査をするということになったわけでございます。
 一月四日、私の指示で調査委員会をつくりまして、外務省内で調査をいたしまして、先ほど申し上げたような五千四百万という金額を特定したわけです。
 これは、横領に遭った金額、遭ったと思われる金額は内閣官房の金額だと私は思いますが、その横領をしたと思われる人物は外務省の職員であるということでございまして、外務省内での調査をいたしました結果、外務省が告発をしたということでございます。
○照屋寛徳君 外務大臣にお伺いいたしますけれども、この報償費、機密費と言われるのは、これは国民の血税なんですね。しかもそれが、松尾何がしかによって競走馬を買っておった、マンションを買っておった、ゴルフ会員権を買っておった。しかも、馬にアケミボタン、アケミダリア、アケミタンポポという名前すらつけておった。これは、もう納税者である国民からはたまらぬですね。
 外務省は、本当にこの国民の血税なんだという御認識を持っておられるんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 議員から御指摘をいただくまでもなく、私どもといたしましては、この公金、すなわち国民の皆様方の税金を本来の目的に使うことなく私的に使用したということについては、納税者の皆様方にはまことに申しわけなく、心からおわびを申し上げる次第でございます。
 そして、こうした流用をしたと思われる人物は元室長でございますけれども、元室長のこうしたことを六年にわたってチェックできなかったそういう組織それ自体につきまして、私としてはまことに恥ずかしい限りと言わざるを得ません。人事につきましても、また組織のあるべき姿にいたしましても、これだけの公金をお預かりをするということになれば、それなりに二重、三重のチェックが必要であったということはだれでもわかることだと私は思います。
 こうしたことが放置されたということは、まことに何と申し上げていいか、もう私自身責任を痛切に感じておりますし、また私自身もう本当に驚きといいますか、怒りすら覚えるこの問題、事件でございます。
○照屋寛徳君 この機密費問題は、上納問題を含めて多岐にわたりますので、また次の機会にやらせていただきたいと思います。
 それでは、緊急な問題でありますが、去る三月二日、沖縄県警が米兵の家族、少年を建造物損壊等で逮捕しました。この事件の経緯、現在わかっている段階の経緯を詳細お知らせください。
○政府参考人(五十嵐忠行君) お尋ねの事件は、昨年の十二月二日未明でございますけれども、沖縄県読谷村におきまして自動車が盗まれた後、その車が名護市内の衣料品店に突っ込み、出入り口ドアや商品の衣類等を損壊させたという事件でございます。
 この事件で沖縄県警察におきましては、被疑者として米国人の少年三名を割り出しまして、このうち二名を三月二日に窃盗、建造物損壊、器物損壊で通常逮捕したところでございます。
 なお、未逮捕の一名につきましては既に米国に出国したとのことであり、現在、身柄確保に向け米軍捜査機関などに対し働きかけを行っているところでございます。
○照屋寛徳君 この主犯格の犯人、米国に逃げているようでありますが、引き渡しは求めますか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 沖縄県警察におきましては、米軍捜査機関や少年の両親に対しまして所在確認についての協力要請を行うとともに、少年の出頭を促すなど、この少年の身柄確保のための働きかけを行っているものと承知しております。
 沖縄県警察といたしましては、その状況いかんによっては、日米逃亡犯罪人引き渡し条約に基づき、被疑者の引き渡しを求めることについても検討していくものと承知しております。
○照屋寛徳君 それでは、外務大臣と衛藤副大臣にお伺いいたします。
 沖縄県議会や市町村議会で日米地位協定を抜本的に改正せよ、こういう決議がなされております。そのことについて外務大臣、それから衛藤副大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(河野洋平君) 昨今の基地周辺におきます連続して起きております事件、事故を考えますと、私も、こうした事件、事故がどの時点でどういう方法によってこれをなくすことができるかということに心を痛めているわけでございます。こうしたことから、私は先日、沖縄にも参りまして沖縄の皆さんの御意見も伺ってまいりました。
 それはそれとして、今、議員のお尋ねの地位協定の問題についてでございますが、私は、現在、地位協定の改定というさまざまな御意見がある中で、運用の改善によって一つ一つの問題を機敏に対処するという方法がとれるなら、それが一番よろしいと。しかし、もし運用の改善によって対応ができない、具体的に問題の解決ができないということであるならば、地位協定の改定も視野に入れて考えなければならぬというふうに考えておりまして、これは衆議院の予算委員会でも申し上げましたし、沖縄に参りましてもその旨申し上げましたし、戻りまして国会でもそうした発言をいたしました。私のこの気持ちは一貫して全く変わっておりません。
○委員長(岡野裕君) 衛藤外務副大臣、こちらへどうぞ。
○副大臣(衛藤征士郎君) 照屋寛徳委員にお答えを申し上げます。
 この日米地位協定でございますが、御案内のとおり、日米地位協定といいますけれども、正確に言いますと、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定でございます。これを我々は日米地位協定と言っているわけでありますが、この日米地位協定の問題につきましては、既に森総理大臣及び河野外務大臣から国会におきまして、ただいまも外務大臣の御答弁のとおり、まず閣議決定にありますとおり、運用改善によって個々の問題に機敏に対応することが重要であると、こういうことでありますし、また、今、大臣の御答弁のように、それが十分効果的でない場合には、相手もあることですが、地位協定の改正も視野に入れておると、このように大臣がかつて答弁されたということは御案内のとおりであります。
 先般、外務大臣から、この地位協定の中で運用改善の分のその他の特定の場合の明確化を米側と協議するようにという指示がございまして、御案内のとおり、おおむね二週間に一回、日米合同委員会は開催されておりますから、近々の日米合同委員会でこの問題につきまして早速協議が始まると、かように考えております。
 ただ、大臣の御指摘のとおり、運用改善というものにはもし限界があるとするならば、運用改善で乗り越えられない壁があるとするならば、それは大臣の御答弁のとおり、日米地位協定の改正も視野に入れておられると、こういう立場であると思いますし、私もそういう考えであります。
 既に戦後五十六年たちました。また、この日米地位協定、国会承認後四十一年たっておるわけでありまして、御案内のとおり、冷戦構造の崩壊、激変もございました。すべてこういうときにありまして、日米同盟、また我が国の外交の基軸は言うまでもなくこの日米同盟にあります。日米のフルパートナーとしての私どもの日米関係をこれから構築していく上にも、この日米地位協定のことについては、大臣が御示唆されたとおり、まずは運用改善、そしてそれに限界があるとすれば改正も視野に入れられると、こういう立場を私もとっております。
 以上であります。
○照屋寛徳君 私は、この日米地位協定は、我が国の主権の視点、そして国民の人権の視点、環境や平和の視点で抜本的に見直す時期に来ていると思います。外務大臣は、まだまだ運用改善で済むと、こういう御認識なんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 日米間には基地の問題でいろいろな問題がございます。
 確かに、おっしゃるように、時代も変わり、周辺住民の方々の要求も、新しい要求が出てきた分もありましょうし、強い要求になったものもあると思います。
 例えば環境問題がそれでございます。この環境問題につきましては、昨年の2プラス2におきまして米側に問題提起を私どもからいたしまして、日米が共同して環境問題の解決に当たるという合意ができました。また、基地内に、非常の場合でございますけれども、基地内の通行に関する合意もできてきていると。
 議員からごらんになれば、ささいなことではないかとあるいはおっしゃるかもしれませんけれども、一つ一つ必要な問題に注目をし、先方と協議をして問題を解決しつつ前進を図っておるわけでございまして、私としては、先ほど来御答弁を申し上げている気持ちを持ってこれからもアメリカとさまざまな場面で議論をしていきたいと思っています。
○照屋寛徳君 それでは、最後は優しいジュゴンの話で、大臣、まとめたいと思います。(資料を示す)
 環境庁長官にお伺いをいたします。
 私は、二十一世紀の新しい時代のキーワードは環境だと、環境大臣、地球環境との共生が人類の最大の課題であろうと、こういうふうに思います。今や、ジュゴンを保護せよと、これはもう国際的な世論になってまいりました。
 昨日の普天間飛行場の移設に伴う代替施設協議会、第六回の協議会で、移設予定地にジュゴンが六頭確認されたというふうに報ぜられております。私は、このようなジュゴンが生息するところに基地をつくってはならないと思います。
 環境庁長官に二点お伺いいたします。大臣に二点お伺いいたします。ごめんなさい。
 米国の政府機関である海洋哺乳類委員会、MMCが国防総省やあるいは国務省に、このジュゴンの生息する地域で環境アセスメントをやれと勧告したことについてどういう所見をお持ちか。また、大臣あてのIUCN、ヘレン・マーシュ教授からの一月二十九日付の要請書に対する大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) お答えいたします。
 最初の方の御質問でございますけれども、お話しの米国海洋哺乳類委員会と申しますのはアメリカの機関でございまして、これのアメリカの国防総省あるいは国務省への勧告というふうに私は報道で承知をいたしておりまして、ということでございますので、私の立場からは、環境大臣としての立場からはコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 それから次に、お手紙いただいた、IUCNのマーシュ教授からの手紙の件でございますけれども、これは拝見をいたしました。それで、環境影響評価を早期に実施すべきであるという趣旨であるというふうに承知を、理解をいたしました。
 普天間飛行場の移設に関しましては、環境省といたしましても、代替施設協議会に環境保全という立場から参加をさせていただいております。それで、平成十一年末の閣議決定に基づきまして、ジュゴンを含む自然環境に著しい影響を及ぼすことのないように対処をしてまいるという所存でございます。
 それから、お話しの、この手紙の中の環境影響評価につきましては、今申し上げた閣議決定におきまして実施されるということになっておりますので、その実施に当たりましては、環境省といたしましては必要な助言をしてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○照屋寛徳君 私は、ジュゴンと人類が共生できるような社会の実現に政治が大きな責任を負っているということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○委員長(岡野裕君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、堂本暁子君の質疑を行います。堂本暁子君。
○堂本暁子君 今、照屋寛徳議員が問題にされました外交機密費について私も質問させていただきます。
 外交機密費、これが競馬馬に使われていたというようなことは、本当にゆゆしき問題というのを越えまして国民の反感はもう頂点に達したというふうに思います。
 不思議なのは、その外交機密費が、今年度予算で全く減額されずに、世論は大変に強く減額を望んでいたのにもかかわらず、去年と全く同じ五十五億六千五百七十七万円が計上されている。これはなかなか国民に納得されないのではないかと思いますが、宮澤財務大臣に御所見を伺いとう存じます。
   〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕
○国務大臣(宮澤喜一君) この使途につきましていろいろ問題が起きましたことは国民皆さんよく御承知でございます。それについてはたくさんに反省しなければならないことがあるであろうと存じますが、ただ、そのこと自身と官邸及び外務省に計上されておりますこの費用の必要性というものは、私は直接には関係のないことであって、傾向で見ますと何年間も両者ともほとんど同額の計上で推移しておりますから、世の中のその間の推移あるいは我が国の外交活動の拡大等々考えますと、恐らく、少なくとも同額の費用は毎年必要であろうと私としては考えております。
○堂本暁子君 大臣、それでもそれはやはり外務省と申しますか、の側の都合でございまして、国民感情としてはなかなか納得がいかないというふうに思いますが、同額というのはやはり、本当にこれでよろしいんでしょうか。もう一度その点伺わせてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国民が、非常に大きな金額でございますから、おまけに報償費といったようなことになると、何に使っているのかも事の性質上明らかにされていないということから、国民の中でそれに疑問を持たれる方は私はいろいろおられると思います。
 いろいろおられると思いますが、これは内容を明らかにして御説明することができない性質の経費でございますので、外見的にもうそういうものが入り用でなくなった、入り用が少なくなったといったようなことでもない限り、むしろ外見的には入り用が多くなったのではないかと私は判断いたしますので、それは国民にわかっていただかなければならない。国民が仮に多くの方がそうお思いになっても、それは理を説明して納得をしていただかなければならないものだと。
 もとより、財務大臣といたしまして、要求官庁でもう減らしてもいいという話があればこれは別でございますけれども、そうでない限り、私としては特に減額の理由があるというふうには思いません。
○堂本暁子君 私自身は、やはり必要だということは認めますが、大変納得されない額ではないか、ことしはもう少し減らしていただいてもよかったのではないかと思っております。
 次に、これも先ほど照屋議員が問題にされたばかりでございますけれども、総理、議会制民主主義というのは最大の議席を持つ政党の党首が総理になるというのが本来の姿でございまして、衆議院で不信任案が否決されました。
 といたしますと、それは当然のことながら、これは議会制民主主義のルールにのっとった決定なんですが、けさの新聞を見ましたら、総理は辞意を示されたというふうに報じられております。これでは議会制民主主義の論理もそれから倫理も道徳も大変踏みにじられてしまう。国民には全くわかりにくい筋の通らないことがここ数日の間に起こっているように感じるんですけれども、総理の本音を伺いたい。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 先ほども御答弁を申し上げました。
 衆議院で野党からお出しいただいた不信任案を連立与党の皆さんで否決をしていただきました。この大事な時期でございますので、そういった意味からいえばいっときも政治的な空白をつくりたくない、そういう思いで私おりましただけに、適切な判断をしていただいたというふうに私は感謝をいたしております。
 しかしながら、繰り返すようでございますが、一連の不祥事、今御指摘ありましたようなことなど、そしてまた私に対する御批判、これは私も率直に承りながら反省をいたしておりますし、同時にまた、そのことと、なお一層今、景気回復を初めとして我が国がやっぱり諸外国に対して日本は健在ですよ、しっかりやりますよというメッセージを発することも極めて国益に沿うことでありまして、そういう意味からいえば、この国会でまず予算を通していただくこと、そしてまた関連法を通していただくこと、さらに日本が変わりますよということが見えるように、いわゆる経済構造の改革あるいは教育の改革、社会保障の改革、多くございます。
 そして、特に日本の経済のいわゆる起爆剤ともいうべきIT関連法案がこれから衆議院、参議院とお願いをしなきゃならぬのは約十四、五本ございます。これらはもう日本にとって絶対に必要な法律でございまして、そうしたことなどを考えますと、私は今のこの政治の事態、状態からいえば本当にいっときもそういう空白を許すべきではない、そういう思いで私はこの参議院の予算委員会に臨んでおります。
 議員がそういうこととけさの新聞とかと、こうおっしゃいますが、新聞は新聞であって、新聞はいろいろお書きになって、新聞なりに競争して我先にとトップを争いたいというお気持ちなんだろうと、そう思いますが、あなたも放送、報道関係におられたんですから、あなたは余りそんなことをなさらなかったと思いますが、おたくのテレビも随分先駆けていろんなことをおやりになるテレビだけれども、しかしどうぞひとつ、そのことと私の考えと一致しないからおかしいというのは、これはあなたらしくないなというふうに私は思いました。
○堂本暁子君 総理、でも、やはり議会制民主主義というのは、全くもっと、総理が、やはり不信任案が否決されたそのやさきにまた与党三党でいろいろおっしゃっている、総理をというようなこともたくさん報じられている、これは外国から見ればわかりにくいのは事実でございます。
 このことはこのぐらいにいたしまして、次に移らせていただきます。
 次は、総理は景気の問題をずっと大事にしていらっしゃいました。景気の問題というのは地方分権と私は大変に関係があると思っております。と申しますのは、やはり一番安心感、生活の安定感がない限り、みんなどうしても貯金に走ってしまう。やはり大事なのは、福祉とか医療とか、それから教育とか、そういったものの充実感があった場合にやはり消費の意欲を持つようになるんだと思うんですね。
 私もかかわっておりました地方分権一括法が去年から施行されまして、その中の、例えば機関委任事務が廃止されるなど大変評価するところもございますけれども、それでもまだ中央政府の法律とか省令とか政令でいささか縛られていることが多過ぎると思います。これはこれから改善なさるおつもりがおありになりますでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今お話しのように、地方分権一括推進法が去年の四月から施行されまして、これもお話しのように機関委任事務の廃止だとか、国の関与を相当縮小するとか、私はかなりな成果が事務権限の移譲を含めてあったと思いますが、今、堂本委員お話しのように、それは国の法律やその他の政令等でまだ基準、規制が残っていますよ。それは国の立場からいうと、その必要性があるから残しているわけでありますが、それは今後とも精査してもらいまして、できるだけ少なくしてもらうように我々も頑張っていきたい、こう思います。
○堂本暁子君 次に、教育の問題ですけれども、これもまた非常にそういったことが多くあります。
 その前にもう一つ、これは財源の問題ですけれども、やはり財源についてももっと地方に移譲していいと思いますが、この点について御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(片山虎之助君) 事務権限が一区切りついたら、私はやっぱり税財源の移譲というのを本気で検討しなきゃいかぬと思いますけれども、御承知のような景気や、国と地方の財政の状況の中で、変動期ですから、落ちついてからしっかりと国とも相談して、地方に税財源をより厚く移譲するような検討をいたしたい、こう思います。
○堂本暁子君 それはいつごろをめどになさいますか。
○国務大臣(片山虎之助君) それは何年、いつと、こういうことは言えませんね。できるだけ早いことを望んでおりますが、一日も景気が安定するように、我々もそれを願っております。
○堂本暁子君 保育について伺います。
 私は、今子育てが大変難しい時代に入ってという認識に立って、働いているお母さんだけではなくて、働いていないお母さんでも保育所が自由に使えるということがとても大事になってまいりましたが、この点についての御見解を伺いたい。特に、これは最大の少子化政策だと思っております。総理でしょうか。総理に伺えれば。
○国務大臣(坂口力君) それじゃ、総理には後からお話をいただくといたしまして、子育て、そして働くお母さんの問題というのは大変大きな問題でありますことは、これはもう言うまでもございません。したがいまして、子育てと雇用が両立する社会の実現ということをどうすればいいかということに一番神経を注がなければならないところだというふうに思っております。
 御承知のとおり、新エンゼルプランにおきましては、保育所に通っている家庭だけではありませんで、広く子育て家庭への支援も重要な柱として一つ盛り込んでいるところでございます。
 それから、地域子育て支援センターというのもつくっておりまして、これも働いておみえになるお母さん方だけではなくて、御家庭の、御家庭のと申しますか、働いておみえにならないお母さん方もこれを利用していただけるようにいたしております。急病やあるいは育児のときのための一時保育あるいは病児保育、こうしたものにつきましても今真剣に取り組んでいるところでございます。
○堂本暁子君 これは私も関与した児童福祉法の改正のときに入ってはいるんですが、実態がございません。予算も大変少ないです。
 総理に御決意のほどがおありになったら伺いたい。もう少し働いていないお母さん、働いているお母さんが子育てしやすいような保育の制度を充実していただきたいというお願いです。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 今、坂口大臣からもお答えをいたしたとおりでございますが、いわゆる子供を産み育てるということに対する、女性だけではなくて男性も含めてですね、やはり価値観が大きく変わってきているんだと思いますね。どうしても、結婚観というのも変わってきたんだろうと思います。結婚の適齢期というのか結婚の時期が少し、少しといいますか、やはり高齢化したのかなと。そうなれば、どうしても出産がそれだけ遅くなりますし、そういういろんな価値観の問題もありますし、もう一つは、子供を産んで育て、そして日本の文化や歴史を継承させていこうという、そういうやっぱり使命感みたいなもの、これは使命感と言ってはしかられるかもしれませんが、そういうことも若干希薄になってきているのかなと、いろいろなことを私も考えています。
 しかし、それはできる限り環境を整えてあげるということは大事だと思いますから、今、内閣におきましても、男女共同参画会議のところにまた新たに、どうして子供たちを育てていけるかという、女性が、そういうことを経験者の皆さんに集まっていただいて今議論をしているところなんです。できれば今月中に何か考え方を示すように私からお願いをいたしております。
 アメリカなどに行かれた日本の女性は、この間も私は申し上げたかもしれませんが、国連の職員の方とお目にかかったら三人お子さんを持っていらっしゃる方が随分いらっしゃいまして、それでお話を承ると、日本だとできません、こうおっしゃいました。アメリカだったらできると。なぜなんだろうかなということもいろいろ伺ってみました。日本だとできないということはおかしいので、日本もそうしなきゃいけないわけですから、ですから、そういうことも含めて政府としてもやっぱりこの問題は真剣に取り組んでいかなきゃならぬ問題だというふうに思っております。単なる予算だけの問題でもないというふうに私は考えております。
○堂本暁子君 相当抜本的な改正、改革が必要だと思っておりますので、その点よろしくお願いいたします。
 これは厚生労働大臣に伺いますけれども、ベビーホテル対策についてよろしくお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 保育サービスの提供は、安定的なサービスの提供や質の確保ということが大事でございます。
 いわゆる認定されました保育所だけではなくて、無認可の保育所、それから今御指摘のありましたベビーホテルといったところが多いわけでございますが、認可されておりますものよりも無認可のところで保育を受けている、そういう地域が、そういう方が多い地域もあるわけでございます。したがいまして、できる限り認可されたところでやはりお受けをいただけるようにすることが望ましいというふうに思っております。
 できる限り認可の規制緩和も行いまして、いわゆる認可保育所としての規制緩和も行いまして、できるだけ認可保育所になっていただくようにもしておりますが、中にはしかし認可保育所にはならない、私のところは無認可でいきます、こういうふうに言っていただくところもあるわけです。その方がひとつ自分たちの思いというものを表現することができる、その方がいいとおっしゃる方もあるわけでございまして、その皆さん方にはそうしたこともひとつぜひ積極的に行っていただけるようにしなければならないというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、しかし預けられるお子さん方の健康、安全というものが大事でございますし、そしてそのために、それを行っていただきます保母さん方のやはり訓練というものも必要でございます。
 そうしたことから、無認可のところに対しましても、その保母さん方にいろいろの訓練を受けていただける、そういう機会もひとつつくっていこうではないかというので、ことしからでございますけれども、無認可の皆さん方に対しましてもそこを開放して、お休みの日とかそういうときにひとつ受けていただけるようにしていくといったようなことも今取り組んでいるところでございます。
 まだまだでございますけれども、指導監督基準の見直しを検討もいたしておりますし、無認可の方の検討もいたしておりますし、対策の充実に努めていきたいと思っております。
○堂本暁子君 二十年前に何人ものお子さんが亡くなり、そしてまた最近赤ちゃんたちが亡くなっています。私は子供を利潤追求の対象にはすべきではないと思っています。その犠牲に子供をしてはいけない、そのことにやはり厚生労働行政はしかと目を向けていただきたいというふうに思っております。
 総理、私は思いますのに、やはり環境の視点からのすべての政策を見直すという、そういう国家の意思みたいなものがはっきりしていないように思えるんです。地球環境を守るということでもやはり日本がリーダーシップをとっていく必要がございます。そういうことで、もっともっと日本が環境の視点から政策を立案し、世界のリーダーとなっていく必要があるということをぜひとも御認識いただきたい。
 もう一つは、女性と暮らしの問題ですけれども、総理は景気を商品をつくり出すという形でおっしゃっていらっしゃいますけれども、よく見ていると、女性たちが生活の中から物をつくり出して今や売ったり、そして自分たちで交換したりしている、そこに喜びと感動があるわけです。こういったような生き生きと暮らすこと、それが女性の権利だと私は思いますけれども、そういった視点がもっと政治の中に入ってくるといいと思います。
 女性だけではなくて、子供やそれから若者たち、それから障害者、特に精神障害者の方たちや高齢者の、その本人に私は耳を傾ける姿勢がやっぱり二十一世紀の政治には必要なのではないか、そのことは国際的な流れでもございます。
 国際的に環境や人権や人口や、そして難民の問題など、緒方さんと御一緒にアフリカへも総理は行かれたわけですので、そういったような新しい大きい二十一世紀の時代について、総理は、この間も本会議で伺ったんですが御答弁ございませんでしたが、そういった地球市民の時代について総理はどのような見解をお持ちでしょうか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 我が国は人間の安全保障ということを打ち出しておりまして、昨年、国連におきますミレニアム・サミットでも私はそのことを、委員会をつくろうということ、また我が国としては基金を出すということをスピーチの中で申し上げてまいりました。
 これから二十一世紀社会がどういう方向に行くかわかりませんが、こうしたグローバル化、あるいは特にITが進んでまいりますとどうしても国境も希薄化していく、そういうこともやはり一つの流れであろうと、こう思います。
 ですから、そういう意味からいっても、人間一人一人の安全、それは当然紛争の予防、対立、いろいろございます。難民の皆さんに手をかさなきゃならぬけれども、同時に、なぜ難民がふえていくのかということももっと世界じゅうがよく考えていかなければならぬことだと、こう考えております。
 ですから、そういう意味で、一人一人の地球上に住む人間の安全保障ということは、今まさに委員が御指摘になったことなのだろうと、私はそう思っております。なお一層そういう意味で、我が国が世界のやはりそういう意味でのリーダーシップをとって、そして二十一世紀が本当に戦いのない、そして殺し合いのない、そして多くの人々が新しい時代、文化生活を営んでいけるような、そういう地球環境をつくり上げていくことということが今政治に求められている大事な課題だというふうに私は思います。
○堂本暁子君 ありがとうございました。終わります。
○理事(須藤良太郎君) 以上で堂本暁子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○理事(須藤良太郎君) 次に、戸田邦司君の質疑を行います。戸田邦司君。
○戸田邦司君 けさほどからの議論で総理の辞任説というのがありましたが、先ほどの御答弁で、その並々ならぬ意欲を持ってこれから予算関連法案はもちろん、それ以後に教育改革とかそういったことについての法案を通していく、そういうようなことでございましたから総理はずっと政権を担当される、そういうことかと思いますが、総理は任期いっぱい政権を担当されるということかどうか、そのお覚悟について御存念をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(森喜朗君) たびたび御質問をいただいておりますが、私は今参議院の予算委員会にこうして臨むに当たりまして、おかげさまで不信任案を否決していただきました。この参議院の皆様方が皆さんで御努力いただいて、ぜひ会期内に一日でも早く、それだけ早く執行の準備もできるわけでございますから、そういう意味でぜひ早期に成立をしていただきますように、私が内閣のすべて責任を持ってお願い申し上げていることでございまして、たびたびのことでございますから、そう長々と申し上げる気持ちはございません。
 一生懸命、日々、毎日全力投球でやっているということでございまして、任期というのは自民党総裁の任期なのか、総理大臣の任期というのはどうなっておるのかわかりませんが、その任期よりも、できる限り国民の皆さんから人気が上がるように頑張りたいと、そう思っております。
○戸田邦司君 私は総裁の任期いっぱいと、こういう少なくともそこまでというようなつもりで申し上げましたが、そういう御答弁ですから、保守党党首として内閣に閣僚として参加しておられる扇大臣、さらに公明党から代表して出ておられる坂口大臣に、森政権ある限りは支えていく、そういうことだろうと思いますが、ひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、総理の御答弁をお聞きいただいても、総理のやる気満々が御答弁の中に見えているであろうと思いますし、一昨日の八十二票差という大きな圧倒的な数でもって私は森内閣が信任されたと思っております。
 ただ、私が今までマスコミ等々に聞かれますことは、総理としての資質はどういうことが必要ですかということをよくマスコミに聞かれますから、私は総理の資質というのはこうこうこういうことが必要じゃないですか、まして二十一世紀の初頭ですから、リーダーシップを持って日本を引っ張っていっていただく方が総理にふさわしいということであって、きょうの新聞云々、けさから問題になっていますけれども、私たちはマスコミによって日本の国の総理を選ぶわけでもございませんし、私たちはきちんと信任された、連立の保守党としても、自由民主党、公明党と三党連立で、野党が出した不信任案は通ったところで先行きが見えないような不信任案を出されるから反対しているということで、単純でございます。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどもお答えをしたとおりでございまして、森内閣におきます一員でありますし、指名を受けました一閣僚でございますから、最後の最後まで一生懸命頑張らせていただきたいと思います。
 そして、森内閣に対する支持率どうのこうのの話もございますが、支持率は森総理だけの話ではございませんで、我々閣僚も含めての責任でございますから、支持率も上がりますように頑張りたいと思っております。
○戸田邦司君 実は二月二十六日、衆議院の予算委員会で我が党の達増拓也議員が、自民党の中でいろいろ言われております解党的出直し、これについて総理の御見解をお伺いしております。森総理は、まさに解党して、新たないろいろな施策、方策等も苦慮しながら進めていく、そのように答弁されておられます。
 私は、これは森総理は解党されるのかなと、こう思いましたし、国民もそう受け取ったのではないかと思いますが、もし解党されるんなら具体的にはどのようにされて、どのように出直されるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(森喜朗君) ちょうどことしは新しい中央省庁が再編をされた、スタートした年でもございます。そういう意味では、日本の行政府も大きく変化をしたわけです。なお一層行政改革をやりたい、やろうということで、行革大綱も受けておりますし、そういった意味では、先ほども御質問がございましたが、地方との関係も大きく改善をしていかなきゃならぬ。そういう意味では地方の行革も進めていかなきゃならぬ。そういう意味で、この行革、中央政府省庁、この再編のための責任を持って進めてこられた橋本大臣にあえて私は行革担当をお願いして、そしてこの行政改革に魂を入れていこうということでお願いをしたわけでございます。
 ですから、そういう意味で、中央政府も大きく変わるということになれば、これから予算編成も、先ほど申し上げたようにいろんなあり方も変わっていくでありましょうし、教育もまた社会保障のあり方も、それから規制緩和を進めて日本の経済のあり方、そうしたことも進め、新しい産業が創出をしていけるような状況もつくっていかなきゃならぬ。そういう意味では、すべてが大きく出直しをしていくという、出直しという言葉はよくありませんが、新しく生まれ変わっていく時代という意味では、政党のあり方もまたそうでなければいかぬと思っております。
 余計なことを言っておしかりをいただくかもしれませんが、国会のあり方も、かつてのやはりそういう思想的な対立の時代はもう終わったというふうに私どもも理解をいたしております。そうなれば、お互いに与野党協力をして国家国民のためにいい政策をつくり上げていくという、そういう国会にも大きくやっぱり変化をしていくということになろうと思います。
 そういう中からいえば、自由民主党もまた、政策の立案の仕方、また視点の置き方、そうしたことも考えていかなきゃならぬ。それは政務調査会を中心にいろいろと今検討をしております。これも解党的な私は党の出直しだろうというふうに思っておりますし、一連の不祥事にかかわって今まで当たり前だと思われていたような仕組みは大いにこれまた変えていかなければならぬし、でき得ることは今できるだけ早くやっていくということもありますし、また先ほど申し上げましたように党内に倫理審査会というのを昨日スタートさせましたので、当然そうした問題でも議論していかなければならぬということにもなりましょう。
 そういうすべてのことを含めて私は解党的出直しというふうに申し上げたわけですが、一人でこれはできるものでございません。党員全体のいわゆる総力を挙げてそういう対応をいたして、なるほど自由民主党だなと、長い間日本の政権に大きな責任を果たしてきた自由民主党みずから、国民の皆さんから、あの苦しみの中からよみがえってきて頑張ったなというふうに理解がいただけるように、御支援がいただけるように努力していきたいと、そういうふうに申し上げているところであります。
○戸田邦司君 どうやら解党ということではなさそうですが、解党につきましては我々にもいささかのノウハウがありまして、最大の関心を持って眺めてまいりたいと、そう思っております。
 次に、けさほどからもうたびたび議論になっておりましたKSD問題ですが、このKSD問題の本質というのは、私は、党費を立てかえて架空の党員をつくって、それで党内での比例の順位を上げた、当然自民党にも多額の金が入ったと、そういうことではないかと思います。
 けさほどからの議論を聞いていましても、十五億円ぐらい自民党に入ったんじゃないかと、こう言われているわけですが、それを返すということになりますと、森総理はなかなか技術的に難しい点がありますと、こう言っておられますが、私は、KSD側から調べれば、KSDが幾ら出したか、一体それでどういう経路でどういう手続で出したか、そこを調べればもとが押さえられると思いますから、そんな難しい話ではないんじゃないかと。
 ですから、これは、自民党に良心があるんだ、そういうことできちっとお返しになられたらいいと思いますが、一体いつごろまでにお返しになられるおつもりか、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(森喜朗君) これもたびたび申し上げておりますが、登録を、党員として党にお入りをいただいた皆さんから、私は党員ではないという、そういうお話があれば、党費をしたがって返せということでありますれば、それは私は当然お返しをすべきだということはたびたび申し上げてまいりました。
 ただ、今度のこの事態は、何人かの方々を集めて、そういうお世話をされた方々がいらっしゃる、これは何も世話をすること自体悪いことではないんであって、地方の党員の組織などは、やはり地域の皆さんが努力をされて党員の皆さんを、地域住民の皆さんに呼びかけて党員になっていただくわけですから、それは私は職域支部であれ地方支部であれやっぱり同じことだろうと、そう思っております。
 ただ、問題は、今度の場合、豊明支部というその実体が、いろいろ皆さんからの御意見もあるように、実際にはKSDと一体であったということが御批判であるわけでありますが、そこのところが私どもとしては、登録を、手続をされたときにはそのことがわからないわけでありまして、それがいろいろの事態が明るみに出ることによってそうしたことがわかってきたわけで、KSDとしてはどういう、あるいは豊明支部としてどういう集め方をしたのか、そこをもう少しよく調査をしなければならないんです。先ほど共産党の筆坂さんから、そんなものは一、二日あればやれるとおっしゃいましたけれども、それは特定の方何人かを調べればそうかもしれませんが、党員全体からいえば、我が党の党員は約三百万近くおられるわけでありまして、この調査をするというのは並大抵のことではございません。
 それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、KSDだけではなくて地域住民、地域党員の皆さんも皆重なっているわけでありまして、電話をいたしまして、KSDの支部ですねということで確認の電話をいたしますと、逆に、いえ、私どもはこういう地元の市会議員さんの関係で入ったんですという方々もおられまして、そこはなかなか区分けをするということも実は、これは事務局から聞いたんですが、非常に難しい作業だと、こう言っておりました。いずれにいたしましても、KSDが今そうした形で捜査の対象になっておりますから、書類等も恐らくなかなか不詳なんだろうと、そう思います。
 いずれにしても、まとめてお返しをしてくれと、返してくれという事態になれば当然お返しするということは我々としてはごく当然なことだというふうに考えて、そういう対処方をするように事務当局に指示を今いたしておるところでございます。
○戸田邦司君 一人一人の党員を調べるなんというのはそれはもう大変なことだということもよくわかりますから。これはKSDが幾ら出したか、そこにかかっていると思います。これは見解が違いますから仕方ありません。
 次に、ものつくり大学で補助金、十二年度の概算要求が五十億八千二百万円、決定された額は七十一億三千四百万円、そういうことでありますが、この二十億円の増額については労働省は概算要求のし直しをしたんでしょうか。どのような手続をとったんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今まで何度もお答えをしたことでございますが、もう一度順を追ってお答えをさせていただきたいと思います。
 ものつくり大学に対する補助につきましては、平成十一年の八月末の平成十二年度予算の概算要求におきまして五十億八千万円の要求を行ったところでございます。
 大学の施設整備の充実につきましては、かねてから大学設立準備財団関係者から話を聞いていたところでありまして、旧労働省といたしましてもそうした趣旨を承知していたところでございます。
 同年の十一月には、大学設立準備財団関係者の意向も踏まえまして、国際技能振興財団、KGSでございますが、ここから、全国から集まる学生にとって魅力ある大学にするために、大学の開学予定である平成十三年四月までに学生寮、体育館及び合宿研究所の設備を整備してほしいという要望がありました。
 旧労働省におきましては、この要望について検討を行い、魅力ある大学とするためには開学までに当該施設の整備が必要と判断をし、かつ民間からの寄附が少額にとどまったことを勘案しまして、これは御承知をいただいておりますように、六十億円集めていただく予定をしておりましたが、わずか四億円しか集まらなかったという、そういう経緯がございまして、当該施設の準備に必要な経費として、その民間のところが少なかったものですから、その分を穴埋めをするという形で約二十億五千万円の追加要求を行いまして、平成十二年度予算に七十一億三千万円を計上したものでございます。ですから、平成十一年の十二月に概算要求をもう一度やり直したと、こういうことでございます。
 なお、同十一年末、国会議員、それから国際技能振興財団関係者、旧労働省関係者が出席をして朝食会が開催されたことは何度も御説明を申し上げたところでございますが、同会合におきまして、亀井自民党政調会長などから党としての要請があった。これは、亀井会長もこういうことを私は言ったということをはっきりと明言していただいておりますので、間違いがないというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、旧労働省におきましては、こうした要請やKGSからの要望を踏まえまして、魅力ある大学とするために開学までに追加的な施設整備が必要との判断を固めて追加要求をした、こういう経緯でございます。
 その間にいろいろなことがございますけれども、ざっと今までの経緯を羅列いたしますと、そういうことでございました。
○戸田邦司君 十二月の初めになって二十億という多額の概算要求のし直しということだそうです。これは、宮澤大臣、よくあることですか、こういうことは。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私の知っております限りでは、余りよくあることではないと思います。
 ただ、この保険会計は労働省にとって非常に大切な、しかも大きな会計でございますし、これのかわりにどこかに対する出資、機構に対する出資分をお取り下げになったと。両方入れかえられたということがございましたから、会計の運営としてはそれで健全性を欠くことはないと思いまして、別段大蔵省としては、もともと労働省の特別会計であるせいもございますけれども、反対いたしませんでした。
○戸田邦司君 この点につきましては、亀井政調会長が、おれが政策的に大事だからつけたんだと、こう言っておられます。
 そこで、一般論として受け取ってもらってもよろしいんですが、政府、与党一体となって予算も決めていく、政策も進めていく、そういうような時代になってきますと、政調会長の権限、これは非常に大きなものになると思います。ですから、村上前議員が本会議で質問したなどというたぐいのものよりもはるかに大きな権限を持つことになる。
 そこで、きのう法務省の刑事局長から職務権限についてお伺いしましたが、きょうまた改めてもう一度その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(古田佑紀君) 昨日も申し上げたことでございますが、私どもといたしましては、刑事法の問題を扱っているわけでございます。
 ただいまのお尋ねの件につきましては、これは政党という組織の中でのある特定のポストにつかれる方のお仕事の内容、それと組織の中での権限、こういうことにならざるを得ないわけでございまして、そういうことにつきまして私どもの方から申し上げる立場にはないということを御理解いただきたいと存じます。
○戸田邦司君 時代が変わっていけばその辺の考え方も当然変わっていってしかるべきかと思っております。
 最後に一つだけ申し上げます。
 今度の十三年度予算ですが、私はこの予算、デフレ予算、デフレ志向予算だと考えております。一つは、総額でいきましても、また一般歳出でいきましても七%台の大幅減になっていると。減になっているからデフレだというわけではありませんが、国民負担がふえている。それから、例えばパソコン減税などをやめてしまっている。一方で経済状態は悪い。鉱工業生産も機械受注も、それから設備投資も元気がない。消費に火がつくわけがない。
 そこで、見通しですが、一・七%の中には消費が一・五%伸びる、そういう前提で組まれている。そういうことですから、私はこの一・七%が達成される可能性というのはほとんどないと思っております。だとすれば、税収はこのままではいかない。そういうことですから、私はこの見通しが根本から間違っていると思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこは非常に難しいところだと思います。私はできると実は思ってお答えをしているんですが、まず手前の一・二%でございますか、これは私はできるだろうと思っております。まだ二つ四半期が出ておりませんけれども、一―三はそんなに悪くないと思っておりますものですから、いいかなと。
 それで、今度一・七ですが、毎度申しますように、いつ消費が戻ってくるかということでございますので、これは私は時間の問題だと思っていますから、他方で来年度になりますと設備投資の方が、ちょっと夏ぐらいになりますと、もうかなり続いておりますから勢いがちょっと弱くなるかもしれない。そういうことはございますけれども、普通考えますと、かなり長い時間たっておりますから、消費が正常化するというふうに考えても悪くはないのではないかなと。
 ただ、そう思いながら、公共事業予備費の三千億円は持っておりますけれども、両にらみでやっておりますが、一・七というのは今ちょっと暗いあれがございますけれども、まあできるのではないかなと私は思いますが。
○戸田邦司君 補正なしでできるかどうかということについては甚だ疑問でありますが、これで質問を終わります。
○理事(須藤良太郎君) 以上で戸田邦司君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
○理事(須藤良太郎君) 次に、石井一二君の質疑を行います。石井一二君。
○石井一二君 自由連合の石井一二でございますが、会派二院クラブ・自由連合を代表して質問をいたします。
 今国会はKSD国会と言われてもいいぐらいそういった問題が多く出ておりますが、私も若干最初にKSDの問題について触れてまいりたいと思います。
 私はここにサンデー毎日の二〇〇一年二月十八日号を持っておりますが、その中で「KSDに群がった自民党国会議員」という一つのアーティクルがございます。その中で、今ここにおられる閣僚の中で六人の名前が出てまいります。敬称略です。森、柳澤、福田、麻生、片山、谷津の以上の大臣でございますが、この記事の中にも、名前を貸しただけでお金ももらっていないし票ももらっていない、迷惑しているんだという人も中にはいると、こう書いてあるわけでございますが、その数約二百名に及ぶわけでございます。
   〔理事須藤良太郎君退席、理事吉村剛太郎君着席〕
 それで、今言われた大臣の中で、名誉挽回もあってここで一声と、そうおっしゃる方があればひとつ御発言を願いたいと思います。──ないようでございますので、代表してその中で一番金額の多い片山総務大臣、一言よろしく、御感想なりおわびなり説明なり、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(片山虎之助君) 既に衆議院その他でも、参議院でもあったと思いますが、お話は申し上げましたが、平成八年と十一年に私のパーティーをやりましたときにパーティー券の購入をしてもらっておりますが、それぞれの年にしっかりと収支報告を選管にいたしております。
 その時点ではどういう団体か知る由もないわけでございまして、そういう意味ではやや不明だったかなと、今後はパーティーをやるときにもパーティー券をお願いするところは素性をしっかり調べにゃいかぬかなと、こう思っておりますが、事件全体は大変遺憾な話でございまして、総理からお話がありましたが、私としても残念だし、また深刻に受けとめておりますが、いずれにせよ司法の場で全容がはっきりすることを私も祈っております。
 以上です。
○石井一二君 この問題の根幹は、やはり業界と政治と役所の癒着、鉄の三角関係とも言われますが、また悪の三角関係という呼び名もございます。
 私は、行政改革の基本はこういったところにあると思うんですが、こういった癒着の三角関係について総理はどのようなお考えですか、今後の改善という観点から見ていかがですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 悪の三角関係とか鉄の三角関係というふうに決めつけてしまわれるのはいかがなものかと思いますが、結果はそうかもしれませんね、今の事態は。しかし、これも解明をしていって初めて真相がわかってくることでありますから、今できる限り我々としてもその捜査の解明に協力していきたいと、こう思っています。
 ただ、今、片山大臣からもあったように、KSDそのものの事業というのは、できた時点は、私は当時そういう詳細なことはわかりませんが、必ずしもできたころにはそんなこういうことになる団体だとはだれも思っていないんじゃないでしょうか。それは何も我が党だけではなくて、それは民主党も社民党もそれぞれ皆さん関係をされておられるわけですから、大なり小なり。それはみんな、鳩山さんもどこかの記者懇談でおっしゃっていましたメモを私は見ましたが、そのころはなかなかこんなことになる団体だとは思いませんでしたからねということをおっしゃっておられます。だれもが皆やっぱりそうだろうと思うんですね。
 ですから、残念ながらそういう事態にどんどん発展を、そういうふうに変わっていったというのはなぜなのか、そこがやっぱり一番問われるだろうというふうに私は思っているんです。
○石井一二君 悪の三角とか鉄の三角というのは私が言っているんじゃなしに、そういうことを書いてあるいろんな文献がたくさんあると、そういう面で申し上げたわけであります。
 ここで私は、若干医療問題について御質問をいたしたいと思います。
 我々のアイドルであったきんさん、ぎんさんもあの世へ行ってしまわれましたけれども、我が国は今世界の最長寿国となっており、このこと自体はありがたいことだと思います。
 だがしかし、医療費は三十兆円を超え、年々一兆円ずつのペースで上っていくと、こういうことはもう国家財政上許されないことであろうと思います。今後これを節減し、なおかつ医療の治療レベルを落とさないと、そういう観点からいろいろビジョンもあろうかと思いますが、まず厚生労働大臣のそういった観点からのビジョンをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 社会保障の中でとりわけ大きい問題を抱えておりますのが医療の問題だというふうに思います。
 今、御指摘をいただきましたように、医療費がかなり一兆円規模で毎年伸びておりまして、約三十兆円という事態になってまいりました。この内容を見ますと、多くの部分がこれが高齢者医療に費やされているわけでございまして、この高齢者医療をどうするかということがこれからの大きな課題でございますし、またさらにこれから高齢化が進むわけでございますから、今後この問題が一番大きな問題であるというふうに思っております。
 全体としての医療費をいかに抑制するかという一つの問題がございますが、これは一方におきましては抑制もしなければなりませんし、しかし余りにもここを抑制し過ぎますと医療の質にかかわってくるわけでございます。現在あちこちで起こっております医療のミス等が、すべてがこれが人の配置の問題だけで起こっているわけではないというふうに思いますが、しかし余りにも忙し過ぎる医療現場におきましては、それはやはり事故のもとになることも考えなければなりません。国民の皆さん方が安心をして受けていただくようなやはり医療現場をつくっていこうとすればそれ相応の人的配置というものも必要でございます。現在約五二、三%、計算によりましては五〇%ぐらいと言う方もございますが、五二、三%ぐらいなところが人件費でございます。
 このようなことを考えましたときに、安心をして受けていただけるような医療制度をつくりますためには、人をそれほど今以上に減らしていくというのはなかなかできにくいことではないかというふうに思います。そういたしますと、どこをどのようにすれば抑制をし、そして全体として安心をしていただく医療制度をつくれるかという問題になってくるわけでございます。
 これは、国公立の病院でございますとか、それから開業をされます医院の問題とはまた若干違うところもあるというふうに思いますが、全体で申し上げますならば、個々の病院が余りにも大きな施設あるいは大きな建物を必要とするような今の日本の制度というものが果たしてこれでいいだろうか。もう少し、やはり建物も、あるいは設備も個々にそれほど多くのものを必要としないようにして共同で使用していただけるような体制が本当にできるようにしていかないといけないのではないか。そうすることによって、各病院の可処分所得というとえらい個人のなにみたいに聞こえますけれども、その収益をそれほど少なくすることなしに、そして全体としては低下をさせることができるのではないかという、私個人の個人的見解でございますけれども、そうしたことも考えているところでございます。
   〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕
 いずれにいたしましても、この医療の問題とそれから年金の問題と介護の問題はこれは一つセットにして考えていかざるを得ない。だから、年金、医療、介護というものをトータルで考えながら、そしてその割り振りを十分に考えて医療制度というものもいかなければなりませんし、医療の中で一番大きいのは今申しました高齢者医療をどうするかという問題であり、そして中身におきましては、やはり医療の中のそのあり方、今申し上げましたようなあり方をどう手を加えていくかということになってくるのではないだろうか、そんな考え方をいたしております。
○石井一二君 これはけさの朝日新聞ですが、「医療規制も抜本改革」ということで、二〇〇一年から三年、この三カ年で、具体的には病院の新規参入、法律上根拠のない規制改革委員会の改組、情報の開示、規制緩和を一層進めると、こうなっておりますが、この二〇〇一から三年ぐらいのタイムスケジュールでこういうことをお考えになっておると理解していいんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 現在、厚生労働省の中で考えておりますことは、そういうことをまだ考えておりません。それは他のどこかのところから出たものというふうに、けさちらっと見たところでございますが、厚生労働省の中で考えておるということではございません。
○石井一二君 厚生労働省はタイムスケジュール的にどのような改革を考えておられますか。
○国務大臣(坂口力君) 森総理が来年の通常国会に医療法の改正法案を提出するということを国会でお約束になっておりますので、来年の一月までのこの一年間の間にやはり医療改革をやらなければならないというふうに思っております。そうなりますと、来年の今ごろ国会で御審議をいただくようにしようと思いますと、ことしの秋ごろにはその骨格を固めなければならないということになるだろうというふうに思います。
 今から時間があるようで、余りありません。短い期間でございますけれども、今まで議論は十分に尽くしていただいたというふうに思っておりますので、いろいろの御意見をまとめながら、そしてこの秋にはその骨格をつくり上げていくという作業にかからなければならないと思っているところでございます。
○石井一二君 医療改革に関連して、「二〇一五年 医療のグランドデザイン」という日本医師会が出された一つの大きなプランがあるんですが、大臣はこのプランについてどのような御所見をお持ちでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 大変ボリュームのあります内容のものでございまして、私も大きな本をちょうだいしたんですが、隅から隅まで拝見をしたわけではございません。
 しかし、大きなデザインを描いておみえになりまして、医療保険制度のみならず医療供給体制の将来像も掲げておみえになりますし、そして生存率や自立率といった医療の成果目標も設定をしておみえになります。
 中を拝見いたしますと、私の記憶に間違いがなければ、八十五歳まで半分の人が生きると。人生、これから生まれる人たちがその半分は八十五歳まで生きる、そして八十五歳の人の八五%が自立をしているという一つの目標を掲げておみえになります。
 そうしたものをこの二〇一五年ですか、に描きながら、そういう状態をつくり出していくのにはどうしたらいいかというデザインをおかきになっていると。これは大変な、ここは力作であるというふうに思っているわけでございます。
 特に高齢者医療のところにつきましては、ここは別枠方式と申しますか、もう一つ高齢者のみの医療保険をつくりまして、そして現在のそれぞれの健保でありますとか国保というものと、もう一つ高齢者の医療保険をつくるということ。医療保険と申しますか、国庫負担を九割でしたかね、そして保険料と自己負担で一割でしたか、そこのところ、私ちょっと記憶があいまいでございますけれども、そうした案をお出しになっているわけでございまして、そこが、そうするかどうかは別にいたしまして、一つの考え方というふうに今思っているわけでございます。
 そういう意味では、大変意欲的なプランであるというふうに思っておりますし、こうした点も参考にさせていただきながら、我々といたしましても、これからのあるべき姿というものを描いていかなければならない。医師会の方も、高齢者医療に対する、どうしたら抑制するかということもその中に検討しておみえになりますので、これも参考にさせていただきたいと思っているところでございます。
○石井一二君 先ほど坂口大臣の御答弁の中で森総理のお名前も出たんですが、そう専門的じゃなくていいですが、一口で言って、森総理の医療改革に対するビジョンはどういうことになりますか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 医療改革だけでとらえるということであっても私はならないと思っておりまして、常々申し上げておりますが、社会保障制度全体として考えていかなきゃならない。
 そういう意味で、国民の安心、それから社会経済の安定にはもう欠かせないこれは社会保障制度でございますし、特に急速な少子化、そして高齢化が進んでおります中に、生涯を安心して暮らせる、そういう社会を築くために、制度相互の整合性や連携性を図りながら、持続的、安定的で効率的な年金、医療そして介護などの制度をつくり上げていくことが大事だというふうに私は考えております。
 そういう意味で、だれもが意欲的に意欲に応じて働いて健康で充実して活動できる、いわゆる健康寿命を延ばすということがまず私は大事であると思います。そのことが社会保障の支え手をふやすということになる。それから、給付を受ける者と負担をする公平の視点に立って経済、財政の均衡のとれたそうした持続可能な社会保障制度を再構築する。それから、増大しております社会保障の費用は、利用者負担、それから保険料負担、公費の適切な組み合わせで確保する。そして、高齢者も能力に応じて負担を分かち合うという、そうした理念や基本的な考え方に基づいて改革を進めるということが重要だというふうに考えております。
 そこで、医療制度につきましては、老人医療費が今増大する中で、先ほど坂口大臣もお話しのとおり、医療保険財政は極めて厳しい状況でございますので、平成十四年度には高齢者医療制度を初めとする医療制度の改革をぜひとも実現しなければならない、このように考えて、先ほど坂口大臣からもそういうお話が出たわけでございます。
 こういう中で、今政府・与党社会保障改革協議会というものをつくっております。これは、これまで小渕総理のときからお願いをしておりました有識者会議が御答申をいただきましたので、それを今受けまして政府と与党で社会保障制度改革の理念と基本的な考え方を明らかにする大綱をこの三月末までにぜひ取りまとめをしたい、このように考えておりまして、これをもとに具体的な推進方策につきましてさらにワーキングチームをつくって検討を進めていきたい、このように考えておるところであります。
○石井一二君 森総理は、自民党幹事長から総裁になられて総理になられた、言うならば日本一の実力者でございますが、私は、医療改革に関連して森総理自身が業界、特に医師会と癒着関係を生じつつあるのではないかと実は心配をしておるものでございます。
 ここに「テーミス」の九九年の八月号、こういう記事がございます。
 日本医師会坪井会長が日本の医療をゆがめると、五十億円の政治献金を武器に医療保険の抜本改革つぶしと介護保険の取り込みへとなっていまして、この中で、あなたが五百万円ずつ二回にわたって寄附を受けておられる。これは九七、八。それで、九九年に至っては一千五百万に増額になっているんですね。
 その結果、あなたがどういうアクションを起こしたかということでございますが、九七年の十一月には、健康保険法改正案の中で薬剤の定率一〇%患者負担を定額に修正することに動いたとここに書かれております。また、四月からの開始の予定を九月に繰り下げた、こういう指摘もされております。
 また、もう一つは、森・坪井覚書というのが九七年の八月二十七日にございまして、日医が早期解決を求めた薬剤の患者負担については、これは老人保健制度の対象者に限って薬剤費を別負担とするということを免除したと、こういうことも具体的な内容として改正のためにあなたが尽力したということが書かれております。
 もう一つ、日本型参照薬価制度、これについても導入を阻止した、こう書かれておるわけでございます。それから、カルテの公示の先送り、ここら辺の指摘がこの「テーミス」には書かれておるわけでございます。
 あなたの今後のお気持ちとして、今後も引き続いてこういった一千万円の献金を受け続けて、医師会の御意向も反映しつつ、なおかつ国民のことも考えながら全体的な医療改革をしようと思っておられるのかどうか、こういう記事を踏まえてもう一言いただけたらありがたいと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) そういう雑誌をもとにそれを決めつけた御質問というのはいかがなものかなという感じはいたしますが、私は確かに御指摘どおり党の政調会長をやりましたりあるいは幹事長をいたしておりますが、個人で政策を決めたり制度を直したりするほど自由民主党はそんな脆弱な政党ではございません。
 やはり、政策を積み上げていくわけでございますし、基本的には政府が政策を、行政の仕組みをつくり上げていくわけであります。与党・政府としての関係で協議をしていくということが一般的な仕組みといいましょうか、やり方だというふうに申し上げておきたいと思います。
○石井一二君 時間をたくさんもらっておりませんので、ここで私は宮澤さんとちょっと財政論議をしたいと思うんです。
 それで、基本的にあなたが過去十五年間、プラザ合意以後、蔵相あるいは総理として責任あるお立場に立っておられた期間が約半分でございますが、基本的に金利を安くするという方向と円高がどんどん進んだと、ここらについてあなたの理論的な御説明なり御信念はどの辺ですか。
 これ、ちょっとあれですから、日本の金利はこれだけ安いんですね。(図表掲示)世界じゅう、一番安いと。その結果、十五兆円というお金が毎年資本勘定で海外へ出ていく。国内で運営できないから、元金が減るから御老人方もなかなか購買力が出てこない。しかも、円高のために産業空洞化が進み、不況が進むと。こういった責任は私はすべてあなたにあるような気がするんですね。これは日本経済新聞、権威ある本ですよ。「犯意なき過ち」と、こういう中であなた自身が一つの責任を追及されているように私は思うんですよね。
 御意見を賜りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) プラザ合意からになりますと話が長くなりますので、ずっと凝縮して申し上げますけれども、今の段階において、低い金利で企業や家計の借り入れ負担の減少あるいは設備投資や住宅投資を刺激する、これはもう申し上げるまでもないことでありますけれども、ただ、今の金利というのは、そういう理由はあるものの、国際的な基準から考えましてもまことに異常だと申し上げなければなりません。
 そして、この今おっしゃった期間を通じて、あるいはもっと前からかもしれませんが、国民のいわゆる可処分所得というものは、あるいは国民の貯蓄と申した方がいいかもしれませんが、ほとんど銀行貯蓄になってしまって、株式投資になっていない。そして、企業の方はしたがってエクイティーで仕事をするよりは銀行借り入れでやると。そういうことがずっと続いてまいりまして、ここに来まして一千三百兆国民に貯蓄があるといっても、それは、言葉は悪うございますが、女王バチみたいなもので、たくさん持ってはいるんですが、その使い方を知らないものですから、結局金利の安い銀行に預けるということになってしまって、これはまことに異常な状況になっているということは、私はおっしゃるとおりだと思っています。
 それはまあ理由はいろいろにあって、一つではないと思いますけれども、やはり国民全体の中にリスクを回避しようという、国民も企業家もどちらかといえばそういう気持ちがあって、したがってリスクキャピタルという考え方が、どうしてもリスクという言葉はうまく日本語がないものですからリスクと言いますけれども、日本語にすると甚だ逃げたいような話ばかりになってしまっていまして、その辺のところがやはりこれから直っていかないといけないんではないかと思っております。
○石井一二君 今答弁をお聞きになった国民は、何を言っておるかわからぬと、こう思っておるんじゃないかと思います。
 私は、あと一分しかありませんので、最後で、毎日新聞の一月二十日付の「天下の愚挙」というところを読ませていただきます。
 今回の公定歩合〇・一五%引き下げは天下の大愚行である。
  考えてもみよ。バブル破たん、不況テン落から公定歩合引き下げは九回、六%が十二分の一の〇・五%である。これだけ金融政策をつくして何か明るい反応、兆候があったか。個人預金通帳では利息が紙魚(しみ)同然となり生命保険が何社か破たんし、企業年金が兆円単位の含み損を抱えて、その見返りは何だろう。九回やっても効かないのに十回目をやる。これは愚直ではない。
天下の愚挙であるということですが、その後またやったんですね、今度ね。それはあなたの仕事じゃないとおっしゃるかもわかりませんが、最近、これ、あなたのことを貧乏神ということでこんな記事が出ておるんですね。(資料を示す)
 私は、ケインズの経済理論が一九三六年、あなたが生まれられたのが一九一九年ですが、経済が昔の理論が通用しなくなっているんじゃないかと思うんです。私は猛省を促して私の質問を終わりたいと思います。基本的にやり方を変えていただくべきだと思います。
 終わり。
○委員長(岡野裕君) 以上で石井一二君の質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時散会