第151回国会 予算委員会 第16号
平成十三年五月三十日(水曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     福本 潤一君     大森 礼子君
     渡辺 孝男君     浜田卓二郎君
     戸田 邦司君     高橋 令則君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     佐藤 泰三君     南野知惠子君
     真鍋 賢二君     木村  仁君
     筆坂 秀世君     大沢 辰美君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     木村  仁君     山内 俊夫君
     南野知惠子君     久野 恒一君
     木俣 佳丈君     浅尾慶一郎君
     柳田  稔君     齋藤  勁君
     浜田卓二郎君     松 あきら君
     松岡滿壽男君     岩本 荘太君
     石井 一二君     佐藤 道夫君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     谷林 正昭君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岡野  裕君
    理 事
                佐々木知子君
                須藤良太郎君
                吉村剛太郎君
                高嶋 良充君
                円 より子君
                弘友 和夫君
                小池  晃君
                照屋 寛徳君
    委 員
                有馬 朗人君
                石渡 清元君
                入澤  肇君
                岩城 光英君
                鎌田 要人君
                岸  宏一君
                久野 恒一君
                佐藤 昭郎君
                斉藤 滋宣君
                陣内 孝雄君
                野沢 太三君
                日出 英輔君
                保坂 三蔵君
                松谷蒼一郎君
                松村 龍二君
                山内 俊夫君
                浅尾慶一郎君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                齋藤  勁君
                谷林 正昭君
                内藤 正光君
                堀  利和君
                峰崎 直樹君
                簗瀬  進君
                大森 礼子君
                益田 洋介君
                松 あきら君
                大沢 辰美君
                西山登紀子君
                宮本 岳志君
                清水 澄子君
                岩本 荘太君
                高橋 令則君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     田中眞紀子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   武部  勤君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国土交通大臣   扇  千景君
       環境大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    村井  仁君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)  尾身 幸次君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣     石原 伸晃君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       防衛庁副長官   萩山 教嚴君
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       財務副大臣    村上誠一郎君
       文部科学副大臣  青山  丘君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       経済産業副大臣  松田 岩夫君
       国土交通副大臣  泉  信也君
       環境副大臣    風間  昶君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        嘉数 知賢君
       経済産業大臣政
       務官       西川太一郎君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       防衛施設庁長官  伊藤 康成君
       外務省経済協力
       局長       西田 恒夫君
       経済産業省製造
       産業局長     岡本  巖君
       国土交通省総合
       政策局観光部長  鷲頭  誠君
   参考人
       国際協力銀行総
       裁        保田  博君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査

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○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に国際協力銀行総裁保田博君を参考人として出席を求めたい、かように存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岡野裕君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項、これについて御報告いたします。
 本日の午前は経済対策及び外交問題等に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割り当て時間は二百二分とし、各会派への割り当て時間は、民主党・新緑風会百分、公明党二十六分、日本共産党三十六分、社会民主党・護憲連合十九分、無所属の会七分、自由党七分、二院クラブ・自由連合七分とすること、また、午後の質疑は片道方式で行い、質疑割り当て時間は六十八分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・保守党十八分、民主党・新緑風会二十四分、公明党八分、日本共産党八分、社会民主党・護憲連合四分、自由党三分、二院クラブ・自由連合三分とすること、質疑順位につきましてはそれぞれお手元配付のとおりといたします。
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○委員長(岡野裕君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、経済対策及び外交問題等に関する集中審議を行います。
 それでは、これより質疑を行います。まず、齋藤勁君。
○齋藤勁君 おはようございます。
 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。神奈川県選出国会議員といたしまして、総理大臣の誕生をお喜び申し上げます。
 地元の記者から、齋藤さん、風速何メートルぐらいですかという質問をされたことがあるんですが、五十メートルじゃ飛ばされちゃうし、四十メートルでも屋根が飛ばされるのかなと、三十メートルぐらいかなというふうに実は答えたんですが、そんな感想を地元の記者に述べました。
 さて、きょうは経済・外交ということで主として、後半、やはり本県選出、私の同僚議員の浅尾議員、また質疑者を見ましたら、松さんも出られると。神奈川県選出議員がオンパレードでございますが。
 さて、私は主として外交関係を中心にしたいんですが、一に入る前に、よく総理大臣というのはうそはついてもいいことが一つぐらいあると。それは、解散のことについてはうそをついてもいいんだというのが何かこの永田町の常識みたいな話になっているようなふうがあるんですけれども、うそはついてもいい、人間はだれでもうそをついちゃいけないわけですけれども、総理大臣の政治家としてのうそはついていいの一つに解散の問題があるということですが、このことについてはどう総理は思いますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 解散権というのは総理の専権事項と言われますが、軽々に扱ってはならない問題だと思っております。しかも、参議院選挙を目前に控えて、衆議院同時選挙という問題に関心を持っている方多いようですが、私は、衆議院、まだ一年足らず、全く衆参同時選挙というものは考えておりません。やる気もありません。
○齋藤勁君 このことでやりとりするつもりはございませんが、たまたま私は、衆参同日選挙ということではなく、一般的な言い方で総理がうそをついてもいいというのは永田町の政界言葉でありますねということをお尋ねしたんですが、ずばり、予定されています改選期に、参議院選に同日選はないというきのうまでの見解を述べられたというふうに承っておきます。
 さて、新世紀維新という、こういうことを所信表明で総理が述べられておりますけれども、このことはあらゆる分野、日本を取り巻く内外さまざまな問題について改革をしていくという、こういうことで受けとめてよろしいんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 歴史を振り返ってみますと、やはり節目というのがあります。よく言われるのが、明治維新とか第二次世界大戦後とか大きな転換期、これは大方の認めるところだと思います。世紀の変わり目、ちょうど二十一世紀ですね、これも大きな節目ではないか。しかも、時代が大きく変わっている。そういう意味から、明治維新、第二次世界大戦後に匹敵するぐらいの今大きな転換期である。この転換期に対応できるような体制をとっていく、いわゆる改革しなければならないということから新世紀維新というぐらいの気持ちで諸改革に取り組む覚悟が必要ではないかということで、新世紀維新という言葉を使わせていただきました。
○齋藤勁君 日米関係に関して伺います。
 きょうの報道ですと、外交、アメリカへ行く訪米日程が決まったということですが、そういうことで内容的な点につきましても明らかにしていただけますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 六月三十日にブッシュ大統領と会談する予定で今準備を進めております。
○齋藤勁君 外務大臣、これも報道ですけれども、きのうの参議院の外交防衛委員会に私も出ていましたので、外務大臣が訪米されるというので、日程についてまだアメリカ政府の方と調整をしていますという話だったんですが、総理の訪米前に外務大臣としては行かれる予定ですか。それでまた、今度、総理も今、日程が決まったようですので、おおむねもうきょうの時点では外務大臣の日程は明らかになったんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 本日の今の段階ではまだ日程は決まっておりませんけれども、事務的に詰めていただいておりまして、総理からのお許しもありましたので、できれば総理がいらっしゃる前に伺わせていただきたいということで、先方の御都合を伺っております。
○齋藤勁君 当然、多岐にわたると思います、アメリカとの話し合いの内容については。
 とりわけ、後ほど同僚議員から経済問題については中心的にいろいろ質問があると思うんですが、一点、私の方でお尋ねさせていただきますのは、とりわけ我が国の景気回復、経済が非常にまだまだ深刻な状況、なかなか脱出し切れないということであります。このことでアメリカ経済と日本経済、言ってみれば構造的にリンクしている部分はないんだろうか。唯一のと申しますか、最大の、世界でいう我が国は債権国と言われる、そしてまたアメリカは債務国だと。こういう中で、どうもある意味では割り切れないのが日米関係で横たわっているような気がいたします。
 そんな中で、総理として、我が国の長引く不況、景気不況が今日までなかなかトンネルを抜け切れない最大の不況の原因、不良債権をとにかく処理すればこのことについては脱出をし得るんだという、そういう要因ですね、このことについて、そしてまたアメリカ経済、日本経済というのはどういう関係になって見詰めていられるんだろうか。何かアメリカから日本に、日本からアメリカに注文するそれぞれの関係についても今どういうふうに考えられておるのか、伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 経済の停滞にはいろいろ理由があると思いますが、それぞれ重なり合っている要因があると思います。日本内部の構造的な問題もあるでしょうし、あるいは外部の影響も、経済というのは一国で成り立っているわけではありませんから、いろいろ出てくると思います。
 かつて、アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪を引くということが言われておりますし、それだけ日米の相互依存関係は大きいものだと思っています。現在でも輸出入ともに日米関係というのは最大の相互依存関係を持っておりますから、大変お互いの経済というものは影響し合っていると思います。今後とも、それぞれの経済情勢というものをよく状況を見ながら、お互い提携、協力というものも重要ではないかなと思います。
○齋藤勁君 我が国の今日までの長引く不況の最大の原因、幾つかあるでしょうということで、最大の原因は何だと思われるのか。先ほど私は、不良債権の徹底処理ができてこなかったということも一つ話をしているんですが、とりわけこのことが大きい要因だと、これが一番大きい要因なんだということはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現下の経済再生という取り組みからしますと、早く不良債権を処理して前向きの経済発展に対する意欲を取り戻したいということから、構造改革なくして景気回復なしということでいろいろな改革に取り組まなきゃならない。わけても、二、三年以内に不良債権の最終処理を目指すという方針を掲げているわけでありますので、この問題に取り組むことが一番大事ではないか。要するに、不良債権の処理に苦悩していると、これが景気の足を引っ張っているというふうに私は考えております。
○齋藤勁君 先ほど申しましたように、世界最大の債権国である。言ってみれば、債権国というのは金持ちであると、こうなるわけですね。一方、デフレ圧力に苦しめられていると。
 ということで、片方は世界最大の債務国、一つ陰りを見せつつも空前の好況をずっと維持しているというアメリカ経済、この日米関係の構造にメスを入れない限り日本経済というのは立ち直れないんではないかという学者あるいは識者もありまして、いろいろ私も勉強させていただいた部分もあるんですが、どうも大いに心は、そうではないのかなというふうに思いつつ今あるところでありまして、この間全く効果がないということはないにしても、大方効果はないだろうという財政出動についても、こういったような根本的な部分についてメスを入れない限り、ただただ我が国の国富を減らすばかりであると。
 言ってみれば、日本がこの経済、あるいは汗水垂らして稼いだお金が、アメリカの財務省の証券を買うことですべてアメリカに還流してしまう。円がいつの間にかドルにすりかわり、アメリカ経済は日本の苦況によって株式が高騰をしていると、こういうふうなことであって、どうもアメリカというのは基軸通貨国なので、幾ら借金を重ねても、とりあえず、言葉をあえてきつく言わせていただければ、ドル紙幣を刷り続けていくと。日本は働くアリであり、そしてまたぜいたくをするのはキリギリスのアメリカと、こういうような構図というのが見られないだろうかと、こういうふうに思います。
 このことは、先ほどまた申しましたとおり、経済関係が主でございませんので後ほど譲りますけれども、改革の痛みというのを総理は今回の所信表明以来、本会議あるいは予算委員会でもずっと伝えられているんですけれども、言ってみれば国民の痛みというのは今も十分現時点でも味わっている、味わわされていると。
 きのうの発表の完全失業者の数も四・九%、三百四十数万人、あるいはホームレスの数が二万人、そして自殺者の数がここ三年ほど毎年毎年年間三万人を超す数、大変な日本の国内を取り巻く状況で、私も地元のみならずさまざまな方に話しますけれども、痛み痛みというけれども、十分痛めつけられている。これを、何でこれからまたさらに痛めつけられるんだということ。というのもいろいろ議論をしていきますけれども、そういうのが率直な国民感情であるということ。
 これは日本が今、バブル経済が破綻した後、いろんなことを強いられておりますが、これは我が党も早くセーフティーネットを張るべきだと。この間の歴代自民党を中心とした政権が、やはり国民に対して医療の問題、福祉の問題、雇用の問題、それぞれのセーフティーネットのさまざまな政策をきちっと張らなかった。そういった全部ツケが、先ほど申しました自殺者の数であり、あるいは完全失業者、ホームレスの数、あるいは生活保護者の数にあらわれているのではないかということで、私は率直に今の現状、国民は痛みを味わっているということについて申し上げながら、この不良債権の処理をということはこれは別に異論はないんですが、もっと奥深い原因があるのではないか。
 日本経済、アメリカ経済との関係、このことについて私はあえて提案させていただきまして、これから日米の関係でいろいろ総理自身もブッシュ大統領あるいはアメリカのそれぞれの首脳と会われるという中で検討されていくというふうに思いますが、このことについて指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 次に、引き続き総理並びに外務大臣に外交・安全保障政策についてお伺いいたします。
 外務大臣、先週、中国での外交、御苦労さまでございました。
 外交日程を終えて総理へ報告をされた。外交上のシークレットの部分もこれはあろうと思いますけれども、どのようなことを、特に中国あるいは韓国両国等を中心にさまざまな話し合いをされまして、総理にどういう報告をされたのか、概要をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今月の二十四、二十五、二十六とASEMという会議がございまして、アジア欧州外務大臣会議もありまして、そのときの全体の会議でのテーマになりました事柄について御報告いたしまして、あとは一対一で二国間で話をいたしました国が数カ国ございましたので、その中で多分御関心がおありになる日韓と日中についても御報告をいたしました。
 中身を……
○齋藤勁君 概略で結構です。
○国務大臣(田中眞紀子君) 中韓ともに教科書問題、もう御案内のとおりですけれども、それから台湾問題、それから靖国問題についていろいろとこちらからも、それから先方からもお話がございましたものですから、それを踏まえての御意見のポイントになる部分を御説明いたしました。
○齋藤勁君 後ほど靖国問題あるいは別な関係について伺わせていただきますが、先ほどのアメリカとの、訪米の関係にもなるんですけれども、新たなるミサイル防衛構想、これについては中国あるいは韓国それぞれ、外務大臣、どういう話し合いをされましたですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 中韓両国ではこのような話は一切出ませんで、むしろASEMの会議の中で、ヨーロッパの国の外務大臣がいろいろ意見をランチのときにおっしゃっておられました。
○齋藤勁君 総理、この新たなるアメリカのミサイル防衛構想、ブッシュ大統領の考え方が示されているんですが、訪米時の協議の中に当然このことが課題として入るんではないかと思いますが、我が国政府の見解としてどうこれは臨まれる予定なのか、現時点での考え方を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) このミサイル防衛問題については、今後とも米国と緊密に協議をしていきたいと思います。
○齋藤勁君 我が国内、政府内、あるいは与党内、どういうふうにこれから、日程的な点もありますが、論議の積み立てをしていくつもりですか。
○国務大臣(中谷元君) 我が国の安全保障に関することでありますので、外務省、防衛庁、また官邸と密接に連絡協議をしていく所存でございます。
○齋藤勁君 スタンスとして、諸外国は既に懸念をしているとか賛成とか、大体どちらかのスタンスに立っていると思うんですよ。それなりの、ASEMの、ヨーロッパのいろんな首脳のそういったサインがあったのではないかと思うんですが、どういうスタンス、立場に立ってこれから議論形成をしていく立場ですか。総理、どうですか、総理として。
○国務大臣(中谷元君) 米国のミサイル防衛構想につきましては、昨日もNATOでこの問題、協議されておりますが、その内容もまだ構想、概要段階で中身がわからないということでNATOの協議は終わっております。
 ですから、ミサイル防衛構想につきましてもまだ概要の段階で、これから米国の戦略やらその内容が明らかになってこようと思いますので、現時点におきましても、我が国の立場はNATO並びに各国の状況と同じ程度でございます。
○齋藤勁君 総理は同じ考え方ですか。今、防衛庁長官の見解と。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは日本としても安全保障の面から重要な問題であるし、軍備管理・軍縮どうあるべきかという観点から当然関心を持って協議していかなきゃならないと思っております。
○齋藤勁君 関心はあるんです、関心があるから聞いているので。だから、少なくともこれは従来の我が国が進めている新中期防でしたかね、防衛庁長官、これと相入れない部分があるんじゃないですか。今度の新ミサイル防衛構想というのは全く違った観点から提起されていませんか。
○国務大臣(中谷元君) せんだってもアーミテージ国務副長官が来日されまして概要の説明はありましたが、現在行っているミサイルの共同研究に何ら支障を与えるものではないというふうに米国側から言われております。
○齋藤勁君 後ほど別のことでもお話ししますが、我が国の立場はどうなんだ、我が国はどういう立場でこういった会談に臨んでいくのかということをあえて質問させていただいているんで、どうもこの部分になるとちょっと歯切れが悪いのかという感じがせざるを得ません。
 次に、普天間移設・返還問題ですけれども、地元の方々はもうこの十五年使用期限問題というのは、知事も地元の市長も一生懸命アメリカまで行って言っているけれども、なかなか困難なのかなという雰囲気を、どうもこれは報道を見る限りにじみ出ているんではないかと思うんですが、総理、この十五年使用期限問題というのは日米協議の重要な課題であるという認識をされていますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、今までもこの普天間問題につきましては、沖縄県等の考え方を、十分要望というものを踏まえて対処していかなきゃならぬということで、今後とも移設問題、基地の返還問題等にかかわる大事な問題だと認識しております。
○齋藤勁君 訪米される中身の、重要だということ、わかるんですけれども、この十五年移設問題も日米の首脳の話し合いの中で位置づけて、積極的に日本政府として訴えたいと、こういうことでよろしいですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのとおりでございます。
○齋藤勁君 県民の、そしてまた沖縄の痛みは日本国民全部の痛みですから、そういう意味でぜひ積極的な政府としての取り組みをお願いしたいと思います。
 さて、非常に大きい話をさせていただくんですけれども、現在、冷戦構造が崩れて約十一年ですか、たちました。冷戦が崩壊をいたしましたけれども、どうも我が国は、過日のガイドライン問題での質疑、私も参加をいたしましたけれども、まだまだ冷戦構造時のいろんな安全保障についての立場というのはぬぐい去っていないんではないかという気がしてなりません。
 総理に単刀直入にお伺いいたしますけれども、我が国の軍隊ではないいわゆる他国の軍隊が今、一九四五年、私自身一九四五年に生まれましたけれどもその後五十六年たちます、他国の軍隊が未来永劫のごとく駐留をしているという現状、自国の安全を他国に依存し続けるという、こういう国は何かおかしいんではないかなという気は私はずっと持ち続けているんですけれども、このことについての率直な所感をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、大方の国民は、自国の防衛は自国だけでしたいと思っているのが大多数じゃないでしょうか。しかし、世界情勢を見て、自国一国だけで防衛できる国は果たして幾つあるか。しかも、我が国においては軍隊を持っちゃいかぬという議論が根強くある。そういう中で安全保障を確保する場合に、どういう態度がいいか。日本はアメリカと提携協力する、安全保障を確保するというのが現下で私は最善の道だと思っております。
○齋藤勁君 総理は十分御承知だと思うんですが、我が国の在日米軍基地が我が国そして極東の安全保障を確保する、こういうことで在日米軍基地がある。しかし一方で、第七艦隊というのがハワイから喜望峰までの広範囲な枠で、言ってみれば地球の半分、これだけカバーをしているという、こういう存在があって、我が国の横須賀も含めてですけれども、横田もあるいは佐世保も普天間も嘉手納も全部そうですが、そういう戦略基地として存在をしているということについての認識はされていますよね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そうであります。
○齋藤勁君 総理、そうすると、先ほどの答弁ですと、自国だけの安全保障、自分たちの。将来を見て、とりわけ私ども民主党というのは、過去も現在もございますが、将来を見据えて、将来の日本というのはどうあるべきかという形で現状を見詰めてこういうふうに改めていこうということで、この安全保障についてもいろいろ議論をしております。これが二十年なのか三十年なのか五十年なのか、遠い将来を見て我が国が他国の軍隊がずっといるという状況というのは、そのときは思いたくないと。であるならば、それに向かってどういうふうにステップを踏んでいくべきだろうかという組み立て方を我が党は考えているわけですね。
 少なくともそういう立場に立つならば、将来、我が国がこの米軍基地のない安保を目指していくということで、もちろんこのアメリカと我が国の関係協力というのは、これは当然のことながら基本とする、しかし段階的に縮小していくんだという我が国の主体的な私は姿勢というのが将来を見据えてあるべきではないか、こう思うんですが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 安全保障を考える際に一番大事なことは、みずからの国はみずからの力で守るという気概と準備だと思います。いかなる国と提携協力をしながら安全保障を図る意味においても、自国を自国で守ろうとしない国に他国が援助するはずがないと私は思っています。一番大事なのは、自分の国は自分の力で守る、この意思をどうやって形で示していくか、これが大事だと思っています。
○齋藤勁君 将来的な私はビジョンを持つべきだと思っているんですね、そういう意味で。先ほど申しましたように、戦後五十六年たっても、我が国に約五万人弱、そして約一千万坪だそうです、我が国の米軍基地、提供しています。これが今の答弁を聞きますと、別に平気でいるわけではないということですよという、そういう気持ちだと思いますが、とにかく、これがもし当然だと、ずっと当然なんだということだったら、国際社会から国際社会の構成員としておかしいなというふうに私は烙印を押されるんじゃないかと思うんですね。
 だから、私は、あえて言わせていただければ、何か薄っぺらな安易なナショナリズムを持つつもりはありません。あるいはまた、積極的に自主防衛をどんどん拡大していけばいいんだということでもなく、いずれにしろ冷戦構造を引きずっていくということ、そしてまた反米感情になるなんということではなくて、やっぱり日米関係を重要にしながら相互に信頼をし合っていく、そういった関係というのをつくっていくべきではないかというふうに思っています。
 そこで、先ほど沖縄のことについて、移設問題について伺いましたけれども、将来のプロセスを見詰めていくならば、国内の在日米軍基地を整理、縮小していくという方針、これは我が国もとっておりますが、この方針は変わらないですね。このことはよろしいですね。我が国の在日米軍基地の整理、縮小を図っていくという方向はよろしいですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) できるだけ整理、縮小を図っていくという方針には変わりありません。
○齋藤勁君 総理の父君でございました純也氏が、多分国会議員のときだと思うんですが、私もつまびらかにすべてを承知をしているつもりはございませんが、これは我が神奈川もまだまだ在日米軍基地があるところですが、横須賀がやはり町づくりが非常におくれるということで、戦後、接収されていた米軍施設の返還に大変努力をしたというのを私も文献で読んだことがございます。
 ぜひそういう立場で、今、一つの、抽象的ではありませんけれども、整理、縮小に努力をするということで具体的にあえてお伺いしたいんですが、神奈川県相模原市、中核市がございますが、ここはJR相模原駅の横に相模原補給廠という広大な陸軍の補給廠がございまして、長きにわたりまして市長あるいは市民一緒になってこの補給廠の跡地の構想を、利用しようということで今素案ができ上がりまして、間もなく、一、二カ月しますと構想が、中間報告が出ます。これはJRの駅を移転をするとか、壮大な町づくりプランでございまして、これは現時点で全く遊休化をしておりませんが、今の整理、縮小をしていく方向にぜひリンクをしていただいて、政府として積極的に取り上げるべきだと。
 従来ですと、自治体から案が出てくる、それをよく見て検討しましょうと、こういうことで、現時点では構想がまだ決まっていませんから、そういうふうに言わざるを得ないのかもわかりませんが、非常にこの整理、縮小については遅々として進まないのがこの間の日本の国内の取り組みでございまして、積極的な日本政府としての、具体的に言えば相模原補給廠の跡地の利用につきまして取り組むべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 沖縄の基地の負担を本土がどうやって引き受けていこうか。また、私も地元横須賀に住んでおりますし、米国海軍基地も存在しています。あの基地が全部横須賀市で使えたらどんなにいいだろうかと思う気持ちは十分わかっております。また、かつて選挙区でありました逗子市の池子弾薬庫の返還運動にも携わってまいりました。
 そういう点から考えますと、みずからの地域内にある米軍基地を返還してもらいたいという市民の気持ちは痛いほどわかっているつもりでございますが、この相模総合補給廠というのは物資の保管及び補給等の後方支援施設として現在重要な役割を果たしていると聞いております。そういう点を考えまして、現時点で日本側がアメリカ側に返還を要求する考えは残念ながらないと言っていいと思うのであります。
○齋藤勁君 先ほど横須賀の例を出しましたのは、町づくりにとって支障があるというのは、自治体も政府も一緒になってアメリカとかけ合う、こういうことだったわけですね。それで実現をしてきた。これは多く国内あるわけで、これも現時点で一部利用しているかもわからない。しかし、少なくとも相模原の町づくり、神奈川の町づくりの中で、市民が必要だということについて合意をされて決まっていくという過程の中で、一部使用しているから、だから返還を求めないんだということではなくて、一緒にテーブルに着いて、日米関係のそういう意味では話し合いをするというのが、我が国政府の国民の立場に立った姿勢ではないかということを申し上げているんで、そういうことで対応していただきたいということで、再度御質問いたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 基地の全般的な整理、縮小という観点から、適切な対応が必要ではないかと思います。
○齋藤勁君 時間の関係で、まだ幾つもあるんですが、靖国神社の公式参拝についてお伺いいたします。
 坂口大臣、厚生労働大臣ということではなくて、公明党としてこの靖国神社の公式参拝というのは、私がずっと伺っている限り見解は変わっていないというふうに思っているんですが、恐縮ですが、公明党としての靖国神社公式参拝についての見解、概略を伺いたいと思いますが。
○国務大臣(坂口力君) 私自身は、宗教とのかかわりがありますだけに、政治家としては、いかなる宗教であれ、やはり中立を堅持していかなければならないというふうに思っております。
 そうした考え方の中で、この靖国神社の問題を考えましたときに、憲法の許します範囲内での参拝、それはやはり許される、個々の信条によってお参りされるわけでございますから、それは許されることだというふうに思っている次第でございます。
○齋藤勁君 公明党としてのというお尋ね方をさせていただいたんですが、いかがですか、お答えできませんか。
○国務大臣(坂口力君) 党といたしましては、それが靖国神社であれ、他の神社仏閣であれ、個人的にそこに参拝をするということは、これはそれぞれ許されることであるというふうに思っておりますが、やはり公式にということになりますと、これは憲法上の制限があるというのが党としての考え方でございます。
○齋藤勁君 官房長官、お尋ねいたします。
 昭和六十一年、一九八六年になりますか、後藤田内閣官房長官、当時、首相の靖国神社公式参拝見送りについてということで六点述べられておりますが、これはこの間、新総理になりまして、この靖国神社公式参拝というのはずっといろいろな発言でいろいろ議論になっていますが、このことについての後藤田内閣官房長官談話については承知されていると思いますが、この後藤田官房長官談話について、現官房長官としての見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘の後藤田官房長官の談話にあります考え方、これは今でも変わりません。
○齋藤勁君 田中外務大臣、先ほど中国、韓国、このことは教科書問題とかいろいろな中の一つだと思うんですが、行った中で、このことについては中国のどなたから、韓国のどなたからどのように外務大臣に話があったのか教えていただけますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) この問題につきましては、まず中国側は御自分の方からは、ほかの教科書問題もそうですが、一切触れられませんで、私の方からお話を申し上げました。そして、韓国側は先方から先におっしゃったんです。
 それで、私はまず、私は参拝には行かないけれども、小泉総理は、戦争を美化するとか、あるいは戦争そのものを正当化するのではなくて、亡くなった方の御冥福を祈るという気持ちでいらっしゃるんだという、つもりで行かれるという、日ごろの総理のかねてからの御発言をそのままお伝えいたしました。そうしましたら、中国側は、雪に霜を加えるということわざがあるそうでございまして、仮に総理の身分で公式に参拝をすることになると、日中関係に重大な影響をもたらすという懸念を表明されました。
 それから、韓国の韓昇洙外交商工部長官ですけれども、それは、近隣諸国の感情に配慮をして慎重な対応をお願いしたいという発言をなさいました。
○齋藤勁君 五月十四日の衆議院予算委員会の質疑で久間委員が靖国問題で質問されたときに、総理の答弁、速報ですけれども今持っているんですが、いろいろ長い文章で、別にいいとこ取りするつもりはありませんけれども、「どういう批判があろうとも、これは日本人として、この気持ちは、宗教とかそういうのは関係ありません、自然な人間の気持ちではないか。それを、よそから批判されてなぜ中止しなきゃならないのかというのはいまだに理解に苦しむわけであります。」ということをお話しになっているんですね。で、二度と戦争は起こしてはいけないという気持ち、これは同じです。
 私の父親は大陸に一兵隊として行っていまして、帰ってきてすぐ死んでいるんですけれども、私の父親のすぐ下の弟は戦争を知っていまして、家族の中でこの戦争ということについての話はいつもしていまして、なかなか墓参りには行けないんですけれども、ただ、いろいろの先輩に聞きますと、おまえいつ行ってもいいんだ、もう人間の気持ちというのは別に命日とかなんかじゃなくてもいいんだよということですから、時間があったときには墓前に行って頭を下げてまいりますけれども、その部分について私は何ら変わらないんですね。
 ただもう一つは、靖国神社と武道館と千鳥ケ淵を同列にするというのは、これはちょっといかがかなというふうに思いますが、ここのことは別にして、私は、先ほど官房長官、これは読み上げますと長いので省略をいたしますが、中曽根さんが八月十五日に行かれて、その後十六年間事実上行っていないわけですね。公式参拝していない。この理由は、言ってみれば他者への思いやりではないかというふうに思いまして、日本国民の痛みもそうだし、アジアの人たちの痛みも思うということで、このことの思いは私たちみんな持っているんじゃないかと思うんですね。今、中国から韓国からということが多分総理の久間さんに対する、よそから批判されてなぜ中止しなきゃならないんだということがあるんですけれども、そういうことじゃないかと思うんです。そういうことについて私は総理としてきちんと受けとめて対応するというのが日本のリーダーではないかというふうに思うんですが。
 この間の外務大臣の中国あるいは韓国、そしてこの間の国会の論戦を聞いて、従来と全く、小泉総理大臣としてはこの五月十四日の答弁と変わらないのか、いや変わったのか。私は変わるなら変わったって別に、当然私はあるべき姿だと思うので、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 結論から言えば、変わりません。
○齋藤勁君 この辺は率直に言って見解が異なりますね、私と。幾つかほかにも、冒頭の経済関係も日米関係もあるんですが。
 これは韓国の方々や中国の方々にとって失礼にならないと思うんですが、ドイツ人がヒトラーとかゲーリングとかあるいはヒムラーとか、その人たちが祭られた教会の式典に出席するような、そんな感じではないかというふうに思います。
 いずれにしろ私は、総理はこの間ずっと情の部分で言っているんですが、情であるならば、私はアジアの諸国の人たちの情ということについて思わなければ、日本のリーダー、アジアのリーダーなんですから。リーダーでなくても国会議員ですから。(「日本のリーダー」と呼ぶ者あり)アジア。どうですか、私は、間違っていたという、言えないかもわかりませんが、改めてもよろしいんじゃないですか、総理。
 それから、外務大臣、ちょっとお伺いしますが、きのう外交防衛委員会で、毎年毎年この靖国神社問題というのがいろいろ議論をされるということで、何か解決する方法があるんではないかというような答弁をされたというふうに私は聞いているんですが、これはかつて自民党の野中氏がA級戦犯の分祀ですか、こういう考え方を出されて、その後、党内からいろいろ意見が出されてとんざしているというふうに推察しているんですが、そういうことを指して言われるのか。今、私が、情の部分であるならば、アジアの人たちの気持ちを持って、私は、総理は八月十五日、あえて公式参拝なんということを言わないということと、それから、そういうことと同時に、何か解決する方法はないのかどうかということについてきのう述べられていますので、そのことについての見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私も、かつて野中先生が分祀できないものだろうかというような御発言があったことは承知いたしております。
 昨日、私が発言いたしましたのは、分祀ということでもありませんし、あるいは内閣総理大臣たる地位の方が行くべきでないという議論でもございません。そうではなくて、千鳥ケ淵に戦没者、例のさざれ石がありますけれども、国歌に歌われている、あそこでありますとか、あるいは靖国神社とか、それから武道館でも両陛下がお出ましになって式典ございますけれども、そういうものをもう一回、若い世代もみんな一緒になって、今後どういうふうにあるべきなんだろうかということについて、もちろん齋藤先生からお知恵を拝借できればありがたいと思いますけれども、一回考えないと、いつもいつもこういうことを繰り返して議論しているのは大変じゃないかなという思いがいたしまして、発言いたしました。
 大変重要な問題でございます。
○齋藤勁君 委員長、先ほど総理にも、全体的に。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 八月十五日というのは日本国民にとって大事な日だと思っています。それは、終戦の日であり、二度と戦争を起こしてはいかぬと。そして、祖国のために心ならずも命を犠牲にされた戦没者の方々に心からの敬意と感謝をささげたいという、そういう気持ちから私は参拝をしたいと思っているのであって、むしろ気持ちの中におきましては、二度と戦争を起こしてはいけない、この国難に殉じて、よくもとうとい命を苦しくても犠牲にしてくれた方々に感謝をささげる行為が毎年毎年議論になるというのは余り好ましい問題ではないと。
 私は参拝いたしますけれども、この行為に対して、もし中国にしても韓国にしても、何か不快な念を持たれるのだったらば、その不快の念を取り除くような相互理解と友好関係の改善を図っていく、これも同時に必要ではないかと思います。
 むしろ、たとえそういう批判があっても、八月十五日に日本国総理大臣が行くということにおいて、もうこの問題で余り外交問題として取り上げるのはやめようと、そういう気持ちにしていきたいなと思っておりますし、八月十五日には必ず参拝するつもりであります。
○齋藤勁君 かたくなな総理の姿勢について、ある意味では私は驚きを持ちつつも、過日の所信表明演説の中に「日本が平和のうちに繁栄するためには、国際協調を貫くことが重要」だというくだりがございます。この「国際協調を貫くことが重要」だと、二度と国際社会から孤立し、戦火を交えるようなことがあってはならないと。この国際社会から孤立し、戦火を交えることがあってはならないというのは、これはだれもが一致する。
 国際協調ということで、私は、先ほど福田官房長官が、後藤田官房長官の談話について、そのとおりですという話は、少なくとも近隣諸国の国民の間に「我が国の行為に責任を有するA級戦犯に対して礼拝したのではないかとの批判を生み、ひいては、我が国が様々な機会に表明してきた過般の戦争への反省とその上に立った平和友好への決意に対する誤解と不信さえ生まれるおそれがある。それは、諸国民との友好増進を念願する我が国の国益にも、そしてまた、戦没者の究極の願いにもそうゆえんではない。」と。
 ということで、さらには、今総理が言った、「公式参拝の実施を願う国民や遺族の感情を尊重することは、政治を行う者の当然の責務であるが、他方、我が国が平和国家として、国際社会の平和と繁栄のためにいよいよ重い責務を担うべき立場にあることを考えれば、国際関係を重視し、近隣諸国の国民感情にも適切に配慮しなければならない。」と。国民感情にも適切に配慮しなければならないということがこの談話の中の一つのポイントになってきているわけです。
 したがって、私は、「引き続き良好な国際関係を維持しつつ」ということであるならば、私は、総理の所信表明の、平和のうちに繁栄する、国際協調を貫くことが重要だということについてはこの談話と全く一致するわけで、そこから靖国神社の八月十五日の公式参拝ということについての発言は出てこない流れではないかというふうにあえて私は訴えているつもりなんです。それでも行かれるわけですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私が靖国神社に参拝することが日本国民が平和を希求しない国民であるとはとられないように相互理解を深めていきたいと思います。
○齋藤勁君 他に質問たっぷりあったんですけれども、ちょうど半分ずつ浅尾議員との関係でございまして、残り二分ございますが、その部分については同僚の浅尾議員の方に出させていただきたいと思います。
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。浅尾慶一郎君。
○浅尾慶一郎君 引き続きまして、神奈川対決ということを言われるのかもしれませんが、小泉総理が、民主党を私は敵と思っていないというふうに言われたことに対して、大変失礼ですけれども、私も小泉総理を敵と思っておりません。むしろ、小泉総理の示しておられます改革の姿勢に大いに期待をしたいと思っておりまして、きょうは具体的に改革の提言をさせていただきますので、それについてイエス、ノーとはっきりとお答えいただきたいと、こういうふうに思っております。
 まず、政治面の構造改革ということもおっしゃっておられます。首相公選制ということも考えてみたいというふうに言っておられます。私も、同じ参議院の山本議員とともに、昨年、中央公論に首相公選制の手続について発表をさせていただきました。しかし、首相公選制というのはなかなか難しい。今の現行憲法の中ですぐにできることが、しかしあります。それは何かというと、一票の格差をなくすことです。総理、その点についてどうでしょうか。
 今、一票の格差が大体衆議院で二・五倍だと思いますが、参議院に至りますと一対五ぐらいになってしまう。私は、日本全国どこに住んでいてもやはり一票は一票でないとこれは公平な社会じゃないと思いますが、その点の考え方について、どのように思われますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 選挙制度に関しては国々によって違うと思いますが、基準をはっきりすべきだと思うんです。アメリカみたいに下院は人口基準、上院はどんな小さな州、人口の多寡にかかわらず一州から二人、三年ごとに一人ずつという基準ならそれでいい。人口論。
 しかし、日本の場合は、衆議院の場合は人口基準です。参議院の場合がこれまた非常にあいまいだと。地域性もあるし、なおかつ人口も加味しているというようなこうはっきりとした基準でない。そこで、参議院の人口の一票の格差の問題と衆議院の一票の格差の問題とは若干違ってくると思っております。
 衆議院の場合においては、私は、人口基準ですから、少なくとも二倍以内におさめるべきだと思っております。
○浅尾慶一郎君 確かに参議院については、予算については衆議院に先議権がありますし、首相は衆議院が選ぶという形になっていますから、これは一票が多少格差があってもいいという議論もあるかもしれません。しかしながら、予算関連法案についてはこれはやはり参議院で否決することもできるということを考えると、ここも憲法改正伴う議論かもしれないけれども、どちらかにするかという意味では基準をはっきりしていくべきだというふうに私は思っています。
 そこで、衆議院については人口基準でやるべきだというふうにおっしゃいました。二倍以内というのは最高裁がそういうふうに言っているだけであって、本来は一対一にすべきだと思います。衆議院がなぜ一対一にならないかというと、四十七都道府県に一議席が自動的に配分されているその制度が私はおかしいんじゃないかなと思っていまして、実は、四十七都道府県に自動的に配分されるという条項をなくす法案を私ども民主党は用意しておりますが、その法案に賛成される意思はありますでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この現行制度に関しての格差の是正は審議会で今やっていられるんじゃないですか。私は、この制度改革の場合は、当初、この小選挙区比例代表制に変えるときに党内で議論したことがあります。中選挙区で一票の格差を是正すればいいじゃないかということを言っていました。
 しかし、今回、小選挙区比例代表制になった、どこを改正すべきかと。私は、一票の格差を是正する意味において、むしろ各県に一人割り当てるというよりは全国的な観点から一票の格差を素直に是正していく方法の方が好ましいと思っております。
○浅尾慶一郎君 今、総理が言われた区割り審議会ですか、そこは現行の四十七都道府県に一議席配分されるという前提でもって区割りを考えておりますから、現行の法律の四十七割り振るというところを削除すれば自動的に三百の小選挙区が各県に人口比例で配分されるという形になりますので、私のお聞きしたのは削減するという一文ですから、その法案が出てきたら、今のお答えですと多分賛成していただけるんじゃないかなというふうに思いますが、そういう理解でよろしいですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはいろいろ党内の議論がありますし、自民党員として党内議論も見きわめながら判断しなきゃいかぬと思っております。
○浅尾慶一郎君 総理の考え方としてはそういう理解、そういう一票の格差をなくすべきだというふうに私は理解いたします。
 今、ちょうど席を外されているのであれなんですが、戻ってこられたら竹中大臣に実は同じ問題で、東京財団という彼が理事長をしていたところで同じようなことを発表しておりましたので、後ほど戻ってこられたらそのことは聞こうと思います。
 そこで、郵政事業の民営化について伺っていきたいというふうに思いますが、総理は所信表明の中で、旧郵政省のわけのわからない理屈は、私の小泉内閣においては通じないというふうにおっしゃいました。そのことを実はきょうお越しの片山総務大臣に総務委員会で、実際に旧郵政省、そういうことはあったんですかと伺いましたところ、それに対して、これは片山総務大臣の発言でありますが、いや、これは総理一流の御表現だと思いますけれども、意図的に妨害したということは私はないと思っておりますというふうにおっしゃっておりました。
 しかし、総理の所信表明を読むと、やはり何かそういうわけのわからない理屈をもって民間の参入を妨害したと今でも思っておられますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 本会議の答弁で、商品券は民間企業が配達してもいいが、地域振興券は民間企業が配達しちゃいかぬというわけのわからない論理は、私の内閣では通用しないと言ったはずであります。今でもそう思っております。
○浅尾慶一郎君 そうすると、片山総務大臣おられますが、総務大臣の発言とは若干違うように思いますが、総務大臣いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) この問題は衆議院の予算委員会でもお答えしましたし、過日の参議院の総務委員会でもお答えしましたが、信書というのは、これは郵便局しかやれないと。何が信書かというのは、これは法律にはっきり書いてないんですね。そこで、今までの解釈あるいは判例の援用では、信書というのは文書性と特定性がなきゃいかぬと。特定の人に対して自分の意思だとか情報の連絡をするのが信書だと。
 そこで、地域振興券は特定性があるという判断だったと思うんです。だからこれは信書だ、だから郵便局だと。商品券は信書でないからどうぞと。こういうことだったんですが、そこの解釈については議論があるので、総理のお考えは、民間にできるものはできるだけ民間に、もっと国民にわかりやすくしろと、こういうことですから、この問題を含めていずれ郵便事業の民間参入の結論を出すんですから、早急に。その中でしっかり対応しますと、こういうふうに申し上げたので、いささかの相違もございません。
○浅尾慶一郎君 非常に相違があるように私には聞こえました。
 そこで、具体的に伺ってまいりますが、今まさに信書は郵便事業でなければいかぬというふうに言われましたが、これはどういう理由で信書の配達は郵便が独占しているんですか、経済的な理由ですか、それとも信書の自由を守るための理由ですか。
○国務大臣(片山虎之助君) それは経済的な理由もあるでしょうね。できるだけ安く、公平にあまねくと、こういうことですよね、旧郵政省の好きな、それと信書の秘密もあるでしょう。そういうことで、そういう解釈、判例もあるんですよ。
○浅尾慶一郎君 まず、信書の自由について私はこれは見解を異にしまして、なぜかというと、今特定の人に送るものを信書だと言われましたが、電子メール、これは信書に該当しないわけであります。電子メールの配達を郵政省が独占しているわけでも何でもないわけでありまして、これはいろんな電話会社が電子メールを送っている。それが通るというのだったら別に信書の自由、民間が入っても構わないんじゃないかなと思いますが、総理いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その点のことについては私と意見は共通していますね。しかし、今までこういうことを言うと変人扱いされたんですよ。だからおかしいと、国会。全政党がこの問題を問題にしなかった方がおかしいと、私の内閣になったからこれは問題にすると。今まで変えなかったのを変えると言っているんです。だから、片山大臣も今まではこの問題はタブーで触れなかったけれども、これからは検討しようと言っているんだから、それでいいと思うんです。
○浅尾慶一郎君 そうすると、片山大臣はこれからは信書の配達については別に自由という面に関しては検討できるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほど言いましたように、いずれにせよ、民間参入ということをこれから議論するわけですから、信書の範囲、あり方について検討いたしますし、しっかりした答えを出します。
○浅尾慶一郎君 余り答弁かみ合っていないように思うんですけれども、もう少し具体的にじゃ聞いてまいりましょう。
 信書の自由についてはまあそういうことだと、じゃ次に、信書の秘密を守らなきゃいけないということに関しては、今のような理屈だと思いますので民間が入っても私は大丈夫だと思って、総理も多分同じ意見だというふうにおっしゃっていただきました。
 経済的理由についても、これはそれが成り立つかどうか、しっかりと考えればいいというふうに思いますが、その点について総理の御意見を伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 経済的に成り立つかともかく、私は民間ができることをなぜやらしちゃいけないのかという観点なんです。
 信書の秘密を守らなきゃいかぬと言っているけれども、先ほど言ったように、ファクスだって特定の人に与えるんですよ。これは民間でやっているんですよ。クレジットカードだって、いつか旧郵政省はいちゃもんをつけてきましたよ、民間がやっちゃいかぬと。これは実におかしいと。民間にできることは民間にやらせていいと言っていながら、これだけはどうしていけないのかということから常に疑問を呈していたんだけれども、全然一顧だにしなかった。ようやく私が総理大臣になったから考え出したわけでしょう。これは大きな変化ですよ。
○浅尾慶一郎君 どうも総理の考えと総務大臣の考え、違うんですが、総務大臣に聞くとまたいろいろとわけのわからない、理屈というと失礼ですけれども、御答弁になる可能性があるので聞きませんが、もう少し具体的にわかりやすい例で申し上げてまいりますが、もう一つ、これもかつて総務委員会の中でいろいろと御議論させていただきました。郵便貯金の地方公共団体に対する預け入れ限度額については、これは上限がありません。来年の四月からペイオフが解禁となりますと、例えば私がおります横浜市、大体預金を相当持っているというふうに聞いております。小学校のPTAの積立金などを全部名寄せして横浜市のお金だということになりまして、平時で多分百億円、あるいはもっと大きいお金があるかもしれない。これをどこかの銀行に預けておくと、仮にその銀行が破綻すると一千万円しか戻ってこない、しかし郵便局に預ければ全額保護されてしまうという状況が現にあります。
 しかし、郵便貯金の預け入れ限度額、普通の個人であれば一千万円であります。あるいは法人もそうだと思いますが、なぜそうした地方公共団体だけ限度額を設けていないのかということが一つあると思いますが、もっと根本的に考えると、競争条件を一緒にするということであれば、今からでも法改正をして、すべての団体が郵便局に預け入れる場合には一千万円しか預けられませんよと、あるいは一千万円までしか保証しませんよというふうにしないと、国が保証するのにそごが出るんじゃないかなと思いますが、総理大臣、その点いかに思いますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう問題も含めて検討していかなきゃいけないと思います。民間と郵便局とどういう問題点があるか、公平性の確保の観点からどういう問題があるかということは、今の御指摘も踏まえて検討していく課題だと思っております。
○浅尾慶一郎君 検討して、やらない場合というのは、どういう場合がありますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、私はむしろ郵政民営化論者ですから、そのときにはそういう議論が出てくるでしょう、私はそっちに賛成するでしょう。しかし、これから議論するんですから、これから郵政三事業のあり方に関する懇談会を設けますから、その中で議論してもらいたいと思います。
○浅尾慶一郎君 しかし、民営化は公社化移行後の話でありまして、ペイオフはもう既に来年の話でありますから、それまでに競争のイコールフッティングということを整えておかなければいけないと思いますが、その点について、総理、いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 地方団体等の公共法人については、限度額を設けていないんですよ。それは言われるとおりなんですね。いろんな考え方があると思いますが、現在の地方団体の資金運用状況を見ますと、指定金融機関というのがあるでしょう、指定金融機関。それは指定代理、収納代理。それで指定金融機関がほとんど扱っているんです。だから、郵便局に預金が滞留するとかなんということはほとんどないんで、そこの実態があるということは御承知いただきたい。
 それから、今、総理が言われているのは、再来年中に公社化するわけですから、その公社の制度設計はことしじゅうにしなきゃいけません。その公社化のあり方の中で今のことはしっかりと検討して結論を出していきたい、こういうことですから、先の話じゃありませんね。
○浅尾慶一郎君 来年の四月一日からはペイオフが発動されます。(発言する者あり)
○委員長(岡野裕君) 質疑者以外は御発言を禁止します。
○浅尾慶一郎君 来年の四月一日からペイオフ解禁になります。そのときに、今はもしかしたら預けていないかもしれない。しかし、自治体の中においては、やっぱり地方自治法において、住民請求によって仮に損害が出たらそれを請求できるような仕組みができておるわけでありますから、そうしたら、もうそれを郵便局に預けかえちゃうところが出てきてもおかしくないし、私が自治体の収入役なりなんなりそういう役であれば、そういうふうに考えて住民の預金を守るというのが多分正しい選択だと思うんです、今の制度のままだったら。それを今の制度は誘発するからおかしいということを言っているんで、来年の四月一日の前に変える意思はないかどうか、もう一度総理に確認します。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、民間に不利にならないように、民間企業の活動を阻害しないように考えていかなきゃならない問題だと思っています。
○浅尾慶一郎君 では、そういう方向で四月一日までにぜひ検討していただきたい、こういうふうに思っています。
 そこで、今話が出ました民営化の懇談会というものを今度立ち上げられるというふうに聞いておりまして、田中直毅さんですか、が座長というふうにたしか新聞報道で読みましたが、そのことを伺うつもりはありませんが、民営化についての懇談会が出した結論には総理は当然従われるし、それでもって与党内を説得されるという理解でよろしいですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは郵政三事業のあり方に関する懇談会という形になると思いますが、これは議論して、今まで国営じゃなきゃいかぬという前提を取り払って自由に議論してもらう。もちろん民営化論、出てくると思います。その結論を見ながら、これから国会でどうなっていくか。今まで郵政三事業は国営じゃなきゃいかぬという雰囲気が、自民党でも民主党でも変わってきました。そうですね。これを見れば私はどっちになるかというのは、国民の動向を見なきゃなりませんけれども、民間にできるものは民間に任せるという視点で進めていきたい。それは結論を見なきゃわかりませんけれども、そういう形で持っていきたいなと思っております。
○浅尾慶一郎君 私が伺っておりますのは、仮にその懇談会が民営化すべしという結論を出した場合には、いろんな抵抗があっても、総理はリーダーシップを発揮してその結論に従うという理解でいいかどうかと言うんですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 従うとかいう問題じゃなくて、私自身民営化論者なんですよ。できるだけ民営化に持っていきたい、総理大臣として努力するという気持ちは変わりないんです。
○浅尾慶一郎君 時間の関係で、次の問題に進みますが、じゃ、今なぜそういうことを申し上げたかといいますと、片山総務大臣は、私が同じような質問をしたときに関して、いや、それは諮問機関ですから最大限に尊重しなければなりませんし、どういう結論が出るかまだわかっておりませんので、今からその結論がこうならこうとなかなか言えませんけれども、しかるべきしっかりした結論が出ることを私は期待しておりますというふうに言われて、必ずしも、私の質問は、その諮問機関のあるいは民営化懇談会の結論に従うのかと、あるいはそれに従ってリーダーシップを総務省内で発揮するのかということではお答えいただけなかったものですから、総理は内閣に対して、そういうことにほかの大臣にもリーダーシップを発揮されるのかどうかということを伺ったのであります。
 今の御答弁では、自分は民営化論者だということはもう前々からわかっておりますが、ほかの大臣、その他内閣の方にもそういうことで考え方を伝播するというふうに考えて、次の質問に移ります。
 そこで、不良債権の問題について伺います。
 先ほど、日米会談の中でも不良債権の問題を取り上げるというふうな御答弁をいただいたわけであります。この不良債権の問題、幾つか問題があるわけでありますけれども、一つは、今現に不良債権がどれくらいあるかよくわからない、これが一番大きな問題だと思います。
 最近、銀行の決算が発表されましたが、三菱東京フィナンシャル・グループあるいは三井住友グループというのは、大幅に不良債権の額、自己査定をふやしております。そうだとすると、全体でもかなりふえているんじゃないかなというふうに思うわけでありますが、実は、小泉総理が総理になられた一つきっかけであります自民党総裁選において、橋本さんは、九月までにすべての銀行の不良債権の資産査定を金融庁においてやるというふうに言っておられます。
 私は、まず第一にするべきことは、各銀行が幾ら不良債権を持っているかということを明らかにして、そしてそれに必要な体制をそれこそ来年の四月一日までとらないと、ペイオフが解禁されてしまうから大変なことになってしまうというふうに思うわけでありますが、まず第一の質問は、総理は、その不良債権の額についてしっかりと検査をする、あるいはそれを幾らあるか国として把握する意思があるかどうか、その点を伺いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権が幾らあるかわからないと、こういうお話ですけれども、不良債権をどう定義するかということです。
 いろいろ物の本によって、金融の問題ですからそれなりの専門家ですけれども、やっぱり原契約どおり利息なりあるいは元本の償還ができていない債権を不良債権と考える、これは極めて常識的な考え方だと、こういうことを言われておりまして、その観念でできているのがリスク管理債権ということで、これは明確に計数を挙げて発表しているところでございます。
○委員長(岡野裕君) 総理はいいですか。
○浅尾慶一郎君 今、柳澤大臣お答えいただきましたけれども、リスク管理債権、言葉は聞こえはいいんですけれども、各銀行によって違うんです。
 Aという会社を、ある銀行がこれは破綻懸念先だと思う場合もあるし、違う銀行は、いやここは要管理先だと思う場合もある。これはでこぼこがあっても私は一義的には構わないと思いますが、しかし検査をすれば、金融庁はそのAという会社がどういう評価であるべきなのかということはすぐわかるはずであります。だからこそ一斉に検査をして、今でこぼこがあるものをならして、各行ともAという会社を見た場合には、やはりこれは危ない、破綻懸念先だということであれば、それをならしていかなければいけない。
 以前、別の委員会で質問したら、それは情報の格差があるというようなお話もありました。情報の格差があるからこそ、金融庁という預金者の立場に立って検査をする官庁からすれば、検査をしっかりとして、そして査定が甘ければ厳しく糾弾をしていくことが必要ではないかな。そうすることによって日本が持っている不良債権というものの額がわかるわけであります。
 そこで、総理に改めて伺いますが、日米会談で不良債権の問題をされるに当たって、アメリカ側も果たして日本の不良債権の総額が幾らかわからない、日本側も今申し上げたように各銀行のそれぞれの自己申告ではわかるけれどもその自己申告が正しいかどうかわからないのであれば、やはり一斉に検査をして、絶対額、それを調べておくべきだと思いますが、その考えについて総理に伺います。
   〔国務大臣柳澤伯夫君「不良債権……」と述ぶ〕
○委員長(岡野裕君) 柳澤君は指名しておりません。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何を協議するか、これから調整します。
○浅尾慶一郎君 いや、何を協議するかという質問ではなくて、不良債権ということが問題だと言われている中で、じゃ、不良債権の額が幾らなのかわからない、それでは協議にもならないんじゃないですかと。したがって、不良債権の額が幾らあるかということを金融庁がそれぞれの銀行に入って検査をすればわかるんではないか、そういう考え方に立たないんですかという質問であります。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日米関係の議題とは別ですね。
○浅尾慶一郎君 先ほど、日米会談の中で不良債権のことも大きな議題になるというふうにおっしゃったので、私は質問したんですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、これから六月中下旬をめどに日本の方針というものをまとめます。その経済問題の中でどういう点を取り上げていくかということは今後日米首脳会談に対して臨む中で議論しますが、今言ったように、不良債権がどこまであるかというのは、これから何を協議するかということで、どういう問題を具体的に取り上げるかということはまだ決めておりません。
○浅尾慶一郎君 不良債権のことが議題になるというふうに先ほどおっしゃいました。そして、不良債権のことが議題になったときに、じゃ日本の不良債権はどれぐらいあるんですかということが向こうから聞かれるかもしれない。それに対して正確な答えを言わなければいけないと思いますし、そもそも、自分として、日本の国として、日本の不良債権が幾らあるかと知っておかなければ会談に臨めないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今後、柳澤担当大臣の意見を聞いて、十分検討したいと思います。
○浅尾慶一郎君 それは柳澤大臣の意見ということではなくて、交渉に臨まれる総理が手元に資料がなくて交渉に臨まれるんですかという質問です。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何を議題にするかというのは、担当大臣のよく意見を聞いて、それから私は判断します。(発言する者あり)
○委員長(岡野裕君) 御静粛に願います。
○浅尾慶一郎君 何を議題にするかというか、先ほど御自身が不良債権の問題が議題になるとおっしゃったから私は聞いているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 柳澤大臣の意見をよく聞いて判断します。
○浅尾慶一郎君 柳澤大臣の意見を聞いて判断しますというふうにおっしゃいましたが、じゃ、その柳澤大臣が今の不良債権の問題についてはっきりと全額を把握しているというふうに理解をされておられるわけですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題については私よりはるかに勉強されていると思います。
○浅尾慶一郎君 それじゃ、把握しておられるかどうかこれから柳澤さんに聞かせていただきますが、先ほど申し上げましたが、銀行によってAという会社の査定が破綻懸念先である、そして要管理先であるという場合があるというふうに申し上げたことがありまして、それに対して、本来は横ぐしを入れるということで、柳澤大臣は、私も以前はそういうふうに考えておったと、しかしその立場に立ったら横ぐしを入れるということがなかなかできないという御答弁をいただきました。横ぐしを入れないということは、不良債権の額、ないしはそれに対する引き当てが十分かどうかということがわからないわけであります。
 今でも横ぐしを入れないという立場に立っておられるかどうか、伺わせていただきます。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の額についてどう考えるかということは、SECの基準と我々同じ基準のリスク管理債権というもので把握している、これは一つの問題なんです。これはもうこれで終わりなんです。それと、金融機関が引当金等のことをやるというのは、これは基本的に自己責任、自己査定なんです。それはもう浅尾先生御存じでしょう。基本的に自己責任のもとの自己査定でやっている内部手続なんです。アメリカでもこんなもの公表していません。
 ただ、私は今、日本の金融が危機的な状態にあった。それで、何とかすべての情報をやっぱり開示した方が信頼が得られるだろうということで、例外的な期間、これを一体いつやめるかということは、私考えているんです。こういう銀行内部の作業を表に出すということを一体いつまで続けるかということは、これは問題なんです。日本だけなんです、こんなことをやっているのは。
 そこで、この自己査定について、今、浅尾先生が横ぐしを入れるというか、行政当局の目で一斉に調べたらどうかとか、あるいは同じ基準で考えたらどうかというお話なんですが、そんなことはできないんですね、自己査定ですから。情報も違う。それから、返済の状況も違う。
 私が言ったのは、私もこの前の最初の就任のときにも大議論しまして、私も素人で入りましたから、この問題はなぜ違うんだということを議論しました。そうしたら、いろんなもう議論の中でエピソードとして担当官が言ったことは、A銀行、B銀行、C銀行と例えば甲社という会社がつき合っているときに、やっぱりB銀行が自分が一番大事にしたい銀行なんだったら、そこはやっぱり返済の状況がどうしてもいいようなことも起こると言うんですよ。そうすると、ABCの銀行が見る、その企業が見る目は、おのずと自己査定において若干の差異が出てくるということはこれはやむを得ないんだと、こういう議論でした。
 我々は、これからはできるだけ、そういうことがあった場合に、検査官は今どうかというと、やっぱりB社に対しても、A社、C社はこういう査定をしていると言えば、担当官、問題意識が非常にあるわけですよ。ですから、そういうことで、実際の検査に行ったときは、そういう立場からの議論を大いに吹っかけて、議論で決まってくるんです、検査の結果というのは……
○委員長(岡野裕君) 大臣、手短に願います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) それは、浅尾先生、もう実務をやっていらっしゃるから御存じのとおりでしょう。
○浅尾慶一郎君 具体的にわかりやすく、なぜ横ぐしが必要かということを説明させていただきます。
 今、柳澤大臣は、破綻懸念先以下の債権については二年以内にこれは直接償却するということを発表されています。ところが、例えばある銀行がある会社を破綻懸念先というふうに自己査定をしたと。ところが、ほかの銀行はこれは要注意先あるいは正常先かもしれない。どうするんですか、そうすると。
 現にどういうことが起きるかというと、その破綻懸念先で持っている銀行のところにいろいろな証券会社、インベストメントバンクというところが行って、この債権を買いましょうと。それで、買ってくる。買ってどうするかというと、正常先ないしは要注意先というふうに自己査定しているところに持っていって、これを売りますよ、おたくに売りますよ、そうでないとうちが法的整理をしますよというようなことが起きています。
 それから、もう一点言いますと、仮に直接償却、破綻懸念先ということを直接償却するということになると、法的整理に持ち込むことも一つの選択肢であります。昨年破綻しましたそごうの場合も、興銀、長銀はこれはもう破綻懸念先並みの引当金を積んでいました。しかし、ほかの銀行はそれを知らない、寝耳に水だと。だから、特別の損失が出てしまう。来年からペイオフが解禁されてしまうと、そういうことで横ぐしが入っていないと不測の事態が起きるから、だからこそ横ぐしを入れるべきだというふうに申し上げているんです。
 柳澤大臣の説明、最初にそれぞれの銀行にそれを統一にしろというのは情報の違いがあるからできないというのは、それはわかります。わかりますが、しかし金融庁は全部の情報を持っているし、やはりこれを見ておかしいんじゃないかというふうに思ったら、そこをしっかりと横ぐしを入れないと大変な問題になるんじゃないですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ですから、先ほどもちょっと最後のところで言わせていただいたように、そういうように債務者の区分でしょう、債務者の区分が見解が分かれているようなときには、見解が分かれるところに行ったときには、検査官は必死にいろいろ議論をそこで濃密に行うことになるでしょうということです。
 しかし、それでも検査官が議論に打ち負かされて、それで基準に照らして、これは相手の言い分を認めざるを得ないということだってそれはあり得るので、その場合には区々に分かれたままそれはもう査定の結果と検査の結果と、こういうことになるということ。そこまでは官僚統制、自己責任のもとにおける自己査定という以上、そんな官僚統制はできないし、すべきでない、こういうように思います。
 それから、今、先生がおっしゃった今度のいわゆる最終処理に当たってどう考えるかということについては、そういったことを含めて、一体どこでだれがイニシアチブをとるんだ、発案をしていくかというようなこと、それでそれを中心にどうやって前に進めて最終処理の方式をつくり出すかと、これは複数の債権者の間での話がなかなか難しいのでできればルール化した方がいいんじゃないかということで、そのルール化のためのガイドラインを今つくっている、こういうことでございます。
○浅尾慶一郎君 竹中経済担当大臣は不良債権の問題についても造詣が深いというふうに思っておりますが、竹中大臣は、やはりこれは一斉検査をして、まず第一には日本の不良債権の額、そしてそれに対する引き当ての額が十分であれば金融不安というものは起きないわけでありますから、そういう検査をして十分な引き当てを積むということを行うべきだというふうにかつて主張されておると思いますが、今でもその考え方は変わっておりませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まずもって、先ほどちょっと一瞬席を外しておりまして大変失礼いたしました。反省いたします。
 基本的に一斉検査の議論というのは、私は、ちょっといつした議論かということによるんですが、それは基本的には現状認識の問題だと思います。やはり非常に状況が、クライシスと言ったらちょっとオーバーかもしれませんけれども、危険な状態にあるというときにはそういう行動はとるべきだというふうに当然のことながら思います。
 しかし、今どういう状況かというと、新たに二、三年できちっとした結果を出すんだという目標設定をして、さらにガイドラインの作成等々、柳澤大臣が新しい不良債権処理に向けての動きを進めている中で、さらに一応検査も一巡して二巡目に入っているという時点を考えますと、今やるべきだというふうには私は思いません。
○浅尾慶一郎君 来年ペイオフを解禁するわけでありますから、それまでに私は一斉検査をして、金融不安がないんであればそれでいいわけでありますから、やるべきだというふうに思っております。
 たしか石原行革担当大臣も以前そのような主張をされておったと思いますが、今の考えをちょっとお伺いいたします。
○国務大臣(石原伸晃君) 先日もこの問題で御質問があったのでございますが、所管外でございますけれどもお話をさせていただきますと、やはりコンフィデンスだと思います。柳澤担当大臣のもとに集まっている情報を信用するか信用しないかということだと思いますけれども、リスク管理債権ということにおいて私が知り得る情報は、不良債権の額を的確に表示しているものと承知しております。
○浅尾慶一郎君 先ほど来申し上げておりますが、この間みずほグループの自己査定について発表がいろんなところに出ましたけれども、グループ内においてもかなり自己査定にばらつきがあると。だとすれば、金融界全体を見れば相当ばらつきがあるというのが普通の理解であります。そのばらつきをそのままに置いておくと引き当て不足ということが起きるから、私は検査をやってばらつきがないようにしたらどうかということを申し上げておるわけであります。
 この議論をずっとしても多分押し問答の答弁になりますので、時間もありませんので次の質問に移らさせていただきます。
 まず、きょうは坂口厚生大臣にもお越しいただいておりますけれども、総理はこの間ハンセン氏病について控訴しないということを発表されました。多少、厚生分野という意味では関連する質問でありますが、そしゃく嚥下障害という障害を持っておられる方々がいらっしゃいます。こういう方々には障害者福祉手帳が支給をされますが、そしゃくの問題でありますから基本的な治療は歯科医師の方々が行っておられます。
 しかしながら、この法律は、障害者福祉法は医師の診断書を求めておりまして、歯医者さんに治療に通っても、実際のその障害者福祉手帳をもらうための診断書は医師からもらわなければいけないという事実があるわけでありまして、そうだとすると、患者の利便をいろいろ考えると、障害者福祉法を改正して歯科医師にもその診断書を書けるようにした方が患者の利便向上につながるんじゃないかと思いますが、その点について総理。
○国務大臣(坂口力君) 先日も櫻井委員から御質問がございまして、そのときにもお答えをさせていただいたわけでございます。
 そしゃくというのは、なかなか、一口に言いますけれども、内容がいろいろございまして、そして、なるほど歯科の先生が受け持たれる部分もございますし、あわせて、それだけではなくて医療の分野も関係をしている。双方が関係をしているものですから双方の診断が必要になるということに今なっているんだろうというふうに思います。
 ですから、歯科の範囲内だけのそしゃく異常というのがあるのであれば、私は歯科の先生だけでいいというふうに思うんですが、そうではなくて、医療の側に両方にまたがっているものですから両方ともいただかざるを得ないというのが現状だというふうに思います。
 先日も、この問題はなかなかそしゃくできていないのでしばらくお待ちくださいということを申し上げたわけでございますが、実際、全体といたしましてはそういうことでございます。
○浅尾慶一郎君 総理に伺っても多分同じような御答弁になると思いますので次の質問に移りますが、一点だけ外交の話を伺わせていただきたいと思います。
 先般、台湾の陳水扁総統が中南米に行かれる途中でアメリカに寄られました。そのときにいろいろな米国の議員さんと会っておられます。
 翻って、我が国に李登輝前総統あるいはチベットのダライ・ラマさんが来られたときには、政治活動について制限をするビザがおろされたというふうに報道されております。
 私が伺いたいのは、言論の自由を保障する我が国において、外国の方がいかなる考え方を持っていようと、その方が我が国でいろんな方と会って話をすることがすなわち日本国政府の意見ということにはならないのではないかなと。したがって、アメリカは、陳水扁さんがニューヨークに泊まられたときにいろんな米国の上下両院の議員に会うことを別にとめませんでした。
 総理はその点について、外国のいろんな方が日本に来られたときに、政治活動という言葉がいいのかどうかは別として、いろんな人に会うことを制限するというのは私はおかしいんじゃないかと。別に、その来られた方の意見と日本国の意見が一致するわけではないんですが、そういう人はこういう意見を持っているということを保障するのは私は、あるいはそういういろんな人と会うのを認めるのは構わないと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 原則としてそうだと思いますが、その国々によって事情があると思います。その点も判断しなきゃいけないのではないかと思います。
○浅尾慶一郎君 済みません、国々によって事情というのがちょっとよくわからないんですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 各国との友好関係とか、そういうことも考慮に入れて判断しなきゃならない場合もあると思います。
○浅尾慶一郎君 ということは、例えば李登輝さんが日本に来られていろんな方と会うと。その李登輝さんが言っておられることが別に総理の意見とは違うんならば違うというふうに言われればいいんではないか、筋の問題でいえば。にもかかわらず、中国との関係を考慮してそういうことを制限するのは私は問題ではないかなと思うんですが、改めて伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのときのさまざまな状況を勘案して判断すればいいのではないかと思います。
○浅尾慶一郎君 いや、さまざまな状況ということではなくて、原理原則の話でありまして、別に何も日本政府が、繰り返しになりますけれども、来られた方の意見、肩を持つ必要はないわけでありまして、共有しているということじゃなくて、その人はたまたまそういうふうに言っておられたという立場をとればいいんではないですかということなので、だれかが来たらほかの国からいろいろ言われるから困るよということにはならないんじゃないかという質問なんですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 原則としてそうだと思います。
○浅尾慶一郎君 原則としてそうだけれども、具体的な問題になるといろんな国々との関係に配慮せざるを得ないという理解でよろしいですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはそうです。
○浅尾慶一郎君 だとすると、その原則というものが非常に融通無碍な原則になってしまうのではないかな、こういうふうに思うわけであります。
 例えば、李登輝さんについては、今後ビザの問題についてはそのときそのときに考えるという話でありますが、今の話でいうと、そもそも、李登輝さんが日本に来られて治療をされる、あるいはさらに踏み込んでどういう発言をしようと、別にそのことが日本政府の考えと一致するわけではないのであれば、そのことを中国に説明すればいいんじゃないかなと思うわけでありますが、そうではないんですか、総理。
○国務大臣(田中眞紀子君) それぞれの国のそれぞれの時の事情というのがあって、どこの国にも世界じゅう、判断をいたしておりますから、あのときの李登輝さんの訪日のときは人道上、治療をするということですから、その目的に限って本人も来られたということです。
 それから、ダライ・ラマにつきましては、平成十二年四月のことをおっしゃっておられますんですか。それも御本人が環境問題とか仏教の講義をしたいと、それに限って来られるということでしたから、それで受け入れたわけですから、別に難しいことでも何でもありません。
○浅尾慶一郎君 いや、難しいことでも何でもないというふうにおっしゃいましたが、私は、繰り返しになりますが、別にダライ・ラマさんの考え方、李登輝さんの考え方は、それはそれとしてあっていいものだと思うんですよ。そういう人がこういう考え方だから、例えば中国に遠慮をして制限をつけるビザを出す考え方の方がおかしいんではないかということを総理に伺っているんですが、もう一度伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その時々の事情を考えて判断すればいいことではないかと思います。
○浅尾慶一郎君 議論が平行線なので、別に私は、繰り返しになりますけれども、その時々の事情ということは、その時々のいろいろな諸外国との関係を考えてということなんですが、諸外国との関係を考えること自体がそもそもその人、来られる方の考え方をある面、逆に言えば否定するということになるのかなということだと思いますので、これ以上この議論をしても平行線になりますからいたしません。
 さて最後に、あと二点ほど質問をさせていただく通告をさせていただいておりますが、財政の再建について、約三兆円ほど歳出を削減しなければいけないという議論が出ております。その中で公共事業について一兆円強あるいは地方に行く金についても一兆円強という削減を目標として出しておられると思いますが、まず地方に行くお金というのはこれは地方交付税が大体年間二十兆円ぐらいあるわけでありますが、その五%、一兆円強を削減しようというふうに理解をいたしておりますが、地方に行くお金を考えた場合には、それぞれの地域の自治体がそれを経常経費ないしは投資的経費とかいろんな形でお金を使っておられると思うんですが、その中で、国が持っております地方財政計画というのが当然あるわけでありますが、投資的経費の削減を考えておられるというふうな理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私たちはそんな細かいところまでまだ決定しておりませんで、三兆三千億円の国債が増発される、それを考えまして、また現在本年度中にはやっぱり二兆近くのものが、そこがあいておりますから、合計して累計を見ますと五兆円からの国債の縮減になるということは、これはもう御存じでございますね。そうしますと、どこかでその配分を担当してもらわないかぬということから、地方では大体この一兆円ぐらいで、あとは国の方の財政の負担として二兆円ぐらいは削っていこうと。それによって、きっちり三十兆ということは我々の目標でございますので、そこへ押しつけていって計画しておるということでございます。
 でございますから、中身についてはまだ全然成案を得ておりません。大体の大枠をこういうぐあいにしたらどうだということが、私の発想として言ったということであります。
○浅尾慶一郎君 私は、確かに財政再建ということを考えた場合に、大なたを振るって、大体今の大枠、地方から一兆円とかいろいろな切り方があると思いますが、当然、逆に積み上げていくということも考えられるわけでありますが、今のお話ですと、まず大なたをぱっと切ったという理解でよろしいですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 財政の問題で考える場合は、浅尾さん自身も言っておられるように、まず増税の問題もあるだろうし歳出削減もあるだろうし、それから財産の処分もあるだろうし、いろんな手法があるとおっしゃっています。私たちはそれを総合的にやっていきたいと思うておりますが、しかしながら増税はここ一、二年できません。そうすると、結局重点はどこへ置くかといったら歳出の削減に置かざるを得ないということでございますので、そういう発想から申し上げております。
○浅尾慶一郎君 今、大臣の方から触れていただきましたが、時間の関係で、財政再建について大急ぎで質問させていただきます。
 インフレにするか、増税するか、歳出削減をするか、資産を売るか、経済成長をするかと。一番理想的なのは経済成長で増収すると。その次は、多分私は、これは考え方が違いあろうかと思いますが、国が持っている資産を聖域なく売れるものは売っていくということですが、最後に、もう時間がありませんが、総理に、国が持っているいろいろな資産について聖域なく、例えば道路公団にしても売却できるのであれば売るという理解でいいかどうか。簡潔にお答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 増税以外いかに収入を確保するか、これは大事な視点だと思います。
○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので、終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で齋藤勁君及びその関連の質疑は、これを終了しました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、松あきら君の質疑を行います。松あきら君、挙手がありました、どうぞ。
○松あきら君 神奈川県選出の松あきらでございます。
 まず、私は、御質問させていただく前に、ハンセン病の控訴断念の大英断をなさった総理に対して敬意を表したいと思います。
 我が党はいち早く控訴断念のお願いに上がったわけでございますけれども、何よりも私は、坂口厚生労働大臣がお一人の医師として、人間として控訴断念を願い、しかしまた厚生労働大臣としてのお立場からいろいろ苦しい胸のうちがあったと思いますけれども、総理に一人の人間としての決断をお願いしたというふうに伺っております。
 私は、この控訴断念の第一報に接しましたときに、おじい様の又次郎氏のことを思い浮かべました。あの方は明治から大正にかけて普選運動の先頭に立たれたと。当時のことです、皆さん御存じだと思いますけれども、一握りの高額納税者しか選挙権がなかった。やっぱり一般の人、普通の人にも選挙権を与えるべきだというこの運動なんですけれども、それこそ当時のことですから、命をねらわれるときもあったと。まさに、本当の命がけでこれを闘い取った、かち取ったその正義感。また、お父様の純也氏の情に厚いと言われる薩摩隼人のその血という、このお二人の血が脈々と総理にも流れていらっしゃるんだなという、そういった思いを深くいたしたところでございます。
 それでは、質問に入らせていただきます。特殊法人改革についてでございます。
 総理は、民営化論者だと先ほどもおっしゃっておられましたけれども、サッチャー政権の民営化改革はこれは全世界的に大きな影響を与えまして、今では百カ国以上の国々が民営化を経済、金融の中心政策として据えている、位置づけているわけでございます。さらに、民営化のメリットを収益性、効率性、投資状況、雇用状況などの観点から量的な分析も行われております。
 ちょっと資料を配付させていただきましたので、皆様ごらんいただきたいというふうに思います。
 今や世界的には、民営化の成功例を背景に、政策決定者に対して、なぜ民営化するのかではなくて、なぜ民営化しないのかと、そういう課題が突きつけられているわけでございます。
 イギリスでは、例えば民間の活力を導入した次のような例がございます。何と、国家機密である弾道ミサイル早期警報システム、これまでもが実は民間で運営管理されているわけでございます。民間会社が英国本土に撃ち込まれる核ミサイルを認知し、警報を送るシステムの運営管理を行っております。業務は四分以内に遂行されなければなりませんけれども、英本土に向けてミサイルが撃ち込まれているかの判断は民間会社が行い、英国政府に通告するわけです。当然、民間会社の従業員にも空軍の職員と同様の機密規定が適用されておりますけれども、民間従業員の愛国心は公務員の方と全く同様ですし、彼らは利益のみを目的として行動しているわけではございません。
 政府は、業務内容を基本的には、一、年間無休でシステムを稼働させること、二、システム故障から再起動までの猶予を二分以内とすること、そして、三、年間累積故障時間は二時間以内とすることのみ民間会社に指示をしております。その結果、何と従業員は七百名から百五十名に減りました。そして、政府としても、施設管理、そういう本来業務と無関係な雑務の心配をすることが必要なくなっていまして、提供されたシステムがしっかりと運転されていればそれでよいと、こういう姿勢をとっているわけでございます。いわゆる性能仕様を示すのみにとどまっているわけでございます。
 ところが、一方、オーストラリアに駐在する米国とオーストラリアの合同防衛施設の運営については、同様に民間が運営管理をしておりますが、これがうまくいきませんでした。なぜか。逆に何と従業員の数が増加しちゃったんですね。それはなぜかと申しますと、政府は民間の行う業務内容を詳細に規定して、民間の知恵の働く余地を限定してしまったんです。いろいろ縛りをかけて、こうしろ、ああしろと言ったんですね。つまり、機械技術者、清掃係、調理係の人数まで示したため、指図したために、フレキシブルなそういったサービスができなくなってしまったんですね。
 この二つの例は御存じない方も多いと思いますけれども、こういう国家機密にかかわることも今や民間がとり行い、これがきちんと正常に運営されているんですね。
 この二つの例からもわかりますように、政府はボートをこぐのではなく、ボートのかじ取りを行うことが役割と考えるべきと思いますけれども、総理の御見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは基本的に賛成です。
 だからこそ、民間にできることは民間にできるだけ任せよう、地方にできることは地方に任せよう、そしてどうしても国がやらなきゃならないこと、役所がやらなきゃならないことについての必要性、合理性というものを徹底的に検証していこうということが小泉内閣の方針でありますから、各国のそういう例も多いに参考にしていかなければならないなと思います。
○松あきら君 民営化ということは、私は今の、ちょっと次もまた例を申し上げますけれども、全部、すべて民間に任せればいいとだけは限らないんですね。例えば、オーストラリアのアデレード市のバスサービスの民営化、これは成功いたしました。ニュージーランドのオークランド市のバスサービス、これは実は民営化、失敗したんです。
 また、この二つの例、ちょっと申し上げますけれども、オークランド市の場合には、運行サービスについて各バス会社で独自の方式によって行われた。つまり、全部何もかも民間に任せてしまった。その結果どうしたかというと、一、バス会社間の連絡調整が欠けていたんですね。それによって、二、バスの乗り継ぎシステム、これがうまくいきませんでした。崩壊をいたしました。そして、三、利用者はどのバスサービスがよいかわからなくなりまして、最後には市内での行動が非常にしづらくなった、こういうふうになってしまいました。政府がサービスの提供と運行システム全体の管理責任をも民間に任せてしまった一つのこれは例です。
 一方、オーストラリア、こちらの方のアデレード市のバスサービスの民営化は成功したんです。どういうことかといいますと、このアデレード市は運行システム全体を管理するPTBという独立組織を設立しまして、全運行を共通の時刻表、そして案内システム、運賃業務等の一元管理を行いまして、継ぎ目のない運行システムを確立したわけでございます。その結果、運転手さんの態度がよくなった、バスがきれいになった等々、サービスの質の向上が見られまして、また競争原理を働かすことによって政府の補てん金額を何と二〇%以上削減することができた、こういうことなんですね。
 ですから、私は、民営化が適切かどうか、これを議論する場合には、このような海外の成功例、失敗例も、たくさん実は私も資料を持っていますけれども、十分に参照して、成功した例を、どういうふうにやったらいいかということを日本の特殊法人改革にどんどん取り入れるべきだと思いますけれども、ちょっと先ほども御意見を伺いましたけれども、御見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) よく勉強されておられるなと感心して聞いていましたが、確かにそういう成功例、失敗例を参考にしなきゃならないし、同時に民間企業の中でも優秀な企業とそうでない企業、たくさんあるわけです。その点は、各国事情、それぞれ違いますから、大いに参考にしなきゃならない点があると思います。
○松あきら君 本当にそのとおりだと思います。
 よく、こういうことを言いますと、私が海外の例をいろいろ言いますと、中には、それは外国じゃ成功しているかもしれないけれども日本じゃそうはいかないだろうなんておっしゃる方がいるんですね。ところが、例えばBNPパリバ、これはフランスのある金融機関なんですけれども、御存じだと思いますけれども、フランスの民営化で大きな役割を果たしたんですね。ここがイギリスのブリティッシュ・テレコムあるいはイタリアの水道局、アルゼンチンの下水道事業の民営化にアドバイザーとしてこれはかなり重要な役割を果たしまして成功していると。
 日本の特殊法人が民営化された場合、株主は別に必ずしも日本人投資家だけとは限らないわけで、外国、世界じゅうが注目しているわけでございますから、私は、こういうふうにいろいろな例が参考になるというふうに思うわけでございます。
 民営化するに当たっては、単に株式を民間に高い値段で売って、政府の財政上の収入をできるだけ最大にすることのみが中心であってはならないと私は思っております。国民に対するサービスの質の維持向上及びサービス価格の引き下げ、こういうことを目的にしていただきたい。それをどのようにバランスさせるかというのが大きなかぎになるというふうに思うわけでございますけれども、やはり民営化ということはむしろ国民に対するサービスの向上こそが主目的であり、その視点を決して忘れてはならないというふうに思います。
 その指揮をとる総理としては、民営化を実施する目的の優先順位を明らかにして、それぞれの固有の状況のもとでいわゆるトライアングルのバランスをとって民営化を進めていかなければならない、非常に指導力を発揮なさらなければいけないというところだと思います。
 先ほどもちょっと道路公団の民営化、話が出ておりましたけれども、石原大臣に指示を出されたというふうにも伺っておりますけれども、例えば財政上の収入に関しては、道路公団ですね、単純な売却よりも営業権の譲渡の方が効率的な民営化手法じゃないか、あるいはサービス価格については、通行料金値上げに対する制限は必要か、またサービスの質の維持向上に関しては、既存のインフラの修理、維持の確保はどうするかなどの具体的問題が、今、私が申し上げましたトライアングルのバランスをとる観点から生じてくるというふうに思います。
 私は、個々の民営化すべき特殊法人を特定すること、これはもちろんいずれ必要であるというふうに思いますけれども、まずは、今御説明したようなコンセプトについて国民の合意、理解が必要だと考えます。
 総理の御見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、特定の団体を民営化しろとかするなとか、まだ石原大臣には言っていません。まず、特殊法人等についても情報公開が必要だと。どういう会計でなされているのか、どういう事業をやって、採算性等、そういうまず情報公開が大事だと。そこで、民営化できるものはすべて民営化すればいいじゃないか、統合するべきものは統合すればいいじゃないか、廃止が必要なら廃止すればいいじゃないかということでありまして、基本的に民間でできることは民間でやってもらおうという大きな方針を指示しているわけであります。
○松あきら君 ありがとうございます。
 昨日、私、夜、質問レクをいたしまして、お役人の方が、事務方の方が来てくださって、私がこういうことを質問、全部詳しくは言いません。そうしたら、質問を総理が、答えられないという言い方は失礼ですけれども、答えるんじゃなくて、担当大臣あるいは事務方が答えてもいいでしょうかとか、一つ二つまとめてとか、あるいは一つにして、それはどうですかとか、そんなことを私は言われたんです。本当に腹が立ちまして、総理の言葉で答えてくださいと。御自分たちの職務上、お答えをつくらなければならない、そういったお役目もあるかもしれませんけれども、私は、総理はこれはとにかくこういうことをするぞと言って改革と言って立ち上がってこられた、そして人気が高い総理ですので、総理がお答えになれないはずはないと、こう申し上げまして、今しっかりと私は総理にそういうふうに答えていただいて、これはうれしいなというふうに思いますし、少し私も、官僚の方々も少し意識を変えていただきたいな。相手が私ですから、何かどういう質問をするかわからないと思われたのかもしれませんけれども、私は私なりにいつもしっかり勉強しておりますし、何か、もしあれだったら質問も考えてあげてもよかったんですなんておっしゃった方もいたんですけれども、本当に私はびっくりいたしまして、こういうことは非常にやはりいかがなものかなと、ちょっとこれ申し上げさせていただきます。
 私は、すべての行政サービスは基本的に民間で提供することができると、総理と私は全く同じ実は考えでございます。民間に関心を持たせ、かつ十分な準備期間を与える、これが大事なんですね、ことにより、公共だけで考える場合に比べて数倍の名案ができます。
 特殊法人改革の核心は、例えば民がやるのか官がやるのかではなくて、国民に対するサービスの向上のために競争原理が働くか独占でやるのかであるというふうに思うわけでございます。効率的で弾力性のある経営組織か、官僚的で決められたルールに沿ってのみ運営する組織かの違いであるとも思っております。成功した海外の手法もどんどん取り入れて、強い政治決断を持って改革を進めていただきたいとお願いするところでございます。
 では次に、これは終わりまして、文化、教育の観点から御質問させていただきたいと思います。
 私は、文化芸術と申しますと、何かかけ離れたものというような皆さん、意識がやはりまだまだ日本の国ではお持ちだと思います。特に、私が例えば文化芸術ということを言いますと、ああやっぱりねと、宝塚出身だ、あるいは芸能人だったからというふうな言い方をされてしまうんですけれども、私は、実はこの文化芸術と教育というのは一体だと思っているんです。別に小難しいことではないんです。教育というのは知識を教えるだけでは決してないと。そこで、もちろん感動する心あるいは創造する喜び、そして豊かな心をはぐくむ、そのためにはきれいな音楽を聞いたり、もちろん一流の絵画を見たり、あるいは邦楽でもいいんですけれども、そういうことがとっても大事だというふうに思うんです。
 総理は非常に文化芸術に対して造詣が深いと、オペラもお好き、コンサートもお好き、歌舞伎もお好きだと思いますけれども、我が宝塚はごらんになったことがあるかどうかは私は存じ上げないんですけれども、芸術文化の重要性について御所見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、芸術文化が重要だから好きというんじゃなくて、たまたま好きだから見ているんですよ。それで、こういうお芝居も音楽も映画もいいなと。好きこそ物の上手なれという言葉がありますけれども、そうかた苦しい理論で見ているわけじゃないんです。自分が好きだからそういうものに触れてみたいなということだけれども、その文化芸術が人間に与える大きな影響力、これは大変大きなものがある、こういうものにできるだけ多くの人が触れてもらいたいなという気持ちは持っております。
○松あきら君 宝塚をごらんになったことはあるかどうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ありますよ。
○松あきら君 あります、ありがとうございます。そうですか。
 本当に、好きこそ物の上手なれではありませんけれども、私は、好きだということは大事なことであるし、またそういったものに触れると、いい音楽を聞いたりすると、例えば涙が出たり、あるいは宝塚を見ると非常に浮世のことを忘れてしばし夢の世界に浸れるという、こういうこともあるわけでございまして、やはり私は大事であるなと、もちろん歌舞伎もそうでございますけれども、そういうふうに思うわけです。
 御存じのように、日本の文化予算、ことし、おかげさまで百億円ふえまして九百九億円となりました。残念ながら、フランスの国家予算一%、日本は〇・一%、韓国〇・六%で負けております、日本は随分と。残念でございます。芸術文化に対する寄附金、日本は二百億円、アメリカは一兆千三百億円。
 私は、ここで文化予算をふやせということで御答弁をいただいたりいたしません。私は、文化予算をもちろんもっともっとふやしていただきたいという思いはございますけれども、これはもう要望だけにしておきたいと思います。
 実は、私はユネスコ国内委員をさせていただいています。そして、御存じのように、ユネスコ国内委員会の会長は平山郁夫先生でいらっしゃいます。平山先生から伺いました。敦煌の発掘がございまして、この発掘して出土したものをおさめる博物館の建設に先生が携われたそうでございます。いろいろ、仏教画などをかいていらっしゃるいろんなところからそういうことがあったんだと思います。そして、これはODA予算で出されたんだそうでございます、日本から。いわゆる政府開発援助ですね、そのODAの予算からこの博物館の建設費用が出されたんですけれども。
 私は、行政監視委員会でも、過去に委員だったんですけれども、いつもこのODA予算のことをいろいろ取り上げました。というのは、それぞれ諸外国で例えばダムや道路や橋やいろんなものをこのODA予算でつくってくれるけれども、地元のその地の方々にとってはありがたくないものが本当に多いと。しかも、それを建設するのは日本の商社でありゼネコンでありというところが来て建設する。何か壊れてもメンテナンス一つできない。日本のゼネコンとか商社を通してゼネコンに来てもらわなきゃならない。そんなことで、本当に、端的に言えば、ベトナムの水道なんというのは、引いてくれたけれども、もう清水のいいのがわいているからそこでただで飲んだ方がいい、水道料金高いのを払えないと。いろんな例があるわけですね。
 そして、この今の博物館をつくるに当たって、平山先生は、しつこく日本の商社あるいはゼネコンでというふうに言われたそうです。けれども、一生懸命お願いして、現地のもので私はいいと。そうすると、れんがなんか曲がっている、あるいはちゃんとしたコンクリートできませんよとかいろんなことを言われて、曲がっているれんがでもいいですと。ともかく一生懸命お願いして、これが全部現地調達で、現地のもので、れんが等、そして現地の人で建設したそうです。そうしましたら十分の一の予算でできたと。つまり、予算が決まっていますから、ODA予算。十倍のものが当初の予定よりもできたそうなんですね。
 ですから、私は、今、残念ながら教科書問題等でアジアの国々の方々に御心配をおかけしておりますけれども、例えば中国に三兆円のお金を日本は出しております。だけれども、若者が嫌いな国のワーストワンが日本だという残念なこともあるわけでございます。
 私は、日本の心というものをやはりどういう形かで伝えていくべきじゃないかと。そうすると、例えばこのODA予算というのもそういった、こういう今、平山先生が、まだいっぱいあるんですけれども、ちょっと時間がないから余り言えないんですけれども、こういうことに例えば使っていくと。まだまだあるんです。そうすると、お金だけではなくて、私は、やはりそこの国々の、しかもその国々の方たちに働いていただいて、その国々の現地調達とかそういうことなんですけれども、そういうことをすれば日本の心が私は伝わっていくのではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 この点で総理の御所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 確かに、量だけでなく、質といいますか中身が大事だと。特に、ODA予算も見直さなければならない点がたくさんあると思います。相手国に必要かどうか、本当に喜んでいるのかどうか。二国間のみならず、世界的に見ても、国際的に見ても必要なものなのかどうか。いろいろ文化面でもあると思います。環境面でもですね。そういう点、今後のODA予算見直しの中で、今のような御意見も反映すべきではないかなと思います。
○松あきら君 ありがとうございます。
 ぜひ、総理の強い指導力でこういったところを見直していただきたい。特に、文化、環境もおっしゃいましたけれども、使っていただきたいという思いでございます。
 先ほど、音楽あるいは美術、一流の芸術、そういうお話をさせていただきましたけれども、私は、初等中等教育のみならず幼児教育も、ぜひこういった文化芸術に小さい子供たちに触れてもらいたい。というのは、今残念なことに学級崩壊というのが、昔は中学、高校で起こったんですけれども、今は幼稚園とか小学校一年生、二年生で学級崩壊というのが起きております。これはもちろん一口に説明はできません。さまざまな理由があると思いますけれども。
 例えば、幼稚園ですとかそういうところでクラシックの音楽を聞かせる。今、五嶋みどりさんとかさまざまな方が御自分のボランティアとしていろいろなところへ行ってくださっているんです。まだまだほかにもたくさんいらっしゃるんですけれども。
 何か、伺いましたところ、幼稚園児などは最初はやっぱり落ちつかないそうです、小さい子供たちは。だけれども、本当にそれが、オペラの方も行ってくださったりいろいろしてくださっているんですけれども、聞いているうちにやっぱり子供心にもわかって、例えばこういうストローを渡してタクトを振っていいよなんて言うと、子供たちがみんな音楽を聞いて、みんながストローを振って、タクトを振って喜ぶ、こういうことも私は伺っているんです。
 ですから、私は、こういう方たちが、ボランティアですからと言ってしまえばしようがないんですけれども、もちろん足代も交通費も何も出ないわけです。ですから、やはりこういう一流の方々、これは邦楽も含めてなんですけれども、幼児あるいは初等中等教育にこういった一流の芸術家が行っていただけるような、せめて足代、交通費ぐらいは出してさしあげられるような制度というか、そういうものも考えていただきたい。
 また、今、イギリスの大英博物館は入館無料なんですね。ルーブルは一般人でも日曜日は無料とか、子供たちは十八歳未満は無料ですし、世界じゅうみんな無料です。ですから、こういうことも、文化予算云々なんて言う前に、日本の美術館、博物館は子供たちは無料にしますよというぐらいはしていただいてもいいんじゃないかな。
 ちょっとこれは専門的になるかもしれませんけれども、どうぞ総理、お答えいただきたいと思います。総理、どうぞよろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私どもの子供時代から比べれば、今は幼稚園から音楽教育といいますか、楽器に触れる機会が多いですね。びっくりしています。それほどいろいろなことを取り入れながらやっているのかなと感心する面も随分あります。
 また、今言った博物館、美術館、それぞれ事情があると思いますけれども、たしか大人が行った場合に、子供まで料金を取られるというと、入りにくいとか考えちゃう場合もあると思いますので、その点はそれぞれの市なり県なり、あるいは民間にしても考えているんだと思いますけれども、政府としてああやれ、こうやれと言った方がいいのか、地域の実情、その美術館、博物館なりの方々にそういう点をどう配慮するかと考えてもらうのも一つの方法ではないかなと思っております。
○松あきら君 ありがとうございます。
 本当は独身の総理に夫婦別姓の御質問をしたかったんですけれども、時間ですので終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岡野裕君) 以上で松あきら君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。きょうは、総理の構造改革について、医療分野に絞ってお聞きをしたいというふうに思います。
 まず、九七年、政府の医療抜本改革案、二十一世紀の医療保険制度、総理が厚生大臣時代に提案をされたものですけれども、これは衆議院の予算委員会で、これについて、「当時提案された方向に向けて、せっかく総理大臣に就任したわけですから、その実現に向けて全力を尽くしていきたい、」と答弁をされています。
 お聞きしたいんですけれども、あなたの言われる医療分野での構造改革というのは、この二十一世紀の医療保険制度に示されているというふうに理解してよろしいんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 医療改革についても、これから持続可能な制度を構築していかなきゃならないな、皆保険制度を維持しながら、あるべき改革の方向を探っていかなきゃならないなと、そういうふうに考えております。
○小池晃君 ですから、総理が言われる持続可能な制度の一つの土台として、九七年に提案されたものがあるということですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 基本的なそういう方針に沿って改革していかなきゃならないなと思っております。
○小池晃君 この九七年の改革案の中心は、いろいろありますけれども、負担増について言えば、高齢者は二割負担、現役世代は三割負担、大病院の外来は五割負担というものであります。
 これは総理の書かれた「小泉純一郎の暴論・青論」と。ここにも、高齢者は一割か二割の負担、現役世代は三割負担、大病院の外来は五割負担にしなければならないとはっきり書いてある。そして、それは理想の給付と負担の配分だ、「この素案をまとめた厚生大臣である私は、これを実現しない限り、日本の医療の将来はないと自負しています。」と、こうはっきり言っているんですね。この考えに今も変わりはないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは一つの考え方であって、大病院に五割負担とはっきり言っているわけじゃないんです。特定機能病院に対して、ほかの一般の診療所と差を設けていいのではないかということを言っているのであって、だれでもかんでもすぐ大病院へ行くよりも、まず地域の診療病院、こういうものがあるわけですから、診療所も、そういう点と差を設けてもいいのではないかと。場合によっては特定の、特別の病院だったら五割でもいいじゃないかと。一部であって、それは全部五割にしろとなんか言っていませんよ。余りいいところだけ、特別の、特定のだけとらないで、誤解しないでください。
 私は、全体として、全部の病院が同じ料金でいいとは言っていないんです。それは、たくさんの優秀な機器がそろっている大病院と個人でやっている病院と同じでなくてもいいのではないか、あるいは大病院集中の弊害をなくす、三時間待って三分診察ということをなくすためには、そういうすばらしい特定の病院に対してはある程度予約制とか料金の差を設けてもいいのではないかということを言っているということを御理解いただきたいと思います。
○小池晃君 大病院の定義はどうあれ、現役世代は三割負担にするんだと。それから、その線をどこで引くかは別にして、病院の中に機能分化を持ち込んで、そこは五割にしてもいいんだと、そういう考え方は今も変わっていないんだということだと思う。
 私、この医療抜本改革のいわば核心部分とも言える負担増というのは、これは国民に大変な痛みを強いるものだというふうに申し上げたい。
 まず、一部はもう既に始まっているわけです。高齢者の一割負担はこの一月から始まっている。その一割負担について、医療現場で悲鳴が上がっているわけです。さらに、高齢者は二割負担にしようと。健保本人二割負担が九七年、総理がやられた。これ、景気を冷え込ませた一つの大きな原因になっている。それにもかかわらず、さらに現役世代は三割だと。こんなことしたら国民生活は壊滅的な打撃を受けるじゃないですか。どうお考えですか、その辺。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そこは共産党と私ども違いますね。医療というのはまず税金、公費が入っています、保険料負担が入っています、患者の自己負担です。このバランスをとらなきゃいかぬ。税金をどんどん投入しろといったら増税しなきゃならないんですよ。どこを増税するんですか。そういうことを考えると、私は全体で考えてもらいたい。
 しかも、国保に入っている人は三割負担ですよ、健保は二割負担ですよ、高齢者は一割負担でいいじゃないかと私は言っているんです。何で無理があるんですか。しかも、上限が設けられております。国保は三割負担といっても、百万円の三割だったら三十万払えないでしょう。しかし、六万三千六百円と、月、上限が入っているじゃないですか。そういう点を考えれば、高齢者だって一割負担したとしても上限が入っています。百万円かかった場合に十万円払えなんて言っていませんよ。当然、何千円という上限が入っているんですから、それは特別配慮していると。
 今言ったように、患者負担ゼロにしなさい、保険料払わない、じゃ税金、どこを増税するんですか。そういう観点は述べてもらわないと、一方的な一部だけとらえてもらったら困りますよ。
○小池晃君 私は、自己負担を減らして、その分を増税しろなんて一言も言っていないんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公費負担……
○小池晃君 公費負担にしろということは、国の税金の配分を変えなさいと言っているんです。税金であろうが保険料であろうが、国民の負担をふやせなどとは私は一言も言っていないんです。国の財政の配分を大型公共事業優先から社会保障に変えろと、医療にもっと財政投入をすべきだということを私は申し上げている。
 それからもう一点、総理は上限があるから大丈夫だとおっしゃったけれども、大変な誤解をされていると私は思うんです。高額療養費制度の問題だと思うんですが、これは本当にごくわずかなんですよ、大手術をした場合とか。レセプトの件数でいえば〇・七%です。ほとんどのケースは三割にすれば三割丸々負担になるんですよ。しかも、この上限もこの間の改悪で青天井にしたんです。それから、高齢者も上限があるとおっしゃったけれども、これは入院費の上限、外来は一切上限がない。それから、低所得者対策があるということも別の場所でおっしゃっているけれども、これは入院費だけなんです。外来についての低所得者対策というのはないわけですね。
 私、あなたはちょっと医療の現状の認識が足りな過ぎると。負担をふやしても上限があるから大丈夫なんだと言うけれども、実際、今起こっていることを見てくださいよ。高齢者一割負担にして何が起こっているか。患者数激減しているじゃないですか。ことしの一月以降の高齢者の医療費は三・二%減少している。四月からはずっと一%ずつふえてきたのが急に三%減ですから、激減しているわけですね。
 私のお話ししたある開業医は、患者さんから手紙をもらったと。定率負担になってもう来れません、さようならという手紙をもらったというお医者さんがおられる。現役世代はどうでしょうか。現役世代はこれはもっとはっきりしている。あなたが九七年、厚生大臣時代にやった二割負担でいまだに患者が減っているんですよ。これは九九年の患者数、三十五歳から六十四歳を見ると、九六年に比較して一二%減少している。これは総理が九七年に二割負担にして二年後ですよ、二年たってもまだ一二%も減っている。
 こうした負担増は、みんなあなたが手がけた医療の抜本改革のいわば部分的な改革によって起こっている事態なんです。これをもし全体的な改革を、被用者負担三割、大病院五割なんという改革をやったらば、部分的な改革ですらこれだけの被害が出てくるんですから、もっともっと大きな被害が国民に出ることは間違いないと思うんですが、大臣、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 全部の大病院を五割なんて言っていませんよ。
○小池晃君 僕はそんなこと言っていませんよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今言っているじゃないですか。それは誤解しないでくださいよ。
 しかも、医療のむだを徹底的に省かなきゃいけないということも言っているでしょう。三日分の薬でいいものを十日分やったらむだでしょう。風邪薬をやって、そして胃が悪くなるから、飲み過ぎて、また胃の薬をやるとか、人に上げるぐらい薬をやるとむだだと。こういう薬の使い過ぎというものも直さなきゃならない。
 それは、さらにちょっとした見立てでわかるかもしれないのを何でも検査する、風邪引いたのに頭から足から全部検査したら、これまたむだじゃないかという議論もあるわけですよ。
 そういう点も含めて、医療のむだはどういうものがあるか。お医者さんにとっては、患者が多ければ多いほど収入になるからいいでしょう。出来高払い、診た治療は全部費用になっていくというのもいいでしょう。しかし、国民全体、医療費はだれが賄うのかといったら国民なんですよ。病気にならない人も毎月保険料を払っているんですよ。そういう人のことを考えて、保険料の負担と税金の公費負担と患者の自己負担、これはバランスとって見てもらわなきゃ、私はあるべき改革の姿は見えないのじゃないかと。
 しかも、いろいろ福祉に足りない、足りないといいますけれども、国の予算で一番使っているのは福祉関係ですよ。公共事業よりもはるかに福祉に使っているんですよ。そういう点も考えて、日本がこの福祉水準を、世界の先進国と比べて低過ぎるということは私はないと思う。今まで皆さんの努力によって、だんだんだんだん水準上がっているんです。しかも、今、五%の消費税で二五%の消費税を持っているスウェーデン、デンマークの水準に近づけようと努力しているんじゃないですか。今、二〇%の消費税にしろといったらあなたの言っていることできるかもしれない。そうしたら、国民、二〇%の消費税増税とんでもないという反発が起こりますよ。
 公費負担、公費負担、税金じゃなきゃできないじゃないですか。そのバランスを持った感覚で私は改革をしなきゃいかぬということを言っているだけであります。
○小池晃君 私は、そのバランスが日本はおかしいんだと言っているんです。
 社会保障費に対する国と地方の負担、保険料も含めればそれは大きくなるかもしれないけれども、国と地方の負担は、国立社会保障・人口問題研究所の調査で、九八年は二十一兆九千八百八十二億円です、国と地方の負担。一方、公共事業は、総務省の行政投資で四十七兆二千六百十三億円。社会保障の方が多いなんというのは全く、総額としては多いのは当然ですけれども、国の負担は公共事業の方が二・五倍も多いんですよ。これが実態です。外国と比べるとどうでしょう。日本の社会保障給付は、対GDP比で一三・七%です。アメリカ一六・八、イギリスは二二・五、ドイツは二九%、フランスは二九・七%、スウェーデンは三二・一%。一体どこが日本の社会保障給付が厚いんですか。
 それから、スウェーデンのことをおっしゃった。スウェーデンは消費税が二五%だと。ただ、国の税収全体に占める消費税の比率というのは、スウェーデンは二二・一%です。日本は二〇%、大して変わらないんです。何でそうなっているか。免税品目がある。それから、スウェーデンは所得税の最高税率七五%です。高額所得者からしっかり取っているんですよ。しかも、払った分の見返りもスウェーデンは大きいんだ。税と社会保障負担に対する社会保障給付の割合、いわば見返りですね、これはスウェーデンは六三%、ドイツは六六%だと。日本は四七・八%です。払った分がしっかり社会保障で返ってくるなら別ですよ。返ってきていないんですよ。こういうことも見なければ、消費税二五%だというところだけ見て、そういうことは言えない。
 しかも、スウェーデンは九〇年代後半に財政再建、どういうやり方でやったか。見事に成功させているんです。高額所得者の所得税率を五%引き上げた、食料品の付加価値税を九%引き下げたんですよ。日本がこの消費不況を、金持ち減税と消費税の引き上げで消費不況を引き起こしていることと全く正反対なんです。学ぶんだったらこういうところをあなたは学ぶべきだと。
 私は、あなたの言っていることは、本当に医療の現場の実態も見ていないし、私もう一つ言いたいのは、バランスも考えるとおっしゃったけれども、逆効果なんですよ。むだが多いんです。むだを削るのは当然です。それはどんどんやるべきです。薬剤費のむだが非常に多い、それは言うとおりだ。日本の薬剤費は二三・五%だ。もっともっと削るべきです。そういうことをやった上で、やはり問題は負担増です。負担増を起こせば、例えば軽い病気のうちに病院にかかろうとしなくなる。そうすれば、重くなれば医療費かかるんですよ。高血圧をほっておけば脳出血を起こす、手術になれば医療費かかる。糖尿病をほっておく、ひどくなったら透析が必要になる、医療費かかる。まさに逆効果なんです。
 それから、もう一つの逆効果を申し上げたい。景気の足をどんどん引っ張っている。国民に負担増を押しつければ景気を冷え込ませる、そうすれば保険料収入が下がる、健保財政が悪化する、さらに負担を押しつける、まさに悪循環じゃないですか。こういうやり方はもはや破綻しているんじゃないかと私、申し上げているんです。大臣、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) やはり、自民党と共産党は全く違いますね。
 今、国民の多くがスウェーデンみたいに重税負担でいいと思っていますか。そうじゃないですよ。そんな重税国家になりたくないということから、できるだけ税金は低くということを考えているんです。高額所得者だから七〇%でいいという国民は多数いないと思いますよ。そうしたら、働く意欲がなくなっちゃうと。企業にしても個人にしても、できるだけ税金を納めてくれる人が多い方がいいんですよ。そういうことも考えなきゃいかぬ。
 しかも、五%じゃ高いといって九%も下げると。日本は今九%下げたらマイナスでなくなっちゃうんですよ、五%、下げようがない。二〇%だから九%下げられるんでしょう。五%の消費税を三%に下げると共産党言っているんじゃないですか。
 そういう点も考えて、しかも社会保障と公共事業を比べますけれども、公共事業を言う場合は国と地方両方を言っている、五十兆円。社会保障を言う場合は国だけの公費を言っている、十七兆円。しかし、国、地方入れれば、社会保障給付費は七十二兆円を超えていますよ、保険料入って給付費ですから。公共事業が五十兆円弱で、社会保障の合計が国、地方全体で見れば日本は公共事業の一・五倍使っていますよ、社会保障費全体で。一部だけ、公費だけ見て、公共事業は地方まで入れる、社会保障は国しか見ない。これはもう意図的な比較としか思えない。もっと整合性のある見方をしていただきたい。
○小池晃君 あなたの今のは、本当によく勉強していただきたい、でたらめです。保険料を含めているんですよ。保険料というのは国民負担も入っているんです、事業主負担も入っているんです。そういったことも含めた額が今の七十八兆円という数字でしょう。
 私が申し上げているのは、国と地方の税財源から出ている、国と地方が公的に支出をしている社会保障費は、これは国立社会保障研究所の調査ですよ、二十一兆九千八百八十二億円。公的支出を比べれば公共事業の方が多い。これはもう明らかなことなんですよ、事実ですよ。あなたの今言われた数字は全くでたらめだ。
 私が申し上げていることに全く答えていないと思いますよ。自己負担をふやすというやり方が健保財政も悪化させるじゃないか、病気もどんどん悪化させて、そうすればお金がかかるようになるだろうと。それから、健保財政が悪化すれば保険料がまたはね返ってくる、さらに景気が悪くなる。景気が悪くなれば保険料の収入が下がる。まさに悪循環じゃないですか。この悪循環を断ち切るために、今までの自民党のやり方はこの悪循環をどんどん進めてきた。財政が悪化すれば負担増で乗り切ろうと、本当に目先のやり方しかとってこなかった。そうではなくて、まさに今、ここに悪循環を断ち切るために公的な支出をすべきじゃないかと私は申し上げている。
 きょう配った資料を見ていただきたいんですけれども、諸外国と比べて八〇年代から九〇年代にかけて、グラフを見ていただきたいんですけれども、社会保障に対する国庫支出を対GDP比で減らした国は日本だけであります。あとは大体ふやしている。しかも、その日本は八〇年代から九〇年代にかけて最も高齢者人口の比率がふえている。これだけのスピードで高齢化が進んでいる中で社会保障に対する国庫負担を削ったら、一人当たりの給付が下がる、負担増になる、これは当然のことじゃないですか。
 私、申し上げているのは、こういうやり方はやめて、高齢者人口がふえる、将来不安が広がっているんですから、これからは社会保障重視の政策でいきますよというのが国の責任じゃないですかと。そのために公共事業に思い切ってメスを入れるということが今こそ求められているんじゃないかというふうに申し上げている。どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公共事業の見直しというのは当然であります。しかしながら、社会保障関係にしても、患者負担を減らせば必ず公費負担がふえていきます。その場合は税金か保険料。保険料を上げるという場合、病気にならない人の保険料もいただきます。それで実際、医療保険制度が成り立つのかどうか。病気にならないけれども、保険料を負担している方のことも考えなきゃいかぬと。余り保険料を上げちゃって、患者負担を減らして、じゃ、おれ病気になった方が得だと思われたら、医療保険は成り立たないんですよ。やっぱり保険料もある程度低くしておかなきゃ困る。じゃ、公費だけやる。増税、これ嫌だという声がある。だから、保険料負担と公費の負担と患者負担、これをバランスをとって考えなきゃいかぬと。
 それで、これから見れば、あと十年見れば高齢者がどっとふえます、日本は。今の制度を維持するならどんどんどんどん給付費がふえていきますよ。その場合はもう、じゃ、どうやってだれが支えるのかと。若い人は減っていく、高齢者はふえてくる。今の制度を現状を維持するどころか、もっと公費負担するといったらどれだけ増税しなきゃならないんですか。こういうことも考えてもらわないと、私はあるべき社会保障改革というのは成り立たないんじゃないかと。
 どこかでだれかが必ず負担しているんですから、患者負担が低いという場合は健康な人が負担してくれている、あるいは全部病気になっていない、税金で負担している。この三つのバランス、これを考えないと、これからの高齢者が外国に比べてどっとふえてきて、若い世代がどっと減ってくる日本の社会保障というのは大変なことになる、現状維持じゃできないということも御考慮いただきたい。
○小池晃君 私、そのことにはもう既に反論しているつもりなんですが、もう八〇年代に高齢者はどんどんふえているんですよ。その中でどんどんふやしてきてもう大変だというんだったらわかりますよ、少しは。でも、八〇年代に高齢者がふえてきている中で公的支出をどんどん削っているじゃないですか。これからさらにそうなるときに、国民は将来に不安を持っている。だとすれば、この不安にこたえるんだとすれば、これからは給付はふやしますよ、しっかり国が支えますよ、国が税金の使い道を根本から変えますよというメッセージを国民に届けることこそが今の将来不安にこたえる道じゃないですか。
 さらに申し上げたいのは、抜本改革で計画されているのは窓口の負担増の問題だけじゃないんです。財源としてはすべての高齢者から保険料を徴収するということも検討されている。
 これは今所得が少なくて、被用者保険の被扶養者になっている高齢者は保険料を払っていないわけですけれども、こうした高齢者は全国で何人いらっしゃいますか。
○国務大臣(坂口力君) 七十歳以上の高齢者についてであれば、平成十二年九月現在で約三百万人。よろしゅうございますか。
○小池晃君 三百二十万人。
○国務大臣(坂口力君) 約三百万人。
○小池晃君 今お話があったように、約三百万人の高齢者は医療保険料を払っていないわけです。
 今検討されている抜本改革案では、すべての高齢者を保険料の徴収対象とする、介護保険と同じタイプです。介護保険で年金からの天引きというのが非常に怒りを呼んでいるわけですね。さらに、医療保険も三百万人上乗せされる、これは大変な問題じゃないかと思うんです。窓口では自己負担を二割、現役世代三割、それから大病院、どこで線を引くかは別にして、一定の病院は五割、それから三百万人の高齢者に新たに医療保険料を徴収する、これがあなたの言う医療の抜本改革の具体的な姿なんですよ。
 もう一度聞きますけれども、こんなやり方をすれば、消費不況、これだけ冷え込んでいる、さらに拍車をかけることになるんじゃないですか。国民の将来不安にさらに将来不安をあおることになるんじゃないか。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 消費不況というのは医療費だけじゃないと思います、もっといろんな要素が絡み合っている。そして、社会保障の問題についても、単に医療改革だけの問題だけでもない、ほかの年金の問題も考えなきゃいかぬ。そして、これから世代間の負担の割合はどうあるべきかという点も考えていかなければならないと思っております。
 ですから、今後、今言ったような医療改革につきましても、今まで高齢者は収入がないという前提で考えていた面が多かったと思いますが、最近、いろいろな調査によって、むしろ高齢者も二十代、三十代にまさるとも劣らない収入がある方も多いわけですから、ある場合によっては高齢者に応分の負担をしてもらってもいいのではないかという考えが出てきてもいいのではないかと思っております。
○小池晃君 高齢者が総体として豊かなんというのはとんでもない話です。塩川さんのように五億円も収入がある人は中にはいるでしょう。そういう人から応分の負担をとることは私は否定しません。しかし、圧倒的多数の、これは高齢者の平均所得というのはごく一人の高額所得者によって引き上げられている。平均所得二百万円未満の高齢者は七割です。非常に特殊な分布をしているわけです。そういう実態を見なければ、一律に高齢者は豊かであるなどという認識のもとに社会保障制度を立てられたら、今、介護保険で起こっているような大変な問題がさらに医療にも広がっていく、大変な問題だということを指摘したい。
 それから、介護も年金も考えなきゃいけない、当然であります。社会保障財源全体を考えなくちゃいけないんです。そのときに今のようなやり方でいいんですかと。どんどんどんどん景気が冷え込んでいる、保険料収入が減っている。だから、国民年金だってそうです、厚生年金だってそうです、医療もそうです、全部財政が悪化しているわけですよ。そういう中で、この今危機を乗り切ろうというあなた方のやり方は、保険料をふやしたり負担をふやしたり、そういうやり方でしかないじゃないですか。こんなやり方をすれば保険財政の危機をさらにあおる、そういう悪循環に入っていくだけなんじゃないですか。当座しのぎの負担増と給付減で乗り切ろうとするやり方、これが抜本改革だとすれば、総理、あなたの進もうとしている道は今のこの社会保障の危機をさらに一層深刻化させることになる。
 それから、持続可能な制度と言うけれども、まさにこんなやり方でいけば、社会保障の危機を進行させて持続不可能な制度にしていくことにならざるを得ないんだと。大臣、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今のままいけば持続可能でなくなっちゃうから、持続可能な制度を考えようと言っているわけです。
○小池晃君 ほとんど答弁できないということだと思います。
 私は、やはりこの悪循環を断ち切る、本当に政治がそういう姿勢に立つ必要があると。やはり、国の財政構造を変えて、社会保障中心の国づくりに大もとから切りかえる、このことが、社会保障の方が公共事業よりもより雇用創出効果も高いし、生産波及効果も高いんだということもはっきりしてきているわけですから、やはり本当の景気回復に進む道はここだということを主張して、次の問題に移りたいと思います。
 歯科医師会の問題であります。
 歯科医師会の選挙活動についてお聞きをしたいと思うんですが、九九年度の国民政治協会への政治献金五十五億六千万円のうち、日本歯科医師連盟からは六億六千万円、断トツ一位であります。自民党の最大の支援組織だと。これは経済的支援だけじゃなくて選挙支援を各地でやっている。鹿児島県では、県の歯科医師会長が政治連盟の名前で自民党比例候補の票に直結する確実な名簿を一会員当たり二十名分送れという指示を出している。これは県歯科医師会の封筒で出されて、返送先も県歯科医師会だと。
 総務大臣にお聞きしたいんですけれども、公益法人と政治団体が一体となったような、こうした特定候補の支援活動、選挙活動というのは許されるんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 歯科医師会は公益法人ですね、歯科医師政治連盟は政治団体でございまして、そこで公益法人が政治活動ができないんだと。これはできるんです、法的には、禁止されておりませんが。ただ、公益法人ですから、その法人の設立目的等の議論があると、こういうことでございまして、多くは政治団体をつくっておやりになっている。メンバーがどうだとか、中身がどうだとかということは一切わかりませんが、観念的にはそういうことでございまして、政治団体が政治活動をするのは当たり前であります。
○小池晃君 私が言っているのは、出してきた封筒も、それから後援会名簿の返送先も歯科医師会だということなんです。政治連盟、政治団体だったら何でも許されるのかということで、ちょっと資料をごらんいただきたいんです。
   〔資料配付〕
○小池晃君 これは福岡県の歯科医師会の機関誌です。「歯界時報」という雑誌の九七年十二月号の記事です。これは前回、参議院選挙に向けた日本歯科医師連盟の臨時評議員会の報道記事でありますけれども、驚くべきことに、これは一人六名分の獲得党員の党費を自民党に支払うための借入金、記事の中にありますが、八億円です。この八億円の支出を評議員会で承認したとあります。
 二十万人分の党費をどこからか借金して用立てた、これは私はKSD以上に露骨なひどいやり方だと思うんですが、総務大臣、こうしたやり方も政治団体だったら構わないということになるんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) これも既にお答えしたことがありますが、私どもの方は、事実関係を確認して、それをチェックしてと、こういう役割機能を持っているわけじゃないんですね。政治団体のいろんな、例えば政治献金をどうしたとか集めたとか、そういうことの報告をもらって公表して、あとは社会的ないろんな評価にまつと、こういうことでございますので、事実関係がわからない以上、コメントができないことを御了解いただきたいと思います。
○小池晃君 政治団体、政治連盟は歯科医師会と別だというふうにもおっしゃるわけですが、本当にそうなのか。
 資料の二枚目を見ていただきたい。これは、鹿児島県歯科医師会の総会で配付をされた預かり金の収支計算書であります。これを見ると、日本歯科医師会の会費と日本歯科医師政治連盟の会費が全く同じ銀行の全く同じ口座番号に振り込まれております。財布は一緒なんです。医師会費と一緒に集められた一人年間三万五千円の政治連盟の会費が日本歯科医師連盟に上納され、それが党費の立てかえ払いに使われると。これを見れば歯科医師会と政治連盟は一体である、はっきりしていると思うんですね。
 それからさらに、これは歯科医師会自身が認めている、政治連盟自身が認めている。実は、今、全国の歯科医が政治連盟からの退会の自由を求めて訴訟を行っている。その訴訟で、被告鹿児島県歯科医師連盟の代理人、それから日本歯科医師連盟の代理人は、準備書面で弁護士さんはこう言っているんです。規約上も実態としても歯科医師連盟の入退会は歯科医師会の入退と同時でなければならない。日本歯科医師会と政治連盟は車の両輪で密接不可分。
 これ、私、歯科医師会の広報、新聞ですけれども、持ってきましたけれども、この中には何と書いてあるか。連盟を脱退しようとするときには日本歯科医師会を退会せよというふうに書いてある。歯科医師会と政治連盟というのは完全に一体なんですよ。歯科医師会そのものがはっきりこれを認めているんです。
 厚生労働大臣にお聞きしたいんですが、厚労省所管の公益法人であります。そこが政治団体と一体であることを公言して政治活動をやっている。公益法人のあり方としては大変問題があるんじゃないですか。
○国務大臣(坂口力君) 政治連盟の活動の中身について私たちがとやかく言う立場にはありません。しかし、その活動、これからどういうふうに活動されるかということについて不適切な部分があるというふうになるならば、それは私たちは指導しなければならないというふうに思っております。
 今、初めて聞いたところですから、よく一遍調べた上での話でございます。
○小池晃君 一般論ではなく、歯科医師会の入退会と歯科医師政治連盟の入退会は同時でなければならないと。言ってみれば、歯科医師会に入ったら自動的に政治連盟に入るんだ。そうすれば、実態としては特定政党の特定候補の支援活動をやっている。これが嫌だという人は、政治連盟をやめたいと思ったら歯科医師会をやめなさいと、これははっきり書いてあるんですよ。
 こういう入退会同時の原則ということを掲げていることが、ここを聞いているんです、私。入退会同時だと、歯科医師会と政治連盟というのは一体なんだと。歯科医師会に入るときは政治連盟にも入るし、政治連盟を抜けたいと思えば歯科医師会をやめなきゃいけない。これは公益法人のあり方としておかしいんじゃないですか。どうでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そこがまさしく今訴訟になっているところだというふうに聞いております。
○小池晃君 そこは訴訟になっていない。
○国務大臣(坂口力君) そこはなっていないの。
 よく調査をいたします。
○小池晃君 そこは歯科医師会側が認めているんですよ。自分たちが準備書面でそう言っているんですから。入退会同時なんだ、これが原則ですと言っているんですよ。そこは争いはないんです。
 総理、私、申し上げたように、これは調査して報告をしていただきたいんですけれども、総理にお聞きしたいのは、こういうあり方はおかしくないですか。それは歯科医師の中で、歯医者さんの中で自民党を応援したいという人が勝手に自民党を応援するのは全然悪くないと思いますよ。そうじゃなくて、歯科医師会に入ったら政治連盟に同時に入らなくちゃいけないんだ、そして政治連盟に入ればもう自民党の支援活動をやらされる、それが嫌だと言ったらば歯科医師会をやめなさい、これが今の日本歯科医師会のとっている態度なんです。これ、どう考えてもおかしいと思いませんか。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、それは知らなかったんですが、やはり本人の意思でないのに党員になるというのは好ましいことじゃないですよね。本人が意思がないのに党員にさせられているというわけですか。
○小池晃君 党員じゃないんです。政治連盟です。政治団体。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ともかく、本人の自由意思というものはやっぱり尊重されるべきではないかなと思います。
○小池晃君 総理、確認をしたいんですが、あなたは日本歯科医師政治連盟から九五年に百万円、それから神奈川県歯科医師連盟から九八年に百万円、九九年に二百万円の献金を受けておられる。これは事実でしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治資金収支報告書に届けられているのがすべてでありますから、お調べいただいてそうだったらそうでしょう。私は法にのっとって政治献金を受けておりますから。
○小池晃君 今、るる説明してきたように、日本歯科医師会と歯科医師政治連盟というのは、これは鹿児島の例ではありますけれども、会費の口座番号が全く一緒だというような、本当にずさんなお金の扱い方をしているわけです。そして同時に、歯科医師会に入れば政治連盟の会員だと、嫌なら抜けなきゃいけない、歯科医師会をやめなきゃいけない、こういう構造になっている。
 そういうところから、これは恐らく歯科医師連盟の会費だってもうすべての歯科医師会から、歯科医師会員からこれは集めているわけですね。そこからの献金が出ている。別に自民党を支持する、小泉純一郎を支持するという人でない人からもお金が出ている構造なんですよ。これは、私はこういうあり方は大変問題が大きいんじゃないか。
 総理、あなたは自民党の改革を断行するんだということをおっしゃって自民党総裁に当選したわけですけれども、しかし、じゃその後どうかというと、KSDの架空党員の調査結果もまだ出ないわけですね。さらに、この歯科医師会の問題で見れば、八億円ですよ、八億円の党費立てかえをやっている疑いが極めて濃厚だという事態も出てきている。第二のKSDを思わせるような事実である。これは、やはり九七年の党費立てかえ、これは自民党総裁としてこういう事実があったのかどうかということはぜひ調査をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もう党費の立てかえはないように、今、自民党も改革をしておりますし、今後、一つの公認の基準が党員何名という基準ももう撤廃しました。もう無理に集めなくていいということでありますので、私は、今言ったような点も含めて、無理に党員になりたくない人あるいは党員でもない人に党費立てかえということはこれからないようにしていかなきゃならないと思っております。
○小池晃君 この問題はぜひ調べていただきたい。
 それから、やはり公益法人と一体化したようなこういう集金、集票システム、私はこういうのはきっぱりやめるべきだというふうに思いますが、過去の事態について調査をするかどうかということと、こういう仕組みについてはきっぱりやめるかどうかということについて明確に御答弁願いたいと思う。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、他の団体について自民党がとやかく言う必要はないと思いますが、もう党費の立てかえとか、無理やり党員にしたものを意思に反して自民党の党員に勧誘させるというようなことはあってはならないと思っています。
○小池晃君 他の団体とはいっても、これは自民党と密接に関係があるんですから、こういうのはきっぱりやめるべきだと申し上げたい。
○委員長(岡野裕君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、清水澄子君の質疑を行います。清水澄子君。
○清水澄子君 総理、二十七日に実施された新潟県の刈羽村の住民投票の結果は、経済産業大臣や外務大臣の直筆署名入りのビラを全戸配付されたにもかかわらず、このプルサーマルの実施に反対する住民の意思は非常に極めて明確になったと思います。
 つまり、国が進めるプルサーマルが国民的合意とはほど遠いことを私は示していると思うわけですけれども、政府は、この際、この事実をやっぱり率直に受けとめて、そしてこの政策の転換を考えるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 刈羽村の住民投票の結果についてなんですが、これは、原子力エネルギーに対する安全性に対する不安、と同時に、かといって電気がなくなっちゃ困るなというエネルギーに対する必要性、こういうさまざまな要因が交錯した結果がああいう投票にあらわれたんだと思いますが、我々としては、文明生活を維持するために安定したエネルギーを供給しなきゃならない、こういう点を考えますと、まだまだ原子力エネルギーに対する住民の不安というのは大きいんだなということを念頭に置きながら、同時に、現在すぐ原子力エネルギーをなくすことはできませんから、それに対する理解、協力、必要性というものもあわせて住民に対して、あるいは国民に対して理解が得られるような努力をしていかなきゃならないのではないかと思います。
○清水澄子君 私は、今すぐ原子力発電をなくしたらいいというふうには申し上げていないんです。
 プルサーマルに使われるMOX燃料に含まれるプルトニウムが非常に猛毒な物質である。そして、プルサーマルはウラン燃料を使う場合よりも危険であるということなんですね。それから、プルサーマルに使用されるMOX燃料はウラン燃料の数倍の値段といいますか価格で、経済的にも合理性はありません。また、資源の節約にも反しているわけです。また、原子力安全委員会によるプルサーマルの安全審査も、これは見直すべきだという非常に疑問の内容でもあります。
 そこで、私は総理にやはり提言したいんですけれども、プルトニウムの処分の選択肢というのは必ずしもプルサーマルのみではないと思います。プルトニウムを核兵器に転用不可能な形態に変えて処分する、そういう方法も提案されているわけですから、その方がまたコストも安くなるわけですね。ですから、私は、この核使用済み燃料の再処理政策そのものの転換を検討することが非常に重要なのではないかと、このように考えますが、この点についてやはり検討をしてみたいという答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 総理から御答弁がありましたけれども、刈羽村の住民投票の結果というのは私は非常に残念だったと思っています。
 国の基幹的ないわゆるエネルギー政策の中で、核燃料サイクルというものを確立して、そしてプルサーマル計画ということを推進していくということは、これは私は、二十一世紀を見ましても、やはりどうしても国としては必要なことだと思っています。
 そういう中で、私どもは、刈羽村の今後の判断や、あるいは事前了解をしていただいた新潟県やあるいは柏崎市の対応も見守っていかなければならないと思っておりますけれども、総理も言われたように、やはりこれは、その必要性とさらに安全性というものも国としてしっかりとPRをしていくということが必要だと思っています。
 そこで、プルサーマルの処理の仕方にほかの方法があるのではないか、こういう御指摘でございますけれども、私どもとしては、今申し上げたように、核燃料サイクル、その中でのプルサーマル計画、これはどうしても国のエネルギー政策上必要なことだ、そのように思っておりますので、やはり、その一つの反省の上に立って、住民の皆様方、国民の皆様方にその必要性、その安全性というものを理解していただくようにさらに努めなければならないと思っておりますし、また、今までのその取り組み、これが少し足らなかったのではないか、そういう観点から、国の中にもいわゆる協議機関を設けて、本当に理解を深める、そういう努力も力いっぱい傾注をしていきたい、このように思っています。
○清水澄子君 私の方が提起をしているわけです。国の政策を聞いているんじゃありません。プルトニウムの処分の方法にはもっと選択肢があるのではないかということを申し上げているのであって、そのことは私、必ず今後の大きな課題になるだろうと申し上げておきます。
 次に、失業と雇用創出について厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
 経済財政諮問会議の専門調査会は、サービス産業を伸ばして、そして五百三十万人の雇用を創出するということであるわけですけれども、これがたとえ全部、このままの内容はいっぱい問題あると思いますけれども、全部できたとしても五年後ということなんですね。そして、不良債権の処理は三年以内と。そうすれば、リストラはその前から進んでいるわけですし、現に失業率は四・八%という実態が報告されています。そこで、この緊急報告の中身についてなんですが、本当にこれが安定した雇用の体制になっているのか、できるのかということを伺いたいと思います。
 まず、全部は申し上げられません、子育てサービスのところに重点を置きます。
 子育てサービスで現状五十五万人を九十万人にふやすということなんですが、その内容は、保育と学童クラブと学習塾の三つを予測しているようですけれども、この中で、学童保育の雇用創出というのは何人ぐらいを見込んでおられるんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 大枠のところからお話をさせていただきますと、不良債権処理その他のこれからの進行の状況、その規模、スピードによってこれからの雇用に与える影響は大きく違うというふうに思っております。したがって、その辺とあわせて検討をしていかなければならないものだというふうに思います。
 そして、雇用対策本部を中心にいたしまして、総論的に数字が出ましたけれども、五年間で五百万規模の雇用を創出していくということで、今議論を始めさせていただく本当の緒についたところでございますが、その大枠は今決めておるところでございまして、具体的な話はこれからでございます。
 我々の方の厚生労働省関係のところで申しますと、今までのエンゼルプランや、それからゴールドプラン等々によりまして、今まで五十万ぐらいはぜひ出したいというふうに思っていたわけでございますが、それでは少ない。それに加えまして、学童保育でありますとかその他のところを加えてどれだけ出せるかということを今検討をやっているところでございます。できる限りそこのところも倍増できるような形にしていきたいというふうに思っておるところでございますが、現在、御指摘になりましたように、正式は学童保育じゃなかったですかね、それだけで一体どれだけつくるかという、そこまでまだ今具体的な数字を出しておりません。
○清水澄子君 でもこれは、この間総理が構造改革の中で学童クラブ一万五千カ所、これだけのことをやるのを改革と言わないのかとおっしゃっていましたから、私はこの目玉のところをお伺いしています。
 それは、特に厚生省の中では、課長さんたちが四月に、仕事と育児の両立支援の専門調査会で発言していますね、もう既に。現在ある一万一千カ所を二万カ所にふやしたいと。そうすれば、一カ所指導員が平均二・六人ですから二万四千人の増員となると言っておるわけですが、実際に、実態調査をしている、運動をしている人たちによれば、地域に五万カ所が今すぐ必要だと言っているわけです。そうすれば、さらに七、八万人の指導員、指導員がまずいなければこれはやれませんから、そうすると十万人が必要ということになります。そういう実態の中で、一万五千カ所という根拠は何だったのかということも一つ。
 それからもう一つは、この学童クラブの国庫補助の単位を見ますと、二十人から三十五人以上の児童を対象にしているときには、何と国は年間五十一万円を補助する、そのことなんですね。そうすると、そういう単価でこの一定の資格と経験を持つ指導員をどうやって確保していくのか。そして、一方では、予算は余りふやさないと言っておられるわけですが、どういうやり方でおやりになるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) どういう規模でやるかといったことも含めまして、今、もう一度議論をいたしております。
 一万五千といいますのは、今までのそれは計算でございましたが、一万五千カ所では足らないわけで、さらにふやさなければならないというふうに思っております。もう総理もおっしゃっているように、必要な箇所に全部つくろうということになりますと、それでは一万五千で足らないことは当然でございます。
 そして、これからつくっていきますときに、これを内容も充実をさせていかなければなりませんし、そして国と地方との連携もどのようにこれから進めていくかということもあわせ、そうしたことももう一度検討をしながらこれから進めていきたいというふうに思っているところでございまして、全体を見直しながら総枠のことも今考えて進めているというところでございます。
○清水澄子君 これから考えるわけですか。それじゃ、何か宣伝が先で、いつでも小泉総理は得していらっしゃいますけれども、何か数字だけが先にばっと出されて中身が伺ってもよくわからないというところは私はやっぱり非常に問題だと思う。ここは非常に重要なところだと思うんですね。
 そういう中で、これらがやっぱり予算的な措置も必要になってくると思うんですが、これは学童保育だけではなくてヘルパーなどの、これはほとんど福祉関係、教育とかそういうサービス関係を対象にしていますけれども、介護サービスにしても、せっかく資格を取ってもとても職業とは言えない低賃金であるわけですね。こういうサービス分野というのは、女性の有償ボランティアとか女性の低賃金で辛うじて維持しているのが現実だと思います。ですから、そこは安定した雇用の場になっておりません。
 ですから、私の知っているある男性がリストラになったと。だから、自分はこれから、高齢社会だからケアサービスをやる、そういう仕事に転職しようと思って資格を取ったんですけれども、そういう男性が働こうとしても、それを受け入れてくれる企業がない、そしてそういう職場がない、ましてや生活できる賃金というものがないというので非常に、幾らこういうことを主張されても本当にそれが安定した雇用なのかという大変な不安を持っております。
 ですから、こうした不完全な雇用の頭数だけを述べても、私はこれは雇用の構造改革にはならないと思います。
 そこで、私は総理にやはり申し上げたいんです。
 総理は経済構造改革の骨太の方針を提示すると言われているわけですけれども、この雇用創出五百三十万人のシナリオを見ましても、見かけの数字を見ると骨太のようなんですけれども、この骨はカルシウム不足だと思います。骨も栄養がないと骨折しちゃうんですね。ですから、このごろ骨の栄養ということをすごくみんな保健衛生で主張するんです。
 今、私がここに立って一つの学童保育の実態を挙げたわけですけれども、例えば、これまでも子育て緊急対策というので非常に延長保育に国は力を入れていたんですね。ところが、昨年までは補助金を、人件費を出していたんですが、ことしからその補助金が半額になった。そうすると、現実に人件費の削減とか、それから、自治体がそれを廃止したいと言い出しているような現状がもう既に待機児童ゼロ作戦の中で起きております。
 ですから、本当の意味で、今言われる学童クラブとか保育所とかというのは、そこに働く人たちを、現在は六、七割が低賃金とパート、アルバイトですから、そういう人たちに本当の雇用という形がとれれば、これは私は本当に立派な雇用創出になると思うんですね。ですから、やはり政府が雇用創出、また大規模な失業からの職業転換と言う以上は、単価にしても養成費にしても、またそれをやるまでのスピード、つまり失業の期間をどのように短くしていくか、もっときちんとした施策の展開が必要だと思うんです。
 それから、これから製造業からの転換というのが多いと思いますけれども、それも先ほど申し上げたように、やっぱり安心してチャレンジできる、そういう雇用。その場合は、やっぱり税金をきちんと払える賃金だし、年金とか保険料を払えるそういう賃金で、生活できる賃金を保障して初めて雇用の創出と言えると思うんですね。ですから、それをしないで痛みを伴うのは当然だと言われると、これはもうむしろ経済の回復どころか私は社会不安が大きくなると思います。
 ですから、私は、ここで本当の意味の骨に栄養を与えた、内も外も骨太のそういう雇用の改革というのをやっていただきたいと思うんですが、ぜひ総理の決意を述べてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 決意だけじゃだめだと言うんでしょう、厚生労働大臣、担当官庁あるんですから。
 決意は所信表明で述べたとおりでございます。
○国務大臣(坂口力君) さきの学童クラブの方のお話にも、ちょっと先ほど私言いましたので一言つけ加えますが、この十三年度の分の予算はもう既にでき上がっているわけでありますから、一万カ所にするというのでこれはこれで決まっておりますので進めていきたいというふうに思いますが、この次の予算からどうしていくかということになるんだと思います。それには、今までと同じようなタイプでやっておったのではいけないので、新しい考え方で、これからどう広げていくかということをもう少し考えていくということを先ほど申し上げたわけでございます。
 それから、今お話しになりましたのは、これからの勤め方、全体の、女性を含めましてこの勤め方をどういうふうにしていくかというお話であるというふうに思います。できればといいますか、できる限りと申しますか、正規の雇用である方が望ましいと私も思います。しかし、中には、最近はもうそういう勤め方ではなくて一定の時間、やっぱり毎日毎日ではなくて、そして週の中の幾日間かといったように、特定の働き方をしたいという方もお見えになるわけでございますから、すべてが正規の方ではなくて、そういうまた別な働き方をなさる方もこれからはふえてくるだろうというふうに思っております。
 それぞれの働き方の皆さん方に対して、それぞれやはり公正な生き方ができるように私たちは気を配っていかなければならないというふうに思いますし、今お話しになりましたような社会保障等につきましても、年金にしろ医療にしても、その保険料をやはり納めていただきやすいような形にしていかなければならない。そこは、今ネックになっているところもたくさんございますから、それは取り払うように私たちも努力をしなければならないと思っているところでございます。
○清水澄子君 終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で清水澄子君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、岩本荘太君の質疑を行います。岩本荘太君。
○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。
 私、三年前に参議院議員として国会に参りまして、その直後だったと思いますが、いわゆる財政赤字を憂える会という議員連盟で、小泉総理もそのときに参加されておられたと思いますが、私もその中でいろいろと勉強させていただきまして、したがいまして問題意識は同じかなというような感じがいたします。その当時を思い出しますと、そのときもやはり小泉総理は赤字国債はふやしちゃいけないというようなことをたしか言っておられたと記憶しておりますが、そのときの思いを今総理になられてその筋で貫かれているということは大変立派であると思っております。
 私は、無所属の会でございますので、参議院の議員として、いわゆる与党とか野党とかという時点でない、国民の良識という面を国政に反映したい、そういう思いで今おるわけですが、そういう立場から質問させていただきたいんです。
 一つは総理の支持率、これは大変高い。最近またもっと上がったと。これは、私、地元へ行って実際に私の支援者なんかに聞きましても、実際に実感としてそれを感じるわけでございます。私も、選挙で当選させていただいたのはそういう無党派層によって当選させていただきまして、総理の高い支持率もこれは無党派層の方が非常に支持されていると、このように理解をしておりまして、ある意味では重複するところがあるのかなというような感じがいたします。
 その私の支持者についても、大変小泉総理に対しては好意的な気持ちを持っております。それは一つには、大変言っておられることがはっきりしておられる、わかりやすいということであろうと思います。ただ、今後、改革をどうされるのか、具体的な像がまだこれからありますから、その辺は期待に背かないようにしていただきたい。
 ところが、一方で、自民党といいますか、そちらの姿がちょっとわかりにくくなったというような声もあるのでございまして、というのは、具体的に申しましても、例えば今申し上げました赤字国債にしましても、これは国会の場でいろいろ、予算編成の場でも議論されましたし、あるいは機密費についてもこれはいろいろと議論されたわけですが、私、議場におって記憶にありますのは、そういう議論のときに与党席といいますか自民党席といいますか、そちらからは、そんなことは必要ないというようなやじが盛んに飛んだわけですね。
 そういう人たちが、小泉総理が総理になられて新しい方針を出されたら本当に変わるのかなという疑問がいわゆる無党派層といいますかそういう人たちにあるわけでございまして、その辺がどうも非常にわかりにくいと。簡単に軸足が動くものかなという疑問もございますし、変えられるなら変えられるでいいじゃないかというようなこともありますけれども、その辺がはっきりしないと、今度の参議院選挙に向かっても非常に立場をとりづらいというのが実感でございます。
 したがって、今度の選挙でも例えば小泉総理が全選挙区に出たら恐らく全部お勝ちになるだろうと思うんですけれども、そんなことはあり得ないわけでございます。そこで、私としては、ひとつ有権者に、無党派層といいますかそういう人たちに、その辺の総理と自民党との関係といいますか、その辺をはっきりさせていただけないのかなというような思いがございます。
 いろんな政策とかいろいろあると思いますけれども、一番私ははっきりするんではないかなと思いますのは、総理は総理になられるとき派閥を出られました。そして、参議院選挙に出るのは派閥離脱届を出せと言っておられます。これは一〇〇%そうなるんだろうと総理は想定されているかもしれませんけれども、現実にそうならなかったときに、それは、例えばの話ですけれども、そういうところには総理は応援に行かない、選挙のときになって応援に行かないというような、こんな立場をとられると非常にわかりやすくなる。
 これは仮定の問題でもありますし、あるいは党内の事情であると言われるかもしれませんけれども、小泉総理を支持されている無党派層の期待にこたえて、私も帰ったらそういう人たちに伝えなきゃいけない立場にございますので、そういうことが考えられるか考えられないのか。その辺、総理、ひとつ御答弁をお願いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、国民に理解を得られるような、共感の持てるようなことを候補者は発信しないとこれからの選挙というのは当選は難しいよと言っているんです。
 それで、私が何で総裁に当選することができたかというと、多くの党員も国民も今の自民党政治というのは派閥の論理優先で国民の論理を無視しているんじゃないかという機運があったから、それに対してどう自分は国民に理解を得られるような総裁にならなきゃならないかということで、これは派閥を出るのが一つの方法だと思って出たわけであります。これは予想以上に私の行動に共感を示してくれて、今日当選することができました。
 だから、これから大事な選挙に向かって、コマーシャルでも派閥の論理よりも国民の論理だと党がつくったわけでしょう。だったら、これから候補者がどうやって自分のメッセージを国民に発表していくんだと。強制はしないけれども、私は一つの方法だよと言っているわけです。
 そして、これは身内のことです。私は、私の考えをみんなに強制する意思はありませんし、それよりも大事なのは私の方針に協力してくれる人が大事なんですよ。派閥は一つの手段です。それよりも大事なのは、私のこれからの方針に自民党の皆さんが協力してくれるということ。
 派閥を出なくても私の方針に協力してくれる人はたくさんいます。それはそれでいいと。しかし、その前に当選しなきゃならない。いや、派閥なんか出なくたって当選できるよと、派閥の論理でおれはいいんだと言う人はそれでもいい、当選できるんだったら。それは個人で判断することだと、私はそう思うんです。
○岩本荘太君 こんなことを言っては申しわけないんですけれども、小泉総理が総理になられる前は、直前までは今度自民党は大敗するんじゃないかというようなあれがございましたけれども、その中で総理が出されたことに賛同したわけですので、そういうことに本当に自民党の方々が動くのならどうかということを本当に見たがっているわけです。
 もう時間がございませんので、したがって、何らかの格好で国民にそういうことがわかるような仕組みをぜひ、仕組みといいますか態度をとっていただきたい、そのことをお願いいたしまして、まだほかの質問もございましたけれども、これで終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(岡野裕君) 以上で岩本荘太君の質疑は終了しました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、高橋令則君の質疑を行います。高橋令則君。
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。
 端的に総理にお尋ねをいたします。
 私は、長年地方におりまして、国政のことは余り詳しくないというのは失礼なんですけれども、そういう感覚を持っておりますが、お聞きしますと、総理は所信で新世紀維新ということを言われました。私どもは日本一新ということを言っております。その中で、総理は、特に国の事業については、民間でできることは民間でやる、それから地方でできることは地方にゆだねるという原則だということをおっしゃいました。
 しかし、この構造改革は当然ながら単なるいわゆるカットだけの、財政だけの改革ではないわけですね。今の問題は、前段申し上げたような一新というのは、あるいは総理がおっしゃった新世紀維新というふうなことは、これは国の形、そして国の中の地方の形というふうな大きな問題があると思うわけですね。そこには大きな、司馬遼太郎さんではありませんけれども、そういう形についての理念というものがなければならないと思うんですけれども、総理のお考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これから地方分権推進委員会でも御議論をいただかなきゃならない問題ですが、地方分権ということを考える場合に、やはり税源といいますか財源、これも自主的に地方自身が考えなきゃ本来の自治という意識は生まれないんじゃないかと思います。国に陳情すれば、国に要求すればお金がもらえるよということでは本来の自治にはならないということから考えますと、これから財源問題も含めて、地方にいかに、仕事を移譲するんだったら財源も移譲していくということを考えるのは必要ではないかと思っております。
○高橋令則君 まさにそのとおりだと思いますが、問題は総理がおっしゃったような国と地方の役割分担の問題、そして税財源の分担、それから地方団体自身の変わりようというんですかね、今いわゆる市町村合併の問題が出ておるわけですけれども、それだけに、それ以上に大きな変革がなければ本当の意味の国の形が変わっていく、そして本当の意味の構造改革というのはできないんではないかと私は思うわけですね。
 実は、今、総理がいみじくも言われましたけれども、陳情政治という言葉が今もあります。そして、その中には、財務大臣が御存じでありますけれども、いわゆる道路特定財源の問題、これはもう私のところにもわんわん来ています。これも私は本当はおかしいと思っているわけですけれども、なぜかというと、陳情政治ではなくて、それは国自身が考えることであるし、それから財源を含んで、国があるいは地方がきっちり分けてやるんであれば陳情政治なんかないはずなんですよ。それが残っているからこうなるわけですし、それがいわゆる長年の癒着とかそういう問題になってくるわけです。
 こういう問題について思い切ってメスを入れなければだめだと思うんですけれども、基本的な考え方について、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 基本的な考え方を述べたつもりですが、これから地方の仕事が非常に重要になってふえていきます。三千ぐらいの団体がいいということよりも千にした方がいいとか、あるいは三百ぐらいがいいんじゃないかと、いろいろな議論が出ています。広域行政も必要であります。
 そういうことを考えても、お金は自分で調達しなくてもいいということでは地方だけの仕事もできませんから、最初に申し上げたとおり、当然、地方分権ということを考えるのだったらば、広域行政、どのぐらいの大きさがいいのかというものも含めて、今言ったような財源問題、自主的に地方がどのように調達して、国と地方の役割、税の項目でもこれから当然問題になってくると思いますけれども、そういう現状のままではよくないという視点から、今言われたような財源も含めた地方分権を考えていくべきではないかと思います。
○高橋令則君 それは総理のおっしゃったとおりでありますけれども、私はもっと厳しく見ているんですけれども、いろんな議論をやりました。そうしたら、最終的にはやっぱり憲法改正をしなきゃだめだなと私は思っているわけです。
 今、九十二条にあるわけですけれども、地方の自治というのは本旨だというふうに書いてあるわけですけれども、その本旨が書いていないんです。総理はおっしゃるけれども、それが幅があるというんですか、厳しく見据えて、そして国と地方の関係をきっちりする、それによって正しい改革というものが出てくるのではないか、私はそう思っております。
 時間でありますので、意見だけで終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で高橋令則君の質疑は終了しました。
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、佐藤道夫君の質疑を行います。佐藤道夫君。
○佐藤道夫君 私からは総理大臣にお尋ねいたします。
 首都移転に総理は賛成か反対か、こういうストレートな聞き方をすれば、総理の結論は賛成である、こういうことであろうかと思います。
 実は平成八年、総理は「官僚王国解体論」という著書を出されておりまして、その中ではっきりと首都移転に賛成という線を打ち出しております。ちょっと大事なところだけ読み上げてみまするけれども、首都移転は、現在の重要課題である国政全般の改革を加速し定着させる上でも、また国の災害対応力を強化する上でも緊急に進める必要があると、こうはっきり述べておられますね。もう言うまでもないことだと思います。
 そこで、これだけ高々と打ち上げられた首都移転、二十一世紀を見はるかして、これから新しい都をつくって大いに張り切ってやっていこうという時代でもあろうかと思います。百数十年前の江戸遷都、あれが新しい近代国家をつくる上でどれだけ意味があったか。大変な価値があったんだというのが歴史学者の大体の定評でもあります。
 私がお尋ねしたいのは、それだけ首都移転についてすべての改革の第一歩なんだというぐらい評価しておられる総理がこのたびの所信表明では全く触れていないのはどうしてなんでしょうか。まさか忘れたわけでもあるまい。しかし、こんなことを言い出して余計な反論をされても困るからこれはやめておくんだとか、そんないいかげんな気持ちではないと。なぜ所信表明でこの点をうたわなかったのか、私は不思議でしようがないんです。
 あなたの考えをストレートに出して国民に訴えて、国民の間で議論してもらって、そうだ、やっぱり移転をしようと。しかも、緊急の課題と、こう言っておりますから、十年先、二十年先というような問題ではないので、もう三、四年先にきちっとこういうことは計画にのせて進んでいこうということを国民に呼びかけるべきではなかったのかと、不思議としか言いようがないんですけれども、なぜでありましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いろいろやらなきゃならない課題はたくさんあると思います。現在、審議が進められております。その状況を見て政治課題にのせるかどうかということを判断すべき問題だなと思っております。
 どちらがいいかと言われると、本に書いてあるとおりでありますけれども、私には現下の課題としてやるべき問題、優先すべき問題があると思ったから、あえて所信表明で触れなかっただけであります。
○佐藤道夫君 総理は、これがすべての第一歩なんだということを著書でお書きになっているでしょう。それから、現在、国会その他で首都移転の話が進んでいることも知っておりますけれども、しかし、あなたの一つの理想でしょう、改革の大前提だ、こう言っているんですから。それならば、きちっと所信表明で国民に訴えるべきでしょう。それをしないのは、大変申しわけないけれども、何かやっぱり理由があるのかとしか、怠慢としか言いようがないんですが、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いろんな考え方があると思いますが、何を優先順位にするか、総理大臣として、それはいろいろ考えがある、人によって違うと思います。
○佐藤道夫君 私は、あなたは改革とか大変夢を持つ方だと思いますので、その夢をまず最初にうたうべきではなかったのかと。どれが先かなんて、そういう問題じゃない。これは、夢だけでも、しかし何としても近い将来実現していきたい、どうだというような問いかけを国民にすべきじゃなかったのかと。それが二十一世紀を、この国を率いていく政治家の、あなたはリーダーですから、課題ではなかったのかということを説いているわけです。
 それから、これまた大事なことですけれども、この御本が出されたのは平成八年ですね。ちょうど四年か五年前でありまして、そのころ、当然御承知と思いますけれども、この霞が関から永田町にかけては大変な建築ラッシュ、古い建物を取り壊して次から次と新しいものを建てる。総理官邸がその第一でありまして、これは千億かかって近く完成するだろうと。その第一号の入居者があなたなわけですよ。
 それから、古い建物も次々に取り壊されまして、新しい行政官庁、高さが三十数階で屋内プールもあるというような豪華な、これはどう考えてみましても、これから五十年、百年は使えるような永久建築物なわけであります。こんなものは人が移ったら壊してしまえばいい、そういうわけにはいきません。かかった費用は五千五百億ぐらい、膨大な経費がかかっているわけですよ。冗談じゃない、本当の話。
 あなたはこの本を書きながら、この霞が関、永田町の建築ラッシュを見て、これはおかしいとだれだって思うでしょう、平成八年でありまするから。その後、自民党の要職にもつかれたし入閣もされまして、毎年のように予算がついていくわけですよ、今度これを壊してこれをやる、これには五百億だと。そういうときに、ちょっと待て、そんな仮小屋をつくるわけじゃあるまいし、永久建築物をつくる、しかし首都は移転することを今検討中ではないのか、私も移転には賛成なんだと。
 つくるにしても、徹底して国民交えて議論をして、もうやめたというならばその永久建築物をこの辺につくるのもわかりますけれども、何か知らぬけれども雲行きの流れのままでは、いずれつくろうと。日本人というのはそれが決まると大慌てに慌てますから、やれ土地を買え、空港をつくれ、新幹線を引け、高速道路をつくれ、あっという間に事業は膨れ上がっていくわけで、十四兆ぐらいで済む仕事じゃないんですけれども、その傍ら、この永田町には、あるいは霞が関には、けんらん豪華な、もうどう見ても半永久的な建物が並び立つ。
 一体、これをあなた自身どういうふうにこの矛盾を解決したんですか。いや、しようがない、しかしおれはやっぱり移転するんだ、そのときはそのときだと。日本人というのはよくそういう言い方をするんですよ、日本の政治家というのは、そのとき考えよう、長い先の話だからと言うんですけれども、そんなに長くはないんですよ。五年先、十年先、そのころはこの建物だってもう取りかえられるかもしれませんし、いずれにしろ立派な建物がこの永田町、霞が関かいわいにそびえ立っている。それは一体どうなるのか、もし仮に移転するということになったら。恐らく移転先にも立派な総理官邸ができるんでしょう。それにはお入りになるのもやっぱり小泉首相が第一号かもしれませんが。遠慮されたって、あなたの人気は絶大ですから、それまでもちますよ、間違いなく。
 この点についてちょっと御説明いただければ、真情を吐露していただきたいと思います。そんないいかげんに適当でいいんですよなんていうことを言わないで、矛盾をきちっと解決して、自分はこう考えているんだと国民にわかるように説明してください。
○委員長(岡野裕君) 総理の答弁の時間がなくなります。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 首都という定義ということを言えば、正確に言えば首都移転じゃなくて国会機能移転の方が正しいかと思います。そういう際には私は東京改造計画と一緒にしたいんです、本音は。東京の改造計画。国会機能移転というと東京の改造計画はないんじゃないかととられたくない。私は、国会をもしも移転するんだったら、同時に東京をいかに魅力あるものにしなきゃならないか、これ同時が必要だと、いわば東京改造計画。それも視点があるんです。と同時に、今、国会でも委員会が設けられております、国会移転のための。その真意を見てもいいなと。
 もちろん、自民党というのは憲法改正というのを党是にしています。それを現実の政治課題にのせるのはまだ先の話だと私は思っています。問われれば、私は憲法改正論者です。そういう点から考えれば、いつ政治課題にのせるかというのは状況を見ながら判断したい。御理解いただきたい。
○佐藤道夫君 この御本には一言もそういうことを書いてないんですよ、残念ながら。
○委員長(岡野裕君) 以上で佐藤道夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて経済対策及び外交問題等に関する集中審議は終了いたしました。
 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、これより質疑を行います。松村龍二君。
○松村龍二君 自民党の松村龍二でございます。
 予算委員会におきまして、経済関係等について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、ハッピーマンデーについて御質問させていただきたいと思うんですが、昨今、地元へ帰りますと、不景気だ不景気だというような声ばかり聞かされまして、景気のいい方もおられるかと思うんですけれども、世の中何か暗い感じがいたします。
 しかし、季節は、ことし大変長い冬で雪が多かったわけですけれども、北陸の地におきましてもようやく今新緑から初夏に差しかかるすばらしい気候でございます。きょう、私、福井ですけれども、地元で全国旅館組合の大会が行われておりまして、私どもも新幹線あるいは飛行機に乗るたびに多くの方が旅行しているなというようなことも感ずるわけです。
 まず、ことしのゴールデンウイーク、大変長く続いたんですけれども、国内あるいは国外の旅行者といいましょうか、国内の動きがどんな状況だったのか、技術的な問題で、役人の方から答えていただいても結構ですけれども、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 松村先生からことしのゴールデンウイークの状況等の御質問がございましたけれども、大変不況だ不況だと言われる中で、皆さんがこのゴールデンウイーク、少しでも気分的に次への活力のためとお思いになったのかどうかわかりませんけれども、少なくとも二千二百九十三万六千人という、かつて初めての数字という、前年度比で六・六%の伸びという、これらの人々が多く外国にも出、そして国内旅行も増になったということも大変私は大きな特徴であったと思います。
 総消費額を見てみますと、一兆七千億円、前年度比の九・七%増という、これもゴールデンウイーク、七日とった会社もありますし、あるいは十日とった会社もありますし、るる、種類は別でございますけれども、総トータルの数字としてはこういう数字が上がっておりまして、私はやっぱり二十一世紀の第三次産業の目玉は観光になるのではないかと、そう思っておりますので、少なくとも休みの中が、前半四連休とったところもあるし、あるいは後半が四連休で前半が三連休と、各業者によってはいろいろなおとり方をなさったと思うんですけれども、その結果でこういうトータルが出ておりますので、私はそういう意味ではだんだん外国型、ヨーロッパではお休みというと一カ月丸々休んでしまうわけですけれども、日本はやっとそれの足元まで来たかなと。
 そして国民の皆さんが、こういうふうに家族そろってとか、あるいは気楽に近くで安いところを探すとか、いろんな知恵を持ちながら、皆さん方があすへの英気を養うために、あるいは家族のきずなを深めるために、そしてお年寄りと一緒に行くためにと、あらゆる手段で、こういうふうなゴールデンウイークの数字が出ているということだけでも、私は日本人の休暇のとり方というのも変わってきたなというのが実感でございます。
○松村龍二君 小泉内閣、小泉総理のいろいろな御発言によりまして、何か気分的に世の中が明るくなってきたような気がするわけですけれども、景気の面におきましても、そういうような観光業ということが、ただいま大臣の評価のような傾向を示しておるということは喜ばしいことかと思います。
 そういう中にありまして、こういう景気ということを十分意識しまして、緊急経済対策の七カ条、あるいは先般の与党三党の政策協定の際にハッピーマンデー、祝日三連休倍増法案、これを何か議員立法を準備しておられるというふうに聞いております。
 保守党も、党首であります扇先生も大変御熱心であるというふうに伺うわけですけれども、その祝日三連休倍増法案の趣旨と、またその経済効果をどのように見込まれるのかをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 昨年、法案が通りまして、まずハッピーマンデーというのは、最初四つを三連休にということを言っておりましたけれども、まず二つが通りまして、成人の日とそして体育の日というのが月曜日になって三連休が初めて施行されたわけでございますけれども、この三連休、祝日三連休をすることによって現実的にどの程度かというのがございますけれども、私は、この祝日三連休を現在の二日から四日に倍増できると。しかも、会社によっては金曜日の夜からお出かけになる方もあるということで、現実に昨年初めて成人の日というのをいたしまして三連休、体育の日三連休ですけれども、成人の日では二千六百六十億円の経済効果が上がりました。体育の日では五千四百九十四億円の経済効果が上がっております。この二つの日を三連休にしてトータル八千百億円、こういう経済効果が上がりました。
 そういうことで、なおこの休日をすることによって、今の大変、子供が親を殺したり、親が子供を殺したりというこの暗い世相の中で、皆さん方が家族じゅうそろって出かけるとか、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんに会いに行くとか、そういうこともございますので、ぜひ私は重ねて、ことしは皆さん方に海の日とそして敬老の日、これを引き続いて三連休にさせてくださることが、このハッピーマンデーということで、なおかつ経済効果も上がってくるし、まして敬老の日というのは、一日だけ敬老の日でも、おじいちゃん、おばあちゃんに敬老の敬意を表しに行きたいと思っても、一日では行けないんですね。しかも、平日であることもありますので、九月十五日が。
 ですから、私は、これも月曜日に持っていって、三日なり四日あれば、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんのところまで行けるとか、そういう敬老の仕方もあろうと思います。また、重ねて言わせていただければ、この敬老の日は一日じゃなくて、敬老の日九月十五日を中心にして敬老ウイーク、一週間老人を敬う日とか、あるいは敬老月間とか、これは名前はどういう、老人に敬意を表するでも何でも結構ですけれども、それくらい私は、なぜかといいますと、二十一世紀は少子高齢化、私もあすは我が身でございます。やっぱり老人社会になったときにいかに老人を大事にするかということをしなければ、私は、だんだんそういう意味で敬老精神が失われつつある中で、お互いに意識し合うということにとっては大変大きな意味があろうと思いますので、これも経済効果を試算させていただいて、あくまで試算でございますけれども、海の日は試算しますと三千五百八十六億円、そして敬老の日を試算しますと三千四百十二億円、合計で約七千億円の経済効果が上がるであろうと。
 昨年の例の二日間をもってしてもこういう試算ができるということだけでも、経済効果も上がり、しかも皆さん方のお互いのコミュニケーションができればこんないいことはないというふうに考えているのが、私たちが先頭を切ってこのハッピーマンデーを推進する意義でございます。
○松村龍二君 敬老の日を三連休にして、都会に出ている人たちが、おばあちゃん、おじいちゃんを慰めに行こうと、こういう趣旨だと聞いたら、恐らく老人クラブの方も大喜びだったかと思うんですが、そのPRが初め行き届かなかったせいか、我々がせっかく決めた敬老の日という恭しい九月十五日を勝手に一週間動かすとは何事だというふうな反応があったように承知しているんですが、ただいま扇大臣がおっしゃったように、老人の日というのをまた別にしっかりフィックスして、それは休みでないけれども定めて、また一週間なりを老人週間というふうなことで、恐らく老人クラブの方も大いに満足いただけるのではないかなというふうに思います。
 何しろ、今、いろんな団体、数が減るんですけれども、老人クラブだけ数がふえますので、やっぱり老人クラブの方の御意向を尊重しないといかぬと思いますが。
 それから最後に、大変いい趣旨かと思うんですけれども、御承知かと思いますが、カレンダー業界というのがありまして、私もちょっと聞きましたところ、カレンダーというのは、要するに二年がかりでつくるわけですね。したがいまして、来年のカレンダーになりますと、商談会から見本の発送から、もう本来ことしの三月に終わっているべき話です。
 昨年は昭和の日というのでちょっとごたごたしたわけですけれども、またことし、こういうふうにカレンダーをいじくるということになりますと、全国のカレンダー業界の方は零細企業が多いわけで、また印刷だけすればいいというんじゃなくて金具でとめたりというような作業もあったりして大変心配しておられるようですけれども、これは再来年から実施するんですよというふうにしていただけば済む話かと思いますが、その辺について扇大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 私も、今月の二十八日に老人クラブの皆さん方がわざわざ、私から行かなきゃいけないのに、大臣室においでいただいてお目にかかりまして、皆さん方に私の真意とかこういうふうにしていきたいんだということをお話し申し上げて、皆さんに御理解いただいたところでございます。
 はてさて、今の先生がおっしゃるカレンダーが既に刷り上がっているところはどうするんだと。特にカレンダー業界の一番中小がほとんどもう刷り上がっているというのが現状でございまして、私もその状況を伺いましたので、これは議員立法で出ている法案でございますし、先日我が党の二階国対委員長も御質問でお聞きになったと思いますけれども、私は、これはぜひ今後、法律の施行期日については各党と一緒に話し合って、そして皆さん方になるべくいろんな御意見を聞いて御迷惑のかからないように、あるいは十四年度からなのか十五年度からなのか、これは今後お互いに喜んでいただけるように、そしてみんながこのハッピーマンデーというのを、まさにハッピーになれるように話し合っていきたいと思っています。
○松村龍二君 それを聞いて大変安心いたしました。三党連立の議員立法ということだというふうに聞いておりますが、大変実力のある大臣でございますので、よろしくお願いします。
 それでは次に、話題を変えまして、実は、国際協力銀行、きょう総裁お見えでございますが、国際協力銀行が中国政府とのアンタイドローン貸付契約に調印したという発表をされたわけですが、これは本年四月十六日に、中国の湖北省の多佳公司が実施する多品種化学繊維プラント建設プロジェクトに対し、約七十二億六千万円を限度とする貸し付けを行うことを決定し、中国政府との間で貸付契約に調印したと、こういうふうに国際協力銀行が発表されたわけです。
 ちょっと質問する前に、私誤解を招かないように一言お断りするんですが、私は、これは今、日中間いろいろ微妙な問題がございますが、決して日中間にさらに水を差そうというような意図は全くございません。私自身も終戦まで中国で育ったこともありますし、二年前、それこそ五月の連休に南京にも行きまして、例の記念館もちょっと個人的に見てきたりしまして、私自身、日中関係を非常にまじめに考えているわけなんでということをちょっとお断りさせていただきます。
 それで、この発表が国際協力銀行からありましたところ、北陸三県の繊維業界がびっくり仰天しまして、しかも初めの発表が四万トンの繊維をつくるというふうに、本当かどうか知りませんが発表になったものですから、四万トンというと、私の地元の福井県の長繊維、合成繊維の三分の一ぐらいの分量だと。それをしかも最新鋭のプラントをつくって、せっかく北陸の三県が品質の高度化によって、差別化によって生き延びようとしておるときに、最新のプラントを中国につくる、しかもそれが国策銀行である国際協力銀行が貸すということなもので、地元じゃ大騒ぎなわけですけれども、まず総裁に、どういう調印をされたのかお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(保田博君) お答えをいたします。
 本件は、中国の湖北省、湖北省と申しますのは、重慶の東隣にございます内陸部の省でございますが、その湖北省の鄂州市におきまして、ポリエステルの化繊原糸を用いてこれを織り、染色をする、そういうプラントプロジェクトにつきまして九八年に中国政府から融資の要請を受け、御指摘のように本年の四月に中国政府との間でアンタイドローンの貸付契約を調印したものでございます。
 中国政府に対します融資の金額は七十二億六千五十八万円を限度とするものでございまして、本行から中国政府に貸し付けられましたこのお金は、プロジェクトの実施主体であります湖北省の多佳有限公司に転貸されるということになっております。プロジェクトは、二〇〇四年の十二月に完成する予定でございます。
 中国国内で生産されましたポリエステルの化繊の原糸を使用いたしまして、これを布に織り、染色を行うわけでございますが、こうして生産されました布は全量中国国内向けに販売される計画となっております。
○松村龍二君 経済産業省の製造産業局長にお伺いしたいんですけれども、現在の日本の繊維産業の実態、特に合繊織物業界の現状がどういうふうになっているかということと、中国合繊業界、私の調べたところでは五倍ぐらいの生産量がありまして、今、着々高水準のものをつくるというふうになってきておるというふうに聞くわけですけれども、北陸の、日本の合繊織物業界の実態と中国合繊業界の実態、あるいは将来どういうふうにお互い競い合っていくか、その辺について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。
 日本の合成繊維の生産量でございますが、二〇〇〇年で糸のベースで約百四十三万三千トンでございます。中国の合成繊維糸の生産能力は、二〇〇〇年で六百二十九万五千トンということで、日本の約四・四倍に達しております。
 北陸産地が合繊の長繊維について国内の約八割を生産する最大の産地を形成いたしておりまして、近年、中国もそうでございますが、それ以前から韓国、台湾、そういったアジア諸国との競争の激化によって北陸の産地は大変厳しい状況にあるというふうに私ども認識しております。
 先般、大臣のお許しを得て私自身も北陸に参りましたが、繊維業界の幹部の方々からこの辺の窮状を伺ったところでございます。
 一方で、中国は合繊織物の材料となる合成繊維糸で四・四倍の生産を行っているわけでございますが、さらに繊維産業の競争力を高めるということで第十次の五カ年計画を本年から開始しておりまして、これが計画どおりに進むといたしますれば、新しい商品開発等により生き残りを模索している北陸の繊維産地の方々にとっても大変手ごわい競争相手になるということが懸念されるところでございます。
○松村龍二君 私もかつて昭和五十年ごろバンコクの大使館にいたことがあるんですが、ちょうどあのころ帝人とか東レが合弁会社をつくりまして、安いタイのタイ人の労働力でそれぞれ十ずつぐらいの会社をつくっておりました。途中で一遍地元へ帰りましたときに、もう北陸の繊維は寂れてもうポシャったかなと思って見ていましたら、新たな繊維を開発して無事生き延びておったわけです。
 その後、たびたび波があったわけですけれども、新合繊とか複合繊維とか非常にすばらしい繊維を開発することによって来たわけですけれども、何しろ人件費の差が圧倒的な差でありますし、また新たな技術が、機械が中国に輸出される。それには日本人の技術者が行って技術を教え込んでくるわけですから、もう目に見えて迫ってきておると。そういう中で、本当に今度という今度こそはなかなか生き延びるのが大変になるのかなと、こういうふうに考えながら、非常なより高度化とかいろんなことで生き延びようとしているわけです。
 そこで、先ほど総裁が、新たにつくるプラントは中国国内の糸を使うんです、だから品質は落ちますから安心してください、またできたものは国内に販売するんだから日本には売りませんということですけれども、しかし日本も外国へほとんど輸出しているわけですから、中国がまた高品質のものをつくれば輸出で競合してしまうという非常に厳しい状況ですね。
 三年後、二年後ですか、二〇〇四年にできるということですけれども、その時点で中国の糸を使うという保証は何もない。もう現在もって多佳公司が日本と貿易をやっているわけですから、輸出をしているわけですから、その最新式でできたものが国内で消費される、絶対国外には輸出しませんということは言えないと思うんですが、総裁、いかがでしょうか。
○参考人(保田博君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、このプロジェクトは中国国内で増大いたしております化学繊維の需要に中国の国内生産がとても間に合わないという事態に対応するものでございます。ここで生産されまする織布は中国国内向けに販売される計画でございます。日本への輸出の計画がないということは、中国政府並びにプロジェクトの実施主体であります公司から現地に出張調査をいたしました上で確認をいたしております。
○松村龍二君 そのような御答弁ではとても今言ったことが担保されるというふうには思われないわけですけれども。
 この国際協力銀行というのは大蔵省所管の銀行でありますので、塩川大臣もよく大阪で中小企業の痛みをもう十二分におわかりの大臣でございますが、国内繊維業界が必死の経営努力を行っている中、競合する中国のプラント建設への融資を国策銀行である国際協力銀行が行うことについて、白紙撤回はちょっとできないかなと思いますが、今後の姿勢も含めまして、財務大臣どう思われますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も大阪出身でございまして、私の地元が昔から河内木綿というものの産地でございまして、おっしゃるような問題が多発しております。そして、私の方ではキャラコとかああいうのがもう全滅してしまいまして、今はブロードももうやらなくなってきてしまいました。
 そこで、私はこれをいろいろ考えまして、ちょうど百年前に英国で起こったことと同じようなことが今、日本で起こっておるところでございまして、あの当時、マンチェスターは日本とか上海、インド、そちらの方に機械を輸出し、技術者も派遣して紡績振興をやったんですね。その利益は全部イギリスで取っておりました。ところが、日本のはそういう方式じゃなくて、現地で生産して現地で輸出をさせているという、こういうことになりましたので、ちょっと構造が違います。
 私は、ですから業者に言っておるのでございますが、日本から行って、日本と合弁でやって、その利益を日本へ送り返してもらうようにする方法を考えないと、向こうはどんどんと自前でやっていきますので、そこらが問題になるだろうと。
 なお、もう百年も前のことを言って恐縮でございますけれども、英国はそれの打開策としていろんな織物を考えました。その一つはレースです。レースの機械編みだとか、あるいはジャカードですか、ああいうようなものを考えて技術対抗をした。だから、我々も、やっぱり日本もそういう技術の開発をして対抗する以外に方法はないのかなと思うたりいたしておりますが、いずれにしても頭の痛い問題でございますが、国際グローバリゼーション化のもとにおいては、これはやむを得ない現象かと思っております。
○松村龍二君 最後に、通産大臣にお答えいただきたいんですが、これは五月十四日の産経新聞に古森義久というワシントンにいる特派員が書いた記事ですが、「「敵に武器贈る」対中援助」ということでこのことが問い詰められております。
 「まして中国製の繊維製品は日本市場にあふれて、国内メーカー多数を倒産の危機に追いつめている。いったいなぜ日本国民が中国の化繊工場に公的資金を提供せねばならないのか。」、敵に塩を送る措置として北陸三県の繊維協会は抗議した。「国内メーカーの心情としては「塩」どころか「武器」を贈る措置であろう。」と。輸出用でないというが、数年先、輸出と輸入の区別が厳格にできるはずがないというふうな記事を書いて、的確な記事かと思うんです。
 そういう中にありまして、決まったことは仕方がないといいますか、地元の産業としてはこれを上回る高度化、あるいは、今ガラス繊維とかカーボンとか、いろんな繊維がいろんな面に進出しているわけでありまして、北陸のこういう長繊維も合成繊維も、やっぱり政府からしっかりした肩入れを受けて、高度化するとか他業種への転換をするとか、そういうことをしなければならないというふうに思うんですけれども、今回の件も、経済産業省に何にも相談なしでこんな大事な調印、契約をしてしまったということで大変遺憾なわけですけれども、経済産業大臣、ぜひこの繊維産業の、衣食住というわけですから、その衣をひとつどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 特に、合繊の長繊維織物の主要産地でございます北陸繊維産地が、興隆する中国を初めとするアジアとの競合、その激化等によって苦しい状況にありまして、まさに生き残りをかけて新商品の開発あるいは販路の開拓に大変な努力をされている、このことは十分に私どもとしても承知をいたしておるところでございます。
 このような折に、国際協力銀行による今回の中国の化学繊維プラント、その建設に対する融資が決定された。このことにつきましては、産品が競合するのではないかという北陸産地の皆様方の御懸念もまさにごもっともなことではないか、このように私も心を痛めているところであります。
 先ほど塩川大臣もお触れになられましたけれども、経済産業省といたしましても、北陸産地の活性化のために、地元の実情によく耳を傾けながら、引き続きでき得る限りの支援に努めてまいりたいと、このように思っております。
 先生よく御承知だと思いますけれども、北陸産地に対する主な支援策といたしましては、一つは地場産業等活性化補助金、こういうものを設けさせていただきまして、繊維中小企業特別対策枠におきまして、北陸産地における新商品開発、販路開拓等の事業に対して約一億一千万、これは国と地方自治体で二分の一ずつ負担しておりますけれども、このような補助を行うように、交付を決定済みでございます。
 また、繊維産地活性化基金といたしまして、石川県には、国二十億、そして県二十億により基金を設立いたしまして、その果実によって年間約七千六百万円の補助金が交付されている。また、福井県、先生の御地元でございますけれども、国が二十五億、県二十五億によって基金が設立されておりまして、その果実で年間一億円の補助金を交付させていただいているところであります。
 したがいまして、私どもといたしましては、そういう窮状にかんがみて、これからもでき得る限り新製品の開発ですとか販路開拓、こういった面に経済産業省としても力を入れていかなければならないと思っております。
 そういう意味で、今回、国際協力銀行のああいったアンタイドローン案件である本プロジェクトにつきましては、当省として今御指摘のように事前に知り得る立場ではなかった、このことは残念であります。
 産品が競合するのではないかという、先ほども触れましたけれども、北陸産地の御懸念ももっともなことだと私思っているところでございまして、融資の白紙撤回と、こういうことも私どもとしては考えなければならないと思っておりましたんですけれども、既に中国政府と貸付契約の調印が済んでおり困難であるという情勢で、まさに窮状にあえぎながらも必死の競争力強化の努力をしておられる北陸産地自身が、もうそういう調印済みだという形で泣く泣く涙をのまれた、こういうことも承知しております。
 私どもとしては、国際協力銀行に対しては既に事務方から、繊維分野の融資につきましては中国向けに限らず今後は従来以上に慎重に配慮を行うよう要請いたしたところでございまして、私からもこの場をかりて改めてお願いをし、そして今後の対策、一生懸命やらせていただくと、このことを申し上げさせていただいてお答えにかえさせていただきます。
○松村龍二君 どうもありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。
 関連質問をお許しいただきたいと思います。
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。日出英輔君。
○日出英輔君 自由民主党の日出英輔でございます。
 わずかな時間でございますが、きょうは地方交付税の削減問題に絞りましてちょっとお話を伺いたいと思っております。
 ちょうど十日前の二十一日でございましたか、ここにおいでの円より子委員が小泉総理に地方への支出削減の答弁を受けた後、私のところにも市町村長からいろんなお話がございましたが、いわば周章ろうばいといったような感じもございます。きょうの新聞でも各紙はいろんな言い方をしておりまして、地方交付税の削減であるとか制度の見直しだとか制度をやめてしまうとか、いろいろございます。
 片山総務大臣に伺いたいのでございますが、御見解をまず冒頭伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 報道が必ずしも正確でないんです。それから、私を含めて関係大臣の発言も局部的にとらえられると全体像がわからないと、こういうことがあるんですが、総理が言われたのは、国の歳出も地方の歳出も聖域はない、全体を見直すと、こういうことなんですね。
 そこで、地方交付税というのは、もう釈迦に説法ですけれども、あれは毎年度地方財政計画というのを決めるわけですよ。地方全部の収入と支出の見積もりをつくるわけです。その地方財政計画をつくって、財源不足額が出たらそれが地方交付税なんです。これは国税の五税に、もう率は詳しくなるから言いませんけれども、五税を一応この地方交付税の額と決めておりまして、足りればそれでいいんですよ。足りなければそれをプラスするかあるいは借りてくるかと、こういうことなんですね。
 だから、これは地方そのものの基本的な収入ですから、頭から一律にカットするとか数値目標を決めてどうにかするという性格のものじゃないんですよ。地方の歳出を切り詰めていった結果、収入と比べてゆとりが出たら、それは地方交付税を縮減するということはあり得ますよ。それはあり得ますけれども、頭からということは実はないんで。
 そこで、国の歳出と地方の歳出を比べてみますと、地方の歳出の七割は国絡みなんですよ。地方で一番大きいのは社会保障、公共事業、教育ですよ。これは国が基準を決めたり制度を決めて、ある程度義務づけられたりしているわけですね。したがって七割は国に影響がある歳出ですから、まず地方の歳出を切り込むには国の歳出を切り込まにゃいけません、国の歳出を。国の歳出を切り込んで地方の歳出が減ったら、今、地方交付税に、言いましたように、ゆとりが出れば縮減ということはあると思いますが、基本的には私は、やっぱり地方分権の時代だから地方税をふやすということですよ。地方税をふやす、まず。
 ただ、地方税をふやすと、財政力にばらつきがあるというのか経済力にばらつきがあるから、東京、大阪はどっと伸びるけれども、そうでないところは伸びない。したがって、税収は物すごい伸びるところ、物すごい伸びぬところがありますから、そういう意味の調整で交付税はどうしても残りますね。残りますけれども、今のように都道府県四十七の中で不交付団体が東京だけで、残りは全部交付団体というのは、私はおかしいと思う。まず地方税を充実するということが一つ。
 それから、国庫支出金というのは、合理的なもの以外はこれはもうずっとやめていくということですよ。これをずっとやめていくことによって、今、国庫支出金を与えているものを地方税にしていく、その次がやっぱり交付税も減らしていく、こういう順序なんですね。
 そこのところ、かなりおわかりになっていないんで、いろんな正確でない発言があったり、受け取る方も正確でなかったりするんで混乱が起きているんですけれども、基本的にはそういうことです。この基本的なあり方は、これは守っていかにゃいけません。
 そこで、来年度の地方財政についても、それぞれの地方団体が財政運営に支障がないようにそれはきっちり地方交付税で守っていく、こういうことでございます。ただ、それは現状を必ず守るということじゃありません。言いましたように、全体を歳出カットしていけば地方交付税が場合によっては減ることもありますけれども、頭から減らすようなことは、もう何にもわかっていない人が言うことであります。
○日出英輔君 私は、片山総務大臣の大臣記者会見の模様をホームページで読ませていただきました。また、こちらにやっぱりおられます高嶋委員の総務委員会での答弁ぶりも実は速記録で読ませていただきました。昨日は財政金融委員会で同じような質問をここにおられます峰崎先生がお話しになっておられて、私は、総務大臣なり、きのうは遠藤副大臣でございましたが、ほとんど一貫して同じことをおっしゃっておられるわけでありますが、どういうわけか新聞では、しかしなかなかそういうふうには伝わっていないんですね。
 これは、今、総務大臣お話しのように、仕組みがよくわかっていないということもありましょうし、ついつい何か、やっぱり地方への支出を減らすというところが強調されて新聞が広げて書いておられるような気もいたしますが、一番気になりますのは、地方交付税の削減ということの中に、実は新聞の記事でですが、これは経済財政諮問会議等で議論が出ているのかどうかわかりませんが、この交付税によりまして財政力の弱いところが交付税をもらうと、安易にそういった収入がふえるものだからどうも支出も安易にしてしまうというようなことをちょっと新聞等では伝えているわけであります。
 ただ、これは東京都の例えば年間、最近どうでしょうか、五千億とか六千億とかいう赤字という問題とか、大阪の問題とか挙げますと、何もこれ財政力の低いところでこういうような安易に交付税があるから事業が、どんどんむだな事業が行われるんだということではないような気がいたしますが、事実としてこういった新聞の取り上げ方が正しいのかどうか、ちょっと総務大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) ただ、今の地方交付税制度が満点じゃありません。私はいろいろ問題があると思っているんです。だから、地方交付税の一律の縮減、頭からのカットということはあり得ないけれども、交付税制度を見直すということはあり得るんです。これは今の仕組みをもう一遍見直さなきゃいけません。
 そこで、何が問題かというと、いろいろあるんですけれども、一つは事業費補正ということで、例えば国が公共事業をやりますね、それを地方が補助事業で受ける。裏負担が丸々起債を認める。その起債の元利償還は相当な部分を、場合によっては丸々、交付税で全部見ているんですよ。ということは、その団体は一銭も自分の身を切る金は出さずに仕事ができるということですよ。単独事業も、地方単独事業も起債で認めて、そのうちの一定割合を、元利償還を交付税で見るということになると、これも自分がそう痛くなくていろんな仕事がやれますから、思い切ってぜいたくな箱物をつくったり、妙なと言ったら語弊がありますが、地方団体一生懸命考えて事業をやっておるんでしょうけれども、いろんな事業をやる傾きが今までのバブルのときにはありましたよ。
 だから、そういうものには一種のモラルハザードを起こすというおそれはある。だから、そういうものは見直さなきゃいけません。それは思い切ってこれから議論をして見直すということは、経済財政諮問会議の竹中大臣とも一致しています、そこは。だから、その点で今恐らく委員からそういう御指摘があったんだと思いますが、御指摘は半分以上当たっておりますので、半分当たってないかもしれませんが、ひとつよろしくお願いします。
○日出英輔君 私は、役人といいますか、公務員をやっておりましたので、この交付税の問題についてよく解説をその都度必要に応じて読みます。読みますが、実はこの地方交付税の話というのは非常によくわかりません。複雑過ぎます。それから、基準財政需要額の計算なんということになりましたら、もう本当に頭がこんがらがるだけで、これはやっぱりうまくない、よろしくない、簡素化をしなきゃいけないという議論は当然あろうかと思います。ただ、やはりこの交付税の中の原理原則として、国と地方の財政調整機能でありますとか、地方公共団体同士の財政調整機能というのは、やっぱり地方自治の基本だというふうに私は実は思っております。
 そこで、後ろの方で言われたからではないんですが、財務大臣にちょっとお伺いしたいのでございますが、この二、三日、一兆円を、基準財政需要額を一兆円減らしてというようなことをちょっと、新聞側も正確に書いているとはちょっと思えませんのですが、そういう発言もありまして、改めて今の時点での財務大臣の御見解を伺いたいと思っております。
○国務大臣(塩川正十郎君) 交付税制度は、先ほど総務大臣が言いましたが、そのとおりでございまして、私はこういうことを言ったんです。来年度は三兆三千億円、自然増がございますので、当然増がございますので、国債を発行しなきゃならぬと。しかし、その国債発行を全面的に認めるわけにはいかないので、三十兆円でとめようと。そうしますと、三兆三千億円というものがどこかでカットしなきゃならぬ。その目安として、国の方で二兆円ばかり、それで地方の方で一兆円を負う形と、こういうことを申し上げておるんです。
 もちろん、地方で一律カットと、そんなものできるものじゃございませんけれども、先ほどおっしゃっておられますように、地方の方もやっぱり財政改革をしてもらわなきゃいかぬ、このままでいいということはみんな思ってないと思うんですね。そうしますと、年間八十九兆円の地方行政の計画でございますから、そのうちの一%、一%としたら八千億円から九千億円ですね、ぐらいの経費の節減できるじゃないか。それは全般的の話でございますから、その程度やってもらえぬだろうかと。
 そのためには何をやるかといったら、やっぱりもう一度市民が必要とするシビルミニマムを見直してもらいたい。その上で、日出さんも十分御存じだと思いますが、基準財政需要額というものはそこから算定されてくる。そうすると交付税というものも見えてくる。何も交付税を一律カットだとかそんなこと思っていないんだけれども、そういう手順を踏んで一回地方財政の削減を認められたらと。
 国の方もきちっとやっぱり二兆円近くは圧縮しなきゃなりません。その中でも私たちが一番の眼目を置いていますのは経費の削減です。これはもう本当に私は経費の削減できるんじゃないかと思っておりまして、それはどの程度できるかはわかりませんけれども、努力して、そこを中心にして地方財政も国の財政も縮減していくということを考えている、こういうことなんです。
○日出英輔君 これから一カ月余、慎重な御検討をぜひともお願いしたいと思いますし、また今のようなお話が正確に伝わっていきませんと、やっぱり市町村長は大変心配をいたしておるわけであります。市町村数は三千二百幾らだと思いますが、その中のざっと四分の三ぐらいでしょうか、歳出の中で自前の税収でやっていますのは四分の三かそこらぐらいでしょうか、三割市町村と言っていますのは。そこはそう余分なことをやっているとか私はむだな事業をやっているふうには通常思っておりません。それは三千の中にはそういうことはあるかもしれません。
 私は、もう一つちょっとついでに伺いたいのでございますが、やはりこの行政評価というのが今、大分国だけじゃなくて市町村その他、県でも進んでおります。また、外部監査というのが始まっております。こういったものをもう少し多用して、やはりきちっとした事業実施が行われるようにこれは急いでいただきたいというふうに思いますが、総務大臣の御見解を。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、委員言われました三割自治というのは、地方財政全部の収入の中で地方税の占める割合が三三%なんですよ。これはもうはっきり数字は三分の一になっている。残りが地方交付税だとかそれから地方債だとかその他国庫支出金だとかその他の財産収入だとかなんですよ。三三%が地方全部の収入の中で地方税が占める割合で、我々はそれをもう少し伸ばそうじゃないかと。
 国税と地方税が今、税全部は六対四で分けているんです。ところが、仕事は六六・七%、三分の二地方がやって、国は三分の一でやっているんですよ。だから、六対四のものが仕事は実際は大逆転するんで、その間をつなぐのが地方交付税と国庫支出金なんで、地方交付税は一般財源ですからこれはひもつかないから、国庫支出金より地方交付税の方がいいんですよ。だから国庫支出金を合理的に見直していく、そういうことで国の歳出も落としていき地方の歳出も落としていくということは可能だと言っているんですよ。ただ、地方交付税を落とすだけじゃいけませんよ、地方税をふやさないと。それを私は申し上げているんです。
 そこで、今の政策評価というのを国も始めます。一月から始めました。二月にガイドラインを出しまして、今各省がそれぞれ自分のところの要領をつくって始めております。そこでその法的な根拠が要るものですから、この通常国会に行政機関の政策評価法というのを出しておりますので、ひとつ与野党を通じて早い御審議で通していただきたい、こういうふうに思いますけれども、地方も一種の行政評価を始めているんですよ。始めておりますけれども、今度国が制度をつくれば、それに倣ってもっと科学的で合理的な行政評価をやっていただきたい、こう思っておりますので、今、全都道府県や大きな市はやっています。それから外部監査は、これは公認会計士さんや税理士さんを呼んできて、内部監査でなくて外からやると。これも始まっています。これも全都道府県や政令市や大きな市はやっておりますけれども、全部の市町村はやっておりませんので、これもさらに徹底していきたいと。
 そういうことで、地方行財政自身も、今、財務大臣が言われたように改革せにゃいけません、リストラを。それから、やっぱりきちっとした自浄のチェックシステムをつくらないと、これからお金をくれ、権限をくれといっても私はなかなか通らないんじゃなかろうかと思っておりますので、御指導、御協力をよろしくお願いします。
○日出英輔君 私の友人にオンブズマンの関係の人がいまして、私はいつも言うんですが、食糧費だとか空出張だとかそういうのではなくて、真っ正面からやっぱり自治体がやっておる事業についての自分たちなりの評価、あるいはそれに対する監査といったことを主張すべきなので、やはり何か食糧費だとか空出張というのはどうも余り本筋の話でないんじゃないかということを実は言っておるわけであります。
 今これで、総務大臣と財務大臣のお話で大体話がわかりましたが、私は、先ほど申し上げました新聞では地方交付税の削減問題ということを何かためにすると言うとちょっとあれでございますけれども、先ほどのように、財政力の低い方がついつい交付税を頼りにして、雑な仕事をするとかむだな事業をするとか、そういうことはやっぱりためにする議論だと思います。
 私は、やっぱり交付税の歴史から考えますと、さっき申し上げました国と地方の財政調整だとか地方公共団体同士の財政調整、これをやりませんと、新しく地方税、先ほど総務大臣もお話しになったように、地方税をつくりますとこれがみんな、資産でも収入でも事業活動でもみんな実は富裕なところがより富裕になるということでありまして、交付税の必要性というのはやっぱり厳然としてあるということだけ御意見として申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(岡野裕君) 以上で松村龍二君及びその関連質疑は終了しました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、齋藤勁君の質疑に移ります。齋藤勁君。
○齋藤勁君 けさに続きまして、午後も質問させていただきます。
 最初に、本年四月に措置をされましたネギ等三品目に関するセーフガード暫定措置について、関係大臣にお尋ねをいたします。
 ネギ、生シイタケ、畳表、四月二十三日から二百日間、セーフガード暫定措置が発効されました。改めて政府にお伺いいたします。この措置をとられた原因ですね、なぜこの措置をとられたのかということについて、これは農水大臣ですか、お尋ねいたします。
○国務大臣(武部勤君) なぜセーフガードの暫定措置を発動したかということでございますが、これは御案内のとおり、WTO関連国際法規や協定や国内法に照らしまして、急激に輸入がふえることによりまして産業に、特に農業に重大な損害を与えるというような状況、これはどうしても避けなければなりません。私ども、国内農業が崩壊する、そして離農者が出て作付ができなくなるということは、翻って消費者や国民にその反動が出てくるわけでございますので、構造政策、構造調整ということは大前提でありますけれども、さような状況下に今お話ありました三品目についてはあるということで、政府調査を求めまして発動したという次第でございます。
○齋藤勁君 中国の野菜産地では、例えばビニールハウス等が日本からの政府開発援助、ODA予算でつくられていると、こういうことも聞くんですが、外務省経由の場合、農水省が直接、いろいろさまざまな政府開発援助があると思うんですが、この事実については、日本政府として、中国におきます野菜産地、このビニールハウス等、これはODA予算で一部賄われている、あるいは全部賄われている、それについては把握をされていますか。
○国務大臣(武部勤君) ODA予算で日本向けの野菜輸出の設備、技術援助に使われたと、そういう認識にはございません。これは、北京市等の野菜生産不足地域における野菜不足解消を目的としてなされているわけでございまして、輸出振興を目的としたものではないということを御理解いただきたいと思います。
○齋藤勁君 畳表、生シイタケ、ネギ、そうすると今回の三品目のうち、暫定措置を発効しましたけれども、それらに対する中国側の野菜生産に関してのODA予算は使われていないと、こういう理解でよろしいんですか。
○国務大臣(武部勤君) そういう目的でODAによる協力をしたというふうには理解しておりません。
○齋藤勁君 今、大臣の方は、国内農業の崩壊を防ぐ、構造調整もしていくんだと、こういう理由だったと思うんですが、真に日本の産地、そしてまたその生産農家の本当に保護とか育成強化につながっていく、今度の措置で、そういうふうになるんだろうか。
 大変私は疑問に思うところがあるんですけれども、本当に思っておられるんですか。
○国務大臣(武部勤君) セーフガードの発動だけで農業を守ることができるとは思っておりませんし、セーフガードの発動は国内農業を保護するための仕組みではないというふうに理解しているわけでございます。
 生産面では、省力化機械の導入でありますとかさまざま生産対策も講じている次第でありますし、さらには食品産業の分野においても努力も必要だろう。消費者のニーズに対応したそういう努力もしていかなきゃなりませんし、また消費面においてもいろいろ情報等努力を徹底しなきゃならないと、こう思っておりまして、このセーフガードが、やっぱり農業などのような場合には他の産業とは特に違いますので、構造政策を徹底させるというには多少の時間がかかるかと思います。さような意味で、種々、この三品目につきましても、産地における構造政策というものを逐次今徹底している次第でございます。このことを御理解いただきたい。
 このことによって、いい品質のものをより安いコストで生産し消費者に供給する、ひいては消費者を守るためにもこれはつながる話だと、このように御理解いただきたいと思います。
○齋藤勁君 今回の措置が二十日間。二十日間で、大臣が言われていることが……(「二百日」と呼ぶ者あり)ごめんなさい、二百日。失礼いたしました。二百日で目的を達することができるんだろうか、見通しが立つことができるんだろうかという、二百日で。甚だ私は見通しが暗いんではないかということが一つ。
 そして、この中国のとりわけ山東省、ここは非常に野菜産地だということで、これをレポートされた記者の方々が非常に克明に実は記載をされている資料がございますが、「一九九一年ごろ、日本の専門商社がタネとビニールハウスを無償で提供してくれて、日本向け生鮮ネギの輸出を始めました」、「日本向けの生鮮ネギは、価格こそ国内より二〜三倍高いけど、注文がうるさくて割に合わない。やれ倉庫には窒素を入れろ、ネギだけを保管しろとか、曲がったネギは買い取らないとか。国内向けの野菜には化学肥料を使うけれど、日本向けには有機栽培のみ。しかも、出荷まで八回も洗浄しています」ということ。
 それから、例えば国内の労賃でございますが、内陸からの出稼ぎ労働者が後を絶たない。出稼ぎ労働者に声をかけると、固定給は一日四元、約六十円、出来高払いだと。こういうのが基礎にありますね、労働者がたくさんいるんだと。太刀打ちできない、ある意味では競争でも。
 したがって、私は日本からこの中国の、例えばこのレポートで言う、山東省で具体的にこういう指導をしていたという事実、そしてそれが消費者に還元してきて安いネギを消費者としては購入し、そして日本人の嗜好に向けてネギがつくられて、食べてきたと。しかしながら、ずっと日にちがたってくるとこれは日本の農家の方が大変だということで今度セーフガードを二百日間やられたんでしょうけれども。やはり私は大変構造的な問題が横たわっている感じがいたします。
 隣国から外貨の稼げる野菜がなだれ込んでくるというのは市場の経済の中でこれは当然のことであって、これが市場原理に従っている以上押し返すことができないと。言ってみれば、我が国として二百日間のセーフガードということになっていくわけですから。もしネギがだめだったら、場合によればネギじゃない作付をしようということも考えるかもわからない。私は、将来的には、場合によれば産地育成、それぞれの生産作物によってすみ分けをしていくということもあり得るだろうということが一つ。
 そして、むしろ今出てきた問題じゃないと、これは。今出てきた問題じゃなくて、日本の農業政策、農業構造そのものについて、施策が今日までずっと綿々と続いてきた結果が今あらわれているということについて私たちは考えないといけないんではないかというふうに思うんですが。今出ている問題じゃないんだよと。
 こういう点、いかがですか。
○国務大臣(武部勤君) 消費者の皆さん方の嗜好に合わせて作物をつくる、また生産を行うということはこれは最も大事な原則だと、かように思います。そういう面ではまだまだ国内における生産者の研究努力が足りなかった一面はあるかもしれません。
 しかし、先生の論をそのまま認めますと、安い農産物は外国から買った方がいいと。日本の食糧の自給率を幾ら向上させようと思っても、それには限られた狭い耕地のもとで、労賃も高いし、やってもむだだと。私はそういうふうにつながっていくんじゃないかと、かように思います。
 やはり、国民に対しては、安全な、より新鮮な、しかも安い農産物を供給しなければなりません。しかし、今、端境期などにおいては国内で生産が追いつかない場合もございます。そういうようなときに輸入に求めるということもこれは食糧の安定供給という面では避けられない話でありますから、私どもも、何でもかんでも全部国内で賄おうなどというようなことは現実問題無理でありますし、またそれは必ずしもできる話でもない。
 しかし、最低限度、国民の皆さん方に、消費者の皆さん方に国内で安心していただける野菜や農産物を供給するということは、私は国の基本政策として大事だと思うんです。それはもう幾ら今努力しても、基本計画においても四五%しか目指せないんですから。現状はもう三八%ぐらいの自給率に落ち込んでいるわけですから。
 であればこそ、構造政策と一言でくくって申し上げておりますけれども、今までのやり方を大きく超えた国内全体のマーケティングということも考えた上で、より安く、より安全な、特に消費者のニーズにこたえられるような生産体制というものを確立していくということが私は重要だと、このように認識している次第でございます。
○齋藤勁君 私は、我が国のさまざまな食糧の自給率向上を別におくらせろなんということを申しているんじゃないんです。当然のことながら必要だと思うんです。
 今、ここで二百日間のセーフガードを発効せざるを得なかった遠因はもっと前からあったんではないですかということで、先ほど私は九一年と言いましたが、九一年は十年前、多分もっと十年前からいろいろなことがあったと思うんですけれども、この日本の専門商社と言っていて、これは日本の専門商社が勝手に言うわけがないですから、貿易関係ですから、それぞれ多分、私は所管の省庁とか何かあったと思うんです。
 ですから、そのことによって日本から来た、野菜をつくりましょうということで、さまざまないろいろなビニールハウスもつくって何もつくって、またODAだけではないかもわかりません。そういう中で一生懸命つくって、注文をつけて輸出をしていった、喜ばれた、それである日おかしくなった。
 これはやっぱり日本トータルとして、これは外交、さまざまな政策の中で、私は、今日の問題点というのはもう一度振り返っていかないといけないんではないかということを言っているわけで、自給率向上について、私は何もサボっていいとか何かというようなことを申し上げているわけではなくて、そのことが今の日本の産地に対する、場合によれば、私は、言葉をあえて言えばその場しのぎ、将来的なやはり農業政策というのを、中長期的な農業政策ということを日本の政府というのは怠ってきたんではないかということをあえて申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 だから、それが日本の農家のある意味では苦しみであり、今、実際また中国の生産地も苦しんでいる、両方苦しんでいるわけですから、こんなばかばかしいことはないわけです。
 さて、このセーフガードについては、外務大臣、先ほどは午前中ありがとうございました。このことでは、先週のASEMとか中国とのやりとりの中で、セーフガードについて中国側から外務大臣に何か話があったんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今回の会談では一切ございません。
○齋藤勁君 次に、外務大臣の私的諮問機関になるんでしょうか、第二次政府開発援助、ODA改革懇談会、このことに関しまして、第二次改革懇がスタートしたというふうに聞いております。十一月に最終答申がある、中間報告は夏までと、こういう内容ですけれども、次年度の予算編成にこの第二次ODA改革懇談会の最終答申が出ているんじゃ、これはもう予算編成に間に合わないですね。ということは、中間報告でこれから予算編成については行っていくという、そういうお考えなんでしょうか。
 報道を見る限り、予算削減が不可避と、聖域なき構造改革ということでODAについても踏み込むということについては、これもたびたび財務大臣もあるいは総理も答弁されていると思うんですが、多分その一環でもあるだろうと。いや、これはもう従来から第二次改革懇はスタートしていたんだと、そのことと今度はお金がないということをあわせて、セットに改革懇というのは検討していくんだということも聞いていますが、言ってみれば現実的には来年度のもう予算編成の仕事に入っていくわけですから、この最終答申というのは十一月ということでタイミングというのは合わないんではないかなというふうに思うんですが、この点はいかがですか。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えいたします。
 ただいまの御質問でございますが、先生御指摘のとおり、先般、第二次の改革懇談会を発足させていただきました。それから、現在、七月に中間報告あるいは十一月から年末にかけて最終報告を出していただくよう先生方にお願いをしているところでございます。
 したがいまして、最終報告を踏まえて、それを来年の予算に反映するということは必ずしも考えておりませんで、もちろん審議をしている過程の中で予算編成のタイミングと重なるときもございましょうから、懇談会としての何らかの提言等をいただくことはあり得るかというふうに考えております。
○齋藤勁君 局長の答弁はいいんですが、大臣、これはたしか大臣の私的諮問機関だと思いますよ、第二次懇談会。これはもう、このODAに関しては、時間もないので、たまたま私は二〇〇〇年の一番新しい「我が国の政府開発援助」という冊子を見て、ずっと年次別に見て、随分昔から、昔というか大昔の以前からODAについてはいろいろ見直し、見直しというので来ているんだなと思って、これが第二次だというふうに思いますが、実際、でも来年の予算にこれ反映しないことには意味ないんじゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今おっしゃったような御指摘も踏まえまして、できるだけ有識者とか第三者の意見を広く吸収いたしまして、有効にODAが機能するように努力いたします。
○齋藤勁君 今の大臣の答弁は、私は来年度予算編成というお話をしているので、それに生かす、今度の改革懇は、そういうことで受けとめてよろしいですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) よろしいと思います。
○齋藤勁君 そこで、今、私、申し上げました「我が国の政府開発援助 概要版」の十八ページに、「ODA評価体制の改善に向けて」という何行か書いてある部分があるんですが、「八二年以来評価活動の実施と拡充に努めてきた。」ということで、約二十年前になるんですか、もう。ずっと書いてありまして、最後に、いろいろ「契機として二〇〇〇年九月」、昨年の九月に「「日本評価学会」が設立された。」と。これが具体策で、「ODAは外務省を中心として多数の関係省庁が実施しているが、それらの省庁の実施するODA事業についても、評価実施の必要性について認識が深められている。」ということで、ずっといろいろ何かやってきたというものは書いてあるんですが、何かをしましょうということになると、なかなかこれ見えてこないんですけれども、これは大臣、いかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 外務省改革の一環として、昨日も参議院の委員会でODAの具体的なプロジェクトについての御指摘がほかの委員の方からございましたので、それも踏まえまして、きのうの夕刻、役所へ戻りましてから、すぐにこれ全部トータルで外務省関係のODA等、ほかのもございますけれども、見直しをしっかりして、最も大事なものにプライオリティーをつけて、それからほかのものはこれは見直しが必要であるとか、ほかの省庁と緊密に連絡をとって早急に一覧表を出してくれるようにということを事務方に指示してございます。
○齋藤勁君 今までの答弁で、この第二次ODA改革懇談会についての成果は来年度予算に生かしていくという答弁であり、そしてこの間いろいろ評価の改善に取り組んできたけれどもこれを生かしていきたい、なるべく早くという答弁だったと思います。
 今もお話ございましたように、「外務省を中心として」とありますが、他省庁もおられるわけですね。これを一元化するということが非常に大切だと思うんですが、一元化をしていくということで、総理がいるなら総理に、一元化して外務大臣が頭になって全部ODAについてまとめていくんだと、そうしますということを総理に答弁求めるんですが、外務大臣にお答えいただくのか、官房長官にお答えいただくのか。
 一元化でODA評価体制、これはやっぱり取り組んでいくということが大切だと思うが、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) おっしゃるとおり、ODA、対外経済協力ということでございますから、そういうものは日本の国として総括的に見てどうしたらいいかということは考えるべきであるというように思います。
 今現在も横の連絡は十分にとっているというふうに報告は受けておりますので、その辺は外務省を中心として一元化したやり方でやっているのではないかと思っております。
○齋藤勁君 外務省を中心として一元化でやっているんじゃないかと思いますということですけれども、大臣、一元化してやっていると思っていますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 財政の問題もありますので、やはりむだを見直すということもありますし、それからより機能的にこういうものを動かすためには外務省中心にならざるを得ないと思うんですけれども、縦割りをやめて、トータルに小泉内閣としてどのようなODAのやり方をするかという姿がはっきり見える形で再構築し直すいいヒントをいただいたと思いますので、また総理やら官房長官の御指導もいただきながら閣内協力してやっていきたいと思います。
○齋藤勁君 ぜひその点は頑張っていただきたいと思うんです。
 あと、私自身の時間もないので意見でございますが、本来、たまたま財政が厳しくなったということで今回、ODAについても聖域なき財政改革ということで組み込もうと、これは全体的にはやむを得ないことだと思うんですが、ODAについての評価というのは、お金があってもなくてもやはりずっと長い間の我が国としての外交姿勢と対政府開発援助というのは、ある意味では大きな流れがあるはずだと思うんです。
 支援をする、それについての評価、今最近ではどろどろどろどろしたということで、本当に入札の問題とか、いろんな利権絡みだとかいろいろある。これはやっぱり評価制度の問題だと思うんですが、評価制度は評価制度としてきちっと私はしていかなきゃならない、こういう切り口があると思うんです。もう一つはお金で、お金はないからというので、じゃ一律カットにするのか。何かみそくそ一緒に、言葉は悪いんですけれども、何から何までということ、お金がということで、本来の評価、ODA評価ということをむしろないがしろにしたらまずい、日本自身の外交姿勢が私は問われると思うんです。
 ですから、なるべく早く、私はこの評価学会が設立されたのはそれは結構ですけれども、この評価のことはきちんと、私は姿勢というのは我が国はとる、そして一方、財政的な点については、それとリンクしながら、どう説明をしながら取り組んでいくかという基調があるべきだと思うんです。
 またきのうは、そういう中でもっと、ケニアのODAについても具体的に我が会派の櫻井議員から指摘がありまして、大臣からも資料等についてあるいは求めて取り組んでいただくということがあったんですが、やはり国民に対する透明感だと思います。評価については徹底的なやっぱり透明感を求めていきたいと思います。できる限り大臣としてこの評価について国民に明らかにしていく、ODAについて明らかにしていくという姿勢をとっていただきたいんですが、それを最後に伺いまして、浅尾議員の方にバトンタッチをしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 評価はもちろん必要なんですが、要するにすべてがすべて一〇〇%目に見える形で、即効性のある、効果があるものだけでは世の中ないわけでして、例えば先ほどセーフガードのことをおっしゃいましたけれども、シイタケ、畳表、ネギ等につきましても、本来外務省の、当省に関して言いますと、出しているODAの目的は、貧困対策でありますとか環境対策とか技術援助をする、そういう中国の中での貧富の地域と中央との格差是正とか、そういうふうな目的もありますので、その中で今のような不幸にしてセーフガードの問題が出てきたりもいたしますけれども、やはり長期的な視野で評価もしなければならないという分野もありますことも御理解いただきたいと思います。
○齋藤勁君 ありがとうございました。
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。浅尾慶一郎君。
○浅尾慶一郎君 午前中に引き続きまして、午前中の質疑を深める形で関連質疑をさせていただきたい、このように思います。
 午前中の議論の中で、まず第一に、小泉総理のあるいは小泉内閣の改革の一つの看板が郵政三事業であるということはよくわかったわけでありますが、そこできょう全大臣にお越しいただいておりますが、この郵政三事業の民営化について、小泉内閣ができる前に主張をされていたかどうか、まず塩川大臣から全大臣に伺っていきたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私はずっと、何年前ということは忘れましたけれども、ATMが特定郵便局全部ネットワークすることになりましたですね。あのときから、やはりこれは郵便事業、三事業は変わるな、また変えなきゃならぬなという意識は持ちました。
○委員長(岡野裕君) 浅尾君に伺います。全大臣ですか。
○浅尾慶一郎君 はい。全大臣にお願いします。
○委員長(岡野裕君) じゃ、各閣僚の諸君にお願いいたします。極めて短時分でよろしくお願いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 以前の話ですか。
 昨年の選挙ございましたね。あのときには、私は民営化をすべしというようなことは言っておりません。従来のことでよろしい、こういうふうに言っておりましたけれども、この内閣になりましてから、郵政三事業については与党三党合意を踏まえ、予定どおり平成十五年の公社化を実現し、その後のあり方については、総理のもとに立ち上げられる懇談会において民営化問題も含めた具体的な検討を進めることとなるけれども、国民的議論がそこでなされることを期待いたしております、こういうことでございます。
 恐らくほかの閣僚も似たようなことだと思いますが。
○委員長(岡野裕君) 浅尾慶一郎君、どなたから聞くのですか。
○浅尾慶一郎君 前列に座っておられる扇大臣からお願いいたします。
○国務大臣(扇千景君) 私は三党の党首でもございます、連立を組んでおりますので、三党党首の合意事項、十三年四月二十五日、これは三党合意で、郵政三事業については、予定どおり平成十五年の公社化を実現する、そしてその後は、あり方について、総理の私的諮問機関を設けて民営化問題を含めて具体的な検討をすると合意事項がございますので、合意事項のとおりでございます。
○国務大臣(坂口力君) 私は、新進党のときに郵政問題研究会というのをつくっておりまして、おたくの松沢さんと一緒にやっておった経緯がございますから、おわかりいただけると思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 私も、選挙区にたくさんの郵便局、それに関連するネットワークを持っておりまして、この郵政事業が非常に大切なものであるということはよくわかっております。
 これからの対応につきましては、福田官房長官がおっしゃったことと全く同じでございます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私も、福田官房長官と同じ、そういうことでございます。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、この問題については自由民主党の行革本部事務局長として、まさにこの外庁化と申しますか、そういうことを決めることにあずかったということでして、それを国会で発言しているとかいうことは全くございません。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、全国に一万九千カ所ある特定郵便局ですけれども、この機能というものは今も大変重要だというふうに認識しておりまして、これをむしろ新しい時代にデジタルネットワークのキーステーションとして利用していくという方法もあるわけですから、これを二年後の公社化後に、もう少し郵政三事業の民営化を考えるときに、こうしてせっかくでき上がったものをつぶすことがないように、むしろプラスに使えるようにという話は、小泉候補でいらしたときに、選挙中お話ししたことがございます。
○国務大臣(尾身幸次君) 福田官房長官の答弁と同じでございます。
○国務大臣(片山虎之助君) 福田官房長官と同じであります。
○国務大臣(川口順子君) 私は、民間人でございましたので、特に私が何を考えていたかということについては申し上げても意味がないと思います。
 今後については、小泉内閣の一員として、総理が所信表明の中でおっしゃったことと同じで考えております。
○国務大臣(村井仁君) 福田官房長官と同じ見解であります。
○国務大臣(武部勤君) 福田官房長官と同じ見解です。
○国務大臣(中谷元君) 民間では手の届かないような地方とか離島とか、新聞とか宅急便でさえ郵便局員が配達しているような地域に支障のないような形ができれば、福田官房長官と一緒でございます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私は民間人でしたから、ひょっとして求められていないのかもしれないのですが、経済学者としては、郵政事業について余り積極的な発言をした記憶はありません。ただ、郵便貯金については、マーケットをディストートしないという意味で、やはり民営化が必要だというふうにずっと言ってまいりました。
○国務大臣(石原伸晃君) 私も、福田長官と同じ見解でございますが、これまで郵便貯金、簡易保険のお金の流れについては、行政改革、特殊法人との関係についてさまざまな意見を申し述べてまいりましたし、また、この三月三十一日までは全額郵便貯金のお金が資金運用部に行きまして特殊法人の政策の財源になっていたということを多くの方々に理解していただきたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 私が今、全大臣に伺ったのは、国民は、小泉総理はこれは民営化するものだと思っているわけですよ。ところが、今の福田官房長官の答弁というのは、公社化移行後に議論をするということなので、かなり小泉総理の言っておられることと違うんじゃないかと。それで、あえて全大臣に伺わせていただきました。
 そこで、今、竹中大臣の方から話がありましたけれども、郵便事業ではなくて、郵便貯金事業あるいは簡易保険、いわゆる金融の事業につきまして、そこに、リスクのないところにお金が集まっていることが日本の経済、リスク性資金の枯渇につながるというような発言もされておられたと思いますが、その点について確認と、あと御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的な考え方は、市場経済化が世界的な規模で進む中で、市場の力の中でまさにリスクとリターンの関係が大変重要になってきている、そのリスクとリターンのコインの両面のような関係が正常に機能しないと市場メカニズムはなかなか機能しないであろうと。そのリスクに関して、巨大な国営金融機関が存在し続けるということは、今、先生おっしゃったように、ゼロのリスクのものが、本当はゼロではないんですが、国民がそう感じるようなものがあるというのはマーケットをディストートする可能性があるということ、そういう趣旨であります。
○浅尾慶一郎君 それでは、郵政事業を所管する総務大臣に伺いますが、今の竹中大臣の発言に関して、同じ意見なのか、やはり違うという考えなのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) リスク資金、ノーリスク資金の動きというのはいろんな議論がありまして、委員の言われることも私はわからないでもないんですが、いずれにせよ、福田官房長官が答弁しましたように二年後に公社化をする、その中でもどういう公社がいいかということの中には今言いましたようなことも含めまして検討して結論を出そう、こう思っております。
○浅尾慶一郎君 今の私の質問はそういうことではなくて、物事の考え方としてリスク性資金が日本の経済社会をある面ゆがめる可能性があるというような御発言だったので、それについて同じ考えかどうか伺っております。
○国務大臣(片山虎之助君) これは、それぞれの資金の選好の問題でございまして、あなたが言うようになるほど郵便貯金はノーリスクの資金選好でございますけれども、それじゃそれが減ったからといってリスク資金に流れるという保証はありませんので。これは私の意見です。
○浅尾慶一郎君 私の意見ではなくて、私が申し上げているのは竹中大臣の発言に対しての御意見を伺っているんです。(「今言ったじゃない」と呼ぶ者あり)いやいや、そういう答えになっていないと思います。(「ちゃんと私の意見と言いましたよ」と呼ぶ者あり)いやいや、竹中発言に対してどう思われるかという質問です。
○委員長(岡野裕君) 理事諸君、お願いいたします。理事諸君、お願いします。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(片山虎之助君) 私が先ほど答弁しましたのは、私、片山の意見でございますので、そうお受け取りください。
○浅尾慶一郎君 では、私、もう一度質問させていただきますが、先ほど竹中大臣が御答弁されたのは竹中大臣の御意見でありますが、そのことについて同じ意見なのか違う意見なのか、それを伺っておるのであります。
○国務大臣(片山虎之助君) 今答えたとおりですよ。それでわかってくださいよ。
○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
○浅尾慶一郎君 それでは、私の方からもう一度竹中先生の御意見を片山大臣にぶつけますので、それに同じ意見かどうか、お答えいただきたいと思います。
 竹中大臣は、リスクのないところにお金が集まるということは、経済の仕組みの中においていろいろと不都合があるから、郵便貯金事業については民営化すべきだと考えていたし、今も考えているという発言です。同じ意見ですか。(発言する者あり)
○委員長(岡野裕君) 御異議がありますならば、理事諸君、お越しを願いたい。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
○浅尾慶一郎君 だって、質問しているのに答えていないじゃない。
○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
 竹中経済財政政策担当大臣、どうぞ。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど浅尾先生の質問は、経済学者としてその民営化を必要と論じていたときの論拠は何であったかというふうに聞かれました。それに対して、先ほど申し上げたように、そのリスクとリターンという関係はやっぱり非常に大事である、そのリスクとリターンの関係がディストートされている可能性があるから、巨大な国営金融機関が長期にわたってマーケットの中に存在し続けるのは問題があるんではないだろうかというふうに考えてきましたと、一応過去形で答えさせていただいたつもりであります。
○浅尾慶一郎君 そうすると、今は考え方を変えられたということですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今のは新しい質問ですので、新しい質問としてお答えさせていただきます。
 今はどう思っているかという御質問だと思いますね。今は、基本的には小泉総理と同じ考え方をしております。基本的にはそういう方向に向かって動かなければいけないというふうに考えています。
○浅尾慶一郎君 もう一度質問させていただきますが、現段階において、郵便貯金ないしは簡易保険事業はリスクとリターンとの関係でマーケットをディストートしていないというふうに考えておるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) マーケットをディストートしている可能性があるというふうに思っております。だから、これを中長期的に民営化の方向に向けて改革していくことが必要だというふうに小泉総理がおっしゃっているように私も考えております。
○浅尾慶一郎君 では、片山総務大臣に伺いますが、リスクとリターンとの関係において郵便貯金事業はマーケットをディストートしておるでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、竹中大臣の答弁を聞きましたが、竹中大臣が前、民間の経済学者としての御発言だったようでございまして、私はそういう見方は確かにあると思いますよ。しかし、私は必ずしもそうは思っていない。
 それはいろんな要素が絡んで資金選好というのはあるので、したがって今、竹中大臣が言うようなことを含めて、まず公社化をやると。どういう公社にするかというのはこれからの議論ですから。二年後には必ず公社にすると。その後に民営化問題を含めて、そのあり方について国民的合意の上で結論を出すと。そういう中で、今の御指摘の点も十分そしゃくして答えを出してまいります。
○浅尾慶一郎君 竹中大臣は、リスクとリターンとの関係においてマーケットをディストートしている可能性があるから、小泉内閣の一員として小泉総理と同じ考えで民営化をしようというふうにおっしゃっております。
 しかし、片山総務大臣は、二年後に民営化の議論を始めるという考えというふうに答弁を受け取りましたが、そういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(片山虎之助君) その点は小泉総理も答弁されておりますが、今、私が言い、福田官房長官の答弁は、これは与党三党の合意なんですよ、小泉内閣発足のときの。それでやっていくということですよ。
 だから、民営化問題を含めてそのやり方については方向を出す、その議論をこれから始めると、直ちに、こういうことであります。
○浅尾慶一郎君 民営化が目的なのではなくて、マーケットをディストートしている可能性があるからそれを正すために民営化するというのが竹中大臣の意見だったと思うわけです。それに対してどういうふうに思われるかということです。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、だから、竹中大臣の答弁は、これは大変有力なお考えだと思いますが、必ずしもその意見がそのとおりでないという異論もあるので、そういうことを全部含めて、公社化の検討、その後のあり方の検討の中で答えを出しますと、こう申し上げておるわけであります。
○浅尾慶一郎君 要するに意見が違うということであります。(「違わない」と呼ぶ者あり)何か質問をしていない方から御答弁をいただきましたが。(「何回でもやればいい」と呼ぶ者あり)何回でもやっていいというお言葉もいただいておりますけれども、意見が違うということがわかったところで、次の質問に移らさせていただきたいと思います。
 次に、午前中、不良債権の問題についていろいろと御質疑をさせていただきました。
 不良債権、最終処理をしていかなければいけないということは小泉内閣の全閣僚が多分同じ意見なんだと思いますけれども、そこで、午前中の議論でややわかりにくかった点があろうかと思いますので、もう一度横ぐしの話を柳澤金融大臣にさせていただきたいと思います。
 直接償却ということを進めておられます。そして、ある銀行が破綻懸念先にしておる債権をほかの銀行がまだ破綻懸念先にしていない、すなわち引き当てを十分積んでいないと。ところが、その銀行が破綻懸念先にしているからこれを法的整理にした場合には、その他の銀行に不測な損失が発生する事態があるんではないでしょうか。どうですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) オフバランス化のことを最終処理というふうに言うことにしておるわけですが、その方法には、法的な処理、これにも清算型と再建型がある、それからもう一つは私的な処理、それからまたもう一つ売却というような、大別してこの三つないしは四つのパターンがあるということでございます。
 我々は、その対象として、まずすべてオフバランス化というか、要注意先については健全化を図るという格好でオフバランス化するということもうたってあるわけですけれども、破綻懸念先以下の債権を対象として今言ったような方策でオフバランス化を考えると、こういうことでございます。
 それで、そのイニシアチブをだれがとるか。こういうことはもう全くケース・バイ・ケースだろうと、このように思っておるわけでございまして、今、先生が御指摘になられたようなケースもあり得ると、こういうように思っております。
○浅尾慶一郎君 ケースもあり得るということでありますが、午前中も申し上げました。例えば昨年のそごうのケースの場合でいえば、これは十分な引き当てを積んでいた銀行もあるけれども、そんな破綻することもないだろうと思って余り引き当てを積んでいなかった銀行もあった、結果として特別損失が発生してしまったケースもあるわけです。
 これが、どんどんその直接償却ということを推し進められるといろいろなところで起きるかもしれない。だからこそ、一つの債務者に対して各銀行が同じ査定をした方がいいんじゃないですかということを再三再四申し上げておるわけであります。
 不測の事態が発生しないと言えますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) それをお尋ねになられますと原則の、原点の方からお話をしないといけないわけですけれども、私どもは、基本的に資産のいわゆる自己査定というものは名前のとおり自己責任においてそれぞれがやると、こういう考え方でございます。
 これが基本でして、それを検査でどのようにしているかといえば、他の金融機関が同じ債務者に対する債権をもうちょっと低い債務者区分にしているという場合に、当然それは、そのことが頭にあれば、検査に行ったとき、あなたはこの債務者をこのように区分しているけれども、この債務者にはこういう面があるんじゃないですか、ああいう面があるんじゃないですかというようなことで検査の活動の一環としていろいろ議論が行われるでしょうと、こういうことを先ほども申しました。
 しかし、その議論が、常に検査当局側が勝つというか、そういうことはないわけで、おっしゃるとおりの区分にすることは、あなたの持っている情報からするとこれはやむを得ないですねというようなことも十分あり得るわけでございます。それが自己責任のもとにおける自己査定ということでありまして、私どもとしては、検査を通じていろいろな議論の過程で、こっちがそういう情報を持っているわけですから、ほかの金融機関は別の区分をしていたということを持っているわけですから、それなりの議論が行われるでしょうけれども、ぴたり、どこどこ銀行さんが、あるいはほかの銀行さんと言ってもいいんですが、こういう区分だからあなたのところもこういう区分にすべきだと、こういうことはするべきではない、このように私、申し上げているわけであります。
 その結果、それでは一定の法的処理が進んだときに、不測の事態とこうおっしゃられたんですけれども、その区分を少し上にしていたところ、それで、しかも自分で自己査定において確信を持っていた人、金融機関にとってはこれはまさに不測だろうと思うんですけれども、こういうことはあり得ることだということを申し上げたいと思います。
○浅尾慶一郎君 そこは、私は、日本の銀行が、十分に国際的な金融不安がない、不良債権の問題というのが国際的な問題あるいは国際的な話題にならないということであれば、今、大臣が言われたことと同じ考えに立てると思います。
 しかしながら、不良債権の問題が経済の再生に大きな足かせになっているという現実を考えた場合には、やはり十分な引き当てを積ませなければいけない。そのときに、積んでいなければその不測な事態が起こるわけです。今まさに認められた。不測の事態が起きて、来年四月からはペイオフが解禁されるということになったら、やはりそこは厳しく検査という形で、そして指摘をしていくべきじゃないかなと思いますが、そうではないということですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは事実問題でして、検査官が他の金融機関がこういう区分をしていると言えば、それは情報ですから、彼の頭の中には、現実に違う区分をしていれば、それはどうしてかという議論になると思いますね。
 しかし、今、先生が、これは明確には言っていらっしゃらないんでしょうけれども、全部最低に合わせちゃうということで、これはもう他の金融機関はかくかくしかじかの区分であるから、あなたのところもそれに合わせてください、こういうわけにはまいらないということを申し上げているわけです。
○浅尾慶一郎君 別の角度から質問をさせていただきますが、しかし、ある金融機関が破綻懸念先ということで、これはもう二年以内に処理しなければいけないということを、その債務者を、あるいはその債権を処理しなければいけないというふうな形で持っておるとします。その同じ債権を別の金融機関が正常先ないしは要注意先としていれば、突然そのある企業が会社更生法なりなんなりという申請をされて法的整理に、今の金融庁、政府の方針であれば、追い込まれる可能性もある。そのときに引当金不足が起きて、しかもこれが来年の四月一日以降であれば、場合によっては、規模が小さい金融機関であればペイオフということにもなりかねないのではないか、だからこそ今のうちにそこに横ぐしを入れておくということが私は金融監督当局の責任としてあるのではないかなと思いますが、そうではないということですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、やっぱり我々は、自分の債務者区分あるいは分類というのをあくまでも金融機関の側の自己責任による自己査定ということで行っているというわけでありますから、もちろん先ほど来申しておるとおり、検査においてはそれなりの情報が入っていますから、それはやりますけれども、そういう議論の仕方ではなくて、これは最低に合わせるからここの銀行は、ここの銀行と言わなくても、他の銀行が最低こうなっているからあなたのところもこういう区分になるべきですよというのは、やはりいささか官僚統制ということになるのではないかということで、私はそれには賛同できないということを先ほど来申しているわけであります。
○浅尾慶一郎君 官僚統制というふうにおっしゃいましたが、先ほど来申し上げておりますように、私は日本に不良債権の問題がなければ、自己責任そして自由原則でやられるのが一番いいと思います。しかし、不良債権の問題を早急に解決するためには、やはり今申し上げているような形にしていかざるを得ないんではないかなと思っておるわけでありますけれども、またお聞きしてもきっと同じような御答弁になると思いますので、次の問題に移らせていただきたいと思います。
 そこで、午前中、竹中大臣がちょっと席を外しておられるときに総理に質問させていただきました一票の格差の問題、これは竹中大臣が理事長をされておられたというのが正確な表現、あるいは今もされておられるかもしれません、東京財団の発表された政策提言集でその監修をされておられます。この中に、大田弘子先生が書かれておられますけれども、「「一票の格差」が、「経済政策」を「社会政策」にしてしまっている」ということを書かれておりまして、現存する一票の格差がいわゆる経済政策、本来しなければいけない経済政策を社会救済的な社会政策にしてしまっているというふうに書いておられますが、この意見について、監修をされておられます竹中大臣は同じ意見でありましょうか。だとすれば、一票の格差を是正すべきだというふうに考えるかどうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大田さんは大変尊敬すべき経済学者でありまして、御承知のように、そういうものというのは、学者の責任において一人一人のキャパシティーで書いているものであります。
 私は、大田さんが書いていることは基本的には正論だと思いますし、一票の格差を是正することが必要かというふうに聞かれれば必要だと思います。必要ないと多分だれも答えないような気もいたしますけれども、私はやはりそこは大変必要なこと、重要なことだというふうに思います。
○浅尾慶一郎君 ありがとうございました。
 それでは、経済財政政策について、まずその財政再建という問題、午前中も少し最後議論をさせていただきましたが、塩川財務大臣に伺わせていただきます。
 財政再建、今現状、大体八十兆円年間で国が使っております。対して税収は五十兆円と。家庭に例えれば、大体年収五百万円の人が八百万円使っている、あるいは八百万円以上使っている。来年以降は三十兆円以下に抑えるということは、税収が五十兆円で変わらないという前提でいくと、引き続き五百万円の年収の人が八百万円使う生活を続けるということなんでしょうけれども、どれぐらいのタイミングで、どういう形でこの財政再建のグランドビジョンというのでしょうか、を考えておられるんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 財政再建とおっしゃることは、結局はプライマリーバランスをとっていく、その過程に入れということでございますね。私は、それは二、三年後にはなると思っておりますが、それは現在の経済情勢ではなかなか、歳出を削減することに精いっぱいでございまして、プライマリーバランスをとっていくところまでは経済の成長力もございませんし、税収もそれに伸びてこない。したがって、歳出の抑制で精いっぱいのところだと、私はそう思っています。
○浅尾慶一郎君 二、三年後にプライマリーバランスが達成できるという御答弁ですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) いやいや、とんでもない。そうなりませんで、だから、そこから入るということを言っておるんです。ですから、それは誤解のないようにして。
○浅尾慶一郎君 そうすると、二、三年後から何年間でプライマリーバランスを達成されるか。
○国務大臣(塩川正十郎君) それはわかりませんが、学者とかいろんな方の意見で聞くと、まあ五年ぐらいとおっしゃっていますけれども、私はもう少し長くかかるのではないかと思うておりますが、定かではございませんので答弁できません。
○浅尾慶一郎君 プライマリーバランス、大変重要な課題でありますが、一つ、一番国民経済にとって望ましいのは、経済成長によって自然に税収が伸びるということだと思います。
 そのためには、やはり竹中大臣の持論であります競争政策ということを私は進めていかなければいけないと、こういうふうに思っておりますが、競争政策ということで考えますと、日本の経済、いろんな問題もあるんですけれども、例えば国が発注いたします事業について、経済産業大臣が担当されている官公需法というものがございまして、一定割合を中小企業に発注するという法律で書かれております。それはそれで社会政策的にはあるのかなと思いますが、先ほどの経済政策的見地からすると、むしろ効率性の高い日本経済をつくるためには、この官公需法ということも見直すということは競争政策上必要だと思いますが、その点について、竹中大臣、そして平沼大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 政府は、委員御承知のように、従来から官公需確保法に基づいて国などの契約の方針を毎年度閣議決定いたしまして、中小企業者向け契約目標及び講ずべき措置を定めまして中小企業者の受注の機会の確保に努めてきました。
 それは背景として、やはりこの国の経済の基盤を支えているのが中小企業である。しかし中小企業はそれぞれ、そういうことで中小企業ですから営業力も非常に弱いわけですし、また情報等も不足をしている、また経営資源が脆弱である。こういうようなことから、やっぱり中小企業に公平な参入の機会を与えなければならない、こういう形でやってきたところでございまして、私といたしまして、また政府といたしましては、やはりこのような施策というのは中小企業の健全な成長、発展にとって必要不可欠だと、このように認識をしておりまして、私どもとしては、今中小企業、非常に厳しい立場に立っておりますから、やはりこの政策というものはしっかりとやっていかなければならない、こういう基本的な考えを持っております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私は法律の直接の所管はしておりませんので、法律の細かい条文もそんなに詳しく知っているわけではありませんので、少し一般論的になりますけれども、やはり総じて社会経済の非常に広い分野において競争政策の徹底は必要だというふうに思います。
 ただ、一方で、中小企業に対する例えば税制を含めた優遇措置というのは、実はアメリカのように非常に競争政策を大事にしている国でもとっているわけでありますね。そこら辺のバランスをどうとるかという、非常に広い議論の中で今のこの法律の問題も議論されるべきだと思っております。
○浅尾慶一郎君 次に、地方交付税の話、先ほど日出委員からも質問が出ておりましたけれども、財源を私も地方自治体に移していくべきだろうと、そのためには国庫支出金を削減してそれを税源としてつくっていくという考え方には立つわけでありますが、一方で、翻って午前中の答弁で、約一兆円を地方財政計画の中から削減するべきだろうという塩川大臣の御発言がありました。
 それで、地方交付税というものをよく見ていきますと、この中に普通交付税と特別交付税というものがあります。特別交付税というのは地方自治体の財源不足のときに使われるということなんですけれども、財源不足というものを毎年毎年予測して特別交付税ということで予算の中に最初から計上するのではなくて、これは別に補正予算なりにしておいた方がいいんではないかと思いますが、そういった考え方について塩川大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私よりも総務大臣が答えるのが適当だと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 地方交付税の問題につきましては、日出委員の質問のときにかなり詳細に答えましたけれども、いずれにせよそれぞれの年度の地方財政計画を作成した上での財源不足額を補てんするわけですね。財源不足額を補てんする、地方交付税は。それはグロスとしての特別交付税的なものも入れて総額を決めるんですよ。
 そこで、九四%が普通交付税で六%が特別交付税ですけれども、これは災害その他、事前に予測せざる財政需要が出るだろうと、こういう想定で今までも配分してきておりまして、これはこれで私は経験則的に見ても正しいんではなかろうか、こういうように思っておりまして、そういうことで、年度当初の一律の機械計算で全部交付税を配分してしまうのではなくて、その後の年度の推移を見て、しかも災害はいつ起こるかわかりませんから、災害その他のいろんな需要を見て総合的に勘案して、最後はきちっとつじつまを合わせていくと、地方財政の。そういうことの方が私はベターだと思っております。
○浅尾慶一郎君 地方自治体の財源不足対策である特別交付税が毎年、災害とかが毎年あるわけでもないんでしょうけれども、必ず消化されているということ自体が私はちょっとおかしいんではないかなと。だからこそ、これを補正予算の対策にするなりしたらいいんではないか、ちょうど六%ですから約一兆円以上あるわけでありますから。その点について財務大臣に御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは先ほども総務大臣から答弁がございましたように、交付税は総額の中で見ておりまして、それで普通交付税はこれだけ、九四%、特別交付税は六%と分けておりますけれども、しかしその六%というものが、地方における不測の事態と同時に、その均衡をとるためにも使われるべきものだと思っておりますので、これは自治省の方針が地方財政計画の中に織り込まれたものであると思っておりますので、こちらからとやかく干渉するものではないと思っております。
○浅尾慶一郎君 既にその地方財政計画をつくる段階で、例えば給与改善費等、毎年五千百億円の予備費的なものが入っているわけです。それに加えて、何か六%の特別交付税があるのはおかしいんじゃないかなと思いますが、もう時間がなくなりましたから、その点について再度御答弁をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、そういう点、いろんな問題がそれだけではなくてございますから、この際、地方財政計画そのもの全体の中でそういうものを検討していって、私、先ほども、私自身の目安でございますけれども、国と地方とこのぐらいずつ負担してもらえぬかということの相談をこれからやっていくということでございます。
○委員長(岡野裕君) 以上で齋藤勁君及びその関連質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、益田洋介君の質疑に入ります。益田洋介君。
○益田洋介君 財務大臣にまずお伺いしたいと思います。
 四月六日、経済対策閣僚会議において策定されました緊急経済対策、これについて、まず大臣の景気の現況に対する認識、それから二つ目にこの緊急経済対策の基本的な考え方についてお話し願いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 現在、財政全体の改善でございますが、改善計画といたしまして、長期的な改善対策というものを講じる、そして中期的な見通しを立てる、そして短期的な当面する問題の対策を講ずると、その三つの段階に分けております。
 現在、当面しますところの財政問題の打開のために、まず第一に、野方図に出してまいりました国債がこれからもうなかなか順当にふやしていくわけにいかないものだから、だから、これを一応三十兆円に抑えるということを一つの柱にいたします。それからもう一つは、景気の回復を図るために緊急対策を講じて景気対策下支えをやっていこうということ。この二つの役割を考えまして、そして緊急経済対策というのを講じたことでございます。
 その中の一つといたしましては、不良債権の整理というものの一層の積極的な推進を図るということ。そしてまた、個人が証券市場に参加しやすいような状況をつくるということが一つ。それから、都市の再生を図ることによって景気の下支え、雇用の拡大を図る、こういうことを緊急経済対策の中に入れたということでございまして、当面の対策としてとった措置であります。
○益田洋介君 昨日、外務省の第二次政府開発援助、ODAですが、改革懇談会が始まりまして、いよいよ抜本的なODAの見直しをしなきゃいけないと。
 今、財務大臣がおっしゃったように、小泉総理は来年の国債発行は三十兆円にどうしても絞り込むんだと、こういう明確な金額的な目標を総理は言われています。したがって、このODAの拠出の削減についても当然、財務大臣、具体的な数値を頭の中にもう入れておられると思いますが、この点について御説明願いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) ODA予算につきまして、これはまだ私たち財務省といたしましては、来年度、平成十四年度の具体的な考え方はまだまとめておりません。鋭意その過去における評価を検討いたしまして、外務省と協議をしながら取り進めていきたいと思っております。
○益田洋介君 何回か前、河野外務大臣とはこの点について議論をいたしました。特に私は、中国に対するODAの金額が大き過ぎる、ばらまき型である、片側五車線の高速道路を重慶につくって、こんな高速道路は実際要るんでしょうかと。インフラの整備ということではどうもないみたいです。一説によると軍事用の道路に使われている、あれは滑走路にして使われるんじゃないかと。でも、これはODA大綱に全く反するものでございますから、予算を削減する場合でも相当精査をしていただいて、現状の把握を外務省の経済局と検討していただいて、早急に金額を絞り込む必要がある。軍事目的に明らかに使われているようであれば、これは本当に国民の血税のむだ遣いになる。いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) そういうことを兼ねまして、先ほど申しましたように、ODAの評価というものの一つとして検討しながら外務省と協議をしてまいりたいと思っております。
○益田洋介君 次に、柳澤大臣にお伺いします。
 昨日、閣議後の記者会見で、二〇〇一年三月期の大手銀行の決算について、かなりオフバランス化が進んだけれども、新たな不良債権が入ってきているために、結果としては微量な減少であったということで、若干期待外れだったという認識をお話しになったそうですが、この点、敷衍していただけますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) オフバランス化と申しましても、今私どもの特に関心を払っておるところの破綻懸念先以下の債権の残高について触れたわけでございますけれども、これが半期で四兆三千八百九十一億円、そういうふうなオフバランス化の実績が上がったわけでございますけれども、他方、下期に三兆三千九百十二億円新たに破綻懸念先以下になった債権額があるということで、大体一兆円の残高減があったということでございまして、微減というか、これはなかなか難しいところだと思うんですけれども、欲を言えばできるだけ多く減るというか、多額の減額が実現できたらという希望を持っていましたのでそうした発言をしたと、こういうことでございます。
○益田洋介君 それから、二十五日に決算発表しましたUFJグループ、ここは東海銀行と、具体的に言いますと三和銀行ですけれども、今後とも相談役を三人残すんだと。公的資金を注入している銀行がこうした給与と、それからどっちみちおやめになるときにはまた退職金をお出しになるんだ、こういうことでいいのだろうかという議論がなされていますが、この点について大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) このお触れになられた金融機関の場合には、いわゆる資本注入に当たりまして提出をいただいた健全化計画において具体的にそうしたことを計画内容として盛り込んでいたという事実はないわけでございます。
 私が申し上げたのは、今の日本の金融機関が置かれた状況、殊に収益力というようなことをもっと強化すべきだと。こういう状況からすると、言葉はいろいろに言えるんでしょうけれども、私あえて言わせていただくと、それこそまなじりを決したコストの削減、収益力の増強ということを私としては強く希望しています。
 そういうようなことで、そういう背景から、本当にその報酬にふさわしい収益面での貢献というものをいただいておるならばこれはもう何をか言わんやでございますけれども、まあ俗に言う処遇というような面がそこに多分にあるとしたら、やはり考えてもらいたいということを申し上げたわけでございます。
○益田洋介君 昨日夜、IMFのケーラー専務理事が参りまして大臣は会談を持たれたそうでございますが、構造改革とか不良債権処理について意見交換をなされた。
 その中で、ケーラー専務理事は、日本はやはり金融機関への資本の再注入が必要じゃないかというふうに述べた。それに対して大臣は、そうじゃないと、アメリカのアナリストのデータをもとに公表した文書では、やはり日本の金融機関のシステムがよくおわかりになっていないんじゃないかというようなことをおっしゃったというんですが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ケーラー専務理事とは二度目でございましたけれども、今回御来日の機会にも、昨日ですが、お会いをさせていただきました。
 その際、ケーラー専務理事のお話は、今、先生がお述べになったように、資本の再注入云々というような言葉は全くなくて、IMFとして現在アジア地域の金融システムの安定度というものに関心があり、日本の金融システムについてもその強化が、これは日本のみならずアジア、ひいては世界にとって非常に大事だと自分は思っているというようなお話をいただきました。
 その際、私は、何と申しますか、日本のシステムがアメリカのシステムと違う、俗に言う、我々の方はコーポレートファイナンスであるのに対して、アメリカは事業に対しての貸し付けと申しますか、プロジェクトファイナンスであるということから、いろいろ違う面があるということを若干説明させていただいたということでございます。
○益田洋介君 塩川財務大臣もケーラー専務理事にきのうお会いなさったそうですが、その中で財務大臣は、規制緩和とかあるいは予算の効率的な執行、そういったもの、構造改革というようなもので必ず日本の景気は早晩回復するだろう、そういう力強い御発言があったそうでございますが、若干のやりとりをお聞かせ願えますでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 専務理事の質問がそういうところにございましたので、私は今進めておる緊急経済対策の中身を説明申し上げ、同時に、これからの若干の見通し、規制緩和をすることによって従来とは違う、従来はずっと需要を拡大することによって景気回復を図ろうとしたが、これと同様に並行して需要拡大をしつつ構造改革を、つまり規制緩和を進めて、両方相まって経済の回復を図りたいと言ったら、専務理事の方から、それは非常にいいやり方だということを言っておったということであります。
○益田洋介君 これは柳澤大臣にお伺いしたいんですが、昨今、銀行業界と経団連の間で最終処理をするための不良債権処理のガイドラインづくりが行われているということなんですが、一部には、収益が低迷したままで金融機関が幾ら不良債権処理を進めても経済は活性化しないんだという意見をお持ちの方もいらっしゃる。またさらには、技術論が先行してもだめだと、資産評価が甘くて引き当てが不十分なままで最終処理をしたら、逆にまた金融機関が苦しくなるような現状になるんじゃないか、こういう懸念の声も聞かれますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私的整理に係るガイドライン策定の進捗状況でございますけれども、当方の働きかけを受けまして、民間主導による検討の場の設置に向けた準備が精力的に行われてまいりました。その結果、今般、全銀協と経団連との間で合意に達しまして、近々のうちに研究会の第一回会合が開かれるという状況であると聞いております。
○益田洋介君 次に、竹中大臣にお伺いしたいと思います。
 十五日、FRBがまた大幅な政策金利の値下げをいたしましたし、またさらに値下げするという可能性も一部で言われております。しかしその中での声明で、設備投資は低下を続けているけれども、企業の収益悪化や業績見通しの不透明感の増大で今後も投資は抑制されるんじゃないか、加えて日本の景気の停滞が大きな不安材料になっている、こういうふうなFRBの発表がありましたが、これについてはいかが思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 日米を中心に世界の経済が非常に連動性を高めていますから、その意味で、大きなシェアを占める日本の経済に対してアメリカの経済、アメリカの当局も大変注目しているというのはそのとおりだと思います。
 たまたま私もけさ、先ほど名前が挙がったケーラー氏と議論しましたけれども、その意味での政策的な協調の必要性というのはお互いに非常に強く認識しております。
○益田洋介君 日本経済の停滞についてはどうですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本の経済については、残念だけれどもさらに弱含んでいるという状況にありまして、これまた日本から見ると、日本の経済は非常にアメリカに大きく依存しているという観点が出てきます。アメリカについては、逆に日本から見ると、この下期から来年最初にかけて少しは上向きの可能性が出てくるということを期待する向きが多い。これがマーケットの一般的な見方だと思います。
 その過程で日本の経済についても、先ほど財務大臣から発言がありましたような、幾つかの供給側の政策と組み合わせることによって何とか引き上げる方向に持っていきたいというふうに思っています。
○益田洋介君 もう一点、アメリカの生産性の向上についてなんですが、ライフサイエンスやITなどのテクノロジー分野で相当強力な地歩を固めてイノベーションとか新しいビジネスを生むことが要因の一つだったのに加えて、八〇年代、特にMアンドAやレバレッジド・バイアウトというようなことを積極的に進めたのが生産性の向上につながったという分析がありますが、日本でもMアンドAとかレバレッジド・バイアウトというのはこれから必要になってくるとお思いですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的にはそれは大変重要なことであると思いますし、ある意味でそれがいわゆるリストラなんだと思います。リストラというのは、自分の強いところを強くする、弱いところは残念だけれども切り捨てる。その過程で戦略的MアンドAというのが必要になってくるし、バイアウトを活用することによって、資本をさらに効率的にするというプロセスが必要になってくる。その意味では、日本もまさに今それを必要としつつあるというふうに認識しています。
○益田洋介君 次に、環境大臣にお願いしたいんですが、京都議定書について、アメリカの政府と議会が両方とも反対の姿勢を強めている。七月のサミットの対立点の一つになるのじゃないかと言われております。
 特に、アメリカの上院のクレイグ議員、この人は共和党の政策委員長ですが、上院では議定書は批准できないと明言している。それから、省エネはマーケットを通して実現されるものだから、二十五年程度かかるんじゃないかということで、議定書の骨組みそのものに否定的な意見まで言っている。
 この点、いかがでしょう。
○国務大臣(川口順子君) 四月の終わりにワシントンを訪問いたしましたときに、クレイグ上院議員とほぼ一時間にわたりまして、かなり密度の濃い議論をさせていただきました。
 クレイグ上院議員の主張は、今、委員がおっしゃられましたように、技術の発展によってもっと安いコストで温暖化ガスを減らすことができるようになるはずだ、したがって、京都議定書の第一約束期間である二〇〇八年から二〇一二年の間、それを目がけて排出ガスを減らそうとすると全体としてコストが高くなるということでして、私からはそれに対しましては、技術導入の可能性、技術が果たす役割が大きいということについては全くそのとおりだけれども、それはどうやったら加速されるかということで考えますと、やはり早く目標を決めて、約束期間を決めて、それを目がけて、そこに間に合うように減らそうということによって技術の開発が進むのであるということを申しました。
 それから彼は、市場メカニズムが十分に活用されていないシステムに京都議定書はなっているということでしたので、私の方からは、京都メカニズム等の例を挙げまして、そういうことはないというふうに反論をいたしております。
 基本的にアメリカは市場メカニズム重視の国でございますので、やはり四分の一の排出量を持つアメリカが入るということは非常に大事でございますので、今後、国際場裏でそういったアメリカの参加が可能になるような形で、EUと一緒に前向きに積極的に議論を進めていきたいというふうに思っております。
○益田洋介君 これにつきましては、アメリカが批准しなければ意味がないんだという大臣は意見を何度か繰り返し申されていました。一方でEUの諸国というのは、アメリカが批准しなくても進めるべきであろう、こういう意見が先行している。日本の政府の対応がつまずくと、EUから、日本が議定書の批准をだめにしたんだ、そういうふうに言いかねません。この点、いかがでしょう。
○国務大臣(川口順子君) EUと日本を含むアンブレラ諸国は、アメリカの参加が必要であるということについては意見は一致をいたしております。違いは戦略でございまして、EUは、アメリカを抜きにして先に進めば後でアメリカが入ってくるだろうというふうに考えているということでございます。ただ、歴史をひもといてみますと、国際連盟から始まりまして、最近では生物多様性条約、あるいはバーゼル条約、海洋法条約、そういった場でアメリカは後で入ってきておりません。
 ということを踏まえたときに、やはりアメリカの参加が非常に重要であるわけですから、先ほど申しましたように、日本とEUと組んでアメリカの参加が可能となるような国際的な枠組みを合意し、京都議定書を一刻も早く現実化する、そのために削減努力を我々ができるようにするというふうにすることが大事だというふうに考えております。
 そこで大事なのは、やはり日本は真っ先にみずから削減が可能になるような国内制度を構築して、それをベースに国際交渉を進めていくということでございまして、二〇〇二年に発効が可能になるように国際交渉で全力を尽くすという日本の方針には変わりはございません。
○益田洋介君 先ほどODAの抜本的見直しの話をいたしましたが、私は、環境問題についても相当考慮する必要がある。支援先の国が環境の面で負荷がふえるようなことがあってはこれは意味がないわけでございますので、ですから、経済効果だけでなく、環境の視点からのODAの見直し、ですから一緒に協議をしていただかなきゃいけない、環境大臣にも。この点いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) この点につきましては、委員のおっしゃるとおりだと思います。ODAをやることによって、あるいはその過程で相手の国において環境負荷がふえるようなことがあってはならないというふうに考えております。
 その観点では、現在、環境配慮の手続の一層の改善について国際的に世界銀行ですとかOECD等で取り組みを進めておりますので、環境省といたしましてもこういった取り組みには積極的に協力をしていきたいと思っております。
 それからさらに、現在ODAを扱っております国際協力事業団ですとか国際協力銀行におきましてそれぞれ環境配慮のガイドラインを設けて、大規模な事業につきましては事前に環境アセスをやっているというふうに承知をいたしております。
○益田洋介君 京都議定書で義務づけられた日本の六%までの温室効果ガスの排出削減を達成するためには現在から一一%削減しなきゃいけない。容易なことではないと思います。具体的には、これはあらゆる政策措置を有機的に組み合わせたポリシーミックスを前進させる必要があるだろう。この点についてはいかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 委員のおっしゃるとおりでございまして、温暖化ガスというものはさまざまなソースから生じてくるものでございますので、これは産業界もございますし、国民の使う自動車というのもございますし、あるいは農業部門からというのもございますので、そういったさまざまな原因で生じてくる温暖化ガスに対応していくためにはさまざまな方法をミックスしていくということが適切であると私ども考えております。
 その意味で、現在、中央環境審議会におきましてはどういった政策が適切であるかといった議論をしている最中でございます。
○益田洋介君 時間がないのでこれで終わりにします。外務大臣申しわけありませんでした。またあしたお目にかかりますので。
○委員長(岡野裕君) 以上で益田洋介君の質疑は終わりました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、小池晃君の質疑に入ります。小池晃君。
○小池晃君 介護保険制度の問題についてお聞きをしたいというふうに思います。
 まず最初に、私が理事を務めております全日本民主医療機関連合会が大規模な全国調査を行いました。これは、調査対象は二万三千百二十三件、有効回答は二万二千二百二件であります。
 介護保険でどれだけ費用負担がふえたかという調査なんですが、介護にかかる一月の平均費用、これは利用料でありますけれども、介護保険の開始前、いわゆる措置制度のもと、あるいは医療保険で行われていたサービス等々を含めて平均五千六百円だったと。これが介護保険が始まってから平均一万四千六百四十円になったと。実に二・六倍であります。
 費用負担が増加しましたかという問いに対して、増加したという人が七四・七%、全体の四分の三の人が介護保険になって利用料、費用負担がふえたと。しかも月大体一万円ふえている。高額所得者というのは、措置制度の時代というのはかなり高い費用負担をしておりましたので、費用負担が介護保険になって減少している。この費用負担増というのは主に低所得者層に重くのしかかっているわけであります。
 介護保険が始まってから、こうした深刻な負担増という実態が明らかとなっている。私はこれは直ちに負担の軽減を図るべきでないかというふうに考えるんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 民医連の調査というのがどういうふうな層のところをどういうふうに調査をされましたか、一度拝見をしてから本格的な御意見を言わせていただかなければならないというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、介護保険導入後は一人当たりのサービス利用料がかなりふえておりますし、それからこれまでの措置制度では、今、委員も少しお触れになりましたけれども、応能負担が基本になっておりましたから、所得の低い層の方の利用が非常に多かったということもございます。
 したがいまして、単純になかなか比較するということもできないだろうというふうに思いますが、比較の仕方、同じようなやはり層の人のところだけの比較に今御指摘になったところがなっているのかどうかというようなことも一遍もう少し細かく拝見をしたいというふうに思いますけれども、今回の制度であるいは若干高くなっているのかなというふうな印象を持ちながら今聞かせていただいたところでございます。
 しかし、現在の制度におきましても、利用者負担の軽減をかなり図っておりますし、それから制度施行前にホームヘルプを利用しておりました方に対しましては、一割の利用者負担を当面三%にするなどの措置をとっておりますことも委員御存じのとおりでございます。きめ細かな配慮もいたしておりますが、これからもよく今後の動向を拝見させていただきたいと思っております。
○小池晃君 そういういろいろと低所得者対策と称して、特別対策とかいろんなきめ細かい対策とおっしゃったけれども、そういうことをやった上でこの負担増なんですよ。
 私、若干高いのかなとおっしゃったけれども、月平均一万円の負担増というのは、これは幾らサービス量の増大があったとしても、これは大変やはり重くのしかかっていることは間違いないと思うんですね。このことにやはり痛みを感じないようでは、社会保障行政を本当に預かる立場として私は責任持つ態度と言えないんじゃないかと。
 調査の信頼性云々というようなことにも言及されたかと思うんですが、この調査対象は二万人を超えるんですよ。
 厚生省は今までこの介護保険ができてから実態調査、一体どのくらいの規模でやっていますか。
○国務大臣(坂口力君) どの調査のことを……。
○小池晃君 利用料負担。
○国務大臣(坂口力君) 利用料負担のことにつきましては、今までのこの利用者につきまして、これは昨年度のものでございますが、調査をいたしております。ちょっと今詳しいのを持っておりませんが、何ならばやりましたものをお届けしたいと思います。
○小池晃君 厚生省の調査は定点自治体の調査なんですよ。わずか百八自治体で、対象住民は千二百六十三人。そういう調査しかしていないで、この二万人を超える対象の調査で層がどうなのかとか、そういう調査の信頼性云々というようなことを私は言う資格がないというふうに思います。やはりこの実態に目を真剣に向けてこの対策を考えるべきだと。
 私は、きょう、午前中からも含めてですけれども、単純に安ければいいんだというような議論をしているわけじゃないんです。やはりどういう層にどういう手を差し伸べるかということをきちっと考えるのが社会保障行政のあるべき姿だろうと。
 その点で、きょう御紹介したいのは配付した資料であります。これは、介護を必要とする人というのは一体どういう人なのかという研究結果です。日本福祉大学の近藤克則助教授が調査した結果であります。これによれば、所得が少ないほど、グラフを見ていただければわかるんですが、所得控除後の所得ゼロ円の高齢者とそれから二百万円以上の高齢者を比べると、介護を必要とするお年寄りが出現する率は実に五倍であります。要するに、所得が少なければ少ないほど介護を要する状態になりやすいと。ちなみにこれは厚生科学研究補助金を受けた研究結果であります。
 人というのは、皆、歴史を背負って高齢者になるわけであります。若いときに貧しい生活を強いられたりあるいは過酷な労働を強いられたという人は、やはり介護を要する状態になりやすい。貧しい人ほど介護を必要とするからこそ、先ほど大臣もおっしゃったように、今までの老人福祉というのは応能負担、所得に応じた負担だったわけであります。しかし、介護保険というのは所得にかかわりなく負担を求める。だから、必要とする人ほど負担が重く、介護を受けにくくなると。ここに私、介護保険制度の最大の矛盾があると思うんです。
 この十月から保険料満額徴収だと。きのうの発表では、保険料の軽減を行う自治体は昨年秋から倍増したと。これも負担増に耐えられない人が出てくるんじゃないかという自治体の心配のあらわれだと。
 大臣、もう一度お伺いしますが、こういう実態を踏まえて、介護保険の利用料、保険料について、自治体も努力しているわけですから、国の制度として恒久的な保険料、利用料の減免措置、これは直ちにつくるべきではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 今までは措置制度でございましたから、低所得の皆さん方のところは措置でこれは皆行われていたわけでございます。
 今回導入されましたこの介護保険、約一年たちますけれども、一年これで経過をいたしましたが、介護保険というのはそれなりにやはり負担をしていただいてお互いの助け合いのもとにスタートしました保険制度でございますから、自己負担もそこには存在するわけでございます。
 したがいまして、今までは措置制度ですべて賄っておりました層の皆さん方にも一部御負担をいただかなければならなくなりましたから、その層の皆さん方には、やはり前回に比べればそれは負担増になっていることは間違いがないというふうに思っております。しかし、今までお払いをいただいていなかった皆さん方の中にも一部御負担に耐えていただける皆さん方もお見えになりますし、そして、それでもやはり耐えられないとおっしゃる方にはそれ相応の対応を考えていかなければならないというので、我々もいろいろなことを考えているわけでございます。
 ですから、それらのことを今やっている最中でございまして、さらにまた、今後の動向を見ながら、皆さん方の介護というものに対して余り大きな御負担にならないようにどうしていったらいいかということを、トータルでやはり考えていかなければならないというふうに思います。
○小池晃君 介護サービスの利用が予想を下回っているという報道もされています。
 東京の板橋区では、二〇〇〇年度当初予算で介護保険の給付に見込んでいたのが百五十億円。しかし、そのうち三十二億円は利用されずに浮いてしまう、保険料に換算すると六十五歳以上の保険料を五億円取り過ぎという、そういう驚くべき数字も出ているんですね。
 私、これ、本当に利用される制度として、持続可能な制度として、そういうふうにしようと思っているんであれば、国の責任でやはり保険料、利用料の減免というのは直ちにこれは取り組むべきだということを申し上げたいと思います。
 さらに、基盤整備の問題ですが、特養老人ホームの待機者が急増しております。
 千葉県では、九九年十月一日には千三百八十八名だったのがことし四月一日、県の発表では六千六百十三人、奈良でも九百四十人からことし一月十五日現在で千六百四人、介護保険になって急増しているんです。
 保険料徴収も始まったのに、特別養護老人ホーム、入りたくても入れない、待機者がどんどんふえている。これじゃ、まさに保険あって介護なしです。直ちにこれは是正の措置をとるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 特別養護老人ホームの入所待機者というのは、かなり地域差もあるようでございます。私も、いろいろの地域にお邪魔をさせていただいて、それぞれの地域でいろいろの御意見をお伺いをいたしておりますが、中には、今まで非常に待機者が多かったんだけれども、新制度になってから十分の一に減ってしまったということをおっしゃる地域もあるわけでございますし、また、今御指摘になりましたように、待機者が非常に多くて困るというふうにおっしゃる地域もございます。
 やはり、都市部におきましては待機者が非常に多いという傾向があることは間違いがございませんので、そうした地域におきましてより積極的にやはり待機者が少なくなりますように対応していかなければならないというふうに思っております。
○小池晃君 今、いろいろと地方によってはあるんだとおっしゃいましたけれども、では厚生労働省として待機者の実態調査はやったんですか。
○国務大臣(坂口力君) 今ありますのは十二年に調べたものだけでございます。したがいまして、ごく最近のものというのはちょっとございませんので、最近のものは最近のもので、もう一度調べたいと思っております。
○小池晃君 実態調査は介護保険が始まってからやっていないわけですから、直ちにやるべきだというふうに思います。
 さらに、医療費の問題、最後にお聞きしたいんですが、経済財政諮問会議で医療費の総枠制が検討されているという報道があります。日本の対GDP比の医療費というのは極めて低い、OECD加盟国の中で二十位だと。医療費に総枠制を導入するということは、こうした低水準に据え置くためにも一層の受診抑制というのが必至になってしまう。これ導入すべきじゃないと私は考えます。
 医療費の総枠制についてどのように考えておられるのか、厚生労働大臣と財務大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) まだ総枠制をどうするかというようなことが本格的に議論をされているわけではございません。新聞紙上でそういう議論が出たりいたしております、議論といいますか記事が出たりいたしておりますけれども、まだ私の方がそういう議論に参加をしたことはございません。
 これから、しかし、ことし一年をかけまして医療問題、議論をしていかなきゃならないわけでございまして、その中でとりわけ大事なのは高齢者医療でございます。
 高齢者がだんだんとふえていくわけでございますから、高齢者が増加する分はこれはお認めをいただかなければならないというふうに私も思っておりますが、高齢者が増加する分よりもはるかに超えて二倍も三倍も医療費がふえていくというところは、そこはやはりチェックすべきところはチェックをさせていただかざるを得ないというふうに思っております。
 したがいまして、この高齢者の増加によりますところはお認めいただくとしても、それ以外のところにつきましては、チェックをしながら、全体としてやはり医療がお若い皆さん方の御負担が余りにも大きくならないように考えていくのが本当の医療制度ではないかというふうに思っております。
○国務大臣(塩川正十郎君) 坂口厚生労働大臣の答弁で尽きておるわけでございますが、この問題につきましては、午前中も総理と小池さんの間で激しくやりとりされまして、大体そのような趣旨が政府の方針でございます。
 要するに、所得あるいは国民経済の成長の伸び以上に飛躍的に医療費が伸びておるから、この際にそのバランスをとっていかなきゃならぬということでございまして、十四年度におきましてもこの配慮を十分いたさなきゃならぬということでございます。
○小池晃君 総枠制というのはどういう制度かというと、今までは、いろんな受診抑制はやりましたけれども出来高払いで、基本的に必要な医療が積み上がってそれで日本の医療費は決まってきたわけです。総枠制ということは、これは国が一年間の医療費はこれこれ幾らだと、それを決めてしまって国民に強制する制度。
 例えば、こんなことをやったらば、一年たって三月でその年決めた国民医療費全部使いましたと。そうしたら、一体どういうことになるのか。三月は全部自己負担でやってください、一カ月間自己負担で受けてくださいということになるのか。あるいは医療機関に全部その分はこれは持ち出しでやってくださいということになるんでしょうか。こんなことをやったら私、本当に手のかかる患者であるとかあるいは費用のかかる患者さん、もうどんどん切り捨てていくということになりかねないんじゃないかと。
 こういう中身を来年度予算の枠組みを決める経済財政諮問会議の中で医療費の抑制策の目玉として出そうとしているという報道があるんですよ。私が言ったような趣旨お聞きいただいた上で、総枠制ということのあり方がこれはどうなのか、これをどのように考えるのか、今ちょっと坂口大臣もそこのところはっきりおっしゃらなかったけれども、もう一度言っていただきたい。
○国務大臣(坂口力君) あなたがおっしゃっているような総枠制はない、私は断言できると思います。きょうも午前中にもいろいろ御議論ございましたけれども、患者さんが減るからだめだというお話がございましたが、患者さんが減るということは歓迎すべき面もあるわけですから、そこはよくお考えをいただきたいと思うんです。
○小池晃君 何を言っているんですか、私は予防活動は重視することは当然と思うんです。予防を重視して病院にかからないで済む元気なお年寄りが、塩川さんみたいに元気なお年寄りがどんどんふえるということは私は大切だと思いますよ。そのことは重要だと。ただ、窓口での負担増をしてそれで病院にかかりにくくするような、そういうやり方は景気回復にとっても医療費の節約、効率化という点から見ても、これはどう考えても悪循環であるということを申し上げたのであって、今のは曲解であるということを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(岡野裕君) 以上で小池晃君の質疑は終了しました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 先にハンセン病患者らへの損失補償立法についてお伺いをいたします。
 ハンセン病国賠訴訟熊本地裁判決は、被告国の控訴断念により確定いたしました。提訴されているハンセン病訴訟の原告数約千七百二名のうち、沖縄県が五百三十八名であります。都道府県では最大の原告数であります。
 さて、熊本地裁判決では沖縄からの原告に対する慰謝料は一千四百万から八百万までの四ランクのうち、一律に最低額の八百万円でした。その理由について判決は、「隔離規定の運用状況や退所許可の実情等については、証拠上必ずしも明らかではなく、本土復帰前の沖縄における被害を、同時期の本土のそれと同視することができるというだけの立証が尽くされているとはいえない。」と指摘をしておるのであります。
 私は、沖縄におけるハンセン病元患者らに対する隔離政策とそれによる被害は何ら本土のそれと変わらないものと考えております。裁判所もその被害実情等についてわからないと言っているだけで、認めないとは言っておりません。
 ところで、五月二十五日の総理声明において、今回の判決の認容額を基準として新たな補償を立法処置により講ずる、こう言っているわけでありますが、私は、現在与党でもいろいろ検討しているようでありますが、米軍統治下の沖縄県内のハンセン病元患者に対する補償金支給について、本土と同一基準で認定すべきだと考えておりますが、大臣の所信をお伺いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 補償につきましては、ただいま国会の方で御議論をいただいておるわけでございます。議員立法としてお出しをいただくというふうに承っているわけでございますが、今御指摘になりました本土と沖縄の格差が裁判結果におきましてはあったということは私もよく承知をいたしております。
 今回のその御議論の中で、沖縄の問題につきましても御議論が出ているというふうにお聞きをいたしているところでございまして、そしてここで委員が御指摘になりましたようなことも踏まえて結論を出していただけるものというふうに私も期待をいたしておりますが、私からもまた機会がございましたら皆さんにそういう御意見がありましたことをお伝えしたいと存じます。
○照屋寛徳君 あと大臣、もう一点でございますが、全国に十三の療養所があるわけです。
 沖縄では名護市の愛楽園と宮古南静園があるわけですが、これまで、現在でもこの両園、二つの療養所は他の本土の療養所に比べて医師だとかあるいは看護、介護のスタッフが非常に少ないと言われて、これまで何度も是正の要請がなされておるようでございますが、そのことについて大臣のお考えをお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) スタッフにつきましては、そこに療養しておみえになります皆さん方の病状と申しますか、あるいは後遺症の程度等々、現況の状況によりまして人数を決定しているようでございます。
 聞くところによりますと、沖縄県の場合には、他の地域の場合に比較をして軽い皆さん方が多いといったようなことがあって多少の人数の違いが生じてきているということを聞いておりますが、御不便をかけないように今後配慮していきたいと思っております。
○照屋寛徳君 損失補償に当たっての格差是正について、大臣から積極的な御答弁をいただきました。
 もう一点は、マスコミで報道されておる与党案によりますと、一九六〇年以前の退所者は除外されるという内容のようですが、他府県に比べて六〇年以前の退所者が多いんですね、沖縄では。現に、六〇年以前の退所者原告が約二十人おるんです。こういう人たちが損失補償の対象から切り捨てられないように私は措置を講ずべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) こうした点も国会の方にお任せをいたしてございますので私が申し上げるのもどうかというふうに思いますが、そういう御意見がありましたことをお伝えしたいと存じます。
○照屋寛徳君 それでは、防衛施設庁長官にお伺いをいたします。
 基地の整理、縮小、海兵隊の削減は、私は県民の総意になったものだと思っております。それで、それに伴う駐留軍労働者の法的雇用主は日本政府なんですが、今、全駐労から求められている駐留軍労働者雇用対策プログラムについてどのような検討、対応をなされるのか、お聞かせください。
○政府参考人(伊藤康成君) 先生御指摘のとおり、沖縄県議会で海兵隊削減等の決議等がございました。それを受けまして、沖縄県からいわゆる沖縄振興新法というものの関連で各界に御意見を聞いたようでございますが、その中で沖縄県の全駐労沖縄地区本部の方から、駐留軍労働者雇用対策プログラムというものを制定するようにという申し入れがなされているところでございます。
 先生これも御承知のとおりだと存じますが、返還に伴います在日米軍従業員の離職者対策というものは、現に駐留軍関係離職者等臨時措置法等々の法律がございまして、これによりまして離職前の職業訓練とかあるいは特別給付金の支給といったような各種援護措置というものが制度化され、実施してきているところでございます。また、当面決まっておりますいわゆるSACOの関係での離職者と申しますか返還というものが予想されるわけでございまして、これにつきましては、雇用に影響を受けると思われます従業員につきまして、平成十一年末の閣議決定に基づきまして、できる限り移設先、または既存施設への配置転換の措置により対応するということとしておりまして、このために、配置転換が円滑に行われますように新たな知識、技能を習得させるというようなことの措置を平成十二年度から技能教育訓練等ということで実施しているところでございます。
 そういった措置をとっているところでございますが、ただいまの全駐労沖縄地区本部からの御提案につきましては、一義的には沖縄県に出されたものでございます。私どもの方にもいわば写しをいただいておるわけでございますが、まず沖縄県におきまして、国への提案の取りまとめの作業の中で御検討をされるものと承知しております。そういった検討結果を踏まえまして、私どもとしてどのようなことができるのか検討してまいるということになろうかと存じます。
 以上でございます。
○照屋寛徳君 最後に、外務大臣と防衛庁長官にお伺いいたしますが、在沖米軍とフィリピンとの合同演習で、沖縄の民間空港であります下地島、波照間両空港に米軍のヘリコプターや空中給油機が離着陸をするという問題で、地元で大きな反対がありますし、県も自粛を要請しているけれどもそれを聞き入れないと。これがこのままだと民間空港の利用が恒常化するんではないか、こういう不安があるわけですね。
 防衛庁長官は、むしろ沖縄の負担が軽減されるんではないかというふうなコメントも発表して地元で大変大きな問題になったこともありますが、この民間空港の米軍機の使用問題について、外務大臣並びに防衛庁長官、どのように考えておられるのかお聞かせください。
○国務大臣(中谷元君) 四月の二十八日と五月の十六日に下地島及び波照間空港をヘリコプターの燃料補給のために使用したいとしまして、沖縄県の条例に基づく所要の書類を米海兵隊が沖縄県に提出したことは承知をいたしております。
 これに対しまして、沖縄県は使用の自粛要請を行うとともに代替措置を求めまして、これを受けまして米軍は検討した結果、とり得る代替措置がないものということで、両空港を使用したい旨再び沖縄県に返答したものと承知をいたしております。
 米空軍機は、地位協定に基づきまして、我が国の飛行場に出入りすることが認められているところでありますが、一般論といたしまして、当庁としては、米軍と県管轄の空港でございますので、県当局の間で所要の手続と調整が行われまして、円満に処理されることが望ましいと考えている所存でございます。
 なお、私の発言につきましては、就任早々でございまして、四月二十八日に飛行が行われまして、あの発言をいたしたわけでございますが、一般的に沖縄における訓練の一部が沖縄以外の海外で実施されるとすれば沖縄の負担が軽減されるのではないかと、一般論で申した発言でございます。
○照屋寛徳君 今でもそう思っているの。
 外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 下地島と、それから波照間島での話につきましては、必要な調整等を経ているということではありますけれども、やはり住民の皆様の安全とかお気持ちに今後さらに配慮するように申し入れをするなりいたします。
○照屋寛徳君 終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了をいたしました。
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、高橋令則君の質疑に入ります。高橋令則君。
○高橋令則君 塩川大臣にちょっと御質問をさせていただきます。
 これは、二十八日ですか、衆議院の予算委員会で我が党の中塚さんが基礎年金の国庫負担の二分の一の引き上げを質問したわけですね。それに対して大臣は、その引き受けに向けて意欲を出されたというふうにお聞きをしたわけですね。これでよろしゅうございますね。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、実は先日の衆議院の委員会で申し上げましたように、この規定をどのように具体化していくかということで、大事に思っておりますけれども、基礎年金の国庫負担引き上げということはぜひやっていかなきゃならぬということの認識は確かに持っておりますけれども、安定財源、十三年度だけでとりまして二兆四千億円要るということでございます。私は、答弁の中でも言っておりますが、それだけの財源がなければできない、けれども何とかして実現していきたい、こういうことを申しております。
 したがいまして、年金改正法の附則の安定した財源の確保の具体的な方策として一体となって検討していくんだ、こういうぐあいに申しております。
○高橋令則君 ちょっとよくわからないんですが、法律はよくわかっております。
 しかし、二分の一引き上げはたしか二〇〇二年のときに実現できるように努力するというふうなニュアンスに私は聞いているし、衆議院でもそういう話が入っているわけですけれども、いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど言いましたように、やりたいという意欲は確かに申しましたし、それからそのとき申し上げておりますように、安定した財源が確保できなきゃできないということと、それからその後で御質問がございまして、それじゃ二〇〇二年でもやる覚悟で取り組むのかという話がございまして、さらに三十兆円の国債の枠がたがを締められておるがそれでもやる気があるのかという質問がございました。私は、たがをはめられた場合はそれはなかなか難しいということも言っております。
○高橋令則君 どうもよくわからないんですが、意欲はある、やりたいと、しかし金がない、だからそれをわかってくれと、そういう意味ですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) まさにそのとおりです。
○高橋令則君 ちょっとそれは納得しにくいですね。国会でこういうようなやりとりはちょっと私は納得できないんですけれども。大臣、いかがですか、それは。
○国務大臣(塩川正十郎君) これはしかし、原則として二年でやるということは決まっておるんですけれども、しかし財源がなければできないので、あと二年間猶予をするというそういう附則がついておりますね。私はその附則の方をもやっぱり実現していかなきゃならぬと思いますけれども、しかし何としても、できれば二〇〇二年でこれはやりたいという意欲は持っておるということは言っている。ですから、財源がなければできないんだということは言っておるんですけれども、そこは理解していただきたいと思います。
○高橋令則君 もう一遍だけ申し上げますが、それはちょっと答弁としてはいかがでしょうかね、大臣の答弁として。衆議院だってやっぱりこれはもう問題になると思いますけれどもね。これは他の院の問題ですからこれ以上どうこうと言うこともできないんですけれども、こういうふうな極めて重要な問題を、希望だと言うだけではちょっと困るんではないかと思いますけれども。大臣、もう一言。
○国務大臣(塩川正十郎君) すべて私はやっぱり意欲的に取り組むべきだと思っておりますし、その意味において、やはりこれは一生懸命やろうと言っていて、言ってそれがいけないんだと言われるとどうも私も困るんですが、実現できるならばやりたい。しかし、財源がないからだめなんだということを言っておるんです。
○高橋令則君 私は納得しません。ただ、もう時間でありますので、次に竹中大臣に質問させていただきます。
 非常に今、経済状況が悪くなってきているんですね。大臣もおっしゃったと思います。それで、個別なことは私は時間もありませんので申し上げませんが、今の景気の認識と、それから経済構造を推進することによってさらに冷えていくと、それでもう大変なことになるという認識が出てきているんです。将来はまだいいかもしれないけれども、今大変なことだという話があるんです。これはどうでしょうかね。
 それからもう一つは、この前の森総理のときに一・七%の経済成長率をやったわけですね。今維持しているわけですね。それはどうでしょうかね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 後の質問の方からお答えさせていただきますけれども、一・七%というのは政府経済見通しのことだと存じます。残念ながら、やはりそれを達成するのは大変難しい状況になっていると。さらに、景気は弱含んでおりまして、先ほども少し申し上げましたけれども、アメリカに大分依存するわけですけれども、アメリカの回復も少しおくれるということですので、その意味では、短期的な循環としてやっぱり厳しい状況を覚悟しなければいけないというふうに思っております。
 しかし、あえて言えば、今の日本の構造問題を抱えているという意味では、これが実力だと、残念だけれども、今が日本の実力なんだという見方も私はできるんだと思います。その意味では、苦しいけれども、やはり構造改革をやらなければいけないと。あとちょっと待ったらよくなって構造改革をもっとやりやすい状況が来るかというと、やっぱりそうではなくて、後に延ばせば延ばすほど構造改革の痛みというのは私たちにやっぱり大きくなってくるんだと思うんですね。その意味では、非常に注意深く当面の経済運営を行いながら、やはりこの構造改革をこのチャンスに実現していかなければいけないというふうに考えています。
○高橋令則君 終わります。
○委員長(岡野裕君) 以上で高橋令則君の質疑は終わりました。
    ─────────────
○委員長(岡野裕君) 次に、佐藤道夫君の質疑を行います。佐藤道夫君。
○佐藤道夫君 財務大臣、御高齢にもかかわらず大変恐縮に存じますが、最後の一人ですのでよろしくおつき合い願いたい、こう思います。
 そこで、我が国の国家財政の状況は先進諸国の中で最悪であると言われております。六百六十兆余りの赤字を抱えて一体どうするんだろうかと、諸外国から見ても大変心配だと、それもよくわかります。
 そこにさっそうとして小泉さんが登場いたしまして、財政改革ということを高らかとのぼりを打ち上げたので国民は相当期待をしておりましたら、ふたをあけてみたら何と毎年発行している赤字国債からことしは五兆円ぐらい差し引くと。何だ、そんなものが改革かと、こう考えた国民も相当多いのではないかと、率直に言いまして。
 昔から不言実行、やるべきことは黙ってやると、これが日本人の務めなんですけれども、どうも有言不実行という言葉もありまして、小泉さんはどっちに入るのかよくわかりませんけれども、やるべきことは余り大口をたたかないで静かにしかし確実にやってもらいたいと、こういう気も私はしておるわけであります。
 そこで、今我が国の赤字、六百六十六兆円と、これは国及び地方の長期債務と、こういうことになっておりますが、いやそのほかにももっとあるんだと、合計千兆円ぐらいはもう楽に超すんじゃないかと、こういう言い方をする人もありますが、もはやここまで来た以上は、これを一体どうするのかと、根本から議論をする時期ではないのかと私は思います。
 宮澤前大蔵大臣、私、これ聞いたこともあるんですけれども、景気が回復すれば税収がふえますから、そんなもの帳消しにするのはわけないですよと。しかし景気が回復しない、税収がふえなかったらどうするんですかと言ったら、まあそのときはそのとき、ちょっと考えさせてもらいますと、いとも気楽な感じでありまして、私もこれでいいのかなと。
 我々法律家でありますから、刑法の世界では返す当てがなくて借金をする、これは詐欺罪、まあしかし返すけれども、何とか、返せない、まあ私が何とかする、まあ自信はいま一つありませんがなんというのは未必の故意で、やっぱりこれは有罪なんですね。
 宮澤さんは明らかに有罪と、こう言ってもいいぐらいで、彼はしかし、総理のころから同じことを言い続けて、例のバブル期にも、税収がふえたにもかかわらず、借金を返すということは、そういう発想はなくて、その分、ふえた分は公共投資にまたやってしまって、そのことの繰り返しでずっと来ているわけで、二年ぐらい前でしょうか、亀井さんがにわかに財政改革と、公共事業投資を見直そうと、全国を駆け回って、そして例えば中海の干拓をやめるとか、ああいう花火を打ち上げまして、三兆円、むだな金を公共投資をやめたと。その金は当然借金返済に回すんだろうと、こう見ておりましたら、それはやっぱり公共投資に回っているんですね。
 本当にこの何百兆という借金、これいずれは返さなきゃならないんですから、返さなくて済むのならこんな気楽なことはないんですよ。しかし、ツケはやっぱり孫の時代、そのひ孫の時代に行って、彼らから見ますると、こんなものは一体何だということ、気持ちはよくわかる。
 そこで、最終のことなんですけれども、どうかもうひとつ返済のシミュレーションをきちっと国民の前に示して、膨大な借金ではあるが三十年先ゼロにする、計画はこうだと。いや三十年が難しければ、五十年先できちっとゼロにする、今現在こういうことを考えている、ぜひとも協力願いたいということぐらい、財務大臣、御自分の口からきちっと国民の前に示していただきたいと、こう思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 時間がございませんので、簡単に答弁させていただきますが……
○委員長(岡野裕君) 時間はたっぷりございます。
○国務大臣(塩川正十郎君) どうなるかわからないということは、それは御心配もあろうと思うんですけれども、小泉内閣が発足いたしましてまだ一カ月なんです。
 しかし、これだけはやりたいということは、とりあえず財政の緊縮化を図っていきたいという意欲はもう既に発表しておりますし、その一つとして平成十四年度は国債の発行をとめる、とにかくこれ以上膨大にならないようにしようと、これは一つ意欲です。
 そして、数年の間に規制緩和をして経済の活性化を図り、経済成長が上がる段階に応じてプライマリープラン、要するにバランスをとっていこうということをやっていこうと。そこまでは大体確実に計画としておるわけでございます。
 その以降の状況等につきまして、実は長期の計画につきましては、これはやはり経済の成長の度合いとかいろいろございますので、確定的なことは言えませんけれども、しかし経済構造なり社会構造をこう変えていきたいということは、近く経済財政諮問会議の方で発表されてまいりますので、その部分については御承知していただきたい。
 私たちのできますことは、当面の措置と、それからプライマリーバランスをとって中長期的な入り口をつくっていくということは、一生懸命やっていきたいと思っております。
○佐藤道夫君 期待をしないで見守っていきたいと思います。
○委員長(岡野裕君) 以上で佐藤道夫君の質疑は終了いたしました。
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後五時十二分散会