第151回国会 厚生労働委員会 第11号
平成十三年五月二十四日(木曜日)
   午前十時一分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中島 眞人君
    理 事
                亀谷 博昭君
                斉藤 滋宣君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
                井上 美代君
    委 員
                阿部 正俊君
                大島 慶久君
                狩野  安君
                釜本 邦茂君
                田浦  直君
                武見 敬三君
                鶴保 庸介君
                南野知惠子君
                川橋 幸子君
                木俣 佳丈君
                長谷川 清君
                堀  利和君
                浜四津敏子君
                山本  保君
                小池  晃君
                大脇 雅子君
                西川きよし君
                黒岩 秩子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       厚生労働副大臣  南野知惠子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       田浦  直君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       文化庁長官官房
       審議官      林  幸秀君
       厚生労働省健康
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局国立病院部長  河村 博江君
       厚生労働省医薬
       局長       宮島  彰君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       厚生労働省職業
       安定局長     澤田陽太郎君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   酒井 英幸君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    今田 寛睦君
       厚生労働省老健
       局長       堤  修三君
       厚生労働省保険
       局長       大塚 義治君
       厚生労働省政策
       統括官      坂本 哲也君
       国土交通大臣官
       房審議官     松野  仁君
       国土交通大臣官
       房審議官     金子賢太郎君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (厚生労働行政の基本施策に関する件)
○水道法の一部を改正する法律案(内閣提出)

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○委員長(中島眞人君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に文化庁長官官房審議官林幸秀君、厚生労働省健康局長篠崎英夫君、厚生労働省健康局国立病院部長河村博江君、厚生労働省医薬局長宮島彰君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君、厚生労働省職業能力開発局長酒井英幸君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生労働省老健局長堤修三君、厚生労働省保険局長大塚義治君、厚生労働省政策統括官坂本哲也君、国土交通大臣官房審議官松野仁君及び国土交通大臣官房審議官金子賢太郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中島眞人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(中島眞人君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○鶴保庸介君 自由民主党・保守党を代表いたしまして、保守党の鶴保でございますが、質問させていただきたいと思います。
 大臣、昨日は本当にお疲れさまでございました。何度もブラウン管を通じて大臣の顔が大写しになり、そしてまたその御苦労のほど、いろいろと国民の皆さんに苦衷の心情を訴えられたこと、感銘を持って私も拝見させていただきました。きょうは恐らくそのことが各委員の中心話題になるのではないかと思いましたけれども、高度な政治判断といいますか急遽の判断で大きく方向が転換されたわけでありまして、私も質問の幾つかを変換せねばならぬという状態でございます。
 冒頭、まず大臣に、昨日のことでございますけれども、こうした一連の動きを通じて大臣がどういう御所感をお持ちか、それをお伺いしてこの問題を閉じたいというふうに思っております。高裁控訴断念について大臣の御所感をお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 熊本地裁判決を受けまして、どうするかということで皆さん方でいろいろと協議をしていただいてまいりました。昨日、一つの結論に達したわけでございますが、一言で申し上げれば、いろいろ法律的な問題点はあるけれども、しかしそのことよりも人道上の問題を優先したということであろうというふうに思います。
 私も、政治家としてこの問題を決着しなければならないというふうに思いますのと同時に、医療の場に従事をいたしました一人としてもやはりこの責任は重い、早くこの二十世紀の問題は決着をしなければならないという思いがございまして、人一倍大きな罪の意識と申しますか、そうしたものを持ちながらこの問題に臨んできたところでございます。いろいろの御意見をいただきながら、そこでしかし総理に最終結論を出していただきまして、控訴せずということになりましたことに大変満足をしているわけでございます。
 しかし、作業はこれからでございます。今まで患者の皆さんあるいは元患者の皆さん方に長い間大変お世話に、そして大変御苦労をおかけしてきたわけでございますから、それにどうお報いをするかこれから考えていかなければならないわけでございます。一つの筋道は今立てられてはおりますけれども、詳細につきましては、その患者の皆さん方とのお話し合いの中で一つ一つ積み重ねながら、今後皆さん方におこたえをしていきたいと今決意をしているところでございます。
○鶴保庸介君 ありがとうございました。
 本当に御苦労さまでした。先ほどちょっと言葉が滑りまして、この問題を閉じたいと言ったのは私の質疑の中での範囲でございまして、これからまだまだ問題、被害者の方々の損失補償措置でありますとか名誉回復や福祉増進といったことについて私たち政治家が一同努力をせねばならぬというふうに思っております。厚生省あるいは法務省としての、役所としての言い分はそれぞれあるでありましょうけれども、政治家が高度な政治判断をした以上は、私ども政治家が責任を持って、やはり先頭に立ってやっていかなければならない問題であろうというふうに思います。本当に大臣、御苦労さまでございました。
 それでは、次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。
 昨日まで予算委員会等々で、やはりこの不景気の問題について大臣もいろいろな場で議論をされておられました。その中で、リストラがされる中、民間の研究機関では百十万人あるいは百三十万人の失業者がこれから出てくるんではないかというような報道もなされておられます。これに対して、その質疑の中で大臣がこう答弁なさっている。エンゼルプランやゴールドプランなどによって約三十六万人の雇用が確保される見通しだと、そういうふうなことをしていきたいというふうなことを、数字まで出しておっしゃられたのは本当に画期的なことだろうというふうに思いますが、残念ながらこれでは百十万と三十六万ですから数が全く合いません。それ以外にも大臣はやはりこういう数が合わないことを埋める新規分野での雇用が必要である、雇用政策といいますか新規分野の雇用の掘り起こしが必要であるというようなことをおっしゃっておられますが、もちろんこれはもとより同感でございます。
 ただ、これまでも当委員会等々でお話、ずっとこの長い不景気の中で話をしてきたことでありますが、やはりそれをいかにして掘り起こしていくかということになると、なかなか具体論、実はアイデアが浮かばないというのが現状でございます。大臣、一体どうやってどのようなスピードで本当に新規分野の開拓といったようなことについて、もし御所感なり御意見なりがあればお伺いをしておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) きょうは、お答えをします前に、一言お祝いを申し上げようというふうに思っていたわけでございますが、ハンセン訴訟の問題が突然出ましたのでお祝いを申し上げることができませんでしたけれども、本当に心からお祝いを申し上げたいと存じます。
 さて、これからの不良債権の処理その他の経済的な進展の中でどう雇用を確立していくかということでございますが、いろいろの試算が今されておりまして、中には百万とか三百万とか、そうした失業が出るのではないかというような試算もございますし、いや、そんなには出ない、せいぜい年間三十万ぐらいではないかという計算もあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、しかしこの不良債権処理が進んでいくということになりますと、今までよりも何らかの形で失業率がふえてくる可能性というものを私たちは考えていかなければならない、それはもう当然だろうというふうに思っております。したがいまして現在までの雇用対策、それにプラスして考えていかなければならないというふうに思っております。
 現在までのところも、いわゆるミスマッチの解消でありますとか、こうしたことにも随分取り組んでまいりましたし、これによりまして非常に大きな成果を上げてきたのも事実でございます。その割には失業率が減らないではないかという御意見がございますけれども、このミスマッチの解消によりまして非常に多くの人が新しい職場を求めることができましたけれども、しかしその後を埋めるような形で今まで労働市場に参入していなかった新しい人が後から予備軍みたいな形で押し寄せてきているものでございますから全体としての失業率は低下はいたしておりませんが、しかしミスマッチ解消の政策というのは非常に大きな効果を発揮しているというふうに思っております。
 さらに加えまして、大きな取り組みといたしましては、一次産業、二次産業から第三次産業へという大きな取り組みもございまして、三次産業、アメリカなどは七〇%に達しておりますが、日本はまだ六〇%少々というところでございますので、まだ第三次産業にもう少し取り組むことができるというふうに考えております。この第三次産業の労働環境の整備、こうしたことにやはり取り組んでいかなければならないと総論では考えております。
 そうした中で、具体的にそれじゃどうしていくかという問題になりまして、経済財政諮問会議等におきましても五年間で五百万というぐらいなスケジュールで考えていかなければならないというようなお話も今いただいているところでございます。
 では、それを私の方の厚生労働省の中の範囲で見ますと、ゴールドプランでありますとかエンゼルプランでありますとか、そうした中で現在考えられておりますのが、トータルで大体十分の一の五十万ぐらい、大体年間にして十万。それで、少しことしも半ばになっておりますし、四年間でということで言ったものですから三十六万ということを言ったわけでございますが、大体年間十万ぐらいはここでふやしていかなければならないということで今取り組んでいるわけでございます。しかし、厚生労働省、本家本元でございますから、もう少しここを頑張って新しい産業を掘り起こしていかなきゃならないだろうというふうに思います。
 それは、一つはやはり健康増進等の問題が非常に大きな問題になっておりますし、国民の皆さん方の意識も非常に高いところでございますから、健康増進部門、この部門にはもっともっと新しい雇用というものがあるだろう、ここで働いていただけるいろいろの職種があるだろうというふうに思っております。
 それからゴールドプラン、高齢者の問題でございますけれども、ただ単に高齢者のお世話をするとかということだけではなくて、高齢者の生きがいづくりと申しますか、そうした問題を考えますと、その周辺にもっともっと雇用は存在するはずである。いろいろの勉強でありますとか、いわゆる講習会でありますとか、そうしたものも含めて高齢者の周辺にもっともっと広がりが見せられるのではないか。
 それから生活衛生。もっと生活の周辺をよりきれいにし、そしてごみの少ない社会をつくっていくという、ごみゼロという言葉がございますけれども、これは循環型社会との関連においてこの辺のところは、生活の周辺におきましてももっともっとより多くの雇用が生み出されていくのではないか。
 こういったところをもう少し整理いたしまして、そして厚生労働省として考えておりますいろいろのプランの周辺にどれぐらいの雇用を創出することができるかということをもう少しやはり練り上げていかないといけないのではないかということを先日申し上げたところでございまして、少し舌足らずでありましたので、今もう少し補足をさせていただいたところでございます。
○鶴保庸介君 ありがとうございます。
 大臣に私ごとのことまで言っていただきまして、本当にまたお礼を申し上げたいと思いますが、そのことで私もエンゼルプラン等々これから身近に感じていけるであろうというふうに思っております。
 しっかりと厚生委員の一人として頑張っていきたいと思っておるんですが、その周辺のプランの中でも福祉関連でありますとかその周辺で雇用をこれから掘り起こしていく、そのことについてもっともっと深くこれから研究をしていかねばならぬということ、私も実は同感でございます。
 一つの試算がございます。地方自治研究センターというところが出しているものなんだそうでありますが、同じ一兆円を投じた景気浮揚効果というのがありまして、生産への波及効果は公共事業が二兆八千億円、福祉サービスが二兆七千億円と余り変わらないというんですが、雇用の増加に関しては公共事業が二十万七千人、福祉関連が二十九万人というような試算があるそうなんですね。
 これは一つの例にすぎませんし、いろいろな統計のとり方等々の誤差があるのでありましょうが、巷間言われているところでは、雇用には福祉関連といいますか、厚生関連のことにお金を投じた方がいいんじゃないかという議論もよく耳にするところであります。
 これについて厚生労働省、どういうお考え、また、これからだからこそこうなんだということがもしあればお話をいただきたいというふうに思うんです。
○国務大臣(坂口力君) 事務局の方からあと少しまた補足をしてもらいたいというふうに思いますが、産業連関表などによりますと、公共事業とそれから医療・保健・社会保障につきまして最終需要、例えば十億円当たりの就業誘発効果を比較しておりますが、それによりますと、公共事業は十億円で百三十一人であるのに対しまして、医療・保健・社会保障は百三十八人という数字が出ております。また、特に社会福祉だけに限っていいますと百九十四人という数字が出ておりますから、介護でありますとか保育、そうしたところでは雇用の受け皿が非常に大きいだろうというふうに思われます。待機児童をゼロにしますとか、あるいは学校保育を必要なところに全部つくるというようなことになってまいりますと、この辺のところには非常に大きな雇用が待ち受けているものというふうに思っております。
 それから、厚生労働省としては、福祉などの分野におきます雇用の創出に当たりましては、質の高い人材の養成や需給のミスマッチ解消に取り組んでおりますし、これからも取り組んでいきたいと思っております。
 今後とも、ゴールドプラン21あるいは新エンゼルプラン等の着実な推進に努めてまいりたいというふうに思っております。
 雇用だけでこの投資というものを考えることはできないかもしれませんけれども、しかし雇用面から見ます限り、雇用が福祉を中心としました医療、介護、そうしたところが非常に大きな効果を発揮することだけは間違いない、そんなふうに思っております。
○鶴保庸介君 ありがとうございます。
 時代の変化とともに労働力はより必要とされる市場に向かって流動化せねばならぬというのはもう歴史の示すところ、記憶では一九八〇年代のアメリカがそうだったというふうに私も記憶しておりますが、そういう転換期にあるのかなというふうな私は気がいたしております。特に、この長引く不景気でございますから、何か一つの方針を立ててやっていただきたい。今までのように、むだというか方針のないままの公共事業とあえて申し上げますが、景気浮揚策が方針のない公共事業一辺倒のものであってはならぬなというふうに思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 食品の安全基準についてのお話をさせていただきたいと思うんですが、食品の安全については昨今のように健康という問題が大きな国民的関心事となっている御時世においては殊に注目を集めているところでございます。しかしながら、これまでのところ、突然口蹄疫が出てきた、やれ遺伝子組みかえ食品が入ってきた、やれ何だと、マスコミを騒がせるニュースがあります。ややもすると、正直私だけではないと思うんですが、テレビを見ていらっしゃる方々、そういうニュースに接せられる方々は、何をしているんだ、一体どうなっておるんだというようなフラストレーションがたまっているんじゃないかというふうに思うんですね。
 そこで、食品の安全基準について、やや行政の説明不足もあったんではないかということの意味も含めて、この場をおかりして、これまでの取り組みあるいはこうした問題点があるというようなことを御指摘、御説明があれば、意見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(尾嵜新平君) 食生活につきましては、国民の健康な生活の基礎をなすものというふうに思っておりまして、その中の食の安全性の確保ということにつきましては、大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
 厚生労働省におきましては、食の安全性の確保という観点から、食品衛生法に基づきます食品の規格の基準あるいは表示の基準、そういった基準をつくるということもございますし、あるいは今日輸入食品が増大をしているわけでございまして、そういった輸入食品に対します検査あるいは、最近もございましたが、大規模な広域にわたります食中毒事例への対応あるいは食品の安全性等に関します調査研究、こういったものの推進などに取り組んでいるところでございます。あわせまして、都道府県等におきまして、この枠組みのもとに、食品衛生監視員によります営業者への監視、指導を行っているところでございます。
 こういった役割分担のもとに、連携を図りながら、食の安全性というものの確保に私どもとしては取り組んでいるつもりでございます。
○鶴保庸介君 食品衛生監視員と今おっしゃったと思うんですけれども、これは、申しわけございません、ちょっと質問通告とはまた外れますが、どういった作業をされておられるんでしょうか。
○政府参考人(尾嵜新平君) 食品衛生監視員につきましては、国の食品衛生監視員とそれからいわゆる地方自治体の食品衛生監視員がございます。
 国の場合には、現在二百六十四名でございますが、一つは、国の監視員の場合には、輸入食品に対します安全性の確保の観点からの検査に取り組んでおるというのが大きな役割でございます。
 都道府県等地方自治体の方の食品衛生監視員につきましては、一般に販売をされておる、店頭に並べられております食品につきまして収去をいたしまして、例えば残留農薬でございますとかあるいは添加物等々、そういったものにつきまして検査を行うというふうなこと、あるいは一般に販売されております食品が例えば目で見て腐敗をしているかあるいは変色をしているか、そういったことも含めまして監視をしておるという状況でございます。
 都道府県等の地方自治体にいらっしゃいます食品衛生監視員、数字は正確なことはちょっとあれでございますが、たしか数千人いらっしゃると、そういった形で取り組んでおるということでございます。
○鶴保庸介君 今のお話でちょっとわかりにくかったのは、その食品衛生監視員がどういった資格を持って具体的にどういった検査をされておられるのか。これは技術的な分野にわたるんでしょうが、時間がありませんのでこちらでお話をさせていただきたい。
 その検査等々で、やはりその検査基準みたいなものはかなり技術的なことにわたっていくんであろう。それを監視する側も当然その技術的知識がある程度なくてはならない。素人目に考えて、実際に食品の安全基準について十分な安心が得られるに足る作業が進んでいるのかなという部分については、やはりあるというふうに思うんですね。
 もうまとめてちょっとお伺いしたいんです、幾つか。
 国はそうしたら例えば食品の安全基準というものをいかにして立てておるか。そしてまた、その立てている安全基準というのは国際的に見ても遜色のないものであると言い切れるか。そして、それについての担保措置。先ほど食品衛生監視員というような方々が努力されておられるという話でございますが、こういった方々の措置といいますか、そんなものは十分あるのか、あるいは能力的なものも含めて、その辺の問題点はないのかということについてお伺いをしておきます。
○政府参考人(尾嵜新平君) 基準なりそういったものの策定につきましては、基本的には薬事・食品衛生審議会という審議会がございますが、そういったところで御検討いただくということにしておるところでございます。
 今御指摘がございました食品の安全性に関します検査、いろんな検査、新しい検査方法あるいは技術が出てまいるというふうな状況がございます。そういったものには対応するように、その都度私どもこういった審議会の方にお諮りをし、御専門家の意見も踏まえた上での検査の手法と申しますか、あるいは技術的な内容についてできるだけ早く都道府県の方に承知をしていただく、あるいはやっていただけるような研修を行うとか、そういった形での担保を行っておるというところでございます。
 当然のことながら、国の食品衛生監視員、検査にかかわります人間についても、そういった内容はできるだけ早く周知し、対応をしていただくというふうな取り組みをしているというところでございます。
○鶴保庸介君 ありがとうございます。
 時間がございません。これがもう最後の質問になるかと思います。厚生労働省が平成十三年度からですかの予算で四億、予算措置をしておられますドクターヘリの導入の促進事業について最後の質問をさせていただきたいと思うんです。
 ドクターヘリ、すなわち各県、都道府県単位で緊急の患者があったときにヘリコプターでその拠点病院に運び、救急医療をしていこうという話でございますが、これについては、仄聞するところによりますと、欧米の各国では割ともっともっと以前から進んでおった。本当に画期的なことではあると思うんですが、なかなかここまで進んでこなかったというのは、ややおそいなという感じが正直するわけであります。これから導入をされるというところでございます。
 ちょっと見ますと、措置する都道府県の単位の箇所が六カ所にしかすぎないというんですね。もっともっとこれは一遍にやればいいんじゃないか、もっとばっと全国的にやるべき話ではないかなというふうに思うわけであります。
 そんなことを含めて、このドクターヘリ制度が導入された経緯、それからこれからの展望なり決意なりをお伺いして、質問を閉じたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 委員の方からドクターヘリのお尋ねでございます。私の方からお答えを申し上げたいと思います。
 今、委員の方からもお話がございました我が国のドクターヘリ、欧米に比べて対応がおくれているのではないかという、こういう御指摘もございましたが、導入の経緯につきましては、平成九年十二月に救急医療体制基本問題検討会、この報告書が出されまして、救急搬送におけるドクターヘリの有益性というもの、必要性というものが報告書に入りまして、体制整備の必要性が指摘をされたわけであります。
 そして、十一年、十二年と二年間、全国で二カ所、試行的事業を行いまして、この試行的な事業の結果、やはり救命効果あるいは患者の予後などに顕著な効果があらわれているということが認められまして、委員御指摘のように、おくればせではありますけれども、平成十三年度、六カ所、予算化をいたしまして、これから、今までは国が試行的にやっておりましたけれども、都道府県事業といたしまして位置づけをいたしまして、今六カ所、今年度の予算で各県と相談をしながら、もちろんその実施に当たりましては都道府県が実施主体ではありますが、ヘリコプターの安全な運航体制というものも確保されている必要がありますし、さらには搬送患者の適切な受け入れ体制という救急医療の体制等も必要になるわけでありまして、そうした幾つかのポイントを整理しながら六カ所をぜひ選定していきたい、このように考えているところでございます。
○鶴保庸介君 もう時間が余りございません。
 六カ所、やはり少ないと思いますが、最後にそれだけお伺いしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) おっしゃるとおりでありますが、今申し上げましたように、多ければ多いほどいいということももちろんありますが、平成九年の報告書からスタートさせていただいた。確かにおくれているということはあるわけでありますが、やはりこのドクターヘリの体制については、今申し上げたように、さまざまな環境の整備と地域の関係機関との連携体制ということも必要でありまして、そうした地域における救急医療の協議会等も設定をしながら、単にヘリコプターがあれば十分な体制がとれるということでもございませんので、そんな地域の体制づくりとともに今取り組んでいるということでございます。
 できるだけこれからも、平成十四年度の予算に向けても委員の御指摘も踏まえて検討を進めていきたいと思っております。
○鶴保庸介君 ありがとうございました。
○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子でございます。
 まず、質問に入ります前に、坂口厚生労働大臣にお礼と感謝と激励の言葉を贈らせていただきたいと思います。
 ハンセン病の控訴断念、大変劇的なことに私も受けとめましたし、国民も受けとめていると思います。変革の中身の具体策がないとずっと言われておられました小泉内閣のもとで、その具体策を身でもって行動されたのが坂口厚生労働大臣でいらっしゃると存じます。
 先ほどのごあいさつの中でお気持ちを述べていただきましたけれども、あのお言葉が長い間苦しんできた方々の心にしみたことと思います。私は、人権の問題をこれほどまで強調してくださって、省の中のさまざまな御意見、あるいは党内でもいろんな御事情があったかと思いますし、政権内でもその気持ちを突破させるまでに随分御苦労いただき、そしてそれを最後まで貫徹していただいた坂口厚生労働大臣でいらっしゃると存じております。
 後ほど、私の後に堀利和委員の方から、今後の作業と大臣おっしゃいましたけれども、その点についての御質問もございますが、私の方からは冒頭、本当に感謝と今後の激励を一言贈らせていただきます。
 何かございましたら。お願いできますか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどもお話を申し上げたとおりでございまして、すべてに人道問題が優先するということの一言に尽きるというふうに思います。
 昨日、官房長官にも申し上げたことでございますが、二十世紀におけるハンセン病罹患者の皆さん方のこの問題というのは早く決着をつけなければならない問題である。そして、戦後、プロミンという特効薬が出現をいたしまして、完全に治癒することが判明をしたにもかかわらず隔離政策が続けられてきた、あるいはまた堕胎・断種手術が行われてきた。これらは消し去ることのできない人権侵害であると私は思っておりました。
 昭和三十三年に東京で第七回の国際らい学会が開催をされまして、社会問題分科会におきましては、強制的な隔離政策というものにつきまして、これは破棄するべきである、各国の中でそういう政策を掲げているところがあればそれはその政府に破棄するように言うべきであるという決議がされたわけでございます。
 その直後、当時の琉球政府におきましては、その会議に出ておりましたアメリカの大佐がそれを持ち帰りまして、すぐに解放政策をとったところでございます。しかし、肝心の日本においてそれが実現をされなかった。これは、医療行政の上でも大きな問題だというふうに思いますし、その前に、そのことを大きく取り上げなかった、医療行政の前に医療そのもののやはり私は問題点があると考えております一人でございます。
 そうした観点から、やはりこの問題にはいろいろ法律的な問題はあるんでしょうけれども、しかしそれらを乗り越えて解決をしなければならないという思いで官房長官に私の考えておりますことを申し述べさせていただいた次第でございます。
○川橋幸子君 なお今後ともの作業の進捗についてお力をかしてくださいますようにお願い申し上げまして、それでは質問に入らせていただきたいと思います。
 前回、再就職の円滑化を図る雇用対策法の改正のときにもう既に緊急経済対策が出されておりまして、前内閣のときに出されておりまして、その際も幾つか質問させていただいたことではございますが、引き続き、その後の具体の取り組みが余り伝わってまいりませんので、きょうはその問題を中心に、あるいはその後、育児・介護休業法の改正問題等々、当面急がねばならない問題について御質問をさせていただきます。
 先ほども同僚委員からの御質問の中にもありましたけれども、前回私が質問いたしましたときにはニッセイ基礎研究所というシンクタンクの推計値が出ておりました。その後、さまざまなシンクタンクから失業者数の予測が発表されておりますとともに、内閣府の過剰雇用の試算なんかも出されておられるわけでございます。竹中経済担当大臣は、一兆円の処理で数千人から一万人ぐらいの失業者が出るであろう、数十兆の不良債権を処理すればしたがって数万人から数十万人職を失うと、このようなことを予算委員会で御答弁なさっているわけでございます。
 竹中先生は高名な経済学者でいらっしゃいまして、なおかつ非常にわかりやすい言葉で経済を国民に語りかけてくださる方だと私はかねて思っておりました。二〇〇〇年十二月の「竹中教授のみんなの経済学」というものを見ておりましたら、失業の問題につきまして、「もしボクが失業したら、今日のご飯にも困るってこと、子どもたちはぜんぜんわかっていないんじゃないか」と、こういう文章が目にとまりました。私は、子供たちみんなどころか、むしろ大人たちの方がそれをよく知っているんだろうか、竹中大臣は知っていらっしゃるんだろうかと、そのように危惧したわけでございます。
 このような民間の予測値が出ておりますこと、あるいは今度の緊急経済対策の具体の話が経済財政諮問会議等々で動き出していることを受けまして、雇用失業問題を直接担当なさる坂口厚生労働大臣から、このような情勢についてどのように考えておられるのか、お考えを承りたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 不良債権処理に伴います失業増というのがどれだけあるかということはなかなか予測が難しい話でございまして、処理をする不良債権の規模が一体どれぐらいあるのか、そしてどれぐらいのスピードでそれが行われるのかということによって私は結論は違ってくるのではないかというふうに思っております。
 いろいろの前提を置きましてそれぞれのシンクタンクが計算をされているものというふうに思います。ですから、その前提によってその値が違ってくることもこれまた当然であるというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、しかし不良債権の処理を行って、そして景気を回復に向かわしめるという、そういう手順を踏んでいこうとするのであるならば、やはり雇用問題、失業がふえたときのためのことをまず先に考えておく、やはりその準備をしておくということは、当然のことながらこれは大事だというふうに私たちも思っております。
 竹中大臣がどういう前提のもとでお話しになったのかということは私はちょっとよくわかりませんけれども、何はともあれ、私たちが目標にしようといたしております数字は年間百万人、そして連続して五年間という大きい枠組みをつくって、そうして進めていこうと今しているわけでございます。その大きな枠組み、百万人というのは、これは厚生労働関係のことだけではございませんで、日本の中の各分野におきます雇用全体を合わせての話でございます。それにはかなり具体性もなければならないというふうに思っております。
 先ほど御質問に出ましたように、厚生労働関係といたしましては、その中で大体その十分の一の五十万ぐらいは我々で受け持たなければならない。今まで五十万ですから、それにプラスアルファして受け持たなきゃならないだろうというふうに思いますが、そうしたことをなし遂げていくためには、どういうことを見詰め、そしてどうすればそれが可能になるのかということをより具体的にしていかなければならないんだろうというふうに思っております。
 先ほど挙げましたエンゼルプランやゴールドプランのことにつきましては、これは今までもやってまいりましたし、ここで多くの雇用が創出できることはもちろんでございますが、既にかなり進められておりますし、これから先もそこに今まで以上の雇用創出ができるのかどうかということももう一度計算をしなければならないというふうに思います。
 そしてまた、その周辺におきましても、それらを含めましてもう少しそれを拡大することができないかというので、先ほど挙げましたような健康増進でありますとか、あるいはまた生活衛生にかかわります分野でありますとか、そうした分野でのことを検討していかなければならないというふうに思っているところでございます。
 具体的な数字がなかなか言えなくて私は申しわけないわけでございますが、それぐらいな目標にしていく。しかしそんなには要らないかもしれない。しかし要らなければそれにこしたことはないわけでございまして、少なくともそれぐらいはやっていける体制を組んでいかなければならない、そんなふうに思っているところでございます。
○川橋幸子君 年間百万、五年続けて五百万の雇用創出を目指されるということでございますが、そうしたもとになっておりますものは、多分経済財政諮問会議の島田調査会と通称言われているようでございますけれども、牛尾会長のもとで出されましたサービス分野での雇用創出を積み上げるとそのような数字が出ていると。経済財政諮問会議、今回の内閣機能の強化の中で打ち出されている報告が一つあるわけでございます。
 そしてもう一つ、新聞報道でございますが、明日二十五日に、小泉総理が本部長をなさり、坂口大臣も副本部長の主力メンバーに入っておられます産業構造改革・雇用対策本部というものが開かれるというふうになっております。こちらの方の本部は内閣府ではなくて内閣官房が中心というふうに伺っております。そして、これからの雇用対策、失業解消対策というのは、政治主導、内閣主導のもとに一定の政策立案あるいは方向性が示されて、それによって厚生労働行政も動いていくのかなと思うわけでございますけれども、どうも内閣府から出されましたのが今まで言われているような新成長産業分野、情報関連という形ではなくてサービス分野に主眼を置いたもので、そして産業構造改革・雇用対策本部の中では平沼通産大臣の方から平沼プランという形で雇用創出をやっていきたいんだと、大胆に規制改革をやってそういうプランを実行に移したいというようなことが報じられております。
 またもう一つ、これは奥田日経連会長の新聞報道の記事でございますけれども、経済財政諮問会議の有力メンバー、有識者としておいでになるわけでございますが、その方はまた、地方における雇用創出というものを公共部門を中心にお考えになっているような提言が報道で見られるわけでございます。
 なお、もう一回竹中大臣の言葉、これも新聞で報じられたものだけでございますけれども、拝見いたしますと、雇用の受け皿を国家が用意するのは資本主義社会では考えられないことだというような言葉も聞かれまして、この辺の最近の新聞報道を見ると、政治主導の中で骨太の雇用対策が、構造改革の中で骨太の雇用対策が推進されていくという割にはすっきり見えてこないという感じがあるわけでございますが、そのような各界の提言についてどのように省としては受けとめておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) いろいろの審議会もございまして、いろいろの提言がなされたりするものでございますから、少しその辺は整理をしていかないといけない時期に来ているというふうに思っておりますが、それぞれの持ち場でやはりそれぞれのお考えのもとにいろいろの御意見が出るのは当然だというふうに思っております。しかし、それは、先ほど申しましたように前提条件もいろいろ違って、そしていろいろな角度からの御発言でございますから、それらのところをよく吟味しながら、厚生労働省としましては一つの雇用政策というものをつくり上げていかなければならないというふうに思います。
 確かに、これからどれだけの雇用を生み出せるようになるかということにつきまして、こういう政策を打てばこれだけになるというようなことを予測しがたい面も確かにあることは事実でございますけれども、しかしこの介護政策、介護制度というものができることによって大体どれぐらいの雇用がそこに創出できるかということの予測はできたわけでございますし、事実、現実問題として非常に多くの雇用がここに生まれていることも事実でございます。ですから、もし仮に政府の方が、来年なら来年の予算の中で循環型社会についてもう一歩踏み込んだ政策をとっていくということになってまいりますと、その周辺に多くの雇用が創出されることは間違いがないというふうに思います。
 ですから、雇用の創出は、やはり政府の政策能力と申しますか、政策の立案の中身とも大きく関係をしてまいります。だから、どういう骨太い政策をつくるかということがやはり雇用に大きく影響してくることは間違いがございませんので、それらのことも踏まえながら我々はやっていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
 いずれにいたしましても、さまざまな方のさまざまな審議会からの御意見等も踏まえまして、それらを総合的にやはりまとめていく、それは厚生労働省の仕事でございますから、一つの方向にやはりまとめていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
○川橋幸子君 今の大臣の御答弁を私伺っていますと、大変日経連奥田会長の言っていらっしゃる提言と似ているというふうに受けとめたところでございます。
 どんなことをおっしゃっているかといいますと、ポイントを紹介させていただきますと、不良債権の最終処理の影響というのは大変大きな問題なので時間軸を調整する。これは多分、失業が急激に出るような事態になった場合には、むしろそういう不良債権処理を急がないというんでしょうか、その辺の雇用対策あるいは新規雇用の創出ができる、その辺との調整を見ながら、むしろリストラスピードを抑えるというようなことが一点でございます。
 それから、やはり公共部門、公的部門で、ここで紹介されているものは、不足している警察官、教員、看護婦、税務署員ということを会長はおっしゃっていらっしゃるわけでございますけれども、大臣は先ほどエンゼルプランあるいは介護保険、福祉部門でのこれからの必要性をおっしゃったわけで、私はこうした公的雇用創出提言につきまして支持する一人でございます。その方向で、あした開かれます産業構造改革・雇用対策本部については、積極的に厚生労働行政の分野から御発言いただきたいと思います。
 この点、いかがでございましょうか。本部に対する厚生労働行政からのそうした雇用問題への対応について積極的に御発言いただきたいという要望でございます。
○国務大臣(坂口力君) それは当然厚生労働省が中心になってやっていかなければならないというふうに思っておりますから、そのようにさせていただきたいというふうに思っております。
 それから、前半の奥田会長のお話でございますが、それは私も実はある程度そういうふうに思っております。ただ、不良債権の処理をしなきゃならないからというので、それの影響ということを無視してそればかりをやられては困るわけでございまして、それが社会に対してどういう影響を与えるか、国民生活にどういう影響を与えるかということもよく吟味しながら前に進んでもらわないといけないということを我々は言わなければならないと思っております。
○川橋幸子君 ちょっとこれは余談になりますけれども、実は昨日、質問をつくる段階でこの産業構造改革・雇用対策本部、二十五日に開かれる、それの予想検討事項と、まとめるスケジュールが新聞報道されていたんですね、九月末には結論を出すと。六月中に中間報告を出して九月末に結論を出すというようなスケジュールまで挙がっている記事がありましたものですから、厚生労働省の方に伺ったわけです。
 そうしたら、それは内閣官房が担当しているのでうちでは説明できない、それから財政諮問会議の方はそれは内閣府が所管しているから内閣府に聞いてほしいということで、内閣府及び内閣官房を呼んで聞きましたら、それはもう二十五日、当日になって資料が出てこなければ差し上げられないと。このような感じで、何か政治主導あるいは内閣府の機能強化で政治の決断を主にしながら雇用対策をぐいぐいと引っ張っていくようなこういう時期に当たって、大臣は余り御存じないことではないかと思いますが、そうした役人同士の、何というんでしょうか、もう言わなくてもおわかりいただけたかと思います、縄張りといいますか、そうした問題について、ここはひとつ大臣、副大臣、政務官そろっていらっしゃいますので、それぞれ今回の改革がうまくいくように役人をリードしていただきたいということを、これは質問でなくて要望だけで終わらせていただきますが、よろしくお願いしたいと思います。資料も出せないとか、あるいはここに来て説明するのもできないというのはいかがなものかと思います。一言、言わせていただきました。
 さて、それで今度の本部の中で、産業構造改革・雇用対策と中ぽつでつないだ本部、前半の方は新規雇用の創出、後半の方ももちろん雇用創出には関係ございますが、雇用対策、セーフティーネットとしての雇用対策のあり方が注目されているかと思います。
 その中に、やはりこの本部の設置についての中で書かれておりますことは、能力開発を中心とする、「能力開発支援等による雇用対策」というふうに書かれているわけでございますが、私はセーフティーネットについては、時間軸を考えると中長期で考えなければいけないことと緊急に考えなければいけないことの二点があると思いますが、この両面についての姿勢をお話しいただきたいと思います。
○副大臣(南野知惠子君) 川橋先生は労働行政には大変造詣が深い先生でおられますので、日ごろ尊敬いたしているところでございます。
 お尋ねがございましたので御報告申し上げたいところでございますが、現在我が国の雇用失業情勢、これは本当に完全失業率が高水準で推移しているというところで、依然として景気等にも予断を許さない状況であるということは万々御承知のところだと思っておりますが、今後、不良債権の最終処理などの構造改革を実施する過程で厳しさを増していくことが考えられると、そういったところも我々考えていかなければならないだろうと思っております。
 そういう中で、政府といたしましてはこれまでも、一つといたしましては離職者に対する再就職支援、二つといたしましては年齢、能力、地域などにおける労働力需給のミスマッチを解消するための対策、さらに三つ目といたしましては、中小企業や第三次産業を中心とする新規・成長分野における雇用機会の創出への支援など、必要な雇用対策を講じてきたところでございます。
 今後とも、平成十三年度の予算には既に盛り込まれていることにつきまして、その項目は先生御存じだと思いますが、それら改正雇用保険法の円滑な施行など、雇用面のセーフティーネットなどの整備、それに対する施策に万全を期してまいりたいというふうに思っているところでございます。
   〔委員長退席、理事亀谷博昭君着席〕
 さらに、中長期的と申しますか、今後の構造改革の進展、それに的確に対応するためには、雇用対策を実施するため先般設置されました、先生今お話にありました産業構造改革・雇用対策本部、二十五日におきまして経済財政諮問会議が開かれるということでございますので、サービス部門におきます雇用拡大を戦略といたします経済の活性化に関する専門調査会、それなどと連携を図りながら、民間有識者の御意見もお伺いするということでございます。早急に新規雇用の創出、能力開発支援などの対策を検討してまいりたいというのが我々の考えでございます。
○川橋幸子君 先日この委員会でも審議されました再就職の円滑化の策、これをフルに活用していただくとともに、やっぱり事態はそれを上回ることがあるわけでございまして、追加の策についても十分御検討いただきたいと思っているところでございます。
 そこで、構造改革に必要な追加の雇用対策、特に現行制度のままではどこかに破綻が生じて、痛みが血となって流れてしまう部分についてどのようにするかということが問題になるわけでございます。どれだけ不良債権処理がされるのか、リストラがされるのかによってわからない。肝心の不良債権そのものの金額についてもわからないというような状況の中でそこを見通すのは難しいのかもわかりませんけれども、先ほど大臣の方から、それは発動しなくて済むようなことがあれば結構なんであって、その対策の準備だけはしっかりとやりたいというお話があったわけでございます。
 そこで、何点かまとめてお話しいただきたいと思いますが、まず、雇用保険制度は改正したばかりだということでございますけれども、雇用保険制度が現行のままでもつんだろうかということでございます。
 弾力条項を発動すれば五%台の失業にも耐えるというようなことでございますけれども、この先やはり雇用保険制度というものは、前回もお願い申し上げましたけれども、一つは、支給期間を拡大していただけないかということでございます。前回の委員会討議でも思い出しますのは、中高年の自殺が非常にふえている。あるいは、キレる十七歳というよりもキレる四十九歳といいますか、そうした年齢層の社会問題というものが目立ってきている。最近目立っております児童虐待なんかも、やはりそういう経済の影響というものが、私は子育て世代の親の年齢を考えるとそのあたりに出てくるような気がいたします。前回、やっぱり失業して所得がないというのは一年間が限度であろうというような大臣のお言葉もあったと思いますけれども、この支給期間を拡大することについてお話しいただきたいと思います。
 それから、支給期間の延長の中には、人に投資をという意味で、もう一回やり直しがきくように職業訓練の期間を延長する。二年を三年にするというような形で延長することによって、安心してもう一回社会に復帰できるといいましょうか、セーフティーネットというのは、別に網のようにねばねばしたものではなくて、サポーティングシステムという言葉が、この間、委員の中から出ましたけれども、トランポリンのようにもう一回ジャンプして復帰できるというようなことが必要かと思いますと、その訓練の延長給付、この支給期間の大幅拡大というのは非常に大きな話になるのではないかと思います。一点目は、こうした雇用保険制度の拡充の必要についてどのようにお考えになるかということでございます。
 二点目は、財政出動が必要ではないか。このように、もし雇用保険制度を拡充する必要、万全の備えとしてやる場合に、弾力条項もありますから保険料を上げるという話はあるかもわかりませんけれども、このデフレ時代にその保険料負担の増大がまた消費を冷え込ませるというようなことを考えますと、そこを当面、時限措置としても雇用保険財政を安定化させるための財政出動というのが必要なんじゃないかと思います。
 民主党ではかねて二兆円と、前回も申し上げさせていただきましたけれども、二兆円規模の準備をお願いしたところでございますし、大臣の所属なさっていらっしゃる公明党でも、本当に期せずして同じ金額の二兆円という要望が上がっているわけでございます。財政出動の必要、これはモラルハザードを起こすんじゃなくて、むしろ安心感を与えて、もう一回再チャレンジさせるためのそうした雇用保険制度の拡充のための基礎ではないかということが一つでございます。
 それから、人に投資をというのは、小泉総理もあるいは竹中担当大臣もよく言っていらっしゃることでございます。先ほど御紹介いたしました子供向けの経済教室の中でも、やっぱり人間が一番の経済の重要な単位なんだからということでおっしゃっているわけでございますが、その、人に投資をの中に、民主党の場合は、自営業の廃業者の方が非常に多くふえているわけでございますが、雇用者で失業に遭う、これには雇用保険が対応できるとして、そうした中小零細自営業の廃業の方々に対する人に投資というものは、何かもっと一般会計の中で措置できないものだろうかということを考えております。
 まずこの三点、まとめてお尋ねさせていただきます。
○国務大臣(坂口力君) 保険期間の問題と二兆円の問題につきまして、私の方から少しお答えをさせていただきたいというふうに思いますが、御承知のように、ことしの四月から雇用保険は最高で三百三十日になったわけでございますが、先日も御質問をいただきましたように、一年にちょっと足らないわけでございます。
 ただ、この雇用保険の支給の期間を延ばしさえすればうまくいくかというと、私はそこは少し知恵を働かさないといけないというふうに思っております。知恵を働かさなければならないというのは、その失業をしておみえになる皆さん方がいろいろのお仕事を探してもうまくいかない、一年近く探してもうまくいかない。そうしました場合に、やっぱり今まで自分が持っている職業能力ではなかなか探せないというようなことが多いんだろうというふうに思いますので、そのときにその皆さんが、それじゃ新しい何か分野に挑戦をしよう、新しい職業能力を自分ももう少しつけよう、こういう方向に進んでいただけるのならば、その皆さん方にそれこそサポートをするようにしてこの期間を延長していくというのが一つの方法ではないかというふうに思います。
 現在もそういう方向になっておりますが、私も具体的にその場に直面したわけではございませんので、そういうふうにとりやすいのかどうかということをよく細かな点まで知っているわけではございませんけれども、そういう雇用保険をもらっておみえになる皆さん方が新しいお仕事に挑戦をされようというときに、それに挑戦してもらいやすい環境、だから、いろいろの条件があって、そして、それが延長の手続ができにくいとかなんとかというようなことがあってはぐあいが悪いと思いますから、そこはもう少し整備をしていかなければいけないというふうに思いますけれども、現在も既に最高は二年間延長できることになっているわけですね、先生もう既に御承知のとおりと思うんですが。だから、三百三十日あって、その三百三十日目に申し出をするという方はないと思いますけれども、もしもあるとすればそこから二年間あるわけでございますから三年近い期間になるわけで、しかしそれは一番長い話であって、全部が全部そういうことでは決してございません。
 ですから、そういう何か意欲を持たれる皆さん方にはおこたえをするといったようなことが私は大事ではないか。そうしたことのやはり知恵をもう少し積み重ねていくということが大事であって、ただ単に期間を延長するというだけでは私はいけないんではないかというふうに思っております一人でございます。それが一つでございます。
 それから、いわゆる二兆円のお話でございまして、民主党さんからお出しをいただいていることもよく存じ上げております。私どもの公明党も出したりいたしておりまして、そのときにも、よくよく考えてみれば、現在の保険制度というのは、労使からの保険料の収入でありますとか、一般会計からのお金でありますとか、あるいはまた積立金でありますとか、そうしたもので今はもう既にやっているわけですね。現在、そういうふうな一つの枠組みで雇用保険なるものが行われている中で、たとえそれが二兆円にしろ三兆円にしろ別枠で何かやらなきゃならないものなんだろうか。それは現在のこの枠組みの中でそういう意識を持ってやればよろしいのではないかという私は気がいたします。
 ですから、おっしゃろうとしている意味というのは私もよくわかるわけでございますが、現在の中から特別に二兆円とか三兆円そこから別枠にしてやるというのではなくて、現在の枠組みの中で、そういう意味をよくとらえながら雇用保険の問題をやっていくというものでいけるのではないかという、私がそういう気持ちを持っておるということだけ申し上げておきたいと思います。
 あと南野副大臣の方からお答えいたします。
○副大臣(南野知惠子君) ただいま人に投資というようなことでお尋ねがあったかと思います。
 産業構造が変化したり、また労働移動などが増大化していく中で、円滑な労働移動を実現するということも大きな目的であろうかと思っており、それには職業能力の開発、これは先生もおっしゃっておられるところだと思います。そのためには短期的にどのようにやっているかといいますと、先般の緊急経済対策に盛り込まれました中高年のホワイトカラー離職者に向けた訓練コース、それの充実、またIT関連の能力開発の推進などにつきまして専修学校への委託訓練、それを活用しつつ取り組んでまいりたいということが一つでございます。
 また、中期的には、労働移動が増大する中では、従来の企業主導の能力開発に加えまして、先生御案内の個人主導の能力開発、これへの支援が不可欠であろうかというふうに思っております。そのために、先般、能力開発促進法の改正を行いますとともに、その具体化を図るために、今後五年間を計画期間といたしまして、労働市場のインフラ整備を行うことを内容とする、先生御案内の第七次職業能力開発基本計画というものを策定したところでございます。
 それには五つのポイントが含まれてございますが、今後これらの計画などに基づきまして職業能力開発施策の実施に万全を期してまいりたいと思っているところでございます。
○川橋幸子君 人に投資をもぜひ今の方向といいますか、第何次計画というのはどうも私は中長期の方の計画であって、緊急の雇用対策としては足りないのではないかというのが個人的な感想でございますが、南野副大臣の手腕でぜひしっかりとお願いしたいと存じます。
 少し質問を飛ばしまして、子育て支援策の方に移らせていただきたいと思います。
 小泉総理の所信表明の中に子育て支援が大変強調されていることは、働く、特に若い夫婦にとっては朗報であったろうと思います。子育て支援には、保育の部分を社会的にサポートするというそういう保育施策と、もう一つは、職場の中で子育ての環境がどのように整備されるかが非常に大きな問題でございます。
 今のM字型カーブというのは、どちらかといいますと、仕事か家庭かといいますか子供か選択を迫られて、今の終身雇用の職場の中ではなかなか続けていかれない。そういう意味で仕事を断念する女性が多いことからMの谷ができているわけでございます。小泉総理の所信表明の中にも、私はぜひ待機児童ゼロ作戦だけではなくて、職場を変えようという所信表明が一行入ってほしかったと思っている人間でございますが、現在政府からは育児・介護休業法の改正が出されているところでございます。坂口大臣の先日の所信では一日も早い成立をという言葉はございましたけれども、この会期末を控えまして、大変にこれはぜひ大臣の積極的なプッシュがないと、一日も早い成立が会期末までに実現するのかどうかが危ぶまれるような状況ではないかと私ども思っているところでございます。
 そこで、まずこの法案について、政府案は一歩前進ではあると思いますけれども、働く女性たちが本当に安心して働きながら子供を産める、出生率が低下しないように、子供を産むことが苦痛ではなくて夢を持てるようなそういう人生が送れるように職場を変えるようにするためには、この政府案では非常に足りないところがあると思っているところでございますが、まず一点目として、看護休暇を努力義務化していただきましたけれども、本当に子供が病気のときの休暇というのは、これは普及率がどうこう以前の話で、私は基準法の中でしっかり位置づけてもいいぐらいな制度だと思っております。
 看護休暇の請求権化につきましては、公明党の方もあるいは他の野党も強く要望しておるところでございますが、この問題については何とか実現していくようなことをお考えいただけないかということを、まず大きく大臣からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この看護休暇の請求権化という問題でございますが、目指しております方向は、厚生労働省が目指しておりますのも、それから民主党が目指しておみえになりますのも、方向は私は一緒だというふうに思います。
 ただ、一歩一歩前進するか一足飛びに行くかという違いだろうというふうに思いますが、なかなか一足飛びにここが進みにくいところもございまして、まずここは一歩一歩前進をさせてもらいたい。そうしませんと、一足飛びに行こうと思いますと、なかなか一足飛びに飛ぶに飛べないということで時間がたってしまうということもあるものでございますから、まずは一歩を踏み出していくということの方が、ウサギとカメではございませんけれども、結果は早いのではないかというふうに実は思っておりまして、まずカメの方でスタートをさせていただくというのが厚生労働省の考え方でございます。
 育児・介護休業法の改正法案、今国会に提出をさせていただいておりまして、選挙も迫ります中で本当に申しわけないわけでございますが、ひとつ御理解をいただいてその一歩を踏み出させていただくことができればというふうに思っております。
 しかし、民主党の方でお出しをいただいております内容につきましては、十分に私たちも理解をしながら、そこを一つの遠い目標にしながら一歩を踏み出させていただきたい、そんなふうに思っている次第でございます。
○川橋幸子君 今国会ではウサギが二匹だとかウサギが一匹の話が出ましたけれども、今度はウサギとカメでございますけれども。
 私はやっぱり先ほどの、冒頭、大臣にエールを送りました。ハンセン病の控訴断念、人権の問題、人道上の問題とおっしゃっていただきました。私は、病気の子供の看護というのは、そういう意味では働く親にとっても子供にとっても人権の問題、人道の問題であるわけでございます。これを有給休暇にといいますと一足飛びにという大臣のお話になるかと思いますが、当面は無給、欠勤で、私は女性たちもそれでよいと。それよりも、安心して休みたい、休んだからといってそれが解雇されるもとになったり、不利益な取り扱いのもとになったりしない、そうした請求権にしてほしいということでございますので、一足飛びのウサギであるつもりもございません。カメとウサギのあいのこのような民主党案でございますので、ぜひ御理解賜りたいと思います。
 ほかにも、ちょっと質問の順番を間違ってしまいましたが、大臣が先に民主党案の考えていることもわかっておると言っていただきましたけれども、私ども何を考えているかというと、やはりこの不況の時代の中で、職場が変わり、雇用形態が変わり、さまざま柔軟な働き方が出てきている中で、今の育児休業制度というのは余りにも使い勝手が悪いと。
 かつては、これはできましたときに大変喜んだものでございます。継続就業型の女性がやめなくて済むということで朗報だったんですけれども、これだけ働き方が多様化してくると、この制度設計というのはさらにさらに柔軟にしていただきたい。柔軟にすると、男性の産後休暇もとれるということでございます。鶴保先生いらっしゃいますけれども、ぜひとっていただきたいと思いますが。実は、余談でございますが、男性の産休、衆議院議員の山花郁夫さんがいち早く今回取得されました。この育介制度が改善されれば、男性議員も育児休業がとれる、産後休業もとれると。こういう男女共同参画型の社会に大変大きく寄与するものでございます。
 ついでにでございますけれども、今は国会の中に保育所、保育施設をつくってほしいという、こういう要望も出ているわけでございます。それほど働きながら子育てをすることが普通になっている、こういう時代に育児休業制度というのは柔軟に仕組んでほしいというのが民主党の要望でございますので、ここで御紹介させていただきまして、大臣はもう既に御存じだと思いますが、他の委員の先生方に御紹介させていただきまして、次の質問に入ります。
 続けて、育児休業の話でございますが、一つは、今申し上げました雇用形態が非常に多様化していく。期間雇用といいますか、有期契約の人たちがふえているわけでございますね。そうした中で、この法律の中では期間雇用者が、育児休業制度についてそもそも日々雇い入れられる者が対象外になっているというこの問題。それから、不利益取り扱いの禁止が今回は規定されました。育児休業をとったからといって正社員からパートに変わるというようなことは禁止されたということは大変喜ばしいことなんでございますが、たかだか、実際見ますと、一年とる方は少ないですよね。半年ぐらいから復職を始めます。どうしてかというと、保育所の入所時期と合わせて復帰しないと、その後また一年本当に子育てに困るわけで、丸々とる方が少ないわけでございますけれども、そうした短い期間の復職であれば、原職あるいは原職相当職への復帰ということがこの法律によって確保される、保障されるということが必要じゃないかと思っております。
 EU指令の中でも、弾力的に育児休業制度を仕組む、そして原職相当職への復帰を保障するということが一つのガイドラインになっているわけでございますので、このあたりにつきましても今後の審議会の検討と伺っておりますが、ぜひ指針を考える段階で、こうした働く若い夫婦の期待というものを具体化されていくように検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 雇用期間の定めがある者についての育児休業制度の適用問題につきましてでございますが、育児休業制度は、そもそも育児のために仕事をやめなくても済むように雇用の継続を図るということを目的としている制度でございますが、それを前提といたしますと、ある期間、期間を限定して、限定された期間の中で決まった仕事をしていただくということを前提に雇用されている場合については育児休業制度はなじまないということで、期間雇用者はその対象とされていないところでございます。
 ただし、形式的には有期雇用労働者である場合であっても、実態を見ますと特段の事情のない限り当然に更新されることとなっているようなケースなど、実質的には期間の定めがなく雇用されているというふうに考えられる場合もあり、これらの場合は育児休業の対象とされるというふうに考えております。ただ、その具体的なケース、どのケースがそれに該当するのかといったようなことについて、その具体化を、今、先生御指摘のように、審議会で審議をしていただいて指針を決めるということにしたいというふうに思っております。
 もう一つの不利益取り扱いの問題との関係でございますが、今回、国会で御審議をお願いしております育児・介護休業法改正案におきましては、育児休業などを申し入れをした、あるいは実際に取得をしたということを理由とした不利益取り扱い全般を禁止するということを明確に定めているわけでございますけれども、原職復帰あるいは原職相当職復帰の問題も含めて何がこの不利益取り扱いに当たるのかといったような考え方、これも関係審議会で御審議いただいた上で具体化をしていくということになっているところでございます。
○川橋幸子君 今くしくも岩田局長は、育児休業制度というのは継続雇用型の人がこれによって仕事をやめなくて済むようにとおっしゃいましたけれども、今求められている育児休業制度というのは、多様な雇用形態、多様な働き方、多様なライフスタイルの中で、そうした働き方のメニューに応じた制度設計に柔軟に発展させていく必要があるということを私どもは要望しておりますので、ぜひ、やめなくて済む育児休業から働き続けられる育児休業へと脱皮してくださいますよう具体化の検討をお願いしたいと存じます。
 ちょっと、予定した質問を大分積み残して御迷惑かけますけれども、最後に一点、働き方の日本型のモデルというものをここで、私はこれこそ厚生労働省の中で考えていただきたいということで御要望させていただきたいと思います。
 日本の場合は終身雇用という、これは日本独特と言われましたが、日本人の知恵として職場の労使の中で検討され、あるいは政府もそうしたライフスタイル、働き方モデルが円滑に人々に享受されるようにさまざまな法律制度を仕組んできているわけでございますが、この終身雇用が崩れている、これではもうグローバリゼーションの中ではやっていけないと。しかも、少子高齢社会に対応していかなければいけないといった場合に、終身雇用はだめ、従来のものはだめ、従来のものは破壊する、それだけにとどまらずに、小泉総理もよく言っていらっしゃる、破壊じゃなくて今度は創造なんだ、つくり出すんだと。それがないと、安心して人々が暮らす、あるいは本当に寄りかからずに自分で自立して生涯を全うしたいと思っている国民の人、若者もそうですし、年をとって引退するまでの生涯を通じての話でございますけれども、日本人の働き方のモデルというものを考えるべきではないかと思います。
 よくオランダ・モデルというようなことで、パートタイムの雇用機会をふやして失業率を下げワークシェアリングしたというこの成功例が伝えられるわけでございます。オランダの例が即日本に当てはまるとは思わないですけれども、私はちょっと切り口を変えていただきたいということを言いたいと思います。
 どういう意味かといいますと、ワークシェアリングという言葉はもう何十年も前から、私も労働省にお世話になって働いているころからワークシェアリング、ワークシェアリングという言葉があったんですけれども、いつもマクロ経済の中から雇用の量をどのように切り刻めばよいかという、こういう発想でしか考えられていなかった。
 でも、今求められているのは、むしろどんな人生を歩みたいと思うか、本当に長時間労働でキャリアを積んでやっていく、古い言葉で言えば猛烈社員でやっていく人間のほかに、ある時期、子育ての時期は家庭にいる時間を長くする、男女ともですよ、あるいは途中でバージョンアップをして能力開発をしてこの厳しい産業経済の中で生き抜いていくというようなことを考えますと、一つは、やっぱり労働時間を労働者個人が自己決定していく、選択していけるような働き方、こういう働き方というのが大事なんだと思います。
 多様な雇用形態と言われましたときに、正規だとか非正規だとかパートだとか派遣だとかと、こういう何か使う方から考えたモデルではなくて、働く人間がどのような働き方をするか、働く人間がどういう人生を選び取っていくかという、その選び取るという視点が今までの非正規従業員の問題を考える場合に欠けていた視点ではないかと思います。
 いつもワークシェアリングだとかあるいは非正規従業員の労働条件、社会保険の適用の問題を言うと、それは労使のお話し合いでということでとまってしまうわけでございますが、一つ小泉内閣のもとで日本を変革するとすれば、そうしたモデルを強制するのではない。終身雇用だって強制してできたものではないわけで、モデルを提示してそれを選択する、こういう厚生労働行政に転換していただきたいと思いますが、この問題一点伺いまして、私の質問時間終わりですので、お答えいただきたいと思います。
○副大臣(南野知惠子君) ありがとうございます。
 人生五十年から今人生八十年、百年、そういったスパンの中で、我々の生きていく計画、グランドデザイン、また人生の中で仕事をするというグランドデザインをどう描いていくかということは、個々人に課せられた大きな課題であろうかと思っておりますが、厚生労働省では、今後のパートタイム労働、その対策のあり方について、平成十三年三月からパートタイム労働研究会、それに有識者の参集を求めまして検討を進めていっているところでございます。
 その研究会では、先生がおっしゃっておられるオランダ・モデルも研究しておりますし、それらを通して日本モデルというものを世界に発信できたらいいなというふうには思うわけでございますが、正社員との均衡を考慮したパートタイム労働者の処遇、労働条件のあり方、さらに二番目としましては、パートタイム労働者のキャリアアップ制度、短時間正社員制度など、フルタイム労働とパートタイム労働の行き来ができる柔軟な雇用システム、そういったもののあり方などについて議論をお願いしているところでございます。
 今後、このような議論も踏まえながら、先生御指摘のような少子高齢社会に対応した多様かつ柔軟な働き方の提示ができればというふうに考えております。ぜひ先生の御協力、御指導をお願いしたいと思っているところでございます。
 以上です。
○川橋幸子君 終わります。
○堀利和君 民主党・新緑風会の堀利和でございます。
 小泉内閣は改革を前面に出しております。先ほどお話聞きながら、改革というのはスピードと既存の前提、枠組み、条件を壊していくといいますか、そして新たにつくっていく、こういうことだろうと思うんですね。カメとウサギの話も出ましたけれども、確かにカメは陸地で歩けば大変遅いし、ゾウガメなどそういうものなんですけれども、大体おおむねカメというのは水の中にいて、これ泳げば非常に速いんですよね。そういう意味で、やはり改革というものは大胆な発想だろうと思っています。
 そこでまず、昨日のきょうですから、同僚の委員の方も大臣にお考えを尋ねられて御答弁もいただいたわけですけれども、ハンセン病訴訟の熊本地裁判決をめぐりまして、大胆なといいますか私自身目が覚めるような御決断を見て非常に感動したわけです。
 そこで、私からも改めて大臣にぜひお伺いしたいわけですけれども、この政治決断、といいましても私は二つの意味合いが、側面があると思うんですね。そういう意味で、どちらかということでお聞きしたいんですけれども、控訴断念という言い方、つまり、本来控訴したいんだけれども種々の要件があってあきらめざるを得ないという、そういう控訴断念という決断なのか。いや、本来控訴はしたくない、すべきじゃない、しかし法律的なさまざまな問題があるから悩まれた、そういう意味で控訴を行わない、拒否するという政治決断なのか。
 確かに、いずれにしても厳しい中での決断であることは高く評価しますけれども、そういったところを含めて、大臣のお考えをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今のお話はなかなか一言で言い尽くせないいろいろの問題を含んだ御発言だというふうに聞かせていただきました。
 とにかく政府の側は、この熊本判決によりまして、そして受けた側、一つの受けた側でございまして、これに対する決断をしなければならないという立場に立たされていたわけでございます。したがいまして、ここは控訴を行わないということにしたというのが結論でございますけれども、そのよって立つ理由は何かということになれば、ここにはやはり今御指摘になりました二つのことがこれは混在したと私は思います。
 一つは、人道的立場を優先する。これはもう率直に申しまして、それがなければこの決断はできなかったというふうに思います。しかし、それならば、この熊本判決というものにすべてそれじゃもう満足をして、そして控訴をしないということを決めたのかといえば、やはり立法府との関係の問題もあった。あるいはまた、二十年という民法にかかわります問題、これらのこともあって、純法律論からいうならばいろいろやはり指摘もあったわけでございますけれども、しかし、そのいろいろあります法律論よりも、やはり人道的な立場を優先すべきである、こういう判断であったというふうに思っております。
○堀利和君 大変ありがとうございます。
 私たち国会議員も立法府の責任というのがございまして、そういう意味では大変一人一人の議員が恐らく苦しんだんだろうと思います。いずれにしましても、政治決断をしていただいたということで、これから少しは前に物事が進んでいくんだろうと思います。
 そこで、質問通告はしていないんですけれども、これだけの政治主導、政治決断をしたわけですけれども、そこで今後具体的な施策が講じられていくと思います。そういう観点から篠崎健康局長に、昨日の政治決断を役人という立場からどういうふうにお考えか、なかなかこういう公式の場では難しいかと思いますけれども、しかしその辺は一度お伺いして、具体的に作業に入る際にはやはり役所の皆さんのお力が必要だと思いますので、そこをあえてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 私ども事務方といたしましては、このたびの坂口厚生労働大臣の御英断に心から敬意を表したいと思っております。
 また、この後も大臣の御指示のもとに組織一体となって次の仕事に取りかかっていきたいと、このように思っております。
○堀利和君 ぜひ前向きによろしくお願いしたいと思います。
 そこで、この間の歴史を見ましても、本当に言葉にならない非常な苦しみをハンセン病患者、元患者の皆さんに与えたと思います。そこで、国会の動きを、あるいは当時の厚生省の動きを見まして、いろいろ考えさせられます。
 昭和二十三年、一九四八年には第三回国会、衆議院において厚生委員会が開かれておりまして、そこで東龍太郎説明員が、プロミン国産体制確立で、終生隔離、根絶するのではなくて、全部が死に至るのを待つ五十年ではなくて、治療を目標としてらい予防対策を立てるべきというように答弁しております。そしてその後、昭和二十八年、一九五三年ですけれども、患者さんや家族の皆さんから、そのような観点ではなくて、政策を変えた新しい制度、法律をという声が大変盛り上がったわけですけれども、現実には、その当時でいえば新らい予防法の制定というふうになったわけです。その際に、参議院の厚生委員会では附帯決議がなされました。「近き将来本法の改正を期する」、こういう内容であります。こういうことから見ても、私は大変心を痛めるわけでございます。
 そういう観点から、本会議の決議はいまだなされませんでしたけれども、ぜひ当委員会で何らかの意思表示あるいはアクションというものを起こしていただきたいということを委員長に要望しておきたいと思います。ぜひそういう意味で、私たちがここで何らかの責任をとらなければ、国民の国に対しての、あるいは国会に対しての期待というものは薄れていくんだろうと思います。
 そして、さらに昭和三十九年には厚生省の結核予防課において、らいの現状に対する考え方というものがまとめられました。その再検討の方向、その方向性について、一つは患者の社会復帰に関する対策、二つ目がほかにらいを感染させるおそれのない患者に対する医療体制の問題、それから三つ目は現行法についての再検討、こういうことが示されまして、まとめの結語としては、医学の進歩に即応したらい予防制度の再検討を行う必要があるというように結んでもおります。
 その当時、小西担当課長さんが、今申し上げたような方向で検討していかなきゃならないけれども、省内にはなかなか古い考えを持った人もおるので、そう簡単にはならないというようなことも患者団体との間での話し合いでおっしゃっております。こういう方向が当時から厚生省の中にあったわけなんですね。全く患者さんたちの人権を皆が否定したわけではない、こういう流れがあったわけですけれども、このことについて健康局長はどのように御認識されるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 先週の五月十八日でございましたが、判決から一週間まだたっておらないときでございますが、先生今御指摘の小西宏元結核予防課長にお越しをいただきまして、当時課長でおられまして、まとめられましたその報告書についていろいろお話をお伺いいたしました。
 昭和三十九年当時は、社会一般のハンセン病に対する認識がいまだ不十分でございました。そのために療養所から退所する、退所を制度化しようというらい予防法の改正につきまして、いまだ社会的基盤が成熟している状況ではなかったというふうに申されておりました。そういう状況でございましたので、らい予防法の弾力的な運用、つまりはハンセン病療養所の入退所などを自由にしながら、むしろその処遇改善に重点を置いて法改正には至らなかったと、そのようなことであったというふうなお話を伺ったところでございます。
○堀利和君 そこで、社会的環境としては確かに当時は難しかったなとは思います。ただ、熊本地裁の判決では、国家賠償法の限界から直接的には違法とは認定できないけれども、患者の完全収容隔離政策、無らい県、県内にらいがないというような運動や国辱論、そういうものを、厚生省の絶対隔離、絶滅政策自体が国民にらいに対する社会的恐怖なり差別、偏見というものをつくり出し、助長したというふうに私は思うわけですね。
 ですから、国民一人一人がある意味で問われなければならないハンセン病患者、元患者さんたちに対する立場もありますけれども、そういうものを行政がある意味でつくり出したということも私は非常に重要なことだろうと思いますけれども、その点についてもどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 先生ただいま御指摘の無らい県運動等は、確かにそういうような側面が非常に強かったと思いますが、これが一番盛んだったのは昭和十年から十五年ごろまでのむしろ戦前の話であると思っております。ただ、戦後になりましても、ハンセン病が社会の衛生水準ですとか、あるいは栄養状態に深くかかわっている病気でありましたので、医学の発達が必ずしも十分でなかった時代においてハンセン病患者に対する施設入所政策をとってまいりました。
 ただ、そのことが結果としてその後の社会における極めて熾烈な偏見、差別の要因となってきたというふうには十分認識をいたしております。
○堀利和君 これは法律論になるのでなかなか難しいと思いますけれども、平成八年、九六年、らい予防法が廃止されるわけですけれども、この一月十八日に当時の菅直人厚生大臣が患者さん代表者の方々と直接お会いしまして謝罪しております。今回の訴訟過程において、答弁書にもその辺のところが示されているかと思いますけれども、この謝罪について、菅直人元厚生大臣の謝罪についてどんなふうな御認識でいらっしゃるんでしょうか、そのことをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 私どもの、特に平成十年十月三十日、熊本地裁に提出をいたしました答弁書の中での文言でお答えをいたしますと、新法の弾力的運用により入所者に対する人権侵害の事実が事実上なくなっていたことにかんがみ、治療法が確立した昭和五十六年以降に至ってもなお国が新法を見直さなかったことに対し、政治的責任を率直に認めたもの、そのような書面を提出いたしておりまして、この時点での謝罪の意味は、国としては今申し上げた範囲のことであるというふうに認識をいたしております。
○堀利和君 過去というものは戻ってはきません。しかし、過去に学ぶことで本当に未来が開けるんだと思いますので、ぜひ政治主導、政治決断に基づいて前向きの施策を十分講じていただきたいことをお願いしておきたいと思います。
 そこで、やはり同じように人権侵害、制限を受けている、特に知的障害あるいは精神障害を持った方々というのは、ハンセン病患者さんほどなのかそうでないのか、それは本人たちが感じることなんですけれども、同じようなやはり人権侵害に苦しんでいると思います。身体障害者の場合にはこれまで施策が講じられてもきましたからおおむね、不十分といえども納得のできるところにようやくたどり着きつつあるなと思いますけれども、知的、精神についてはまだまだそういう偏見を踏まえた差別というものがたくさんありまして、苦しんでいるのが現状であります。
 そこで、精神病院における処遇についてお伺いしたいと思いますが、一般的健常者から見ると小さなこと、ささいなことかもしれませんけれども、電話による通信、送信なり受信が自由に行えるということ。しかしこの小さなことでも、実際に長期に入院せざるを得ない精神病の方にとっては、そこは単なる入院場所ではなくて、ある意味で生活の場所にさえなってしまっているわけです。そういう意味では、電話を自由にかける、あるいは電話がかかってくる、これはやはり非常に重要なことだろうと思います。国連でも精神病者の保護とメンタルヘルスケア改善のための原則というのがございまして、あるいは九八年にはCPT、ヨーロッパ拷問等防止委員会一般報告という報告書が出されまして、そこでも通信の自由というのが保障されております。
 そこで、最近私のところにも要望があるんですけれども、さっき申し上げたように、電話をかけることはできるんだけれども、外部から電話がなかなかかけてこれないということなんですね。
 昭和六十三年の厚生省の告示第百三十号に電話受信の自由、送信、受信、これがどういうふうになっているか改めて御説明をお伺いしたいと思いますし、実際に問題なのは、確かに、以前ピンク電話というのは電話番号を公表といいますか、表にも明らかに出ていたようなんですけれども、NTTの規則では今の緑の電話というのは電話番号を表に出さないということで、設置されているのが緑の電話であるために外からかけられないということがありまして、この辺についての実態なり、あるいはそういう声がありますので改善をお願いしたいと思いますけれども、どのように対策を講じていただけるか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 私の方からお答えを申し上げたいと思います。
 最初に、今回のハンセン病の国賠訴訟、それの今回の判決を私ども厚生労働省、特にハンセン病のみならず、福祉、医療、さまざまな分野で入所の行政もやっているわけでありまして、改めて今、堀委員からも指摘のありました人権という感覚でもう一度やはり反省をして、新たな取り組みを進めるというふうに思っていかなければならぬと、このように思っている次第であります。
 そこで、今、精神病院に入院をされている方の通信の自由についてのお話をいただきました。
 まずは実態がどうなっているかということでありますけれども、御指摘をいただいた昭和六十三年四月八日の厚生省告示第百三十号、これにおきまして、精神病院入院患者とそれから院外にある者との通信、これは原則として自由ということを明記させていただきまして、もちろんこれは患者の医療または保護に欠くことのできない限度での制限が行われるという医療的な制限はあろうかと思いますが、原則として自由と。その上で電話機は患者が自由に利用できるような場所に設置をする必要がある、あるいは閉鎖病棟内にも公衆電話を設置するというようなことまで書き込んであるわけであります。
 私の記憶でも、このあたりから随分やはり、委員もお話がありましたけれども、電話をかけることはこれで確保されたんではないかと思っておりますが、御指摘の、では受ける方であります。
 先ほどの国連原則あるいはCPTの報告書の内容を引いていただいて、電話については発信と受信ともに明記してあるではないか、どうなんだというお尋ねもありましたけれども、厚生省の告示第百三十号は通信は原則として自由と、こうしているわけでありまして、もちろんこの意味は発信あるいは受信の双方が含まれるというふうに我々は考えているところであります。
 ただ、そうした中で、では公衆電話を置いて本当に受けることは自由にできるのかと、こういう御指摘がありましたが、おっしゃるように、公衆電話についてはなかなか難しい点があるということも事実だろうと思います。したがいまして、例えばナースステーションなどに電話機が設置をされておりまして、そしてナースステーションでお声がけをいただくとか、あるいはどうしても電話がないような場合は、病院職員等を通じて当該患者に電話があった旨を伝えてそして折り返し電話をいただくというような、そういう具体的なフォローをしているのでないかというふうに思っております。
 私もこうした現場で長く仕事をしてまいりましたが、やはりこの告示と前後しまして相当医療機関、精神病院内における通信というのは私は改善をされてきているというふうに思っております。これらの趣旨を徹底するために、今後とも都道府県等の実施をします精神病院への指導監査等を通じまして適正に指導してまいりたいと、このように考えております。
○堀利和君 医療上なかなか難しいところも、原則的にいえば医療機関ですから、そういう観点から難しいところはあるかと思いますけれども、先ほど申し上げたように、残念ながら長期入院、したがってそこが生活の場にもなってしまっているわけですので、ぜひその辺は前向きにお願いしたいと思います。
 次に、現在の障害者の福祉制度は措置制度でございますけれども、二〇〇三年から利用契約制度に変わっていきます。
 そこで、最近も知的障害者の更生施設、これは埼玉県にございますけれども、ここで寄附金を強要するようなことが起きました。これまでにもそういうようなことがありまして、やはり我が子、家族の者が施設に入っておれば、その施設をよくしたい、サービスをよくしたいということで寄附したいというふうになるとも思いますけれども、同時に、寄附することで我が子が、我が家族の一メンバーが施設の中でそれなりに快適に処遇されるのではないかと期待があろうと思うんですね。
 しかし、こういうことは私は、今後利用契約制度ということを考えたときに、かなり入所者にとっても不公正が生じるし、しかも内部資料も明らかになりまして、寄附金四百五十万、足りない分の残額のところは障害基礎年金で分割で払うような、そういう分割支払い方法の内部資料まで出てくるというようなことがありまして、埼玉県では九七年にも同じような、私は事件と言っていいと思うんですけれどもありまして、しかし、そこが同じまた指導を受けながらも明くる年やってしまっているという点で、私は原則、入所する施設については当事者なり家族、親族から寄附金を取らないという原則をきちっと厚生労働省としてすべきだと思うんですけれども、この辺については大臣どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 寄附金というのは、もともとこれは強制をしないというのが前提のものであることはもう御指摘のとおりでございます。ましてや、知的障害者の皆さん方の施設において寄附金を強要するというようなことは、もうこれはもってのほかだというふうに私も思っております一人でございます。
 ただ、その御家族の皆さん方が寄附をしたいというふうに申し出られるのまでお断りをするということはしなくてもいいのではないか。それは、そういう機会は残してもいいというふうには思いますけれども、施設に入るときに寄附金を前提にしているとか、そうしたことはもうどうしてもこれは排除しなければならないというふうに思っております。もし、今そうしたことがあるといたしましたら、それはいけませんので、一度よく調べさせていただきまして、そしてそうしたことがないように徹底したいというふうに思っております。
○堀利和君 今後、利用契約制度になることでもありますから、ぜひそこのところは厳格にといいますか、利用する側が泣くことのないようにお願いしたいと思います。
 次に、これも不祥事の問題ですけれども、特別養護老人ホームの建設をめぐっては、補助金の不正受給が後を絶たないわけでございます。
 余り言いたくはないんですけれども、事務次官を巻き込んだ彩グループの不祥事件、まさにこのことはショッキングなことでもございました。結局、いわゆる建設に当たっては丸投げ、そういうような形でその差額を、今でも時々発生する事件としてはもう数億円、彩グループのときには二十数億円でしたかということが起きてきて、それに対応して平成九年には社会福祉法人審査基準という通知が出まして厳格に運用されているとは思いますけれども、やはりその後もこういった不祥事が起きているというふうに私は見ておりまして、この辺についての御見解をお尋ねしたいと思います。
   〔理事亀谷博昭君退席、理事斉藤滋宣君着席〕
○国務大臣(坂口力君) この件につきましても、何度か今までに御指摘をいただいたところでございます。
 厚生労働省といたしましては、施設整備に関する補助金や社会福祉法人認可のあり方などを再点検した上で、競争入札の導入でありますとか入札結果の公表など各般の改善措置を講じてきたところでございます。
 特に、今もお話が出ましたように、平成九年三月に行いました改善措置から後は、いろいろ発見はされておりますけれども、これ以前に行われたものがかなり多いわけでございます。最近、いろいろマスコミ等でも出てまいりましたものを拝見いたしましても、これ以前のものが非常に多いわけでございますが、それじゃこれ以後は全くなくなったかというふうに言われますと、これ以後のものも数はうんと少なくはなっておりますけれども、しかしまだ存在することも事実でございます。
 そこで、都道府県の公共事業に準じた競争入札を義務づける措置でありますとか、これは社会福祉法人の建設工事契約についてのことでございますが、それから自治体職員の入札への立ち会い、入札結果の公表の義務づけ等の入札の実効性を担保するための措置、こうしたものを厳格に今しているところでございます。
 これまでに、先ほども申しましたように、明らかになりました施設整備に関します不正受給の案件というのは、ほとんどこれらの措置を講ずる以前のものでございますけれども、しかし以後も若干でございますが出ていることはまことに申しわけないというふうに思っておりまして、これらのことが根絶されますように、また今後全力を挙げていかなければならないというふうに思っております。
 このような状況を踏まえまして、本年の二月でございますが、いわゆる建設請負業者等からの社会福祉法人に対する寄附というのが今まで行われていた、それも多額の寄附が行われるというのは、しかもその社会福祉法人を建設した建設会社から多額の寄附が行われているのは、それがたとえ純粋な気持ちでやったんだというふうに言われましても、しかしそこはそういうふうには見られないというふうに思いますので、こうしたケースに対します寄附を原則として禁止する方針を出しました。そして、正式の通知を近々出す予定になっているところでございます。しかし、この方針は既に各都道府県にも伝達しているところでございます。
○堀利和君 そこで、質問をちょっと時間も気になりますので一つ飛ばして、今の大臣の御答弁に関連してお伺いしたいと思います。
 それは、共同募金の指定寄附制度についてでございます。これは厳正に運営をすると、運営の確保と言いつつも存続しております。
 これはどういうことかといいますと、今、大臣がおっしゃられたように、建設業者、請負業者の指定寄附ということになって、いわゆる迂回してといいますか、という形にも道がまだまだ開かれてしまっているということですから、この共同募金の指定寄附の制度について具体的にどういうふうにこの辺のところを予防していくのかも含めて、具体的な対策をお伺いしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 私の方からお答えをしたいと思います。
 堀委員からも御指摘がありました彩グループのあの事件がありまして、あれがまさに委員が御指摘のように、キックバックの形が共同募金会の指定寄附という制度を使った形であったものですから、随分当時は国会でも議論がありまして、その後、この共同募金会が行う指定寄附金については格段に厳格に取り扱うと。
 なぜ廃止をしなかったかという話もありましたけれども、格段に厳しい審査をしながら今日までやってきておるということでありまして、具体的な審査取り扱い等については、その後、あの事件以来、やはり都道府県とそれから中央共同募金会の二段階におきましてきちっと審査をするようにいたしまして、さらには当然ながら契約書であるとか入札関係書類でありますとか法人経理の関係規定等の書類を十分審査する、さらには高額寄附等については公表させていただくというようなことで続けてきているところであります。
 なお、大臣の方からも、やはり最近の一連の不祥事等も念頭に入れてさらにきちっとしなさいという、こういう指示もありまして、実はさらに第三者である建築士による審査というものもちゃんと入れていこうと、さらには審査要領マニュアルを作成いたしまして提出書類の詳細化を図るというようなこと、こうしたことをやっていきたいというふうに思っているところであります。
   〔理事斉藤滋宣君退席、委員長着席〕
 一点だけ申し上げますれば、ほとんど指定寄附の実態はその後ありません。ありませんが、委員も御案内のとおり、やはり共同募金会の指定寄附というこの制度そのものが悪なるものではないわけでありまして、やはりこの制度を使って善意の寄附というものが行われて必要な社会資源の整備が行われるということもこれまた事実でありまして、要はそれを悪用することがないようにしっかりと見定めていくといいますか、審査をするということに留意をしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○堀利和君 何事もそうですけれども、こういう福祉関係事業についてはやはり世間からの信頼というのが重要ですから、こういうことが決してあってはならないというように思いますので、その辺は厳格に厚生労働省として対策、あるいは見守っていただきたいと思います。
 次に、介護保険制度と障害者福祉施策の関係についてお伺いしたいと思います。
 介護保険制度、法律が制定される際、国会でも論議になりました。介護保険制度によって、六十五歳以上なり十五特定疾病の四十歳以上の方々の福祉、介護が充実するであろうというのと、いやいや、障害者にとっては介護保険の対象になったらサービスが落ちるかもしれないという懸念、この両方の議論がありました。
 そういう中で、少なくとも円滑に制度を実施していくということから、たとえ介護保険の対象でも給付が低い場合には現在受けているサービスは維持する、そのためには障害福祉の方からサービスを提供するというようなことで、当時、厚生省としても大変この辺は気を使って通知なりさまざま課長会議の中でも前向きにこの辺は対策を講じていただいておりまして、私の方もそれほど大きなトラブルといいますか、不満というのはございません。厚生省、厚生労働省の方にどの程度来ているかわかりませんけれども、それほどトラブルはなかったのかな。
 ただ、細かいところになりますと、例えばそれまで電動車いすなり自分が使用していた車いすで、言うなれば自分の目に合った眼鏡をするような意味でしていたのが、介護保険の給付、貸与としての標準化された車いすを押しつけられて、自分に合わない車いすに乗らざるを得なくて体のぐあいが悪くなったというケースがあるんですね。これは厚生労働省として、恐らく担当者としてはそういうことがあってはならないと思っていらっしゃると思うんです。
 ただ、具体的には市町村が保険者でもありますので、通知なり会議の場での御説明をされていてもこういうところの具体的なところに若干問題が出ております。それは自治事務でもあり、地方分権ということで市町村保険者がきちんとやるべきことなんですね、障害福祉課等も含めて。
 そうはいっても現実にありますので、この辺についてのお考え、前向きな対策等をお伺いできればと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 堀委員の方から、介護保険制度とそれから障害者施策の適用の関係についてお話をいただきました。もう堀委員がおっしゃるとおりであります。経緯も堀委員が御説明なさったとおりであります。
 幸いに、堀委員の方からも大体うまくいっているという御指摘もいただいて安堵しているところでありますが、昨年の三月に通知を出しまして、この両者の適用関係について市町村の現場において混乱がないように、あるいはサービスを利用される方がお困りにならないような、そんな配慮をしていただくように入念な通知を出しているところでございますが、堀委員がおっしゃったように、特に車いす等の給付に関して御指摘があったような話も私も実は伺っております。
 これも対策については堀委員がおっしゃったとおりでありまして、まさに市町村の現場で介護保険の担当のセクションとそれから障害者の担当のセクション、身体障害者の担当のセクションと十分協議をしていただく、そして適用に遺漏なきを期していくということが大事だろうと思うんですが、まだ幾つかのそういう声を聞いておりますので、私どもは繰り返しさまざまな会合を通じまして両制度の適用関係についてさらに徹底をしていきたい、このように考えている次第であります。
 堀委員の方からも、また御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
○堀利和君 この問題は、第一義的に厚生労働省に責任があるわけではありませんで、やはり制度としては市町村保険者、窓口としての障害福祉課が責任を持つべきだというふうに思いますけれども、ぜひその辺、しかしバックアップをよろしくお願いしたいと思います。
 次に、この問題もちょっと難しいんですが、介護保険制度になって給付を受ける、その一割は個人負担でございまして、低所得者、高齢者にとっては非常に厳しいという声を聞きます。
 これについての対策は、これまでにも論議があり、厚生労働省としても何らかの手を打とうというふうにもお考えかと思うんですけれども、この観点ではなくて、障害者施策の観点からひとつ大臣にお伺いしたいんですけれども、重度、中度ぐらいの障害者が生活保護ではなく、あるいは扶養義務者の扶養のもとではなくて、一生懸命それなりに社会参加という目標の、まさに厚生労働省が言うところの社会参加の目標に沿ってわずかな賃金で働いている方が、特にお話もあった方でリューマチの方だったんですけれども、それまでは障害福祉からホームヘルパーを受けていたと。しかし、当然、介護保険になって対象になったために一割を出さなきゃならない。でも、自分の稼ぎではとても苦しいんだと。御夫妻障害者なんですけれども、御主人の方は今申し上げたようになかなか生活が苦しいからもうホームヘルパーは受けないと。奥さんが受けている、これは障害福祉から受けていまして、ホームヘルパーを言うなれば自分もそこのところは、こういう公式で言っていいかどうかわかりませんけれども、ということで何とかしのいでいるという話なんですね。
 ですから、一生懸命社会参加ということで頑張っている方が、かえってそこが生活が苦しくなってしまう。非常に制度としてはわかります、難しいのだろうと思います。なかなか解決は難しいと思いますけれども、この辺について大臣の御認識といいますか、解決はこうだというふうには当然ならないかと思いますけれども、御見解をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 確かにそういうことは起こる可能性としてはあるんでしょうね、今お聞きをいたしまして。できるだけ働こうという意欲をお持ちの皆さん方の方により何か結果として厳しくなってしまうという、そういうことが私もあるのかもしれないというふうに思いながら、今聞かせていただきました。
 それで、その辺のところは、今、委員も御指摘いただきましたように、いろいろの問題が交差しているところでございますから少し整理させていただいて、そして障害をお持ちになっている皆さん方が積極的に働いていただける環境を整備するという観点からそうしたところを少し整理をし、そして皆さん方のお役に立てるように考えますので、少しお時間をいただけますか。
○堀利和君 ありがとうございます。なかなか制度としては難しいなと私も思いますが、現実は現実、そういう問題を抱えている方がいらっしゃいますので、何とかいい方向が見出せればと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、利用制度なり介護保険制度スタートということで、地域福祉権利擁護事業ということが法律改正に基づいて実施されてきております。こういうサポートというのは大変重要なことだと思っておりまして、地域福祉権利擁護事業の報告を見ましても、残念ながら相談件数が四万三千件、この事業、権利擁護を受けるための契約件数というのが千五百件、非常に少ないんですね、利用が。もちろん、相談されたところで事情がわかってみずから解決できたというケースも当然あろうかと思います。ただ、余りにもこの相談件数と契約件数に差があり過ぎまして、果たして実態はどうなっているのだろうかということで、この辺についてどのように把握されているのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) お尋ねの地域福祉権利擁護事業でございますが、平成十一年十月から開始されました。まさに地域における新しいサポートシステムといいますか、まさに新しい試みとして地域の社会福祉協議会の皆さんのお力等もいただきながら今進めてきているところでございます。具体的には、福祉サービスについての情報提供でありましたり、あるいは手続の援助、利用料の支払いの代行などを行う事業として進んでおるところであります。
 今、委員の方から数字を挙げてのお尋ねがありました。この事業の実施状況、若干数字が違っておりまして、十三年三月末までの相談件数が五万五千件という実績になっております。そのうち、契約締結件数約二千件という状況になっております。少ないではないかというお話もありますが、始まりましてから着実に進んでいるのかなという気持ちも持っております。
 しかしながら、地域ごとに見ますと相当利用状況に差がある、あるいは取り組まれるさまざまな社協でありますとか県の体制でありますとか、若干温度差があるのかな、こういうふうに思っておりまして、今後とも、都道府県あるいは社会福祉協議会等に対しまして、事業の実施方法の工夫あるいはサービス内容の向上に努めるとともに、障害者等の当事者団体あるいは民生委員等の関係者との連携、これが大事でありますから、こうしたことを進めるよう、深めるように支援、助言に努めてまいりたい、このように考えております。
○堀利和君 ぜひよろしくお願いいたします。
 介護保険の場合、それがいいかどうか私わかりませんけれども、かなり広域圏における連合体をつくって制度を運用していますけれども、障害者に目を移しますと、小さな村、人口の少ないところで単独で障害者施策、サービスを提供できるだけの体制があるかというと、事実上なかなか難しいわけでございます。そういう意味では、ある程度広域的な行政、施策というのが必要かなと思います。
 そこで、平成十一年に障害保健福祉圏域計画推進事業というのがスタートしまして、この進捗状況なり、市町村の特に人口の少ないところでの状況がどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 今、障害保健福祉圏域計画推進事業のお尋ねでございます。平成十一年から始めまして、順次それぞれの県にお願いをしまして今日まで取り組まれているところであります。
 特に市町村の障害者計画については、今、委員からも御指摘がありましたように、本当に小さい市町村ではなかなか、当該市町村に住んでおられる障害者の数が極めて少ないということがありまして、市町村の障害者プランの策定が進まないという実態があるわけで、こうした事業を進めてきているところであります。平成十年度末で、町村部で見ますと、障害者計画の策定率、これは五六・二%になっているわけであります。今申し上げたような状況が原因だというように思っております。
 そういうことで、三カ年、平成十一年から今の広域計画の推進事業に取り組んできているところでありまして、平成十二年度で五つの都道府県で実施をいたしました。新たに五つ実施しまして五十八市町村が新たに計画を策定したという実績が上がっておりますので、こうした取り組みをこれからも進めていきたい、このように考えているところでございます。
○堀利和君 最後に、私どもの仲間の方々が大変期待と心配をしていることについてお伺いしたいと思います。
 昨今の不況の中で、経済構造の改革ということでリストラ、自発的・非自発的失業者がふえているわけですけれども、視覚障害者の方で、人生の途中で二十代、三十代、四十代、家族を抱えて働いている方が失明によって職を失う、あるいはもう家族も大変になる。視覚障害者の場合の離婚率というのは他の障害者に比べて高いんですよね。やはり人生の途中で失明された方はどなたも言います、死のうと思ったとか。だけれども、そこはやっぱり思い直して新たな人生をスタートするわけですけれども、厚生省の機関として国立リハビリセンターの更生施設ではり、きゅう、マッサージの勉強をして、国家試験を受けて免許を取得して新たにそういう関係に就職する、あるいは自営して治療院を開くというようなことが新たなスタートになるわけですけれども、この場合、皆さんがかつての厚生省とも粘り強くお話し合いを持って理療研修主事という配置を認めていただいて予算措置もついたんですね。
 理療というのは、はり、きゅう、マッサージのことを理療というんですけれども、やはり免許を取って、さあ表に出てすぐ十分技術を発揮して働けるか、生計が維持できるかというとそうではなくて、それはもちろんですけれども、さまざまな技術の日々の自己研さんなり、あるいは治療院の経営なり、さまざまな情報という、そういうやはりこの分野での知識も必要だと思うんですね。
 そういう意味で、今申し上げた主事という形での新たな指導担当者が設置されたわけですけれども、この辺がどうも私の耳に入ってくると十分機能していないようにもあるんですけれども、この辺の事情をお伺いして、今申し上げたように、単に、はり、きゅう、マッサージの免許を取ってセンターを出ればいいんだということではなく、やはり安心して家族を抱えながら生計が維持できる、そういうためのこういう研修主事だと思いますので、この辺についての積極的な取り組みを含めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 御指摘の国立身体障害者リハビリテーションセンターの理療教育課程におきまして、後ほど申し上げます理療研修主事を新たに確保することができたわけでありますが、この課程につきましては、中途失明のために自立更生を図る一つの手段といたしまして、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資格取得をそこで養成して資格を得てもらいたいということからこの課程を設けているわけであります。
 なお、それにあわせまして、ただ卒業し、あるいは資格を取ったからといってすぐに施術所が開けるというわけでもございませんので、そのための卒後の指導を行ってまいりました。
 しかし、最近、雇用事情が大変厳しくなっていること、それから鍼灸の分野等に晴眼者の進出が非常に多くなってきているということから、視覚障害者の職場の確保というものについて大変厳しい状況があるという視点に立って、このたび卒業生の就業自立に向けて効率的な対応を図りたいという観点から、理療研修主事を配置いたすことになりました。ことしの四月から配置することができました。
 ただ、この主事のやっていただくこれからの大きな仕事ということは何かというと、やはり一つは理療科教官の資質の向上、それから施術所経営のための臨床技術の維持向上、それから視覚障害者の職域拡大に関する情報収集あるいは技術開発、さらには理療に関する症例研究等を含めた学術調査研究、こういったところに視点を置いてこの活動をしていくべきものというふうに考えております。そういった趣旨に沿いまして、今後、視覚障害者の自立更生のために一層の努力を重ねていきたいと考えております。
○堀利和君 終わります。
○委員長(中島眞人君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十二分開会
○委員長(中島眞人君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。
 私は、熊本地裁判決に対する小泉総理の控訴断念の決定を夜のニュースで知りました。
 岡山県の宇佐美治さんは、国の政策で堕胎された三千五百人を超す赤ちゃんを思うと断腸の思いと、その心中を語っていらっしゃいましたが、同じ女性として、消すことのできない苦悩を抱えて今日まで生きてこられたことのつらさはいかばかりかと思います。
 今回の小泉総理、坂口厚生労働大臣の御英断に対し、患者、元患者の皆さんの喜びの表情を拝見しておりまして、政治に人間の心がよみがえったと、言い知れぬ感動を覚えました。これからは皆さんは社会の中に参加して一人の人間として堂々と生き抜いていただきたいと、切に心から願っております。
 そのために、私は国民の皆様の御理解と御協力をいただくことが大変大事なことだと思います。そのため、政府は全力を尽くしていかねばなりません。
 そこで、厚生労働大臣に伺います。
 患者、元患者の皆様が安心して社会参加できるよう、国民の皆様にメッセージをいただければと思います。
○国務大臣(坂口力君) 患者の皆さん、あるいは元患者であった皆さんに対する問題はこれからが大事というふうに思っております。一番やはり大事なことは、それが医療の問題であれ福祉の問題であれ、かなり高齢者の皆さんが多いわけでありますから、福祉の問題も非常に大事だというふうに思っております。
 それから、いわゆる療養所から社会に出られて生活をする、あるいは何らかのお仕事をされるというような方に対してどのようにバックアップをしていくかといったようなことも含めて、これから御相談に乗っていかなければならないというふうに思っております。かなりきめ細かく御相談に乗らなければならないというふうに思っております。今までも療養所の皆さん方に対しましていろいろと御相談に乗らせていただきましたし、既に社会へ復帰をされておみえになります皆さん方も多数おみえになりますけれども、これからはもっとより社会に復帰しやすい環境をつくり上げていかなければなりませんから、そうした具体的な問題につきましての御相談に応じていきたいというふうに思っている次第でございます。
 また、今まで皆さん方におかけをいたしました御苦労にどのようにしてお報いをするかというそうした問題につきましては、これはもう約六千名前後というふうに思いますが、その皆さん方全体に対しましてどのように我々が報いていくかということにつきましてもこれから御相談をさせていただきたいと思っているところでございます。
○沢たまき君 ありがとうございました。
 また、私は、そういう方々が社会に参加していく中で、国民の皆様に本当の意味の心のバリアフリーをということで温かく迎えていただきたいなと思っております。
 次に、私は小泉総理の待機児童ゼロ作戦について伺います。
 待機児童ゼロ作戦について、現在、男女共同参画会議の仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会で最終報告に向け審議中でございますけれども、この最終報告を受けて新エンゼルプランの見直しをする必要性が出てくるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。また、その際、総理の示されている目標と実現時期と新エンゼルプランとの関係はどうなるのでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 内閣府の男女共同参画会議は、先生おっしゃいますように中間的な取りまとめを四月に公表しております。その後引き続き精力的に御審議をされておりまして、六月には最終的なまとめをされると伺っております。その中で具体的な数値目標、達成期限を明示したいという方向での議論というふうにお伺いしておりますので、その検討結果を今見守っていると申しますか、お待ちをいたしているところでございます。
 それと現在ございます新エンゼルプランとの関係は、そういった審議の結果なども見ながら、新エンゼルプランとの関係も整理しつつ、具体化に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
○沢たまき君 厚生労働省は、昨年の三月に都市部を中心とした保育所待機児童への対応のために三項目にわたって規制緩和を進めていらっしゃいましたけれども、その成果について伺いたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 昨年の三月、三つその主要な規制緩和を行ったところでございます。その後、一年間の効果を昨日取りまとめましたので、御説明させていただきたいと思います。
 まず、第一の規制緩和は設置主体の制限についてでございまして、従来は市町村あるいは社会福祉法人だけが認可保育所を設置できるということでございましたけれども、この設置主体制限の撤廃を行いまして、例えば株式会社など二十七の新しい経営主体による民間保育所が誕生いたしております。
 二番目は、定員規模の要件の緩和でございまして、従来は三十人以上の子供を受け入れる、そういう保育所が認可保育所の条件でございましたけれども、この三十人を二十人まで引き下げまして、その結果、十五の認可保育所が誕生しております。
 また、資産要件の緩和でございますが、従来は土地、建物は自己所有が原則でございましたけれども、賃借によるものも認めるということで、その結果、四十件の認可保育所が誕生いたしております。
 一つの保育所が三つの規制緩和のうちの二つあるいは三つ適用されて認可されるというケースもございますので、これらは重複がございまして、そういう重複を整理いたしますと、全体といたしましてはこの一年間で新しく五十の認可保育所が規制緩和の効果として誕生したということを御報告させていただきたいと思います。
○沢たまき君 規制緩和は待機児童解消対策の大きな効果を上げているという、今伺って大変高く評価をいたします。しかし、それだけで総理の言われているところの待機児童ゼロ作戦の目標の達成は困難だろうと思っています。現在、一部の自治体で、横浜方式あるいは東京認証方式など自治体独自の基準を設けて待機児童解消に努めているところでございます。この自治体独自方式について、国の待機児童ゼロ作戦の中で推進する方向で何らかの位置づけというのを図るべきではないかと思っているんですが、いかがでしょうか。
 それと、待機児童ゼロ作戦を成功させるために、国の方針である認可保育所、認可外保育所に対する補助基準の考え方に固執することはもう限界があるのではないかと思っております。国の保育所に対する補助の基本的部分を見直しをする必要があるのではないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 保育所の待機児童を早急に解消するという観点から、政府といたしましては、新エンゼルプランに基づきまして受け入れる子供の枠の拡大に努めてきておりますし、また先ほど御報告申し上げましたように規制緩和の措置を講じまして新しく、それまで認可外保育所でやっておられたところでも質の高いサービスを提供しているようなところについて認可保育所に転化しやすいような、そういった条件整備に努めてきているわけでございます。
 御指摘の地方自治体単独の助成事業でございますけれども、これも各自治体がそれぞれの地域の実情を踏まえまして独自の御判断で待機児童の解消を図るというような観点から、比較的良質のサービスを提供している認可外保育施設に対して国とは異なる基準に基づいて助成をしているというふうに理解をいたしております。これらの措置は、待機児童解消のために一定の効果を上げているというふうに私どもも考えているところでございます。
 続きまして、先生御指摘の国の補助基準、補助の考え方を抜本的に見直すべきではないかという御指摘についてでございますが、国による公費支出のために児童福祉施設最低基準というのを設けておりまして、これは私どもが子供さんを預かるために最低限この基準で預かってほしいといったような物的な基準あるいは人的な基準を設けているわけでございまして、この最低基準とは別の基準で、いわばダブルスタンダード的にこの最低基準よりも下回る基準で認可外保育施設に助成を行うということは、私どもとしては適切ではないというふうに思っております。
 先ほども申し上げましたように、認可外保育所は千差万別ですけれども、その中で質の高い保育サービスを提供している、あるいは提供しようというふうに努力しておられる、そういう施設が認可保育所に転化をしやすいような、そういう条件整備をつくることが大事かというふうに思っております。
 そのような観点から、規制緩和の御説明はさせていただきましたが、それ以外にも、例えば認可外保育施設の保育士の皆様、保母さんたちですが、この人たちの研修などの支援は既に私どもやっておりますし、またそれ以外の方策で認可外保育施設を認可保育所に転化するということを一層進めるための新たな方策についても引き続き検討してまいりたいというふうに思います。
○沢たまき君 そうであるのは承知はしておるんですが、東京とか横浜のように財源が豊かなところは独自方式も可能なんですけれども、財源の乏しい自治体ではそれも不可能です。
 したがって、例えば沖縄の場合ですが、出生率一・八一と全国一高い出生率、少子化傾向の中で少子化対策の全国のモデルになると思っております。けれども、認可外保育所に対する依存の割合は、全国平均では認可外保育所入所児童数が一二%となっているんですが、沖縄の場合では八二%となって、認可外保育所への依存度がもう異常に高くなっています。沖縄における無認可保育所の役割は高く評価されるべきだと私は思っているんです。また、一方では、広大な米軍の基地の存在など特殊な地域であることから、規制緩和の恩恵もとても受けにくいという地域なんです。
 このような特殊な沖縄について、国の待機児童ゼロ作戦の中で特別な位置づけができないものかどうか、御検討いただけないでしょうか。また、沖縄という地域について、特殊な情勢にあるという御認識はされているかいないかもあわせて伺いたいと思っております。
○副大臣(桝屋敬悟君) 沖縄県の保育の現状についてのお尋ねでございます。
 この点については、御党の白保先生からも衆議院において御指摘もいただいておりまして、現状について大臣も厚生労働省といたしましても認識をいたしております。
 その状況ですが、他の都道府県に比較して認可外保育施設が非常に多いという実態がある、それから待機児童も多いという状況にありまして、これはやはり大きな改善を図らなければならない点だろうというふうに思っております。
 この問題につきましては、質の高い認可外保育施設の認可保育所への移行をまず促進したいというように思っておりまして、保育需要に対応した保育所の整備を進めることが必要というふうに考えております。
 御指摘もいただきまして、現場の沖縄県とも現在まで協議を行ってきております。沖縄県といたしましても、問題の所在については十分認識をいたしておりまして、本年度、就学前児童の保育等に関する実態調査を現地で行われるというふうに伺っておりまして、せっかくおやりになるのであれば、こうした実態の改善策といいますか、今までの経緯も踏まえて、これからどうしていくべきかということについても、実際に利用される方のニーズ等も含めて将来が展望できるような、そういう調査にしていただきたいということも今お願いをしております。
 いずれにしても、この調査結果を踏まえて沖縄県とも十分な連絡をとりながら必要な対応を行っていきたいと、このように考えているところでございます。よろしくお願いいたします。
○沢たまき君 ありがとうございました。
 終わります。
○山本保君 公明党の山本保です。短い時間でございますが、御質問をお許しいただきたいと思います。
 最初に、予定しておりました質問ではございませんけれども、私からも大臣に昨日のハンセン病の被害者の方たちの、控訴をしないということについて少しお伺いしたいと思います。
 私もきのう愛知県の新城市というところで支持者の方とお話をする会が、その直前に車のラジオでこのニュースを聞きまして、大変驚きまして、そのことをお話ししましたら歓声が上がったということでございます。私たちの党は、福祉、人権ということを大事にやってきたわけであります。大臣が私どもの党から厚生労働大臣という大変な仕事をやっていただいているということで、このことができたということで、私どもも大変喜んでおります。
 先ほど同僚議員の方にお話がございましたので、その辺については私お聞きいたしませんが、それでもう少し詳しく、先ほど大体六千人ぐらいの方にどうするかこれから考えたいと言われております。
 一部の新聞などを見ますと、例えば判決なども参考にしながらお一人一千万円、全体で六百億円ですか、こういうような補償を出そうというような案も、案といいますか、案でもないのかもしれませんが、そんな考えも出ておりますけれども、大臣、この辺についてはそういうお考えをお持ちなのかどうか、少し踏み込んでお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) まだ具体的なことはこれからでございますけれども、今回の判決の認容額を基準としまして、訴訟への参加、不参加を問わず、全国の患者、元患者全員を対象とした新たな損失補償を立法措置により講ずることとしたいと、こういうふうにきのう発表をさせていただいたところでございます。そのための検討を早急に開始するということでございまして、どれだけにするかとかどうするかというようなことは、これからのまだ課題でございます。
 それから、名誉回復及び福祉増進のために可能な限りの措置を講ずると。具体的には、患者、元患者の皆さん方から要望のある退所者給与金、いわゆる年金でございますが、退所者給与金の創設。今まで療養所の中におみえいただいた皆さん方にはこの年金に匹敵するものが出ておりましたけれども、退所された皆さん方には、退所と申しますかこの療養所から外に出られた、一般社会に出られた皆さんにはなかった、そういうことでございますので、その創設。それから、ハンセン病資料館の充実、名誉回復のための啓発事業などの施策の実現等について早急に検討すると。こうしたことが項目として今のところ挙げられておりまして、これらのことについてこれから検討に入るということだと思います。
○山本保君 どうぞ、ぜひ今盛り上がり、また国民の皆様から大変な英断であるということで評価をいただいておりますので、この気持ちをきちんと受けていただいて、手を打っていただきたいということをお願いしたいと思います。
 もう一つだけ、ちょっと余分なことかもしれませんが、一部の新聞に、大臣が、もうこれが通らなければ辞表を出すというようなこともあり、また、よその省では何か事務方と大臣がなかなか合わないというようなことで問題があるというような話もありまして、私も実は厚生省の出身としましてその辺が大変気になっておりまして、先ほど局長からは大丈夫だというお話もあったんですが、大臣、何かそういう点で問題があるというようなことはございませんでしょうね。大臣からも一言お願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 何事もおもしろおかしく書かれまして、何か中で争い事があるかのごとく毎日のように書かれたわけでございますが、決してそんなわけではございません。いろいろとお話をさせていただきながら進めていたわけでございます。
 最終的な判断は総理に仰いだわけでございますから、その間のいろいろの、これは行政でございますから、いかなる判断が出ましても、それにいろいろ対応できるようにはしておかなければなりませんから、いろいろのお話し合いはしてまいりました。しかし、最終的にきのうのような決着になったということでございますから、心配をしていただくようなことはないと私も思っております。
 また、一部新聞に辞任の大きな文字が躍っておりまして、私もそれを見まして、これはやめなきゃならぬかと思ってびっくりしたようなわけでございますが、決してそんなことではございませんで、とにかく一生懸命この問題の解決に当たるということを言っておりますうちに、ああいう記事にもなったりしたということでございます。
○山本保君 そのような強い決意で頑張り、またまとめ上げられたというふうに理解したいと思います。本当に御苦労さまでございました。
 一点だけ。先ほど午前の委員のお話にもあったように、まさに立法府たる国会も問われたといいますか、まさに司法から批判をされたわけでありまして、我々もこの辺は重く感じなければならない。まさに国会こそは、国民の意思を受け、最高機関として一番迅速に手を打たなければならないところが、そうならなかったということを私どもも全く反省しなければならないと思っております。
 また、もう一つだけついでに言わせていただきますと、憲法に違反しているかということになってきたときに、私も今まで事務の方といろいろお話ししていましても、ある制度、あるちゃんとした場所をつくり、そこで衣食住を与えているんですから、これは憲法で言う最低限度の生活保障としては別に憲法違反ではないんだと、こういう考え方がやはりあると思うんです。
 私、憲法を今議論しているときですからあえて申し上げますが、最低限度の生活保障という憲法二十五条は、解釈のしようだという説もありますが、少し現実に合わないのではないか。私などの専門の方でいいますと、子どもの権利条約という国連の条約には、実は子供たちはミニマムではなく最高の、マキシマムの発展を、ディベロプメントを保障される権利を有するという条文が新しい国際条約の中で出ておりまして、私はぜひこういう点も今後考えていかなければならないんじゃないかなと思いますので、ちょっと感想をそれに関連して少し申し上げました。
 次に、予定しておりましたことなんですが、一つだけお聞きしたいと思っております。
 それは、いわゆるユニバーサルデザインという考え方が出てまいりまして、障害を持っている方、また高齢の方、介護を要するような方にさまざまな形で住みやすい生活環境をつくらなければならないと。我が党も五月二十三日に政策提言をしておるわけでございます。
 きょうは、まず国土交通省の方に、高齢者の居住の安定確保に関する法律というものをつくり、そして動かしているということでございますので、簡単で結構ですが、どのような考え方でどのような効果をねらっているのか、少し御説明をお願いいたします。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 この三月三十日に成立いたしまして、四月六日に公布されました高齢者の居住の安定確保に関する法律というのがございます。これは、二十一世紀を迎えまして高齢化が進展しております。これに伴いまして高齢者向けの賃貸住宅が不足しているということがございます。これに対応して、民間活力を活用いたしまして高齢者向けの賃貸住宅を積極的に供給していこうという制度をつくること。それから、特に民間の賃貸住宅は実態としてお年寄りお断りというようなこともございますので、そういったことに対応して、お年寄りを拒否しない住宅の登録制度のようなものをつくります。あわせて、大家の方々の不安を解消するために、それに対する家賃の保証制度をあわせて実施していくというようなこと。それから、持ち家住宅につきましてもバリアフリーを促進していく、そのための制度を整備すると、こういった事柄を内容としたものでございます。
○山本保君 時間がありますともう少し詳しく御説明いただくところですが、委員の方も大体御存じだと思いますので、それを前提としまして少し厚生省にもお聞きしたいわけなんですが、今、介護保険でもこういう住宅改修ということが保険の対象になっておりますね。しかし、私も実際にいろんな場で見まして、大変健康で元気なお年寄りが、実は二階の階段から落ちて、そして脊髄を打たれて、今は車いすであるというような方のお話も直接伺いました。要介護になってからバリアフリーにするのでは、まさにこれは順序が逆ではないかと思うわけであります。
 しかし、具体的にちょっとお聞きしますが、例えば住宅改修にしましても二十万円という額、これはいかにも低過ぎるんではないか。何ができるのか。しかも、例えばこれでもしここに書いてある以上に、私のこの例もあったんですが、トイレを変えるときに、高齢者の場合横から入る方が便利だということで今だんだん変わってきていますが、ちょうど横にたんすがあったので、そこを改造して入るようにしようとしたら、それはトイレ改造ではない、全体のあれが違うんだからこれは当たらないんだというようなことを言われて使えなかったとか、それからエレベーターというようなものは当然これには入らないとか、こういうような問題点があるんじゃないかと。
 ちょっときょうは細かい質問を出していなかったかと思いますので大きな考え方だけで結構でございますけれども、まず、そういう後からやるんではなくて先にきちんと手を打つべきだということと、もう一点は、先ほどの質問にもあったんですが、介護に関してお金が大変苦しいという方がおられる。大臣は少し考えさせてくださいという先ほど踏み込んだ御答弁をされたと思っているんですけれども、例えば先ほどの国土交通省の法律の方などでは亡くなったときに何かそれを清算するというような方式を使われたと。言うなら介護保険の負担に関しても同じような形の制度というのは考えられるんではないかという二点。
 時間がちょっとございませんので、一緒にお聞きしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 最初の問題については私から御答弁をさせていただきたいと思いますが、寝たきりになる人というのは、ほとんどは注意をすれば寝たきりにならずに済んだ人、七、八割は寝たきりにならなくてもよかった人が、不注意あるいはまた放置をしておいたがゆえに寝たきりになってしまったというケースが多いわけでございます。
 ですから、今御指摘になりましたように、寝たきりになりましてからどうこうするということではなくて、寝たきりにならないお元気なうち、しかし高齢とともにだんだん足が上がりにくくなってきたと申しますか、若い人のように足の運びがうまくいかなくなってきたというような人に対しましてどうするかと。階段の手すりをつくる、あるいはまた段差がありますところの段差を取り除くといったようなことをまずやはりやらなきゃならないというふうに私も思っております。
 そういう意味では確かに介護保険からの二十万円というのは少し少ないのかもしれません。これが少なければ住宅金融公庫の融資等もこれは受けていただくようにしなければならないというふうに思いますが、そうしたものを総合的にお使いをいただきながら、家庭におきます住まいの環境というものを変えていただくということがやっぱり前提。それをやはりやりやすいように全体ではお手伝いをしていかなければならない、それは私も全くそのとおりだというふうに思っています。
 もう一つは副大臣から。
○副大臣(桝屋敬悟君) 委員御指摘のいわゆる住の環境整備の問題について、今、大臣申し上げたとおりでありますが、極めて大事な視点だと思っております。
 それから、あわせていわゆるリバースモーゲージのような仕組みを介護保険の利用料の中で設計できないのかという有益な御提言もいただいたわけであります。リバースモーゲージ制度そのものも、今一部の自治体では行われておりますが、まだ研究段階にあるというふうに思っておりまして、ただ介護保険の利用料についてこれを仕込めないかと。
 現在、介護保険については、もちろん低所得者の方々については月々の利用料を低く設定するという仕組みも入れておりますし、あるいは都道府県の社会福祉協議会がやっております生活福祉資金、これの融資ということもあるわけでありますが、今の委員の御指摘も踏まえてこれは研究をしなきゃならぬと思いますが、地域によって大分違いがあるだろうと。いわゆる資産価値の問題もあるわけでありまして、これが全国の制度としてどこまで実効性あるものを設計できるかということもあわせて研究したいというふうに思っております。
○山本保君 ありがとうございます。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 ハンセン病の問題をまずお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事亀谷博昭君着席〕
 ハンセン病の感染力が極めて微弱である、絶対隔離は不要である。これはかねてからの常識のように言われていた。一八九七年の第一回国際らい学会、このときから認められていたということなんです。日本で最初に法律を制定した一九〇七年の帝国議会でも同様の指摘がされています。
 そのときの国会答弁をちょっと紹介していただきたいと思うんですが。──通告してあったはずですけれども。
 明治四十年二月二十六日、貴族院の議事録で「此病気ハ其発病カラ経過ナドガ頗ル緩慢ナ病気デアリマス」と、吉原三郎内務次官。「局部ヲ……患部ヲ暴露シテ居リマス所ヲ通ッタト云フ、其クラヰノコトデ直グ感染スルト云フモノデハナイ」、これは内務省の衛生局長の答弁です。「一個ノ健康ナル人に対シテ、ソレデ感染スルト云フコトハ余ホド少イ」。これは明治四十年の帝国議会でこういう答弁がされているんです。
 続いてお伺いしたいんですけれども、ハンセン病療養所ができて九十年。この間、患者さんから職員に感染したという例は報告されていますでしょうか。
○政府参考人(河村博江君) 過去の歴史をどこまでさかのぼれるかという問題もあるわけでございますが、一つは国家公務員災害補償法が制定された昭和二十六年六月以降、国立ハンセン病療養所の職員について、ハンセン病に感染したことによる公務災害の認定申請が行われたという事実はございません。また、それ以外につきましても、職員が患者からの感染で罹患したという事実は確認できておりません。
 戦前の文献で、職員の感染、発症例の存在を示唆する文献もあるわけでございますが、先ほど述べましたとおり、国家公務員災害補償法で、昭和二十六年六月以降、公務災害の認定申請というものは行われていないということは事実でございます。
○小池晃君 答弁は簡潔にお願いします。
 極めて感染力の低い病気であるということははっきりしている。明らかな証拠、職員に感染したということがないということが一つの証拠であると思うんです。一九四三年には特効薬であるプロミンも開発をされている。それにもかかわらず、こうした患者さんあるいは元患者さんを九六年のらい予防法廃止まで強制隔離という形で閉じ込めて当たり前に生きる権利を奪ってきた、このことが問われたわけであります。この誤りを国が認めて控訴を断念した。患者さんの命の叫びが政治を動かしたんだというふうに思います。
 私たち国会議員の責任も問われているわけであります。ぜひ委員長にこの委員会でも真相究明と再発防止のための集中審議を行うことを求めたいと思います。
○理事(亀谷博昭君) 後ほど理事会で協議をいたします。
○小池晃君 同時に、直ちに求められるのが全面解決に向けた取り組みであります。まず行うべきは真相究明と再発防止のために国が持っている情報はすべて開示をする、これは直ちに取り組むべきことではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 国が持っております情報の中で、プライバシーその他に、個人のプライバシーにかかわります問題はこれは別でございますけれども、それ以外のものは極力これは開示すべきものだと私も思っております。
○小池晃君 ぜひこれはやっていただきたい。
 それから、先ほど大臣からもお話があったように、元患者及び患者の皆さんに経済的補償、社会復帰を可能とするためにも、訴訟の原告に限定せずに新たな年金制度をつくる、住居の確保を行う、あるいは日常生活の介護を、社会生活に復帰した場合の介護を行う、こういう支援をぜひ行っていただきたい。
 さらに、療養者は高齢化しておりまして、やっぱり医療の心配が大変深刻なわけです。療養所がふるさとだと言う方も少なくないわけです。こういう方にとって、国立療養所での生活を希望されている方、こういう方は、今、療養者がだんだん減少しているわけでありますけれども、療養者が減少していったとしても療養所の統廃合というのはせずに、やはり終生在院を保障するということをすべきではないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(坂口力君) 先日も私、東京の全生園にお邪魔をさせていただきました。四月十八日にお邪魔させていただきまして、そして自治会の皆さん方ともいろいろ懇談をさせていただきました。
   〔理事亀谷博昭君退席、委員長着席〕
 今、御指摘のありましたように、かなり高齢化をいたしておりますので、特にその中でいわゆる不自由者棟というふうに言われておりますところにお入りの皆さん方は、夜間におきます問題でございますとか、そうした看護の問題も含めて、非常に御指摘になりました点が多くございました。それらの点を私も十分に聞かせていただいて帰ったところでございます。この療養所にお入りになっておみえになる皆さん方が、最後までここにおりたいという御希望の方があります限り、ここで生活をしていただけるように私たちもしていきたいと思っております。
○小池晃君 今、大臣からも一言触れられましたけれども、不自由者棟の皆さん、大変寝たきりの方なんかもふえている。私はハンセン病の療養所の医療体制、大変問題が多いんではないかと。医師の定員の配置で見ると医療法定員を満たしているところは十三カ所、一つもないそうであります。
 それから、今お話ありました不自由者棟については、やはり介護者、看護者をふやして三交代で、寝たきりの方を見るわけですから手がかかるわけでありますのでやはり三交代制度による看護、介護が行われるようにきちっと増員を図るべきではないかというふうに考えるんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(河村博江君) 国立ハンセン病療養所におきましては、従来より入所者の高齢化、合併症の増加等の実態にかんがみまして、入所者の方々の障害の程度に応じた看護職員あるいは介護職員の増員計画を立てまして実施してきたところでございます。今後とも、看護婦、介護員の増員に努めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
 不自由者棟につきましては、現在二千人の方々が入所されておるわけです。全体四千四百人のうちで二千人の方々が不自由者棟に入居されておると。不自由者棟には看護婦約百七十人、介護員約一千百人が配置されておりまして、夜間においては当直により対応しておるところでございます。
 他方、療養所内にあります病棟では三交代制の看護を実施しておるところでありまして、入院医療の必要な方々に対応しておるところでございます。不自由者棟におきます夜間の対応につきましては、病棟との関係も含めまして、医療の必要性に応じた適切な看護、介護のあり方について検討していきたいというふうに思っておるところでございます。
○小池晃君 ちょっと今のでは余り納得いかないわけでありまして、この新しい事態を踏まえて、大臣、政治家としてこういう医療体制を一歩前進させるという意味での取り組みを強めるということもやはりなされるべきではないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(坂口力君) それらも含めてこれからお話し合いをさせていただきたいと思っております。
○小池晃君 控訴を断念したというのはもう本当に当たり前のことだと我々思っておりまして、これは第一歩であると。ここから本当の全面解決の取り組みが始まるんではないかというふうに考えておりますので、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思っております。
 次の問題に入りたいんですが、肝炎の問題であります。
 三月二十二日の当委員会で私はいわゆる第四ルートからの肝炎発症の問題を取り上げました。その時点で、旧ミドリ十字、ウェルファイド社のフィブリノゲンによる感染者は三百十五例という報告でありました。ところが、五月十八日に、このフィブリノゲンを使用した患者からの肝炎発症率は三%だと、推定で八千五百二十五例に上るという極めて驚くべき報告がウェルファイド社からなされております。
 三月の委員会で、私は、こうしたフィブリノゲンの投与者にも公費負担で検査を行うべきだというふうに申しました。大臣は、そのときに、これは輸血も一緒にやった人が多いんだと、だから、輸血によって肝炎を起こしたのかフィブリノゲンによって起こしたのか定かでない例がある、判断は難しいとおっしゃったんですね。ところが、今回発表された例というのは主治医がフィブリノゲンによる発症だというふうに認定した例で、これが八千五百例あると。
 私は、これだけ多くの感染例が、感染の可能性があるわけですから、これはやはり第[因子、第\因子の投与者だけではなくて、フィブリノゲンを投与された方にも広く呼びかけて検査を公費で行うべきではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(坂口力君) 今回報告のありましたものは、その内容を見ますと、昭和三十九年から五十四年までの十六年間における医療機関への納入状況等の記録が残されていない、また納入記録が残っている医療機関におきましても診療録の保存期間が十年以内のものが八割を超えている等々の問題がございまして、ほとんどのものが、患者さんと申しますか、このフィブリノゲンを投与された人がどなたであるかということを確定することが非常に難しい状況にあるということは事実でございます。
 また、この使用の状況等につきましては、データの残っております昭和五十五年以降におきまして今お話が出ました七千を超える医療機関等において使用されておりますし、また産婦人科疾患でありますとか内科疾患、あるいはそれらの手術時等の二十を超える診療科におきまして広く使用されていることが明らかになっております。
 しかし、これらのことが明らかになっておりますが、わかっている人、わかっていない人があったりするわけでございまして、これらのこういう漠とした状況の中で特定をして公費負担というわけにもなかなかいかないものでございますから、まずここから先、どのようにしてこの患者さんが存在するか推定して、八千五百という数字が出ているわけですけれども、その人たちをどのようにして発見するかということの方がより大事であるというふうに思っている次第でございます。
○小池晃君 さらに把握を進めるのは結構なんですけれども、やはり呼びかけて、自分でわかっていらっしゃる方はいるわけですし、カルテが残っている方もいらっしゃるわけですから、少なくともそういう方には呼びかけて検査をしていただく、公費で面倒見ましょうと。
 やはり私は、確かに自分が投与されているかどうかわからないし、カルテがなくなっている方が大変膨大にいるということは事実だと思うんです。前回も申し上げたように、これはフィブリノゲンを投与されただけじゃなくて、九二年以前の輸血を受けた方は感染の危険性を皆持っているわけですから、一番合理的なやり方は、やはり輸血をされた方も含めてすべての方に、そういう身に覚えがある方はもう公費で検査をしましょうと。あるいは、老人保健制度の基本健診という仕組みがあるわけですから、そこですべての国民に一回は肝炎のウイルスマーカーの検査を受ける機会を設けると。こういう形で国が財政的にもしっかり支援をしていくというような取り組みが一番合理的なやり方ではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) これは、後半におっしゃいましたように、高齢者の健康診断というのがあるわけでございますし、そうしたところの、どこが節目かわかりませんが、節目のところのどこかで検査をするということ、一つのこれは方法だというふうに私たちも思っているわけであります。毎年やる必要はありませんので、例えば四十五歳なら四十五歳、五十歳なら五十歳というところで毎年やっていけば、そこでかなりの人がチェックされるのではないかというふうに思っています。
○小池晃君 やはり第[、第\因子の方だけ公費で見るというのでは極めて不十分だと思うんです。今、大臣が言われたような方向を、これは有識者会議もそういう方向を出してきておりますので、ぜひやはり一歩進めて国民全体を視野に入れた肝炎対策をやっていただきたい。
 さらに一歩踏み込んで言えば、これは結核に対する公費負担医療のような公費負担制度による治療ということも含めて考えていくべき課題なのではないかというふうに思っていることも申し上げておきたいというふうに思います。
 さらに、次の問題に行きたいんですけれども、国立病院の統廃合の問題であります。
 厚生労働省は、四月二十日に国立病院・療養所の統廃合、移譲の対処方策を発表しました。八六年の再編成計画を実施していない三十二の施設のうち、十七を移譲、十五を廃止ということであります。これは国立医療機関の役割を充実してほしいという国民の願いに私は背くものであると思うし、地域医療を切り捨てる、そういう点では非常に乱暴なやり方だということで、まず抗議をさせていただきたい。
 その上で、今回廃止決定された十五施設の中に、これまで移譲対象とされてきた稚内、弟子屈、登別、秋田、この四病院があります。私は、もともと移譲対象施設であったということは、その当時は地域の一般医療のために必要な病院だから国以外の経営主体に移譲するというふうにしていたはずだと思うんですが、このことは間違いないでしょうか。イエスかノーかでお答えいただきたい。
○政府参考人(河村博江君) 昭和六十年の国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針では、「地域住民の一般的医療の確保の役割は果たしているが、病床数、診療機能、診療圏等を総合的に勘案して国が直営するよりも他の経営主体が経営することが適当と考えられるものについては、経営移譲の対象として検討する」ということになっておるわけでございます。これは、当該施設が一般医療の確保のために引き続き必要であると判断される場合には、他の主体によりまして引き続き経営を行ってもらうことが望ましいということから経営移譲を検討するという趣旨でございます。
 今般の対処方策で廃止を決定した……
○小池晃君 そこまで聞いていないですから。いいです、後で。
 とにかく、その当時は地域の一般医療のために必要だから移譲対象となったんだと、私はそのことを聞いたんです。地域医療に必要と判断したからこそ移譲対象となっていたのに、今回の問題ですけれども、これが引き受け手がないから廃止だというのはちょっとおかしい話じゃないか。
 五月四日の北海道新聞の社説ではこう書いてあるんですね。計画で経営移譲とされた病院は、本来、診療機能や地域での役割が認められていた、それが地元自治体でも引き受けられなかったのは厳しい財政事情や過疎の進展などで経営見通しが立たなかったからだと。そのとおりなんです。地方自治体は、今、財政難で大変なわけですよ。そういう中で、引き受けたくてもこれは引き受けられないんだと。
 しかも、これは総務省、かつて自治省ですけれども、毎年毎年地方自治体に何と指導していたか。経営移譲については慎重にやれという指導をしているんですよ。経営移譲については自治体病院の厳しい経営環境に十分配意をして慎重に対処されたいという事務次官通知が出ております。
 一方で、自治体には、もうこれは大変だから引き受けるなというふうに言っている。自治体の方だって財政難で大変だと。自治体としては医療の継続は必要だと思っていてもどうしても引き受けられない、そういう事態なわけでありまして、そういうときに国というのはあるんじゃないですか。民間がやれない、自治体がやれない、だからこそ国がやるんじゃないですか。それなのに、引き受け手がないからこれはもうやめるんだ、廃止するんだというんじゃなくて、引き受け手がないんだったら、だからこそ国がそれを存続させていくというのが私は物事の筋道だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(河村博江君) 経営移譲の対象施設という意味は、その施設が一般医療の確保のために引き続き必要であると判断される場合には、他の主体により引き続き経営を行ってもらうことが望ましいという意味で対象施設としておるものでございます。
 廃止四ケースにつきましては、基本指針の考え方に沿いまして、地元地方公共団体あるいは医師会等の関係者によりまして再編成推進協議会を設置して、地域医療の状況を踏まえた一般医療の確保の必要性等につきまして検討を行っていただきまして、その協議結果を踏まえて厚生労働省として廃止が適当と判断したものでございます。
○小池晃君 地元で協議したと言うけれども、どこが合意しているんですか。例えば、稚内、登別、ここでもこれはやむなく、大変厳しい事情でしようがないという結論になっているようですけれども、依然として存続を要望しているんです。
 さらにはっきりしているのは秋田。これは私直接行ってきました。これは、国が廃止を決めてから地元の本荘市長、助役にも聞いたんですけれども、廃止してもいいなんというのは一言も言っていないぞと言われております。本荘市議会は存続・拡充決議、去年の九月二十七日に上げています。住民の会も反対しています。きょうもたくさんお見えですけれども、労働組合ももちろん反対しています。一体どこが地元の理解を得て進めているんですか。全く合意なんかないじゃないですか。
○政府参考人(河村博江君) 再編成推進協議会におきましては、表現ぶりはさまざまでございますけれども、後医療の必要性が低い、あるいは後医療が確保されなくても支障は生じない、あるいは後医療の計画がないことから跡地の利用について検討を行うというさまざまな表現が用いられておりますが、総じて申し上げまして、やはり私どもの廃止の対処方策につきましては理解が得られているというふうに思っておるわけでございます。
○小池晃君 今いろんなことをぐちゃぐちゃにおっしゃいましたけれども、今、医師会が言っていることとか市が言っていることとか全部ごちゃまぜにしておっしゃいましたね。
 じゃ、再編成協議会の報告書の中で本荘市は何と言っているか、説明してください。
○政府参考人(河村博江君) 再編成協議会の中ではさまざまな御意見をいただいておりまして、本荘市あるいは地元代表からは存続、拡充の立場は変わらないという意見が当初示されておったわけでございますけれども、しかしながら国立病院・療養所が平成十六年度には独立行政法人に移行するという時代の趨勢等から、とにかく後医療について検討しようということで後医療について検討いただいたわけでございまして、後医療計画はないということでございまして、跡地利用について別の場を設けて検討することになったというのが協議会の報告書で、これは全員一致のもとにまとめられた報告書でございます。
○小池晃君 全くでたらめです。
 後医療の計画がないと。後医療の計画がないというのは、先ほど私、前段で言ったじゃないですか。後医療を引き受けたくても、今、地方財政の危機の中でできないんですよ。ただ、今あなたおっしゃったように秋田病院存続、拡充の立場は変わらない、これははっきりこの報告書にも市の立場は明記されている。大体、市議会が決議を上げているんですから、これははっきりしているんですよ。
 そういう中で、跡地利用について別途検討するというふうに確かに書いてあります。ただこれは、実際、現地で聞くとこういう話なんですよ。跡地利用について合意なんてとてもじゃないけれどもしていない、この場は医療について考える場なんだ、だから跡地利用について考えましょうという議題が出たときに、それはここの議題じゃないというふうに医師会も言ったし、本荘市の方もそれはここで話し合う問題ではないと主張したんです。大体、病院を存続させようというふうに言っている人たちが何で跡地利用について合意するんですか。もうあなたの言っている論理はめちゃくちゃですよ。
 この協議会の報告書をもって地元が理解している、厚生労働省がこういうふうに判断したなんというのは私とんでもないと思うんですが、大臣、いかがですか。この報告書をもって地元が合意しているというふうに判断をして進めていくということに私は大変疑問を持つんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 具体的なお話につきましては、先般、小池議員からお話がございましてお聞かせをいただいたところでございますが、一般的な立場で総論的に申し上げれば、この国立病院・療養所というものを今までのままで全部置いておくかどうかというのは、これは検討しなきゃならない問題であって、この国立病院・療養所を縮小していく、数を少なくしていくというのはやはりやむを得ない措置だというふうに私は思っております。
 私もかつて地元で直面をいたしました。私のすぐそばに立派な大きい国立病院がございまして、移転をいたしました。それは個人の立場からいたしますと、いつまでもそこにあってほしい、行ってほしくない、あるのとないのとどちらがいいかといえば、それはあってほしいというふうに思いましたが、経営的な問題だとかいろいろの問題を考えましたときに、より効率的でよりよい病院が合併をしてできるということになれば、それはやむを得ないというふうに私も判断をした一人でございます。
 したがいまして、個々のケース、私はいろいろあるだろうというふうに思います。そして、それぞれの地域でその国立病院なり療養所がなくなりました場合に、それにかわるべき病院あるいは医療機関というものが、それにかわるべきと申しますか、それがなくなってもそれを補う医療機関があるかどうか、そうしたことがその地域地域で議論をされるのであろうというふうに思っております。
 それぞれの地域で、いや、この国立病院なり療養所がたとえなくなったとしても、あるいは移転をしたとしても、そこは住民にとって、住民の医療としてやっていけるということであれば、それは合意として得られるということになっていくのではないか。それはやはりその地域の住民の皆さん方のお話し合いの中で決められていかなければなりませんから、私も先日も担当官にも申しましたとおり、そこは地元の意見というものは無視しないようにということを申したところでございます。
○小池晃君 だから、その地元の人たちがみんなこぞって反対しているんだと。厚生労働省が地元が理解していると言う最大の根拠は、後医療を引き受けないというふうに言っていることだけなんですよ。これは決して医療が必要ないと言っているんじゃなくて、後医療を地元自治体として担っていくことが経済的に困難だと言っているにすぎないわけであります。
 拡充、存続が地元の立場だということは、私、市長さんにも会ったし、助役さんにも会ったし、明確なんです。市議会の決議だって上がっている。こういう中で廃止をするというのはとても許されることじゃないと。本荘市だけじゃないです。秋田県議会でも決議が上がっています。県内六十九市町村中九割の六十二市町村でも存続決議が上がっているんです。地元の理解を得ているなんて、私、とんでもない話だと思いますよ。
 それからさらに、合理的な統廃合計画だったらというお話ありましたけれども、これは私はどう見ても合理的とは思えないんです。これは実際見てきましたけれども、秋田病院というのは十三万平米の物すごく広い土地なんです。地区一万人の医療を担っております。ここが廃止されたら大変だ、市の中心部に行かなきゃいけないんだと。そうすると、タクシーで往復で三千円かかっちゃうという住民の方々の声も聞きました。
 この病院の特徴は、県内で唯一、重度心身障害児の施設なんです。東北で最大の施設なんです。病院の裏には県立の養護学校があるんです。その病院棟に密接をして非常にいい環境にあるんです。これを廃止して、二十キロ離れた岩城町というところの道川病院というところにくっつけるんだ、統合するんだという話。そうしたら、せっかく今すぐそばの学校に通える子供たちをどうするんだという声も上がっている。
 さらに私はお聞きしたいんですけれども、その道川病院の整備、これにどれぐらいのお金がかかるのか。町が今造成をしているんですね、がけを削って。土地を買ってそこに新たな病院を建てるんだという話なんですけれども、これは一体幾らかかるんですか。
○政府参考人(河村博江君) 今年度から国立療養所道川病院の地に同病院の筋ジス病棟と秋田病院の重心病棟をあわせて整備する計画でございまして、現在基本設計を作成中でございます。
 整備額につきましては、入札の実施前でありまして、予定価格に関連いたしますのでお答えは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○小池晃君 こういう国民の税金を使うことをそういう形で隠すのはよくないですよ。これは地元紙が報道しています。五十三億円かかるんだという報道であります。
 これは私が実際行ってきた道川の場所の写真です。(資料を示す)日本海吹きすさぶ、日本海のがけみたいなところです。そこに今、がけを削って造成しているんです。重度心身障害児を、こんなところに施設をつくって、冬の寒い中で一体外に散歩なんか連れていけないじゃないかと。秋田病院というのは広大な施設で非常に環境がいいんです。地元の人たちもみんな言っていますよ、何でこんないいところをつぶして、そしてこんながけを削って五十三億円もかけて新しい病院つくってと。道川病院の方が小さいんですよ。そこに広大な秋田病院から重心病棟を持っていってそこに統合するんだと。どう考えたってこれはばかげた話じゃないですか。
 先ほど大臣は合理性があればとおっしゃいましたけれども、私、この統廃合計画には合理性のかけらもないと思います。どうですか。
○政府参考人(河村博江君) 秋田病院には重心病棟があり、道川病院には筋ジス病棟と結核病棟がある。重心、筋ジスという比較的機能が類似する二つの国立病院が隣接している、市町村を挟んで二つ併存しておるのが現状でございますけれども、その二つの施設をそのままの形で残す、あるいはそのままの形で残すんじゃなくて、さらに機能強化をするということは困難な状況でございます。むしろ、再編成によりまして一方の施設に機能を集中、集約して政策医療の推進が図られるように適切な整備を行うことが決してむだであるというふうには考えておりません。
 また、道川病院につきましては、筋ジス親の会の要望というものも踏まえまして、筋ジス病棟を一単位から二単位に増床する考えであるということでございます。
○小池晃君 これがむだ遣いじゃないというのは本当にとんでもない話だと思います。
 何でこんなことになったのか。実は、秋田病院というのはある病院に移譲する計画があったんです。厚生連の病院があって、そこが新築するから、だからここは移譲対象になっていた。ところが、この移譲先の厚生連の病院が移譲できなくなったということでこの話は御破算になったと。だから、結局、条件がよくて広大な秋田病院を廃止して、非常に療養条件も悪い、小さい方の病院に統合するという極めて不合理なことが起きている。これは一たん始めた公共事業がもうとまらなくなっているのと私は同じだと思います。
 こういう不合理なことがあれば、そこで一たん立ちどまって白紙に戻して考えよう、小泉政権というのはそういうやり方をするんじゃないんですか。こういうふうに昔どおりどんどんやっていくというのが私とても合理的なことだとは思いませんけれども、大臣、いかがですか。
○政府参考人(河村博江君) 御指摘のとおり、秋田病院につきましては、六十一年当時、地元が経営移譲を求めていたという特殊事情にかんがみまして、その段階から重心病棟を道川病院に移転するということを前提にいたしまして経営移譲対象施設にしたわけでございます。
 ちなみに、厚生連病院はこちらに移転するという計画もあったわけでございますが、中途で断念いたしたわけでございます。ただ、それで済んだわけではございませんで、近隣五キロ以内の地点に七百五十床の厚生連病院ができた。その中で厚生連病院自身も移転してきたわけでございますけれども、その段階で百六十床の増床が行われたということも事実でございます。
 秋田病院につきましては、ちなみに申し上げれば、秋田病院の病棟の多くは築後三十五年程度経過いたしておりまして、仮に残すといたしましても早晩かなりの投資が必要になるということは確かだろうというふうに思っております。
○小池晃君 それは、秋田病院がいつまでも永遠にもつとは思いませんよ。でも、今現に使えている、そして条件も非常にいいところを何でつぶすんだと。それで、新たにがけを削っているんですからね。全然今のは説明になっていませんよ。もう話にならない。
 この秋田病院の廃止計画というのは、地元の合意を得ていない。さらに中身も合理性がない。それから、これはもうきょうは言いませんけれども、この土地は地元の住民たちが寄附をしたという土地なんです。これは戦前の話なんですけれども、国立病院を廃止したらそのときにはお返ししますという念書も、財産区の議事録とか、あるいはその一方の軍事保護院の総裁の文書なんかもあるんです。地元の人たちは、もし廃止するんだったらこれを訴える、訴訟で土地は返してもらうというふうに言っています。もう大変矛盾だらけの廃止計画。私は、これは直ちに撤回すべきだというふうに思っております。ぜひ撤回の方向で検討していただきたい。
 それから、最後に確認をしたいんですけれども、この再編成の計画はこれからも進んでいくんだろうと思うんですが、これを進めるに当たって地元の意見をよく聞いていくということは、私はこれは当然のことだと思います。一たん決めたら地元の意見はもう聞かないなどということはない、しっかり地元の意見を聞きながら進めていくんだということを大臣に最後に確認をさせていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) そこはそのとおりと思っております。
○小池晃君 最後に高齢者医療の問題についてちょっとお聞きをしたいと思うんですが、この間、社会保障改革大綱と、それから厚労省の「課題と視点」というパンフレットも出されました。ここでは、老人医療費の伸びを経済動向と大きく乖離しないようにするという中身になっています。今までは、国民医療費の伸びを国民所得の伸びの範囲内にするというような政策目標だったと思うんですけれども、それを老人医療費に置きかえたというのは、私は大きな転換だというふうに思うんです。
 しかし、九八年度で見ると、国民医療費の伸びというのは二・六%、それに対して老人医療費は六%。これは老人医療費の対象者がお年寄りがふえていますから四・六%伸びているからだと。高齢者人口がふえているのに老人医療費の伸びを国民所得の伸びの範囲内に抑えると。もしこういうやり方をしたら、一人当たりの医療費が削減されるということになってしまうんではないか。それもやむを得ないということなんでしょうか。
○政府参考人(大塚義治君) ただいまお話ございましたように、高齢者の医療費は、過去十年程度を平均いたしますと年率八%程度の伸びが続いておりますし、医療費全体の三分の一を占めるという状況でございます。
 これもお話にございましたが、高齢者人口の増加に伴いまして老人医療費が増加すると。これは、それ自体は避けられないものというふうに考えておりますけれども、一方で医療保険財政が極めて厳しい状況でございますので、今後とも持続可能な医療保険制度を実現していくという観点からいたしますと、老人医療費の伸びが経済動向と大きく乖離しないような、そういった枠組みを検討していくということにつきましては重要な課題だろうと思っております。
 高齢者が相当数伸びるという状況の中で、医療の質というものを維持しながら制度を運営していくためにはどの程度の医療費の伸びの水準が必要なのか、またそのための方策としてどういったことが考えられるのか、これから十分検討してまいりたいと考えております。
○小池晃君 高齢者人口増加により老人医療費というのは伸びていくわけですけれども、人口高齢化の一方で非老人人口というのは減少するわけですから人口の高齢化に伴う影響というのはこれから鈍っていくんだと、これは近藤局長がさきの健保法の審議の中でお答えになりました。それなのに、老人医療費そのものを国民経済の動向に合わせる、国民所得の範囲内に抑えると。これはもうこれまで以上にけた違いの医療費の抑制ということになっていかざるを得ない、これは国民の健康に深刻な打撃を与えることになりかねないということが今の答弁で私ははっきりしたというふうに思います。
 さらにお伺いしたいんですけれども、高齢者医療制度について四方式が提案されていて、その「課題と視点」の中でも財政試算を出されています。私がお聞きしたいのは、現行制度のもとで老人医療給付費に対する国庫負担を一〇%引き上げる、そうすると財政試算はどうなるか示していただきたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) 例えば平成十二年度をベースにいたしまして、おっしゃいましたように現在の制度を前提とし、現在国庫負担は給付費の二〇%でございますけれども、これを一〇%引き上げる、つまり三〇%にするということで、単純ではございますけれどもそういう前提で試算をいたしますと、他の制度への影響もございますが、トータルで申しますと国庫負担が追加的に七千六百億円程度必要になるというふうに計算されるわけでございます。
 国庫負担がふえると、その影響を受けまして拠出金が減少するという、そういう仕組みになるわけでございます。拠出金の中にも国庫負担が投入される場合も、そういうケース、国保などそうでございますが、国庫負担も含めましてで申し上げますと、政管健保では三千億円、健保組合では二千六百億円、市町村国保であれば三千億円程度それぞれ減少すると、こういう計算ができるわけでございます。
 さらに、これもそれぞれの制度の加入者の数で単純に割るということで御勘弁をいただきたいわけでございますが、ただいま申し上げました影響額を加入者一人当たりで割るということにいたしますと、政管健保では七千円程度、健保組合関係では八千円程度、市町村国保では四千円程度の保険料の減少と、こういう計算になります。
○委員長(中島眞人君) 時間が来ています。
○小池晃君 終わります。終わりますけれども、四つの方式が提起されていますけれども、さまざま問題点があるわけです。私は、これは国庫負担を削ってきたことにこの老人医療制度の最大の問題があるというふうに思うし、現行制度のままで国庫負担額をふやすという形でいくことも一つのやはり合理的な進み方なのではないか。そういうことによって当面の基本的な問題点が解決されるんじゃないか。もちろん一〇%ではちょっと不十分だと。患者負担もそのままなわけですから、これでよしとはとても言えないんですけれども、今後の制度を考える上で、四つの方式だけではなくて、現行制度の枠組みの中で国庫負担をふやしていくというあり方もやはり大いに考えていくべきではないかということを最後に申し上げて、質問を終わります。(「ちょっと休憩しましょうか、そろうまで」と呼ぶ者あり)
○委員長(中島眞人君) 委員長から申し上げます。
 出席を促してください。
 続けます。
○大脇雅子君 五月十一日のハンセン病に関する熊本地裁の判決についてお尋ねをいたします。
 実は私もこの判決文を読みまして、心臓に大きな矢じりを打ち込まれたような痛みを覚えました。
 なぜこんなことが見過ごされてきたのか、とりわけこの判決の中で国会議員の立法行為の不作為について触れたくだりは、人権の制限をかくも長くなぜ放置したのか、昭和四十年以降、既に合理性がなくなっていたということで、国家賠償法上の違法を認めたものでありました。国家に対しても、厚生大臣の責任を認めまして、隔離政策の抜本的な変換をする必要があったのを認めなかったということを言っているわけです。
 なぜこんなに長く人権侵害を助長する法律が存続し施策が継続したのかということは、国もまた私ども国会もはっきりとその原因を究明しなければならないと私は思います。なぜこんなことが起きたのかということを厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 大変難しい御質問だと思います。
 私も、なぜ隔離政策というものがずっと続いてきたんだろうか、ずっと考えてまいりました。一つは、国ないし行政府の姿勢というものも当然のことながら私はあったというふうに思いますけれども、やっぱりそれだけではなくて日本の医療界、そしてその専門分野の皆さん方のお考えというものも大きく私は影響してきたのではないかという気もいたします。
 先ほども申し上げましたし、私、衆議院でも申し上げておりますし、いろいろなところで同じ話をしておりますから、ここでまた改めて申し上げるのも失礼でございますけれども、きょうも申し上げましたとおり、昭和三十三年に国際らい学会というものが東京で開かれまして、そしてそこでこの隔離政策というのはやめようと決議までしているわけであります。そこで多くの国の皆さんがもうその必要性はないという発表をなさってもいるわけであります。
 日本で行われた学会でございますし、そのことが一つの何か転機になると申しますか、ならなければならなかったと思うわけでございますが、日本の中で沖縄だけが転機になった。そこにお見えになりましたアメリカの大佐が、お帰りになって琉球政府として隔離政策を解かれた。しかし、日本はそれを解かなかった。それだけではなくて、医療の世界におきましてもそのことが明確に、こういうことが話し合われたということがオープンにならなかった。そこに大変閉鎖的な日本の医療界の側面を私は見る思いがいたしました。そうしたことがあやなすように重なって、そして私は平成八年まで迎えたのではないかというふうに思っている次第であります。
○大脇雅子君 四十年以降、国会もそれを廃止する立法をすべきであったというふうに言われておりますので、私は請願について、どのような請願がなされ、どのような処理がなされたのかというのを調べました。
 そういたしますと、昭和四十二年の三〇八号という、「ハンセン氏病患者が国の強制隔離政策により受けた損失の補償等に関する請願」というものがあります。そしてまた、昭和四十七年の二六八号というところに同じような請願があって、これが採択をされているんです、国会で、厚生委員会で。そして、それに対する厚生省の請願に対する処理要領というのを見てみますと、「法に基づいて適法になされたものであるので、当該収容隔離による損失補償は困難である。」というにべもない返事がなされまして、以下きょうまで至ったということであります。
 私は、請願というのは憲法上定められた国民の権利であるにもかかわらず、そして国会がこのような採択をして、なおかつきょうまで放置されてきたこの仕組みというものに対して、私どもはきちっと対応して、その原因の一つであるということを認識しないといけないのではないかと。労働委員会では、請願処理をめぐって、請願をきちっと審議する委員会の日を決めようということを何度か理事会で提案し、検討されながら、いつも最終日にばたばたという形で終わって、そしてそれは全く何ら政治的な効果を生むことなく処理されてきた。こういう制度的な欠陥というものを私は反省しなければいけないということを国会議員の一人として思ったわけです。
 そしてまた、国会に対するそうした立法責任に対する訴訟がある場合に、国会議員はほとんど自分で勉強する以外は知らなかった。そしてまた、司法にゆだねられたら最高裁の判断まで何ら、行政的な行為もその結果待ちということで、無責任に放てきするというような我々の態度というものが大きな原因であったのではないかと、私は立法者としてそういう反省をいたします。
 したがいまして、ここで私はぜひ提案をいたしたいと思うのですが、厚生省の内部には、独立した専門家も入れた、どうしてかくもおくれたのか、どうしてこのような人権侵害が起きたのかという調査委員会を設置されたいということを提案いたしたいと思いますし、厚生労働委員会の委員長には、どうか理事会で、委員会の中にそうしたシステムの欠陥も含めて真相を調査する委員会を設置していただきたいというふうにお願いをするものであります。御返事をいただけましたらと思います。
○国務大臣(坂口力君) 厚生省にかかわりますところはこれからいろいろ検討をしなければなりませんので、検討してまいりたいと思います。今後のこともやらなければなりませんし、これまでの問題につきましても整理をしなければならないというふうに思いますから、それは整理をさせていただきたいというふうに思います。
○委員長(中島眞人君) 当委員会に関することにつきましては、後日、理事会で協議をさせていただきたいと思います。
○大脇雅子君 これからやっていただくことに関しましては、集中審議もあるというふうに思いますので、細かな点については次回に回させていただきます。
 さらに私はこれと関連して、堀議員は精神障害者等に対する取り扱いについての人権侵害に触れられましたが、私は、現在大津地裁等で行われておりますヤコブ訴訟における対応というものについても、一連の関連のある処理としてぜひ大臣にはお考えいただきたい。
 とりわけ、一九九七年に至るまで四十ないし五十万枚のライオデュラが輸入されていてそれが使われていたと。そして、ライオデュラによるさまざまな薬害、ヤコブ病が日本では非常に数が多いということも含めまして、そうした訴訟に対する対応として、国は謝罪をして早期の解決をお願いしたいと思うのですが、その点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) ヤコブ病につきまして、世界の全体の患者数の中で占めます日本の患者数が非常に多いというのは一体なぜなのか。これは、日本の医療の中におきます硬膜移植の例数が非常に多いということなのか、それとも日本人を含めますアジアの人種がこうした疾病に対して何か親和性を持っているのか、そのようなところはもう少し調査をしなければわからないというふうに思います。
 しかし、一番考えられますのは、日本の国は脳卒中でありますとかそうした疾病が非常に多いといったようなことから、脳内出血に対します手術でありますとか、さまざまな手術が多く行われたのであろうということは想像にかたくありません。そうした中でこの硬膜移植というのがより普及をしたのではないか。これは私の私見でございますけれども、そんな気がいたします。ここもしかし、もう少し科学的にここは調査をしなければならないというふうに思っておりますけれども、そんな気がいたします。
 日本におきましては、二〇〇〇年六月の段階で世界で百十四例中六十七例が日本、現在は七十例に達しているそうでございますので、それはかなり全体の中での数としては多いということだけは間違いないというふうに思います。
○大脇雅子君 大津と東京で国や製造メーカーや輸入販売元を相手取りまして、患者や遺族による損害賠償請求訴訟が提起されておりまして、裁判の結審というのがこの七月二日と十六日にそれぞれ予定されております。裁判が提訴されてもう五年たちまして、原告患者二十人のうち十八人は既に亡くなったというような状況のもとで、ともかくこうした被害に対してはできるだけ早い立法による被害救済と再発防止を早急に講じていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
 次に、時間がございませんが、厳しい雇用情勢に対する雇用の創出策について改めてお聞きしたいのです。
 過日、産経新聞に短時間正社員の制度を検討する旨伝えられましたが、この場合は正社員における短時間労働者とそうではないフルタイムの労働者との相互転換制度というように報じられております。やはり差別のない同一価値労働に対して同一賃金の原則を適用するということを強く求めてまいりました立場からいたしますと、パートとか派遣労働者等、不安定雇用の形態で働いている労働者に対する均等処遇の原則とあわせて、この短時間労働者と正社員労働者との自由な行き来をするワークシェアリングの形態というものが私は日本の労働を活性化させると思うのでありますけれども、これは現在どのような検討をされようとしているのか。パート労働者への権利保障の点からは看過することができない論点であろうと思われますので、正社員型のパート労働者と単なる不安定雇用のパート労働者の差別をさらに固定化しないためにもどのようないきさつでこのような検討がされようとしているのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 本年三月にパートタイム労働研究会を設置いたしまして、今後のパートタイム労働対策のあり方の検討を進めているところでございます。まだ議論が始まったばかりでございますから、今ここで結論的なお話をすることはできませんけれども、この研究会では二つの問題意識で今議論が進んでおります。
 一つは、正社員と正社員ではないパートタイム労働者の間の労働条件あるいは処遇の均衡のあり方、これをどういうふうに確保していくかというのが一つの論点でございます。
 そしてもう一つは、パートタイマーとフルタイマーの間で行き来ができるような仕組みというものは考えられないだろうか。例えば、パートタイム労働者として、パートタイムとしてその中でキャリアアップをしてさらに高度な仕事についていくような、そういう機会がつくれないだろうか、あるいは短時間正社員制度というようなものを普及できないだろうかということで、この第二番目の問題意識も、結果といたしましては、パートタイマーとフルタイマーの間で行き来ができるというようなことが今よりも自由になりますれば、それはパートタイマーと正社員の均衡を図るということにも大変資するものではないかというふうに思っております。まだ一年程度時間をかけて議論を煮詰めていただきたいというふうに思っております。
○大脇雅子君 最後に、時間がもうございませんので、一つ要望をさせていただきたいと思います。
 「中文導報」という中国系の新聞がございまして、そこに一つの記事が載っております。その記事によりますと、「日本企業、実習生を骨の髄まで搾取 中国女性、昼夜の別なく「内職」」という見出しでございます。
 それによりますと、最近、日本の富山にあるニューレディという縫製会社で働いている中国の女子実習生たちが本紙に連絡してきたところによると、この縫製会社は実習生や研修生に内職をやらせている、そして勤務時間外に大量の超過労働を強制していて、しかも賃金は極めて低く、怒りを買っているというふうに書かれております。
 縫製会社は中国の営口市から大量の研修生を招いて、研修生から実習生になっても、研修生では二万七千円、残業手当は一時間たったの三百七十五円、技能実習生になっても給与は十四万円余りということになっているけれども、食費や部屋代や健康保険やさまざまなものが引かれて四万円余り。そして、一時間に三十円か百円前後にしかならない内職をして、その内職をさせるために寮の中にミシンを持ち込んで、ひどいときは終夜、そして一時、二時、十二時までもやられて、役所が来るとそのミシンをたちどころに運び出して工場に戻す。そして、何も言うな、もし何か言ったら中国に送り返すと。検査の人間が帰るや、彼らはまた機械をもとの場所に戻すというような訴えが載っております。
 この点につきまして、もしこれが本当であれば、我が国における外国人の人権侵害として見過ごしができないということがありますので、ぜひ御調査をいただきたいと思います。お返事をどうぞお願いします。
○政府参考人(酒井英幸君) ただいまのお話は、先生おっしゃいましたように、中国の新聞にそのように載っているということでございますけれども、私ども確認をいたしておりませんし、この外国人研修あるいは技能実習の問題は、各省庁で何とかこの途上国の人たちに対する国際協力ということでやってきておるわけでございまして、大脇先生からは、つとに、私ども厚生労働省が所管しておりますアイム・ジャパンにつきましていろいろ御指導をいただいておりまして、インドネシアの方々を中心に受け入れておりますアイム・ジャパン、ここは先生の御指摘も踏まえましてこれまで大変に改善の努力をしてまいりました。
 私ども、今の先生御指摘の案件については、ちょっと直接申し上げることはできませんけれども、こういう一つ取り上げられたこのアイム・ジャパンの例を、他の所管省庁におかれましても恐らく参考にして今後取り組んでいかれるんだと思います。今の話はまた関係省庁、あるいはこの全体を指導監督しておりますJITCO、そういうところにおいても必要に応じて把握して対応をしていくものと思います。頭の中に入れてこの問題と取り組んでいきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 研修生に対する時間外は禁止されているわけでありますから、事実でありましたらこれは大変なことでございますので、調査をして御報告いたします。
○大脇雅子君 終わります。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 このたびは、大臣、大変御苦労さまでございました。私の方からも一言お礼を申し上げて、自分の質問に移りたいと思います。
 先日来、障害者の問題について、大臣を初め政府参考人の方々にいろいろな面からお考えを聞かせていただきました。大臣の方からも、障害者雇用対策の重要性、あるいは職業能力開発の機会の確保について、その重要性はますます増大しているという御答弁もいただきました。本日は、障害者雇用施策の中でも中途障害者の雇用問題について特にお伺いしたいと思います。
 企業で働く方々が、業務災害や交通事故や病気などによってある日突然に障害者になる。このことは、本人、家族はもとより、周囲に大変大きなショックを与えると思います。しかし、例えばそうしたときに、現在働いている職場に復帰し、なれた環境の中で仕事が継続できれば、生活の不安もかなりの部分において和らぐんではないかなというふうに私自身思うわけですけれども、そういう意味でも、中途障害者の雇用継続の問題あるいは転職を余儀なくされた場合の職業訓練、そして能力開発等々の再就職のための支援というものが大変重要な問題になってくるというふうに私自身思います。
 まず冒頭、この問題について大臣に御見解をお伺いして、質問を進めてまいりたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 中途障害者の皆さん方におきましては、最初から障害をお持ちの皆さん方とはまた違った御苦労があるのだろうというふうに私も思っております。
 企業等の中で障害をお受けになりました皆さん方がリハビリテーション等をされて、そうしてもとの企業の中でもう一度働くことができるかどうかといえば、これも現状はかなり厳しいものがあるんだろうというふうに思います。できる限りもとの職場の中でもう一度働いていただけるようになるというのが非常に望ましいんだろうというふうに思いますし、これはその方が御希望になればの話でございますけれども、御希望になればそれが望ましいんだろうというふうに思いますから、それが可能になりますように、ひとつ私たちもそこをバックアップしなければならないというふうに思っているところでございます。
 そのためには、やはり職場復帰に向けた職業のリハビリテーションをどうするかということだというふうに思っておりまして、これは中途障害者のためのリハビリテーション、各都道府県の中に少なくとも一カ所はございますのでそこで、ひとつそこを中心としながら、しかし大きな県等におきましてはそれだけでは足らないところもございますから、さまざまな機関を組織いたしまして、そして皆さん方にもう一度復帰をしていただけるような体制を整えていかなければならないと思っております。
 現にそういうシステムができ上がっておりますけれども、さらにひとつ皆さん方がそうしたことで復帰していただけるようにこれからも努力をしていきたいと思っているところでございます。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 この中途障害者の状況でございますが、旧労働省が五年ごとに行っております障害者雇用実態調査、ここ数回の結果を見せていただきますと、企業に採用後に障害を持たれた方の割合は二五%から四六%とかなり高い割合になっておるわけですけれども、そこで、そうした採用後に従業員が障害を持った後の企業側の対応として、例えば障害を持ったその時点で職場復帰の検討をしているという割合が約五〇%と、職場復帰に対し早期に取り組む事業所が多くなっているというような分析も出てきております。
 しかし、言いかえてみますと、五〇%ということでございますので、あとの半分はそうではないということになります。あとの半数の企業ではそういう対応はとられていないと心配になるわけですけれども、こうした点を見ましても、中途障害者に対する継続雇用についての支援とか援助というようなものが大変重要ではないかなというふうに思います。
 これはぜひ副大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(南野知惠子君) 西川先生は常に生活の面に目を向けながら、きめ細かにいろいろと御質問し、そして皆さん方のためにしておられることを大変敬服いたしております。
 このたびも、中途で障害を受けられた方のことでございまして、御指摘のとおり、採用後に従業員が障害を受けられた、そういう場合に、そうした方々の雇用継続、職場復帰、そういうものを図っていくためには、国が事業主の職場復帰への取り組みを支援、援助していくことが大変重要であると考えております。このため、各都道府県に設置されております障害者職業センターまたは公共職業安定所では、中途障害者を継続雇用しようとする事業主に対しまして、雇用管理または作業環境等、中途障害者が職場復帰をする上で問題となるような事項についての助言、援助を行っているところでございます。
 さらに、中途障害者の職場復帰を促進するために必要な施設の設置や整備などを行う事業主に対しましては、その費用の一部を助成するという中途障害者作業施設設置等助成金、また中途障害者が重度の場合にその雇用を継続するため能力開発などの職場適応措置を実施する事業主に対してその費用の一部を助成する重度中途障害者職場適応助成金などにより、中途障害者の継続雇用を図る事業主を支援いたしているところでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 今のその助成金でございますけれども、助成金の中の作業施設設置等助成金、それから職場適応助成金についてお伺いをしたいと思うわけです。
 この助成金の利用状況の中で、例えば作業施設設置等助成金についてですけれども、制度が発足した翌年の昭和六十三年は二十五件、平成六年度で七十七件、平成十年度では五十八件と、思いのほか利用が少ないのではないかなというふうにも思うわけです。また、職場適応助成金につきましても、平成七年度には三千百三十七人の利用があったわけですが、平成十年度は極端に下がりまして五百七十四人と減少しております。
 やはりこうした分野におきましても長引くこの不況が影響しているんではないかなというふうに思うわけですけれども、この状況について厚生労働省としてはどのような御認識をお持ちであるか、御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(南野知惠子君) 中途障害者作業施設設置等助成金及び重度中途障害者職場適応助成金というものは、中途障害者が継続雇用されていることを前提として支給されるというものでございます。
 平成五年の障害者雇用実態調査の結果によりますと、採用後に障害となった雇用者数は約十六万人でありましたが、平成十年度の調査におきましては約十二万人と減少していると。また、厳しい景気の状況が続いていることなどが背景となりまして利用が減少しているのではないかと、そのような形でこの数を認識いたしております。
 また、今までもずっとパンフレットをつくっておりますが、今後とも、パンフレットなどを通じながら助成金の周知に努めるとともに、さまざまな機会をとらえさせていただきながら中途障害者の雇用の維持について事業主に対する周知、啓発に努めてまいりたいと思っております。
○西川きよし君 御丁寧にありがとうございます。どうぞきめ細やかな御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、相談、指導への援助施策についてお伺いしたいと思うわけですけれども、中途障害者が職場に復帰する、あるいは復帰したその後、安定した生活が送れるように専門機関と家族や職場との情報交換、そしてその受け入れの準備、健康管理などの連携、協力が大変重要ではないかなというふうに思います。
 この調査結果では、仕事や職場に関して悩みや不安を抱いたときの相談相手として、家族、親族が四三・六%、同僚や友人が三五・五%。一方、職業安定所が一・六%、福祉機関・施設の職員が一・三%。こうした支援機関への相談する割合が極端に少ないというんですか、こういう状況にあるわけですけれども、私も十分は把握できないんですが、これはどういった状況であるのか、ぜひ御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(南野知惠子君) 御指摘の調査結果につきましては、障害者が職探しをする際の相談相手を尋ねたものではないこと、また障害者が働く上での職場環境の改善につきましては、まず事業主に御相談された上で、事業主がその改善について安定所や関係機関に相談するケースが多いということから公共職業安定所などと答えた者が少なかったのではないだろうかと、そのように表の読みをしているところでございます。
 また、厚生労働省といたしましては、障害者を五人以上雇用している事業所に対しましては、障害者職業生活相談員、こういうものを選任させていただき、障害者である労働者の職業生活に関する相談、指導を行わせるよう、こちらの方からも指導させていただいているということです。
 また、公共職業安定所及び障害者職業センターでは、中途障害者の雇用継続、職場復帰のために必要な助言、指導を行っているところであり、今後とも関係機関との連携協力を図りつつ、これらの施策を通じて中途障害者の雇用の安定に努めてまいりたいと思っております。
○西川きよし君 ありがとうございます。
 そこで、数日前にですけれども、まさしく中途障害により職業訓練を受け始めたという方から雇用保険についてのお便りを実はいただきました。少し読ませていただきたいと思います。
 私は六十八歳、息子は三十三歳。三十三歳の息子について相談をしたくペンをとりました。
 息子は、工業高校デザイン科を卒業し、製版会社に勤めて十五年になります。そして、ことし三月三十一日に退職いたしました。息子は、進行性の視野が狭くなる網膜色素変性症で、難病の指定にもなっております。勤務先の会社はこの二、三年赤字続きで、配置転換、人員削減をしているため、毎夜十時、十一時の残業をしておりましたので病気の進行も早め、体をすり減らしているのがわかるため、将来のことを考えて兵庫県立盲学校に、あんま、はり、きゅうの専科三年に入学して通学をしております。
 相談というのは、十五年も失業保険を払っているのに、学校であるから失業保険金は支給できないと職業安定所に言われました。学校を六カ月以内に退学すれば支給できると言われたのです。失業保険金は無収入の失業者に最低生活保障をする目的ではないかと思うのです。幾ら考えても納得ができないので手紙を出しましたということでございます。
 まず、一般論といたしまして、このお便りですけれども、このようなケースで視覚障害者があん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などに関する文部科学大臣の認定した学校に入校した場合、失業認定を行うというような理解でよろしいんでしょうか、副大臣。
○副大臣(南野知惠子君) 本当に実際に触れた例でございますので、我々も真剣にそれに当たらせていただきたいというふうに思っております。
 お手紙の方につきましては、公共職業安定所に受給手続に来所された際に県立盲学校に入学する旨の申し出があったものでありますが、職業紹介に応じられるかどうかという確認を行いましたところ、今すぐには応じられない旨の──申しわけありません、今のマッサージ、はり師の方の件でございますね。
 これは、一般的に昼間の学生は労働の能力がないものと推定されてしまうということでございまして、失業状態とはみなせず、基本手当というものを支給しないということになっているのが今の決まりでございます。
 しかしながら、例外的に、離職者である身体障害者が御指摘のような文部科学大臣の認定した学校に入校された場合には、盲学校の本科を除き、専攻科であればいいわけですが、本科を除き失業の認定を行った上で基本手当を支給するということになっております。
○西川きよし君 そこで、このお便りの内容を厚生労働省に紹介させていただいたわけですけれども、このケースにおいてどのような対応をおとりいただいたのか、経緯も含めて御説明をお願いします。
○副大臣(南野知惠子君) 先ほど少し早まってそちらの方から申し上げていたわけでございますが、県立盲学校に入学する旨の申し出があったものというふうに思っておりますが、職業紹介に応じられるかどうか確認を行いましたところ、今すぐには応じられない旨の御本人のお話があったということで、基本手当を支給しないという形で取り扱いをしたということでございますが、その後、御紹介を受け、公共職業安定所におきまして、県立盲学校に出向きまして、御本人が県立盲学校の専攻科に通われるというものであったことを確認することができました。
 そういう意味では、離職者である視覚障害者が文部科学大臣が認定した盲学校の専攻科に入学した場合には、失業の認定を行った上で基本手当を支給するということにいたしております。
 御指摘の事案では、管轄の公共職業安定所におきまして、御本人が最初に来所されました段階において、盲学校のコースの確認が不十分であった、本科か専攻科かというところの確認が少し足らなかったと思います。公共職業安定所からは、盲学校に調査に行った上で再度来所いただき、その際に御本人から職業紹介に応じられることを確認いたしましたので、失業の認定を行わせていただいたということでございます。
○西川きよし君 早速の御対応をいただきまして本当にありがとうございます。
 しかし、今節私もこちらで十五年お世話になって、一つ新しい体験をまたさせていただきました。
   〔委員長退席、理事亀谷博昭君着席〕
 今回、この担当者の方からいろいろ御説明、私自身もそうですが、事務所を挙げて、秘書もそうですけれども、御説明をいただきました。正直申し上げて、本当に真心というんでしょうか、誠意というんでしょうか、優しさというものは少し今回は感じることができませんでした、正直申し上げまして。
 例えば、担当課からいただいたペーパーには、御本人が職安に来られたときに、四月九日から兵庫県立盲学校に入学する旨の申し出があったため、安定所の職業紹介に応じられるかどうか確認を行ったところ、今、副大臣も申しておられましたが、今すぐには応じられない旨の申し出があり、安定所としては労働の意思及び能力がないものと判断を行ったとありますけれども、御本人がこのように答えるのは僕は当然ではないかなというふうに思います。盲学校に、はり、きゅう、マッサージの勉強に行くわけですから、その間は職業紹介には応じられないと言うことは当然だと思うわけですけれども、労働の意思及び能力がないものと判断されるのでしょうかという疑問がわいてまいります。
 先ほどのような規定があるわけですから、職安の職員がそれを御存じであれば、盲学校と聞いた時点で、今、副大臣が申しておりましたけれども、本科か専科かということをやっぱり反対に聞いていただくというのが私は当然ではないかなというふうに思うわけですけれども、何度か後ろの方に御相談もしていたそうです、細かく聞きましたけれども。
 さらに、担当課の方は、このような個別事案はたまたまのケースであって、国会で取り上げるような事例ではないのではないですかというようなこともおっしゃいました。たまたまで、本来支給されるべきものが支給されないということになったら、これは御本人にとってはもうたまたまでは本当に済まされないことです。
 僕らは、弱い立場、なかなか取り上げてもらえない声というものをいつも取り上げさせていただいているんですけれども、相談に行かれる方は皆さん方のように専門家ではないわけですので、何度も何度も足を運んで、そして現場の職員さんでさえもその後ろの方に何度か御相談をしていたそうですけれども、制度の内容がやっぱり広く周知されていない、こういう現実もあるわけですし、仮に支給対象者でありながら受給できないということになれば、これはまた大変な問題だと思います。
 各職場への周知の徹底はもちろんですけれども、職員の方々に対する研修制度のあり方とか、そして職場、学校、職安等々の連携のあり方についてもぜひ本当に真心を持って、細かいことではありますけれども、数も少ないことではありますが、御検討いただきたいと思います。
 今いろいろと御質問申し上げましたし、お願いもいたしましたが、最後に大臣に御見解をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 大変具体的で、ごもっともな御指摘でございます。
 やはり一つ一つの問題に的確に行政は対応しなければなりませんし、一つなりともおろそかにしてはならないわけでございますから、そういうことが今後ないようによく注意をしていきたいというふうに思っております。
 御指摘いただきまして、ありがとうございました。
○黒岩秩子君 さきがけ環境会議の黒岩秩子と申します。
 まず初めに、ハンセン病裁判について一言申し上げたいと思います。
 五月十一日の熊本判決以来、私個人としましても、またさきがけ環境会議としましてもさまざまな行動をしてまいりました。私が心を痛めてまいりましたのは、名誉をかけて闘ってこられた原告に対して、役所がかけられたものはちっぽけなメンツだったのではないかということです。今回このような結論が出てきたのは、何といっても原告の皆さんの勇気ある決断、その決断が世論を動かし、また私ども国会議員を動かし、さらには国をも動かしてきた、その成果だと考えております。
 官僚の皆さんも、どうか今後療養所に足を運ばれて、そこに住んでおられる皆さんの生の声をお聞き取りいただいて、その声を十分に施策の中に生かしていっていただきたいと思っております。国会議員として、立法不作為についての責任、このことを今後真摯に受けとめてまいりたいと考えております。
   〔理事亀谷博昭君退席、委員長着席〕
 それでは質問に入ります。三点にわたって質問させていただきます。
 まず一点は、四月三日に質問しました点字図書館についての続きでございます。
 文化庁に初めに御質問いたします。
 点字図書館において、その利用者が視聴覚障害者に限られている。そのために、その資格を持たない多発性硬化症とかあるいは筋萎縮症などの難病の方たちがそのテープを借りることができない。このことは、厚生労働省によりますと、著作権法第三十七条三項の規定があるからだと言われましたけれども、視聴覚障害者よりははるかに数が少ないはずのこの難病の皆さんの知る権利というものを制限してまで著作者の権利を保障する必要がおありと考えていらっしゃるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(林幸秀君) お答えさせていただきます。
 著作物の利用につきましては、本来、権利者の了解を得た上で行うということが原則でございまして、法律で著作権を一律に制限いたしまして例外的に無許諾で利用を認めるということにつきましては、条約上も著作者の正当な利益を不当に害しないというような特別の場合についてのみ各国で認められるということになっております。したがいまして、例外的な措置でございますけれども、このような措置は、権利者側の意向も踏まえつつ、社会的な要請や公益性、それと著作者の権利や利益、そういったもののバランスというものを考慮して公正な利用を図るというものでございます。
 お尋ねの点字図書館の保有する録音テープを視聴覚障害者以外の者に使用していただくということにつきましては、点字図書館の利用対象者を視覚障害者以外の方々に拡大することについての考え方、あるいは点字図書館の事業の実態、要請等、そういったものを踏まえまして、バランスある対応に向けた調整を検討すべきものであるというふうに考えております。したがいまして、関係省庁からのお申し出がございますれば、これを相談させていただきたいというふうに考えております。
 なお、現状におきましても、一部の権利者団体は、重度の、非常に重い肢体不自由者の録音テープ等の作成につきまして、図書館等の要望に応じまして無償で許諾する仕組みを既に運用しております。したがいまして、点字図書館の利用者が拡大されますれば、点字図書館もこのような仕組みを活用できるんじゃないかというふうに考えております。
 以上でございます。
○黒岩秩子君 続きまして、厚生労働省の方に御質問いたします。
 もしこの著作権法の問題がなかった場合に、厚生労働省としてこの問題についてはどのようにお考えになるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 先般の委員会で御質問いただきましたけれども、私ども、この著作権法そのものがなかったらというよりも、現にあるものですから、そのあるということを一応念頭に置きながら工夫できないかということについてお答えを申し上げます。
 一つは、点字図書館が録音テープを視覚障害者以外の者に貸し出すということにつきまして、点字図書館の方でそういった利用、つまり視覚障害者以外の方がいらっしゃるわけですから、そういった方々がいらっしゃるということへの対応をどう考えていくのか。
 それから二番目には、既に著作権の消滅した著作物もあるわけであります。そういったものについては、もし御要望があれば貸し出しが可能なわけでありますけれども、そういったものについてどのような実態が視覚障害者以外の方々にあるのかといったこと。
 それから三点目には、保護期間中にあるものについては当然著作物はその著作権者が持っているわけでありますが、これはそれの許諾を得れば可能なわけであります。そういった意味で、図書館の方でそういう許諾を得るという手続をとるということについてどう考えていくか。
 こういったことについて、点字図書館等の意見を集約することが必要だと、このように考えております。
 それで、さらに文化庁の方からも今御指摘がありましたが、重度の肢体不自由者の録音テープについては要望があれば無償で許諾する仕組みを設けていらっしゃる。じゃ、これを活用するということについて点字図書館ではどういう対応が可能なのかといった点を踏まえながら意見を集約していきたいと考えております。
 六月中旬に日盲社協、日本盲人施設協議会というのがございまして、点字図書館の皆さん方も当然いらっしゃるわけであります。そこでそのテーマについて御意見をいただき、意見を集約した結果を踏まえまして、今後そういった内容を持って文化庁等関係省庁に御相談を申し上げたい、このように考えております。
○黒岩秩子君 そのような御検討をいただけることを大変うれしく思います。
 問題は、既にもうテープに録音されているもの、これが貸し出していただけないという現状がありまして、これは著作権法の問題ではないと考えております。そこのところで、運用でできる部分について点字図書館の方にそのことを申し伝えるなり、何らかの方法でそのことが可能になるように御配慮をお願いいたしたいと思います。
 続きまして、介護保険の問題に移らせていただきます。
 介護保険制度については、多くの方たちの努力の結果としてこのことが実現されたことだと思いますが、そのことの問題点、たくさんありまして、皆さんからいろいろ言われていることと思います。それら一つ一つについて考えてみると、時間の問題もあったりいろいろなことがあって、見直しという形で今後それが生かされていくと思いますので、その中の一つについて今回申し上げたいと思っております。
 それは、四十歳から六十四歳までの障害者の問題です。この若い障害者の皆さんにとっては、従来であれば身障法によって給付を受けていた日常生活用品とか補装具、それが介護保険法二十条に委託された平成十一年十月二十七日の事務連絡によって介護保険優先という形にされてしまいました。
 その結果どういうことになったかと具体的に申し上げますと、若い障害者の方は自分で自立ができるようにということで、例えばあごで車いすを操作するというようなことを工夫したりされているわけで、特別のオーダーでできたそういう車いすが、実は介護保険になりますとこれは給付の対象にならないということになっております。この介護保険による給付というのは、すべて既製品でレンタルでなければならないということになっております。このことは、場合によっては、高齢者にとってはとても意味があるかもしれないんですけれども、若い障害者にとってはこれは自立を妨げる以外の何物でもないものであります。
 このことについて厚生労働省と交渉しましたところ、こういうふうにおっしゃいました。障害者更生相談所に申し出をして、そこで認可を得れば個別対応ができるのだということを伺いました。ところが、よくよく調べてみますと、その更生相談所に申し出るのは障害者本人ではなくて市町村の介護保険係の方が申し込まなければだめだと。そして、この更生相談所というのは、ほとんどの都道府県においては一カ所しかありません。とても広いところでそこまで行こうと思ったらとても大変である。しかも、一番問題なのは、市町村の介護保険係という窓口がなかなかこの問題について対応せず、個別対応はできないというところで障害者の皆さんにあきらめを強いているというのが大部分の実情であると聞いております。
 先日、二十一日にここの国会に大勢の障害者団体の代表の方が見えまして、たくさんの国会議員の皆さんと一緒に要望を伺いましたところ、この話が一番たくさん出ましたので、この一点に絞って御質問させていただきます。
 今後厚生労働省としましては、この介護保険優先ということを身障法と介護保険法の選択制という形に見直すおつもりはないのかどうか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 午前中のこの委員会の審議でも出たテーマでありますが、今、黒岩委員の方から御指摘のありました介護保険とそれから障害者施策、身体障害者施策の位置づけといいますか兼ね合いの問題でありますが、午前中も申し上げたのでありますが、介護保険が始まるときに実は随分議論をした問題なんですね。
 それで、委員御指摘のように四十歳から六十四歳まで、いわゆる若年の障害者の皆さんでありますが、六十五歳以上はもちろん介護保険の世界ということになるんですが、今の四十歳から六十四歳の方について、いろいろ議論があった末、十五の特定の疾病についてはこれはやはり加齢を要件にするということで介護保険のサービスを適用しようということを実は悩みながらやっとそこまで行ったわけであります。
 その結果、今、委員が御指摘のように、やはり介護保険のサービスが適用、もちろん介護保険そのものが適用されるということになりますれば、どうしても保険の優先ということになって、いわゆる介護というサービスの共通の部分についてはやはり介護保険が優先だという整理をせざるを得ないと思うんですね。
 それはそれで障害者の皆さん方も理解をされておったわけでありますが、今のようにどうしても介護保険のサービスが一律的に、例えば車いす等であれば一律に規格品がレンタルされるというようなことがあって、きょうの午前中の堀先生の指摘にもあったわけでありまして、そこをどうするかということで、実は十分我々もわかっておりまして、厚生労働省としても指導通知を出したり取り組みをお願いしている。先ほど委員からありましたように、きちっとそこは障害者としての、介護保険法のサービスを超えたサービスが、個別のサービスが必要であればそれは身体障害者福祉施策として十分適用し得るわけでありますが、そこが何といいましょうか、介護保険のこの大きな動きの中で一気に優先ということが一律に行ってしまったということが一つ反省としてあるのではないか。
 私は、個人的な見解ではありますが、今、委員御指摘のあった身体障害者更生相談所あるいは市町村の身体障害者福祉司さんたちがぜひこれは頑張ってもらわなければならぬということもありまして、本当に機会を見つけて、介護保険のケアマネジャーももちろんでありますが、今の制度の趣旨というものをしっかりと徹底できるように頑張っていきたい。大分現場の情報を聞きますとそこが改めて認識をされつつあるということも伺っておりまして、また委員の御協力もいただいて徹底をしてまいりたいと思います。
○黒岩秩子君 よろしくその方向でお願いいたします。
 最後に、都市における高齢者の問題についてですが、特に東京、大阪等大きな都市では、若い夫婦が住んでいるところに介護が必要になった老人が地方から引っ越しをしてこられても狭い家の中で一緒には住めない。その場合に、じゃその御老人たちが住むところが都市の中にあるかといえばほとんどなくて、まず病院に入ろうと思ってもなかなか病院がない。今度は病院を退院しようとすれば行く施設がないというのが現状で、山の中の施設などに行かれてしまって、家族としてはほとんど面会ができないというような問題もあります。
 また、もう本当に一家が崩壊するほどの介護地獄というのが都会では頻発しておりますけれども、このことについて私が考えたところによりますと、都会の中には不良債権化した土地が点在しているので、この土地を公的資金を投入して買い上げることによって、そういう小さな土地の中にグループホームとかあるいはケアハウスとかさまざまな小さな老人の居住空間をつくることによってこの問題への解決というのが考えられるのではないかと私は考えたのですけれども、このことについて、大臣、どのようにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 確かに地方は土地があるものですから、高齢者の特別養護老人ホームにいたしましてもあるいは老健施設にいたしましてもよくできるんですが、人口の多い都市部におきましてなかなか土地が高くてそれができにくいという傾向がございます。
 今、それをどう解決するかという一つの方法をおっしゃったんだろうというふうに思いますが、いずれにいたしましても、不良債権化しました土地を国が買い取ってそしてというわけにもなかなかいかないと思いますので、国ではなくて例えば東京都なら東京都がそれを買い取る、そして東京都がそれを、どういうふうになっているかちょっとよくわかりませんが、東京都あるいは東京都の二十三区なら二十三区、その辺のところが土地を買い取り、そしてそれを提供して、そこに特別養護老人ホームを導入するとかといったようなことは、これはあり得るのではないかというふうに思います。
 国として買い取ってそしてそうするという制度はちょっと私は、これはもう少し具体的に見ないといけませんけれども、今すぐに私は思いつくことができません。ただ、地方自治体との関係におきましてはそれは可能だというふうに思いますから、その辺のところをこれから考えていくというのは一つの方法ではないかというふうに思います。
 そして、都市の場合には余り大きい特別養護老人ホームなんかをつくりますと、そうすると場所もとりますから、大きいのではなくて五十人、三十人、このごろは三十人規模といったようなものもあるわけでございまして、そうしたものをつくるといったことも試みられているようでございます。ただ、一方におきまして、では三十人にして特別養護老人ホームが維持できるかという経営上の問題もこれまたあるわけでございますから、その辺をどうするかという問題もございます。若干はプラスアルファをつけているようでございますけれども、それにいたしましても経営上の問題も存在すると思いますから、その辺も考えていかなければならないと思っております。
○黒岩秩子君 実は、私は新潟でケアハウスの運営に携わっておりますけれども、ここは三十人定員で十分それは採算がとれております。
 それで、ケアハウスの特養化ということが言われていますけれども、実際私のところもどんどん介護度が高い方がふえていますけれども、それはホームヘルパーの方たちとか訪問看護とかさまざまな支援体制を外から入れることによって成り立っているので、東京とか大阪とか、大都市ではそういうことはとても可能なのではないかと考えております。前向きに御検討いただきたいと思っております。
○委員長(中島眞人君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(中島眞人君) 次に、水道法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) お疲れのところ、申しわけございません。
 ただいま議題となりました水道法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国の水道の普及率は九六%を超え、ほとんどの国民が利用できるまでに普及している状況でありますが、施設の老朽化が進む中、地下水汚染、クリプトスポリジウム等の病原性微生物の問題など、新たな問題が生じてきております。
 一方、水道事業については、大半が市町村の経営する中小規模の事業者であり、これらの課題に適切に対処することが困難な状況にあります。また、水道法が適用されていない自家用水道やビル等の建物内の水道におきましても、不適正な管理から衛生上の問題が発生しております。
 このため、水道事業の広域化を促進するための所要の規定の整備をするとともに、水道事業の委託に関する規定を設けるほか、専用水道の範囲の拡大、貯水槽水道に関する責任の明確化等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、水道事業の広域化等を通じて、水道事業者等が技術及び財政の両面から安定した基盤を確立できるようにするため、水道事業を統合する場合の手続を簡素化するとともに、中小の市町村が技術力の高い他の市町村等に包括的に業務を委託できる仕組みを整備することとしております。
 第二に、利用者の多い自家用等の水道における管理を適正化するため、一定規模を超える水道施設を専用水道の定義に追加することとしております。
 第三に、ビル等の貯水槽水道における管理の充実を図るため、水道事業者が定める供給規程の要件に、貯水槽水道の設置者の責任に関する事項が適正かつ明確に定められていることを追加することとしております。
 第四に、水道の利用者への情報提供を促進するため、水道事業者は、水道の需要者に対し、水質検査の結果その他水道事業に関する情報を提供しなければならないものとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、公布の日から一年以内の政令で定める日としております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○委員長(中島眞人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時七分散会