第151回国会 国土交通委員会 第2号
平成十三年三月十五日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     佐藤 雄平君     和田 洋子君
 二月二十七日
    辞任         補欠選任
     和田 洋子君     佐藤 雄平君
     渕上 貞雄君     谷本  巍君
 二月二十八日
    辞任         補欠選任
     谷本  巍君     渕上 貞雄君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     筆坂 秀世君     大沢 辰美君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         今泉  昭君
    理 事
                鈴木 政二君
                田村 公平君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                緒方 靖夫君
    委 員
                泉  信也君
                岩井 國臣君
                中島 啓雄君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                山内 俊夫君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                前川 忠夫君
                山下八洲夫君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                田名部匡省君
                戸田 邦司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  高橋 一郎君
       国土交通副大臣  泉  信也君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       今村 雅弘君
       国土交通大臣政
       務官      吉田六左エ門君
       国土交通大臣政
       務官       岩井 國臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       総務省自治財政
       局長       香山 充弘君
       国土交通大臣官
       房長       岩村  敬君
       国土交通省総合
       政策局長     風岡 典之君
       国土交通省河川
       局長       竹村公太郎君
       国土交通省道路
       局長       大石 久和君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
       国土交通省鉄道
       局長       安富 正文君
       国土交通省自動
       車交通局長    高橋 朋敬君
       国土交通省海事
       局長       谷野龍一郎君
       国土交通省航空
       局長       深谷 憲一君
       国土交通省政策
       統括官      山本 正堯君
       航空事故調査委
       員会事務局長   中島 憲司君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (国土交通行政の基本施策に関する件)
 (日本航空九〇七便の事故に関する件)

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○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に総務省自治財政局長香山充弘君、国土交通大臣官房長岩村敬君、国土交通省総合政策局長風岡典之君、国土交通省河川局長竹村公太郎君、国土交通省道路局長大石久和君、国土交通省住宅局長三沢真君、国土交通省鉄道局長安富正文君、国土交通省自動車交通局長高橋朋敬君、国土交通省海事局長谷野龍一郎君、国土交通省航空局長深谷憲一君、国土交通省政策統括官山本正堯君、航空事故調査委員会事務局長中島憲司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(今泉昭君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題といたします。
 まず、国土交通行政の基本施策について、国土交通大臣から所信を聴取いたします。扇国土交通大臣。
○国務大臣(扇千景君) おはようございます。
 第百五十一回国会における御審議に当たりまして、国土交通行政に取り組む基本的な考え方につきまして、私の所信を申し述べさせていただき、委員各位の御理解と御指導を賜りたいと存じます。
 まず冒頭に、先般、JRの新大久保駅におきまして起こりましたホーム転落事故につきまして、一言哀悼の意を述べさせていただきたいと思います。
 同駅におきまして、ホームから線路上に転落した酔客を救助しようと韓国人留学生の李秀賢さん、カメラマンの関根さんが線路内に立ち入ったところ、折しも進入してきた列車にはねられ、三名全員が死亡するという痛ましい事故が発生いたしました。救助に入ったお二人がみずからの犠牲を省みず勇気ある行動をとった結果、不幸にもお亡くなりになられたことにつきまして、大変残念であり痛恨のきわみに存じております。特に、韓国から希望を持って日本に留学していた李秀賢さんの国境を越えた勇気ある行動に深く敬意を表するとともに、人命尊重という基本理念を持った二人の貴重な人材を失ったことに対しまして心から御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。お二人の死がむだにならないように、国土交通省として責任ある対応を果たすべく、省を挙げて全力で努力していきたいと存じております。
 また、日本航空九〇七便と九五八便の異常接近事故についても、多数の乗客及び乗員の方々が負傷され、そのことに対してはまことに遺憾であり、負傷されました方々に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い回復をお祈り申し上げます。
 この事故は、一つ間違えれば大惨事となるところでございました。国土交通省といたしましても、本件の事故の重大性を認識して、事故原因の速やかな究明のために、航空事故調査委員会において、事故発生後直ちに調査官を現地へ派遣し調査に着手いたしております。さらに、これと並行しまして、再発防止のための管制業務の実施状況を緊急に総点検をし、その結果幾つかの改善すべき事項があることが判明をいたしました。事故後直ちに、航空管制官の訓練監督者に対する研修を速やかに実施することを決定いたしましたが、さらに緊急総点検の結果等を踏まえて、訓練体制の強化、ヒューマンエラーを防止するための管制支援システムの整備、管制空域・航空路の抜本的な再編等必要な安全対策を検討し、結論を得たものから速やかに実施に移してまいります。
 いずれにせよ、本件事故の重大性にかんがみまして、全力で原因究明と安全対策に取り組んでまいります。
 また、先日、ハワイにおいて海難事故が生じましたことにかんがみまして、海上の安全確保及び警備救難体制に万全を期すべく、海上の安全確保、警備体制に必要な指示を出したところでございます。
 さて、国土の政策、社会資本整備、交通政策等の総合的な推進を任務として国土交通省が発足しました。国土交通省の使命は、人々の生き生きとした暮らしとこれを支える活力ある経済社会、日々の安全、美しく良好な環境、多様性のある地域を実現するためのハード、ソフトの基盤を形成することにあります。二十一世紀の国土交通行政の展開に当たりましては、人が動く、国土が躍動するというキャッチフレーズのもと、我が国が築き上げてきた国際的な地位を確固たるものとし、内外の人々を魅了するような国際国家日本にふさわしい国の姿を見据え、戦略的施策の展開を図ることが重要であります。
 このような認識のもと、計画から事業まで一体的な行政の展開、総合的な交通体系の整備、社会資本の総合的、効率的な整備の推進を基本に、施策の融合化を促進し、国民の視点に立ったより質の高い行政のサービスをより低いコストでより早く提供することにより、今般の改革が国民のためによかったと言えるような、改めてそのことに努めてまいりたいと存じます。
 また、地方ブロック機関につきましても、地方整備局の設置と事務権限の委任などの機能強化、体制充実を図ったところであり、今後、地方懇談会の開催などを通じて地域と連携しつつ、統合の実を上げてまいります。
 我が国の経済は、緩やかな改善を続けておりますが、依然として厳しく、特に北海道では厳しい状況が続いております。こうした中、引き続き景気に軸足を置き、経済を自律的回復軌道に乗せることが最重要課題であり、補正予算を含めた平成十二年度予算の円滑かつ着実な執行に全力を尽くしてまいります。
 平成十三年度の国土交通省関係予算につきましては、公共事業関係費七兆二千五百十一億円、非公共事業予算六千四百九億円、合わせて七兆八千九百二十億円を計上いたしております。予算総額が前年度と同程度の規模の中で、日本新生プランの重要四分野への対応に加え、事業間の連携など統合のメリットを生かした分野への重点化を図ったところであります。
 また、新たに創設されます新住宅ローン減税制度、住宅取得資金に係る贈与税の特例の拡充や住宅金融公庫の特例割増貸付制度の延長等を図る法律案などにより、住宅投資の持続的喚起を図ってまいります。
 昨年、公共事業の抜本見直しの対象とされました百九十七事業の見直しを行いましたが、今後とも事業評価の厳格な実施、コスト縮減、事業間の連携等により、公共事業予算の効率的な、また効果的な執行と事業の透明性の向上を図ってまいりたいと存じます。また、昨年成立いたしました公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の厳正な運用等に努めてまいります。さらに、二十一世紀の公共事業を進めるにふさわしい土地収用制度を確立するための法律案とともに、引き続き地籍調査を推進してまいります。
 また、国民本位の効率的で質の高い行政の実現のために、行政評価制度を全省的に導入してまいります。さらに、地方分権、特殊法人改革等に積極的にこれらに取り組むこととし、地域の自主性が生かせる統合補助金の拡充などを通じて、地方分権の着実な推進を図ります。
 また、測量及び水路測量の世界標準化を踏まえた測量基準の確立、自動車損害賠償責任保険に係る政府再保険の廃止、倉庫業の参入規制の緩和、JRの完全民営化、気象業務に関する民間能力の一層の活用など規制緩和に係る施策を積極的に進めてまいります。
 以下、当面の諸施策について具体的に申し述べます。
 昨年は、有珠山、三宅島の噴火災害や、神津島、新島及び鳥取西における地震災害、東海地方を中心とした豪雨等全国各地で災害が相次ぎ、私も現地に赴きました。被災者の方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、被災地の一刻も早い復興、復旧に全力を尽くしてまいります。浸水想定区域の公表等により水害の被害の軽減を図るための水防法の改正、ITを活用した監視、予測体制の整備、都市の地下空間等の浸水対策、防災公園の整備、密集市街地の整備改善等を図り、被害の防止に万全を期してまいります。
 安全の確保は何よりも重要でございます。航空事故に加え、鉄道事故についても、重大インシデントを含め徹底した原因究明体制を整備し再発防止に万全を期するための法律案を提出いたしました。さらに、自動車運転代行業の業務の適正化のための法律案、交通安全施設の整備などを通じて、交通安全対策の総合的な推進、被害者救済の充実にも尽力してまいります。また、覚せい剤等の密輸、密航、海賊等の犯罪対策、海上の警備、監視体制の強化を図ります。
 次に、国民生活と経済活動の舞台であります都市の新生を目指して、町の中心となるターミナル駅など交通結節点の総合的な整備や都市基盤施設の整備、土地の有効高度利用、中心市街地の整備改善、大深度地下空間の活用方策の検討などを推進し、世界に誇れる都市づくりを図ってまいります。都市の緑地保全と効果的な緑地を進めるために法律及び市街化区域内の農地の計画的な住宅地等への転換を進めるための農住組合法の改正案とともに、生活空間、公共交通機関のバリアフリー化を促進し、魅力ある生活空間の実現に努めます。あかずの踏切の解消など、踏切道の改良促進のための法律案のほか、通勤、通学のための鉄道の輸送力の増強、TDMの活用、都市内に通過交通を入れないための環状道路の整備による交通混雑の解消などを図ってまいります。
 さらに、公共賃貸住宅と福祉施設との一体的な整備を推進するとともに、高齢者の居住の安定確保に関する法律案のほか、新たな住宅建設五カ年計画を策定し、ストックと市場を重視した住宅政策を推進いたします。
 第三に、美しく良好な環境を保全、創造するための循環型社会の構築に向けた施策を強化してまいります。
 NOx法の規制強化や適合車への代替促進などとディーゼル車の排出ガス対策に積極的に取り組むとともに、環境ロードプライシングの試行や、新たに創設されます自動車のグリーン化税制などによる環境自動車の開発、普及の促進などに進めてまいりたいと存じております。建設廃棄物や自動車などのリサイクル促進に取り組むほか、放置艇の対策として小型船舶の登録を行うための法律案を提出いたします。
 また、健全な水循環系の確立した政策展開によりまして、渇水に強く、水と緑豊かな潤いのある社会の実現を図ってまいります。さらに、海洋汚染の元凶となる安全環境基準を満たさない船舶の排除も図ってまいりたいと存じます。
 第四に、国際的に競争力のある経済社会を支える基盤を着実に整備するため、高規格幹線道路を初め、新幹線鉄道、中枢・中核国際港湾、大都市圏拠点空港など、陸海空の交通ネットワークを計画的に整備していくほか、港湾、空港へのアクセス道路の整備など、交通連携の推進、物流の効率化、海運、船員対策等に取り組んでまいります。また、不動産投資市場の活性化、不動産鑑定評価の充実などを進めてまいります。
 さらに、IT革命を推進するための光ファイバー収容空間の整備によるファイバー・ツー・ザ・ホームの支援、GISの整備、活用の推進、ETCを初めとするITSの積極的な展開、海上交通、航空交通システムの高度化に加えて、電子入札や港湾EDIの推進など、電子政府の実現に向けた取り組みを進めます。リニアモーターカーやテクノスーパーライナーなど、世界に誇れる高度な新技術の開発、実用化にも重点的に取り組んでまいります。
 第五に、各分野で国際的な対応がますます重要になってまいっております。国際機関等における多国間の論議に積極的に参画する一方、国土交通分野における二国間協議にも引き続き取り組んでまいります。
 また、本年九月、世界観光機関の総会、明年初頭の交通と環境に関する先進国国土交通担当大臣会合など、我が国で開催予定の国際会議の着実な準備を進めてまいります。また、内外の観光交流を促進するため、海外観光宣伝の強化、東アジア広域観光交流圏構想の推進、観光地バリアフリー化等に取り組んでまいります。
 最後に、多様で特色ある地域の発展を図るために、関係府省が一体となって地域戦略プランの円滑な実施を図るとともに、多軸型国土構造の形成に向け全国総合開発計画等の国土計画を着実に推進いたします。また、多自然の居住地域の創造に向けた地域間の連携、交通の促進や、観光を通じた地域振興にも取り組んでまいります。豪雪地帯、離島、奄美群島、小笠原諸島、半島等の特定地域につきましても、生活環境や産業基盤整備などのハード、ソフト両面にわたる施策の展開に努めてまいります。
 北海道につきましては、積雪寒冷、広域性に配慮した社会資本整備を進めるとともに、比類なき自然環境を保全、活用した観光振興、安定的、効率的な食料生産基盤の整備、経済産業の新生、北方領土隣接地域の安定、振興、アイヌ文化の振興などに取り組んでまいります。また、近年の産業構造の変化などを踏まえ提出いたしました新産業都市建設促進法等を廃止する法律案とともに、今後、地方産業振興策のあり方を検討してまいります。
 さらに、二十一世紀にふさわしい新たな国土計画制度の確立に向けた抜本的な検討を進めてまいりたいと存じております。都市機能移転につきましては、今後とも国会での御論議を活発にしていただきまして、多くの国民の御理解を得られるように努力してまいりたいと存じております。このほか、需給調整規制の廃止について、今後、地域住民の日常生活に必要不可欠な生活交通の確保に万全の対策を講じてまいります。
 以上、国土交通行政の推進について私の所信の一端を申し述べました。国民の皆様の期待と信頼にこたえて、一層の御理解をいただけますよう、対話を重視しつつ、かつ厳正な綱紀の保持になお一層努めつつ、引き続き諸課題に全力で取り組んでまいる所存でございます。
 今後とも、委員長を初め委員各位の格別の御指導をよろしくお願いいたしたいと存じます。
 ありがとうございました。
○委員長(今泉昭君) 以上で所信の聴取は終わりました。
 次に、日本航空九〇七便の事故に関する件について政府から報告を聴取いたします。泉国土交通副大臣。
○副大臣(泉信也君) 日本航空九〇七便の事故について御報告申し上げます。
 まず、冒頭に、衝突回避をした日本航空九〇七便の機内で負傷された方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い御快癒をお祈りいたしておるところでございます。
 去る一月三十一日、十五時三十六分羽田発那覇行き日本航空九〇七便が、離陸約二十分後の十五時五十五分ごろ、静岡県焼津市付近約十一キロメートル上空において、釜山発成田行き日本航空九五八便と異常に接近しました。日本航空九〇七便は衝突回避操作を行い、その際、機内に負傷者四十二名が発生したため、同機は羽田空港に引き返し、十六時四十四分に同空港に着陸しました。
 国土交通省としては、日本航空より乗客及び乗員に負傷者があるとの通報を受け、十八時三十分に航空局長を本部長とする日本航空機九〇七便対策本部を設置しました。
 また、日本航空から乗客の中に一名の重傷者があるとの通報を受け、十九時五十分、航空事故調査委員会へ事故通報を行い、同委員会は直ちに調査官を現地に派遣し、関係者から口述聴取を行うなど調査を開始しております。
 翌二月一日、本事故の重大性にかんがみ、関係団体に対して異常接近の防止策の徹底を通達するとともに、地方支分部局に対して航空交通の安全確保を図るため、細心の注意を払って業務を遂行するように指示しました。
 一方、二月二日、担当航空管制官二名から事情聴取した結果、上昇中の日本航空九〇七便に対して、日本航空九五八便と取り違えて降下指示を出していた事実が判明しました。この取り違えが直接の事故原因であるか否かは、現在、航空事故調査委員会において調査中でありますが、その調査結果いかんにかかわらず、航空管制官が指示対象機を取り違えたことは極めて遺憾であります。
 事の重大性にかんがみ、航空管制官の訓練体制の強化等について検討を行うべく、二月二日に航空局長を委員長とする航空管制システム検討委員会を設置するとともに、第一回委員会を開催し、今後の再発防止の対応策を検討するとともに、翌三日には管制業務の実施状況を緊急に総点検し報告するよう、全国の管制機関に指示しました。
 また、五日には、国土交通省の緊急最高幹部会議を開催し、国土交通省一丸となって取り組み、原因究明及び今後の対応策の検討を行うこととするとともに、同日に緊急に招集した全国の航空関係の地方支分部局の長の会議においては、人間からミスを完全になくすことはできないという前提に立った上で、なお管制業務がどうあるべきかを真剣に議論するよう指示しました。
 また八日には、扇大臣の指示を受け、担当航空管制官が勤務する東京航空交通管制部を視察し、約二百名の航空管制官等に対し、本件事故を重く深く受けとめるように訓示する一方、一航空管制官の問題としてとらえるのではなく、国土交通省全省を挙げて対処すべき問題としてとらえ、再発防止に向けともに知恵を出し合うよう呼びかけました。
 さらに、九日に緊急に招集した全国の航空管制官の長の会議においては、三日に指示をした管制業務の緊急総点検の結果が報告され、幾つかの改善すべき事項があることが判明しました。
 事故後、直ちに航空管制官の訓練監督者に対する研修を速やかに実施することを決定いたしましたが、さらに緊急総点検の結果等を踏まえ、訓練体制の強化、ヒューマンエラーを防止するための管制支援システムの整備、管制空域・航空路の抜本的再編、航空機の識別の改善等、必要な安全対策を検討し、結論を得たものから速やかに実施してまいることとしております。
 いずれにいたしましても、国土交通省としては、本件事故の重大性にかんがみ、全力で原因究明と安全対策に取り組んでまいる所存であります。
 以上、御報告申し上げます。
○委員長(今泉昭君) 以上で政府からの報告の聴取は終わりました。
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○委員長(今泉昭君) この際、高橋国土交通副大臣、今村国土交通大臣政務官、吉田国土交通大臣政務官及び岩井国土交通大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。高橋国土交通副大臣。
○副大臣(高橋一郎君) 国土交通副大臣の高橋一郎でございます。よろしくお願い申し上げます。
 今般の中央省庁改革に伴い新しく設けられました副大臣の責務は大変重いものと受けとめております。もとより微力でございますが、扇大臣のもとで、泉副大臣、今村政務官、吉田政務官、岩井政務官とともに一致団結し、新しい国土交通行政の展開のため努力を重ねていく所存でございます。
 委員長を初め委員各位の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
○委員長(今泉昭君) 今村国土交通大臣政務官。
○大臣政務官(今村雅弘君) 大臣政務官を拝命いたしました今村雅弘でございます。
 主に災害対策関係並びに社会資本整備関係を命ぜられております。
 委員長を初め諸先生の御指導、御支援を賜りますよう心よりお願いいたしまして、ごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○委員長(今泉昭君) 吉田国土交通大臣政務官。
○大臣政務官(吉田六左エ門君) 大臣政務官を拝命いたしました吉田六左エ門でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 私は、主に安全・危機管理関係そして交通関係を命ぜられております。省庁再編に思いをいたしまして精いっぱいの努力をさせていただこう、このように思いますので、委員長を初め諸先生の御支援、御指導を心からお願いを申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。
○委員長(今泉昭君) 岩井国土交通大臣政務官。
○大臣政務官(岩井國臣君) 大臣政務官を拝命しております岩井國臣でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私の主な業務は国土関係と北海道開発関係でございます。委員長を初め委員の先生方の御指導を心からお願い申し上げますと同時に、いろいろと御協力を賜りますよう心からお願い申し上げまして、あいさつにさせていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。
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○委員長(今泉昭君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山内俊夫君 おはようございます。自由民主党の山内俊夫であります。
 きょうは省庁再編以降初めての参議院での国土交通省の質疑ということでございます。一時間時間をいただいておりますけれども、前半、私は運輸関係の方を中心に質問させていただいて、後半は脇委員の方から三十分ばかり質問させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 特に扇大臣は、先般、私の地元であります香川県高松空港の近くにあります高山航空神社の方にお参りをいただきまして、ありがとうございます。あの神社は日本で唯一の航空神社でございまして、決して飛行機が落ちないようにということで神社がつくられております。最近は飛行機よりも県会議員とか市会議員とか国会議員も多く参っております、落ちないようにというようなことで。今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。特に今回は記念すべき一番バッターを務めさせていただきますので、いろんなことを質問させていただきます。
 実は今回、北海道開発庁、国土庁、そして運輸省、建設省と、この四つの省庁が統合されたということで、本当にビッグな省庁になってきたわけなんです。これはもう総務省とほぼ同じような、この二つの省は大変大きな省になってきております。国民の目とか最近のマスコミ等はビッグな官庁はだめだとかといろんなことを言われておりますけれども、私はそれを乗り越えて運輸省とそして建設省が一体となって総合的な政策をやっていただきたい。そうすることによって国民に、この省が大変国民の生活空間に潤いを与えるということにぜひ御努力をお願いをしたいと思っております。
 特に、今回の予算編成におきましても七兆八千九百億円という大変大きな公共工事を抱えております。費用を持っております。公共事業の大体八〇%から九〇%を占めるようになってきておりますが、国民の期待というのは大変大きくなってきております。それだけに効率的な執行をぜひお願いをしたいと思うわけでございます。
 先ほど、扇大臣の方からこの省庁のキャッチフレーズが述べられました。人が動く、そして国土が躍動すると。これは非常にすばらしいキャッチフレーズなんですが、国土が余り躍動し過ぎて地震が起きたり火山が噴火する、こういったことは、少し冗談になりますけれども、ない方がいいわけでございますが。
 その中で三つの視点というのが述べられております。総合性の重視ということですね。これはもう当然縦割りから総合的な政策をやっていこうという考え方であります。それで二つ目が国民ニーズの重視、多様な国民ニーズの的確な把握というようなことも言われております。そして三つ目には質の重視、ですから量から質へというような方向転換、少子高齢社会において日本の、今からやはり公共工事に対する質の高さというものは、これはもう当然国民みんなが願っておるところでございますし、我々もそのように願っております。
 そうしたら、このビッグな官庁になってきますとどうしても目が行き届かなくなってくる可能性もあるわけなんですね。それで、私はその目が届かなくなってくるのをできるだけサポートする意味で、地方の目を、また地方の声を大事にしたい。そういった意味で、全国八つの地方整備局というのが今度置かれまして、この地方整備局は本当に目となり耳となりすばらしい情報を収集し、また的確にその地域のニーズをつかまえていく、それに政策を展開していく。これは、私は地方整備局というのは大変大きな役割を果たすのではないかなと思うんですね。
 特に、霞が関論理というようなことに陥ることのないように、地方の目、耳を十分鍛えていただいて、そして育てていただいて、ぜひ地方整備局をすばらしいものに仕上げてほしいと思うんですが、このあたり、扇大臣の御所見をぜひお聞かせいただけたらと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、山内先生から基本的な国土交通省の誕生の経緯等々御指摘をいただきました。まさに行政改革の一環として内閣の中に一月の六日から国土交通省が発足いたしましたけれども、今、山内先生の御指摘のように、四省庁の統合でございますから、皆さんからも、それはなかなか縦割りはなくならないよとか当分は無理だろうなとか、大変そういう目で見られていることも確かでございますけれども、私は、少なくとも新しい国土交通省が誕生いたしまして半年間は、何としてもその基本的な姿勢と基本的な国土交通省のあり方の体制の徹底、そして国土交通省自身の整備というものを図っていくという意味で、私は今努力しているところでございます。
 今、先生がお話しのように、八つの地方整備局、それに北海道、これだけではとても地方の声も把握し切れないだろうし、四省庁が統合になれば、今私が所信を述べさせていただきましたように、あらゆる陸海空分野にわたっておりますので、なかなかそれも、皆さんの地域の声を吸い上げるということが大変だろうという御指摘をいただきましたけれども、私は少なくともそれを何とか努力していこうということで、地方整備局というものを充実していくという基本に立ちました。
 そして、この地方整備局に対しましては、事務の権限の移譲、これは当然のことでございますけれども、箇所づけ等の権限をできるだけ地方整備局へ委任すると、権限と財政を伴ったものを地方整備局に渡していくということによって、私は地方分権の一助になる、また地方分権のスタートのお手伝いをこの国土交通省の各地方整備局が担うという大きな役割を果たすわけでございます。
 そういう意味では、この地方整備局には、今、先生が御指摘の公共事業の予備の一括配分制度というのを導入いたしておりますけれども、ちなみにこれはブロック単位での直轄事業の実施のために補助事業の調整等を総合的に行うことがこれで可能になりました。そのために、事業委任関係法令の六十七本、一括配分予算が約二兆二千億円、これは平成十二年度予算の試算でございますけれども、全体の約三割程度、直接、地方整備局に配分の任を任せると、こういうことでございますので、国が一方的に事業を決めるのではなく、国と各地方とが連携して、ブロック単位で地域のことは地域が考えて決めていくという、そういう新たなシステムとして国土交通地方懇談会を開催したいと銘打ちまして、地方の懇談会を実施することにいたしました。
 そして、今、山内先生が御指摘のように、地方の声が届かないのではないかという懸念を御指摘いただきましたので、私は、この全国の国土交通地方懇談会によってその都市の各ブロック、北海道一つプラス八、そして特に関東ブロックが大きいものですから二つに分けさせていただきまして、合計十の全国のブロックによって地方懇談会を開催するということを計画いたしました。そして、各地方整備局の懇談会には私が当然出席いたしますけれども、各都道府県の知事、それから地方自治体からは都道府県の知事さんにプラス政令市長さん、そして地域の産業経済界の皆さんが御出席いただいて、忌憚のない御意見をいただくという体制をとりました。
 そして、私、この国土交通省が出発いたします去年にも大体全国を一巡させていただいて、それは昨年の十二月に皆さんに御賛同いただきました公共工事の入札及び契約に関する適正化法を理解していただくために全国回ったわけでございますけれども、新たな国土交通省になりましてから今申しました地方整備局を回ろうと思いまして、既に全国、二月の二十四日の中国地方懇談会、そして二十五日に四国地方懇談会、今、先生がおっしゃいました航空神社もお参りさせていただいたのはこの日でございまして、二度と交通事故が起きないと信じてお参りしてまいりました。二十四日の土曜日には北陸の地方懇談会、そして三月の二十四日、北・西関東の地方懇談会、三月の二十五日は東北地方懇談会、三月三十一日が中部地方懇談会、三月三十一日同じく近畿地方懇談会、四月の七日、北海道地方懇談会、十五日が南関東地方懇談会、二十一日が九州地方懇談会と、このように全国を回って、新しい省庁が出発しましたけれども、今申しましたように、国土交通省の基本のあり方、そして皆さん方に国土のグランドデザインにつながる地域関係者の連携強化や共通認識の醸成を高めていきたいというふうにこれを計画させていただきました。
 そして、地方の皆さんのお声を聞いて、国と地域とのオープンで透明な関係を確立するということに私は努力してまいりたいと思いますし、この件に関しましても各先生方が先生方のお地元に行きましたときにはぜひ諸般の意見を、県知事さんなり政令指定都市の市長さん、財界、産業界の皆さんに御意見を賜って、それを国土交通省で政策の中に透明性をもって導入していきたいと、そういう努力をまず国土交通省のスタートに当たってしたいということを、少し長くなりましたが報告をさせていただきたいと存じます。
○山内俊夫君 ありがとうございました。
 扇大臣は昨年就任以来、本当に精力的に活発に動かれておりまして、四国にも来ていただいたということで大変うれしく思っております。特に、四国地区はそういった意味で少しインフラ整備のおくれている地域でございます。ぜひ今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 ところで、今話が出ました地方整備局、実は高松に今までは運輸局とか地建局というのがございまして、大体、郵政と農水以外については高松にすべて四国地方の地方局がございました。
 これが今ちょうど高松サンポート地区といいまして、昔宇高連絡船が通っておりましたところなんですが、昭和三十年に紫雲丸事故という大変悲惨な事故が起きて、瀬戸大橋のきっかけになった事故だったんですけれども、それがなくなって以来、今高松の貨物ヤードの跡地、その周辺約二十七ヘクタールを再開発いたしております。もう既に平成五年ぐらいからその工事が、面的な工事が進んできておりまして、大体もう港も完成をいたしてきておりますし、面的なものが終了しかかっておりますが、その中で、まさに国土交通省というその省が合併された中で、すばらしいモデル地区になる地区だと私は思っておるんです。モデル地区になると思います。
 といいますのは、高松駅があります。この高松駅の今駅舎の改修を行っております。そして、港から離島、小豆島とかいろんな島に出ていく航路もそこで整備されております。フェリー便も整備されております。最近では、JR四国と全日空で組んでいただいたクレメント高松という大きなホテル、これも今ほぼ完成に近づいております。この五月には、連休明けには完成すると思います。
 ところが、いろんな施設群も逐次進んでおるんですが、どうも四国整備局が入るであろうと思われておりました合同庁舎ですね、これは財務局を中心にもう既に平成五、六年からスタートしておるんですが、平成十五年をほぼ完成めどに今まで計画してまいりました。ところが、ちょっと諸般の事情で一、二年おくれるんじゃないかという心配をいたしております。
 せっかくフリーゲージトレーンも、私、歴代の大臣に質問させていただいて、予算もつけていただいて、今逐次うまく進んでおるところでございますが、このフリーゲージ新幹線が高松についたときに四国整備局が、そのちょうど用地予定も三千坪用意いたしておりますけれども、建物も何もないばらばらな庁舎にいるというのは私は非常に寂しい限りでございまして、このあたりどなたかお答え、政府参考人の方もお答えいただけたらと思うんですが、進捗ぐあい、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(岩村敬君) 今、先生御指摘の高松の地方合同庁舎の件でございますが、おっしゃるように、仕事が一体化しても建物がまだばらばらであるということで、なかなか連絡等も任務の支障があるような面もございます。そういう意味で、合同庁舎に入るということは一つ大きな四省庁統合の象徴的なことにもなろうかと思っております。
 そして、今、先生御指摘のように、高松の旧国鉄の貨物ヤードの跡地を中心にサンポート高松シビックコア地区ということで開発が進んでおるわけでございます。そしてその中に、高松地方合同庁舎もその重要な拠点施設というふうに認識をし、整備を進めようというふうに考えているところでございます。
 今、どういう進捗状況かというお尋ねでございますが、国土交通省としては、平成十三年度の予算の中でボーリング等の敷地調査、これを予定しているところでございます。こういったことを終えた後、できるだけ早期着工できるよう諸条件の整備等準備を進めていくと、そういうのが現在の考え方でございます。
○山内俊夫君 ありがとうございました。
 特に、この高松地区は四国全体を見渡すすばらしいポジションになっております。このあたり、ぜひハード、ソフト両面、うまくそのスケジュールに合わせていただければ幸いかと思うわけです。ぜひよろしくお願いしたい。
 ところで、質問の二番目に、私が提案をさせていただいておりますメガフロートの活用ということなんです。
 先般も私、去年だったと思うんですが、横須賀にありますメガフロートの千メートル滑走路の飛行場も見させていただきました。確かに、メガフロートというものは巨大な浮体式構造物でございますから、飛行場だけじゃなくて、私はこの国土の狭い日本、このメガフロートというのは大変有益な計画だろうと思っております。かなりメガフロートの組合、いろんな研究組合あたりもいろんな提案もされておりますし、いろんな技術的なことも今研究が進んでおるやに聞いております。
 このメガフロートの有益性の一番大きなポイントは、今までは埋め立てというのが大体中心だったんですね、海際においては。それが埋め立てと違って生態系をまず壊さない、特に世界でも言われております環境問題に大変配慮された私は構造物だろうと思っております。特に海洋国日本でございますから、今まで造船業界も大変船をつくる技術については世界一と自負いたしておりますけれども、今から海上構造物、これはもういろんな方法がとれるかと思うんですね。
 特に、今既に実例としては、石油備蓄基地とかフローティングピア、これは広島の宇品港にもそういったものがつくられておりますし、横須賀での先ほど言いました空港モデル地区、そして東京湾また大阪湾、伊勢湾あたりの防災基地。海外では、既にベトナムあたりではホテルが、海上ホテルがもうでき上がっておりますし、ノルウェーあたりでは道路が、フロート道路ができ上がっております。カナダではターミナル桟橋というような大変構造物の大きなやつができております。
 これは、私、日本の技術をもっともっと高める、そしてやはり産業を活性化する、そして新しい技術を構築していくということについては、このメガフロートというのは大変私は有益であると思うんです。その中で防災基地というものは、もう既に大阪、伊勢湾、いろいろなところでやられておりますけれども、もっと大きなやつで機動的に使える。
 特に、私は瀬戸内海ですから、瀬戸内海はいろいろ島々があります。島々で一たん火災が起きますとほとんど鎮火ができない状況でもあります。そのときにヘリコプターで最近では消火に行っておりますけれども、ヘリコプターというのはもう時間が限られております。それと積んでいける消火剤も水もたかだか二百リッターから六百リッターというような大変小さなキャパでございますから、このフロート式の防災基地が移動していく、大きな火災になってくると現場まで移動していけるという大変いい面もあろうかと思うんです。
 そういった総合的なことを考えて、このフロート式の防災基地、これについては今現状どのようになっておるか、今後の展開はどのように考えらえておるか、お答えいただけたらと思うんです。
○政府参考人(谷野龍一郎君) 御説明させていただきます。
 先生御指摘のように、メガフロートの有するすぐれた機能の中で特に耐震性能等に着目をいたしまして、防災基地として活用することの有用性についてさまざまな検討を行っております。
 具体的には、平成十一年度より今年度まで二年間にわたりまして、防災拠点としての利用可能性について専門家の方々の御意見を伺いながら、全国展開をする際の各地域ごとの使い方、さらにその際の条件等について調査検討を行ってまいっております。もう間もなく結論が出るわけでございますが、その調査の骨子はこれから御説明する三点にございます。
 第一点目は、広域防災拠点としての機能を確認していくということでございます。具体的には、救援物資の輸送、保管、備蓄、それから被災者の避難地などの機能についてどんな有用性があるかということでございます。
 それから、第二点目の検討事項につきましては、広域防災拠点としての必要な施設とその規模をいろいろ検討していくということでございます。この中には当然、既にあります、既存の防災拠点と連携した施設の活用の仕方でありますとか、それを踏まえた上での規模でありますとか、そういったことを考えていくということでございます。
 それから三点目の検討事項は、広域防災拠点の平時、有事それぞれにおける管理運営のあり方でございます。地震等、そうしばしば起こってもらっては困るわけでありますので、むしろ平時の使い方もよく考えながら計画の費用負担等の軽減等を考えていく必要がありますので、そうした視点から平時、有事それぞれについての使い方、運営のあり方を検討しているわけでございます。
 以上三点について、間もなく最終報告の取りまとめが終わりますので、それが終わり次第、今後自治体等に御活用をいただきたいと考えておりまして、積極的に御紹介をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○山内俊夫君 このメガフロート式の防災基地というのは、私の個人的な希望からいきますと、油が流出したときでもそれが回収できるぐらいの機能を持っておけばいいのかなと思ったりするわけでございますけれども、欲は余り言うわけにいきません。ぜひこのメガフロート式でのいろんな海を活用した、また地域に寄与できる使い方というのがあると思います。ぜひもっともっと研究をしていただいて、推進をお願いしたいと思います。
 最後になりましたが、三つ目の件ですが、これは飛行場問題でございます。
 これは政府参考人にちょっとお聞きしたいんですが、成田空港と羽田空港の整備の現況と今後の見通し、これをなぜお聞きしたいかといいますと、今、地方空港、例えば私は高松空港なんですが、日本一割引率の悪い地域なんです。それは乗客率は非常にいいんですね。これはJAS、ANA体制で二極体制なんです。これでJALが参加をしていただければ三極体制ですから、トリプルトラックということでかなり予算も、ある程度航空運賃の割引もふえるんじゃないかと思っております。そのぐらい、結構六七、八%の乗客率を持っております高松空港なんですけれども、ただ、ふやすことができないんですね。
 JALはいいですよと言っておるんです。先般、前の森田運輸大臣にもそのことを私もいろいろ話をしましたら、JALの方はいいんだと、けれども羽田空港の離発着便に限界があるということなんですね。そういうことで、昨年七月より羽田空港のA滑走路の北へ向かっていく、離陸する運用が行われたと聞いておりますが、これは早朝時間帯五回に限られているということなんですが、これをもう少しふやすことができるのか、また羽田空港全体の発着枠をふやすことはできないのかどうか、このあたりお答えをいただけたらと思うんですが。
○政府参考人(深谷憲一君) ただいま先生から羽田におきますところの北への離陸等のお話もいただきましたんですが、羽田空港におきましては、出発機が混雑する早朝時間帯の出発を増加させることによって利用者利便を向上させたいということで、先生御指摘のように、昨年七月からA滑走路から北側に離陸して左に旋回してという運用を行っているところでございます。
 なお、この出発方式につきましては、羽田空港の西側の内陸部の方に飛行する関係上、飛行の経路下の騒音影響、これに配慮いたしまして、時間帯、回数、使用機材、こういったものを限定することによりまして地元の御理解を得た上でやっておるわけでございまして、現在、七時台、八時台という、こういう限定の中で、一日五便という制約の中でそれを実施したわけですが、このA滑走路からの北側離陸、左旋回、これを回数を、御指摘のように、増加させるということも考えられるわけですが、ただ出発機が混雑する早朝時間帯に出発する便を増加させることは、それ自体は可能なんですが、着陸の方の関係で、また時間帯でその新しい枠がなかなか難しい、こういったことから直ちに発着枠の拡大にはなかなかつながらないなと、こういうふうに今は考えております。
○山内俊夫君 成田空港の現況は。
○政府参考人(深谷憲一君) 状況でございますか。
○山内俊夫君 はい。
○政府参考人(深谷憲一君) 失礼いたしました。
 先生御指摘の、羽田空港の整備状況につきましては、沖合展開事業をやってまいっておりまして、三本の滑走路を整備するということで、現在は沖合展開事業の第三期計画の工事を鋭意進めておりまして、この計画の中でいわゆるC滑走路、これは平成九年の三月に供用開始をいたしました。B滑走路につきましては、昨年の三月にこの供用を開始したということで、現在はその三期計画の中で十五年度末の供用を目標に東旅客ターミナルの整備を進めております。
 なお、B滑走路の供用開始に伴いまして、羽田空港の発着枠の見直しをいたしまして、先生御案内かもしれませんけれども、便数枠の増を実現いたしまして、それは昨年各エアラインに枠を配分したところでございます。
○山内俊夫君 成田の方もちょっと御意見を聞きたかったんですが、ちょっと時間がないものですから、羽田が特に今混雑をしているということ。
 そして、先ほどのJALの報告もありましたけれども、最近、私、知り合いのパイロットにもいろいろ話をお聞きしましたら、やはり発着便のおくれというのが結果的には航空管制にも少し無理を生じさせているということも聞いております。ですから、確かに管制官の能力をある程度超えたものがあると。当初計画、運航計画どおりにうまく羽田からスタートしておれば比較的管制業務もうまくいくんじゃないかということも聞いておりますので、そのあたりも十分今後いろいろ研究をしていただけたらと思います。
 それで、ちょっと時間がなくなってまいりました。実は石垣島空港、これは離島の関係でございます。
 石垣島は、今現在千五百メーター滑走路でやっております。私も、三週前に石垣の方へ入らしていただこうと思って行ったんですけれども、結局四十分上空で旋回をいたしましておりられなかった。早く二千メーターから二千五百メーター滑走路にしたいということを地元も随分叫んでおりますし、一時、白保地区のサンゴ礁を傷めるというようなことで少しおくれてまいったんですが、最近は内陸部、東カラ岳案、内陸案というのがほぼ固まったように聞いておりますが、これ簡単に今の現状と整備目標というのが大体わかれば教えてほしいんですが。
○政府参考人(深谷憲一君) 新石垣空港につきましてお尋ねがございましたが、先生御指摘のとおり、一定の経過を経まして沖縄県では新しく望ましい建設位置の選定と、これを進めてこられておりまして、その結果、その中で昨年の四月に設置されて検討されていった委員会におきましてカラ岳陸上案、これが選定をされたと、こういう状況でございまして、これを受けた沖縄県といたしましては、この案を建設位置として御決定されて、現在ではそれを前提とした具体的な空港計画策定のためのいろんな調査をされておるという状況だと承知をしております。
○山内俊夫君 時間が参りましたので、もう最後の質問をさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
 扇大臣に一つだけお聞きしておきたいんですが、先ほどの羽田の関係、成田の関係、今いろいろあったんですが、首都圏第三空港の検討の現状、今後の予定はいかがなものか。大臣、わかる範囲で、また御意見があればお答えいただけたらと思います。
○国務大臣(扇千景君) 山内先生お話しのとおり、羽田への乗り入れの希望者が国内だけではなくて国際的にも殺到しております。そして、成田と羽田の両方でそれぞれが重要性を持っておりまして、羽田を国際、成田を国際とか特定しないで、私は両方の特性を生かした空港のあるべき姿というものを日本としては、日本全体の国益からして私は考えていかなければならないと認識しております。
 また、御存じのとおり、この二十一世紀から航空需要の増加で、羽田が二十一世紀の初頭、はっきり言って二〇一五年には、平らな言葉で言えばパンク状態になるということだけが明快にわかっておりますので、少なくとも私は、二十一世紀型の国際空港のあるべき姿というものは、日本のためにも、あるいは世界から迎えるお客様のためにも考えなければいけないというのが私の原点でございます。
 まだまだ調整しなければいけないことは多々ございますけれども、少なくとも首都圏の第三空港の複数の候補地もこれありでございますので、学識経験者、関係地方公共団体等から成る調査検討会が航空局におきまして開催されまして、既に多くの御意見もいただいておりますので、それらを参考にし、なおかつ地方自治体の、各自治体の御理解もいただき、何よりも近隣の住民の皆さん方の御賛同を得て、私は二十一世紀の日本の国際空港のあり方という原点を私の立場から参考にしながら考えさせていただいて、決断させていただく時期が来るであろう、そのように考えておりますので、それまでにあらゆる情報の収集と話し合いを進めていきたいと存じております。
○山内俊夫君 どうもありがとうございました。
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
 先ほど来お話がございましたが、一月に新しく国土交通省が発足をいたしまして、はや二カ月余りたったわけでありますが、この間、扇大臣を初め、副大臣、政務官の方、そして職員の皆様方は本当に大変な御苦労、御努力をされてきたというふうに思います。私、国民の一人として敬意を表し、そして感謝を申し上げる次第であります。
 いずれにいたしましても、この役所が本当の意味で国民の皆さんのお役に立つような、そういう組織になってもらわなければ我々国民自身が困るわけでありますから、今まで以上にさらに扇大臣の指導力を発揮されて、職員の一人一人が本当にいい役所にしていこうということで努力を重ねていただくことをあえて重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、いささか旧聞に属するわけでありますが、昨年の予算編成前に、公共事業の見直しということ、これは政府・与党を中心にしてなされたわけでありますが、私は議論の動きを見ておりまして、若干違和感を覚えたわけであります。何が違和感かといいますと、やはり公共事業一つ一つそれなりの地元の要望があって、需要があって、それなりの歴史を経て採択をされ、それぞれ非常に一つ一つ歴史があるわけですね。それに対して、いささか言葉が悪いんですけれども、パフォーマンス的に、せつな的に幾つかやめてしまえというような動きが見られまして、若干少し急ぎ過ぎかなと。
 もともと公共事業は、国民の皆さんのため、みんなの役に立つ、みんなが便利になる、安全になる、そういう仕事でありますから、公共事業が悪いわけはないので、もし悪い公共事業があればみんなでなくしていくのは当たり前でありますから、それを本当の短い期間でえいやとやることは少しいかがなものかなと。本当に地元の方の意見もよく聞いてくださいよということを言っていたんですね。
 あるいは、だれがそれを決めるんだと。今までのような決め方で私はいいとは思わないんですけれども、ではそれにかわって政府・与党が中心になって全部決めていいのかというのもいささか問題がありますし、現行法令上では、まさしく間違いなく当時の建設相、今の国土交通大臣がその権限を国民から負託されているわけですね。
 私、さすがだなと思ったんですが、当時大臣が、与党は与党で検討されているかもしれませんが、私どもはきちっと建設省で責任ある対応をさせていただきます、皆さん方がおやりになっているのは構いませんけれども、我々は我々の基準でしっかり選んでやりますと。まさに正論でございまして、失礼ですが、こういった行政に今まで直接タッチされてこられなかった方としてすばらしい御発言だなと、まさに敬服をいたしたわけでありますが、これはお世辞でなくて本当でございます。まさにこれからもそういう覚悟で進めていただきたいわけでございます。
 私、ほかの委員会でも申し上げたことがあるんですが、野党の皆様方はばらまきだ、ばらまきだとおっしゃるわけですよ。もし公共事業でばらまきで要らない仕事があったら、私は国会も少しそういうことを積極的に口を出すべきだと思うんですね、要らない仕事があるぞ、やめようと。与野党一緒になってやめたらいいんです。ですから、ばらまきと言うんだから、野党の皆さん方、少なくとも自分の地元に二つや三つ要らない仕事があるはずだからぜひ持ってきてくれとお願いをしたんですが、いまだに出てこない。ぜひこれからも本当に要らない仕事はやめさせましょうよ、国民の税金なんですから。それはお願いしたいと思います。
 そういう意味で、国土交通大臣が今の法体系の中では全責任を負って国民の皆様にそういうことを進める立場ですから、もう私は大臣と多分余り考え方が違わないと思いますので、余り細かいあれは結構ですから、御決意といいましょうか感想で結構でございますから、お願いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、脇先生からお話がございましたように、私は二十世紀の公共事業というものが日本の国土の発展のためあるいは国民の社会資本整備のためには私は大変大事な役割を果たして、この二十一世紀の扉をこれだけの国としてみんなで開いてきたという意味では私は公共工事の重要性、まして私は神戸出身で、阪神・淡路大震災のときに多くの人たちが私に言いました。扇さん、公共工事でつくってくれたあの大きな体育館あるいはあの文化会館の中に逃げたので命があったのよと。そういうことから考えてみても、防災上でも公共工事のあり方というものは大変重要なものであるというふうに私自身も考えております。
 ただ、今、先生がおっしゃいましたように、むだなものはむだなものとして、公共工事は国民に預かった税金で賄われているわけですから、これは切るのは当たり前でございますけれども、ただ、昨年の八月二十八日に与党三党で公共工事の抜本的な見直しということで提示されました百六十三の事業、けれども、先ほど脇先生おっしゃいましたように、国土交通省、当時は建設省でございました、建設省独自ということで三十四の事業の見直しを私は提示いたしまして、今の合計百九十七事業について検討いたしまして、その結果百八十七事業を中止することにいたしました。
 ただ、これはただ単に切ったというわけではなくて、この八月二十八日の提示以来、それから私が八月いっぱいでということで当時の建設省独自の三十四事業、これらすべては見直しをするについては地方やあるいは地方公共団体の理解をどう得るかというのが私は最も重要なことで、ただ切ればいいというものではございません。事業認定するまでにも積み上げがあったわけでございますので、この百八十七の事業中止に当たりましては、各公共事業の抜本的な見直しに際して第三者機関でございます事業評価監視委員会、これは各地方にございますので、これを十二月末までということで急いで御開催いただきまして、全国で延べ三百回に及ぶこの事業評価監視委員会で御論議いただいて、地方公共団体と十分に調整をとってこれを中止の決定をしたというのが経緯でございます。
 ただ切ろうと言ってばんと切ったのではない。全国で三百回にも及ぶ御論議をいただいて中止に至ったという経緯もございますので、私はそういう意味では公共事業というものの重要性で、新たな国土交通省になりましたので、私が地方の整備局に地方懇談会として行っておりますのも、ブロックのその地方で公共工事はこういうものが必要なんだ、こういうものはこういうふうな順番で、しかも予算の配分はこの順番でいきたいということを各地方で出していただくために、私は全国の地方整備局で地域の皆さんと地方懇談会を開いているのはそれが主でございます。
 そして、もう一つ言わせていただければ、今までむだだ、丸投げだ、談合だといろいろ言われましたけれども、戦後今日まで一度も公共工事の基本法が国会で論議されなかったということも私にとっては驚きでございました。それで、本当に失礼ではございましたけれども、本来は各省庁にわたる公共工事を、わずか三カ月で、森総理に特命をしていただきまして、各省庁の大臣の御協力をいただいて昨年三カ月間で公共工事の入札と契約に関する適正化法、しかも、これはありがたいことには、臨時国会のあのぎりぎりの時点で自由民主党から共産党さんまで全会一致で御賛同いただいたということは、私は二十一世紀の国土交通省のスタートに間に合ったということでは本当に戦後の公共工事の総決算と、また新たな公共工事の透明性を図る上には大変ありがたい国会の御判断であったということで心から感謝申し上げ、私が再び国土交通大臣になるなんて思いませんから、これは次の方へのプレゼントにしようと思いましたらこういう任務につかせていただきましたので、あとは、この公共工事の入札と契約に関する適正化法が四月一日から施行されますので、より私はこの法律の徹底、そして二度と、二十一世紀、国土交通省が新たな公共工事に着手いたしますことが二〇一〇年、二〇年に立ったときに、二〇〇一年にスタートした国土交通省の新たな公共工事をまた見直そうというような屈辱を受ける公共工事を一切私はするべきではないということを国土交通省に特命をして、スタートまでは時間がかかっても地域の皆さんと話し合いをし、透明性を持って、そのかわりスタートした時点では一挙に工事にかかってスピードアップを図る、スピードアップを図ることによってコストダウンができるという、そういう公共工事の基本的な政策というものと立案の過程というものを国土交通省らしいものにしていきたいと。地方整備局で地方懇談会を開催させていただいているゆえんもそこにあるということをぜひ御理解賜り、御協力賜りたいと存じます。
○脇雅史君 公共事業をやることを決めてまた見直しをかけようということ自体本来おかしな話で、必要な仕事かどうかということがその公共事業を進める仕掛けの中にシステムとして見直す方策も入っていなくちゃいけないんですね。
 国民の皆さんの声をいかに吸い上げて、時代とともに変わっていくんでしょうけれども、それをいかにうまく政策としてやっていくか、施策として行っていくかという非常にやわらかい頭で、今まで決まっているからこれでやればいいんだと、手続的に今の現行法上問題がないからそれで済みということではなくて、やっぱり新たなよりよい形というのを常に職員の皆さん方が探していっていただくと。
 これで終わりというものはないんですね。民主主義の形というのは、民意をいかに引き上げていくか、もうこの形が最善ですと決まっているわけじゃないんです。やはり日々新しい手法を見つける努力をしていっていただきたいというふうに思います。
 さて、その見直しの中で吉野川第十堰というのが一つ話題になりまして、これは国土交通省の皆さん方というよりもむしろマスコミの皆さん方、あるいは直接おやりになっていない方々の御意見、これだけ反対しているわけだから、建設省もむきにならずに一度白紙に戻せばいいじゃないか、白紙に戻して話し合えばいいじゃないですかと。非常に一般受けのしやすい論理なんですね、無理に押し通すことはないと、反対している人がいるんだから一度やめて議論すればいいじゃないかと。
 これは、本当を言うとおかしな話なんです。なぜおかしいかということをきちっとお話をしていかなければ、国民の皆さんが誤解をしてしまうわけです。
 なぜそういうことがおかしいのかというと、私はよくお医者さんに例えるんですけれども、国土交通省、交通大臣、これは国土の安全を守るお医者さんなんです。ですから、河川でいえば河川法でそういうお立場になっているんです。常駐のお医者さんなんですね、しっかりと見ててくださいよと。毎日毎日調査をし、お医者さんでいえば診断をするわけですね。毎日毎日検査をする。そして、危なかったらここが危ないですよということを言わなければいけない。それは医者の良心と技術にかけてそういう責任を国民から負っているわけですね。河川全部、安全をきちっと守ってくださいよと。
 ですから、吉野川についても、大変たくさんの人手とお金をかけてずっと見ているわけです。ですから、その診断結果、こういう治療法があるんだと、あそこは河口に動脈瘤がある、これは手術しなかったら危ない、そういう診断を下されたわけです。
 さて、患者の皆さん、三十万人署名というのがありまして、患者はやってほしかったんですが、患者の周辺の人はやってほしくないという人がいましてね、あれはやぶ医者だから言うこと聞くなよという話をしていたわけなんですが。それに対して、そう言われたら、じゃ私は、その診断、せっかく見立てをしたその診断結果を白紙として下げるんですか、今までの診断は何だったんですか、そんなに無責任な診断をあなたされていたんですかと。まさにプロとしてその川をずっと見てどうすべきかということを決めたわけですから。
 ただ、地元で嫌だと、手術は嫌だという患者がいれば、それはすぐ手術をしろと無理やり押さえつけて手術するわけにいきませんから、手術しないとこれだけ危ないんですよということをお示しして、やっぱり私は嫌だと、だましだまし生きていきたいんだという人がいれば、おくらせていくということはあるんでしょう。
 だけれども、本来、国土の医者として、国土交通大臣は白紙にしますなんということは言えるはずがない。そのプロとアマとゼロの時点で相談してどうするか決めましょうなんということはあり得ないんですね。それはどういう手法で決めたらいいか。これは、さっき申し上げたこともひっくるめて、民意といいましょうか、住民の方々の意見とどう調整していくかという難しい課題にこたえていかなければいけないわけですけれども、同じ立場じゃないですね。最近よく、オリンピックランナーと市民ランナーと一緒の場で、全く同等で話をしていいのかというふうな例え話をする方もおられる。
 ですから、これはマスコミの方もよく理解をしていただかなければいけないんですが、今の現行の法体系上は国土交通大臣にそういう義務を与えているわけです。ですから、よもや白紙にしますなんということは言っちゃいけないんです。これは政府・与党でも白紙だなんということを言っている人がいるので、これはまさに昔の建設大臣、河川法という法律上与えられた義務を職場放棄しているような話ですからとんでもない話だと、私は一人腹を立てているわけでありますが。
 大臣はその辺はさすがに慎重にお答えになっていて、白紙でいいなんということは言われたとは思いませんけれども、もう一度、国民の皆さんに対して、そういう責任を負っているということをきちっと発言していただきたいと思うわけであります。
○国務大臣(扇千景君) 私は、我々すべからく国民の生命、財産を守るというために日々努力し、国会の論議もそれを基本として論議をさせていただいていると思っております。また、そうしなければ我々の任務は意味がないわけでございまして、そういう意味において、吉野川の第十堰、これ二百五十年前につくられた固定堰でございますけれども、老朽化が進行して治水上の問題があるということだけはもう診断結果出ているわけでございます。
 先生がおっしゃいますように、この診断結果、古いけれどもだましだまし使っていくのかと今、先生おっしゃいましたけれども、それと同じことでございまして、特にこの二市六町、少なくとも約十二万人の皆さん方の生命と財産がこれによって一たん何かあったときには洪水で脅かされるということだけは診断結果が出ました。
 先ほども私、所信で申し上げさせていただきましたように、昨年、あの名古屋の集中豪雨によってあっという間に洪水で多くの皆さん方が、しかもこれはわずか二晩雨が降っただけであの騒ぎでございましたし、あの惨事でございました。私は、あのときに、翌日見ましたときに、本当に恐ろしいなと。
 皆さんは百年に一度だから、じゃ九十九年間全部その一回のために犠牲にしなくても、乱暴な方は、扇さん、百年に一回なんだからそのときに補償金払えば九十九年分はむだよと、極端な例をおっしゃった方あるんです。けれども、それは平時のときの会話であって、私は、名古屋のあの大洪水のときに行ったときの皆さんの御苦労を考えれば、あすが百年に一度かもしれない、あさっても百年に一度かもしれない。
 あしたかあさってか知れないことを他人事のように論評するということは、私たち国会議員は国民の生命、財産を守るという基本理念からは、今言ったように二市六町の約十二万人の生命、財産が脅かされるという診断をした以上は、方法はいろいろあります、方法はもちろんいろいろ地元の皆さんと話し合っていくのは当然ですけれども、診断が下った以上は、政府が何もしないで、反対があったら全部やめますよというような無責任なことは、私は国会としても、担当者としてもこれは放置できないというのが基本姿勢でございます。
 ですから、今まで反対の皆さんの御意見もございましたけれども、今度私どもは新たに平成九年に改正いたしまして、この河川整備計画の原案というものに手を入れまして、そして一般の公募で集まった流域の住民の方々、そういう方々を中心にして吉野川懇談会というのをつくらせていただきました。それによって、平成十二年二月からこれまでに既に十三回、延べ三百八十二人がこの懇談会に参加していただきまして、学者、関係住民、あるいは関係知事、市町村の皆さん方にお入りいただいて話し合いをしております。
 また、今回は特に違いますのは、今まで反対だとおっしゃった方にもぜひこの懇談会に御参加くださいということで、地域住民の総意として二市六町、皆さん方の生命、財産を守る最大の公約数はこれだということを、私たちにこの懇談会の報告をいただくことになっておりますので、私は冒頭に申し上げました国の基本姿勢は変わらないけれども、より地元の皆さんの御理解をいただいて、公共工事たるものの有益な税金の使用というものを真に国民の生命、財産を守るために役立つように使用していきたいと思っております。
○脇雅史君 どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いをいたします。
 そこで、ちょっと思い出してみたいと思っているわけですが、昭和四十九年に多摩川の宿河原堰という、「岸辺のアルバム」といったような映画にもなりましたけれども、テレビ番組でしたか、多摩川の中流にやっぱり堰があるんですね。堰があって、その堰が原因で思いもよらぬ災害が起こりまして、岸辺の家が流された。当時訴訟になりまして、それ以来、たしか平成四年の暮れぐらいに結審をしたと思うんですけれども、最高裁まで行って、差し戻し後の判決があって、国に責任があるということになったわけでありますが、国に責任があるということになるとみんな喜ぶんですね、やったやったというわけで。だけれども、考えてみたらみんな自分たちの税金で払うんですから、自分たちが負けたので、喜んでいる場合ではないんですけれども、そういう裁判があったわけです。
 ちょっともう余り時間がないので、きょうは河川局長にもう一回当時のことを少しお話をしていただく予定でありましたが、申しわけないですが割愛させていただきます。
 要は、堰があって、我々河川技術者、私も河川技術者の端くれなんですけれども、その堰を見まして危ないかなと。そこは多摩川の中流部ですし、その堰があるからそんな洪水が起こるなんて技術屋の良心にかけて起こらないと思うんですよ。それはしようがないんです。後からおまえなぜわからなかったと言われても、おまえに瑕疵があるんだと言われても、私自身の良心でわからないんだから、そんなわからないことを義務づけて、しかもそれが瑕疵だったというような判決、いかに最高裁判決といっても私はおかしいと。裁判所の文句を言うわけではないんですけれども、それで決まってしまったんじゃ困るなと。
 ただ、裁判というのはその件だけですから、ほかに波及するわけでもないんでまあしようがないかというふうに、法治国家ですから受け入れざるを得ないんですけれども。そういうふうに危ないということがわからない堰であっても災害が起これば後で国の責任ですよといって税金で払わされる。河川管理者はそこまで責任を持つべきだといって、当時新聞が大騒ぎしてやったやったと書いてある。
 ところが、吉野川第十堰はどうなんだと。こんな危ないものを置いておいたら大変だと我々は申し上げているんだけれども、そんなものはやったらだめだと。新聞はそうだそうだと書いているんですね。これは一体どういう精神構造をしているのか、私には全くわからないんですが、それだけ要するに世論といいましょうか、いい加減なんですよ。ですから、きちっとそこの部分は説明をしていかなければわからないんですね。
 これは全く話が変わりますが、去年埼玉県でO157の話がございまして、保健所で間違えたという例があって、それで補償しろということが出てきたら、それは会社にしてみれば売り上げが落ちて何とかハムが大変な損害を受けたわけですから、補償しろと言うのが当たり前ですが、住民の皆さんは、ふざけるな、そんなことに税金を払ってたまるかと。あれは県だからなのかもしれませんが、裁判で負ければ構わない、ざまを見ろという話とは違って、さすがに自分たちの税金だということに気がついて文句を言われたわけでありますが、まさにそういう自分たちの税金でみんなの安全を守っているんだということをもう少しきちっと考えないとえらいことになる。特に、だれもが忘れてしまいますけれども、そういう多摩川の事例があったんだということをここでもう一回確認といいましょうか、忘れないように思い起こしておきたいという意味でお話を申し上げたわけであります。
 そこで、次の質問に移らせていただきますが、長野県知事が脱ダム宣言というのをされました。非常に私は、とうとうここまで来たかと。公共事業バッシングというのがありまして、公共事業をたたけばいいんだと。先ほど来申し上げておりますように、みんなのためになる公共事業をいじめて、本当に必要な事業が進まなくなってどうするんだという心配をしていましたら、とうとう非常な権限をお持ちになっている、責任をお持ちになっている知事さんまでがこんなのうてんきなことを言い出した。小学生の夢物語みたいなことを白昼何の恥じらいもなく堂々とよく言えるなと。
 過去の日本の歴史を見たら、どんな苦労を先人がしてきたか。洪水に人が流され命を奪われ、財産をなくし、そして渇水のときにはひでりの夏はおろおろ歩きと、みんな大変な苦労をして、水をためることでしか日本の文明なんかないんですよ。ためるのはどこへためるんだと。ため池かダムしかない。それを、山に木が生えていればすべて世の中うまくいくようなそんなのうてんきなことを、無邪気なことをよくぞ言うものだと。
 長野県の人たちに、あんた方はやっぱり立派な知事を選びましたなというふうに申し上げているんですが、これは冗談では済まない。県知事というのは、本来河川法上で言えば河川管理者になるんですね。幸か不幸か、長野県というのは二級水系がないから、全責任を持つ河川管理者でなくていい。一級水系は建設大臣ですから、その一部を法定委任で受けているだけですからまあいいんですが、二級水系をお持ちになっている方がそんなことを言ったら、これは大変なことですよ。
 それが最近の新聞を見ていますと、投書で田中知事はいいことを言ったと。やっぱりそこもわけがわからずに言っているわけですよ。確かに環境がいいほどいいわけですし、山に木があることは私も反対しませんし、むしろ積極的に木は植えるべきだと思うし、大賛成なんですけれども、それを全くこじつけもいいところで、学者の中にもたまにそういうことを言う人がいるんですよ、公共事業反対の方々は。山に木があったら渇水も起こらないし洪水も起こらない、そんな単純だったらだれも苦労しないと私は申し上げたいんです。
 もう余り時間がないので、最後に私は、税金を使ってダムをお進めになっている国土交通大臣のお立場としては、大臣を初め事務次官その他皆さん方はみんないろんな場面で、記者発表その他であれはおかしいということを言われておりますが、さらにきちっと国民に対して明解なメッセージを出すべきだと思うんです。あれは間違いだと。あんなことでは国民に対する責任は負えない、しかも河川法上で言えば、田中さん、あなたは違いますよということを、多分メッセージとして出してもいいんじゃないかとすら私は思うんです。
 その辺の感想を最後に、余り時間がありませんが、扇大臣によろしくお願いします。
○国務大臣(扇千景君) 今、一つ前に国民の生命、財産の話はいたしましたので、ダブらないようにいたしますけれども、少なくとも長野の田中知事の脱ダム宣言というものは、私先ほど、昨年の与党三党と私独自の三十四事業の中止の経過を報告いたしました。あれを中止しますのに全国で三百回の事業評価監視委員会を開いていただいて決定したんです。事業認可をいたしますときにもそれだけの積み上げをして事業認可をするわけです。
 その事業を中止するときには、それまでかかった同じ手順を踏んで宣言なさるなら、私はこれも一つだと思います。けれども、すべてをカットして独断ですべてただ中止と言って全部やめられるのであれば、長野の県議会、そして長野のあらゆる審議会等々は私は要らないんじゃないか。知事さん一人で全部長野の行政ができるんだろうかということも私はクエスチョンマークだと思いますし、私も、こういうところで法案を国会でこれだけ御審議いただいて、そして法案一つ通るにも皆さん方に御審議いただいて、しかも国会の場合は衆参で御審議いただいて初めて法案が生まれるわけでございます。それで初めて事業にかかれるというこの手順を踏んで、中止しますときも、私たちは今申しましたように各地方の評価監視委員会にかけて、そして上がってきて初めて中止が言えるわけでございまして、これを中止したらどうだというメニューを出すことは私は自由だと思うんですよ、皆さんに論議していただくと。
 それはいいんですけれども、メニューを出す前にこれを中止と言ってしまったのでは地元の皆さんの論議もできませんし、事業認可するまでの手続も県議会も全部要らなくなっちゃうということでは、私はこれは民主主義の基本にかかわることでございますし、これが果たして長野の県民の皆さんのためになることなんだろうかなというまず疑問が一つございます。それは底辺でございますので、大事なことだと思います。
 そういう意味で、多くを申しませんけれども、この手法に関しましては、私は脱ダム宣言という、すべてダムがむだということではなくて、ダムにかわる治水、利水の方法もあるということをお示しになって、さあ、今からもう一度どっちがいいか御意見を聞きましょうということであれば私はより民主的であったと思いますので、我々は、国土交通省としては、ダムをすべて中止することが日本のためになる、国民の生命、安心を守ることになるということではなくて、手法の問題とそして手続の経緯の問題というものを我々民主主義は根幹として大事にしていきたいということだけを申し上げておきます。
○脇雅史君 ちょっと時間が過ぎて恐縮ですけれども、手続論ももちろん大事ですけれども、理念そのものにも大いに異議があるということを最後に申し述べて終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。
 きょう、扇大臣のこの所信表明を真剣に、そして一生懸命拝聴させていただきました。
 まず、全体的に言いますと、大変すばらしい内容、あるいはまた重要なものがたくさんうたわれているわけでございますが、初めに大臣も所信の中で触れられましたので私も触れさせていただきたいと思いますが、特に先般のJR新大久保駅において起きましたあのホーム転落事故、あるいは日本航空の九〇七便、そして九五八便のニアミス事故、そしてそれこそ先日のハワイ沖におきます米軍潜水艦のえひめ丸衝突事故、これにつきまして、それこそお亡くなりになられた方もいらっしゃいます、また大きなけがをなさった方もいらっしゃいます。心から家族の皆さんや、あるいは関係者の皆様方に哀悼の意と、そしてお見舞いを申し上げたいと思う次第でございます。
 そのような中で、今回、先ほどから出ているわけでございますが、省庁の再編で大きく変わりました。それこそ国土政策、社会資本整備あるいは交通政策の総合的な推進をなさるわけでございますし、特に国土交通省が発足をしまして、私はきょう五十分の時間しかございませんので、それこそ大臣は本当に感服するぐらい丁寧に御答弁なさってくださいまして私も感謝しておりますが、貴重な時間でございますので、私は粗っぽく簡潔に御質問を、特に交通関係の基本的な問題に絞って質問をさせていただきたいと思う次第でございます。
 そういう中で、それこそ大きくうたわれております二十一世紀の国土交通行政の展開に当たりまして、それこそ人が動く、国土が躍動するというキャッチフレーズのもとで、特にその中で交通関係に絞って触れさせていただきたいと思いますが、総合的な交通体系の整備ということを大きく掲げられていらっしゃるわけでございます。この総合的な交通体系の整備とはどのようになされようとなさっているのか、お示しいただければありがたいと思う次第です。
○国務大臣(扇千景君) 国土交通省、先ほど私が所信を述べさせていただきましたように、陸海空にわたる、またそれにプラス海上保安庁、気象庁と、これだけがございますので、本当に多岐にわたっていることは、今、先生御指摘のとおりでございますけれども、これだけ私の能力の足らざるところは副大臣、政務官等々、省を挙げて皆さんで協力していただいていますので、万滞りなく政策の遂行をしてまいりたいと思っていますけれども、今お話のございました交通体系をどう思っているのかということに関しましては、一番大きなことは、二十一世紀に入りまして日本の物流というものが陸海空の交通体系として連結ができているかというのが私は基本でございます。
 今まで二十世紀、例えば運輸省は港をつくり、飛行場をつくり、そして建設省は道路をつくり、あらゆるところが縦割りでございましたから、国際空港をつくり、港をつくり、それが主要道路にどうつながっていったのかと。ばらばらの体制ではこれの連結がないというのが一番の私は欠点であろうと思います。それがいわゆる縦割りと言われた根幹になっているところでございます。
 けれども、それらを二十一世紀は全部総合的な政策をとっていかなければ国際社会に伍していけないというのが私の基本的な観念でもございますし、二十一世紀型の国土交通省のあり方というものは今までとどこが違うのかと言われたら、今、先生が御指摘の点が一番、山下先生のおっしゃるように交通体系が一番国土交通省の目玉として国民の目に見える変わり方をするべきであるというのがまず基本でございますので、長々と言うと申しわけございませんので、まずその基本姿勢だけは私はぜひ見ていただきたい。また、国土交通省が、先ほど申しましたように、しばらくこの原案を、グランドデザインを出すまで、半年間はぜひ御意見をいただく間、御猶予をいただきたいということを申し上げたのもそこでございます。
○山下八洲夫君 大変すばらしい決意をお聞かせいただきまして、私もある面ではうれしく思います。
 と申しますのは、陸海空を含めた総合交通体系というのは古くて新しい言葉で、もう随分、過去、もう十年どころじゃなくて二十年、三十年前から言われておりまして、今の大臣のお話のように縦割り行政でございますから、それこそばらばらで今日の交通体系ができていると。ここにまた今大きな、多くのまた課題をたくさん抱えておりますので、ぜひ今の決意でこの問題には取り組んでいただきたいなと、そのように思います。
 そういたしますと、どうしてももう一つ大切なのは、総合交通基本法のようなものが早急に必要になってくるんではないか、そのような気もいたします。私は民主党でございますが、民主党もその問題について今一生懸命勉強をさせていただいております。総合交通基本法のようなものをぜひ確立していただきたいと思いますが、その決意はいかがでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 私は、先ほど申しましたように、公共工事の基本法がないかというのが大臣に昨年就任して一番先に探したことでございます。そのときには、フランス、イタリア、ドイツ、基本法がございました。今、山下先生がおっしゃいましたように交通の基本法はどうかということでございますけれども、私もこれも大事なことだと思いますし、これは主要国の立法例の中ではフランスが、国内交通基本法というのをフランスが持っております。国民の移動に関する権利と交通機関を選択する自由、移動制約者に対する特別措置、国と地方の責任分担等々をこれはすべて規定してございます。
 ですから、私はこういうことも一つの大きなお手本だとは思いますけれども、少なくとも私は、国土交通省はこれらすべてを基本法をつくらなくても総合的にすることが国土交通省のまさに役割であると、これをまず実行すれば基本法がなくても国土交通省の政策の中でそれがすべて達成できるのではないかというふうに考えておりますし、今の皆さん方の、民主党でも御検討いただいているということでありますれば、私はこれは党派を超えてお互いにいい意見を持ち合って、政策の一環に入れていくべきだと思いますけれども。
 一つの例を挙げますと、少なくとも先ほど申しました空港、港湾からインターチェンジなり主要都市に入る道路に十分以内に入るということを私は目標にしておりますけれども、欧米先進国では既にこれは九〇%達成できていますけれども、日本の場合はまだ大体四〇%前後で、空港からも港湾からも主要道路に入れないというようなことも大きな基本になっておりますので、私は、今、先生がおっしゃいましたお知恵等々、これは超党派で日本の交通体系の原案というものを考えていきたいと思っております。
○山下八洲夫君 公共事業見直しなどの諸改革の取り組みについてでございますけれども、これに触れさせていただきたいと思います。
 冒頭申し上げましたように、どちらかといいますと交通、鉄道関係に絞らせていただきたいと思いますが、この中で、それこそ大臣は相当公共事業の見直し、これ努力をなさっていることは十分承知をいたしております。その上に立ちまして、今回新たに、たしか十三日に閣議決定なされて国会提出されたと思いますが、JRの完全民営化、この問題につきましては、また細かい問題につきましてはその法案のときに議論をさせていただきたいと思いますが、特に国鉄からJRになりましてそれこそもう十四年の歳月が来ようとしております。
 そういう中で、大臣は今日、この十四年たったJRの問題についてどのように評価なさっているか。すばらしくよくなったじゃないか、いやそうでもないところもあるなというのもあろうかと思いますが、そのような何か評価がございましたらぜひお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 私、何度も、この席に着きます前にも国鉄の組合員等々の皆さん方が私に面会を求めておいでになりました。私は、今までの国鉄がJR三社、例えば本州三社に分かれましたけれども、それぞれの努力によって実業績益というものが確実に出ております。今ここで三社の実績等々言うと時間がかかりますから失礼いたしますけれども、少なくともこのJRに、トータルでいいますと七社ですけれども、少なくとも私は実績として営業がすべて営業黒字になっているということだけをもってしても、これ借金は別ですよ、借金は別に置いておいても、実際の営業収支は黒字になっていると。これは大変な努力だったと思いますし、私自身も新幹線なりあるいはJR七社を利用させていただいても、随分態度も変わりました。民間の皆さんと同じように優しくなられましたし、私たちにも親切にしていただくようになりましたし、そういう旅客サービス、そして営業の見直し率、あらゆる面で私は体質改善を完全にできたというふうに、今日の、昭和六十二年からの分割・民営化以来の私は経営方針と体質改善ができたというふうに、大変私は評価をしております。
○山下八洲夫君 確かに、本州三社、これにつきましては営業的には相当収益を上げていらっしゃると思います。だが、現実に本当に旅客の皆さんのサービスが向上しただろうか。表面的には私は随分向上したなと思いますが、電車もきれいになった、トイレも大変きれいになった、あるいは駅舎もきれいになった。よくなっているんですね。そして、収益を上げていらっしゃる。
 だが、国会議員の皆さん方は東京駅というのはよく利用されると思います。ほとんど改札口は自動改札になっております。そして、一番端っこの方に身障者用の改札が一つありまして、そこへ駅員さんがいらっしゃいます。そこは何になっているか。インフォメーションみたいになっていまして、いつもいろんな方があそこで尋ね事をしていらっしゃる。ホームへ行きましてもなかなか駅の職員の皆さん方の姿は見えない。
 そういうことを見ていきますと、表面的には大変すばらしくなっているようでございますけれども、それこそある意味では、効率性を考える余り、安全の面でいかがなものかなという危惧はいたしております。きょうは私はこの問題には触れません。だが、そういう中で私は思いますのは、同じJRでも三島会社につきましては、それはまだまだそれこそ大変な状況だということは私が申し上げなくても大臣も十分御承知だと思います。
 特に、経営安定化基金とそれから固定資産税の減免とかそういうものでそれこそ何とか運営ができるようになさっていらっしゃるわけでございますが、じゃ、経営安定化基金の運用益、何で運用益を上げりゃいいんだろうというのが今の状況ではないかなと思うんです。あるいはまた三島、貨物にしても同じでございますが、固定資産税の減免にいたしましても、また来年度あたりは考えられるのかもしれませんが、十三年度末でこれも時限立法でございますから終わってしまうわけでございますね。
 一方では、この三島会社と貨物会社というのは不安を抱えて今一生懸命努力をなさっているというところは、やはりきっちりと押さえておかないといけないと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 先生御承知のように、先日、私もJR三社の社長にお集まりをいただきまして、これはJR三社、本州の三社だけでございますけれども、いろいろ社長の御意見等々を聞き、御要望も聞き、また私も、私に対する、これがどうだという御意見の交換をさせていただきました。
 既に御承知のとおり、この本州のJR三社というものを今後完全民営化に向けてということを、条件的なもの、あるいは今の不安、そして少なくともこのJR三社が民営化したときには、採算性だけを重視して、採算の合わないときは切り捨てよというようなことは私は厳重に見守っていきたいと、そのことだけは私は注文もつけましたし、そういうことがあるときには、少なくともJR三社に対しましても私は指導、助言することができるということも改めて申し渡したところでございますけれども、今、先生がお話しになりましたように、この十三年間考えてみましても、私は大きな要因と、そして実を上げてきたというのは先ほども申し上げましたとおりでございますけれども、少なくとも事故数が減った、そういうこととか、あるいは今、先生がおっしゃいましたお客さんに対してということもよくはなっておりますけれども、問題はJRの北海道、四国、九州、そして及び貨物、これが大変問題のあることは先生御指摘のとおりでございます。
 けれども、本来の今までの公共、国民あるいは住民、そして地域の皆さんとのコミュニケーションと、そして産業と経済のために果たしてきた、あるいは生活の向上のために果たしてきた役割というものは私は本当に多いと思います。けれども、今の状況によって貨物も大変運用益が苦しいという。けれども、それをどう確保していくか。地域の皆さんにとっては、いやいや宅急便があるからもう全部要らないんだというだけではなくて、貨物によらなきゃいけないものもあるわけでございますので、そういう意味では今後、各種の助成制度の活用等、経営支援措置を私たちは責任を持って講じてきておりますし、また今後もそうしなければならないと思いますけれども、少なくとも各会社の経営動向を十分に勘案しつつ私どもは引き続き所要の支援をするということだけは、重要性にかんがみて行っていきたいということだけは申し上げておきたいと思っております。
○山下八洲夫君 確かにJR本州三社、これを先行させて完全民営化を進めようと、要するに清算事業団の株を全部国民に開放しようということであるわけでございますが、そういう中で私が思いますのは、もう一つは、三島会社と貨物、これもいずれは当然そういう方針があるからこの本州三社を先行さすという方針であろうと思うわけです。先ほどJRの皆さん方にいろいろと大臣もお会いしたときに申し上げたというようなお話がされたわけでございますが、確かに指針とかその他いろいろなもので縛りをかけていらっしゃるわけでございます。縛りをかければ完全民営化なのか、かけなければこれはまたかけないで民営化ではないのか、そういうところが完全民営化と言いながら、私が疑問を持つのが一つです。
 それから二つ目は、何といいましても、やはり三島会社にいたしましてもあるいは貨物会社にいたしましても、それこそ将来は完全民営化するのは当然だと思います。だが、その見通しというのがさっぱり見えないのが現状ではないかなというふうに思うわけでございます。
 例えば、正直言いまして北海道、ちょっと失礼を申し上げますけれども、北海道あたりは、ああ失礼しました四国で申し上げた方がいいな、四国がいらっしゃいますので、四国あたりは、それこそ私はもうレールは全部めくっちゃって、申しわけない、バスにした方がJRとしては収益がよくなると思うんですね。だけれども、そういうことをしては困るんですね。やはり、鉄道省から国鉄になりずっと、今度七分割され、こうやってきていますけれども、根っこは、最初のスタートを考えますと、やはり隅々までやはり弱者の交通の足というのは守らなくてはなりませんし、そういうことを考えていきましても、一つは、この三社だけ先行させるのは本当にいいんだろうかなというような疑問を持っております。その辺についての御感想はいかがでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 山下先生から、完全民営化と言いながら指導監督したり、あるいは指示することはおかしいじゃないかというお話がございましたけれども、私は嫁にやると同じ気持ちでおりまして、JR三社が結婚してそれぞれ独立するけれども、しばらくは親が見守って、うまくいくかなと、子供が生まれるころになったら完全に独立として認められるだろうなという、そういう気持ちで見守っていくという気持ちでございますので、御理解賜れると思いますけれども、私は、完全に独立したからもうこれでさよならよと言って縁を切るということではなくて、やっぱり経過処置というものは大事にしていきたいと思いますので、そういう意味で見守っていくというつもりで、改めて抑圧的なものを規制でどうこうしようということではございません。
 なるべくは私が二度と口出ししなくてもいいように、また国土交通省として一切関知しなくていいような民営化になることを望みながらも、しばらくは経過処置で見守っていくという姿勢であるということだけは御理解賜りたいと思います。
 なおかつ、私は、今おっしゃいましたように、地方の貨物等々のことをおっしゃいましたけれども、私はバスにしたらいいじゃないかという御意見が、今、山下先生から出ましたけれども、少なくとも私は、国鉄あるいは鉄道、貨物というものが、二十一世紀は公害社会だと言われておりますので、この鉄道を利用することに関しても、私は公害がなくてクリーンな社会の足として、私はどうしても欠くべからざるものであるというふうに考えておりますので、欧米におきましても、また路線電車に戻るというのが今傾向でございます。ですから、そういう意味におきましても私は、路線じゃなくて路面でございます、失礼しました。路面電車に戻るというのも、今、欧米ではそういう傾向になっておりますので、私は何としてもこれは地方の皆さんの便を考えれば、いきなりバスに全部切りかえるということではなくて、しばらく努力していただき、私たちも最後まで、面倒を見られる範囲内では最後まで面倒を見させていただくというつもりでございます。
○山下八洲夫君 私の申し上げるのが矛盾のように聞こえるかわかりませんが、先ほど四国を例に挙げましたのは、レールをめくってバスにした方が収益は上がりますよということを申し上げたのでありまして、そうしなさいと申し上げたのではございません。
 だから、余り完全に民営にしてしまいますと収益がどうしても先行してしまいますから、そうすれば、レールよりバスの方がもうかればレールをやめてバスにしちゃおうということになるのは当然だと思うんです。それをしてはいけないと思うんです。ですから、余り関与はできませんが、大いにサポートはしていただきたいなというふうに思っております。
 それは何かと言いますと、それこそローカル線というのは、レールにいたしましても本当にその地域にとっては命の次ぐらいに大切なんですよ、率直に申し上げまして。私は岐阜県の山の中に住んでおりますからよくわかるんです。目の前に第三セクターの電車も走っておりますし、かわいらしいのが一両でチンチン走っているんですよ。よくそういう意味では承知しているんです。だが、そういう電車をどういう皆さんが利用しているか。それこそ中学や高校に通うそういう交通弱者の皆さん、あるいはお年寄りが送っていただけないから病院に行くために一生懸命使う。こういうことで使っていらっしゃいますので、ぜひその点については、たとえ民営になろうと大いにサポートして一生懸命守っていく、これが大事だと思うわけでございます。
 それで、そういう問題に触れましたので、ちょっとバス問題に入らせていただきたいと思うんです。今、交通関係もバリアフリー、これは当然のことでございます。それから、今、ノンステップバスあるいはワンステップバスの補助金が、国は四分の一、地方は四分の一、補助金が出すんです。大体バス一台二千万か二千三百万するそうです。二千万といたしましても、そして国土交通省の計画で申し上げますと、全国約六万両ぐらいバスがあるようでございます。そのうち二〇一〇年には二〇%から二五%を目標にノンステップバスあるいはワンステップバスを導入しようと。大変結構なことなんです。
 この補助金でございますけれども、JRバスには補助できるんでしょうか、できないんでしょうか、大臣。
○国務大臣(扇千景君) JRバスの補助金に関しましてですけれども、これは乗り合いバス事業の需要の調整規制を廃止した後の生活交通の確保につきましては、各都道府県ごとに設けられております地方公共団体バスの事業者、あるいは運輸局等の地域協議会で協議を行いまして、その結果に基づいて関係者による必要な対策を講じていくという新たな補助制度に移行することになっております。それは先生も御存じのとおりでございます。
 このために、現在御審議をいただいておりますこの予算案の中で、平成十三年度予算案にこれを計上しているというのが今の状況でございまして、この新しい仕組みにおける生活交通の確保の検討の中で、JRバスの果たす役割も含めて、地域の今おっしゃいました乗り合いバスの位置づけ、それを検討することになるものと考えておりますし、またこのために、JRバスに対する公的補助につきましても、現在これらの見直しの中で、そのあり方あるいは取り扱い等につきましても、関係省庁とともに鋭意協議をしているというところでございます。
○山下八洲夫君 現行では、ノンステップバスとかワンステップバスへ、JRのバスには補助金は出せないんです。国鉄改革法では衆参の国会決議でそのようになされちゃって、できないんです。
 それが一つと、もう一つは、JRバスの私は弱さというのは、国鉄改革法でこれはレールと分離しなさい、別会社にしなさいとうたわれているものですから、みんな別会社にどんどんして、あと四国だけかな、まだいつ分離するかわからないのは。四国は先ほど言いましたように、レールよりもバスの方がいいものですから、なかなか逆に分離しない、分離されると本体の方がおかしくなりますから。そういう状況だと思うんです。どんどんそうやって分離なさっているんですね。
 それと同時に、JRバスの路線というのは、冷静に考えてみますと、当時国鉄がレールを引かれる。レールでどうしても引けない山奥、そういうところを今度はバスでつなぐ、そういう路線が多いんです。民鉄あたりのバスでございますと、大体東京の例えば半分を、南半分を、北半分をとか、あるいは千葉県の半分をとか、そういう比較的面で走っていらっしゃるんです。JRバスは点で、山の中を走っているんですね。だから、営業所も一カ所でいいというんじゃなくて、もうそこらじゅうで点で持っていらっしゃるんです。こういう状況になっているんですね。
 そういう中で、私は昨年の十一月の委員会でもこの問題を質問させていただいたんです。もう多くは申し上げません。当時嶋津財政局長、今総務省の次官でございますので、この方は、運輸省を初め関係省庁としっかり話をして結論を得ていきたいとおっしゃっていらっしゃいます。当時の縄野局長、運輸省です、この方も、自治省と一生懸命話し合いをして進めていきますと。当時の運輸大臣の森田大臣も、四国でよく知っているから頑張るというような御答弁をなさっておるんですが、まず先に総務省からお答えいただいて、国土交通省も、局長さんで結構でございますので、御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(香山充弘君) お答え申し上げます。
 お尋ねの点につきましてストレートにお答えいたしますと、まだ現在検討中ということでございます。先生よく御案内のとおり、JRの民営化に伴いまして国会の附帯決議がありまして、財政再建法からの適用の対象から除外するんだけれども、一応従前のような取り扱いをすべきであるという附帯決議をちょうだいいたしまして、私どもそれで運用してまいっておるわけでございますけれども、財政再建法上は、地方団体が負担をするというふうに認められる場合は、地元に受益がありますけれども、一般的な設置費を超える場合、こういった場合でございまして、そういう基準に照らしますと、運営費そのものはなかなか認めがたいということで、これまでも認めた例もございません。
 それから一方で、御指摘がありましたように、乗り合いバスの需給調整規則が廃止されますと、バス運行といいますか、存続について問題が深刻化してまいりまして、地域の協議会でいろんな相談をしているというわけでありますけれども、その場合、公的負担をせざるを得ないといったようなケースが出てまいりますが、その場合に、民間バスとJRバスとで取り扱いが違っていいのかということになるわけでございます。
 ただ、ストレートに、その場合、いきなりそれじゃ地方団体が寄附をするという結論を出していいかというとなかなかそうもまいらないところがありまして、結局、私どもといたしましては、JRバスの運行は地域にとって他に代替できるような手段が確保できるか、あるいはJRバス事業者と他のバス事業者の運行との費用とかそういうものをどういうふうに比較するか、そのようなルールができるか、あるいは地域の足を確保するために国と地方が負担をするというような形の新しいスキームができるかどうか、そういうことにつきまして、現在、詰めの作業をいたしておりまして、JRに対する寄附について協議がありました場合にそれを認めるかどうかについての結論も、この協議の結果を踏まえて対応を決めていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○政府参考人(高橋朋敬君) 先生お話しございましたように、乗り合いバスにつきましては平成十四年の二月に規制緩和がされますので、これに伴いまして、地域の足をどう守るのか、生活交通をどう確保するかということが大きな話題でございますので、これに対しましては、地域協議会を設けまして、そこで対策を講じるということになっております。その中で、当然JRバスの問題も出てまいりますので、そのJRバスも含めまして地域の足の確保をどうするかということを検討しなければならないと、こういう状況であると思っております。
 したがいまして、JRバスに対する公的補助の問題につきましても、これらの見直しの中で、そのあり方とか取り扱いにつきまして、今、総務省の財政局長の方からも御答弁がございましたけれども、今現在、鋭意協議を行っておりますので、できるだけ速やかに結論を得るように努力してまいりたいと、こう思っております。
○山下八洲夫君 先行するわけですが、本州三社は、十三日閣議決定された法案が成立したら完全民営化なんですね。そうしたら、バスも民営なんですよね。同じなんですよね。だから、特に財政局長は昔は自治省ですから、自治省というのは一番地方のそういうのをしっかり守らぬといかぬのです。だから、総務省が頑張れば国土交通省は何ら異論は挟まないと思いますので、どうも私のニュアンスで聞いておりますと、あとは財政局長が、よしわかった、何とかこの附帯決議はもう完全民営化になっていくんだし、もう消滅するだろうと何か判断をすればすぐ実行できることでございますので、ぜひそれは前向きにこれから取り組んでいただきたい。もう御答弁は結構でございます。最後にどうしても質問したいものが一つあるものですから、御答弁は結構でございます。
 大臣が、大体結びに近いところで、多軸型国土構造形成に向けた全国総合開発計画等の国土計画を着実に推進いたしますと、同時に、これはそういう気持ちじゃなくて単純にお間違えになられたと思うんですが、首都機能移転につきまして、都市機能移転につきましてというようなお話がございましたが、これは私は何ら気にいたしておりません。よほどやっぱり思いは東京に置いていたいのかな、それが強いのかなというような印象を持ったものですから、私もこれは印象に残ったわけでございます。
 そういう中で、平成二年の十一月に国会等の移転に関する国会決議がなされているわけですが、この国会等の移転の国会決議ではなくて、国会というのはいろんなものをよく決議いたしますよね。この決議について、閣僚は守らなくていいのかどうなのか、その辺についてまず教えていただきたいと思うんです。
○国務大臣(扇千景君) 国会決議の重みというのは、今、山下先生から何度もあったというふうにおっしゃいました。そのとおりでございまして、米の問題のときにも既に国会決議は二度いたしました。また、残念ながら我々、友部という方が逮捕されて、五年半国会に出てこなくて、辞任勧告決議というのも二度いたしました。効果ありませんでした。大変残念だと思っています。
 けれども、私は、だからといって国会決議は軽いかということは、そうではないと思っておりますし、平成二年の十一月に国会等移転に関する決議というのは衆参で両院でなされております。また、今までも議員立法でもお出しになったり、あるいは昨年には、国会等の移転に関する決議というのをまた重ねて十二年の五月に、衆議院の移転特でされております。
 そういう意味で、この経過も知っておりますし、経緯もよくわかっておりますし、一昨年の十二月に候補地が三つに絞られまして、関係の知事さんが全部私のところにいらっしゃいました。当時、国土庁長官でございました。
 けれども、私は少なくとも国会で、なおかつ担当大臣であるなればこそ、平成二年に決議されたものが果たして今、是か非か、あるいは当時、移転費用が十二兆あるいは十三兆と言われたものが、十一年たった現段階において果たしてその財政がどうあるべきかということも、これは大きな問題でございまして、けさも私、緊急経済対策関係、与党と閣僚会議を開いてまいりました。今の経済状況、十一年前と大幅に変わってきたという事実をもってして、今実行可能にはどういう手続が必要なのか、どういう論議が国会の中で行われるかというのを私は大変重要視して見守っておりますけれども、私から言わせていただければ、昨年も衆参の移転特の開催の日数は、委員会が一回、参考人質疑が一回という、熱意とはほど遠い審議であろうかと。
 国民の皆さんに、私、言われました。扇さん、もっとどうして国会で論議しないんですかと言われましたけれども、法案はこれだけではございませんし、委員会は常任委員会等々もたくさんございますので、万やむを得ずこういう状況になっていることはいたし方ないとしても、私は、諸般の日本の今の現状から考えてどうあるべきかということは、国会議員の先生に真剣に御論議賜りたいと存じております。
○山下八洲夫君 今のような御答弁は、一月二十五日の、ちょうど決算委員会で佐藤先生が質問なさって、そのような御答弁をなさっていらっしゃるんですね。それは承知しているんです、私も。それから、いろんなところでいろいろなものを一生懸命読まさせていただいておりますが、承知しているんです。
 平成二年にこの国会決議がなされた。この国会決議の案文です。案文は、要するに、幾らそんな十年前のこの十二、三兆円、そういう問題は一切触れていないんです。とにかく、政治、経済、文化、そういうものが全部首都東京へ集中した結果、いろいろな問題が起きているじゃないかと。人口がふえ過ぎたりあるいは地価が高騰したり、いろんな問題が起きているじゃないかと。だから一極集中を排除しようということをうたわれているんです。
 それと同時に、私は、二十一世紀の重要な課題といたしまして、首都機能移転については地方分権と同じぐらい重要で重みを持っていると思っています。なぜかと申しますと、日本の歴史を振り返っていただきたいと思うんです。四百年ごとに成長や繁栄や爛熟のサイクルを繰り返しているんですね、関ケ原の合戦から四百年なんですけれども。その節目で政治の中心も変わっているんです。
 今の日本はもう爛熟していると思うんです。もう東京は申しわけないんだけれども衰退の道を歩んでいるんじゃないかな、そういう気も一方では私はします。東京で首都機能を継続するために一生懸命大きな予算をつぎ込んでも、そんな大きな期待はできないんじゃないか。それだったら、思い切ってこの国会移転に関する決議をもう一度よく熟読していただいて、これは前向きに考えるべきではないかなという気が私はいたしております。
○国務大臣(扇千景君) 今、平成二年の決議をもとにいろいろおっしゃいましたけれども、あの平成二年の国会決議の中には、東京一極集中、そして人口の過密、地価の異常な高騰というふうに書いてございます。今、地価は当時の三分の一以下に下落しております。そのことをもってしても、今の日本の状況も大幅に変化したということが言えるわけでございます。
 東京が高いから東京がだめだというのではなくて、今、少なくとも国会の議員会館も建て直しするべきだという話まで出ている。国会等移転というのがどうして建て直すんだということも私、人に言われたんです。どうしてそれができるんですかと、官邸もなぜ建て直しているんですかとある人に言われました。
 そのように、私はすべてをトータルして、我々は今の現状にあって、改めて国会決議を重視しながらも今のことに関しては論議するというのが今選ばれている国会議員の私は重要な役目であろうと思っています。
 そういう意味では、私は三候補地の知事さんがいらしたときも申し上げました。オリンピック誘致をするというので愛知県があれだけ沸きました。けれども、オリンピック誘致できなくて、みんな、愛知県民も青菜に塩のようにがっかりしました。それと同じように、三候補地に、数が少なくなれば少なくなるほど過当競争が起こるから、私は、最後は一つになったときに県民に失望を与えるような過当な競争はお互いにやめましょう、むしろその方が国民のためではないかと、国会論議が粛々とできるように過当競争的なあおることはやめてくださいと三候補地の知事さんにお願いをいたしました。
 そういう意味では、お互いに冷静になって、今の時期に何が一番ベターであるかということをぜひ御勘案いただいて検討するというのが、今在籍している国会議員の私は大きな役割であろうと思っています。
○山下八洲夫君 やはり、目先を考えるのではなく、百年、四百年を考えてぜひ取り組んでいただきたいと思うんです。
 今の御答弁も、この佐藤さんの会議録を読みますと同じようなことが書いてあるんですね。それから一方では、きっと心の中では、あのころはバブルで景気がよかったというものが印象にあると思うんです。ですから土地も三分の一に下がったじゃないかとおっしゃると思うんです。一番株価が高かった時期、これは一九八九年十二月です。三万八千九百幾らです。約四万円近く行っているんです。この国会決議をいたしました一九九〇年の十一月、これは二万二千四百五十四円なんです。このときはもうバブルがはじけていたんです。はじけているのがわかってこのような国会決議をいたしたんです。
 当時、私も衆議院で議運の理事をやって参加をしまして、一生懸命議論してこの案文作成にかかわったから私は承知しているんです。もう当時は、バブルがはじけてからこのようなことを我々は決議をいたしたんです。ですから私はあえて申しておるんです。
 大臣はよくいろんな答弁の中で、例えば、東京二十三区で、自動車の三十キロの表示が立っている、だけれども平均十六・七キロとか十六・八キロぐらいしか走れない、これが三十キロで走れば四兆九千億円の経済効果がありますよと、こうおっしゃっているんですね。こうおっしゃっているんです。私はあれを読みまして、二十三区、あのような状況をつくるためには二十三区全部道路にすれば何とかなるのかなと思ったんですね。四兆九千億円の経済効果を上げるために道路をどれだけ広げないといけないか、どれだけその交通網をしっかり敷かなきゃいけないか。その投資、それが、私は先ほど四百年のサイクルを申し上げたんですけれども、もう爛熟を過ぎているから、もう少しこの問題については長期的な視野に立って考えるべきだと、それが私は二十一世紀の政治家の責務であり任務だというふうに思っています。
○国務大臣(扇千景君) 逆に、二十一世紀、国際社会の中で日本がどうあるべきかということも我々の大きな責務でございます。
 今、ちなみに世界じゅうの中で、東京の国際空港とか国際港湾とか国際都市とか、国際という字がついているけれども、果たしてこれがナショナルにふさわしいかどうかというと、私はそうではないと。まだ東京も、今、成熟しているとおっしゃいましたけれども、私は、とてもとても成熟していると、(「爛熟」と呼ぶ者あり)爛熟ですか、爛熟ならなおのことでございますけれども、まだ成熟もしていないのに爛熟まではいかないというのが私の信念でございまして、日本全土のグランドデザインをするというのがまさに国土交通省の大きな役割であろうと。
 二十一世紀のグランドデザインをかくという、そしてそれがなければ、世界じゅうから日本は、国際的という言葉が日本から全部なくなるというふうに考えるくらい、私は、二十一世紀のこの幕あけに対して、我々が国土づくりのグランドデザインをつくるのがいかに大事かということを認識しておりますので、あえて皆さん方に今の国際都市のあり方、国際都市の条件は何かということを私はるる申し上げた中に、今、山下先生がおっしゃった東京都の事例を申し上げたわけでございまして、我々は、先生と同じように百年の計を考えて今新たに全土のグランドデザインをつくることに重点を置いていきたいと思っております。
○山下八洲夫君 最後に少しいい言葉なんで、全土のグランドデザイン、全土のグランドデザインの上に立ってこの首都機能移転についても考えていただきたいと思うんです。例えば、港湾とか飛行場のお話が出ましたけれども、一つ例示いたします。東京の外郭環状自動車道です。
 これは、東京の葛飾区から千葉県の市川の区間、十三キロです。これに総事業費幾らかかるか。一兆四千五百億円かかるんですね。それに対しまして、首都圏の中央連絡自動車道、茨城県の一般道路、四百六十八号、これ延べ七十一キロですよ。七十一キロつくるのにわずか五百五十億円なんですよ、五百五十億円。もう東京は、先ほど私が申し上げましたように爛熟しているものですから、つくりたくても、投下しても、投下の割にはむだばかりが多くてなかなか進まない。
 ですから、私は、全土の国土をしっかり考えていただいて、百年の大計に立って、この辺についてはお考えを少し変えていただくということを最後に申し上げまして、最後の質問にさせていただきたいと思います。
○委員長(今泉昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十一分開会
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○前川忠夫君 民主党・新緑風会の前川でございます。
 昨年の秋の臨時国会で新しい参議院の選挙制度が導入をされたものですから、私、選挙番でございまして、大変楽しく全国を今回らせていただいております。
 最近、各地へ行きますと必ず話が出るのが、やっぱり政治の問題。もちろん、選挙であちこち回っているものですから政治の話が出るのは当然なんでしょうが、特に中小企業の経営者の皆さん方からまさに悲痛な声が上がっています。
 御案内のように、昨年の段階で経済企画庁は景気の山はもうピークは過ぎていると言いつつも、景気は回復基調なんということを言っているものですから、特に中小の経営者の皆さん方にとっては一体どうなっているんだという声があるわけですね。これは、直近の今の景気の動向をごらんになっていただいてもおわかりのとおりだと思うんです。
 私は、扇大臣は新しい中央省庁の再編の中でもまさに景気対策を、これまでの、いう意味では大変重きを置かれる省の大臣として、今の経済の状況についてどんな認識を持っておられるのか。ちまたでは政治不況だとかあるいは森不況だという声も率直に言ってあるんですけれども、この辺についての問題意識について最初に大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、前川先生がお話しになりましたように、今の日本の景気は二十一世紀の幕開け冒頭から暗雲が立ち込めていると、あるいは先が見えないという言い方をしても、私は、先生が選挙で全国をお回りだという、中小企業の皆さんの悲鳴もというお話がございましたけれども、まさにそういう実感があろうと思いますけれども、他方、見ておりますと、数字の上でははっきり出てまいりませんけれども、先生御承知のように、独身貴族と言われたり、このお正月の正月休みも海外に出た人が今までのどの記録よりも伸びて、世界じゅうへお正月の休みには出かけられたというような、何かどこかギャップがあるような、現実とそして出てくる数字と。そして一方、そのように中小企業の皆さん方が大変困っていらっしゃる、倒産件数もふえている、失業数もふえているという中で、他方にはそういう海外に出るのが新記録というようなものがあると。
 それをどういうふうにとらえていくかということも大きな問題ですけれども、それは一事例としてあるだけであって、私は、日本経済の基本的な問題としては、私は、アメリカが、不況の波が出てきたように、ぐんと株価が下がったから、昔のようにアメリカがくしゃみをしたら日本が風邪引くというような、今の株価の影響があるということを否めないにしても、私は、二十一世紀幕開けしたにもかかわらず、やがて桜の咲くころにはという聞いたようなせりふがありますけれども、少なくとももう桜が咲こうとしていますけれども、何年ぶりの桜で景気がよくなるのか、本当に経済が花開くのかということになると、私は今クエスチョンマークを持たざるを得ない。
 そのためにも、私は、昨年の臨時国会で補正予算を通していただきました。各種の、各党においては反対していただいた方もありますけれども、けれども私は、この一―三月の景気が私は足踏みしてはいけないということであの補正予算を通していただいたわけですけれども、現段階において一―三月の景気を去年の補正予算において下支えできているかどうか、間もなくわかりますけれども、特に今の株価の低迷によって三月決算を迎える多くの企業の皆さん方にとっては今の株の下落というものが、しかも今日のような一万二千円をあっさり割ってしまったというようなところでは、三月決算を迎えている企業の皆さん方は本当に大変だろうと思います。
 ただ、一つ私の国土交通関係で言えますことは、地方によってはまさに工業、産業等々が大きなものがなくて、公共事業に財政を頼っている地方も日本の中にはなきにしもあらずというところもあるわけでございます。ですから、そういう意味では、北海道を挙げては大変失礼ですけれども、そういう意味では、北海道の皆さん方も先生方も、私のところへ、何とか、これは推進してほしいと陳情も受けますけれども、そういうこともございますので、私は景気の底支えということに対しては、大事な公共工事を皆さん方の理解を得ながら進めていきたいということを私はぜひ申し上げておりますし、また今の経済の深刻さを考えるときにはどうしても、きょうも朝から森内閣の中で緊急の経済対策の関連を検討しようという第一回の会議を開いたことも、今の景気の現状が難しいから、ぜひ皆さんに二十一世紀の、先行きの見える経済政策も含めて、国土交通省の予算も通していただいて、これを確実なものにしていきたいということを冒頭に申し上げておきたいと思っております。
○前川忠夫君 私が質問をしたことには余りお答えをいただいていないので、景気が悪いという認識をされているのかどうかということについては、ぐるぐるぐるっと一回りしましたけれども、どうもよくつかめないんですね。公共事業の話は後ほどやりますから、別に今お答えをしていただかなくても、私は質問をしたつもりはないんですが。
 要するに、先ほど大臣が所信で述べられましたこの中にも、まあこれは時間差がありますから、そういうことを言いわけに多分されるんだろうと思いますが、景気回復に向けた取り組みの中で、我が国の経済は緩やかな改善を続けておりますがと、まだなっているんですよね。昨日、経済財政諮問会議では下方修正やむなしということになったんですよね。あるいは一―二月の数字を見ても、景気が大変厳しいということは政府自身が認めているんですよ。にもかかわらず、にもかかわらず、そういう言葉の遊びでごまかそうという、そこが私は問題だというふうに思っています。
 そこで、お伺いをしたいんですけれども、政府は例えば昨年の補正予算のときにも、これをやらなければ景気が失速をするというようなことをおっしゃる、あるいは平成十三年度の予算も、とにかく早く通してくれないと景気が大変なことになるということをおっしゃる。今、大臣は昨年の補正予算を含めた平成十二年度の、この所信の中にも書いてありますけれども、着実な執行によって景気を下支えするとおっしゃっている。あるいはこれは後で多分お答えの中に、もし平成十二年度の補正がなかったらもっとひどかったんだという言い方をされる、多分、あるいはされるかもしれません。とすれば、とすれば、今の平成十三年度の予算はそういうことを見込んだ、もっとしっかりとした景気対策を盛り込んだ予算にしなければならなかったんです。あるいは政府自身の経済対策もそういうものでなければならなかったはずですよね。
 ところが、平成十三年度の予算案が衆議院を通過をしました。大変参議院にとってはじくじたるものがありますけれども、一カ月すれば自然成立をするわけですよ。ですから、平成十三年度の予算案がもう事実上通過をしたということのような状態にありながら、なおかつ景気がこういう状況にある。なおかつ株価は今のような状況。けさの、午前中の株価はマイナス百六十九円です。私は、これは下手をすると一万円すら割りかねないんじゃないかと、今のままでは。大変な事態になるという認識がおありになるのかどうか、全く感じられないんです。
○国務大臣(扇千景君) 私、全く認識が違うと言っておりませんで、まさに認識を同じくすると、アメリカがくしゃみをしたら日本が肺炎を起こすといったような状況にあるということも申し上げたとおりでございますし、今おっしゃいましたように、株価が少なくとも十六年ぶりに一万二千円を割り込んだということと、それから、じゃそれなれば日本が経済対策として何をするべきかということに私は大きな視点があろうと思います。
 ですから、今から、そうですね、二年前でしたでしょうか、自由民主党のお亡くなりになられました梶山静六先生が、経済対策で不良債権の処理を、現物処理をするべきだという強硬な、大手術をするという経済対策を立てられました。今でも皆さんが、あのときに大手術をしていればもう少し不良債権処理ができたのではないかという、これはもう済んだ話でございますから言いたくはございませんけれども、そのように我々は、経済の今の状況を踏まえて、大手術をするだけの体力があるのかどうか、体力をつけてから大手術をしようという人と、いや、もうとにかく大手術をしなければ命がもたないよという経済の見方と、私は対処の仕方、皆さん方の御意見るるあろうと思います。
 けれども、日本の経済がそのように大手術を今するのか、手術に耐え得るような体力をつけてからするのか。私は、昨年の小渕総理がおっしゃいましたように、二兎を追う者は一兎をも得ずという、そのために政府はまず手術に耐え得るような体力をつくろうということで景気回復を重点を置いてやってきたということは御承知のとおりでございます。
 ですから、いや、それはもうもたないんだよ、早く大手術をして、皆さん方の御意見のように、経済再建というものも財政再建というものを置かなければおかしいじゃないか、二兎を追いなさいよということも私はあろうと思いますけれども、私どもは、今の日本の経済の状況というものは少なくとも大変危険な状態であり、急激なこの一両日の中の株の下落というものを考えますと、少なくとも経済の状況を考えて、引き続いて私は景気に軸足を置いて少なくとも経済を一日も早く本格的な回復軌道に乗せるのが私は最重点課題であろうと思っておりますけれども、日々刻一刻とこの状況の、株だけを申しますと変わっておりますけれども、それよりも私は、日本の経済のあるいは日本の経済政策の足というものはきちんと足場固めをしておかなければ、そのことだけで一喜一憂したのではなお国民の皆さんにも御心配をかけるということでございますので、きちんとした私は軸足を置いた経済政策というものに取り組んでいかなければならないと認識しております。
○前川忠夫君 いろんなことをおっしゃりますけれども、何をやろうとしているかというのが全く見えてこない。それから、本来やるべき森内閣が内向きに対してはもう辞任をしますということを表明をされておられる。これでは、そういう内閣が何をやろうとも、本当に本格的な景気回復あるいは景気対策になっているんだろうかという不信感がその底流にあるんです。それは、いろいろ言葉を飾られたって、それはだめなんですよ。事実はそういうことなんです。
 したがって、今の現状をしっかり見きわめた上で、今何をすべきなのか。きのうの本会議の中でそれぞれ野党の側からたくさんのことを申し上げました。本当は森さんにやめていただくのが一番早いんでしょうが、どうもお話をお聞きをしておりますと、緊急的経済対策をやってからおやめになる。もし十分な対策が立てられなければ、恐らく九月までそのままおやりになるんじゃないかと。
 私も、地方を回っていますと、前川さん、森さんと選挙をやった方がいいですねと率直に言われますよ、はっきり申し上げて。実はそのことは大変なことなんですよ。個人の選挙にとって有利とか不利とか、あるいは政党にとって有利、不利じゃないんです。三月危機ということについて一体どういうことをやろうとしておられるのか、そのことが見えてこない限り、私は株は反転をしないし、あるいは下手をすれば日本発の世界同時恐慌ということにもなりかねない、そういう危機感があるかどうかということを私は今心配を実はしているんです。
 別に、ここで大臣と対立してどうこうしようと言っているんじゃないんですよ。今の事態というのは非常に深刻じゃないでしょうかと。そのことについての認識の狂いがもしあるとしますと、この後の議論、どうやったってなかなかかみ合いませんよ。その辺の認識の問題についてまずお伺いをしたい。
 それからもう一つ、先ほど大臣のお答えの中で、公共事業について民主党は反対をしているけれども、ぜひ頼むと言ってお見えになった議員がおられるというお話がありました。
 こういう席ですから、議事録がしっかり残るものですから、公党に対する場合によっては侮辱にもつながりますので、事実関係を明確にしていただきたい。議事録を精査をしていただいて、もし、別な機会で結構ですから、だれがそういう発言をしたのか、あるいはだれが大臣のところへそういう趣旨で要請に行ったのかを明らかにしていただきたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。
○委員長(今泉昭君) 今、前川君から提起されました問題につきましては、後ほど理事会で議事録を精査しながら処置をしてみたいと思います。
 委員長の方からも一言お願いを申し上げておきますけれども、答弁者はできるだけ質問者の趣旨をよくつかまえて、簡明にひとつ答弁を願います。
○国務大臣(扇千景君) 私、前川先生の経済的な認識と違っているとは少しも言っておりません。これは大変な危機であるからこそ、けさも会議をしてまいりましたと申し上げておりますし、私は、アメリカのせいだけではないと、けれども日本もきちんとした基本的なスタンスを、足場を固めておかなければ、アメリカが下落したから日本も倒れるというようなことではいけないから、きちんとした経済の政策をきちんと持っていかなきゃいけないということを申し上げているので、私は認識にほとんど変わりはないと思っております。
○前川忠夫君 昨日の経済財政諮問会議の中での下方修正の話や、あるいはけさですか、午前中やられたのかどうかわかりませんが、政府の緊急経済対策会議が開かれたと、私、承知をいたしております。しかし、会議をやればいいんではないんですね。市場が待っているのは、具体的な経済対策とそれを実行する強力な体制づくりなんですよ。今それが欠けているがために、いわゆる市場が反応しない。
 昨日、主要な労働組合に対して春の賃金交渉の回答がございました。昔は、ベースアップをしてひとつ消費を回復をしてという議論がありました。大変残念ながら、一斉にあった回答を見ましても、せいぜい五百円とか六百円とか、ベースアップでですよ。恐らく、多分ほとんどの企業のベースというのは大体三十万円ぐらいでしょう。三十万円ぐらいの賃金のところに五百円上がって、私は正直に言ってどうなるんだろうという思いがあります。
 ですから、ベースアップさえも今は景気を刺激する材料にはなり得ないほど、恐らく企業の皆さん方もさまざまなことを考えてそういう回答をされたと思うんですよね。それほど実は深刻なんですよ。あるいは労働組合の方も、それだけ企業の状況というのを把握をしているから、逆にそういう回答である意味では妥結をしていっているんですね。それに比べて、政府として何をやるべきかということが見えてこないというところに大変ないらいらがあるということはひとつおわかりをいただきたい。
 ぜひ大臣として、この後、政府のさまざまな会議の中でしっかりとこのことはもう主張していただきたいということを要望しておきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○国務大臣(扇千景君) 私は、先ほど前川先生が、こういうときは党派を超えて大事な日本の経済のためにお互いに意見を出し合って健全な方向に持っていくというお話に私は大変感銘を受けておりますし、またそうするべきであろうと思いますし、またそうしなければならないと私は今肝に銘じておりますけれども、けさも会議をいたしましても、今この国土交通委員会で議題になっておりますことで、今、世上で言われておりますあらゆる不良債権による倒産の中に、次はゼネコンの番だということもあらゆるマスコミの記事に載っておりまして、そういう意味で私は先ほど不良債権の話をしたわけでございますので、私の関連しておりますいわゆるゼネコン業者の不良債権というものが今後の大きな経済的な影響も及ぼすということで私も心を痛めております。
 ですから、心を痛めていることは同じくでございますけれども、名案がないというのが現在のところ私は正直な話だろうと思うんです。これをやってよくなるというのであれば、だれしも手をつけて一挙、あるいは仮にも、変な話ですけれども、こういうすてきな案があってこれだったら間違いないよと言ってくだされば、それはもう政府ももろ手を挙げて御賛同申し上げますし、それを取り入れさせてもいただきますけれども、一発でよくなるということがないということに頭を痛めているということだけは御理解いただいて、でも一歩前進しよう、そして国民の皆さんに元気が出るようにしようということで、きょうの緊急の経済対策会議も開いているということだけは御理解賜りたいと存じます。
○前川忠夫君 今後の政府の中でのしっかりとした検討をお願いしたいというふうに申し上げて締めくくればいいんですが、その政府が、森総理が辞任を表明したのか、御本人は辞意表明したとは一言も言っておられないということですから、そのことが実は一番問題なんだということを私は最後に申し上げておきます。これは、もう大臣からこのことについての答弁は多分難しいでしょうから、これ以上申し上げません。
 そこで、先ほど公共事業の話もありました。それから、午前中、脇委員の方から長野の田中知事の脱ダム宣言の話がございました。私は、別な視点でこの問題は考えた方がいい。確かに、ダムすべてが悪だと決めつけるつもりはありません。それから、国の場合、つまり内閣、政府があって総理大臣がおって各省庁があって、あるいは議会があって、さまざまな仕組みの中で物事を決定していく、そういう政府あるいは国の機構と違いまして、どちらかというと、いわゆる都道府県、あるいは市町村もそうなんでしょうが、首長さんというのはある意味ではオールマイティーの部分というのはあるんですね。
 かつても、例えば石原知事が外形標準課税の問題についてぼんと花火を打ち上げられました。さまざまな波紋がありましたけれども、だれしもが一理あるよという反応なんですね。あるいは今度の田中知事の脱ダム宣言も、ある部分において私は一理あるんじゃないかと思います。ただ、私どもの、つまり立場は現在は国会議員ですから、国会議員の立場から見ますと、もう少し内部的な組織的な手続なり、あるいは表現が悪いですけれども根回しなり、しっかりやっておられた方がよかったんじゃないかなと思いますけれども、時として物事を大きく転換させようというときにはああいう手法があっても私は決してそれは間違いだと言い切ることはないんじゃないかと。
 今、むしろ問題なのは、長野の県民が、ああいう知事、ああいう発言をして周りからはひんしゅくを買っているという知事でありながらもなおかつ高い支持率を得ておられるということ、この現実、そこに私は旧来の政治手法に対する長野の県民の皆さん方の反発があるのかもしれない。
 あるいは公共事業、例えばダムの問題一つをとりましても、私はこれまでの建設省、今度は国土交通省になりますけれども、すべてのダムのやり方が間違っているなんということを言うつもりはありません。しかし、例えば最近も熊本県のいわゆる川辺川ダムの問題も、また新たに環境問題から大きな今地元では議論を呼んでいます。あるいは、これは国土交通省の所管とは違いますけれども、例えば諫早湾の干拓の問題をめぐっても、ノリのいわゆる漁業者からはぜひ水門をあけてほしいというそういう声がある反面、地元の自治体等からはぜひ工事はやめないでくれ、こういう発言がある。
 こういうさまざまな議論、つまり公共事業というものは、さまざまな意見が混在をする中でリーダーシップを発揮してやっていかなければならない。とすれば、一番大事なのはそこに住んでおられる住民の意識が大事なのであって、国の公共事業、まず公共事業ありきということに対する不信が、最近のさまざまな公共事業の問題に対する世論が厳しくなっているのはそこに私は問題があるんじゃないか、このように考えますが、大臣の所感をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 私は今、前川先生のおっしゃったこと、本当におっしゃるとおりだと思いますし、少なくとも長野の田中知事の脱ダム宣言が及ぼした影響というものの大きさも、マスコミ等々、しかも毎回テレビに映っている、またそれによってテレビが特集を組むということで初めて、今までは長野県のことをよく知らなかった人たちも初めて長野がわかってきたということにおいては私はマスコミ効果というものが大であったと思いますし、脱ダム宣言にあってみんながダムというもののあり方はどうあるべきかと。
 また、今回、先ほども私申し上げませんでしたけれども、あのダムの下流には岡谷市というところがあって、下諏訪町の皆さん方が水道用水として新たに一日最大一万一千立方メートルの取水を可能としているんですね。ところが、岡谷市が、この岡谷市の水道水源のうち七六%が地下水に依存をし、なおかつその中で七一%が発がん性の物質、疑いのある物質トリクロロエチレンが検出されていると。ですから、岡谷市の皆さん方は私に、あすかあさってまた陳情にいらっしゃいますけれども、とにかく自分たちは、飲んでいる水道の水が七一%も発がん性の疑いのあるトリクロロエチレンが入っているということが岡谷市で調査して出ているんだから、我々の意見も聞いてほしいというのも伺っているわけです。
 ですから私は、それによって多くの人たちがこれに論議をし、参加し、そしてより一番良質なものを求めるということの基本姿勢としてはよかったと思うんです。そしてまた、そうあるべき面もあろうと思いますけれども、余りにも突然過ぎて、みんながいきなりパンチを食らったようなことになったというのもそのとおりでございまして、例を挙げると怒られますけれども、私が首都機能移転反対ということを質問に答えただけでも、国会の中でも御論議いただいたように、国会軽視だといって怒られましたけれども、私はそんなつもりはなかったんですけれども、言葉というものはそういうふうにとられるということもありますけれども、これによって、長野の田中知事の発言によって長野県の県会議員の皆さん方が議会軽視だとおっしゃっていることも私はそうであろうと思います。
 先ほど申しましたように、私は全部が悪いと言っているわけではなくて、やっぱり手順というものがあると。そして、昨年の自由民主党と公明、保守による三党の公共事業、旧建設省の三十四事業も含めて中止したのも、三百回の懇談会を経緯して初めて年末に中止と決めたというふうに御説明申し上げましたけれども、私はそのためには、公共工事というものは、事前評価、事業評価、事後評価、この三評価をしてもらうというために、昨年の、先ほどもお答えいたしました公共工事に対する入札と契約に関する適正化法を通していただいたこともその一つであるというふうに御理解をいただいて、私は少なくともこういう公共事業、ダムにしろ堰にしろ、私はより皆さん方の賛否両論の御意見を伺うべきだと思っております。
○前川忠夫君 国の社会保障整備という点での公共事業の役割というのは、非常に私は大きいと思っています。ただ、問題は、時代とともにこの役割というものは変化をするのは、これは当たり前ですね。
 と同時に、私は製造業にかつて身を置いた人間ですから、かつてはいわゆる重厚長大の時代がありました。あるいは、ある時期、軽薄短小なんという言葉がはやったこともありました。最近ではIT革命と言われる形で、さまざまな産業界のいわゆる盛衰が続いてきたわけですね。
 それに比べますと、私は、公共事業にかかわっておられる建設業といったら非常に視野が狭くなるかもしれませんが、については、国のそういう事業にかかわっていればそこそこの仕事はついてくるというもし発想があるとすると、これは改めていただかないと、これは先ほどから申し上げていますように、ある例えばダムという一つの事業を見てみますと、非常にロングランの事業になりますね。それは先ほど大臣も、いろんなことの手法を変えることによって極めて短期に、しかもコストのあれをというふうにおっしゃいましたけれども、事実はそう簡単なものでは私はないと思うんですね。そういう、当初計画をしたときと現在との違い。
 それから、直近の話で申し上げれば、極めて国の財政が厳しい中、しかも税金を払っておられる皆さん方も大変しんどい思いをしながら税金を払っておられる。ところが使う側は従来の発想でもし使われるとすれば、それが厳しい批判となって出てくるのはある意味じゃ当然じゃないか。
 私も旧建設省の方の公共事業に対する論点というのをホームページを開いてずっと見させていただきました。多少、お役所のつくったものですから少し手前勝手が過ぎないかなと思うものもあります。今ここで議論しますととてもじゃないが、私の予定時間二十二分しかありませんので議論は申し上げませんけれども、やはり事業というのは、国が行うあるいは自治体が行う事業というのは、住民のため、国民のため、あるいはそれぞれの地域のためのものでなければならないということは当然だと思うんです。とすると、そういうもの、つまり事業をスタートする段階からこの事業の必要性やあるいは途中途中における評価といったもの、こういうものをきちっとしない限り今の問題は私は解決をしないと思うんですね。
 ぜひ、今さまざまな問題になっている件も含めて、これからの国土交通省としてのあり方、仕組みも含めて、できれば簡単にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) けさから私、国土交通省の地方整備局のお話をしておりましたので、前川先生よくお聞きいただいて、どういうふうに国土交通省が全国にわたって地域の意見を聞き、そして地域の特性、各ブロックの首長あるいは政令指定都市の首長、そして産業界、経済界の皆さんと、地方分権の一途としてそのブロックで、東北なら東北ブロックで、公共工事はこういうものをしたい、順番はこうしたいということをぜひ決めていただくということを午前中にも説明いたしました。私は、それは二十一世紀型の公共工事の地方分権を含めたあり方であろうと。
 ですから、補助金も一括そこで地方に渡すということを言っているわけですから、そういう意味では、今、前川先生が御指摘のように、昨年通していただきました四月一日から施行のこの公共工事の法律に対しましても、今、先生がおっしゃいましたように、事前協議というものあるいは事前評価というもののためには、私は朝も申しましたように、時間がかかってもいい、こういうことが必要なんだとおっしゃったときには、事業認可するまでにたくさんの時間をかけて皆さんと話し合って、そのかわり決まったときには、事業認可をおろしたときには一気呵成に投資すると。それが毎年ちびちび、ことしはここまでよ、来年はそこまでよと。やっぱり全部でき上がるまでに年数がかかりますと途中の投資効果が出てこないんですね。
 ですから、そういう意味でも私は、事前協議は長くかかっても、事業認可したときには一気呵成に集中的に投資をする。そうしますと、むだかもしれませんけれども、その地域の経済効果は一挙に倍増するんです。それを飛び飛びにしか認可されないということではならないということで、私も、国土交通省としては、改めて公共工事の事業費の配分のあり方も検討して二十一世紀型にしていきたいと思っていますので、ぜひその点も御理解いただきたいと思っております。
○前川忠夫君 残った時間がありませんので、公共事業関係で一つだけ質問をさせていただきたいんですが、昨年、公共工事適正化法が成立をしまして、それにかかわる建設業の業法改正について十三日付でパブリックコメントを求めておられるという、これも昨日お聞きをしましたが、中身を私も見ていますと、業界紙で見ましたところ、国の直轄事業については情報公開法に基づいて非公開の扱いにするというような話が入ってきたんですが、これが事実なのかどうか。
 それから、自治体関係のものについても、場合によってはそれぞれの自治体が政令、それぞれの自治体で情報公開法をそれぞれ定めますね。そういうものがあることによって、逆に、本来は公開されるはずのいわゆる下請、二次下請等のいわゆる下請金額、これを公開することによって公共工事の透明性を高めようというのが前回の改正のときのねらいだったんですが、事実上骨抜きになる心配があるような気がするんですが、この辺の事実関係をちょっと教えていただけませんか。
○政府参考人(風岡典之君) 先生御指摘をいただきました施工体制台帳につきまして、二次下請以下についても金額を入れるという方向で現在省令改正を検討しているところでありまして、御指摘のようにパブリックコメントを現在やっているところであります。
 その中で、こういったものにつきまして公開の関係についてはどのように考えるのかということでございますが、私どもは、これは入札契約の適正化法におきましては、受注者に施工体制台帳の提出を義務づけているのは、公共工事の発注者が下請まで含めて現場の施工体制を常時的確に把握することができるようにし、それを通じていい工事を実施していただこうということで、言うなれば発注者という立場で、のためにということでそういった義務づけをし、なおかつ下請契約も含めて提出を求めると、こういう考え方に立っておりますので、私どもとしましては、これを直ちに一般に公表するということはその目的から少し外れるのではないかというふうに思っております。
 なお、情報公開法との関連でございますけれども、これにつきましては、一般的には確かに行政文書につきましては開示の対象ということになりますけれども、法律の中で不開示の文書というのもありまして、例えば請負人の競争上の地位を害するようなおそれのある情報につきましてはこれは開示をすることは適当でないと、こういうように考えております。
 ただ、同じ情報公開法におきましても、不開示情報に該当する場合であっても公益上特に必要なもの、例えば丸投げ等が行われたと、そういう調査結果を公表するということになりますと、契約関係も公表するということも場合によるとあるわけでございますので、そういったものにつきましては公表ということがあり得ると思いますけれども、基本は先ほど申し上げたことかなというふうに思います。
 自治体の方の条例の適用につきましての考え方は、またそれぞれの御判断かなというように考えているところであります。
○前川忠夫君 一般の人が今の話聞いてわかりますかね。恐らくわからないと思いますよ。
 じゃ、去年の適正化法でやった議論は一体何だったんだろうと。一般公開をすることの是非をあれして今度やったんじゃないんだと。透明性を高めるということは、だれもがとまでは言いませんけれども、必要だと思われる方が見たいと言われた場合に見せなければ全く意味はないわけですよ。
 それから、例えば談合があったとかなんとかというのはわからないでしょう、そんなことは一々。全部わかりますか。わからないから談合なんですよ。そういうケースの場合に明らかにするといったって、そんなものは明らかにしようがないじゃないですか。ですから、本当にこれは実効性のある業法の改正になるのかどうかということをお聞きしたいわけです。
 それは、昨年の国会の中であれだけ議論をして、さまざまな不信感があるから適正化法が成立をしましたと。なおかつ、いわゆる発注者にとってみては、二次下請以下の受けた側がどういう価格で受けたかによって、発注した金額のある意味では透明性やあるいは正当性をチェックしたいということでやったはずなんです。それが明らかにならない、競争条件を場合によっては阻害する場合には発表しませんなんというんじゃこれは何にもならないじゃないですか。どういうことなんですか。
○政府参考人(風岡典之君) 昨年成立をさせていただきました入札契約適正化法でございますけれども、これはできるだけ情報を開示していこうという方向であるのは御指摘のとおりでございます。
 それで、例えばいろんな発注情報というのも基本的には全面的にオープンにします。また、入札結果、これは過程も含めてオープンにするという取り組みはもちろん積極的にやっていきたいと思います。
 ただ、今まで下請関係、二次下請以下の関係につきましては、民間同士の関係ということで、これは建設業法も含めて一切発注者に届け出を要しない事項と、こういうことになっていたのでございますけれども、今回は、私どもとしましては、まず公共工事については丸投げ等のそういったことにならないようにする、あるいは適切な施工が確保できるように発注者に対しては基本的には情報を全部提供していただく、そういうようなことを今回追加的な並行的な措置として建設業法の施行規則を改正してやりたいと考えております。
 ただ、事柄の性格上、民民の関係ということもありますので、一概にこれをすべてオープンにするということについては限界があるというふうに考えておりますが、私ども発注者の判断から見てこれは明らかに丸投げ等の疑いがあるとか、そういったものにつきましては例外的な事項として公表するということも考えているところでありますので、御理解をいただきたいと思います。
○前川忠夫君 残された私の時間がだんだんなくなるので、この問題は大変大事な問題なんですね。事実上、今のお話をお聞きしていますと、下手をすると昨年通った法律が事実上意味をなさないようなことに、大変大事な部分だったんです、この部分は、なりかねないんですね。ぜひ、これはこれからパブリックコメントを求めて最終的には十月一日からできれば施行したい、こういうことのようですから、またこの問題はいずれかの別な委員会のときに改めて追及をさせていただきます、私どももさまざまなところからこれについては注文がついておりますので。
 申しわけありません、それではあと残された時間が少ないものですから事前に通告をした内容を少し飛ばさせていただきますが、一つは住宅関係のバリアフリーの問題と、それから特に最近、例のシックハウス症候群と言われているように、接着剤の問題がさまざまな健康障害を起こすという問題が大きな話題になっております。
 私は、確かに集成材、合板等はコストの面やあるいは強度の面等々でさまざまな利点があるということも否定をしておりませんが、しかし日本の旧来のいわゆる木造建築といいますか無垢の建築、こういうものも私は再評価をしてみるべきなのではないか、環境やあるいは健康という点から考えてみるべきなのではないかというふうに思っております。特に、これはかつての総理府の調査なんですけれども、やはり日本の国民は木造住宅に対する志向が大変強くて、これから例えば住宅はどういうところに住みたいですかということになると、ほとんど八割近くが木造住宅ということを求めておられるんですね。
 反面、例えば日本の山林は、もちろんこれはコストの問題、価格の問題があるんですけれども、荒廃をしてなかなか手が入らないという実態があります。何かアンバランスのような気がするんですね。それから、かつての建設省の業法か、あるいは新しく国土交通省になりましてからも、木造住宅というものに対する位置づけというのが決して高くないような気がするんですね、これは私のもし勘ぐりであればお許しをいただきたいと思いますが。
 実は、例えば木造住宅ということになりますと、地場のそれぞれの地域の大工さん、左官さん等々、さまざまな方がそこに携わられます。この方々は、やっぱり地域における大事な地場産業をある意味では担っておられる、あるいはさまざまな消費と生活との関連や何かでも大変地場に密着をしておられるわけですよ。そういう方々の仕事というものも大事にしていくという意味では、ぜひ木造住宅の問題について真剣にひとつこれからの政策としてお考えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 前川先生の御質問で、二つにわたっていると思います。
 一つは、バリアフリーのこともおっしゃいました。バリアフリーに関しては、これは皆さん方が国会でも御論議いただきまして、二十一世紀の重大な政策の一つとしてバリアフリー化というのはあらゆる面で施行していかなければならないことは言うに及びませんけれども、今般の閣議で決定いたしました第八期の住宅建設五カ年計画、これは十三年から十七年でございますけれども、この五カ年計画の中におきましても、高齢者の居住法案の基本方針として、そのバリアフリー化については二〇一五年の時点で全世帯の四割を占める、高齢者のいる総世帯数に見合うバリアフリー化を、住宅ストックを確保するということを決定いたしました。
 これで、高齢者に向けての優良の賃貸住宅は十一万戸計画いたしておりますので、これは今、先生が御指摘のように、少なくとも高齢者に向けた賃貸住宅においてバリアフリー化をするということだけは、私たちはぜひスピードアップしながらやっていきたいと思っております。
 それから、その次におっしゃいましたシックハウス症候群の話でございますけれども、御存じのとおり、今の住宅の事情から考えますれば、先生がおっしゃいましたように、あるいは合板だとか集成材等々、いろんな材料が入るようになりましてこういうものがふえてきたわけですけれども、少なくとも私どもは国土交通省の中で住宅性能表示制度、これを皆さん方に表示してございますので、これによりましては健康に優しい無垢材の使用をアピールできるようにということがこの中に盛り込んでございますし、使用する内装材に関しましては無垢材と合板等の無垢材以外の材を分けて表示する、それで初めて住宅の性能表示制度をきちんと表示できるということを言ってありますので。
 私は、先生がおっしゃいましたように、無垢材を国土交通省としては軽視しているということではなくて、むしろこの品質表示という件においては無垢材をぜひお勧めするということを盛り込んでございますので、先生がおっしゃいましたようなこのシックハウス症候群というものにつきましても、一定の基準に適合する良質な木造住宅については住宅金融公庫による割り増し融資制度、割り増しておりますので、ぜひその点は御理解いただいて、私どもも進めていきたいと思っております。
○前川忠夫君 残った時間が少ないものですから、最後に交通関係で二点ほどお伺いをしたいと思います。
 一つは、午前中、私どもの山下委員からも質問がございましたことに関連をするわけですが、昨年成立をいたしました交通バリアフリー法に伴ってバス等に対する、いわゆるノンステップバス等に対する補助が行われることになりましたけれども、私が調べましたところでは民間、いわゆる民営のバスの場合でも現在導入をされているのはせいぜい一・四%程度ということであります。せっかく法律をつくっても、これでは私は何のためにもならないんじゃないか。
 確かに、国あるいは自治体からそれぞれ四分の一ずつ補助が出るというお話でございますが、多分大臣も今の地方のバス事業がどんな経営実態なのかは十分おわかりだと思うんですね、むしろ利用者は年々減っていると。そういう中で、先ほどのお話のように、一台導入をすれば二千万円からの金がかかる、従来型であれば恐らく千五、六百万円で得られるという話もお聞きをしています。そうすると、その差の分、確かに二分の一は国あるいは自治体が補助をしてくれるとはいうものの、なおかつそれだけの負担はやっぱりバス事業者や地方の経営者にかかってくるわけですね。中には、もうバス事業をやめたい、あるいはこの路線をやめたいというときに、全く今のようなことでは逆行するんじゃないかという声が現に上がっているわけですね。
 そういう視点から、まだ法は施行したばかりでございますけれども、ぜひ補助についての見直し等も含めてひとつ御検討をいただきたい、これが一つです。
 それからもう一つは、規制緩和と公共交通機関の公共性という問題についてぜひお聞かせをいただきたいと思うんですが、実は札幌にありますあるタクシー会社が全国的な展開をしているある会社に株を取得されて、されてという表現はおかしいでしょうか、買収をされて事実上会社が、経営者が変わったと。そこの従業員に対して全員解雇、新会社扱いにして、株の取得ですから本来会社の名前も何も変わらないんですよ、株主の名義が変わっただけの話なんです。ところが、全員解雇をして再雇用、賃金は大幅にダウン。これは例えば今、札幌だけで起きたという話じゃないんです。その会社は全国でこういうことをやっているんですよね。
 いずれ別な機会にこれは議論をしたいと思っているんですが、実は昨年成立をいたしました道路運送法の改正によって緊急調整措置の発動の問題が議論されていますね。私は、確かに需給調整規制をある意味では撤廃する、あるいは撤廃の方向で議論をした結果、今のような措置に落ちついたというんでしょうか、これは私はわかるんです。
 ただ、今申し上げましたように、実は各地方のそれぞれのタクシー、ハイヤーのメーカー、会社というのはまさに四苦八苦の状態で、しかも中小が圧倒的に多いんですね。景気のこういう状況なものですから経営がなかなか苦しいという中で、先ほど申し上げましたいろんな国土交通省としての施策をこれからやられる際に、それぞれの企業の経営の内容等についても十分な配慮が行われるような、そういう措置をぜひとっていただきたいというふうにお願いをしたいと思うんですが、この二点についてお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) これも先生から二点にわたる御質問でございますので、まとめてお答え申したいと思います。
 ノンステップバス等々の地方のバス事情、そしてバリアフリー化することの費用等々の話を先生がおっしゃいましたけれども、少なくとも私どもは、この補助率等も含めまして、導入台数をふやすということに関しては今度の十三年度の予算におきましても予算を計上しております。
 バス会社等々苦しいことも私も陳情も受けておりますし、ある程度廃止するということで戦々恐々として駆け込んでこられる方もあるのもよく存じておりますけれども、あるいは通勤、通学等、地域と密着したその線を経営難という形だけで廃止してしまうということに関しては私たちも心を痛めておりますけれども、なおかつその中でバリアフリー化しなきゃいけないという二重の苦しみを与えるということに関しては、最大の補助率の適用をしていきたいと思っております。
 また、今改めてお話がございました。バスというものがほかのものに比べて、環境が大事だと言われております中で、バスというものは少なくとも四二%、あるいは鉄道に至ってはもっと少なくて一一%しかCO2を発しないということで、二十一世紀型であればなおこれは私は存続しながらバリアフリー化をするために補助金の有効な活用をしなければならないというふうに考えておりますので、なるべく廃止をしないでなおかつバリアフリー化をと、欲張りかもしれませんけれども、できる限りの指導と協力をしていきたいと思っております。
 そして、あと一点、緊急調整措置の話が出ました。これで御存じのとおり著しい供給過剰になるということで、供給過剰になることによってタクシーの運転手さんが過剰労働になると、こういう話も私も伺いました。
 けれども、私たちはこの緊急調整措置というものに対して、少なくとも事業者の経営状況につきましては、私たちは直接的に法律上は発動することはできないのは先生御存じのとおりでございますけれども、著しい供給過剰状態かどうかの判断をどこでどうするかということに関しては、指標としては実車数やあるいは一日一台当たりの運送収入など経営状態にも関連する指標を私たちは少なくとも検討していきたいと思っておりますので、緊急調整措置ということによって供給過剰と過剰労働と賃金の低廉化と競争の激化と、あらゆる状況が出てまいりますので、これも適切に、そして事情を聞きながら、皆さんが民営ではございますけれども、私たちはそれに少なくとも経営状況というものを伺って、私たちが対処していくという資料を今集めさせていただいて御意見を聞いているところでございますので、ぜひこれも引き続いて私たちはなるべく多くの皆さんの御意見を聞いていきたいと思っております。
○前川忠夫君 終わります。
○森本晃司君 公明党の森本晃司でございます。
 大臣初め副大臣、政務官、いろんな課題を抱えている国土交通省で、その任に当たって一生懸命御尽力いただいておりますことをまず心から感謝申し上げる次第でございます。
 こうしてお座りいただいておりますひな壇を見ましても、それぞれ扇大臣を中心に、地方自治、中でもこれから国土の点で大いに考えなければならない東京都のことについて一番よく御存じの高橋副大臣や、あるいはまた運輸行政に非常に造詣の深い副大臣、泉副大臣等々、それからその横には建設行政、殊に河川行政で非常にその道のプロとしてやってこられました岩井先生とか、またさらにお二方の政務官いらっしゃいまして、私は国土交通省を今スタートするときにすごい体制を皆さんでしいていただいているなというふうに思っており、日本の国土をこれから発展させていただく体制をしっかりと整えていただきたいと思っております。
 建設省と運輸省が一緒になった、大きくなったということでいろいろ言われる場合もありますけれども、私は建設省と運輸省が一緒になって、一つのことに向かって国土発展のために一緒になって尽力、尽くしていくということはすごいことではないかなと思っているんです。
 例えば一つの例を挙げてみますと、駅前の広場をきちんとしようと思えば、今まで道路の部分は建設省、それから駅に関することは運輸省、だからその間の段差を解消しようと思っても、バリアフリーの問題をやろうと思ってもなかなかできなかった。今の国土交通省になると、これで省のバリアがむしろなくなっていくんではないだろうか、道のバリアフリーの前に省のバリアフリーがこれで実現していくんではないかと思っております。
 大いに期待しておりますが、国土交通省、旧建設省と旧運輸省一体となって、まず省庁のバリアをなくして頑張るんだということについての大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 大変国土交通省を叱咤激励していただいて、勇気百倍で頑張っていきたいと思うことを冒頭に申し上げておきたいと思います。
 ただ、国民の皆さんに私は、今、森本先生がおっしゃいましたように、旧運輸省、旧建設省と、国土交通省になったらどこがどう違うんだということがまだ国民の皆さんの目に映っていない、姿が見えない、これが私、現実であろうと思っております。
 けれども、先ほども午前中、私、御質問に申し上げましたけれども、半年間見てくださいとお願いしたことは、今くしくも森本先生がおっしゃいました、例えば一つの駅をとってみても、南口、北口両方に出口がある、その両方の出口を上をブリッジでつないで、両方に駅前ビルをつくってそこに託児所もつくろう、そしてお母さん方が駅前のこのビルに行って子供を預けてそこからお出かけになると。これも、今までだったら道路特定財源で建設省だけが使って運輸省はくれないななんて思っていた部分もありますけれども、こういう事業も国土交通省になれば道路特定財源でできるということも、これは国民の皆さんにはよくわからないと思いますけれども、そういう現実があるわけでございます。
 ですから、先ほども午前中、例を挙げましたけれども、空港にしろ港にしろ、あるいは鉄道にしろ、道路と一体になっていないというのも縦割り行政のしからしむるところで、日本はそれがつながっていないという現実はあるわけでございますので、これを国土交通省になったら果たして成果が上がるものが国民の皆さんの御期待に沿ってお見せできるか、それを今私は懸命に努力しているというところでございますので、あかずの踏切を解消することもこれも経済効果ありますけれども、あかずの踏切をやめるということだけでも、道路幅が広くなったら周りの人の立ち退きが出てくるわけですね。それも地元の皆さん方の御協力をいただかなきゃいけないと。あらゆる面で一つのものを進めようとすると影響が余りにも大きいものですから、少し時間がかかることはあるかもしれませんけれども、縦割り行政がなくなった国土交通省はこんなにスピードアップをして、そして一体となって立案できるというこの利点をぜひ御理解賜って、国民の皆さんに目に見えるような実態をお示ししていきたいと思っております。
○森本晃司君 次に、きょうの大臣の所信表明を聞かせていただきました。悲しいことではありますけれども、大臣の所信表明の一番最初から二ページを割いて、まずはJRの新大久保駅の問題、それから続いて日航機の事故の問題、さらにまたハワイ沖で起きた原子力潜水艦海難事故の問題等々、二ページにわたって大臣が述べていらっしゃいます。これは私は、人命を大事にしていく、人の命を大事にしていくという役割が国土省にあるということの、私は最初にこの問題を冒頭に挙げていただいたことに、その取り組みの姿勢については私は敬意を表するものであります。
 ただ、これらの三つの事故、まさに陸海空と起きたわけでございまして、国土そのものでございます。陸海空をあわせて国土省がやっていただくわけでございますが、どうぞこれからほかにいろんな災害も、予期せぬ災害等々も出てまいりますけれども、迅速に、そして一体となってスムーズに人の命を守るということに尽力をいただきたいとまず最初に申し上げまして、そこで、また後の法案のところで詳しく審議されることになるかと思いますが、私は、その中の日本航空九〇七便、また九五八便の異常接近事故についてお伺いしたいと思います。
 この事故発生と同時に、私の方の党でも日本航空九〇七便事故調査対策委員会というのを設けまして、私がその調査委員長につき、すぐに所沢の東京航空交通管制部へ伺いましていろいろと、十分ではなかったわけでございますけれども、意見も交換をさせていただきました。さらにまた、乗員組合連絡会議の皆さんや機長組合の皆さんや、あるいは航空安全推進連絡会議の皆さんからもいろいろと御意見を聞かせていただき、また運輸省からも聞かせていただきました。
 今回の事故、四十二名の皆さんがけがをされたということ、まことに遺憾でありますし、私も心からお見舞いを申し上げるわけでございますが、不幸中の幸いというか、お亡くなりになった方もいらっしゃらないけれども、もしあの事故が、あの高度で二機が当たっていたら、これは日本の航空史上最大の出来事になったのではないだろうかと。いろんな方の話を聞くと、もしあそこで事故を起こしていたならば、もう機体から遺体から、相当高いところですから、方々に散らばって、なかなかその後のこともできなかった。思うとぞっとするような出来事でありました。それだけに、この問題についてはよほど真剣に取り組まなければならないと思っています。
 昔、人が歩いたりかごを乗ったりしているときの事故と、今日的にだんだんスピードアップされてきて起きてくる、いわんやまして、先ほど大臣も羽田空港も間もなくいっぱいになるという話がございましたけれども、それほど空ということが、の交通ということが極めて重要になってまいりましたときに、しっかりと再発防止、この原因の究明と再発防止に全力を挙げていかなければならないと思いますが、事故後、いろいろと航空機安全のための調査もされましたが、このことについての大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、森本先生から御指摘がございましたように、〇・何秒の差で航空機史上最大の大惨事が起こったということは仰せのとおりでございまして、私は、あの第一報を受けましたときに、とても私はきょうこの席に、御答弁に立つような資格はなかったと認識しておりました。けれども、おかげさまで死者を見なかったと。けれども、負傷者の皆さん方が四十二名も出したということで終わっただけでも私は本当に恐ろしい思いが一瞬、私はけが人だけで済んだということも感謝を込めて、二度とないようにということで高松の航空神社にお参りに行ったわけでございます。
 けれども、今御承知のように、先生の御指摘のように、二度と再びこのようなことがないように、また報道でされますように、一年じゅう日本の上空でニアミスがあるんだというようなことでは、皆さん方に今こうして御審議いただいているときでも空を飛んでいるわけでございますので、国民の皆さんに安心して御利用いただくようにということで、すぐにあの日に対処をさせていただきました。
 対処の事例については、先ほど航空機事故の報告を泉副大臣から御報告がございましたので、細かいことは再度ダブりますので申し上げませんけれども、私は今回で一番残念だったことは、航空管制官が指示をしますときに対象機を取り違えたというこの事実は、私は国土交通省としては何としても究明し、その対策をしなければならないということを一番先に感じました。
 それで、私どもも、対処したことは今重ねて申しません、先ほど御案内ございましたように、すぐ調査官を現地に七名派遣もいたしましたし、そして全国の管制官の長を呼びまして、これも指示もいたしました。また、問題点も出てまいりましたので、出てまいりました報告は先ほどございましたので、出てきた報告を私たちが直すのは当然のことでございますけれども、なおかつ私は航空会社をお呼びして、私どもでも聞いていたら飛行機の便名が間違うような同じような便名をなぜつけなければいけないの、国内線は百番台、国際線は何番台と、例えば国内線は二けた、国際線は三けたと、単純な同じ九百番台で国内線と国際線があるということも、これは航空間業種同士で話し合えないものですかと、これも一つの防止策ではないですかということを航空会社を呼んで私も検討してくれということを申しました。
 けれども、少なくとも私たちは、この対象機を番号を取り違えたということに関しては二度とこのようなことがないように、管制官の指導、研修、そして勤務状況等々を勘案するのは当然のことでございますけれども、私たちはでき得る限りの、皆さん方に二度とこういうことがあってはならないということを厳命して、今鋭意その修正等々、管制官の指導等々に改めて原点に戻ってやり直しているというのが今現状でございます。
○森本晃司君 今、大臣から話がございましたが、管制官が便名を呼び間違えたと、ヒューマンエラーから起きてきた大事故でございます。管制官になられる方々というのは大体百倍ぐらいの競争率の中から選ばれて行かれるわけでございますが、いろいろとお話を聞きますと、四日に一回の休みの交代制勤務であると。私はこれから、こういう大事なお仕事をされる管制官の方、大変な緊張の中にいらっしゃると思います。緊張の中におればこそ一瞬の間違いが大きな間違いになっていくわけでございまして、このヒューマンエラーをなくしていくことを考えなければならないのと、必ずしもその勤務体制だけが原因であったとは私は思いません。おっしゃったように、いろんなことをこれからかんがみていかなければなりませんが、今のこの航空事情、これからさらにまた伸び行く事情として考えて、それは日本の空域の問題もあります、これはまた後日に譲らせていただきますが、管制官の勤務体制あるいは陣容、これはこれでよしとされているんでしょうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 先ほど申しましたように、全国の航空管制官の長をお呼びいたしまして検討していただきまして、幾つかの事項が出てまいりました。簡潔に申し上げさせていただきますけれども、直ちに対応すべき事項というもの、それは一つには管制業務の緊急総点検を別紙のとおり実施することとして、三月三日付で通達を、失礼しました、二月三日付で通達を発出するということにいたしました。また、二つ目には、四空港の交通管制部長、東京あるいは大阪航空局長及び航空交通流管理センター所長を二月五日に本省に招集しまして、再発防止の徹底を、管制業務の緊急点検、総点検の実施について指示することといたしました。
 るるございますけれども、その中で、今、先生がおっしゃいましたヒューマンエラーの再発防止を図る必要があると考えられまして、以下の訓練体制の強化策を実施することにしました。その一つは、既資格取得者に対する一定期間ごとの再訓練制度の創設。そして二つ目には、訓練教官体制の強化。三つ目には、訓練機材の充実。四番目には、職場環境の改善方策。以上がすぐに取り組まなければいけないということで決めました。
 また、ヒューマンエラーを重大な事故につなげないためのシステムの改善を行う必要があると考えられることから、以下の管制システムの強化を実施することにいたしました。その一つ、管制支援システムの開発の整備、二つ目には空域、航空路の再編等がとりあえずは決められたわけでございますので、細かいことに関しましては時間を省きますけれども、以上のようなことでとりあえずできる限りの最大限の努力をするというふうに今決めております。
○森本晃司君 ぜひ、管制官の皆さんの陣容の問題も、急に人をふやすわけにはいかない仕事でございますから、どうぞ今からその体制を、どうそういった管制官の人をふやしていくのかというビジョンもしっかりと考えながら、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 次に、こういう事故が起きたときに、調査委員会が先なのか、あるいは警察が先なのか。今回の事故については、その辺が今後の安全対策につながってくる問題で、私は極めて重要な問題ではないかと思っているんです。
 航空安全推進連絡会議がその見解を出しておられますが、その一つに、今回の事故においても、警察当局の犯罪捜査が事故調査委員会の調査に先行して行われたことはまことに遺憾であるとして、世界の状況はどうかというと、世界の主要国で長年にわたって確立した制度となっている国際民間航空条約第十三附属書に逆行していると指摘されておりますが、この点についてはどのように考えておられるのか、お考えをお願いします。
○副大臣(泉信也君) 今回の日本航空九〇七便のように、着陸後直ちに警察が入ってきたという事実を多くの皆さんが御承知の上で、警察が先に入ることは問題ではないか、こういう御意見があることは私どもも承知をいたしております。
 今、先生御発言の中で、国際民間航空条約という言葉を出していただきましたが、国土交通省のいわゆる航空事故調査委員会というものは、このシカゴ条約、ICAOの規定に準拠して設けられておるわけでございます。
 このICAOの中には幾つかの規定がございますけれども、事故調査の委員会の役目は罪や責任を科すのが調査活動の目的ではないということが一つ書いてございまして、さらに、罪や責任を科するためのいかなる司法上、または行政上の手続もこのICAOの規定に基づく調査とは別でやるべきだと。ですから、事故原因をきわめる調査、これが事故調査委員会でありますが、その他の司法上の問題は別の調査でやるべきだというふうに国際条約上も明記をしてあるわけです。
 ですから、私どもは、その国際的な考え方に基づいて航空事故調査委員会を設置させていただき、その考え方を大切にしながら、あくまで事故原因の調査ということで今日までも取り組ませていただきましたし、今回の事故調査に当たりましても特段の支障はなかったという判断をいたしておるところでございます。
○森本晃司君 今、副大臣からお話ありましたように、あの調査委員会というのは決して罰するものではないということでございます。そうでないと、調査委員会に本当のことが述べられなくなって、事故の次への安全性というのは十分生かすことはできないかと思うんです。
 ただ、警察が先かという問題でございますけれども、これはあの事故が起きたときに真っ先に機長室へ警察が入っていったと報道されていますね。機長の責務というのは、その中に負傷者とかいろんな方がいらっしゃれば、その人たちをまず安全なところに運び込む、あるいは救出する、こういったのが機長さんの最大の責務だと私は機長さんから伺ったんです。その機長さんが、まだこの飛行機の中に事故あるのに警察から取り調べを受けて動くことができないという状況であったと。私は、これはいかがなものなのかなというふうに思っていますし、いろいろ取り調べの初期の段階で警察の皆さんがお聞きになりますと、それはそうでしょう、警察の皆さんだって飛行機事故の専門家ではございませんから、私もこの問題に触れていろいろと御説明聞いていると、やっぱり専門用語がたくさんあるからなかなか自分で理解できなくて、このことを教えてもらうだけでも時間がかかる。そういう問題も私はあると思います。調査委員会の方が先に入っておられれば、それはもうそういったことですぐに、専門用語、専門家同士の話でございますから調査も私はスムーズにいったんではないかと思っております。
 そこで、なぜそういうことが起きてくるのかというと、かつて警察庁との覚書があったようでございますが、この覚書があるがゆえにこういう状況が起きたんではないか。もしそういうことであれば、これはきょうは十分な議論、時間がありませんからできませんが、その覚書を破棄することも検討した上で今後の対策に取りかかるべきではないかと思うんですが、いかがでございますか。
○副大臣(泉信也君) 先生御指摘のように、機長としての責務があるわけでございまして、いわゆる事故報告を直ちに行う、あるいは乗客の身の安全を守るというような役割は当然持っておるわけです。
 今回、警察が着陸と同時に機長室に入って事情聴取をしたということが、即その機長としての役目を阻害したかどうかについては、私どもは必ずしもそういう認識は持っていません。ただ、お互いに事故原因、そしてまた司法的な立場を尊重していかなければならないということで、御指摘の事故調査上必要な立場から運輸省と警察庁の間に覚書が取り交わされておるわけです。この覚書にのっとってこれまで幾つかの事故調査をやってまいりました。
 それぞれの立場でそれぞれの使命達成に支障が生ずることがないようにということが一番の根底の考え方でございまして、事故調査委員会と捜査機関との間で協力及び調整を行うような覚書になっておると私どもは思っておりまして、今日までも特段の支障はなかったし、今改めてこの覚書を破棄する、あるいは改正をしなければならないという認識には立っていないところでございます。
○森本晃司君 アメリカでNTSBの調査については、テロ等々がない限りFBIが出ていったりはなかなかしないんだという話も私は伺っております。
 あと、他の質問もしたいものですから、また調査、今度の法案の中でいろいろと伺いたいと思うのですが、覚書が交わされたのは後藤田長官のときであった、警察庁長官のときであったようでございますから、もう相当時期もたっておりますし、今回のときに、今まで何もなかったけれども今回のときにはやっぱりいろいろな関係者の中からそういう声も出ています。だから、必ずしももう破棄すべきものではないという前提に立たないで、今度の調査、すべての原因を見詰めていく中で、ぜひこういった点についても十分に検討をいただき、またそういった意見をお持ちの方々の御意見もよく聞いていただいて、再びこういったことの起きないような、事故が起きないための体制にしていただければと思っております。
 そこで、あと事故調査委員の充実についてということで質問通告をしておりましたが、少々時間が過ぎてまいりましたので、その点についてはまた次の機会にさせていただきたいと、このように思っております。
 次に、国土交通大臣にお伺いするわけでございますけれども、きょうの大臣の所信表明の中に「生き生きとした暮らし」ということで、公共賃貸住宅と福祉施設の一体的整備を促進するというふうなことも所信表明の中できょうは述べていらっしゃいますが、二十一世紀の豊かな住居を実現するために住生活の質の向上を目指すことが大事であり、国土交通省も取り組んでいただいております。
 第八期住宅建設五カ年計画が三月十三日に閣議決定されましたが、住宅政策の中期的課題と基本姿勢について、大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(扇千景君) 我が国の住宅事情というものは必ずしも、量的には充実し、なおかつ一戸当たりの床面積も九十二平方メートルと、欧米先進国に比べますと着実に改善は一応見られてきたんですけれども、まだまだ借家の面積の平均が四十五平方メートル、あるいは大都市圏に居住する世帯の誘導居住水準達成率が四割というふうにとどまっておりますので、大都市圏に借家を中心としまして質の面ではまだまだ立ちおくれであると言わざるを得ない状況であるのは私は残念なことだと思っておりますけれども、今の日本全土のこの地形のあり方あるいは地価の値段等々を勘案しますと、これからも私は税制や融資による良質な持ち家取得の推進のみならず、ファミリー向けの良質な公共の賃貸住宅の供給を図るとともに、定期借家制度の導入など、少なくとも民間賃貸住宅の供給の促進を今後も図っていかなければならないと思っております。
 今後は、急速に進む少子高齢社会に対しまして国民一人一人の住まいを、皆さん方にも御審議いただいておりますように、皆さん方のニーズに合った広さ、ゆとり、そして一番大事なバリアフリー化、これを何としても住宅の性能面でも充実した良質な住宅のストックの形成を図っていかなければならないと思っていますけれども、それにつきましてもいろんな私は施策を駆使しながら、でき得る限りの皆さん方の需要におこたえできるように、また特に森内閣ではIT改革とかIT社会を目標にしておりますので、少なくとも賃貸住宅の中でも光ファイバー等々が使用できるような設備を整えた賃貸住宅の拡充ということも国土交通省としては図っていこうと思っております。
○森本晃司君 住宅の問題で、高齢者住宅についてはまた後で出てくる法案のところで審議させていただくことになりますが、私は、この二十一世紀の公的住宅のあり方の中で、公的賃貸住宅の中期的な課題、今すぐにはこれはなかなかいきませんけれども、もう今からぜひ考えていただかなければならない住宅のあり方というのはあるんではないかと思います。
 というのは、今、公営住宅、それから公団、それから特別優良賃貸住宅、こういったものにいろいろ分かれております。この分かれている基準については所得によっていろいろ分かれているということでございます。
 同じ公団と同じ地域に、これはもう随分いろいろと検討されて、同じ公団と同じ地域に公営住宅があるということ、そういう状況になってまいりましたけれども、私はこの三つが一緒になった建物で、単に所得で建物が変わっていくという形じゃなしに、その一つの大きな建物の中に公営住宅もある、それから公団もある、それから特別優良住宅がある。そういったことで、一個の集合住宅の中に多様な年齢層、また多様な所得による階層の人たちが、みんな一緒になって一つの地域をつくることは極めて二十一世紀的には大事ではないかなと、このように思ってます。
 バリアフリーのことで、そういう段差がないようにということでございますけれども、今の公的賃貸住宅には所得によるバリアが起きてきているような気がするんです。それをやっぱり私は、これから法の整備もしていかなければなりませんけれども、地方の公営住宅とも一体となってこの問題を国土交通省が進めていって良好なコミュニティーをつくる必要があるかと思います。
 そこで、時間がないので私は三点について申し上げたいんですが、一つは、公営住宅、特定優良賃貸住宅、高齢者向き優良賃貸住宅、公団住宅などの混合建設を行うことについては、中長期的にどのように考えておられるのか。
 二つ目は、それの選択をするのに、公営住宅は公営住宅の方で情報がある、公団は公団の情報がある。そういうものではなしに、公営も公団もいろんなものが選択できる募集の一元化を図っていく必要があるのではないか。
 三番目、それを維持していくための、維持管理のための体制の一元化も必要ではないかと思っておりますが、この三点についてお伺いいたします。
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも、今、森本先生が御指摘いただきましたように、公営、公団等の公共賃貸住宅の事業実施に当たりましては、例えば既存の公団住宅の建てかえの際に少なくとも公営住宅を併設する等、あるいは高齢者への進展も踏まえまして各事業の主体間の連携を深めると、これはもう当然のことでございます。
 これが、今最初におっしゃいましたように、今後、それじゃその賃貸住宅、公共の賃貸住宅に関する募集情報の一元化は極めて重要だと今おっしゃっていただきましたけれども、私は手元にちょっとこういう、今遠いものですから後でまた資料でお届けいたしますけれども、募集情報へのアクセスプロセスのイメージというものをつくってございまして、お手元に行っていればごらんいただければいいと思いますけれども、こういうふうに一元化をするということで、これで機能の基本を決めて公共賃貸住宅制度の概要を全部一本で知ることができると。そしてまた、公営住宅や特優賃の必要な所得判断がこれでまた一元化してここで見ることができると。
 そして、公共賃貸住宅の検索がこれでできるということで、新たに私はこのネットワーク化ということに対しましてはシステムの開発を進めておりますので、私は今後、平成十三年度秋を、ことしでございますので、これを目標にこの募集情報へのアクセスというものを私は開始していきたいと思っておりますので、情報の一元化ということも、また公営、公団の、あるいはお年寄りに対しての特別の選択というものもこれによって少なくとも一元化できるということに対しては前向きな姿勢がとれると思っていますので、御期待をいただき、ぜひこれを、秋には少なくとも利用できるようになりますので、多くの皆さんに御利用いただけるようにしていきたいと思っております。
○森本晃司君 さらに、ちょっと今、一つの集合住宅の中で、段差がなき人たち、所得による格差がなき人たちが入るようにということを申し上げましたが、その点についてはちょっと今お答えいただいていなかったんですが。
○国務大臣(扇千景君) 失礼いたしました。
 これは先生がおっしゃるように、本当に新しい二十一世紀型の住宅というもの、あるいは住宅だけではなくて、道路もあるいは公共施設もすべてそうなんですけれども、これからはどうしてもこれが重要視されるということで、私は先生がおっしゃいましたように、段差がないだけではなくて廊下の幅も広げよう、それは車いすが通れるようにしよう、あるいは手すりをつけようと、そういうふうなことで、私は二十一世紀型の住宅を福祉等も連携を特に重要視して、私はたまたま公明党さんからお出になっております厚生労働大臣とも連携をとりながら、福祉を、そして住宅とこれを一緒にした私はバリアフリーというものの整備のできた住宅の供給ができるように、私たちは社会福祉の施設等の併設の推進なども私は連携をとって図っていきたいと思っておりますので、厚生労働大臣と協議の上、私たちは国土交通省が進めますことと連携をしていけるということが二十一世紀型であると思っておりますので、これを進めてまいりたいと思っております。
○森本晃司君 ちょっと質問と答えがすれ違った部分もございますが、大臣のお気持ち等々もよくわかってまいりましたんで、これからまたいろいろ議論をさせていただくことにいたしまして、国土交通省、どうぞ一体となって日本の発展のために尽くしていただくことをお願い申し上げまして、質問を終えさせていただきます。
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○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君が選任されました。
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○緒方靖夫君 ニアミスと駅のホームの二つの事故問題について質問いたします。
 ニアミス事故は、一歩間違えれば重大事態に発展しかねなかった。先ほど大臣言われたとおりです。徹底した原因の究明と再発防止対策をとることを求めておきたいと思うんですね。
 きょう、ここで取り上げたいと思うのは、このニアミス問題の背景であります民間航空便の増加の反面、米軍や自衛隊などが使用する軍事空域が拡大しているというその問題なんです。
 そこで、まず我が国周辺の軍事空域の現状について、運用開始時と現在の総面積がどうなっているのか、また新たにつくられた軍事空域はどこか、これをお尋ねいたします。
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明申し上げます。
 訓練空域についてのお尋ねでございますけれども、訓練空域につきましては、現在幾つか設定されておりますけれども、その設定の時期はそれぞれ別でございますけれども、いわゆるそれぞれの訓練空域の……
○緒方靖夫君 軍事空域を聞いています。
○政府参考人(深谷憲一君) 自衛隊の訓練空域と理解しています。
○緒方靖夫君 米軍は。
○政府参考人(深谷憲一君) それにつきましては、今申し上げましたように設定時期はそれぞれ多少異なりますけれども、それぞれ運用開始の時点、全体を整理いたしますと、七十六万七千百八十平方キロという状態でございました。
○緒方靖夫君 現在。
○政府参考人(深谷憲一君) 現在につきましては、十三年、ことしの三月現在で申し上げますと、その総面積は七十八万六千三百平方キロメートルでございます。
○緒方靖夫君 二万平方キロメートルふえているわけですね。
 私は新たにつくられた軍事空域もお尋ねしましたが、どうですか。
○政府参考人(深谷憲一君) それぞれ先ほど申し上げましたように、訓練空域につきましては、それぞれの時点、昭和四十六年以降設定されてきたものがございますけれども、最も最近に設定されましたのは平成十二年の四月に、いわゆるUと名称は呼称されておりますけれども、これが設定されたところでございます。
○緒方靖夫君 米子空域のことですね。全くこれは重大だと思いますね。各軍事空域が拡大されている。新たにその訓練空域まで生まれている。七一年の雫石事故の教訓、これは民間航空機を最優先する、そこだったと思いますけれども、それに逆行する事態が生まれていると言わざるを得ないと思います。
 この両空港が所在する関東地方の空の交通に大きな影響を及ぼしているのが横田空域と百里空域です。私、ちょっときょう簡単にこうやって図をかいてまいりましたけれども、ちょうど羽田と成田を挟むように両空域が広がっております。(図表掲示)こちらが横田、こちらが百里ですね。こういう形で空域が広がっているわけですけれども、羽田空港の西の背後ぎりぎりまでこの横田空域は迫っているわけですね。
 大きく制約された空域を使って、例えば羽田の場合には出発便の四割に当たる北陸、中国、北九州方面便が高さ六千メートル、一万八千フィートに達する大きな箱のような横田空域を飛び越えなきゃならない。また、東北、北海道方面に向かう便は、出発便の三割に当たるわけですけれども、これは横田空域と百里空域の間を通って北上する。ここには成田空港も存在するわけです。
 私たちの党は、筆坂議員を初め多くの議員が、米軍エリア、訓練エリアの問題についてこれまで提起し、横田空域の返還についても一貫して要求し、主張してまいりました。百里などの軍事空域の縮小、廃止、これも求めてまいりました。
 そこで、お伺いしたいわけですけれども、大臣、この両空域の返還、これも含めて、当面これらの縮小、これについてやはり検討すべきじゃありませんか。簡潔にお願いします。
○国務大臣(扇千景君) 航空交通量の増加に伴う空域の根本的な見直しについてお触れになりましたけれども、近年の民間航空交通の顕著な増大等に対処するために、航空路の複線化や一方通行化、あるいは最適空路、経路の設定等の、空域あるいは航空路の再編を推進しているというのが今の現状でございます。
 けれども、その際必要となりますのは、防衛庁や米軍との調整をさらに推し進めていかなければならないという現状でございますので、横田空域の返還につきましても、あるいは民間航空の効果的な運航を実現する観点からも望ましいと考えておりますけれども、引き続ききょうのこの先生の表を見せていただきまして、今後、米側にも返還を要請するということも考えていきたいと思っております。
○緒方靖夫君 米側にもそういう要望を出していくということを今言われました。私、それは当然のことだと思うんですよ。なぜ今言われたように空域の見直し、これが必要かというと、それにはわけがありますよ、当然。
 そこで、お聞きしたいんですけれども、成田空港の開港前の七七年と直近の数字、恐らく九九年だと思いますけれども、その七七年と九九年では羽田と成田空港の離発着便の回数が相当ふえてきていると思うんですけれども、その離発着便の回数、どうなっていますか。
○政府参考人(深谷憲一君) 成田と羽田の状況につきまして、成田空港の開港前後につきましてのお尋ねかと思います。
 成田空港の開港は昭和五十三年五月のことでございました。その前後につきまして数字をそれでは御説明させていただきますが、昭和五十二年、これは羽田空港でございますが、羽田空港の年間の着陸回数、五十二年度で八万四千三百七十一回。昭和五十三年度、これは成田空港の開港した年でございますが、五十三年度につきましては、羽田空港におきまして着陸回数年間六万七千七百十八回でございます。なお、成田空港につきましては、この年度は全部で年間二万七千四百十四回という状況でございます。
 また、成田空港開港の翌年度……
○緒方靖夫君 九九年で結構です。合わせて、成田と羽田。
○政府参考人(深谷憲一君) はい。成田と羽田、合わせまして、最も最近の数字を申し上げますと、平成十一年度でございますが、これは羽田空港で十二万一千七百七十一回、成田空港で六万七千百十一回、お尋ねの合わせますと十八万八千八百回余でございます。
○緒方靖夫君 今、局長は着陸の回数を言われましたけれども、離発着といえばそれを倍にすればいいわけですね。同じことですけれども、いずれにしても、回数、この間、七七年から九九年までの間に二倍以上ふえていますね、二・何倍になりますか。そういうことになります。
 とすると、先ほど言いましたように、訓練空域は拡大している、それから成田と羽田のこの利用については二倍以上になっている、この狭いところでどんどんふえる。それからまた成田の二期工事が完成していくと、これがまたさらにふえていくと。民間航空機の利用、増便、これはますますふえることになりますね。そうすると、この間は圧迫されてくる、しかし便はふえる。ならば、私は何をしなきゃいけないかということについて言うと、結局は軍事空域、訓練空域を削るしかない、もうそこに明白にこう結論は行くと思うんですよ。それはそうですよね。
 ですから、私はその点で、先ほど大臣が答弁いたしましたけれども、米軍と防衛庁よく調整して、横田についても、横田の空域についても米軍に要求していくと言われましたけれども、私はそれをやはり強く、大臣、いいですか、強くそれを要求される、このことが非常に大事になってきていると思うんですね。ですから、私、この点では幾らいろんな対策をとっても、こんな狭い空域にさらに、さらに民間機がどんどんふえていくと。そういうふうになったときには、その安全の確保というのはやはり私は横田空域の返還であり、当面大幅縮小、縮小、これをする以外にはないと思うんですね。
 そこで、大臣に改めてお伺いしたいんですけれども、やはり私は、政府として民間航空機の安全をきちっと保持していくという点でもその点をしっかりと進めていただきたい。その点、大臣のお考え、改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、緒方先生がおっしゃいましたように、先日二月十六日、深夜便ではございますけれども、民間のチャーター便を羽田から五機飛ばさせていただきました。これは初めてのことでございますけれども、国際線、韓国の済州島に二機、そしてサイパンに一機、ハワイに二機、五機を十一時から十分置きに臨時で飛ばさせていただきました。これによって、私は、今後も深夜とは言いながら羽田からのチャーター便が可能になったわけでございます。
 まだ週二便ではございますけれども、今後私は、来年のワールドサッカーについて、先日も韓国の金鍾泌国務総理経験者等、私のところにお見えになりまして、そして来年のワールドサッカーの成功のために、韓国と日本が共催するのであるから、これはまた急激ですけれども、シャトル便を羽田と飛ばしてくれというふうにおっしゃいましたけれども、それらを勘案いたしましても、今おっしゃった空域に対しては余計苦しくなってくるというのが現状でございますので、ぜひ私はこれは東京都知事と一緒になって、私は今後米軍に対しても、国としても、そういうことを勘案しますとなお申し上げなければならないなというのが今の実感でございます。
○緒方靖夫君 前段の話の意味がよくわかりました。私も思うんですね。石原都知事は、国民の空の安全を守るために成田空域を含む横田飛行場の返還を引き続き強く求めていくと、今行われている都議会でも表明されている。私、これは非常に当然だと思うんですね。ですから、大臣も言われた。ですから、やはり力を込めてその点、我々国民の空の安全のために、体を張ってでもそういう立場をしっかりと堅持していただきたい、このことを要求しておきたいと思うんです。
 そこで、私、一つお聞きしたいんですが、来年度予算で百里基地に民間航空機乗り入れのための滑走路整備が盛り込まれております。ところが、こうした機会に自衛隊が空域の拡大を要求してきていると聞いております。これは今の話と全くまた逆行するわけですね。その点でそれがどういう内容なのか、自衛隊側の要求は、それについてお尋ねいたします。
○政府参考人(深谷憲一君) 百里の飛行場につきましては共用化ということで、民間と自衛隊と双方で使えるようにということで今整備が進められておりますが、この管制の関係の問題でございますが、民航機と自衛隊機、この飛行空域を分離して管制をしていこう、そういう観点から、百里飛行場の真北から西にかけて進入管制区を広げようという予定で考えております。
 そこで、その拡大を予定している空域につきましては、成田や羽田、こういったところの近隣の進入管制区、あるいは航空路の航空交通、これにつきまして、我々といたしましては、特に影響を与えるものではないということで安全上支障はないというふうに考えております。
○緒方靖夫君 局長の今の答弁、重大ですよ。何で安全に影響を及ぼさないんですか。私がさっき説明したように、ただでさえもその空域問題、重大なわけですよ。それなのに、それを拡大して、今そういう話が提起されている。それに対して、何で安全に責任を持つ局長が初めから安全に影響がないと言えるんですか。現場のパイロット、どういう声を上げているか御存じですか。取り消してください。
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明申し上げます。
 現在、百里の飛行場、これ自衛隊の飛行場でございますが、そこにつきましては、管制、百里の進入管制区につきまして防衛庁が管制をしておりますが、今回それを、ここに民との共用のための整備を進めておりますが、その百里の飛行場整備後、これはやっぱり管制を一体的にやっていただく方がより航空の交通安全上は適当であるというふうに考えております。
○緒方靖夫君 もう一つ問題あるんですよ。
 今の拡大の要求に加えて、あなた方からいただいたこの資料によっても、百里進入管制区、この六に当たるところ、いいですか、このところ、現在は三千五百フィートを自衛隊は九千から一万フィートまでと拡大を要求しているんじゃないんですか。
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明申します。
 先ほど申し上げましたように、共用後の管制のあり方としまして、百里飛行場につきましては一体的な管制がより安全上大切だという、適当であるというふうな考え方から、百里の進入管制区につきまして西北方面に拡大をするという考え方でおります。
○緒方靖夫君 大臣にお伺いします。
 大臣、いいですか、大臣。自衛隊が百里の空域を拡大してほしいと要求してきている、場所もそうだし、高度もそうだ。それに対して、局長は一体的な管制になるから安全に支障はないと答弁された。私は非常に重大だと思いますよ。大臣、この答弁、是とされますか。監督する、局長を監督する大臣として。
○国務大臣(扇千景君) 私は、安全に一〇〇%という言葉はないと思っております。あらゆるところで、安全というものは一〇〇%ではなくて、一〇〇%に近い努力をするというのは努力目標であって、すべてが一〇〇%安全と言い切れるということは私はないと思っております。
○緒方靖夫君 大臣、情けないですよ。いいですか、全然話が違うんですよ。いいですか。
 私は、先ほどから言っている、大臣が認められているように、空域がこのように狭まっていくというこのことが、民間の航空路がどんどん増発していくもとでいかに危険かということを話しました。したがって、大臣は、その空域について、アメリカに対しても横田の空域を返還するということを含めて提起されていると、またそれを強く主張されると言われましたよね。そうですね。それに対して、自衛隊の百里基地のこの空路でこれを拡大して、そして民間の空路を狭めるようなことをして、なぜそれが安全に寄与すると言えるんですか。
 ここですぐに大臣に答えを求めても用意がないかもしれません。これについてはよく調査して、本当、それを是とされるのかどうか。それについて、大臣御自身、大臣としてまた政治家として、きちっとした形でその点を調査していただいて、後日で結構ですけれどもぜひ報告いただきたい。この問題、非常に私は重大だと思いますので、そのことを申し上げておきます。
 さて、次に私は、JR新大久保駅において発生した事故について質問したいと思います。
 私たち日本共産党は、この事故の直後に、私自身も含めて現地調査をいたしました。また、とうとい犠牲に献花し、また哀悼をその駅の場でささげました。
 駅ホームの落下と接触による事故は毎年大変な件数になっています。九九年度の事故件数は百三十五件、死亡者数は三十五名、負傷者は百三名になっています。今年度は、上半期だけで事故件数は八十二、死亡者二十二、負傷者は六十人、そうなっております。あの新大久保の事故の後もこうした転落は後を絶ちません。
 そこで、私お伺いしたいのは、国土交通省の鉄道事故等報告規則、これを見ますと、鉄道人身事故として、「列車又は車両の運転により人の死傷を生じた」ことを事故と言う、そういうことであって、死亡したり負傷しなければ事故としてカウントされない、そういうことがある、このように聞いております。事故とは呼ばない転落も、提出していただいた資料によれば毎年七百件くらい発生しているわけですね。まさに異常事態だと思います。
 そこで、私お伺いしたいのは、現状では事故扱いされていない転落について国土交通省はきちんと把握すべきだと、このことを要望したいと思います。
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方から御説明がございましたとおりでございまして、現在、事故等報告規則においては、死亡あるいは負傷という事態にならないと報告が上がってこないということでございます。ただ、今回の転落事故を契機としまして、我々としても実態を調べようということで調べましたところ、先ほど先生からもお話がありました、例えば平成十一年度では六百八十四件という数字が、事故にはならなかったけれども実際転落したということで件数が上がっております。
 我々としては、今回、また後ほどいろいろあるかと思いますが、いろんな安全対策等について事業者に指導していくためにも、今後、この転落して事故に至らない件数について、今回の事故を契機として、その実態把握に対してこれから努力していきたいというふうに考えております。
○緒方靖夫君 私はやっぱり規則にのっとってきちっと把握するというそのシステムをつくっていただきたい。後でも問題提起させていただきますけれども、その規則をきちっとルールとしてつくる、これが肝心だと思うんですね。
 転落や接触での事故を防ぐにはホームドア、可動式ホームさくが有効なことは言うまでもありません。新交通システムやモノレールの駅では既に設置されていて、その効果は非常に明白です。また、それ以外にも、例えば東京の営団の南北線、京都の東西線、ここではホームドアがつけられています。それからまた、東急の目黒線あるいは都の三田線では可動式ホームさく、これがつくられているわけですね。今挙げた四路線の駅数は数えてみるとおよそ六十ぐらいなんですね。JR、大手民営鉄道、地下鉄の駅だけで全国で六千六百八十七に上るわけです。ホームドア、ホームさくなどの転落防止装置がある駅は何と一%に満たない、これが現状なわけですね。
 ですから、その点で、私は、転落事故の一番の対策は落ちないことなんですから、落ちないためにホームドアやホームさくの設置を進めるべきじゃありませんか。
○政府参考人(安富正文君) 先生、今御指摘ございましたように、ホームドアとか可動式ホームさく、転落を防止するという意味では非常に有効な手段だと我々も思っています。
 ただ、現在実際に実施しておりますのは、先ほどのお話にありました数社入れて全体で十一社十二路線で実際にホーム上のホームドア、可動式ホームさくが設置されておりますけれども、これはワンマン運転あるいは無人運転といったようなことを実施するために一部採用されているわけでございますが、このホームドア、可動式ホームさくについてはまだいろいろ検討すべき事項があるのではないかと我々思っています。
 一つは、旅客流動上、果たして本当に通勤客で非常に混雑しているところで十分問題がないかどうか、あるいは開閉に一定の時間を要するということから非常に通勤客の多い路線についてどうかという問題、さらには駅の構造上新しい、新設の場合には割とよいかもしれませんが、既設のプラットホームでこういうホームドア、可動さくをつくる場合に大規模な工事等が必要になるといったような問題、幾つかの問題があるかと思います。
 したがって、これらにつきましては、今回我々は各事業者に指導する際にも、各駅の構造あるいは各路線の実態、そういうものを十分把握して、今後事業者としても個別に検討していただきたいということを申しておりますが、そういう意味で、一律に義務づけるということではなくて、駅の構造とか利用状況等を個別に勘案して、これから検討していく問題であるというふうに認識しております。
○緒方靖夫君 局長言われたように、一遍にすべての駅につけるということはできないわけで、それからまた、それぞれ事業者がいるわけですから、やっぱりそれに応じた形で省庁が、国土交通省がイニシアチブをとって事業者にそういう設置計画をつくらせる、そして、そういう方向でどうなんだと各社にそういう提起をしていく、このことが私は非常に大事だと思うんですね。
 今、局長、そのことも含めて言われたのだなと思いますけれども、そういう御指導をぜひ進めていただきたい、大きく進めていただきたいということを要望したいのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(安富正文君) 今回の新大久保のホームの転落事故に関連しまして、二月十六日付で我々は通達を出しております。これは具体的には、もっとホームドアとかホームさく以前の非常停止ボタンであるとかあるいは退避スペースであるとか、そういうものについて具体的な整備計画を出してくれということはこれは言っております。
 ただ、ホームドア、ホームさくについては、先ほど来私が申しました幾つかの問題がそれぞれ事業者にあると思いますので、各事業者に、十分こういう点を含めて検討して、その検討結果、検討状況を我々に報告してくれということを申し述べております。
○緒方靖夫君 ぜひそれを進めていただきたいと思うんですね。しかも、昨年十一月から施行された交通バリアフリー法では、やはりその基準の中に、プラットホームにはホームドア、可動式ホームさくなどの設備を設けるということがあるわけですよね。ですから、法律にのっとってもそうなわけで、したがいまして、今言われたように事業者にその点どうなっているかということを進める立場から促していただきながら、やはり設置計画をきちっとつくっていく、このことを進めていただきたい、そのように思います。
 次に、駅ホームにおける安全対策実態調査、そういう資料をいただきました。大変興味深く拝見させていただきました。JR、大手民営鉄道、地下鉄の六千六百八十七駅、一万一千三十二ホームについての調査結果、膨大な結果です。
 その中で驚くべき実態が明らかになったわけですね。転落検知マットを設置している駅はわずか百二十駅、一・八%、非常ボタン設置のホームは千百六十六ホーム、一〇・六%、そういう状況です。東京都二十三区の山手線、中央線、総武線の駅についても資料をいただきました。検知マットのある駅は五十三駅中わずか十六駅、そして退避スペースがホーム全体にある駅は八駅にしかすぎない。東急、京王など東京都民や東京で働く人たちが多く利用する民営鉄道七社の状況もひどいものです。全部で六百六十の駅、千百五十三のホームがあるわけですけれども、検知マット設置は三十九駅、パーセントでは三・四%、非常ボタン設置ホームは六十七ホーム、五・八%、こういう状況なんですね。
 私は、こういう状況のもとで、やはり検知マット、そしてまた非常ボタン、これを設置する、そういう方向で、これは先ほど言われましたけれども、通達の中にもあるわけですよ、ちゃんと鉄道局長の通達で。非常押しボタンまたは、これは「又は」が問題なんだけれども、しかし、「又は転落検知マットの整備」とわざわざ書かれている。しかし、「又は」としても、二つ、どっちか設置されている駅だってわずかしかないわけですね。ならば、あなた自身がこのような形で通達を書かれた、ここをやはり促進していく、このことが非常に重要だと思いますけれども、その点でやはり国土交通省として計画を持ってこれを促進する、このことをやるべきだと思いますが。
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方からいろいろ数字のあれがございましたが、我々の数字のあれと、提出したものによるかと思います。
 おっしゃいますように、通達で我々の方としては、非常停止押しボタンあるいは転落検知マットの整備等、あるいは退避スペースの確保等について指示をしているところでございますが、この内容について、具体的に各事業者に整備計画をつくってくれ、それで五月末日までに我々に報告してくれと。もちろん、これは非常に今整備状況が少ないものですから、直ちにこれが全部すぐできるとは限りませんので、少なくともその整備をするためのいわゆる計画、事業者の計画を出してくれということで現在指示しているところでございます。
 ただ、すべての駅というわけにもなかなかいきませんので、我々として、とりあえず一時間当たりの運転本数の多いプラットホーム等を中心にやっていただくということで現在通達しているところでございます。
○緒方靖夫君 特に利用客の多い駅、これは東京に集中しているわけですけれども、そういうところでしょっちゅう事故が起きているわけですよ。これはもう新聞記事を見ればまたかまたかと思う、そういう状況ですね。ですから、その点特に要望しておきたいと思います。
 それから、落下防止という点でいくと、落下後の救出とかそういう問題でも、やはり私は非常に大事なのはホーム要員の配置だと思うんですね。これは、新大久保駅の調査の際にも私自身調査をして、結局ラッシュ時しか駅員さんがホームにおられない、だからどうしようもなかった、そういうことが非常に大きな教訓としてあるわけですね。そうすると、そういう、長い話は必要ないと思いますけれども、ホーム要員がいることがいかに大事か。
 そして、ホームに転落するのは、若い人でももう働き過ぎてくたくたになって倒れてしまうとか、あるいはお年寄りはもちろんそうです。視力障害者ももちろんそうですけれども、やはり立ちくらみとか目まいでばたりと倒れて、それで間違っておっこちてしまう人はかなり広い層にわたっているわけですね。ですから、私は、その点で非常に大事なことはやはりホーム要員の増員ですね、相当の増員が今求められていると思います。
 そこで、私、そのいただいた資料をもとにしてちょっといろいろ見てみましたら、山手線と中央線、総武線の二十三区内の駅のホームの配置状況、改めて驚きました。山手線二十九駅の中で終日駅員がいるのは八駅、中央線、総武線の二十四駅の中でたった三駅、そういう状況です。これ間違いありませんよね。
○政府参考人(安富正文君) 我々の提出している資料でございますので、間違いございません。
○緒方靖夫君 そうなんです、正確なんですよ。
 それで、そうすると、全国一乗降客が多い山手線、一日の乗降客数というのは五百五十万なんですね。そこで、やはりそういう方々の安全を日々守っていく、そのことを考えたときにはどうしてもホーム要員の増員、これが決定的だと思うんですね。私、何も一般論で言って全国にわあっと配置する、そのことを、それも必要ですけれども、乗降客の多い、また事故が頻発している、そういうところにやはり国土交通省の指導のもとできちっとそういう配備、これを進めていく、これが非常に大事だという、また急務になっているということを痛感いたします、とりわけ新大久保駅の教訓からも。
 そこで、大臣、ホーム要員の増員、これは急務だということは当然大臣の認識だと思いますし、その点でどのような形で緊急対策といいますか、今後対策を打たれていくのか、その点についてしかとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、るる先生が御審議いただいておりますやりとりを拝聴しておりましても、本当に駅の危険性というものをどう防止していくかという、局長から話をしましたように、私も二月十九日、各事業者に対して指示をいたしましたけれども、今申しました中で、私が特に申しましたのは、押しボタンがついている、危険通知の押しボタンがあるとおっしゃいますけれども、私たち駅に行ってどこにあるのかわからないんですね。ですから、高いところにあって黄色いのを、このごろやっと初めて私注意するように見ましたけれども、あれじゃ目線の上なんですね。大体、足元を見て駅に行くものですから、プラットホームのあの上が私気がつかなかったんです。私が気がつかないということは、私だけ不注意ではなくて皆さんも気がつかないと思いますので、そういうことも徹底するようにと申し上げました。
 特に私は、今申されなかったことで先生に申し上げることは、少なくとも喫緊の、乗客の数の多いところでは売店でお酒を売るのもやめていただきたい、長距離列車が出る東京とか上野とかそういうところはいいけれども、山手線の中でやっぱりお酒は売らないようにするべきではないかということも、僣越ですけれども、私はどの程度売っているのかということも、この間の新大久保駅も売っておりました。こういうことも調べて初めてわかったことですけれども、今おっしゃいましたように、駅の巡回に努めるというのは一番大事なことだと思いますけれども、今、それぞれの事業者に対して私はそれを努めるようにということは申し上げましたけれども、これは事業者の主体性の問題で、私からの強力なプッシュがどれほど効きますか、これも見ておきたいと思っておりますので、これからも注意していきたいと思っております。
○緒方靖夫君 そういう方向でぜひ努めていただきたいと思うんですね。
 それから、先ほどちょっと言われた、確かに酒を販売している、そういう問題はあるんだけれども、私調べてみて、例えば首都圏で最近転落した十一名のうち、酒に酔っていたのは二人だけで、あとは全盲の方とか、あとは目まいがしたとか立ちくらみがしたとか、そういう方なんですよね。ですから、やはりその点で原因についても、もちろん酒を飲んで酔っぱらって落ちたという方は当然おられると思いますよ、現に数字が挙がっているわけですから。しかし、それだけじゃなくて、その人たちも救わなきゃいけないんだけれども、今言われたように駅のホーム要員、これが急務だと大臣言われましたけれども、私そのとおりだと思うんですよ。
 そこで、私つくづく思うのは、こういう、私先ほどから挙げてまいりました非常ボタンの問題もそうだし、検知マットの基準もそうだし、それからホーム要員の問題、これについて結局決まりがないんですよ。決まりがない。どういう設置状況をするのか、どのようにしなきゃいけないのかということについてはそれがないんです。それから、さらに言えばホームの退避所、これについてもないんですよ。トンネルとかあるいは橋とか、そういうところには五十メートル置きに退避所をつくるという規則はある。しかし、今回の教訓である駅のホームで逃げるところがなかった、そのスペースがなかった。本当にないんですよ。駅のホームの退避所、これはやっぱりつくるというルールが必要だと思います。
 それから、今、事業者にるる要求していると大臣言われました。これも大事なんだけれども、しかし、ホーム要員についてこういうルールをつくるということですね。そういうことがあれば、そのルールに従って事業者は進めやすくなる、当然促進される、そうなると思うんですね。ですから、私は改めて思うのは、こうした今挙げた問題の基準、これがないということ、天下の国土交通省に、旧運輸省にもなかった。ですから、これをつくるということが大臣、やはり私決定的に大事だと思うんですね。ですから、その点について、大臣のお考え、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) これは、事業者の意識の問題だろうと思いますけれども、国からこうしろと民間の業者に対して、民鉄に対しても私は言うことは逆に難しい問題もあろうと思いますけれども、こういう事故というのは、民間だとかあるいは公だとか、これは差別して区切って言うことではなくて、私は共通の課題だと思っておりますので、今、緒方先生がおっしゃいましたように、避難坑をつくれと、線路の中でと。それのないところはどうしたらいいかというので、今度はそこのないところ、例えば下が高架になっていて避難所をつくれないというようなところには階段をつくるということで足場をつくることも指導いたしました。ですから、そういう意味では、どの程度私たちは事業者が認識していただくかは別といたしましても、担当局としては民間の皆さん方にも押しなべて私は通知を申し上げようと思っております。
○緒方靖夫君 ぜひ進めていただきたいものです。
 そして、その際に、私、ぜひ大臣に意識していただきたいことがあります。それは、こういう問題、やはり確かに民間とか事業者の問題と言われるかもしれませんけれども、私は押しなべて政府の責任が非常に重要だと思うんですね。例えば、確かに鉄道局長、こういう通達出されました、新大久保の事故を受けてね。しかし、それまで振り返ってみてどんな通達が上がっているか、大した通達ないんですよ。
 ですから、私は逆に言えば、こういう事故防止に当たっても、やはり国土交通省が責任を持ってそのイニシアチブをとり、そして民間をそういう安全の方向に誘導していく、そのための基準をつくる、ルールをつくる、そういう方向を大臣今言われましたが、そういう方向で進めていかれると、私そのことが非常に大事だと思うんです。ですから、その際に、政府の責任を強く意識していただいて、やはり国民の安全、これをしっかり守っていくために、その仕事、交通の行政を指導していただきたいと思うんですけれども、その点について改めて大臣に最後に御決意を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(扇千景君) 緒方先生がおっしゃるとおりでございまして、先ほども午前中から私たち国民の安全、安心を守るというのが原点でございますので、すべからく民間であろうが公であろうが、少なくともみんなでこういう事故の反省のもとにどうあるべきかということは、私は官民も問わずみんなで意識を持ってでき得る限り皆さん方にこれを啓蒙し、なおかつ乗客自身の人たちにも、私はさっき言った押しボタンの位置も含めて、皆さんが平時から意識の中でそれを徹底していただくということも、私はいつも申しますように、まずは自助、そして次は共助、そして最後が公助だと言っておりますことで、お互いの意識改革を含めて指導してまいりたいと思います。
○田名部匡省君 今の新大久保駅の問題ですけれども、私も、本当によく我が身も省みずに助けるために飛び込んで命を落とした、使命感とか責任感の強い人だったんだな、こう思って胸が打たれました。ただ、今もお話ありましたけれども、ホーム要員とかいろいろお話ありましたが、事故で死亡するというのは、交通事故ももう一万人から毎年死亡しておっても、いまだにこれのいい解決方法というのはない。
 私も実は、この間、理事懇のときに、押しボタンというのを私も見たことがないと、どこにあるやら。仮に転落したというのはわかっても、みんなそっちの方を見ていますから、とっさの場合に周り見て押しボタンがあって押そうという、そんな感覚というのができるのかな、そんなことを実は考えておりました。
 いずれにしても、料金は安い方がいい。しかし、こういう要員を全部置くとなると料金にはね返ってくるということ等もあり、民間の企業、民営化しておるわけですから、なかなか難しい議論だな、こう思って聞いておりました。いずれにしても、事故というものはあってはいかぬし、可能な限り本当に最大限の努力する必要があろう、こう思って、もうこれはこれで私の見解だけ申し上げておきたいと、こう思います。
 ところで、異常接近の事故ですけれども、あれから私も飛行機をやめまして新幹線で、乗っても、おりるときには周りを見ながら、どこか飛行機来ないだろうかと思ってしばらくは気になっておりました。しかし、視界がもし悪くて雲の中だったら大惨事になっておったろうなあと、こういう気持ちで実は見ておりました。
 今ではいろいろ改善すべき事項があることはわかったと、こういう話ですが、今ごろ改善すべきことが判明したというのもお粗末な話だなと、こう思って聞いておりましたが、どうぞ、これもまた事故に、大きな事故にならぬように平素からの心がけ、これが必要だと思います。まあ何でも、災害でも事故でもなれてくると起きるものなんですよ。
 私も運輸委員長のときに羽田へ視察に行きまして、いや、これは大変なことをやっているなと思ってね、あの状況を見ておって、よくあれ一分とか一分半に一機おりるのをうまくコントロールしているのは大変だな、神経を使うだろうなと、こう思って見てまいりました。いずれにしても、事故のないように万全の体制をこれまたおとりいただきたいと、こう思っております。
 さて一つどうしても、国土交通省に関係のない話ですが、KSDのものつくり大学をつくろうというときに、民間の寄附とKSDの負担と国にお願いする分ということであれ立ち上げたんですね。ところが、不況でお金が民間から出ませんでした、したがって国が何とかしてくれと、こういうのは通るのかなと。これから、あれで通るんであれば、我々も何かやってお願いして、いや、集めようと思ったが集まりゃしません、どうぞ国がと、こういうことをおやりになるんですか、国土交通省では。
○国務大臣(扇千景君) 私もうらやましい話だと思っております。
 そういう意味では、今、先生がお感じになったと同じように、もっと苦しい人が世の中には大勢いらっしゃいます。だれしも、経営をしたり会社を起こして、倒産するために一生懸命働く人はありません。けれども、特に国土交通省関連の事業というものは今大変苦しんでおります。多くは申しませんけれども、全国の建設業界、六十万社と言われ、しかも六百万人が従事しています多くの国土交通関係の民間の業者の苦しさを考えれば、お金がないと言って出してもらえるのであれば、倒産は心配しなくていいわけでございます。
 例えて例を挙げますと、私ごとで言うのは気が引けますけれども、例えば、ことしは二〇〇一ジャパンということで、イギリスと文化交流をしますけれども、その文化を持っていく人たちも、資金がないから日本の伝統文化をイギリスへ持っていくのに苦労すると。これも資金が足りない。では、これも文化交流だからどうして国が出してくれないんですかと、こう言いたくなりますので、今、先生がおっしゃいましたように、なぜあそこだけ国が出せたのかというのは私も納得がいかないことの一つでございます。
○田名部匡省君 明快だと思います。これが通るのであれば、もうめちゃくちゃになっちゃうんですね。
 やっぱりルールというのは、私はいつも言うんです、スポーツの世界でもルールをつくったらルールの範囲は自由にしなさい、ルール違反は厳しくいきますよと。あの住専のとき、ルールをつくるのは大蔵省だ、取り締まるのも大蔵省だ、取り締まられる方の住専には皆大蔵省から社長が行っている、これじゃスポーツになりませんよと、こう言って質問をしたことがありますけれども。どうぞこれからも規制緩和、いろいろありますけれども、ルールを決めたらルールの範囲内は自由にやれるということで配慮をしていただきたい。
 それから、一極集中排除というのは、これは何年前から言った話かわかりませんが、私は閣議で宮澤総理にお尋ねしたことがあるんですが、どうも一極集中排除というのは選挙のときには演説だけやります。じゃ、一体何をやるのかというと中身は何にもないんですがという閣議で話をして、どうも昨今見ておると、一極集中排除というのはこれはどこに行ったものやら、マンションというとどんどん建つし。
 今度は、これを見たら大深度法の話も載っていまして、私と中村喜四郎代議士と与謝野馨、あのころは三人ですか、私は通信部会長か逓信委員長のころですよ、大深度に、地下百メートルの中に道路をつくると。それで、大分立ち上がって委員会までやって、もう行くところまで行ったんです。私は反対だと、これは。あのトンネルで事故が起きてさえもあれだけの大惨事になるのに、地下の百メートル下で事故を起こしたらどこへ逃げるか、百メートルの階段をあっちこっちにつくるのかというので、あれはやっぱり考えた方がいい。ただ、郵便物は無人でやるものですからこれは別にそう問題はないだろうと。こうやって便利にすることがむしろ一極集中排除に反する、したがってそのあおりを受けて地方の方はだんだんおかしくなっていくという話をしまして、これについてはどう思われるかということ。
 それから、どうも政治というのは国民に約束したことを守ると、これがなくなったら国民はもうだれを信じて生きていけばいいかわからぬ。かつて、大臣も私も福田赳夫先生のところでお世話になって、福田先生が総理大臣になるときに行政改革と政治改革、これを訴えて総理大臣になられた。派閥解消だと、私が当選してきたときは清和会はなかったんですから。よそは政策研究会とかなんとか遠慮しながら残しておったが、今ごろは花盛りになっちゃっている。こういう姿を見せるということは、やっぱり国民が見て、政治家の言うことはもう信じられないというふうに私は思うんだろうと思うんです。
 この一極集中排除と、今の話されたことについての感想をまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 先生がおっしゃいます一極集中という意味は大変幅が広うございますので、一極集中、何を一極集中と思うかということに対しては幅が広くてどれからお答えしていいかわかりませんけれども、私、一つ言えることは、少なくとも森内閣におきまして、IT革命あるいはIT戦略、そして二十一世紀はIT国家というふうに位置づけて、私たちはそのことで苦慮いたしておりますし、また実行しようと。内閣の一員としても、私はそれを実行するということを行っております。
 それは何かといいますと、御存じのとおり、全国光ファイバーで皆さん方の御自宅まで、電柱でそこまで来ている光ファイバーを、ラストワンマイルを何としても家庭につないで、これからは家庭の中も世界じゅうからインターネットで結び、いながらにして通勤しないでも仕事ができるという、これができたことによって、今、先生がおっしゃいます一極集中というものが、世の中ががらっと変わるということだけは明快になってくると思いますし、私は地域の格差というものもこれによってなくなると思います。
 今、子供たちは、うちの子供、ごめんなさい、孫でございましたけれども、あっという間に世界じゅうのお友達と自分でだれも教えなくても通信をいたしております。そのように私たちは、今の情報化時代にこういう会議をしておりますのに、少なくとも同じ時間帯に日本じゅうの一番端の人もあるいは世界じゅうにもこの電波を流すことができると、こういう時代になりましたら、かつて言われたような一極集中というものはなくなって、全部壁がないわけです、国の境界線もなくなると。
 私は、そのように、一極集中という言葉が先生は何を意図しておっしゃったのかはわかりませんけれども、少なくとも私はかつてのような一極集中型というものはこのIT社会においてはすべて壁がなくなると。そして、同じ時間帯に同じ情報を共有できて、会社にも行かなくてもいい、しかもいながらにして世界じゅうと商売ができる。そして、かつて船が荷物を運んでいって空で帰ってきたけれども、今度は世界じゅうに電波を送ってインターネットによって、空で帰らないで、その都度どこに荷物があるかをインターネットで探して積んで帰れるというように、私はあらゆる面で、トラックもそうでございます、先生のところの青森へ荷物を運んで帰りは空で帰るということはこれからはなくなるわけでございます。
 そういう意味では、一極集中というものが私は必ず解消されて、均衡に皆さん方がよりスピードアップをした時代が来るというのが二十一世紀であるというふうに私は認識しております。
 それから、派閥の問題に関しましては、私、自由民主党員じゃないものですから人のことは余り言えませんけれども、私は田名部先生と同じく、当時、自由民主党の中で福田先生のもとで教育を受けて私たちは育ってきましたけれども、一番今、先生がおっしゃった中で大事なことは、あれは中国の言葉ですけれども、信なくば立たずというのが私は政治家の信念の要諦にある大事なものだと思っておりますので、これは政治家だけではなくて夫婦間も友人間もそうですけれども、信なくば立たずということだけは私は確認をし合って、お互いにそういうふうに目標を決めて、信なくば立たずということを私たちは実行してまいるべきだと思っております。
○田名部匡省君 私はどうしてもスポーツの世界で生きているものですから、基本というものをしっかりしなきゃいかぬと。基本をやらない選手は最後はやっぱり伸びてこないんですね。国もやっぱり基本だろうと思うんです。
 そこで、国土交通省でも、住宅の話もいろいろ出ましたけれども、何かやろうというとだれかが負担しなきゃならぬ。得する人がいると必ず損する人がいるということになる。こうして見ていると、どの役所もそうですが、これをやれ、あれをやれといってもう勢いはいいんだけれども、失敗したらどうなるのかということは余りしないんですね。国債は発行しろ、発行しろと言うけれども、返すのはどうするのかという議論の方は余りされていない。
 ですから、私なんかは、やっぱりスポーツの世界では勝つこともあるし負けることもある、負けたときの選手をいかに立ち上がらせるかということの方が難しいんですよ。そういうことを考えると、やっぱり何かやるときは、だれかがこれは負担する人がいるんだよという気持ちで事を役所の人たちも進めていただきたい、こう思うんです。先ほど来も公共事業無用論の話が何か、ちょっと私はテレビを見ておって、私は無用論ではなくて、今こういう状況下で、何を優先して、何を待ってもらって、何をやめるかということが大事だと思うんですね。
 特に、評価システムを導入してコストの削減をするということを聞いておって、何でも一律でいいんだろうかと、例えば同じ道路をつくるのでもみんな同じ基準で、例えば積雪寒冷地帯だと基盤をしっかりやっておかないと凍結しちゃいますから、沖縄の方はそうでないですね、違いがあっていいんだと。アメリカなんかへ行くと、日本の道路みたいに何ミリでこぼこがあったらだめとかなんとかうるさいことはないですよ。割合もうおおようにやっておると。そのかわり、コストはかからない。
 私がオリンピックに行ったときには、インスブルックから山の方へ行ったんです。もうべた舗装ですよ、山の中、そんなに台数通りませんから。それから道路も、高速だからといって四車線ではなくて三車線にして、ラッシュが向こうのときは向こうにランプが二車線行くようにしている。帰りは今度こっちに移して向こうから、そういう創意と工夫、こういうことがなさ過ぎるんですね、日本は。もう全部、全国一律に物をつくろうとするからこれ大変になってくるんだなという気がしております。
 この間、日本体協の私は理事をやっているので、体育館もマニュアルをつくって、こういう程度のものをつくりなさいと。日本の体育館というのはスタンドが全部二階ですよ。二階つくるから今度は屋根が相当高くなるでしょう。野球やるわけじゃないんですから、バスケットかバレーやるぐらいですから。ところが、アメリカのプロバスケットを見ると、フロアからスタンドですよね。物すごく使いいい施設なんです。外はもう本当に質素。そのかわり中はちゃんとつくる。
 この間、コクドへ行きまして社長と会いまして、前の競技場を見て、あの屋根は丹下健三さんかだれかの設計だそうですが、何でこんな屋根つくったんですかなと。そうしたら、いや、今雨漏って困っているんだよと言うんです。外は何でもいいんです、スポーツというのは。中の冷房とか暖房とか控室とかというのは機能的にやってもらうことがある、そういうマニュアルをつくって全国に教えなさいと。外にタイルなんか張ったって何の意味もない。外国のスポーツ施設を見たらもうみんなそうですよ。
 そういうことを考えて、これからもこれをつくることによって負担がこのぐらいですよということをやっぱり国民に、あるいは地域の住民に知らせて、その出す腹があったらつくるというふうにやらないと、地方分権というのは僕はまさにそこだと思うんですよ。
 そういうことで、地方分権も熱心におやりになると、こういうことですから、ぜひ、このことは私の意見だけ申し上げましたが、短く感想あれば。
○国務大臣(扇千景君) おっしゃるとおりでございまして、私どもいかに公共工事の実を上げるか、そして金額以上の効果、しかも今までむだがなかったとは申せません、確かにむだもあったかもしれませんけれども、より効率の上がることを私たちは頭の切りかえ、二十一世紀型にしなければならない。
 ですから、先ほど私が申しましたように、私がラストワンマイルと言われた光ファイバーの下水道を通すということを、私は昨年の暮れに財務大臣、その当時はまだ大蔵大臣でございました、予算を組むときに大蔵大臣が、扇さん、それはラストワンマイルは公共工事とは言わないんだよと言われて断られたのでございます。
 けれども私は、何としても二十一世紀型にするべきだということで公共工事じゃなくてもできることはないかということを考えましたら、都市整備公団、少なくともお年寄りに賃貸で貸し、一般の人にも貸しているところが、公団が今までむだだむだだと言われている中で、あなたたちが公団と言われるから、地域を指定しますと中には要らないと反対する人もいるけれども、公団建てるときには反対者がいるわけはないんですから、私は家賃に上乗せしないで全部やってごらんなさいと言って、今度全部やることになりました。
 少なくとも私は、そのことによって都市基盤整備公団は約四十億、年間新築いたしますのが大体七十五万戸あるんですけれども、その中で約半分の四十万戸、これを少なくとも十年にわたって、百万人住んでいるわけですから、その人たちにインターネットの配備をすると、下水道管を通じて皆さん方に供給し、しかも値段にかさ上げしないということが私はできるじゃないかということを申しましたら、少なくとも四十億円でそして経済効果も上がってくると。それは通信事業者、民間がこれで入ってきますから、そうしますと民間の活気にもなるということで、これで民間が二百三十六億円の投資効果も出てくるだろうと。
 そういうふうに一つの工事を、公共工事とは言わないまでも公共の持っているもので、そして指導しているもので何か経済効果が上がらないかといいましたら、これでトータルでわずかの金額だとおっしゃいますかもわかりませんけれども、二千五百二十億の経済効果になって、そして皆さんが今言ったように即時に世界じゅうに連絡ができるということも私はできるのではないかと。
 特に、超高速のネットの時代でございますので、今既に建っております恵比寿のビュータワーというものも、これは築六年、平成六年に竣工しておりますけれども、これをモデル地区として世界じゅうから入ってきてくださる皆さん方にもこれをモデルとして施行しようということで、これは超高速のインターネットを対象に各戸別にもう全部LANを導入するということでモデルを考えてこれを実行するということになりましたので、今おっしゃいましたように公団だ何だって公共事業のつくるものは外見は余りデザインもよくない、何だか画一的だとおっしゃいますけれども、今、先生がおっしゃった中身で勝負ということで、そういう施設を全部配置していこうということでモデルをつくっていきますので、ぜひそういう意味では今、先生がおっしゃいました効率的なお金の使い方と、より二十一世紀型にしていきたいと思っております。
○田名部匡省君 三重の北川君に来てもらって、やっていることをちょっと説明してといって、いろいろ聞きました。確かに立派なものですよ。評価システム、情報公開、そういうことをきちっとやって。
 私は基本の話をしたんですが、一つはこの景気回復に向けた取り組みというところに、まあ政府は我が国経済は緩やかな改善を続けているが依然として厳しい、平成三年からですよ、これ。私が閣議におるときに毎月月例報告会で三重野さんが隣に座って、景気は緩やかに回復基調にありますと一年しゃべり続けたんですから。さすがに私は、三重野さんね、一年も緩やか続いたらもうよくなってなきゃならぬでしょうと。
 あれからずっと、バブル経済がもうはじけてすっかりおかしくなって、今度はあなた、金融機関の破綻処理に国民負担七兆八千億だなんていって新聞に出ていました、マスコミに。きのうも足踏み状態、デフレ傾向かなんといってテレビでやっておりまして、私は特に尾身大臣のときですか、桜の咲くころは日本の景気はよくなりますとやっていましたが、いつの桜の話かわかりませんが、尾身幸次、小渕さんのときですかね。
 あれからもう何年たったか。もうずっと平成三年からちっとも変わってないんですよ。あのとき五年間で六十兆、私のときに景気対策だとつぎ込んで、それからもう百何十兆いってもいまだにこの状態ですからね。ただ、まあよくわからぬでなっているから仕方がないけれども、それにしても無責任な発言が多過ぎるなと。だれもそうならなくても責任とる人もないし、ということで、これは国民が本当にもう私は信用しなくなっているんだろうと思うんですね。通常国会であれ臨時国会であれ、予算は厳しい経済を自律回復軌道に乗せることが最重要課題だと、こうやって私ももう十年聞いてきました。どうぞしっかりとした経済対策をやってもらわなければ、これはあと何年やるものかわからぬと、こう思うんです。
 それから、もうきょうは時間ありませんから次の法案のときにやらせていただきますけれども、住宅ローン減税とかなんとか、いろいろ私のときにでも住宅百五十万戸やろうというんで、一生懸命頑張りましたよね。で、やめてみたりまたやってみたり。これやると、私はあのときはもう住宅に関してはずっと続けていきなさいと。やったりやめたりすると何と言うかというと、おれが建てて終わったらこんなことやったと。不公平というのが出てくるんですね。ですから、やっぱり国民には公平公正ということを常に、特に我々政治家というものは肝に銘じて、不公平が出ないように。かつて公団の住宅も何か三千万で売って、売れなくなったから隣は千五百万だと言われて、隣が千五百万で買われたんじゃ腹が立ちますよ。こういう不公平をやっちゃ絶対だめなんです、信用しなくなるから、ということも心がけていただきたい、こう思います。
 もう時間がありませんから、この間も予算委員会で質問してやめましたけれども、住宅のことで一生懸命になっておられるけれども、昔は四人も五人も生まれたから、親の家一人もらって、四人ぐらいは家を建てたと。今一人っ子なんですよ。親の家もらったらだれも建てる人が生まれていないんですから。だから少子化というのは、この国は一体どうなりますか、宮澤大蔵大臣、財政も含めてと言ったら、何と答弁してくれましたか。いや、若い人もそのころはまあ何とかしてくれるでしょうという答弁でしたよ、この財政問題を。私もいささか、私のときの総理だからあきらめましたけれども。
 いずれにしても、ピラミッドだったのがこれからはもう逆ピラミッドになるんですから。それでこの財政の方は九百兆円も借金があるかなんという話で、これを利息つけて返すということは私は大変だろうと思うんですよ、子供や孫は。六十年で返済というのは、ことし生まれた赤ん坊が六十歳のときに返済が終わるんですから。
 この間アクアラインを通ってきました。一遍私は、きょうは続委員長がおりますから、行政監視委員会の。一年やりましたよ、私は特殊法人を。そしてアクアラインを見に行こうと言って、衆議院の選挙になって私はぶっ倒れたものですから行けなかった。この間初めて行った。前三台、後ろ一台、料金は安くなって三千円。一体これは、四国の橋もそうですよね。やれやれといってやるのはいいが、後からどうするのかというのをさっき言ったようにやらぬものですからみんなおかしくなる。関空つくるときは、私は運輸委員長で、ファルコン借りて委員全部連れて見に行ったんです、ヘリコプターで、まだ工事始まったばっかり。これだって大変な借金。
 きょうは特殊法人まで入ろうと思いましたけれども、いずれあの新幹線、もうないか時間、新幹線も、今度在来線やるんですけれども、青森県の財政も大変だ。一人当たり七十八万の借金で去年より四万円ふえている、一人当たりの負担が。これに一千億を新幹線にも負担せえと。それから在来線も毎年二十億以上の赤字が出るやつも負担してくれと。
 枝線ならいいと言うんですよ、私は。北海道の人はただで、青函トンネル抜けて来たら青森から盛岡までは岩手県と青森、盛岡から先は鹿児島までだれも負担していないと、こんな鉄道ありますかと言っているんですよ。そのときも知事に言いました、こっちで借りてやったらどうかと、何で青森県が持つ必要があるのかと。JR貨物が持ったのは青森県が利用料を払うということなんかをしてくれないと、今大騒ぎになっていますよ、料金を一・八倍にしなきゃもう採算とれないということで。
 最後に、そのことをどう考えておられるのか、この問題を。お答えをいただいて、終わります。
○国務大臣(扇千景君) 私は今、大事な御指摘をるるいただきました。これは一国土交通省のみならず、日本の国全体、国家の危機だと認識するほど私は大きな問題だと思っております。
 特に今、森内閣としてこれをどうするのかと。先ほども私、前川先生でしたか、お答えしましたけれども、経済の話で桜の咲くというのを言いましたけれども、何年越しの桜なんでしょうかということもさっき前川先生にもお答えいたしましたけれども、本当に先生のおっしゃるとおりで、先生が閣僚でいらしたときから続いているわけでございますから、これほど長くかかっているというのも私は日本の国がだんだん自分で自立できる体力を持たない。大変問題になっておりますし、私たちも危機感を持っておりますけれども、正直申し上げまして、少なくとも我々国会議員、日本の国をリードしていく場合に、国民に痛みを伴うことであっても、私は日本国民はすばらしい国民だと信じておりますので、たとえ痛みがあっても十年後二十年後にはこうなるということを示せば御協力いただけると思いますけれども、果たして選挙前にそれだけの痛みを伴うことも発信できる政治家がいるかいないか、これも私は大きな問題だろうと思っております。
 そういう意味で我々は、私は特に、先生はことし選挙ではございませんでしょうけれども、選挙を控えているお隣の戸田先生にも、選挙を控えているから言えないということではなくて、勇気を持ってこうこうこうだということを言って国民の選択を仰ぐというのが私が政治家としては本来の姿であろうと思いますので、多くの借金を子供や孫に残さないためにも、二十一世紀の日本が元気が出るためにも、私たちは怖がらないで、しかも正直に、私は真摯な日本の現在の姿を数字をもって示して、そして数字をもって目標値を挙げて、二十一世紀の日本のあり方というものを先生方の御協力をいただいてこういう場でも議論をさせていただいて、その正しい道を私たちは探っていくべきだろうと思っております。
 大変多くの示唆をいただきました。細かいことにつきましては次回ということでございますので、またお知恵をいただきたいと存じます。
○田名部匡省君 ありがとうございました。終わります。
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。
 先ほど、午後の会議が始まる前に大臣と一言二言言葉を交わしておりましたが、実はそこで、自分で答えられるようなことは聞くなと言われたか、あるいは自分で答えろと言われたか、まあ冗談ですが、そういうようなことでもありますので、なるべく事務的に聞けばわかるようなこと、あるいは大体こんなことなんだろうなと思うようなことについては質問を差し控えさせていただきたいと思います。
 また、今選挙を控えての心構えについて御指導いただきましたが、私も全くそのとおりであろうと思っておりますし、これからの国民負担その他について、国民に訴えなければならないことはきちんと訴えなければならない。社会保障制度あるいは税制、そういったことについては私ども一貫して主張を変えておりません。そういったことで、国民に負担を強いるから言わないというようなことのないように心がけてまいりたいと思っております。
 そこで、せっかくの機会でありますので、ぜひひとつお伺いしておきたいと思うことがあります。それは三月九日に発表になりました与党三党の緊急経済対策であります。
 これは与党三党として政調をベースにまとめられたということで、三党幹事長おそろいの上、森首相のところにお出かけになられて申し入れをしているということでありますが、この今の予算、今国会に提出されている予算との関係、あるいはこの緊急経済対策をこれからどうやって実現していくか、その辺のことについてお話しいただければと思います。
○国務大臣(扇千景君) 戸田先生がお話しになりました今の日本の経済状況、例えば株価を含むあらゆる状況が、先ほどもお話に出ました、田名部先生も、いつ桜が咲くんだ、もう何年それを言っているんだというお話がございまして、そのとおりだと思いますけれども、特にこの二十一世紀明けてこの二、三日は、本当に世界恐慌にもなりそうなくらいな状況である。日本の株の下落がヨーロッパにも、そしてアメリカの状況が日本にもと、ぐるっと世界一周する悪影響が出てきている、そういう認識のもとに与党三党で緊急経済対策というものを提言なさいました。
 けさ、第一回の会合を官邸において朝九時から行ってまいりました。いろんな提言がございまして、それをどのようにしていくかということは大事なことではございますけれども、私が感じておりますことは、これはまとめて官房長官と金融庁の、金融財政担当からマスコミに発表されたことでどこまで御発表になっているか私存じませんけれども、少なくとも私は、けさの会合におきましても、この緊急経済対策というものの、きちんと本部で第一回は行われましたけれども、その中でできることの中の、税制もございます。税制というのはどれかと言われますと、国土交通省関係におきますと、例えば土地と建物の取引税の問題をどうするかとか、あるいは不動産取得税をどうするか、そういう税制に関してはこれは勝手に税を変えることができないし、戸田先生も自由民主党におられましたからよく御存じですけれども、税調というものがあって、それぞれ自由民主党は税調、公明党さんも保守党もあるいは税調というものを通ってこれはしていかなきゃいけないということで、税に関しては今すぐ私はできることではないと思っております。
 そして、大事なことは、この十三年度予算を審議していただいておりますので、この十三年度予算が通った後で追加的にすることなんですかと、項目によっては、例えばバリアフリー一つとってみても十三年度予算にも入っている、それをどこから増額するんですかということにもなりかねませんので、きょう私も聞いておりましたら、それは違うんだと、与党三党でおまとめになったものは十三年度予算が通ってなおかつ緊急に対策としてしなければいけないものを別途考えるということでございました。ですから、だったら、野党の皆さんがすぐおっしゃると思うんです、予算が通る前に補正が要るのかと。こういう御議論になろうと思いますけれども、私もそのことを聞いておりましたら、そうではないんだというお話が与党三党の政策委員長、幹事長から御説明がございましたので、あえて私がそれを言うことがいいか悪いか今わかりませんけれども、そういうふうに、細かいるるの事例に対しては、私この場をかりて申し上げることは時間をとりますので遠慮させていただきたいと思いますけれども、本年度予算を審議していただいている最中にも緊急の金融経済対策会議をしなきゃいけないというくらいな今の日本の経済状況であるということだけは痛いほど認識しております。
○戸田邦司君 私は、この中身を詳細に検討させていただきました。
 今話題に上りました、例えば不動産取得税あるいは登録税、そういったものがどういう哲学で今まで取られていたのかということについて私はもう非常に以前から疑問に思っておりましたが、しかし、それはそれとしまして、この与党三党の緊急経済対策、これが必要だということが言われたということは、やはり現在の予算を組み立てる時点、昨年の十二月になると思いますが、その時点での政府の見通しは私は甘かったんじゃないか、そう思っております。
 それから、緊急経済対策の中で実現できるもの、できないもの、特に税制などについてはそうだろうと思いますが、そういうものも入っております。そういったことで、これを政府がどう扱っていくか、これについては私は国民が非常に注目して見ている、こう思っております。
 この緊急経済対策があったからということだけではないと思いますが、実は緊急経済対策が発表になって、三月十二日の日経平均株価、これが前週末に比べて四百五十六円下がっている、さらに次の日下がったと。つまり、緊急経済対策なるものを市場は全く評価していないと言っていいんじゃないかとさえ思うほどのことだった、こう思います。
 この中身について細かいことは申し上げませんが、株の買い取りその他につきましても、私は国がそういう仕組みをつくって株を買い取るというようなことがあってはいけないと思っておりますし、それから中身を見ますと、私非常に楽しませていただきましたが、この「ゆとりある生活創造」のところに「マリンスポーツの振興」というのが書いてありまして、私は我々の希望がここに書いてあるのかな、こういう思いもしましたが、その次が面白いんですよね。「大人が楽しく遊べる都市アミューズメント場の創造などを促進する。」、こういうようなことまで書いてありまして、具体的にはどういうようなことかわかりませんが、全体として見て、私はこれが現在の経済状況に対してはどうしても小手先の感が否めない。もっと根本的なところで仕組みを変えないとならないんじゃないか、そういうふうに思っておりますが、大臣の方から何か御意見がありましたら、お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 私は、先ほども前川先生に申しましたのは、これをやれば必ず景気がよくなるという、そういうすばらしい特効薬があれば、もちろん与党だとか野党だとかが言うことではなくて、これは政府としてはどんなことでも、これが特効薬ですよという御意見を賜れば、私はこの緊急経済対策の本部の中でも当然取り上げるべきだろうと思っております。けれども、その特効薬が見当たらないというところにるる問題を列記したペーパーが先生のお手元に届いているのであろうと思います。
 けれども、国土交通省といたしましては、少なくとも今日までの経済を考えますときに、やっぱり住宅というもの、そして都市基盤整備というもの、そういうことが、バブル崩壊後の今の都市の状況を見ましても、あらゆるところに空き地ができている。いわゆる土地の活用、これだけ狭い日本全土の中の土地活用ができていない部分が多々ある、このことに対しても私は何か対策を講じなければいけない。
 また、美観的にいっても、諸外国の人がいらしても、来年もワールドサッカーを行いますけれども、そこらじゅうの車で走っているところに手つかずの土地があるということももったいない話でございますけれども、これもあらゆる制度の規制緩和をするなり、あるいは容積率の緩和をするなり、あらゆることに知恵を出して、有効な土地活用ということも私は景気対策の大きな要因の一つになろうと思っておりますので、これも皆さん方のお知恵をかりながら、また次回の国土交通委員会においても、あらゆる面でこういうことも御検討いただくことが景気回復の一助になり、なおかつ大きな問題の一つであろうととらえておりますので、ぜひ先生が今おっしゃいましたようなこと、先生が今例を挙げられましたけれども、それはマリンスポーツの振興ということ、先生はもうそれが御趣味でございましょう。趣味というよりも兼業本職かもしれませんけれども、プロでいらっしゃいますから。
 それは、ハッピーマンデーの話からこれが出ております。それはゆとりを持った休暇をとろうということで、ハッピーマンデーを促進することによって、今申し上げたようなゆとりのある休暇、あるいはゆとりのある生活、そして豊かな、精神的にも肉体的にも休暇を楽しめるということの一環で例示してあったと思っておりますので、そういう意味では、国土交通委員会でこの今の現状を打破するための妙案というものもぜひ出していただいて、お知恵を拝借したいと思っております。
○戸田邦司君 この問題はこの辺にしたいと思いますが、土地関係、土地の流動化の問題その他について、これはいいなと思うようなものはなぜ今までやってこなかったんだろうという疑問があることだけをつけ加えさせていただきます。
 そこで、この大臣の所信の内容に移らせていただきたいと思いますが、この大臣の所信の中で、これは八ページのところに「全国総合開発計画等」と、こういうことが書いてありまして、多様で特色ある地域の発展を図るため、多軸型国土構造の形成に向け全国総合開発計画等の国土計画を着実に推進すると、こういうことになっております。
 今、有効なといいますか、現時点での国土総合開発計画は五全総と呼ばれているもので、平成十年二月に決定されていると。実は、あのころのことを私も若干記憶しておりますが、国土庁自身が経済状況がよくない状況の中でこれをどう発表して説明していくかということに大変苦慮されたと、こう思っております。ですから、大々的に発表するというようなことをしておられなかった、いわば日陰のと言ったら言葉が悪いかもしれませんが、そういう感じが否めないような状況での五全総の発表だったように記憶しております。
 ですから、この中でいいことがたくさん書いてありますから、これを着実に実行していくと、これは大事なことであろうかと思いますが、一つは、その国土軸、これを四つほどの国土軸を新たに定めて、そういうものを形成していくということが書いてあります。それから、きょうの会議で既に議論になっておりますが、一極集中を排除するためというようなこともありますし、また首都機能移転、これを実現するようなことも書いてあります。
 ですから、制定されて三年ほどたっておりますので、中身全部がということにはならないだろうと思いますが、これを具体的に実施していくとしたらどういう点を今考慮されているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、戸田先生から第五次の全国総合開発計画のお話が出ました。
 私どもは、あのとき、平成十年でございますけれども、十年からわずか間を置いて十三年、二十一世紀を開いたときには、幕をあけたときには大きく経済状況もなお悪化しております。また、今申しましたように、不動産の流動化もとまっております。ただ、言えますことは、地価はまだ下がり続けている部分はございますけれども、一点、大都市の商業地においては少し横ばいから上向きになっているところもございます。けれども、私は、そういう、土地の下げどまりという言葉を使っていいかどうかわかりませんけれども、数字の上ではかなり下げどまっていると。そして、先ほどお話がございましたけれども、脇先生が、じゃ土地が下がったから今うちを建てようと思ったら、もうことしの六月で住宅ローン減税は、しかも六月に立ち上がっていないと適用されないと、夢も希望もないというお話をさっき、午前中なさいましたけれども。
 私は、そのとおりだと思いますので、第五次のいわゆる五全総の話をしますけれども、少なくともこの平成十年から十三年になった二十一世紀ですら、これだけのもう既に変動がある。地価の変動ももちろんございます。そして、株価の変動はもっと激しいですけれども、これらに対して私は基本的にはやっぱり日本全土をどうするかというグランドデザインができていないと。そして、今度、国土庁が昨年考えました全国を四つのエリアに分かれて開発するということ、これも総論はわかるんですけれども、じゃ四つの全国をゾーンに分けてどうしていくのかということになると、はたと行き詰まるわけでございます。
 ですから、私が申しておりますのは、今、先生のお手元にも行っていると思いますけれども、「国土の未来像」というのを昨年の国土庁がもう最後、歴史を終わるというときにまとめさせていただきましたけれども、私はそれをもっと拡大して、新幹線、高速道路あるいは日本のあるべき姿、国際空港はこれでいいのか、国際港湾はこれでいいのかと、あらゆる総合的な日本のグランドデザインというものを示して、先ほども選挙の話をしましたけれども、皆さん方が毎年年末になると、いや鹿児島へ新幹線持ってこい、いや北海道が要るんだ、何が要るんだというふうに言わないでも、国民みんなが頭の中で、ああ二十一世紀の二〇五〇年ぐらいには日本はこういうふうになるんだなというおぼろげながらでもみんなが共有した認識を持てるようにすることが私は大事であろうと思って、グランドデザインを描きたいというのが私の念願でございますし、なるべく二十一世紀、少なくともこの国会が終わるごろまでに全土のグランドデザインを出させていただいたらありがたいなと思っております。
 今、先ほども私、地方整備局に行って地方懇談会をしていると申し上げました。今、地方懇談会に行って、この間も中部、四国で行いましたけれども、中部圏域、ブロックですね、それから四国ブロックに全部運輸省がかつて計画した港湾等々の、飛行場の計画、旧建設省が示した高速道路のあり方等々を一枚の図面の上に全部網羅して載せます。そして、それを地方自治体の知事さんなり衛星都市の首長さんなり、財界、産業界の皆さんにお見せしております。一目瞭然に、そのブロックでは、これでは人口の割にはこれはむだになるんじゃないかなと、これは港をつくっているのに道路が全然できていないなというのが一目瞭然にわかるんですね。
 ですから、そういうものを全国にわたってつくっていきたいというのが私の基本的なグランドデザインと言っております基本でございますので、ぜひそういうことにおいて、五全総の取り組みということよりも私は逆に二十一世紀型にしていきたいという希望を持っていることをお伝えいたします。
○戸田邦司君 そういうことを考えていきますと、やはり国と地方の役割というものが、その前提として今までのとおりではなくて相当整備されたものになってこないとならないのかなと、こう思います。私は、今の地方整備局単位の懇談会、これが役に立たないなどとは申し上げませんが、しかしそれはあくまで国の組織としての働きかけで地方のそういったところの意見を聞いて検討を重ねるということでありまして、地方自治体自身が自分たちの意思で何かするということにはなっていないと、こう理解しております。
 そこで、前から大臣にも申し上げておりますが、この所信の中で、地域の自主性が生かせる統合補助金の拡充などを通じ、地方分権の着実な推進を図ると、こう書いてありますが、私は統合補助金というのはまだ地方分権を完全なものにするというような前提ではないようなものだと理解しております。それはやはり地方の自主性を尊重するということであれば、国が県なり、あるいは今のところ政令指定都市までということだろうと思いますが、補助金を出しておりますが、あれを全体統合して交付金として出していく。使い方はその地域地域で決めていくと。あるいは将来的には中核都市、そういったものにもそういう権限を認めていく、あるいはある地域で大々的に市町村の統合などを進めるということであるんならそういうところにも認めていくとか、そういった地域のインセンティブを重視するような政策を打っていかなければ地方分権も進まない、地方の自主性も尊重されない、そういったことではないかと思いますが、その統合補助金の問題と、それから補助金の一括交付について、大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 私は戸田先生の仰せのとおりであると思っております。
 ただ、問題は、私が全国を歩いておりまして感じますことは、今おっしゃいましたように、一括補助金でいいじゃないかというお考えは、それも私はごもっともで、また将来はそうあるべきだと、そういうふうになるかもしれません。また、そういうふうに持っていかなきゃいけない。
 けれども、今の段階では、私は、今の補助金を持っていくということだけでも、受け皿として、ブロックでの知事さん、例えば四県ありますね、四県の知事さん同士での話し合いも、きょう初めて顔を合わせて、四県の知事さんが私が行って顔を合わせたんですよと、こうおっしゃるんです。そうしますと、地方整備局に補助金を、今度約二兆でございますけれども、二兆何がしですけれども、それを全部一括して出すんですけれども、その受け皿がないんですね。
 今、先生がおっしゃいますように、例えば東北ブロックなら東北ブロックで、皆さん方で東北四県なり東北六県で、公共工事はどれが順番ですか、どういうことが必要ですか、おっしゃってくださいと言っても、話し合ったことがないとおっしゃるんです。そしてまた、河川一つとってみても、県をまたいだところは隣の県と話し合っていないとおっしゃるんですね。
 私は、そういう意味では、各県が逆に縦割りになっている今の日本の現状、それこそ知事さんはもう一国一城のあるじでいらっしゃいますから、それぞれよくわかるんですけれども、私が行ってみて初めてわかったことは、それぞれのブロックの人たちが、これでは受け皿が話し合いすらできないということで、お金がつくことでございますから、全国の地方整備局に本省から百十一名の人員を配置いたしました、今度。それは受け皿として少しでも皆さんの御意見に沿うようにということで、地方に百十一名を全国に配置いたしました。それも受け皿としてきっちり、今度地方整備局が一国のブロックの大蔵省になるわけですから、逆に言いますと。
 ですから、そういう意味で私は、先生がおっしゃるように、もともと統合補助金全部どんと行けよとおっしゃいますけれども、今の段階では私は、少なくとも町づくり一つとってみてもそのブロック同士での話し合いが今まではなかったと。これからは地方整備局と、私は最初に道をつけるわけですから、あとは地方整備局の皆さん方と地域の現場の、あるいは話し合える事務局同士でこの話を詰めてくださいという、その先達に私は今全国を回っているというのが現状でございますので、おいおい先生がおっしゃいます統合補助金の一括交付ということも、私はそれに一歩近づくことの今のスケジュールだと御認識賜りたいと思います。
○戸田邦司君 今まで本省で一括してそういうものを決めてきた、それを地方のそういうような調整機能にゆだねていく、これはもちろん第一歩として非常に大切なことだと思います。そういう調整機能を大事にしていくということと、その実行主体をどうしていくか、中身をどうしていくかといった問題と、またその辺の整理をして進めなければならないということであろうかと思っていますが、ひとつできるだけ早く実現できるような方向で考えていただきたいと、こう思います。
 それから、もう時間もありません。一つだけ申し上げておきたいと思いますが、私、この前不審船の問題がありましたね。北朝鮮の不審船の問題がありました。あのときと比べて、海上保安庁巡視艇の整備その他、進めておりますが、艇の整備は進んだかもしれませんが、具体的な措置をとることについて、あの時点と今でどういうような変化があったかというか、前進があったかということについてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 冒頭にも私申し上げましたように、陸海空が、国土交通省の担当の上に海上保安庁があると申しましたように、今、先生がおっしゃいました昨年の北朝鮮の不審船ということでございますけれども、それ以後、対応について、平成十一年六月四日の関係閣僚会議におきまして、警察機関たる海上保安庁が第一に対処しろということが閣議決定されました。
 そして、今、海上保安庁におきましては、警備・監視体制の強化につきましても、赤外線の捜索監視装置を備えること、これによりまして夜間の監視機能も強化されました。そして、ヘリコプターも二機、そして不審船を捕捉しますのに十分な速力あるいは武器等の能力を有する高速特殊警備船の三隻の整備を進めてまいりました。
 そして、一隻は先日私、新潟に行って見てまいりました。ちょうど港に泊めてくれておりましたので見ることができましたけれども、その三隻のうちの一隻を私が見てまいりました。また、高速特殊警備船のうちの一隻が本年の二月十五日に就役しまして、そして新潟に配備したと。これを私が見てきたわけでございますけれども。これで私は大丈夫なのと聞きましたら、スピードは負けませんと言ったけれども、また向こうも改良しているかもわかりませんけれども、現段階ででき得る限りの配備をしたと私は説明を聞いてまいりました。そして、残り二隻は、ちょうど十六日でございますけれども、あした十六日に就航いたします。これは二隻。
 ですから、それぞれのこれは舞鶴と金沢に配備することにいたしておりますので、これで万全とは言えませんけれども、この装備だけではなくて、訓練の強化等々、海上保安庁としましてもあらゆる努力をして、最大限にこれらを活用しながら、なるべく皆さん方に日本の国を守るんだという、そういう意味で国民の皆さんの大事な国土というものの守りに万全を期していくという姿勢になっていることだけを御報告させていただきます。
○戸田邦司君 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、今の問題、警職法の適用その他を考えて、乗組員が自分たちで自信を持って任務につけるような、そういうようなことを考えておいていただきたいと思います。
 以上です。
○島袋宗康君 二院クラブ・自由連合の島袋宗康でございます。
 大臣所信表明に対する質疑を行ってまいりたいと思います。
 大臣所信の中で、内外の観光交流を促進するための一環として東アジア広域観光交流圏構想の推進にも取り組んでいかれるとのことでありますけれども、どのような構想なのか、御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) これは先ほどもちらっと私、韓国からの元国務総理がお見えになった話もいたしましたけれども、これは基本的には日韓両国を一つの地域として考える、このスタンスがございます。そして、地域及び地域外からの、域外からも訪問客数を飛躍的に増大しようというのがこの基本的な計画の構想の一つでございます。そして、当面、二〇〇七年までに日韓両国の相互交流を年間六百万人、他の地域から日韓両国への訪問客を年間一千万人にほぼ倍増したいというのが目標でございます。このためには、両国の観光当局が、一つは外客用の日韓共通レールパスの創設、二つ目には出発前の入国手続制度、いわゆるプレクリアランス制度の検討、三つ目には日韓共通の案内あるいは標識システムの採用、これらを実現に向けて協力していこうということになっております。
 将来は中国を初めとする周辺の地域にもこのことを広げてまいりたいと思いますし、広域の観光交流圏というのを形成していくというのはこういう意味でございますので、ぜひ先生も貴重な御意見を、島袋先生、特に沖縄でいらっしゃいますので、御意見を賜っておきたいと思います。
○島袋宗康君 すばらしい構想だと思います。ただ、今非常に日韓だけを強調されておりますので、非常に気にかかっておりますので、ぜひほかの地域にも広げていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それから、地域振興の中で、豪雪地帯、離島、奄美群島、小笠原諸島、半島等の特定地域についても生活環境や産業基盤整備などのハード、ソフト両面にわたる施策の展開に努めると言っておられますけれども、具体的にはどのような施策を講じていかれるのか、御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がおっしゃいましたように、豪雪地帯、あるいは離島、奄美群島、小笠原諸島、半島など、いろんなところに私はあらゆる面で不利な条件にある。私はそのためにも、この間も小笠原諸島に行ってまいりました。そのように見てまいりますと、やっぱり地域の特性に応じた地域の振興施策が行われなければならないというのは言うまでもございませんけれども、少なくとも国土交通省としまして今後とも、地域の実情、経済社会の変化に応じて、道路、港湾、下水道の生活あるいは産業インフラの整備に加えて、豊かな自然や歴史、文化といった地域の資源を生かした連携、交流の促進をしていきたいと思っております。
 ちなみに、離島における政策の一端を例として挙げさせていただきますと、ハード面の施策といたしましては、道路の整備に五百三十一億円、これを組んでおります。これは全国の離島の合計でございます。それから港湾の整備にしましても三百六十八億円、そして下水道の整備も七十九億円と。特にこの中では離島を一四%に、全国は六六%が平均でございますので、これも推し進めていこうというようなことをいたして十三年度予算に組み込んでございます。
 また、ソフト面といたしましては、離島交流促進事業といたしまして、先ほど申しました特産品の開発研究あるいは伝統工芸の育成などに対して、これも十三年度六千三百万円を計上してございます。
 その他るるございますから時間の関係で失礼いたしますけれども、そのように私どもは、特に日本は島に囲まれた、小さな離島にも私たちが目が行き届くようにということをぜひ先生にも御理解賜りたいと思いますし、特に沖縄周辺は小さな島がいっぱいございますので。
 おもしろい話を伺いまして、ある人が、私が地方整備局に行って話を聞きましたら、扇さん、離島振興で、今までは離島振興の計算をしていただいたけれども、この島と島が橋をつくることによって半島になっちゃうんです、だから、離島振興で見てもらったことが、橋を一つつくったら今度半島になるから、離島で振興の割合が高いときにいろんなことをしておきたいと。こういう知恵も、ある意味ではこれは生活の知恵だと思いますので、私、必ずしもそれを悪いことだと言うつもりはありませんけれども、それほど苦しいんだということも私は理解してまいりました。
○島袋宗康君 今の御説明で大変勇気づけられたことでありますけれども、沖縄県というのは非常に離島が多くて、那覇と離島の関係の所得関係、あるいはいろんな関係で非常に立ちおくれた面がございます。そういった面では、今の御説明である程度納得するわけでありますけれども、なおかつ離島の関係については十分な御配慮をいただきたいということを切に要望しておきたいと思います。
 それから、近年の産業構造の変化などを踏まえ、新産業都市建設促進法等を廃止するとともに、今後の地方産業振興策のあり方を検討していくとのことでありますけれども、振興策についてはどのような方向性を考えておられるのか、主要な柱をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 新産・工特が制度廃止されました。けれども私は、そのかわりに地方における産業の国際協力を高めていくということが重要であると、そう認識しておりますので、このために広域ブロックを単位とした物流の基盤、先ほども私申し上げましたように、少なくとも情報の基盤、そして拠点空港などの整備を行うということと、観光振興などを通じて地方産業振興を図ってまいるというのは私は大事なことだと思っておりますので、特に私は、新興産業という産業、そして観光産業、それらの特性を持った地域のよさというものを海外に知っていただいて、それを発信していくということも私は大事なことであろうと思っております。
 そのためには、先ほどから申しておりますように、広域ブロックでの私はグランドデザインを全国に広めて、そして全国のグランドデザインを示すということが私は大きな、振興にもあるいは皆さん方に宣伝にもなると思っていますので、ぜひそれを早い時期に示したいと思っております。
○島袋宗康君 安全確保に関し、航空事故に加え、鉄道事故についても重大インシデントも含めて徹底した原因究明体制を整備し、再発防止に万全を期すための法律案を提出されたとのことでありますけれども、いずれその法案に関する審査が行われることになるとは思いますけれども、今とりあえず徹底した原因究明体制はどうすれば構築することができるのか、その辺について承っておきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 私は、今、島袋先生おっしゃいましたように、本国会に提出しております航空事故調査委員会設置法の一部を改正する法律案、これを提出させていただいておりますけれども、これは、従来の航空事故調査委員会を鉄道事故調査も行う航空と鉄道事故調査委員会に改組したいということでございますので、航空、鉄道両分野の重大なインシデントに関しましても調査を実施しようということでこの改正をお願いしておりますことが今の、今回の、多くの事故を教訓としてこの改正をお願いしておりますので、ぜひこの件に関しましても私は先生の御理解いただけるところであろうと思っておりますので、今まで航空事故だけだったのを鉄道も入れたということで拡大して、なおかつ安全を期していくという基本的な線に立ってこれを改正する法案を出させていただいたというのが現状でございます。
○島袋宗康君 去る一月三十一日に日本航空九〇七便と日本航空九五八便のニアミスが発生し、多数の方が負傷されました。この事故は今後の航空交通政策にいろいろな課題を投げかけたと私は思っております。まず航空事故調査のあり方が問われるところであり、次に事故直後における警察官による機長への事情聴取の適否が問題となると思います。さらに航空管制のあり方、管制官の養成及び研修制度のあり方、管制空域及び安全な航空路の再編等安全の確保に万全を期すべきであると思います。
 そこでお伺いしたいんですけれども、今回の事故に際し、乗客乗員の安全の確保、負傷者の保護は十分に行われたかどうか、その辺について御説明願いたいと思います。
○政府参考人(中島憲司君) 御説明申し上げます。
 客室内の安全の確保につきましては、関連規定に従って適切に措置されていたかどうかにつきまして、航空会社及び関連機関から情報の提供を受けることなどの調査を現在進めているところでございまして、必要に応じ分析を行うことといたしております。
○島袋宗康君 それは今調査中という意味ですか。ちょっと具体的にもう少し説明いただけませんか。
○政府参考人(中島憲司君) 今、先生が御指摘ございましたように、調査を行っている最中でございます。
○島袋宗康君 先ほどもこの問題がありましたけれども、この事故直後の警察官の事情聴取という行為そのものが今回の場合非常に適切であったかどうかというふうなことを私も指摘したいと思っております。
 危うく多数の人命と航空機材の損失を回避してやっと着陸したばかりの機長を機内に拘束して事情聴取を行うというのは、やはりこれはちょっと私は疑問に残るところであります。非常に信じがたいわけでありますけれども、その辺はどういうふうに整理されるのか、またどういう対策をとっていかれるのか、いろいろと先ほどもありましたけれども、具体的なまた説明をしていただきたいというふうに思っています。
○政府参考人(中島憲司君) 本事故の場合、私どもは十九時五十分に事故通報を受けまして調査を開始いたしました。したがいまして、それ以前のことにつきましては承知いたしていないわけでございます。
 航空事故調査委員会のこの調査と警察によります捜査が競合する場合に、それぞれの使命達成に支障を生ずることがないよう捜査機関と調整の上、事故調査を行うことといたしておりまして、事故調査に支障は生じていないものと考えております。
 本件事故の場合も、パイロットの口述の聴取等につきましては、警察と調整いたしまして、航空事故調査委員会が先に実施するなど、調査に支障は来していないと考えております。
○島袋宗康君 航空事故調査委員会の方が優先して調査を行ったという点では、非常にかなり私どもの心配はある意味では解消されたんじゃないかと思いますけれども、今後こういったことが現実の問題として発生した場合に、やはり今のような航空事故対策の委員の皆さんが優先して調査すべきではないかというふうなことは当然であると考えますので、その辺努力していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 そこで、副大臣報告で述べておられるヒューマンエラーを防止するための管制支援システムの整備についてはどのようにお考えになっておられるか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(泉信也君) 前提に人間はミスを犯すものだということを私どもは考えておりまして、その前提に立って管制支援システムはいかにあるべきか、いかに改善すべきか、開発すべきかということを今議論をさせていただいているところでございます。
 例えば、現在の異常接近警報装置というものは、お互いの航空機が向かい合ってある延長線上の三分後の位置を想定して危険を予報するという仕組みになっておるわけです。しかし、今回の事故のように、航空機が航路の変更、角度を曲げるというようなときにはその機能が果たせないわけでありますので、この進路変更を行う場合においてもあるタイミングをもって事前に予知できるような機器を開発したいということで今取り組んでおるところでございます。
○島袋宗康君 そこで、管制空域ですね、航空路の抜本的再編については現時点で非常に問われていると思いますけれども、先ほども米軍とかあるいは自衛隊との訓練空域、そういったふくそうした問題について本当に民間空域が安全が保てるのかどうかというふうなことは、これはもうもちろん沖縄も大変なんですけれども、やはり今回のニアミスについても大変その辺が問われると思いますけれども、どういうふうにお考えなんですか。
○副大臣(泉信也君) 全体的な米軍、自衛隊、そして民間航空機との管制空域の問題については別途議論をしていかなければならないという思いでございますが、当面、私どもの国土交通省の所管をしております東京航空交通管制部が大変広い面積をカバーしておる、札幌、福岡、那覇に比べますと大変広い管制空域を持っておるということでございますので、ここをもう少し極力均等化する、一管制部において業務が完結するような仕分けをしていくというような観点から再編を行うべきではないか。当然交通量あるいは業務量を極力均一化するという前提で、そうした管制業務の複雑性あるいは困難性を解消するというようなことで見直しをやろうというふうに考えておるところでございます。
 またもう一つ、航空路の抜本的再編につきましては、航空交通の安全を最優先ということはもう当然であります。そして今は、その上に効率的な航空機の運航及び航空管制の効率的な実施をするということも当然副次的に考えていかなければなりませんが、これまでのこの航空の誘導というのは、地上の無線機、無線施設を結んで誘導する、管制をするという仕組みでございます。これからは、いわゆる人工衛星等を使ってもっと、必ずしも地上のものからの機器の援助を受けてではなくて、飛行機自体の機能も向上させ、そして自動的に自分の進むべき方向を確認していくという仕組みを取り入れていきたい、このような考え方で取り組まさせていただいておるところでございます。
○島袋宗康君 沖縄の航空路の安全にかかわる嘉手納ラプコンの返還については、先般日米間で返還の基本合意がなされたわけでありますけれども、その後どのように進捗しているのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(扇千景君) 島袋先生がおっしゃいました嘉手納ラプコン、いわゆる進入管制の話でございますけれども、これは今、先生が仰せのとおり、昨年の三月十六日、コーエン国防長官の発言を受けて日米合同委員会の民間航空分科委員会というものを設置し、また同分科委員会のもとに設置されました特別作業部会において嘉手納ラプコンの移管について精力的に協議を進めてまいっております。ちなみに、民間航空分科委員会の開催が一回、特別作業部会の開催が七回、非公式の開催が多数回というふうに重ねてまいりました。
 そして、特にこの協議の成果としては、我が国の航空管制官二名を昨年の十月十六日から十一月十五日まで、嘉手納のラプコンにおける航空管制業務の実態の理解を深めるために派遣をさせていただきました。この二名の実態把握を踏まえまして、現在、特別作業部会においてさらに協議を進めているところでございます。また、国土交通省といたしまして、嘉手納ラプコンの早期移転に向けて最大限の努力をしてまいる所存でございます。
 そして、嘉手納ラプコンの移管後に関しましては、那覇空港等の民間機の運航効率の向上を図って、今後予想されております民間航空交通の増大に対処していきたい。また、そのためには、当該の空域における航空管制業務は国土交通省が一元的に実施することが妥当である、そのように認識しております。
○島袋宗康君 この嘉手納ラプコンというのは、復帰直後、当分の間というふうなことでアメリカが管制したわけでありますから、いずれは返還されるものだというふうなことは県民の大きな期待であります。
 ところが、もう今日二十八年たっても返還なんかできない。やはりニアミスとかそういったふうな事件、事故が起こると、そういった問題が発生してくるというふうな繰り返しですので、これはぜひとも私は一定の日にちを決めて、国土交通省としてはいろんな人員を派遣したり具体的に進めているわけですから、やっぱりあと三カ月とかあるいは半年とか、あるいは一カ月とかといったような期限をつけて県民の期待にこたえてほしいというふうに思いますけれども、その期限等について、もし御返答できるのだったらお願いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今申しましたように、昨年派遣しました二名の実情把握というもので、帰ってまいりまして、今その帰ってきた人たちに、御報告しましたように、特別作業部会を開いておりまして、私は、特にこの人たちがきちんとそれを把握してみんなに徹底しなければ逆に危険になりますので、今までは先生がおっしゃいますように、那覇空港へ向かう航空機は一たんは嘉手納ラプコンを、管制を受けて入ってきていたものですから、それを変更するということの徹底と、そしてお互いの認識の確認をしなければ、かえって逆にこれが危険があったというのはいけないので、今その準備体制をしておりますので、いつまでにということを今の段階では申し上げることは、軽々に言うとかえって私は不安定な、危険度を増すということですので、慎重を期して対処していきたい、しかもなるべく早くということは認識しております。
○島袋宗康君 日本で唯一沖縄県に鉄道がありません。
 戦前は、軽便鉄道というのが嘉手納あるいは糸満というふうなところまで走っておりましたけれども、これはもう戦争によってことごとく破壊されまして、現実はもう全く今はバス路線あるいは自家用車といった程度で、今交通渋滞が非常に極めて厳しい状況にあります。どの地域でも交通渋滞というのが非常に本土よりも著しい渋滞が起きていることは御承知のとおりと思います。
 そこで、そういったことを踏まえて、沖縄県においては最近、鉄軌道導入の世論が高まっております。これは非常に私ども、復帰の直後あるいはその時点でしたらまだまだ鉄軌道導入についての希望的なものも相当あったと思いますけれども、今日に至っては住宅、特に基地周辺あるいはまた北部に至っても住宅がほとんどできてまいっておりますし、鉄軌道の導入といっても相当な補償費等がかかっていくんじゃないかというふうなことが予想されますけれども、いずれにいたしましても唯一我が国土で鉄道のない県というのは沖縄県ですから、その辺をどうやってカバーしていくかというふうなことは交通整備体系の方で非常に議論されるところでございます。
 そこで、世論としては、何とか鉄道、鉄軌道を導入してほしいというのが県民の大きな願いであります。そこで、国土交通省としては、いろんな経緯がありますけれども、その辺についての御見解、感想を承りたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、島袋先生が本土の中で唯一鉄軌道がないというお話がございましたけれども、私は沖縄におきます、私どもも何度もお伺いしましても、那覇の交通渋滞というものは本当に東京に負けないくらいの渋滞というのを私たちは現実に体験しているわけでございますので、現在戦後初の、今、先生がおっしゃいました鉄軌道といたしまして、沖縄の空港から那覇の中心部を経由して首里地区を結びます沖縄の都市モノレールの建設を進めようということでしてまいりました。
 また、これも今申しましたように、建設キロは十三・一キロ、営業キロは十二・九キロに及ぶものでございますけれども、その間にこれは駅数が十五駅ということが予定されておりますし、また運転計画は所要時間が二十七分という、速度も六十キロという、時速でございますけれども、そのようにして平成十五年度の開業を目指しているというのが今の現状でございます。
 そして、私どもはこの鉄道の整備に当たりましては、導入する鉄道の形態そして規模などにもよりますけれども、通常、本当に多額の建設費を要するというのは先生も御理解のあるところでございますので、その運営コストを賄うために相当程度の運送の需要の確保が必要であるというのは言うまでもございません。
 そのために、沖縄本土におけるさらなる鉄軌道の整備についても、いずれ沖縄県を初め関係者間において、まずは鉄軌道を導入する必要性が高いルートをどのように制定するかという検討もするとともに、技術的な可能性、需要、建設費、収支採算性、費用の効果などの諸問題について検討しておりますけれども、私は、この沖縄県内の鉄軌道導入にかかわる皆さん方が沖縄南北縦貫鉄軌道を実現する会の発足、これNPOでございますけれども、十二年の一月に発足いたしまして、島袋先生は顧問としてこれを運動していらっしゃいますことを私も承知しておりますので、私は、ぜひこのことも含めまして、ますます先生に果敢な運動をしていただいて、私たちもその運動にこたえ得るような対策というものを、諸課題を検討していくことが必要であると認識しておりますので、夢を持って沖縄の皆さんにおこたえできるように対処したいと思います。
○島袋宗康君 そういうことであります。モノレールの説明も十分なさりまして、ちょっと感動しておりますけれども、実態としては非常に交通渋滞が激しいという点ではもう御承知のとおりであります。
 そこで、鉄道導入というのは非常に関心を持っておる県民の大方の方々がおりますので、ぜひともどもにその成果を上げるために頑張ってまいりたいと思います。
 ありがとうございました。
○国務大臣(扇千景君) ちょっと委員長、済みません、よろしいですか。
 済みません、私、先ほど答弁の中で新産・工特が廃止されたと言ったようでございまして、恐縮でございます。法案、廃止の法案を提出させていただいておりますという過程でございました。失礼いたしました。よろしくどうぞ。
○委員長(今泉昭君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十七分散会