第152回国会 総務委員会 第1号
平成十三年九月二十一日(金曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 九月十八日
    辞任         補欠選任
     弘友 和夫君     魚住裕一郎君
 九月二十日
    辞任         補欠選任
     魚住裕一郎君     弘友 和夫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                入澤  肇君
                岩城 光英君
                浅尾慶一郎君
                高橋 千秋君
    委 員
                岩井 國臣君
                小野 清子君
                大仁田 厚君
                加治屋義人君
                久世 公堯君
                関谷 勝嗣君
                常田 享詳君
                輿石  東君
                高嶋 良充君
                松井 孝治君
                山根 隆治君
                弘友 和夫君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                又市 征治君
                松岡滿壽男君
   副大臣
       総務副大臣    遠藤 和良君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       警察庁刑事局長  吉村 博人君
       消防庁長官    中川 浩明君
       消防庁審議官   東尾  正君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
 防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
 (新宿区歌舞伎町ビル火災に関する件)

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○委員長(溝手顕正君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長黒澤正和君、警察庁刑事局長吉村博人君、消防庁長官中川浩明君、消防庁審議官東尾正君及び国土交通省住宅局長三沢真君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(溝手顕正君) 次に、行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のうち、新宿区歌舞伎町ビル火災に関する件を議題といたします。
 まず、政府から報告を聴取いたします。中川消防庁長官。
○政府参考人(中川浩明君) 去る九月一日に発生いたしました新宿区歌舞伎町ビル火災について御報告をいたします。
 この火災は、死者四十四人、負傷者三人が発生するという大惨事となりました。亡くなられました方の御冥福をお祈りするとともに、けがをされました方の一日も早い御快癒を願うところでございます。
 さて、過去の火災事例を振り返ってみますと、雑居ビルの火災といたしましては、死者百十八人が発生した昭和四十七年の千日デパートビル火災に次ぐ被害を出したものとなりました。また、三十人以上の死者が発生した火災といたしましては、昭和五十七年に発生いたしましたホテルニュージャパン火災以来となるわけでございます。
 この火災が発生いたしました場所は、歌舞伎町一番街にあります明星56ビルでございまして、耐火構造の地上四階、地下二階のいわゆる雑居ビルであり、三階が遊技場、四階が飲食店であるほか、カジノやクラブも入居いたしておりました。このビルには階段は一つしかありませんでしたが、火災はこの階段の三階付近で発生し、三階と四階の室内に延焼したものと考えられております。階段は、狭い上、ロッカー等の物品が置かれており、また防火戸が開放されていたため室内に容易に延焼し、このことが在館者の逃げおくれにもつながったと考えられます。
 消防機関の対応でございますが、東京消防庁は一時一分に一一九番通報により覚知し、直ちに消防車を出場させ消火作業に当たりました。また、逃げおくれた方が多数いるとの情報を入手したことから、救助車、救急車を現場に出場させ、被災者の救助、救急に当たりました。
 消防庁の対応でございますが、一時四十分に宿直者が火災を覚知後、直ちに情報収集や関係者への連絡を開始しました。午前二時には第一次応急体制をとり、災害対策室を設置、その後、被害の拡大状況を踏まえ、四時三十分に第二次応急体制に移行し、消防庁次長を本部長といたします災害対策本部を設置し、所要の対応を行いました。また、五時三十分には東京消防庁本庁に、七時二十分には現地にそれぞれ職員を派遣し、私が九時に火災現場の確認を行いました。
 火災原因につきましては、現在、東京消防庁等関係当局で調査が進められておりますが、消防庁として、今後、同様の火災の再発を防止するために、次のとおり措置を講じたところでございます。
 一つには、全国の消防機関におきまして、今回火災を起こしたビルと同様の小規模な雑居ビルについて一斉立入検査を行い、法令違反等の防火安全上の不備事項が確認された場合には必要な措置を講じるよう、消防庁長官名により都道府県を通じてお願いをいたしたところであります。なお、立入検査の結果につきましては、十月三十一日までに消防庁に報告いただくことといたしており、この結果を取りまとめ、次に申し上げます検討委員会に提出することといたしております。
 二つには、消防庁次長を委員長とし、学識経験者、消防機関職員等で構成いたします小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会を消防庁に設置し、九月六日に第一回目の会合を開催いたしました。委員会におきましては、今回の火災の原因や法令違反の有無等の調査を踏まえながら、小規模雑居ビルについて、防火安全対策の基準のあり方や基準適合確保方策のあり方を検討することといたしております。
 第一回の会合では、現在までに判明いたしております火災の概要や小規模雑居ビルの防火安全対策の現状を委員の方々に把握していただいた上で、小規模雑居ビルの防火安全対策の問題点等について活発な意見交換をしていただきました。今後、月一回程度の開催を予定しており、年内を目途に結論を取りまとめていただくことといたしております。
 三つには、関係省庁課長から構成いたします小規模雑居ビル火災安全対策連絡協議会を設置し、九月十一日に第一回会合を開催いたしました。第一回会合におきましては、現時点での各省庁で講じた措置等について情報交換を行いました。今後、随時会合を開催し、各省庁の連携を図ってまいりたいと考えております。
 なお、この件に関しましては、総理大臣からも再発防止に全力で取り組むよう指示を受けているところであり、今後とも、委員長を初め委員各位の御協力を賜りながら各種対策を講じてまいりたいと考えております。
 以上、今回の歌舞伎町ビル火災の報告を終わります。
○委員長(溝手顕正君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩城光英君 先般アメリカで起こりました非人道的な同時多発テロはまことに悲惨な事件であり、憤りを感じるものでありますが、その十日前の九月一日に新宿歌舞伎町で発生しました雑居ビル火災、これも痛ましい事件でありました。お亡くなりになられました四十四名の皆様方の御冥福を心からお祈りしたいと存じます。
 今回の火災を教訓といたしまして、二度とこのようなことが起こらないように取り組みますことが、今回犠牲になられました方々へのせめてもの弔いになるものと考えております。
 さて、我が国におきましても数々の大きな火災が発生しております。先ほど消防庁長官からお話がありました大阪市の千日デパートビル火災では百十八名の方が亡くなっておりますし、その翌年には熊本市の大洋デパート火災が発生し百名の死者を出しているわけであります。そしてまたホテルニュージャパンの火災もございました。今回の歌舞伎町のような小規模な雑居ビルの火災としましては、昭和五十一年に沼津市で発生した火災や昭和五十三年に新潟市で発生した火災があり、いずれも十名を超える方々がお亡くなりになられております。これらの火災を受けまして、消防庁におきましては消防法の改正を含む数々の対策を講じてこられましたが、残念ながらまた大きな火災が発生してしまったわけであります。
 そこで、これまでさまざまな対策を講じてきたにもかかわらず、今回の火災でまた多数の死者が発生してしまいましたこと、このことにつきまして消防庁長官の御認識をまずお伺いしたいと存じます。
○政府参考人(中川浩明君) 消防庁におきましてはこれまで、ただいま御引用になりました昭和四十八年に発生いたしました大洋デパート火災を踏まえた特定防火対象物におきます消防用設備等の遡及適用、さらには昭和五十三年に発生した新潟市のスナック火災を踏まえた自動火災報知設備や避難器具等の消防用設備等の設置の強化など、これまで多数の死傷者を生じた火災の発生を踏まえ消防法令等の改正を行いまして、防火管理の徹底や消防用設備等の設置義務の強化など種々の防火安全対策を講じてまいったところでございます。
 今回の火災は、繁華街におきます風俗店等が入居し、消防法令等が完全に遵守されていないのではないかとの疑問のあるビル火災であったとの事情はありますものの、これまでの火災に比べ多数の死傷者が発生したことは、これまで講じてきた防火安全対策で対応し切れなかった面があるということもまた指摘を受けざるを得ないと考えております。
 消防庁におきましては、この火災の発生を踏まえまして、先ほどの御報告でも申し上げましたように小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会を設置いたしまして、これまで講じてきた対策の有効性を検証するとともに、このようなビルに対する防火安全対策につきまして検討に取りかかったところでございます。この検討結果は年内に取りまとめることといたしておりますので、消防庁といたしましては、この検討結果を踏まえ、同様の火災の再発防止のために全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○岩城光英君 マスコミの報道等におきましても、今回の雑居ビルでは消防法を初めとしますさまざまな法令について違反があったようです。これについては、東京消防庁等の関係当局で鋭意調査が、今お話がありましたとおり進められているようでありますが、再発防止対策を検討する上で実態を正確に把握すること、これは極めて大切なことでありますので、速やかに事実を究明してほしいと願っております。
 さて、消防法令におきましては、防火の管理や消防用設備等についてさまざまな基準が規定されております。しかしながら、それが守られなければ、まさに絵にかいたもちになってしまいまして何の意味も持たないわけであります。消防法令の中にも事業者に法令を遵守させるための規定が設けられており、立入検査の拒否あるいは資料提出拒否など違反への罰則も適用されているわけでありますが、今回の火災となったこの雑居ビルに対してこれらの命令や告発はなされていたのでしょうか。質問いたします。
○政府参考人(東尾正君) 消防長または消防署長は、防火管理上必要な業務の法令の規定または消防計画に基づいて行われていない、このように認めたときには消防法の規定によりまして措置命令をかけることができる、また消防用設備等が技術上の基準に合っていないというようにまた認めたときは別の措置命令をかけるというようなことができることとされております。
 消防機関においては、この命令の発動につきましては、一般には事案の発見後、相手方の対応とか態度によりまして、事実の確認を行ったり、口頭または文書による指導を繰り返して行う、また文書による警告を経た後に命令発動をするというようなことで、段階的に粘り強く是正指導を行っているところでございます。
 今回のビルにおきましては、東京消防庁は、昭和六十年九月からの使用開始に伴う検査のほか、昭和六十二年二月と平成十一年十月に立入検査を行いましたが、いずれの段階においても文書による違反事実の指摘と改善指導にとどまったものでございます。十一年十月の立入検査の時点におきましては、所有者、テナントなどが入れかわっておりまして、また用途も全く変わっていたというようなことから、まず違反事実の再確認と文書による違反事実の再指摘、そして改善指導を行いました。
 平成十二年十二月には、この違反事実のうち、防火管理者の選任と避難訓練の実施については一応改善が行われたということで、残り六項目につきまして、引き続き残りの事案について指導を継続する方針であったと聞いておりまして、命令とか告発に至らなかったという状況でございます。
 先ほど申し上げました改善の時期でございますが、平成十二年二月には一応改善をしたということでございます。
○岩城光英君 今回の雑居ビルにつきましては違反是正の第一段階だったということですが、消防法令違反の対象物、一体どのぐらいあるんでしょうか。
 先ほど長官から説明がありましたとおり、現在全国の消防機関が雑居ビルについて一斉立入検査を実施しているようであります。先週東京消防庁が発表した中間状況では、立入検査を実施した千四十六の対象物のうち実に九百五十七について、九割以上、何らかの違反を有しているとのことであったようです。
 今回発生した火災は消防法令に違反していることがいかに大きな被害の発生につながるかを証明したものであり、法令違反の程度にもよるんでしょうが、九割の対象物に違反があったということは、ほとんどのビルで今回と同じような火災を生ずる可能性があるということになるものと思われます。したがいまして、こういった消防法令違反のビルに対しては使用停止命令など強い違反是正の手段を活用すべきではないかと思われますが、これは副大臣に御答弁をお願いしたいと存じます。
 また、あわせてお伺いいたしますが、建築基準法施行令では、キャバレーとかカフェ、バーなどの用途に供するビルにおいては、その階から避難階または地上に通ずる二つ以上の直通の階段を設けなければならないとされております。今回のビルは階段が一本でありまして、この規定に違反していたものと考えられます。
 一般的に言って、消防署の立入検査の際、建築基準法令の中の防火に関するものについて違反を見つけた場合には関係の建築部局に連絡していると、このように伺っております。今後、国土交通省、関連省庁とのさらなる連携の強化がそういった意味で必要だと思われますが、この点についてどのように取り組んでいこうとされるのか、消防庁長官にこの点につきましてはお伺いいたします。
○副大臣(遠藤和良君) ただいまお話がありましたように、違反があれば直ちに使用停止命令をかけるようにしてはどうかというお話で、そのお気持ちはわかるんですけれども、ただいままでは違反状態をどのように是正をしていくか、そちらの方に力点を置きまして取り組んでまいりました。
 例えば、違反事実が発見されましたら、それを確認をいたしまして、あるいは口頭とか文書で指導をしたり警告をして、それでもなおかつ是正されないというふうなときに措置命令とか告発を行う、そういう段階的に取り組んできたわけでございますけれども、ただいまのお話もございますし、また今回の痛ましい火災事故も教訓にいたしまして、小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会をつくりまして、今、消防庁次長を委員長にいたしまして、学識経験者とか実際の消防業務に携わる皆さんの意見を聞いているところでございまして、今後は、違反事例があった場合には、積極的にこの使用停止命令とかあるいは告発等が出せるようなことも考えていきたい、このように考えているところでございます。
○政府参考人(中川浩明君) ビル等の建築物の火災予防のためには、ひとり消防機関のみならず、建築部局等との強い連携が必要であるということは我々としても十分認識をいたしているところでございます。これまでも建築部局とは、消防機関との間において建物の新築時等の建築確認にあわせて行います消防同意であるとかあるいはただいま御指摘もございました重大な建築違反が確認された際の通知などによりまして、連携を図って協力して建物防火に努めているところでございます。
 今回と同様の火災の再発防止のために講ずべき対策等につきましては現在幅広く検討をしているところでございますが、その中においても、その委員の皆様の中においても、消防機関と他の関係機関が連携して総合的な対策を講じる必要があるという意見を既に述べていらっしゃる方も多いわけでございます。今後、委員会の議論の状況を踏まえ、また消防機関と建築部局間を初め現場レベルでの連携の強化につきましては、関係省庁から構成をいたしております小規模雑居ビル防火安全対策連絡協議会等の場において十分な連絡調整を図って実効性のある方策について検討してまいりたいと考えております。
○岩城光英君 再発防止対策につきましては検討委員会の中でいろいろと議論をしているということでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、ほとんどの小規模雑居ビルで法令違反があるということでありますので、そういった点を考えますと、緊急にまた即効性のある措置を講ずることが必要だと思っております。
 全国には防火対象物が三百五十万以上もあるということですが、これら多くの防火対象物を消防法令に適合させるためには、消防機関だけの力では限界があるのではないかと、こんなふうにも思われます。
 例えば、緊急に違反の是正をするためには、そのための要員を確保することが必要です。そして、そのために専門的な知識を要するものでありますけれども、民間にそのような知識をお持ちの方がいらっしゃれば、消防機関だけでなくそういった民間の方々にも、積極的に活用して御協力いただくことも必要ではないかと、こんなふうに思いますが、長官のお考えをお示し願います。
○政府参考人(中川浩明君) 今回の火災を受けまして、最初の御報告でも申し上げましたように、消防庁といたしましては、直ちに同様の小規模雑居ビルについて一斉立入検査を実施すること、そして不備事項の是正を行うことにつきまして全国の消防本部に通知をいたしております。全国の消防本部におきましては、この火災の発生にもかんがみ、ただいま精力的に立入検査等に取り組んでいるところでございます。
 ただ、実際の場面におきましては、このような小規模雑居ビル等につきましては、これまでの取り組み状況から勘案いたしまして、その不備事項の是正の徹底を図るためには多くの労力と時間を要するものと考えているところでございます。
 消防法令違反是正のための体制につきましては、現在、基準適合確保方策のあり方の一つとして小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会において検討しているところであり、既に立入検査について民間の力も活用できないかとの意見も出されているところでございます。
 委員の御指摘にもございましたように、例えば小規模雑居ビルのような消防用設備等の点検報告が適正になされていない防火対象物の関係者に対しまして、点検報告制度の火災予防上の意義を理解し、消防用設備等の点検に関する知識、経験を有する者がその協力をするというようなことも一つ考えていいのではないかというようなことも現在検討しているところでございます。
 そういうようなことのために、民間人等を確保し、短期的、重点的に違反是正の支援に当たることについても前向きな検討を現在進めているところでございます。
○岩城光英君 どうぞよろしくお願いいたします。
 アメリカのテロ事件におきまして、救助活動に当たっていた消防士三百名以上がまだ行方不明と、こんなふうに聞いております。
 我が国でも、国民の生命、財産を守るためにボランティアで活動されている消防団の皆様、また消防署の職員の方々初め消防機関の方々の御努力に敬意を表しますとともに、今後一体となって、一丸となってこれら悲しい事件が再び起こることのないよう努めていただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わります。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。
 新宿の火災と、それからアメリカのテロ事件で犠牲になられた皆さん方に哀悼の意を表しますと同時に、私は、世界貿易センタービルで救助救援活動に当たられていた数百名の消防隊員の皆さん方が犠牲になられたということと、さらには今も命がけで救出作業に当たられている消防隊員の皆さん方、これはやっぱりアメリカだけではなしに、日本も含めた世界の消防隊員の皆さん方がその使命感に燃えて命がけで作業をされているという姿に感動を覚えたところでございます。そういう意味では、きょうの質問はそういう隊員の皆さん方の心も代弁できるような、そういう観点で御質問を申し上げてまいりたいというふうに思っております。
 長官にお伺いしますけれども、もし日本で世界貿易センタービルのようなああいうテロ事件と、それに伴う火災、崩落事故が起こるということを想定した場合のそういうマニュアルというか、その種の対応策というのは日本としては整備できておるんでしょうか。
○政府参考人(中川浩明君) テロによります災害が発生した場合、消防機関は迅速に現場に出動し、消火、救助救急活動と住民の安全確保を行うこととなります。その場合に、消防機関は現場の状況を的確に把握し、保有する消防車両や各種資機材等を活用して迅速な消防活動を行うことになります。さらに、現地の消防本部だけでは対応が困難な場合には、あらかじめ自治体間で締結した協定に基づきます応援や緊急消防援助隊の要請も可能でございます。
 テロによる災害であることが判明した場合には、平成十年の閣議決定である「重大テロ事件等発生時の政府の初動措置について」等の政府のマニュアル等に基づきまして、消防庁としては人命救助等の初動対処を行うほか、関係省庁間の情報を総合的に判断いたしまして、今後も累次のテロの発生が切迫している状況がある場合には当該現地の消防機関に対して厳重な警戒を呼びかける、発生した現地の消防機関だけでは対応が困難と消防庁長官が判断した場合には、関係都道府県知事へ緊急消防援助隊の出動を要請するなどの対応を行うことといたしております。
 ただ、今回のような大規模なテロ行為はこれまで予想しがたいものであったということも事実でございます。今後、今回の事件を参考にして関係省庁の連絡を図りながら、このようなテロ行為の場合に消防としてどのように対応すべきか、必要な対応について検討をしてまいりたいと考えております。
○高嶋良充君 警察庁からもお越しをいただいているんですが、ビル火災から既に二十日ほど経過をしているわけですけれども、お聞きするところによると、まだ出火原因の特定ができていないというように聞いています。確かに原因究明、大変だろうとは思いますけれども、現在の原因究明の状況についてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府参考人(吉村博人君) 警視庁におきましては、九月一日の火災発生当日、刑事部長を長といたしまして、歌舞伎町一丁目雑居ビル火災に伴う多数焼死事件特別捜査本部を設置いたしまして、現場検証、関係者からの事情聴取、現場資料の鑑定など、所要の捜査を推進しているところであります。
 出火場所はビルの三階付近からと見られるわけでありますが、警視庁におきましては、九月の二日以降、現在もなお現場での検証活動を行っているところでありまして、出火原因等の究明とともに、失火、放火の両面で鋭意捜査を進めているものと承知しております。
○高嶋良充君 先ほどの岩城委員の質問の答弁で、消防庁の方から防災体制の不備の問題については御答弁をいただいておりますから、質問通告しておりますが、それは省きたいというふうに思います。
 遠藤副大臣に決意を伺いたいんですけれども、いずれにしてもそういう消防計画が提出をされていなかった等々、消防法が適正に守られていなかったということが先ほど答弁にあったんですけれども、やっぱり現行消防法に規定をされている各種の防火体制が確実に実施されるような指導というのは強化をすべきだというふうに思っているんですけれども、後で告発等の問題等お聞きしますけれども、その辺の今後の防止策との関係で副大臣の決意を伺いたいと思います。
○副大臣(遠藤和良君) 一つは、立入検査をきちっとやっていくということも必要だろうと思います。それから、法令に照らして、違法なものについてはそれを是正指導していくということも大切なわけですけれども、最終的に法的措置をきちっととっていく、いわゆる措置命令とか告発等を積極的に行っていく、こういうことが大事ではないのかと思うんです。
 今までそういうものに対して非常に慎重でございまして、法律的には可能なわけですけれども、具体的にそこまで踏み込んでやっていないというところがございましたものですから、この法律を厳格に運用できるように体制を整えていくということに努力をしていきたいと思っております。
○高嶋良充君 消防法の趣旨からいうと、私はもうちょっと厳格にやった方がいいと思うんですが、いろいろ聞いていると、消防法の趣旨というのは違反すべてを直ちに告発につなげるということよりも違反状態を是正させるところに力点を置いているのだと消防庁の方はよく言われるのですけれども、それなら告発する前までの、基本的に言うとその改善命令の段階までにやっぱりそういうものを法令違反を是正をさせるという効果というか、そういう成果を上げるということが必要だというふうに思うんですね。
 その辺については今までそういう成果がかなり上がってきているのかどうか、その辺をお尋ねしたいんですけれども。
○政府参考人(東尾正君) 命令を出すことによる改善効果についてでございます。
 平成十一年度におきましては、全国で九十二件の措置命令が発せられました。その年度のうちに四十八件の違反是正が図られたわけでございまして、さらに現在までに五件が加わりまして、これまで五十三件の是正が図られております。
 このように、命令による違反是正というものについては一定の実効性を確保しているものと、こういうふうに考えております。
○高嶋良充君 最近どうなんでしょうかね。それでも是正がされていないところについては最終的にはやっぱり告発という問題を考えなければならないというふうに思うんですけれども、最近どうでしょう。告発が年間どれぐらいされたのか、あるいは最近は全く告発というのはなかったのか。その辺、統計上どうなっているでしょうか。
○政府参考人(東尾正君) 命令の後、告発にどれぐらい踏み込んでいるかということでございますけれども、現在、正確な統計としては私どもは承知していないわけでございます。しかしながら、先ほど御説明いたしました平成十一年度の命令の結果によりますと、これは聞き取り調査でございますけれども、今年度一件告発を予定しているということでございます。
 現在のところ、まだ告発に至っているというのはそういう状況でございます。
○高嶋良充君 こういう事故が起こると、やっぱり是正指導でそれの言うことを聞かないというような状況であれば、最終的にはやっぱり告発まで踏み切るという法の厳正な運用が必要になってくるんではないかと。
 とりわけ四十四名の命が亡くなっている、こういうことですし、当然そういう法令違反のところの火災というのは救助する隊員も生命の危険にさらされる、こういうことになるわけですから、そういう観点からいくと、告発を含めた法の厳正な運用が必要ではないかというふうに思っているんですけれども、その辺は長官どうでしょうか。
○政府参考人(中川浩明君) 消防法の考え方は、先ほど高嶋先生もおっしゃいましたように、違反が発覚した場合、その是正を早急に図るという観点から、事実を確認し、口頭または文書による指導を行う、さらには文書による警告をし、さらにそれにも従わない場合に措置命令を行って、最終的には告発とかあるいは公表という段階に至るというのが現在の通例でございます。
 しかし、今回の火災事故の重大性、先ほどおっしゃったように四十四人も亡くなるという重大性にもかんがみまして、悪質な法令違反等については告発によって対応していくということも含めて、法令の適正な運用を図るための具体的な方策について検討してまいりたいと考えております。
○高嶋良充君 警察庁に伺いますけれども、各市町村の消防本部の消防長がこれ告発をするということに最終決定すると思うんですけれども、告発をした場合、警察としてはどのように対処されることになるんでしょうか。
○政府参考人(黒澤正和君) 警察といたしましては、消防から消防法違反に係る告発を受理いたしました場合には迅速的確に対処してまいる所存でございます。
 なお、既に消防、建設等関係機関におきまして小規模雑居ビルに対しまして立ち入り等が実施されておりますことから、各都道府県警察に対しまして告発等を受理した場合の迅速的確な事件処理等につきまして指示をいたしたところでございます。
○高嶋良充君 警察は消防から告発があれば迅速に処理する、こういうことでございますから、ぜひ連係プレーをとって対処方をお願いをしておきたいと思います。
 そこで、今も出ましたけれども、立入検査とか予防査察ですね。この種の部分で違反の是正を消防職員がやろうとしても、とりわけ火災のあったような雑居ビル、とりわけ風俗営業にかかわっているような雑居ビルではなかなか相手方の対応が悪いというように隊員は言っているんですよね。悪いということと同時に、恐怖を感じるというふうな場面もあるようでございますから、これはどうなんでしょうか、消防だけでそういうことが、本来なら法の趣旨からいえば消防だけでやるというのが法の趣旨なんでしょうけれども、こういう特異なケースの場合は警察と協力して共同でそういう立入検査等を行うというようなことができないものなのかどうか、その点について消防と警察の両方からお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(中川浩明君) 今回の火災の事故にかんがみまして、立入検査を有効に機能させることが重要であるという意見が非常に強いものがございます。その一つとして、ただいま委員も御指摘のように、消防のみならず警察あるいは保健所等、他の行政機関とも協力をする中で立入検査、検査、査察というものを行うべきではないかという意見が強いものがございます。私どもとしてもこのような性格のビルに関してはその方がより有効な立入検査ができるものと認識をいたしております。
 ただ、具体のやり方等については、人員等の問題もございますので、今後とも関係省庁とも十分協議をして、有効な協力、共同の査察、立入検査をどのように進めていったらいいのか、検討してまいりたいと考えております。
○政府参考人(黒澤正和君) 風営適正化法による立ち入りと消防法上の立ち入りはそれぞれ立ち入りの目的が違うわけでございますが、今後は風営適正化法による警察の立ち入りと消防による立ち入り等との連携の可能性につきまして消防と協議を進めてまいりたいと考えております。
○高嶋良充君 ぜひその点はよろしくお願いをしておきたいと思います。とりわけ小規模雑居ビル火災安全対策連絡協議会というのが政府内に設けられたというふうに聞いておりますから、そこに消防庁も警察庁も一緒に会議に参加をされているということですから、ぜひ連係プレーがとれるような方向で今後の再発防止につなげていただきたいというふうに、これは御要望として申し上げておきます。
 そこで、消防庁長官からも先ほど出ましたけれども、立入検査、予防査察を行うには当然要員も必要だ、こういうことになるわけですが、私は現状は予防という部分からいくと要員はかなり不足しているのではないかなというふうに思っているんですけれども、その辺の現状はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(東尾正君) 予防の要員でございますけれども、立入検査は予防要員、専従要員だけではなくて、場合によっては警防要員も一緒に参堂するというようなこともございますが、予防専従要員について申し上げますと、平成十一年度で全国で約一万人、正確には一万六百十九人でございます。
○高嶋良充君 私は六月二十六日に開かれたこの総務委員会、消防法の改正のときでしたけれども、消防庁長官に、消防力整備、とりわけこの要員の整備が政府のガイドラインというか計画よりも七割にしか到達していないではないかと、もっと早急に要員整備を行うべきではないかというそういう質問をさせていただいて、前向きな答弁をいただいているんですけれども、その後にこういう火災事故が起きたわけですから、この予防要員を初め、やっぱり計画から七割にしか達していないという消防職員の充足を早急に行う必要があるんではないかというふうに思っているんですが、長官、六月二十六日の答弁よりも前向きに御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(中川浩明君) ただいま御指摘のように、平成十二年四月一日現在の消防力の基準について見てみますと、消防職員については七六・五%という充足率になっております。予防要員についてはもう少しこの数字より低い実態にございます。市町村はこの消防力の基準を参考として消防力の整備を進めているわけでございますが、現在の財政状況等からなかなか思うとおり進んでいないのが実態ではないかと考えております。総務省といたしましては、支援をするという意味から国庫補助金の確保あるいは地方財政措置などを講じているところでございます。
 消防力の基準につきましては、昨年その基準の全部改正を行いまして、災害の態様に応じた乗りかえ運用等、弾力的な運用が可能となっております。各市町村におきましては、これらの趣旨を踏まえて効率的な人員配置を行うことが必要ではなかろうかと思っております。
 また、規模の小さな消防本部ほどこの充足状況が低いという実態もあることから、人員のより効率的な配置や消防サービスの向上を図るため、市町村合併との整合性も確保しながら小規模消防本部の広域再編を積極的に推進しているところでございます。
 さらに、今回の事例にかんがみまして、臨時的に消防職員による予防査察等を支援する要員の確保についても検討をしているところでございます。
 今後とも各消防本部の実情等を把握しながら、今回の事故が発生したということを踏まえて、消防力整備のためにさらに努力をしてまいりたいと考えております。
○高嶋良充君 九月四日の朝日新聞なんですけれども、新宿のビル火災で消火救急活動に当たった消防隊員が、三人のうち一人、約百二十人が惨事ストレスの症状を感じていると、こういうことが記事になって出ています。いろいろ隊員に聞きますとそのとおりらしいんですが、消防庁としてはこの惨事ストレスの現状についてどのように把握されているんでしょうか。
○政府参考人(東尾正君) 消防職員は、ただいま御指摘のとおり、悲惨な災害現場に直面することが多いものですから、近年、これに伴い発生するおそれのありますいわゆる惨事ストレスということが大きな問題となっております。しかしながら、非常に新しい分野でもございまして、この対策についてこれまで具体的に取り組んでいる消防本部はほとんどございませんで、本格的に取り組んでいるのは東京消防庁のみという状況でございます。
 ただいま御指摘の朝日新聞の掲載内容につきましては、この新宿歌舞伎町の火災現場に出動いたしました東京消防庁の消防職員約三百四十人でございますけれども、この中で三分の一に当たります百二十人が東京消防庁が既に定めております実施基準に基づきましてグループミーティング、つまり専門家とか同僚と一緒に話し合いまして、そのストレスの状況を話し合うというような初期の段階で実施するものでございますが、それに参加したということを報道したものでございます。
 したがいまして、これらすべて、つまり百二十人すべてがいわゆる惨事ストレスに陥っているということではなかったというふうには聞き及んでおります。
○高嶋良充君 私も地元が大阪なので、この間の池田市の児童殺傷事件でも、池田に聞きますと、池田市の消防本部で三日間ほど消防隊員のカウンセリングを行ったというふうなこともあったと聞いています。
 そういう意味では、新しい課題というよりも、前からあったんだというふうに思いますけれども、いずれにしても、この惨事ストレス、被災者はもちろんですけれども、救急救助に当たる当事者のそういうメンタルヘルス対策にも消防庁としては本格的に乗り出す必要があるんではないかと思うんですが、長官、どうでしょうか。
○政府参考人(中川浩明君) 地方公務員のメンタルヘルス全般については、当然これまでも健康の確保という観点から各地方公共団体で取り組んでいるわけですが、惨事ストレスということにつきましては、とりわけ消防職員に発生いたします問題でございますので、消防庁としてはこの問題は大変重要な課題になるのではないかと認識をいたしております。
 消防庁といたしましても、平成十三年度から消防大学校のカリキュラムに惨事ストレス対策を加えて、消防職員への教育を行っております。
 しかしながら、先ほど審議官からもお答え申し上げましたように、新しい問題でもございますことから、なかなか現在取り組みを始めている消防本部も少ないという実態にございます。そのためにも、今後、学識経験者の参加も得ながら、惨事ストレス対策のあり方について総合的な立場で検討いたしまして、その成果を各消防機関に対してお知らせをして、それぞれの消防本部において的確な対応ができるように我々としても努力をしてまいりたいと思っております。
○高嶋良充君 再発防止の関係で、連絡会とかあるいは緊急検討委員会ですか、つくられて検討いただいているということなんですけれども、私は最初に申し上げましたように、やっぱりその現場の第一線で命を賭して救急救援に当たっている第一線の現場の声も再発防止をする上で聞く必要があるんではないかというふうに思っているんですけれども、とりわけ今度のこの小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会等にその種の意見の反映ということができないものなのか、長官としてのお考えを聞きたいと思います。
○政府参考人(中川浩明君) 小規模雑居ビルの防火安全対策を検討いたします上で、現場において直接立入検査や違反是正措置を行っております消防職員、また、万が一の火災の際には消防活動、救助活動等を行う消防本部の職員の皆さんの意見を十分に酌み取ることは重要な点であると、このように考えております。
 今御指摘ございました、小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会におきましては、この火災が管内で発生いたしました東京消防庁を初め、全国消防長会の予防委員会の委員長の千葉市消防局、そして大阪市の消防局にも参画をいただいて御意見を述べていただいているところでございます。
 また、現在、全国の消防本部で行われております小規模雑居ビルの一斉立入検査の結果につきましても、委員会で検討の参考といたしております。
 このほかさまざまな機会をとらえまして、消防本部の意見を伺ってこの対策に反映をさせてまいりたいと考えております。
○高嶋良充君 そういうところで意見を聞いていただくと同時に、先ほど申し上げましたように、惨事ストレスのメンタルヘルスの問題とか予防査察の体制の問題等々については、やっぱり現場で十分に話し合うということも必要だと思うんです。そのための装置としてせっかく五年前に職員委員会制度というものができているわけですから、この種のやつはすべて審議対象になると思っているんですけれども、ただ、各市町村の消防本部ではそのことがまだきちっと理解されていない部分も若干あるのではないかと。
 この機会にメンタルヘルスとか予防査察の体制の問題とか、そういう部分について職員委員会の対象になるので十分にやっぱり検討しなさいと、しなさいと言うことは指導になりますけれども、できますよということをやっぱり消防庁として周知してあげる必要があるのではないかと思うんですが、そのことを最後にお伺いして、私の質問を終わります。
○政府参考人(中川浩明君) ただいま御指摘ございましたように、消防職員委員会という制度ができておりまして、この委員会は、消防事務の円滑な運営に資するため、消防職員の給与、勤務時間その他の勤務条件及び厚生福利に関すること等に関して消防職員から提出されました意見について審議をすると、このように法律上定められているものでございます。惨事ストレス等のメンタルヘルス、あるいは予防査察の人員不足による過重勤務等といった問題につきましては、職員から意見の提出があれば基本的に消防職員委員会の審議事項となるものでございます。
 この旨につきましては、今後ともさまざまな機会をとらえまして、各消防本部、ひいては消防職員に周知を図るように我々としても努力をしてまいりたいと思います。
○高嶋良充君 終わります。
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございますけれども、質問に先立ちまして、今回のこのビル火災によって犠牲になられた四十四人の方の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、負傷された方の一日も早い御回復をお祈りいたしたい、このように思っております。
 それで、今、歌舞伎町でも、いまだに現場で机が置かれて、そして亡くなられた方のためにお供え物などが絶えることなく置かれているという状況でございまして、しかしながら、先ほどの審議にもございましたけれども、いまだに原因も何もわかっていないというような状況であるということで、二度と再びこうしたことを起こさないようなそういう対策が必要だ、このように思うんですけれども、先ほど来の審議で、私は毎回こういう大きな事故が起こるたびに、二度とこういうことのないようにしようと。例えば消防、火事であれば、火災であればだんだんいろいろな消防法等の基準が厳しくはなる。
 例えば、私は剣道場をやっておりましたけれども、見たらもう剣道場ですからわかる、脱出するところはこことこことわかる。しかし、そこに防火管理者を置いて、こういう設備をして、毎年一回講習を受けて云々という厳しい指導があるんです。建築基準法の中にも、消防法の例えば数値が入っておりましたら、何センチでも例えばこれをオーバーしたらこれは違反だからだめですよとかいう、本当に厳しくなっていくわけですね。それはそれで結構ですけれども、きっちり法を守る者に対しては反対に厳しくそういうやるんです。
 今回のこれを見ましたら、もう全くこれは無法だと。何でこういうことが放置されているのかという。片一方では厳しくもう一センチ二センチのことを言っておりながら、片一方では全くこういうことが放置されている。
 今回の消防法の関係でも八つの指摘をされておりますよね。そういうもう、それに対して一部は改善されているかもしれませんけれども、ほとんど放置されている。とにかく消防法だけではなく、今回のこれを見ましても、もう幾つもの法令違反があるわけですよ。今言いましたように、消防法、ビルオーナーまたは店の経営者についても七つか八つある。それから、都条例の違反だとか、それから風営法、これは無許可の営業、それから建築基準法、食品衛生法、さまざまな違反があるわけです。それが人命にかかわるようなそういう大変な大きな違反であってもそのまま放置されている。
 これは、ある新聞には、経営者というかが言っている。店そのものが違法、不法なんだから、消防法、例えば消火器を置きなさい、そんなの置くわけがないと。店を経営しているそのものが違反なんだからということなんですよね。
 だから、そういうことに対して、先ほど遠藤副大臣は、違反の状態をどのように是正していくか、そこに力点を置いて指導してきましたよと。是正をしていくという、一年も二年も、三年ぐらいのサイクルでやって、二年たっても是正されてない。それがそのまま営業も続けられているということが果たしていいのかどうか。
 今までずっとありました大きな火災の判例というか判決を見ましても、例えばホテルニュージャパンの場合は、そこには消防法で義務づけられた、例えばスプリンクラーが設置されてなかった。経営者は裁判で資金繰りが悪かったから設置できなかった、こういうふうに言っている。しかしながら、その判決は、基本的な消防用設備を備えないままに客を募ることは客を欺くに等しい、工事資金の調達ができない以上は経営を断念すべきである、こういう判決を言っているわけですね。だから、例えば、備えてないのはうちだけじゃないんだ、ほかにもいっぱいありますよ、そういうことは理由にならないとか、いろいろな判決がそれぞれの火災に対してあるわけです。
 だから、そういうことで果たして、新宿歌舞伎町だけでも風営店でも五千七百以上あると、こういうふうに聞いておりますけれども、それがほとんど無法状態で、消防法だけじゃなくて、先ほど来の審議のように、警察の風営法の違反だとか、そして税金なんか、これは三カ月で経営者がかわってとかいろいろある。どういうふうに、じゃ国税の方で税金を捕捉しているのかとか。要するに、やりっ放しでやっている状態の中でこういう事件が、事故が起こったということだと思うんです。
 ですから、こういうことが起こるたびに、こうやりますよと言っておりながら、厳しく基準はなっていくけれども、それを守らせないという、そこに大きな問題があるんじゃないかと。やるんであれば徹底的にやるということが必要だと思いますけれども、そうした審査結果に基づく改善の指導、改善命令を出した場合、そういう違反に対して、先ほどありましたけれども、もう一度、どういうふうな態度をとられるのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(東尾正君) 今回の一斉点検等によります違反是正でございますけれども、法令違反などの防火安全上の問題点が、不備事項などが認められた場合には是正等の指導を強く行うようお願いしているところでございます。
 先ほどの繰り返しになりますけれども、ビル権原者の対応、態度によりまして、警告、措置命令、告発そして違反事実の公表また使用停止命令等適切な措置を講じてまいりたい、このように考えております。
○弘友和夫君 適切にやっていきたいと言いながらこれだけ大きなものが放置されているという、そこに消防としても、消防法違反でも結構ですよ、そこに問題が、五千七百あるから、たくさん数があるんだからなかなかできないんだということじゃないと思うんです。後でやりますけれども、特別査察をやったら一週間か幾らでやれるわけですから、そういう体制をとってきっちりとやるんだということが必要だと思うんですけれどもね。必ずこれはこのまま、またずるずるとなるような気がするんですよ。歌舞伎町だって変わらないと思うんですよ。営業できなきゃできないでいいじゃないですか。本当に入って、やるという、そこが必要だと思いますけれども、もう一度その決意を述べていただきたい。
○政府参考人(中川浩明君) 今回の火災事故に関しまして、大きく分けて二つの問題点がございます。一つは消防法令等の基準が今のままでいいのかというその基準の見直しの問題がございますが、それ以上に指摘をされておりますのは、基準を守らせるための方策はどうあるべきか、こういうことでございまして、特に今回の事例は過去違反を指摘していたビルでもあったということもあって、基準を確保させるための方策についてどうあるべきかということが最大の指摘になっているように我々としては認識をいたしております。
 その具体的な方策としては、やはり査察、立入検査を頻繁に行って問題点、違反事項を指摘して、それを粘り強く改善を求めていくという、そういう措置を講ずることがまず第一ではなかろうかというように思っております。ただ、その対象物の数、それから違反査察を行います要員の数等の問題もございまして、なかなか思いどおりには進んでいないということも事実ではなかろうかと思っております。しかし、こういう事故が発生しているわけですので、我々としては現状を前提としながらも、さらに要員等についてもいろいろな工夫改善を凝らす中で、実効ある査察そして法令違反の是正というものを行えるような体制、運用というものをこれからはより強化していかなければならない、このように考えております。
○弘友和夫君 その予防査察ですけれども、今回の場合も査察当日営業時間外だったため立入検査ができなかったところが幾つかあると。やっぱり営業しているときに査察をしないと査察にならないと思うんですよね。こういう店というのは夜やっているわけですから、営業時間外だったので査察できなかったということで済むのかどうか。
 それともう一つは、今回の特別査察で、その査察の体制ですけれども、その業務が、予防要員の数が横ばい状態だと。平成元年に四二%あった立入検査執行率が、十年後の平成十一年には三一・四%と、だんだんこれ減ってきているわけですね。確かに、対象物が増加しただとか、そしてまた大規模、複雑、多様化しているとか云々ありますけれども、先ほど来ありました人員の不足というようなことも含めて、やっぱり要員の確保というのが必要だと思いますけれども、その時間、どういうやり方をするのかというのと、その数についてお尋ねします。
○政府参考人(中川浩明君) 消防職員によります立入検査の方式、方法についてでございますが、基本的には、その建築物の所有者等の権原を持っている方に対して一定の行為を求めることになるわけですので、その皆さんが納得できるようなやり方で立入検査をすることがより望ましいと考えておりまして、現実の立入検査においては、関係者を立ち会わせるという意味において関係者の同意のもとで立入検査を行っている実態にございます。したがって、一部の業種については、あるいは一部の店舗においては営業時間については困るというような指摘があることもまた事実ではございますが、それにつきましては、例えば営業時間を外して立ち会いを求めて立入検査をするというような工夫を凝らす中で、現在、各消防機関はその立入検査の実効性を高めるために努力をしているところでございます。
 また、立入検査の執行率が下がっているので、予防要員の確保というものが必要ではないかということでございます。
 ただいま御指摘になりましたように、現在立入検査の実施率は三一・四%となっておりまして、十年前に比べまして一〇ポイント強下がっているのも事実でございます。防火対象物が増加する中で、なかなか人員の増員がかなわないという実態が反映しているのではないかと考えております。
 このような限られた人員で実効性のある立入検査を行うことのために、効果的な、そして効率的な立入検査を実施するという観点から、平成十一年度、十二年度の二カ年にわたりまして、効率的な立入検査手法に関する調査研究委員会におきまして検討していただきまして、効果的、効率的な立入検査手法のあり方を一定の方向を出していただきまして、各消防機関にお示しをいたしております。
 例えば、ここでは、対象物の火災危険性等を勘案して実施頻度を定めること、必要に応じ抽出検査を活用すること、消防隊による警防調査を活用することなどを指摘していただいているところでございます。また、あわせて、各消防機関において研修会やOJTによります立入検査を実施する職員に教育を行っていく必要も述べているところでございます。
 このような手法についての工夫を凝らすということも含めて、より効率的な、そして効果的な立入検査が行えるように全般の面にわたりまして検討を加えてまいりたいと考えております。
○弘友和夫君 今回、消防庁では、今回の火災を受けまして、小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会というのを設置されている。そしてまた、国土交通省では小規模雑居ビルの建築防火安全対策検討委員会というのを設置している。それぞれで検討委員会をつくられてやっているわけですけれども、私は、二つの委員会それぞれやるというのも大事でしょうけれども、その連携が必要じゃないかなと。ビル火災防火対策というのは、ソフト面そしてまたハード面、両方あると思うんですけれども、それについての見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(東尾正君) 今回の再発防止策に関連いたします政府レベルの委員会につきましては、御指摘のとおり、消防庁、国土交通省でそれぞれ委員会を設けて検討しておりますが、おのおのの事項について相互に関連いたしますので、その連絡調整は非常に重要でございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、相互に委員を派遣し合うということで両委員会の議論の調整を図る一方、関係の省庁による連絡協議会も別途設けておりまして、これらの論議内容については十分調整を図り、統一的な対応方針がとれますよう努力しているところでございます。
○政府参考人(三沢真君) 私どもも、今消防庁の方からお話ございましたとおり、やはり関係省庁との連携が大変大事だというふうに考えておりまして、今お話のありましたような中できちっと関係省庁、関係部局との連携を図っていきたいというふうに考えております。
○弘友和夫君 消防の人員が非常に少ない云々というお話もございましたけれども、私は、人員を確保することと同時に、やはりその地域で、町内会または経営者とかいろいろさまざまな人が寄り合ってそういうNPO的な団体を育てる必要があるんじゃないかなと。NPOの定款を見ましても、災害活動や地域安全活動の分野というのは一五%、町づくりの推進のNPOは三三%もあるわけですよ。そこで、やはり消防職員だとか警察官のOB等も大いに入っていただいて、その町全体で取り組む必要があるんじゃないかなと思うんですね。
 昔から江戸の町火消しという、これはやはり命がけのこのNPOの最初だと思うんですよ。役人は少なかったけれども、そういう体制でこの江戸の町を守ったという、日本にはそういう伝統もあるわけですからね。そういう意味で、ぜひそういうものを活用しながら、そういう地域を指定しながら、特別な危険地域だとかなんとかいうのがあれば、そして、そこに総合的にやっていかないと、今みたいな、歌舞伎町でいろいろな暴力団だとか中国の云々だとかマフィアだとか、そういう中で果たして消防だけでできるのかどうか。先ほどありました警察も含めて、町の人も含めて、一体となって取り組んでいかなければならないと思いますけれども、最後に遠藤副大臣の私見を伺いまして、終わりたいと思います。
○副大臣(遠藤和良君) 防災、特に火事に対する備えをするという意味で、地域の住民の皆さんが地域をみずからの力で守っていくと、そういう自主防災という意味で大変重要な御指摘をいただきました。
 もともと日本の消防団、現在の消防団も、本当にボランティアの皆さんが、その地域でみずから志願をして消防活動に参加してくださっている方々が多いわけでございまして、九十万人近い方々が御活躍をしていただいております。江戸の火消し以来の伝統を今も日本の消防の中できちっと存続させていただいていると思っておるわけでございます。
 私、ちょっと別な話になりますけれども、この間シンガポールに参りまして、雑居ビルの防災管理は一体どうしているんですかと聞きましたら、シンガポールの民間防衛隊の長官のお話でしたけれども、ビルの建物を持っている人、その人は専属の防火管理者を雇用しなければいけない、こういうふうになっているようですね。そして、そのテナントに入る人は専属の防火管理者の許可を得なければいけない、そしてその人を通して消防当局に届け出をする、そうしなければ営業はできない、こういうふうな仕組みをされているわけでございまして、それも、その町、その地域をみずからの手できちっと管理していこうという考え方のあらわれだと思いまして感銘を受けたことがございます。
 このように、新宿歌舞伎町のように、多くの国の方々が一緒に住んでいらっしゃるというところでございますが、なかなかそこの地域で地域の防災をどのようにしていくか難しい面もあると思いますが、個人に即して、いろんな方のNPOの活動が防災の面でも働いてくだされば大変ありがたい、そういうことをきちっと私どもも支援をさせていただきたい、このような考え方でございます。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 新宿歌舞伎町雑居ビル火災に関連をいたしまして、建物の構造上の問題や消防査察の充実とそのための人員確保、また消防活動に従事される方の惨事ストレス対策について伺いたいと思います。
 質問に際し、新宿歌舞伎町のビルの火災現場も改めて見てまいりまして、私が行ったときは朝でしたが、まだ祭壇に通りがかる方が何人も手を合わせておいでになるということで、間口の狭いこの小さな建物で四十四人もの多数の方がお亡くなりになる、こういう惨事が本当に信じられない思いでありまして、改めて、お亡くなりになった方々の御冥福をお祈りするとともに、けがをされた方が一日も早く回復されるように願っておりますが、そういう立場で質問をしたいと思います。
 この火災の問題では、マスコミでもいろいろ識者の方が登場をされまして指摘もされているんですけれども、私、単純に伺いますので簡明にお答えいただきたいんですが、双方向に避難路があったら、またスプリンクラーがきちんと設置されていたらこんなに被害が大きくならなかったというふうに思うんです。
 国土交通省にまず伺いますけれども、人命最優先の立場から、こういう小規模なビルでも不特定多数の方が出入りするという建物では、きちんと今後、双方向への避難階段、避難通路というのを義務づけるというふうに発想を転換されるとか、あるいは現行消防法では小規模ビルではスプリンクラー設置というのは義務づけられていませんけれども、こういったものも、非常に高度なスプリンクラーというのではなく、いろいろな形を考えてスプリンクラー設置の義務づけとかそういうことを今お考えなのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三沢真君) 今回火災のあったビルについて、建築基準法上どういう問題があったかということがまずあるわけでございます。
 それで、これ、現在関係当局において事実関係を調査中でございますけれども、そもそもキャバレー等の用途に供するものについては双方向の避難路を確保すべきであるという規定がございます。したがいまして、まず、それは規定の問題なのか、その規定が守られていなかったことが問題なのかという点が一つございます。
 それで、いずれにいたしましても、私ども、今後、そういう問題も含めまして、小規模雑居ビルの防火安全の対策の検討委員会というので、学識者もお入りいただいて、これを先般設置したところでございます。その中で、今先生がおっしゃいましたような、防火基準のあり方としてそもそもどうあるべきかということと、それからもう一つ、その防火基準があるとして、それをさらに実効性のある、遵守させるとしたらどういう方策があるか、それも含めてその場で御検討いただきたいというふうに考えております。
 それを踏まえて、また我々、必要な対策を講じていきたいというふうに考えております。
○政府参考人(中川浩明君) 今回の火災の発生原因や状況等につきましては調査中の部分も多いわけでございますが、その調査結果を待ち、またいろいろな方の御意見も聞く中で、現在、消防庁に設置しております小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会におきまして、スプリンクラー及びスプリンクラーに類似するような消火設備の設置の是非も含めて、消防用設備等の設置基準のあり方について具体的な検討が進められているところでございます。
 この検討結果を踏まえまして、必要な規制を加えることの是非も含めて、我々としての判断をしてまいりたいと、こう考えております。
○八田ひろ子君 順次質問をしていきますけれども、この建物が建ったときには消防法も建築基準法もクリアしているわけですね。その後いろいろあったというふうにおっしゃるんでしょうけれども、国民から見ると、国があるいは行政が安全のお墨つきを与えた建物だというふうに受け取るわけですから、やはりそういったことは根本的に見直していただきたいというふうに思います。
 この火災現場を私も見てまいりましたけれども、道路に面したところというのは、今焼けて落ちていますけれども、ビニールシートの看板で全面的に覆われているわけですね。避難路となるビルの開口部がふさがれているということや、あるいは消火活動の障害になったいろんなものが置いてあるということですが、私、中まではよう入らないんですけれども、いろんなところを、その周りを見てきたんですけれども、これに類似したビルというのはたくさんあるわけですよね。
 それで、長年、歌舞伎町で飲食店を営んでおいでになる新宿民主商工会の若月会長にもいろいろとお話を聞いてきたんですが、事件以後、とりわけペンシルビルに入るお客さんは、もうやめていこうと、見て、やめていこうとか、あるいは避難路は一体どこかと聞かれて何か商売にならないとか、また長引く不況の中で、そういう火災の影響もあったんでしょうけれども、雑居ビルの中には、例えば十店舗入るビルで二、三店舗しか入っていない。こういうところでもし火事がどこかであったとしても助け合うことができるだろうかという不安の声が出されています。
 今、全国で一斉に小規模雑居ビルの立入検査が進められていますけれども、私の地元であります名古屋中民主商工会と中区の料理飲食業組合が連名で、「安全で、明るい街づくりへの申し入れ書」というのを警察署、それから中区長、消防署長に行っています。
 この中でも、立入検査をきちんと行ってほしい、消防法の適用をきちんと指導してほしいとか、消防訓練のことなんかが出されていますが、こうした声にこたえて、安全な町づくりのために関係する行政が縦割りでなく相互に連携を強める必要があると思いまして、住民というか、そこにいる人たちだけでそういうことがなかなかできないわけで、先ほど副大臣は防火管理者の法に基づいて強力な規制がある国もあるというふうにおっしゃったんですけれども、やはりそういった法でしっかりとそういうものが担保できるような、こういうのをこういう機会にしっかりとつくって、そこですべての人が無法をやっているとか、すべての人が違法をやっているというわけではありませんので、安心してそういうところにも暮らし、そして仕事をし、また遊びに行く人も安心できる、こういうことが必要だと思いますが、この点での検討はどうなんでしょうか。
○政府参考人(東尾正君) 違反建築物等に対する関係省庁の連携あるいは住民との連携ということで実効ある火災予防対策を図るような努力が必要ではないかということでございます。
 ただいま議員御指摘のとおり、これまでも地方レベルにおきましても、建築部局あるいは警察と建築同意の問題や違反者の告発などについては消防機関は十分連携をとってきたわけでございますけれども、なおこのような大惨事に至ったということでございます。このため、今回の調査委員会におきましても、他の行政機関との連携や、ただいま副大臣から御答弁のありましたような住民との連携、この辺についての議論をしているところでございます。
 これまでの状況につきましては、やはり現場レベルでの連携の強化につきまして、例えば定例的な協議の場をつくるというような案についても検討すべきではないかというようなことも出ておりますし、また、民間の防火管理者のあり方についてはその地位を強化すべきではないかというような議論もございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今回の火災を踏まえまして各委員会の議論の状況を踏まえ早急に対策を整えていきたい、このように考えております。
○八田ひろ子君 防火管理者の問題では、悲惨な火災が起こってビル全体の防火管理者をしっかり持っていく、各フロアの管理者というふうにも徐々に改正はされておりますけれども、やはり抜本的なものが今必要ではないかなというふうに、先ほどの御発言はとても見るべきものではないかというふうに思うんですけれども、ここの、そういった場所にいらっしゃる方も査察を非常に求めていらっしゃるのはやはりそういうことがあると思うんですね。
 火災予防査察は、先ほど来もお話があったんですけれども、長官は、防火対象物が年々増加している、予防職員はこの十年間横ばいで、だから一〇%も下がってくるという、それは現状なんですけれども、今三分の一に満たない状態ですね。全国的にいいますと三一%ですか。
 こういう状態を一刻も早く改善をしなければいけないというふうに思うんですが、手法で抽出とかそういうことを示したというふうにおっしゃるんですけれども、それは査察率を上げるということとはちょっと違う。それも必要ですけれども、今回求められている、また町の人たちが求めているのとも違うと思うんですね。だから、査察率を上げるためにどういうことをお考えなのか。
 それから、総務省、消防庁には各地域のがないというふうにおっしゃったんですが、査察を行って、じゃ改善指導がどれだけなのか、そのうちで改善命令が出されるのはどれだけなのかというのを伺ったら、全体はわからぬとおっしゃったんですが、いろんな消防署に聞きましたところ、査察を行うと大体四件のうち三件は不備がある、ところが、それを指摘しても八割は改善されない。改善指導で改善できたのは二割くらいということですね。改善命令が出されないと法令違反が是正されないというのが現状なんですよね。
 だから、立入検査もしていただいて、その後のフォローをしなければ実効性がないというのはこの新宿の歌舞伎町ビル火災の重要な教訓だと私は思うんですね。そういう面で今後どうされるのかというのを明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(中川浩明君) 防火対象物が年々増加する中で、それぞれの対象物について消防法令に適合させるようにしていくことが大変重要であるということは御指摘のとおりでございますし、その一つの大きな手段が立入検査、そして、それに基づく違反是正指導ではないかと、このように考えております。したがって、今後とも立入検査、違反是正指導を徹底するということが今回の火災事故にかんがみて重要な課題であろうというように思っております。
 ただ、一方ではいろいろな制約もございまして、頻繁に立入検査を行い、そして違反是正指導、事後のフォローというものを行っていくということがなかなかかなわない実態もございます。そのような中で具体的な立入検査の方法としてどのように進めていったらいいのか。かつて、先ほどもお答えしましたように、効率的な立入検査の調査研究委員会で検討していただきましたが、その検討の結果も踏まえながら、さらに引き続いてより効率的、効果的な、そして予防要員の確保も含めた総合的な立入検査、そして違反是正指導のあり方について検討を加えてまいりたいと考えております。
○八田ひろ子君 私はせめて六割までは、これは立入検査していただきたいというふうに思うんですよ。
 もう圧倒的に人が足りません。予防要員の増員というのは急務で、署の人は、立入検査ができていないところがわかっていますので、心配だなと思いながら、そこで火災があるとやはり自分の責任というのを感じられるわけですよね。消防現場の職員の圧倒的な増員は長官も必要だとおっしゃっていますけれども、現実にどうかといいますと、消防力の基準が見直されましたね、平成十二年に。これは、予防要員を減らしているところがそれによってあるんですね。
 例えば、私、びっくりしたんですけれども、補正係数がなくなりました。名古屋を見ましたら、実際の予防要員は二百八十七人から二百五十三人に三十四人減っているんですよ。ところが、基準消防力に対する充足率というのは、六三・二%だったのが八九・一%になったんですね。何でこんなふうになるのかと思いましたら、基準消防力が、以前は四百五十四名だったのが今度の新しい消防力の基準では二百八十四人になっているんですね。だから八九・一%の充足率になっているんです。私、本当にびっくりしたんですけれども、こういう点では消防力の基準というのを抜本的に、この前の見直し、私、本当にこんな見直しがあるのかというふうに思うんですけれども、これでは査察率を上げるどころじゃありませんよね。
 だから、私は副大臣にちょっと伺いたいんですが、交付税を含めた市町村への財政措置の配慮も必要ですし、やっぱり消防署の職員、きちんとふやしていただきたいと思うんですけれども、遠藤副大臣、どうですか。
○副大臣(遠藤和良君) 確かに、消防に対する国民あるいは住民の皆さんの要請は大変大きいものがあります。逐次、今お話がありました消防の職員、それから特に予防に当たる職員の増加に力も入れているんですけれども、今現在、一万六百十九人でしたでしょうか、そのぐらいの人数にとどまっているわけでございます。
 各地方自治体も本当に一生懸命取り組んでいただいているんですが、大変国も地方も大きな借金を抱えておりまして、地方交付税の総額も思うに任せない、こういう状況でございまして、何とか努力をして整備をしていきたい。特に、今お話がありました消防力の基準、これに対しましても現在充足率が七〇%弱だと思います。そういうところでございますから、さらに力を入れて取り組んでいきたい、このように考えているところでございます。
○八田ひろ子君 私、九八年にこの消防力の基準というのを見直して増員をしろということを西田自治大臣に求めました。消防力の基準を見直しましたと後で消防庁から言われたんですけれども、逆に減っているんですよね。予防というのはマンパワーが基本だと私は思います。
 これはさっきも言いましたが、補正係数の全廃で、繁華街を持つ大都市は大幅な削減になるわけなんです。これ、名古屋でいうと、もう本当に御苦労されていて、ここは東海豪雨もありまして、災害対策事務専従員というのを置かなくちゃいけないということでそちらに回したというほかの要因もあるんですけれども、そういうことで、三十四名減って、トータルは減っていません。しかし、今こういうふうに繁華街の中で悲惨な火災があって、そういうところをきちんと見ようというのでしたら、この基準のこの前の見直しというのは私は間違いで、直ちに改善してもらわなくちゃいけないというふうに思います。
 きょうは時間がないので、最後にもう一つ、惨事ストレスケアの質問をしたいと思いますけれども。
 先ほども言われましたが、今後大きな問題になるというふうに言われているんですが、実際には今大きな問題になっていると思うんですよね。だから、消防職員の方は社会からは頼もしいという目で見られて、職場でも弱音は吐きづらいですよね。逃げおくれた人を助けられないと自分が申しわけない、もっと力を出せばという自責の念で日々大きなストレスがあるわけです。私は実態をきちんと把握していただきたいと思います。
 そして、予算の裏づけを持って、消防大学のカリキュラムに入れていただくのもいいんですけれども、日本の消防職員の皆さんというのは世界でも異常な状態です。先進国では唯一団結権がありません。私どもは消防職員の団結権、きちんと認めるべきだと。こういう問題もあるんですけれども、労働者として基本的な権利さえも認められていない職員の皆さんが、その献身に対して正しく評価されて、人間らしく働ける労働条件を抜本的に改善するというのは当然の仕事じゃありませんか。
 だから、私は実態をきちんと調べていただきたい。職員もふやすということもさっきのあれなんですけれども、そして、きちんと予算をつけてこれらに対処していただきたい。最後に遠藤副大臣、お願いします。
○副大臣(遠藤和良君) この間私も、消防殉職者の慰霊祭というのがございまして、宮本議員も御出席でございましたけれども、出席をさせていただきました。
 本当に国民の生命、身体、財産を守るために身を挺して職に殉じた方が日本でも数多くいらっしゃいます。その方々が本当にいい環境の中で働いてくださるように努力をしていかなければいけない、このように思っております。
 特に今、惨事ストレス対策等のあり方、あるいは人員の適正な配置等についてお話がございましたけれども、こうしたことも大切なことでございますから、しっかり議論をさせていただきまして、職員の皆さんが自信と希望と勇気にあふれて職務に精励していただけるような体制をつくっていきたい、このように考えております。
○又市征治君 社会民主党の又市征治でございます。
 アメリカのあの同時多発テロ事件が発生をしたためにというか、それに隠れてこの歌舞伎町で発生した雑居ビルの火災、二十日間しかたっていないわけですけれども、非常に国民の皆さんから記憶に遠くなっている、こういう感じがいたしますけれども、こうした小規模の防火対象物としては大変な、過去に例のない大惨事だと、こういうふうに言われておるわけでありますし、関係当局鋭意この火災原因の究明と再発防止に御努力をされていることは先ほど来の委員への答弁で一定理解をいたしております。しかし、まだ幾つか問題点があるんではないか、こんなふうに思います。
 そこで幾つかお聞きをしてまいりますが、まず一つは、先ほど消防庁の方は九月三日に特別査察のそうした案内を全国の消防機関にお出しになったということでありますが、国土交通省なり警察庁では同様の何か通達を出され、またいつごろまでにその報告を求めようとされておるのか、簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(三沢真君) 今回の火災にかんがみまして、国土交通省では九月三日に消防部局と連携して、小規模雑居ビルについて重点的な査察の実施をするようにということで各都道府県知事あてに通知をしております。
 この査察の内容といたしましては、特に三階以上の階を風俗営業等の用途に供する小規模雑居ビルというものに重点を置いて、査察によって防火関係法令の遵守の徹底を図る、こういう趣旨で査察をお願いしているところでございます。
 現在、各特定行政庁におきまして鋭意その査察を実施しているところでございまして、ただ、やはり対象となる建築物が非常に多いということでございますので、この結果については十月末の時点で御報告いただくようにということでお願いしているところでございます。
○政府参考人(黒澤正和君) 警察庁におきましては、九月の三日付でございますけれども、全国の警察に対しまして「風俗警察活動の強化について」という生活安全局長通達を発出いたしまして、風営適正化法による風俗営業所等への立ち入りを強化するとともに、違反行為があれば厳格に取り締まりを行うよう指示いたしたところでございます。
○又市征治君 この消防庁の特別査察要請に対して、先ほども出ましたけれども、東京消防庁の五日間の査察の実施状況は、先ほどもお話がございましたが、対象約四千件のうち一千四十六件がやられた。そのうち九一・五%に当たる九百五十七件で違反がある、その違反項目が一万一千九百八十一件と、ちょっと正直言ってびっくりしているんですが、一雑居ビル当たり何と十二・五項目の違反に上るという計算になるわけですけれども、これは消防庁としては予想しておったような数字なのか、全く予想に反して大変な数字だという御認識なのか、まずその点、先にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(中川浩明君) 九月三日付で各消防本部に立入検査についてお願いをいたしておりますが、その結果につきましては十月末までに報告をいただくということにしておりまして、現在まだその報告はございません。
 東京消防庁においてそのような状況について発表されたということは聞いておりますけれども、具体的な中身についてはまだ承知をいたしておりません。したがいまして、その点についてのコメントはなかなかできないわけですけれども、今お聞きした限りの数字で申し上げれば大変な状況である、このように認識をいたしております。
○又市征治君 大変な数字だというお話ですが、こんな認識でいきますと、いつまたこうした雑居ビルの火災や死亡事故が起こってもおかしくない、こんなふうに私は受けとめるわけです。本当にそのことに対してさまざま、先ほど来から出されておりますけれども、消防庁なりあるいは国土交通省でも、再発防止のために有識者と、あるいは関係者で対策委員会を設けて対策をとるなどやられているようですけれども、もっと迅速にやるべき課題がたくさんあるのではないかという気がしてなりません。
 例えば、問題になっているこの小規模雑居ビル火災の再発防止を本格的にやろうというのであれば、どうもやっぱり縦割り行政の問題が大きな弊害になっているのではないかという気がしてなりません。先ほども御報告ございましたけれども、今それぞれ消防庁もあるいは国土交通省も特別査察を要請されたのは、全部三階以上が娯楽、飲食等の用途に用いられている小規模な雑居ビルの立入検査、それぞれがその系統でいって、同じところを調べているというこんな格好になってくる。もちろん調べる対象が違うんでしょうけれども、こういうことがある。ビルの建築確認だとか保安点検は市区町村だ、防災は消防署だ、そして風俗営業は警察だ、飲食業は保健所だ、こう分かれておる。
 とすると、本当に今緊急にやらなきゃならぬのは、こうした縦割り行政を横につないで、横断的、一体的な連携による対応策の検討、こういうことになるのではないか。だとすれば、なおのこと、先ほども出ていましたけれども、学識経験者や関係省庁だけではなくて、現場のそうした消防職員であるとかあるいは建築関係の職員であるとか、こういう人々も交えた形でないと本当の意味での対策というのは立てられていかないのではないかという気がいたしますが、これは双方にお聞きするしかございませんね。よろしくお願いしたいと思います。
○政府参考人(東尾正君) まず、消防の対応でございますけれども、先ほど来御答弁申し上げておりますように、これまでも国土交通省や警察とは十分連携をとってきたわけでございますが、しかしながら今回のような多数の法令にわたる違反事案もございます。
 これらの問題について総合的にどう対処すべきかは、議員御指摘のとおり重要な課題でございますので、私どもからお願いをいたしまして、関係省庁から構成される小規模雑居ビル火災安全対策連絡協議会というものをこの九月に立ち上げたわけでございます。この場におきまして、ただいま御指摘のような点について協議を行いまして、小規模雑居ビルという観点でどのように総合的に行政として対応すべきか、これを関係省庁間で十分連絡、連携をとりながら総合的な対策を打ち出したい、このように考えております。
○政府参考人(三沢真君) 関係省庁間の連携につきましては、今消防庁からもお話しあったとおりでございまして、私どももそこは非常に大事な点だと思っております。その点については、私どもきちっとまたやっていきたいと思っております。
 それから、現場の人間も入れて検討すべきじゃないかというお話につきましては、私どもの防火安全対策検討委員会の中には東京都にもお入りいただきまして、東京都を通じまして、当然そういう現場の特定行政庁のいろいろな悩みなり、あるいは実際に現場で指導するに当たっての問題点、これが非常に大事だと思いますので、これをまた東京都を通じて把握しながら検討を進めていきたいというふうに考えております。
○又市征治君 それぞれ消防庁も国土交通省も有識者の対策検討委員会、設置をされているわけですけれども、このメンバーを見ますと、ちょっと私よくわからぬのですが、この二つの対策検討委員会、この検討結果というのはほとんど同じ内容になるんじゃないですか。
 といいますのは、消防庁の関係の委員会は十四名、国土交通省の関係は、委員が十名で事務局が三名、合わせて十三名ですが、構成されておる双方に八人の方がダブっているわけで、これこそ何かよくわけのわからぬ、何か先ほどの説明だと、いや連絡、連携がとれるために少し委員もダブってもらっているんだという話だけれども、そんなことではなくて、そんなにダブっているならば一つにすればいいわけですし、もっとやはり、さっきも申し上げたような、例えば保健所の問題だとかあるいは警察、こういうところの方が入っているかという問題を私今御指摘申し上げているわけですが、もっと言うならば、今の新宿の問題でいうならば、先ほども出ましたけれども、本当にその地域においでになる、そういうところの消防団とかこういう人々も含めて入れていくような、そういう中で本当の意味で再発防止という問題が検討を深められるんじゃないかという気がするんですが、ここのところをどうも二つにわざとダブらせて八人もダブっていると、半数以上がダブっているわけですから、よく意味がわかりませんし、それならなぜ一つにしないのかというところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(東尾正君) 小規模雑居ビルに対応する対策委員会が両省庁で二つ別々にあり、かつ委員が重複しているんじゃないかと、こういう御指摘でございますが、確かに議員御指摘のとおり、両方の所掌事項というものが相互に密接に連関しておりますので、私どもといたしましては、委員会立ち上げにおいて国土交通省と協議いたしまして、一つの考え方といたしましては、ただいま議員御指摘のように、合同委員会のようなものを立ち上げまして、そして消防部会あるいは建築部会というような構成で議論するということも一応考えたわけでございますが、私どもといたしましては、やはり消防法それから建築基準法、それぞれの所掌分野が現在の法体系でも明確に区分されていること、また相互の議論が同一に行われますと議論がふくそうしてしまうと、このようなことからかえってスムーズな運営ができないというようなことも考慮いたしまして、それぞれの委員会に共通の委員をお願いしながら、相互に連携をとりながら議論を進めていこうと、このような結論に至ったものでございまして、実質的には議員御指摘のような効果をねらうというふうに考えたものでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
○又市征治君 ちょっと今の御答弁は納得いかない面があるんですが、時間がありませんから、具体的なこの後の再発防止に向けてのいろんな措置の問題について少しお伺いをしたいと思います。
 例えば、先ほども出ておるんですが、消防法の規制の強化を図っていくという、こういう問題について言うならば、本当にこの誘導灯であるとか自動火災報知機あるいはスプリンクラーの設置、こういったものもこうした小規模雑居ビル、こういうところにも義務づけをしていく、当然法改正が伴うんでしょうけれども、そういう問題。あるいは、これは指導の問題ですけれども、先ほどもお話がございましたけれども、雑居ビルはテナントの入れかわりが非常に頻繁だと、こういう現状がある。だからなかなか徹底ができないという声がありますけれども、逆なんでありまして、むしろそうであるからこそ立入検査を、消防の関係でいうならば五年に一回よりもむしろ二年に一回や三年に一回に縮めて徹底をしていくという小まめな指導やチェックができる体制づくりこそが必要じゃないのか。そういうことについて、これは消防庁、そういうお考えがおありになるのかどうか、決意を含めてお伺いしておきたいのが一つです。
 それから、先ほども高嶋委員からお話がございましたけれども、あるいはほかの委員からもありましたが、職員が足りない、予防の職員が足りない、こういうことであるわけですが、言ってみれば、充足率が全国で見ますと、職員の算定数は二十万三百九十八人に対して、現員数は十五万三千三百六十三人だ、充足率は七六・五%、つまり四分の三しか充足していないと、消防職員は。こういう数字になっているわけでありまして、予防の方はもっと少ないんだと、こういうお話でありますから、これはもう何としても、今現実にそういう方針を出しているわけですから、ぜひそれは早急に充足をしていくという努力をしっかりやっぱりやるべきだ、やらないでおって、これ大変な数値が出ておると、東京都のこの例だけ見てもちょっと背筋が寒くなるような思いがするわけですが、そういう点をしっかりやってほしい。
 これはもう時間がありませんから、遠藤副大臣にお尋ねをしたいわけですが、ぜひ今それでは政府の方も雇用対策、一方で一生懸命やらにゃいかぬ、こう言っているわけですし、そういう意味では、森林の保護だとか青年の試験的雇用だとかさまざま雇用対策も打ち出されておるわけですけれども、やはりこういうところに消防職員の補充、充足をきちっとやるということを含めて、まだまだやっぱり足りないということになってくるわけですから、そこらのところを今度の機会をとらえて、本当に雑居ビル等での消防法あるいは建築基準法のこういう基準に適合していない部分がたくさんあるということがあるわけですから、ぜひ徹底的な査察をやっていく。そのためにもこの違反を、常に査察をし、フォローしていく、こういう努力を要員増を含めてやっていただく、その決意をお伺いしたいと思います。
○副大臣(遠藤和良君) ただいま政府部内におきまして、この国会、臨時国会でございますけれども、で補正予算の審議をお願いしようと思っておりまして、我が省といたしましても、できましたら、今若干お話があったわけですけれども、消防防災支援要員という形で、雇用の関係も含めまして、そういうものを政府部内で今要求いたしておりまして、それを実現する形でぜひ補正予算の御審議をしていただきたい、このように考えております。
 本当に消防の予防という観点から考えましても人員不足ということはかなり深刻でございますから、こうしたことにもこの支援要員というものが役立つと思いますので、ぜひ御理解をいただきたい、また応援もいただきたいと心からお願い申し上げる次第でございます。
○政府参考人(中川浩明君) 今回の事故にかんがみまして、これからの小規模雑居ビルに係る対策といたしまして、大きく防火安全対策の基準、これはハード面、ソフト面両面あろうと思いますが、この基準のあり方、そして基準適合確保方策のあり方、この二つがその調査検討を行うべき事項だと考えております。
 御指摘の要員の問題、さらには査察の頻度、やり方の問題等についても、この基準適合確保方策のあり方という面から積極的な検討を加えてまいりたいと考えております。
○松岡滿壽男君 この検討委員会ですね、これの費用とかそういうものはどういうふうに。費用ですね。
○政府参考人(東尾正君) 小規模雑居ビル検討委員会の運営費用ということでございますが、緊急の事態でございましたので、当初予算での措置はもちろんしておりませんが、私どもの庁内経費で対応できるということで現在運営しております。
○松岡滿壽男君 去年も実は予算委員会で小渕総理とこの議論をしたんですけれども、やたら審議会とか諮問会議とか委員会とかをつくっているわけですよ。我が国は議院内閣制ですから、総理大臣は国会議員が選んでいる。大統領制でも首相公選制でもないわけですから、国会の議論をもうちょっと大事にきちっと詰めていくと。やっぱり国会と行政が国民に対して責任を持つと。どうも諮問会議とかやたらつくっている。だれに責任があるのかわからなくなってくる。確かに、縦割り行政の弊害は、今回いろんな省庁が入ってやっているわけですから、それを補うということは大事だと思いますし、小渕さんが言われたように衆知を集めるということもそれは大事です。
 しかし、例えば去年の警察刷新会議の答申、それは衆参両院の地方行政・警察委員会ですべて出尽くした意見なんですよね。唯一違うのが、欧米に比べて、警察官一人当たりが五百五十人見ている、それを五百人にすべきだと。欧米は三百人から四百人ぐらいだということがあったわけですね。
 それで、私はこれも三月に予算委員会で発言しておるんですけれども、消防職員が十五万いますよね。充足率が今御指摘があったように二十万に対して十五万いる。それから、消防団員が九十万いる。それから、警察関係が職員入れて二十六万。それから、自衛隊が二十六万いるわけですよ。何か有事のときにこれを相互に連携さすという方法はとれないのかと。例えば、警察官二十六万のうち二万人が機動隊。これもさんざんここで議論したんです、もうちょっと機動隊の有効活用ができないかと。狂牛病の問題でも、牛は農林水産省、それから肉は厚生労働省と言っている日本ですから、非常に難しい議論ですけれども。
 やはり、これからスリムで効率的な仕組みに日本全体していかなきゃいかぬというときに、片方では人員をふやせ人員をふやせと、片方ではそのまま動かない部分がある。これは大変な矛盾なんです。だから、もう少しその辺の問題を真剣に考えなきゃいかぬ。
 もっと、国会でこれだけの議論をしているんですから、恐らくこの検討委員会の議論程度のものは今この資料に出ていますけれども、国会で十分議論されているわけでしょう。だから、何か屋上屋を重ねて、非効率な仕組みにして責任を回避しているという感じがするんですよ。この五十何年間、確かにいろんな面でよくはなってきているけれども、責任をとらないという体質ができ上がってきている。
 これを私は、この委員会で申し上げるのは適当かどうかわかりませんけれども、この委員会設置の問題、改めて一つ意見を申し上げておきたいと思いますし、せっかくの資料が出ていますから、検討委員会での方向性、議論、これをちょっとお答えいただきたい。
○政府参考人(東尾正君) 検討委員会でございますが、九月六日に第一回の会合を開催いたしまして、これまでの議論を進めておりますが、第一回会合におきましては現状の把握や問題点について活発な意見交換をいたしました。
 やはり、主な意見といたしましては立入検査の問題が出ておりまして、立入検査をふやすということについての限界性はどうか、この場合、民間の活用もできないかどうか、あるいは先ほど来これも出ておりますが、消防機関だけではなく、他の行政機関と連携した総合的な対策が必要ではないかなどの意見が出ているところでございます。
 今後、月一回程度の開催を予定しておりまして、年内を目途に結論を取りまとめていただくことといたしております。
○松岡滿壽男君 去年の質疑の中で、審議会とかこういう種類のものが四百あると、当時。それで、それに二億円経費がかかっている、それを半分ぐらいにしたいという答弁を当時の官房長官から私はいただいているんですが、こういう問題について、副大臣、御意見があればひとつお聞かせいただきたいと思うんですが。
○副大臣(遠藤和良君) 松岡先生から、議院内閣制の根幹にかかわる問題、そして国会の役割に関する問題、大変重要な御指摘をいただきました。確かに、一時はこの審議会、委員会を本当に縮小して努力してきたんですが、ここのところかなりふえつつあると。これもかなり速い速度でふえている。それは、一面から見ると経費増にもなるし、あるいは国会の軽視になるのではないかという、そういう懸念をお持ちだと思うんです。
 ただ、私どものこの委員会は個別具体的なことを専門的に検討する委員会でございまして、国政全体についてを議論するというところではございませんものですから、国会で大きな方向性の議論をいただいた上で、これはもうとっくに、ある意味ではプロフェッショナルな部分の議論をさせていただいている、こういう委員会でございますので、格段の御理解を賜りたいと思います。
○松岡滿壽男君 先ほど来お話を伺っていますと、都内全域の雑居ビル、これはもうほとんどが消防法違反、建築基準法違反ということになっておるわけでしょう。これを全部やるというのは大変なことですよ。だからある程度、鉄は熱いうちにたたけと言いますけれども、鍛えろと言いますけれども、例えば歌舞伎町だけに限定して集中的に査察する。それで、違反はもう徹底的に、営業停止にかけるというぐらいの取り組みをしないと、都内全体をやっているとまた人が足りないとかいう話になるんですよ。だから、限定的に、歌舞伎町という町は安心できるんだというところまでとことん、地域限定してやってみるというのも一つの方法だと思うんですけれども、いかがでしょう。
○政府参考人(中川浩明君) 九月三日に各消防機関にお願いをいたしまして、現在、鋭意各消防機関では立入検査を実施いたしているところでございます。
 ただいま御指摘の東京消防庁におきましても、ほぼ防火対象物が三、四千あるというふうに聞いておりますけれども、それをすべてこの二カ月の間にやり通すということで現在取り組んでいるように聞いております。
 したがいまして、特別の地域に限定ということではなくて、まず全体の立入検査を進めた上で、その上でさらに重点的に何らかの対策が必要なものについてはまたその時点で取り組んでいくということになるのではなかろうかと考えております。
○松岡滿壽男君 目に見える形で国民に、これだけやったんだということをするためにはやはり人員の問題もあるわけですから、私は、限定的に歌舞伎町だけやるとか、集中的に、ということを提案したわけでありまして、全体的ということになるとまた時間がかかりますよ、それは。だから、これはぜひそういう形でやっていただきたいということを提案いたしておきたいというふうに思います。
 それから、腹いせに火をつけたのはおれだという通報があったり、情報があったり、火災報知機や防火扉のメーン電源が切られていたという報道がありました。不審者の存在を思わせる情報があるわけですけれども、歌舞伎町とか都内には何カ所か防犯用カメラが設置されておるんじゃないでしょうか。そういうところから何らかの情報があるのか。あるいは、これからそういう凶悪な犯罪に対応するために、防御策として防犯体制を検討する必要があるのじゃないかというふうに思うんですが、この点についてはいかがでしょう。
○政府参考人(黒澤正和君) 歌舞伎町のビル火災現場付近の街頭における防犯カメラの設置はされていないものと承知をいたしております。
 警視庁におきましては、歌舞伎町において頻発する街頭犯罪の予防でありますとか事件事故発生時の迅速的確な対応に資するため、今年度でございますけれども、五十台の防犯カメラを予算措置を講じまして設置することといたしておりまして、当該ビル火災現場付近の歌舞伎町一番街にも設置する予定と承知をいたしております。
○松岡滿壽男君 貿易センタービルがああいう形で、特殊な要因が背景にあったわけでしょうけれども、飛行機が突っ込んだという、あれだけのビルが崩れて落ちちゃっているわけですよね。非常階段で七十階から八十階の人がおりるのに一時間半かかっているとか、そしてあれだけの高層建築が崩壊した。これは鉄があれだけ、ガソリンスタンドが突っ込んだようなものですからね、満タンで。だから、相当な火力が出たんだろうと思うんですけれども。
 日本で高層ビルがそういう火災になったときに、ああいうツインタワーみたいな形になるのかどうなのか、高層ビルは大丈夫なのかという点について御説明をいただきたいと思うんです。
○政府参考人(三沢真君) まず、高層ビルの建築基準との関係で申しますと、我が国の建築基準法におきましては、高層建築物における主要な柱とか床とか壁について、通常の火災が終了するまで倒壊することがないようにということで火災に耐え得る構造とすることを定めております。
 ただ、今回のような大量の燃料を積んだジェット旅客機が衝突した場合ということを想定した安全性、そこまでは正直に申し上げましてこの基準法の中で想定していないところでございまして、これにつきましては、やはり今後現地での火災の状況とかそれから崩壊の原因とか、恐らくアメリカでもこれからようやくいろんな調査が始まるところだと思いますので、そういうことについてまたきちっと情報収集をしていきたいというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 終わります。
○委員長(溝手顕正君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時五分散会