第153回国会 農林水産委員会 第1号
平成十四年一月十七日(木曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     櫻井  充君
 十二月七日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     小川 勝也君
     八田ひろ子君     市田 忠義君
 一月十七日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     富樫 練三君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         常田 享詳君
    理 事
                太田 豊秋君
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                野間  赳君
                松山 政司君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                榛葉賀津也君
                羽田雄一郎君
                渡辺 孝男君
                富樫 練三君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   武部  勤君
   副大臣
       農林水産副大臣  野間  赳君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       宮腰 光寛君
       農林水産大臣政
       務官       岩永 浩美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       厚生労働省健康
       局長       下田 智久君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       農林水産技術会
       議事務局長    岩元 睦夫君
       林野庁長官    加藤 鐵夫君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    飯島  孝君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (ねぎ等三品目セーフガード日中協議に関する
 件)
 (牛海綿状脳症問題に関する件)

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○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二月七日、八田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。
 また、本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として富樫練三君が選任されました。
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○委員長(常田享詳君) この際、宮腰農林水産大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。宮腰農林水産大臣政務官。
○大臣政務官(宮腰光寛君) このたび農林水産大臣政務官を拝命いたしました宮腰光寛でございます。
 武部大臣の下、野間、遠藤両副大臣の御指導をいただきながら、岩永政務官と共々に、大臣を補佐して、誠心誠意頑張っていきたいと考えております。
 諸課題山積でありますけれども、農林漁業者はもちろん、消費者の声にも真剣に耳を傾けながら全力を尽くして頑張ってまいりたいと考えております。
 常田委員長始め委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますように心からお願い申し上げたいと存じます。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
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○委員長(常田享詳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に厚生労働省健康局長下田智久君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、農林水産大臣官房長田原文夫君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長須賀田菊仁君、農林水産省農村振興局長太田信介君、農林水産技術会議事務局長岩元睦夫君、林野庁長官加藤鐵夫君及び環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(常田享詳君) 農林水産に関する調査のうち、ねぎ等三品目セーフガード日中協議に関する件及び牛海綿状脳症問題に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田中直紀君 自由民主党の田中直紀でございます。今日の議題でありますセーフガード日中協議に関する件につきまして、私から二十分ほどいただきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 昨年末ぎりぎりで、武部大臣、協議相調ってということでセーフガードの本発動は回避をしたわけでありますが、今年に入りまして、日中合意に基づいてネギの三品目に関し今月八日、九日に協議が行われたというふうに伺っております。
 協議会の設立が一月は見送られたということで大変残念なわけでありますが、二月の初旬に再協議が行われると、こういうことでありますので、大臣に、まず、この協議会においてどのような内容、いつまで取りまとめていこうかというお考えかどうか、そしてまた協議会、官民併せて協議会に参加をするわけでありますが、どのような方々が参加をするか、あるいはこの協議会の運営についてだれの責任の下で日中双方担当されるか、この辺をまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 委員長始め委員の皆様方には、新年でございますので、何とぞ今年もよろしくお願いを申し上げますと、まずごあいさつさせていただきます。
 昨年十二月二十一日の北京における平沼経済産業大臣、私と石広生中国対外貿易経済合作部長との協議の結果、御案内のとおり、日中双方はネギ等三品目に係る貿易スキームを早急に構築し、農産物貿易協議会を中心に三品目の秩序ある貿易を促進すること、また、同協議会が構築されるまでの間においても、秩序ある貿易に尽力すること等で意見の一致を見たわけでございます。
 この結果を受けまして、今月八日から九日に農林水産省始め関係省の担当者が訪中いたしまして、両国関係者で構成される農産物貿易協議会立ち上げに関しまして、双方の構成員、協議事項、第一回目の開催日程等について、中国側の官民協議会と協議を行いました。この結果、日中双方の関係者の準備状況を踏まえまして、二月上旬までに第一回目の協議会を開催することとし、具体的な日程等については引き続き両国間で調整していくということになったところであります。
 農産物貿易協議会においては、生産者を始め両国政府を含む幅広い関係者の参加の下に、三品目の需要、品質、生産の情報を交換し、作付け、生産及び貿易の健全な発展を誘導することによって、長期的に安定かつ秩序ある日中貿易関係の実現を図ることとしているわけでございます。
 農林水産省としては、関係省の協力の下で早急に農産物貿易協議会の立ち上げを図り、これを最大限に活用することにより三品目の秩序ある貿易を確立するよう全力を尽くしてまいりたい、かように考えております。
○田中直紀君 協議の中身におきまして、「政府間協力の強化」をうたっております。
 「両国政府は、秩序ある貿易を促進するため、協力を強化し、積極的に情報を交換し、業界に対する指導を強化し、正常な貿易を共に維持し、違法貿易を取り締まり、必要に応じて協議を実施する。」という項目がうたわれたわけでありますので、政府といたしましてもこれから、WTO下にありますが、この項目に従いましてどういう役割を果たしていくかということにつきまして、その御所見をお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 現在、農林水産省を中心に関係各省の協力の下で、農産物貿易協議会の早急な立ち上げ及び円滑な運営のために、政府として最大限の努力を行っているところであります。
 両国政府関係者も参加の上、長期的かつ安定的に秩序ある日中貿易関係の実現に取り組むこととしておりまして、先般の閣僚協議においては、両国政府が違法貿易の取締まりの強化や関係業界への指導を行うとともに、必要に応じて政府間協議を開催することとしたことを踏まえまして、今後、三品目の日中貿易について中国政府と密接な協力を図ってまいりたいと、かように考えているわけでございます。
○田中直紀君 また、早期に協議会の設立をスタートしていただきたいと、こういうふうに思いますが、その間、日中双方はこの協議会が構築されるまでの間において、三品目の秩序ある貿易のために尽力することで意見の一致を見たと、こういう項目も挿入していただいているわけでありまして、最近、年末年始の、ネギでありますけれども、輸入量が増加しているんじゃないか、こういう報道がございますし、事実、輸入量が同量で推移をしておる、前年度に比べれば相当の数量が入ってきておると、こういうことが一方で危惧されておるわけであります。
 また、この協議会の設立が長期化するんではないか、結論がなかなか、出てくるかどうか、こういうことでありますので、当面の対策として、その心配に対してどのような方策を今、農林水産省としては考えておられるかということにつきまして、お尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 昨年末の日中合意におきましても、農産物貿易協議会が構築されるまでの間においても、日中双方は三品目の秩序ある貿易のために尽力することとしているところでございます。
 また、私から石広生対外貿易経済合作部長に対しまして、中国側商会が実施している自主的な措置の効果的な実施を期待すると申し上げたところでありまして、石部長からは、よく理解しており、既に留意しているという御発言もございました。
 これを受けまして、中国の食品土畜進出口商会においては、トン当たり七百ドル以上という最低輸出価格の設定、これはキロにすると九十円ということでございます。また、違反した場合のペナルティーといった自主管理措置を継続しているものと承知しております。こうした自主管理措置の周知や運用の状況についてもうしばらく様子を見る必要があるのではないかと、かように考えております。
 いずれにいたしましても、二月上旬にも日中農産物貿易協議会を開催することで中国側と調整を行っているところでありまして、この農産物貿易協議会を速やかに立ち上げ活用することにより、ネギ等三品目の秩序ある貿易の実現に向け努力をしてまいりたいということでございます。これは、いついつまでに何か具体的なことを決めて終わりということではありませんで、絶えず協議会を開いて、その都度秩序ある日中農産物貿易の実現ということに向けて双方努力していくということでございます。
○田中直紀君 今、大臣の方から最低価格ですか、の設定云々というお話がちょっとありましたが、ちょっと詳細、局長の方から、どの程度の話まで踏み込んで、今の具体的な話ですね、お聞かせいただくと有り難いですけれども。
○政府参考人(西藤久三君) ただいま大臣から御説明がありましたように、中国側の商会のあくまでも自主的な措置ということで我々承知いたしておりますが、先ほどの例示で申し上げれば、ネギの輸出価格について、中国側としては品質を維持する、高品質なものを輸出していくという観点から、トン当たり七百ドル以上ということで、これを現在の為替で邦貨に換算しますと、キログラム当たり九十円程度になろうかと思いますが、そういう最低輸出価格を商会の自主的な措置として設定しているというふうに承知しております。これを輸出するときに遵守すると、そういうことによって高品質のものの輸出ということを心掛けているというふうに承知をいたしております。
○田中直紀君 日本の生産者は、今の取決めはまたいろいろ評価していきたいと思っておりますが、一番関心がありますのは、WTO下でありますからどの程度まで踏み込めるかという問題は一方ありますが、何といっても中国からの輸入量の水準を我が国としてはどこに置くんだということだと思いますし、秩序ある貿易ということから考えますと、今回セーフガードの発動を見送ったということから考えますと、割当て関税下においての数量というものがすぐ念頭に浮かんでくるわけでありますから、そういう面では生産者が、当然数量というものは幅がその時期時期あるとは思いますけれども、秩序ある貿易というものがどういうところを念頭に置いていくかということについては、大臣、どんなお考えでありましょうか。
○国務大臣(武部勤君) 今、委員御指摘のようなことが今後の協議会の議題になってくるわけでございまして、農産物貿易協議会における積極的な情報交換、意見交換を行うことを通じて両国間で共通認識を醸成していくと、そのことが私は非常に重要になるだろうと思います。
 日本側として一方的に数値目標を設定していくということは、これはなかなか困難性があるわけでありまして、これは委員御案内のとおり、政府間で貿易数量を取り決めることはWTO協定に抵触することになるわけでございますので適切でないということでございますが、様々な、作付面積、価格それから品質、需給事情、そういったものをお互い情報を交換することによって大体こういうところに落ち着くという形で、結果的には、貿易ですから、どの程度の数量が一番両国の国益に合った形で日中の農産物貿易が可能かというようなことに相なっていくんだろうと思うんです。
 そのことについては、正にこれから協議会での議論になるわけでありますし、議論を通じて共通の認識を醸成していく中で、長期的、安定的、秩序ある輸出入関係というものを考えることに相なろうと、かように考えております。
○田中直紀君 日本の方のこの協議会における主務大臣といいますか、当然農産物でありますから、今後農産物以外のことについても協議が広げられるかということはまたこれからの推移だと思いますが、この件につきましては我が国は農林水産大臣が主務大臣ということで確認してよろしいんですか。そしてまた、中国側は当然、今までは貿易相ですかが出てこられたわけでありますけれども、何といっても向こうにも農林関係の大臣がおられるわけでありますから、お互いに生産から流通からいわゆるそれぞれの消費ということから考えれば、当然中国側も農林大臣がおられるんでしょうけれども、その辺の双方の責任の主管といいますか、その辺の認識はどういうふうな形になっているんですか。
○国務大臣(武部勤君) この問題は、この間の合意にも政府間の協議も行うということに相なっておりますので、中国側は対外貿易経済合作部なのかもしれません。しかし、私どもは農林水産大臣が主管大臣になるわけでございます。外務省でありますとか、経済産業省も関係大臣、省ということにも、財務省も含めましてなるわけでございますが、今度、今委員が御懸念のとおり、中国側の、これ民間協議といっても生産者が入っていませんでしたね、農民が、それも入るようになります。我が方も輸入業者ですね、この輸入業者も全中や全農なんかと一緒に入るというような、そういう構成に相なっていこうと、こう思いまして、そういう意味では、生産者、輸入業者、そういったものもともにこれに参画して幅広い協議になっていくのではないかと、かように考えております。
○田中直紀君 野間副大臣、岩永政務官、いらっしゃいますので御質問したいと思いますが、この一年間、ネギ、生シイタケを始めこの三品目につきましては、輸入実態というものをいろいろ中国の方の生産状況も見ながら調べてきたわけでありますが、やはり我が国の企業が、種の関係もございます、いわゆる開発輸入そしてまた契約栽培というような事態があるわけですね。国内の構造改革を進めてくる中にありまして、私も大田市場へ行って季節との対応というのでちょっと先週聞いてきましたけれども、シイタケの方はその品質それから内容についても若干すみ分けができているといいますか、需要先が少しずつ輸入物と国産が分かれてきておる、こういうことでありますが、ネギは白ネギというんでしょうか、やはり日本の種を持っていって、そこで作らなければ、向こうの中国の方はネギは違ったネギを食べると、こういう食習慣もあるわけでありますから、そういうことから考えれば、やはり我が国の体制というものをしっかりと関係業界の中で何らかのやはりルール作りをしていかないと、ネギも八か月か十か月前にいわゆる栽培を開始するわけでありますから、今からそういう面では輸入物についても当然その計画に織り込んでいくという状況があるわけですね。
 ですから、我が国の体制、関係の業者といいますか、輸入業者を始めとして、関係の方々にやはり何らかの指針というものを持ってルール作りをこの際しっかりとやっていただかないとどこかで抜け駆けが出てくる、あるいは需給調整がなかなか進まないと、こういうことであろうかと思いますが、副大臣、政務官、その辺、ひとついい知恵をお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○委員長(常田享詳君) 答弁をいただく前にお願いを申し上げます。
 真剣な論議が続いておりますので、携帯電話については、切っていただくかマナーモードに切り替えていただきますようお願い申し上げます。
○副大臣(野間赳君) お尋ねがございました開発輸入、契約栽培が行われていることにつきましては十分承知をいたしておるところでありまして、しかしながら、いわゆる開発輸入につきましても、基本的には通常の商行為でありますことから、これを規制をするということは困難なことでありまして、このようなことを踏まえまして、農林水産省といたしましては、経済産業省との協力の下で、三品目の輸入関係者に対し、現在鋭意準備を進めております農産物貿易協議会への参加を要請をしているところでありまして、同協議会におきまして、生産者を含む関係者の参加の下に、ネギ等三品目の需要、品質、生産、価格等の情報を交換することを通じまして、需給状況等について両国間で共通認識を醸成することに努め、もちまして三品目の秩序ある貿易の確保を図ってまいる所存でございます。
○大臣政務官(岩永浩美君) ただいま副大臣の方から話をしましたように、一応、農林省としても今までのそういう一つの方針に従って今後も対処していきたいと考えております。
○国井正幸君 自由民主党の国井正幸でございます。
 限られた時間でありますが、BSEを中心に質問させていただきたいと、このように思っております。
 まず最初に、新聞報道等によれば、大臣の地元北海道で大臣が発言をされたことが、私は、新聞記事から見ても大臣が言っていることというのは極めて自然で、私はよく理解できるんです。できるんですが、どうもやっぱり、今日はマスコミの皆さんもいらっしゃるようでありますが、一部分だけを切取りをしてどうも報じられているような感じがしてならないわけなんですね。原因究明についても農林省は相当のエネルギーを使ってやっているというふうに思っておりますし、しかし、その問題と、食肉の全頭検査体制に移って以降、安全性の問題とは直接的な因果関係にはないというふうに私どもは理解しておりますし、そういう意味で大臣がおっしゃったのではないかと、このように理解をしているわけでありますが、この際、大臣からその辺の真意というものをお聞かせをいただいておいた方がよろしいんじゃないかと、こう思いますので、よろしくお願いします。
○国務大臣(武部勤君) 昨年、年末に北海道を視察いたしました際に、冒頭の大臣あいさつにおいて、私からまず、十月十八日以降、屠畜場における全頭検査を導入し牛肉の安全性の確保に努めていること、それから二つ目には、BSEの影響を受けている生産者や中小企業者に対して経営対策に万全を期していること、三つ目には、感染ルートの解明に農林水産省挙げて全力で取り組んでいることの三つの柱についてお話をしたところでございます。
 その後、出席者の方々と質疑応答を行ったものでありまして、質疑応答の中で私は、今、委員御指摘のとおり、牛肉の安全性については、全頭検査により安全な牛肉以外は出回らない仕組みになっており、感染原因が解明されていないことを理由として牛肉が安全でないということは科学的事実と異なっていること、消費者の皆様には牛肉の安全性と原因究明は別物であることをよく理解してほしいと考えていることについて御説明したわけでございます。その際、私から参加者に対して、原因究明は牛肉の安全性にとって大きな問題ですかと質問したのでありますが、この部分のみをとらえて私が原因究明を軽視しているかのように報道されたことは誠に残念でございます。
 しかしながら、この報道が一般国民の皆様に誤解を与えることになったことは誠に残念でありまして、結果として関係者に御迷惑をお掛けしたことにつきましては申し訳ない気持ちで一杯であることも申し上げたいと存じます。
 いずれにいたしましても、私の真意はさきに申し上げましたとおりでありまして、原因究明を軽視する意図は全くございません。農林水産省として一番エネルギーを割いて努力していることでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○国井正幸君 是非頑張っていただきたいと、このように思っております。
 実は私も、地元が栃木でございますが、昨日、三か所で生産者等々と意見交換をしてまいりました。およそ考えられる範囲のことは農林水産省においても精力的にやっていただいているというふうなことで、生産者の皆さんも大変評価もしているし期待もしているわけでございます。そういう意味では、是非大臣に頑張ってくれと、こういうことを伝えてくれというふうなことなものですから、お伝えをさせていただきます。
 そこの中で一つ、現在どうしても価格が低迷しているんですよね。なかなか消費者の信頼が得られない、こういうふうな状況にあるわけでございます。私もちょっと資料で調べてみましたら、おととしの九月と去年の九月ですね、これ、BSEが発生した月でありますが、東京芝浦市場の和牛のAの3クラスですと九一%の水準なんですね。それが、十月は八二%、十一月が八一、十二月に至っては六三、今年の一月、今進行中でありますが、これまででは七五ぐらいの水準なんですね。それから、F1の方でいきますと、やはり一昨年と昨年の九月では九四、それから十月が七五、十一月が六五、十二月が実に、これはBの3の数字でありますが四〇%、こういうふうなことで、大変に価格が低迷をしているという状況にあるわけですよね。
 いろいろ個別にデータを見てみますと、やっぱり九月の十日にBSEが発生したという報道とともに価格がずうっと下落をしてきている。しかし、十月の十九日ですね、いわゆる全頭検査体制が整った以降、やや回復をしてきていると、こういうふうな状況にあるわけでございまして、これらをやっぱり徹底をしていくということが一番必要なことだろうというふうに思っております。
 限られた時間でありますので。農林省の中でもトレーサビリティーシステムですか、これを確立するというふうなことでやっているようでありますが、特にその中で、いわゆる末端消費者までちゃんと経歴がきちっと付いていくのかどうか、いわゆる小売店まで行くというのは分かるんですが、そこから先、売る段階で消費者にも直接分かるようになるのかどうか、これは何かモデル事業で検討しているような話も聞きますが、その辺までやってもらった方がいいのではないかと、こういう話も実はあるわけなんですが、その辺、局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) ただいま先生御指摘のように、牛肉の卸売価格が低迷をしている、そして生産段階での子牛の取引価格も低迷をしているわけでございまして、基本的には国民の皆様に安心して牛肉を食べていただくような体制、その一環としていわゆるトレーサビリティーということが非常に重要な課題になってくるというふうに思っております。
 そして、現在、その牛の経歴がさかのぼれるように牛に耳標を装着するということを年度内に完成させるべく努力をしているところでございます。この体制が整いましたら、小売のみならず消費者の皆様方にもさかのぼって牛の経歴が分かるような体制にしたいというふうに私ども考えているところでございます。
○国井正幸君 卸売段階だけではなくて、やっぱり小売段階まで行けるように、これについてはお願いをしたいというふうに思っております。
 それから、前後しちゃって恐縮ですが、通告なかったかもしれませんが、実は須賀田局長になる以前の小林局長の段階でありますが、去年の十一月の当委員会で、これは中村先生が質問されたと思うのでありますが、イタリアから輸入された肉骨粉が加熱処理をされておったと、こういうふうなことで答弁があったように記憶をしているんです。
 しかし、どうもその後、マスコミ報道やあるいは原因究明委員会の中間報告なんかでは、何かどうも確証が持てないみたいな話があるんですが、その後の経過、イタリア政府に照会したとかしないとかという話もあるんですが、その辺いかがでしょうか。どんなことになっていますか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) イタリアからの肉骨粉の輸入をめぐる経緯でございます。これは、従前より両国間で取決めをいたしました家畜衛生条件、国際基準に沿った加熱条件を取り決めていたわけでございますけれども、それを満たしたもののみ輸入を認めるということで、その遵守状況につきましては、去年の二月にイタリアに問い合わせをいたしまして確認をしているところでございます。
 ところが、去年の十月に当省の職員をイタリアに派遣をいたしまして現地調査を行った結果、一九九八年の六月以前は、我が国が要求をしておりました加熱処理条件を満たさない可能性があるということが判明をいたしました。このため、これを確かめるべくイタリア政府に照会をしたわけでございますけれども、イタリア政府は、我が国が要求していた加熱処理条件を満たしていたと回答、主張をしてきたわけでございます。ただ、我々の目から見まして、加熱処理条件の詳細については不明な部分がございまして、その後も、現在もなお問い合わせを継続中でございます。
 この一連の経緯の中で、昨年の十一月二十七日に国会において答弁を求められました当時の生産局長は、イタリア政府からの公式回答というものを基に、イタリア産肉骨粉については、国際基準に沿った加熱処理が実施されていたことを輸入国政府発行の検査証明書により確認できるものに限り輸入を認めていたという旨の答弁を行ったわけでございます。
 一方、この十一月三十日に取りまとめました中間報告におきましては、ただいま申し上げましたような経緯を踏まえまして、今後、原因調査究明に資するため、可能性ということで不確実な状況もあり得るということで、報告書には記載をさせていただいたと、これが一連の経緯でございます。
○国井正幸君 ですから、それらについては、これはイタリア政府との関係もあると思いますが、やはり相互主義という中で相手の国を信じるということもこれは当然必要なことなんですが、しかしそれが信じられないなんという状況ではこれはどうにもならぬわけでありますので、これはやはり政府においてきっちり詰めてもらいたいと、このように思っております。
 それから、昨年の十月十八日から全頭検査体制が確立をしたわけでございまして、やはり国民の皆さんにより安心をしていただくという観点から十八日以前の食肉については御案内のとおり隔離をしたわけですよね、それで逐次処分をしていく、こういうふうに聞いておるんですが、どうなんでしょうか、これは始まったのか始まらないのか、いつからやるのか、いつぐらいまでで終わるのか、そういうことを含めて、隔離までは承知をしているんですが、それ以降どういう形になっているのか、お聞かせをいただきたい。
○政府参考人(須賀田菊仁君) ただいま先生御指摘のように、昨年の十月十七日以前に解体処理されました牛肉につきましては市場隔離をしてきたところでございます。そして、その最終処分の在り方についてはいろいろ検討してきたわけでございますけれども、消費者の不安を完全に払拭する、それから牛肉の流通の円滑化を図る、こういう観点から焼却処分をするということを決定したわけでございます。そして、焼却に要する経費につきましては、早急に焼却することが必要だということで十三年度の予備費から支出することとしたわけでございます。
 これまで焼却のための準備を進めてまいりましたけれども、正に本日、横浜市において焼却処分を開始するということとしてきたところでございまして、その他の場所につきましても、焼却施設の確保などの準備が整い次第、順次焼却を開始していきたいというふうに考えているところでございます。
○国井正幸君 是非これは早急に進めて消費者の信頼回復につなげていただきたい、このように思っています。
 そういう意味では、一つ今大きな問題になっているのが廃用乳牛の処理なんですよね。どうも報道等によれば四万四千頭ぐらい滞っているのではないか、こういうふうに言われております。そして、どうもそれぞれの屠畜場においても、もし万が一感染牛が出たなんということになると屠場を休まなくちゃならぬ、こういうふうなこと等々があってなかなか屠畜を引き受けてくれないというか、そういう状況があるような話を聞いているんです。どんどんどんどんたまる一方だと。ですから牛舎も一杯になっちゃってどうにもならぬと。
 これを早急に何とかするということで、いわゆる農林省としても、乳用種の廃用牛流通円滑化事業というんでしょうか、こういうのを仕組んだように聞いておるんですが、これを着実にひとつ履行をするということと、もう一つ、大切な肉資源というか貴重な肉資源だからやっぱりもう一度国民の食卓に何とかのせようではないかというのはよく分かるんですよ、意味としては分かるんだけれども、そういうことをまたやっておるとなかなか消費者の皆さんから理解も得られないのではないかなというふうに思っているんです。
 したがって、もう少し、国民の皆さんから本当の信頼が得られるまで、少しのところで節約をして、「爪で拾って箕で零す」という話があるんだけれども、そういう形にならぬように、これはやっぱり細心の注意を払いながら、国民の意向というものをきちっと見ながら、せっかく、十八日以前の一万三千トン余り、二百億も掛けてこれやるわけですわね。そして、それをやっていながらまたここの中で、今度は検査したやつだから大丈夫だといえば大丈夫なんだが、しかし、そういう理解が本当に得られるのかどうかというのを、一抹のちょっと危惧を感じるものですから、それらについては是非これは総合的に判断をしながら進めていただきたいと、こう思っているんですが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 私も先般、北海道にも参りましたし、群馬の宮城村にも行ってまいりました。また、この正月もかなり酪農家の皆さん方と話をさせてもらいましたが、とにかく乳廃牛の問題が一番深刻な問題です。
 ただ、今委員御指摘のとおり、全頭検査体制になりまして、乳廃牛も円滑に出荷されれば、肉は肉資源として非常に貴重なものでございます。また、中には、正直言って、乳廃牛をこのまま処分してくれ、検査しないで処分してくれと、そういうような声もあるんです。しかし、これをやりますと消費者に説明が付きませんし、また、国際的な基準ということに照らしても、日本はまたそのようないい加減なことをやろうとしているのかということになる心配があるんです。
 ですから私は、屠畜場に対して、厚生労働省とも連携して、乳用種の廃用牛の受入れを繰り返し求めていくとともに、今お話ありました乳用種の廃用牛の出荷が円滑に行われるための支援として乳用種廃用牛流通円滑化事業というものを、これを生かしていきたい。さらには、いろんなアイデアも出てきておりますので、生産者団体の御意見というものも今農林水産省にいろんなアイデアが出ているから、これを積極的に聴取して検討してみてはどうかと、こういうことを申し上げているんです。
 とりわけ、どこに問題があるかというのは、二頭目、三頭目が出て、自分が四頭目になったときに、すべて経営破綻につながるという、そういう恐怖感なんですね。ですから、北海道辺りは屠畜場で受け入れないというようなことになっていないんですけれども、出すに出せないという実態がございます。したがって、万が一陽性牛が確認された場合の経営の継続、経営再建に思い切ったことをするということが私は非常に大事だと思っております。
 この点につきましても、発生農家に対する再建支援策ということについては、いわゆる共補償の問題でありますとか、保険の問題でありますとか、制度をつくる問題でありますとか、いろんな意見が出ておりまして、万が一発生した場合の経営再建策については現場の酪農家などから幾つかのアイデアが出てきておりますので、それらを含め、関係者の御意見を十分伺いながら、私の責任で万全の措置を講ずる、そういう強い決意で今、事務当局にも検討を指示している次第でございますことを御理解いただきたいと思います。
○国井正幸君 では、是非大臣、その強い決意でこれからもやっていただきたい、このように思います。
 まだ幾つか実は質問を予定をしておったわけでありますが、時間も迫ってまいりましたので最後の質問にさせていただきたいと思うんですが、私は、今日のBSE発生の背景というんでしょうか、そういうものをずっと考えてみたときに、私たちが余り、人間の都合でいろいろ作為的というか人工的に、我々の欲求を満たすために、牛の脂肪を入れることを含めて、いわゆる牛乳の乳質の改善と称して乳脂肪分を高めること、あるいは無脂乳固形分を高めること、余りにもやり過ぎてきたんではないかな、そんな感じが実はするんですよ。
 たしか昭和六十二年までは、牛乳、生乳の取引の基準ですね、乳脂肪でもって三・二%だったと思うんですよ。それが現在三・五ということになっておるわけですね。これは大変な品質の向上といえば向上なんですよね。
 それから、調べてみましたら、例えば牛一頭当たりの乳量、一九六〇年のころはどのくらい出ていたのかなと思って見たら、一頭から四千百二十一キロですよ。四トンちょっとですね。もう既にこれが七トン、八トンになって、今日も新聞見ていたら、スーパーカウで二万キロ超したやつが全国一位だと、こういうことですよ。もちろん、それだけ資質の向上ということでやってきた部分もあるけれども、しかしやっぱり、えさを含めて無理な負担を掛けてきたというものも我々なかろうかと、こう反省もするんですね。
 そういう意味で、この際ですから、私はこれ提案をさせていただきたいと思うんですが、牛乳の、いわゆる加工原料乳含めてでありますが、この基準をもう一度、普通にやっていて普通に出せる乳脂に私は見直すべきじゃないかと、三・五からむしろ三・二ぐらいに下げていいんじゃないか、そういう思いがしているわけでありますが、いろいろこれは理屈があるのは承知していますが、やっぱり新しい農業基本法の趣旨で、循環型社会、自然に優しい農業、そういうことを含めてもう一度やっぱり見直すという時期に来ているんではないかと思っているんですが、その辺について、細かいことは結構ですが、思想性というか考え方について、ありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 畜産に御造詣の深い先生の御意見、一つの見識として拝聴をさせていただきました。
 一般的に、乳用牛の能力を上回る高い泌乳量を求めるために、例えば濃厚飼料を多給するといったようなことは、消化器系の病気だとか繁殖障害でございますとかを誘発するということで、経営にとっても必ずしも好ましいことではないというふうに思っておりまして、個々の能力に応じた適切な飼養管理ということが非常に重要であるということは基本的に認識しているところでございます。
 ただ、乳脂肪分の割合、乳脂率でございます、これは生産者団体と乳業者の取引の前提となっているものでございまして、自給飼料基盤に立脚した酪農経営を目指す等の観点から、現在、その生産者団体において、乳業者参加の下で、その基準について検討が行われているということだけ御報告をさせていただきます。
○国井正幸君 では、これで私、質問終わりますが、いろいろ確かに農林省に対する批判も強いのは承知しています。しかし、これからどうやってやっていくかということが一番大切なことでありますので、是非、大臣始め皆さん方頑張っていただいて、一刻も早くやっぱり消費者の皆さんの理解が得られるように特段の御努力を更にお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○羽田雄一郎君 民主党・新緑風会の羽田雄一郎でございます。
 二〇〇一年、昨年九月十一日に米国における同時多発テロが起こり、世界の安全、安心、そして危機管理の見直しが迫られました。前日には日本で初めての狂牛病感染牛が発表されました。食への危機管理、予防への日ごろからの意識を今問われているところだと考えます。
 大臣は、事あるごとに、おれがやらなきゃだれがやる、今やらなきゃいつできると座右の銘を披露されてきました。現在の農水省の最高責任者は私だが、過去五年も十年も前のことを何で私が責任を取らなきゃならないのか、大臣としての責任をしっかりと全うしたいとも言われてきました。
 しかし、行政は継続であります。行政の長たる者、失政の発生原因が任期前であったとしても、発生段階で結果責任が問われるということを自覚しておかなければならないと考えますが、大臣、どうお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 一九九〇年以降、農林水産省は組織としてその都度専門家の意見を聞きながら行政判断を行い、必要な措置を講じてきたものと理解しております。しかしながら、今般、我が国においてBSEが発生したことは事実であり、誠に残念であると考えておりますが、この結果として現在生じている状況への対応の最高責任者は私であると自覚しております。
 現在、影響を受けた方々に対する関連対策の取りまとめ等に取り組んでいるところでございますが、特に消費者の方々に正確な情報を提供し、冷静に事態を認識、対処してもらい、牛肉の需要回復に努めることが現下の喫緊の課題だと認識しているところでございます。
 現在まで農林水産大臣としてこれらの職責を間断なく果たしてきていると、かように自負いたしておりますが、これらの職責を今後ともしっかり果たし、国民の皆様に安心していただくために全力を尽くすことが私にとっての最大の責任であると考えております。
 いずれにいたしましても、今回のBSE発生に関しては、農林水産省の組織全体として危機意識の希薄さや縦割り行政の弊害等が顕在化した面は否定できません。これらの面を含めまして、過去の行政対応上の問題について改めて検証を行うこととしたところでありまして、現在、BSE問題に関する調査検討委員会で幅広く議論、検証を行っていただいているところは委員御承知のとおりでございます。
○羽田雄一郎君 今、大臣、るる述べられましたけれども、やはり大臣の対応によって、現在も引き続き安心だ、安全だと思えるような状況になっていないことだけを指摘させていただき、次に進ませていただきます。
 一九八六年に英国で初の狂牛病が発見され、日本で一頭目の狂牛病に感染した牛が発見されるまでの行政対応は適切であったのかどうか。危機管理、食の安全、安心の面から年代を追ってお聞きしますので、簡潔で結構ですのでお答えください。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 一九八六年に英国で初めてBSEが発見されたわけでございますけれども、英国からの輸入の場合は、一九九〇年以降、国際基準に沿って加熱処理したもののみ肉骨粉の輸入を認めていた。そして、BSE発生国からのその後の肉骨粉につきましても、国際基準に沿った加熱処理がなされたもののみの輸入を認めるという、こういうBSEの侵入防止ということに主眼を置いて対応をしてきたわけでございます。
 その後、一九九六年にWHOの専門家会合による勧告等を受けまして、専門家の意見も聞きながら、肉骨粉等について英国からの輸入を禁止したのが平成八年、一九九六年。それから、いろいろ言われましたけれども、反すう動物の組織を用いた飼料原料について、反すう動物に給与する飼料とすることのないよう行政指導をするという、併せて同年に取ったわけでございます。
 当時としてはこういう水際措置でBSEの侵入が防止できるという判断を行っていろんな措置を取ったわけでございますけれども、結果といたしましては今般BSEが発生したわけでございまして、いろいろな従前の措置につきまして対応が十全でなかったところがあったのではないかというふうな認識もあるわけでございまして、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、現在、BSE問題に関する調査検討委員会におきまして、過去における行政対応の問題について幅広く検討をいただいているところでございます。
○羽田雄一郎君 長々と御答弁いただきましたので、はしょりながら質問をさせていただきます。
 一九九〇年初頭に、英国でもフランスでもドイツでも、ヨーロッパ各国で家畜伝染病として指定し、人間にも影響が出るのではないかと指摘もされてきました。ここで日本としては英国に専門官も派遣して調べているはずでございますし、そしてWHOにより一九九六年に勧告を受ける、このときに自粛という消極的な行政指導の通達で終わってしまっている。
 この七年間の空白の間、この空白の間、何を農水省としてしてきたのか、そこをお答えいただければと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 御指摘のように、イギリスでは一九八八年、フランスでは一九九〇年、ドイツでは一九九一年にBSEを家畜伝染病に指定をしているわけでございます。
 一方で、我が国は、対英国との関係では、一九五一年以降、これは口蹄疫でございますけれども、牛肉の輸入禁止措置を講じておりましたし、一九九〇年には、BSEの侵入防止ということで、生きた牛の輸入の停止あるいは国際基準に沿って加熱処理した肉骨粉に限り輸入を認める、こういう措置を取りまして、当時はそういうことでBSEの侵入防止が図られるんじゃないかというふうに、そういう水際措置を取れば侵入防止が図られるんじゃないかというふうに考えた上でこういう措置を取ってきたというふうに認識をしております。
 そして、一九九六年、WHOの専門家会合で法定伝染病にすべきである、サーベイランス体制を整えるべきであるという、そういう勧告を受けて、一九九六年には緊急に政令で指定をし、翌年法律改正をして伝染病にした、こういう経緯でございます。
○羽田雄一郎君 WHOが勧告をした後、同月二十四日には日本でも農業資材審議会飼料部会の安全性分科会が開会され、その中でも法的禁止を訴えた委員もいたと言われております。そして、その後、分科会は二〇〇一年の三月まで約五年間も開かれていない。ここに大きな問題がある。認識不足も甚だしいということを付け加えさせていただきたい。
 そして、当時、畜産局長は熊澤前事務次官であった。また、永村部長は畜産畑のエキスパートだったということを指摘しておきたいと考えます。
 そして、一九九八年にはEUに狂牛病発生の危険度評価を依頼しております。二〇〇〇年の十一月に第一次案、二〇〇一年の一月、四月に素案が出てきておりまして、なぜ報告書を受け入れなかったか、この経緯、理由をお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) EUがこの当時示してきましたその報告書案でございます。我が方にとりまして、各国のBSEの発生状況だとかサーベイランス体制を考慮していないというふうにこの報告書案は判断がされ、いわゆる国際基準から離れているんではないかと判断したのが一つでございます。
 それから、どうも前提となっております統計データ、技術的に細々としていますけれども、それについての検証が当時の我が方から見て不十分だったというふうなことから、EU側とその訂正等につきまして協議を繰り返していたわけでございます。
 それで、EU側も、今までの基準に替えて、新しいOIE規約を踏まえた基準を採択するということでございまして、この当時は、我が方の主張をEU側も認めたんではないかという、案の段階では認めたのではないかというふうに認識をしているところでございます。
○羽田雄一郎君 これまで述べてきたように、一九九八年、イギリスで狂牛病に感染した牛が発見されてから日本で一頭目が発見されるまで大体四回の節目があったんです。狂牛病発生防止の注意義務を怠り、事態の悪化を放置、隠ぺいしてきた行政の責任は大きく、重大であると考えます。
 そして、二〇〇一年四月に報告を受け入れなかったわけでありますけれども、二〇〇一年四月二十六日に大臣になられた武部大臣は、どこまで引継ぎを受けたのか、御自分の責任をどう考えるのか、お答えください。
○国務大臣(武部勤君) EUのステータス評価に関するEUとの協議については、昨年六月に事務方から説明を受けたところであります。その際には、ステータス評価は、当初、医薬品及び化粧品の輸出に関して必要であることから評価を受けることにしたということ、その後、これらが規制の対象から除かれているということ、EUが家畜衛生分野の国際機関であるOIEの評価基準を取り入れ、新たな評価基準による評価を開始する予定であること等について説明がそのときございました。私としては、OIEの基準又はEU委員会が新たに採用することとしていた新たな評価基準による評価を受けるのであれば、本評価を取りやめることは差し支えないとの指示を行ったところでございます。
 しかし、BSE発生後の九月下旬に改めて、評価を受けていた方がよかったのではないかと私は事務方に尋ねた次第であります。EUとOIEの評価基準の相違等からやむを得ない判断であった旨の説明を受けたところでありますが、このような農林水産省全体としての危機管理意識の希薄さについて、幹部を始め関係職員に対して厳重注意を行ったものであります。
 また、EUの報告書案の全文については昨年十二月の新聞報道で初めて承知したところでありますが、そのことで今回の件について責任逃れをしようとしている意図は全くございません。農林水産省という組織の長としての責任者は私であります。農林水産大臣として、二度とこのようなことが起こらないよう職員を厳しく指導するとともに、大臣としての職責を今後もしっかり果たし国民の皆様に安心していただくために全力を尽くすことが私にとっての最大の責任であると、かように考えているところでございます。
○羽田雄一郎君 るる述べられましたけれども、二〇〇一年八月二十四日、千葉県で感染牛の脳から狂牛病特有の空胞が見付かったのに、農水省は、六日後、三十日まで動衛研に伝えなかったという、その空白の六日間がある。そしてまた、二〇〇一年九月十日、一頭目の狂牛病が確認されてから、十月十八日、全頭検査が開始されるまでの対応は本当に適切であったのか。
 今、大臣が何を言っても国民が安心できないでいるのは、全頭検査も始まる前から坂口厚生労働大臣や与党の皆さんと焼き肉パフォーマンスをし、こんなおいしい肉、安心ですから皆さんも肉をどんどん食べてくださいと。消費者はどう思ったか。あんな高そうな肉を食べている、我々と違う肉を食べているんじゃないかと思ったんです。それが実際のお茶の間の反応であり、全頭検査が開始されてからは、大臣、全頭検査が始まったから食卓には安全な肉しか出ませんと。全頭検査が始まる前から安心だと言いながら、全頭検査が始まったから安心ですと。じゃ今まではどうだったんだということになってしまう。ここに大きな責任があると思います。
 国民はこのときから武部大臣には付いてきていない、信用していない。このことを武部大臣は認識すべきだと考えますが、何か反論がありましたらお聞かせ願いたいんですが、もう時間がありません。聞かないです。認識していただきたいと思います。
 このことが起こって武部大臣も努力をされ、二〇〇一年十一月十九日、BSE問題に関する調査検討委員会が行われました。これができて、今日、午前中に第四回目の検討委員会が行われたようでありますけれども、これができてからどんどんどんどん新たな事実が出てきているということであります。これは頻繁に行っていただきたいし、これからも努力をしていただきたいと思います。
 これまでの経緯を一番知る立場にあり、畜産局長までやった熊澤事務次官、入省からこれまで畜産畑で働いてきた永村畜産部長を一月八日付けで退職させております。農水省に残して感染ルートの特定等国民に対して説明責任があったと考えます。大臣はなぜこのような判断を下したのか。そして、退職金も含めて何の責任も取らせない、取らせていないような気がしますが、大臣、何か御見解がございましたらお答えください。
○国務大臣(武部勤君) 羽田委員からいろいろ厳しい御指摘をいただきました。私は、謙虚に受け止めて、しっかり対応していかなければならないという、その気持ちを更に強くさせていただいている次第でございます。
 今、一月八日付けの人事についてお話がございましたが、今般の一月八日付けの人事は、WTO、セーフガード、予算などの懸案について一定の節目を迎えた時期において人事の刷新を行い、新体制の下で新たな気持ちで能力を生かし各種の懸案に取り組むことにより、農林水産省の組織の力が発揮されるようにするために行ったものでございます。
 なお、BSE問題については、現在、私と厚生労働大臣の私的諮問機関であるBSE問題に関する調査検討委員会において、これまでの行政上の問題を含め幅広く御議論いただいているところでありまして、この委員会には、御指摘のとおり、ありとあらゆる資料を提供して的確な御提言を賜りたいと、こう願っているところでございます。
 いずれにいたしましても、今回のBSE発生に関しましては、農林水産省組織全体として危機意識の希薄さや縦割り行政の弊害等が顕在化した面は否定できません。これらの点については、BSE発生後、私から幹部を始め関係職員に対して二度とこのような事態が生じないよう厳しく指導してまいりましたことは先ほど来申し上げているとおりでありまして、その意味で、今回の人事は、BSE問題について特定の個人の引責ではなく、農林水産省組織全体の刷新を図るという意味で行ったものでありますことを御理解いただきたいと思います。
○羽田雄一郎君 今のお答えではなかなか納得することができません。やはり今までの経緯を一番知っている方を首を切って農水省から退職させるということでは本物の原因追求にはなっていかないんではないか、ますます国民の不安、安心、安全ということからは遠のいていくと私は考えております。
 もう一度、熊澤事務次官、そして永村畜産部長にはしっかりと、この場に出てきていただいて、参考人として話を聞かせていただきたい、そして原因究明をきちっとしていかなければならないと私は考えます。
 二十一世紀型の日本の農業は、安全で安心できるものを生産者が誇りを持って作り、消費者に届けることが一番大切だと考えます。英国、フランスでは、狂牛病問題を契機に食品の危険性評価などを行う独立機関の食品安全庁を新設されております。私は、こういうことこそが国民の安心、安全につながっていくことだと考えております。
 このことを指摘し、時間がやってまいりましたので、同僚の小川議員にバトンをタッチしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○小川勝也君 民主党の小川勝也でございます。羽田委員に引き続きまして、質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど、国井委員からいい指摘があったなというふうに聞いておりました。私も、今回このBSE問題が発生して、いろんな方にお話を伺ったり、感想を伺ったりしました。そんな中で感じたことがあります。
 乳牛を例に取りますと、私たちの牛乳を生産してくれるのが乳牛であります。この乳牛はロボットでも機械でも工場でもありません。自分のかわいい子牛に愛情を込めて育ってもらいたいと思って出す母乳を、栄養価が高いので、また量もたくさん出るので、私たち人間にも分けてほしい、これがミルクであります。そして、今も御指摘がありましたとおり、もっと出ないだろうか、もっとたくさん出せないだろうかというふうに改良を重ねてきたのが今の酪農であります。
 人間がこの地球上で一番偉いので、自然を含め、あるいは動物までをもすべて自分たちの都合のいいように変えていける、この考えは大いに間違っていると思います。言葉を換えますと、効率性の追求とか合理性の追求には限界があります。そんなことを考えますと、今、小泉総理がその理念として発している姿にも大きな疑問を感じているところであります。
 さて、残念ながら、私たちの国にも狂牛病が発生してしまいました。発生したのはこれは事実でありますので、大きく二つに分けて考えると、一つは必要な対策、施策を十二分に講ずるということ、そしてもう一つは消費者、生産者、この人たちの不安を一日も早く取り除くということの二つに絞られるだろうと思います。
 まず、施策の方からお伺いをしたいと思います。
 農水省は、後ればせながらも幾つかの施策を次々と発表をされました。十分かどうか分かりませんけれども、一定の評価ができるかと思います。しかし、残念ながら、通達あるいは行政指導という中央省庁の、この官庁特有の上から下ろせば何でも片が付くんではないかというふうなおごりも散見できるわけであります。例えば、融資の枠、システムが作られました。しかし、末端の方々が利用しようとしたときに、なかなかその情報が下部の金融機関には下りておらずに、大変つらい思いをした利用者も多かったと思います。
 また後で触れますけれども、廃用牛の処理の問題や肉骨粉の焼却の問題など、農水省の中だけでは解決できない、都道府県や現場レベルではたくさんの苦労をしている、こんなこともお伺いをしてみたいと思います。
 まず、十月十七日以前、全頭検査以前の食肉の件について、先ほども質問がありました。焼却をしていくということでありますけれども、横浜からスタートというお言葉はありましたけれども、全国でどのぐらい準備が進んでいるのか、どのぐらいには完了できるのか、そのめどをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほども御議論になりました、正に本日、横浜で焼却を開始したということでございまして、一般的にはその焼却施設等の確保等の準備が整い次第、順次焼却をしていくという体制にあるわけでございます。
 私どもの心積もりとしては、年度内にということを目途にしたいと思います。ただ、先生先ほど言われましたように、これは地方自治体の問題でございますとかいろいろな準備が要る話でございますので、なかなか確たることを申し上げられないというのは非常につらいところでございますけれども、目標としては年度内ということにしたいというふうに思っております。
○小川勝也君 それが今、私が申し上げたとおりのことであります。机上で施策を打ち上げたから大丈夫だといっても、なかなか進まない。
 じゃ、先ほどの廃用牛の問題。これは全国で四万四千頭いる、そのうちの半分が北海道にいると言われています。これを一か所に集める、あるいは牛舎が必要になってくる、あるいは現在の需要や流通の状況からいうと、いずれ処分しなければならないと思います。その焼却施設はあるのかないのか、あるいは肉骨粉の焼却でさえも全然進んでいないわけであります。
 まず、廃用牛の施設の問題、物理的な問題について御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私どもが把握しておりますのは、乳用種の廃用牛、滞留をしておりますのが四万四千頭でございます。そして、これまでに十二県から八十八か所、約六千頭分の一時集約管理施設が確保できたという連絡を受けております。そして、三十四県から施設の確保について現在鋭意選定中ということでございまして、これもまた、その県を中心とした地域での話合いが基本になるものですから、話合いを通じてできるだけ早く一時集約管理施設の確保が進められることを切望しているところでございます。
○小川勝也君 やっぱり、できないことを決めてもしようがないのであって、ちゃんと焼却施設なり、いわゆる牛舎等の施設があるというふうに確認してから施策を講じないとできないと思う。乳用種廃用牛の出荷円滑化対策については、これは北海道もそうでありますけれども、全国の都道府県や生産者も大いに期待をしておりますので、何とか今のようなあいまいな答弁がないようにしっかり進めていただきたいと思います。
 問題は、肉骨粉のことであります。肉骨粉も同じ状況であります。処理に困って、一般廃棄物として処理してほしいということを決めました。そして、一般廃棄物は市町村が管理しているものが多うございます。しかしながら、皮算用どおりにうまく処理ができない。だから、環境省に対しても、もし産業廃棄物処理業者等が一般廃棄物として処理をしたいというときには、円滑に処理をしてほしいというふうな環境省からの通達も各県に出ているようであります。これも先ほど申し述べたとおり、文書だけが行き交っておりまして、この肉骨粉の焼却が必ずしも進んでいるとは言えない状況であります。
 通告をしてございます一例、鹿児島県の例、どういう状況になっているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 鹿児島の例で申し上げますと、現在保管をしております量が一万七千三百三十三トンでございます。そして、これまでに焼却を実施した数量が三百九十七トンでございます。鹿児島で今後焼却が見込まれる肉骨粉の一日当たりの生産量、焼却しなくてはならない肉骨粉の一日当たりの生産量が五十トン、そして現在どのぐらい焼却をしているかということが二十トンでございますので、遅れぎみということでございまして、今後、関係者と連携協力をしてできるだけ早期に本格焼却を実施したいというふうに考えているところでございます。
○小川勝也君 焼却をしなけりゃならない肉骨粉が増えてくるし、これ、今までのこの施策を全部総合しますと、まだ焼却をしなきゃならないものが格段に増える可能性があります。
 その鹿児島県市来町でありますけれども、どういう施設でどういうふうに焼却してほしいとお考えですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 一般論で申し上げますと、基本的には一般廃棄物焼却施設ということになろうかと思いますけれども、半分ぐらいはセメント工場での焼却というふうなことで私どもとしてはもくろんでいるところでございます。
○小川勝也君 いや、話がまとまらないから今言った数字になったんでしょう。
 それで、今日は環境省からもおいででございます。農水省から環境省にどういうふうにお願いをしましたか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農林省から環境省に対しましては、肉骨粉の飼料・肥料用としての製造、販売の一時停止に伴いまして、肉骨粉等の円滑な焼却処理について協力してほしいというお願いをいたしまして、環境省の方が、肉骨粉を市町村の焼却処理施設で焼却できるよう一般廃棄物として位置付けると。そして、円滑な焼却について都道府県に通知を出していただくと。それから、肉骨粉の焼却に当たっては他のごみとよく攪拌する等、具体的な焼却方法について都道府県に情報を提供していただく。そしてまた、セメント工場での焼却を検討し、肉骨粉のセメント原材料としての再生利用について特例措置を講ずる等の対応を行っていただいているところでございます。
○小川勝也君 先ほどから新生産局長はセメント工場、セメント工場と言っているわけですけれども、セメント工場が引き受けているという例は極めて少ないはずであります。また、値段の面で折り合いが付かないという話もたくさん聞いております。
 時間がありませんので、環境省はどういうふうに受け止めましたでしょうか。
○政府参考人(飯島孝君) 今お話ありましたように、農林水産省から焼却の協力要請を受けまして、昨年十月初めから、先生御指摘ありましたように、市町村の焼却施設で焼却をしていただくようにお願いすると同時に、また民間の焼却施設を持っていらっしゃる方たちに対しても円滑に許可を出すようにお願いをしてきました。
 あわせまして、昨年十月でございますが、セメント工場で原料として使えるようにということで、廃棄物処理法の再生利用認定制度、この適用を行うことを決めまして、その間、ヨーロッパでのセメントでの焼成試験の調査であるとか、あるいは大分県の工場における焼成実験、こういったものを踏まえまして、昨年末でございますが第一号の認定をしております。大分県の太平洋セメントの津久見工場というところで第一号の認定をしておりまして、これまで、全国三十六のセメント工場がございますが、そのうち、その認定をした一工場以外で十二の工場から今申請が出ておりまして、速やかにこれを審査して、セメント工場で受け入れられるようなふうに努力をしていきたいというふうに考えております。
○小川勝也君 一般廃棄物処理場とセメント工場以外についてはどういうふうにしていますか。
○政府参考人(飯島孝君) まだ一般廃棄物、市町村の焼却施設それから民間の焼却施設それからセメント工場、これからだんだん増えてくるわけでございますので、それ以外に特に新しい方法を今考えているわけじゃございませんが、一つの手段といたしまして、民間の施設への許可、一般廃棄物の施設や業の許可、これを、十月にもお願いしておりますけれども、進めていただきたいと思っております。
○小川勝也君 その部分を、鹿児島県を中心に、全国にもう一度しっかりとお伝えをいただきたいと思います。
 次の話に移りたいと思います。
 施策の中で大事なのは、やはり安全を担保するということであります。安全を担保するために、十月十七日、全頭検査以前の食肉は流通させないという話でございます。大体この国内の措置は全部終わっているということになるわけでありますけれども、実はそれだけではありません。牛由来の物質の中に、大臣も御認識をいただいております牛足、牛骨というのがあります。これはお隣の韓国に輸出されるものであります。日本向けには十月十七日以前のものは出さない、十月十八日以降のものは全頭検査なので安心だというふうに、安心をアピールして食べていただくことを奨励しているわけでありますけれども、その輸出の部分だけがそのカテゴリーに入れていただいておりません。これもしっかり包括的にインクルーディングしていただいて、今回のBSE対策を完成させていただいてはいかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 去年の九月十日にBSEを疑う牛が確認されたわけでございまして、それ以降につきましては、動物検疫所が我が国から輸出される牛由来の畜産物についての輸出検疫証明書の発行を停止しているところでございます。
 それ以前、九月十日以前に動物検疫所が輸出検疫証明書を発行した畜産物につきましては、今回の我が国のBSEの発生等を背景に、韓国が九月十日以前のものにつきましても廃棄を命令しているということでございます。
 大変あれなんですけれども、これに伴って発生した経済的損害、韓国政府の措置によるものでございまして、これは輸出サイドの方の負担となるということはやむを得ない性格のものではないかということで今、輸出業者の方々には説明して理解を求めているところでございます。
○小川勝也君 事柄を余り詳しく説明する時間はありませんけれども、国内向けにはより安心を担保する、輸出向けには知らないということでは、これは国際間の信義が成り立たないと思います。とりわけ本年は日韓・韓日共催のワールドカップの年でもあります。韓国にも全世界からお客様がお見えになる。韓国料理も召し上がるかもしれない。その中で、日本からの今回の牛骨そして牛足は非常に貴重な優秀な材料だとされているわけであります。そんなことで、国際間の信義、国際問題に発展しかねない問題だろうというふうに思っています。しっかりと再考していただきたいと思っています。
 さて、時間もなくなってまいりました。
 先般、衆議院での閉会中審査の模様もビデオで拝見をいたしました。大臣の発言をめぐる問題などについて同僚議員が質問をしておりましたけれども、今回の問題をトータルでちょっとおさらいをしてみたいと思うわけであります。
 一問一答的にお答えをいただく時間がありませんので、私、これは個人でありますけれども、農水省がもうちょっとこういうふうに対応してくれればよかったんじゃないかというふうに考える余地のある点を羅列してみたいと思います。これは農水省、大臣のどこまで責任問題か分かりませんけれども、その一つ一つの項目の中で、反論は結構でございますので、この部分は共感できるという点を後でお答えいただきたいと思います。
 まず、羽田議員が指摘をした、欧州からは日本も危ないですよという指摘を再三受けた。日本は島国でもあるし、まあ大丈夫だろうと、こういうふうに言われて、欧州からの警告を結果的に無視することになってしまった。そして、残念ながら、二〇〇〇年十一月、家畜伝染病予防法の審議がこの部屋で行われました。私も委員としてその審議に出席をさせていただき、質問をさせていただいた。そのときに指摘をしたのは、今回は口蹄疫だけれども、次は何が起こるか分からないので万全の体制で臨んでほしい。これはほかの委員も指摘したことでありますし、農林水産省の皆さんも分かりましたというふうに答えたところであります。残念ながら大臣は御就任以前であります。せっかくの口蹄疫という苦い経験を生かし切れていないんではないか、もっとしっかりと、狂牛病もヨーロッパでは猛威を振るっている、日本は口蹄疫だけれども、次はもっとしっかりすべきだったんではないか、こんな思いもあります。
 そして、ヨーロッパの映像を私たち一般市民も見ておりました。牛があんな全部処分されるのはかわいそうだと、こう見ていたわけでありますけれども、それがいわゆるもって他山の石とせよという言葉があるとおり、日本では余り、いや対岸の火事だなというふうに見ていたんじゃないでしょうか。日本でも感染牛が発見される予測は十二分にあった、しからばもっとマニュアルがあっていいんじゃないか。今回発見されたときに、検査方法や検査キットが調達できなかったり、あるいは肉骨粉の流通経路や、どういうふうに取られていたのか全然分かっていない。あるいは危険部位、あるいは廃牛の問題など、生産者がどういうふうに動揺するのか、消費者がどういう点を不安に思うのかということももっと対応を協議できるはずだったと思う。
 そして、八月以降、対応が小出し、そして混乱、あるいは小規模。大体、これは火事の理論をよく私は使うわけでありますけれども、火災が発生したときに、バケツの水をちょぼちょぼ掛けても火は収まらない。思い切って最初から大量の水を掛ければ一気に鎮静化できる場合もあります。今回、日本の消費者が安心できなかったというのは、正にその引用がぴったりすると思います。いまだに農水省も信頼していないし、武部大臣のことも信頼していない、だから牛肉の消費も拡大しない、そういった理由があろうかと思います。
 そして、今回農水省が、このBSEが日本経済や生産者、消費者に多大な迷惑を掛けたという加害者意識が全然ない、自覚がないわけであります。そして、様々な対策も、今まで農水省が懇意にしてきた、頼りにしてきた生産団体の方しか見ていない。ましてや末端の農家一軒一軒に対する思いは小さいし、消費者がどういう心理で買物をしているのかということは全く眼中にない。これは農水省の体質でもあろうかと思います。
 そして、総責任者であります大臣の責任感の欠如であります。問題発言一つ一つを今羅列するつもりはありません。もし農水省の責任であるとか監督責任、最高責任者としての自覚があれば到底その口から出ないような発言が相次いでいます。まだまだ狂牛病は出るよとか、原因究明がそんなに重要でしょうか、牛乳はよくて何で肉は駄目なんだ、行政指導を知らないとは恥じゃないか、そして、今回のことはみんなの責任である、さかのぼって責任を取るわけにはいかない、あるいは完全に安全を担保するだけの施策を打つ前にパフォーマンスに出たという先ほどの羽田議員の指摘などなどであります。
 一月十五日、最新の情報でいうと、百億を超えるサンミートという会社が民事再生法を適用されるというニュースが飛び込んでまいりました。私も選挙区を中心に関係の方々にいろんな話を伺っていると、やっとこ年を越した人たち、生きた心地のしない生産農家、様々な人が様々な思いで今、生きているわけであります。大臣は、一つ一つの発言を契機にそういう人たちの信頼を一つ一つ壊しているんだということをもっと強い自覚を持ってほしいというふうに思ってございます。
 読売新聞、これは私ども野党にとっては余りいいことを書かない新聞でありますけれども、「政界ウォッチング」一月八日、「不祥事に責任とってこそ… 農相の狂牛病対応」。これは、辞めた方がいいんじゃないかということだろうというふうに思います。北海道の生産農家ももう怒り心頭に発しているようであります。辞職すべきだという意見も多いようであります。
 そして、それに輪を掛けて次官の退職金の問題であります。次官や部下に責任を押し付けない、それは大臣一人が取るのであれば、すばらしい美談だということで日本社会では受け入れられるでありましょう。この次官も責任を持って辞めたのではない。そして局長、課長の異動、これは農水省も大臣も否定していることでありますけれども、新聞などでは責任を取って異動、引責と、こういうふうに書いてあります。
 二十一世紀、食の安全というテーマはますます重要なテーマであります。一生懸命考えて施策を講じたというのは、ある程度認めることにいたしましょう。しかしながら、人の心というのはそれだけで動くものではありません。大臣の熱意が伝わらないというのも、いかんともし難い状況ではあろうかと思いますけれども、事実だろうというふうに思います。ここは思い切って過去にさかのぼって、部下の責任は全部私が取る、そして、新しい農林水産大臣に我が国の農水省の未来を託したい、そういう大きな発言も期待をしたいところであります。
 北海道の偉大なる先輩として、武部大臣、ひとつ大きな決断を含めて御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 小川委員から数々の御指摘がございました。私は、リスクコミュニケーションというふうに言うんだそうでありますけれども、これから、O157、口蹄疫、そしてこのたびのBSE、何が起こるか分からない、起こり得ないと思うことが起こり得る、そういう時代にありまして、火山予知でありますとか地震予知でありますとか、もう少しふだんから農林水産省の危機管理意識を徹底させて、農林水産省、また関係省庁、さらには地方自治体、消費者の皆さん、生産者の皆さん、こういった方々のふだんからのリスクコミュニケーションというようなものが極めて大事だと、そういうようなことのお話かと、このように受け止めまして、全くそのことは同感でございます。
 また、私に対しまして厳しい指摘がございました。私も、このBSE発生以来、当初段階いろいろ混乱がございまして、このことについては責任者として大変大きな責任を感じておりまして、国会等でも度々その責任を認めているところでございます。陳謝という形で国民の皆さん方におわびもしてまいりました。
 例えば、肉骨粉一つ取りましても、先ほど来いろいろ議論ありましたけれども、当初の議論の中では、肉骨粉を直ちに輸入中止、また生産も出荷も中止しろというときに、一番私が苦慮したのはその後の終末処理のことでございました。川口環境大臣に九月二十七日に相談して、日本では四千万トンやっているから、百六十万トンぐらいであれば平準化すればできるのではないかというようなアドバイスに従って、思い切って中止することにしたわけでございます。環境省には大変御迷惑をお掛けし、協力もいただいておりますし、また消費者の皆さん方、生産者の皆さん方にも本当に多大な迷惑を掛けておりますことにつきましては、この場でも心からおわびをしなければならないと、かように思っております。
 また、今御指摘ありました数々の文言について、私、弁解はいたしません。そういう趣旨で申し上げたつもりもないわけでありますが、暮れ、予算も閣議決定して、そしてどうしても年内のうちに発生農家、発生地や酪農地帯を訪ねてみたいということで申し上げて、率直な議論をした中であのような報道ぶりになったことは誠に残念で、致し方ないものがございます。
 しかし、そのことによって多くの皆さん方に、関係者の皆さん方に御迷惑をお掛けしているということは誠に申し訳ない限りでございまして、今後そういったことを深く反省した上で、しっかり最高責任者としての責任を果たしてまいりたいと、かように存じている次第でございますので、願わくば私ども、BSEの問題は政党政派、党利党略にかかわる問題ではないと、思想信条の問題でないと思いまして、この場で、野党からの提案に対しましても、私も直ちにそれを受けて実行したこともございます。
 これからも是非、ただいま貴重な御意見の数々がございました。是非この問題解決のために、各党各委員の御協力も賜りたいということを申し上げまして、委員は私の答弁には不満かもしれませんが、私の決意といいますか、私の果たすべき責任についての考え方に代えさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。
 今日はセーフガード並びにBSE、牛海綿状脳症について質問をさせていただきます。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
 最初にセーフガード関連で質問をさせていただきたいと思います。先に委員の方からの質問もございましたので、なるべく重複ないようにしてまいりたいと思います。
 最初に、ネギ、生シイタケ、畳表三品目の輸入動向モニターの結果についてお伺いしたいと思います。
 昨年末、セーフガード暫定措置が終了した後、本発動を行うべきということで主張をさせていただきましたが、日中間の話合いを大事にしようということで、こういう協議機関を設けて話合いの中で解決していこうという流れになってまいりました。その中で、やはり実効性ある、秩序ある貿易体制が築かれていくのかどうかというのが大事になってくるわけでありまして、日本側としてはしっかりその輸入動向をチェックしていくことが大事だと思います。
 そういう意味で、最近の三品目の輸入動向モニター結果についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 財務省が公表いたしましたモニター結果、この一月五日から十一日までの分でございます。
 まず、ネギの輸入量でございます。千三百七十五トンということで、対前年比一四九%、暫定措置基準比八九一%ということでございます。この暫定措置基準比が異常に高くなっておりますけれども、これは暫定措置の算定基礎となりました平成九年から十一年までの一月の輸入量が極めて小さかったことによりまして、対比した数字が大きくなっているということでございます。
 次に、畳表でございます。畳表の輸入量は六百八十八トンでございまして、対前年比七〇%、対暫定措置基準比一二八%でございます。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 生シイタケについてでございますけれども、輸入数量は九百九十五トンでございまして、対前年比五九%、対暫定措置基準比九〇%というふうになっております。
○渡辺孝男君 一番直近の一月のデータでは、何かネギの方は少し統計上のマジックで高い数値になっておるようですが、昨年から見れば輸入の方は抑制されているということでありまして、今後どうなるか、非常に大事な時期でございますので、しっかりモニターをして、問題があるようであれば日中間で十分な協議をしていただきたいと思います。
 次に、先ほども委員の方から質問がありました、二月開催予定とされているわけでありますけれども、農産物貿易協議会でございます。
 これはもう大体二月のいつごろ開催されるかというのは決まってきたのでしょうか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(西藤久三君) 今月八日から九日に掛けまして、私どもを始めとして関係省庁の担当者、向こうで官民協議をしてまいりました。
 先生御指摘の農産物貿易協議会の立ち上げに関しまして、双方の構成をどうするか、協議事項をどうするか、一回目をどうするかということで、一回目の具体的な時期については二月上旬に実行しようということで歩き出しておりますが、極めて具体的なその日程等につきましては、現在引き続き関係者の間で調整をしている状況でございます。
○渡辺孝男君 メンバーについては、さっきの委員の方の答えで出ておりました。
 もう一回確認したいんですが、その協議会での審議の内容ですね、どういうテーマでどういうことを今回審議をしよう、協議をしようとしているのか、その点をもう一度お伺いしたいと思います。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
○政府参考人(西藤久三君) 農産物貿易協議会におきましては、さきの覚書にありますことを、事項を中心に当然協議をするということになると思っておりますが、生産者を始め輸入関係者も含めて、あるいは私ども両国政府を含む幅広い関係者の参加の下に、三品目の需要、品質、生産、価格等の情報を交換し、作付けあるいは生産及び貿易の健全な発展を誘導すると。そういうことを通じて、長期的に安定し、かつ秩序ある日中の貿易関係を構築していく、実現を図っていくということで、率直な話合いを行いたいというふうに思っております。
○渡辺孝男君 中国も昨年末にはWTOに正式に加盟をしたわけでありますけれども、中国もいろいろな農業問題を抱えているわけでありますが、WTO加盟後、中国の農産物輸出入の動向予想についてお伺いをしたいんですが、いろんな新聞等では、競争力の比較的弱い方の穀物輸入は中国に増えてくるんじゃないか、逆に競争力の強い野菜の輸出には中国が力を入れていくんじゃないか、そのように言われているわけでありますけれども、政府としてどのような見通しを持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(西藤久三君) 先生御指摘のとおり、中国は昨年の十二月十一日に正式にWTOのメンバーになっております。WTO加盟に際しまして、農産物の輸入数量制限措置を撤廃しまして、関税割当て制度あるいは関税化へ移行するという基本的な、小麦でありますとかトウモロコシでありますとか、大豆あるいは植物油、砂糖なんかについても関税割当て制度に移行するという状況がございます。先生御指摘のとおり、かつ、これらの品目につきましては、計測の時期の状況がございますけれども、総じて申し上げれば、国際相場、国際価格よりも割高で競争力がないと一般的に言われている状況にございます。
 一方、中国、そういう言い方が適切かどうかあれですが、豊富な労働力、安価な豊富な労働力と申し上げた方がいいかと思いますが、そういう観点で、労働集約的な作物、先生御指摘の野菜なり果物なりあるいは畜産物というようなところでの競争力から輸出の増大があるんではないかという見方があるのは事実でございます。
 しかし一方、農産物輸入という、大豆なりトウモロコシなり小麦なりの大量輸入ということになってきますと、必要な港湾設備なり、それの国内での輸送ルート等、そういう基本的なインフラ整備という観点から、そこが必ずしも大きな輸入に直ちに行かないんではないかと、こういう見方もございます。
 一方、中国は、先生御案内のとおり、近年大変高い経済成長を続けております。これはかつて我が国も経験したところですが、経済成長の中で所得の向上が結局、例えば具体的に見てみますと、芋類の消費が近年激減する中で、中国国内では野菜、果物、肉類あるいは砂糖等の消費が急速に拡大して増大しているという状況がございます。
 私ども、そういうことで、いずれにせよ、中国がWTOに正式にメンバーになってきたということを一つの契機にして、中国のそういう食料消費の動向、もちろん生産の動向、輸出入の動向、我が国との関係について十分注視していく必要があるというふうに思っております。
 また、昨年十二月二十一日の閣僚協議におきまして、両国政府が政府と民間の両ルートを通じまして、農産物貿易全般に係る協力を強化することで合意されておりますので、必要に応じ中国側との意見交換も実施していきたいと。いずれにせよ、中国の動向は、日本国はもちろんですが、世界の農産物需給に大きな影響を及ぼすと私ども思っておりますので、今後十分注視をしていきたいというふうに思っております。
○渡辺孝男君 中国の状況、今、政府のお考えを聞いたわけでありますけれども、前回、昨年末の閣僚級協議におきましては、具体的な日本への輸入の数値目標等は定めない、そういうことになったわけであります。これはWTOの規約上そういうことができないということもあるわけでありますけれども、そういう数値目標を設定しないでいかに実効ある輸入、秩序ある輸入を保っていけるのか、その点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 農林水産省といたしましては、長期的な視点に立ちまして、ネギ等三品目の秩序ある日中貿易を確保するためには、日中両国の生産者等幅広い関係者が共存共栄を図る観点から、農産物貿易協議会において需要、品質、生産、価格等の情報を交換する、そういうことが必要であり、そのことを通じて、需給状況等について両国間で共通認識を醸成していくということが重要であると考えるわけでございます。共通認識を醸成するということができますれば、農産物貿易協議会において数量、数値目標については具体的に定めなくとも、結果としてそういうことが浮き彫りにされてくることを私どもは期待しているわけでございます。
 いずれにいたしましても、早期立ち上げとその円滑な運営に向けて最大限努力し、早くそういった問題の協議に入って生産者の方々に信頼していただけるように、このように願っている次第でございます。
○渡辺孝男君 輸入の秩序ある貿易については、そういうことで日中間で協議をしっかりしていただくということで、国内の問題につきましては、これら三品目を含めまして生産現場の構造改革をしていくことが非常に大事ではないかと、そのように考えるわけで、政府の方も今一生懸命そのための施策を実行しているわけでありますけれども、野菜についてはどのような観点で構造改革を進めてコストダウンを図っていくのか、また生シイタケ、畳表についてはどういう観点で構造改革を進めていくのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず野菜、ネギを含みます野菜でございます。
 やはり増加する輸入野菜に対抗して国際競争にも対応できる産地を育成していくということで、具体的中身については、三つのタイプに分けまして、一つは低コスト化タイプといいますか、できる限りコストダウンを図るということで、輸入品の約二倍になっている国産品の小売価格を三割程度削減をするというこれはタイプでございます。それから二つ目のタイプとしては、実需者に定量、定価格で供給するという、いわゆる契約取引のタイプ。それから三つ目が、有機栽培等によりまして差別化を図っていくという高付加価値型タイプということで、野菜につきましては三つのタイプで、三、四年を期間といたします改革計画を策定をして進めていきたいというふうに考えております。
 次に、畳表でございます。
 畳表につきましては、高品質な畳表の生産ということで、いわゆる差別化、高付加価値化を基本として対応していきたいということで、これにつきましても三、四年を期間とする構造改革のための計画を策定いたしまして、産地形成等の政策を進めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○政府参考人(加藤鐵夫君) シイタケについてでございますけれども、シイタケにつきましても生産、流通、消費の各般にわたる総合的な構造対策を進めていくということが必要だというふうに考えているところでございます。
 具体的には、輸入品との競合の実態を踏まえまして、上位級品の生産割合の向上による差別化を図るということでございますし、また一つは生産、流通コストの低減を目指していくと。これにつきましてもやはり三割程度の低減はさせたいということで考えていきたいというふうに思っているところでございます。そのために、生産対策として新たな栽培方法の導入による生産規模の拡大であるとか、あるいは作業の共同化、分業化、自動機械の導入等を図っていくということを考えているところでございます。
 また、流通対策といたしましては、ITの活用であるとかあるいは規格の簡素化による流通コストの低減を図っていくということでございますし、消費対策といたしまして、機能性食品としての特性の普及、鮮度情報の提供による輸入品との差別化等々に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
 現在、都道府県におきまして三、四年を期間とする産地の改革計画の策定をしていただいているところでございまして、これに従って構造改革を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺孝男君 今、一生懸命構造改革に取り組んでいるということでありますけれども、これは大臣に最後に、この件に関して最後の質問になるんですが、万一ということを考えまして、万一これからの日中協議での秩序ある貿易構築がうまく機能しないということで輸入増が多くなってきて、三、四年をめどに行おうとしている構造改革が十分間に合わなくて日本国内の生産現場が崩壊するというようなことが万一起こるような危険がありましたら、これはセーフガードの本発動に向けてもう一度取組をするということは手続上可能なのかどうか、その点について大臣のお気持ちも含めましてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 我が国の権利といいますかそういうものは、今委員御指摘のように、特別セーフガードでありますとかそういったことも可能であろうと思いますが、私どもといたしましては、三品目の構造改革を国内においては円滑に進めることを可能にするために最大限努力いたしたいと思いますし、農産物貿易協議会において秩序ある貿易の確保を図る、そのために全力を挙げる所存でございます。
 協議会の中で需給状況等についての適時適切な把握が可能となり、これにより、私としては、セーフガードを検討せざるを得ない事態になることを未然に防止すべく最大限努力していくというのが私どもの基本的な姿勢ではないかと、かように考えている次第でございます。
○渡辺孝男君 新しい基本法、食料・農業・農村基本法では自給率の向上と国内生産の増大ということを目標の一つに掲げておりますので、やはり国内生産現場を守って、より低コストで良い作物を提供していただけるように頑張っていただきたいと思います。
 次に、BSE関係で質問をさせていただきたいと思います。
 先ほどからいろいろな質問がございまして、重複するところは避けますが、EUへのBSE危険性評価受入れは昨年七月に一回申請を取り消したわけであります。その点については先ほど質問がございましたので、省略をさせていただきます。
 そしてまた、昨年十二月に再評価申請を行ったわけであります。再評価申請を行った理由についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) EUによるBSEのステータス評価、最初の案のときは、EUが示してきました案が国際基準、OIE規約と異なっているとか統計データについての検証が不十分であるということで、我々、EUと協議しながらその是正を求めていたわけでございます。ところが、昨年末に改めてEUに対してステータス評価の申請を行いましたのは、新しいEUによるステータス評価がOIEの基準に沿ったものである、それから、BSEの発生を契機に我々はいろいろな措置を講じたわけでございますけれども、それについて客観的な正当な評価が受けられる可能性があるというふうに判断をいたしまして、EU委員会に対しまして申請を行ったと、こういう経緯でございます。
○渡辺孝男君 昨年七月のときの申請取下げについては、先ほど大臣のお気持ちもお聞きしました。今となって考えれば非常に残念、あのときにしっかりやっておけばというお気持ちもお聞きをしました。これから、やはり外国のいろんな情報を的確に把握し、それを我が国として的確に判断してしっかりした対策を取っていくことが大事だと思いますので、こういう評価もきちんと受けていくことが大事ではないかと、そのように思います。
 次に、熊澤事務次官の退任の理由については、質問しようと思ったんですが、先ほどお答えがございましたので、この件に関しては省略をさせていただきます。
 昨年末から本年に掛けて、一つ、テレビでも大きく報道されましたが、廃用牛、捨て牛の問題が大きくなってまいりました。それで、捨て牛に込められた思いというのは私も理解をするわけであります、行政に対する不満とか怒りというものが込められているだろうと。それは、大変な現場が困っている、経営上も困っている方が多いということであると思います。今回は、その観点とは別に、そういう捨て牛が起きてしまった場合に持ち主が見付からない状況にあるわけであります。
 今、農水省としてはトレーサビリティーシステムをやっていこうということで、もう実際に始まっているわけでありますけれども、こういう個体識別システムの構築で、万一耳標等が取れてしまっても見付けられるような体制になるのか、あるいは耳標があれば当然ながらしっかり持ち主が分かるということになると思うんですが、この点に関してお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農林水産省、現在、全国のすべての牛につきまして、重複することのない生涯唯一の番号で識別して、生年月日だとか所在地だとか移動情報等を一元的にデータベースで管理するトレーサビリティーを構築すべく検討しているところでございまして、耳標の装着とデータ入力作業というものを進めているところでございます。
 我々としては、本システムにすべての生産者が参加できるということを第一の目標にしておりまして、極力簡単な仕組みを採用したいということでございまして、個体の識別は再利用ができないタイプの耳標を両耳に装着することによって行うというふうに考えているところでございます。
 実は、この仕組み、欧州等においても同じような仕組みでやっておりますので、個体の識別は番号を印字した耳標によりまして行いたいというふうに思っております。
 そのときに、先生御指摘の耳標を切り取った場合とかそういうことが考えられますので、できるだけそういうことのないような体制で臨んでいきたいと。第一には、やはり生産者の方に大きな負担は掛けないということも目標にしていきたいというふうに考えております。
○渡辺孝男君 人間に指紋があったり、虹彩によって識別ができるというようなことも理論上あるわけですけれども、牛にも何か鼻紋というのがあって、それを調べることによって特定できるというようなことも理論上考えられるんですが、大変高価なシステムになるということでありまして、やはり私は、この個体識別システム、全部の牛を対象にすべきだということで、やっぱり法的に義務化を、すべての牛がこの識別システムに入ってこれるような義務化をすべきであるというふうに考えるので、その点も検討いただきたいと、そのように思います。
 それから、先ほど廃用牛の問題がございまして、この屠畜の停滞を防ぐためにどうしたらいいかと。今取り組んでいる乳用種の廃用牛流通円滑化事業ですか、これをやはりしっかりやっていただいて、BSEの不安も現場にあるということは分かりますけれども、やはり全頭きちんと検査して、実態を隠さずにきちんとやって、それで消費者に安心をしてもらいたいと、そういうふうに思いますので、この流通円滑化事業、これをやはり早急に実施をしていただきたいと、そのように思います。
 次の質問をさせていただきます。
 前から議論をしておりましたけれども、と畜法の改善、必要だということでこれまで議論をしてまいりました。この点で少しずつ進んでいるような新聞報道がありますので、この点についてお伺いをしたいと思います。厚生労働省ですかね。
○政府参考人(尾嵜新平君) 先生御存じのとおり、昨年の十月十八日に全頭検査を開始いたします前に、食肉処理におきます特定危険部位の管理要領というのを各自治体にお示しをいたしまして、屠畜場におきます汚染の防止についての一定の内容について取り組んでいただきたいということをお願いしたわけでございます。
 その後、背割りをいたします前の脊髄除去について、それ以前からも含めて御議論がございました。私どもの方としましては、昨年の十二月二十五日に研究班の開催を行いまして、現在現場で押し出し法なりあるいは吸引法という形で実際に脊髄の取り出しを事前にやっていらっしゃるというところも御出席をいただきました。専門家等を交えて御議論をいただきまして、その評価をさせていただいたわけでございます。
 一つは、高圧洗浄によりまして枝肉の汚染というのが非常に除去効果があるということが分かっておりますが、それ以外にも、さらに予防的に背割り前に脊髄を吸引除去する方法について当該技術の改善を進めるとともに導入を推進すべきだと、そういう結論をいただいておりまして、そういった方向に沿いまして、現在、その研究班の報告書を整理しておりまして、今月中にはその内容を整理した上で通知を出したいというふうに考えているところでございます。
○渡辺孝男君 あと、ちょっと時間が足りないんで急いで質問をさせていただきますが、BSEのつなぎ資金、非常に現場にとっては大事な融資制度であります。返済期間が一年ということでありまして、今の現状からするとまだまだ経営不安が大きいということであります。そういう一年の返済期間前にどうしても返済できないというときに、これに代わるべき融資制度あるいは返済期間の延長等を考えるべきだというふうに思っておるんですが、この点についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 現在のいわゆるつなぎ資金、この三月までの償還期間一年間ということにしているわけでございます。私どもとしては、間もなくいろいろな対策を講じました価格補てんのための仕組みが発動されますので、農家の方、償還財源が確保されるのではないかというふうに期待をしているところでございます。
 ただ、どういう状況が生じても現場の声を聞きながら前向きの対応をせよという大臣の御指示もございますので、私は畜産経営の状況でございますとか現地の声でございますとかを勘案をしながら適切な対応をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○渡辺孝男君 畜産の現場では、一年間では再建が難しいだろう、場合によっては前の状態に戻るには六年ぐらい掛かるんじゃないかという、そういう不安もありますので、この融資制度をしっかりやっていただきたいと思います。
 最後、ちょっと時間がなくて申し訳ないんですが、厚生労働省、BSEはいろんなところに影響を及ぼしておりまして、臓器移植にもちょっと支障を来しているというようなこともありますので、臓器移植の対象から外れるというような状況もあると聞いております。この点について状況をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) 臓器移植によりましてクロイツフェルト・ヤコブ病の感染、こういったことがあってはならないということでございまして、そういったものを防ぐという観点から、臓器提供者適応基準、ドナー適応基準といったものがございますけれども、その中で種々定めているところでございまして、その一つといたしまして、BSEが多数発生している国など七か国に通算六か月以上滞在した人につきましては、献血におきます採血者の制限といった考え方と併せまして、その臓器の提供を見合わせていたというところでございます。さらに、昨年十月に献血におきます制限が変更されまして、三か国追加になるといったことがございました。
 そこで、臓器移植委員会といったものを開きまして、そこで種々議論いただいたわけでございますが、昨年十二月二十五日から新たにBSE発生頭数が増えている三か国を追加いたしまして、現在、合計十か国に一定期間滞在していた方から臓器提供を見合わせていただくというようなことで関係者に通知をしてやっていると、そういう現状でございます。
○渡辺孝男君 終わります。どうもありがとうございました。
 これからはやはり食の安全というのは非常に大事な問題ですので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 以上でございます。
○紙智子君 セーフガードとBSEに対する集中審議ということではありますけれども、非常に大事な問題にもなっておりますので、私は初めに、諫早湾の干拓の事業の問題で質問させていただきたいと思います。
 ノリの不作等対策関係調査検討委員会、いわゆる第三者委員会ですけれども、十二月の十九日に潮受け堤防排水門を長期間大きく開放して調査を行うように見解を発表いたしました。農水省自身も第三者委員会の見解を尊重するということで、前の谷津大臣もそう言っていましたし、そして今の武部大臣もそのように発言をしてきたわけですけれども、この見解を真摯に受け止めるならば、直ちに委員会の見解に沿って開門の調査に取り掛かるべきではないでしょうか。いつからこの調査を開始する予定でしょうか、まずそのことにお答え願います。
○国務大臣(武部勤君) 十二月十九日のノリ不作第三者委員会におきまして「諫早湾干拓地排水門の開門調査に関する見解」を取りまとめていただいたところでございます。農林水産省としては、現在、ノリ不作等第三者委員会の提言を踏まえまして、現状のままでの調査を実施しているところでございます。
 これは、一年間の現状のままの調査終了後適切な時期に開門調査を行うとの基本的な考えの下、ノリ不作等第三者委員会の見解や地元の声などを踏まえまして、排水門を開けることによって被害が生ずることがないよう、またそのことを地域の方々が実感し得るよう、調査の方法等についての総合的な検討を進めているところでございます。
○紙智子君 第三者委員会では、諫早湾の干拓事業が有明海全体の環境に影響を与えているという考えで、開門についてはできるだけ毎日の水位の変動を大きくする、そしてできるだけ干潟面積を増やすことが望ましいんだということを述べているわけです。
 しかし、農水省は調査と事業は切り離して考えるということで、とうとう今月の九日から反対する漁民を言わばもうだまし討ちみたいな形でこの工事を、干潟をつぶす工事を一方的に再開してしまったわけですね。諫早湾の干拓事業に問題があるというふうにした委員会の見解を尊重するというふうに言うのであれば、この工事をやるということは矛盾していることじゃありませんか。
 やはり漁民の反対を押し切って工事を再開するということではなくて、むしろ今急いでやらなきゃいけないのは、この開門の調査に向けて必要な対策が必要だと。つまり、周辺地域の低いところの旧堤防のかさ上げとか、要求が出ていたと思うんです、排水ポンプをもっと作って強くして工事に手を付けられるようにと。そこのところがやられるべきではないんでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(武部勤君) 諫早湾干拓事業の工事に関しましては、再評価第三者委員会からは事業遂行に時間が掛かり過ぎるのは好ましくないとの意見をいただいていることでございます。また、長崎県や地元からは事業の早期完了を望まれていることでございます。
 これらを踏まえれば、予定工期内で事業を完成させるためには早急に工事を再開させる必要があることは御理解いただきたいと思うんです。昨年十二月十三日に長崎県から事業見直しの了解を得た際にも、工事の再開が条件となっておりました。
 こういったことなどから、諸般の状況を総合的に判断いたしまして、かねてより一月から工事を再開すると申し上げてきたところでございます。事故のないよう円滑に工事を再開してまいったところでございまして、今後も、開門調査の実施中においても調査に影響を与えない陸上における工事等を中心に工事を進めることとしたいと、かように考えているところでございます。
○紙智子君 工事現場で、やはり漁民とそれから九州の農政局の干拓事務所との間でこの工事再開をめぐって混乱が生じました。こういうふうになった原因というのは、やはり第三者委員会の方向で調査に全力で当たろうと。その意味では、やっぱり農水省自身の姿勢の側にあると思うんですね。
 私は、この干拓については国民の中でも大きな反対の世論もあるわけです。そういう中で、やはり工事について、今進めている工事については即時中止と、そして調査の完全実施ということを求めまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 次はセーフガードの問題です。
 それで、日中協議の結果ですが、政府は長ネギと生シイタケ、畳表と、この三品目についてセーフガードの本発動を見送りました。これに対しては、生産者の皆さんからは本当に落胆の声が挙がっています。全中は、極めて不十分だと、今回の問題は。農家の皆さんは、もう弱腰で失望したんだと、そういう声も出ています。
 そして、日中の合意の後も輸入量は間違いなく増えているわけです。中国の輸入業者の側は、昨年以下に抑えますよ、自主規制するんだ、続けますというふうに言ったわけですけれども、結局徹底していないということですよ、これは。今のままでいきますと、実効性が本当にないわけですから、やはりこれは民間に任せずに政府自身がその責任で全力を挙げて取り組むべきだと思うんです。
 そこで質問ですけれども、中国からの輸入の急増には、この中国の低賃金、ここのところを利用しての日本の商社、大手スーパーなどが、開発輸入という話がさっきも出ましたけれども、そういう問題があって、これはやはり国内の産業の空洞化にもつながっていく問題だと思うんです。その意味では、やはりここに対する日本政府の指導という問題、責任が本当に大きいと思うんです。
 大臣は、日中の協議の中でも、業界への指導、それから違法貿易を取り締まるということをおっしゃっておられますけれども、これは具体的にはどういうふうに対策をするつもりでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 中国国内での農産物の生産に我が国の企業が関与する、いわゆる開発輸入が行われていることにつきましては私も承知しておりますが、基本的には通常の商行為であることから、これを規制するということは非常に難しい問題がございます。
 このようなことを踏まえまして、農林水産省としては、経済産業省との協力の下、三品目の輸入関係者に対して、現在、鋭意準備を進めている農産物貿易協議会への参加を要請しているところでございます。この協議会において、生産者等を含む関係者の参加の下に、ネギ等三品目の需要、品質、生産、価格等の情報を交換することを通じて、需給状況等について両国間で共通認識を醸成していくということに努めながら、もって三品目の秩序ある貿易の確保を図る所存であります。
 中国側からも、いわゆる違法の問題についての情報提供を求められておりますので、そういった協議の中で様々な情報交換が行われ、問題解決に向けた私は協議が期待できると、このように考えているわけでございます。
○紙智子君 実際に数字がどうかというだけじゃなくて、生産者のところは、例えばネギ農家の皆さんは、赤字になるということで実際にもう畑をつぶしてしまったという生産者もいらっしゃるわけで、そういうやっぱり現状を見て、本当に有効な輸入規制が実現できるように全力を挙げていただきたいというふうに思います。
 次のBSE問題に移らせていただきたいと思います。
 大臣は、一月八日の記者会見で、このBSEの問題について一定の区切りがついたという発言をされています。私は耳を疑いました。
 私は、昨年、国会閉会中に道内をずっと回りまして生産者の話を伺ってきましたけれども、本当に深刻な声、せっぱ詰まった声が出されました、もう半分泣きながらですよ。本当にそういう声を受け止めながら、この現場の実態、一区切りどころか、廃用牛の対策、牛肉の価格の引上げが死活問題になっていて、区切りどころか一刻の猶予も今ならない事態になっていると。
 さらに、後でも触れますけれども、農水省の責任、大臣の責任を含めて、この問題でも全く区切りがついたと言えるような問題じゃない、状態じゃないというふうに言わざるを得ないんですね。
 そこで、まず、農水省がこの間出されました廃用牛の対策でお聞きしたいんですが、農水省としては、えさ代、それから輸送費を補助して農協などに廃用牛を一時的に集約し管理する、出荷を円滑化するんだということでやっているわけですけれども、これは生産現場の方からはいろいろ疑問の声が出されています。廃用牛といってもすぐお乳が出なくなるわけじゃないんだと、ずっと出ているわけですから。だから、その間、完全に乳が上がるまでは時間が掛かると。その間、搾らなきゃいけないんだと。当然、水も与えなきゃいけないし、えさも上げなきゃいけない。人手が掛かるんだと言うんです。だから、建物だけあればいいわけではなくて、そこでの実際に面倒を見たりする人件費、これは一体どのように考えているのか。
 それからまた、預託という形で牛を受け取ってくるわけですけれども、その場合、もし事故になったり病気が出た場合に一体だれの責任になるのか、どうするのかということなども含めて考えているんだろうかというのが出ているんですけれども、この辺りいかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今般の乳用種廃用牛の流通円滑化事業でございます。現場で非常に深刻な問題になっているということは承知をしております。
 私どもとしては、この滞っている廃用牛を一時集約施設に保管をいたしまして、できるだけその流通の円滑化を図っていきたいという観点からこの事業を仕組んだものでございます。そして、そこでの集約管理する場合のえさ代、飼料費、それから必要となる簡易な施設改修費、それから屠畜場への輸送費、食肉への加工経費といった本来農家の方が負担すべきものについて支援をしていくということで出荷の円滑化を進めていきたいというものでございまして、人件費でございますとか、事故が起こった場合の補償は助成の対象には含まれていないところでございます。
 農家が負担すべき先ほど申し上げましたような経費を支援することによって出荷が円滑に進むということを私どもは期待をしているところでございます。
○紙智子君 いや、そのぐらいはやっぱりやるべきじゃないんですか。
 それから、現在、滞留している廃用牛が四万四千頭ということなんですけれども、この保管場所について先ほど前の委員の方が質問をされて、今、十二県で八十八か所、六千頭と言いましたけれども、その全頭を確保する、そういうめどはあるんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほどもお答えを申し上げました。現在、各都道府県に対しまして、施設の選定と確保につきまして協力を要請しているところでございます。
 委員指摘されました十二県、八十八か所、六千頭のほかに、現在、三十四県から施設の確保について鋭意選定中という連絡を受けておりまして、できるだけ都道府県を中心とした地域での話合いを通じて早期にこの集約管理施設というものが確保されるということを期待しているところでございます。
○紙智子君 結局、お話を伺っていますと、政府はこの四万四千頭、これを本当に責任を持って確保する構えというのもないわけですよね。結局、農協に任せているわけじゃないですか。農協にお願いして、何とか場所を探してください、そして見付かればそこで引き取ってください、その分のえさ代は出すけれどもということなんですけれども、結局そうなりますと、農協は屠畜された分しか預からないんじゃないですか。廃用牛が屠畜されて流通すると、そこまでやらなければ、結局、農家の今本当にどうにもならないで動かないでいる牛というのは動いていかないですよ。その屠畜される、それが進む保証というのは本当にあるんですか。もう一度ちょっとお願いします、大臣。
○国務大臣(武部勤君) 先ほど、BSEについて一定の区切りを付けたというようなことは私は言っておりませんで、様々な懸案について、一定の節目、区切り、そういったものを迎えたということで人事の刷新をやったと。それは、BSEとかたくさん書いています、そういった様々な懸案についてでございます。
 それから、今の御下問でございますが、私は乳廃牛からの牛肉は貴重な牛肉資源であるというふうに思うんです。現時点で乳用種廃用牛の出荷の停滞が酪農家にとっても大変大きな問題になっておるということは、私も現地へ赴いた際には本当に痛切に感じました。このことは、私もいささか、本当に大変だなという思いで……
○紙智子君 時間が迫っていますので、簡潔にお願いします。
○委員長(常田享詳君) 簡潔に御答弁願います。
○国務大臣(武部勤君) 事態の深刻さを重く受け止めているところでございます。
 しかしながら、BSE検査を受けた後の牛肉は安全なものであります。乳用種廃用牛の牛肉は国産牛肉の約二割弱を占める貴重な牛肉資源でありますから、廃用牛を国が買い上げて処分することは私は適切ではないと考えているわけでございます。
 先ほども渡辺委員の指摘にもございました。やはり、消費者の信頼関係を構築するためにも全頭きちっと検査するということが必要だというふうに思っておりまして、それにはどうしたらいいかということでいろいろな意見、考え、アイデアというものは出されております。それを基に今、事務当局に検討させております。
 いずれにしても、発生農家に対して……
○委員長(常田享詳君) 簡潔にお願いします。
○国務大臣(武部勤君) 要請が出たら、もうこれ以上のことはないという、そういう対策を構築するということが私はこの乳廃牛が円滑に流通していく一番大きなポイントではないかと、このように考えておりまして、酪農家の皆さん方にも十分御理解願えるように最大限努力していこうと、かように考えている次第でございます。
○紙智子君 今日の農業新聞にも書いてありますけれども、廃用牛が出荷滞っている、動いていないということを今の時点でも言っているわけですね。やはり、この廃用牛の流通が進む保証がなければ今回の対策というのは実効性が、全くないとは言いませんよ、でも薄いと。これはもう本当に実効性がなければ動いていかないわけですから。しかも、重要な副産物の収入だった廃用牛の価格が暴落しているのに、その減収分に対しては何の補償もないです。これは乳価に反映されるという話ありましたけれども、来年か再来年の話で、現場の生産者に聞きますと、今まではそういうことあったからといって反映されて乳価が上がったのかということは実感がないんですよ。
 ですから、そういうことからいっても全くやっぱり売れない状況で、そういう状況である以上やっぱり国が買い入れるしかないんじゃないでしょうか。私は、やはり今このせっぱ詰まった状況の中では、是非ともそのことを検討していただきたいということを強調いたしまして、次の質問に入らせていただきます。
 今、先ほども出されてはいましたけれども、生産者団体や関係自治体が一番心配しているのはやっぱり三月以降の問題です。それで、実施されている農家の経営支援の対策というのは大体三月末ということで、例えば三月以降特別マル緊がなくなった場合どうなるかと。これは大きな不安です。消費低迷、そして価格は暴落が続いていると。今すぐ短期に回復するというめどが立っていない中で、大臣、これ当然引き続きというふうになりますね。私は、これもう本来は本予算の中にちゃんと予算を含めてやるべきだと思いますよ。そのことも強く要求したいと思います。
 そして、もう一つ、生産者がやっぱり展望を持って経営を続けるためには、五年、十年と、そういう長期に支援するんだよということでの農水省自身の姿勢を見せることが大事だと思うんです。資金問題も、やっぱりつなぎ資金のことになりますと、現場に行くと、一年で償還しなきゃならないというのは今の時点からいえばこれはもうとても使えないと。だから、これはせめて無利子で長期の資金をやってほしいという生産者の願いにこたえるべきだと思うんです。この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、今後の対応ということでございます。
 先ほどもお答え申し上げました、畜産経営の状況でございますとか、牛肉の消費の回復状況でございますとか、そういうものを見極めながら、また現地の声にも率直に耳を傾けながら機動的に柔軟に対応していくというのが基本的立場でございます。
 それから、そのつなぎ資金の問題でございます。
○紙智子君 簡潔にお願いします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) はい。
 現時点で償還期限一年以内でございますけれども、二十道県におきまして利子補給の上乗せ支援によって無利子化をしているわけでございます。
 今後、各種の政策、特に価格補てん関係が実効を上げてまいりますれば償還財源ができるということを私期待をしておりますけれども、先ほど言いました、その時点その時点の畜産経営の状況を見ながら今後の対応は決めていきたいというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 融資といっても、やはり今回の場合は何か積極的な投資をして利益を上げるということではないわけで、これはやっぱり政府のことでもって今多大な被害を受けたわけですから、自分の責任でなくマイナスになったのをいかに回復するかと必死なんですから、そこに対しては、やっぱりマイナスを回復するための資金ということでは無利子でやって当然だというふうに思います。そのことを改めて強調しまして、次に移らせていただきます。
 日本でのBSEの発生に至った責任、原因の問題ですけれども、九六年のWHOの勧告の実施、つまり肉骨粉の法規制を求めた専門家の意見を農水省が無視して行政指導にとどめた問題で、十日の日に、衆議院の我が党の中林よし子議員の質問に対して、大臣は法規制すべきだったと答弁をされました。しかし、なぜ、だれの判断で専門家の意見が無視されて法規制に至らなかったのか、その経緯と責任の所在についてはあいまいなままです。その経緯を明らかにすべきだというのは当時の法規制を求めた専門家の意見でもあるんです。
 農水省は、九六年四月二十四日、このWHOの勧告を受けて肉骨粉の法規制を検討するために開かれた、ちょっと長いですけれども、農業資材審議会飼料部会安全性分科会家畜飼料検討委員会、ここで複数の専門家から法規制すべきという意見が出されたにもかかわらず、それを振り切って五月の連休後にやりますということで閉会したと。
 つまり、このWHOの正式な勧告が出た段階で会議を再開して結論を出すんだということで閉会にしたわけです。少なくとも五月連休明けにはそのWHOの勧告は手に入っていたわけです。それにもかかわらず検討委員会を開催しないで先送りにするというふうになったのは、一体どのレベルでどのように判断されたんですか。そこのところをはっきり分かるように答えてほしいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) WHOの勧告が出ましたのがこの年の四月三日でございまして、四月十六日付けで行政指導通達を出しているわけでございます。
 そして、先生言われたように、四月二十四日にこの委員会が開かれまして、十三名中二名の方から法的措置も必要ではないかというふうな意見が出されたわけでございますけれども、その後、組織としての判断としては、四月十六日の指導通知後は配合飼料工場において牛用の飼料へは肉骨粉は使用されていないということが確認されたというのが一つ、それからイギリスからの肉骨粉の輸入を禁止したということが二つ目、三つ目に国内においてBSEの発症事例がなかったということで、この行政指導の実効が確保されていると判断をして審議が再開されなかったということでございます。
○紙智子君 ですから、質問に答えてほしいんですけれども、いずれにしてもそういうふうに判断したわけですね。一体それはどこのところでされたんですか。そして、実際にはそういうふうにイギリスからの禁止とかということがあるにしても、そのことも含めてまた会議を開かなきゃいけなかったはずなんですよ。それをなぜやらなかったのか。それを判断したのは一体どの段階なんですか。もう一度お願いします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) この指導通達自身は流通飼料課長の名前で出ておりますけれども、行政は組織で行っておりますので、農林水産省という組織で判断をしたというふうに考えております。
 いずれにしても、今のような、先生が御指摘されたような問題点を検証するために、現在、厚生労働大臣と農林水産大臣の私的諮問機関として設置されておりますBSE問題に関する調査検討委員会において、これまでの経緯等を検証していただいておるところでございまして、その中でできる限り明らかにしていきたいというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 その検討委員会で調査してもらうと言うんですけれども、そこに参加されている委員の先生自身が、もう靴の上を手でかくようなもので、実際にいろいろ資料を出されるけれども、その肝心のところを自分たちも知りたいと。一番よく分かっているのは農水省じゃないんですか。どうなんですか、そこは。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 熟知しておらなければならないのは私どもでございますけれども、何せ九六年のことでございまして、資料もどんどん倉庫とか書庫とかから捜しているというようなこともございます。これ、実際問題そういう状況でございます。(「隠ぺいしているんじゃないか」と呼ぶ者あり)私どもも、別に隠ぺいするとかそういう意図は全くございませんので、できるだけ、そういう委員会の要求にすべてこたえるようにしたいと。そして、専門家による検証をお願いをしているということでございます。(発言する者あり)
○委員長(常田享詳君) 不規則発言は控えてください。
○紙智子君 私、今朝、午前中、その検討委員会をやられていますよね、その報告を見てびっくりしたんです。驚きましたよ。
 なぜ先送りしたかというその説明についても、配られたプレスリリースが、結局その九六年のときの勧告と変わっていないから深く諮らなかったんだなんということを言っていますけれども、これはごまかしですよね。大体、プレスリリースで言っている中身と、それから勧告で言っている中身と大きな違いがあるんですよ。プレスリリースでは、国内牛にBSEが発生した国はということで、BSEの因子を含んでいる可能性のある組織を連鎖に入れるべきじゃないと言っているわけだけれども、勧告ではその部分が各国はというのが主語になっていて、大きな違いなんですよ。
 だから、同じだからこれをやらなかったなんというのは本当にごまかしで、こんなことをやって、委員会、専門の先生方を集めて、招集しておきながらこんなごまかしをやるというそのこと自身が本当に問題だと思いますよ。これ、納得できないですよ。
 大臣、もう一度お願いします。
○国務大臣(武部勤君) 私が衆議院の農水で行政指導ではなくて法規制にすべきだったと思う、今にして思うということを申し上げたのは、結果として今般BSEが発生したわけでありますから、当時より実効性のある規制措置を講じていれば感染リスクは低下していたものと、このように考えるわけです。
 しかし、今、局長がるる説明いたしましたように、審議会の委員の中でも十三名中二名でございますし、法規制すべしと言った方は。それから、国会でもいろいろ御論議いただいているところでございます。そこでも、指導するというような全会一致の決議なども、後で私ども資料を見て分かりました。
 ですから、私ども、今ここでいろいろ御指摘されましても、こういった問題については客観的な検証、科学的な知見ということがやっぱり大事だと思うんですね。
 私ども、今、隠ぺいという言葉をお遣いになったかと思いますけれども、私は農林水産省にはありとあらゆるデータを提供するようにと。BSE調査委員会で要求されたものは全部出すようにと。しかも、この運営については委員会の主体性というものを尊重しておりますので、したがいまして、そこで私は客観的な検証を待つことが現時点においては一番適当なことではないか、このように考えてお答えしているわけでございます。
○委員長(常田享詳君) 時間が迫っています。
○紙智子君 五か月後、それから五か月たってから九月に再開された農業資材審議会飼料部会では、家畜飼料検討委員会について当時の品質改善班長が、法規制の要求が出たことには全く触れないでそのときに何と言ったかというと、法的な規格を作るということで云々かんぬんと。諸外国の対応に留意しているわけでございますと。そのようなことから、期日は明言できかねますということを発言して、当の家畜飼料検討委員会には全く諮らないで、期限も法規制も先送りにすることをこの場でこのときに言明しているわけですよ。
 この経過を見ますと、その後五年間、法規制を求めた専門家の意見が封じられてそのまま法規制されなかったわけで、その後の経緯を見ますと、もうこの時点で既に法規制については棚上げにして、単なる行政指導にとどめようということが決まっていたんじゃないかと思わざるを得ないんですよ。ここはどうですか。最後です。
○委員長(常田享詳君) 時間が来ておりますので、簡潔に。
○国務大臣(武部勤君) ですから、私ども、当時のことについてどう思うかということについてお答えすることは非常に困難だと思います。しかし、私は、危機意識の希薄さに驚いたというようなこともこれまで申し上げてまいりました。今御指摘のようなことについてきちっとした議論が、現時点で行われているような、そういう形でなされていれば、法的規制というような、そういう方向付けがなされたのではないか、そうあってしかるべしということを私は申し上げているわけでございます。
 現在、同様なことでは、先ほどトレーサビリティーの議論もございました。このことについて、私どもは法規制すべしだと、こういう考え、個人的な私自身の考えを持っておりますけれども、やはりいろいろな議論がございます。このように、やっぱり当時としてみれば様々な議論があったんだろうと思います。国会においても、ただいま申し上げましたように、衆参両院の農水において指導という決議になっているわけですね。ですから、当時のことを今、私はあからさまに説明する能力は持ち得ませんので、ですから、したがいまして、第三者調査検討委員会で御検討いただく、客観的に検証いただくというようなことをお願いしているわけでございます。
 これは是非必要なことだ、今後のためにそれは必要なことだと、私はこのように思ってお願いしているわけでございます。
○委員長(常田享詳君) もう時間来ております。
○紙智子君 最後、やはり当時の流通飼料課長、それから畜産局長を当委員会に出席をしていただいて、そのときの状況を説明していただきたいということで、委員長にそのことを要求します。
 本当に農家の皆さんから言われて、大臣に会ったら必ず言ってくれと言われたんですけれども、やはりこれだけの苦しみを与えながら、それを与えた張本人になって、当時担当していた人を普通の形で退任させて、しかも多額の退職金をもらっていると。そのこと自体も腹が立つけれども、そういう判断をされた大臣はもう辞めてほしいということを伝えてくれと言われましたので、最後にそのことを述べまして、質問を終わらせていただきます。
○委員長(常田享詳君) 紙智子君の御提案につきましては、承っておきます。
○岩本荘太君 この十一日に新会派届をいたしました国会改革連絡会、略称国連の岩本荘太でございます。よろしくお願いいたします。
 内部事情でございますけれども、この新会派の初めての質問者でございまして、私の立場としては従来と全然変わっておりませんけれども、意を同じくした人が少しでも増えたということで、私も発言に当たりましては大変意を強くしてできるかなという、こんな気持ちでおります。
 質問でございますが、BSEについてまず質問させていただきますが、これは議事録を読み返しますと、昨年の九月二十日が初めての委員会だったと思います。そのときから私なりにこの問題について述べさせていただいたんですが、やっぱりこういう問題を解決するのはいろんなしっかりした角度で全体的な把握が必要じゃないかと。そういう意味からいきますと、要するに一つは、切り口として一つは消費者に対する安全宣言、消費者対策ですね、それからもう一つは生産者に対する安全宣言、それと長期対策、短期対策、そういうものを多くをかみ合わせてうまく解決しなきゃいけないんじゃないかと。
 そのうちの一番大きな問題であった消費者に対する短期対策、これは十月十八日の全頭検査によって一応達成されたと私は思っているんですが、その後、いわゆる生産者に対する対策はどうなのかということを、これは幾ら聞いても確かな答えが返ってこない。ということは、まだこの辺が確立されていない。
 私が言いますのは、生産者は、先ほどからいろいろ出ておりますとおり、牛というのは生き物ですから、我が子のように育てているわけで、これが将来屠畜場に行ったら病気だったよといって捨てられちゃうんではやりきれないわけですね。そういう酪農経営をやらされているんではもうやめようかと。我が子は、もう続かないんじゃないかという、そういう心配をしてくる。それを解消するための対策として生産者に対する安全対策が必要なんだと。これは短期、長期もなく、恐らく僕はかなりの時間は必要かと思いますけれども、そちらに向けた対策というのが非常に大切なんじゃないかと思っているわけです。
 言うなれば、今回のこのいわゆる事件といいますか、この狂牛病の問題は、生産者にしてみれば、ある意味では災害に遭ったようなものなんですね。自分で知らなかったことに対して急に襲ってきた、自分の生活が脅かされると。したがって、少しは我慢しよう、災害だから少しは我慢しようと。だけれども、それを立ち直れる、復旧して立ち直れる道を教えてくれないかというのが生産者の切実な私は願いじゃないのかなというふうな気がするわけです。
 そこで、そういうことに対して従来からいろいろ質問させていただいたんですが、なかなか明確なお答えがいただけないんですけれども、いわゆるそういう生産者に対する安全宣言といいますか、先ほどから、別の意味では、何といいますか、原因究明といいますか、これも確かに大事ですけれども、生産者の側から見れば病理的な解明というのは二次的なものなんですね。病理的な解明をできればいいですけれども、それより前に安全な牛をどうやって手に入れたらいいのか。生まれたら、もう何も病気でなかったと思える牛から生まれた子供であれば安全だというんであれば、それは一生懸命になって育てるわけです。それさえ今ははっきりしないはずですね、というふうに私は聞いています。これはいろんな試験場や何かに行って聞いていますけれども。
 したがって、その辺の病理的な解明と安全対策というのは分かれるものではないかもしれませんけれども、生産者の気持ちからして、そういう安全宣言をいつごろ出してもらえるのか。そういうためにどういう対策を立てておられるのか、研究をされておるのか。どういう体制を立てておられて、それは大体スケジュール的にどんな格好で進んでいくのか。
 この辺は大臣ではなくて担当部局の局長でも結構ですけれども、お答えを願いたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 生産者の皆様方が安心して生産にいそしめる環境を整備するというお話でございます。
 先生も今言われたように、まずそのBSEの感染源を遮断する、これが第一に大事だということで、すべての国からの輸入と、国内における製造、出荷、給与を肉骨粉について一時全面的に停止したということ。それで、先生もおっしゃられましたけれども、昨年の十月十八日から全頭検査体制というものを確立したということで、まずBSEの感染経路は遮断をいたしましたということをお示しをしたわけでございます。
 そして、現在、その個体識別ということで、四百五十万頭すべての牛を対象といたしまして、いろいろな情報等を一元的に管理するトレーサビリティーの体制を十三年度中に確立すべく取り組んでおるということで、これによって生産から消費に至るまでのその牛の由来というものが消費者等を含めて提供できる体制が整ったということとしているところでございます。
 そして、大臣から言われておりますことは、このBSEの発症農家の方々がどんな対策を求めているのか、それが不安なので現在いろいろな問題が生じているのではないかということを言われておりまして、現在、農業団体を始めとする関係者の御意向というものを今聞いているところでございまして、できるだけ機動的、柔軟に対応したいというふうに考えている次第でございます。
○岩本荘太君 今の御答弁では私はどうしても生産者が安全だという時期が見えてこないのでありまして、どういう体制を取っているのか。
 これはしかし、私は責任問題とかなんとか言いたくないです。責任問題を追及したからといってこの問題が解決するわけじゃなくて、要するに生産する人、消費する人、これが安全な牛肉が食えるか食えないか、この先、それが問題なんでありまして、それが解決してからの責任問題であればこれはいいかもしれませんけれども、今はこういうことができるのは農水省なんですね。それは当時いろんな過去の経緯があったかもしらぬ。そのとき、おられなかったかもしれませんけれども、要するに今やらなきゃいけないのは、やらなきゃいけないし、やれるのは農水省なんですね。その農水省がしっかりと我々の、皆さんの御意見なり、あるいは国民の皆さんの御意見をしっかり受け止めてやっていただかなきゃいけない。要するに、理解できるような方法でやっていただかなきゃいけないと、私はこう思うんですよ。
 だから、先ほど災害と言いましたのは、要するに、災害の対策、対応なんというのは簡単にできません。ただ、災害で一番大事なことは、災害を受けた人に不安を与えないことなんですね。同じことをやっても、災害を受けた人がこういうことをやってくれと言ってやったのと、我々はもうわかっていると、そういう問題はきちっとやるぞというのでは百点と零点の差があるんですよ。そういうような覚悟できめ細かく僕はやってもらいたい。今の体制だったら、ちょっと私は不安でしようがない。もしそんなことであれば体制の入替えということだって考えなきゃいけないんじゃないかというふうになってくるんですね。その辺の責任を十分持っていただきたい。
 その辺の問題ともう一つ、先ほどこれは私、皆さんの御質問を聞いていて、国井先生なんかも言っておられたいわゆる、ほかの先生も言っておられましたけれども、乳廃牛がなかなか屠場に持っていけないと。
 例えば、僕はそのとき、はっと思い付いたんですけれども、それならそういうものの専用の屠場を設けたらいいじゃないか。それで、そこは出るかもしらぬ、出る確率が非常に大きい。だけれども、そういうもので、そうだよということで了解を得て、生産者にも消費者にも了解を得てそういうところに持っていけば、そこから新しい進展というのが私はあると思うんですね。それで、もしそこが出なかったら元に戻せばいい。出れば、それがそうかなと原因究明にも大いに役立つんじゃないかと、こういうような思いがするんですけれども、そういうきめ細かな対応というのを是非お願いしたいと思うんですけれども、大臣、ちょっと御見解を。
○国務大臣(武部勤君) やはり、これは生産者のみならず消費者の皆さん方、ともに安全、安心ということを確立することが私は大事だと思います。消費者の皆さん方に、そのために人の健康に影響を与えないシステム、全頭検査体制ということを急いできたわけでございます。しかし、なお消費が伸びないということが畜産経営から、あるいは中小企業の焼き肉屋さんに至るまで大変な苦労を与えているということでございます。
 そういうことから今、発生農家、万が一自分がその身になっても立ち直れるんだというその対策が、私はまずそこからスタートではないかと、このように思っております。そのことによって廃用牛も順次出荷できる。廃用牛が出荷できないというのは、本州と北海道では対応がそれぞれ違います。おっしゃいましたように、いろんな、屠畜場を専門に作れとかいろんなことがあります。そういうようなことを、いろんな今、知恵、アイデア、出されておりますので、そういう意向をしっかり聴取して真剣に対応する。今が正念場だと、このように思っておりまして、御理解いただきたいと思います。
○岩本荘太君 私も行政の場におりまして災害に随分遭ったことがありますけれども、先ほど言いましたのは実感でございまして、本当にみんな対応が違うんですね、一つ一つ。大臣、今、北海道、九州の例を言われましたし、そういう御認識はあると思うんですけれども、そういう認識でやっていただかないとこれはなかなか解決しない。そういう中から少しでも前向きな方向が見えてくれば、これは生産者にしても皆納得するわけですね。それで待ちますよ、これは、と私は思っております。
 それともう一つ、これで余り長くなるのもあれですけれども。もう一つ、私、九月二十日の委員会で、こういう、何といいますか、肉骨粉を食わせるというような、言うならば自然の摂理に反するようなものが最近出ていると。それに対して私は、新しい科学の成果でしょうから全面的に否定するわけではない、ある程度は肯定するわけですけれども、そういうものは、しかしきちっと食用に供されるにはそれなりの検査体制といいますか、追跡調査といいますか、そういうものをしっかりやっておかなきゃいかぬということで、私は一つクローン牛の話を質問したことがあるんですが、そのときに大臣はそういうことについて今後検討していきたいというような大変好意的な御答弁をいただいたんですけれども、これについてその後の経緯を御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) クローン牛も含めまして、家畜がどこでどのようにどんなえさを食べて飼育されているかということを明確に追跡できる、これが言わば個体識別システムでございます。こういったことも先生からの御指摘を踏まえて、これは牛に限らず、やっぱりこれからは顔の見える食と農の一体化というそういうことに向けて、まずは今トレーサビリティーの実施ということに全力を挙げているわけでございます。
 なお、やはり先ほど来御質問ありましたように、不自然な飼育の在り方ということもこの機会に反省しなければならないと、このように思います。
○岩本荘太君 そこで、前回、これちょっと通告していなかったんですけれども、前回クローン牛、例えばこれは食用にどのぐらい供されているのか、市場に出ているのかというような質問をさせていただいたときに、市場云々等はわからないけれども、出生頭数としてということで受精卵クローンが五百九十七頭、体細胞クローンが二百五十三頭ですか、そういうお話を伺ったんですが、これは要するに市場には出ていないと考えていいんですか、それとも出ているんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生今言われたように、クローン牛に二種類ございまして、受精卵クローン牛と体細胞クローン牛がありまして、このうち受精卵クローン牛につきましては、その後頭数が増えまして、昨年の十一月三十日現在、六百十二頭が出生をしておりまして、百七十二頭が作出機関から出荷をされております。そして、この受精卵クローン牛由来の食肉につきましては、小売段階におきまして受精卵クローン牛またはクローンのCビーフという表示がなされるよう指導をしております。
 そして、体細胞クローン牛につきましては、これは安全性の裏付けということでより多数のデータを取る必要があるということで、体細胞クローン牛由来の生産物については出荷を自粛していただいておるということでございます。
○岩本荘太君 ありがとうございました。
 時間がなくて、もう一つ、今のに関連してなんですけれども、もう一つは、一般にお話ししていますと、こういうクローン牛よりも更にちょっと心配なのは遺伝子組換えじゃないかというような話をよく伺うんですけれども、遺伝子組換え食品は、これは大豆とかああいうものに多いと思うんですけれども、こういうものに対して追跡調査といいますか、検査体制といいますか、そういうのがどうなっているか、ちょっとお知らせ願います。
○政府参考人(尾嵜新平君) 遺伝子組換え食品につきましては、昨年の四月から安全性審査を義務付けております。それと併せまして、表示の義務化も四月から施行しているという状況でございます。その安全性については、未審査のものについては製造、販売を禁止しておるというところでございます。
 それと、今のところ国内で遺伝子組換えの関係というものについては、商業用としては出回っておらない。主に輸入でございますので、検疫所におきまして届けの際に国内での表示義務と同じような状況について明記をさせまして、そういったものについてはモニタリング検査におきまして検査をしておるという状況であります。
 これまでの状況は、この一月八日現在でモニタリング検査は七百四件をやっておりまして、一件未審査のジャガイモの発見がされておりますが、そういったものについては国内への流入はさせないということで、積み残しをさせておるという状況でございます。
○委員長(常田享詳君) 時間が来ております。
○岩本荘太君 はい、一分です。
 改めて申しますけれども、僕、これいけないと言っているんじゃなくて、新しいものはしっかり検査をしてもらいたい。
 そういうことで、あと西藤局長に質問はあったんですけれども、またの機会にさせていただきまして、以上で質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○中村敦夫君 イタリア産の肉骨粉について質問させていただきます。
 私はなぜイタリア産の肉骨粉にこだわるかといいますと、去年の一月にEUのファイナルレポートが発表されたわけですけれども、その中でもイタリアの問題については大変疑問を呈しているわけですよね。それを読んでおります。
 それからまた、この肉骨粉問題が大変ヨーロッパで大騒ぎになったその後に、日本の特定の商社が大量にイタリア産の肉骨粉を輸入しているという、この非常に不自然な輸入の過程からこの問題に強い関心を持っているわけです。
 さて、農水省は去年の十一月末にBSEの感染経路についての中間報告を発表しましたね。この中で、イタリア産の肉骨粉については、異常プリオンを無力化するための加熱処理条件が一九九八年六月以前については満たされていなかった可能性があるというふうに書いたわけですね。その中間報告があってからもう四十日程度経過したわけですけれども、この間にこの問題について更にどのような調査を行って、何が分かったのかということを簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生御指摘の昨年の中間報告以降、我が国が要求していた加熱処理条件を満たさない可能性があるということで、これを確かめるべく、在京のイタリア大使館と、それから衛生課長とイタリアの獣医局長との書簡の交換を通じまして、九八年六月以前に適用されていた加熱処理条件、設置されていた加熱器の機種、規格、構造、加圧器を新設した理由等についての問い合わせを再三にわたって行っているところでございます。
 我が方の照会に対しては、イタリア側は引き続き我が国が要求していた条件は満たしていたと回答しているところでございますけれども、加圧方法など詳細についてなお不明な部分もございますので、今問い合わせを継続しております。そして、イタリア側からの回答によりまして、九八年六月以前の加熱器の機種が判明をいたしましたので、この加圧能力について国内の専門家に確認をしてもらっているところでございます。引き続き原因に関する調査を全力を挙げて行っていきたいと考えております。
○中村敦夫君 今のお答えは、先ほど国井委員の質問に答えたものと同じですけれども、これは十二月十四日に答えている、プレスリリースしている内容と全く同じなんですよ。あれ以降もう三十日もたっているんですね。同じ時点の答えしかできないということは私はおかしいと思うんですね。もう少し、具体的な進展がないということは一体何をやっていたんだというふうに疑問を感じざるを得ません。
 そこで、大臣にお伺いしますけれども、大臣は感染源の究明に最も大きなエネルギーを割いているというふうに述べられました。しかし、本当にそうなのかと私は大変疑問に思うんですけれども、最も大きなエネルギーを割くと言っている割には、この問題の省内の原因究明チームの担当者というのは九名しかいないんですね。それが専任じゃないんですよ。ほかの膨大な通常業務を抱えたままやっているというようなことで、専任の人はゼロなんですね。そういう状況。
 それから、このBSE問題に関する農水省全体でも、特別チームというのは役所に聞いたら十四、五人しかいないと。私、これでこの膨大な問題の調査を本気でできるのかどうか。やっている人は本気なんでしょうけれども、実態的に私は不可能だと思っているんですね、この体制が。
 イタリアにも問題が起きてから調査に出掛けたと言うんですよ。しかし、これたった二人なんですね。しかも、この原因究明チームの担当者は一人もその中に入っていないで、飼料関係の専門家とそれから検疫関係の専門家が行っているわけですから、本省のすべて統括してそれを判断する人は行っていないという体制なんですね。私は、この調査体制そのものに余り真剣さが感じられないというふうに思っています。
 結局、いろいろ聞いてみても、何をやっているかというと、在日のイタリア大使館に文書でもって書簡の交換だけをやっている。これは本格的な調査とはとても言えないんじゃないかなと。しかも、この十一月末に出た中間報告書なんかを読んでも間違いが随分ありますよ。イタリアの飼料会社A社とB社というのがあってそこから輸入していると。A社からの輸入量は実際は六万六千トンなんだけれども、これ間違って六千六百トンと書いてあるんですね。今度、B社の方は、実際は二万一千なのに八千トンと書いてあるんですよ。もう数字がめちゃくちゃなんです。
 こんなものを公式な中間報告として出しているということは、やはり人数が少な過ぎるんじゃないか。少ない人たちがへろへろになってやっているんじゃないか。私は、役所の人を呼んでも、同じ人が日増しにげっそりしてやってくると気の毒だとは思うけれども、これは一生懸命やろうとしたってこの体制ではできないんじゃないかと。もっとほかの部門から専従でもってしっかりした調査チームというのを作らないと、いつまでたってもあいまいな、ただ文書を交換して今待っていますみたいな、そういう形の調査になってしまうんじゃないか。私は、これはもっと積極的に出掛けていって、とにかく、ほかの人の意見を聞くとかEUのさたを待っているとか、そんな形の調査ではいけないんじゃないかと思いますが、農水大臣としてはどうですか。この調査の体制というものをもう一回整えるということに関してお答えいただきたい。
○国務大臣(武部勤君) 農林水産省としては、感染経路を究明するために、御案内のとおり、川上、川下の両面からの調査を鋭意進めているところでありまして、実際の調査に当たりましては、家畜伝染病予防法に基づく都道府県の家畜防疫員による立入検査、飼料安全法に基づく肥飼料検査所職員等による調査、さらには動物検疫所職員等による海外調査など、様々な要員による海外調査等も行っているわけでございます。
 私自身も、今、委員御指摘のとおり、このチームはもう大変な過重な責任を負って苦労していると、このように思いますし、その姿を見るにつけ私も正直申し上げまして焦燥感が募ってくるわけでございます。
 また一方、農林水産省本省の畜産部内におきましては、日ごろそれぞれの分野の業務の中核を担っている衛生課、飼料課の担当者を中心にチームを作って対応しているところでございますが、今後、感染源及び感染ルートの究明に更に努力する、これが非常に大事だというそういう観点から、私も体制の充実について事務当局に今朝ほども指示したところでございまして、これは今、委員の御発言を踏まえて更にどうすべきかと。
 ただ、特別それに固定した人材だけでそれをやるということが果たしていいのかどうかということもございますが、委員が言われるのは、やっぱり専従者をきちっと何人か置けということなんだと思うんですね。どういうことが一番効率よく実のある究明につながっていくかということを少し検討させてもらいたいと思います。
○中村敦夫君 とにかく、イタリアのことだけ調べるんだって一人、二人でできるものじゃないんですよ。新聞社だって一つの大きな事件に掛かれば大変な数の人間を動員するわけなのに、専従じゃない人ばかりがただ幅広くやれといったって責任感も何もないし、徹底的に仕事ができないというふうに考えますから、ここは本当に、本格的に体制を立て直していただきたいという要求があります。
 そこで、生産局長に質問しますけれども、農水省は肉骨粉輸入に際して、衛生条件が締結された九五年以降について、イタリア政府が発行した輸出検疫証明書というものがありますが、その写しは全部持っておるんでしょうね。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 動物検疫所がチェックするわけでございます。家畜衛生条件はその検疫所の担当官がちゃんと向こうの検査証明書をチェックするという体制にはなっているんですけれども、実はその検疫所の行政文書管理規程、これが、この検査証明書の保存期間が三年間というふうに定められておりまして、九八年四月以降のはあるわけでございますけれども、その他のもののほとんどが廃棄済みというふうになっております。
 そこで、九八年三月以前の輸入された肉骨粉に添付された検査証明書、イタリア政府を通じて入手を求めておりますけれども、その一部については入手いたしましたが、全部は、この規則に従いまして廃棄されたものがあるということでございます。
○中村敦夫君 いや、それは規則はあるでしょうけれども、これは要求して、交渉して、これは別に国家間の問題じゃありませんが、命の問題です、お互いに。ですから、そういうものをそろえていないということ自体、私はおかしいと思いますけれども、私のところにはあるんですよ、たまたま。こういうふうにきっちりありますけれども。
 これを読んでみると、イタリアのトリエステ港から横浜港へ輸送されたと。輸入量は百四・二四トンであるということですね。それから、百三十六度C、三十分、三気圧。つまり、九五年に日本との間で締結した衛生条件で処理されているというふうになっていますね。それで、以上証明する獣医官のスタンプがちゃんと押してあるわけですね。政府のこれは証明書ですけれども、獣医官が実は作れば政府の証明書になるわけですが、この獣医官というのはA社にずっと常勤している人なんですね。その人がそこの企業のところにいて押しているという、そういう状況があるということをまず考えていただきたいんです。
 この文脈からしますと、大体これは九六年に輸入された肉骨粉の証明書と思われるんですが、農水省の中間報告によれば、イタリアの工場に加圧器が新設されたのは九八年六月であるということになっていますから、そうしますと九六年にはこれだけの問題をクリアされているわけはないんですね。そうすると、この証明書そのものについての信憑性が疑われるわけですけれども、農水省はどういうふうに考えていますか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生言われるように、中間報告でも報告したわけでございます。湿熱を百三十六度以上にするためには三気圧以上は要るということでございまして、九八年六月に加圧器を新設しておりますので、それ以前は満たさない可能性があるということを前提にして今、先ほど来申し上げましたように、イタリア政府に、どんな加圧器だったんだと、それ以前に使っていたものですね、そういう問い合わせをして、今、専門家に調べてもらっておる等の調査を継続をしているということでございます。
○中村敦夫君 それはおかしいですよ。だって、このプレスリリース、十二月十四日で言っているのは、湿熱百三十六度C以上、三十五分間、これだけのことを書いてあるわけですから、この証明書に書いてある数字とは全然違うわけですよね。ですから、私は、モラルハザードがあるかどうかということは断定できませんけれども、EU委員会だってその辺のところが非常に疑問があるという指摘をしているわけなんですから、そこのところを日本がきっちり調べていかなかったら、ただイタリア政府のお答えを待っていますなんという話で済む問題じゃないと私は思うんですね。
 なぜこれが問題かといいますと、農水省の中間報告から類推しますと、九六年に百五トン三菱商事が輸入したというふうに書いてあるわけですけれども、この百五トンに近い数字といいますと、ちょうどこの九六年の百四・二四トンなんですね。小さい誤差はありますけれども、これは出荷のときに大体一%前後の重量が増すわけですから、ちょうどぴったりくるんですよ。そうしますと、九六年に三菱商事がちょうどその分だけ輸入したという記録になっていますから。しかしながら、三菱商事はその後でどこへ売ったのか、卸したのかということが空白なんですね。これは皆さんにお渡しした表を見てもらえば分かるとおりですね。
 なぜここが空白なのか、この辺はどうなんですか。
○委員長(常田享詳君) 時間が来ておりますので、明確に答えてください。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 中間報告以降、この問題、三菱商事が輸入した肉骨粉百五トンの陸揚げ港、これは神戸でございますけれども、陸揚げ港を確認して、三菱商事の当時の担当者ほか複数の関係者から聞き取り調査を行ったわけでございます。仲卸だとかそういう取引関係から類推をいたしまして、大部分は広島県内の飼料工場、これは養鶏用専門の飼料工場でございますけれども、養鶏用の飼料原料として使用された可能性が大きいというふうに我々は現在推定をしております。
 これは実は、三菱商事からこの飼料工場がイタリア産肉骨粉を購入したことを裏付ける記録はなかったんですけれども、あくまで当時の取引関係者の聞き取りに基づいてそういうふうに推測をしております。
○委員長(常田享詳君) 時間でございますので。
○中村敦夫君 たくさんの商社が関連していますけれども、ほかは全部どこへ売ったかということをきっちり述べているわけですね。ですから、この年の三菱商事の百五トンもそうですし、九八年の三菱商事の輸入の欄も空白なんですよ。これは大変おかしいんです。分からなくなったということはあり得ないですよね、こんなでかい取引していて、相手先が。丸紅も空欄のところがあります。この二つの会社が一番大量に輸入したんですね。
 ですから、こういう発表では、やはり何かあったんじゃないのかという疑問がどうしても消えなくなるんですね。この辺をはっきりと調べていただきたいという要求をして、質問を終わります。
○委員長(常田享詳君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十八分散会