第153回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
平成十三年十一月二十八日(水曜日)
   午後一時一分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 雄平君
    理 事
                狩野  安君
                脇  雅史君
                海野  徹君
                渡辺 孝男君
    委 員
                後藤 博子君
                佐藤 泰三君
                伊達 忠一君
                西田 吉宏君
                西銘順志郎君
                日出 英輔君
                森田 次夫君
                岩本  司君
                木俣 佳丈君
                佐藤 泰介君
                遠山 清彦君
                紙  智子君
                小泉 親司君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     田中眞紀子君
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)  尾身 幸次君
   副大臣
       内閣府副大臣   仲村 正治君
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       経済産業副大臣  古屋 圭司君
       国土交通副大臣  泉  信也君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        安達 俊雄君
       内閣府沖縄振興
       局長       武田 宗高君
       内閣府北方対策
       本部審議官    坂巻 三郎君
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛庁運用局長  北原 巖男君
       防衛施設庁長官  伊藤 康成君
       総務省自治財政
       局長       香山 充弘君
       外務省北米局長  藤崎 一郎君
       外務省欧州局長  齋藤 泰雄君
       財務省理財局次
       長        松田 広光君
       文部科学大臣官
       房審議官     玉井日出夫君
       厚生労働大臣官
       房審議官     三沢  孝君
       水産庁長官    渡辺 好明君
       国土交通省航空
       局長       深谷 憲一君
       国土交通省北海
       道局長      林  延泰君
       国土交通省政策
       統括官      丸山  博君
       環境省自然環境
       局長       小林  光君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖縄振興新法の基本方向に関する件)
 (米国での同時多発テロ事件の沖縄観光への影
 響に関する件)
 (沖縄振興開発金融公庫の在り方に関する件)
 (普天間飛行場代替施設問題に関する件)
 (日米地位協定の見直しに関する件)
 (北方領土問題をめぐる日ロ交渉に関する件)
 (北方領土隣接地域の振興に関する件)
 (日ロ経済協力に関する件)
 (北方四島周辺水域における漁業問題に関する
 件)

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○委員長(佐藤雄平君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官安達俊雄君、内閣府沖縄振興局長武田宗高君、内閣府北方対策本部審議官坂巻三郎君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長北原巖男君、防衛施設庁長官伊藤康成君、総務省自治財政局長香山充弘君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省欧州局長齋藤泰雄君、財務省理財局次長松田広光君、文部科学大臣官房審議官玉井日出夫君、厚生労働大臣官房審議官三沢孝君、水産庁長官渡辺好明君、国土交通省航空局長深谷憲一君、国土交通省北海道局長林延泰君、国土交通省政策統括官丸山博君及び環境省自然環境局長小林光君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤雄平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(佐藤雄平君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。
 沖縄担当の尾身大臣、また、沖縄は基地を抱えておりますので、田中外務大臣にも沖縄の問題についてお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
 御案内のとおり、沖縄県が本土に復帰をいたしまして来年の五月十五日で満三十年を迎えることになるわけであります。
 復帰の二年前、ちょうど昭和四十五年に私たちは国政参加選挙を行うことができました。この国政参加選挙に衆議院五名、参議院二名ということで、七名の先生方に復帰の前に沖縄の問題で国会の場で大変活躍をしていただいたわけでございます。しかしながら、この七名の先生方も、お一人を除いて六名既にお亡くなりになられたということでございまして、本当に時の流れといいますか時代の移り変わりを感じざるを得ないのでございます。
 そういうことから、先ほど申し上げましたように、復帰を迎えまして満三十年、私は、第一次の振興開発計画から第三次にわたる沖縄振興開発計画に基づいて沖縄にはもういろんな施策が講じられてきたというふうに思うのであります。
 そういう意味で、そういう観点から、社会資本の整備を初めといたしまして、私は本土との格差はだんだんだんだん縮まってきているというふうに認識をいたしておりますが、尾身大臣の御認識をお伺いしたいというふうに思っております。
○国務大臣(尾身幸次君) 来年の五月十五日で沖縄復帰満三十年になるわけでございますが、その前の昭和四十五年に西銘議員のたしかお父様も衆議院に出られたのではないかというふうに聞いておりまして、今、三十年を迎えて西銘議員からこういう質問をしていただけるということは、本当に感慨無量の思いでございます。
 復帰以来、三次にわたります沖縄振興開発計画を進めてまいりまして、いわゆる施設整備の面、インフラの面ではかなり本土との格差が解消してきたというふうに考えておりますが、なお一人当たり所得は日本全体の約七割であるということでございまして、まだまだ格差がある状況でございます。
 私どもは、沖縄の重要性をよく認識しながら、この格差解消に向けてさらに努力をするのと同時に、沖縄が自立した経済を実現できるように、そのことのためにまた一層の努力を図ってまいりたいと考えている次第でございます。
○西銘順志郎君 第一次の振興開発計画から三次にわたる、現在行われているわけでありますが、振興開発計画の主眼は、やはり何といっても本土に追いつけ追い越せであったというふうに思うのであります。そういう意味からいたしますと、大臣に先ほどおっしゃっていただいたように、本土に追いついた部門もたくさんあるわけであります。
 しかしながら、依然として本土との格差があるものもまだまだ残されておるわけでございます。特に、この三次にわたる振興開発計画が実施されて、政府から沖縄県に投資された金額は約六兆数千億円というふうに言われているわけであります。しかしながら、実態として、沖縄の県民の所得は、これは平成十年の調査であるんですけれども、まだ本土平均の七二%ということでございます。
 ある意味では産業構造あるいは人口増等の問題もあるわけでございますけれども、なぜこういうような状況から脱却できないのか、何をすれば沖縄県民みずからの足で立っていくことができるとお思いになるのか、尾身大臣の御見解を賜りたいというふうに思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄の経済の水準が、県民一人当たり所得が本土全体の平均の七三%、そういう状況であるということ、もう私、就任の直後から頭にこびりついているわけでございまして、これをいかにして少なくとも本土並みに上げるかということが私自身の、また我が政府といたしましても大きな課題でございます。
 そういう中で、稲嶺知事は魚よりも釣り針が欲しいんだという表現でおっしゃっているとおり、自立経済を目指して、魅力ある沖縄経済、競争力のある沖縄の経済社会をつくっていかなきゃならないというふうに考えている次第でございまして、ポスト三次振計、これからもその方向での、例えばIT産業とか観光事業とか、そういう面も含め、私もこの沖縄の問題と同時に科学技術を担当しておりますが、科学技術面におきましてもいろんな施策を進めて、沖縄が魅力ある自立した経済を達成、実現できるようにこれからも努力してまいりたいと考えている次第でございます。
○西銘順志郎君 県民所得が本土平均の七〇%だと、あるいは失業率にしますと、もう九・四%というような大変高い失業率であるわけでございます。そういう意味で、沖縄の産業はまだまだ厳しい状況にあるというふうに私は思っております。沖縄の振興と雇用の確保など、解決をしなければならない問題がまだまだたくさんあるというふうに思っております。
 現行の第三次沖縄振興開発計画はもう今年度が最終年度になるわけでございまして、また振興開発特別措置法等も平成十四年の三月をもって失効することになっておるわけでございます。
 政府は、沖縄振興新法の検討の基本方向というのを取りまとめたというふうに伺っておりますが、今後どのように進めていくのか、大臣の見解を賜りたいというふうに思います。また、振興新法の基本方向の中で特に重点を置いて進めていかなければならないのは何なのかということもあわせてお答えをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(尾身幸次君) この沖縄振興新法の検討の基本方向というのを取りまとめまして、これを具体化すべく努力しておりますし、また各方面のいろんな御意見も聞いているわけでございますが、このところ、御存じのとおり沖縄経済は、これは本土全体もそうなんでございますが、本土全体の五・三%の失業率に対して九・四%という倍近い失業率になっているという状況でございまして、大変厳しい状況が続いているわけでございます。
 さはさりながら、この状況に対する当面の対策、雇用対策あるいはいわゆるセーフティーネットの対策等々についても全力を尽くすのと同時に、この振興新法におきましては、十年二十年三十年あるいは五十年百年先の沖縄の状況をどういうふうにしていくかということを考えながら、これからの十年の振興新法の中身を詰めていかなきゃならないというふうに考えている次第でございます。
 先ほどから、魚より釣り針というお話もいたしましたけれども、いわゆる観光産業、これは沖縄の大きな産業でございまして、約一割五分のシェアを持っているわけでございますが、さらにこれからの新しい分野としてIT関連についても力を入れていく。それから、今は実を言うといわゆる第二次産業、製造業が今までの歴史的な経緯から見て非常に弱いわけでございますけれども、そういう情報通信などを軸とした製造業についてももうちょっと強くしていきたいというふうに考えておりますし、また昨今はやりのバイオインダストリーなども大きな魅力ある分野であろうかというふうに考えております。
 そういう中で私は、沖縄に自然科学系の大学院大学をつくるというような構想を持ちながら、沖縄もやはり科学技術の面でもどれかの部分で、日本はもちろん世界のトップ水準になるようなそういう分野を確立していきたい。これは、五年かかるか十年かかるか、あるいは二十年三十年かかるかわかりませんが、必ずそういう分野を確立して、それを軸にして沖縄経済を中長期にわたって魅力あるものに、あるいは競争力あるものにしていきたいというふうに考えている次第でございまして、そういう方向をしっかりと見定めながら沖縄振興新法も内容を詰めてまいりたいと考えております。
○西銘順志郎君 沖縄県の自立的発展、経済発展のためには、やはり基幹産業であります観光産業あるいはリゾート産業、これはどうしても振興されなければならないというふうに思うわけであります。
 先般のあの米国の同時多発テロ事件の発生以降、沖縄県の観光産業が大変極めて重要な事態に陥っているというふうに思うわけでございます。政府の観光振興緊急対策の迅速な推進には、本当に高く評価をするものでございますけれども、引き続き尾身大臣には積極的にこの問題についても頑張っていただきたいというふうに思います。
 大臣の決意をお聞かせいただきたいというふうに思うと同時に、外務大臣、やはりテロがあって沖縄に観光に行かなくなったという状況もございます。テロ根絶に向けて大臣の御見解等も賜りたいというふうに思います。
○国務大臣(尾身幸次君) テロ発生以来、国際的な空の旅が非常に影響を受けているということもございまして、沖縄における修学旅行のキャンセル等が相次いでおりまして、観光産業に非常に大きな影響を与えてまいりました。
 これに対しまして、私ども、大規模な沖縄観光のキャンペーンを実施するとか、あるいはキャラバン隊に本土を回っていただくとかいうことを四億円の国の調整費を使ってやっておりますし、また金融等につきましても、観光関係の中小企業はもとより、これはきょうからスタートでございますけれども、低利の特別緊急融資、いわゆる中小企業の分類に入らない大企業のホテル等についても緊急融資を行う等の制度を今進めているところでございます。
 当面、修学旅行のキャンセル等につきましてはやや落ちついてきておりまして、全体のムードも変わってきているというふうに実は関係者から聞いておりますので、何とかこの動きを加速しながら正常な状態に戻していきたい。サミット以降、非常に沖縄観光は活発に伸びていたわけなのでございますが、それがこのテロの事件以降、一時とんざをいたしましたが、もとに戻し、さらに沖縄についての理解を深めていただくことが大変大事だというふうに考えておりまして、その方向で努力をしてまいりたいと思っております。
○国務大臣(田中眞紀子君) 来年の五月で沖縄復帰三十周年で、西銘順治先生と私の父は多分同じころに活躍をし、そしてまた御子息と私が復帰三十年を迎えるころにこうして討論をさせていただけることを大変感慨深く思います。
 そして、テロと観光との話でございますけれども、沖縄の基幹産業である観光ということは、私も貢献もして楽しませてもいただいている立場でございますから、本当に私ごととしても大変憂えておりますが、今回パキスタンへ行きますときにドバイに参りました。あちらも、大変すばらしいリゾート地であるにもかかわらず観光客が来ないという話を聞きました。出発に先立ちましてチュニジアの外務大臣が来られてお食事をいたしましたけれども、チュニジアも大変とおっしゃっておられました。同じことでございました。また、その前はハワイのカエタノという州知事さんが前知事と一緒に来られて、ハワイも大変なダメージを受けている。早くテロリズムを解決してほしいということが、こうした皆様のおっしゃっていることでございました。
 ましてや、沖縄に関しましては、在日米軍の七五%ものものがあって大変県民の皆様が御負担をなさって苦しんでおられる。そうした中で観光収入が減るということはいかばかりかというふうに私はよくわかっております。したがいまして、一日も早くこのテロの根絶ということに総力を挙げねばならないと、一言で申し上げますとそういうことになります。
○西銘順志郎君 両大臣の本当に心からなる沖縄に対する振興について、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 特殊法人改革であります。
 実は、沖縄には沖縄振興開発金融公庫というものがあるわけでございまして、去る十月二十五日に石原行革担当大臣が塩川財務大臣に示した案によりますと、沖縄開発金融公庫は民営化を検討するというような方向であったようでございます。しかしながら、その後、石原大臣は、十月二十七日に札幌市内で行われた行革フォーラムでは、政府系金融機関の廃止あるいは民営化の問題に関しまして、公共的分野でやらないといけないものもある、必要なものは必要と政府の行革推進事務局も言っていかないといけないというふうに発言をされたようであります。
 この大臣の発言は、政府系金融機関の中には存続させる必要があるものもあるという考えを示されたものであるというふうに理解をします。その一例として沖縄公庫を挙げられたようであります。しかしながら、十月二十五日には民営化の検討というようなことを言われて、翌々日にはまた存続だというふうなことであるわけでございまして、大臣の発言というのは大変重いわけでございます。
 私は、こういうことで一番公庫を利用する側が大変心配をするものだというふうに思いますので、大臣の言によって左右されない、沖縄の開発金融公庫はもう他の政府系金融機関とは統合されることもない、民営化されることもない、廃止されることもないと同時に、沖縄公庫は従来の公庫として、沖縄における経済の振興及び社会の開発のために貢献していくというふうに理解をしてよろしいでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄振興開発金融公庫は、昭和四十七年に本土復帰の際に、沖縄と本土の経済的、社会的格差を是正するという観点から設立されたものでございます。
 そういう中で、沖縄におきましては、本土のいわゆる各政策金融機関の仕事を沖縄においては沖縄振興開発金融公庫で一本化してやると。そして、沖縄経済と本土経済の格差を是正するという沖縄振興の大きな柱になっているわけでございまして、今まで、そういう意味で非常に沖縄の振興開発に大きな大事な役割を果たしてきたというふうに考えております。
 私ども、現在も、実を言うと先ほど申しましたように本土の七割の県民所得であるというような状況、それから沖縄の持つ重要性もありまして、私自身が沖縄担当の閣僚として仕事をさせていただいているという、そういう観点からもこの沖縄公庫のこれから果たすべき役割というものは極めて大事なものである、したがって、沖縄の今後の発展のためには欠かすべからざるものであるというふうに考えております。
 ただ、そういう中で、特殊法人改革は日本全体の政策金融機関も何らかの形で改革をする動きになる可能性もあるわけでございまして、そういう改革の動きと沖縄の公庫は表裏一体となって必要な合理化等はやっていかなければならない、こういうふうには考えております。
 しかしながら、沖縄公庫そのものの存在というものは沖縄の振興発展に極めて大事な役割を果たしているという点は十分認識をした上で、折に触れてこの意見を申し上げてまいりまして、特殊法人の改革の中で、私ども沖縄振興発展を実現するという観点から、この公庫の果たす大事な役割をこれからも維持していくように頑張ってまいりたいと考えている次第でございます。
○西銘順志郎君 沖縄の基地の問題について田中外務大臣にお伺いをしたいというふうに思っております。
 私は、アジア太平洋の平和の確保にとって日米安保条約というのは大変重要な問題であるというふうに思っています。しかしながら、先ほどから言われているように、沖縄に在日米軍基地の七五%が集中をしているというような状況でございます。これは本当に沖縄県民にとりましては大変な負担になっているというふうに私は思うわけでありまして、少しでも県民の負担を軽くするために政府は一生懸命に努力をしていただきたいというふうに思うのでございます。
 特に、大臣、ごらんになったかもしれませんけれども、普天間基地というのがございます。これは宜野湾市の本当に市街地のど真ん中にあるわけでございまして、本当にこの基地は私は大変危険きわまりないというふうに見ております。
 そういう観点からいたしますと、この普天間基地の移設というものを早期にやっていただきたいというふうに思うわけでありますけれども、稲嶺沖縄県知事あるいは岸本名護市長がこの移転先の新しい基地の使用期限の問題、十五年の問題に大変強い希望を出されているわけであります。
 そういうような問題を考えたときに、政府として、大臣、どのような対応をされるのか、お聞かせをいただきたい。
○国務大臣(田中眞紀子君) 普天間基地には、数年前に沖縄タイムスから講演依頼をされましたときに、希望して普天間基地と南西基地と両方参りまして、なるほど市街地の真ん中にあって、なかなか難しい問題を抱えているであろうということは、実際にこの目で視察もいたしましたし、中から、司令塔といいますか、すべて施設も見せていただいた経験がございます。
 さて、お尋ねの件でございますけれども、これは毎回申し上げていることでございますけれども、SACOの最終報告、これをやっぱり着実に実施するということを全力を挙げてやっていくべきものであるというふうに思っておりまして、移設の問題、返還につきましては、この十五年使用期限という問題がございますけれども、平成十一年に閣議決定がなされておりまして、それに従いまして、代替施設の協議会の場において沖縄県及び地元の地方公共団体の皆様の御意見をよく伺いながら基本計画の策定に向けて鋭意取り組んでいるというところでございますが、さらに具体的にブレークダウンして申し上げるとすれば、地元で今現在選挙があったりもありますでしょうし、地元でいろいろな活発な議論があるということは承知いたしておりますので、それをしっかり見守って、そして地元の結論を伺って、それを受けて政府が基本計画を策定したいと、かように考えております。
○西銘順志郎君 大臣、名護市と沖縄県が一体となって今この問題に取り組んでいるところでございまして、この十五年の問題というのは本当に大変重要な問題だと思っておりますので、ぜひともしっかり頑張っていただいて、アメリカと交渉をしていただきたいというふうにお願いを申し上げておきたいと思うのであります。
 それから、次に日米地位協定についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 沖縄県が平成十二年の八月に日米地位協定の見直しに関する要望書を政府に提出しておるわけであります。
 私は、先ほど申し上げましたように、安保条約は大変重要なものだというふうに思っております。しかしながら、基地から派生する事件、事故あるいは環境問題、軍人軍属による犯罪等は決して許されるべきものではないというふうに思うのであります。米軍基地の整理縮小あるいは日米地位協定の見直しというのは沖縄県政にとりまして、あるいは国政にとっても私は大変重要な課題だというふうに思うのであります。
 この地位協定の見直しについて十三項目の要望が出ておるというふうに思います。十三項目を一つ一つ読み上げていては時間がないですから、一例だけ大臣に申し上げて、ぜひ大臣の決意を聞かせていただきたいと思うのであります。
 今、米軍人等の私有車両に対する自動車税、これは民間に課税されている税率に比べて大変低い税率であるわけであります。県内の軍人等の私有車両というのは約二万五千台に上っておりまして、民間車両と同じ自動車税を米軍の私有車両にかけると約七億八千万ぐらいの税収が上がるというふうに言われておるわけでございます。
 こういうような、これはその一例でありますけれども、もちろん裁判権とかの問題もありますが、この一例だけを取り上げても私は地位協定の見直しはなされた方がいいんじゃないのかな、なすべきだというふうに思うのでありますけれども、大臣の御見解を賜りたい。
○国務大臣(田中眞紀子君) 七億八千万もの税収になるというのは、これは大変すごいことだなと思って認識を新たにいたしましたけれども、この御質問を受けて私も、けさしかこれは勉強する時間がありませんで、きのうも一日、終日、パキスタンから朝帰ってきてから直接国会へ来まして、時間がなかったので、短い時間の中でもってちょっと北米局長に来ていただいて、この問題について相当時間をかけて資料をもらいまして中身をよく見まして、この地位協定の改善についてはたびたび毎度お話がありますし、アメリカ側もまたなかなか、もう一回ゆっくりお話をする機会がなければいけないんではないかということは基本認識にはございますが。
 その中で私がお答え申し上げられますことは、運用の改善によって地位協定は、もう毎度聞いているとお思いでしょうけれども、機敏にやはり対応できるように、合理的に考えて運用の改善を努力すると、これがどうしても十二分に効果が上がらないときには地位協定の改定も視野に入れていかなければいけないということ、これが基本でございまして、基本は変わりません。
 しかし、今おっしゃったように、例えば自動車の、車両の自動車税ですけれども、これ及び軽自動車税について今調べてもらいましたらば、地位協定の十三条に基づいて財産税相当部分が免除されています、これについてはNATOの地位協定においても類似の協定が存在している、ヨーロッパではですね、そして、国際的慣行にかんがみても均衡を失しているものとは考えられないけれども、日米安保条約及び関連取り決めに基づいて我が国に駐留している米軍に対する措置として適切なものであると考えていますと、こう書いてあるんですけれども、やはり、今の伺った七億八千万という税収のことももちろんありますが、それが果たして本当にベストかどうかと。
 ほかのこと、トータルでこの日米はやっぱり見ていかなきゃいけないと思いまして、先ほども言った運用の改善が十分効果的でなければ改定も視野に入れるという言葉の中身として、コンテンツの問題として、運用改善交渉の現在の進捗状況も踏まえつつ、具体的にどのくらいの期間がたって、そしてどのような状況になったらどういうふうな改定ができるかということ、今委員がおっしゃっている中身の問題、これをよく精査しながら、ショートレンジとそれからロングレンジで、長期と短期において先方とも話をするという努力は重ねたいというふうに思います。
○西銘順志郎君 大臣、たびたび答弁の中で、運用の改善でいきたいというようなことをよく聞かされるわけであります。しかし、この運用の改善ではもうなかなか県民が納得しないというような、今、現状はそういうような状況だというふうに私は認識をしております。
 大臣が今おっしゃったように、NATOがどうの、あるいは米韓の関係で日米を比較されるわけでありますが、やはり米韓は米韓で僕はいいと思います。ヨーロッパとアメリカもそれは独自におやりになればいいと。日米の安保条約の問題、地位協定の改定でありますから、これは大臣がぜひ強い決意でもって改定をするんだというような決意をお聞かせいただきたい。
 大臣がパウエル長官とかアーミテージ国務副長官とかにお会いになるんであれば、仲村副大臣もいらっしゃいますけれども、私ども沖縄選出の国会議員全部、大臣のお供をして、そのぐらい頑張って改定に向けていきたいというふうに思っておりますので、大臣、もう一度御答弁をお願い申し上げたい。
○国務大臣(田中眞紀子君) おっしゃる趣旨はよくわかりますが、やはり中身の問題をよく詰めて、相手のあることでございますし、日本のトータルな安全保障とはどうあるべきかということも考えながら、沖縄県だけに重い負担をおかけしていいなんてだれも思っておりません。そうした中で、もう一度胸襟を開いて、事実を見ながら考えていくということが必要でございまして、それを詰めて短い言葉で言うと、運用の改善に努力をしておりますが、これが十分効果的でない場合は、我が国のみで決定し得ることではありませんが、日米地位協定の改定も視野に入れて検討するということの中に尽きますので、しかし中身は、お気持ちもよくわかっておりますので、鋭意最善を尽くして努力させていただきたく存じます。
○西銘順志郎君 大臣、パウエル長官とお会いになりませんか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 喜んで。
○西銘順志郎君 ぜひそういう機会をつくっていただいて、アーミテージさんも沖縄の問題に大変詳しい方ですから、ぜひ大臣に頑張っていただきたいというふうに思うのであります。
 仲村副大臣が御出席でございます。
 十一月一日から四日まで世界のウチナーンチュ大会という大会が開かれたわけであります。私も、式典には参加できなかったんですが、前夜祭からフィナーレまで参加をさせていただいて、本当にすばらしい大会だったというふうに思いました。県系の一世から約四世、五世にわたるまで一堂に会して、四千名の方々が来られたわけであります。
 そういう沖縄のネットワークというのを大事にしていかなければならないというふうに思うのでありますが、そこの式典の中で仲村副大臣が方言でごあいさつをなさったというふうに私は聞いておりますが、どういう心境で方言でごあいさつをなさったのか、お聞かせをいただきたい。
○副大臣(仲村正治君) 先ほど西銘議員のお話がありましたが、来年五月に復帰三十周年を迎えるわけであります。
 その間、三次にわたる振興開発計画が立てられて沖縄の振興開発についての政策が進められてきたわけでありますが、その振興開発計画の最も重要な柱が沖縄を国際交流の拠点にしよう、こういうことでございまして、これは、やはり沖縄の持つ地理的な優位性、いわゆる我が国の南の玄関口であるということ、またアジア太平洋地域の中心点にある、そういう点から国際交流の拠点として最も重要な位置にあると。これは私、復帰三十年間、着実に進展をしてきた問題であると、このように思っております。その集大成が、昨年七月に行われましたまさに九州・沖縄サミットであったと思っております。そして、その九州・沖縄サミットの主会場は、万国津梁館という名称がつけられているわけでございます。
 世界の国々と仲よくすることと同時に、やはり沖縄県系人の方々が世界に移住しているわけでありますので、その方々を通じて沖縄県が世界の中で大きく飛躍、発展をしていくということの一環から、先ほどお話がありましたように、十一月一日から十一月四日まで第三回世界のウチナーンチュ大会が、世界各地に移住している沖縄県系人の一世から四世までの人たち四千人がふるさと沖縄に集まって、祖父母の母県である沖縄をかなめとしての人的ネットワークの世界のかけ橋をつくることで、政治、経済、教育、文化等を通じて国際社会に貢献をしていこうと高らかに大会の宣言をしたところでございます。
 これは、まさに一四五八年に尚泰久王が万国津梁の鐘に刻まれた精神を二十一世紀の今日に再確認したものと私は考えております。
 沖縄から最初に移民がハワイに行ったのが一八九九年、いわゆる明治三十二年で、今から百二年前のことでありますが、そのころ、移民奨励の先駆者でありました当山久三先生は、県民に対して、「いざ行かん、我らが家は五大州」、いわゆる五つの大陸へ羽ばたけと、こういうふうに県民に呼びかけられたのであります。
 県民の広く海外に雄飛を呼びかけられたことが今日では、ブラジルに十三万人、アメリカ合衆国に八万人、ペルーに五万六千人、アルゼンチンに二万二千人というように、北米、中米、南米そしてヨーロッパ、世界各地に今、沖縄県民の血を引く人たちが三十万人を超すと、こういうふうに言われているわけでありますが、それぞれの国において政治や経済や教育、各方面に大変な活躍をしているわけであります。
 この四世代が、私たち沖縄県民と同じDNAを持つ人々が先祖のルーツを訪ねて今回集まってきたわけであります。私は、この会場を見て本当にはかり知れない感動を覚えました。そして、私は大会で沖縄の方言で心からの歓迎のごあいさつを申し上げました。いやが上にも集まった方々が愛郷の気持ちをあらわされて大変喜んでおられた状況を私は今でも忘れることができません。
 ちなみに、この事業を企画いたしましたのは、第一回のウチナーンチュ大会は平成二年に実施されたのでありますが、西銘議員のお父様の西銘順治知事のときでございました。そのことも申し添えておきたいと考えております。
○西銘順志郎君 終わります。ありがとうございました。
○伊達忠一君 ことしの七月の参議院選挙で北海道選挙区から、お世話になってまいりました自民党の伊達忠一でございます。よろしくお願いをいたします。
 私は、この国政に参加をさせていただいてまず感じたことは、本当に国会議員の皆さん方、勉強されているなということを感じました、地方議会が決して勉強しないというわけじゃないんですが。とりわけ、自民党の朝の部会なんかは本当にもう精力的にやっておられるし、小泉総理も本当にもう精力的にいろんなものに取り組んでおられるということについて本当に私も敬意を表しているわけでございますが、最近少し、支持率ももうずっと高いせいか、ちょっと独裁的になっているのかなと、こんな感じもしないわけでもないんですけれども、その意気込みで、ぜひひとつ私は任期中に北方領土も解決していただきたい、こんな願いを込めながら両大臣に質問をしてまいりたいと、こう思っております。
 北方領土返還の運動につきましては、今までの経緯もございますし、いろいろと何回か会談も総理がやってこられたということもございます。一番近々の会談では、いわゆる十月の上海での日ロ会談が一番最近の会談であると、こう思うわけでございますが、小泉総理とプーチン大統領が平和条約問題について、これまでに達成された成果を踏まえ交渉を精力的に実施していくということを再確認されたと聞いております。その上で、双方が前提条件をつけずに歯舞、色丹の論議と国後、択捉の議論を同時かつ並行的に進めていくということで一致したということも聞いております。
 このことを受けて、先般、両大臣が十月の二十四日の本委員会で、尾身大臣は、歯舞、色丹の論議と国後、択捉の議論を同時かつ並行的に進めることに触れておりますが、一方、田中大臣は、これまでに達成された成果を引き継ぎと述べるにとどまっているという感じなんです。これ、ニュアンスの問題がちょっと気になるんですが。
 九八年四月の川奈会談で橋本総理が行った国境画定方式がロシア側から拒否された中で、歯舞、色丹の論議と国後、択捉の論議を分けて並行同時に協議するとの方式に余りのめり込んでいくと、二島は返還されたが、あとが、四島は遠のくんじゃないかと、こういうような心配を、正直言って懸念をいたしております。
 そこで、これまで来た平和条約締結問題合同委員会や国境画定に関する委員会の作業と、今回の上海合意による歯舞、色丹の議論と国後、択捉の議論を分けた上での同時並行的に協議することにはどのような関係があるのか、両大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 尾身大臣と私との、尾身大臣からは、大先輩ですからこれからまたるる御説明があると思いますけれども、私ども外務省として、また私が基本認識で思っておりますことは一貫しております。すなわち、四島の帰属の問題を解決して、その後に平和条約を締結するということに尽きます。そして、こうした方針は一切基本的な変更はございません。
○国務大臣(尾身幸次君) 今の外務大臣答弁のとおりでございまして、四島帰属の問題をしっかりと解決した上で日ロの平和条約を締結するという考え方でございます。
 私どもは、そういう中で、この北方領土返還を実現するためには、外交的な努力をお願いするのと同時に、やはり我が国固有の領土であるというきちっとした認識を国民全体が持ってこれからも対応していくことが大事であるというふうに考えてその運動を推進する仕事をやらせていただいているわけでございまして、これは、今後とも問題を解決するまで必ずやり遂げて、この問題を必ず解決していきたいと考えております。
○伊達忠一君 新聞なんかでは、十月の二十三日の新聞なんですが、小泉総理が事実上、方針を転換したことに関しては政府内で賛否両論があるというような記事が載っておりますが、すべて新聞を信頼するというわけではございませんけれども、ぜひひとつそんな方向で進めていただきたい、こう思っております。
 四島返還が我々のやっぱり目指すところでもございますし、特に私ども北海道にしてみれば、いろんな今日までの苦労もございますし、よその県にない、北海道だけが北方領土対策特別委員会というのをつくっていろんなことをやってきておりますので、その辺についてもひとつ御努力をいただきたいと、こう思っております。
 それで、それにはやはり、もちろん国内の世論の高まりは必要でございますけれども、何といってもロシアの国民の皆さん方の理解だとか世論の高まりというものが私は必要だろうと、こう思っております。
 そこで、ことしの九月に、ロシアのサハリン州議会で一九五六年日ソ共同宣言とロシア国家安全保障に関する公聴会が開かれました。その内容がロシア大統領や連邦院及び外務省に勧告されたわけでございますが、北方領土の譲歩を含んだ平和条約は必要ないというふうに総括をされているというふうに聞いているんですが、その辺は事実なのかどうなのか。
 どうもロシア国内では北方領土問題は必ずしも十分に国民の皆さん方に理解されていないのではないかという感じがするんですが、北方領土問題についてロシア国内の世論がどのようになっているのか、把握しているのか、その辺二点、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今、伊達忠一委員がおっしゃいましたのは、国家安全に関する公聴会でのことをおっしゃっておられますんですよね。これでは、領土問題に関する譲歩を厳しく否定するという趣旨のロシア政府及びロシア議会等に対する勧告が採択されたというふうに承知はいたしております。そして、ロシア側には北方領土問題に対して厳しい考え方を有している人がいることも事実でございます。
 種々の交流事業でありますとかメディアを通じた啓蒙事業等を通じて、我が方の考え方に対する理解を得るべく引き続きロシア側に働きかけを、私ども今までも行っておりますが、さらに引き続き行っていきたいというふうに考えております。
 サハリン州の問題につきましては、また後ほどお尋ねがあればと思っております。
○伊達忠一君 それで、私どもも、サハリン州に対しましても北海道としてもいろんなことをやってまいりました。そのことがいわゆる外交交渉に弾みをつけることにもなるでしょうし、また、できればそんな環境も私どもも地方議会としてもつくっていこうというようなことでやってきたんですが、この会議の政府機関については軒並み欠席者が多かったというようなことも報道されておりまして、実際、それまで一生懸命やってきていることが何だったのかなという実は感じがするんです。
 一例を挙げれば、御存じのように、コンスタンチン君のやけどの問題なんかも、正直言って、今いろいろと医療問題も協議されておりますけれども、北海道も国民健康保険の保険料を払えなくて病院にかかれなくて治療できずに命を落としたという方も実はいるわけでございますが、人道上の問題とはいえども、私どももそういうことも犠牲にしながらコンスタンチン君のやけどの問題なんかもお手伝いをしてきたという経緯がございます。
 これも、言ってみれば、人道上もさることながら、やはり何とかロシアの方たちに理解を深めていただいて、そして多くの方が返還すべきだというようなことになればというようなことでやってきたんですが、この金額だって、正直言って、一回目は一千七百五十万、コンスタンチン君は。二回目については一千九百五十万、三人目の方なんて二千三百万、これがどんどんどんどん今続いているんです。今度来れば六人目になるんですが、これは全部私どもも議会も何ぼかのカンパをしながらお手伝いをしてきていると、こんな状況なんですが、ぜひひとつ今後とも、私どももやっていきますけれども、政府においても粘り強くお願いしたいと、こう思っております。
 それから、いわゆる玄関と言われる根室市を初めとします一市四町が大体いろんな受け入れ先に実はなっているのでございますが、その根室市、別海町、中標津、標津、羅臼、一市四町なんですが、戦前からここはもういわゆる北方四島と一体となって経済圏としても発展したんですが、主に漁業ということなんですが、いわゆる終戦のどさくさから占拠をされたままになってしまって、いろんな面で、漁においても、漁網の被害であるとか拿捕の問題であるとか、そしてまた、いわゆる日ロ間の漁業交渉の問題でどんどんどんどん漁獲量が減っていって減船をしなきゃならぬとかということで大変な今、経済状態に実は陥っているんです。
 それで、北方領土隣接地域一市四町が北方領土返還運動の拠点として先導的にこれからもやっぱり役割として進めていかなきゃならぬと、こう思っているんです。それには、やっぱり今後いろんなことが予想される問題、北方領土返還をこれから見据えた中で、いわゆるその地域の社会資本の整備だとか、何かと国が積極的に私はお手伝いをしていただきたい、援助していただきたいと、こう実は思っているんです。
 そんなようなことから、それに見合った恒常的な経済支援というものをぜひこれからも、多少今やっていただいているんですが、基金なんかがございますし、だけれども、当初の基金の時代と今の基金の時代では、金利がこういう状況なものですから、もう三分の一以下になっちゃって、事業も全然やれないというような状況なんでございますので、ぜひひとつこれは国の責任において経済的な援助をしていただきたいと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(坂巻三郎君) 先生お話しのとおり、北方領土に隣接し返還運動の拠点である根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町、一市四町と申しておりますけれども、北方領土問題が未解決であることから、望ましい地域社会としての発展が阻害されている地域であるということは認識しておるところでございます。
 国といたしましては、関係機関との連携のもと、第四期の北方領土隣接地域振興計画、国土交通省さんの方の所管でございますが、に基づく諸施策を推進し、この地域の振興と住民の生活の安定に努めてまいる所存でございまして、国庫補助負担金のほか、これはまた所管が異なりますが、地方債や地方交付税などの財政措置についても、地域の意見をよくお聞きいたしました上で、各所管省庁においてもそれぞれ検討し積極的に実施していただいていくべきものと認識しているところでございます。
○伊達忠一君 これからもいろんな交流の問題、ビザなしの問題も含めてそこが積極的にかかわってくるということでございますし、やっぱり交流が多くなればなるほどいろんな問題もございます。そういう面では、町の発展が阻害されてきたということもありますし、ある面では犠牲になっているという面も実はあるわけでございまして、ぜひひとつ何とかそれは国の責任において面倒を見ていただきたい、こう実は思ってお願いをさせていただきたいと思います。
 それから、次に特別交付税の政令についてちょっとお願いをしたいんですが、北特法の九条には、「北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定を図るために必要な財政上、金融上及び技術上の配慮をしなければならない。」と、こう定めてあります。
 しかし、実際にはこれは作用していないのが実態でありまして、昨日も実は佐藤委員長を初め各党の理事の皆さん方に、根室市長、議長それから関係の方においでいただいて御陳情させていただいたということなんですが、北特法の九条に基づいて特別交付税に関する政令を、第八条にいわゆる産炭地なんかは指定されておりますから、その並びに並べて、北方領土問題解決に伴い北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定のための特別の財政需要があることというようなことを一号加えていただいて、そして地方税制面からも、ぜひひとつ交付税の面からも支援を私は図っていただきたい、このように実は思うわけでございます。
 地元の御意見を十分踏まえていただいて、ぜひひとつ内閣で検討していっていただきたいと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(香山充弘君) 特別交付税についてのお尋ねでございますけれども、御指摘にもありましたように、現在、北方領土関係市町村の普及、宣伝、啓発、あるいは復帰運動、こういったことに要する経費につきましては特別交付税の省令第八条というのがありまして、特別の財政需要がある場合にはそれを配慮して見ることができるという根拠規定がございまして、これに基づいて財源措置をさせていただいておりまして、関係市町村、一千万、二千万といったオーダーで財源措置をさせていただいておるところでございます。
 地元は、この額についてもっともっと多ければいいというような御要望があるということを私ども承知いたしておりますが、その点につきましては、今後また関係市町村の御意見等もよくお聞きしながら適切に対応してまいりたいと思います。
 また、御指摘の趣旨は、そういう北方領土対策について特別交付税を措置するということを個別の項目で明らかにしてはどうかという御趣旨かと存じますけれども、私ども、現在の規定でも十分対応できると思っておりますし、個々の市町村に対する措置として我々なりに適切に対応してまいっておると考えておりますけれども、せっかくの御指摘でございますので、省令に具体的に明記するかどうかにつきまして検討してまいりたいと存じます。
○伊達忠一君 産炭地なんかは早くからこれに記されているということなんですが、今御答弁いただいた香山さんも北海道に非常になじみの深い、何年ですか、四年ぐらいおられたですかな、三年だったですか、ですから北方領土も恐らく羅臼へ行って見られたでしょうし、ぜひひとつ改正して、お願いをしたいと、こう思っております。
 委員長、これは議員立法でございまして、この改正に当たっては、委員長初め各委員の皆さん方のひとつ御理解と御協力をいただいて改正の方向に持っていっていただければと、こう思いますので、皆さん方もひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、次にビザなし交流のあり方についてちょっとお聞きをいたしたいと思うんですが、いわゆるビザなし交流は、平成四年から始まって現在十年目が経過しているところでございますが、元島民の日本人と現島民のロシア人の交流を深めてこられて非常に理解も進んできているというふうに私も考えております。
 しかしながら、十年同じ制度のもとで交流事業を続けてきておりますので、幾つかの問題点がやっぱり今ここに来て出てきております。その効果自体にもまた疑問を呈する声も実はあるわけでございますが、日本側からは、四島に交流に出かける際に使用する船が小さくて、元島民はもう高齢者ですから、ぎゅうぎゅう詰めになって行って、なおかつ、向こうに着いたときに、その港に天候が悪い場合にはすぐ着けないとかおりれないとかといういろんな問題もございますし、それから、自分たちが行きたいその場所になかなか行けないというような問題もございまして、改善を求めていただきたいという声も正直言って私どもにも来ております。
 そんなようなことから、実は当初は、おいでになった場合には北海道と東京だけで始まったんですが、最近は次から次と、都市を見たい、また見学をしたいというようなことから、場合によっては観光旅行と間違うような日程も組まれてきておりまして、ことしですかね、沖縄の方にもというようなことになって、正直大変苦労されているのが実態なんです。
 そんなことから、この交流の意義も私は小さくはないと、こう思っているんですが、十年も毎年毎年同じ形でやってこられる。そうなりますと、来る人も、同じような方が何回も来られて、今回はあそこを見たからこの次はあっちを見たいとかというような要望を次から次に出されるというようなことで、このビザなし交流についても、今この十年を一つの節目として、私はもう少し効果の上がるような見直しというのはいかがなものかと。このことを大臣にちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) ビザなし交流につきましては、御許可がいただければ、実態をよく承知しております事務方からちょっと御説明をさせていただいてよろしゅうございましょうか。
○伊達忠一君 はい。
○国務大臣(尾身幸次君) ビザなし交流は、四島に在住するロシア人と日本国民の相互理解を深める、そして、領土問題の解決を含む日ロ間の平和条約の締結交渉にプラスの影響を与えるということが目的でございまして、始まって以来、既に八千人余り、九千人近くの方々が交流をしているわけでございます。
 私どもは、本来の目的に合ったような形でこの交流をさらに促進するということでやっていきたい、交流の目的を見失うことなくやっていくことが大変大事だというふうに考えておりまして、その点についてまたいろんな御意見も伺いながら対応してまいりたいと考えております。
○政府参考人(齋藤泰雄君) 四島交流につきましては、領土問題の解決を含みます日ロ平和条約締結問題が解決されますまでの間、相互理解の増進を図り、もってそのような問題の解決に寄与することを目的といたしまして一九九二年四月に開始されまして、これまで延べ九千人近い方々が相互に訪問してまいりました。
 このような事業によりまして、当初は近くて遠い隣人であった日本人と四島在住ロシア人の間で互いの文化や生活につきましての理解が深められますとともに、特に四島側におきまして領土問題の存在が広く認識されるようになったというふうに承知しております。
 御指摘のとおり、本年五月には四島側訪問団が沖縄県を訪問いたしましたが、沖縄は、サンフランシスコ平和条約締結後も米国の施政権下に置かれましたけれども、その後日本に返還されたという歴史的経緯がありますこと、また独自の文化を維持発展させてきていますことなどにかんがみますと、この訪問は本件交流の趣旨に沿ったものであったと考えます。また、北方領土返還運動を全国的な運動として展開していくという観点からも有意義なものであったと考えております。
 なお、本件沖縄訪問につきましては、沖縄側の受け入れ希望を踏まえて実現したという側面もございます。
 いずれにいたしましても、本件交流を見直すべしとの御指摘につきましては、これまでの十年間に及ぶ経験を踏まえ、関係団体の意見も聞きながら、本件がこれまで以上に充実した効果的な事業となりますように改善を図ってまいりたいと考えております。
○政府参考人(坂巻三郎君) こちらからのビザなし交流の訪問につきましては私どもが担当しておりますが、先生から御指摘がありましたこちらからの訪問団員が自由に希望の場所に行くことができないという御要望については、私どもも従来から伺っているところでございます。
 こちらからの訪問団の行動につきましてはロシア側との事前協議が必要でございますけれども、実施団体等関係者の御希望については可能な限り実現できるよう私どもとしても努力してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○伊達忠一君 当初はやはり私は相当効果があったと、こう思っております。それが今日までマンネリ化して続いてくると、先ほど言ったようなことになってしまったり、向こうも観光化してしまう。
 ですから、どうも来るたびの新聞報道なんかは正直言って余りよくないんですね。進む観光化だとか、元島民が反発しているとか、旅費だけは日本持ちだとかというような、こんなような見出しになってしまって、真の交流、今大臣がおっしゃったようなことに、何か新聞を見ている限りではそんなような受け取り方ができないというような感じになっている。親善は進展したが返還は遠のくだとかという、そういうような形にならない。
 新聞というのはすべてが正しいと私は思ってはいないんですが、やはりできるだけ同じ人が何回も来ないような形の中で、そしてできるだけ多くの方に広げていただくということも含めた中でひとつ効果のあるようにさらにまた改善をしていただければと、こう実は思っております。ぜひお願いしたいと思います。
 それでは最後に、北方領土返還運動、これからもやっていくわけでございますが、元島民の方というのは高齢化して、どんどんお亡くなりになって、今は大体半分に実はなっていっているんですが、それでもやはり私どもは粘り強くこれからも国を挙げてこの運動はやっていかなきゃならぬ、こう思っております。
 そのためには、いわゆる二世の方たちですとか、それから子供さんですとか、そういう方たちに学校なんかでもどんどん教育をして、そしてまた、副読本なんかも出しているようでございますが、それらもどんどん出していただいてひとつ広めていただきたい。それには、やはりこの時代に合ったような形のもの、まだソ連という表記のままの副読本なんかが今使われているんですが、もう少し熱意を持ったやり方というものを僕はしていただきたい、こう思っております。
 今後の返還運動の自治体に対する政府の取り組みをひとつお聞かせいただきたい。両大臣からお願いしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 北方領土の返還は独立国日本としての課題であるというふうに考えておりまして、私自身は、北海道地域のいわゆる地元の人たちだけの問題ではない、日本国民全体の課題である、それからまた世代を超えて解決しなければならない課題であるというふうに考えておりまして、今おっしゃったように、次の世代、次の世代、また必要があれば何代でも続いて、この問題は国として、国全体として解決しなければならない問題であるという認識のもとに運動をできるだけ進めてまいりたいと考えております。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私も、今、尾身大臣は国としてとおっしゃいましたが、さらに申しますれば、省庁の縦割りで動かなくなっているものもかなりあると思います。北海道も沖縄も、特にこの沖北でお話を聞きますと、もっと意思の疎通があればスムーズにいくと思うことが多々ございますので、そうしたことも力点を置きながら今後また勉強してまいります。
○伊達忠一君 どうもありがとうございました。
○海野徹君 民主党・新緑風会の海野徹であります。
 若干質問させていただきますが、多岐にわたって質問させていただきますから、できるだけ簡明にお願いしたいなと思います。
 まず初めに、アメリカの同時多発テロの影響について。
 これは、いろんなところで議論をされていると思います。経験したことのないことでありますから、非常に国際社会そのものがカオスの状態に入っているのかなとは思うんですが、沖縄県では、テロ発生後、修学旅行のキャンセル、これが非常に相次いだ、基幹産業である観光業に深刻な影響が出ているということは数々の方々から指摘されております。
 これは、十月から十一月、十二月の三カ月間、修学旅行の大体六割が集中すると言われているんですね。現在は、十七万人ほど修学旅行がキャンセル、一般を含めると二十二万。それだけの経済的損失でも約四十億円と言われているんです。
 修学旅行が十月から十二月の三カ月間に全体の六割が集中するということでありますと、非常にこれは大変なことだなと。先ほど尾身大臣は、やや落ちつきが出てきたという話だったんですが、どの点に落ちつきが出てきたのかちょっとまたお聞かせいただければありがたいんですが、航空会社によりますと、ことし、沖縄線の旅客数は前年よりも五十万人減っているというんです。航空会社が調べたら五十万人減っている。これは大体一〇%だと、沖縄へ来る方の。
 琉球銀行の調査で、試算なんですが、観光客が一〇%減った場合、観光収入は四百八十四億円、これが減少するだろうと言われているんです。大変なことだなと。それによって当然雇用にも影響が出てきますから、これが産業関連でいろいろなすそ野を調べていきますと大体数千人に及ぶんだろうなという調査が出ているわけなんですが、それでも大変県民生活に暗い影を落としているんじゃないかなと思います。
 先ほどの質問者からも失業率が九・四という話だったんですが、日本全体ですと十人に一人ぐらいはもう実際に仕事をしていませんから、それを上回っているとしたら十数%の失業じゃないかなと私は思います。
 それだけに、沖縄県民の方々の熱意とやる気が目に見えるような、形で何か示せるような、そういう支援策というのが必要じゃないかなと、沖縄発の情報発信、こういうものに対する支援策が私は必要じゃないかなと思うんです。
 その点について、それぞれ各省庁でいろんな取り組みをやっていらっしゃるんだと思いますが、尾身大臣、どうなんでしょう、沖縄発の情報発信、これに対する支援策は各省庁総合的に取り組んでいられるということを期待しながら、具体的にどういうようなことをやっていらっしゃるのか、総括的に御答弁いただければ大変ありがたいわけなんですが。
 それともう一つ、ウチナーンチュ大会があったと。これは十一月一日から四日なんですね。私どもが沖縄に視察に行ったときに、十一月八日でしたから、もうそのときは既に、十一月一日から四日ということは、同時多発テロが起きてからある程度落ち着きを取り戻した時期だったと思うんです。
 それについて、我々も不勉強だったのかもしれませんが、なかなか私どもこの東京においてそれをニュースとして耳にする、目にするということがなかったんですね。具体的なそういうことも、やはりこういう時期だからこそ何らかの手を打って支援をして、沖縄ってこういうところですよと、要するに、いらっしゃいよというようなことをやるべきだったんじゃないかなと思うんですが、その点についてはどうなんでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) 今、沖縄については、先ほどのウチナーンチュ大会も、外国の国籍を取っている方が四千人、沖縄から参加した人も含めますと二十六万人の四日間での大大会になっているわけでございます。したがいまして、沖縄のマスコミはもちろん一面トップに全部出ているわけでございますが、これが本土の方のマスコミのニュースにはほとんどならないという実態がございまして、私ども、そういう点で情報格差が物すごくあるという感じを持っております。
 それから、沖縄の県議会では、与党、野党満場一致で、沖縄は安全で、先ほどのウチナーンチュ大会も順調にやっているという状況であるので、ぜひ日本全体にそういうことを知らせたいということで県議会決議をしているわけでございますが、これも本土の新聞にほとんど載らないというようなことでございます。
 私も、私の後援会を五百人──今ですと非常にサービスがよくて安い。行った方は、無事に帰ってまいりましたが、大変喜んで、もう一回やってくれというので、また二月にもう一遍やりますが、行っていただければよくわかっていただけるわけでございまして、当委員会もぜひ委員会として、沖縄北方対策の委員会でございますから、委員長にお願いをし、また皆様にお願いして、近い将来に、これは委員会の仕事であるというお考えのもとにぜひおいでいただいて、それがまたマスコミ等で報道されることによって、沖縄で発信する情報よりもそういう委員会の方に行っていただくという、そのことの方が実をいうと一般にアピールすることでございますので、そういうこともお願いをしたいと思っております。
 私ども、大規模な沖縄観光キャンペーンは四億円ものお金を使ってやっているわけでございまして、徐々に状況は改善しております。特に修学旅行が、一時ややパニック的な状況のもとにキャンセルが相次いで、修学旅行でございますので、キャンセルを一たんすると状況がよくなったというか少し雰囲気が変わっても、もうキャンセルをした旅行はまたまた再び行くというわけにはまいりません。そういうわけで、なかなかもとに戻りにくいところがございますが、今はもう再来年の修学旅行の予約をとっているという状況でございまして、全力で取り組んでまいりますが、ぜひPRの方も、我々あらゆる手段を尽くしてやっておりますので、どうぞよろしく御理解、御支援のほどをお願い申し上げます。
○委員長(佐藤雄平君) 大臣からの要請もありまして、ありがとうございます。
○海野徹君 あらゆる努力をされているということなんですが、本当に我々が耳にし目にするような機会を積極的にやはり大臣の方もとっていただきたいなと。個人的に後援会と一緒に行かれる、もちろん大いに結構だし、我々も委員会で行こうという話になっておりますから、ありとあらゆる機会でそういうPRをしていただきたいなと思います。
 やはり修学旅行というのは、もう来年、それこそ再来年の話が出ていましたが、来年のことももう今から準備していかなくちゃいけないなと。
 観光業、特にホテル、受け入れ側の方々といろいろ話をしたんですけれども、大変な努力をして、低廉な価格で、ある意味では身を削るような形で修学旅行者を迎えているんです。とてもじゃないけれども、シーツ代二千円だけで我々ホテルは回っているんだと、そんな話もちょっと聞いたものですから、大変厳しい状況の中で、努力して二十万人、三十万人の方々を迎えてくれているわけですから、ぜひその辺の実情も御勘案いただいて御努力いただきたいなと思います。
 文部科学省にお伺いしたいんですけれども、修学旅行のキャンセルが続出しているということで、日本旅行業協会あるいは全国旅行業協会から連名で抗議文が出たと。この辺の対応をどうされたのか。
 それと、九月十二日には、米軍敷地及び施設に近寄らないよう求めた事務連絡というのが発端となったということなんですが、これは特定の名指しはしていないんです。ただ、一部の都道府県で名指しをしているんです。それで広まってしまった。一たん広まってしまった風評被害というのはなかなかおさまりのつくものじゃない。これは狂牛病のことでもよくわかるわけなんですね。
 そうなると、監督官庁からの指導とか注意喚起というのは非常に国民生活に大きな影響を及ぼす。その辺までおもんぱかってそういうものを出していくべきだろうし、出してほしかったなと思うんですが、必要以上に消費活動あるいは観光旅行業にも大きな影響を与えてしまっているわけなんです。
 こういう対応の仕方にやっぱり痛烈な反省をしていただきたいと思うんですが、文部科学省としてのこの対応についての見解、どうしてこんなことになっちゃったのか。それはそれなりに安全を期してということだったんでしょうが、非常に問題を多く含んでいるんじゃないかなと思いますから、答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(玉井日出夫君) 御指摘の通知は、今お話にございましたとおり、米国を含む海外への修学旅行を計画している場合には安全対策に注意を払うようにと求めたものであって、沖縄県など国内の特定の都道府県を対象とした自粛や注意を求めたものではなかったわけでありますけれども、今御指摘のようなこともございますので、私どもとしては、直ちにそういう趣旨のものではないということの周知を図ってきたところでございますし、また同時に、今後の計画ということ、修学旅行の計画が大変重要になってまいりますので、既に国土交通省と連携、協力を図りながら各種の今指導を続けているところでございます。
 具体的に二、三申し上げますと、一つは、十月十六日付で各都道府県教育委員会等に対しまして、今後の沖縄修学旅行の実施に当たり予定どおりの実施が望まれること、海外への修学旅行の国内への変更を検討する際に沖縄県を代替地とすることも検討に値すること、こういった通知を発して今指導しております。
 それから、大切なことは、今現に沖縄県で修学旅行が実施されております。そして、意義ある活動もされておりますので、そのことを全国の学校に周知を図るということが大変重要であろうと思っておりまして、したがって、今全国の学校に修学旅行の情報を提供しております全国団体、日本修学旅行協会だとか全国修学旅行研究協会、ここを通じて今の沖縄の状況の周知を図っているというところでございます。
 さらに、国土交通省と連携、協力しながら、今月から順次、二百人を目途として中高等学校の校長やPTA関係者などに沖縄に行っていただいて見ていただく、こういうことを今続けているところでございますし、今後とも努力をさせていただきたいと思っております。
○海野徹君 いろいろ急に対応策を練っていらっしゃって、それを実際に実施している。それは拡充していただきたいなと思うわけなんですが、非常に未成熟な対応をなさったのかなという私は第一印象を持ったんです。
 これは、どういうときにそんなふうに思ったか。過去の例で、バタフライナイフのときがあったんです。あれが取り上げられて、持っていっちゃいけない、買っちゃいけないし、持ってきちゃいけない、それで取り上げてしまった。それによってそういう危険性はなくなるんだろうということだったんです。しかし、あのナイフそのものの機能性はあるわけです。必要性もあるわけです。なぜ存在するかということをあの機会をとらえて私は教育の場にすべきだったなと。
 ただリスクがあるから、安全を阻害しかねない、安全じゃないからそれをとってしまえということは、私は国全体として大変未成熟な対応ではないかなという思いがするんです。だから、それだけに、こういう通達を出すときは、十分その辺の暮らし、あるいは県民の思いをおもんぱかって私は出していただきたいなということを思います。それは、単純に四十億の被害じゃないなという思いがあるわけなんです。
 これからいろんなところへ行って、ぜひ沖縄に行きましょうよということでやっていただけるわけなんですが、なぜ二十二万も、あるいは三十万人近くの人をキャンセルに向かわせてしまったのかという背景をやっぱりよく考えなくちゃいけないんじゃないかな、単純に安全宣言を出すで済む問題じゃない、行ってくれればいいよ、行こうよと言って済む問題じゃないんじゃないかなと私は思います。その安全の根拠に対してきちっとやっぱり私は触れるべきじゃないかなと思っています。
 旅行先が危ないということであれば、沖縄の県民の皆さん方の暮らしそのものも危険だということになっちゃいますから、そういった意味でも、安全の根拠というのをいろんな角度から私は探る必要があるんではないかな、それをPRする必要があるんじゃないかなと思います。
 それから、そんなやるせない思いを私は聞いてきたものですから、ちょっと向こうの方々のお言葉でお話をさせていただきますと、沖縄が国の安全保障に対する貢献からくるところの被害であると言われている、今度のキャンセルは。沖縄が国の安全保障に対する貢献、その部分から今度の被害がくるんではないか、アメリカに基地を提供している日本政府が何らかの形で損害賠償あるいは補償に近い性質の具体的経済援助をすべきだというような言葉が出てきたわけなんです、私ども沖縄に行っていて。
 となると、これはある意味では、日本政府に賠償とか補償、そういうようなことを含めた経済支援という、そういう文言が出てくるということは、大変な私はずっと積年のいろんな思いがあるんではないかなと思うんですが、尾身大臣、こういう言葉が出てくるというのは、政策論じゃなくて、政治家として思いがやはり何か感じられることがあると思うんですが、その点、大臣、どうなんでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) 日本全体の在日米軍基地のうち七五%が沖縄にあるという状況でございまして、この基地の存在によってやはり沖縄県民の方々が受けている影響というものは非常に大きい。そういう意味で、私は日本全体として沖縄の方々に感謝をすべきであるというふうに考えております。
 そういう中で、復帰以来、沖縄の振興策というものについては、先ほどもお話がございましたが、六兆円に上る国費を投じてインフラ整備等々に全力を尽くしてまいりました。しかしながら、なお現状、日本全体の平均の七三%の一人当たり所得であるという状況でございますし、また、失業率も九・四%と本土の平均の倍近い失業率になっているという状況でございまして、私どもは、これからも沖縄の振興のためにありとあらゆる対策をしながら、沖縄の県民の皆様の生活の向上、発展を図り、同時にSACO合意、日米の合意に基づいた基地の存在による負担軽減のための基地の統合などを実現していく、そういうことが非常に大事かというふうに考えております。
 この在沖縄米軍基地は、やはり日本全体の安全保障のみならず、アジア地域の平和と安定に大きく貢献しているということも事実でございまして、私どもは、そういう実態を踏まえながら、全力を挙げて沖縄の皆様の生活の向上を図り、この地域を大きく発展させていくということが、政治家として、政治のあるべき姿として大変大事であるというふうに考えている次第でございます。
○海野徹君 観光客が抱く不安の中で最も大きいのは、やっぱりテロの対象施設が沖縄に集中しているということなんです。それは米軍基地ということなんですが、非常に危険な島というイメージを実際に払拭していかないと、なかなかやはり失われたものというのはまた帰ってこないんじゃないかなと私は思うわけなんです。
 この問題というのは、やはり沖縄だけの問題じゃない、これは大臣もおっしゃっているとおり。日本の安全保障にかかわる根幹の問題であります。これは国民的な課題なんです。国民的な課題だけに、国民的な議論を今だからこそやるべき時期に来ているんではないかなと思うんです、国民的議論。だから、その機会を大臣としては今後どうやってつくろうとされているのか。今までもやってきたんだ、しかしながら、こういう事態が出ているから余計やっぱりやらなくちゃいけないという思いが私はあるもんですから、ぜひそういう機会をこういう機会でつくろうとしているんだということで御意見を伺わせていただければ大変ありがたいなと思うんです。
 それと、やっぱり現実に我々、アメリカ軍の存在というのは大変安全保障上重要なことであります。これは、東アジアの状況を考えると、それ以外に安全保障上有効なことはないと私は現実に考えております。ただ、そうは言っても、これから基地があるということで危険が高まるというような矛盾があるとしたら、やはり基地の縮小を含めて我々は在日米軍のあり方、これを真剣に議論していかなくちゃいけないなと、そんなことを思うんですが、その辺、尾身大臣あるいは防衛庁としてはどのような見解を持っていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) このテロの問題は、私ども、事柄の性格上どこが安全でどこが危険だというようなことは軽々しく言える問題ではないというふうに考えておりますが、しかし、先ほど来の修学旅行のキャンセル等に見られますように、風評といいますか、ムードといいますか、そういうものによってかなり影響を受けていることも事実でございまして、私ども、それに対して全力でPR、御理解をいただくのと同時に、今、海野議員の言われました沖縄の問題は国民的な課題である、そういうことをぜひ国民の皆様一人一人に御理解をいただきながら、SACO最終合意に基づいた基地の整理、縮小、統合を図っていく、それから同時に、沖縄の経済の振興、発展を図っていく、そういうことに対して全力を尽くしていかなければならないというふうに考えているところでございまして、先ほど来大変貴重な意見をいただいているというふうに私、実感をしておりますが、今後ともよろしく御理解、御支援のほどをお願い申し上げます。
○政府参考人(首藤新悟君) 米軍としては、例えばQDRなんかにも出ておりますけれども、やはりヨーロッパあるいは北東アジア、東アジア沿岸、さらには中東、南西アジアといったところの前方展開勢力を維持したり、あるいは前方での抑止体制を強化する、さらには西ヨーロッパと北東アジアにおける重要な基地を維持するというふうに述べておりまして、引き続き日本あるいは韓国におけるプレゼンスを維持していきたいと言っているわけでございます。
 我が国といたしましても、自衛隊の存在に加えて、やはり米軍による抑止力あるいは戦略攻撃力といったことが非常に重要な要素でございますので、そのいわば盾と矛といった分担の中で我が国の防衛を全うしていくということになるわけでございます。
 したがいまして、先ほど尾身大臣の方からも申されておられますように、SACO最終合意といったことを着実に達成しつつ、こういった我が国の防衛を全うしていくための措置はそれなりに必要ではなかろうかと考えている次第でございます。
○海野徹君 沖縄の県民の方々の日常的な本当に深層心理まで踏み込んでいただいていろんなことを考えていただきたいなと思うわけなんですが、その中で一点、基地の縮小、これは当然大きなテーマになっているわけなんですが、報道によりますと、この真偽のほどをちょっと防衛庁の方でつかんでいらっしゃったらお聞かせいただきたいなと思うんです。
 米韓安保協議会というのがありますね、アメリカと韓国の。米韓安保協議会で、すべての在韓米軍基地の半分以上に当たる約一万三千四百ヘクタールを二〇一一年までに段階的に返還して、返還のかわりに首都圏を中心に約二百五十ヘクタールを新たに米軍に提供する、こういうようなことで原則合意ができたというようなことが韓国の国防省の関係者の間で明らかになった、明らかにしたというような報道がされているんです。それが事実なのか。
 今回のテロと北朝鮮、朝鮮半島が置かれている状況を考えると、非常にそれはちょっとある意味では納得できかねるような情報なものですから、我々としては在韓米軍をむしろ強化すべきだというような考えを持っているものですから、これはある意味では在日米軍との関連があるのかなという思いがありまして、このような報道が実際あったとして、この事実があるとしたら、こういう報道の動きの中でアメリカ軍は何を考えているのか。これは在日米軍との関係もあると思うんですよ。その点の分析をされているのか、情報をつかんでいらっしゃるのか、答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(首藤新悟君) 今、海野先生おっしゃられましたとおり、私どももその点は韓国国防軍の発表という形で存じておりまして、先般の十一月十五日にワシントンで開かれました韓米定期協議におきまして、在韓米軍供与地のうち約五四・三%、約一万三千三百ヘクタールを二〇一一年末までに段階的に返還することを盛り込む計画に合意したと表明しているというふうに承知いたしております。
 ただ、これらは米軍の兵力の縮小ではございませんで、基地用地の縮小でございまして、また米国は、先ほども申しましたが、QDRにおきましても、西ヨーロッパと北東アジアにおける重要な基地を維持するというふうに述べておりまして、また、ブッシュ大統領は本年三月の日米首脳会談におきまして、韓国及び日本におけるプレゼンスを維持していきたいと述べておられます。今後とも、アメリカは米軍の前方展開を重視して維持強化する方向であるというふうに承知しております。
 今おっしゃられましたとおり、約一万三千三百ヘクタールを返還するというのに対応して、この返還は基地周辺の都市化による訓練効率の低下などを背景にした在韓米軍の基地統廃合に伴う措置でございまして、返還とともに韓国側は統廃合で必要となる約二百四十八ヘクタールを新たに在韓米軍側に供与するということになったと承知いたしております。
○海野徹君 在韓米軍と在日米軍との関係は考えなくてよろしいということですね。
○政府参考人(首藤新悟君) その点、確たることを申し上げられるわけではないわけですが、基本的には、在日米軍、在韓米軍という関連でそういうふうに直結してというものではないのではないかと、これはこれで韓国における在韓米軍の基地の縮小、返還といった問題であろうかと存じております。
○海野徹君 それでは、普天間基地の代替地問題でこのごろ何かいろいろ意見が出ているようなんですね。辺野古地区で代替軍民共用空港の民間機能に対する疑問の声が上がっているということなんですが、なぜこの時期になって軍民共用に疑問の声が上がってきたと考えていらっしゃるのか、その点について、状況を把握している範囲内で御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤康成君) 先生御存じのとおり、普天間飛行場の移設・返還につきましては、平成十一年十一月に県知事の方から移設候補地を表明された際に、建設に当たって整備する条件の一つといたしまして、代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用飛行場とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることということが示されておるわけでございます。それに基づきまして平成十一年十二月二十八日に行われました閣議決定におきましても、共用飛行場、軍民共用ということで検討を進めるということになっております。
 それによりまして、その後、今日まで七回の代替施設協議会というものを開きまして、そこで位置あるいは規模等につきましても御議論いただきました。それはすべて軍民共用ということを前提に議論を進めてまいりまして、先般、いわゆる三工法八案というものにつきまして代替施設協議会に防衛庁から御報告を申し上げた次第でございます。
 それにつきましては、地元名護市を初めとしまして、地元の方で意見の集約、また、さらにそれらを踏まえまして県としての御意見を次回の代替施設協議会で伺うという段取りになっておりますが、その過程の中で、名護市の特に候補地の近辺でございます、いわゆる久辺三区と申しますが、辺野古区等々におきましていろいろな御議論が出ているとは承知しておりますが、その個々の御議論につきましては、現在まさに地元の意見集約中であるということでございますので、私どもからコメントを申し上げることは差し控えたいと存じます。
○海野徹君 地元で意見集約中ということなんですけれども、代替施設建設位置の年内決定に余りにもこだわり過ぎて、振興策をあるいはちらつかせながら遠回しに決断を迫るというような、そんなやり方が、政府の姿勢がある意味では政府のみずからの責任を棚上げしているように思われてこういうような疑問の声が上がっているという、そんなことはありませんか。
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど防衛施設庁長官の方からお話をしたとおりでございますが、私どもは地元の意見集約を自然体でお待ちしているという状況でございまして、代替施設のあり方について、先ほど来お話しのとおり、今現在、地元で意見集約をしている段階でございまして、これを見守り、お待ちしているというのが状況でございます。
 私個人としては、沖縄県のためにも北部地域のためにも、将来の発展を考えますと、軍民共用の方が望ましいのではないかというふうに思っているわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、できるだけ早い機会に名護市及び沖縄県の考え方を十分にお伺いする場を持たせていただきたいというふうに考えている次第でございます。
○海野徹君 先ほど私が指摘したようなことにならないように、ぜひ責任を持ってやっていただきたいなと思います。
 これは、防衛庁と外務省が所管している平和・安全保障研究所、これが「アジアの安全保障 2001―2002」、これを出版しました。この中で沖縄の基地問題が取り上げられているんです。
 どういうふうに取り上げられているかというと、日本政府は戦後も沖縄の基地問題に対して真剣な対策を講じていないという不信感を植えつけたというような指摘がされているんですよね。やはり県民の負担軽減は早目に実現しなければいけない。そういった意味では、しないと政府の目指す日米安保強化というのも、これは揺らぎかねないなというふうに我々は思っているわけです。
 そういった意味では、沖縄の問題についてはやっぱり思い切った政策転換が必要じゃないかなという指摘がされているんですが、尾身大臣、その点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) その政策転換の意味がちょっとよくわからなかったんですが。
○海野徹君 これ、安全保障研究所のその文章を読みますと、日本政府は戦後も沖縄の基地問題に対して真剣な対策を講じていないという不信感を植えつけたと、こういうことが指摘されていますから、県民の負担を軽減する、それを早く実現するということで、やはりそれをやらないと日米安保体制の強化というのもなかなかうまくいかないんじゃないか、だから、早期に実現するために、負担を軽減するために思い切ったことをやっていく必要があるのではないかなと。
 相手のあることですからなかなか思いどおりに進まないということもあるんでしょうが、かなりある意味では、先ほど、西銘委員だったかな、伊達委員だったかな、小泉首相が聖域なき構造改革ということでかなり大胆なことをスピードを上げてやると言っているわけですから、この点について大胆な政策転換、スピードを上げながら負担軽減を図る、そしてやはり同盟関係ですから、リスクは負担するかわりに言うことは言うということでやっていく必要があるんではないかなと思うんですが、その点、どうなんでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) 日米安全保障体制を堅持していくというのが私どもの立場でございまして、そういう中におきまして、沖縄基地の存在が日本のみならずアジア地域の平和と安定に大きく寄与しているということがございます。
 しかしながら、他方におきまして、この基地の存在が沖縄県民の皆様に大きな負担になっているということも事実でございまして、今おっしゃいましたような状況を踏まえて私どももアメリカといろいろ相談をした結果、日米安全保障についてのSACO最終合意というのがございまして、基地の整理、縮小、統合をこの合意に基づいて図っていこうということで、今一つ一つこの課題の実現を目指して関係方面と話をしているところでございます。
 普天間基地の移転の問題もその一つの大きな項目でございまして、私どもは、名護市を中心とする地元の皆様の理解を得ながらこれを実現していきたいということで、今、代替施設協議会等の場を通じ、またいろんな話し合いを通じながらこれを進めているところでございまして、この合意に基づいた方向で諸課題を解決していきたいというふうに考えております。
○海野徹君 大変質問通告ではたくさんさせていただいて、時間がないものですからあれなんですが、日米地位協定のことで、先ほど西銘委員からもお話があったんですが、私は、第三条Aの環境保全のことで、これだけちょっと、今どういうようなこの要請に対してこたえるための活動をされているのか、外務大臣の方からお聞かせいただきたいと思うんです。
○国務大臣(田中眞紀子君) 三条のA、環境問題についてというふうなことだというふうに思いますけれども、これにつきましてもいろいろな御意見が出されておりますけれども、運用の改善ということに、より機敏に対応していくということが合理的でありますし、そして運用の改善努力もしております。
 これが十分効果的でない場合には地位協定の改定も視野に入れるということでありますけれども、この環境の問題につきましてはこの委員会等でも、ほかでも事実議論がされておりまして、先ほど海野委員が、リスクは負担するが言うべきことは言うとおっしゃいましたね、これができればもうきれいさっぱりするわけでございますが、やはり相手もあることでありまして、こちらも問題点を整理しながら、相手と目と目を見て、内閣もそうかわらず、大臣もそうかわらず、しっかり信頼関係をつくって、そしてトータルでやっぱり県民や国民全体の皆さんの意見を集約して、権限を任せてもらって交渉するというような体制ができないとなかなかこれはできませんが、より詳しい役人答弁をしてくださいますので、ぜひうちの局長からもちょっと一言聞いていただけるとありがたいんですが、いかがでございましょうか、お許しがあれば。
○海野徹君 お願いします。
○政府参考人(藤崎一郎君) 環境問題についてでございますけれども、今、御質問は、この三条A項と申しますのは民主党の方で御提起になっておられる日米地位協定の改定案で、環境保全が重要である、また施設・区域における環境の影響について環境影響評価等が行われなければならない、あるいはこれの調査分析が行われなければならないというような御規定を入れた案を新設するようにと、こういう御要望、御要請を承っているわけでございます。
 今、大臣の方から、できる限りスピーディーに運用改善を図っていくという答弁を申し上げたわけでございますけれども、私どもといたしまして、昨年の九月でございますが、環境原則に関する共同発表というものを出したわけでございます。
 この環境原則に関する共同発表におきましては、管理基準、情報交換及び立ち入り、環境汚染への対応、環境に関する協議等を入れておりまして、この中でいろいろ、環境に関する協議の定期化あるいは環境分科委員会のもとに作業部会を設置する等の合意をいたしまして、これの具体化を進めているところでございます。
○海野徹君 外務大臣、運用の改善でということで、もうそれが限界に来ているんじゃないかと我々、思うんですよね。絶対に限界に来ています。だから、外務大臣のパワーでやっていただきたいなと思うんですよ、努力する努力するじゃなくてね。だから、具体的に私は答弁をいただきたいなと思うんですよ、これからは。
 きょうはもう時間がありませんから、いつ、どこで、だれと、何を、どういう話をして、どこまで行っているんだと、事務方ではどこまで行っていますと、私は、政治的な状況ではどこまで行っていますというのをこの次の機会はぜひお伺いしたい。
○国務大臣(田中眞紀子君) しゃべらせてください。
○海野徹君 いや、もう時間がないものですから、いいです。
○国務大臣(田中眞紀子君) 一言。局長たちも……
○委員長(佐藤雄平君) まだ指名しておりません。海野君、いいのかな。
○海野徹君 じゃ、一言だけ。
○委員長(佐藤雄平君) 一言だけ、田中外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) すぐ終わります。
 これは本当に事務方も長い間、外務省の方たちも苦労しておられまして、非常に機微な問題でもありますから声も小さくなるし、非常に慎重を期しているわけでございまして、別に私がプレッシャーをかけているわけでもなくて、これはやはりいろいろな問題をトータルで収れんして、政治的イニシアチブで相手と話をする、これがあるべき姿だと私も思っておりますので、ぜひそういう方向で努力をするようにいたしたく存じます。
○海野徹君 もうそれは期待します。この次は少しでも進捗しているようにぜひ答弁をお願いしたいなと思うんです。
 最後に、もう時間がないものですから、それ以外の質問で通告してあったことはぜひ御勘弁いただきたいなと思うんですが、最後の質問はアメラジアン問題。
 この問題でやはり御父兄の方々は非常に御心痛ですし、御苦労されているし、大変な問題だなと思っております。この問題で、アメラジアンの教育権あるいは公的助成、あるいはその他もろもろの、彼らに我々と同じようなできるだけ機会と公的助成をやっていただくことが今できているのか、あるいはその点の対策はどうされているのか。
 非常に大ざっぱな質問でまことに申しわけない。これ、細かく質問をさせていただく予定だったんですが、時間がありませんものですから、そのことだけ、アウトラインを御答弁いただいて、私の質問はこれで終わりにします。
○国務大臣(尾身幸次君) このアメラジアンの問題に関しましては、私ども政府といたしましても、その課題を十分に認識する中で全力を挙げて取り組んでいるつもりでございます。
 具体的な対応といたしましては、アメラジアンを対象といたしましたフリースクールでありますアメラジアン・スクール・イン・オキナワの環境改善を図るということが平成十三年度の沖縄懇談会事業として取り上げられておりまして、宜野湾市が事業主体となりましてこれを進めている、私ども、これを支援しているわけでございます。そのほか、アメラジアンの家庭におきますさまざまな問題を解決するための相談業務等につきましても、沖縄県の女性総合センターの窓口を平成十二年九月に宜野湾市と北谷に開設をしているところでございます。
 そういういろんなことをやっているわけでございますが、このアメラジアン問題につきましては、長期的な問題としては、むしろ国際間のかけ橋ともなるべき潜在的な力を持った人材の育成という前向きの取り上げ方もあるというふうに考えておりまして、沖縄県当局とも連携を図りつつ、引き続き対策に万全を期してまいりたいと考えている次第でございます。
○木俣佳丈君 民主党・新緑風会、木俣佳丈でございます。三十分程度でございますが、よろしくお願い申し上げます。
 まずは佐藤雄平委員長、本当に私の敬愛する委員長でございまして、さらに尾身大臣閣下、そしてまた田中外務大臣閣下におかれましては、先ほど与党の同僚議員の方からお話がありましたけれども、ちょっと通告ございませんが、一、二問おつき合いいただきたいと思うんですが、北方領土のお話が出ましたけれども、ぜひ佐藤委員長のときに前向きな解決が図られますように、そして尾身大臣、田中大臣のときに、大臣在任のうちに解決が図られることを心から国民の一人として祈念するものでございますが、現在の進捗状況、どんな形でございましょうか、ちょっと短くお願いします。
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほども申し上げましたけれども、この北方領土の問題は独立国日本としてどうしても解決しなければならない問題である、そういう認識のもとに全力を挙げて国民運動に取り組んでまいりたいと思います。
 具体的な外交交渉等は外務大臣にお願いをしながら、私どもとしてはどうしてもこの問題を解決する決意でございます。
○木俣佳丈君 ありがとうございました。
 ちょっと質問を変えまして、先ほど我が会派の川橋議員から内閣の報償費の話で質問を外務大臣にさせていただきましたけれども、ことしの一月一日の新聞にどんと大きく載って、それ以来もう一年がたつわけでございますが、この問題の締めくくりは、ことしのことはことしのうちにという思いでしていただかなければ、やはり外務省としてもこれから先いろいろな難問を抱えておりますので、なかなか国民の世論がついていかないんじゃないかという思いでございますが、大臣、そろそろ大きな決断をしていただかなければならないと思うんですが、いつごろどのような処置をされる予定でございましょうか、通告にございませんが。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほど参議院本会議で川橋議員からお尋ねがございましたけれども、報償費のみならずプール金のこともお尋ねがたしかあったというふうに思いますが、この一月、私どもが着任する前の段階から引き継いでおりますこうしたいわゆる残念ながら外務省不祥事ということ、松尾事件以来ですけれども、そのことにつきましては、やはりトータルな結論を制度の面それから人事の面でいろいろしようと思っておりますが、人事の面はなかなかうまくまいりませんで、会計に関する制度のことにつきましてはかなり、監査制度の一元化、部局会計の一元化でありますとかそのほか進めてきておりまして、監察査察制度もでき上がっておりますし、いろいろございますが、最終的にはこのプール金の問題ということがかなりやはり大きくもありますので、今月内、もう数日でございますけれども、このことにつきまして今月内に御報告をさせていただくというふうに準備を今鋭意進めているところでございます。
○木俣佳丈君 今月内ということは、きょうが二十八日でございますが、もう数日ということで、土曜が十二月一日でございますから金曜までにかなり出てくると、こういうことでよろしゅうございますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今月内で結構でございます。
○木俣佳丈君 いろいろ内部のお話をそれとなく伺うと、かなり松尾さんのみならず厳しい罰、懲戒免職も含めて執行しなければならないようなそんなお話もあるんですが、これは事実でございますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 本日、参議院本会議場で申し上げたことに尽きますけれども、調査の終了次第、関係職員は厳正に処分する所存でございまして、特定個人が私的に使用したケースにつきましてはその額の返還を求めるとともに特に重い処分を行うという方針でございますが、基本的にはきょう参議院の本会議場で申し上げたことに尽きます。
○木俣佳丈君 今の外務大臣のお話によれば、かなり重い罰もこれは下るということを今感じたわけでございまして、やはり今、日本は二十一世紀、外交で生きていくと私は心から思っておる一人でございますけれども、そういったときに、早く国民の意識をもう一度正常に戻して、日本の外交というのは誇りあるものだということを大臣みずからが、今月内にというお話がありましたけれども、再度しっかり明言いただかなければならないと。
 その際に、再度申し上げますが、最も厳しい罰を下すような方というのは何人ぐらいいらっしゃるんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほど来申し上げておりますように、今月内に発表をさせていただきますし、こうしたことが本来の外交の手足を縛るということが一番迷惑だと感じているのは私でございますし、そうなってはならないということも一番思っておりますので、十一月中に御報告を申し上げます。
○木俣佳丈君 明確にそうやって期日を言っていただいたので、私も、ことしのことはことしのうちにというような気持ちでほっとしたような気がいたします。速やかに、信賞必罰、やはり悪いことを罰して正常化しなければ、これだけ難問が山積している日本でございますので本当に困ってしまうと思いますので、つけ加えさせていただきます。
 それでは、同僚の海野議員が南のことを尋ねさせていただきましたので、私は北の方ということで質問をさせていただきたいと思っております。
 私も、伺うに、この十二月の一日ですか、政府間の貿易経済委員会ですか、政府間の協議がかなりハイレベルで、向こうは副首相がいらっしゃるんでしょうか、外務大臣とお話し合いになるということを伺っております。
 まず初めに私が伺いたいことは、私もかつて十年ぐらい前にロシアというよりソ連の担当をやっておりまして、それで北方領土の問題からウラジオストク、ウラジボストクですね、の日本人の商社の部長たちを連れて初めて九五年に入ったものですから、ひとしおこのロシア、ソ連に対しては思いが強いものでございます。
 そこで、五六年の共同声明以来いろいろ右往左往しておるわけでございますが、まず初めに、大原則として、政経分離で処していくのか、それとも政経不可分という立場でこの北方領土の問題に取り組んでいくのか、この大原則についてはどちらの立場をおとりでございましょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは、結論を一言で言えば、幅広い分野で協力をしていくということであって、いずれがいずれということではないと思いますけれども、ロシアとの関係につきましては、平和条約の締結、経済分野における協力、国際舞台における協力という、この平和それから経済と国際舞台という三つの課題を同時に前進させていくべきであって、幅広い分野での関係の進展に努めるということになると思います。
○木俣佳丈君 幅広い幅広いじゃなくて、結論から申しますと、私は政経不可分で行っていかなければならないというふうに考えております。
 これは、経団連が久しぶりに大きなミッションを五月の下旬から六月に派遣いたしまして、極東を中心でございますが、その中で、私も議事録を入手いたしまして、プーチン大統領が、日ロ経済関係の発展というのは政治問題を含む両国間の問題解決においても大きな肯定的影響を与えると、こういうふうに締めくくっているのを考えましても、言ってみると、ロシアはかつての超一流国でございますが、現在経済的にも政治的にもちょっとビハインドかな、こういう中で、やはり経済問題の解決なくしては政治問題の解決はなしと、つまり、あるとき言われたような政経分離論ではないと私は思うことをぜひつけ加えさせていただきたいと思っております。
 時間がございませんので、御返答は後にまとめてお願いしたいと思っております。
 さて、四島帰属の問題という、そういう資料を私も手にしております。これは外務省の資料でございますが、帰属の問題解決をすること。帰属ということはどちらに属するかということを決めるということで、四島返還とはこれ、尾身大臣、違うんですよね。要するに、四島の帰属、要は二、二でやるのかどうするのかということ。
 さらに、結局、イルクーツクのこの声明では、二〇〇一年の三月、ことしの三月でございますが、五六年の日ソ共同宣言というものを基本的な法文書であることを確認するということ、つまり、二島先行して返還ということが五六年のこの文書のエッセンスだと思うんですが、そうすると、二島を先行するということでよろしいんでしょうか。お答えいただけますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 何度も何度も繰り返しますが、四島の帰属の問題を解決してから平和条約を締結するということが基本でございまして、これは一貫しております。
○木俣佳丈君 四島の帰属の問題というのは、何度も聞いているかもしれませんが、四島がどこに配置されるかということですね。どちらの国に帰属するかということですよね。
○国務大臣(田中眞紀子君) もちろんそうです。
○木俣佳丈君 我が国政府の立場は、四島をとにかく日本に返還しなければいけないということではないんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 結論として、四島の帰属の問題をはっきりしてからということになります。
○木俣佳丈君 いやいや、そうじゃなくて、四島一括かどうかは知りませんが、四島を返還しなさいということをこの十二月一日もやるわけですね。十二月一日じゃないかもしれませんが、要はロシア政府とやるわけですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) ですから、一括であるとか別にとかではなくて、四島の帰属の問題を、その点を明らかにしていくということです。
○木俣佳丈君 議論がかみ合いませんが、私は、四島、まあ二つの島ずつでもいいんですが、段階的でも結構ですが、四島を返還せよということをロシアに言わなければいけないということを言っておるんですが、要は日本政府はそういう立場だと思うんですよね。ですから、その帰属の問題を解決するというのじゃなくて、四島の返還のその問題というものを解決した後に平和条約締結ということじゃないんですか。帰属というのは、ロシアの方についてもいいということになるわけですよね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 同じことを繰り返して申しわけございませんけれども、四島の帰属の問題を解決して後、平和条約を締結するというこの主張は一貫いたしております。
○木俣佳丈君 まあ、やめます。
 先ほど申しました政経不可分という立場でこれから臨んでいただきたいということをお伝え申し上げましたが、やはり現在、日ロの貿易投資というのは極めて冷え込んでおります。極めて冷え込んでおるというより、日本の入超ということですね、貿易では。
 これも経団連の方でも推進しようということで、経済界それから政府の方も挙げて日ロ貿易投資促進機構というものの設立、これをお訴えさせていただいておると思うんですが、これは十二月一日の時点でこの貿易促進機構が設立に至るというふうに考えればよろしゅうございますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは、ことしの六月の経団連の、委員は経団連の職員をしていらっしゃったというふうに伺っておりますけれども、そのミッションのことをおっしゃっておられますでしょうか、そのフォローアップということでしょうか、質問の趣旨は。
○木俣佳丈君 そうです。
○国務大臣(田中眞紀子君) これですと、今井経団連会長を団長とする政府派遣の経済使節団、約二百名だったというふうに存じますけれども、その方々の参加を得てロシア各地を訪問し、手分けをして回られて、そして最後にモスクワに集まられたというふうに聞いておりますけれども、プーチン大統領を初めとして、議会、政府関係者やロシア経済界との会談、それから企業とか研究所の視察なども行ったそうでございます。
 そして、この訪問の参加者からは、投資環境の改善が着実に進展しているなど、ロシアの変化を実感し、ロシアが改革を引き続き進めていくという強い印象を受けたという報告がなされております。民間レベルの経済交流の拡大に向けて政府としてもそのフォローアップに努めてまいります。
○木俣佳丈君 フォローアップじゃなくて、投資促進機構を設立することで約束をしたので……
○国務大臣(田中眞紀子君) そして、続きを申し上げます。ちょっとお時間をください。
○木俣佳丈君 短くしてください。
○国務大臣(田中眞紀子君) いいえ、短くできないんですね。正確に申し上げます。
 この訪問の際に提起された貿易投資促進機構につきましては、貿易経済日ロ政府間の委員会の枠組みのもとで十月二十五日に行われました貿易投資分科会において意見交換が行われたとの報告も受けておりまして、十二月一日に予定される、先ほど来委員がおっしゃっている日ロの政府間委員会において、この機構の創設に関して調整を続ける方向で話し合いを行いたいというふうに考えております。
○木俣佳丈君 順調に伸びているというような雰囲気でその報告が何かされておるとすれば、これは全く違いますね。順調ではないですね。投資も非常に冷え込んでいますね、日本からも含めて。
 ですから、やはりこういった、別に経団連の後押しをするわけではないんですが、あえて言えば、こういう日ロの貿易や投資が本当に促進していくような機構を十二月一日の会談のときに、合意するというのか、正式にいただけないかなというふうに思っておりますけれども、どうでしょうか。あらかた大体合意されているという。
○国務大臣(田中眞紀子君) それについてまさしく討論もすると思いますし、民間のことについて余り政府が口を挟むこともできないと思いますけれども、いずれにしても、その十二月一日のときにそうしたことを検討して討論するということでございます。
○木俣佳丈君 これは七五%民間で二五%は輸銀、かつての輸銀ですね、最近だと協力銀行というんですか、国際協力銀行、こちらからも入りますので、政府も大いに前向きな検討をしていただきたいと思っております。
 残りの時間、ちょっと少なくなりましたけれども、輸銀の話が出ましたので、輸銀のクレジットで、九四年、五年ぐらいから現在に至るまで、実は国際協力銀行の輸出信用の枠というのが九億ドルございまして、九百億円ぐらいですね。それで、これは日本からロシアへの信用供与ということでございますから、NC機械とかまた重機とか、こういうものを向こうが輸入する場合に商社が仲立ちになってやるのに非常に有効なんですが、しかしながら、これ進捗をいただきますと、このクレジット枠が六割ぐらい、要するに未完なんですよ。結局、使いたい人があるのに、未完がゆえにそのクレジット枠が満タンになっていまして、やりたい人ができないという状況があるんです。
 ですから、これを改善いただきたいんですが、その監督官庁である財務省から。
○副大臣(尾辻秀久君) 先生からこの御質問があるということを聞きましたので、私も担当の者を呼んで聞いてみました。正直言いましていらいらする話でありました。先生も事情をよく御存じですから、まさにいらいらなさっての御質問だろうと思います。
 そこで、改めてですが、十二件全部でございます、この枠を使っておりますものが。そのうちの五件はうまくいっているわけです。ですから、十二件のうち五件うまくいっていますから、残り七件であります。その残り七件のうちの五件が入り口でとまっている、言うならば。二件が途中にあるわけですね。この二件をまず政府としては進めたい、このことを考えております。
 二件の事情を申し上げますと、一件は、既に始まっていたんですが、九八年に信用状が一遍切れて、これが再開するときにどうも向こう側の会社が税金を滞納しているというような事情もあって信用状が再開されなかった、それでとまったままになっている、こういうことでありますから、税金の問題はもう解決した、あとは年金が残っているとか言っておりますので、これは早く進むことを期待しています。
 もう一件は、これがすべての問題のネックになっているんですが、ロシア政府が保証しなきゃいけない。その保証をつけるために今一生懸命検討していると言っておるようでございますから、これは早く結論を出してもらいたいということです。
 残り五件が入り口でとまっておりますので、私も先生と同じように、じゃ、これを差しかえるとか見直すとかできるのかと言ったんですが、まず問題なのは、既に入り口でとまっているとはいっても、輸出入契約だけは両者で結んでいるわけですね、日本の企業と向こうの企業と。したがって、ここは動きませんので、民間側がもうこの契約はやめましたとか、あるいはほかの方法でやりますからといって、民間側の方からこれはもう結構ですというような話をまず言ってくれないと、政府側がいきなりこれをやめたというのはどうも言えないということのようであります。私はそのように理解しております。
 したがって、そこのところから話を始めなきゃいけないので大変難しい問題を含むと、こういうことでありますが、申し上げたように、このままほうっておくというのはもったいない話でありますし、先生のおっしゃるとおりでありますから、引き続き、日ロ政府間の話でありますから、協議していきたいと思っておりますということをきょうのところは申し上げたいと思います。
○木俣佳丈君 今お話がありましたようにかなり滞っておりまして、その滞り方も一年とか二年じゃない。要するに七年とか六年とかこういう期間で、普通、民間企業で、大体会社の経営計画というのは二年なんです。もっと短いかもしれません。ですから、そういう中で七年もほったらかしで、要は契約が結んであるから、輸出入契約があるからそのままにしてあるんだと、これはおかしいと思うんですよ。
 ですから、信用枠ですから、国際協力銀行が決めなければ、それを取り下げれば私はできると思いますので、これはまた外務大臣にも、十二月一日の会議ですべてを話し合うわけにいきませんけれども、しかしやはり努力をしていただかなければ、せっかく会議をやるんですからもったいないと思いますから、大臣に、じゃ、ちょっと決意のほどを。
○副大臣(尾辻秀久君) 私も個人的には先生がおっしゃるとおりに実は思います。したがって、研究させてみたいというふうに思いますので、引き続き努力いたします。
○木俣佳丈君 もうあと時間がわずかになってまいりましたが、エネルギーの問題で、私も熱心にというかやらせていただいておるものですから、ようやくサハリンの1、2の原油が出てきたということでございますが、一番の問題はエネルギーの需要。現在の世界経済は低迷しておりますので需要が非常にないということで、中国の原油輸入なんかを見ましてもそこそこになっちゃっていると。日本も電力が余っているみたいなところはありますけれども、しかしながら、片方で天然ガスに対する需要というのは、これはもう急増しています。これは、地球環境問題もこれありで、クリーンなエネルギーということで使われるわけでございます。
 これは一月一日、ことしの例の外務省の不祥事の記事と相対になって出てきた問題で、例えば車の社会もこれから二つの社会に分かれるんですね。これは、トヨタ、GMグループが要はガソリン改質の燃料電池を使う、そしてダイムラークライスラーが天然ガス転換改質の燃料電池を使うなんというのが一月一日に出たんですよ。これは、世界をある意味で真っ二つに分けて三社で要は支配していこう、こういうふうに僕は読んだわけなんですが、いずれにしても、天然ガスの需要というのは、今も伸びておりますし、これからもっと伸びますね。
 そういったときに、ポイントは、LNGでサハリン2から出してくる、サハリン1がいつできるかわかりませんが、これは二十五年もかかっておりますが、ということが大事じゃないんですね。要するに、生で、生ガスをパイプラインで出してくるということが大事。そして、さらに加えれば、要するにロシアのザバイカルのコビクタとかああいうところとパイプラインをつないでいくというような、こういうことをしていかなければ日本の今後の需要には追いつかないというふうに思うんですが、経済産業副大臣、ちょっと何か御感想を。
○副大臣(古屋圭司君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、サハリンの1、2のプロジェクト、天然ガスの埋蔵量は日本の需要量の約七年分ございまして、大変なポテンシャルがあると私ども十分に承知をいたしております。今、それぞれの事業者がいわゆる事業化計画について検討をしているところでございます。
 天然ガスというのは、もう委員御指摘のように、COP7も合意をいたしまして、いよいよ二十一世紀は環境と経済をいかに両立をさせていくか、こういう時代でありますから、そういった意味でのこの天然ガスの重要性というのはますます高まっていく、もう申し上げるまでもないことでございまして、ただ、そのためにはLNGで運ぶかあるいはパイプラインで運ぶか、こういうことが、両方の選択肢がある。しかし、コスト的にどうなのかということが非常に重要になってくると思うんです。
 今後、仮に将来的にこれを運ぶ場合、LNGでやるのかあるいはパイプラインでやった方がいいのかにつきましては、特にこのパイプラインのコストの問題なんですね、これがどれぐらいかかるか。これはもちろん安全基準というものを満たしていかなくてはいけないものですから、今、保安院の方でその辺を検討いたしております。
 確かにオーバースペックにやる必要はないですが、一方では、やはり地震対策であるとかそういう安全対策を手抜きするわけにいきませんので、その辺の整合性を考えて今検討して、大体本年度じゅうぐらいにはその結論が出るのではないかなというふうに予測をいたしております。
 いずれにしても、やはり我々としては、そういった形で天然ガスを活用していくということは非常に好ましいことでございますので、そういった環境整備に向けては大いに支援をしていきたいというふうに思っております。
○木俣佳丈君 時間なんですが、問題は、サハリン2は民間なんですよ、サハリン1の方で、ソデコですよね、要するに、これは輸銀が入っておる方が遅滞しているんですよ、二十五年間。だから、政府が、政府がというか、役人がやるとだめなのかなというような、そういうイメージさえするので、ぜひそちらの方をどんどん進めていただきますように叱咤激励をいただきたいと思います。
 終わります。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 私は、北方問題について二、三質問をさせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事海野徹君着席〕
 まず最初に、先日、新聞報道で外務省が、北方領土が返還された場合に、仮に日本島民らが北方領土に戻った場合に、生活基盤の整備や水産業やあるいは観光の発展に必要な投資、また、それらの関連で北海道経済に及ぼす影響などについて環日本海経済研究所やロシア専門家に委託調査を行っている、そのような情報が提供されたわけでありますけれども、これが事実であれば、この委託研究の目的、内容等について田中外務大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 北方領土についてあらゆる角度から調査をしておくということは極めて重要であると思いますけれども、各方面と意見交換や調査研究の依頼を行っているというところでございまして、その内容を明らかにするということは、ロシア側との機微な問題もございますので、差し控えさせていただきたいということでございます。
○渡辺孝男君 調査は、内容については今差し支えがあるというようなお話で、述べられないということでありますが、そういう研究はされているということでよろしいんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) いろいろな方面と意見交換をしたりいたしております。
○渡辺孝男君 やはり真剣に北方領土の返還を求めていくのであれば、返還後、島民が戻られたときにどういう生活状況になるのか、また、島民が本当に日本で生活していたときと同じような環境で生活できるように責任を持って国はやっていかなきゃならないのではないか、そのように思うわけで、この点やはりきちんと調査をするのが当然であろうというふうに考えるわけであります。
 それに関しまして、内閣府としてはそのような検討をこれまでなされてきたのかどうか、その点をお伺いいたします。
○政府参考人(坂巻三郎君) お答えいたします。
 北方領土は我が国固有の領土でございますが、現在ロシアの不法占拠下に置かれており、北方領土返還のための外交交渉が継続していることから、お尋ねのような調査を内閣府が行っているということはございません。
   〔理事海野徹君退席、委員長着席〕
 ただ、これとは全く異なりますが、北方領土には我が国の施政権が事実上及ばないため、その現状把握のためには衛星画像による情報整備が有効な手段であると考え、予算措置をいたしまして、現在までに高解像度衛星画像の撮影を行ってきたところでございます。本年度におきましては、この高解像度衛星画像を活用し、これに北方四島交流などを通じて地上で入手したデータを付加するなどにより北方領土の土地利用状況の分析を行い、元島民や関係者の皆様に成果も還元できるようにということで準備を進めているところでございまして、そうした観点からの調査はやってございます。
 以上でございます。
○渡辺孝男君 やはり、現実的に北方領土が我が国にきちんと戻ってくるんだということを前提としていろんな調査をしていただければと思います。
 あと、外務省、いろんな研究をされていると思うんですが、国民に対してなるべく情報を提供していただけるように、我々もこの北方問題を考える上で、先ほどの情報などは大変大事な情報でございますので、差し支えない範囲で十分な提供をお願いしたいと、そのように思います。
 次に、北方関係では水産業が大変重要でございますので、北方領土周辺水域での日本漁船の操業に関してお伺いいたします。
 十一月二十三日に北方領土周辺水域での日本漁船操業に関しての日ロ交渉が妥結しまして、スケトウダラの漁獲量の削減と漁期が短縮となりました。前にもマダラの問題では削減が大変大きくありまして、羅臼とか根室の漁業者の方々は大変な痛手をこうむっております。
 このスケトウダラの漁獲量削減と漁期の短縮というのは現場にどのぐらいの影響があるのか、その点をお伺いしたい。その理由等もお伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡辺好明君) 枠組み協定それ自身は政府間のものでございますけれども、具体的な操業条件は民間レベルで協議をしております。
 今、先生御指摘がありましたように、スケトウダラで千トンから八百五十トンへ百五十トン減っておりますし、漁期も一―三月が十五日短縮しております。ただ、実態問題として、過去八百五十トン以上漁獲したケースはございません。それから、そういうふうな中で、民間の方も納得ずくで合意をしているというふうな状況にございます。私どもとしては、実害はないと、そういうふうに考えております。
○渡辺孝男君 それで少しは安心したんですが、やはりいろいろな問題で、日本がとれる漁獲量というものが削減をされてきているというのが流れでありまして、漁業に携わる方は大変悩みを持っておられるということでありまして、交渉に関しましては、いろいろ漁業者に大きな負担がかからないように頑張っていただきたいと思います。
 それに、今回の日ロ交渉の中で一つお聞きしたい点がございます。これは外務大臣にお伺いしたいんですが、同交渉において、ロシア側の大型トロール漁船による日本漁船の漁具被害というのが現場では非常に問題になっているんですが、この対策についてどのような協議結果になったのか、お伺いをしたいと思います。
○副大臣(植竹繁雄君) 私もこの水産の関係については今までいろいろやってきたものですから、私からもお答えさせていただきます。
 ロシアの今回の問題は、何といっても大型トロール船による漁具の被害というのが一番大きなものでありまして、これは、政府間の協議または民間の交渉におきまして厳重にこのトロール船というものによる被害について抗議をしていかなくちゃならないということで、被害の再発防止というものは厳重に対策をとるように申し入れしておりますし、この被害について双方とも防止に向けた対策を講じるということには両国とも一致しているということで、引き続きこれは努力してまいります。
○渡辺孝男君 何か一歩前進したというような項目はなかったんでしょうか、その点。なかなか進まないということでしょうか。
○副大臣(植竹繁雄君) これは、結局、先ほど水産庁からの報告もございましたように、漁獲量が減っているということが一番問題でございますので、そういういろいろな環境の問題もありますから、とにかく両国が協議するということにおいて一致したということは大きな前進だと思っております。
○渡辺孝男君 漁具の被害に対して、それを防止するための何か一歩進展がなかったのかという質問でございましたけれども、その点、何か進展があればお願いしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) その点、私も事務方によく聞きましたら、ロシアは伝統的にこの地域で大型トロール船を使っていて、なかなか日本のような小回りのきくものにしないということがあるらしゅうございます。
 そして、その中で、今、副大臣もお答えしたように、やはりその資源量が減ってきているというふうなこともありますけれども、それらトータルで、いずれにしても話し合いをするといいますか、その防止策について話し合いができるということは進展ではないかというふうに存じます。
○委員長(佐藤雄平君) 植竹副大臣、何か補足ありますか。
○副大臣(植竹繁雄君) 日本側におきましては、漁を実際にやるときに照明をつけるということを言いましたし、ロシア側の方では、それに対して、船の持ち主に対してそういうことを通知して両方が協力してやっていくということで、具体的にはそういったことで一歩一歩前進しているということでございます。
○渡辺孝男君 では、もう一つ別な質問、最後の質問になりますけれども、これは教育の問題で質問させていただきたいと思います。
 北方領土に関しましては国民の中でもなかなか理解をされない点もございまして、尾身大臣の方でもさきの当委員会で、国民世論の高揚を図るための啓発活動の展開、特に次世代の人材教育に積極的に取り組むというふうにお述べになられております。
 そこで、文部省にお伺いをしたいんですが、義務教育の中で北方領土に関してどの程度取り上げられているのか。例えば、以前と比べて増加しているのか、あるいは少し取り上げ方が少なくなっているのか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(玉井日出夫君) 北方領土に関する学校教育における取り扱いでございますけれども、基本的には、我が国の国土の位置や領域を学習する中で児童生徒の発達段階に応じて必要な指導が行われるということを考えておりまして、具体的には、小学校の社会科では、我が国の国土の位置を調べる学習の中で我が国の領土、近隣の諸国を取り上げて指導され、その中で北方領土に関しても教科書ですべて取り上げられておりますし、また、中学校社会科の地理的分野におきましても日本の位置と領域を学習する中で取り上げられ、その中でも特に北方領土が我が国の固有の領土であることなど、我が国の領土をめぐる問題にも着目させる、こういう指導を行っているところでございます。
 御案内のとおり、教科書において、小学校ですと今五点出ておりますけれども、すべての教科書で北方領土に関する記述がなされておりますし、また、中学校社会科の地理的分野の教科書は全部で七点出されておりますけれども、すべての教科書において北方領土に関する記述がきちんとなされていると思っておりますし、私どもも検定という作業を通じて必要な指導を行っているところでございます。
 また、このほか、中学校の社会科の公民的分野、また歴史的分野の教科書においても、現在それぞれ七点ございますが、すべての教科書において北方領土に関する記述がなされているところでございまして、私どもとしては、北方領土に関する児童生徒の適切な理解が図られるよう今後とも努めてまいりたい、かように考えております。
○渡辺孝男君 私も教科書を何点か見させていただいたんですが、やはり非常にわずかな記載しかないと。
 教科書の問題は別としまして、そのほかにもいろいろな副読本等、また別な資料等を使って義務教育をなされていると思うんですが、どうもやはり小学校、中学校でも十分な情報というものがまだ出されていないのではないかという、そういう懸念もございますので、その点しっかり次世代の方々に、子供さんたちに、北方領土というものが我が国の固有の領土である、なかなか返還がされなくて大変困っているんだというような情報もしっかり提供していただきたいと思うんです。
 そこで、最後になりますけれども、尾身大臣の方から、何とか文部省に対しても、今まで以上に正確な情報を、アップ・ツー・デートの情報を義務教育の中で取り上げていただきたいということをお伝えいただいて実現できるようにしていただければと思うんですが、答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) この問題は国民世論の結集が大事でございまして、特に次の世代の若者がこの北方領土の問題をしっかりと理解し認識していただくことが極めて大事だというふうに考えております。いつもいつもこの教科書の指導要綱の改訂のときには文部科学省にも申し入れをしているところでございますが、私ども、この北方領土の問題についての学習指導がしっかりできるように今後とも努めてまいりたいと考えている次第でございます。
 それからまた、内閣府といたしましても、啓発のための副読本やビデオを用意しておりまして、小中学校に配付するというようなことをやりましたり、あるいは中学校の社会科の教諭の皆様に対して研修をするというようなことをしているわけでございますが、今後ともこの努力を一層強化してまいりたいと考えている次第でございます。
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今、北の議論が続いておりましたのに、また南の方に戻しまして、沖縄の問題を私は取り上げたいと思いますが、もうずっとテロが起こってから長い間、沖縄の経済がテロの風評被害によって大きな打撃を受けたということで議論になっております。
 きょうの委員会では、尾身大臣の方から大分ムードが変わってきたというようなお話がありまして、政府の方も四億円を投じて「だいじょうぶさぁ〜沖縄」というキャンペーンをやられて大分雰囲気が変わってきたということなんですが、私も本年、沖縄に十二回ほど行っておりまして、テロの前とテロが起こった後と比較をしてみますと、やはり数字でも、当然、宿泊予約のキャンセルが今日まで延べ人数で約四十五万人という大規模なものであります。修学旅行の話もきょう出ましたけれども、十七万六千五百人がキャンセルをしている。実は、昨年修学旅行で沖縄を訪れた生徒というのは合計で三十万三千六百人という数字がありますので、昨年一年間の半数以上の修学旅行の生徒がキャンセルをしてしまったということなんですね。
 ですから、今ムードが大分変わりつつあるということもあると思いますけれども、しかし、このテロが起こってから二カ月、三カ月の間に受けた打撃を回復するということは、これはやっぱり容易ならざるものじゃないかなというふうに私は思っておりますので、今後とも、この委員会も、あるいは国会においても、あるいは政府におかれましても、これは気の緩むことなく取り組んでいかなきゃいけない問題かなというふうに思っております。
 私は、十月十九日の参議院の本会議の代表質問で、観光業界、特に政府の方は、先に中小企業の支援というものを沖縄公庫を通じてやる政策を打ち出してこの段階でおりましたので、大手、中堅の観光業界の企業が大変苦しんでいるというような窮状を訴えまして、大手の場合はパートさんとかあるいは就職で新卒の学生を受け入れるという意味で非常に雇用に大きな影響を与えるところでもありますので、ぜひ政府の一層の支援をお願いしますということで言っておりました。
 実は、この委員会で、もし何もこのフォローアップがなされていなかったら、私は与党の一員なんですが、追及をさせていただこうと思っていたわけですが、何と昨日、沖縄公庫で記者会見が朝十時にありまして、大手観光関連業者への融資支援の強化というものが正式に打ち出されてきょうからスタートするということで、私の怒りは感謝に変わりまして、尾身大臣また仲村副大臣初め内閣府の皆様の御尽力に大変敬意と感謝を表すものでございます。
 それで、きょうはまず、このきのう発表された融資支援の強化について若干突っ込んだお話を伺って、また、私の方からさらに新しい支援のあり方について提言をさせていただこうというふうに思っております。
 この大手の観光関連業者への融資支援でありますけれども、まず貸し付けの限度額というところで、困っている企業が必要としている資金の七割ということになっているわけでありますが、これはどうして七割なんでしょうか。
○政府参考人(武田宗高君) 御説明申し上げます。
 政府では、沖縄への修学旅行等の大量キャンセルということを踏まえて、観光業者が売り上げの急減とか資金繰りの悪化ということで苦労しているということで、十月二十九日に中小についての融資制度をスタートさせました。さらに、今委員おっしゃられたとおり、本日から大手のホテルについても中小企業向けと同様の緊急特別融資制度をスタートさせたわけでございます。
 この貸付限度額でございますけれども、大手企業の資金需要に柔軟に対応するということで特段上限等は設けておりませんけれども、民間金融機関との協調を図るという観点から必要額の七割ということにさせていただいているところでございます。
○遠山清彦君 それで、私が公庫の方でプレスリリースしていただいた方に──これはちゃんと通告していなかったと思うんですが、貸付額のうち八千万円までを限度として無担保というようなことになっておりまして、私はそれを高く評価するんですが、新聞を読んでおりましたら、場合によっては二億円以下の企業に対しては事情に応じた担保免除の特例を設けたと書いてあるんですが、これは私、二億円まで借りても無担保になるのか、それとも企業の資本金のことを言っているのか、ちょっとこの記事だけだとよくわからないんですが、これはどういう意味でしょうか。
○政府参考人(武田宗高君) 御説明申し上げます。
 この貸付制度につきましては、八千万までを無担保ということにいたしております。なお、これを超える資金需要がございました場合には、個々に企業の方の御相談に乗らせていただきまして、場合によりましては担保を軽減、あるいは担保がない場合は無担保でも二億円までは貸し出せるという制度でございます。
○遠山清彦君 わかりました。
 大変に困っている企業にとってはすばらしい政策かなというふうに思っておりますが、ちなみに、この制度を利用できる条件として、貸付対象のところで三つ条件があります。
 一つは最近の売上高が一〇%以上減少していること、二番目として最近二カ月の売上高が前年の同期を下回っていること、あるいは、三番目の条件としては最近の取引条件が回収条件の長期化または支払い条件の短縮化等により悪化していることということになっているわけですが、もうテロ事件の風評被害が始まってから大分たっております。幾つぐらいの、どれぐらいの利用があると見込んでいらっしゃるか、ちょっと教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(武田宗高君) 公庫の方では窓口を設けておりまして、既に大手のホテル等につきましても個別にいろいろ相談に応じております。
 一応、沖縄におきまして今回設けられました大手ホテル向けの産業開発資金でございますが、これの対象になりますいわゆる観光関連の業界というのは約三十社ございます。現在、窓口に十社弱の御相談が寄せられておりまして、ただこれはまだ御相談の段階でございますので、具体的な融資にどういう形で結びついていくかというのはこれからの話であろうというふうに思っております。
○遠山清彦君 わかりました。
 それで、実は今回と同じような緊急の融資支援を、この沖縄公庫の中の産業開発資金、これはもともと設備投資に融資すると、大手の場合、ということを今回この運転資金に融資できるという形にしたということで、実はこれと同じようなことを平成十年から十二年ぐらいまで、やはり平成十二年度末までの時限措置としてやっている。
 今回も、このペーパーを見ますと、取扱期間が来年の十月二十八日までということで、約一年の時限措置ということになっているわけですが、まず最初に、これの延長は可能なんでしょうか。例えば、一年たってもまだ沖縄の経済がなかなか立ち直らなくて、観光業中心に、延長しなきゃいけないという状況になったときに延長は可能なんでしょうか。
○政府参考人(武田宗高君) 本制度はテロによります観光の急激な落ち込みという極めて異例な緊急の事態に対する特別措置ということで時限的に実施をすることにいたしております。ただ、これは今後の状況でございますが、状況次第では延長措置も含めて適切に対応していくということになろうと思います。
○遠山清彦君 延長が可能ということで、弾力的に対応する可能性はあるということで、それは私、多としたいと思うんですが、ただ、次の質問で、ちょっと長くなるかもしれませんけれども、私は、こういったいわゆる観光業に限らず、沖縄の中堅、大手の企業に対して長期的な運転資金を貸し付けする制度を、こういう緊急事態が起こったときの時限措置という形ではなくて、常時そういうことができるような形の制度に制度として常設した方がいいんじゃないかというふうに思っております。
 ここからは提言の話になりますが、その理由としてはたくさんあると思うんですけれども、私、きょう二つだけ申し上げたいと思っております。
 一つは、沖縄の預金残高が非常に自己完結型であって、県の経済成長がその与信能力に大きな影響を与えるということは御存じだと思います。沖縄の銀行、そんなに多くありませんし、地域で自己完結型ですから、預金量が長期的に不足をした場合、金融機関の限界与信能力が非常に低下をしてしまう。その一方、地元の中堅企業は、中堅企業であっても資本蓄積がなかなか少ないというようなところがあるわけです。来年はさらに、予定どおりで行きますとペイオフの解禁ということもあるわけでして、いわゆる地元の中堅企業の新規の独立投資とか、あるいは急に運転資金の需要が今回のテロの風評被害みたいに出てきたときに、地元の金融機関が対応できるだけの体力がないという意味で公庫にその運転資金の貸付制度を常設すべきではないかと。
 それから、二点目の理由といたしましては、沖縄は株式で上場企業が六つしかないんですね。ですから、直接金融から成長資金を調達できない、間接金融に非常に大きく依存をしている。まあ、日本全体でそういう傾向があるわけですが、特に沖縄はすごいと思うんですね。ですから、金融機関が、ある一つの企業に対して設備投資にも融資をして、そして運転資金にも融資をするということで、いわゆるあわせ貸しという形で、金融機関がもともと平常から一つの企業に対して貸付残高が非常に高いという状況なんですね。それで今回のテロの風評被害みたいにどかんと緊急事態が起こりますと、これ、地元の民間金融機関がお金貸せと言われても貸せないという状況があると思うんです。
 先ほど局長が言っておりましたけれども、沖縄公庫は政府系の金融機関ですから民業補完の原則というもとでやっているというふうに私も理解しておりますが、しかし沖縄振興のこの流れの中で、設備投資ということよりも、私、きょう時間がなくなってきてあれなんですけれども、時間があれば雇用問題にも関係ある話なんですけれども、やはり運転資金というのは人件費に、雇用に結びついていく資金ですので、ぜひこういった沖縄の事情にかんがみて、沖縄公庫の中に今やっておられるような制度を常設するような方向で検討していただけないかと思うんですが、これ、いかがでしょうか。
○政府参考人(武田宗高君) 沖縄公庫でございますけれども、基本的には民間の金融機関を補完するという観点から、中堅・大手企業向けの資金につきましては、設備投資を主体に、民間金融機関では対応が困難な非常に長期の資金供給を行うということで役割を果たしておるところでございます。一方、民間金融機関の方は主として運転資金の供給を担っている、こういう役割分担の中で、沖縄の中堅・大手企業が全国に比べて特に資金調達が困難であるという状況とは認識をいたしておりません。
 現に、平成十年、先ほど委員御指摘のように、沖縄公庫が民間金融機関の貸し渋りという異常な信用収縮の際に、中堅、大手向けに金融安定化長期運転資金という、そういう制度を導入いたしました。そのときの利用実績は実は三件でございまして、それも平成十年だけでございまして、十一年、十二年においては実績がゼロであったというようなこともございます。そういう意味では、沖縄の中堅・大手企業が恒常的資金需給の逼迫状況にあるということでは必ずしもないのではないかなというふうに思っております。
 ただ、今回の大手ホテル向けの運転資金の融資制度というのは、やはり米国同時多発テロを契機とした沖縄の観光客が急減するという非常に異常な事態、これを受けて観光関連産業の売り上げが急減するとか資金繰りが悪化する、そういった緊急特別の措置として実施をするものでございます。
 御指摘のような中堅・大手企業に対して運転資金の融資制度を常設するということにつきましては、一つの御意見として承りたいと思いますが、ただ、沖縄におきましてそういう恒常的な資金逼迫という状況にないということ、あるいは遠山委員御指摘のとおり、民間でできることは民間でする、民間にゆだねるという特殊法人改革の原則といったものが今強く主張されておるわけでございまして、こういった点も十分しんしゃくする必要があるのかなというふうに考えておるところでございます。
○遠山清彦君 もう時間もありませんので、今のお話は私も地元の企業の方の話と認識がちょっと違うかなと思いますが、ただ一方で、政府系の金融機関が余り肥大化するのも私も好ましいとは思っておりませんので、また今回の措置の状況を、利用状況等を見た上で議論させていただきたいと思います。
 最後に、いろんなところで取り上げられておりますが、沖縄の高校生の就職希望者の就職率、内定率が五・九%で全国最下位ということが今新聞等で話題になっておりますが、私、この問題の根っこは、よくデータを見ますと、そもそも有効求人倍率が〇・一五なんです。びりから二番目の北海道、ここは一四・九%の内定率で全国で下から二番目なわけですが、ここは有効求人倍率が〇・四四なわけです。
 ですから、沖縄の問題というのは、内定率の問題というよりも、もともと求人数が極めて少ないということがあるわけでありまして、去年の卒業した高校生の例でいいますと、一万七千百三十四人の卒業生のうち、大学に進学、専門学校進学、就職した人を抜かして、どこへ行ったかよくわからないという高校生が四千八百九十三人と、ほぼ三分の一近くいる。これは、毎年五千人近く進学もしない、就職もしないという人がこの一万七千人しか卒業生がいない沖縄で起こるということは、これは非常に沖縄の社会全体にとって大きな問題だと思うんですが、若者の雇用対策ということで、もう時間ありませんので答弁はいいと思いますけれども、ぜひ尾身大臣、また厚労省の方にも、今後も全力で取り組んでいただきたいと申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○小泉親司君 まず初めに申し上げておきたいのは、昨日、特別委員長の御配慮で根室市長及び根室市議会議長から北方問題について陳情を受けました。中身は、御承知のとおり、同僚委員からもお話がありましたように、領土問題の一日も早い解決と同時に、当面、北方対策特別措置法に基づく北方領土の隣接地域の基金の充実などの改善策が出されております。
 私もこの問題については当委員会でも何遍も繰り返し要望をしてきているところですが、特に北方対策特別措置法についての基金の問題、これは百億の基金があるんですが、現実に、もともとは七億円近い金利が生み出されていたにもかかわらず、このような経済の状況の中で三億円しかなくなっちゃっている。これを改善するというのは非常に重要な問題だと思いますし、この北方対策特別措置法というのは、もともと議員立法でつくられた法律ですから、やはり私たちは超党派で、この委員会で、ぜひ委員長を初め委員の方々の御努力によって、こういう問題はやはりきちんと委員会自体でしっかりと解決させていただきたいなということを、まず初めに要望と私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 私は、沖縄の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 先ほどからもお話がありますように、テロの問題で沖縄の観光それから経済などが非常に深刻な打撃を受けている。これは申し上げるまでもないんですが、私は、やはりこの問題ではきちんと、一体こういう原因がどこにあるのか、この点の問題を認識することが大事ではないかなというふうに考えております。
 その意味で、例えば最近出されました日本全体の旅行社の収支決算といいますか報告を見ましても、米軍基地が集中する沖縄についてだけ伸びていないというか、へこんで、国内旅行はおおむね二割増という状況だという報告も出されております。
 実際に沖縄県の方では大変努力をされて、十五日にも那覇市では雇用・経済危機突破県民大会が開かれて、この中では、沖縄県の経営協会会長や狩俣連合沖縄会長は、沖縄は安心な島として知られていたが一発で危険な島という印象が広がってしまった、基地が沖縄に集中配備されているために起こった被害であるというふうに述べられております。
 この問題については、単なる風評被害というばかりにとどまらないで、その大もとというのは基地が集中しているというところにやはり大きな原因があるというふうに私は考えておりますが、その点の認識は、尾身大臣はどのような認識をお持ちなのか、まずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 私ども、テロ対策には万全を期しているところでございますが、テロという事柄の性格上、どこが安全でどこが危ないということを簡単に言うことはできないと思っているわけでございます。
 そういう中で、沖縄にあります米軍の代表でありますグレグソン四軍調整官も、沖縄に具体的なテロの脅威があるわけではないと明言しているところでございます。また、十月十五日には沖縄県議会の全会一致で決議がされておりまして、その趣旨は、沖縄の県民生活や経済活動は支障なく平常どおりに行われていることを全国にアピールしたいという安全宣言決議でございます。
 そういう状況にもかかわらず修学旅行のキャンセル等が相次いでいることは、私どもとしてはまことに残念でございまして、いろんな意味でのキャンペーンを展開をいたしましたり、あるいは観光関係の企業に対します金融等の措置を講じているところでございます。
 昨日も記事で読みましたが、米国向けの旅行者が非常に少なくなっているということで、ベーカー大使が旅行関係者を御招待して、ぜひアメリカに旅行に行ってほしいというような話をされたという記事もあるわけでございまして、私ども、これからも全力を挙げてキャンペーン等に努力をし、国民の皆様の御理解をいただくべく努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。
 他方、本当を言いますと、この問題の根絶は、やはり世界全体におけるテロ撲滅、そのもとを絶つということができませんとなかなか安心して旅行できないということもあるわけでございまして、そのことも大変大事であるというふうに考えております。
○小泉親司君 私、先ほどお聞きしますと、政府の見解は、よくSACO、いわゆる沖縄に関する日米行動委員会の報告に基づいて基地の縮小計画を進めている、こういうものをあわせてやりたいという見解を述べられておりますが、私、このSACOの報告について幾つか次にお尋ねしたいと思います。
 ことしの六月の普天間基地の代替施設協議会では、代替施設建設の工法が検討されて、これは尾身大臣、田中大臣も参加された六月八日の代替施設協ですが、そこでは主に三工法それから八案という計画が出されている。この計画の中には、当然今議論されております埋立案という計画が出されております。
 政府は、先ほども外務大臣も繰り返し言っておられるのは、これはSACOの合意に基づいて進められているものだということを繰り返し言っておられるわけですが、この埋立計画を含む三工法八案、こういう計画は一体SACO合意のどこに書いてある中身なんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 平成十一年末の閣議決定でございますけれども、これにおきましては、地元の要請を踏まえて、普天間飛行場の代替施設について軍民共用飛行場を念頭に整備を図ることとして、SACO最終報告における普天間飛行場移設に伴う機能及び民間飛行場としての機能の双方の確保を図る中で安全性や自然環境に配慮した最小限の規模とするとの方針が示されておりますということでございます。
○小泉親司君 SACOの合意というのは、御承知のとおり日米で合意されている中身なわけですね。ですから、この中身で、SACO合意に基づいて進めておられると言っておられるわけですが、SACO合意のどこに書いてあるんですか、それは。閣議決定の御説明じゃなくて、SACO合意のどこにその埋め立てを含む三工法八案という計画が書いてあるんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今申し上げましたことに引き続きまして、こうした今のSACOの合意の方針ですが、これはSACOの最終報告の趣旨に沿ったものであると考えております。
○小泉親司君 まず、普天間飛行場に関するSACO最終報告、「この文書は、SACO最終報告の不可分の一部をなすものである。」と決定されて、この計画の中には、一つは海上基地であるということ、滑走路は千五百メートルであるということ。それから、軍民両用であるということは書いておりません。よろしいですか。
 ということは、今度の計画というのは、軍民両用で、約二千六百メートルから二千七百メートルの滑走路を持ち、埋立計画を含む海上基地ではないと。海上基地ではないですよ。そういうことはどこに、このSACO計画の中に書いてあるんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今おっしゃったとおり、二千六百メートル及び埋立方式というものも追求していますし、軍民共用とするということは、これは当たっておりますけれども、地元の要請を踏まえてやるということになっております。
○小泉親司君 いや、私が言っているのは、ここに書いてあるSACO報告というのは、私らは少なくとも、中身を長いからまとめて言っておるんですが、一つは海上施設ということなんですよ。それから、滑走路は千五百メートルという滑走路なんですよ。それで、軍民両用というのは書いていないんですよ。何がSACO計画に基づくものなのか、これじゃさっぱりわからないんじゃないですか。
 ということは、SACO計画というのはなくなったわけですか、この普天間飛行場に関しては。
○国務大臣(田中眞紀子君) ここに平成八年十二月二日のSACO最終報告書を持っておりますけれども、これは二千六百メートルであり、これは今現在ですね、やっておりますのは、そして埋立方式であり海上も含むということでありますから、これに沿っております。
○小泉親司君 いや、それはでたらめです。それはもう全然話にならない。それは話になりません。それはSACO計画じゃなくて、あなたが説明しているのは閣議決定について説明しているわけで。
 よろしいですか。それだったら、じゃもう少しお話ししますが、SACO計画ができたときに二つの閣議決定が出ておるわけです。それはどういうものかというと、このSACO最終報告に基づいて、法制面、財政面、それに基づいて全力を挙げてやりますよという閣議決定がされているんですよ。
 ということは、あなたが言っておられるのは、SACO計画もなくなって、さらにその閣議決定というものを執行したんですか。じゃ、それ、尾身大臣、どうですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 普天間飛行場の移設・返還につきましては、平成十一年十一月に稲嶺沖縄知事が移設先の候補地を表明された際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして、代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用飛行場とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることということを表明されたわけでございます。
 そこで、その後の閣議決定、十一年十二月二十八日におきまして、「軍民共用空港を念頭に整備を図る」というふうにされたわけでございまして、その後、この線に沿って代替施設協議会で協議がなされているわけでございまして、全体としてSACOの合意に基づいた方向に沿った協議がなされているわけでございます。
○小泉親司君 私、その話はとんでもない話だと思いますよ。SACO計画の趣旨に沿ったといったって、趣旨といったら、だから私、SACO計画を読んでおりますように、SACO計画というのは普天間基地の問題を含む十施設の返還の問題が書いてあり、普天間については別途附属書が書いてあり、その附属書は詳細に定めているんですよ。細かく定めているんです。どういうふうに定めているかというのは繰り返しませんが、軍民共用、二千六百メートルの滑走路、埋立案、それは入っていません。
 ですから、例えば、最近沖縄で、元国防総省の日本部長のロビン・サコダ氏が十三日、SACOの作業については、移転のための埋め立ては許さないという前提で作業しているんだというふうに言っているわけです。
 だから、これは、日米のSACO合意に基づいた計画の中には埋立計画なんというのは前提にないんですよ。なぜ、そんなことが進められるんですか。
○国務大臣(尾身幸次君) この代替施設の協議会において、第六回の代替施設協議会におきまして沖縄県の知事から説明がございまして、県独自の推計で二〇一〇年度の民間機能における旅客利用者数は約二十万人を見込んでいるというお話がございました。この場合、関東、関西、中部方面に一日当たり六便、三往復の就航を見込んでいるという説明がなされたところでございます。
 そこで、その説明もございまして沖縄県からの発言等も踏まえまして代替施設の規模につきまして、滑走路については、中型ジェット機が就航可能なように二千メートルを基本とし、ゆとりを持つ意味において前、後ろに三百メートルずつつけるという形の二千六百メートル、それから民間機能にかかわる施設の面積は約十ヘクタール程度が必要であるという認識を持ちながら、軍民双方の所要の確保を図る中で安全性や環境面に配慮した最小限の規模とするよう検討を進めているところでございます。
○国務大臣(田中眞紀子君) SACOの趣旨を踏まえまして、地元からの要請、地元の議論というものを踏まえながら今継続してやっているということでございまして、SACO最終報告を着実に実施するに当たって地元の意見を尊重し、頭越しには行わないというのが今の政府のスタンスでございます。
○小泉親司君 ということは、SACOの普天間部分はもう完全になくなった、こういうことでよろしいんですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 繰り返しますけれども、SACOの趣旨を踏まえまして、そして地元における議論を大切にしながらやっているということでございます。地元の意見を無視して頭越しには行わないということであります。
○小泉親司君 ですから、SACO報告の趣旨は、千五百メートルの滑走路、海上施設、軍民共用は含まないんですと何遍もそれは私が言っているでしょう。趣旨に基づいてと言ったって、私は趣旨を言っているんですよ。そんなことを幾ら議論していても、という意味は、もうSACO計画は完全に破綻していると、この点では、全然違うことをやっているわけですから、そのことだけ私は付言しておきます。同じ答えなんでしょう、どっちみち。だめです、それじゃ。
 私、次に行きたいのは、もう私の質問が何か話があって尾身大臣は私の次の質問の答弁をされておりますけれども、官僚のお書きになった答弁を幾ら読んでいても私はそんなことを質問していませんので。
 私、質問したいのは、尾身大臣が言った答弁について御質問させていただきますが、それじゃ、国土交通省などが、今空港のいわゆる民間部分の空港、こういうものについては需要予測をしっかりと見積もらなくちゃいけない、こういうことを言っておられます。
 当然それは、今もう空港がどんどんどんどん拡張されて、地方空港でも今の公共事業の中で若干パンクしてしまっている。そういう空港もあり、よく需要予測を明確にした上でやるべきだということがこの行政監察の報告の中で出されているわけですね。
 そういうものについては、沖縄県の方では二十万人の予測ということが出されていますが、国としてはそういうふうな沖縄県の報告を踏まえてそういう需要予測についてしっかりと立てるべきだと私は思いますが、その点について、尾身大臣はそういうふうな対策をとられるわけですね。
○国務大臣(尾身幸次君) この沖縄県知事の御要望というか考え方は、代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用飛行場として将来にわたってこの地域及び沖縄県民の財産となり得るべきものであることと、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、沖縄県側は軍民共用飛行場にしたいという希望を持っているわけでございまして、その要望といいますかお考えを踏まえた上で、第六回の協議会におきまして私どもの方からこういう形のものはどうかということを提案したわけでございます。
 もとより、この飛行場そのものは私どもの国の予算でつくるわけでございまして、民間飛行機が現実にどのくらい飛ぶかどうかということは需要予測に基づいて民間企業が民間の御判断ですることになると思いますし、経済の発展等に伴って当然お客様がふえてくるということも予想されているわけでございまして、私どもとしては、この考え方を今地元の方に提示して、地元の御意見を集約していただくべく努力をしているところでございます。
○小泉親司君 地元では、例えば名護市の辺野古行政委員会では、これは非常に規模が大き過ぎると、軍民の二千六百ないしは二千七百滑走路というのは。それから、民間部門を外そうという意見もある。今地元の意見を集約する集約するとおっしゃっているけれども、例えば普天間の移設については、辺野古や豊原などの意見が一致していない、周辺十区の中でも賛否が入り乱れている、こういうふうに言われているわけですね。
 ということは、これを取りまとめるということになったとしても、そういう意見が分かれているということになると、実際に、地元地元とおっしゃるけれども、こういう問題についても国として真剣に対策をとらなくちゃいけないんじゃないですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 地元で今いろんな議論がなされているわけでございまして、その議論の集約を待っているところでございますが、私どもとしては、県の御意向もございまして、沖縄県のためにも、また北部地域の発展のためにも官民共用の方がいいのではないかというふうに考えている次第でございます。
 なお、これに関しまして、いずれそう遠くないうちに沖縄県あるいは名護市等の御意見も伺う場を設けたいというふうに考えております。
○小泉親司君 先ほども同僚委員からもお話がありましたが、最近発表された平和・安全保障研究所の報告、これはどちらかというと米軍基地を容認する機関の報告書でありますけれども、この報告書の中でも、SACO合意について、米軍兵力を維持し、面積を縮小しても沖縄側が感じている基地の重圧感をどれだけ軽減させるかは疑問だという報告書を出しておられる。
 その点では、やはり、このSACO計画にもない軍民共用の二千七百メートルの滑走路、それから、今度のやつは埋立計画の中でいわゆるリーフ上も考えられている。つまり、サンゴ礁の上にも埋め立てをするということも考えられている。その点で、自然破壊の問題では多くの地元の方も心配されている。こういう埋め立てるような工法というのはもう一度代替施設協ないしは国の方できちんとやはり私は地元の要望に沿って再検討するべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 代替施設の具体的な建設場所につきましては、現在地元において意見の集約が行われている段階でございまして、最終的には、沖縄県知事、名護市長等の参画する代替施設協議会の協議を通じて方向性を見出すことになると考えております。
 このために、現時点でその御指摘のリーフ上の案についてコメントをすることは差し控える方が適当であると考えているわけでございますが、既に公表しているデータに基づいて申し上げますれば、自然環境への影響として、藻場及びサンゴへの影響に着目した場合、リーフ内にありましては藻場に与える影響面積は最大となりますし、それからまた、リーフ外にあってはサンゴに与える影響面積が最大となる一方、リーフ上におきましては、場所により多少の変化がございますが、藻場及びサンゴに与える影響面積が相対的に小さいものになっているという調査結果になっていることは事実でございます。
 なお、このリーフという言葉でございますが、リーフはサンゴ礁と訳されることがあるわけでございますが、これは生きたサンゴの集中する地域を指すものではございませんで、リーフは基本的には岩礁でございまして、生きたサンゴはむしろリーフ外の海域において高い被度で分布しているものであるということでございます。
 いずれにいたしましても、代替施設の整備に当たりましては、自然環境に著しい影響を及ぼすことがないように最大限の努力を図ってまいりたいと考えております。
○小泉親司君 しかし、防衛庁長官が代替施設協で、これ、議事録を私、持っておりますけれども、その議事録の中だって、防衛庁長官の報告の中でも、サンゴや藻場に与える影響というのが出るんだ、だから可能な限り少なくするという留意事項について、その影響要因や影響面積や保全など、こういうことが大事なんだと言っておられる。それから、ジュゴンの問題については、この代替施設の設置による藻場の減少や工事時の夜間照明などによって大変ジュゴンへの影響が大きくなるんじゃないかということが指摘されている。
 この中でも、田中外務大臣は、大変藻場の移植の問題について心配をされて、環境大臣に、環境大臣が藻場の移植はできるんだというようなことに対して、いや、それはなかなか難しいんだ、それはいろんな状況が異なるから単なる外国の例だけで言っちゃいけないという、どちらが環境大臣かわからないような御発言もある。
 実際にそういうふうなことであれば、当然、ジュゴンの問題や藻場の問題からしても、そういう保護策というのがやはり検討されないと、これは埋め立て埋め立て、これで地元の了解が得られればいいんだ、そういうことじゃ私、進まないと思いますよ。どうですか、外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 申し上げる前に、先ほどのSACOとの関係ですけれども、SACOはSACOでありますし、このまた附属文書等もありますが、やはり選挙で沖縄県の方が知事を選ばれて、その知事のもとで県民の皆様の意思というものがあって、そこで先ほどの滑走路の話等も出てくるということを御認識いただきたい。これが一点です。
 二つ目は、ジュゴンの生息、藻場の問題等ございますけれども、環境アセスメントというものの実施というものもありますので、そうした環境にも配慮しながらやっていくということは、私どもも閣内におってチェックしていきたいというふうに思っております。
○小泉親司君 私、時間がありませんが、もう一問だけ尾身大臣にお聞きをしたいと思います。例の泡瀬干潟の問題であります。
 私、六月の二十日にもこの問題を取り上げまして、海草藻場であるとかクビレミドロという大変貴重な生物が破壊されるというようなことを指摘しました。その質問後、私も現地に行きましたが、尾身大臣も現地に行かれたと沖縄の新聞で見させていただきました。その後、八月の末にいわゆる今度の工事を、事実上着工を延期するということがなされた。
 私、そのことで少しお聞きしたいんですが、時間がないので、環境省をお呼びして質問ができなくて申しわけないんですが、沖縄市民の世論調査がこの間行われました。その世論調査によると、この泡瀬干潟の反対という人が五七%、賛成という人は二四%にすぎない、約半分以下。しかも、この問題については、国や県が強引に進めるんじゃなくて、もっと住民投票みたいな形で住民の意見を聞いて進めるべきじゃないかという方が七割に上っている。
 こういう世論調査が発表されているわけですが、こういう住民の声、地元の声、こういう問題については、尾身大臣、わざわざ見に行かれたそうですが、その点についてはどういう御意見をお持ちでございますか。
○国務大臣(尾身幸次君) 新聞社等の調査について私も聞いておりますが、その調査の中では、やはりもう一つは行政からの説明が不足しているというような意見もあったように記憶しております。
 この埋立事業につきましては、地元の強い要請に基づいて私どもこれを進めているものでございますが、現在実施中の藻場の移植作業の結果等、また、現在沖縄県及び沖縄市が行っております移植作業の結果待ちの間に、この時間を利用して行っております観光客やあるいは土地の需要の見通し等についての確認作業の結果を踏まえまして、地元沖縄県あるいは沖縄市の関係者の御意見をよく伺いながらこれを進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○小泉親司君 やはりこの沖縄市民の世論調査から見ても、先ほど言われましたが、同計画が住民に説明されているかどうか、十分に説明している、一〇%、不十分、七五%というのは確かにありますが、圧倒的多数は反対と。しかも、住民投票というのが、これですと七割近い数が出されている。こういう点はやはり十分に検討されなくちゃいけないというふうに思うんです。
 もう少し時間がありますので、特に環境省にお聞きしたいんですが、結局、環境省は、八月の着工が延期された後、十月には泡瀬干潟を重要湿地として指定されておられるわけですね。実際に政府は、一方で環境省が重要湿地ということを指定しながら、他方で埋立計画をどんどん進めるというのは、やはり非常に矛盾したことだというふうに思いますが、その点、環境省にお尋ねしますが、いかがでございますか。
○政府参考人(小林光君) 重要湿地につきましては、今先生おっしゃったように、指定という感じではなくて、二つの目的で選定をしています。一つは、まず我が国の湿地保全に関係する施策の基礎的な資料にしたいということでございます。それから二点目は、開発計画に関して事業者に配慮をお願いしたいと。そういうことから、二年半ほどかけまして専門家から成る検討会で科学的な知見をもとに作業をしたものでございまして、泡瀬干潟については、シギ、チドリの渡来地とか海草の生育地として着目した選定でございます。
 ただ、特に指定ということで何か法的拘束力を持つということではなくて、我が方としては、先ほど御説明したような趣旨でございますので、泡瀬地区の埋立計画については、平成七年十一月に中城湾の港湾計画変更が行われた際に環境保全に配慮するように意見を申し上げておりますので、事業者においてそれが十分配慮され着実に実施されるよう注視してまいりたいと考えております。
○小泉親司君 重要湿地に指定したが大したことないんだということを環境省が言うというのもおかしな話で、実際にやはり非常に重要な湿地なわけですから、ぜひ環境省としても、守るよう事業者に対してきちんと物を言うべきだというふうに思います。
 この世論調査では、反対理由は干潟が失われるということでありますけれども、二番目には経済活性化にもつながらないと。つまり、市民の意見は、環境を悪化させるだけで経済活性化にもつながらないんだと考えている方が多数であるということが言えるわけで、この点では、やはりその計画は再検討すべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
○大田昌秀君 短い時間の質問で意を尽くさないと思いますが、若干質問させていただきます。
 まず最初に、今の沖縄の経済的な不況に対しまして、担当大臣を初め政府の方々が特段の御配慮をしてくださっていることに対してお礼を申し上げたいと思います。
 さて、通告とちょっとそれますけれども、今問題になりました普天間の代替施設について若干お伺いしたいと思います。
 今、外務大臣は、選挙で選ばれた県知事が要請したからその意向を踏まえて先ほどの工法でつくっていきたいという趣旨のお話がございましたけれども、覚えていらっしゃるかどうか存じませんが、知事の公約は、海上に基地をつくるのではなくて、海上基地はつくらない、陸上に軍民共用の基地をつくるということを公約したわけです。そして、政府も、知事のそのような発言に対して、海上基地はつくらないということを言明されたわけですよ、当時の新聞をお読みになったらすぐわかりますけれども。
 それで、先ほど小泉さんからもお話がありましたように、SACOの中身と全く違うわけですね。そうしますと、SACOというのは一体どういう協定ですか。これは沖縄側が勝手に変えることができる内容のものなんですか。
 総理も、それから外務大臣も、それから尾身大臣も、SACOの最終報告案を忠実に実行することが沖縄の基地の整理縮小につながるということをたびたびおっしゃっております。しかし、SACOの最終報告案は、ただいま指摘がありましたように、そういうことを書いていないですよ、全然。
 しかも、SACO最終案については、アメリカの会計検査院からも国防総省からも非常に綿密な、建築工法についてあるいは環境の汚染について調査した結果の報告書が出ております。お読みになりましたですか。いかがですか、外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) そのアメリカの会計検査院から出たものは読んでおりません。
○大田昌秀君 尾身大臣はいかがですか。最終報告、ごらんになりましたですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 読んでおりません。
○大田昌秀君 私は非常に慎重に読ませていただきましたけれども、ただいま申し上げましたように、SACOの最終報告案は今両大臣がおっしゃったのとは随分違うわけです。
 それで、違うのは構いません。ただ、SACOの見直しをしたのかしていないのか、見直ししなくても一方的に変えることができるようなそういう協定なのか。それは、それとも協定ではないのか、何なのか。SACOには沖縄代表は全く入っておりませんので、その点についていかがですか。一方的に変えられるものですか。
○国務大臣(尾身幸次君) これは、SACOの最終合意の線に沿って地元の沖縄知事初め関係者と協議をし、他方、アメリカ側とも綿密な連絡をとりながら代替施設協議会の協議を進めているわけでございまして、私どもが提案をした内容はSACO最終合意の基本的な線に沿っている、かつ、沖縄の知事の提案、軍民共用施設という、そういう提案の線にも合致しているというふうに考えております。
○大田昌秀君 SACOの基本線に沿っているとおっしゃったんですけれども、全く違うんですね。
 SACOの最終案というのは、撤去可能な海上基地をつくると言っているわけですよ。しかし、今、県が言っていることあるいは政府がやろうとしていることは、撤去可能じゃなくて将来に活用するような基地をつくろうと言っているわけですから、全く逆なんですよ。いかがですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 県民の負託を受けた稲嶺知事からの提案でございまして、それを私どもは沖縄の意見として尊重し、しかもSACOの最終合意の基本線に沿って提案をしているわけでございます。
○大田昌秀君 県民の負託を受けた知事の提案と言いますが、お答えください。このSACOというのは一方的に沖縄県が変えることのできるものですか、対外的なアメリカとの話し合いで安保協議委員会が承認したものですが。
 しかも、今申し上げたように、県知事が言っているのは陸上につくると言ったわけですよ、公約したのは。海上にはつくらないということを明言していますよ。いかがですか。
○国務大臣(尾身幸次君) ちょっと大田委員は誤解をされていると思いますが、私どもはこの提案をする際に、アメリカ側とも片方でよく相談をしながら、この代替施設協議会における稲嶺知事の発言を踏まえましてこういう案を提案しているわけでございまして、私どもは今の沖縄県の意向も、それからアメリカとの協議の結果も、その後の過程におきます協議も踏まえた上で提案をしているわけでございまして、この辺のことは両者と協議をしているわけでございまして、そこはぜひ正しく御理解をいただきたいと思います。
○大田昌秀君 正しく理解したいと思いますけれども、私がお聞きしたことに対してはお答えになっておりません。
 SACOというのはどういう性格のものですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 平成八年十二月に発表されました沖縄に関する特別行動委員会最終報告において、その移設を条件に全面返還が盛り込まれたものでございます。
 そして、政府の見解は、先ほど尾身大臣もおっしゃいましたんですけれども、現在、埋立工法を含む代替施設の工法、具体的建設場所等に関する三工法八案が地元において議論されているところであり、そこに現稲嶺知事が県民の意思を受けた現職知事であるということの意味がございます。地元において議論されているところであり、政府としては引き続きこれを見守ってまいりたいということでございます。
○大田昌秀君 大変失礼ですが、大臣はお答えになっておりません。
 私がお聞きしているのは、SACOというのはどういう性格のものですかと。一方的にSACOに参加していない沖縄側が変えることができるようなそういう性格のものなんですかと伺っているわけです。
○国務大臣(尾身幸次君) 米側との協議は、2プラス2というのがございまして、そこでやっておりますが、同時に、SACOインプリメンテーショングループというチャネルを通じて片方でやっておりまして、SACO合意のラインに沿って、アメリカ側と片方で協議をしながら片方では沖縄の意見も聞きながらやっているということでございまして、この普天間基地を移転するという基本的な合意はできているわけでございまして、その基本的な合意に沿って協議を進めているということでございますので、私どもは地元の意見も踏まえ、かつSACO合意の基本的なラインに沿ったもので進めているというふうに考えております。
○大田昌秀君 まだはっきりしません。大変失礼ですが、SACOというものの性格をお聞きしているわけですよ。SACOインプリメンテーショングループというのは、これはSACOの一段下の実行の事務方のものでありまして、そこはちょっと違うんじゃないですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 一九九六年の十二月二日に日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2ですけれども、これでSACOの最終報告というものが承認されています。
 これは、アメリカとの政治的な、日本政府が、重要な話だと。いわゆる条約ではありませんけれども、アメリカとの関係において極めて重大な重要なものでありますから、これを誠実に実施するということは政府の義務であります。
 そして、先ほど来申し上げていることでお気に召さないかもしれませんけれども、やはり県民の声、そして代替施設協議会を通じて県民、地元の声を聞きながら、その声を待っているということが実態でございます。
○大田昌秀君 2プラス2で承認されたものを、そうしますと、今の大臣の説明では、2プラス2はSACOの内容の変更を認めたということになりますか、そう受け取ってよろしいですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) SACOの最終報告が重要であると、これは日本とアメリカとの関係において重要であるということを申し上げております。
○大田昌秀君 つまり、SACOの見直しをされたということですね。そう受け取ってよろしいですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) そうは申し上げておりません。
 何度も申し上げてお気に召さないかと思いますけれども、これは重要でございますので、アメリカと日本政府の間で交わされた大変重要な事柄でありますので、これを尊重しているということを申し上げております。
○大田昌秀君 気に召すとか召さないとかという問題ではなくて、これは国と国との合意事項なんですから、すぐれて外交問題の基本にかかわる問題ですよ。ですから、そこを個人的に気に召すとか召さないとかということをおっしゃらないでください。
 そうでなくて、SACOの見直しは2プラス2で承認されたんですかと伺っているんです。
○国務大臣(田中眞紀子君) ですから、SACOに対して、SACOを誠実に私どもは実施しております。なぜかというと、アメリカと日本との間でこうしたものが成立しております。
 そして、何度も、三度目、四回目になりますが、代替施設協議会を通じて地元の県民の皆様の声を聞いております。
○大田昌秀君 大変失礼ですが、SACOのを誠実に実行しておられないから今問題提起をしているわけなんですよ。SACOの内容は違うわけですよ。それを誠実に実行されるとおっしゃると、ちょっと後でお困りになりますよ。
 そして、住民の意向を体するとおっしゃいますけれども、政府の意向はなしに、じゃ、もしも住民が住民投票をして反対したら取り下げますか。いかがですか。
○国務大臣(尾身幸次君) このSACOは沖縄における基地全体の、この普天間に限らず基地全体の整理、縮小、統合をしようという総体としての日米合意でございまして、これを一つ一つ具体化する段階で、具体化する過程におけるいろんな相談をしながら、地元の御意見も伺いながらやっていくというのが私どもの考え方でございまして、それだからといってこのSACOの全体の合意をないがしろにしたとかいうことにはならないと考えております。
 その中で、普天間の基地につきましては、先ほど申し上げましたいろんな経緯の中で軍民共用という考え方が沖縄県側から出てまいりまして、それに合わせた形でアメリカ側とも協議をしながら、片方では沖縄の地元の皆様の御意見も伺いながら話を進めているわけでございまして、私どもは、SACO全体の合意のインプリメンテーションの一環として話を進めているわけでございまして、あくまでもこのSACOの全体の合意というものの基本ラインに沿ったものであると考えております。
○大田昌秀君 今、大臣がおっしゃったSACOのほかの部分については、私も御指摘をいただかなくても十分に承知しております、私自身がタッチしてまいりましたから。
 今問題になっているのは、政府は聖域なき財政改革とか構造改革とかおっしゃっておりますけれども、実は今この問題を非常に重要視しているのは、代替施設にかかる予算というのが、政府は四千億から五千億という説を唱えておりましたが、アメリカなんかのいろんな記録を読みますと、一兆円もかかると。日本の内部でも一兆五千億もかかるという、そういうふうなことが言われているわけなんですよ。ですから、私は重要視して問題提起をしているわけでございます。
 それじゃ、ちょっと話題を変えて別の側面から申し上げたいと思います。
 外務大臣でも尾身大臣でも結構ですけれども、一九六六年、つまり沖縄の復帰の問題について、日米両政府間で水面下で復帰問題についての討議が始まったときに、アメリカ海軍省が今のキャンプ・シュワブのところに三千メートル級の滑走路を持つ飛行場をつくろうと計画して、そして今の那覇基地とかあるいはキャンプ・キンザー、牧港の倉庫地帯とかあるいはキャンプ・ハンセン、金武町の部隊を、海兵隊の陸海空をキャンプ・シュワブ地域に統括しようという計画を立てた。しかし、ドルの切り下げ、ドルの価格が低落したりして、当時安保条約は適用されていなかったのでアメリカ側自身が移設費用を負担しなければならなかったわけで、ポシャっちゃってできなくなったわけです。
 ところが、今は安保条約が適用されまして、すべて日本政府が移設費用なんかを受け持つようになったわけですね。ですから、沖縄の内部では、市民グループがアメリカの機密文書をあさってきまして、この計画に見事乗せられているのではないかと。もう二度とだまされないという本なんかが出ているわけです。
 ですから、そういった点、御存じですか、一九六六年の段階でそんな計画があったということは。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、大田さんはもう地元でいらっしゃる、知事をやっていらっしゃいましたから大田委員は御存じでいらっしゃいますが、今このこと、一九六六年のキャンプ・シュワブに三千メートル級の空港をつくろうとした話ということは、知事ほど詳しくはわかってはおりませんし、またこれ、今後勉強させていただきたく存じます。
○大田昌秀君 それじゃ、話題を変えます。
 沖縄県の軍用地返還特別措置法というのがございます。これは、一九九五年に議員立法でつくられたものでございますが、七年間の時限立法でございまして、来年の六月に期限切れとなりますけれども、政府はこの法律を延長されるお気持ちがおありなのか。
 そして、その内容について沖縄側は、現在のところ、地主に対する補償が三年間になっておりますのをせめて七年から十年間はぜひ補償していただきたいということで何度も何度も陳情を繰り返しておりますが、その点、いかがでございますか。
○政府参考人(伊藤康成君) ただいま御質問の沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律、いわゆる返還特措法でございますが、これは、もう先生御指摘のとおり、議員立法でできた法律でございます。
 この取り扱いをどうするかということにつきましては、議員立法であることもそうでございますし、私ども防衛施設庁だけの所管でもございませんので、私から今どうするということをお答えするのはいかがかと存じますけれども、御指摘のとおり、昨日も稲嶺沖縄県知事から平成二十四年の三月末まで延長するようにという御要望をいただいております。そういうこともございまして、政府部内で検討を進めているところでございます。
 それから、御指摘の内容の件でございますが、平成十一年末の閣議決定におきまして「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」というものが示されております。その中で、大規模駐留軍用地跡地等に係る給付金支給期間の延長の特例措置については沖縄振興新法に盛り込む方向ということで、これもまた検討を進めているというところでございます。
○大田昌秀君 軍用地転用特別措置法の適用第一号が恩納通信所となっておりますけれども、現在それはどうなっておりますか。
○政府参考人(伊藤康成君) 現在、返還をされまして、地主さんの方の手に渡っているところでございます。
○大田昌秀君 それは利用されておりますか。利用されていないとすれば、なぜですか。
○政府参考人(伊藤康成君) 大変申しわけございませんが、跡地の利用のことについて防衛施設庁の方からしかとしたお答えをするのはちょっと所管外ではないかと存じますが、私の承知しておりますところでは、現在まだ具体的な利用はされていないというふうに承知しておりますけれども、その理由まで申し上げる立場にございません。
○大田昌秀君 PCBの汚染がありまして、そして、せっかくのこの軍用地転用特別措置法の第一号の適用例でございますけれども、今もって利用されておりません。大変残念に思います。
 これは、一つには、御承知のように地位協定によって環境汚染の問題についてアメリカ軍側は責任を負わされていないわけでございますね。
 私は、アメリカに参りましていろいろ伺ってまいりますと、三十年以上基地を負担している地域社会については、アメリカの国防総省は環境汚染の浄化問題に責任を負う、それから、その地域の経済発展について、雇用問題について責任を負わされるという法律ができていると伺ったんですが、沖縄の場合はもう既に半世紀以上たっておりますけれども、政府にそういう、環境浄化の責任を政府がきちっとやって地主に返すというような、そういった法律をつくるとかというお考えはございませんか、いかがですか。
○政府参考人(伊藤康成君) 現状の御説明をさせていただきますが、恩納通信所の場合、御指摘のとおり、返還後にPCB等に汚染された汚泥があるということが判明したわけでございます。それにつきましては、防衛施設庁の方でいわゆる原状回復の一環といたしまして全部除去をいたしたという状況でございます。
 もちろん、PCBそのものは現在もまだ処理できませんで別の航空自衛隊の基地の一部に保管しておりますけれども、いずれにいたしましても、国の責任において当該跡地からは除去をしたということでございます。
 また、現在の駐留軍用地に関します私どもが地主さんと結んでおります契約の中には、基本的に原状回復の義務は国が負うということを定めておるところでございまして、引き続き私どもも、今後ともそのような必要が生じた場合には誠実に原状回復をしてまいるということでございます。
○大田昌秀君 もう時間がございませんので終わりますけれども、最後に一つだけ短い質問をさせてください。
 現在、日本国内にある米軍基地内で国連旗を掲げている基地が幾つ、どことどこにございますか。それはどういう契約になっているんですか。つまり、国連との間に地位協定が結ばれていて日米の安保条約は適用されていないと伺っておりますが、それに間違いございませんか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 七つでしょうか。
○大田昌秀君 それはどういう性格のものですか。つまり、地位協定は適用されますか、その地域は、その基地は。
○委員長(佐藤雄平君) 時間ですから、これ、最後の質問にします。
○政府参考人(伊藤康成君) ちょっと済みません。私、手元にきちんとしたものを持っておりませんが、いわゆる国連軍地位協定というものが、日米安保条約に基づきます米軍との間のと同様の協定があったというふうに承知しておりますが、間違っておりましたら後ほど訂正させていただきます。
○大田昌秀君 終わります。
○委員長(佐藤雄平君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時四十分散会