第153回国会 外交防衛委員会 第4号
平成十三年十月二十六日(金曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     森元 恒雄君
     広中和歌子君     江田 五月君
     広野ただし君     平野 貞夫君
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     舛添 要一君     藤井 基之君
     山本 香苗君     遠山 清彦君
     小池  晃君     吉岡 吉典君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         武見 敬三君
    理 事
                山本 一太君
                吉村剛太郎君
                木俣 佳丈君
                山口那津男君
                小泉 親司君
    委 員
                桜井  新君
                月原 茂皓君
                福島啓史郎君
                藤井 基之君
                舛添 要一君
                森元 恒雄君
                森山  裕君
                矢野 哲朗君
                海野  徹君
                江田 五月君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                大脇 雅子君
                平野 貞夫君
   衆議院議員
       修正案提出者   久間 章生君
       修正案提出者   上田  勇君
       修正案提出者   井上 喜一君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       外務大臣     田中眞紀子君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       防衛庁副長官   萩山 教嚴君
       外務副大臣    杉浦 正健君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       大村 秀章君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       警察庁警備局長  漆間  巌君
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛庁運用局長  北原 巖男君
       金融庁総務企画
       局参事官     大久保良夫君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       外務省北米局長  藤崎 一郎君
       外務省条約局長  海老原 紳君
       財務省国際局長  溝口善兵衛君
       海上保安庁長官  縄野 克彦君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国におい
 て発生したテロリストによる攻撃等に対応して
 行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外
 国の活動に対して我が国が実施する措置及び関
 連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関
 する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

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○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、広野ただし君、小泉顕雄君及び広中和歌子君が委員を辞任され、その補欠として平野貞夫君、森元恒雄君及び江田五月君が選任されました。
 また、本日、山本香苗君及び小池晃君が委員を辞任され、その補欠として遠山清彦君及び吉岡吉典君が選任されました。
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○委員長(武見敬三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に防衛庁防衛局長首藤新悟君、金融庁総務企画局参事官大久保良夫君、法務省刑事局長古田佑紀君、外務省条約局長海老原紳君及び財務省国際局長溝口善兵衛君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(武見敬三君) 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から発言を求められておりますので、これを許します。福田内閣官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) 昨日の本委員会の齋藤勁議員の質疑の途中、委員長より求められた、総理が報復戦争はだれもしたくてやっているわけではない旨発言したのではないかとの事実関係及びその趣旨について以下のとおり御報告します。
 未定稿の議事録によれば、二十四日の参議院連合審査会における緒方靖夫議員の質疑の途中、同審査会出席者による、「報復戦争がいいと言うのか」との不規則発言に対して、総理は、「報復戦争がだれもしたくてしているわけじゃないでしょう。」と答えております。
 まず、今回の米国及び英国の行動については、国連憲章第五十一条に基づく個別的及び集団的自衛権の行使として、同条の規定に従い、安保理に報告がなされています。
 日本政府としましては、今回の米国の行動は、国連憲章第五十一条に基づく自衛権の行使であり、国際法上適法なものであると認識しており、いわゆる報復戦争であるとは一切考えておりません。
 また、米国政府による戦争との発言が見られますが、パウエル国務長官は九月十三日の会見にて、ブッシュ大統領や自分は、この種の行為に対して米国及び国際社会のエネルギーを駆り立てるために戦争と言っている、この作戦は軍事、経済、政治、外交、財政等のあらゆる措置を伴う長期的な作戦となるという意味で戦争と称している、厳密に法的な意味での戦争ではない旨述べています。
 これは、今般のテロ行為が自由、平和、民主主義に対する挑戦であるとの危機意識に基づき、米国としてテロに断固たる決意で立ち向かうとの姿勢のあらわれであり、かかる背景の中で用いられた表現であるというのが政府としての認識であります。
 二十四日の総理の当該発言は、「報復戦争がいいと言うのか」という旨の不規則発言に対して、国際法上認められない、いわゆる報復戦争などということを行うことはだれも意図していない旨を強調するとの趣旨でなされたものであります。
 米英の行動がいわゆる報復戦争であると述べたものでも、一般論としていわゆる報復戦争が認められると述べたものでもありません。
 以上であります。
○委員長(武見敬三君) 昨日に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○福島啓史郎君 自由民主党の福島啓史郎でございます。
 今回の米国を舞台に発生した同時多発テロは、人道、文明に対する挑戦であり、国際的な枠組みによってその根絶を図らなければならない、そうした観点から質問したいと思います。
 まず、現在アフガンにおきまして行われているアメリカの軍事作戦の目的と軍事目的達成後の戦後構想についてお聞きしたいと思います。
 軍事作戦を開始するに当たっては事前にその軍事目的を明確に定めなければならないわけでございますが、今回のアメリカの軍事作戦目的は、オサマ・ビンラーディンとその組織アルカイダ及びこれを支援するタリバン政権の覆滅であると考えてよいかどうか、外務大臣にお聞きします。
○国務大臣(田中眞紀子君) お答えいたします。
 ラムズフェルド国防長官は、七日の記者会見におきまして、軍事行動の目的として次の七点を挙げております。六つです。済みません。
 アフガニスタンにおいては、防空施設及び航空機からの脅威を取り除くこと。二、タリバンの指導者及びその支持者に、テロリストをかくまうことは許されないことを明確にすること。三、アルカイーダとタリバンに対する将来の作戦を円滑にするための情報を得ること。四、タリバンに反対するアフガン勢力と連携すること。五、テロリストに、アフガニスタンを基地として使用することを困難にさせること。六、困難な状況に置かれているアフガン人に対して人道的援助を与えること。以上の六点です。
○福島啓史郎君 要するに、先ほど申し上げた点だと思うわけでございますが、この軍事目的達成がすなわちアメリカにとっての勝利であり、撤兵の条件になると。しかし、同時にそのときには戦後の政権構想の実現に向けた取り組みが出発していなければならないと考えるわけでございます。
 したがって、戦後構想というのは軍事作戦の作戦中の早い段階から明確にしていなければならないわけでございます。このことは、太平洋戦争中におきます、総理もよく言われるように、ミッドウェー海戦時には既にアメリカは日本の戦後構想を持っておったということ、また日本はそれがなかったということ、またベトナム戦争におきましては、この戦後構想は明確でなかったこと、もうそのことがアメリカの敗退につながったと考えるわけでございます。
 アフガニスタンの戦後構想につきまして、アメリカはどういうふうに考えていると外務大臣は認識しておられますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) これはもう報道されていることでございますから、読み上げになりますが、この間、パウエル国務長官が連邦下院の委員会において発言をされております。それをクオートすることになりますが、タリバン政権打倒後は広範囲の支持を得た新政権の樹立を望む。国連の参加も望んでいる。新政権の発足を補助するための平和維持部隊などが必要となったかもしれず、そのため我々は国連や元国王といったさまざまなグループと協力している。今後の事態の進展に伴い、国連が重要な役割を果たすことになるであろうと考えている。その旨発言をなさっています。
○福島啓史郎君 この戦後構想は、私が考えるに、ザヒル・シャー元国王を中心に北部同盟、またタリバン穏健派といいますのは、アフガン人口の多数派のパシュトゥン人からタリバンになっているわけでございますので、その多数のパシュトゥン人の参加を求めなければならないと思います。
 そうしたことから、そうした人たちから成る暫定政権と、またその暫定政権期間中に憲法を制定し、国連監視下で選挙を行って本格政権をつくっていくと、こういう道筋がアフガン国民の参加のためにも望ましいと考えます。
 それに関連して、まずザヒル・シャー元国王に対する外務大臣の評価、また外務大臣はザヒル・シャーに会われたことがあるのか、あるいは外務省の職員がザヒル・シャー元国王に接触しているかどうか、お聞きいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) ザヒル・シャー元国王に私はお会いしたことはございませんが、林イタリア大使が数回にわたって最近お目にかかっておりまして、その報告を受けておりますが、大変健康でいらっしゃって、やはり愛国の念を持っていらっしゃるということを伺っております。
 それから、アフガニスタンの将来については、委員がおっしゃるように、アフガンの国の方々が中心として和平がもたらされるということが一番大事なことだというふうに思いますし、私が過日パウエル長官と電話で一番直近に話をいたしましたときにも、ザヒル・シャーの存在というものは本当に無視できないと思っているということをおっしゃっておられました。そのほか細かいところは差しさわりがありますので申し上げられませんけれども。
 ですから、そうしたことだけではありませんけれども、今回またブラヒミ元アルジェリアの外務大臣が国連の特命大使としてあちこち飛び回っておられますので、そうした方ともうちの外務省も密接に連絡もとっておりますので、どういうふうなことが一番アフガンの方のために、そして世界の平和と安定のために貢献するかということをトータルで検討していかなければならないというふうに考えております。
○福島啓史郎君 今の御答弁にも少しありましたけれども、先ほど言いましたように、暫定政権中におきまして憲法制定をし、また国連監視下で選挙をするということ、それに対して我が国は積極的な役割を果たしていかなければならないと考えるわけですが、外務大臣の考え方はどうでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今申しましたように、ブラヒミさんというのは国連事務総長の特別代表ですけれども、この方のやっぱり分析とか意見というものを国連も尊重しておりますし各国も注目していますから、私たちも意見を注意深く聞かなければいけないというふうに思っています。
 しかし、十月十七日に国連本部でこのブラヒミさん御本人がおっしゃった発言がありまして、それは、国連はアフガニスタンにおける暫定統治を行うことは目指さないということ、またいろいろ視察なさった後御意見がどうなるかは存じませんが、それから次に、アフガニスタンは複雑な問題を抱えていて簡単にPKOとか暫定統治といった結論に結びつくことはなかなか難しいのではないか等の発言をしていらっしゃいます。
 したがいまして、繰り返しになりますけれども、アフガニスタンの国民各層が納得をして支持をしてくれて、そして国際社会にも受け入れられる永続的な政権をどのようにしてつくっていくかということをやはり、総合的な意見を勘案しながら、私たちもできる範囲で最善の努力を尽くしていくべきだというふうに考えます。
○福島啓史郎君 外務省では東京でアフガン和平会議を設けるという提案をしたと思いますけれども、その事実、また見通しについて外務大臣にお聞きします。
○国務大臣(田中眞紀子君) きのうの晩、私はイスラエルのペレス外務大臣と、この委員会が終わってすぐですけれども、それからそれを受けましてすぐに、アラファト議長が待っていてくだすったのですぐ電話をかけまして、ちょうどそこにおられたものですから待っていていただきまして、その今、委員がおっしゃったことをまさしく提言いたしました。
 以前からそういうことを言っておりますけれども、非常に日本のサポートというものをどちらの国も、それから日本が中立的な立場でパレスチナにも、それからイスラエルにも意見が言えるということを大変高く評価してくだすっています。
 したがって、前から何度も、私の着任後、きょうで半年になりますけれども、何度も、特にイスラエルの方は電話をくだすっていますし、それからパレスチナのシャース長官ですとかアラファト議長ももう快く電話に出てくだすって、そして日本の政府も国民もいつでも受け入れて話を促進できるように和平のための努力ができるんだということはお話ししたら、どちらからも歓迎をされております。
○福島啓史郎君 見通しはどうですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 見通しは、今、当面、またいっとき話し合いができる状態に一カ月ぐらい前になりましたのに、またちょっと少し、イスラエルがパレスチナの方に戦車を送ったりしておりますので、できるだけ早くそれをやめてほしい、とにかくやめてください、自治区から引き揚げてくれということをきのう申しましたらば、そういう方向であるということの私も確証も得ましたし、そのリベンジがなければ、とにかく話し合いをしてくださいということを申しましたので、自制をしていただければ必ずいい方向に行けるというふうに思います。
○福島啓史郎君 外務大臣の考えておられるアフガン平和会議の参集国はどこですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 参集国、ちょっと待ってください。──失礼しました。
 次、アフガニスタンの方ですね。
 今、アフガニスタンのことにつきましては、極めて今流動的でございますから、御案内のとおりですから、なかなか確定的なことを言うことは難しいと思いましたけれども、アフガン和平の復興会議ということも言っておりますけれども、具体的なことについては、今すぐ申し上げることはちょっと困難かというふうに思います、今この時点ではですね。
○福島啓史郎君 しかし、先ほど提案をしたと言われているからには、当然、相手の国があるんじゃないですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほどのは中東和平のイスラエルとパレスチナについて……
○福島啓史郎君 間違いですか。じゃ、訂正して答弁してください。
○委員長(武見敬三君) ちょっと待ってください。外務大臣の発言が終結した後に質疑者は質問を始めてください。
 まず、田中外務大臣、最後まで整理してください。
○国務大臣(田中眞紀子君) ですから、先ほど申し上げましたのは、お尋ねもたしか中東和平のことかというふうに存じましたので、中東和平につきましては、昨晩、委員会終了後に先ほど申し上げたような話し合いをいたしまして、東京で会議をする場をプロポーザルして前からと同じようにし続けております。
 次に、今お尋ねがありましたのはアフガンのことをおっしゃったと思いますが、アフガンの和平復興会議につきましては、今この時点ではすぐに申し上げることは困難かと思いますので、和平と復興の両面でバランスのとれた貢献の方途を考えていきたい、かように考えております。
○福島啓史郎君 東京でアフガン和平会議を開くというのは提案をされてないんですか。されていたと私は承知しているんですが、それであれば、どういう国に話をしたかというのは明らかだと思いますが。
○国務大臣(田中眞紀子君) 一九九六年、当時小和田大使でございましたけれども、国連の場で具体的に大使が提案をいたしておりまして、事務的にその後をフォローアップをいたしておりますが、幾日にその後どういうふうにやっているかと今現在はお答えすることができませんけれども、フォローアップはいたしております。
○福島啓史郎君 どういう国の参加によってアフガン和平会議を設けるかという質問なんですが。
○国務大臣(田中眞紀子君) いろいろなケースが考えられると思いますけれども、今もう御案内のとおり、アフガン自体が、周辺国も含めまして、そのまたほかの大きな国の考えもいろいろありますでしょうから、流動的でございますから、今現在の時点においては、具体的なイメージで言及することは現時点では難しいというふうに思います。
○福島啓史郎君 国連で当時の小和田大使が提案されたときには、どういう国の参加によってこの和平会議を設けるということを考えておられたんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 当時の細かい小和田大使の頭の中のイメージとか発言の詳細は今現在ここにはございません。
 ですが、今回の多発テロ後ですけれども、アフガニスタン国民各層に支持を得て、そして国際社会に、先ほど来申し上げていますけれども、広く受け入れられる政府を樹立することが永続的な平和をアフガニスタンに築くことになる、その唯一の方途であると考えておりますので、ですから、そうした貢献策について一緒に話をできるメンバーをこれから注意深く見ていかなければならないというふうに思います。
 小和田大使が言われたころとまた情勢が違ってきているのではないでしょうか。
○福島啓史郎君 それで、今言われたアフガン復興も同時に重要な課題であります。アフガンに対しまして、七〇年代には日本は病院を建設しております。また八〇年代には難民援助をやっております。そうした実績、九〇年代も含めまして、アフガンに対する日本の貢献についての実績はどうなっているか、また、そのうちのJICAを通じた貢献はどうなっているのか、お聞きしたいと思います。外務大臣、お願いします。
○国務大臣(田中眞紀子君) アフガニスタンに対するこれまでの日本の支援とかJICAを通じたものについてのお尋ねかと存じますけれども、日本は、国連及び国連機関、UNHCR、たびたび皆様も聞いていらっしゃると思いますが、及びUNOCHA、国連人道問題の調整事務所でございます。それから世界食糧計画、WFP、赤十字国際委員会、ICRC、並びに関連のNGOを通じまして、九八年以降だけでも四千五百万ドル以上の支援を行ってきております。具体的には、難民ですとか地雷ですとか食糧支援を中心とした人道支援に使われております。
 また、JICAでございますけれども、JICAを通じた支援は、旧ソ連の軍事介入以前の一九七九年度までですけれども、それ以前ですけれども、には、工業技術でございますとか医療の分野等において百二十一人の専門家を派遣し、四百三十七名の研修員の受け入れを行ったことがございます。
 以上です。
○福島啓史郎君 このアフガン復興に対しまして、我が国が貢献していかなければならないというふうに考えるわけでございますが、その際重要な要素の一つとして、アフガンは今タリバン政権のもとで麻薬依存経済にあるわけでございます。ミャンマーでも、ミャンマーも御案内のように麻薬経済、まさにゴールデントライアングルなんですが、そのミャンマーに対しまして、日本のNGOを中心に、ケシをソバにかえて、そのソバを農民がケシ栽培を行った場合と同じような価格で日本のそばの組合が引き取っているという事例などがあるわけでございます。
 いずれにしましても、ケシから何か別な作目にかえていかなければいけないわけでございますが、アフガンではケシにかわる作目としてはどんなものがあるというふうにお考えですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) ケシにかわるものとしては小麦だと思いますが、このアフガニスタンと麻薬の関係と同じ話を私はコロンビアについても聞いたことがありまして、大使から、当時やはり麻薬があって、それを麦にかえていると。それから、日本のソバを持っていってうまく育っているという話もありますので、アフガンもそのようなことが可能かというふうには存じます。
○福島啓史郎君 そうしたことを含めて、アフガン復興に対する今後の我が国の貢献方策についてはどういうふうに考えておられますか。外務大臣にお聞きします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 結論から申しますと、今後とも関係国・機関と協調して、アフガン和平の復興会合の開催、先ほどおっしゃったことも含めまして、平和と復興、和平と復興の両面でバランスのとれた貢献策がいかなるものであるかということを考慮しながら考えていきたいというふうに思います。
○福島啓史郎君 御案内のように、アフガン地域はエネルギーの世界戦略上重要であると、これはアメリカもロシアも中国も、またそれに加えましてインド、パキスタンも注目し重要視しているわけでございます。それはなぜかというと、インド洋に対しまして天然ガスのパイプラインなどの建設がエネルギーの多角化戦略の上で重要だということでございます。
 我が国も、エネルギー戦略というものを考えますと、このアフガンに対しまして戦後構想及び戦後復興に積極的に関与することが重要と考えるわけですが、これは経済産業省の政務官にお聞きしますけれども、もちろん自動車産業も重要な産業でございますが、石油も重要な産業でございます。石油は、特にエネルギーは食糧と並んで安定供給確保が必要なわけでございますが、それについて経済産業政務官にお聞きします。
○大臣政務官(大村秀章君) エネルギー政策、そしてまた天然ガスパイプラインなどなどの御質問をいただきました。委員御質問のとおり、このアフガニスタンで、北のトルクメニスタンからパキスタンに向けてパイプラインを敷設をするという大規模なプロジェクトが、あったというようなことはあれですけれども、あったのは事実でございます。ただ、これはアメリカのユノカル社が中心になって一九九七年から進めたわけでありますが、現在このアフガニスタンの政情が不安になったということでこれは撤退をいたしておりまして、現在は具体的には今進んでおりません。
 現実問題、アフガニスタン自身は石油の埋蔵量も確認をされておりませんし、天然ガス自身も埋蔵量も非常に少ないということでございます。ただ、御案内のように、大変大きな油田が開発をされておりますカスピ海から、委員言われましたようにインド洋に向けてちょうど戦略上大変重要な位置にあるということは御指摘のとおりでございまして、これからも、エネルギー政策の観点からもこのアフガニスタンの状況、動向というものを注視をしていきたいというふうに思っております。
 そしてまた、御質問がありましたように、エネルギー戦略上でございますけれども、石油を安定的に供給をする、確保するということは我が国の大変重要な政策であるわけであります。そのために、ことしの七月に平沼大臣が中東諸国を歴訪するといったことを初めといたしまして、産油国との友好協力関係の強化に努めているわけでございます。
 そういう意味で、今回のいろんなアメリカ等の行動につきましては、テロを許さないという国際世論を体したというものであるわけでありまして、これによって我が国の石油供給ということに重要な影響、大きな影響というのは今のところは生じていないというふうに思っております。引き続きこうした状況を注視しながら、石油の安定供給には努めていきたいというふうに思っております。
○福島啓史郎君 次に、衆議院で行われました附帯決議の四にあるわけでございますが、自衛隊の派遣については、派遣先の状況を十分踏まえて実施するということと定められております。
 この関連におきまして防衛庁長官にお聞きしたいわけでございますが、派遣される自衛隊員、防衛庁長官の部下でございますが、その安全確保、何よりも重要であると考えます。そのためには、まず現地の事前調査を十分行わなければならないということ、それから、特にパキスタンにつきましては、きのうの公述人の意見にもありましたけれども、日本単独で出ることは避けてほしいという制服OBの方の意見もあるわけでございます。
 他方、難民救助なり医療援助等でウガンダ等々を経験しているわけでございます。日本の自衛隊は軍事に手を汚していないということもあって、そうした難民救援等について支援要請の声も強いわけでございますが、そういった点につきましてどういうふうに考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 派遣するに当たりましては、入念に現地調査並びに情報収集をする必要がありまして、与党の調査団も行っていただくようでありますけれども、政府としても入念な調査をいたしたいというふうに思っております。
 具体的にどこへ行くかということに伴いまして不測の事態が予想されるわけでございますが、そういった事態に対処できる必要最小限のものになるわけでございますが、具体的な武器の種類等を決定いたしたいと思いますが、十分にこの後の推移も含めまして考慮していくわけでありますけれども、派遣される隊員の安全確保には万全を期して派遣を決定したいというふうに思っております。
○福島啓史郎君 今申しましたのは、パキスタンというのは有力な候補なわけでございますが、そのパキスタンにつきまして単独で日本だけが出るという事態は避けてほしいというのが、制服OBの意見があったわけでございます。他方、日本は、先ほど申しましたように、軍事的にも手を汚していないので、また経験も深いということで、日本の難民救援に対する支援要請も強いわけでございます。
 そういった点をどういうふうに考えておられるのか、再度お聞きします。
○国務大臣(中谷元君) いかなることが求められているのか、またいかなることが可能であるのか、そしてその安全を確保するためには他国からの要請が、協力支援がどういうふうになるのか、そして派遣される国の治安の体制、どの程度確保されるのか、そういう点を総合的に判断をいたしまして、派遣される以上は国際的に評価をされる内容のものにいたしたいというふうに思っております。
○福島啓史郎君 内閣官房長官にお聞きしますが、自衛隊員の安全確保を図るためには、必要かつ十分な武器を保有させなければなりません。かつ、その武器使用に当たっては、現場の指揮官の判断が十分尊重されるよう基本計画等を定めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) それは委員の御指摘のとおりだと思います。
○福島啓史郎君 しっかり計画で定めるようにしていただきたいと思います。
 次に、内閣法制局長官にお聞きします。
 個別的自衛権及び集団的自衛権についてお聞きしたいと思います。
 まず、個別的自衛権の憲法上の根拠及びその内容につきましてお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(津野修君) 個別的自衛権の内容と根拠でございますけれども、これは政府は従来から、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権の発動につきましては、いわゆる自衛権発動の三要件というのがございまして、一つは我が国に対する急迫不正の侵害があること、すなわち武力攻撃が発生したこと、二つ目は、この場合にこれを排除するために他の適当な手段がないこと、及び三番目といたしまして、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことに該当する場合に限られると解しているわけでございます。
 このように、自衛権の発動が許容される理由でございますが、政府が従来から述べておりますように、憲法第九条は、国際紛争を解決する手段としての戦争等を放棄し、戦力の保持を禁止しているわけでありますが、これによりまして我が国が主権国として持っております固有の自衛権までも否定しているものではなく、自衛のための必要最小限度の実力を行使することは認められていると解されるからであります。
 このことは、昭和三十四年十二月十六日のいわゆる砂川事件に関する最高裁判決におきましても、我が国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然であるというふうにされているところでございます。
○福島啓史郎君 今の法制局長官の答弁をお聞きしますと、個別自衛権というものは国際法上主権国家に当然のこととして認められている、しかしその内容はそれぞれの国の憲法等によって異なってくると。
 例えば今回の、アメリカは今度のアフガンでの軍事行動は個別的自衛権の発動であると言っているわけでございますが、そのように各国の憲法初めそれぞれの法体系、法制度によって個別自衛権の内容は規定されるということでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) その個別的自衛権の行使が日本国の領域内に限られるのか、海外で武力行使をすることが個別的自衛権の行使として全く許されないのかという一般論としてお答えいたしますと、我が国に対し外部からの武力攻撃がありました場合、自衛権の行使として認められている限度において、我が国の領土、領海、領空においてばかりでなく、公海、公空においてこれに対処することがあってもそれは憲法の禁止するところではない。この場合、自衛行動のできる公海、公空の範囲は外部からの武力攻撃の態様に応ずるものであり、一概には言えないが、自衛権の行使に必要な限度内での公海、公空に及ぶことができるものと解しております。
 それで、他国の領域においても武力の行使が許されるのかという問題がございますが、これは、一般的に武力行使の目的を持って自衛隊を他国の領土、領海、領空に派遣することは、一般に、自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないと考えている。しかしながら、仮に他国の領域における武力行動で自衛権発動の三要件に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としては、そのような行動をとることが許されないわけではないと考えております。
 この趣旨は、これは昭和三十一年二月二十九日の衆議院内閣委員会で示されました政府の統一見解というのがございまして、既に明らかにされております。
 その内容を若干御説明いたしますと、これは当時の船田国務大臣が当時の鳩山内閣総理大臣答弁の代読をしたわけですが、その内容は、
  わが国に対して急迫不正の侵害が行われ、その侵害の手段としてわが国土に対し、誘導弾等による攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられないと思うのです。そういう場合には、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思います。
と、あとちょっとまだ続いておりますけれども、基本的にこういう答弁があるわけでございます。
○福島啓史郎君 確認したいわけでございますが、自衛権の要するに地理的範囲といいますか、これは、別にその領域、領海内に限られるわけではない、公海もあれば、まさに自衛権発動の三原則に合致すれば外国の領土もあるということ、したがって、外国の領土からミサイル等が発射されるような事態には、当然それに対する反撃、これも憲法上の自衛権の範囲であるというふうに理解してよろしいわけでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) 今、先ほど御答弁したとおりでございます。
○福島啓史郎君 次に、集団的自衛権の憲法上の解釈につきましてお聞きしたいと思います。法制局長官。
○政府特別補佐人(津野修君) この集団的自衛権でございますけれども、これもたびたび従来から政府として答弁してございますが、まず国際法上、国家は集団的自衛権、すなわち自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにかかわらず、実力をもって阻止することが正当化されるという地位を有しているものとされており、我が国が国際法上この集団的自衛権を有していることは主権国家である以上当然である。
 しかし、政府は次の理由により、従来から一貫して我が国が集団的自衛権を行使することは憲法上許されないとの立場に立っております。すなわち、憲法は自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じていないと解されるが、それはあくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであって、その措置はこの事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、したがって他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とする集団的自衛権の行使は憲法上許されないと言わざるを得ないということで、これは従来からしばしばお答えしているとおりでございます。
○福島啓史郎君 今、法制局長官が述べられましたこの内閣法制局の見解が長い間我が国の安全保障論議を制限し、制約し、あるいはまた我が国の日米等の同盟関係に不安定な要素を持ち込んでいるわけでございます。要するに、国際的な大事件が起きますと常に我が国の背骨がぐらつく、そのもとになっているわけでございます。
 それで、今言われたこの内閣法制局の見解を変更する手続としてどのような手続があり得るのか。例えば、昨日の公述人の意見にもあったわけでございますが、学者によっては、集団的自衛権を行使する場合の手続なりあるいは内容などを例えば安全保障基本法というような法律でもって定め、それを議員立法で制定するという方策があり得るというふうに提言しているわけでございますが、これに対する見解はいかがでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) 先ほど内閣法制局の見解と言われましたけれども、これは政府の見解として基本的になっておりますので、その点はまず申し上げておきたいと存じます。
 ただいま御指摘の、一般論として政府の憲法解釈と申しますのは、これはその規定の文言とか趣旨とか等に即しながら立法者の意図あるいはその背景となる社会情勢等を考慮し、また議論の積み重ねのあるものについては、全体の整合性を保つことにも留意して論理的になされてきたものであります。政府が、こうした考え方を離れて自由に変更できるというような性格のものではないと私どもは考えております。
 お尋ねの集団的自衛権に係る憲法の解釈につきましても、これは過去、幾多の国会での議論の積み重ねによりまして、それで固まってきたものでありまして、その変更については十分慎重でなければならない非常に難しい問題であるというふうに考えております。
 そこで、何か法律をつくって、手続とか何かをつくって憲法解釈を変更するようなことをするのはどうかというようなお尋ねかと存じますけれども、これは国会の方でされるというお話だったようにお伺いしましたが、それは国会の方でそういう立法をされるということにつきましては、私どもはその国会の権能についてとやかく申すべき立場にはございませんので、それについては私どもの方からお答えをすることは差し控えたいというふうに存じます。
○福島啓史郎君 要するに、今の法制局長官の見解では、政府の見解であるから、政府、要するに内閣で決定すればいい、変更すればいい、変更を決定すればいいと、しかしその場合には従前の考え方等、慎重な手続なり議論が必要だろうということ。また、国会で議員立法等によって法律でもって変更するということは、それは国会の権能であるという答弁だと思いますが、そういうことでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) ただいま申し上げましたのは、国会のことについては私どもの方から申し上げる筋合いではない。政府の方の憲法解釈の問題につきましてはこれは従来から非常に議論がございまして、現在では議論の積み重ねによりまして固まってきている解釈でございますから、それはなかなか慎重にやらなければいけない。したがって、どういう手続でやるのかとかいうような議論までには、私はしていないつもりでございます。
○福島啓史郎君 私はその法的手続についてお尋ねしたわけでございますが、政府の見解を変更する場合には当然閣議決定でいいと思うんですが、もちろん事柄によって慎重な議論をしていかなきゃならない、慎重な手続を踏まなきゃいけない、それは当然でございますが、しかし法的な手続としましては政府の見解を変更するというのは内閣の決定でいいというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) この憲法の九条の特にいろいろの解釈がございますわけでございますが、集団的自衛権の解釈もその一環でございますけれども、それにつきましてどのような手順でどういうようなふうに変更するのかというようなことは私どももちょっと余り考えたことございませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○福島啓史郎君 次に、外務大臣にお聞きしますが、今後の世界の安定と繁栄、その中で日本の安定と繁栄を図っていくには長期的には日米同盟を米英同盟と同格になるように持っていく努力をしていかなければならないと考えるわけでございます。その方向はアーミテージ報告書の中でもそれは我が国の責任と判断でもって決定していくんだというふうに述べられているわけでございますが、長期的に見た日米同盟を米英同盟と同格になるように持っていくその努力の方策についてお尋ねいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 委員がお尋ねの御趣旨はよくわかります。確かに、今の日英同盟は非常によく機能しているというふうに思いますけれども、しかしやはり比較の必要というものは私は余りないというふうに思いまして、と申しますのは、今の日米の関係も非常によく機能をしているというふうに思っております。
 したがって、今後また努力の余地もないとは申しませんけれども、今回のテロ発生以来も、やはりテロと戦うアメリカの行動をほかの世界の国とともに支持をして、そして我が国の憲法の範囲内で武力行使と一体せずに、一生懸命世界の平和を樹立するためにやっていこうという意味でも、意思疎通も各レベルで十二分にやっておりますので、これをしっかりキープしていくこと、これが大事ではないかというふうに考えます。
○福島啓史郎君 じゃ、外務大臣にお聞きしますが、アーミテージ報告書につきましての外務大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今後の日米の関係というものはお互いに、私もアーミテージさんにワシントンでお会いしていますけれども、非常に、防衛庁長官もよく御存じでいらっしゃいますけれども、非常に率直でそして友好的な方でいらっしゃるし、日本のこともよく御存じでいらっしゃいますから、双方が言うべきことを今後言って、やれるべきことはよくやっていくというふうなことのために、このアーミテージ・レポート自体も非常に日本の実態を踏まえて書いておられると思いますので、私は評価いたしております。
○福島啓史郎君 外務大臣はその報告書を読まれておりますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 基本的な部分はもう着任と同時に見ておりますし、この間訪米する前ももう一度よく見て、参りました。
○福島啓史郎君 私は、今後の日米関係を考える上で重要な方向を示唆したものだと考えております。それに盛り込まれております方策等につきましてのさらなる取り組みを要請しておきます。
 次に、久間議員にお尋ねしたいわけでございますが、衆議院での修正条文につきましてお尋ねいたします。
 協力支援活動、それから捜索救助活動、被災民救援活動につきましては、これらの対応措置を開始した日から二十日以内に国会に付議して、これらの対応措置の実施につき国会の承認を求めなければならないというふうに修正されております。それで、その国会の承認でございますが、条文を見ますと、協力支援活動、捜索救助活動、被災民救援活動のそれぞれについて国会の承認を求めるということなのか、常に一括でなければならないのか、その点についてはどうでしょうか。
○衆議院議員(久間章生君) それは、内部で検討いたしましたときもそのような意見がございましたが、これは政府がどういう形で承認を求めるか、まとまりごと、一定のグループとしてまとまったものを承認を求める場合もありますし、個別の対応策に、対応措置として行える活動をそれぞれに今言われるように出す場合もございますので、それは政府の求め方だと思っております。
○福島啓史郎君 ということは、政府が一括あるいはそれぞれごとに、一括であろうがあるいはそれぞれごとであろうとも、例えば救援支援活動、一括であれば救援支援活動の部分、個別であれば救援支援活動、これについては不承認であるけれども、この被災民救援活動について承認と、そういうこともあり得るということでしょうか。
○衆議院議員(久間章生君) 全体として出された場合には承認か不承認ですから、不承認を含むものであるならば不承認ということになります。個別であれば今みたいに承認するあるいは不承認すると、それぞれの判断を国会は下すことができると思います。
○福島啓史郎君 要するに、それは政府がどういう形で国会の承認を求めるかによるということですか。
○衆議院議員(久間章生君) そのように考えております。
 例えば、A国へ対してやる場合に全部まとまって今言った三活動を全部入れる、あるいはB国に対してはまた違った二活動を入れるという形で、国ごとに承認を求める場合もあると思いますので、それは政府の提出の仕方だと思っております。
○福島啓史郎君 次に、この修正条文に関連して内閣官房長官にお聞きいたしますけれども、衆議院の附帯決議の五項では、「国会の承認の付議については、対応措置の実施を自衛隊の部隊等に命じた日から二十日以内であっても、可能な限り速やかに求める」ということとされておりますけれども、政府の所見はいかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) この国会の事後承認、これを、要する枠組みへの修正ですね。これは衆議院におきまして、自衛隊の部隊等による対応措置の実施について、行政府の責任において迅速に行われることを確保しつつ、国会へその是非について判断を示すことが法案に対する一層広範な国民の理解と支持を得ていくために不可欠なものであると、こういう認識から行われました。
 また、この修正につきましては、衆議院の特別委員会におきまして、「国会の承認の付議については、対応措置の実施を自衛隊の部隊等に命じた日から二十日以内であっても、可能な限り速やかに求めること。」と、こういう附帯決議になっているところでございます。
 そういうことでございますので、こういうような法案の修正を誠実に受けとめ、そしてまた附帯決議の趣旨を十分尊重して適切に対処する、こういう方針でございます。
○福島啓史郎君 次に、自衛隊法改正についてお聞きいたします。
 情報技術が発達し、また軍事機密も高度化している今日、同盟関係におきまして軍事機密の共有化を図っていく、今回のアフガンでの軍事作戦につきましても、必要なのは、欲しいのは情報だとブッシュ大統領が言ったという話もあります。
 事ほどさように、情報が重要になっております。そのために、軍事秘密においては同盟国間で同じレベルの秘密保持の法制度を持つ必要があるというふうに考えます。それと同時に、こうした秘密保持規定の運用に当たりましては、報道陣等に不安を与えないように明確なる運用基準を定めなければならないと思うわけでございます。
 それで、まず第一に、今回の改正条文、九十六条の二の第二項第一号、第二号の「政令」、また第三項の「政令」、第四項の「政令」は何を定めるつもりなのか、防衛局長にお聞きします。
○政府参考人(首藤新悟君) 今、福島先生お尋ねの「政令」の件でございますが、まず九十六条の二第二項第一号の部分でございますが、これは事項を記録する文書、図画もしくは物件または当該事項を化体する物件に標記を付すということについての手続、方法を定めることを予定しておりまして、具体的には、標記の様式でございますとかあるいは大きさとか、そういったようなものを規定することを検討しているわけでございます。
 次に、九十六条の二第二項第二号の、防衛秘密たり得る事項の性質上、標記を付すことが困難な場合において通知を行うことについての手続、方法を定めることを予定しているというものでございます。
 それから、九十六条の二第三項でございますが、自衛隊の任務遂行上特段の必要がある場合に、国の行政機関の職員のうち防衛に関連する職務に従事する者または防衛庁との契約に基づき防衛秘密に係る物件の製造もしくは役務の提供を業とする者に対しまして、防衛秘密を取り扱わせることにつきましての手続でございますとかあるいは方法を定めるということを予定しております。
 また、九十六条の二第四項でございますが、これは、一項、二項に定めるもののほか、防衛秘密の保護上必要な措置について定めることを予定しておりまして、具体的には、例えば立入禁止区域についての指示を行うことでございますとか、秘密保持に関する特約条項を会社との間で設けるとか、さらには庁内で訓令などの実施細目を定めるといったようなことを規定することを検討しているわけでございます。
○福島啓史郎君 この九十六条の二の防衛秘密規定につきましては、その対象物及び対象者が大幅に拡大されているという意見が野党から出ているわけでございますが、私はこの法案をよく見ればそうではないと考えるわけでございます。
 まず、対象物については、別表第四の要件に加えまして、今、防衛局長答弁ありましたように、個別に標記または通知されることになっているわけでございます。その標記または通知におきまして防衛秘密に該当するか否かが明らかにされるわけでございます。
 その際に、私の提案でございますが、対象物について、先ほど様式は政令で定めるということでございますが、まず対象物におきまして、防衛秘密であるということ、それから次に、その防衛秘密である期限はいつまでかということ、それから三番目に、これを漏らした場合にはこの法律によりまして五年以下の懲役に処せられる旨を明記するということ。また、対象者につきましては、国の行政機関に任命せられる職員につきましては職員が防衛に関連する職務に任命される際、また防衛秘密物件の製造、役務の提供業者につきましては防衛庁と契約を結ぶ際に、明確に以下のこと、つまり防衛秘密の取り扱いの業務を行うということ、またその防衛秘密を漏らしたときにはこの自衛隊法におきまして五年以下の懲役に処せられる旨、これを明記した文書を交付するなどによりまして、対象物、対象者を限定し明確にすることが必要だと思うわけでございますが、防衛庁長官の見解をお聞きします。
○国務大臣(中谷元君) まず、対象者等につきましては、一般の民間の場合に、みずからが業務者であるということを認識することが重要でありまして、その者の指定等につきましては、業務者の従属する企業との間で秘密の保全に関する特約条項等を付した契約を締結するなどの措置を講じるというようなことを考えておりまして、御指摘の御意見を参考にして検討してまいりたいというふうに思います。
 それから、物の範囲等につきましては、別表第四に挙げている事項でありますけれども、作戦行動の際の部隊の活動状況や情報収集能力を含めた自衛隊の能力、装備品の性能等の事項を防衛秘密に該当し得る条項として別表四に挙げておりまして、この中からさらに厳選をして指定をするということでありまして、防衛庁長官の指定することによりまして防衛秘密の範囲も明確になるというふうに考えております。
○福島啓史郎君 要するに、先ほど私言いましたのは、対象物につきまして、明確にその対象物が防衛秘密であるということ、それからその期限はいつまでかということ、それからそれを漏らした場合には五年以下の懲役に処せられるということを明確にしておく必要があるというふうに思うわけでございますが、それについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) そのような観点の御意見も踏まえまして、今後、参考にして検討してまいりたいというふうに思っております。
○福島啓史郎君 それから、昨日の防衛局長の答弁によりますと、防衛秘密の対象物が十三万件だという答弁があったわけでございますが、余りにも多過ぎると思います。今の機密あるいは極秘に当たるもの一万三千件のうち、今回の改正による刑罰を重加して保護しなければならないものはどのぐらいの割合なのか、お聞きしたいと思います。防衛局長。
○政府参考人(首藤新悟君) きのう、私の発言、ちょっと舌足らずかあるいはちょっと誤解を招く部分があったかどうか、まだ議事録を精査しておりませんが、私の申し上げたつもりとしては、庁秘が全部で約十三万五千件、その内訳は、機密、極秘、秘でございますが、この中から、別表第四に該当するものの中から選んでいくということでございまして、全部が防衛秘密になるだろうとは考えておりません。
 それで、一般的に申し上げれば、やはりこういった防衛庁において秘匿を要する秘密の中から、特に秘匿を要するというものが防衛秘密になるわけでございますので、件数はこの十三万五千件の中でおのずと限定的な数になるであろうというふうに考えているわけでございます。
○福島啓史郎君 次に、今回の百二十二条の刑罰ですが、この刑罰につきましては、従犯の扱い、それから未遂の扱い、過失の扱いにつきまして、現行の自衛隊法、また現行の国家公務員法、また現行の日米相互防衛援助協定との比較におきましてどうなっているのか、防衛局長にお聞きします。
○政府参考人(首藤新悟君) 結論の方から先に申し上げさせていただきますと、未遂あるいは過失につきましては、御指摘のMDA秘密保護法、あるいは地位協定等の実施に伴う刑事特別法におきましても処罰しているというところでございますので、今回の改正が加重になっているということはないと考えているわけでございます。
○福島啓史郎君 従犯についてはどうですか。
○政府参考人(首藤新悟君) 今回の、正犯のほかに、失礼しました、教唆扇動、そういったものが入っているわけでございますが、これにつきましても、現在の自衛隊法自体においてもそういった教唆扇動といったようなことが罰せられる趣旨は入っておりますし、またMDA法、秘密保護法などにも入っているということからいたしましても、今回の改正によって特にそれの罰則が厳しくなるといった、加重になるということではないと認識いたしております。
○福島啓史郎君 国家公務員法との比較についてはどうですか。
○政府参考人(首藤新悟君) 国家公務員法あるいは地方公務員法、外務公務員法、そういった自衛隊法との並びにつきましても、まず、正犯の方は一年以下の懲役ということで同じでございますが、やはり教唆扇動といったことは同じようになっているわけでございます。
○福島啓史郎君 次に、法務省の刑事局長にお尋ねしますけれども、従犯につきましては国家公務員法の判例があるわけでございます。いわゆる元毎日新聞記者の西山事件でございますけれども、最高裁判例では、報道機関の正当な取材行為は違法性を欠き、犯罪に該当しないと判断していると考えるわけでございますが、法務省の見解はどうでしょうか。
 また、同様に国会議員の正当な国政調査権も犯罪に該当しないと考えるわけでございますが、法務省の見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 御指摘のいわゆる西山事件につきまして、最高裁は、正当な取材活動は実質的に違法性を欠き、正当な業務行為であるとしておりまして、したがいまして、犯罪を構成しないというのは御指摘のとおりと思います。
 また、国会の国政調査権の行使として行われる行為、これも犯罪を構成するものではないと考えております。
○福島啓史郎君 防衛庁長官にお聞きしますけれども、要するに、今回の自衛隊法の改正、秘密保持規定によって報道機関の通常の取材行為あるいは国会議員の国政調査権は影響を受けない、要するに問題はないという今の法務省の刑事局長の答弁でございますが、その点を防衛庁長官からも明言していただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 報道機関の報道の自由は重要なものでありまして、報道機関の正当な取材活動を制約するものでもありません。また、報道関係者による通常の取材活動は教唆に該当しないというふうに思っております。
 国会議員にも同様でありまして、国会議員の議員活動を制約したり、縛ったりするものではないというふうに思っております。
○福島啓史郎君 次に、テロ資金防止条約につきましてお尋ねします。
 まず、財務省の国際局長にお尋ねしますけれども、現行の外為法に基づきまして、今回のテロ関連の資金が我が国の金融機関に預金されている状況、それから、その資金の移動を禁止したという報道があったわけでございますが、その事実関係についてお尋ねします。
○政府参考人(溝口善兵衛君) 外為法に基づきまして、タリバン関係者等の資金凍結を行っております。
 方法は、国連の安保理決議に基づきまして、国連の制裁委員会というのが名簿を指定いたしまして公表しております。それに基づきまして、外務省の方でこういう人について資産凍結をしなさいというあれを受けてやっているわけでございますが、今まで百八十八人の個人、団体につきましてそういう資産凍結を行っているわけです。
 現在までに百六十五の個人、団体につきまして各金融機関から報告が出てまいっております。
 それによりますと、アフガニスタンの中央銀行あるいは国立銀行等、政府系の三行が預金口座三件を日本の金融機関に持っております。残高は約六十万ドル弱でございます。これは既に凍結をされておるわけでございます。これらの預金は、いずれもコルレス契約と申しまして、銀行間で国際取引を決済する際にお互いに預金を持つということがございます。そのための決済口座でございますが、ここ数年、この預金口座につきましては資金に移動がございませんので、多分テロとは直接関係ないんではないかと推測をいたしております。
 このほかに、タリバン関係者等と同姓同名あるいは類似名義の預金口座が二十八件、金融機関から報告来ております。残高が約千八百万円でございますが、銀行は現在これらのものを凍結しておりますけれども、こういう人が国連のリストの人と同じ人であるかという確認をしなきゃいかぬわけです。国連のリストは大体名前しか出ておりませんから、銀行におきましては、口座を開設した際のパスポートの写しでありますとかあるいは外国人登録証の写し等を見たり、あるいは過去の取引を見たりして、今その確認の作業を行っているところでございますが、二十八人のうち二十件以上は休眠口座のようなものでございまして、動きがございませんので余り関係がないのではないかというふうに思っております。
 百八十八人の個人、団体のうち、あと残り二十三人についても報告を受けておりますが、ほとんどその報告、大体まとまってきておりますけれども、今のところ該当するものはないというふうに聞いております。
 以上でございます。
○福島啓史郎君 外務大臣にお聞きしますが、ちょっと時間の関係で別な二つをくっつけますけれども、テロ資金防止条約の署名、それからその批准及び国内法の整備のスケジュールについてはどういうふうに考えておられるか、これが一点でございます。
 また、二点目に、附帯決議の中で国外の邦人保護について定められておりますが、特に在外の日本人会等に未登録の人あるいはその未登録の邦人に対します連絡網等をどういうふうに考えておられるのか、どういうふうにしているのか、在外の日本人の、邦人の保護については万全を期す必要があると思いますが、その二つにつきましてお聞きいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) まず、テロ資金供与防止条約でございますけれども、これは年内の早い時期に署名をして、その後、早期に締結をしたいと思いまして、そのように準備をいたしております。
 二つ目のお尋ねでございますけれども、在留邦人の安全対策等でございますが、これはもう緊急連絡網の構築ということに尽きるわけでございまして、個別に申しますと、外務省のホームページを利用するなり旅行代理店に張り出しをする、NHKの国際放送の利用、そのほか、あとはリュックサックをしょっていくバックパッカーというんでしょうか、そういう個人旅行者に対する行動日程の完全な把握等、できる限りのことはいたしております。
○委員長(武見敬三君) 時間になりましたので、これにて次の質疑者に移りたいと思います。
○福島啓史郎君 ありがとうございました。
○江田五月君 おはようございます。
 衆参にわたる質疑もいよいよ最終盤になってまいりましたが、ひとつ緊張して質問させていただきたいと思います。
 まず冒頭、福田官房長官、質問というよりちょっと御相談なんですけれども、一週間ほど前に実は私のところにメールが届いて、経済界の方なんですけれども、こういうことを言われるんですね。企業が難民支援のために国連難民高等弁務官事務所、UNHCRに寄附をしようと、そういうとき、昨年末までは経団連に難民救済民間基金というものがあって非課税措置を受けられたが、これが昨年末店じまいしてしまって非課税の寄附ができなくなった。その人のメール、これ全部読んだら長くなりますが、企業の広報の方とよく話をするんですが、テロ事件、アフガン問題など話題に出るたびに、テロ対策法案よりこっちを先に政治解決してほしいという、それは前後はいいんですけれども、前後の話じゃなくて、国民がみんな今何かしたいと思っているんですよ。
 これは、この大変な事件に対して、国ももちろんいろいろやる、しかし国民も何かしたいと。法案反対のために何かしたいとおっしゃる人もいます。しかしそうじゃなくて、難民救援とかそういうことのために何かしたい、できることはないだろうかと思っている人がいるんですよ、いっぱい。
 私は、これはやっぱり何か考えなきゃならぬと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 御相談いただきましたけれども、大変ありがたい話でございます。
 日本では特定公益増進法人と、こういうような制度があります。これは、この法人に認定されますと税制上の優遇措置が認められる、こんなふうなことでございまして、例えばユニセフ協会ですね、日本ユニセフ協会、これは財団法人。それから社団法人のユネスコ協会、日本ユネスコ協会連盟というんですけれども、そういうところが公益増進法人として認められている、こういうことでございます。
 例えばUNHCR、これは国際機関なんですね。そして、この国際機関に直接行う寄附については、現行税制上は優遇措置が認められていない、もう御案内のとおりでございますけれども。なぜそういうことになるかといいますと、拠出されました寄附金が公益目的に使われるかどうかという、そこら辺の担保がとれないということ、それから執行上の確認の問題、そういうふうないろいろ問題がございまして公益法人に指定されないというようなことでございます。
 ただ、アフガン難民の支援を含め海外の災害救援活動を行っている日本赤十字社、これは特定公益増進法人ということでございますので、ぜひ委員から、そのような申し出のある方々には、アフガン支援ということであればこちらを御紹介いただくと。日本赤十字社でございますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
○江田五月君 そこまでのお答えは、先ほど、財務省を通したらこういう答えになるよというのは聞いておるんですよ。だけれども、せっかく官房長官とこうして直接お話しできるから相談を申し上げたいと言ったわけで、やっぱりそれは国に税金を払います、国が皆から集めた税金で何かします、それもいいけれども、国民一人一人、さらにオンして自分は税金を払いたい、しかしその税金は国を通すんじゃなくて直接UNHCRに出したいという、そういう気持ちもあるんですね。
 これは、だから、今すぐ返事をしろと言っても無理でしょうが、ひとつぜひ一緒に知恵を絞りたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 以前からそのような案というのはございまして、浮かんでは消え、浮かんでは消えと、こういうふうなことでございます。
 こういう機会に、もう一度、今までの議論を踏まえて前向きの検討をすべきであろうと私も思っております。
○江田五月君 ぜひやりましょう。
 次に、テロ対策特別措置法について、これも福田官房長官にお伺いをしますが、今回の法案は、私どもさらに修正案をこの参議院でも出したいと思っておりますが、それが入れられない場合には反対と。それは、シビリアンコントロールの大原則に基づいた国会の事前承認、これが得られなかったからということなんですが、しかし私なども、さきの党首会談の場でそういう原則事前承認という修正が実現できていれば、これは賛成しようと思っていたわけです。
 いろんな意見がありますけれども、二十一世紀の最初の年に提出された今回の法案というのは、我が国の将来にとっても大きな分岐点となる法案だと。私は、ただ、分岐点というのは従来は、戦時に自衛隊を世界のどの地域へでも後方支援部隊として派遣するようにするのか、それとも九条のもとで一国平和主義を貫くのか、その分岐点だと言われているんですが、そうじゃないだろうと。そうじゃなくて、私たち民主党は、日本が安全保障の分野でも国際社会の共同行動に積極的に参加、協力していくこと、それ自体だめだと言っていないんですよ。安全保障の部分でも日本はいろんなことをやるべきだと、一国平和主義というようなことではなくてですね。ただそのときに、国際社会への共同行動に参加していく、それがアメリカの後方支援部隊としてどこまでもアメリカについていくといういわゆる集団的自衛権の道に行ってはいけないと、こう思っているわけで、国連中心の集団安全保障の道を歩むのか、それともそういう集団安全保障じゃない各国の主権がぶつかり合う道へ行くのか、その分岐点だと、そう思っているわけです。
 今回は、福田官房長官、テロ対策法案の提出者として伺うんですが、この法案の位置づけなんですけれども、法的根拠ということで、どうもいまいち踏み込んだ議論になっていないんですが、小泉総理大臣も、この法案は個別的自衛権だ集団的自衛権だという問題じゃないんだと、武力行使をしない、戦闘行為に参加しない、だから国際協力なんだと、こういう言い方で、私もそこまではよろしいと。
 ただ、単なる国際協力ではなくて、やっぱりこの法案の最初の題名にも国連憲章など長々とお書きになって、しかも、中にも国連決議もいっぱい書いて、そこまで気を使っていらっしゃるということは、これは提案者として、やっぱりこれは国連を中心とする集団安全保障への道に向けてのステップだと、少なくともその先には集団安全保障というものがあるんだと。そして、それを超えて、何か二十一世紀をテロの応酬の時代、二十一世紀を報復合戦の時代にするようなことは絶対避けなきゃいけないんだという思いがあると。
 私は福田長官の心はそこにあると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 今回の法案は、やはり日本国がなし得るものは何かということ、それはもちろん憲法の制約ということはあります、またほかの法令等々がございますでしょう。しかし、大きくはやはり憲法の枠の中というこの大原則があると思うんですね。そういう中でもってなし得ること、これは私は、今回のことは、もしこのテロが起こらなかったらこういうことはしなかっただろうと、こういう法案はできなかっただろうというように思います。要するに、このテロに対応する措置だと、こういうように考える。言ってみれば、憲法の枠の中でこの新しい事態に対応する新しい活動を自衛隊に付与する、こういう趣旨の法案ではないかというように思います。
 憲法はいろいろな役割があるわけでありますけれども、これはその時々の情勢、必要度に応じて新しい任務というのは出てくる、そういう可能性は今後もあるんだろうと思います。また別の事件が起こって、そのために対応する、そういう法案をつくらなきゃいかぬということもあるかもしれぬ。しかし、それはあくまでも現行憲法が現行憲法である限りは、これはその枠の中でやらなければいけないというのはこれは当然のことでございますので、そういう前提条件の中において、我々がなし得る新しい任務を今回この法案でやらせていただく、こういう趣旨だと思います。
 それは委員もおっしゃられるとおり、また小泉総理も繰り返して言っておりますけれども、これは憲法の枠の中で、ということは特に憲法九条というこの部分の問題に一番深く関係することでありますけれども、武力の行使ということを伴わない、これに一番注意して、今回の法案を作成する場合にも注意を払って考えてきた、そういうことでございます。
○江田五月君 国民の多くが、今回のテロに対して何か対応をする、それについて日本も参加をする、そのことに賛成の人もたくさんいます。しかし、賛成の人も、また同時に、だけれども何か不安だなという気持ちも持っている。
 それは何が不安かというと、やっぱりなし崩しでどんどんどこまで行くんだろうかということについての不安なので、だから、そこはそうじゃないですよ、今回のテロへの対応だと。そのテロへの対応も報復じゃないんですよと。報復じゃないんですよというのは、きょう冒頭、総理の不規則発言への返答はこういう意味だといって、いろいろ気を使っていらっしゃる。不規則発言があったから、それでついついかっとしてと言うといけないかな、いや報復戦争なんてだれもやりたくないとかいうような発言が出てくるんじゃなくて、そこはやっぱりもう頭の中にがっちりとたたき込んでおかなきゃいかぬことだと思っていますが、それはいいですね、そこは。
○国務大臣(福田康夫君) この法案をごらんいただければよく御理解いただけるんだろうというふうに思っておって、そういうつもりで提出をさせていただいたということではあるんでありますけれども、まさに委員のおっしゃるとおり、そういうおっしゃる考え方というのは、もうしっかりと頭にたたき込んでおるということだけははっきり申し上げます。
○江田五月君 シビリアンコントロールについて伺います。
 私たちは、国会の原則事前承認がシビリアンコントロールに基づく最も重要なポイントだと考えたわけですが、それはおいて、シビリアンコントロールというのは一体何かということ、これを確認しておきたいと思いますが、平成十三年版のいわゆる防衛白書の記載、読んでいただくと長くなるので、こちらで読みます。
 「文民統制は、シビリアン・コントロールともいい、民主主義国家における軍事に対する政治優先又は軍事力に対する民主主義的な政治統制を指す。 わが国の場合、終戦までの経緯に対する反省もあり、自衛隊が国民の意思によって整備・運用されることを確保するため、旧憲法下の体制とは全く異なり、以下のような厳格なシビリアン・コントロールの諸制度を採用している。」と、こう言って、国会のこと、内閣のこと、防衛庁のこと、三つの制度をお書きになって、さらに最後のところに、「以上のように、シビリアン・コントロールの制度は整備されているが、それが実を挙げるためには、国民が防衛に対する深い関心をもつとともに、」云々と、こういうことが必要だと、こう書いてあるわけです。
 これは中谷長官、これでよろしいですね、防衛白書ですからいいでしょうね。
○国務大臣(中谷元君) 平成十三年度版の防衛白書に書かれておりまして、そのとおりでございます。
○江田五月君 福田官房長官もよろしいですね。
○国務大臣(福田康夫君) 慌てて見ていますけれども、よろしいと思います。
○江田五月君 別にひっかけも何もありませんから。
 シビリアンコントロールというのは、国会と内閣と防衛庁とで制度が整備されているが、その根本には「自衛隊が国民の意思によって整備・運用されることを確保する」、国民の意思、シビリアンコントロールが実を上げるためには国民が防衛に関する深い関心を持つことが必要だと。つまり、国民主権だと、国民なんだと。最終的には国民、一人一人の国民がシビリアンコントロールの主体なんだと、こういうことだと思うんですが、そこの核心、これは官房長官も防衛庁長官も揺るぎはないでしょうね。
○国務大臣(中谷元君) シビリアンコントロールというのは文民統制ということで、防衛庁長官とか、最高指揮官は総理大臣でありますけれども、これは文民でなければならないと。
 この文民というのは、正当に選挙で選ばれた国会議員でありますけれども、これは民主的な手続で選ばれた国民を代表する国会議員でございますので、そういう意味では国民の代表者がコントロールをしているというふうに私は思っております。
○江田五月君 ちょっと違うんで、国民の代表者と制度上なっている国会とか内閣とかが、あるいはそういうものに根拠を有する防衛庁のシステムが、指揮監督というか監督をしておるというそういう制度上の仕組みの根本に、国民というのがやっぱりシビリアンコントロールの主体なんだと、その意識、その信念、その認識、そこはいいんでしょうねということを言っているんです。
○国務大臣(中谷元君) 委員のおっしゃるとおり、国民の意識に基づくものだというふうに思っております。
○江田五月君 官房長官も同じですよね。
○国務大臣(福田康夫君) はい、同じでございます。
○江田五月君 そこで、きょうは私は自衛隊法改正案、特にその中の防衛秘密に限って質問をいたします。
 この自衛隊法改正案については、我が会派は賛成でございます。しかし、いろいろな心配があります。そこで伺うんですが、まず、先ほどもちょっと話に出ていました日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法、いわゆるミューチュアル・ディフェンス・アグリーメントですか、MDA秘密保護法、この七条には「この法律の適用にあたつては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあつてはならない。」という条文が入っている。これは何か修正によって入ったとかいう話なんですが、今回のこの自衛隊法改正では、なぜこの七条のような規定がないんですか。防衛庁長官。
○政府参考人(首藤新悟君) 今の自衛隊法にも守秘義務を定めた条項があるわけでございますが、それに対しての適用、拡張解釈云々のことは、あるいは国民の基本的人権不当侵害というのは書いてございません。が、いずれにしろ、書かなくても、自衛隊法とかそういった場合に、言ってみれば常識的なことということで書いてないからといって、こういったことが何というか関係ないということは全くないわけでございます。
○江田五月君 書いてないからといって、常識的なことだと言うんだけれども、その常識的なことがちょいちょい怪しくなるから書いてあるんですよね。
 防衛庁長官、今回修正しろとまでは言いませんけれども、こういう国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない、これは当たり前のことで、その点は重々注意をされるんでしょうね。
○国務大臣(中谷元君) そのことは日本国憲法にも書かれておりまして、それを遵守するというのは当然のことでございますので、十分注意を払いながら運用してまいりたいというふうに思います。
○江田五月君 これはやっぱりせめて附帯決議ぐらいは、そういうのは入れておいた方がいいと私は思います。
 そこで、中谷長官、ちょっと細かなことで恐縮なんですけれども、やっぱり重要なことなので、ぜひこれまでの答弁の訂正をひとつお願いをしておかなきゃならぬと思います。ちょっと、まず何を訂正するかを聞かなきゃ。
 一昨日の我が党の榛葉委員の質問に対して中谷長官は、これはまだ未定稿の段階なんですけれども、かぎ括弧で、「さらに報道関係とか国会議員等につきましては、現在においても教唆とかいうことで刑法上の罰則がかかっております。この教唆というのは贈賄とか脅迫といった不法な手段で秘密を知る行為でありまして、これは現在においても刑法で罰せられますけれども、今回は現在行っているもの以上に罰則を規定をするということは盛り込んでおりませんので、現状のままの状態でございます。」と、こうおっしゃって、刑法で正犯に対して従犯がつけ加わっている、それで今回のこの自衛隊法の教唆などは罰せられる、したがって変わっていないんだという、そういう趣旨のように読める答弁をされているんですが、これは間違いですよね。
○国務大臣(中谷元君) もう一度発言をいたしますが、今回の自衛隊法改正案に定める教唆は独立教唆罪として規定しておりまして、正犯者の実行行為の有無、正犯の成否とは無関係にそれ自体が加罰的なものとして規定されております。この規定は、現行の自衛隊法の守秘義務規定に係る教唆、国家公務員法、外務公務員法及び地方公務員法の守秘義務規定に係る教唆、さらにはMDA法、秘密保護法ですね、に規定する教唆と同じ規定でございます。
 一方、刑法の総則に定める教唆については、人に犯意を生ぜしめて犯罪を実行させることを言い、正犯に犯罪の実行に着手させなければ処罰されることはないと解するのが通例、通説の立場であります。これは独立罪として規定されていないことから、今般の自衛隊法改正とは異なる犯罪類型となっております。
 したがいまして、今般の自衛隊法改正に定める教唆については、現行の自衛隊法等に定める教唆と同様の規定になっているとともに、刑法総則に定める教唆の適用は排除されないことを申し上げた次第でございます。
○江田五月君 まあ余り詰めてもしようがないんですが、このおとといの答弁は、この教唆というのは「現在においても刑法で罰せられますけれども、今回は現在行っているもの以上に罰則を規定をするということは盛り込んでおりませんので、」と書いてあるので、やはりそのときに勘違いをされたのか、あるいはまだ十分知識がなかったのか。間違ったんだと思いますよ、じゃありませんか。
○国務大臣(中谷元君) 発言をしたかった内容は、現在のマスコミ等の活動と今後の活動は全く同じ意味でありまして、現在考えられておる教唆の規定と今後のこの法律ができたに伴う教唆の取り扱いについては同じものであるということを申し述べたかったわけでございます。
○江田五月君 刑法総則の教唆ではなくて、もちろんそれは排除はされませんよ、排除されませんけれども、独立に教唆犯というものを、教唆罪というのをつくっておる。それは自衛隊法、現行の自衛隊法でもあるので、その点では変わっていないと。しかし、罰則は五年にふえていますし、それから業者がありますよね、契約業者。このものに対して教唆をする場合というのは現行の自衛隊法にはありませんから、その部分は広がっていますよね。
 変わっていない、変わっていないと一生懸命おっしゃると逆にかえっておかしくなるので、そこはやっぱりちゃんと今回の法律の考え方というものをしっかり認識してお話しになった方がいいと思いますよ。よろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) 委員のおっしゃるとおりでございます。
○江田五月君 このおとといの発言の部分は、やっぱりちょっと間違いだと思うので、これは議事録の処置を後ほど理事会においてちゃんとしていただきたい。
○委員長(武見敬三君) 後ほど理事会で精査をさせていただきます。
○江田五月君 さて、本論ですが、中谷長官、今なぜ防衛秘密を指定して秘密保護のための罰則強化が必要なんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 我々は、以前から国家の安全保障に関しては他に漏らしてはならない秘密があって、それが漏えいすることによって国民生活を不安に陥れるようなことはないようにというふうに考えておりました。そこで、昨年の九月に幹部自衛官による秘密漏えい事件が起こりまして、その反省、教訓を考えますと、やはり国の安全を害しかねないような秘密について罰則を強化することにより秘密の漏えいを未然に防ぐことが大切だと。また、駐在武官との接触の機会もふえるし、また冷戦が終わったということで各国との交流、おつき合いもふえておりまして、この秘密を取り巻く環境も変化をしてきた。また、米国等と各国との情報共有を推進する上でも秘密の保護に万全を期しておくことが必要であるというふうにかんがみまして、慎重に検討をしてまいりまして、今回の国会におきましてこの法律の改正をお願いしている次第でございます。
○江田五月君 私どもの内部でこの法案について検討していたときに、防衛庁の方に来ていただいて説明も聞いたんですが、お隣の佐藤議員が質問されて、立法事実が要るよと、自衛隊員が今綱紀紊乱、もうむちゃくちゃで、こんな自衛隊員はとても幹部では統制できないので国会に頼んでこういう重罰をする必要があると、そうならそうではっきり言いなさいと言ったら、そうは言わなかったんですが、そうじゃないんですか。
○国務大臣(中谷元君) それ以上に、やはりこの防衛庁を預かる責任者といたしまして、そういう機密が外部に漏れるということについては非常に心配に思っております。それに加えまして、過去におきましても三度ほど防衛庁の機密が漏れるという事案がございまして、かねがねこの秘密の保全等についてはしかるべき法の制定、改正が必要であるというふうに思っておりまして、そういう観点で今回お願いしたわけでございます。
○江田五月君 佐藤さんが、中谷さんは部下を信用できないと言っているなと、こう言われていますけれども、どんどん次へ行かなきゃいけないので次へ移ります。
 冷戦が終わった、これは天変地異でも何でもないんで、国際社会のいわば人類が一生懸命意欲を持ち、意図して緊張緩和させていこうとして、そして冷戦という恐怖の均衡によるガラス細工の平和を終わりにして本当の平和をつくろうといって冷戦を終わらせたわけです。それは何が一番大きかったかというと、いろいろあると思いますけれども、やっぱりそれぞれの人の努力の中には信頼関係醸成措置というのがあったわけですよね。
 例えば、演習だってお互いに見せ合おう。どんな演習しているかについて、演習でも何かあればすぐもう疑心暗鬼になるんじゃなくてというような相互の信頼関係の醸成の努力があって、つまり防衛秘密の垣根はやっぱり低くしていこうというのが世界の平和をつくっていく大きな道筋だった、流れだったと思うんですよね。
 ですから、今こういう秘密保護の、これまでは服務規律についての規定はあったけれども、秘密保護罪という規定はなかったわけですよ。それを新たにつくるというわけですからかなり大きな変更ですが、これを我々は賛成はしますが、しかし一方で防衛秘密の垣根は低くしていくことも大切なんだということ、それを中谷長官、わかっていただけますか。
○国務大臣(中谷元君) 軍事面、防衛面での情報公開というのは、おっしゃるとおり平和であることの一つのバロメーターであるというふうには思っておりますが、我が国もこういった情報の公開につきましては努力をいたしております。
 ただ、周辺国を眺めてまいりますと、ミリタリー・バランスという英国を中心とした世界各国の軍事情報を集約するところがございますが、中国や北朝鮮に関する軍事情報等はほとんど公開されていないような部分が多くて、世界各国に見ましても、我が国の情報公開というのは群を抜いて公開しているというふうに思っておりまして、こういった各国の情勢等、また軍事情勢等も勘案しながら推進をしていきたいというふうに思っておりますが、基本的にはそういった情報公開という観点で国民の信頼を得ながら、理解を得ながらやっていくということは大切だというふうに思っております。
○江田五月君 そこで、自衛隊法改正案の九十六条関係、防衛秘密の指定について伺います。
 先ほどちょっと話がありましたが、現在の防衛庁にある庁秘、秘、極秘、機密、これは定義はあるんですね、防衛局長ですかね、それと数。
○政府参考人(首藤新悟君) 秘密保全に関する訓令に基づきまして指定された秘密いわゆる庁秘におきましては、「「機密」とは、秘密の保全が最高度に必要であつて、その漏えいが国の安全又は利益に重大な損害を与えるおそれのあるもの」、「「極秘」とは、機密につぐ程度の秘密の保全が必要であつて、その漏えいが国の安全又は利益に損害を与えるおそれのあるもの」、「「秘」とは、極秘につぐ程度の秘密の保全が必要であつて、関係職員以外の者に知らせてはならないもの」ということでございまして、それぞれの件数でございますが、機密が約二千二百七十件、極秘、約一万一千三百五十件、秘、約十二万一千四百二十件でございます。
○江田五月君 最高度に秘密で国の安全や利益に重大な損害を与えると。具体的に何かというのはもうちょっと本当は突っ込んでいきたいところですが、時間ありません。
 もう一つ、MDA秘密保護法における秘、極秘、機密、この定義、それと数、これはどうですか。
○政府参考人(首藤新悟君) MDA秘密保護法における機密、極秘、秘の定義も基本的にはほぼ同じでございますが、「「機密」とは、秘密の保護が最高度に必要であつて、その漏えいがわが国の安全に対し、特に重大な損害を与えるおそれのあるもの」、「「極秘」とは、秘密の保護が高度に必要であつて、その漏えいがわが国の安全に対し、重大な損害を与えるおそれのあるもの」、「「秘」とは、秘密の保護が必要であつて、機密及び極秘に該当しないもの」という定義になっております。
○江田五月君 数。
○政府参考人(首藤新悟君) 数でございますが、機密はございません。極秘が約六百九十件、秘が八千百七十件、合計で約八千八百六十件でございます。
○江田五月君 情報公開法に言うところの存在秘、あるかないかも秘密というものがありますが、それは今の数の中にあるんですか、ないんですか。
○政府参考人(首藤新悟君) 一般論といたしまして、これらの秘密文書にかかわります情報公開法に基づく開示請求に対しまして、同法すなわち情報公開法第八条に規定いたします存否応答拒否を行う場合はあり得るところでございますが、ある行政文書につきまして存否応答拒否を行うかどうかの判断はそもそも開示請求の具体的内容によって異なる場合がございますために、存否応答拒否の対象となる秘密文書の件数を一概に申し上げることはできないということになるわけでございます。
○江田五月君 だから、存否応答拒否は情報公開の請求があってそのときに判断するので、今、存否応答拒否情報ですよといってくくって数にしてまとめてあるということはないということですよね。
○政府参考人(首藤新悟君) はい、そういう趣旨でございます。
○江田五月君 そこで、この法案、今回の改正案、これの防衛秘密というのは、現在の極秘と機密、趣旨が違うからもう一遍新たな角度から見直すのでしょうが、おおむね現在の極秘と機密合わせたものぐらいになるというように考えていいんですか。
○国務大臣(中谷元君) 今回の改正の防衛秘密につきましては、現行の守秘義務にかかわる秘密、とりわけ秘密保全に関する訓令に定める秘密、庁秘の中から拾い出すことになりますが、こうした実際の選別作業はこの法案の成立の後になるわけでありますけれども、現行の庁秘のうち、この法律の別表に掲げる項目で我が国の防衛に関するものであれば、おおむね機密、極秘及び秘の中で秘匿度の高いものが防衛秘密に該当するというふうに考えております。
○江田五月君 秘の中にもあるだろうけれども、おおむね機密と極秘のところに結果的になるのではないかというふうに聞きましたが、そんなことでいいですか。
○国務大臣(中谷元君) 現在、そのように考えております。
○江田五月君 標記のつけ方ですが、これは何かもう一件書類といいますか、類別をしてどんと一発、防衛秘密とかでなくて個別の情報ごとに標記をきっちりと仕分けをしながら付していくということでしょうね、確認ですが。
○国務大臣(中谷元君) 現在、行っている庁秘とかMDAに定める秘密と同様にその取り扱いの合理性とか効率性を考えまして、文書ごと、また物件ごとといった一定の単位ごとに行うことを考えております。
○江田五月君 そして、標記を付したら、付したものはやっぱりそれは、こういうものに標記を付しましたというリストぐらいはつくられるんでしょうね。
○国務大臣(中谷元君) 速やかに指定が行われましたら登録簿に登録することといたしております。現行と同じような登録制度を設けることを検討しております。
○江田五月君 その登録簿は防衛秘密ですか。
○国務大臣(中谷元君) これにつきましてその後の取り扱いに関していいますと、情報公開法による開示請求が行われた場合には、不開示情報が記録されているもの、またそのようなものを除き件名は明らかにいたしたいというふうに思っておりまして、この登録簿を防衛秘密にするかどうかについては現在検討中であります。
○江田五月君 登録簿が防衛秘密になるということはないと思いますよね。その秘密の文書のタイトル、そのタイトルの中にちょっと防衛秘密がある場合にはそれはそこをちょっと消せばいいので、登録簿ぐらいのことは明らかにならないと。だって、そこへ行ったら、共謀、教唆、扇動などといって犯罪になるというわけですから、言ってみれば危ないところですから、ここは来ちゃいけないよとかいうのは明らかにしておいてもらわないと、人が歩くのに大変不便でしようがないんで、それくらいの登録簿、これは明らかにするようにやっていただきたい。
 それから、通知ですが、これは標記を付す、いずれ防衛秘密になる、しかし事の性質上そこまでまだ手続がとれない場合に通知をすると。どんな方法で通知をするんですか。
○政府参考人(首藤新悟君) この通知により指定がなされる場合としましては、例えばの例でございますが、自衛隊の作戦行動時などの緊急の場合で文書を作成するいとまがないような場合が挙げられるわけでございまして、この場合、防衛秘密に該当する事項である旨を相手に通知した上で防衛秘密にかかわる事項の命令や伝達を行うことを想定しているわけでございます。
○江田五月君 勘ぐればこんな悪用ができるかなと。漏れちゃったと、これは困った、防衛秘密に指定していなかったんだけれども後から指定したことにしようというので、いや、それは漏れる前に通知をしていたんだよというふうにでっち上げるというようなことがありはせぬかなと心配するんだが、そんなことは断じてないでしょうね。
○国務大臣(中谷元君) そういうことは断じて行いません。
○江田五月君 これ、もしそういうことが起きたら責任問題になりますよ。
○国務大臣(中谷元君) はい。
○江田五月君 防衛局長、朝日新聞のインタビューで、防衛秘密の実質秘性は最終的に司法審査に服すると言われておりますね。で、秘密漏えいの裁判や、あるいは情報公開法の不開示決定に対する不服取り消し訴訟で実質秘性が判断されると、そこで。で、それに服すると、こういう趣旨ですよね。
○政府参考人(首藤新悟君) はい。最終的には司法判断で実質秘が決まるという趣旨でございます。
○江田五月君 司法判断で、これは実質秘ないよと言われたら防衛秘密じゃなくなるんですか。
○政府参考人(首藤新悟君) その具体的な事態にもよりますが、例えば防衛秘密ではない、ただ普通のいわゆる庁秘にはなるとか、いろんなことがあり得るかと思いますが、少なくとも裁判によって防衛秘でないと判断されれば防衛秘ではなくなるということでございます。
○江田五月君 そうですね。そこは間違ってもらっちゃ困ります。
 それで、新聞の記事ですと、防衛局長は、秘密は裁判で公開されるのかという質問に対して、裁判官には見せるけれども、実際には公開しないと思うと、こう答えているように書いてありますが、これはこうお答えになったんですか。
○政府参考人(首藤新悟君) この部分いろいろな、記事に出ている部分以外もいろいろ申したと記憶しておりますが、その全体の中の一部としてそういう趣旨の発言をしたような気がいたします。
○江田五月君 裁判官に見せる方法がありますか。
○政府参考人(首藤新悟君) この点につきましては、御指摘のとおり、現在の司法制度におきましては、いわゆるインカメラの制度は採用されておらずに、裁判官だけに見せるというような制度はないと承知いたしております。
 他方、訴訟における秘密性の立証方法につきましては、昭和四十四年三月十八日の東京高等裁判所の判決では、訴訟法上、秘密扱いの指定、表示のあったことについての立証は容易であっても、それが刑罰による保護に値する実態を備えているものであるかどうかについてはしかく容易ではないと。何となれば、秘密扱いとされたものが公開の法廷に顕出されることによりそれが公表され、一般人に了知されることによって秘密性を失うことになりかねないからである。かかる場合には、それが秘密扱いに指定、表示された必要性、相当性及び秘密扱いの実用などを調査検討して、なおそれが実体的真実発見の場である公判廷に顕出できない相当の理由があると認められるときは、原判示のような方法により、それが刑罰による保護に値する実態を備えるものと認定することも許されると言うべきであるとしておりまして、秘密そのものを公開の法廷に提出しなくてもその秘密性を立証することは可能であるということを示しております。
○江田五月君 長々と答弁いただいてありがたいんですけれども、聞いているのは、この新聞の記事に、裁判官には見せるけれども、とあるけれども、そんな方法はないんですよ。特別にインカメラの手続などがあれば別ですけれども、それでなければ、裁判官は証拠調べ、自分だけ見て当事者に見せずに証拠調べなんてことはできないんですよ。
 間違いですね。少なくともあなたがこうおっしゃったかどうかは別として、この記事のこの部分は間違いですね。
○政府参考人(首藤新悟君) 今、御答弁申しましたように、現在の司法制度においてはいわゆるインカメラの制度は採用されていないというようなことからして、あの部分は正確ではないと思います。
○江田五月君 正確ではない。はい、いいです。
 ちょっと違うことですが、これは中谷長官、アメリカなんかのように、ある一定年限たったら秘密を解除して、そしてみんなに公開すると。あれはなかなかいいと思うんですが、日本でも考えるべきじゃないでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 米国も機密等は取り扱いながら、政府、政府というか国全体としてそのようなルールを設けて運用している面はあるというふうに思っておりますけれども、いわゆる指定を解除すべき年限を一律に定めるということは、現実的に考えてみますと、全部統一するということは困難な面もあるのではないかというふうに思っております。
 しかし、御指摘のように、漫然と指定をずっと放置していくということが適当かどうかと言われると、広く国民にそういった情報を提供して理解と協力を得る点も重要であるというふうに思っておりますので、今後検討はしてまいりたいというふうに思っております。
○江田五月君 福田官房長官どうですか。一定年限たったらオープンにするというのは結構いいと思うんですがね。
○国務大臣(福田康夫君) 今までの御議論を伺っておりまして、民主政治をより熟成させるためにも、国民に情報を十分開示するという努力を政府は不断に行っていかなければいけないと思います。政府が漫然と、今、防衛庁長官からも答弁がございましたけれども、漫然と際限なく秘密を持っていていいかどうかということは、これは極めて問題大きいだろうと思います。
 しかしながら、そのことを明らかにするということによって、特に防衛庁とかそれから外務省におきましては安全保障という問題がございますので、国家国民の安全を損なうおそれのあるような情報を、それを開示しないといったって、それは公益を損なうことにはならぬだろうというふうに思います。
 ですから、それはそういうことを考えながらも、なお、先ほど申しましたように、漫然といつまでもということは、これは必要ないかもしれません。ただ、相手のある、例えば外交上の相手のある場合には、その相手との関係も考慮しなければいけないということもございますので、これはケース・バイ・ケースということも十分あろうかと思っております。
○江田五月君 そのほか、この秘密、防衛秘密の関係についてまだまだ聞きたいことたくさんあるんですが、時間の方がどんどん過ぎていますので、次へ移ります。
 次、今度は漏えいの関係、秘密に対するアクセスの関係ですが、この漏えいをしてはならない人というのは法定されていて、それ以外の人が何らかの事由で標記を付された防衛秘密を取得をしたからといって、取得したことが犯罪になったり、その取得した防衛秘密を公にすることが犯罪になったり、それはありませんよね。
○国務大臣(中谷元君) 問題にならないと思います。漏えい罪に問われることはないというふうに思います。
○江田五月君 MDA秘密保護法の方は規定がかなりいろんな規定がありますけれども、こっちの自衛隊法改正案の方は、そこは漏えい罪の主体というのははっきりしていますと。それはもう今のお答えで十分だろうと思います。
 次に、共謀とか教唆とか扇動とかということについて伺いますが、正犯とは別に従犯の方を独立して罰する形にしていると、いわゆる独立教唆罪。しかし、共謀はどうですか。共謀は、何か正犯がどこにもないのに身分のない者だけが集まって何か共謀したら、それは共謀になりますか。
○国務大臣(中谷元君) 共謀につきましては、共同謀議関与者の中に謀議の対象とされる違法行為を遂行し得る立場にある者、すなわち防衛秘密を取り扱うことを業務とする者が含まれることを要するか否かによってでありますが、通常はこれを要するというふうに解されます。
○江田五月君 それは、通常と言われますけれども、限定なしで共謀の場合は、その中に正犯たり得る者が入っていなきゃならぬというのは当然だろうと思いますね。
 次に、独立ということなんですけれども、それでも正犯がまるで考えられないような教唆というのがあるのか、そう聞かれたらどう答えますか。
○国務大臣(中谷元君) 全く関係ないというケースはどうかということでありますが、教唆及び扇動は正犯たり得るものに対する行為であることから、正犯たり得るものの存在なくして成立するのは想定しがたいというふうに思っておりまして、ちょっと聞いたぐらいで教唆、扇動の罪に問われることにつきましては、そういうことはないというふうに思っております。
○江田五月君 それから、やはり国民の知る権利といいますかシビリアンコントロールといいますか、私が冒頭シビリアンコントロールの重要性を特に強調したのは意味があるわけでして、共謀にしても教唆にしても扇動にしても、正犯となり得るものが想定されていなきゃいけないだけでなくて、その行為自体が、ちょっと教えてよとかいうのじゃやっぱりだめで、その秘密漏えいに至る具体的危険性があるような行為でなければそもそも教唆だとか扇動とかには当たらないんだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) おっしゃるとおり、実質が単なる規律違反としての評価を受けるにすぎないものについては、その行為が、国家公務員法の百十条、これは周りでデモとかを行っている場合、シュプレヒコールで上げて扇動されるようなときに扇動罪に当たるかというケースなんですけれども、国家公務員法の百十条一項十七号の罰則の構成要件に該当しないということはもちろんでありますし、また、この罰則の構成要件に該当する行為であっても具体的事情のいかんによっては法秩序全体の精神に照らして許容されるものと認められるときは刑法上の違法性が阻却されることもあり得るということは言うまでもないとしておりまして、最終的には司法機関の判断によってなされることでありますけれども、おっしゃるような内容は想定はいたしておりません。入るとは想定いたしておりません。
○江田五月君 業者、業務者でない者が防衛秘密にアクセスする。それは、業務者との従犯関係になる場合と、それから今の独立して罰せられる場合とですから、そうすると業務者でない者が防衛秘密を例えば写真撮影する、あるいはビデオで撮る、これを公表すると。これは罪になりますか。なりませんね。
○政府参考人(首藤新悟君) 今おっしゃられました想定がちょっと具体的にわからないわけでございますが、業務者でない者は基本的にその写真撮影とか物を見るとかというような立場には置かれることはないと考えているわけでございます。
○江田五月君 だって、それはわからないですよ。写真撮影の、フリーのカメラマンがいろんなことをやってそれが例えば住居侵入になるとか、それは別ですよ。だけれども、そういうものが一切なくて、化体した物件というものがあるんでしょう、防衛秘密を化体した物件、例えばミサイル。これを写真でどこかで撮ったと。それが秘密漏えいに当たるとかいうことはないですねということです。
○国務大臣(中谷元君) それは、正犯でもありませんし、そういう教唆行為でもなかったら、そういうのはないというふうに思います。
○江田五月君 次に、保護法益の衝突の関係で今の教唆とかそういうものが限定されてくるという場合があるだろうと思うんですが、報道の自由との関係、これはもう今まで議論に出ていますし、それから国政調査権の関係、これも議論に出ていますが、一般の市民の場合、例えば情報公開法による開示請求、これはどう見たって教唆には当たらないと考えていいですか。
○国務大臣(中谷元君) 情報公開法に基づいて防衛秘密について開示請求をすることについては、何ら違法性はないというふうに思います。
○江田五月君 あとは皆さんの方がこれは秘密だから出せないと言えばいいんで、情報公開法でどんどん迫っていくということ、これは市民のシビリアンコントロールであり、知る権利であり、そういうものが制約されるということは絶対あってはいけないと。今、明確にお答えになりましたから、それでいいと思いますが。
 次に、自衛隊法改正案の防衛秘密に関する部分は公布後一年を超えない範囲で施行と書いてありますが、これは文字どおりおおむね一年半、一年後に施行ということになるんですか。
○政府参考人(首藤新悟君) こう書きました理由でございますが、一つには、刑罰法規でございますので周知徹底期間が必要であると。それからもう一つは、防衛秘密の保全に万全を期すとともに、適切な運用を図るため内部的な作業が必要であるということからいたしまして一年を超えない範囲ということにしたわけでございますが、防衛庁としましては、防衛秘密の保全が我が国の防衛上必要であることから、周知徹底期間を十分考慮の上、でき得る限り早期に施行できるように努めてまいりたいと考えているわけでございます。
○江田五月君 ちょっと前に戻って、MDAの秘密保護法では、二条で、「行政機関の長は、」「防衛秘密について、標記を附し、関係者に通知する等防衛秘密の保護上必要な措置を講ずる」と。標記を付す、関係者に通知をするというのは必要な措置の一例として挙げているという形になっています。しかし、自衛隊法の改正案では、標記を付すこと、これはもう絶対必要な要件、それにかわるものとしては、性質上それが困難なときに通知をするということで、さらに、九十六条の二の四項で、一項、二項に定めるもののほか、第一項に規定する事項の保護上必要な措置を講ずると、こうなっているんですが、このMDA秘密保護法の規定の仕方と今回の規定の仕方の違いというのはなぜ起きたんですか。
○政府参考人(首藤新悟君) MDA秘密保護法は、申すまでもなく、アメリカから供与された技術に関する装備品に関する秘密保護でございまして、すべてが防衛庁所管部分とは限らない、防衛庁以外の役所も関係するようなことがあるというようなことがございまして通知とかいったことが書いてございます。
 また、今回の改正案は、はっきりと防衛庁長官が指定するということで、実質のみならず形式的にも秘を指定するということでございますが、MDA法では基本的に実質秘主義をとっているというような違いからこのような法律及び今回の改正案における差が出ているわけでございます。
○江田五月君 自衛隊法による場合には形式的にもこの手続が必要、そして同時に実質秘でなきゃいけないと。MDA秘密保護法の方は、実質秘であったら、必要な措置はとるんですが、それでよろしいと、標記が付されなくてもいいと。現実には標記が付されない、MDA秘密保護法に言うところの、改正後ですと特別防衛秘密になりますか、という標記が付されない特別防衛秘密というのはあるんですか。
○政府参考人(首藤新悟君) 現実には、このMDA法自身にも標記を付すというようなことが書いてありますとおり、そういうことはないと存じます。
○江田五月君 時間になりましたが、最後に、くれぐれも冒頭申し上げましたような基本的人権の侵害に当たるようなことのないように、これはもう強くお願いをして、私の質問を終わります。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日までこのテロ特措法等につきましてはさまざまな論点が議論されてきたわけでありますけれども、私も所管の大臣の方々に直接お伺いする機会、初めてでございますので、この場をおかりして幾つか私自身がお聞きしたかった点を、またこれまでの議論でもう一度整理した方がいいと思われるところをちょっとお聞きしたいと思います。
 私も、参議院の本会議の代表質問で申しましたけれども、十月五日からパキスタンの現地視察、調査をしたわけでございます。本日は、まず最初に、その現地調査をしている中で非常に具体的な提案を現地の国連スタッフからいただいておりますので、それについて、日本政府として、現行法の枠内あるいは今審議中の特措法が成立した際に実際できるのかどうかということをちょっとお聞きをしたい。
 まず、防衛庁長官になると思いますが、最初の具体的な提案は、いわゆるパキスタンなどのアフガニスタン周辺国領域内で活動する国連機関やNGOの国際スタッフですね、現地スタッフというより国際スタッフが、緊急事態が発生したときにそのエリアから緊急退避をしなければいけないと。その際に、退避する移動の際とか、これは具体的にはいろんな事態が想定されますので一概に言うことは難しいかもしれませんけれども、しかし、例えば日本なんかも自衛隊による邦人保護の観点からの輸送等も既に行ってきているわけでして、そういった意味で、そういう邦人に限らず外国人の国連機関あるいはNGOのスタッフ、あるいは外交団まで含まれるかどうかこれはわかりませんが、この方たちが緊急退避する際の援助を日本ができるのかどうか。
 これは、私にもし日本がやってくれればありがたいということで提案してきたわけですが、この国連のスタッフいわく、今までの慣例で言うと、近くに米軍がいた場合には、これは取り決めていないそうなんですけれども、米軍が事実上やってきたと。
 今回のアフガニスタンでの軍事行動に際しても、どの国もこういった緊急退避を援助しますということを表明している国はないということなんですが、ですので、防衛庁長官の方に、こういう活動が、緊急退避の援助活動、支援活動ができるのかどうかという点をまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) いろんなケースがございますが、一つは、この救援活動が「輸送、医療その他の人道的精神に基づいて行われる活動であって、我が国が実施するもの」と規定されております。また、国際機関やNGOの職員の輸送に係る活動については法文上例示されているものではありませんけれども、被災民の救援のための活動の一環として国際連合等から要請があれば、「その他の人道的精神に基づいて行われる活動」に該当するものとして実施できるものと考えておりまして、現実の状況に即しましてそれは可能だというふうに思っておりますが、自衛隊法の百条の八で、外国人の同乗に関する規定、輸送の場合、これが設けられておりますが、この輸送の対象となる国際機関やNGOの職員すべてが外国人であった場合に、この規定の趣旨、目的に見ますと、もう専ら外国人だけを輸送するということを目的として自衛隊機を派遣することになりまして、これがこの法律でやれるかどうかということでございまして、この場合には、邦人とともにこれらの職員を輸送するということはあり得るものだと解されております。
   〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
 それから、自衛隊機が、このような場合に、邦人輸送のために派遣されることを前提としてこれらの外国人職員を同乗することを対応措置として基本計画に盛り込むということは可能でありますので、そのような形で救出ができるんじゃないかというふうに思います。
○遠山清彦君 ちょっと確認だけしたいんですが、ということは、今のお話ですと、通常は邦人がいた方がやりやすいけれども、全く邦人がいないグループ、集団を助けるということは可能だと。これは確認ですけれども、お願いします。
○国務大臣(中谷元君) 新法が成立をいたしますと、被災民救援活動として可能でございます。
○遠山清彦君 はい、ありがとうございます。
 それで、これは官房長官に、今のことに関連して、このようないわゆる国際機関スタッフあるいはNGOスタッフが緊急退避する際に、日本として現在論じている特措法が成立した際に、こういうエバキュエーション、緊急退避を援助することができますよというメッセージを日本政府として国際社会に表明することが、私はこういうことをやっているところがないと先ほど申し上げましたように思いますので、世界に対して日本が今回の事態に非常に強い貢献をするという意思を持っているということになるので、ぜひ私は、この特措法が成立した暁に、何らかの形で国際社会あるいは国連に対してそういう用意があるといったようなメッセージを出した方がいいと思いますが、それについていかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) この法律が成立しますれば、いかなるニーズが生ずるかということがあるので、何から何までやりますよ、どうぞというデパートみたいなやり方をすべきかどうか。これはそこまでやる必要はないんだろうというふうには思いますけれども、それはそれなりのその状況に応じてのニーズに応じてそういうPRをすると。どういうやり方でするかということも問題がありますけれども、それは、そういうメッセージを出してもいいんではないかというふうに思っております。
○遠山清彦君 はい、わかりました。
 では次に、もう一つ具体的な提案がありまして、これもお答えにくいかと思いますが、防衛庁長官にお聞きしたいと思います。
 現地で大きな問題になっていることの一つが、国連機関が所有する車両の多くが、パキスタンという国は非常に新しい車両を購入した場合関税が高いですので、中古のジープ等を多数使っている。私は、ペシャワールの難民高等弁務官事務所のスタッフからこれは直接聞いた話ですが、彼らが所有している車両の五、六十台が現在故障中であると。現地の状況ですと、一台直すのに一カ月かかるということで、今新しい難民もどんどん入ってきている状況で、NGOなんかも車両が欲しいということなんですが、遅々として修理が進まないために人道支援の活動に影響が出ているという話があります。
 特措法案には協力支援活動、捜索救助活動の両分野においてはそれぞれ別表で物品と役務の提供の具体的項目が示されていて、そこには修理及び整備は含まれております。しかし、被災民救援活動については第三条の条文の中で簡単に生活関連物資の輸送あるいは医療等の項目が列挙されておりまして、実は修理及び整備ということは明示されていないわけですね。
 私は、もし仮にこの特措法が成立した後に、基本計画、実施計画が策定されるわけですけれども、こういう国連人道支援機関の車両の修理、整備を自衛隊にやってほしいというような要請があった場合、政府の対応はどうなるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この法案に「その他の人道的精神に基づいて行われる活動」というふうに明記をいたしておりまして、国際連合等からの要請がありましたら、それに基づいて実施することが可能であるというふうに考えております。
○遠山清彦君 はい、わかりました。
 では、その点は確認をさせていただいて、ぜひそういう要請が、私自身受けておりますので、可能性としてそういう要請があるかもしれないということで、今特措法の枠内で、基づいてできるということで、個人的には大変うれしく思っております。
 次の質問は、国会の承認の問題の方に移らせていただきたいと思います。
 今日まで事後承認、あるいは事前承認の方がいいんじゃないかとかという議論があったわけですけれども、私自身は個人的に事後承認で十分シビリアンコントロールが確保されるのではないかと。しかし、きょうの議論でもありましたように、事後承認でシビリアンコントロールの確保が本当に十分に行われるのかどうか、そういったことについての疑念あるいは批判といったものが繰り返し提示をされているわけですので、この場でもうちょっと議論を整理をしたいと。
 私、個人的には、事前がいいか事後がいいかという議論ばっかりで、結局、実際にじゃ事後承認になったときに、国会の承認案件の範囲はどういうものなのかということについて国民の皆さんとかマスコミが余り明確に理解をされていないんではないかというような気がしております。そういった意味で質問させていただきます。
 まず最初に、昨日のこの場での公聴会で大阪大学の坂元一哉教授が大要、次のように公述されておりました。それは、事後承認することにしたことはいいことだと。これはなぜかというと、事前承認には審議に時間がかかって行動の迅速性ということが失われてしまう可能性があると。また、それだけでなくて、国会で早く承認出さなきゃいけないという状況になると、十分な議論が逆に事前承認の場合の方がなされなくなるかもしれないと。そういった意味で、事後承認の場合の方がそういった時間的なプレッシャーなくして法律に基づいて支援行動を始めて、そしてそれに対する議論をじっくり国会でできるじゃないかということで賛成の陳述をされていたわけですけれども、この点について衆議院の方の修正提案者の方にまず御意見を伺いたいと思います。
○衆議院議員(上田勇君) 今、この国会の承認についての御質問でございますけれども、昨日の公聴会での公述人の御意見も、私もペーパーで拝見をいたしました。
 今、委員が御指摘になったように、この対応措置、これは迅速に実施をしなければならないということも非常に重要なことだというふうに私どもも考えたわけであります。
 当初、政府案では、国会の関与は基本計画の報告ということになっていたわけでありますけれども、これをそういう迅速性あるいはこの法案が非常に特定の目的を対象としているというようなことだとか時限立法になっているというようなことから、それで十分というふうに承知をしておりますが、委員会でのさまざまな審議とかあるいはより一層国民の御理解をいただくという意味から国会の関与をさらに追加することが適当ではないかというふうに考えまして、与党三党の中で協議を行いまして、その迅速な実施を確保するとともにそうした国会の関与を実効あらしめるという意味で、この対応措置を開始した後の承認という仕組みを修正案として加えさせていただいたわけであります。
○遠山清彦君 続きまして、提案者にお伺いいたします。
 基本的なことの確認になりますけれども、今回の修正における事後承認の内容は、基本計画それ自体なのか、もしくは基本計画を閣議決定した後に策定される三つの活動、協力支援活動、捜索救援活動または被災民救援活動に関する実施内容を承認案件とするのか、どちらでしょうか。前者か後者で。
○衆議院議員(上田勇君) 承認の対象は、基本計画そのものではなくて、基本計画に定められた自衛隊の部隊等による協力支援活動、捜索救助活動、被災民救援活動を実施することについての承認でございます。
○遠山清彦君 はい、わかりました。
 続きまして、官房長官にちょっと質問をさせていただきたいんですが、政府はこの修正による国会の事後承認についてどう解釈しているのかということで、具体的にお聞きしますけれども、国会承認を求めなければいけない範囲というものはどうなるのか。もし可能であれば、例を挙げて具体的にお示ししていただければと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 政府は、基本計画の変更を行った場合に、その変更により当初の基本計画の枠を超えるような活動が新たに行われるときと、これは別の言葉で言いますと、国会に承認いただいた対応措置の実施についての基本的な前提変更が生じたと認められる場合には改めて国会の承認を求めると、こういうふうに解しておるところでございます。
 しかしながら、既に承認されている協力支援活動のうちの業務の種類を追加するだけの場合、例えば御指摘のように医療と、これは具体的なお話ということでございますので申し上げますけれども、医療と輸送に加えて例えば補給を追加するという場合には、今申しました基本計画の枠を超えるような活動が新たに行われる場合、すなわち基本的な前提に変更が生じたと認められる場合には該当せず、改めて国会承認を求める必要はないということになるんです。
○遠山清彦君 ということは、一度A国における協力支援活動が承認されて、その内容が、基本計画に盛られている内容が輸送と医療だという場合に、後に基本計画の中で補給という項目が追加されても、これは国会承認の対象にはならないと、国会の報告だけにとどめられるということだと理解しておりますけれども、それでよろしいでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) そのとおりでございます。
○遠山清彦君 じゃ次に、協力支援活動が承認されたと、その後に基本計画の中で被災民支援が同じA国あるいはB国で追加された場合に、国会の承認は必要でしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 当初の基本計画に定められていない活動を新たに追加すると、そういう場合ですね。例えば御指摘の協力支援活動が承認された後に被災民救援活動を追加すると、こういう場合には改めて国会の承認を求める必要がございます。
○遠山清彦君 そうすると、協力支援活動、それから被災民支援活動、また捜索救助活動という三つの活動の柱があって、その一つの柱について承認をした場合は、その中の具体的な項目が基本計画の中で変更されても、承認は求めず国会に対して報告だけになるということなんですが。
 もう一点だけ、ちょっと細かくて恐縮なんですけれども、協力支援活動をA国の北部で行うということを当初の基本計画で定めていて、後に北部に加えてA国の南部でもといったような形、あるいはもう一個のケースとしてB国で行うといった形には、これは国会の承認は必要になるのかどうか、お願いいたします。
   〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕
○国務大臣(福田康夫君) A国の内部においては、A国というその形で承認をいただいたという後に、そのA国内部の変更については、これは承認の必要ありません。しかし、これが例えばそのB国とかいうようなことになった場合には承認が改めて必要であると、こういうことでございます。
○遠山清彦君 ということは、先ほど三本の活動の柱があってそれぞれに承認をとるということでお伺いいたしましたけれども、今度は国別でも承認をとる、つまり協力支援活動に対する承認があって、しかし最初はA国だけだったと、それに加えてB国ということが加わったら、やはりそれは協力支援活動の場所が変わったので承認の対象になると理解してよろしいわけですね。
○国務大臣(福田康夫君) そういうことでございます。
○遠山清彦君 一応今の議論で、かなり承認される項目と報告で済まされる項目ということが整理されたと思うんですが、あと二つお聞きしたいことがございます。
 これは国会のシビリアンコントロールがしっかりこの事後承認でも確保されるということが証明されるという意味でお聞きするんですけれども、例えば先ほど官房長官がおっしゃったように、報告だけでいい項目、つまり国会に対して報告されたときに、国会の中の議院の決議によってある変更事項について国会承認がやっぱり必要なんではないかという判断が国会の中で出てきたときには政府はどう対処、つまり今の解釈で報告だけでいい事柄に対しても、国会の審議の中であるいは議院の決議によってやはりこれも国会承認必要なんじゃないかとなった場合には政府としてどういう対応をされるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 事態が変わりまして、政府が基本計画を作成した後に変更すると、そういうことですか、そういう場合のことですね。
○遠山清彦君 そうです、そうです。
○国務大臣(福田康夫君) そういう場合には、これは遅滞なく国会に報告を行うということになっております。
○遠山清彦君 報告をして、その報告されたことについて、現在は、今の解釈では国会承認は要らないということになっていることであっても、例えば国会の中の議論でやっぱり承認した方がいいんじゃないかという話になったときに、政府としてそれを、いや絶対これは承認にしないということにするのか、承認対象に、承認案件として認めるような対応もあり得るのか、その辺ちょっと教えていただきたい。
○国務大臣(福田康夫君) 今申しました国会に報告をする、そしてその報告に際して、国会の審議におきまして、例えば議院の決議によってある事項についての国会の承認を要するという国会の判断が明確となれば、政府として当該事項についての承認を求めるということになると考えられております。
 また、同様に、例えば議院の決議によってある事項が不適当であり基本計画の修正が必要という国会の判断が明確になる、そういうことになれば、政府としてはこれを尊重して対応する、こういうことになるわけです。
○遠山清彦君 じゃ、まとめさせていただきますと、要は、承認事項は承認事項として今基本計画の枠というものがあって、協力支援活動あるいは活動する領域について国会承認をしっかりとる、しかし、細々とした具体的な項目については国会報告だけにとどまるのが通常であるけれども、その報告だけにとどめられた事項であっても国会の審議の中で国会の意思としてそれが承認の対象になり得るんではないか、あるいは基本計画の修正が不適当なんじゃないかという判断があった場合には政府としてそれを尊重して対応するということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) そのとおりでございます。
○遠山清彦君 わかりました。
 今の官房長官の御答弁で、私は、事後承認でシビリアンコントロールは不十分だという論拠はかなり崩れたのではないかと。私としては、今の答弁に基づいて、政府が、承認案件あるいは報告事項という違いはあっても、報告事項に対しても我々国会議員がしっかりとした判断を主体的に下すことができるという点を確認したいと思います。
 次に、中長期的なテロ対策ということでお聞きしたいんですが、まず、今、政府としても爆弾テロ防止条約の批准、それからテロ資金供与防止条約の早期批准も目指すべきだという立場だと考えておりますが、今、国連総会の方では包括的テロ防止条約の議論がなされていると。
 私は個人的に、やはり今まで国際法の中で今回のようなテロ事件に対応する条約もありませんし、それからいろんな国際刑事裁判所規程というのもありまして、私も後ほど触れたいと思いますけれども、そういったものもまだ発効していないという状況ですので、そういった意味ではこの包括テロ防止条約の締結は非常に大事だと。そこで、日本として強いリーダーシップを発揮すべきであると考えておりますが、このテロ関連条約、今議論中のこれも含めたテロ関連条約に対する政府の立場をお聞きしたいと思いますが、これは外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 包括的なテロ防止条約でございますけれども、これは今月の十五日から国連において案文の交渉が続いております。そして、条約に対しましては、ことしの七月にジェノバでサミットがございましたけれども、そこで発表されたG8の外相の総括においても政治的支持が再確認をされておりまして、我が国もその趣旨を踏まえて積極的に交渉に今現在参加しているところでございます。
○遠山清彦君 わかりました。
 ぜひ国連の場でこの包括テロ防止条約、これは私も、テロの定義の問題とか、あるいはテロ組織というものはどういう組織だと、これはテロ資金供与防止条約の方でも大きな問題になってくるでしょうし、特に日本の国内法との整合性とか調整が大変難しいんではないかということで、条約局の方々は特に大変な御苦労をこれからされるのではないかと思いますけれども、ぜひ積極的な立場で動いていただきたいと思います。
 次に、先ほど申し上げた国際刑事裁判所設置規程、いわゆるローマ規程と言われているもので、一九九八年七月にローマで締結されたものであります。日本は、この会議でこの規程に賛成をしていながらも、今日に至るまで署名も批准もしていないということであります。これはどうしてでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 国際刑事裁判所でございますけれども、この規程の締約につきましては、現在、同規程の内容を詳しく精査をいたしておりますけれども、国内の法令がいろいろ、日本の国内の法ですね、ありまして、それとの整合性についてかなり詳しく精査していかなければならない、そのために必要な検討を重ねている最中でございます。
○遠山清彦君 後ほどもうちょっと具体的にこの国内法との問題を聞きたいと思いますが、その前に、私は、今回のテロ事件を受けて、いわゆる短期的な措置としての米英の軍事行動というものは、これは日本政府も支持しておりますし、我々公明党としてもやむを得ない措置ということで一定の支持をしているわけですけれども、ただ、やっぱり中長期的な、特にこの国際司法機能が弱いという現在の状況にかんがみて、これはやっぱり強化をしていかなきゃいけないと。最初に申し上げたテロ関連条約もありますけれども、私はこのローマ規程、ICCですね、国際刑事裁判所も非常に重要になってくるのではないかと。
 こういうことを申し上げますと、国際法の専門家の中には、あるいは外務省の方々の中には、ローマ規程というのはテロリズムは念頭に置いていないというお話もあるんですね。私は、しかし、同規程の第七条、人道に対する罪というところの定義を見ると、一応ちょっと読まさせていただくと、文民たる住民に対して行われる広範なまたは組織的な攻撃の一部として攻撃であることを了知して行われる行為と定義されているわけですね。ですから、私は、このローマ規程は今回米国で発生したテロ事件に適用できるんじゃないかというふうに思っております。
 それからもう一つ、このローマ規程が、ICCがテロの対策と関係があるということを示す事実が国際政治の中で起こっております。テロ事件が終わった後にこのローマ規程を批准する国がふえております。十月の前半二週間だけで、ナイジェリア、中央アフリカ共和国、イギリス、そしてスイスが批准をしております。
 それで、特に私、ここで強調したいのがイギリスが批准したということなんですね。米国の上院議会の中には、ジェシー・ヘルムズ元上院の外交委員会委員長を中心として、この国際刑事裁判所設立に対して物すごい強い反対があるんですね。にもかかわらず、現在、米国と一緒にアフガニスタンで軍事行動をともにとっているイギリス政府が今回のテロ事件が起こってから批准を決めたということは、私は、英国政府がこのICCを設置することがテロ対策の一環だととらえてこういう行動をしているのではないかと。
 現在、この条約に署名しているのは百三十九カ国、日本は入っておりません。批准をしているのは、この最近の英国とかスイスも含めて四十三カ国、この条約は六十カ国が批准すると発効するわけですが、私は、今申し上げたような状況にかんがみて、やはり日本政府としてローマ規程の早期署名、批准をテロ対策の一環としても考えていかなければいけないのではないかと思います。
 その点について一つお伺いをしたいということと、もうこれは最後の質問になりますので、もう一つ、先ほど外務大臣がおっしゃった国内法の調整で障害があるということであれば、それをもうちょっと具体的に言っていただきたい。これは条約局長、お願いします。
○政府参考人(海老原紳君) 幾つかのお尋ねがありましたけれども、まず最後の方からお答え申し上げますけれども、国内法との関係で申しますと、国際刑事裁判所で管轄権を行使すべきという犯罪の中に戦争犯罪というのがございまして、これは平たく言えば、ジュネーブ条約の違反ということでございます。
 それで、ジュネーブ条約は既に日本は一九五三年に加入をしておりますけれども、これの国内法につきましては、有事法制の研究におけるいわゆる第三分類という、これは所管官庁が明確でない事項に関する法令ということでございますけれども、ここに該当しておりますので、法整備が見送られてきたという問題が一つございます。
 それから、その他、例えば集団殺害罪も対象となりますけれども、これの扇動の実行者の引き渡しというような問題もございまして、そのような問題が国内法との関係であるということでございます。
 それから、テロの関係でございますけれども、これもう今、遠山委員がほとんどおっしゃったとおりでございますので余りつけ加えることはないと思いますけれども、テロにつきましては、裁判所規程の審議の過程で、テロはICCの対象にしないということが合意されたということはございます。
 ただ、そのときは今回のようなテロが想定されていなかったということでございまして、それで、最終的に議定書というのができておりますけれども、ローマ会議でですね、その中で、テロについては、この規程の発効後七年後に行われる再検討会議というのがございますけれども、ここでその対象犯罪に加えるかどうか検討すべきだという勧告が出ておりますので、先ほどおっしゃられました人道に対する罪でございますね、これは基本的には想定されておりましたのはナチによる例えばホロコーストのようなものでございましたけれども、例えば今、先ほど条文を読まれたとおり、条文だけからいえばあるいは該当するというようなこともあり得ると思いますので、その辺はこれから検討されていくというふうに思います。
 おっしゃったように、イギリスも最近締約国になっておりますし、我が方としても、先ほどのような国内法との整合性というようなことをぜひ検討を加速させまして、前向きに対処していきたいというふうに考えております。
○委員長(武見敬三君) 時間ですので、これにて次の質疑者に移ります。
○小泉親司君 日本共産党の小泉でございます。引き続き、テロ対策特別措置法案について質問をさせていただきます。
 小泉総理は、今度のテロ特別措置法について、武力行使はしない、戦闘地域には行かない、戦場には行かない、だから憲法の枠内だと、こういうことを繰り返し表明されております。
 私は、今度のこのテロ特措法に含まれている、例えば戦闘中のアメリカの軍艦や戦闘機やさまざまなものに武器や弾薬を輸送する、それから燃料を補給する、さらには米軍の武装兵員の輸送もできる、こういう中身はもう武力行使そのものだと私たちは考えております。
 ところが、小泉総理の武力行使はしないという見解は、いわゆる直接の戦闘行動だけを指して武力行使と言っていて、いわゆる兵たん活動は、今度日本政府がこの法案でやるような武器の輸送、弾薬の輸送、燃料の補給、こういった兵たんの活動はこの武力行使には含まれないんだと、こういう見解をとっておられる。
 そこで、私、まず外務大臣にお尋ねしたいんですが、日本政府がこれまで国際社会で武力行使についての見解、この見解を表明したということはあるんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 国際法上、武力の行使は、国家がその国際関係において行う実力の行使を指すものと考えられております。その実力の行使も武力の行使を指すと思いますけれども、それについては、国際法上、確立した成文法上の定義があるわけではありませんが、専ら物的、人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為を指すものと考えられて、いわゆる兵たんの支援がそれに含まれないことは、総理が述べられたとおりでございます。
○小泉親司君 お尋ねしているのは、これまで日本政府が国際社会に対して武力行使というものがどういうものかということを説明したことはあるんですか、見解を表明したことはあるんですかないんですかとお聞きしているんです。
○国務大臣(田中眞紀子君) 具体的には承知しておりませんので、ちょっと先に御説明をして逆になって申しわけありませんが、具体的に今は承知しておりません。
○小泉親司君 私、武力行使という問題がこれほど重大な問題になっているのに、外務大臣がこういう問題について国際社会で日本政府が本当に説明したことがあるのかないのかということまでわからないというのはちょっと問題だと思いますが。
 私、これ、パネルを持ってまいりました。(資料を示す)
 これは、一九六九年、国連で侵略の定義が問題になったときに日本政府が、アメリカ、カナダ、イギリスそれからオーストラリア、こういう国々と六カ国の提案というのをしているんですね。この六カ国の提案の中で、侵略を構成する武力行使というのはどういうものかという共同提案を行っております。
 私、ここに国連の文書を持っておりますから、その文書に基づいてこのパネルをつくっているんですが、この中で、武力行使というのは、ここにありますように、単に、一国家の軍隊による他国家の管轄権下の領域に対する爆撃、つまり直接戦闘行動、これは確かに書いてあります。そればかりじゃなくて、例えば六、七、八、この項目では、他国家に侵入する、または浸透する武力集団、不正規軍または志願兵を組織し、支援しまたは指揮することと。「支援し」というのはサポーティングという英語を使われておりますけれども、つまり、兵たん活動などの支援活動も武力行使に含まれるという見解を一九六九年の三月二十五日の国連、侵略の定義に関する委員会に日本政府が、先ほど申し上げました五カ国とともに六カ国の共同提案をしている。この事実は、外務大臣はお認めになりますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほどのお尋ねは武力の行使についてお聞きになったと思いますが、今のこの一九六九年三月二十何日かですか、これは侵略についてのことというふうに承知しておりますが。
○小泉親司君 私、説明しましたように、この侵略の定義委員会に出したのは、侵略にかかわる武力行使が、侵略を構成する部門の武力行使がどういうものかということについて書いたものなんですよ。別に侵略の定義についてやっているんじゃないんです。
 だから、武力行使という問題について、これは日本政府が共同提案したものなんですよ。この事実は、外務大臣はお認めにならないんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今お読みになったものですね、一九六九年の三月、これはあくまでも侵略に関する定義だというふうに思います。それに対する日本の修正提案であります。
○小泉親司君 よく読んでいただきたいと思うんですよ。侵略を構成し得る武力行使というものはどういうものかということが書いてあるでしょう、そこに。どうですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) ちょっとこれは条約局長で、細かい規約がありますので条約局長で、もし小泉先生よろしければ、よろしいでしょうか。
○小泉親司君 私はちゃんと事前通告をして外務大臣にお尋ねをしております。
 この侵略の定義についての委員会の、外務大臣は英語をお読みになられるということは私もよく承知しておりますので、四項、侵略を構成することのあるべき武力行使はと、武力行使と使っているでしょう。そんなことをお認めにならないというのは、私はおかしいと思いますが、いかがでございますか。──ちょっと委員長、時間が。
○国務大臣(田中眞紀子君) 共同修正案においては、侵略を構成し得る武力の行使として、他国を急襲しまたはそれに潜入する武装部隊、それから、不正規兵または志願兵を組織し、支援しまたは指示すること、他国において暴力的な内乱またはテロ行為を組織し、支援しまたは指示すること、それから、他国政府を暴力的に転覆することを意図した活動を組織し、支援しまたは指示することなどの手段を示しています。
○小泉親司君 ということは、侵略の定義だけじゃなくて武力行使の定義をやっておるということは、今、外務大臣の答弁でお認めになったわけですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 兵たんをとにかくこれは戦闘行為、武力行使であるということを共産党さんは思われたいんでしょうけれども、私としてはそう思っておりませんのでよくお聞きください。見解が基本的に違っていますので。
 ここにおける支援、サポーティングですけれども、これについては、御指摘のようないわゆる兵たん支援一般を意味するものとして用いているのではありません。あくまでも、侵略が行われている中で武力の行使と極めて密接不可分な形でなされているある支援行為が、状況によっては武力の行使とみなされる場合があり得るとの考え方が現に存在することを踏まえて、共同修正案にそのような考え方をも反映させる趣旨で盛り込んだものであります。
 これについては、他の共同修正案提出国においても同様の認識であったと理解されています。
○小泉親司君 ということは、兵たん活動も含むということを外務大臣が今おっしゃっているじゃないですか。
 だって、支援しというのは、実際に私がこれで御説明もしておりますように、直接の戦闘行動というのは、一、二、略、これはわざわざ略しておるんですが、一、二、三、四、五というのは事実上直接の攻撃、戦闘行為。六、七、八というのは明確に、志願兵を組織し、支援し、他国家によるテロ行為を組織し、支援し。全部支援し、サポーティングということがこの武力行使を構成する一つの要因、一つの構成部分であるということをこの決議は明確に認めているんじゃないですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほど申し上げたことを繰り返すようになりますけれども、兵たん支援というものの一般は、兵たん支援一般を意味するものとしてこの支援ということを用いているのではありません。あくまでも、侵略が行われている中で武力の行使と極めて密接不可分な形でなされているある支援行為が、状況によっては武力の行使とみなされる場合があり得るとの考え方であります。
○小泉親司君 密接不可分まではお認めになりました。
 ということは、武力行使と密接不可分だと、この活動が。ということは、戦闘行為を一般的に武力行使というのは、直接の戦闘行為ばかりじゃなくて兵たん活動も一般的には含むとおっしゃっているんですよ、外務大臣は。違うんですか、こういう事実すらもお認めにならないんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) ですから、国際社会にそういうような考え方をするところもあるということを踏まえて共同修正案に日本は参加したということであります。
 そして、引き続きよろしいでしょうか、武力の行使というのは、国家がその国際関係において行う実力の行使を指すものであります。本法案に基づいて実施する対応措置は、テロ攻撃によってもたらされている脅威の除去に努めることにより国連憲章の目的の達成に寄与する、ここが大事なところでして、国連憲章の目的の達成に寄与する諸外国の軍隊等の活動に対して実施されるものであり、措置の内容及び態様から国際法上武力行使と解されるようなことはあり得ません。
○小泉親司君 今お読みになったのは法案を読んでいるわけで、私はもう既にその法案を読んでおります。
 その上で、小泉総理が武力行使というのは直接の戦闘行動だけであって兵たん活動は含まないとおっしゃっているから、それじゃ日本政府が一九六九年に、武力行使というのは直接戦闘ばかりではなくて兵たんも含むという見解を一九六九年三月二十五日に国連に出していたじゃないか。そのことに対して、初めは外務大臣は武力行使はこれは含んでいないと言いながら、今度は武力行使は含むと言い、さらには一般的には兵たん活動も武力行使の中に含むとおっしゃる。
 ということを、私、もうこれ時間がありませんから、ここまではお認めになったので、私はもう一つ外務大臣にお尋ねしますが……
○国務大臣(田中眞紀子君) ちょっと待ってください。
○小泉親司君 いや、私が発言しているんです。
 もう一つお聞きしますが、外務大臣は一番初めの御答弁の中で、国際社会ではまだ武力行使についての定義が確立されていないとおっしゃったけれども、そのとおりですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 成文法にはなっていない、定めていないという意味で申し上げました。
○小泉親司君 成文法になっていないということは、武力行使の定義は国際法上確立されたものじゃないということですねと私は質問しているわけです。
○国務大臣(田中眞紀子君) それから、先ほど来、委員は兵たんのことをおっしゃっていますけれども、先ほど申し上げている支援、サポーティング、これは支援について言われているわけでございまして、その兵たんと今度の新しい新法を結びつけたい、兵たんイコール武力行使であると、結びつけたいと思っておられるかもしれませんけれども、これは今、サポーティング、いわゆる支援についてお話を申し上げているわけでございます。
○小泉親司君 私、今のは全く答弁になっておらないと思います。
 私は、外務大臣の御答弁を繰り返して申し上げれば、国際社会において武力行使の定義がないとおっしゃった。間違いなくおっしゃいました。ということは、小泉総理大臣がこの今度の国会で言っておられる武力行使の定義というのは日本だけの解釈であって、国際社会ではこの小泉総理の見解は広く認められていないと、つまり確定されていないということをおっしゃっていると思うんですが、それでよろしいんですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 国際法上、武力の行使の定義について条約等における明示的な規定があるわけではありません。国連憲章の第二条第四項は、「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使」、ユース・オブ・フォースと書いてありますが、これを、「いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」と規定しています。
 国連憲章の起草の経緯からいたしまして、武力の行使は政治的、経済的圧力は含まず、国家がその国際関係において行う実力の行使を指すものと考えられます。
○小泉親司君 私、経済的な圧力なんて話は全くしておりませんよ。私が言っているのは、兵たん活動も武力行使の中に含まれるという、日本政府が一九六九年の三月二十五日に出していたんでしょうと。
 いや、法制局長官に答弁をお求めになっていますけれども、法制局長官というのは日本国憲法を解釈するだけの権限しかございませんので。私がお聞きしているのは、国際社会の中で日本政府が一度でもそういうことを提案をされているという事実はございますねということを私はお尋ねしているんですよ。
 ですから、こういう事実すらもお認めに初めはならなかった。ところが、今、武力行使というものが、こういう形で日本政府が提案していたという事実があった。しかも、一般的にはこの武力行使というのは単に直接の戦闘行動ばかりじゃなくて、日本が今度の法案でやるような兵たん支援を含む活動、こういうものも含まれている、こういうことは、私、大変明確になったというふうに思います。
 私、大変この点では、共同提案していた国というのはカナダ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ、これにオーストラリアが加わりまして六カ国なんですが、この日本以外はほとんど集団的自衛権を持っている国で、これは全く変わっていないんです、態度が。つまり、例えばイタリア、今度の支援活動の場合は、イタリアの場合は現地に日本のように行くということを決定していません。今、イタリアがとっている処置は、フロリダ州にあるアメリカ軍の中央軍の基地を警護するという、日本の今度の米軍基地の警護と同じようなことをやる。しかも、それをイタリアの場合は集団的な自衛権でやる。
 ところが、日本の場合はそういう協力支援活動をやっても、これは武力行使に該当しない。だからできるんだというのは、私、これまでの日本政府の見解、国連に表明していた見解からしても違うんじゃないかと、その点がやはり私は大変な問題だというふうに思います。
 ただ、今の議論の中で、私、外務大臣の御答弁を繰り返しますけれども、少なくとも武力行使の概念については、武力行使とはどういうものかということについては、国際社会では一致した定義がないということが大変よくわかりましたので、この点では、私は、もう時間もございませんので次の質問に入らせていただきます。
 もう一つは、いや、法制局長官、次、戦闘地域でありますから、法制局長官とは……。戦闘地域の問題であります。
 私は、総理が戦闘地域に行かないと、こういうことを言っておるので、この前も連合審査会で巡航ミサイルの問題を取り上げました。
 巡航ミサイルが、この法案の中では、戦闘行為というのは国際紛争上の一環として物を破壊し人を殺傷する行為だと、だからアラビア海の艦船から巡航ミサイルを発射した、発射したときには戦闘行為じゃないけれども、アフガンに落ちたら物と人を破壊するからこれは戦闘行為だと、初めに法制局長官はこういう答弁をされた。私はそんなことはないだろうということで、私たちの党の同僚が質問をいたしましたら、法制局長官は今度はこの見解を変えられて、いや、それは戦闘行為に入るんだと、こういうことに変えられた。きのうの答弁でも、多少の混乱はあったかとお認めになった。私は多少の混乱じゃこれは済まない問題だというふうに思うんですが、少なくとも多少の混乱があったということをお認めになった。
 私は、この点については、巡航ミサイルについては大分私たちが指摘しているとおりになっているんですが、この答弁も、私、法制局長官は、撃ったときは戦闘行為だけれども、次に撃つときのすき間があるんだと、すき間があるからそこのすき間をかいくぐって、自衛隊が例えば武器・弾薬の支援だとか燃料の補給だとかこういうことができるんだと。これも私でたらめな答弁だというふうに思うんです。
 ちょっと待ってください、整理をしているんですよ。法制局長官がやると難しくなっちゃって全然問題がわからないから、私、整理しているんです。
 その上で、今度は防衛庁長官にお尋ねしますが、今度は防衛庁長官になるともっとひどくなりまして、非誘導のもの、つまり巡航ミサイルのように、目標を定めた巡航ミサイルが撃ったときには戦闘行為だと、しかし誘導型、撃ったけれども途中で人が誘導する場合があるんだと。そして、私の質問に対して防衛庁長官は何と答えられているかというと、一般論でありますけれども、現にミサイルを発射した以降、人がそのミサイルを見ながら右とか左とかを誘導する場合もあります、途中でもう爆破する場合もありますし、またぐるぐると地域を回りながら指示するミサイルもございますので、その場合については戦闘行為には当たらない、こうおっしゃっておるわけですね。
 この、途中でもう爆破する場合、またぐるぐる地域を回りながら指示を待つミサイルもございますのでという意味はどういう意味をおっしゃっておるんですか。
○国務大臣(中谷元君) ミサイルにはいろんな種類があるということを例示したわけでありますけれども、例えば我が国の保有している対戦車誘導弾、これは六四式対戦車誘導弾とか七九式対戦車誘導弾とか、ミサイルの発射の後、前に人が行ってその目標地点を見ながらその誘導員によって誘導を受けて初めて目標に到達して爆発するようなミサイルもありますし、またミサイル事典を調べてみますと、ミサイルを発射した後、目標の周辺の上空に移動して待機して有人機、飛行機からの誘導を受けて初めて目標に到達し爆発するような性能を持っているものもありますし、また途中で赤外線ビームを照射をして誘導して目標に向かうというミサイルもあると。そういうミサイルを例示したわけでございます。
○小泉親司君 大体、私は、幾らミサイルといっても、それはぐるぐる地域を回りながら指示を待つミサイル、そんなぐるぐるぐるぐる回っているわけじゃありませんからね。そんなぐるぐる回っていたら自分が撃たれちゃうんじゃないですか。そんな私でたらめな話ないと思うんですよ。実際にミサイル自体、私が言っているのは、ミサイルを発射したら少なくとも数秒、まあ数秒か一分か知りませんけれども、現実には爆撃をするということを前提にしているわけですから、だからそれは戦闘行為じゃないなんということが、つまり戦闘行為じゃない、つまり戦闘地域とは言えない、こんな理屈が成り立つんですか、防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) お考えが古いんじゃないでしょうか。昔は確かにミサイルというものはその目標にストレートに行くというのがミサイルでしたけれども、今非常に科学技術が発達をして、人が誘導をして途中で任務を変更したり自爆したり、また変幻自在な対応をできるミサイルが現に配備をされることになっておりまして、そういう技術によってミサイル自体も変わっているという点をぜひ御認識いただきたいと思います。
○小泉親司君 だって防衛庁長官、私が言っているのは、発射してぐるぐる回ってどこかにさようならするというわけじゃないでしょうということを言っているんですよ。ミサイルを撃ったら目標を撃つために撃っているんじゃないんですか。それが誘導だろうが何だろうが、それは明らかな戦闘行為なんじゃないですか。そんなことを防衛庁長官が、それじゃ自爆したらいいんですか、ミサイルが戻ってきたらそれは戦闘行為じゃないんですか。そんなことは成り立たないと私は思いますよ。
 私は、この問題というのは、防衛庁長官、私はあなたと自衛隊の態度については百八十度、三百六十度違います。しかし、この問題については……(「戻っちゃうぞ、おい戻っちゃうぞ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)百八十度違います。よろしいですか。私は……(「子供みたいな議論なんかやめたらいいんだ」と呼ぶ者あり)何を言っているんですか。
○委員長(武見敬三君) 場内、静粛にしてください。
○小泉親司君 私が言っているのは、態度は違うけれども、この戦場地域の問題というのは憲法上ばかりではなくて、あなたは自衛隊の若者たちを派遣するんですよ。それを、ミサイルを撃ったときにはぐるぐるとミサイルが回って、自爆する場合もあるし戻ってくる場合もある、だからそれは戦闘行為である場合もあるし戦闘行為じゃない場合もあるなんというのは、私は大変不誠実ででたらめな答弁だというふうに思います。その点は長官、いかがですか。
 そのことはもう既に明確な戦闘行為であって、こういうところに対しては一切やはり自衛隊を送れないし、この法案自体の大変根幹がこの問題については私は問われているというふうに思います。
○国務大臣(中谷元君) この法案で定義しております戦闘行為というのは、人を殺傷し、物を破壊する行為ですよね。それが、発射したときに無意識に人の作用なくストレートに行くならそれは確かに戦闘行為でありましょう。しかし、そのミサイルが、すごく科学技術が今発展してきまして、目標が違う場合とかその目標に当ててはいけないというようなケースの場合は、指令を出して目標を変換して破壊をやめるということも可能な時代になっております。
 ですから、そういう場合に戦闘行為というのは、そういった人が指令をして、その物を破壊をし、人を殺傷する行為をいかなる時点で開始するかという点だというふうに思っておりますので、この点についての御認識をぜひ御理解いただきたいというふうに思っております。
○小泉親司君 私は、今のような答弁を幾らしていても、防衛庁長官が、どんどんどんどん私はでたらめさが明確になると思うんですよ。だって、あなた自身が、ミサイルを撃って途中で曲がったり、途中で右行ったり左行ったとしたとしても、物を破壊するんだから、人を殺傷するんでしょう、それは変わらないじゃないですか。それを、途中で人の誘導があるからそれは戦闘行為ではないとかというのは大変な詭弁で、ここで聞いておられる皆さん方も、私は今の御答弁では到底納得がいかないということを申し上げます。
 もう時間が参りましたので、私は、この点についてはやはり今後、小泉総理は戦場に行かないと言っているわけです。戦闘地域に行かないと言っているわけですから、それなのに皆さん、あなた方の政府の答弁というのは、戦闘地域をどんどんどんどん本当に、自衛隊をその地域に送るという方法だけを捻出するためのさまざまなへ理屈をつけている、でたらめな答弁をやっているということを申し上げて、私、質問を終わらせていただきます。
○委員長(武見敬三君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁警備局長漆間巌君、防衛庁運用局長北原巖男君、外務省アジア大洋州局長田中均君、外務省北米局長藤崎一郎君及び海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(武見敬三君) 休憩前に引き続き、両案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大脇雅子君 社会民主党の大脇でございます。
 アメリカによるアフガニスタンへの武力攻撃というものもかなり長期にわたってまいりましたが、アメリカの武力攻撃による民衆の被害の状況はどのようなものと把握しておられますか。
○委員長(武見敬三君) 答弁者はどなたにいたしますか。
○大脇雅子君 外務大臣です。
○国務大臣(田中眞紀子君) 米政府は、これまでの発表によりますと、米政府の発表によりますと、今般の軍事行動に際して民間人に死傷者が出たことは一部確認をされております。
 そして、アフガニスタンでは、それまでの内戦等の結果から国内外におきまして多数の難民と避難民が残念ながら発生いたしております。
 そして、国連は先月二十七日にドナーアラートを発表し、今後生じ得る新たな難民と避難民の人道上の必要にこたえるための国際社会の支援を呼びかけてきております。
○大脇雅子君 今回、社会民主党はパキスタンへ調査団を派遣いたしました。十月二十日から十月二十四日までイスラマバードとペシャワールに参りまして、UNHCRのアフガニスタン代表部、難民キャンプ、ペシャワール会の活動、その他病院等視察をして帰ってまいりました。現地の衣装をまとって人々の生の声を聞いてきたと。その場合に、いわゆるメディアや情報として伝わっているものと実相はかなりの違いがあるというふうに報告をしておりました。
 今般、まず空爆の被害を受けた人々が治療を受けている病院を訪ねたわけですけれども、そこにいた子供を含めた十三人は、運よく家族が国境まで到達して、パキスタン側にいた親切な個人に出会えて病院まで運ぶことができたという偶然で命が助かり、今治療を受けていると。国境までさえ行くことができない、国境まで来ても迎えてくれる人がいない空爆の被害者は治療を受けることさえできない状況であるということであります。
 その中でUNHCRは、国境を越えられないアフガンの人々に何の支援もできない現状の中で、今その人たちが餓死の危機に瀕しているということが言われております。UNHCRによればそれは百万とも言われ、現状からいえば五百万人とも言われ、そのうちの少なくとも一〇%である十万人がともかくこの冬を越せなくて餓死するのではないかと危惧されております。
 ともかく、こうした見殺しにされている人たちに水と食糧、それも小麦粉と油、命をつなぐための最低限のものを何とか送りたいということを言っているわけですけれども、そうした国内避難民にどう対処していくか、外務省としてはどのようにこの問題を考えられるでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 社民党の代表の先生方がパキスタンに行かれて現状を見られてのお話は、本当に臨場感もあるし、大変な状態であるということがよくわかりました。
 御存じのとおり、UNHCRを通じまして前回、テントそのほかのものはお送りしましたけれども、今の小麦粉でありますとか油であるとか、そういう本当に身近な食品が必要である、食品以外のものももちろんですけれども、そうした御意見に接して、またこれからの援助の仕方ももう一度見直す必要もあるかということを感じました。
 ただ、今までのことで申し上げますと、アフガニスタン国内の避難民等に対しましては、もう午前中も、また昨日の質疑でも申し上げておりますが、WFPでありますとかユニセフとかICRCなどの国際機関が支援を実施しておりまして、私どももそういうところに協力もいたしております。
 そして、アフガニスタン及び周辺国におけるこうした人々への支援については、国連のドナーアラートを踏まえまして、今後の具体的な拠出要請に応じまして、全体として二〇%、最大一億二千万ドルまでの支援を行う用意がある旨、表明をしております。そして、その一環として緊急アピールを発出したUNHCRに対しましては六百万ドルを支援することといたしました。またさらに、要請を受けまして難民用の生活関連物資協力及びその輸送協力も行っております。
 いずれにいたしましても、今後とも現地の情勢をよく踏まえまして、今、社民党さんからいらした代表の方の御意見ももちろん十二分に勘案させていただきまして、いろいろと協議の上、積極的に難民対策に対応していきたい、支援していきたく存じます。
○大脇雅子君 国内避難民に関するUNHCRの回答によりますと、UNHCRが援助できる対象は決まっていて、それは国外に逃れた難民である、国際法は国家主権に基づいており、基本的には自国の国民については国家が責任を持つ、しかし国外に出た時点で難民となり、国家の保護が受けられないから国際社会が協力して助けるという考え方に基づいているわけであります。
 国内避難民の支援に関して、UNHCRは国連事務総長もしくは総会からの要請によって法的根拠を持つことができるとされていると。アフガンに関しては、要請もないし、治安状況としてできる状況ではないということでありますので、私は、大きなホロコーストとも言われ始めたこの空爆の結果というものを危惧いたしまして、空爆停止のための働きかけというものを日本はやるべきではないかと。そして、国連に対しても、こうした国内避難民の支援をすることが、それを難民化させないための大きな要素となると思いますので、そうした国連での国内避難民の救助ということに対して働きかけをしていってほしいと思うわけですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 確かに、アフガニスタン国内にいて国境を越えられないでいる方たちの状態はさぞ大変なものであろうというふうに推察はいたしておりますけれども、今回の空爆の問題につきましても御意見はいろいろあろうと思いますが、やはり今回の発端がアメリカで起こったあのテロであるということ、このことは人類全体に対する極めて卑劣な行為でありまして、こうしたことを繰り返さないようにテロと戦う米英を中心とした世界の国々とともに、私どもも憲法の範囲内でできる限り最大限適切な支援をしていくということをいたしております。
 人命が失われたことは本当に残念でございますけれども、やっぱり罪なき市民が犠牲者にならないように最大限努力をしているということも、アメリカの政府も言っておりますので、一日も早くこうしたことのテロがまず根絶されることを願っております。
○大脇雅子君 空爆による多少の被害はやむを得ないと総理は言われましたが、罪のない子供や女性や市民たち一人一人の命の重さというものは、私は等しいということを肝に銘じて施策を立てていくべきだと思います。
 それでは、官房長官と外務大臣にお尋ねいたしますが、自衛隊の難民派遣ということはあるのでしょうか。国連の方からの要請はないという御発言も官房長官から、二十四日でしたかの期日で御発言になっていると思いますけれども、今どのような状況にあるのでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 難民支援について、今の状況において行けるかどうかと、こういうことになりますでしょうか。
 国連の機関から要請があれば難民支援はできる、これはこの法律ができてからの話でありますけれども、それはそういうことであります。今現在で難民支援をするということになりますと、これは国連のPKOの活動で、PKO法でもって対応するということになろうかと思いますけれども、これは現状においてはそのPKOをするということが国連安保理で決定しているわけではございませんで、したがいまして、これでは対応できないというように考えております。
○大脇雅子君 社会民主党の調査団の報告によりますと、今、現地では反米感情が予想以上に高くなっていると。難民キャンプなどで男の人たちが集まっているというとタリバンへの参戦の募集であったり、あるいはモスクで女の人たちが集まっているとタリバンへの募金でイヤリングなどを出していくとか、そういったものを見ておりまして、その人たちは、なぜ日本が助けてくれないかと口々に言ったと言われます。
 武器を持って自衛隊の服装で、文化が違って言葉も通じないところへの難民支援ということは、非常にトラブルを完全に持ち込むのではないかということが報告されてきておりますので、自衛隊による難民支援ということについてはくれぐれも慎重にしていただきたい。むしろ行かないということを決められる方がいいのではないかということであります。ペシャワール会のボランティアでさえ、半数以上が文化や行動様式に合わず帰国せざるを得ないようなところに当面している。
 何か十一月に入って調査団を派遣されるということも聞いておりますが、この点について、再びいかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) これは、この法律が通りますと、その現地情勢というものは把握しなければいけない。したがいまして、その現地情勢把握のために調査団を派遣するということは、これは必要性が生ずると思います、私は。ただ、どの地域でどういう活動をする可能性が出てくるかとかというようなことにつきましては、これからだんだん決まってくるということもございますので、確定的なことを申し上げるわけではありませんけれども、その必要性は生ずるだろうと、一般的にそんなふうに感じております。
○大脇雅子君 防衛庁長官はいかがお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) 社民党の調査の結果の報告も参考にさせていただきたいと思いますし、また現地の状況に関する情報の重要性は言うまでもございませんので、ありとあらゆる情報を総合的に勘案して判断したいと思います。
 また、活動する上においては、風習の違い、生活観も人生観も違うイスラム社会での活動となってまいりますので、重々にその国の状況、立場等を考慮すると同時に、NGOの民間の方々とも十分連携をとって、お互いのいい点を生かして、現地の難民の皆様方が救われるような、そういう国際的にも評価されるような活動を、もし仮にするとしたら、実施をいたしたいというふうに思っております。
○大脇雅子君 昨日の毎日新聞によりますと、「国連のアナン事務総長は二十四日、パレスチナ自治区に侵攻したイスラエル軍を批判するとともに、即時に攻撃を停止して撤退するよう求めた。国連安全保障理事会でも同日、米国がイスラエル批判の声明を準備していることを明らかにした。」と報じております。
 こうした紛争の根源は、中東のパレスチナ問題にあるということを多くの人が指摘しておりますけれども、こうしたパレスチナ問題と日本政府のこれまでとこれからの取り組みということについて、外務大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) このパレスチナ問題というのは、もう歴史的に数千年も、起源をたどれば中東和平の問題というのは非常に長い過去があるわけでございますけれども、その安定のために世界じゅうが、日本も含めて、努力をしてきているということはもう御存じでいらっしゃると思います。
 先回のローマでのG8でも、まず最初に取り上げられているテーマがこれでございますし、また総理が行かれたジェノバ・サミットにおきましても、この中東にどのようにして和平をもたらすか、このことが非常に大きなキーであるということは、異口同音にどの代表もおっしゃっていることでございます。
 そして、九三年に現行の交渉の土台となっているオスロ合意が成立したことは御存じだと思いますけれども、それ以来一貫して、世界じゅう、日本ももちろんですけれども、交渉による、話し合いによる解決というものを訴え続けてきております。
 そして、和平プロセスは、昨年九月、イスラエルとパレスチナの間で衝突が発生いたしまして非常に困難な状況になりました。それに対しまして、日本としても、暴力の停止と和平交渉の再開を両方の当事者に対して強く働きかけましたし、一番直近は、きょう午前中も申し上げましたけれども、きのうのこの委員会終了後、私はイスラエルのペレス外務大臣にお電話をしまして、とにかく今まさしく大脇委員がおっしゃった状態を早くやめること、とにかく引き揚げて、話し合いをしてほしいということを申しました。先方も、いろいろな理由もおっしゃっておられましたけれども、非常に強く私の発言を受けとめて、期待にこたえる行動をしたいということを結論としておっしゃってくださいました。
 その電話を切ってからすぐにアラファト議長におかけいたしまして、その経緯をお話しして、東京で前からプロポーザルもしていますけれども、いつでも日本の政府も日本国民も中東和平のための準備を、どんなお手伝いもいたしますからということを申しましたらば、アラファト議長も、今まで、過去の経緯をいろいろおっしゃっていましたけれども、しかし、好きでこういうことをやっているわけではなくて、とにかく平和になること、それを自分たちも希求してやまないので、そうしたことの日本の努力にも感謝もするし、そのようにしたいということをはっきりおっしゃっていたことを御報告申し上げます。
○大脇雅子君 そういたしますと、国連がパレスチナの自治区への侵攻を批判し、今まで、米国はこれまで拒否権をちらつかせてこうした動きを封じてきたわけですけれども、米国も国連と共同歩調をとって、これ以上事態が悪化するということを避けて、イスラム諸国全体の怒りに発展して、さらなる国際テロ対策やテロの軍事行動が行われないというふうに判断をして、ある意味では非常に転機に今まさになっていると思います。
 そこで、ぜひ日本も国連の諸国と手を携えまして、こうした動き、中東和平にイニシアチブを発揮していただきたい、田中外務大臣、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
○平野貞夫君 村山総理の自衛隊海外派遣に関する憲法見解について、二十三日に引き続き法制局長官を中心にお尋ねしたいと思います。
 法制局長官、政府はこのテロ対策法案について一貫して憲法解釈の変更はしていないんだと、こういう主張なんですが、きのう夕刻、村山元首相をやっと電話でつかまえることができまして、いろいろお話を伺ったんです。
 村山元首相は、電話をかけてくれたのは平野君だけだと言われて大変喜んでくれまして、非常に怒っていまして、おれもテレビ中継ずっと見ていたと。そこで、何で護憲、護憲と言う新聞社なんかがおれのところへ電話かけてこないんだろうなと言っていたんですが、こんなような話だったんです。
 平成六年十月の時点では、PKOとか多国籍軍の話題が中心だった、こんなような事件の想定はもちろんなかったと。確かに自分はあのときに、湾岸型の多国籍軍なんかを例にとりながら、ああいうところには参加しちゃいかぬ、そういうことを言ったと。しかし、あのときの話というのは、国連が中心にかかわって、国連の決定のことでも戦闘行為につながることに自衛隊を海外派遣してそれに協力をさせるということは憲法は許していないんだと。国連が決定した行動でも許していないんだと。まして、今度のようなことについては当然許すはずがないと。それは当時の法制局の見解だったと言うんですよ。それで、当然、今回のテロ対策法案なんというのは、自分の見解に反しているものだということをおっしゃっておりました。
 それで、大変怒られて、政府の答弁は八百代言だと言うから、いやそれは三百だろうと言いましたら、そんな細かいことを言うな、うそ八百の意味だと、こういうふうに私もしかられまして。
 そこで、どうですか、法制局長官、大分百八十度違いますが、もう一度見解を述べてくれませんか。
○政府特別補佐人(津野修君) 最後のうそ八百とか三百代言というのは、どうぞ御容赦を願いたいと存じます。そういうことは私どもは決して言っていないつもりでございますので、そこは御認識をいただきたいと存じますが。
 それで、今御指摘になりました村山総理に確認されたということでございますが、そこで真意が違うという御指摘があったとの由でございますけれども、私どもとしましては、記録に残っている答弁の意味が必ずしも明確でない場合、こういった場合には、それが内閣総理大臣としての御答弁である以上、その答弁の前後における政府としての考え方を踏まえて御発言の趣旨を推しはかるべきものであるというふうに考えております。
 その上で、過日御指摘のあった、言うならばそうした戦闘行為につながるようなという村山元総理の御発言があるわけですが、もともとそれ以下の御発言があるわけですが、その多国籍軍に係る村山元総理の御答弁は、仮に自衛隊の多国籍軍への参加そのものが違憲であるということを、これもおっしゃっておられると思いますけれども、そこの部分だけをとっつかまえて言いますと、多国籍軍の戦闘行為と、そういったその多国籍軍への参加そのものが違憲であるということを述べたものでないとすれば、多国籍軍の戦闘行為と一体化する、一体化するような後方支援を自衛隊が行うことは違憲であるというふうにお答えされたのが御趣旨であろうというふうに考えております。
 どうしてそういうことを私どもが申しますかといいますと、このような、私たちが一体化するようなものはいけないと言っておりますような見解といいますのは、古くから、これは昭和三十四年ころ、これは林元法制局長官でございますが、から、特に平成二年のこの湾岸平和協力法、いわゆる国連平和協力法というのを御提出して廃案になりましたけれども、あの当時の審議に際しまして政府が繰り返し明らかにしてきたものでございます。
 また、村山元総理の御答弁以降におきましても、例えば最近では平成十一年の参議院本会議における小渕元総理の答弁に代表されるように、政府のこうした考え方は一貫して現在まで変わっていないわけでございます。それから、村山内閣がこの点について従来の憲法解釈を変更したという指摘がなされたことも一度もないわけでございます。
 そういったことから照らしますと、村山元総理だけが政府の一貫した見解と異なる見解を述べられたと解する理由がないわけでございまして、私どもは、先ほど申しましたような考え方に立っているわけでございます。
○平野貞夫君 長官、そういう話をしているんじゃないんですよ。村山元総理もそれまでの政府見解を変えたと言っているわけじゃないんですよ。
 私も、湾岸紛争のときに衆議院の事務局にいまして、工藤長官と随分苦労しましたよ。この間、石原副長官の話を非公式に聞いたら、あのときに海部総理が決断しておけばこんな問題なかったんだと大分自由に言っていましたんですがね。
 こういうやっぱり答弁、発言の背景には、国連で決定した後方支援ですら行っちゃいかぬというわけだから、一体化するものについては、ましてテロであれ何であろうと戦闘行為につながるその支援、協力支援ということ、これはやっぱり憲法解釈を変更なくして僕はやっぱり法律としては成り立たぬというのが私の意見なんです。その点は村山元首相も、ここまでは一緒だけれども、ここから先は平野君と別の反対の方向になるなということは言っていましたんですが。
 ただ、憲法運用、憲法解釈というものについては、事実というものを、やっぱりそのときの状況、事実というものを共有しなきゃいかぬと思うんですよ。このときに、この種の戦闘につながるものに政府が自衛隊出すのが憲法にたがわないなんという発想は僕は全くなかったと思っております。
 水かけ論ですから、これ以上時間がありませんから、もうこれ言いませんが、やっぱり村山元総理に国会に来ていただいて本当は法制局長官と対決しているという、これはちょっとあれですが、そういう、私はそのためにきのう理事懇でお願いをしました。委員長も取り上げてくれていろいろ協議していただいたんですが、自民党と公明党が反対され、民主党の木俣先生に大変御迷惑をかけたんですが、結果は、国対の方針で、現政権の責任ある発言で対応しようということで、この話はもうしませんですが、私は、小泉総理の言う国民の常識で考えた場合、あなたの見解に対しては納得いかないということを言って、次に移ります。
 次は、例の最高裁の自衛隊についての憲法判決のことなんですが、私も昔読んだことがあるんですけれども、改めてその判決全文を読みました。
 私も自衛隊合憲だと思っていますよ。それから、政府も合憲だという意見だと思っていますし、そこは誤解しないでください。
 ただ、日本の司法権が、この自衛隊の存在について、一つ腰を引いたといいますか、統治行為論で逃げていると言うと非常に言葉は悪いんですが、そういう状況。非常に自衛隊というのはやっぱり憲法上不安定な立場にあるんだということを私は言いたいわけなんです。
 したがって、この判決のどこを読んでも自衛のための措置をとるということは認めていますよ。それから、そう言う一方、「自衛のための戦力の保持をも禁じたものであるか否かは別として、」という非常に微妙な言い方を判決はしているわけなんですよ。この判決文の中に、もちろん自衛隊の違憲、合憲を裁いたものじゃないんですけれども、小泉総理が言う、最高裁は合憲と判決したと、ああたんか切るような言葉はありませんし、その後の恵庭事件とかナイキ、いろいろありましたですね、自衛隊の合憲性をめぐる裁判が。いずれも、最高裁までは行ったかどうかはわかりませんが、統治行為論で司法権は判決を避けているわけなんですが、ここのところは一つ、私とせめて一つぐらい意見一致したいと思うんですが、どうですか。
○政府特別補佐人(津野修君) 前回、私が御答弁申し上げましたのは、これは我が国の自衛権が憲法第九条によって否定されていないと、これはまさに否定されて、判決もあるわけですけれども、それについての御指摘の昭和三十四年十二月十六日のいわゆる砂川事件に関する最高裁判所判決に触れた上で、その自衛権があると、否定されていないということについての政府も同様の見解をとってきたということを述べた上で、自衛隊の合憲性に関する政府の見解を申し述べたわけでございます。したがって、自衛隊の合憲性に関する政府の見解が最高裁判所の見解であるというようなことを言ったものではございません。
 したがって、最高裁判所の御指摘に戦力であるか否かはともかくとかいうくだりがございますので、そういうところは委員御指摘のとおりだと存じます。
○平野貞夫君 わかりました。
 ただ、長官非常に話がうまいから、いかにも政府の合憲の解釈が最高裁の結論みたいな聞こえ方をしたんじゃないかと思いますが、そうすると、小泉総理のあの最高裁は合憲という判決をしたってはっきり記録に残っているんですが、あれはやっぱり訂正してもらわにゃいかぬですね。
○政府特別補佐人(津野修君) これは、総理がおっしゃられた趣旨でございますけれども、また同じことでございますが、政府が従来から自衛隊を合憲であると解してきているが、これは先ほど言いましたけれども、憲法九条が国際紛争の解決の手段としての戦争等を放棄し、戦力の保持を禁止しているが、これによって我が国が主権国として持つ固有の自衛権までも否定しているものではない。したがって、この自衛権の行使を裏づける自衛のための必要最小限度の実力を保持することも同条によって禁止されているものではなく、自衛隊は違憲ではないということの政府の見解がございます。それで、その上で、その自衛隊そのものの憲法適合性を直接的に判断した最高裁判決がないことは御指摘のとおりであるけれども、その意味でその総理の御発言は必ずしも正確ではなかったと存じますが、十月二十三日の連合審査会における総理の御答弁は、ただいま申し述べたような自衛隊が合憲であるという解釈の前提である自衛権に関して昭和三十四年十二月十六日のいわゆる砂川事件に関する最高裁判決が、憲法九条によって我が国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは国家固有の権能の行使として当然であるということを判決で言っているということを申し上げているというふうに私どもは受け取ったわけでございます。
○平野貞夫君 まあ余り私もしつこく言いませんですが、そういう具体的な判決の中身を説明する前に、最高裁は合憲の判決をしているという記録があるんですよ、総理の発言が。これは長官に言う話じゃございません。対総理の質疑のときに申し上げます。
 引き続き、もう一点長官にお聞きしたいんですが、私どもは、このテロ対策法案そのものが憲法にたがうという、そういう前提に立っています。したがって、党の方針で、余り内容に立ち入る質問をすると賛成せにゃいかぬような論理になったらいかぬので本質論を言えということでやっておるんですが、一つ申し上げたいのは、この法案の中に、これは何条でしたか、一条の「目的」の中に「主体的に寄与するため、」という言葉がございますね。非常に国会決議なんかにはよく主体的という言葉を使うんですが、これは概念が非常にあいまいな言葉でして、法律にこういう言葉を使われるというのは非常に珍しいと思いますが、こんな例はありますか。
○政府特別補佐人(津野修君) 御指摘の主体的という用語を形容詞として用いたものとしては、形容詞としてといいますか副詞といいますか、そういう用語として用いたものとしては、例えば高度情報通信ネットワーク社会形成基本法第五条で「高度情報通信ネットワーク社会の形成は、」「消費者の主体的かつ合理的選択の機会の拡大が図られ、」云々という条文とか、総務省設置法第四条第三十号に「地方公共団体の自主的かつ主体的な組織及び運営の合理化の推進について必要な助言その他の協力を行うこと。」、あるいは外務省設置法第三条で「外務省は、平和で安全な国際社会の維持に寄与するとともに主体的かつ積極的な取組を通じて良好な国際環境の整備を図ること」など、そういった例が大体ちょっと法令検索してみますと七件ぐらいございます。
○平野貞夫君 私は、主体的という言葉の意味をいろいろ誤解すると、非常に印象のいい言葉なんですが、一つは、日本が選択してやるという意味になると、外国が期待していないのに、頼みもしないのに、外国から頼まれない、アメリカから頼まれていないものまで手を出すとかやるとか、あるいは外国から要請されても断るものがあるとかという、非常に国として主体的という言葉は使いようによっては恣意的な、わがままなような意味もあると思うんですが、そういう点はどうですか。
○政府特別補佐人(津野修君) この主体的の意味といいますと、これは非常に幅の広い言葉だと存じますけれども、基本的にはみずからの意思決定が基本になって、まずみずから意思決定をしてという、他人から干渉されずみずからが独立的に判断してみずからの意思決定に基づいてというのが一般的な用語の意味だと存じます。
 ここの意味は、いろいろここに出ておりますけれども、「ある活動や思考などをなす時、その主体となって働きかけるさま。他のものによって導かれるのでなく、自己の純粋な立場において行うさま。」というような、国語の辞典にはそういうことが書いてございます。
○平野貞夫君 最後に外務大臣に要望しておくんですが、このテロ事件でアメリカは最初国連というものを余り重要視しなかった、しかしいろいろ世界世論の中で、この展開の中で、やっぱり国連に頼らざるを得ないというので、報道によるとアメリカが滞納していた分担金も全部払ったという話なんですが、これからやはり国連の場が物すごく事件の解決の一つの重要な場になると思います。
 ぜひ、国連総会とか国連関係の会合がありましたら、直接外務大臣が参加されて日本外交を発揮されんことを要望いたしまして、終わります。
○委員長(武見敬三君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(武見敬三君) 速記を起こしてください。
○齋藤勁君 小泉総理、御苦労さまでございます。
 昨日も一般質疑で関係大臣と質疑をさせていただきました。我が党は、衆議院でも参議院でもこの間、このテロ特措法についてさまざまな角度から質問してまいりました。とりわけ、衆議院段階で事前承認をめぐる、これは国会内ですけれども、党首会談をめぐり、いろいろやりとりをさせていただきました。これは残念ながら実現できなかったわけであります。
 私は、この事前承認、シビリアンコントロールの面でどうしてもやはり私は、これまで総理がたびたび発言をしてきました、国会で議論をしていること自体が事前承認ではないかということを中心的に触れられていましたが、いま一つ納得はできないということ。加えて、武力行使はしない、戦闘区域には参加しない、私が言っているんですと、憲法の枠内ですとおっしゃっても、憲法の枠のない、憲法の枠がない政府の私は憲法に対する説明であるということをどうしてもぬぐい去ることができない。
 さて、幾つか、きょうはさらに時間がございますのでお尋ねしていきますが、そういう前提で質問通告、総理、していないんですが、これは当然お答えいただくということで、一点だけお尋ねいたします。
 民主主義、民主政治の基本は、やはり私は三権分立、これが十分に機能するということが最も大切だと思います。
 総理、この三権分立に対する所見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 立法権、司法権、行政権、それぞれ役割があると思います。国会は国権の最高機関、法律を制定するわけですから、その法律に従って行政執行されるわけでありますので、その枠組みで国政というものが運営される、法の支配、これが私は民主主義の基本であると思います。
○齋藤勁君 突然だったので失礼かなと思いながらも、三権分立というのはこれはもう大原則でございますので、民主政治の基本だということをこの私は質疑の冒頭お尋ねいたしました。
 この三権分立の中で、いわゆる行政府に対する立法府の役割、行政府に対する立法府の役割というのはどのように理解をされていますか、総理に大変失礼な言い方なんですけれども。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 法律によって行政も運営されなければなりませんので、極めて抽象的な質問でありますので、答弁も抽象的にならざるを得ないと思います。
○齋藤勁君 これも抽象的なんです、三権分立。
 いずれにしろ、基本的ですから、この立法府の役割というのは立法府は行政府をチェックをする、立法機関として、立法府として、こういうことですよね。いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 行政も法に従って運営されなきゃなりませんから、法の支配、これが前提ですね。
○齋藤勁君 立法府は行政府をチェックをしていくんだということは、これはもう当たり前のことじゃないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 当然ですね。
○齋藤勁君 何か余り、何か特別ひっかけるつもりはありませんから、総理。これは大原則の話をしているわけなんで、普通にいつものとおりお答えいただいて結構ですから。
 ただ、これは今、私も最初言いましたように、私ども思います重要な争点の一つのこの事前承認が、国会がこの国権の最高機関として政府をチェックをするということである上ならば当然必要不可欠なものなんだと。国民主権主義からも当然なことだというふうに私どもは受けとめていますね。
 総理が、この法案が衆議院で可決をする日、十六日ですけれども、特別委員会で我が党の岡田衆議院議員、私どもの党の政調会長ですけれども、こういった事前承認のやりとりをしていく中で、総理は、突き詰めていきゃ政府を信頼できるか信頼できないか、政府を信頼できるか信頼できないかということだと思いますと答えているんですけれども、こうなりますと、国権の最高機関として政府をチェックをする国会の機能を否定をしていくという、そういうふうになりませんか、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、全然違うんですね。国民主権なんですね、要するに。
 結局のところ、国会の権威というのは国民によって与えられているんです。私はそう思います。選挙で国民は政権を選ぶんですね。永久政権というのはあり得ないんです。衆議院の場合は任期四年ですけれども、任期満了というのはめったにない、大体二年半か三年で衆議院解散・総選挙ありますから。そのときに国民が、今までの政府がどういうことをやってきたか判断するわけですね、政党を判断する。そこで国民主権の意思が働けば、ひどいことを国民がやっているなと感じたら、時のいわゆる政権政党、与党を選ばないでしょうね。国民が判断するしかない。各党の見解をどう国民が判断するか、その国民の意思によって国会議員が選ばれる、国会議員が政府をつくっていくということですから、私は国会国会といっても最終的には国民主権だと。
 民主主義、選挙がある限り必ず国民の意思が反映される、永久政権あり得ないと、そう思いますね。
○齋藤勁君 今回の私が今質問させていただいていますのは、政府を信頼できるかできないか、政府を信頼できるかできないかなんだと、突き詰めたら、それは総理が言っていることですから、ということなんだということで、ということだけれども、我々は三権分立の中で国会としてのこの最高議決機関、これが行政をチェックをすると。信頼できるかできないか、いやとにかく政府、行政府を任せてくださいと。じゃ、あとは選挙のときで国民はチェックをする。国会というのは一体何なんですか、じゃ国会は、今議論しているということについて、あるいはこの我々が今言っている事前も含めて。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは行政権を与えられているわけですから、立法の範囲内で。裁量権というのはあるわけですね、政府にも。その範囲内でやると。それを国民が選挙のときにどう審判するか、そうだと思いますね。
○齋藤勁君 後ほどまたこの事前承認問題は幾つかさせていただくつもりでありますが、そういった私は国会のあり方、行政と国会のあり方からいっても、この間の政府、総理の答弁というのは受け入れるわけにはならないということについて、まず指摘をさせていただきたいと思います。
 次に、昨日、一般質疑で若干聞き落としたんですが、冒頭お伺いしたいんですが、先ほども一般質疑の中で、今回のアメリカのアフガニスタンに対する空爆以降、大変なパキスタンあるいはイランへの難民がアフガニスタンからおびただしいほどの数が流出をしているという、それに対する対応が出ていますが、この難民の今我が国の政府で把握をしている実態、それから空爆後、アフガニスタンの中での死者とか行方不明者とか、そういった実態について。
 昨日は、アメリカの九月十一日の同時多発テロ事件に対する現在のアメリカ側で発表しています行方不明者、死者、それぞれについて伺いましたけれども、空爆約三週間弱たったと思いますが、アフガニスタンにおける難民あるいは死者、行方不明者、それらについてお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 九月二十八日発出の国連アピールでございますけれども、アフガニスタンの国内の避難民が百十万人、今後の増加見込みも同数でございますから、総数二百二十万になります。アフガニスタン国外はよろしいですか。国内だけで……
○齋藤勁君 内外。
○国務大臣(田中眞紀子君) 内外。
 外を申しますと、パキスタンの場合は二百万人、現在ですね、それからイランが百五十万人、タジクが一万五千、トルクメニスタンが一千人でございます。一千万人、済みません。
○齋藤勁君 最後は単位が違うんじゃない。千人ですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) はい、そうです。
○齋藤勁君 違うもう一つの視点で私、質問しているんですけれども、空爆でアフガニスタン人、これはタリバン政権の発表だけかもわからないし、アメリカが発表していないのかもわかりませんが、どういうふうに亡くなった方、行方不明者、把握をしていますか。
○政府参考人(藤崎一郎君) お答えいたします。
 アフガニスタン国内での米軍による空爆の被害というお尋ねでございますけれども、これまでの被害状況につきましては、各種報道等多くございますが、確としたものは今まで承知しておりません。
 アメリカ側がこれまで確認いたしております市民の犠牲者は、死者四名、負傷者数名ということでございます。他方、委員御案内のとおりタリバン側ではかなり、相当数の死亡したという主張をしているのは事実でございます。
 アメリカ政府は、種々の場で、いかなる民間人の犠牲者が出ることも遺憾である、米軍は市民を目標としていない、注意深く目標を選定し、あらゆる努力を払って市民の巻き添えを防ぐよう努めていきたいということを述べております。
○齋藤勁君 アメリカ側は、死者四名というのが公式的な発表ですか。
 再度お尋ねいたします。
○政府参考人(藤崎一郎君) アメリカ側がこれまで確認いたしました数字は、四名という死傷者を十三日の国防省プレスリリースで出しておりますが、これまでの全体の被害者というものを発表した数字は、私は今までないかというふうに承知しています。
○齋藤勁君 タリバン政権は、今月十四日、米国、米軍の空爆を受けたとされる東部の村に外国人記者十五人を突如入国させ、人口約四百人の村で二百人が死んだと発表。CNNテレビなどは、独自に検証できないとしつつ、現場の映像つきで報道したということ。あるいは、きょうの報道で、カブール北部、これは民間人七人が死亡した。カンダハルの北東約四十キロの村チャコルカーズが二十三日爆撃され、民間人五十二人が死亡した。
 こういった情報はそれぞれ戦闘行為ですからそれぞれが発表するんでしょうけれども、当事国、当事者同士は当事者同士の思惑があるかもわからないけれども、我が国は我が国、アフガンに行って何人死んでいるのか行方不明になったか、それは直接調べる手だてはないんですが、不思議には思わないんですか、不自然には思いませんか。
○政府参考人(藤崎一郎君) 今、齋藤委員御指摘のとおりでございまして、具体的にアフガンに参りまして人数を確認するということは私どもとしてできないのでございますが、今私どもの承知しております限りでは、報道等におきましてはタリバンが今御指摘のとおり百人以上の死亡があったということを発表したこともございます。
 他方、アメリカ政府におきましてはこういう情報は正しくないという発言もしておりまして、例えば、二十二日、ラムズフェルド国防長官は、米軍等がカブールやカンダハルを攻撃しているという報道が継続的に流されているが、その九九%は正しくないと。あるいは二十五日、国防省のマイヤーズ統参議長は、過去数日間、我々はタリバンが主張する米軍の爆撃に伴う市民の犠牲者数についてできるだけ回答してきているが、誤爆に関する少数の事例につき正確に報告するよう最大限努力をしていると。今後とも、市民の犠牲者、特にアフガン国民の犠牲者を出さないよう最大限の努力をしていくということを発表している次第でございます。
 私どもといたしましても、できるだけ引き続き米国の発表あるいはその他の報道等も参考にしながら、正確な情報の把握に努めたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 先ほど外務大臣の難民の数は、総じて我が国の各紙に出ている数字とそう相違ないと思いますし、そうなのかなというふうに思いますけれども、この死者の数というのは余りにもかけ離れている。英米ですとかタリバンとの関係はあっても、それじゃ国連とか第三者機関というのは、こういったことについては何ら関与は全くないんですか。
○政府参考人(藤崎一郎君) 私どもとして、これまで国連が今回の空爆につきまして被害者の数字等を調査し、発表したということは承知しておりません。
○齋藤勁君 空爆のもとで、そして地上戦、特殊部隊、いろいろありますが、これはだんだん日時がたっていくと真相というのは明らかになっていくと思うんですが、テロについて憎み、テロについて根絶をしていくということ、このことについては世界の人たちというのはもう一致したことだと思うんですが、じゃ一方でこうも三週間に続いて空爆、地上戦ということについて、私は続いていく中で難民、そして死者が累々と、四人では累々じゃないとアメリカは言うかもわからないけれども、タリバン側でいえば累々と、これはもし事実だとそうなるわけでありまして、これは難民の数をとってみても大変な数なわけでありまして、総理どうなんですかね。
 きょう、もう一つの報道で、「ビンラディン氏発見困難」、こういう報道が出ましたね。「米国防長官認識 目標はテロ根絶」、これはこういうふうに書いてありますが、そもそもこれはビンラディン氏の逮捕あるいは殺害という大変際どい発言もあったかもわからないですけれども、ブッシュ大統領というのは。あるいはテロ、この過激グループ、そしてそれを支援するタリバン政権、あると思うんです。ビンラディン氏発見困難、こういった空爆が今日今続いている中で、今我が国政府はこのテロ特措法の議論をしておりますけれども、やはり死者が続く、死者が続出していく、難民がどんどん出ていくというときに、まずアメリカ、イギリスに対し、停止を求めていくというそういった考え方は持たないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、テロ根絶のための戦いをしているわけで、我々はその米国のテロ撲滅に対する努力を各国とともに支持しているわけであります。
○齋藤勁君 この間、議論ございましたが、長期戦になるだろうという総理の答弁ありますけれども、この戦いの出口、当初の目標、これアメリカ政府自身は、ビンラディン氏発見困難、しかしテロ根絶のため空爆とか特殊部隊、まだやろうとするんですか。言ってみれば、一般市民にも、十分巻き込まれ、たくさんの亡くなった方々がいて、なおかつ避難民が出ている。当初の構想はどうも崩れているんじゃないんですか、考え方というのは。そういうふうには思われませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アメリカの同時多発テロ以前に一般市民が犠牲になっているわけですね、テロで。アフガンにアメリカやイギリスが武力行使する以前から多数の難民が出ているんです。これをどう思うのか、そこだと思いますね。見解の相違があると思いますけれども。
○齋藤勁君 外務大臣、先ほど私、難民の数をそれぞれ各国別に伺いました。これは、空爆があるであろう、あるいはあったそれ以前とおおむね大別できますか、難民の数というのは。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほど申し上げた数字は国連のアピールの数字でございまして、ちょっと簡単に対比ということは難しいかというふうに思います。
○齋藤勁君 今、総理が難民というのは前々からあったという、前からあったんですというお話が、答弁がありましたから。あったと思いますよ、それは、事実。しかし、空爆が行われる、行われた以前と以降の難民の数の差はあるんではないですかと。
○国務大臣(田中眞紀子君) もちろん、それは。
○齋藤勁君 そうですよね。それらについて、今、大別しておわかりでないですかと。
○国務大臣(田中眞紀子君) どこの国の国境からどれだけ入ってきた、例えばタジキスタン、イランでありパキスタンということは申し上げられませんけれども、もちろん増加をしているということも報道もされていますので、そのように承知しております。
○齋藤勁君 それ、ぱっと、ないんですかね、数字は。資料はございませんか。事務局、ないんですか、渡してくださいよ。
 要は、空爆前、直後から難民続出したんでしょう。
○政府参考人(藤崎一郎君) 難民の状況でございますが、先ほど、総体としての数字は外務大臣が御説明申し上げました九月二十七日発出の国連アピールのとおりでございます。このうちのいずれが九月十一日から九月二十七日発出のアピールまでの範囲内で起こったのかという具体的数字は私どもちょっと有しておりませんし、国連も発表しておりません。
○齋藤勁君 ちょっと不思議ですね。これ、私どもが新聞とかいろんなところで出てくる数字を集計して、しなさいよということも、そんなこと言われたくはないと思うけれども、私は明確に、空爆続行後、私の知る限り、いろいろ報道を見る限り、異常にふえているということが見えているんで、多分数字的に把握をしているんではないかというふうにお尋ねしたわけであります。
 私は、今の英米、アメリカ、イギリスによるアフガニスタンへの攻撃というのは、これ以上犠牲者をふやすべきではないということの立場で総理に、またビンラディン氏発見困難と、これは国防長官が発言をしている中で違った方法をこれから模索をしていくんではないか、こんなこともあるんではないかという一つの観点もありながら、もはや停止をして違う方向を、やはりテロ根絶に向けて戦いをすべきだというそういった視点でしましたけれども、総理からはそういう立場での発言はなかった。残念に思います。
 アメリカがやめたら、アメリカとイギリスがやめたらやめると、こういうことですか、それでは。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 一国でこのテロに立ち向かうことはなかなか難しいと思いますね。だからこそ、今、世界が一致してこのテロに立ち向かおうとする。じゃ、米国、イギリス、一緒に世界が立ち上がらなかったらこのままテロがなくなるのかといえば、私はなくならないと思いますよ。今まであの米国の同時多発テロに対しても、テロリストは反省していないんですから。
 過去何回も各国でやった。しかし、それは各国が人ごとと思っていた。今回、今まで何カ国に及んだテロ、何十人、何百人に及んだ犠牲者が出ても、各国はこれは自分の国のことじゃないと思ったけれども、あの米国の九月十一日のテロによって、これは人ごとじゃないと思ったわけですね。そういうことで、今アメリカやイギリスや各国が結束して、一国では立ち向かえないけれども、国際間で協力しながらこのテロに立ち向かおうということでやっているわけです。
 私は、それに日本も主体的に、人ごとではないと、このテロの活動を放置しておいて日本が安全かという考えはとらない、そういうことで我々は協力してやっているのであって、それじゃ、今アメリカやイギリスが、タリバンを初め、タリバン政権を初めテロリスト拠点を攻撃しないとテロがなくなるかと。そうじゃないと思いますね。どういう方法があるんだったら、教えていただきたいぐらいですね。
○齋藤勁君 今回の軍事攻撃をするに当たりまして、アフガニスタンというのは、かつてソ連を長い間の戦いの中で排除したといいますか、そういう歴史のある国である。そして、このビンラディンなりアルカイダというのは、アフガニスタンに今集中していると思うんですが、このテログループというのは世界にずっと散らばっていると。確かに拠点はアフガニスタンにあるかもわからない。そして、長期戦だろうということについて、多くの軍事専門家もなるだろうということも言っておりますが、そのときに、本当にビンラディン氏を逮捕あるいは殺害をすることができるということについて、多くのまた軍事専門家は、これは疑問ではないか、むしろソ連のように、米英というのは泥沼に入っていって、地上戦にどんどん入っていって、抜き差しならぬところに入ってしまうのではないかということすら、この地上戦が、空爆が想定される緊迫した状況、それから空爆後もそういうやりとりがあったと思うんですね。今そういうような段階ではないのかなというふうに私は思えてなりません。
 さて、同様、同じ内容で継続して質問させていただきますけれども、今回の軍事支援、イギリスが一緒に同時に参加をしているわけですけれども、イギリス以外に、NATOを含めてこの軍事支援、具体的に参加をしている国、具体的にどういうふうにして参加をしているのか、明らかにしてください。
○政府参考人(藤崎一郎君) 今、米国、英国以外のNATO諸国の支援ということでございますが、具体的な中身ということに、お答えになるかということでございますけれども、フランスにつきましては、シラク大統領は仏軍の軍事作戦への参加を行う、ジョスパン首相は空軍等の協力を行うということを発言しております。
 ドイツにおきまして、シュレーダー首相は、持てる能力の範囲内で貢献する、軍事貢献につき両国で話し合ったということを述べております。
 イタリアにつきましては、十五日、ベルルスコーニ首相が訪米いたしましたときに、イタリアが軍事面でいかなる支援をなし得るかにつき米側と調整中であるということを述べております。
 それから、カナダは、クレティエンが軍事支援を行うということを述べまして、現在、フリゲート艦、駆逐艦、補給艦及びヘリコプターから構成される海上機動艦隊が米軍の軍事行動支援のために航行中であるということでございます。
○齋藤勁君 ありがとうございます。
 そうすると、今の答弁ですと、フランス、ドイツ、イタリアは用意がある、支援をしますという、そういった発表をしていますけれども、具体的には参加をしていない、カナダが今航行中だと、こういうことでよろしいですか。
○政府参考人(藤崎一郎君) 今、私が申しましたのは、こういう発表があるということを申し上げた、あるいは、発表あるいは発言があるということを申しました。しかし、これ以上に何か具体的なことがあるかどうかということにつきまして、全体的な姿を今私どもが申し上げた以上のことを申し上げる段階にはございません。
○齋藤勁君 今までもそうですし、これからもそうだと思うんですが、国際協調国際協調と言われているわけですから、国際的関係においてそれぞれの国々がどういうことを発表して、どういうことを今実行しているんだというのは、当然我が国として当たり前な実は情報と国民に対する発表だと思うんですね。それは私はきちんとしていただきたいと思います。
 具体的に用意があるけれども、それぞれの国々でまだ参加をしていないというのは、アメリカ側が支援要請をしていないと、こういう判断でいいんですか。
○政府参考人(藤崎一郎君) 今、申しわけございません、私が申しましたのは、各国の首脳等の発言、発表でございますが、具体的な措置ということでございますと、ドイツはNATOによって北米地域の空域監視のために米国に派遣する五機の早期警戒管制機、いわゆるAWACSでございますが、これとともに二十五名のドイツ連邦軍兵士を派遣するということをしております。
 それからイタリアは、やはりAWACSの部隊にイタリア軍の空軍将兵を派遣すると。それから駆逐艦、掃海艇を東地中海に派遣するということを決定しております。今、カナダはこのほかに輸送支援、情報収集等もやっておりますし、NATOではございませんが、各国が領空通過、情報協力、あるいは医療支援、その他各種後方支援等も既に行っている、あるいは基地の提供等、幅広く行っているものというふうに承知しております。
○齋藤勁君 藤崎さん、はっきりお答えいただきたいんです。首脳が言ったことと、そして実行したこと、実行していますとか実行中とか、これははっきり言っていただかないと、後、質問が続かないんですよ。
 そうすると、ドイツのAWACSはどこへ向かったんですか。どこへ行かれたんですか。それから、イタリアの方は地中海ですから、もう地中海にいるんですか、いるというか、あるんですか、航行しているんですか。
○政府参考人(藤崎一郎君) 言葉が十分でなくて申しわけございません。
 ドイツにつきまして今のAWACSでございますが、この五機及び二十五名のドイツ連邦軍兵士の派遣を公表しておりますが、今この飛行機がどこに配置されているか、どういうふうな状況にあるか、私はちょっと今お答えする情報を持っておりません。
 イタリアの駆逐艦、掃海艇につきましても、派遣の決定は行われておりますが、今この駆逐艦、掃海艇がどこにいるかということをちょっと私どもとして情報は有しておりません。
○齋藤勁君 私の個人的情報ですけれども、個人的情報というのは別にドイツ軍と情報があるわけじゃないですが、ある情報誌を見た限りでいえば、ドイツのAWACSというのはアメリカ本土に行って、アメリカのAWACSを今アフガンに対する対応で使用しているんじゃないんですか。そういうのはないですか、そういう情報はないですか、ドイツのAWACSの使い方の問題で。
○政府参考人(藤崎一郎君) ドイツのAWACSにつきまして、アメリカで、到着いたしました後でオクラホマを中心といたしまして米国の大陸防衛に協力するということでアメリカに赴いたということでございますが、今この時点でどういうふうに活動しているかということを私ちょっと今持っておりませんが、オクラホマの空軍基地を本拠として活動しているものというふうに承知しています。
○齋藤勁君 この間、フランスとかドイツは、ドイツはちょっとフランスより遅かったんでしょうか、早くもいろいろ軍事的支援というのを発表しておりますが、なかなか米側との連携といいましょうか、支援要請がなかったというか、具体的に行動に移していないというのが現時点の状況ではないかなというふうに思いますが、それでは我が国の自衛隊の艦船とか飛行機は、具体的にこの法律が可決をされた後、どこへ行くことを想定をしておりますか。パキスタン、アフガニスタンあるいはインド、インド洋にあるディエゴガルシア島へ行くんでしょうか。どこへ我が国の自衛隊の艦船、艦船で結構です、どういうことを想定されているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 現時点におきまして、まず情報収集のための自衛艦艇の派遣等に関しましては、その時期、規模等につきましては検討中でございます。
 また、この法案に基づく行動につきましては、現在、法案の御審議をいただいている段階でございますので、この法案の成立の後、検討を開始いたしたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 行くところはアフガニスタン方向でしょう。アフガニスタン方向ですよね。逆な方向へ行くわけじゃない、太平洋へ行くわけじゃなくて、太平洋に我が国は面していますけれども。パキスタンとかアフガニスタンとかディエゴガルシアとか、どこを具体的に想定して今この法律をつくって、調査をしようというのはあるんじゃないんですか。何にもなしに、国会で法律が通った、やあ、法律が通った、どこへ行こうかということで、これから調査活動をしようかということなんですか。防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) いかなる地域で活動をすれば国際社会においても評価を得、また国民の皆様方も納得と御理解をいただけるのか。そういう点も含めまして、この法案が成立いたしましたら、情報収集また調査研究等で検討をいたしたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 アメリカの第七艦隊が沖縄あるいは佐世保、そして横須賀から出動したキティーホーク、いろいろ出撃して、そこから、キティーホークからアフガンの方に空爆をしているわけですけれども、今回、具体的に武器とか弾薬とか水とか食料品とか、さまざまな装備品等を自衛艦の艦船が積んで、積載して、そして補給をするというのがこの法律の支援の目的ですね。主要な目的ですね。
 どこへということは具体的にどこへ、公海上で海へほっぽり出すわけにいかないわけで、公海上で渡すか陸地に揚げるかしかないわけであって、ディエゴガルシア島ですか、大いなる、大体私たちが考えなきゃならないなというのは。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 現在御審議いただいている法案は、いろいろと支援活動の内容につきましても項目を設けまして御審議をいただいておりまして、具体的にいつどこでという点につきましては、国連を初め、また米国を初め他の国々と実際に調整をいたしました上で具体的なニーズに基づいて実施計画の根本となります基本計画が定められますが、それに従って防衛庁としては対応をいたしたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 長官、今までもずっとそういう答弁でしたよ、ずっと。そういうこともあるし、あらゆることもあるから、一番最初に私はあえて三権分立の話もしたんです。そういうことで国会、私たちが、国会議員として国民から負託を受けている国会議員が、国会で議論したら、いや、これからどこ行くんだかわからないんだけれどもということで議論をしていていいんですか、そういうことで。事後で、あるいは総理大臣に言わせれば選挙で判断してくださいと、乱暴過ぎますよ、それは、余りにも。
 ディエゴガルシア島というのは、これはインド洋上に浮かぶ、これは私が調べた範囲では、イギリスから五十年間アメリカ軍の方が、アメリカ側の方が提供を受けている要塞ですよね、インド洋上にある要塞。ここは、絶えずアメリカは本国の方から、あるいは我が国の在日米軍基地を経由をしても含めて、集積船を絶えずここに向かわして、あらゆる物資というのを補給をしているんじゃないですか。
 この間、長官、この法律をつくるというのはアメリカ側も十分知っているわけですね。アメリカは当たり前の話ですが知っている、これについて支援法ができると。そして、武器・弾薬あるいは水、食料品、さまざまな補給を、ああ日本側から来るんだな、どこでもらおうかというのをアメリカ側は考えているんじゃないですか。アメリカ側の方は考えています、どこでもらおうかと。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 私どもにおきましても法律に基づかなければ行動できないわけでございまして、現実に、現時点においてそういう調整を実施をいたしておりませんし、現時点におきましても米国側から具体的にどこで何をというようなニーズは参っておりませんので、そういう御質問をいただきましてもお答えすることはできません。
○齋藤勁君 いや、真っ暗やみのところに行くみたいじゃないですか、答弁を聞いていたら。こんなひどい答弁ないですよ、ずっと。
 多分、日本を出て、自衛艦は、南シナ海、東シナ海ですか、ずっと南下をしていって、そしてフィリピンあるいはボルネオ、インドネシア、マラッカ海峡、インド洋、こう航行するんじゃないですかね。答えられないから勝手に想像して勝手に言っているみたいな、奇妙きてれつな何か発言をしているみたいですけれども。
 フィリピンにはたしか、ここにもいわゆるテロリストというか過激派のグループがたしかあって、さまざまな地域紛争をしていると思うんですが、外務省、このフィリピンでのこういった民族対立、あるいはイスラム過激派を含めまして、フィリピンにおけるこういった状況について、過激派の状況について、活動について、どういうふうに把握されていますか。
○政府参考人(田中均君) フィリピンの国内のイスラム過激派についてのお尋ねでございます。
 ごく少数ではございますけれども、フィリピンにはアブ・サヤフ・グループ、これはミンダナオの独立を目的としたグループでございますが、あるいはモロ・イスラム解放戦線内の武闘派のイスラム過激派というのは存在をしております。
 例えば、こういうグループがオサマ・ビンラーディン一派を含む国際的なテロ組織と資金的、人的な関係を有してきたということが言われておりますけれども、そういう形でのフィリピン政府のサーベイランスと申しますか、それは非常に進んでおりますし、国内の治安維持のためにテロ組織への資金流入を監視をしているという状況でございます。
○齋藤勁君 どうなんですか、装備状況というんですかね、武器とか、そういったのは概略把握していますか。
○政府参考人(田中均君) 私どもで承知しておりますのは、例えば構成員的には恐らく一千名程度であろうということでございます。
○齋藤勁君 その武器・弾薬をどの程度保有しているかどうかというのはなかなかわからない。
○政府参考人(田中均君) 詳細は把握しておりません。
○齋藤勁君 今、フィリピンをお尋ねいたしましたが、インドネシア、そこにありますか、資料、もしあればお答えいただければ。インドネシアにおける国内の同様なテロリストなりイスラム過激派グループなりですね。
○政府参考人(田中均君) 御案内のとおり、インドネシアというのは世界最大のムスリム人口を有する国でございます。ただ、イスラム教が国教であるということではございませんし、大部分が非常に穏健なイスラム教徒であるということでございます。非常に少数の急進的なイスラム教徒というのはもちろん存在をしている。例えばイスラム導師会議というのがございますけれども、幾つかの声明を発出をしている、こういうような状況であろうと思っております。
○齋藤勁君 どうもありがとうございます。
 国土交通省お見えですか。──見えていますね。
 お尋ねいたしますけれども、今フィリピンあるいはインドネシア、この周辺の海域でここ近年非常にいわゆる海賊の横行が激しいということで、日本の商船のみならず非常に被害を受けているということが明らかになっていると思います。
 この間、そして現状についてお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(縄野克彦君) 国際法で言います海賊という、狭い定義ではございませんけれども、海賊及び船舶に対する武装強盗事件、これはIMOの調べによりますと、平成十二年、世界全体で四百七十一件でございます。その中で、マラッカ海峡において百十二件、これを含めて東アジアで二百五十七件が発生をしております。
 日本関係の船舶の被害状況は、平成十二年には三十一件というふうに承知をしております。
○齋藤勁君 中谷さん、防衛庁長官、先ほど私の方から一方的に幾つかの地名を申し上げたりディエゴガルシアの話をしました。アフガニスタンへの軍事支援ということになれば当然なるべく近くに行くということだと思うんですね。今言ったところは通らずに近くに行くことはできないわけであって、これはもう既に調査をしてあると、防衛庁としては、これらの、今のフィリピンだとかインドネシアとかいろんな状況とか海賊の状況とか、それに対する自衛隊の艦船が航行していくことについてそれなりの調査をしたと、いやこれからなんですということなのか、それに対応するものについては十分万全整っているんですと。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) いかなる行動をとるかということにつきましては、これまでの知識というか情報の蓄積もありますし、大使館もございますので駐在武官も派遣されておりますが、こういった外交ルートからの情報、それから米国のみならずほかの国との組み合わせによる活動等もあるわけでございますし、また御指摘のマラッカ海峡等につきましては東南アジアの国々のいろんな実情、状況等もございますので、総合的に入手をして判断しようと思っておりますが、現在までに保有している知識等を生かして、現在持っている能力を遺憾なく発揮できる、また他国からも評価がされる、そういうふうな内容等を検討していきたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 今回、自衛艦が支援をするに当たっての調査に当たって、米軍側からの情報提供、これは当然対象に入っているんですね。
○国務大臣(中谷元君) この法律が成立いたしましたら、そのような米国とかほかの国々との情報並びに調整に着手したいというふうに思っております。
○齋藤勁君 具体的に今艦船が通過をするだろうという地域、今回、我が国の自衛隊の艦船が公海上を航行あるいは停船、停止している場合でも、我が国の日の丸の、当然国旗は掲げますね。日の丸以外はないですよね。
○国務大臣(中谷元君) それは自衛艦の船の……
○齋藤勁君 自衛艦の船です。
○国務大臣(中谷元君) 国際法に従いまして国旗を掲揚するということになっております。
○齋藤勁君 これが、自衛隊がPKO法で基づいて行く場合は、国連旗というのが掲げられませんか。いかがですか、国連旗。
○国務大臣(中谷元君) 地上におけるPKO活動の現場において、自衛隊が派遣されているところには日の丸とともに国連の旗も掲揚いたしておりますが、艦船の派遣につきましては日の丸を掲揚するというようなことで、PKO活動はまだ海上というか海域の方では実施されたことがないというふうに承知をいたしております。
○齋藤勁君 実施された場合、国連によるPKO活動に基づく艦船の航行というときはいかがなんですか。
○国務大臣(中谷元君) 日の丸等の各国の旗の掲揚につきましては、海洋法とか国際的な慣習等におきまして義務づけられておりますが、国連の旗をつけるかつけないかということにつきましては、まだ余り国連の旗を掲揚した船を私、見たような記憶がございません。
○齋藤勁君 艦船にこだわって今質問させてもらいましたけれども、当然PKO活動になれば、陸上で、今までも国連旗、それから青いベレー帽でしたか、それを着帽して活動したと思うんですね。今回は、だから、あえて何を言えばといえば、その青いベレー帽もないですよと、陸上において、ということなんですね。
 ここで、言ってみれば我が国の領土、領海、領空から今度自衛隊の艦船なり飛行機が出ていくということに、これまで再三にわたって、武力行使はしませんよ、戦闘行為には参加をしない、戦闘区域には行かないんだということである。これは我が国の憲法上の解釈で、総理大臣はずっと国会で発言していましたが、じゃ、外国の人たちはどういうふうにこの姿を見るだろうか、外国の人は。
 とりわけ、今相手側であるタリバンもそうでしょうけれども、あるいはイスラムもそうでしょうけれども、テレビで自衛隊の船が出ていった。そのときに、これはアフガンの英米の空爆に対し支援行動で船が出ていったというふうに見たときに、日本国民は、総理大臣から武力行使はしない、戦闘区域には行けないと言っているから、どういうふうにして武力行使はしないで、戦闘区域には参加をしないで行くんだろうかということを国民は思っているかもわかりません。
 しかし、多くの外国の人たちは、これは英米のキティーホークなり、キティーホークの艦船の補給で行くわけですから、ああこれは後方支援一体となってという、一体とか一体じゃないとか、そういう言葉じゃなくて、そういうふうにワンセットで見るというのが普通じゃないですか、普通の見方じゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) せんだっても航空自衛隊の輸送機がパキスタンに参りましたが、これは空爆が行われた後行ったわけでありますけれども、この輸送行為をもって戦闘行動に参加しているというのは、どこの国も見なかったと思います。
 艦艇が輸送協力業務を行うに際しましても、戦闘地域が、行われていないという地域に行くわけでありますし、武力行使はしないということで、日本の国会でも御議論いただいて、そういう認識で日本から情報が発信されるわけでございますので、ともに武力行使をしているというふうに見る国は少ないのではないかというふうに思います。
○齋藤勁君 それが、皆さん方初め我が国の閣僚の方々は説明を私たちにし、国民にしているけれども、外国では通用しないんじゃないですかと。キティーホークがあって、自衛隊の我が国の艦船が行って補給をしている。一体じゃ、一緒じゃないですかと、これは武力行使をしない、戦闘行為には参加をしていないというふうなことに見ませんよということを言っているんです。
○国務大臣(中谷元君) いかなる地域でやるかということにつきましては、まだこれから調査をして決定するわけでございますが、戦闘が行われているような地域には参りませんし、実際空母に直接自衛隊の補給艦が補給等を行うということはまずないわけでありまして、その際には米国の補給艦等に対する補給となろうかと思っております。
 いずれにしましても、そういった戦闘行為が行われていない地域にのみ我が国としては協力支援を行うということをいたしたいと思います。そういうふうになっております。
○齋藤勁君 周辺事態法を適用しなくて新法をつくったというのは、この地理的概念を含めて、あるいはテロリストという対象もあると思うんですが、改めてじゃもう一度お伺いしますが、周辺事態法の適用ではなくて今度の新しい特措法をつくったというのはどういう観点でつくったんですか、提案したんですか。
○国務大臣(福田康夫君) これは、やはり周辺事態法というのは、いわゆる周辺事態というそういう性質のものもございますけれども、あの国会議論の中においても地理的な概念の議論もございました。そして、その地域も、従来から日米安保条約の運用において極東地域、フィリピンよりも、フィリピン地域が一番西になるのかな、西になるという、フィリピンよりも東の地域といったような概念でとらえておったと。要するに、周辺事態法は日米安保条約の効果的な運用に寄与するということを目的としておりまして、そういう地理的な概念とあわせまして、支援の相手方も目的の達成に寄与する米軍ということになって、限定されているわけであります。
 そういうふうな事情で、今回、この周辺事態法ではカバーできないんではないか、そういう地域ではないか、そしてまたその支援の対象は米軍だけでは困る、こういう状況からこういう新法になったというように御理解いただきたいと思います。
○齋藤勁君 そうですよね。だから、周辺事態法だから新法をつくったわけだから。それをさっき中谷防衛庁長官が、いやどこへ行くかわからないみたいな、これから調査検討すると言ったって、周辺事態法の範囲じゃないから新しい法律をつくったんですよ。ですから、私はディエゴガルシア島とか、幾つか言ったでしょう。ですから、そこへ行くまでに海賊だとかいろんなことがあるんじゃないですかと。
 ですから、テロリストが今、一番最初総理ともやりとりしましたけれども、壊滅するの壊滅しないの、大変だと。しかし、これからイスラムグループというのはどこかへまた移動して、フィリピンとかどこかでまた蜂起をするかもわからないというこれから連鎖した状況が十分考えられるということ。だから、今そういうところについて、今もう実行していますけれども、実力行使しているけれども、今やめる、まずは中断をすべきではないかという、一番最初の、これまたしますが。
 いずれにしましても、総理はよく神学論争をやめましょう、実際、常識でやりましょうなんと言うんですね。だって、神学論争とは何事かということはあるかもわからない。国会で憲法の話をしたり法律の話をするのはごく当たり前なんで、じゃ、あと憲法の話したり法律の話をするといったらどこでやるんだ、一番最もやらなきゃならないところが国会なんですよ。そういうことをすると、何かどうも総理は神学論争というふうに、いや、それは齋藤、単純過ぎるよと思っているのかもわからないけれども、どうもそういうやりとりを言うと総理は神学論争だと。
 常識、常識、じゃ常識と、私が言ったように、常識だったら、キティーホークが今インド洋にある、自衛隊の船がいる、これは幾ら武力行使じゃない、武力行使と一体じゃないと言ったって、外から見たときは一体じゃないですか。どこへ行くかわからない、これから調査検討します。それで、一番最初に言った行政権ですかね、政府を信頼してくださいということでは、法律をやっていても何か常識でやってくれと、常識の話をすると具体的に入っていかない。こんな国会ないですよ、こんな国会。総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、法律に基づいて武力行使はしない、戦闘行為には参加しない、戦場には行かないという範囲内で、どういう物資協力なり必要な支援ができるかと。なおかつ、国会の関与が必要だということで二十日以内に承認を求めるのですから、ここで国会の関与はきくわけですよ。
 二年の時限立法、新法は。二年たてば何もしなければ自動的に失効しちゃうんです。でも、二十日以内に国会承認を求めるんですよ。選挙来るまでじゃない、二十日以内。十分国会関与しているじゃないですか。しかも基本計画の枠内。
 常識に合わない、常識に合わないって、そうじゃない。どこまでが戦闘行為だって、今言った自衛官が出ればすべて戦闘行為に結びつくのかと。そうじゃないでしょう。
 はるかかなたのインド洋あるいは太平洋、テロというのはどこで起こるかわからない。そのときに継続的に戦闘が行われるか、戦闘が行われないかというのは、私は客観的に総合的に判断すればできると思いますね。
 しかも、テロというのは国じゃないんですから、これは今までの戦争と違うんですよ。ミサイルを飛ばすんじゃない。固定的な国の組織がない。だからこそテロは武器を使わないで、民間航空機という武器じゃない武器をガソリン、航空燃料とともに、しかも民間人を道連れにして自爆して、武器じゃないものを武器に使ったわけですよ。ミサイル持っていない。今までの戦争と形態が違うんですね。だから、私は戦闘行為が行われるか行われないかというのは十分客観的に総合的に判断できると思いますよ、常識で。
○齋藤勁君 総理、イギリスとかカナダとかドイツとか、それぞれNATOとかあるんですよ、それぞれにもうルールが。我が国は我が国のルールがあるんです。テロ撲滅に対する我が国は我が国でマネーロンダリングの問題とかあるいは難民の問題とかいろいろあるんですよ。これもテロ撲滅に対する一つの行動ですよ。我が国は我が国の国際社会の中での協調の仕方、テロ根絶に対するやり方があるんですよ。
 今みたいな新法ができるまで、今この国会でもうわずかたったら通過して、調査にもう入っているのかもわからないけれども、具体的な地名も挙げられない。そして、集団的自衛権でも、集団的自衛権を解釈して、それがいいではないか、いやそれは問題だという、両方から憲法解釈についてもあいまいなまんま、すき間だとかいろんなことを総理自身も言っているけれども、私は、我が国は我が国の国際貢献の、テロに対する撲滅の仕方がこれはあるから私自身は話をしているわけで、我が国は我が国の憲法、この中で行動すればいいわけです。
 それにしても、今度我が国は初めて自国の領土、領海、領空、それはPKOでありますよ、PKOでありますけれども、実際戦闘中の地域の近くに行くということについては初めてですよ、これ。戦闘中の地域、それも今まだ二十日以内、二十日以内とおっしゃっているけれども、限定しているんじゃない、地域は。周辺事態法でカバーできないからということで、もうこれも地理的な要件じゃないですか。だから新しい法律をつくる。
 これは総理、幾ら説明しても、武力行使はしない、武力行使は一体化しないって、またトマホークの話も先ほどの同僚議員もしておりますけれども、これは国際的常識、国民の常識からいっても、これは通らない。武力行使、武力一体化、どうして艦船が具体的に戦闘行為をしているところに行って自衛隊が補給をする行為について一体化ではないと言えるんですか、一体化じゃないと言えるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 艦艇の補給の話が出ましたけれども、当方といたしましては現にトマホークが発射されているような艦艇に補給をしたり、輸送協力をしたりすることは想定をいたしておりませんし、そういうことは実施をいたしませんので、その点は御理解いただきたいと思います。
○齋藤勁君 今回の論議からがらっと変わったんですよ、この武力行使、武力一体化の話の集団的自衛権というのは、極めて。
 総理、総理が武力行使をしない、戦闘攻撃には参加をさせないということで、憲法九条の範囲内の行動だとずっと言っているけれども、まだ思いますか、本当に、これからすることについて、これから行おうとすることについて。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 十分憲法の範囲内で支援体制をとれると。また、自衛隊が行くから戦闘行為に結びつくというのは余りにも短絡過ぎるんじゃないか、自衛隊が派遣される地域は戦場でもない、戦闘地域でもないんですから、それは客観的に総合的に判断できると。もし戦闘地域に行けば二十日以内に国会に承認を求めるんですから、私はそのような国会の承認が得られないような自衛隊の派遣は政府としてもしないし。
○齋藤勁君 キティーホークから出撃している、そしてキティーホークが仮にディエゴガルシア島に補給に寄港する、そこに自衛隊の艦船が補給物資を運んでいく、これは武力行使の一体でもない、戦闘区域、戦闘行為でもないと、こういうことですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ディエゴガルシアは戦闘地域になったら行けませんよ。戦闘地域じゃなければ行けますね。
○齋藤勁君 実際、キティーホークから出撃していることは事実です。
 さて、もう少しさらに具体的に再度お尋ねいたしますけれども、先ほど午前中の同僚議員の質疑でも、中谷防衛庁長官はどうもこのトマホークの発射について非常にこだわっていまして、最後まで、トマホークの発射についての戦闘行為の問題について、改めて法制局長官、たびたびこのことで御答弁いただいていますが、このことについての、戦闘行為の見解。
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。
 これは、従来からたびたび答弁させていただいておりますけれども、ちょっと長くなりますけれども、現に戦闘行為が行われている地域に殺傷または破壊の結果が発生した場所が入ることはもちろんであるが、問題の所在が戦闘を行っている諸外国の軍隊等に対して行われる我が国の自衛隊の協力支援活動が当該戦闘行為と一体化するものとして評価されるかどうかという点にある以上、この現に戦闘行為が行われている地域に該当するかどうかの判断に当たっては、結果の発生地だけではなく戦闘行為を総合的にとらえる必要がある。お尋ねのように、目標に向けて遠距離砲、弾道弾ミサイル等が発射されたときは、一般的に言えば、もはや当該戦闘行為が開始されている、ないしその戦闘行為の一部となるものであると見るのが相当であるというのをお答えしているところでございます。
○齋藤勁君 発射をすれば一般的に戦闘行為であるというのが、当たり前の話ですよ、これは、発射をすれば。何のために発射するんだ。破壊するためにですよ。防衛庁長官、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 議論が袋小路に入りますので余り論ずるのが適当かどうかわかりませんが、私は、トマホークミサイルにつきましては、その発射は戦闘行為に当たるというふうに再々申し上げておりますし、そのトマホークが現に発射されている場所は戦闘行為が行われないと認められる地域には該当しないというふうに発言をいたしております。
 ただ、今、法制局長官からも、これまでの御審議の中で、ミサイルが発射されたときは、一般的に言えば戦闘行為が開始されているないしは戦闘行為の一部となるものであると見るのが相当である旨の答弁がございました。
 私からは、過去のテロ対策特措法案に関連する審議を通じて、ミサイルの発射は戦闘行為に当たるかという御質問があったのに対して、ミサイルの発射は、一般的に言えば今、法制局長官が言ったように、戦闘行為に当たると見るのが相当であるということは前提としつつ、ミサイルにはさまざまな種類、射程、性能のものがあるから、ミサイルの中にはその発射が直ちに戦闘行為にならないものもあり得るのではないかという趣旨を述べておったものでございます。
 この点、法制局長官と私の見解にはそごがなくて、不一致があるというふうには私は思っておりませんので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
○齋藤勁君 わかった。ミサイル、いや、いいんです、途中までいいんですよ、途中まで。戦闘行為でミサイルのいろいろな機能を、機能はいろいろあるでしょう、いろんな今の新しく。それによって、でも、最後の方言わなかった、今、長官。種類、いろんな、トマホークの、今は誘導とか何か言っていなかったですね、確かに。今は言っていないけれども、きのうまでは言っていたんですけれども。
 法制局長官と全く同じですと、見解は同じですということで言ってくださいよ。
○国務大臣(中谷元君) 今さっきお話ししたとおり、法制局長官と私の見解にはそごがなくて、不一致があるというふうには思っておりません。同じでございます。
○齋藤勁君 このことはこの程度にしたいと思いますが、なぜこういったこととか、先ほどのディエゴガルシア島を例にして話をすれば、先ほど武力行使はしない、戦闘攻撃には参加をしない、ディエゴガルシア島が戦闘区域であればそれは帰ってきますとか、こういう話ですけれども、とにかく今アフガニスタンに我が国の艦船が、自衛隊の船が出ていって、物資補給を具体的にキティーホークにする、あるいはディエゴガルシア島にするということは、他国から見たら我が国の憲法は武力行使、戦闘行為、今の英米と一体で見ますよ、見るんじゃないですかと。幾ら我が国の国会が、あるいは政府が解釈は武力行使はしませんと言っても、そうではないですかということを私は申し上げているんで、こういったいわゆる世界の常識、総理、世界の常識、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 世界の常識といいますと、世界の常識に合致する場合もあれば合致しない場合もある。というのは、日本は自衛隊を軍隊と見ていませんね。ただ、世界は自衛隊をやっぱり軍隊と見ている国が多いんじゃないでしょうかね。しかし、日本は憲法上の規定から、陸海空軍その他の戦力は保持しないと憲法九条に明記しておりますので、軍という名称は使えませんね。しかし、世界の多くは自衛隊を軍隊と見ている国があるというのも、これは常識的なことではないかなと。そこら辺が非常に難しい問題ですね、この憲法論議をすると。お互い、合憲、違憲論が出てきますから、自衛隊が憲法違反なのかあるいは合憲なのかというのはここに根差しているわけですね。だから、非常に難しい点は認めます。
○齋藤勁君 今回の支援につきましては当該国の受け入れ、これが前提になっていますね。今、大変空爆が実施されて約三週間、そしてビンラディンがなかなか捕まらない。しかし、また復興の話が出て、次への政権、どういうふうに復興に向けての枠組みづくりをしようかと、こういうなかなか、政権までいかなくても。
 先ほど、二つあるんですが、一つは、テロリスト、テロ集団に対する戦いなんだと言いつつも、事実上は今はもう実効支配していないと思いますが、かつて実効をしていたタリバン政権、これも政権ですね、いわゆる実効支配をしていたタリバン政権、これに対する武力行使であるということは私は事実だと思うんです。ビンラディンを捕捉する、逮捕する、殺す、アルカイダを壊滅する。しかし、今アフガニスタンじゅう爆撃をしているわけですから、ここを実効支配していた、しているタリバン政権に対する、ですから私は、今のアメリカ、イギリスのやり方というのは最初言っていたことと今やっていることが違う。具体的に実効しているタリバン政権に対し、私は攻撃をしていることをあえて指摘をしたい。
 では、今、諸外国、国際的にタリバン側の方がグループが少なくなって少数になってきたと。残る、どういうような組み合わせをしようかということにずっと報じられていますが、そんなに私は早く話し合いができるのかどうか、非常に危惧する点があります。しかし、あえてそのことにすれば、それではその国、アフガニスタンに仮にタリバン実効支配している以外の実効している政権か何かできたときに、そこからお願いしますと、受け入れ国として要請があったというときにはこの法律の適用ということも対象になるんですか。後の話です。
○国務大臣(福田康夫君) それは、先ほど来、防衛庁長官が繰り返し答弁をしておりますけれども、要するにその国の状況によるわけですね。国の状況が日本の自衛隊の活動、この法律に基づく自衛隊の活動を許すかどうか、この法律の趣旨に照らして、その法律の中でできる活動かどうか、それは状況次第だということでございます。
 ですから、今そのところを明確に申し上げられないというのはそのこともございますし、またあわせて申し上げれば、米国、英国の今の活動に対してほかのNATO諸国等が協力をしようという申し出をしているわけですね。そういう時期で、そういう国々がどういう活動をこれからしようとしているのか、その国々との関係もあるわけです。
 ですから、これは、この活動を始める時期とかいうことが特定されますとその他の国々との関係も明確になってくるということでございますので、今そういう活動について具体的にどこへ行ってどういうことをするかということを申し上げられないというのは、そういう事情があるということを御理解いただきたいと思います。
○齋藤勁君 あと一、二点だけになりました。
 先ほど平野委員が、過日の連合審査のときに津野法制局長官と自衛隊合憲性の問題の砂川事件の最高裁判決、このやりとりがあったと思います。過日の二十三日の津野長官の答弁は、この砂川事件、ずっと云々の中に、国家固有の機能の行使として当然であるということを明白に承認していると、明白に承認しているという答弁をされているんですね。ここは自衛隊法、自衛隊の、これは行政として合憲であると今日まで言われていると思います。私は別に違法だ違法だというのではなくて、司法の判断はここで黒白をつけた、つけている、砂川判決で、最高裁判決で、明白に承認ということを長官自身はここで発言をしているんですが、これは事実と違うんじゃないですか、司法の判断というのは。
○政府特別補佐人(津野修君) 先日御答弁申し上げましたのは、全部は読みませんでその判例の関係だけ言いますと、昭和三十四年十二月十六日のいわゆる砂川事件に関する最高裁判所判決は、憲法第九条によって「わが国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、」中略しまして「わが国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然」であるというふうに言っておりますので、それでそういうふうに御答弁申し上げた次第でございます。
○齋藤勁君 最後の言葉を言っていないんですよ。明白に承認しているということをあなたは言っているから、私はそうではないんじゃないんですかと。これは古い、私はずっと、これ平野議員も言われたので私もちょっと勉強させていただいて、そうではないなと思って。古い議事録ですけれども、佐藤総理大臣のときに国会がもめて、もめてもめて最後に、当時、佐藤総理大臣は、砂川事件についての最高裁判決は自衛隊の合憲、非合憲の問題についてはこれを否定もしていないし肯定もしていないというのが政府見解、今日に至っているんですね。これはそのとおりでいいですね。
○政府特別補佐人(津野修君) ただいま申し上げました判決の、お聞きいただいておればおわかりいただけたんじゃないかと思ったんですが、固有の自衛権は何ら否定されたものではなくと、固有の自衛権というふうに言っております。
 それで、御指摘のように、自衛隊そのものの憲法適合性を直接的に判断した最高裁判決はないということでございます。
○齋藤勁君 だから、司法の判断は肯定も否定もしていないんですよ、砂川判決のときに。行政は今日まで、国会も来ていますけれども、そういうことなんです。
○政府特別補佐人(津野修君) じゃ、もう一度正確に言いますと……
○齋藤勁君 いや、いいです、いいです。そういうことですね。
○政府特別補佐人(津野修君) はい。
○齋藤勁君 はい、じゃいいです、それで。
 それで、あともうちょっと一、二分あるんです、済みません。
 総理、もとに戻りますけれども、テロリストの証拠、アメリカ側から、ブッシュ大統領から文書、口頭、両方あわせて証拠を、こういう証拠なんだよ、総理よと。その後は、その提示を受けて以降今日、その後、こういう証拠が加わっていましたというのは日本政府にあるんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それぞれの意見交換の中で、公表できるものとできないものがあることは御理解いただけると思います。そして、過日、委員会で説明したあの報告は十分説得力のあるものだと我々は判断しております。
○齋藤勁君 これは私たち国会に対しての説明の前に、例えば閣議であるいは関係閣僚含めて、アメリカの政府からこういう証拠というのがブッシュ大統領から提示があったんだというのは閣議とか何かで説明をするんですか、総理から。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今までの説明で、閣僚全員が十分な説得力があるという判断で決定しているわけであります。
○委員長(武見敬三君) 時間となりましたので、次の質疑者に移りたいと思います。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
 これまでの本院の質疑を振り返りまして、連合審査、公聴会、そして当委員会での質疑、これをまとめる形で幾つかの論点について整理あるいは確認をしながら御質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、集団的自衛権の行使について、先日の二十三日の連合審査で私の方から幾つか質問させていただきました。この点について、武力の行使とそれから後方支援活動の関係について、これを軍事的に関係性があるということを強調していずれも許されないと、こういう主張をする人と、それから、いずれも許されると、こういう主張をする人がいたわけであります。しかし、私はこれは明確に区別をすべきであると、そういう立場で主張させていただきました。
 これは軍事的に関係が深いからといって、どのような法的な評価をするかということとは全く次元の別な話であります。そして、国内法的な観点からいってもこの二つは区別をされる、そして国際法的な観点からいってもこの二つは区別がされているということは先日の論議で明らかになったところだと思います。
 しかしまた、こういうことがいつまでも議論になる背景といたしまして、これは世界の国々の中で、この武力行使をやる前提で後方支援活動も行うという、そういう体制の国々が圧倒的であります。
 しかし、我が国はこの憲法、これは特異な憲法と言ってもいいと思います。この憲法があるからこそ、それら二つを区別して扱わなければならないと、そういう議論が出てくるわけでありまして、まさに我が国特有の議論だろうと思うわけであります。
 そして、日本を除く国際社会においては、厳密にこの武力の行使と後方支援を区別して議論しようと、そういう論調はそれほど正確にはなされていないかもしれません。それは今言ったような、その憲法上の基本的な考え方が異なるからだと私は思います。
 そこで、少なくとも先日確認をいたしましたように、国連憲章五十一条に基づいて武力の行使の報告をしている国はどこかとお尋ねをいたしまして、これはアメリカとイギリスのみであると、そういうお答えが出てまいりました。そして、先ほどの質疑の中で既にカナダ、カナダはNATOの加盟国でもあり、アメリカとも密接な関係を持っております。このカナダは、既に艦艇を派遣して支援行為を始めているわけですね。恐らく、そのほかにも具体的に支援行為を始めている国は数々あるだろうと思います。しかし、それらの国々は支援行為をやったからといって国連に武力行使の報告をしているわけではありません。
 でありますから、現在においても、国際社会もこの武力行使と後方支援活動というのは区別をして考えているということがはっきりしているわけであります。そして、冷戦の前の考え方と、それから冷戦後のさまざまな国際社会の変化を通じての考え方というのは、国際法上も少しずつ変化をしてきているだろうと私は思っております。
 そのような前提に立ちまして、我が国において、この武力の行使と後方支援、これを明確に区別をする、そう区別するからにはその一定の基準、境目というものはやっぱりはっきりさせなければならない。これが従来から言われてきた武力行使と一体となる支援活動はやらない、そういう考え方だろうと思います。
 その考え方、どこで明確に区別をするかということは必ずしも具体的な基準がはっきりしているわけではないといいますか、個々の行為が一体性があるかどうかということをはっきりさせるということは易しいことではないと思います。本法の考え方は、いわば戦闘していない地域というものを設定をして、そしてこのある行為が武力行使と一体とならないことを担保しようという、そういうゾーニングをしているわけですね。
 ですから、仮に戦闘行為が行われている地域であっても、そこで行われる行為がことごとく武力行使と一体となるとは言い切れないのではないかと私は思っておりますけれども、いずれにしても、戦闘行為とははるかに引いた地域で我が国がさまざまな活動をしようということでこの武力行使と一体化する非難を免れようと、そういう工夫をこの本法でしているわけであります。
 そこで、総理大臣にお尋ねをいたします。
 これまで、集団的自衛権の行使は憲法上許されないという考え方を一貫してとってまいりました。この政府の考え方というものは、一法制局長官の立場上の考え方というのではなくて、政府の政策として長い間定着しているものであります。それがゆえに、国民もそういうものとして受けとめておりますし、また国際社会もそういうものとして受けとめているわけであります。こういった定着した考え方というのは、広い意味で法的な安定性を持つと私は考えます。
 でありますから、これを一行政権の判断のみで国の大きな方針というものを変更するというのは、やってはならないし、やるべきでもない、しかるべき手続が必要である、少なくとも国民の大多数が承認するような手続を踏んでいかなければならないと私は考えるわけであります。
 この点について、総理大臣の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、集団的自衛権について、今の憲法でも、保有はしているが行使できないというのが今現在政府の解釈であります。この現行憲法でも、いや政府解釈を変えれば集団的自衛権は行使できるんだという議論があることは承知しています。
 しかし、現小泉内閣においてこの新法を提出するに当たり、今までの政府解釈を変更するものではないと。集団的自衛権によって自衛隊を派遣するのではないし、むしろ今までの政府の解釈を踏襲して、個別自衛権はあるが、集団的自衛権保有しているが、集団的自衛権の行使によって自衛隊を派遣するものではないということははっきりしているんです。
 今お話しのように、自衛隊を派遣するにしても、武力行使にもつながらないし戦闘行為にも参加しないんだから、そもそも自衛権、個別自衛権の問題でもないし集団的自衛権の問題でもないという解釈ということを考えてみれば、今までの政府の解釈を積み重ねた議論を尊重した上で自衛隊に新たな任務を与えようということであるということを御理解いただきたいと思います。
○山口那津男君 そこで、総理は、御自身の政権の中でといいますか、政権を持っている間にこの憲法解釈を変更するお考えはありますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、集団的自衛権の問題についてはいろいろな角度から研究してもいいのではないかと。
 個別自衛権においても、自分に襲ってきた害ならば武力を行使してもいいと。しかし、他人の、友人が襲われたときに、そばにいる友人が、自分が襲われないんだから、武力を使って、武力というか自衛権を行使してやるかというと、これは自衛権じゃないというと、そうでもないと。他人が襲われても、これは個別、ある程度それは認められていいんじゃないかという解釈が出てくるわけですから、こういう問題については、お互い仲間として活動しているグループが何か突然の突発的な災難によって襲われた場合、そばに見ていて、自分が襲われていないんだから、集団的自衛権を行使できないから見捨ててもいいんだろうかという場合が起こる場合は果たしてどうなんだろうかという、さまざまな議論が今出てきているわけです。それは世の中によって、変化によって移り変わってくるだろうと。だから、どういう場合が集団的自衛権、個別的自衛権に当たるのかと、いろんな角度から研究してもいいのではないかということを私は言っているわけです。
 しかも、兵器はもう格段の進歩で、かつてはもう目に見えるところしか射程距離なかったのが、はるかかなた今射程距離のある新しい兵器も出てきているわけですから、そういうさまざまな科学技術の進歩、武器の発達によってどういう事態があるかと。これは専門家等でも議論していると思いますが、こういう問題についてはいろんな角度から、集団的自衛権の問題、個別的自衛権の問題、この点についての自由な研究というのはあってもいいのではないかと思っております。
○山口那津男君 今、集団的自衛権の行使についてさまざまな検討課題があるという論点の指摘として今いろいろ例を出されたと思います。ですから、検討することはやぶさかではないけれども、御自身の政権においてはこの憲法解釈をにわかに変更する意思はないと、そう受けとめてよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのとおりであります。
○山口那津男君 はい。
 国連の安全保障理事会の改革論議がずっとなされてまいりました。この点について、我が国は常任理事国入りを目指してこれまでさまざまな活動を積み重ねてきたと私は理解をいたしております。
 その基本的な日本の姿勢について、外務大臣にこれまでの姿勢と今後の取り組みの考え方の基本をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 日本の国連改革に関しましては三つの柱があると思っております。一つ目は安保理改革でございます、それから財政改革、それから開発分野の改革等がございますが、今まではこれらの三つの柱を中心として積極的に取り組んできておりますけれども、中でももう長いこと議論されております国連の安保理改革、これを国際社会の現実を反映した形で改革していくということが機能を強化することになるのではないかと思います。なぜかといいますと、二十一世紀になりまして、その前からですけれども、いろいろな価値観の多様化とか、社会が複雑化してきていますので、ですから国連自体も機能を強化し、時代の変化に対応するものにしていかなければならないのではないかというふうに考えております。
 それから、さらに申しますと、常任理事国という問題につきましては、やっぱり安保理改革の中で語るべきものというふうに思いますけれども、常任理事国とそれから委員はいわゆるビートーパワー、拒否権についても関心がおありになるのではないかというふうに思いますけれども、これもいろいろ議論をされてきておりまして一概に簡単には申せませんけれども、拒否権については本質的にはこれは責任をひとしく負っている常任理事国が、今後数をふやそうという議論もあるわけですが、機能の上で異なった扱いを受けるということは本来は私はよろしくないというふうに思っております。これは原則論という立場から考えれば、拒否権のある国とない国があるというのは問題だろうというふうに思いますけれども、しかし過去に拒否権が幸か不幸か乱用されたといいますか、その一つの国の国益のために使われたというようなケースもございます。
 したがいまして、この拒否権を与える問題については、それぞれ各国にとって極めて高度な政治的な判断も必要とするように思いますので、余り簡単に立ち入って触れることはちょっと難しいかというふうに今の段階では考えております。
○山口那津男君 そこで、官房長官にお聞きしますけれども、その常任理事国において拒否権をどう扱うかということは別にいたしまして、常任理事国に入ることを目指して我が国がさまざまな活動を重ねてきたし、これからもそうするんだろうと思いますが、そうした場合に先日も申し上げました国連のPKO局に自衛官を派遣すると、そういう方向で今考えているわけであります。一方で、安保理における我が国の発言権を強めていこうと、そういうお立場でもあるわけであります。
 そこで、我が国のPKO活動、これを今後どうしていくべきか。先日、武器使用の観点で凍結、前向きなお答えをされました。凍結解除についても前向きなお答えをされたと思います。そういう意味で、今後PKO活動を広げていく足場としてこの国連安保理での発言権も十分に活用していこうと、そうお考えかどうか、その点に御意見を求めたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 国連を中心とした国際社会の平和と安全を求める努力、これは資金面だけでなくて人的な面も含む、またほかの分野もあると思いますが、そういうような人的な協力ということも大変大事だろうと。そのことはひいては我が国の国際的な地位と責任に相ふさわしい協力のあり方ではなかろうかと思っております。ですから、我が国は、これまでの活動の経験も踏まえながら、今後とも国連平和維持活動等には一層積極的に参加していくと、こういうことになろうかと思います。
 今、自衛官の派遣というようなことをおっしゃいましたけれども、我が国は従来から国際機関における邦人職員の増強、これは大変積極的に取り組んでおります。今まで国連で顔が見えないと、要するに人が足りなかったんですね。日本から派遣される国連職員というのは非常に少ないという、そういうことが定評でございましたけれども、これの増強を今図っております。そういうことと関連いたしますけれども、PKO局も人員の増強を図っているというようなこともございますので、さまざまなこれからの活動に対応できるという観点からすると、やはり自衛官がPKO局に派遣されるということも大事なことだろうというふうに考えております。
○山口那津男君 総理大臣に伺います。
 今回のこの本法案、テロに対応しようということは安保理決議が重要な規範となっていることは間違いないと思います。今、外務大臣からも安保理に取り組む我が国の姿勢についてお話がありました。今現在は日本は非常任理事国にもなっていないと思います。
 今後、非常任理事国になるかどうかは別にして、常任理事国入りを目指すかどうか、これは拒否権の点も含めて、総理大臣としてどうお取り組みになるか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まだそこまで世界の議論が煮詰まっていませんね。そこまで進んでいないのが実情です。そういう点で個別の問題を言う段階にはない。安保理改革をどうやって進めようかという議論の入り口ですから、まだその点まで触れる必要はないし、また、言っても、そういう問題を議題に取り上げないというのが国際社会の雰囲気だと思います。まずは入り口がもめている段階でありますので、安保理改革が必要だという点の議論はいたしますけれども、具体的に、拒否権がどうだ、あるいは常任理事国がどういう形になるのかという点はまだ早いのではないかと思っております。
○山口那津男君 確かに、この議論が成熟していないという認識は私も共有しているわけでありますけれども、しかし、そういう議論が煮詰まっていないからという姿勢だけであれば、これは永久に実現もしないし、国としての取り組む姿勢というものはやっぱり基本的に持っていなければならないと私は思っております。しかしまた、今の総理のお述べになった点も十分に理解できますので、これ以上は伺いません。
 さてそこで、次にテロ対策特措法とシビリアンコントロールの関係について整理して議論したいと思います。
 まず、今回のテロに対応する措置というふうに限って、一般法ではなくて特別法として立法をしたと、こういう考え方でありますけれども、これがどういう意味でシビリアンコントロールの趣旨に資するのかという点についてお答えいただきたいと思います、官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) 本法案は先般のテロ攻撃への対応にその目的を限定した特別措置法であるということであります。対応措置の必要がなくなれば廃止されるということが前提となっているわけであります。ですから、自衛隊による対応措置の実施について定めるこの法案について御審議をいただくこと自体が、国会によるシビリアンコントロールの一環であるというように考えておるわけでございます。
○山口那津男君 次に、衆議院の修正案提出者にお伺いいたします。
 修正の結果、事後承認の規定を設けたわけでありますけれども、この規定は、命令による治安出動の場合の事後承認の規定をモデルにしたと、こう言われておりますが、そういうことでよろしいのでしょうか。
○衆議院議員(久間章生君) モデルにしたのは事実でございます。
○山口那津男君 しかしながら、この治安出動の規定というのは「緊急事態に際して、」と、こういう文言がありまして、緊急事態の発生が要件になっている。すなわち、緊急時の国会の事前承認というのは求めたとしても現実的じゃない、それよりは活動することが先決だということで規定されているわけであります。
 しかし、本法では、具体的な対応措置というのは幾つか選択肢があるわけですよね。ですから、治安出動の場合ほど差し迫った緊急性もないと思うわけであります。こういう点からして、事前の承認が必要ではないかという議論も生まれてくるのではないかと思っております。
 いずれにしても、結論としては私は、事前の承認は必要ない、そう思います。
 そこで、きのうの公聴会におきまして、事後承認を強く主張する、支持する、そういうお考えを述べた坂元一哉公述人の御意見を拝聴しました。私は、非常にすばらしい観点であるなと敬服したわけであります。
 そこで、次に官房長官に伺いますが、基本計画の国会報告という制度がありますが、これは基本的には行政権に命じたものでありまして、それがどういう点でシビリアンコントロールの趣旨に資するか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 基本計画そのものは国会承認の対象ではないんですが、当該計画の内容を踏まえつつ自衛隊による対応措置の実施について国会が承認の判断を行う、こういうふうになるものと考えております。
 また、当該計画の内容について国会の是非の判断が明確となれば、政府としてもこれを尊重して対応するということになります。したがって、国会によるシビリアンコントロールという観点からも、基本計画の国会報告は、これは意義を有するというように考えております。
○山口那津男君 午前中の質疑にもありましたけれども、シビリアンコントロールの本来の趣旨というのは、政治が軍事に優先をする、そして民主的統制を貫いていこう、こういう考え方が基本だと思います。そうだとすれば、基本計画を策定することを行政権に命ずることによって、いわば行政権として軍事に優先した考え方をとるといいますか、行政権におけるシビリアンコントロールというあり方を一つ規定したものだと思うわけですね。
 それを国会に報告をするということは、この報告に基づいて、立法府がこれを受けて議論することを期待していると、そこまでなんです、この規定は。国会がそれを受けてどうするかということは書いておりません。PKO協力法においても同様の規定があります。数々のこれまでの活動がなされ、報告もなされてきたわけでありますが、実際、それを受けて国会で報告の内容について議論したかというと、必ずしもそうではありません。これは国会のあり方が問われているところであります。
 私は、大事なことは、この基本計画には終了の結果についても報告することになっていますね。この結果を事後的にレビューすると、そういう国会のかかわり方というのは非常に重要だと思うんです。
 これまでのシビリアンコントロールの論議というのは、事前に自衛隊を活動に参加させるかどうか、そこについての承認ということに重心を置いておりました。しかしながら、私は、終了結果を見てこれをどう評価していくか、そして今後の活動のあり方にどう生かしていくかと、こういう論議が国会でもっともっとなされなければならないと思うわけであります。
   〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
 そして、今回、法律で時限立法といいますか、延長を可能にすることを前提にして二年で一応区切りをつけると、こういう制度をつくったわけですね。これは非常に重要な制度だと私は思っております。
 といいますのは、同じ時限立法といっても廃止を前提にしてつくる場合もあるわけですね。ですから、時限というその言葉だけを聞いて賛成できないという議論をする人もいるようでありますが、しかし、本法の場合は延長を前提にした議論、時限の規定なんですね。ですから、見方を変えれば、二年ごとに国会でその二年間の活動のあり方をよくレビューをして、議論をして、そしてその後のあり方を検討せよと、そういう制度になっているわけでありまして、私は、この国会報告を含めて、二年間の活動が議論されることをこの法律で担保しているというところにこの制度の画期的な意義があると私は思っております。
 きのうの公述人の意見の中でも、事後承認を支持するというのは、単に対応措置に自衛隊を入れたことに対する承認ということではなくて、そのことでもっとじっくり腰の座った論議が事後的にできるから事後承認の方がすぐれているんだと、そういう論調だったわけですね。この論調の延長には、事後的な詳細なレビューという視点も私は含まれていると、そう理解をいたしました。
 それで、この二年ごとの延長の可否の論議をするということは、基本計画の詳細な中身についてももちろん議論の対象になるわけでありまして、いわば究極のシビリアンコントロールと言ってもいいことかと思います。
 こういう時限法にしたというこの制度の意義について、総理としてはどのようにお考えになるでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私が言いたいことを全部言ってくれたような感じがいたします。
 十分に国会の関与もなされているし、しかも時限という立法でありますので、審議の過程におきましても、国民の納得を得れるような基本計画をつくるのが私は政府の責任ではないかと思っております。
○山口那津男君 きのうの公述人の意見にも出ておりました国際法の面から見ると、今回のテロと、それからそれに対応する各国あるいは国連のあり方というものは、初めての事態に対する対応であるから、従来の国際法の考え方がそのまま当てはまるわけではないと、そういう論議がなされました。
 先日、私も質問いたしましたが、アメリカがこのテロに対抗して、自国の領土からはるかに離れたアフガンで武力行使をすると、これが個別的自衛権だということで一見認められているようでありますけれども、しかし私は、結論はというか議論の余地はあるだろうと思っております。少なくともこの日本の憲法のもとにおける個別的自衛権の行使の考え方とは違う、日本の憲法上は外国の領土、領空、領海で武力を行使することはできない、必要最少限度を超えていると、こういう考え方が基本だと思います。
 その意味では、国際法がまさに形成される過程にあると私は思うわけでありまして、総理は今後、テロ対策に対する包括的な一般的な法律の検討もなしていいんじゃないかと、そういうお考えもあろうかと思います。
 そういう点からしても、私は、この二年ごとにレビューをする国会の論議を今回の法律の中にビルトインした、入れ込んだということは大事な大事な制度になったと、そう評価をしております。これは私の考え方でありますけれども。
 次に、防衛秘密について、各委員から非常に詳細な議論がなされました。私、何点か確認してお聞きしたいと思います。
 まず、防衛秘密を指定したとしても、この指定、何が指定されているかということは一般の人にはよくわからないわけですね。標記を付するとかあるいは通知をするとか、これは正犯になるべき人にはわかったとしても、共犯になるかもしれないような人にはこれはよくわからないわけです。ですから、何が防衛秘密かということがわかるような仕組みというものをもっと考えるべきではないかと思うんです。
 そこで、この指定された防衛秘密について登録簿をつくるという考え方が出されていたと思うんですね。これは確かにこれまでの別な法律においても登録簿をつくって管理すると、こういう規定はあったと思います。本法の中にはそのことは直接には書いてありません。この登録簿をつくって秘密をきちんと情報管理すると、これはやるわけですね、防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) 今回のこの秘密につきましても、やはり指定をされましたら速やかに所定の帳簿に登録したいというふうに思っております。
 また、MDA秘密保護法に定める秘密についても、秘密区分の指定が行われたときは速やかに登録簿に登録することといたしておりまして、今般の改正における防衛秘密についても同様の登録制度を設けることを検討いたしております。
○山口那津男君 それで、その登録簿そのものが防衛秘密になっては何もわからないと、地図がないということになってしまうわけですね。
 別表にいろいろ書いてあります。例えば装備の性能とか、こういうものは装備年鑑見たり防衛白書を見たりすればある程度わかるわけですね。そこに書いてあるわけです。ですから、別表にこういう項目を規定したというだけでは何が秘密かということは見当がつかないわけですね。ですから、その登録簿にどんなことが登録されているかのいわば頭出しといいますか、それが想像つくぐらいのことは、やっぱり輪郭がはっきりしていないと困ると思うんです。
 ですから、登録簿そのものが防衛秘密ではないと私は思うわけですが、その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) その登録簿にもよりけりなんですけれども、その件数を指定する際も、その件名ですね、その件名自身が防衛秘密に該当するような内容を含むときには帳簿等のそのものを防衛秘密として指定をしなければなりません。というのは、自由に見れますと、その件名がわかってしまうからでございます。
   〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕
 しかし、開示請求が行われた場合には、そのものに対して情報公開法による開示請求が正式に行われた場合には、不開示情報が記載されている部分を除き、その登録簿を開示するというふうにいたしております。
○山口那津男君 それから、一たん指定された秘密であったとしても、永久にこれを解除しないというのは情報公開の精神に反すると思います。秘密に指定する要件が幾つかあるわけでありますから、それが外れた場合、要件に該当しなくなった場合には、私は指定を速やかに解除して情報公開をすべきであると、こう考えますが、防衛庁長官、どうですか。
○国務大臣(中谷元君) 現実に米国等ではそのようなことで行われている、仕組みができているというふうに私も思っておりますが、しかし米国の場合も非常に国家機密というのは厳重でありまして、非常に厳しく管理をいたしておりまして、どのような仕組みをつくっていけばいいかという点につきましては今後検討いたしたいというふうに思っておりますが、年限を一律に定めて公開するということは、いろんな機密事項がございますので、一律にということは困難でございますし、また漫然と放置をしていいというわけではありませんので、不断の見直しを行いながら行っていくということが重要でございます。
 したがいまして、御意見につきましては今後検討課題というふうにさせていただきたいと思います。
○山口那津男君 最後に、本法成立後の総理の決意を伺いたいと思いますが、一言申し上げたいと思います。
 私は、PKO協力法の成立時に深く推進する側でかかわりました。しかし、残念ながら文民警察官高田さんの犠牲が出てしまいました。私は葬儀に参列して、まことに制度を推進した側としてざんきの念にたえない思いであったわけであります。そして、その文民警察官として活動した人たちの中には私の学校の同級生も加わっておりました。立派な仕事をしてほしいと思うと同時に無事に帰ってきてほしいと、そういう偽らざる気持ちがあったことも事実であります。
 本法成立後、さまざまなリスクを伴う活動に参加するに当たって、この制度の運用面で、そういういわば実際に仕事をする人たちの立場を十分に理解してその運用の成果を上げることを期待したいと思います。
 最後に、総理の御決意をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それぞれ新しい任務につく方々は使命感と責任感を持ってそれぞれの場に出ていくわけですので、そういう人たちの立場を十分配慮して、安全な対策をとることに対して十分な配慮が必要だと思っております。
○山口那津男君 終わります。
○吉岡吉典君 日本共産党の吉岡です。
 今、日本にも世界にも求められていることは、かつてなく高まったテロ根絶への国際的、国民的な一致を根絶への実際の力にすることだと思います。その点で、我々は国際的にも国内的にも一致する方策を求めて努力する必要があると思います。
 私どもの立場は、国際的には国連憲章を中心とするテロとの戦い、これが国際的な力をより大きくする方策だと思っております。国内的には、憲法に沿った積極的な役割を果たすこと、つまり、我々は憲法九条を持つ国として軍事的には自衛隊の派遣というようなことはやらない、しかし外交活動、難民救済、あるいは復興支援というような点では、軍事的役割が果たせない面を補うほどの積極的な役割をやるべきだと、こう考えております。
 そこで、まず国連の問題です。一体なぜ国連中心でなければならないのか。私は、この論議の中でもそのことをいよいよ強く感じました。というのは、先ほども言及されましたけれども、例えば今のアメリカの軍事行動、これは国際法上どう見るかということをめぐっても意見が分かれております。それは、これまで国際法が予定していなかった事態が生まれてきたから分かれるのも当然だと思います。それをどこで解決するか。私は、国連安保理事会で答えを出す、それが一番現実的な方策だと思います。
 そもそも国連中心というのは、現代の集団安全保障と言われる時代に、長い歴史的な経験を踏まえて世界が、平和に対する脅威、平和の破壊、侵略行為、こういうものを個別国家に判断を任せない、個別国家の対応に任せないで、国際社会全体の責任でこの問題を解決していく。具体的に言えば、国際社会全体を代表する機関、今日で言えば国連だと思います。国連が全責任を持ってこの問題に対応していく。
 どうしてそういう考え方が生まれたか。私は、かつて国連憲章問題を研究、勉強するために外務省や国際法学者のところを歩き回ったことがあります。その時期に言われたことで今でも印象に強く残っているのは、一国の判断は偏りがちだと。そしてまた、どうしても感情的になるときもあれば、あるいは報復的な気分になるときもある、そして本当の意味での客観性、公平性に欠ける、そういうことが起こり得る、だから国際社会全体が責任を負える方策でこれを打開しようということだということを強調されたことを今でも覚えております。
 私どもは、そういう点で、せっかく高まってきたテロ根絶への力を国連が主体になり、国連が中心になってこの力を結束していこうというのが繰り返し提案していることです。
 これまでの論議を見ますと、総理は、どうもこの国連中心ということに否定的のような感じを受けます。改めて総理の意見をお伺いしますけれども、私、今も言いました国連が主体になり、国連が中心になっていくということは一顧にも値しない意見だとお考えになるかどうか、お伺いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、私の意見が国連無力論につながるのではないかという御指摘だと思いますが、全く違いますね。
 というのは、今回、アメリカは自衛権の発動で行動していますが、これは既に国連の安保理決議において、今回の米国多発テロに対して国際の平和及び安全に対する脅威であると認めているんです。テロの実行者及び支援者等を処罰し、並びにテロ行為の防止、抑圧のために国際社会が努力することを求めているんですよ。九月十一日の発生した以後、安保理ですよ、決議されているんです。
 我が国としては、その安保理決議を踏まえて、テロリズムと戦う米国と国際社会各国と行動を一緒にするということでありますので、私は、この考えが国連無力論につながるという指摘は全く当たらないと考えております。
○吉岡吉典君 私は、国連無力論だと今言ったわけではありません。私どもの国連中心ということを考えていただきたいということを言ったわけです。
 それで、今おっしゃいました。個別的自衛権ということを言っております。国連憲章は個別的自衛権は認めております。認めておりますけれども、それはやはり国連憲章の中では、国連が必要な措置をとるまでの間の例外的な過渡的措置として認めているわけです。
 国連は、憲章第三十九条で、平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為の所在を決定する、これが国連安保理事会がやる前段の仕事です。同時に後段で、それに対してどのような措置をとるか、これを決定して国連として行動するということが国連憲章の仕組みになっているわけです。
 ですから、これは意見の相違の問題でも政策的な問題でもなく、国連の仕組みそのものが、たとえ個別的自衛権を行使していても、国連安保理事会として、国連が主体になってどのような措置をとるか。それは、私は、この間の本会議では、ビンラディンを法で裁く問題も、それからまた非軍事的措置も軍事的措置もすべてこれは国連安保理事会が決定して行う、そこへ国連は進まなくちゃいかぬ、そのために国連がつくられているわけです。そのことを私どもは言っているわけです。
 その点、私は総理に改めて見解を述べたいんですが、一言、私今言った点、どのようにお考えになりますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国連が加盟国に対して、武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的または集団的自衛の固有の権利を認めているわけですよ。今、国連軍というのがあればいいですよ。国連軍ないんですよ。国連軍という確固たるものがあって、それが共同で武力行使をしようという場合には、それは個別自衛権とか集団的自衛権の権利に影響してくるんでしょう。しかし、国連軍がないんですから、それまでの間、個別の自衛権という今のアメリカの自衛権を認めているわけですから、私はいいのではないかと。
○吉岡吉典君 総理、大変失礼ですけれども、国連憲章をよくおわかりになっていないと言うしかありません。
 私は、外務省に三十数年通って今のような国連憲章について勉強させてもらいました。外務省近くにいますから、私は、やっぱりもうちょっと真剣に国連憲章中心という問題、考えていただきたいと思います。
 次に、憲法の問題です。
 憲法の問題では、きょう、砂川判決をめぐる論議がありました。この論議は私への答弁ももとになって進みましたので、私もこの問題について一言ここで取り上げさせていただきたいと思います。
 まず法制局長官、あなたは二十三日の答弁で、聞いている限り、あれは、砂川判決は合憲判決を下したものだと聞こえる答弁をなさいました。それは文面だけじゃなくて、なぜ私がそう言うかというと、平野議員が提起したのは、最高裁判決に合憲判決があるかないかという問いかけを受けて答弁なさった中で砂川判決について述べ、そして自衛隊は合憲だという、これはさっきの説明だと政府の見解をその部分は述べた箇所だとおっしゃいましたけれども、それは、聞いている者にはそういうふうにはとれません。
 そこで、もう時間、あれこれ答えはあれですけれども、はっきりさせていただきたいんですが、砂川判決は合憲とも違憲とも言っていない、その憲法判断は下していないということを明確に確認していただき、速記録の上で憲法解釈が正確に伝わるようにしていただきたいと思います。この間の答弁に関連してです。
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。
 自衛隊そのものの憲法適合性を直接的に判断した最高裁判決はないものと承知しております。
 もっとも、自衛隊が合憲であるという……
○吉岡吉典君 質問に答えなさい、質問に、質問に。
○委員長(武見敬三君) 答弁を続けてください。
○政府特別補佐人(津野修君) 今答えましたのは、自衛隊そのものの憲法適合性を直接的に判断した最高裁判決はないものと承知しております。
○吉岡吉典君 それじゃ、続いてお伺いします。
 自衛隊についての憲法判断をどこかの、最高裁であれ高裁であれ地裁であれ、下しているのはどういうものがありますか。
○政府特別補佐人(津野修君) 最高裁につきましては、直接、今申しましたように、判断した判決はないと存じますが、あと有名な地裁の判決とか、例えば伊達判決とかあるいは恵庭判決とかいろいろあったように、地裁レベルではあったように存じております。
○吉岡吉典君 自衛隊が合憲だと下した判決はどこにもありません。
 そこで私は、これはやはり後世の人々に正確を期す上で、総理大臣も二十三日、最高裁で合憲判決があるとおっしゃった点は、これは今ないということが法制局長官から明らかになったわけですから、やはり正確に記録が残るように発言をしていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、法制局長官答弁したように、自衛隊そのものの憲法適合性を直接的に判断した最高裁判決がないことは御指摘のとおりでありますけれども、お尋ねの十月二十三日の私の答弁は、ただいま述べたような自衛隊が合憲であるという解釈の前提である、自衛権に関して昭和三十四年十二月十六日のいわゆる砂川事件に関する最高裁判決が、憲法第九条によって我が国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然であるとしていることを申し上げたのであって、この判決を前提にして我々政府は自衛隊は合憲であると判断を下しているところであります。
○吉岡吉典君 それは、政府が合憲だという解釈をとっておられることを私はどうこう言っているわけじゃないんですよ。最高裁判決に合憲判決があるとおっしゃった、それは午前の論議でも法制局長官、不正確な答弁だという答弁がありましたよ。ですから、そこは政府の見解はこうだと、最高裁判決はこうだと言うべきです。佐藤総理の国会答弁は、政府は合憲だと考えている、しかし最高裁の合憲判決はないと明確に答弁しているんですよ。
 ですから、小泉総理も、これはやっぱり記録の上に二十三日は合憲判決があると言っているんですから、これは正しておいた方がいいですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今答弁したとおりですよ。よく聞いていてくださいよ。その最高裁判決の、前提にして政府は合憲だと判断している。自衛権は固有の権利であると。確かに最初は、今言ったでしょう……
○吉岡吉典君 それでは、速記録にあなたの言葉が残りますよ。
○委員長(武見敬三君) 答弁を続けてください。議事の進行は委員長が行います。答弁を続けてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自衛隊が、だから今、よく読んでいただければわかります。よく聞いてくださいよ、今言ったこと。私、読んだんだから正確なんですよ。
 自衛隊そのものの憲法適合性を直接的に判断した最高裁判決がないことは御指摘のとおりであるということを、今の答弁で言ったでしょう。しかし、この判決を前提にして、政府は自衛隊は合憲であるということを判断しているんです。
○吉岡吉典君 はい、わかりました。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 二回答弁しているんですよ。
○吉岡吉典君 それは明確に否定されたということがわかりました。
 それで、要するに政府は合憲だと言おうと、司法は自衛隊というのは合憲だという結論が下せない、それが自衛隊の日本における存在なんですよ。だから、その自衛隊を今度実戦に、武力行使はしないと総理はおっしゃるけれども、出すわけですから、それは憲法上、国内で意見の相違が生まれるのはこれはもう当然のことだと私は思います。
 同時に、憲法がそういう状況ですから、自衛隊の任務も、やはり自衛隊が海外に出かけるようなことは規定していない。
 防衛庁長官、自衛隊法三条はどう規定していますか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊法第三条は「自衛隊は、わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当るものとする。」というふうに書いております。
○吉岡吉典君 自衛隊法をつくられたときにこういうふうにはっきり国の防衛と治安維持が規定され、この自衛隊が海外へ出るようなことは全く考えられていない。
 そのことは、参議院がこの自衛隊法制定直後に自衛隊を海外派兵することをなさざる決議を採択していることでもはっきりとしております。参議院の「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」というのは、これは鶴見祐輔氏が趣旨説明を述べております。
 その中で、自衛隊が海外へ出かけて国際活動をするようなことは一切あってはならないと、その一線を越えたらどこまで行くかわからないということが述べられております。そういう趣旨説明に基づいて決議が採択された。
 そういう決議に照らして、今度の自衛隊派遣が武力行使を行わないとおっしゃるその範囲内であれ私は明確に食い違うと思いますが、総理、どうお考えですか。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘の国会決議、これは有権的な解釈、これは参議院でやっていただかなければいけないと考えておりますけれども、この決議は、今回のような我が国を含む国際社会がテロ攻撃によってもたらされているという、そういう脅威に直面する中で、この国際的なテロリズムの防止、根絶のために国際社会の取り組みに積極的かつ主体的に寄与するということまで、こういう事態まで想定していなかったということが一つございます。
 今般、自衛隊の海外での活動につきましては、政府は従来から、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣するいわゆる海外派兵、それから一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないという、そういうものは行わないわけです。
 この法案に基づく活動というのは、それ自体が武力の行使に該当しない、また米軍等の武力の行使と一体化するものでない、憲法上の問題を生じない、そういうような性格のものであるということでございます。
○吉岡吉典君 今の答弁でわかったことは、この自衛隊を海外出動なさざる決議で、提案理由説明で述べられているような事態と違うから、つまりテロだから、当時の憲法にそういう附帯決議があってもそのとおりいかない事態だと、こういうことだなと思います。
 それ、私はあれですがね、そういうふうにして、テロだテロだということで憲法の規定もきちっと守らない、あるいは合致しないことが行われるのは一体なぜか、私、考えてみました。考えてみまして、私の今考えていることは、これは湾岸戦争の教訓というのをやっぱり正確にとらえられていないところからくるのではないかと、こういう気がいたします。
 この国会の冒頭で、自民党の代表から次のような見解が述べられました。ちょっと待ってくださいね。要するに、全部速記録に残っていることですけれども、十年前に人を出さないで大変な事態になったと、そのわだちを踏まないように、そのことを踏まえて今度のテロには対応しなくちゃならないという趣旨の見解が述べられました。
 私は、そこで政府にお伺いしたいんですけれども、今、世界は湾岸戦争の教訓をこういうふうに受け取って、日本にその後国際社会にそれこそ顔の見える貢献をしろということで世界が一致しており、それにこたえなきゃならないというふうにお考えになっているかどうか、この認識をまずお伺いします。官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) 結局、日本がどういう国であるべきかという、こういう議論にもつながってくるんだろうというふうに思います。
 湾岸戦争のことを引き合いに出されました。また、昔の大きな戦争に突入してしまったという経験、そういうような経験、そういうことを二度と繰り返してはいけないという、そういうような観点からいろいろお考えいただいているんだろうというふうに思いますけれども、しかし、それでは国際社会に対して日本がどういうことであるべきかということでありまして、この辺についてはどうも見解が大分異なるような感じがいたします。
 それで、今回もこの特措法で記述していることは、これは武力の行使をしないということですね。それから戦闘地域に行かないんだと。そういう前提の中でどれだけの国際的な協力ができるのかという、そういうことを追求した結果出てきた対応処置であると、こういうことでございますので、いろいろ御心配もあろうかと思いますけれども、その心配がないようにいろいろと制約条件をつけておるということもございますし、もう何といったってこの憲法の枠内という、そういうふうな大前提がありますので、いろいろ御懸念は御懸念として私どもそれは十分に受けとめますけれども、だからといって何もしなくていいというようには私どもは思っておりません。
 やはり国際社会の中においてどれだけ仲間をふやしていくか、そういう観点もございますでしょうし、そのことが国際平和に少しでも貢献するという形であれば、我々としてはそれはそれで一生懸命その道を追求するということが我が国の方向ではないかと思っております。
○吉岡吉典君 何もしないなんということじゃ大変なんですよ。やらなきゃいかぬのですよ、私も最初から言っているわけで。何をやるかの問題です。
 国際的な問題ですけれども、世界には日本と全く反対の受けとめ方があるわけですね。それはアジアでもヨーロッパでもあるわけですけれども、アメリカの文献を読んでみましても、アメリカの文献の中で、重要な地位にいる人々が、湾岸戦争のときに日本に軍事的役割を負担するように非公式にではあるがいろいろ働きかけたことは大きな誤りだったと書いた文献が随分あるんですよ。
 例えば、私、その一つを紹介しますと、アメリカのブルッキングス研究所の上級研究員エドワード・リンカーン氏ですね。彼は、日本にペルシャ湾の際、軍事的な役割を果たす方向で非公式に努力したことは大きな誤りだったと。日本は幾つかの重要な非軍事的なやり方で国際的な安全保障問題に参加することができる。米国は日本にもっと積極的な外交的役割を演ずるよう奨励することもできる等々、ずっと書いております。
 ワインバーガー元国防長官、レーガン政権の国防長官もまた同じように、日本に軍事的役割分担を求めたことが日本をとんでもない方向に突っ走らせ始めたと、そういうふうに書いているわけですよね。
 私、そういう本は、もうここへ積み上げれば邪魔になるから持ってきませんでしたけれども、例えばフルブライト氏の書いた本でも、日本はアメリカにもっと非軍事的な方向でアメリカがやることもあるということを教えてくれと。アメリカが学ぶべきことは、日本から、車や電気製品だけじゃなくて、そういう憲法九条を持っている日本から学ぶべきことがたくさんあると、こう書いているんですよ。
 そういうときに、我々は、何か自衛隊を出さなければ国際的責任を果たしていないような錯覚に陥っているんじゃないかという気が私はしてならないんです。そして、無理に無理を重ねて、国論を分裂させながら自衛隊を派遣させていくと、こういうことがあってはならないと私は思います。
 そこで、本会議のときにも触れたことですが、アメリカで九条の会というのをつくって活動しているオーバビーというオハイオ大学の名誉教授は、かつて日本でこう書いております。
 要するに、戦後、日本軍人によって殺されたり撃たれたりした者は一人もいない、これはすばらしい記録だ、日本は今後もこういう経済面などで大きい役割を果たしてくれと、こういうふうに書いております。
 私は、こういうことを書いている人を、オーバビーだけじゃなくて、津田塾大学の元教授であったアメリカの学者が書いているのも読みました。ですから、アメリカの学者の中には、日本が軍隊を外国へ出さない結果、日本の軍人によってだれ一人殺されたり傷つけられている者がない、そういう日本をすばらしい日本と見ている、そういう流れがあるわけですね。
 今度自衛隊を出す、これはそうあってほしくないが、これは自衛隊にも犠牲者が出るかもしれない、反対に外国人の中にも戦後初めて撃たれたりあるいは傷ついたりする人が出るかもしれない。それは戦後日本のあり方の非常に大きな転換、世界の日本を見る目の大きな転換にもつながると思います。
 総理、テロ対策上これはやむを得ないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これはオーバビー・オハイオ大名誉教授ですか、戦後世界のだれ一人も日本軍人によって殺されたり撃たれたりしていない、これはすばらしい記録だと、私もそう思いますよ。まさに戦後日本は平和国家として今日の繁栄を築いたわけですから。
 今回も、誤解しないでいただきたいのは、戦闘行為に自衛隊行くわけじゃない、戦争に行くわけじゃない、武力行使するわけじゃないんです。しかし、テロによって全く関係のない民間人が犠牲になっている。このテロをどうやって根絶するかということで、日本が主体的に今世界と一緒になって何ができるかということを考えて、できるだけの支援をしようということで、自衛隊も日本の財産として、民間機関が持っていない機能を持っている、能力を持っている。それを戦争でない形で活用しようというのは、国力に応じて日本として世界に何ができるかという考えの一環であって、私は、民間の機関、経済努力、外交努力、あるいは医療支援活動、補給活動、いろいろやり方あります。しかし、日本の国力に応じて、憲法の範囲内で、武力行使はしないという前提のもとにできるだけの貢献をしたいという考えであって、確かに見解は違います。共産党は自衛隊は憲法違反の存在であるという認識ですから、我々は自衛隊は憲法違反でないという認識なんですから、それはかみ合わないのは無理もないんですけれども。
 自衛隊は行っちゃいかぬというよりも、自衛隊は戦闘行為に参加しないという範囲内でいろいろ協力活動もできる面があるんじゃないかということで今回新法を規定して、そういう場合には法的裏づけを持って、自衛隊員の人たちが使命感を持って、責任感を持って、普通の民間人が嫌がる仕事、できない仕事、きつい仕事をやらなければならない。そういう際にはしっかりとした法的裏づけを持って新たな任務についてもらおうというのがこの趣旨ですから。
 私は、自衛隊を活用するからすぐ戦争に行くんだ、人を殺すんだ、とんでもない間違いだということを御理解いただきたいと思います。
○吉岡吉典君 この間、論議で、共産党は自衛隊違憲だからということをすぐおっしゃる。自衛隊が違憲だなんというのは共産党だけが言っているんじゃないんですよ。最も激しい調子で言っているのは、日本の自衛隊をつくったアメリカの参謀ですよ。フランク・コワルスキーという米軍事顧問団の幕僚長で、日本の警察予備隊をつくった御当人、その人はこう言っていますよ。「いまや人類のこの気高い抱負」、憲法九条ですよ、「は、粉砕されようとしている。アメリカおよび私も、個人として参加する「時代の大うそ」が始まろうとしている。これは、日本の憲法は文面通りの意味を持っていないと、世界中に宣言する大うそ、兵隊も小火器・戦車・火砲・ロケットや航空機も戦力でない、という大うそである。人類の政治史上、おそらく最大の成果ともいえる一国の憲法が、日米両国によって冒涜され蹂躙されようとしている。」。これは共産党じゃなくてアメリカの警察予備隊をつくった参謀が書いている言葉です。こういう議論がやっぱりあるわけですよ。そういう目で日本の自衛隊は見られている。だから、この憲法九条をあれこれ論議する際に、その歴史の重みを私は考えてもらいたい。
 ちょっとお伺いしますが、オーバビー教授、彼は今、日本国憲法第九条にノーベル平和賞をと提案しています。これはありがたい提案ですか迷惑な提案ですか、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう議論があるからこそ、今まで憲法議論でいろいろ国会でも合憲だ違憲だという議論がなされてきたんであって、じゃ、かといって憲法違反だから自衛隊なくして、もし何か侵害があった場合にだれがこの国を守るのかという問題が出てくるわけです。
 いや、自衛隊は違憲だと、確かに解釈どおり解釈すれば。そこに矛盾があるのは私、認めますよ。戦力はない、常識的にやれば戦力はあるんだろうけれども……
○吉岡吉典君 ノーベル賞はどうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) だから私は、そういう意見は意見として、これから憲法議論というのは十分する必要があるのではないかと思います。一人の意見として、それはノーベル平和賞に値するのかどうか私はわかりませんけれども、そのノーベル平和賞に値するかどうかというのは私はわかりません。
 むしろ、これから、その人が言っているように、一切の自衛隊も憲法違反だという形でなくした場合に、何かあった場合に自衛隊みたいな訓練のない一般の市民まで戦えと政府が言うこと、あるいは強制することができるかどうか。何の訓練もない、日ごろから、武器も持っていない、そういう人たちに対して戦えと言っている、そんな無防備なことを、国民の生命、安全を守る政府がしていいのかどうかという問題も出てくるわけですよ。
 これは実に大きな問題で、だからこそ各政党の多数が自衛隊は憲法違反じゃないと言って今議論を進めているわけでしょう。憲法違反だという議論をし出したら、これはもう解決つきませんよ。見解の相違だと言わざるを得ませんね。
○吉岡吉典君 はい、委員長。
○委員長(武見敬三君) もう既に質疑の時間は終了しております。
○吉岡吉典君 はい、じゃいいです。
    ─────────────
○委員長(武見敬三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、舛添要一君が委員を辞任され、その補欠として藤井基之君が選任されました。
    ─────────────
○大脇雅子君 総理にお伺いいたします。
 現行憲法九十九条は、天皇を初め国務大臣、国会議員等の憲法の遵守義務を規定しています。この規定は、歴史的に見ますと、支配者の専横あるいは恣意的な支配を戒めて権力を抑止するということが法の支配として明言されている重要な意義だと思われます。総理に、この遵守義務というものをしっかりと認識しておられるか、お尋ねをいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 憲法はもうだれでも守らなきゃならない、法律も守らなきゃいけない、これはもう当然のことでありまして、遵守義務はだれでも持っているわけです。かといって、改正議論をしてはいけないということにはつながらない。法律も同じであります。法律があるから改正議論をしていけないというものではないのと同じように、憲法の遵守義務、憲法を守る義務はだれでも持っています。しかし、改正議論をしてはいけないという議論には通じないと思っております。
○大脇雅子君 総理は、衆議院の方では、憲法の前文と憲法九条の間にはすき間があってあいまいな点もある、そこら辺をいろんな方々から知恵をもらいながら考えていくんだというような御趣旨の発言をされています。そして、十月の二十三日は、憲法の前文と憲法の九条を政治的に考えましたということで、この法案の根拠について御説明をされています。
 この憲法の前文と九条のすき間という発言については、私は奇妙な論理だな、全く理解できないと思いますので、もう一度この趣旨はどういうことを言おうとされているのか、お尋ねをいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 憲法自身にいろんな解釈があるんです。今までの御議論を聞いてもわかるように、同じ憲法でありながら、片っ方では自衛隊は憲法違反であるという議論が厳然としてある、一方、自衛隊は合憲であるという議論がある、それほど憲法解釈についてはいろんな解釈があるわけですよ。
 そういう中で、いかに日本の憲法を守りながら政治を運営していくかという場合、今回、前文は、憲法の前文をよく見ると、いずれの国も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないと、普遍的な政治道徳に対しては、国家の名誉にかけて、全力を日本としても尽くさなければならないというような、いわゆる精神を前文でうたっております。
 今、国際社会が国際の平和、安全の脅威のテロに向かって各国は立ち上がろうというときに、日本も日本の持てる力を発揮して、どうやって国際社会と協調してこのテロに立ち向かうかというのが問われている。そういう際には、我々は自衛隊は合憲と思っていますから、日本の国力に応じて、憲法の範囲内で、武力行使はしない、戦闘行為はしない範囲で自衛隊の働ける場を与えてもいいんじゃないか、任務を与えてもいいんじゃないかということで、その規定がないんだったらば、法律の裏づけを持って、自衛隊に戦闘行為ではない、武力行使ではない新しい任務についてもらうという法律をとるべきだということで考えているわけでありまして、私は、そういう中において、憲法違反であるという認識は今回の法律において持っておりません。
○大脇雅子君 憲法の前文の最も根幹的なところは、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようとした決意というところにあり、我らは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認をするというところに私は魂があると。そして、前文は、その九条というものをどう解釈していくかという点について一体となってその精神というものを書いたものであって、前文と九条との間にすき間があるという言葉は、今、総理が御説明になった説明では、何か前文のつまみ食いのような感じがいたしまして、それは納得がいかないというふうに思います。
 そうしますと、憲法に依拠しないあいまいな根拠に基づいてこの新法ができるのかなと。そうすると、もう到底、法治国としては認められないと、こういうふうに理解するのですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、自衛隊が違憲という立場に立つか合憲という立場に立つかによって違ってくると思いますが、我々は憲法九条に今回の法律は違反していないと考えております。
○大脇雅子君 このすき間論というのは、自衛隊の合憲、違憲とは全く関係がない次元の問題であります。
 内閣法制局長官にお尋ねいたします。
 内閣法制局長官は、十月の二十三日に山本一太議員の質問に答えて、いろいろ従来から総理がおっしゃっておられますけれども、憲法の前文と九条の間で、そういう法律的な枠組みの中で、国が新しい事態に対処するために必要な現行の法律がない部分を埋めるために今回のテロ対策特別措置法案を提出した、と。一体、これは少し法律的な説明になっていない。憲法の前文と九条の間で、そういう法律的な枠組みの中で、と、これは法律的にどう解釈したらいいんですか。もう少し法律家としてコメントしてください。
○政府特別補佐人(津野修君) これは御指摘のときに御答弁をさせていただいておりますけれども、まずその前提といたしまして、憲法は国の統治の基本的な枠組みを定めております。その憲法のもとにおいて、国等の行政権限の内容を定め、あるいは国民に義務を課しまたは権利を制限するという場合には法律によらなければならないという、いわゆる法治主義の原則があるわけであります。言いかえますと、憲法という枠組みの中で新しい事態に対応すべきであるけれども、そのために必要な現行の法律がないというような部分は新しく法律を制定して埋めていく必要があるというふうに考えられるわけであります。
 その上で、先日の答弁、今御指摘になった答弁になるわけですが、憲法の前文と、これは前文で国際協調主義の理念が書かれてあります。その理念と、それから第九条のいわゆる平和主義の規定がございます、戦争放棄の、それから武力行使の禁止の規定がございます。そういう枠組みの中で、国が新しい事態に対処していかなければいけないというために必要な、その場合によって立つべき先ほど言いました法治主義に基づく現行の法律がないという部分があるわけでありまして、それを埋めなければ、それを埋めると言うと若干言葉としてはいささか適当ではないかもしれませんが、それを、その部分を埋めるために今回のいわゆるテロ対策特別措置法案を提出したという趣旨を述べておるわけでありまして、そういう意味で憲法解釈を変更するとか、あるいはその枠組みを変えるとかいうこととか、あるいは拡大するとか、そういったようなことは今回の法案では一切考えてしているわけではございません。
 もうちょっと実体的な……
○大脇雅子君 簡単にやってください、時間がありませんから。
 前文はやはり九条のいわゆる精神を明快にしたことで、憲法の前文と九条の間でということは、それはおかしい言葉ではありませんか。その点だけ。おかしくないですか。
○政府特別補佐人(津野修君) 憲法の前文と九条の間と、間というかすき間といいますか、そういう趣旨、意味は私は使っておりませんが、よくそういう、意味というのは先ほど言いましたような意味だと、御説明しましたような意味でございます。
○大脇雅子君 使っていないとおっしゃいますから、議事録にしっかりそう書いてあるということだけ御指摘して、終わります。
 さて、この新法ができます場合に、自衛隊の派遣等、湾岸戦争のときは百三十億ドルに上った財政支出を思いますと、今回どのような費用、どの程度の費用、財政支出を考えておられるのか、どういう展開をされるのかということについてはどうでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) まだこの具体的な活動、行動の中身は決まっていないんですよね。ですから、どういう規模で出るかというようなことも決まっておりません。ですから、そのことが決まらないと費用の算定もできないということになるわけであります。例えば人件費とか燃料等物品購入費等とか、いろいろ内容によりましてあるわけでございますので、現状では申し上げることはできません。
○大脇雅子君 私は、今、米国が個別自衛権の行使というところでイギリスとともに空爆し特殊部隊等による軍事攻撃を展開しております。戦略目標を絞り込んでいるという報道の陰で、市民や医療施設への誤爆による犠牲者も伝えられ、おびただしい数に上る難民あるいは国内避難民という人たちが発生している、こうした新たな状況で私は、アメリカの自衛権の行使という場合にこの範囲を大きく逸脱しているのではないかと。
 自衛権の行使は国連の枠組みが成立するまでの間で、緊急性やあるいは平衡性というかバランスがあるべきだというふうに言われている場合に、やっぱりこれは対抗措置と呼んだ方がいいのかもしれませんが、それもかなり行き過ぎているというふうに思うのですけれども、先が見えないこの紛争に対して、総理は、亡くなっている多くの子供たちや女性たちの命の重さを考えて、どのように状況を見ておられますか。戦争を中止するためにどういう努力をこれからされようとしていますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、それではテロによって犠牲になった人たちをどう見ているかという視点が大事じゃないかと思っています。アフガンを武力攻撃する前に全く関係のない人たちが何千人殺されたか、そういう点に対して我々はどういう態度をとったらいいんだろうかと。
 今まで、米国の同時多発テロ発生以前、九月十一日以前にはもう各国でテロが何回か起こっていました。あの世界貿易センターでも過去、爆破事件が起こって何人も犠牲になっている。しかし、何千人という数でなかったために、日本も、これは日本のことではない、各国も自分たちのことと考えなかった、人ごとと考えた。しかし、今回初めて九月十一日の米国の同時多発テロでこれは人ごとじゃないなと。アメリカをねらったテロだったけれども、犠牲になった人は全く無関係な人々だった。初めて立ち上がったわけでしょう。
 今、アフガンに攻撃しているから難民が出ている、犠牲者が出ている。攻撃する以前から多くの難民は既にアフガンから出ていたんです。何人もの無関係な市民が殺されたんです、テロによって。
 そういうことを考えると、私は、テロ撲滅のために、根絶のために今世界が立ち上がって、アメリカの個別自衛権を国連が認めているんです。国連憲章第五十一条に基づいて、今回アメリカの行動は安保理に報告されておりまして、そのアメリカの行動を国際社会が支持している、認めているわけですから、日本も国連社会の加盟国としてそれに一緒に立ち上がるのは私は当然だと思います。
○大脇雅子君 私も、テロの犠牲者になった方たちに対しては心から痛惜の念を禁じ得ないものでございます。
 しかし、だからといって、今アフガンの中で空爆によって犠牲が出ている人たちの命も同じ重さだというふうに私は考えるべきだと総理に言いたいと思います。平和に生きる権利、恐怖と欠乏から免れて生きる権利は、貿易センターで生きていた人も、そして私たちも、そしてアフガンの人たちもあるんだということを平等にはかりにかけるべきだと私は思います。
 とりわけ、社会民主党がパキスタンへ調査団を出しましたときに、難民になり得ない、国内で避難をして国境までたどり着けない何百万人の人たちが今この冬の中で餓死をするかもしれない、これは世界のホロコーストではないかとさえ言われている現状について、私は先にその支援を政府に考えていただきたいと申し上げましたが、私は、戦争はともかくやめること、そして平和のために忍耐強く対話と説得を続けること、そしてテロの犯人を追い詰めて裁きにかけること、これが一番大切だということを申し上げて、質問を終えたいと思います。
○平野貞夫君 最後の質問者でございます。
 質問に入る前に委員長に一つお願いがあるんですが、私は触れまいと思っていたんですが、例の最高裁判所の自衛隊の判決問題がしばしば出ますので、委員長にお願いしますが、後日で結構でございますので、理事会か何かで検討していただければありがたいんですが、私は、二十三日、自衛隊を憲法違反か違反でないか、のを決めるのはだれですかという質問をしたわけでございます。総理は非常に親切に、いろいろおっしゃって、しかし、日本の最高裁判所は自衛隊は合憲であるという判決を下しているんですよと、こういうふうに私の聞かないことまで答弁していただいたんです。これは事実と違うわけでございますので、きょう結論出す必要はございませんので、ひとつ御検討いただきたいと思います。
 それから、もう一点は、実は、小泉総理、私きのう村山元総理に電話で聞いたんです。怒っていましてね。総理のことを怒っているわけじゃないですよ。そこで、先ほども申し上げたんですが、簡単に言いますと、自分が、これは小泉総理に言っておけ、伝えておけということでございましたので。平成六年十月の衆議院の安全保障委員会の発言は、戦闘行為につながるようなものに対して協力をするというようなことはこれは憲法上許されないという意味は、これはもうこういう法案は、このテロ法案なんというのはこれはもう許されないことなんだということをかなり厳しくおっしゃっていました。私もその点では一致するんですけれども、そこから先がちょっと違うものですから余り議論しなかったんですが、非常に、大変村山元総理はそのことについてはっきり物をおっしゃっていたということをお伝えしておきます。
 そこで、総理、私はこの法案がずっと審議、テロ法案が審議されているのをずっと直接間接に見ていまして、一言で言うならばこのテロ法案は限定的対米集団的自衛権行使法案と、こういう別名にできるんじゃないかと、私はそういうふうに、やはりもうこの法案で限定的に集団的自衛権に踏み込んだというふうに私は理解します。
 そこで、私はこの全体の印象を実は俳句にしてみたんですよ。それは、特に政府の皆さんの憲法解釈をめぐってでございますが、「憲法の解釈栄え国滅ぶ」と。いや、本当にこれは深刻な問題なんです。総理は私の質問に対して真剣に、すっきりしない部分があると憲法のことについて言っていただいた。あり過ぎるんですよね、とにかく。それは全部が全部というわけにはいかぬということはわかりますが、余りにもひどい。
 私は、この大変不幸な事件が起こったわけですけれども、これを機に、日本の十九世紀、二十世紀の憲法理念ではもうやっていけない、日本だけじゃないと思いますが。そういう意味で、根本的に憲法を中心とした国のあり方それ自身をやっぱり真剣に考えるときじゃないかというような思いがしますが、ちょっと御所見を。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も、国のあり方ということに関して論議する場合には憲法を避けて通れないということで、憲法改正論議については大いにすべしだと思っております。御承知のように、国家の統治のあり方、しかも国を守るという安全保障の基本的な問題に対してすら違憲合憲の解釈が出てくる憲法ですから、そういう点については、憲法かくあるべしという議論がどの政党からもどういう立場の人からも出ておかしくない、そういう議論は妨げるものではない。
 今回の問題については、全く予想しなかった事態にどう対応しようかと、政府の責任者として憲法の範囲内でどうやってこのテロに立ち向かうかということを考えた法案ですから、それは相反する立場から見ればすっきりしないという点は認めているわけです。そういう中で、現在、政府が何をなし得るか、国際社会の中で日本の責任をどう果たし得るかということで考えた法案ですから、これからのあり方として憲法論議ということを否定するものでは全くありません。大いにむしろすべしという立場については同感であります。
○委員長(武見敬三君) 先ほど平野委員からの御提案の件は、理事会で検討させていただきます。
○平野貞夫君 ちょっとこれから意地悪い質問になるかもわかりませんが、私、今度のテロ対策法のこの立法過程をずっと見ていますと、ここ二、三日、報道の中に出てくる話として、衆議院の選挙制度とのいろいろ裏面の絡みというか、駆け引きがあったやに新聞論調は、新聞は報道していますし、また、きのうですか、総理は与党の衆議院選挙制度の合意事項に対して再協議しろという指示をなされた、それはそれで立派ですが。
 私、やきもちやくわけじゃございませんが、野党第一党の民主党に理解をされるものにしろという注文のつけ方は、ちょっとほかの政党としては抵抗もありますし、ちょっとこれは半分非常に思い切ったことを言われたという評価とともに、非常にそれでいいのかという思いもするわけなんですが。
 テロ対策法案で選挙制度のことを言うわけにはいきませんですが、私は、やっぱりこの選挙制度というのは党利党略がもろに絡むものでございますし、こういう安全保障とか基本になることについて私は決して絡ますべき問題でもないし、今後PKFの凍結の問題等もあるんですが、どうかそこら辺の筋目はきっちりと総理つけていただきたいというお願いですが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 全く私は絡めておりませんし、もし選挙制度改革の問題がほかの法案と絡めるようなことになったら、その話は断ってくれということをはっきり指示しております。全く別問題であると。
 そして、できれば、選挙制度という問題は党利党略絡むものですから、お互いの土俵づくりですから、できるだけ多くの政党の理解を得られる方がいいということを申し上げたわけでありまして、その過程で党内調整とか、それはありますけれども、全体的にはできるだけ多くの政党の理解を得た方がいいという考えは今でも変わりません。
○平野貞夫君 きょうで総理就任半年という、きのうでございますかな、報道ですが、大変世界史的な事件が続発する中で御苦労なさっているということはわかりますが、これは小泉総理の責任、小泉総理だけの責任じゃないと思いますが、表向き国民に非常に明確に約束、歯切れよく語られたテーマが、例えば靖国神社参拝問題でもそうですし、特殊法人廃止、民営化の問題でもそうですし、国債の三十兆円問題もまたいろいろぐらぐらしているようなんですが、私、やはり政権の構造そのものに、非常にはっきり総理は言われて、後でなし崩し的に何かおかしくなっていくという、こういう構造を、これはやっぱりテロ対策法案の作成、審議の中に私は感ずるんです。
 日本が昭和の初めに満州事変や日華事変を起こしたのも、なし崩し的に個別的自衛権を拡大していった。要するに、国の基本である憲法の根幹については、これに意見が対立している人たちが一つの政党をつくるべきでもないし、それからまた、違った政党が、基本的なことについて違った意見を持っている政党が共通の連立政権をつくるべきではないと思うんです。
 ここの条理、ここの条理がどうも日本では戦後五十年あいまいになっているというところに問題がある。国の骨幹、国民の生命、財産の安全より自分らの当選や自分らの党利党略の方を優先させている政治が横行しているところに私は非常に日本の悲劇があると思いますが、こういうことについて小泉総理は改革していきますか、突っ込んでいくという、そういう御決意はどうでございましょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 物事をすっきり分けて考えることができればいいと思うんですが、今の政治状況、政党状況を考えてみても、なかなか各政党それぞれ複雑だと思います、考え方の違いが。憲法観にしても、依然として、同じ政党にいながら、全く相反する人が同じ政党にいる。あるいは同じ考えを持っていても違う政党にいる。入り組んでいる。現実に政治家としていろいろ議論をしていきますと難しいのは、例えばAの問題では意見が一致するけれどもBの問題では意見が一致しない。同じ議論するのも政党でやっているわけですね。だから、一つの案件で、法案で意見が違うから政党別れようといったら、もうしょっちゅう離合集散しなきゃならないですよ。選挙制度なんか典型的な例でしょう。あの例の政治改革、選挙制度をめぐって分裂した、各政党。
 だから、ここが政治の難しいところで、一つの法案で考え方で違うから政党を別れようとなると、別の問題ができたときにまた一緒になるわけですよ。また別になってくるとまた違うから、そうしたらもう政党幾つあっても足りない。そこが総合的に判断して、大体基本的な立場が一緒になる者が同じ政党をつくろう、同じ政権をつくろうというのが好ましい姿だと思いますが、今それがかなり判然としない状況になっている。そこは、委員御指摘の点は私は認めます。
 将来どういう形ですっきりしたらいいかという問題は、今後いろいろな問題が出てくるときに判断する、あるいは憲法をどう判断するかというのも一つの考え方かもしれません。しかし、それについては十分な議論が必要だと思います。
○平野貞夫君 残りの時間でちょっと私も、今、総理が憲法の話に戻されましたので、日ごろの所見を申し上げたいと思いますが、私はかなり積極的な改憲論者でございます。しかし、現在の九条を含め、その基本理念はやっぱり継承発展させなきゃいかぬという立場でございます。そこで、改正がなかなかできない、現実の政治の中で。しかし、国際情勢とかさまざまな問題では、やっぱりそこを、解釈、運用をダイナミックにやらなきゃいかぬ場合がある。
 例えば、欽定憲法と言われた明治憲法は、大正デモクラシーのときに天皇機関説を採用しましたですね。あの欽定憲法の文言から、天皇は主権であるという文言から天皇機関説の文理は生まれないんですが、あれも国際社会がデモクラシーの国でないとやっていけないという、そういう必然性があったと思うんです。
 湾岸戦争以来、冷戦構造が終わって以来、私も明らかに日本の国際貢献あるいは日本が平和を希求するという立場から、どうしてもやっぱり今までの解釈、運用の限界というのはあったと思う。そこをやっぱり変更するということには私は勇気を持つべきだと思います。
 憲法制定のときに、南原東大総長が九条を反対されています。そのときに吉田茂総理に、あなたは国連に日本が入ったとき、独立したときに、第二次世界大戦の戦火を引き起こした日本の責任は、国連の中で日本人は血と汗を流すのが責任じゃないですかということを訴えております。それに対して吉田茂総理は立ち往生して、憲法を変えるか、運用の解釈でいくかというのはそのときに考えますということを答弁していますが、我々はこういう先人の知恵を持っていますので、もうちょっと冷戦、戦後五十年のしがらみを離れてやっぱり大きな発想をしていかなければ、日本の国はこれは本当に滅びるということを私は申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○委員長(武見敬三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案の修正について木俣君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。木俣佳丈君。
○木俣佳丈君 ただいま議題となっておりますいわゆるテロ対策特別措置法に対し、民主党・新緑風会を代表して、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 今回の同時多発テロは、多くの罪なき人々を巻き込んだ卑劣かつ残虐な行為であり、安全で民主的な社会を希求している人類への挑戦であると考えます。民主党は、今回のテロリズムを全く新しい形の脅威ととらえ、その撲滅には真摯な外交的努力とともに国際社会との協調行動に参加する上で新たな立法措置の必要性を認めていることをまず申し上げます。
 しかし、問題は中身です。衆議院において、民主党は、自衛隊を海外に派遣するに際しては国会がしっかり関与していくため、原則国会の事前承認を求める修正案を提出いたしましたが、政策論ではなく、まさに与党間の党利党略的な思惑から否決されるに至ってしまいました。
 参議院においても、政府は、一方では、本法案が成立すれば基本計画の事前承認がなされたと同じであると言いつつ、他方では、その基本計画の重要な柱となる具体的な中身については、今後事態がどのように推移するかわからないなどとの空虚な答弁に終始し、最後まで具体的なお答えはありませんでした。
 しかし、本法律案によって、自衛隊はPKOへの協力以外で外国の領域で活動することが可能になります。また、支援の対象は諸外国の軍隊等に及んでおり、武器使用の範囲も拡大されていますが、与党修正に言う、対応措置の実施後二十日以内での事後承認では、自衛隊の海外展開が既に既成事実化している可能性があるにもかかわらず、国会に白紙委任を求めているのと全く同じです。
 遠く異国の地で活動される自衛隊員の心情をおもんぱかれば、単に行政府の裁量によって不安の中で派遣されるより、国民の代表たる国会がしっかりと責任ある決定をした上で派遣されることが何より誇りとなるのではないでしょうか。
 本修正案については、我々はもとより、与党推薦の公述人からも、現場をよく知っておる公述人からも賛同を得ていることからも修正をすべきと考えます。
 また、我が国は、将来、アフガニスタン及び周辺地域の安定と復興に向けての積極的な役割が期待されており、そうであればなおさら、国民や国際社会の理解を十分に得られるよう、自衛隊の派遣前に慎重に事態の推移を見きわめることが重要なはずです。
 また、事態の変化や長期化などによって、野方図な財政支出の拡大が懸念されていますが、厳しい財政状況の中、総理の言う行政の裁量では具体的な歯どめがありません。対応措置の実施に必要な経費を基本計画に明示し、国民に税金の使途を明らかにすべきです。
 以上の点から、民主党では、第一に、基本計画に定める事項に対応措置に必要な経費を加えること、そして第二に、基本計画に定められた自衛隊の部隊等が実施する協力支援活動、捜索救助活動または被災民救助活動については、内閣総理大臣は、これらの対応措置の実施前に、これらの対応措置を実施することにつき国会の承認を得なければならないとしております。
 ただし、最後に強調しておきたいことは、緊急の必要がある場合には、国会の承認を得ないで当該協力支援活動、捜索救助活動または被災民救援活動を実施することができ、その場合には、内閣総理大臣は速やかにこれらの対応措置の実施につき国会承認を求めなければならないこととしており、緊急時の対応にまで配慮しているわけです。その際、国会で不承認の議決があったときは、政府は速やかに当該協力支援活動等の活動を終了させなければならないこととしております。
 このように、緊急の場合でも対処できる修正案となっております。衆議院において党利党略によって事前承認が否決されましたが、どうかこの良識の府としての参議院では賢明なる判断をしていただけるのではないかと期待しております。委員各位が国民の代表としてシビリアンコントロールの任に当たるのだという使命感を持ち、民主党案に賛同いただけますように改めて要請するものです。
 以上がこの修正案の趣旨であります。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(武見敬三君) これより両案及び木俣君提出の修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○海野徹君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となっております、いわゆるテロ対策特別措置法案の衆議院修正案に反対、民主党提出の修正案に賛成の立場で討論いたします。
 本年九月十一日に米国で発生した同時多発テロは、多くの罪なき人々を巻き込む非常に卑劣かつ残虐な犯罪行為であり、自由と民主主義への脅威となると同時に、人類社会、文明社会への冒涜であり、人道上許すべからざる行為であります。これは全世界の共通認識であると思うものであります。
 今回のテロ行為は、軍事と非軍事の境界を完全に打ち砕く、人類社会の基本的信頼関係を崩壊させる新しい戦争との位置づけも可能であると思います。私は、この新しい戦争とも言われるテロの撲滅に向け、国内外における徹底したテロ対策の実施とあわせ、日本国憲法の枠内での自衛隊の活用も含めた新たな対応措置が必要であると認識しております。しかし、その対応措置には厳格なシビリアンコントロールが必要であるとの考えで対応してまいりました。
 当初の政府案が対応措置についての基本計画の決定、変更等を国会への報告事項としていたところを、衆議院における与党三党の提案で、防衛庁長官の命令から二十日以内の国会の承認という事後承認の形に修正されました。
 しかしながら、この衆議院での修正案では依然として自衛隊の海外派遣に際しての国会の関与が十分ではなく、厳格なシビリアンコントロールを確保することが難しいと考えます。
 本法律案によって、自衛隊の部隊等が、我が国の領域をはるかに超え、公海上のみならず戦闘地域に隣接する他国領域にも派遣され活動することが可能になります。自衛隊創設以来、国連平和維持活動への協力以外で初めて外国の領域で活動することになります。また、支援の対象は米軍にとどまらず諸外国の軍隊等にまで及び、武器使用の要件も緩和されています。従来の後方地域という概念も、テロという新たな事態の前ではあいまいになってしまいます。このように、本法律案は政策の大転換であるのに、その方針転換を政府は国民と世界にきちんと説明しておりません。
 さらに、対応措置の実施後二十日以内での事後承認では、既に自衛隊の支援活動は開始しており、既成事実化してしまえば対応措置の実施について国会がしっかりと歯どめをかけることは事実上困難となります。また、この法案によって遠く異国の地で活動されることになるであろう自衛隊員の心情からすれば、国民の代表である国会が自衛隊の派遣に対して責任ある決定をし、その意思をしっかり受けた形で任務に当たることが何よりの誇りとなるのではないでしょうか。よく議論をし、国民に説明し、その理解を深めるためにも、また、我が国は将来アフガニスタン及び周辺地域の安定と復興に向けて重要な役割を果たしていくべきでありますが、その際に国際社会の理解を十分得るためにも、自衛隊の派遣前の承認が重要です。
 シビリアンコントロールを徹底させる見地から、自衛隊の派遣については慎重に行うべきであります。自衛隊の海外派遣の実施前に国民を代表する国会が関与すべきであることは当然であります。
 事前承認では機動性、柔軟性が危惧されるとの意見がありますが、民主党案では「緊急の必要がある場合には、国会の承認を得ないで当該協力支援活動、捜索救助活動又は被災民救援活動を実施することができる。」と、緊急の場合の事後承認を容認しており、何ら法案として問題はないと考えます。
 また、事態の変化や長期化などにより、今後、対応措置のための財政支出の規模が懸念されます。
 財政状況が極めて厳しい我が国において、単に行政の裁量にゆだねるのではなく、万一にも野方図に支出が拡大されないようにすること、また、必要となる支出については国民の十分な理解と合意のもとになされることが必要であると考えます。シビリアンコントロールを確保するという視点に基づき、財政的見地から、対応措置の実施に必要な経費を基本計画に明示し、国民に税金の使途を明らかにすべきと考えます。
 以上の点から、民主党は、基本計画に定められた対応措置の実施等につき、原則、国会での事前承認事項とすること及び必要な経費を基本計画に明示することを内容とした修正案を提出しております。
 委員各位が、国民の代表として、シビリアンコントロールの任に当たる国会議員として賢明なる御判断をいただき、民主党案に賛同いただけるよう改めて要請いたします。
 国際協調の枠組みの中、国民の生命と財産を守り、毅然とテロ撲滅のための国内外における努力を実行することを改めて約束し、私の討論を終わります。
○森山裕君 私は、与党三党を代表して、議題となっておりますテロ対策特別措置法案、自衛隊法改正案の二案について、いずれも賛成の立場から討論を行います。
 今回の米国における同時多発テロは、その犠牲者、行方不明者は五千人以上という、まさに命のとうとさを顧みない残虐非道な行為であります。国際社会は、このテロリストの暴挙を人類すべてに対する許しがたい挑戦と断じて、テロ撲滅のために立ち上がっております。
 先般開催をされたアジア太平洋経済協力会議、APECの首脳会議においても、インドネシア、マレーシアという国民の過半がイスラム教徒である諸国をも含めて、反テロ共同声明が採択されております。
 我が国は、二十四名もの犠牲者、行方不明者を出し、大きなテロ被害を受けて当事国であることを十分認識をし、国際社会の平和と安全を守るために、国際テロの撲滅のための包囲網、共同行動に対し積極的かつ主体的に参加をしていかなければなりません。
 このために、テロ対策特別措置法案においては、憲法の範囲内で最大限何ができるのか真剣に考えた結果、武力行使にならないことを大前提に、テロ撲滅のため、諸外国の軍事行動に対し自衛隊が協力支援や被災民の救済等を行うものであり、その迅速かつ効果的な実施が強く望まれているものであります。
 この法律による対応措置に対する国会の関与のあり方につきましては、衆議院で修正をされた国会の事後承認によることが、タイムリーな対応が損なわれずにシビリアンコントロールの強化が可能となり、この法案に対し一層広範な国民の理解と支持を確保することができると考えております。
 次に、自衛隊法改正案であります。
 テロリストの暴挙は、今回の事態でも明らかなように、想像を絶するものであり、自衛隊が平和と安全の維持の根幹であるべき自衛隊みずからの施設並びに駐留米軍の施設を警備対象とすることは当然の対応であります。
 また、治安出動の際における武装工作員等の鎮圧、海上警備行動の際における武器の使用に関する改正は、いずれも危機対処上、万全な備えを期するための当然の措置であります。
 さらに、我が国の安全が損なわれないため、防衛上特に秘匿を要する秘密について、防衛秘密の取り扱いを定め、罰則を整備しようとするものであります。これは、自衛隊の不祥事に起因をして、諸外国に比較して立ちおくれていた防衛秘密に係る制度を整備しようとするものであり、当然の整備であります。
 以上、自衛隊法改正案は、国民の平和と安全を確保するという自衛隊の任務遂行に万全を期そうとするものであり、必要不可欠な措置と申せます。
 以上、二法案に対する賛成の理由を申し述べました。
 最後に、国際テロ根絶に向けた戦いは長期にわたることが予想されます。これら二法案の成立は、今回の事態への対応の第一歩にすぎないことを自覚をし、テロに対する危機管理のため、政府、自治体、民間が連携をして備えを万全なものとし、国民の不安解消に努めることとともに、アフガニスタン復興に向けた国際的な枠組みの形成に外交努力を注がれることを政府に強く求めるものであります。
 最後に、民主党提出の修正案には反対をすることを表明をいたしまして、与党三党を代表しての賛成討論を終わります。
○小泉親司君 私は、日本共産党を代表して、テロ対策特別措置法案及び自衛隊法改正案に反対の討論を行います。
 テロ対策特別措置法案は、テロ対策と銘打っておりますが、戦後初めて、現実に行われている戦争に自衛隊を海外派兵し、米軍への兵たん支援活動を可能にする憲法九条つぶしの法案であり、断じて容認できません。
 しかも、この法案の審議に当たって、参議院の良識にふさわしい徹底的な審議が求められていたにもかかわらず、委員会では実質的にわずか四日、衆議院よりも少ない審議で採決を強行することは、憲法の上からも、二十一世紀の日本の将来からも絶対に許せません。
 小泉総理は、武力行使はしない、戦闘地域には行かない、だから憲法の枠内だと言っていますが、本法案に盛り込まれている協力支援活動は、どの面から見ても、憲法で厳しく禁じられた集団的自衛権の行使、武力行使そのものであります。
 政府は、武力行使とは戦闘行為だけで兵たん支援は含まないとの見解を繰り返していますが、米軍への武器・弾薬の輸送、燃料の補給などが武力の行使そのものであることは、国際社会の常識であります。軍事の世界でも常識であります。小泉内閣の見解が世界の常識と大きくかけ離れたものであることは明々白々であります。
 戦闘地域をめぐる問題では、法制局長官が多少の混乱があったと認めているように、政府の見解は、自衛隊をできる限り戦場に出撃させる、海外派兵を拡大するためのさまざまな便法を弄しているにすぎません。自衛隊の参戦協力活動は、総理が無限定だと認めたように、米軍が設定する戦場のどこへでも自衛隊を出撃させ、米軍に対する協力の白紙委任を与えるものであります。
 自衛隊法改正案は、米軍基地への警護出動の新設、治安出動下令前の情報収集活動や武器使用権限の拡大など、テロ対策を口実に自衛隊強化を進めるものであり、反対であります。その上、防衛秘密漏えい罪を設け、防衛庁職員、自衛官のみならず、国民の権利まで侵害する内容を持っていることが明らかになりました。とりわけ、報道機関の取材までもが教唆、扇動に該当する可能性があることは重大であります。このような重大な内容を持つ法案をテロ事件に便乗する形で押し通すことは、憲法と議会制民主主義の原則を踏みにじるものであり、到底認められません。
 アメリカの同時多発テロは、残虐非道きわまりないテロ行為であり、断じて容認できません。テロ根絶は、二十一世紀の人類が平和に生存する上での不可欠の課題であります。しかし、我々は、テロ根絶が軍事報復戦争によって解決できるものとは考えておりません。二十一日のAPEC首脳会議で合意がされたように、国際社会がテロ根絶で大同団結し、その解決に国連が主要な役割を果たすことが重要であります。世界的に著名な学者、ノーベル平和賞・文学賞受賞者、国連の諸機関や現地で活動するNGOが、次々と報復戦争に憂慮、反対を表明しています。現在の報復戦争は、アフガニスタンの罪なき民間人を巻き込む非人道的な戦争の様相まで見せています。
 日本共産党は、米英の空爆、軍事攻撃を直ちに停止し、国連を中心にした解決に切りかえることを要求します。
 以上、本法案は憲法を根底から覆すものであり、我が党は断固反対するものであります。
 民主党提出の修正案は、法案の本質を何ら変えるものではなく、反対であることを表明して、日本共産党の討論といたします。
○大脇雅子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、テロ対策特別措置法案、自衛隊法の一部改正案に反対し、民主党提出の修正案にも反対の立場を表明して討論を行います。
 反対の第一の理由は、テロ対策特別措置法案は、戦後、日本がみずからのアイデンティティーである日本国憲法の理念を踏みにじり、憲法とその法秩序の体系、政府解釈とも整合性を欠く法案であるということです。
 政府・与党はテロ対策を口実に、自衛隊の海外派遣の範囲の拡大と集団的自衛権行使、武器使用の要件緩和のもと、武力行使容認への道を開こうとしています。
 従来、周辺事態法における自衛隊派遣も日米安保条約における派遣も、自衛隊法に基づく自衛隊の任務もまた専守防衛、国内に限定されてきました。しかし、今回の法案ではこれらを大きく逸脱し、自衛隊の派遣地域は無限定であること、近代戦では非戦闘地域は一瞬にして戦闘地域となり得ること、アメリカの軍事行動の支援という実質的な集団的自衛権行使に踏み込むこと、武器使用の緩和など、日本を戦時体制へと導くものであり、断じて容認できません。防衛政策の根幹を変えるものであり、社会民主党は断固この法案に反対をいたします。
 第二は、自衛隊法一部改正案の問題点についてであります。
 防衛秘密が新設され、防衛秘密の別表四は抽象的で漠然、包括的、広範囲、秘密の指定は防衛庁長官の専権に属し、指定の客観的基準がない、構成要件のあいまいさは罪刑法定主義に反します。守秘義務の対象者を業務にかかわる民間業者などにも拡大すること、さらに過失を含めた厳罰化が行われることになっており、自衛隊の秘密指定が多用され、国民の知る権利と表現の自由が侵害される危険が大であります。あわせて、治安出動以外に自衛隊の警護出動を認め、その際武器使用も容認するという改正案は断固撤回、廃案とすべきであります。
 第三は、余りにも拙速な審議であるということです。
 例えば、PKO協力法、周辺事態法はともに八カ月ないしは一年の時間をかけて慎重な国会審議を行ってきています。戦後五十年に及ぶ日本の方向性を根本から覆そうとする重大な法案でありながら、衆参両院でわずか十日間の審議で法案を成立させようとする政府の姿勢は、国会と国民を著しく軽視するものであり、日本の議会制民主主義に対し強い危惧を抱かざるを得ません。
 テロという卑劣な行為は断じて許されるものではありません。しかし、テロを根絶するということと、自衛隊を海外へ派兵し、米軍の軍事行動を支援するということとは全く別の問題であり、アジアの近隣諸国や中東諸国との友好関係を築いてきたこれまでの外交努力をも根底から突き崩すものであります。
 我が国のとるべき道は、米英軍による軍事報復を即時中止するよう国際世論に働きかけ、中東の和平と経済援助を含むアフガン復興へ向けた外交努力を重ねることであり、戦火の拡大を助長される行為は厳に慎むべきであることを訴えます。
 最後に、私は、ノーベル賞受賞者、リゴベルタ・メンチュ氏からブッシュ大統領への手紙の一節を紹介して、反対討論を終わります。
 怒りでなく冷静な知恵、復讐ではなく正義の模索、それこそが今求められているのではないでしょうか。戦争を宣言される前にあなたにお願いしたいのは、違った形の世界の指導者としてのあり方を考えていただきたいということです。それは征服ではなく説得です。目には目をという野蛮人にとっての正義、中世の暗黒時代の人間の思考を私たちは過去千年からかかって克服してきたことを人類は示すことができるのです。
 神や創世について違う考え方を持っている人々を尊敬することを学ぶために新たな十字軍は不要です。進歩がもたらしてくれる成果を連帯して分かち、地球上いまだ残っている資源をよりよく守り、そして一人の子供も飢えたり教育を欠いたりすることがないような世界を築くことこそ私たちの望みです。
 終わります。
○平野貞夫君 私は、自由党を代表して、いわゆるテロ対策法案及び民主党提出の修正案並びに自衛隊法改正案についてそれぞれ反対の討論を行います。
 テロ対策法案の真の内容は、自衛隊を敗戦後初めて戦争行為につながる協力支援活動として海外に派遣する法案であります。かつて参議院で自衛隊の海外に出動なさざることに関する決議を行った上で自衛隊法を成立させた経緯からしても、徹底した審議が必要でした。極めて多くの問題を残して採決に至ったことはまことに遺憾です。
 自衛隊という軍事力を海外へ派遣することは政治の重くて厳しい決断が必要であり、その決断を行うなら、国連のさらなる決議と集団的自衛権を初めとする我が国憲法について、従来の政府のあいまいな解釈、運用を反省し、安全保障の基本原則を明確に示した上で行うべきであります。
 平成六年十月、当時の村山首相は、自衛隊の海外派遣の基本的考え方として、戦争行為につながるものに対して自衛隊が協力することについては憲法上は許されないと政府の憲法判断を示しております。テロ対策法案はこれを真っ向から破るものです。何が何でも自衛隊を戦争行為につながる海外に派遣するために村山首相の憲法判断をないがしろにし、憲法上の位置づけも行わず、警察官と比べて驚くほど差のある諸手当で自衛隊員を海外に送り、果たして責任ある行動が果たせるでしょうか。政府のやり方は無責任と言えます。
 私たち自由党は、村山首相の憲法判断を確認し、テロ対策法案が政府の憲法解釈に反することを証明するために、国会に参考人として招致することを提案しました。自民党及び公明党が反対し、民主党からは国対の方針として協力を得ることができませんでした。
 小泉首相は、テロ対策法案の衆参両院の審議において、一貫して憲法の解釈を変更したものではないと強弁する一方で、前文と九条にはすき間があり、それを埋めるのがテロ対策法だと詭弁を弄しました。これこそ憲法解釈の変更を認めた発言にほかなりません。
 昨日、村山首相は私に電話で、自分が首相時代の発言はすべて内閣法制局の意見であり、テロ対策法案は当然に憲法上許されるものではないと、一連の政府の説明に怒りをあらわにしておられました。
 我が国の主要な政党が、自衛隊の憲法上の位置づけや海外派遣の基準という国家の基本問題をあいまい、不透明にしようとする理由が理解できません。イスラム原理主義にも問題がありますが、日本のなれ合い原理主義も世界の迷惑と言えます。
 以上が政府のテロ対策法案に反対する理由ですが、民主党提出の修正案についても、政府案のあいまいさの線上のものであり、反対です。自衛隊法改正案についても、テロ対策法案と一体の発想であり、理念のない思いつきで提出されたものであり、反対であります。
 このテロ対策法案の成立によって、日本がベトナム戦争のような泥沼に乗り込んでいく事態に立たされるとしたら、その責任はだれにあるか、それは成立に協力した人たちにあることは明確であることを申し添え、討論を終わります。
○委員長(武見敬三君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案について採決を行います。
 まず、木俣君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 少数と認めます。よって、木俣君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本一太君。
○山本一太君 私は、ただいま可決されました平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、テロ根絶に対する我が国の主体的な外交努力を一層進めるとともに、国連を中心とした国際的な枠組みの構築に努めること。
 二、国民生活及び経済システムなどがテロによって脅かされることのないよう、包括的なテロ対策を講ずるとともに、あわせて邦人保護、テロ資金源根絶対策等に万全を期すること。
 三、アフガニスタンの和平と復興のために積極的なイニシアティブをとること。
 四、自衛隊の派遣については、派遣先の状況の推移を十分に踏まえ、実施すること。
 五、国会の承認の付議については、対応措置の実施を自衛隊の部隊等に命じた日から二十日以内であっても、可能な限り速やかに求めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(武見敬三君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 多数と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、福田内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。福田内閣官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま御決議のありましたいわゆるテロ対策特別措置法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重して努力してまいります。
○委員長(武見敬三君) 次に、自衛隊法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 木俣君から発言を求められておりますので、これを許します。木俣佳丈君。
○木俣佳丈君 私は、ただいま可決されました自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    自衛隊法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、公共の安全と秩序の維持に関する責任は、第一義的に警察が担うとの原則を改めて確認し、いやしくも、この原則を逸脱することのないよう配慮すること。
 二、自衛隊の部隊等による警護出動は、治安出動に至らない事態の下における自衛隊の活用という視点から、必要に応じ今後検討すること。
 三、防衛秘密の指定、漏えいした場合の刑罰適用については、憲法に定める基本的人権を侵害することがないよう運用すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(武見敬三君) ただいま木俣君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 多数と認めます。よって、木俣君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中谷防衛庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中谷防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) ただいま御決議のありました自衛隊法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、御趣旨を十分踏まえまして努力してまいりたいと存じます。
○委員長(武見敬三君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会