第153回国会 外交防衛委員会 第6号
平成十三年十一月八日(木曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     海野  徹君     小川 勝也君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         武見 敬三君
    理 事
                山本 一太君
                吉村剛太郎君
                木俣 佳丈君
                山口那津男君
                小泉 親司君
    委 員
                河本 英典君
                月原 茂皓君
                福島啓史郎君
                舛添 要一君
                森山  裕君
                矢野 哲朗君
                小川 勝也君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                広中和歌子君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                大田 昌秀君
                田村 秀昭君
   国務大臣
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     田中眞紀子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
   副大臣
       防衛庁副長官   萩山 教嚴君
       外務副大臣    杉浦 正健君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       柴田 雅人君
       内閣官房内閣審
       議官       村田 保史君
       内閣法制局第一
       部長       阪田 雅裕君
       人事官      佐藤 壮郎君
       人事院事務総局
       人材局長     藤原 恒夫君
       内閣府大臣官房
       審議官      山本信一郎君
       内閣府国際平和
       協力本部事務局
       長        林   梓君
       警察庁警備局長  漆間  巌君
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛庁運用局長  北原 巖男君
       防衛庁人事教育
       局長       柳澤 協二君
       防衛施設庁長官  伊藤 康成君
       総務大臣官房審
       議官       戸谷 好秀君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       公安調査庁長官  書上由紀夫君
       外務大臣官房長  小町 恭士君
       外務大臣官房審
       議官       林  景一君
       外務大臣官房領
       事移住部長    小野 正昭君
       外務省総合外交
       政策局長     谷内正太郎君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       外務省北米局長  藤崎 一郎君
       外務省中東アフ
       リカ局長     重家 俊範君
       外務省国際情報
       局長       今井  正君
       厚生労働省職業
       安定局長     澤田陽太郎君
       国土交通省総合
       政策局次長    伊藤 鎭樹君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際
 条約の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
○テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際
 条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○外交、防衛等に関する調査
 (外務省人事及び機密費に関する件)
 (北方領土交渉に関する件)
 (テロ対策特措法の基本計画に関する件)
 (日本提案の核廃絶決議案に関する件)
 (厚木基地の航空機騒音等に関する件)
 (PKOに関する件)
 (自衛隊の海外派遣に関する件)
 (駐留軍用地特措法に関する件)
 (沖縄米軍基地に関する件)
 (集団的自衛権に関する件)

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○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、海野徹君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君が選任されました。
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○委員長(武見敬三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 現在、本委員会に付託されている条約及び法律案の審査並びに外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官村田保史君、内閣法制局第一部長阪田雅裕君、内閣府大臣官房審議官山本信一郎君、内閣府国際平和協力本部事務局長林梓君、警察庁警備局長漆間巌君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長北原巖男君、防衛施設庁長官伊藤康成君、法務省刑事局長古田佑紀君、公安調査庁長官書上由紀夫君、外務大臣官房長小町恭士君、外務大臣官房審議官林景一君、外務大臣官房領事移住部長小野正昭君、外務省総合外交政策局長谷内正太郎君、外務省アジア大洋州局長田中均君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省中東アフリカ局長重家俊範君、外務省国際情報局長今井正君、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君及び国土交通省総合政策局次長伊藤鎭樹君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(武見敬三君) テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結について承認を求めるの件及びテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を一括して議題といたします。
 両案件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○広中和歌子君 おはようございます。民主党の広中和歌子でございます。
 きょう、略称爆弾テロ防止に関する条約とそれから爆弾テロ防止条約関連関係法律整備法案、この二つについて御質問させていただきます。
 もう既に衆議院ではこれが全会一致で可決されたという法律でございますけれども、しかしながら素人ではございますけれども、この件に関して素人ではございますが、いろいろ勉強させていただき、質問させていただきます。
 二十世紀というのは戦争の世紀というふうに言われておりますけれども、二つの世界大戦、そしてその後の冷戦、冷戦のさなかに世界各地でさまざまな、大小そして長短はございますけれども地域戦争が起こった。しかも、その間をテロが多発したと。そういう中で、国際社会としてはテロ防止に関する条約を数々つくってきたわけでございますけれども、今回の法律は、我が国としては、一九九七年に作成された法律に対して署名が九八年四月、そしていまだ締結がされていないと、そういう状況にあるわけでございます。
 このテロ防止に関する十二の法律、条約があるわけでございますけれども、こうした条約の意義について、まず外務大臣、お答えいただければと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 意義につきましては、それぞれの十二の条約がございますけれども、もちろんそうした必要性があるからでございますけれども、簡単に申しますれば。ですが、その中でもって幾つかにつきましては国会提出がおくれておりまして、今回の九月十一日のテロがございまして、その中で早めて審議をしていただかなければいけないというような事情になったことも率直に認めなければならないというふうに思っております。
 国際社会は国際的なテロリズムと戦うために、テロ防止の関連条約の作成に当たりまして、テロリストの定義というものを設けることなく、典型的ないわゆるテロ行為というものに該当する一定の行為類型といいますか、それにつきまして、これを犯罪として処罰のための法的枠組みを設定するということの対応を着実に積み重ねてきております。
 その中で、少し積み残しといいますか、それがあるということについても率直に認めたいというふうに思います。
○広中和歌子君 この法律、署名をしてから、何ですか、作成されてから三年が経過したというその理由についてはどういうことなんでございましょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 爆弾テロ防止条約についてでございますね。
○広中和歌子君 はい、そうです。
○国務大臣(田中眞紀子君) それにつきましては、現在、G8の中でもってこれを締結しておりますのはイギリスとフランスとロシアの三カ国だけでございまして、であるからのんびりしていたわけでは決してございませんけれども、この条約が五月に発効したことにかんがみまして、G8の諸国の中の動向というものにも留意をいたしておりました。
 そして、実質的には次期通常国会にこの条約を提出することを念頭に置きまして作業を進めてきております。そして、先ほど申しましたように、今回の九月十一日のテロ事件というものがございましたので、作業を一層加速化させているということでございまして、今次臨時国会に提出する運びとなりました。
 そして、三点目といたしましては、九八年の四月の十七日にこの条約に署名を行いまして、その後、これを実施するための国内法について関係省庁間で鋭意検討作業を行ってきております。
○広中和歌子君 いただいた資料で、作成日・発効日、我が国の署名日、我が国の締結日ということで十二の法案のリストがあるわけでございますけれども、ここで気がついたことですが、十二の法案のうち七本、我が国は署名をしていないんですね。そういう理由というのは何なんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 七本でございますけれども、これが国際的に発効した後に日本が署名したものでございますけれども、具体的に申しますと、民間航空不法行為の防止条約、モントリオール条約と言われておりますもの。それから、もう一つモントリオールの議定書というのがございます、空港の不法行為防止議定書であります。三つ目が国家の代表等犯罪防止処罰条約です。四つ目は核物質の防護条約。五つ目が海洋航行不法行為防止条約。六つ目が大陸棚のプラットホーム不法行為防止議定書。そして、最後がプラスチック爆弾探知条約でございます。
 こういうものがございますけれども、九月のその先ほどのテロの話でございますが、これはもう人類に対する極めて卑劣な行為でございまして、国際社会が一致団結して断固として強い決意を持って取り組むべきものであるということは今さら申し上げるまでもございません。
 そして、こうしたテロの重要性というものに、テロ対策ですけれども、テロ対策の重要性ということにかんがみまして、テロ防止関連条約の締結促進に向けた国際社会との協力、及びG8ですけれども、その場を利用した呼びかけを行っております。
 そして、所要の国内法の整備を行う必要がある場合もございますので、御指摘も踏まえまして、政府は、そのための関係省庁間、これはやっぱり縦割りになっておりまして、それが今回加速化なかなかできなかったということの一因でもあるというふうに存じますけれども、関係省庁間での検討作業を遺漏なきよう期して関連する条約を可能な限り早期に締結するように今努力中でございます。
○広中和歌子君 私の御質問したことは、署名をしていないということ、そして締結をした場合でも非常に年月がたっているものが多いわけでございますけれども、こういう事例から見ますと、我が国はこうした国際条約に対して積極的に動いていないんではないかという印象を持つわけでございますが、外務大臣、数カ月前に外務大臣になられたばかりなので過去のことは責任がないわけでございましょうけれども、外務大臣として、日本のリーダーシップですよね、こういう国際条約に対して積極的に署名し、そしてできるだけ早くその締結をしていくという、これまでの外務省の態度についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 国内法との関連がいろいろございますから、技術的な、テクニカルな面でいきまして国内法の整備との整合性というふうなことに手間取っていたということ。それから、先ほどから申し上げていますように、省庁間の調整ですとかそういうふうなことで時間がかかっていると思いますけれども、やはり常日ごろ、備えあれば憂いなしということをよく総理がおっしゃっていますけれども、既に署名したものにつきましても見直しをするとか、それから、委員御指摘のように、先を見通して必要なものにつきましては内閣主導で、小泉内閣だけではございませんけれども、そうした危機管理といいますか意思を持ってやってきていればもっと速やかに、こうしたテロにいたしましても、また今後もどういうことが起こるか予測がつきませんので、そうした国際間の問題についてやっぱり外交的な意識というものを高く持ってきていればよかったし、今後も持つように心がけたく存じます。
○広中和歌子君 ありがとうございます。
 いずれにいたしましても、国内法にいたしましても条約にいたしましても、それが効果を持たなければならないわけでございます。さまざまなこうした個別の条約がテロに関してできましても、テロは依然として起こっている。特に、今度のニューヨークを中心として起こった、アメリカで起こった同時多発テロ、これに関しても予防する、プリベントできなかった、防止することができなかったということで、条約の限界あるいは国内法が整備されたとしてもその限界というものがあるのではないかということを素人ながら考えるわけでございますけれども、この条約が結ばれたことによってどのような効果があったのか、あるいはこの条約がなければもっとテロがふえたのだというような考え方もあるのかもしれませんけれども、一向にテロは減っていないということに関してどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは、私はこの夏にG8に参りましたとき、それからそのほかの国際会議に出ますたびに出ることとして、紛争予防、これをどうするべきかということが必ずテーマとして挙がってまいります。
 今おっしゃったような法整備は、条約なり法律なり、今ここに法務大臣もいらっしゃいますけれども、法律も大事ですけれども、その法律以前の段階として紛争予防をそれぞれの国、国家なりあるいは団体とかあると思いますけれども、民も官も自分の問題として、事が大きくならないように、あるいは発生する前からそうした話し合いといいますか、それから法律を離れて人間社会の努力といいますか、お互いの紛争が起こらないようにする、理解を深めるといいますか、よく言われている文明の衝突、そんな大きなものではなくても、紛争、衝突が発生しないような、そこまで至らないような努力、そういう心がけがやはり政治家もないといけない。政治家っていろんな意味の政治家がありますけれども、そのように考えております。
○広中和歌子君 この条約に伴って国内法の整備がいろいろ求められているということで、新しい爆弾テロ防止条約関係法律整備法案というのができたわけでございますが、この国内法はどのような点において意義があるかということを法務大臣、お話しいただければと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 国内法全体についてという御趣旨でございましょうか。
○広中和歌子君 はい、そうです。結構です。
○国務大臣(森山眞弓君) 条約を批准いたしますときには日本の場合は非常にまじめに考えておりまして、日本の国内の法律がその条約の言うところをきちっと実際に実効を上げることができるかどうかということを子細に点検をするというのが今までの習慣でございます。
 関係の法律、関係ありそうと思われる法律を、たくさんありますものを全部点検いたしまして、このたびようやくまとまったものをここへお出ししたわけでございますが、爆発物取締罰則、生物兵器禁止法等関係の七法律、七つあるわけでございますので全部申し上げると細かくなり過ぎましょうか。
 それらを改正いたしまして、第一に、生物兵器及び毒素兵器の使用罪、生物剤、毒素及び毒性物質の発散罪等の罰則規定を新しく新設したわけでございます。また第二に、核燃料物質をみだりに取り扱うことによる放射線の発散罪等について、その対象物質を特定の核燃料物質から核燃料物質全般及び核燃料物質によって汚染されたものに拡大いたしました。第三に、放射性同位元素を装備している機器等をみだりに操作すること等による放射線の発散罪について、人の財産に危険を生じさせた場合にも拡大いたしました。第四に、所要の国外犯処罰規定の追加などの改正を行おうとするものでございます。
○広中和歌子君 一つは国外犯にも広げたということ、そして生物剤、毒素の発散にかかわる罪などの処罰を重くしたということに意義があるんではないかと思いますけれども、こうしたテロ行為というのはどちらかというと確信犯だろうと思います。ですから、罰則を重くしたからといって、そして国外犯も世界各国協力して犯人を捕らえることができるというようにしたことは進歩だろうとは思いますんですけれども、果たして効果があるかということについてはどのようなお考えでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 先ほど外務大臣もお答えになりましたように、条約があればすべて解決するわけではないとおっしゃいましたし、法律も同様だと思います。
 しかし、何もそういうルールがないというのに比べましたら、やっぱりぎりぎり最小限のところの歯どめは必要でありましょうし、その前に、国民あるいは世界の人々全部が平和なうちに穏やかに話し合って事を解決するというふうにみんなが思うようにならなければ、それは基本的には全部解決するわけにはいかない。それは残念ながら認めざるを得ないと思いますが、法律の役目、果たすべき役目だけはしっかりとしておこうというのが趣旨でございます。
○広中和歌子君 今回の同時多発テロの後、アメリカはアフガニスタンに対して首謀者とされるオサマ・ビンラディン氏の引き渡しを求め、しかし拒否されたわけですよね。アメリカもアフガニスタンも、ハーグ条約というんですか、このテロ防止条約の中の一つ、ハイジャック防止に関する条約に署名もし、そして締結もしているわけですよね。しかしながら、引き渡しがされていないということがあるわけです。
 つまり、条約があっても履行されるかどうかという問題について、本当に複雑だろうと。もちろん、私はなくてもあっても同じと言うつもりはございませんけれども、こういうように実行されないようなケースというのが非常に、これはたまたま一つの例なのかもしれませんけれども、テロという非常に複雑な種類の犯罪に関してはそう一本縄ではいかないようなそういう印象を持ちます。外務大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) それぞれの事案によってケース・バイ・ケースの理由があるというふうに思いますけれども、政治的な残念ながら駆け引きでありますとか、それから何か法律的な枠組みといいますか制限というか、不備であったために引き渡されないケース、それらがいろいろ相まっているというふうに思いますけれども、より具体的な説明が必要でございましたらば参考人から御答弁を申し上げますが、よろしゅうございますか。
○政府参考人(林景一君) 先ほど冒頭に大臣からもちょっとお話しございましたとおり、このテロの関係の国際条約というのは、今十二本作成されておりますけれども、これは、日本が入りますと十一本目でございますが、この考え方というのは、まさに典型的なテロ行為に該当する一定の行為類型を犯罪として、その処罰のための法的枠組みを設定することを国際社会のできるだけ多数の国がやっていこう、そういうことによってテロ対策における国際協力の輪を広げるということでございます。
 御指摘のように、じゃそういう条約の中で、犯罪とされた行為について締約国は訴追ないし引き渡しの義務を一般的に負うわけでございますけれども、引き渡し義務を履行しないという例が、それはあり得るわけでございますが、であるから意義がないのかというと、そこはそういうことではないんではないかなと。
 まず、それは少なくともこういう一定の行為類型について、これは犯罪だというふうに、いわば法規範といいますか、として世界じゅうの非常に多数の国が受け入れるということがございます。
 例えば、この爆弾テロの条約については実はまだ二十九カ国でございますけれども、御指摘のヘーグ条約のような場合ですと、世界の百七十四カ国もの、いわばもう大多数の国が参加しているわけでございます。こういう条約について重要な義務の違反というものが起こります場合には、当然のことながら国際社会の非常に強い非難を受けるということになりますし、場合によっては、それは安保理の制裁というようなことまであり得るわけでございます。
 そういう意味での不利益をこうむるようなことがございますし、やはり道義的にも非常に受け身の立場に置かれるということでございましょうし、そういう意味で、普通の国の間ではやはり義務の履行が期待される、そのことによってそのテロ犯罪というものが抑止される、あるいはその起こったものについての取り締まりが強化されるというようなことで意義があるのではないかというふうに考えております。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 要するに、起こってからどうするかという問題よりも、起こる前にどうするかと。つまり、未然防止ということが非常に大変大切だろうと思いますけれども、例えば我が国ではサリン事件というのが起こって、そしてあのサリン法というのができましたよね。例えばこのサリン法ができたために、この前起こったサリン事件のようなことが再び起こらないというようなことは警察としては断言できるのでしょうか。
○政府参考人(漆間巌君) サリン法はできましたけれども、そのサリン法ができた結果、いろいろな化学物質に関して、その管理に関してきちっと届け出をするとか、そういう義務づけはされております。これをきちっと履行していただいてうちでチェックするシステムはできたわけでございますが、ただ、これによって化学テロが起きないかと言われますと、我々としては起きないようにいろいろな対策を講じたいと思っておりますけれども、全く起きないということはこの場では申し上げることはできません。
○広中和歌子君 テロ、どういうところから起こってくるのかわからないわけですけれども、まず薬物ですよね、毒物というんでしょうか毒物、そして、今度の法律では核とそれから化学物質、そして生物剤と、そういうものが対象になって、日本の、我が国の国内法でもそういうものを取り締まろうということがされるわけでございますけれども、そういうものを使っているところ、管理しているところ、大学等研究室、いろいろあると思うのでございますけれども、その管理方法については、これまでとそして今後、これまではどういう方向でやってきたのか、そしてこれからどういう方向に変わっていくのか、そういう対応についての変化があれば教えていただきたいと思います。
○委員長(武見敬三君) どの担当者にお聞きになりますか。
○広中和歌子君 これは文部科学省の担当であるのかもしれませんけれども、どなたかお願いしたはずなんですけれども。
○委員長(武見敬三君) 特定してください。
○広中和歌子君 担当の方はわかりませんけれども、大勢の方にいらしていただいているので、どなたか答えていただけるんじゃないかと思います。
○政府参考人(古田佑紀君) 生物剤あるいはいろんな化学物質、この管理を直接私どもの方からお答え申し上げるのはいかがかとは存じますけれども、例えば生物剤につきましても、これは今御指摘のとおり、それぞれの目的に応じまして、文部科学省あるいは厚生労働省、農林省その他関係省庁多岐にわたって、それぞれの目的に応じましていろんな管理体制、こういうようなものをきちっとするということでこれまでも行われてきたように承知しておりますし、特に現在のような生物剤の悪用、あるいは先ほど御指摘がありましたような、サリンのような化学物質の悪用と、こういうような事態が現実化してまいりますれば、当然ながらそういう面についての、実際の取り扱っておられるところの管理体制とか、そういうのもきちっと整備されていくというふうに今私どもとしては考えているところでございます。
○広中和歌子君 これまで予想がつかないような犯罪というのを犯人たちは考え出すだろうと思いますけれども、ですからこれまでの縦割りの行政ではできないと、つまり横の連絡をとりながらこういったテロ犯罪に対して対応しなければならないんではないかと思いますけれども、これからの取り組みについて、特にテロが発生した場合と、それから発生する前と後についてどのような体制がとられるのか、それについて教えていただきたいと思います。これまでどういうことをやっていらしたのか、そしてこれからどういう取り組みをしなければならないと思っていらっしゃるのか。
 生物兵器への対処に関する懇談会報告というのがあります。要するにまだ本格的な研究は行われていないし、生物剤に対する検知、防護等の能力は欠落または未検証の状況にあると報告されているというふうに言われているんでございますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(北原巖男君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の生物兵器への対処に関する懇談会の報告書、これはことしの四月に防衛庁長官に提出されたものでございますが、一年前に、防衛庁といたしましても、この生物兵器というものが大変安価かつ製造が容易ということで、その移転、拡散が喫緊の課題になっているといった認識に基づきまして、特に医療分野を中心とした学識経験の方々に専門的観点から提言を得るといった観点でお願いをしたものでございます。
 先生御指摘のように、その中で、まだまだこれから整備をしていく必要があるといったことが十項目にわたって指摘をされております。これを受けまして、防衛庁といたしましても、現在、四月に報告を受けまして、五月に防衛庁の中に生物兵器対処に係る連絡会議を設置をいたしまして、生物兵器対処の体制整備について現在鋭意検討をしているところでございまして、私どもといたしましては、この検討をことしの十二月にはまとめたいということで、今、急いでといいますか、慎重かつ急いで作業を進めているところでありまして、この作業の中で、いろいろ懇談会でも御指摘をいただいたようなさまざまな検討を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、私どもこの会議での検討を早く取りまとめましてやっていくことが、生物剤によるテロが起きた場合の私ども自衛隊の部隊運用のあり方に大変資するものと考えておりまして、今、我々といたしましてはこうした作業を鋭意進めているところでございます。
 また、これにあわせまして、現下の炭疽菌その他の事案が発生しておりますので、私どもといたしましては補正予算でもいろいろ前倒しして体制の整備等に全力を尽くしていきたいと、そのようなまた努力をしているところでございます。
○広中和歌子君 想像力を働かせながらシミュレーションをぜひしていただきたいと思うんですが。
 今度は、テロが実際に起こった場合、この前のサリン事件もそうですし、炭疽菌事件、日本に発生しなければいいと思いますけれども、そういった事故、それから原子力発電所等原子力に絡む事故、テロじゃなくても事故が起こった場合、そうした場合にこれまでの、一元的には、警察あるいは消防が対応するんだろうと思いますけれども、それだけでは対応し切れないようなこともあるんではないかと思いますが、消防、警察、自衛隊の連携というのはどういうふうになっているんでしょうか。
 そのことは非常に大切だろうと思います。政府全体としての体系づくりをぜひお考えいただきたいと思いますが、どういう体制が組まれようとしているのか、ぜひ教えていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のように、防衛庁、また警察機関、消防の連携は大変重要だというふうに思っております。そういう意味で、ちょうど本日でありますけれども、夕刻、官邸でNBC対策関係閣僚会議が開かれまして、そういった事態における省庁間の連携、連絡、対処等を緊密に強化していこうということで、政府全体の連携体制のより一層の強化という対策が図られております。
 また、警察との連携関係も、治安出動に関する出動の要件につきましてかねてから協定等を結びまして、中央のレベル、また現場レベルでの相互の連絡調整を迅速にできるための処置を行っておりますし、また、いざ治安出動の場合の閣議決定の要領等につきましても、迅速に閣議決定がなされるように、今般、内閣において申し合わせ等を行っておりまして、警察並びに消防等と相互に協力しつつ、救援活動が迅速に行うことができる体制づくりに努力をいたしております。
○広中和歌子君 今おっしゃった……
○政府参考人(北原巖男君) 済みません、一つ付言をさせてください。
 今、大臣が御答弁しましたとおりでございますが、それに加えまして、治安出動にいかない状況のもとでのいわゆる災害派遣出動といった段階でも警察庁との間で平成八年に協定を結んでおります。さらにまた、消防庁との間でも同種の協定を結び、連携を密にし、遺漏なきを期していくということで今やっております。
○広中和歌子君 大変いい御指摘だろうと思います。テロかテロでないかということも当初はわからないわけでございますから、ともかく事件が起こったときにいち早くそうした協力体制ができるという、そういうシミュレーションをしておくことは非常に大切だろうと思います。
 それから、最初、防衛庁長官がおっしゃったNBCというのは、核と生物剤と化学兵器、化学物質ですね、毒性のある。ありがとうございました。
 それから、これまでの国内法で、何でしたっけ、現行の原子炉等規制法では特定核燃料物質以外の、人々の生命、身体等に危険な核物質が対象になっていないということで、この法律で、放射線、放射性物質を発散する兵器または装置が加えられたということでございますけれども、そういう中で劣化ウランも今回の法律の対象に含まれることになったということが報告されているわけですが、前回、前々回だったか、私は劣化ウランについて防衛庁長官にお尋ねしたことがございます。劣化ウラン弾というものですね、劣化ウラン弾というのは今回の法律とどのようなかかわりがあるのかということでございます。
 自衛隊は劣化ウラン弾は所持していないときっぱりとおっしゃったわけで、それでは在日米軍はどうかというふうに重ねて私がお伺いいたしましたところ、調べてみるとおっしゃって、それでとどまっているわけでございますけれども、仮にアメリカがそれを所持しているとしたらば、これはどういう扱いになるんでしょうか。核兵器になるんでしょうか、それとも非核兵器なんでしょうか。
○委員長(武見敬三君) どの閣僚がお答えになりますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 前回の広中先生からのお尋ねでも劣化ウラン弾のことが大変御熱心でございましたし、またそれに関する御本もたしかアメリカからのものをちょうだいいたしまして、全部は読み切れませんでしたけれども、拝見させていただきました。
 その関連のお尋ねというふうに思いますけれども、今回、アメリカの方への問い合わせにつきましては、劣化ウラン弾の管理に今後とも万全を期するようにということの申し入れはかつてもしておりますが、今回、十月の十日に北米局の審議官から在京米大使館の政務担当の公使に対しまして申し入れを行いました。
 そして、アメリカ側から、その十月十日に、弾薬の具体的な保管場所や数量等については軍の運用にかかわる問題でもあり、また施設及び区域の保安上の要請もありまして公表しないとの基本方針を有しているという従来からのお返事がございました。
 これは前も、共産党さんの小泉先生からも前回お尋ねがありまして、今いらっしゃいませんけれども、大変御関心があるので、私もまたこの今国会が始まると多分お尋ねがあると思いまして、事務方、おしりをはたきましてお願いした結果が、結果的にはこういうふうな結論でございますけれども、劣化ウラン弾が厳重な管理基準のもとに安全な場所で管理をされていると、そしてその安全管理、確保というものに万全を期しているのだという説明を受けて今来ております。これが今一番直近のお返事でございます。
○広中和歌子君 核兵器とは考えられないんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) いわゆる核兵器ではございません。
○広中和歌子君 ということは、核の持ち込みということには当たらないと、そういうことでいいですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 当たりません。
○広中和歌子君 ありがとうございました。
 では、条約に関しましてはこれくらいにいたしまして、少し幅広く現在の国際情勢についてお伺いしたいと思います。特に、今アフガニスタンで行われている空爆とそれに付随するところのさまざまな問題でございます。
 私は飢餓議員連盟という議員連盟の事務局長をしているという関係で、関係もあって、国際機関、WFPとかそれからユニセフとかいろいろな国際機関からお訪ねをいただいて陳情を受けるわけでございますけれども、WFPの御報告によりますと、今アフガニスタンでは既に難民の数、既にこれまでの戦争によって難民の数が、パキスタン側では二百万人、それからイラン側では百五十万人いるということでございまして、これ以上パキスタンにしてもイランにしても難民を受け入れられないということで国境を閉鎖しているということでございますけれども、これから難民の数というのは今後どのくらいにふえるというふうに予想していらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 難民の問題は、私もこの前も、今御指摘のありましたパキスタン並びにイランの外務大臣とか関係の方たちとお目にかかったりしますときに数字を伺っておりますけれども、確実に何人ということは掌握はなさっておりません。それからまた、日に日に、流動的なことでもございますから、それはやむを得ないというふうに思いますけれども。
 現在の難民の、アフガニスタンの場合ですけれども、この規模でございますと、十一月六日にUNHCRが発表いたしました数字によりますと、パキスタンに流入しているアフガン難民というものは十三万五千人に上るというふうに言われております。そしてまた、イラン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンですけれども、そちらへの流入は、流出はほとんどないというふうに聞いております。
○広中和歌子君 それは新規でございますよね。
○国務大臣(田中眞紀子君) はい、そうです。
○広中和歌子君 新規に受け入れるには、どなたがおっしゃったのかともかく、パキスタン側のトップの方、ムシャラフ大統領なのかそれに近い方なのか、CNNテレビで、私自身は確認していないんですけれども、一人百ドルというのは、これ一月なのか数字はよくわからないんですけれども、ともかく地獄のさたも金次第というような感じで、やはり難民を受け入れるには非常にお金がかかるということを指摘していらっしゃるんではないかと思うんですけれども。
 日本がアメリカを後方から支援するといったときに難民支援ということは大きなテーマになってくると思うんですが、日本はどれだけの難民受け入れを、金銭面で、資金面でどのような見積もりというのか、覚悟をしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 資金面でのことということはまた閣内でトータルで総理や財務大臣とも御相談をしていかなければなりませんし、今、正確なことは申し上げかねますけれども。
 ただ、今おっしゃった一人引き受けるに当たって百ドルかかるというふうな報道を、CNNとおっしゃいましたか、おっしゃっておられましたけれども、これは十月にUNHCRのルベルスという弁務官がおりまして、この方は大体一人につき年間四十米ドル以下の予算での活動が可能になっているんだというふうな数字を示しておられます。
 ただ、お尋ねの日本でどのぐらいの予算枠があるかにつきましては、何でしたらもう一回正確に調べてからお答えを申し上げた方がよろしいかというふうに思います。
○広中和歌子君 WFPの方たちとの話し合いの中でなんですけれども、WFPにいたしましてもそれからユニセフにいたしましても、これまでも難民とか飢餓問題についていろいろ経験があると、実績があるというようなことを言っていらっしゃいました。そして、これ以上の難民を発生させないように、つまり現地にとどまってもらって、そして難民化しないような支援というのが非常に大切だということを言っていたわけです。彼らはアフガニスタンの国内に入っていくルートを持っているということなんですけれども、今、空爆が始まっている。そういう現状の中でどういうふうにこの支援を続行できるかというのが問題であろうと思います。
 私も、難民となって出てくるよりは、現地にとどまって、そして生活を続ける、農業を続ける、そのほか商売を続けられる方がよっぽどいいと思いますけれども、しかしそのような方向が非常に難しいといったときに、二つの方法が考えられるんではないかと思います。
 一つは、こんなこと可能であるということと実際にできるかどうかは別ですけれども、日本がアメリカと連携をとりながら、安全な地域、空爆が行われない地域というものの情報を、ちょっと不可能かもしれませんけれども得て、そして彼らをエスコートできるということ。あるいは、自衛隊がこういう国連機関とともにそういう支援に当たるということ、警備も含めまして。そういうようなこともあり得るんではないかなと頭で想像しているわけでございますけれども、その可能性についてコメントをいただければと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 大変、今、広中先生のおっしゃったことは重要なことで、現実を直視しながら、まずこの空爆のある中で何ができるかということを真剣に考えられた結果、今二つのことをおっしゃっているというふうに思います。
 それを実現するためにも、ちょっと前段がございまして、それだけではなくて、まず輸送のルートとかあらゆることを考えなければいけませんけれども、あの地域が地政学上非常に厳しいところで、七千メートル級の山が九つもあって、そして、この間も黒柳徹子さんが、私の私的な懇談会にいらしたメンバーに入っていてくださいまして、あの方はユニセフ大使ですし、アフガンに、その地に何度も以前からいらしたことがおありになりました。そうした輸送とか、今まさしく委員がおっしゃったような、日本とアメリカが協力して安全地域へエスコートするとか、あるいは自衛隊が参画することについて、まずルートの確保というものがないと。
 特に、今これから雪が降ってくるということはしょっちゅう国会で、衆参で、あらゆる委員会で言われておりますけれども、この間おっしゃったのは、たしかロバを、バスでもって例えば救援物資も運んでまいりますよね。バスで持っていくんだけれども、バスの運送業が結構発達している国だそうでして、パキスタンにしろアフガンに行く、そういうものが結構近隣の国にある。しかし、実際は八千頭のロバで、五百人と言われましたか、五百人だか六百人、ちょっとノートを見ないと正確でございませんが、そのオーダーの人たちが実際に人力でもって運ばざるを得ない。なぜかというと、ルートが、道が狭くなって、どんどんどんどん先が細くなっていくために、奥地にいる方たちに届ける手段が非常に限られてしまっているということをおっしゃっていました。
 したがって、そういうような実情からいきまして、しかもどんどん寒くなって雪が降るわけですから、その残っている方は残念ながら経済的にも窮乏している方たち、そういう方たちが国外に出られず、避難民になれずに中にとどまっておられる、その実態はなかなか掌握どこの国も今できていないわけですが。それを踏まえましても、今、先生がおっしゃったようなことを実現するのは、今すぐまず道路をつくる。こういうことも私たちも内部で、役所でも議論しておりますけれども、あの周辺の北の部分の国、そうした国々と一緒に新しく道路を本当にインフラの整備みたいにつくっていくとか、そういうことをしないとならない。
 したがって、今現在のことをおっしゃっていますが、この後のアフガン復興について考えるときにも、そうしたまずアクセス道路といいますか、そういうことから考えなければならない。ましてや、今ドンパチありますから自衛隊がぽんと行くこともできませんし、知恵が要るところだというふうに思います。
○広中和歌子君 防衛庁長官は自衛隊の後方支援について、そうした人道面の、どのような構想をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 本件の場合は人道的な支援ということで、被災民救援活動ということでこの新しい法案にもそれが位置づけられているわけでございますけれども、三つの条件が加わっておりまして、まず戦闘行為が行われている場所ではできませんと。それから、UNHCRなどの国際機関から要請があった場合に限りますと。それからもう一点は、当該国の受け入れの同意が必要ですということで、アフガニスタンの状況はタリバンと北部同盟という二つの勢力がございますが、事実上その二つの勢力があるものの、外交的にはその二つも日本国は承認をしておりませんので、受け入れ国の同意という点で、受け入れ国が認定できないという、事実上不可能でございますので、この状態で外務省等が国の認定をしていない限り同意を得るというのは難しゅうございますが。
 ただ、この同意をどう考えるかということで、例えば国連等が信託統治をしている場合は、これは同意とみなすということとか、現行のPKO法も五原則がございますが、この五原則の中で同意ということが書かれておりますが、この同意についてもそういう国連が事実上コントロールした場合は同意があるとかいうようなことでそれにみなすとか、現状においてはまだ五原則の議論が各政党間で行われておりますので、こういったことにおいてお認めいただくならば自衛隊の活動が実施することができますけれども、こういった制約がかかっている現状を考えたら、アフガニスタン国内での被災民支援の自衛隊の活動ということは事実上現時点ではできないというふうに思っております。
○広中和歌子君 いや、非常に複雑な問題を抱えているなということで、本当に考えさせられました。
 今、ラマダンも近づいてき、そして冬も近づいてくる中で、非常にアフガニスタンの戦況というんでしょうか、それが先が見えないような状況でアメリカも苦労していると。そういう中で、日本は少なくともモラルサポートをして、そしてまた後方支援をするということ、それは我が国、同盟国としてのコミットメントであるということはよくわかります。
 わかった上であえてお伺いするわけですけれども、このアメリカの戦略について日本はアメリカに対してどのぐらいのインプットというんでしょうか、アドバイス、忠告、そういうものをしていらっしゃるんでしょうか。現状をお知らせいただければと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) アメリカにインプット、アドバイスという以前に日本で最大限情報を収集しておりまして、それは外務省以外のところももちろんございますし、私も外務大臣としてあらゆる機会に情報はもちろん集めております、電話会談もありますし、バイのこともありますし、あらゆる機会があるわけですけれども、要するに役所トータルでもやっておりますし、そうしたものをすべて勘案していて、復興するために、それから復興以前に今現在の中で先生がまさしく関心がおありのようなことを私も興味がありますし、やらなければ、興味というよりもやらなければいけないことですね、絶対、人道上も。
 それから、今後のアメリカの作戦の展開でありますとか、そういうことについて自分たちなりに問題意識があって分析していて、それでできることからやっていくと。それが国家、国のあり方でありますし、今回のテロ撲滅ということがきっかけでありますけれども、引きずり回されるのではなくて日本が主体的というのであれば、まさしくこちらのプロポーザルはしなければならないというふうに思っておりますが、なかなか直接アメリカのパウエル長官にしろブッシュ大統領にしろ親しくこういうことをお話しする機会に遭遇できないでいるということは大変極めて残念に私は、そのことが極めて残念に思っておりますけれども。
 ただ、分析した情勢は、私、きのうの夜、委員会が終わってからソラナというEUの代表が今回国連に行かれるものですから、電話でお話をいたしまして、私の問題意識を申し上げました。そして、この間、数日前ですけれども、トニー・ブレア首相がロンドンに欧州の代表をお呼びになって、そして自分たちの問題意識を整理し、もう一回団結をし、国連が始まる前にどのようなことがこのアフガンでできるかということで意見集約をなさったんです。そのことの二点、私が申し上げたい、聞きたいことが一つ、もう一つはロンドンでの会合の中身、この二点について伺いました。
 それがまさしく、私は自分が行けなくなった場合でも、日本のこうした私の思いも伝えてほしいということをソラナさんにお話ししましたし、きょうまた委員会が終わりましてからジャック・ストローというイギリスの外務大臣、これも大変アクティブで、イギリスは特にパーティシペートしておりますから、大変今回の問題にはいろいろな観点を持っておられます。したがって、ストロー外務大臣ともきょうこの委員会終わってからお話をすることになっておりまして、アポイントがとれておりますけれども。
 その中でソラナさんがおっしゃったことが、御質問とぴったり合いませんけれども、一番直近の情報でございますから申し上げさせていただきますけれども、軍事行動の中では北部同盟の役割の重要性というものを欧州の中で、この間のロンドンでの中では確認をしているということが一点。
 二つ目は、人道支援。これはシラク大統領がしょっちゅう、フランス人は中でも特にそうですけれども、フランスだけではありませんが、非常にシラク大統領が主張なさったということを聞きました。
 それから三つ目、これはまさしく私が今申し上げていたポスト・タリバンですけれども、これも私が一番言ったら、まさしくそれだそれだとソラナさんが電話で言っておられたんですが、権力の空白をつくらないためにはどうしたらいいだろうかという視点です。しかし、それも大国のエゴでありますとか周辺国のイスラムの国家の思いが微妙に違っていますので、それではなくて、アフガニスタンの人たちが、アフガニスタンの意思によって、国民の意思によって、周囲の国々もなるほどねと思えるようなコンセンサスを、最大公約数を得られるような形で自分の国に住める状態をつくるにはどうしたらいいか、これがポスト・タリバン。
 四つ目は、中東和平でして、これも新しいモメンタムが必要ではないかということで、これはもうG8のときもそうですし、それから私はパレスチナのシャアス長官でありますとかアラファトさんとも電話で話をし、この中東問題が非常にキーの一つだというふうに思っております。
 ペレス外務大臣は、イスラエルですが、しょっちゅう電話をくださいます。今回もこの問題について電話でばかり話しているものですから、ペレス外務大臣がニューヨークでじかに会ってあなたの意見を聞きたい。私も中東和平の問題も、アフガン和平もそうですが、東京で中立の立場で会合はいつでも開かせていただきますと、胸襟を開いて話をしたいということを何度もペレスさんにも言っていますし、アラファト議長にも申し上げました。それは、両方は外交辞令ではなくて本当にウエルカムなんですね。したがって、その話もニューヨークでしようということになっていました。
 ですから、行けないで残念ということよりも、そうした問題意識は結構収れんされている。四点、軍事行動の問題、人道支援、ポスト・タリバン、中東和平、これらが欧州で出てきていまして、特に人道支援とポスト・タリバンをどうするかということが私たち外務省のもう強い意思でもありますので、そうしたことについてこれはもう初めてきょうは先生に、きのうの晩をきょう初めて申し上げさせていただいて、こういう機会があってありがたいと思っていますけれども、こういうことをまさに話をすること、そしてアメリカにそれを言い、またアメリカからもそういうことに対する意見を聞いて国際社会に日本が入っていくということだろうと思いますが、宮澤総理がお出かけくださるので、何か、元総理ですけれども、そういうふうな場がつくっていただけるとありがたいと思っていますので、何とか私が持っているこういう情報といいますか、皆さんのこうした危機感、たくさんの御意見をポジティブに少しでもアメリカで生かせるように宮澤総理ともお話をさせていただけるといいというふうには思っておりますが、何といいましても時間の制約がありまして、なかなか厳しいのであります。
○広中和歌子君 外務大臣というのは、少なくともテレビなどで見ておりますと、よその国の外務大臣ですけれども、しょっちゅう外国を飛び歩いていらっしゃる、国際会議も非常にいっぱいあると。全部出席できないかもしれないけれども、せめて主要な国際会議ぐらい出なければ外務大臣としての役割も務まらないんじゃないかなと思っております。
 私は今野党の立場におりますけれども、いずれ与党の場に、立場に立ったときでも、やはり日本の大臣はこのグローバルな時代の中で国際的な立場で活躍する、発言する、リーダーシップをとると、そういうことが非常に大切だと思っておりますので、今の田中外務大臣のお言葉に秘められたフラストレーションというんでしょうか、お気持ちはよくわかるつもりでおります。
 それで、できるだけ今与えられた場の中で大いに御発言をしていただきたいし、国内でも国外でもリーダーシップをとっていただきたいと思いますが、これまで外務省はアフガニスタン情勢を初め中近東の問題に関してリーダーシップをとっていらしたという実績があると伺っております。
 まず一つは、アフガニスタン和平復興構想というんですか、これはまだ今の紛争が起こる前のこと、テロ事件が起こる前のことでございまして、九六年からの構想で、しかしながらまだ実現していないというふうに聞いておりますけれども、何を目指し、どのような成果を期待していらっしゃるのか、実現しなかった理由は何なのかと、お伺いいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは、細かい経緯につきましては事務方からお許しいただければお答えしますが、私が承知しておりますのは、当時の小和田国連大使が国連でスピーチをなさったそうでございまして、私もその経緯、なぜそういうスピーチになったか、その後のフォローアップがどうなっているか、事務方に聞いております。そして、人材育成がないと、アフガン問題というのは極めて多岐にわたりますし、根が深いといいますか、そういう問題でございますから、したがって、どれだけ外務省が私なんかが着任する以前からやってきているか、人材というこの面からまず申しました。
 そうしましたら、あれからもう五年たっているわけですけれども、一名の専門家の名前が挙がってきまして、だけれども、残念ながらその方は今国連の方に行ってしまっていて、いざとなるとすぐこれをフォローアップできるような人材もいないということですし、役所になかなか手ごたえがなくて、残念ながらこうしたことが起こる前に、関心はあったもののきめの細かい確実な積み上げは残念ながらなされていなかったのではないかというふうに思っておりますが、でも何か計数的なものでございますとかお知りになりたければ、事務方はきょう来ていますか、大丈夫ですか。副大臣、何か御存じでいらっしゃいますか。じゃ、副大臣からでよろしいですか。
○副大臣(杉浦正健君) アフガニスタンの将来についての復興会議の話が始まったのは、委員御指摘のとおり、九六年ぐらいでございます。おっしゃったとおりでございます。大臣も申されたとおりなんですが、パキスタンの大使館が中心になりまして当事者を呼んで話をしたこともございますし、それから昨年ですか、東京へ当事者を呼んで国連に立ち会ってもらって話をしようということを呼びかけたことがございますが、タリバンの方が国連の立ち会いは嫌だということで流れた経緯がございます。水面下で努力しておりました。日本が最も手を汚していない立場なものですから、双方とも非常に好意的で話し合いに応じていたわけであります。
 それに、6プラス2という国連の場にあります周辺、国境を接している六カ国と米ロですか、これが加わって、これは今のところ開店休業状態なんですけれども、アフガンのことを考えていこうという国連の枠組みがあったんですが、それとも連絡をとりながら、東京で復興会議をやりたい、国連も入れて6、2プラスアルファですか、の会議をやったらどうかという構想で進めておったわけですが、今度の事件でそれはもう全くアクションとしては停止ということになっておるわけでございます。
 私ども外務省としてはその構想は持っておりまして、今いろんな形でポストタリバンの話が国連の場でも各国、米英ロ等々、いろんな立場で話が出ておりますが、そういう中でも、日本はそういう考えでおりましたので、役割を果たしてもらいたいということはあらゆる場で申しております。
 その後の一番新しいことを申し上げますと、ザヒル・シャー元国王、今ローマにいらっしゃるんですが、八十歳を超えた御高齢の方なんですが、この方とは今までも緊密な関係を維持しております。ローマの大使館が中心になりましてその関係者とも緊密な関係を持っておりまして、今月の一日と二十二日に林イタリア大使が元国王と会見をしておりまして、そこで我が国としてもアフガン和平について引き続き今までどおり積極的な役割を果たしたい、関与していきたいということをお伝えをいたしております。──失礼。今、申し上げたのは十月でございます。先ほど申し上げられました、東京招聘を打診したけれども実現しなかったのは、ことし四月でございます。
 昨年の三月には、アフガン各派を個別に東京へ招聘いたしまして、協議も実施いたしております。それから、ことしの六月には、中東アフリカ局の幹部が出張いたしまして、各派代表と会談もいたしております。
 水面下のものがございますが、さまざまに努力をしておるところでございます。
○広中和歌子君 水面下であろうとなかろうと、本当にこれまでの御努力というのは多としたいと思うんでございますが、やはりこういう問題で強力なリーダーシップを発揮するには、やはり顔の見える外交が必要だと思いますし、また周辺諸国、国際社会からリーダーとしての資質があるというふうに思われなければならないだろうと思います、国としてですね。
 また、そうすると、やはり日本がこれまで中近東に対して、仲がいいかどうかは別として、非常にニュートラルな立場、戦争など紛争を経験したことがないというようなこともプラスの要素でございますが、そういうことを考えますと、今度の後方支援も含めまして、アメリカの同盟国としての日本の役割によっては、日本がこうした中東和平問題にどれくらいリーダーシップがとれるかということにかかわってくるのではないかというふうに思ったりもいたします。
 そういう視点から、やはりアメリカに対しての支援と、それからアフガニスタンに対する復興後をにらんだ、あるいは復興に至る過程において、日本がリーダーシップをとれるために、日本の外交はどうあらねばならないかというようなことをもしビジョンとしてお持ちでいらしたらば、大臣、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 顔の見える外交と言うのは簡単なんですけれども、それは、過去の積み上げが、費用がどうであるとか、どういうふうな接触をしたとかというふうなことよりも、やはり私は外交というのは人を得なきゃいけないということがあると思いますし、それから信頼関係ですね、それから実績だと思います。
 今おっしゃった中で一つちょっと違うというところは、アメリカを通じてアメリカに対する支援とおっしゃいましたが、今回の支援は対テロでございまして、もちろん日米同盟は基軸でございますし、大切です。ですけれども、やはりこのテロリズムに対して、私どもは憲法の枠内でぎりぎり武力行使と一体化しないでどこまで協力ができるかということなんですね。ですから、そこのところをやっぱり国際社会の枠組みの中で日本が主体的に取り組むと。よく総理がおっしゃっていることなんですけれども、これに尽きます。
 それは別に置きまして、外交ということですけれども、ややこしく考えればややこしいですけれども、シンプルなことであると私は思います。それは、基本的に信頼関係と実績だと思います。言葉は、国際社会の中で言葉ができるとかできないとかそういうことよりかも、本当に信頼ができる人、それから実績を積んでくれるパートナーであるということ、それは別に対米だけではありませんで、このアフガンだけでもないし、中東問題でも、私はつくづくその中東の関係者、先ほど申し上げた方々、ペレス外務大臣にしろ何にしろ、すべてそうですけれども、再三再四話をしていると、電話かけて、ハロー、マキコ、ぱっと言ってあいさつした後、もうすぐですね、今回のイシューは何という感じで話が入ってきますね。こちらも、きょうはこれとこれがプロポーザルで、聞きたいと言いますと、すぐこう言ってきます。非常に早いですよ。そうして、いろんなことをフリーハンドで話ができます。そういう関係をやっぱり結実させていくと。
 私、特に欧州は言語の問題も地理的な問題もあると思いますが、しょっちゅう会っています。それから、ASEANもそうですね。今回、総理もいらして多分そうお思いになったと思うんですけれども、ASEANプラス今度は3ですが、ASEANの中で、私もこの間WTOも行きましたりほかの会議で行って、極めて緊密ですね。しょっちゅう会っています。それは、イスラムの国が多いというふうなベースもあると思いますが、そうした中でもって日本がイニシアチブをとるとか、顔の見える援助をするとか、過去幾らこれを上げたとか、これからも予算の計上をこうします、それはもう不可欠なんですが、プラス何が足りないかといったら、先ほども申し上げたような人間関係、実績、これと思いますよ。
○広中和歌子君 それから、大臣の任期もあるんじゃないんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私のことを言っているんじゃないですよね。
○広中和歌子君 いえ、任期です。いや、一般的に……
○国務大臣(田中眞紀子君) 任期。ターム。
○広中和歌子君 タームです。
○国務大臣(田中眞紀子君) ターム。メディアが喜ぶのは間違いありません。マスコミが頑張って、書くことができてよかったと思っているんじゃないですか。
○広中和歌子君 それは外務大臣だけじゃなくて……
○委員長(武見敬三君) 広中和歌子君。
○広中和歌子君 済みません。
 それは外務大臣だけではなくて、どのような分野でもやはりある程度実績を積むためには時間をかけなければならないということもあるんではないかと思います。
 それでは、私たち、大臣もそうですし、森山大臣もそうですし、すべてここに出席している政治家はそれぞれビジョン、どういうことをやりたいかと、ビジョンを持っているんじゃないかと思います。
 私自身といたしましては、日本のこれからの外交政策というのは、これまで日本も既にやってきたことですが、やはり平和というものを基軸にした人道的な支援というのでしょうか、それを進めていくことが非常に大切だろうと思います。特に、二十一世紀の世界というのは、環境の世紀などと言われておりますように、環境問題を中心とした支援というのが必要であろうと思う。環境問題も、かつては環境というと公害というふうにすぐに思われていたわけですけれども、次第次第に地球規模の問題になり、それも単に川が汚染されたとか、それから木がなくなったとか砂漠化したとか、そういったことだけではなくて、貧困、難民、経済、つまり経済的な問題ですよね、それと環境との悪循環、そういうようなものも非常に大きいんではなかろうかと思います。
 そういう中におきまして、地球憲章という憲章がミレニアム、二〇〇〇年の六月にでき上がりまして、これはゴルバチョフ元ソ連邦大統領と、それからリオのサミット、一九九二年のサミットの事務局長をしていたモーリス・ストロングさんのリーダーシップによって、今、ルベルスさんはUNHCRの弁務官ですが、彼がかつてオランダの首相であったときに、彼の何というのでしょうか、彼のイニシアチブによって、このゴルバチョフ、モーリス・ストロングなどなどがオランダのハーグのピースパレスに集まって地球憲章をつくろうということになって、そしていろいろな世界じゅうの人の意見を集めてでき上がったのが地球憲章というものでございます。
 そこにうたわれていることというのは、今、私が申し上げたような、つまり平和を基軸として、この人類の唯一の住みかは地球であり、そして人類というのはこの地球上の何百、何千、何万、何億とある種のたった一種類にすぎないと。そして、多くの種によって生かされている存在であり、そしてまたそういう地球を保全するために、平和であるとかそれから民主的な公正な社会をつくっていくことであるとかといったようなことをうたっている大変いい憲章だろうと思っております。
 これについて、ぜひ田中大臣あるいは外務省にリーダーシップを発揮していただきたいわけでございます。これができ上がりまして、希望しておりますことは、ヨハネスブルグのリオ・プラス10の地球サミットにおきまして、これがエンドースされるということは無理といたしましても、少なくともサポート・アンド・アクノーレッジメント、支持とそれからそれを認めると、承認するといったような方向に向けて日本がリーダーシップをとっていただきたいと。
 そのようなお願いを今この場でさせていただきたいんですが、まずそのためには、今度の十一月の二十七日にカンボジアのプノンペンで開かれますこのリオ・プラス10のヨハネスブルグ・サミットに向けてのエイジアン・リージョナル・プレコンという、準備会議というのがあります。そこに向けてぜひ、日本国としてはこの地球憲章のことを発言していただき、そしてこういう方向で日本がそれをサポートしているのだという、そういう発声をしていただくということは、我が国にとって大変すばらしいリーダーシップではないかと手前みそながら申し上げます。私自身もこの地球憲章にかかわってきたといういきさつもあるものですから、とりわけ熱い思いで申し上げさせていただきたいんですが。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今、リオ・サミットのこと、それからオランダのルベルス首相のお話もなさいましたり、それからリオ・プラス10のお話ですね、そして今後のカンボジアのことも踏まえまして御意見開陳がありまして、まさしく日本の外交だけではなくて世界じゅうが一人一人のマインドセットアップ、心の問題として取り組んでいく問題ではないかというふうに今思いながら伺っておりました。特に、先生のおっしゃった平和、民主、公正、これはどこの国でも、人間であれば、地球のいかなるところでどのような政治状況、社会環境にあってもこれは一番大事なことであって、何人も否定しないことだと思います。
 そして、私はこうしたことでもって一番いつも感じていることは、議員になる前からずっと感じていることというのは、きっかけは父が病気になったこと等もありますが、人権ということですね。それから、国家というもの、国家が何ができるか、ポジティブに国家がどのようにして人の人権を守るか。これは、前沖縄県知事さんいらっしゃいますけれども、一つ一つのことをこの外務省マターだけで聞きましても、あるいはそのほかの経済にしても文化も社会問題もすべてですね、それはやっぱり政治が包含すると思いますけれども、それは人権と国家がどうあるかということ、それを発展して収れんしていくものが外交だと思います。逆に言えばツールかもしれません。
 そういうものを使いながら話をしていく、信頼関係を築く。それは実行することであり、決断をして実行をしてそれを得る人、しかもその人の、さっきおっしゃったその任期、ターム、期限、余り長けりゃいいというものじゃありませんけれども、また腐敗しますけれども、短過ぎては話にならないわけでして、予算的な裏づけがあって、そして政治的な指導性があって、その発言をする人、実行する人が責任を持ってやるかどうかと。それがある程度の任期を持ってやれば、それが結果としてリーダーシップにつながり、よい結果を生むし、世界の平和に貢献するものであるというふうに思っております。
 今おっしゃったカンボジアで行われるリオ・プラス10、私も参加したいと思いますし、またこうした、今、広中先生がおっしゃったようなことを広くあらゆる機会をとらえて、ともに、及ばずながらですけれども、メッセージを発信させていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。
○広中和歌子君 ぜひ地球憲章のことをサポートする種類の発言をしていただければ大変ありがたいというふうに思っております。
 それから最後に、ちょっと時間がまだございますので、日本におけるインターナショナルスクールについて御質問させていただきます。これは、長年問題でありながら解決しないまま今日に至っていることでございます。
 インターナショナルスクールといっても大学以前のものでございまして、小学校、中学校、高校でございますけれども、日本におけるインターナショナルスクールを出ましても、例えば高等学校まで出ましても、日本の大学に進学する権利というんでしょうか、資格がございません。逆に、外国にあるインターナショナルスクール、例えば我が国日本の例えば慶応義塾がニューヨークなどに学校ありますね。ああいうところを出ましたらばアメリカの学校に行くことができます。それからまた、日本の高校を出たらアメリカの大学に行くことができます。それなのに、なぜ日本にあるインターナショナルスクールを出た子供たちが日本の大学に行けなくて、結果的に海外に行ってしまうのかと。これは大変残念なことだろうと思っておりますし、それからフェアではないと思います。
 相互主義の視点からいいましても、ぜひそうしたことを改めていただくためにこれはリーダーシップをとっていただきたいと思うわけです。例えば寄附金控除、それから資格、単位ですね、これをやはりインターナショナルな基準をとっているのであれば日本の資格として認めていただくということで、ぜひこれは、文部省にかかわることかもしれませんけれども、文部省にはたびたび陳情いたしました。
 今、通産省の方々が非常に熱心にこの問題を取り組もうとなさっております。その理由は何かというと、日本の国際学校の整備ができていないために、つまり、非常に数が少なくて月謝が高くてといったような理由で、海外から日本に滞在しようとしても単身赴任になりがちであると。そうすると、いい人材が来ないというようなこともありまして、日本が国際化していく上にこのインターナショナルスクールの問題というのは大いに障害の要素になっているわけでございまして、これも外務省それから通産省そして文部省と一緒になって、この問題の解決に努力をしていただけないでしょうかというお願いでございます。お答えをいただければと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 時間の関係で簡単に申し上げますが、おっしゃる意味は非常によくわかります。
 と申しますのは、私は都内にある某有名インターナショナルスクールからお願いされまして、まさしく今、委員がおっしゃったようなことでございました。そういう社会のやっぱり流動性といいますか、そういうことのため、人材を生かすというためにも必要なんだという現場からの声でして、当時の文部大臣、森山文部大臣ではございませんでしたけれども、御安心ください、陳情いたしました。よくわかったとおっしゃって、ずっとフォローしましたけれども、結果的に動きませんでした。
 これはやっぱり、今通産ということを伺ってああなるほどねと思いましたけれども、縦割りをやめて、外務省も、このペーパーの中を見ますと、これからは人的、物的交流のために国際交流の一層の推進に努めると書いてございますから、これを実現するために最善の努力をさせていただきますし、また御協力を諸先輩からも仰ぎたく存じます。よろしくお願いします。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 質問を終わります。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 まず、きょうは三十分ほどしか時間ございませんが、外務省の方にテロリストあるいはテロ組織の定義の問題についてこの条約に関係してお伺いをいたしまして、その後、法務省、防衛庁、時間があれば内閣官房とお伺いをしたいと思います。
 最初に、この議題となっている条約ですけれども、正式名称がテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約ということになっておりまして、表題の中でテロリストという言葉を使ってあるわけでして、この条約上テロリストの定義がどうなっているのか。また、この条約に限らず一般の国際法上の理解としてテロリストの定義はどうなっているのかということをお伺いしたいということと、後は、もしこの今議題となっている条約の運用上テロリストの定義というものが必要ないということであれば、それはどうしてなのか、お答えを願いたいと思います。これは審議官ですか。
○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
 ただいま遠山先生の御指摘のとおり、この爆弾テロ防止条約におきましてはテロリストというものを定義しておりません。それにもかかわらず、表題にはテロリストという言葉が使われておるわけでございますけれども。
 まず、一般国際法上テロリストないしテロリズムの定義はあるかということでございますけれども、これは確立した定義というものはございません。我が国が締結した条約、その他の国際約束でもそれを、そのものを正面から定義したものはなかったかと承知しております。
 ただ、これは御案内のとおり、テロの国際関係条約というものの体系と申しますか、その中で、国際社会が頻発しますテロとどういうふうに戦っていくかということでこの国際テロ関係条約のネットワークを積み重ねてきたわけでございますけれども、その際に、テロリズムないしテロリストというものの定義をどうするかということになりますと、かなり政治的な観点でのいろんな議論もあるということもございまして、そういうテロリストないしテロリズムの定義を設けるための論争に入ることなく、むしろ典型的な、一般的に考えられるテロ行為、いわゆるテロ行為について、そういうものに該当するだろうとみんなが思う一定の行為の類型についてこれを犯罪にしましょうと。あるいはハイジャックあるいはシージャック、空港テロといった形で行為類型ごとにこれを国際犯罪化するという形で条約をつくり、その処罰のための法的枠組みを設定する、そういう形でテロに対する国際協力の輪を広げてきたというのが今までの状況でございます。
 それで、今回の爆弾テロ防止条約もまさにそういう国際テロ関係条約の体系の中の一つの発展といいますか、拡張といいますか、そういうものとして、テロリストないしテロリズムということ、爆弾テロとは何かということを具体的に定義することはなく、むしろこの条約の第二条に明記されておりますとおり、死または身体の重大な傷害等を引き起こす意図を持って、爆発物その他の致死装置を公共の用に供される場所等に設置する行為などを犯罪とするということにいたしまして、そのことによって、容疑者が刑事手続を国際的にどこでも免れることがないように関係国が裁判権を設定し、みずから訴追するか、あるいは引き渡すということを約束すると。
 そのことによって、もちろんテロリストというものを正面から定義しておりませんけれども、本来目的として、テロ行為を処罰する、あるいはそういう処罰するという体系を幅広い国際社会がつくることによってテロ行為を抑止するということがねらいとしてできておるということでございまして、この定義がないことによって不都合があるかというお尋ねがございましたですけれども、一応今までのさまざまなハイジャック等の条約も含めまして、こういう形で積み重ねてきておることによってやはり一定の国際協力というものができ上がってきているのではないかというふうに心得ております。
○遠山清彦君 ということは、今のお話ですと、要はこの条約の第二条で犯罪化されている行為を行った人であれ団体であれ、主体が、その行為を行ったという行為類型の観点からテロリストと認定されると。ですから、事前にこういう団体とかこういう個人がテロリストですよという定義がなくても、行った行為によってテロリストになる、そう理解してよろしいですか。
○政府参考人(林景一君) それをテロリストと呼ぶこと自体の実益がどの程度あるかという問題がございますけれども、まさにそういう一定の犯罪類型というものを幅広く国際社会が犯罪化するということでテロリストの行為を抑止しよう、あるいは取り締まろうということの役目を果たしてきているということでございます。
○遠山清彦君 わかりました。
 ちょっとこの条約から外れるというか、先に行く話なんですが、政府は先般、この爆弾テロ防止条約の次のテロ資金供与防止条約というものの署名を閣議で決定をしたと。この条約になってきますと、テロリストとかあるいはテロ組織の定義がないと結構大変なんじゃないかなと。というのは、ある特定の団体と例えば金融上の取引のある団体があったとして、自分の取引先の団体があるいは慈善団体を装った団体があって、そこにお金を寄附をするというような状況のときに、実は後で、自分が寄附をしたあるいは金融上の取引があった組織がテロ組織であったというようなことになってきた場合、その資金を提供した側も処罰されてしまうということですから。
 ということは、あらかじめどういう団体がテロリスト組織なのか、その判断する基準がないと、これは次の条約ではかなり難しいんじゃないかなと思うんですが、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(林景一君) 御指摘のテロ資金供与防止条約につきまして、十月三十日に署名をいたしまして、まさに国内法整備をこれから進めましてできるだけ早く締結に持っていきたいというふうに思っておるわけでございますけれども、このテロ資金供与防止条約、まだ政府の中でもいろいろ検討中のところでございますけれども、まさに御指摘ありましたとおり、基本的な考え方と申しますのは、ハイジャックであるとか空港テロであるとか、今回の爆弾テロもそうなんですけれども、これも含めました幅広い類型のテロ行為に対する資金供与そのものを犯罪とするということが眼目でございます。ただ、その条約自体にテロリスト、やはり同様にテロリストまたはテロリズムというものについての定義をすることをこの条約として求めているということではないわけでございます。
 他方、まさに御指摘のとおり、じゃ提供された資金が、で、なおかつ難しいところは、提供された資金がテロ行為に、実際の実行に利用されたかどうかを問わず犯罪化しないといけないというところがございまして、このテロリストとかあるいはテロ組織というものを御指摘のように指定する、あるいは定義するということなしに、社会的に正当と考えられるような資金の供与というものと、まさにそのテロ資金として供与された、あるいはそういうことを承知して供与された資金、まさに犯罪化すべき資金の供与というものとどういうふうにして線を引くのかというところは国内的にどういうふうにするかと、これはまさに条約の履行という観点から主要な検討課題、私どもがこれから、今進めております検討の中でも主要な検討課題の一つとなっている、これはまさにもう御指摘のとおりでございます。
 ただ、この点を含めまして、条約上の義務をどういうふうに履行していくのかということをまさに今これから進めていこうとしておるところでございますので、御指摘のことも念頭に置きまして国内的な検討を進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○遠山清彦君 このテロ資金供与防止条約については今後の課題だと思うんです。今のお話を私なりにわかりやすく理解しますと、要は次の条約では、テロをするという意図を持っていることを了知して資金を提供したと。しかし、実際にそのお金がテロに使われなかった場合でも提供した側が処罰されるという。ですから、これはまさにある人が、おれは何々を殺したいということを聞いて、じゃこれを使ってくれと包丁を渡したと。しかし、その言った人は実は結局犯罪を犯さなかったという場合でも、包丁を渡したという行為自体で処罰されるというような、わかりやすく言うと、ことですので、かなり恐らく法務大臣も国内法上も難しいところはあると思うんですが。
 外務大臣にお聞きしますが、このテロ資金の関係の条約を日本が批准するといった場合に、日本の国内法上、新法は必要になりますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今おっしゃっているテロとは何かということでありますとか、それからテロ資金に関連して果たしてこれがテロに結びついている資金団体であるかどうかというふうな不備があるということは委員御指摘のとおりでありまして、決して完璧であるとは思いませんけれども、今の段階でお答えできますことは、今これから申し上げるような三点につきまして最低詰めていく必要があろうと、今後。今言う三点ぐらいを詰めていく必要があろうということを申し上げさせていただきたいと思います。それは、必要があるという答えにつながると思うんですけれども。
 その一つ目は、ハイジャックでありますとか空港のテロ、それから人質の行為、シージャック、爆弾テロそのほかのテロ行為に使用されている資金の受領、供与を犯罪化することを義務づけるということ。これは一つの方法ですね。それから二つ目は、こうした資金の凍結等を可能とする措置をとると。それから三つ目が、係る資金の疑いのある取引についての報告制度など、テロ行為を資金面から防止するための規制等についてを定めて、これをテロ資金条約は定めているわけですけれども、ただ、新たな国内法の整備も含めて、その実施をするためにさらにもう一回検討もしなければならないということも含みとして残してあります。
 すなわち、これらを詰めなきゃいけないということなので、今すぐ新たに必要かどうかわかりませんが、これをもって必要にして十分であるというふうには考えておりません。
○遠山清彦君 私は、以前この委員会でも申し上げたんですが、今回米国で起こったようなテロを今以上に国際法の枠組みの中で処理していく、あるいは裁くためには、現在議題としている爆弾テロ条約あるいは私が取り上げました次のテロ資金供与防止条約の批准は、私としては日本として当然批准すべきであるというふうに思っているわけです。
 もう一つ、今報道等でも話題になっておりますのは、国連総会の第六委員会で議論された包括テロ防止条約という、仮称ですけれども、があって、それがそういう包括的なテロ防止条約を早急に締結する必要があるだろうということが世界の論調にあるわけです。報道によれば、ことしの国連総会で議論されたこの条約は、インドの政府案をたたき台にやったということですが、結局議論は決裂をしたと。
 実は、ちょっとこだわって申しわけありませんが、最大の理由がやっぱりテロリストの定義が定まらなかったから決裂したと言われているわけですね。先ほどの審議官のお話なんかでも、テロリストというものを厳密に定義をしなくてもテロ関連の条約の運用は可能だというお話だったんですが、この包括テロ防止条約の議論がやっぱりテロの定義をめぐって決裂をしたと。
 一つは、もっと具体的に言えば、例えば国家が主体となってやる行為もテロとするのか、つまり行為類型を中心として見るということは、裏返して言えば主体はだれでもいいのかという話もありますので、国家がそういった犯罪化された行為を行った場合もテロで、そして国家じゃない非国家の組織あるいは個人がやった場合もテロでというふうに包括的に見るのか、あるいは何らかの条件をつけて除外するのかということで、いずれにしても私は、今後国際社会の中でも、あるいは日本国内、政府内の中でも、やっぱりこのテロ組織、テロリストの定義というのが必要になってくるんじゃないかと思うんですが、余りこだわってもあれなので。
 ただ、一つだけお伺いしたいのが、国連を舞台とした包括テロ防止条約の議論で、日本政府国連代表部がどういう立場でどういう主張をされたのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(小野正昭君) お答えいたします。
 先生御指摘の包括テロ防止条約ですが、御案内のように、本条約は昨年九月から今日まで三回にわたりまして議論が行われてきております。現在まだ交渉中の条約でございます。
 我が国といたしましては、本年七月のジェノバ・サミットにおきまして再確認されたところでございますけれども、包括テロ防止条約の重要性ということでございますが、我が国としてはやはりこういう包括的な条約、テロに関する条約を結ぶことの意義につきましては非常に重視しておりまして、特に実効性がなくてはならないというふうに考えてきております。
 特に、先月の交渉におきましては、この米国における同時多発テロを契機にいたしまして、非常に積極的、真剣な議論が行われたわけでございます。広くテロ行為全般を犯罪にしようとする条約であるということから、先生御指摘の点も含めまして、どのような行為がテロに当たるかという点についてさまざまな議論があったわけでございます。
 そういう中で、我が国としましては、先ほど申し上げましたように、本条約につきましては、まさに実効的なものであるべきであるという点から主張を行って交渉に臨んできているところでございます。
 近々、交渉もまた再開されるという動きもございますので、今後とも関係諸国と緊密に連絡、協力しながら、この条約が早期に締結されるように努力してまいりたいというふうに考えております。
○遠山清彦君 今の御答弁で、日本政府としてこの包括テロ防止条約、いろいろ報道もされておりますけれども、今の現状の国際情勢等、特に中東の方とかを含めて大変政治判断の部分も含まれる難しい条約交渉になると思いますけれども、ぜひ日本政府としては積極的な立場で、やはり国際社会からテロを撲滅するという決意を具体化するという意味も込められていると思いますので、頑張っていただきたいと思います。
 さて、ちょっと観点を変えまして、国境を越えて行われる国際テロリズムをやっぱり未然に防ぐために最も必要なことは、既に各方面で指摘されておりますけれども、情報収集であり、またその情報の集約、分析、そしてまた、その集約、分析された情報をいかに政策の中に活用していくかということが大事だと思うんですが、外務省の在外公館で現場の外交官の方々がさまざまな人脈等を生かして情報を収集していると思います。それが現段階でどういうふうに外務省本省、あるいはもっと言えば内閣総理大臣あてに還元、集約、分析されて利用されているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今井正君) 先生御指摘のとおり、外交における情報機能の重要性は言うまでもないことでございまして、外務省といたしましても、日ごろから先生御指摘の情報収集、それから分析の活動に力を注いできております。今後とも種々の面で情報機能の強化に努めていきたいと考えております。
 特に、先生が御指摘になりました、在外公館等が収集いたしました情報を本省において効率的にこれを整理し、それから分析し、これに対して的確な情勢判断を行って、政策、企画それから実施に結びつけていく、このプロセスが非常に我々大切だと考えておりまして、このような面に特に意を払ってきているところでございます。
 具体的に申しますれば、現下のアメリカの同時多発テロ事件におきましては、これは国際情報局でございますけれども、毎日、日報というような形で資料をつくりまして、政策担当部局の方と情報の共有に怠りがないよう努めているところでございます。
 それから、政府全体としての情報機能を高めるというためには、関係省庁間で情報を共有することが極めて重要でございます。このような観点から、内閣情報調査室を含めまして、関係省庁との間で情報や分析結果の交換を日常的に実施してきております。
 激動する国際情勢の中、特に今回のような事件を前にして、今後とも情報の収集それから分析等に十全を期するとともに、政策への結びつけ方に十分考慮を払いまして、情報機能の強化に努めてまいりたいと考えております。
○遠山清彦君 一つ具体的に聞きたいんですが、各在外公館にいる外交官で、情報担当官というか、情報収集担当みたいなアサインメントを持っている方というのを各在外公館に置いているんでしょうか、あるいはそういうアサインメントを与えているんでしょうか。お願いします。
○政府参考人(今井正君) お答え申し上げます。
 在外公館に求められる情報収集の範囲というのは、御存じのとおり非常に広くて、かつ多様な分野にわたっております。したがいまして、在外公館におきましては、館長以下、館員がそれぞれの地位あるいはそれぞれの専門分野を生かしつつ、在外公館全体として情報収集活動、分析活動をやっておりますので、特定の情報担当官を置くというようなことは一般的にはしておりませんで、それぞれの在外公館の規模その他に応じました執務体制と申しますか、責任体制と申しますか、そういうシステムの中で情報のすり合わせ、評価等が行われているというのが現状でございます。
○遠山清彦君 私も海外、幾つか行きまして、在外公館にもお世話になったこともありますので、在外公館が抱えているさまざまな仕事、膨大な量があると思いますし、入ってくる情報もたくさんありますので、確かに情報担当官というのを置いてもすべてのエリアをカバーするのが難しいといったこともあると思いますし、また、私も決して米国にあるような情報機関みたいなことをやるような部局を外務省の中につくれということまでは申し上げないんですが、ただ一点気になるのが、やはり情報というのは、現地でとってきた人たちにとっては一見無意味だったり断片的な情報でも、それが集約されていって分析される中では実は非常に重要な情報というかメッセージがそこに込められていることがわかることがよくあるわけですし、また情報収集といっても、欧米においては、私も国連のセミナーとかで見ておりますが、先ほど外務大臣も紛争予防という話をして、紛争予防で一番大事なのは情報収集でアーリーウオーニング、早期警報と言われているわけで、実はこのアーリーウオーニングをできる専門家を養成するようなセミナーを国連はもう既にやっているんですね。
 ですから、私が申し上げたいのは、やはりそういったある程度情報収集とか、あるいは情報を取捨選択して、いわゆる外務省全体の戦略に照らして重要なものを取捨選択できるような人材を、先ほど大臣も人材養成という話をされていましたけれども、人材養成をする、その情報収集にある程度特化して人材養成をするようなことを外務省として考えられた方がいいのではないか。また、在外公館にあっても政務班とか経済班とかいろんな班がありますが、そこで収集された情報をやっぱり一元化して、国際情報局あたりにさらに一元化をして、そこで意味のあるメッセージあるいはポリシーインプリケーションを読み取って内閣に還元するようなことをぜひ考えていただきたいということで、これは提言ですけれども、外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 極めてわかりやすい提言をありがとうございました。
 まさしく、今事務方がお答えしましたように、かつてからの外務省の伝統的な情報収集については御説明したとおりでございますし、それはそれなりにまた意義も価値もあったわけですね。公電というものが頻繁に入ってきておりまして、私どもも大事なものは見ておりますけれども、そうしたことでもって情報のシェアリングということはやっています。
 しかし、確かに紛争予防ということ、外務省というのは私は言ってみれば情報産業だなというふうに思いますし、各国の外交というものもお互いのインフォメーションというもの、それから情報の何といいますか優先順位というのもあると思うんですけれども、そういうものを速やかに分析をして、今説明が事務方からありましたように分析し、そしてそれをどのように有効に生かしていくかと。スクリーニングもしなきゃならないですね。そういうものをやっぱり収集して、物をそのまま置いておいて、ただ読んでおしまいではなくて、それをいかに機能的に使っていくかと、国家の国益のために、国際貢献のために。
 それは、やっぱり私は、ITも進んでいますけれども、極めてプリミティブな原始的な手法もあると思うので、この時代のグローバリゼーションの中にあって、たくさんの情報がありますから、その中でもってあらゆる、最も原始的な方法もあるし、極めてハイテクの問題もあると思うんですけれども、それらをうまくベストミックスにしてそして判断をしていくというような見直しをすべきだというふうに思いますが、いいアドバイスをいただきました。
○遠山清彦君 じゃ次に、時間も余りありませんが、法務省の方にお聞きしたいんですが、三点ほどお聞きします。
 まず、今日まで日本が既に批准をしたテロ関連条約でもう既に国外犯の処罰というのが刑法の四条の二で規定をされているわけですが、このような条約上の義務に基づいて日本の司法当局が捜査、訴追あるいは逮捕といった行動をとった実例があるのかどうか、お願いいたします。これ刑事局長ですか。
○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの刑法四条の二の国外犯処罰規定を適用して訴追をした例というのは、私どもとしては承知しておりません。
○遠山清彦君 はい、わかりました。
 この爆弾テロ防止条約の第七条によりますと、この犯罪行為が行われた場所がどこであれ、どの国であれ、その犯罪行為を行った者あるいは行ったと疑われている容疑者が自国内、日本の領域に所在しているという可能性があるという情報が入った場合、その情報に含まれている事実について調査するため必要な国内法上の手続をとらなきゃいけないという義務が条約で課されているわけですが、こういった爆弾テロの容疑者あるいは行為者が日本に所在しているかもしれないという情報は一体どういうルートで司法当局の方に入ってくるのか、あるいはまた入ってきたときにどういう手続で対応していくのか、お教えいただければと思います。
○政府参考人(林景一君) 関係国間のやりとりということでございますので、犯人あるいは容疑者の所在等に関する情報につきましては、通常、外交ルートを通じて受領されるのではないか。あるいは、もちろん警察当局間ではICPOを通じての情報受領ということも想定されます。
 外務省がこのような情報を外交ルートで受領した場合には、これを速やかに関係当局に伝達するという形で情報の伝達が行われるということかと思っております。
○遠山清彦君 それで、今ちょっと外務省でしたけれども、また再び法務省で、この条約によると、日本人がこの犯罪化された行為を行った場合、あるいは犯罪、この行為が日本人あるいは日本の施設を対象として行われた場合というものは、日本は条約上これについて刑事的手続をとる義務が生じるわけですが、それに加えて、日本の国外で日本の国籍を持たない者による日本人あるいは日本の施設を対象としていない犯罪行為であっても、この行為を行った者あるいは容疑者が日本に所在しているといった場合には日本が対応しなければいけないと条約で義務づけられているわけですが、しかしこれは、論理としてよくわかりますけれども、現実に日本人じゃない人が国外で行った犯罪で、しかも日本の施設も邦人も全然何も被害を受けていないといったことについて、現実に証拠も日本の司法当局ないでしょうし、捜査するといっても大変現実上難しいと思うんですが、これは実際そういうことが仮に起こった場合、もうこれは条約で想定されているケースですので、どう対応されるのか。刑事局長、お願いします。
○政府参考人(古田佑紀君) 確かに、日本と何らかかわりがなく国外で行われた、その容疑者が日本にいる、こういう場合のその捜査をどうすべきか、これはいろいろ難しい問題が現実には生ずることは御指摘のとおりだろうと思います。
 しかしながら、基本的に申し上げますと、まずそういう容疑者が日本にいる可能性があるという大前提といたしましては、当該事件についてのいろんな情報、こういうものがやはり既に関係国から日本の方に提供されている場合も非常に多いわけでございます。したがいまして、先ほど外務御当局からの御答弁もあったわけですけれども、いろんな警察間のその情報の交換とかそういうようなものも含めまして、まずは日本国内でそういう容疑者が本当にいるのかどうか、そういうところあたりからもいろんな捜査というのが行われる。実際に、そこでどうも間違いなくいそうだ、日本において刑事手続を実行していかなければならない、そういうふうな事態になってまいりますれば、これは関係国、例えば犯罪地国でありますとか、これが典型になると思いますけれども、そういうところに共助を求める、それによって関係資料、関係証拠の提供を求めるというふうな手順で進んでいくということになると思います。
 ただ、一点非常に現実的なことを申し上げますと、この条約自身が、今お尋ねのあったようなケースについては、まず第一義的に関係国、犯罪地国とかそちらの方の引き渡し要求というのを想定しておりまして、それで引き渡しをしない場合に、日本がいわば裁判権を行使するというふうな原則になっている。実際問題としては、通常の場合にはそういう関係国からの引き渡し要請があり、かつそれに日本国として応じられる場合が一般だろうというふうに考えております。
○遠山清彦君 わかりました。積極的な御答弁ありがとうございます。
 最後に、時間がありませんので、防衛庁に。今回の条約で爆弾テロという略称になっておりますが、第一条の三項の(b)等によれば、毒性の化学物質とか生物剤等のことがありまして、また兵器という記述もあるわけでありまして、この爆弾テロが仮に日本で起こる、あるいは起こりそうだという情報が入った場合とか、第一義的に対応するのは警察というふうに私も理解しておりますけれども、この条約の中に書かれている事柄を見ても、警察では対応できないようなことがカバーされている条約だと理解をしておりますので、防衛庁、自衛隊の爆弾テロの対応策をお聞きしたい。
 あと、よく化学兵器の対応部隊の話は出るんですけれども、テロ対策の専門部局というか専門部隊というのもあるのかどうか、それもあわせて教えていただければと思います。
○国務大臣(中谷元君) 警察当局との連携強化は強めておりまして、本日夕刻に総理官邸の方でNBC対策関係閣僚会議がございますが、これは生物兵器に関して今後の基本方針を定めます。
 そういう政府全体としての連携強化をますます強めてまいりたいと思いますが、実際、そういう手順としては、まず情報収集で事実関係を把握し、また要請とか省庁間協力に基づきまして災害派遣、これを行いまして、当面の初期措置として汚染状況の測定とか検知、また被災者の救助を行いますし、またこういったことが速やかにできるようにおおむね一時間以内に出動可能な態勢を維持いたしておりますし、また全国各地に化学部隊がございます。こういった部隊に対しましても、速やかに対処し得るような態勢を維持しているところでございます。
 その後につきましては、治安出動もしくは防衛出動に係るわけでございますが、こういった状況判断を速やかに実施をして、またそれぞれの活動が速やかに行われるように、今後関係機関と連携しつつ適切な対応をとってまいりたいというふうに思っております。
○委員長(武見敬三君) 時間ですので、次に進みます。
○小泉親司君 今回のテロリストによる爆弾使用防止条約については賛成でありますので、このテロ条約に関連をいたしまして、テロ対策について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 政府は、今テロ対策特措法に基づいて、英米軍による軍事攻撃を軍事支援するために自衛隊の海外派兵の準備を進められているわけですが、そこでやはり私たちは、今英米の軍事攻撃が一体どういう局面になっているのか、こういう軍事報復戦争に、幾ら法律が通ったといえ自衛隊が軍事協力できるのかというところを私たちは指摘してまいりましたが、英米軍による軍事攻撃は約きのうで一カ月が経過したと。そして、イスラムのラマダンを前にしても依然として大変激しい空爆が続いていると。
 当初、この軍事攻撃についてブッシュ・アメリカ大統領は、今回の空爆、軍事攻撃というのはウサマ・ビンラーディンを拘束するためにタリバンの軍事能力をたたくこと、それから訓練キャンプを破壊することだということを当初の目的に掲げてやっておりましたけれども、まず外務大臣にお聞きしたいのは、この目的達成という点でこの軍事攻撃というのはどういう前進があったのか、一体どういうふうに今アメリカから聞いておって、政府としてどういう認識をされているのか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 軍事攻撃の現局面でございますけれども、アメリカは今般の空爆によりまして、アルカイダを支援するタリバンの防空能力及び全国的な命令の指揮系統はおおむね破壊をしたと。そして、彼らはもはや自由に作戦することはできない状況にある旨の発表をいたしております。そして、アフガンにおける軍事作戦は相当な前進が見られるとも述べております。
 また、この軍事作戦の目的でありますけれども、テロリストが作戦基地としてアフガニスタンを自由に使用するということを困難にするということが、ある一つのアメリカ側の軍事作戦のメルクマールであるというふうに思いますけれども、そしてまた人道援助の提供等においても目に見える進展がなされているというふうにも承知いたしております。
○小泉親司君 小泉総理はたびたび、ウサマ・ビンラーディンを拘束すると、もともと引き渡しを求めたのにそういうことが実際としてできないんだ、だからよって軍事攻撃をするんだと、この間テロ特措法でも繰り返し言っているわけですが、ラムズフェルド長官は、十月二十五日それから二十八日、もう二回にわたってラムズフェルド長官が言っておるのは、ウサマ・ビンラーディンを拘束するのは干し草の山の中からたった一本の針を捜すようなものだというふうに言っておりますけれども、その点、アメリカから外務大臣はどういうふうにお聞きになっているんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) そうした今、ラムズフェルドさん言われたような困難の中でも、確かに世界じゅうが、ブッシュ大統領が最初にビンラーディンを捕捉する、捕まえるということを言ったことは聞いております。全員が、世界じゅうの人がメディアを通じて聞いているわけでございますけれども、しかし、それが一つだけの目的であるかどうかは私はじかには聞いておりませんけれども、今申し上げましたようなアフガニスタンがテロリストのとりでとして機能するというふうなことも相当できなくなる状態にするということも当然目的。なぜかといいますと、テロに対する戦い、テロリストをできるだけ撲滅するということがこの作戦の目的であります。対イスラムの戦いではありません。したがって、アメリカ側が、おおむねそうしたものは、指揮命令系統は破壊したと言っているわけでございますので、それをもってしてアメリカ方の認識というふうに思います。
○小泉親司君 ということは、ウサマ・ビンラーディンの拘束というのは目的に入っていないと、そうおっしゃるんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 入っていないとは申しておりません。
○小泉親司君 私は、やはりこの間の空爆及び軍事攻撃というのは大変行き詰まっていて、最近の、アメリカのニューヨークタイムズという、これはニューヨークの大変大きな新聞ですが、軍事攻撃について、戦争はベトナム戦争のように泥沼化しつつあるということを指摘して、社説では、地上でのドラマチックな前進がなく、誤爆による市民の犠牲が増加するにつれてイスラム諸国から戦争をやめよという呼びかけが起こってきたということを現地の新聞も指摘している。
 この前のASEANの首脳会議でも、議長声明の第五項で、ASEANの首脳はアフガニスタンに対する軍事行動の結果として罪なき人々の犠牲、これに対しての憂慮を表明したということが合意されたことは、これは御承知のとおりだというふうに思います。
 私は、今の米英の軍事攻撃が民間人を殺傷している実態を、クラスター爆弾という大変残虐兵器、非人道兵器の使用を挙げて小泉総理と議論もしてまいりましたし、この使用について、少なくともこの軍事攻撃の中では停止すべきだということを要求してまいりました。小泉総理は、防衛庁長官も同じですが、この使用の停止を求めるつもりはないという見解でありました。
 しかし、私は、このクラスター爆弾の非人道兵器、残虐兵器の使用ばかりじゃなくて、今度はデージー・カッターという大変なひどい爆発力を持った燃料気化爆弾が使用され始めたと、この点についてまず防衛庁長官にお聞きしますが、この爆弾というのは一体どういう性能を持った爆弾なんですか。こういうものが許されてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 通称デージー・カッターについてというお問い合わせでございますが、これは、BLU82ということで、米軍が保有する通常爆弾としては最大級の爆弾でありますが、全長五・三七メートル、直径一・五六メートル、重量六千八百キログラム、ジェル化された高性能爆発物と承知をいたしておりますが、通常C130の輸送機によって運搬され、落下傘が開いて投下され、地表面近くにおいて爆発するというふうなものでございます。
○小泉親司君 米軍は使用しているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 先日、ペース米統合参謀本部副議長が、これまで二個使用したということを明らかにいたしております。
○小泉親司君 その後でペースが言っていることは、どういうふうに言っておりますか。
○国務大臣(中谷元君) 先週までに二個の爆弾を使用した、これはC130輸送機において運搬され、パラシュートによって機外に引き出される、爆弾に取りつけられているプローブが地面に接触した時点、本体から、約地上一メートルの地点に爆発する、爆発すると物すごい衝撃になる、使用目的は人員を殺すことである、また堅固でない陣地、露天陣地を占領する部隊に対しては極めて有効であるというふうに述べております。
○小泉親司君 私、非常に誤訳だと思います。
 正確に申し上げますと、この爆弾を使用すると、あなたが予想しているようにそこは地獄になる。その目的は人々、ピープルを殺すことだ。タリバンじゃないんですよ。人々を殺すことが目的なんだというふうに書いてあるんです。そういうふうに書いてあるんじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) その部分につきましては、ア・ヘック・オブ・バングということで、物すごい衝撃というふうに訳しております。先ほど、物すごい衝撃になるという部分でございます。
○小泉親司君 いずれにしろ、ヘックというのはヘルで、つまり地獄だということは、これは私はそちらの方が誤訳であって、インターネットではこの問題についてどういうふうに指摘しているかというと、この爆弾は液体状態で爆弾に詰められている燃料を着弾寸前に空気中に放出、空気と拡散された最適な混合率になった時点で点火し、大爆発を伴う急激な燃焼を起こさせる爆弾、大型のものの危害半径は四海里、約七・八キロで、湾岸戦争でも使われ、その爆発を見た兵士は戦術核兵器の使用ではないかと仰天したと。余りにも強力過ぎるために燃料気化爆弾は国際的に禁止すべきという声が上がっているが、アメリカは断固拒否しているということだと。
 こういうふうな兵器を、防衛庁長官、外務大臣、これを使用してもいいと、こういう戦争では使用してもいいんだとお考えなんですか、使用停止を求めるお考えはないんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私も、デージー・カッターにつきましては、燃料気化爆弾については調べておきました。
 確かに、大変な威力のあるもので、プロパンガス、簡単に言うとあれのような原理、気化したガスに引火をするというようなメカニズムであって、大変な高圧力があると。そして、かなりの広範囲、ヘリの基地一つというから、ヘリの基地以上ですね、もしもその七・八キロと今おっしゃったのが正確であれば。それだけのところを野草もすべて根こそぎばっとなくすということですから、大変な破壊力があるものであるということは理解しておりますし、二発使ったということをアメリカ側のペース副議長が言っていることも認めております。
 しかし、これは、アメリカが言っておりますことは、何度も申しますけれども、無辜の人々を傷つける目的ではなくて、必ずやそうした軍事的な施設でありますとか、目標、ターゲットを絞って攻撃をしている、そして、それが最終的には二度とこうしたテロが起こらないように、アルカイーダを中心とした、そうした基地を中心にして利用しているというふうに承知をいたしております。
 ただし、誤爆があったということについては、過去の経緯、それからこのデージー・カッターであるかどうかは知りませんけれども、とにかく誤爆についてはアメリカも認めていると。ただし、こうしたものを使わずに平和裏に話し合いができていくということが最終的な目的であるというふうに、もちろん当然考えております。
○国務大臣(中谷元君) 私も米国の作戦行動については直接承知しているわけでございませんけれども、テレビの報道等を見ますと、渓谷というか、谷間にこれを使えば渓谷に掘っている洞窟陣地を破壊することができるというような報道もしておりまして、米国も、この戦いというのはタリバン及びアルカイダの排除を目的としておりまして、この対処において全力を挙げておるというふうに認識をいたしておりまして、そういった罪のない市民の被害については最小限にするという認識のもとに使用されているというふうに認識をいたしております。
○小泉親司君 私は、クラスター爆弾のときにも、直接アメリカがクラスター爆弾を民間に、民間人の住宅や物に使用しているということだけを指摘しているんじゃなくて、その兵器の性能からして民間人を巻き込むようなそういう兵器じゃないかということを私は指摘しているんです。
 例えば、クラスター爆弾について、十二月二十二日に外務省に、これはコソボ難民の支援活動をやっている難民を助ける会、この人たちが地雷除去活動をやって、それに対する報告書を出していますけれども、その報告書については、クラスター爆弾について、もう空爆は終わっているんですよ、コソボは、どういうふうに言っておりますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) コソボのケース、これはNGOのことも関係してきておりますけれども、政府は、平成十一年の十月に難民を助ける会、これはNGOですけれども、これがコソボの中西部において行った地雷除去の活動等に対して資金をもちろん提供しておりますけれども、これは、NGOは大体、何といいますか下請といいますか、余り言葉はよくありませんが、特にイギリスを中心としてそうした専門家があって、そういう専門組織が地雷の除去等をやってくれているわけですけれども、クラスター爆弾を地域の住民が手にしている場面に遭遇して説得により事なきを得たこともあるけれども、要員が死亡する大惨事に至る可能性もあったというふうなことも聞いております。
○小泉親司君 いや、その報告書が指摘しているように、そういう民間人を巻き込む危険がある兵器を、それを私は無差別爆弾であり非人道的爆弾だと。少なくともそういう爆弾については、我々、軍事攻撃については、こういうふうな形のことをやり始めたらどんどん民間人を巻き込むことになるじゃないかと、そういう指摘をしているんですね。
 だから、そういうことを外務大臣や防衛庁長官が、こういうことこそをアメリカに対して、あなた方が接触する、コンタクトをとっていると言うのであれば、少なくともそういうこと自体はきちんと私はアメリカに対して言うべきなんじゃないですか。その点について外務大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 市民を、本当に無辜の人たちをどれだけ巻き添えにしたかということは今のこの時点で正確な数字等がわかっているわけではございませんけれども、アメリカは、今般の軍事行動はアルカイーダ及び同組織を支援したタリバン、その政権の軍事施設への攻撃を目的としたものとしておりまして、先ほども言ったことの繰り返しになりますけれども、民間人の犠牲を防ぐべく細心の注意を払って目標の設定もしており、あらゆる努力を払って市民を巻き添えにしないようにしている、そして、クラスター爆弾の使用に関しましても目標に対して最も効果があるときに限ってのみ使用しているというふうに聞いております。
○小泉親司君 十月二十八日に同じようにラムズフェルド長官はCNNのインタビューに答えまして、CNNのアナウンサーが、例えばバンカーバスター爆弾、これは地中で破壊してターリバンのいわゆる地下のトンネルを破壊する目的なんだと、しかし、それが効果がなかったときに小型の核兵器を使うということはラムズフェルド長官はどのように考えるのかというふうにインタビュアーが質問した。それに対してラムズフェルド長官は何て答えているかというと、我々はあらゆることを排除していない、米国は核兵器のような兵器の使用を排除するということはこの間歴史的には一貫して拒否してきたんだと。つまり、核兵器の使用もあり得るんだということを言っておられる。
 ということは、そういう効果があれば小型の核兵器も使用するということもお認めになるんですか。
○政府参考人(藤崎一郎君) 申しわけございません。今、私の手元にはちょっと委員御指摘の記録は持っておりませんので、調べてみたいと思います。
○小泉親司君 いや、私は事前通告しておりますので、北米局長、それじゃちょっと幾ら何でもおかしいですよ、ちょっとそれじゃ。ちょっと委員長、大変おかしいであります。だって、資料持っているんですよ、ほら。だめだよ、これは。時間をとめてください。
○委員長(武見敬三君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(武見敬三君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(藤崎一郎君) 私どもが今持っております記録でございますと、二十八日、(「聞こえないよ」と呼ぶ者あり)私どもが今持っております記録では、ラムズフェルドは二十八日のテレビインタビューにおきまして、いかなる兵器の使用についてもあらかじめ除外しないのが米国の方針であるが、現在のオペレーションは通常兵器をもって対応できると考えると、こういう言い方をしたというものを持っております。
○小泉親司君 その次を読んでください。そんなことはわかっております。その次を読んでください。
○政府参考人(藤崎一郎君) 私の手元にございます記録が必ずしも先生のとは一致しないと存じますが、私の手元にございますのは、次の文章は、民間人の犠牲が出ないよう細心の注意を払っているが、タリバンが軍事目標を病院やモスクの中や近くに置いていることが問題を複雑にしていると、こういう記録でございます。
○小泉親司君 私、でたらめだと思いますよ。外務省、そんな姿勢であなた方はこの問題取り組んでおられるんですか。外務大臣、こんなふうな姿勢で取り組んでおられるんですか。
 アメリカが大変大事な核兵器の使用の問題についてCNNで、これは一回じゃないんです。最近、私、十月二十八日のCNNテレビのインタビューで答えているでしょうと質問しているのに、それに対しても外務省はお答えできないんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 率直なところ、十月二十八日のラムズフェルド長官の発言の中身は、私たち、今ペーパーありません。防衛庁にも伺いましたけれども、今はないとおっしゃっていまして、私どもが一番直近に、今私が持っておりますのは、ずっと早くて申しわけありませんが、九月二十一日、フォックステレビインタビューでラムズフェルド長官が、核兵器の使用を検討しているとの報道があるがとの問いに対して、我々はその問題については検討も討論もしていないと言っています。同日、BBCインタビューでパウエル長官が、ブッシュ大統領はすべての必要な武器と言っているが、右には核兵器は含むのかとの記者の質問に対してパウエルさんは、核兵器はテロ組織に対して必要とされる兵器とは考えていないという発言の段階まででございますので、委員がおっしゃっている十月二十八日、これについては至急取り寄せさせていただきます。
○小泉親司君 ちょっとそれは、僕はこの審議は続けられません。
 だって、事実上──あなた方は日米同盟をやっていて、アメリカと緊密な連絡をとっているとおっしゃっているでしょう。私は、インターネットで少なくともとって、インターネットにちゃんと載っていますよ。だから、私はそれを正確に言っているだけの話で、インターネットから、それを外務省がお答えできないなんて、こんなひどい話、ないんじゃないですか。
 それで何で、それじゃアメリカの軍事支援、軍事行動に支援する、核兵器を使った、使うことも排除していないアメリカの軍事行動にあなた方は支援するおつもりなんですか。そういう議論になるんですよ。だから、そこのところは正確にしていただかないと、私ちょっと審議を続けられません。
○国務大臣(中谷元君) この二十八日の発言については、歴史的に米国は核兵器を使わないということを言わないというふうに答えられています、記者団の質問に。
 ということで、基本原則として、米国においては、核兵器については使うとも言わないし使わないとも言わないし、ずっとこれについての態度を鮮明にしないという基本原則があるというようなことで御答弁されたというふうに思っております。
○小泉親司君 さっきは防衛庁長官も知らないと外務大臣が言っておきながら突然そう言うのは、私、質問しているんですから、お答えしていただかないと。そこが一番やはり問題だと思うんですよ。
 それじゃ、そういうふうに防衛庁長官は後半の部分はコメントされましたけれども、正確に申し上げれば先ほど私が言ったのと同じことをおっしゃっているんですが、アメリカはこの核兵器の使用については一切歴史的には排除しない、つまり使う場合があると。あなたがおっしゃっているのは、使う場合とか使わない場合がある。そんなことを聞いているんじゃなくて、使う場合があると、今度の軍事作戦で、それについては防衛庁長官はどうお考えなんですか、よろしいと考えているんですか。──だめだよそんなの。防衛庁長官の問題でしょう。そんなのだめですよ。
○国務大臣(中谷元君) このラムズフェルド氏の発言は、従来から一貫した原則論を述べているわけでございます。ですから、米国としては使うとも言わないし使わないとも言わないということの発言をしたわけでございます。
○小泉親司君 じゃ、その原則論については賛成されるんですか。使う場合があると言っているんですよ。
○国務大臣(中谷元君) これはアメリカの国家戦略と意思決定でございますので、アメリカが御発言をされたことだというふうに思っております。
○小泉親司君 じゃ、使う場合もあるという場合についても、日本政府としてはそのことについては賛成される。
○国務大臣(中谷元君) これの御答弁は防衛庁がふさわしいとは思っておりませんが、個人的には、日本は非核三原則を有しておりますので、核の使用等については賛成できないというふうに思っております。
○小泉親司君 私がお聞きしているのは、このインターネットでも言っておるのは、先ほども経過を申し上げましたが、その点については外務省がちゃんと把握されておらないからもう一度繰り返しますが、質問は、バンカーバスター爆弾というトンネルを破壊する爆弾が効果がなかった場合には小型核兵器も使用するのかと、こういう質問なんですよ。
 つまり、原則論を言っているんじゃなくて、今の現実の戦争の中でそういうふうな小型の戦術核兵器も使用することもあり得るということを国防長官が言っている。だから、私はこの問題は大変大事だなということを主張して今、防衛庁長官にお聞きしているんです。もう一回お聞きします。
○国務大臣(中谷元君) この発言について、質問は確かに具体的に聞いておりますが、答えた本人はあくまでも原則論でお答えしておりますので、使うとも言っていないし使わないとも言っていないという認識に基づいて御発言されたというふうに思っております。
○小泉親司君 いや、ですから、私は、使うべきではないということは言えないんですか、防衛庁長官としては。
○国務大臣(中谷元君) 我が国としては、被爆体験もございますので、核の使用等については否定的な姿勢で臨むべきだと私は思っております。
○小泉親司君 私は、やはり核兵器にしろ燃料気化爆弾にしろクラスター爆弾にしろ、こういうやはり非人道的な残虐兵器というのは、いかなる軍事攻撃、報復戦争という中でも絶対使われてはならないと。それを今アメリカが、米軍が攻撃の中で、特にクラスター爆弾や燃料気化爆弾のような大変ひどい残虐兵器を使っているというのは非常に重大な問題だし、この戦争自体がそういうやはり民間人を殺傷するような危険な爆弾を使用し始めたという点では、私は、この戦争というのは大変泥沼化している方向を示しているわけで、その意味では、こういう軍事攻撃に対する軍事支援というのは絶対認められないというふうに私は思います。
 そこで、少し時間がありますので、防衛庁長官にお尋ねしたいのは、あすにも自衛艦三隻をインド洋に派遣するということですが、どのような目的で、どのような根拠で派遣するんですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、従来から今回のテロの対応措置ということで小泉総理大臣の方に、速やかに情報収集のための艦艇を派遣するという政府の声明を九月の十六日に発出を、発言をされていましたが、その後、国会の審議等を通じてテロ対策措置法案が成立をいたしました。これに基づいて今後種々の活動を行っていくわけでございますが、こういった今後の活動を実施する上において必要な情報を得るために今回の情報収集のための艦艇派遣を実施したいということでございます。
○小泉親司君 どのような、具体的目的をお聞きしているんです。
○国務大臣(中谷元君) これについては、まだ安全保障会議が開かれておりませんので、私の方から具体的な内容を言うというのは適当かどうかわかりませんが、仮に派遣するといたした場合におきましては、現地で活動するために必要な情報でございまして、例えば港湾の状況とか海洋等の資料、そして周辺の海域の安全状況とか、今後の対応にとって必要な事項等を調査させたいというふうに思っております。
○小泉親司君 「くらま」や、いわゆるヘリ搭載の護衛艦や「はまな」、補給艦、こういうものをやって港を調査するというのもおかしな私は話だと思いますが、これ、防衛庁設置法五条でやられるわけですね。防衛庁設置法五条でやるのとテロ特措法でやるというの、どこがどういうふうに違うんですか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛庁設置法五条というのは、防衛庁の所管する事務、所掌事務、これの遂行に必要な事項の調査ということになっておりまして、テロ対策のための特別措置法が成立を受けて十一月二日に施行になりまして防衛庁の所掌事務となりました。これに伴って必要な事項の調査研究を行いたいというふうに思っております。
○小泉親司君 いや、どこがどう違うのかと。実態としてどこがどう違うんですか。同じことを言っておられるんですよ。調査もするんでしょう。どこが違うんですか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛庁設置法の五条というのは、調査研究を行うという規定でございます。
 テロ対策新法というのは、今回のテロ対策に関する措置ということで、その協力支援とか被災民救援とか捜索救助とか、そういうことを定めておりまして、その意味する内容と対象が違っておるのではないかというふうに思っております。
○小泉親司君 とすると、例えば「はまな」という補給艦が行きますが、これは物資を積んでいくんですか、積んでいかないんですか、弾薬は積んでいくんですか。
○国務大臣(中谷元君) 具体的な船名のお話がございましたけれども、これを派遣するかしないかというのは、今後、安全保障会議において正式に決定をされて実施されますので、現時点において、そういった派遣を命じたこともございませんし、具体的なお話ができるような状況ではございません。
○小泉親司君 じゃ、「はまな」は送らないんですね。
○国務大臣(中谷元君) まだ安全保障会議が開催をされておりませんので、今の時点で送るということはお話しできないわけでございます。
○小泉親司君 じゃ、それは防衛庁設置法五条で送ると。そして、それからテロ特措法に突然切りかえると、こういうこともあり得るんですね。──ちょっと、大事なことだから、これは。法律の運用だから。
○政府参考人(首藤新悟君) 安保会議で了承されて艦艇を近々派遣するということになりました場合は、その時点での目的は調査研究ということになるわけでございます。
○小泉親司君 いや、答弁になっていないですよ。
 防衛庁設置法五条で行った。行ったら途中でテロ対策法に切りかえるんですかと聞いているんです。防衛庁長官が、運用の問題なんですから。
○国務大臣(中谷元君) そのテロ対策措置法に基づく行動につきましては、基本計画に基づかなければなりません。この基本計画自体も、現在、日米等関係国と調整をし、調査をした上で決定されるわけでございますので、現時点において、いかなる基本計画に基づいて行うかという内容については具体的にお答えできるほど固まっておりませんので、今後の問題についてはお答えできないわけでございます。
○小泉親司君 私、防衛庁設置法五条というのは、とんでもなく、そんなインド洋まで行くようなものはない、できるような法的根拠じゃないということを私たちは再三繰り返してきたけれども、そうしたら、五条で行ったと。それは、五条で行ったんだから元へ戻ってくるという、そういうことなんですか。任務が終了したら戻ってくるんですか。
○政府参考人(首藤新悟君) 今、先生のおっしゃられた先ほどの質問とのやはり連接の御質問だと思いますが、まだそういった点につきましては、基本計画が決まっていないということで、その時点における問題についてはお答えできる段階ではないということでございます。
○小泉親司君 今、ハワイで日米の調整委員会をやっていますが、日本側は外務省安保課長、防衛庁防衛政策課長、運用課長、統幕第五幕僚室長が参加していますが、米側はだれが参加しているんですか。
○政府参考人(首藤新悟君) 太平洋軍の具体的な出席者の名前までは私自身も存じておりませんが、一般的に、太平洋軍の五部あたりの責任者を中心に出席しているのだと思います。
○委員長(武見敬三君) 時間が来ましたので、次に移ります。
○大田昌秀君 私の質問は先ほどの広中委員の質問と若干重複するところがございますが、まず最初に、この爆弾テロ条約の批准といいますか、あるいは関連法の整備というのが今日に至っているというその理由について、最初に外務大臣の方からお伺いしたいと思います。
 先ほど外務大臣は、G8のうち三カ国だけが批准といいますか条約を締結したという趣旨のお話がございましたけれども、残りの国々はどういう理由で批准に、あるいは締結に踏み切らなかったとお考えですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 結論的には、それぞれの国情があったと思いますので、逐一全部を今、私が正確にお答えするのは困難かと思います。
○大田昌秀君 法務大臣にお伺いします。
 この種の条約は当然国内法の整備が必要となりますけれども、この条約につきましては国連の場で九四年ごろから非常に表面化してまいりましたけれども、法務省としては、この種の条約について国内法の整備に関して外務省から御依頼があった場合に乗り出すのか、それとも、この種の条約が国際的に表面化した時点で、法務省なりに国内法の整備の必要性をお感じになって外務省と相談をされて整備に乗り出すというようなそういうことをなさるのか。だとすれば、いつごろから国内法の整備を手がけられたかを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 条約の批准というのは外務省のお仕事でございますので、手続としては、外務省の方から、このような条約ができて日本も考えたいんだがどうだろうかというお話があってから、法務省としては国内法との整合性を勉強するという手順になるというふうに思います。
 この件も同じだと思いますが、非常にこれは重要な条約であり、できるだけ早くということもよく法務省でもわかっておりますので早速取りかかりましたけれども、この提案したものをごらんいただいてもおわかりのように、非常にたくさんの法律、またたくさんの省庁に関係がございまして、なかなか一朝一夕には片がつかないという内容でございまして多少手間取りましたことは残念でございましたが、このたび、アメリカでの同時多発テロ事件ということがまた一つのきっかけになりまして、できるだけ早くしようということで関係省庁からの御協力もいただきましたので、検討作業を早めて所要の検討が済み、このようにお諮りしているということでございます。
○大田昌秀君 これは外務省の方かと存じますが、国連に参加している国は何カ国あって、そして何カ国がこの条約を受け入れようとするか、締結しようとしているかということを、もし御存じでしたらお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 国連参加国は今現在百八十九でございますけれども、二つ目のお尋ねが何でございましたか、ちょっと聞き取れませんで、失礼いたしました。
○大田昌秀君 何カ国がこの条約を批准しようとしているのか、あるいは条約を締結しようとしているのか、そして、残りの国々はなぜ対応しないのかということについても、わかりましたら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 百八十九カ国のうち、締約国が二十九、署名国が五十八でございますが、先ほどの最初の御質問と同じでございますけれども、なぜ未締結であるかというふうな理由についてはちょっとつまびらかにはいたしておりません。それぞれやっぱりお立場がありまして、条件があるんだろうというふうには思っております。
○大田昌秀君 各国の事情について御存じないとおっしゃるわけなんですが、これを本当に国際的に防止をする、実効性を持たせるためには、やはりそういった外国の事情についても外務省としては当然把握していただきたいわけですし、それから、これは法務省とも関連すると思いますが、各国の事情を若干調べてみますと罰則規定がそれぞれ違うわけなんですね。そうしますと、この条約というものを国際的に有効性を持たせるために何らかの不都合はないかどうか、その点についていかがでしょうか、法務省の方。
○政府参考人(古田佑紀君) どういうふうな罰則を設けるかということにつきましては、それぞれ例えばアメリカやイギリスあるいはドイツ、言ってみればそれぞれある程度伝統的に枠組みがあるわけでございます。
 そこで、問題となりますことは、その枠組みの中で、かつ条約が求めているところをどういうふうに犯罪化するのが一番適当かということになるわけでございまして、そこで各国でそれぞれの国内法制の枠組みの中で工夫を凝らして犯罪化をするということになることから、形の上で若干違った部分が出てくることはそれは事実でございます。しかし、その処罰の対象としている部分については各国共通に処罰の対象とすると、そういう形に、これはどういう条約でもそうなんですけれども、大きく言いますとそういう姿になるということでございます。
○大田昌秀君 つまり、罰則の規定が軽重にかかわらず何ら支障はないということですか。それとも、時々、この罰則の問題とかあるいはその運用面についてどうなっているかということで国際的な会議をなさっているとか、そういうことはございますか。
○政府参考人(古田佑紀君) 先ほど申し上げましたとおり、条約で犯罪化を求められる、そこについては何らかの形ですべての国が共通して犯罪化しているということでございますので、そういう意味で、各国との間での適用上問題が生ずるということは起こらないわけでございます。
 実際問題として、国際的に何らかの具体的な事件の処理が問題になりますときには、それぞれ自分の国の処罰法規に照らし合わせてその範囲で協力をしていくということになるわけでございまして、そういうことから、犯罪化すべき対象が共通に犯罪化されている以上は、罰則の、例えば罪名が違いますとか法定刑が若干違うとか、そういうことがありましても特に国際的に問題を生ずることはないわけでございます。
○大田昌秀君 今回のテロによって国の内外の各地におきまして経済的なダメージが非常に大きくなっておりますが、沖縄県は基地を過重に抱えているということもありまして大変なダメージを受けておりますけれども、政府はその沖縄の経済的ダメージをどのように把握しておられるか、お願いいたします。これは官房審議官の方、お願いいたします。
○政府参考人(山本信一郎君) 今回のテロ事件によりまして、修学旅行等を初めキャンセルが大きく出てございます。十一月六日現在で約二十一万人のキャンセルが出ておりまして、御承知のように観光産業は沖縄県におきまして大変大きなウエートを占めておりますので、大変憂慮しておるところでございます。
 具体的な数字ということになりますとなかなか推計が難しゅうございますけれども、地元銀行の一つの推計数値としましては、観光客が五%減、二十万人強ということになりますが、減りますと、一人当たりの消費単価が大体十万円前後ということでございますので、二百億円前後の収入減が生じるのではないかといったような数値が発表されておるところでございます。
○大田昌秀君 今の二百億というのはどれくらいの期間のことですか。今回の、今日の時点ですか。
○政府参考人(山本信一郎君) 一応これは推計数値でございまして、五%観光客の入り込み客が減りますとそれぐらい収入減が生じるであろうという推計数値でございます。
○大田昌秀君 警察庁にお伺いいたします。
 現在、機動隊が沖縄に派遣されて米軍基地周辺で警備に当たっているようでございますけれども、どのような法的根拠によっていつ何名の機動隊が沖縄に派遣されたのか、それは沖縄だけに限定されるものか、それとも全国的な警備状況に基づいておられるのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(漆間巌君) 沖縄に管区機動隊を派遣している法的根拠は警察法六十条でございまして、この六十条……
○大田昌秀君 済みません、もっとはっきりおっしゃってください。
○政府参考人(漆間巌君) 沖縄に管区機動隊を派遣している法的根拠は警察法六十条でございます。警察法六十条によりますと、公安委員会が他の関係警察に対して援助の要求をする、事前、場合によっては事後に警察庁に報告すると、こういう枠組みでありまして、これに基づいて管区機動隊が送られていると。
 これにつきましては、沖縄だけではありません。それ以外の青森とか長崎とか、そういうところにも管区機動隊は派遣されております。
○大田昌秀君 政府は沖縄の経済的なダメージを救済しようということでいろいろな措置をとっておられることは理解して感謝しているわけでございますけれども、実は、データを見ますと、機動隊が派遣される前の観光客の減りぐあいと、機動隊が派遣された後の方でぐっとキャンセルがふえているわけなんですね。
 例えば、前の時点ですと七万五千人くらいのものが機動隊派遣後の減り方というのは二十万という言い方がされておりますけれども、ある意味では、機動隊を派遣して警護することが沖縄を安全にするという印象を与えるかもしれませんが、逆に、機動隊が派遣されるということを見て、これをマスコミで知って一般の人たちが不安に駆られる、そのことがまた全国的に広がっていって経済的により苦しい状況に来るということも考えられるわけなんですが、一体、この機動隊の警備、四百五十名ほどの機動隊を派遣するのにどれくらいの費用をかけておられるのか、そしていつまでこれは警備を続けられるのか、そのあたりお願いします。
○政府参考人(漆間巌君) その前に、大変機動隊を派遣したことによって沖縄に来られる予定の修学旅行生が減ってしまったというようなお話でございましたけれども、この辺につきましてはその因果関係があるかどうかわかりませんが、いずれにしても、沖縄県の安全を確保するためにまさにこの管区機動隊を派遣しているわけでありまして、さらにまた、昨日、琉球新報の夕刊を読んでおりましたら、まさに北海道の女子高校生が修学旅行を沖縄にやりたい、どうだろうかというので十月に下見に行きまして、そのときに沖縄県警の担当の課長が、安全ですよと、予定どおり修学旅行を実施するように勧めたと、その結果、予定どおり十月二十四日から二十六日まで全員参加で沖縄に来て、実際本当に平和のとうとさや自然の美しさを感じるいい機会となり、キャンセルもしなくてよかったねという声が出ているという礼状が担当の課長のところに来ているということでありまして、こういうことに関しても、警察としても、やはり沖縄は不安ではないよということを、やはりその辺のところを伝えていく努力はしなきゃいかぬというふうに思っております。
 それからもう一つ、経費の関係でございますが、これは、いつまで続くかという問題もいろいろございまして、現時点で、当面この派遣は継続される見込みになっておりますので、この情勢あるいはその派遣期間、あるいはその間に人員も変化しますので、その所要の経費を算定するというのは困難でございます。
○大田昌秀君 せっかく防衛庁長官もいらしておりますので、若干関連してお聞きしたいと思いますが、現在、沖縄には自衛隊基地は幾つあって何名の自衛隊が沖縄に駐留しておりますか。
○国務大臣(中谷元君) 突然の御質問で、数字的に正確性はないと思いますが……
○大田昌秀君 局長でも結構ですけれども。もしどなたか御存じでしたら、防衛庁関連の方で。
○国務大臣(中谷元君) 一般的には、那覇の飛行場周辺に航空自衛隊、また陸上自衛隊、そして海上自衛隊が沖縄の北部の方に、北部というか中部の東側にございます。その点は承知しておりますが。
○大田昌秀君 後ほどチェックしていただきたいと思います。
 と申しますのは、自衛隊法の改正によって、新たに自衛隊が米軍基地を警護するというような事態が起こる可能性も話題に上っておりますけれども、今、防衛庁長官として、自衛隊が沖縄の米軍基地を警護するというような事態も想定しておられますか。
○国務大臣(中谷元君) 現時点におきましては、沖縄に関しましては諸般の事情等がございますので、沖縄で警護出動等を実施するというようなことは、すぐには想定はいたしておりません。
○大田昌秀君 最後の質問です。
 そうしますと、現在、自衛隊が、私の理解では沖縄に六千人近く駐留していると思いますけれども、こちらから特別に自衛隊を派遣するというようなお考えはないということですね。
○国務大臣(中谷元君) 現時点において、警護出動等による警備を行うという予定をいたしておりません。
○大田昌秀君 はい。ありがとうございました。
○委員長(武見敬三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時三十分から委員会を再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官柴田雅人君、人事官佐藤壮郎君、人事院事務総局人材局長藤原恒夫君、防衛庁人事教育局長柳澤協二君及び総務大臣官房審議官戸谷好秀君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(武見敬三君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○齋藤勁君 民主党の齋藤勁でございます。
 冒頭、外務省、外務大臣にお尋ねをいたします。
 外務大臣に就任をされまして約半年がたつのではないかと思います。五月十七日、先日の参議院選挙前でございますが、私も前もこの委員会に所属をさせていただきました。この本委員会で、田中大臣が所信として述べられております。改革断行内閣として発足した小泉内閣の外務大臣として、外交の分野においても改革を断行し、日本外交に対する信頼を取り戻すため、全身全霊を挙げて取り組んでまいります。そのためには外務省の自己改革が必要であり、先般の機能改革会議の報告を踏まえ、みずから具体的改革案の作成にかかわり、自分の責任において発表をいたします。
 国民の目線に立って、しっかりと国益に基づいた外交政策を展開するためには、本委員会の御議論は極めて重要だと考えておりますというのが述べられております。
 初心忘るるべからずと、これはもう申し述べるまでもないと思いますが、今なおこの初心を持っておられると、職務を遂行されているというふうに理解してよろしいですよね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 結構でございます。
○齋藤勁君 私は、前の委員会のときも、いわゆる外交機密費の解明に向けて、外務省改革に向けて先頭に立って頑張れる外務大臣に対し、本委員会でも、いわゆる頑張ってほしいというエールを送ったつもりでございます。今日、なおもその気持ちは変わりません。そういう意味では、この初心を忘れずに専念していただく限り応援をしていきたいと思いますし、きょうもそういった立場で幾つかの質疑をさせていただくつもりでございます。
 そこで、まず外務大臣、この約半年になりますが、御自身として、外務大臣になってこの所信の考え方を踏まえて、具体的にこういうふうにやろうとしたこと、そして、しかしできなかったこと、具体的にお述べいただければありがたいと思います。特に、外務省改革についての現状と今後の課題についてはできる限り具体的に御報告いただければありがたいと思います。あるいはまた、今後の課題についても、こういう課題があると、どういうふうに取り組む考えなのかということについても明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、着任いたしましたときに、外交の要諦は何かということを申し述べました。それが私が心がける、政治家としても基本的にはそういうところにございますけれども、日本の国民の皆様の生命、財産を守り、そして世界の平和とか安定に貢献をしていくということのために政治もあると思いますし、外交もその一部であるというふうに考えております。殊に、外交はそうしたことで対外的な折衝が多うございますから、そう考えています。
 そして、国会でのこうした御審議ももちろんございます、委員会、本会議。それから、海外に大体五回からないし六回になりますでしょうか、五回だと思いますが、国際会議等があって出席をさせていただきまして、さまざまな分野の方からいろいろ意見を聞かせていただいたり、私も自分なりにメッセージの発出をしてまいりました。二国間、それから多国間での協議等もございまして、そうした中でこの六カ月間でいろいろなことを経験し、また学び、発言もしてきております。それぞれお立場によっていろいろな思いもおありになるし、まあこんなものかなと思う方もおられるでしょうし、すっかり不足していると思う方もおられると思いますが、少し長い目で評価をされるものかなというふうには思っております。
 それから、外務省改革につきましては、これは前の内閣で残念ながら松尾事件というのがありまして、個人の犯罪であるということでもって一応ピリオドを打った形でございましたが、その後も引き続き、今も、まことに残念でございますけれどもいろいろな問題をはらんでおりまして、国民の皆様、国が受けた被害の額も想像、当時想像はつかないほど大きな額に上っております。
 そして、そうしたことを踏まえながら制度の改革というものを取り組んできておりまして、いろいろな内外の方の御指導を得ながら、例えば部局会計の一元化でございますとか、それから監察査察制度を立ち上げましたり、それから領事移住部の業務を長く時間をするとか、それから在外公館に公認会計士の方等の査察に行っていただくとか、そういうことを立ち上げて動き始めてきておりますので、こうしたことも今後は、制度の面で十分とはいかないと思いますけれども、結果が前よりもよくなるというふうに期待をいたしております。
 そのほかにも、今度、人事の面で、私は新しい民間大使という人を二人推薦して初めのころからおりますけれども、これがなかなか実現いたしておりませんで、そういう新しい風を入れて、いろいろな人材が外務省のプロパーにもおられますが、それ以外から広く起用していくということは新しい風を送り込む上で大事だと思っております。これはまだ実現いたしておりませんで、事務方を督励しております。
 それから、外務省の特殊性というのはありますが、在外も本省も大体三年ぐらいをめどにして、それよりも長い方が今ざっと数えたのでも百何十人か、かなりの数が、もっとかもしれません、おられます。きょうは一覧表を持っておりません。そういう方たちが長いところにずっといると空気がよどみますし、いろいろな利権等の温床にもなると思います。
 それから、余り理由がはっきりしないのに短期間であっちこっちに行くということも、なかなか人事というものは公平でなければならないと思いますし、ルールが必要だと思いますので、外務省内のルールを確立するように、これも努力をいたしております。
 なかなか行き届きませんけれども、そのほかたくさん改革すべきことについては箇条書きにして、まだ十一ぐらいの項目については官房長を通じて改革をするようにお願いをし、私どももチェックをいたしております。それが現状でございます。それから、今後の課題は、そうしたことをとにかく速やかに実現すること、これが外務省内部のことです。
 それから、外交全般として思いますと、今は九月十一日のテロ事件以降いろいろな局面展開がありまして流動的な事態でございますけれども、例えば人道支援のあり方についてアフガニスタンだけではなくて周辺国家、それから、これは言うはやすく、なかなか現実的には、午前中の御議論を踏まえてもおわかりだと思いますが、困難を伴うと思います。できることからやるということだと思います。現場をよく掌握することだと思います。そのために、私も今度の連休にそういった地域に行けるように、今、努力をしております。
 それから、あとはポストタリバンの問題で、これは政治的な問題ですが、大国のエゴではなくて、本当にアフガニスタンの人たちがそこに定住していけるようにバックアップする、これは極めて厳しい作業になると思います。大変この国の歴史も地政学上の問題も、いろんな部族がいること等を考えますと厳しいと思います。
 それから、もちろん近隣のアジアの国々、韓国、中国、それからロシアとの領土の問題、サンマの問題もありますし、ASEANの会議にも伺わせていただきました。WTOも近々またございますが、この間もシンガポールで行って、なかなかこのグローバリゼーションの中で途上国と発展している国との利害を調整していくということ、これも大変難事であると思いますし、欧州の方々とも、私は個人的に緊密に連絡をとったりお電話をいただいておりますけれども、やはりいろんな問題がございます。今回のアフガンでもございます。
 アメリカはもちろん日米同盟は一番基軸でございますから、それも軍事面だけではなくて、文化、人の交流、経済の問題、大変大きく変動すると思いますので、そうしたことをトータルでとらえていく。
 これは数か月で結果が出ましたなんということはまずあり得なくて、こういうことを息を長く、やるべきことは速やかに、そして、長期的ロングスパンでやることはそうした視点をとらえながら取り組んでいきたいし、いくべきであるというふうに考えております。
○齋藤勁君 大臣、るるお話しいただきましたけれども、おおむね自己採点して、百点満点で今自分の、外務大臣として半年やってきたけれども百点なのか九十点なのか八十点なのか七十点なのか六十点なのか、自分ではどのような自己、点数は別にしても、優良可でも結構なんですけれども、古いかも、言い方が。どんなふうに思われますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) よく週刊誌からそういうことを言われますが、私は答えない主義でございますし、人様が結果として、ほかの方の、ほかの外務大臣と、この場合、比較をして後に、後日評価されるものであると思います。
○齋藤勁君 私、別に週刊誌的な質問したつもりはなくて、これは小泉内閣が今日まで、私ども国会だけでなく国民が、とにかく一内閣一閣僚と、こういうことを今日まで総理大臣は明らかにしていますね。ところが、昨今、外務大臣のみならず複数の閣僚が、この国会でも、臨時国会でも終わったら内閣改造があるんだと、やるべしだと、こういったようなこともあるんで、それに特にいつも外務大臣が出てくるわけですね、これは。いつも田中外務大臣が。こういうことについて御自身、当然今、閣僚として一生懸命今思ったことを取り組み、そして今後の課題とかいろいろやるということについて、ある意味では不愉快千万ではないかなと、こういうふうに書かれることはね。不愉快きわまりないと、そんなお気持ちじゃないですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 永田町のいろいろな事情というのもございましょうし、それから世間の一般の方の直接、全部政治の、特に外交のことを全員が知悉しておられるわけでもないと思いますし、メディアの報道ぶりもありますし、これから齋藤先生が一々、一つ一つお聞きくださることにも、であろうことにも、通告質問の中である、中でも、随分間違って、あるいは思い込みが強くて、物によっては、きょうも官房長と、これはそのときお答えしますが、一緒にマスコミに抗議の文章を出したこと、先ほどいたしましたけれども、全く事実と違うことが報道されたりしておりますが、残念ながらそれらを通じてしか一般の国民の方は知り得ません。それをまた利用するというか、そう信じている議員さんもメディアもおられますので、まあそういうものかなと、国会議員というものの宿命かというふうにも、日本の国会議員となったからには、そう思っております。ましてや三年生で女性で初めて外務大臣なんという重責を担えば、力不足はもちろんございますので、そこのところは自分でそのように思っておりますが。
○齋藤勁君 後ほどお尋ねいたします、人事問題に幾つかお話をさせて、尋ねさせていただくつもりなんですが、これは別に、何か私はいわゆる週刊誌的とかワイドショー的にほじくるつもりはなく、国会でありますから、立法府として、法治国家、法律的な立場で幾つか考え方をただしていきたいなというふうにはまず思っております。
 いずれにしましても、今も述べられていますが、大臣と事務方の対立がさまざまな形で報道されていまして、とにかく国会、私もいろいろ有権者の方に言われますが、齋藤さん、何か毎日ワイドショー見ていますよと。何かそういうことで見ていますという、主たる国会のことがこの外務省と事務方の対立の問題について尋ねられますが、そういうことばっかり国会で議論しているわけではないわけなんで、報道の仕方もいろいろあるかもわかりませんが、大臣と事務方の対立がマスコミによっておもしろおかしく取り上げられる状態というのは、これは私たち、主権国家、主権者にとって何か観客みたいな感じになってしまって、国民主権の上からも非常に私は危惧される思いがあります。
 そこで、ここ最近、そうですね、具体的な点の前に改めて、当然ですけれども、大臣が、憲法七十三条一項四号、法令を遵守するのは当然である、これは当たり前なことだと思いますが、尋ねるのも、質問するのも何だと思いますが、当然だという前提で、次に、事務次官以下、事務次官以下の職員は大臣の命令に従うとともに大臣を適正に補佐する義務がある、このことは、これは総務庁、総務庁だね、私は今この具体的な法律の中身を申し上げましたけれども、よろしいですよね。
○政府参考人(戸谷好秀君) 先ほど先生がおっしゃられましたのは、国家公務員法の中でいいますと九十八条かと思いますが、「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」と規定をしているということがあります。
 事務次官につきましては、国家行政組織法の中で、その省の長である大臣を助けるという規定がございます。
○齋藤勁君 一番最初のは大臣自身が法令を遵守することがまずスタートであり、そして事務次官以下職員が大臣の命令に従う、そして適正に大臣を補佐をする義務があると、このことが国家公務員法の私は決められたことだというふうに思います。
 さて、これちょっと済みません、事務方、配付いただけますか。
○委員長(武見敬三君) では、配ってください。
   〔資料配付〕
○齋藤勁君 この間、今お配りさせていただきましたのは、十一月、いわゆる写真週刊誌の、今発売中の、今発売中の写真週刊誌のフラッシュでございます。そこをコピーしまして委員会の御確認をいただきまして資料としてお渡しをしております。
 その前に、いわゆる私はこの法令遵守等の基調の中でお尋ねしていきたいのは、小寺課長、いわゆるロシア課長に復帰をさせる人事をかつて、ことしの五月行っております。これは当時、これは過ぎた話ですから、この小寺ロシア課長を、英国公使を発令をしていたのを呼び戻させて復帰をさせていますよね、小寺さんを。このことは事実ですよね。
○国務大臣(田中眞紀子君) はい、そうです。
○齋藤勁君 ここはいわゆる、外務大臣がいわゆる人事権者として、任命権者として、このことではいわゆる省内については合意形成があり、そして最終的にロシア課長にまた着任をしたということになるんですが、さて、今のフラッシュの方でいいますと、この齋木人事課長、この外務大臣田中眞紀子名での十月二十九日辞令というこのコピーがございますが、これは今、大臣のところに行っていますよね。
 これは、私今これ初めて見ました。この週刊誌を買って、読みながら今見ているわけですけれども、「女性職員にワープロで無理やり打たせた、お手製辞令のコピー」、これはそういう辞令なんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) この週刊誌がどこから入手したか存じませんけれども、まず、今、委員が御発言になった、女性職員は打っておりません。
 もし、これが本物かどうかは私はわかりません、この印刷ではですね。ただ、私が打ってもらったものについては、私の方から、大臣としてはどこにも渡しておりません。
 これを、これというか、その辞令をですね。あの日にちは、現実には、人事課の任用班では全員がクモの子を散らしたようになぜか早い時間であったにもおりませんで、そして女性が一人、二人ぐらいいましたかね、最後は三人ですけれども、結局パソコンが扱えなかったわけでございます。パスワードがないとかですね。それから、そのパソコンを、これを打ち込む専用の紙があるそうでして、そのフォームがあるそうで、その方が、どこでしたか、松戸だと思います、たしか、そうそう。遠くに行って、もう帰ってしまったので、呼び戻しているから一時間以上かかるということで待っておりました。
 結果的には、だれも打てないということで、ほかの方が、私が向こうで打ってくるとか、この用紙は、このものじゃありませんが、その辞令の用紙は何も書いてない白い紙で、右隅に大臣の判こだけが押してあって、任用班に山ほどぼんと積んであります。すぐ、入ったらすぐわかるように、もういつでもどんどんとつくれるということで、一々大臣の許可なんかなしに今までやっていたのかいなと驚くほどで、行ってみてよかったと思うんですけれども、そういう形で雑然と山ほど積んでありました。この紙かと言いましたら、そうだと職員の方が言われまして、若い方しかいませんでした。
 それで、もう人事課長も連絡がつきませんし、その中では結局つくれませんで、秘書課に連絡をしまして、秘書課の男性職員の方が打ちました。そのものは三部つくりました。それ全員が確認しております。その三部を私が持っております。外には出ておりません。
○齋藤勁君 そうすると、ここにあるコピーというのは、今お手元にあるとなると、全然別物ということになりますね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私がつくったものはコピーではなくて本物を、それはかすれましたけれども、大臣秘書官室で、大臣室の隣の秘書官たちの部屋でつくってくだすったもので、それはちゃんとした厚い紙で三枚あります。
 それは私の手元にあるわけですが、その後、多分お尋ねに、先に踏み込んでよろしゅうございますか、正確に言った方がよろしいと思いますが、その後で、翌日でしたか、私はそれを持っていって、またしっかりと法律的に調べないと、公文書をつくっただとかなんとか言われたらいけないと思ったので、急ぐことではないし、重要なことでありますし、役所がもう今、平たく言えば抵抗しているというふうな、あのときはですよ、今は大分変わってきておりますけれども、そういう状態でしたので、もうトラブルの原因はいけないと思ったので、これはちゃんと、翌日人事課長が来たら、あるいは任用班の人を呼んで、命じてつくってもらおうと思っておりましたので、そのものは出しておりません。
 ところが、翌日になったら、そのものを官房長と事務次官が、これは人聞きですからわかりません、官邸へ持ち込まれたと。そして、おもちゃ銀行云々という話があるということをメディアやら議員さんたちから聞きました。それを新たにつくられたのかと思って、秘書官室の若い方たちに、お気の毒だから名前は申しませんが、確認しましたら、その三枚、私は人事課で待っていたわけですから、遠く離れていて、秘書官室は遠くですから、大臣室は。そこで打っていたわけです。私は人事課の方にいたわけです。それをコピーして持っていたそうです。コピーをしたそうです。そのコピーのA4だか何かの紙を官房長に渡したということです。
 その前段がそもそもありまして、その三枚つくる前に、私が、その日は七階ホールでもって救援活動をやった方たちの慰労の会がございまして、その会があって、そのときもそれがあったので、おくれて云々と言われたんですけれども、このことがありまして、余り人事課が動かないもので、大臣室から遠いものですから、人事課に電話をして、出た女性に、ひとつこの人事の辞令を持ってきてくださいと申しました。はい、わかりました、すぐ持っていきますと言って、その方は大臣じかでびっくりしたらしくて、持ってきたら秘書官に預かってくださいと秘書官室の方、大臣室の方にお願いをして、私は七階ホールで仕事をして、激励をしたり感謝状を渡しておりました。帰ってきて、どうしましたかと言いましたらば、それは官房長に渡してしまったということでした。したがって、それはもう出てこなくなったんです。それで、私は困ったなと思って、人事課に行って、先ほど来申し上げたようなことになりました。
○齋藤勁君 大臣、齋木課長は、かねてからというのはどの時点からってあるかもわかりませんが、そのかねてからというのを、いつというのを私はお尋ねするつもりはありませんが、一点は、一般的にかねてから更迭といいましょうか、異動をしてほしいと、大臣として、人事課長をですね、この日急に思い立ったということではなく、かねてから思いがあり、そしてだれかに、事務方に伝えていたと、意思を伝えていたということはいかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 官房は三課長、四課長ですかね、大きくは四でございますけれども、その中で、私が外務大臣を拝命する前に、予算委員会をやっておりましたときに、前の河野大臣のもとでもって、まさしく機密費の問題について、松尾事件といいますか、その議論がありまして、ずっとつぶさに委員のメンバーとして聞いておりました。そのときに、その最後のころでしたか、ことしの、松尾事件は一月でしたか、事件が表に出て、その後にたしか人事課長、いや会計課長と総務課長と官房長、当時の阿部という官房長と、それから会計課長は木寺さんという方で、私の友人の弟さんですからよくわかっていたんですが、それと総務課長の竹内さんでしたか、この三人が急に病気になったと。これは前からよく外務省がやる手だということは、私も外務省結構知り合いが多いものですから、何でこんなことをやるんだろうと思いましたらば、二、三カ月間全員が病院に入りましたね、二つの病院に分かれて。それで、おやっと思っておりました。またこんなことをやっていると思っていました。
 ただし、そのときから人事課長の齋木さんという方はずっとそのポストにいました。一年数カ月、後で官房長にでも、事務方に聞けばわかりますけれども、そのときからずっと、私たちが着任する前からいた方です。
 その後の三人は私が着任してからひょっこり出てきまして、当時の官房長は研修所の所長になり、木寺さんはフランスに行くと。だけれども、僕は病気じゃないんだ、隠されたと当人言っていましたけれども、私の大臣室に駆け込んできましたけれども、とにかくもうフランスへ行くということになりまして、精神的に不安があるとか、いろいろなことを事務方が言っておられて、私はもう本当に白紙の状態で、あれは一体何だったんですかということを前事務次官に相当詰問いたしましたけれども、みんなが病気になって、みんなが治ったんだと言っておられました。もう一人の方は今どこかに行っておられて、ちょっと承知しておりませんけれども、そういう手法が非常に昔からおかしいと思っておりましたけれども、人事課長がそのときからずっと続けています。
 その後こうした、私はいつも、不祥事、組織を活性化するにはまず、企業もそうですが、人とお金だと思っています。人事課長と会計課長というのは極めて大きな権限を持っております。したがって、どっちがより重要かというと人事なんですね。会計課長がこうした不祥事の責任、今もいろいろ問われておりましてお気の毒ですけれども、お気の毒といいますか、国民の目から見たらやむを得ないと思うんですけれども、それだけの権限がありますから。その会計課長のポストを左右するのも人事課長であります。
 そうした経緯が、私も友人がたくさん、友達の御主人とか実はいっぱいいるものですから、そういう中で聞いてもいましたし、内部告発も来ますし、それも怪しいものではなくて、役所の自分の現在のポストの名刺をつけて、定期的に外務省改革有志の会といって、今でもメールやらファクスやら手紙を下さっています。実際におっしゃっていまして、そういうことが極めて当たっているんですね、全部、なぜか。次はこれです、次はこれが起こると、そのカードを切るように起こってきていますし、現人事課長は奥様と一緒にいて人事に口を出すとか、そういうことは私はよろしくないと。そんなことは言われること自体問題があると思う。そんなことがなくてゼロであっても、そういうことを思われて、ずっといることは余りよろしくない。
 そしてやっぱり、会計を明らかに今回していく、改革をしていく中において、人事、これはやはりもう一年以上おられる方であれば、今のおかわいそうに小町官房長は二、三カ月間ですよね、このポストにつく前は欧州局長を二、三カ月やって、官房長にかえられてしまうと。全然ルールがなくてなるので、私はやっぱりこういうことは不健全だからもっと適切なところにかわっていただき、人を入れかえることがふさわしいとずっと思っておりました。
○齋藤勁君 二つだけ確認します。
 さきのいわゆる報道に出た外務大臣のお手製の辞令という表現がございます。見出しにあったんですね。手製の辞令あるいは女子職員に打たせたと。このお手製の辞令という表現はこれは事実でないと、今のお話ですと事実でないということ。もう一つ、それから齋木人事課長については、かねてから人事課長としてではなくて別の場所に異動してほしいということを大臣は例えば官房長とか事務次官とか具体的に指示をしていたということ。この二つお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 前半の部分につきましては、ここに出ているものと私が秘書官の部屋で打ってもらったものが同じかどうかは突き比べてみませんと、あるいはこれがどこから出たかわかりませんので、それには今は正確を期するためにもお答えしない方がよろしいかと思います。それから、逆に言えばこれは出所がはっきりしません。
 それから、二つ目につきましては、齋木某者がいいとか悪いとかではなくて、これだけの事件が起こっていますから人をかえるということはだれが人事課長であれ大事だと思っています。そのことは前事務次官にも特に強くそのことはずっと言っておりますし、今もその気持ちは変わりません。
○齋藤勁君 前事務次官にも伝えてあるし、今の野上事務次官にも伝えてある、指示をしてある、こういうことでよろしいですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 間違いありません。
 彼は有能だから絶対にだめだというお答えしか返ってきていません。
○齋藤勁君 総務庁あるいは人事院でも結構なんですけれども、いわゆる課長の人事権はどこにございますか。
○政府参考人(佐藤壮郎君) お答え申し上げます。
 各府省においては、局長以上については閣議の了承が必要とされておりますけれども、それ以下の職員につきましては国家公務員法第五十五条によりまして各省の大臣に人事の決定権がございます。
○齋藤勁君 そうすると、今回の人事課長の人事権は、外務省の齋木人事課長の人事権は田中外務大臣にあると、具体的にですね。当たり前の話ですけれども、そういうことでよろしいですか。
○政府参考人(佐藤壮郎君) 結構でございます。
○齋藤勁君 外務省官房長いらっしゃるのかな。官房長いらっしゃる。
 手続をなかなか細部まで、いわゆる人事発令手続を何から何まで大臣がわかるわけではないわけですね。それで、そのことをサポートするのがこれは事務方の責任であるわけであって、今の大臣の話ですと、前事務次官にも今の事務次官にも齋木人事課長を異動してほしいということを大臣がこの法律のルールに基づいて、ある意味では法律に基づいているからやりなさいということじゃなくて、当然裏づけされているわけですけれども指摘をしていると、これは事務方の方が従っていないということになるんじゃないですか。いかがですか、その点は。
○政府参考人(小町恭士君) お答え申し上げます。
 今の御指摘の点でございますけれども、この問題につきましては所要の手続を経て決定がされる前の段階でいろいろな報道が行われておりますけれども、その状況等について申し述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
○齋藤勁君 それは官房長、困りますよ、それは。私は一番最初から、大臣が法令を遵守するというのはこれは憲法ですね。それから事務次官以下の職員は大臣の命令に従う、これは国家公務員法であり、国家行政組織法、これはもう御答弁いただいていますし、それから事実関係をお尋ねしたら、これは急にこの日になって齋木さんをかえてくれと言ったわけではなくて、前事務次官、現事務次官にも意向を伝えてあるということでありますから、少なくとも事務方の方はこれこれこういうふうにしてあとは運んでいくということが事務方の役目じゃないんですか。
 何かお答えできないとか何かということは、これは具体的にも報道になっているんです。むしろ事務方のいわゆる考え方、存念を明らかにしてもらった方が、いや、それはそうなんだけれども、こういう考え方があるんですよというふうに言っていただいた方がこれから審議やりやすいんで、ぜひお答えください。
○政府参考人(小町恭士君) お答え申し上げます。
 ただいまの点につきましては、田中外務大臣と御相談をさせていただいている段階でございますので、具体的に発言することは差し控えさせていただきたいと思います。
○齋藤勁君 じゃ、何を相談しているの。
○政府参考人(小町恭士君) まだ内部のお話でございますので、申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○齋藤勁君 それは認められませんよ、それは。お答えできないとなると、それは、これはもう委員会の場で、国会の最高議決機関であり、審議をしている場ですから、お答えできないというのは委員会無視、国会無視ということになりますよ。
 今そこで、すぐそこに大臣いらっしゃるじゃないですか。副大臣もいらっしゃるし。具体的に私たちの前でどういう相談をしているんだと、何が問題なのかと教えてください。
○政府参考人(小町恭士君) お答え申し上げます。
 先ほどと同じことになって大変恐縮でございますけれども、内部のお話で今ございますので、お答えを差し控えさせていただければと思います。
○齋藤勁君 これは委員長、大変な問題になりますね、これは。こういうやりとりが続いていますと。
 先ほどから申しましているとおり、一連のこの事件というのは、外務大臣と事務方の対立というのは、私は外交、外務、各国からも日本の外交はどうなっているんだということをいろいろ報道されているように、停滞を招いているというこれは一つあるんですよ、大きな要因として。これはいろいろいろんな角度から解明していかなきゃならないことがありますけれども、いずれにしてもここの部分というのは、行政機関の長と補佐機構、役所、このあり方の問題、これは外務省に限らず行政機関共通の問題じゃないですか。
 議院内閣制のもとで、行政を監視、コントロールするというのが私たちの国会の役割なんで、絶対これは見過ごすことができないじゃないですか。これは国会審議の対象ですよ、これは。答弁を求める当然の理由が私はあると思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(小町恭士君) 大変何度も申し上げて恐縮でございますけれども、今内部でいろいろ検討している状況でございますので、その状況について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○齋藤勁君 何を内部で検討しているんですか。
○政府参考人(小町恭士君) 大臣かねてから御指摘の外務省の改革等々の問題を含めて、どういうふうにしていくかということについて検討をしている、こういうことでございます。
○齋藤勁君 私は総論的なことを言っているんではないんです。具体的な、課長の人事権は大臣にあるということを、明らかになり、そして具体的に田中外務大臣が齋木人事課長を、この人事権者として責任者ですねということをお尋ねしたら人事院がそうですと言うから、そのとおりやればいいじゃないですか、何か問題あるんですかということを言っているので、外務省改革じゃないんですよ。具体的なことを言っているんですよ。何が問題なんですか。何を検討するんですか。
○政府参考人(小町恭士君) 大変申しわけございませんけれども、まだこの人事につきましては内部で検討している、相談しているところでございますので、何か申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○齋藤勁君 外務大臣、外務大臣、何かこの具体的な人事の発令について、今事務方は大臣と詰めているんだというふうに言っているんで、そのとおりなんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) この後またお尋ねのことと関連しますが、私は人事は凍結いたしておりません。一度、最初着任のときにフリーズということは申しました。それは、また例によって隠したり病気になったり怪しいことが起こると思ったので、まずとめるということでとめたわけです。あの後、私は凍結はしておりません。そして、そのことについては、官房長と確認の上、今、お昼休みに、いわゆる張り出しと申しますけれども、役所の霞クラブにこうした事実はないということを張り出しをいたしました。
 ただし、あと百何十名ですかね、異動する時期がありまして、他省庁から、例えば防衛庁ですとか総務庁とか郵政省から本省に来られた方がおります。それらについては内閣に影響がありますから、それらの方はもう、十八人だったと思いますけれども、もう異動していただきましたし、あとは在外と中の人については話をしましょうということになっておりましたが、この人事課長は前の内閣のときから長いこといまして、この方がキーパースンでいる限り、個人の攻撃は私はしておりません、この不祥事の解決はできないということをまだ私はずっとこの六カ月間、思っております。
 したがって、彼にはもっとふさわしいところがあると思いますし、そのポストにふさわしい人を、ついてもらうことによって外務省改革ももっと速やかになると思っておりますので、そのことはずっと熱望しておりますし、直接何度も責任ある方たちにお話をしております。お願いもしています。
○齋藤勁君 委員長、るる質疑をしてまいりましたけれども、このままですと、この国会の私は機能ということについて本当にもう疑わしくなります。
 大臣の私の質問に対する答弁は、大臣のこれまでの取り組みについて経過を聞きましたけれども、官房長の答弁というのは、私は法治国家の答弁ではないと、今の答弁は。法治国家の答弁じゃないですよ、だって法令に遵守していないんだから、まず。
 大臣の意向について、少なくとも事務次官以下、いや、行っていないということだけでなく、ここの国会の中で尋ねても答えないんですから。これ以上何を審議しろというんですか、私たちは。このことについて国民が、さっき言った、私は別にワイドショー的にどうこうという話じゃないんですよ。具体的な法律の話をしているんです、法律のルールの話を。
 これは相談してくださいよ、とめてもらって。審議できないですよ、こんなの。
○委員長(武見敬三君) 委員長の立場からお尋ねをいたします。
 ただいま齋藤勁君の方から質問があった点について、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(小町恭士君) お答え申し上げます。
 大変申しわけございませんけれども、今この問題につきまして、いろいろな点を含めて検討をしておりますので、その段階で何か申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○委員長(武見敬三君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(武見敬三君) 速記を起こしてください。
 先ほど齋藤勁君から質問がございました件について、改めて委員長の立場から具体的にその回答をすることを求めます。
○政府参考人(小町恭士君) お答え申し上げます。
 従来、課長人事につきましては、事務当局が案を作成の上、決裁を得て発令していたところでございますけれども、今回の場合につきましてはそれと異なる手続がございましたので、今どのように対応するかについて部内で検討中でありますので、その状況をこの場で申し上げることを差し控えさせていただきたいと、こういうふうなことでございます。
○齋藤勁君 田中外務大臣は、前事務次官のときから具体的に指示をしているということなんです。私がいみじくも、着任して所信表明の、大臣の考え方を初心忘るべからずまで言ったことはそこからあるんです、今回のスタートというのは。外務省改革をしましょうと、一生懸命やりましょうと、その中での幾つかの課題の中で、一つの人事というのがあるなということで、それはもう従来と異なる、従来と異なっているのが、そうならなきゃならないのが今、外務省の状態じゃないですか、大前提は。そのことを受けて、法律のルールに基づいて補佐機構の役所が動くんじゃないんですか。それを従来からやっていたことと違うんだからといったら、もう、大臣なり、今、外務省改革をあなた方は、官房長、忠実にやっていないということですよ。いかがですか。
○政府参考人(小町恭士君) お答え申し上げます。
 今の外務省の改革の問題につきましては田中大臣からいろいろな御指示も出ておりますので、先ほど大臣みずから御紹介ございましたけれども、それを踏まえまして、我々できる限りお支えしているつもりでございます。
○齋藤勁君 官房長、具体的にだから齋木人事課長の、齋木人事課長の異動、更迭を指示されているんでしょう。指示されているんでしょう。
 いや、官房長、答えてくださいよ。具体的に総体的な外務省改革の話をしているんです。その中での私は今、人事課長の発令について具体的に事実を、大臣から指示を受けています、あるいは事務次官から受けていますということについて事実かどうかということを教えてください。
○政府参考人(小町恭士君) 先ほど申し上げましたように、課長人事につきましては、通常の場合、事務当局が案をつくってお諮りをしておりますけれども、今回の場合それとは異なる状況でございますので今検討をしていると、こういうことでございます。
○齋藤勁君 私が何で小寺さんの話を出したんですか、小寺さんの話を、一番最初。小寺さんの話は、具体的に大臣が任命権者だということで実行したんでしょう、ロシア課長に。初めてじゃないじゃないですか、今度、田中大臣が着任して以来。そんないいかげんな話じゃないですよ。
 法律違反をしているんですよ、あなたは。国家公務員法違反ですよ、あなた、上司の命令に従わないんだから。そうじゃないんですか。そういう認識はないんですか。
○政府参考人(小町恭士君) 小寺課長につきましては所要の手続を経て発令ということになっております。
○齋藤勁君 答弁になっていない。いつも答弁になっていないですよ、そんなの。休憩して何考えていたの。これでずっと私の質問持ち時間やるつもりなんですか、三時半まで。たくさんありますよ、私は、アフガンの問題も。国会と役所のあり方、役所の中の問題、ひど過ぎますよ、これじゃ。
 いろいろ、外務大臣に私は外交政策だっていろいろ聞きたいことありますよ、不十分だなと。全部百点満点、さっき採点の話をしましたが、私は百点満点なんという生意気な、私は後輩ですが、をしても、という評価はありませんけれども、評価がありますけれども。こういうような答弁して、これは私わかりますよ、外務大臣、ひとつこれ大変だなというのは、外務大臣になれないけれども。じゃ委員長、またどっちにしてもとまるというか、これ、まだ終わったわけじゃないですよ。
 これに関連した話。報道では、野上次官が外務大臣印を押したこの辞令を三十日に首相官邸に持参し、福田康夫官房長官に示した。官邸の反応は、各担当者の決裁もなく当然無効と、こういうことですが、これは御存じなんですか、大臣あるいは官房長。
○政府参考人(小町恭士君) 今御指摘の点につきましては、官邸に本件に関します状況を御説明に行ったことは事実でございます。
○齋藤勁君 次官が行かれたんですか、お尋ねします。
○政府参考人(小町恭士君) はい、野上次官が行かれました。
○齋藤勁君 行かれたんですね。これはどうなんですか。課長の人事で官邸に報告あるいは指示をもらうというのは法律にルール違反じゃないんですか。
○政府参考人(小町恭士君) 本件につきましては、さまざまな報道が行われました関係で官邸に状況を御報告に行ったと、こういうことでございます。
○齋藤勁君 大臣、それを聞いていてどうですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) もう私は、もうこの半年間あきれ返っておりますので、必ず次官の指示で、逆に言うと小町官房長は私は私情においてはまことにお気の毒と思っておりますし、前官房長もそう思っております。
 やはり事務次官の権限が大変強大でございまして、前川島次官、現野上次官、大変な権限を持っておられまして、官房長以下、大臣なんか全然相手じゃないという、今までの大臣がどうだったか知りませんが、そういう状態の中でこうした不祥事が起こっていること、そして隠ぺいされるかもしれないということ、まず一点、この人事課長がだれであれ、このことを変えなかったら、そしてこうしたことが明らかにならない限り、まず省庁改革は、小泉総理、改革、構造改革をおっしゃっていますが、だめでしょうね。
 そして、あと一時間しか持ち時間ないとおっしゃいましたけれども、私も人事課で座って二時間ぐらい待たされるわけですから、みんなが、今来ます、今すぐ、今お答えできません、今来ます、そればっかり言っていて、本当にばかみたいに待たされるんです。もう六カ月間待たされているんですから、これずっと言って。みんなが、わかりました、今すぐ、もう全員挙げて、今すぐ、もうじき、もうじき、いつなの、いつなのと、そのうちこちらがもうそのうちもうつぶれるだろうと。
 それだけじゃありません。そのうちにこれからお聞きになるような、いろいろな、これは国家公務員法百条違反だと思いますよ。そうしたことを、あることもないこともまぜてどんどん流れる。何で流れるんですか。守秘義務はないんですか、国家公務員に。これ毎回私言っていますよ。全員に、挙げて言っていますよ。それが捏造されて、バイでの会議であっても、外国での、もう全部それが新聞に出る。それをもとにして国会で質問される。それがもう不信感を増幅させていく。個人的な私は人格攻撃にまでなっていると思います。
○齋藤勁君 総務省、事務次官が官邸にこの案件を問題提起をしたということは、これはどういうことなんですかね。この流れを今聞いていて、国家公務員法等の私は、あるいは内閣法ですね、内閣法では行政事務の分担管理、所管大臣との関係ありますけれども、いかがですか。
○政府参考人(戸谷好秀君) 法令の規定につきましては先生のおっしゃられるとおりでございますが、本件のこの事案につきまして私どもとして詳細その他承知しておりませんので、一般論として何か申し上げるというのは差し控えたいというふうに考えております。
○齋藤勁君 一般論として御答弁ください。
○政府参考人(戸谷好秀君) これは現在、私が今伺っている話というのは幾つかの、今の御説明も幾つかあるわけでございますので、それについて今私としてとやかく申し上げるというのは、申しわけありませんが差し控えたいと思っております。
○齋藤勁君 私は、事務次官が官邸にこの案件を持っていったということについては、国家公務員法九十八条、上司の命令に従わない、それから、このことを外に漏らしたということになりましたら、外部に漏らす守秘義務違反、百条、これ疑い濃厚ですよ、これは。ということが事実がそうであれば、そういうことに該当しませんか。審議官、どうですか。
○政府参考人(戸谷好秀君) 同じ答えで申しわけありませんが、事実関係を私としては特にどうということを申し上げることができないものですから、一般論として申し上げるのは差し控えたいと思います。
○齋藤勁君 今の私の指摘、外務大臣いかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 何で差し控えるということがこの国会でまかり通るのか信じられませんし、この今配付なさったフラッシュとかいうのに載っているこれ自体もにせものか本物かわかりません。これがもしも本物で、外務省関係、あるいは官邸か知りません、届いたところは官邸だと今、小町さんおっしゃいましたけれども、官邸あるいは外務省から、私が大臣室の男性職員からつくってもらったものを私が持っているんですから、これがそのコピーのコピーか知りませんが、出るとしたら、これをやった人もこれはもう百条違反であります。そして、九十八条違反ではないでしょうか。九十八条の一項です。
○齋藤勁君 委員長あるいは本委員会のメンバーの方々はお聞きになっていると思うんですけれども、先ほど来からの、私は、小寺前ロシア課長の、大臣がロシア課長に再度辞令を交付し直すべきだという、大臣の意向でいわゆる事務方がルールに従って手続をした、こういう実例が田中外務大臣以降ございます。
 そしてまた、先ほどからの答弁で、前事務次官あるいは現事務次官にそのことについて指摘をしているけれども、今の、大臣、先ほどの答弁でいえば、約半年間同じことをずっと言っていても事務方の方は全く聞き入れようとしないと。業を煮やしたのか、具体的に、発令に向けて具体的な実務を、大臣みずからが出向かなきゃならないというある意味で異常な事態、これは法治国家なのかどうかと、本当に。
 そして我が委員会として、従うべき事務方が従わないで具体的な事実内容についても答弁しない、これは国会軽視ですよ、外務省の、役人、事務方の。
 私は再度、それでは、私自身の指摘ではなくて、委員長の指摘に対して、発言に対し、明らかにしなさいということに対し、答えないんですから、官房長。
 改めて私は、明確な国会に対する誠意ある答弁がなければ、これ以上は質問できませんよ。質問できない。
○委員長(武見敬三君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
○委員長(武見敬三君) 速記を起こしてください。
 先ほどから、齋藤勁君から質問のあった、齋木人事課長の人事に関する件についての委員長としての立場を申し上げます。
 この件に関しては、改めて、この人事について省内における整理が終結した後、改めて外務省としてその経緯をこの委員会において報告をしていただくことを求めます。
○齋藤勁君 大変私は不満足です、現時点でも。そして、私自身だけではなくて、聞いている委員の方々も同じ気持ちであるし、また国民の方々もそうだと思います。速やかに、速やかに国会の方に明らかにしてほしいということで、今、委員長からの整理もございますが、速やかにということで、大臣そして官房長、よろしいですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 一言、私の立場で、ここまでつまびらかになりましたので、今、委員長のおっしゃるとおりに事務方も官房長もやってくださるということを信じておりますが、皆様が御存じのないことで一言。
 今、秋の人事ということで、私は年に一回でいいと思っておりますんですが、これももう慣習だそうでして、官房長、百何人でございますか、あれ。──済みません。失礼しました。百何人かの異動の名簿が出てきております。
 私は、基本的にはお任せと思っておりまして、余り七年も八年もいる人はおかしい、あるいは一、二カ月でかえたりとか、この人は、それはそうでなくても、この人はここへかえたい、瘴癘地という虫も住まないところにかえたいとか、いろいろ何かありますが、なるほどねという公正な透明性のあるルールがない場合はだめですよと、それはもう事務次官にお任せしますけれども、何でもかんでもやるのはだめだと言ってあります。基本的にはお任せはするけれども、まだゴーのサインは出しておりません。凍結はしておりません。
 その中に人事課長を入れること、それから七年、八年の人はかえること、これを必ず守ってくださいねと言ったら、じゃ、あなたが凍結だといってぼんとまた世間にそういう話が出るんですね。ですから、必ず、人事課長がだれであれ、人事課長もこの対象に必ず入れるように、今十一月でございますから、これをこの委員会のもとで申し述べさせていただきたいと思います。ちょっと一人で自信がありませんので、私も。済みません。
○齋藤勁君 官房長、さっき私が言った委員長の扱いについて速やかにという、今、大臣の発言もありますけれども、よろしいですね。
○政府参考人(小町恭士君) 先ほどの委員長の御指示、しかと承りました。
○齋藤勁君 それは至急ですよ。今、委員会続行中なんですから、なるべく早くお願いしますね。ちょっと発言してよ。
○政府参考人(小町恭士君) 可能な限り速やかに対応したいと思います。
○齋藤勁君 先ほどの写真週刊誌の、もう一つだけ、政務秘書官問題なんですけれども、これは今はどういう身分になっているんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) この週刊誌がどこからこうした名刺を手に入れたかはわかりませんが、この人物は私の、この間委員会で、衆議院でしたか参議院でしたかで、二人怪しげなわけのわからぬ人が出入りしているとか何か言われたものですから速やかに、私は余り政務、何といいますか、役所に政務の秘書が入ってきて、盤踞して役人の上に座って情報をとったり陳情事をしたりするというようなことを、政治家の家庭に育っていましていろいろ見聞きもしていまして決して健全だと思いませんので、大臣がしっかりとして、役人を信頼して仕事をするということが一番よかろうと思っておりましたので、うちの事務所から何人かの複数の人たちがとっとことっとこ、はい、陳情が来ます、はい、もらい物が来ました、役所の手紙を持っていきますという、もう宅急便屋さんのように動き回っておりました。主に中年の人が二人おりましたんですが、その二人を指したというか、役所が言ったのか、だれか知りませんけれども、マスコミか知りませんが、そういうことを言われて、国会で問題になりました。
 したがって、私の判断で一名の者を、主人の方の公設秘書でございましたが、その者を私の方の今の外務大臣の公設秘書っていうんですか、政務秘書にいたしました。もう一名の者は私の公設秘書でございますが、ほかの人たちも、もちろん事務のちゃんとしたお給料をもらっている者が書類を持って一日何分来たりとか、そういうことはどこの役所でも、どこの副大臣のところでも、もちろん政務官でもどこでもやっていることだと思います。役所に大臣の事務所のスタッフが入ってはいけないということはないと思います。ですから、この人物は私のところにおります。
○齋藤勁君 この種のことでやりますと時間が本当になくなってしまうんでこの程度にしますが、これも私は、先ほど人事課長、あるいはいろいろ人事の問題で事務方と大臣とのコミュニケーションが非常に悪いと。これも実際、大臣の秘書官なりいれば、手続とか何かというのは、サポートするのがこれは役所なんですね、どういうふうにしましょうとか、こうしましょうという、身分的な点についての。
 大変私は、そういう意味で、そういう面で問題点は、コミュニケーションが悪いということと、やっぱりサポートしていないということですね、事務方が。そうでもないんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) この答弁の準備でありますとか、それから日ごろは本当によくやっていただいていて、それを皆さんがどう理解なさるか知りませんが、一人一人は、特に若いスタッフもとても寝食忘れてよくやってくだすっています。よく働いてくだすっていますし、感謝しています。本当に、ふだん冗談も言っていますし、本当にいい関係です。官房長も、小町官房長なんか特にそうです、前から私知っていまして。
 ところが、いざ人事の話とかになると大問題が起こって、途端に翌日ぐらいから、大臣の周りにあること、どうしてかと思うようなことがどんどんどんどん、あることないことばんばん出て、それがだめだったら、黙れ、人事には口を出すなという暗黙のすごい圧力を感じます。そのことが情けないんです。
 あと、個人的には私は、こうやって答弁資料も、防衛庁さんもそうですけれども、外務省もよくやってくだすっていますし、アレンジも。ただし、外国に出さないとか国連の問題とか、そういうときにはなかなかいたずらするなという感じはしていますけれども。
○齋藤勁君 大体状況がそれなりにわかったと思うんですが、人事になると非常にぴりぴりぴりぴりして、今日、いろいろ非常に障害がずっと継続しているということだと思うんですが。
 さて、もう一つ外務省改革で、先ほどの機密費問題でいろいろ解明をしている、してきたということですが、この機密費、外交機密費の疑惑解明、これは終わったのか、解明中なのか、いかがですか、大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 早く終わりたいとまず思っていますが、実際には、私は半年前のときの記者会見、霞クラブでどうかと言われたので、大体半分は終わったと思うということを申しましたが、その後またプール金の問題が出てきておりますし、それから松尾事件につきましても、数千万といって前内閣で終わって、個人の何か話であったはずですが、きのうも衆議院のこうした委員会で出ましたが、四億円、それから浅川問題で五億円、そのほかにもまだ幾つもありそうで、それらをカバーアップしようとする動きもありますし、とてもとても納税者として一般国民の皆様の目線から見て、失業をして経済が下降ぎみになってきていて、いよいよ経済でこの内閣が本番、厳しくなるときに、こうしたことを黙って外務省だけ特別であるということは言えないと思いますし、きのうはもう渡し切り金の問題、衆議院で、それからあと何でしたかね、幾つか幾つか、報償費なんかよりもっと大きな額のものが出てきましたので、この予算のことについても、補正の時期でありますけれども、もう一回きちっと官房長、会計課長と相談をし直さないと外務省の予算、もちろんバッファーがないと外交できませんから、ゆとりがあって緊急のときに対応ができる機密費も必要ですが、機密費以外のお財布が幾つかあって、これはちょっとやっぱり大変なことであるので、やっぱり改革はちょっとまだ、余りどうでしょうか、杉浦先生が責任者でやっておられますので、どのぐらい進んだか、責任者、超責任者でいらっしゃいますので、ちょっとお聞きいただければありがたいと思います。制度はできているんですけれども。
○副大臣(杉浦正健君) 今、私、大臣の御下命で外務省改革推進委員会というのができまして、副大臣二名、私が委員長で植竹君が委員長代理、三人の大臣政務官が副本部長、各部局から参事官、審議官クラスを一人ずつ出してもらい、委員会をつくりまして全力を挙げて取り組んでおりますが、その全体について話せというとちょっと時間がかかりますが。
○齋藤勁君 私は、終わったのか終わらないのかということを端的に聞かさせてもらいました。
 ですから、引き続き国会あるいは国民は、疑惑解明、外交機密費の疑惑解明を、徹底的にやはり明らかにしてほしいということでありますので、そういった点で、ポイント的にで結構ですから、今こういうことを課題に取り組んでいますということを御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(杉浦正健君) 大臣のお触れになりましたいわゆるプール金の問題についてはもう全力を挙げて調査をしておりまして、あと何日というふうに日限を切って申し上げられませんが、そんなに遠くない将来に必ず全貌を明らかにして、そして処分を明確に、責任を明確にいたしまして、まだ細部詰まっておりませんので大臣とは詳細を打ち合わせておりませんけれども、そして、外務省の職員がかかわった形で使ったお金については何らかの形で国庫に返還するということで全力を挙げて取り組んでおるところでございます。そんなに時間はかからないと思います。
○齋藤勁君 次に、質問項目が変わります。
 一点だけお尋ねいたしますけれども、北方領土交渉、現状でございます。我が国の返還交渉でのスタンスは四島一括返還、四島一括返還で交渉していくんだということでよろしいですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 一括とは申しておりません。一括とも分離とも申しておりませんで、四島の帰属の問題を明らかにして、その後、平和条約を結ぶというのが基本姿勢でございます。
○齋藤勁君 どうなんですか。与党の一部に、与党というか自民党さんの中の一部に二島返還の先行を主張するという向きはあるんじゃないですか。
 この四島、とにかく一括返還という方針が私はこれまでの我が国の基本的スタンスではなかったかというふうに思いますが、こういう基本方針で再度よろしいのかどうか、そしてまた、今の現状あるいは見通しについてお尋ねいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほど申しましたことが基本的なものでございまして、何ら揺らいでおりません。
 しかし、過去の経緯等を踏まえますと、例えば歯舞、色丹の返還の対応の議論と、国後、択捉の帰属ですね、二島ずつですけれども、の問題の議論を同時にかつ並行的に進めていくということで、同時にかつ並行的に進めていくということでおおむね一致をいたしております。
 そして、このことをかみ砕いてゆっくり申しますと、歯舞、色丹の引き渡しについては、鳩山・ブルガーニン、一九五六年ですけれども、このときの日ソ共同宣言で既に合意はされているということが基本にございまして、その意味におきまして歯舞、色丹の問題と国後、択捉の問題との間に交渉の進捗状況に、この一九五六年を踏まえますと進捗状況に違いがあるという事実があります。
 したがって、今後の交渉をどのように進めていくかという観点から首脳間で常に話し合っておりまして、基本的にはとにかくトータルで話をしていこうということでございます。我が国のスタンスは四島、北方四島の帰属の問題を解決して、その後に平和条約を締結するのだということでございます。
○齋藤勁君 この見通し、いかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私はイワノフ外務大臣に二、三回お会いしたことがありまして、ロシアですけれども、常にこのことをしつこく言うのでもってげらげら笑っておりますけれども、真剣だと言って、そして、この間から九月に、十月にとおっしゃっていましたけれども、なかなかいらっしゃる機会がありませんで、それももうバイの会議のときに、このニューヨークでもってできると思って、これはまた切り込んで具体的にと思っておりました。
 十二月、一月ですかに副首相がお見えになるんですが、私も公式にイワノフさんから招待されております。今まで行ったり来たり交代に一年ごとにやっていたらしゅうございますが、ことしはあちらが見えるということではなかなかお見えになりませんから、したがって、この九月十一日の事件があったこともありますが、私は国会がお休みにならないとなかなか出していただけないことがよく今回わかりましたので、お休みになったら一番に、御招待を受けておりますから、総理は総理でもちろんいらっしゃるんでしょうけれども、私もこの問題は率直に胸襟を開いて、大変難しい話と思いますけれども、チャレンジする気でおります。
○齋藤勁君 ぜひ、大変長い間の交渉事項ですけれども、頑張っていただきたいと思います。
 次に、アフガンの問題についてお尋ねいたします。
 難民発生状況とかいろいろお尋ねをしたかったんですが、あとの全体的な質問項目との関係でお尋ねいたしますが、先ほども午前中の質疑の中で、明日、いわゆる防衛庁設置法に基づいて調査船等が出されるということであります。
 さて、毎日、新聞を見ますと、過日のいわゆるテロ特措法が通った後、十六日閣議決定、この基本計画、こういうのが一紙だけではなくて各紙見出しを大きく埋めているんですが、この基本計画、十六日閣議決定と、こういう予定なんでしょうか、長官。
○国務大臣(中谷元君) 防衛庁としましては、いろいろと基本計画についての報道がなされているということは承知をいたしておりますけれども、特に先週の金曜日の有力紙の朝の新聞には私、びっくりいたしました。
 というのは、先週金曜日から日米間でこの協議をスタートする日でありまして、まだ一言も双方で会話をしたことがないのに、さも決まったかのような一面のトップの大紙面を割いて報道がなされておりまして、私自身も目を疑いましたし、また、報道のあり方について非常に考えさせられました。
 現時点におきましては両国間の協議を続行中でございまして、現時点で基本計画の具体的な内容が固まって皆様方にお話をするというような段階ではございませんので、この点については現時点において協議中ということでございます。
○齋藤勁君 基本計画を十六日にも閣議決定するという今、準備で進めているということで受けとめてよろしいんですか。
○国務大臣(中谷元君) まだそのようなめどすら立っておりません。
○齋藤勁君 いや、そうなると随分各紙は勇み足をしているなと。どこから情報を入手してきているんだろうなと。大変細かいですね、護衛艦三、四隻、要員千人以内、産経新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、もう全紙出ていますから。
 私は、庁内でいろいろ検討しているのが、それぞれブリーフィングをしているのか、資料を配付をしているのかというふうに国会議員や国民は受けとめますが、そうではないということですか。
○国務大臣(中谷元君) だれがそういう話をしているのか、私、存じ上げませんけれども、そのようなことを話すこと自体が私はどうかしているというふうに思っております。
○齋藤勁君 私は、過日の法案のときに我が会派、我が党は事前承認という立場でしたから、こういうことがどんどん出て議論すべきだという立場は今なお変わらないから、むしろ出ているならば、これはちょうど国会で中身について議論していくということがちょうど格好の今、きょうの委員会なのかなと思いましたが、そういう長官、お話ですと幾ら私がお尋ねしても、まだ中身はこういうことではないんだということで、これ以上議論できないですね。
 この新聞の報道の中身について、いろいろ具体的な部隊の要員数だとか、ずっと報道されているんですけれども、この中身は議論できないということですか。
○国務大臣(中谷元君) 現時点においては協議を、話し合いを、全力で取り組んでいる最中でございまして、現時点において基本計画の具体的な内容が固まっているわけではなくて、お答えするような段階にないということでございます。
○齋藤勁君 過日、いつでしたですか、閉会中の予算委員会のときに私は、テロが起き、そしてちょうど予算委員会のときにどう具体的に政府は対応するんだということをお尋ねをしましたら、まだ内部で検討中だと。数時間後に官邸で記者会見をしたという生々しい記憶を九月、持っていまして、過日の委員会の、この外交防衛委員会で採決をして家へ帰ったら、夕刊に世界地図が掲載をしてあって、こういうふうに自衛隊を派遣するんだというのが一紙出ていまして、翌日からどんどんどんどん出てくると。
 これはまた、国会というのはそういうところなのかなと思いながらも、こうやってやりとりしていても、先ほどの人事課長どうこうという次元とまた違う次元の話で、情けなくなる。言ってみれば、シビリアンコントロール、国会というのは何なのだということになります。だから、私は、守秘義務がどうこうと、厳しくしろなんということを言うんではないんですね。国会のあり方について非常に問題が私はあるということを指摘せざるを得ません。
○国務大臣(中谷元君) 新聞とかマスコミの報道のあり方でございますが、例えば情報収集のための艦艇派遣にしましても、何やら九月の二十七日ごろですね、九月の下旬にもインド洋に向けて五、六隻行くとか、キティーホークと合流して一緒に行くとか、そういう報道が有力紙になされましたけれども、事実として、一カ月たってもまだ派遣をしておりません。
 そのように、マスコミの報道が国民に真実を与えなければなりませんが、そのようなことからしても、我々自身も発表する際には事実を発表しなければなりませんが、そのような憶測に基づく報道が多過ぎるということでございまして、現時点においてその基本計画をどうするかということは事実決めておりませんので、そのようなことに対してお答えできる段階ではないということで御理解をいただきたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 我が国の防衛庁として、後方支援をしていくということの立場の中で、約一カ月たちました空爆、今の戦況をどう見られているか。泥沼に入っているんではないですかと私は過日の委員会でもしたことがあるんですが、長期化するというのは最初から今度はもうブッシュ大統領自身も言明していましたけれども、こういった戦況については日米で話し合っているんでしょうか。
○委員長(武見敬三君) どちらがお答えになりますか。
○齋藤勁君 これは、もう防衛庁。
○国務大臣(中谷元君) 恐らく、協議の中でも米軍の作戦等については我々自身も承知はしないと思いますし、交渉の中でもそういったものについてはお話をされないのではないかというふうに思っております。
 戦況等につきましては、いろいろと報道等を取りまとめておりますと、空爆等が続いて、制空権は確保をしてタリバンの軍事力も弱体化をさせてきているのではないか、また、地上戦において特殊部隊が潜入をして情報活動とか、また北部同盟等と連携をして、北部の方ではタリバンの前線部隊に対して支援をしながら活動しているのではないかというようなことで、現時点において、タリバン並びにアルカイーダ等に対して状況としては迫りつつあるのではないかというふうに認識をいたしております。
○齋藤勁君 戦況についての軍事的な議論をすると大変長時間になると思うんですけれども、私が、要するに軍事専門家ではないんですが、これも報道とかを見ている限り、もともと制空権というのは、タリバンというのは飛行機なんかたくさん持っているわけではなくて、古いミグ戦闘機を持っているだけであって、それも、壊れてきたから部品を取っかえ引っかえして二十機程度、今は五機程度じゃなかったのかなと。最初からそういう状況じゃなかったんですか。だから、制空権を確保した確保したと何か随分言うけれども、少しオーバーじゃないんですか。そういう同じ認識に立つんですか、長官。
○国務大臣(中谷元君) 初期の空爆等によって、対空ミサイルとか飛行機の飛行を阻止するようなものについての障害、レーダーとかもございますし、そういうのは除去したのではないかと思っておりますが、報道によったら、現時点においても、ヘリを撃墜したとか、タリバン側の発表においては、航空機を落としたというようなことを発表しておりますので、そういった能力は持っていたのではないかというふうに思っております。
○齋藤勁君 持っていたんです。程度の問題で、もう制空権を持っているということの表現をするほどの価値がないですね、防空能力だというのがタリバンに対する常識じゃないんですか。
 それで、あと認識を。そうすると、今の長官の認識はアメリカの発表と同じようにされているんだなというふうに私は聞いていましたけれども、北部同盟に対する今の戦況に対する認識というのはどういうふうに我が国として見ていますか。
○国務大臣(中谷元君) カブールの北方のマザリシャリフ等で一進一退の戦闘状況が続いているということで、一方、タリバン等においてはパキスタン等の一部の義勇兵が参加して、これも一進一退やっているのではないかというようなことで、カブールの北方において膠着状態が続いているというふうに思っております。
○齋藤勁君 湾岸戦争とよく比較するのが、これは軍事的な点で比較しますと、約一カ月たったと、今、約一カ月たちまして、既に英米で二千出撃して、一日平均七十七、湾岸戦争は一日二千五百出撃。今回は湾岸戦争と比較して一カ月分。湾岸戦争のときは、いわゆる今のタリバンに対して、アフガンのタリバンに対しては湾岸戦争の一日分が一カ月分、湾岸戦争の一日分が一カ月分ぐらいな攻撃の内容であるというのが明らかになっていますが、そういう認識もお持ちですか。
○国務大臣(中谷元君) 湾岸戦争と比較すると、条件が違いますので数字的に比べようがないんですが、湾岸戦争のときは砂漠でありましたし、ハイテク兵器を使った大量投入が可能な、量の戦いが可能であったというふうに思いますが、今回は山岳地帯でもありますし、また兵士も非常にゲリラ戦や特殊戦が訓練されておりまして、少人数のゲリラ戦等を主体として特殊作戦による行動が重視されなければなりませんが、米国においてはこれまで余り特殊部隊の戦いということはしてこなかったわけでございまして、そういう点においては、現時点においては、十分に情報収集をしながら作戦を遂行して実施をするというふうになるのではないかというふうに個人的には思っております。
○齋藤勁君 今、基本計画を検討していると、そしてまた、新聞に出ているようなことが今内部で検討されているということの答弁ですけれども、今、我が国の自衛隊が支援をする派遣の、具体的には自衛隊の艦艇、そして物資補給、これはディエゴガルシア島あるいはカラチまで行くのかどうかというのは、これはまだこれからでしょうけれども、今の、私は、実際、英米がタリバンの方に攻撃している具体的な攻撃量、果たして我が国が補給をしていかなきゃいけないほどの今戦闘状況に一カ月あったのかどうかというのが甚だ疑問であり、海路から、海路というのは地名じゃなく、海の方から、海路から行くわけですけれども、これはパキスタン、物すごい陸地の距離ですよ。具体的に何を支援するのか、大変、これまた特措法に戻ってしまいますけれども、思う次第でございます。
 率直に申し上げれば、アメリカの情報のみかもわかりませんが、私は、日本は日本なりの冷静な、パキスタンなり隣国なりさまざまなチャンネルもありますし、戦況状況についてきちんとして、何か自衛隊派遣について慌てて、慌ててじゃなくてじっくりと見て行くべきだと思いますよ。そして、少なくとも泥沼に入っているということになれば、これはどんどんどんどん抜き差しならなくなる、こういった私は状況だと思いますので、むしろ我が国として、即時空爆を停止してというようなことを、私自身も我が国の方針として国連に提起をしていくべきだということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 さて、今、国連ということを、そういう言葉を出させていただきましたけれども、核廃絶決議案、米国が反対をしたということがつい先日、きのうかおとといですか、六日、いわゆる国連総会第一委員会で日本が提案をした核廃絶決議案が採択をされましたけれども、米国は、いわゆるCTBT、包括的核実験禁止条約の署名、批准の呼びかけに難色を示し反対に回った。大変な私は、予測をしつつもゆゆしき問題だなというふうに思います。
 これは、十二月に国連の総会本会議で最終採決されるわけでありまして、もうあと一月足らずでございますが、我が国としてこれは非常に推進をしてきた立場としてあると思いますので、このことについて政府はどのように、米国に対し反対撤回について動いていくのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは大変重要な決議でございまして、アメリカもこのCTBTの批准に向けて努力を最大限してくれるように、私はパウエル長官に初めてお会いしたときから個人的にも言っておりますし、それから、ハノイでこの間国際会議がありましたときには、スピーチをするときに面と向かってアメリカに対して、ハイレベルの、この秋の、結局ですからこの週末ですか、国連総会のときに並行して行われるCTBTのときにはハイレベルなオフィシャルが出席していただきたいとパウエル長官の顔を見てはっきり申しました。
 パウエルさんから、多分大変かもしれないということを個人的にそばに来て言われましたけれども、このことは必須であると思いますし、日本が核廃絶を目指す立場であるということは何ら変わっておりません。
 そして、九月の中旬でしたか、この問題について外務省の事務方から相談がありまして、どういう形でもって日本はスタンスがあるかということでしたが、外務省からの、従来の国際社会の世論の中での四ランクのやり方があったんですが、その中で私は、もうこれは絶対にこの委員会での採択については賛成で行くべしということを言いましたが、事務方から短時間で、飛行機に乗る前のなぜか休みの日か何かに持ってこられて、飛行機に乗る間際に言われてちょっと色を薄められたんですが、数日前にこれが出ましたときに、本邦時間の六日の日にこの決議があったわけですか、ニューヨークで、その後に、結果的に田中大臣が言うような結果に日本はなりましたという結果を聞いて、よかったですねと申しました。
 しかし、要するに、日本は、インド、パキスタンの問題等もございますし、大変な状態ではあると思いますけれども、CTBTの署名と批准国をふやすという外交努力、これは徹底的に今後も一層やってまいります。
○齋藤勁君 九四年以来、我が国は八年連続で核廃絶の決議案を提出してきていますね、我が国として。これはもう保有国の理解がないと核軍縮は進まない、これはもう基本的な立場なわけですね。どうですか、ブッシュ政権にこれは当然、政権というか、強硬にあるいは外交をしていくんでしょうけれども、アメリカ市民、国民に対してこれをやっぱり広く呼びかけていく、そういった世論に訴えていくというような私は運動というのも検討してもいいんではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) まさしく私は同感でございまして、今回も、賛成百二十四、棄権二十、反対二しかないうちの一つがアメリカとインドでございまして、なかなかきついなと思っております。
 これとはちょっと違いましたが、京都議定書の問題について、私は民主党の議員さんと自民党の友達、中谷先生も入っておられましたけれども、それでワシントン・ポストに、本当はニューヨーク・タイムズに出したかったんですが、費用が高過ぎたもので、みんなで頭割りしましてワシントン・ポストに、国民に対して京都議定書の批准についてのアピールを出したことがございますが、このCTBTについても同じような気持ちでおりますので、私は、外務大臣である間にアメリカに対しても直言もしたいと思いますし、そうしたアメリカ国民の方たちの意識喚起ということ、それから世界世論の形成に向けて最善の努力をしたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 大臣、来週の国連の方には結果的には出られないということで、けさ私も早くうちを出ましたから余りテレビを見ませんでしたけれども、出たら、ぱっともう大臣の顔が映って、国連総会に行かなくなった、そして次の画面には宮澤元総理が映って、宮澤さんが行かれるということだったんですが、これは、いろいろ国会の中で、予算委員会が開かれる、そして、大臣の外国への会議出席がままならぬとかいろいろやりとりがあったかもわかりませんが、少なくとも今は副大臣制、杉浦副大臣もいらっしゃいますから、私は、外務大臣としての考え、そして内閣総理大臣、内閣としての意思がきちんと伝わって国会と連携をすればこんなことにはならなかったんではないか、こんなことというのは、ああいう大騒ぎにはならなかったんじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 結論が出たことでございますから、私は小泉内閣の閣僚として、外務省関連の予算のこともございますので、補正予算の成立に向けて最善の努力をするという立場にございますからもう頭はすっかり切りかわっておりますが、しかし外務大臣ですので、外交について、日本が外交、十三年ぶりぐらいで現職の外務大臣が行けなくなって事務方が出る。そして、宮澤元総理は、先ほど私もよろしくお願いいたしますということを電話で昼休みにおかけしましたら、きのうの夕方、小泉総理から行ってほしいというお話があったと、それでお引き受けしましたということをおっしゃっておられましたから、大変最適な方がいらっしゃるというふうにも思っておりますし、あとは高野審議官が行かれますので、ああもうこれでよろしいと。
 あとはもう、外務省がある意味では、ここまで積み上げて新しい法律もつくりながら外交を放棄したような形になったことはまことに残念で、やっぱりまだまだ外務省も日本の国会全体も内向きなのかなと思っておりますが、私は、とにかく外交も一生懸命頑張りますし、それから、あとは補正予算の成立のために閣僚として最善の努力をいたしますので、御指導を仰ぎたく思います。
○齋藤勁君 国会は内向きじゃないんですね。国会は、それぞれの省からあるいは内閣から、きちんとどういうことで出かけるということになっていれば、それは聞く耳は当然持っているわけであって、それはまた国会、国対、それぞれ衆参判断をしますけれども、今回の場合というのはきちんとしたメッセージが私は伝わっていないと、内閣からですね、何か通じていなかったというふうに私は思います。
 さて、残り時間もなくなってまいりました。
 昨日、神奈川県の厚木基地騒音対策協議会という協議会が、第十四回の対策協議会がございまして、それが午前中ございまして、午後、神奈川県知事あるいは厚木基地周辺の対策協議会の市長あるいは議長、そして私自身も、この協議会の顧問の地元選出の国会議員ということもありまして、防衛施設庁、防衛庁、そして外務省には玄関まで行ったんですけれども、あとの時間が、たまたま外務省側の時間が調整つかなかったということで、外務省は私は一緒に要請活動には参加をしませんでした。いわゆる厚木基地の騒音問題、NLPによる航空機騒音の解消、それからデモンストレーションフライトの恒久的廃止というのが大きく二点です。
 きのうは、中谷防衛庁長官にもお会いさせていただきまして、私なりの考え方を渡し、そして協議会の意思を伝え、若干のコメントをいただきましたけれども、このNLPの航空機騒音の解消については、確かに硫黄島での九割方の解決をしましたけれども、残り一割があるということで、常に抜本的な解決策をということを、これは政府も志向してきまして、地元の方も要請をしてまいりました。これは私も委員会とか本会議でもやっていますが、三宅島の代替空港というのを政府自身まだ解消していない、含めた中での抜本的な解決策というのをお持ちです。抜本的な解決策について具体的にどうするかということについて、これはもう知恵を絞って踏み出すべきだということが一つ。
 もう一つは、デモンストレーションフライトは、地元の人たちが喜ばないのをなぜ実施をするんだという素朴な疑問をずっと要請してきて、ことし中止をしてもらいました、ことしは。これは、外務省なり関係省庁の御努力もあり米側の方もそれにこたえたと思うんですが、このことが日米関係の地元の中で非常に交流に支障を来したというのもございました、そのほかにもあったんですが。このいわゆるデモフライトの恒久的廃止について引き続き、ことし中止したからよかったではなくて、来年も再来年も恒久的に廃止をしてほしいという決意を、これは具体的にことし実施できなかったわけですから、その決意を特にしていただきたい。これにつきましては、両大臣いらっしゃいますけれども、特にこの恒久的廃止については外務省の強力なリーダーシップが必要でございますので、田中外務大臣からお答えいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) きのう、七日ですから、神奈川県知事が厚木飛行場周辺の市及び市の市長さんとそれから市議会議長の方々と一緒に外務省に陳情にいらっしゃいました。
 そして、もう委員がすべて御存じのとおり、このデモンストレーションフライト、デモフライトにつきましてもいろいろな申し入れを、こちらもずっと中止するよう申し入れてきておりますけれども、今まで要するになかなか結果はうまくいきませんで、そして七月二十八日、二十九日の航空祭で展示飛行というものは実施されませんでした。引き続き米国側に来年以降についても展示飛行は申し入れていきますが、問題にされておられるNLPですね、夜間訓練ですけれども、これについては、もうずっとこの厚木基地周辺から、基本は硫黄島であるにもかかわらずされているという騒音解消についての苦情がもうずっと来ておりますこともよくわかっておりますので、この両点につきまして、防衛庁とともに力を合わせてアメリカ側に、このデモンストレーションについては非常に好感を持って迎えられているというふうなことをアメリカ側も思っておられるかもしれませんが、しかし片や大変な苦情もございますし、両省事務方に、特に私ども二人が、大臣が督励をして事務方に最善の努力を積んでもらえるように努力をしたく存じます。あとは防衛庁長官に。
○齋藤勁君 防衛庁長官にも。
○国務大臣(中谷元君) 基本的に外務大臣と同じでございまして、残り一割、抜本的な解決に向けて全力の努力をしてまいりたいと思いますし、また、デモンストレーション飛行についてはこれまでのところ中止を申し入れたところでございますが、来年以降の飛行についても外務省と連携して、地元の意向を踏まえて適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 抜本解決につきまして、これもかねがね伝えてありますが、具体的にこれは、私はたまたま民主党・新緑風会という議員で今質問していますが、御承知のとおり、この協議会には超党派で衆参国会議員が地元、これはずっとメンバーがそろっているんですね。ここはぜひ、何か具体的にこういった議員団も、政府としていろいろな英知を傾けながら私は取り組むべきだということを具体的に提案させていただきますので、御検討いただきたいと。
 それから、恒久的廃止の方は、これは米軍の方は厚木基地において曲技飛行は行っていませんと、こういうことをこれまで実はこの間どうも言っております。そうであるならば、曲技飛行の実施を認めている厚木飛行場周辺の航空機の騒音軽減措置、これは日米合同委員会の合意事項ですが、四のdの三のただし書きを続けさせていくという必要性はないというふうにこれは私も思い、県知事以下、協議会もそういう認識に立っているんですね。ここは昨日お渡しした書類にもしたためているつもりでございます。
 これは、アメリカ側がそうであるならば、ただし書きは要らないんではないかということになり、ただ、我々の方は、実際、恒久的に廃止をすればこれはいいわけなんで、恒久的廃止を積み重ねることによってただし書きが事実上形骸化をするという、その逆な考え方でもいいわけなんで、ぜひそういう意味でこの内容があるのだというふうに受けとめていただきたいと。
 で、ことしの中止にとどまらず来年以降も、地元が歓迎しないものはやることは何もないわけなんで、ぜひ関係省庁、とりわけ外務省としての強力なリーダーシップをお願いしたいと。
 甚だ心配なのは、米側の、米軍の司令官が人によって変わっちゃうんですよというのが時々地元で市長さんとかと話すとあるんですよ。今赴任している司令官はこういうことについて非常に前向きに考えてくれるんだけれども、次に着任する司令官はどうなのかなというようなことで、自治体の側にとると非常にいつも心配をしていますので、ここは日本側としてのきちんとした姿勢を米側に伝えるべきだというふうに思います。
 再度、外務大臣、恒久的廃止について一層努力をするということで御答弁いただきたいと思いますが。
○国務大臣(田中眞紀子君) 過去の経緯もありますし、今後のアメリカとの話し合いというものも踏まえなければいけませんので、今確約ということは、することは軽率だというふうに思いますが、なお事務レベルからそうした努力を積み重ねるように、先方の話も聞きながら解決に向けて最善の努力をするように督励をいたします。
○齋藤勁君 若干時間があるので、あと一点のみお尋ねいたします。
 福島県の白河布引山演習場での百五十五ミリりゅう弾砲の演習場外の着弾事故というのがございました。これは、私、この委員会に所属している限り、本参議院の場では具体的な事実究明についてのやりとりはした経緯がなかったんではないかという思いで質問をさせていただくんですが、これについての経緯、その後どう処理をされたのかということについてお尋ねいたします。
○副長官(萩山教嚴君) 先生御指摘の事故は、本年の九月七日、福島県白河布引山演習場において発生いたしました。これは、起こってはならないことが起きてしまいました。
 そして、七日の日は金曜日でありました。夜の八時ごろ、私の車に電話が入りました。翌日は土曜日だったけれども、田舎の業務を全部キャンセルいたしまして防衛庁に駆けつけました。十二時、幹部を集めて、長官が外遊いたしておられましたので、私は幹部を集めて、さあこれから現地へ飛ぼうと、とにかく何が起きたのかわからないんだからということで、ヘリコプターを飛ばして現地にお昼過ぎに、一時か二時ごろに着きました。そうして、各地区の村長さんに、あるいは県の幹部の方にいち早くおわびをして、事の成り行きを御説明しながら謝罪をして回ってきた経緯がございます。
 何が起きたかと申しますと、これは、りゅう弾砲という弾が、百五十五ミリのりゅう弾砲があるわけですが、この弾は大体六キロのところに着弾するために火薬を装てんして、一々詰めかえるんです、抜くんです、そして撃つんですが、そのセクションが四カ所あるわけですけれども、その四カ所のセクションがそれぞれ起動したところに、正しく六キロのところに着弾するわけです。
 ところが、あってはならないことが起きたのは、第一から第四のセクションの間で、一のセクションは間違えたばかりに、二のセクション、大丈夫だろう、第三のセクション、大丈夫だろう、四のセクション、大丈夫だろうといって綱を引いてしまったわけですね。それが何と、全部の火薬が七個入っております、そのうちの引かなきゃならない、残さなきゃならないのは恐らく二本ぐらいじゃないかと思うんです、六キロぐらいのところなら。それが十三キロ場外に飛び出していってしまったという、いわゆる二岐温泉を越えてはるかかなたに飛んでいってしまって爆発したという大変な事故なんです。これはもう、温泉に落ちたら、一キロ手前の温泉に落ちたらこれはもう大変なことになってしまって、思っただけでも身の毛のよだつような思いをいたしました。
 そこで、幸いにも村にも被害はなかった。だけれども、いまだに風評があって客足が途絶えているというようなことも聞いておるわけであります。私も現地に行って、なぜこういうことが起きたのか、それから夕方の三時に発生いたしたにもかかわらず、なぜ八時まで我々の耳に届かなかったのかと、こういったことも県知事からも強く指摘されました。そしてまた、防衛庁に対して地元からの陳情団が続々と抗議に来られました。
 これも、一つにはそういったいわゆるなれの訓練、イロハのイを忘れてしまったところにこの事故が発生したと、私は幹部諸君にそう言っているんです。だから、先ほども先生が言われたように、初心を忘るべからず、初心不可忘ということをおっしゃいました。まさに自衛隊も初心を忘れたときに初めてこういう事件が起きたということなんです。だから、私はもう謝罪をして回りながら、二度と再びこういうことがあってはならないということで、師団長の首を押さえつけて、県知事に謝りなさいと言って私はひどく叱責したことを今でも記憶いたしております。
 これは、最終的には、こういうことはあってはならない、もっともっと練度を高めろ、訓練を高めて、高めても高めても精神的に緩みがあればこういうことは二度起きるわけなんです。今の自衛隊には二度とあってはならないことを、私たちは今ここで厳しく幹部として処してまいりましたし、そしてまた厳罰に処してまいりました。一応処分は終わっております。二度と再びこのようなことのないように、心を引き締めてこの業務に励んでいきたいと思っておる次第であります。
 以上であります。
○齋藤勁君 今、御答弁いただきました再発防止、ぜひ徹底してやっていただきたいということと、大変地元の自治体に、この事故が起きた後、非常に連絡が時間がたちまして、このことに対して非常にいら立ちがあったと思います。これはもう大変問題だと思います。
○副長官(萩山教嚴君) 連絡がおくれたというのは、これはやっぱり下部組織から師団長に至るまでの間に、こういう危険なときにはもうすぐに師団長まで一足飛びに報告が行ってもいい事態なんです。ところが、何が起きたのかわからない、気も動転してしまって探している、山の真ん中であるからもう電話もきかない、携帯電話はきかない、無線があるけれども混線しているということで、いろんな条件が、アクシデントが起きて報告がおくれたということは事実なんです。これは私は認めてやるということを私は報告いたしました。
 それで、こういうことがとにかく起きた場合には、二度とあってはならないことだし、起きた場合には、齋藤先生、二度とこういうことが起きた場合には直ちに、結果はどうでもいいと、こういうことが起きたということを県知事あるいは自治体に報告しなさいということを私は命令いたしてあります。
 以上であります。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。きょう、私からはPKO協力法について幾つかの質疑をさせていただきたいと思います。
 御承知のように、この法律は制定経過がいろいろいきさつがありました。約十年前、平成三年から平成四年にかけてさまざまな論議がなされまして、こういう制度をつくるに当たっていわゆる参加五原則というものがつくられまして、それに基づいて法案が作成されました。
 そして、論議の過程で、いわゆるPKF活動にわたる部分については国民の理解が十分に熟していない、また初めて日本が参加する活動であることから諸外国の理解も得ながらやっていくべきであると、そういう最終的な判断に基づいて、この部分を法律には掲げながら実施をしないと、いわゆる凍結という手法をとってこの法律を成立させたわけであります。そして、約十年にわたるさまざまな活動を積み重ねてまいりました。このこれまでの活動の経験を踏まえて、さまざまな問題点が検討すべき課題として浮かび上がってきていると思います。
 そこで、いわゆるPKFの凍結解除と言われる問題を議論するときに、私はこの議論を三つの段階があるというふうに考えます。その一つは、このPKFを凍結した部分を解除するだけにとどめて参加五原則は一切変更しない、法律の改正も行わない、凍結解除のみと、こういう段階と、次に、この凍結解除に伴って参加五原則は動かさない、その範囲内で法律改正すべきところをすると、そういう段階と、さらにもう一つは、凍結解除に伴って参加五原則の変更もなした上でそして法律改正に及ぶと、そういう三つの段階の議論があり得ると思っております。
 さて、そこで、まず凍結解除のみを行って参加五原則はそのまま、法律改正は一切しないと、他の法律改正はしないという措置をこれからとった場合に、国連の側、国際社会から見てこの日本のPKO制度が参加の機会がどんどん広がるのかどうか、それについてまず外務省の総合外交政策局長から御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(谷内正太郎君) いわゆるPKF本体業務の凍結解除及びPKO参加五原則の問題については、与党三党を初め国会でも御議論されておるところでございます。十分な御議論をいただきたいと思っておりますけれども、そういう前提であえて先生の御指摘のようなケース、すなわち、PKF本体業務の凍結解除のみを行い、参加五原則はそのままにして他に何ら法改正をしない場合に、国連から見て我が国によるPKO参加の範囲が広がるかにつきましてお答え申し上げたいと思います。
 結論から申し上げますと、余り明快な回答はできないんでございますけれども、より具体的に申し上げますと、いわゆるPKF本体業務として掲げられております停戦監視あるいは巡回等は、通常、各国の歩兵部隊によって実施されるわけでございます。国連PKOにおきまして、歩兵部隊には例えば後方支援部隊以上に他国要員の防護が期待されるわけでございまして、このための武器使用が当然に必要になってくるというふうに考えられるわけでございます。
 仮に、仮にでございますけれども、仮に我が国が現状の武器使用規定のままPKF本体業務の凍結を解除していわゆる普通科部隊、各国の歩兵部隊に相当しますが、この普通科部隊による実施を可能とした場合に国連から我が国に派遣要請があるかどうかにつきましては、必ずしも現在確信を持ってお答えすることができないという状況にございます。
   〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
○山口那津男君 国連のPKO活動の実態から見て、その凍結解除のみにとどめる措置をとった場合に、いわば国連の側で日本の制度を受け入れて活動する、日本にリクエストを及ぼすということがなかなかしづらい。それは、今御指摘のあった警護とかそれに伴う武器使用とか、そういうところも制度として整ってこないとなかなか使いにくいのではないかと、そういう御判断をお持ちなわけですか。
○政府参考人(谷内正太郎君) そういう問題があるのではないかと考えております。
○山口那津男君 そのほかに何か問題点はお感じになりますか。
○政府参考人(谷内正太郎君) あるいは先生今警護というお言葉をお使いになりましたけれども、そういう警護という観点からいいましても問題はあり得るかというふうに思います。
○山口那津男君 そうしますと、単純にPKFの部分を凍結解除するだけで格段に日本に対するリクエストが広がると、そういう期待は持ちにくい部分もあるのかもしれないということだったと思います。
 さてそこで、今おっしゃったような問題点は凍結解除に伴うPKFに固有の問題なのか、それとも今行っている、現行法で行っているさまざまな活動、これにもかかわってくる問題なのか、その点はどうお考えになっているでしょうか。
○政府参考人(林梓君) 私どもも国連と話し、それから直接自衛隊等とも接触はあるわけでございますが、今の制約というものが、安全の確保ということで、やはり日本に非常に特別な注意を払うといいますか、注意を払うとかいうようなことで、そういう意味では余計な苦労をかけているということはあると聞いております。
○山口那津男君 現行法で行う活動についても今安全確保の点でやや問題があるかのような発言がありましたけれども、現行法で例えば要員の安全を確保するのに具体的な支障があった実例というのは結構あるんでしょうか。
○政府参考人(林梓君) 国連との話で、派遣前にその地域の安全といいますか、日本の場合は、自分は守れる、あるいは自分の要員は守れますけれども、一緒にいるほかの人を守れないものですから、そこらのところをよく説明をして、みんなほかに迷惑はかけないように、そこらのところを国連とよく話をしているということでございます。
○山口那津男君 防衛庁長官にお伺いしますが、例えばカンボジアのPKO活動の場合に、自衛隊の部隊と同時に選挙監視活動とか幾つかの異なる活動もあわせて実施されていたと思います。みずから武器を使用できない人たち、要員、こういう人たちの安全を確保するために、現行法の枠内で施設大隊、実際に活動した施設大隊等が安全確保のためにどのような配慮、工夫をされたのか、この点について経験に照らしてお答えがあれば伺いたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) まず、活動を行う地域の選定に当たっては、タケオ周辺ということで、当時、明石さんが代表でありましたけれども、カンボジアの中でも一番安全性の高い、また地元としても安全を保障できるところが選ばれましたし、また日本の施設活動自体を他国の軍隊が警備をする、フランスの軍隊だったと思いますけれども、そこで治安、警護をしてくれたというようなことでありまして、派遣された日本のPKOにおいてはまさしく自分の身を守るというところでやったわけでございまして、幸いにして任務自体は無事終了することができましたが、最後の方で、やはり国連、警視庁から派遣された文民警察の高田警視が非常に危険な状況の中で単身行動をして、犠牲者が出たという点を見ればわかるように、非常に危険が伴う中で警護の体制が本当に現状でいいのかというのは大変大きな教訓として残っておりますし、またカンボジアの選挙が行われるに際しまして、日本から国連ボランティアで選挙監視等で同じ日本のNGOの方がたくさん来ておられましたが、タケオのすぐ近くの投票所で選挙監視を行うのに際して、すぐ近くにいる自衛隊のPKO要員がそれを傍観をするような状況になっておりました。
 その点について、そうであっては本当にいいのかということで、当時の西元幕僚長が、自分の責任において巡察をしながら日本人を守るということで、同じ日本邦人の安全を守ってあげたという事例がございますが、これは本当に指揮官のやはり苦労、そして心配等がある中で、まだまだ検討して整備していかなければならないというふうに私は思っております。
○山口那津男君 今カンボジアの例に即してお話がありましたけれども、文民警察官の活動地域というのは、我が国の施設大隊の活動地域とはかなり離れたところにあったと思います。
 それは別にして、比較的近くにあった選挙監視員、これらの人々の安全を確保するために施設大隊の一部が工夫をしたというのは、施設大隊の活動を全うするためにさまざまな地域情報を収集する、そういう行動の中で事実上安全が確保されたと、そういうことだと私は理解しておったんですが、長官、その点はどうお考えになりますか。
○国務大臣(中谷元君) 日本が実施したのは後方支援で道路の整備でありましたが、その支援の地域の割り当ての区域がそれぞれ各国に割り当てられていまして、フランスの軍のいわゆる歩兵のPKO本体、PKFですけれども、その活動の後方支援という位置づけでございまして、その警備とか治安についてはフランスが担当していた地域でやっておりましたし、それから高田さんの個人的な件につきましては、オランダの海兵隊が警護をしておりましたが、それの担当分野で起こった、発生した事件でございます。
 しかし、考えますと、PKOの局長も言われておりましたが、やはり自己完結型の、自分の国で責任を負って活動するのが望ましいという発言もございまして、支援やお手伝いに行って他国の仕事をふやしたり他国に心配をかけるというのではなくて、やはり自分の国で自分の国の安全を図りつつ業務をするというのが望ましいのではないかというふうに思っております。
○山口那津男君 高田さんの例を出されましたけれども、それはオランダの部隊が警護活動という任務を与えられ、それを実施していながら起こってしまった不幸な出来事だったと思います。ですから、この件は我が国の施設部隊があるいは我が国の部隊が警護活動ができれば防ぐことができたとは必ずしも言えない、そういう事例だと思いますので、念のため確認をしておきたいと思います。いかがですか、長官。
○国務大臣(中谷元君) 高田さんの起こった地域は、自衛隊が実施した地域と別の地域のことでございます。
○山口那津男君 いわゆる参加五原則の中で、紛争当事者の停戦の合意とかあるいは我が国が参加することに対する同意という原則があると思います。この合意や同意の主体となる紛争当事者、これが全部または一部、途中で存在しなくなった、そういう場合に我が国がそのようなPKO活動に参加していいのかどうか。これを五原則との関係で、五原則が維持されていると考えるべきなのか、それとも何か欠けたので変更しなければならないと考えるのか、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(林梓君) 紛争当事者間の停戦合意、それからまた紛争当事者による受け入れの同意、この点につきまして紛争当事者が消滅したような場合どうするかということでございます。
 これは、この停戦合意及び受け入れ同意の存否、それから参加五原則との関係については、具体的な状況に応じ総合的に判断する以外にないと考えております。
 例えば、東チモールの例でございますが、当事者が解散をいたしました。解散したその当事者がその後政治団体になりまして、今、民主化プロセスに入ってきているということのようでございます。もちろん治安はよくなっていると。そして、国としてはUNTAETがそれを兼ねているということで、こういう場合は、紛争当事者が解散したわけですけれども、五原則をみんな満たしていると、こういうふうに判断をしております。
○山口那津男君 そうすると、仮に全部または一部が存在しなくなったとしても、五原則を満たしている、そう理解する余地があると、こういうことだと伺いました。
 さてそこで、その五原則のうちこの四つの原則、一から四までの原則というのは、従来のPKO活動で大体承認されてきた共通の原則だったというふうに思います。いわゆる武器使用に関する第五番目の原則、これが我が国の憲法との関係で独自性のあるルールだというふうに思います。
   〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕
 本来、このいわゆる五原則というのは、平成三年の八月二日に、当時の自民党、公明党、民社党の三党の幹事長会談の席に政府から説明の資料として示されたものと言われておりまして、いわゆる平和維持隊への参加に当たっての基本方針ということで、これが五原則として語られているものだと思います。それに基づいて、しばらく後にこの法案が確定を、閣議決定をされました。その閣議決定をされた当日というのが平成三年の九月十九日でありまして、この日に内閣官房長官の談話が発表され、この五原則に基づく法案の決定に対する基本的な考え方がここに示されたという経緯があったわけであります。
 そこで、このPKO協力法の二十四条に武器使用の規定があるわけでありますが、これとの関係で、この参加五原則の第五原則、武器使用に関する原則では「要員の生命等の防護のため」という文言があるわけですね。これと、この協力法二十四条、武器使用の関係でお聞きしたいわけですけれども、二十四条は我が国の要員に限って守るというか、防護の対象とすると、そういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(林梓君) 参加五原則に沿って立案されました国際平和協力法におきましては、武器の使用は我が国要員の生命または身体の防衛のために必要な最小限のものに限られているというところでございます。
○山口那津男君 つまり、外国人は含まないと、我が国の要員という意味だというふうに法律の二十四条は理解できると思います。それから、同じく二十四条で、生命等と、こうありますけれども、これも要員の生命及び身体ということに限られると、そういうふうに二十四条を理解していいわけですか。
○政府参考人(林梓君) さようでございます。
○山口那津男君 そうすると、それ以外の物、物品等は含まれないというふうに理解できると思います。
 さて、そこで、この五原則の第五原則と二十四条は、私はこの官房長官の談話はあくまで五原則の趣旨に沿って法律二十四条を解説したと、そういうふうに理解をするわけでありまして、第五原則イコールこの二十四条の規定ということではないようにも思うんですね。これ、果たして二十四条の規定よりも五原則の方が幾らか広い趣旨に理解できるのかどうか。この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(林梓君) 御指摘のように、参加五原則自体は国際平和協力法制定当時、法案作成に当たっての基本方針として当時の自公民三党の了承を得つつ法案の中に反映されたものでございます。その中で、参加第五原則で言う要員の生命の防護等がどの範囲まで含み得るかについては、国会等での御議論も踏まえつつ検討する必要があると考えております。
○山口那津男君 その法案の審議、当時の法案の審議についてはあくまで二十四条を中心にしてなされた議論でありまして、この参加五原則の第五原則そのものの解釈をめぐって議論が闘わされたというふうには私には思えないわけですけれども、その点はどういうふうにごらんになりますか。
○政府参考人(林梓君) 我々の承知する限り、今の御指摘のとおりであると思います。
○山口那津男君 そして、この五原則の趣旨からしますと、二十四条の解釈としては非常に限定的に、我が国の要員のみ、そして要員の生命、身体のみと限定的につくったわけでありますけれども、しかし、十年の活動経験に照らして、私は他国のPKO要員などにも対象を広げてもいいのではないかと、こういう考え方もあるんではないかと思うのでありますけれども、この点についてどういう認識を持っているでしょうか。
○政府参考人(林梓君) 参加五原則で言う要員の生命の防護等がどの範囲まで含み得るかについては、国会等での御議論も踏まえつつ検討する必要があると申し上げました。
 関連いたしまして、この国際平和協力法制定時におきましては、平和維持隊に参加する部隊は一般に各地域に割り当てられて地域ごとに展開して他国の要員と一緒にならないと、こういうような想定でございました。ところが、実際この十年、経験しますと、他国と同じところで一緒に行動する、他国の人も一緒にいるというケースがあるということがわかっておりまして、したがいまして、今御指摘のように、このような実態も踏まえながら検討する必要があると考えております。
○山口那津男君 法律を十年前につくったときは、やっぱり経験のないことをいろいろ見聞に基づいてつくったわけですね。ですから、すべての場合を想定し切れていたかどうかは疑問であります。そして、今御指摘のあったように、他国の人々とともに活動する、ともに現場にいるという状態もあり得るというのが経験でありますから、私はその守る対象が広がる余地はあるだろうと、こう思うんですけれども。
 さてそこで、じゃどこまで守り得るかということですね。我が国以外の人々を、どういう人をどの範囲で守ることが妥当なのかというふうに考えますと、これはいろんな問題が出るだろうと思います。
 そこで、参考までに、今回、テロ対策特措法十一条によりまして、自己の管理のもとに入った者はむしろ人道上守る責任もあるだろう、だからこの人たちは守るべきだと。そして、国会質疑ではいろんな例が出されました。私は、その例に倣えば、PKOの活動においてもこういう一定の対象の方々については守る対象に含めてよいと、そう思うわけでありますけれども、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(林梓君) テロ対策特措法におきましては、御指摘のように、自己とともに現場に所在する、その職務を行うに伴い自己の管理下のもとに入った者の生命または身体を防護するための武器の使用が認められております。
 仮に、このような自己とともに現場に所在する、その職務を行うに伴い自己の管理下に入った者の生命または身体を国際平和協力業務に従事する自衛官等の武器使用の防衛対象に含める場合、参加五原則との関係でどのように評価すべきかについては、国会等での御議論を踏まえつつ検討する必要があると考えております。大変御示唆に富む御意見だと思っております。
○山口那津男君 そうやって仮に保護対象を広げた場合に、これは参加五原則を変更する必要が出てくるのかどうかについてお聞きしたかったわけですけれども、もう一度念のため御確認したいと思います。
○政府参考人(林梓君) その参加五原則との関係をどう評価すべきかについては、国会等でのこれからのいろんな趣旨の御議論を踏まえつつ検討いたしたいと思います。
○山口那津男君 それでは、自衛隊法九十五条、武器等の防護ですね、この規定をPKO協力法では適用を除外したわけですね。その理由はどういうことだったでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) PKOにおいては九十五条を除外しておりますが、この自衛隊法九十五条というのは、武器等の防護のための武器使用ということでございまして、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段を防護するためのあくまでも受動的かつ限定的なものでありまして、この趣旨を考えてみますと、あえて適用を除外しない限り我が国の領域外においても当然適用をされてしかるべきだというふうに思っておりますが、しかし、PKOにおいては、当時の政策判断として、まず慎重かつ謙抑的に業務をスタートさせるべきであるという観点から、あえてこの九十五条の規定の適用を除外するという判断を行ってまいりました。
 そういうことで、本来は当然適用されてもしかるべきだというふうに思っておりましたが、最初の業務であるということで抑制的に考えたということでございます。
○山口那津男君 九十五条の本来の趣旨は、我が国防衛のための重要な物的基礎、これを保持する必要があると、そこから出てきた規定だというお話でしたね。
 さてそこで、周辺事態法をつくったときには、この周辺事態法に基づく活動領域というのは外国の領域は含んでいないと思いますけれども、しかしこの九十五条は適用除外をしなかったわけですね。このようにした理由について述べていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 周辺事態の安全確保法については、この法律に基づく活動地域、形態などを踏まえれば、あえて自衛隊法の九十五条の適用を除外するべき特別の理由がなかったという点で適用を除外しなかったわけでございます。
○山口那津男君 そうすると、周辺事態法では我が国の領域のみならず、周辺の公海や公空にも活動領域が広がって、そこに自衛隊法九十五条が適用されると、そういうことになったわけですね。
 そこで次に、今回のテロ対策特措法、ここでは外国の領域内で活動することも可能となっているわけであります。そして、この法律ではやはり自衛隊法九十五条を適用除外しなかったわけですね。それはどういう理由なのか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 今回のテロ対策特別措置法について、この九十五条を適用いたしておりますが、これはこの法律のもとで自衛隊の活動の特性、武器等の防護の必要性等を総合的に勘案すれば、このPKO法とは異なって、この九十五条の規定をあえて除外するような特別な理由がなかったということで、この規定を除外しなかったわけでございます。
○山口那津男君 このPKO活動の十年間の経験に照らしますと、このテロ対策特別措置法には被災民の救援活動という活動も含まれております。そして、PKO協力法においても類似する活動が行えるようにもなっているわけですね。ここは似ている部分も多少あると。しかしまた、一方で、テロ対策特別措置法ではもっと別な、米軍やその他の活動の支援というものもあるわけですね。
 ですから、同じ事態を想定しているわけではないんですが、その類似性や異なる点を考慮した上で、このPKO活動においても自衛隊法九十五条を今なお適用除外する必要があるのかどうか、この点についてどうお考えになっていますか。
○政府参考人(林梓君) 国際平和協力法の制定時において、さっき長官から述べられたような理由、謙抑的に、いろんな問題が最初わからないものですから不安もあったわけでございますが、十年間ほぼやってみまして、その心配は杞憂であったということがわかりました。
 他方、これまで五回における自衛隊の国際平和協力業務の実施の経験を踏まえますと、実際に窃盗グループのようなものが自衛隊の通信器材を盗むというような事態が生じました。こういう窃盗グループに対して武器による威嚇をやっぱり行うというか、威嚇をするといいますか、事態を混乱させるようなことはないと、それを行っても、と考えられます。
 それから、こういうものを見逃しますと、何もしないで見逃しますと破壊が進むのは当たり前ですが、この奪取、それからもう一回繰り返してくると、盗みというようなものは、ということもございます。そういうことで、自衛隊の対応能力の低下とか治安、治安といいますか、それは安全の悪化にもつながるということが認識されるようになってきております。
 そういうような事情で、国際平和協力業務を実施するため派遣される自衛隊の武器等の保全について検討する必要があると考えております。
○山口那津男君 防衛庁長官にも伺いますが、この自衛隊が参加したPKO活動の経験に照らして、武器を使用しないと武器等の防護ができなかったと、そういう実例というのは数多くあったと認識されていますでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 結構、ルワンダの難民支援のときに、窃盗というか、泥棒が入って貴重なものをとられたというような事例がございますが、やはりこういった盗み等に対して武器等で威嚇等をすれば事態を混乱させることになるのではなかったかといえば、そのようには考えられないというふうに思っておりますし、また東チモールの事例でありますけれども、輸送の救援隊の隊員三名が勤務終了後、車に乗ってホテルに帰る途中に商店に立ち寄りました。そして、その店に入って一時間後、駐車場に戻ったところ、車両のかぎが壊されて助手席とか後部座席に置いてあった物品が盗まれたというような事例もございますので、やはりこういうことを考えますと武器防護というものの必要性というものはございますし、それを持ったからといって紛争を惹起させるとかいうことも想定されがたいし、またかえって、日本だけがそういうことができないということについては、他国も含めてそれぞれの活動に支障を生じかねないことになることもあるのではないかというふうに思っております。
○山口那津男君 仮に、この自衛隊法九十五条、これをPKO協力法の適用除外を外したと、つまり適用ができるようにしたとした場合に、これは参加五原則との関係でどういうふうになるんでしょうか。
○政府参考人(林梓君) 参加五原則は、我が国が国連平和維持隊に参加するに当たって、憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることがないことを担保する意味で策定された国際平和協力法の重要な骨格でございます。
 他方、自衛隊法第九十五条に規定する武器の使用は、自衛隊の武器という我が国の防衛力を構成する重要な物的手段を破壊、奪取しようとする行為からこれらを防護するための極めて受動的かつ限定的な必要最小限の行為でありまして、それが我が国領域外で行われたとしても、憲法第九条で禁止された武力の行使には当たりません。したがって、自衛隊法第九十五条に基づく武器使用を国際平和協力業務に従事する自衛官に適用したとしても、憲法上の武力の行使には当たらないものと考えられております。
 したがいまして、国際平和協力業務に係る自衛隊法第九十五条の適用除外を解除するとしたといたしましても、参加五原則を策定することとした目的と相入れないものではないと考えております。
○山口那津男君 法制局に念のため伺いますが、この武器等防護のための武器使用、これを外国の領域でも認めるとなった場合に、今、憲法九条とは抵触しないというお話でありました。これは抵触する場合はないと、こうお考えですか。
○政府参考人(阪田雅裕君) お尋ねにつきましては、政府として従来から、今、PKOの事務局長が答弁されましたような考え方に基づいて、自衛隊法九十五条を国外での自衛隊の活動に適用したとしても憲法上の問題は生じないというふうに解してきているところでありますし、現に、先ほどからお話がありました、いわゆる周辺事態安全確保法、それから先般のテロ対策特別措置法におきましても自衛隊法九十五条の規定は排除されていないところであります。
○山口那津男君 そうしますと、この九十五条が適用できる事態となった場合には、もちろんPKO活動全般に適用できるということでありまして、PKFに限るとか、あるいはそれ以外の活動に限るとか、そういうことにはならないわけですね。この点いかがですか。
○政府参考人(林梓君) 仮に、国際平和協力業務に従事する自衛官について自衛隊法第九十五条の規定を適用するとした場合、いわゆるPKF本体業務に従事する自衛官とPKF本体業務以外の業務に従事する自衛官との間に格段の差異を設けるべき事情があるとは承知しておりません。
○山口那津男君 自衛隊法はあくまでこれは我が国の物品を対象にしていると思うわけでありますけれども、PKO活動をする中においては国連やあるいは他国の要員の物品等も我が国の要員のそばにあるといいますか、あるいは管理を任されるとか、そういう事態もあるのかどうか私は正確にはわかりませんが、そういう国連や他国のもの、物品についても武器を使用することはできるようになるんでしょうか。
○政府参考人(林梓君) 自衛隊法第九十五条は自衛隊の武器等を防護するための武器の使用を規定したものでございまして、その防護対象には国連や他国の物品は含まれません。
○山口那津男君 国連のPKO活動において、これは国連の活動一般ということですが、いわゆる警護活動、警護の任務と言われているものがあると思います。この警護の任務というのは一体どういうものなんでしょうか。
○政府参考人(谷内正太郎君) 国連PKO活動におきます警護任務とは、一般的には国連の要請により、例えば国連職員等の特定の人員や特定の施設、物品等を防護する任務であるというふうに理解されておると承知しております。
○山口那津男君 そうしますと、外国の部隊、あるいは文民等も含めた一定の組織、こういうものを丸ごと守る、警護する、そういう任務もあるんですか。
○政府参考人(谷内正太郎君) 今までのPKOの例ですべてを把握しておるわけではございませんけれども、例えば医療部隊など十分な防御手段を持っていない部隊を歩兵部隊が警護するということがあるというふうに承知しております。
 例えば、南レバノンのUNIFIL、これは国連レバノン暫定隊と称しておりますけれども、このUNIFILの本部敷地内にポーランドの部隊が病院を開設しておりますけれども、この部分を含めまして敷地全体をフランスの歩兵部隊が警備しているという例があるということを承知しております。
○山口那津男君 今、説明のあったいわゆる警護任務、これを我が国の自衛隊部隊が行うとすれば、現行のPKO協力法は改正する必要があるのでしょうか。
○政府参考人(林梓君) 国際平和協力法で規定されている国際平和協力業務の中には、いわゆる警護任務に相当する業務はございません。法改正なしにこのような業務を行うことはできないと考えております。
○山口那津男君 仮に、そのような任務を改正して加えるとした場合に、単に今説明のあった任務を法文に加えるというだけではなくて、その任務を遂行するために、武器使用の点でいわば広げた考え方をとる必要があるのでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 今、林局長が改正する必要があるというふうに述べましたが、PKFを解除する場合にやはり警護をすることが必要になってくるケースも出てくるのではないかと。例えば、隊員の任務を遂行する上においての安全性、また現地の人が混在する中でのケース、また他国の要員もいるケース等、やはり現地の司令官として、また実際の隊員として、業務を実施する上においてそのような警護の目的のための武器の使用の必要性というものは出てくる可能性もあるというふうに思っておりますので、その点については今後検討していただきたいというふうに思っております。
○山口那津男君 少なくとも現行法が我が国の要員のみに限られているという点からすれば、これを変えることをしない限りは今おっしゃったような警護の任務はできないものと考えられます。どのような武器使用がふさわしいかについては検討の余地が残っているのかもしれません。
 さてそこで、このような武器使用を、仮に警護に伴う武器使用を認めた場合に、これは参加五原則との関係はどうなるでしょうか。
○政府参考人(林梓君) 警護任務の実施において任務の遂行上必要となる武器使用につきましては、参加五原則及び憲法との関係で、国会等での議論を踏まえつつ慎重な検討が必要であるとされております。
○山口那津男君 先ほどの警護任務の説明ですと、個人あるいは少数の人の安全を守るための任務と、それからまた医療部隊の安全確保のためにやった、いわば組織的な多数の人の固まりを守る、そういう場合と、両方あると思うんですね。ですから、警護任務と言っても一様ではないと思います。
 そうした場合に、参加五原則のもとで、国連の過去の経験に基づくあらゆる警護任務をすべきであると考えるのかどうか、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(林梓君) その点につきましては慎重な検討が必要であると思われます。
○山口那津男君 今言った警護任務全般をやるとした場合に、法制局に伺いますが、憲法九条との関係で何か抵触する部分が出てくる可能性はあるでしょうか。
○政府参考人(阪田雅裕君) 今御指摘の警護業務の追加につきましては、ちょっと政府部内で具体的に検討がなされているというふうには承知しておりませんので、だれをどういう形でという警護の対象者であるとかあるいは態様などが具体的に明らかではないということだろうと思います。
 そういう状況のもとで、今直ちに九条との関係について申し上げるということはなかなか難しいということを御理解いただきたいと思うのですが、ただ、仮に自衛隊が警護任務を行うこととするというふうにいたした場合に、これを的確に遂行するためには、政府が現行の国際平和協力法その他の法律における自衛官の武器使用規定の合憲性の根拠として従来申し上げてきておりますいわば自己保存のための自然権的権利ともいうべきもの、そういう枠を超える武器使用がどうしても必要になるんだということであるといたしますれば、そのような武器使用が憲法九条の禁ずる武力行使に当たるおそれがおよそないと言えるかどうか、その点については十分慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○山口那津男君 要員、PKO活動の要員、特に外国の要員等を守るためには警護活動を我が国の部隊が必ず行わなければならない、その必要があると言い切れるかどうかについては議論の余地があるかもしれません。ただ、現行法の規定、あるいは今度凍結を解除するPKFの活動、それらの範囲の中で安全の確保を図る、いわば警備活動を柔軟に運用すると、そういうことで対処し得る範囲もあるのではないかとも思うわけでありますけれども、警護、先ほどの説明のあった警護任務を新たに加えるべきかどうかについては、なお検討の余地があると私は実感をいたしました。
 防衛庁長官、これまでの活動実態に照らして、この点についての自衛隊の隊員の生命、身体の安全のみならず、自己保存の自然的権利に基づく武器使用のあり方、こういう趣旨からして、これからの武器使用のあり方について、警護の問題をどのように考えたらよろしいか、お考えをお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) やはり、PKOをどう考えるかということから言いますと、ことしのノーベル平和賞は国連に与えられたと。また、この国連の平和維持活動というのは人類の平和のために大変な貢献をしているわけでありまして、日本としても積極的にPKO活動に参加すべきだというふうに思っておりまして、PKFの凍結解除も前向きに考えなければならないと思っております。
 それに伴う武器使用も、やはり現地の人とともに行動をし、また他国の要員とともに仕事をし生活をするわけでありまして、仕事仲間、人間仲間という点で、現地に行ったら現地の事情というものがあるわけでありまして、この点のルールについては国連の現地の武器使用等のルールもあるわけでありますので、そういった武器使用のルールの原則を勘案をし、また我が国として憲法上容認される武器使用の範囲においてこれらの行動が的確に実施をでき、かつまた隊員の、要員の安全も確保できるような、そういうものとしてPKO活動が積極的に実施できるような体制を我々自身が考えてつくっていかなければならないというふうに思っております。
○山口那津男君 これで終わります。
○吉岡吉典君 きょうは一般質問ですので、日本の外交政策と安保政策の基本になるような点で要望を含めて質問をさせていただきたいと思います。
 私は、外務委員会に何年ぶりか、十年ぶりぐらいに帰ってきて論議を聞く中で感じたことは、今行っているいろいろな施策が諸外国との関係、日本の将来にとってどういう意味を持つかということについての十分なる検討が行われた上でこれが決定されているかどうかということについていささか疑問を持っております。それは外交政策だけでなく、ことしの前半大きな問題になりました例の歴史教科書問題もしかりです。それから、テロ対策法案をめぐる論議の中でもそのことを感じました。テレビで繰り返し衝撃的なあのアメリカでの同時テロのテレビ放映を見ながら、本当に衝撃的な出来事でしたけれども、事件が衝撃的であればあるほど、私は、それに対する対応というのは冷静で慎重な判断が必要だと思いました。
 その点に関して、大臣、長官とも出席しておられない会議ですけれども、衆議院の特別委員会で前田参考人から満州事変が拡大していった際の議会と内閣のあり方を教訓として生かしてくれという公述がありました。実は、この問題、私も関心を持って、何年か前に自分で書いた本の中でも書いたことがある問題です。
 今回、防衛研究所の図書館にある資料もいただきまして、改めて現物でもそれを見ましたけれども、満州事変のときにどういうことが行われたか、前田参考人が述べたことでもありますけれども、関東軍による謀略を中国のしわざだということで満州事変開戦に至ったわけですが、これを承認する閣議については大本営機密日誌の中に具体的に書かれております。
 十八日に柳条湖事件が起こって、十九日の閣議では、現地の領事官から送られた、これは関東軍の謀略であるということの報告書を当時の幣原外務大臣が報告して、その会議は軍に不利なる結果になったと当時の記録に書かれておりますけれども。それで、九月十九日にそういう状況の中で朝鮮軍が独断で越境した、外国へ出かけていった、これは重大な問題であるということでありましたが、九月二十二日の閣議でそれがどうなったか。これは九月二十二日の大本営機密日誌に書かれております。「朝鮮軍ノ独断出動ニ対シテハ閣僚ノ全員不賛成ヲ唱フルモノナシ然レトモ亦賛成ノ意志ヲ進ンテ表示シタルモノナシ」、これが(一)ですね。「(二)既ニ出動セルモノナルヲ以テ閣僚全員其事実ハ之ヲ認ム」、「(三)右事実ヲ認メタル以上之ニ要スル経費ヲ支出ス」というふうにずっと書かれております。
 要するに、関東軍の謀略によって引き起こされた事件だということを閣僚は知っているからだれも賛成はしなかった。しかし、軍を恐れて反対を表明する者もなかった。反対を表明する者がなかったからこの重大問題である朝鮮軍の越境は認められたということになって、それではその経費、予算もつけようということになり、それで満州事変が本格的に広がり、そしてこれはやがて日中戦争、あの太平洋戦争へと進むきっかけになったというのが歴史の事実です。
 私は、前田参考人が、こういう浮かれた状態で満州事変に突入していったことから、政府と議会ともに教訓を学んでくれという提案は、やはり時代が大きく動いているこういう時期にも十分考慮すべきものだと思いました。
 長官、そういう記録があることは事実ですね。
○国務大臣(中谷元君) 防衛研究所には大日本機密日誌という資料は保管されておりませんが、保管されている資料の中で、「満州事変作戦指導関係綴」に含まれる日誌類のうち、昭和六年九月二十二日の日誌に、軍の独断出動をめぐり閣議が行われたことに言及した記述は見られます。
○吉岡吉典君 私が今読み上げたのは、これは防衛庁経由でいただいたものですからもう間違いないわけですね。
 それで、謀略だということをみんな知っている、賛成はできない、しかしだれも反対もしないからこれで承認されたということで戦争が拡大していった。こういう事態というのは我々は繰り返してはならない出来事だと思います。こういう形で日本の進路が決まった。このことについて外務大臣、どういう感想をお持ちですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) よいことであろうはずがありません。
 内閣の責任でありますとか、閣僚の責の重さは口では言いますけれども、本当に歴史的な分岐点に立ったときに、みずから勇気を持ってどのような行動、決断ができるかということは政治家として非常に重たいものを感じます。
 そして、一言言わせていただければ、数日前に、今回の九月十一日のテロ以降初めてだと思いますけれども、アメリカとともに参戦をしているイギリスのトニー・ブレア首相が、ロンドンに欧州の首脳を集められて、そしてもうお互いの相互確認といいますか、今回の国連に行ってアメリカと接触をするというちょうど折り返し点といいますか、それを控えてと言った方が正しいかもしれませんけれども、そこで、とにかく欧州だけで意思統一といいますか、もちろん将来の見通し、アフガンの復興、そうしたことについて話をしたということを朝、早朝のニュースで知りまして、私はすぐ本省の幹部を大臣室に集めまして、こういうことをどう思うか、すぐ情報をとりましょうと申しました。
 そして、先方の都合もありますから、遅くなりましたが、昨晩、その席に参加していましたEUのソラナという、スペイン人ですけれども、その方ももちろん私、何度もお会いしたことありますし、今回、アメリカに、国連総会に出る方ですが、その方にどのような話があったかと。要するに、今までの九月十日以降の総括があったというふうに思いました、ヨーロッパ体制の中で。それをぜひ、遠隔地にいる私ですけれども、国連に出る出ないの問題とは別として、外務大臣として知りおきたいと思いまして話を聞きました。
 その中身は先ほど、齋藤先生のお話のときでしたか、あるいは午前中の、午前中でございましたね、午前中の委員の方に御報告しましたから繰り返しはいたしませんが、そういうみずからの行動をとった後にチェック・アンド・バランスでチェックをするということは絶対必要であるというふうに思います。そうした意見を踏まえながらも私は、私自身でなくてもいいんですけれども、宮澤総理にも実は先ほど電話のときにこういうふうなスタンスのことを機会があったらぜひ首脳とお会いになったときに話をしていただきたいと託しました。これはまだ、今初めて申し上げることですけれども、総理にも御報告してありませんけれども、まだこれから寄ろうと思っておりますが、こうしたことについて私どもの思い、この議論の中でいろいろな意見を集約した中でどうかということについて、私の感じている、思っていることをアメリカにも伝えてほしいということを申し上げました。
 きょう夜も、先方がまた、きのうはちょっとたまたま御都合が悪かったんですが、イギリスのジャック・ストロー外務大臣ともお話しできることになっております。もちろん、G8にも出られますので、同じことをいたしたく思います。
 要するに、申し上げたいことは、引きずられることなく、つらくともやはりストップ・アンド・シンクということが、チェック・アンド・バランスといいますか、そうしたことが過ちを繰り返さないことになるというふうに思って、私なりに努力はいたしております。
○吉岡吉典君 言うべきことは言うという、今の態度をぜひとも貫いていただきたいと思います。
 その点で、私は今度のテロ対策としての自衛隊派遣問題というのは、やはり憲法の根本問題にかかわる問題、この委員会でも、私は本会議でも言いましたけれども、戦後初めて自衛隊に戦死者が出るかもしれない、自衛隊員だけでなく自衛隊員の武器使用によって殺傷される外国人も出るかもしれないと。文字どおり戦後史の大転換に当たるもの、そういうことを決定する際の論議の中で、しばしば訂正の答弁があるようなことが行われた、このことは、やはり十分なる準備のないままの対応だという感じがしてなりませんでした。
 私、きょうこういう質問をするということをきのう事前に、きのう午前レクしました。そうしたら、けさになって聞いたら、きのうの衆議院予算委員会で、ASEAN首脳会議で日本の自衛隊派遣について外国の理解を得たという根拠について外務省の方から、その根拠として、反対がなかったから理解を得たという答弁があったということを知りました、大臣の答弁じゃありませんけれども。それで、決してその答弁者を関東軍というふうに私は言いませんけれども、しかし似たような論理が今なお出て、反対がなかったから理解を得たというふうなことでこういう問題を消していただきたくないと思います。
 これは私の意見としてそう述べますが、防衛庁長官、今度の一連の決定、本当に将来責任が持てる十分なる検討の上に立ったものだと言い切れるかどうか、お伺いします。
○国務大臣(中谷元君) この行動の根拠となる法案がこの国会で御審議をされまして、反対の御意見もございましたけれども、我々の主張といたしましては、憲法の枠内で自衛隊の活動する地域についても、現に戦闘行為が行われておらない地域で協力支援または被災民救援、そして捜索救難を行うという活動に限ってということで制限をつけているわけでございまして、武力行使を伴わない範囲での活動だというふうに認識をいたしております。
○吉岡吉典君 この際、具体的なことで確かめておきたいと思います。どのような武器を携帯するかという問題についてです。
 まだ基本計画は決まっていませんから、どういう武器を持っていくということの決定はもちろんないわけですが、法律上は、どのようなことがあろうと持っていけない武器というのがおのずからあると思います。どういう武器を持っていくかは現地の状況、相手の状況いかんという答弁が繰り返されてきたと思います。
 現地の状況いかん、例えば相手がロケットを持っている、そういうところへ行くというような事態が起こった場合に、ロケットは法律上排除されるかどうか、あるいは戦車はどうか、こういう点、ちょっとお答え願います。
○国務大臣(中谷元君) 法律上は制限はございませんが、使用する武器等については基本計画に書くことになっております。実施をする地域というのは、基本的に戦闘行為が行われていないという地域でございますので、そういった緊張度というか脅威度が極めて高い地域に自衛隊を派遣するということは想定しがたいことでございますし、また現実に実施する区域につきましても入念に調査をいたしまして、将来においても戦闘行為が行われない地域で実施をするという点、また現地の治安情勢についても十分な考慮を払って総合的に勘案して活動するわけでありまして、携行する武器についても、そのようなレベルでの不測の事態に適切に対応し得る必要最小限のものになるようにということを基本的に考えて基本計画を定めたいというふうに思っております。
○吉岡吉典君 法律上はロケットであろうと戦車であろうと排除されていないということだとすると、これは今回の武器使用が緩和された問題というのが実に大きな意味を持ってくると私は思います。
 そこで、次の問題ですが、武力行使は行わない、しかし自己防護、正当防衛上の武器使用は行うということだと思います。その点で武器使用、武力行使のための武器使用ではない、自己防護のため、正当防衛としての武器使用であり、それに伴って一種の戦闘状態、交戦状態というのが生まれることはあり得る、そういうふうに考えるしかありませんが、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この交戦状態という意味がいかなるものであるのかということにも関連しますが、一般的に交戦状態というのが国家の間で武力の行使を行い合うような状態を指しているのであれば、今回の法律においては戦闘行為が行われないと認められる地域で行われるということでもありますし、仮に近傍で戦闘行為が行われたとした場合には一時休止、避難の措置をとる、また計画変更を速やかに実施するということにされておりまして、武器の使用はあくまでも自己の防護や武器等の防護のための必要最小限の武器使用ということでございまして、武力の行使に該当しないものであるから武力の行使を行い合うような交戦状態という状態にはなることはないというふうに考えております。
○吉岡吉典君 長官、僕は武力行使を想定して聞いているわけじゃないんです。自己防護のためであれ、やはり相手があって撃ち合いになるということ。しかもそれは必ずしも一発や二発じゃない。相手の状況いかんによっては撃ち合う。それを普通、戦闘状態あるいは交戦状態、それはどちらの用語でも構いませんけれども、そういう状況というのは法律上は生まれ得る、そういうふうになっていると私は思っているわけです。それイコール直ちに武力行使やるじゃないかというようなことを言おうと思って聞いているわけではありません。
 したがって、今の答弁だと、そうすると武器使用というふうな場面はもう起こらないというふうにも聞こえるんですが、どうなんですか。やっぱり武器使用してそういう一種の戦火を交えるという形になる、戦火と言うとまた逃げられるかもしらぬけれども、お互いに武器を使用して攻撃し合うという局面というのは生まれ得るんじゃないんですか。
○国務大臣(中谷元君) 武力行使に至らないレベルでのテロなどの攻撃等は考えられ得るわけでありまして、そのような事態に際しての自己防御のための武器使用というものはあり得るわけでございますが、それをもって全面的に戦ったり、長期的に戦うというような事態は行わないように、避難または一時休止等をして自己の安全を図るというふうにされておりますので、武力の行使にならないように現場で判断をすべきだというふうに思っております。
○吉岡吉典君 そこが長官、飛躍があるんですよ。自己防護といって僕は言っているのに、武力行使には至らないようにすると言う。武力行使は最初からないはずなんでしょう、あなた方は。だけれども、自己防護のための武器使用ということです。非常に答えにくいようですから、これはこれで置きましょう。
 私はその事態、やっぱり武器を、片方では法律上はロケットだろうと何だろうと排除していないというわけですから、だけれども、しかしまさか今度戦車まで持っていくということは僕も想定はしておりません。おりませんけれども、いずれにせよ、やっぱり一定の規模の戦闘状況というものは想定をした法律になっていると思いますよ。それが私が心配している自衛隊員にも外国人にも死傷者が出る事態、私どもが戦後続けてきた、そういう事態がなかった、それが戦後初めて生まれる、私はその事態というのはやっぱり憲法九条の死を意味する出来事だというふうに思います。
 しかしそれは、いずれにしましても次の問題に進んで、お伺いしますけれども、自衛隊の派遣というのが本当に国際的な要請になっているのか、国際的にどう思われているのかという問題を私はこの際考えたいと思います。
 論議の中では、自衛隊を派遣しなければ国際社会の責任が負えないというニュアンスの答弁も随分ありました。私どもはそうでなく、憲法九条を持つ国として、外交面あるいは救援あるいは難民救済、そういう面で最大限の努力をすべきだということを言ってきましたし、今も主張しているわけです。
 私は心配するのは、自衛隊のこういう形での派遣というのが逆にアジア諸国などへの日本に対する不安を強めないのかということを一方で考えざるを得ないんです。それはなぜかというと、あの一九九六年四月の橋本・クリントン安保共同宣言に対して、いわゆる極東と周辺との関係等も含めてアジア諸国では大変な不安、懸念が広がった。そして、外務省は次々幹部を送って説明に当たらざるを得なかった。私、当時外務省の人々にその苦労も聞きました。
 これはどなたでも結構ですが、どことどことに説明に幹部を送ったのか、お答え願います。
○政府参考人(藤崎一郎君) 日米安保共同宣言につきましては、安保体制がアジア太平洋地域の平和と繁栄に重要な役割を果たしているという認識のもとで、多くのアジア太平洋諸国は理解を示しているというふうに承知しているわけでございます。
 この安保共同宣言は日米安保体制の重要な役割を改めて確認するというものでございまして、第三国に対して日米が対抗するというようなことを目的としたものではない、あるいは専守防衛を初めとする我が国の基本的な防衛政策を変更するものではないと、こういうことを含めまして宣言の趣旨につきましては近隣諸国、具体的には中国、韓国、ASEAN等に外交ルートで説明をし、より多くの理解を得たというふうに認識しておりますが、今御指摘のように、幹部を派遣したということはございません。
○吉岡吉典君 それは違いますよ。私はその当時外務省のいろんな、次官から局長からの、僕は最初中国と韓国だけ送ったかと思っていたら、いや、そうじゃないんですと、どこにもどこにもどこにも送りましたという説明を詳しく聞きましたよ。そんな、幹部を送っていないなんというのは、これはだめですね。その答弁はいただけません。
 委員長、もう一度答えてもらってください。
○政府参考人(藤崎一郎君) 安保共同宣言自体でございますけれども、これにつきましては外交ルート、外交ルートと申しますのは、東京で在京の各国大使館あるいは任国で各国の、私どもの方の大使館から各国の外務省に対しまして説明をするということでございますが、安保共同宣言につきましては、今おっしゃいました九六年四月の安保共同宣言につきましてはこういうルートで説明をさせていただいたと、こういうことでございます。
○吉岡吉典君 大臣、全然わかっちゃいない、アジアが。僕は外務省のある顧問を務めている人に今の日本外交の最大の弱点はアジアがわかっていないことだという話を聞かされたことがあります。
 この安保共同宣言が出た後のアジア諸国の新聞は何を書いたんですか。それは、中国や韓国だけじゃなくて、シンガポールであれマレーシアであれ共通した論調というのは、日本が日米安保体制で自国を守る限り日本の問題であるから我々はとかく言わない、しかし、その自国防衛を乗り越えてアジア太平洋の安保ということにまで言い出し考えるようになれば、これは日本だけの問題でなくアジアの我々も不安と懸念を抱かざるを得ない、ましてや、かつて侵略を受けた国の国民としてその感情が強いというのが、当時の新聞がずっと書いたことですよ。
 それで、僕は次官にも聞きましたよ、そんな、中国、韓国だけじゃなくていろんな国に送りましたということを聞いた。外務省の中ではあのときに極東と周辺との関係をめぐって人事問題まで出たじゃないですか。そういうことを今のようなのでは、私はこれからのアジア外交に不安を抱きますよ。
 その翌年、橋本総理が東南アジア訪問して安保はアジアの共有財産だというような趣旨の、公共財だということを言いましたね。それについても私は外務省の人に当時詳しく聞きましたよ。日米安保体制がアジアの安保になったことを大いに吹聴してアジアの公共財だと言えば、そこで割れるような拍手を期待したけれども全然拍手が出なかった、それでとうとう途中から、次の国ではその演説をやめることになったんだという話も当時聞きましたよ。
 そういうわけで、アジア諸国が日本がアジアの安保に乗り出すということについてどんな強い不安を持っているか。それは、やっぱり僕は外務省の顧問の人が日本の外交の最大の弱点はアジアがわからないことだと言っていた意味が今の答弁を聞いてよくわかりました。私は、そういうアジア安保ということを言い出しただけで懸念を表明した国が、今度は、兵たん活動とはいえ防御用だとはいえ、武器を携えて外国で実際行われている戦争に参加するということになったらどういう不安を抱くかということが今度の法案作成の過程で十分に検討されたかどうか、この点を実はお伺いしたかったんですけれども、その前提のところでアジアはそういうことはないとおっしゃると、それは検討を全然やられていないことになると思います。
 外務大臣、アジアはそういうかつて日本の侵略の対象になった国だから余計に敏感に日本の安保姿勢について神経質になっている。そのことについてどのようにお考えなのか、大臣の御意見、お伺いしたいですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 吉岡先生は大変過去の経緯をよくお調べになっておられて、そして歴史にも造詣が深く、大変な読書家でいらっしゃって、私も夏前に先生がこの委員会で御指摘になりました本を夏休み中に取り寄せまして読みました。そのお気持ちもよくわかっておりますし、歴史的事実はむごいことであってつらくても認めなければならないと、その反省を、現実を認識しないで将来の構築はないと考えております。
 しかし、今回のテロ特措法につきましては、周辺国の不安というのは世代によってもちろんあると思いますが、今、日本がこのテロ、九月十日のことがあって以降どうやってこのテロをこの地球上からなくすようにするかということが基本にありまして、その中で、世界第二の経済力を持つ、そしてテロはアメリカだけの問題ではなくて世界じゅうどこにいても起こり得ることであります。したがいまして、そうした立場から地球市民として、武力行使と一体化せず、憲法の範囲内でぎりぎり何ができるかということをつくったのがこのテロ特措法でございます。
 したがいまして、その先生の思いもよくわかります。それからまた、今現在、未来に向けて、世界の一翼を担う日本が未来志向で建設的にやっていかなければならないという必要性もよく自分で認識いたしております。
 したがいまして、何がでは必要かということを申し上げます。これは政界だけではありませんで、過去の経緯をよく知っている方、戦争で痛い思いを経験なさった世代に限って、政党とかそういうことに関係なく、戦争というのは、例えば後藤田正晴さんもそうでしょうし、そのほか具体名を挙げませんけれども、政界以外でも非常に大変強いアレルギーと拒否を持っておられる。それは、御本人が肌身でそうした経験をなさったからでありましょう。友達、家族を亡くされている。そして相手の、戦った中国なり韓国なりあるいはほかのASEANの国もありますけれども、そうした方々の悲しみや怒りや苦しみを自分のこととして受けとめておられるからであると思います。
 ところが、それをわかっておられる唐家センさんにしろ、例えば韓昇洙韓国の外交部長にいたしましても、私とは本当に胸襟を開いて何度もお会いしています。近々またお二方来られると思いますし、東京で再会できることを楽しみにしておりますが、率直に耳の痛いことをおっしゃいます。しかし、未来志向であられることも間違いありませんし、若い世代が、韓国も中国もほかのASEANも、あるいはこの間インドネシアのメガワティさんもお会いしました。そういう中で、それぞれの思いはありますけれども、未来志向では、若い人たちがそんなこと、恩讐を乗り越えて、むしろ建設的に、世界からテロリズムをなくそう、お互いに共存共栄のために働こうとしているということも目を転じて御理解をいただきたい。
 そして、私たち政治家の責務はそれを実証してやってみせること、そのことが、私は外務大臣としても極めてつらいことですが、チャレンジングでもあるし、それが責務の重さであるというふうに感じております。
○吉岡吉典君 私は、テロをどうして根絶するかというために日本がどういう役割を果たすべきかということを考えたいし、提起したいわけですけれども。軍隊を出してくれという要請が一体どこにあるのか、日本のひとり舞台、ひとり芝居じゃないかという気がせざるを得ないんです。
 それはこの前の委員会でも、私、言いました。アメリカだって、湾岸戦争のときに日本に自衛隊の派遣を要請したことについてのさまざまの面からの反省の議論があるわけですね。その反省の議論の前に、この前は随分アメリカから日本にいろいろな要請が来たようです。最近出た朝日新聞の「日米同盟半世紀」という本でも、父親の方のブッシュ大統領から海部総理にこう言ってきた、あるいはアメリカの在日米海軍司令部から海上自衛隊の幕僚監部にこういう要求が来たというふうなこと、かなり具体的にこの本には書かれております。
 大体どういうことをアメリカは当時言ってきたのか、今回もそういうことを言ってきているのかどうなのか、これをまずお伺いしておきたいんですが、これは外務大臣か防衛庁長官かどちらか。
○国務大臣(田中眞紀子君) いっときショー・ザ・フラッグということが、今回のことがあって、九月十一日以降、随分国会等でも議論されましたけれども、アメリカは具体的にこうせいああせいとは言ってきていないし、日本の憲法の問題、国民の皆様の考え方、そうした社会の仕組み、そうしたことを私はよく知悉しておられると思います。何も言ってきていないと思います。
 私は、逆に、常にずっと思っていることですけれども、日本人は極めて内向きで、内向きに内向きにしか物を考えない。そうした自分たちが外からどう見られているのかという視点がないのではないかと思うんです。すなわち、外向きにスタンドプレーをするのではありません。主体的という言葉は総理が余り繰り返されるので言葉じりをとらえて言いますが、まさしく主体的という言葉が私は合っていると思うんです。自分で何ができるか、そしてそれが、吉岡先生が危惧なさっておられるASEANを中心とする近隣諸国から脅威と映らないような貢献に必ずなるということを証明してお見せする義務が私たち日本人一人一人にはあるのではないでしょうか。
○吉岡吉典君 しかし、現実には日本に対する不安が強くて、したがって、例えばアメリカでも、この本にも書いていますが、ブッシュ大統領の国家安全保障担当補佐官だった人が湾岸戦争のときのことについて、我々が必要としていたのはまさに日本が提供した支援だったと、つまり財政支援だったと書いておりますね。それで、貢献は多大なものだったと、あえて言いますが、それは軍隊の派遣よりも価値のあるものだったというふうにインタビューで書いているわけですね。
 それで、私、この前この委員会でも言いましたけれども、ワインバーガー元国防長官そのほか、日本には軍事的な役割よりは憲法のもとで財政支援その他の支援の方がより大きいと、こう言っている。アジアにも不安がある。今回だって、私、幾つか新聞ここへ持ってきていますけれども、中国、韓国のみならず、シンガポールの新聞等でも自衛隊派遣についての非常に強い不安を表明しているわけですね。アジアもそういう不安を表明している。アメリカでも、無理をして自衛隊出すよりは財政その他の支援をしてもらう方がはるかに大きいという議論があり、湾岸戦争からそういう教訓をアメリカの中でも引き出している。
 そういう時期に、あえて国内もまだ一致していない憲法上のさまざまな議論があるときに、どうして出さざるを得なかったか。しかも、それが論議の中で、私もさっき言いましたように、いろいろ訂正しなくちゃいかぬような憲法認識等も含まれている点を見ると、やはり十分なる検討もないままに行われたという感じを抱かざるを得ないわけです。
 私は、これはこの間も論議した点ですけれども、そこで防衛庁長官にお伺いしたいんですが、日本は現在、自衛隊をゴラン高原に出しておりますね。そして、続いて、テロ問題で自衛隊を派遣する。東チモールも出すでしょう、どうですか、それは。
○国務大臣(中谷元君) 東チモールに自衛隊を派遣したいというふうに思っております。
○吉岡吉典君 そうしますと、憲法九条を持つ国で、軍隊が一度にゴラン高原、それから東チモール、それからテロとの戦争と、三つの分野で海外に出かけて働くと。それは、あなた方の説明では武力行使ではないとおっしゃいます。国際的には、兵たん活動は武力行使と一体のものだと見られているわけです。いずれにせよ、軍隊が世界各地に出かけて行動を展開すると、こういう日本に今なろうとしているわけですね。
 憲法九条はそういうことを予定していると言えるのかどうなのか。私は、憲法制定議会の論議を読んで、そういうことは全く予定していないということをこの前のこの委員会でも言いました。それから、自衛隊法をつくるときにもそういうことは想定されていない。参議院では、自衛隊を海外に派遣せざるという決議も採択された。そういう日本の現状のどこから、自衛隊を一度に東チモール、ゴラン高原、それからテロ対策というように派遣していく、しかもそれ短期に終わらないでしょう。そういうことが現行憲法下で行われていいものかどうなのか。
 長官、この前、私、この委員会で配りましたけれども、参議院の決議の提案理由説明、あるいは決議、そのどこかからそういう活動に自衛隊が踏み切れる根拠が見出せますか。ちょっと、私は率直に答えていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) まず、参議院の国会決議におきましては、有権的解釈は参議院において行われるべきだと思いますが、この決議をしたときは、国連のPKO活動などが行われていなくて、そこまで想定したものではなかったというふうに思いますが、この国連のPKO活動自体が、先ほども言いましたけれども、ノーベル平和賞まで授与されるように、紛争を抑止し、またその地域においての安定を図るために、非常に人類の英知をもって平和を維持するという点では非常に国際的にも高い評価を得ている活動でありまして、憲法で確かに武力行使は禁止をいたしております。
 しかし、憲法の前文には国際平和に進んで貢献するという趣旨もうたわれておりまして、こういった国連の平和維持活動ということ自体が私は国際平和に貢献している活動だというふうに思っておりまして、我が国としてもこういった分野には貢献をするということは好ましいことでありますと同時に、今回のテロ対策においても、やはり現在、飛行機に乗るのも不安だ、また手紙を受け取るのも不安だ、地下鉄に乗るのも気になるというように、安全保障というのはすべての生活、すべての経済活動、社会活動の基本になることでありまして、こういうことを人に任せて自分たちはただ単に経済活動に専念するということがこの時点で本当に許されるのか。やはり、こういった安全保障確保というのは一体だれがやるのかという点を考えますと、やはりつらいこと、嫌なこと、厳しいこと、こういう点においてはやはり国際社会とよく話し合いをして合意を得ながらやっていかなければなりませんが。
 特に、APECにおいてもASEANにおいても、今回のテロに対しては許さない、また北朝鮮の国もテロはだめだというふうに言っているように、世界一致した、共通した認識でございまして、我が国としても、憲法の許される範囲でこの安全保障を確保して市民生活を続けていくという見地においては、今回の法律に基づいてできる、憲法の許容される範囲で国としてのなすべきことをやっていく必要があるのではないかというふうに思っております。
○吉岡吉典君 憲法制定議会での論議からいっても、それからそこまでさかのぼらなくても自衛隊法制定時の論議からいっても、自衛隊が海外にこういう形で出かけることというのは考えられない。
 PKO法が提起されたときに、僕はなぜPKOを自衛隊法三条の本則に入れられないのか、雑則みたいなところで、雑役でもあるまいし、どういうわけかと言って聞きました。憲法九条との関係で本則には織り込めませんという説明でした、そのときに。自衛隊の本来の任務として憲法九条との関係でそこに織り込めない、だから雑則の中で設けてやるしかないという説明。したがって、これは十年前の説明を見てもそうなんです。
 そうだとすれば、そういう日本で最大限に役立つためにはどういうことをやるかということを我々は研究しながら、今のような問題、私は憲法をめぐるいろいろ意見の違いがあることは百も承知です。私の意見だけが国民全部の意見なら極めて簡単ですけれども、そうでないこともよく承知しています。しかし、そういう問題は、やっぱり今の憲法のもとでの原理を守る必要がある。これが憲法当時と、最初に言い出したことと現在とは余りにもかけ離れた状態になっている事態というのは、やっぱり国のあり方としては私は正しくないというように思わざるを得ません。
 いずれにせよ、私は、二十一世紀の冒頭が、日本の自衛隊が常時至るところで行動を展開するというふうな日本になるのではなく、もう一回ここで二十一世紀の日本はどうあった方が一番いいかということを、それこそ熟慮していただきたいなということを要望し、大臣のその所信を一言お伺いして終わりにします。
○委員長(武見敬三君) 大変申しわけございません。時間になってしまったので、次の質疑者に移らせていただきたいと思います。
○大田昌秀君 最初に外務大臣と防衛庁長官に沖縄についてのお考えを伺いたい。恐らく、こういう質問をしますと奇異にお感じになるかもしれませんが、実はこれは非常に基本的な問題だと私は考えます。
 それには背景がございまして、沖縄県民は、去る沖縄戦で、本土の四十六都道府県のすべての犠牲者を合わせたよりも、それの二倍以上の犠牲者を出しているわけなんですが、この沖縄の当時の総人口は約四十三万から四十五万ですけれども、沖縄を守っていた日本軍は、地元から動員した防衛隊も含めまして約十一万程度。ところが、その小さな島にどれだけの米軍が押し寄せてきたかといいますと、延べにしますと五十四万八千人という、総人口をはるかに上回る数の軍隊が押し寄せてきているわけです。ですから、だれが見ても軍事的に、正常な人が見れば到底勝ち目のない戦争だったわけですが、あえてその戦争をやった。
 その理由は、本土の防衛体制が当時六〇%しかできていなくて、できるだけ沖縄に米軍をくぎづけにして、その間に本土の防衛体制をきちっとしようということがあったというのが大本営の記録なんかに出ているわけなんです。ですから、そういった意味で沖縄の人々は今もって、沖縄県民は日本本土防衛のための防波堤にされてしまったという、そういうことを言うわけなんです。
 ところが、その太平洋戦争末期に、当時の元総理の近衛さんを仲介にして連合国に和平を交渉したわけなんですが、そのときに近衛さんは、今問題になっております北の方は北方領土を切り離し、南の方は琉球諸島を切り離して、日本の戦後の領土というものは四島だけ、固有の領土四島だけに限定していいということを条件に出しておられるわけです。
 それから、一九五一年に平和条約を結ぶ段階になりますと、当時の吉田総理は、西村条約局長に対して、沖縄の主権を日本にとどめるのは望ましいことだけれども、アメリカが基地として欲しているからバミューダ方式でアメリカに貸与するということを条件として書き入れるようにということを指示したという記録があるわけなんです。バミューダ方式といいますと九十九カ年になるわけです。そして、今問題になっております普天間飛行場のかわりになる基地を名護につくろうとしているわけですけれども、この基地についてアメリカの国防総省が書いたのを読みますと、すべての構造物は運用年数四十年、耐用年数二百年になるようにつくるということが明記されているわけなんです。
 こういったことを考えると、早稲田大学の総長、大浜先生は沖縄出身の方ですが、この方が、安全保障問題というのは国家にとって非常に大事なことは当然わかるけれども、少なくとも領土の一部を切り裂いて外国の軍隊にそのために提供するということは理解に苦しむ、恐らく沖縄以外のどの都道府県をも政府は切り離すことはしなかっただろう、また仮に切り離した場合に日本国民はそれを許さなかっただろうという趣旨のことを書いて批判しておられるわけなんです。
 ですから、今の沖縄が抱えている問題というのも実はそこにありまして、政府の沖縄に対する見方、つまり沖縄を不可分の領土と考えておられるかどうか、それとも異質の領域とお考えになって、いざという場合ならいつでも切り離していいところと思っておられるのか、その辺を伺いたい。
 その関連で質問しているわけですので、率直に外務大臣が沖縄をどうとらえておられるか、簡単で結構でございますから。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほどの吉岡先生といい、大田先生といい、私は中谷長官と、私の方が世代が上ですけれども、それでもお二方に比べて本当に若輩の私たちがこうして過去の経緯を教えていただけること、本当にありがたいことでありますし、光栄だと思っております。
 そして、お答えをさせていただきますが、私は切り離していいなんて全く思っておりません。ただ、本当に沖縄の自然、一般の観光客入れるだけではなくて自然、それからまことにユニークな文化があるということ、それから大変心が温かく、誇りを持っている方たちがいらしてくださるということ、同じ日本人としてうれしいことであると。文化の多様性というものは民族の誇りであると私は思っています。そして、議員になりましてからヌチドゥタカラという言葉を教えていただきました、赤嶺政賢先生がおっしゃいました。この心、沖縄の心をわかっているかとおっしゃいました。
 ところが、本当に私が何度も伺って沖縄がすばらしいと思っておりましても、やはり現実は今、大田委員がおっしゃったような実態、七五%以上の在日米軍の施設が日本の全面積の一%に満たないところに集中しているという現実、そして安全保障のことについて、私たちは本当にもうアメリカにすべて一辺倒ではなくて、私たちも自立して、私はいつも受益と負担と、ベネフィット・アンド・バードンということは外国でも言いますし、日本でも家庭でも申しております。
 そうしたところでもって、私たちが負担をするときは一極集中でいいとは断じて思っておりません。一人一人が自分のことは自分で守る、そしてどのような恩恵を自分が受けるかと、喜びを受けるためにはやはり負担が必要であるということを思っております。ただ、なかなかへなちょこのためにこれが、何といいますか、力不足でございまして、うまくは、急転直下解決もしませんし、議論をしながら、民主的な手続を経ながら合意を得ていくということがこの政治の困難さであるということを非常に強く感じております。
○大田昌秀君 防衛庁長官、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 沖縄は間違いなく日本だと思っておりますし、私、高知県ですけれども、沖縄は高知県と非常に風土が似て、南国で開放的なところもございますが、最近は沖縄県の方が発展をして、高知県の方が非常に過疎に悩んでおりますけれども、非常にそういう意味では愛着を感じております。
 一方、安全保障的には、私も自衛官のときに戦史を学ぶために四日ぐらい沖縄の戦闘を一カ所一カ所、ここでどういうことが起こったかということをその地点、地点で学ばせていただきまして、非常に悲惨な戦闘が行われて、住民の方々が命を落とされ、まさしくその平和のとうとさを教えていただいたというのは沖縄でございまして、また二度とこのような悲劇を繰り返してはいけないという強いものを沖縄から学ばせていただきまして、今後ともこの沖縄から学んだことは大切にしていきたいというふうに思っておりますし、非常に、その後二十七年にわたって米国の施政下の中で基地問題において県民の皆様方が非常に苦しんでおられるというお気持ちも理解をいたしております。
 今後につきましては、普天間の飛行場を初めとするSACO問題等も着実な実施によって沖縄の基地問題の解決に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○大田昌秀君 個人的な文化がいいとかあるいは自然がきれいとかという、そういうことを抜きにいたしまして、今問題になっているのは安全保障問題、基地の問題でございますけれども、みずからの平和と安全を守るというために安全保障条約が必要だとか地位協定が必要だとおっしゃりながら、みずからはその負担をしょおうとはせずに、弱い立場に置かれているところに一方的にその負担を押しつけるやり方というのはいかがなものかというふうに思うわけです。
 沖縄には、他人に痛みつけられても眠ることはできるけれども、他人を痛みつけては眠ることはできないという言い伝えがございますけれども、そういった沖縄の心からしますと、今の日本の本土の皆さんが、先ほど来お話しになっております、七五%の基地を沖縄に置いて平然としておられるということ、そしてこの五十六年間、ほとんど全く改善が見られないということに対して、放置しておられるということについては大変理解に苦しむ点だということを申し上げておきたいと思います。
 それじゃ、質問させていただきます。
 防衛庁長官、これは防衛施設庁長官でも結構ですけれども、駐留軍用地特別措置法というのはどういう法律ですか。この法律は日本本土で適用されていますか。
○国務大臣(中谷元君) この法律は、日米地位協定を実施するための駐留軍の用地に供する土地の使用、収用に関する手続を一般的に規定した法律でございまして、過去にも本土において適用された例もあるとおり、この適用対象は沖縄に限られるものではないというふうに認識をいたしております。
○大田昌秀君 私の理解するところでは、一九六一年以来本土では一度も適用されていないと思います。ところが、沖縄では既に何回か適用されておりまして、とりわけ非常に悪い方向に法律がかかわっております。
 私は、戦後沖縄の最大の問題は、土地の強制収用の問題、すなわち個人個人の私有地、とりわけ農民の土地を強制的に政府が取り上げてこれを外国の軍隊の基地に提供するとかあるいは自衛隊の基地に提供するとか、そういうことをやっていることが戦後沖縄最大の問題だと見ております。そういった意味から、この法律については日本弁護士連合会も憲法に違反する疑いがあるということをずっと前から指摘してございます。特に、沖縄だけに適用されているということにつきましては、憲法九十五条の問題にも違反するのではないかというような、これは日弁連もはっきりと指摘しておりますし、また多くの方々が指摘している点でございますので、そのあたりぜひ御理解いただいて今後の改善策を講じていただきたいと思います。
 さてそこで、いま一つ、テロ問題とも関連いたしますけれども、覚えていらっしゃるかもしれませんが、一九六九年の七月に、沖縄の本島にあります知花弾薬庫というところでガス漏れ事故が起こりましてサリンが漏れまして、そしてアメリカの兵隊が二十四名被害を受けて入院したというそういう事件がございました。現地米軍はこれを極秘にしたわけですが、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルがこれを暴露いたしまして、そして大騒ぎになって、結局、沖縄が復帰する直前の一九七一年の一月から九月十日までに約五十八日間かけてこの生物兵器、毒ガス兵器を太平洋上のジョンストン島に移したわけです。
 当初は、これはオレゴン州とワシントン州に移すことに決まっておったわけですが、両州の知事とかあるいは市民団体が猛烈に反対して裁判に提訴しまして引き受けないということになって、それでジョンストン島に移したわけでございますけれども、この沖縄から移した、ジョンストン島に移された化学兵器とか生物兵器というものが昨年の十一月にやっと処理を終えたという、そういう記録があるわけです。
 さてそこで、日本は非核三原則というものを守っているということをおっしゃっておりますが、事沖縄に関しましてはこの非核三原則も適用されていないということは、四、五年前に明らかにされたあの若泉敬さんの「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」という本、すなわち核密約について御本人が体験したことを書いている本ですが、それを見ても沖縄にいまだ核があるんじゃないかということが、世論調査するたびに六割から七割の人たちがそういうふうに見ているわけなんです。
 そこで、仮に、核は、あるないというのは先ほど来の午前中の防衛庁長官の答弁でもアメリカの政策として明確にしないという答弁がございましたけれども、午前中に劣化ウラン弾の問題がちょっと出ましたけれども、御承知と思いますが、沖縄の方では劣化ウラン弾で誤射したと、間違って射撃したということで、何千発かの劣化ウラン弾が鳥島という島で演習のときに誤射されたという経緯がありますが、これもまだ回収されていないと理解しております。
 こういう問題を含めて考えるときに、化学兵器とか生物兵器について、アメリカとの間に、例えば在日米軍基地の中にこういった種類の兵器というのは持ち込まないというような特別の取り決めがございますか。いかがですか、防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) これは運用の問題になりますので、外務省の担当局の方、おられたらお答えいただきたいんですが。
○大田昌秀君 時間がありませんので結構です。次の機会にぜひ教えていただきたいと思います。
 もう一つ伺います。
 沖縄は、面積からいいましても日本の国土面積の〇・六%、人口からいいましても一%足らずですね。そういうところに在日米軍専用施設の七五%を置いている理由は何ですか、防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) 地理的な関係でハワイとかグアムからよりも日本を含む東アジアの各地域に米本土から近いために、この地域において緊急な展開を必要とする場合に迅速な対応が可能であるということとともに、我が国の周辺諸国との間に一定の距離があるため縦深性を確保できるという地理上の利点を有しております。このことが即応性と機動力を持って緊急事態への第一次的な対処を担当する海兵隊を初めとする米軍が沖縄に駐留する主な理由というふうに考えております。
○大田昌秀君 この問題を持ち出すと、もう異口同音に今おっしゃるようなことを言われるわけです。すなわち、地政学的に非常に便利な場所に占めているからといいますが、これはアメリカの軍事専門家たちの論文を私は可能な限り集めて読みましたけれども、全く違うんですね。
 例えば、北朝鮮が脅威だというのであれば韓国にいる米軍をふやした方がずっといいとか、あるいは北九州の方がはるかに地政学的にはいいということを言われるわけなんですね。それから、マイク・モチヅキさんあたりの説を読んでも、今の緊急の問題についても、沖縄の海兵隊は千六百人でいいと、多くて五千人で十分に対応できると言っているし、そのほか、グアムやハワイの知事なんかは歓迎したいと言っているわけなんですね。ですから、そういう意味で、地政学的にこの問題を説明するのは到底納得できません。
 さてそこで、政府は普天間の問題につきまして、SACOの最終報告案、つまり最終案を着実に実行することが沖縄の基地の整理縮小に結びつくということを繰り返しおっしゃっております。しかし、SACOの最終案というのはどういう案ですか。例えば、飛行場の滑走路の長さはどうなっていますか。そして、今政府が考えている案はどうなっているんですか。その整合性はどのようになっているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 最終案で合意されたことは、約五千ヘクタールの返還が実施された場合に、その割合が現在の占有パーセントの七五%が七〇%になるということと、沖縄に所在する米軍の地域が、施設・区域が沖縄県の面積の約一〇%を占めておりますが、返還が実現された場合には八%になるというようなことでございます。
○大田昌秀君 今お聞きしましたとおり、仮にSACOの二十一の施設を返すというようなことが全部実現したとしても、依然として在日米軍の専用施設の七〇%が沖縄に残るということになるわけですよ。これはどこから見ても不当なやり方だと思いませんか、いかがですか。外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 過去のSACOの問題については私もレクチャーを受け聞いておりますけれども、数字の上からいくと当然納得がいかないというふうに思いますが、しかし、なかなか政権が安定しないものが次々に続いてきたということもあると思いますけれども、やはり正面からこの問題に集中的に顔を見て、目を見て討論するような状態が続いてきていないのではないかということを率直に私は認めざるを得ません。
○大田昌秀君 防衛庁長官は先ほど御返事いただけなかったんですが、今、普天間のかわりになる基地を沖縄本島の北部に建設しようとして計画されているようですけれども、知事選挙のときに、海上基地は沖縄県民が望んでおりませんという県民投票を踏まえて、私は反対いたしました。そうしますと、現在の知事も、選挙のこともあったんでしょうけれども、海上基地はつくらないということを公約にして、そして陸上の方に軍民共用の基地をつくるということを公約にしたわけですね。
 ところが、軍民共用の飛行場をつくるとなりますと、滑走路の長さがどうしても二千メートル以上にならぬといかぬわけですよ。そうすると、SACOの最終案は、滑走路の長さは千三百メートル、そして前後に百メートルずつの緩衝地帯を設けるということがSACOの案でございまして、しかも、SACOの案はシーベースドファシリティーということで海上基地となっているわけです、陸地とはなっていない。それから、埋め立ての問題なんかは全くないわけなんです。それを今、埋め立て案なんかが出ているわけなんですが。
 先ほど私が伺ったSACOの最終案と、今政府がなさろうとしている、計画されている案というものは、SACOの見直しをしないままにそれが実行可能ですか、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) SACOの実施につきましては、沖縄の知事さんや地元の自治体の首長さん、そして政府と話し合いをいたしながら実施しているわけでありますが、普天間の飛行場の代替施設については、平成十一年末の閣議決定において、地元の要請を踏まえて軍民共同飛行場を念頭に整備を図るということで、面積と滑走路の長さがふえた部分がございます。SACOの最終報告における普天間飛行場の移設に伴う機能及び民間飛行場としての機能の双方の確保を図る中で、安全性とか自然環境に配慮した最小限の規模とするとの方針が示されたところでございまして、SACOの最終報告の趣旨に反するものではないというふうに考えております。
○大田昌秀君 これはちょっと、防衛庁長官がそうおっしゃるのはちょっと理解に苦しみます。これは全く違うと思います。埋め立て案とかSACOにはないわけですから。ですから、そこはぜひ御検討いただきたい。
 時間がありませんので、最後に一言だけ申し上げますが、今、沖縄は雇用問題が大変深刻になっておりまして、日本全国の失業率の二倍以上の失業率を持っております。そういう意味で、抜本的に雇用問題を解決する上で、我々としてはどうしても基地を返してもらわないと雇用問題は解決しない。
 なぜかと申しますと、基地は実は雇用に向いていないわけなんですね。とりわけ、沖縄の場合は演習を中心とした基地になっているものですから、軍事基地は雇用に向いていない。我々が試算したところ、かつて基地であったところを民間が活用するようになると十倍の雇用が確保できるという計算、試算が成り立っているわけです。これ、具体的に例を申し上げたいわけですが、時間がないので省きますが、いずれにいたしましても、日本本土の米軍基地の場合、沖縄と一ヘクタール当たりの雇用を比較しますと、日本本土では五倍の雇用をしているわけですよ、米軍基地で、同じ面積で。
 そういったぐあいに、いろんな意味で沖縄側に不当な不利なやり方が出ておるものですから、この辺の問題も、雇用の抜本的な解決を図るためにはどうしても今の問題なんかについても御検討をいただいて……
○委員長(武見敬三君) 時間ですので、まとめていただきたいと思います。
○大田昌秀君 特に、きょうは厚生労働省の安定局長からその点についてもお伺いしたかったわけですが、ぜひとも真剣にこの種の問題を検討していただきたいと思います。
○田村秀昭君 自由党の田村でございます。
 外務大臣と防衛庁長官にちょっとお尋ねいたします。
 今回、このテロ事件で、無原則、なし崩し的に自衛隊を海外に派遣する。集団的自衛権はあってもその行使は憲法上許されないという立場を貫いておられる。どうして、これ、そういう今までの憲法解釈を変更しないで自衛隊を海外になし崩し的に出すのか。そして、NATOはテロ事件の二日後に集団的自衛権の行使を明言して既に軍事行動に参加している。なぜ日本はきちっとしないのか、正々堂々とやらないのか、それが一点。
 それから、総理は、テロを撲滅すると言っておられる、断じてテロは許されないと言っている。にもかかわらず、危ないところには行かない、後方支援で、戦闘区域じゃないところで後方支援をやる、武力行使はしない、そういうことでテロは撲滅できるのか。命がけで飛行機に乗ってビルに突っ込んできた人たちに、そういうようなことで撲滅できるのかどうか。もっと腹を据えてきちっとやらないとだめなんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) なぜ限定的かといいますと、憲法を改正しないからだというふうに思っております。現行憲法は、これまでの国会での議論の積み重ねがありまして、武力行使をしない、また、集団的自衛権は行使しないというように現行解釈をされておりまして、やはりこういったことを変更するなら、しかるべき手続をして国民の皆さんの合意のもとに憲法を改正をする必要があるというふうに思っております。
 また、この限定的な使用という面では、活動する地域は戦闘行為が行われていないという地域に限っておりますし、武器の使用におきましても、法律によって定めた制限のもとに、隊員の安全確保に関しては支障がないように武器の使用権限等をこの法律によって明記をしたつもりでございます。
○田村秀昭君 いや、それでテロは撲滅できるんですか。それを聞いているんですよ。外務大臣にもお尋ねします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今回のテロ特措法を成立せしめる前からのずっとの段階でそうした議論は繰り返しておりますので委員御存じだと思いますけれども、テロを撲滅しないで、では、こうしたことも一切何もしないで放置していれば、現在の段階でテロがこの地球上から根絶してなくなるという保証はどこにもありません。したがいまして、我が国は武力行使と一体化しないで、今の憲法の範囲内で何ができるかということを御議論いただいて成立したのがあの新しい新法でございまして、その中身には、あえて申し上げるまでもありませんが、協力支援活動であり、それから遭難者の捜索救助であり、被災民の救援であります。
 それと、先ほど委員はNATOのことをおっしゃいましたが、NATOの加盟国はそれぞれの独自の判断で行動しているということを申し上げます。
○田村秀昭君 私は、そのようなことではテロは撲滅できないと明言してもよろしいと思います。できることしかやらないと。もっと政治家が、法律家じゃないんですから、政府解釈を変更して、きちっと新しい戦争に、これは戦争ですから、戦争に対処できる体制を整備するべきなのが政治家に与えられた、政府に与えられた責務だと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) この点での憲法議論というのは今まで非常に自衛隊の発足以来続いてきておりますが、この解釈によって運用するというやり方ももう限界に来ているのかなという気がしているわけでありますが、ある程度憲法の文章を見ましても、私自身も本当に解釈をするのが難解な感想を持っております。
 したがいまして、国民の皆さんが合意をするためには、やはりこの憲法の問題に真剣に取り組んで、解釈の変更によってするのではなくて、やはり憲法を改正するという手続をとって、できることとできないことを明確にして、だれが読んでも明快に理解できるような憲法に基づいて国のこういった活動においてはその根拠を定めるべきだというふうに思っております。
○田村秀昭君 憲法解釈を変更するだけで済む話じゃないですか。憲法改正になるといろいろな手続等があるので時間がかかるけれども、政府が今までの解釈を変更するって言えばそれで、内閣総理大臣が決心すればそれで終わりの話じゃないですか。そうすれば、堂々と出ていけるじゃないですか。何で、今までと違った形の戦争が起きているのに、同じような形で対処しようとするんですか。
○国務大臣(中谷元君) 私もこの国会に学ぶ者として、憲法というのは国の法秩序の根幹でありまして、憲法学者また我々の先輩、また官僚の皆さんが、マスコミの方もそうですけれども、参画をして、その憲法九条については、過去五十年余りにわたる国会で議論をしてその積み重ねがありますので、その解釈があしたから違うということについては国民の合意が得られないのではないでしょうか。
 やはり、これまで議論してきたものを十分に尊重をして、その上で考えていかなければ、それこそ法律に対する信頼が低下するのではないかというふうに思っております。
○田村秀昭君 政治家が自分で責任をとるという決意がないからそのような答えしか出てこないと私は思っております。意見の相違というか、きちっと自衛隊を海外に出すときには正々堂々と出すべきだと。
 それで、まず出す出さないの議論ばっかりだったんですが、今自衛隊は任務を遂行するために海外に派遣されようとしているわけですね。そういう態勢とか環境とかというのは十分に整えられているんですか。名誉や誇りが与えられているんですか。
 安全なところというのは自衛隊が出ていくところじゃないですね。危険だから出ていくわけですね。そういう危険なところに出ていく、危険じゃないと内閣総理大臣は言っているけれども、危険じゃなかったら自衛隊じゃなくていいじゃないですか。自衛官は危険なところに立ち向かうために百年二百年温存する、訓練をする組織だと私は思うんですね。だから、平和なときに役立つ人は自衛隊には要らない。有事のときに役立つ人がいればいい。
 そういう隊員に名誉や誇りが与えられているんですか。今度出ていったら勲章をもらえるんですか。何か、自衛官は、息子は教育費はゼロだとか、そういう特典があるんですか。今までと同じじゃないですか。それで何の価値観もなく、自衛隊というのは、自衛官というのは犬や猫じゃないんだから、出ていくんですか。あなたも自衛官の出身だからわかると思うけれども、余りいいかげんなことをしてもらいたくないと。
○国務大臣(中谷元君) 自衛官出身の田村先生のおっしゃることはもっともでございますが、しかし、私も自衛官の名誉のために言っておきたいことは、自衛官というのはこれまで黙々と非常に忍耐心を持って勤務をしてまいりましたけれども、決して勲章が欲しいとかお金がいただけるとか、そういうふうなものだけで勤務していたのではなくて、やはり国民の皆さんから信頼をされて、そして国民の皆さんに喜んでいただくということを最大の誇りとしてやってまいった部分もございます。
 当然、田村先生のおっしゃるとおり、そういった名誉やまたお金の面の充実は図っていかなければならないと認識をいたしておりまして、その部分についての努力は全力でやってまいりたいと思いますので、今後とも御支援をよろしくお願いいたしたいと思います。
○田村秀昭君 ぜひ名誉と誇りを与えて崇高な任務につくという、そういう環境を政治がつくらない限り、自衛官は黙々として任務に励んでいるわけですから、そこのところをきちっとするのは政治だと私は思いますので、よろしく防衛庁長官としても頑張っていただきたいというふうに思います。
 ちょっと時間早いですけれども、私は、大分時間たっておりますので、これでやめさせていただきます。
○委員長(武見敬三君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十分散会