第153回国会 厚生労働委員会 第5号
平成十三年十月三十日(火曜日)
   午前十時三分開会
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   委員の異動
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     藤井 基之君     舛添 要一君
     吉岡 吉典君     小池  晃君
 十月二十九日
    辞任         補欠選任
     舛添 要一君     藤井 基之君
     大田 昌秀君     大脇 雅子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 正俊君
    理 事
                田浦  直君
                中島 眞人君
                朝日 俊弘君
                柳田  稔君
                松 あきら君
    委 員
                久野 恒一君
                佐藤 泰三君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                鶴保 庸介君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                今井  澄君
                今泉  昭君
                川橋 幸子君
                辻  泰弘君
                沢 たまき君
                井上 美代君
                大脇 雅子君
                森 ゆうこ君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       厚生労働副大臣  南野知惠子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       法務省矯正局長  鶴田 六郎君
       厚生労働省健康
       局長       下田 智久君
       厚生労働省医薬
       局長       宮島  彰君
       厚生労働省老健
       局長       堤  修三君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○予防接種法の一部を改正する法律案(第百五十
 一回国会内閣提出、第百五十三回国会衆議院送
 付)

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○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十六日、吉岡吉典君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
 また、昨二十九日、大田昌秀君が委員を辞任され、その補欠として大脇雅子君が選任されました。
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○委員長(阿部正俊君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予防接種法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に法務省矯正局長鶴田六郎君、厚生労働省健康局長下田智久君、厚生労働省医薬局長宮島彰君及び厚生労働省老健局長堤修三君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(阿部正俊君) 次に、予防接種法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○朝日俊弘君 おはようございます。民主党・新緑風会の朝日でございます。
 予防接種法の一部を改正する法律案の質疑に入ります前に、どうしても一つお尋ねをしておきたいことがございます。
 それは、もう既に皆さん方御承知のとおり、世界的に、とりわけアメリカにおいてバイオテロが現実の問題になってきておりまして、決してそんなことはあってはならないと思いつつ、それに対する備えはそれなりに準備をしておく必要があるという立場から、ぜひ確かめておきたいことがございます。
 それは、日本においては、感染症の予防と医療については感染症法に定められておりまして、その中で、例えば一類から四類までどのような分類になるのかということがそれぞれの感染症について明記されております。
 ところが、改めて見てみますと、天然痘については現行の感染症法の中には条文の中にも政令の中にも定められていないんですね。これはもっともなことでして、たしか一九八〇年ごろですか、WHOが根絶宣言をしましたから、現実にはあり得ない既に根絶された病気ということで、あえてこの法律の中には書いてないんだろうと思うんですが、しかし、もし仮にどこかでこのワクチンが手に入って、それをバイオテロの一つの武器として使われたとすれば、日本において感染症が、天然痘が発生をするということも全くあり得ないことではない。
 とすると、法律の中できちっと位置づけ直しをしておいた方がいいのではないか。そうしないと、この天然痘に対する予防や医療が日本の法律の枠内では十分に位置づけられないままそういう事態を迎えることもあり得ないことではない、こういうふうに思いますので、お尋ねしたい点は、改めて、現在の感染症予防・医療法の中で天然痘という病気がきちんと位置づけられているのかどうか、位置づけられていないとすれば今後きちんと位置づけていく必要があるのではないか、このように思うんですが、この点についての御説明とお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 あわせて、もし仮にこの天然痘を予防しようとすれば、これはもうウイルスですからワクチンでやるしかない。
 さて、その天然痘ワクチンについては、今審議されようとしている予防接種法の中ではどのように位置づけられているのか。これも見てみますと、明確には位置づけられていない。だから、感染症予防・医療法においても、それから予防接種法においても、既に天然痘という病気は過去のものとしてどこにも法的な位置づけがされていない、こういう事実に気がつきました。
 そこで、きょうはその議論をする場ではありませんけれども、御存じのとおり、もう非常に事態は厳しい方向に、特にアメリカにおいて動いてきておりまして、WHOも改めて天然痘のワクチンについて、各国から問い合わせが来るものですから、万一の事態に備えてワクチンの貯蔵量をふやしたり、あるいはワクチンの製造能力を高めるという方向をWHOとしても決めたようであります。
 本来あってはならないことと思いつつ、しかしもし万が一起こった場合のことを想定して、天然痘という病気について感染症予防・医療法の中でどのように位置づけられているのか、そして予防接種法の中ではどのように位置づけられているのか、位置づけられていないとすれば今後どうされるのか、ここはひとつ明快な御答弁をお願いしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) それでは、今、委員の方から天然痘のお話をいただきました。アメリカにおける炭疽菌のこのBCテロという事態を受けてのお尋ねでございます。
 最初に、委員の方から、天然痘について現行の感染症法あるいは予防接種法で位置づけがあるのかということでありまして、委員の方から御説明いただいたとおりでございまして、既にWHOで根絶宣言をされているわけでありまして、そうしたことを受けまして、五十一年から予防接種の中止、あるいは前回の法改正のときに天然痘については外してあるわけでありますが、じゃ、こうしたテロ対策、こうした状況の中で十分な対応ができるのかどうかという、そういう御懸念のお尋ねをいただきました。
 おっしゃるとおり、BCテロ対策については私どもも対策本部を設けて今対応を考えているわけでありますが、まずはお尋ねがありました感染症法とそれから予防接種法、この法の中でどういう扱いになるのかということでありますが、法の中には天然痘は今ないわけでありまして、ただ、委員おっしゃるように、BCテロが起きた場合、起きる予測をされるような状況ということがあるわけでありまして、こうした予期せぬ感染症が起きる、蔓延をした場合、そうした想定をして法の中には臨時的、緊急的措置が定められているわけであります。
 恐らく委員も御案内のとおりだろうと思いますが、具体的には、まず感染症法においては必要時には政令によって天然痘を指定感染症として位置づけるということになっているわけであります。そして、都道府県が感染者の医療あるいは情報収集などの必要な対策を実施するということになるわけであります。
 また、予防接種法におきましては、緊急時には政令によって天然痘を予防接種を行う疾病と規定をした上で、厚生労働大臣が蔓延予防上緊急の必要がある疾病と定めることによりまして、都道府県または市町村が臨時に予防接種を行うということができるわけであります。
 一応このように法の中では二つの法律の中で臨時あるいは緊急的な措置、対応ということが定められているわけでありまして、委員の御指摘は臨機応変にそういう対応ができるのかという、こういうお尋ねであろうかと思いますが、緊急時の対応につきまして、規定に基づきまして機動的な運用ということに努めてまいりたいと。
 今、委員からお話のありましたワクチンの問題についても対策本部で必要であれば即座に対応できることについては協議を進めているところでございまして、御理解いただきたいと思います。
○朝日俊弘君 念のため確認をしておきますが、確かに法律において指定感染症、随時指定ができる規定がございます。しかし、もう御案内のとおり、天然痘という病気はその重さというか感染力の強さというか、非常に第一級の感染症であります。とすれば、この指定感染症でどのように位置づけるかということも大変重要なわけですが、その点についてはどのようにお考えか、今お考えをお持ちでしたらお聞かせください。
○政府参考人(下田智久君) ただいま副大臣からお答えを申し上げましたように、もし天然痘が発生をした場合には直ちに厚生科学審議会を開きまして、そこの意見を聞きまして指定感染症としての指定を行いたいというふうに考えております。
 天然痘は、先生御指摘のように、大変重篤な感染力を持ち、重篤な症状を起こすわけでございますので一類に準ずるものとして取り扱いたいということでございます。一類として取り扱います場合には、入院勧告あるいは入院措置を行うといったこと、あるいは汚染した建物への立入禁止、場合によっては交通の制限、こういった措置がとれることになるわけでございまして、発生しましたらば直ちにこのような措置をとってまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○朝日俊弘君 ありがとうございました。
 ぜひWHOとも密接に連携をとりながら、本来そんなことがあってほしくはありませんが、万が一のときには迅速な対応をぜひお願いしておきたいと思います。
 それでは本題に入って、予防接種法の一部を改正する法律案について、これまでにも衆議院においてもいろいろ議論をされてきたようですが、改めて私なりに幾つかの点に絞って、現状なり経過なり、そしてそれを踏まえてこれからどうされようとしているのか、こういう問題についてお尋ねをしていきたいと思います。
 まず、最初にお尋ねしたいことは、インフルエンザのワクチンをとりわけ高齢者を中心に使っていくことはいろいろ研究データからも有効であると、こういうふうに御説明がありました。数年前から、例えばインフルエンザが流行をしたときに幾つかの県で、幾つかの施設で集団的な流行があって、多くの高齢者の方が亡くなられた、こういう経過も幾つかあったというふうに御説明をされております。
 しかし、私はちょっとその説明を丁寧に読んでみると、例えば一九九九年に岐阜県のある特別養護老人ホームで一カ月間に十人死亡したということで、いろいろ調べたらこう書いてあります。入所者七十七人中十人が死亡。すごく高い率ですね。肺炎や気管支炎が原因だった、インフルエンザなどによる集団風邪の可能性や施設内の衛生管理に問題がなかったか調べている、県が実際にそういう施設に入って調査をしていると、こういう新聞記事がございました。
 また、宮城県のある施設では、これは老人保健施設で、そういう意味では医療的な配慮は十分されているのではないかと思うような施設で、ここも定員五十四名で入所者二十一名がインフルエンザと見られる風邪に集団感染し、七人が肺炎で死亡したと。これまた随分と高い率で、インフルエンザあるいは呼吸器感染症を発症し、死亡をされている。
 こういうのを見ますと、だからこそ高齢者にインフルエンザのワクチンが必要なんだと、こうおっしゃりたいんだろうと思いますが、確かにその弁で救われる部分もあるかと思いますけれども、しかしそれ以前に、果たしてなぜこのような施設で集団的にこれだけたくさんの人が呼吸器感染症を起こし、これだけ多くの人がお亡くなりになっているのか。すべて、あちこちの施設でこんなことがどんどん起こっているならいざ知らず、幾つかの比較的限定された施設でこのような集団発生をして、このような結果が出てきている。これは、ワクチンを打てば何とかクリアできるという問題ではなくて、それ以前に例えばそこの施設の常からの健康管理がきちっと行われていたのかとか、あるいは個室の問題も含めて療養環境がきちんと保たれていたのかとか、あるいは入所者の処遇は適切にされていたのかと、そういういわばワクチン以前の問題が幾つかのところで横たわっているのではないか。そこのところが非常に気になってなりません。
 ですから、もちろん私は、必要な人に必要なだけワクチンを投与するということは否定するものではありませんが、高齢者の皆さんにインフルエンザが流行をしている、多くの方がお亡くなりになっている、だからワクチンを打ちましょうという短絡的な発想と対応ではまずいんではないか。予防というのは、もう改めて申し上げるまでもなく、さまざまな生活あるいは健康状態の改善によって、感染があってもそれに打ちかてるような体力をつくっておくことが一番いいわけでありまして、そういう中で十分対抗できない人についてワクチンの力をかりるというのがその次の方法でありまして、そこのところはやっぱり順番を間違えちゃいけない、そこのところをきちっとまず押さえておきたいと思います。
 この点について、今までそういう観点から集団発生をした施設やあるいは高齢者の入所施設についてきちっとそういう点調査をされ、あるいはその後きちっと指導をされ、今後もされていくのかどうか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(堤修三君) 特養ホームあるいは老人保健施設といった高齢者の施設におきますインフルエンザの予防対策でございます。この日常的な健康管理や予防というのが大変重要だということはおっしゃるとおりでございますので、施設の運営に関する基準の中でも、入所者の健康管理や感染症の発生予防に努めるべきという、ある意味じゃ当然のことでございますが、これを定めております。
 そして、各都道府県に対しても、インフルエンザ施設内感染予防の手引きといったものを示して予防対策の周知徹底を図っております。例えば、十二年度でございますけれども、インフルエンザ施設内感染予防の手引き、それからインフルエンザQアンドA、あるいは今冬のインフルエンザ総合対策ということで、それぞれ十二年度版の新しい内容を周知徹底しております。
 この予防の手引きなどでは、例えば発生の予防ということで、インフルエンザの地域での流行状況の収集とか、あるいは感染を疑われる方の面会についての一定の制限とか、仮に発生した場合には個室に収容してそこで医療を提供しなさいとか、これは私どもの結核感染症課と日本医師会と共同でつくった手引きでございますけれども、そういうものを提示して予防対策を行うようにということを言っております。
 実際に特養あるいは老健施設でインフルエンザが発生をしたという場合には、まず施設を管理しております都道府県で現地調査を行って、入所者の健康管理とかあるいは感染症予防の観点から必要な体制が確保されるように指導が行われるということになりますけれども、国としても、当然通常は都道府県から報告が入ってまいりますし、入ってこない場合には県を通じて情報の把握に努めております。
 また、直近では平成十一年の初頭に相当大きな流行がございましたので、その際には、既に一回周知を徹底しておりますけれども、再度都道府県に注意を喚起する指導通知を出すといったような格好で対応をしております。
○朝日俊弘君 いろいろ通知等々で指導を徹底しておりますというお話なんですが、私は、それ以前の問題として、率直に言って、特別養護老人ホームや老人保健施設、あるいはそのほか高齢者を中心に入院をさせている病院の実態というか療養環境というか、あるいは患者さん、入所者の処遇というか、というところについて非常に劣悪だなと思うところが多々あるものですから、だからそういうところのいわば基礎的条件というか、そのものを非常に劣悪なまま置いておいていろいろ今おっしゃるような指導通知をしても、これは順番が違うんではないのと。やはり、もっともっとそういう意味では高齢者のためのさまざまな施設について常からの健康管理あるいは療養環境の改善や、さらには処遇の改善についてもっと平素からきちんとやっておかないといけないんじゃないかと思います。
 ですから、インフルエンザの流行に当たっていろいろこういう通知をして注意を徹底しているということもそれはそれで必要性を認めますが、それ以前の問題が大きいですよということをあえて指摘しておかざるを得ません。
 その意味で、今後、これはぜひ大臣にお伺いしたいんですが、今実務的に通知でこうこうしているというお話はそれはそれとして、今も私が申し上げたような、もっと全体的な基礎的条件の改善に向けて御努力をしていただきたいと思うんですが、この点についてお考えをお聞かせください。
○国務大臣(坂口力君) 今、朝日先生から御指摘をいただいたことはまことに正論でございまして、そこは御指摘のとおりというふうに私も思っております。
 特にその中で、やはりふだんからの施設内における食生活と申しますか栄養状況、それからその中に入っている人たちの運動量、これも大いに影響するのではないかというふうに思っています。したがって、ふだんからどれだけ、カロリーが非常に少ないところもあるわけでございますので、やはりそうした一定のカロリーを確保しているかどうか、それから車いすの人であったとしてもそれなりに十分な運動をふだんからさせているかどうかといったようなことが非常にそういう病気が蔓延をいたしますときには大きな要因になるだろうというふうに思っておりますから、御指摘のように、各施設の中におきますふだんからのそうしたいわゆる施設としての基礎的な手当ての仕方というものを明確にしていかないといけない、それが一つ。
 それから、そのほかは個室をどう進めていくかとかいったようなことも多分あるだろうと思います。四人部屋とか、多いところには六人部屋というのがまだあるようなところもなきにしもあらずでございまして、そうしたところは非常に感染が起こりやすいということもございますから、もう少し個室化を進めていくといったことも大事だというふうに思っておりますし、そういうインフルエンザ等がはやりましたときにお見舞い等にお見えになるときにもやはりある程度皆さん方のことに気をつけて、風邪に罹患しておるような人が自由に出入りするようなこともそれは多少考えなきゃならないのでしょうし、そうしたこともふだんからもう少し考えておかないといけないというふうに思います。
 私も経験したことでございますけれども、やはりふだんからの基礎体力をどうつけておくかということがそういうときに非常に大きな要素になるという気がいたしておりまして、このワクチン接種以前の問題としてそうしたことをひとつ各施設に十分徹底していかないといけないというふうに思っている次第でございます。
○朝日俊弘君 今、大臣からお答えいただきました。これからのさまざまな対応に当たって、少なくともワクチン打てば事足れりという対応であってはならないと思いますので、できる限りきめ細かな対応をお願いしたいと思います。
 それでは次の質問に移ります。
 今回の改正を受けて、これから高齢者の皆さんを対象にこのインフルエンザのワクチンの接種、実施段階に当たって幾つか特に留意をしていただきたい点がございます。
 それは、もう私から申し上げるまでもなく、今回の改正はいわゆる集団接種、義務接種ではありませんから、必要と思われる対象者の皆さんにきちんと説明をして御理解をいただいて、しかも実施するに当たってはその方の健康状態を十分留意して、特に高齢者の方で自分自身の健康状態を必ずしも十分に表現できない方もありますから、そういう意味では一層の健康状態の把握と、それからそれを受けて十分に御本人に説明をし理解をいただくと、こういう手続というか手順をきちんと踏んでいただきたいと思うんですね。
 そういう意味で、それぞれの施設が中心になるんでしょうか、あるいは入所されていない方でもそれぞれの医療機関で受けていただくことになるんでしょうか、あるいは場合によってはそれ以外の場所でも接種をしていただくことが可能になるんでしょうか、いずれにしてもそのような十分なる健康状態の把握と十分なる説明と御理解を得るということについて特段の留意をしていただきたいわけですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) これも御指摘のようにしたいというふうに思っておりますが、一つはやはりよく御説明を申し上げて、そして御理解をいただいた上で人を決定する、そしてもう一つは、御本人は受けたいというふうにおっしゃる方の中にも適切でない方があるわけでございますから、その適切でない人を除外するといったことを的確にやらないといけないというふうに思います。
 したがいまして、中に常時医師が駐在をし、そして平素からその状況をよく診ているところはいいわけでございますが、特別養護老人ホーム等の場合にはそういう状況にないところもあるわけでございますので、その辺のところはそこに所属をしておみえになります看護婦さんでありますとか保健婦さんでありますとかというような方も中心になりながら、よく御説明を申し上げて、そしてふだんからの状況も勘案をして、受けていただく方、受けていただかない方というのを明確にしていく必要があるというふうに思っている次第でございます。
○朝日俊弘君 ぜひ、少なくとも結果として施設長の一存で一律に強制実施するような、そういうことが実態として起こらないように、ここはひとつ十分留意をしてください。
 大変苦労されると思うんですね。きちんと説明をし御理解をいただく、そういう意味では結構時間も人手もかかるでしょうし、そういうことをついついはしょってしまってというところがいささか危惧されるものですから、ここはくどいようですが、ぜひ一律の一斉の実施という形にならないように御配慮をいただきたいと思います。
 それでは次に、ワクチンの問題についてまず二点ほどお伺いをし、まとめて後で大臣のお答えをいただきたいと思うんですが、インフルエンザワクチンの問題については以前からその有効性について、あるいはその安全性についてさまざまな議論、問題点の指摘があったところであります。
 そこでまず、これは恐らく衆議院の方でもいろいろ議論があったと思うんですが、インフルエンザワクチンについて本当にその有効性が確保されているんだろうか。以前よく言われましたのは、随分流行の型とワクチンの型が違うことがあって、全然合致しなくて効かない場合もあり得るということをいろいろ指摘されていましたし、最近ではさらに同じ株の中でも変異株というのができて、そうなるとまた有効に作用しない、こういうことが言われています。
 私の知っている知識はちょっと古いのかもしれませんけれども、少なくとも以前そういう議論が相当あって、ここはインフルエンザワクチンのある意味では決定的な弱点だったわけですね。その問題がその後今日に至ってどの程度、どのように改善をされ、その有効性が担保されているのかについて、改めて御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) インフルエンザの流行につきましては、感染症研究所、厚生労働省、有識者から成りますインフルエンザワクチン株選定会議というものがございまして、そこで次のシーズンの予測をいたしているわけでございます。
 その際、材料として使いますのは、毎年二月に開催をされておりますWHOのワクチン株選定会議というのがございまして、そこで世界的な流行の予測あるいは推奨株の性状、こういったものがコメントされますし、また国内外のインフルエンザの流行状況、こういったものを総合的に検討した上で決定をいたしてございます。
 現在のワクチンは、インフルエンザの主な亜型でございますAソ連型あるいはA香港型、B型の三種のワクチンを含んでいるということは御承知のとおりだと思いますけれども、このインフルエンザワクチン株選定会議の流行予測に基づきましてそれぞれの型のさらに詳細な分類まで推測をし、ワクチンが製造されているものでございます。
 過去十年にわたりまして流行の主流であるA型に関しまして申し上げますと、予測はほぼ的中をしているというふうに考えておりまして、その結果につきましては国立感染症研究所の感染症情報センターのホームページに掲載をいたしておりまして、周知に努めているところでございます。
○朝日俊弘君 じゃ次に、ワクチンの安全性について改めて御説明をいただきます。二点あります。
 一つは、もう従来から、このインフルエンザワクチンについては、とりわけ子供に集団接種をしていたころにさまざまな副反応、健康被害がございました。もちろん、それから一定の年限がたっているわけですからそれなりに改善をされてきているということを期待したいと思うんですが、従来から指摘されていた副反応に対して、これらについてどのように改善されてきているのかということと、それから、衆議院の厚生労働委員会で同僚議員の我が党の家西議員が質問をされておりましたが、最近、このインフルエンザワクチンに添加されている防腐剤、チメロサールという有機水銀製剤が使われている、これは一体何だと。
 私は、アメリカで指摘されたこのチメロサールという防腐剤が直接的に自閉症という障害と一対一で結びつくとは必ずしも思いませんが、しかしインフルエンザのワクチンの中にこのようなチメロサールという有機水銀製剤がたとえ微量であっても入っているということについてはいささか驚きました。
 これについて、現状がどうなって今後どんなふうにされようとしているのか、ワクチンの安全性にかかわる問題として二点お尋ねいたします。
○政府参考人(宮島彰君) ワクチンにつきましては、その製品の特性上不安定であることなどから、品質を確保するため安定剤、保存剤等が添加されております。
 まず一つ御指摘のものですが、安定剤といたしましてはゼラチンが添加されておりまして、これにつきましてはいわゆるじんま疹とか呼吸困難等の急性のアレルギー反応を起こしますアナフィラキシー反応の原因だということが指摘されておりました。これにつきましては、平成九年四月にワクチン類に安定剤として添加しているゼラチンの除去をワクチン製造業者等に対して指導してまいりまして、現在では供給されているすべてのインフルエンザワクチンからゼラチンは除去されたものというふうになっております。
 それからもう一点、御指摘の防腐剤として使用されておりますチメロサールでございますが、これはワクチンの製造過程におきまして加熱滅菌が困難である等の事情から、殺菌効果を有する有効な添加物としてチメロサールが世界的にこれは使用されているものでございます。
 しかし、御指摘のように、チメロサールにつきましても、いわゆる予防原則に従いましてできるだけ必要最低限の量に抑えるか、できれば使用しないということが望ましいということでございますので、平成十一年九月にワクチン製造業者に対しましてワクチン類中のチメロサールの除去または減量を指導してきたところであります。さらに、本年七月にも再度このチメロサールの除去または減量を指導しているところでございまして、メーカーから今後の予定等を聞いておりますけれども、本年後半から来年度にかけましてそういった除去なり減量のための一部変更承認申請を出す予定というふうに聞いております。
○朝日俊弘君 以上、今ワクチンの有効性と安全性について御説明をいただいたわけですが、ぜひ大臣にお答えいただきたいんですけれども、今お答えがあったように、それなりに改善の努力はされてきているようにも思いますが、しかし、例えばチメロサールについても今全世界で使っているから大丈夫というわけにはいかない。できればこういうものは防腐剤として使わない形での製品の開発が求められてくると思うわけで、そういう意味ではインフルエンザワクチンの有効性について、あるいはその確率をできるだけ高めていくような開発の努力、さらには安全性をより高めていくような開発の努力がぜひとも必要だ、こう思うわけですが、その辺の問題について厚生労働大臣としてのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど局長の方から答弁をしたとおりではございますが、ここは、安全性とそれから有効性につきましては念には念を入れてということだろうというふうに思います。我々の方といたしましても、いわゆる厚生科学研究によります研究費助成でありますとか、あるいは医薬品機構の基礎研究推進事業、この中で研究費助成を行って、いろいろ有効性、安全性についてやっているところでございますが、ここは念には念を入れてひとつしっかりとやっていきたい。そして、皆さん方に御心配をかけないような形にひとつワクチンをしていかなければならない決意を新たにしているところでございます。
 現在まで行ってまいりました研究によりますと、このいわゆる経鼻ワクチンというんですかね、鼻を通じてのワクチンについてヒトの鼻粘膜に良好な免疫を付与することができますとか、あるいはまたDNAのワクチンにつきましてマウスに接種をしまして、その感染防御効果が十分確認をされたといったようなこと、そうしたことも出てきてはまいっておりますが、それらの効果もさることながら、その安全性ということが大事でございますから特に注意をしながらやりたいというふうに思っております。
○朝日俊弘君 それでは最後に、この予防接種法改正が具体的に実施される段階で費用の問題がどうなるのかという点について、これはちょっとまとめて御質問をさせていただきます。
 恐らく、対象となった皆さん御自身がお払いになる場合もあるんでしょうが、今回、法律に定めたということで当然のことながら接種についてその費用を負担する、あるいは補助するということが前提になっていると思います。
 さて、その実施にかかわる費用についてどの程度、どこがどう負担しようという予定をされているのか、あるいは予想をされているのかということが一つ。
 それから二つ目に、万が一このワクチンで健康被害が生じた場合の対応について、その費用はどこがどの程度負担をするというお考えでいるのか。
 そして三つ目に、どうやら実施にかかわる部分については自治体の方で負担をするという部分が相当あるように聞きましたが、ただ、きょうはこの問題はこの場では余り深く議論しませんが、自治体の財政状況も極めて厳しい状況でありますし、しかも来年度から地方交付税制度の見直しなども具体的に検討俎上に上がってきているようでありますから、自治体とすればインフルエンザワクチンの実施について、その必要性を認めながらもなかなか苦しい点があるんではないかと思います。
 この辺は十分に、今は総務省ですか、の方とも協議をし、自治体に対して過大な負担にならないように御配慮をいただきたいと思っているわけですが、以上三点についてお考えをお聞かせください。
○副大臣(桝屋敬悟君) 三点のお尋ね、費用負担の問題でお尋ねをいただきました。
 まず、インフルエンザ、今回の定期の予防接種でございますが、接種費用はこれは市町村が支弁をするということになっているわけであります。一方、これは衆議院でも議論になりましたけれども、接種を受ける方は個人の健康を守るという、まさに受益、個人としての受益の要素もあるわけでありますから、したがって実費相当については本人から、被接種者から徴収できるというふうにされているわけであります。その具体的な数字については市町村が市町村ごとに定められるというふうに考えております。
 それからもう一点、健康被害の方のお話もございましたが、健康被害の救済に係る費用につきましては国が二分の一、そして都道府県が四分の一、市町村が四分の一負担をするというふうにされているわけであります。
 さてそこで、三点目のお話でありますが、今回、朝日先生も御指摘されたとおり、地方交付税制度全体が議論されている中で、本当に地方交付税できちっと対応されるのか、措置をされるのかという、こういうお尋ねでありますが、地方交付税については一応、先ほど御説明をしましたように、実費徴収をするわけでありますが、経済的に負担ができないという方については、これは徴収できないわけでありますから、その部分についてはまさに交付税で措置をしましょうということになっているわけであります。一応、今総務省と協議をいたしておりますが、今回の高齢者のインフルエンザという部分については約七十億円程度の措置をお願いしているところでございます。
 委員の方から、市町村において財政的に困らないようにという、こういう御指摘もいただきました。今、総務省と協議もいたしておりますが、実費徴収の実態とかということもあるわけでありまして、今回、実際に高齢者のインフルエンザ、市町村にお願いしたときに、どういう実態になるのかということも十分踏まえて、委員の御指摘もいただきましたので、今後とも十分現場において困らないように総務省と協議を続けていきたいと思っております。
○朝日俊弘君 それでは最後に、私の方から要望を申し上げて質問を終わります。
 衆議院の方でも一部修正をされまして、五年程度実施状況を見て、改めて必要があるときには見直しをしようと、こういうことになっていると思います。私は、今の時点でインフルエンザワクチンを当面高齢者に限定をして実施をするということについて、一定の必要性を認めながらも、しかしどこかしらまだすとんと腑に落ちないところがあります。それはやっぱりインフルエンザワクチンの有効性が、あるいは確実性がそのほかのワクチンなどと比べるとどこかしら不確定なところがあって、いろいろレポートは出されているんですが、逆にそれに対する反論も結構ありまして、そういう点では十分今後もまだフォローアップしなければいけない、そういう趣旨で五年後の見直し規定がされたんだと思います。
 そこで、きょうも私の方からも幾つか質問しましたが、例えばどこかで小集団的に発生をしたような場合には、一体なぜそうなったのかというような点検も含めて、もう少し実証的な情報の蓄積とそれに基づいての検証をぜひしていく必要がある、これで決まりということではなくて、一定の必要性を認めながらもまだ十分に注意が必要である、留意が必要であるというふうに思います。ぜひ今後のフォローアップをできるだけ丁寧にやっていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○松あきら君 予防接種法の一部改正案について質問をさせていただきます。
 インフルエンザは冬季に特に特別養護老人ホームなどの高齢者施設で集団感染が起こって、特に平成九年から十年にかけて高齢者を中心としたインフルエンザに起因した死亡が多数発生をしたということで、予防対策としてこのたび二類疾病ということで予防接種をするという改正でございます。
 まず、かつてのインフルエンザによる死亡につきましてどのような状況であったのか。また、平成九年から十年に大流行があって、ことしは平成十三年度ということで、この法律の改正はいわば発生の周期がそろそろかなということで準備をしようかということなんでしょうか。この三年間のインフルエンザ対策についての検討はどのようになされてきたのでしょうか。御説明をお願いいたします。
○政府参考人(下田智久君) インフルエンザの流行につきましては、先生御指摘のように、一定の波がございまして、大流行するとき、あるいはそれほどでもないときといろいろございます。ただいま御指摘の平成十年の十二月から平成十一年の四月、直近では一番流行がございまして、千三百三十名の方が全国でお亡くなりになり、そのうち六十五歳以上の方が千百三十七名であったということでございます。
 それから、その後の、次のシーズンでございますが、そのときには五百五十九名の死亡者、平成十二年から平成十三年の四月にかけましての死亡者数は全国で百八十名であったと、こういう状況になっておるところでございます。
○松あきら君 インフルエンザの予防のワクチンは、結局、薬ということではなくて、体に菌を投入することによって抗体をつくって、後で侵入するインフルエンザ菌を退治するということだろうというふうに思います。朝日先生、お医者様なので詳しくいろいろ御存じだと思うんですけれども、私もそのように認識しているところでございます。
 先ほどインフルエンザの型という話が出ましたけれども、一体どれぐらいの種類があって、ワクチンはどのような基準でどれぐらい準備をするのでしょうか。例えば、幸せなことに流行がなかった場合、予測をしていても流行が、絶対にこれだけあるということは確実なわけはないわけで、ワクチンがたくさん余ってしまったという場合はこの負担はメーカー側がするのでしょうか。その辺もお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) ワクチンがシーズンの流行する型と合うか合わないかということにつきましては、先ほどちょっと申し上げましたけれども、過去十年さかのぼって調べてみましたところ、A型に関しましてはほぼ的中をしておると、ただ局所的な流行を来しておりますB型につきましては必ずしもその的中は高いものではなかったというふうに考えております。
 ただ、この型の合致というのはインフルエンザの予防効果といった面では大変重要でございますので、その精度を高めるために情報の収集が非常に重要だと考えております。WHOで行っております情報、これも特にそのかぎを握っておりますのは東南アジア、特に中国地域であるというふうに言われておりまして、その辺の状況は直近ではかなり正確に伝えられるようになっておりますので、そういった意味ではかなり精度の高い流行予測ができるようになった。また、遺伝子解析が可能になったといったことも寄与しておるというふうに聞いておるところでございます。
○松あきら君 メーカーの負担ですか。
○政府参考人(宮島彰君) なかなか需要と供給を合わせるというのは非常に難しいわけでありますけれども、現実には各メーカーあるいは卸を通じまして医療機関に納入していく場合につきましては、前年の需要量等をよく吟味いたしまして、できるだけ過剰な受注にならないようにチェックするよう指導しております。
 また、従来からとかく返品を安易に行う商慣習等があるようでございますので、そういったものをできるだけ是正するように指導を続けていきたいというふうに思っております。
○松あきら君 ちょっとお答えなかったみたいですけれども、それはメーカーが負担するということですよね。
 平成六年の改正では予防接種の対象病名からインフルエンザは外れまして、予防接種を受けるように努めなければならないと、こういうふうにしたわけですけれども、その結果、ただいまお話しいただきましたような大流行が、高齢者の死亡が多数出ることになったということで、このたびインフルエンザを二類疾病として位置づけたわけでございます。
 しかし、これは先ほども朝日先生からも御質問の中でありましたけれども、個人が自発的に予防接種を申し込まなければならないわけでございます。そして、その接種に当たっては問診票の作成というのは大変重要だと思います。特に高齢者からの問診に当たってのガイドラインみたいなものを整備すべきではないかと思うんですね。つまり、十分に自分の状況が話せない方、伝えられない方もいらっしゃるわけですから、わかりやすいそういった問診票みたいなのもつくる、ガイドラインみたいなものを整備すべきと思います。
 また、痴呆性老人などの場合の対策、これも必要だと思いますけれども、どのようにお考えなのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) 今回の改正により規定されます予防接種の被接種者、これは高齢者ということになっておりますので、その被接種者の意思確認あるいは禁忌者を的確に除外するといったことは従来以上に重要になってくるというふうに考えておるところでございます。
 したがいまして、そのための予診の工夫につきましては十分配慮してまいりたいと考えておりまして、今回の国会の御審議あるいは厚生科学審議会の御意見等を踏まえまして実施要領をつくってまいります。また、医家向けにガイドラインをつくってまいりますが、そういった中で具体的には示してまいりたいと考えております。
 現場で実際に接種をなさる接種医の方々に対しましてはこのガイドラインを通じ、また自治体には実施要領を通じ、それぞれ的確に指導してまいりたいと考えておるところでございます。
○松あきら君 その予防接種に当たりましては健康被害という文字が出てくるわけでございます。やはり、極めてまれだが副作用があるというお話も先ほどから出ているところでございます。
 例えば、一類疾病と二類疾病の健康被害の公費負担の対応に差がありますでしょうか。あるとすればどのようなものでございましょうか。
○政府参考人(下田智久君) 現行の予防接種法に基づく健康被害救済制度といったものが設けられておりますけれども、この趣旨といたしましては、予防接種の目的が集団予防に比重を置いておる、あるいは予防接種には、今、先生御指摘のように、極めてまれではあるけれども健康被害が発生する危険性はゼロではないといったことがございますが、それにもかかわらず被接種者に対して努力義務を課しておる、こういったことがございまして、非常に公的関与が強いといったことから、予防接種制度に対する信頼を確保する、あるいは予防接種の制度の安定的運用を図る、こういった観点からこの救済制度は設けられたと承知をいたしております。
 これに対しまして、今回お願いをしておりますインフルエンザにつきましては、その目的が集団予防ではなく個人予防に比重があるといったこと、努力義務が課されていないといったこと、こういった点が違っておるわけでありまして、そういった意味で救済の制度の中身を違ったものにいたしてございます。
 具体的には、インフルエンザの予防接種を原因とする健康被害の救済につきましては、現行の医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構、ここで行っております救済の内容に合致するものとしたいと考えておるところでございます。
○松あきら君 きちんとしたやはり健康被害に対する、そうです、重大なことですので、しっかりとした対策をとっていただきたい。多分、その医薬品被害救済・調査機構ですか、簡単に省略して言えば、ここがするんだと思います。どちらにしても公費負担で一類、二類にしてもなさると思うんですけれども、ぜひしっかりとした対策をとっていただきたいというふうに思います。
 それから、やはりこれは先ほども出ましたけれども、予防注射をすることも大事ですけれども、まずそういった病気にならないような健康な体をつくる、これも大事でございます。そして、こういうパンフレットなどにも、外出にはマスクをする、帰宅をしたら手洗いとうがいを心がけるなんということも書かれておりますけれども、アメリカの実は大きな病院では家庭医療医という、こういうお医者さんがいらして、あなたはこういう病気を持っているけれどもこの薬じゃなくて、例えば食べ物だったらこういうような食べ物を食べるといいですよ、こういう食べ物を食べない方がいいですよ、運動だったらこの程度までこういうことをしたらいいですよと、そういういろいろな健康のアドバイスをするお医者様がいるそうでございます。
 私は、それこそ医療費というものも膨大になるわけでございますので、こういう健康維持の政策というものに非常に力を入れていただきたい。これは大事だと思いますけれども、その辺、大臣、お考えいかがでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどもお話が出ましたが、インフルエンザ以前の問題としてのやはり健康管理というものが十分に施設などで行われているかどうかということは大変大事なことでございますし、そうした基礎的なことのふだんの積み重ねがちゃんとできているかどうかということが、いわゆるかかりましたときの予後と申しますか、そうしたものに非常に大きな影響を与えることは言うまでもありません。したがって、あらゆる分野から健康管理というものに十分配慮されているかどうかということの指導がやっぱり大事だというふうに思います。
 それで、家庭医のお話が出ましたけれども、日本の場合にもかかりつけのお医者さんというのがあるわけでございますし、そして例えば特別養護老人ホーム等におきましてもそうした指定医というものが決められているわけでございます。これが老健施設になりますとそこに専門の人がおりましてよく診ておりますけれども、特別養護老人ホームの場合にはそこまで人の配置がなされておりません。しかし、どこどこの開業医の先生に週に一遍来てもらって全体を診てもらおうとか、そうしたことはなされているというふうに思いますので、そうしたふだんからよく診てもらっているかかりつけの方によく相談をするといったようなことが大事になってくるのではないかというふうに思っています。
 市町村におきましては、地域のそうしたかかりつけの医師やあるいはまた地域の大きい病院等との連携を密にしてもらいたいというふうに思っているところでございまして、そのようにこれからしていきたいというふうに思います。
 それから、先ほどお話がございました中でなかなか難しいのは、痴呆性老人の場合等にそれをどう確かめるのかということでございましたが、これはなかなか確かめようにも確かめられないというのが現実ではないかというふうに思います。確かめられないときにはその方は御遠慮をいただくというのが筋だろうというふうに思っておりますので、確かめることのできない人は、もうその方は受けていただかないということに一応せざるを得ないと。これはどこかで割り切りをしないとできない話でございますので、本当はそういう人こそしておいた方がいいんじゃないかと言う人もあるわけでございますけれども、しかし、そこは確認をするということがやっぱり前提になっておりますから、そこは割り切る以外にないというふうに我々の方も思っている次第でございます。
○松あきら君 終わります。
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 私は、最初に個別接種とそして本人の同意の問題でお尋ねをしたいと思います。
 まず、一つ目ですけれども、これは平成六年に義務接種が廃止されて、そして個別接種が推進されるようになるわけなんですけれども、そういう中で、ワクチンは集団接種の時代から個別接種の時代になっているというふうに言われているんですけれども、個別接種とそして集団接種はどのような状況になっているかということを御答弁願います。
○政府参考人(下田智久君) 平成六年以降、予診を十分に尽くして予防接種を行う、そういった必要性から、原則といたしまして接種を受ける人一人一人が医師の十分な診察と説明を受けて実施するいわゆる個別接種、こういったもので行うように推奨しておりまして、おおむねその方針が受け入れられてきているというふうに理解しておりますが、さらにこういったやり方を進めていくように市町村を指導してまいりたいと考えております。
○井上美代君 今御答弁がありましたけれども、学校内の施設において学童を対象としてインフルエンザの集団接種を行っている県がまだあるんですね。長崎県で二町あります。また、熊本県でも五町ありますし、また沖縄でも一村残っているということなんですけれども、これについて厚生労働省としてどのように対応をしてこられたのか、また今後学童のこうした集団接種についてどうしようと考えておられるのか、そこをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) インフルエンザは平成六年の法改正におきまして対象疾病から削除いたしたわけでございます。このため、今、先生御指摘の市町村が幾つかやっておる、学童を対象として集団接種をやっておるということでございますが、これは恐らく、地域の実情に応じて住民サービスの一環として、法に基づかない任意の予防接種の形で行われているものというふうに承知をいたしております。
 厚生労働省として、市町村が独自の判断で行う任意の予防接種につきまして、その是非について判断すべき立場ではございませんけれども、少なくとも公的に予防接種を推奨して実施をなさるということでございますので、予防接種法に基づく接種に準じまして、十分健康状態や本人の同意を確認することが必要であるというふうに考えております。
 なお、今回は重症化、死亡の危険性の高い高齢者を対象としてお願いをいたしておるところでございますが、学童に対する接種を予防接種法の中に位置づけるということについては現時点では考えていないところでございます。
○井上美代君 やはり、子供の一人一人の意思というのが尊重されるということが非常に重要だというふうに思いますので、こうした残っているところについてはきちんとした指導をやっていかなければいけないというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
 私は、接種を希望する人に個別に問診をして、そして接種をするというのが原則であるということを承知しておりますけれども、本人の意思をやはり尊重するのは重要だと思いながら、先ほど大臣も御答弁になられましたけれども、痴呆だとか自分の意思がはっきりしない、だから接種希望の意思表示が困難な人たちというのはどうしてもおいでになるんですね。そうした場合にどうするのかということで、厚生労働省としては指示を出すべきではないかなと思っておりますが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) 少なくとも、意思が明確に言えない方々、こういった高齢者の方々が集団で生活しておられる施設、こういった中で施設長の判断などによって一律に、一斉に集団的に予防接種が行われることはないように十分指導していきたいというふうに考えております。
 具体的なやり方につきましては、一人一人の接種を接種医が行います場合に問診とあわせまして被接種者の意思確認を行うということを考えておりまして、必要な場合は家族あるいはかかりつけ医の協力を得ながら慎重に行っていただきたいと考えております。
 こういった趣旨につきましては、大臣告示として定める指針、こういった中で、あるいは市町村に示します実施要領、医療関係者に向けますガイドライン、こういった中に具体的な意思確認の方法、接種方法等々につきまして記載をしてまいりたいと考えております。
○井上美代君 やはり、痴呆老人も大変ふえてきていることですし、ぜひそこのところはきちんとお願いをしたいというふうに思います。
 私は、利用者の負担の問題でお聞きしたいというふうに思います。
 予防接種法では、定期の接種については市町村等が実費を徴収することができるというようになっております。インフルエンザワクチンの接種は、接種を希望する者がやはり経済的な負担が重いということで接種ができないというようなことがないようにしていかなければいけないというふうに思っているんですけれども、厚生労働省としてどのように市町村に対して指示をすることになっているのか、そこをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) 定期予防接種に要します費用負担のあり方につきましては、予防接種法第二十三条で実費徴収することができるという規定が実はございます。また、経済的理由によってその負担ができない人からは実費徴収をすることができないということもあわせて記載されているわけでございます。
 今後、市町村に対しましてこの規定を適切に運用するように指導してまいりたいと考えておりますし、近々開きます全国の担当課長会議等でも十分に指導していきたいと思っております。
○井上美代君 市町村によって負担が異なることになるのですが、インフルエンザのワクチンの法定実施のための実施要綱だとか、そしてまた概要だとか、そういうのが既につくられつつあるわけなんですけれども、厚生労働省としてはその実態をどのように把握しておられるのか、お聞きいたします。
○政府参考人(下田智久君) 現実的にはまだ法案として今御審議をいただいている段階でありますので、実際に市町村がどのような準備をしておるのか正確に私どもとしては把握をいたしておりませんが、今後、施行になりました暁には十分調査をしてまいりたいと考えております。
○井上美代君 既に自治体ではかなりいろいろやっておりますので、やはり結果としてこれからやるというのはいいと思いますが、やはり事前にもつかみながら考えていくということが大事ではないでしょうか。
 東京の場合ですけれども、特別区は接種単価で四千五百円ですね、そして自己負担が二千二百円ということを検討しております。低所得者及び高齢者の施設の入所者の対応は各区で決めるというふうになっておりまして、そのほか全国的には札幌市だとか横浜市が自己負担千円で、低所得者、そしてまた高齢者の施設に入っている、そういう人からは徴収しないという、このようなことを決めております。
 高齢者がほかの市町村の施設に入っている場合、そういうときにはどうなるのかだとか、子供が他県へ出ておりますので娘や息子たちの家に行っているというようなこともあると思うんですね。そういう場合に一体どうなるのかということをお聞きいたします。
○政府参考人(下田智久君) 予防接種の実施主体は市町村でございまして、原則として市町村はその区域内に居住する住民に対して予防接種を行うということでございます。
 したがいまして、住所地以外に長期間生活の根拠を置いている場合には住所変更をしていただき、その上で予防接種を受けていただくということになるというふうに思います。仮に住所変更せずに住所地以外で接種を行う場合には、予防接種法によらない任意の予防接種となるというふうに考えております。
○井上美代君 私は、高齢者社会に非常に急速に進行しつつあるということがはっきりしているわけですから、やはりそうした区内だけで決めていくというのではなくて、お年寄りが全国どこへ移動していっても現住所にいるときと同じ条件で接種ができるというふうにしなければいけないと思うんですね。
 例えば、冬場になりますとインフルエンザがはやりますのでお年寄りが心配して接種をするんですけれども、そういうときにたまたま別の、自分の地域、現住所と違ったところに行っていたというふうになると思うんですね。そういうときに、今のような話では大変困るというふうに思うんです。だから、そこはぜひ今後の課題として検討をしてほしいというふうに思いますが、御答弁願います。
○政府参考人(下田智久君) 原則的には、先ほども申し上げましたように、住所変更していただくということだと考えております。
 ただ、市町村間でお互いに連携を図りながら、その部分について連携を図っているケースがあるというふうなことも承知をいたしておりますので、そういった事例等につきましては予防接種担当者会議等で紹介をしてまいりたいと考えております。
○井上美代君 私は、やはりこれは今後の課題として重要な課題だというふうに思っております。今言われましたように、既に連携をしているところがあるんですね。だから、やはり連携を市町村が相互にやり合いながらやっていく、そのためにはやはり厚生労働省の援助が必要だと思うんですね。そういう点で何か考えておられるか、ぜひ私は今後やってほしいと思っておりますので、その点について、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) 先ほどから何遍もお答えして大変恐縮ですが、その部分につきましては、そういった市町村間で連携を自主的にやっておるというケース、こういったものについての事例紹介はやらさせていただきたいと思っておりますが、あくまでもこの予防接種、市町村の自治事務ということになっておりますので、こういった部分については厚生労働省としてはいろんな各種の情報提供、こういったことに努めていくということとさせていただきたいと思っております。
○井上美代君 やはり、予防接種というのがありますが、インフルエンザに限りませんので、そういう点で全国的にやれるのもあるわけで、ぜひ今後の検討課題としてやっていただきたいというふうに思います。
 横浜市では特別養護老人ホームの高齢者の入所施設では全額の公費負担をして接種を行っているんですね。私はこれは本当に助かっているというふうに聞いているんですけれども、やはり国としてこの手当てを何らかの形でこのように積極的にやっているところにするべきではないかというふうに思いますが、その点はどうでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) ただいま御指摘の横浜の事例でございますけれども、この部分につきましては、今後、接種費用等につきましては地方交付税によります公費の負担、こういったものの算定の事業になるということだと考えております。
 ただ、実費徴収等につきましては、これはあくまでも定期の予防接種の実施者である市町村長の判断により行っているわけでありまして、その実費徴収につきましても市町村の判断にお任せをいたしているということでございまして、国としてその部分についての、つまり地方交付税等以外の部分についての特別の支援を行うことは考えていないということでございます。
○井上美代君 費用の問題で先ほど御答弁がありましたけれども、今年度の分について地方交付税交付金は七十億円という御答弁がありました。
 これはインフルエンザがこの法律が成立いたしますれば五百億のお金がかかるということでございますが、今年度については半分ということになりますので、そういう点で二百五十億ということになるのだと思うのですけれども、やはりこの二百五十億、そしてそのうち七十億というふうに地方交付税からは出るということなんですけれども、実際にはインフルエンザに充てられるものは五十億というふうに聞いておりますが、そこのところをもう少し説明してほしいんですけれども。
○政府参考人(下田智久君) これはあくまでも仮定の上での計算をさせていただいてございます。
 対象者を六十五歳以上の高齢者というふうに考えておりますと、約二千百万人おられるわけでございます。アメリカがおよそ六十五歳以上の方々の接種率が六割程度だと聞いておりますが、初年度といったことも勘案いたしますと、恐らく接種率は初年度は三〇%程度ではないかというふうに考えているわけでございます。
 そして、インフルエンザの予防接種の費用を私ども全国あるいは関係者等からお聞きをしますと、およそ四千三百円程度ではないかというふうに見込みまして、それで計算をいたしますと約二百七十億初年度かかるということでございます。そして、二百七十億かかるといたしまして、経済的理由により負担のできない方々に関する割合、これがおよそ二割だというふうに言われておりますので、この部分にかかる経費が五十億、これが地方交付税交付金の算定となるというふうに承知をいたしております。
 ただ、このほかに事務経費がかかるわけでございまして、その部分が二十億算定されるということでございますので、合わせまして約七十億が地方交付税として措置されるものと、こういうふうに承知をしているところでございます。
○井上美代君 事務費が二十億で、そしてかかる費用が五十億で合わせて七十億というふうに出ているわけなんですけれども、接種費用の八割というのは市町村が負担をすることになっております。
 私は、大臣にお聞きしたいんですけれども、法定接種とする以上、やはり交付金をもう少し上げなければいけないというふうに思うんですけれども、そして、地方自治体も相当にやはり財政がないわけですから、そういう点でも法定接種という点でそれを上げていかなければいけないというふうに思いますが、どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 法定接種ではございますが、しかしそれぞれ個人の意思によって受ける方、受けない方ができてくるわけでございます。したがいまして、ある程度自己負担をしていただくのはやむを得ないことではないかというふうに私は思っております。
 ただ、国が交付税として出します割合がどこが妥当なのか、あるいはまたそれぞれの市町村にお世話いただくのがどの辺ぐらいが妥当なのかということにつきましては、今後の様子等を見まして少し検討したいというふうに思っております。
 御負担も、全部個人に御負担をというのもこれも大変なことでございますし、それによって本当は受けたいんだけれども受けられないというような方が出てくるということになればこれも問題でございます。この辺のところは今後少し経過を観察しながら、しかし国としても妥当なところをどうするかということをひとつ明確にしていきたいというふうに思っている次第でございます。
○井上美代君 やはり、東京は交付金もないということですけれども、二千二百円というのは余りにも高いと思うんですね。これで注射をしに行きましょうなどというお年寄りというのはなかなか大変なことだと思いますから、そういう点でもぜひ御検討を願いたいというふうに思います。
 あと、インフルエンザワクチンの二〇〇〇年の製造量とそして残量、そして二〇〇一年の製造量の見込みがどうなっているのか、また需要見込み量として九百八十九万本の見込みがあるというふうに聞いているんですけれども、その点どのようになっているでしょうか。時間が迫っておりますので、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(宮島彰君) 昨シーズンのインフルエンザワクチンの製造量は約七百五十九万本でございまして、そのうち約百二十六万本が使用されず返品となっております。それから、今シーズンのインフルエンザワクチンの製造量の見込みは約一千百万本というふうになっております。
 ワクチンの需要予測につきましては、ワクチンを接種する側の医療機関等に対する調査とワクチンの接種を受ける側の住民調査を実施しております。医療機関等調査の結果では、今シーズンは七百二十万から八百五十三万本のインフルエンザワクチンの需要が見込まれております。一方、世帯別住民調査では九百八十九万本の需要が見込まれたところでございます。
 これらの調査結果を踏まえまして、本年七月にインフルエンザワクチン需要検討会で検討していただきまして、今シーズンのインフルエンザワクチンの需要予測は七百二十万から九百八十九万本という結果になっております。
○井上美代君 接種者の意向調査なんですけれども、それを見ますと減っているということが今の答弁でもわかると思いますが、接種者がやはり減っているわけですね。その金額によって減っているわけです。無料の場合には四百四十六万本ですけれども、千円になれば二百七十万本となりますし、減っているわけなんですけれども、特に私は、東京が二千二百円、それから札幌や横浜も千円、こういうふうになりましたら大幅に減るのではないかというふうに思っているわけなんですけれども、この調査結果を生かして厚生労働省は接種料金を考えるべきではないかというふうに思っておりますので、その点、よろしく検討を願いたいというふうに思います。
 私は、大分の市議会議員からメールをもらいました。そこに書いてあったのは、平成七年に予防接種法が変わり、予防接種が集団接種から個別接種になりました、その結果大分市の接種率は六年生が受けているDTの接種率が八〇%台から三五%になった、中学二年生で受けている風疹は接種率が八六%から一四%になったというふうに言っているんですね。
 厚生省の資料によりますと、予防接種問題検討小委員会の報告書を読みましたけれども、風疹の経過措置分の接種率は全国平均でも五〇%と言われておりますし、女性の場合には、やはり受けていない成人女性がふえていくということは、先天性の風疹症候群の増加にもなっていくということで大変危惧をしております。
 そういう点について、この小委員会の報告にもありますように、「強力に指導していくことが重要である。」と指摘されておりますので、そこのところをどのように強力に指導していくのか、ぜひ御答弁を大臣にお願いしたいと思います。
○委員長(阿部正俊君) 簡潔にお願いします、時間もありませんので。
○政府参考人(下田智久君) 風疹の問題でございますけれども、対象者の年齢変更に伴う経過措置につきましては、接種率が低調であるということは御指摘のとおり事実でございます。
 そこで、昨年も日本医師会あるいは関係団体と協力いたしましていろんな形でのPRに努めております。例えば、人気のある女優のポスターをつくって若い人たちにその普及啓発に努める、こういったことまでやっているわけでございまして、引き続き接種率の向上に努めて努力をしてまいりたいと考えております。
○井上美代君 大臣、いかがでしょうか、今の問題。女性の問題にかかわっているものですから、お願いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘の趣旨はよくわかっておりますので、善処したいと思っております。
○井上美代君 終わります。
○大脇雅子君 インフルエンザ予防接種は、日本が世界に先駆けて義務接種を小児に実施し、学校での集団接種が始まったのが一九六二年、予防接種法に組み入れられたのが一九七六年、予防接種法のまま実質的に任意接種になったのが一九八七年、予防接種制度の見直しによって予防接種の対象から外されたのが一九九四年ということであります。
 対象から外された理由についてお尋ねをいたします。
○政府参考人(下田智久君) 平成六年の法律改正前に行っておりましたインフルエンザの予防接種は、学童の集団におきますインフルエンザの流行を阻止するといったことが目的でございました。
 しかしながら、これにつきましてはいろんな調査研究が出されておりますけれども、流行の阻止といった点では明確な効果が証明をされないといったようなことがございまして予防接種法の対象から外されたということでございます。
 その後、高齢者等につきまして、予防接種そのものが個人の発症防止あるいは重症化防止に役立つということが我が国でも証明されましたし、海外での治験等もあると。
 こういったことから今回お願いをしているところでございます。
○大脇雅子君 一九八七年の公衆衛生審議会の「インフルエンザ予防接種の当面のあり方について」によりますと、現行の不活性化ワクチンを用いた予防接種では社会全体の流行を抑止することができるほどの研究データは十分に存在しないとしているわけであります。なお、今言われたように、個人の発病防止効果や重症化防止効果は認められるとなっているわけであります。
 今度、高齢者を対象に予防接種が個別予防として行われるわけですけれども、このワクチンというものは一九九四年、児童における集団接種を打ち切った後、どのような改良が加えられ、その当時問題となっておりましたワクチンの副作用、安全性の問題の討議はどのように深まってきているのでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) インフルエンザワクチンにつきましては、その製品の特性上不安定でありますので、品質を確保するため安定剤としてゼラチンが添加されておりました。しかし、ゼラチンにつきましては、いわゆるじんま疹、呼吸困難等の急性アレルギー反応でありますアナフィラキシー反応の原因になるという指摘もございましたので、平成九年の四月にインフルエンザワクチンに安定剤として添加されるゼラチンの除去を行うよう指導いたしました。その結果、現在供給されているすべてのインフルエンザワクチンにつきましてはゼラチンを除去されたものというふうになっております。
 また、防腐目的でチメロサールというものが添加されておりますが、これにつきましても、いわゆる予防原則に従いまして、できるだけ必要最低限の量に抑えるか、できれば使用しないということが望ましいわけでございますので、平成十一年九月にワクチン製造業者に対しましてチメロサールの除去または減量を指導いたしましたが、本年七月にも再度その除去または減量を指導しているところでございます。今、業者側からヒアリングして今後の予定を聞いておりますけれども、本年後半から来年度にかけましてそういったチメロサールの除去または減量のための一部変更承認申請を出すという予定等も聞いているところでございます。
 いずれにしましても、今後とも引き続き製品の安全性確保のために取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○大脇雅子君 そうしますと、防腐剤としてのチメロサールの除去並びに減量が平成十一年と十三年に指導されているわけですが、この結果、ワクチン製造業者の対応としては除去まで可能だと言っているんでしょうか、あるいは一定程度の減量というふうに対応しているんでしょうか、どの程度の対応を今製造メーカーとしては行おうとしているのでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) いわゆる除去といいますか、使わないものとしては既に平成十二年の六月に、これは北里研究所の日本脳炎ワクチンではそれを行ったものがありますので、いわゆるインフルエンザワクチンにつきましてもそういう除去なり減量化というのは私どもとしては可能だと思っております。
 したがいまして、ことしの七月にチメロサールの除去または減量を指導した際に各業者の今後の計画予定を聞きましたが、多くのメーカーの製品につきましては今年度末から来年度にかけまして除去または一層の減量というものについて取り組み、それに伴う一部変更承認申請を出す予定だというふうに聞いておるところでございます。
○大脇雅子君 チメロサールの除去ないしは減量ができない場合の副作用というものはどんなものがあるのでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 最近、チメロサールといわゆる自閉症との関係が問題になっておりまして、これにつきまして本年七月にアメリカの科学アカデミーの医学研究所がその学問的検討に着手しましていろいろ検討を行いました。その結果が去る十月一日に出まして、現在のところではチメロサールといわゆる自閉症等の神経障害との関係を立証する根拠は存在しないという報告結果を得ておりますので、現時点では直ちにそういった自閉症等の障害と結びつくということは立証されておりませんけれども、しかし、先ほど言いましたように、予防原則に従いましてチメロサールについては必要な限りできるだけ最低限にするということと、できればこれを除去するという方向でさらに今後とも指導を強化していきたいというふうに思っております。
○大脇雅子君 ワクチンの有効性を否定する理論というのは、インフルエンザウイルスはのどや気道の表面粘膜の細胞に感染して増殖し、細胞伝いに広がり、大量にふえたところで血液中に入っていくので細胞に免疫性がないと感染する、あるいはワクチンの種類が流行株に合致することが必要で、またインフルエンザウイルスは絶えず細かい部分的変異を繰り返しているので当たることはまれで、効果が少ないと。副作用も、卵アレルギーとか神経系合併症が指摘されているほか、過去に脳炎・脳症、神経・視神経炎、神経麻痺、脳神経麻痺等の可能性が指摘されていると言われておりますが、この理論は、理論というか、この考え方は現在完全に否定されているのでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) インフルエンザワクチンが有効であるかどうかということにつきましてはさまざまな論文があるところでございまして、いろんな見方あるいはいろんな考え方から出されております。
 厚生労働省といたしましても、種々の観点から内外の文献等を集め検討した結果、高齢者の重症化防止に非常に効果があるということ、例えば死亡の割合を八割減らすことができるといったこと、これはアメリカでも同じような結果が出ているということでございます。
 それから、科学的知見の部分でございますが、非常にやり方としてはいろんなやり方があるわけでありますが、無作為二重盲検プラセボ比較対照試験、RCTと言っておりますけれども、これが一番正確なデータが出るというふうに言われておりますが、このデータで出されたものを眺めてまいりますと、結論からだけ申し上げますと、インフルエンザワクチン等の接種は高齢者において血清学的及び臨床的にインフルエンザの罹患を半減させるといったことがこのRCTの研究で明らかになっておるということを一例だけ御紹介申し上げたいというふうに思っております。
○大脇雅子君 これまでインフルエンザワクチンの接種の結果重篤になった事例としてはどんな事例があるのでしょうか。
 高齢者にインフルエンザのワクチンを接種するということになりますと、高齢者は既往症等を持っておりますし、免疫力が落ちているという状況があって、幼児にまさるとも劣らない対象ではないかと思われますが、その点について、危険性の予測というものはどの程度あるのでしょうか、あるいはないのでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) 高齢者へインフルエンザワクチンを接種した場合どんな副反応ができるかといったことにつきまして、平成九年に厚生科学研究で行ってございます。約二千名の方々を対象といたしまして副反応を見ておりますが、最も多かったのが注射部、注射を行った部位の発赤ということで一〇・六%、その次に多かったのが局所の腫脹で三・二%、その次にあったのが局所の部分の痛み一・九%といったようなことが主なものでございまして、重篤な副反応はなかったという報告を受けているところでございます。
○大脇雅子君 最後に大臣にお尋ねをしたいのですが、インフォームド・コンセントが必要だということが言われておりまして、痴呆等を含めた場合の本人の同意のとり方というのは非常に難しいと思います。先ほどはガイドラインなどをつくって現場で徹底すると言われましたが、特別養護老人ホームなど集団で接種が行われる場合の対応についてお尋ねをいたします。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘いただきましたように、インフォームド・コンセントが非常に大事でございまして、ここが一つの命になっているというふうに思っています。
 大臣告示というものを出すそうでございまして、そしてその中で指針をまとめるということになっておりますから、私もここは十分チェックをしたいというふうに思っておりますが、実施要領につきましても少し具体的に、現場で混乱のないように実施されるようにより具体的に示しながら皆さん方に対応をしていただくようにしたいというふうに思っております。
 したがいまして、このガイドラインをただ出したというだけではなくて、少しここは具体的なことも書いて、そしてわかりやすいものにしなければならないと思っている次第でございます。
○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこでございます。
 医療費削減のための費用対効果という観点から質問させていただきます。
 まず、確認しておきたいんですけれども、先ほど二割を地方交付税として地方自治体に配分するというその算出根拠となっております四千三百円という実費でございますが、この中には技術料、お医者さんの技術料というのが含まれて、もう実質この四千三百円あればすべて接種ができるということなんでしょうか、その点について確認させていただきます。
○政府参考人(下田智久君) その中にワクチンの代価あるいは接種に対する技術料、そういったものをすべて含んでおるということでございます。
○森ゆうこ君 じゃ、それを踏まえてお聞きしますけれども、先ほど地方交付税の配分の試算はお聞きしましたけれども、医療費削減という観点から、今回、接種を行ってどの程度医療費が削減できるのかということで、その試算はございますでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) インフルエンザの流行状況、これは大流行、小流行いろいろ幅があるわけでございますが、その流行の状況によりまして老人医療費に差が生じるという指摘があることは言われております。承知もいたしておりますが、今回の改正による高齢者へのインフルエンザの予防接種の追加といったものは、あくまで個人の発病、重症化防止を目的としているということでございまして、老人医療費を抑制する効果といったものはその結果として生じるものだと思っております。
 日本にはなかなかそういうきちんとした経済効果の研究が少のうございますが、海外ではかなり積極的にやられておりまして、例えば、これはアメリカのデータでございますけれども、高齢者に対してインフルエンザ予防接種を行いますと、接種者当たり一人年間約一万四千円の入院医療費が減少したといったものとか、そのほかいろいろ出されておるところでございます。また、我が国でも幾つかの論文をちょっと見てみますと、インフルエンザによる直接的な医療費削減効果、こういったもののほかに、成人がインフルエンザにかかった場合には休業するといったことが考えられますので生産力が落ちる、これに伴います経済損失も膨大なものであるといった論文等が示されております。
 いずれにしましても、経済的な部分についての面から見ましても、インフルエンザ対策を推進するといったことは効果があるといった論文は多数あるといったところでございます。
○森ゆうこ君 ということは、試算はされていないということなんでしょうけれども、実際に予防注射の費用の負担というところは各地方自治体に任されているということで、それであれば、このような試算で、老人医療特別会計等のそういう医療費の削減にもつながるというような根拠があれば地方自治体も積極的に費用を負担して実施できるのではないかと思いますので、そういう観点からの御検討も今後お願いしたいと思います。
 そして、先ほど来質問のありましたチメロサールに関する質問なんですけれども、日本脳炎では来春から実際に供給される、そしてインフルエンザについても今申請中であるということなんですが、これもコスト面についてだけお聞きしたいと思うんですけれども、チメロサールを除去するために設備投資をしなければいけない、滅菌状態をつくるということで設備投資をしなければいけないということでコストがかかるのではないかという懸念があるわけですけれども、今春から供給される日本脳炎、そして今申請中のインフルエンザのワクチンについて、今までよりもそれを理由に急に高くなるというのは困ると思うんですけれども、その今の価格、新しいチメロサールを除去されたワクチンについての価格については把握されていますでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 今、チメロサールを除去したものについては、日本脳炎のワクチンで、先ほど申し上げましたが、北里研究所が十二年の六月に承認を受けまして来年の春から一応販売予定になっておりますが、ちょっと今、価格面でどうなるかは現在のところはまだ未定でございます。
 ただ、いずれにしましてもチメロサールを除去いたしますためには基本的には三つの方法がありまして、一つは製造工程を全く完全無菌化の施設にしてしまうということであります。これは高度の無菌化の施設にするということで、ある程度の設備投資がどうしてもかかるということであります。
 それから、現在はワクチンの容器は大体二人分ぐらいの容器を一つのアンプルに入れておりますけれども、これをシングルドーズと言いまして一人分にするということであれば、一回使ってそれで終わりますので一応保存剤をそんなに入れる必要がなくなるわけでありますが、ただ二人分を一人分にしますのでこの分でもコストがやはりちょっと高くなるというふうなこと。
 それから三つ目が、チメロサールにかわるような有効な代替保存剤ができればいいわけでありますが、これは新しいものが今できつつあるようでありまして、このやり方も今追求されております。
 ただ、いずれにしましてもある程度のコストがかかるということは避けられないかと思いますけれども、どの程度になるかというのは現在のところちょっとまだ未定でありますが、ただいずれにしましてもこの安全性を確保するというためにいろいろ予防原則に基づきまして対策をやっておりますので、ある程度のコスト高はやはり考慮していかなきゃいけないかなというふうには思っております。
○森ゆうこ君 わかりました。
 ただ、例えば今回四千三百円というインフルエンザのワクチンの実費ですね、これが適正な値段なのかどうか。今さまざまなところで本当にデフレということが進行しておりますし、いろんな部分で製造コストなりそういう部分の検証も一度必要なのではないかという考え方をひとつ御参考にしていただければと思います。
 次に、今ほどチメロサールということで水銀の人体への影響ということが懸念されているわけですけれども、我が国は水俣病という水銀被害を経験している国として世界で最も進んだ水銀対策がなされているべきだと考えますが、どうもそうではないようでございます。
 先日、熊本の水俣市で開催された水銀国際会議では諸外国に見られる妊婦さんへの水銀摂取の規制というものがないというふうな報告がされているというふうに聞いておりますけれども、その件に関しての御答弁をお願いいたします。
○副大臣(桝屋敬悟君) チメロサールからの水銀、そして水銀への規制ということでのお尋ねでございます。
 熊本の会合のお話もいただきましたけれども、恐らくそこで出たのがアメリカのFDAで魚介類に含まれている水銀について特段その勧告があったというその情報の話かと思いますが、我が国では、委員御指摘がありましたように、水俣病という経験も持っているわけでありまして、昭和四十八年から魚介類の水銀の暫定的な規制値というものを設定しておりまして、総水銀として〇・四ppm、メチル水銀としては〇・三ppm、こうした設定をした上で、都道府県等に対しまして、これを超える魚介類が流通しないように漁獲規制を行っていただくように要請をする、そしてお話ありました妊産婦あるいは乳幼児には各地域の魚介類の調査結果とそれから食生活の実態を考慮した上で適切な食事指導を行うように指導をしているところでございます。
 なお、我が国の状況を申し上げますと、厚生科学研究の結果では、我が国の一般的な人の水銀摂取量、これは一日当たり八・九マイクログラムになっているわけでありまして、FAOやあるいはWHOが定める暫定的な耐容摂取量、これは四十三マイクログラムぐらいでありますが、この二割程度ではないかということが確認をされているところでございます。
○森ゆうこ君 私が住んでいるところに阿賀野川というのがございまして、その川から何百メートルも離れていないところに住んでいるんですけれども、その阿賀野川でも本当に不幸にして水俣病という問題がございまして、私としてもこの水銀の問題というのは非常に関心を持っている者なんですけれども、特に胎児性水俣病ということがありまして、要するに胎盤が胎児を水銀から守れないということになったわけですね。
 ということであると、やはり妊婦への水銀摂取には特別の配慮が必要だと思いますので、先ほどそのようなお願いをしていますということでしたけれども、実際に妊婦さんはこれ以上とらないようにということで食事に具体的に、例えば先ほど大臣がおっしゃいましたFDAの消費勧告、この中にこういう種類の魚はいいですよとか、なるべく小さい魚を食べましょうとか、そういう具体的な指導がされるとよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) おっしゃるように、委員、新潟でありまして、御地元の阿賀野川水銀中毒の事件は私もよく知っておりますし、それから胎児性水俣病の話も大きな議論になったわけであります。妊産婦等に対する取り扱いということは極めて重要な観点だと思っております。
 ただ、FDAがことし一月に出しました国民に対する勧告につきましては、一つはアメリカはそんなに魚をたくさん日本と比べると多く食べる、いろんな種類を食べるという国民ではないようでして、特に私も御指摘いただいたので調べてみましたけれども、ことし一月アメリカが出したものはサメとかメカジキ、それからキングマッケレル、どんな魚か知りませんが、サワラの一種のようでありますが、あるいはタイルフィッシュとか、大きい魚、やはり食物連鎖で有機水銀が堆積しやすい、食物連鎖のかなり上にいるという魚についてやはりそこが特定できて、そこはやはり委員御指摘のように妊婦さん等については勧告をすべきだ、こういう御判断をアメリカがされたという、FDAがされたということだろうと思っておりますが、我が国については、先ほど申し上げましたように、国際的な基準からしてもそれほど我が国の水銀を摂取しているという状況にないということも考えますと、さらにはまた多くの国民の皆さんが、私もよく食べますけれども、魚を摂取されておられるということからしますと、とりあえずは暫定数値を決め、各都道府県にしっかりと対応をお願いして、その上でやはり国としては特定の食品を繰り返して摂取するということではなくて、偏りのない食事といいますか、そうした栄養指導といいますか、そうしたことに心がけていくということで足りるのではないかと思っております。
 ちなみに、各県、新潟も伺いましたけれども、やはり漁獲制限もされておりますし、毎年検査もされて、その数値は公表されているというふうに伺っておりますので、そうしたことに注意を喚起するような、そういう取り組みはぜひ必要かと思っておりますが、そんなふうに感じております。
○委員長(阿部正俊君) 時間ですので、簡潔にお願いします。
○森ゆうこ君 じゃ最後に、お答えは結構ですけれども、今、副大臣がおっしゃいましたように、我が国は非常に魚を食べる民族ですので、そういう意味ではそういう水銀の蓄積というのがすぐ人体に影響するということで、そういう点での有効な対策がさらに進められることをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○西川きよし君 時間がございませんので、早速参ります。よろしくお願いいたします。
 私の方からは、高齢者施設におけるインフルエンザ対策からお伺いしたいと思うんですけれども、これまでに老人ホームなどの高齢者施設内でのインフルエンザ対策については、ワクチン接種の有無あるいは対応のあり方、こういうことが議論の的になってきたわけですけれども、高齢者施設の中でもとりわけ老人保健施設においてはこの対策の重要性が指摘をされております。
 御存じのとおり、この施設の場合は家庭復帰を目的としているわけでございます。平均在所日数が短く、一冬の間にはかなり入所者の入れかえがございます。このため、インフルエンザの流行前に予防接種をしても、シーズンになったときには接種した人は退所してしまいます。未接種の人が入れかわりに入ってきます。特に、デイケアの施設を併設している場合は、それぞれの家庭から通ってこられるということで、常に外との交流があるわけですから。
 しかし、一方では入所者の方は極めて高齢ということで、呼吸循環器系の疾病や脳卒中後遺症、さまざまな基礎疾患をお持ちでございます。こういう方がたくさんいらっしゃるわけですけれども、予防接種を推進するにこれは限界があると思うわけですけれども、また、施設の職員の方々、利用者の同居家族への対応等々も含めた対策が大変必要ではないかなと、こういうふうに私は思います。
 そうした中での今後の高齢者福祉施設におけるインフルエンザ対策、ぜひお考えを政府参考人にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) 今回の法改正によりまして、市町村はインフルエンザの予防接種を実施する体制を整備すると。また、万一健康被害が生じましても、公費による救済がなされるといったことから、高齢者の方々には安心して接種が受けられるということになるというふうに考えております。すなわち、入所している方だけではなく、ショートステイあるいはデイサービス、こういったものを利用される高齢者の方々は市町村からの通知に基づいて予防接種をお受けいただくこととなりますので、入退院を繰り返すということになっても、その辺は問題ないのではないかと考えておりますし、また基礎疾病をお持ちの方についても健康状態に十分注意しながら医師が接種をしていただくということでございます。
 それで、今回の措置というものは高齢者を対象とするということですので、今お尋ねの、例えば外来者がよく来るとか、あるいは施設の職員、こういったものからうつるのではないかということでございますが、そうしたインフルエンザの流行しているときには、そういった方々は施設への訪問をできるだけ御遠慮いただくといった措置をとるとか、あるいはどうしてもそういったところで働くなり訪問をする必要がある方々は、任意で予防接種を受けていただくといった方途を講ずる必要があるというふうに思っております。
 もとより、今回の予防接種法の改正、集団予防を直接の目的とするものではございませんけれども、個人の発病や重症化を予防することによりまして施設、とりわけ先生御指摘の老人保健施設、こういったものの健康管理の充実、あるいは居住環境の向上と相まって、インフルエンザ対策に効果を発揮するものと考えておるところでございます。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。
 そこで、高齢者に限ってということではございませんのですが、刑務所の入所者への対応についてお伺いをしたいと思います。
 この刑務所そして矯正施設、拘置所など集団生活が基本的な生活形態となっておりますこういう施設のインフルエンザ対策について、これは大変重要なことだと思うんですが、以前も十年でしたか、山形県の刑務所の結核の質問もさせていただきました。
 これまでの矯正施設におけるインフルエンザの発生状況、そしてその予防対策について政府参考人にお伺いいたします。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。
 ただいま委員が御指摘になりましたように、刑務所等の矯正施設は受刑者等が集団で生活する施設であります。それだけにインフルエンザとかあるいは感冒の感染が広がりやすい状態にあります。当局といたしましても、適時適切な予防措置が必要であるというふうに考えておりますが、発生状況につきまして申し上げますと、平成十二年度におきましては、刑務所、拘置所といったいわゆる行刑施設でございますが、これが二百五十人、少年院、少年鑑別所という、少年施設と呼んでおりますが、そこが三十人がインフルエンザに罹患しております。
 矯正施設におけるインフルエンザの感染経路といたしましては、新たに入所する被収容者、それから職員などによっていわば外部から施設の中にウイルスが持ち込まれることによるものが一般的だと思われます。そこで、新たに入所する被収容者につきましては、入所時に健康診断というのを行いますので、その段階で健康状態を把握して、早期発見、治療を図っております。一方、職員につきましては、特に空気が乾燥する寒冷時期とかあるいは社会でインフルエンザが流行する時期におきましては、一般的なことではございますけれども、うがいの励行、手洗いの励行ということで一般的な感冒予防に対する注意を喚起するほか、予防接種を受けるように啓発しております。
 また、収容中の者ですけれども、流行期を前にしてうがい、手洗い等をふだんよりも増して励行するように改めて注意を喚起するほか、一部の施設ではございますけれども、一般社会におけるインフルエンザの流行等を勘案しまして、インフルエンザの予防接種を実施しているところもあります。
○西川きよし君 ありがとうございました。
 次に、今回の法改正によりまして六十五歳以上の高齢者を対象として公費による予防接種を実施していくわけですけれども、現在この矯正施設内においても入所者の高齢化が大変進んでいると。私もいまだにずっと刑務所、拘置所などを慰問に回らせていただいておりますけれども、こうした高齢者の方が大変ふえております。心配です。お仕事の面でも心配ですし、中の作業のことはもちろんのことですけれども、こうした高齢受刑者への法改正後の対応についてですけれども、例えば予防接種自体は施設内で可能だとこれは思うわけですけれども、入所者の住所とかそれぞれに違いますし、このあたり個々に市町村へ連絡をされるのか、またその場合にはプライバシーというような問題も起こってくるのではないかな、そしてまた費用負担の問題もあると思うわけですけれども、やはり万が一健康被害に遭った場合の例えば補償の問題でありますとか、そういった問題に広がっていくと思うわけですけれども、こうした点のルールづくり、大変必要なことであると思います。こういった点を法務省のお考えもあわせて御答弁願います。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。
 先ほども述べたとおり、一部の施設においては既にインフルエンザの予防接種を行っておりますけれども、今回の予防接種法案の改正後となりますと、医療上支障がある者を除きまして、接種を希望する六十五歳以上の受刑者等に対しましては、改正の趣旨に沿って予防接種を実施する必要があると考えております。
 その際の費用負担その他の点でございますけれども、先ほど御指摘もありましたように、被収容者のプライバシーということも十分考えなければいけませんし、またいろいろ御指摘があった点もございますので、今後内部でも詰め、また市町村等の関係機関と十分協議して適切に対応したいと考えております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。大変難しいお仕事ではありますが、よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、風疹の予防接種への対応についてお伺いいたします。
 この風疹の予防接種については、平成六年の改正時に接種時期が中学生から乳幼児期に変更されました。この変更によりまして、新しい接種時期でありますけれども、この時期である乳幼児期以降の子供さんで中学生に達していない子供さんには経過措置が設けられているわけですけれども、この期間の接種率が低くなっているという問題の指摘がございます。
 この経過措置の対象となる期間に接種を受けていない子供さんに対して、十二歳から十五歳までの接種対象期間を拡大する必要があるのではないかな、こういうふうに思うわけですけれども、この点についてはどのような対応をお考えであるのか、また学校教育の場における情報の提供等々、この問題の今後の対応策についてお聞かせをいただきたいと思います。
 厚生労働大臣に御答弁をいただいて、これで質問を終わりにしたいと思います。よろしくお願いいたします。四番と五番続けて時間の関係で御質問をさせていただきましたが、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(下田智久君) 私の方から経緯等につきまして御説明をさせていただきます。
 風疹の予防接種の対象者は、平成六年以前は御指摘のように十二歳から十五歳までの女子中学生ということでございましたが、流行時期のピークが乳幼児期、学童時期であるといったこと、つまりもっと早い時期、小さいときに流行のピークがあるといったこと、本当に流行を抑えるためには女子だけでなく男子にも接種するということが必要であるといったことから、平成六年以降は対象者を生後十二カ月から九十カ月未満の男女ということで早めたということでございます。
 これに伴いまして、先生御指摘のように、出生後九十カ月以上で十三歳に達していなかった者は接種機会を失うといったことになるわけでございますから、これらの方々は従来どおり十二歳から十五歳までの間に接種を行うことができるという経過措置を講じているわけであります。しかしながら、当該経過措置の対象者の接種率はおおむね五〇%といったことで低いことが問題となっておるわけでございます。
 その原因としては、いろいろあるわけでございますが、風疹は子供の病気というふうに一般的に思っていること、それから、自分が感染するといったことだけではなくて、妊婦の感染による先天性風疹症候群が発生する可能性があるといったことを知らないといったことが原因だというふうに考えているわけでございます。
 そういったことが今までの経過ということでございます。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど井上議員からも御質問のあったところでございまして、善処するというふうにお答えを申し上げましたが、聞きますと政令の改正が必要だそうでございます。したがいまして、政令改正をいたしまして、もう一度受けるチャンスを与えるようにしたいと思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(阿部正俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 予防接種法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(阿部正俊君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、柳田君から発言を求められておりますので、これを許します。柳田稔君。
○柳田稔君 私は、ただいま可決されました予防接種法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、自由党及び無所属の会の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    予防接種法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
 一、予防接種による健康被害の発生を予防するため、予診及び診察により被接種者の健康状態の把握に努めるとともに、被接種者に十分説明し同意を得るなどインフォームド・コンセントの徹底を図ること。
 二、ワクチンについては、有効性の向上を図るとともに、安全性確保のための改良開発に努めること。
 三、老人福祉施設等におけるインフルエンザの流行を防止するため、入居者の健康管理の充実に努めるとともに、より良好な居住環境の確保に向けて努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(阿部正俊君) ただいま柳田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(阿部正俊君) 全会一致と認めます。よって、柳田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたします。
 ありがとうございます。
○委員長(阿部正俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会