第154回国会 本会議 第22号
平成十四年五月八日(水曜日)
   午前十一時三十一分開議
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○議事日程 第二十三号
  平成十四年五月八日
   午前十一時三十分開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(平成十二年
  度決算の概要について)
 第二 新たな時代における経済上の連携に関す
  る日本国とシンガポール共和国との間の協定
  の締結について承認を求めるの件(衆議院送
  付)
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○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、議員辞職の件
 以下 議事日程のとおり
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○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第百五十四番、選挙区選出議員、新潟県選出、黒岩宇洋君。
   〔黒岩宇洋君起立、拍手〕
○議長(倉田寛之君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、黒岩宇洋君を内閣委員に指名いたします。
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○議長(倉田寛之君) この際、お諮りいたします。
 去る二日、井上裕君から議員辞職願が提出されました。
 辞表を参事に朗読させます。
   〔参事朗読〕
   辞 職 願
 この度一身上の都合により議員を辞職いたした
 いので御許可下さるようお願い申し上げます
   平成十四年五月二日
          参議院議員 井上  裕 
  参議院議長 倉田 寛之殿
○議長(倉田寛之君) 井上裕君の議員辞職を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
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○議長(倉田寛之君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成十二年度決算の概要について)
 財務大臣から発言を求められております。発言を許します。塩川財務大臣。
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(塩川正十郎君) 平成十二年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書、国の債権の現在額総報告並びに物品増減及び現在額総報告につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして歳入の決算額は九十三兆三千六百十億円余であり歳出の決算額は八十九兆三千二百十億円余でありまして、差引き四兆三百九十九億円余の剰余を生じております。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の平成十三年度の歳入に繰入れ済みであります。
 なお、平成十二年度における財政法第六条の純剰余金は二千三百八十一億円余となります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額が八十九兆七千七百二億円余に比べまして三兆五千九百八億円余の増加となりますが、この増加額には、前年度剰余金受入れが予算額に比べて増加した額、すなわち三兆八千二百六十九億円余が含まれておりますので、これを差し引きいたしますと、歳入の純減少額は二千三百六十一億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額八十九兆七千七百二億円余に対しまして、平成十一年度からの繰越額三兆八千十九億円余を加えました歳出予算現額は九十三兆五千七百二十一億円余に対しまして、支出済歳出額は八十九兆三千二百十億円余でありまして、その差額四兆二千五百十億円余のうち、平成十三年度に繰り越しました額は三兆五千五百五十億円余となっております。不用となりました額は六千九百六十億円余となっております。
 このうち、公共事業等予備費につきましては、平成十二年度一般会計における公共事業等予備費の予算額五千億円のうち、使用残額九千円を除き使用いたしました。
 また、予備費につきましては、平成十二年度一般会計における予備費の予算額は二千億円であり、その使用額は四百八十六億円余であります。
 次に、平成十二年度の特別会計の決算でありますが、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 なお、歳入歳出決算に添付されている国の債務に関する計算書による債務額でありますが、平成十二年度末における債務額は六百六兆六百八十二億円余であり、このうち、公債でありますが、平成十二年度末における債務額は三百八十兆七千四百三十四億円余であります。
 次に、平成十二年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払でありますが、同資金への収納済額は五十九兆八千百三十一億円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組入額等は五十九兆七百十三億円余であります。
 次に、平成十二年度の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 次に、国の債権の現在額でありますが、平成十二年度末における国の債権の総額は三百二十四兆八百三十二億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額でありますが、平成十二年度末における物品の総額は十四兆一千七百七十一億円余であります。
 以上が、平成十二年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。
 何とぞ御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
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○議長(倉田寛之君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。辻泰弘君。
   〔辻泰弘君登壇、拍手〕
○辻泰弘君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました平成十二年度決算に関連し、総理並びに関係各大臣に御質問申し上げます。
 平成十二年度の日本経済を顧みるとき、同年度に最悪を更新した失業率と倒産負債総額に象徴される景気低迷が今日まで続いていることを改めて痛感いたします。
 政府は、サプライサイドの構造改革は、民営化、規制改革、不良債権の処理、将来不安の除去を通じて、消費拡大、起業促進、ひいては景気回復につながると主張してこられました。しかし、消費回復の兆しはなく、不良債権の処理も進まず、将来不安がむしろ増大する中で、どうして景気が回復するというのでございましょうか。
 就任以来一年。総理は、改革なくして成長なしとおっしゃってこられましたが、今やそのスローガンは色あせ、改革なくして成長なしではなく、正に改革なしなし成長なしと言うべき状況にございます。
 私は、今日の景気低迷長期化の大きな要因として、小泉総理の経済に対する危機感のなさ、国民生活に対する温かみのなさ、政策的見識とリーダーシップの欠如を指摘しないわけにはまいりません。
 四月二十四日の経済財政諮問会議で塩川財務大臣は、一年たっても具体策が見えない、減税の優先分野の決定や改善の兆しがないデフレへの対応など具体策が必要だ、サミットで基本方針だけ言っても世界は無視する、総理の指示が必要だと、総理にかみ付いておられますが、この点については我が意を得た思いでございます。
 総理は、同会議で、六月サミットでは着実に進んでいることを私は言うと発言されましたが、何が着実に進んでいるのでしょうか。また、構造改革が景気回復をもたらすプロセスを自らの言葉で語ってください。さらに、六月末のサミットまでにどのような経済活性化策を講ずるおつもりなのでしょうか。雇用創出にはどう対処されるのでしょうか。
 まず、以上の四点、総理にお伺いいたします。
 平成十二年度決算における国債発行額は三十三兆円。三年連続の三十兆円台でした。十四年度予算の際、塩川大臣は三十兆円枠の変更は小泉政権の崩壊につながるとまで言われましたが、今や、十五年度財政運営の新方針を六月中にまとめると主張されております。小泉政権の崩壊も近いので余り本気で考えなくてよいと思われたのでしょうか。あれほどまでにかたくなだった方針の変更を、塩川財務大臣、御説明ください。
 平成十二年七月には、政府税調から公平、中立、簡素の三原則を掲げた中期答申が示されました。本年三月の諮問会議では、中立か活力かが議論となり、総理の主導で中立の理念堅持が確認されております。しかし、経済活性化のための税制改革を唱える総理のお考えに符合するのは、中立ではなく活力なのではありませんか。総理の決断が求められております。
 税制改革の理念、先行減税の可否、減税の優先分野、財源、実施時期について、総理の基本方針をお伺いいたします。
 また、諮問会議と政府税調の権限と決定対象領域、税制改革の重点、減税財源の確保策について、財務大臣、経済財政担当大臣の御見解をお示しください。
 平成十二年度に日銀は、消費者物価上昇率がゼロ以上となるまでの金融の量的緩和を決定しましたが、経済財政白書は効果に保証なしと分析しております。IMFの世界経済見通しは、二%以下のインフレ目標が持つデフレスパイラルの可能性を指摘しております。竹中大臣は、現況下でのインフレターゲットの妥当性についていかがお考えでしょうか。
 このインフレターゲットに関連し、総理にお伺いいたします。
 京都大学の中西輝政教授は、小泉総理の言葉は内実に比べて一六〇%言葉のインフレがあると語っておられます。総理は、御自身のお言葉にインフレターゲットは設定しておられるのでしょうか、お教えください。また、最近は、党の執行部にお任せ、国会でよく議論をと、むしろデフレ傾向だとの指摘がございます。さらに、さきの郵政法案をつぶすのなら小泉内閣をつぶすのと同じだとの発言には、言わばデフレスパイラルへの突入を予感させる趣がございます。
 総理に八点お伺いいたします。
 総理は、自らの目指す改革が普遍的価値を有するものとお考えでしょうか。
 先日の、郵政民営化の先進国、ニュージーランドの首相からの民間のポストはほとんどだれも使わないとの説明は、郵政民営化が経済改革だとの総理の信念をより強めるものとなったでしょうか。
 また、平成十二年までの抜本改革を約束したときの厚生大臣として、医療制度の実質的な改革にもっと責任をかけ、精力を尽くすべきではありませんか。
 さらに、総理にとって抵抗勢力とは何でしょうか。
 首班指名で小泉純一郎と書いた与党内からの、我々を抵抗勢力に仕立てて物事を進める手法を改め、胸襟を開いてほしいとの声に私個人は共鳴するものを感じますが、総理はどのように思っておられるでしょうか。あわせて、衆議院解散、内閣改造、会期延長に対するお考えをお聞かせください。
 平成十二年の文部省の方針に始まる少人数学級の公的取組は、現在、各自治体で精力的に行われ、良い結果が伝えられています。ブレア首相は、三つの重要な政策として、教育、教育、教育と訴えました。米百俵を語る総理から教育についての信念を、文部科学大臣から少人数学級実現の方針をお伺いいたします。
 また、親の失業に伴う子供の退学、進学断念の増加にはどう対処されるのでしょうか。十一年度に創設の緊急採用奨学金にとどまらず、高校生も有利子奨学金の対象とし、かつ随時採用にすべきだと考えますが、遠山大臣、いかがでしょうか。
 その他、平成十二年度には、予算総則で消費税収の使途を基礎年金、老人医療、介護に限る旨が明記されるとともに、四月からの介護保険がスタート、改正後の国民年金法が施行、また民事再生法の施行による新たな倒産法制も始動しております。同時に、アメリカによる鉄鋼分野のセーフガードの発動、気候変動枠組み条約第六回締約国会議の開催、製造業の海外生産の加速、地方財政での統合補助金の創設、東京都の銀行への外形標準課税の施行、郵政公社化を定めた行革大綱の閣議決定、これらの年でもありました。
 総理にお伺いいたします。
 益税解消など現行消費税の改革、介護保険制度の見直し、次期再計算における年金改革の基本理念、基礎年金の国庫負担二分の一への引上げ、労働債権が租税債権より低位に設定されている現行法体系の見直し、三月にブッシュ政権が発動した鉄鋼セーフガードに対する最終的決断、京都議定書発効への努力、いわゆる空洞化対策と物づくり基盤の強化、地方への財源移譲と補助金の統合化・一括化、「銀行業等に対する東京都の外形標準課税について」の閣議了解に対する現内閣の見解、郵政法案の与党との協議と成立の見通し。
 以上十一点、いずれ劣らぬ当面の重要政策課題、総理から直接政府の方針を御説明ください。
 平成十二年度、小泉総理は森派の会長をお務めでした。当時の森総理は靖国参拝はされず、春、秋の例大祭、終戦記念日に代理の方が参拝しておられます。
 昨年八月十三日、靖国神社を参拝された小泉総理と国を被告とする福岡地裁での訴訟において、国は、総理の参拝は内閣総理大臣の資格で行われたものではなく、公務員としての職務行為として行われたものではないと主張し、私人の立場での参拝と位置付けております。公私の区別は意地でも言わないと言われた小泉総理、総理は、この国の主張をどう受け止め、どう評価しておられますか、お答えください。
 また、四月十一日、中国で総理は、靖国参拝なんて大した問題じゃないと発言しておられます。いかなる認識によるものか、御説明ください。
 その後、四月二十一日の総理の靖国参拝を受けて、二十九日、江沢民中国主席は、小泉総理は靖国参拝のことを簡単に思ってはいけない、政治家は信義を守らなければならないと述べていますが、総理はこれをどう受け止めておられますか。
 なお、昨年十一月一日、総理は、靖国問題をめぐって、司法のルールにのっとって提訴した方々に対し、世の中おかしい人たちがいるもんだ、もう話にならぬよと発言されましたが、今もそう思っておられますか。また、昨年の発言そのものを現時点でどう評価しておられますか。それぞれお答えください。
 あわせて、既に私人の立場での参拝と国会答弁のある昨年八月と先月の総理の靖国参拝が公式参拝か私的参拝か、官房長官の公式答弁をお願いいたします。
 平成十二年度決算検査報告書においては、内閣官房報償費、いわゆる官房機密費の執行体制の改善などが指摘されております。
 この官房機密費については、先ごろ、平成四年四月に、当時の自民党副幹事長であった小泉総理に五十万円が贈られたと記載の文書が報ぜられました。総理は記憶にないと言われたものの、完全には否定されませんでした。総理、あり得た話かも含め、御説明ください。
 また、総理は、過日の鈴木宗男議員の秘書逮捕、井上前参議院議長の辞任をどう受け止め、過般の衆参補欠選挙、知事選挙の結果をどう見ておられるのでしょうか。さらに、総理は、政治への信頼回復に向けて今国会中に一歩踏み込んだ対応を取ると述べておられますが、具体的にどう対処されるのか、御説明ください。
 同時に、新たに策定された官房機密費の取扱要領を官房長官よりお示しください。
 昨年、塩川大臣は、官房機密費について、宇野内閣のころは常時四、五千万円入っていて、週に一度くらい会計課長が見に来ていたと具体的に証言されましたが、その後、週刊誌の内容をさも経験したような気持ちで錯覚に陥ったと釈明されました。この経緯を、塩川大臣、心を澄まして御説明ください。
 また、財政法四十条を改正し、決算が常会を待たずに速やかに国会提出されるようにすべきだと考えますが、財務大臣に政府の御見解をお伺いいたします。
 戦後二番目の企業倒産、最悪の失業率、それらに裏打ちされた内閣支持率の低下。総理のたぐいまれなるリーダーシップと抜群の協調性に思いを致すとき、ライオンが沈み行く夕日に向かってむなしく咆哮するがごとく、今や小泉内閣に物悲しきたそがれどきが迫りくるを予感しないわけにはまいりません。
 本年三月、総理は、内閣支持率が下がると株価が上がるんだったら、もっと支持率が下がってもいいねとおっしゃいました。さすがは総理、一国の宰相たる者の心掛けかくあるべしと心から感服した次第でございます。
 どうか、小泉総理におかれましては、ますます御壮健にてこれからも内閣支持率の低下に御尽力くださり、もって株価の上昇、ひいては景気の回復と国民生活の安定、向上に御専心くださいますよう心よりお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 辻議員にお答えいたします。
 構造改革、景気回復、雇用創出、経済活性化についてのお尋ねがございました。
 私は、着実に改革は進んでいると思っております。まず、道路公団の民営化、住宅金融公庫の廃止などの特殊法人改革、郵政事業への民間参入など、これまで不可能だと思われていた改革が着実に実現の方向に向かって進んでおります。
 こうした構造改革を推進することは、経済の先行きに対する国民の信頼、期待の確立、規制改革などによる民間の活力の増大などを通じ、消費、投資の回復や雇用創出につながるものと考えており、中期的な景気回復を実現したいと考えております。
 また、引き続き構造改革の推進を図る観点から、六月ごろを目途に税制改革、経済活性化策について基本的な方針を示すこととしております。
 税制改革についてでありますが、税制の在り方は経済再生の確固たる基盤を築くかぎとなるものであります。あるべき税制の構築に向けては、中長期的な視点を十分に踏まえつつ、経済活性化をどのように支え、経済社会の構造変革にどう対応するのか、中立、簡素、公平な税制をどう実現するのか、適切な租税負担水準や地方分権にふさわしい地方税の在り方をどう考えるかなど、税制全般にわたる諸課題について検討を進めており、六月を目途に基本的な方針を示すとともに、当面対応すべき課題について年内に取りまとめ、平成十五年度以降実現してまいります。
 私の言葉のインフレターゲットについてのお尋ねでありますが、私は政治家の言葉は重いものであると思っております。昨年の総理に就任以来、所信表明演説で明らかにした構造改革の着実な実現に向けて正に一歩一歩改革を進めておりまして、改革なくして成長なしの言葉には今後も変わりがありません。私の言葉にインフレがあるというのを御指摘でありますが、それは当たらないと考えております。
 郵政民営化、医療制度改革などの改革と抵抗勢力についてのお尋ねでありますが、ニュージーランドにおいてはニュージーランドの事情があると思います。民間のポストを実際に目にし、国により事情が異なることはあっても、私が進める郵政事業の改革については各国とも重要課題として取り組んでいるものと受け止め、改革の意欲を一層強くしました。
 また、医療改革につきましては、平成九年以降、薬価や診療報酬、医療提供体制、高齢者の患者負担などの改革を着実に進めてまいりましたが、今般の改革においては、これまでにない診療報酬の引下げを実現するとともに、給付率の七割への統一、高齢者医療制度見直しなど、思い切った改革を行うこととしました。同時に、医療保険制度の体系の在り方、新しい高齢者医療制度の創設、診療報酬体系の見直しなどの諸課題についても、先送りすることなく、平成十四年度中に基本方針を策定し、不退転の決意で更なる改革を進めてまいります。
 こうした改革に対する抵抗勢力との関係については、議論の過程では様々な考えがあります。しかし、最終的には私の示した方針どおり協力してくれるものと考えており、今後とも、恐れず、ひるまず、とらわれず、改革に邁進してまいります。
 衆議院の解散、内閣改造、会期延長についてのお尋ねですが、私は衆議院の任期の中で着実に改革に取り組みたいと考えております。小泉内閣の閣僚は、いずれもその分野に精通し改革に熱心に取り組んでおります。また、政府は法案を提出した以上、会期内にその成立に向けて全力を傾けることが当然であると考えております。現時点で、衆議院の解散、内閣改造、会期の延長は考えておりません。
 教育についてのお尋ねでありますが、私は、米百俵の精神は、これは今さえ良ければいいという考えじゃない、今よりも明日を良くしよう、多少今の痛みに我慢しても明日をもっと良くしようという精神が大事だということを説いたのと同時に、教育の重要性を示唆したものであります。
 これからも明るい未来を切り開く担い手は人であります。教育改革の推進は国政の最重要課題の一つであります。このため、改革断行予算である平成十四年度予算においても、歳出の思い切った削減と同時に、人材育成、教育については重点分野の一つとして大胆な配分を行っております。さらに、育英奨学事業の充実や教科等に応じた少人数授業の推進など、今後とも教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
 当面の重要政策課題について十一問お尋ねがありました。
 まず、それぞれ重要な課題と考えてはおります。
 消費税を含む税制の在り方については、現在、経済財政諮問会議、政府税制調査会等において議論しております。六月を目途に基本的な方針を示してまいります。
 介護保険制度については、現場の声に耳を傾けつつ、介護サービスの基盤整備や質の向上などに取り組み、制度の一層の定着を図ってまいります。
 年金改革の基本理念については、次期年金改正に向けて、今後の少子化対策の検討を見つつ、持続可能な安心できる制度の再構築に努めてまいります。
 基礎年金の国庫負担の引上げについては、平成十六年に行う次期年金改正において、安定した財源確保の具体的方策と一体として検討してまいります。
 労働債権の位置付けについては、破産法の見直し作業の中で検討したいと考えております。
 米国のセーフガード措置については、引き続き米側と協議を行い、国際ルールに従い適切に対処する考えです。
 京都議定書発効については、今国会における京都議定書締結の承認と必要な国内法の整備をお願いしていると同時に、早期発効に向けて各国に対して働き掛けております。
 いわゆる空洞化対策及び物づくり基盤の強化については、物づくり基盤の強化を含め、製造業の国際競争力の強化に積極的に取り組んでまいります。
 地方への財源移譲と補助金については、地方の自立性を高めるため、地方行財政の効率化を前提に見直してまいりたいと考えております。
 東京都のいわゆる銀行税については、包括的な外形標準課税に関する議論の中で解決を図るべきであると考えております。
 郵政法案の与党との協議と成立の見通しについては、与党審査において法案の内容についての了承を得ないまま国会に提出という異例の方法を取ったところでありますが、本通常国会において議論を尽くし、関係四法案が成立するよう御審議をお願いしたいと考えております。
 私の靖国参拝についてでございますが、昨年八月の靖国参拝は、内閣総理大臣である小泉純一郎が心を込めて参拝したものであり、このことと訴訟における国の主張と何ら矛盾するものではないと考えております。
 四月十一日、中国海南島へ向かう機中における記者団との懇談において、靖国神社への参拝の問題に関し、私から大して大きな問題ではないと思うと述べたのは、個別の案件について日中間でいろいろ意見の違いはあっても、幅広く将来に向けての協力関係を探っていく、これが最も重要であると考えるからであります。
 また、御指摘の江沢民国家主席の発言については承知しておりますが、中国側には中国側の立場があると考えております。
 昨年八月の私の靖国神社参拝に関する提訴についての私の発言に関する、訴訟に関する質問がありました。具体的な争点については、訴訟手続の中で適切かつ誠実に対応してまいりたいと考えます。
 平成四年四月に私に五十万円が贈られたと記載された文書についてどうかというお尋ねでありますが、そのようなものをもらったことはありません。なぜそのような記載があったのか、理解に苦しんでおります。
 国会議員の秘書の逮捕や、さきの補欠選挙の結果と政治の信頼回復についてのお尋ねがありました。
 今回の一連の問題は、国民の政治への信頼を揺るがす大変残念なことであり、深刻に受け止めております。先月末の衆参両院の補欠選挙、県知事選挙においても、この問題に対する国民の厳しい声が反映されていると思います。政治に対する国民の信頼回復に向けて、どうすれば政治家と金の関係について不信を招かないような、行為を防止できるか、法整備も含め、今国会中に一歩踏み込んだ改善策を講じることができるよう、既に与党において検討に着手しているところであります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対するお尋ねは六問ほどございましたですが、その中、総理大臣がもう既に答弁されたものもございますので、その分と併せて御質問にお答えいたしたいと存じます。
 まず最初のお尋ねでございましたが、十五年度の財政運営に関するお尋ねでございまして、十四年度、十三年度、三十兆円の枠の方針を堅持してきたが、十五年度以降においても引き続き財政規模をどうするのかというお尋ねでございます。
 私は、十三年度、十四年度を三十兆円の枠内においてということを主張してまいりましたことから、財政に対する考え方というものが言わば一種の構造改革として浸透しておると思っておりまして、すなわち、予算の効率化をどうして図るかということと行政のコストを見直すということの一つの考え方がある程度徹底してきたように思っております。
 ついては、十五年度予算につきましても、引き続き財政規模の維持の観点に立って、歳出各分野についての諸改革の具体的な方向だとか、あるいは重点分野の明確化を進めるということ、これは中長期的な展望も踏んまえましていたしてまいりたいと思っておりますし、また六月中に十五年度の予算の新しい組み方等をまとめる所存でございます。
 次に、経済財政諮問会議との関係において、政府税調の権限及びその決定対象の範囲はどこまであるのかということでございまして、これは主として税制のことのお尋ねであろうと思っております。
 つきましては、経済財政諮問会議と政府税制調査会の関係について申し上げますと、財政諮問会議におきましては、主として基本的な問題、すなわち経済・財政あるいは税制等につきましての基本的な問題、すなわち受益と負担の在り方であるとか、あるいは国と地方の関係をどうするか、あるいは特定財源をどのように考えるか、あるいはまた税の公平をどのように取り進めるかというような大局的な議論を進めていただく必要があると思っておりまして、その決定を受けまして、政府税調等におきましては、所得税、法人税、資産税、消費税等、各般における税制全般についての諮問会議の趣旨を税目の実行の中に移していきたいと、こういう考えでございまして、今後とも、政府税調と経済財政諮問会議との関係は、緊密に意思を疎通を図りながらその役割の分担を果たしていきたいと思っております。
 なお、今回の税制改革の重点は何かというお尋ねございましたですが、この点につきましては、総理から先ほどお答えございましたように、いずれにいたしましても六月をめどに基本的な方針を示してまいりたいと思っております。
 それから、私に対する質問の中で、宇野内閣の当時、内閣報償費について忘れてしまったと言っておるけれども、これをもっと誠実に報告してはどうだというお尋ねがございました。
 私もわずか二か月しか実は務めておらなかったことと、その当時あったことの概要の中で、説明の中で、経験と実際との混同があったことは私も反省いたしておりまして、このことにつきましては、昨年の予算委員会等におきまして反省のことを申し上げた次第であります。
 なお、決算の、常会を待たずに速やかに国会に提出されるよう財政法第四十条を改正すべきであるという御意見がございました。
 決算を常会よりも前に提出することにつきましては、現行財政法の規定においても可能であります。財政法の改正は考えておりませんが、政府としては従来からできるだけ早く決算を国会に提出するよう努力してまいりました。昨年におきましても大体九月の末までには提出いたしておりますが、今後とも早期提出できるよう、一層工夫を凝らし、努力してまいりたいと思っております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹中平蔵君) 辻議員から二問質問をいただいております。
 経済財政諮問会議と政府税調の関係及び税制改革の重点等についてのお尋ねでございます。
 経済財政諮問会議は、経済政策、経済財政政策に関する重要事項等について調査審議すること等を所管事務としております。
 あるべき税制の構築に向けては、諮問会議と政府税調等において、重複を恐れず、しかし同時に、十分に連携しつつ議論を進めているところであります。主として、諮問会議においては負担の在り方や歳出面も考えて経済・財政の全般的な観点から議論する。また、政府税調においては、税制の具体的な在り方などを中心に議論を進めるという形になっております。中長期的な視点を十分に踏まえまして、それぞれの議論を深めて、六月ごろを目途に基本的な方針を示すというふうに今準備をしております。
 税制改革においては、経済財政諮問会議において、その方向でありますが、日本経済を活性化させることを重視し、中長期的な展望に立って安定的な税制を構築するとの観点から様々な議論を行っている段階でありまして、先ほど申し上げましたように、六月ごろを目途とする基本的な方針の取りまとめに向けて議論を更に深めたいというふうに思っております。
 第二問は、インフレターゲティングについてのお尋ねでございます。
 金融政策は日本銀行の所管事項であり、金融政策決定会合において金融・経済の状況を総合的に勘案しながら機動的な対応がなされてきたものと考えております。これを受けて、政府としても、金融仲介システムの機能低下がインターバンク市場を通じた量的緩和政策の効果発現の制約要因となっていた面もあることから、不良債権処理の促進等を通じて金融仲介機能の正常化を図っているところであります。
 日本銀行は、消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで量的緩和政策を継続するということを宣言しておりますが、デフレスパイラルを回避するとともにデフレ期待を払拭するという観点から、これは国際的な議論も踏まえて、さらにインフレターゲット問題について議論を深めていくことが必要であるというふうに考えております。
 いずれにしましても、政府は、日本銀行と一致協力してデフレ阻止に向けて強い決意で臨むこととしており、日本銀行においても引き続き思い切った金融政策の検討、実施を期待しているところでございます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣遠山敦子君登壇、拍手〕
○国務大臣(遠山敦子君) 辻議員にお答えを申し上げます。
 まず、少人数学級実現の方針についてのお尋ねでございますが、児童生徒の基礎学力の向上と一人一人の能力、適性に応じたきめ細かな指導を図りますために、算数、理科などの教科に応じて二十人程度の少人数指導を行えるようにすることが必要であると考えております。このため、平成十三年度からの第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画では、少人数指導のための定数加配を中心といたしまして平成十七年度までの五年計画で二万六千九百人の教職員定数の改善を行うこととしております。
 少人数指導の成果としては、児童生徒の学習意欲の向上、基礎、基本の確実な定着、教員間の連携協力体制の強化などが報告されております。我が省といたしましては、この改善計画の着実な推進に努めてまいります。
 次に、親の失業により退学等をすることがないよう、高校生も有利子奨学金の対象とすべきとの御指摘でございますが、高校生につきましては無利子奨学金で対応してきており、希望者には十分応じられる状況となっております。
 特に、保護者の失職等により家計が急変し、学業の継続が困難となった高校生などに対しましては、年間を通じて随時無利子で貸与を行います緊急採用奨学金制度を平成十一年度から設けております。今年度におきましても三十億円を予算措置しておりまして、この制度の活用も期待しております。
 なお、有利子奨学金は、大学・短大レベル以上の学校種を対象といたしておりまして、高校奨学金につきましては、既に閣議決定により都道府県に移管する方向となっておりますこと、それから、日本育英会よりも地方自治体や民間の奨学団体からの貸与が主流となっております状況等を踏まえまして対応していく必要があると考えております。
 いずれにいたしましても、親の失職等の経済的理由で子供たちが学校を退学したり進学を断念することがないように、今後とも、教育を受ける意欲と能力のある高校生などへの支援のため、国、地方自治体等を通じて育英奨学事業の充実に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田康夫君) 辻議員にお答えします。
 まず、総理の靖国神社への参拝に関してお尋ねがございました。
 内閣総理大臣の靖国神社への公式参拝とは、内閣総理大臣が国務大臣としての資格で行う靖国神社への参拝をいいますけれども、昨年八月及び本年四月の参拝につきましては、いずれも私人としての立場で参拝されたものと理解しております。
 次に、官房機密費の取扱要領に関するお尋ねがございました。
 内閣官房の報償費につきましては、内政、外交の円滑な遂行に支障を生ずることになるため使途等を公にできないという性格から自ずと限界があるところでありますが、会計検査院報告の指摘を踏まえ、その性格を損なわない範囲内でその説明責任を十分果たし得るよう、今般、内閣官房報償費の取扱いに関する基本方針等を策定したところでございます。
 当該基本方針等におきましては、内閣官房報償費の使用目的類型化の明確化、事務補助者の複数化、内部確認の実施等の内容を盛り込んでおります。
 なお、当該基本方針等の提出についても検討してまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
○議長(倉田寛之君) 岩本荘太君。
   〔岩本荘太君登壇、拍手〕
○岩本荘太君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成十二年度決算並びに関連事項について、小泉総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 まず、平成十二年度決算に先立つ平成十一年度決算の審査状況であります。
 昨年、すなわち平成十三年十二月十一日に決算委員会で審議が始まりました。私もその全般的質疑で質問をいたしましたので、早速その情報をEメールマガジンで皆様に伝えました。ところが、返ってきた反応はこうでありました。平成十一年度の決算とは、読み間違えたかと思って読み直してしまいました、間違いないようなのでびっくりいたしました、であります。
 この皮肉なEメールが問題にしているのは、決算の中身ではありません。決算の取扱いに対する国会の姿勢です。世の中の一般常識では、こんなに遅れて決算が審査されることが信じられないのです。その平成十一年度決算の審査にしても、その後一向に進展を見ておりません。
 そして、今回の平成十二年度の決算審査です。平成十一年度と併せて効率的かつ集中的に審査しようとする決算委員会委員長並びに各委員の皆様の御努力は高く買うものでありますが、この遅れはいかんとも弁解のしようがありません。
 民間会社であれば、決算は予算にも勝る重要な審議事項です。審査の結果によっては首脳陣の首が飛ぶことも覚悟しなければならないほどの重要事であります。ところが、国の決算はどうでしょうか。審査時期の遅ればかりではなく、是認されなくても法的に何の支障も来しません。こんな状態が本当に許されるのでしょうか。国内総生産の一・三倍の累積赤字を抱えて四苦八苦している現在であれば、なおさら無駄な支出を排除しなければ国民は納得いたしません。
 言うまでもなく、決算審査の大きな目的の一つは、予算が政策的に間違っていなかったかをただし、反省すべき点は後年の予算編成に反映させることであります。今の状態ではその目的が達成されているとは到底思えません。
 この異常とも言える決算審査の実態を正すためには、行政府としての立場と議会運営上の立場の両面から検討が必要だと思いますが、まず、行政府の長としての立場から、総理はこの実態をどう見ておられるのか、また決算審査というものをどのように認識されておられるのか、ここに改めてお聞きしておきたいのであります。
 参議院の独自性確保の一手段として、参議院では決算を重視すべきである旨の御意見を、先輩諸氏はもとより、同僚議員各位からも広くお聞きいたしております。予算は衆議院、決算は参議院と整理すれば、責任分担がはっきりし、国民からは見えやすくなるとも思われます。
 過日、三月二十六日の予算委員会で小泉総理との質疑の中で提案をいたしました。
 その内容は、一つには、後年度予算編成に反映させるために審査時期を早めることであります。前年度の決算審査を秋までに済ませれば、一年度は飛びますが、翌年度の予算編成には反映できることになります。
 二つには、審査の結果、その予算が政策上適当でないことが判明した場合には、その責任の所在を明らかにし、さかのぼって責任を追及できるような制度とすることであります。
 さらに三つ目には、総理大臣を始め関係閣僚出席の下に予算審議並みの短期的集中的審議とすることであります。もちろん、現在の参議院での予算審査の在り方は見直されることになるとは思いますが。
 以上の提案に対して総理からは全面的に賛同を得たところでありますので、これらの諸点についてこの場で更に検討を深めるために、以下、質問をいたします。
 まず、一点目の決算書の早期提出であります。
 近年、決算の内閣から会計検査院への送付、会計検査院からの回付が年々早まっていると聞いております。この努力を更に強めていただき、一月ほど早めて十月下旬までに提出してもらえないか。今はIT時代であります。このような要求には十分に対応願えると思いますが、そういう御意思があるか。と同時に、決算審議について私の今申し述べました考え方に対する御所見と併せ、財務大臣に御答弁をお願いいたします。
 次に、二点目の責任をどう追及するかであります。
 この点につきましては、かつて一九六九年、昭和四十四年の参議院本会議における昭和四十二年度決算概要報告に対する質疑の場で、当時の佐藤栄作総理は、野党からの決算が是認されなかった場合の政治責任の取り方についての質問に対しまして、万が一そのような事態があったとすれば、総辞職、国会の解散もあり得ると明快に答弁をされております。
 内閣の浮沈にまで至らなくとも、何らかの形で責任を明確にすることは、決算の重要性を知らしめる上で大変大切なことであると思っております。決算に対する責任を明らかにするための新たな方策の必要性についてどうお考えになっているか、総理にお伺いいたします。
 三つ目の点につきましては、政策評価、予算への反映という決算審議の重みからいっても、予算委員会と同様、総理はもとより、全閣僚の出席が当然と思いますが、いかがでしょうか。再度、総理の御決意のほどをお伺いいたします。
 また、以上の提案を実現するためには、行政の府ばかりでなく、議会運営の面からの取組も必要です。ここに御参集いただいている議員各位の御協力が絶対不可欠であります。さきに設立された議長の諮問機関、参議院の組織及び運営の改革に関する協議会のまないたの上にのせてもらいたいと願っております。要望として申し述べさせていただきます。
 最後に、ODAの決算についてお伺いいたします。
 昨今、ケニアの発電所工事等、ODAにかかわる不祥事が目立っております。その原因が決算にかかわるものとは思いませんが、決算審査をしっかり行うことで少しでも不正が防止されると思っております。
 相手が外国であること、援助という善意の気持ちからのものであることなどから必ずしも国内並みの実地検査は難しいのでしょうが、財源は国民の税金です。よもやおろそかにすることは許されません。
 平成十二年度決算検査報告書では、ODAの現地調査については限度がある旨記されておりますが、ODAの現地調査の実態を外務大臣はどうとらえておられるのか、また、より立ち入った調査が実施できるよう検査院と協力して相手国政府に働き掛けるおつもりはないか、お伺いをいたします。
 以上で質問を終わりますが、聖域なき構造改革は、まず国会改革からであります。決算審査の改革は大きな国会改革の一つであると信じております。小泉総理並びに関係大臣の前向きな御答弁をお願いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 岩本議員にお答えいたします。
 決算審査についてでございますが、決算の審査は、予算の執行が所期の政策目的を果たしているかどうか等について審査検討するものであり、極めて重要なものと考えております。
 政府としても、従来から予算の適正かつ効率的な執行に留意してきており、予算編成等に当たっても、国会における議決や予算執行の実態等を十分反映させるよう努めており、今後とも、決算審査の重要性を十分認識し、一層の努力をしてまいりたいと考えます。
 政策の責任をさかのぼって追及する制度の必要性並びに全閣僚の決算審議における出席の是非についてでございますが、決算や行政の評価をしっかり行い、これを予算や政策立案に反映させていくことはますます重要になっており、こうした観点から、参議院においては決算委員会と行政監視委員会が設置されているものと考えます。
 どのような決算審議の在り方や制度が効果的、効率的か、議員御指摘の点を含めて、各党各会派でよく議論していただきたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対するお尋ねは、決算審査のもっと早期化を図れないかという御質問でございました。
 決算の効果的な審議をお願いするためにも、できるだけ早く決算書を国会に提出したいと思って、政府も今後とも鋭意努力してまいりたいと思っております。現在では九月の下旬に会計検査院へ送付するということをいたしておりますが、これも各省庁の集計を急ぎまして、できるだけ早く提出するようにいたしたいと思っております。
 なお、その際にも、この際、電算化の方法も考えていくべきであると思っておりますが、何といたしましても政府全体の機関にわたりますシステム化の問題がございますので、できるだけ早くこれを実施いたしたいと思っております。
 なお、先ほど、辻議員の質問に対しまして私のお答えの中で、決算書の提出は九月下旬と申しましたのは、あれは会計検査院に対する提出が九月下旬でございまして、会計検査院からの審査の終了を見て国会へ提出いたしますのは、国会開会前には実行しておるということを付け加えておきたいと思いますので、御了承いただきたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣川口順子君登壇、拍手〕
○国務大臣(川口順子君) 会計検査院の実地検査についてのお尋ねでございました。
 御指摘の平成十二年度の決算検査報告書におきましては、会計検査院は、「相手国に対しては検査権限は及ばないことなどの制約の下で現地調査を実施した」と述べられているわけでございます。この記述は、会計検査院の検査権限は相手国に対しては及ばないため、会計検査院は、あくまで相手国政府の了承の下に現地調査を実施している点を述べたものでございます。
 今後とも、ODAにつきましては、相手国の主権を十分に尊重いたしまして、会計検査院と協力をしながら、透明性、効率性の一層の向上に努めてまいりたいと存じます。(拍手)
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(倉田寛之君) 日程第二 新たな時代における経済上の連携に関する日本国とシンガポール共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長武見敬三君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔武見敬三君登壇、拍手〕
○武見敬三君 ただいま議題となりましたシンガポールとの新時代経済連携協定につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本協定は、平成十二年十月の我が国とシンガポールとの間の首脳会談において、二国間経済連携協定締結のための交渉を開始することで意見が一致したことを受け、平成十三年一月以来、両政府間で協定の締結交渉を行った結果、本年一月、シンガポールにおいて署名が行われたものであります。
 本協定は、我が国とシンガポールとの間で貿易及び投資の自由化及び円滑化を一層進める我が国初の自由貿易協定でありまして、金融サービス、情報通信技術、科学技術、人材養成、貿易及び投資の促進、中小企業、放送並びに観光といった幅広い分野での連携を強化しようとするものであります。
 委員会におきましては、我が国初の自由貿易協定をシンガポールと締結する背景、自由貿易協定に対する我が国の基本姿勢、本協定が我が国の国内産業に与える影響等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成           二百二十七  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会