第154回国会 総務委員会 第1号
平成十四年三月十二日(火曜日)
   午前九時二分開会
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   委員氏名
    委員長         田村 公平君
    理 事         景山俊太郎君
    理 事         世耕 弘成君
    理 事         谷川 秀善君
    理 事         浅尾慶一郎君
    理 事         伊藤 基隆君
                岩城 光英君
                小野 清子君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                松井 孝治君
                魚住裕一郎君
                木庭健太郎君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                松岡滿壽男君
                渡辺 秀央君
                又市 征治君
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   委員の異動
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     内藤 正光君     峰崎 直樹君
 二月一日
    辞任         補欠選任
     森元 恒雄君     溝手 顕正君
     峰崎 直樹君     内藤 正光君
 二月四日
    辞任         補欠選任
     溝手 顕正君     森元 恒雄君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 公平君
    理 事
                景山俊太郎君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                南野知惠子君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                松井 孝治君
                木庭健太郎君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                松岡滿壽男君
                渡辺 秀央君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    佐田玄一郎君
       総務副大臣    若松 謙維君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  河野 太郎君
       総務大臣政務官  滝   実君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局長       芳山 達郎君
       総務省情報通信
       政策局長     高原 耕三君
       総務省総合通信
       基盤局長     鍋倉 真一君
       総務省政策統括
       官        稲村 公望君
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  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
 防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
 (行政制度、地方行財政、消防行政、情報通信
 行政等の基本施策に関する件)
 (平成十四年度総務省関係予算に関する件)
 (平成十四年度人事院業務概況及び関係予算に
 関する件)
 (派遣委員の報告)

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○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月十八日、狩野安君が委員を辞任され、その補欠として南野知惠子君が選任されました。
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○委員長(田村公平君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(田村公平君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に総務省自治行政局長芳山達郎君、総務省情報通信政策局長高原耕三君、総務省総合通信基盤局長鍋倉真一君及び総務省政策統括官稲村公望君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(田村公平君) 次に、行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。
 まず、行政制度、地方行財政、消防行政、情報通信行政等の基本施策について、片山総務大臣から所信を聴取いたします。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) 総務委員会の御審議に先立ち、所信の一端を申し上げます。
 総務省が発足してから一年が経過いたしました。私は、昨年のこの委員会の場で、融和と結束という考え方に立って、三省庁統合の成果を上げていくことを表明いたしました。その結果、この一年の間に、平成十四年度に向けての政策推進プランに基づく国、地方を通ずる行財政改革及び地方分権の推進、全国ブロードバンド構想、電子政府・電子自治体推進プログラムの作成等による国、地方を通じたIT社会構築の推進、地方公共団体の特定の事務の郵政官署における取扱いに関する法律の施行による地方公共団体と郵便局との協力の推進など、着実に成果を上げてきたものと考えております。
 改革本番の年である本年は、結束と挑戦をテーマといたします。結束して改革への積極的な挑戦を行うことにより、昨年の実績を踏まえつつ、より大きな成果を上げられるよう、行政改革の推進、地方分権の推進、高度情報通信ネットワーク社会の形成、郵政事業の公社化等の所管行政の推進に最大限の努力を払ってまいる所存であります。
 以下、当面の重要課題について申し上げます。
 まず、行政改革の推進についてであります。
 行政改革については、一昨年十二月に閣議決定された行政改革大綱やこれに基づく一連の閣議決定等に定められた各般の改革に、行政改革担当大臣等関係大臣と十分に連携しつつ、集中的、計画的に取り組んでまいります。
 平成十四年度の機構・定員等については、機構の膨脹を厳に抑制するとともに、十年間で二五%の純減を目指した定員削減に最大限努力するとの目標の下、政府としての重要施策に対応しためり張りのある増員措置を講ずる一方で、九千二百七十一人とこれまでにない大幅な定員の純減を行うこととしております。
 特殊法人等改革については、昨年十二月に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画の具体化を推進するため、各法人の所管府省における取組に最大限協力してまいります。
 公益法人については、行政委託型公益法人等改革及び公益法人制度の抜本的改革を推進してまいります。また、適正かつ透明な業務運営が行われるよう指導監督及びディスクロージャーの充実を図ってまいります。
 公務員制度については、真に国民本位の行政を実現するため、昨年十二月に閣議決定された公務員制度改革大綱に基づき、改革の具体化に向けて積極的に取り組んでまいります。
 政策評価制度については、本年四月から施行される行政機関が行う政策の評価に関する法律を的確に運用することにより、全政府的に科学的かつ厳正な評価を推進し、政策の不断の見直しや改善を図ってまいります。
 また、評価専担組織として行う政策評価について、その結果が予算、機構・定員に反映されることを重点として取り組むとともに、行政評価・監視及び行政相談についても着実に実施してまいります。
 情報公開については、行政機関の情報公開法の的確かつ円滑な運用及び独立行政法人等の情報公開法の施行に向けた準備に万全を期してまいります。
 公的部門における個人情報の保護については、その整備充実のため、行政機関及び独立行政法人等が保有する個人情報の保護に関する関係四法案を今国会に提出することとしております。
 統計行政については、報告者の負担軽減を図りつつ、社会経済情勢の変化に対応した統計を整備し、その適時的確な提供に努めてまいります。
 次に、地方分権の推進についてであります。
 地方分権は、国、地方を通ずる行政の構造改革を進める上で極めて重要な課題であり、今後とも、地方分権改革推進会議や地方制度調査会における調査審議状況も踏まえつつ、「地方にできることは地方に」との原則に基づき積極的に推進してまいります。
 市町村合併については、市町村合併特例法の期限である平成十七年三月まであと三年を残すのみとなり、今年は正に正念場を迎えておりますが、既に二千を超える市町村が合併を検討、研究しております。こうした流れを後押しするため、引き続き市町村合併支援プランに基づく各種の支援策を関係府省と連携を図って具体的に実施するなど、市町村合併の推進に更に積極的に取り組んでまいります。
 なお、現在継続審議となっている地方自治法等の一部を改正する法律案については、年度内のできるだけ早い時期に成立できるよう、よろしくお願いいたします。
 また、簡素で効率的な地方行政体制を実現するために、地方公共団体に対し、定員管理及び給与の適正化、行政評価の導入等行政改革の一層の推進を要請するなど、主体的な行政改革の促進に努めてまいります。
 次に、地方財政についてであります。
 平成十四年度の地方財政計画の策定に当たっては、歳出全般にわたり徹底した見直しを行うことにより歳出総額の抑制に努める一方、個性ある地方の活性化、循環型社会の形成、少子高齢化への対応など当面する重要政策課題に適切に対処することとしております。
 大幅な財源不足については、国と地方で折半し、国負担分は一般会計からの加算により、地方負担分は特例地方債の発行により補てんすることを基本としつつ、その一部について交付税特別会計借入金により補てんすることにより、地方財政の運営上支障が生じないよう措置することとしております。
 この結果、地方財政計画の歳入歳出の規模は、八十七兆五千六百六十六億円、前年度に比べ一兆七千四百五億円、一・九%の減となっております。
 次に、地方税制についてでありますが、平成十四年度の地方税制改正においては、地方税負担の軽減及び合理化等を図るため、株式譲渡益に係る個人住民税の申告を不要とする特例の創設及び固定資産税における縦覧制度の見直しなどを行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等を行うこととしております。
 また、法人事業税への外形標準課税の導入については、先日閣議決定された「構造改革と経済財政の中期展望」において、「平成十五年度税制改正を目途にその導入を図る。」とされたところであり、今後とも、その実現に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
 地方税は、地方の自主財源として極めて重要な役割を担うものであり、今後とも、地方への税源移譲も含めた地方税の充実確保を図り、地方財政基盤の強化に取り組んでまいります。
 次に、地域活性化と多様性ある国土づくりについてであります。
 快適で活力がある個性豊かな地域づくりによる多様性ある国土の形成を図るため、地域が有する特性を生かしながら、都市基盤、産業基盤等の整備を進めるとともに、過疎地域の活性化及び農山漁村地域における国土・環境保全等の多面的機能の維持向上等を図ってまいります。
 また、新産業創出や雇用確保に結び付く地方公共団体の自主的かつ戦略的な取組を支援するとともに、地域の自立を担う人材の育成と確保を図ってまいります。
 次に、高度情報通信ネットワーク社会の形成についてであります。
 高度情報通信ネットワーク社会の実現には、高速・超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策、電子商取引ルールと新たな環境整備、電子政府、電子自治体の実現及び人材育成が不可欠であります。これらの課題は、e―Japan戦略が掲げる五年以内に世界最先端のIT国家を実現という目標を達成するためのかぎであります。
 高速・超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策については、全国ブロードバンド構想に沿って、民間事業者による情報通信基盤整備への支援に加え、地域公共ネットワークの全国整備の推進や、このネットワークを活用した加入者系光ファイバー網整備を行う過疎地域等の地方公共団体への支援等を行ってまいります。さらに、電波の効率的利用を一層促進するため、電波の利用状況の調査、公表について電波法改正法案を今国会に提出いたしました。
 また、ブロードバンド社会の実現に向け、電気通信事業の新たなビジネスモデルに対応した競争環境の整備を図るとともに、情報家電、モバイル技術、光ネットワーク技術など我が国が得意とする分野での研究開発や未来へつなぐ創造的な研究開発、IPバージョン6を備えたインターネット網への移行の推進等に取り組んでまいります。
 あわせて、地上テレビジョン放送のデジタル化については、関係者であらゆる努力を払いこれを円滑に実施するとともに、全放送メディアのデジタル化を推進してまいります。
 電子商取引ルールと新たな環境整備については、電子署名法の適切な運用やプロバイダー責任法の円滑な施行へ向けた取組を進めるとともに、ブロードバンドコンテンツの製作・流通の促進を通じて、ネットワークインフラ整備とコンテンツの充実との好循環を創出すること等を推進してまいります。
 電子政府、電子自治体の実現については、行政手続のオンライン化、認証システムなど共通的基盤の整備等、電子政府・電子自治体推進プログラムの推進に関係府省等の協力を得つつ集中的に取り組んでいるところであり、また、行政手続のオンライン化及び地方公共団体の行う公的な個人認証サービスについて今国会に所要の法律案を提出する予定であります。
 人材の育成については、我が国がIT人的資源大国となることを目指すため、情報通信分野の専門的な知識及び技能を有する人材の育成を一層促進するとともに、地域住民のIT実践をサポートする地域ITリーダーの養成など、地域住民の情報リテラシー向上のための取組を推進してまいります。
 次に、郵政事業の公社化等についてであります。
 郵政事業については、平成十五年中に国営の新たな公社を設立するという大改革を行うこととしております。また、公社化と併せて、ユニバーサルサービスを確保しつつ郵便事業への民間参入を可能とすることとしており、それぞれについて法律案を今国会に提出すべく準備をしております。
 これらは中央省庁等改革基本法第三十三条に基づくものであり、より自律的かつ弾力的な経営の下に、更に国民利用者の皆様や地域に貢献できるような経営改革を行いたいと考えております。
 このような改革を目前に控え、まず、郵便事業については、経営の黒字基調への転換を目指し、収益の確保と大幅な定員の削減など更なる効率化、合理化を推進してまいります。
 郵便貯金事業、簡易生命保険事業についても、良質な基礎的金融サービス等を提供し、預金者及び加入者の利益や健全な経営の確保に努めてまいります。
 また、このたび、郵便局において、住民票の写しの交付等を行うワンストップサービスや、確定拠出年金のサービスの取扱いを開始したところであります。これらの施策により、地方公共団体や民間企業等との連携を深めるとともに、国民共有の生活インフラとしての郵便局ネットワークの機能を高めてまいります。
 郵政事業は、国民の皆様の高い信頼が基礎となるものであり、今後とも、国民の皆様のニーズに迅速かつ的確にこたえるとともに、服務規律の遵守と公私の峻別など綱紀の厳正な保持について一層の徹底を図り、国民の皆様の信頼を損なうことのないよう、全力を挙げて事業運営に取り組んでいく所存であります。
 次に、恩給行政についてでありますが、恩給の有する国家補償的性格を踏まえ、恩給受給者に対する処遇の適正な改善に努めてまいる所存であり、平成十四年度の恩給改善措置を実施するための恩給法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の御審議をお願いしております。
 また、いわゆる恩給欠格者、戦後強制抑留者、引揚者の方々の問題に関しましては、平和祈念事業特別基金を通じまして、関係者に慰藉の念をお示しする事業を引き続き適切に推進してまいります。
 次に、消防行政についてでありますが、災害や事故の態様が複雑多様化、大規模化の傾向を強めてきている中、国民の生命、身体及び財産を災害等から守るという消防の責務はますます大きなものとなっております。
 このため、防火安全対策等を推進するための消防法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであり、このほか、広域的な消防防災体制の充実、消防団の活性化、救急・救助の充実、高度化、消防防災分野におけるIT化の推進など、消防防災全般にわたる施策の充実強化を図ってまいります。
 以上、所信の一端を申し上げました。
 委員長を始め、理事、委員各位の格別の御協力によりまして、その実を上げることができますよう、一層の御指導と御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
 以上です。
○委員長(田村公平君) 次に、平成十四年度総務省関係予算の概要について、政府から説明を聴取いたします。佐田総務副大臣。
○副大臣(佐田玄一郎君) 平成十四年度における総務省所管予算案につきまして、概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計について御説明いたします。
 一般会計の予算額は、十八兆五千五百二億九千八百万円であります。
 本予算案は、今日の我が国を取り巻く内外の厳しい情勢の下で、経済社会構造を抜本的に改革し、我が国の持つ潜在力を発揮できる新しい仕組みを作り上げることが必要とされていることを踏まえ、行政改革の推進、地方分権の推進、IT革命の推進等を重点的に推進するとの考えに基づいて取りまとめたものであります。
 具体的には、まず、行政改革を積極的に推進するため、行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づく各府省の政策についての統一的、総合的な政策評価等の着実な実施、独立行政法人等も含めた情報公開制度の適正かつ円滑な運用、着実な整備、行政改革大綱等に基づく国家公務員制度の改革を推進するための諸施策の実施に必要な経費として九億一千八百万円を計上しております。
 次に、自主的な市町村合併を推進するため、都道府県の推進体制の整備及び住民への啓発、並びに市町村の合併準備及び合併に伴い実施する事業に対する補助金等に必要な経費として二十七億九千二百万円、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づき地方交付税交付金財源として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費として十六兆一千七十九億八千七百万円、平成十一年度の税制改正による恒久的な減税に伴う地方税の減収額の一部を補てんするための地方特例交付金財源として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費として九千三十五億八千八百万円を計上しております。
 次に、情報通信技術による社会構造変革、いわゆるIT革命を推進し、我が国が世界最先端のIT国家になるとの目標達成に向け、超高速ネットワークインフラの整備及び利用の促進を図るため、地域公共ネットワーク等の整備の推進、世界最先端のインターネットの実現に向けた技術開発、ブロードバンド時代に対応したコンテンツの充実、放送のデジタル化の推進等に必要な経費として二百五十二億四千二百万円、国民の利便性の向上、行政運営の簡素化、効率化及び透明性の向上に資する電子政府、電子自治体の実現を図るため、行政情報の電子的提供、申請・届出等手続の電子化等に必要な経費として百三十七億七千五百万円、高度情報通信ネットワーク社会の構築に不可欠な人材の育成を図るため、地域住民の情報リテラシー向上のための取組の推進、情報通信分野の専門的、技術的な知識及び技能を持つ人材の育成等に必要な経費として七十一億四千二百万円、地理的要因や年齢、身体的な条件に基づく情報通信の利用機会又は活用能力の格差、いわゆるデジタルデバイドの解消を図るため、地域間の情報通信格差の是正や情報バリアフリー環境の整備に資するシステムの開発等に必要な経費として二十九億七千九百万円、情報通信技術の研究開発力の向上に向けた取組や光ネットワーク技術、モバイル技術、セキュリティー技術といった分野の戦略的研究開発の推進に必要な経費として七十三億七千五百万円を計上しております。
 また、複雑多様化する災害に対処し、災害に強い安全な地域作りを推進するため、消防防災施設等の整備に必要な経費として百八十億九千万円、統計調査を効率的かつ円滑に実施するための経費として二百七十四億七千八百万円、文官及び旧軍人等に対して恩給を支給するために必要な経費として一兆一千九百九十二億八千四百万円、政党助成法に基づき法人である政党に対し交付する政党交付金の交付等に必要な経費として三百十八億九千三百万円、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する市町村に対し交付する基地交付金及び特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し交付する調整交付金に必要な経費として三百一億五千万円を計上しております。
 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計について御説明いたします。
 まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は六十四兆三千九百五十九億六千九百万円、歳出予定額は六十四兆二千四百二十億六千九百万円となっております。
 歳入は、地方交付税交付金、地方特例交付金等の財源に充てるための一般会計からの受入れ見込額、地方道路税の収入見込額、石油ガス税の収入見込額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込額等を計上しております。
 歳出は、地方交付税交付金、地方特例交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰入れ等に必要な経費であります。
 次に、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は九百十四億五千三百万円、歳出予定額は八百四十四億五千三百万円となっております。
 歳入は、交通反則者納金の収入見込額等を計上しております。
 歳出は、交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。
 次に、郵政事業特別会計について御説明いたします。
 郵政事業特別会計の歳入歳出予定額は、収入印紙等の販売に係る業務外収入支出分を除きますと四兆八千二十四億九千六百万円であります。
 新時代にふさわしい郵政事業の展開を図るために、郵政公社の設立に向けた基盤整備及び郵便局ネットワークの活用と利用者サービスの推進に必要な経費として百二十六億九千六百万円を計上しております。
 以上、平成十四年度における総務省所管予算案の概要の御説明を申し上げました。よろしくお願いを申し上げる次第であります。
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○副大臣(佐田玄一郎君) 委員長、よろしいですか。
○委員長(田村公平君) はい。
○副大臣(佐田玄一郎君) このたび総務省の副大臣を仰せ付かりました佐田玄一郎でございます。
 片山大臣を支えて全力で頑張っていきたいと、かように思っております。
 委員長並びに理事、委員の皆様方に御指導、御鞭撻賜りますように、心からお願いを申し上げる次第であります。以上です。
○委員長(田村公平君) 先ほどの理事会で決めておりました進行を若干変更させていただきます。
 若松副大臣、委員会に間に合いましたので、この際、若松副大臣、滝総務大臣政務官及び河野総務大臣政務官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。若松副大臣。
○副大臣(若松謙維君) このたび総務副大臣を拝命いたしました若松謙維でございます。
 佐田副大臣とともに片山大臣を補佐し、全力を尽くしてまいりますので、田村委員長を始め理事、委員の皆様方の格段の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。
○委員長(田村公平君) 滝総務大臣政務官。
○大臣政務官(滝実君) 総務大臣政務官を拝命いたしました滝実でございます。
 山内大臣政務官、河野大臣政務官とともに片山大臣を補佐し、全力を尽くしてまいりたいと存じます。
 委員長始め理事、委員の諸先生にはよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願いを申し上げたいと存じます。
○委員長(田村公平君) 河野総務大臣政務官。
○大臣政務官(河野太郎君) おはようございます。
 このたび大臣政務官を拝命いたしました河野太郎でございます。
 両副大臣並びに両大臣政務官共々、片山大臣を全力で支えてまいりたいと思います。
 委員長始め理事並びに委員の皆様の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
○委員長(田村公平君) 次に、平成十四年度人事院業務概況及び関係予算の概要について、政府から説明を聴取いたします。中島人事院総裁。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 人事院の業務概況及び平成十四年度人事院関係予算の概略について御説明申し上げます。
 人事院は、国民に対し、公務の民主的かつ能率的な運営を保障するため、公務員の人事管理の中立・公正な運営を確保すること、労働基本権の制約に対する代償として職員の利益の保護を図ること、人事行政の専門的機関として情勢に的確に対応した人事行政施策を推進することに取り組んでおります。
 今日、行政環境の急速な変化や政と官の在り方についての関心の高まりの中で、公務員が全体の奉仕者として国民本位の行政サービスを提供できるような基盤を公務員人事管理上整備することが求められており、人事院としては、こうした視点を踏まえ、以下のような施策に取り組んでおります。
 まず第一に、全体の奉仕者としてこれからの行政課題にこたえ得る有為の人材を公務に確保し、育成していくため、採用試験の体系や内容の検討、全府省職員を対象とした合同研修の充実などに一層力を注ぐほか、U種、V種等採用職員の登用を始め、能力、実績等を重視した人事管理を推進してまいります。
 第二に、厳しい経済情勢の下、全国各地に勤務する公務員の給与水準がその地域の民間給与をより反映したものとなるよう、民間給与の実態把握に努めるとともに、公務部内の給与配分の在り方について検討を進めております。
 第三に、男女共同参画社会の実現や高齢社会における適正な退職管理の推進に向けて、必要な条件整備や各府省における取組体制を支援していくほか、国家公務員倫理法の適正な運用等を通じ、職員の服務規律の確保に努めてまいります。
 最後に、現在、内閣官房において、昨年十二月に閣議決定された公務員制度大綱に基づき、新たな公務員制度の構築に向けた検討が行われております。今後、関係者及び国民の理解と納得を得て、実効性のある仕組みとして結実するよう、人事院としても、中立機関、代償機関としての立場から適切な役割を果たしていきたいと考えております。
 以上、人事院の業務概況について御説明申し上げましたが、これら人事行政等のための経費を計上した平成十四年度内閣所管人事院関係予算の歳出予算要求額は、百一億九千七百万円であります。
 何とぞよろしく御審議くださいますよう、お願い申し上げます。
 以上でございます。
○委員長(田村公平君) 以上で、総務大臣の所信、総務省の予算説明並びに人事院の業務概況及び予算説明の聴取は終わりました。
    ─────────────
○委員長(田村公平君) 次に、先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。浅尾慶一郎君。
○浅尾慶一郎君 総務委員会沖縄県委員派遣報告。
 当委員会が行いました委員派遣につきまして、その概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、田村公平委員長、景山俊太郎理事、世耕弘成理事、谷川秀善理事、魚住裕一郎委員、八田ひろ子委員、渡辺秀央委員及び私、浅尾慶一郎の八名で、去る一月十六日、十七日の両日、沖縄県を訪問し、同県における地域振興、情報通信等に関する実情を調査してまいりました。
 まず、本委員会派遣を沖縄において実施することといたしましたのは、国内経済の低迷による沖縄県への影響、全国に比して高い失業率、さらに昨年九月に米国において発生いたしました同時多発テロ事件の影響による修学旅行の取りやめ等、入域観光客の減少による観光産業への深刻な影響を憂慮いたしまして、同県における実情を把握し、国政の場における審議に反映させようとした次第でございます。
 以下、調査の概要について申し上げます。
 まず、沖縄県の財政状況ですが、平成十二年度の決算では、歳入総額は六千六百八十八億円で前年度に比べ二百九十一億円の減となっており、このうち県税収入は九百五十七億円でその割合は一四・三%であり、これを含んだ自主財源比率は二四・〇%であります。一方、地方交付税は二千三百三十億円で三四・八%の割合を占めており、全国平均の二一・七%に比べ、高い水準にあります。歳出総額は六千六百二十一億円で、このうち公債費と投資的経費の補助事業の伸びが大きく、その要因は数次にわたる景気対策等によるもので、その増加には地方交付税の伸びや国庫支出金の増額で対応するとともに、県債の増発や基金の取崩しで対応してきております。
 同県の産業構造の特徴は、観光業など第三次産業の発展によって経済規模が拡大したものの、自立経済として不可欠であり、雇用や技術革新をもたらす重要な要素である第二次産業では、経営基盤の脆弱な中小企業が多く、下請といったすそ野が広がる構造にはなっておらず、民間資本、生産力等が脆弱であります。
 また、雇用情勢は、完全失業率の悪化は昨年十月の九・三%に端的に示されているとおり、極めて厳しい状況にあります。高失業率の背景としては、若年層を中心に県内就職傾向が強いこと、さらに、県内の新規求人数が増えても、求職者との希望が合わない雇用のミスマッチもあり、労働供給力は高まっているにもかかわらず、県内産業の雇用吸収力では労働力人口の増加を十分吸収できていないことなどが考えられます。
 次に、観光産業は、本土経済の低迷、米国同時多発テロ事件の影響により、修学旅行を中心にキャンセルが続くなど観光客が大幅に減少し、大きな打撃を受けております。特に平成十三年の入域観光客数を四百四十一万人と予測しており、当初の目標値である四百六十六万人に比べ、二十五万人の減少、二百二十九億四千万円の観光収入の減が見込まれ、国、沖縄県、旅行会社、交通事業者及び観光関係団体において種々の取組がなされているところであります。
 一方、沖縄県では、平成十年十月、情報通信産業を二十一世紀に向けた中核産業と位置付け、集積・振興を図るため沖縄県マルチメディアアイランド構想を策定し、産業の集積、人材育成・研究開発の促進、先進的なアプリケーションの構築、情報通信基盤の整備を図ることとしております。
 また、総務省では、沖縄をアジア太平洋地域における情報通信ハブとして形成するため、沖縄マルチメディア特区構想を提唱し、情報通信分野における基盤の整備、人材育成・研究開発の推進、先進的なアプリケーションの展開、情報通信産業の集積、情報発信機能の強化のための施策を実施し、さらに、沖縄国際情報特区構想として発展させ、沖縄経済の活性化のための環境づくりを推進しております。
 同県では、情報通信関連企業、研究機関等を誘致した結果、NTT一〇四番号案内センターを始めとして、平成十三年十一月現在三十七社に上り、約三千八百八十一名の雇用が創出されており、現在では、構想の第二段階であるコンテンツ制作部門の集積・誘致に重点が移りつつあります。しかしながら、県内ではコンテンツ制作等高度IT技術者の層が薄く、労働力の需給関係がアンバランスになっており、こうした人材の育成が急務となっています。
 また、沖縄国際情報特区構想の実現性については、沖縄県は、総じて、企業集積は進んでおり、米軍基地もあることから英語アレルギーもなく、戦前の移民の伝統もあり、Uターン組もあるので、国際的なノウハウの蓄積もあり、大学院大学設置構想、外務省のJICA研修センター等、国際的に開かれた条件は備わっているとの話でありました。
 今回、特に企業誘致の代表的な例としてNTT一〇四番号案内センターを視察いたしました。このセンターは、NTTが、政府の沖縄振興策を受けて、雇用創出による地域経済への支援を図るため、距離に影響されない通信事業の特性を生かした事業として平成九年十月に開設したものであります。東京発の番号案内分散による雇用の創出とともに、他企業に先立って進出するといった牽引的な役割を担っており、その後、コールセンターの進出が相次いでおり、昨年九月末時点で十六社がコールセンターを開設しており、将来は約四千人の雇用創出が見込まれる産業規模にまで成長しております。
 政府として、沖縄県北部地域の振興に関する方針等に基づき、北部地域の振興策に積極的に取り組む方針を決定しておりますが、今回、特にその中心的な役割を担う名護市における名護市マルチメディア館を訪問いたしました。ここでは、NTT一〇四番号案内センターを始めとして、研究開発施設、人材育成施設のほか、マルチメディア企業育成を目的としたインキュベート施設があります。その中には、年二回の東京における企業誘致説明会の結果入居した県外企業が約半数含まれておりますが、今後の問題としては、特に高度IT技術者等の人材が不足しており、人材確保策として、研修を行い、地元技術者を育てるとともに、県外から技術者を招聘することも検討中とのことでありました。
 一方、沖縄県において、地域振興のために、地域情報化通信ネットワークの高度化を図ることを目的に、県内五十三市町村中四十四市町村において地域インターネット施設又は地域イントラネット施設が整備されております。
 名護市におきましても、地域イントラネット基盤施設整備事業により、インターネット技術の活用による教育、行政、医療、防災等地域住民への公共分野の情報サービスの提供を行う施設整備を行っております。マルチメディア館を北部地域の情報の中心として、昨年二月、地域イントラを完成し、役所、公民館、図書館、観光施設、大学等がインターネットでつながり、利用の便に供されております。今後は、名護市における地域情報提供だけではなく、農産物へのIT管理を導入するなど北部地域東側における農業の活性化など既存産業の情報化を進め、北部地域のIT化等地域振興を含めた情報通信網の有用な施策の研究を促進することとしております。
 稲嶺沖縄県知事からは、県としても情報通信基盤整備を進め、コールセンターを始めとした企業誘致に積極的に取り組み、またe―island宣言を行い、情報通信関連への人材育成を強力に推し進めるとともに、IT等の研究施設としての大学院大学構想に関しての言及がありました。これに対して派遣団からは、大学院大学構想への期待、アジアに開かれた人材育成、産業振興と環境保護、観光リゾート産業振興への方策などの意見が述べられました。
 最後に、沖縄県は、地理的優位性、情報通信インフラ整備計画等から見て、世界の情報通信ハブとして発展する可能性を有しており、今後、マルチメディアの島、IT特区になれるかどうかは、施設整備等環境整備とともに高度IT技術者等の育成に掛かっていると思われます。
 以上で沖縄県における調査の報告を終わりますが、今回の調査に関し、沖縄県を始めとして総務省及び関係自治体等から終始御協力いただきましたことに対し、深く感謝を申し上げます。
 以上です。
○委員長(田村公平君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
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○委員長(田村公平君) 次に、行政制度、地方行財政、消防行政、情報通信行政等の基本施策に関する件及び平成十四年度人事院業務概況に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○世耕弘成君 自由民主党・保守党の世耕弘成でございます。
 本日は、先ほどいただいた大臣所信に関しまして、特に情報通信政策を中心に質疑をさせていただきたいと思っております。
 今年は日本及び世界の情報通信のマーケットにとって大きな曲がり角になるのではないかなという気持ちがしております。キーワードはやはりブロードバンドだと思っております。世界的に非常に大きくブロードバンド化のスピードというのが進んでいくんではないかと思っています。
 また、この日本におきましても、昨日も新聞に出ておりましたが、ADSLの加入者が非常に伸びている、二月の時点でもう二百万を超えている、年度末にはもっともっと、年末にはもっともっと伸びてくるんじゃないかという予想もあります。あるいは光ファイバーを用いた、いわゆる一般消費者でも手の届く範囲の商用サービスといったものも東京、大阪を中心にスタートを始めていて、大きな注目を集めている。
 それに加えて、携帯電話、これも第三世代の携帯電話がいよいよ本格化してきたと。KDDIが若干後れておりましたけれども、四月の一日から本格サービスを始めるということになりまして、三社出そろいまして、いよいよこの次世代携帯電話が進んでくるんではないか。この次世代携帯電話というのは、正に携帯の世界におけるブロードバンドとまではいきませんけれども、高速通信ができる携帯ということになるんだと思っています。
 一方、放送の世界でも、地上波デジタルがこれから準備が進められていきますし、もう既にBSデジタルが始まっております。今年のソルトレークシティー・オリンピックなんかを契機に相当一般の家庭でもデジタル対応のテレビを買われたところが多いと思いますし、あるいは一方で、DVDという、デジタルで記録された情報をベースに映画とか音楽を楽しむというような家庭もかなり増えてきていて、いわゆる家電のデジタル化というのも相当進んでくる、そういう大きな曲がり角の年にあると思っています。
 アメリカでも、そういう中で政策の転換が今行われようとしています。アメリカ政府においてちょうど片山大臣のカウンターパートに当たる情報通信政策の責任者はFCCの委員長でございまして、パウエルという人でございます。国務長官のパウエルと名前が一緒ですけれども、これはたまたま一緒ではなくて、本当にパウエル国務長官の息子が電気通信政策の責任者をやっているということになるわけでございますが、この人が去年の十月の二十三日に非常に大きな記者会見を行いました。これが、アメリカがクリントン政権時代に、一九九六年の通信法という世界で、市内、市外の区別とかいろんな、アンバンドル政策とか、そういうのをずっとやってきたわけですけれども、その政策を見直すような大きな政策的方針の表明があったと言われています。
 その中でパウエル委員長の言ったポイントというのは、まず一つはブロードバンドを重視してやっていくんだと。ブロードバンドのサービスを事業者に展開させるためには結構大きな投資が要るので、その投資の邪魔になるような、投資の意欲をそぐような規制というのはなるべく落とすんだということも言いました。あるいは、これからブロードバンドソサエティーを作っていくために当然プラットホームというのが必要です。インフラだけではなくて、その上に乗っかるいろいろなサービスの基盤になるようなプラットホームというのが必要ですけれども、それをもっとどんどんどんどん多様化させていくんだということも言いました。そしてもう一つは、本当の競争を進めていく上で、やはり設備ベースの競争だと。人から借りてそれをそのまま使うのではなくて、やはり自前の設備投資を打って、設備を持ってサービスをやるというような、そういう設備ベースでの競争を促進していくんだと、こういう三つの大きな柱があったのかなというふうに思っております。
 こういうアメリカでのブロードバンドを軸とした政策転換について、まず日本としてどういうふうに考えているか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) FCCのパウエル委員長が国務長官の息子だというのは私も初めて知りましたけれども、パウエル委員長が、今、世耕委員が言われたような発言をしていることは承知いたしておりますし、基本的にはパウエル委員長の発言は、私は正しいと、こう思っておりますし、我々の目指す方向とほぼ一致しているんじゃなかろうかと、こういうふうに思っております。
 ただ、FCCとして方針を決めたということはまだ聞いておりませんし、連邦議会には、あそこは議員立法の国ですから一杯法律が出ていまして、規制緩和の法律もあれば規制強化の法律もありまして、その辺はもう十分動向をつかまえながら我々も対応してまいりたいと。
 昨日実は、夜、官邸でIT戦略本部がありまして、放送と通信の融合だとか、今、委員言われました、インフラとプラットホームとコンテンツ、この辺のハード、ソフトの融合論というのがありますよね。そういうことのいろんな議論が行われましたけれども、昨日の議論では、特に放送関係者あるいは新聞関係者の皆さんは、放送と通信の融合には慎重であるべきだし、ハードとソフトの一体化というのは日本の場合にはかえって、簡単にいかないというかマイナスも多いと、こういう趣旨の発言もありまして、私も基本的には、同じような放送、通信は融合してくるし、中間領域もどんどん増えてきますけれども、やはり本来的な属性は、役割は違うんで、やっぱりその違いと融合するところとの明確な認識の下に対応を図るべきではなかろうかと。日本の場合にはハード、ソフトが一体で来たことが、考えてみれば今の放送事業者やなんかは一番大きなコンテンツメーカーでもあるんで、今のところ不都合がないんで、私は基本的には、一体でやってもいいし分けてやってもいいんで、多様なるやり方をそれぞれがやって競争が進むようにすべきではないかという趣旨のことを発言いたしましたが、基本的には、パウエル委員長の御発言については私も同感の部分が相当ございます。
○世耕弘成君 わかりました。
 それで、そういうアメリカでの議論もありますが、日本でもこれから恐らくいろんな大きな議論が行われていくと思います。
 特に、昨日IT戦略本部でも一つ議題になったと思いますけれども、経済産業省の審議会で、産業構造審議会という審議会があります。そこの情報経済分科会というところが、先週の末に第三次提言というのをまとめて発表いたしました。
 これ、非常に高尚な論文で、読み物としては面白いんですけれども、政策的に何をしたいのかいま一つちょっと見えにくいところもあるんですけれども、この産構審の第三次提言そのものに関して、大臣、まず全体としてどういうふうにお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 三月八日に、今、世耕委員言われましたように産構審の分科会が提言を取りまとめております。内容については詳細に勉強しておりませんので、どこまでどうかということは余り正確には言えないかと思いますけれども、少なくとも通信及び放送の制度についていろいろ言われておりますが、この制度は、単に産業構造という観点からだけではなくて、利用者保護だとかユニバーサルサービスの確保だとか、報道機関や文化の担い手としての役割だとかあるいは技術の動向だとか、私は、前広の幅広い観点から議論すべきでございまして、そんなに単純なものじゃないという感じを大変持っておりますし、それに近い、産構審の分科会に近いような発言をされた、昨日もIT戦略本部で委員さんおられましたけれども、私は必ずしもそれが適正だとは思わないという趣旨のことを申しておりましたが、もう少しこの提言については十分勉強してから、我々としても態度をはっきりさせたいと考えております。
○世耕弘成君 この提言、私はそれなりに読んでみたんですが、いろんなことを言っていますけれども、一番核になるポイントは、やはり情報通信と放送の世界の規制の体系を見直していこうということで、その考え方としては、まず三分類にする。一つは電話、これはもうそのまま、なるべくそのままにしておきましょう、もう一つは放送、これもなるべくそのままにしておきましょう、しかしそれ以外の、いわゆる情報通信市場というもの、これは、今までは通信、放送という何でも縦割りの規制体系をやってきたんだけれども、これを今度は横に見ていきたいと。一番下にあるインフラストラクチャー、その上に乗っているプラットホーム、そしてその上に流れるコンテンツという、こう三つに横に見て分けて規制の在り方を考え直していきたいということになっています。
 ここによる表現だと、水平アンバンドル型。要するに水平に分離する形の構造を持つ情報市場においては、キャリア・プラットホーム・コンテンツという形で分化した機能の中で、他社との連携を図りつつ、自社の経営資源を集中すべき機能を一層明確化することが合理的な経営の選択となる。このことは、市場構造のアンバンドル化に対応した経営資源の再配分、経営組織のアンバンドルを実行することにほかならないということで、要するに、電話と放送以外の分野はできれば水平にある程度経営も分けていくというような私は答申になっているのかなというふうに思っております。
 私自身は、この考えは非常にまだ決め付けるのは早いと思っています。この答申はかなり決めているような気がしますけれども、情報通信市場というのは、まだこれ発展形態の途中にあるわけです。このインフラとプラットホームとコンテンツをどういうふうに分けてサービスを提供すればいいかなんという答えはまだ全然出ていないと思っています。
 例えばNTTドコモは、これはiモードで大成功をいったん収めました。これはやはり、携帯電話というインフラを持った上に、コンパクトHTMLという技術をベースにしたホームページだとか電子メールをやり取りする一つのプラットホーム、そこで料金も回収できるようにして、その上で、一部自分でコンテンツも提供しているけれども、なるべくほかの人のコンテンツも呼び込んでビジネスとして成功させた。やはりこれは一つの垂直統合でやって大きな成果を上げたビジネスモデルがあると思っています。そのほかにも、逆に今度はプラットホームだけに経営資源を集中して成功してくるようなケースも出てくるかもしれないし、あるいはコンテンツだけをしっかりと作って、そしてプラットホーム以下はもう人のものを使うというビジネスも出てくるかもしれないし、あるいはコンテンツとプラットホームの両方をうまくやってインフラについては人のものを借りるとかいろんなパターンがある、私はそういうところだと思っておりまして、そこを今の時点で水平に分けて考えようというのは、私は、余りに時期尚早だし少し間違っているのではないかというふうに思っているわけですが、大臣としてはこの辺どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) あの提言はそうなんですね。放送市場、通信市場、それから情報市場というんですか、何かいろんな分け方をやって、少なくとも情報市場については水平アンバンドル型がいいと。これは一種の原理主義ですね、それしかないというなら。
 私は、正に世耕委員の言われるように、多様な展開があっていいんで、どんな組合せがあってもいいんで、そのような多様な展開をみんなで助長した方がいいんですよ。そういう中で公正な競争の確保をできる環境さえ整えてやればいいんで、やっぱり、今のそういう水平アンバンドル型の市場構造しかないともし仮に言われるとしていれば、それは必ずしも妥当ではないんではないかと、委員と同じような意見を持っております。
○世耕弘成君 大臣にそういうお考えを持っていただいていると非常にうれしいです。
 基本的に私は、今回のこの情報通信市場の水平への、水平分離というのは、ただ単に今まで縦に割っていたものを単に垣根を横にしただけの私は変革であって、本当の意味での変革ではないのかなというふうに思っています。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 現に世界的に見ても、世界のいわゆるIT産業におけるメガプレーヤーというのは基本的に、私はいろいろ勉強して見ていますけれども、垂直統合を目指している、やはり今言っているような、インフラからプラットホーム、コンテンツまで統合的にサービスを提供することをねらっていると思っています。
 例えば、マイクロソフト社、これはウィンドウズ、今までずっと出してきていますが、一番新しいバージョンのウィンドウズXPなんというのは、正にこれは垂直統合をねらっているなというのがはっきりするような私はOSだと思っています。そこで電話もやろうとしている、あるいはその上でいろんなコンテンツビジネスも展開しようとしている、あるいは個人認証をやろうとしている、いろんなサービスを展開しようとしています。あるいは、ほかにもAOLなんというのもそうです。これは元々インターネットのプロバイダーだったわけですが、これが今コンテンツにもインフラにもどんどん手を伸ばしていっている。あるいはアメリカでもビベンディユニバーサルという、これはユニバーサルのそのコンテンツなんかを軸にしたサービスを展開しているところですけれども、ここなんかも正にプラットホームにまで進出しようとしているということで、正に世界のトレンドというのは垂直統合を目指していると私は理解していますが、大臣、御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) すべて垂直統合を目指しているかどうかまでは私はそれは分からないと思いますけれども、ケースによっては垂直統合の方がいい場合もたくさんあると思うんですよ。
 だから、先ほども言いましたが、私は多様な組合せ、多様な展開を認めることにする、その中で公正な競争の確保を図っていくと、こういうことでございまして、そういう意味では、場合によって競争が激しくなれば垂直統合の方の傾向の方が強くなる可能性も大変あると思います。それは一つも悪くない、適正な競争さえ確保されれば、そういうふうに私は思っております。
○世耕弘成君 私今、例で垂直統合の例を挙げましたけれども、おっしゃるようにいろんな組合せがあると思っています。これはやっぱり、その組合せとかそういったものについては、はっきり言って別に政府が規制するとか政府が絵をかく話ではないと思っています。それぞれの企業の経営者が、自分のところはコンテンツだけでやるぞ、自分のところはいやプラットホームまで組み合わせてやるぞと、そういう経営判断でやっていくべきものだと思っています。そして、その経営判断に対する審判というのは、これも行政が下すものではなくて消費者が下す。いいサービス、そうやって出てきた経営判断でいいサービスが出てくれば、消費者はそれを支持してその会社は栄える、それが消費者に支持をされなければその会社は駄目になる、私はこういう経済原理をこの情報市場というところでは徹底をしていくことが、やはりこの市場の健全な発展につながるんではないかなというふうに思っています。
 それともう一つ、この答申の問題は、片や水平に物を見ると言っていながら、一方で電話と放送はそのままよという言い方をしている、縦のまま置いておきますよ、触りませんよという言い方になっている。何だか民放連の反対が非常に強い。昨日もIT戦略本部、氏家会長、出られていると聞いていますが、民放連の反対の声が強いものだから、ちょっとうるさいところは黙ってもらえるように、そこはいじりませんよという形にしたのかなという邪推もしたくなるわけですけれども、私は逆にこれも危険だと思いますね。
 電話も放送も今後、情報通信とどんどんどんどん融合していく可能性があるのに、それだけは何だか別だという決め方をしてしまった、このことについては、大臣、お考えはどうでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) そうですね。民放連さん、新聞協会の大変強い反対がありましたから、最初そういうことを言われておった方も、ちょっと我々は必ずしもそういう意図でないという言い方をされていますよね。
 ただ、私は、基本的には言われるとおりなんです。ただ、融合しましても私は放送と通信はやっぱり違うと思うんです。放送というのは不特定多数に対するいろんなものの提示で、通信というのは基本的には一対一の秘密を守るようなことが、ただ、一対一が一対百になったり一万になったりしていますよね。しかし、やっぱり基本的な私はその性格というのか役割は違うんで、違いは違いとして認めながら、融合部門は融合してもらった方がいいんですから、どんどん融合してもらう、融合を助長すると。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 しかし、違いは違いでそれを認識して、その違いをどうやって生かしていくかをやればいいんで。だから、その違いでないところについて、特に放送は別だとかなんとかということは必ずしもそれはそれで十分ではないという気がいたしております。その辺は我々もこれからもう少し検討や議論を深めたいと、こう考えております。
○世耕弘成君 この市場の在り方というのは非常にこれから日本のIT産業の行方を決めることですので、是非、経済産業省の出している提言ではありますけれども、総務省としてもいろんな積極的な意見を是非言っていっていただきたいなと思います。
 それともう一つ、今年の非常に大きなこの情報通信の世界でテーマになるかなと思っているのが、NTTの相互接続料に関する長期増分費用方式、これはもう既に二年前から導入をされているわけでございますが、今年またモデルの見直しが入ってくると言われております。
 まだ、二年前に導入したときは相当アメリカから、当時クリントン政権からいろんなプレッシャーも掛かって導入していったわけですが、今回ブッシュ政権は一体どういうやり方をしてくるのかな、いま少し見えないわけですけれども、今後のこの長期増分費用方式の見直しのスケジュール、具体的にどういうふうになっておりますでしょうか。
○政府参考人(鍋倉真一君) 現行の接続料算定に用いられているこの長期増分費用モデルにつきまして、これまで当省に長期増分費用モデル研究会を置きまして見直しの作業を行ってまいりました。三月八日にこの研究会としての最終報告を公表したところでございます。
 今後のスケジュールでございますが、これを受けまして、総務省として新たな接続料算定の在り方につきまして今月末にでも情報通信審議会に諮問をする予定になっております。
○世耕弘成君 この長期増分費用方式というのは世界的にもいろんな議論が行われております。要するに、新しい新電電とかに自分のネットワークをNTTが貸してあげるときにいただく料金を、必ずしも現実に掛かったお金ではなくて、いったん理想的なネットワークをかき直して、そしてそのベースでお金を取るというやり方でございます。
 私、よく分からない人に説明するときは、新興住宅に住んでいる人がいて、近所の人を自分の車に乗せて毎日駅まで送っていっていたと。それでみんなで一緒に通勤をしていた。月末になって、リッター十キロで計算をしてガソリン代をみんなに請求したら、いやいや、もう最近はプリウスという車もあるからリッター二十キロで計算しないと自分は納得できない、私はあなたにリッター十キロの車で乗せてくれと頼んだ覚えはないと言っている、それと等しい話だということを申し上げているわけですけれども、アメリカからこれかなり要求をされてやりました。元々は橋本元総理とクリントン大統領がバーミンガム・サミットで約束をしたところからこの方式の導入が始まっておるわけでございますけれども、最近、アメリカではこの長期増分費用方式については見直す動きが出てきていると聞いています。
 そもそも、アメリカでこれ使っていないんですね。大半の大きな市場では使わないで非常に小さなマーケットでは使っているんですけれども、その小さなマーケットで使っていることに関しても裁判が行われていて、二〇〇〇年の七月には連邦控訴審でこの長期増分方式は駄目だという、無効だという判決が出て、そして今最高裁で争っていると聞いています。
 あるいは、アメリカのシンクタンク、アメリカン・エンタープライゼズ研究所というところが、この長期増分費用方式をアメリカから日本に対日圧力を掛けたことは間違いだったという報告書も出しているという話も聞いていますが、こういう長期増分費用方式のアメリカでの見直しの動きについて、どのようにお考えになっているでしょうか。
○政府参考人(鍋倉真一君) 先生今御指摘されましたとおり、米国におきましてはこの長期増分費用方式というのが通話の一部、市内相互接続にのみ適用されておりまして、通話の大宗を占める州際通話については長期増分費用方式は適用されておりません。ただ、低廉な水準になっているということはあると思います。
 今御指摘の、現在、米国連邦最高裁におきましてこの長期増分費用方式に係る訴訟が行われております。ただ、この争点となっておりますのは、これも先生御承知だろうと思いますけれども、この方式を採用すること自体がいい悪いという話ではなくて、FCCが、米国連邦通信法によりましてFCCがこの方式を採用する権限が与えられているかどうかということを争っているというふうに私ども承知をいたしております。
 ただ、この判決につきましては私ども注視をしてまいりたいというふうに思っております。
○世耕弘成君 そういうことで私は、今回モデルの見直しという形で総務省の中で作業が進んでいますけれども、アメリカのこの情勢も今注視をしたいというふうにおっしゃっていただいていますけれども、今年じゅうに恐らく判決が出てくると思いますけれども、そういうことも踏まえて、やはり長期増分費用そのものの是非というのも考えていかなきゃいけないんじゃないかと思っております。
 この長期増分費用方式、導入してからいろいろとNTTも赤字が大きくなってリストラをしたりとかいろんな影響が出ているわけですけれども、この長期増分費用方式を導入したことの評価ですね。当時は、導入するときはアメリカ側は日本のITの発展のためになんてお題目も言っていましたけれども、この長期増分費用方式入れてみてどうだったか、日本のIT市場にどういういい影響あるいは悪い影響があったと分析をされるのか、お伺いしたいと思います。大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) この長期増分費用方式は導入のときからいろんな議論がありましたよね。押し切られたというわけでもないんだろうけれども、そういうことで採用になりまして今日まで来ておりますけれども、結果としては接続料は相当下がっていますね。ZC接続では約四五%、GC接続では約一七%という大変大幅な引下げが実現しております。さらに、利用者の料金につきましても、例えば市外通話料金は県内でいえば三分間九十円が四十円に、市内通話料金が三分間十円が今八円五十銭ですか、そういうふうに大幅に下がっておりまして、そういう意味では競争を促進して利用者は大変そういう意味では得をしたというのか、そういう意味は私は大変あったと思いますけれども、言われるようにNTTさんはそういう意味では収入減っていますよね。大変経営が苦しくなっているという、この両面があるので、ほどをどうするかということですね。
 研究会から御答申をいただきましたので、我々は研究会にお願いしてやっていただいたものが出てきましたから、それに基づいて審議会の方に御検討をお願いいたしますけれども、今、委員が言われたようなアメリカの状況その他を考えながら慎重な御議論をお願いいたしたいと、こういうふうに審議会にはお願いするつもりでございます。
○世耕弘成君 私はこの長期増分費用方式というのはいろんな影響があったと思っていますが、当初言われていたような、私は当初から言っていましたけれども、少なくとも日本のITの進展、IT革命の推進には私は何の影響もなかったと思っています。
 今いみじくも片山大臣言われた影響、いい影響だとは思いますけれども、残念ながら電話市場での話です。はっきり言って、今電話というのはもうどちらかというとどんどんどんどん衰退していっている。電話もだんだん今もうインターネットの上でやるIP電話なんというのがこれから主流になってくるんじゃないかと言われていて、結局何かなくなっていく古い市場の物の値段が安くなるのには確かに貢献したかもしれないけれども、これから成長していく、IT革命を推進するような面では余りいい影響はなかったんだと思っています。
 現に、例えばインターネットに接続する、みんな国民が今待ち望んでいるADSLなんというサービスがありますけれども、ADSLのサービスというのはこれは実際には交換機を経由しませんから、今おっしゃっているGC接続、ZC接続の料金というのはこれは全くほとんど影響をしないわけでございまして、全く別の世界であれは競争原理が働いて値下げが行われているというわけでございます。
 そういう中で、結局、長期増分費用方式というのはどういうことかというと、NTTは元々お金を掛けて電話網を構築している。それを貸してあげているんだけれども、元々その掛かっているコストを取れないということで、実質的にはこれはNTTという会社からほかの新規参入事業者に対する実質的なこれは補助金を与えているに私は等しいことなんじゃないかなというふうに思っています。その補助金の金額というのがトータルすると今のところ千九百億円ぐらいの補助金を与えているというのがこれは長期増分費用方式の本質ではないかなというふうに思っています。
 もう一つ大きな問題は、去年非常に国民的にというか電話会社が頑張ってマイラインというのをやりました。このマイラインというのは、市内の電話サービスにもこのマイラインが導入をされました。その結果、この長期増分費用方式と市内のマイラインを同時にやったということは、これ私が言うと何となくあれですけれども、NTTの経営にもう致命的な打撃になっているんですね。
 というのは、NTTは市内電話というのは元々三分十円でお客さんに提供してきた。ところが、長期増分費用方式だと安く提供しなきゃいけない。三分十円よりもずっと安い値段で競争会社に提供しなきゃいけない。そうしたら、競争会社は三分十円より安い値段で仕入れたものだから、三分十円よりずっと安い値段でサービスができる。そうすると、NTTは接続料ももらえないだけではなくて、元々三分十円もらえていたお客さんまでどんどんどんどん取られていく。となると、三分十円も値下げしなきゃいけない。もうアリ地獄のような競争の中に入る。
 そういう中で、かなり大規模な希望退職とか、そういう状態にもなっています。まだNTT一社で社員の人が苦労をして吸収できる範囲であればいいですけれども、これが例えばADSLの全国展開だとか、あるいはもう国家的な目標である光ファイバーの全国展開に悪い影響を及ぼすとしたら、私はこれは改めるべきは改めなきゃいけないんじゃないかというふうに思いますので、単に長期増分費用方式を前提としたその下げ幅を大きくするか小さくするかの議論ではなくて、やはり長期増分費用方式そのものの議論というのをしっかりとやっていく必要があるんじゃないかと思っています。
 この接続料に関してもう一つ、私大変気になっていることがあります。これ、電気通信審議会が去年の七月に接続ルールの見直しということで答申をされているわけですけれども、その中にこういう文言があります。NTT再編の趣旨からは、特定費用負担金制度の存続する十三年度が終了した後は、東西NTTは自社の管理部門における実際費用や長期増分費用に基づき、各々異なる接続料を設定すべきであると。
 これはどういうことかといいますと、東会社、西会社、NTT分かれていますが、東西でそれぞれ違った長期増分費用方式に基づく接続料、当然会社が違うんだからコストも違いますから、そういう料金を設定すべきであるという答申になっています。
 私、これ非常に重要な問題だと思っています。これをやっていけば東日本と西日本で日本の電気通信の料金体系に差が出てくるということになります。これ、非常に慎重に考えていかなきゃいけない問題だと思います。今のところ、これ総務省、どういう検討をなされているのか、お伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) 先ほど申しましたように、モデル研究会の報告書を受けまして、今月中にも情報通信審議会に接続料算定の在り方につきまして諮問をすることにしておりますが、御指摘のこの東西別料金の設定につきましても、今後審議会において検討される非常に大きな一つの議題かというふうに思っております。総務省としましては、この審議会の御議論も踏まえて料金設定の適否について判断してまいることになるわけですけれども、先生今御指摘のユニバーサルサービスという観点も踏まえまして、慎重に判断をしてまいる所存でございます。
○世耕弘成君 これはやはりしっかり議論をしていく必要があるなというふうに思っています。
 それと、もう一つ今年議論になってくるのがユニバーサルサービス基金というのがございます。これは、昨年の電気通信事業法の改正で導入された制度で、これから省令等の制度設計に入っていく段階になるわけです。このユニバーサルサービス基金というのは、要するに不採算地域でサービスを展開している事業者、具体的にはもうNTTということになると思いますけれども、そこの赤字部分について、もうかっている会社がある程度補てんをしていきましょう、お金を出し合って基金を作って補てんをしていきましょうという仕組みです。
 私は、本来この仕組みというのは昭和六十年の電気通信市場の開放のときにセットでやっておくべき議論だったと思っています。結局、それをないまま市場の開放を行った結果どういうことになったかというと、クリームスキミングということが起こった。東京、大阪、長距離のもうかるところへどんどんどんどん参入する人がいる。NTTはそこでは料金を下げていかなきゃいけないけれども、一方で不採算の地域をずっとしょったままそこに対するユニバーサルサービスを提供していかなきゃいけないという非常にゆがんだ構造が今まで続いちゃったと思っています。
 このことは、これから我々、郵政公社化の議論もやるわけですけれども、そのときも念頭に置いておかなきゃいけない非常に重要な問題だと思います。市場を開放するときというのは、常にセットでユニバーサルサービスの在り方というのを考えておかないと、この電気通信市場で起こったのと同じことがまた郵便業務でも起こってくることになると思います。ですから、このユニバーサルサービス制度というのは非常に重要なテーマだと思っています。
 これから基金の制度設計が行われるんですが、先月に情報通信審議会の答申が出ておりますが、その答申を見て私、やり方としてびっくりしました。地域会社の赤字を埋めるのがこの基金の制度なんですけれども、その埋め方が私はこういう三点になっていると思っています。
 まず一点は、この審議会の答申ベースですけれども、一点は、まずNTTの中で相殺してください、NTTの中で東京や大阪は黒字なんでしょうと、その黒字分でまず赤字地域の赤字を相殺してくださいと。その残った赤字の部分についてユニバーサル基金の対象としましょうということです。それで、残った赤字の部分について、ユニバーサル基金をじゃだれが拠出するかというと、今度またNTTもそこへ入りなさいということになる。私は、これは物すごくおかしいと思っている。それと、そもそもその赤字の計算の仕方というのは、先ほど私が申し上げた、まだ問題が非常に多いと思っている長期増分費用方式に基づいてコストを計算しなさいと、この三本柱が、私、今回の答申だと思っています。
 まず総務省にお伺いしたいんですが、今申し上げた一点目と二点目ですね、NTTの社内で赤字と黒字を相殺した後、その残った赤字についてまたNTTが負担をするというやり方、これは何か二重取りになるんじゃないかという気がするんですけれども、お考えはいかがでしょうか。
○政府参考人(鍋倉真一君) NTT東西の設備と接続する等によって受益を受けている事業者がこのユニバーサルサービス基金については応分の負担をするというものでございまして、NTT東西自身もユニバーサルサービスが確保されるということによって受益を受けているということで、その受益の割合に応じて負担をするという考え方でございます。
 この考え方は何も日本だけの考え方ではございませんで、諸外国におきましても、このユニバーサルサービスコストの算定方法、これはいろいろございます。黒字から赤字を相殺する相殺方式とか、あるいはベンチマーク方式とかいろいろございますが、いろいろな方式がございますけれども、基金が稼働しているアメリカですとかフランスですとかイタリア、韓国も含めまして、このユニバーサルサービスを提供する事業者自身も負担をしているという考え方になっております。
○世耕弘成君 外国のやり方もいろいろあると思いますけれども、日本の今申し上げたようなやり方というのは非常に珍しいやり方なんではないかなというふうに思っています。
 そして三つ目が、先ほど申し上げた長期増分費用方式でコストの計算をする。私、これは正確な数字は分かりませんが、前回の長期増分費用方式の計算そのものを考えてみると、これは長期増分費用方式でやったら恐らくNTT東西、赤字分出ないと思いますよ。基金の拠出のベースになる赤字分恐らく出ないどころか、大きな黒字になるんじゃないかと私思うんですね。そうすると、せっかくあれだけ議論をしてユニバーサルサービス基金という制度を作ったのに、この制度そのものが何か空箱みたいになっちゃうんじゃないか、そういう懸念を持っていますが、お考えいかがでしょうか。
○政府参考人(鍋倉真一君) ユニバーサルサービスの提供に要する費用を算定するに当たりましては、そのNTT東西が十分効率的な経営を行ったとしてもなお不足する額についてほかの事業者に負担を求めるという観点から、この長期増分費用方式を用いることにしているものでございます。そうしませんと、NTT東西の効率的な経営を前提に算定しないと、ほかの事業者も負担するわけでございますので、その負担者の側の理解を得られないということがございますし、また、仮にこの長期増分方式を用いないということにしますと、NTTの非効率性に基づく費用が他の事業者に転嫁をされる危険性がある、結果として利用者に負担が転嫁されかねないというようなことを考えまして、このような方式にしているものでございます。
 また外国の例で恐縮でございますけれども、現在、EUですとかアメリカにおいて、このユニバーサルサービスのコスト算定に当たりましては原則として長期増分方式を用いているというふうに承知をいたしております。
○世耕弘成君 いずれにしても、長期増分費用方式そのものを議論しなきゃいけないとは思いますけれども、このユニバーサルサービス基金制度というのは非常に重要です。今回はあくまでも電話サービスの議論をしていますけれども、私は、近い将来、やはり携帯電話、恐らくここにいらっしゃる先生方の地元でも、なかなかもう事業者ではとても鉄塔を建てられないような地域だけれども何とか携帯電話で話をしたいというような声もたくさん入っていらっしゃると思いますし、あるいは最終的にはブロードバンドのインターネットも、事業者の採算ベースでは入れないところ、こういうところへサービスを展開していく、あるいはこれから議論される郵便事業だってそうだと思いますけれども、このユニバーサルサービスの基金というのは非常に重要な制度ですので、しっかりとした議論で進めていただきたいと思っております。
 最後に、放送のことをお伺いしたいと思います。
 放送も、これから地上波デジタル放送への移行がどんどんどんどん進んでいく予定ですけれども、これは順調に進んでいるんでしょうか。一部報道等によりますと、アナ・アナ変換、いわゆるデジタルへ変換するために周波数を、今見ているアナログの周波数を変えてもらわなきゃいけない人たち、その変換工事の金額に大幅な見込み違いがあったんじゃないかということも言われていますが、これはどういう状況になっているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 今、先生おっしゃいますように、アナログ変換はアナログ周波数変更の対策実施段階に入りまして、各地域ごとに詳細に電波状況について測定調査をいたしたわけでございます。そういたしますと、周波数事情の特に厳しい九州等の西日本あるいは関東の一部地域で当初の想定を超えた非常に複雑な電波状況にあるということが判明いたしました。
 このような事情によりまして、あくまでまだ確定した数値として出したわけではございませんけれども、昨年十一月段階に、当初の想定よりも対策局所あるいは要対策世帯数が増加しかねないというふうな見通しになりまして、すなわち数字で申し上げますと、当初は四百十八局所だったのが八百八十八局所に、あるいは要対策世帯が二百四十六万世帯だったのが四百三十六万世帯に増加するかもしれないという推計を得まして、その結果、対策経費が二千億円を上回りかねないという中間的な見通しが生じたものでございます。
○世耕弘成君 これ、当然国の予算が出ている事業だと思いますが、今後これ予算的にどう対処していかれるんでしょうか。
○政府参考人(高原耕三君) 今申し上げましたように、対策経費を極力抑制するために、今最大限の努力を各地域で放送事業者、総務省一緒になって作業を行っているところでございます。七月初旬を目途に経費総額の概算の取りまとめ結果を得るというスケジュールで今進行いたしております。
 いずれにいたしましても、この総額の概算を得ることが先でございまして、昨年、委員会でも電波法の改正によりましてアナログ周波数変更対策に電波利用料を充てさせていただくというふうに措置していただいたところでもありまして、この辺も総合的に検討して適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○世耕弘成君 これは地上波デジタルだけではなくて、やはり日本全体の周波数の有効利用ということで非常に重要な事業だと思いますので、きっちりやっていただきたいと思います。
 それともう一つ、BSデジタル放送ですね、これが今どうなっているのか。私はBSデジタル放送というのは、言ってみれば地上波デジタル放送のショーウインドーだと思っています。やはりあれでデジタル放送を体験した人がああいいなと思えば、地上波放送へ流れる大きな流れが出てくる。あるいは見ている人の、家で見た人がああこれはいいなと、これだったら自分もやってみたいなと、そういうショーウインドーだと思っています。
 私も最近BSデジタルを入れました、オリンピックを見るために。映像はすごくきれいだったです。特にオリンピック放送のハイビジョン中継なんかはもうすばらしかったですね。雪が飛び散るようなところがきれいに見えて非常に良かったと思っていますが、一方で、それ以外の番組は余りわざわざ見るほどのものかなというものが多かったです。特に、普通の地上波でもやっているようなバラエティー番組的なものが非常に多くて、何か片手間に番組作っているんじゃないかなというようなものもありました。あるいはデータ放送が売り物になっていますけれども、これも昔何かキャプテンとかいうので見たことがあるようなゆっくりしたスピードで出てくるような状況になっていまして、このBSデジタル、これ今後どうされるのか、加入の状況は今順調に伸びているんでしょうか。
○政府参考人(高原耕三君) お尋ねのBSデジタル放送でございますが、一月末現在で二百五十万世帯が視聴いたしております。先生おっしゃいますように、一時、昨年前半は伸び悩んでいた時期もございますけれども、昨年の十一月には出荷台数が七万台、それから十二月には十三万台ということで、それまで月平均二万台前後だったのが相当伸び始めておるところでございます。さらにまた、三月からCS百十度が始まりますので、この辺ともまた相まって更なる普及につながっていくと考えております。
 それからコンテンツでございますが、先生おっしゃいますように、先般のソルトレークのオリンピック、あるいはプロ野球、サッカーなどのスポーツの映像がかなり好評でございまして、また、五月末からはワールドカップサッカーも四十試合をデジタルハイビジョンで中継するということになっております。
 また、先ほどおっしゃいましたデータ放送でございますけれども、このテレビショッピングとかバンキングサービス等の番組もかなり充実をされてきておりまして、あるチャンネルではこの一年間でレスポンス率が七倍になったというデータもございます。そういう面でかなり順調にこの辺の双方向性も伸びておるのではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、各放送事業者がハイビジョン番組あるいは双方向番組を今充実、増加しておる最中でございまして、このような取組によりまして、受信機の低廉化とも相まって、BSデジタル放送、一層普及するものというふうに期待しておる所存でございます。
○世耕弘成君 終わります。
○木庭健太郎君 まず、中央省庁再編一年でございます。片山大臣も、所信の中では、三省庁が統合することによって様々な成果を上げたというようなお話がございました。いずれにしても、今までにない巨大な省庁ができ上がったわけでございます。この三省庁がまとまったという意味が、またそれによってどういう成果があったのかということについて、もう少し詳しく大臣からお話を伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 去年の一月六日に、旧郵政省、自治省、総務庁が一緒になりまして総務省と、こうなったわけでありまして、これで一年二か月がたとうとしておりますけれども、特にITの推進につきましては、特に行政部門のITを担当しているのが前の総務庁ですね、それから地方自治体の行政部門のITを担当しているのが自治省で、全体をやっているのが郵政省でございまして、そういう意味ではこの三つが一緒になることによって、例えば電子政府・電子自治体推進プログラムというものができまして、この国会にも電子政府関係の行政手続オンライン化法ということを中心に四法案、御審議をお願いしようと、こう思っておりますし、それからブロードバンド構想、今、世耕委員からいろいろお話がございましたが、この全国的なブロードバンド化の展開もやっぱりこの三省庁が一緒になることによって強力な推進主体ができたんではないかと、こういうふうに思っておりますし、それから現場の例でいいますと、例の郵便局と市町村の諸証明書等の交付のワンストップサービスが郵便局でできるようになりまして、今、全国で何百ぐらいでしょうか、それが三月一日からですから、法律の施行は十二月一日ですけれども、実際始まったのは三月からでございますけれども、これが加速度的に増えているということも大変合併の進展と併せて私はいいことではなかったろうかと、こう思っておりますし、行革も、行政改革も今旧総務庁と旧自治省が連携しまして、例えば行政評価、政策評価ですか、そういうことの推進だとか、あるいは外郭団体の見直しだとか、そういうことが進んでおりまして、一年間は融和と結束ということをお願いしましたけれども、人事面の交流と併せて、そういう意味では私は着実に効果が出てきつつあるんではなかろうかと思っております。
○木庭健太郎君 おっしゃるように、政策面では、e―JapanとかITの問題に関しては、正に三省庁が一緒になったことが大きな進展をする契機になったんだろうと思いますし、正にそれが力になっているとは思います。ただ、一点、やはり人事とか採用面についてはまだまだいろんな批判もこれは報道等であるようでございます。
 今年一月四日のある新聞の記事を見ておりましたら、こういうことを書いておりました。総務省は昨年夏、旧自治、郵政、総務の三省庁の枠ごとにキャリア組の採用を決めた。この春入省する職員は、旧省庁のレッテルが張られ、配属部門が決まる。幹部は、本人の希望があれば旧郵政省採用でも地方自治体に出したいと語るが、原則的には最初に足を踏み入れたコースを歩むことになるとか、また一月八日発令の人事では、郵政事業庁次長に旧総務庁分野の審議官が回り、逆に郵政事業庁の貯金部長が行政評価局担当の審議官になるということで、もちろんこれは片山総務大臣、人事の目玉と強調されましたが、その他の人事は、主な幹部人事は旧省庁の枠組みがそのまま残っていると、こんなことが指摘をされておりました。
 こうした意見について、片山大臣、どう受け止めていらっしゃるのか、また今後そういう人事、採用をどう進めていくのか。これは総務省だけの問題じゃないんですけれども、ほかで統合したところもなかなか問題を抱えているようでございます。でも、まず先陣を切って総務省がそういう問題に取り組むべきではないかと思いますが、大臣の意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) マスメディアの皆さんはいろんなことを言っておられるんですが、例の新入職員ですか、につきましては、特にキャリア組のことを言っているんでしょうけれども、旧省庁ごとに枠を積み上げてソースを出したことは事実です。ただ、採るのはこれは一元的に採りまして、希望を聞いてそれぞれ割り振ったんですね。だから、最初に足を踏み入れたところでずっと行くなんということは絶対あり得ません、それは。最初は希望を聞いてそれはそれぞれの仕事をやってもらいますけれども、私は、十年間は全く平等に扱えと、それから適性と希望によって分けていったらどうかと、こう言っておりますからね。もしそういうことを何かの新聞が書いたとすれば、それは我々の意図とは全く違う、そういうことはやらせないと、こういうことでございます。
 それから、人事異動はなかなか難しいんですね。下の職員はかなりやっているんです。ただ課長クラス以上は、数を言うのはあれでございますけれども十一人で、初めてこの一月の異動で局長クラスをやったんです。言いましたように、総務庁の審議官を郵政事業庁の次長に、これは現業の、長官の次ですよね。それから郵政事業庁の貯金部長さんに行政評価局の審議官になっていただいて、月尾先生は、これは民間から総務審議官に入れたわけでありますけれども、よその省ではなかなかそこまでいっていないと思いますよ。課長クラス以上は十一人、審議官を初めてやって、これはしかしなかなか専門性がありまして、全く素人と言ったらいけませんけれども、そういうあれがない人をぽっと持っていってもなかなか大変なものですから、そこは考えながら人事交流を拡大していきたい、こういうふうに思っておりますし、省内でいろんなコミュニケーションの場を作っておりますから、外から見るとそんなに変わっていないじゃないかという感じもあるかと思いますけれども、私は中ではかなり融和の実は上がってきている、結束の実は上がってきていると、こういうふうに思っておりますので、今後とも一生懸命努力してまいります。
○木庭健太郎君 今お話があったとおり、昨年一月ですか、東大の月尾嘉男さん、正にこれは画期的なことだと思っています。総務省の総務審議官でございますか、言わば国立大学の教授が中央省庁の局長クラスに起用されたわけですから、これはこれまでなかった、霞が関の歴史の中でも初めてのことだったと私は思っております。
 その意味では、やはり今後こういう人がどう活躍できるのかというのが大事ですし、正に日本の再生のかぎを握るIT戦略のかじ取り役として期待もされていることでございます。言葉は悪いですけれども、本当にこういうのを生かすかどうかというのは、もちろん個人の能力も大事でございますけれども、それを総務省自身がどう支えながらそういう人を活用できるかということになっていくんだろうと思います。
 どんなふうに今スタッフの状況がなっているのか、また行政にこういう、民間からも総務審議官という位置付けですから、意見を反映できるんだろうとは思うんですけれども、どう行政に反映させていくシステムになっているのか、またこういう方を採用したこと、IT戦略にどういう効果をもたらそうとしてこうされたのか、その辺についてお話をいただければ有り難いと思います。
○副大臣(佐田玄一郎君) 月尾先生には今お申し出のとおり審議官になっていただいたわけでありますけれども、先生ももう御存じのとおり、先ほど来から、これからの日本の電気通信の方向というのは非常に多岐にわたりまして、そしてまた重要な状況を呈しておるわけであります。総務省、元の郵政省では通信と放送の融合ということでここ十年ずっとやってまいりました。ところが、そういう中においてハードとソフトの分離であるとか、また水平、垂直の分離の問題であるとか、非常に多岐にわたっていろんな状況が展開をされておるわけであります。いったんに横縦、横割りであるとか縦割りだけではなくて、衛星放送も今入ってきております、先ほどBSの話も出てまいりました。そして、そういう中におきまして総務省として電気通信をどういうふうにリードしていくか、これは非常に、民間の方々、そして学者の方々にも御協力を賜らないとなかなか複雑で難しいという部分が出てきておるわけであります。そういう中で世界との戦略の戦いになってくるわけでありますから、その中においては月尾先生に今いろんな意味で御指導、御鞭撻を賜っておるわけであります。
 そして、最後に付け加えるところは、これからネットワークを構築していきます。月尾先生の弁によりますと、ただネットワークを構築するのではなくて、要するにこれから国民の利益を誘導するため何をこのITが国民に与えていかなくちゃいけないかということをまず考えてネットワークを基本的に構築をしていかなくちゃいけませんし、コンテンツも作っていかなくちゃいけない。正にそういうことだと思いますし、そういう意味におきましても、月尾先生にこれからも御指導を賜りたいと、こういうふうに思っております。
○木庭健太郎君 うまくいくかどうかは佐田副大臣がどれくらい使っていけるかという問題だろうと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 地方自治体の一部事務組合の問題でちょっとお聞きをしたいと思っているんです。
 消防とか水道とかごみとか、今はもう一部事務組合というのはかなり広がりを見せております。この一部事務組合の議員の、議会の議員の報酬でございますけれども、地方自治法第二百九十二条、普通地方公共団体の議会の議員の報酬に関する地方自治法第二百三条の規定がこれ準用されることになっていると。したがって、その報酬額は一部事務組合の議会が条例を定めて決定することになっているわけでございます。
 ただ、この一部事務組合の議員の報酬については、例えば年二回の議会で年間四十三万二千円の報酬が支払われていた小平、村山、大和の衛生組合など、やはり常識的に見て高い報酬が支払われている組合が多く見受けられ、こういう減額に取り組む組合も実際に今出てきているわけでございます。
 一部事務組合の議会の議員は、多くの場合、関係自治体の互選で選ばれていくわけですけれども、もちろん自治体の議員を兼職していると。兼職している場合の報酬の支払については、これは旧自治省の行政実例を見させていただきましたら、公務員の給与の性質上、重複して支給するものとならないように調整措置する限り、当該一部事務組合の条例の定めるところにより報酬等を支給することは差し支えないというふうになっているわけでございます。
 ただ、仕事量に比して報酬金額の高さを見ると、やっぱりこれは適切な、この旧自治省が言っているみたいに適切な調整措置が行われているとはとんでもないと私なんかは思うんですけれども、この点について総務省の見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) ただいまのこの一部事務組合の議員の報酬は条例で決定されているという御紹介もいただきました。さらには、この普通地方公共団体の議員、議会の議員の方が特別地方公共団体の一部事務組合の議員の、議会の議員を兼職している場合、そこに対してその報酬が支給されている場合に、今お話がされましたこの重複支給、これについては基本的に総務省といたしましてはその支給は差し支えないと理解しております。
 ただ、今、委員の御指摘の一部事務組合の議会の議員の報酬の報酬額の水準、これにつきましては、今、小平・村山・大和衛生組合に見られますように、やはりその具体的な衛生組合では、やはり職務の内容、活動状況等も踏まえて、この住民、地域住民の意見も反映した形で議員の報酬額を下げたとそう理解しておりまして、総務省といたしましても、その地域のやはり事情に応じてまた地域で決める問題でもありますし、やはりそういう住民が報酬が過大過ぎると、そういった批判に対しては適切に調整を図れるべきであると、そのように考えております。
○木庭健太郎君 余り知らないですよ、住民は。一部事務組合に行ったら、議員さんが議会でもお金をもらっていて、普通のとおり、更に一部事務組合に行ったら更に報酬をもらっている、知らないことほとんどなんですよ。
 やはりその辺は逆にきちんと自治省が全部、総務省が全部見れとは言いませんが、やはりそういった点は注意しながらやっていかなければ、やはり今そういう問題に対する意識というのはあるわけですから。
 ちょっともう一つ、やっぱりこの一部事務組合の問題で問題になってくるのは何かというと、ちょっとこの行政機関、住民から直接選ばれた人たちで構成されているわけじゃないですよね、議会も。自治体は住民からすぐ映る、一部事務組合だとあそこは中間機関になって、やっぱり住民の目から見えないところにこういった問題が少し起きてきているんじゃないかなという気が私はしているわけでございまして、一部事務組合につきましては、もちろんこの議会の報酬の問題だけじゃなくて、例えば仕組みの在り方、機構の在り方、いろんな意味で非効率な面とか行政の効率化が進んでいないというようなことも現実に言われている面もあるわけです。
 そういう意味では、こういう一部事務組合の行政についてまず何が大事かというと、もう少しこの情報の公開が住民に見える形にどうしていくかということが大事であって、いわばやはり一部事務組合も住民の監視の下に置くというようなことが大事であり、その上で行政の適正合理化を図っていくことが大事なんじゃないかなと私は思うんですけれども、どうでしょうか、副大臣でもいいですし。
○政府参考人(芳山達郎君) 御指摘がありましたように、地方公共団体の透明性の向上でありますとか、説明責任の向上という面から見ましても、市町村における情報公開の推進を一層努めるということは重要なことと思っております。
 地方公共団体全体としては今情報公開条例の制定状況は六割を超えておるところでございますけれども、御指摘がありましたように、特別地方公共団体たる一部事務組合につきましても今後なお一層情報公開に努めることは重要であるという具合に我々も思っております。
 引き続き、住民に対する一層の説明責任を果たせるよう必要な助言を通じ、行政の適正合理化に努めてまいりたいという具合に考えております。
○木庭健太郎君 法律論からいくと、今は調整機能としてこの一部事務組合というのがいろんなことをやる上で広域化の中で必要になってきた、広域的な事務処理を行う上でそれが必要だということで、これだけじゃなくて様々な形のそういうものを作っていこうという形になっている。
 ただ結局、今申し上げたように、やはりこういう機関は住民の監視の目が及びにくい。普通の自治体が参加するという構造上、関係自治体がまとまらなければ事業は進まないわけですから、効率的という意味でいけばなかなか効率的じゃない。もちろん職員は自治体との兼務みたいな問題があり、形式的にこういうものが植わっているというような問題だと思うんです。
 こういう一部事務組合の見直しからできてきているのが、今、広域連合制度だと思うんですけれども、これにしても私から見れば一部事務組合とそう変わらないところがあるんじゃないかと思うんです。やはりこの市町村というものを残して、その上にこの一部事務組合を作る、広域連合を作るといっても、やはり中途半端だということにならざるを得ないんだろうと思うのであります。
 何をすればいいのかといえば、当然こういうものじゃない形を作るというのが大事になっているわけで、もちろん今、総務省も一生懸命お進めでございますけれども、ともかく今大事な点は、住民自治に根差したこういった真の行政の効率化ということであれば、正にこの市町村の合併問題という問題へ発展するのは当たり前の話であって、これを積極的に進めるしかないんじゃないかなと思うんですけれども、もちろんおやりでございますが、そういった観点からも市町村合併を推進すべきだと思いますが、副大臣かな、よろしくお願いします。
○副大臣(若松謙維君) 委員御指摘のとおりでありまして、いわゆる今の一部事務組合方式というのは責任の所在が不明確になる点は否めません。
 そういうことでいわゆる人材を確保して、かつ地域の課題を総合的に解決する観点からは、市町村合併をしっかりやって、そして意思決定、事業実施などを単一の地方公共団体が行うことがより効果的と考えておりまして、一昨年十二月に与党行財政改革推進協議会で決定いたしました、その意見も反映した行革大綱のやっぱり千自治体、ひとつそれが実現化するによりまして、先ほど委員が御指摘したような問題はほぼクリアするのではないかと思いまして、委員の御指摘のとおりでございます。
○木庭健太郎君 先ほど世耕議員が地上デジタル放送の問題を少し御質問されていましたので、これは私も最後に、これ関連して幾つか聞いておきたいんですけれども。
 とにかく、予算の見積りがえらい変わった点については先ほど御説明がありましたので、それは良しとしまして、ただ、余りにこれ違い過ぎるのはどうなのかなと正直に思った点もあります。
 これから、こういう問題解決するために、これ全国地上デジタル放送推進協議会ですか、これが、経費を圧縮させるために期待できるというようなデジタル放送対応チューナーを一部家庭に配付するセットトップボックス方式というんですか、こういう問題を対策手法に追加することについて検討しているというような話もお聞きしておりますが、その結論、いつごろを目途とされているのかということをお聞きしたいし、じゃ、それが結論出るまでは、このアナ・アナ転換の問題、これは凍結されるつもりでいらっしゃるのかどうか、これも聞きたいし、十三年度予算ではアナ・アナ変換の費用として百二十三億円計上されていますが、これ実際にどんなふうにされているのかと。また、平成十四年、今度は百二十二億円ですか、これも従来手法のこの方法のとおりやられるつもりなのか、計上しているようですが、この辺について御説明をちょっといただいておきたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 今の先生御指摘のセットトップボックス等の結論でございますが、これは経費総額とセットで本年七月初旬を目途に結論を出そうということで今進んでおるわけでございます。
 それから、アナ・アナ、アナログ周波数変更対策事業の予算の執行でございます。現在、このように、今申し上げましたように、対策経費の圧縮に向けた検討作業を各地域で行っている途中でございますので、これまでのところ着手をいたしておりません。年度末も近づきつつありますが、平成十三年度予算の年度内執行は困難でございますので、翌年度への繰越し執行について現在手続を進めているところでございます。
 なお、アナログ周波数変更対策の実施は、七月初旬に経費の見積りあるいは周波数調整といった所定の手続を経た後、速やかに着手するということにいたしておる次第でございます。
 また、セットトップボックス方式については現在検討中の段階であるために、平成十四年度のアナログ周波数変更対策予算の積算は従来の対策手法を前提といたして組んでいるわけでございます。なお、十四年度には、従来方式による、従来手法によるアナログ周波数変更対策を集中的に行うこととしております。
 また、セットトップボックス方式の導入局所は基本的には最後にこの対策を要する予定の局所が候補となっておりますので、手順としては、セットトップボックス方式による対策が十五年度の実施になっても、二〇〇三年、いわゆる十五年度放送開始というスケジュールは確保可能というふうなことで進んでおります。
○木庭健太郎君 じゃ、最後に大臣にお聞きしておきます。
 やはりこれ、どうしてこんなことになったのかと、見積りの問題、この辺について大臣としてどう感じていらっしゃるのか。また、今後増額となった場合、どのような手だてを考えるのかというようなことも含めて大臣からお伺いしておきたいし、それとともにやはり、大臣はもう明言を何回もされていますけれども、この地上波のデジタル化、二〇〇三年首都圏、中京圏、近畿圏、二〇〇六年その他の地域で行うことに変わりがないのか、それをお聞きして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私も、見積りの誤りといって五割増しぐらいになるならいいけれども、二倍以上になるというのは、それは大変ちょっと問題ではないかと、こういうことを関係の人に申し上げたんですが、当初机の上で想定したより、調査をしてみたら物すごく電波事情の複雑なところが分かったんですよ。特に西日本、瀬戸内海と九州なんですよ。だから木庭委員や私のところが大変関係があるんで、その辺が、関東も一部そうですけれども、この辺の電波事情が当初想定よりははるかに複雑で、これでは対応できないということになりまして、急遽今NHKさんと民放さんと総務省で協議会を作って詳細を調査しておりますから。そこで、全部すぐアナ・アナやってデジタルやるんじゃなくて、もうアナ・アナを飛ばしてデジタルをやって、セットトップボックスですね、それはどこまで活用できるかということを今やっておりまして、今年の七月ぐらいまでにはあれしたいと。
 しかし、それでも最初考えた七、八百億よりはずっと増えますよ。そこで、それは財務省と相談して、電波利用料を充てるんですから、国民の皆さんの負担ですから、電波利用料の前倒しというのか前借りというのか、そういうことを含めて、少し財務省と経費については、予算については検討したらどうかと、こういうふうに言っております。
 そこで、二〇〇三年から三大都市圏、二〇〇六年からその他の地域と、これはもう変えません。変えません。ただ、アナ・アナが少し遅れれば、二〇〇三年の中で当初やろうという地域を少し狭くするとか、ちょっとその二〇〇三年の中で何月かやるのを遅らせるとかということはあると思いますが、基本的には二〇〇三年から大都市圏、二〇〇六年からその他の地域は変えない予定でございますので、ひとつ御指導、御支援をよろしくお願いいたします。
○木庭健太郎君 終わります。
○委員長(田村公平君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十時四十五分散会