第154回国会 総務委員会 第5号
平成十四年三月二十日(水曜日)
   午前九時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 公平君
    理 事
                景山俊太郎君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                松井 孝治君
                魚住裕一郎君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                松岡滿壽男君
                渡辺 秀央君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    佐田玄一郎君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       行政改革推進事
       務局長      西村 正紀君
       総務大臣官房長  畠中誠二郎君
       総務大臣官房総
       括審議官     板倉 敏和君
       総務省人事・恩
       給局長      久山 慎一君
       総務省自治行政
       局長       芳山 達郎君
       総務省自治行政
       局選挙部長    大竹 邦実君
       総務省自治財政
       局長       林  省吾君
       総務省郵政企画
       管理局長     團  宏明君
       総務省政策統括
       官        稲村 公望君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中村 秀一君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       国土交通大臣官
       房審議官     松野  仁君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十四年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十四年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣所管(人事院)、総務省所管(日本学術
 会議、公正取引委員会及び公害等調整委員会を
 除く)及び公営企業金融公庫)

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○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 昨日、予算委員会から、本日一日間、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣所管のうち人事院、日本学術会議、公正取引委員会及び公害等調整委員会を除く総務省所管並びに公営企業金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
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○委員長(田村公平君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に行政改革推進事務局長西村正紀君、総務大臣官房長畠中誠二郎君、総務大臣官房総括審議官板倉敏和君、総務省人事・恩給局長久山慎一君、総務省自治行政局長芳山達郎君、総務省自治行政局選挙部長大竹邦実君、総務省自治財政局長林省吾君、総務省郵政企画管理局長團宏明君、総務省政策統括官稲村公望君、厚生労働大臣官房審議官中村秀一君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君及び国土交通大臣官房審議官松野仁君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(田村公平君) 予算の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。
 本日は、片山総務大臣を中心に、片山大臣は中央人事行政機関の長であられますので、公務員制度改革についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 昨年の十二月二十五日に公務員制度改革大綱というものが閣議決定をされておられます。これも一読させていただきました。いろんなこの公務員制度改革についての議論、こういうことについてもいろいろ調べさせていただきましたし、関係者から御意見を聴取させていただきましたが、いろんな評価がこの公務員制度改革大綱にはあるようでございます。政府部内あるいは人事院も交えた関係者の間での若干の不協和音も残っているように仄聞をいたしております。
 そこで、この公務員制度改革はどうあるべきか。特に、この公務員制度改革が中核に据えている対象というのはいわゆるT種公務員、この処遇の在り方、あるいはその評価の在り方、その公務を終えられた後のいわゆる天下りの問題、その他の問題について各界からいろんな意見が寄せられていると思います。
 まず最初に、片山大臣にお尋ねしたいんですけれども、片山大臣はノーブレスオブリージュという言葉を聞かれたことがあるんではないかと思います。この言葉の意味を、片山大臣、どういうふうに理解しておられるか。また、その言葉の意味との関係で、公務員、特に国家公務員、それも今回の公務員制度改革大綱が中核的に対象にしている、いわゆる現在の制度でいうとT種の国家公務員の人事制度の在り方についての片山大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) ノーブレスオブリージュの話がありましたが、私もかつて何度か質問で、そのときは質問する側ですから、政府側にこの言葉を使って質問したことがありますけれども、意味は、やっぱり高い地位にある者はそれだけの道徳的、精神的義務を伴うと、こういうことであると思いますね。
 私自身も、この言葉の持つ歴史的ないろいろな背景があると思いますけれども、大変いい言葉だと、こういうふうに思っておりまして、特にT種の公務員というのは、やっぱりエリートなんですね、公務員の中でも、特別に採用されて以降、幹部として育てられるわけですから。そういう、それだけの高い、皆から見て、地位、身分が約束されている者はそれだけのいろんな規制があり、義務があって、それにこたえなきゃいかぬと、こういうように思うわけでございまして。
 日本の公務員制度は、釈迦に説法でしょうけれども、アメリカなんかと違ってメリットシステムですよね。能力に応じ、成績に応じ、業績に応じて採用され、任用されて昇進していくと、こういうことでございまして、だから、しっかりしたメリットを自分で持ってということが必要だと思いますので、そういう意味では日本の公務員制度はそれなりに私は意味がある、今までも機能してきたと。ただ、このところいろいろなことがちょっと起きておりまして、その点が残念でございますけれども、本来の我が国の特種の公務員制度としての良さを今後とも生かしていかなければならないと。
 ただ、T種、U種、V種という区分がありまして、私は、U種、V種とT種の入れ替わりというのはあってもいいと思うんですよ。もういつまでも、最後までT種はT種、U種はU種、V種はV種じゃおかしいんで、やっぱりこれはまたメリットシステムなんですから、メリットに応じてU種がT種になったり、場合によってはT種がU種になったり、将棋でもA級、B級、C級があって入れ替わるんですから、是非そういうことを含めて弾力的なこのメリットシステム、公務員制度というのを今後検討していったらどうかなと、こういうふうに思っております。
○松井孝治君 私も基本的に、正にノーブレスオブリージュ、位高ければ徳高かるべしとでもいうんでしょうか、そういう考え方にのっとって今の中央官僚が誇りを持って仕事をしていただくような、そういう体制にしなければならないと思っています。それに対して、現状がそれにほど遠い状況に今なりつつある、どんどん悪化しているということは、恐らく世論各般疑いのないところではないかと思います。
 そういう観点に立って、今回の公務員制度改革がこれでいいのかどうか、今日は政府側、そして人事院総裁にもおいでいただいていますので、人事院総裁にも御見解を賜りたいと思います。
 まず、マスコミなどで一番今回の公務員制度改革について批判を浴びているのは、いわゆる天下りの規制の考え方だと思います。従来は、今日、総裁お見えですけれども、ある程度第三者機関である人事院がそれをコントロールしようという発想があった。今回もそれを完全に取り除くということではないのかもしれませんが、この大綱を見ますと、各省大臣の判断に基本的にゆだねていこうじゃないか、そういう姿勢が見えます。
 この各省大臣に判断をゆだねるということになりますと、最近、大臣と官僚との関係というのはいろいろなところで問題になっておりますが、大臣が非常に不慣れな方であると非常に官僚主導で物事が運ぶ可能性がある。他方で、大臣と官僚が非常に密接に、ある意味では長い関係があると、大臣が官僚の人心を掌握している場合には逆に政治的な介入が行われる可能性もあると、そういう両面のリスクがあると思いますけれども、こういう大臣承認で天下りを認めていくという仕組み、これが非常に政治的裁量を招かないか、あるいは逆に官僚の独善を招かないか。
 こういう制度に変更することについて、従来の天下りについての規制を担っておられた人事院総裁、お見えでございますので、人事院総裁、人事院もこの大綱には非公式には相談を受けられて協議をされた上で大綱がまとめられているとは伺っておりますが、形式的には人事院は政府、内閣の外にある組織でございます。この大綱について、特にこの天下り規制の従来の考え方の転換について人事院総裁はどのようにお考えか、御見解を承りたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 天下り規制というのは、御存じのように公務の公正な執行というものを確保するためにそういう規制があるわけでございます。したがいまして、天下りをさせる側のトップが天下りの審査権を持っておる、最終的な審査権を持っておるというのは、やはり制度としては理論的に不都合だろうというふうに思います。
 その上に、現在、年間にどの程度の公務員が天下りをしているかといいますと、民間企業に天下りしているのが年間九百人でございます。そして、特殊法人、認可法人等に天下りしているのが三百人でございまして、合計千二百人の公務員がいわゆる天下りをしているわけでございますけれども、その人たちを大臣が承認するというのは実務的にも恐らく不可能だろうというふうに思います。
 そうしますと、どうしても内部委任ということになるでしょうから、官僚が天下りを審査するという実態になりがちでございますので、そういう意味からいいましても、やはり大臣承認制というのには多くの問題があると。これはすべてのマスコミが批判しておりますし、非常に多くの評論家もそういう指摘をしております。
 したがいまして、十二月の二十五日の大綱が出ました後も同じような論調でございますので、そういうところをやはり私たちは謙虚に受け止めて考えるべきだというふうに考えております。
○松井孝治君 この公務員制度大綱については確かに人事院はきちんと法的に協議を受けたものではないし、したがって私も今も御質問をしたわけであります。
 しかし、今のお考えですと、明確にこの閣議決定の考え方に対して人事院は若干の疑念を持っておられる、若干のという言葉ではなくて、大いに疑念を持っておられるというふうに今の御答弁を伺って私は感じました。
 そのことについて、そしてまた、今、私が申し上げましたこの天下り承認を各省大臣が行うということについて、非常に恣意的な判断が行われるんじゃないかという批判が各方面で行われていますね。
 この案をまとめられた事務的責任者、今日、熊代副大臣に御出席いただきたいと申し上げたんですが、ほかの委員会との関係で御出席がかないませんでした。政府として、実務的な責任者であられる西村局長さんの方から、今の人事院総裁の御見解も踏まえて、本当に各省大臣がきちんと恣意的に流れることなく実質的にコントロールできるのかどうか、今、人事院総裁はちょっと実質的に各省大臣がそこまでコントロールするというのは難しいんじゃないかという御意見がありましたけれども、御見解を伺っておきたいと思います。
○政府参考人(西村正紀君) 昨年の十二月に定めました公務員制度改革大綱の天下りの規制の基本的考え方でございますが、この公務員制度改革大綱と申しますものは、全体として主務大臣の主体的な人事管理の機能強化ということがございます。
 そういう一環から、再就職につきましても主務大臣が承認を行うということになっておるわけでございますけれども、天下り、再就職につきましては確かに今までいろいろな御批判があるわけでございまして、大臣の承認だけでいいということではございませんでして、その承認の際には、内閣で運用について必要な総合調整を行うということも決めておりますし、また承認の基準を政令等で具体的に定めることにしております。
 その承認基準につきましては、人事院の意見の申出や承認の事務についての改善勧告を行うということも併せて決めておるわけでございます。そして、承認の手続だけではなくて、再就職についてできるだけその資料等を情報公開するということ、それから就職した後の行為規制についても罰則等を含めた制裁措置を導入するというようなことも決めておりまして、いろいろな批判に対して適切に対応できるような制度に仕組んでいきたいと考えております。
○松井孝治君 今、規則、基準を明確に定めるというお話がございましたが、端的にお答えいただきたいんですが、従来の人事院規則とはどこが違うんでしょうか。
○政府参考人(西村正紀君) 行革大綱で今のところ定めておりますのは、再就職の承認基準を政令で定めると。その定める内容でございますけれども、不承認とすべき権限、予算関係を明確に列挙するなど、人事管理権者が行う承認審査の統一的で客観的な運用が確保がされるような、そういう政令にしたいと考えております。
○松井孝治君 今、その基準が私どものところにはまだございませんので、余り抽象的なやり取りをしていてもしようがないと思います。
 しかし、これは衆議院の予算委員会、平成十四年二月十八日に、我が党の枝野幸男予算委員が石原伸晃国務大臣とのやり取りにおきまして、正にその天下り規制の基準について質問をさせていただいております。
 その際に、石原国務大臣の方からは、その基準、政省令については国会できちんと議論をします、極めて明確な基準を作ります、したがって各省大臣が政治的な裁量によって変な人事、変な天下りを承認する、あるいは変な形でそれを承認しないということはないと、後段は私の解釈ですが、きちんと政省令を国会で議論をされるというふうに発言を明確にされております。
 これについては当委員会でも確認をさせていただきたいと思うんですが、そのとおりでよろしゅうございますね。
○政府参考人(西村正紀君) 石原大臣の答弁は国家公務員法の改正の法案をお出しするときにということだと思いますが、大綱では、国家公務員法を来年に法律として準備して提出したいという方向で今検討を進めておるわけでございまして、その法案を提出し御審議をいただく際には、当然、承認基準の考え方、政令は法律が通りましてから定めるものでございますので政令そのものではございませんけれども、承認基準の考え方、政令で考えようとしているものについては御説明を申し上げることになると考えております。
○松井孝治君 当委員会でも確認を今の御答弁でされたと思います。
 通常、政省令というのは、皆さん、委員各位御存じのとおり、これは行政で決めるものであって国会審議は制度的には不要なものですが、今回は、国務大臣の国会における答弁でそれを、その政省令、天下りの承認基準については国会で議論をするというふうに明確に国会において答弁をされていますので、これは当委員会が担当になるかどうか分かりませんけれども、是非きちんと、本来は法案が出されてから議論をするべきものか、あるいは公務員制度改革の流れの中で本当に天下り基準というものは国家公務員法の改正を待たずに僕は議論をしてもいいんではないかと思いますけれども、いずれにしても国会で厳正な議論が行われることを私たちとしても強く確信をしております。
 さて、今とにかく基準は明確に決める、後は人事権者、要するに各省において天下りについては承認にする、それでいいんだという話がありましたけれども、ちょっとこれは大臣に伺いたいんですけれども、そもそもこの一連の行政改革というものがやっぱり各省の縦割りがひどいんじゃないか、そこを、公務員というのは全体の奉仕者でありますから、その各省の縦割りを排除して、本当の国益を追求するような公務員の姿であるべきだということで行革が始まっていると思うんですね。
 そのときに、基準は明確にします、それも国会で議論します、したがっておかしなことはありませんという答弁で、それはそれで議論をさせていただくにして、本当にこの天下り規制というものを各省が一義的に判断するという形でいいのか、全体の行革の流れの中で、片山大臣、どう思われるか御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今の我が国は、縦割り行政といってかねてから指摘されておりまして、国益よりも省益を考えたり、省益よりも局益を考えたり、公務員が間々おると、こういうお話がありますけれども、やっぱりこれからは、今、松井委員も言われましたように、国益を中心に考えるような公務員にしていかなければならないと、基本的にはそういうように思っております。
 そこで、今の天下り問題ですけれども、今までは人事院がやっている、今度の公務員制度改革大綱では人事権者にやらせると、こういうことですけれども、今言ったように、はっきりした基準を作るということは一つ要ると思いますね。だれが見ても納得できるような明確な基準を作ると。政令で作るようなお話ですけれども、恐らく国家公務員法等の改正案を国会に出したときに基準はこうですという説明をされると、こういうように私は思っておりますが。
 それからもう一つは、基準だけじゃ駄目なんで、基準をチェックする、総合調整をしてチェックする機能が要るんですよ。それをどこがどう持つか。これは内閣といっても、これは内閣というのは閣僚がおるだけですから、どこでどうやるのかということですね。
 今、統一的な人事管理については、人事院が労働基本権制約の代償機関として、第三者機関としてありますよね、一つ。それから、雇用者、使用主との関係では、私どもの方の人事局が、内閣総理大臣の補佐ということで私や人事局がそれを補佐していると、こういう仕組みになっておりまして、これを今回の公務員制度改革ではどういうふうに直していくかということが一つあるので、この辺はまだ決まっているようで決まっていないんですよ。
 だから、これから大いに基本的には議論していきたいと思いますけれども、やっぱり明確な基準と、その基準を担保する調整機能、チェック機能というのが、これが備わらなければ今の人事院でやってもらった方がいいということになりますから、そこのところはこれから大いに議論していきたいと、こういうふうに思っております。
○松井孝治君 大臣の今の御答弁ですと、そのチェック機関というものを政府部内に置くとした場合には、それはやはり、今の大臣の個人的見解でいいです、まだ政府としては決まっていないんでしょうから、それは総務省に置かれるべきとお考えですか。それとも、内閣官房、この案件は内閣府、知恵の場内閣府にはふさわしくないんだろうと思うんですが、内閣官房か総務省か、どちらに置くべきだとお考えですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今の仕組みは総務省なんですよ。総務省の人事・恩給局ですよね。恩給局と人事局、一緒になりましたから。ただ、この公務員制度全体の改革の中で位置付けを考えた方がいいと思いますけれども、内閣官房ということはならぬかもしれませんね。ただ、これが内閣官房と内閣府といってもややこしいんですよ、内閣官房と内閣府というのは。それから、総務省もやっぱりこれは総理の補佐的な機能を営んでいるんですよね。これが中央省庁再編のとき大変議論になったんです。そこで、今のような分け方にこうなったんですけれども。
 もう一遍公務員制度全般を見直す中で、内閣官房なのか内閣府なのか総務省なのか、これは議論していきたいと、こう思います。今の仕組みでは総務省の人事・恩給局です。
○松井孝治君 そこで、仮に総務省とした場合、従来も総務省人事局という組織があって、そこが政府側の中央人事行政機関であったわけですね。それと、第三者機関である人事院の関係というのは、これ各省から見ると非常に、ある意味では混然一体としているという議論もあったわけです、制度的には性格は明らかに違うわけですが。そこについて、今、大臣は、総務省かもしれない、それは内閣として決めていくというお話をされました。
 大臣としては、それとは別に、やっぱり第三者機関としての人事院、その機能の在り方についてはいろいろ議論があるかもしれませんが、そこのダブルチェックが必要だと考えておられますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 公務員の地位の特殊性、職務の公共性からいきますと、労働基本権を丸々与えるということには私はならないと思います。ならないと思う。そうなると、労働基本権制約の代償機関要るんで、私は人事院の存在意義はあると思います、これは。ただ、その人事院にどこまで第三者機関としてやってもらうかですね。雇用主である各省の人事管理、人事権者というんでしょうか、そことの調整は私はあるんではなかろうかと思います。
 ちょっと似たようなことをやっていますから。例えば、研修も私の方がやっているんですよ。私の人事局もやっている。人事院もやっていまして、何かやや分かりにくいところがあるので、整理は、今度公務員制度改革をやるんなら整理する必要はあるいはあるかもしれませんね。しかし、今の法律上は、中央人事行政機関というのは人事院と人事・恩給局と、こういうことになっております。
○松井孝治君 今のお話、人事院そのものの第三者機関としての代償機関としての存立について僕は伺ったわけではなくて、天下り規制についてのチェック機関として、人事院がそのチェック機関としての権能を今後も果たすのか、それともそれは政府の中の中央人事行政機関が果たすのか、両方なのか、そこについてのお考えを端的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今度の公務員制度改革大綱では政府側がやろうと、こういうことでこれは閣議決定しましたから、考え方。法律はこれからですよ。しかし、考え方はそうしましたから、その考え方の方が適当かと、こういうことであります。
○松井孝治君 人事院総裁にお尋ねしたいと思います。
 今、大臣から、中央人事行政機関の長ですから、御答弁がございました。それを受けて、今の第三者機関を預かっておられる総裁として、基本的にこの制度改正後は政府側がそのチェック機関も担うと、各省があり、なおかつ中央人事行政機関があるという御判断、それで基本的にいいという御判断が示されましたが、人事院総裁としてのお考えを伺いたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 人事院といいますと給与勧告というのが非常に有名でございますので、労働基本権制約の代償機関だというふうにすぐ言われますけれども、それ以前に、中立公正な人事行政をやる機関として非常に重要な機能を担っております。したがって、この天下り規制というのも中立公正な人事行政機関としての機能の一つでございます。その点を一つ御認識をいただきたいというふうにあらかじめ申し上げておきたいと思います。
 それで、今お尋ねの件でございますけれども、お尋ねの件につきましては非常に難しい問題があるなと。実は、総務省というのはかなりの天下り官僚というものを抱えておる役所でございますので、そこがチェック機能を果たすというのはいかがなものだろうかという議論があるだろうと思います。国会で十分その点は議論していただきたいというふうに思います。
 したがいまして、これをどこがチェック機能を果たすかということについてはこれからの議論として、ひとつ私も国会で議論していただくまでの間にしっかり考えを固めて申し上げたいというふうに思います。
○松井孝治君 これは、委員長そして本日いらっしゃる委員の方々に申し上げたいんですが、お聞きいただいて分かるように、今この公務員制度改革大綱がまとめられましたけれども、例えば天下り規制一つを取ってみても、総務大臣のお考え方と、それと独立機関、独立の第三者機関ですから意見が違っていていわゆる閣内不一致とかそういう問題ではないんですけれども、政府の見解と第三者機関の見解というのは明らかに違うんですね。
 ですから、これは、この大綱は閣議決定ベースですが、いずれ法案が出てきます。法案が出てきたときに、どこで議論をするのか分かりませんけれども、この総務委員会というのは正に中央人事行政機関の長である総務大臣をお招きして公務員人事制度について議論をし得る立場であります。ですから、ここはきちんとした議論を行わなければいけないのではないか、そのことを委員各位にも問題提起を私の方からさせていただきたいと思います。
 そして、この問題についての大体の論点は分かっていただきましたと思いますし、今の人事院総裁の言葉にもありますように、総務省は中央人事行政機関であるとともに具体的な仕事を持っておられるわけですね。そこが本当に役所の中で監督できるのかどうか。チェック機関としての機能を担い得るのかどうか。また、逆に言うと、内閣全体の総合調整というものをどう担うのか。これは、はっきり言って中央省庁再編のときの総務省という位置付けがいろんな要素を持っているというところがここに現れている、一つの矛盾の現れみたいなところだと思うんです。
 ですから、別に片山大臣の責任というよりは、この制度的に総務省という役所をどう組んでいくのかということになってくると思います。公正取引委員会というような組織が総務省の中にあるということも同じような問題を惹起するものだと思いますので、私としてはここで問題提起はしておきたいと思います。
 その上で、少し観点を変えまして、今回の天下りの問題について、公務員の人事体系をどういうふうに今後組み替えるかということについて御質問をしていきたいと思います。
 今回の大綱を読ませていただきました限り、従来の、役所でいわゆるキャリア官僚というのを五十歳ぐらいから勧奨退職をしていくと。勧奨退職をしていて、事務次官をピラミッドの長にして、同じ年代の人間が上に上がっていくにつれ、徐々に間引いていく。そうすると、間引かれた人たちが勧奨退職で外の天下りポストを処遇されて、人事上あっせんされていく。そういう仕組みというものは引き続き残るように私には見えるわけであります。この従来の人事のピラミッド構造というものを残そうとしているのか。
 それとも、よく言われますように、もっと人事というのは円筒型にしていくべきだと。ただし、ずっと高い給料をそのまま持つのではなくて、複線型人事といいましょうか、同期の中でだれかが事務次官になったって、別に課長でいたっていいと。定年までそういう方々を、別に早く辞めさせる、勧奨退職するという慣行を見直して、むしろそういう方はそれなりのポジションとして、専門的能力もある方が多いわけですが、処遇していくべきじゃないか、こういう考え方があります。これについては、いや、そういう人たちを処遇していくと組織の活力が失われる。非常に高齢化が進んで組織の活力が失われるとか、あるいは人件費だけでも、本来外に行っている方々の人件費を国で持たなければいけないので、これは国費負担だけでも相当なもので、行政改革に反するというような反論が行われていると思います。
 しかし、逆に考えれば、さっき総裁もおっしゃいましたけれども、年間ですよね、千何百人、これは公益法人は含まない数字でございますよね。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 含んでおります。
○松井孝治君 含んでいますか。公益法人を含んで千二百人ですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 千二百人。
   〔松井孝治君「千二百人。その千二百人もの方々と」と述ぶ〕
○委員長(田村公平君) ちょっと勝手に、委員長の許可を得てから質疑をやってくださいよ。駄目だよ。
○松井孝治君 失礼しました。
 公益法人を含んでということかもしれませんが、千何百人という方々が実際は処遇、天下りということで外部に出ていっておられる。これが社会全体に及ぼすコストというものを考えていったときに、確かにその分の給与は、早期勧奨退職ですから国が持たなくていいのかもしれませんが、このコスト、人件費を、天下りでいろんな形でそれが国の補助金が回り回って使われている。
 あるいは、それが政官業の癒着の言ってみれば温床になっているという批判もあるわけで、これについて、従来型のピラミッド構造で早期勧奨退職をして、五十歳ぐらいからどんどん辞めさせていって、回りに、社会に全体を受け入れさせているという考え方を改めて、むしろ、それは官庁の中でしかるべきポジションで処遇する。その代わり、給与等は場合によっては降任というんでしょうかね、しかるべく、例えば局長を一回やったとしても、民間でもそうであるように、場合によってはその後課長をやってもらう、専門職をやってもらう。その中で、定年までいてもらうというような考え方で、全体の総人件費は抑制していくと、そういう考え方というのは十分あり得ると思うんですが、これについて大臣はどうお考えになられますでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) さきの答弁で、人事院総裁が、総務省は天下りを抱えているから今のいろいろなチェック機能が適当でない的な発言がありましたが、これは一つも物が分かっていない発言なんですよ。中央人事行政機関としての機能がきっちり担保できればいいんで、どういうセクションがあろうがこれは省庁のくくり具合なんで、そういうことを言うから駄目なんですよ。だから、人事院はもう代償機能だけに限ればいいんですよ、その意味では。私はそう思いますよ。機能の担保がきっちりできる仕組みにさえすればいいので、どこにどうくっ付けようかどうしようかそれはまた別の話で、天下りを抱えていますよ。それは内閣府だって抱えている。人事院も抱えているかもしれぬ。抱えているから駄目だなんというのはこれは妙な話で、こんなことを言うようだから駄目なんですよ、人事院は、と思いますよ。
 それから、今の話なんですけれども、今はピラミッド型ですよ。これは、今の一種の、何といいますか、ポストの調整の関係でそういうことになっているけれども、私は、円筒型があってもいいと思うんですよ。ゼネラリストは数が減っていくので、これはしようがありません。ただ、スペシャリストは、これはそれだけの給与や処遇をやって専門的な知識や能力や経験を生かしてもらえればいいので、そういう円筒型の人事管理制度にするということは考えてもいいと、私はこう思いますよ。
 そういうことも今回の公務員制度改革大綱の中には示唆しておりますよ。私は、そういうことは松井委員が言われるように大いに研究したらいい。ピラミッド型はもったいないですよ。若いときから勧奨退職で間引いていって、今は年齢掛ける〇・八だと私はいつも言っているので、六十でも四十八ぐらいのそれだけの若さや能力がある人が大勢おるので、是非、そういう意味では高齢社会にふさわしいような人事管理、公務員制度というのは私はあると、こういうように思っておりまして、これは十分今後検討していきます。
○委員長(田村公平君) 人事院総裁、何かありますか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 総務大臣から御意見がございましたけれども、いろいろな立場でいろいろな御意見があるんでしょう。
 いずれにしても、どういう仕組みにするのが国民が一番納得するかという話だというふうに思います。
○松井孝治君 今、質問を続けようと思ったんですが、総務大臣から非常にある種強烈な問題提起が人事院総裁に対してもありましたけれども、そこは非常に本質的なところだと思うんです。
 ですから、要するに、確かに総務省というのは中央人事行政機関でもあり、なおかつ別の行政分野を、現業的な部分も含めて今は抱えておられる、そういう役所ですね。そういう役所が、これは正に今、総務大臣がおっしゃったように、各省というのはそういうものなんですね。内閣府だってそういう部分がある。あるいは個別の役所もそういう部分がある。突き詰めていくと、さっきの総裁のお話だと、各省に天下りの承認をさせるというのは基本的にお手盛りになってしまうんじゃないか、そういうふうに考えておられるというふうに理解してよろしいですか。総裁、いかがですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) そのおそれがあるということでございます。
○松井孝治君 そのおそれがあるということは、やはりそれは、第三者機関である人事院が天下り承認はきちんとチェックをしないとやはり不公正な天下りが行われる可能性があるという御見解と考えていいですね。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 詳しく申し上げますと、私たちは、この天下りの問題というのは非常に大きな今国政上の問題になっておると。したがいまして、民間企業に対する天下りも特殊法人、認可法人に対する天下りも内閣で一括して所管なさるのがいいだろうということで、昨年の四月に既にそういう意見を提出しております。
 したがいまして、私たちはどうしても人事院でなければならないというふうには考えておりません。やはりこれだけ大きな問題になってきますと、政治の責任といいますか、内閣の責任でお決めいただくのがいいだろうということでそういう意見を提出しているわけでございます。
○松井孝治君 ちょっと話が分からなくなってきました。
 総務大臣は先ほどから一貫しておっしゃっていると思いますし、むしろはっきりした言葉で、代償機関としての役割を人事院は果たしていただければいい、天下りのある種チェックというのは服務の一環として少なくとも行政府である内閣が責任を負うべきだ、そこの中でどこが負うべきかは別として内閣が負うべきだと。今の総裁の御答弁は、その考え方でいいというふうにお考えになられているということでしょうか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 天下りの問題については、先ほど申し上げましたように、最終的にはやはり内閣ですべての天下りをお決めになるシステムが一番いいんじゃないかというふうに考えております。
○松井孝治君 そうすると、先ほどおっしゃったお手盛りのリスクがある、お手盛りになってしまう危険がある、これをどういうふうに担保していくのが国民に対する説明責任だと思われますか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) それは内閣でお決めいただくということでそういう担保ができるんじゃないかというふうに思います。
○松井孝治君 これは重要な御発言でして、第三者機関の長である人事院総裁が天下りの承認そしてそのチェック、これは内閣の判断でお決めいただければいい、あとはチェックまで含めて内閣の判断で決めればいい、そういう制度を決めればいいというふうにおっしゃったと解してよろしいですね。もう一度確認させてください。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 天下りのチェックというのは天下りした後のチェックの話でございますか。
○松井孝治君 天下りをした後のチェックも含めて、その天下りが適切であったかどうかということも含めた監視ということであります。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 内閣の責任でおやりいただければいいと思います。
○松井孝治君 そうだとすると、これは議論は、お二方の議論はかみ合ってくるわけで、あとは内閣の中で各省と中央人事行政機関、これが相談をしてその承認及びチェックの仕組みを作ればいい、そういうふうに解していいかと思いますが、よろしゅうございますね。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 私が申し上げている内閣というのは、内閣府ないし内閣官房のことでございます。
○松井孝治君 それは私も一つのお考えだと思います。ですから、最初に総務大臣に、内閣官房も含めて中央人事行政機関をどこに置くのか、特に天下りの問題についてのチェック機関、承認機関を、内閣全体の承認機関をどこに置くかということについてお尋ねしたわけでございます。
 総務大臣、今のやり取りも聞かれていて、やはり総務省ではなくて内閣官房に置くべきではないか、あるいは内閣府に置くべきではないか。私は、内閣府と内閣官房は大分違うような気がいたしますが、それについての総務大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 何でも内閣府に集め過ぎるというので分かれたんですよ。例えば公取なんかもいろんな議論があったんですよ。ただ、公取は独立して準司法的な、裁判所と同じような機能をやって、職務が独立していますからね、権限上も。
 そこで、何でも内閣府に置いて内閣府をごみためみたいにしていいのかという議論が出て、ごみためとは言いませんよ、公取はごみじゃありませんよ、卑近な例えで言っているので。そこで、総務省も内閣府的な機能があるからということで、私が決めたわけじゃありませんがね、そういうことで、例えば公取委員会だとか公害紛争処理委員会だとか日本学術会議だとか、そういうものが私どもの方に割にまとまったものが所属になったんですよね。
 中央人事行政機関というのは総務庁ですよ。総務庁の人事局からそのままそれが総務省に統合になりましたから移ってまいりまして、国家公務員の人事管理と地方公務員の人事管理を統一してやった方がいいという観点なんですよ。そういうことで中央人事行政機関になったので、だから国家公務員法は私どもが所管し、地方公務員法は私どもが所管して、これは統一的にやっているんですよ。
 ただ、天下りの再就職のルールだとかこのチェックだとかというのは、公務員法に関係ないことはないけれどもそのものじゃありませんから、これはどこでやるかというのはいろんな議論があっても私はいいと思っているんですよ。だから、内閣府でもいいし、総務省でもいいし、あるいは内閣官房という議論があるかもしれませんが、それはこれから内閣の中で大いに議論して決めさせていただくので、よその人からとやかくどこがいいなんと言われるいわれはないので、我々がきっちり内閣の中で議論して決めていきます。
○松井孝治君 私は、今の大臣の発言はちょっと行き過ぎだと思いますよ。よその人といっても、それは今正に第三者機関として公務員人事制度を扱っておられるわけで、正にそれを人事院規則というもので公務員の天下りについても今かかわっておられる第三者機関の長ですから、それは僕はちょっと言い過ぎだと思います、正直言って。
 ですが、おっしゃることは分かりました。それを内閣の中のどこの部署に置くかというのは恐らく、是非この次の国家公務員法及びその関係法案の審議の中で国会においても議論をさせていただきたいと思います。
 さて、次に移りたいと思います。
 先ほど円筒型の人事の問題がございました。私思うに、この国家公務員の人事システムを作るに当たって、その円筒型をもっと細くしていくんじゃないかというふうに思うわけです。どういう意味かといいますと、やっぱりこういう時代ですから、もっと外部から専門家を登用すべきだ。私はその登用だけじゃなくて、もっと本当の意味での人事交流が行われてしかるべきだと思います。諸外国の人事制度を見ても、日本ほど生え抜きの役人がずっと閉鎖的な空間を保っているというのは珍しいんではないかと思うんです。
 ですから、この際、私は二つのことを提案したいと思います。
 一つは、T種、U種、V種という国家公務員の分類が、さっき正に大臣はそれをT種、U種、V種の垣根を越えて処遇、登用すべきではないかとおっしゃいましたが、この公務員制度改革に当たって、T種、U種、V種という垣根をもっと取り払って、場合によっては企画職と執行職ということでもいいかもしれません、そういうことを考えられたのかどうか。正に考えるべきであったと思います。
 それともう一つは、公務員のポジションと実際の採用人数に比較して、やっぱり今一杯一杯採っているんですね。そうじゃなくて、むしろ外から採るんだ、専門家を採ってくるんだと。場合によってはリボルビングドアというんでしょうか、そういう制度を作っていく。要するに、公務員から民間に行く、また民間から公務員に入ってくる、そういうことがもっと伸びやかに行えるような仕組みにしていかないと、今のキャリア官僚の意識改革を行う上でもうまくいかないんじゃないか、私はそういうふうに思うわけですが、局長、簡単に御答弁いただいて、ちょっと大臣の御見解も聞きたいと思います。
○政府参考人(西村正紀君) 大綱では、まず採用につきましては、T種、U種、V種という現在の採用区分につきましては、これはそれなりに必要があると。例えば、幹部候補を計画的に確保育成するとか、それぞれの大学、高校等の卒業に応じた人材の効率的な確保育成という観点から必要だと。しかし、その採用は区分はありましても、この人たちの育成、昇進ということにつきましては、幹部候補生についてもU種、V種の人を登用するような仕組みを作っていくべきだということを大綱の中では言っております。
 それから、採用数の話でございますけれども、採用数につきましては、基本的にはそれぞれの省で、将来のニーズ、現在の職員数等を前提に適切な採用をすべきだと思います。ただ、公務員制度改革の検討の中で、各省庁からいろいろお話を聞きましたが、やはり生え抜きの人じゃなくて、途中から民間等の経験のある人が欲しいというようなことを言う省庁もございます。恐らくそういう形での採用というのはこれから増えてくるのだろうと思っております。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、西村局長から話したことに私も大体賛成でございますけれども、T種、U種、V種というのはメリットシステムである以上、これはしようがない区分だと、こういうふうに思います、入口は。しかし、入った後は本来のメリットに応じて相互乗り入れがあってもいいと。しかし、大きな人事構成、いろんなこと、ほかの考え方がありますから、それはそれでなきゃいかぬと私は思いますけれども、入った後はU種の人がT種になる、先ほど言いましたが、場合によってはV種の人がU種になりT種になるという道も残したらいいと思う。キャリア、ノンキャリアなんという言葉は大体余りいい言葉では私はないと思っているので、今後は努力次第で、頑張り次第でT種の扱いになりU種の扱いになるという道が私は開かれて一向差し支えないと。そういうことも今後の公務員制度の中では必要ではなかろうかと、こういうふうに基本的には考えておりまして、今の改革大綱についてほぼ私も同じ意見であります。
○松井孝治君 これは大臣の、総務大臣としての、地方行政も担当しておられるお立場から伺いたいんですが、これ、どんどん地方分権を進めていかなきゃいかぬわけですね。そうしたときに、今の中央官僚の職務分担というのはやや見直しが必要でして、やっぱり中央官僚として政策の企画立案に当たる役人が必要なのは事実ですね。ところが、その執行部分ということになってきますと、今、U種、V種の方々のうち相当程度、いろんな国の予算の執行とかも含めて当たっておられる方が多いですね。そういう方々というのは、ある意味では地方分権していくとそういう仕事が地方に行くわけですね。
 そうなってくると、今のT種、U種、V種という分類というのは、国の事務の企画立案とその執行、この分類と、この再整理をするのと相まって、もう一回再整理していかなければいけないんじゃないかと思うんですよ。その中で本当にT、U、Vというのを、この区分を維持する必然性というのは私ないんじゃないかと。むしろ、U種、V種の中の一部の方々は、中央ではなくて地方行政の一線を担っていただくような方々がたくさんいらっしゃるんじゃないかと。
 そこについて、地方行政まで視野に入れて、こういう執行部分を担っておられる公務員の方々の処遇の在り方を含めて人事制度はどうあるべきか、そこについて私は大臣としての御見解を賜りたいんです。
○国務大臣(片山虎之助君) そのT種、U種、V種とこういうのが、T種は企画立案だけということでもないんですよね。それぞれの役所の幹部になっていく大卒で試験に受かったと。U種は短大卒が大体のイメージですよね。V種は高卒と。こういうことでございまして、必ず企画立案と執行部門ということでもないと思いますけれども、地方分権をして、地方で物が決まったり、地方で決まったことをそのままやれるようになりますと、それはそういう時代にふさわしい公務員制度はあるいはあるのかもしれませんね。
 今、やっぱり我々が見て一番の問題は、やっぱり人材がもっと地方に行ってもらわなきゃいかぬと思っているんですよ。都道府県や市町村に本当の人材が自ら志願して行ってくれるような魅力ある地方自治にしないと、地方自治がなかなか伸びませんよね。やっぱり県の言うことを聞いておくのが無難だと、国の言うことに従う方が正しいんだと、こういうことでは困るので、そういう意味では、我々が今地方分権を推し進め、あるいは市町村合併で基礎的な自治体である市町村を強くしようというのは、やっぱり人材ももっと地方を目指してもらいたいと、こういう考え方でございまして、もしそういう仮に時代になるなら、私はその時代にふさわしい公務員制度というのが国、地方を通じてあるのかなと、こういうふうに思っております。
○松井孝治君 正におっしゃるとおりで、だからこそ私はもうT種、U種、V種とかいう分類やめてしまって、もっと違う新しい区分で、幅広い人たちが、ある意味ではイコールフッティングで実力のある人たちが登用される仕組みにした方がいいんじゃないか、そういうことを提案したいわけでありまして、今回まだ閣議決定をされただけですから、是非法案を立案されるプロセスでそういう考え方も含めて検討していただきたいと思います。
 それに関連もするんですけれども、中央官僚の地方自治体への天下り、天下りというか出向ですね、これについて私、大臣の見解を伺っておきたいと思います。
 これはかつての、この公務員制度改革は橋本元内閣総理大臣の下でのいわゆる橋本行革の流れを引いているというふうにいろんなところの経緯文書に書いてありますけれども、橋本さんがまとめられた行政改革会議の最終報告にも、今の国の中央官僚が地方の枢要なポジションを支配しているというのはおかしいと、それについて検討が必要だという規定がございます。そういう流れも踏まえて、大臣はいろいろ御経験も豊富なわけですから、中央官僚がいろんな地方の自治体の、例えば県や府やそういうところの部長ポストを独占している、それについて、確かに刺激になっている事例もありますけれども、非常に中央官庁の方を、出身官庁の方を見て仕事をしている、何とかいじめられずに過ぎ去ってほしいというような地方自治体の方々の悲鳴もあるわけですね。この見直しについてどう考えられるのか。
 特に旧自治省は、旧自治省、今総務省になりましたけれども、そのポジションに比較して明らかに大勢のいわゆるT種の官僚を採っておられるわけですね。これは要するに地方に出向しないと人事上、昔の自治省の人事って回らない仕組みになっているんですね、正直に申し上げて、認めておられると思いますけれども。こういう在り方というのは本当にいいんでしょうかね。
 この国と地方の出向人事の関係について、大臣、どういうふうに見直すべきだと思われますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 国と地方の人事交流につきましては、今、松井委員言われるように、やや片道風で、国が出すだけで、いいポストを独占してと、こういう御指摘もありますが、基本的には国、地方の人事交流は対等で相互交流、相互乗り入れが私は正しいんだろうと、こう思いますけれども、地方の方にはなかなか専門家がいないんですよ、特に技術関係では。そういう意味で、土木部長が中央の人が多いというのは、一つはそういうこともありますね。あるいは環境衛生だとか医療だとか、そういう関係も割に専門家が少ないものですから、そういうのは中央から来てもらうと。こういうことはあったと思いますし、私は昨日も千葉県の知事が来られたので言ったんですけれども、中央の人が行って二年なり三年なり思い切ってやるというのは、その土地でのしがらみもなく、いろんなかかわり、因縁もなくて、思い切ってやるということは大変私は地方自治にとって刺激にもなるし、いいことだと、こういうふうに思っておりますので。
 ただ、それは、国が押し付けるとか、国が一方的にこのポストとかというのはいけません。やっぱり、地方から是非こういう人を何年かよこしてこういう仕事をやってほしいということに応じるというのが基本的には正しいんでしょうね。そう思っておりますし、余りモンロー主義で都道府県や市町村、まあ市町村は別にしまして、都道府県は余りモンロー主義でやるのもどうかなと。これもほどだと思っていますね。余り中央ばかり呼んでくるのも問題だし、しかし、全くモンロー主義でやるのも問題で、そこで必要な人はスカウトするというのか、来てもらってやると。その代わり、地方の人も中央に行って、中央でそれぞれのポストを経験する、こういう相互交流というんでしょうかね、対等の人事交流、こういうことが私は望ましいと、こう考えておりますけれども、中央から呼ばなくてもちゃんと専門家が入ってくる、人材が育っていくという仕組みにすることが基本的には一番私は正しいと、こう思っておりますけれども、もう少しそれには私は時間が必要かなと、こういうふうに思っております。
○松井孝治君 もちろん、自治体の中では、それは大変立派な人を受け入れて本当に刺激になって良かったとか、いろんな自治体の中にはいない人材をもらって良かったという声もたくさんあると思います。でも、やはりそれよりも数の多いやっぱり苦情、本当に本音のところでそれは大臣に知事はなかなかおっしゃらないと思いますよ。大臣自身も副知事として岡山県に行かれていますしね、大臣にはなかなかおっしゃりにくいかもしれないけれども、本当の意味でやっぱり地方自治体の職員の方々は何でこういう形で中央の人が来るのかと。
 それなりの能力の人はたくさん今育っていますよ、戦後のいっときのようなことはないわけですから。僕はそれは、なかなか人がいないから、あるいは自治体側が喜ぶからといって今の制度をそのまま続けていたんではいつまでたっても地域に人材も育ってこないし、地域の、地方の方々のモラールが上がっていかないと思うんです。ですからここは、大臣、両方お分かりなんですから、是非とも大臣の在任中に思い切った改革を打ち出していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 さて、先ほど私は官民のリボルビングドアのような仕組みを作ることが必要だということを申し上げました。現実には、民間の方々が中途採用、最近、中途採用あるいは任期付出向みたいな制度は徐々に充実していますし、今回の大綱の中でもそういう制度改善は触れられていますが、やっぱり民間の方が実際中央官庁に出向しようとすると、いろんなしがらみといいましょうか、いろんな問題点があります。
 一つには、その後戻ろうとしたときに、変な形で天下り規制が掛かってしまって自分の会社とか関連業界に戻れない。例えば、金融行政で金融関係の知識を持った人はもっともっと必要だ、しかし、金融関係の知識を持った人に役所に来てもらう、そうすると、その後、じゃ、また金融関係のビジネスに戻ろうとすると天下り規制に引っ掛かってしまって戻れない。これは本来の天下り規制の趣旨とはちょっと違うところで規制が引っ掛かってしまう部分もある。また逆に、民間のビジネスマンとしては非常に優秀であっても行政マンとしての基礎知識がないからなかなか同列に溶け込めない、そういう不安もあります。こういう問題を改善するために天下り規制の考え方を、これは将来は内閣で決めるということかもしれませんが、今第三者機関の長としてどう考えておられるのか。
 さらには、そういう民間人が若干のトレーニングをミッドキャリアで行って、もっと中央官僚に参入しやすいような仕組みを作れないか。
 法曹の世界ではロースクール構想というのがありますけれども、アメリカなどにはガバメントスクールというのもたくさんあります。アメリカの中央官庁なんかへ行くと、ガバメントスクールを卒業してパブリックマネジメントの学位を持ったような人たちがどんどんミッドキャリアで入ってくるような仕組みがあります。こういう制度をもっと行政に関連する分野で、それは大学も含めて、整備していくべきではないかと私は思うんですが、併せて人事院総裁の御見解を伺っておきたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 官民交流法に基づいて官庁の方にお見えになった方がまた企業に帰られるというときには、現在、天下り規制に関する法律の適用除外を法文上措置しております。したがいまして、基本的にそういう問題が起こらないというふうに思います。
 もう一つは、任期付任用法に基づいて官庁の方に来て仕事をなさる方がまた企業にお帰りになるときには、現在のいわゆる天下り規制の運用というものをかなり弾力化して適用しておりますので、その面において任期付任用法に基づいて官庁に来た方が再び企業に帰られるときに、現在非常に窮屈だという話を聞いておりませんので、私たちは現在の運用の仕方でおおむねいいんじゃないかというふうに考えております。
 もう一つのいわゆる公共政策大学院関連の受入れの話でございますけれども、公務員の世界でどういう資質、どういう能力を持った人が必要なのかということと関連する話でございますので、公共政策大学院でどういうことを教えるか、どういうカリキュラムでその大学院構想を固めるかということとも歩調を合わせながら、どういう受入れ方をするのがいいのかということを検討していかなきゃならないというふうに思います。現在、大学側とも、また文部科学省の方とも意見を交換しております。
○松井孝治君 今の前段の問題、後段の問題は私はそれで結構だと思うんです。前段の問題について言うと、ある企業から出向して、よくある今の官庁との人事交流、ある企業が例えば東京三菱銀行からどこどこ省に出向して、また東京三菱銀行に戻る、これはいいんですよ。ただ、東京三菱銀行で培った経験を行政のどこかで生かして、じゃ、今度はシティバンクに戻ろうというような場合に天下り規制が実際適用されてしまうという部分がありまして、本当の意味でのいわゆるジョブホッピングといいますか、官民の交流という意味では、そこら辺の在り方をどう考えるか、これはいろいろ難しい面もありますが、これは今措置されてすべて済んでいるというふうには私は思っていません。
 時間がありませんので最後に一つだけ、これ、聞いておきたいと思いますが、今回の天下り規制の中で公益法人についての提言が若干出ています。再就職ルールを決めておられます。しかしながら、私はこれは極めて不十分だと思います。実際の天下りの実例で言うと、公益法人が天下りの受入先になっている部分が極めて多いと思います。その天下り、これは国費で補助金を出している、人件費を出しているものについては制限が掛かるという考え方を取っておられますけれども、実際は国費で人件費を予算措置しているなんというケースはほとんど少ないわけですね。別の事業費とか委託費を出している。ところが、その玉突きで天下りを受け入れているというケースが非常に多い。これについて本当にほっておいていいのか。あるいは、その国費だけじゃなくて、認可法人のようなところ、例えば公営競技団体などが、委託費とか補助金を出しているところにどこかのその関係する役所のOBが天下りをしている。こういう実例についてやっぱりきちんと網を掛けていかないと、本当の意味での公正な人事が行われないんじゃないかと。
 このことについて、もう時間がありませんので大臣に一言御答弁をいただいて、私の質問を終わります。じゃ、一言ずついただけますか。
○政府参考人(西村正紀君) 大綱では、公益法人につきましても再就職についてのルールを定めるように決めております。国と特に密接な関係を持つ公益法人に対しましては、役員の報酬、退職金について公務員の水準と比べて不当に高額に過ぎないように指導すると。また、公的部門における高齢役員に関する対応状況、これはまあ高齢役員の就職の規制でございますが、そういうものも踏まえまして役員の退職年齢について公益法人で適切な内部規定を整備すると。こういう形で、いろんな批判がないような形にするように決め、これを具体的に措置することにしております。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、石原大臣のところと私どもの方で連携をして、公益法人等、特殊法人を含めまして、今のような御指摘についても問題意識を持って対応していこうと、こういうことでいろいろ検討いたしております。
○松井孝治君 終わります。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 いよいよ三月末に向かって予算の審議というふうになっているわけでございますが、やはり四月を目の前にして気になるのは、この四月からのペイオフの関係でございます。ペイオフと地方自治体の関連につきましてはもう何回も質問がなされていると思いますけれども、四月からは公共団体自体も、地方自治体も自らが善管注意義務を持ってこの預金とか管理をしっかりしなきゃいけないという必要があるわけでございますが、総務省でも研究会を設けたりしてその成果を各地方自治体に周知したり、またこの公金の保全策というんですか、これも通知をしているというふうに伺っているところでございますが、総務省の地方自治体に対してこのペイオフ対応策、この概要をちょっとお知らせください。
○政府参考人(板倉敏和君) 今御指摘ございましたとおり、平成十二年の十一月より、私どもでは地方公共団体や有識者、金融機関関係者等から成ります地方公共団体におけるペイオフ解禁への対応方策研究会というのを設けまして詳細に検討をしてまいりました。昨年三月にその内容を取りまとめまして通知をいたしますとともに、全国出納長会議や市町村担当課長会議など、様々な会議や研修会を通じまして何度も地方公共団体に周知を図ってまいりました。
 その内容でございますけれども、預金債権と借入金とを、いわゆる地方債等の債務とを相殺をするという方法ですとか、指定金融機関からの担保を一層充実をする、また国債等の債券による運用とともに普通預金等の流動性預金の活用等の方策でございます。また、金融関係の知識を有する人材の育成などを進めますとともに、必要な情報の収集や資金の管理運用等に係る方針の明確化など、適切な対処を求めてまいったところでございます。
○魚住裕一郎君 要するに三つあると思うんですね。一つは、いわゆる相殺の担保的機能というものを有効に生かす。もう一つは、借入金の額を上回る部分については銀行から担保をもらえと。あとは、国債とかそういうものを使えよと。そうすると、余り新味がないといいますか、何かまあ当たり前のことを言っているなと。ただ違うのは、銀行から担保をもらえというのは民間ではなかなか発想しないのかなというふうに思うところでありますが、ただ本当にこれで対応できるのかというような思いをいたします。
 それで、このような対応策というものを周知されているようでございますが、今全国の地方自治体の実情というものはどういうふうになっているのか。また、この中で地域経済に無用の混乱を引き起こすことのないようにというふうなことが言われておるわけでありますが、この地域経済に無用の混乱を起こさないと、要するにどういうふうに具体的に、中身ですね、御指導されているのか、この点についてお聞かせください。
○政府参考人(板倉敏和君) 個別の地方団体の動向につきましてすべてを調査したわけではございませんけれども、私どもが聞き取りましたところでは、都道府県ですとか政令市等の大都市におきましては既に研究会などを設けまして、ペイオフ解禁への対応方策をそれぞれの実情に応じまして具体的に検討を実施をしているというふうに承知をしております。
 ただ、市町村、特に中小の市町村についてはどうかというようなお話もございましたので、去る二月八日に全国の市町村担当課長を東京に集まっていただきまして説明会を実施をし、改めて周知徹底を図らせていただいたところでございます。
 地域経済に無用の混乱を起こさないようにということでございますが、これは、地方団体は自らの公金預金の保全に責任を有しますけれども、他方、風評被害を引き起こして地域経済の安定を損なわせることがないように十分留意すべきであるということは当然かと思います。このため、ペイオフに関します説明会等におきましても、ペイオフ解禁への対応方策等の検討、実施に当たって、過剰な対応によって地域経済に無用の混乱を生じさせることのないように冷静な対処をしていただきたいということを重ねて要請をしてきております。
 いずれにいたしましても、私ども総務省といたしましても、今後とも適切に対応をしていきたいと考えております。
○魚住裕一郎君 本当にそのとおりだなと思います。地元の銀行を呼んで、経営状態はどうなっているんだと、そう質問して、やっぱりじゃ引き揚げたなんといったら大変なことになっちゃうなと、それがもうあからさまな形でやったら、これに十分注意をしていただきたいなというふうに思います。
 それとの関連で、郵便貯金法の関係で、非課税法人とか地方自治体の郵便貯金、これは限度額が設けられていないということでございまして、民間金融機関から郵便貯金へ大量に資金が移動する可能性が出ていると。この非課税法人と地方自治体の郵便貯金の口座数あるいは貯金の残高の動向についてお聞かせをいただきたいと思います。
 また、新聞報道によれば、来年、郵政公社発足ということでございますが、一般利用者と同じように一千万の限度額を設けるというような方針を固めたというふうに報道されましたけれども、この点につきましての総務大臣の御見解を承れればと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 現在、地方自治体などの非課税法人には、個人や課税法人とは違いまして一千万という預け入れ限度額は適用しておりません。実際、郵便貯金全体でどのくらいかと見ますと、全体の〇・四%と大変少のうございまして、ペイオフが近づいたから増えているかと思いますと、増えていますけれども顕著に増えているという状況にはございません。
 しかし、来年から公社に移行する、こういうことでございますので、郵便貯金は小口、個人というのが、あまねく、日本中のあらゆるところであまねくと、こういうのが郵便貯金の本来の考え方でございますし、個人とのバランスもあるのでそこはどうしようかなと。こういうことで、いずれにせよ、公社化法の関連法か何かの中でどういうふうにこれを決めて手当てをしているか、現在検討中でございまして、まだはっきりした結論を今得ているわけではございません。検討の方向としては、報道されたようなことを含めて検討いたしております。
○魚住裕一郎君 今の御答弁の中であまねくという表現があって、私も本当にそうだなと思うんですね。
 あれ、中部銀行ですか、破綻したと。東京都なんですが、伊豆大島に唯一あるのがその中部銀行の支店だと、一般銀行でですね。そうすると、それがもし受皿銀行、きちっとやってくれなければ、正にその地域、その島の中で、大島という比較的、まあ小さくはないですよね、島の中で郵便局だけになっちゃうなという、そういう恐ろしい事態があって、そうすると、今の限度額を設けるという話もそういう視点で本当に考えないといかぬのじゃないかなと。是非、こういう点も御配慮をいただきたいなというふうに思っております。
 それで、今は郵便貯金でございましたが、郵便振替口座というのがあります。民間金融機関の当座と同じような決済性の口座でございますけれども、これにつきまして一千万の限度額を設けるべきではないかというような議論も、声もございます。
 最近のこの郵便振替口座の現状と、それから限度額を設けるか否かという点につきましての総務大臣の御見解を賜りたいと思います。
○政府参考人(團宏明君) まず、郵便振替口座の現状につきまして私の方から御説明申し上げたいと思います。
 郵便振替口座の平均残高ということで見てまいりますと、平成九年度におきまして約七千四百億、それが平成十三年度におきましては約一兆五千億と、これ、二月まででございますが、なっておりまして、年々増加しております。
 これは送金決済の専門、専用口座でございまして、利用の拡大が進んでおります。例えば、通常払込みの金額でございますが、九年度は二十一兆八千億程度、十二年度は二十九兆六千億程度ということで異様な拡大が進んでおりまして、それに伴って残高も増えているというふうな傾向であるというふうに考えておりまして、ペイオフ解禁の影響という顕著な動きがあるものではないんじゃないかというふうに見ております。
 ちなみに、四千億、十三年度の十二月までで増えておりますけれども、ほかの数字を見ますと、民間金融機関の預金の増加というのが約二十二兆円ございます。郵便貯金の減少が約九・四兆ということでございまして、この四千億という数字が全体的に顕著な動きであるということとは見られないんじゃないかというふうに考えております。
 しかし、いろいろ指摘もございますので、なおこの動向につきましては今後とも注視してまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(片山虎之助君) そこで、この振替口座に限度額を設けるかどうかなんですが、今、局長の答弁にもありましたように、これは主として、個人が税金を納めますとか、電気料金を納めますとか、通信販売代金を支払いますとかと、こういう送金の便宜な手段として使われているんですね。だから、一人一人は小口でわずかな額でも受け取る方は大きくなるんですね、口座が。
 そこで、これに限度額を設けますと、制限せにゃいかぬようになるんです、送金を。だから、そういうことは大変国民にとって不便になりますし、郵便振替の、決済手段としての郵便振替の意味がなくなりますので、我々としてはこれに限度額を設ける考えはございません。
○魚住裕一郎君 先ほどのペイオフ対応策、伺いましたけれども、何か確かにそういう方法しかないのかなというような気もするわけでありますけれども、ただ、地元の県民とか都道府県民等、あるいは市民からしてみれば、納めたらその後そのまま戻ってこないような、公の事業に使われないというようなことは本当に我慢ならないというような思いだと思うので、今の方針で是非お願いをしたいなというふうに思うところであります。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 さて、次に、本年四月から政策評価法というのが施行されますけれども、総務省ではこれまで、これに先立って、昨年から総務省政策評価実施要領及び実施計画を策定して研究会を設置していろいろ研究してこられたようでございます。段階的に、試みに行って、特に平成十四年度の予算の概算要求に活用されたといいますか、試行をされたというふうに伺っております。
 何か新規事業につきまして八十六事業を対象に評価されたということでございますが、評価対象事業あるいは評価の観点、評価の成績等についての概略をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) 先生御指摘のとおり、去年、八十六の事業について試行的に評価を行っております。
 その評価の対象事業の選定の考え方でございますが、まず、昨年六月にいわゆる骨太方針が決定されておりますが、そこにおいて重点的に推進すべきとされましたIT政策等の七分野に位置付けられる事業で、構造改革特別要求及び公共投資重点化措置に係るものが一つでございます。二つ目が新規事業でありまして、要求額五千万円以上の事業などを中心に評価を行ったところでございます。
 次に、評価の観点でございますが、これは、事業の目的が国民や社会のニーズに照らして必要性があるかという必要性、それから、目的を実現する上で有効なものかどうかという有効性の観点、それから、コストとの関係で効率的か否かという効率性の観点から評価を実施いたしました。
 それから、評価の結果でございますが、事業としてそれぞれ必要性、有効性、効率性等の観点から評価を行ったわけでございますが、いずれもおおむね妥当であるという結論を得たところでございます。
 しかし、これはあくまでも試行として概算要求段階で行ったものでありますので、十四年度の事業実施後、目的の達成状況等につきまして十五年度以降に行う本格的な評価の中で検証するつもり、考えでございます。
○魚住裕一郎君 事業はやってみなきゃ分からないという側面もありますが、そういう観点から、今のお話は事業の事前評価という形になるわけでございますが、事業の意図、目的、有効性、これについて内部的に評価しているわけでありますが、どのように評価し、またその評価を概算要求額にどのように反映してきたのか、そのプロセスというものはどういうものだったのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) まず、事業の意図、目的でございますが、例えば上位計画がある場合、例えばIT政策につきましてはe―Japan重点計画というものがございます。その位置付けを踏まえまして、その必要性があるかどうかを評価するとともに、有効性につきましては、事業実施によりましてどのような達成効果が得られるかを評価しております。
 また、公共投資関係費に係る事業の効果といたしましては、コストとの関係で、コストが幾ら、それを投入した場合の効果は幾らという分析を行うなどして評価を行っております。
 それから、予算への反映でございますが、十四年度の概算要求に当たりましては、これらの評価結果が要求の内容にできるだけ反映されるようにいたしたところでございます。
○魚住裕一郎君 事前にきちっと評価をしておけば財務省との折衝でも強い味方になるのかななんて思っているわけでありますが、事業の必要性とか有効性とか、いずれも妥当という先ほどお話ございましたけれども、はっきり言って自己評価なわけですね。自分で、これやりたいなと、これはいいんじゃないのと、妥当だという言い方になっているわけでありますが、ただ、この事業達成の効果を自己的であれ評価する上で参考になるのは、やはり指標、メルクマールといいますか、民間需要創出効果でありますとか、雇用の問題についてさらに検討、調査していくというふうにされているわけでありますが、総務大臣、今回の事業評価の試行、試みというものはどのように大臣として評価されているのか、また、今後の見通しについて御所見を承りたいと思います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) ちょっと事務的な答弁になりますので、私の方からお答えさせていただきます。
 今回の事業評価は、法律、四月一日から施行されますが、その施行に向けまして、評価手法の研究も兼ねて試みとして実施したものでございます。この四月から、先ほど申し上げましたとおり政策評価が本格的にスタートいたしますが、現在、総務省では総務省の政策評価基本計画を策定中でございまして、四月一日から本格的な評価が実施できるように準備をしております。そして、その中で、昨年の施行の結果を踏まえまして、予算への反映がより一層的確になされるとともに、より厳正、客観的な評価ができるよう、本格実施に努めてまいる所存でございます。
 なお、先生、先ほど、手前みそというような表現だったかどうかちょっとあれですが、そういう御批判ございましたが、そういうことのないよう、有識者の研究会も設けまして、広く専門家、外部の方の意見も取り入れながら評価計画なり評価結果を、評価をやっていきたいというふうに考えております。
○魚住裕一郎君 続きまして、公務員制度調査会についてお尋ねをしたいと思います。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 先行の同僚委員からは、公務員制度改革について種々いろんな観点から質問がございました。公務員制度調査会というのは、たしか平成九年春ですか、設立をされました。国家公務員制度発足五十年を超えて、いろんな社会状況に対応しつつ、行政の総合性を確保したり、あるいは公務の活性化、職務の専門性、そういうような諸課題にこたえる人事管理制度、システムというものを作りたいということで、この全般的な見直しを行うということで作られたというふうに思いますが、これまでの活動状況の概況についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
 公務員制度調査会は、現行の国家公務員制度とその運用の在り方につきまして全般的な見直しを行うということを目的として平成九年四月に総務庁、現在は総務省でございますが、に設置されまして、これまで五年間に計五十五回の審議を行ってまいりました。
 その間、平成九年十一月に中央省庁等改革に密接に関連する事項について意見を提出いたしました。平成十一年三月十六日には公務員制度改革の基本方向に関する答申を提出いたしまして閣議に報告したところでございます。また、この基本答申を提出しました後は、政府における公務員制度改革の進捗状況を聴取するなどの活動を行ってきたところでございます。
 なお、公務員制度調査会は、法律、これは総務省設置法附則第四条でございますが、この法律によりまして平成十四年三月末をもちまして設置期限としているところでございます。
 以上です。
○魚住裕一郎君 全体で五十五回ということでございますが、今お話しございました十一年の三月に答申、公務員制度改革の基本方向に関する答申というものを総理に出されておりますが、この答申というのは、政府部内でどのように扱われ、あるいは実現されてきたのか、お聞かせください。
○政府参考人(久山慎一君) 基本方針の、基本答申の中身につきましては、まず中央省庁等改革と併せて実施すべき事項につきまして、中央省庁等改革の推進に関する方針、これは平成十一年四月二十七日の中央省庁等改革推進本部決定でございますが、この方針に盛り込みましてその実現を図ったところでございます。
 具体的に申し上げますと、多様で質の高い人材の確保という観点から、採用試験の改革や新たな任期付任用制度の導入等を行い、高齢化への対応と退職管理の適正化の観点から、新再任用制度の導入、人材バンクの導入、再就職状況の公表等を実現するなど、基本答申の具体化について着実に実施してきたところでございます。
 また、現在、内閣官房を中心に検討されております公務員制度改革につきましても、改革の大きな方向は一致しておると考えておるところでございます。
○魚住裕一郎君 インターネットでこの調査会の議事要旨というのが出ておりましたけれども、昨年の四月十三日の議事要旨、拝見しましたけれども、その中で委員から、当時の橋本行革担当大臣、要するに、調査会答申に基づく公務員制度改革が国民に受け入れられていないと、そういう見解を示したというふうに聞いておるというような委員からの意見がございました。調査会の答申を尊重すべきというふうな立場に政府はあると思いますが、このような認識をなぜしたのかという委員からの質問があったわけでありますが、行革事務局からは、大臣発言は、目に見える形で改革がなされていないという国民からの批判を受け、原点に立ち返って枠組みを再構成しなければならない、そういう趣旨であったと、そういう発言があったというふうに議事要旨に載っているところでございますが、その根拠と、それからまた、行革事務局から少しその辺につきましてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(西村正紀君) 委員御指摘の公務員制度調査会の件は四月十三日でございますが、ここで橋本担当大臣が官公労の連絡会の方とお会いしたときの発言を引用されたんだと思いますが、その際、橋本前大臣は、答申が国民に受け入れられていないということを言ってはおりませんでして、正確に申しますと、公務員制度調査会の基本答申やこれに基づく取組は残念ながら国民に知られていない、そして、正すべきものは正し、公務員が伸び伸びと誇りを持って働けるような制度とするために公務員制度の原点に立ち返って聖域を設けず見直しをしたいということの発言をしております。
○魚住裕一郎君 知られていなければ受け入れられないわな、どれだけきちっと徹底するかというような問題になるかもしれませんが。
 それで、先ほども出ましたけれども、昨年十二月に公務員制度改革大綱というのが閣議決定されましたけれども、そのプロセスで行革事務局と公務員制度調査会、話合いが持たれたんですか。調査会は調査会としてその過程で意見表明を行ったことがあるのかどうか、また、政府は今回のこの公務員制度改革の中で公務員制度調査会、これをどのように位置づけをしているのか、この辺をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(久山慎一君) 公務員制度改革大綱をまとめる過程におきましては、昨年三月の公務員制度改革の大枠の公表後におきまして調査会を開催いたしますとともに、同年六月の公務員制度改革の基本設計の取りまとめの前に非公式の懇談会を開催して、公務員制度調査会の各委員の皆様から意見を伺ったのを始めといたしまして、各委員に対しまして節目節目におきまして適宜情報提供等を行ってきたところでございます。
 なお、本年二月五日でございますが、公務員制度調査会の場におきまして、行政改革推進事務局から公務員制度改革大綱の内容につきましての説明を受け、行政改革推進事務局と意見交換を行ったところでもございます。
○魚住裕一郎君 位置づけ。
○政府参考人(西村正紀君) 公務員制度調査会の方の考え方は、私どもの大綱にも具体的に、例えば多様で質の高い人材の確保とか行政の総合性、個人の適性・志向を重視した能力開発等、相当部分が盛り込まれておりまして、この調査会の考え方と私どもの大綱とは基本的には一致していると考えております。
○魚住裕一郎君 大臣、先ほど五十五回やったというお話ありましたけれども、ただ、去年の四月十三日、次が今年の二月五日なんですね。その間、何か労使関係の在り方に関する検討グループ、これは六月五日、これで一応終わっているんですね。
 今、西村局長から基本方向は同じだと。そうすると、同じことをまたやっているのかというふうな、じゃ、この公務員制度調査会というのは一体何だったのかと。この三月の末に期限が来ますわね。そういうふうな思いをするんですが、今後の見通しについて、また公務員制度調査会のこの評価について大臣の御見解をお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 公務員制度調査会は、十一年の三月に基本答申を出したんですね。その後は、基本答申出しましたから、あとはいろんな議論をするとか状況を聞くとかということしか正直言ってやっておりません。
 それで、今回の公務員制度改革そのものがやや政治主導で、与党あるいは自民党主導で進んでおりまして、そういう状況について公務員制度調査会は意見を言うと、こういう程度でございまして、委員の御指摘のとおりでございます。
 それから、任期が、あれは三月までだったと思いますけれども、三月に任期が来ますので、一応これはこれで幕を閉じて、後はどうするかは今後検討いたしたいと、こういうふうに思っております。まだこちらの今の行政改革事務局でやっている公務員制度改革も大綱が出ただけで、これから制度とかいろんな議論はなお相当時間が私、掛かると思っておりまして、その状況を見ながら前広に考えていきたいと思っております。
○魚住裕一郎君 終わります。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 先日、自民党の下村衆議院議員や野田聖子議員も含む全政党から国会議員が参加をして、選挙権年齢の引下げを考える国会集会が開催されました。その後、超党派で第一回の国会議員懇談会も開催されております。
 選挙部長にお伺いしますが、日本国憲法は選挙権年齢を特定しておりません。公選法第九条で二十歳と決まっております。公選法で選挙年齢を二十歳と最初に定めたのは何年か、そのとき二十歳とした根拠は何か、お答えいただけますか。
○政府参考人(大竹邦実君) 選挙権年齢につきましては、明治二十二年の衆議院議員選挙法の制定以来、年齢満二十五歳以上とされてございますけれども、昭和二十年十二月の衆議院議員選挙法の改正によりまして現行の二十歳以上に引き下げられたところでございます。
 このときに、衆議院選挙の改正法の提案理由説明におきましては、教育、文化の普及状況、一般民衆の向上、特に戦時中におきましての社会経済的活動の実際に徴しまして、近時青年の知識、能力著しく向上し、満二十年に達しました青年は、民法上の行為能力を十分に持っておりますのみならず、国政参与の能力と責任観念とにおきましても欠くるところはないものと存ぜられると理由は述べられております。
○宮本岳志君 民法上の成人年齢満二十歳、これと連動させて論じる議論がずっと続けられてきたんですね。ところが、先ほど言われましたように、戦前は選挙年齢は満二十五歳だったわけです。しかし、民法は一八九六年の制定ですから、選挙年齢が二十五歳のときも民法上の成人年齢は二十歳だったわけで、実は民法第三条の規定というのは選挙年齢を直接定めたものではないということは明らかだと思います。
 もうこの二十歳というのを定めてから六十年近くたっております。なるほど、当時は世界の多くの国々も二十歳ないし二十一歳というのが多かったんですが、今日ではどうかと。
 資料@を見てください。これは国立国会図書館の調査室が作った資料です。この資料にも出ておりますけれども、改めて確認しますが、国連加盟国の中で十八歳あるいはそれ以下の選挙権を採用している国がどれだけあるか、サミット諸国ではどうか、お答えいただけますか。
○政府参考人(大竹邦実君) 国連に加盟しております百八十九か国のうち、下院議員の選挙年齢が把握できましたのは百七十か国でございますけれども、そのうち十八歳以下の者に選挙権を付与している国は百四十八か国と承知しております。
 なお、サミット参加国につきましては、我が国以外は十八歳と承知しております。
○宮本岳志君 この国会図書館が作った表で数えたら百六十八か国中、百四十五か国、八六・三%が十八歳あるいはそれ以下と。我が国が世界の趨勢に大きく後れているということは一目瞭然だと思うんです。
 そこで、大臣にお伺いしたいんですが、これはやっぱり先進国並みに引下げを検討すべきではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 選挙権年齢の問題は、民法上の成人年齢や刑事法での取扱いなど、我が国の国内法全体の体系との整合性というような関連も十分考えなければならない、そういうことも検討事項だとこう思いますが、いずれにしましても、選挙の基本にかかわる問題ですね。選挙権年齢をどうするか、ひとつ国会において各党各会派で十分な御議論をいただいて適正なる御結論を出していただければ私は十分ではないかと、こういうふうに思っております。
○宮本岳志君 そういう答弁が繰り返されてきたわけですよ。
 それで、現状も決して整合性があるとは言えないのです。労働基準法上の保護規定は十八歳未満となっておりますので、十八歳になればこういった保護からは外されます。また、十八歳でも、働けば当然所得税納税の義務を負います。このように成人と同様の社会的な義務はあるのに選挙権だけは与えないというのは、これは不合理だというふうにも言えると思います。
 各政党の入党資格はどうかと私、調べてみました。今日の資料Aに各党の規約を付けておきました。我が党や民主党はもちろん与党である公明党も十八歳以上を入党の条件としております。自民党が付いていないんですが、明文で書いたものがなかったんです。
 大臣、自民党は何歳から党員になれるか、それは御存じですね。
○国務大臣(片山虎之助君) 私が答えるのが適当かどうか、まあ党員でありますけれども、現在の自由民主党の党則では年齢について年齢制限を定めた記述は見当たりません。
 そこで、党の職員の方に聞いてみましたら、内規があるんです、入党取扱いに関する内規、満十八歳以上であることが要件ですと。ただし、総裁公選規程によれば、党員で総裁の選挙権を有する者は満二十歳以上で党費を二年以上納めた人だと、こういうふうになっているようでございます。
 これは、私も勉強させていただいたんです。
○宮本岳志君 そのとおりなんです。文面には出ておりませんが、十八歳なんです。これは自民党本部に私も直接問い合わせて確認しましたので、間違いございません。
 自民党、民主党、公明党、共産党、自由党、社民党とすべての党が十八歳から入党を認めております。政党の党員になるということは、選挙での投票などよりもずっと自覚的な政治活動に当たるわけです。今日、すべての政党が十八歳に達した青年が政治活動に参加するにふさわしい資格と能力を持っているということを認めております。
 我が党は綱領に十八歳選挙権を掲げておりますけれども、民主党さんも基本政策に掲げておられますし、公明党や社民党も選挙などで公約をして十八歳選挙権ということで取り組んでこられました。正にこれは十八歳選挙権を実現する状況が熟しているというふうに私は思うんですね。
 かつて大臣も、平成十一年三月九日、野田自治大臣は、十分検討する価値があると、そういう時期にあると答えておられますし、平成十一年八月五日、太田総務庁長官は、提案されれば賛成をしようと思っていると、こういう、個人的にはですね、そういう御答弁もございました。
 片山総務大臣、これは個人的な見解でも結構ですので、そういう時期にあると、そして、やはり検討すべきだというふうにはお考えになりませんか。
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほども御答弁いたしましたが、各党各会派で十分御議論賜ればいい問題ではないかと、こう思っておりますが、おまえ個人はどうかといいますと、今の十八歳というのはそれじゃ十分なる思慮分別があるかどうかというようなことについてのいろんな意見がありますよね、いろんな意見が、私の意見じゃありませんが、そういう国民の十八歳に対する意識の成熟というものもある程度必要だろうと、こういうふうに思いますので、いろんな観点から総合的に検討すべき課題であると私は考えております。
○宮本岳志君 今、私の意見じゃございませんがとおっしゃいましたが、片山大臣は昨年の六月六日、「やはり政治に参加をするには、思慮分別があり、それだけの社会的責任を果たす人でなければいかぬと思います。」と、自分の意見として述べているんですよ。
 私、これは先ほど確認していただいた自民党の党員の入党規定から見てもおかしいと思いますよ。そうしたら、自民党という党は思慮分別があるかどうか分からない社会的責任を果たせない年齢の人を入党に当たって党員の要件にしているということになるじゃないですか。やっぱり、自ら十八歳を入党要件にしているということは、その年齢は、そういう思慮分別があり、そしてそれだけの社会的責任を果たし得る年齢であると見ているということなんですよ。だから、これは全政党全会派一致できる問題だと。
 これは、是非、大臣にも一歩踏み出していただくし、また各政党各会派の今後の熱心な御議論をお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 まず、地震対策について伺います。
 昨年の十二月に、東海地震の震度六弱以上の強化地域以外で五十二市町村、愛知、長野、山梨、各県内拡大をしたということで大変今大きな関心を持たれております。
 この地震対策を考えますに、被害の想定を見据えて、その被害の程度を各般の施策によって計画的に提言していくことが重要だと思われますが、とりわけ人命の被害を最低限にすること、政府としても地方自治体にとっても第一の仕事だというふうに思われます。
 そこで、大臣にまず伺いたいんですが、さきの阪神・淡路の大震災におきましては、亡くなった方々の八割以上が建物の倒壊による圧死だというふうに聞いております。住居など建物の倒壊を防止することの重要性は言うまでもありませんが、各地方自治体における震災対策を立てるに当たっても、避難所などの建物のことも重要ですが、個人住宅についても、どの程度倒壊の危険があるのか、これを調査し、対策を立てる、これが非常に大事だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今お話しのように、人命の安全確保という観点から、公共施設の耐震補強に併せて個人住宅の耐震化を推進していくことは極めて重要だと、こういうふうに思っております。
 全国の地方団体における住宅の耐震化事業の取組の中には、国の補助制度がありますけれども、これを活用しながら耐震診断のための技術者の派遣等の事業を実施している事例も見られます。今後とも、国の補助事業や、あるいは第一次補正、十三年度の第一次補正で予算を決めていただきました緊急地域雇用創出特別交付金事業を活用することなどによりまして耐震診断を推進して、住宅の防災、安全性に関する実態の把握を行っていくことが重要だと考えております。
 なお、総務省としましては、近々、地方公共団体における公共施設等の耐震化計画の作成を支援するための研究会を作りまして報告がまとまりましたので、その報告書を公表いたしたいと、こういうふうに考えております。
○八田ひろ子君 そこで、今日は国交省にも来ていただいておりますので伺いますが、昭和五十六年以前、今の建築基準法の改正以前の建物の耐震診断、こういった建物が非常に危険ではないかと言われておりますけれども、こういう建物の耐震診断が今どの程度進んでいるんでしょうか。とりわけ、東海地震の対策強化地域、これ、喫緊に起こるかもしれないと言われているんですけれども、こういう地域ではどうなっているのか、まず伺いたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 住宅の耐震性の向上を図るためには、まず、先生おっしゃいますように耐震診断によって耐震安全性を把握するということが大変重要でございます。このため、国土交通省では、住宅の耐震診断に対する助成制度を設けておりまして、その促進を図っているところでございます。
 東海地震の地震防災対策強化地域では、この助成制度を用いまして、本年度末までに約一万九千棟の住宅で耐震診断を実施するという予定となっております。
○八田ひろ子君 全体では対象がどれくらいあって、どれくらい進むのか。それから、東海地震の対策強化地域、今一万九千棟というのを、これ今年度予算だと思うんですけれども、実際の対象、建築基準法改正以前の建物はどれぐらいで、今年度ではそれがどれぐらいできるのか、それからこれは何年計画か何かでやるのか、そういうのをお示しください。
○政府参考人(松野仁君) 全国の話ということでございましょうか。そうしますと、おおむね今まで住宅というのが五千万戸、全国では五千万戸ございます。耐震設計以前の、昭和五十六年以前の住宅というのはおおむね半分というふうに言われています。したがいまして、二千数百万戸が耐震設計以前の住宅として存しているということでございます。
 先ほど申し上げました耐震診断の助成制度、最近できたものでございますが、これを使いまして、昨年までは余り実際上使われておりませんでしたが、すべて含めまして、住宅として一万九千戸というのは、十三年度末までの合計としてそういう診断戸数になる、この助成制度を使ったものとしてそういう戸数になると。まだ、そういう意味ではごく一部にしか使われていないという実態がございます。
○八田ひろ子君 昨年までどれぐらい使われて、なぜ使われていなかったのかをお示しください。
○政府参考人(松野仁君) 昨年までは、十二年度までは大変少ない実績でございまして、戸建てで全体としては三十四戸、それから共同住宅で五棟という実績でございますが、これはやはり全国的に耐震診断の助成制度に対する、この制度があるということがまだまだ知られていなかったということもございます。
 今後は、さらに、こういう制度があって、活用していただきたいということを我々としても積極的にPRしていかなければいけないというふうに認識しております。
○八田ひろ子君 今の数字をお示しをいただきますと、一けたどころか、もうすごいけた違いの実施ですね。今言われております震度六弱以上というのは、家具の多くが移動や転倒をして、耐震性の低い木造住宅では倒壊するものがあるということを言われております。
 総務大臣に伺いますが、今お示しいただいた、国土交通省が「丈夫な家は街を救う」というので耐震改修推進調査の結果というのを出されていますが、そこでは、倒壊しない場合の住宅の出火率というのは倒壊をしている住宅の三分の一なんですね。また、死傷者が減ることによって、居住者による初期消火が期待できるので防災上も非常にいいというようなことが書かれています。
 私、最近も、この東海地震の震度六弱以上になるじゃないかという地域の幾つかの市町の市長さんとか町長さんにも御要望を聞いてきたんですけれども、ある家では、さっき大臣は公共のはこれから積極的にやるというふうに言われていたんですが、住宅のことを非常に心配されておりまして、壊れた家屋で亡くなることをいかに防止することが今大事で、生きてさえいれば家はまた直していただくこともできるんだけれども、つぶれないようにすること、そういうつぶれそうなところを早く見付けなければいけないというふうに言われていました。
 先ほど来言われております住宅の耐震診断というのは、簡易な方法では三万円程度でできるというふうにも言われているんですが、愛知なんかでは、今お示しがあったように、実際助成制度をやっていても、七年間でも三百九十件、愛知独自の制度を使っているんですね。ところが、阪神・淡路で大きな被害のあった兵庫県を調べてみました。そうしますと、二〇〇〇年度一年間だけで九千五百四十四件できているわけなんです。これは、耐震診断の技術者派遣の制度ということで、国の補助を半分いただいて、残りの半分を県と市町村で折半して、本人は無料なんですよね。だから、公でやってくれるので安心ということと手続が簡単だということでこういうふうに進んでいるんじゃないかと。一刻も早く、前提となる、防災計画の前提となる耐震診断を無料で行えるようないろんな制度的なものを作っていかなくちゃいけない。倒壊による犠牲者を出さないというためにも国のイニシアチブが必要だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) そうですね、愛知県は認識がちょっと低いですね、兵庫県に比べると、東海地震の対象のあれになっていますけれども。
 だから、先ほど言いましたように、国の補助事業を活用するとか、それから一次補正で特別雇用のための緊急の交付金を三千五百億円、地方団体に自由に使っていただくようにこれを交付することにいたしておりますが、その中で、耐震の診断のための人を雇ってやるなんということはできるんで、そういういろんな地方団体で工夫をしていただいたらいいと、こういうふうに思いますね。特に、そういう必要性が高いところについては、各地方団体でそういうことの御工夫や御努力をいただいたらどうだろうかと思っております。
○八田ひろ子君 今いろんな自治体で耐震診断の無料化をやって、一遍にやろうかというのがいろんなところで起こっていまして、ただ私が今調べた限りでは、技術者を公で派遣するというのは兵庫とか横浜とか、少ないわけですよね。ですから、やはり効果が上がるということ、昭和五十六年以前の木造の住宅というのは対策が必要な場合もたくさんありますし、補強工事そのものについても相当費用が掛かりますけれども、倒れてしまわない程度の補強についての情報とかそういうものもやっぱり必要ではないかというので、一層、どこかの県が後れているとか関心がないとかというんじゃなくて、やっぱり政府の責任できちんとやっていただきたいというふうに思います。
 次に、ドメスティック・バイオレンスにかかわって御質問をしたいと思うんですけれども、昨年、本院の発議でドメスティック・バイオレンスの防止法を成立いたしまして、本当に御同慶の至りなんですが、四月からの本格実施に当たって当初予算が組まれている。当初予算では今年がスタートの年であります。
 このDV防止法には、「国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護する責務を有する。」、国と地方公共団体の責務を示しております。
 加害者がDV被害の住所を執念深く追い掛けて捜し当てて、被害者に命の危険が及ぶということが言われておりますが、ここで問題になるのが、住民票の閲覧とか交付というのが非常に大きな問題で、日本全国の自治体をまたいで逃げても追い掛けてくるということがあり、正に命にかかわる問題です。
 そこで、まず伺いたいのは、DV被害の住民票は、被害者の場合ですね、非公開にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。そして、現況もお示しください。
○政府参考人(芳山達郎君) 住民基本台帳制度でございますけれども、住民基本台帳が住民の居住関係を公証するということで、国及び地方団体のあらゆる行政の基礎となるわけでございます。そういうことから、住民基本台帳の一部を何人にも公開するということで住民の利便の増進ないしは地方公共団体の行政のために活用されるということを予定をしております。
 また一方、市町村長は、不当な目的によることが明らかな場合、また、知り得た事項を不当な目的に利用されるおそれがあること、その他の当該請求を拒むに足りる相当な理由があると認めるときは、住民基本台帳の一部の写しの閲覧の請求を拒むことができるという具合になっております。
 今御質疑がありましたような配偶者からの暴力の被害者に係る事例につきましては、いわゆるDV法に基づく裁判所からの保護命令の有無等を勘案しながら、各市町村長が住民基本台帳の一部の写しの閲覧を拒めるか否かの判断を行うべきものという具合に考えております。
○八田ひろ子君 今日は厚生労働省にも来ていただいておりますので、厚生労働省にもちょっと伺いたいんですが、行政窓口が非常に多いですね。地方自治体もそうですが、厚生労働省関係の窓口も非常に多いです。
 例えば福祉事務所などで、夫あるいは元夫だからといってDV被害女性の個人情報が漏れて危険にさらされるということはあってはならないわけで、行政窓口のすべての職員がDV事案の研修をしっかりと行って、二次被害の防止というのも大事だと思うんですが、例えば保険証を使うことで、別居して逃げていて、医療費通知書が夫に通知されて居場所が伝わるとか、これに類することがいろいろあるんですが、個人カードの発行とか医療費通知を止めるとか、そういう配慮が必要だと思いますが、現況と実際にできることをお示しください。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 保険証、医療保険の関係の御指摘でございます。
 先生御指摘のとおり、医療保険関係につきましては行政窓口としては社会保険事務所がございます。まず、一番こういった場合に問題になりますのは、夫と別居された方が御自身のまず医療のために、あるいはお子さんの医療のために保険証を入手するというところから実は問題が始まっております。
 例えば、サラリーマンの方の被扶養の奥さんの場合については御主人の医療保険に属しておりますので、それから離れて保険証を作るということから大変な困難に直面するわけでございます。皆保険でございますので、重なって保険に、公的な保険に加入されないように、一般にこういった場合には被扶養の関係を確かめる必要がある。
 原則としては、この場合、御主人であるサラリーマン本人の方の届出によって、奥さんとの被扶養関係が切れているから奥さんは別の保険、国民健康保険に入ると、こういうことになるわけですが、こういった場合、御主人の方が追っ掛けていると、こういう状況でありますから当然御主人にそういうことの確認はできませんので、奥様の方から確認をして、被扶養関係が事実上切れているということで御本人に保険証をお渡ししなきゃならないと。こういった場合に、御主人の方にも確認することになりますけれども、住所が伝わらないように配慮しなきゃならないと。
 こういう被扶養認定の場合からスタートするわけでございますが、とにかく加害者の方に被害者の居所等が判明することのないように保険者において十分配慮する必要があるということで、保険者といたしましては社会保険事務所あるいは健康保険組合と、こういうことになるわけですが、そういったところに対して被害者の保護に欠けることのないよう取扱いの徹底を図っているところでございますし、今後とも図ってまいりたいと思います。そこがきちんとできましたら、医療費通知の問題などは、別の保険になりますので、保護されるという状況になる次第でございます。
○八田ひろ子君 時間が迫っておりますので、最後に総務大臣に伺いますが、今住民票とか健康保険証のことを伺ったんですが、実は広域受入れとか、年齢によって受入れが、DV被害者なのに違う施設に受け入れるとかというのが、私も愛知で調査したときに自立支援のNGOの方とかシェルター関係、民間の、から伺っているんですよ。大体、DVの被害者が逃げなくてはいけないということ自体、逃げ隠れしなくちゃいかぬというのが重大な人権侵害の被害者で命にもかかわるのに、大変なんですけれども、それを受け入れるところが、今形としてはようやく整えていろいろいただいているんですけれども、なかなかそれが徹底していない。住民票でいえば、ある県のある市の窓口では、そういう配慮は全然知らないということでやってもらえないとかいうのがあるわけですね。個々の自治体や窓口がばらばらな状況というのは、やはり住民票のプライバシー保護やなんかでも見られるように、きちんとした対応をオールジャパンでしなければこの法の施行はなかなか難しいので、国の技術的助言というんですかね、そういうものがきちんとできるような、そういうのを総務省としてもお取りいただきたいと思いますが、最後にいかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) お話を聞くだけでは、もう一つ私も実態が正確に分からないところがありますが、いずれにせよ、関係省庁や地方団体の意見を聞きまして、我々としても何がどういうふうにできるか、どう進めるか研究してまいりたいと思います。
○松岡滿壽男君 質疑の順番につきまして、御配慮をいただきましてありがとうございます。
 当委員会で自治体規模の最適規模についての議論がなされておるところでありますけれども、十五万から三十五万の市が最適だとか、あるいは三十万人以上が最適であるとか、あるいは十万人以上が最適であるとか、昨日、渡辺議員とのやり取りで、総務大臣の方から十万人以上に対する合併についての対応をやっぱり新しく考えるべきだという積極的な御答弁もいただいておるわけでありますけれども、こういう最適規模についてのお考えをお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(芳山達郎君) ただいまの市町村の適正規模の御議論でございますけれども、様々議論があるわけでございますけれども、今度の市町村合併につきましては、地域の置かれている実情でありますとか、地理的条件とか、また住民の活動範囲の違いなどによりまして、昭和の合併、また明治の合併と違いまして、一律に基準を定めて適正規模を示して合併を進めるということにはしておりません。
 ただ、都道府県が合併パターンを作るときに一つの考え方として、十一年八月でございますが、今後の合併パターンの作成に当たって、例えば、人口五十万以上、政令都市の基準であります五十万以上とか、中核市であります三十万、また特例市である二十万と、また人口十万、人口五万人、また人口一万人から二万人というような基準というか、一つの規模を設けて、その規模に応じた権限なり権能なりというのはどういうことがあるのかというのを示した上で、各県におきまして市町村と協議しながらパターンを作っていただきたいというお願いをしてまいりました。
 具体的に、委員も御指摘ありますように、消防でありますと、管轄の人口は十万人程度以上は望ましいとか、また例えば保健医療の圏域でありますと、それぞれの老人保健医療福祉圏域三十数万、また二次医療圏は三十五万ぐらいと、各々事務に応じた適正な人口の在り方というのがあるだろうと思います。そういうのを考慮しながら各県におきましてパターンが作られたという具合に思っております。
 そういうことで、我々としても、今後、市町村合併の推進に当たって、各市町村がお互い連携を取りながら話合いを通じてあるべき方向を模索していくという具合に思っております。
○松岡滿壽男君 このままでいきますと、十七年の三月ですか、これまで恐らく間に合わないような雰囲気になっていますよね。私は、ダイオキシンの問題とか介護保険の導入でかなり連合が進んでいくんじゃないかと思っておったんですけれども、そういう雰囲気も今のところありません。かなり本当に、しっかりした受皿作りをするためには強制力がかなり必要になってくるんじゃないかと思います。今のところ、恐らく十七年三月まで行ったって、どうせそれは延長されるんじゃないかとか、そういう感覚すらもう出てきているんですよね。
 だから、そういう点では、昨日、渡辺議員の質疑に対して、片山大臣が十万人ということを言われましたね。これはどういう名前を付けていくか分かりませんが、これ非常に現実的な対応に私はなる可能性があると思うんです、急ぐんであれば。
 やはり今まで競争してきているわけですよ。私も小さい市の市長やりましたが、隣の市には絶対負けたくないよと。それが今まで日本にとってはプラスの部分もあったけれども、片方で、あなうれし隣の蔵が売られ行くというような心情もありまして、なかなかこれ簡単に民意で一緒になれといってもならぬ部分がやっぱりあるんですよね。
 それで、この前ブッシュ大統領が国会演説で福沢諭吉のコンペティションという、競争というものを訳した、競争を導入したのは福沢諭吉だというような議論がありました。それで、実際にアメリカが言っているような弱肉強食社会というものが日本の社会に本当になじむのか、なじまないのか、私は小泉改革の一番の問題点がここにあると思うんですね。アメリカ型のそういうものでやれるんかと。
 だけれども、片方で、人口はどんどん減っていくし、グローバル化は進むし、それに対してやはり府県制度も見直さにゃいかぬといって、大臣も言われる。それは確かにそういう時代にもう来ているんですよ。
 だから、そういう時代に対応するための私はこれ合併だと思うんだけれども、どうもこのままいくと、なかなかうまく進まないと思うんですが、この十万人の問題については、具体的な対応というのは十七年までにされるおつもりなんですか。その辺をちょっとお伺いしたいと思うんですが。
○国務大臣(片山虎之助君) 昨日、渡辺委員の御質問に、今は五十万、三十万、二十万と、政令市、中核市、特例市と、こうありまして、十万以上も考えるべきではないかと、こういう御提案がありまして、十万市というのは、今の地方交付税でいうと標準団体でございまして、そういう意味では、交付税算定の一つの基準にしておりますけれども、何らかの、十万人以上の市に普通の市よりは十万以下の市よりは何らかの職務権限、責任の付与ということは私は検討してもいいと、こう考えておりまして、どういう形でまとめるか、少し方法を含めて考えさせていただこうと、こう思っております。
 今、松岡委員言われましたように、大変歩みがというのか、なかなか十七年の三月までに千になるのかと、こういう御心配だと思いますけれども、千はなかなか私も正直言って難しいと思いますけれども、かなり基礎的な雰囲気は醸成されてきましたんで、日本という国は面白いんで、そういう空気ができると、バスに乗り遅れるなという、隣がやるならうちも考えようかと、海外に行って土産物買うときそうですよね。ほかの人が買ったら何か買わぬと損したような気がなって、私はもうよくそういう気分になるんですけれども、いいことか悪いことかは別にして、やっぱりこの地域間競争というのがこれからの自立のためには基礎的な環境になりますんで。
 そういうことで、それぞれの地方団体が相当私は前よりは真剣に考えていただいていると思いますけれども、それが合併にどこまで結び付くかということがこれからの勝負だろうと、特に十四年度と十五年度ですね、こう思っておりまして、これから行政局長を始めとして関係の皆さん、市町村合併促進支援本部の皆さんとも考えながら頑張ってまいりたいと、こう思っております。各府県の知事さんのお考え等もあって相当温度差がありますので、その点もできるだけ温度の高い方にそろえるような努力もいたしたいと、こう思っております。
○松岡滿壽男君 今、大臣がおっしゃったように、みんながそうするから乗り遅れまいという雰囲気をやはり作っていくということは確かに我が国の場合大事な部分だと思うんですね。
 タイタニック号のジョークがありますように、女性と子供たちを先に避難させようと、それで黒いあれがありますね。アメリカ人に対してはヒーローになりたいだろうと言ったらそうだということで、イギリス人はジェントルマンだと、ドイツ人はルールだと言ったらみんなに従って、日本人にはみんながそうしているからと言ったらみんながそれに従ったというジョークがあるわけですが、確かにそういう環境を一つ一つ整えていく、しかも時間はそう残されていないと私は思うんです。
 そういう点では、スウェーデンのあの合併の問題なんですね。二千五百の市町村が、二百七十八まで強制合併によって減少させているわけですよ。地方議員の数は二十万人から六万人に減少していると。日本は今、議員の数は六万人ぐらいだと思うんですけれども。一億二千万人の日本と八百万人のスウェーデンでは比較にならないけれども、市町村合併によって今度は役場の職員は逆に増えているんですよね、スウェーデンの場合は。
 ただ、我が国の場合は、コストの面とか効率の面から見て、合併によって職員が減るのじゃないかというような見方もあるわけですけれども、公共サービスをやっぱり低下させないという面から、公務員の数が逆に増える場合もあるんでしょうかね。総務省としては、合併によって人数が増えると考えておるのか減ると考えておられるのか、その辺をお答えをいただきたいというふうに思うんですが。
○政府参考人(芳山達郎君) 要は、住民の行政サービスを向上させるということが肝心だろうという具合に思っておりまして、今後の電子自治体におけるIT化の推進でありますとか、また民間活力の活用、民間委託、またNPOの連携というのをもろもろ含めて行政サービスの向上を、市町村合併を通じながら行政サービスの向上をより一層高めなければならないという具合に考えております。
 また、市町村合併におきましては、長期、五年なり十年の行財政計画を各地域でお作りになるという中で、合併をしますと、企画部門、総務部門を通じて管理部門の効率化が図られてくる、その面での職員の減が考えられると。また、それに対応して、小規模な市町村におきましては、これまでなかなか設置が困難でありました専任の組織なり職員の設置、また専門職の採用、増強というのが図られるわけでございまして、総じて行政サービスの高度化、多様化につながるという具合に思いますが、全体としては職員数は減になるという具合に考えております。
 例えば、本年一月合併の西東京市でありますけれども、退職と採用でその差を埋めていくわけでございますけれども、合併後十年におきまして一般職員を二百十八人減にすることが可能であるという具合に試算をされております。
 スウェーデンの例、我々も勉強してまいりたいと思いますが、常勤職員、非常勤職員、その他の民間のアルバイトを含めての総数として、福祉の事業を中心に業務を展開されているという具合に聞いております。
 いずれにせよ、行政サービスの向上を図るということで市町村合併を考えてまいりたいという具合に考えております。
○松岡滿壽男君 スウェーデンの例を挙げたんですけれども、東大の神野教授が「「絶望の海に浮かぶ希望の島」からの教訓」という本を出しておられるんですけれども、結局、スウェーデンでは国家を国民の家と考えていると。市民の共同責任で安心感のある社会を作り出そうということが基本にあって、日本の場合は、さっき触れましたが、競争社会になっていると、日本の場合は。スウェーデンは、そういう市民の共同責任で国民が一致協力して、増税によって財政危機という共同の困難を克服したということを挙げておられるんですね。
 スウェーデンは日本とは対照的な協力社会を目指している。そのスウェーデンでは、さっき触れましたように、二千五百存在した市町村を強制合併によって二百七十八まで減少させている。国家が国民の家であるとすれば、市町村は市民の家である。市町村の合併とは、市民の家と市民の家が結び付くことを意味している。そういうふうに協力社会を目指すスウェーデンと、競争社会を一応目指している日本では今度は逆に合併が難しいのではないかという見方を神野教授はしておられるんですね。
 確かに、一億二千万の規模と八百万の規模の違いもある。しかし、古典的な話でまた誠に恐縮ですけれども、昔のギリシャ、ローマ時代は、一つのコミュニティーというのは一目で見渡せる範囲とか、あるいは大きな声を出せば声が聞こえる範囲とか、顔見知りの範囲とか、そういうものがありました。しかし、もう今やそれは望むべくもない。コミュニティーとしては残っていくと思いますけれども、全体のコストとか運営を考えていく場合、やはり合併に向いて進んでいかざるを得ない状況だと思うんですが。
 スウェーデンと日本とのそういう協力社会と競争社会の違い、今後、私自身は、先ほども触れましたが、アメリカ型のコンペティション、これは確かに明治で導入されて、いい面も出てきている。しかし、同時に、年功序列とか終身雇用とか、温かいぬくぬくとした家族的なものというものも取り払われてきて、本当にその方向性というものが日本の社会にとって幸せなのか不幸せなのかというのが、基本的な部分が議論されないままグローバリゼーションの中で投げ込まれてしまっているという状況の中で、この方向性は持っていかなきゃ、示して、目指していかなきゃいかぬだろうと思うんですが、国情の違いとかそういう部分から見て、日本型の合併はいかにあるべきかという点について最後に大臣から御所見を伺って、私の質問は終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 日本はこれから競争型社会を目指す、こういうことかもしれませんが、私は、日本人というのは大体協調型ですね。聖徳太子は和をもって貴しとなすと言われて、むしろ仲良くやる、隣の人がやると一緒にやると。それが悪くいくとなれ合いみたいになって、お互いがなあなあということになるんでしょうから、そういう意味では少し競争的精神をこういうところに入れたらということも一つあると思うんですね。しかし、基本的には私は、欧米の民族、人種と違って、日本はむしろ協調型、農耕型で、お互いみんなを見てと、こういう感じではなかろうかと思いますね。
 そういう意味で、これから新しい市町村の再編をやるというのは大変な難しさがありますけれども、是非合併をするということではお互いそれぞれが競争していただきたいと思いますけれども、合併したらまた協調して協力社会を是非作っていただきたい。是非、余り強制的なことをやらずに合併にスムーズに持っていきたいというのが我々の願いでございまして、しかし、それがいつまでたってもなかなかはかばかしくないではないかということになると、どういう知恵が出るのかいろんな方の御意見を聞いて考えなければならないかなとも思いながら、現在進めているところでございます。
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。
○渡辺秀央君 今の市町村合併問題、昨日も議論させていただきました。なかなか難しいですけれども、しかし、これはやっぱり時期をとらえて、そして、ある意味においては、百点満点取れなくともやっぱり合格点に行くまでの是非ひとつ御努力を私は期待をいたしたいというふうに思います。
 いずれまた、その問題、個別にわたっては機会において質疑をさせていただきたいと思っておりますが、残された時間の中で一問だけ、今日はちょっと大臣、今までこの委員会でこの問題が提起されていなかったということをお聞きいたしまして、ちょっとまた調べてみて、大臣の所見、そして、せっかく片山大臣、最近において安定して長期大臣としていろいろ行政に更なる精通さを、さえわたってきているわけですから、是非、いや、お世辞じゃなくて、是非この問題について僕は是非政治家として考えるべきだと思うんです。
 それは、情報基盤整備のための地域負担の在り方について、結論からいいますと地方交付税の問題を考えるべきだということなんですよ。
 これは言うまでもなく、ここで演説をやっていると時間なくなっちゃうからやめますが、平成十三年の一月、既に恐らく片山さん、大臣だったと思う、総理を本部長として、森内閣のときですね、この高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部というのを作って、我が国が五年以内に世界最先端のIT国家となることを目指すと、総理はそういうふうにおっしゃっていますね。また、極めてアジアにおいてももう日本は後れてきているということで、あのころいわゆる基本法など提出したり、いろんなことをやってこられた。しかし、実態はなかなかですよ。
 そこで、ちょっと今、私の感じを申し上げますが、地方自治体が、これは大都会はもういいんですね、どんどんどんどん、東京だの大阪だの、そういう大都会は進んでいるわけですよ。しかし、問題は中堅都市なんですね。地域に光ファイバー網など高度通信ネットワークを敷設しようとする場合に、民間企業が競って事業展開を図る今言った大都会は、これは手厚く補助する、国が手厚く補助する、過疎地域を除いてある程度行っているわけです。しかし、その中堅都市は大変な苦労を強いられておる。財源不足だ、もうはっきり簡単に言うなら。大臣御案内のとおり、高速ネットワークの構築には既に必要不可欠の地域のインフラとなっているわけです。
 国からの補助制度としては、私も承知しているんです、地域イントラネット補助金、新世代CATV補助金などがいろいろ今手厚くやられている面もありますよ。現実には地域負担分を捻出できないところ、起債に追い込まれる自治体が多いわけですね。このような財政負担力の乏しい自治体において、借金に頼らずとも情報基盤整備を促進できるように、地方交付税交付金の算定基準の中に情報基盤整備に必要な経費を算入すべきだと私は考えるわけです。
 これは、私もかつて経験者の一人としてその職務にあったときに、今思い出すと、こういうことを申し上げたことが、答弁として申し上げたことがあります。情報はいつでも、どこでも、だれでもが平等公平に得ることができることによって価値があるということを申し上げ、まだ情報基盤だなんて言っている時代じゃなかったんですが、しかし、そういうことを言った記憶があるんです、それは私は自分で、アドリブだったと思うんですけど。
 だから、そういう意味において、大臣、これは本当に、地方交付税、今財源大変だと、地方交付税の財源も大変だ、それはよく承知していますが、私はここに全部今までの地方交付税交付金の活用の事例を実は列挙して資料として持って、時間がないから一々言いません。政治家片山として是非、いや本当に、これは非常に大事な場面だから、是非このことを前向きに検討されて、あなたの大きな功績として残していかれたら、地方自治体は大変な大きな評価をすると思うし、私は政治家としてあなたを非常に評価したいと思う。考えを述べていただければありがたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、渡辺委員言われましたように、昨年の一月の終わりにe―Japan戦略を決めました。e―Japan戦略を作るについてはIT基本法に基づくIT戦略本部というのを一月の初めに作ったわけでありまして、そのe―Japan戦略に基づくアクションプランを三月の終わりに作ったわけであります。その中には、二〇〇五年度までに少なくとも三千万世帯が高速インターネットアクセス網に常時接続と、一千万世帯が超高速インターネットアクセス網に常時接続。超高速というのは光ファイバーですね、その他が三千万と、こういうことでございまして、私どもの方は二〇〇五年度までのそういう光ファイバー網を中心に全国にブロードバンドネットワークを敷設しようというブロードバンド構想というのを昨年の十月に作成して発表いたしまして、それはどうやるんだということですが、まず民間に頑張っていただくと。民間に頑張っていただくものについては税制の優遇と特別の融資を考えると。
 民間以外では、過疎地域における加入者系の光ファイバーFTTHについて補助事業を作ろうということで補助金を取りまして、これをやります。それから、渡辺委員言われましたように、イントラネット、地域ごとの高速LANでございますけれども、これも全部やると、要望するところは三年で全部やると、こういうことを考えておりますし、それから次世代のケーブルテレビの、これをやるところには補助金を出すと、こういうことの予算を取っております。それは補助事業です。
 それ以外について、単独事業で地域活性化事業債というのを新しく起こしまして、今までの地域総合整備債を廃止しまして、地域活性化事業債というのを新しく作ったわけでありますが、その中に重点七項目の中にITということを入れまして、このITについては特別の起債を認めて、その元利償還については交付税措置すると、こういうことにいたしておりまして、ストレートに交付税じゃございませんが、単独事業で、今言いましたように、光ファイバー網の敷設をしたいというところについては地域活性化事業債を認めて、その元利償還は、財政力によって少し差がありますけれども、交付税で元利償還を見てやると、こういうことまで一応の手当てをいたしたわけでありまして、交付税をストレートにそういうことを見るかどうかもう少し検討させていただきたいと。あるいは、利子やなんかについて特別交付税措置するということはあるのかなと、こういうふうに思っておりまして、とにかく二〇〇五年度までに全国ブロードバンド構想の実現を図りたいと、こう思っておりまして、これで十四年度はやらせていただいて、足りないところがあればまたなお十五年度以降に考えてまいりたいと、こういうふうに思っておりまして、ほぼ渡辺委員の御要請に沿えるのではなかろうかと思っております。
○渡辺秀央君 ありがとうございます。
 要するに、今、大臣最後に言ったことで、二〇〇五年までなんですから、二〇〇五年度まででいいと思うんだ、僕は。その間に、この超高速ネットワークに、その国策に沿って地方自治体が努力しますというのに対して交付金の算定基準に入れる、これ一つの方法だと思うんです。それから、今の利子補給ということも一つでしょう。
 いずれにしても、前向きの見解を聞いて、非常に安心をいたしましたが、是非、是非これは実現方を期待をいたしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○又市征治君 社民党の又市です。
 まず第一番目に、特別交付税の問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 特別交付税は、交付税法第六条の二で交付税全体の六%と定められておりまして、十三年度の場合は一兆二千二百十億円というふうになっております。これの団体による内訳、都道府県分と市町村分の割合、また市町村の規模別の割合を簡単に紹介をいただきたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) 平成十三年度の特別交付税の交付額についてのお尋ねでございますが、総額は一兆二千二百九億八千九百万円でございます。内訳でございますが、道府県分が一千九百三十一億四千三百万円、それから大都市分が三百九十九億三千五百万円、それから大都市を除きます都市分の数字は四千七百七十四億八千二百万円、それから町村分が五千百四億二千九百万円となっております。
○又市征治君 割合をお聞きしたんですが、金額を聞きたいんじゃないんですよ。
 そこで、まず伺いますが、普通交付税は総務省の交付税課が算定をしている。これに比べて特別交付税は財政課が配分しているというふうに聞いていますが、この理由は何ですか。
○政府参考人(林省吾君) 普通交付税と特別交付税の担当課について御指摘をいただいたわけでありますが、ともに普通交付税も特別交付税も地方団体の財政需要を算定するものでありますけれども、そのうち、普通交付税につきましては、法律に基づきまして、地方団体の財政需要のうち人口や面積等、客観的な指標を用いて算定することが可能な財政需要を対象といたしておりますのに対しまして、特別交付税は、これも法律に記されているわけでありますが、普通交付税の言わば画一的な算定方法では捕捉できない特別の財政需要算定の対象としておりまして、その意味では、普通交付税と特別交付税は、性格あるいは算定の方法あるいは対象としている財政需要が異なっていることもございまして、担当課を今別にいたしております。
 なお、同じ交付税でございますので、経緯的なことをちょっと申し上げますと、この普通交付税あるいは特別交付税は、過去におきましては同じような交付税でございますので、財政課におきましてともに担当いたしておったわけでございますが、その後の算定事務の増大であるとか、あるいは毎年度の法律改正事務等もございまして、昭和三十六年に交付税課を作りまして、そこで普通交付税を担当するようにしたと、こういう経緯もございます。
○又市征治君 今言われたように、算定あるいは配分の担当部署も違い、基準も違うということですが、問題は、普通交付税に比べて特別交付税は言わば一件算定的になるわけで、算定の根拠が必ずしも明らかでない、こういう面が出てきます。どうしても配分する側の、そういう意味では政治的というのか、判断が入る余地があるということだろうと思うんです。
 そこで、特別交付税の趣旨、目的別の配分ですけれども、まず地方交付税法第十五条、簡単におさらいをしていただいて、特に普通交付税の目的別算定のメニューとどう違うのかということを明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) 普通交付税と特別交付税、それぞれにおきまして算定いたしております財政需要の違いでありますが、普通交付税は各地方団体に共通をいたします普遍的な財政需要を対象といたしておりまして、全国各地方団体におきまして標準的な事務事業を行いますために必要な需要を算定すると。したがいまして、人口、面積であるとか、あるいは道路の延長であるとか、あるいは児童生徒数と、こういうような客観的な指標を用いて捕捉し、算定ができるようなものを対象といたしているわけであります。
 これに対しまして、特別交付税は、御指摘がございましたが、地方交付税法の第十五条に記されておりますが、特別交付税は基準財政需要額の算定方法、つまり普通交付税の算定方法でございますが、この方法によっては捕捉されなかった特別の財政需要があること等を考慮して交付すると、こういうことにされておりまして、例えば災害に係る財政需要あるいは除排雪経費のような年度ごとに違ってまいります突発的な財政需要であるとか、あるいは毎年出てまいりますが、生活バス路線の運行維持であるとか、というような特定の地域に限られて出てまいります財政需要、こういうものを算定することといたしているわけであります。
○又市征治君 さっきの話に戻りますが、金額で、局長、話が出ましたが、十三年度分の団体別の配分の割合で言いますと、道府県が一五・八%、市町村が八四・二%という割合になって、市町村のうち大都市が三・二%、都市が三九・一%、町村が四一・八%。これは間違いないですね。
○政府参考人(林省吾君) 仰せのとおりだと思いますが、もう一回確認しておきますと、道府県分が一五・八%、大都市分が三・三%、都市分三九・一%、町村分四一・八%でございまして、御指摘の、ちょっと端数を除きまして、御指摘のとおりでございます。
○又市征治君 そこで、特別交付税、特別の財政需要があることと明記をされているわけですが、さっきの説明でも、どうも普通交付税とダブったような費目に支出されている部分も間々ある、こういうふうに思います。
 私の手元に、当局からいただいた資料で、十三年度の「主な算定項目と算定額」というのがありますが、これを見ますと、(1)から(9)項目までありまして、目的別に列挙されています。この中でも一番多いのが(5)の「過疎対策のための特別の財政需要」であって、これが一千七百八十四億円ですか、これは特別交付税総額の中の一四・二%。二番目が(6)の「公営企業健全化のための特別の財政需要」で一千二百二十四億円、一〇%ちょうどですね。
 そのほか、多い順に言いますと、環境保全対策で三・九%、都市対策で二・八%、防災対策で二・五%などの費目が書かれているわけですが、いずれもどうも普通交付税で一度は算定されているのではないかと思われる費目も出ている、こういうわけです。中には、阪神・淡路大震災の被災地域における災害対策という費目も二・六%挙がっていますが、私は、もちろん阪神・淡路に出すのが悪いということを言っているんじゃなくて、阪神・淡路のように既に時間もたっておって十分検討されて、平年度の財政措置として恒常的、計画的にされていなければならないはずの費目が特別交付税という臨時的、個別算定的なこの制度の中に潜らされているということが実は問題じゃないかというふうに思うわけです。
 しかも、以下いただいた資料、数字の、さっきから申し上げた(1)から(9)までありますが、これ全部足し算いたしましても四二%弱ということで、あとが分からないわけですね。これでは特別交付税の全体像がどうも明らかになってこない、こう言わざるを得ないわけです。
 そこで、大臣に二点お伺いをしたいんですけれども、特別交付税が実際上も普通交付税と違う基準で配分されているという、この保証は一体どこにあるのか。この点、まず第一点お伺いをしたいと思います。
 それから第二点目に、大臣は、地方交付税は本来的に地方に権利を持つ税源で、言わば国が地方に代わって徴収する地方税、国税の形を変えた地方税だ、こういうふうに明快に交付税の性格を説明をされておりますし、そういう立場から見ますと、一見逆のようですけれども、交付税そのものは、自治体の財源を税収の乏しい団体にも均てんをさせて一般財源として自治自律的に使うことを保障するための制度だろうと思うんです。特別交付税も余り細かく算定せずに、例えば段階補正ではありませんが、小さな自治体でも自律していけるような形で総合的にやっぱり算定すべきではないかというふうに思うんですが、以上二点、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 何度も自治財政局長から答弁いたしておりますように、恒久的で外形的にしっかり捕まるものは普通交付税、毎年の事情で変わってくるもの、それから当初に予期せざるもの、そういうものは特別交付税、これが伝統的な分け方でございまして、典型的なものを出せといったら災害ですね。災害、雪、今年ではBSEですね。
 過疎や都市対策は恒久的じゃないかと。ややそうなんですが、過疎対策の中身は都市再生、都市対策の中身が変わるものですから特交に入れておりまして、特交というのは、省令を見ていただけばいいんですけれども、事細かに書いていますよ。省令に全部ある、もう何十項目も。あれに基づいて機械的に算定しているんですね。私は、細か過ぎるじゃないかと個人的には思っているんですよ。細かいことが好きですから、財政局は。細かく細かくやっているので、私は、そういう意味では、今、委員が言われますように、もう少し大ぐくり、中ぐくりでもいいんではないかと。普通交付税は細かく精緻にしなきゃいけませんが、特別交付税はもう少し中ぐくりでもいいじゃないかという感じを持っておりますけれども、伝統的に積み上げてきていますからなかなか難しいんですが、今後、特別交付税の在り方も検討しなければいけません。
 いずれにせよ、赤字地方債を発行してもらって一般財源の補てんをしてもらうようにしておりますから、交付税は減るんです、今後。今年も減りましたよね、四%ぐらい。ただ、赤字公債と合わせると四・五%プラスですけれども、交付税は生では四%減なんですよ。だから、来年も減になると思います。そういう意味で、特別交付税の総額も減ってきますので、特別交付税の在り方を検討しなければいかぬと思いますし、いずれにせよ、我々は税源移譲、これを実現しようと思っています。税源移譲をやるということは、それに見合う、ある程度見合うもので国庫支出金が減る、地方交付税が減るということですから、だから地方交付税については、大体、財源保障と財政調整と両方の機能がありますが、できるだけ財政調整の機能を強くしていくと、特化までいきませんけれども。
 そういう意味で、そういう中で特別交付税をどう考えるか、こういうことは今後の大きい課題だと思っておりますので、御指摘の点も踏まえて検討させていただきます。
○又市征治君 ありがとうございました。
 私、昨日の委員会でも、実はこの合併のための交付金、この問題について幾つか御指摘をいたしましたが、合併推進と称して都道府県が一億円だとか二億円だとか五億円だとか、こうした、大した算定根拠もないのにこうした丸い金をぽんぽんと交付をする、こういうことが行われているじゃないかということを申し上げました。これに対して総務省が特別交付税で半額を裏打ちをすると、こういうことがあるわけですが、果たしてこれが交付税法第十五条に定めた特別な財政需要というふうに言えるのかというので私は疑問を呈したんですけれども、十四年度は三億七千五百万、予算化をされている。大した額でないということにはならぬと思うんですね、私は、今現在の金はこうでしょうけれども。各府県によって違いがありますけれども、仮に一市町村に対して二億円をじゃ交付をしますよと。で、二千市町村が合併をする場合には、これ四千億円という数字になってくるわけでありまして、その半額が府県で見ます、残りの半額は特別交付税で出すことになる、こういう制度なんだろうと思うんです。
 そうしますと、今、大臣がおっしゃったような豪雪だとか災害だとか、個別、特別の需要が生じた自治体に配分すべき額がおのずとこれは削られるということになってくるんだろうと思うんですね。百歩譲って、合併によって特別の需要が生じたんだというふうに算定されるとしても、その実際の需要額を厳密にやっぱり算定すべきであって、今回のような億単位の金をどんぶり勘定的に半額を見ますよという、こんなずさんな算定というのは問題があるんじゃないのか、これはもうそういうやり方はやめるべきではないかというふうに私は昨日も御指摘したつもりでございますが、明快な答弁がありませんでした。大臣の方から、これについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 本年度の特別交付税は一兆二千二百億ですからね、委員。三億七千五百万ですよ、もうほんのわずかですよ。
○又市征治君 この後が増えていくんです。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、だから、これはパイロット事業で呼び水だから特別に見ているんですよ。そんなものみんなやり出したら見ませんよ。とにかく先行的にやってもらう、モデル的にやってもらうんで、呼び水としてそういうことを特別交付税で見ているんで、これが今三億ですけれども、五十億になる、百億になるといったら我々も考えなきゃいかぬと思っています。
 ただ、今これだけ合併の大きないろんな御要請があって、その中で先行して頑張っているところに都道府県が応援をしたいと、都道府県が都道府県のお金で応援したいと、こういうことの場合に、まあ半分ぐらいはそれじゃ特別交付税を補てんしてやろうと、こういうことでございまして、都道府県も考えて助成しているんですから、都道府県もそれぞれ。それについてはパイロット的に半分ぐらいは特交で見てやろうと、こういうことでございまして、これが全国的に広がって、全部見ておったら都道府県の財政はもちませんし、こっちの特交ももちませんよ。
 だから、そういうことを我々は考えておりませんので、当面の、今何度も言いましたように、奨励的な、先行的な、呼び水的なそういうことに対する都道府県の助成に対する補てんと、こういうふうに御理解賜りたいと思います。
○又市征治君 ただ、これは論議をいたしませんが、各府県がやられておるこの交付金は向こう五年と、こういう年限などを切っていますから、今、大臣がおっしゃったような形で、今パイロット的だと言うけれども、向こう五年間、向こう約束してしまっているという、こういう制度が各府県のやろうとしている中身ですから、ちょっとそれはよくお考えをいただきたい。
 時間がありませんから次の問題に移らせていただきまして、二つ目は、これも大臣にお願いしたいんですが、地方の長期負債の額を明示することについての質問であります。
 三月六日の衆議院総務委員会において、我が党の重野委員が、来年度末の地方の借金は百九十五兆円と一律に言うが、その中には国の責任である部分が多いと、このうち六十一兆九千億円は国の責任額として明示すべきではないかと、こういうふうに質問したのに対して、若松副大臣らが両方が含まれているというふうに認めた後で、より明確には今日御出席の林財政局長が、そういう意味では、百九十五兆円の内訳として、六十一兆九千億円に財源補てん債、財源対策債、減収補てん債、臨時財政対策債、加えて特会借入金のうちの地方負担分が入るというふうに答えられておりますね。内容について、これ、そういう意味では副大臣も財政局長も一致をしているわけですから、この国の責任を地方財政の債務の別表という形で明記することが政府の説明責任ではないかと、こういうふうに思うわけですが、是非、大臣、ここのところは積極的なお答えをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(林省吾君) 法律的な事項でございますので、ちょっと私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 御指摘をいただきました数字は、委員の方からは特例的な借入金という形で御指摘をいただいたわけでありますが、それぞれこれらの借入金は、背景、今後の償還責任、いろいろ違ったものを含んでおります。ただ、特例的な借入金ということで分類をいたしますと御指摘のような六十一兆という数字が確認できることは私も御答弁を申し上げたわけであります。
 ただ、それぞれにつきまして国の責任がどういう形になっているか。例えば、交付税特別会計の借入金につきましては明確な国の将来の償還責任がございまして、これにつきましては法律の中で年度ごとの国の責任額を明記するというような措置もされているものがございますが、ただ、それ以外、例えば減収補てん債と、こういうようなものはまた違った取扱いになるようなものもございまして、すべてが同じような国の責任で償還をしていかなければならないというものではないということをまず御理解をいただきたいと思います。
 そこで、御質問の、法律に別表を付して明記すべきではないかという点でございますが、地方交付税法の中におきましては、地方交付税の総額に直接関連いたします交付税特別会計の借入金の状況であるとか、あるいは将来の償還計画、償還予定額であるとか、あるいはそのうちの国の責任で負担していただかなければならないもの等につきましては、確かに法律で明記をする必要がございますので、現在でも地方交付税法及び交付税特別会計法におきまして明らかに計数を、具体的な数字を掲げて記述をいたしているところであります。
 ただ、その他の借入金等につきましては、必ずしも交付税に関係するものでないものもございまして、地方交付税のみならず地方税等も含めた地方一般財源全体により償還すべきものもございます。そういう意味では、必ずしも交付税の総額に関係するものではございませんので、交付税法の中に表という形で規定するのは、法律の趣旨、性格からしてなじまないのではないかと私ども考えていることを御理解をいただきたいと思います。
 しかしながら、御指摘のように、恐らく……
○委員長(田村公平君) 林局長、時間が来ておりますので手短にやってください。
○政府参考人(林省吾君) はい。
 地方財政運営にとりまして大変重要な課題でございますので、その都度、私どもとしてはその残高あるいは状況につきまして適切にお示しをしてまいるように努力したいと思います。
○又市征治君 終わります。
○委員長(田村公平君) 以上をもちまして、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣所管のうち人事院、日本学術会議、公正取引委員会及び公害等調整委員会を除く総務省所管並びに公営企業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十九分散会