第154回国会 農林水産委員会 第2号
平成十四年三月十九日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     池口 修次君     榛葉賀津也君
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     峰崎 直樹君
     渡辺 孝男君     山本 香苗君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         常田 享詳君
    理 事
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                野間  赳君
                松山 政司君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                榛葉賀津也君
                羽田雄一郎君
                峰崎 直樹君
                鶴岡  洋君
                山本 香苗君
                渡辺 孝男君
                市田 忠義君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   衆議院議員
       農林水産委員長  鉢呂 吉雄君
   国務大臣
       農林水産大臣   武部  勤君
   副大臣
       農林水産副大臣  野間  赳君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       岩永 浩美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房審議官     鶴田 康則君
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       農林水産省経営
       局長       川村秀三郎君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       食糧庁長官    石原  葵君
       林野庁長官    加藤 鐵夫君
       水産庁長官    木下 寛之君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (平成十四年度の農林水産行政の基本施策に関
 する件)
○特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法
 の一部を改正する法律案(衆議院提出)
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○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、池口修次君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君が選任されました。
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○委員長(常田享詳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に厚生労働大臣官房審議官鶴田康則君、農林水産大臣官房長田原文夫君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長須賀田菊仁君、農林水産省経営局長川村秀三郎君、農林水産省農村振興局長太田信介君、食糧庁長官石原葵君、林野庁長官加藤鐵夫君及び水産庁長官木下寛之君、以上、政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(常田享詳君) 農林水産に関する調査のうち、平成十四年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田中直紀君 おはようございます。自由民主党の田中直紀でございます。
 さきの大臣の所信表明につきまして聴かせていただきました。昨年の秋の所信表明は、就任後ということで大変総花的な印象も否めなかったわけでありますが、今回は消費者の信頼回復ということで随所にその決意を述べられているわけでございます。その意気込みに対して敬意を表するわけでありますが、勇み足にならないように、適宜適切に効果を、成果を上げていただきたいと期待するところでございます。
 この一月の十七日に私も日中の農産物の貿易の協議につきまして質問させていただいたわけでありますが、所信表明の中でも五ページあるいは六ページに述べられておりますが、その間、野間副大臣が先般中国に行かれまして、この協議会に、軌道に乗せるということだと思いますが、二月の七日に協議会が発足をしたと聞いておりますが、副大臣が行かれまして、どのぐらい状況が進展しているか、その進捗状況を伺わせていただきたい。そしてまた、日中間の参加しておる方々の考え方も分かりましたらお聞かせをまずいただきたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 昨年の十二月二十一日、日中閣僚協議での合意事項の早期具体化のため、二月の七日、八日に、上海で両国の生産者等幅広い関係者が参加をいたしまして、ネギ等三品目に係ります第一回目の日中農産物協議会を開催をいたしました。協議会におきましては、日中双方におきまして、日本市場における需要の見通し、日中双方の生産見通し等の情報の交換が行われまして、理解を深めることができたところであります。
 また、私、今年の二月の二十七日から三月の一日まで訪中をいたしまして、WTO農業交渉関係とともに、農産物貿易関係につきましても意見の交換を行ったところであります。
 日中農産物貿易協議会におきましては、私から、中国の農業部長や貿易を担当いたしております対外貿易経済合作部の部長助理に対しまして、秩序ある貿易の確立のために中国側の関係者に強力な指導を要請をいたしまして、これに対しまして先方は、当該協議会の重要性を認識をしているとしつつ、関係業界に対し必要な指導を行う答弁がございました。
 さらに、今月の二十八日に北京におきまして第二回目の日中農産物貿易協議会を開催することといたしたところでありまして、今後も、本協議会を通じまして、両国間で共通認識を作り、秩序のある貿易の確立を目指して継続的に協議を実施をいたしてまいりたいと思っております。
○田中直紀君 着々と協議は進んでおるということは理解をいたすわけでございますが、ネギ等の三品目に係る貿易スキームということで協議会は設定をされた、そしてまた双方、その秩序ある貿易についての認識は政府間であるわけでありますが、内容としましては民間の協議というものがあるわけでありますから、まずは思いどおりに双方成果を上げるような、効果があるような、そういう協議がいつまとまるのかということが、関係者では大変そういう面では注目しているわけでございます。
 その中で、先ほど副大臣からも話がありましたが、生産状況あるいは需要、価格と、こういう面で詰めていくと思いますが、この三品目につきましても当然作付けがある、そしてまたいろいろ生産体制にもこれから双方入ってくるわけでありますので、その辺、いつまでこの協議が成立をしていけばいいかということを、大臣として、大変御苦労されているわけでありますが、ひとつその決意のほどをお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) ただいま野間副大臣から御答弁の中で申し上げましたように、これまでの日中間の話合いの間で、双方の関係者の間では、平成十二年のような日本への輸出の急増ということは、これは日中双方にとって不利益であるというような認識が醸成されつつあるということでございまして、本協議会におきまして、このような認識を踏まえまして、更に生産、需要、価格等についての情報交換を詰めてまいりまして、この検討を深めることになるわけでございます。
 現在、三品目の輸入については、一月以降、輸入量が減少しておりまして、前年を相当下回る水準となっているわけでございますが、いずれにいたしましても、本協議会の場を通じて適切な生産と需要の見通しやそれを実現するための方策を話し合うことによりまして、日中間の安定した貿易関係というものを築いてまいりたいと、このように考えているわけでございます。
 今月は、二十八日、今、ただいま副大臣が御答弁ありましたように、北京で行われるわけでございまして、私としてはできるだけ早くそういった協議が煮詰まることを期待している次第でございます。
○田中直紀君 着々と適宜適切に対応をしていただきたいと思います。
 そのほか、この協議の中に、農産物貿易全般に係る協議のメカニズムということで、「両国政府は、政府と民間の両ルートを通じ、現在の協議メカニズムの基礎の上に、農産物貿易全般に係る協力について検討し、強化する。」ということがうたわれておるわけでございます。
 農産物、特に今三品目で話題になっております野菜は、我が国の農業の中でも二三%ということで大変大きなウエートを占めてきておるわけでありますし、その他の農産物につきましても、中国のその生産力というものを考えた場合には大変重要な協議になるというふうに思っておりますので、早急にこの点もスタートをしていただいて、やはり農産物全般にわたって日中間が秩序ある貿易を果たしながら、そしてまた生産に寄与し消費者に対応していく、こういう姿を早く示していただくということが大事だと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) このたびの話合いによる決着の一つのメリットといいますか、私どもが期待をしている一つは、今、委員御指摘のように、ネギ等三品目に限らないということでございまして、十二月二十一日のセーフガード問題に関する協議におきましては、日中両国政府は、政府と民間の両ルートを通じまして、現在の協議のメカニズムの基礎の上に、農産物貿易全般に係る協力について検討、強化することで合意されたところでございます。
 我が国といたしましても、日中間の農産物貿易紛争の未然防止と安定的かつ健全な貿易関係の発展のために、両国関係者が随時、日中の農産物貿易全般について協議、意見交換を行うことが重要と考えておりまして、このため、先般、野間副大臣が訪中した際にも中国側関係者と意見交換を行いまして、本件についても随時意見交換を行うことで意見の一致を見たところでございます。
 なお、協議の開催時期や内容につきましては、今後、外交ルートを通じまして積極的に検討してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○田中直紀君 是非御努力をいただきたいと思います。
 中国は、最近のその状況を聞きますと、やはり近代化を図っていくという中にあっても、農業は大変重要な産業であるということで大変強化をしてきておるということは情報で聞かれるわけであります。我が国が大変、このセーフガードの中で発動してきた経過があるわけでありますが、やはり中国の農産物の輸出の規模が最も大きい山東省、海岸沿いでありますが、近年も外貨獲得ということで農業モデル地区を指定をして、そして輸出志向の農業を目指しておる方々に指導しておる、誘導しておる、こういうことが非常にそういう面では一方で強化をされておるということでありますが、こういう状況下というのは、当然中国がその方針を打ち出して、そしてまた着々と農業モデルというものが成果を上げてきておる、技術も上がってきておる、こういうことでありますから、今からその状況を把握をして、そしてまたその対応を、我が国との関係としてどう対応していくかということも大変重要なことではないかと思いますが、その点、どのような影響があるかということを伺いたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 委員御指摘の山東省、中国の沿岸部に当たるわけでありますが、外貨獲得農業モデル地区にということで、中国政府によりまして輸出を志向する農業モデル地区の指定がなされておりまして、施設の整備等に対し資金の援助がなされておると聞いております。地区内の農家収入のかなりの部分が農作物の輸出や加工に依存をしておる状況にあると承知をいたしております。
 このように中国側が官民を挙げまして輸出に重点を置いておりまして、平成十二年から十三年に掛けまして中国からの野菜の輸入が急増したこともありまして、このような状況を背景といたしまして、ネギ等三品目に関します昨年四月にセーフガード暫定措置を発動をいたしたのであります。また、その後、日中間の交渉によりまして、日中農産物貿易協議会を設立をすることとなった経緯であります。
 このような中におきまして、これまで重ねてまいりました中国との協議や日中農産物貿易協議会の場を通じまして日中双方の情報交換を進めてまいりました結果、平成十二年のような日本への輸出の急増は、我が国の価格のみならず輸出価格の下落を、先ほど大臣が申されましたように、招き、日中の関係者にとりましても不利益であるという認識が醸成をされつつあるところであります。
 今後も、日中貿易協議会を通じまして日中間の安定をした貿易関係を築きますとともに、国内野菜産地につきましても輸入品に対抗し得る生産、流通の両面にわたる構造改革を進めていくことといたしております。
○田中直紀君 所信表明の中で、国際化が進展する中にあって、輸入増加といった事態に対処するためには、国際競争に対応できる産地を早急に確立していくことが重要であるということと、生産コストの徹底した削減、あるいは国内生産の高付加価値化、流通システムの多元化、効率化などにより、生産から流通にわたり体制を抜本的に改革すべく、野菜など農産物の構造改革を強力に推進することとしておるということがうたわれておるわけであります。
 早急にやはり我が国の農業、特に輸入に対応するために構造改革を推し進めるということが必要だと思いますが、来年度の予算も含めて、どのような野菜の構造改革を推し進めるか、大臣の方からお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 増加する輸入農産物に対抗して、国際競争にも対応できる産地を育成していくという観点に立ちまして、生産、流通の両面にわたりまして構造改革を進めていくことが必要であるというふうに考えておりまして、具体的な中身につきましては、例えばネギについて言えば、輸入品の二倍となっている国産品の小売価格を三割高程度までに低減するために、生産・流通コストの三割削減を目指すいわゆる低コスト化タイプということを志向してまいりたいと思います。また、定量定価格での供給を求める実需者にこたえる契約取引タイプ、有機栽培などにより輸入品との差別化を図る高付加価値タイプ、この三つのタイプの輸入野菜に対抗するための戦略モデル等を国内産地に示したところでございまして、現在、国内産地はこれを参考にする等、それぞれ適した戦略を自ら選択しまして、三年から四年を期間とする産地における改革計画の策定を急いでいるところでございます。
 農林水産省といたしましてもその取組を強力に支援していくこととしておりまして、輸入農産物に対抗して消費者、実需者に国産のものを選択していただけるような野菜等の構造改革を加速化してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○田中直紀君 対策に対しての成果を上げていけるように、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 ただ、一方、当面の問題でありますけれども、現在、野菜が記録的な安値を付けておる、これは暖冬であったというような自然環境の下でありますが、一方で、消費の傾向が生鮮食品から加工食品へと変化しておるというようなことで、野菜の需要全体が変わってきているんじゃないかというような傾向も言われますし、今の報道では価格の低迷が長期化するんではないかと。こういう需要の、流通といいますか国内のそういう形態も変わってきておるということも今見受けられるわけでありますから、今の構造改革の中で、現況も織り込みながら当面の対策もしっかりやっていただかなきゃいかぬ、こういうふうに思いますが、大臣政務官の方から御所見を伺いたいと思います。
○大臣政務官(岩永浩美君) ただいま委員から御指摘がございました最近の野菜価格は、平年に比べて大根で約四割、キャベツで約五割と低迷をいたしております。また、指定野菜全体で見ても七割ぐらいの水準で推移をしていること、それも御指摘のとおりでございます。
 これは、昨年の秋以降、暖冬の影響や災害がなかったことにより主要産地での生育が早く、出回りの量が多かったこと、景気の低迷等の影響から需要が低調になっていることなどによるものと見られております。なお、生鮮野菜の輸入量は昨年末から減少しており、一月では前年対比七三%になっています。
 このような状況に対処するために、昨年の秋以降、キャベツ、大根、白菜等の産地廃棄を実施するとともに、タマネギの加工仕向けを行うなどして需要の調整を図っております。
 また、価格の低落等に対しては野菜価格安定制度によって生産者に対する補てん、特に指定野菜では保証基準額の九割を行っております。
 また、生産者の経営安定を図りつつ構造改善を進めている観点から、野菜生産出荷安定法を改正することとして、市場による価格変動の影響を受けにくい契約生産を推進するための事業の創設、それから野菜価格安定制度への加入要件の緩和、全国的な需要及び供給の見通しを早めに提示をしていくことなどの措置を講じることにして、今後とも野菜の安定供給に向けた施策を適切に執行してまいりたいと考えております。
○田中直紀君 岩永大臣政務官にはこれは主管していただいて、先頭に立って対策をやっていただきたい、大臣にもお願いをいたします。
 では、引き続きまして、消費者の信頼回復につきまして御質問させていただきます。
 所信表明の中で述べられておるわけでありますが、生産者と消費者の間に立ち、食と農の一体化の推進をする、これはページ、二ページに述べられておる。それから、顔の見える関係の確立ということで三ページに述べられておりますが、また、消費者に目を向けた生産システムの構築ということでまた述べられておりまして、随所に、今回のBSEの発生の問題を念頭に置きながら消費者の信頼回復というものを、消費者対策というものを中心に述べられているわけでありますが、いま一つ、どういう具体的な対策になるのかというのがもう少し明確になっておらないということを感じたわけでありますが、副大臣の方から、その辺の具体的な政策についてお話を伺いたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 食の安全、安心の確保は農政の基本でありまして、食に関する様々な課題が顕在化いたしております今こそ、農林水産省を挙げて、国民、消費者の安心と信頼の回復に向けて全力で取り組んでまいらなければならないと認識をいたしております。
 このため、その具体化に向けました取組といたしまして、一つは、消費者が食品の生産方法等に関する情報を自ら引き出せることにより、安心して食品を購入することができるようにするトレーサビリティーシステムの開発に取り組んでおります。一つには、特に牛肉につきまして、二月二十一日から、牛一頭ごとの生産履歴情報を店頭端末で消費者が検索できるシステムの実証試験を開始したところであり、こうした取組は、大臣がかねて申し上げております顔の見える関係の構築、消費者に目を向けた生産システムの構築に資するものと考えております。
 また、二月十七日に、食と農につきまして武部農林水産大臣と消費者が語り合う会を開催をいたしまして、さらに、三月三十日には、中国農政局におきまして第一回農林水産省版タウンミーティングを実施をすることといたしておりまして、大臣が所信で述べております消費者とのコミュニケーションの徹底に積極的に取り組んでいるところであります。
 いずれにいたしましても、消費者保護を第一に、消費者サイドに軸足を置いた農林水産行政の展開に大臣共々取り組んでいるところであり、全力を尽くしてまいりたいと存じております。
○田中直紀君 具体的な方策、そしてまた実施状況、そしてまた成果、こういうものが消費者の皆さん方に信頼を回復させるわけでありますので、今までもやられてきた分野はあるわけでしょうけれども、月に一回は、その具体的なものについて、実施状況、成果というものを公表していただいて、着実に政策が実行されておるんだということを報告をしていただければ消費者にも有り難いんじゃないかと、是非お願いをいたしたいと思います。
 その中で、食料・農業・農村基本法ができまして、御存じのとおり、第十六条で食料の安全性の確保というのを高らかにうたってきているわけでありますから、当然、主管しております農林水産省、今回の問題、非常に残念な事態でありますが、農林水産省の組織が、私も、これいろいろの方々の意見を聞きまして、農林水産省が、課長クラスでいって八十以上の職があるわけですね。ところが、この食品関係といいますか、食品の安全性ということを見てみますと、消費生活課長でしょうかね、総合食料局、そしてまた品質課長というセクションもありますが、大臣官房では検査課長という形になっていますが、あとは各局あるいは庁のラインでやっておると思うんですね。
 しかし、これだけ大々的に、特に食料・農業・農村基本法という、食料から、そしてまた農業・農村というものをしっかり見ていかなきゃいけない農林水産省において、余りにも組織が偏っているというか、従来どおりというか、私は、大臣のその意気込みというものをこの組織に、早く対応を、しっかりと変えていただいて、やはり責任を持ってやっていくセクションを増やしていく、そしてまた消費者の方々と接触を深めていくということが当面重要ではないかというふうに思いますが、この組織の問題についていかが考えておるか、お伺いします。
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のとおりだと、私はこう認識しております。
 平成十三年一月の中央省庁再編によりまして新たに設けられました総合食料局や生産局等が、厚生労働省と連携しながら企画、実施を行っているところでございますけれども、一方、BSEの問題に関しましては、初期の段階で行政内部における連携が不十分で対応に混乱が見られました。縦割り行政の弊害をなくしていく必要も迫られております。
 そしてまた、食品表示の問題に関しましても、監視体制等、今までの制度運営等に反省すべき点が多々あるということを認識しておりまして、私は、消費者サイドに軸足を大きく移した農林水産行政を推進していくんだと、このように所信の中で述べているわけでございますが、これは今お話しのとおり、やはり人的資源配分ということも、今、委員御指摘のように、大きく見直しをしていく必要があると、こういう認識をいたしております。
 この点につきましては、基本法農政推進本部というのが、事務次官が本部長でございます、そういったところで早急にそういった組織の問題等についても検討すべく、するように指示をしているところでございます。特に消費者保護を第一に、消費者サイドに軸足を置いた農林水産行政の展開に向けまして、これは職員の意識ということも大事でございますので、決意を新たに取り組むよう職員にも指導してまいりたい、このように思いますし、食品表示を担当する三省との連携ということも大事でございまして、食品表示関係三省連絡会議も設置いたしました。
 BSE問題に関する調査検討委員会の報告も近くなされるだろうと思いますし、与党での御議論もございますが、現在の在り方にとらわれず、リスクコミュニケーションの徹底を図るなど、総合的な行政組織の問題も含めまして、抜本的な食の安全と安心を確保するシステムづくりに真剣に取り組んでまいりたいと、かように考えるところでございます。
○田中直紀君 農林水産省と厚生労働省、これは所管の法律もいろいろあるということで縦割りの弊害ということが指摘されているわけでありますが、一方で、これは農林水産省の中でも縦割り行政ということが大変弊害があるんじゃないかというふうに私は感じるわけです。
 総合食料局、生産局、経営局、農村振興局、これはあと技術会議とありますが、あと外局の食糧庁、林野庁、水産庁とありますが、それぞれ確かに生産者、生産者団体あるいは消費者団体とも接触はあると思うんですが、肝心の、それぞれ局、庁でやっておりましても、それを統括する食料安全というのが農林水産省の中で余り見受けられないんですよね。ですから、やはりそれぞれの最前線で何が起こっているのか、どういう傾向になっているのか、本当にチェックされているのかということをしっかりと農林水産省の中でも縦割り行政の弊害を取り除くというのは、これ大変重要なことではないかと思いますので、御努力をいただきたいと思っております。
 BSE問題に関する調査検討委員会、調査報告がこれから出てくるということを伺っておりますが、やはり食料安全問題の総合的な行政の対応が、確保が必要であると、こういうふうによく漏れ聞こえるわけでありますけれども、ひとつ農林水産省自体がその使命感、食料安全の使命感というものを、今意識の変革と言っておりますが、しっかり組織を、そしてまた使命感を考えて、農林水産省自体がどう考えるか、どう対処していくか、それをやはり早く打ち出すということが大事だと思うんですね。総合的にやっていこうと、新しい行政組織を作っていこうというようなことが漏れ聞こえるわけでありますが、やはり、ちょっとしつこいようになりますが、農林水産省自体がどうその責任を果たしていくかということを大臣から表明していただきたい。そんな時期じゃないかと思いますが、ひとつ、どんな御所見でしょうか。
○国務大臣(武部勤君) ただいまも申し上げましたように、単に掛け声で消費者行政に軸足を大きく移すというだけでは駄目でありまして、私ども、中身の伴った人的配分についても当然そういう体制づくりに全力を尽くしたいと、こう思っておりますが、具体的には、BSE問題に関する第三者委員会におきましても今御協議もいただいておりますし、今日、実は情報戦略タスクフォースというものを私の直属の機関として設置しまして、そこでも提案をいただきまして、それについても指示をしている次第でございます。
 さらには、近く食と農の関係につきましても政策を大きく打ち出していきたいと、このように考えているところでございますが、この際にやっぱり考えなきゃならぬのは、食の安全について、特にリスク分析ということが欧米ではしっかりやられているようでございます。私どもも、予防的な視点も踏まえながらリスク分析の考え方に基づきまして、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーション、これをいかに考えていくかと、そしてこれを行政組織対応の中でどのように位置付けていくかということを早急に検討して真剣な取組を進めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○田中直紀君 まあその本の消費者の信頼回復は、やはりBSEの感染経路の究明が大きな要素ではないかというふうに思います。
 所信表明の中でも十ページに、感染経路の究明につきましては迷宮入りさせないとの強い決意の下、最大限の努力をしていくんだと。大変御努力をいただいておるわけでありますが、しかしまだまだいろいろな話がある中で、専門的とはいえ諸外国のケースもあるわけでありますから、まあ早く、分かりやすく、どうしてBSEが発生したのか、感染経路はどうなのかということを簡単に分かりやすく少し御説明をいただきたい。大臣政務官の方からひとつお願いします。
○大臣政務官(岩永浩美君) BSEの感染経路は、大変国民が一番関心の深いところであります。BSEの原因究明については、昨年の十一月の三十日の中間報告以降も専従チームの体制を強化して全力を挙げて取り組んでまいりましたが、今般、三月の十五日にこれまでの調査結果を第二次中間報告として公表したところであります。現時点において具体的に感染経路を特定するには至っておりませんが、今後更に調査の必要な事項をある程度明らかにすることができたと考えています。
 まず肉骨粉については、関係する配合飼料工場のうち四工場、同じラインで鶏、豚用の飼料を製造しており、牛用飼料への肉骨粉の混入の可能性を完全に否定できないこと、九八年六月以前に輸入されたイタリア産肉骨粉は加熱処理が不十分である可能性が高いことなどが明らかになっております。また、汚染された輸入肉骨粉が何らかの経路を経て発生農家で使用されていた飼料等に混入した可能性は排除できないと考えております。
 また、三例の感染牛に共通して給与された代用乳の原料に使用されていたオランダ産の動物性油脂については、その原料が牛の脂身などであること、当該動物性油脂は純度の高いものである可能性が高いことが明らかになっております。三例に共通する飼料原料であり、現段階においては感染源となった可能性を完全に排除できないと考えています。
 さらに、アジア諸国を経由しての肉骨粉の輸入については、その可能性は極めて小さいと考えられますが、香港から輸入された肉骨粉の内容等の確認を現在行っています。
 また、魚粉については、PCR法等の検査によって哺乳動物のたんぱく質が検出された魚粉工場、これは七工場でありますが、そこで仕入れていた食品残渣などの確認を現在行っております。
 いずれにしても、先ほど委員から御指摘がございましたように、農林省としては迷宮入りさせないとの覚悟で、引き続き、再確認も含めて掘り下げた調査を進めていきたいと考えております。
○田中直紀君 これからBSE対策ということに、行政の組織も含めて対応していくということになると思うんですが、専門家の話を聞いてみますと、やはり飼料、えさが高濃度であったかそうでないかということで発生の年齢も違ってくるということになるわけですね。
 そしてまた、外国の、ヨーロッパを中心として各国発生した状況というのはそれぞれ異なっているという状況があるわけでありますから、ですから、まず対策を講ずるためには、どういう、その発生のいわゆる地域とかあるいは年齢、年代というんでしょうか、そういうものが特定、ある程度の特定ができなければ、もうこれ十年ぐらい対策が掛かるわけですね。
 ですから、そのスタートを間違えると、せっかくやったけれども、やはり発生といいますか、その対策の効果が半減すると、こういうことでありますから、まずやはり全力を挙げて、迷宮入りさせないということの決意で臨んでいるわけでありますから、やはりこういうその発生の、三頭の例もあるわけでありますけれども、それを特定しなきゃいけない、そしてその対策を打っていかなきゃいけないということが、専門家の方に聞きますと、そういう状況でありますので。
 一方、いろいろ事情はあろうかと思いますが、そういうことを考えたら、五歳以上の、廃用牛もそうでしょうが、これはやはり検査をして、それで我が国にそれ以上心配がないのか、あるいはこういうところは心配があるのかと。これは早く対策を打つためには、特に五歳以上の廃用牛も含めて検査をして、そしてスタートをしていかなきゃいけないんじゃないかというのが専門家の意見でありますので、その辺をどう対処していくのかということを伺いたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 極めて多数のBSEの発生を経験いたしました英国においては、本病の統計学的及び疫学的な評価が進んでおりまして、その中で、発生当初から経年的に汚染飼料が出回った状態等、状況等に対応して、地域ですとか年齢による発生率に変化があったと、このように聞いているわけでございます。
 我が国においては、十月十八日以降、屠畜場において食肉処理を行うすべての牛についてBSE迅速検査が実施されておりまして、老廃牛についても出荷を促進しているところでございます。また、農場段階では、BSE検査対応マニュアルに基づきまして、死亡牛も対象として加えるなど、BSE検査を強化したところでございます。
 さらに、BSE感染経路につきまして、先般、三月十五日の中間発表以降も引き続き、発生農家を起点とする川下からの調査と輸入肉骨粉を起点とする川上からの調査を進めているところでございますし、これらによりまして、今後、我が国におけるこのBSEの感染の状況が明らかにされていくと、こう思っておりますし、明らかにしていかなきゃならないと。
 そういう迷宮入りをさせない決意で更に強力な努力を進めてまいりたいと、このように考えている次第でございます。
○田中直紀君 調査検討委員会の報告も近々出るということを伺っておりますから、全力を挙げて食品安全問題について取り組んでいただきたいと思いますし、今の我が国のこの消費者の不信というものを早く取り除いていただいて、実効を上げていただきたいと申し添えまして、私の質問を終わりまして、同僚議員から引き続き、今日は質問さしていただきたいと思います。
○小斉平敏文君 自民党の小斉平でございます。
 武部農林大臣を始め農水省の皆様方には大変な御苦労をいただいておることに敬意を表したいと思いますし、また、特に武部農林大臣におかれましては、野党の皆様方から辞めろ辞めろの大合唱の中、御努力を賜っておることに敬意を表したいと思います。
 私は、BSEに関する問題と森林・林業の活性化に向けた取組について質問をいたしたいと思います。
 まず、BSEに関する問題についてであります。
 昨年九月のBSE発生以来、政府は各種の対策を講じてきておられますが、こうした対策を実行する際に、いろいろな困難が現場で起きておるのが現実であります。このような状況が長引けば、畜産農家への経済的な影響だけでなく、廃棄物処理などを含めて地方の経済に与える影響も非常に甚大である、このように危惧いたしておるところであります。
 感染源、感染経路の早期解明はもとより、肉用牛経営安定対策、肉骨粉や老経産牛の処理対策、食肉などの消費回復対策など、今回のBSE発生による被害を最小限に食い止めるための施策を一層実効あるものとしていく努力が求められておると思うんであります。
 そこで、政府は、BSEの発生に関連して、緊急に各種の事業を創設をされ、約二千億に及ぶ対策を講じられてきたわけでありますけれども、来年度についてはこれらの事業を継続するか否か、まだ決まっておりません。これらの事業の延長と予算枠の確保、これは絶対に必要であると思います。また、その拡充が求められておると私は思うんであります。
 政府はこのことに関してどのような方針で臨まれるのか、まず大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 激励を込めて御質問を賜った次第でございますが、我が国初のBSE発生以来、関係の皆様方に対しましては大変御迷惑をお掛けしてきているところでございます。
 私どもといたしましては、生産現場の声、また消費者の皆様方の声をしっかり聞きながら、BSEをめぐる課題に細かく、きめ細かく機動的に対処してきたと、かように考えている次第でございますが、一方、牛肉の消費回復など、今後とも全力を挙げて取り組まなきゃならない重要課題があることも十分認識いたしております。さらには、肉骨粉の処理、老経産牛の出荷の問題等々、更にフォローアップしなきゃならない問題もございます。
 今後とも、BSE関連対策に対しましては万全を期してまいる所存でございまして、ただいま申し上げましたように、生産現場の皆様や消費者の方々の御意見等をしっかり受け止めながら、喫緊の課題はやはり消費の回復ということであろうと思いますし、いろいろ影響を受けている方々の対する経営安定対策等も更に継続しなければならないと、このように思っておりまして、BSEマル緊を含む既存対策の延長を含めまして、消費の回復、経営対策、こういった必要な対策に更に力を入れて取り組まなくちゃならぬ状況にあると、かように認識いたしておりまして、そのような努力をさせていただく所存でございます。
○小斉平敏文君 次に、肉骨粉と老経産牛の処理についてお伺いをいたしたいと思います。
 肉骨粉と老経産牛の発生量と処理の能力、これに相当な差があるわけでありまして、当然たまる一方であります。肉骨粉は焼却などによって処理するということになっておりますが、それを実施する地方への支援処置が十分でない、これが実情であります。また、老経産牛の処理に関しましては、処理する屠場がなく、県の対応ができていないというのが実情であります。
 農水省は、自分たちはここまでやったと、あとは地方でやれと言わんばかりのように私は思える。このようなことでは現場から言わせると実効性は非常に薄い、このように言わざるを得ません。
 そこで、肉骨粉や老経産牛の処理に関してでありますけれども、肉骨粉は年間どの程度生産されると予想されておるのか、生産局長にお伺いをいたします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 肉骨粉でございます。現在、十一万三千八百トン在庫がございまして、年間というよりも一日当たり大体生産量が九百トンでございます。年間に直しますと四十万トンということになろうかと思います。そして、この九百トン、一日当たり生産される九百トンを、私どもとしては一般の焼却施設とそれからセメント工場とにお願いをして何とか処理したいというふうになっておりますけれども、今日現在でこの九百トンのうち焼却可能なのが、一般焼却施設六百トン、セメント工場六十五トンの、合わせまして六百六十五トンでございます。まだ本日現在でも約二百三十五トンの一日当たりの在庫が積み上げるという状況になっております。
 私どもとしては、セメント工場の方に焼却をお願いすることによりまして、梅雨までには一日当たりの生産されたものが、九百トンが焼却されるようにしたいということを目標を持って各方面にお願いをしているという状況でございます。
○小斉平敏文君 今現在、完全に、一日九百トン出ておるのが処理できないという状況でありまして、そういたしますと、やっぱり今の状況でいきますと、どんどんどんどんいわゆる在庫が増えていくと、このようなことに、予測になるわけでありますけれども、もうちょっと局長、具体的に、具体的な対応、どのように実行するのかということをもうちょっと具体的にお聞かせを願いたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私、先ほど、一般焼却施設とセメント工場と申し上げました。一般焼却施設で、環境省とも御相談をしているんですけれども、最大焼却可能量一日当たり六百五十トンと見込んでおります。これ今約六百トンまで参っております。
 そして、セメント工場でございます。セメント協会の方にお願いをしているわけでございますけれども、協会の方からは長期的にもずっと物が来るのかというような問い合わせもございまして、設備投資の関係だろうと思うわけでございます。そういうようなことをよくお話を申し上げて、セメント協会の調査によりますれば、最大、セメント工場では四百五十トン、将来的には焼却可能ということでございます。
 合計いたしますと一日当たり千百トン焼却可能になりますので、現在出ております九百トンを上回って、在庫もだんだんなくなっていくというふうに私どもは思っておりまして、この目標を持って取り組んでいるという状況でございます。
○小斉平敏文君 どうかその目標に一日も早く近づくように御努力を賜りたい、このように思います。
 次に、老経産牛の処理でありますけれども、これは、これが処理が進まないということで牛舎が空かないんです。だから、牛の更新ができない。
 農水省がまとめられた老経産牛の受入れ状況、これを見ますと、屠畜場のない福井県を除いて、四十六県のうち、老経産牛の屠畜を全く受け入れていない県が半分以上の二十五県、また一部の屠畜場で老経産牛の屠畜を受け入れず屠畜希望頭数を処理し切れていない県が十一県あるわけなんです。こういう状況を見ましても、農水省の立てられた対策、正にお役所仕事と言わざるを得ない。速やかに実効性のある対策を講じないと大変なことになる。政府はよりきめの細かい、しかも現場の実態に合った実効性のある対策、対応をすべきと思うんですが、この点について副大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 廃用牛の出荷が円滑に進むよう、屠畜場における円滑な受入れの推進につきまして、厚労省とも連携をいたしまして、昨年十二月に引き続き、二月にも都道府県に対しまして繰り返し要請をしてきたところであります。さらに、両副大臣、両政務官が各都道府県知事を順次訪問いたしまして、各都道府県ごとの問題点を整理の上、今後強力になお一層働き掛けることといたしているところであります。
 また、二月一日から、乳用牛につきましては一頭当たり四万円、肉用牛につきましては五万円まで農協等が買い上げる場合に助成することを内容とします廃用牛流通緊急推進事業を実施いたしておりますが、現在、各地域におきまして事業実施に向けての取組がなされており、都道府県及び関係団体と連携をし、農家段階での周知徹底を図りながら迅速な対応をお願いいたしておるところであります。
 さらに、円滑な更新を推進するため、公共牧場等での一時的な管理に対する支援を行っておりまして、現在までに一万三千頭分の一時集約管理施設が全国で確保され、宮崎県を始め準備の整った施設から収容が始まっておるところであります。
 このほか、BSEが発生をした場合には経営の再開が困難になるという酪農家の深刻な懸念を踏まえ、万が一BSEが発生したとしても、経営の再開を支援するためのBSE対策酪農相互システム支援事業を実施することといたしており、酪農家が廃用牛を円滑に出荷しようという気持ちを固めていただけるよう万全の整えを図っているところであります。
 これらの対策を通じまして、廃用牛の出荷、流通を促進していく所存でございます。
○小斉平敏文君 今後もBSEが発生する可能性は少なくないと、このように私は思います。BSEが発生すると、農家の経営に与える影響はもとより地域への影響も大きく、農家は村で生活しづらくなる。したがいまして、屠畜場で全頭検査しておるんだから農場ではBSE検査してほしくないというのが農家の本音なんです。しかし、隠したと思われると消費者に不安を与える、そういうはざまで農家は大変な苦慮しているんです、御苦労をしておるんです。
 ですから、屠畜場で全頭検査をしておられるわけでありますから、いわゆる食肉として流通させるかどうかのための屠畜場でのBSE検査と農場での検査、特に死亡牛の検査あるいは公表、これを区別して、農場での検査をBSEの国内感染の実態あるいは原因究明のための検査として明確に位置付けをして農家への影響が極力出ないような方法、こういう考え方はできないのかどうか。食肉の安全の問題と因果関係、これの研究は別に考える必要があると思うんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生の御指摘でございます。私ども、屠畜場で全頭検査をやるということによりまして安心な牛肉しか食卓に出回らない体制は整えたわけでございますが、一方におきまして、BSEの我が国における発生を早期に根絶するという観点から、やはり我が国における感染状況というものを正しく把握する必要があると、こういう観点から、農場段階におきましても、BSEを疑う症状等を示す生きた牛でございますとか、中枢神経症状を示して死亡した牛に加えまして、二十四か月齢以上の症状を示していない死亡牛につきましてもサーベイランスの体制を強化したところでございます。
 これにつきましては、いろいろ御意見ございましょうけれども、やはり国際的な基準に準拠したサーベイランス体制ということで、我が国におけるBSEの早期清浄化のためにもその感染状況の正しい把握という観点から取り組んでおるわけでございまして、何とぞこの点につきまして御理解を賜りたいというふうに思う次第でございます。
○小斉平敏文君 BSEは、異常プリオンを牛が口から摂取して初めて感染するわけであります。したがって、主要な感染源である肉骨粉等を遮断したことが全頭検査とともにいわゆる安全宣言の核になっておるはずなんです。しかし、家畜伝染病予防法、これを見ますと、BSEの牛あるいは疑いのある牛は、移動制限をし、殺処分し、焼却しなければならないということになっております。
 患畜又は疑似患畜の隔離、殺処分は伝染病の蔓延防止のための処置であります。BSEは通常の意味での伝播性はありません。なのに、蔓延防止処置の対象となる疾病に入れられておるんです。しかも、異常プリオンを口から摂取し得ない状況が作られておりますので、それ以前に同じえさを食した同居牛に罹患の可能性はあっても蔓延はあり得ないはずなんです。
 来年度からBSE経営再建支援事業が創設されるようでありますけれども、そうであっても、やはり畜産農家が恐れるのは、自分の牧場でBSEの牛が発見されると、手塩に掛けて育てた多くの、牛の多くが疑似患畜として殺処分になること、そして、経営や地域にも少なからず影響が出るということなんです。これらがいわゆる捨て牛、これの要因の一つになっておると、私はこう思います。また、消費者が最も恐れるのは、何か知らない感染経路、これがあるのではないか、もっと恐ろしい何かがあるのではないかと、こう思っていらっしゃるんではないか。
 BSEは、口蹄疫などのように空気感染や接触感染はないとされておるのに、また、異常プリオンを牛が口にするということのない体制と、全頭検査で確実にBSEの牛が発見をでき、その段階でBSEの牛は焼却される体制ができておる。なのに、なぜ家畜伝染病予防法においてほかの伝播性の疾病と同様あるいはそれ以上の扱いをしておるのか。政府の説明どおりであれば、ほかの伝播性の疾病とは異なった扱いになってしかるべき、このように私は思いますが、副大臣にお伺いをいたします。
○副大臣(野間赳君) BSEは接触等によります水平感染ではないのでありまして、異常プリオンを含みます汚染肉骨粉を経口摂取することによりまして牛から牛へ伝達がなされていくものと考えられております。このため、本病は家畜伝染病予防法の対象病といたしまして、検査等の予防措置、殺処分及び死体の焼却義務等の蔓延防止措置、病原体の輸入禁止等の検疫措置等の適切な防疫措置を進めておるところであります。このうち、同居牛の処分に関しましては、OIEの動物衛生規約に準拠いたしまして、患畜との同居歴や給餌歴等から感染のリスクの高い一定の範囲の牛を疑似患畜として殺処分をしておるところであります。
 今後、防疫に関して新たな知見が得られれば、それを踏まえましてより適切な防疫措置を講じてまいりたいと考えております。
○小斉平敏文君 次に、原因究明についてお伺いをしたいと思います。
 BSEが発生した、発症した三頭だけでは確かに原因究明は難しいと、このように思います。しかし、これをやらないと、先ほどの田中筆頭理事からのお話のように、国民は安心できない。九〇年のイギリスからの警告をほったらかして、しかも規制直前の九六年三月から四月、メーカーは駆け込みで肉骨粉を使っております。さらに、規制後も肉骨粉を使った牛用の飼料の回収、これもされておりません。国内の感染牛三頭とも九六年四月に生まれておりまして、九〇年ごろから英国産の肉骨粉による危険性が指摘をされておったわけでありますけれども、九六年に国内で二次感染した可能性も考えられる。そこら辺りも一定程度つかめないと究明は難しい、このように思うんです。
 そこで、国内産の肉骨粉は大丈夫だったのか、まずこの点をお聞かせを願いたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) BSEの原因究明、何回も御指摘をいただいております。我々、去年の十一月三十日に第一次の中間報告を発表したわけでございますけれども、その後、専従チームの体制を整えまして、この三月の十五日に第二次中間報告を公表をしたところでございます。
 先生の御指摘は、いわゆる二次感染の問題だろうと思うわけでございます。現時点では、その三例の感染牛、先生言われるように生年の月日が極めて近いということになっておりますので、疫学的にはこの前後に輸入された肉骨粉等が感染原因となったのではないかということで、まずはそこの究明に全力を挙げているわけでございますけれども、二次感染の可能性についても排除できないわけでございまして、一九九五年以前にさかのぼった輸入肉骨粉等の調査というものも今後徹底的にしていきたいというふうに考えているところでございます。
○小斉平敏文君 今回のBSE対策に関しましては、畜産農家向け、これが中心でありまして、これは当然必要だと、このように思うんですが、その一方で、そのことに比較して、全頭検査が実施をされたとはいえ、消費者が国産牛肉に対する不安、これを完全に払拭するための対策が私は遅れておると、このように思うんです。食の安全に関しましては消費者の目に見えるような形で速やかにやるべきである。信頼を失った、こう言ったらなんですけれども、農水省が、などのいわゆる既存の機関が幾ら安全だと言っても、消費者の不安や疑念、これは払拭できない。したがいまして、行政機関が今のままでは牛肉の消費は回復しないし、消費が回復しないと農家がもたないという話であります。
 食品安全庁のような機関の設置やJAS法の罰則や監視体制の強化、これらに向けて検討が進められておるようでありますけれども、悠長なことをやっておったら農家はもちません。いつまでに検討を終えてそのような体制が整備されることになるのか、農水大臣の御見解をお聞かせ賜りたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のように、BSE問題につきましては、客観的な検証、科学的な知見に基づいた議論というものが大事だと、このように思っておりまして、そういう意味で、厚生労働大臣と私の私的諮問機関としてBSE問題に関する調査検討委員会を昨年十一月に設置いたしまして、今大詰めの御議論をいただいているわけでございます。四月二日にはその御報告をいただけると、かように承知しているところでございますが。
 私ども、こうした調査検討委員会にいろいろゆだねてはおりますが、それだけではございませんで、これまでも何度も国会でも御答弁させていただきましたけれども、食の安全、安心ということは農政の基本でございます。先ほど来申し上げておりますように、生産者サイドから大きく軸足を消費者に移して農林水産行政を展開してまいらなければならないと、かようなことからいろいろな努力をしておりまして、これまでにも消費者の皆さん方との食と農を語り合う会を行っておりますし、また三十日にはその地方版、農林水産省版のタウンミーティングも、第一回目は岡山で実施する予定でございます。
 この食の安全ということについて、この第三者委員会を設置する経緯が、そもそも私は、行政の構造的な問題があるということで、これは役人任せにはできないと。したがって、政治主導で執念を持ってこの問題を解明していこうということで設置させていただきました。
 その一つの目標は、畜産・食品衛生行政の一元的な在り方というものはどういうことなのか、そして食の安全というものをまた確保していくというためにはどういう対応が必要なのかということを求めるべくお願いしているわけでございまして、私ども、総理も既にこの食品安全に係る行政組織についても、この第三者委員会の御報告を待って、また与党でももう既に御論議いただいておりますので、これが報告された暁には、今委員御指摘のようにやはりスピーディーに対応するということが必要だと、このように思いまして、農林水産省の中でも既に並行して、この食の安全と安心の問題、そして行政対応の在り方、新たなシステムづくりということを検討させている次第でございまして、委員の御指摘、御提案を踏まえて、更によりスピーディーに対応する努力をしていきたいと、このように考えているところでございます。
○小斉平敏文君 私は、食品安全庁か基準庁でも何でもいいんですが、こういうものを作ったらどうかということは昨年の十月の委員会でも質問をいたしました。
 そのときにいろいろ話をしておりまして聞こえてくる声というのは、省庁の再編あったばっかりだからそんなの無理ですよと。あるいはまた、所管にかかわる問題、これが提起されると、すぐ権限争いがある。うちの役所じゃ、うちの役所じゃというような話がある。だから、そういう状況というものではないという認識が足らないと。もうちょっと厳しくこれらの問題を認識していただきたい。
 イギリスでは食品基準庁あるわけでありますけれども、これに匹敵するものがやっぱり我が国も早くやらないと駄目だと。新たな機関を作っても、いわゆる今ある関係部局、これを寄せ集めて作っては私は意味がないと思うんです。
 表示制度でも、今一生懸命やられておるんですが、国民が信用しないとこんなのは意味がないんです。全く意味がありません。だから、権威と権限を持った独立した機関を作って、ここが安全だと言えば国民も絶対安全だと信じる、ここが駄目だと言えば企業が成り立たなくなるような、それぐらいのものが私は必要だと、このように思うんです。
 今の表示問題を見て非常に残念でたまりません。これが実現すれば、今、正に日本の農業、これを再生させる最大のチャンスになると私は思うんです。国内産のいわゆる農産物、これが少々高くても安心、安全ということが国民が理解をしていただければ、私は、輸入に十分対応して、対抗して生き残ることができると私はこのように思います。
 ですから、今、大臣の方から御答弁がありました、スピーディーにという話でありますが、私はやっぱり今国会にこの設置法案を出すぐらいのやっぱりあれがないと、下手すると一年や一年半後にこういうものが出てくるんじゃないかという、私自身、危惧するんです。
 ですから、やっぱり今の状況、BSEの置かれた状況、いわゆる日本の農産物の状況、置かれた状況、これをやっぱりぴしゃっとするためには、一日も早いやっぱり設置、今国会無理でしょうけれども、しかし、それを含めてもう一回、大臣の御見解を賜りたい。
○国務大臣(武部勤君) やる気満々で今取り組んでいるわけでございます。満々というよりも本当にやらなければならないということで、雪印食品の問題発生以後も、私どももこれは徹底してうみは出さなくちゃいけない、もうあらゆる問題を出し尽くすと、そういうことで取り組んでいる所存でございますが、今、委員から今国会に設置法案を出すべきではないかというお話がありましたが、先ほどもお答えしましたけれども、JAS法の改正については私はできる限り今国会で罰則の強化など、監視体制の強化などを含めた法改正をしたいと、こう思っているわけでございます。
 その食品の安全、安心の問題については、今ヨーロッパの例も挙げられましたけれども、やはりリスク分析ということが私は非常に大事なんじゃないかと、このように思います。私も農林水産大臣に就任以来、このBSE問題と半年以上も取り組んでいるわけでありますが、安全と安心の間にこんなに大きな距離があるものかということを、反省を込めて今痛切に感じているわけでございます。
 その際に、確かにスピーディーにやらなくちゃいけない、かように存じますが、同時に、第三者委員会の御報告がどういう形になるか、それを見た上で、やはりリスク評価、リスク管理、更にはリスクコミュニケーションという問題を、行政組織の対応も含めて、どういうふうに位置付けていったらいいのかということについても相当な議論が要るのではないのかなと。
 縦割り行政のお話もございました。だからといって、この農林水産省に全部一元化するということもなかなかできるものではないだろうと思いますし、ベターとも思いませんし、また厚生労働省に一本化するというようなことも、これまたそうはならないであろうと思うんですね。ですから、リスクの評価又はリスク管理、リスクコミュニケーションといったことをどのように位置付けて、この食の安全と安心を確保するシステムづくりを考えていくべきかということについて、真剣に取り組んでまいりたいと、正に今が一つの大きなチャンスだというふうにも受け止めて取り組んでまいる所存でございますので、御理解いただきたいと思います。
○小斉平敏文君 それと、地方への財政支援、これも非常に重要であります。このままでは今、市町村あるいは都道府県、いろいろな対策を講じておるわけなんですけれども、例えばえさ代とかあるいは交通費、これらもう支給、独自に出しておる市町村、たくさんあります。しかし、それらが言うには、今のままいつまで続くのか、今の状況がどんどん続いていけばもうとても財政は持ちこたえられぬと、このように言われておるんです。
 今回のBSE発生の責任が、国に大変大きな責任があるということで、これは私はそうだと思うんです。ですから、特別交付税もやっぱり地方が要した費用の全額、これをやっぱり出すべきだと、このように思うんですけれども、政務官のお考えをお聞かせください。
○大臣政務官(岩永浩美君) 委員も地方議会の御出身だから、私も、こういう問題が発生したときに地方財政に及ぼすこと、よく私たちも理解をいたしております。
 大変、今回の佐呂間町や群馬県宮城村のBSEの患畜関連の市町村を中心に、多くの自治体において独自のBSEの関連対策に鋭意取り組まれてこられました。このようなことを踏まえて、昨年末、片山総務大臣に対し、武部農林水産大臣から特別交付税措置について特段の御配慮をお願いをしてきたことは御案内のとおりでございます。この結果、平成十三年度の特別交付税のうち、BSEに係る特別交付税として約三十七億円が措置されたことと承知をいたしております。
 いずれにしても、BSE対策の推進において地方自治体の果たす役割は大変大きいと私も理解をし、そういう認識に立ち、農林水産省としても関係省や地方自治体と一層連携を深めて、BSE対策に万全を期してまいりたいと思っております。
○小斉平敏文君 次に、森林・林業の活性化に関しまして質問をいたしたいと思います。
 環境の世紀と言われる二十一世紀、森林の重要な働きが世界的に認知をされて、その健全な育成管理、これは人類共通の願いになっておると、このように思います。
 昔から我が国における森林管理、これは山村の林業生産活動、いわゆる伐採し植栽、保育、間伐、成林、伐採と、これの繰り返しによって担われてきております。このことは山に、山村において山の仕事で相応の収入があるから、生活ができたから続いてきたんだ。しかしながら、例えば我が国の主要な木材である杉丸太、これの市場平均価格、昨年来、二十年前の三分の一にも満たない、一立方メートル一万円から一万一千円の水準にまで落ち込んでおります。
 四十数年掛けて一生懸命育ててきた林家がこれを売っても実質収入ほとんどゼロという状況なんです。このままでは山はいわゆる林業離れが急速に進んで、山村、ひいては多くの木材関連産業、これの崩壊を招く。そして、森林の持続的かつ適正な管理、これが困難になるということは目に見えておるんです。
 昨年六月、新たな森林・林業基本法が制定をされまして、その基本理念として、森林の有する多面的機能、これの発揮、そしてそれを支える林業の持続的かつ健全な発展ということが掲げられた。また、十一月にはその新基本法に基づく森林・林業基本計画、これが策定をされて、中長期的な林政の展開、方向が示されました。
 しかし、山村ではどこにも明るさが見えないんです。将来に対する不安がもうどんどんどんどん高まっている。林業従事者の意欲は著しく減退をいたしております。特に、条件の悪いところに行けば行くほどこの傾向が顕著であります。何とか山村に踏みとどまってもらって、継続的に森林の整備、これに従事してもらわないことには、中長期の展望、これの実効性の確保はおぼつかない、このように思います。今を乗り切る方法、方策、そのことをここで打ち出すということが最も重要だと、このように思います。
 林業従事者、多くの公益的機能、これを高度に発揮する健全な森林の育成管理、これに誇りを持って取り組めるような仕組みづくり、これが緊急の課題である、このように思います。
 そこで、まず本質的な議論の前に、花粉症問題について若干お尋ねをいたします。
 実は、私の隣のお座りの加治屋先生も花粉症で非常に悩んでいらっしゃいます。あるいは、つい先日、田舎に帰りましたら、ある奥さんが、もうどうしても杉とヒノキ、これを全部切り倒してくれ、もうたまらないと、こういうお話も聞きました。
 森林の公益的機能ということを高度に発揮をさせていくためには、健全な森林の育成管理、これが必要であるということは大臣も十分承知をされておると思うんです。しかし、今の林業の実態からすれば、林業者自らが適正な管理、これを行うことは非常に困難であります。
 先日の読売新聞、これの社説に、花粉症の患者は国民病トップの二千万人を超えると言われておる、これは枝打ちが十分になされていない、あるいは伐期を過ぎたものが山にかなり多く点在している、こういう話が書いてありました。
 これは正に森林の管理が滞っておるということを如実に表しております。花粉の少ないもののいわゆる杉の育種も進められておると、このように聞いておるんです。しかし、長期的には緩和する可能性、これはあるにしても、根本的な解決には私はならないのではないかと、このように思うんです。
 ですから、杉花粉の影響を緩和をして花粉症問題に対応するためにも、また森林の多面的機能、これを持続的に発揮させるためにも、森林の適正な管理、これが実施されるように公的な支援、これを拡充をすべきだと、このように思うんですが、副大臣、いかがでしょう。
○副大臣(野間赳君) 花粉症対策といたしまして、原因の究明、予防及び治療、発生源に関する対策を総合的に推進をしていくことが不可欠でありまして、農林水産省といたしましては厚労省、環境省と連携をして総合的に取り組んでいるところであります。
 具体的に申し上げますと、森林・林業面からの花粉症対策といたしましては、花粉の少ない杉品種等の選定や普及、花粉の発生抑制にも資する間伐対策の推進等の対策を講じておるところであります。さらに、平成十四年度からは新たに、都市周辺におきます杉人工林等を対象に雄花着花量の縮減を図る抜き伐りなどを実施をしてまいります。花粉症対策に資します枝落とし等を行う森林ボランティア活動の支援などに必要な予算を計上いたしておるところであります。
 今後とも、関係省庁と十分な連携を図ってまいりながら、これらの対策により花粉症対策の一層の推進を図ってまいる所存でございます。
○小斉平敏文君 是非一生懸命頑張っていただきたいと思います。くれぐれも加治屋先生からもこの問題必ずやれという話でありましたので。
 それとCOP7、これの合意や中央環境審議会の、これの答申を受けて、政府も森林の整備、これを一層促進していくというような方針であるようでありますけれども、先ほども申し上げましたように、大変な木材価格の低迷ということがあります。このような状況がやっぱり続いていけば山の担い手はいなくなる、そして多面的機能を発揮できなくなる、このように思うんです。
 もう私が先日行ったある四千五百人の村、四百人見えていましたけれども、お年寄りばっかりいたんです。もう正に担い手不足、そういう現状なんです。ですから、やっぱり政府は森林・林業基本法の基本理念、その基本計画の実効性、これをどのように確保しようとされておるのか。抽象論ではなくして将来の山のイメージ、これを描き出せるような実効性のある具体的な施策を示す必要があると、このように思うんですが、大臣のお考えをお示し願いたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 森林・林業基本法及び森林・林業基本計画に基づきまして、委員ただいま御指摘のございましたように、新しい理念であります森林の有する多面的機能の発揮また林業の持続的かつ健全な発展と林産物の利用の促進、この理念に従いまして、森林・林業・木材産業に係る政策の再構築を図ってまいらなければならないと、かように存じます。
 具体的には、重視すべき機能に応じまして、森林を水土保全林、森林と人との共生林、資源の循環利用林に区分いたしまして、これに応じた多様な森林整備を推進するとともに、森林施業の実施に不可欠な地域活動を確保するための支援措置として森林整備地域活動支援交付金を創設したところでございます。
 ここのところがこのたびの新しい理念に基づく一つの大きな政策の柱だと、かように考えておりますし、また林業の担い手への施業や経営の集約化、需要構造に対応した木材の安定供給体制の整備、地域材の利用の推進等、林業、木材産業を通じた構造改革を図る施策を展開するほか、山村地域の生活環境の整備、都市と山村の共生・対流の推進等による活力ある山村づくりを図るということとしておりまして、これらの施策を総合的に推進することによりまして、基本法の理念と基本計画の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと、かように存じます。
 私ども、食料の安定供給と美しい国づくりということを柱にしておりますが、正に美しい国づくりというのは、一つは大きな柱は森づくりだということでございまして、この地球温暖化対策も含めまして、CO2の吸収源であります森林整備ということについては格別なる財政措置が必要だということを財政当局にも申し上げてまいりたいと、かように存ずる次第でございますので、御支援をお願いしたいと思います。
○小斉平敏文君 林業家の経営、これが成り立つような具体的な対策を今取らないと、私は将来大変なことになると、このように思います。将来、林業に関しましても、BSE問題と同様に、危機意識が欠如していたと大臣すぐ言われますけれども、ということにならないように、やっぱり農水省、真剣に考えてもらいたい、このように思うんです。
 木材価格は、先ほど申し上げましたように一立方メートル当たり一万一千円平均、大体、だそうであります。しかし、いわゆる林家、この方々に話を聞くと、掛かりのいいところで一万三千円あれば何とかかんとかなる。掛かりの悪いところでは一万五千円ぐらいあれば何とかなる。これがもう非常に林家の悲痛な願いなんです。価格に対する願いなんです。
 私は、やっぱり本気で木材価格の安定対策、これを考える必要があると私は思います。比較はしていいかどうかということは私も分かりませんけれども、例えば加工原料乳、これには交付金がある。一定の価格を交付金として交付をして、メーカーが国産のものを原料として使って経営が成り立つよう、また生産者の経営が成り立つように配慮している。酪農も旧基本法の下で選択的拡大策、これを目指してきた。林業もまた旧基本法の下で大幅な造林を進めてきた。そして、林業の経営環境が悪化した昭和五十年以降も、いずれ国産材の時代が来ると言い続けてきたのは農林水産省なんです。経営環境が悪いなりにも二万円を超えておった時代は何とかなった。農水省もそのような認識だったと思うんです。
 事ここに至っては、もうそういう考えは通用しません。国内には一千万ヘクタール、これを超える人工林があると言われています。このことも考え合わせて、川上の林業経営が成り立ち、その地域材、それを使った川下の木材産業が成り立つ、地域材、ひいては国産材の需要拡大につながるような木材価格安定対策、これを取る考えはないのかどうか、長官にお伺いします。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今お話が出ましたとおり、木材価格、大変低迷をしているところでございまして、木材価格の安定をどうするのかというのは大変大きな問題でございますけれども、こういった低迷をしてきたということで考えていきますと、やはり木材の需要構造が変わってきていると。今までの住宅でいきますと、未乾燥材といいますか、グリーン材でも、それはそこそこの需要があったというような状況であったわけでございますが、今の住宅着工で見ていきますと、もう乾燥材でなければなかなか価格が出ないというような状況に変わってきているわけでございます。
 そういう点でいきますと、やはりそういったものにどう対応するのかということをこれは考えていかないと、なかなか木材を使っていただけない、地域材をきちっと使っていただけないということになるわけでございまして、我々としては、木材産業の構造改革をどう進めるのかということについて積極的に取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
 そのために、何といいましても、やはり木材が安定的に、それからロットもまとまって、品質も確保できて供給される体制というものを作り上げていくということが必要ではないかということでございまして、今回、都道府県とも連携を取りながら、林野庁としては、国、都道府県が一体となってそういった施策を進めたいというふうに思っているところでございます。
○小斉平敏文君 いま一つ、いわゆる内外価格差、これを縮小させるための努力も私は必要だと、このように思うんです。現在の国際環境の中で、自由化をやめたり大幅な関税を掛けるというようなことは困難であるということは十二分に承知をいたしております。しかし、今の国際環境だからこそできるものはないか、このように思うんです。
 昨年のCOP7の合意などに見られるように、地球温暖化の防止に果たす森林の役割の重要性、これは国際的な共通認識になっております。また、南洋材や北洋材の伐採による砂漠化や凍土の氷解、これが地球温暖化に与える影響への懸念も高まっております。砂漠化や凍土氷解の防止に向けた国際的な取組が求められておると。
 南洋材や北洋材の伐採跡地に速やかに植林を行い、これに必要な財源を確保するために、輸入されるいわゆる南洋材やら北洋材、特に天然の木材に一定の課徴金的なものを掛けて、これを国際的な機関に積み立てて、これによって植林や保育・育林、あるいは輸出国の地域の生活や経済支援、これを実施していく、このようなことを国際的に私は提案すべきじゃないか、このように思います。また、速やかに国際的な合意が得られない場合は日本が先行して実施するべきだと。このことによって内外価格差を縮小することも可能ではないか、このように思うんです。
 特に、京都議定書を取りまとめた日本だからこそこういうことに積極的であるべきだと、このように思いますし、国際的な理解も得られるのではないかと、このように思いますが、最後に大臣の見解をお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 先ほども申し上げましたように、地球温暖化の防止、また地球環境破壊防止に対しまして森林が果たす役割や機能は極めて重要であると認識しております。
 このような観点から、我が国は世界有数の木材輸入国として、各国の森林の有する多面的機能の持続的発揮を損なうことがないよう適正な輸入が確保されることが重要と考えているわけでございます。
 しかしながら、輸入品のみを対象として課徴金を導入することは、WTO上、関税の引上げに該当するのではないか、関係国との協議及び代償措置の提供が必要とされていることでありますので、これは実現は困難ではないかと、かように考えるところでございます。
 我が国としては、森林の保全・造成について、国際機関との連携等によりまして国際協力を実施するとともに、国際会議の場において持続可能な森林経営の推進の重要性についての我が国の考え方を表明してきたところでございまして、今後とも、WTO交渉においても、違法伐採の抑制等、持続可能な森林経営の推進に資する貿易ルールの確立に向けまして我が国の立場を積極的に主張してまいりたい、かように考えているところでございます。
○加治屋義人君 自民党の加治屋でございます。
 今、田中委員、小斉平委員から、BSEなど現状に対して強く厳しく適切な指摘がありました。農家の声が、消費者の声がそうだそうだというふうに聞こえてなりません。また、今、この委員会の中でもそういう言葉が出ました。武部大臣、そうだそうだという言葉は鹿児島弁に翻訳いたしますと、じゃっどじゃっどというんです。私は、生産者、消費者のじゃっどじゃっどの声を背に受けながら、まず質問の前提として、日本農業再生のための私見を少し述べさせていただいて、質問をさせていただきたいと思います。
 そもそも農業は、古来から農は国の本と言われました。また、食は命と健康の源と言われました。人間生活にとって最重要なテーマであり、分野であるはずです。戦後復興の過程で物と金を追い求める中、日本は大事な心の面がおろそかになって、その結果、経済大国ではあるけれども豊かな国ではない、そういう状況に至っていると思います。その一環として、食べ物を大切にする精神もなくしてしまったのではないか。農業の重要性も忘れてしまったのではないか。最近多発した一連の食品関連事件もこのことと全く無関係ではないと思っています。
 しかし、ここまで軽視されている農業を今後もこのままで放置したら、農業が破滅するばかりではなく、日本そのものが滅びてしまうのではないか。私は、農業を再生し、国の最重要分野に復活させたいと願っています。今、食品事件をめぐって日本の農業は危機に陥っていますが、ピンチはチャンス、そういう考え方をすれば、国民が食の安全に関心を強めている今こそ、食料・農業・農村の重要性を全国民にアピールして農業の再生を図るてこにもきっかけにもすべき良い機会ではないか、そういうふうに前向きにとらえるべきだ、そういうふうに思います。
 さて、平成十一年七月に制定された食料・農業・農村基本法の基本理念、四つございますが、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興。
 ところが、BSE、ネギなどのセーフガード、WTO農業交渉に加え、偽装事件など食品加工・流通の疑惑が発生をして、今や我が国の農業を取り巻く環境は最悪と言っても過言でない危機にあるのではないか、そういうふうに思います。
 そこで伺いますが、基本理念とギャップの大きい我が国農業の現状をどのように認識されておられますか。そして、実現達成のための取組について大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 加治屋委員から誠に重要な農業、また食料、農村に係る御発言がございました。正に食料・農業・農村基本法という根本理念というのは、私は、食と農の一体化と言って過言でないのではないかと、このように考えております。
 食料・農業・農村基本法は、ただいま委員御指摘のとおり、食料の安定供給の確保、多面的機能の十分な発揮、農業の持続的な発展、農村の振興、この四つの基本理念を掲げているわけでありますが、この基本理念と農業の実態にはギャップがあるという御指摘でございますが、ギャップがあればこそ、この理念を目標にして各種の強力な施策を講じていくのが我々の務めだと、このように考えているわけでございます。
 さような意味で、先ほど来申し上げてまいりましたように、私は、まずこの農業の構造改革ということに強力な手だてが必要だと、このように思っているわけでございます。そのためには、意欲と能力のある経営体、ここに農業経営の規模拡大や法人化の推進などの施策を集中していくと。それで、生産コストの削減や国内生産の高付加価値化等により、生産から流通にわたる体制を整備することによって食料の自給率の向上に向けた農業の構造改革を進めていくと。
 しかし、食料の自給率を上げようとしても、ここが私どもが消費者サイドに軸足を大きく移すべきだと主張している原点でありますが、消費者が求めるものを供給せずして自給率の向上もあり得ないわけでございます。BSEの発生以来、消費者の信頼確保ということが喫緊の課題になっておるわけでございますが、農林水産省としては、生産者と消費者の間に立って、食と農の一体化、生産者と消費者がお互いに顔の見える関係を構築していくということが今非常に大事なことではないかと、このように思っているわけでございます。
 また、農村の存在ということについては、私は都市の住民の皆さん方の間にも大きな心理的な変化が表れているように思えてなりません。中央と地方、都市と農村の対立関係というのはひところ顕著に見えてまいりましたけれども、しかしおいしい水、きれいな空気、美しい自然というものを都市住民の皆さん方は求めているわけでございます。
 そういう意味では、都市と農山漁村の共生・対流という、そういう関係にあるべきであり、農村をそういう関係でとらえて、都市住民にも開かれた農村コミュニティーの整備や自然と共生する環境の創造等を通じて農山漁村の新たな可能性を切り開いてまいりたいと。循環型社会というものをいわゆるリサイクルという、そういう小さいサイクルじゃなくて、やっぱり人と自然の共生、人間は自然界の一員である、そういう関係としてとらえまして、大きな意味での循環型社会の実現を目指していくと。そういう意味で私どもは、この食料・農業・農村ということについては国民的な合意が得られる、そういう状況にあるんじゃないかと。
 先ほど、ピンチはチャンスだというお話がございました。今日ほど消費者の皆さん方、国民の皆さん方が食の安全ということに注目しているときはないと思います。そして同時に、どういうところでどのようにして生産者の方々が苦労しながら努力しておられるかということについても、都市の皆さん方、消費者の皆さん方にも非常に深い関心を今与えているんじゃないかと、このように思います。
 そういう、ピンチはチャンスという今お言葉がございましたけれども、私どももそういうふうにしっかりとらえまして、生産者と消費者の顔の見える関係、食と農の一体化、食と農と美の国づくりということに向けて真剣に取り組んでまいりたいと、かように存じます。
○加治屋義人君 平成十二年に出された食料・農業・農村基本計画、これは食料自給率向上の目標達成が平成二十二年度で四五%となっています。しかしながら、この目標達成を困難にする要因が多く存在していることから、目標実現が危ぶまれるのではないかと。
 すなわち、一つには、農業従事者が高齢化及び後継者不足から減少する。二つ目には、生産性やコスト面で競争力のある外国産輸入食品は将来も増えるであろう。三つ目に思いますのが、今回起こった一連の食品関連事件で国産食料の最大の優位性だった食の安心が失われ、しばらくは国産食料離れが続くかもしれない。四つ目に思いますのが、試算によると、平成二十二年度における我が国の自給率予想値、これは趨勢でありますが、それは三八%とされておりますが、よく考えてみますと、平成九年四一%、平成十年四〇%と一年間で一%減るのに、八年後の二十二年で三八%というこの数値は全く根拠に乏しいのではないか、そう思ったりします。
 そこで伺いますが、このように目標達成を阻害する要因の多い中で、平成二十二年度の食料自給率目標四五%の達成が本当に可能と考えられるのか、特に阻害要因の一番目に挙げた農業従事者の減少をどう食い止め、どのように農業者を育てていくのか、その点、併せて農林大臣の見解を伺いたいと思います。
 それから次に、安全、安心を回復するために自然農法がもっと見直されていいのではないかと思っています。日本の農業を考えたとき、その弱点は価格が高いこと、それは国土が狭いため小規模栽培を余儀なくされ、生産性が低いこと及び労働力や流通など高コスト構造によるものと思っています。
 他方、強み、長所は何かといえば、何といっても安全で安心な食料という点であります。だからこそ、輸入食品に比べて国産食品が割高でも消費者は国産品を買ってまいりました。今回の信頼が根底から崩れてしまったのは誠に残念でありますが、日本の農産物の信頼を回復して再生を図るポイントは、やはり安全と安心を取り戻すことだと考えています。
 つまり、私は、一つには、草食動物は植物性飼料で飼育をすることだと。二つ目には、毒性のある肥料や農薬は使わないことだと。三つ目に思いますのが、季節野菜など、しゅんを大事にした栽培をすることだと。四つ目に思いますのが、食品添加剤、着色料、防腐剤などの使用をやめることだと。その結果として生産が低下し価格が高くなったとしても、国民の健康と安全には代えられません。今や安全は金で買う時代であります。エンゲル係数が三%から五%上昇したにしても、経済大国日本の消費者は納得してくれるのではないか、そう思っています。
 この考え方について、農林大臣の所見を伺います。
○国務大臣(武部勤君) まず最初の御質問は、平成二十二年に四五%の自給率達成が可能なのかどうかというお尋ねでございますが、食料・農業・農村基本計画においては、そのように基本法に基づいて目標値を立てているわけでございます。
 この目標値の背景には、今現在地球上の人口は六十数億でありますけれども、あと五十年すると九十億を超えると。今、既に八億の民が栄養失調に苦しんでいると。それから、毎年約五百万ヘクタールが砂漠化していると。これは後楽園球場のグラウンドが一分間で七個も消滅していくということに匹敵するんですね。そういうことを考えますと、世界の食料事情、需給事情というのは、私は将来大変な事態になるのではないか。
 したがいまして、このOECD加盟国の中でも三十か国中で二十八番目の低い自給率なのでございます。そういう我が国の実情、実態を考えますと、これはもう国家戦略として自給率向上を目指していかなければならない、そういう考え方に立ってこの食料や農業のことを真剣に取り組んでいかなきゃならないと、このように考えておるわけでございまして、そのためにはやはり、先ほど来から委員御指摘のように、国民的な合意、国民的な理解と協力というものがなければならないと思います。
 そういう意味では、ピンチはチャンスというお話がありましたけれども、ともすると生産者の中には、自信を持って生産している国産農産物、なぜ消費者は買って食べないんだというような、私は、おごりに似た独善的なものはなかったのかなと。そういう意味では、農林水産省も反省しなければなりません。
 そういう意味では、今回、私どもも、BSE問題発生して、人の命と健康をまず守ることを優先して全頭検査というものに取り組んだのでございますが、消費者サイドに軸足を移して、消費者が求めるものを供給していくということを一つの大きな今後の施策の柱にして、自給率向上に向けて国民的な協力も得なければならないんじゃないかと、このように思います。
 また、担い手の問題にいたしましても、実は農林水産省のホームページの一番最初のページに、農業をやりたい人を応援しますというふうに、これは消費者との懇談会の中で指摘されまして、どうしたら農業をやれるでしょうかと質問がありましたので、私は、ホームページの一番最初にそれを入れさせました。何と十日間で千五十七件ありました。一日に百件以上のアクセスがあるということは、多くの国民の皆さん方の間にも農業や農村に対するあこがれというものも芽生えているんじゃないでしょうか。そういうような意味では、生産サイドでは本当に意欲と能力のある人々に施策を集中していくということと同時に、また農村の在り方ということについて新しい可能性というものを追求できるんじゃないかと。
 私は、自給率を四五%にするというのは非常に難しい課題だと思いますけれども、しかし私は不可能ではないと。食生活の見直しに対しまして、生産者サイドのみならず、消費者の皆さん方も非常に注目をしているわけでありますので、この機会に国民的な運動を展開していくこととしてまいりたいと、かように思うわけでございます。
 抽象的なお話になったかもしれませんが、また具体的な御質問があればお答えしたいと思います。
 そして、二つ目の御質問は、正にこれから我が国農政、農業が目指していくべき一つの大きな、私は、方向付けを委員は指摘されたと、このように思っているわけでございます。
 価格競争だけが私は国際競争ではないと思うんですね。より安くより安全で、よりおいしい新鮮な高品質なものを供給していくということが一つの目標であろうと思いますし、同時に、より安くということよりも、安くなくてもいいからより安全でより高品質なものを供給するということであるならば、消費者の目も変わってくるのではないかと、このように思いまして、今、自然農法についての御指摘がございましたけれども、野菜政策についても今後、有機農法等、差別化を目指しているわけでございまして、食に関する様々な課題が顕在化している今こそ、国民、消費者の安心と信頼の回復に向けた今後の農業・農村の在り方というものに取り組んでいくチャンスだと、かように思っておりまして、具体的には、堆肥や緑肥による土づくりの推進、また有機物の循環利用の促進、農薬及び肥料の適正な使用の確保等々、環境と調和の取れた農業生産を図ってまいる所存でございます。
 いずれにしましても、生産者と消費者の間の顔の見える関係というものを明確にしていく、そして消費者の食に対する不安を解消して、信頼回復に全力を挙げていくということが今非常に大事だと、かように考えている次第でございます。
○加治屋義人君 ありがとうございました。
 食品の安全確保という点でお尋ねをする予定にしておりましたけれども、先ほどの小斉平委員、田中委員と重複しましたので割愛をいたしますが、ただ、要望として、分離独立した行政組織を設置をして、この新たな機関に調査権なり勧告権を与えた上で、そういう縦割り行政の弊害、そういうものをなくして、しっかりとやっていただきますように要望をさせていただきたいと思います。
 次に、これも小斉平委員と重なる部分がありますが、昨今、遺伝子組換え食品、ダイオキシン、BSE、農薬や動物用医薬品の残留など、食の安全性に対する消費者の不安が高まる中で、食品加工業者による牛肉、豚肉、鶏肉の偽装や野菜の産地表示の偽装など、流通過程においてあってはならない事件が発生をして、消費者の食に対する不安は更に募りつつあります。
 消費者にとって食品表示は、食品の安全性、品質の保証を確認するための情報であり、この情報が作為的に操作されてしまうと、生産者と消費者の信頼関係までも損ないかねない事態の発生が危惧されております。
 そこで伺いますが、現在のJAS法、これは農林水産省、食品衛生法、厚生労働省、景品表示法、これは公正取引委員会と複雑に絡み合っておりますが、ここでは、JAS法について、違法行為を犯した企業に対し厳しい罰則規定を設けて、表示や情報提供への信頼性確立のための措置を厳格にしていく必要があると考えておりますが、農水省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 消費者保護を第一に、消費者に軸足を置きました農林水産行政を展開をします観点から、JAS法に違反した事業者につきまして公表をいたしましたり、罰則を強化するという考え方は私も理解のできるところであります。
 このため、まず罰則の強化につきましては、でき得れば今国会でJAS法を改正したいと考えております。
 さらに、食品の表示が消費者保護の観点から十分機能するよう、食品衛生法、不当景品表示防止法などを所管をいたします厚生労働省、公正取引委員会とも協議をしながら、消費者に分かりやすく信頼性の高い表示の在り方について政府全体で検討をしていくべきだと考えております。
○加治屋義人君 ありがとうございました。
 次に、水産関係について伺いたいと思います。
 国において水産資源の安定供給の確保、水産業の健全な発展を基本理念として、水産基本法の基本理念を踏まえ、効率的かつ安定的な漁業経営の育成を図るべく御努力をいただいているところであります。しかしながら、今日の水産業を取り巻く環境は、二百海里体制の定着に伴う漁場の制約、資源の減少、漁獲量の減少に伴う経営の悪化、担い手、高齢化問題などなど、特に沿岸漁家にとっては正に深刻な問題であります。
 沿岸漁業整備開発事業などの活用によって、それぞれの自治体や漁業組合など、積極的な漁場造成、放流事業による栽培漁業、漁民の森づくり事業など、資源を大切にという愛情を持って大切に資源管理型漁業の推進に努めておられます。しかしながら、心を込めて育てたこれらの漁場を操業効率の高い漁法である沖合底引き網による操業は沿岸漁家にとって深刻そのものです。この人たちの心情に触れますと忍び難い心境もありまして、いささか地域的質問で大変恐縮でありますが、五年ごとの見直しで沖合底引き網漁業法が漁業法に基づいて本年七月までに見直しがあることから、沖合底引き網漁業区域と沿岸漁業との整合性について伺いたいと思います。
 第一点は、奄美群島周辺地域におけるムロアジ資源保護管理に関する協定について、ムロアジ資源の保護管理の強化という立場で大中型巻き網漁業者との協議がなされて、その協定が改正されたとお聞きしておりますが、その内容と今後の対応について一点目を伺います。
 二点目には、種子島、屋久島近海など、人工漁礁、漁場及び天然そねを沖合底引き網漁業の操業禁止区域とするなど操業禁止区域を拡大すべきだと思いますが、御所見を伺いたい。また、過去の経緯から違反操業の取締りが何としても必要だと言われます。その強化策と違反者に対しての行政処分は迅速、厳正であるべきと思いますが、併せて伺いたいと思います。
 最後に三点目に、水産庁では沖合底引き網漁業に関する漁法変更について各地で説明会を持たれていると聞いています。資源回復という名の下に、網を引く船を二艘から一艘引きのオッタートロールに変更するという水産庁の案に対して、地元漁業関係者は、資源回復に逆行する、しかも一艘引きは浅瀬から深瀬まで網が下ろせる、またオッタートロールで海底を引き回して、砂連、魚の沈着卵など破壊するとして、規制緩和や漁法転換が沿岸漁業との調整がないまま実施されると大きな問題が発生すると思っているところでありますが、今後どのように対処されるのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) お答えいたします。
 まず第一点でございますけれども、ムロアジ資源の保護管理に関する協定の件でございます。
 去る三月五日に奄美群島水産振興協議会と大中型巻き網漁業者の間で協議がまとまりました。その内容でございますけれども、沿岸及び大中型巻き網漁業相互の操業自粛海域の範囲の見直しというのが一点でございます。また第二点といたしましては、操業自粛期間をすべて周年とし、ムロアジ資源の保護管理措置が強化されたところでございます。
 今回の協定の改正、関係漁業者の大変な御努力によりまして取りまとめられたものでございます。水産庁としてはこれを最大限尊重するとともに、今後とも漁業者間の協議が継続的に行われるよう指導していきたいというふうに考えております。
 第二点のお尋ねが、種子島あるいは屋久島近海におきます操業禁止区域の拡大の件でございます。
 昨年来、現在の周辺三海里を更に拡大をしてほしいという漁業者からの要望ございます。このような点につきまして、沖底漁業者とそれから沿岸漁業者の間におきまして海域ごとに検討が行われているという段階でございます。水産庁といたしましては、当事者でございます沿岸漁業者、また沖合漁業者間の話合いを通じて解決を図ることが基本というふうに考えておりますけれども、この話合いの結果を踏まえまして今後適切に対処していきたいというふうに考えております。
 また第三点、沖底漁業者の違反の取締りの件でございます。
 委員御指摘のとおり、違反操業の取締りの強化、また違反者に対します迅速、厳正な行政処分に関しましては従来から努めているところでございます。今後とも、必要な取締り船の派遣、また航空機によります監視に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
 第四点が、いわゆる二艘引きから一艘引きへの転換でございます。
 水産庁といたしましては、今回の漁法の転換が資源の持続的利用を図る観点から有効だというふうに思いまして、そのような観点から御説明しているところでございます。漁法転換によります漁獲性能につきまして、漁具、漁法の専門家から構成されます専門技術検討会におきましては、一艘オッタートロールへの漁法転換をすることによりまして漁獲性能が約六割に低下をするというような示唆もされているところでございます。
 今回の漁法転換につきまして、委員御指摘のとおり、まだ十分に沿岸漁業者の理解が進んでいないというふうに私どもも認識をいたしております。したがいまして、引き続き関係漁業者の調整を図り、また沿岸漁業者の理解を得るよう努力をしていきたいというふうに思っておりまして、関係漁業者の十分な理解を得た上で、今回の一艘トロールに転換を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○加治屋義人君 やはり沖合漁業、沿岸漁業、まあ過去の様々な問題等があったこともよく知っておりますだけに、この沖合底引き網漁業と沿岸漁業との十分な調整、その整合性、しっかりこたえていただきますようにお願いをする次第です。
 次に、新聞報道によりますと、三月の十二日、次期WTO事務局長のスパチャイ氏というんでしょうか、タイ国の副総理だったんだそうですが、武部農水大臣が会談をされた際に、日本の主張する農業の多面的機能について全面的受入れが困難との反応だった由、今後のWTOにおける交渉が容易でないことが予想をしたわけであります。これまでにもWTOの交渉では、相手側の主張に押され、受け身のまま日本の主張が通らず、不利な結果を強いられる場面も多々ありました。中国が新規加盟し、ますます厳しい交渉場面が予測される中で、日本の国益を守るためにしっかりとした日本のリーダーシップを発揮して交渉に当たることが重要だと思っています。
 質問でありますが、WTOの今後の交渉にどのように対応されようとしているのか、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 御指摘のとおり、先般、スパチャイ氏にお会いいたしまして、我が国のWTO農業交渉に臨む考え方について率直に申し上げた次第でございます。まあ議長という立場でありますので、私どもの考えを十分聞いていただいたとは認識しておりますけれども、今御指摘のように日本の提案は受け入れ難いというようなそういうものではなかったのではないかと、このように考えておりまして、私どもは十分今後論議を尽くすようにということを要請した次第でございます。
 昨年十一月に開催されましたドーハ閣僚会議におきまして採択された閣僚宣言におきましては、農業分野については非貿易的関心事項に配慮すべき、あるいは農業交渉の結果を予断すべきでないとの我が国の主張が全面的に受け入れられたと、私ども、かように認識いたしております。これによりまして、多様な農業の共存ということを基本的な目標といたしまして、農業の多面的機能への配慮や食料安全保障の確保等を追求する日本提案の内容を主張し得る交渉の枠組みは確保されたと、かように考えているわけでございます。
 しかしながら、これから交渉が本格化する中で各国の立場の違いがそれぞれ鮮明になってくるであろうと、かように思いますし、厳しい交渉が予想されるところでございまして、我が国としては、今回採択されました閣僚宣言を踏まえまして、今後とも、EU、韓国等、我が国との考え方の近い国々との連携を更に強化していくことが必要だと、かように考えておりますし、我が国の考え方を力強く主張してまいりたいと、かように決意を新たにしている次第でございますので、御支援をお願いしたいと思います。
○加治屋義人君 いろいろと質問してまいりましたけれども、本当に厳しい現状の中で、武部大臣、また野間副大臣、岩永政務官、本当にこの御努力に感謝をさせていただいておりますが、しかし日本農業の再生のためにこれからも頑張っていただきますように、そして我々は、じゃっどの声を出しながら応援をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 委員長、これで終わります。
○委員長(常田享詳君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査のうち、平成十四年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次発言をお願いいたします。
○和田ひろ子君 民主党の和田ひろ子でございます。よろしくお願いします。
 我が農林水産委員会のまくら言葉とも言えるBSE問題についてちょっとお尋ねをいたします。
 週末に農家の方々をちょっと回ってまいりました。出荷できていますか、肉を買っていただいていますかというふうに私が質問をしましたら、今日売ってきましたということでした。そして、とても晴れない顔をしておられました。どのくらいで買ってもらったのと言ったら、本当に、三十万にならなかったというふうに言っておられました。四十万から五十万の素牛代、そして、二十か月から二十四か月育てた牛を三十万で売らなくてはいけなかったんだよ、でも、買ってくださるところは、安くてもいいかいというふうに聞かれたというふうに言われました。
 安くても買ってもらわないと私たちはどうしようもない。えさをくれていればいいんだけれども、えさをくれていたら牛が死んじゃう。もうビタミン不足だし、筋肉がもう弱っているので、必ず死んでしまうそうです。だから、安くても買ってもらいたい。ズル病にするのなら買ってもらうしかない。もう買うところも、本当に買っても売れないから満杯なんだけれども、でも農家のお気持ちを考えて、安くてもいいのならお買いしましょうということだったそうです。四十万から五十万してそろえた牛を三十万で売らなくてはいけない私たちの気持ち分かってというふうに言われました。大臣は本当に分かっていらっしゃるのかなと思います。
 そして、その人たちが言うには、もう私たちは子牛を更新しないというふうに言っておられました。でも、私たちは子牛を更新しないということはできるけれども、子牛を生産している農家のことを思えば、本当につらいだろうなという、自分が困っているけれども、子牛を生産する農家のことも思いをはせています。そして、肉屋さんは、米も野菜もない町場の人たちはどうして、肉屋さんはどうしているんだろうなと、やっぱり肉屋さんのことにも思いをはせておられました。私たちは米も野菜もあるけれども、町場の人は米も野菜もないんだもんね、でも和田さん、肉屋さんを助けて、私たち、肉屋さんがいなくなったらもう牛の農家は本当にやっていけないんだからというふうに言っておられました。とても私も、農家の奥さんが泣いておられるのに私も涙が出てしまいました。
 こんな牛肉を作ってしまった私たちも、そして輸入の自由化になって、もう外国の肉と同じ土俵では戦われないとすれば、筋肉を壊して脂肪を肉の中に入れるサシの牛肉を作らなくてはいけない、そうすると長く飼うことができないんだということを言っておられます。
 こういうことを思い、しばらく話ししていたら、そうだそうだ、仲間の乳牛農家、ミルクの生産農家は、この間、牛を売りに行きたかったんだけれども、さっきだれかの御質問にもありましたけれども、もしこの牛が狂牛病と診断をされてしまったらどうしよう、そしたらうちだけでなくこの会津全域がもう狂牛病の汚染というふうに思われてしまう。だから、二本松というところが福島県にあります、そこにはサファリパークという野外の大きな動物園があるんですが、そこに解体代のお金を添えてその廃用牛を売ってきた、売ってきたというか、お願いしてきたというふうに言っておられました。
 本当に農家の皆さんのお気持ちを考えておられる、考えておられるとすれば、武部大臣、お言葉お願いします。
○国務大臣(武部勤君) 今回のBSE発生によりまして食肉消費が減退いたしまして、これに伴いまして枝肉価格や子牛価格が低下しているということだけではなく、影響を受けている方々が中小企業の皆さん方を含めて数多くおられるということにつきましては、私ども大変大きな責任を感じながら、一日も早く牛肉消費の回復が喫緊の課題だということで努力をしているわけでありますし、生産農家に対しましては、肥育農家、酪農家、それぞれに対しましての経営安定対策を講じているわけでございます。
 特に肥育農家に対しましては、肉用牛肥育経営安定対策事業、いわゆる通常マル緊、これは家族労働費と所得の格差の八割を補てんする仕組みでございますが、これに加えまして、BSE対応肉用牛肥育経営安定対策事業、いわゆるBSEマル緊を実施しているわけでございます。これは、物財費はすべて補てんということに相なっているわけでございますが、こういったことによりまして、価格低落分についての補てんの措置をするとともに、繁殖農家に対しましては、肉用子牛生産者補給金に加えまして、子牛生産拡大奨励事業を拡充することによりまして、農家経営の安定に努めているところでございます。
 一方、BSE対策の最大の課題は、現在落ち込んでいる牛肉消費の回復であるとの認識はただいま申し上げたわけでございまして、牛肉の調整保管の実施、BSEに関する正確で科学的な情報を国民にきちんとお伝えするとともに、焼き肉キャンペーンなど各種のPR活動に積極的に取り組んでいる所存でございます。
 委員御指摘のような厳しい状況の中で、今後とも関係方面との連携を強化いたしまして、一刻も早い消費の回復を目指して最大限努力してまいりたい、かように考えているところでございます。
○和田ひろ子君 今、大臣がおっしゃいましたように、やっぱりどういうふうにしたらいいと思うといういろんな中での話の中で、やっぱり消費が伸びないとどうにもならない、消費を回復してもらいたいというのがみんなの一致した意見でありましたので、どうぞそのための努力はしてほしいというふうに思います。
 それで、昨日、帰ろうとしたらファクスが入ってきました。野間副大臣、岩永政務官が地方の行脚みたいな、学校給食に対してとかいろんなところで、県庁とか回られるという話を見たんですが、これはとてもいいことだというふうに思います。どうぞ、どんなことを言っておいでになるか、そしてそのためにどういうお心意気でこれを実行されるのか、お知らせを願います。
○副大臣(野間赳君) BSEにつきましては、既に屠畜場におきましてすべての牛に検査を行いまして、BSEに感染していない牛肉以外は市場に出回らないシステムを確立しますとともに、生産者、関係事業者への影響を緩和するため各般の対策を講じているところであります。
 こうした中で、最近では、老経産牛の流通の円滑化、牛肉消費の回復、これを図っていくことが特に重要な課題であると思っております。
 今後、都道府県との連携を強化をいたしまして、老経産牛の一時集約施設及び受入れ屠畜場の確保、消費者に安心をして牛肉を召し上がっていただくための情報の提供の充実、学校給食における牛肉の使用の再開等につきまして効果的に取り組んでまいりますことが極めて重要なことであると認識をいたしております。このため、今般、副大臣及び大臣政務官が都道府県知事とのBSEに関する意見交換などを行いまして、御理解と御協力を要請をしてまいることといたしております。
 これから、これらの取組を通じまして、今後とも、生産現場や消費者の意見をしっかり踏まえまして、対策に遺漏のないよう万全を期してまいりたい、このように思っております。よろしくお願いいたします。
○和田ひろ子君 それは、ちょっと九州とか四国だけいただいたんですが、全国を回られるわけですか。
○副大臣(野間赳君) 両副大臣、両政務官、四名で手分けをいたしまして、そのような全国を回る予定になっております。よろしくお願いします。
○和田ひろ子君 一日も早い消費拡大というか、消費の復活のために御尽力いただきますように、よろしくお願いいたします。
 それでは、本題に入りまして、所信に対して質問をいたします。
 四ページで、「米については、特に構造改革が遅れていることから、」というふうに書いてありますが、構造改革が遅れているということはどういうことなんですか。今までのものに対して、何もできなかったということなのでしょうか。ちょっとお願いいたします。
○政府参考人(石原葵君) 米を取り巻く状況でございますけれども、三点申し上げたいと思います。
 特に、一点目が特に構造改革にかかわる問題であろうかと思っております。すなわち、米につきましては主業農家の割合が極めて低いということでございます。そのため、生産構造が脆弱ということでございまして、例えば粗生産額で見ますと、例えば野菜は主業農家のウエートが八五%となっております。それから、畜産につきましては、これは生乳でございますけれども、九六%となっておりますが、米につきましては三六%と非常に低い。生産構造は脆弱となっているということでございます。
 それから二つ目には、過去三十年にわたりまして面積による生産調整を実施してまいりましたが、需給均衡が図られていないということであろうかと思っております。
 それから三つ目が、稲作収入が平成七年から、平成七年は二・九兆円あったわけでございますけれども、五年後の平成十二年には一・九兆円と、五年間で一兆円も減少したということでございます。これが特に担い手農家に大きな影響を与えているということでございます。
 我々、こういう米の状況、特に生産構造の立ち後れ、こういうものに着目いたしまして、水田農業の構造改革、それから効果的な需給調整体制の構築、流通の効率化等の改革が必要であると認識しているところでございます。
○和田ひろ子君 今、長官がおっしゃいましたように、生産調整はこれまで三十年にわたって面積による管理を実施してきました。減反というのは、農家の皆さんに減反をすることによって必ず価格を安定させるからという約束だったはずですが、減反が増えても価格はだんだんだんだん下がるばっかりで、今の現状になっています。需給のバランスがうまくいかなかったというふうにおっしゃいましたが、去年と今年は史上最大の百一万ヘクタールということになって、それでも米価が大幅に下落する中で、これに取り組む生産者の間にも本当に限界感が募ってきています。
 去年の十一月に米政策の抜本的見直しということが言われたんですが、米生産の抜本的見直しというのは、新生産調整推進対策とか新たな米政策とか土地利用型農業活性化対策、緊急総合米対策、これらのことが全部駄目だったから米政策の抜本的見直しなんでしょうかね。面積による管理を改めて、数量による管理へ移行させるという方向が示されております。最終的に、可能な限り平成十五年度からの実施に向けて検討することとなりました。
 この生産数量自体を管理するという手法の考え方は、従来の面積による管理の手法でなくて、収量の低い圃場から転作が行われているのではないか、あるいは豊作によって計画していたよりも生産量が増えるというような問題点が出てきたから、そしてその結果として、米の過剰と価格の下落を招いているためにこういうふうにしたんだというふうに思われますが、まず、大臣、従来の面積による生産調整はやっぱり間違いだった、失敗だったということなんでしょうか、お答え願います。
○国務大臣(武部勤君) 米につきましては、委員御指摘のとおり、これまでは、平成九年の新たな米政策、十一年の水田を中心とした土地利用型農業活性化対策等の対策を講じてきているわけでございます。これらの対策は、近年、この豊作が続く状況におきまして、当面の米をめぐる状況に適時適切に対処する上でそれぞれ重要な役割を果たしてきたと、このように考えております。
 今回の米政策の改革は、三十年間にわたりまして、面積によりまして生産調整を実施してきているわけでありますが、残念ながら需給均衡が図られているという状況にございません。米や水田農業が抱えている根本的な問題について、これまでの対策の結果を踏まえつつ、効率的な需給調整体制の構築等、抜本的に見直しを行っていこうとするものでございまして、中長期的に安定したシステムとなるような検討をしてまいりたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
○和田ひろ子君 生産調整に関する研究会、この研究会の検討の状況とか検討の進み具合ですね、あと、その方向性はどういうふうになっていますか。
○政府参考人(石原葵君) 生産調整研究会の目的等でございますが、この生産調整に関する研究会は、生産数量管理への移行を図ることとされました生産調整の今後の在り方、こういうものにつきまして幅広く検討することを目的といたしまして、学識経験者それから生産者団体等から成る二十二名の委員で発足しまして、本年一月十八日に第一回目の会合を開いたところでございます。これまで、全体の研究会を二回、それから総括的に議論を整理する企画部会というのがございますが、これを四回開催しております。
 当面、この三月末を目途に、生産調整に関する論点・課題の整理を進めているところでございまして、三月までには何としてもこの論点・課題の整理をすると、そして四月以降、その論点・課題に沿いまして、また議論を深めていくというスケジュールで進んでいるところでございます。
○和田ひろ子君 メンバーについては学識経験者というふうにおっしゃいましたが、これは生産者に十分な理解を得るための手段とか手法についても考えておられますか。
○政府参考人(石原葵君) 何といいましても、この生産調整、三十年間続けてきた手法を変えようとするものでございますので、特に生産現場の方々の理解が必要であろうかと思っています。そういうこともございまして、我々、その生産調整研究会の構成メンバーにつきましても、できる限り生産現場の状況に通じた方に入っていただいたということでございます。
 具体的には、各県の団体の代表の方、たしか七名いらっしゃいますけれども、こういう方、それから青年農業者の代表といいますか、そういう方、こういう方に入っていただきまして、生産現場の実情にも通じた、農家からもその結果につきまして納得していただけるような議論を進めていただきたいと思っているところでございます。
○和田ひろ子君 私もちょっと地元に帰って米農家の話を聞いてきたんですが、もしこれが実施されるとすれば、面積で管理をされているときは、この面積しか作れないから、米は例えばみんな努力、自助努力をしながら少しずつ数量は増えるかもしれない。でも、数量で管理されるとすれば、この中で百キロを作りなさいと言われたら百キロにならないかもしれない。今年は天候の具合がどうだか分かんない、どういう状況があるかもしれないとすれば、みんな百二十キロ、百三十キロ作る努力をして百キロにするようになって、これはもう本当に米の過剰は今までより一層広がるんじゃないかというふうに言っています。そして、その結果がやみ米の復活とかそういうことになって、結果してこれはいいことではないんじゃないかとみんな言っていますけれども、そういう声はなかったですか、研究会の中で。
○政府参考人(石原葵君) この問題につきましては、昨年の十一月二十二日に一応の整理をさせていただきまして、それに沿いまして今、研究会を発足させたところでございますけれども、去年の検討の過程でもそういう御意見がございました。また、この一月に研究会を発足させてからもいろんな方からそういう御意見いただいておりますし、また、先ほど申し上げませんでしたが、生産現場の理解と納得を得るという趣旨から、今現地での検討会というのをこの三月、三か所で開催したところでございます。こういう場におきましてもそういう御意見は出されております。
 我々、そういう御意見に対しましては、あくまで、その数量といいますのは、その人の、農家のといいますか、主観といいますか考えで計算するわけじゃありませんで、あくまで、例えば我々の今の考えでは、共済の基準収量というのがございますので、それを基にして、あなたの場合は幾らですよということを決めるわけでございますけれども。ですから、そういう農家の方が、今、先生おっしゃいましたようなそういう問題、懸念、そういうことはないと考えておるわけでございますけれども、しかしなかなか、これまで三十年間面積で生産調整してきたわけでございますので、なかなか農家の方々の理解と納得を得られるわけではありません。
 そういうこともございまして、この研究会の場で幅広く御議論いただきまして、農家の方々からも受け入れられるようなそういう手法、それを見いだすべく努力しているということでございます。
○和田ひろ子君 長官に何か言うようで悪いんですが、やっぱり、例えば団体に言っても、それ割り当てられるのは農家ですから、農家の人のこの懸念というのはかなり確実性があるというふうに思っています。おれたち幾ら言われたって、それを取るための努力をするとすれば、少し多めに作らなければそういうふうにはならないというふうに言われるとすれば、これは本当によく御議論をいただかなければいけない問題でないかなというふうに思っています。
 そして、今意欲的に米を作っている農家の皆さんがおっしゃることは、一体、適地適産というのをずっと前から言っているけれども、このことの議論はどういうふうになっているのかなというふうに言っています。米に対しての適地適産について何か言われることがありますか、言っていただけることが。
○政府参考人(石原葵君) これは、今、先生おっしゃいましたその適地適作といいますか、これは重要なことであろうかと思っております。農家にとりましても、やはり生産のといいますか、容易さといいますか、適正な生産するという意味でもやっぱり適地適作というのを心掛けなければならないと思いますし、また、消費者の側から、あるいは需要者の側からしましても、おいしいお米を提供していただくという趣旨から適地適作というのは重要なことであろうかと思っております。
○和田ひろ子君 もちろん重要なんですが、適地適産の検討の何か、やっぱりここの地域は何が合って、ここの地域は何が取れるというのが適地適作なんじゃないですか。それは今のお答えではちょっと分かりにくいんですが、なかなか言えないということですか、やっぱり。
○政府参考人(石原葵君) 適地適作、非常に重要な事柄でございますので、それを推進するという観点から、例えば都道府県間で地域間調整ということがやられています。また、ある県では県内で地域間調整、要するに中山間地と平場の方でそれぞれ適したものを作ると。具体的に言いますと、中山間地域では米作りをしていただくと、それからまた平場では麦、大豆等を作っていただくと、そういう県内での地域間調整も行われております。
 我々、こういう県内の地域間調整、また県間の地域間調整、こういうものは適地適作という観点からこれは推進していくべきものだと考えているところでございます。
○和田ひろ子君 私もずっと前から、例えばお米を買う農家があってもいいというふうに思っていました。みんながお米を作るもう時代ではなくて、お米を買うところがあってもいいし、ジャガイモを買う農家があってもいいというふうに思っているんですが、なかなかそういうのは、ここは米に適さないから作らないようにと言うわけにはいかないと思いますが、今ちょっと石原長官がおっしゃいましたように、例えば会津はとってもお米のおいしいところで数量もたくさん取れるところです。そういうところだとすると、もしお米の取れないところの人たちとこの数量の売り買いなんかはできるんですか。都道府県とか、例えば昔は県内ではやっているんですね。それを県を超えるということができるんですか。
○政府参考人(石原葵君) 県間のいわゆる地域間調整、これはかなり行われておりました。実は、過去形で言わなきゃなりませんのは、その後、生産調整の面積が増えたと。特に、緊急需給調整水田とか平成十二年の対策を受けまして、非常に生産調整の面積を拡大しております。その過程で地域間調整というのはなかなかしづらくなってきたわけでございますけれども、具体的に申し上げますと、平成十二年度では十二県で約四千ヘクタール余りの地域間調整も行われておりました。しかし、十三年になりまして、今申し上げましたような事情から、これがもう百ヘクタールを割るような状況になっております。
 しかし、先ほど来申し上げておりますように、非常に適地適作という観点からこの地域間調整というのは望ましいものだと思っておりますので、我々、こういうものがうまくいくようなことは考えなきゃならないと思っています。これは研究会における検討の課題の一つであろうかと思っているところでございます。
○和田ひろ子君 詳しいお答えをいただいたんですが、その地域間調整というのは農家の人がやっていいことなのか、自治体がやるのか、そういうことまでの御検討はまだされていないんですか。
○政府参考人(石原葵君) 実行上、団体間でいろいろ話し合って、例えば北海道と新潟の団体の間で協議して、具体的にこれだけの面積やりましょうと、これだけの面積引き受けますということでこれまではやってきております。
○和田ひろ子君 ありがとうございます。
 それでは、セーフガード問題についてお尋ねをいたします。
 衆参の農林水産委員会で、全会一致で、十一月八日の暫定措置期限内に中国との二国間の交渉がまとまらなければ本格発動すべしという決議を本委員会は政府に対して申入れもしました。しかし、世界で例のないいわゆる空白の期間を作り、しかも本発動には移行しなかったのであります。
 当然のことながら、食料の安定供給体制を整備して国民の食料不足への不安を解消することは国の責務でありますし、国政の最も重要な課題の一つであります。効率性の名の下に、国民生活の基本である食料を大幅に輸入に依存してきたことを素直に反省して、新たな食料・農業・農村政策の下で確実に食料自給率の向上を実現していかなければならないと思っています。
 したがって、貿易のルールに基づいて本発動をすることは農家の皆さんにどれだけ力を与えたか、どれだけもう国を信用していただけたんじゃないかと、とっても残念な気がします。昨年の十二月の中国との合意に基づいて、今年の二月に協議会を設置して輸出入の在り方などについて日中で話し合っておられますが、ちょっと不透明な部分があって、事態の推移がみんな国民に見えてきていません。
 いずれにしても、米とか畜産に次いで重要な地位を占めている野菜の産地の維持や振興に向けた構造改革を一層強化して、加えて、緊急監視品目になっているタマネギやピーマンなどについてもセーフガード暫定発動を視野に入れた積極的な対応が求められていると私は思っています。
 大臣は所信の中で、協議会を最大活用するというふうにおっしゃっておられます。三品目の秩序ある貿易の確立を期したいとされていますが、協議会で三品目の秩序ある貿易の確立ができるような実効性のある具体的な方向性が見えてきたんですか。この協議会というのは何回行われていましたか。一回だけはよく分かっているんですが、どのような話合いがされているか、お知らせください。
○国務大臣(武部勤君) 昨年、日中両国首脳が、セーフガードの問題については話合いで解決を図るという合意がございまして、それに基づきまして、平沼経済産業大臣と私が十二月十一日、そして十二月二十一日、二度ほど中国の石広生対外経済合作部長と協議を行いまして、二十一日の日中閣僚協議において、ネギ等三品目についての貿易スキームを早急に構築し、農産物貿易協議会を中心として三品目の秩序ある貿易を確立するということに合意したわけでございます。
 本合意を受けまして、その早期具体化のために、二月七日、八日、上海で両国の生産者等幅広い関係者が参加しまして、ネギ等三品目についての第一回日中農産物貿易協議会を開催いたしました。協議会におきましては、日中双方において、日本市場における需要の見通し、日中双方の生産見通し等の情報交換が行われまして、理解を深めることができたところでございます。
 また、野間副大臣が二月二十七日から三月一日まで訪中いたしまして、WTO農業交渉関係とともに農産物貿易関係についても意見交換を行いまして、中国の農業部長等に対し、秩序ある貿易の確立のために中国側の関係者への強力な指導を要請したところでございます。
 これに対して、先方からは、当該協議会の重要性を認識しているとしつつ、関係業界に対し必要な指導を行う旨、回答があったわけでございます。
 今月二十八日には、第二回日中農産物貿易協議会を開催することとしたところでございますが、この協議会を通じまして、両国間の需要、面積、価格等々の情報交換を行うことによりまして共通の認識を醸成するということが一つの目的でございます。そのことによって、お互いの数量、数量を明示することはこれはWTOに抵触しますからそれは直接はできませんけれども、お互いの情報を交換することによって共通の認識を醸成していくと。
 そんなことからも、中国側もこれまでの輸出急増について、必ずしも日中双方に利益はないというような、そういう認識も深まっていると、このように思っておりまして、今後、秩序ある貿易の確立を目指すとともに、継続的に協議を実施して実効の上がるものにしていきたいと。ネギ等三品目だけではなくて、委員御指摘のようなタマネギ等の監視品目についても、ほかのものも全体としてこの場で協議していくというスキームになっておりますので、私どもはそのことに期待をしているわけでございます。
○和田ひろ子君 あくまでも情報交換だけというふうに強く言っておられますが、三品目の秩序ある貿易の確立に関して、どのような実効ある措置というか具体的な手法を考えているのかなというのをお聞きしたいと思います。
 協議会の設立によって秩序ある貿易が本当に確立できるのか、確保できるのかなということに対してはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(武部勤君) ただいまも申し上げましたように、これまでの日中間の話合いで、双方の関係者の間では、これには日本側からは輸入業者も組織を作って入っておりますし、中国側は農業者も組織を作って入っておりまして、民間協議ということでありますが政府もオブザーバーのような形で関与しているわけでございまして、その結果、平成十二年のような日本への輸出の急増は日中双方にとって不利益であるとの認識がそれぞれに醸成されつつあるところでございます。
 したがいまして、この協議会においても、このような認識を踏まえつつ、生産あるいは需要、価格等について更に検討を深めることによりまして、三品目の輸入についても一月以降は輸入量が減少しております、実際問題。また、前年を相当下回る水準となっておりますが、いずれにしても、本協議会の場を通じまして、適切な生産と需要の見通し、それを実現するための方策というものが私は出てくるというふうに確信をしているわけでございます。日中間の安定した貿易関係をそういうような形で築いていくことができると。また、今月二十八日も行われますので、更に情報を交換することによって、まだ本当に始まったばかりでありますけれども、長期的な日中間の農産物貿易の秩序ある確立というものを期待してまいりたいと、このように考えている次第でございます。
○和田ひろ子君 今月の二十八日は第二回目ですか。
○国務大臣(武部勤君) 二回目です。
○和田ひろ子君 はい、ありがとうございます。
 それで、野菜の最後に、野菜の構造改革に取り組む意欲はございますか。
○国務大臣(武部勤君) 日中間のネギ等三品目のことを見ましても、昨今増加する輸入野菜に対抗いたしまして、国内の産地におきましても、国際競争にも対応できる、そういう産地を育成していくということが必要だと、かように考えておりまして、これは生産、流通両面にわたりまして構造改革を進めていくことが必要であると、このように考えているわけでございます。
 具体的には、ネギについて言えば、輸入品の約二倍の価格でございましたが、国産品の小売価格を三割高程度までに低減するための生産・流通コストの低コスト化タイプ、これが一つであります。もう一つは、定量定価格での供給を求める実需者にこたえる契約取引タイプでございます。三つ目には、有機栽培などにより輸入品との差別化を図るいわゆる高付加価値化タイプでございます。この三タイプの輸入野菜に対抗するための戦略モデル等を国内産地に示したところでございまして、現在、国内産地はこれを参考にいたしまして、それぞれに適した戦略を自ら選択いたしまして、三―四年を期間とする産地における改革計画というものの策定を急いでいただいているところでございます。
 農林水産省といたしましても、その取組を強力に支援していくことといたしておりまして、輸入野菜に対抗して消費者、実需者に国産野菜を選択していただけるような野菜の構造改革の加速化を進めていきたいと、このように考えている次第でございます。
○和田ひろ子君 それでは、森林についてお尋ねを、森林・林業問題についてお尋ねをいたします。
 昨年六月に森林・林業基本法が成立をして、十一月にはこの基本法に基づく森林・林業基本計画が策定されております。
 大臣は所信の中で、新たな森林・林業・木材産業の展開に向けた力強いスタートを切ったとされておられます。基本法の成立や基本計画の策定をもってそういう表現をされるのであろうと思われますが、正にこれは仏を作って魂入れずなんという、とっても失礼な言葉を言わせていただきますが、具体的に新たな森林・林業・木材産業の展開とは何だろうと思われますか。また、力強いスタートとは何をもってそういうふうにおっしゃいますか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(武部勤君) 午前中の議論にもございました、私も、この森林・林業基本法の策定はもっと急ぐべきであったと、このように感じます。
 といいますのも、今どういう状況に森林・林業がなっているかといえば、木材生産が外材の圧力に負けているということが一つございます。したがって、木材が売れなくなったということが森林が荒れる動機といいますか、引き金になっているんだろうと思うんです。しかし、戦後復興期に、住宅事情が悪いときに、とにかく住宅を求める国民のそういった要望にこたえるための森林・林業・木材生産であったというのが過去の一つの大きな特徴ではなかったのかと、こう思うんです。
 しかし、私ども、自然界の一員であるということを考えますときに、森林の存在というものは、そういう林業とか木材生産とか、そういうことだけではないんじゃないかと。もっと森林の多面的な機能というものを重視すべきじゃないのかと。やっぱり、循環型社会というのはもっと大きく、人と自然の共生、あるいは都市と農山漁村の共生と、そういうふうにとらえるべきではないのかと、このように思うわけでございます。
 そういう森林・林業・木材産業政策についても、今般の森林・林業基本法の制定、また森林・林業基本計画に基づきまして、新たな理念の下に森林の有する多面的機能の持続的発揮、また林業の持続的かつ健全な発展と林産物の利用の促進というような考え方で再構築したところでございます。
 このような政策を力強く推進していくことへの決意を「力強いスタートを切った」と、このように所信表明で述べさせていただいたわけでございまして、具体的には、重視すべき機能に応じまして、森林を水土保全林、森林と人との共生林、資源の循環利用林、この三つに区分いたしまして、これに応じて多様な森林整備を推進するとともに、森林施業の実施に不可欠な地域活動を確保するための支援措置として森林整備地域活動支援交付金を創設したところでございます。
 また、林業の担い手への施業や経営の集約化、需要構造に対応した木材の安定供給体制の整備、地域材の利用の推進等、林業・木材産業を通じた構造改革を図る施策も展開してまいりたいと、かように考えておるわけであります。
 同時に、先ほどもちょっと触れましたが、山村地域の生活環境の整備、都市と山村の共生・対流の推進等による活力ある山村づくりを図ることとしておりまして、これらの施策を総合的に推進することによりまして、基本法の理念と基本計画の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○和田ひろ子君 今年、平成十四年度は新基本法、基本計画の元年であります。大臣は、昨年の森林・林業基本法の審議に際して、新基本法の理念を実現していくためにいかに森林整備が重要であるかを強調されておられました。しかし、平成十四年度の林野予算を見ると、前年に比べて一割近い減となっています。予算を掛けたからいいというものではないというふうに思いますけれども、このようなことで大臣が本当に胸を張って新たな展開に向けた力強いスタートと言えるのかなと大変疑問に思っています。
 森林・林業・木材産業の再生、森林の多面的機能の持続的発揮は本当に可能なんでしょうか。新基本法の理念や基本計画を実現していくために具体的な進め方というふうなものはあるんでしょうか。もう一度力強くお願いいたします。
○国務大臣(武部勤君) 厳しい御指導というよりも力強い御支援をいただいたと、こういう認識でお答えさせていただきますと、委員御指摘のとおり、私はまだまだ予算も足らないと、このように思っております。これは予算が足らないということよりも、むしろ、あえて踏み込んで申し上げますと、やはり森づくりというのは、これは国民が一人一人が参加して、国民合意の下にみんなで山づくりをしていく、森づくりをしていくという考え方が必要なんじゃないでしょうか。
 地球温暖化防止、地球環境破壊防止という観点からも、このCO2の吸収源としての森林については三・九%を見込んでいるんですね。しかし、残念ながら、正直申し上げまして、今、委員御指摘のとおり、手を加えないと三・九%にはなりません。したがって、間伐その他手を加えて山を育てていくというそのことが非常に大事なことでありまして、そのためには当然予算が伴うわけでございます。
 また、森林活動についての交付も新たな施策として展開することになりましたけれども、やはり都市と農山漁村の交流、都市と山村の共生・対流という観点からも、都市に住んでいる皆さん方にも積極的に森づくりに参加していただくと。森の雇用対策事業というようなことも補正予算で、この小泉内閣でも実施しているわけでございますが、そういうような考え方からいたしますと、私どもは、この森づくりのための財源対策ということについてもっと真剣に取り組んでいかなければならないと、このように思っておりまして、是非御支援のほどをお願いしたいと思います。
○和田ひろ子君 十二年度から緊急間伐五か年対策が実施されていると思っておりますが、その内容は、計画はどんなものですか、お知らせください。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今の林業の厳しい状況の中で間伐が遅れぎみに来ているということがございまして、平成十二年度から五か年間で百五十万ヘクタールの森林を緊急的に整備したいということで、緊急間伐五か年対策というものを打ち出したところでございます。
 具体的には、地域の関係者が協力して地域の実情に応じた積極的な取組を推進していただくということから、市町村との協定に基づく間伐の共同実施であるとか、あるいは間伐実施に必要な林道、作業道の計画的整備であるとか、そういったことを通じまして、効率的な間伐の実施を推進していきたいというふうに考えているわけでございますし、また、併せまして、間伐材の利用の促進にも取り組んでいきたいというようなことで考えているところでございます。
○和田ひろ子君 平成十二年度はどのような状況でしたか、実績をお知らせください。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 平成十二年度につきましては、初年度であったところでございますけれども、先ほど申し上げましたように五年間で百五十万ヘクタールということでございますので、年平均にいたしますと三十万ヘクタールということになるわけでございますが、今までは実は二十万ヘクタールレベルで来たところでございますけれども、十二年につきましては三十万ヘクタール、三十万四千ヘクタールというのが実施できたところでございまして、おおむね計画どおり進んでいるんではないかというふうに思っております。
○和田ひろ子君 私がちょっと地元で聞いてきたところ、なかなか本当に後継者がいない中で大変な御苦労をされて、下刈り、除伐、間伐ということなんですが、もう下刈りも除伐もできない方々が一杯いらっしゃいました。
 今おおむねできたというふうにおっしゃっておられますが、ちょっとなかなか進まないというのはどういうことなんですかと聞いてきたら、不在地主がたくさんいて、その方たちに断れなくて町村はとても困っていらっしゃるそうです。そして、補正予算の措置、予算の減少により計画量の確保が困難であり、また計画量を完全に実施することは困難だと。搬出コストに応じた事業費の設定とか補助など間伐材の価格の低迷対策をしてもらいたいと言っていました。そして、おじいちゃんが亡くなられてしまって境界線が実は分かっていないという後継者がたくさんおられるそうです。面積の確定等の調査が本当に必要だということも言っておられました。
 何齢級、何齢級という木の、あるんですが、その四齢級、五齢級なんというところの間伐は本当にしないそうです。なぜなら、売れないから。もう手間掛けてやっても、山に捨ててくるだけだからやりたくないというふうにおっしゃっていました。
 そして、こういうことがとてもやれないのは手続が面倒だと。手続とは何ですかと言ったら、一団地三十ヘクタールないと除伐、間伐の対象にならない、補助金が下りないということなんだそうですね。それで、その手続も面倒だし、そして写真を撮れだの、もちろん政府からお金が来るんだからそういうことはやらなくてはいけないと思いますが、そうやってくれる職員もいないし、やる人は年を取っているし、何か言葉を聞くと悪いことばかり聞いてきたんですが、市町村が大変これは困っています。
 五〇%から七〇%の予算をいただける、残りは所有者というか、その方たちがやられるんですけれども、それも大変困難だから、是非初めての間伐くらいはというか、初伐ですか、それぐらいは国がやっていただけたらいいなというみんなの思いだったんですが、それに対してはどうですか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今お話が出ましたとおり、間伐を進めていくということについてはいろいろ困難な問題があるところでございまして、市町村あるいは森林組合というところに大変御努力をいただいているというふうに思っているところでございます。
 お話が出ました初回間伐といいますか、四齢級、五齢級の若い林につきましては、お話しのとおり、それで材を売ってというようなことになかなかしづらいというところがあるわけでございまして、切り捨てというようなことで我々は言っておりますけれども、間伐だけをして搬出をしないというような状態もあるところでございます。
 そういうことになりますと、今お話が出ましたとおり、自己負担だけということになるわけでございまして、今回の緊急間伐では、できるだけ補助率を高くしたいということで、今までの補助率よりは、これはかなり補助の方も、お話が出ましたとおり、六〇とか七〇とかというところへ来ておりまして、今回七二という実質補助率のところまで上げたところでございますが、そういった補助のアップでありますとかいうようなことで努力をしてきたところでございます。
 さらに、本当に公益的機能を発揮していかなければいけない林で間伐をどうしてもしなければいけないというようなところについては、やはり公的に行っていくということも考えないといけないんではないかというようなことで、治山事業の中に一部そういった事業も取り込みまして間伐をすると。本数調整伐をするというようなことを言っておりますけれども、そういった事業を取り入れてきているところでございまして、そういったことも併せながら間伐の推進を図っていきたいというふうに思っているところでございます。
○和田ひろ子君 ちょっと世代の交代がなかなかできないということもあるんですけれども、ベテランの技術者がもういなくなっているということも事実なんだそうです。そういうことができないそうですね、山の人たちが。
 そういうことも考えてほしいし、もう一つ言われてきたことは、高齢級の間伐をした際は、国とか県からの補助をもらっていると十年間、これは県によって違うそうですが、十年間は皆伐をしては駄目だという法律があるそうで、こういうことも緩和してもらいたいという話を聞いてきましたが、いかがですか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 補助金で事業を実行しているわけでございますので、やっぱりそこの森林がきちっと健全に整備されていくということが必要でございますし、また管理をされていかなければいけないということから見ますと、その補助金を使った森林については一定の規制があるわけでございます。それを外されて、例えば短期間の間に皆伐をされるということになりますと、補助金をお返しいただくということも考えなければいけないということがございまして、そういった規制をしているところでございます。
○和田ひろ子君 前の世代の人が次の世代に残した財産であるのでおれたちのものだという気持ちもあるんでしょうけれども、背に腹は代えられないということもあるとすれば、少しは緩和していかれることも必要だというふうに思いますので、どうぞ御検討をお願いしたいというふうに思います。
 そして、その間伐材、これがなかなか、もちろん除伐なんというのは何もならないのかも、捨ててくるということで。間伐材の利用方法、どういうものに使われているか、どういうことをこれからも考えていかれるのか、ちょっとお尋ねをします。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今、間伐を積極的に進めていくということで、一・五倍の間伐をやりたいというようなことを考えているわけでございまして、それに伴って間伐材も出てくる量が増えてくるということでございまして、これを使っていくということが大変大きな問題であるというふうに我々としては認識をしているところでございます。
 そういう点で、実は今まではパルプであるとかチップであるとかというようなことも含めて使われてきているわけでございますが、今状況が非常に厳しくなっておりまして、なかなかチップ等に使っていただけないというようなこともあるわけでございまして、我々としては間伐材をいろんなところに使っていただく努力をしていかなければいけないというふうに思っているわけでございます。
 そういう点で、例えば公共土木事業の中で間伐材を使っていただくだとか、あるいは公共施設の木造を造るときに間伐材を使っていただくだとか、あるいは更には机だとかいすにつきましても、これはグリーン購入法の中でも一部取り入れていただいているわけでございますけれども、間伐材の利用を促進していただくだとか、そういうような努力をしていくということで間伐材の利用の促進を図ってまいりたいというふうに思っているところでございます。
○和田ひろ子君 実は、ちょっと聞いてきましたんですが、間伐材の利用計画の数字が低いんじゃないかという話も出ました。利用率は五〇%程度だそうでございますが、バイオマスエネルギーについて、どういうふうなことですか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 間伐材の利用も含めまして、バイオマスエネルギーを進めていくということは大変重要であるというふうに思っております。
 これから、やっぱり考えますと、地球温暖化の防止も含めまして、循環型社会を作っていくといったときに、木材を最終的に使うという形として、燃焼させてそれをエネルギーとして使っていくということが大変重要でございますので、そういったことも含めて、バイオマスエネルギーの利用の促進ということを図っていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
 そういう点で、今どういうふうに使っていくのかというようなことについて、地域地域で検討していただくような予算であるとか、あるいは技術開発を図っていく予算であるとか、更には施設整備についての助成であるとかというようなことに取り組んでいるところでございまして、我々としては、バイオマスエネルギーの問題については積極的に推進をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○和田ひろ子君 山林は、山で木を切ったら、その後いろんな流通の、市場に出したり、また乾燥したり、そしてまた市場に出たりと、すごくいろんな行程を経ていかなければいけないんですね。それで、結局、上で売られた木と下で買われる木の値段の格差がすごいあるんですね。そういうのがもし高く売れたら、山林農家のところに行くという仕組みはなくて、大変なことを苦労されておられるんですけれども、まずその流通の過程とか乾燥なんかを何か国がするとか、そういうことのためのバイオマス利用というのか、自分たちの木を乾燥するのは除伐とか間伐した木がやっているとすれば、これはとてもいい方向になるんじゃないかなという思いがします。
 そして、乾燥というのは、みんな各々のところでやるんではなくて、何か地域で、国が管理をする、そういう大きな乾燥の何かがあればいいなというふうに思うんですが、これは通告をしていないんですが、そのバイオマスに絡めて、そういうことを是非考えていただけたら、コストの面もすごく安くなって利用する人にもいいし、そして山林農家の方たちにも何かいいことがあるんじゃないかなと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今お話に出ましたとおり、木材の問題点といたしましては、やはり加工につきましても、小さい製材工場で加工されましてそれが集まってくるというようなことでございますので、流通におきましてもまた多段階で、それらを集めてまた更に消費地へというような形になっているわけでございます。
 そういう点で、加工、流通をどう合理化するのかということがこの構造改革として我々の大きな課題でございまして、まずそのことについて改めて取り組んでいかなければいけないというふうに思っているわけでございます。
 今お話が出ました、乾燥にバイオマスエネルギーを使うということでございますが、これはやっぱり、例えば製材工場で出ました残材をバイオマスにそのまま使って乾燥に使うというようなこともあるわけでございまして、そういった方向というのは取っていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
 ただ、どこかへまとめてという形を取り得るのかどうかということで申し上げますと、材の動きをできるだけ簡略化をして流通、加工を合理化したいということでございますので、例えば乾燥施設がどこかにありまして、そこへ一度持っていってまたそれを持ってこなければいけないというような形の格好が合理的にやり得るのかどうかということがあるんではないかというふうに思っております。そういう点では、一つは、まず製材工場に付随しまして乾燥施設ができ、それが利用されていくということもあり得るのではないかと。
 ただ、そういったいろんなことを考えながら、どういう形がその地域地域で合理的であるかということで考えていただくということが必要ではないかなというふうに思っているところでございます。
○和田ひろ子君 所信で大臣は、昨年十一月の気候変動枠組条約の第七回締約国会議の合意を受けて、二酸化炭素の吸収源として地球温暖化の防止に果たす役割というふうに、いろいろ言われております。
 そして、先ほどお答えをいただいたように、やっぱり予算が足りないということなんでございますが、第七回の締約国会議で、森林経営による吸収量について我が国は千三百万炭素トンまで適用することが確定し、また今年の一月の中央審議会で、森林経営による吸収量の適用上限値を達成するためには、森林・林業基本計画に基づき、現状を上回る水準で森林整備等を推進する必要が不可欠であるというふうに答申がなされております。
 大臣は、森林整備を強力に推進するために必要な予算の獲得に向けて頑張られなければいけないというふうに思いますが、本当に、このせっかくの答申をどういうふうに受け止めておられますか。
○国務大臣(武部勤君) 京都議定書におきましては、森林の吸収源の保全及び強化が地球温暖化対策の一つとして位置付けられておりまして、先般のCOP7におきましても、年間一千三百万炭素トン、基準年排出量の三・九%が第一約束期間において計上できる森林経営による吸収量の上限値として認められているところは、今お話ししたとおりでございます。
 この場合、削減目標に算入し得る吸収量は、一九九〇年以降に人為活動が行われた森林の吸収量に限られることとされておりまして、こうした観点からも、森林の整備保全を積極的に進めることが、委員御指摘のとおり、重要なのでございます。
 具体的には、昨年閣議決定されました森林・林業基本計画に示されました、森林の有する機能の発揮の目標と木材供給及び利用の目標が達成された場合、森林経営による獲得吸収量の上限値程度の吸収量の確保が可能と推計しているわけでございます。
 他方、本年一月の中央環境審議会答申で示されているとおり、現状程度の水準で森林整備等が推移した場合には、確保できる吸収量は三・九%を大幅に下回るおそれがあると、このように認識しておりまして、林野庁としても、地球温暖化の防止を始めとする森林の多面的機能を持続的に発揮させるために、昨年閣議で決定された森林・林業基本計画に基づきまして、重視すべき機能区分、先ほど申し上げました水土保全林、森林と人との共生林、資源の循環利用林に応じた森林の整備や木材の有効利用を着実に進めるということが大事であります。森林・林業に対する国民の理解の醸成に努めるなどいたしまして、幅広い観点からの森林施策の推進に取り組んでまいりたいと、かように存じている次第でございます。
 したがいまして、今後財源の確保について私どもも最大限努力してまいりたいと思いますが、これはまた国民の理解と協力も必要なことでございまして、御支援をいただければ有り難いと、かように存ずる次第でございます。
○和田ひろ子君 我が国の木材の需要量は約一億立米となっていますが、その約八割は外材に依存しています。先ほど言われましたように、外材というのは海から上がったらすぐ使えるんですね。使いやすいというか、だから安いんですかね。国産材の供給量は二百万立米、自給率は一九%だそうでございます。これが実情だそうです。
 そこで、森林・林業基本計画を見ると、平成二十二年における国産材の供給目標は二千五百万立米となって、今後十年間で五百万立米拡大しなければいけないんですね。国内の森林資源として蓄積量が三十八億立米、人工林だけでも二十二億立米あり、供給可能量が年間七千から八千万立米と言われる中で、この目標が高いか低いかということは議論するところではないんですけれども、五百万立米を拡大するにしても、国産材の利用、地域材の利用を強力に推進する必要があるというふうに思っています。
 しかし、いつもいつも、予算のところに入るんですが、林業や木材産業の抜本的な構造改革が必要とされるというふうには言いながら、平成十四年度の新規の地域材利用の促進対策費は十一億円です。こんなことを考えて国産材の利用、地域材の利用を強力的に進めるとすれば、どういうことになるんでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今お話出ましたとおり、十年後の目標といたしまして、今の二千万立方を二千五百万立方に上げたいというふうに考えているわけでございます。この木材につきましては、実は森林整備をきちっとやれば出てくるわけでございまして、そういった木材がきちっと利用されるということが必要だというふうに考えております。
 先ほど申し上げましたように、これから地球温暖化だとか資源の循環利用ということを考えますと、やはり出てくる木材をきちっと利用していただくということが必要だということでございまして、我々としてこの五百万立方の需要拡大ということに積極的に取り組みたいというふうに思っております。
 ただ、現状は二千万立方も実はだんだんだんだん減ってきたところでございまして、その減ってきたカーブを上に切り上げなければいけないというのが実態でございますし、これからの住宅着工ということを考えますと、住宅着工がかつてのように伸びるというような状況にはないわけでございますので、そういう点ではこの二千五百万立方の確保ということについては相当の努力をしないといけないというふうに思っているところでございます。
 そういう点で、まず一つやらなければいけないのは木材産業の構造改革でございまして、先ほど申し上げましたように、加工、流通がかなり多段階にわたっておりまして、合理的になっていない部分があるわけでございますので、そういったことにつきまして合理化を図って、加工、流通の低コスト化、あるいは製品の品質・性能の向上や明確化、ロットの拡大というようなことをしていかなければいけないんではないかということがございます。
 またもう一つは、それと同時に、国民の方々に地域材というものを使っていただくという普及啓発をしていかなければいけないわけでございまして、何といいましても住宅に使っていただくということが必要でございますので、地域材としての住宅供給ということについて大工、工務店あるいは設計者の方々と連携も図りながら、住宅として地域材を使っていただくということをしていかなければいけない。また、それは同時に、国民の方々がそのことについて理解をしていただくといいますか、やはり使っていただく方々から地域材を使おうではないかということを言っていただくということが必要であるわけでございまして、そういった普及啓発もしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
 さらに、それだけではなくて、学校等の公共施設であるとか、先ほど申し上げましたように公共土木事業であるとか、お話が出ておりますような木材バイオマス利用であるとか木質バイオマス利用であるとか、そういうようなことも併せて考えながらこの需要の拡大というものを図ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○和田ひろ子君 こういうことを考える、今のお答えのことを考えるとすれば、やっぱり木材価格の安定ですよね、そういうことを本気で取り組んでほしいというふうに思っています。
 国土の保全や水源の涵養にも大変大きな役割をしているんですけれども、我が国の林業を取り巻く環境は、国際材価格の低迷、木材輸入の増大などによって国産材の需要の伸び悩みなどが本当に厳しいですね。御存じのように、我が国の森林面積は二千五百十三万ヘクタールで、そのうち人工林は千三十五万ヘクタールというふうになっています。特に人工林をどうするのかが極めて重要な問題です。木材価格の推移を見ると、素材価格は更に低下して、この五年間で軒並み一、二割下がっています。林業の経済ベースに乗せるために木材価格の安定対策に本腰を入れて取り組むべきではないかというふうに思います。そうでなければ林業は衰退してしまいます。林業で御飯食べていけないんです。
 先ほども委員から、よその委員からお話があったと思いますが、本当に林業農家はもう継ぐ人がいない、それが一番の悩みだと思います。衰退すれば森林の管理はできなくなって、日本が本当に多面的機能を大きく発揮するなんということも将来にわたって言えなくなるというふうに思っていますから、これは公的管理以外には道はないんじゃないかというふうに思いますが、どうですか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 木材価格の安定ということについては、本当に大変大きな課題であるというふうに思っているところでございます。
 最近も木材価格が下がりぎみに推移をしておりまして、そういう点でこの木材価格の問題というのを我々も意識をしているところでありますけれども、木材がこういうような格好になってきているというところにつきましては、やはり需要構造が相当変わってきているというところがございまして、例えば建物にしましても住宅にしましても、大壁工法で、さらに高気密、高断熱の家が求められるということでございます。そうなりますと、やはり木材としてかつてのように乾燥してない材で建ててということではなくて、やはりプレカットした材で乾燥して建てるというような工法に変わってきているわけでございまして、そういったものをきちっとしていかないと、逆に本当に今の国産材が使われないというような状況になってきているわけでございまして、その乾燥材というものを生み出していくと、生産をきちっとしていくということをしていかなければいけない。要は、木材が、地域材はこれからも使われていくということで考えていきますと、やはり何といいましても構造改革をきちっとやって、そういった需要に応じた木材の供給ということを考えないといけないんではないかというふうに思っているわけでございます。
 価格問題につきましては、問題認識は我々として当然持っているわけでございますけれども、その問題の根本のところにはそういうことがあるわけでございまして、そういったところについて対策を打っていくということが必要ではないか。また、そういった努力をそれぞれの関係者の方々にしていただくということが必要ではないかというふうに思っているところでございます。
 ただ、そういった木材の価格の中で考えていきますと、立木価格が大変落ちているという状況でございまして、言われましたように、森林整備はなかなか、今売った価格で例えば次の再造林ができるのかというような議論も一方ではあるわけでございます。
 そういったことがございまして、我々としては、今回三つの機能に区分をして、水土保全林、森林と人との共生林、それから資源の循環利用林と分けながら、そういったところで適切な施業をどういうふうにしていくのかということを考えていかなければいけないという方向を打ち出したわけでございまして、そういう中でそれぞれに合った政策というものを考えていくということが必要ではないかというふうに思っているところでございます。施策の充実に努力をしていくということが必要ではないかというふうに思っているところでございます。
○和田ひろ子君 私の質問を取りにいらっしゃった方々とちょっと話をしたんですが、国有林野に一兆円の借金があります。それは平成十六年からお返しをする、五十年のスキームで、そういうふうになっていますが、こういうことをきちんとしていかないと、その借金というのはとても返せないねというお話をさせていただきました。今日は質問をするつもりはないんですけれども、こういうことがきちんと行われていないと、ますます林業が低迷してしまって、その一兆円の借金なんかはもうとても見通しも何も付かなくなって、また三兆何千億の借金になってしまうというようなことの繰り返しになるんではないかというふうにとても心配をしています。
 どうぞ、この木材の価格を安定させて、林産農家の人にも元気を出していただくために、そして、先ほどのプレカットのようなものをきちんと何か国が、そして乾燥のようなものを何か国がやれるような、そんな仕組みも考えるべきだというふうに思いますので、そのことについてもどうぞ御検討いただきたいというふうに思います。
 人工林の八割が四十五年生以下であります。森林の多面的機能の持続的発揮を図るために、今後とも保育や間伐を着実に実施していく必要があると思います。このため、林業生産活動が停滞して、森林整備水準の低下を招くことのないように、国産材の需要の拡大や木材価格の安定対策はもとより、森林施業が適切に実施されるような万全かつ積極的な支援策を取るべきだというふうに思っていますので、どうぞ御検討ください。
 そして、こういうことをお願いすると必ず、政府は限られた財源の中で可能な限りという答えが返ってくるというふうに思いますが、昨年十一月に日本学術会議が農水大臣に対して、地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的機能の評価について答申をされておられます。
 その森林の多面的機能の定量的評価では、二酸化炭素の吸収機能だけでも一兆二千三百九十一億円、国土の保全では、表面侵食防止機能が二十八兆二千五百六十五億円、表層の崩壊防止機能が八兆四千四百二十一億円、洪水緩和機能が六兆四千六百八十六億円となっており、水源の涵養面では、水資源の貯留機能が八兆七千四百七億円、水質浄化機能が十四兆六千三百六十一億円となっています。さらに、保健とかレクリエーション機能では二兆二千五百四十六億円というふうになって、トータルすると七十兆円以上も、森林の持つ多面的機能というのは国民にこんなに寄与しているんですね。
 このことをどういうふうに思われますか。
○国務大臣(武部勤君) 和田先生御指摘のとおり、森林整備というものは非常に重要でありまして、やるべきことはたくさんあるんです。むしろ予算が伴わないと。
 しかし、私ども、先生も同じように山育ちといいますか、地方出身ですから、山がどの程度荒れているかということはもう目の当たりに知っているんです。台風が来て大雨が降れば、どどっと水が、鉄砲水が流れて、川が汚れて海まで汚れてと。
 ですから、私どもは、農林水産省といたしましては、森と海は命のふるさとと、こう言っているわけなんですが、あえて、こういう森林整備も通常、公共事業と、こういうような言われ方をするんですね。これは非常に残念なことだと私ども思っております。公共事業ということで駄目ならば別な言葉を使ってもいいんじゃないかと。私ども農林水産省は、公共事業も環境創造型事業ということにもう大転換いたしているわけでございまして、そういう意味で是非御理解をいただきたいと思いますが、今御説明ございました日本学術会議の答申におきましても、御案内のとおり、七十兆円以上の森林の多面的機能の評価額になっているわけでございます。
 森林が国民生活に果たす役割を国民に分かりやすく私どもも示す必要があると、こう思っておりますし、森林の大切さを理解していただくことについて、もっとしっかりした目的意識を持って、森林の多面的機能の評価について幅広い見地から調査審議をいただいた上で、この日本学術会議に諮問し答申をいただいたところでございます。
 この答申におきましても、森林の有する多面的な機能を定量評価するとともに、機能発揮のためには適正な管理が必要であるとされておるわけでございまして、これが必ずしも公共事業ということには当たらないんだろうと、このように思うわけでございます。非常に意義の深いものであると考えるわけでございます。
 農林水産省といたしましては、答申の内容を広くPRすること等によりまして、国民の理解と協力を得つつ、地球温暖化の防止を始め、国土の保全、水資源の涵養などの多面的機能が持続的に発揮される健全な森林の育成に向けて、森林・林業基本計画に示された目標が達成されるように必要な予算の確保に努めてまいりたいと、こう考えているわけでございます。
 BSEの問題でも、私ども、安全と安心という間に非常に大きな開き、乖離があるということを知らされました。同じように、この森林整備についても、ともすると今までは生産者サイドといいますか、そういう、業者サイドといいますか、そういうような考え方が国民の皆さん方の間には支配的なんだろうと思うんです。今後は、この森づくりということが国民生活にとっていかに大事なことであるかということを、分かりやすく、科学的な根拠等に基づいて知らしめていくという、そういうコミュニケーションが大事だというふうに感じておりまして、そういう努力をさせていただきたいと思います。
○和田ひろ子君 もうそろそろ最後になりますが、去年から今年、今年は基本計画元年ということで、森林の多面的機能の持続の発揮に向けた中長期的な政策の目標ができました、日本には。また、政府は、京都議定書の締結に向けて、地球温暖化対策の大綱の見直し、地球温暖化対策推進法の改正を行って、森林整備などの吸収源対策を盛り込んだ目標達成計画を策定するなど、国内的にも国外的にも大きく取り組んでいく方針というふうに聞いています。
 先ほども言ったように、確かに予算は少ないです。これはそんな意気込みには反している予算だというふうに思います。林野の公共事業予算では、他の公共事業に比べて一%程度で減額率は低いけれども、対前年度比では八七・三%、約三千三百八十七億円であって、このうち森林整備は前年度比八八・一%の約千七百九十八億円です。従来の予算の範囲内で、しかも公共から非公共へという方針の下で減額をされ、その中で事業を組み替えたりする程度のやり方では、せっかく作った仏に魂が入らないというふうに私は思います。新たな林野の公共事業の展開方向などと言われても、これは推進すべき十分な財源が確保されなければ、やっぱり言っていることはお題目にすぎないのかなというふうに国民には映ります。
 また、一貫して言ってきたのは、造林を進め、林業の経営環境が悪化した昭和五十年代以降も、いずれ国産材の時代が来るからというふうに言い続けてきたのは政府なんですから、本当に林業家の皆さんをもっともっと元気付けてもらいたいというふうに私は思っています。
 森林の多面的機能を強調し、その機能区分に応じた施策を展開すると言われても、具体的かつ十分な中身がないのであれば、手に負えなくなったから目先をただ変えただけだというふうにしか聞こえないんです。何のための新たな森林・林業基本法の制定だったのかというふうに思います。
 私は、森林の多面的機能の重要性はだれも否定をしないというふうに思っています。その機能が持続的に発揮されるように森林管理が十分にされるような環境づくりは最も必要だというふうに思っています。先ほどの学術会議の定量的評価だけ取っても七十兆円を超えるお金です。その一%取っただけでも七千億円ですからね。予算は三千ですから、その半分しかもらっていないんですよね。せっかくこんな答申をいただいて、七十兆も多面的機能には国民に寄与しているものがあると言われていても、その半分、今の予算の二倍以上の額になるんです、その一%取っただけでも。森林の資源利用の循環サイクルが七十年から百年とすれば、決して多い数字ではないというふうに思っています。
 森林の多面的機能の持続的発揮に向けて、また森林の多面的機能の定量的評価を踏まえて、林野公共事業費を大幅に拡大する、拡充していくことが必要だというふうに思いますけれども、国の公共予算の配分を見直すべきと私は思っています。このことを大臣は、本当に林業家のために、そしてこれからの、これ以後の国民の子供や孫たちのために森林をしっかり守るということでお答えをいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(武部勤君) 極めて勇気を与えていただいた、そういう感じを受けまして、敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 私は、市場原理に基づく競争政策ということがあって、これはまた重要だと思います。しかし、公共原理に基づく共生政策、これは私の作った言葉なんですけれども、共に生きる政策というものがあっていいんじゃないかと思うんですね。それがどうも公共ということが、公共性とか公益性とかということが戦後五十有余年の我が国の経済政策を経て何か忌まわしいといいますか、そういうふうな先入観になっているんじゃないかと思いまして、誠に残念に思います。
 今こそ、市場原理に基づく競争政策ばかりじゃなくて、公共原理に基づく共生政策というようなことが大事になっているんじゃないかと。そういう意味では、森づくり、森林整備、人と自然の共生ということに向けた、あるいは都市と山村の共生・対流というふうなそういう理念で、この森林・林業基本法に基づく我々の強力な努力が必要だと、こう思っている次第でございまして、真剣に取り組んでまいりたいと存じます。
○和田ひろ子君 ありがとうございます。
○委員長(常田享詳君) 速記をちょっと止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(常田享詳君) 速記を起こしてください。
○鶴岡洋君 公明党の鶴岡です。
 私もBSEをやらせていただきたいと思います。そういうことで、午前中やった先生方、また今質問された和田先生と重なるところがあると思いますけれども、それはお許しいただきたいと思います。
 昨年、BSEの発生以来、今、一体どこまで広がるのか、食品の偽装表示問題が社会問題になっております。そこで、BSE問題発生以来、その経過を含めて、これらのいわゆる、食の安全確保のためどうあるべきかのいわゆる反省も含めて何点かお伺いをしたいと思います。
 昨年九月、我が国では初めてBSEが発生しました。最初の農水省のいわゆる対応のまずさが国民の行政不信を招き、被害を増大させたということは、これは私は間違いないと思っております。特に、家畜伝染病予防法に基づいて焼却されるべきものがレンダリング工場に回され、そして肉骨粉になったこと自体、大変な間違いでありますし、それに加えて、焼却されたかどうか、これをはっきり確認しないまま焼却されたと軽々に発表されたわけでございます。その後、慌てて焼却されたと思っていたと訂正がありました。この無責任さが消費者の牛肉の安全性に対するいわゆる不安を募らせる最大の要因であって、結果、生産者や関係業者に甚大な被害を与えてしまったと、こういうことですが、これは間違いないですね。しかも、その根底には、農水省が我が国ではBSEが発生することはあり得ないと、こういうことを前提に対応していたということであります。
 その後、BSE問題検討委員会の資料や報道などを見ると、農水省は言わばアリバイづくり程度の対応をしていたとしか思えないような事実が明るみになってきております。
 例えば、法的規制の遅れ、専門家の意見を聞いて決めたと言うが、オーストラリアやアメリカは、一九九六年、WHOの勧告を受け、これには業界等の反対も大分あったようでございますけれども、それを説得したといいますか、納得させたというか、抑え付けたとは言えないでしょうな、翌一九九七年に法的規制を行った。我が国は、BSE発生の昨年九月まで、いわゆる二〇〇一年まで行政指導にとどめて法的な規制を行わなかった。これはもう何回も言われている。
 まず第一点ですけれども、どうしてそうなのか、なぜなのか、これは大きな疑問が残るわけです。これらの点についてどう反省しておられるのか、最初に。
○国務大臣(武部勤君) 昨年九月十日にBSEを疑う牛が我が国で初めて発生いたしました際に、私はまず最初に、どうしてBSEが日本に侵入したのかと。これは委員御指摘のとおり、日本は未発生国です、清浄国です、そういう説明の繰り返しでありました。したがって、その危機管理意識の希薄さに驚いた次第でありますし、これは行政上、構造的な問題があるという感じを直観的にいたしました。
 それともう一点は、先生、我々の大先輩で、大変僣越な言い方をするかもしれませんが、これは縦割り行政の問題でもあるということを強く感じたのでございます。といいますのは、焼却したと言ってそうでなかったということでございますが、十四日までどこからもだれからも、畜産部長が焼却したと発表していて、そうではないということが厚生省からも農林水産省内部からもあるいは屠畜場や県からも、そうではないという連絡、通知があってもいいはずですね。しかし、それもなかったと。そして、屠畜場の所管は厚生労働省なのでございますが、当該牛は敗血症という診断で、お説のとおり、レンダリングに既に回っていたわけでございます。
 さようなことから、私は、今反省をということもお話しありましたから率直に申し上げますけれども、これは役人任せにはできない、政治主導で徹底糾明しようという決意を新たにしました。同時に、過去のことについても、これは客観的に検証する必要がある、科学的な知見に基づいた検証も必要だということで、第三者による調査検討委員会を厚生労働大臣と私の私的諮問機関として設置したのでございます。
 率直に申し上げますが、この調査検討委員会も、私は通常国会前ぐらいまでに結論を出し得ないものかと、こう思っていました。これを設置すること自体、抵抗があったということは事実でございます。
 さようなことから、今、委員御指摘のように、我々、まずはBSEが侵入しないように、また万が一のときにはきちっとした危機対応マニュアルというものを厚生労働省や都道府県ともきちっと作っておく必要がある、そういうことで対応したのでありますが、しかしそのこと自体、非常に手後れであったということは否めません。このことにつきましては、そのことによって国民の行政に対する不信を招いたということは、誠に遺憾なことでもあり、私自身も責任を感じている次第でございます。
 なお、BSEの新たな感染リスクを完全に遮断すべきであること、危機対応マニュアルを整備すべきであること、更に、消費者、生産者、その他関係者の間でのリスクコミュニケーションが必要であることを痛感しておりまして、同時に、やはり農林水産省、生産者サイドに立っていたからこういうことになったんじゃないかと言われて、私はこれは率直に認めなきゃならぬと思います。
 したがいまして、今後の行政は、消費者サイドに軸足を大きく移して、食の安全、そして安全を証明してこそ初めて安心ということが理解していただけるんだと、そういう考え方に立って、今真剣に取り組んでいる所存でございます。
 深く反省した上に立って、真剣に今後の職責を全うしてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○鶴岡洋君 深く反省していれば結構です。その反省したものを、それを今度実行に移させていただきたいと思います。縦割りであるとか横割りであるとか、理由は幾らもあるでしょうけれども、そう言っても、結果としてはこういう大問題になったんですからそれは反省していただきたいと、こういうふうに思います。
 具体的にひとつお伺いしたいんですが、今言ったように、国民のために安心、安全な飼料の生産と供給に責任を持つ農水省がWHOの勧告、しかもオーストラリア、アメリカの法規制が勧告後直ちになされた、これは先ほど申しましたけれども、これを承知の上で、その行政の責任として、これも何回も言われていますけれども、法的規制の必要性なしと判断したこの科学的根拠。私、まだいまだにこれよく分からないんですけれども、科学的根拠は何なのか。単なる怠慢なのか。どうなっているのか。危機意識は全くなかったのか。法的規制の必要なしと言ったこと、これは間違いないと思います。その点はどうなのか。これが一つと、そのときのいわゆる最終的な判断をした責任者はだれなのか。これもまだあいまいなんです。だれなんですか。
 この二点。
○国務大臣(武部勤君) 今日は生産局長も来ておりますから、細かいことは生産局長の方が詳しいかもしれませんが、今、委員御指摘のことは大事なことでございますので私から答弁させていただきますが、いわゆるWHOの専門家会合の勧告を受けまして、緊急に肉骨粉を反すう動物に使用しないよう徹底するために四月十六日付けで指導通知を都道府県や農業団体に発出したと、かように承知しております。
 四月二十四日には、農業資材審議会飼料部会安全性分科会の家畜飼料検討委員会において、十三名中二名の委員から、法的規制措置も必要、禁止してもよいといった意見が出されたのでありますが、WHOの勧告内容が正式に決定された後、その内容及び各国の対応状況を踏まえた上で改めて審議することと集約されたものということをその後の資料で承知いたしました。
 肉骨粉の使用禁止の審議が再開されなかったのは、九六年の指導通知後は、配合飼料工場において牛用飼料への肉骨粉が使用されていないことについて肥飼料検査所により確認されてきた、発生の見られていた英国からの牛肉加工品や肉骨粉の輸入を禁止したこと、それからBSEの発生が見られなかったことから、行政指導で実効が確保されると考えていたと、こういうふうな過去のデータによりまして私も承知しているところでございます。
 しかしながら、今般、BSEが発生いたしましたことは、正に危機意識の希薄さや縦割り行政の弊害等、行政の構造的問題があると痛感しておりまして、先ほど来申し上げておりましたように、BSE問題に関する調査検討委員会において公開の下に今御検討をお願いしているわけでございまして、私が聞きましたのは、これは飼料課長段階で決定したと、決めたと、こういうふうに聞いておりますけれども、このことについては調査検討委員会の報告を待ちたいと、このように思っております。
 いずれにいたしましても、組織全体の私は危機管理意識の希薄さということに尽きるのではないかと、このように思っておりまして、全体としての責任を感じている次第でございます。
○鶴岡洋君 もう一つ関連して、一九九〇年、平成二年ですね、二月にイギリス政府からイギリスのいわゆる反すう動物の肉骨粉を輸入している二十数か国に対して、その危険性について注意を喚起するいわゆる文書、オフィシャルレポート、これが出されておりますが、この文書は日本にも来ていると思います。これは来ていますね。──はい。
 この文書には、反すう動物から取った肉骨粉がBSEの流行を引き起こす危険性がある、イギリスが八八年七月から反すう動物から取ったたんぱく質を反すう動物のえさに使用することを禁止したことをこの中で告げております。したがって、このときイギリス政府は、日本がBSE発生の危険性の高いイギリス産の肉骨粉の輸出先であるということは認識していたことは私は間違いないと思います。
 そこで、農水省は六月、イギリスに現地調査を実施し、七月にイギリスからの肉骨粉の輸入条件を強化しているが、イギリスからの反すう動物を原料とした飼料を輸入禁止したのは九六年の三月、平成八年三月、九六年の三月、平成八年の三月、こういうふうになっているからであります。そして、九六年四月まで、反すう動物から取ったたんぱく質を反すう動物に使用することを法的に禁止していない、これも事実です。
 そうすると、九〇年六月の農水省の現地の結果報告の内容、これがどうなのかということですけれども、私も見せていただきました。一歩前進というか、それに対して日本の対応はどうすべきかと、これも書いてあります。私も見せてもらいましたけれども、例えばBSEのこの報告書、この中で書いてありますけれども、英国、一つ、英国、グレートブリテン、一九八六年十一月に初めてBSEが確認されて以来、一九九〇年六月十一日までに七千六百四牛群に一万四千三百二十四頭の発生が報告されている、現在も一週間に約三百頭のペースで発生が継続中だと、ここにこの報告書が出ているんです。
 もう一つ、北アイルランド。アイルランド共和国も行ったんですけれども、もう一つの北アイルランド。一九八八年十一月に初めてBSEが確認されて以来、一九九〇年四月までグレートブリテンからの輸入牛等を中心に六十九頭のBSE発生が報告されている、現在も発生が継続中と、こういういわゆる報告書が出ているんです。
 これを見て、報告を受けて、これは大変だなと、それこそ危機意識があったのかどうなのか、私、非常に疑問に思うわけです。これは農水省の非常に、これが先ほど言ったようにきちっと法的に処理されればこんなことには私はならなかったんじゃないかなと、こういうふうに思うわけです。
 これも、苦言ばかりで大変恐縮ですけれども、農水省の判断の甘さがここにあったんじゃないかと、こういうふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 農林水産省は、英国におけるBSEの発生状況を踏まえまして、BSE対策を検討するため、委員御指摘のように、九〇年六月に担当官を英国農漁食糧省獣医局等に派遣いたしました。その調査結果を踏まえまして、七月に、BSEの侵入を防止するために、一九九〇年以降、英国及びアイルランドからの肉骨粉の輸入については湿熱百三十六度三十分以上を条件とする、英国からの生きた牛の輸入を停止する等の措置を講じたと承知しております。
 九六年三月には、英国からの肉骨粉等の輸入を禁止するとともに、同年四月のWHO専門家会合の勧告を受けまして、反すう動物の組織を用いた飼料原料について反すう動物に給与する飼料とすることのないよう指導通達を発出したと。これは委員御案内のとおりでございます。
 九六年当時の判断としては、英国からの肉骨粉等の輸入を禁止したこととか、牛用飼料への肉骨粉等の使用はほとんどなかったこととか、これが〇・〇五%程度であったとか、国内においてBSEの発生が見られなかったこと等から、行政指導で実効が確保されていると、こう考えていたんだろうと、かように思います。したがって、直ちに法的規制を行わなかったものと承知しているのでございますが、私は、今、委員御指摘のとおり、このリスクをゼロにするということは容易ではないかと思いますけれども、リスクを低下させるという努力はしなきゃいけないと思います。
 そういう意味で、危機意識の希薄さということは全くそのとおり、御指摘のとおりだろうと、かように思いまして、やはり振り返ってみて農林水産省の行政の構造的な問題としてとらえまして、この改革に今執念を持って取り組もう、役人任せにはできないと、そういうことで問題の究明と対策を講じようとしている次第でございまして、なおこの第三者委員会において近く御報告もあろうかと思いますが、それに従って私どもは最大限その報告を尊重してこの対応策に全力で取り組まなくちゃいけないと、このように思います。
 一言で申し上げますならば、やはり農林水産省の危機管理意識の甘さということが検査体制の甘さにつながり、行政不信につながって今日の混乱に至っているということは否めないと、こう思っている次第でございます。
○鶴岡洋君 大臣も案外素直で、甘さを認めたわけですが、こういうふうに甘さを認めたから結構だと思いますけれども、やはりリスクの低下、完全にゼロには私はなかなかならないと思います。これは今までのいろんな例を見てもそうです。だから、十月十八日、昨年の、全頭検査、これをやってもやっぱり出るわけですから、それを逆に全頭検査やったから出るって言うと、これはまた別問題だと思うんです。だから、そういう点で、甘さは甘さとして認めたんですから、それできちっとそれに対応していただきたいと、こういうふうに思います。念を押しておきます。
 それから、更にお聞きしますけれども、昨年十一月以降、BSE問題検討委員会の場などで明らかになっていったことも含めて、だれが考えても、遅くとも九六年には、先ほど言いましたように、牛の肉骨粉が牛に与えられないように法的規制を講ずるべきであったということは、これはだれでも認めると、こういうふうに思うんですけれども、大臣はよく、今にして思えば危機意識が足りなかったと言わざるを得ないと。これもまた反省の材料なんですけれども、私は、行政というものは一九八六年以降のBSEをめぐる一連の事実はすべて承知していたはずであると、こういうふうに私は断言したい。断言しても差し支えないと思うんですけれども、客観的な事実を早く知り得る立場にある行政は、その事実に基づいてその時点において、その時々において最も適切な判断をすることが求められるわけであります。それが責任ある行政の対応であって、後々の時代にも、ああ、あのときはあんなふうにしたのが最大のいわゆる努力だったなと、こういうふうに、対応であったなと、こういうふうに認められることでなければ私はならないと、こういうふうに思うわけです。
 今回のBSE問題も、それはそういうのと今回のBSE問題のいわゆる先ほど言った問題は、これは逆だと思うんです、これは当たらないと思うんです、私の今言ったことについて。だから、この点についてもう一度感想をお願いいたします。
○国務大臣(武部勤君) やはり行政というのは、起こり得る、起こり得ないと思うことが起こり得るという、そういう最低、最悪のことを考えて対応マニュアルというものを作っておくべきではないかと、私はこのように思います。
 今、鶴岡先生が全部事実を知っていてそれを隠ぺいしたんじゃないかという、そういうふうに取れるような御発言というふうに私ちょっと感じたんですけれども、これは、今後のこの安全行政ということを考えましたときに、危機に対する、リスクに対する評価というものをどこでするか。データがあっても、それを表に出したくないという、そういう性向が働くところに何もかも、リスク評価もリスク管理も任せていいのかということがあるわけなんです。
 私は、先ほど行政の縦割りの弊害の問題を指摘しましたけれども、そういう意味で、これから第三者委員会でどういう報告がなされるかというふうに、評価、報告が出る前に私があれこれそのことについて言及することは差し控えたいと思いますけれども、やはりそのリスク分析というものについて、非常に我が国の場合にはその厳しさがなかったといいますか、またそれをどこでどのようにやるかということについても、これは今後の課題として議論する必要があるのではないのかなというふうに感じております。
○鶴岡洋君 私は、大臣、隠ぺいしたとは言っていないですよ。
○国務大臣(武部勤君) そうですか。
○鶴岡洋君 そんな意地悪じゃないですから。
 ただ、軽々に扱ったんじゃないかと、怠慢でなかったのかと、そういうことを言っているんです。承知してそれ、こういう結果になったわけですから。それを言っているんで、間違えないようにしてください。
○国務大臣(武部勤君) はい、わかりました。
○鶴岡洋君 それから、もう一つの問題点ですけれども、BSEがこれ発生してから調査した結果、五千頭を超える牛に肉骨粉等が与えられていたという。ということは、その当時国会に対して、何ら自ら調査しないで、すなわちメーカーに調べてもらっただけで、全く使われていないなどという、いわゆるいい加減な答弁をしたことにこれはなるわけです。これも私は大問題だと思いますけれども、この点はどうなんですか。
○国務大臣(武部勤君) メーカーに調査させたというふうには私は聞いておりませんで、これはその全頭サーベイランスをやりました際に、これは第一段階は、言わば中枢神経症状のあるような牛がいないかどうか。それからもう一つは、肉骨粉を間違って使用していないかどうかというようなこと等を含めて、家畜防疫員たちに総動員していただきまして、やった結果でございまして、メーカーに任せたというふうには聞いておりません。ちょっと調べさしてください。私が間違っていたらいけませんので。
 結果として、委員御指摘のように、これは〇・一一%ではございますが、四百五十万頭のうちの五千頭でございまして、農家にして何十戸だったでしょうか、ちょっと今数字は思い出せませんが、五千百二十九頭、全体の飼養頭数の〇・一一%でありますが、不適正使用の事例が確認されたということでございます。いずれにしても、結果としてゼロではないわけでして、ゼロではないわけでして、行政指導が徹底していなかったと言われればそれを否定することはできません。
 しかし、また、これもおしかりを受けるかもしれませんけれども、それじゃ法的規制にして一頭も肉骨粉を使用していなかったのかということになるのかということになると、いかがでしょうか。
 私は、もちろん五千頭が三千頭とか二千頭とか、そのリスクは低くなったでしょうけれども、やはりこういうことを考えましても、もっと行政指導を徹底するということと同時に、いわゆる生産者から消費者に至るまで、学者、専門家、マスコミなども入って、今よく言われているリスクコミュニケーション、危機対応マニュアルをちゃんと作って、このリスクコミュニケーションというものを常時しっかり取っておく必要が、徹底させておく必要が、必要なのではないかと。今後のことについて思いますに、そういう感じがいたします。
○鶴岡洋君 じゃ、今の件については調べて、私が間違っているのかも分かんないし、そちらが間違っているのか分かんないんで、後で教えてもらえますか。いいですね。
 それから、日本の行政、いわゆる農水省だけがBSE発生の可能性は皆無に近いと、こういうふうにしてきましたけれども、昨年、現実問題として発生してしまった。アメリカとオーストラリアはございません。アメリカとオーストラリアというのは、地図の上から見れば、大西洋を挟んで一番日本から見ればイギリス、ヨーロッパと近い関係にある、地理的にも、それから国民性からいっても私はそうだと思うし、食生活も社会生活も非常によく似ていると、そういうところだと私は思います。
 しかし、そこに発生をしていないということは、いろんな事情があると思いますけれども、私たち素人から考えれば、これはアメリカにしてもオーストラリアにしても、BSEというのはこれは大変な、これは重大問題だと、発生したら、そういうことのいわゆる強い強い危機意識があって、そしてその侵入を防ごうとする、いわゆる強いそれこそ大臣のような決意を持って対策を実行してきたから、私はそうなったんじゃないのかなと、そうなっているんじゃないのかなと、こういうふうに思わざるを得ないんです。
 それを考えると、日本にこのBSEが発生したということは、私は、これは言葉は悪いかもしれないけれども、人災だと思うんです。農水省の人災。自然災でも、これは防ごうと思えば防げるのもあるんです。人災は、これはその対応いかんでどうにでもなると、こういうふうに私は思うんです。
 この人災ということについて、今後、先ほども甘さがあった、危険意識が薄かったとか、こういうふうに言っておりますけれども、もう一度、こういう点について、この例を見てどうなのか、御感想をお願いしたいと思う。
○国務大臣(武部勤君) BSEが発生する以前に、BSEの発生の可能性について、農林水産省が、あるいは厚生労働省もそうであろうと思いますが、知識、情報が皆無ではなかったと私は思います。その受け止め方だと思います。その受け止め方が甘かったということに危機管理意識の希薄さに私は驚いたと、こういうふうに申し上げているわけでございまして、少なくともBSEが侵入することをゼロにするということは、このグローバライゼーションの中で、BSEに限らず、口蹄疫にしてもそうですし、トリインフルエンザの問題もありますし、いろいろ危ないものはたくさんあるんですけれども、絶対侵入させないと、ゼロリスクということは、先ほど委員も御指摘ありましたが、なかなか容易でないんだろうと思います。
 しかし、万が一そういったものが侵入したときにどういうふうに防ぐかという予防原則に立った、私は、リスクアセスメント、リスクマネジメント、リスクコミュニケーションというものをしっかり取っておくべきであったということは、これはもう深い反省点だろうと、このように思います。
 多くの皆さん方からすれば、行政の責任について非常に厳しい御叱正をいただいているわけでありますし、私どもはそれに対して弁解がましいことを言うのじゃなくて、今後、二度とこういうことにならないように、食の安全と安心という問題について、行政組織の対応の問題も含めまして、どういう仕組みにすべきかということについて真剣に取り組んでいくということが今一番大事ではないかと、このように考えております。
○鶴岡洋君 よく分かっていただきたいと思います。毎日、テレビ見ると、テレビには必ず五、六人並んで、二度と再び、申し訳ございませんというのがもう毎日出ているけれども、これは本当に二度と再びにならないようにお願いしたいと思います。
 BSE問題に関連して厚生省にお聞きしたいんですけれども、厚生省、来ていますね。
 厚生省の、献血が禁止されている問題ですけれども、これは関係あるんじゃないかなということで、私、よく分かりませんのでお聞きするんですけれども、イギリスに昭和六十一年から、一九八六年から平成八年まで、一九九六年まで、十年の間に通算六か月以上滞在していた人は、平成十二年一月から、またEUに昭和六十一年から現在までの間に六か月以上滞在していた人は、平成十三年、去年の三月から献血することができない、こういうふうになっておるようでございますけれども、これは間違いございませんか。
○政府参考人(鶴田康則君) 間違いございません。
 それでは、その経緯についてちょっと御説明させていただきます。
 血液を介した……
○鶴岡洋君 詳しくじゃなくて簡単でいいから。
○政府参考人(鶴田康則君) はい、分かりました。
 血液を介した変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生、発症につきましては、これまで世界的に報告されてはございませんで、献血された血液の輸血によりまして変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性は、科学的には未知ではございます。理論的なリスクを減らすための予防的な措置として、欧州諸国に一定期間以上滞在した人からの献血をお断りしているわけでございます。
 具体的には、薬事・食品衛生審議会の検討結果を踏まえまして、多くの先進国が取っております規制との整合性を図ることとして、英国を始めとする欧州十か国におきまして、昭和五十五年以降通算六か月以上滞在した方について、現在献血をお断りしているわけでございます。
○鶴岡洋君 そういう懸念があった、それが材料と、こういうことですわな。
 それは、そういう懸念があったからそうしたと、用心には用心するのはそれは結構だと私は思いますけれども、じゃ、六か月というこの期間を何がその根拠で決めたのか、これが一つ。極端に言えば、六か月じゃなくて、それでこれは肉からあれですから、肉を食べた人か食べない人かと、こういうことになってくるわけです。まあヨーロッパへ行ったら草ばかり食ってる人はいないですから肉食べるでしょうけれども、これは極端な話ですけれども、例えば、二日間の旅行で肉を朝から晩まで食べていた人と、六か月行って肉が大嫌いだから肉全然食わなかった人と、これはやっぱり同じになっちゃうわけですわな。だけれども、そういうことを踏まえて六か月というあれを決めたのかどうなのか、その辺はちょっと私分かんないですけれども、根拠は何なんですか。
○政府参考人(鶴田康則君) 我が国の決めたことにつきましては、先ほど話したとおりでございまして、この審議会の結果を踏まえるとともに、多くの先進国が英国に六か月以上の滞在者について献血受入れ制限をしていたということとの整合性を図ったわけでございます。
 米国におきましては、昭和五十五年から平成八年の間に英国に通算六か月以上滞在した者の供血を制限することによりまして、供血者が英国においてBSEの感染因子に暴露されるリスクの約八七%を除外することができるとされている一方、当該措置の供給者減少への影響も併せて勘案しまして、六か月という期間を米国が定めたものと思われます。
 なお、今、先生おっしゃいましたように、英国等に六か月以上滞在した人でありましても、当然、食生活等の状況は個人ごとに異なると。それを正確に把握して献血の制限を行うことは、現実的には困難でございまして、先進諸国におきましても同様に滞在期間をもって制限の要否を判断していると承知しております。
 以上でございます。
○鶴岡洋君 ちょっと時間がないんでまた後でお聞きしますけれども、私は献血というのは、いわゆる救命のための献血、要するに好意を持ってやっているわけですよね。それから、いわゆる手術等のその役に立ててもらおうということで、献血ですから。それが、来て、あなたは六か月以上イギリスにいたんだから駄目ですよとぱっと言うのは、これはちょっと人の好意を無にするようなことになるんじゃないか。ましてや、もっと突っ込んでいけば、これは人権の問題にもなるんじゃないかなと、こういうふうに私は思うんです。
 だから、この辺をやるならば、そういう懸念があってやるならばやるでそれは結構です。結構ですけれども、これは外国の場合はまた日本と違います、この献血の方法は。それは御存じだと思いますけれども、何かいい方法がないか研究してもらいたいんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(鶴田康則君) 献血時の問診におきまして、問診で分かったときに、こちらの方のお話をしましてお断りしているわけでございまして、先生の御意見をもう十分に踏まえながら、献血時の問診に生かしていきたいと思います。
 また、研究につきましては、そういった研究費の当局とも十分、ちょっと検討させていただきたいと思いますが。今ここではちょっとこうだというふうにお答えできませんが。
○鶴岡洋君 時間があと一分になっちゃったんで、官房長来ていただきましたが、恐縮ですけれども、質問なしで、済みません。
 最後に、安全庁の問題が検討委員会で検討されているということを私は聞いておりますけれども、この安全庁の問題をこれはどういうふうに具体的にするのか。私が考えるのには、農林省にも農林省の方でいわゆる食品の安全、安心ということの立場から、いろいろその検査とかそれから規制とかこれはしているわけです。また、厚生省は厚生省でいわゆるやっているし、やっているんですけれども、こういうふうに社会が複雑化してくるといろんなものがかみ合ってくるわけですね。
 したがって、やはり外国にも安全庁というのが、安全庁とは言わないけれども、安全庁とおぼしき、おぼしきというか、にたぐいする、ドイツにしてもフランスにしても、ちょっと今ここで資料見つからないんですけれども、あるんです。だから、私はやはり一つは、横断的に、関係省庁を横断するようないわゆる規制の掛けられる、それから権限のある、調査機関のある、そういうのを私は作った方がいいんじゃないかと。
 ただ、それも非常に難しいところは私はあると思うんです。これはどこが中心でやるのか、農林省が中心でやるのか、それとも厚生省が中心でやるのか。まあ、今、内閣府というのがあるから内閣府がやればいいような感じもしますけれども、そういう点で今どういう検討がされているのか。是非私は、その権限のある、それから、今たくさん出ています、表示の問題にしても偽装表示の問題。
 ちょっと話長くなって恐縮ですけれども、もうちょっとだけお願いしたいんですけれども、具体的に、昨年の暮れに私、家内と、成田のすぐそばに私は住んでいますから、あの辺はいわゆるスーパーがたくさんできております。それも大型スーパー、十も十五もできているんです。そこへ行くと、肉の売場には黒、黒、黒、黒と一杯あるんです。黒豚のいわゆる肉が一杯ある。そこで家内が私に、こんなに日本に黒豚いるのと、こう言う。私は専門家じゃないから黒豚と白豚の区別は分かんないんだと。白豚も黒豚も赤身を帯びておいしそうだけれども、私は専門家じゃないから分かんないと。だけれども、こんなに私もいるはずはない、うそを言っているのがあるんじゃないのかなと、こういうふうに言っておきましたけれども、ああそうですかとうちの家内は言っていました。こういうふうに、それが今年になったらどうですか、どんどんどんどんそちらでもこちらでも出てきていると。
 それから、これはテレビで先日見たんですけれども、昨年の暮れに東京都でいわゆるスーパーに売っているパックの中の量の検査をしたと、お聞きになっていると思いますけれども。大体三百グラムという肉がパックになっているんですけれども、あれを買って家へ行って量る人は余りいないと私は思うんです。大体三百グラムのやつが二百八十グラム前後だそうです。六割だと。その消費者にインタビューしていましたけれども、まあ五グラム以内ぐらいだったら我慢できるわねと、こう言っているんです。だけれども、三百グラムが二百八十グラムですよ。二百八十グラムですよ。二十グラム少ないんですよ。こんなに多いわけですから、これは詐欺行為ですよな。
 そういうことで、今言ったこの表示の問題については、今まで出てきたやつは私ずっとこれ記録取ってありますけれども、まあとにかく、雪印食品から始まって、佐賀県内のスーパー、高松市の食品加工販売、熊本の韓国産のミニトマト、それから大阪市の小学校の給食問題、スターゼン、大阪市中央区の、これは松坂牛を近江牛に替えたとか、一杯あるわけです。
 これは私はまだあると思いますけれども、出てきた問題についてはきちっとこれ処分して、処分というかペナルティーを与えて、そしてまたそうできるようなシステムを作ってもらいたい。
 長くなって大変恐縮ですけれども、よろしくお願いします。いいですか。
○委員長(常田享詳君) 時間が来ておりますので簡潔に。
○国務大臣(武部勤君) 食品の安全の問題について、行政組織といいますか、どういうシステムにすべきが一番いいかということについては、BSE問題に関する検討委員会の報告を待って、しっかり対応したいと、このように考えます。
 また、食品表示の問題については、食品表示一一〇番、あれをやりましてから一日百件ぐらい電話が入ってまいります。
 そういうような動きの中から、にわかにどんどん出てきていると。いわば私どもの活動と比例してそういう問題が起こっているということでございまして、今後は、やっぱりそういう問題はもう徹底的にうみを出すという、そういう建前でやっていく必要があると、このように思っております。容赦なく徹底してやる、そういう決意で臨みたいと思っておりますし、JAS法の改正については、できれば今国会で罰則の強化を含めてやりたいという、そういう気持ちを持っております。
 ただ、昨日、厚生労働大臣も食品衛生法も改正したいというようなお話もありましたので、公正取引委員会等とも三省連絡会議をやっておりますので、そういったところで少し協議をして詰めてみたいと。
 委員の数々の御指摘を体して、しっかり取り組みたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
○鶴岡洋君 どうもありがとうございました。済みません。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 武部大臣は所信で、聖域なき構造改革に取り組む改革断行内閣の一員として農林水産業の構造改革に取り組むと決意を述べられました。この構造改革は、私は日本の農業とそして農山村に非常に重大な問題でもあるというふうに思いますので、この当委員会でも十分な議論が必要だと思います。
 私は、最近、北海道の空知の農村の町村長さんたちとお話をする機会がありました。その中で出された問題の一つは地方交付税の問題です。人口の少ない自治体に交付金の割増しをする段階補正の見直しで、総務省の試算でもおおむね初年度では千七百万から千八百万と、そして三年目になりますと五千万円程度の削減になることが示されました。これは農村の自治体に大変大きな不安を与えています。これでは農村の規模の小さな自治体にとっては大変になってしまうんじゃないかというふうに思うわけですけれども、やはり農山村を維持する、農山村を守るというお立場にある農林水産大臣としては、そのように思わないでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 地方交付税の交付金の問題については、私も地元の町村長から深刻な様子はよく聞いております。それでありますだけに、私は自民党の過疎対策特別委員会の委員長を務めてまいりまして、新過疎法に関係してまいったんですが、農山漁村の新しいコミュニティーといいますか、その一番大事なことは、そこに住む人々の生活環境でありますとか生活条件だろうと、このように思うわけでございます。
 今後、市町村合併の問題も具体化してくるんだろうと、かように思いますが、その際に、農山漁村政策について、所信表明におきましても、農山漁村の新たなる可能性を切り開き、もって循環型社会の実現を目指す、こういうふうに私は申し上げているわけでありますが、都市と農山漁村の共生・対流ということは、人、物、情報の循環を可能とするプラットフォームづくりということと、市町村のイニシアチブに基づく新たな村づくりと、こういう考え方で取り組んでいるわけでございまして、そういう厳しい財政状況の中で、農山漁村に住む人々、そこで働く人々が、近代的なといいますか豊かな生活環境の下で豊かな農業に全力を挙げて取り組むことができるような、そういう考え方が必要だろうと。そういう意味では、ある意味では集落の再編というようなことも念頭に置いた村づくりということも私は必要になってくるのではないかと、このように考えているわけでございます。
 また、特に都市の人々にとって、おいしい水、きれいな空気、美しい自然というのは、今までは無い物ねだりだったかもしれませんが、昨今夢でなくなったという思いがあるんじゃないかと思います。私どものホームページに一番最初に、農業をやりたい人を応援しますといったら一日に百件以上のアクセスがありました。そういうようなことも視野に入れて、これからの村づくり、農村づくりをどうするかと、そして農村における農業の振興をどうするかということを真剣に考えていきたいと、このように思っているところでございます。
○紙智子君 今のお話の最初の部分でも、やはり大変であるということは認識されていると思います。
 農村の自治体にとっては本当に重大な問題で、空知の町村長さんたちからは、このままでいくとやはり人が住めなくなってしまうという声も出されました。
 全国町村会の前の会長さんでいらっしゃる群馬県の上野村の黒澤丈夫村長さんは、市町村などの自治体は大きければ大きいほどいいというものではないと。農山村の住民は、農山村を守る、そういう貴重な使命を負っているんですと。そして、今、山の守りのために守り賃も掛かりますし、それから国土を守るためにはやはり何らかの財政措置が必要です、交付税によってこの農山村の守り手としての住民がやはり生活できるように財政的な保障をするというのが国家の役割だというふうにおっしゃっています。そして、地方自治は、政治、行政におおむね同じような利害を感じる範囲でやられるべきものであって、その規模は適正な規模で行われるべきだということも述べられています。
 やはり、構造改革という形で地方財政をますます大変にしてしまって、そして町村合併を自主性を無視した形で行うべきではないというふうに私は思うんですけれども、この辺はどうでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 町村合併については、自主性を無視してやるべきでないということについては私は同感でございます。しかし、これ現実問題、財政事情を考えざるを得ないということも事実でございます。
 それから、最近のように情報インフラが整備され交通インフラも整備されているときに、何でもかんでも町役場や市役所へ行かなかったら用が足せないというような、これも非近代的と言わざるを得ないんじゃないでしょうか。ですから、二百戸、三百戸でもいいですから、新たな村を作って、そこで都市的な基盤整備も進めて、農家の人たちもそこに住んで、それであれば酪農家の奥さんもそこに保育所があれば安心なんですね。五分か十分車で走れば牛舎にも行けるわけです。
 私はおととい西興部村に行ってまいりましたけれども、千二百人の村ですけれども、全戸に光ファイバー網が支給されているんです。そして、牛舎に全部テレビカメラで牛の管理ができるようになっているんですね。そういう新しい文明の利器というものもあるわけでありますし、そういう意味で、新しいコミュニティーづくりということをやったらいいんじゃないのかなと。
 私は、特定郵便局辺りを中心に、そこへ行けば何でも用足りる、役場へ行かなくたって全部用足りる、その隣にはコンビニエンスストアがあるような、そしてそこには小さなレストランもある、都市の人たちもそこに移り住む、農家の人たちも生活の本拠地はそこにして通い作をやると、そういうようなことが私はできる時代になったんじゃないのかと。そういったことを組み合わせて、より効率的な財源によってより豊かな生活水準を維持して、そしてより機能的な農業などが営めるような、そういう構想というのは私は可能だと、こう思って考えているわけでございます。
○紙智子君 自主性を無視した形でやっぱりやるべきではないということを私申し上げましたので。
 そして、次に強く町村長さんたちから出されたのは、やっぱり農家経営の問題です。農業の疲弊はもう深刻で、待ったなしというふうに言われます。北海道の農家一戸当たりの平均農業所得は、一九九五年で四百二十三万円だったんです。それが二〇〇〇年で三百二十万円と七六%に減っているわけです。これは年間の平均の所得ですから、本当に大変な状況になっているということだと思うんです。
 そして、こういう中で納税者、納税額とも激減している実態が出されました。私も驚いたんですけれども。大臣は岩見沢、御存じですよね、ここの税務署が報告したところでは、農業の納税者の数は前年比で五五・七%になっているんですよ。納税額でいっても、前年比で六二・三%と激減なんですね。ですから、農業地域といいながら、そこから入ってくる、納税している人自身が本当に極端に減っているということで、もう二重三重に大変な状況があるということが明らかにされました。
 今、これに対して農水省は、これから経営安定対策を三年掛けて検討すると言っているわけですけれども、私はそういう認識なのかということを問いたいと思うんですね。いかがですか。
○国務大臣(武部勤君) 最近における農家経済の実態が非常に深刻であるということは私も承知いたしております。それだけに、今後の農業経営というものがいかにあるべきかということを真剣に考えていかなければならないと、このように思うのでございます。
 また、私の知っている農家は株式会社にして、非常にビジネスチャンスがたくさん農村にはあるんだと言って、相当ここ数年で大きな事業に転換しているという例もございます。それだけに、法人化でありますとか集落営農でありますとか、そういったことも積極的に取り組んで、意欲と能力のある望ましい経営体というものを育てていくということが私は一方において必要だと思いますし、高齢者でも法人の一員として、あるいは集落営農の一員として、この好きな田園、ふるさとで生活しながら、仕事しながら、みんなと一緒にふるさとに定着して頑張れるという方法もあると思うんです。
 しかし、今の現状ですと、紙先生も御承知のように、もう農村の高齢化、過疎化というものは大変な状況に置かれているわけでありますので、今の現状をそのまま固定して、ここで豊かな経営というものを、また将来性ある経営というものを実現させようということは私は容易なことではないのではないかと、このように思います。
 また、もう本当ならばやれるまでやろうと思っているけれども、もし政策的に法人化でありますとか集落営農でありますとか協業化でありますとか、そういった方向でもっと楽できるならば、自分は農業をしたいだけなんだからという人たちもいるわけで、いろんな多様な人々がいるわけですから、多様な人々に対応した多様な私は農村政策ということが大事じゃないのかと、こう思っているわけでございます。
○紙智子君 今いろいろなことを言われたわけですけれども、経営所得安定対策の検討ということなんですけれども、生産者からいつも出てくるのは、やっぱり価格を何とかしてほしいということです。価格保証という声が強いわけですけれども、しかし、この経営対策という中では、その内容は、今、生産者が受けている打撃を緩和する程度のものなんじゃないですか。実際にこの五年、六年と激減してきているその下がった所得を引き上げるというふうにはなっていないんじゃないでしょうか。これは引き上げるようにするんでしょうか。そこのところはどうですか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 経営所得安定対策でございますが、まず、新しい基本法の下で今後の望ましい農業構造を展望しております。その中では、正に効率的、安定的な農業経営が大宗を占める農業構造にしていくんだと、そのためにはその構造改革にチャレンジをされる方々をいろんな形で支援をしてまいります。それはこの所得安定対策に限らず、いろんな補助事業もございますし、金融もございます。そういうものを使ってチャレンジをしていただく。
 ただ、そのチャレンジをされる場合に、価格変動でありますとか、あるいは農業収入等の変動がございます。そういうもののセーフティーネットとしてこの経営所得安定対策は検討しておるということでございます。
○紙智子君 結局、このチャレンジする人を支援するという形で、一部の担い手を対象にして中小というのはそこから外すということがこの農水省さんで出された、これですね、経営政策。この中にも書いてありますよね。それで、結局はすべてのやりたい人たちの意欲を本当に生かしていくということではないんじゃないかと。
 私は、去年八月三十日に経済財政諮問会議の会議が行われていて、そこに武部大臣も出席されています。その中で、一ヘクタール未満の小さな農家についてはこれはガーデニングに近いというような発言をされています。株式会社化を促進するんだとも言っていると。
 しかし、そういう小さな農家をこういう経営安定の対策から外しますと、ますます離農しなければならなくなるし、結局は集落そのものを維持するとか農地を守るということができなくなってしまうんじゃないんでしょうか。懇談した町長さん自身もそのことを一番恐れていたんです。本当に農業者すべてを対象とした手厚い対策を打つということなんでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 一ヘクタール未満というのは一つの目安でございまして、一ヘクタール未満でそれだけで生活を立てるということは、これはなかなかできる話ではないんじゃないですかと。したがって、一ヘクタール、これは兼業農家は別ですよ、要するにそれだけで、農業の収入、農家収入だけで一ヘクタール未満ではどの程度の収入になりましょうか、それならば、一ヘクタールの田んぼを十ヘクタールに集約して集落営農でやるとか、あるいは生産法人にするとか、そういう形で農地を集積してそして協業化するとか法人化するとか、そういうことでやるようにしたらいいのではないかと、こういうふうに私は申し上げているわけです。
 なお、都市の人だって現役のサラリーマンが農業をやることできますよと。それは現地の農家の人と契約して、それはもう小さな畑でも持っていわゆる自分の農場を持つこともできますよと。それはそういう法人組織を作ればふだんいなくたってサービスでできるわけですからね。
 ですから、そういうことで申し上げたんで、一人の農家が一ヘクタールの農地で生活を一から十まで成し遂げることは難しいということを申し上げたわけでございまして、農地の集積をし、法人化など集落営農などにしていったら、これからはそういうふうに農地の集積をしていく必要があるということを申し上げているわけでございます。
○紙智子君 一ヘクタール未満の農家の方も、そうしたくてなったわけじゃないですよ。やはり非常に経営が困難な中で、もうそれだけではやれないから働きに出なきゃいけない、副職持たなきゃいけないと、そういう中でこうした事態が生まれてきているわけです。そして、小さな農家も含めて今本当にこの生産をもう八割方担っているというのが現実です。
 今、私は前回も、去年の十一月にも大臣とこの問題については議論しましたけれども、やはり価格の引上げ、特に米価の引上げの対策、そして農産物の価格を安定させるということでも輸入に対する規制も行わせると、そのことが必要だということを申し上げてきましたけれども、しかし、さきのこの経済財政諮問会議の中で大臣の発言の中では、北海道の農家は会社にしてしまって、冬の間は仕事がないから中国の南の方に行って野菜を作ったりしてそこで商売やったらどうだと、そういうふうに言っていますよ。
 私は、本当に農業だけでは食べていけないからこういう形になってきたわけで、そういう状況に一体だれが追い込んでいったのかと。それにもかかわらず、今、経営が大変だから、仕事がなかったら中国に行って働けというのは余りにもちょっとひどい発言じゃないかと。こんなことを聞いたら北海道の生産者は怒りますよ。どうですか。
○国務大臣(武部勤君) 先ほどの話もしますけど、僕は、お米を基準に一ヘクタール未満と、こう言っているわけでして、ガーデニングということを言ったのは、花作り、花卉栽培だとかそういったことはできるんですよ。それから、花卉栽培であれば年取ってもできるわけですから。だから、そういう組合せが必要だということを言っているんです。
 それから、北海道の農家でも、なおさらのこと負担が掛かっているんですよ、もう夫婦二人で広大な面積ですから。だから、法人化をして人を雇ってやるという方法を考えたらいいのではないかと、ビジネスチャンスというのはたくさんあると。農業に関連する産業は百兆円の売上げあるんですよ。農家の売上げというのは大体十兆円未満じゃないですか。
 だからもっと、私は、専業化、専業化と言っているけれども、専業農家の兼業化というか、いろいろなビジネスチャンスを生かしてやるべきでないかということを申し上げたわけで、現に私どもの地元では、今言いましたように、冬の間をどうするかということを考えている若い人たちいるんですよ。冬の間も遊ばない方法を考えようと。みんなが同じようにタマネギを作ったり同じように米作ったりしていると、あれこれと手を出せないと。それを法人化すれば、法人化すれば一部の者は、中国でもいいですよ、出掛けていって人を雇って生産できると、そういうもくろみを持っている人たちもいるんです。
 私はそう簡単にそれはいかないと思うんですよね。それは、輸入農産物のことを言っているんだから、それは農林水産大臣としてはそう言うことは適切ではないかもしれませんけれども、しかしこれからの農業というのは法人化などによっていろいろなことができるということを私は提唱しているわけでありまして、それは誤解のないようにお願いします。そういうもくろみ持っている若者たちはいますからね、現に。それから、農業だけじゃなくて商売やろうと、そういう、だから、こともあるんで、この一部を取り上げてそれがすべてのような考え方にならないように、あえてまた誤解のないように申し上げておきたいと思います。
○紙智子君 私は法人化されているところも見てきました。それで、本当に五軒、六軒と若手の後継者がいるところの人たちが、やっぱり息子たちのためにということで、町も農協もそれこそ出資をして法人化立ち上げてやっているんですよ、ハウス作って。ところが、この後の見通しどうなんだということを聞きますと、そこはトマトでしたけれども、輸入で入ってきていると、それでもって価格が下がるためにこの後の見通しが本当に大変だということを言っておられて、だから法人化すればすべてうまくいくわけではないと。
 ですから、私はやっぱりそういう意味では、大臣がおっしゃったような、一部に集中してとにかくそこを支援するんだと、それ以外の小さなところはそこから外すということではなしに、やっぱり価格を本当にきちっと据えていくという対策を今進めることが大事だということを申し上げまして、次の負債対策の問題に、負債問題に入らせていただきます。
 それで、政府の政策にのっとって言わば模範生として規模拡大を進めてきたのが北海道の農家です。畜産農家、それから稲作農家、こういう農家の方々が今大変大きく膨れ上がった負債でつぶされそうになっているわけです。この問題をどう解決するかということに今後の農業の存亡が懸かってくるというふうに思っているんです。
 去年八月に発表されたこの経営政策、この中で、償還不能な負債を抱える農業者が多く農業経営が停滞している地域において不良債権の最終処理に向けた合意形成を促すと述べている内容があります。具体的に、これ、どういうことを指しているのかお聞きしたいんですが、ここで言っている負債農家の選定というのはどういうふうに決められるんですか。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
○政府参考人(川村秀三郎君) 今お尋ねのことにつきましては、十四年度予算におきまして具体化をしておるわけでございます。負債農家や離農農家の経営の再生を図るということの支援策といたしまして、地域におきまして不良債権の最終処理に向けた合意形成、こういったものを促すとともに、その地域で中核となる農業生産法人ということで、市町村や農協の出資を受けた農業生産法人を作るということがまず一点ございます。そして、再建困難な負債農業者の経営資源等をこの中核となる農業生産法人へ継承するということでございます。その場合、農地保有合理化法人がございますので、それも活用いたしまして、当該農地を現物出資をするといったような支援を行いたいということで事業を考えているところでございます。
 この負債農家の考え方につきましては、正に既往の……
○紙智子君 選定はどのように。
○政府参考人(川村秀三郎君) 選定につきましては、正にその負債の状況を見まして、それが償還可能かどうかというところを精査をして決めていくということで、これはかなり個々の判断にわたると思います。画一的な基準ではなかなか判断できないと思っております。
○紙智子君 本人がちゃんと分かった上でやられるんですか。本人が、その意思に無関係に決まるということはないんですか。
○政府参考人(川村秀三郎君) これはもうあくまで当事者間のお話合いということでございますので、その意思を無視してするようなことはないということでございます。
○紙智子君 結局、実際にやるというふうになると、その法人を作って出資する農協とか市が、市町村が出資者になるわけですけれども、本人が入らないところでどこそこの農家をどうしようとか、そういう話合いをするということになるんじゃないんですか。そして、いざ決まったら後で説得に入るという形にならないんでしょうか。その保証というか担保はできるんでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) これはもう正に今後のその事業の実施の具体的な運営になるわけでございますが、正にそういう意思を無視したようなことというのは非常にいいことではないわけでございますので、正にその合意形成ということは、そういった方々を含めた関係者が納得の上でそういう対策を講じていくということでございます。そういうことをまた指導していきたいと思います。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
○紙智子君 この経営政策の中で書いてある、経営政策の中で書いてある多額の負債を抱えた農業者が多く存在する地域、こういう地域で今何が起こっているのかということなんですね。
 あえて名前は言いませんけれども、私が調べたある地域では、七百五十戸の農家のうち、昨年の末で三十二戸に農協が離農勧告しています。二百五十戸が既に再建整備資金の対象で、規模拡大のために公社から農地を購入した農家というのは離農勧告予備軍になっているんです。たくさんいます。
 それからまた、ある地域では、販売農家が三百六十戸、米農家の負債が一気に増えてきたんです。十ヘクタールぐらいの大規模な農家の場合、年間で三百万から四百万この借金が増えてきている。この負債が増える傾向にある農家の五十四戸のうち三十六戸を要対策農家ということで指定して、そしてそのうち十一戸には、おたくのところは一年休んでください、子供も含めて働いてください、奥さんも働きに行ってくださいと、こういうことを言っているんですね。農業を続けようという意欲があってもこういう形で離農させられている現実があるんですよ。
 だから、農業の担い手を切り捨てていくようなことをやっていくような構造改革というのは許せないし、やはりこれを今、農水省が組織的にやろうとしているんじゃないかということを私は非常に危惧するんです。現場でこういうふうな話が実際に今されていると。
 そういうときに、先日ちょっと説明聞きましたけれども、負債農家の経営資源継承法人の育成と、こういうスキームがもし回っていったとしたら一体どういう事態になるか。これはもうどんどん離農勧告進めるようなことになってしまうんじゃないかということを非常に心配するわけなんですけれども、そこはどうですか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 先生が今御指摘のような、地域によってはなかなか、非常にその再生のためのプランが作りにくい地域というのもあるということは十分承知しております。それがゆえに、正にその地域の再生、その地域農業をどう位置付けていくのかという非常に重要な課題を抱えているということでございます。
 そういう中で、この今申し上げました事業も一つの手段として活用していただきたいということで、またその運用に当たりましては、先ほども言いましたように、あくまでやはり合意形成というものを基本にやっていただきたいということで、我々はそれを十分指導していきたいということでございます。
○紙智子君 今、負債を抱えている農家の多くは、ちょうど十年前です、九二年の新政策が出されたときに、その中で望ましい農業経営ということが出されて、それを目指して忠実に規模拡大を実現をしてきた農家です。規模拡大のために多額の負債を抱えて、そして乳価も米価ももうずっと下がってきていると。そういう中で窮地に立っている農家に対して、おたくの農家は償還不能だといって判断されたら、農地も結局取り上げられてしまうと。そういう事態になることを農水省の方針として進めることになってはいけないと私は思うんですね。
 それで、大臣にお聞きしますけれども、この一番の負債対策というのは一体何だと思いますか。
○国務大臣(武部勤君) 農家の負債対策を講ずるに当たっては、やはり意欲と能力のある農業者が経営の実情や課題等を十分に認識して、融資の返済可能性を含めて的確な見通しを立てた上で経営改善に主体的に取り組む場合に、これを適切に支えていくことが私は大事だと、このように思います。
 このような観点に立ちまして、既往借入金の償還負担の軽減を図るために、本年度から農協系統の農業経営負担軽減支援資金、また農林漁業金融公庫の農業経営維持安定資金、同じく公庫の経営体育成強化資金を創設しまして負債対策に万全を期しているところでありますが、この実績を見ますと、本年度から創設された新たな負債整理資金の利用状況について申し上げますと、負債整理資金の利用状況は、三資金合計で二百二十四億円であります。
 各種負債整理資金の十二月末までの具体的な利用状況は、都道府県及び農林漁業金融公庫からの報告によれば、農業負担軽減支援特別資金が七十八億円、農業経営維持安定資金が八十五億円、経営体育成資金が六十一億円、二百二十四億円でございまして、一方、十二年度における負債整理資金の貸付実績が合計で五十九億円でありますので、約三・八倍になっているわけですね。本年度に創設された新たな負債整理資金は、その資金内容から見て効果があり、十分に活用されているものと考えるわけでございます。
 負債整理については、私どもも最も重要な施策と考えておりまして、現地の農家の皆さん方にこれが受け入れられやすいような、そういう制度に改善をしてきているわけでございますが、しかしやはり意欲と能力のある、そういう経営体というものをいかに育てていくかということが大事だと、このように思っております。
 同時にまた、いろんな方々が農村におります。そういった方々が、経営を移譲したいんだけれどもなかなか負債で移譲できないというようなことで困っている人もいるんです。そういう人たちがスムーズに円滑に移譲できるような、そういう方策ということも一方において必要なのではないかと。これは決して農家を切り捨てるということではないと思うんですね。そして、法人化等によってそういった方々も別な形で一緒にやっていけるという方策を私どもは考えて、今みんなが少しでも幸せになるような道をと、このように考えて負債整理対策の改善に全力を尽くしたいと、こう思っているわけでございます。
○紙智子君 次にしようと思っていた質問のとこまで踏み込んで回答されたんですけれども、私は、やはり負債対策ということで今本当に大事だと思うのは、農業従事者の方が本当に存続できるようにすることだと思うんです。その意味では、国境措置と価格支持政策、これを中心に思い切った保護政策を取るということがやっぱり今大事だというふうに思うんです。
 WTOの協定があると言うかもしれませんけれども、日本に対してさらなる市場開放を要求しているアメリカだって、自国の農業に対しては農民支援制度を整備しています。価格・所得制度としての直接固定支払制度とか、実質的には農産物の定価の価格を保証する価格支持融資制度とか、こういう形で、自給率だって一〇〇%超えているじゃないですか。
 日本のように四割にも満たないような、そんな状況になっている国がどうして保護政策取らないのかということを逆に私はもっと毅然として日本は世界に向かっても言わなきゃいけないというふうに思うんですよ。それこそ負債対策の大道だというふうに思います。
 そして、続けて次の質問のところですけれども、今どれだけの実績、借りられているかという話がありましたけれども、現場を歩きますと、やっぱり制度はいろいろあるんだけれども実際に使えないという声を聞きます。経営改善計画の条件が厳しくて使えないと。それから、経営改善計画を作って申し込んでも農協ではねられちゃうと。それから、ある地域では、農協が合併して職員をリストラして、リストラが終わった、今度は組合員イコール農民のリストラだと。だから、農家の再建より不良債権処理の方が先だ、新たな資金を貸すことはしないんだという話になっているというんです。これでは本当にいけないと。
 こういう状況を本当に考えたときに、制度の趣旨に反することが現場では行われているということでは、やっぱり本当に困っている人、借りたい人が借りられるような努力をするべきではないかというふうに思います。
 ちょっと時間も迫りましたので、あとBSEの問題ですけれども、集中審議も行われるようですので、ここでは二つだけお聞きしたいと思います。
 廃用牛の流通緊急支援事業ということで一か月半たちました。それで、この廃用牛、経産肉用牛の滞留については相変わらず解消していない状況です。農家は、BSEを出したらやっぱり地域全体が迷惑を被るということで、もう自分のところだけじゃ済まないからなかなか出せないということを言っています。
 猿払村でも牛乳についてはまだ元に戻っていないということです。そして、それ以外の地域も、牛肉と一緒に食べる野菜、ニンジンとかお芋、タマネギとか、こういう野菜まで一緒に過去にないような販売不振に陥っていて出荷調整を行っていると。これは十勝の話ですけれども、こういう事態も出ている。それから、あるところでは、メロンを作ってきたんだけれども、肉骨粉を肥料に使ったために風評の被害でもってこれもまた下がっていると。だから、肉だけじゃない。こういう形で、いろんな形で影響が出ているということなんですけれどもね。
 この周辺をめぐる影響については、農水省は押さえているんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) これまで三例BSEの発生が見られたわけでございます。
 先生おっしゃるように、発生直後に一時的に他の農畜産物にも影響が生じたというお話は関係者から伺っているわけでございます。
 私ども、このBSEに関連いたしまして風評被害というものが生じないようにするためには、今の安心、安全な牛肉しか供給されないんだというこのシステムについて皆様方に理解を深めていただくと。我々が十月の十八日以降、昨年の十月十八日以降、全頭検査という体制を取ったということについて、それを通せばもう安心な牛肉しか出ないんだということを理解していただくということが何よりも基本的に重要であるというふうに思うわけでございます。
 発生農家対策として、我々、廃用牛の流通緊急対策あるいは互助制度、いろいろ講じてまいりました。その基本になるところは、やはりいろんな先入観を持ってそういうところ、発生農家とか発生地域を見ないでいただきたいというその基本のところの御理解というものを醸成をしながら、一方では農家の方にも、互助制度だとか廃用牛は買い上げて焼却するという、そういう事業を仕組んだということで、思い切って出荷をしていただくような雰囲気づくりというものが重要なのではないかというふうに考えている次第でございます。
○紙智子君 発生地域の名前が付いているだけで拒否されるというのがあるんですね。北海道のものは要らないとか、そういうやっぱり影響も出ているということで、一番言いたいことは、なかなか屠場に回っていかないという今のこの本当に大変な状況というのをどうやって打開するかということなんですよね。生産者の側もなかなか恐ろしくて、自分だけで事済まないものだから、周りにも迷惑を掛けるから出しにくいというか出せないでいると。結局もう、例えば屠場に出さないで直接もうレンダリングに回しちゃうというところもあるという話も出ているんですよ。
 だから、本当にちゃんと屠場に行って検査もしてもらうというふうにするためにも、やはり地域全体でも、もし例えば、そうなってほしくないですけれども、四頭目が出たとかといった場合にも、それでも大丈夫です、本当に地域が安心してこれから続けていけるからどんどん出しなさいと言って出しやすくするためにも、地域の様々なほかの影響も含めて考えていただきたいということなんですよ。
 そこを最後にお答えいただいて。
○国務大臣(武部勤君) これまでの佐呂間とか白井市だとか猿払、それから宮城村ですね、総務大臣にお話をして、特交でそれぞれの町や村がやった地域対策、それについては手当てをしていただきました。同時に、今、局長から説明いたしました互助制度でありますけれども、これは一頭当たり、代替牛を買うのに五十万、それから経営再開・維持のためには十万、一頭六十万円、四分の三は国で持ちまして、四分の一は生産者が持つと。そして、牛も疑似患畜等がいなくなって牛舎が空っぽになって、遅くとも一月以内に全部その地域の酪農家と契約して搾乳できる牛が集まるようなそういう仕組みを作ったわけでございます。
 従来の対策に加えてそういう形をやりますから、五十頭であれば三千万出ると。今までは二千五百万ぐらいだったのがそれにプラスして三千万、五千五百万ぐらいの収入が入る。そういうことで、万が一出た場合に、これまでやってくれるなら腹を固めてやろうという、そういう気持ちを持ってもらうことと、地方対策は二分の一、国が助成することにしているんです、地域でやることを。そういう仕組みも作りました。ところが、まだこれは先生方も余りよく御存じないようでありますし、また我々もこれ平成十四年度からの事業でありますが、しかし十四年度ですけれども、私は指示しまして、宮城村と猿払と白井市、こういったところの当該農家についてはきちっと対策、その後もやることにしました。
 それから廃用牛についても、今ようやく全県分かりました。農協が止めているところもあります。それから、県が止めているところもあります。全部実態分かりましたので、それで二人の副大臣と政務官に今、全都道府県行脚していただきまして、そして知事さんにもお会いして、具体的なお話を詰めていただくことにしておるわけでございまして、おかげさまで、聞くところによりますと、宮城村でありますとか、白井市の内藤さんでありますとか、今はもう元気に頑張っているということも耳にしておりますので、そういったことが、そういう実績が出てくれば酪農家の皆さん方もあるいは生産者、農業団体も、これならひとつ国の政策に協力しようということになってくるんじゃないか、こう期待をしているわけでございますが、なお我々努力して、そういう不安や恐怖に近いものがございましたので、それを解決するために今そこのところが一番大事だ、こう思って努力をしている次第でございますので、御理解いただきたいと思います。
○紙智子君 生産者の方は本当に冷や汗を流しながら一頭一頭出しているという状況なんですね。ですから、本当にそこのところを酌み取っていただいて、地域含めた対策ということでお考えいただきたいということを言いまして、質問を終わらせていただきます。
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。
 午前中から、やはり今の農業問題、BSE牛と米の問題を中心としていろいろ議論されておりますが、私も大体その辺に焦点がございまして、したがって今までの議論で大分御説明いただいているところもございますので、余り重複をしないようなつもりで質問させていただきたい。それと同時に、私のところ、まずBSE牛についてですけれども、我が県でも今月の初めに、食の安全、畜産、酪農家の集いというのがございまして、その場で切実な声を聞かせていただきまして、私どもの予想もできないような現場の声というのをいろいろ聞かせていただきました。
 そういうような視点からちょっと質問をさせていただきたいと思っているんですが、その後、いろいろとEメールなんかが参りまして、一つだけ持ってきたんですけれども、例えばそこに出席した方から来た一つのEメールですけれども、これは奥能登で酪農を三十年もやっている方からでございますけれども、一つは廃用牛流通円滑化事業というんですか、これに該当するんだと思うんですけれども、四万円の補助が出る。しかし、十月以来、牛一頭の飼料代が月五百六十円。既に六か月掛かるということは、月一万六千八百円なんですね。それに六か月掛けますと十万円になるんですね。四万円じゃとても賄い切れない。これはどういう根拠ですかねというような、こういう声で、私はこれに関して御回答を求めるつもりじゃないんですけれども、いろんな面で我々の予想しない問題が起こっているんだと思うんです。
 私は、この狂牛病の問題というのは、先ほど鶴岡先生、人災とか自然災とか言われた。なるほど、ああいう御分析かなと思うんですが、どちらであれ、今の状態というのは、これは災害に遭っている状態だと思うんですよね。災害だと考えればこれは復旧しなくちゃいかぬ、原形復旧しなくちゃいかぬ。ということは、やはり牛乳にかかわる生産から流通までの流れを去年の八月時点に戻さなきゃいかぬ、それが今回の対策の大きなポイントだと思うんですね。
 したがって、今そうは言いながら、なかなかそこまで戻らない。しかし、いろんな被害報告が来る、思いも付かない被害報告が来る、そういうものについて的確にそれを把握して対応していかなければいけないんだと思うんですけれども、まず当面、いろんな問題が出てくることについて、今言いましたような価格の問題とか、あるいは前にも出てまいりましたけれども、屠畜場で引き受けてくれないとかいうような話もございましたし、朝から議論ございますように、出す方が自分が皆さんに迷惑を掛けるんじゃないかといってなかなか出せないというような、こういう状況もあるわけですけれども。
 そういう予想もできないようないろんな被害といいますか、そういうものに対して的確につかんでいく責任が、これはやっぱり今回の事件の当事者といいますか、対応する当事者であります農水省の責任だと思うんですけれども、そういう責任の面から、こういういろんな声、これはどんなふうにしてとらまえているのか。それに対する対応、大臣いろいろ言っておられますけれども、こういう今の被害を受けた、災害として考えた被害を、どういう被害があってどういう要望があるかということをどの程度把握されているのか、ちょっと御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 大臣がたびたび言われておりますけれども、今回の一連のBSE問題の経緯の中で、起こり得ないことなどこの世に存在しないという危機意識の徹底と、そのためのコミュニケーションの重要性ということについて徹底をされているわけでございます。
 このBSE問題、問題が経過するに従っていろいろな問題が生じてまいりました。感染源の究明、消費拡大、それから肉骨粉の焼却、検品体制の問題、それぞれ関係する団体でございますとか、関係の方々がいろいろな要望を持ってこられます。大きな問題につきましては、私どもそれぞれチームを作りまして、責任者を決めまして対応するという体制を整えているわけでございます。
 最後は雪印乳業の問題まで生じましたので、そのためのチームも作りまして責任者を決めまして、関係の業界あるいは方々からの要望をきちんととらえて対策を練ると、その過程において報告、連絡、相談というものをやっていくと、そういう専従のチームを設ける等して機動的な体制づくりということをやっているところでございます。
○岩本荘太君 御苦労を掛けておると思いますけれども、端的に言いまして、先ほど読み上げましたこういうお金の問題とか、どうも納得いかないとか、そういうことはどういう経路を取って情報が収集されるか、あるいは農林省の方がそういう収集に働き掛けているのか。その辺はどうなんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 例えば、先生言われました今の老廃牛の問題でございますれば、全国各地の、特に酪農地帯の生産者団体の方から要望が上がってくるわけでございます。
 これはどういう対策があるかということですけれども、最初は滞留して困るというお話でございましたので、一時的な保管施設に保管をしようと、そしてえさ代等も助成をしようと、こういう対策で始まったわけでございますけれども、そのうちに全く流通しない、肉としての価値がなくなったというような情勢が生じまして、買上げという制度にしたわけでございます。
○岩本荘太君 対策を、私、ただしているわけじゃなくて、こういう現実に、私が読んだのが、今申し上げたのが特殊かどうか分かりませんよ。しかし、そういう声がある。それは生産者団体といいますか、そういう組合系とか、そういうところからそれは聴取されるのもそれはいいかもしれませんけれども、本当の被害を受けている生産者の生の声が酌み取れるような、私は自分も行政をやってきましたから申し上げるんですけれども、その辺の酌み取りというのが一番災害というものに遭ったときの重要な面であろうと、私はこう思っているわけでございます。
 それと、ついでで、これは質問通告なんかしていなかったんですけれども、先ほどもちょっと出ました危機管理の希薄さというのを、大臣、いろいろ今回の事件についておっしゃられておりますけれども、これは、いわゆるこういうことを制度とか何かで直されるのも結構ですけれども、単純に言ってこれは意識の問題なんですね。意識の問題でありますから、要するに、そういうことを言い出せる環境、それからそれを受け入れやすい環境というものを作っておかないと、なかなかそうはならない。ということは、これは、大変申し訳ないですけれども、やっぱりそういう組織の一番長の人がそういう環境づくりというものに対応しなきゃいけないんじゃないかなというような気がいたしますし、さらに、これはちょっと口を滑らせた面もあるかもしれませんけれども、こういう問題は多分に技術的な問題なんですね。
 技術的な問題というのは、これは農業問題から離れて申し訳ないんですけれども、例えば、去年ですかおととしですか、東海村の原子力の臨界事故とか、私、災害にいたものですから、不知火の水害なんか見に行ったんですけれども、あれも物すごい技術的な問題なんですね。そういう中で、あの当時、もう東北大から岩手大学に行かれたですかね、西澤潤一学長が新聞に出されておりましたけれども、技術屋の責任の希薄さも言っているんですけれども、技術屋の待遇の悪さというのを言っているんですね、今の世の中。だんだんそういうふうになっていることがいわゆる技術屋のやる気をなくしているというようなことを指摘している記事があるんです。
 そこまでは申し上げませんけれども、前段のやっぱりそういう環境づくりということが大事だと思いますけれども、この辺、大臣の御所感をお聞かせ願えたらと思います。
○国務大臣(武部勤君) 岩本先生へのお答えになるかどうかわかりませんが、私ども、BSEの問題に限らず、農林水産省のどこに問題があるかということを私なりに問題意識を持ちまして、情報戦略タスクフォースというものを直属に作りまして、そして「国民に信頼される開かれた農林水産省の再生に向けて」という、そういうレポートを今日受けて、これを事務次官に指示しました。
 言ってみれば、情報の受発信に関する問題点が非常に多いと思います。情報収集が必ずしも体系的、戦略的、機動的に行われていないとか、それから情報収集ルートが十分に活用されておらないとか、また費用も十分でないとか、そういった問題についてイロハからきちっとやり直そうということで体系立ててやっています。私にも大臣補佐官というのを二人付けました。そういうようなことだけでも随分動きが変わってきています。そして、消費者サイドに立った行政に軸足を大きく移すんだと、これだけでも大分意識が変わっています。
 このレポートの中には、農林水産省の職員を量販店とか飲食店に派遣して研修までさせようと、そういうことを実際やるんです。ですから、今、生産局長からいろいろ答弁がありましたけれども、やはり他省庁とのコミュニケーション、それから都道府県とのコミュニケーション、このコミュニケーションということが一番欠けているということがそもそも出発点から問題だったんだろうと、このように思っていまして、そういう点に重点を置いて、農林水産省の意識改革に始まって、先生御指摘のような問題解決に今真剣に鋭意取り組んでいるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○岩本荘太君 よろしくお願いいたしたいと思います。
 ただ、ちょっと今、言葉じりをとらえるようで申し訳ないんですけれども、大臣、時々、農業者、生産者に対する目が多過ぎた、これからは消費者と言われるんですけれども、私はどうもちょっとそれが納得できないんですが、大臣の言われるのは生産者じゃなくて生産者団体じゃないかなというような感じがしてならないんですが、これは特に御答弁は要らないんですが、生産者なんですよね、これは。生産者と消費者があるわけですね、大きく見て。
 それで、消費者に対する対策というのは一応全頭検査で危ないものは口に入らない、これができたわけですけれども、生産者に対する安全宣言はまだ本当はできていない。これ、安全宣言は何かといったら、先ほど言いましたように、八月の状態に戻して安心して育てること。そのための努力をされる姿を見せないと、生産者は納得なかなかされない。これについては先ほどだれかの質問に御答弁ありまして、これから三月一杯で何か出すんですか、ああ、これは三月一杯じゃないか、要するに、そういう取組をされるというお話を受けましたので、これ以上申し上げないんですが。
 要するに、一番困るのは何かというと、これ、今申し上げましたように、生産者から消費者まであるわけですけれども、言い過ぎかもしれませんけれども、いわゆる消費者というか、焼き肉屋さんは、これは外国産牛でも間に合うわけですよね。肉屋さんというのも、あるいは言い過ぎかもしれませんけれどもそういうもので間に合う。そういうものじゃ代替できないのは生産者、それと解体業者ですかね。したがって、そこの人たちに対する目をしっかりと向けなきゃいけない。そういう意味で私は、生産者に余り目を離していただきたくないということを申し上げたいんですけれども。
 それはそれとして、最終的なスタイル、スタイルというか、八月時点にはなかなか戻れないと思うんです。戻らない姿というのは、これはやっぱり生産者なりそういう人たちにきちっと今何をしているかということを実態を知らせなきゃいかぬ。それによって納得する。災害であれば、みんなこれは大臣が作ったとは思っていないですよ、それは。まあしようがないなと思っているんですけれども、その後がやっぱり大事だと思うんですね。そこをしっかりやってもらいたい。
 と同時に、今言いました、生産者の困った場合、これは先ほど和田先生が言われたですかね、今、じゃどうすればいいかといったら、生産者に対してはやっぱり需要拡大しかないと思うんですね。生産者のいわゆるやる気を起こさすといいますか、経営をしっかりと元に戻そうとする過程として。とすれば、今回のこういう事態、事件の発生あるいはいろんな混乱、あるいは需要の減退、これの全責任はやっぱり私は農林省にあると思う。したがって、今、当面そういう困っている人に対する需要対策、需要の拡大対策というのも、これはもう本当に農林省が全責任を持ってやってもらわなきゃいけない。米の消費というのは掛け声だけでなかなかできない。そんなものではだめな、もっと問題の大きい問題でございますので、その辺をしっかりやっていただかなきゃいけない。この辺について御所見をお願いします。
○国務大臣(武部勤君) 私ども、先生からも御指摘されて、私の言うのは、生産者と消費者の顔の見える関係を作るということでございます。消費者が求めるものをきちっと供給体制作らないと自給率も上がらないと、生産者が成り立たないということでございまして、言わば消費者と生産者のコミュニケーションを農林水産省がきちっと取る、そういう役割を果たしていこうということでございまして、需要拡大ということはもう何よりも大きな喫緊の課題です。いろいろな川上対策、川下対策、いろいろありますけれども、一番これはもう全体が求めているのは需要の回復でございまして、これは国民的なキャンペーンをやる必要があると、このように思っております。
 やっぱり国民の皆さん方に科学的に正確に迅速に今何をやっているかという情報を伝えるということと、生産者にも同時に、どういう動きになっているかということなどもきちっと伝わるようにしなくちゃいけないんじゃないかと、こう思っておりまして、今この具体的なPR策について、今相当突っ込んで、予算も相当思い切った予算を措置してやる努力をいたしておりますので、このことも先生方に逐次また御報告させていただきたいと思います。
○岩本荘太君 よろしくお願いします。
 それと、Eメールのまた別の続きなんですけれども、もう一つ、今、農家渡しの肉価格がマイナス五〇%なのにスーパーの店頭では以前と同じ価格で肉が売られているのが不思議ですと、こういうあれがございまして、私もここまで言われるとちょっと調べてみなきゃいかぬなと思って畜産局といいますか生産局に問い合わせさせていただきました。正式な資料提出じゃないんですが、これお手元にちょっと配らせて……
○国務大臣(武部勤君) いただいています。
○岩本荘太君 要するに、BSE発生前後の枝肉価格及び小売価格の推移と。発生前というのは八月ですね。
 それで、この表は、この数字は一応、実数はこれは生産局からいただいたもので、私は、それを百分率といいますか、指数にしてこう横に書いてございますけれども、上のやつは、一番上の枝肉価格というのはこれは生産者価格と考えていいと思うんですけれども、小売価格がこれはいわゆる小売価格ですね。それと、一番上のやつがこれはいわゆる去勢和牛で、それの右側がそれの小売価格と読んでいいというふうに私は伺っております。下の方は、乳用種の去勢とそれから交雑種の去勢、これが小売価格が右の方にこう並べてある。
 こういうあれなんですけれども、生産局長、これ大体生産局はこういうふうな認識をされているということでよろしいんですね。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私どもがお作りした資料でございます。
 特に枝肉の中でも真ん中の乳雄、それからその下のF1、交雑種、これが八月から比べると、三割だとか四割のレベルに比べて小売の方は通常価格も特売の方の価格もそう下がってはないという状況でございます。
○岩本荘太君 局長今言われましたように、いわゆる下段の方は三割四割、これがしかし通常価格では一割も減っていないんですね、特売なんか更に減っていないんですけれども。
 こういう実態で、Eメールの方も、だれか中間に笑いが止まらない人の存在があるはずですと、こう書いてあるわけですね。生産者にしてみればこういう気持ちですよね。こういう実態について、農林省はどういう分析をされているのか、あるいはこういうことを是正できるような方策というのがあるのかないのかですね、その辺を教えていただきたい。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私どもも量販店等でヒアリング等をしているわけでございます。そこでは、やはり特売、週末に特売する、あるいはメニューの組み方を工夫することによって大分量ははけるようになったということでございます。
 一方におきまして、やはり小売屋さんも何というんですか、商売でございますんで、量が売れない場合に価格を下げるわけにはいかないというような御回答もございまして、私どもとしては、価格を下げればそれだけ売れる、要するに消費の回復につながるというふうに認識をしておりまして、小売段階での消費拡大キャンペーン等に対する支援というもので、できる限り安い価格で量がはけるように、そういうようなことの環境づくりに努めていきたいというふうに思っている次第でございます。
○岩本荘太君 その意気込みは大変結構でございますけれども、この数字を見る限りは全然そうなっていないわけですよね。今までそういう努力をされたのかということになるわけですけれども、まあ、大臣ひとつこの辺、生産者の気持ちも含めてこういうものに対する農林省の取組、どうされるか。もしございましたら。
○国務大臣(武部勤君) 私も、絶えず事務方にはどうもこれはおかしいんじゃないのかということを言っているんです。しかし、大体の説明は今、生産局長言ったようなことなどなんですが、実際に焼き肉屋さんへ私行きましても、ワインは付けても安くしないんですね。そう言いました、安くしないんですって。その代わりワイン一本付けるんですって。こういうお話をして、あ、なるほど、こういう御商売やっているのかと言って、それがすべてじゃないでしょうけれども。
 しかし、いずれにしましても、これはずっとこういう形で続いていますので、これが生産者にとっても不信につながりますし、消費者にとっても不信につながりますし、このところは先生御指摘のことを踏まえて、もう一度徹底究明に努めたいと、事実関係をしっかり把握するように努めたいと、このように思います。
○岩本荘太君 こういういわゆる価格管理というのは、これは生産局の所管なんですか。僕はちょっと分からないんですけれども。昨日もヒアリング、担当者が来られたときに、もしほかの省だったらほかの省をお呼びしようかと思ったんですけれども、どうなんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 価格管理と申しますか、牛肉の生産から消費までの所掌というのは農林水産省がやっているわけでございます。
 ただ、おかしなことをして、例えば経済的地位を用いて何かいじめておるとかそういう問題でございますと、公正取引委員会の所掌になるわけでございまして、私どもの方からなかなか個々の価格について何か口出しをするというのは難しゅう、所掌事務上難しい状況でございます。
○岩本荘太君 難しいとすれば、直らないということでありますから、この辺大臣、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 時間が迫りましたんで……
○国務大臣(武部勤君) ほかの省庁とも相談してみます。
○岩本荘太君 よろしくお願いします。
 それと、BSEはそれぐらいにして、時間がありませんので、それ以外に、ひとつちょっと順序というかヒアリングの順序と変えますけれども、中山間地対策について、これやっぱり農林省の大きな仕事だと思うんですが、今回、大臣の所信表明をお聞かせ願ったら、そういう言葉がないんですね。それで、農村とかそういうところが共生するとか、いろいろこれはございますけれども、いわゆる中山間地というのは農地面積の七割ぐらいが資源ですかね。やっぱりちょっと違うんですね。違いますし、またそこでは単なる農業政策ばかりじゃなくて、やっぱり農家政策といいますか地域政策といいますか、一つ別途の施策が必要だと思うんですけれども、したがって農林省がおととしからですか、それに取り組んだというのは大変いいと思うんですけれども、まず実績として、局長見えていますんで、その辺の今の実績どんな具合か。
○政府参考人(太田信介君) お答え申し上げます。
 平成十二年度に始めました中山間地域等直接支払制度のことかと存じますが、平成十三年度におきましては、全国で千九百十六市町村が交付金を交付する見込みになっております。協定締結面積でいきますと、約六十三万三千ヘクタールでございますが、更にこれを協定数というところで見ますと、集落協定、個別協定を合わせまして約三万二千というふうな数字に上ることになります。
 これを平成十二年度と比べてみますと、交付金交付市町村数あるいは協定締結面積、いずれも二割近く増加する見込みでございまして、また対象農用地を有する二千百三十八市町村の約九割、市町村基本方針に定められた対象農用地面積の八割で交付金が交付される見込みということになってございます。
 このような実施状況につきましては、制度の浸透、定着という点では依然立ち上がり途上にございますので、二年目としては相当程度進捗したものと考えておりますが、平成十六年度までのこの事業の実施期間に所期の成果を上げるべく、実施状況の点検、検証を行いながら、一層の推進を図ってまいりたいということでございます。
○岩本荘太君 この後、大臣に御質問させていただこうと思ったんですけれども、時間が参りましたので、明日またあるようでございますので、明日また大臣のお考えはもしよければじっくり聞かせていただきますことにして、今日はこれで終わりたいと思います。食糧庁長官、申し訳ないです。
    ─────────────
○委員長(常田享詳君) ここで委員の異動について御報告いたします。
 本日、渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として山本香苗君が選任されました。
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○中村敦夫君 BSE関係で、牛肉買上げ事業について質問させていただきます。
 まず、大臣にお伺いします。
 昨年の十月二十六日に、牛肉在庫緊急保管対策事業というものが決まりました。これは、十月十八日から始まった全頭検査以前に屠畜された牛肉、今後これを保管肉と呼ばせていただきますが、これを市場から隔離して一定期間保管する事業だったと理解しています。具体的には、業界団体が業者から保管肉を買い上げて、その凍結保管経費と冷凍による価格低下分の補てんについて助成金を支給する事業です。
 そこで、私はなかなかずっとこれイメージがわかなかったんですよ、この事業。この事業の最大の目的というのは、安全性の疑われる牛肉を市場から排除して確実に安全な牛肉だけを流通させるという安全性の確保というものが目的であったのか、それとも、消費者の不安が解消されるまでの期間、滞留した牛肉の在庫調整をするということが第一の目的であったのかということについて、どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(武部勤君) 委員もう御案内のとおり、十七日以前に屠畜解体された牛肉についても、OIE等により牛肉そのものは安全なんですね。一方、十月十八日のBSE全頭検査の開始に伴いまして、BSE検査を受けていないという理由をもって消費者から、あの当時のことを考えますと、十八日以後のものは、もう流通する牛は安全ですよということになれば、十七日以前のものは安全でないでしょうか、安全でないのではないか、そういうふうに消費者は受け止めるという実態があったと思います。
 それから、十七日以前の肉と十八日以後の肉が同時に流通いたしますと、どれが十八日以後の肉なのか、どれが十七日以前の肉なのかということがなかなか市場に流通した段階では分からなくなってしまいます。そうすると、十八日から全頭検査で安全を証明した肉しか流通しないんですと言いながら、その十八日以後の肉も円滑に流通しないというような、そういう問題が出てくるだろうというふうに指摘されました。
 したがいまして、消費者の不安に対して念には念を入れてそれを払拭するということが一つの理由です。それからもう一つは、十八日全頭検査によってその安全を証明した牛肉しか流通しなくなったこの肉の円滑な流通という、二つの目的をもって実施したわけでございます。
○中村敦夫君 分かりました。
 しかし、保管肉が市場に出回るということで消費者が市場全体に不安を抱く、それを抑えるという理由だとすると、全頭検査以前の牛肉をもう全量を強制で買い取らないとつじつまが合わないんですよ。つまり、任意買取りというものがありましたからね。ある部分は流れているということで非常に混乱してしまったというのが現実じゃないかと思いますが、なぜこれ全頭の買取りというふうに強制的にやらなかったのかということ、いかがですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 大臣から答弁申し上げましたように、科学的には安全であるということが一方あったわけでございますけれども、消費者の皆様方の不安をできる限り払拭するということで、短期間に大量に隔離するというために、できるだけ隔離するという意味で、大体どのぐらいあるのかというのを営業倉庫を中心に聞き取りをいたしまして、既に十月二十六日になっておったわけでございますけれども、事業開始は。そこで、倉庫に残っている在庫量を推定をいたしまして、こういう業務に慣れている事業実施団体にできるだけ買い取ってくれという事業しかこの当時仕組めなかった事情については御理解を願いたいというふうに思うわけでございます。
○中村敦夫君 そうしますと、できるだけ買い取ってくれという場合にしても、市場隔離した牛肉の対価というものを事業費に計上しないで、それで凍結保管経費と冷凍格差補てんというこの部分だけが計上したということなんですけれども、どうなんです。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 実はこの牛肉在庫緊急保管対策事業は、いったん市場隔離を、これ仕組んだ当初は、いったん市場隔離をいたしまして、それからもう一回売り戻しまして、それで流通するというようなことを当初念頭に置いていたわけでございます。したがいまして、その市場隔離をするその経費、保管経費と、これ冷凍いたしますので、冷凍いたしますと品質が落ちますので、その格差分ということで、この当時、十月二十六日開始の部分についてはそういう考え方で仕組んだわけでございます。一回売り戻して、そこから流通というようなことも念頭に置いておったわけでございます。
○中村敦夫君 私は基本的に、全量の強制買取りということなしにやったものですから、消費者というのはやっぱりかえって不安になってしまったということで、この安全性確保というか、その点は抜けていたんじゃないかなと。
 実質はどうなんでしょうか。やっぱり売ろうとしても売れなくて、だぶついちゃった肉がたくさんあったと。取りあえず、業者保護のためにそれをいったんとにかく買い取って、後でそれを流通できるような状況のときにはするというようなことが本来の目的だったから、これは在庫調整ではないのかと私は思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 時系列で申し上げますと、最初、国民の不安を念には念を入れて払拭すると同時に、牛肉流通の円滑化を図るということで、そのときありました十月十七日以前の国産牛肉をいったん市場隔離したわけでございます。
 ところが、その後、BSE、十一月の二十日過ぎですか、と十二月の初めに二頭目、三頭目が出まして、牛肉消費が更に落ち込むという状況になりまして、その段階で、消費者の不安を完全に払拭するということで、もう隔離した牛肉を焼却しようと、焼却処分の事業をまた別途仕組んだという経緯でございます。
○中村敦夫君 焼却の問題は次の段階だったものですから、その前に、業界団体による買取りの対象肉というのを一万三千トン以内としましたね。その根拠が知りたいんですよ。というのは、一説によると、そんなものじゃなかったんじゃないかなと、二万トン以上ぐらい出ていたというような、そういう業界の話も大分あるものですから。この一万三千トンの根拠というのは何でしょう。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農畜産振興事業団が十月十六日現在の営業倉庫を中心に聞き取り調査をいたしました推定の在庫数量が合わせますと一万三千トン程度だったわけでございまして、一応これを目標の数量にいたしまして事業を仕組ませていただいたということでございます。
 確かに、もう売れておった肉もあったかもしれませんけれども、その当時、営業倉庫にある在庫量というのがどの程度だったろうかということを推定して一万三千トンというものは出したわけでございます。
○中村敦夫君 農水省は当初から保管肉は安全だというふうに明言してキャンペーンをやっていましたよね。だけれども、こういうやり方が非常に付け焼き刃的な過程があったものですから、なかなか消費者の信頼を得られなかったというのが今までの過程にあると思いますが、十二月二十五日になって、保管肉一万二千六百二十六トンを焼却するということを決めた市場隔離牛肉緊急処分事業というのが閣議決定されたわけですよね。ここで大きな転換があったように思えるんですけれども、これは具体的には、市場隔離した牛肉の対価として一キログラム当たり千五百五十四円、焼却に要する経費として一キログラム当たり四十・八円、これを助成しようじゃないかという話ですね。
 しかし、これ原則的な疑問がわいてくるんですが。つまり、安全だとこうずっと言ってきたし、そう信じている肉をなぜ焼却処分にするというふうな極端な転換になったのかということについて、いかがですか。
○国務大臣(武部勤君) 今、委員は、最初は調整保管でなかったのかという、そういう御質問ありましたけれども、当初は、市場隔離はするけれどもまた流通させるという、そういう発想があったんです、落ち着いたら。ですから、たしか八か月分の保管の予算を措置したと思います。八か月というのも、私、今ちょっと思い出しますと、ヨーロッパなどが肉の需要が戻ってきたのが大体八か月と、そういうことで考えていましたから、最初の事業は買戻し特約というものが付いていました。
 しかし、十月十八日以降、全頭検査以降、肉の消費は確実に増えたんです。増えたんですが、十一月の二十一日、それからその後三頭目が出まして、またもうがくっと落ちてしまいました。その時点で、国会におきましても与野党問わずもう焼却すべきだという大合唱だったと、このように今思い出すのでありますが、国民の不安に対して念には念を入れてこれを払拭するということが、二頭目、三頭目出て、急に需要が落ち込んだということについての対策ということを考える必要があると、そういうふうに考えまして焼却にする、焼却処分にするという決断をしたわけでございます。
○中村敦夫君 この保管肉というものは農水省は安全だと言っていたし、また将来的にはもう一回流通させようという意図があったというお話ですから、本当に安全だったというふうに思うんですが、そうした農水省の安全宣言を信じて、任意の買取り制度があったために、出た方の肉は消費者というのは食べていたわけですね、学校給食だとか。これは農水省の言うことを信じて消費者が食べてきたと。
 ところが、いきなり今度は焼却処分だということになりますと、焼却処分しなきゃならないような牛肉を自分たちは食わされていたのかといって、国民はしっくりいかないと思うんですよ。どうでしょうか。こういう国民の気持ちというものに対してどういう説明をされますか。
○国務大臣(武部勤君) 私ども、厚生労働大臣と十月十八日全頭検査を実施するときには、マスコミの皆さん方にもはっきり、二つ書いてくださいよと。
 十八日から全頭検査になりまして、これはどういうことかというと、屠畜場から流通する牛肉は安全を証明したものしか流通しないんですということ、これをしっかり書いてください、もう一つは、BSEに感染している牛というものはこれからも出る可能性がありますよ、このこともちゃんと書いてくださいと、こういうふうに私は記者会見のときに申し上げたんですけれども、実際にはそっちの、まだ出る可能性があるというのはほとんど書いておる新聞はありませんでした。大臣談話にもそのことをちゃんと書き込んでいたんですけれども。
 したがって、二頭目、三頭目が出たことによって、一般の消費者の皆さん方は、十八日以後の肉は安全だと、こう言っていながら出たじゃないかというようなことが消費がにわかに落ち込んだ大きな理由なんだろうと、このように推測いたしております。
 そういう状況に対して、十八日全頭検査した牛肉に対しても不信の念というものが国民の間に広がったんだろうと、こういう思いもございまして、これはもう与野党から、十七日、この隔離したやつはもう焼却処分にしろというようなことでありましたので、私どもはそういう措置を取ったということでございます。
○中村敦夫君 何か農水省、大分自信がないんですよね。次から次と世論が要するに強くなって変更したと。変更するたびに信頼感が失われていくということなんですね。特にお役所というのは、私は、一貫して一つのことを正しいと言ったら、間違っていても最後まで突っ張るのが日本の役所の特徴だというふうに私は思っているわけですよ。このケースではくるくるくるくる変わってしまって、全く一貫性がないという話が非常に理解しにくいんです。
 これは、やっぱり全部焼却するというふうになったのは、新聞報道だと、自民党の議員の中で、特に江藤隆美代議士、鈴木宗男代議士、松岡利勝代議士らがやっぱりそうしろというふうに圧力を掛けたという報道があるわけですよね。そういうことでやっぱり農水省も自分たちの一貫性を曲げざるを得なくなったのかということは、これを読んだ人はみんな思うわけですけれども、いかがですか、これは。
○国務大臣(武部勤君) いや、そのような圧力だとか、そういう御意見も私も全く聞いておりません。ですから、そんなことで圧力を受けて焼却処分にしたというものではございませんで、これはもう各党から国会でも言われましたし、また野党提出の法案もこのことについては焼却すべしというような内容の法案になっているのではないかと、こう思いまして、農水省は一度決めたらもう絶対断固譲らない、そのまま押し通すというような役所だとも私も思っておりませんし、あのときは私は、こういう状況の中で焼却処分やむを得ないと、こういうふうに自分自身で判断をした次第でございまして、そのような政治的な圧力はございません。
○中村敦夫君 見たわけじゃありませんから、それは私には確認できませんが。
 別の質問をします。
 牛肉在庫緊急保管対策事業という段階では、業界六団体のうち、ハム・ソー組合、全肉連のこの二団体は、業者から一キログラム当たり千百十四円で買うと。それから、全畜連の方は一キログラム当たり千円で買うと。それから、全農、全開連、全酪連は、それぞれ簿価で買い取る契約をしたというふうになっています。
 そうすると、分かっている数字は大体売買の両者が納得した価格ですね。それはまあ高けりゃ高いほどいいのかもしれませんけれども。要するに、ある意味では市場が決めた適切な価格だと考えられているわけです。
 しかし、農水省では、この市場隔離牛肉緊急処分事業というのを実施するようになって、市場隔離した牛肉の対価としては一キログラム当たり千五百五十四円以内というふうに設定したんですね。随分高くなったなというふうに思いますけれども、農水省は業界団体から幾らで保管肉を買い取るのかと。業界団体ごとに一キログラム当たりの買取り価格を教えていただきたいんです。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、時系列的に申し上げますと、先生が言われた保管牛肉のときの全国団体の買上げ価格というのは、売り戻すということを前提にしておりましたので、団体によって簿価であったり、千円であったり、千百十四円であったりしたわけでございますけれども、これはもう売り戻すという状況でございましたので、それはそれでもう、買い上げて焼却するという事業がありましたときに、この価格は意味を失ったわけでございます。
 そうして、千五百五十四円以内と買上げ価格設定をしたわけでございますけれども、これは実際に買い上げて焼却するということにいたしましたので、この価格はBSE発生前の一年間における中央十市場における全規格の平均価格、これを、これ枝肉ですので部分肉に換算して千五百五十四円以内というふうにしたわけでございます。
 実際には事業実施主体たる全国連が会員から買い上げるわけでございますけれども、その単価の設定は品種ごと、性別ごとに設定をするわけでございます、和牛の雄、雌、乳牛の雌、雄というふうに。で、最後に精算をするという仕組みになっておりまして、平均的な価格は千五百五十四円でございますので、千五百五十四円以内というふうに事業実施要領上はなっておりますけれども、この今私が申し上げました単価の、品種別、性別ごとの設定された単価を最後に在庫証明等によりまして確認をして精算をすると、で、掛かったお金を事業団から事業実施主体にお支払すると、こういう仕組みになろうかと思っております。
○中村敦夫君 つまり、今はそれは分からないというわけですか、進行中で。分かったのもあるけれども、これからのものは分からないということなんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 単価は申し上げられますけれども。
○委員長(常田享詳君) 須賀田生産局長、答弁しますか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 例えば和牛でございますと、千八百七十九円というのが平均でございます。雄だと千九百九十三円、雌だと千七百十一円、乳牛だと平均的には九百七十三円と、こういうふうになるわけで、こういう単価を今決めておりまして、最後に、どの品種、どの性別をその団体が買い上げたかということで最後に精算をするということでございます。
○中村敦夫君 一月十七日からもう焼却処分が横浜で始まっていますよね。今月一杯でまあこれは終わるという事業だと思うんですけれども、燃やす方が先なんですか。要するに、それはもう値段が決まって、そして燃やされているということなんですか。今月一杯ですよね、これ、価格が決まるというのは。そうじゃないんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 当初は今月一杯ということでしておりましたけれども、いろいろ、雪印食品の問題でございますとか、いろんな事件が起きまして検品体制を強化するということで、この仕組みといたしましては、ちゃんと検品をして、おかしなものははねて、それで検品に通ったものを焼却すると、こういう仕組みになっておるわけでございます。
 そして、その過程でいろいろ事件が起き、それから検品が緩いんじゃないかという御批判も受け、現在では大臣の指示によりまして、文句を言われないような検品体制、全箱やれということでございますので、全箱検品に向けて今検品体制を転換中でございます。で、それを通ったものを焼却するということで、いま少しというか、大分その期日は掛かろうかというふうに思っております。
○中村敦夫君 まだ関連のたくさん質問がありますので、あしたに回させていただきます。
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○委員長(常田享詳君) 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君が選任されました。
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○委員長(常田享詳君) 失礼いたしました。
 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
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○委員長(常田享詳君) 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院農林水産委員長鉢呂吉雄君から趣旨説明を聴取いたします。鉢呂衆議院農林水産委員長。
○衆議院議員(鉢呂吉雄君) ただいま御紹介をいただきました衆議院の農林水産委員長の鉢呂吉雄でございます。
 それでは、ただいま議題となりました特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法は、特殊土壌地帯の保全と農業生産力の向上を図ることを目的として、昭和二十七年四月、議員立法により五年間の時限法として制定され、以後九度にわたり期限延長のための一部改正が行われました。これにより特殊土壌地帯における治山、河川改修、砂防、かんがい排水、農道整備、畑作振興などの事業が実施されてまいりました。
 今日まで五十年間にわたるこれら事業により、特殊土壌地帯における災害防除と農業振興の両面において改善がなされ、地域住民の生活向上に貢献してきたところでありますが、同地帯の現状は必ずしも満足すべき状態にあるとは言えないのであります。
 すなわち、なお対策を必要とする地域が残されており、加えて、近年における都市化の進展による災害の態様の変化や農業をめぐる国内外の情勢の変化に対応して新たに取り組むべき課題も生じてきております。
 これらの課題に対応し、特殊土壌地帯の振興を図っていくためには、引き続きこれら事業を推進していくことが必要であります。
 こうした観点から、本案は、所期の目的を達成するため、本年三月三十一日をもって期限切れとなる現行法の有効期限を更に五年間延長して、平成十九年三月三十一日までとするものであります。
 以上が、本案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
○委員長(常田享詳君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(常田享詳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたします。
 この際、和田君から発言を求められておりますので、これを許します。和田ひろ子君。
○和田ひろ子君 私は、ただいま可決されました特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派並びに各派に属しない議員中村敦夫さんの共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 特殊土壌地帯対策は、半世紀の長きにわたり、特殊土壌地帯における災害防除と農業振興等を目的として実施されてきたところである。しかしながら、対策を必要とする地域が存在し、また、新たに取り組むべき課題も生じていることから、「特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法」の有効期限を五年間延長することとしたところである。
 よって政府は、特殊土壌地帯対策を実施するに当たっては、次の事項の実現を図り、地域の活性化及び農産物の安定供給の確保等に万全を期すべきである。
 一 特殊土壌地帯対策事業については、事前評価、再評価及び事後評価を通じた事業評価を体系的かつ厳正に実施することにより、その効率的・効果的な推進と透明性の一層の向上を図ること。
 二 今後五年以内に、特殊土壌地帯対策の在り方について検討を加え、事業内容を含め、本制度の抜本的な見直しを行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(常田享詳君) ただいま和田ひろ子君から提出されました附帯決議案を議題といたします。
 採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(常田享詳君) 全会一致と認めます。よって、和田ひろ子君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、武部農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武部農林水産大臣。
○国務大臣(武部勤君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後最善の努力をしてまいる所存でございます。
○委員長(常田享詳君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は明日二十日午前十時に開会することとし、本日はこれをもって散会といたします。
   午後五時二十三分散会