第154回国会 決算委員会 第3号
平成十四年八月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中原  爽君
    理 事
                岩井 國臣君
                佐々木知子君
                川橋 幸子君
                八田ひろ子君
    委 員
                泉  信也君
                加治屋義人君
                北岡 秀二君
                後藤 博子君
                田浦  直君
                藤井 基之君
                三浦 一水君
                朝日 俊弘君
                池口 修次君
                海野  徹君
                神本美恵子君
                谷  博之君
                辻  泰弘君
                風間  昶君
                遠山 清彦君
                山本  保君
                大沢 辰美君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  滝   実君
        ─────
       会計検査院長   杉浦  力君
        ─────
   事務局側
       事務総長     川村 良典君
       常任委員会専門
       員        島原  勉君
   裁判官弾劾裁判所事務局側
       事務局長     天野英太郎君
   裁判官訴追委員会事務局側
       事務局長     片岡  博君
   国立国会図書館側
       館長       黒澤 隆雄君
   政府参考人
       金融庁監督局長  五味 廣文君
       総務省行政評価
       局長       塚本 壽雄君
       財務省主計局次
       長        杉本 和行君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       厚生労働省健康
       局長       下田 智久君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       中小企業庁次長  青木 宏道君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   門松  武君
       国土交通省河川
       局長       鈴木藤一郎君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   石野 秀世君
       会計検査院事務
       総局第二局長   増田 峯明君
       会計検査院事務
       総局第三局長   白石 博之君
       会計検査院事務
       総局第四局長   重松 博之君
       会計検査院事務
       総局第五局長   円谷 智彦君
   参考人
       国民生活金融公
       庫総裁      尾崎  護君
       国際協力銀行副
       総裁       神  信一君
       日本政策投資銀
       行総裁      小村  武君
       預金保険機構理
       事長       松田  昇君
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  本日の会議に付した案件
○平成十一年度一般会計歳入歳出決算、平成十一
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十一年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十一年度政府
 関係機関決算書(第百五十一回国会内閣提出)
 (継続案件)
○平成十一年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百五十一回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十一年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 第百五十一回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十二年度一般会計歳入歳出決算、平成十二
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十二年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十二年度政府
 関係機関決算書(内閣提出)
○平成十二年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成十二年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 内閣提出)

    ─────────────
○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、平成十一年度のうち、国会、会計検査院、大蔵省、金融再生委員会、金融監督庁、国民生活金融公庫、北海道東北開発公庫、環境衛生金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行、日本政策投資銀行及び国際協力銀行並びに平成十二年度のうち、国会、会計検査院、財務省、金融庁、国民生活金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀行の決算について審査を行います。
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○委員長(中原爽君) この際、お諮りをいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中原爽君) 速記を起こしてください。
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○委員長(中原爽君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○谷博之君 皆さん、おはようございます。民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 今日は、質問の最初ということで皆様方には機会をいただきまして、心から厚くお礼申し上げながら、早速質問に入りたいと思います。
 今日、私は二つのテーマの質問といいますか、用意をさせていただきましたが、そのうちの特に最初の質問ということで、地方向けの補助金の制度の在り方、そして特にそれの中で難病対策、小児慢性特定疾患の対策、これらの事業について今までの長い経過を踏まえて質問をさせていただきたいと、このように考えております。
 そして、大変僣越でございますが、皆様方に本委員会に提出の資料を出させていただきました。冒頭、私は、財務大臣始め皆様方に質問をする前に、特に厚生労働省と若干見解を、質問をさせていただいてただしたいと思っておりますが、それらを受けてひとつ財務省の御答弁をいただきたい、このように思っております。
 まず冒頭、実は偶然なんですが、資料の一ということで、今朝の朝日新聞の「私の視点」という欄に、実は私が二週間ほど前に、拙文でございますが、投稿させていただいた記事が若干こちらに掲載をされておりまして、別に何も売名行為ではございません。たまたまそういうことでございまして、お許しをいただきたいと思っていますが、実は私の思いがこの文章に入っておりまして、是非ひとつ、大臣始め皆さん方のひとつ御一読いただいて御理解を賜りたい、このように思っております。
 そういうことを踏まえまして、早速、厚生労働省の方に二点まずお伺いしたいと思っておりますが、いよいよ今、来年度の予算編成に向けてのいろんな閣議決定から始まりまして概算要求ということで今作業が進んでおりますけれども、特にそういう中で、今日は決算ですから来年度のことというのは直接云々かと思いますが、全体の中でということでひとつ御理解をいただきまして、来年度の特定疾患研究事業と小児慢性特定疾患治療研究事業の制度の見直しを含めて、そしてまた概算要求、正式には明日提出するというふうに聞いておりますが、どのような内容になっていくのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) ただいまお尋ねの特定疾患治療研究事業でございますけれども、事業発足以来三十年が経過をいたしておりまして、その間、医療技術の進歩に伴いまして、当時分からなかった原因がある程度明らかになったり、あるいは治療法が一定程度確立をしたといったような難病を取り巻く環境も大きく変化をいたしておるところでございます。
 もちろん全体的には大変苦しんでおられる方もおられることは承知をいたしておりますが、こういった前提を踏まえまして、昨年、厚生科学審議会の中に難病対策委員会を設置をいたしまして、これまで熱心に議論を重ねてきていただき、本年八月二十三日に中間報告が取りまとめられたところでございます。特定疾患治療研究事業につきましては、この中間報告を踏まえまして、現在、難病対策の推進方策について見直しの検討を進めております。
 平成十五年度の概算要求のことでございますが、対前年度同額ということを要求をさせていただきまして、年末の予算編成に向けまして制度全体の見直しを含め慎重に対応していきたいと、このように考えておるところでございます。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 小児慢性特定疾患治療研究事業について簡単にお答えさせていただきたいと思います。
 事業を取り巻く環境が変化してきておりますのは先ほどの健康局長の答弁と同様でございますので繰り返しませんけれども、今後の在り方につきまして、昨年、専門家に、そして患者の代表も参加していただきました研究会を設置いたしまして、本年の六月二十一日にその報告を取りまとめていただきましたが、そのポイントは、制度を将来にわたって安定的なものとして確立をしてほしいという点であったように思います。
 平成十五年度の概算要求につきましては、制度改正を前提としながらも、その改正の具体的な内容がまだ固まっておりませんので、対前年度同額でいわゆる袋詰め要求という概算要求をしたいというふうに考えておりまして、具体的な制度改正については今後更に検討を進めてまいり、制度の安定的な運営が図られるようにしたいというふうに思っております。
 また、診断や治療法の開発研究につきましては、大人の難病の問題も含めてでございますが、小児も難治性の疾患については研究開発が進みますように、この点については大幅に予算を拡充して要求をしたいというふうに考えております。
○谷博之君 今のお二人の答弁につきましては、後の、後ほどの補助金との問題で、若干関連で再度お伺いしたいと思っておりますが、その来年度に向けての動きを踏まえまして、一点だけちょっと個別の問題についてお伺いをいたしたいと思っております。
 実は、七月の二十九日というふうに聞いておりますが、坂口厚生労働大臣が、サイトメガロウイルス感染症という、いわゆるこの病気の患者さん、そして家族の皆さんとお会いをして、その方々に対する小児の慢性特定疾患事業への組入れも含めて検討をしたいというふうなことを大臣がその方々に御答弁をしたというふうに聞いておりますが、これらは全部公式に発表されていることでございますので間違いないことかと思いますが、その辺の事実確認と、それからその方針についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 患者の御家族などからそのような御要請が厚生労働大臣にあったことは承知をいたしております。
 事業の見直しに当たりまして、具体的にどういう疾患を対象にするのか、そして同一疾患でも重症の方とそうではない方がいる場合もございますので、そういったことも含めて対象範囲をどうするかということについては今後検討してまいりたいというふうに思っております。
 疾患の症状ですとか、そしてその治療が肉体的あるいは身体的にどういう負担を課しているのかとか、そしてその医療費の多寡など、そういったようなことを総合的に考えながら、専門家の御意見も聞いて基準づくりをしたいというふうに思っておりますので、現時点で具体的な疾患を対象とする、あるいは対象としないというような判断をしているわけではございません。
○谷博之君 是非、そういう大臣が御答弁をされていることですから、少なくともそういう意味で患者なり家族の方々が御要望するような方向で前向きにひとつ御検討いただきたいというふうに考えております。
 それで、以上のちょっと議論を踏まえて、地方公共団体向けの補助金の制度について、これについて次にお伺いしてまいりたいと思います。
 いわゆる地方向けの補助金については、あえて言う必要もないと思いますが、来年度からこの制度の内容が大幅に見直しをされるということであります。時間の関係ございますから多く申し上げませんが、従来は、やっぱり全体として地方向けの国庫補助金の二兆四千億、これが、そのうち千五百億円が言うならばその他の制度、その他の補助金ということ、非制度的な補助金ということで、これが一割カットの削減の対象になって今日までやってきた。それが来年度に向けてこうしたやり方を変えて、少なくとも全体の二兆四千億のうち公共事業費の一兆三千億と裁量的経費の七千億円、これの五%を削減をすると。つまり、全体のパイは、小さいところに一〇%ではなくて、パイを大きくして五%でいわゆる削減額を増やそうという、こういう考え方だろうと思うんですね。
 そういうふうな中で一つ具体的にお伺いしたいのは、資料二としてお配りしております、資料二、三、四を見ていただければと思いますが、まず、そういう制度の切替えの中で、少なくとも従来その他の補助金として扱われていたこの資料二の九十四億円、これが今度の見直しによっていわゆる先ほど申し上げた五%のカット対象にならない義務的経費の三千六百億円の方に組み込まれているということがございます。
 そして、もう一つは、その前の問題として、資料四に出ておりますけれども、一九九七年六月に閣議決定された制度的補助金の定義という資料がございますが、これに基づいて一九九七年から今日までの五年間、厚生労働省だけでも二十五本の国庫補助事業が新たに創設されておりまして、約金額としては一兆四千五百億円、こういう補助金の制度が新たにスタートして創設されているわけです。
 こういう全体の中で、いわゆる先ほど申し上げました資料三のこの部分は、今申し上げた平成九年六月三日の閣議決定の制度的補助金のどういうものがなるかという、根拠となるこのイからニまでの理由の中でこの補助制度というのはできてきたと思うんです。この中に、実は難病対策の今年の百八十三億円、これは入っておりません。そして、今度のまた補助金の制度の見直しの中で、この難病対策事業については、やはり従来の制度的補助金、今回からは義務的経費、この補助制度には入らないんです。ちょっと言い方が非常に回りくどいかもしれませんが、言っていることはお分かりだと思いますが、そういうことで、その根拠は何なんだということでお聞きしましたら、平成十四年の八月七日の閣議決定で「平成十五年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」、その中の義務的経費というものはこういう根拠で位置付けるんですよと、こういうふうになってきているわけですね。
 そういう一連の流れの中で、何でこの難病対策事業が少なくとも制度的補助金なり来年度からの義務的な経費の中に入らないのか、ここのところをひとつ説明をしていただきたいと思うんです。
○副大臣(尾辻秀久君) 今朝、先生がお書きになりました朝日新聞の記事、私も読ませていただきました。その中で先生が正に御指摘になっておられるわけでございますけれども、今話題にしておられます二つの事業が、法制化された制度に基づく事業ではございませんで大きく補助金の中にあるということで、どうしても、今、先生がお触れになったような分類になってしまうということでございます。まず基本的にお答えいたしますとそういうことでございます。
 そしてまた、今度、十五年度予算を編成するに当たりまして義務的経費と裁量的経費に分けた、それからそれ以前に、十四年度予算、本年度予算までで補助金を制度的補助金とその他補助金に分けてきた、この分類の仕方、それぞれあるじゃないかということでございますが、今これもまた先生お話しになりましたように、それぞれに分類の仕方を定めておりますので、その分類の仕方の中で分けていくと今それぞれにお話しになったような分類になる、基本的にお答えいたしますとそういうことでございます。
 したがいまして、今お触れになっておられます二つの事業につきましては、分類上、今、先生お話しのとおりの分類になっておる、こういうお答えになります。
○谷博之君 実は、もう少し具体的にお伺いしますと、資料二の中に、例えば疾病予防対策事業費等補助金、金額はわずかです、二億円、それから栄養調査委託費、金額一億円ですか、こういうふうな補助金が義務的な経費に来年度から移るということでありますけれども、これはどなたとは申し上げませんが、ある厚生労働省の方とお話をしておりましたらば、来年度の制度の見直しによって、従来の制度的な補助金、その他の補助金として分けたその分け方の分類の仕分といいましょうか、それが、来年度のいわゆる義務的経費とそうではない経費との区分けの仕方で、義務的な経費の方に入れるのがハードルがずっと高くなったと、こう言っているんですよ。
 つまり、それだけハードルが高くなって、しかも法的な根拠がないとそのハードルが越えられないという、そういうふうな基本的な考え方でこの補助金の制度が見直されたというふうに我々は理解しているんですが、とすれば、今の御答弁によりますと、すべてそういうふうな見直しによって、法的な問題ということで、そこのところ厳密にされたんでしょうか。
○副大臣(尾辻秀久君) 御質問の趣旨は、従来の制度的補助金とその他補助金の分け方で、その分け方よりも、今度、義務的経費と裁量的経費に分けた義務的経費に仕分する方がハードルが高いだろうと、本来ハードルの低かったはずのその他補助金に入っているものがハードルの高くなった義務的経費に入ったのはおかしいんじゃないか、こういう御質問の趣旨だろうと思います。
 ただ、申し上げましたように、単にどっちがハードルが高いか低いかということじゃありませんで、改めて、義務的経費はこういうもの、裁量的経費はこういうもの、それからまた従来の制度的補助金、その他補助金の分け方はこういうものという分類の仕方によって分けていって、改めて分けた、このようにお考えいただきたいと思います。
 そこで申し上げますと、今、先生が具体的にお触れになりました疾病予防対策事業費等補助金、これが従来はその他補助金に入っていたわけですが、義務的補助金に入った、じゃなぜか、こういうことになりますが、これは、さっき先生がお触れになりました、八月七日の閣議了解されましたところの、新たな義務的経費の条件というものが五つございますが、そのうちの三番目に法令等により支出義務が定められた経費等の補充費途に準ずる経費というところがございます。今の疾病予防対策事業の補助金はこれに該当するということで義務的経費に入れた、例えばこういうことでありまして、一つずつまた改めての判断をしたと、こういうふうに御理解いただきたいと存じます。
○谷博之君 逆に言えば、そういう意味で難病対策事業を始め二つの事業はこの八月七日の閣議方針には該当しないと、こういうことだということで言っていいわけなんでしょうか。そういうことですか。──はい。
 いろいろ私どもは、そういう一つの仕分の仕方というのはあると思いますが、ただ、何度も申し上げますが、全体の今度は仕分でいきますと、来年度からは裁量的経費は七千億円、義務的経費が三千六百億円、こういう全体のこの補助金の中でわずか百八十三億ですよ。しかもそれが、五十万からのそういう病気の原因が分からなくて苦労している、大変御苦労している人たちの、しかも四年前からは自己負担が入ってきて、そういう中で仕事にも就けない人がたくさんいて、しかも八割の人がそれでもなおかつその自己負担を、負担をしているというそういう状況の中で、この事業がますますこれから、恐らく来年五%削減対象になり、患者の数が増える、しかし財源が減ってくる、こういうことで、私は、単にこの仕分をされるということは、私はちょっと余りにも現実的ではないんじゃないかというふうに考えています。
 私自身もこの拙文に書きましたけれども、そういうことであればこれはもう法による最後の手段しかないということになってくるわけですけれども、やっぱりその前に、今、冒頭厚生労働省からも発言がありましたが、概算要求では前年度と同じ額で要求する、しかもそれは、制度の中身については詰めていきながら年内にはある程度方向を出したいということでしょうけれども、財務省当局からすると、決定的なそういう財務省を説得するような内容がなければこれも五%のカットの、削減の対象にしますよという、こういうふうなところに私は持っていかれそうな気がしてならないんですよ。
 したがって、これは今日両省来ておられますからボールの投げっこになると思いますが、最後にちょっとお伺いしたいのは、そういう中で、基本的なスタンスとして、概算要求が出て、年末までのそういうふうな動きの中で、限りなくこの制度について厚生労働省側のそういういろんな言い分を聞いて、そういう対応を、予算の要求どおりに確保するような考え方を基本的に持っておられるのかどうか、そこのところをちょっとお聞きしたいと思うんです。
○副大臣(尾辻秀久君) 先ほど先生もお示しになりました数字でありますが、従来、その他補助金は一千五百億でございます。この中で一割削減だとかなんとか言ってきたわけでございますが、今度はそういうものを、制度的補助金等取っ払いまして、じゃ補助金全体で幾らの枠になるかというと、ざっと言いまして二兆円の枠に広がります。ただ、そこから先ほど来先生が言っておられるように五%削減するということになるわけではございますけれども、ただ、今申し上げておりますのは、狭い範囲じゃなくて大きく二兆円全体の範囲の中でいろんな補助金、制度を見直したい、これが考えておることだということをまず申し上げたわけであります。
 その中でお話しの補助金をどうするかということでございますが、これは、具体的な見直しにつきましては、法制化を含めて、現在、先ほど来お答えのとおりに厚生労働省において検討中であるとお聞きをいたしておりますので、私どもとしてはそれを見守らせていただきたいと、こういうふうに思います。
○谷博之君 大臣にちょっと最後にお伺いしたいんですが、いろいろ今細かなやり取りをさせていただきましたけれども、そういう中で、基本的には、財務省に対して厚生労働省の方から、この事業は絶対それはこうこうこういう理由でこういうふうな基本的な理念で、あるいはこういう哲学でこの事業が、やっぱり国が義務的にもそういう事業をするものとして扱っていかなきゃいけないと、こういうふうに実は厚生労働省側からも財務省、財務当局に対して働き掛けをする、あるいは説得をするということが大事かと思いますが、そういう中で単純に閣議了承によって仕分をされて、来年度もまた言うならば裁量的経費の中にこの事業が入ろうとしているそういう今の動きに対して、限りなく厚生労働省側の見解を聞いて何とかしたいという考え方はおありかどうか、その感想を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) この難病の問題は、三十数年ぐらい前から大きい医学上の問題、社会上の問題になっておりまして、これにつきましては我々も非常な関心を持ってこの救済にできるだけの努力をしてまいりましたけれども、これはやはり、非常に種類が多いことと、難病の認定をどこにその基準を置くかということと、いろんないわゆる技術的な学問的な問題があって、今日まで根本的な対策についての基本的な方針はまだ決定されておらない。けれども、要綱等において取扱いが出てきておりますので、毎年の予算編成の中で十分に相談して決めていくべき問題だと思っておりまして、十五年度予算におきましても、厚生省の言い分等、十分に話を聞いて進めていきたいと思います。
○谷博之君 大臣の方から今御答弁いただいて、問題点の最後の帰結はそこだと思いますが、したがって、これからの予算編成作業の中でいろいろと折衝をするということになると思いますけれども、その間に法制化も含めて、あるいはこの難病対策のための、昨年から今年に掛けて難病対策並びに小児慢性のそれの対策の検討委員会が開かれておりまして、こういう中間報告が出ていますから、そういう内容も含めて、この制度のまた新たな見直しも含めて財政当局と厚生労働省の方できっちりと詰めていただいて、先ほど申し上げたような私どもの希望も含めて前向きなひとつ取組をいただきたいと、このように要望させていただきたいと思っております。
 それから次に、JBICの関係、そして特にフィリピンのサンロケ・ダムの事業の問題についてお伺いをしたいと思っております。
 御案内のとおり、国際協力銀行、JBICが今異議申立機関の独立性確保のためのそういう必要性についての、現在、JBICの新しい環境ガイドライン、これを作るための今検討をいたしておりますけれども、その点について若干お伺いしたいと思っております。
 時間がありませんから前段の話は全部省きまして、要はこの異議申立機関のその設置について、これを検討していく中で私どもは限りなく公平性とそして合理性、そして効率性というものをきちっと踏まえながらこのガイドラインというものを作っていくべきではないかというふうに考えておりまして、具体的に申し上げますと、世界銀行などのいわゆる国際機関の異議申立機関のレベル、こういうところまでその内容を高めていただきたいというふうなことを考えております。
 そして、このコンサルテーションが既に続けられておりまして、あしたのその会議に実はNGOの団体が「国際協力銀行(JBIC)環境社会配慮ガイドラインの不遵守に基づく異議申立制度に関するNGO提言」というものを実は作りまして、あしたこれをその会議に提出をすることになっています。これは参考までに大臣、是非ひとつ見ていただきたいと思います。今お手元にお渡しします。(資料を手渡す)
 これは是非ひとつ大臣、目を通していただきたいと思っておりますが、要はここで、この提言で触れられていることの一番の骨子、エキスは、いわゆるそのJBICがいろんな事業に対して援助をしていく、そういうふうな決定権と、それを決定する際にあくまで第三者の機関のそういう検討をきちっとしてもらいたいということなんです。つまり、言葉悪く言えば、身内が全部その内容を検討して、身内が決定して、それを融資するという、こういう形ではなくて、少なくともその融資なり援助に当たっては、それをチェックするところの第三者の機関というものをやっぱりきちっと作ってほしいというのがこの提言の基本なんですよ。
 そういうことについて、先ほど申し上げましたように、世界銀行とかそういうふうな機関の今行っているそのレベルまでその内容を高めていただきたいというふうに我々は考えておりまして、この点についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(尾辻秀久君) ただいま御指摘になりました異議申立制度につきましては、国際協力銀行が本年六月より学識経験者、NGOや産業界等の関係者から意見を聞きながら、具体的な仕組みについて検討を行っているところと承知をいたしております。今お話しのとおりでございます。
 そこで、財務省としてということになりますと、こうした皆さん方の御意見を踏まえて、この異議申立制度が世界銀行のような、今お話しになりました正に世界銀行のような国際機関と同水準の公平性、透明性、説明責任を確保したものになることが重要と認識いたしておりまして、国際協力銀行がその方向で実施するよう注目して見てまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○参考人(神信一君) 新環境ガイドラインに係ります異議申立ての手続につきましては、今年の六月からパブリック・コンサルテーション・フォーラムというものを開催いたしまして、有識者、それからNGO、それから民間の企業、関係省庁といったところから幅広い意見をいただきながら鋭意検討を進めているところでございます。
 このフォーラムを通じまして、国際機関あるいは他国の政府機関の例を十分に参照しながら、幅広い議論を積み重ねた上で質の高い仕組みを構築していきたいと、そう考えております。
○谷博之君 あした、そのパブリックコンサルテーションが開かれて、この内容についてはそこでまた御議論をされると思いますが、特に、今朝のNHKのテレビでも報道されておりましたが、外務省もこのODA予算については更に増額をしたいということで、一四%ですか、全体として要求をしていくというようなことをテレビで報道しておりました。
 その中で、特にアジア向けといいますか、そういうところでの事業について積極的に取り組むということなんですが、その条件の一つに、相手国の環境問題とか、そこにいる相手国の住民、国民の人たちのそういうふうな生活なり環境なりにどういう影響を与えるかということ、非常にこれを重視していきたいというようなことを言っておりまして、そういう点では、この会議で議論されていることというのは非常に私は大きな意味があり、また大きく言えば世界的にも注目をされているということだと思うんです。
 したがって、いろいろ立場が違いますと、どの程度のガイドラインになるかということを心配する向きもありますので、私は、やっぱり日本の、特に海外における日本の援助というものをより透明性を持ってより効率的にやっていくためには、このガイドラインというのは非常に重要な意味があるというふうに思っておりまして、そういう点で是非この提言を十分ひとつ参考に取り組んでいただきたいと、このように考えております。
 それから、時間がございませんから、最後に具体的な問題としてフィリピンのサンロケ・ダムの問題について一点だけお伺いします。
 このダムの問題については、全体のほぼ九〇%以上が完成しておりまして、総事業費一千二百億のうち、JBICから六百億のお金がそこに投入されているというふうに聞いています。ほとんどそれが終わっているわけですが、まだ若干その投資額が残っているという状況で、八月八日からそのダムに水が既に入り始めました。そして、そのところに先住民族が住んでいたわけですが、彼らが七月の下旬から、立場が非常に二つの見方があるんですが、強制的に退去されたというふうなことを地元住民なりNGOは言っておりますし、一方では話合いが付いてヘリコプターでそういう住民の家財道具を全部運んだと、こういうふうな報道がなされているわけなんですね。
 ただ、実は私のところに今朝入ってきた情報によりますと、そのうちの強制退去というか、その移っていったダムに関係する住民、先住住民の中で四人が実はこれは強制的な排除であったということで、言うならば宣誓供述書四通を出しまして、そしてこれを実は事実を公開をしているわけです。強制立ち退きはさせない、あるいは補償を完全に完了させるということがJBICのいわゆるお金を投資する条件になっていたわけですが、この補償もまだ完了していないという状況であり、しかも強制退去であるかどうかということについての事実の関係が、地元の新聞ではこれは強制退去であると言い、日本の新聞社でも京都新聞を始め幾つかがそういうことで報道している。
 そういう中で、一度JBICは現地調査に人を派遣しましたけれども、実際の原住民の声を聞いていない、調査をしないで少なくともそういう事実はなかったというふうなことを我々に報告しているわけでありますけれども、これが果たしてそうであるのかどうかということをもう一回調査をする必要が私はあると思うんですね。
 そしてもう一つは、そのダムのある州の同意というものも取っていないというふうな話も聞いておりますので、こういう我々がかかわるそういうダム事業についてそういう幾つかのまだ問題点が残っているとすれば、本来であれば残りの援助については一時凍結をするというふうな状況まで考える必要があるんではないかというふうに考えています。
 いろいろ申し上げましたが、これらの点についての事実と、それから今後の対応についてお伺いをいたしたいと思います。
○参考人(神信一君) 貯水工事に当たりましては、私どもの方からフィリピン側に対しまして社会環境問題に適切に配慮するようにということを伝えておきまして、特に暴力とかそういったようなことがない、強制排除がなかったということで確認をいたしております。水没地域の住民の移転はすべて平和裏に行われたと聞いております。
 ただ、その貯水の前の事前の移転におきまして強制立ち退きが行われたという現地のNGOの情報等もございまして、一部そういう情報がございますけれども、私どももそれは承知しておりますが、私どもが現地で調査したこと、あるいはフィリピン政府それから実施主体からの報告によりますと、住民の強制退去があったというようには認識しておりませんけれども、ただ、私どもといたしましては、引き続き本件につきましてはモニタリングに努めてまいりたいと、そういうように思っております。
 それから、補償の点につきましては、私どもも現地に何度も職員を派遣いたしましてチェック、調査いたしましたけれども、補償はすべて完全に行われて住民も同意しているということを確認いたしております。
 いずれにいたしましても、本件、これからまだ、これで終わったわけではございません。引き続きモニタリング等に努めてまいりたいと、そう考えておる次第でございます。
○谷博之君 時間がありませんから、最後に要望だけ一点させていただきます。
 この問題につきましては、宣誓供述書がJBICとそれから日本の財務省に、先ほど申し上げましたように、住民四人のそういう供述書が多分今朝送られてきていると思います。その事実をひとつ是非確認してもらいたい。
 そして、私ども公共事業チェック議員の会というのが再三再四この問題について申入れもしております。そういうことで、特に先住民というか、その住民に対する直接のそういうヒアリングも含めてしっかり調査するように是非要望いたしまして、時間が来ましたので私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○神本美恵子君 おはようございます。民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 この決算委員会では初めての質問でございますので、今日は予算と決算を所管する省庁の審査をする、財務省、会計検査院が対象でございますが、基本的な予算の編成、あるいは決算の意義、予算執行というような観点から幾つか御質問をしたいと思います。
 塩川財務大臣に直接御意見を伺う機会はそうございませんので、この機会に一言まず冒頭申し上げたいと思います。
 去る五月二十日に参議院本会議で、これも私初めて本会議質問を、代表質問をさせていただいたんですが、その折に塩川大臣が、私、公立学校の施設整備の問題で御質問させていただいたんですけれども、教職員が学校を大事に使っていない、あるいは学校が開放されない、非常に閉鎖的で空き教室もがらがらで、それは教職員が学校を閉めているんだというような、そのときの言葉をそのまま引用させていただければ、教職員である皆さん方がもっと学校を大事に、そして広く使っていただきたい、空き教室がらがらじゃないですか、学校を使わさぬ、一般が使いたいと言っても使わさぬ、そうでしょう、そんなことじゃ駄目だというような御発言がありまして、その部分は後、議運の方で議事録削除になりましたけれども。
 私は、ここで申し上げたいのは、塩川大臣も以前文部大臣をなさっていたということもお聞きしておりますし、その折の御体験や御経験から発せられた言葉だというふうには理解いたしますけれども、今、実際の学校現場は本当に老朽化が進んでおり、子供が壁がはげ落ちてけがをするだの、あるいはトイレは五Kと言われるような、五Kって分かりますでしょうか、臭い、汚い、危険、暗い、壊れているというような、その学校のトイレの現状とか、そしてようやく今学校を冷房化しようという施策に取り掛かり始められましたけれども、本当にヒートアイランドに限らず、教室に四十人近く子供がいればほとんど、子供の体って湯たんぽ状態だと私は言っていたんですが、教室は三十五度以上になるというような地域もまれではございません。
 そういう学校の現状と、それから、まして学校開放については、ここ本当に文部科学省も努力をされますし、各学校現場も努力をして開放が進んでおります。しかし、池田小の事件がありまして、危機管理、安全管理という面から、学校開放を進めながら、どのように安全、子供の安全を確保するかという点で、現場は大変苦慮をしながらやっているという、そういう今、今の学校現場の状況を大臣には是非御理解いただきたい。ほかに多分こういう機会ないと思いますので、一言まず冒頭に申し上げさせていただきたいと思います。
 それで、具体的な御質問になるんですけれども、これから大臣に御質問ですが、今年度より財務省内に主計局に予算執行評価会議というものが設置されて予算執行調査が行われているということですけれども、その執行調査というものは何を対象として、どのような調査を行っているかということについて、その概要をまず大臣にお尋ねしたいと思います。
○副大臣(尾辻秀久君) 私からお答えさせていただきます。
 予算編成に当たりましては、実際に予算が効率的かつ効果的に執行されているかを十分把握することが必要であります。申し上げるまでもないところであります。したがいまして、財務省といたしましては、事業の効果が実際に実現しているか、二番目に事業の進捗していないものの要因分析、三番目に事業のコストが例えば民間と比較して適切かといったような観点から、本年四月に、今お話しいただきましたけれども、予算執行評価会議を主計局に設置をいたしました。これは実は塩川大臣の強い指示の下に行われたものでございます。
 よく大臣の発言の中にありますけれども、プラン・ドゥー・シーを通じたフィードバック機能を持たなきゃいけないということで、今後の予算編成に生かし、歳出の効率化を図ることといたしたところでございます。
 これを受けまして、去る六月二十一日には第一次取りまとめとして三十一事業の調査結果について公表いたしたところでございます。
○神本美恵子君 その予算執行評価の調査対象は四十三事業で、そのうち三十一事業に対する結果の取りまとめが六月二十一日に公表されておりますけれども、今回のこの調査対象事業の選定はどのような基準で、どのような手続によってその調査対象が決定されたのか、続けてお願いします。
○副大臣(尾辻秀久君) 今度の調査は、申し上げましたように、主計局の中にそのチームを作ったわけでございますから、主計局として今後の予算編成に活用しなきゃいけないという観点でありますので、先ほど申し上げた三つの時点を問題意識として持ち、そういう観点で調査した方がいいというところの事業を適宜選定した、こういうことでございます。したがいまして、主計局が自分たちが予算を査定する立場で、こういうところを調査した方がいいなというところを選定して調査をした、こういうふうに御理解いただければと思います。
 なお、その選定基準でもあるのかという御質問でございましたけれども、現時点で、まだ今年始めたばかりでございますので、特にそのようなものを設けておるところではございませんけれども、今後毎年やっていくつもりでございますので、実績を積み重ねる中でそうしたことも検討していかなきゃならぬかなと、こういうふうには思っておるところでございます。
○神本美恵子君 主計局のチームの中で、チームの方々、担当の方がこれから査定をするときの資料にということで、そういう問題意識で調査対象が決定されたというふうなことですけれども、ほかの省庁といいますか、要するにその主たる、そういう決算検査とかやる、執行調査をやるのは、会計検査、検査院がございますので、その会計検査院による会計検査、あるいは総務省が行っている行政評価、そういうものと似たようなところもあるでしょうしと思うんですけれども、それぞれの、会計検査院の制度の趣旨と、それから総務省が行っている行政評価の趣旨と、この財務省が今回始められました予算執行調査というものとのその関連、ちょっと私よく分からないんで、ここでちょっと会計検査院と総務省行政評価局にそれぞれ制度の趣旨をお伺いしたいんですけれども。
○会計検査院長(杉浦力君) まず、会計検査院の方から御説明申し上げます。
 会計検査院は、御案内だと思いますが、国の会計あるいは国の機関の中身につきましてあらゆる面から検査をするという立場でございます。
 そして、その検査をどういう格好でするか、どういうテーマを決めるかということにつきましてでございますが、先ほど財務省の方からもお話がございましたように、私どもは、まず検査官会議で持ちましてその年その年の検査の基本方針を決めます。そして、その検査の基本方針に基づきまして各担当のところが具体的なテーマを定めるわけであります。具体的なテーマを定める場合に当たりましては、ここでの議論とか、あるいは予算の多寡とか、あるいはどのくらい続いておる事業だとか、こういったような点を頭に置きながら計画を作ってまいります。
 そして、その結果につきましては、検査報告によりまして御報告申し上げております。そういった報告の結果を財務省も、そしてここの先生方にもお示し申し上げまして、いろいろなところで利用していただくということでございます。
○政府参考人(塚本壽雄君) 私ども総務省の行政評価局が行います行政評価・監視の方でございますけれども、これは、私どもの局が行政の部内にはございますけれども、自らは政策を所管しない、行政評価及び監視の専門機関であるという立場から、政府の重要な行政課題の解決促進、あるいは行政改革の推進、さらにその実効性確保というようなもろもろの観点から、各行政機関の業務の実施状況を調査いたしまして、必要な改善の余地があればそれについての勧告を行う。また、その勧告につきましては、それに基づきまして各行政機関が取られる推進状況をフォローいたしましてその実効を確保すると、こういう一連の趣旨の活動でございます。
○神本美恵子君 今、会計検査院それから総務省の行政評価のことについて教えていただきましたけれども、それぞれは基本方針をきちんと持って、それによって具体的なテーマを選んでいく。選んでいくときはここの決算委員会での議論なども十分踏まえて選んでいくというふうなお話と、それからその結果についても報告をきちんと公表していくというような、それから勧告を行ったりというふうなことを教えていただいたんですけれども、今それぞれが行っていらっしゃるものに違いはあるように今受け止めたんですけれども、予算や施策の執行について、それが適切であるのかあるいは効率的であるのかというような点では非常に重なる部分があるというふうに私は受け止めたんですね。
 そうしますと、財務省で今回主計局の内部で行われた予算執行調査あるいはそれに対する評価というふうなことについては、ほかのところが行っているのとどのように調整されるのか、あるいはどのような連携を取ってやっていかれるのか、これは財務省の方にお伺いしたいんですけれども、よろしくお願いします。
○副大臣(尾辻秀久君) 今それぞれにお話ございましたように、会計検査院の会計検査でありますとか総務省の行政評価・監視はそれぞれの目的がございます。そしてまた、私どもの予算執行調査は、先ほど来申し上げていますように、私どもは予算査定という大きな仕事がございますから、その査定を的確にするために、自分たちが査定した前の査定に対してそれが適切であったかどうか、自分たちの目で確かめておく必要もあるということのためにやっておるんですということは申し上げているところでございます。
 しかし、また同時に、今、先生お話しのようにダブっておる面も相当多くございますから、それを余り無駄に別々にするということも意味のないことでございますので、効率的かつ効果的な調査を実施するためには、相互に十分な連絡を取り有機的な調査を実施することは当然必要なことだと考えております。実際に連絡を取り合いながらやっております。
 ただ、再三申し上げますけれども、私どもはその後の査定にこれを生かしていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○神本美恵子君 この予算執行調査は始められたばかりで、その対象の基準もまだないというようなことですけれども、その基準をやっぱりきちっと作っていただきたいということと、それから、執行調査のその公表されました結果を私もざっとですけれども目を通させていただきました。その中で、幾つもといいますか、幾つかといいますか、疑問に思う点が私の関心というか理解の範囲であったんですね。
 例えば保育所運営費という施策名で調査された内容なんですけれども、その中で、公営保育所の保育士一人当たりの人件費が高いと。公設民営でありますとか民間のものと比較したものがあって、これは厚労省の方でも非常勤を多くして、規制改革に伴って非常勤を多くして人件費を下げるというようなことももう施策として進められているようですけれども、これをじっと資料を見ていますと、公立公営保育所の場合は平均年齢がちょっと高いんですね。私立の場合はもうほとんど三十歳未満で、ほとんど保育士の方は女性が多いですのでもう結婚と同時に辞める、あるいは辞めさせられるというような現場の実情が一方ではあるわけですね。
 ですから、こういう評価、今後の改善点、検討の方向性ということで、人件費が高い、それを非常勤を増やしていくというような今後の改善点というような評価がなされているんですけれども、これは一例ですが、国民の目で見て、この今後の改善点、検討の方向というのが一面的ではないのかなというふうに感じるところも幾つかございました。
 それで、そもそもこの予算と決算という観点からいえば、決算で不当事項あるいは無駄遣いであるというように指摘があった項目についてはその翌年度の予算編成で詳細に審査をして、不備であれば減額をするというような必要な改善措置が当然取られるべきであるというふうに考えております。
 それは、会計検査院の方で決算審査によって行っていらっしゃると思うんですけれども、その会計検査院の決算検査も、これまでの合規性、その法にきちんと適法であるかということだけではなくて、その効率性や有効性というようなことについても行うようになったというふうに聞いておりますので、そういう点から考えますと、今度、財務省内で行われている予算執行調査の評価というものがどのくらいの重要視されるのか。本来なら、私、素人ですけれども、から考えると、会計検査院の決算検査の結果が軽視されているのではないか、来年度予算を編成するに当たってですね。会計検査の、あるいはこの決算委員会での議論がどの程度次年度の予算編成に取り入れられているのかという点で非常に疑問を感じるわけです。
 それで、もう時間がありませんので財務大臣に最後にお伺いしたいんですが、決算の在り方やあるいは会計検査報告、そしてこの決算委員会の警告決議というのをどのようにお考えになっているのかということについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 御質問ございました要件について、ちょっと誤解をしておられるように感じるんですね。誤解をしておられるように思います、予算執行調査についてのですね。
 それは何かといったら、会計検査院というのは、法令どおり予算を執行しておるかどうかということを重点に置いて、無駄はないかあるいは不正はないかということを重点に置いて見ておられるところですね。それから、行政評価の方は、その効果が的確に政策策定の段階において生かされておるかどうかということを重点に置いて評価しておられる。私たちのこの主計局のやっておりますのは、予算の言わば使い方とかあるいは単価であるとか、それから執行状態はどんな状態かという、そういう面についていわゆる執行の状況を調査しておるのでございますから、ちょっと視点といいますか、見る点というのですか、視点というかターゲットというか、会計検査院とか評価局とはちょっと違うということ、そこが明確に違うということはちょっと申し上げさせていただきたいと思っております。
 したがって、保育所の実態等調べまして、このような言わば公立の保育所とそれから社会福祉法人の保育所、それから認可法人の保育所というものとの格差というものを、ばらばらにあるこれを、一般国民から見たらどのようなものが一番保育所として適切であるか、そして経費はどの程度のことであるのが一番いいかということを参考にするために執行状況を調査したと、こういうことであります。
 それから、一番関係の深い公立学校、神本さんの、一番関係深いので、公立学校でも何で公立学校があんなに高いんやろう、小中学校の校舎ですね、空っぽの建物でありながら物すごい単価が高い、何でだろうというので、それで調査いたしました。これは会計検査院の仕事ではできないんです。それから行政評価の仕事でもないわけです。予算の編成をする予算の主計官の仕事なんでありますから、調査いたしました。そうすると、一般の標準よりちょっと高い、特注なんですな、特注だから高い。じゃ、その特注であるものが何で特注でなければならぬのかということをいろいろ現場の人たちと話をして、改善することは改善していく、それを予算の編成に生かしていく。一例言うたらこういうことをやっているのが執行の調査、こういう具合に見ていただいたらいいと。
 そこで、おっしゃるように、それじゃ対象となる基準はどうするのかということでございますが、これは、基準はソフトの面、ハードの面によって違いますから、それぞれで早急に基準というものを作っていきたいと思っておりまして、全行政関係の項目について、でき得れば順次公平に執行状況の視察をして予算に反映させたい、いきたいと思っております。
○神本美恵子君 明確に違う点、会計検査でできない、あるいは行政評価でできない、そういう単価、民間とのコスト比較とかそういうところは分かるんですけれども、では、その結果、今学校建築の例を出されましたけれども、なぜ基準、建築基準が違っているのかという点については、今度は、例えばその担当している文部科学省とのところで本当にそれが妥当な基準になっているかという検討はもちろん必要だと思いますけれども、その点で財務省がコスト削減という大きな命題を抱えての、コストといいますか、歳出削減という大きな命題を抱えた目で見るのと、国民の目から見てそれが無駄であるのか、あるいは必要な財政措置であるのかというところについては、やっぱりきちんと独立した第三者機関でそこは見る、あるいは十分な担当とのすり合わせによって決定をしていくというふうなことが行われていかなければいけないのではないかということで、私はこの予算執行調査結果をずっと見させていただいたんです。
 是非とも、今後、この決算委員会での議論あるいは次の会計検査の結果報告であるとか、そういうことを踏まえて予算編成を是非ともやっていただきたい。あくまでも、国民の税金を無駄なく使うという視点と併せて、決算の意義を十分踏まえ、国民の視点から税金を使うんだという点で予算編成を行っていただきたいということをお願いをして、この点については終わりたいと思います。
 ちょっと時間が迫ってきましたが、次に、これは文部科学省に関係することではありますけれども、予算の使い方という点で一つ御質問をしたいと思います。
 この四月から、御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、全国すべての小中学生に対して文部科学省が作成をした心のノートというものが配付されました。今日ちょっと持ってまいりましたが、小学校一、二年用、三、四年用、五、六年用、中学生用と四分冊になっております。これは、平成十三年度、十四年度の予算を通じて約十一億円の予算で作られたものであります。文部科学省が編集し、教科書と同様にすべての児童生徒に無償で配付をされるという扱いがこの心のノートでございます。
 こういった文部科学省が作成をしてすべての子に無償に配るということは、私の知っている範囲では過去にないのではないかと思うんですけれども、文部科学省にお伺いしますが、過去にこういった例がございますでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 我が省におきましては、従来から心のノート以外にも必要に応じて児童生徒を対象とする補助教材の作成配付を行ってきたところでございまして、最近のケースといたしましては、食生活や著作権等に関する教材を作成いたしまして一定学年の全児童生徒を対象に配付を行っておりまして、例えば、本年四月には食生活についての学習教材を作成して小学校五年及び中学校一年のすべての児童生徒に配付したケースがあるわけでございます。
○神本美恵子君 食生活の、これも副教材のような扱いになるかと思いますが、それは小学校五年、中学校二年という。
 この心のノートはすべての小中学校の子供たちに配られているわけですね。心の教育を推進する、あるいは道徳充実のためということでおっしゃったんですけれども、道徳教育についてはこれまでも、これは教科ではありませんので、道徳の時間という週一時間、年間三十五時間が教育課程の中に位置付けられまして、もう全国各地それぞれの子供の現状や地域の実情に合わせて、教科書がありませんので、様々な指導資料や副読本、県単独で副読本を作っているところもあるやに聞いております。そういったもので多様な取組がなされてきているんですね。しかも、座学ではなくて、自ら介護ボランティアに行ったりというような様々な体験活動を通して行われているものであるんですけれども。
 私は、これをすべての子供に無償に配られたといったら教科書なのかなというふうに思ったんですけれども、教科書ではないことはもちろんですよね、教科書制度に当てはまりませんので。それでは、教科書ではないこの心のノートというのは大体どういう性格のものなのか、どういう位置付けなのかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 心のノートは、児童生徒が身に付けるべき道徳の内容を児童生徒にとって分かりやすく表し、そして道徳的価値について自ら考えるきっかけとなるように、そういう趣旨で文部科学省において作成した道徳教育のための教材であるわけでございます。
 この心のノートは、おっしゃいましたように、教科書ではないわけでございますが、道徳の時間においてそれぞれの地域や学校で作られている副読本等とともに活用されることにより、またそれぞれの各教科等の学習において適宜使用されることによりまして、道徳教育の充実に資する教材として作成をいたしたものでございます。
○神本美恵子君 ということは、教科書でもないと。副読本や指導資料と併せて活用するということで、これには使用義務というようなものはあるんでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 先ほど申し上げましたように、心のノートは教科書ではなく、副読本等と同様、道徳教育の充実に資する教材でございます。したがいまして、法令上、教科書のように学校に使用義務を課するものではございませんで、教育委員会や校長の判断でこれを使用するものでございます。
○神本美恵子君 使用義務はないということで確認をしてよろしいですね。
 ところが、七月十二日に文部科学省の教育課程課長名で、「「心のノート」の配布状況について(照会)」ということで各都道府県教育委員会に文書が出されております。この文書の目的は何でしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 心のノートにつきましては、一部の学校で児童生徒に配付されていないという指摘もあったことがあるわけでございまして、それを踏まえまして、その配付状況について調査を行っているところでございます。
○神本美恵子君 予算、七億、十一億ものお金を使って作ったわけですから、きちんと配付されているかなということを把握したいというのは分かるんですが、その文書の中に、今後その活用状況についても調査をしますというような文言が入っているんですね。
 私は、その文書を見せていただいて、えっ、強制、使用義務ではないというようなことを先ほど確認させていただきましたが、この活用状況を調査するということは、使用義務はないと言いながら活用を強制するのではないかというふうな危惧を私は持つわけですけれども、この意味はどういう意味なんでしょう。
○政府参考人(矢野重典君) 今申し上げましたように、先ほど申し上げましたように、現在、配付状況について調査を行っているところでございますけれども、今後、心のノートの効果的な活用の収集、あるいはこの内容についての児童生徒及び教師の意見の把握等を行っていきたいと考えているわけでございます。
 申し上げるまでもなく、心のノートは国の予算を投じて作成したものでございまして、私どもといたしましては、その配付や活用の状況を把握いたしますとともに、それを基に内容の改善や効果的な活用方法の普及を図っていくということは大変大事なことでございまして、また国として当然にしなきゃならない必要なことであると、そういう考えに基づいて行っているものでございます。
○神本美恵子君 今後の内容の改善等に使いたいということですけれども、ある県では既にもう五月段階で、やれ年間計画、この心のノートを使う年間計画を出せとか、あるいはその活用計画書を出せというような細かな調査、七枚にもわたる県の教育委員会から各学校に対してそういう調査が行われているわけですね。そうしますと、それを受けた各学校は、先ほど局長は各学校の判断で、活用は各学校にゆだねられているというふうにおっしゃいましたけれども、こういう調査が来るということは有形無形の使用を、活用を強制するような圧力になるというふうに私は思うんですね。
 文部科学省がこれから行う調査もそういう働きをするのではないかという、そういうおそれを私は大変危惧をいたします。それで、文部科学省は活用状況調査というのは行うべきではないというふうに私は思いますけれども、その点、いかがですか。
○政府参考人(矢野重典君) これは、先ほど申し上げましたように、大変なお金を使って、予算を使って作ったものでございます。私どもとしては、その有効かつ適切な活用ということを期待をいたしたいと思いますし、同時にまたその責任があるわけでございます。そういう意味で、今申し上げたような調査は国として当然に行っていかなきゃならない、そういうものだろうというふうに考えるものでございます。
○神本美恵子君 使用義務はない、強制するものではない、教科書でもないということとこの活用状況調査というのは大変矛盾すると思うんですね。やってはいけないことだというふうに私は思います。
 最初にこういうすべての児童生徒に文部科学省が、国が作って配るというようなものは、戦前にはこのようなものはなかったんでしょうか。戦前。
○政府参考人(矢野重典君) 突然のお尋ねでございまして、私、戦前のことは承知をいたしておりませんが、戦前は基本的には国定教科書でございますから、国が教科書を、主たる教材を作ってすべての国民に、児童生徒に教科書として使用を義務付けられていたものでございます。
○神本美恵子君 戦前は国がすべて作って配る、いわゆる国定教科書だったんですね。今回のこの心のノートも非常に似ているというふうに私は思うんですが、ただ、使用を戦前は強制された、でも、今回は強制するものではない、義務ではないというようなところで違うと思うんですが、でも、活用状況調査によって強制力が働けば、戦前の国定教科書と同じになるのではないかというふうに思いますが、どうなんですか。
○政府参考人(矢野重典君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、今、先ほど来申し上げておりますように、今回行っております調査また今後行おうとしている調査は先ほど来申し上げたような趣旨で行うものでございまして、その調査は、先生が御心配されているような使用を強制する、そういうことを意図するものでないということについては御理解をいただきたく存じます。
○神本美恵子君 もう一度申し上げますが、活用状況調査が使用を強制するような有形無形の圧力になるということを、これまでの文部科学省が様々に指導という名前でされてきたことについてのこれまでの経験もございますので、そういう働きがあるということを十分に認識をされて、活用状況調査は是非やめていただきたいということを申し上げたいと思います。
 こういう使用を強制するものでなければ、各学校の判断で使わないこともあり得ると。使い方は、常時使うのではなくて、随時使うというふうな様々な活用の仕方があってしかるべきという、今、この本来の趣旨からいえばそういうことでありますけれども、では、この十一億もの予算をそういうふうなものに使っていいのか。私は、本当に心の教育や道徳教育を推進するんであれば、もっとほかにこの予算を向けるべきではないかということを思います。特に、新しい教育課程で総合的な学習の時間が始まり、分権の流れの中で、各学校の自主性、自律性をこれから尊重していこう、それぞれの地域に応じた教育をやっていこうというような方向に今あるわけですから、そのための教育支援のために予算措置をしていただきたい。
 もう時間がありませんので、もう山ほど言いたいことあるんですが、是非とも、各県や学校が指導資料を作ったり、あるいはゲストティーチャーを呼んだりというような、そういう具体的な実践に役立つ教育支援に予算を是非振り向けていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 平成十一年度、十二年度決算に関連し、税制、財政、金融問題につきまして、財務大臣並びに金融担当大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 時間が三十分と限られておりますので、恐縮でございますが簡潔に、また結論部分のみの御答弁を賜れば幸いでございます。
 まず、税制改革についてでございます。
 私、八月八日、全般的質疑の中で塩川大臣にもお伺いしたことに関連するわけでございますけれども、八月八日、塩川大臣は、減税を三年間先行、増収は五年間を掛けて図っていく、すなわち、減税は二〇〇三年度から二〇〇五年度まで、増税は二〇〇三年度から二〇〇七年度までというお考えを示していただいております。
 また、去る八月二十四日、税についての対話集会において、その後の記者会見でしょうか、塩川大臣は、二兆円を三年続けたら六兆円の減税になる、増税の方は五年掛けて減税分の六兆円相当額にする、そういうことを法制化したいと、こういう考えを示されております。
 一方、六月二十五日閣議決定の経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二におきましては、今次税制改革は二〇〇三年度に着手し、「改革と展望」の期間内、二〇〇六年度までに完了させることを目指す、なお、時限的な政策税制を行う場合も税制改革全体との整合性を保つことが重要であると、こういうような指摘があり、閣議決定されているわけでございます。
 そういう意味で税制改革の期間のおしりの部分がちょっと違うのではないかと、このように思っているわけですが、塩川大臣のお考えとして増税は二〇〇七年度までという御見解は変わりないんでしょうか。お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 実は、そのことを発表しますことにつきましては、いずれも私の試案でということで前提に置いておりまして、財務省の案ということではまだございませんで、財務省の案として固めますのには政府税調のやっぱり審議が、結論が必要でございますので、まだ財務省としては決まっておりません。しかし、私は諮問会議なりあるいは一般国民の間から何か試案を出せということは非常に強く要望されております。
 そこで、経済財政諮問会議では二〇〇六年までの間を「改革と展望」の中の集中改革期間ということに位置付けておりまして、何もすべての行政を二〇〇六年をターゲットにやるということじゃございませんが、集中と改革はここの四年間の間に集中してやろうという趣旨であると思っております。そうしますと、税制改正もこの二〇〇六年までのターゲットでやればいいということであることは当然でございますけれども、何もそれに拘束される必要はないと思う。
 むしろ、減税を先行さすためには減税分を早くスタートさした方がいいんではないかということ。ただし、減税だけを実行してしまって財政上のバランスを失うことになってはいけませんので、同時に同額の、中立の考えに立ちまして、税の増収の方もお願いしたい。増収の方は緩やかなペースでもって減税分を埋めていただく。そういう発想に立つということであるならば、減増税の間に時間的なずれを持ってもいいではないかという私自身の考えでありまして、これを申し上げて、その間のバランスは五年できちっと取れるようにしたいと、こう思っておるところです。
○辻泰弘君 減税、増税のことの絡みについてお伺いしたいと思いますけれども、同じく八月八日、塩川大臣は減税について、恒久的なものと言ったらこれは非常に難しい、三年ぐらいもつような態勢でいきたい、それ以上のことについては見直さなければならぬ時期もあると、このような御答弁がございました。そして、増税については、やはり検討項目として、配偶者控除の縮減とか特定扶養控除の縮減、消費税の免税分の引下げ、たばこ増税等々、検討対象と言われているわけでございますが、これらの増税項目はやはり恒久的措置というふうになるんだろうと思うわけでございます。すなわち、減税の方は時限的だというふうにおっしゃっている、増税の方は恒久的ではないかと、こういうことになるわけで、すなわち時限的な減税と恒久的な増税の組合せということを考えておられるのかどうか、その点についての塩川大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、そういう長期あるいは短期という考えではなくて、中期的な展望に立ってということでございますから、増減税ともに中期的な展望で。
 これだけ激しく技術革新が進み、経済の言わば体制というものが変化してきますので、非常に長期に、ロングランにわたった税制の確立ということは非常に難しい。けれども、その場その場の法的な措置だけを取りましては経済の安定化が図れませんので、私は中期的な展望ということで見ておるということであります。
○辻泰弘君 増税の検討対象として、塩川大臣は増税項目については石清水をためると、こういう表現をされているわけでございますけれども、どういうものを検討対象と想定されているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 広く薄くです。
○辻泰弘君 それではもう一つ。
 三月十九日、塩川大臣はこういう発言を参議院財政金融委員会でされております。高額所得の高齢者の場合にですけれども、年金を辞退すれば、その間、辞退している間の合計額の倍額でもいいから相続財産を引いてやるということも考えるべきだと、このようなお考えを示されておりますが、このお考えは来年度の税制改正あるいは十六年の年金の改革の中で具体化されるというお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は政府税調に提案をしてみたいと思っております。
 今、所得の配分を見ますと、高齢者と若年者の間に相当なギャップがあるということ、これは先生も御存じだと思います。世代間におきますところの所得の格差、資産の格差というものは、できるだけ早く若い者に移譲していくのが私はいいと思っております。
 また一方、世代間、同一世代間の中においても、若い人あるいは年輩者、高齢者の中においても、特に高齢者の中で所得、資産の格差というものは相当な開きが出てきております。したがって、年金とかあるいは医療とかいうものについては、高額所得者であって高齢者であっても、それぞれの分に応じた、言わば資産状態に応じた、収入に応じた負担をしてもらってもいいんではないかという、私はそういう考えを持っております。
 したがって、同一世代間においてもそういうある程度のインセンティブを付けることによって、高齢者の方々にその期間中少し遠慮してもらっても、その将来においてそれだけのものが報いられる方法を取っておくならば私は合理的ではないかと思ってそういうことを考えておるということであります。
○辻泰弘君 もう一点、財務大臣のお考え、御見解をお伺いしたいんですが、今日の国債の大量発行が続く中で安定した消化を図る見地から個人投資家の国債保有を促すために、現在、個人向けの国債の商品設計を検討中だと伝えられております。大臣は個人向け国債の利子に掛かる所得課税の非課税措置に前向きとお伺いしますけれども、これについての御見解、今後の方針をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は非常に前向きなんです。個人が国債を持ってもらうということは国の経済が一番安定することでもあり、そしてまたいろんな今経済政策の中に言われておりますように、ただ預金だけではなくして証券なりあるいは他の発展性のある株式投資とかいうふうに多様に、多様性を持った投資をするということはいいと思っておりますが、特に国債等につきましては国民の、個人の関心を強めるために是非ひとつ持ってもらいたい、そのためのインセンティブとして利子税の問題等を考えたらいいではないかと。
 そうすると、識者の中で、お年寄りの、一千五十万円ございますが、このお年寄りの利子税は廃止するとして、そしてまだ、ある程度、額は分かりませんが、国債の保有者に対しては利子を免除するということは相矛盾をするのではないかということを言われる方があります。確かにその点は私も承知しておりますけれども、国債を保持してもらうという、持ってもらうということは、一つの政策的な配慮としてやるんだということで理解していただけるならば、その間におけるところの整合性は取ってもらえるんではないかと思っております。
○辻泰弘君 政管健保の棚上げ債務についてお伺いしたいと思います。
 時間の関係上、歴史と経緯等々は省かせていただきますけれども、この審議対象の十一年度、十二年度におきましても、厚生保険特別会計の健康勘定において一兆四千七百九十二億円が借入金として歳入に計上され、同額が借入金償還金として歳出に計上されていると、こういう経緯がございます。これについては、少し古いですけれども、昭和四十七年、衆議院社労、大蔵、物特の連合審査会におきまして、当時の水田大蔵大臣の答弁として、「この累積赤字は今後の保険会計の別ワクに出して、国が責任を持つということをはっきり書いた」と、こういう御答弁がございます。
 そこでお伺いしたいんですが、政管健保の棚上げ債務一兆四千七百九十二億円は一般会計の責任で返済していくということが大蔵省を継承する財務省としての方針と考えていいか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(尾辻秀久君) お話しのとおりでございまして、一般会計からの繰入れによる償還する方針に変わりはございません。
○辻泰弘君 塩川大臣の御発言に関連してお伺いします。
 現在、経済活性化、都市再生という見地から医療産業が一つの突破口として注目されており、先端医療産業特区などの提案も出されているわけでございますが、八月二十三日、塩川財務大臣は、大阪だと思いますけれども、発言をされておりまして、神戸の医療産業都市構想について、政府が掲げる四つの重点分野にも合っている、二〇〇三年度も相当な予算措置がなされるとの御発言がございますが、この点についての大臣の御見解、方針をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、医療につきまして、あるいは年金、こういう高齢化社会を特に対象にした制度というものは、安心を与えていくということが国民にとって非常に大事な政策だと思っております。したがいまして、十五年度におきましてもこういう福祉関係、要するに生活に直結する医療とか年金とかいうものについての当然増、自然増といいましょうか当然増につきましては、できるだけその当然増を予算の上で消化したいと思っております。その代わりに、他の面においてそれ相当の分の削減をするということを条件にしておりますので、合わせてバランスを取っていきたいと思っております。
○辻泰弘君 新紙幣の問題についてお伺いしたいと思います。
 平成十二年七月十九日からは二千円札が発行されておりますけれども、最近の八月二日に、財務省は、平成十六年度上期をめどとして一万円、五千円、千円の新紙幣発行の方針を打ち出されているわけでございます。塩川大臣は、記者会見で、二千円札を発行したときには一兆円の効果があったと語っておられるようでございますが、新紙幣発行の目的、経済効果について塩川大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 経済効果は幾らという算定、具体的な数字での算定はまだ私では不可能でございますけれども、かなりのものが経済効果があるんではないかということを期待しております。
 しかし、誤解があってはいけませんので、経済効果をねらうため、つまり景気刺激のためにお札の改刷をやるんだというそういう意味ではございませんで、目的はあくまでも不正防止、偽造防止にあるということでございますので、誤解のないようにお願いしたいと思います。
○辻泰弘君 同日の記者会見、柳澤金融担当大臣は、この問題につきまして、現金自動預け払い機の改造などの負担増が金融機関に集中するということに対する懸念をお持ちだということだと思うんですけれども、簡単に需要拡大ととらえるのは誤っているのではないかと述べておられます。
 柳澤大臣のこの新紙幣の需要拡大効果あるいは金融機関への負担増についての御見解を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 新札の発行について記者から御質問をいただきまして、私もお答えをかなり無理をしていたしました。私の頭の中にあったのはやはり金融機関に対する負担の増ということでございまして、そういうことを考えるとちょっとそうにこにこ歓迎というわけには気分的にいきませんと。しかし、今も塩川大臣がおっしゃられたように、これはもう本当の偽造防止ということであるわけであるから、どういう負担であってもこれは金融機関として受けて立ってもらわなきゃいけない、こういうことを考え、また申し上げたわけでございます。
○辻泰弘君 不良債権の問題についてお伺いしたいと思います。
 平成十一年度当初予算では二兆五千億、補正予算では九千二百七十九億、また十二年度予算では四兆五千億円が預金保険機構の特例業務勘定に交付したいわゆる交付国債の償還のための経費として国債整理基金特別会計の予算繰入れが行われております。そして、これまでに手当てされた十三兆円の交付国債のうちの九兆一千億円が現段階で国民負担として確定しているという状況でございます。
 そこで、柳澤大臣にお伺いしたいんですけれども、四月十二日、大臣は、不良債権処理は第二の山を築いた、二〇〇四年度には何とか正常化のレベルに持っていけるとの認識を示されておりますけれども、今もその認識に変わりはございませんか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私ども、オフバランス化というようなことを不良債権に対する間接的な処理である引き当てと同時に進めさせていただいておりまして、これらのことをいろんな私ども決めさせていただいたスケジュールどおりやっていただくということに努めて、今申したようなことをどうしても成し遂げたいと、このように考えておりまして、また私どもいろいろ検討をいたしておりますけれども、政府の「改革と展望」に示されたような経済状況ということを前提とする限り、そのことはまた可能であると、このように考えているところでございます。
○辻泰弘君 柳澤大臣は、四月十六日に、委員会の御答弁だったと思いますが、「経済の客観情勢が悪くて不良債権が生まれてきた」、「客観情勢がちゃんとしない限り、不良債権問題の正常化もこれは望むべくもない、」、「金融庁の仕事だけに不良債権問題の処理を迫るなんというのはとんでもないことだ」という御答弁がございますけれども、不良債権問題の正常化を図るために必要な経済の客観情勢の改善のための政策というものはどういうものが必要とお考えか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) それは、今御引用になられた点は前段でありまして、最後のところで私は、やはり自分たちの守備範囲のことをきちっとやっていかなきゃいけないと、こういうことでその答弁締めくくらせていただいております。要は、私のそのところで申し上げたのは、経済論をやらせればいろんなことがありますと、しかし政策あるいは政治論として、私ども今行っている不良債権処理について、ほかのところに原因や理由があるんだからというようなことを言うのは適当でないということを申し上げたわけでございます。
 しかし、せっかくのお尋ねでございますので、今、その辻委員の御指摘の点について申し上げれば、我々としては、先ほど申したように、「改革と展望」に示されたようなマクロ経済の運営というようなことが実現されることを望んでいるということでございます。
○辻泰弘君 ペイオフに関してお伺いしたいと思います。
 平成十一年十二月には与党三党の合意によりペイオフ解禁が一年延期されております。また、十二年五月には預金保険法改正案が可決成立しているわけでございます。
 そこで、柳澤大臣にお伺いしたいんですが、今年四月のペイオフ解禁に伴って大量の資金が定期預金から普通預金に移動したわけでありますが、その総額、規模はどれくらいとごらんになっているか、またそれをどう評価されているか、お願いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今年の四月から定期性預金の保険限度額というものを一千万円にいたしまして、それを超えるものについては保険保護が掛からないということになりました。そういうようなこともあるし、また、ただいまでは金利の格差が定期性預金と普通預金で余り変わらないというようなこともございまして、期限が来たものをもう一回定期預金にするというようなことではなくて、もう普通預金のところに自動的に預かることになりますけれども、それで、ある意味で放置しておくというようないろんな状況があったんだろうと思いますけれども、いずれにせよ預金が動いたわけでございます。
 そういうようなことでございますけれども、総じて言うと、業態が大きなところほどむしろ総額の預金というものは増える傾向にありまして、ちっちゃいところが割と減っておるということでございますが、減っておるところでも対前年同月比で二%台の半ばくらいというようなことでございますので、これで大変な何か影響があるというふうには考えておりません。
 そういうようなことを、私ども今、この預金の動向を慎重に見ておりますけれども、ただいまのところの私どもの観察の結果として申し上げることができようかと、このように思います。
○辻泰弘君 柳澤大臣は、これまでペイオフの解禁は構造改革の一環だと強調されてこられました。今回の決済性預金の保護の方針は、実質的には限りなく解禁延期に近づくもので、大臣のこれまでの論理からすれば改革の骨抜きと言うべきものではないかと思うわけでございます。
 大臣は、すべて延期なら骨なしだと述べておられるようですが、それは、今回の方針は骨抜きではあるけれども骨なしではないという意味でしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今度、決済性預金を保護させていただくということを方針として総理からも御指示いただいたこともございまして、今、金融審議会でその具体策についていろいろ御検討をいただいておりまして、まだ中間段階ということでございます。
 これと構造改革との関連についてのお尋ねでございますけれども、決済性預金を含めて流動性預金を全部保護の対象から外すということと、決済性預金については保護を続けるというか保護の状況に置くということとの比較において、どっちが構造改革のプレッシャーが金融機関の経営者に大きく与えるのかと、こういうようなことを考えれば、それはもう全額保護の対象から外してしまう方がすごいプレッシャーになるだろうと、これはもう常識的に考えられることでありまして、それを骨なしか骨抜きかというような表現は、これは人によっていろいろ考えられることであろう、こういうように思います。
 しかし、私どもは、決済性預金の問題というのは非常に金融システムのバイタルな問題でありまして、そこのところを保護するということを今回方針として打ち出しましたけれども、その他の流動性預金についてはこれを保護対象にしないという従来どおりの方針でこれを凍結を解除するということでまいりますので、その限りでかなりプレッシャーが金融機関に掛かり続ける。その意味で構造改革の一環としての施策としての一貫性というものは堅持されていると、このように考えているということでございます。
○辻泰弘君 今、御答弁いただいたところにもあったことではございますけれども、与党サイドからは、普通預金も含めて解禁を延期すべきだという意見が強く出ている、いろいろややこしい理屈を付けて決済性だ何だと言っているが、素直に延期したらどうかなどという意見も出ているわけでございますが、大臣としては、普通預金の解禁延期の道を選ぶことはないと、こういうことでよろしいですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) そのとおりでございます。
○辻泰弘君 決済性預金の全額保護に向けて法的措置というものが必要になると思うんですけれども、どういう法案を臨時国会に提出していかれるのかということについて御方針を承りたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいまその内容というか、法的な構成を含めて御検討いただいておる途上でございまして、今ここで私がそのことについて結論めいたことを申し上げられる段階に至っていないということでございますが、いずれにせよ法改正は必要だと私ども考えておりますので、この点については臨時国会に提出をさせていただいて御審議をお願いしたい、このような心積もりをいたしているところでございます。
○辻泰弘君 もう一点、柳澤大臣にお伺いしたいと思います。
 大臣は、八月二日に、数年前から保護すべきものは何かを考えていたと述べておられて、決済性預金の保護は以前から検討対象だったというようなニュアンスでの御見解を示されているようですが、そのとおりでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、決済性預金というものは典型的には企業向けの当座預金と、こういうことでございますけれども、当座預金というのを金融機関から認めてもらうためにはかなり高いハードルをクリアしていかなければいけないということで、現実には普通預金も決済性預金として使用されているという面があるわけでございます。
 しかしながら、元々この決済性預金について預金保険の対象にすべきであるという論議は一九九〇年の半ばごろ非常に金融学者の間で大きなテーマになった問題のようでございまして、当時、私はある金融学者からその論文をコピーで何だか知らないんですけれども送付していただいたということがありまして、そうしたものも目を通しておったということでございます。
 要は、金融システムの安定のために保険というものを掛けて保護すべき対象というものは一体何なんだというのがテーマでございまして、これは決済性の預金、決済機能の保護であるというのがそうした論文が示していたところであるということ、そのことを私は数年前から知っていましたということを申したということでございます。
○辻泰弘君 最後の質問になると思いますけれども、政策金融の見直しについて財務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
 政策金融の見直しというものが昨年十二月十九日閣議決定の特殊法人等整理合理化計画でも指摘され、またこの九月からは経済財政諮問会議で審議される予定と伺っております。
 そこで、財務大臣の政策金融自体に対する評価と今後の方針についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 政策金融は、戦後我が国の経済の復興の根幹を成してきたと思って、私は政策金融を高く評価しております。
 しかし、それ以来、終戦後五十数年たちまして、経済の実態並びに国際化の問題等もあって非常に進展してまいりました。民間の力を思い切り活用する方が将来の経済発展のために私はいいと思う。そういう意味において、あえて政策金融を拡大し、政策金融を経済活動の中に大きく位置付けるということには私は批判的であります。けれども、どうしても経済界あるいは社会一般にとりまして特定の分野において必要な金融もあると思っております。そういう特化した分については政策金融を続けてもいいと思いますけれども、原則論としては政策金融はもう廃止する方向に行ったらいいと思っております。
 したがって、現在の金融状況等を見ながら、その経過措置を十分取りながら、政策金融の転換を図っていくべきだと思っております。
○辻泰弘君 以上で終わらせていただきます。
○山本保君 公明党の山本保です。
 私からも細かい点についていろいろお聞きいたしますけれども、最初に、正式に通告していないことなんですが、今日もやはり決算委員会の役割についてお話が出ましたし、これまでいろんな委員からもお話がありましたので、ちょっと私からも一言自分の考えを述べながら、この担当の副大臣で尾辻さんが参議院代表で入っておられるわけですから、ちょっと尾辻さんにその意見も交換したいなと思います。
 先回からもいろんな議論があった中で、決算委員会で例えば否決されたとしてもほとんど何の意味もないというようなことでありますと、全く何のために審議しているのかなという気がしてくるわけです。当然、今日もお話ありましたが、次の予算に反映させていくということが一番基本だろうと思います。そうなりますと、昨日ですか、この辺についてももっと早く決算の報告を出してもらうということをしたらどうだというお話もあり、財務省の方からは、今の段階でこれ以上はなかなか厳しい、ぎりぎりですというようなお話もあったかなという気もするわけです。
 私、早く出して早く審議する方がいいとは思いますけれども、会計検査院、今日お話出ましたけれども、のように、例えば各項目について返還の勧告ができたりとか、そういう権限がこの委員会に与えられているわけでもないわけですから、ここは、もちはもち屋といいますか、そういう考え方、仕事の意味が違うのかなという気もしますと、ひとつ予算、予算委員会というものが実際にはもう何かスキャンダルの問題などを追及するばかりというのに、そればかりではないわけですけれども、そういうふうに取られがちなんですが、予算委員会と決算委員会というのをやはり一緒にして、予算の出てきたときには、若しくはいろんな大きな問題が出たときには予算委員会が動くなりをする、そのほかのときには当然決算のことをしながら、私も実は三回目の決算委員会委員をやらせていただきましたので、大変重要で、しかもこの内容を知っているということが予算委員会などの質問に大変役に立つということは感じておりますので、例えば参議院では予算決算委員会というような形で一緒にするというようなことの方がいいんじゃないかななんということを考えました。
 尾辻副大臣、多分いろんなことをお考えだと思いますが、どうでしょうね。
○副大臣(尾辻秀久君) 昨日も申し上げましたけれども、私も参議院議員の一人でございますし、この決算委員会に籍を置いたこともございます。したがいまして、昨日の岩本先生のお話、あるいは今の山本先生のお話、全く同感でございます。
 そこで、決算委員会の在り方についてのお話もございました。記憶定かではありませんけれども、総理大臣によっては、決算委員会でもし決算が否決されたら極めて深刻に受け止めると、そういう発言もあったと思います。また、お話しのように、決算委員会の論議を次の予算に生かす、これはもう極めて重要な役割でございます。
 そのためにどうすればいいのかという御議論が昨日からあるわけでございますが、せっかくのお尋ねでございますから、少し私見も交じるかなと思いますけれども、むしろ財務副大臣としてというよりも、そういうことも交えながら思うところは少し述べさせていただきたいと思います。
 大きくは二つあるんだろうと思います。
 一つは、昨日も御指摘ございました、決算を仕上げるといいますか、国会に提出できる状態にどれだけ早くできるかということがございます。これは私どもも精一杯努力をいたしておりまして、昨日もお答えいたしましたように、今のところでは十一月下旬、ぎりぎりのところで努力をいたしておるところでございます。これを早められるかということでございますが、率直に申し上げて、制度を変えなければこれを大きく、大きくです、大きく早めるということはかなり難しいのかなというふうに感じております。
 例えて言いますと、法人、三月決算の法人、この税の納付期限は五月三十一日でございます。したがいまして、税収確定するのが五月三十一日であります。そこから計算をいたしまして、そしてまた、万が一ですけれども、万が一歳入欠陥でも生じまして特例公債を発行するというようなことになると、これは六月までまたやるということになります。
 何だかんだ、例えばで今申し上げましたけれども、ありますので、昨日申し上げましたように、歳入歳出の主計簿を締め切るのが七月三十一日であります。これが動きようがございません。七月三十一日に主計簿を締め切りまして、その後、決算を作成し、会計検査院に送って、会計検査院からもう一回戻ってきたときに国会に提出できるということであります。
 したがいまして、この辺は極めて私見の部分でありますけれども、精一杯頑張って、精一杯頑張ってやっぱり十一月中というのはもう動かないのかなという気がします。今の下旬を一週間とか十日とか早めるぐらいが、私の率直な感じを申し上げると、精一杯なのかなという思いで見ておりますということをまずもう極めて率直に申し上げたいと思います。
 二点目ですけれども、そうなりますと、それを国会がどう扱うのかということがございます。
 まず問題になりますのが、財政法上、常会に提出する、すなわち通常国会に提出することを常例とすると、こういう定めになっております。ただ、そうなっておりますけれども、これは常例とする、常の例とするとなっておりまして、しなければならないという定めじゃありませんから、国会のお求めとかいろんな状況さえあれば臨時国会にも提出できるわけではございます。この辺が一つあるかなと思いますけれども。
 そうなりますと、秋の臨時国会というのは今や通例となっておりますから、ぎりぎり努力して十一月の中旬ぐらいまで何とか仕上げて、ここで予算委員会みたいな決算委員会の集中審議でもできればいいのかなと。もう再々申し上げておりますように、私の私見としては思いますということを率直に申し上げております。
 そうなると、正に十二月の予算編成の直前でこの審議が行われますから、予算編成にも生かされるということになりはしないかなと。もう本当に何回も申し上げますが、私見としてちょっと申し上げて、お答えとさせていただきます。
○山本保君 どうもありがとうございます。この問題は今後も委員会で率直にみんなで話し合って変えていったらいいなと思っておりましたので、ちょっと余分なことかもしれませんが、最初にお聞きしました。
 時間もちょっとありますので、次に景気動向についてお聞きすることにしておりましたが、これは省かせていただきまして、次に、今、先ほど同僚の委員からもお話があった景気刺激策として税制改正について検討をされていると、これについて状況をお聞きしてと思っておったんですが、今それはお話に出ましたので、せっかくのいい御質問がありましたのでそれはそのままもう使わせていただきまして、その上に乗っかってちょっと大臣、若しくは大臣でなくても結構ですけれども、お聞きしたいんですが、例えば塩川大臣、先ほど広く薄くですよということをこの税、増税に関してといいますか、もう責任ということを言われたわけですが、そう言いながら、例えば資産のある方にはそれなりの負担を持っていただくと言われましたですよね。
 私は、やはりもっと、広く薄くという言い方ではなくて、やはり税金というのは、この国の制度、経済の制度によって利益を得た方はそれによって利益を得なかった方のために出すというのが、これが正にアダム・スミス以来の税の基本なんですから、やっぱり高所得者若しくは資産を持っている方については、やはりもう少し責任を明確にするということもこれは重要な視点じゃないかなという気がするんですよ。
 ですから、この前の財政金融委員会で大臣に私、具体的に日本では、これは学者の説も引きまして紹介して、税の負担とそれに対する、いただく国民がもらっているサービスとの間のバランス、実態というのがはっきりしていないから問題なんだと。もっときちんと明確にそれを出してください、具体的には各資産ごとに、また年齢別に、あの表ですね、下の方に税金、そして上の方にいろいろ受けるいろんな給付であるとかサービスというものが書いてあるというものも出して作ったらどうですかというお話をしましたら、検討するということでもありました。
 その辺について、どんなことに今なっておりますかということを、ちょっと突然で申し訳ありませんがお聞きしたいんですが、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私たちが今勉強しております範囲内で申しますと、税に対する考え方が近年非常に変わってきておることは事実です。それで、どこが変わってきたかと。やっぱりグローバリゼーションが進行するに伴いまして税に対する考え方が変わってきておるということであります。
 旧来の古典的な考え方でいきますと、税は公正、中立、簡素という基本的な考え方であったんでございますけれども、最近は、公平であると同時に、制度の改正を通じて活性化への道を開いていくと。そこを税が誘導していくということは、税にとっては大きい意義ある機能の発揮ではないかと、こういう考え方が非常に強くなってきておりまして、私たち今、公正であるという、公平であるということを主眼としておりますけれども、しかし、制度の改正に伴って活力を与えていくということも同時に税制の中で考えていきたいと、こう思っております。
 もう一つ、OECD等の考え方でいきますと、税は広く薄くして負担してもらうのが、これが原則としていいのではないか。現在、日本の在り方を考えますと、やはり先ほどおっしゃいました金持ちの方に重点が置かれておる。今、山本先生はもっと金持ちから取ったらええという話ですが、まあそれは当然そうあるべきだと思いますけれども、しかし今、日本が、他の諸国に比べまして、どちらかといったら言わば所得の高低差におけるところの累進課税の税率というものはきつ過ぎるように思っております。したがって、税の簡素化というものと併せて、この際、税の負担を言わばある程度均衡を取っていきたいと、このように考えております。
 それと同時に、先ほど来申しておりますように世代間の調整というもの、私はこれは非常に大事な経済政策であり、これを税制によってある程度機能を分担してもらうということ等も考えていきたいと、こう思っております。
○山本保君 ありがとうございます。
 各論にこれから入りますが、でもやはり、大臣今おっしゃったように、広く薄くという原則だけではなくて、やはりそれなりの負担も持っている方にはということを言われたわけですから、私はそういうことは明確にしておかないと、もちろん所得の低い方からたくさん取るわけではなくて、当然それなりの薄い負担をいただくということでしょうから、そうなりますと、所得のある方からはもう少し厚い負担をいただくというのは別に均衡が取れた考え方だと思いますよ。ですから、その辺がどうも、片方だけがどうも報道されているのかなという気もしましたので、申し上げました。
 それで、具体的に一気にお聞きしますが、最近景気刺激ということで、構造改革特区ですか、という構想が、具体的にもう法案の準備に入っているようでありますけれども、今の法案の考え方といいますか、法案といいますか、今の考え方はどうも規制緩和、今、規制が多過ぎて活性化しない、自由なもっと工夫がされないと。この規制緩和ということを重点といいますか、それのみでやって、言わば、例えば減税措置というようなものについては、財務省としては全然そういうのは認める気はないんだというような声も聞いているわけですけれども、この辺についてどのようにお考えでございましょう。
○国務大臣(塩川正十郎君) 特区につきましては、税制上の優遇ということは考えておりません。
○山本保君 マイナスのところをプラス、ゼロのところまで持っていくということが、これでもって効果があるというふうに考えるのは当然だと思いますが、しかし今、こういう状況で景気を良くしようということですから、ゼロのところを、引き上げるべきところは引き上げる。今の取る取らないという意味じゃなくて、それに力を入れるという考え方も私はあっていいんじゃないかなと。最初からそういうことは全くしないということで整理されるよりは、内容に関して、どういうことについてやればいいかということも検討された上で、現在はこれぐらい、若しくは次にはこういう段階というようなものを示されていいのかなと思いましたので、お聞きしました。
 次に、これは毎回のようにお聞きしますが、NPOの税制についてでございます。
 先日、ある新聞に、財務省がNPO法人に対する寄附についての優遇税制、この制度は御存じのようにもうできているわけですが、ほとんど活用がなかなか進んでいないということで、私どもの党も強く要望を出したりしております。
 その中に、具体的にはいろんな点がありますけれども、一つ税優遇の対象になるというものは、寄附金というものが一定の割合、全体の費用の中の三分の一以上を寄附金が、みんなで支えるというそういう法人、NPO法人であればこれは税を免除しても、事実上国の税を使わなくてもみんなで直接支えているわけですからいいということでその税を軽くしましょうと、こういうことになっているわけですが、しかし、今まで日本というのが全くそれとは反対の、役所の方からお金が来るということをもってその団体が社会的にもステータスが認められるということで来た。であるならば、そういうものを新しい民衆、国民、住民が支えるという理念に変える以上、その途中に、作った段階ですぐに三分の一になりっこないじゃないですかと。経過的にまずそこを弱めた形で、何年かたったら次に移していくというようなことをどうですかということを提案しておりましたら、新聞にそんなことが、考えているんだと書いてありました。
 ただ、担当の方にお聞きしましたら、いや、全然そんなことは考えていなくて、これは全くの誤報ですというようなことも言われたので困ったものだなと思っているんですけれども、この辺はいかがでございますか。
○副大臣(尾辻秀久君) 新聞報道がございました。一言で言いますと、新聞報道について申し上げますと、先走った報道と、こう言わざるを得ません。
 ただ、では今、先生がおっしゃったような問題点を私どもが認識していないかというと、もう十分認識いたしておりますし、いろいろ問題があることは承知をいたしておりますので、認定要件につきましては、今後はNPO法人の実態等を見極めた上で検討はしてまいります。その必要があるということは十分認識しております。
 したがいまして、検討中であるというふうに、新聞記事を読めばそれはまあそのとおりでもありますが、ただ、余りにも具体的な内容で述べられておりますが、あそこまで踏み込んでじゃ検討しているのか、そんな答え出しているのかと、こういうふうにおっしゃると、いや、そこまではいっていませんと、こういうお答えになります。
○山本保君 先走ってという言葉は、隠してあるんだけれども先に出ちゃったという意味かなという期待も持ちたいわけでございますけれども、しかし、この辺が尾辻副大臣言われるように重要な課題であるということはもうよく御承知だと思います。
 また、それに加えて、一般の公益法人に認められていますみなし寄附の制度なども、当然この法人だけがないというのはおかしなことだと思いますし、全体に公益法人全体の見直しというのが今進んでいる中で、見直しといいますと何か不正があったり実体がないということでもう少し厳しく見ましょうという考え方も当然あっていいですが、これはもう塩川大臣もいつも言われますように、このNPOというものについてはこれまで全く日本になかったものですから、多少のことがあってもここはまず支えて伸ばしてあげるということで早急な手を打っていただきたいということを今日は御要望をしておきます。
 次に、先ほど政策金融の話が出たことの具体的なことで一つお聞きしたいんでございますが、信用金庫の、信金中央金庫ですか、と日本政策投資銀行の業務協力がなされると。その契約といいますか提携されたという報道、またそのようなことを御説明をいただきました。
 一見しますと、地方の中小企業などを中心にやっておられる信用金庫と、今までの経緯からいきましても大きな国全体の政策銀行が業務を提携するというのはなかなかぴんとこなかったんでございますけれども、この辺はどういう役割を、ねらいといいますか役割についてどんな特徴を持って分担していくのか、連携していくのかについて簡単に御説明いただきたいと思います。
○参考人(小村武君) 私ども日本政策投資銀行は、新しい銀行に生まれ変わってから地域経済の活性化、これが日本経済の発展につながるということで地方経済の活性化について重点を置いてまいりました。従来ややもすると、先生御指摘のように重厚長大な企業に対する融資と受け止められておりますが、実は今日、私ども一昨年新たに発足して以来、地域経済あるいは環境、高齢化対策、こうした様々な政策分野に貢献をしていこうということで大きく生まれ変わってきております。
 このたび、信金中金様から地域の発展という共通の目的を持っているこの両機関を提携しようじゃないかと、こういうお誘いを受けましたものですから、快く引き受けた次第であります。
 信金中金としては、私どもが持つ政策金融機関としてPFIだとか事業再生とかプロジェクト形成ノウハウ、こういったものを共有したいというお気持ちがございました。一方、私どもは全国の約三百四十余りある信用金庫及びこの中央機関である信金中金、地域のきめ細かい情報を持っておられます。こうした情報を私どもは大変欲しているところであります。さらには、信金中金は豊富な資金力を持っている、こういうところが最大の魅力でございました。それで、去る七月三十一日に業務協力の合意書を交わした次第であります。
 これまでも私どもは、例えば阪神大震災の後の地域経済を興すためにコミュニティークレジットという新しい金融手法を信託銀行と立ち上げたり、いろんな個々の信用金庫ともPFI等を通じて御協力を申し上げております。今回、この合意書を締結することによりまして、更にこうした地域における貢献ができる体制が整ったというふうに考えております。
 先生御案内の、今御議論のありましたNPO等につきましても、例えば地域のNPOが介護のために給食サービスをしようというときに施設が必要だ、こういったときにも、今年度から私どもの融資対象に入れておりますし、よりきめ細かなこういう融資を行う体制も整っております。
 私もいろんな地域を回ってまいりましたが、今地方経済は大変不況の下にあります。両機関がこれを機会に協力をして地域経済の活性化に一層貢献できればと、こう考えておる次第であります。
○山本保君 今、総裁お話ありましたように、中小企業こそをどのように活性化するのか、そのためにまた必要な資金をどう回していくのかということが大きな日本の経済の今の課題だと思います。ですから、今の構想といいますか、もう具体的にこれからは動くということですが、ちょっと心配なところもありますのでお聞きしたわけですね。
 やはり具体的に一つ一つの企業の状況というのは信金の方が知っておるわけでしょうし、それについて政策銀行の方がどうということはないとなると、プラス面よりも、逆に政策銀行が出てこなかったのであれはよくないんじゃないかとか、そんなことになるんじゃないかななんというちょっと危惧もしたり、そうでもなくて、今お話にあったPFIとか再生ファンドだとかいろんな点でノウハウを持っておられるということを、自信を持って出ていくんだというふうに担当の方からもお聞きしておりますので、是非いい結果を出していただきたいと思っておりますが。
 金融庁の方にお聞きしてよろしいんでしょうか、財務省でもどちらでもよろしいんですが、監督官庁としてどういう評価、期待を持っておられるのか、確認しておきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、小村総裁が話をされたように、政策投資銀行の方は、やはりPFIに対する融資あるいはプロジェクトファイナンスというようなこと、あるいは事業再生、企業再生というようなこと、さらにはそういうようなことについてのスキームを組み立てていくノウハウを持っているわけですね。それから、ベンチャー企業などについてはやっぱり審査能力を、全国的な視野の中で一体そのベンチャーは有望であるかどうか、こういうようなことについてやっぱりノウハウを持っていらっしゃる。
 そのノウハウと、そういう具体のケースについての情報を知っているそういう信金、あるいは資金も持っているという信金、こういうものをプラスしたら非常に地域の活性化のために役立つじゃないか、これはもう当然の発想でございまして、私ども、このニュースを聞いたときに、結構だな、こういうようなことで肯定的に評価をさせていただいたということでございます。
○山本保君 ありがとうございます。
 では次の問題をお聞きしますが、アメリカの大きな企業の決済というんですか、そういう情報開示についていろいろ問題があるということで大きな今事件になっているわけですけれども、日本の財務報告についても、イギリスの新聞ですか、大変いい加減であるというような、ちょっと厳しい評価のといいますか、表現の記事があったというふうにも聞いているわけです。会計基準については、これは財政金融委員会の方でもいろいろ議論をして手を打ってこられたということがありますので、今日はそれについては触れませんが。
 公認会計士が監査をされているわけでございまして、公認会計士という方についてのやはり信用といいますか、この辺が揺らいでいるのではないかなという気もするわけですけれども、これについて、もっと専門性を高めて、また信頼性を高めていくということが必要ではないかと思いますが、どのような手を打っておられるのでしょうか。
○副大臣(村田吉隆君) 山本委員が今おっしゃるように、投資家の信頼が得られるような市場を作っていく、こういう観点からいいますと、大事な市場インフラとしての公認会計士監査、これが信頼を得ていくということがまずもって大変重要なことということでございまして、これまでもいろんな措置を講じてきたところでありますが、例を挙げますと、一つは十四年一月に公表いたしましたけれども、公認会計士監査の規範となる監査基準の抜本的改正をやったこと、これは十五年三月から実施と、こういう形になるわけでございますが。それから、公認会計士協会自らも品質管理レビュー制度の導入とか継続的専門研修制度の義務化ということで、内部でそういう公認会計士監査の規律というか水準を高めていく努力というのが自発的になされているということでございます。
 そういうことの上に、今、私どもの金融審議会におきまして、公認会計士制度の整備を図っていかなきゃいけないということ、それから監査の充実強化をしなきゃいけないという、そういうことから、二つに分けまして、監査制度と試験制度の、公認会計士の試験制度の在り方といいますか、二つの側面からこれまでずっと鋭意審議を進めてきたところであります。
 それから、今、先生御指摘のように、アメリカでもああいう大変な問題が起こったということもありますし、私どもも八月の初めに公表いたしました証券市場の改革促進プログラムにおきまして、監査法人等に対する監査の強化とそれから公認会計士の在り方について鋭意検討を進めまして、早急に結論を得たいと、こういうふうに発表したところであります。
 諸外国での状況も参考にいたしまして、アメリカも大変素早い対応をいたしたということも大いに私ども参考になりましたので、公認会計士の資質の向上を含めまして、企業会計監査等の充実強化について幅広い観点から今後とも研究をしていきたいと、こういうふうに考えているわけであります。
○山本保君 素人として考えまして、間違った若しくは不正な報告をするということについては、これは厳しいチェックがあるんじゃないか、責任を問われると思うんですが、やはり日本的な感覚として言うべきことを言わないというようなことですと、消極的にそういう対応をされているということがあるんじゃないかなというような気もしておるわけでして、是非、これはやはり専門家として対応されるわけですから、この辺についてはやはり厳しい、日本の会計制度とか若しくは企業経営全体というものとはちょっと切り離して、公認会計士の専門性ということについてはもう少し確としたものを期待したいと思っております。
 次に、これも先ほどの問題とも似ております。
 ちょうど二年ほど前ですか、大きなやっぱりあのときに動きがあったんだなと思うんですが、大阪の証券取引所にナスダック・ジャパンという新しい、特にベンチャーなどを対象としたような市場ができたと、大変大きく取り上げられたんじゃなかったかなと思いますが。
 つい最近ですか、このアメリカの方の本社の方はここから引くということで、名称も変わるということが報道されておりますが、これによって、結論だけ今日はちょっとお聞きしたいと思いますけれども、特に新しい会社で、今までの株を出すということよりももっと有利に積極的にしていこうというそういう方たち、またそれに対して投資しようというこの動きに何か水を差すようなことになるんじゃないかなという気がするわけでございますけれども、この辺についてはどういう手を打たれているのか、また状況について教えていただきたいと思います。
○副大臣(村田吉隆君) 残念ながらでございますけれども、八月十六日、ナスダック・ジャパン株式会社と大阪証券取引所が業務協力契約を十月十五日をもって解消すると、こういう合意をしたという発表がございました。
 今、先生が御心配に、これから上場等々、新興企業の市場がどうなるかと、こういう御指摘もございましたんですが、まず、ナスダック・ジャパンというか、その市場自体が、これがどうなっていくかということについてお答えをいたしたいというふうに思いますが、大証の方の発表によりますと、ナスダック・ジャパン市場の、これ自体は改称いたしまして、改称というのは名前を改めましてジャパン・ニュー・マーケットとして、そういう名前で市場を存続すると、こういうことにしているようでございます。
 取引システムでございますが、これは従来からも大証のものを使用しているということ、それから業務でございますが、一部ナスダック・ジャパンの職員が行っております上場支援等の業務を除きまして、上場審査等の業務は大証が基本的にやっていると、こういうことでございまして、取引自体は今後とも引き続き円滑に取引がなされていくのではないかなと、こういうふうに、そういうわけで支障が生ずるということはないと私どもは見ているわけでございます。
 しかしながら、私どもとしては、その新しい市場が円滑に動いていくように注意深く情報を集めたりしながら見ていきたいと、こういうふうに考えております。
 それから、新興企業の新規上場につきましても従来どおり行われると、こういうことでございまして、事実、提携解消してからも、当面名前はそのまま利用していいということですから、当面は、ニュー・ジャパン・マーケットに上場したということではなくて、従来どおりのナスダック・ジャパン市場に上場したということになりますが、一企業が、新しいというか、存続の市場に上場された例も出ているわけでございますが、そのほかに東証マザーズとかあるいは証券業界がやっておりますジャスダック、そういうような新興市場向けの市場がございまして、それぞれが上場、それぞれの上場基準に基づきまして新しい企業の上場を受け付けていくと、こういうふうに考えておりますので、そういう場がございますので、私どもとしては、今回のナスダック・ジャパンの、これが提携が、ナスダックとの提携が解消されるということをもって新興企業市場の上場について円滑性を欠くということに、事態になるということは考えていないということでございます。
 なお注意をしてまいりたいというふうに考えております。
○山本保君 こういう分野がアメリカの名前をかりて評判が上がるというのは、私なんか見ていまして面白くないなという気がするんですよ。ですから、これも素人っぽい言い方かもしれませんけれども、グローバリゼーションをアメリカのスタンダードに従うということでもないわけでしょうから、当然必要なものはしながら、もっとより積極的に、こういうことを一つ契機として、日本型のもっと、信用にしても審査基準にしても情報開示にしても、もっと進んだようなものを作るんだというぐらいのつもりで進んでいっていただきたいなと思っておりますので、是非担当の方としては、何かそんなことでも希望のわくような形で指導していただきたいと思っているんですけれども、どうでしょう、その辺は、柳澤大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ナスダックが出てきておったときに、そのトップとも私、話をしたことがあるんです。あなたのところ、あっという間にこんなエスタブリッシュされた市場になったし、それから、例えばマイクロソフトなんというのはあれだけの会社になってまだナスダックなんですよね。日本のように二部上場で出世して一部上場というようなことをしないんですね。そういうようなことで私も非常に注目しておっていろいろ話をしたりしておったわけですが、やはり見習うべきところは見習わなきゃならない。
 ただ、山本委員が言うように、今度のナスダックに上場した人たちの中にも、ナスダックという名前があるから上場した、ナスダック上場と書いてあったら、世界的に自分のマーケット、マーケティングなんかをやるときにも有利だ、信用力があるんだと、こういうようなことでナスダックに上場したところもあるということなんですね。そういうように、市場のブランドというものが一定の権威というかマーケットの中での力を持っているということも、これは十分考えていかなきゃならない点でございまして、私どもも、これから日本の証券取引所というのは株式会社になって大いに競争していこうじゃないかという姿勢になって、正にそういうことを志向していこうということだろうと思いますので、督励して今、委員がおっしゃるような方向でやっていかなきゃいけないと、このように考えております。
○山本保君 最後に一つ、先ほど新札の話が出ましたので。
 財務大臣でいいんでしょうかね。経済的効果というのは何かあるんでしょうか、先ほどお話出たかもしれませんけれども。中立ですかね。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、やっぱり経済的効果は多少あると思っております。だけれども、それを具体的にどのようなことをターゲットにして経済効果をねらったかということはやっておりませんので。
○山本保君 一つだけちょっとお聞きしたいんですが、いろいろ見せていただきまして、二千円札ですね、二千円札を作るときに、あれは大変便利なものであるという話があったはずですが、具体的には、ああいう自動の機械なんかが使えなくて駄目なんですけれども、今度のことに、この新しい札に変えることで二千円札を当然ほかと同じように流通できるような体制にされるんでしょうね、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 二千円札、何か最初発行しましたときに、ATMとかあるいは自動販売機に使えなかった、間に合わなかった。それが、少し二千円札の発行を忘れ掛けたような状態でございましたけれども、最近、二千円札をあえて要望される方が非常に多い。私もしょっちゅう二千円札を使っておる。
 この特徴は、すぐに偽造が分かるんですね。御存じですか、べたべたのところ、ここに、ここにですね、ちょっと触ったらすぐ分かりますから。ですから、タクシーの人なんかでも、これは案外、皆、二千円は喜んで受け取ってくれます。
 最近は非常に二千円札が出回ってきたんで私も喜んでおりますが、もっと努力したいと思っています。
○山本保君 ありがとうございました。
○委員長(中原爽君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時二十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十一分開会
○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 私は、団体定期保険について質問をいたします。
 皆さんのお手元に資料をお配りをしておりますけれども、この団体定期保険、今も総合福祉団体定期保険という名前であるわけなんですけれども、これは過労死裁判の中で社会的にも大問題となってきたものであります。その批判の中心点といいますのは、第一に、在職死亡の保険金が会社が独り占めして遺族に渡らない、第二に、従業員の命で企業が利得を得るのは許されない、現にアメリカでは禁止されている、こういうことでありました。
 柳澤大臣に伺いますが、この二つの点について改善はどうされたんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この団体定期保険の問題が生じたということは、私もあれはマスコミか何かで承知をいたしております。特に、あの当時よく出られた女性の遺族の方が私どもの静岡県の私の選挙区にも近い方であったという記憶でございまして、関心を持って見ておったということでございます。
 そういうことで、今、委員が御指摘になられたように、遺族に渡らないということ、それから会社が利得を得るということはどういうことだと、こういうことでございますが、この点、まず、渡らないということについてはそういうことのないように、まず、これは商法で元々決まっておったわけですけれども、被保険者の従業員の同意を得ると。ですから、しっかりとそういう保険が掛かっているということを本人も承知をしているということがまず第一です。
 それから、保険金の金額というのは死亡退職金等の会社側から出るいろんな社会福利厚生的な意味の支払の財源にするということで、ここはもうきちっと、今これまで問題になったようなところは明確化されたということで改善が図られてございます。
 それから、会社側がこのことで利得を得るというお話でございましたけれども、この点につきましては、この先生の御配付になられた表にもございますように、ヒューマンバリュー特約というもので主契約と分離をして契約をする、その契約金額については一定の限度を設けるということで、明確化をすると同時に、いわゆる利得というようなことに当たらない、むしろ損失の補てんということになるような、そういう趣旨が貫徹するようなことにするということで、この二つの点については改善が図られたということを申し上げることができるわけでございます。
○八田ひろ子君 本来の主要な目的というのが、遺族に対する福利厚生措置の財源確保で弔慰金や死亡退職金などの支払の財源、これは私当然だと思うんですね。
 ただ、なぜ特約条項として企業が受け取る分が残ったのか。従業員の死亡という不幸な事態が起きて保険金が下りると、遺族だけでなく企業も保険金を受け取ることができる。これどうして残ったのかを御説明ください。
○政府参考人(五味廣文君) お答え申し上げます。
 企業におきまして、従業員が死亡するという不測の事態が発生をいたしますことに伴いまして、いろいろなリスクが顕在化する、企業にとっての損失あるいは経済的負担といったことが実現をするということが起こるわけでございますが、その中の主要なリスクと申しますのが、今お話もございました主契約で保障されます従業員の死亡退職給付金などの財源確保、こういうことが必要になると、こういうことでございますが、同時に、こうした従業員が死亡いたしますと、その従業員の代わりを務める社員の採用が必要になる、あるいはその従業員が持っておりました社員としての能力というものを新規採用者に訓練をするためにも様々な費用、経費が掛かってくるといったようなことがあり得ますので、こうした点については、企業がその従業員の死亡に伴って負担しなければならない、主なリスクとは別ではございますが、やはりリスクの一つであるということでございます。
 したがいまして、このヒューマンバリュー特約という形で、主契約であります従業員の死亡退職給付金等の財源確保というものに加えまして、このような経済的損失に備えるために従業員を被保険者とし、その同意を前提として適切な範囲で保障をするという、こういった保険であるということでありまして、法律上こうした構成に特段の問題はございませんので、このような認可申請が認められているということでございます。
○八田ひろ子君 法律がないということは問題だと思うんですが、企業が保険金を受け取る根拠にしている今おっしゃった諸費用、これはガイドラインでお定めになっていますが、幾ら掛かっているからそういうガイドラインなのか。幾ら掛かっているかというのと、データがありましたらお示しください。
○政府参考人(五味廣文君) 従業員の死亡による企業の経済的損失ということで、ただいま訓練費用ですとか採用にかかわる費用といったようなことを申し上げましたが、例えばそのほかには代替雇用者が前任者の能力水準に達するまでの間等……
○八田ひろ子君 金額、幾ら。
○政府参考人(五味廣文君) こうした様々な損失が発生するということが考えられるわけでございます。
 こうした損失というのは数量化することが困難でございますので、具体的な金額がこういう金額であるということを一概に申し上げることは困難であると存じます。また、そうしたデータを私どもとして取っているということはございません。
 もちろん、認可申請の際には一定の試算をしたものが申請されてきておりまして、その検討は行っております。
○八田ひろ子君 保険料は全額損金算入で税制優遇されていますし、従業員が亡くなりますと多額の保険金が入ってくる、企業にとっては利得ばかりの制度だなと思うんですが、従業員の死亡によって企業に今いろんな費用が掛かるというふうにおっしゃいまして、これは計算できないと言うんですけれども、アルミニウムのトップメーカーの住友軽金属事件で、名古屋地裁、高裁の判決ではこう言っています。
 代替人材にしても、この「団体定期保険に加入する企業は、企業規模が大きく、社内に代替人材を多く抱えている上、労働市場において比較的容易に代替人材の確保をなし得る環境にあり、また、人材の補充のための採用はルーティーンとして日頃から予定されていることでもあり、特別の出費とは言い難く、」、「従業員の不慮の死亡によって遺族が被る経済的損失の深刻さに比べると、全く質的にも量的にも異なるものであって同列に論じられるものではない。」、こう企業損失という考え方自体に批判が向けられています。
 保険金を会社が受け取って遺族に渡さないことが社会問題になって、裁判も起こされ、その結果手直しというんですけれども、それが本当に改善かどうかということが私は問題だと思うんですね。
 今日、私、ある生命保険会社のパンフレットの写しです、これを持ってまいりました。(資料を示す)これは総合福祉団体定期保険の給付内容のモデルを示しております。見にくいところは済みません。特約が二千万が限度額なんですけれども、右側の黄色い囲ってあるところを見ていただきますと、これは労働災害です、労災で従業員が亡くなったときに遺族が受け取る保険金を三千六百三十六万円、この赤いところですね。こうしますと、会社は二千万円受け取ると。病気など業務外の理由で亡くなった場合は、遺族は七百六十八万円、会社も同額の七百六十八万円なんですね。いずれも国の指導、ガイドラインのとおりなんですけれども。
 そこで伺いたいんですけれども、そのガイドラインで定めた上限の二千万ですね、それから遺族への支払と二千万以下ですと同額企業が受け取る、この根拠をお示しください。
○政府参考人(五味廣文君) 先ほど申しましたように、企業の被り得る経済損失というのをすべて数量化をするということはなかなか難しいということでございます。
 そこで、保険商品を設計するに当たりましては、代替雇用者の採用費用ですとかあるいは育成費用など、こういったものを対象にしまして、これらの損失額を算定をした結果を勘案をいたしまして、上限ということで二千万円というものが一つ商品設計において定められていると。これを、ガイドラインもこの考え方を踏まえると。
 もう一つ、特約による保険金額の上限、二千万というのは上限でありますが、同時に主契約の保険金以下でなければいけないという制限が付いておりますが、これは一つのリスク、従業員の死亡ということから発生します一固まりのリスクを非常に重要である退職給付金等の給付といった主な主契約の部分とそれ以外の特約といった部分に分けたという、こうした経緯がございますので、この死亡退職金の財源確保というのが主目的であるということに着目をいたしまして、特約の支払保険金額というのは主契約の保障額を上回るというのは不適切だと。
 こうした考え方で、上限は主契約の保険金額あるいは二千万円のいずれか低い方ということになっているわけでございます。
○八田ひろ子君 二千万円の根拠も、同額、折半のような形で企業も保険金を受け取るという根拠も、何度伺っても、今の御説でもそうなんですけれども、はっきりしないわけですね。改善したとおっしゃるんですけれども、それまではやみからやみへ企業が全部取っていっちゃったと。今度は、二千万を上限だったら企業が持っていってもいいよと、こういうことのお墨付きを与えただけなんですよね。
 団体定期保険で裁判で、先ほどお示ししました住友軽金属工業事件、ここの会社は従業員に九つの生命保険会社、日本生命、太陽生命、第百生命、日産生命、ニチダン生命、住友生命、第一生命、協栄生命、明治生命、これ九つの保険会社と契約をして、一人の従業員が亡くなりますと、この案件では六千六百八十万円会社が全部受け取っていたんですよね。
 こうした現実の中で二千万円の枠を公認するということは、二千万円までは大手を振って企業が受け取る。人の命を保険の対象にして、在職中の死亡による企業の損失を保険で埋めるというふうに先ほどから御説明いただいているんですけれども、従業員が死亡しても企業は全く損害を受けないどころか、在職死亡の都度、保険金が企業に入るわけです。
 従業員がいなくなりますのは死亡の例だけじゃないですよね。自主退職でもいなくなりますし、リストラは無論そうです。よその企業からの引き抜きでいなくなるということもあります。ところが、在職死亡だけ取り出して、企業の損失なんだと。保険金を企業が受け取れる。過労死や労働災害死亡、これは先ほどのこのパネルで見ましても例示してありますように、労災のときは二千万を超える例が実際は多いんですね。年齢とかそういうのによって違うんですけれどもね。
 だから、そういう企業の責任が問われることが多い労災では、労働者の命と引換えによりたくさんの保険金を企業が受け取る、最高は二千万いいよと。こういうことは私は、国民感情としてはとても受け入れるわけにはいかない、公序良俗に反するというふうに批判の声が上がるのも当然だというふうに思うんですよね。
 そこで、ひとつ柳澤大臣に伺いたいと思うんですけれども、従業員の命で会社に利得があるということ、どう思われますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、このお話、八田委員の方から御質問があるということで、ちょっと勉強というか、ちょっと内部で事務方と話合いをいたしたわけでございます。
 私は、この話を聞いたときに、私の地元のあるメーカー、ピアノを作っているメーカーですけれども、そのメーカーというのは木工の技術をずっと社内に蓄積しておりまして、それを社長のリーダーシップの下で社内にもやっぱり、たくみというか、そういう制度を置いてその技能、技術の伝承を図っているというか、維持に努めているというようなことがあります。すぐそれを思いました、私は。ああ、あの方に亡くなられちゃったらそれはもう会社にとってダメージだし、それをまた代替するような方を作っていくには相当時間も要るしコストも掛かるということも分かるなということで、そういうことかなというようなことで私の頭にひらめいたのはまずそういう例でございました。
 したがって、そこに代表されるように、そういう話は全否定されるべきだということには私はならないと思うんですね。問題は、私はだから、じゃどうしてそれは損害保険の対象にしないんだと、こういうふうに言ったんですね。損害保険の対象にすればいいじゃないかと、会社がこれだけこのたくみの人が亡くなってしまったので損失を被ったからというような保険契約を結んでおけばいいんじゃないかと、こういうふうに議論をしたわけですけれども。
 結局、そうやってやりますと、それは損失の言わば金額を見積もるのにまた保険会社との間で相当やらなくちゃいけない。そうすると、そういうようなことでやっているんではもうありとあらゆることが物すごく定型化されませんから、なかなか紛争の種にもなってしまうというようなことがあって、これはもう一つの定型的な契約の中でそうしたものを見ていくということでやむを得ないんじゃないかというようなところに私どもの議論も落ち着いたと、こういうことでございまして。
 今、八田委員の言われるように、一つの何というか情緒的というか、国民感情的にはちょっと割り切れないじゃないでしょうかということは、私も気持ちとしては分からないわけではないんですが、現実にそういうことがあることも確かで、それを一体どうやって一番うまく社会の制度として仕組んでいったらいいかというときに、今、現段階で私どもは、こういうところまで来ているわけですけれども、それはそれなりにやむを得ないというか、そういう消極的なことではなくて、一つの制度としてあり得べき、あり得べきというのもまた問題かもしらぬ、あり得る制度ではないかと、このように考えているというところでございます。
○八田ひろ子君 今日は時間が限られておりますので、ゆっくり議論をしたいんですが議論ができません。
 今、大臣がおっしゃったような事例はアメリカでは、特別な人に対してはそういう生命保険の契約ございます。しかし、一般的な労働者に掛ける生命保険、企業のですね、これは企業が遺族の受け取る分以外に受け取るということは明確に禁止されておるんです。これはもう世界の常識なんです。だけれども、日本はそうでないんです。生命保険会社がそういう、何というんですか、事業としてやるときに、私はやっぱり国がきちんと指導をするべきだというふうに思うんですね。
 さっきの住友軽金属の事件で名古屋地裁、高裁でも全面的に認められた判決では、「遺族補償を抜きにして、他の従業員の福利厚生のために保険金を利用することは、死亡した従業員の生命を利用して他人が利得を得るに等しく、まして、企業が支払ってきた従業員全員分の保険料の支出に充当してしまうようなことは、本末転倒も甚だしく、福利厚生措置としての意味をおよそ無にするものであることは明らか」だというふうに指摘をされているんですね。
 保険金は遺族へというのは当然の情理です。労働災害で本当に悲惨に亡くなっている。ここの住友軽金属というのは、三件も続けて労災死があって、厚生労働省から社長が呼び付けられる、また送検もされています。しかし、保険は一人について二千万、二千万、二千万と入るとしたら、遺族だけじゃなくてみんなが、国民がそんなことあっていいのかと思うのは、これは情緒的でなくて当然だと思うんですよね。
 外国が禁止していることを、日本では法律もなくてガイドラインだけで認める、私はとんでもないと思うんです。社会正義に反するこういった特約というのは認められないという決断をしていただきたい。私は、きちんと法規制を行うように大臣に強く要望して、今日の質問は終わります。
○大沢辰美君 引き続いて、大沢辰美、質問させていただきます。
 私の方からは、金融機関の破綻と阪神・淡路大震災の緊急災害復旧資金融資制度についてお伺いいたします。
 小泉内閣による構造改革、不良債権処理によってこの一年間で破綻された信用金庫、信用組合は全国で約四十六にも上がっています。兵庫県下では昨年十一月に関西西宮信金、今年一月に神栄信金が相次いで破綻しました。こうした中で、長年取り引きしてきた中小業者の借入者が一方的に不良債権と断定されてRCC送りになり、貸付対象から除外され、地域経済破綻にもつながる事態が広がっています。その中に、一九九五年一月十七日の阪神・淡路大震災で被害を受けた、そのときに営業再建のために融資を受けた方も含まれています。
 ある神戸市の一人の個人事業者、Aさんの件ですが、この関西西宮信金を窓口に神戸市の震災復旧緊急特別資金一千万円を借りました。この間、返済の据置きの措置をずっと受けてきてここまで頑張ってきたけれども、ところが、この三月にAさんのこの災害復旧融資は受皿銀行に引き継ぎがされずにRCC送りになりました。しかも、RCCでは据置期間の、返済据置きの措置が認められずに今日に至っています。
 まず、中小企業庁にお伺いいたします。
 国と兵庫県及び神戸市が協調して行っているこの阪神・淡路大震災の緊急災害復旧資金融資制度の概要について、またこの間、据置期間、償還期間の延長を行ってきたその現況と趣旨を簡単にお答えください。
○政府参考人(青木宏道君) お答え申し上げます。
 ただいま大沢委員からお尋ねございました阪神・淡路大震災緊急経営復興支援融資制度でございますが、これは先生御指摘のように地元の兵庫県と神戸市とが創設をいたしました制度融資でございます。これに国も一定の協力をして行っているものでございます。
 具体的に申し上げますと、阪神・淡路大震災によります被災中小企業の支援の一環といたしまして、平成七年の二月から同年七月までの約半年間にわたりまして特別の融資を行ったものでございます。被災中小企業者に対しまして、設備資金及び運転資金につきまして、合計五千万円を限度といたしまして、利率二・五%、融資期間十年、うち据置期間三年以内という条件で融資を行ったものでございます。
 お尋ねの第二点目の延長の経緯、経過でございますけれども、本融資制度につきましては、据置期間の期限の到来が、平成七年から始めておるものですから三年後の平成十年に参りました。私どもといたしましては、地元からの強い御要望もございまして、未曾有の震災によります被害の大きさ、あるいは被災中小企業者の実態等にかんがみ特に延長が必要だろうということで、その後、毎年その都度個別に判断をいたしまして、融資期間及び据置期間を一年間延長が図られてきているものでございます。
 三点目の融資状況、実績でございますけれども、本融資の融資実績は、当初、三万三千五百五十一件、融資金額にいたしまして合計約四千二百二十一億円となっております。また、お尋ねの延長の対象となっております被災中小企業でございますけれども、私どもが最近、直近で御報告をちょうだいしております平成十三年の延長につきましては三千七百八十三社でございます。
○大沢辰美君 今、中小企業庁から答弁がありましたように、私は、被災地の復興がまださなかだ、大変な時期だと、だから営業の再建が大変だから延長の据置期間が、その措置が取られてきたのが今日までの経過なんです、現在続いているわけですが。災害復旧融資は震災がなければ借りなくとも済んだものです。家が全壊した、事業所の建物が倒壊した、大変な思いをして何とか再建しようとこの融資借りて頑張っているさなかなんですね。
 しかも、Aさんの場合は信用保証協会の保証付きの融資なんです。なぜこのような災害復旧融資が不良債権扱いにされてRCC送りになっているのですか。とてもこれは私は不思議で仕方がないんです。災害復旧融資は、しかも保証協会の保証が付いているものをそもそもRCCに送るべきではなかったのではないかという点をお聞きします。中小企業から金融庁の方にお願いします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ある金融機関が破綻をしたというときにこの破綻の処理を行うわけですが、その一環として、その貸付金等の資産を受皿銀行、受皿金融機関にこれを譲渡するわけでございます。もう破綻金融機関の方の代表者というのは金融整理管財人ということになるわけですが、したがってこの譲渡は、その破綻金融機関の金融整理管財人とその受皿金融機関の経営陣がこの協議をいたすわけでございますが、この協議は一つの私どもが示している原則で行われているわけですが、正常先についてはできるだけ、すべて、それからまた要注意先についてはできるだけ多くというようなことで一つの基準を設けておるわけでございますけれども、そういう基準は基準として、結局は債権の譲渡契約でございますので、これは一本一本受皿として審査をして受け入れるかどうかということを決めるということでございます。
 そして、その受皿が引き取らなかったものについては、これは今の制度ではRCCに譲渡をすると、こういう仕組みになっておりまして、私ども、かねてから御党の皆さん、いろいろと中小企業に対する配慮をするようにということでございますので、これはもう重ねて中小企業に対する配慮をするようにということで要請いたしております。
 しかし、最終的な判断というのはやはり譲渡機関、譲渡協議の中で決せられるということでございまして、その個別の判断にまで我々立ち入って、監督権というか、そういうようなものを発動するというのは、これは適切でないというように考えておりまして、そういう基本方針を示すことによって、その原則の中で判断がされるのが現在の制度の予定しているところだと、このように考えております。
○大沢辰美君 私、今の大臣の答弁は、一般の融資でそういう流れになっているという答弁だったらそれでいいかもしれません。だけれども、この制度は、一般の金融機関に引き継がれていたならば返済の据置期間の延長が認められている案件なんですね。なぜRCCになったのか。措置も、そして据置期間も認めずにすぐ返せということになっているわけです。中小企業庁は、二〇〇二年度、今年度も据置期間の延長を認めるという政策を取っているんですよ。この制度を、やはり金融庁の、監督官庁である、その制度もやはり生かすべきだと私は思うんですね。
 そもそも、今、据置期間のさなかにRCC送りになったわけですから、これを一年据え置いたとしてもRCCにとって何のデメリットがあったのだろうかと、私は本当に怒りで一杯です。
 だから、今RCCがやろうとしていることは被災者の生きる道を殺そうとしているんですよ。中小企業庁が本当に良い制度を作って、今日まで営業のために、被災者の再建のために頑張っているのだから、そしてその人たちは、来年度になったら据置期間が切れても努力しよう、来年度は払えるかもしれない、そういう思いで今融資制度のこの据置期間を経過している途中なんです。
 私はこの点について、やはりRCCがもっとしっかりとこの据置きの問題について、なぜそのことをやろうとしなかったのか、預金保険機構からの答弁もお伺いしたいと思います。
○参考人(松田昇君) お答えいたします。
 先生御案内のとおりでございますけれども、RCCは、国民負担の最小化を図るという基本的な理念を踏まえまして、公正、透明な手法によって迅速に、確実に、そして効率よく、そういうものを重視しながら回収の極大化を進めていると、こういう基本的な姿勢がまずございます。
 一般論で申し上げますと、具体的な回収の場にありましては、例えば、引き継ぎました債務者が約定どおりの返済を続けておられるという場合にはそのとおりの返済を引き続きお願いをしていると、こういうことにございますし、また、延滞をされているという債務者がある場合に対しましては、ただかたくなにいきなり法的整理に入るようなことではなくて、まず債務者とよく話合いをして、それをベースにして、債務者の誠意ある情報の提示があるのかないのか、それを踏まえた上で事業継続、好転の兆しがあるのかないのか、それから返済の可能性と確実性があるのかないのか、あるいはその当該債務者以外の関係会社あるいは縁戚等の支援もあるのかないのか、そういう点を、あらゆる債務者の実情を総合的に勘案をいたしまして、その実情に応じて債務者ごとに個別の対応をしているというのが実情でございます。
 御指摘のありました阪神・淡路大震災で罹災された債務者につきましては、もちろん私どもも、極めて大きな社会問題でもございますし、責めなくして罹災されたという気の毒な御事情ももちろんございます。そのことは、当然、我々RCCにおきましてもそれらの事情は踏まえておりますし、また、今回の制度融資の趣旨等も念頭に置きつつ対応しなければならないものだと承知してはおりますけれども、先ほど申し上げましたような公的な回収機関としてのRCCの立場もございますので、あくまで個別的に、その条件変更が債務者の置かれている個別的な事情を含めて理にかなったものかどうか、各債務者との話合いを通じて実情の把握に努めた上で個別に対応していると、こういう状況にございます。
 御指摘のAさんにつきましてもそのような状況にあるのではないかと承知しておりまして、いずれにしましても、債務者の個別事情による個別対応というのが原則であろうと、かように思います。
○大沢辰美君 延滞じゃなくて、この制度は被災者の立場に立って、中小企業庁が営業再建のために支払据置き、延期をしている制度なんです。そのさなかにRCCに送られて、今ひどい目に遭っているわけですからね。そこはしっかりと、個別も何も、そのものなんですよ。そこをもう一度私は調査をしていただいて改善を図っていただきたいと思います。
 最後に、もう一度大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、今、中小企業庁がこの制度を使って、震災後、今、七年八か月になるんですけれども、この延長期間を使いながら被災者は生きてきました。
 ところが、金融庁はこの信金の破綻によってRCC送りにして、しかも公的な会社であるRCCが私は国の制度を否定するようなことはやってはいけないと思うんです。これを、是非この制度を生かしていただきたいと思うんです。
 ですから、RCCの回収基本方針を見てみますと、契約の拘束性、ちゃんとうたってありますし、人間の尊厳もちゃんとうたってありますね。だから、そのことを追求して本当にこの実行を図っていただきたいと。そして、回収機構が企業再生の追求もその回収方針としているということもうたわれています。ですから、この措置をしっかりとやはり認めていただいて、私は、この信用保証協会の代位弁済対応になるようなことはやってはいけないと。人間の尊厳の確保というその精神をしっかりと守っていただいて、この災害の復旧融資の制度についての据置期間の延長等、当制度を生かすことを担当の金融庁として監督指導していただきたいということをお願いし、私はもう一度大臣に答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、私の答弁の前に、預金保険機構の松田理事長からお話がございました。よく聞いておったんですけれども、もうこれ以上の答弁はないほどの答弁で、行き届いておったというふうに私はお聞きいたしました。つまり、いろんなことを全部考えて、考慮の範囲に置いて、そうして個別の判断をしていくということでございまして、そういうことを適切にやってくれることを私としては望むと言う以外に申し上げることはございません。
○大沢辰美君 じゃ、一言だけ。時間が来ました、一言だけ。
 個別に対応することは当然慎重にやっていただきたいし、熟慮していただきたいと思います。だけど、被災者の人たちがあと一年延期してくれと、その制度がある、そのことにこたえるのが今の私は政治の役目だと思います。
 私は、もう一度調査をして改善の対応を求めて、質問を終わります。
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。
 昨日に続きまして質問をさせていただきます。
 本日は、私が準備しておりますのは会計検査院の関連と参議院事務局といいますか、私どもの面倒を見ていただいている参議院事務局に対する質問を用意してございますが、その前に、実は昨日も尾辻副大臣にいろいろと質問をさせていただきましていろいろ大変前向きなお話を伺いました。また、今日も山本委員の冒頭の質問で大変この問題が、参議院の独自性を確立するためには決算委員会重視という議論が大変広がっていくということは大変うれしく感じまして、副大臣のお話も一々もっともだと思うんですが、そのお話にちょっと便乗して、私、昨日ちょっと言い忘れたことで御要望というか、私なりの考え方でちょっと申し上げたいことがあるんですが。
 といいますのは、昨日は、早く決算書を提出してもらってそれが翌年度に反映するということであったわけですけれども、考えますと、決算書というのはここにあるようなべらぼうなやつで、これもやはり会計検査院が一応は見ているわけですね。だから、したがって、国会でやることと会計検査院でやることということを分けて考える必要もあるんじゃないか。そういうことを言うとちょっと混乱されるかと思って、昨日もやめたんですけれども。
 だから、可能かどうか分かりませんけれども、こういうものがなくても翌年度予算に反映できるような審議ができれば、早い時期にできればいいなというような感じも持っているわけでして、その辺、まあこれはやっぱり夢みたいな話かもしれませんけれども、もしそういうようなことが、いろんな制度の改正も必要でしょうけれども、できればいいなというような、そういうことによって早めることもできるなという考えを私、実は持っておりまして、そういうことの検討もしたいと、こう思っておるんですが、これ私の意見の開陳でして、大臣、別に御答弁、強制するつもりはございませんけれども、何かコメントございましたら。大臣じゃない、副大臣で結構ですから、コメントをお願いいたしたいと思います。
○副大臣(尾辻秀久君) 昨日来、再三御議論いただいておりますように、本当に予算審議をどうするかというのは私ども参議院の大きな課題であると、こういうふうに思います。
 そこで、今朝ほども山本先生にもお答え申し上げましたように、私、個人的には、私ども財務省が努力をして早く決算審議をしていただけるようにするということと同時に、今度はそれを受けてどういうふうに参議院の方で審議するかというこの両面から考えなきゃいかぬのだろうと思います。
 そこで、今、先生のそのお話でございますが、私の理解させていただいた、今の先生のお話を、範囲でお答え申し上げますと、今の制度の中では、一遍内閣として会計検査院に送り、会計検査院がまた意見付けて返してくる、それを国会に提出するということにはなっておりますけれども、そこは制度でありますから、いろいろ考えようはあるかと思います。
 そしてまた、そういうお話なさいましたのであえて申し上げますと、これもかなり私の個人的な解釈の部分もありますけれども、会計検査院は、私どもが出したものそれだけをそのとき初めて見てそして会計検査院として審査をするということだけじゃありませんで、年間通してサイクル的に会計検査しておられるわけでありますから、そこのサイクルをうまく合わすことによって、場合によっては少しは、これは会計検査院にこんなこと勝手に言うと怒られるかもしれませんが、少し会計検査院から内閣に送付していただく時期を早めていただくとか、このサイクルの中でもう少し考えていただくとか、少しそこの部分の工夫の余地はあるのかなと、それによって若干早めに要するに国会に提出できる状態にできるということはあるいは可能かもしれないということを率直に思いますということだけを申し上げたいと思います。
 そして、今日、先走ってお答えしてしまって申し訳ないと。正に私、午前中、先走った新聞報道だなんて言いながら、自分も先走った御答弁申し上げたかなと思うんですが、先生が言っておられます、十一月に集中審議するような感じということをちらっと質問通告の中で言っておられますけれども、私もお答え申し上げたように、その辺は一番の答えかなと思っていますということも率直に申し上げたいと存じます。
○岩本荘太君 ありがとうございます。
 ひとつこれからも、副大臣も含めて我々参議院の中でしっかりと議論をしていきたいなと思っております。
 それで、先ほど申しました会計検査院と事務局、国会事務局の関連でございますが、これは通告の順序ちょっと逆になっておりますけれども、会計検査院の方からちょっとお話を伺いたいと思っております。といいますのは、会計検査院、今も出てまいりましたが、この決算の実施のことではなくて、実はちょっと筋違いかもしれませんけれども、ODAと会計検査院の関係でちょっとお伺いをしたいと、こう思っております。
 といいますのは、昨今、いわゆる国の財政も大変赤字続き、赤字を抱えておるという状況の中で、これも国民の皆さん方、大分それを分かってきたわけですね。そういうとき、そういう事態を踏まえると、よく何で赤字財政なのに援助をするのかと。援助という言葉、非常に何かあいまいかもしれませんけれども、相手に与えるといいますか、事実、ODAというのは、これはいろんな面にわたって、難しく一言では言えないんでしょうけれども、いわゆる単純に言えば相手国に金品を無償で、人的な援助も含めて無償で与えたり、あるいは非常に被援助国に有利な条件で金を供与するというようなものでありますから、一般的にはこれは非常な特典を相手に与えるというように受けられるわけでございます。
 それと、その原資が何かといえば、ほとんどが税金であるということですから、国民の感情からいいますと、何でこういう時期に援助するのかということが、これはよく最近特に強く聞こえるようになりまして、私も実は今まで援助にかかわったことがないわけではございませんので、ある程度の理解はしているつもりですけれども、私の説明だけでは不十分ですし、これはやっぱり政府としてもその辺はしっかりわきまえなきゃいかぬじゃないのかなというような気がいたすわけです。
 特に、最近、援助にかかわる不祥事が新聞報道されるわけですね。昨日の夕刊も一面トップに、朝日新聞の一面トップで、ある商社の、総合商社の何か贈賄事件が載っていたというようなこともございまして、こういうことになりますと、余計国民的な感情として何でやるのかということになるわけですね。だから、その辺で、それが会計検査が、検査院がそれを止められるとか贈収賄のそういう刑事的問題を止められるとかどうか言いませんけれども、いわゆるああいうことが起こるということは、ある意味じゃ援助の積算が過大積算になっているか、あるいはでき上がりが不良工事になっているかでないとああいう金は浮き上がってこないだろうと思うんですよね。
 そういう意味で、会計検査院が関与できるところがあるんじゃないかなということで今日は幾つか質問したいんですけれども、その前に、冒頭言いました何で援助をするのか、この辺、検査院長としてではなくても結構ですし、一国民としてでも結構ですけれども、どういう御理解をされているか。先ほど言いました、私の有権者の方々から言われる質問に対して院長だったらどういうふうにお答えするか、その辺ちょっとひとつよろしくお願いします。
○会計検査院長(杉浦力君) 冒頭から試験をいただいたようなことでございまして、答弁を申し上げますが、ODAそのものはやはり我が国が世界に対する関与の仕方、そういった点から政府、国としての御意思があるかと思っております。したがって、私、個人的な段階でこれがいい悪いというところまで申し上げる実は思慮を持ち合わせておりません。
 ただ、私ども会計検査院といたしましては、ODAで支出されました国のいわゆる国民の税金が十分使われているかという点につきましては十分検査をさせていただいております。ただ、また後でいろいろお話し申し上げたいと思いますが、外国に渡りましたものが国内の各省と同じように検査ができるかどうかという問題は若干ございます。したがって、また後で御説明申し上げますが、このODAにつきましては私ども検査の体制も強化をしたり、そしていろいろな手法を取り入れながら厳密な検査に入っていっておりますし、今後も努力するつもりでおります。
 以上であります。
○岩本荘太君 どういうふうにお考えか、今の御回答ではよく私は分からなかったんですが、確かに何かいろいろ難しいことは難しいんですね。
 私は、かつて二年前の九月の決算委員会で宮澤大臣に質問したことがあるんです、同じ質問を。そうしましたら、中略はしますけれども、我が国は軍備をもって世界平和に貢献することができないので、それに代わってこういう形で寄与していると。だんだん我が国が裕福になりましたので、その貢献ができないということに対する批判は相当強いと。したがって、言うなれば軍備に代わる貢献をしているというのが、援助によってしているというのが私の、私なりに自分に言い聞かしているんですと。
 こういうような回答を得ましたし、実は二日前ですか、朝日新聞が「日本の外交力」というシリーズを始めて、その冒頭、ODAというのが取り扱われているわけですけれども、そこで東大の東洋文化研究所長の田中明彦さんですか、のインタビュー記事が載っておりますが、その意義について、必要最小限の安全保障を維持するためのコストである、生存と繁栄だけでなく、国際社会で日本人としての尊厳を維持するためにも役立っていると。逆に言うと、ばかにされない、不当に差別されないということだと。こういうような表現をされていて、こういうやつ、これ、例えば私が先ほど言いました、一般の国民の方々に言ってもどういうふうに理解してくれるか分からないと思うんですが。
 そこで、これ通告していなかったんですけれども、財務大臣、お金の番人ということで、財務大臣でしたら、もし私が聞かれたような国民からの声にどういうふうにお答えになるか、ちょっと教えていただきたいと思うんですけれども。
○国務大臣(塩川正十郎君) 我が国は一九四五年以降、世界との開かれた関係を開いて共存共栄の体制を取るということをしております。終戦直後においては日本も相当各国からやっぱりそれなりの援助を受けたこともございますし、経済の力が付くに伴って、我が国の経済的な権益を伸ばしていくということと、それと併せて、また世界の平和と、それから国際的な水準のレベルアップのためにということで援助をしてきた。それだけの効果はやっぱり各地において出てきておると思っております。
 ですから、私たちはODAは非常に価値ある政策と思っておりますけれども、しかし国内の情勢に合った、実勢に、国勢に合った援助であってしかるべきだと思って、その点については、私、最近非常に強くそのことを意識的に申し上げておるというところです。
○岩本荘太君 ありがとうございます。
 私も、ある意味じゃ援助することによって相手国の経済力を維持するなり高めることが日本の経済に帰ってくるのかなという、だから相手の国が裕福になるということじゃなくて日本の国が裕福になる、言うなれば日本のためにやっているんじゃないのかなという面もあるんじゃないかと私は理解しております。
 それで、哲学的な御議論はそれで結構なんですけれども、実際に、先ほど言いましたように、いろんな不祥事が起こる。こういうものを、言うなれば税金でありますから、不祥事が起こって、要するに無駄に使われているとすればこれは非常に問題なわけでございまして、そういう意味で、その一つの歯止めといいますか、そういう意味で会計検査院が何らかの格好でその検査をもう少ししっかりやるといいますか、しっかりやっていないとは言わないんですけれども、そのしっかりやるやらないというのは会計検査院御自身の立場のやつじゃなくて、そういう制約があるんだろうと思うんですけれども。
 そういう意味で、国内事業の実地検査と海外での実地検査の違いといいますか、どんなふうにやっておられるか、ひとつお知らせ願いたいと思います。
○会計検査院長(杉浦力君) 先生御案内のことだと思いますが、国内の一般の事業につきましては、私どもはその事業の一つ一つにつきまして、合規性の問題、正確にいっているかどうかとか、経済的に使っているかどうかとか、あるいは本当に将来的にもそれが使われるものであるかどうかというような点を含めまして検査をいたしております。
 特に、公共事業なんかにおきますと、もう具体的に各省から、積算の中身とか、あるいはその計算、図面だとか、こういったことまでも見せていただきまして、それで現実には出来形を現地で見るとかいうことで、きちんと整理をいたしまして、問題があれば問題点を指摘するというのが国内の一般的な検査の仕方でございます。
 そして、先ほどからのお話のございましたODAの関係でございますが、ODAの関係につきましては二つの面からやっております。
 と申しますのは、一つは、ODAを実施しております外務省とかあるいはJICAとか、こういったその検査の直接対象になる部門につきましては、書類とかいろいろな契約書類とかいったものをきちんと見せていただくと。そして、その書類に基づいて判断できるものを、今度は現地に参りまして、実際上相手国の方々、あるいはこちらで担当いたしました関係の職員も含めまして現地の出来形を見させていただいて、十分使われているか、あるいはきちんと物ができ上がっているか、こういった点も含めて検査をさせていただいております。そして、その上で必要であればというよりは、相手側各国の御協力を得ながら必要な関係書類もそこでいただいてくると。その上で、最終的にこの事業がいかがかというのを個別に判断させていただいておるというのがODA関係の検査のあらましでございます。
○岩本荘太君 こういうことは余り、こういう議論でやると余りはっきり分からないんですけれども、端的に言いまして、日本の場合でしたら出来形検査やりますよね、寸法も測りますよね、場合によったら、設計どおりコンクリートを打っているか、破壊検査をしてもやりますよね。そういうことは外国ではできるんですか、できないんですか。
○会計検査院長(杉浦力君) 出来形が外国にあります関係で、そしてそれは外国の主権に基づきまして造られたものでございますので、相手方の御協力とか相手方やってくださいということがあればやりますが、基本的にはできません。
○岩本荘太君 それで、結局日本の税金を使っている、国民に対してしっかり検査したという確信を持って言えるかどうかという問題になるんだろうと思うんですよね。その辺はいかがですか。
○会計検査院長(杉浦力君) 国内でやります、本当に破壊検査、非破壊検査も含めたものまで確実にいけるかどうかという点はございますが、可能な限りの範囲で私どもはやってまいっておるという自負は持っておりますが、いろいろ今後も勉強しなきゃいかぬことがあると思います。
○岩本荘太君 院長はなかなか言いづらいんでしょうけれども、実は私、五月八日の本会議、決算が本会議に提出されたときの代表質問をさせていただいていますけれども、そのときにも申し上げているんですけれども、平成十二年度の決算審査報告書は、ODAの現地調査については限度がある旨明記されていると。私これ今ちょっと持ってこなかったんですけれども、確かに明記されているわけですよね。こういうこと自体を会計検査院お認めになっているということは、やっぱり全く同じような検査をしたんじゃないということになるんじゃないかなというような気がするんですね。
 それと、相手に主権があるといっても、だからといって全部信用できるわけでもないし、だからその国の中の主権の中でおかしいことをやったらこれはしようがないと納税者は考えるかどうかという問題になっちゃうわけですね。日本だって、政府機関が工事なり事業やっているやつを幾らでも検査するわけですから、日本の国でさえある、いろんな不正といいますか、そういうものがあるのが、相手の国がないわけないわけですから。
 その辺、私は、やはりこれだけ国際化といいますか、各国間の事情がそれぞれ分かってきた状況であれば、やっぱりもっと検査を、会計検査の皆さんもこれじゃ不十分だということをもっと言われた方がいいんじゃないかなと。それによって相手国と、これは別に相手国に失礼な話じゃないと思うんですよ。そういうふうなことを、認識をもっと会計検査の方から言われるのがいいんじゃないかなと思うんですけれども、その辺、いかがでしょうか。
○会計検査院長(杉浦力君) 岩本先生、先ほど申されました、限度があると私ども確かに検査報告に書いてございます。それは、先ほど申し上げましたように、国内と同じように強権を持ってできていなかったという点もございまして、ああいう文を入れてございます。
 今、先生おっしゃったように、私どもで直接できなければ相手国の関係の方の知恵をかりるとか、いろいろなまだやり方はあるんだろうと思うんです。そういった点での勉強は今からしていかなきゃいかぬというのは先ほどから申し上げているとおりでありますが、なかなか難しい問題がいろいろあるということも御理解を賜りたいと思います。
○岩本荘太君 会計検査院を余り追及するつもりないんで、これは言うなれば外務省の問題かもしれませんけれども、実はこれ、先ほど言いましたが、本会議のとき、実は会計検査院長をお呼びして御答弁いただこうと思ったら、こういう問題、会計検査院の院長、本会議出られないですね、何かよく知りませんけれども。それで外務大臣にお聞きしたんですよ。
 こういう状況だから、もう少し税金を使っている立場から、会計検査院と協力して相手国政府に申し入れていったらどうかというようなことを質問させていただきましたら、会計検査院が限度があるというのは、これは会計検査院の検査権限は相手国に対しては及ばないため、会計検査院はあくまで相手国政府の了承の下に現地調査を実施している点を述べたものでありますという解説を答弁で受けまして、今後とも、何か透明性、ODAにつきましては透明性、効率性の一層の向上に努めてまいりたい、こんな答弁いただいたら、もう全然この問題理解していないんじゃないかなというような感じがしてくるわけでして、そういう意味で、これはまた外務省のときにも質問できればしたいと思っているんですけれども。
 そこで、今、院長ちょっと言われた、会計検査院の立場から、会計検査院も国際的なつながりといいますか、いろんな連携を持っておられると思うんですね、私も幾つかお聞きしていますけれども、そういう中でこういうことを検討されていくという道はないんですかね。
○会計検査院長(杉浦力君) 会計検査院というのは諸外国にあるわけでありますが、その諸外国の会計検査院が国際的機関を作っております。全世界の機関、そしてアジア地域とかヨーロッパ地域とかいろいろな機関、機会がございます。
 私どもも、全世界の機関、いわゆるINTOSAIといっておりますが、そこと、それからアジア地域の機関、ASOSAIに入っておりまして、そこでいろいろな情報の交換をいたしております。つい最近まで、ASOSAIでは私どもが事務総長国としていろいろなことをしておったわけであります。
 そういった点もございまして、そういう場を使いながらいろいろな情報交換をするということはやっておりますし、今後も是非この問題についてもやっていくのは非常にメリットがあると思っております。
 そのほかにも、ODAを受けておられる国の会計機関の方を招待して、そしてこちらでいろいろな勉強をしてもらうとかいうようなことも、いろいろなことをやっておるわけでありますが、まだまだやるべきことはたくさんあると思いますので、そういう点では努力をしていく価値のあるお話だと思いますので、やらさせていただきたいと思います。
○岩本荘太君 前向きの御答弁、本当にありがとうございました。
 是非とも、ODAは会計検査院直接の主管ではないでしょうけれども、こういう最近の情勢を眺めて、それ、ひとつ御努力できるところはやっていただきたいと、こう思っております。
 次に、国会関係で、今回の審査対象に国会があるんですけれども、私これ三年間ぐらいやって、在籍しておりますけれども、国会に対する質疑というのはたしか今までなかったような気がしまして、そういう意味でちょっと異質かもしれませんが、取り上げさせていただきたい。
 といいますのは、私どもの会派、これは国会改革連絡会ということで、言うなれば参議院の改革をやっていくと。これは議員同士でやっていくという意味でということもあるんでしょうけれども、やっぱりそれを支えてくれている参議院事務当局がしっかりやっていただかないと、これはなかなかいけない。そういう意味で私どもは、私だけかもしれませんけれども、そういう参議院事務局というのが、お世話になっていながらどういうふうな格好になっているのか理解できていない面もあるものですから、いわゆる将来の国会改革という面も含めて、あるいは参議院の事務局が、これは非常に活性化して評価される、今でもそうなんでしょうけれども、そういうところであればそれだけ人材もそろうでしょうし、それがひいては参議院の向上になるんじゃないかというような、こんな視点からで、全く勉強といいますか、そういう面でまず勉強させていただきたいということで御質問させていただきますけれども。
 まず、これ、ちょっと聞きますと、国家公務員の人事院の採用試験とは違うんだそうですね。そういうことはちょっと聞きましたが、いわゆる職員というのはどういうふうな採用のされ方をされて、組織的にどんなふうな今体系になっているか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○事務総長(川村良典君) お答え申し上げます。
 今、先生御指摘ありましたように、行政府におきましては人事院の採用試験合格者の中から職員を採用しているわけでございますが、参議院におきましては権力分立の原則もありまして独自の採用試験を実施いたしております。
 私どもが行っております試験でございますけれども、これは大学卒業者等を対象とするT種試験、U種試験、それから短大あるいは高校卒業者を対象とするV種試験、それから衛視を採用する衛視試験の四種類の形で行っているわけでございます。
 私どもが行っておりますT種、U種、V種の試験は、それぞれ現在人事院が行っております人事院のT種、U種、V種の試験のレベルに相当するものだというふうに考えてやっているところでございます。
○岩本荘太君 ありがとうございました。
 職種といいますか、いわゆる人事院の試験でいろんな分野がありますね。そういう面は何か限られているんでしょうか。
○事務総長(川村良典君) 職種といたしましては、一般の行政職に相当する職員、それから衛視、それから速記職という形になっております。なお、一般の行政職の中でも、一応、行(一)、行(二)の職員がいるという形になっております。
○岩本荘太君 何か技術系といいますか、そういう分野が余りないというようなふうにちょっとお伺いいたしましたけれども、昨今のこういう例えばIT基本法とかそういう技術的な面の審査といいますか、技術的な面に立ち入ったものも非常に多く見受けるんですけれども、そういう技術的な、技術系というような、特にそういうことで採用というのは余りないですか。
○事務総長(川村良典君) ただいま御指摘ありましたように、近時の国会の論議が様々な分野につき専門的、技術的な議論が行われるようになってきているわけでございます。今申し上げました私どものT種、U種試験の採用者の大半は実は法学部、経済学部卒業者ということでございまして、先生御指摘のような技術系の職員の採用というのはごく限られている状況でございます。
 このため、そういう専門的な問題について対応いたしますために、私どもといたしましても、大学院ですとか、あるいは官民の各種研修といったところに職員を派遣をいたしまして、新しい知識を吸収するように努めております。また、特に高度の専門的な問題につきましては、民間から学者あるいは民間人を専門家として、客員調査員という制度がございますので、その客員調査員として招きまして、職員と一緒に勉強する、あるいは研究を行うということによりまして、職員の知識向上に努めさせているということでございます。
 ただ、非常に技術的あるいは工学的な問題も増えているわけでございまして、今後は理科系を含んだ広範多岐にわたる学部の卒業生をどうやって確保していくかといったことについて更に検討をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○岩本荘太君 ありがとうございます。
 それと、これは大変僣越なあれですけれども、例えば最近、外務省改革とか何かの議論の中で、いわゆる人事の硬直化といいますか、何かルートが決まっているとか、そんなことが指摘されているようなこともございますけれども、そういう人事面の、何といいますか、その融通性といいますか、配慮というのはどんなふうにやっておられるかですね。
○事務総長(川村良典君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、私ども事務局におきましても大学卒業者につきましてはT種、U種という形で分けて採用はいたしております。ただ、これら職員につきましては、国会職員として時期に応じ適切な判断を行うことによって会議運営を始めとする様々な業務を適切に処理できるよう、T種、U種の区別なく、日々研さんに努めさせているというところでございまして、私どもとしては、採用試験の区分にこだわらず、適材適所の配置を行っているというふうに考えております。
 ただ、T種、U種と分けましたのは平成元年からの試験でございまして、今まで、今のところはまだ比較的若い職員ということでございます。という意味では、今申し上げたとおり、特段問題は起こっていないというふうに思っておりますし、今後とも適材適所の観点で人事運用をしていきたいというふうに考えております。
○岩本荘太君 それと、いわゆる他省庁なんかですと、よく縦割り行政をいろいろ言われて、なかなかそれの解消というのは難しいんでしょうけれども、その一つの解決策といいますか一つの手段として、人事交流といいますか、随分やっておられると思うんですけれども、特に国会というのは各省にまたがっておりますから、そういうような人事交流をすることによって質的な向上を図るというようなことについてはいかがなんでしょうか。
○事務総長(川村良典君) 国会事務局内部につきましては一応大きく三つの業務分野があるわけでございまして、一つは会議運営の部門でございます。それからもう一つは調査の部門でございます。それからもう一つは庶務管理、まあ言わば総務の部門でございまして、一応三部門というふうに私ども考えております。採用された職員につきましては、課長補佐ぐらいまでの若い段階で一通りこれらの業務を経験させまして、どんな業務でもきちんとこなせるように、あるいはそれぞれの業務の内容を十分理解するようにということで中では交流をやっているということでございます。
 それから、対外的な交流といたしましては、やはり行政の実務あるいは地方公共団体での実務を十分体験するという意味で、限られた範囲ではございますけれども、各省庁あるいは地方公共団体との人事交流等も行っております。また、在外公館での業務を経験させるという意味で、大使館等への派遣も行っているということでございます。
○岩本荘太君 それと、職員の資質の向上という面で、もう一つ最近の国際化に対応する問題があると思うんですけれども、これは外国の情報に対する国際化もあるでしょうし、あるいは外国に行ったときに、行くとか、そういう面の国際化、いろんな交流による国際化なんかもあると思うんですけれども、そういう面ではどんなふうにお考えですか。
○事務総長(川村良典君) まず、国際化ということでございますので、採用の段階で語学能力の高い職員をできるだけ採りたいということでその面でまず努力をいたしております。
 それから、採用後につきましては、英会話研修を必修という形で基礎的な語学力の習得をさせているということでございます。さらに、成績のいい者につきましてはより高度の研修を受けさせるという形で語学力を十分身に付けさせていきたいというふうに思っているわけでございます。
 それから、先ほどまた申し上げましたように、複数の在外公館には職員を派遣をいたしております。また、長期あるいは短期の在外研修によりまして、海外の大学ですとか研究機関等に行っている職員もいるということでございます。また、非常に短期間でございますけれども、外国の実情を知らせるという意味で、事務局係長クラスの若い職員でございますが、事務局職員を短期の海外への派遣といったこともやっているところでございまして、できるだけそういう意味での国際化に対応できるような職員を育成していきたいというふうに思っているところでございます。
○岩本荘太君 時間がございませんが、私、ちょっとほかの省にもおった人間でございますので、国際化という面でちょっと何か物足りない感じがいたしていまして、今の事務総長のお話でいろいろ御努力されていると思うんですけれども、言うなれば事務局と我々と一緒になってこの日本の国政のためにしっかりやっていかなきゃいけないと思うんで、私こういう質問をしたわけですけれども、今後ともひとつよろしく御努力のほどをお願いいたしまして、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○岩井國臣君 ただいまから一連の質問をさせていただきますけれども、柳澤金融大臣に対します質問は予定ございませんので、もしよければ離席していただいて結構かと思います。
○委員長(中原爽君) それでは、お話ございましたので柳澤金融担当大臣、御退席をしていただきまして結構でございます。ありがとうございました。
○岩井國臣君 それでは始めさせていただきたいと存じます。
 まず最初に、赤字国債の関連につきまして、一連の質問をさせていただきます。
 プライマリーバランスというのがございますけれども、プライマリーバランスをゼロにするということは財政運営上理想だと思います。理想ではございますけれども、国債残高が四百兆円を超えるような今のこのような巨大な借金になってしまった以上、なかなかそれを達成するのが難しいのではないか。当面の目標にはなり得ないのではないか。
 当面の目標は、私の考えでは、まずは赤字国債の累積拡大を食い止めることでなければならないのではないか、そういうふうに考えております。これ以上赤字国債を累積させてはならない。まずは赤字国債の累積拡大を食い止めることだと、そう思っておるわけであります。プライマリーバランスゼロを目指すのはその後でいいと、そのように考えております。
 社会保障関係予算などに本格的なメスを入れまして、ぎりぎりのところ、どこまで切り詰めることができるかをまずは検討しなければならないのではないか。その上で、公共事業その他の予算を削減する、ともかく赤字国債の新規発行をゼロにすることだ、それが財政再建の当面の目標でなければならない、私はこのように考えておるわけでございまして、そういう考え方から、主として赤字国債に焦点を当てまして、幾つかの質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、財政法と国債発行の関係につきましてお尋ねいたします。
 いわゆる建設国債は財政法第四条に規定されておるわけでありますけれども、そもそもこの四条国債が財政法に定められたのはいつのころなんでしょうか。財政法が定められたときに最初から国債発行というものが定められていたのでしょうか、それとも後の改定で追加されたものなのでしょうか。そして、最初に建設国債が発行された、実際に発行されたというのはいつでしょうか。
 そういった質問、まずお答えいただきたいと存じます。
○政府参考人(杉本和行君) いわゆる建設公債の法規定についての御質問でございます。
 財政法は昭和二十二年に制定されました。この財政法が制定されました当初から第四条第一項ただし書でございますが、ここに公共事業費、出資金、貸付金の財源については、国会の議決を経た範囲内で公債を発行し又は借入金をなすことができると規定されてございまして、財政法制定当初から建設国債についての規定があるということでございます。
 それから、建設公債が最初に発行された時期についてでございますが、これは昭和四十一年度でございます。
○岩井國臣君 現在の財政法にはいわゆる赤字国債の規定がございません。つまり、現在の財政法に基づいて建設国債は発行できるけれども、財政法に基づいては赤字国債は発行できない。間違いありませんですね。まず、そのことを確認させてください。
 また、財政法に建設国債の規定があって赤字国債の規定がないのはなぜなのか、その理由も併せて述べていただきたいと存じます。
○政府参考人(杉本和行君) 委員御指摘のとおり、建設公債の発行は先ほど申し上げましたような財政法第四条第一項ただし書で認められておりますが、特例公債の発行については財政法上の根拠はございません。特例公債の発行のためには特例措置として立法措置を講ずる必要がございますので、いろいろ国会の方にお願いしているところでございます。
 それから、建設公債の規定が財政法にある一方、赤字公債の規定がない理由でございますが、公共事業等につきましては、これらの経費が消費的な支出ではございませんでして、国の資産を形成するというもので、通常その資産からの受益も長期にわたると考えられております。他方、特例公債の方はこのような性格を持たないことがございますので、財政法の健全財政の原則に基づきまして、その発行を認める規定が置かれなかったと考えております。
○岩井國臣君 そのとおりなんですね。一般的になかなか分かりにくい。私も役人やっておったんですけれども、役人の説明というのは分かりにくいですからね。私流のちょっと説明をしますと、今言われたとおりなんですよ。やっぱり資産を形成するんですよね。それで、それによって利益が生じてくるんですね。それで、長期にわたる、こういうことがあるわけです。
 借金にもいい借金と悪い借金があるんですよ。住宅ローンですね、住宅ローン、あれはいい借金ですよね、あれは。それで、サラ金、これはできるだけ手を出さぬ方がいいと、これは悪い借金ですよね。借金は、とにかくいい借金も悪い借金も嫌だと、住宅ローンも嫌だという人もそれはありますよね。金持ち、金あったらそれは何も住宅ローン借りぬでもいいんですけれども、私は金がないものですから、住宅ローンで今せっせせっせ返しておるんですよね。やっておりますが、私はやはり結婚したらもう早めに住宅ローンを借りて家建てた方がいいと思いますよ。私は、いやもうおれは借金嫌だといって、これも立派な考え方だと思いますけれども、なかなか金たまりませんよ。せっせせっせやってやっと金たまったと思ったら、もう半分棺おけに足を突っ込んでいますからね。それよりも、結婚してもうすぐに、若いときに住宅ローンを組んで家を買った方がいいんじゃないかと。サラ金は苦し紛れに、いろいろ無駄遣いして苦し紛れにサラ金に手を出さぬ方がやっぱりいいですよ。そこのやっぱり違いがあると。国も同じことなんです。建設国債も赤字国債も全く同じことなんですよね。
 そういうこと、大体そういう説明でいいでしょうか。そういう理解でいいでしょうか。
○政府参考人(杉本和行君) 非常に分かりやすい説明でございますが、そういう考え方に財政法も基づいていると考えております。
○岩井國臣君 財政法に規定されていない赤字国債、財政法違反とは言いませんけれども、赤字国債というものは財政法の趣旨からいくとやっぱり好ましくない。
 その赤字国債というものを初めて発行されたのはいつでしょうか。昭和五十年、三木内閣のとき、これが初めてではございませんか。
○政府参考人(杉本和行君) 委員御指摘のとおりでございまして、いわゆる赤字公債が戦後初めて発行されましたのは昭和五十年度でございます。
○岩井國臣君 財政法に規定されていない赤字国債を発行せざるを得ないという事情というものは当然あるわけですね。発行せざるを得ない。ニーズのないところにやみくもに赤字公債を発行しているのではない。それはもう当たり前のことやと思うんです。やむを得ない事情というものがある。
 しかしですね、しかし問題なのは、これ財務大臣にお聞きしたいと思うのでございますけれども、赤字国債というものを発行するということは財政法にのっとっていないということでありますから、やはり財政規律が乱れていると言わざるを得ないのではないか。いかがでしょう。国の財政運営というものはやはり財政法に基づいてやるべきではございませんか。いかがでしょう。
○国務大臣(塩川正十郎君) 厳格に言えばそれは当然の措置だと思っておりますけれども、しかし国政を運営するということと、それからその当時の状況によります経済の破局的な状態から救済し、経済秩序を正常に維持していくという点からいってやむを得ない状況だったと思っております。
 昭和五十年、発行されましたとき、ちょうど私もその時分は大蔵委員をやっておりましたですが、これはもう大変な大騒動の審議でございました。結局、日本列島改造のあのインフレを抑えるということと、それからその後参りました石油ショック、この二つのインフレとデフレのギャップで経済が非常に乱れてしまったのを救済し、一応平静化するためにやむを得ない措置としてやったんで、決してこれ望ましい政策とは私は思いませんけれども、しかし緊急措置を講ずるためにやむを得なかったものと思っております。
○岩井國臣君 それはもちろんそうなんですね。やむを得ない事情はあるんです。やむを得ない事情があって赤字国債を発行せざるを得ない、それはもう分かるんです。ですけれども、やはり赤字国債というものを発行、それも一年や二年じゃないんですね、ずっと続けて慢性的に発行していくというのは、やっぱり財政規律が乱れていると私は言わざるを得ないのだろうと。好ましくないとかいう程度ではなくて、やっぱり財政規律が乱れているんだということはきっちり認識すべきではなかろうかというふうに私は思います。
 さて、国債発行の歴史というもの、ちょっとオーバーですけれども、歴史というのはちょっとオーバーかも分かりませんが、赤字国債の発行は先ほどお述べになりましたように三木内閣のときに始まりました。そして、福田内閣、大平内閣、鈴木内閣と赤字国債の発行が続いたんですね。まあ、私に言わせればそれらの内閣の財政規律はむちゃくちゃとは言わないけれどもやっぱり乱れていたと言わざるを得ない、そう思います。中曽根内閣になって、やっとこれではいかぬという反省が生じたのであります。
 そこで質問ですけれども、中曽根内閣以降、財政再建はどのように行われてきたのか御説明願いたいと思います。赤字国債の累積拡大というものを何とか食い止めようとしたのではございませんか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 中曽根内閣になりましてから、一つは、一番大きい変化が起こってまいりましたのは民間活力の活用ということ、これでございました。それと同時に、このときにいろんな面におきまして規制の緩和が行われまして、したがいまして、公共事業等によるところの言わば経済活性化への方向を民間活力に切り替えた、これが大きい財政上の一つの転換であったと、私はその当時を思い出しまして感じております。
○岩井國臣君 そうなんですね。民間活力というふうな新しい政策を打ち出しながら財政再建に努められたと。で、中曽根内閣のときになって初めて財政規律が回復する、こういうことだと思います。
 財政規律が回復するというのは、赤字国債がなくなるという意味ではございません。私が言っているのはそうではなくて、赤字国債の新規発行を食い止めた、累積拡大を食い止めた、こういうことであります。
 赤字国債の発行について、やっぱり幾つか段階に分けて考える必要があると思います。一番悪いのは、赤字国債の発行額がどんどんどんどん増えていっている状態ですね、これ現在そうなんですけれども。現在そうなんでありますが、これが一番悪い。
 それから二番目が、どんどん増えるわけじゃないけれども、赤字国債がやっぱり増えていっておる、増えていっておる、毎年毎年増えていっていると、こういう状態が二番目に悪い。
 それから三番目が、赤字国債発行額が、新規発行額がゼロになる、発行額がですよ、新たな発行額がゼロになる。これ、中曽根内閣のときにこれを始めたわけですね。それで私は、財政規律がそれで回復したと、そう言っておるわけですけれども。
 更に良くなりますと、実は中曽根内閣のときにも随分赤字国債の累積額を削減に努力されました。そして、竹下内閣のときも赤字国債の大幅縮減が続いていきます。それで、だんだんと赤字国債が累積額が減り始めますね。そういう状態が一つある。
 それで、最終的にというか、どんどんどんどん赤字国債が減って、赤字国債の累積額がゼロになる、ゼロになると。これが一番いいんですね。それが竹下内閣のときなんですよ。平成のおじさん、小渕さんが平成という新しい年号の一生懸命これ説明しておられましたね、正月ですね。あのころ、あのころおおよそ財政再建のめどが立ったのではないか、そのように思っております。
 そこで質問でありますけれども、平成元年の、元年、えらい古い話で恐縮でございますが、平成元年の通常国会で予算審議をしたその平成二年の予算というものは、一連の財政再建によって初めて赤字国債の発行がゼロになった特筆すべき予算であったのではありませんか、どうでしょうか。そして、平成二年からしばらく赤字国債の発行額がゼロに続くと、つまり財政規律が保たれていったということではないかと思います。そのことを確認したいのと、再び財政規律が乱れて赤字国債の発行が始まったのはいつなのか、その辺ちょっと一連の御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(杉本和行君) 委員御指摘ございましたように、歳出の節減合理化努力もございましたし、景気も好調でございまして、税収の伸びにも助けられたという点もございまして、平成二年度予算におきましては特例公債の発行額をゼロとすることが可能となったわけでございました。これは、先ほどお話ありましたように、五十年に特例公債を発行いたしましてから十五年間にわたって続いておりました特例公債依存体質からの脱却ということが実質的にできたという意味において、特筆すべき予算であったんじゃないかと考えております。
 平成二年からしばらくの間、具体的には平成二年度から平成五年度まででございますが、いわゆる赤字公債を発行しておりませんでした。再び特例公債を発行いたしましたのは平成六年度でございまして、その後は各年度において特例公債の発行を余儀なくされておる事態となっております。
○岩井國臣君 そのとおりでございます。
 村山内閣が誕生するのが平成五年の六月であります。その後の平成六年の概算要求が八月に始まるわけでありますけれども、そのときに減税特例公債とか震災特例公債とかなんとか理由を付けながらいわゆる赤字国債を再び発行すると、こういうことになるわけであります。
 そこで、質問でありますけれども、平成六年から赤字国債を再び発行されるという点につき、もう一度確認させていただきたいと思います。間違いございませんね。
○政府参考人(杉本和行君) 御指摘のとおりでございまして、平成六年度から再び特例公債を発行いたしました。
○岩井國臣君 これ、やっぱり赤字国債というのは麻薬みたいなところがあって、一度発行が始まるともう止まらないんですよ。財政規律は乱れっ放しというとちょっと言い過ぎですけれども、そういうことが私は歴史的教訓ではなかろうか、このように思います。歴史的教訓というとちょっとオーバーかも分かりませんけれども、私はそんなものだろうというふうに認識しておるわけであります。
 財政規律が乱れっ放しでどんどん赤字国債の発行額が増えていく。事実、増えていった。平成六年、平成七年、平成八年、平成九年、平成十年、平成十一年、ずっと赤字公債は止めどなく増えていっていますね。そして、いよいよ平成十一年度、今回十一年度と十二年度の決算でありますけれども、いよいよ平成十一年度、平成十一年度は赤字国債二十四兆三千億ですね。これは過去最高です。財政という面から見ると、過去最悪の年ですよね。それが平成十一年度。
 質問でありますが、平成十一年度の赤字国債発行額は二十四兆三千億、これ過去最高だと思っておりますが、間違いございませんか。確認させてください。
○政府参考人(杉本和行君) 平成十一年度の特例公債発行額は二十四兆三千四百七十六億円でございます。これは御指摘のとおりでございまして、過去最高額でございます。ちなみに、国債発行の全体額も三十七兆五千百三十六億円でございまして、これも過去最高となっております。
○岩井國臣君 昭和五十年度に始まった財政赤字は昭和五十五年が最悪、平成六年度に始まった財政赤字はこれは現在続いておるわけでありますけれども、今回のこの財政赤字というのは平成十一年度が最悪、国債発行額が最高だという意味であります。
 しかし問題は、ここが一番肝心なところでございますのでよく聞いておいていただきたいと思いますが、問題は額ではない、質なんですよ。予算の規模ではありません。予算の中身だと私は思っております。もちろん、予算の中身に無駄はないかという、そういう問題も当然あるわけでありますけれども、予算の中身が法律に違反していないか、あるいは違反していなくても法律の趣旨に合っているかどうか、そのことが大事なんだろうというふうに思います。日本は法治国家でありますから、法律を守る必要があります。財政運営につきましても財政法という法律があるわけで、その法律をやっぱり守っていく必要がある。
 もちろん、先ほど大臣おっしゃいましたように、赤字国債を発行するときにはその都度事情がありますね。事情があるし、それから特例法を成立させておりますから法律違反ではありません。それはもう私も分かっておるんですけれども、ですけれども毎年毎年特例法を作って赤字国債を慢性的に発行するというのは、それは財政法違反ではないかもしれないけれども、やはり財政法を無視していると言わざるを得ないのではないか。少なくとも財政法という法律を忠実に守っているというふうにはとても私は言えないんではないかと思うんですね。
 そこで、大臣にお聞きしたいわけでありますけれども、財政法という法律の趣旨からいきますと、補正予算は別ですよ。補正予算は、当初予算、そのときの予定した経済社会情勢と違うまた特別の事情が生じてくるということでありますから、補正予算は別だと思いますけれども、少なくとも当初予算ベースでは、やはり赤字国債は原則として、原則です、原則としてやっぱり発行すべきでないということではないかと思うんですけれども、その辺の考え方についてちょっとお伺いしたいわけであります。
○国務大臣(塩川正十郎君) ちょうど顧みますと、この当時、すなわち平成九年、十年ごろからは、一方においては政府の手によるところの追加需要の創出ということで、公共需要を中心といたしました、おっしゃるように補正予算でどんどんと公共需要の増進をいたしましたけれども、これは経済活性化のためという名目でやりましたけれども、その効果は要するに在庫調整に終わってしまったようなことで新しい活性力にはならなかった。
 と同時に、平成九年、十年、十一年のときに、特に十年、十一年は金融の再生に対して政府が大きい、何といいますか、支払承諾を含むところの国債発行をしていったということ等がございまして、この十年、十一年は異常に伸びてきたと。
 これは要するに追加需要の措置と金融対策の二つ、この部分にあったと思っておりまして、財政法の趣旨から言うたら、これはもう要するに臨時の言わば余り好ましくない措置ではあるけれども、日本の経済の破局を救うという意味においてこれだけのことは政治的な決断をせざるを得なかったのではないかと思っておりまして、これは御了承賜りたいと思っております。
○岩井國臣君 私もよく分かっているんですね、そのとおりだと思う。やっぱり、特別の事情がありますからね、赤字国債を特例的に発行せざるを得ないということは当然あるわけであります。あるわけですけれども、問題は、そういうのを慢性的にやみくもに、要するに麻薬みたいなものでとにかくもうやめれない、もうそれがやめれないというのがやっぱり問題ではないかと思うんですね。やはり財政規律が保たれているかどうかということが大事だろうと思います。
 私に言わせますと、やはり赤字国債そのものが財政法の趣旨に合わないので赤字国債を発行すること自体が問題なんですけれども、それはちょっと横へ置いて、いろいろな事情がありますから、それはちょっと横へ置いて、要するにむやみやたらに発行しておるのかどうかという、そこのところをちょっと問題にしたいと思うんです。ちょっと質問を続けます。
 特例的に赤字国債を発行せざるを得ないときでも惰性でそれが続かないこと、財政法第四条に基づく本来の国債、これは財政法に認められているんですね、とのバランスというのがあって、そのバランスを失するようなことはおかしいのではないかと思うんですね。四条国債より赤字国債の発行額の方が大きいなんというのはちょっと異常じゃないでしょうかね。建設国債が今年でいいますと七兆円、赤字国債が二十三兆なんですよね。ちょっとそこはやっぱり余りにもおかしいんじゃないかと。
 そこで質問でありますけれども、できれば大臣にお答えいただきたいと思いますが、特例的に赤字国債を発行せざるを得ないときでも、財政規律の観点からは惰性でそれが続かないこと、財政法第四条に基づく本来の国債とのバランスを失しないこと、この二点が私は一般論で肝要ではなかろうかと思うんですね。平成十一年度がどうのこうのではなくて、一般論として、ひとつそこのところの財務大臣の御所見をお伺いしたいと思うわけであります。
○国務大臣(塩川正十郎君) 岩井先生の冒頭におっしゃったプライマリーバランスをいつどのようにして取り戻すかということが現在の財政上の一番の私たちの宿題になっております。
 現在、平成十三年度を中心といたしまして、国債発行額をこれ以上増額しないという趣旨でやりましたけれども、しかし十四年度、十五年度に掛けまして若干増えざるを得ないという事情がございます。それは、何か元利償還の返済がどうしてもこれに回ってまいりますので、したがって一刻も早くプライマリーバランスをゼロにするという趣旨からいいまして、更に国債の発行を圧縮せざるを得ないと思っております。そのときの圧縮の方法は、やはり特例債の圧縮、ここに重点を絞って絞っていくということでございまして、建設国債につきましての圧縮よりは特例公債の圧縮に重点を置いたものを締めていきたいと思っております。
○岩井國臣君 今、大臣おっしゃったとおりではないかと、そのように思います。
 特例的に赤字国債を発行せざるを得ないときでも、惰性でそれが続かないということと、財政法第四条に基づく本来の国債とのバランスというものをそれなりにやっぱり意識をしていただくということが必要ではないか、そのように思います。
 赤字国債が惰性でだらだらだらだら続いていっておるのかどうかということは、予算成立時に特例法が国会にかかっているかどうかを見たらすぐ分かる、だれでも分かることなんでございますけれども、平成六年、七年、八年、九年、十年、十一年、十二年、十三年、十四年、恐らく十五年もそうなるんでしょうね、多分そうなる、ならざるを得ない。財政再建途上でありますから、まあ仕方ないと思います、私も仕方ないかなと思うのでありますけれども、問題は四条国債とのバランスなんですね。私が問題にしたいのはそこであります。
 昭和五十年度に始まった赤字国債の発行は、それでも四条国債とのバランスは取れておった、まあまあ取れておったと。財政法に定められた本来の国債を特例的な赤字国債が上回るということはほとんどなかった。平成十一年度は一挙にそのバランスが崩れたんですね。平成十一年というのはそういう年ですよ。景気対策ということがあったわけです、当然あったわけです。これはもうやむを得ないということは、まあやむを得ない、私もそこはよく分かります。
 しかし、私の考えからすると、やはりバランス上問題があったと言わざるを得ないのではないか。できるだけ速やかにバランスを回復しなければならないのではないか。本来は赤字国債の発行は好ましくない。それはそうだけれども、やむを得ずそうせざるを得ない場合であっても、財政法にない国債が財政法に定められている国債を超えるというふうなことは、やっぱり法秩序の観点から絶対にまずいんではないかと思うんですね。やっぱり法秩序の問題ということを十分意識しなければならないのではないかと私は思っておるわけであります。
 そこで、質問であります。財務省にお聞きいたしますが、平成十一年度が著しく建設国債と赤字国債とのバランスが崩れております、平成十一年度。これは過去になかったことであります。過去、赤字国債を発行したときに建設国債の何倍だったのか、赤字国債の方が建設国債の何倍だったのか、倍率を示していただきたいと思います。三木内閣のときに始まった一連のものにつきましては、平均倍率とそれから最高でどうだったのか、それから平成六年度から毎年度の倍率をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(杉本和行君) まず、昭和五十年度から、それで平成十五年度までの十五年間、この間発行した特例公債の発行額が建設公債の発行額の何倍であったかという数字でございますが、平均的に言いますと〇・七五倍でございます。この中で一番高かったとき、昭和五十五年度でございまして、このときが一・〇四倍でございました。
 それから、平成六年度以降特例公債の発行が続いておりますが、それを順次年度別に申し上げますと、六年度が〇・三四倍、七年度が〇・二九倍、八年度が一・〇三倍、九年度〇・八六倍、十年度〇・九九倍、委員がおっしゃっている十一年度が一・八五倍でございます。十二年度一・九六倍、十三年度二・三一倍。十四年度は、これは当初予算でございますが、三・四二倍、こういう倍率になっております。
○岩井國臣君 倍率自体、余り意味がないのかも分かりませんが、私は、やっぱり不健全性を示すのにこれ一番いいんじゃないか。財政規律が健全かどうか、不健全かどうか、その不健全性を示すのにこれ一番分かりいいんじゃないかと思うんですよね。理想はゼロなんですよ、ゼロ。理想はゼロ。それで、先ほど言われたように、三木内閣のときに始まった赤字国債の累積は、平均で〇・七五、高いときでも一・〇でございますね。高いときでも一なんですよ、一。ですけれども、現在は三・四二ですからね、やっぱり不健全極まりないと私は言わざるを得ないんじゃないかと思っているんです。
 そこで、まだいいですかね、財務大臣にお伺いしたいと思います。
 赤字国債は本来、財政法の趣旨に合わない。したがって、建設国債もさることながら、まず赤字国債の削減に努力すべきではないかというふうに思います。赤字国債の建設国債に対する倍率が上がるということは、やはり法秩序の観点から私は問題があるのではないか。そこで、財務省としてその法秩序というものをどのようにお考えになっておるのか、そこのところをちょっと聞かせていただきたいと思うんでございますけれども、いかがでしょうか。余り倍率が高くなるのはおかしくございませんか。
○国務大臣(塩川正十郎君) この赤字国債が増えてまいりましたことの理由といたしまして、一つは公的ないわゆる需要創出ということがございますが、これの面につきましての抑制は、軽微ではありますけれども、だんだんと抑制の効果が出てきております。
 もう一つは、平成時代になりまして、特に平成二年、三年ごろ、バブルが崩壊しまして以降におきましての素地として、義務的経費が非常に増加してきております。この義務的経費、これの抑制を是非やっていきたいと思っておりまして、この抑制によって、おっしゃる特例公債の圧縮が相当効果が出てくると思っております。
 したがって、十五年度予算編成におきましては、十四年度予算と同様に国債の圧縮を極力いたしまして、これ以上特例公債は増えないようにいたしたいと思っておりますけれども、残念ながらいわゆる元利償還の返済義務が当然増として増えてまいりますので、その分は若干弾力的な扱いをせざるを得ないと思っております。
 私たちの考えといたしましては、公債費が当然増として増える分を一般歳出予算の削減によって賄いたいと思いますけれども、その額が余りにも大きいのでなかなか賄い切れないところに非常に大きい悩みを持っておりますけれども、できるだけその乖離を少なくするように努力して予算の編成に当たりたいと思っております。
○岩井國臣君 今、大臣のお答えの中に、あるいは午前中からのいろんな質疑の中で出ておりましたけれども、その義務的経費、義務的経費というのは何なんですかね。閣議で了解されたということですけれども、何か法律に義務的経費というのはあるんでしょうか。義務的経費と言うと、何かそれを組まざるを得ない義務があるみたいな感じになっちゃうんですけれども、どういう意味なんでしょうか、義務的経費というのは。
○国務大臣(塩川正十郎君) 義務的経費というのは、国会において認められました、国が負担すべきであるということで、国会で認められた、法律によるところの負担の経費であります。
○岩井國臣君 財政改革、すべての構造改革もそうですけれども、財政改革も現行の法律に縛られて、法律は一切変えないということでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 変えようというところに抵抗勢力が国会で出てくるということであります。
○岩井國臣君 抵抗勢力というのがよく分かりませんけれども、予算関連法案というのがあるでしょう。必ず予算成立と同時に、予算通りましたら関連法案あるじゃないですか、各省別に。だから、法律というのは新しく作ることもできますし、改正もできるんでしょう。時限立法はまた延長もありますね。ですから、予算というものと法律というものは、これは連動しているんじゃないですか。
 ですから、財政規律の点から考えてどうしても赤字国債を圧縮せざるを得ない、そのためにはかくかくしかじか、もう既存の法律はあるけれども、その法律を変えてでも財政規律を回復しようということにはならないんですか。そういうことは考えないんですか。抵抗勢力がどうのこうのという話はおかしいんじゃないですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) それがしかし、現実でございますから。
○岩井國臣君 いや、それは納得できませんね。今の財務大臣の答えは、私、納得できませんね。
 まず二十三兆の赤字国債あるんですよ。それは社会保障だけではありませんけれども、社会保障を中心にあるわけです。二十三兆ですよ。それだけ累積債務が増えるということですよ。そこへメスを入れないという法はないんですよ。場合によれば法律改正してでも、法律改正は国会の議論ですよね。だから、かんかんがくがく議論はあると思いますよ。だから、議論の結果、なかなか法律改正難しいねということもそれはあるかもわかりませんけれどもね。
 既存の法律があるから、それは変えられないということですか。もう一遍答えてください。
○国務大臣(塩川正十郎君) 徐々に変えていっておりますけれども、そんなにようかんかみそりで切るように、すぽんと法律を変えて削減するということはできません。
○岩井國臣君 そういうことを言っておるのではなくて、やはりそこへメスを入れる必要がある。義務的経費、義務的経費というのはそれはもう変わらないものだ、もうそれは義務なんだ、財務省がそれを組む義務があるんだみたいな印象を受けるから、義務的経費というのは何ですかと聞いているわけですよ。だから、法律改正、今、確かにいろんな法律、制度に基づいてそういう予算が積み上がってきますということでしょう。それは変えれないものでしょうか。
○副大臣(尾辻秀久君) 岩井先生の言っておられることと大臣の御答弁申し上げておることは、実は同じことを申し上げておるわけであります。
 先生御指摘のように、とにかく財政規律を取り戻さなきゃいけない、そのためにどうするかということでございます。そして、まず平成十五年度予算を組むに当たってどうするのか、それのまず概算要求をしていただく時点で義務的経費と裁量的経費に分けさせていただきました。そして、その義務的経費はどういうものかという御質問でありますから、大臣がお答え申し上げましたように、これは制度に基づいて出さなきゃいけない経費であります、こういうお答えを申し上げました。そして、したがいまして、そこも切り込まなきゃいけません。切り込むためには、制度を変えなきゃいけない方の経費が義務的経費でありますから、先生が今御指摘と同じことを言っているわけであります。義務的経費の方は、削らないという意味じゃありませんで、削るんですが、削るためには制度を変えなきゃいけない方の分野に属するものでありますと、こういう区分けをさせていただいたところでございますので、そのように御理解をください。
○岩井國臣君 はい、分かりました。
 義務的経費という言葉の印象が、もうそこにはメスが入らないんですよというふうに聞こえてくるんですね。それは私だけじゃなくて、そのようにやっぱり説明する側も、財務省側もそういう説明なさっておると思うんですね。これは義務的経費だから切れないんですよ、これはもうやむを得ず積み上がってくるんですよ、切れないんですよというふうに説明なさっておるし、またそういう説明を聞いた者、あるいは聞かなくても、義務的経費という言葉から、ああこれはもう切れないんだな、もうしようがないんだなというふうに受け止めている人が多いんですよね。いや、そうではなくて、義務的経費という分類になっているけれども、そこにこれから本格的にメスを入れるんですよと。もちろん抵抗勢力はありますよ。抵抗勢力はあるけれども、やっぱりこれからどうあるべきか。
 財政規律を回復しなきゃいかぬわけだから、その案をどこが作るといったって、財務省が作るしかほか作るところないんですからね、予算編成権は財務省にあるわけですから。それができないというんだったら、予算編成権を返上してもらって結構ですから。そうではなくて、財務省が責任持って予算の案を作るわけですから。ですから、やっぱりそういう案を国会に提示しなきゃいかぬわけですよ、あるいはその前に国民あるかも分からぬけれどもね。それでかんかんがくがく議論をすればいいんですよ。
 それは簡単にいきませんよ、それは。確かに、それは塩川財務大臣言われるように抵抗勢力、各分野にありますよ。私も抵抗勢力言われたりしておるんですけれども。僕はそのつもりありませんけれどもね、僕は改革や思っておるんですけれども、まあそれは別にして。それはいろいろあると、利害得失、一杯ありますから。それよりも国民的なかんかんがくがく議論が要るんですよ、それをやらなきゃいかぬわけですよ。それをやりながら、やはり財政規律というものは回復していかなければならない。
 赤字国債が一番問題なんですよ、私に言わせますと。もちろん、その上で建設国債というか、それも減らしていくということ、それはあり得ると思いますけれども。もう一度ちょっと塩川大臣、お答えください。
○国務大臣(塩川正十郎君) ですから、私は言っていますように、まず赤字国債を減らそうとするならば、義務的経費を減らさなければなりません、それは徐々にしか減らしていけませんと。思い切って減らすということは、長年の制度で国民が、国民が受益者なんですから、それを極端な犠牲を払って改正することはできませんし、そこへもってきて、その改正をしよう、既存の制度を改正しようとしましても非常に抵抗が国会の中であることも事実でございますから、徐々にしか進められない、思い切ったことはできないと。けれども、義務的経費をまず削るということが一つ。
 それからもう一つは、裁量的な経費というものを今度は五%、十五年度予算において五%程度削ることといたしておりますが、この裁量的経費というのも、主として地方財政法第十六条に基づくところのものが非常に多い。そういたしますと、地方自治体からの反発というものが非常に強くてなかなかその部分についての削減も難しい。
 要するに、財政の再建ということが、岩井先生のおっしゃっているこのこと、今の質問の一連の宿題を果たしていこうとするならば、やっぱり国民全体もそのことについての理解を求めていかなきゃならぬ。その理解の、我々の宣伝のといいましょうか、説明の責任は不足であったと、それは私も認めますけれども、やっぱり国会もそれに協力してもらわなきゃできません。
○岩井國臣君 いや、もちろんそうです。そうですけれども、政府がまず財政再建。今年は、今年の、平成十四年度の予算でいいますと、アバウト建設国債が七兆、赤字国債が二十三兆。来年どうなんですか、またその二十三兆の赤字国債が増えるんじゃないですか。そういうことでいいのかどうかという問題なんですよ。
○国務大臣(塩川正十郎君) それはよくありませんよ。だから私たちは非常に苦しんでおるんです。絶対よくありませんよ。
 けれども、先ほど申しておりますように、義務的経費あるいは裁量的経費というものをそんなに極端に削れないというと、そこへもってきて、当然増として、高齢化社会が進んでまいりますので、福祉関係、医療とか年金の当然増というもの、これはどうしても見ていかなければ国のセーフティーネットは果たせません。ですから、これは当然増えてまいります。そこへもってきて国債費の元利償還が増えてまいります。そういうものを、増えてくるものを一般歳出予算で削らなきゃならぬ。その作業をやっておるのでございますから、赤字国債の削減も当然やらなきゃいけませんけれども、その中に、赤字国債の含む中にそういう経費の言わばやむを得ざる経費というものが当然に追加されてくることは、これは一般歳出削減以外にできないんじゃないかということを言っておるのであります。
○岩井國臣君 基本的におっしゃっていることは分からぬではありませんけれども、冒頭に申し上げましたように、中期的な計画としてプライマリーバランスをゼロにするとかそんな話ではなくて、現在、どんどんどんどん赤字国債が増えているんですよね、発行額が。それが前年と同額というか横並びになるのはいつごろなのか。そして、今度は減り始めるのはいつなのか。そして、赤字国債発行額が、新規発行額がゼロになるのはいつごろなのか。そういう計画はあるんですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) そういう確実な見通しはありません。けれども、私たちの言っておりますことは、二〇一〇年にプライマリーバランスをゼロにしたいという目標を持っておるということは何遍も国会で言っております。
○岩井國臣君 私が今日一つ申し上げておきたいのは、そういうプライマリーバランスみたいな話じゃなくて、そうではなくて、まず赤字国債の発行がどんどん増えているのを食い止めるのがいつごろですかと。要するに前年同額になるのはいつかと。そして、プライマリーバランスゼロになる前に赤字国債発行額がゼロになる、そういう幾つか、さっき六つの段階に私、分けて言いましたでしょう。それで、中曽根さんのときには赤字国債発行額ゼロにしようという、プライマリーバランスゼロなんというのは言ってないんですよ。赤字国債発行をとにかくやめようと、そういう目標で言った。だから、今回の場合もそういう目標が大体いつごろなのか。
 プライマリーバランスのことを私言っているんじゃないんですよね。いずれはそれ行かにゃいけませんよ。だけれども、それは恐らく、恐らく理想であって、私は実現不可能ではないかと、こう見ておるんですけれども。それはいいですよ。
 だけれども、赤字国債の発行がゼロになるというのはいつなんでしょうか。そういう計画をまじめにひとつ御検討いただけませんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) もちろんおっしゃるように、財政を預かる者として当然その目標を立てなきゃならぬと思っております。
 しかしながら、現在のような非常に不透明な経済性の状況の中にあって、この特例公債だけの問題を切り離して計算するということは非常に難しい。ですから、特例公債と建設国債、要するに国債全体をつかまえてのこれの見通しというものは計算立てられると思っております。その一つのステップの、一つのステップとして、取りあえずプライマリーバランスをゼロにして、国債の発行の抑制の基準を作っていきたいということを考えておるところです。
○岩井國臣君 こんな難しいかつ重要な問題をこの短時間で議論はできないと思います。今日は問題提起にとどめさせていただきたいと思います。
 是非、塩川財務大臣におかれましては、前向きにお考えいただいているのはよく分かります。難しい、難しい問題だけに確かに抵抗勢力いろいろあるというのもよく分かりますけれども、是非まず財政規律をとにかく回復するということで、もう血の出るような努力かも分かりませんが、ひとつよろしくお願い申し上げたい。その点を最後に申し上げまして、次の二点目の問題に移らさせていただきたいと思います。
 財務大臣、もうあと、副大臣その他事務当局の方とやらさせていただきますので、経済財政諮問会議ということで。
○国務大臣(塩川正十郎君) それじゃ、一つ。
 私も、国債の発行について心配していただいておって、非常に有り難いと思っています。私はそういう議論がやっぱり国会の中で起こってくるべきだと思うんです。やたらに追加財政を組むがために国債発行でもやむを得ないではないかという議論もあります。そういう議論もあります。これはこれで聞くところもありますけれども、岩井先生のように、国債の発行をこれ以上しちゃいかぬぞという、こういう厳しい言葉はこれは私は非常に大きい効果があると思う。
 ということは、国際的に見まして、日本の国債がこれ以上、特に特例公債がどんどん発行しておるということは非常に危険な状態だと思っておりますので、その点についての我々の努力は一層やっていきたいと思っておりますので、是非ひとつ御協力をお願いいたしたいと思います。
 ちょっと私もかねてからの予定ございまして、えらい勝手でございますが。
○岩井國臣君 どうもありがとうございました。
○委員長(中原爽君) それでは、塩川財務大臣には御退席をいただいて結構でございます。ありがとうございます。
○岩井國臣君 それでは、これまでとは観点を変えまして、公共工事におきます手抜き工事について一連の質問をさせていただきたいと存じます。
 現在、ダンピングまがいの安値受注工事というのが横行しております。ひどい状態ですね。適正な競争であればいいんですけれども、こういう状態で問題なのはいわゆる手抜き工事が増えるということであります。土木だとか建築の構造物では大地震や大水害などの大災害を想定して設計されておりますから、普通の状態ではそう簡単に壊れないんですね。問題は大地震や大水害のときにどうかということであります。
 例えば、アリの一穴という言葉ありますね。これはどういうことかといいますと、堤防、例えば利根川の堤防とか木曽川の堤防とか淀川の堤防とか、ちょっとそういう堤防を想定していただきたいわけでありますけれども、アリが通るような極めて小さな小さな穴が空いておっても、それが原因で堤防が決壊するということがある、これをアリの一穴と言うんですよね。
 そこで、質問でありますけれども、国土交通省にお尋ねいたします。堤防の工事で堤防の土が十分締め固められていないとかあるいは堤防の中に木片とかコンクリート塊が混ざっているとか、そういうことがあると絶対まずいのではないでしょうか。
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 御指摘のとおり、堤防の築造に際しまして締め固めが十分に行われなかったり堤防の中に多くの木片やコンクリート塊が混入するということになりますと、必要な強度や水密性が得られないため、堤防の安全性に影響を与えます。そういうことでございますので、先生のお言葉をおかりしますとこれはまずいということでございます。これは避けなければなりません。
○岩井國臣君 そういう適切でない施工、俗っぽい言い方で言いますと手抜き工事ということになると思うんですけれども、そういうものが普通頻繁に行われるということではもちろんございません。特に、国の工事、直轄工事においてそういうことはまずは余りない、全然ないとは言い切れないと思いますけれども、まずはない、そのように思います。しかし、都道府県でありますとか市町村でありますとか、そういうところへ行くとそういう心配があるんですね、そういう手抜き工事が行われているような心配があるわけです。
 そこで、会計検査院にお尋ねしますが、そういう手抜き工事が行われているかどうか、会計検査院はどのような検査をしておりますか。
○説明員(白石博之君) お答え申し上げます。
 会計検査院といたしましては、国、公団、事業団等が実施をいたします公共事業や地方公共団体等が国庫補助事業として実施をいたします公共事業につきましては、執行額が多額に上るということでもございますので、従来から重要な検査対象として検査を実施してきているところでございます。
 中でも、今、委員御指摘のございました施工の問題ということにつきましては、契約図書等に適合したものとなっているかどうかというようなことにつきまして、工事の計画、設計、積算の適否とともに重要な検査の観点といたしまして検査をしてきているというところでございます。
 それでは、具体的にどういうふうに工事の検査を行っているかということでございますが、この工事の施工状況の検査に当たりましては、まず発注者たる事業主体の当該工事における監督、検査の実施状況というものを確認をさせていただくということを行いますとともに、私どもとしても現場におきまして工事の出来高を確認をする、また施工途中におきます工事の実施状況を工事写真、あるいは作業日報、工事材料の受け払い簿等の関係帳票等で調査をするというようなことで調査をさせていただいているわけでございまして、そしてまた、構造物に瑕疵があるという相当程度の疑念がある場合には、例えばコンクリートをはつるというようなことで破壊検査を実施するということもございますし、場合によって非破壊検査などを実施したりするというようなことで検査をしているということでございます。
 検査の結果、工事の施工が不適切であると認めた事態につきましては、これまでも各年度の決算検査報告に掲記をしておりますし、また当局において手直し工事をするとともに、その発生原因を究明をしてその再発の防止を図ってきたということでございます。
 今後とも、公共事業の検査に当たりましては、工事の施工の問題についても十分重点を置きながら検査をしてまいりたいというふうに考えております。
○岩井國臣君 先ほど、河川局長に堤防工事についてのちょっと御説明をいただきました。一般の土木工事だとか建築の工事におきましても基本的には同じようなことでございまして、やはり手抜き工事というものは断じて許されてはならない。
 昔よくあったんですよね、手抜き工事。私も竣工検査のときにそういう手抜き工事を発見したという経験があります。しかし、だんだんとそういう手抜き工事というのはなくなってきておりまして、数年前まではもうほとんどそういうものが見られなくなった、そういうことでございますけれども、しかし問題は、最近になってそういう手抜き工事が随分と行われているようであります。私はそういう証拠を握っておるわけではございませんけれども、そういう手抜き工事が行われているのではないかという心配を本気でしておるわけであります。誠に深刻な状態が生じているのではないか。
 そこで、まず国土交通省の御認識をお聞きするわけでありますけれども、最近のダンピングまがいの安値受注競争が手抜き工事を増大させているのではないかという私は心配を持っているんですけれども、まず、この点につきまして国土交通省の認識をお聞きしたいと思います。そういう心配はございませんか。
○政府参考人(門松武君) 発注者には、公正さを確保しつつ、良質なものを安い価格でタイムリーに調達して提供する責任が元々ございます。ダンピングまがいの安値受注工事につきましては、手抜き等につながるおそれがあると考えており、発注者責任を適切に果たすため、監督、検査の充実が必要であると考えております。
 国土交通省では、入札価格があらかじめ定められた基準を下回る工事につきましては、契約内容の履行が可能であるかどうか、これを調査するため、その履行がなされないおそれがあると認めたときは、当該入札を行った業者と契約をしないこととすることができる低入札価格調査制度を実施しているところでございます。
 地方整備局が実施いたします直轄工事、港湾、空港を除きます工事におきまして低入札価格調査の結果を見てみますと、あらかじめ定められた基準を下回る入札件数は、平成十年度で見ますと全体の発注件数が一万八千件ほどございますが、その中に二百三十六件ありました。さらに、平成十三年度につきましては、大体一万四千件ある中で三百五十件でありました。その割合で申し上げますと、平成十年度が一・三%、十三年度に至りましては二・四%と、近年徐々に増加する傾向にあります。
 低入札価格調査対象工事のうち適切な施工が認めないようないわゆるダンピング受注は、工事の手抜き、下請へのしわ寄せ、労働条件の悪化、安全対策の不徹底などにつながりやすく、公共工事の品質確保とともに、建設産業の健全な発展の観点からも排除すべきものであります。適正な価格による公共工事の品質確保が重要であるため、監督、検査の充実が必要であると認識しておるところでございます。
○岩井國臣君 次に、同じ問題につきまして会計検査院の認識を聞かせていただきたいと存じます。ダンピングまがいの安値受注競争が手抜き工事に直結する心配はございませんか。
○説明員(白石博之君) 御指摘の点につきましては、私ども会計検査院の検査の過程におきましても、予定価格を相当下回る価格で入札されているという事態も見受けられるということは事実でございます。
 他方、低入札価格での入札につきましては、入札価格と予定価格の差が著しいという場合につきましては、地方公共団体では最低制限価格制度を採用することができるということになっているところでございますし、また、ただいま国土交通省の方からお話がございましたが、低入札価格調査制度を導入している事業主体というところでは、真にその価格で適切な施工ができるのかどうかということを調査、確認した上で当該入札の採否が決定されることになっているわけでございます。また、個々の受注企業の施工能力につきましても、経営事項審査の充実、公表等の取組も行われているということでございまして、適切な施工を確保するための方策も講じられてきているものというふうに承知をいたしております。
 私どもといたしましては、最近におきまして安値受注競争が行われて、これが手抜き工事の増大に直ちに結び付いているかどうかということについての認識は必ずしも持ち合わせているわけではございませんけれども、先ほども申し上げましたように、検査におきましても予定価格を相当下回る価格での入札も見受けられるというところでございまして、委員の御指摘のように、低い価格での受注の結果、施工が不良なものとなるというおそれもあるところでございまして、会計検査院といたしましても、落札価格が予定価格を大幅に下回るような場合、例えば予定価格の直接工事費を下回るような価格の場合につきましては、適正な施工が確保できるかにつきまして検査において十分留意をすることとしてきているわけでございまして、この施工の検査に当たりましては、請負した価格が著しく大きな工事につきましては、そもそも予定価格を適正に算定しているかどうかということを見ると同時に、また、厳正な施工監督や完了検査が行われ、適正な成果物が得られているかどうかということについても検査をしてきているということでございまして、今後ともこの点には十分留意してまいりたいと思っております。
○岩井國臣君 落札価格が予定価格よりも大幅に下回るということ自体が、直ちにそれが悪いということではないんですね。その結果、手抜き工事が行われやすい、手抜き工事に直結しやすいという、そこが問題なんですね。したがって、手抜き工事というものをどうやって防止するのかということなんですよ。私は、きっちり工事の監督をやっぱりすることだと思いますね。それは発注者側の責任ですね、発注者責任。
 ところが、市町村の場合は、会計検査院がどのように御認識か分かりませんけれども、あるいは財務省がどのような認識を持っているか分かりませんが、市町村の場合は監督体制が全くでたらめなんです。直轄はまあいいんです。直轄の方はまあまあ体制が取れていると思います。都道府県というのは、いろいろでしょうかね。おおむねいいのかも分かりません。だけれども、市町村はほとんどが全くのでたらめだというふうに私なんかは実は見ておるわけです。こんなことでは、手抜き工事がどんどん増える一方ではないか、物すごいことがひょっとしたら現場で起こっているかもしれないなと、こう思うわけであります。
 そこで、国土交通省にお聞きいたしますけれども、公共工事の監督体制というものにつきまして、これは直轄だけが良けりゃいいということじゃないと思うんですけれども、どういう御認識をお持ちでしょうか、監督体制について御説明ください。
○政府参考人(門松武君) 会計法の第二十九条の十一によりまして、請負契約の適正な履行を確保するため必要な監督をしなければならないこととされております。
 地方整備局の直轄工事における監督につきましては、請負工事監督検査事務処理要領や監督に必要な技術基準を定めて、監督職員を任命し、実施しているところでございます。
 さらに、低入札価格調査を実施した場合は、その施工段階におきまして、点検頻度などを通常工事より増やして重点的に監督を実施することとしております。例えば、河川の盛土工の敷きならしや転圧時における使用材料、敷きならし、締め固め状況の監督職員による施工状況の把握を、一般には一工事当たり一回確認すればいいということになっておりますが、それを低入札価格調査におきましては二回から三回の確認をするなど、頻度を増やして実施しているところでございます。
 これが国の状況でございますが、一方、地方公共団体につきましては、特に小規模な市町村等におきまして技術者が不足していることも少なくなく、発注者責任を十分に果たしていない可能性があります。したがいまして、工事の監督を含め、発注にかかわる業務執行体制整備が必要であると認識しております。
 その一環として、所管する補助事業におきまして、これまで実施していた通常の監督、検査補助業務の外部委託に加え、低い価格で入札があった場合など、特に品質確保上要請が強い工事において第三者によります監督、検査補助業務を委託する場合には、所管補助金の一部を機動的に活用できるよう今年の一月に関係機関に通知したところでございます。
○岩井國臣君 国土交通省におかれては、いろいろ考えられまして、今御説明あったように、今年の初めにその監督の委託についての特段の措置も講ぜられた、こういうことでありますけれども、残念ながら、現在のところ、特に市町村工事におきましては体制がでたらめだというふうに私は見ております。そういった点につきまして、会計検査院の責任もあるのかも分かりませんけれども、私は実はそうではなくて、これは財務省、財務省に大変大きな責任があるのではないかと思うんです。
 先ほど岩本先生が、岩本委員がODAの話されましたね。ODAでとにかくずさんな工事が多いというのを私らもよく耳にするわけですよ。それをちゃんとしっかり見るのは会計検査院しっかりしなさいよみたいな話でしたけれども、あれ会計検査院に言うのはちょっとお門違いじゃないかなと思って私は聞いておった。会計検査院の責任もありますよ。会計検査院のできることもありますよ。大いに前向きに僕はやっていただきたい。そのことは否定しませんが、やはりODAの工事、現地の工事、ええ加減な工事じゃなくてちゃんとそれが行われると、しっかりした工事がそこで行われるのかどうか、これは外務省の責任ですよ。
 同じように、市町村で公共工事やりますね。金の出どころは財務省ですからね、元は。だから、会計検査院の責任もあるかも分からぬけれども、あるいは補助金を使っておる国土交通省等の責任もあるかも分からない。あるいは、地方交付税交付金であれば総務省ということでありますけれども、総務省の責任もあるかも分かりません。あるかも分かりませんが、金の出どころは財務省ですよ、財務省が握っておるんですよ。財務省がやはりその金が無駄に使われないように、手抜き工事というのは無駄ですよね、安物買いの銭失いですから。これは明らかに無駄ですからね。だから、そういう無駄なことが行われていないのかどうかと。それぞれの省庁なり会計検査院も全部関係がありますけれども、財務省は金配りゃおれは関係ないということではありませんよ。総務省も僕はそうだと思いますね。
 ということで、ちょっと質問をさせていただきたいと思うんですけれども。いいですか。決算委員会での過去の答弁が自治大臣と大蔵大臣、自治省及び大蔵省の時代ですからね、過去の話ですけれども、自治大臣と大蔵大臣でニュアンスが違うんですよ。自治大臣は地方交付税交付金は地方公共団体固有の財源だと、こう答えておるわけですね。ずっとそうですよ、ずっと。それから、大蔵大臣は何だかむにゃむにゃむにゃむにゃおっしゃっているんですよね。これでは会計検査院は地方公共団体に対する例えば公共事業の、公共工事の監督体制について物が言えないじゃないですか。
 別に大蔵省、自治省が怖いということじゃないですよ。怖いということじゃないけれども、所管の省庁がそんなむにゃむにゃむにゃむにゃ言っておるようなことではどうにもならぬですよ。自治省と大蔵省との見解の相違、それが今まで会計検査院が地方公共団体に対して遠慮してこられた原因であると、私はそのように、うがった見方かも分からないけれども、見ているんですね。
 そこで、会計検査院にまずちょっと質問いたしますが、地方公共団体、特に市町村ですけれども、市町村の公共工事の監督体制について、私は不十分だ不十分だ、でたらめやと言っているわけですけれども、過去どういう指摘をなさいましたか。
○説明員(白石博之君) 会計検査院といたしましては、先ほども申し上げましたように、地方公共団体が国庫補助事業として実施をいたします公共事業について、特にまたその施工の適切さについて重点を置いて検査をしてきているということを申し上げたわけでございまして、またその際、監督、検査についても適切であったかどうかを検査してきたというところでございます。
 その検査に当たりまして、工事の施工に問題があるというふうに認めた事態につきましては、その原因の一つとして監督、検査が適切であったかについても指摘をしてきているところでございますし、そして発注者における工事の監督、検査そのものが適切でなかったことに原因の一部があるというふうに認められる場合には、その旨を決算検査報告中に掲記をしたり、当局に直接指摘したりするということで対応してまいったところでございます。
 なお、必ずしも市町村の事例に限るということではございませんけれども、近年、平成十一年度、十二年度の決算検査報告におきましても監督、検査の不適切を指摘した事例を掲記をしているということでございます。
 こうした検査におきまして、これも必ずしもすべて検査報告に掲記ないし記述されているというわけではございませんけれども、個別の公共工事の検査を実施する中で監督体制についての不適切な点について改善を求めているというところでございまして、具体的に例えば申し上げますと、施工監理や完了検査の体制にかかわる問題点に関しまして、例えば担当職員が不足している、その中でも特に専担の職員が不足しているという問題、あるいは技術的知識、専門的知識の十分な職員が足りないという問題、また施工監理や完了検査を行う上での基準、手続が定められていなかったり、あるいは定められていても不明確であったということ、さらには職員の監督、検査の重要性に対する意識が欠如しているといったような問題点を指摘してきたところでございます。
 それに対しては、施工監理基準や完了検査基準を整備すること、また監督、検査における留意点の喚起、専門家による支援を受けるようにの指導、また職員の技術的知識の向上や意識の高揚のための研修を実施するということなどにつきまして改善を求めてきたというところでございます。
○岩井國臣君 実は、そういう市町村の監督体制について、私、この決算委員会で、過去、会計検査院に物を言ったこともあるんですよ。会計検査院は、そういう市町村、特に市町村の監督体制について、それは全然指摘をしてこなかったということではないと思いますよ。ないと思いますけれども、私は、だって、三千三百市町村あって、どれだけやりましたか。もうほとんど僕はやっていないに等しいと。指摘をしていないに等しい。問題提起していないに等しい。だって、直っていないんだからね、まだ。
 その原因は、私は、ちょっとうがった見方かも分からないけれども、財務省と自治省にまずあるのではないか、そういう観点でちょっとやります。
 平成三年一月三十日の参議院本会議におきましても地方交付税の性格についての質疑が行われました。ところが、大蔵大臣の答弁と自治大臣の答弁と若干ニュアンスが違ったですね。そして、それを確かめるために、四月の十一日の衆議院の地方行政委員会でも質疑が行われた。大蔵大臣は一月の答弁と同様の答弁をされたのでありますが、このときの大蔵大臣の答弁に関連いたしまして、四月十六日の同委員会で自治大臣は大変面白い答弁をしておられます。
 どういうことかというと、こう言っておられるんですね。大蔵大臣の答弁は自治大臣の答弁と若干ニュアンスが違う、そこですけれども、こう言っている。「私は私なりに癖がありますし、大蔵大臣は大蔵大臣の癖があったのだと思います」云々と言ったんですね。これは自治大臣の答弁であります。
 そこで、総務省にお尋ねいたしますけれども、地方交付税の性格につきましての認識というものはその時々の大臣の癖で決まってくるものでしょうか。
○大臣政務官(滝実君) 今、岩井委員から平成三年四月十一日の衆議院地方行政委員会における橋本龍太郎大蔵大臣と吹田あきら自治大臣との答弁のことを御指摘受けましたので、私の方から少し簡単に御説明をさせていただきたいと思うんです。
 問題は、私、大蔵大臣も自治大臣も基本的な認識は変わっていない、一致していると思うんです。橋本龍太郎大蔵大臣は、地方交付税は地方固有の財源だという認識は四月十一日の地方行政委員会でお示しになっている。片や、吹田自治大臣も、地方交付税は地方固有の財源であるということでございますから、そういう意味では基本的な認識は一致されているというふうに私どもはとらえさしていただいております。
 ただ、吹田自治大臣がそのときの表現として、国が地方に代わって交付税を徴収するということを単刀直入に表現としておっしゃっていますから、それに対して橋本大蔵大臣は、それは違うんじゃないか、地方に代わって国が交付税を徴収するというのはそれはちょっと違うんじゃないかと、しかし固有の財源であるということについてはお認めになっていると、こういう経緯でございます。
 なぜそういう違いが出てくるかと申しますと、交付税交付金といいますから、あたかも国の補助金、負担金と同じように受け取られるとまずいものですから、あくまでもこれは税ですよと、そのためにわざわざ地方交付税法の二条の一号で地方交付税を定義しております。その定義の中で、地方交付税というのは、中を抜きますけれども、地方団体に交付する税をいうと、こう書いてあるんです。今までの交付税の前身でございます平衡交付金というのは言わば負担金、補助金のたぐいとして扱われてきたわけでございますけれども、平衡交付金に代わる地方交付税は税という表現を定義の中でしていますから、どこを強調するか、従来の平衡交付金との違いを強調すると地方交付税法の二条一号に言う定義をそのまま持ってくると、言わば地方に代わって国が徴収するような表現もあながち不当ではないというふうに当時の自治省は理解しておったと思います。
 ただ、性格は橋本大蔵大臣がおっしゃっていますし、吹田自治大臣も基本的な認識は一致していると言って私は間違いないというふうに理解をさせていただいておる次第でございます。
○岩井國臣君 それでは、財務省にお尋ねします。
 地方交付税に対する認識、すなわち地方交付税というものは本来地方が徴収すべきものを国が代わって徴収しているという性格のものではないというふうに過去お答えになっておるかと思うんでございますけれども、その認識は今も変わっておりませんでしょうか。
○副大臣(尾辻秀久君) まず冒頭に、先ほど公共工事に関する財務省の責任についてのお話もございましたので、一言だけ申し上げておきたいと存じます。
 私どもは、査定をいたしましたその責任を逃げるものではございません。ただ、査定した後、予算執行なさるのはそれぞれの省庁でございますし、部署でございますから、そこはしっかりやっぱりその部署が責任を持って仕事をおやりいただかなければならないわけでございます。
 先ほど外務省経由のODAのお話もございましたけれども、それは先生がおっしゃったようなことで言うと、その外務省に予算を付けたのはまた財務省でありますので、そうなりますとすべて財務省の責任ということにもなってまいります。私が申し上げておりますのは、責任を逃げようという話でもありませんし、申し上げておりますように査定をした私どもの責任を逃れようというものではありませんけれども、一言だけあえて申し上げさせていただいたところでございます。
 そこで、ただいまの御質問にお答えいたします。
 一言で言うとそのとおりでございます。これはもう昭和四十四年の福田大蔵大臣以来繰り返し御答弁を、大蔵大臣が、時の大蔵大臣が御答弁申し上げておるわけでございまして、そのとおりでございます。こういうことでございます。
○岩井國臣君 もう一度言います。本来地方が徴収すべきものを国が代わって徴収しているという性格のものではないということですね。
 これは、やっぱり自治省と財務省の見解が違うんですよ。
 平成三年四月十六日の衆議院地方行政委員会で両大臣がお答えになっていますが、それでも、要するに認識は違わないとおっしゃっておるんですけれども、やっぱり違う。それから、今も副大臣、認識は違わないとおっしゃっているけれども、私はやっぱり違う、両省の認識は違っているというふうに私は思います。
 私の考えをまず申し上げたいと思います。地方交付税はあくまでも地方交付税、交付金でもないし地方税でもない。つまり、元は国税であるけれども、交付税特別会計に繰り入れられた時点で地方税に極めて近い性格のものになっている。しかし、地方税というものではない。そこをはっきりしておかないと、僕はやっぱりおかしい。国が地方に代わって徴収しておる地方税じゃない。
 ところが、平成九年九月十八日決算委員会、自治大臣がこう答えておりますね。地方交付税は、国が地方に成り代わって徴収している地方税である。これ、今の尾辻副大臣の答えと違うんじゃないですか。違いますよ、これ、明らかに違う。
 これ、平成三年一月三十日の参議院本会議及び同じ年の四月十一日の衆議院地方行政委員会におきまして、当時の大蔵大臣、橋本元総理、こう答えていますね。地方交付税は、本来地方が徴収すべきものを国が地方に成り代わって徴収しているという性格のものではない。今、尾辻副大臣が言われたとおりであります。そのような趣旨の答弁をされている。
 去る九月十八日の決算委員会で、先ほど言いました、言い切っておられるんです、地方税であると。地方交付税は国が地方に成り代わって徴収している地方税であると言って、これ言い切っておられるんですよね。これ明らかに違いますよ。こういう──はい、どうぞ。
○大臣政務官(滝実君) 平成九年の自治大臣は、上杉自治大臣が答弁をされているわけでございますけれども、趣旨は、先ほど申しましたように、地方固有の財源であるということを踏まえて、表現として必ずしも言い切っているわけじゃないんです。その前に「いわば」「地方」というふうに言っていると思うんです。「いわば」という比喩的な表現というか、端的に表現すると、地方税に近いという意味でいわば地方税のようなものだと、こう言っているわけです。「いわば」という言葉が速記録に載っていると思いますけれども、御確認をいただきたいと思います。
○岩井國臣君 それでは、固有財源であるという点については今も考え変わっていませんか。
○大臣政務官(滝実君) その点については、歴代自治大臣は全く同じ認識をずっと続けておりますし、私どもとしては、その点についての大蔵大臣の認識も違いないというふうに受け取らせていただいております。
○岩井國臣君 昭和五十六年、衆議院の地方行政委員会、西垣政府委員答弁、ずっとありますけれども、したがいまして、地方の一般財源ということでございますが、固有財源というふうに私どもは見ておりませんので、これはあくまで国が地方に交付する交付金というふうに見ておりますという答えですし、それから、大蔵大臣がずっとお答えになっておるのは、国税のあるパーセンテージ、ある率の分を一定割合で法律によって地方団体にとにかく交付するんだと、そういう意味におきましては地方の固有財源であると、こう言っておられるわけですから、別の意味もあるわけで、見方によって固有財源と見ることもできるし、固有財源でないと見ることもできる。そういうふうにしか解釈できない。
 いずれにいたしましても、私はそういうどうもはっきりしないようなことでは大変困るのではないかというふうに見ておるわけであります。
 もうこれ以上ちょっと言っても仕方ありませんので、これも問題提起ぐらいにとどめさせていただきたいと思います。
 そこで、財務副大臣にお聞きいたします。
 地方交付税の性格ですけれども、地方税と同じ性格のものではない、地方税ではない、先ほどそのようにお答えいただいたわけでありますが、国税であるがゆえに、地方交付税交付金に対しましても財務省としては査定権限があるのではございませんか。査定権限という観点からひとつお答えください。
○副大臣(尾辻秀久君) お話しのとおりでございまして、地方交付税の総額は特定の国税の一定割合に留まるものではございませんで、総務省からの概算要求を受けまして地方財政計画の策定等を通じて予算編成過程で決定されるものでございます。したがいまして、財政法第十八条の財務大臣の「必要な調整」の対象と考えられます。
○岩井國臣君 結局、先ほどの岩本先生のお話もこの話も本質的には一緒なんですよ。恐らく、外国の話だからその個々の工事について会計検査は何も言えませんよ。だけれども、やっぱり体制がどうであるとか、要するにシステムとしてそれが無駄なところに使われてはいないかどうかとか、そういう観点については外務省と一緒になってやっぱりチェックして、相手方に何らかの形で物を言うことはできるんでしょうね、恐らく。
 と同じように、地方公共団体につきましても、財務省なり総務省なり、補助事業であればもう明らかに言えるというのは分かっておるんですけれども、財務省なり総務省と御相談をなさりながら、不適切な点があれば、この無駄な手抜き工事が行われるようになって、体制がなっていないとかシステムがおかしいだとか、何かそういうときに、個々の工事について検査するんじゃないですよ。そうじゃなくて、明らかにそういう体制みたいな話、システムみたいな話については関係省庁と、両省と相談をしながら、その是正方について意見が、査定権限があるんだから、予算を組むときにはあるわけですから、予算、決算ですから、だから決算という立場でそういう意見を言うことは私は可能であると思うんです。
 これも今ここで答えをいただく必要はありませんけれども、一つの問題提起として、これは是非財務省も総務省も、とにかく地方交付税交付金はもう渡しっ放しで何ももう言えないんだということじゃいかぬじゃないですか。東京都や大阪や交付されていないところから、交付金交付しているところあるわけですから、東京都民に成り代わって何か言う必要があるんじゃないでしょうかね。
○大臣政務官(滝実君) これは短時的にそういうような結論を出すにはいろいろ議論があると思うんです。ただ、今、私どもの総務省も財務省といろいろ相談をしながら交付税の見直しそのものはやらせていただいています。
 したがって、交付税や今の制度が絶対なものとは申しませんけれども、しかし、大筋につきましてはやはりこれは法律で決めるわけですよね。基本的には何で決めるかというと、地方交付税法の規定によりまして、毎年度国が地方団体に関係ある予算を組む際にはそれを基にして地方財政の収支見通しを立てます。その収支見通しをベースにして実は交付税の議論に移っていく、こういうことでございます。
 その際に、今の交付税の制度では、国税五税のそれぞれ何%という上限が決まっている。上限が決まっていますけれども、この十数年来、常に実は収支見通し足りないんです。足りないものですから、本来からいうと地方交付税法に基づいて交付税の率、国税五税の率を変えなきゃいかぬです。変えなきゃいけませんけれども、国に金がないものですから、それでその収支見通しをどうやって帳尻合わせるかというので、財政当局と私どもの地方財政を担当する当局とで常に協議を重ねて結論を出していくという建前でございますから、ですから、むしろ足りないというやつをどうやって埋めるかという相談をしているのが実情なんでございます。
○岩井國臣君 滝大臣政務官おっしゃるように、そういう相談も極めて大事だと思いますけれども、せっかくのなけなしの金がやっぱり無駄に使われないように、安物買いの銭失いみたいなことにならないようにやるということもやっぱり大事でございますので、今、滝大臣政務官おっしゃったように、すぐ簡単に結論の出る話じゃないんで、もう長年の問題を今、私、問題提起しておりますから、今日のところはそういう問題提起があったということにとどめておいていただいて結構でございますけれども、最後にちょっと私の最終的な意見を申し上げて、あとの質問に移りたいと思います。
 地方交付税につきましては、法律の地方交付税法の第三条第二項に規定されておりますように、その使い道、使途ですね、使い道を制限してはならないという運営の基本がもう当然あるわけであります。ですから、もちろん適化法、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、適化法の適用はないわけですね。
 しかし、先ほどからるる言っておりますように、いろいろと私は問題があるのではないか。法の第三条第三項にこういうのがあるんです。地方団体の努力義務規定と履行義務規定の二つが規定されておるわけであります。しかも、法律の第二十条の二に関係行政機関の勧告等に関する規定があるんですね。国の関与と言ってはいけないのかもしれませんけれども、地方の自主性というものを確保しつつ国家的要請もある程度受け入れる、すなわち地方の自主性と国家的要請との調整というものが法的に予定されているのではないかと私は考えておるわけであります。
 そこで、会計検査院に対する最後の質問になります。
 地方交付税につきましては、一般的にはその使い道にはおのずと節度というものがあるわけであります。社会通念といいますか、国民的な目で見てやはり行き過ぎと思われるような場合など、要するに著しく適正を欠くというふうなそういうふうに認められる場合は、会計検査院は関係省庁と相談をしながらやっぱりしかるべき勧告をすべきではないか。
 私は、現下のひどいダンピングまがいの安値受注競争の現状にかんがみまして、地方公共団体、特に市町村に対しまして公共工事の監督体制の整備を図るよう緊急的な勧告をすべきではないか、そのように考えておるわけでございますけれども、会計検査院の御所見を賜りたいと存じます。
○説明員(白石博之君) 会計検査院といたしましては、その基本的役割として個別具体的な公共工事の検査を行ってきているということでございます。地方公共団体が国庫補助事業として実施してきております公共事業の検査に当たりましても、個々の工事の施工が適切に行われているかどうかということを検査する中で工事の監督体制が十分に整備されているかどうか、そういった点についても見てきているということでございまして、先ほど来申し上げましたように、それぞれの工事について工事の監督体制の在り方に問題があればその旨を指摘してきているというところでございます。
 それで、委員から、一般的に公共工事の監督体制の整備というようなことにつきまして勧告をすべきではないかという御提案でございますが、私どもとしても御提案として承らせていただきたいというふうに考えているところでございますが、会計検査院といたしましては、まずは個々の工事検査を通じて、監督体制についても検査し、問題点を指摘し改善を求めると、こういうことを通じて対応していくことではないかというふうに考えているところでございます。
 なお、その上で私どもといたしましても、市町村を始め地方公共団体の監督・検査体制の状況につきまして、要員配備の状況、技術職員の割合、経験年数、施工監理基準や完了検査基準の整備状況といったようなことにつきましては、更に勉強を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○岩井國臣君 同様の質問を国土交通省に対してさせていただきたいと思います。国土交通省、いかがでしょうか。
○政府参考人(門松武君) 補助事業につきましても、地方交付税交付金を財源といたします単独事業も、地方公共団体の行う工事につきましては、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づきまして、昨年の三月に閣議決定されたいわゆる適正化指針におきまして次のように規定されております。
 現行の低入札価格調査制度及び最低制限価格制度を適切に活用し、ダンピング受注の排除を図るとともに、低入札価格調査対象工事の施工に当たっては、重点的に監督及び検査を行うことにより、公共工事の適正な施工を確保すること、発注者相互の連絡・協調体制の一層の強化に努めること、このようにされております。
 先ほども述べたところでございますが、発注にかかわります業務執行体制の整備は重要でありまして、特に小規模な市町村等においては技術者が不足する傾向にございます。これを補完、支援する体制の整備が至急必要でございます。
 先ほども申しましたとおり、その一環として監督、検査補助業務に補助金の一部を機動的に活用できるよう関係機関に通知したところでありますが、公共工事の品質確保と向上のために、地方公共団体の自主性を尊重しつつ、発注者相互の連絡・協調体制の一層の強化に努めてまいりたいと思っております。
○岩井國臣君 以上で終わりたいと思いますけれども、途中で財務大臣退席されました。是非、副大臣からお伝えいただきたいと思いますけれども、私は何も赤字国債だけを別に問題にしておるわけじゃなくて、どうやれば財政再建が成るかと。それで、それぞれの各分野がやっぱり協力する形でやらなきゃいかぬ。是非、聖域なき構造改革、聖域なき財政構造改革ということで進まなければならぬ。そういう視点から、ちょっとバランスを失しておるのではないかということで申し上げたわけで、私も私の立場でいろいろとまた財務省の皆さんの方にも御協力すべきは御協力していきたい、こう前向きに考えております点を是非お伝えいただきたいと存じます。
 それから、公共工事の手抜き、手抜き工事、これは本当に私は現下においてゆゆしき問題になってきておるのではないか。これ、大地震だとか大災害だとか、よほどのときでないとそれ出てこないんですよね。ふだんは壊れませんから、かなり安全度がありますので。そういう設計されていますからね。ふだんは分からないんですけれども、いざというときに大変なことにやっぱりなりゃせぬかなと。特に市町村の監督体制が非常に弱い、問題だと、このように考えておりまして、これはひとつ財務省におかれてもそういう問題意識を持たれ、総務省におかれてもそういう問題意識を持たれ、直接的には国土交通省とか会計検査院になるかも分かりませんけれども、関係部局がやっぱり力を合わせて手抜き工事みたいなものがどんどん増えるのを何とか食い止めにゃいかぬのではないか。
 これはもうほかにも無駄な工事はやめるようにしなきゃいけませんけれども、手抜き工事というものもその無駄な工事の最たるものですから、どうぞひとつ前向きによろしくお願い申し上げたいと思う次第であります。
 終わります。ありがとうございました。
○委員長(中原爽君) それでは、他に御発言もないようですから、平成十一年度のうち、国会、会計検査院、大蔵省、金融再生委員会、金融監督庁、国民生活金融公庫、北海道東北開発公庫、環境衛生金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行、日本政策投資銀行及び国際協力銀行並びに平成十二年度のうち、国会、会計検査院、財務省、金融庁、国民生活金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀行の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回の委員会は来る九月十一日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十一分散会