第154回国会 決算委員会 第6号
平成十四年九月二十五日(水曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 九月十二日
    辞任         補欠選任
     福島 瑞穂君     田嶋 陽子君
 九月二十四日
    辞任         補欠選任
     山根 隆治君     藤井 俊男君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中原  爽君
    理 事
                岩井 國臣君
                佐々木知子君
                中島 啓雄君
                川橋 幸子君
                谷  博之君
                八田ひろ子君
    委 員
                荒井 正吾君
                泉  信也君
                加治屋義人君
                柏村 武昭君
                北岡 秀二君
                後藤 博子君
                藤井 基之君
                三浦 一水君
                朝日 俊弘君
                池口 修次君
                海野  徹君
                神本美恵子君
                辻  泰弘君
                藤井 俊男君
                風間  昶君
                遠山 清彦君
                山本  保君
                大沢 辰美君
                岩本 荘太君
                広野ただし君
                田嶋 陽子君
   国務大臣
       農林水産大臣   武部  勤君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       総務副大臣    若松 謙維君
       農林水産副大臣  野間  赳君
       経済産業副大臣  古屋 圭司君
       経済産業副大臣  大島 慶久君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       松 あきら君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        島原  勉君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       梅津 準士君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       農林水産省経営
       局長       川村秀三郎君
       食糧庁長官    石原  葵君
       林野庁長官    加藤 鐵夫君
       水産庁長官    木下 寛之君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        望月 晴文君
       経済産業大臣官
       房審議官     桑田  始君
       資源エネルギー
       庁長官      岡本  巖君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     佐々木宜彦君
       特許庁総務部長  平井 敏文君
       中小企業庁事業
       環境部長     斉藤  浩君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第四局長   重松 博之君
       会計検査院事務
       総局第五局長   円谷 智彦君
   参考人
       国民生活金融公
       庫理事      二宮 茂明君
       農林漁業金融公
       庫総裁      鶴岡 俊彦君
       中小企業金融公
       庫総裁      堤  富男君
       中小企業総合事
       業団理事長    見学 信敬君
       日本銀行総裁   速水  優君
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  本日の会議に付した案件
○平成十一年度一般会計歳入歳出決算、平成十一
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十一年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十一年度政府
 関係機関決算書(第百五十一回国会内閣提出)
 (継続案件)
○平成十一年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百五十一回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十一年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 第百五十一回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十二年度一般会計歳入歳出決算、平成十二
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十二年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十二年度政府
 関係機関決算書(内閣提出)
○平成十二年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成十二年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 内閣提出)

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○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、福島瑞穂君が委員を辞任され、その補欠として田嶋陽子君が選任されました。
 また、昨二十四日、山根隆治君が委員を辞任され、その補欠として藤井俊男君が選任されました。
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○委員長(中原爽君) 平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、平成十一年度のうち、農林水産省、通商産業省、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門並びに平成十二年度のうち、農林水産省、経済産業省、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門の決算について審査を行います。
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○委員長(中原爽君) この際、お諮りをいたします。
 議事の都合により、これらの決算概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中原爽君) それでは速記を起こしてください。
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○委員長(中原爽君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○海野徹君 おはようございます。民主党・新緑風会の海野徹であります。
 今日は武部大臣と平沼大臣にお伺いしたいと思いますが、まず武部大臣、BSEで大変御苦労をいただきました。食の安全ということは、これは我々国民の健康と命にかかわる問題でありますから、大変重要な問題であります。そういった意味では、御奮闘されたことを私は敬意を表しているわけなんですが、今日は、その中でも輸入マグロ、特に養殖の輸入マグロについて大臣の御見解をお伺いしたいなと思っております。
 私も家内と一緒に時々スーパーへ行って、どれぐらいの、物価がどうなっているんだという動きを、私、気になるので行きます。というのは、私自身がお茶農家でして、自分でお茶を作っているものですから、農産物がどういうふうに流通して、どうやって消費者の手に届いて、どんな、家庭生活の中で使われているのかというのは大変気になるものですから、情報を集めながら行くんですが。
 パックで刺身として売られている。刺身はパックで売られている。そのほとんどが、九割以上が国産と言われているんですね。国産と言われている。しかし、実態は半分が、マグロの半分が輸入なんです。輸入なんです。その中でも養殖マグロの輸入が大変な勢いであります。これは、どこから養殖マグロが来るかというのは大臣御存じだと思うんですが。
 その中で、養殖マグロ、これは今年の二月の八日の発表だと思うんですが、水産庁は平成十二年度ダイオキシン実態調査の結果を発表したと。マグロ類は、輸入、国産を含めて十一検体を調査したところ、輸入の二検体から高濃度のダイオキシンが検出されたという報告がありました。ほかのサンプルに比べて高い数値が目立っただけで、健康に害を与えるような心配はないというような前置きをしているということなんですが、関係者の慎重な対応を要請したいと水産庁では言ったということなんですね。だけど、BSEの問題を考えますと、経験からすると、必ずしもそんな問題はないと言えないんじゃないかなということが指摘されてくるんだと思います。
 それで、輸入物の検体は幾つあったかというと、六検体なんですね。六検体をして、そのうちの二検体が平均をけた違いに上回ったダイオキシン濃度だったということなんですね。この結果というのは、水産庁は各検体の漁場、漁期などを公表しなかったと。これも要するにちょっとまた我々疑問を感ぜざるを得ないんですが、こういうものがあると。
 特に、養殖マグロというのは肉骨粉を日常的にえさとして与えている。これは常態化していると。もう現場、これは関係者が行って、いろんな方々が要するに指摘することなんですね。しかも、抗生物質の投与も非常に甚だしい。関係者に言わせると、魚病というんですか、魚の病気の薬代としてコストの一〇%ぐらい抗生物質を投与しているんだ、こういうような話が頻繁に入ってくるんですね。
 そういうことになると、輸入マグロの中で特に養殖マグロというのは食の安全にとって大変要するに大きな問題を抱えているんではないかなという私は感想を持ちますし、危惧の念を持っておりますし、また、農水省、特に主管庁である要するに水産庁がこの問題について極めて大きな関心というか、それに対してそれなりの厳格な姿勢というのかな、それを持っていらっしゃるのかどうか。その辺を含めて非常に要するに私は懸念するところあるものですから、冒頭に特に養殖マグロの、輸入養殖マグロの食の安全に関しての大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 個別具体的な問題については水産庁長官に答弁させたいと思いますが、先生御指摘のとおり、BSE問題を契機に、私ども消費者に安全で信頼される食品を供給することが非常に重要な課題であるということを肝に銘じまして、農林水産省といたしましては消費者サイドに軸足を移して農林水産行政を変えていこうと。食品の安全確保に向けた積極的な取組を推進するために「「食」と「農」の再生プラン」というものを公表いたしまして、この柱は、食品安全基本法の制定あるいは食品安全委員会の設立等、消費者保護第一の食の安全と安心のための法整備、行政組織の見直しでありますし、また、食育活動の推進ということに加えまして、食の安全についての情報を共有するためのリスクコミュニケーションということを具体的な柱として取り組んでいるわけでございます。
 その中で、水産物につきましても、その安全性確保のために従来から漁業者に対しまして衛生管理上の向上等についての指導に努めているということでございますが、更に流通加工業者に対する食品衛生法上の法令の遵守等の指導強化を行っていかなければならないと、このように考えているわけでございます。
 また、厚生労働省におきましても、食品衛生法に基づきまして、市場でありますとか小売店等で検査を適宜実施するとともに、輸入マグロを含む輸入水産物については通関時に適宜適切に検疫所が検査を的確に実施しているというふうに承知しているところでございます。
 今後とも、厚生労働省と密接に連携いたしまして、先生御指摘の問題を含めまして、安全で信頼される水産物の提供ができるように最善の努力をしてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○海野徹君 大臣、私、もう一つじゃ大臣にお聞かせいただきたいんですが、輸入マグロ全体が問題があるというわけじゃないんですね。その問題はまた、それにも構造的な問題があると。これはもう日本側の企業のビヘービアにも問題があるということは後で指摘させていただきますが。
 その前に、養殖マグロの実態というのは、大臣、今のような実態、これはほんの要するにごくわずかな、要するに私、表現しただけなんですが、もっともっと、要するに非常に心配になる実態があるんですが、その辺の御報告は受けていらっしゃいますか。
○国務大臣(武部勤君) マグロの輸入量は年間三十万トンであり、うち蓄養マグロの推定輸入量は約二万トンであると。また、十四年度調査に蓄養マグロを加えることを検討している等々、報告を受けております。
○海野徹君 築地なんかの荷受け会社の要するに統計なんかを見ると、若干数字が違うんですよね。もっと要するに多いんではないかな、私どもは思っておりますが、またそれは別の機会にお話しさせていただきますが。
 水産庁にじゃお伺いしますが、この輸入検体の二検体が極めて高いダイオキシン濃度の数値が出た。これを公表しなかったし、それは漁場とか漁期などを公表しなかった。私は情報公開というのはある種の滅菌作用があると思って、非常に要するに私はこれ絶対必要なことだと思うんですが、こういうことはなぜ、まあ非常に、先ほども僕もお話ししたんですが、健康の、命にかかわる問題ですから、やはりできるだけオープンにしていくべきじゃないかなと思いますが、その辺、公表しなかったというのはどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 十一年度からダイオキシンの摂取量の実態調査を水産庁で実施をしているわけでございます。私どもの調査の目的が我が国周辺水域の沿岸域における魚介類のダイオキシンにおける蓄積実態を調査をしたいということでございまして、現在百種類、全体として四百検体ということで進んできているわけでございます。私どもも、このような中で、どのようなダイオキシンがどの程度の量、どういうような部位に入っているかというような実態の把握をしたいというものが主な目的でございます。
 そういう意味で、私どもも先ほど先生御指摘のような発表の仕方をしてきたわけでございますけれども、私ども、できるだけリスクについての消費者とのコミュニケーションを重視をするという立場から、十三年度からの調査の実態報告についてはできるだけ分かりやすい形で報告したいというふうに考えております。
○海野徹君 専門家に言わせますと、養殖マグロの場合、肉骨粉を飼料に混ぜるのはほぼ日常化している。地中海、豪州といった海外の養殖場だけじゃなくて、国内でも行われている。これ、現場からの報告で、実際やっている人がいるんですから。
 で、先ほどのような魚病予防を目的にした抗生物質の投与も、魚病薬剤が生産コストの一〇%強を占めるケースさえ出ている。短期間で養殖あるいは魚病で外観が変形した奇形魚は現地でロイン加工の上、陸凍処理されてしまう。こうなると、日本国内に入った段階では健康なマグロと区別が全く付かなくなってしまう。こういうような実態が報告されているんですね。
 これはどの程度要するに調査して把握されていますか。そして、これに対してどういうような方針で今臨んでおられますか。
○政府参考人(木下寛之君) 蓄養マグロでございますけれども、私どもも日豪の漁業協議の中で、一部からそういう指摘もあるものですから、豪州政府に対して蓄養マグロのえさについて問いただした機会がございました。その中では、豪州の代表者からは蓄養マグロのえさには肉骨粉を使用していない旨の回答を得たところでございますけれども、さらにこの問題につきましては文書にて正式回答を得るよう現在督促中でございます。
 蓄養の実態でございますけれども、豪州の例で見ますと、大体直径四十メートルほどの沖合の蓄養の生けすに巻き網で捕獲いたしました小型のミナミマグロを移しまして、冷凍されたイワシあるいはニシン、イカなどを与え、五ないし六か月程度で四十キロぐらいまで飼育するというのが一般的であるというふうに承知をいたしております。
 また、輸入の形態でございますけれども、最近はラウンドの形態で輸入されるのが九九%ということでございまして、ほとんど大部分がラウンドの形で輸入をされているというふうに承知をいたしております。
○海野徹君 これは現場で実際やっている方々の報告ですから、だから文書でとか、たまたま交渉していなかったというような話では済まない問題だと思うんですよね。
 これも専門家の意見ですと、大型魚一トンを商品化するまで着実に育成するには、えさとして十トンのイワシ、こういうような小型魚が必要であると言われているんです。大型魚一トンを商品化するまでに、小型魚として、十トンの小型魚を与えないと、えさとして与えないと着実に育成していかないんだと。そういうことを考えると、海洋生態系全体を考えていくと、こういうマグロみたいのような大型魚の養殖は決して正しい取組ではないと言われているんですよ。だから当然、要するに商品化するために早く大きくする、そのために肉骨粉が使われる、あるいは魚病を防ぐために抗生物質が投与される、それを我々、輸入した我々が、日本人が全部胃袋へ入れてしまうと。これは大変なことだなと思っていますから、これはかなり厳しい私は対策を取る必要があるんではないかなと、そんなふうに指摘をさせていただきたいと思います。
 それから、表示の問題なんですが、先ほど国産が九割だと、輸入が半分しているのに国産が九割じゃないかという話を、店頭ではそういう実態になっているという話をしたんですが、これはやはり大型、大手量販店のある県内の店舗では、豪州産の、オーストラリア産の養殖ミナミマグロを養殖表示抜きで販売している、流通関係者の中で大きな問題になっている、こういう報告があるんですよね。売場には、おいしいマグロを空輸しましたと、天然生マグロとも受け取れる表示があったということなんですよ。蓄養、だから養殖と言わない。養殖のイメージが悪いものですから蓄養と言って売っている。こういう実態があるんですが、この辺は水産庁として把握していらっしゃいますか。
○政府参考人(木下寛之君) 生鮮の輸入マグロでございますけれども、JAS法に基づきまして原産国を表示する義務付けがされている、あるいは養殖物であれば養殖物というようなことが義務付けられているわけでございますけれども、漁業関係団体、昨年調べましたところ、輸入マグロの表示の実態調査におきまして、輸入マグロである旨表示している率が極めて低いという結果になったというふうに承知をいたしております。
 私ども、このような調査を受けまして、昨年十一月には、マグロにつきまして品質表示の適正化を図る観点から、流通業者を含めるマグロ関係者から成ります生鮮あるいは冷凍マグロの適正化表示対策協議会を開催をする、あるいはそれを含めまして、具体的に輸入業者あるいは卸売業者、仲卸あるいは小売業者を対象といたしましてヒアリング調査を実施をしているところでございます。また、農林水産省全体といたしましても、食品表示一一〇番あるいは食品表示ウオッチャー、あるいは検査に対応可能な職員数の増強を図っているところでございます。
 私ども、このような措置を通じまして、大手のマグロ流通業者につきましては本年三月から表示の徹底をさせるというような動きも出ているところでございます。今後とも、六月に改正いたしましたJAS法の適正な運用に努めるとともに、水産物の表示につきまして的確な表示が行われるよう努力をしていきたいというふうに考えております。
○海野徹君 特に、私は先ほど冒頭お話しさせていただきましたが、輸入マグロ全体に要するに問題があるというのじゃなくて、二つほど問題がある。一つ目は養殖マグロの問題、そして、もう一つにはFOC、この問題がやっぱり背景にあるなと思います。これは、当然買う、要するに商社が日本にありますから、その辺の問題も出てくるわけなんですが、FOC船の廃絶のために今実効ある具体策というのは水産庁としては取られておりますでしょうか。
 まず、大臣にその辺、FOC船のことについて御認識のほどをお伺いしたいなと思います。
○国務大臣(武部勤君) 私ども、先般ローマで行われましたFAOの会議の後の各国とのバイ会談におきましても、当時、台湾の農業大臣でありましたけれども、機会あるごとにこの問題については注意を喚起しているところでございます。
○海野徹君 それじゃ、水産庁。
○政府参考人(木下寛之君) 私の方から具体的な取組につきまして御説明をさせていただきます。
 私ども、マグロ類の資源管理を行うという観点から、まぐろ資源の保存及び管理の強化に関する特別措置法第十条に基づきまして、平成十一年の十一月以降、日本市場に輸入されますマグロ類に関しまして、漁獲をした漁船名、それから漁獲の海域、運搬船名あるいは国内の販売先等につきまして、輸入業者それから運搬船業者から報告徴収を行っているところでございます。
 このような措置と並行いたしまして、私ども、国際漁業管理の中で、例えばクロマグロあるいはミナミマグロにつきましては統計証明制度を実施をしております。また、本年七月一日からはIUU、いわゆる違法、無規制、無報告漁船の主漁獲対象でございますメバチにつきましても統計証明制度を開始をしたという段階でございます。このような統計証明制度を使いまして、輸入されるクロマグロあるいはミナミマグロ、メバチにつきまして、漁船の船籍国政府が漁船名あるいは漁獲海域、数量等を証明するということでございます。証明書の記載事項につきまして船籍国政府の責任を問うというようなところでございます。
 また一方で、私どもも主たるIUU漁業国でございます台湾につきましても便宜置籍船を廃絶に向けた取組を進めているところでございます。
 私ども、いろいろな方策を通じまして、先生御指摘のようなIUU漁業の廃絶に向けて今後とも努力していきたいというふうに考えております。
○海野徹君 証明制度の話は今年の七月一日からですよね、実効が上がってくるのはこれから上がってくるんじゃないかなと思いますが。
 水産庁の幹部の方も、やっぱり便宜置籍船の廃絶には様々な努力をしてきたと、しかしまだまだ一層の工夫を凝らしていくべきであるということは承知している、貿易自由化との絡みもあって一年以内に目標は難しいが、いろいろと腹案もあるので今後も努力していく覚悟である、ある業界との会合でこれお述べになっているんですよね。
 具体的にどう、今、若干お話を聞かせていただいたんですが、具体的に今後どういう腹案でこういうような問題、廃絶に向けて要するに進めていかれるのか。やっぱり違法船からの、これは買う方も買う方なものですからね、日本の商社もね。買う方も買う方なものですから問題もあるんですが、だけどどう考えても、要するに水産資源の問題を考えていくと、このFOC船廃絶というのはやっぱり早急に具体的に結果を出していかないといかぬのじゃないかなと思いますが、その点、どうでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、マグロ漁業をめぐる現在の状況からいたしますと、先生御指摘のとおり、IUU漁業をできるだけ早期に廃絶すべきという立場では変わりはないというふうに考えるところでございます。
 そういう意味で、現在のブラックリスト方式からホワイトリスト方式というのがある意味では一番決め手になるんじゃないかなというふうに考えております。既に幾つかの取組が進められておりまして、例えば先月行われましたICFAの場でも責任あるまぐろ漁業推進機構、OPRTのメンバーが提案いたしまして、このような方式につきましても支持を集めているところでございます。
 私ども、このような方式がある意味では基本的な決め手になるというふうに考えておるところでございまして、このような方式が各国の支持が得られるよう、ICCATの場等々を通じまして我が国の主張を強力に主張していきたいというふうに考えております。
○海野徹君 武部大臣、お願いしたいんですが、やはり養殖マグロ、大変な問題を抱えておりますから、今御答弁もありましたようにIUUの問題もあるんですが、不法、違法船からの輸入の問題はもちろん、それと要するに養殖マグロのやっぱり安全性あるいは養殖マグロの輸入に関してかなり厳しい基準を、これは外交交渉でもあるもので外務省との当然協力も必要だと思うんですが、その辺の御努力をお願いしたいなと、そのことだけ御要望させていただきます。
○国務大臣(武部勤君) 海野委員の御指摘も踏まえまして、私ども、国際機関にも適切に働き掛けてまいりたいと思いますし、国内におきましてもしっかりした調査、対応に努めてまいりたいと思います。
○海野徹君 それでは、平沼大臣にお伺いしたいと思うんですが、これは最近、東電を含めて原発の隠ぺいあるいは問題が大変、体質の問題が大きくクローズアップされています。あるいは構造的な問題があるんだろうなと私ども思うんですが、その前に、今まで我々いろんな事故があると危機管理というのをやってきました。危機管理のためにいろんなハードあるいは制度、システムを作ってきた。しかしもう一方で、被害管理という考え方があると思うんです。危機管理に被害管理、これは要するに最悪の災害とか事件が実際起こった後で、要するに人命救助をどうやって最優先して最小にするかという対策を立てることが被害管理でありますが、これは要するに欧米ではもう極めて当然のごとく被害管理という観点からの施策が講じられている。
 この間、ジェー・シー・オーの臨界事故で一番問題になったのは、この被害管理の理念がなかったんではないかと。危機管理対策は十分、ある意味ではやっていたかもしれない。それが、中性子が、被曝を避けるために何百メートルを避難するか、何キロまで避難するかというような話が、当然要するに混乱した話があったわけなんですが。
 その中で、このジェー・シー・オーの反省からちょっと要するに大臣にお伺いしたいなと思うんですが、最大の問題点というのは中性子の流出なんですよね。この中性子の流出、これはジェー・シー・オーや東海村ではこれを観測するシステムもなかった。これはまあ危機管理としてハード上の問題もあるんですが、被害管理の理念がやっぱり欠如していたんだろうなと、こういう反省があります。それからの反省として、中性子被曝への対応としての被害管理の立場からのいろんな施策が、対策が講じられているとこれは反省から思うんですが、その点について大臣の方から御答弁をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 海野先生にお答えする前に、今回の電気事業者の一連の不祥事によりまして、信頼とそして安全というものを一番担保しなければならない原子力行政に対して、特に立地地域の皆様方や国民の皆様方に大変な御不安とそして信頼感の欠如、こういったことをお与えをしたこと、それからまた我が方にとっても、いろいろな事由があるにせよ、告発から二年間を要したこと等々、本当に信頼を旨とする行政に対して国民の皆様方の大変な御不安を惹起したことに対して、監督者として私は心からおわびを申し上げなければならないし、現在鋭意努めておりますけれども、その信頼回復と原因究明に全力を尽くしていきたいと、こういうふうに思っております。
 御指摘のジェー・シー・オーの臨界事故を踏まえまして、我が国における原子力災害対策の抜本的強化を図るために原子力災害対策特別措置法が制定をされたところであります。同法では、原子力災害発生のおそれが生じた場合の原子力事業者の通報義務でございますとか、原子力災害が発生した場合の内閣総理大臣を長とする、本部長とする原子力災害対策本部の設置など、そういった緊急時における対応をきめ細かく定めさせていただきました。
 同法に基づく緊急対応を、その反省の上に立って、国そして地方自治体、事業者等の関係者が共同で円滑に行うための拠点であるオフサイトセンターというものを全国に展開しまして、経済産業省関係では全国十九か所に整備をしたところであります。また、緊急事態応急対策のために必要となる設備でありますとか、それから資機材等をそこにしっかりと整備するようにいたしました。
 さらに、同法に基づいて年に一回、国が主体となって行う原子力の総合防災訓練を実施して、そういったいわゆる起こった場合のいろいろなことに対して即応できる体制を作るように努力をしているわけでございます。
 特に、ジェー・シー・オー事故のように、中性子線放出事故への対策につきましては、御指摘のように、これが非常に肝心なことでございますので、中性子線測定器の設置を原子力事業者に義務付けるなど、そういう措置を講じながら、我々としてはその危機管理、それからもし、起こってはいけませんけれども、万が一そういうことが起こった場合どうやって、そしてその緊急的な対応が遺漏なく行えるように万全を期しているところでございます。
○海野徹君 絶対安全という絶対という言葉に縛られて、要するに今まである意味ではやるべきこと、言わなくちゃならないことも言えないで来たという過去があるわけなんですね。
 しかしながら、やはり絶対というのはあり得ませんから、そういった意味で、被害管理の観点からやはりオフサイトセンター、たしかにシステムとか要するに施設はできたかもしれない、要するに魂を入れていっていただきたい。やっぱり最小に、とにかく人命救助、人命尊重で人命救助というのがやっぱり最大にして、それが最小になるように努力をお願いしたいなと、そのための施策を更に充実させていただきたいなと、そんなことを思います。
 今回の東京電力における改ざん、隠ぺい事件、これは非常に問題、これはいろんな方々が指摘されますから、私は要するにそれは当然その指摘は正しいということを思っているわけなんですが、もう一つ隠された問題というか、そこから出てきた問題で、どうもひび割れの箇所が、ある意味では新しい素材でやったわけですね。その部分からひび割れが出た。となると、施設というのは適正な保守管理をやっていけばそれなりの時間もちますよと。今まで三十年だったのが、いや六十年でも稼働しますよ、安全ですよというような、施設の延長が三十年から六十年になった、この前提が崩れたんではないかと私は思います。
 それともう一つ、やっぱりプルサーマル計画というのは、これは全面的にやっぱり見直しをすべきときに来たんではないかと。これはもう、私はその計画の遂行が極めて困難になったという印象を持っておりますが、大臣、その点について御答弁いただければと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) ひび割れの件でございますけれども、今回問題になりました炉内構造物のシュラウドのひび割れでございますが、これはシュラウドの溶接部の近傍で応力腐食割れによりまして発生したものと考えられております。
 この応力腐食割れは、材料と溶接時に残りました応力、使用されている水質環境の三つの条件がそろった場合に発生するものでございまして、単に時間的な要因だけで発生する経年劣化とは性格が異なると考えております。したがいまして、シュラウドの応力腐食割れといったような現象とプラントの寿命という面では直接的な関係はないと考えております。
 しかしながら、御指摘のように、近年、耐応力腐食割れに優れた材料を使用してまいりましたけれども、応力腐食割れ、ひび割れが発生しておるということでございまして、こうした原因につきましてその発生を防ぐような対策を今後講じていくことが非常に重要であると考えてもおります。
 なお、原子力発電所の運転期間について六十年を元々前提としているものではないと考えております。
○国務大臣(平沼赳夫君) プルサーマル計画に関しての御意見がございました。
 もちろんこの安全性を担保するということが最前提でございますけれども、我が国は天然のエネルギー資源に大変乏しい国でございまして、やはり二十一世紀を、その前半を我々そのエネルギー事情ということで考えていきますと、この経済大国の日本のエネルギーを安定的に持続的に維持していくためには、やはり原子力発電というのはその必要性というのは私はあると、そういう思いでおります。
 プルサーマルというのはいわゆる核燃料サイクルを樹立をして、そして天然資源の、エネルギー資源の乏しい国のいわゆるエネルギー源としては私どもは必要なことだと思っておりまして、そういう観点から国の基本政策にも入れさせていただいております。
 繰り返しになりますけれども、安全性を担保し、そして国民の信頼をしっかりといただくと、こういう前提の中で、私どもはその前提で進めていかなければならないと、このように思っております。
○海野徹君 私の時間、もう持ち時間ありませんものですから、お二人の大臣に今日、期せずして、私は国家というのは食糧とエネルギー、それと自衛力、これが三つがそろわないと国家としての体を成さないと私は思っています。そういった意味で、国家、国民の安全のために、あるいは安心、あるいはそれでは当然信頼につながるわけですから、そういうものを両省とも要するに常に念頭に置いていただいて、今後とも要するに施策を進めていただけることを御要望させていただいて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 今日は、早速質問に入りますが、農水省の所管の事項についてのみ質問させていただきますので、他の省庁の大臣、平沼大臣以下、大変恐縮でございますがお許しいただきたいと思います。
 まず初めに、質問通告に入る前に、武部農水大臣にちょっと過去の御記憶を思い出して、覚えておられましたらお答えいただきたいと思うんですが、大臣は今年の三月三十日、どのような、土曜日ですが、日程であったか、思い出せますでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 三月三十日といえば土曜日か日曜日でしょうか、私は孫と一緒にディズニーシーに家族サービスに行った日だと思います。
○谷博之君 そのとおりですね。これは実はそのディズニーシーの業者の方、関係者の方から、私、お話を聞きました。
 大変、ディズニーシーに行かれて家族サービスをする、そしてまた次への英気を養う、もちろん大事なことだと思っています。私も大賛成なんです。しかし、大臣、そのころの状況はどういう状況だったか、御記憶ございますか、国会の動きを含めて。BSE問題とか雪印食品の偽装事件等がある真っただ中の状況だったんですが、御記憶ございますか。
○国務大臣(武部勤君) その当日、その当時に限らず、私は常に真剣勝負で自分の職務を全うしなければならないと、そういう考え方で対処してきている所存でございます。ただ、その中で家族や孫との約束も果たすというのも、これは人間として、また政治家としても約束を守るということは大事だと、かように思いますので、ディズニーシーに行ったことは、これは休日でありますので、御理解いただきたいと思います。
 また、その日は、こんなことで長くお話ししていいのかどうか分かりませんが、私は、部屋でいろいろな資料や本を読む時間に費やす、その時間が多かったと、このように記憶しております。
○谷博之君 大臣のそのお考えは大臣としての一つの見解だと思います。
 私の考えをちょっと述べさせていただきたいと思うんですが、当日、私的な正に行動だと思いますが、どうも何かSPの方も付いていたというふうなことでありまして、たくさん、土曜、日曜というのは観光客の方が大勢来ておられると思いますが、VIP待遇であったようでございまして、そういう方々とは別のところから入られて、食事……
○国務大臣(武部勤君) そんなことないですよ。
○谷博之君 そうですか、はい。
○国務大臣(武部勤君) そんなことないですよ。
○谷博之君 分かりました。じゃ、そこのところは取り消します。そんな話もちらっと聞き及んだのですが、それは、じゃ取り消しましょう。
○国務大臣(武部勤君) 全く違いますよ。
○谷博之君 はい。じゃ、それは取り消します。
 しかし、そういう中で、当時の国会の状況、三月二十七日には平成十四年度の予算が成立をする、その直後に、衆議院では不信任決議案が二月の五日の日に否決になっておりましたけれども、参議院側では、少なくとも与党三党の中でも、具体的には報道されておりますから申し上げますが、公明党の皆さん方は大変その大臣の責任を追及されておられた。そして、結果としては、四月に入って五日に参議院の本会議で問責決議案も野党側から出される。そういう極めて状況が厳しい中で、なおかつBSEの調査の検討委員会の報告も出されて、結果としては、大臣が二百万円の給料の返納等々のそういう処分を受けられたという、そういう前後の中で、たまたまでしょうか、私が聞こえてきた話は、渦中の中心にいる方がその、何というんでしょうかね、そういう状況におられたということについて若干、今そういう状況なのかなというふうなことを申し上げておられる方もおられました。
 これは見解の相違がありますから、そのことを私はどうのこうのと言って大臣にそれを迫るつもりはございませんけれども、そういう声があったということを私は、大勢の中ですけれども、是非大臣、いろいろ御見解あると思いますが率直に頭の中に入れてほしい、このように思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 見解の相違ということを先生おっしゃいましたからあえて特別反論はいたしませんけれども、私は家族や私の孫との約束をきちっと果たすということも大事だと。これは随分前からの日程であります。しかも私は、ホテルの部屋で大半は自分の仕事といいますか、本や書類等に目を通してしっかりした対応についての努力をしていたと、このように思います。また、部屋は特別立派な部屋でありませんで、私の部屋は普通の部屋でありまして、そして普通の部屋にエキストラベッドを入れて家族一緒に寝泊まりしたということでもありますし、なおかつ特別待遇は一切受けておりませんので。こういうことは、正に考え方、あるいは人生観、世界観の違いかもしれませんね。
 いずれにいたしましても、厳しい状況は常にあると思っております。その当時は先生御指摘のような状況のさなかにあっただろうと、こう思います。そんな中で私は、しっかり対応しなければと、四六時中、二十四時間そんな気持ちで対応してまいった次第でございまして、このことについては人に後ろ指さされることはないと、私はこのように自負いたしている次第でございますので、そのように御理解を願えれば有り難いと思います。
○谷博之君 大臣のお考えということで私どもも聞かせていただきたいと思っておりますが。これは人生観の違いという話もございましたが、どうも私はそういうところは、気持ちが小さいんでしょうか、いろんな周りの人たちのことを気にするたちなのかもしれませんが、自分なりにそんな感じがいたしましたものですから、大臣にはちょっと気を悪くされたかもしれませんけれども、そんなようなことで、ひとつ指摘をさせていただきたいというふうに思っております。そのことについて私からどうのこうのということを強く申し上げるつもりはございませんけれども、そんなことがあったということをひとつ御記憶いただきたいと思っております。
 さて、質問通告に従いまして質問に入りたいと思いますが、まず無登録農薬のいわゆる使用問題、使用実態についてということでありますけれども、これは、御案内のとおり、今年の七月三十日、山形県で発生した無登録農薬の違法販売、使用問題ということでありまして、これで、その後各地で随分この動きが調査をする段階から広まってまいりました。農薬も、ダイホルタンから、二種類だったのが四種類になり、そして各県で、ほとんど全国的にこの無登録農薬が使用され、そして問題を起こしてきているわけでありますけれども、私どもの出身の栃木県という県の湯津上村という、これはナシの産地で有名なところなんですが、ここでもこの農薬を使った農家がありまして、結果としてここの産地のナシの価格が全体として三割下がるという、こういう状況も生まれております。
 農水省は、実は使用した農家に対して罰則規定などいわゆる農薬取締法の抜本改正案というものを今度の秋の臨時国会で出されるような話も聞いておりますけれども、その前に、まず実態を調べるということで、八月一杯を掛けて全国で立入調査を行っているということでありますけれども、そこで、現時点での無登録農薬の品の数、品数、販売業者の数、使用農家の数、使用農産物の種類などについてどこまで調査をされ、明らかにされておられるか、その内容についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 無登録農薬のこれまでの立入調査の結果、昨九月二十四日現在で、まず無登録農薬の種類でございます。六種類でございます。販売業者が百五十業者、購入農家が二千三百六十九戸ということでございます。
 使用された作物でございます。先生言われましたダイホルタン、これは殺菌剤でございますし、プリクトラン、これはダニ用の殺虫剤でございます。この二種類は、リンゴ、日本ナシ、サクランボ、西洋ナシ、ミカン、こういった果樹、あるいはメロン、大和芋、イチゴ苗、スイカという野菜、それから花、芝、こういうものに使われております。
 それから三番目に植物調整剤でございますナフサク、これは、メロン、リンゴ、ミカン、ナシといったものの落果防止でございますとか、ミカンでいえばわき芽が出るのを抑制するだとか、そういうものに使われてございます。
 それから四番目にPCNB、これは殺菌剤でございます。これについては、白菜とキャベツについて使われてございます。
 それからマンゼブという殺菌剤、これは、マンゼブという登録されている農薬はあるわけでございますけれども、発見されたのはそれと異なる製品でございまして、これがミカンに使われておりますし、ダミノジッドという植物調整剤、これも登録されているものはあるわけでございますけれども、見付かりましたのはそれと異なる輸入品ということで、これは菊に使われているものでございます。
 現在までのところ、以上の内容でございます。
○谷博之君 いずれ、九月一杯の調査でその最終内容が十月の初めのころには出てくると思いますけれども、その数も更にこれより増える可能性があると思いますね。
 そうした場合に、今後、こういう販売業者とか、そしてそれを使用した農家に対して、どういうスケジュールで、そしてどういう法律上あるいは行政上の処分をこれから考えていこうとしているのか、その考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 通告では私あての質問のようでございますので、私から答弁させていただきます。
 販売業者に対しましては、都道府県等が現在実施している立入検査によりまして無登録農薬の販売が明らかになったものについて、今後、事情聴取を行いまして早急に処分を行い、公表する考えであります。また、処分確定前においても、事実関係が確認され、かつ無登録農薬の販売拡大防止等の観点から、必要と考えられる場合には業者名の公表を行う考えであります。
 農家に対しましては、使用についての規制はありませんが、無登録農薬の廃棄処分までの間の厳重な保管、管理や、使用した農産物の出荷自粛の指導を行っているところであります。
 現行の農薬の販売、使用に関する法体系は、無登録農薬について販売を禁止し、販売業者に罰則を適用する、営業停止等の行政処分を科する等の抑止力により流通を防止し得るとの考え方に立脚しておりますし、最終的なチェック方法としては、食品衛生法に基づきまして厚生労働大臣が残留農薬基準等を定め、これに反する食品の製造、加工、販売を禁止することによりその使用の適正化を図ろうという体系になっております。
 しかしながら、今回の事案は、無登録農薬に関しまして、農薬取締法上、農家の使用規制や輸入規制がないことを奇貨といたしまして、安価な無登録農薬を輸入し、販売し、これを農家が購入し、使用するほか、販売規制の抜け道として、農家の委託を受けていわゆる輸入代行業者が輸入を行う等の実態が見られました。
 このため、農家に対する無登録農薬の使用規制、流通規制、罰則の強化等を内容とした農薬取締法の改正作業を、臨時国会での対処を視野に入れまして、事務当局にその作業を加速化するように指示をいたしております。
○谷博之君 基本的なこれからの方向等については分かりましたが、ここで具体的に私は山形県の例を挙げまして、都道府県の段階、それから国の段階のちょっと問題点を指摘したいと思っておりますが、まず、農水省は今後の取組として、基本的には各県段階の言うなれば衛生部局というんでしょうか、それと農水部局、これの連携強化というものをこれからしっかりしていきなさいと、こんなようなことを考えておられるようですけれども、具体的にこの山形県の例をちょっと調べますと、最初に県の衛生部局でこの農薬が検出されたのは平成十三年の二月なんですよ。そして、その後、衛生部局がその事実を県の農水部局に連絡したのが平成十三年の九月なんですよ。つまり、七か月間、同じ県の部局の中でもその内容が連絡されていなかった、これが一つ問題があります。
 その理由を聞きますと、結局試験的にこの農薬が検出されたんだと、だから、まあそんなに大量じゃないし、問題じゃなかったんだと、こういう言い方をしているようでありますけれども、しかも、その後、平成十三年の九月に県の農水、農林部局もこの報告を受けて、そして生産農家への立入調査をすぐ行わなかったんですね。ここがまた問題があります。これは行う義務がなかったということなのかもしれませんが。
 そして、しかも、その結果、平成十三年産の発がん性の高い危険な農薬が掛かった山形県産のナシがひょっとしたら我々の口の中に入っていたかもしれないんですね。こういうふうなことが一つあります。
 それから、その問題に関係して、これは食品衛生法に基づく衛生部局の残留農薬検査結果は三年前のものを厚生労働省に報告するということになっていますから、少なくともこの問題が発生した報告は平成十六年に報告するということになって、これは時間的に三年間のずれがあるわけですよ。ですから、厚生労働省は山形県のこのナシの農薬については報告を受けていないと、こういう状況になっているわけなんですね。
 したがって、私はこういうふうな、何といいましょうか、順を追ってみますと、罰則規定がない農家の、農薬取締法の、これに基づく使用された農薬、これを少なくとも速やかに明らかになった段階でこれを報告する義務、そしてまた生産農家に立入調査するそういう権限、そして使用の事実を確認した段階で速やかにこれをチェックする、そして購入先を特定して販売店での販売を確認する、こういう作業を県段階からやっていく必要があるんじゃないかと、こういうふうに考えているんですが、こういう現実のシステムについて、いわゆる縦割り行政の弊害というものがあるのかもしれませんし、あるいは農水省と厚生労働省等との連携等の問題もあるのかと思いますが、こういった矛盾について今後どのようにしようとしているか、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今回の一連の件、正に先生おっしゃったように、衛生部局と農林部局の連携が悪かった、そして今年の四月も実は大阪市での残留農薬検査で山形県産のラ・フランスから無登録農薬を検出したことを山形県の農林部局に連絡が来ているわけでございますけれども、いずれも県内で情報がとどまっておりまして、私どもが動き出したのは七月三十日に関係業者が逮捕されて以降ということでございまして、衛生部局と農林部局、県と国との間の連絡体制がきちんとしていればもっと早期に対応が可能であったというふうに考えております。
 やはり私どもの危機管理意識の希薄さでございますとか縦割り行政の弊害というものがあったということで、これを早急に是正をするために国と県、私どもと厚生労働省等との間で連絡体制を整えたところでございまして、今後、農薬取締法の改正作業、大臣が先ほど御答弁申し上げましたように、臨時国会を視野に入れまして輸入の規制でございますとかそういうことを、法律改正作業を今急いでおるところでございまして、その作業と併せまして、輸入面などを含めて連携システムづくりの具体化というものを更に広げまして構築をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○谷博之君 それでは、内閣府の方にちょっとお伺いしますが、来年、内閣府の下に食品安全委員会、仮称ですね、これが設置される予定だというふうに聞いていますけれども、これはいわゆるリスク評価の権限と責任を一括してこの機関に委譲するということのように聞いております。
 この機関は、極めて私は厳正中立なしっかりした検査をするという、そういう立場だと思うんですが、今後、こういう問題、農薬問題を始め様々な食の安全をチェックするという関係から、この委員会は農水から出向する職員には例えば農水省に戻らないようにするとか、あるいは組織の独立性を十分担保する仕組みを取るとか、こういうことが必要ではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(梅津準士君) 食品安全委員会の設置につきましては、今年の六月十一日に取りまとめられた「今後の食品安全行政のあり方について」に基づきまして、現在内閣官房に設置された準備室で具体的な検討を進めているところでございます。
 食品安全のリスク評価の権限と責任を一元的に担う食品安全委員会とその事務局は、独立性の観点から、農林水産省や厚生労働省といった既存の食品行政組織から独立して内閣府に設置することにしております。
 食品安全委員会の事務局の構成などにつきましては今後更に検討してまいりますけれども、科学的なリスク評価をサポートするためには、食品の生産、流通に精通した専門性を有する者の配置が重要であります。また、組織の規模や行政資源の有効利用という観点から考えますと、今、先生おっしゃったような固定的な人事運営は必ずしも現実的ではないというふうに考えられます。
○谷博之君 今後のそういう委員会の設置ということで、是非ひとつ前向きに検討していただきたいと思っておりますが、それで、最後に若干、今の、先ほどの答弁の中にも触れられておりましたけれども、農薬の水際の規制の問題ですよね。
 世界のいろんな国々で、日本では無登録の農薬が製造されているというふうな事実もございます。こういうようなものが、現在十一社と言われておりますけれども、個人の輸入代行業者、これが日本にいろいろな形で入れてきている。農薬という表示をしないで、普通のビニール袋に五百グラムずつ入れて、ある意味じゃこれは化学物質というような名目でこれを入れてくるということもあるんでしょう。
 したがって、そういう意味での輸入の水際の規制が非常にこれはこれから重要な問題になる。これはもう前々からそういうことは指摘されておりますけれども、そういう意味では、これは経済産業省とか厚生労働省との連携を取りながらこの部分をどうするかを是非これから考えていく必要があるというふうに思っておりますが、それについてのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(武部勤君) 今回の事案は、委員御指摘のとおり、東アジアから製品の形で輸入し、これを販売したり、法規制を潜るために輸入代行業者が農家の委託を受けて輸入している、そういう事実でございます。このような実態に対しましては、流通の各段階に規制の網を掛けるということによりまして確実に無登録農薬の出回りを抑える必要性を痛感しておりまして、現在、関係省庁と調整を図りつつ、無登録農薬の輸入規制を含めた農薬取締法の見直しの作業を急がせているところでございます。
 輸入代行業者につきましても、あっせん行為等について規制ができないかどうかということについて検討中でございます。
○谷博之君 いろいろと御指摘してまいりましたけれども、これからの、特に秋の臨時国会を含めて、そういう法の改正も含めて、あるいはまた水際の対応問題についてもこれから重要な問題、課題が出てくると思いますが、是非我々はいろんなそういう動きに対して、食の安全を守るといいますか、特にいわゆる農薬の効果があるからということで使ってはならない農薬を農家が使う、しかもそれは分からないと言っていて、なおかつ一方ではしかしその効き目があるということはもちろん承知して使っているわけですから、そういう製造する立場の人、そしてそれを売る立場の人、さらにそれを使う人、こういう全体の流れがひとつきちっと私は規制をされないとこの問題は解決しない。今までの法律というのは、少なくとも使っちゃならないんだから販売はされないんだ、したがって使う人はいないんだという、こういう考え方で進めてきたがゆえに使用農家についての罰則も何もないと、こういうふうになっているんだろうと思いますので、ここらも含めて総合的なやっぱり規制の在り方、そして水際の対応、こういうことについて是非ひとつこれから特段のお取組をいただきたいと、このように強く要望しておきたいと思っております。
 それから、次の問題でありますけれども、未調査の大規模林道の今後の建設計画の問題でありますけれども、これは昭和四十八年に大規模林道の計画がスタートいたしまして、二千百キロ余の、二千百六十七キロの計画路線のうち、現在は進捗率が五四%ということで、かなり、半分以上この大規模林道が今建設されてきている状況であります。今年度も百七十六億円の予算が計上され、来年度も四十九区間を予算を現在要求中と、こういうことであります。
 ただ、最近の農水大臣の発言もありましたけれども、八月三十日の閣議後の記者会見で、大臣は全国の七地域で整備中の大規模林道の新規着工を一時凍結する方針を表明をしたと、こういうふうに毎日新聞等でも報道されております。
 この中で、具体的に国は、この八月の二十八日に大規模林道の整備のあり方検討委員会を立ち上げまして、平成十五年度中には、今申し上げた大規模林道の将来の在り方についてここで一つの結論を出そうというふうに考えておられるようであります。そして、差し当たっては、この十一月末までに当面の、現在取り組んでいる今年度の七つの区間を対象に、いわゆる期中評価委員会で当面のそういう七つの区間についてどうするかについても結論を出すと、このように聞いております。
 ただ、全体的に、私は、農水に限らず、国土交通、すべての省庁のいわゆる公共事業、こういうものが、今非常に国の財政が厳しい中で、国、地方を問わず、ある意味ではこの見直しの時期にあるというふうに考えているわけでありますが、この全く手を付けていない、計画も何も着手していない、ただその名前だけ挙がっている路線、これ二十区間あります。これについてはぼちぼちもう計画を凍結してもいいのではないかというふうに私は思っているんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 大規模林道の問題につきましては特殊法人の改革の中でも議論をされまして、先ほどお話がございましたように、農林水産省といたしましては、新規着工を凍結して、閣議決定された特殊法人等整理合理化計画に基づきまして第三者委員会を設置して、建設予定区間について事業の必要性、補助林道との仕分け等、今後の在り方の徹底的な見直しを行っていくということで考えているところでございまして、この第三者委員会につきましてはこの八月に設置をしたところでございます。
 しかしながら、やっぱり林道の問題につきましては、今計画を取り消すというようなお話もございましたけれども、全体としての路網を形成しているわけでございまして、その中での部分の区間ということになるわけでございますので、そういった点では、そこをどういうふうに取り扱っていくかということについてはいろんな角度から検討することが必要だというふうに考えておりまして、今申し上げました第三者委員会で見直しを行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○谷博之君 もう既に開通している道路も随分あるわけですけれども、我々は、そういうふうな既に開通している道路の費用対効果も含めて、いわゆる利用状況がどうなっているのかということがもう一つ見えてこないわけなんですよ。それらについて農水省はどこまで把握しているのかという、調査しているか。
 つまり、一日に車が何台通るとか人が何人通るかとか、そういうふうな調査は恐らくしているのかもしれませんが、その道路を開設したことによってどのぐらいの効果がその地域全体に上がったかという、こういう、投入した予算とそれに対する具体的なその効果がどうあったかということについて調査はまだされていない、十分されていないと思っているんですが、それらについてこれからの見通しはどうでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今のお話でございますけれども、事業採択の適正化、適正に実施をするという観点から、事業の採択前に費用対効果分析を行うとともに、事業採択後一定期間経過した事業については、社会経済情勢の変化等を踏まえまして期中評価を行っているところでございます。これらの評価に当たりましては、受益地における森林施業の実施状況、木材加工施設あるいは山村集落の状況等、林道が利用されるということにつきましての総合的なそういった状況を把握して評価を行っているところでございます。
 しかしながら、今言われましたように、開設の途中ということもございまして、どれだけの車が通っているかというようなことについては、今まではそこまでは調べていなかったというのが実態としてございまして、今年度においては、完成した路線において完了後の評価を行うということを考えているわけでございますが、その中でどういうふうな形で調査を行えるかというようなことも含めて実施をしてまいりたいというふうに考えております。
○谷博之君 時間がありませんので、最後に一点質問をいたしますが、簡潔に答えてください。
 一つは、ブラックバスの再放流禁止に関する滋賀県の取組についてなんですが、実は今日、滋賀県の県議会が開会されておりまして、ブラックバスの再放流を禁止する滋賀県の県条例が今日多分県議会に提出されるのではないかというふうに言われています、ちょっと情報をつかんでいないので分からないんですが。これは要するにこの滋賀県は非常に特異な取組をしておりまして、東京や大阪でシンポジウムなんかを開いて県内外のいろんな方々のこの問題についての意見を聞いているんですよ。これは非常に僕はすばらしい取組だと思っておりますが、この点について大臣はこういう滋賀県の取組をどう評価しているか。これを、待ってください、それから、続けて質問しちゃいますから。この滋賀県のそういう県条例に対して滋賀県の市民有志が、特にこの再放流について、リリースについて、釣った魚をもう一回戻すということについて、これを、やっぱりその罰則規定が必要であろうということで罰則規定を盛り込もうという、そういう抑止効果を高めるためのそういう条例の案を独自に考えているわけですけれども、私はこれは非常により進んだ考え方だと思うんですが、この点についても大臣の考えを聞きたい。
 それからもう一点は、いわゆる漁業法と水産資源保護法の関係で、生物多様性の保全の理念を是非ここに加えるべきだというふうに考えておりますが、時間がありません、このことについて項目だけ質問しまして、御答弁いただきたいと思います。
 以上です。
○国務大臣(武部勤君) 端的にお答えしたいと思いますが、キャッチ・アンド・リリースの禁止については外来魚の生息数の削減に有効と考えられますが、その適否については関係者の間でも意見が分かれていることも事実でございます。このため、滋賀県のように県外でシンポジウムを開催し理解を深めていくということについては大変望ましいことだと、このように思います。滋賀県のこの取組に農林水産省も学んでまいりたいと、このように思います。
 それから、再放流の禁止について罰則を設けたらどうかというようなことにつきましても、釣り人を含む関係者の理解が得られている地域においては大変有効だろうと、こう思います。数県の内水面漁場管理委員会においては、キャッチ・アンド・リリースを禁止する委員会指示での対応が行われているようでございます。これらに学んでいろいろ検討してまいりたいと思います。
 以上でよろしいでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 最後のお尋ねの生物多様性の保全の理念を入れるべきじゃないかという御質問でございます。
 私ども、ブラックバスの、外来魚問題の対応につきまして、現在、広い関係者集めまして外来魚問題に関する懇談会を開催をしているところでございます。このような中で、関係者の合意形成を図る中で、関係省庁とも協議しながら検討していきたいというふうに考えております。
○谷博之君 以上で終わります。ありがとうございました。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 次期総理候補の呼び声高き平沼大臣に対しまして、経済産業省所管の諸課題について御質問申し上げたいと存じます。願わくは、日本の国が今後進むべき進路についての大臣の持っておられる抱負経綸の一端に触れさせていただければと思っておる次第でございます。
 さて、最初に、九月十三日付けで二〇〇一年の政治資金収支報告書と政党交付金使途報告書が総務省から発表されております。それによりますと、平沼大臣、三億二千九百三十五万円、前年より一〇%多い集金力を示されまして、政界での集金力、前年は三位であったものの、トップにランクされたということがございました。この点につきまして大臣の御感想、簡単なコメントを賜れば幸いでございます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 辻先生にお答えをさせていただきます。
 昨年の政治資金の収支報告書で御指摘のようなそういう順位になったことは事実でございます。私は代議士にならしていただいてちょうど二十三年に相なるわけでありますけれども、その間の私の政治信条でありますとかあるいは政治活動について共鳴をいただいた、ある意味ではその所産かなと思っております。
 ただ、政治資金をめぐる今不祥事が大変大きな問題になっておりまして、その使途でありますとか透明性、そういったことはしっかりと国民の皆様方に納得をしていただくようにしていかなければならないと思っておりまして、私も公人としてこのことはしっかりと踏まえ、そして皆様方に信頼をしていただく政治活動をしていかなければならないと、このように思っているわけでありまして、今回、昨年トップになったということは、私も、それまでは大体トップというそういう位置じゃなかったものですからある意味じゃ予想外でございましたけれども、そういう考え方でこれから政治家として、国民の皆様方の信頼を裏切らないように一生懸命頑張らなければならないと、このように思っています。
○辻泰弘君 九月十七日、総理が訪朝されたわけでございますが、この訪朝並びに平壌宣言についてお伺いしておきたいと思います。
 まず、総理のこの訪朝を全体としてどのように評価されているかということについて、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) まず、お答えする前に、拉致という問題があり、北朝鮮の金正日委員長もそのことを認めて謝罪をしました。しかし、拉致された方々が命を失われたと、こういう報道があり、このことは私は憤りを感じておりますし、それから、御家族の方々のお気持ちを思うときに、本当に何とお慰めの言葉を掛けていいか分からない、そういう心情でございまして、まずこの拉致問題に関してしっかりとした対応をすることが今後の日朝国交正常化の私は前提にならなければならないと思っています。
 今回の日朝の初めての首脳同士の会談の結果、正常化に向けてこれから交渉する、こういうことに入りましたのは、私はこの北東アジア地域あるいは世界全体の平和と安全にとってある意味では画期的なことだと思っております。そういう意味で、共同宣言のその精神に基づいて、そして着実にこの正常化を進めることが、私は、今申し上げたような北東アジアそして世界の安定にとって必要なことだと思っておりまして、そういう意味では小泉総理のその決断というものを評価をしているところでございます。
○辻泰弘君 この平壌宣言を拝見いたしますと、宣言の第二項、経済協力に関する部分が他の項目に比して異様なほど詳しく具体的に書かれているという印象が率直にございます。外務省、財務省とともに経済協力を所管される立場にある経済産業省でございますし、九月二十日には外務省の経済協力局長に経済産業省の古田さんが就任されているわけですけれども、いずれにしましても、経済協力に責任の一端を担われる経済産業省としてこの平壌宣言における経済協力の部分をどのように見ておられるか、御見解を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、御指摘のように、今回の日朝平壌宣言では、「国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。」、こういう形で、相当強いポイントで書かれていることは事実です。
 具体的にどういう形で進めていくかというのは、実は、御承知のように、先週金曜日の閣議で設置が口頭了解されました日朝国交正常化交渉に関する関係閣僚会議、ここを通じて具体的な検討作業に入ると、こういうふうに思っております。
 私は、率直な感じと、こういう御指摘でございますけれども、やはりここが北朝鮮にとっては、今の経済状況等からいって、北朝鮮としてはこの経済、この問題が非常に大きな一つの要素だと、こういうことではないかと、このように思っています。
○辻泰弘君 外務省がある意味では秘密主義といいますか、そういうふうに言われるようなことでやっていることでございますので、十分情報も行っていないところもあるのかもしれませんけれども、やはり経済協力に責任を担われるお立場にある経済産業省としても、外務省にいろいろ質問をし確認をしていくということをやっていただいて、その中で内閣あるいは外務省にも物申していっていただきたいと。その中でやはり国民的な合意形成も進むだろうし、理解も得られるんだろうと、そのように思いますので、是非そのようなお立場で発言していただければと思います。
 次に、エネルギーの問題についてお伺いしたいと思います。
 八月二十八日に経済財政諮問会議がございまして、このときに平沼大臣、「政策の選択と集中」というペーパーを出されて、御見解を示されたわけでございます。そこで、その中のことについて御質問申し上げます。
 この中で、二十一世紀半ばまでを見通したエネルギー政策の基本軸をセキュリティーの確保、地域環境問題への対応、競争的市場環境の整備の三点に明確化すると。そして、そのような政策の実現のためにふさわしい歳出歳入構造の再構築を行うと、このような指摘があるわけでございます。
 そこで、大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、これは、現行、エネルギーの特別会計は電源開発促進対策特別会計と石特会計があるわけでございますが、これを残すということなのか、あるいはこれらを、一本化も視野に入れた対応をなさっていくのか、このことについて簡潔に御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) エネルギー政策というのは、当然のことながら長期的視点に立って計画的に遂行することが不可欠だと思っています。そういうためにエネルギー特別会計制度というのは、受益者負担の観点から、その負担を、御承知のように、いわゆるエネルギーの使用者に求めているところであります。
 今回の見直しに当たっては、地球環境対策、安定供給、これはセキュリティーの確保、効率性の向上という三つのEの観点から、例えば天然ガスシフトの加速化など、今後のエネルギー政策の重点の見直しをまず検討することとしています。
 先週末、大阪で国際エネルギーフォーラム、これを主催国として主催させていただきましたけれども、日本がこういった政策を取っていくということは、その会議の中からもやっぱり国際責務ではないかと、このように私も感じさせていただきました。
 こうした二十一世紀を見据えたエネルギー、そして地球環境対策をしっかりと実行していくに当たっては、歳入面そして歳出面、両方においてきちんとしたフレームワーク、これが私は不可欠だと思っておりまして、特別会計制度は私は、冒頭申し上げたように、そういう性質を持っておりますから、当然必要だと思っております。また石特会計も、それからまた電特会計も、歳出の趣旨そして税構造が相当異なっておりまして、両会計はそれぞれ私は必要だと思っております。
 地球環境問題への対応という点では私は、同じ思想に立脚する部分もあるわけでございますから、そうした今申し上げたような観点の中でこれをしっかりと担保しつつ、そして新しいそういう時代に対応する、そういう在り方、したがいまして私どもは、ちょっと踏み込んで、環境省との共管でも構わない、こういう形で出させていただいたところでございます。
○辻泰弘君 同経済財政諮問会議の資料の中に幾つか具体的な施策というのが出ておるわけでございます。それらを拝見しますときに、この「歳出・歳入構造の再構築」ということの意味合いは、結局、石特会計の所管というものは、今はエネルギーの、石油の確保、安定確保ということと、代替エネルギー、省エネルギーと、こういう三つに大別されると思うんですけれども、それに新たに排出権取引の部分、京都議定書の中の部分ですけれども、このことを加えるということを意味するのかというふうに考えるわけですけれども、そういう理解でよいのかということと、時間がございません、もう一つ御一緒に聞かせていただきますけれども、九月九日の経済財政諮問会議において、特定財源の見直しのことを「中心的に掘り下げて議論を行う事項」というふうに位置付けられたわけでございます。その中の特定財源の中にはエネルギー特会も対象とすると、このようなことになっているわけでございます。
 そこでお聞きしたいんですけれども、石油税の使途とか課税対象の見直し、あるいは電源開発促進税の見直しというものもこの特定財源の見直しに入るのかどうか、この二点、お伺いしたいと思います。
○副大臣(大島慶久君) 前半の辻先生の問いに対しましてお答えを申し上げたいと思います。
 経済財政諮問会議におきまして平沼大臣は、エネルギー政策については今後二十一世紀半ばまでの見通しといたしまして、今、大臣自らいろいろお話しになっておられますけれども、地球温暖化対策あるいは安定供給、そして競争的市場環境整備などの様々な要素すべてを踏まえて適切な政策を構築するよう、これは事務方に対して指示を出しておられます。そして、特に地球温暖化対策につきましては、大臣の答弁と重複いたしますけれども、環境と経済の両立を図らなければいけない、それについては環境省と共管で行っていくよう、これも指示をされたところでございます。
 しかし、現在、まだ検討の途上でございますので具体的なことを申し上げる段階ではございません。今後できるだけ早く検討を急いでまいりたい、このように思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 後半の部分についてちょっとお答えをさせていただきます。
 やはりこのエネルギー特別会計というのは、先ほど言ったように、受益者負担ということと、それから、見直しに当たっては今後のエネルギー政策の重点の見直し、こういう背景がございます。こうしたエネルギー、地球環境対策を世界の一大消費国である日本がしっかりと実施していくことは、やっぱり私は国際的な責務だと思っております。
 しっかりした財源の裏打ちがなければ、中長期的な視点に立った対策は当然のことながら実行できないわけであります。そのため、課税の公平の観点から、私どもは石炭にも負担を願いつつ、特定財源制度は石炭に対するそういう課税というものも視野に入れて、そしてこの特定財源制度は今後ますますそういう観点から必要になってくる。ですから、そういう私は見直しを含めてやっていかなければならない、こういう形で提言をさせていただいているところでございます。
○辻泰弘君 石炭への課税のお話をいただいたのでちょっとお聞きしておきたいと思うんですけれども、課税の公平性という議論、またエネルギー対策の財源確保は大事なことだと思うんですけれども、現状は、現実的に石炭を使っているのは電力産業であり、鉄鋼産業になるわけですけれども、そういう分野が非常に景気の問題、また競争激化しているという渦中にあるわけですが、そういうところに求めていくことをどうバランスさせていくかについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、今、石炭を消費を多量にするというのは御指摘の電力業界であり、鉄鋼業界であり、セメント業界です。したがいまして、そういったところの方々には総合的な形で、私どもとしては、なるべく負担増にならない、そういう一つの配慮の中で石炭にも課税していく。これはこれから細かく詰めていかなきゃいかぬと思いますけれども、業界の方々とも十分話合いをしながら、そのいわゆるエネルギー関係の税の在り方という中で、私は過度なそういう負担を強いらない、そういう形の体系を作っていくことが必要だと、このように思っております。
○辻泰弘君 そのことは、石炭に課税を求めると同時に石油税は少し下げると、こういうことも含むということになりましょうか。
○副大臣(大島慶久君) お答えいたします。
 その歳入構造につきましても、平沼大臣より既に見直しをするよう指示が出ております。しかし、事務方において精力的に今検討を図っておりますけれども、検討の状況が、いわゆる税率等の詳細について現段階ではまだ申し上げる時期ではございませんので、せっかくの先生の御質問でございますけれども、できるだけ早く今後の検討を急ぐということで御理解を賜りたいと思います。
○辻泰弘君 同じく、八月二十八日の大臣が出された経済財政諮問会議の資料の中に、従来路線のことでもあるんですけれども、「エネルギー市場における競争環境の整備」という項目がございまして、今の電力産業の施策については、競争また効率という論理での政策がなされているわけでございますけれども、やはり大臣が先ほどもおっしゃったように、エネルギーの資源がない日本でございますので、単純に効率、競争の論理で貫徹する中に安定的、長期的、普遍的な供給の確保というものがあり得るのかどうかということについてはやはり懸念を持つわけでございます。アメリカのカリフォルニアのこともございました。
 そういう意味で、こういうことを、エネルギーのみならずではあるんですけれども、こういう問題については単純な効率、競争の論理の貫徹では済まないと思いますのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 電気やガスの規制緩和によりまして効率化を進めると安定供給に支障が出る、そういうことも想定をされます。しかし、私は、電気やガスは経済活動や国民生活の基盤となる財でございまして、競争の促進等を通じた効率性の追求を図りつつ、電気やガスの安定供給の確保といった課題を確実に達し得るシステムを構築することが必要だと思っています。
 御承知のように、電力、ガス等、一部自由化をして六%、七%、そういった形で実際に国民の皆様方の負担を軽減するということにつながっています。しかし、私は、御指摘のように、あのカリフォルニアのやはり電力クライシス、ああいったことを考えると、長期的に見てやはり安定的に、継続的に、そして安全を確保して供給するという、そういう視点も私は当然必要だと思っています。
 そういう形で、私どもは電気の安定供給の効率化を達成するために必要な電気事業制度の在り方については、現在、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会において御審議をいただき、ガス事業制度の在り方についても、今月の二十七日から同じ総合資源エネルギー調査会の都市熱エネルギー部会を開催して同様に多面的な角度から御検討をいただきたい。
 確かに、おっしゃるような視点というのも私は必要なことだと、こういうふうに思っています。
○辻泰弘君 先ほど大臣からおわび、また信頼回復に努めたいという御指摘があった東京電力の原子力発電所の問題、一つ二つ、二点お聞きしておきたいんですけれども、東京電力の原子力発電所における自主点検作業記録に係る不正が発覚して国民の不信を招いているというのが現状でございますけれども、これにつきまして、私いろいろお聞きしまして、二点申し上げたいと思うんですけれども、一つは、この自主点検記録の位置付けというものが極めて不明確ではないかと、このように思うわけでございます。
 この自主点検というものを法定にすべきではないか。すなわち、法定の自主点検記録と位置付けるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(松あきら君) 私から辻先生にお答えをさせていただきたいと思います。
 正に、国民の皆様に一番信頼をいただかなければいけないこの原子力でこういう問題が起きてしまったということは大変残念でショックであり、今現在、省内挙げてこの対策に取り組んでいるところでございます。
 正に、この自主的な保安活動に関連して発生したものでございますけれども、この自主点検というのは、いつ、どこ、何回点検するかというのは正に法律上の縛りがない、自由なんですね。一年に一回点検しようが、三年に一回点検しようが自由だ。これは私もおかしいんじゃないか。やはり、国民の信頼を確保する点から見ましても、先生のおっしゃるように、私は自主点検を法律上に位置付けることは極めて重要であると考えております。
○辻泰弘君 もう一点お伺いしておきたいんですけれども、昨日も総合資源エネルギー調査会の原子力安全・保安部会の下にある原子力安全規制法制検討小委員会が開かれておるようでございますが、この中で、いわゆる維持基準の見直しというもの、運転中の設備の維持に関する基準の見直しの検討が進められていると。伝えられるところでは、それに基づいて臨時国会に法案が提出されるのではないかというふうなことも聞くわけでございますけれども、ただ、これにつきましていろいろな報道がありまして、結果として国民から安全性の確保の体制を後退させるものではないかというふうな誤解を招くような報道もあるわけでございまして、この点については十分な説明を行って、理解と合意が得られるように図るべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(松あきら君) 先生のおっしゃるとおりであるというふうに私は思っております。維持基準の導入も含めた再発防止策につきましては、現在、法律あるいはマスコミの専門的な方に、専門家による原子力安全規制法制検討小委員会、これは九月十三日が一回目でございますけれども、十月一日までに中間報告をまとめていただくということで、現在精力的に検討をしていただいているところでございます。やはり後退させるというような懸念を決して国民の皆様に与えてはいけないと思っております。
 当省といたしましては、その結果を踏まえまして、原子力安全規制に対する国民の信頼を得ることを第一に、科学的かつ総合的に合理的な根拠に基づき、信頼される明確なルールの下で適切な再発防止策を講じてまいりたいと決意をいたしているところでございます。
○辻泰弘君 残余の時間が限られておりますけれども、我が国産業、中小企業の現状から見た政策の在り方についてということで若干お聞きしておきたいと思います。
 時間がございませんので、まとめてお伺いする部分は失礼させていただきたいと思います。
 税制についてなんですけれども、いわゆる法人事業税の外形標準課税のことについて、過般、決算委員会で大臣にも御見解をお伺いしたときもございましたけれども、この問題についてでございます。政府税調は早急に導入すべきと言っている。また、経済産業省の八月の政策では、これについては経済に重大な影響がある、世界の流れにも逆行するということを言っておられる。そこで、外形標準課税の現時点の導入には反対なのかどうかということが一点。
 それから、消費税の免税点、簡易課税についても政府税調は大幅に縮小、廃止を含めた抜本的見直しと、このようなことを指摘しているわけでございます。これについて経産省は影響を調べる必要があると、こういうことをおっしゃっている。この免税点、簡易課税の見直しについて、今の中小企業等を所管されるお立場からどう考えておられるのか。
 もう一つは、同族会社に対する留保金課税の見直しというものも政府税調で見直しが言われているわけですが、経済産業省も八月の資料では撤廃を主張されているようでございます。
 この三点について、産業、中小企業を最も近くに見られるべき官庁としての経済産業省としてどういうふうに考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 最初の二つについては私から、そして三問目については松政務官からお答えをさせていただきたいと思います。
 外形標準課税の議論に際しましては、経済状況や企業活動の実態、特に厳しい経営状況にあります中小企業の担税力の問題というものを十分に考慮し、今後、各方面の意見を聞きながら検討を私は進めていくことが必要だと思っています。
 特に、日本には五百万社の企業があると言われておりますが、そのうちの九九・七%が中小企業でございまして、言ってみれば日本のいわゆる経済の活力の基盤を担っていただいております。したがいまして、私どもはそういった検討をよく深めて慎重にこの問題は考えなきゃいかぬと思っておりますし、世界の流れの中では、主要先進国では賃金を課税標準とする外形標準課税は廃止されているか又は廃止の決定がなされていくと、こういうような流れもあるということも付け加えさせていただきたいと思います。
 次に、免税点制度と簡易課税制度についてでございますけれども、消費税の中小企業者の特例は、消費税導入をした際に、小規模事業者への課税の影響や、そして納税の事務負担を軽減するために設けられたものでございます。かかる特例制度は、本年の六月の閣議決定をいたしました経済財政運営と構造改革の基本方針二〇〇二において見直しを検討することとされているところであります。
 本制度については、現下の厳しい経済状況の中、見直しによりどのような影響が生じるのか、また小規模商店などの転嫁状況や納税事務負担を含めた実態についてよく精査をしなければならないと思っています。現在、中小企業庁において実態の把握に努めているところでございまして、調査の結果については関係各方面に必要に応じて説明をしていかなければならない、こんなふうに思っているところでございまして、私どもとしては、今アンケート調査、そういったことを実施して、調査結果については十月中旬を目途にまとめることにしておりますので、私どもとしてはこれもよく実態を把握した上でと、こういう基本認識を持っているところでございます。
○大臣政務官(松あきら君) 先生のおっしゃるとおり、大変厳しい中小企業の状況の中で、この留保金課税というのは昭和三十六年にこれができまして、当時は所得税と法人税の税率の差が四〇%もあったんですね。現在七%で、これが縮まっている。にもかかわらずこれをいわゆる内部留保に課税すると。二重課税じゃないかと私は思っている次第でございます。
 特に、資金調達今厳しい中でそのキャッシュフローに余裕のない中小企業の皆様、そして経営革新の源泉である設備投資あるいは研究開発を行うためにはこの内部留保が非常に充実が必要であるわけでございます。
 このため、平成十五年度税制改正におきまして、このような内部留保の充実を阻害する留保金課税制度の廃止を我が省といたしましては強く要望しているところでございます。
○辻泰弘君 税制の問題はそれは税調での議論だというふうなことで、真っ向から切り込むということはなかなかほかの役所でも難しいところがあるようなことをいつも思うんですけれども、やはりこの税制改正についても、産業、中小企業をお預かりになるお立場から、是非税調なりあるいは経済財政諮問会議なりで、経済産業省としてただいまおっしゃっていただいたことを含めて是非大いに発信し発言していただきたいと思っております。
 それで、最後の質問になると思うんですけれども、総理が不良債権処理を加速するということをおっしゃっている。昨日もコペンハーゲンで、そのことで対策もあるし態勢もあるということをおっしゃっているわけでございますけれども、そういう中で中小企業が受ける打撃が増大していく可能性があると思うわけでございます。その意味で、この不良債権処理の加速ということを方針として掲げる内閣の中で、中小企業に対する融資、保証両面での金融の拡充というものをどのように図っていかれるのかということが一点。
 もう一つは政策金融の見直しについてでございます。これについては閣議決定あるいは塩川大臣の答弁等々、金融の見直し、政策金融の見直しが言われているわけですけれども、九月二十日も経済財政諮問会議で平沼大臣が見解を出されておるんですけれども、これも拝見しておりますけれども、具体的にどういう分野をどうしていくのかというのがまだ率直なところ見えないような感じでございまして、そういう意味でトータルとして政策金融の縮減というのを図っていくんだと、こういうふうな方向だと思うんですが、この現状の中で中小企業分野でどのように縮減の対象があり得るのか、今後どういうふうにしていかれるのか、その点について、この二点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 政府といたしましては、株価低迷と金融システム不安の悪循環を断ち切らなければならない、不良債権処理にそのために鋭意取り組んでいるところでございます。一方、中小企業をめぐる金融経済情勢が大変厳しさを増す中で、不良債権処理がやる気と能力のある中小企業にまで悪影響を及ぼすことがないように、私どもはセーフティーネット対策に万全を期しているところでございます。
 具体的には、一つは取引先企業の倒産や金融機関の破綻に伴う連鎖的な破綻のおそれに直面する中小企業を対象としたセーフティーネット保証・貸付制度について、中小企業の現状に応じてこれらの制度の利用条件を累次改善をしてきておりまして、これまで合わせて約三兆円、一万件の支援を行ってきております。
 また、中小企業の資金調達の円滑化、多様化に資するため、これなかなか最初実績が上がらなかったんですけれども、最近大分皆さん方が利用していただけるようになりましたけれども、売り掛け債権担保融資保証制度を通じまして二度の手続の緩和や更なる広報活動を通じまして、ようやく御利用も一千百億円台になりました。そしてまた、二千四百件の利用実績が出てきましたので、こういったこともどんどん更に拡大をしていかなきゃいかぬと思っております。
 さらに、民事再生法等によりまして、再建中の中小企業者に対しては政府系中小企業金融機関によるDIPファイナンスを通じてその再建の後押しをしているところでございます。
 したがいまして、今後とも、セーフティーネットの貸付そして保証の更なる拡充、それから売り掛け債権担保融資保証制度の普及促進、そしてDIPファイナンスの充実などのこういった諸施策を通じまして、不良債権処理が進む中でやる気と能力のあるそういう中小企業が破綻に追い込まれることのないように、私どもは全力を尽くさなければならない、このように思っております。
 また、政策金融の在り方について当省において現在見直しに努めておりまして、経済財政諮問会議においても私が参画をして議論をさせていただいております。
 政策金融については以下の考え方で私どもは議論を進めなきゃならない。
 まず第一には、民間金融機関における資金供給が十全でない現下の状況においては、今申し上げましたセーフティーネット貸付・保証制度や売掛金に着目をした保証制度などを通じて民間金融の機能を補完していくことが重要だと思っています。ですから、この辺を一層充実しなきゃいかぬと思っています。
 それから、民間金融機関の機能が正常化する過程では、民間金融機関をリードし支援する役割を果たすために、債権流動化等に新しい金融手法の開発普及を政策金融で支援すること、こういったことが必要だと思っています。
 さらに、民間金融機関が正常化した後においては、政策金融が担うべき役割として、環境や安全に対することを促す政策金融や、災害や連鎖倒産等に対するセーフティーネット金融、それから創業、ベンチャー、経営革新等の支援をしていかなきゃいけない。それから、事業再生支援も必要です。それから、地域金融機関への情報提供ですとか指導等をきめ細かく行う、こういうことを一連、具体的にそれぞれの状況に応じてしっかりとやっていかなきゃいけない、このように思っております。
○辻泰弘君 以上で終わります。
○風間昶君 公明党の風間でございます。昼に掛かると思いますが、よろしくお願いします。
 まず、行政と事業体が自立していないと言われてもおかしくない、つまり、要するに行政と事業者の役割分担がきちっとなっていないという意味では、今日の決算委員会が、BSEの問題が惹起された農林水産省と今回の原発のずさんな隠ぺい事故を含めた経済産業省がこの委員会で一日で二つやるということは何とも奇妙な巡り合わせかなというふうに思います。
 まず、農林水産大臣に伺いますが、一般事業会社の農業参入について伺いたいと思います。正に、農業は担い手の減少が止まらない、とどまらないというか止まらないという中で、新たな経営体を作っていかなきゃならないというのはもう御案内のとおりでありますけれども、そういう意味では、二年前に農地法を改正して株式会社による農業生産への参入を認めましたし、さきの国会では、株式会社形態による生産法人を育成するために、公明党の主張も入れていただきまして出資制度を設けて、いわゆる農業版のベンチャーキャピタルというスタイルを創設したところですけれども、株式会社による農業生産についての制度設計、着々と進んでいるんですが、一般事業会社が農業に参入することに当たって、農水大臣の御発言、あちこちでいわゆる農水省のタウンミーティングでもされているわけで、ちょっと農業の現場にいる者に波紋が広がっているのも事実だと私は認識しています。
 一般事業会社の農業への参入については、公明党としては現段階では反対なんです。しかし、その理由というのは、いわゆる農業団体が反対しているのとは大きく違うところがございます。
 それは要するに、農業に参入していく場合には、我々のような一般人が参入していくには非常なリスクがあるわけで、そのリスクを回避する制度がまだないというのが現実だと思いますし、その経営がどうなっているかということについての財務諸表をスタンダードな基準でやることの、手法はあるんだけれども、それを現実にやれるかやれないかということについてはまだ確立されていないという部分があります。
 そういうような農業の、ある意味では産業、農業というか産業のところに参入していくには、普通の神経を持った経営者が参入を考えるということはあり得ないわけでありまして、なぜ参入するのかという意味では投資家に説明できないし、それでも参入したいという会社があるとするならば、ある意味ではばくちに近いようなことにもなるし、あるいはよっぽど自信を持っているかということになると思うのであります。
 ばくち的なことをやろうとするならば、たちまち独占してしまうか、あるいは次から次とばったとなって倒産してしまうかというふうになるわけでありまして、いずれにしても、そうなると健全な農地が確保されないし、健全な農業というのは育たないということでありますから、市場原理をどうやって導入していくための整備をするかと、市場の整備をするかということが極めて大事だというふうに思います。日本の農業者というのは、もう競争という言葉を使うことを嫌う傾向があります。競争を排除してみんなで仲良くやっていくことが最もいいという日本人的な発想という、発想というか日本人的な哲学もまたあるのも事実であります。
 そういう意味で、市場の整備について、大臣としてどうされようとしているのか、お考えがあれば伺いたいと思いますけれども。
○国務大臣(武部勤君) 農林水産省におきましては、委員御案内のとおり、「「食」と「農」の再生プラン」というものを四月に公表いたしまして、国民の皆さん方の意見を求めて、この設計図に基づく工程表まで作って今取組を進めているわけでございます。
 その中の柱の一つは、意欲や能力のある経営体の躍進できる構造改革の環境条件の整備ということを掲げているわけでございまして、これは今委員御指摘のこととは全く同じような基本的な考え方にあるんじゃないかと、このように思います。
 今、農村は荒廃しておりますし、過疎化、高齢化という状況の中で、意欲ある経営体が農業生産の大宗を担う構造の実現のためには、企業的農業経営が展開することのできる、そういう制度、政策への取組ということが不可欠だと、このように思っておりまして、このような取組の一環として、構造改革特区の活用も含めた農地制度の見直しのほか、加工、販売まで行う農業法人の育成等の取組を重点的に進めていきたいと、こう考えているわけでございまして、その際、お話しのとおり、様々な制約要件がございます。
 私も農村に生まれ育ってまいりましたけれども、民間一般事業者がそう甘い考え方で参入できるほど甘くはないと、こういうことでありますので、しかしながら、私はあらゆることを排除しないと、既成概念を捨てて、構造改革にチャレンジする企業的農業経営の安定的な発展が図られるように必要な環境整備に積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えている次第でございます。
○風間昶君 そこで、ちょっと具体的に入りますけれども、農業における経営リスクの問題について伺いたいんですけれども、農業生産法人が実際に経営に入っていく場合でのリスク管理ですけれども、何といったって、農産物というのは取れるか取れないかという収穫量の増加に伴って価格が動いていくという意味では非常に激しいものでありまして、価格変動というのは市場経済のある意味では宿命でもあるわけでありますから、従来のように政府がしっかりとやってきた昔の食管法のような形での、生産費に適正利潤を上乗せして農業者全員が再生生産可能な値段を維持するということは続かないというのはもう御承知のとおりで、必ず破綻するわけです。米政策の歴史ずっとたどってみればそんなの当たり前のことであります。だからこそ、この新たな米政策というのを農水省としては考えざるを得ないというふうなことになっていると思うんです。
 方向性としては、やっぱり市場原理の拡大をどうやってするかということが極めて大事で、どっちにしても市場原理を拡大していくためのリスク回避をどうするかと、リスクを適切に管理する制度をどう作るかというのが一番のやっぱり問題だというふうに、これはもう経済産業省が一番考えていることでないかというふうに私は思うんですけれども。
 そういう意味で、農業共済というのは不作のときに、取れなかったときに対処する治療法としてあるわけですけれども、むしろ取れ過ぎた場合にも価格は落ちるわけで、そのときの、要するに豊作貧乏のような状況になったときの、価格が下落したときに備えるものを、収入保険的なものでも僕は作るべきではないか、作るべきというよりむしろそれを整備していくための手だてを考えるべきではないかというふうに思いますが、どうでございましょうか。
○国務大臣(武部勤君) 米についての例を挙げてお話がありましたけれども、豊作等による価格下落があった場合には、その影響を緩和するために現在稲作経営安定対策を講じているところでございます。災害の場合には共済制度があるわけでありますが。
 私は、今、委員御指摘のように、先ほど申し上げましたように、あらゆる問題を排除しないで検討するという姿勢が大事だと、このように思っております。現在、生産調整に関する研究会の中間取りまとめを踏まえまして、今後の生産調整の在り方を始めとする米政策全般にわたる改革の検討を進めているところでございまして、その場でもいろいろ議論があるわけでありますけれども、先ほども申し上げましたように、何かを排除するという考えじゃなくて、既成概念を捨てて、消費者重視、市場重視、売れる米作りというようなことを念頭に置いた諸般の政策を構築すべく努力する必要があると、このように思っております。
○風間昶君 そういう意味で、金融市場では先物取引なんかでリスクを軽減するようになっているわけで、将来的に下がりそうな資産については売り立てておくということで、価格が下落した場合には利益をちゃんと発生する仕組みがあるわけでありますけれども、農産物の方の先物取引も、北海道の十勝では小豆がなされている部分が実はあるわけです。
 アメリカは、コーンであったり大豆であったり、輸入者が多くて、なかなかそういう意味では農業者も先物取引でリスクを軽減しているということがあるわけでありますけれども、その先物取引について、穀物先物市場における米をどう上場するかという可能性について、まだ全然それはなされていないわけでありますが、可能性について、銘柄による差というのはたくさんあるから取扱いに、かなりあると思うんですけれども、農水省の考え方をちょっと聞いておきたいと思いますので。
○政府参考人(西藤久三君) 先生御指摘のとおり、リスクヘッジをするということで、商品先物市場の新規上場ということで私ども取引所法を制度改正をいたしまして、迅速、円滑に対応できるということから、平成二年の制度改正で期限を限って上場できる、そういう試験上場の仕組みを導入いたしてきております。
 具体的な仕組みは、一定数の当業者、当業者と申しますと生産者であったり、輸入業者あるいは加工販売業者の会員を確保した上で申請をしていただきまして、十分な取引量が見込まれる、あるいは当該商品の生産流通に著しい支障を及ぼす、あるいは及ぼすおそれがないという条件を満たす場合には上場を認可するという仕組みで運用させていただいております。
 近年の状況、私ども、農産物分野の先物市場、輸入農水産物中心でございますが、小豆という御指摘もございましたが、近年の状況を見ますと、食用バレイショあるいは大豆ミールあるいは冷凍エビがこういう試験上場の形で上場されてきている状況にございます。
 米の状況につきましては、別途食糧庁長官の方から状況を説明させていただきます。
○政府参考人(石原葵君) お答え申し上げます。
 米でございますけれども、御案内のとおり、米につきましては、現在、自主流通米価格形成センターというのがございます。ここで入札による現物の取引が実施されているところでございますけれども、米につきまして先物取引を導入してはどうかという御意見もございまして、先ほど大臣の答弁の中でもございました生産調整の研究会、この研究会の場でこの面の、この点の議論が行われたところでございます。
 その場では、特に卸の関係の方から、卸の方は金融機関からリスクヘッジをどうするんですかということをよく指摘されるということでございまして、リスクヘッジの手段としまして先物取引を検討すべきではないかという御意見も出されました。
 他方で、現在の米市場、先ほど申し上げましたように、自主流通米価格形成センターというところでやっているわけでございますけれども、この市場もまだ未成熟だと。まだ未成熟なところに加えて、生産構造がきちっと対応できていないという問題がございます。そういう中で先物取引の導入だけをやりますと、現場が混乱するんではないかという御意見もございました。
 このようないろんな御意見を踏まえまして、結論といたしましては、この中間取りまとめ、六月二十八日の中間取りまとめでは、米の先物取引につきまして、「生産調整や国境措置を行っている現状では導入すべきではないが、将来において、関係業者の価格変動リスクを軽減させる手段として、その導入の可能性を排除すべきではない。」という取りまとめがされたところでございます。
 したがいまして、農林水産省といたしましては、この先物取引につきましては、現在、米政策の改革をやろうということで十一月末までに取りまとめたいと考えておりますけれども、この改革の方向、それから別途このセンター取引の見直しもやっております。
 こういう動きを踏まえまして、一つには、米の先物取引に対する国民の理解、意識がどうなのか。昔の米騒動みたいなこともございます。そういうものを踏まえて国民の意識はどうなのかという点。それから二つ目には、先物取引に対する関係者の要望、これも重要であると思っております。この辺を十分勘案の上、検討してまいる考えでございます。
○風間昶君 もう一つ、農業経営においては、天気というのはもういかんともし難い問題でありますけれども、ただ、天候リスクの軽減も、今の金融工学によって商品開発進んでいるわけですよね。
 例えば気温債券というのがあるんですが、夏の天気が悪くて気温が低いとクーラーの売行きが鈍って、そこで、クーラーを作っている電機メーカーはこの気温債券を買って、その債券の金利は夏の平均気温が低いほど高いと。逆に、一定以上の気温になると金利が付かないというタイプのものがあるんです。こういう気温債券の手法というのは農業の方にも私は使ってもいいのじゃないかというふうに思っているんです。
 実際に、十勝の小豆の需要者向けに開発されているのがあって、十五度より低くなると表面利率が上がって、十五度以上なら利率がゼロというふうな設計になっているんですけれども、これは利率の話ですけれども、今のちょっと前の先物取引に比べてリスクがある意味で低いというふうに私は思いますから、例えば冷害になったとき米への応用がこれができる可能性はないとは言えないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 今、先生の方から気温債券のお話がございました。この気温債券の制度は、今、先生が御紹介あったとおりでございますが、今直ちに農業災害による実際の損失の補てんの役割までは果たさないんではないかというふうにちょっと認識しておるところでございます。災害の際には農業災害補償制度がございますので、基本的にはこれで対応できるのではないかというふうに考えております。
 ただ最近は、非常にこういう保険なり金融なりいろんな商品が出ておりまして、非常にまた有効なこともいろいろあると思いますので、しっかり勉強させていただきたいと思っております。
○風間昶君 農業簿記についてはちょっと次にやりますから。
 東電の事故の問題についてお伺いしたいと思いますけれども、いずれにしても、消費者、国民は極めて不安状況に今、新たに六十七か所もまた中部の方で炉心の隔壁のひびがあるということが見付かって、何といいましょうかね、私も九月の十日に福島の第二原発に行って事業者、東京電力の方から話を聞きましたけれども、聞きようによっては経済産業省のお役人の方よりも官僚的でしたね、お話しぶりが。
 四町長にも御意見を伺いましたけれども、電力政策そのものに対する、原発と共存するために一生懸命住民の方々を説得をしていた町長さんたちは、もうどこを信用していいのという不安と不信ともう極め付けに今なっている状態だというふうに私は思います。
 そういう意味で、食品安全庁を内閣府に作ることになりますよね、安全庁。私は、先ほどの答弁の中で、原子力安全委員会は確かに食品安全委員会よりも、勧告だけじゃなくて許可や指定をするということからすると、食品安全委員会よりも更に権限が強いなという感じはしましたが、私は、資源エネルギー庁がなくなって保安院になった、だったらむしろ原子力安全庁として作るべきではないか。それはどこに作るかということについてはまた議論があると思います。推進する側とチェックする側が同居している今の経済産業省に作るべきかどうかというまた議論もあると思いますので、これは後ほどにしますが、いずれにしても、内閣府にきちっとしたやっぱり原子力安全庁というものを私は作るべきだというふうに思いますが、イエスかノーか、その考え方にアクセプトできるかどうかだけ伺って、質問を終わります。
○国務大臣(平沼赳夫君) 実際、風間先生も現地に行かれ、また事業者とそしてまた立地地域の皆様方とお会いになられた。私のところにも立地各地域の代表の皆様方が来られまして、大変その信頼を損なったと、こういうことで憤られて、私も本当に申し訳ないことだと、こういうふうに思っています。
 これは、原子力安全規制の実施体制につきましては、先生も御承知のとおり、平成十三年一月の省庁再編において、原子力安全委員会及び安全規制の行政庁、この二つのダブルチェックシステムを従来より更に拡充したものとしたところでございまして、具体的には、独立性のより高い原子力安全・保安院が設置をされ、厳正な中立を旨として安全規制を実施する体制が整備されたところでございます。また、原子力安全委員会を内閣府に置きまして、事務局をこれは拡充をいたしまして、一次規制行政庁である原子力安全・保安院において規制行政が適切に執行されているかどうかをチェックする、こういうダブルチェックシステムを強化したところでございます。
 したがいまして、私どもとしては、今回の事案への対応というのも、原子力安全委員会に逐一御報告するとともに、御指摘等をいただきつつ、再発防止策の実施などの点で万全を尽くしていかなきゃいかぬと思っておりまして、中央省庁再編の中でそういうダブルチェックシステムと、こういう形でスタートをしたものでございまして、今一つのお考えと、こういう形で内閣府の中にそういう独立した機関を置いたらどうかと、こういうことでございますけれども、私どもとしては、今、原因の究明を徹底して行って、そして今の体制で万全を期すことが今一番大切であると、こういう認識でおります。
○遠山清彦君 続きまして、公明党の遠山でございます。
 私は、経済産業省に質問をさせていただきますが、後ほど東電の問題について幾つかお伺いしたいと思いますけれども、まず最初に、特許庁、知的財産関係でお話を伺いたいと思います。
 私は、今年の七月二十二日に特許庁を視察させていただきまして、日本を知的財産立国にするために特許庁の皆さんが大変に、地道ながらも大変な日常業務を一生懸命やっているのを拝見させていただきまして、深い率直に感銘を受けたところでございます。
 他方、問題が全くないわけではございません。例えば、日本の特許審査期間は、大臣よく御存じのとおり、二〇〇一年平均で二十二か月と言われているわけでありますけれども、米国は約十三か月というふうになっているというふうに聞いております。
 今後、更に審査請求期間の短縮に伴って審査請求件数も急増することが予想されているわけでありまして、先般出ました知的財産戦略大綱にも、必要な審査官の確保や専門性を備えた審査補助職員の積極的な活用による審査体制の整備ということが記されているわけでありまして、私も、日本が今後もっともっと知的財産立国になっていくためには、世界最高レベルの迅速かつ的確な特許の審査というものが行われていかなければいけない、またそのために、こういう今財政状況でありますけれども、人員の補充が必要であれば、これ確保していかなきゃいけないというふうに思っておりますけれども、経済産業省の方のお考えをお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(松あきら君) 遠山議員に私からお答えをさせていただきたいと思います。
 七月に特許庁を御視察いただきまして本当にありがとうございます。正に、先生がしっかりと見ていただいたとおり、本当にみんな一生懸命頑張って大変な仕事をしてくださっているわけでございますけれども、昨日、私は中国から戻ってまいりまして、中国は第二のシリコンバレーを目指していると、また知的財産立国を目指しているということで様々な政策を取っているところでございまして、我が国こそ知的財産立国を実現しなければ、正に国際競争、国際社会の中で私は生き残っていかれないというふうに思っているところでございます。
 しかし、そのためには、優れた技術やアイデア、これに対しまして事業化のタイミングを逃さずにこれを保護するプロパテント政策が不可欠でございます。このために我が省といたしましては、特許審査期間の短縮化という現下の課題を解決し、効率化を図りつつ、将来的には世界最高レベルの迅速で的確な審査を目指してまいりたい、正に先生がおっしゃるとおり、目指してまいりたいというふうに思っております。そのために必要な特許審査官の増員ということは大変重要であるというふうに思っております。
 今後も、アウトソーシングを活用した審査体制の整備や、あるいは早期審査制度の強化に取り組んでまいりたいと思っております。
 なお、迅速かつ的確な特許審査の実現には、実は制度を利用する民間の方たちの協力も大事である、必要であるというふうに思っているわけでございます。
 なぜならば、我が国の特許審査件数、欧米に比較して非常に多いんですね。米国三十三万件、日本四十四万件、欧州十一万件と、こういうふうになっておりまして、特に大手企業の上位十社を見ますと特許成立率は五四・八%、必ずしも高くない。つまり、こういった企業行動が特許庁の審査負担あるいは審査待ちの件数を増やしまして、我が国全体としての審査処理のスピードを遅らせて、また企業コストを増大させているということも事実であるわけでございます。真の知的財産立国の実現には適切な民間企業の努力も必要だというふうに考えております。
 今回、私ども、四十二名の審査官の増員をお願いをしている、要求をしているところでございますけれども、いずれにいたしましても、我が省といたしまして、知的財産立国の実現に向けて積極的に取り組んでまいる決意でございます。
○遠山清彦君 ありがとうございました。
 四十二名の増員を要求されているということですが、是非、私どもの立場からも応援をしていきたいというふうに思っております。
 続きまして、知的財産の訴訟が最近起きております。かなり大きいものでありまして、発光ダイオードの訴訟、また最近では味の素の訴訟が起こりまして、大きく取り上げられております。これは私は、要するに日本では企業が莫大な利益を上げた発明あるいは技術に関して、発明をした張本人、個人研究者が法によって保障された対価を支払われていないんではないかということが根底で大きな問題になっているというふうに理解をしております。
 これは、法律上は特許法の三十五条、特に三項のところで保障された権利であるわけでありますけれども、従来の日本の企業文化の中では必ずしも職務発明、職務発明ということで会社に使用権を、通常使用権を認めている項目が特許法のこの一項目め、二項目め、あるわけでありますけれども、しかし、その三項、四項で保障されている特許権者、つまり発明した人は、使用者によって事実上冷遇されてきたのが私は実態なんではないかというふうに思っております。
 先ほど申し上げたとおり、日本が今これから経済産業省主導で知的財産立国を目指している中にあって、独創的で優秀なやはり研究者により一層のインセンティブを与え、また特許法の三十五条、この三十五条自体を見直そうという意見が企業サイドあるいは発明者サイド両方から出ているという現状があるわけでありますけれども、私は、バランスとして考えたら、やはり従来、発明する側の研究者の権利が必ずしもしっかり保護されてこなかった、権利関係が非常に不安定だった、あるいは通知されてこなかったというところがあるわけでありまして、また、この法律の中に書かれております相当な対価というものが一体何を具体的に意味するのか。
 これは今年五月、大阪地裁が、例えば会社が得た利益の五〇%、これを相当の対価とすべきだという司法の判断が出ているわけでありますけれども、これらの一連の現在進行中の事態を踏まえて、今後、この問題について平沼大臣、どういうふうに取り組んでいくお考えなのか、お聞きをしたいというふうに思っております。
○副大臣(大島慶久君) 遠山先生にお答えを申し上げます。
 今、先生が自ら御指摘をいただきましたように、この特許法の三十五条そのものを削除することを含めましていろんな、改正についていろんな方面から様々な御意見があることは我が省といたしましても承知をいたしております。
 他方、同条を削除することともしした場合、契約当事者として弱い立場にある多数の研究者の権利保護に欠けるおそれがある、これは先生がいろいろ今御指摘いただいている中で十分御理解いただいていると思いますが、そういう面もございます。
 こういった特許法三十五条に関して様々な意見があるということを踏まえまして、知的財産戦略大綱におきましては、職務発明制度の再検討を行うこと、こういうことに現在なっておりまして、今後、この職務発明規定が研究者に与える影響、あるいは企業の実態を踏まえながら、改正の是非については、二〇〇三年度中に結論を得るべく、産業構造審議会において目下検討を開始をいたしたところでございます。
 第一回目が九月十八日にスタートいたしましたが、できるだけ先生の御意見にも沿えますような検討が図られることを我々も期待をいたしております。
○遠山清彦君 分かりました。
 続きまして、もう時間も余りありませんので、東電の問題で通告していた質問全部できないと思いますので、是非聞いておきたい質問を選んでちょっとお聞きをしたいと思います。
 まず、東電を告訴するおつもりなのかどうか、この点についてお聞きをしたいと思います。
 保安院は、九月十三日の段階では、電気事業法や原子炉等規制法の法令違反を問えないということで刑事告発や行政処分をしない方針を明らかにしましたが、その後、新聞の報道では、大臣から待ったが掛かって、十七日の記者会見では刑事告発や行政処分をする可能性を残す発言をされております。
 もしできれば、私、今月末までに結論を出すのかなと予想しておりますけれども、保安院としては、法律に基づいてこの東電の隠ぺい、改ざんについて告発あるいは行政処分をするおつもりなのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 九月十三日に公表いたしました調査の範囲の限りでは、刑事告発に当たるような事案は見当たらなかったということでございますが、これは暫定的な調査結果でございました。少しでも早く国民の皆様にお知らせすることが重要であることから取りまとめたものでございます。
 その後、東京電力が既に公表いたしました内部調査結果の分析、法令に基づきます報告徴収あるいは立入検査の実施など、更に今調査を進めております。また、当初の二十九件以外に新たに明らかとなった案件についても現在調査を進めております。
 今後、これらの調査結果も盛り込んで当省としての報告を取りまとめることとしておりますが、その結果を踏まえて法律に基づいて必要な措置を取る場合はあり得ると考えておりますが、いずれにせよ、最終的な調査結果を待って判断をしたいと考えております。
○遠山清彦君 分かりました。
 それで、今回いろんな問題が出ているわけでありますけれども、一番ひび割れが多く発見されているのは、私も専門じゃないのでよく分かりませんが、沸騰水型軽水炉、BWRというもので応力腐食割れというものが起きていたということになっているわけでありますけれども、このシュラウドのひび割れの問題については、実はこれ、私は財団法人原子力安全技術センターのホームページに科学技術庁が元々書いていたものが転載されていたものを見付けてちょっとびっくりしたんですが、そこにはこう書いてあるんですね。
 一九九〇年八月、スイスのミューレベルグ原子力発電所において、最初の炉心シュラウドの溶接線近傍に割れが発見され、応力腐食割れであることが判明したと。その後、米国のゼネラル・エレクトリック社の勧告により各国で目視検査が実施され、一九九五年十二月までに世界で二十プラントにひび割れが発見されていたと。
 つまり、日本では今年ですが、世界では一九九五年十二月までに二十のプラントで既に同じひび割れが発見されていて、警告も九〇年に出されていたんですね。今から十二年前です。これがしかも日本政府の、科学技術庁のホームページに書いてあったのに、旧通産省は対応したのでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今、先生御指摘のとおりでございます。
 シュラウドの応力腐食割れに関しましては、海外の原子力発電所での発生が伝えられておりまして、一九九四年、平成六年でございますけれども、東京電力の福島第一原子力発電所二号機でも発見されましたことをきっかけといたしまして、当時の資源エネルギー庁は、技術専門家の意見を聴取しながらシュラウドの点検計画に関する検討を行いまして、平成六年の十一月にこれを取りまとめました。
 具体的には、発電時間が六年を超す沸騰水型原子炉を対象といたしまして、シュラウドの溶接線のうち、それまでにひびが発見されたことのある部位について、少なくとも定期検査二回ごとに一回の頻度で点検を行うことを点検計画として定めたものでございます。
 その後、二〇〇一年、平成十三年七月でございますけれども、東京電力の福島第二原子力発電所三号機において、腐食に強いとされておりました種類のステンレス鋼を用いたシュラウドにつきましても、加工方法によっては応力腐食割れによりますひび割れが生じたということでございまして、原子力安全・保安院といたしまして、平成十三年九月に、事業者に対して、同様の加工方法により製作されましたシュラウドについては定期検査時の点検の実施と報告を文書により求めたところでございます。
 この点検結果につきましては、随時事業者から報告を受けております。異常があった場合には個別に改善を指示するということでございまして、これらについては四半期ごとに原子力安全委員会にも報告しているところでございます。
○遠山清彦君 院長、今のお話は、結論的に言ったら、やっぱり国際社会で起こっている事態を深刻に受け止めてちゃんとやっていないというふうに私は解釈せざるを得ません。世界でこれだけ警告を出ていて、実際にひび割れが見付かっていて、しかし保安院は日本の原発から全然同じような報告が上がってこないことを不思議にも思わずに、これはNHKの「クローズアップ現代」でもやっていましたけれども、点検したって、ひび割れたところを外して点検して、それを、ああそうですか、全然ひび割れはありませんかと認めていたということがあるわけです。
 さらに、これは是非最後に平沼大臣にお答えいただきたい問題ですが、今回の問題が起こって、ある匿名の、原子力行政にかかわっていた元官僚がこういう発言を雑誌でしているわけですね。
 「膿を出すいいチャンスだ。表面しか見ることのできない役所のチェックには限界がある。」抜き打ち点検もこれからやるそうですが、制度化して。「抜打ち点検も格好をつけるにはいいだろうが、電力会社の改ざんは絶対に見抜けない。唯一の解決法は、告発者に傷がつかないようにしての内部告発の奨励しかない。」と発言しているわけです。これは、実は三年前にジェー・シー・オーの臨界事故が起こったときに改正があって、内部告発をした社員に対する解雇その他の不利益な取扱いを禁じる規定が設けられて、実は政府の立場としても内部告発を奨励しているわけなんですね。
 ところが、今回、内部告発は、もうこれは既に大臣何度もいろんな記者会見でおっしゃっていますけれども、二年前にされたのに、それがある意味ほったらかしになって、しかもほったらかしになっている最中に、もう新聞に出ていますけれども、内部告発をした人、その人が了解したということらしいですが、この人が特定できるような情報を東電側に漏らしてやっていたと。そうすると、規制をする側とされる側がやっぱりなれ合いの関係にあったと言われても私は全然しようがないんじゃないかというふうに思っているわけですね。
 ですから、東電が隠ぺいしていた、改ざんしていたという問題と、次元の違う問題として、東電とやはりこの保安院、それから経済産業省、大きく言えば、がなれ合いの関係にあって、全然チェックが働いてこなかった。大臣、先ほど中立、独立にチェックしてきたと言っていますけれども、そうは言えない事態があったというふうに思うんですね。
 ですから、私は、これは保安院の責任と関係職員の処分含まれるかどうか分かりませんけれども、保安院の検査体制の抜本改革しなきゃいけないと思いますけれども、最後にお願いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、遠山先生からOBのそういう話も御披露になりました。私も、その出どころ等が明確じゃないので、それに対してはコメントいたしませんけれども、私どもといたしましては、今回の原子力安全・保安院による調査の過程について、その手法とか要した期間については大変数多くの御批判を賜っていると認識しておりまして、その評価を厳正中立に行うために、御承知のように幅広い分野の専門家に入っていただきまして、私直属の今評価委員会を設けて御審議をいただいているところでございますし、また、今後の体制、検査の在り方も含めて、今回のような問題の発生を防止するための再発防止というのも御指摘のように一番大切でございますから、これも別の小委員会をしっかりと設けさせていただいて今検討を進めていただいているところでございます。
 経済産業省といたしましては、こういった御議論をしっかりと踏まえまして、これからの原子力安全規制行政の在り方でございますとか、法制面などの規制の枠組みについていかなる措置が必要かについて検討をしなければならないと思っておりまして、御指摘の点がそういう疑いが起こるようなことがないように私は万全を期していかなきゃいけないと、このように思っております。
○遠山清彦君 以上で終わります。
○委員長(中原爽君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩をいたします。
   午後零時二十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 東京電力に続いて、中部電力、東北電力でも原発の損傷の隠ぺい事件が次々に明らかになっております。東京電力の場合、当初、東電が明らかにした損傷というのは二十九件でしたが、その後マスコミ等で明らかになった再循環系配管に関する八件、また我が党の調査で明らかになりました四件など、少なくとも四十一件に拡大をしております。
 さらに、昨日、九月二十四日に我が党の東電不正事件究明委員会の調査に対して東電の取締役は、今後損傷がどの程度拡大するか分からない、こういうふうに述べました。当事者自身が今後損傷が拡大する可能性を認めているわけであります。
 そこで、まず大臣に伺いたいんですけれども、今回の事件、東電が当初発表した二十九件にとどまらないのではないか、当初の発表よりもはるかに深刻な問題だ、こういう御認識がおありなんでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回の東電による隠ぺいというのは非常に大きな問題だと思っておりまして、私もある意味では言語道断なことだと思っているわけであります。
 今御指摘の当初の二十九件、それから御党の御調査の中で出てきた四件と更に八件という御指摘がありました。そしてまた、今、東電の取締役の談話も御発表になられましたけれども、私どもとしてはこの問題については大きく受け止めておりまして、そして、何としてでも国民の皆様方の信頼回復をしなければならない、こういう思いで一杯であります。
 したがいまして、今後調査を進めるにつれて、今、その東電の取締役が、まだ出る可能性があると、こういうふうに言っているようでございますけれども、私は本人から確かめたわけじゃありません。しかし、可能性としてはそういったこともあり得るかなと思っておりますけれども、私自身としては、今後そういった拡大がどんどん広がらない、このことを信じていきたいと、こういうふうに思っております。
○八田ひろ子君 大臣がお信じになっても広がる深刻な問題だと私は思いますし、会社は言語道断で信用は地に落ちましたが、国の責任、大臣の責任というのも大きいと思うんです。
 東電の報告書を私ももらいまして読みましたが、事故隠しや記録の修正等の「今回の一連の不適切な取り扱いは、原子力の点検・補修業務に関して長年にわたり組織的に行われてきたと認定せざるを得ない。」、「立地地域の皆様からのご信頼を裏切るような行為を繰り返してきた事実、」というふうに述べております。事故隠しや記録の改ざんは長年にわたり組織的に行われてきたと当事者が言っていることが監督官庁として分からなかったということでは済まされないと思うんですね。事故隠し、記録改ざんの報告を長期にわたって黙って受け取っていた、そういうことがあるんでしょうか。
 なぜそうなったかというと、結局、そこにはなれ合いだとかあうんの呼吸だとか、こういうのがあったんじゃないでしょうか。こうしたことが、例えば慎重に取り扱うべき申告、内部申告ですね、手紙が来た翌日に東電に対して電話で問い合わせる、申告内容と東電の報告内容との相違点を事実関係にするように、こういう電話をするということにつながっていると思うんですね。
 そこで私は、事業者の自主点検が信用できない、こういう以上、公正に調査できる第三者機関、ここで虚偽報告の全容解明、これが求められていると思いますが、いかがですか、大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) まず、私は午前中の答弁でも申し上げましたけれども、内部告発があってから二年を要したということは非常に長く、その間いろいろな理由があったにせよ、ここは反省をしなければならないと思っています。
 私に対しては、本年、正確に言いますと八月の二十八日に報告が上がってきました。ですから、私は、事の重大さでこれは即刻公表すべきだということで、御承知のように、八月二十九日にそれを発表させていただきました。
 そういう形で、私どもとしては、二年掛かったということは大きな反省材料として、今後、今いわゆる評価委員会、それから再発防止のための小委員会、これは第三者の方々にも幅広く入っていただいてやっております。そういったことの評価を踏まえて、どういう体制が望ましいか、どういうことをしなきゃいかぬかと、こういうことを今後はっきり打ち立てていく、そのことが私は責任を果たすことであると思っています。
 それから、第三者の機関でやるべきではないかと、こういう御指摘でございますけれども、これは午前中の答弁でも申し上げましたように、中央省庁再編の際もいろいろ議論があったところでございますけれども、この問題については、やはり推進者たる行政の方にもこの原子力安全・保安院というものを設け、そして推進する側としては、ある意味では地域の住民の皆様方にもそういうしっかりとした認識の下に御説明をするという責任もある、それからしっかり管理しなきゃいけないという責任もあります。
 それと同時に、内閣府に置かれております原子力安全委員会の下に、内閣府の中に原子力安全委員会というのを設けて、そしてそれと原子力安全・保安院とのダブルチェックでやると、こういうことを中央省庁再編の中で我々はそれを採用して、そしてそれを実行しています。ですから、そういうダブルチェックシステムということをしっかりとこれからやっていくことが肝心なことだと、このように思っています。
○八田ひろ子君 ダブルチェックと言われますけれども、今回の東電の事故隠しというのは、ゼネラル・エレクトリック社の元社員の米国人の技術者の内部告発がなかったら発覚しなかった。原子力安全・保安院は事故隠しの発見もできなかった。こうしたことの背景には、保安院が原発推進を図る経産省の一部門にすぎないということですね。原子力の安全に関する条約でも、原発の推進機関から分離、独立した規制機関を求めています。
 ですから、原子力推進機関から独立をした、経産省から切り離してきちんとした規制機関を創設しなくては国民の信頼は得られないと思いますけれども、その道筋もお示しください。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今の御答弁でも私はちょっと触れさせていただきましたけれども、この原子力の安全規制に関しましては、原子炉等規制法が制定された当初からダブルチェック体制というのを採用しております。厳格にその規制はやってきたところでございます。
 これは、ダブりますけれども、先般の中央省庁再編の際にも、行政改革会議において、原子力安全の一次規制というのは原子力行政による内部チェックというのが必要だと、規制中心の省庁のみに任せず、原子力政策を所管する省庁で所管して、いわゆるダブルチェック体制を維持すべきだ、こういった議論は行われたわけであります。こういった議論を踏まえまして策定された中央省庁等改革基本法においても、エネルギーとしての利用に関係する原子力安全規制については、エネルギー政策について責任を負う経済産業大臣の下で規制を実施することとされているところであります。また、その二次的な審査については原子力安全委員会が実施する、こういったダブルチェック体制を引き続き維持強化する、こういうふうにされているところでございます。
 当省としましては、このような体制が取られた趣旨を踏まえまして、今回の事案への対応を含めまして原子力安全委員会にしっかりと御報告するとともに、御指摘等をいただきつつ、ダブルチェック体制の下で安全規制の実施に万全を尽くしてまいりたいと思っています。
 また、こうした考え方の背景について、これもダブりますけれども、原発立地を推進する際に安全性について保証し得ないものが立地地域の御理解を得ながら立地を進めるということができない、そういう現実もあるわけでございまして、ちょっと砕いて言いますと、安全性は知らないけれども立地をお願いするというようなことでは、ある意味では無責任な体制になってしまう。こうした観点からも私どもとしてはダブルチェック体制が必要であると思っておりまして、この体制をしっかりと強化して実施することがこれからの信頼回復、そして安全な行政につながっていくと、このように考えております。
○八田ひろ子君 私は、その考えは根本的に改めていただかなくちゃいけないと思うんですね。
 原子力におきましては、これまで高速増殖炉の「もんじゅ」の事故やジェー・シー・オーの臨界事故、輸入MOX燃料の検査データの捏造など、国民の不安や不信は増大しています。こうしたときに、今回の検査記録の改ざん、隠ぺいでその不信感とか不安感というのは増大をしているのは今朝からの論議の中で明らかで、少しでも疑問のある原発というのは運転を停止して直ちに調査すべきだと思いますけれども、一連のこの隠ぺい事件というのは沸騰水型の原発、いわゆるBWRを運転している各社ですね。しかし、更に加圧水型の原発、PWRに波及し得ないとは言えませんから、やっぱり原発を抱えるすべての電力会社の総点検をすべきなんです。
 私、今日は議論できませんが、大臣は国民の信頼の上にということをおっしゃっていますが、信頼が今あるでしょうか。プルサーマル計画をめぐる地元の不安と反発、国に対する厳しい不信というのは、もうこんな大きいときはありません。
 危険なプルトニウムの循環方式と核燃料サイクル施設計画を中止をすべきで、今回の事故の教訓に照らしましたら、私は、原発大増設路線、安全だといってそうすること、これは根本的にメスを入れていただきたい、これを強く求めて、質問を終わります。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 今、原発の損傷のひどい隠ぺい事件、この問題については本当に今後も引き続いて追及をしていかなければならないと私たちも思っています。
 今日、私は特に、問題は違った問題ですが、大型のスーパー、マイカルの問題について質問をさせていただきたいと思います。
 御存じのように、この数年、全国各地で長崎屋、壽屋、ダイエー、マイカルなど、本当に大型スーパーの倒産が相次いでいます。今日は、このうちのマイカルの破綻とその出店している中小テナントの皆さんが抱えていらっしゃる問題を取り上げたいと思います。
 第一に、マイカルは昨年九月に倒産しました。現在、会社更生法の手続中です。マイカルの倒産の理由について経済産業省は現状をどう把握されていますか、簡潔に説明をください。
○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。
 マイカルは、マイカルタウンと呼ばれます大規模なショッピングセンターの建設などによりまして多額の有利子負債を抱えておりました。このため、昨年一月に経営再建計画を策定し有利子負債削減に努めてまいりましたが、売上げが改善、回復せず、また資産売却も円滑に進まなかったことから、昨年九月十四日の民事再生法適用申請に至ったものと承知しております。また、幾つかの経緯を経て、十一月二十二日には会社更生法の申請に変わったということでございます。
○大沢辰美君 結局、会社更生法に転化されて、そして今イオンの支援を受けて再建に移行していると聞いております。再建中のマイカルは、今年一月に十九店舗の閉鎖を発表していますね。八月末、この八月三十一日ですが、その店舗を閉鎖していますね。さらに、今後四店舗の閉鎖を発表しているようでございます。現在、百二十一店舗で事業を展開中だと聞いておりますが、私は本当にこういう事態の中で中小テナントの方たちが大変だという実態を併せて認識をしていただきたいと思います。
 だから、要するにマイカルは、今説明もありましたけれども、無理な出店を重ねて倒産をしたと。マイカル経営陣の責任は大きいと思いますね。しかし、そのマイカル本体は、今も申しましたように、イオンの支援を受けて再建中、いずれかの形で私は再建されると思います。
 しかし、私が心配するのは、だれからも支援をしてもらえない、支援どころか、何の補償もなく店を出ていかなければならない、そういう状態に追い込まれるかもしれない、倒産、廃業に追い込まれようとしている中小テナントの皆さんのことなんです。
 現在、マイカルに入っているテナントの総数、そしてその今閉鎖されたと言われている十九店舗の中に入っているテナントの総数は幾らになりますか。
○政府参考人(望月晴文君) 先ほど、閉鎖をされております十九店舗に入っておりますテナント数は、賃貸借契約を締結する厳密なテナントでございますけれども、四百六十九テナントでございます。それから、マイカル全体のテナント数につきましては、若干の出入りがある可能性がございますけれども、管財人で把握している限りでは約四千七百であると聞いております。
○大沢辰美君 今答弁がありましたように、本当に、全体の店舗のテナント数が四千七百余りあると、閉鎖の決まった店舗のテナントは四百六十テナントです。本当に大変な数ですよね。しかし、テナントの皆さんは、ほとんど地元の美容院さんだとか靴屋さんなどなんですよね。この人たちは本当にもう中小零細業者です。
 私は、あるテナントの方は、この店舗が閉鎖される、そうですね、四か月前に開店したという方もおられましたね。去年の四月二十七日に開店しましたと、そして一生懸命自助努力をしてきたけれども、今家賃も払えなくて困っているという実態もあります。家賃を払えと、マイカルの職員なんか、もう恫喝に似たような請求ですか、そういうのを受けてとても苦しんでいるという悲痛の声を、私たち、今、十九店舗のうちの四百六十九テナントがと言っていましたけれども、その数に匹敵するような方たちが私たちの方に声を寄せられています。
 そういう実態の中で、私、大臣にお聞きしたいんですけれども、私はこの問題に関する率直な気持ちをお聞かせいただきたいんですが、破綻を引き起こした当のマイカルは何らかの方法で再建されるのに、破綻には何の責任もない中小テナントの皆さんが経営の危機に陥れられる。私、どこかおかしいと思うんですけれども、大臣、率直な今のお気持ちをお聞かせいただけませんか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、大沢先生が御指摘のように、マイカルのテナントの方々が大変な厳しい状況に置かれている、このことについては私どもも深刻に受け止めているところでございまして、やはりこういったまじめに業をなされ、そしてその大型倒産のあおりを食らって厳しい状況に置かれている方々に対しては、きめ細かく私どもはセーフティーネット対策、こういったものを講じていかなければならないと、このように思っております。
○大沢辰美君 そうしたら、ちょっと具体的にお聞きしたいと思うんですけれども、私は本当にテナント業者がマイカルに損害賠償を求めても当然だという思いをしてならないんですけれども、言ったら勝手なことをやって破綻して迷惑を掛けたんだから、私、アメリカだったらもう当たり前の話だと思うんです。でも、日本では中小業者がいつも弱い立場に立たされているという実態。
 これは兵庫県の、私の地元の三田サティというところがありますが、営業は続けているんですけれども、お客さんが減って、対前年度比四七・三%という売上げの減少になってしまったと。だから、家賃を払うのも苦しいテナントが生まれているわけですね。経済産業省としてはマイカルの関連中小企業対策、保証、貸付けの制度を作ってくださっているわけですけれども、この貸付制度は作っていることはもちろん知っているんですが、ところが、中小企業庁がそういう形で作られているけれども、かなり現場では借りられないという実態が生まれているんですね。
 これは、先日、聞き取りをさせていただいたんですけれども、Aさんという人は、昨年九月にマイカルが倒産して、売上げの預け金、これが返ってこなくなって月末の支払に支障を来したと、だから融資を受けたいと思って国民生活金融公庫に相談をしたと、これはまあ相談会がありましたからね。だけれども、国民生活金融公庫の担当者は、三田サティ以外には店を出しているのかと尋ねられたり、ほかにはありませんと答えたら、三田サティの店の閉鎖は決まっていないにもかかわらず、三田サティは閉鎖は決まっていないんですね、決まっていないにもかかわらず、三田サティは存続が難しいため貸付けは無理ですと言われているんですね。それでは連鎖倒産防止の貸付けは使えないのですかと尋ねたら、これ以上借入れをしても店が閉鎖されるのでは返済は無理でしょうと言われて、結局借りれなかったと言うんですね。
 ですから、本当にこういう関連のマイカルの中小企業対策の制度を作ってくださったけれども、この三田サティに出している店は借りれない。だけれども、他のサティに出店されていたら貸しましょうという、ほかの例もあるわけですね。
 ですから、この制度が、店舗によってこういう形で借りれる人と借りれない状態を作ってしまうような制度は私はないと思うんですが、その点本当に、担当は国民生活金融公庫の対応になってくるわけですが、制度を作ったけれども現場ではこんな苦しい状態に追い込まれている。現場の実態も踏まえてこの点については是非、セーフティー融資の趣旨にも反すると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(斉藤浩君) マイカルグループに関連しましては、中小企業庁としましてセーフティーネット融資と、それからセーフティーネット保証ということで対応をしてきております。それぞれ、昨年の九月から今年の九月までの実績としまして、政府系三機関で融資の方でいえば八十七億円、五百八十九件の方々に実際の融資をしている。国民金融公庫、件数としてはその中でもかなりの額及び件数をやっているわけでございます。セーフティーネット貸付けでございますので、ある意味ではお困りになっている事態というものを考えながら、正にセーフティーネットとしてお貸しするということでこれまでも対応してきておりますが、今後とも万全を期したいと思います。
 なお、保証につきましても、やはり実績でいいますと、直接倒産先ということでこれまで指定をしてまいりましたが、約百十億円、七百件以上の保証ということで対応してきております。
 今後とも、セーフティーネットの趣旨にかんがみまして、関連の中小企業者あるいはテナントの方々に対する対応につきましては万全を期したいと思っております。
○大沢辰美君 私が聞いたのは、マイカルの店舗によってこの制度を借りれる、借りれない、そういうことのあることはないということですね。そのことを確認させてくださいますか。
○政府参考人(斉藤浩君) 融資の方につきましてはございません。
 それから今、保証につきましても、マイカルと全体として取引があった方々につきましては店舗による差はないわけでございます。ただ一つだけ、保証につきましては実は法律上の少し要件の書き方が違います。
 というのは、入っておられるテナントの方々というのは、実はある意味では実際上のマイカルと商売上の取引があるわけではございませんで、店舗の中に入っていたという関係でございます。それらにつきましては、実はこれまでは過去の流通大手の店舗の閉鎖の例にかんがみまして、その中に入っているテナントの方々につきましても影響がある場合については別途指定をさせていただく、倒産関連ということではなくて、店舗が閉まることによって苦労される方々に対しましては、その店舗の閉鎖後、経営に影響が出たということで別途のセーフティーネット保証の指定をしてまいりました。そういう意味では、セーフティーネット保証のテナント向けにつきましては、保証、店によって事態を変えてその影響に応じた対応を図っているということでございます。
○大沢辰美君 私、店舗には差がないということを確認させていただいて、今、保証の問題も出されましたけれども、今、私、貸付けのことでお聞きしています。
 ですから、今のこの実態を私、大変詳しく説明をさせていただきましたので、是非実態を調査していただいて、今、この方が、自分が店舗が三田サティだったら借りられなかった、ほかのもう一つ、ウッディタウンサティというのがあるが、そこだったら借りられたという実態が生まれていますから、調査をしていただいて、是非報告をしていただけますか。そして、改善をしていただけますか。
○政府参考人(斉藤浩君) 個別の融資条件にもよるかと思いますが、制度的な対応も含めまして、調査をしたいと思います。
○大沢辰美君 よろしくお願いします。
 それで、今、保証では約七百件されたということをお聞きしましたが、今度、ちょっと保証の問題について、経営安定関連保証についてお聞きしたいと思うんですが、マイカルの倒産に伴って、これは群馬県の例なんですが、沼田サティというのがあります。これは十九店舗の中に入っている一つなんですけれども、この沼田サティのテナントの業者は、撤退発表以来、一月ですね、売上げが三割以上減っているから影響がとても大きい、金融機関に融資を申し込んでも、サティが閉められるならこれからどうやって経営していくのかと言われるし、経営計画が立てられないために保証も融資も受けることができない、だから大変資金繰りに苦労されているという実態を私たちに寄せられています。
 これは沼田サティだけじゃなくて他のサティでも、閉鎖店舗のテナントは、これからセーフティー保証、いわゆる中小企業の信用保険法第二条第三項の第二号指定ですね、これは閉鎖店舗により影響を受ける中小業者の対象ということを今言われましたけれども、この対象にこれからなっていくと思います。この二号指定も、私は大きな問題が残っていると思うんですね。
 結局、これは対象として指定されるのは実際に店舗が閉鎖されてからとなっているために、閉鎖発表の段階では利用できないようになっているようですね。ところが、閉鎖の発表された時点から閉鎖店舗として名前が挙がったために、大変、お客さんも、それから売上げも減っているという実態があるわけですから、だから私は、店舗が閉鎖される以前であっても、発表の段階でこの二号指定の対象とすることが、制度の拡充という点で、指定の発動要件の緩和、実態を踏まえた制度の拡充を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(斉藤浩君) 今回のマイカルにつきましては、御指摘のとおり、今年の四月から八月にかけて既に二十六店舗の閉鎖が五月雨的に実施されております。さらに、まだ発表がされて実際に閉鎖されていない店舗も四店舗ございます。
 これらの店舗全体、閉鎖済み及び今後閉鎖が予定されているところを含めまして、中小企業庁の方で関連の事業者さん、納品事業者であるとかテナント事業者について経営実態を調査をいたしました。その結果、これまでの運用では店舗閉鎖後ということでございましたが、今般、店舗の閉鎖が発表されて実際に閉鎖がまだ行われる前の段階につきましても、閉鎖後のテナントさんと同じようにセーフティーネット保証の対象とするという方向で検討いたしております。
 具体的には、既に閉鎖が始まって閉鎖されたものにつきましては、四月二十一日、最初にこれはサティの店が閉まった日でございます、その日にさかのぼります。沼田は八月の末で閉めておりますが、それもさかのぼって影響を見ておこうと。それから、御質問の、まだ閉鎖はしていないけれども発表があったもの、これにつきましては、その四店舗、七月の二十四日に閉鎖が発表されておりますので、その日に遡及をしまして、閉鎖以前であってもセーフティーネット保証が適用されるように措置したいと思っております。
 具体的には、指定が必要でございますので、早急にそういう方向で指定をいたすという方向で考えております。
○大沢辰美君 これ以上の閉鎖はあってはならないと思いますけれども、今答弁ありましたように、閉鎖発表でこの二号指定の発動が可能となると理解してよろしいですね、中小企業庁の方は。
○政府参考人(斉藤浩君) そのとおりでございます。
○大沢辰美君 では、私、最後に大臣にお伺いしたいと思うんですが、テナントの皆さんの大きな不安になっているのは入居時に支払った敷金、保証金が一般債権としか扱われていない、返還の可能性が少ない、返ってもほとんどの少額ではないかということなんですね。一店舗の保証金は、一般に月額の賃料の大体四十から五十か月分に相当する高額で、数百万円から一千万円を超える場合があると思うんです。この敷金、保証金が返ってこなかったら、新たなところで再出発する資金もない。倒産や廃業に追い込まれるのは目に見えていると思いますね。
 そもそも、私は敷金、保証金というのは家主に何か損害を与えた場合に差し引くために取っている預り金だと考えます。それが一般の売掛金、貸付金と同じような扱いにされるのは社会的常識からもおかしいと思うんですね。敷金、保証金は返さない、しかし店は出ていけということになれば、長崎屋の例でも分かるように、多数のテナントが大きな損害を受けて、結局は倒産、廃業に追い込まれるのは間違いありません。マイカルのテナント数から見れば、今、四千七百テナントですか、本当に大きな社会問題になると思うんですね。
 テナント業者の敷金、保証金の保護の問題では、私たち日本共産党も昨年から何度も大臣の方にもお願いに行きました。その後、経済産業省としてテナント保証金問題研究会を設置されたと聞きました。検討を始められたとも御連絡もいただきました。この点は、私、大臣の機敏で本当に積極的な姿勢を評価をさせていただきたいと思います。全国のテナントの皆さんも、経済産業省がこういう形でテナントの人たちの声を聞き始めてくれたんだという思いをして喜んでいらっしゃるんです。
 だけれども、その期待にこたえていただきたいというのが私の今日の質問の、最後の大臣に対する質問なんですけれども、大臣、この研究会を発足させたその趣旨と意気込みというんですか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 テナントが多額で、そして長期間の保証金を支払うという商慣習については、流通業の破綻リスクが高くなっているという現下の状況においては改善の余地があると、このように認識しております。
 経済産業省としては、今後の保証金の在り方について、今御指摘いただいたこのような研究会の場を通じて関係者間での議論を深め、契約期間が長い、あるいは中途解約の手続が存在しない、こういった問題に対して具体的にどのような方策があるかについて真剣に検討をしているところでございまして、本年七月から月一回、これまで二回開催をさせていただきました。本年末をめどに取りまとめていきたいと思っております。
 委員の皆様方にはテナントの皆様方あるいはディベロッパーの皆様方や有識者の方々に入っていただいて、今鋭意進めていただいておりますので、まとまり次第、私どもとしたしっかりした方向を出さなきゃいかぬと、このように思っております。
○大沢辰美君 研究会がどういう方向が示されてくるのか、本当に全国の今悲痛な思いで頑張っている中小テナントの皆さんは注目をしております。
 私、少し心配なのは、この研究会には、大手スーパーの立場、いわゆるテナントでもナショナルチェーンの全国展開チェーンですか、テナントの人たちも参加されておられるそうでございます。そもそも研究会に課せられた課題は、弱い立場にある中小テナントの業者の営業をどう守っていくかということにあると思います。だから、その趣旨に沿った研究会報告になることを全国の中小テナントの皆さんは見守っています。ですから、この業者の皆さんの営業権、そして敷金、保証金の保障の問題に明るい光が当たるように本当にお願いしたいと思うんです。
 この点で平沼大臣の強いリーダーシップを発揮していただきたいと思います。そのことを期待いたしまして、私の質問を終わります。
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。
 閉会中でありますが、決算委員会が開かれております。やはりこの決算の問題、地味な問題でありますが、しっかりと審査をさせていただきたいと、こう思っております。
 ところで、農業農村整備事業でございますけれども、これは毎年一兆一千億とか一兆二千億、非常に大きな金額が使われているというところであります。これの入札・契約制度でありますけれども、これは私も衆議院時代、いろいろと参画をしましてやらせていただいたんですが、平成六年に閣議了解をし、新入札制度ということでやってきております。
 このことについて、会計検査院が、平成十一年、十二年、大変な労力を使って、一件一千万円以上のもの七千四百件について調査をしております。特にこの農業農村整備事業の公共工事について行っているわけですが、その結果、新入札制度の導入が市町村では遅れておるという指摘があります。地方公共団体では、登録業者の指名に偏りが大きく、指名機会が均等に確保されていないと、こういう指摘をされているわけです。
 北海道については、公取委員会が立入検査もしまして、一定の効果が現れていると、こういうふうになっているわけですが、やはり入札契約の適正化というのは、税金を節約をする、国のお金を節約する意味でも非常に大切なことだと思うわけでありますが、このことについて、農水大臣そして総務副大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(武部勤君) 地方公共団体における公共工事の入札契約の手続につきましては、地方自治法及び地方自治法施行令等に基づきまして事業主体が定めているところでございます。
 農林水産省としては、農業農村整備事業を所管する立場から、御指摘の会計検査院の報告を受けまして、入札契約適正化法の趣旨も踏まえまして、平成十四年一月二十一日付けで、地方公共団体に対しまして、入札・契約制度の適切な運用に努めるよう、文書により要請したところでございます。
 農業農村整備事業の補助事業の執行手続につきましては、今後とも、地方公共団体への情報提供等を通じまして、公共性、透明性が十分確保されるように適切に対応してまいりたいと、かように考えております。
○副大臣(若松謙維君) 広野委員の御指摘の会計検査院の指摘は私どもも承知しておりまして、平成十二年に制定されましたこの公共工事入札契約適正化法、また閣議決定された適正化指針、これを踏まえまして、国土交通省とともに趣旨を各自治体に徹底をいたしまして、今、透明性の確保及び公正な競争の促進等について全力を挙げているところでございます。
 また、近々、公共工事入札契約適正化法に基づく公共工事の各発注者の入札契約の適正化への取組に関する調査結果、これがまとまる予定でございまして、総務省としても、国土交通省並びに財務省と連携して、この結果を踏まえて、適正化指針に照らして特に必要と認められる措置を講ずべきことを地方公共団体に対してしっかりと要請してまいりたいと考えております。
○広野ただし君 私も田舎出身なので、やはり田舎の方での新入札制度というのはいろんな抵抗があります。ですけれども、やはりしっかりとやっていきませんと、やはり税金を少しでも節約をして有効に活用していくという観点から、農水省そして総務省、大いに御指導いただきたいと、こう思います。
 それと、やはり検査院が指摘をいたしております農業集落排水事業、これも非常に大切な事業で、よく言われることですが、農村に嫁さんが来てもらうためにも何といってもトイレがちゃんとしていないといけないと。こういうことからいって非常に大切な事業なんでありますが、汚水処理区がすぐそばにあるのに汚水処理施設を二つ作るとか、そういうことが多々あるということでございます。
 三十一市町村、七十汚水処理区でもしそれを接続をしておれば七十億円は節約できたんじゃないかというようなこともございます。過去十五年間の間に二兆八千億の事業費でこの集落排水やっておるわけでございますから、これは氷山の一角だと思います。いろんな意味で、特に連続できるような区域であれば大いに接続をするというようなことをやっていただきたいと思いますが、この点について、農水大臣よろしくお願いします。
○国務大臣(武部勤君) 農業集落排水事業の実施に当たりましては、地域の特性や経済性等を勘案して効率的かつ計画的に実施することは極めて重要でございます。農林水産省と国土交通省あるいは環境省とが連携した取組の結果、平成十年度までにすべての都道府県において総合的な汚水処理施設整備の構想が策定されているところでございます。
 農林水産省としては、会計検査院の指摘を受けまして、更なる効率化を進めるために汚水処理区の設定に当たっては経済性の検討を徹底するよう平成十二年十月に農業集落排水整備計画マニュアルを改訂いたしました。そして、地方公共団体に周知徹底を図ったところでございます。
 このほか、一層の効率的な事業実施を図る観点から、平成十二年度から下水道との接続による処理場の共同利用を積極的に推進するということとともに、平成十四年度からは合併処理浄化槽と一体的な計画の下で連携して整備を進めてきております。さらには、汚水管路を埋設する深さを浅くするという新たなる工法の導入によりましてコストの縮減に努めているところでございます。
 これらの結果、平成十四年度新規採択地区の戸当たりの事業費は平成十一年度と比較いたしまして平均して約三割縮減されるなどの効果が現れてきているわけでございまして、農林水産省としては、更に効率的かつ計画的に推進してまいりたいと、かように存じます。
○広野ただし君 最近、脱ダム宣言だとかいろんなことが言われていますが、私は必ずしもすぐそういう結論にはならないんでありますけれども、公共事業の再評価の問題、これは非常にやはり大事なことで、公共事業関係省、前は六省庁ございましたが、今は一府二省ですか、ということでありますが。
 この再評価によって、例えば土地改良事業の場合は経済効果を総事業費で割って投資効率、これが一以上でないと実施しないと、こういうことでやっておられるようであります。特に、この土地改良の直轄事業、例えばウルグアイ・ラウンドであれば半分以上の三兆円以上、土地改良関係に出たと思います。
 いろんなことで、この再評価を行うということは非常に大切だと思います。その再評価のときに、いろんな計数といいますか要因のものを、やはり昔のデータを使うんじゃなくて新しいデータを使って、五年ごとにやられるにしても、そういうことで最新時点の評価でもって中止をするとか休止をするとか、そういうことをやっていただきたいと思っております。
 会計検査院も指摘しておりますが、農水省は中止したものが二十六件、休止したものが二十一件とか、こういうことでやられているようでありますが、この農水省の公共事業の再評価のことについて大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 農林水産公共事業につきましては、平成十年度から事業の効率性、透明性を確保する観点から、原則として、お話のとおり、事業採択後五年を経過した地区を対象にして、五年ごとに社会経済情勢等の変化を踏まえた再評価を実施しているところでございます。
 その中で、再評価の時点での費用対効果の分析は行っていくべきものと考えておりますが、林野公共の一部の事業については試行的に既に実施しているものもあるわけでありますけれども、例えば受益農家の意向でありますとか営農に必要な労働時間等々、農家の経営に関する事項の把握に多大な時間とコストを要するのでございまして、計画策定時点の手法に代わる把握手法を検討しておりますことから、農林水産公共事業全体としては費用対効果分析の算定基礎となった要因の変化を評価項目としているところでございます。
 いずれにいたしましても、農林水産省といたしましても、今後とも農林水産公共事業の再評価の的確な実施を行っていくということが非常に大事だと、かように考えておりまして、再評価時点での費用対効果分析についても早急な試行的実施を行う等、評価手法の改善に是非努めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○広野ただし君 やはり事業を実施したからそのままずっとやっていくということではなくて、それ、五年ごとなら五年ごと再評価をして厳正にやっていただきたいと、こう思います。
 ところで、BSE、狂牛病対策における牛肉在庫緊急保管事業及び市場隔離牛肉処分事業ですか、これを非常に悪用して、日本フードですとか日ハムあるいは日本食品等の違法行為が多発をしたということであります。言語道断なことということで日ハム等の会社幹部の処分等が行われたということでありますが、もう一つ、やはり行政の責任というものもあろうかと思います。
 特に、こういう違法な行為は食肉に対する消費者を始めとする国民の信頼を非常に失わしめた、こういうことでありますが、今後こういう食肉業界あるいは農水省の行政の対応といいますか、そういうことについてどのようにお考えか、見解を伺います。
○国務大臣(武部勤君) 念のために申し上げておきますけれども、この事業に対しまして日本ハムから九百三十八トンの在庫牛肉が事業申請されておりますけれども、今回の偽装事件によりましてすべてを補助対象から除外することとしておりまして、日本ハムには助成金が一切支払われていないということになっていることをまず申し上げておきたいと思います。
 どうしてこういう偽装事件が相次いでいるのかということでございますが、相次いでいるというよりも、事件発生は昨年の十月の末から十一月の初めに同時に起こっているわけですね、この詐欺行為というのは。しかし、本年一月二十三日に発覚した雪印食品の偽装事件以降、抽出調査から全ロット抽出、そして私の判断で、不正は絶対許してはならないということから、全箱検品の実施を決断したわけでございます。それがどんどんどんどん検品が進んでまいりまして、一連の偽装の発覚というその契機になっているのではないかと思っております。もう六千トン余り検品しておりますが、九九・九五%は適正にこの事業が行われているということでありまして、いずれにいたしましても、〇・〇五%に補助金を給付できないという事実があるということは、これは私ども重く受けなければなりません。
 また、BSE対策を悪用するこうした偽装事件につきましては、責任者のけじめを求めるとともに、刑事告発を含めまして厳正に対処をしてきたところでございます。
 今回の一連の事件の原因とか背景についていろいろ御指摘がございますが、私は、まず第一義的に、食肉業界が安全、安心な食品を求める消費者ニーズへの対応よりも利潤追求ということを優先させる体質が根底にあるのではないかと、このように考えますし、行政の立場におきましても、やはり納税者主義、消費者主義ということを徹底していなかったということが大きな反省点であろうと、かように存ずるわけでございます。
 いずれにいたしましても、いろいろな御批判をいただいておりますので、今回の偽装事件により国民の皆様から食肉業界に対する不信、あるいは食肉行政に対する御批判、あるいは政官業の構造問題等々指摘されておりますので、今般、私の私的諮問機関といたしまして食肉流通問題調査検討委員会を設置いたしまして、第一回目の会合を九月三十日に開く予定にしているわけでございます。
 本委員会においては、消費者の視点に立って食肉の製造、加工、流通、販売の問題点を解明するとともに、国民の信頼を回復するための今後の食肉業界、行政の在り方、意識改革等々、体質改善方策について幅広い観点から御議論をいただきたい、そして御提言をいただきたいと、このように考えている次第でございます。
○広野ただし君 早くその諮問委員会の結論を得て実行に移していただきたいと、このように思います。
 ところで、経済産業大臣にお伺いいたしますが、中小企業の金融安定化特別保証でありますが、これは平成十年十月から二年間というつもりでやられて、その後一年延長しまして昨年の三月終了いたしております。二十九兆円の特別保証がなされた。これは私は、非常な金融逼迫の折、また貸し渋り等があります中で、中小企業の活力を維持をするという意味から一定の効果を収めたものだと、このように思っております。
 ところが、現在、会計検査院の月報等でも指摘をしておりますが、代位弁済額が非常に激増しているということであります。実績として、今年の八月末現在で一兆四千億円近い代位弁済が出てきている。事故率といいますか、それが四・八%、これがどんどん上がってくるということではないかと思います。それに対して回収というのが、実際、無担保無保証というような形でやりましたから、非常に回収率が低いという状況になっております。
 そういうことから、会計検査院がちょっと試算をいたしておりますが、このまま行きますと資金がショートして、八千億円ぐらいの積み増しをしませんと、投入をしませんと、中小企業事業団信用保険部あるいは保証協会がどうなるかですが、そういうところが非常に困るということになってくると、こういうことであります。そういう中で、その手当てをどのようにしようとしておられるのか。ぎりぎりまでずっと回収だとか何かをやってそのまま行って、最後のところで措置をしようと、こうされるのか、あるいは計画的に、例えば補正予算等があるかどうか分かりませんが、かなり計画的にその措置を、手当てをしていこうとお考えなのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(古屋圭司君) 私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 特別保証でございますが、委員御指摘のように平成十年から三年間で百七十二万件、二十八兆九千億ということで、セーフティーネット効果は極めて高かったと思います。私どもの試算でも、これによりまして一万社の倒産あるいは十万人の失業を回避することができたという結果が出てきております。
 確かに今、いわゆる代位弁済率が四・七八%で、制度設計上は一〇%でございますからまだ多少余裕ありますが、しかし、今のこういった厳しい経済状況ですので、委員御指摘のように、この動向というのは極めて注意深く見守っていく必要があると思っておりまして、信用保険収支全体の赤字が平成十三年度で約六千億円ぐらいということが予測されておりまして、やはり総合的な対策を講じていく必要があるというふうに考えております。
 したがいまして、まず代位弁済後のいわゆる求償権の回収、これは今約六・五八%でございますが、これはできるだけ上げるような努力をしていくということがまずやるべきだと思っております。また、法律上、融資基金が七千五百億円ございまして、これを一応切り崩すことができるということになっておりますので、これをどうやって切り崩していくかということも検討していきたいと思いますし、また、財政資金の投入ということもあります。あるいは保証料率を見直していくということも検討していくべきだと思っております。
 こういった総合的な対策によりまして、保険財政の基盤をしっかり確立していく必要があると、このように考えております。
○広野ただし君 ところで、今日はお忙しいところ、日銀総裁にもおいでいただきまして、先ごろ、日銀の方で銀行保有株式の買取りといいますか、そのことを発表されたわけでありますけれども、このことについて海外の論評は非常に厳しいものがあります。
 二十日付けのウォール・ストリート・ジャーナルでは、銀行のモラルハザードを助長する最後のごまかし屋に落ちた、デフレ収束にも不良債権にも寄与しない捨て鉢の行為は大失敗に終わるだろうというようなことを言っておりますし、十九日付けのイギリスのフィナンシャル・タイムズは、市場を唖然とさせたというようなことを言っておりまして、九月末を前に株価を押し上げ、銀行が現実から目を背ける時間を稼ぐ政策というような批判をしている。また、ロンドン・エコノミストも、一時的な株価押し上げ以上の効果はなく、今や日銀の独立性は疑わしいと、こういうことを言っております。英国タイムズは、世界第二の経済大国は今やバナナ共和国のようだと。バナナ共和国とは、政治、経済の運営能力がなく、経済危機や通貨危機に常にさらされる小国を表すべっ視用語だと、こんなような話のことであります。
 日本の経済界あるいは銀行界は、金融界はもう何でもやってくれというようなことでありますから、ルールなき世界に入っているようでありますから歓迎というようなことでありますが、速水総裁は非常にこの決断に渋られたというふうにお聞きしておりますが、一般的にこれは禁じ手と、日銀法四十三条の例外規定ということでありますけれども、禁じ手と言われております。どうしてこれは禁じ手と言われるんでしょうか。
○参考人(速水優君) まず、先生がお読みになった海外の新聞は、実情、やったことの実情を理解されないで、その日に書かれた新聞が多いんです。今日辺りのをごらんになってください、随分変わってきていますから。事情が分かっているんです、分かるにつれてですね。我々もその日にもう少しよく海外にも説明すればよかったんですけれども、何分、御承知のように海外では民間銀行というのは株を持たないんです。ドイツと日本だけなんです。ほかの国は株を持っていませんからね、その株を中央銀行が買ったからどうだこうだというのは、これは日本の事実、実情を理解しないで書いている新聞記事だと思いますし、だんだん変わってきつつありますから、このまま変わっていくと思います。その点は御安心ください。
 それから、禁じ手であるということでございますが、確かに日本銀行法では、日銀法の目的は信用秩序の安定維持ということでございますから、そのためには何をすべきかということを私ども常に考えて操作しているわけですが、通常、中央銀行というのは、手形とか国債とか満期の利回りの確定した資産の買入れといったような、こういうものを通じて金融市場に資金を供給し、国民の必要とする銀行券を発行していくというのが普通の我々の日常の仕事なんです。そういうことで、中央銀行が株式に関与するということは異例の措置であることはもう事実です。しかし、私どもの今回の措置はあくまでも、株価を上げるとか、あるいは資金供給を増やすとか、そういうことではなくて、資金供給を、あくまでも金融機関の保有している株式の価格の変動リスクをなくそうと。
 今、御承知のようにアメリカの株価低下を始めとして世界じゅうが株価下がってきているんですね。日本でも御承知のようにかなり下がっておりますし、ドイツなどはもう年初に比べて四割から下がっているんですね。日本は一割ぐらいですけれども、しかしかなり下がって、まだこれから下がっていくかもしれない。
 それに対して、日本の銀行というのはかなりの株をまだ持っているんです。戦後、御承知のように、オーバーローンあるいは銀行と企業との、取引先との持ち合いというような関係で資金が動き、それが産業を興していったということは確かに大きな貢献をしたわけですけれども、その残りがまだ残っておりまして、大銀行の持っている株価、株の所有高は、いわゆる銀行のティア1といっておりますが、自己資本をはるかに上回る金額なんですね。十七兆に対して二十五兆ぐらい、大銀行。
 この大きな株の保有高というのは、株価が下がってくれば、これ今、時価評価ですから、九月決算にしても三月決算にしても、その下がった価額で損が立つんですね。それで、その損が立つということは自己資本が減っていくということなんです。そうでなくても自己資本が減ることを非常に懸念している、海外、内外の日本の金融機関を見る目というのは、やはり不良化した融資がたくさんある、自己資本がそんなにたくさんないと、そういうことを心配しているわけですから、そこのところは非常に今、銀行としても気にしているところなんですね。
 そういうことを考えて今回の措置を取ったわけでございまして、金融システム全体の安定に寄与するためのものであるという点は御理解いただきたいと思います。
 確かに禁じ手で、日銀法では通常の取引でございませんから。しかし、目的を達成するために必要なときには財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受ければできることになっておる。四十三条で認められているとおりでございます。
 したがいまして、そういう現状であるということを御理解いただいて、海外でも、それはそういうことを今まで日本しかやっていませんから、分からないでそういう記事が出ているかもしれません。
○広野ただし君 それでは、行政側の金融庁、副大臣の御見解を伺いたいと思います。
○副大臣(村田吉隆君) 今、日銀総裁が御答弁なさったとおりでございまして、今回の措置が日本の民間金融機関が保有している多額に上る株式の保有から生ずる価格変動リスクを遮断する、こういう目的で行われるというふうに聞いておりますから、そういう意味では私どもとしては現下の情勢にかんがみ適切な措置であったと、こういうふうに思います。
 ただ、私どもも、そうした日本の金融機関が株式の持ち合い等によりまして大変巨額の株式を持っていると、こういうことでございますので、既にこうした金融機関が保有する株式の価格変動リスクを遮断すると、こういうことで、銀行の保有する株式の保有制限、これを導入するという措置を取りましたし、それに伴いまして銀行等保有株式取得機構の設立と、これも国会の方で法案の審議をお願いし、成立したところでございまして、同様に、今回の日銀の決定でございますが、私どもがこれまで取ってきた施策と共通の目的を持つと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○広野ただし君 結局、私は、行政側が不良債権処理について有効な手をなかなか打たない、そこに日銀がもう禁じ手と言われるところへ出ざるを得なくなったと、こういう色彩が非常に強いんではないかと、こう思うんですね。
 このことは、いろんな、総裁今いろんなことをおっしゃいましたけれども、多々ますます弁ずというところがあって、歯止めがなくなるんですね。その歯止めがなくなってどんどんどんどん、じゃ一兆五千億、納付金の範囲内で準備金を積み増すと。その範囲内で一兆五千億、年間ですね、それで二年間やるから三兆円だと。しかし、それではなお足りないと。だから、もっとやってくれ、ずっとやってくれ、あるいは各年度のものをもっとやってくれと、こういうところに歯止めがなくなると。
 そして、それを買いましたら、今度はそれがぼろ株のときもありますし、優良株のときもあるでしょう。それが結局日銀の資産をどんどん劣化させるというおそれがあるからこれは禁じ手だと、こういうことだと思うんですが、この歯止めについて総裁はどうお考えですか。
○参考人(速水優君) まず、対象となる銀行というのは、先ほど申し上げたように、自己資本よりもたくさんの株を持っている銀行に対してのみこういう取引をいたします。それは限られております、銀行の数も。それから、買取りの規模ですけれども、これは、いずれにしても一年半ないし二年以内にはこれやめることですし、それから日本銀行の立場からいいましても、さっき御懸念がありましたように、日本銀行の財務面の健全性を保っていかなきゃいけませんから、ある程度準備金を積むなり、それに見合った引当金を積むなりするようなことはこれからやっていくつもりでおります。まだ具体的なことは全部決まっておりませんけれども、その点は十分注意をして買っていくつもりですから、そう大きな金額にはなり得ません。
 それで、ごく一次的な金融システム安定化のために今これをやらなきゃ駄目だと私ども思いましたから決断したことであって、ごく臨時的なものであるというふうにお考えいただきたいと思います。
○広野ただし君 ところが、いったんルビコン川を渡りますと、じゃ二年と言っているものが三年になり四年になる場合だってある。そういうことだし、短期間だから納付金の範囲内と言っているものが、もっと出せという話になる場合だってあるんだと私は思います。
 特にその中で、どうしても皆さんの頭から離れないのは、やっぱり銀行の護送船団方式だと思うんですね。非常に努力している銀行と、努力を怠って、要するに競争に後れて、それで財務が悪くなった、そこの株を買うと、こういう話になってくるわけですね、保有株を買うと。こういう話になって、結局護送船団でまた行くと、こういう話になるんではないかということを恐れるわけです。
 そこまでやるんであれば、私は金融庁さんが決めているこの時価会計基準というもの、銀行でも長期保有株というのは、昔、経済産業省、通産省が安定株主工作ということで株を持ち合いさせたということがあるわけです。これは長期保有株なんですね。長期保有株まで時価会計基準に合わせるということを本当にやる必要があるのかないか。債権であれば、長期債務は時価基準ではやっていないわけですね。
 ですから、そういうことからいって、無理やりグローバルスタンダードに合わせるというところに何かその時価会計基準の、全般的な時価会計基準はいいんですよ。あらゆるものをそれに持っていかなきゃいけないとする、そこのところが何かおかしいのではないかと思いますが、時間も参りました。そのことも含めて、総裁の御意見を伺いたいと思います。
○参考人(速水優君) 時価会計に臨みましたのは昨年の九月からですけれども、株式の時価評価というのは世界的な会計ルール改善の大きな流れなんですね。それで、今やグローバリゼーションの中で同じようにバンキングやっているのに、日本だけが簿価でやるんだというようなことはやはりおかしいと思いますし、むしろ私どもが今考えていることは、いろいろ議論が進んでおります減損会計というのを早く取り入れて、株や不動産、土地などの時価をよく事前に取り入れていくことを考えていかなきゃいけないというふうに思っております。
○広野ただし君 終わります。
○田嶋陽子君 お願いします。
 最初に、農水大臣、武部大臣にお願いします。今日はお忙しいところ最後まで残っていてくださって、ありがとうございます。
 食についてなんですけれども、私は余りこれまで気にしていませんでしたけれども、だんだん自分、もう国民という言葉を出す前に私自身が大好きなシイタケだとかマグロだとかリンゴだとか、そういうものがもう安心して買えなくなってしまった。私の友達とも話すんですが、例えば、ちょっとお金を出して産地のシイタケ買います。でも、外食すれば大変安い外国産のシイタケがたくさん使われているわけですね。友達も、家族が多ければやっぱり産地のものは高いから外国産を買ってしまう。どうすりゃいいんだろうねって、すごく不安なんですね。マグロだって、目を皿のようにしてどこ産、どこ産と本当に探し回らないと食べたくても食べれないみたいな、そういう不安の中にあって、これは原発のこともそうですけれども、私たち、もう外から敵が襲ってくるよりも、日本の国内で私たちの生命を脅かす敵がいるという。そして、この農薬は安全だ、安全だといっても、私たちの体の中にたまっていくわけですね。そういうことを考えると、本当に何か日々おちおちしていられないわけですよね。
 八月二十七日の農水省の発表では、発がん性などが指摘されている国内で登録されていない農薬が大量に販売されていたと。実際、この販売業者は百五十業者、先ほどもお話がありましたように、購入農家は二千三百六十九戸、四十四都道府県に無登録農薬の汚染が広がっているということですよね。
 武部農水大臣は四月五日の記者会見で、今まで農水省は生産者サイドに軸足を置いていたからこれからは消費者サイドにとおっしゃったんですが、半年たつかたたないかうちでそんなに行政変わるとは思えませんが、相変わらず私から見れば武部さんはまだ生産者サイドに軸足を置いていらっしゃるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 私は、生産者からは消費者、消費者と消費者のことばっかりこのごろは聞かれるけれども生産者を忘れるなとこう言われるぐらいに、明確に消費者に軸足を置いて農林水産行政を変えますとこう申し上げているわけでありますが、具体的には「「食」と「農」の再生プラン」を公表させていただきまして、この中でも第一の柱は消費者保護第一のフードシステムの構築、食の安全、安心の確保ということを掲げているわけでありまして、具体的には一つは今度、食品安全基本法、仮称でありますが、できます。この制定、法整備、それから食品安全委員会の設立等、行政組織の改革再編。
 二つ目には十五年度から牛肉、義務付けますが、食品の履歴をさかのぼるトレーサビリティーシステムの導入、これは順次、米、野菜、加工食品等々進めていきたいとこう思っております。
 それから、やはり食育活動の推進ということが大事だと思います。私ども、消費者の皆さん方とともにリスクに立ち向かっていくという国民運動が必要じゃないかとこう思っておりまして、食についての情報を共有するためのリスクコミュニケーションの強化ということが大事だと思いますし、四つ目には偽装表示に対する対策の強化に加えまして、やはり今、先生お話しありましたように、何が本当か分からないと。これは食品表示の問題に端的に言えるんじゃないかと思います。この表示の一元化に向けた検討等に取り組んでいるところでありまして、農林水産省としましても具体的に、今、先生、半年やそこらで変わらないと思うけれどもと、こういうお話がありましたが、食品のリスク管理部門を産業振興部門から独立させまして、そして消費者行政とリスク管理を一元的に担う、また食品の安全性や表示に関する監視体制を充実強化した新局として、仮称、消費・安全局というふうに考えていますが、そういう組織改編を要求しているところでございます。
 ただ、その無登録農薬の問題等々やはりまだ縦割り行政の問題とか危機対応マニュアルが欠けているとか、そういう問題あると思いますが、私はこれからも、しっかり消費者をパートナーとみなして、そのニーズや意見、要望を真摯に受け止めて農林水産行政を進めてまいりたいと思います。
○田嶋陽子君 大変力強いお話で、これからも食品を通してスーパーの中で武部大臣を見詰めておりますので、よろしくお願いします。
 DDTがパセリから出ましたよね。私は、豚カツとか食べるときはやっぱり青いもの、パセリをといって、みんなが残してもパセリは食べていたんですが、今度それも食べれなくなってきて、しかも、やっぱり何でみんながパセリを残したのかと考えると、やっぱりそうだったのかということになってしまうんですよね。何か本当に文字どおり不安です。よろしくお願いします。
 それで、今、農協という言葉は出てこなかったんですが、農協もやっぱりこの無登録農薬を売っていたんですよね。そのことも、先ほど半年では変わらないと言ったのはそのことも含めてだったんですが、是非きちんとした対処をよろしくお願いいたします。
 それで、厚生労働省の方にお伺いします。
 この四月に厚生労働省が公表した食品中の残留農薬検査の結果についてですけれども、衆議院の原陽子議員からの質問主意書が出ておりました。その主意書で、農薬が検出された農産物の製造業者又は輸入業者名を明らかにすることを求めたのに対して、厚生労働省は法人又は個人の正当な利益を害するおそれがあるから公表することは考えていないという答弁を受け取っています。
 このことに関して、厚生労働省は食品の安全に対する責任を都道府県の自治事務に任せきりだと、そういうことなんですけれども、それでよろしいんでしょうか、お伺いします。
○政府参考人(尾嵜新平君) お尋ねの残留農薬の検査結果、今、先生からの御質問の中身は、毎年やっております全体の残留農薬調査の結果の関係でございますが、基本的には、それにつきましては各都道府県でやっていただきましたものについてのまとめをやっているわけでございます。
 それで、残留農薬の違反の関係につきましては、基本的には、一つは、輸入食品については厚生労働省が検疫所でやっておると。その際に、違反がございました際にはすべてホームページで公表いたしております。また、物によりましてはプレスリリースをするというふうな対応をいたしているところでございます。
 また、今お話ございました都道府県を含めました自治体の方では国内の残留農薬の関係について検査をやっていただいているという状況でございまして、この検査結果の違反事例につきましては、自治体の御判断に今お任せをしておるというところがございますが、自治体の方で公表していただいているというところでございます。
 自治体の方に対しまして私どもは、できるだけそういった違反事例がある際には公表していただくようにこれまでもお願いしておりますし、また、今後もそういうことで指導していきたいというふうに考えているところでございます。
○田嶋陽子君 本来使ってはいけない農薬として農水省の管轄である農薬取締法ではDDTが指定されていますけれども、食品によっては、厚生労働省が管轄である食品衛生法にはその残留農薬基準が設定されていませんよね。例えば、そのパセリのDDTの残留基準というのは食品衛生法では設定されていないから、DDTが食品から検出されても違反ではないということになりますよね。
 農薬として使用していなくても土壌が汚染されている可能性もあるわけですけれども、これだけ消費者が不信感と不安を募らせているのに、なぜ国がきちんと責任を持ってその基準を設定しようとしないのでしょうか。
○政府参考人(尾嵜新平君) 御指摘のように、事実、四百数十使われております、世界的に使われております農薬について、そのうちの二百三十ぐらいについて国内の方で食品衛生法上の基準として残留基準を定めておりまして、それ以外はまだ基準が作られておらないというのは事実でございます。
 私どもの方は、こういった基準についてはできるだけ早く設定をしたいということで、来年度から三か年計画で基本的には全部もう設定をする、先々はもうポジティブリスト化をするということで対応したいというふうに考えておりまして、できるだけ早くそういった基準の策定を急ぎたいというふうに考えているところでございます。
 実際に基準を策定しておらない、定められておりませんものにつきましては、そういった国際基準があるものとかそうでないものがございますが、その内容から見まして、人体に影響があるかどうかというところを見まして判断をして、差し止めることも、対応しておるというところでございます。
○田嶋陽子君 三年以内ですね。
 それから、例えばEUなんかではとっくに使われていないものも日本では使われています。やはりこの件に関しては向こうの方が少し進んでいると思うので、大いに参考にしていただきたいと思います。
 それから、私は、やっぱり農薬の国内使用、残留規制については──農薬取締法というのは、これは農水省の所管ですよね。それから、食品中の残存農薬基準については、これは厚生労働省、食品衛生法は厚生労働省の所管となっていますよね。
 現在、国際的に食用農産物に使用が認められている農薬は約七百種類あると言われているんですけれども、このうち、農薬取締法では国内で使用されるすべての農薬について事前に登録することになっていて、現在約三百五十の農薬が登録されていると知らされています。しかし、食品衛生法、厚生労働省の方では二百二十九種に限っているんですね。これが残留農薬の基準が設定されている。残りの百二十一種については基準が設定されていないということになっています。つまり、二つの省の間で二つの法律のはざまを縫って危険な農薬が出回っていると。
 そこで、武部農水大臣にお伺いします。
 厚生労働省の食品衛生法によって残留農薬の基準が設定されていない農薬が使われた農作物が市場に流通しているわけですけれども、この食品中の残留農薬の基準が設定できない農薬百二十一種についても、食の安全を守るために農水省の所管である農薬取締法で登録できるようにすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 健康被害のおそれがあるときには農薬の登録を保留しているという実態がございまして、この登録保留の判断基準は、今お話しありましたように、食品衛生法に基づく残留農薬基準が設定されている場合には当該基準を用い、残留農薬基準が設定されていない場合には環境省が厚生労働省の意見を踏まえて定めているというのが実態でございます。
 農薬登録と残留農薬基準との整合性の確保につきましては、BSE問題に関する調査検討委員会におきましても御指摘をいただいたところであります。私は事務当局に対しまして、農林水産省、厚生労働省、環境省、三省によりまして検討を進めているところでございますが、食の安全性を確保する観点から、縦割り行政の弊に陥らないように厚生労働省との連携を一層進めていかなければならないと。
 お話の矛盾点については私もそのように率直に感じますので、これをきちっと整合性のあるものにしていきたい、その努力を三省でやっていきたいと、このように思います。
○田嶋陽子君 よろしくお願いします。
 あと六分しかなくて、平沼大臣にもお伺いすることになっているので困っているんですけれども、やはり一つ言っておきたいことがあるんです。
 何か事件が起きないと政府は動いてくれないんですね。やっぱり危険性が低いとかあるいは危険性が証明されていないからオーケーという考え方を捨てていただきたいんですね。やっぱり安全性が確認されない限り食べ物は許可を出さないでほしいと、そういうふうに思うんですけれども。危険性が証明されない限りオーケーではなくて、逆に、安全性が確認されない限りオーケーを出さないでほしいということをお願いしたいんですね。
 それともう一つは、これは農水省や厚生労働省という個々の省庁の問題ではなくて、食べ物というのは私たちの体全部作って、精神も作るものですから、やっぱりこれは食の生産とか流通とか消費とか、口に入るまでの過程全部をひっくるめて、やっぱりそういう体制を武部さん中心になって作っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(武部勤君) いや、今、先生のお話は非常に深く、幅広い、非常に重い質問でありますので簡単に答弁することが難しいんですけれども、食品安全委員会を設けるということ、これはリスク分析に基づいて、今、先生御指摘の予防原則というような観点も含めて、リスク分析に基づいてリスク評価をすることになっています。そこで、厚生労働省や農林水産省、環境省に勧告をして、私どもは個別具体的なことについてのリスク管理をやることになっているわけです。そこで一番大事なのはリスクコミュニケーションということなんですね。
 ですから、これは法律だけじゃなくて、今、先生御心配の向きについての、それにどう対抗していくかといいますか対応していくかという、そのリスクコミュニケーションを中心にしっかりとシステムづくりを政府全体でやっていかなくちゃいけないと思っております。
○田嶋陽子君 じゃ、ついでと言ったらなんですけれども、これは平沼大臣にもお伺いしたいし、お願いしたいことなんですけれども、先ほどから原子力安全委員会とか食品安全委員会を独立性の強いものにするという話が出ていて、私はそのことに関しても大賛成なんですが、ただ、それを内閣府に置くということを時々皆さんはおっしゃるので、そこがとても心配なんですね。
 内閣府に置いたら駄目です。というのは、何でそう言うかというと、男女共同参画社会は、女性省とか作らないで、女性局とか庁を作らないで内閣府に置けと言ったら、その担当者が福田官房長官なんです。福田官房長官がこの問題に精通していらっしゃる方とはこの問題に関しては思いません。すなわち、あそこに置いてしまうと、やっぱり政府の中にあって、私は、先ほどの原発の話でもありましたけれども、やっぱりなあなあ体質は日本人得意ですから、自然にできてくると独立性は保たれないと思うんですね。
 だから、これもまた西洋の発想が入りますが、オンブズマン制度とかオンブッドとか言われている、全く市民とか何かを入れた違うシステムを省の外に作っていただく、それを原子力安全委員会も食品安全委員会もやっていただきたいなと、その辺の辺りで努力していただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 食品安全委員会は政治家も排除するという思想です。食品安全委員会の委員長というのは専門家、学者です。そして、担当大臣は、今は村井大臣でございまして、これは、今、先生が心配するようなことを当然配慮した考え方で食品安全委員会というものは構成されると、このように思いますので、また先生のところに。
○田嶋陽子君 問題は、学者も政府の人も、どういう人が入るかということですね。その人たちをだれが選ぶかということです。ここが問題なんですね。私は、そういうことでがっかりしていることが一杯あるんですね。だから、そこのところを、一番大事なところを何か公平に、公正に、オープンにしてやっていただきたいなと思うんですけれども。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、ダブルチェックシステムで原子力の安全は担保しています。内閣府の中に原子力安全委員会というのを置いておりまして、このヘッドは官房長官じゃございませんで、学識経験者が委員長として、そういう公正な立場で、幅広いいろんな方々が入っていただいて、そして独立の機関として運営していただいています。
 そういう意味では、原子力の場合にはやはり推進する行政も一義的には関与し、そしてダブルチェックでしっかりとした、独立した、内閣府にある原子力安全委員会というものが機能すれば私は担保できると、こう思います。
○田嶋陽子君 学識経験者とおっしゃいますけれども、私も議員になる一年前はその分野におりましたが、いい加減です、学識経験者なんという者は信じられません。原子力委員会でも、顔ぶれ見てみると。みんな賛成の人ばっかりでは駄目なんですよね。だから、そこのところも、政府に都合のいい人ではなくて、本当に幅広くやっぱり情報収集して、そしていろんな意見の人を入れてほしいということですね。
 私は、平沼大臣にこれだけのものを、質疑のものを持ってきたんですけれども、このことで時間がなくなってしまいましたから、一つだけ。
 今、ダブルチェックとおっしゃいましたけれども、そのことも危険だと思います。ひび割れの件なんですけれども、ひび割れが進んで破断した場合、やっぱり浜岡原発、私も行ってきましたけれども、あれは活断層の上にあるもので、これ大変ですよね、配管が破断したら水蒸気爆発するかもしれない。そういうところでまた事件が起きているわけですね。
 十三年度原子力白書にこういう言葉があります。とてもいい言葉です。一連の事故、故障を見ますと、事故、故障の種に対する感性の大切さを思わざるを得ないと。すなわち、幾ら調査しようと何しようと調査する人に感性がなきゃ駄目だと言っているんですね、その破断する種を見付ける。
 だから、ひび割れや傷というのはその原子力白書で言うところの種の一つだと思うんですけれども、今回その種を保安院は見逃したわけですよね。ということは、調査する人に調査するだけの感性がないということじゃないですか。感性のない人が幾らダブルチェックなんかしたって駄目で、ここが心配なんですね。それとも、感性はあったけれどもあるいは東電となあなあになったんですか。そうしたら、これは犯罪ですよね。感性のない人がダブルチェックするというのは、これは事故を見付けられないから原発なんか持つ資格がない。それから、種を見付ける感性があっても、なあなあになっちゃえばそれはもう人間として、調査員として資格なし。犯罪性がありますよね。だから、ダブルチェックと言われても私なんかは信じられないんですけれども、これをどう信じさせてくださいますか。
○委員長(中原爽君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いをいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) まず、浜岡原発が活断層の中にあって、何かあしたにでも大変なカタストロフィーが来るというような先生のお話がありましたけれども、これは設計段階におきまして、想定されるマグニチュード八・〇の東海地震、あるいは安政年間に我々が経験した八・四の安政東海大地震、さらには論理的に最大限とされております八・五の、想定される限度一杯のそういう地震に対してもしっかりと設計をしているわけであります。
 それから、感性というのは私は大事だと思いますけれども、今回の事故というのは自主点検の中で起こって、そして気が付いていた部分もたくさんありますけれども、結局それを隠ぺいして報告をしなかったと、こういうことでございまして、原子力安全・保安院に全く感性が欠如していたということではございませんで、私どもとしては、そういう分かっていたことも隠ぺいした、そういったことを、原因をしっかり究明して、そして信頼回復に努める。ですから、繰り返しになりますけれども、私はダブルチェックというものをしっかりと機能していけば最終的には安全性は担保できるものだと、このように思っています。
○北岡秀二君 多少趣を変えて質問をさせていただきたいと思います。時間も経過しました。基本的なところの方向性だけを両省、確認をさせていただきたいと思います。
 それと、武部大臣、三時に御退席ということでございますので、あと五分少々でございますが、食の安全についてもお聞きしたかったんですが、もう一点だけ、都市と農山漁村の共生・対流ということに関して大臣の基本的な姿勢をお伺いを申し上げたいと思います。
 もう既に骨太の方針にも、都市と農山漁村、共生・対流をさせることは国民運動を通じて新たな内需拡大にもつながっていく、必要性を入れていただいておるわけでございますが、農山漁村、現状を考えてみますと、将来に大きな明かりがなかなか見えてこない、そしてまたいろんな材料を点検しましても、これから将来明るい材料が本当に居着くような感じもしない、さらに最近の改革という流れを考えてみましてもマイナス部分が多いと。これから農山漁村の将来の生きる道ということを考えてみますと、従来のやり方と違う、もうこれ過去にも取り組んでおりましたが、一・五次産業あるいは新しい付加価値を付ける、そしてまた、なおかつ都市との交流によって新たな生きる道を見付けていかなければならない、このぎりぎりのところまで来ておるだろうと思うんです。
 今、有り難いことに、日本の国のいろんな環境が基本的なベースの中で国民の生活のライフスタイルを変えていかなければならないというところにも直面をいたしております。
 私は、農山漁村の持つ潜在的ないろんな可能性、都市部の方々にそういう交流をしていただいて新たな可能性を更に引き出すということは非常に重要なことだろうと思う。武部農林大臣は非常にそういう方面に関して積極的なお考えをお持ちでございますし、なおかつ農林水産省、その考えの下に強力に推進をしていこうという姿勢も打ち出していただいておるわけでございますが、これから本格的に都市と農山漁村、共生と対流を進めるに当たって、いろんな工夫も必要ですし、そしてまたいろんな思い入れも必要だろうと思うんですが、大臣のその辺りの決意と思いをお聞きさせていただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 北岡先生が、党の都市と農山漁村の共生・対流を進める調査会のチームリーダーであられまして、大変この点についてリーダーシップを発揮されているということに日ごろから敬意を感じておりました。
 私は、今、都市と農山漁村の共生・対流について先生から新しいライフスタイルという、そういうお話がありましたけれども、むしろ新しいライフスタイルというよりも、私は人間はやっぱり自然界の一員だと思うんですね。おいしい水、きれいな空気、美しい自然、新鮮な食べ物というものは都市の皆さん方にとりましても、今までは無い物ねだりという一面があったかもしれませんが、交通インフラが整備され、また情報インフラも整備されてインターネットの時代になりますれば、徳島の田園の中ででも霞が関にいるのと同じように通常の仕事ができる、そういう条件が私は整ってきていると、こう思うんですね。
 ですから、これからは問題解決型の視点ではなくて、人々が持っているそれぞれの願望を実現するという視点で、つまりその願望というのは都市の人々にもおいしい水、きれいな空気、美しい自然、また田舎生活をしている人々にも都市の魅力あるいは演劇とかオペラとか美術館とか、そういったものに簡単にアクセスできる、行ったり来たりする、都市と農村でいわゆる農都デュアルライフと、私どもこう言っているわけでありますが、そういう生活がもう既に可能になっていると、こう思うんですね。
 あとは政策的にこれをどう誘導していくかということでありまして、私は農林水産大臣ですから、農山漁村というものを念頭に置いて、過疎化するあるいは高齢化する、そしてだんだん荒れ果てていくそういう姿を、活力のある美しい伝統色やあるいは田舎文化、郷土文化というものをきちっと長らえていけるような、そういうものに持続させたいと思っているんです。それは、容易にできる手段というものはあるんじゃないかと。
 ですから、これは小泉総理にも言っているんですが、小泉ルネッサンス構想としてこれを打ち出すべきだと、こういうことを申し上げているんですが、農村に新しいコミュニティーを作っていく、そのコミュニティーというのはある意味では集落再編が伴う、そのコミュニティーには都市的機能が全部完備している、そしてそこから農家の人は通い作をやる、都市の人はそこに出掛けていって、そしてガーデニングをやってもいいでしょうし、釣りに行ってもいいでしょうし、山登りしてもいいという、そういう共通の社会基盤整備というものを作るということがこれからの都市と農山漁村の共生・対流の私は原点になるんじゃないかと、こう思っているんです。
 なぜ対流と言うかというと、これは物理用語だそうですが、交流というのは違う価値観の人々が集まって交わるわけですね。しかし、都市に住んでいる人も田舎生活を実現しますと、体現しますと、その田舎の価値観というものは身に染みてくるわけですね。田舎の人も都市に出掛けていってそれがまたぐるぐるぐるぐる回れば、おふろのお湯を沸かしますと冷たいのはだんだん温まって上に行くし、ぐるぐるぐるぐるいわゆる対流して一かきすればおふろに入れると、そういうような国民的な運動としてこの問題をとらえていきたいと。先生に是非御支援をいただきたいと、このように思います。
○委員長(中原爽君) それでは、武部大臣、御出張のお時間でございますので、委員会は退席されます。ありがとうございました。
○北岡秀二君 どうもありがとうございました。
 代わって野間副大臣が対応していただけるということでございますので、どうもありがとうございます。
 今、大臣おっしゃられた件で、私は特に大事だと思うのは、従来の地域の位置付けあるいは役割ということを考えてみましたときに、都市の役割というのははっきりといろんな規定ができる。そしてまたなおかつ、田舎というか地方の役割というのはなかなか、表向きに論ずることができても、実態的に、じゃその役割は何なんだと、その辺りの規定がなかなかできない。私は、これから将来、本当の日本の国の発展ということを考えていったときに、国力を増強していったり、いろんな核を作って、核というのは中核を作って牽引をしていくということも大事だろうと思うんですが、これから本当の地方のあるべき姿、後ほど経済産業省にもお伺いするつもりではございますが、その辺りの規定がしっかりできない限りにおいては本当のすばらしい国というのはでき上がらないんじゃないかなというふうに感じておりますので、是非ともその辺りはしっかりとした位置付け、そしてまた、しっかりとしたその価値付けをしていただきたいなというふうに感じる次第でございます。
 これに関連して、副大臣の方に通告しております質問をちょっと順番を変えますが、特区の方の話を先にお伺いしたいんですが。
 今のことにも関連して、構造改革特区構想、いろんな議論がなされておるわけでございますが、聞くところによりますと、各自治体からのアンケートで、これ副大臣の答弁じゃなかったですか。聞くところによりますと、農林水産関連の要望が一番多かったということで、私は今申し上げた、これからの地方の農山漁村の活力を付けるという観点からも申し上げましても、農林水産分野でこの構造改革特区を非常に強力に何というか推進をしていくべきであろう、それがまたなおかつ、従来の一次産業の限界を突破する一つの道しるべになるんじゃなかろうかと。
 要望を拝見をさせていただきますと、農地の取得から始まって、あるいは経営形態のあるべき姿等々にいろんな御希望があるようでございます。これをいろいろ点検してみますと、過去にあっては、農業者を守る、あるいはいろんな、先ほど生産者がどうだこうだという話がありましたが、ややもすると農業生産者を守りたいがゆえに意図的に壁を作っておった部分を取っ払わなければならないというようなところもあろうかとは思うんですが、そういう面で多少抵抗はあろうかとは思うわけでございますが、このたびの私は特区構想、農林水産省としても、先ほど申し上げました観点も含めて積極的にこの特区構想に対して参画あるいは推進をしていかなければならないだろうと思う次第でございますので、基本的に、今後臨む姿勢、どういう姿勢で臨まれるのかをお伺いをさせていただきたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 構造改革特区につきましては、九月の二十日に、構造改革特区推進本部におきまして、その推進のための基本方針を決定をいたしましたところであります。
 その中で、一つは、地域の特性に応じました規制の特例を導入する特定の区域を設け、地域が自発性を持って構造改革を進めるために導入するものであること。二つ目には、可能な限り幅広い規制を対象として特例措置を設けることが可能な規制をあらかじめ明示をして、地方公共団体が特区の立案に当たってそれらの中から選択できるようにするということ。三つ目に、今後、地方公共団体等の提案につきまして内閣一体となって検討を行いまして、十月上旬を目途として構造改革特区推進のためのプログラムとして決定をするとされておるのであります。
 現在、農林水産省といたしましては、地方公共団体から提出をされました農林水産省関係九十四件の提案を検討を行っているところであります。今後の検討に当たりましては、この基本方針の趣旨を十分に踏まえて、地域の農林水産業、農山漁村の活性化に資するという観点から積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○北岡秀二君 私、先ほど申し上げましたとおり、これからの農林水産業を考えてみますと、すべての面で限界点に行き当たっている中で、この特区構想の果たしていくあるいは先導していく役割というのは、やり方によったら非常に大きな意義を持つように感じる次第でございます。是非とも、思い切った形での取組と指導をよろしくお願いを申し上げたいと思う次第でございます。
 それと、農林関係で私、最近の動きで関心があることが知的財産戦略大綱、この件に関連して一点お伺いを申し上げたいんですが、現場の農業やあるいは水産業、一次産業関連の方々にお会いすると、まず一番最初に出てくることは、外国からの輸入産品を何とかしてもらいたいと。このまま本当に安い商品がどんどんどんどん入ってくること、我々もうとてもじゃないけれども太刀打ちができない、年々価格が下がっていくことに対して政治、行政の立場でどうやってくれるんだというような話を本当に各地域でよく聞かされるわけでございます。
 市場原理でいろいろなものが取りざたをされておる関係上、やむを得ない部分もあろうかとは思います。土地が安いとか労働単価が安いところで大量に作られる中で、とても太刀打ちができない分野もあろうかとは思います。しかし、片や、これも過去にいろいろ問題にされておられるとおり、中国や韓国から入ってくる農産物を中心とした分野において、せっかく長い間手間暇掛けて日本の農家や水産業が開発した種苗とかあるいは栽培技術、これがもうすんなりと外国へ流出していって、それでその産品が逆輸入されて結果的には日本の一次産業が大きな打撃を受けておるというような現実、これはもう私は非常にこの問題というのはゆゆしき問題、何か取るべき措置は、取られるべき措置はないかというふうに非常に真剣に考えるわけでございます。
 そしてまたなおかつ、その辺りの種苗を持ち出し、あるいは栽培技術の持ち出しは日本の商社とか日本人がやっておられると。本当に私は真剣にその辺りの対策を取っていかなければ、まだまだまだまだこれから将来的に大きな被害を受けると。
 このたび、知的財産戦略ですかを執り行ってこれから知的財産権の分野に対してどういう国内体制を整えていくか、あるいは日本国内だけの問題じゃなくて、外国にもその辺りのシステム整備あるいはその辺りの制度を充実をさせていただいて協力をしていただく働き掛けも必要だろうと思うんです。
 これから日本の一次産業を考えてみますときに、農林水産業の分野の中でこの知的財産戦略という、強化というのはこれから本当に必要になってくる分野だろうと思いますので、是非ともこの知的財産保護についての取組姿勢、強力にしていただきたいと思うんですが、その辺りに対する姿勢、どういう姿勢でいらっしゃるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 我が国の植物新品種が海外に流出をいたしまして、その収穫物が不正に輸入されることによりまして新品種の育成者の権利が侵害をされていることは、我が国農業及び関連産業の国際競争力維持強化の観点から極めて重大な問題であると認識をいたしております。
 知的財産戦略大綱によりますと、知的財産権侵害に対する国境措置の改善が盛り込まれておりまして、農林水産省といたしましても、現在、これを受けまして学識経験者等によります研究会を立ち上げております。九月の二十六日、もう明日開催の予定ということになっておりますが、関係省庁と連携をいたしまして、国境措置、罰則の強化等の制度改正の具体案を検討いたしてまいりたいと思っております。
 また、民間組織でありますが、植物品種保護戦略フォーラムが発足もする予定となっております。これとも連携を図りながら、官民一体となった対策を推進することといたしております。
 さらに、知的財産戦略大綱に挙げられております侵略の判断を容易にするためのDNA品種識別技術の確立等によります支援体制の整備、二つ目には、植物新品種保護国際同盟、UPOVによります品種保護制度のアジア諸国への普及等につきましても積極的な取組を行ってまいりたいと考えております。
○北岡秀二君 是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 この点で私また、これはもう自分の意見を要望として、お願いとして申し上げたいと思うんですが、今申し上げましたとおり、種苗関係にはその辺りの特許権の確立というのはされておられるわけでございますが、私、素人でございますので可能かどうか分かりませんが、栽培技術に関して、特に日本の栽培技術、非常に高い技術を持たれて、いろんな研究がなされた上で大きな成果を出されていらっしゃる。さらに施設園芸関係、いろんなノウハウというのがあるんだろうと思うんですが、ここの部分の特許関係の確立が可能かどうか。水産関連でも、養殖技術の中でなかなか難しいとされておった魚の養殖の技術が確立されたとか、これも大変な御苦労の下で、大変な研究費を費やされた中で養殖技術が確立をされたり、そういった方面の分野にどこまで、工業の場合はそういう方面はかなり確立をされていらっしゃるだろうと思うんですが、一次産業の場合の関連の中でどこまでそれが可能なのであるか、どこまでその辺りがブロックできるのかも是非とも私は強力に研究をしていただいて、日本の独特の技術あるいはノウハウとしてある程度保護するところは保護すべきだろうと思うので、是非ともこの辺りもよろしくお願い申し上げたいと思う次第でございます。
 それで、この知的財産戦略に関連して平沼大臣にお伺いをさせていただきたいんですが、これももう基本的な方向性だけの確認をさせていただきたいと思います。
 もう御承知のとおり、最近の日本の経済の国際競争力、もうとみにあちこちから言われておりますが、ここ十年間で非常にダウンをしたと。いろんな指標がございますが、一九九〇年前後は産業の国際競争力自体は世界でナンバーワンであったと。ところが、もうここ一、二年のその辺りの指標が三十位前後の数値が出ておると。
 この中の要因にはいろんな原因があるだろうと思います。一言で言うと労働生産性、生産性が非常に下がった部分というのも私は大きな要因の一つだろうと思うんです。
 労働の単価の問題や、あるいは日本の文化、文化というか文化風土の特有の、スクラップ・アンド・ビルドがやりづらい社会風土にある。終身雇用制がなくなりつつあるとはいえ、そういう体系もまだまだ残っておる。年功賃金とか、そういう日本独特の風土によって、非常に劇的に変わっていく経済環境の分野にもう柔軟に対応し切れない状況から派生している部分もかなりあるのも一つの要因だろうと思います。
 そういう部分で、構造改革ということも、経済の構造改革ということも積極的に取り組んでいく必要性はあろうかとは思いますが、もう一点、これはもう私は、日本の経済ということを考え、将来の活力ということを考えてみますと、宿命の一つであるより高い技術力を常に維持し続けていかなければならない、確保し続けていかなければならないという、本当に宿命的な大きな使命というか課題があるんだろうと思うんです。
 で、これに関連して、先ほどもちょっと一部議論、質疑がございましたが、今申し上げました知的財産戦略、これからしっかりと国内体制を充実をして、しっかりと守るべきところは守り、さらに育てるべきところを育てようという国家的な大きな一つの立ち上げがなされた。多少遅かったかも分かりませんが。これはもう私は、日本の将来の生きる道の技術力の確保ということからすると大事な大事な分野であり、その中核を成す経済産業省、それなりのしっかりとした思い入れの下で今後参画をされなければならないというふうに感じるわけでございますが、総論で、抽象的な総論の質疑で申し訳ないんですが、大事な分野であるだけに、大臣としての知的財産戦略への取組にどういうふうな形で更に参画をされていかれるのか、大臣の決意をお伺いをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は、北岡先生御指摘のとおりだと思っています。知的財産を生み出し創出し、それをしっかりと自分のものにして守っていき、それを最大限活用していくということは、やっぱり日本のような天然資源に恵まれなくて人的資源を活用していかなければならないこの国にとっては、正にこれは国家戦略として位置付けるものだと思っています。そういう意味でいえば、今、北岡先生が遅きに失したと、こういうようなお言葉がございましたけれども、私どもは今回、知的財産戦略会議、これが小泉首相の提唱の下に結成されまして、そして動き出したということは非常に私は良かったと思っております。
 知的財産戦略会議では、大綱が取りまとめられて、そして基本法を一日も早く制定しようと、こういう動きになっております。この知的財産戦略大綱の重点事項のうち、経済産業省としてやっぱり最大限力を入れて取り組んでいかなければならないのは、やはり今までもやっておりますけれども、世界特許へ向けてのその取組の強化をしっかりとして、そしてそこを確立することが必要だと思っています。それからもう一つは、営業秘密の保護強化、こういった知的財産をしっかりと保護するということが非常に大切なわけであります。したがいまして、模倣品ですとか海賊版等の対策、これも必要でございまして、今、産業構造審議会でこういった当省が取り組むべき重点事項に関して今議論を開始していただいているところでございます。
 さらに、先ほど触れさせていただきました知的財産立国として、私どもはあらゆる施策を迅速かつ重点的に推進をしていかなければならないわけでございまして、そういう意味では、基本法の策定が求められているところでございますので、これをしっかりやっていかなければならない、こういうふうに思っておりまして、いずれにいたしましても、先生御指摘のように、この日本というのは、かつてこれだけ世界第二の経済大国になったというその過程を振り返ってみますと、本当にあのときにはこの技術革新、イノベーションというものを本当に一生懸命起こして、そして競争力を付けてこれだけの大きな繁栄を迎えました。
 そして、アメリカは、七〇年代、八〇年代というのは三つ子の赤字を抱えて非常に厳しい状況でありましたけれども、やはりアメリカも反省の上に立って、先生御承知のように、プロパテント政策というようなことで知的財産というものをいかに活用してアメリカの再生を期すかと、こういうことで、総合的に規制の緩和でありますとか、あるいはそれを促進する政策、いわゆる税制でありますとか、あらゆることをやって、そしてこの知的財産、これを伸ばすことが九〇年代の繁栄につながってきた、こういうふうにも言えると思いますから、我が国も、こういう大綱に基づいて基本法を作って、そして強力にやっていくことが私は一番国家戦略として必要なことだと、このように思っています。
○北岡秀二君 先日、私、中国へ行ってまいりまして、天津で日本の進出企業、工場視察をさせていただきました。
 そのときに、あるその工場は、日本にもないくらいの最先端の機械をこの工場には設置しましたと胸を張っていろいろ説明をしていただきました。国会議員の先生方何人かとお邪魔をさせていただいて、ある方が、こんなにもう最先端の機械、中国へ持ってきてええんかと、日本の工場でも稼働していないような機械が来ておると。じゃ、日本、これからどうすればいいんだというような質問をその日本人の工場長に聞きましたところ、日本は更に高いレベルの技術力を開発する以外にないですよと。これはもう当然当たり前のたわいもない話なんですが。
 是非とも私はこの分野、これから将来何だかんだ言いながら経済社会でございますので、本当に経済が生きるか死ぬかが日本の国の命運をすべて握るということから申し上げると、この取組というのは非常に大事な事柄でございますので、是非とも強力に御推進をいただきたいと思う次第でございます。
 これに関連して、午前中も質問出てまいりましたが、特許審査の迅速化、先ほど質問もございました。最終的には人員の頭数の問題という部分で、かなりそれが一番大きな障害であるということだろうとは思うんですが、それ以外、我が国でその特許審査の迅速化、あるいはこれに関連することで問題としてとらえられるようなことが更にあるようであれば、どういうふうな解決方策があるのか含めて、お伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(平井敏文君) 近年の特許の審査請求件数、特許と申しますのは御案内のとおり、出願をしまして三年以内に審査の請求というのがございます。したがいまして、年間四十数万件の出願に対しまして、昨年度でも二十六万件ほどの審査請求がございます。その審査請求件数、非常に高い水準で推移しております。
 これまでも特許庁といたしまして、アウトソースとか、あるいは審査の情報化の推進等の施策によりまして、審査官一人当たりの処理件数を欧米の二倍から三倍という具合に処理の促進に努めてまいりましたが、なおかつまだ審査請求件数の急増によりまして、審査を待っている件数、審査待ち件数が大変多く、長期化しているのが現状でございます。その傾向は更に長期化するというのが懸念されているのが現状でございます。
 知的財産戦略大綱におきましても、本年度中に、二〇〇五年度までを目標年次に置いたきちんとした迅速化に係る計画を策定するよう定められております。特許庁、経済産業省といたしましても、限られた定員の中で引き続き必要な特許審査官の増員、アウトソーシングの活用によりまして体制の整備に努めますとともに、現在早期審査制度、あるいは特許性の高い、特許になる率の高い企業の出願にほど有利になるような料金体系等を導入してはどうかとか、そういった検討を開始したところでございまして、本年度中にも具体的な計画を策定する予定でございます。
○北岡秀二君 それと、先ほど大臣が答弁をされた中で、模倣品、海賊版対策というお話もされていらっしゃいましたが、これから将来のアジアの生産ということを考えてみると、この模倣品、海賊版対策というのもしっかりとこれ対応していかなければならない分野だろうと思うんですが、今具体的にどういう取組がなされて、どういう課題があるのか、どういうふうに掌握されていらっしゃるか、御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(平井敏文君) 昨今の模倣品、海賊版につきましての被害状況は、侵害国内だけの流通ではなくて、そこからまた外国に輸出されるといった地域的な拡大、あるいはこれまで商標だとかデザインだとかいうものから特許そのものまで侵害するという質的な拡大、そういった深刻化が目立っておる状況でございます。
 本年四月に、民間の反模倣品、反海賊版団体であります国際知的財産フォーラムという連合ができまして、そこに当省といたしましても協力いたしまして、様々な支援策を今検討しておるところでございますが、年内にも大規模なミッションを関係国、主として中国でございますが、中央政府や地方政府に対しまして所要の申入れを行うべく、ミッションを派遣する予定でございます。
 また、著作権関係、コンテンツ関係の海賊版対策につきましても同様の歩調を取りまして、文化庁と協力して積極的にそういった民間の団体の動きを支援してまいりたいと考えております。
 また、先般、WTOの法令の関係で、中国、台湾等に対しまして所要の申入れも行っております。
 いずれにいたしましても、そういった模倣品や海賊版が国内にも輸入されないように、水際対策も重要でございますので、この水際対策、関係省庁と連携を取り合って二〇〇四年度までに所要の改善策を講ずる予定にしておりまして、現在検討を開始したところでございます。官民一体となって引き続き対策を強化してまいる所存でございます。
○北岡秀二君 先ほど農林水産省にもお伺いしたことの関連でございますが、経済産業省の方に地方経済再生についてちょっとお伺いを申し上げたいと思うんですが、御承知のとおり、先ほどもお話を申し上げましたが、日本経済自体が大分地盤低下をしている中で、更に地方経済のこれからの将来あるいは今の現状、大変深刻な状況を迎えておる。
 私は、私なりに大きな要因というのを分析をすると、三、四点基本的な要因があるだろうと思うんですが、今お話をさしていただきました中国を始めとして産業の空洞化がどんどんどんどん進展をしていっておる、そういう状況の中で、ややもすると、地方経済の中にある企業というのは下請型産業が多い、産業の空洞化で非常に大きな被害を被るのはまず地方の経済から被害を被るのでなかろうかというのがまず第一点。
 それともう一つは、地方経済、基本的に民間経済力が弱いがゆえに、公的な投資、公共事業を中心とした公的な投資で回されている経済というのがかなりあるだろうと思うんですが、これも御承知のとおり、最近の財政再建等々に関連して非常にその辺りの財布のひもも固くなって、元々が公共事業を中心とした公的投資で回っている経済が、その大きな命綱が非常に細くなりつつある。これによる決定的な打撃を今受けつつございます。
 さらに、私は第三点目を考えてみますと、今の日本の経済、構造改革やいろんな改革改革ということを今取り組んでおられますが、その流れの傾向性というのは競争力の強化であったり、あるいは合理性の強化であったり、一つの底流に流れている方向性はそういう流れだろうと思うんです。
 元々、地方経済あるいは地方企業、すべてがすべてとは申し上げませんが、基本的には競争力は比較的弱い、そしてまたそういう部分で人材的にもあるいは技術的にもそう高い企業が余りいないと。そういう面での競争力が元々弱いところでのこのたびの改革の流れというのは、これはもう地方にとって、全般的に総論的な話でございますが、将来的にはかなり打撃を受けるんじゃなかろうか。
 いろんな要因で、これから地方経済ということを考えてみたときに、本来あるべき姿は一体どういう姿があるべき姿なんだろう、そしてまたなおかつ、国として行政としてどういうふうに指導していったらいいんであろうと、その辺りの方策なりあるいはイメージがなかなかわいてこないというのが今の現状だろうと思うんです。
 私は、こういう状況の中で、日本の国全体が大きく変わろうとしている、大きく変わろうとしている中での地方経済のあるべき姿は、苦しいながらも、何となく、おぼろげながらでも結構ですから、何かのイメージ付けをしていかなければ大変な事態が発生するなということを私は感じております。
 地方の特性をいかに生かして産業形成をしていただくか、あるいは公的投資で回されていた部分、それに取って代わって何を、命綱と言ったらおかしいんですが、何に取って代わらせてその辺りの流れを変えていくか。私は、本当に大変難しい問題もあるわけでございますが、経済全般を担当する経済産業省として、非常に広範にわたる話で申し訳ないんですが、これから地方経済のあるべき姿、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに今、北岡先生が分析されましたように、様々な要因で地域の経済が非常に厳しい状況になっていることは事実であります。中央に比べて、そして都市に比べて失業率も高い、こういった具体的なデータもあるわけであります。しかし、地域の経済が活性化しないと日本経済全体がこれは回復しないわけでありますので、やはり国として、この地域経済活性化のための積極的な施策をしていかなければならないと思っています。
 その中の一つとして経済産業省として取り組んでおりますのが、全国に今、九地点経済産業局がございます。そして、ここがきめ細かく対応しながら、やはり地域の産学官の連携をしっかりと根付かせて、そこから大きなパワーを生み出さなきゃいかぬという形で地域産業クラスター計画、これを今、全国十九の拠点で、そして百九十を超える大学が参画をし、更に四千社に近いそういう企業群がベンチャーを含めて参画をして、おかげさまでその中から新しい一つの製品が生み出される、新しい特許が出てくる、そして新しい一つのベンチャー企業が育ってくる、こういう実績が上がってきています。
 ですから、これをやるためにはやはり条件整備をしなければならないという形でTLO法を制定させていただいたり、それから産学官の交流がしっかりできるようなそういう制度的な側面のいろんな施策もやらせていただいて、これが今非常に拡大しつつあります。
 それからもう一方、ベンチャーを含めて新規の企業が起こりやすい状況を作るということに関しては、昨年の秋の臨時国会で両院の全党の御賛同をいただいて、新しく企業が立ち上がりやすいそういう法律を制定をさせていただきました。これは、もう土地の担保も本人保証も第三者保証も要らない、意欲ある人がしっかりした事業計画に基づいてやるということであればその立ち上げ資金というのはやはり全面的に見てあげようと。これも従来に比べて、今年の初めからそれは動き出しましたけれども、四倍のスピードでそういう新規企業が立ち上がる、こういうことにもつながっています。これは地方にもそういうことが及んでいるわけでありまして、私どもとしては、御指摘のように地域の経済を活性化する、産業を活性化する、そのためには、そういった核になるものを作りながら、そして地場の特色を生かしながら、それぞれの地域の特色を生かしながらそれぞれの地域が発展をしていく、こういったことを今真剣に取り組んでいるところであります。
○北岡秀二君 是非ともこの地方経済、これからどうしていくかということに関して、過去にあって、高度成長時代にはやっぱりその牽引力として、東京、大阪あるいは名古屋、大都市圏の工業地帯を中心にして発展していく部分を補てんするという役割でそれなりにある程度成立可能な分野がございました。
 しかし、この最近の経済環境や国際環境ということを見てみますと、その部分がどんどんどんどん外国へ流出をしていく。じゃ、ならば本当にこれから地方のあるべき生きていく糧というのは一体どうなるんだろうという大きな大きな将来に対する不安というのがございますので、これはもう本当に私ども共々にこれからいろいろ苦心しながら新しいスタイルを確立をしていかなければならないんだろうと思うんですが、是非ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 一問もう飛ばさせていただきますが、今のことに関連して政府系中小企業金融機関。金融改革が進行している中で銀行の不良債権を解消しようということでいろんな策が取られていらっしゃる、これに付随して、もう既に長年叫ばれておりますが、貸し渋り、貸しはがしが進行していって、なかなか中小零細企業、大手企業も最近そういう状況にあるようでございますが、融資をしていただけない、やっていけるにもかかわらずお金が回っていかないがゆえに将来の企業継続を断念せざるを得ない、あるいは非常に大きなハンディを持たざるを得ないという現状。こういう状況の中で、もう既に御認識はいただいておるだろうと思うんですが、政府系金融機関が果たしてきた役割というのは非常に大きな役割を果たしてきていただいておるわけでございます。片や、先ほどもちょっと一部質問がございましたが、そちらの分野に関連しての不良債権がこれからどうなっていくか、それも同時並行の中で深刻な問題として進行しております。
 私は、トータルやっぱり今の状況を考えてみると、これはもう銀行業界自体が現場の方々のお話を聞くとどんどんどんどん萎縮をして思い切った融資ができる環境にない。これはもう日本経済全体を考えてみましても、ハイリスク・ハイリターンの中でベンチャー的にどんどんどんどん企業活動をしていこうとする人たちをだれがじゃ面倒見ていただけるんであろうかということを考えてみましたときに、非常に大きなバランスを崩しつつあるなというふうに感じるわけでございます。
 それのみでなく、中小零細企業ということを考えてみても、私は必要な部分は必要であるということで、いろんな問題はあろうとは思いますが、やるべきことは政府としてはやっていかなければならない、存続させるべきことは存続させていかなければならないというふうに感じるわけでございますが、統廃合の対象でいろいろな検討がなされておるわけでございますが、今申し上げた状況の中で、政府系中小企業金融機関の果たすべき役割、その在り方をどういうふうに考えていらっしゃるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○副大臣(古屋圭司君) お答えさせていただきます。
 今、委員御指摘のように、中小企業を取り巻く金融というのは大変厳しい状況にございます。特に、民間の金融機関が今御指摘のように貸しはがしあるいは貸し渋り、更にはまともな中小企業まで金利のアップを要求をしてくるというようなことで、大変厳しい状況にあるということは委員御指摘のとおりでございまして、ややもするとやる気のある中小企業までが破綻に追い込まれるような事態が出てきかねません。
 こういったことをやはり回避するには、政府系金融機関がしっかりとしたセーフティーネットを提供していく必要があると思いまして、極めて今重要な時期であるというふうに私どもは認識をいたしております。
 具体的には、セーフティーネットの貸付けでございますけれども、例えば実績としては今約六万八千件、二兆三千億円の規模で既に実施をしておりますし、また、今年の三月にデフレ対策で対応させていただきましたものの中には、まず売り掛け債権を担保に融資をする制度、これは土地担保至上主義からの脱却の第一歩であり、やはり資金調達手段の多様化の重要な私は柱になってくると思いますけれども、ただ、そういった商慣習がなかったということで、スタート当初は余り使われておりませんでしたけれども、最近は各経済局あるいは金融機関、そして中小企業関係団体にも積極的に働き掛けまして、今はもう既に二千四百件の実績が出てきておりますし、またもう一つは、これは商工中金の三千万円の無担保無保証の制度でございます。これについては八千件、五百三十億円の実績を上げておるわけでございます。こういったセーフティーネットの充実というものはしっかり対応していっております。
 また、それだけではなくて、これはあくまでもそういう厳しい状況にある中小企業者を支援するという手段、これだけでは日本の経済は活性化をしません。先ほど大臣からも答弁がございましたように、やはりやる気のある人たちを積極的に新しい起業あるいは新しいビジネスに参画をする支援をしていくという視点から、無担保無保証、個人保証なし、これは五百五十万円まででございますけれども、これにつきましては今年の一月から始めまして既に千四百件を超えております。問い合わせ等々は大変ございまして、大きな反響を呼んでおります。
 これに併せて、例えば特別の小口の千二百万円の保証とか、あるいは新事業創出関連で保証制度で千五百万円ございますので、やはりこういうものを合わせて使えば、無担保無保証で、自分の知恵、自分の事業のアイデアによって融資ができるという方法も見いだされておるわけでございまして、積極的にこういうものを対応していっていただきたいと思います。
 あるいは民事再生の手続の途上にある中小企業を再建を支援するために、いわゆるDIPファイナンス、デッター・イン・ポゼッションですね、これも今積極的に取り組んでいるところございまして、いずれにいたしましても、中小企業の厳しい金融状況の中で政府系金融機関の果たす役割は極めて重要だと思います。
 今申し上げましたように、厳しい左ウイングに対してはセーフティーネットを保証すると。一方では、やる気のある企業、そして将来伸びるであろう中小企業に対しては積極的な融資を働き掛けていく、この両輪によって対応していきたいというふうに考えております。
○北岡秀二君 是非ともよろしくお願い申し上げます。
 私は、改革の流れで一点思うんですが、すべて同じ尺度で改革をしてしまうととんでもない間違いが多分起こっていくだろうと思います。かといって一つの基準というのも作らなければ、いろんな過去のしがらみやいろんな過去の慣習の中でなかなか根本的な部分を変え切れない。だから、その辺りの両面のはざまの中で、どれを残してどれを省略するかという非常に大きな決断を総理始め大臣、各責任の部分で、所管されるところで大きな決断が必要になってくるだろうと思うんですが、是非とも私は、継続して残す部分はあえて思い切って継続をさせていくという、この時期の中での英断というのも必要になってくるだろうと思います。是非ともそういったことでよろしくお願い申し上げたいと思います。
 多少時間を余しましたが、早めに質問を終わらせていただきます。
 以上で終わります。
○後藤博子君 後藤でございます。今日はよろしくお願いいたします。
 武部大臣の代わりに今日は野間副大臣ということで、日ごろ敬愛してやまない先生、よろしくお願いいたします。大変お疲れと思いますので、少し頭を子供のころにちょっと戻していただきたいと思っております。
 野間副大臣、子供のころに食べたトマトやキュウリ、おいしかったですよね。露地栽培で作った野菜をおばちゃんがリヤカーを競って売りに来て、私たちは、私の時代にも井戸水がありましたから井戸水につけて、キュウリやトマトを丸ごとかじって、あのときのその食感、かりっとした味わい、そしてちょっと甘酸っぱいようなおいしさ、そのおいしさを思い出していただきたいと思います。
 最近の野菜をあの当時のように食べるんですけれども、見た目は色や形はとてもきれいなんですけれども、あの当時の味がないな、特に私の母はよく申しますが、何でこんなにおいしくなくなったんだろうということを思いながら、私たち主婦といたしましては食材をトントントンとまないたの板で調理することがあります。何かそういうことを見ますと、本当に食というのは豊かになったんだろうか、逆に何か貧しくなってしまったような気がしてなりません。本物の味がないと私は思っております。
 また、キュウリやトマトやナス、曲がったものはよくありました。私も子供のころはトマトやキュウリやナスを使って夏休みの工作を作ったような覚えがあります。その食材を見ながら、ああこれはキリンに見えるな、これは何か象に見えるなと言いながら工作を作った覚えがあります。そういう意味では、私たちの子供のころはすべてが、何かそういうものでさえ一つ一つが感性が育っていっておりましたし、また想像力や考える力がそういうところから養っていったように思います。今はそういうことがあるでしょうか。子供さんやお孫さんを見ていかがでしょうか。
 生きるために私たちは食べていると思いますが、今は、何ですか、悲しいことですけれども、何だか死ぬために食べているような気が、言い過ぎですが思います。遺伝子を組み換えたり、自然に逆らってまで命を犠牲にしていくのでしょうか。体に悪いと分かっていながら、添加物や薬品を使うような食材がなぜ増えていくのでしょうか。
 私が知っているあるフグを養殖している社長なんですけれども、御自分で作っている養殖のフグは一切口に入れません。天然のものしか食べないんです。ということは、それだけフグが薬漬けにされているということではないかと思っております。
 そんなことで、私は生活者の目線から素朴な質問を率直にさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 平成十一年七月に食料・農業・農村基本法が施行されました。そして、その基本理念の一つであります食料の安定供給確保の観点から、自給率を向上させていくため、国際競争に対応しながら消費者や実需者にえり好みされる品質や価格のものが供給できるよう、生産、流通の両面から構造改革を進めていくことが求められていると思います。また、現在、米政策の見直しや経営所得安定対策の在り方などいろいろな検討がなされて進められていると思います。
 私は、こうした議論を聞いておりまして、少し物足りなさを感じてしまいます。それは、日本の農業が抱える課題も十分検討しなければならないことは当然なんですが、私は、今後の農林水産政策をどう進めていくべきかを考えるときに、食の文化、国民の食に対する認識の変化という視点を十分考慮に入れていくべきではないかと思いますし、それが原点ではないかと思っております。
 そこで、世代のワンサイクルと考えられます三十年から三十五年、今からですと、昭和四十年から平成十二年の国民の一人一年間当たりの食料消費の変化を食料需給表で見ますと、昭和四十年にはお米は百十一・七キロ、肉類は九・二キロ、牛乳・乳製品は三十七・五キロであったものが、平成十二年にはお米が六十四・六キログラムで半減しておりますし、肉類が二十八・八キログラムで三倍になっています。また、同じように牛乳や乳製品も九十四・三キログラムで三倍近くになっております。
 国民一人当たりの供給たんぱく質を見ますと、動物性たんぱく質が二十五・九グラムから四十七・五グラムになっておりまして、植物性たんぱく質が動物性たんぱく質を下回るといいますか、逆に言いますと動物性たんぱく質の方が植物性たんぱく質を大幅に上回っております。急速に食の洋風化が進んでいると思います。
 このように短期間で国民の食生活、食文化が変化したのは世界に例がないのではないかと思っております。日本の農業の生産や経営の将来を展望する上においても、単なる食料生産といった視点からのみではなく、食文化の分析なしには本当の真の安定供給は語れないと思っておりますが、政府は食の文化をどのように分析しているのでしょうか、明らかにしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○副大臣(野間赳君) 我が国の食生活につきましては、先生御指摘のとおり、昭和五十年代に形成をされました、米を中心といたしました、魚介類、畜産物、野菜、果物等、多様な食品を組み合わせたいわゆる日本型食生活におきまして、栄養バランスの面からも理想的な水準であったと思います。例えば昭和五十五年度の食糧自給率は五三%ということであったのでありますので、現在より非常に高い水準でございました。また、そうした食生活の下におきまして、各地域の気候風土に根差しました特色のある食文化をはぐくまれてきたところであります。
 しかしながら、食の外部化、サービス化やライフスタイルの多様化などによりまして食生活を取り巻く環境が大きく変化をしてまいりました。米の消費が減少してまいりますとともに、畜産物等に消費が増加をしてまいりまして、現在の我が国の食生活におきましては脂質の取り過ぎ等、栄養のバランスが偏ってまいってきておると思います。また、糖尿病など生活習慣病の増加など、また食べ残しや食品の廃棄による無駄の発生など、先ほど申し上げました食糧自給率が四〇%というような状況で低下をしてきておるという問題が顕在化をしてきておると思います。
 また、食文化の面におきましても、社会経済情勢の変化等によりましてその伝承が困難となってまいっておりまして、国民の食生活は大きく変化をしてきておると感じております。
○後藤博子君 ありがとうございます。
 私は一九八一年にブラジルに移住しておりまして、十代のブラジルの女性はすごい、すばらしいプロポーションをしております。二十代になりますとだんだん崩れていきまして、結婚してしまうともうすごく崩れちゃうんですね。私は、ちょっと余分なことなんですけれども、日本食を食べて良かったなと思います。三十三歳で行ったんですけれども、三十三歳で行った私が二十歳とか二十二、三ですかと言われましたから、本当に日本食を食べて心から良かったなと思っております。ちょっと余分なことを言いましたけれども。
 そういうことで、日本型食生活の良さを説いて普及に努めることも、(「今も若い」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。先ほどまた農村との交流も出ましたが、それも大事ですし、あるいは学校の授業や給食を通じての食育も大事だと思います。
 地域の伝統的な料理の味もおふくろの味や旬の味、先ほど申し上げましたように、本物の味も知らない世代が増えています。家庭での食事よりも、先ほど副大臣おっしゃいましたように、ファストフーズを好む子供たちが増えています。このようなことでは、先ほど申し上げましたように、もうワンサイクル世代が変わってしまったときに日本にはどのような食文化が存在するのか、伝統的な食文化は消えうせてしまっているのではないかと思います。すばらしいプロポーションを保つための食文化がどんどんどんどん消えうせてしまうと、もうそういうことでは本当に日本人として悲しくてなりません。私は、食の文化はそういう国の歴史や文化、民族性の原点だと思っています。
 したがって、この国から伝統的な食文化が消えうせるということは、日本の文化が消え、極端に言えば、本当の日本、本当の日本人が存在しなくなると言っても言い過ぎではないと思っております。それぐらい深刻な問題だと私は受け止めております。特に食の問題は、財政的にどうだとか効率的にどうだという視点だけで考えることはできないと思っております。
 最近、地産地消だとかスローフードということが言われますが、元来、食というものは、野菜にしろ魚にしろ季節ごとに取れる素材を、そして一般的に鮮度の落ちやすい素材を新鮮なうちに調理していただくもので、地産地消あるいはスローフードは本来のあるべき姿に戻ろうということであって、こうしたことを軽んじてきたことへの反省から生まれたものであると思います。
 時間がありませんので、少し急がせていただきます。
 そういう意味におきまして、私は、最も反省しなければならないのは、自給率が、先ほど自給率とおっしゃいましたけれども、先進国の中で最低となった我が国、そして産地の大規模化と広域流通を基本に施策を進めてきた農水省ではないかと思っております。
 戦後の農政を展開する中で、農業の近代化として、気候風土や歴史文化の異なる欧米化の農業をモデルにし、また食の本来のあるべき姿を忘れたこと、そして過度の食の洋風化に警笛を鳴らすのが遅過ぎたことにあるのではないかと思っております。食の安全にはセーフティーとセキュリティーがあり、そのいずれもがその国の食文化に立脚して考えなければならないと思っております。
 そう考えますと、今の農政の基本線は従来と大きく変わっていないような気がいたします。その国の自然を生かし、その動物や植物の持つ特性に沿った生産や流通を進め、そして農家の皆さんが安心して経営を維持発展させていくことが本来新基本法が求めていることではないかと思っておりますが、副大臣の見解をお伺いいたします。
○副大臣(野間赳君) 食生活の多様化、外部化に伴いまして、食と農の距離の拡大や家庭における食の教育力の低下など、食と農をめぐります諸課題が顕在化する中におきまして、国民一人一人が自らの食について考える習慣を身に付ける、このことが大変重要なことであると私は考えております。
 その際、食に対する関心や理解を深めるために、子供から大人、そうして消費者から生産者に至ります幅広い国民の参加の下で、自ら食について考える取組を国民運動として展開をしていくことが決め手となると考えております。関係府省、都道府県等の関係機関等挙げまして運動の推進をしていくとともに、各分野での自主的な活動とも十分に連携をする必要があろうかと思っております。
 このような観点から、農水省といたしましても、文部科学省、厚労省と連携を密にいたしまして、全国段階の取組といたしまして、食育の推進母体として食を考える国民会議の充実や強化、また食を考える月間の設定をいたしまして、食を考える国民フォーラム等の集中的な開催をするなど地域段階におけることをやってまいりたいと、このように思っております。
 というところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。
 核家族がますます進んでいきますし、世は男女共同参画社会へと向かっています。育児休暇を取っただんな様といいますか御主人が、台所に立って子供たちに食事を作るのももう今では珍しくない状況で、何かうなずいていらっしゃいますけれども、古屋先生、思います。
 副大臣も皆さんも原宿とか渋谷に、若者の町に行ったことがございますでしょうか、特に深夜。深夜の町を行ってみてください。皆様がびっくりなさる若者たちがたくさんいらっしゃいます。どういうふうにびっくりなさるかは行ってみていただければ分かると思うんですけれども、そういう若者たちがいずれはお父さん、お母さんになっていくんです。若者たちの片手には何を持って食べているか、一度視察に行っていただきたいと思います。
 じゃ、ちょっと視点を変えまして、次にウルグアイ・ラウンドの対策について、成果についてお尋ねいたします、ちょっと視点変わりますが。
 私が議員になるずっと以前のことなんで、地元の方々から、後藤さんに言ってもな、あんたはまだ議員じゃなかったからしようがないけどと言いながら、このウルグアイ・ラウンド対策は全く成果が上がらないのではないかというおしかりを、つい地元に帰っております一週間前におしかりを受けました。
 それで、平成七年からですかね、十二年までの六年間、総事業費が六兆百億円掛けて実施されたウルグアイ・ラウンド対策は、農業合意の受入れが我が国農業にもたらす影響を食い止め、また我が国農業の将来展望を切り開くため、二十一世紀に向けた農業行動を早期に実現するとして、生産・流通体制の整備、農業の体質強化などを目指すとされていたと思います。しかし、最近の農業の構造改革、「「食」と「農」の再生プラン」などを見ましても、同じようなことが言われているように思います。でありますと、ウルグアイ・ラウンド対策は期待したほどの成果がなかったということになるのでしょうか。ウルグアイ・ラウンド対策の成果はどのようなもので、何が実現を見ていないと認識されていますのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 ウルグアイ・ラウンド対策でございますけれども、御指摘がございましたように、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策ということで平成六年度から十二年度まで、一部の公共事業は例の財政構造改革法の関係で十四年度までということでございますけれども、総事業費ベースということでは六兆円を超える事業ということで対策をやらさせてもらっているわけでございますが、趣旨につきましてはただいま先生がお触れになりましたような趣旨ということで、圃場整備事業でございますとか、資本装備の充実、高度化に資するような施設整備の関係事業でございますとか、あるいは担い手に農地利用を集積するような事業でございますとか、そういったものをやってきたということでございます。
 実は私ども、平成十一年度までの成果ということでその中間評価を平成十二年に行いまして、これを公表しておりますが、この中におきましては、それぞれの事業、目的にかなり近いような達成をしたものもあれば、達していないものがあるということでございますが、例えば例示をいたしますと、担い手育成型圃場整備事業、これは大区画の圃場を整備するものでございますけれども、こういった事業におきましては、これは実施事業の完了地区九十八地区でございますが、担い手の経営規模がそれまでの二・九ヘクタールから七・二ヘクタールということで二・五倍に拡大するとか、あるいは労働時間が六割以上短縮すると、これは十アール当たりでございますが、そういった成果が現れているというものもある一方におきまして、担い手に農地の過半を集積するという事業、これは七十六万ヘクタールの増加ということを目標としておりましたけれども、現実には十一年度までで四十一万ヘクタールということで五〇%強の増加にとどまっているというふうなことで、目標達成に達していないというものがございます。
 また、農業全体を総じて見てまいりますと、対策開始前の平成五年と平成十一年の比較、これは取りも直さずウルグアイ・ラウンド対策だけではなく全農林水産関係予算の効果もあるということでございますけれども、これで比較しますと、例えば肉用牛の農家一戸当たりの平均の経営規模は一・五倍に増えております。また、大豆の単位面積当たりの労働時間は四割近く減少するということで、総じていきますと約一割程度の生産性の向上というのも見られるんじゃないかというふうにしております。
 ただ、いずれにしましても、こうした対策の効果ということになりますと、短期的にその発現についての測定というのは難しゅうございますので、私どもといたしましては、このUR対策の全体の事業効果につきましては今後とも定期的に検証してまいりたいと、またこれを公表してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。
 本当に全く成果が上がっていないではないかというようなことがやっぱり言われないようにしたいと思いますし、そういう意味では私も一生懸命取り組んでいきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。
 次に、ちょっと時間の関係でありますので、食の安全確保に向けた取組についてお尋ねをいたします。
 まず、BSEの発生を契機に消費者の農政に対する不信を招き、その不信が完全に払拭されない中で虚偽の表示や無登録農薬の使用など農協の系統自身の不正が発覚し、我が国の農業生産に対しても消費者の信頼が失墜していたと思います。
 このことについて、先ほどちょっと質問の中にもあったと思いますし、重複するかもしれませんけれども、副大臣はどのような見解を持たれているのか、お伺いいたしたいと思います。
○副大臣(野間赳君) BSEの問題や食品の虚偽表示問題等、食と農に関する様々な問題が顕在化します中で、委員御指摘のとおり、消費者の食の安全と安心に対します信頼を回復することが緊急の課題となっておると思います。
 これらの一連の問題の背景には、近年、消費者の商品知識や商業モラルの観点から選別する意識が格段に向上いたしまして、食品へのニーズが量から質、健康志向、より安全、安心などに変化したにもかかわりませず、行政を含みます関係者がこのような変化に対応し切れなかったことではないかと考えております。
 このため、現在、再生プランに基づきまして、消費者保護を第一といたしまして、農林水産政策の軸足を消費者サイドにはっきりと移すことを基本にいたしまして、食品安全にかかわります法制度の整備や行政組織の改革・再編、トレーサビリティーシステムの導入、虚偽表示に対します対策の強化や表示の一元化に向けた検討の推進をいたしております。
 今後、更に再生プランに掲げております各般の政策を着実に実行することによりまして、食に対する国民の信頼と安心の確保に向けた食農一環政策に積極的に取り組んでまいりたいと考えており、よろしくお願いいたします。
○後藤博子君 ありがとうございます。是非よろしくお願い申し上げます。
 次に、農業の構造改革は国際競争にも耐え得るよう効率的かつ安定的な経営を実現しようというもので、その主眼は規模拡大による生産コストの削減にあるような気がいたします。そうであれば、言葉がちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、かつての通産政策の轍を踏むことにならないのではないかという気がいたします。
 通産省、今の経済産業省は、生産コストの削減による国際競争力の強化を目指す政策を進めたと思いますが、中国などの予想以上の追い上げがあり、中小企業にそのしわ寄せが行き、また産業の空洞化も進んだと思います。国際的なコスト競争には賃金の大幅な格差などから限界があり、今、経済産業省にもこうしたことへの反省があるのではないかと思います。日本経済の底力は中小企業の技術力にあったと言っても過言ではないと思いますし、そこへの十分な配慮に欠けていたのではないかと思います。
 農業の構造改革、「「食」と「農」の再生プラン」においても、そのような視点、配慮を十分にお願いしたいと思います。時間の関係上、この御答弁は結構でございます。
 今日はもう武部大臣はいらっしゃいませんが、武部大臣は、消費者に軸足を置いて今後の農政を進めると様々な機会に発言されておりますし、また今日も何度かそういうお言葉を言われておりました。また、政府内で、消費者の農政に対する信頼、あるいは国産農産物に対する消費者の信頼を回復するため、食の安全確保のための体制づくりも進められております。しかし、これまでの農政も消費者のことを全く考えていなかったわけではないと思いますし、また今後は消費者のことだけ考えていくということでもないと思います。要は、消費者の本当の目線に立った行政に欠けていたのではないかと思っております。
 BSE発生の際、一気に牛肉の需要が落ちたのは、成長期の子供を持つ母親が安全なものを子供たちに食べさせたいという親心が敏感に反応した結果だと思っております。私もその一人でございます。過剰反応だと言う向きもありますが、母親の気持ちというものはそういうものです。したがって、消費者の行政に対する信頼回復には、体制づくりも必要ですが、実際の行政に日々かかわる担当者に人の健康、子供の健康、食品の安全性に敏感な母親や主婦の感覚が必要ではないかと思います。
 その観点からいいますと、これまでの農水省は男性が中心に行政を進めてきたと思います。したがって、今後農水省に新設が予定されています、今日も出ましたが、消費・安全局の局長には女性の局長を登用するぐらいの考え方が必要だと思いますが、副大臣はその点だけお答えください。いかがでしょうか。
○副大臣(野間赳君) 生産者から消費者に政策の軸足を移しまして農林水産行政の大胆な見直しや改革を推進していくためには、消費者の視点を持ちます行政官、特に女性職員の活躍に大きく期待をしているところであります。
 このため、農林水産省における女性の採用・登用拡大を策定をいたしまして、これに即し、これまで女性の登用の拡大に積極的に努めてきたところであります。特に、本年七月には、消費者行政を担当します幹部といたしまして消費者政策官、また消費生活課長に女性を登用をいたしたところであります。
 なお、先生御指摘の消費・安全局長への女性登用につきましては、現時点では何とも申し上げることができないのでありますが、現在、組織要求を行っております段階でございますので、まずは新組織の実現に全力を挙げてまいりたいと思っておりますので、よろしくひとつ御指導のほどをお願いをいたしたいと思います。
○後藤博子君 ありがとうございます。楽しみにしております。副大臣、是非お願いいたします。
 最後になりましたが、私たち、私も議員になってつくづく感じておりますが、やはり国民の皆さんは農林水産省、大臣、副大臣、そして私たちに命を預けていると思います。掛け替えのない、一度しかないやはり人生、命を預けられている私たちは、その重みをやはり十分に認識しなければならないと考えております。
 子供さんやお孫さんに何か、元気で明るい子供たちの未来のために、今いる私たちが是非、今頑張らなければ、それこそ食の、日本人の食の文化も消えうせていくということは間違いなく起こってくると思っております。そして、今いる私たちが、先ほど申し上げたように、本当のトマトの味やキュウリの味や野菜の味を知っている私たちがもっともっと伝えていかなければならないと思いますし、それが使命だとも考えております。私もこれから一生懸命取り組んでまいりますので、今後とも御指導いただきますようにお願いいたします。
 本日は、御答弁いただきましてありがとうございました。
 終わります。
○加治屋義人君 自民党の加治屋でございます。
 委員長、私の質問は農水省だけでございますが、経済産業省、大臣、副大臣、御退席いただいてよろしいんじゃないでしょうか。
○委員長(中原爽君) 御退席いただいてよろしいですか。
○加治屋義人君 よかったらどうぞ。
 それでは、農地制度の見直しについて伺います。
 食糧の自給率向上を図るために、平成十二年、農業経営の法人化を推進してその活性化を図ることを目的に、農地法の一部改正が行われました。その一環として、一定の条件の下で農業生産法人として株式会社形態の選択が可能となりました。さらに、小泉内閣における経済財政諮問会議、総合規制改革会議、地方分権改革推進会議などにおける論議や農水省の「「食」と「農」の再生プラン」の推進を背景として、農地制度の見直しの動きが急浮上をして、今、農村現場に大きな不安と動揺が広がっています。
 この株式会社形態を取る農業生産法人は、平成十四年七月現在で二十七法人となっていると聞いております。この二十七法人の実態について伺いたいのでありますが、一つには、なぜ株式会社という選択をしたのか、その背景と理由。特に、外部から入ってきた株式会社はどのようなインセンティブを持って参入しているのか、伺いたいと思います。二点目に、どういう分野に参入をしているのですか。事業内容の特徴と経営収支の状況について概略教えていただければ有り難いと思います。三点目に、株式会社が参入したことに対してその地域でどのような反応があるのか、地域での受入れ体制や地域の評価はどういうものなのか。そして、それを農水省としてどう評価をしておられますか。この三点についてまず伺います。
○政府参考人(川村秀三郎君) ただいま株式会社形態の農業生産法人につきまして三点のお尋ねがございました。
 まず第一点目でございますが、こういう形態を選択した理由でございます。一つは、対外的な信用力を向上する、また二点目としましては、消費者や関連企業との連携強化、また三点目としまして、機動的で幅広い事業展開が可能であること等を理由に挙げておられます。
 また、新たに外部から参入されてきた株式会社もこの中にあるわけでございますけれども、その会社は、高齢化と担い手不足等を背景といたしまして、コントラクター事業者が地元の要請を受けまして牧草生産を開始したものや、また農産物の加工なり販売会社が自社の経営安定のために生産を開始したもの、生産の分野まで進出したもの等の例が見られるところでございます。
 また、二点目の参入分野でございますが、米麦、野菜、花卉など多岐にわたっておりまして、経営内容としましても、有機栽培あるいは自社ブランドにこだわったもの、それから農業生産のみならずマーケティングなどに力を入れているものなど、様々な特徴が見られるところでございます。
 収支の状況でございますが、この株式会社形態のものはこの三月にスタートしたばかりでございますので、申し訳ありませんが、まだちょっとデータが集積できておりません。そういうことはちょっとお許しいただきたいと思います。
 それから三点目でございます。この評価等でございますが、これらの株式会社が活動している地域におきましては、高齢化の進行と農地の遊休化が懸念されるという中で、新たな地域農業の担い手としての役割、それから遊休農地の解消、それから地域農業の活性化ということで非常に期待をされております。
 農林水産省としましても、地域に根差した特色のある経営を展開するということが非常に重要であると思っておりますし、今後ともこの地域農業の活性化に重要な役割を果たしていただけるんではないかと期待をしているところでございます。
○加治屋義人君 平成十四年三月に改定をされました規制改革推進三か年計画、これは、「農業生産法人への出資制限を始めとする現行制度や実態について速やかに検証を図り、農業経営の株式会社化等を一層推進するための措置を講ずる。」、こうなっております。規制改革の名の下に更なる株式会社の農業参入を積極的に推し進めていこうとしておられますが、実は昨年三月施行の改正農地法により株式会社形態の農業生産法人を追加した新たな制度がスタートしたばかりでありますだけに、その実態や影響も分析できないうちにこれ以上の緩和は絶対に反対であるとの強固な意見もあります。
 また、農業の担い手政策の基本をどうするのか。株式会社の参入によって投資資本的な農地取得、土地・水利問題など混乱をし、多くの疑念や疑問があり、もう少し時間を掛けて現場を踏まえて十分かつ慎重に検討をすべきではないか。私ども鹿児島県の市町村の九割が農地制度の見直しには慎重を期してほしいとの強い声であります。
 農水省は、去る九日、第二回担い手農家懇談会を開き、農地問題で農業法人代表や農業者から意見を聞かれたようでありますが、多くの出席者から、耕作者主義の堅持を求めるとともに、一般企業の農地取得に慎重論が相次いだとの内容でありました。農地法は基本理念として「農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当である」とうたっているではありませんか。この理念を失えば、農業離れが加速し、日本農業の根底を揺るがしかねないとの意見があるのは当然だと私は思います。
 一方で耕作者主義に固守すべきではないとの相反する意見もあることも私は承知をいたしております。しかしながら、日本農業は多面的機能を維持しながら安全な農産物を安定的に供給していくことに活路を求めていかなければならないと思います。それを可能にする持続的農業こそが二十一世紀の農業の指針であると私は信じております。
 申すまでもなく、株式会社とは利益を追求して当然の企業であります。しかしながら、BSEに端を発した食肉偽装、一連の食品表示偽装問題の根源は、正しく利益を追求する余り、企業としてのモラルが欠如した結果生じた事件であります。誠に残念でもありました。さらに、株は当然売買されるものであります。その結果いかんによっては、会社の経営方針が大きく変わる危険性をはらんでいることも肝に銘じておかなければいけないと思います。
 このような我が国の株式会社の現状に照らし、国民の食料生産の基盤とも言える農地を本当に株式会社にゆだねていいのでしょうか。秩序ある農地利用が保たれ、農業が持続的に発展できるのか大きな懸念を感じております。
 そこで伺いますが、このような農村現場の不安をどのように認識されておられますか。また、地域農業全体の振興を図る観点から、今後どのようにして家族経営による農業経営と株式会社による農業経営との間の合意形成を図っていかれようとしておられますか。そして、持続的農業を維持する上で株式会社の参入がどのように位置付けられ、また農地法の基本理念である耕作者主義をどのように認識されておられますか。この点についてお伺いをいたします。
○副大臣(野間赳君) お答え申し上げます。
 食料の安定供給、農業の持続的な発展等、食料・農業・農村基本法の基本理念を実現をしていくために、我が国農業を担う力強い農業経営体の育成を図ることが極めて重要なことであると考えております。このため農林水産省におきましては、単なる規制緩和等の観点ではなく、このような農業経営体育成の観点から、法人化を推進をするための施策に取り組んでいるところであります。
 一方、株式会社一般の農業参入につきましては、投機的な農地取得が行われるものではないか、地域における水管理、土地利用に混乱を生じるのではないか等の強い懸念が農業関係者等から示されているところでありまして、施策の展開に当たりましてはこうした点も十分に留意をしていく必要があろうかと考えております。
 なお、昨年の三月にスタートをいたしました新たな農業生産法人制度の下で、株式会社形態の農業生産法人について見ますと、町、農協からの要請に基づいて地域の酪農家に供給をする牧草生産を行っているもの、これは北海道の関係であります。また、農業者と市町村や農協の共同出資法人で、担い手の不足をしておる地域における農作業受託を積極的に行っているもの等、地域との積極的な関連の下で農業生産活動を行っている株式会社も見られるところでございます。
 いずれにいたしましても、水管理、土地利用調整の必要性等我が国農業の特質を踏まえれば、地域農業の維持発展のみならず農業生産法人の経営発展の観点からも地域における合意形成を図ることが大変重要なことであると思います。このため、農業委員会が中心となって、地域における話合いの場が設置をされるよう働き掛けているところでございます。
 もう一点のお尋ねでございますが、株式会社形態の農業生産法人におきましては農外から参入をする場合と既存の農業経営が株式会社化する場合の双方があり得るわけでありますが、いずれの場合におきましても、農業の持続的発展と基本法の理念の実現に向け効率的かつ安定的な農業経営体を育成をしていく観点からは、信用面、人材確保面、販路確保面等で優位性を有する株式会社形態での農業経営を行うことは選択肢の一つとして有効であると考えております。また、農地法は農地を適正かつ効率的に耕作する者に農地の権利取得を認めるといういわゆる耕作者主義の考え方に立っておるわけでありますが、このことはこれまで農地の効率的利用や農業経営の発展に貢献してきたと考えられております。
 現在、生産現場からの要望を踏まえ、法人化の推進や農地の集団化の観点から農地法制定全般につきまして検討を行っておりますが、その際にはそうした基本的考え方を十分踏まえながら考えてまいりたいと思っております。
○加治屋義人君 やはり従来の我が国の農業とこの株式会社の参入、しっかり整合性が取れてこそこれからの我が国の農業の発展はある、私はそう思っておりますが、なかなか農業団体あるいは農家等が、今、副大臣説明されたそういうことがしっかりまだ理解なかなかできていない。何かそういう理解ができるような方策を今後しっかり取っていただかなければいけないのではないかと、そのことをお願いをしておきたいと思います。
 次の質問に入りますが、ミカン類に大打撃を与えているカンキツグリーニング病、いわゆるCG病について伺います。
 奄美の与論島で発生したことを受けまして、私は去る五月三十日の農林水産委員会で取り上げさせていただいて、早急な対応を要請してまいりました。ミカン農家は今でもこのCG病に最大の危機感を実は募らせておりますので、再度質問させていただきます。
 与論島の感染経路はいまだに特定されていませんけれども、沖縄本島からの何らかの形で伝播されたと推測をするのでありますが、沖縄本島でのCG病の現状、被害状況、その対策等はどうなっているのか、まずお尋ねいたします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) カンキツグリーニング病、リベロバクター・アジアティカムという細菌による病害でございまして、果実が緑色のままで黄色くならないということから付けられた名前でございます。病気が進みますと果実や株全体が枯死するという恐ろしい病気でございます。
 先生御指摘のように、沖縄で発生が確認されまして、平成九年から特別対策を実施をいたしました。果樹等の綿密な調査、感染した木の処分、それから本病原菌の媒介昆虫でございますミカンキジラミの防除、こういう対策を実施しているところでございますし、平成九年の七月からは、本病菌とその媒介昆虫でございますミカンキジラミを移動禁止の対象有害動植物と指定をいたしました。また、かんきつ類の苗木を沖縄以外に移動するに当たっては、植物防疫所におきまして病気にかかっていないことを確認する検査というものを行っているところでございます。
 そして、最近におきます発生状況、沖縄県の発生状況でございます。平成十三年度で三十二の市町村で発生が確認をされておりまして、感染樹が百八十七本ということでございます。これも特別対策事業によりまして、調査、防除、沖縄からの移動規制を実施をしているところでございます。
○加治屋義人君 六月十八日から十日間にわたって、このカンキツグリーニング病に感染しているのかを検査をするために、大島本島、喜界島、そして徳之島、沖永良部、五百八十三点をサンプリングされて、植物検査場でこれらの遺伝子検定をされたと聞いております。九月中にはその検査結果が判明すると聞いておりますが、その結果は出たのでしょうか。もし出ておれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生おっしゃるとおり、奄美群島の四島で鹿児島県が調査を実施いたしまして、この病気の疑似症状というものを示した五百八十三本のかんきつ樹サンプルを採取いたしまして、植防と鹿児島県が精密検定を実施をしておるところでございます。現在、その結果を取りまとめ中ということでございます。いましばらくお待ちを願いたいというふうに思っております。
 この調査、実は六月から十月の間は奄美群島はかんきつ類の成長期に当たっておりまして、疑似症状を示している枝を健全な枝が覆い隠すということになっておりまして、本格的な調査を実施することが困難な状況でございまして、そういうこともございまして、現在のサンプルの検定結果も参考にしながら、本格的には秋以降に鹿児島県及び我が方の植物防疫所によりまして本格的な調査を実施する予定であるということは併せ申し上げます。
○加治屋義人君 五月三十日の私の質問で武部農林大臣が、発生源の解明、そして防除対策をとにかく万全を期したいと、こういう答弁をいただいているんですけれども、この十五年度の概算要求の中でどのように反映されようとしているのか、具体的に御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(野間赳君) カンキツグリーニング病は、かんきつ生産農家に大打撃を与えております病害であると認識をいたしております。このため、発生が確認をされました沖縄県におきまして、従来からかんきつ類についての感染の有無の綿密な調査と防除を行う事業、特定重要病害虫等特別防除対策事業を実施をしてきたところであります。一方、鹿児島県の調査によりまして、本年四月に与論島におきまして新たに本病の感染が発見をされまして、与論島以外の奄美群島におきましても本病の侵入が懸念をされております状況となっております。
 御指摘の平成十五年度予算要求におきましては、このような新たな事態に対処をするため発生が確認をされていない地域における調査等、必要な予算を要求をいたしておるところでございます。
○加治屋義人君 今、須賀田局長御答弁いただいたとおり、このCG病、ミカン農家にとって本当に最大の危機、こういう声を聞いておりますので、与論島から北上を絶対させない、そういう対策をしっかり取っていただかないと、もし北上するようなことであれば我が国のミカン農家は大打撃を受けると、そういう心配もしておりますので、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それから、武部大臣にお伺いをする予定でございましたけれども、もし副大臣で御答弁いただけるのであれば御答弁いただきたいと思うことがございます。
 武部大臣は、今年の七月から精力的に全国農林水産業の現場に既に五回にわたって訪問されて、生産に携わっておられる方々の声を行政に生かしていかれるという姿勢、私はこのことについては正直に敬意を表しております。先日も鹿児島県、宮崎県の牛農家、食肉センターなどを視察されたやに聞いております。その中で、特にBSE問題で揺れた一年後の今、この生産農家、食肉工場などの現場の現状はどうなのか、視察された感想をお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 大臣から直接の御答弁であればいいのでありますが、私ども、大臣からお聞きをいたしております御報告をここで答弁にさせていただきたいと思います。
 武部農林水産大臣は、九月十一日から十二日に掛けまして、鹿児島及び宮崎両県下の農林水産現場及び当省関係機関を視察をいたしました。畜産農家の視察先といたしましては、鹿児島県曽於郡大隅町で、肉用牛の繁殖肥育一貫経営を営まれております農家をお訪ねになられました。
 農家と大臣との会話におきまして、農家からは、特にBSEの影響につきまして、発生をしたときには元に戻るまでには五年ぐらい掛かるんではなかろうか、早くても三年ぐらいではないかと思っておりましたが、一年で価格も回復して安心をしておるという旨のお話があったと聞き及んでおります。武部大臣は、こうしたお話を聞けて大変に良かったと、こういうふうなことで、この一年間の政府の取組につきまして生産者の皆様方にも一定の御理解をいただけたのではないかと感想を持たれたと聞いております。
 また、一方で死亡牛の検査やトレーサビリティーの確立等、今後やるべきことが残っておりまして、食の安全と安心の確保のため、今後とも更に一層の努力が必要であると認識を新たにされたと承っております。
○加治屋義人君 私も先日、武部大臣と会って話をしたという生産農家とお話をいたしました。
 いわく、今お話ありましたとおり、当時、BSE発生での打撃の回復には三年、四年掛かると自分たちは思っていたけれども、一年たった今、子牛の価格も戻り肉の消費も戻った、実はほっとしていると。そういう中で、大臣を始め農水省、厚生省、関係者の皆様方に大変感謝をしていると、こう言われました。
 そして、いわく、これからの課題として、生産から消費までの流通の仕組みの確立をしっかりやってほしい、またBSEの原因究明に全力を尽くしてほしいと、こう言われます。このことについて御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 牛肉のトレーサビリティーシステムにつきましては、食卓から農場までの過程をしっかりつなぐことにより、消費者に対する情報提供、万一牛肉に事故が発生をした際、原因究明を容易にする仕組みでありまして、牛肉に対する消費者の信頼を回復をするため、その確立が重要なことであると考えております。
 このため、我が国で飼養されておりますすべての牛、約四百五十万頭になりますが、耳標を装着をいたしまして、個体情報を記録、管理をする家畜個体識別システムの確立に取り組みますとともに、個体情報を小売段階まで適正に伝達をする仕組みを確立するため、平成十四年度にはモデル事業を実施をしますほか、流通段階で義務付けを行う制度につきましては次期通常国会への提出を検討いたしているところであります。
 また、BSEの原因究明につきましては、これまでの五例に係る調査結果から、可能性が排除できない事項といたしまして、一九九八年六月以前にイタリアから日本へ輸出されました肉骨粉は加熱処理が不十分であった可能性を否定できないこと、関係する配合飼料工場の一部に牛用飼料への肉骨粉の混入の可能性を否定できない工場があること、五例に共通をして給与されていた飼料に同一の工場で生産をされた代用乳がありまして、その原料としてオランダ産の動物性油脂が使用されていたこと等が判明をいたしたところであります。
 これまでの調査結果につきましては、昨日開催をされましたBSEに関する検討委員会からおおむね妥当との評価をいただいたところでありますが、今後、更にこれらの事項につきまして、専門家により感染源となり得た可能性についての分析、評価をしていただくことといたしております。また、屠畜場におきます全頭検査や二十四か月齢以上の死亡牛の全頭検査等から得られる情報等の蓄積に努めまして、感染源の究明を推進をいたしてまいりたいと思っております。
○加治屋義人君 野間副大臣に武部大臣に伝言していただきたいと思いますが、武部大臣が進めている株式会社、農業参入には大変批判的だったけれどもBSEについては大変褒めていたと、そのことをお言付けいただければ有り難いと思います。
 少し早いですけれども、以上で質問を終わります。
○委員長(中原爽君) 他に御発言もないようですから、平成十一年度のうち、農林水産省、通商産業省、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門並びに平成十二年度のうち、農林水産省、経済産業省、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回の委員会は明二十六日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。
   午後四時四十五分散会